聖なる力で敵を蹴散らしていきたいと思います。 (テンペストランス)
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プロローグ

防振りと FGOのクロスオーバーを書こうと思い立ったから書いたという書きだめや細かい設定など全くない見切り発車でスタート
後から追加設定とかでてくるかもですがよろしくお願いします。


荒野の真ん中で1人の女性が剣や斧などをもつ男たちを相手にたたかっている。

 

その女性は美しい金髪に澄んだ青い瞳、銀のプレートアーマーに紺色のマントを身にまとっている。

手には旗を持ち、その先に着いた刃を槍のように使い相手を切り裂いていく。

囲まれているため男たちの攻撃はどんどん女性に当たるが、表示されているHPバーは少しずつしか減らない。

そして旗を振り回す彼女の頭の上には文字が浮かんでいる。

 

もちろんもしかしなくてもゲームの中の話である。

 

そしてそのキャラが映っている画面の前には苛立たしげな女性がいた。

 

ボサボサの長い黒髪にゲームのタイトルがプリントされたTシャツとジャージの短パン、銀縁の眼鏡の下にはクマのついた目が敵の突破口を探して光っていた。

 

モニターの前に座ってそのキャラを操作している彼女はガチャガチャとコントローラーを操作していたが画面の中のキャラが飛んできた炎に包まれHPバーがついに0となり、死亡ログが表示されるとコントローラーをベットに向けて思いっきり投げつけた。

 

「こっち1人なのに相手は遠距離攻撃が3人ってどうしろって言うんだよ!味方も味方であっさりトラップ踏むな!!」

 

怒りとともにそう叫ぶが彼女以外誰もいないのに答えが返ってくるはず無い。返ってきたらむしろホラーである。

そうして叫び声は部屋中にむなしく響いて消えていった。

 

彼女は投げつけたコントローラーを拾い怒りのままにログアウトして別のゲームの準備を始める。

 

彼女の名前は沙条 咲良(さじょう さくら)

ゲームをこよなく愛する大学一年生である。

 

大学に行く時間とバイトの時間以外はほとんどゲームをしているか寝ているという少し依存症気味の彼女は最近VRMMOというジャンルのゲームにハマっていた。

 

電脳世界のダイブして実際に体を動かすようにして操作するという時代の最先端をいくゲームシステムである。

 

咲良も初めてプレイした時には思わずかがくのちからってすげー!と叫んでしまったほどだ。

 

そして咲良はハードの準備を終えると、『NewWorld Online』という最近ハマっているゲームの世界にダイブする。

 

次に目を開けるとそこはすでに少し見慣れた城下町の広場だった。

 

咲良の髪は金色に変わり、目も青色に変色している。

そしてさっきまでプレイしていたゲームの中のキャラと同じような銀のプレートアーマーに紺のマントを着ている。

 

そして今日することを考えながら街を歩き出した。




主人公のNew World Onlineでの名前と本名はFate関連キャラから取りました(漢字は変えました)
ゲーム内の主人公の容姿はまんまFGOのジャンヌです


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聖女と出会い

1話あたりの文字数はかなり少ないですがその分更新頻度を上げて行けたらなぁと思ってます。


そうして何をするか考えながら歩いていると見知った顔が立ち止まっているのを見かけた。

 

「クロムじゃん、何してんの?」

「げっ、レティシアか……」

「げっとはなんだ」

 

彼の名はクロム、簡単に言えばゴツい大盾使いである。

実際には彼はこのゲームでもかなりの上位に食い込むほどのトッププレイヤーなのだが、そんなことを知らない咲良ことレティシアの中ではゴツい大盾使い以外の印象はなかった。

 

「で、こんなとこでつっ立ってなにしてんの?」

「いやそれはだな……」

 

と、クロムが説明をしようとしたときにレティシアは見た。

見てしまった。

 

クロムの後ろにいる小さい少女の姿を

 

少女は見るからに初期装備であり、手には大盾を持っている。

クロムの体格も相まって余計小さく見える少女はゴツいクロムとはかなりミスマッチだった。

というかレティシアには初心者の少女をだます誘拐現場にしか見えなかった。

 

何も言わずに素早く通報ボタンのウインドウを出したところでクロムが慌てて止める。

 

「待て待て待て!静かに通報しようとするな!」

「クロム……そんなことをするやつだったとは……」

「何で俺が悪いことしてるみたいになってんの?!」

「なんと言おうと誘拐はだめ。相手が初心者の分さらにたちが悪い」

「ちげえよ!お前の中で俺はどういう印象なんだ?!この子がかっこいい大盾が欲しいって言ってるからイズの所に連れていってやるだけだよ!」

 

そんなことを騒いでいると誘拐されかけている少女がレティシアに話しかけてきた。

 

「えっと、私からお願いしたので誘拐ではないですよ」

「それならいいんだけど君もこんなむさ苦しいやつにホイホイ着いていっちゃダメよ?」

「むさ苦しくて悪かったな」

 

全然むさ苦しくなんかないですよ!と必死のフォローをする少女を見ながら自分の装備もそろそろメンテナンスをしなければいけないことを思い出す。

 

「そろそろ装備のメンテしないとだし私も行くわ」

「こんなむさ苦しいのと一緒でいいのか?」

「悪かったって、もう言わないから」

 

と言うことで一緒にイズの店まで行く途中にまだ少女の名前を聞いていないことに気づく。

 

「まだ名前聞いてなかったね。私の名前はレティシア、クロムの友人みたいなもんよ」

「私はメイプルです!よろしくお願いします」

「友人……?」

 

友人にしては扱いが酷くないか?と疑問を感じているクロムを尻目に3人はイズの店にたどり着いた。

 

