プレイヤースキルがチート並みでAGIに極振りします。 (TS 最高)
しおりを挟む

第一層
NWOに初ログイン


防振りの小説を読み返して、Dies iraeをプレイしていて思い付いたので投稿しました。


俺は転生者の速水刹那。気が付いたら真っ白な空間にいて、そこで会った神様に特典を5つ与えられ、防振りの世界に転生した。

転生後は、赤ん坊で転生者特有の恥ずかしい思いをした。まあ俺の成長過程などどうでもいいので割愛する。それから16年の年月が経ち、いよいよ原作のゲーム【NWO】が販売されて買ったので、初ログインするところだ。

 

 

 

「身長は変化不可能だから自分の髪を白髪にしてするだけにするか。名前は見た目からシュライバーにするか」

 

 

転生後の俺の見た目は、前世と全然違っていた。黒髪で身長158㎝で体重は50㎏で華奢な身体で女性のような顔立ち、俗にいう男の娘という姿だった。

というか黒髪なDies iraeのウォルフガング・シュライバーだった。

まあ見た目はシュライバーだが、中身は違うので性格は全然違うが。

流石にあんな鬼畜な戦闘狂な男の娘にはなれない。

 

 

「ステータスは勿論AGI極振りだな」

 

 

せっかく防振りの世界に転生したのでステータスのどれかを極振りにしようと決めていた。見た目がシュライバーなのも理由の1つだが、VITはメイプル、STRはマイとユイがいるのでAGIに特化しようとあらかじめ決めていた。

 

 

 

シュライバー

LV1 HP40/40 MP12/12

 

【STR 0〈+11〉】 【VIT 0】

【AGI 100(+5〉】 【DEX 0】

【INT 0】

 

装備

頭 【空欄】

体 【空欄】

右手 【初心者の短剣】

左手 【空欄】

足 【空欄】

靴 【初心者の魔法靴】

装飾品 【空欄】【空欄】【空欄】

 

 

 

ステータスと装備はこんな感じ。まあAGI版のメイプルだ。

武器はサリーと同じ短剣にした。

 

 

「さあ、メイプルに見習ってスキル取得やレベル上げを頑張りますか」

 

 

シュライバーはそう言って始まりの町を後にして、モンスターが出る森までやってきた。

 

 

「取り合えず1時間だったか?やるか」

 

 

シュライバーは、メイプルが最初にやっていたモンスターの攻撃を1時間受けてスキル【絶対防御】を取得しているのを覚えていたので、取り合えずモンスターの攻撃を反撃せずに1時間避けきることにした。

 

 

 

◆◇◆◇ 1時間後 ◆◇◆◇

 

 

「そろそろ1時間ぐらいたったかな?けどモンスターだいぶ増えたな」

 

 

ウサギ型のモンスターの攻撃を避けている間に、他のモンスターにも目をつけられて今では10体までに増えていた。約1時間避けきった所で頭の中でシステム音声が流れた。

 

 

『スキル【疾走者】を取得しました』

 

 

スキル【疾走者】

このスキルの所有者のAGIを2倍にする。【STR】【VIT】【INT】のステータスを上げるために必要なポイントが3倍になる。

 

取得条件

1時間の間複数の敵からの攻撃を避け続け、かつダメージを受けないこと。また魔法、武器によるダメージを与えないこと。

 

 

 

「大分モンスター増えたけどスキルもゲットできたし殺るか」

 

 

スキル取得を確認した瞬間、モンスター達を短剣で滅多切りにしてポリゴンになって消えていく。モンスターを倒した瞬間、スキルを獲得した時と同じ様なシステム音が頭に流れる。

 

 

『スキル【大物喰らい(ジャイアントキリング)】を取得しました。レベルが8になりました』

 

 

スキル【大物喰らい(ジャイアントキリング)

HP、MP以外のステータスのうち四つ以上が戦闘相手よりも低い値の時にHP、MP以外のステータスが二倍になる。

取得条件

HP、MP以外のステータスのうち、四つ以上が戦闘相手であるモンスターの半分以下のプレイヤーが、単独で対象のモンスターを討伐すること。

 

 

 

「【大物喰らい】も取得できてるな。あのモンスターの中に対象のモンスターがいたのか?」

 

 

 

【大物喰らい】のスキルを取得できる嬉しい誤算があったので、そのまま笑顔で森の奥に入りレベル上げを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