そして店の中でイズにまで不審者扱いをされてクロムはゴツい容姿について少し真剣に悩むこととなった……。




クロム踏んだり蹴ったり回でした


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聖女とレベル上げ

はやくイベントの話を書きたいしほかのFGOキャラも出したい


「やっほー、昨日ぶりだね」

「レティシアさん!こんにちはー」

「もう夕方だけどね、しかし1日でえらい強くなったね……」

 

昨日イズの店で別れてから次の日も噴水前で出会ったレティシアとメイプル。

しかし昨日の初心者装備のメイプルはどこへ行ったのか、今日のメイプルはかなり存在感を放つ見るからに強そうな装備を身にまとっていた。

 

「メイプルは今日何する予定なの?」

「今日はイベントに向けてレベル上げとスキルの発掘に行きます!」

「あーイベントねー、なにせ限定アイテムだもんねー」

「限定ですからねー」

 

メイプルもレティシアも、限定の二文字にすごく弱いタイプの人間だった。

 

「じゃあ私も一緒に行っていい?」

「もちろんです!レティシアさんがいてくれると心強いです!」

「もうメイプルに勝てない可能性あるけどね」

 

そんなことを話しながらてくてくと2人北の森へと歩いて行く。

2人ともAGIがかなり低いためとてもゆっくりとした速度だったが、なんとか北の森にたどり着いた。

 

「じゃあ一時解散ということで」

「はい!お互い頑張りしょう!」

 

そうして北の森で別れたものの、前からやっているため基本的なスキルは取り尽くしてしまっているレティシア

 

「まーとりあえずレベル上げでもするかな」

 

あげて損は無いしね、とつぶやきながら旗の先端に刃物がついているという形状の槍を構え、スキルを発動する。

 

「【挑発】!」

 

レティシアの体から円形に光が放たれると同時に、3匹のゴブリンと5,6匹の爆発テントウがレティシアめがけてやってくる。

その姿が遠いうちにレティシアはすかさず次のスキルを発動する。

 

「……【啓示】」

 

そのスキルが発動すると同時に敵からレティシアに向けて赤い光が線となってレティシアの視界にうつる。

その赤い線を見ながら素早い爆発テントウを注視する。

そして爆発テントウが間合いに入ると同時に槍を横に薙いだ。

刃に切り裂かれ4匹が倒れるものの、2匹は接近を許してしまう。

そして体に当たると同時に大爆発を引き起こす、が爆発の真ん中でレティシアは涼しい顔をして立っていた。

 

「最近だいぶダメージを抑えられるようになったなー」

 

そんなことをつぶやきながらモンスターを見つけては槍で牽制しながら切り裂いていく。

 

『レベルが33に上がりました』

 

「おっ、上がった上がった」

 

スキルは無しか、と少しがっかりしながらふとメイプルと別れてからかなり時間が経っている事に気づく。

いくら強い装備を手に入れているとはいえ、始めたての初心者である。

少し心配になってきたためメイプルを探すためにに歩き出した。




オリジナルスキル紹介

【啓示】

使用すると30秒間モンスターの攻撃が赤い光となって目に映る。
相手がプレイヤーの場合、スキルを使用した攻撃のみ赤い光として目に映る。
使用後1分間使用不可


スター獲得とはいかなかったためFGOの方ではなくFate本来の啓示に寄せる感じに
書いてからカスミの心眼とかぶっていることに気づいた


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聖女とイベント前

なんか奇跡的に毎日投稿できてる……


「メイプルー、どこー?」

 

メイプルを探し出してしばらく経ったがメイプルは影も形も見えない。

 

「こりゃ森の奥の方に行っちゃってるかもなぁ……」

 

と思い森の奥深くに向かおうとした矢先に小さくだが確かに悲鳴が聞こえてきた。

 

「おっとこれはかなりまずい感じか?!」

 

メイプルー!と大声で呼びかけながら悲鳴の聞こえた方向に走って行くと、そこには人の形をしたモンスターの塊があった。

しかも中からはメイプルの悲鳴が聞こえてくるし、よく見ればメイプルの物らしき手と短刀が見える。

 

「………何事?」

 

しかし悩んでいても仕方ない為、メイプルと思われる何かのまわりのモンスターを減らしていく

ほとんど片付いたあたりで涙目のメイプルが飛び出してレティシアに抱きついてきた

 

「レティシアさーん!ありがとうございますー!気がついたら囲まれてるし短刀で攻撃してもなかなか倒れてくれないし気持ち悪いし!」

「わかった!わかったから抱きつかないで!まだモンスター残ってるから!私ダメージ受けてるから!」

 

メイプルが抱きついている間は2人は好き放題攻撃されていたため、この2人以外が同じ事をすれば2人そろって死んでしまっていただろう

 

「うぅ……ひどい目に遭いました……」

「むしろ何したらそういう事態になるのよ……」

 

そうして2人は今日のメイプルの謎行動について話しながら帰路についた

 

 

 

 

そうして時は流れ第一回イベント当日

最初の広場に参加者が続々集まってくる中、緊張した顔つきの大盾使いの後ろから静かに近づくレティシア

そして無防備なそのでかい背中を思いっきりたたいた。

 

「緊張してるねークロムさんや」

「うおっ!?なんだレティシアか」

「なんだとは何だ」

 

もちろんクロムである、ちなみにメイプルも探したが見つからなかった

 

「ついにイベ当日だねー」

「そうだな、対人戦とかほとんどやってないから緊張するわ」

「まあ大盾にけんか売るのめんどくさいからねー、無駄に堅いし」

「俺以上に無駄に堅い人に言われたくないな」

「無駄って言うな」

「レティシアが先に言ったんだろ」

 

と無駄話をしているとアナウンスが大きな声でイベントがもうすぐ始まることを告げた。

 

「いよいよかー、向こうであったら敵同士だからね」

「お前とやるとぐだぐだになるから会いたくないな」

「すごい時間かかりそうだよね」

「耐久戦になるからな、しかもお互い回復持ち」

「最悪のカードだね」

 

そうこうしてる間にカウントダウンが始まる

 

「じゃあまた、頑張ってねー」

「そっちもな」

 

そんな会話を後に2人は光に包まれて転移していった




そろそろステータス公開だし設定を固めなくては


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聖女と第一回イベント その1

スキルの調整が上手くいかない……
もしかしたら運営(という名の私)が調整入れるかもです


次に目に映ったのは広くて何も無い荒野だった

視界はかなり開けており、何人ものプレイヤーの姿が見える

 

「悪くないスタート位置かな」

 

そんなことを考えているそばから2人のプレイヤーがレティシアに近づいてくる

レティシアを間に挟んで少しにらみ合っていたが先にレティシアを片づけるという判断に至ったのか2人同時に襲いかかってくる

 

「判断が遅いよ……【啓示】【ルーン魔術・雷】!」

 

その時レティシアの槍の先端の周りの空間に文字のような物が現れる

槍の先端の文字が光り輝き、そこから雷が迸り大剣を持っている方のプレイヤーに直撃する

 

その隙を見てもう片方のプレイヤーが斧を振りかぶり攻撃してくるがそれを斧から出る赤い光を見ながら紙一重で避ける

そして驚いている相手に向かって追加でスキルを発動する

 

「【ファイアランス】!」

 

そのスキル発動と同時に槍の穂先が燃え上がり、貫いた相手を燃やし出す。

そうして相手達はそんなに時間がたたないうちにレティシアのポイントとなって消えていった

 

「【啓示】を使ってなかったらめんどくさかったかもなぁ」

 

そんなことを呟きながら次の相手を探して1番近くにいる相手に向かって走り出した

 

……AGIの関係上そこまで早くないのだが

 

 

プレイヤーたちがイベントで盛り上がっている中、現実世界の一室ではゲームの運営するもの達がイベントの様子を見守っていた

 

「今のところ特に問題はないな」

「ああ、順位はどんな感じだ?」

「まあ高レベルガチ勢の奴らがならんでるよ」

「まあそうだろうな、ちょっと見せてくれ」

「ペイン、ドレッド、ミィ、ドラグ……まあ妥当ですね」

「このレティシアって誰だ?」

「ん?レティシアは槍使いなのにVITにかなり振ってるよくわからないエンジョイ勢ですよ?」

「でも今8位だぞ?」

「え?」

 

運営のみ見れるランキングの8位には堂々とレティシアという文字が載っていた

 

「なんで?こいつ槍使いに必要な火力と素早さ両方持ってないんだぞ?」

「槍が耐久振っても大した防御力にならないしな」

「ちょっとステータス出してくれ」

「了解」

 

その言葉とともにスクリーンにレティシアのステータスが大きく表示される

 

レティシア

 

Lv33

 

HP 32(+30) MP 22(+15)

 

STR   50

VIT   100(+30)

AGI   15(+10)

DEX   15

INT   15(+15)

 

神の御旗   

聖なるマント 【INT+15】

聖なる鎧   【VIT+30】

聖なるブーツ 【AGI+10】

聖銀の指輪  【HP+30】

ルーンの護石 【MP+15】

 

【挑発】【槍の心得Ⅴ】【刺突Ⅲ】【ファイアランスII】【啓示】【聖人】【真名看破】【神明裁決】【対魔力】【聖なる加護】【我が旗はここに】【紅蓮の聖女】【戦闘続行】【ルーン魔術Ⅱ】

 

 

 

【挑発】

 

周囲のモンスターを自分に引き寄せる

 

【槍の心得Ⅴ】

 

槍によるダメージが5%上昇する

 

【刺突Ⅲ】

 

槍を鋭く突いて攻撃する

 

【ファイアランスII】

 

槍の穂先に炎を纏わせ相手を突く

MP3使用

 

【啓示】

 

使用すると30秒間モンスターの攻撃が赤い光となって目に映る。

相手がプレイヤーの場合、スキルを使用した攻撃のみ赤い光として目に映る。

使用後1分間使用不可

 

【聖人】

 

HPを3秒毎に1回復

 

【真名看破】

 

30秒間対象1人の攻撃力を10%下げる

使用後1分間使用不可

 

【神明裁決】

 

周囲10m以内の敵すべてに麻痺状態を付与(30秒)

使用後麻痺した対象の数×30秒間使用不可

 

【対魔力】

 

属性を持つ攻撃に対して自らのVITを2倍にする

 

【聖なる加護】

 

物理攻撃に対して自らのVITを2倍にする

 

【我が旗はここに】

 

自らを含むパーティメンバー全てに

・1回だけ敵の攻撃を無効化する

・毎秒HPを1回復(15秒)

・自分のVITを2倍にする(30秒)

を付与する

1日に使用制限5回

一度使用すると30分使用不可

 

【紅蓮の聖女】

 

自らを中心に自爆。自らを除く周囲15m以内にいるすべてに大ダメージ、使用者のHPを0にする

 

【戦闘続行】

 

HPが0になった時に1日に1度だけHP 1で生き残ることができる

 

【ルーン魔術II】

 

【ルーン魔術・炎】【ルーン魔術・風】【ルーン魔術・雷】【ルーン魔術・氷】の4つのルーン魔術が使用可能となる

MP5使用

 