【NOW】ヤバイ大盾使い見つけた

 

 

1名前:名無しの大剣使い

やばい

 

2名前:名無しの槍使い

kwsk

 

3名前:名無しの魔法使い

どうやばいの

 

4名前:名無しの大剣使い

何か西の森で大ムカデとキャタピラー数十匹に取り囲まれて佇んでいた

 

5名前:名無しの槍使い

は?あり得なくね

普通死ぬだろw いくら大盾装備でも

でも系統は違うけどモンスター10体に囲まれてずっと攻撃を避け続けていた短剣使いは見たことあるわ

 

6名前:名無しの弓使い

>1

強力な装備だったとか。そこんところどうなん

>5

俺もその短剣使い見たことあるわ

装備は見た感じ初期装備だったが

 

7名前:名無しの大剣使い

大盾使いも見た感じ初期装備だった

思い返すだけでも気持ち悪くなるわ

何で芋虫とムカデの中で平然とえられるんですかね

 

8名前:名無しの魔法使い

短剣使いまだモンスター10体の攻撃を避け続けるのは非常識だがまだ分かる

大盾使いがその状況で死なないのはダメージを無効化してる。・・・としか

 

9名前:名無しの槍使い

そんなことできるのか

 

10名前:名無しの弓使い

確かβテストの時の検証で防御力を極振りにし手も白兎攻撃を耐えられるだけだったはず

 

11名前:名無しの槍使い

ゴミじゃねえか

 

12名前:名無しの大盾使い

俺多分その大盾使いと短剣使い知ってるわ

 

13名前:名無しの大剣使い

教えてくれると嬉しい

 

14名前:名無しの大盾使い

プレイヤーネームは二人とも知らんが、大盾の方は身長150cmぐらいの黒髪の美少女で、短剣の方は身長150cm後半くらいの白髪の美少女

大盾の娘は歩く速度からAGIはほぼ0っぽい

短剣の娘は結構AGIにかなり降ってるっぽい

因みに大盾の娘と同じことをしたら一瞬で溶けますはい

 

15名前:名無しの魔法使い

大盾の娘の方はやっぱ極振りか?

まあ隠しスキル見つけたとかかもしれん

 

16名前:名前の槍使い

あーそれっぽいなっていうか二人とも女かそれも美少女か

短剣の娘の方は、遠くから見ただけで顔を見てなかったからな

まあ回避凄すぎて顔をよく見ていなかったのもあるが

 

17名前:名無しの弓使い

ほほうそこに目を付けましたか俺もだ

確かに短剣の娘の回避技術凄かったな

遠くから見ていたが後ろに目があるのかと思ったわ

 

18名前:名無しの大剣使い

ん~また追々情報集めるしかないか

トッププレイヤーになるなら自然と名前も分かってくるだろ

 

19名前:名無しの大盾使い

また何か見かけたら書き込むわ

 

20名前:名無しの大剣使い

情報提供感謝します(敬礼)

 

 

 

 

こうして知らないところで少しだけ有名になったメイプルと美少女と勘違いされたままのシュライバーだった

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

森林の女王蜂

シュライバーは、西の森の奥の方で虫系モンスター数匹と戦闘をしていた。

モンスターの攻撃を避けて、短剣で連続攻撃して、また避けるヒットアンドアウェイの戦法でレベル上げしていた。

 

 

「今のでレベルが18か、ステータスポイントはAGIに極振りしてっと」

 

 

戦闘が終わり自分のレベルを確認して、ステータスをAGIに振り分ける。

今のシュライバーのAGIの基礎値は150だ。

 

 

「それにしてもSTRにステータス振ってないから、倒すの少し時間がかかるな」

 

 

シュライバーはそんなことをいっているが、本来STR無振りの状態でシュライバーと同じ武器で同じ時間で同じモンスターを倒すことは不可能である。

シュライバーはAGIが高いお陰で攻撃の速度が異常で、並みの剣士が剣を一回振っている間にそれ以上のダメージを与えられる。結局モンスターを倒す速度は並みのプレイヤーと同じどころか速い。

まあVITが高いモンスターと戦った場合ダメージを与えることが食べる以外でできなくなるが。

 

 

「次は、あそこの巨大な木があるとこに行くか」

 

 

シュライバーは遠くに見える巨大な樹木を目指して更に森の奥に入っていく。

巨大な樹木に近づいたところで樹木に異変が起こる。

 