 

 

『ええ…………』

 

と運営陣の声が重なる

 

「ガッチガチに防御固めてるな……」

「変な振り方をしてるエンジョイ勢だと思ってましたがこれは……」

「相手すると相当めんどくさいなこれ……」

「というか『紅蓮の聖女』持ってるじゃないですかこいつ」

「……このスキル入手条件なんだっけ」

「……『祈りの聖堂』で合計50時間の祈りを捧げる、です」

「多少のヒントはあるとはいえやる奴がいるわけないと思って作ったネタスキルだよな……」

「この防御力があってさらに戦闘続行持ちとなると紅蓮の聖女も実用レベルになるんじゃ……」

『………………』

「ま、まぁいくらVIT上げるスキルがあるとはいえ大盾じゃなくて槍使いだからな」

「ですね、強力な攻撃には耐えれませんよね」

「あぁ……多分」

「そうですね……多分」

「ん?また1人ランキング上がってきたな」

「そうですね、えーっと……メイプル?」

「これも聞かない名前ですね」

「こいつもステータス出してくれ」

「了解です」

 

そうしてレティシアにばかり構ってられないと運営は他のプレイヤーやイベントの状況の把握に戻っていった……




神明裁決が強すぎる感があるんですよね……


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聖女と第一回イベント その2

Q なんでジャンヌにしたの?
A ジャンヌオルタって……かわいいよね


レティシアが荒地で目に入ったプレイヤーを片端から倒していたら森が近くに見えてきた

 

「森かぁ、槍が引っかかりそうで嫌だなぁ」

 

そう思ったものの見かけたプレイヤーは全員倒したため、レティシアが歩いてきた荒地の方向のプレイヤーの数は少ないだろう

引き返して逆の方向に行くのもAGIが低いレティシアではかなりのタイムロスになってしまう

現在8位だということを全く知らないレティシアは今50位くらいかなー程度に考えていた

 

仕方ないと決意を固めたときに運営からアナウンスが入った

 

『現在の一位はペインさん、二位はドレッドさん、三位はメイプルさんです!これから一時間上位三名を倒した際、得点の三割が譲渡されます!三人の位置はマップに表示されています!それでは最後まで頑張って下さい!』

 

「えっメイプル三位なの?ちょっと強くなりすぎじゃない?」

 

つい最近まで初心者だったメイプルの躍進に震えつつマップを確認する

 

「ん?めっちゃ近くない?というかすぐそこにいない?」

 

マップにはレティシアのすぐそばに『ドレッド』の文字が表示されていた

 

「ドレッド……どんな人だっけ……」

 

ドレッドもNWOではかなり有名なトッププレイヤーなのだが、強いプレイヤーとかをほとんど意識していないレティシアは詳しく覚えていなかった

 

「これは行くしかないなー、まぁ負けたら負けた時考えればいいか」

 

と、思い出すことを放棄してレティシアはドレッドのいる方向へ走っていった

 

 

「くっそー2位だからってマップ表示とかしなくていいだろめんどくせーなー」

 

とぼやきながらドレッドはマップを見て近寄ってきたプレイヤーを倒していく

マップに現在地が表示されても、それによってすぐに倒されてしまうようなプレイヤーならば始めから2位に登り詰めていないのだ

 

その時ドレッドの後ろから足音が聞こえた

 

「ちっ、またか」

 

少々うんざりとしながら振り向いた先には、紺のマントに身を包む旗を持った女性がいた……

 

 

「あっ、いたいた」

 

しばらく走るとレティシアは周りの敵をダガーで切り裂いて倒していくドレッドを見つけた

 

「あーそうだそうだ短剣使いの人だ」

 

と、遅すぎる情報を思い出しながらどうやって戦うか考える

 

(短剣使いならAGIに相当振ってるだろうし確かかなり速かったはず、槍で戦っても当たらないかもなぁ……………なら)

 

「【ルーン魔術・風】!」

 

そのスキル発動と同時に槍の穂先にルーン文字が現れる

一拍ほど後にルーン文字が光り輝き、そこから淡い白色の斬撃が2発放たれる

レティシアを中心とした弧になるように少しずつ大きくなりながらドレッドに迫る

 

「こんなのが当たるかよ」

 

しかしドレッドは簡単に斬撃をかわしてレティシアとの距離を詰めていく

 

「いや速っ!」

「そりゃどうも」

 

そんなことを言いながらドレッドはレティシアの体を切り裂く

いくらメインはAGIとはいえ、STRにもかなりのポイントを振っているドレッドである

槍使いが相手であることも相まってまず倒せたと考えた

実際普通の槍使いならドレッドの攻撃を受けて耐えていられるのは少ないだろう

耐えていても確定耐えスキルなどを使わせているはずである

しかしレティシアはその「普通」の範疇からはかなり逸脱したプレイヤーだった

 

「うっわかなり削られるなぁ」

「……ん?」

 

倒したと思った次の瞬間にドレッドが見たのはピンピンしているレティシアとこちらに突き出される槍の穂先だった

 

「なっ!?」

「えーこれよけるのー……」

 

不意を突かれたものの、持ち前の速度で槍をかわして即座に反撃してレティシアから離れていく

しかしレティシアに焦った様子は感じられない

 

「うーん痛い、ちょっとやばいか?」

 

そんなことを呟いているレティシアを見てドレッドは少し逃亡も視野に入れ始める

 

(こいつ相当硬いな……削り切れるかわからんし回復も持ってそうだな、引いた方がいいか?)

 

と撤退を視野に入れつつ攻撃を仕掛けてくるドレッドに対してレティシアはいつもと変わらぬ調子でスキルを使おうとする

その瞬間、ドレッドの直感が離れろと警鐘を鳴らす

ドレッドは常に自分の感を信じて戦ってきた

その感が近づいたらやばいと告げているのである

 

「っ!」

 

即座に後ろに飛び退くと同時にマップのドレッドを見てきたのか2、3人のプレイヤーが飛び出して来た

そしてレティシアとドレッドの両方に襲い掛かるプレイヤーを尻目にレティシアはスキルを発動する

 

「【神明裁決】!」

 

その言葉と同時にレティシアの背中が赤く光り、飛び出してきたプレイヤーが全員倒れる

しかし飛び退いて離れたドレッドは無事だった

 

「範囲麻痺持ちか……これは本格的に面倒だな」

 

これ以上の戦闘は時間の無駄だと判断したのか、ドレッドは走って離れて行った

 

「あっ、逃げるなー!」

 

そう叫ぶものの逃げるなと言われて止まるやつはいない

そのまますぐにレティシアはドレッドを見失ってしまった……

 

「逃げられたかぁ……まあ倒せればラッキーくらいの気持ちだったし」

 

と、神明裁決で麻痺しているプレイヤーをザクザク刺しながらレティシアはドレッドを諦めて他のプレイヤーの捜索に戻って行った……




前回の話のアンケートをみたところ弱いと普通が半々くらいでした
少し弱めに調整しすぎたかなー


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聖女と一層攻略

こういうイベントもFGOキャラの登場予定もない合間合間が1番書くのに苦労するかもしれない


「イベントおつかれー、いや~なかなか楽しかったね~」

「おう、そうだな」

 

イベントの翌日、レティシアとクロムは噴水の前でイベントの感想を話し合っていた

 

「いやー結構がんばったし8位は嬉しいわ」

「まさか負けるとは思ってなかった……」

「私はクロムに勝てたことよりメイプルにぼろ負けしたことの方がびっくりだけどね」

「つい数日前まで初心者だったのにな」

「まったくだね、ところでクロムさん」

「なんだ?」

「二層行きました?」

「いや、まだだ。1人で行けるとも思わんしメンバーを探してるとこだな」

「それならさ、一緒に行かない?イズも連れて3人で行こうよ」

「タンク系2人と後方支援1人で勝てるのか……?」

「私はタンク系じゃないけど」

 

そんなことを話しながらイズの店に行くと、イズも二層に行きたかったようでふたつ返事で了承した

そうして3人は二層へ進むためのダンジョンへと向かった……

 

 

 

 

「全員足遅すぎない?」

「パーティなら1番遅いのに合わせるし別にいいだろ」

「ここまで鈍足なパーティも珍しい気がするわね……」

 

 

二層へ向かうためのダンジョンでは突進してくる猪や斬撃を飛ばしてくる熊などがいたが、クロムとレティシアの高い防御力の前には有効打を持たなかった

そのため3人はあまり苦労せずにボス部屋までたどり着くことができた

 

「意外となんとかなるね」

「ここまではな、問題はボスだ」

 

扉を開けて部屋に進むと、林檎のなっている大樹がある部屋に進む

そして扉が閉まると同時に大樹が動き出し、角が樹でできた大鹿と変形していく

 

「来るぞ!」

 

クロムの掛け声と同時に大鹿の足元に魔法陣が出現する

そして地面から出現した蔓が3人に殺到する

 

「【挑発】!」

 

しかしその蔓は全てクロムに引き寄せられていく

クロムは大盾を器用に使い、蔓を防いでいく

それと同時にレティシアは大鹿に向けて走り出していた

 

「ナイスクロム!行くよ!【ルーン魔術・炎】!」

 

レティシアもスキルで魔法を使用し、大鹿に向けて2発の火炎弾を飛ばす

しかしその火炎弾は大鹿に当たる前に緑色の障壁に阻まれて消えて行った

 

「えっ?なんで?魔法消えた?」

「おいレティシア!後ろから来てるぞ!」

「っ!おっと危ない。クロムありがとー!」

「礼を言う暇があるなら攻略法考えてくれ!」

「考えてるよ!思いつかないだけで!」

 

そんなことを言いつつレティシアは大鹿に向けて槍を払うが、またもや大鹿に当たる直前で障壁に阻まれてしまう

 

「レティシア!角の林檎よ!多分そこが障壁の起点になってるわ!」

 

観察を続けていたイズが気づいたことをレティシアに叫ぶと同時に、自らも林檎に向けて爆弾を投げつける

 

「ナイスイズ!【ルーン魔術・風】!」

 

レティシアもイズに続いて角に向けて攻撃をする

しばらく攻撃を続けていると角が破壊されて障壁が消滅する

 

「角壊れたぞ!」

「了解!行くよ!【ファイアランス】!」

 

レティシアによる槍の乱撃とイズの爆弾によって大鹿のHPはゴリゴリと削れて行く

しかしあと少しのタイミングで大鹿の足元に大きな魔法陣が出現し、大鹿のHPが2割ほど回復する

 

「回復したなら終わりは近いぞ!」

 

クロムはそう叫ぶものの大鹿もそう簡単にやられてはくれない

太くなった蔓や風の刃で攻撃を仕掛けるものの、クロムが【挑発】によって引き付けて大盾で防いでいるためダメージにはつながらない

しかしその時3人の足元の地面が盛り上がり、弾けるように攻撃してくる

 

「おっと!」

「危ない!」

「ぐうっ?!」

 