「なにあれ。蜂の巣か?」

 

樹木から数メートルはあろう巨大な蜂の巣が落ちてきて、そこから三十匹の蜂系モンスターが出てきて、樹木から巨大な女王蜂が降りてくる。

 

「この森のボスモンスター的なやつかな?」

 

実際にはボスモンスターではなく、8時~8時半と20時~20時半の間だけ樹木の付近に近づくと出現するモンスターだ。

それも現在の上級プレイヤーが対策を練ってパーティを組まないと倒せない強敵だが。

そんなことは知りもしないシュライバーは、女王蜂の取り巻きの蜂系モンスターに短剣を構えて走っていく。

 

「防御力が高くないのが救いだな。VITが高かったら詰んでたところだ」

 

蜂系モンスターを3匹倒したところでVITが低いことに安堵して戦い続ける。

そして10体蜂を倒したあたりで、今まで静観していた女王蜂に動き出す。

 

「やっと動き出したか。っん、やばっ!」

 

女王蜂が腕の先についているランスのような針から毒を飛ばしてきたので、取り巻きに攻撃していたのを途中で止め、飛散してきた毒を避ける。

 

「これは、立ち止まっていたらやられるな」

 

シュライバーはそう言い、自分の出せる最高速度で動き出す。

 

シュライバーの判断は間違っていなかった。

毒を飛ばしてきた女王蜂クイーン・ポイズン・ビーの毒は猛毒で更にはで高確率で麻痺になる追加効果がある。

更には、その毒は取り巻きの蜂には効かない為、仲間を気にせず撃ってくる。

 

「やべっ短剣が壊れた」

 

毒を避けながら取り巻き蜂を20体倒したあたりで短剣が壊れる。

 

「武器の装備はそう簡単にさせてくれないよな」

 

武器を装備しなおそうと思ったシュライバーに取り巻きの残り10体の蜂たちが襲ってくる。更には20体倒したあたりで本格的に戦闘に参加してきたクイーン・ポイズン・ビーにまで。

 

シュライバーは武器を装備できないので戦闘方法を変えた。

取り巻きの蜂にわざと自分を尾の針で攻撃させ、それを別の取り巻きの蜂に当てさせる方法に。

取り巻き蜂が30体いる時にたまたま自分に攻撃してきた蜂が、違う蜂に当たりダメージエフェクトが出ていたので思い付いた作戦だ。

 

「女王蜂の近接攻撃も適用されるのか」

 

その作戦はクイーン・ポイズン・ビーの針による直接攻撃にも適用された。そのおかげで取り巻きの蜂の排除がかなり楽になった。

 

そこから20分程かけて取り巻きの最後の蜂を倒した。その時にスキルを獲得したシステム音声が流れる。

 

『スキル【最速の理】を取得しました』

 

戦闘最中なのでスキルを見る暇がないのでそのまま戦闘を続ける。

 

「あれ?速度が段違いに上がったか?【最速の理】の効果か」

 

自分の速度が倍近く上昇したの感じさっきの取得したスキルの効果だと考えてすぐさま戦闘態勢に入る。

 

「それにしても転生特典がなかったら取り巻き蜂すら倒せなかったな」

 

シュライバーは最後の1匹になったクイーン・ポイズン・ビーを見ながらつぶやいた。

 

転生者シュライバーこと速水刹那は神様に転生されて防振りの世界に転生された。

その時に5つの特典の2つに『直感』と『神速反射(マージナルカウンター)』を貰っていた。

その特典のおかげでシュライバーは、神懸かった回避能力を持っていたのだ。

 

「やっと短剣を装備しなおせるな」

 

敵がクイーン・ポイズン・ビー1匹になったところで短剣を装備しなおす。

 

「あれ?速度が遅くなった。武器解除でAGIを上げるスキルか」

 

短剣を装備しなおして【最速の理】のスキルのだいたいの能力を把握する。

 

「残りHPは8割か。後どれくらいで倒せるかな」

 

シュライバーは再び最大速度に入りクイーン・ポイズン・ビーに向かって襲い掛かる。

クイーン・ポイズン・ビーが攻撃をしにくくさせる為にクイーン・ポイズン・ビーの身体にあと少しで密着しそうな距離を移動しながら攻撃し始める。

HPが残り5割なったところでAGIが上がり、針から飛ばす毒が単発から連射に変わるが、シュライバーは気にせず先ほどと同じ様に接近して移動しながら攻撃を続ける。

 