レティシアとイズはギリギリ避けれたものの、蔓や風の刃に気を取られていたクロムは避けきれずに直撃してしまう

死んでしまうことはなかったもののスタンがついており、放置すれば死んでしまうのは明らかだった

 

「レティシア!すぐに片付けれる?」

「大鹿削りきるよりクロムがやられる方が早いと思う!」

「私も蔓から逃げながらだと回復できないわ!」

 

クロムの【挑発】の効果がなくなってしまったため、レティシアとイズの2人にも蔓や風の刃が飛んでくる

レティシアは持ち前の防御力でなんとか防いでいるものの、生産職のイズはせめてもの抵抗に爆弾を投げつけながら逃げ回るしかない

その間にもクロムのHPはどんどん削られてしまう

 

「……使うしかないか」

 

そう思ったレティシアは一旦下がり、手に持つ旗を地面に立てる

そして切り札の1つであるスキルの発動を宣言する

 

「………【我が旗はここに】!」

 

そのスキル発動と同時にレティシアを中心に神々しい光がさしてきて、3人を包み込む

それと同時にクロムとレティシアのHPがぐんぐん回復し始めるのがイズにも確認できた

よく見ると受けているダメージも激減している

 

「このペースなら多分クロムは大丈夫よ!」

「了解!【ルーン魔術・炎】!」

 

クロムの心配がなくなったレティシアは再び大鹿に接近して連続して攻撃を加え始める

今まではある程度避けていた相手の大鹿の攻撃も無視しているが、HPの減りは少ない

そして大鹿のHPはみるみる減っていく

 

「これで終わり!【ファイアランス】!」

 

レティシアの炎を纏った槍が大鹿に突き刺さり、大鹿は大きな叫び声を上げながら光となって消えていく

 

「よっしゃ!やったねイズ!」

「ええ、レティシアもお疲れ様」

 

そうして2人で喜んでいるとスタンが解けたクロムがようやく飛び起きる

しかし大鹿が消えておりしばらく状況が把握出来ずに困惑していた……




前回のアンケートはまさかの3ついっちまえが圧倒的に一位
それに伴いスキル説明を入れたイベントその1の話を少し修正します
これレティシア結構強くなりそうだな……
まあ全員これからどんどん強くなるんですけどね!(予定)


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聖女と荒れた聖堂

レクイエムコラボに夢中になってたらこんなに遅くなってしまいました


第二回イベント開催が決定した翌日、レティシアは一層の街からかなり外れた位置にある「祈りの聖堂」と呼ばれる場所に向かっていた

 

「『紅蓮の聖女』取った後イベントフラグっぽい会話とかはなくなっちゃったけど二層追加で何かあるかもなー」

 

レティシアは以前「祈りの聖堂」でその場にいたNPCの話を聞いて、聖堂で50時間以上祈りを捧げると言う運営の冗談じみた条件をクリアした結果強力なスキルをいくつか入手した

その後NPCの会話は当たり障りのないものとなってしまったがまだ何かあるのではないかとレティシアはにらんでいた

 

そうしてレティシアは祈りの聖堂に到着した

半分寝てるみたいに祈り倒したなぁ……と軽く遠い目をしながら中に入っていく

中には木の長いすがいくつか並んでおり、真ん中には祈りを捧げるための場所がある

両脇には天使の像があり、一番手前の長いすにはシスターが1人座っていた

 

「ん~ぱっと見変ってないな」

 

シスターに話しかけてみても前回と変らない当たり障りのない答えが返ってくるだけである

それでも何か無いかとレティシアは聖堂内をくまなく探す

すると右側の天使像がなにやら黒い球を手に持っているのを見つけた

 

「あっ、これは無かった気がする」

 

そう思いその黒い球にレティシアが触れると同時に聖堂の内部が燃えるような赤色に輝きだす

あたりだ、と笑いながらレティシアは聖堂からその姿を消した。

 

 

転移した先は荒れ果てた聖堂の中だった

木製の椅子は焦げて中には完全に炭化しているものもある

天使像も真ん中で折れて胸より上が無く、シスターが元々いた場所には誰のものかもわからないが骨が散らばっていた

 

「……なんか想像と違うな」

 

レティシアは元々名前に聖女とつくスキルが手に入った場所だったこともあり、また防御系か回復系のスキルが貰えると思っていたが、この感じではそういうわけでもなさそうである

そして聖堂から出ると、所々地面が燃えている街のようなところに1人の女性が立っていた

その姿はレティシアとよく似ていたが、身にまとう装備は真っ黒で聖なる雰囲気はまるでなかった。

髪は銀色で肌は病的なまでに白い

そしてその女性はどういうクエストか分からず戸惑っているレティシアを見据えて口を開いた

 

「聖女か……いけすかないのが来たわね」

「ん?」

 

突然喧嘩を売られて思わずやるか?と聞き返しそうになったのを堪えていると相手は鋭く指笛を吹いた

すると風切り音が響き渡り、空が突然暗くなる

思わずレティシアが空を見上げるとそこには巨大な黒竜の姿があった

 

「ええ……何あれでっか……」

「私はあなたみたいなのに付き合う暇はないの、その子とでも戯れてなさい」

「え?」

 

そんなことを言ってその女性はふっと姿を消してしまった

後には困惑するレティシアと地面に降り立とうとしている黒竜のみ

 

「なんなのあいつ……」

 

困惑している間にクエストのウィンドウが表示される

 

「んーっと……『悪竜現象(ファヴニール)』?本気でこのデカイドラゴン倒さないとなのか……」

 

凄まじく面倒くさいが元々スキルを求めてここまで来たのである

多少の苦労は覚悟の上だ

あれだけ大きなドラゴンを倒すクエストならば相当強いスキルをもらえるだろうという予想もあったため、レティシアは旗を握りしめる

 