 

 

◆◇◆◇ 30分経過 ◆◇◆◇

 

 

クイーン・ポイズン・ビーが光り、ポリゴンになって消える。そして頭の中るシステム音声が流れる。

 

 

『レベルが20になりました。スキル【疾風怒濤】を取得しました』

 

 

「レベルが2つ上がったか。でスキルはっと」

 

 

シュライバーは自分のレベルが上がったことを確認しして、取得したスキルも確認する。

 

 

 

スキル【最速の理】

武器を装備していない時にAGIが2倍になる。

武器以外の装備欄で空欄1つにつきAGIを10%上昇させる。

取得条件:

HP、MPを除くステータスでAGIが他の10倍以上差が有り、武器を装備していない状態で敵を10体以上倒す。

 

 

スキル【疾風怒濤】

連続で攻撃し続けることでSTRを10%~100%まで上昇させる。(一撃ごとに1%上昇)

一定距離を離れるか、敵から攻撃を受けるか、攻撃を止めると解除される。

取得条件:

敵を一定距離から離れずに100回以上攻撃して攻撃を受けずに倒す。

 

 

「【最速の理】は逃走用だな。【疾風怒濤】はSTRが武器依存の俺にはあんまり関係ないな」

 

 

シュライバーは取得したスキルを確認してそんなことを思う。

そしてクイーン・ポイズン・ビーがいた辺りに宝箱が出現したので中身を確認する。

 

 

『女王蜂の短剣』☓2

【STR+30】【女王蜂の毒】

 

『女王蜂の指輪(レア)』

【HP+50】【毒無効】【麻痺耐性(大)】

 

 

【女王蜂の毒】

敵に攻撃した時、50%の確率で毒状態、30%の確率で猛毒状態、10%の確率で麻痺状態にする。

 

 

「結構いい装備が取れたな」

 

 

ドロップ品を見て笑顔になるシュライバー。そして女王蜂の短剣を両手に装備して、始まりの町に戻った。

 

 

始まりの町に戻った瞬間にシステムメッセージが届いた。

 

 

『あなたは、隠しダンジョンの攻略条件をクリアしました。隠しダンジョン【殺戮狼の洞窟】が解放されました。攻略に向かいますか? YES/NO』

 

 

 




スキル【最速の理】は魔法少女リリカルなのはのフェイト・T・ハラオウンを意識しました。
次はいよいよユニークシリーズをゲットさせたいと思います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

獰猛な狼の群れ

この小説を書いている途中に気づいたことがあります。
自分の願望でタグの中に『ハーレムにしたい』と入れていますが、どうやってハーレムを築くか、シュライバーの取得するスキルや装備等のことばかり考えて、全然考えていません。(特にミザリーとフレデリカ)どうしよう。

何か、このキャラをこういう感じで攻略して欲しいとかあったら感想で送ってください。
意見を送って下さった読者様の妄想と私の妄想が一致した場合はそれで書こうと思います。
取り合えず、作者が防振りで一番好きなキャラであるカスミはだいたい決めているのであしからず。

決して妖刀を使ってロリ化するからというわけではありません(真剣)
ただ黒髪ロングの和風な巨乳キャラが好きなだけです。
作者は、攻略対象でみれる幼女はストライク・ザ・ブラッドの南宮那月や喫茶ステラと死神の蝶の汐山涼音、落第騎士の英雄譚の西京寧々といった大人な幼女です。
まあ那月ちゃんは、監獄結界で見せた大人の那月ちゃんの方が断然好みですが。
っえ?Dies iraeのルサルカ・シュヴェーゲリンはって、好きですよ。でも自分はドⅯではないので拷問ックスはやられたくないので攻略対象には入りません。

長くなりましたが本編を始めたいと思います。



「準備もできたしそろそろ行くか」

 

 

シュライバーは、隠しダンジョン【殺戮狼の洞窟】のシステムメッセージが届いてからログアウトして、次の日にログインして、始まりの町で洞窟攻略の為のポーションといったアイテム等をショップで買いそろえて【殺戮狼の洞窟】に挑戦しようとしていた。

 

 

「けどこの隠しダンジョン絶対にやばいよな」

 

 

シュライバーは、システムメッセージに【殺戮狼の洞窟】を長押しすれば詳細を見れたので、それを見てから思った。

 

 

【殺戮狼の洞窟】

強力で獰猛な狼達が多数生息しており、その洞窟に足を踏み入れた者は、狼の群れに襲われて狼に骨まで食べられる。

洞窟の奥には、神々からも恐れられた魂をも喰らう巨大な狼が住むと言われている。

 

攻略条件:

AGIが500以上でモンスターの戦闘で30分以上立ち止まらずに走り続けて、ノーダメージでモンスターを倒して、始まりの町に戻る。

 

 

「AGIが500以上の時点でダンジョン開放させる気ないだろう。まあ俺が解放しているんだけども」

 

 

シュライバーは、隠しダンジョンのシステムメッセージのYESを押す。

押した瞬間にシュライバーの身体が始まりの町から消えて、【殺戮狼の洞窟】の入り口に転移する。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「ここが、【殺戮狼の洞窟】か。何というかシュライバーを連想させられるな」

 

 

洞窟の入り口の上にはローマ数字のⅫを額に描かれて、右目に眼帯をした巨大な狼の顔の彫像があり、異常な存在感を放っている。

 

 

「さあ、行くか」

 

 

シュライバーは、洞窟の入り口で『女王蜂の短剣』を両手に装備してダンジョン攻略の為に入り口に入っていく。

 

 

「入った瞬間からかよ」

 

 

シュライバーは、洞窟に入った瞬間に現れた一匹の漆黒の狼を見て戦闘態勢に入る。

 

 

「HP雑魚モンスターにしては高くない?それに普通のモンスターよりかなり速いし」

 

 

漆黒の狼の攻撃を避けながら短剣で斬りながら、猛毒と麻痺の状態異常も入れて5分経って倒した狼を見て少し頭を悩ませる。

 

 

「なるべくモンスターは無視する様にするか」

 

 

シュライバーは、モンスターとはなるべく遭遇しないようにモンスターを見つけたら壁や岩に隠れてやり過ごしながら洞窟の奥に進んでいく。

 

 

「開けた場所に出てきたな。モンスターが出てきそうだな」

 

 

洞窟の奥に少し開けた場所が見えて来て、モンスターの出現を予想しながらも開けた場所に出ていく。

 

 

「やっぱりでるよなモンスター」

 

 

開けた場所の中央に先ほどの漆黒の狼より身体が大きくて、体中に傷跡がある群れのボスのような貫禄がある狼が出現した。

 

 

『ワォォォォーーーーン』

 

 

狼が吠えると周囲に多数の魔法陣が地面に浮き上がりそこから先ほどの漆黒の狼が現れ始める。魔法陣の数は膨大でシュライバーの周囲にも浮かび上がる。

 

 

「これやばくね。まだボス部屋にすらついてないのにここで時間はかけられないよな」

 

 

数十匹の漆黒の狼が自分の周囲に出現するのを見て、まだボス部屋がある気がしなかったので戦闘行為を控える手段をとることにした。

 

 

『ワォォォォーーーーン』

 

 

群れのボスの狼がまた吠えて周囲の狼達に赤いオーラを纏う。

 

 

「今のうちに両手の短剣を解除して。逃げるっ!」

 

 

狼が吠えた瞬間に速攻で両手に装備していた短剣を外してスキル【最速の理】を発動させて逃走を図る。

 

 

『ワォォォォーーーーン』

 

 

ボス狼がもう一度吠えると、周囲の狼達全員がシュライバーに襲い掛かる。

シュライバーは、『直観』と『神速反射』を使いながら狼達の攻撃を避け、先ほど確認していた洞窟の奥に続く道に最短コースで駆けて進んでいく。

いくら狼達は速いといっても、【疾走者】【大物喰らい】【最速の理】で上昇させたシュライバーの速度には追い付けずシュライバーは逃走を成功させた。

 

 

『スキル【三十六計逃げるに如かず】を取得しました』

 

 

スキル【三十六計逃げるに如かず】

敵が自分に一定距離近づいて来た場合にAGIを50%上昇させる。自分から敵に近づき、攻撃行動を取った瞬間に解除される。(敵に囲まれていた場合は攻撃行動をした瞬間に解除される)

取得条件:

数十体の対象モンスターに囲まれて、攻撃せずに一定距離離れる。

 

 

「これで更に逃走の成功確率が上がるな」

 

 

新しく取得したスキルを見ながら逃より逃走が楽になったことを喜ぶ。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「あれはボス部屋かな?」

 

 