「よっしゃいくぞ!」

 

その掛け声とともにクエストを受けるボタンを押した




ではラスベガス周回してきます


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聖女と黒竜

とんでもなく遅れてすみません!(スライディング土下座)

リアルが忙しくて書けずにいると気がつけばこんなの遅れてしまいました
書きたい小説が多すぎて書いては別のやつに行きを繰り返していたのも原因です

今後もこれくらい、もしくはこれ以上遅れることがこれからもあるかもです
出来る限りエタらないように更新は続けていこうと思ってますので気長に待っていただけると幸いです……

待ってくださっていた皆さま、すみませんでした!(2回目)


レティシアが構えると同時に黒竜(ファヴニール)は大きく咆哮して地面に降り立つ

レティシアの何倍もあろうかというその巨体からは凄まじい威圧感が押し寄せてくる

 

「『ルーン魔術・雷』!」

 

先に動いたのはレティシアだった

槍の穂先から雷撃が黒竜に向けて飛び、黒竜を穿つものの黒竜のHPバーは数ミリしか減らない

 

お返しだと言わんばかりに黒竜は漆黒のブレスを放つ

何もかもを消し飛ばす勢いで放たれたブレスを受けてもレティシアは平然としていた

 

「これ耐えれなかったら勝ち目ないからな……でもこっち側のジリ貧だなぁ」

 

レティシアの火力では黒竜に対しての有効打は存在しないが、レティシアの圧倒的な防御力の前には黒竜側にも打点が存在しない

しかしレティシアはダメージを大幅軽減してその後回復することで耐えているだけで、メイプルのように無効化しているわけではない

時間をかけた場合不利になるのはレティシアなのだ

 

しかしダメージがないわけではないため、レティシアは黒竜に攻撃を続ける

現状有効打がないにしても、考えている間ダメージを稼がない手はないのだ

 

するとチクチクとした攻撃に怒ったのか黒竜が大きく咆吼して接近してくる

行動パターンの変化を待っていたレティシアにとっては嬉しい誤算である

ここで隙が見つかれば、と思っているレティシアに黒竜は大きく口を開けて迫ってくる

そしてそのまま飛び込むようにしてレティシアを食べるように口が迫ってくる

 

「……え?食べる気?」

 

黒竜の想定外の攻撃方法に思わず一瞬思考停止してしまう

そしてそれは戦闘においては大きすぎる隙だった

 

「ちょっ、待っ……」

 

もちろんそんな願いは届かず、レティシア黒竜に飲み込まれてしまった

 

 

レティシアは黒竜に飲み込まれてから絶え間なくダメージを受けながら狭い管のようなところを進んでいた

 

そしてそのまま少し広い場所に着くと同時にその部屋の壁から毒々しい色の液体が流れ出してくる

 

普通の槍使いなら3回は死んでいるような大ダメージだが、レティシアは持ち前の高耐久でギリギリ耐えることができていた

 

「【我が旗はここに】!」

 

HPがなくなるギリギリなところでスキルを使い延命するものの、時間は稼げて30秒ほどだ

しかし30秒の間死ぬ心配がなくなるなら、もう一つの切り札を発動するだけの時間は十分に稼げる

レティシア自身も使ったことがないためどうなるかわからないスキル

対人戦もほとんどせず、強力なモンスターと戦う場面も少なかったレティシアには、周り全てを飲み込む自爆スキルなんて使うタイミングが無かったのだった

しかし何もしなければ負けてしまうこの状況でレティシアはこのスキルに全てをかけていた

 

「………【紅蓮の聖女】!!」

 

その言葉と同時にレティシアの全身が燃え始める

そしてその炎は、まるで剣のような形へと変化していく

全身を炎に巻かれながらレティシアはゆっくりと目を閉じる

 

そして次の瞬間、黒竜の中心から大爆発が巻き起こる

それは何もかもを飲み込み、消しとばしていった………

 

 

 

 

「……こんなに火力高いのか……」

 

黒竜の影も形も無くなった場所で、レティシアは回復ポーションを飲みながら呟いていた

 

【紅蓮の聖女】が全て消しとばした中、レティシアは【戦闘続行】が働き、HP 1で倒れていた

 

あまりの火力の高さにレティシア自身も放心していたのだ

しかし気づけば黒竜は見る影もなく吹き飛び、事実上レティシアの勝利となっていた

 

HPを回復しているとクエストクリアの表示が出る

そこには『悪竜現象(ファヴニール)』をクリアしたという文字とともに新スキルの取得が表示されていた

 

「【竜の魔女】?効果は……おー!面白い!」

 

強敵の撃破と強力スキルの入手、その結果にホクホクのレティシアは立ち上がり荒廃したその場を後にした……

 

「そういえば最初にいた女の人は誰なんだろう……」




今回の話(と、前回の話)は結構構成に迷って書きづらかったですね
初っ端からオルタ関連スキル全取得は急だしもったいない気がして今回は黒竜戦のみという結果に

最初にいた黒い衣装の女性、一体何ヌオルタなんだ……


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聖女と第二回イベント前

確かに私は最初は毎日投稿していた
しかしそれは序盤も序盤で書くことを全て決めていてそれを文字に起こすだけだったんだ……
そしていま、内容を考えて書いて修正して‥…ということをするには平均して二週間かかるのだ!