狼の群れから逃走した後、また開けた場所で狼の群れを呼ばれて逃走するのを4回程繰り返してやっと、ボス部屋らしきローマ数字のⅫが刻まれている漆黒の扉を見つける。

 

 

「まじか。これは流石に逃走できないよな」

 

 

ボス部屋らしきドアに近づいたことで本日6回目のボス狼が出現する。

もう洞窟に扉しか無く、先に進める場所が無いので逃げるのを止め、両手に『女王蜂の短剣』を装備して戦闘態勢に入る。

 

 

「次は、多分ボスだしやるか」

 

 

『ワォォォォーーーーン』

 

 

シュライバーは、ボス狼が吠えて狼の群れに赤いオーラを纏わせている時と同時に、周囲の狼に襲い掛かる。

 

狼の群れの攻撃を全て避けながら短剣で斬り続け、麻痺で速度を落とさせて、猛毒でHPを削りじわじわと倒していく。

そして群れを半数にまで減らした時に、ボス狼が吠えだした。

 

 

『ワォォォォーーーーン』

 

 

「また吠えた。また何かのスキルか」

 

 

シュライバーの予測は正しく、狼の群れの赤いオーラが消えて、今度は青いオーラを纏い始める。

青いオーラを纏った狼達は先ほどより速度が上がり、一定のダメージを負うとシュライバーから一旦逃げるようになり、シュライバーが攻撃した瞬間避けるようなそぶりを見せる。

 

 

「あの青いオーラはAGI上昇に回避行動といったとこかな。まあその方がさっきよりやりやすいけど」

 

 

シュライバーは回避行動をとるようになった狼達を先ほどより楽になると思い、戦闘を続行した。狼達が回避行動を取ってもシュライバーの方が断然速いので、逆に避けている最中に攻撃を多くできるので、先程の倒される瞬間まで攻撃をし続けられる方がシュライバー的にはやりづらいのだ。

 

 

「よし最後はボス狼だけだな」

 

 

群れの狼達を倒し切り、残り一匹のボス狼に襲い掛かる。

ボス狼はシュライバーに攻撃をし続けるが一向に当たらず、逆にシュライバーの攻撃は一回も外さずに当たり続け、猛毒、麻痺になり体力をどんどん削られている。

 

 

『クゥゥゥゥン』

 

 

残りHPが0になったところでボス狼は、弱弱しい声で鳴きながらポリゴンになって消えていった。

そしてスキル獲得のシステム音が流れる。

 

 

『スキル【群狼】を習得しました』

 

 

スキル【群狼】

MPを消費して狼の群れを召喚する。

狼達はHP100、STR100、AGI100で他は全て0

召喚した狼達に『攻撃命令』と『回避命令』が出せる

『攻撃命令』は、狼達のSTRを50%上昇させ、ダメージを受けても攻撃し続けるようになる。

『回避命令』は、狼達のAGIを50%上昇して、敵が攻撃して来たら回避するようになる。

取得条件:

一人でジェネラル・ブラック・ウルフの群れを全員倒してからボスを倒すこと。

 

 

 

 

「次は。いよいよボス部屋かな?」

 

 

シュライバーは巨大な扉を開けて奥に入っていく。

 

 

 




すみません。ユニークシリーズを出すと言っていたのに思いの他、道中が長くなったので一旦投稿します。次こそは必ずユニークシリーズを出します。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

悪名高き狼

一回執筆途中のこの話を間違えて投稿するハプニングがありました。
もしそれを読んでしまった読者様、中途半端なところで出してまいまことにすみませんでした。



巨大な扉を抜けると広大な広場に出てきた。

 

 

「やっぱりボス部屋みたいだな」

 

 

『では今宵の恐怖劇(グランギニョル)をはじめよう』

 

 

ボス部屋に入った瞬間に脳内に声が響いた。

 

 

「完全にメルクリウスの声だよな。神様の粋な計らいか?」

 

 

シュライバーは脳内に響く声を聴いて自分を防振りの世界に転生させた神様のおかげかなと思いながらも有名な台詞を聞いて興奮する。

 

 

「いよいよボスの登場か」

 

 

奥から右目にⅫの数字が刻まれており、額に三日月が刻まれており、神々しい雰囲気を纏わせている純白の巨大な狼が現れる。

 

 

「っっ!いきなり来るか」

 

 