はい、遅れてすみませんでした
でもさっき言ったとおりこのくらいの頻度が私の限界です
たまに筆がのって早く書けるとかもあるかもしれませんが気長に待っていただけたら……


第一回イベントから月日が流れはやくも第二回イベント当日

 

レティシアは第二層の街で1人の大楯使いと共にいた

そばには青色が特徴の短剣使いもいる

 

もちろんメイプルとサリーである

 

「お久しぶりですレティシアさん!こっちが前に話したこのゲームに誘って来た友達のサリーです!サリー、この人がレティシアさん」

「よろしくお願いします、レティシアさん」

「よろしくね」

 

イベント前のピリピリした雰囲気に似合わない緩い空気がこの場にのみ流れていた

 

「じゃあ今回メイプルはサリーと2人で参加ってわけね」

「はい!レティシアさんはクロムさんと一緒に参加しないんですか?」

「あー今回は別行動だね、向こうでクロムに会ったらよろしく言っといて」

 

メイプルは自分も友達と参加しているため、レティシアは友人と言っていたクロムと参加するものだと思っていた

そしてレティシア自身もクロムと参加しようと思っていたのだが、クロムは別の友人との約束を先にしてしまっていた

レティシアはその友人とやらと面識がなかったため、レティシアは今回は遠慮したのだ

クロムと別れたその足でイズのところにも行ったがイズにも振られてしまい、レティシアは1人参加になってしまったのである

 

友達がいないわけではない

 

そうやって駄弁っているうちにアナウンスが入り、今回のイベントの説明が始まる

今回のイベントはメダルや装備を探す探索型のイベントのようだ

イベント期間は2時間だが、ゲーム内の時間を圧縮することで体感時間は1週間ほどになるらしい

 

「その技術使って一日72時間くらいで暮らしたいね」

「そうしたらもっと遊べますもんねー」

「身体への負荷すごいことになりそうだけどね……」

 

イベント説明が始まってもゆるい2人である

ちなみにサリーは運営の説明を食い入るように聞いている

というか周りもみんな食い入るように聞いているのでどちらかと言えばメイプルとレティシアがおかしいのである

 

「こういう移動距離稼がないといけないイベントはきつそうだなー……」

「わかります、やっぱり早い人に比べて不利ですもんねー」

 

そうこうしている間に転移がはじまる

 

「じゃあお互い頑張りましょう!」

「メイプル達も頑張ってねー」

 

2人に手を振りながらレティシアは光となって消えていった……

 

 

次に目を開けるとそこは広大な砂漠だった

 

なんだかんだでも廃人レベルでゲームが大好きなレティシアである

ここから始まる一週間のイベントに高鳴る胸を抑え、グッと力を込めて叫ぶ

 

「行くぞー!待ってろボス敵ー!」

 

その掛け声とともにレティシアは走り出した……

 

 

 

 

 

「砂漠走り辛っ!」

 

‥…割とすぐ止まった




イベントはまだプロットが固まっている方です(早く書けるとは言っていない)


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聖女と第二回イベント その1

皆さん、お久しぶりです(謝罪)




そうして第二回イベントのフィールドにやってきたレティシアだったが……

 

「なんでこここんなに敵が多いの!」

 

最初の砂漠でずーっと同じ敵と戦っていた

そしてその敵というのはワイb「うわっまた来た!」

 

……ワイバーンである

このイベントが始まってからというものの、レティシアは砂漠の砂とワイバーン以外のものを何も見ていない

最初は楽しげに倒していたレティシアも大分嫌気が差してきていた

 

「素材だけは美味しいんだけどなぁ……」

 

ワイバーンの素材でインベントリを埋めながら砂漠を突き進んでいく

明らかに異常な量だが持ち前の硬さで時間はかかりつつも死ぬことはまずないのは幸か不幸か

そうしていると一際ワイバーンが集中しているポイントを見つける

数が多過ぎて一体一体の体がはっきりと確認できないほどである

 

「もう見たくもないのに………」

 

愚痴をこぼしつつもそこに向かっていくとワイバーンの塊の中央付近の地面に魔法陣があることに気づく

 

「あー!あったあった……。これだけ倒してハズレだったら流石にキレてたなぁ……」

 

そして大量のワイバーンをもろともせず魔法陣へ向けて突き進んでいく

そして中心から約50メートル程の地点でHPがじわじわただが確かに減り始めた

レティシアが攻撃を防ぎつつ戦っても受けてしまうダメージ量がレティシアの回復量を上回ったのだ

 

HPバーを確認しながら進んでいたレティシアはその事実に気づくと同時に全ての攻撃を捨てて走り出した

HPが削れていく速度は上がるもののそれを無視して強引に魔法陣に飛び込もうとする

そして次の瞬間にはその場にレティシアはおらず光となって消えていった……

 

 

 

 

「あっぶなー……」

 

レティシアはギリギリのところで魔法陣に入ることに成功していた

HPゲージは2割ほどのこっていたがイベント1日目が始まってすぐのことを考えるとこんなところで戦闘続行を発動するわけにもいかなかった為、少々危険な賭けでもあった

 

回復ポーションを飲みながら周りを見渡してみると、前に黒龍と戦った場所と同じような場所に出ていた

そして遠くには教会のようなものが見える

 

他には燃え盛る大地しか見えない為、レティシアはHPを全回復してから教会に向かって歩き出した……

 

 

見えてきた教会は【紅蓮の聖女】のスキルを取るために行った教会とほとんど同じだった

しかし門の上に掛かっていた十字架は真っ黒になるまで燃やされている

 

レティシアは教会の扉に手をかけ、1度深呼吸する

 

「さあ鬼が出るか蛇が出るか…….」

 

そして次の瞬間大きく扉を開け放った……




もうちょっと投稿ペースあげれるように頑張ります
このままだと第4回イベントとかまで行くのに一年くらい経ってしまう……


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