ボスモンスターである巨大な狼、悪名高き狼(フローズヴィトニル)はシュライバーの姿を見た瞬間に襲い掛かってくる。

振り降ろされた巨大な鉤爪をバックステップで躱す。

 

 

「さっきの狼達よりは全然速いけどこの速度ならまだ大丈夫だな」

 

 

悪名高き狼の速度を見てこれなら大丈夫だと思い戦闘を続ける。

引っ掻き、噛みつき、尻尾の振り回しと一向に攻撃を止める気配を出さずに攻撃を続けてくる。

 

 

「怒涛の勢いだな」

 

 

連続で続けられる攻撃を、紙一重で躱していく。躱した後に短剣で攻撃するが、悪名高き狼の怒涛の勢いのせいで2~4回しか与えられない。

悪名高き狼は、猛毒状態と麻痺にすでになっているが、麻痺で一瞬怯もうがお構いなしに攻撃を続けてくる。

 

 

「HPとVITはそこまで高くないな」

 

 

攻撃を躱し続けながら、悪名高き狼のHPバーを見てそう呟く。

そして残りのHPが7割になると、悪名高き狼は怒涛の攻撃を止めて後ろに飛びシュライバーから距離を取る。

 

 

死世界・凶獣変生(ニブルヘイム・フェンリスヴォルフ)

 

 

悪名高き狼からスキル名のような声が聞こえる。

悪名高き狼に純白のオーラのを纏う。

 

 

「んっっ!」

 

 

シュライバーは、悪名高き狼が純白のオーラを纏った瞬間に猛烈に嫌な予感がした。

その瞬間にシュライバーは全力で後ろに飛ぶ。

 

 

「まじかっ」

 

 

シュライバーが後ろに飛んだ瞬間に悪名高き狼が先ほどシュライバーがいた場所の少し手前に現れ、その巨大な鉤爪を振り下ろそうとしていた。

 

 

「今のが当たらないのか」

 

 

シュライバーは後ろに着地して、悪名高き狼が鉤爪を振り下ろした直後に、短剣で斬りかかるが、悪名高き狼の皮膚に触れる前に急にバックで飛び避けられる。

 

 

「AGIおかしくないか。影ぐらいしか見えないぞ」

 

 

悪名高き狼は、シュライバーの攻撃を回避して地面に足を着けた直後にシュライバーの周囲を駆け始める。

シュライバーは『神速反射(マージナルカウンター)』の反射神経で見ようとするが悪名高き狼の本体は見えずに影が見える。

たまに、麻痺で怯むことがあるが一瞬で動き出すので意味はなかった。

 

 

「避ける事しかできないな」

 

 

シュライバーは、『神速反射』の反射神経で姿を追うのを止めて、『直観』で悪寒を感じた瞬間に回避してするようにしていた。しかし避けることに全力なので反撃ができずにいた。

 

 

「よし、完全に覚えた」

 

 

悪名高き狼の攻撃をひたすら避けて3分が経過した当たりでシュライバーは神様からもらった特典の力の一旦を発揮する。

 

それから悪名高き狼はシュライバーに攻撃をするが紙一重で躱される。

避けられるのでは無く、躱されるそれも紙一重で。

それは、悪名高き狼の動きが完璧に読まれている証拠。

もう悪名高き狼の攻撃でシュライバーに悪寒がすることは無くなった。

そしてそれは、シュライバーの攻撃が当てられるようになるということ。

 

 

「やっと当てられる」

 

 

シュライバーは、そういった瞬間、身体を捻って悪名高き狼の攻撃を避けて短剣を身体に突き刺す。

 

 

『ギャォォォーーーン』

 

 

悪名高き狼がシュライバーから攻撃を受けた瞬間、大きい声で絶叫をあげる。

そして猛毒、麻痺といった状態異常が回復する。

更には、Ⅻの文字が刻まれた右目からは赤黒いオーラを纏い、全身の体毛が長くなる。

そしてHPバーが一気に減り、HPの端にギリギリ見えるか見えないかぐらいの赤になる。

 

 

「まだ何かあるのkっっ」

 

 

悪名高き狼の変化にまだギミックがあるのかと思った瞬間に、今までの人生の中で一番と言っていいほどの悪寒がした。

悪寒がした瞬間に全力で避けて、今までの攻撃パターンから前と右斜め後ろに短剣を全力投げる。

 

目前に悪名高き狼の鉤爪が迫って来たが、短剣を投げたのを見てから攻撃を瞬時に止めてシュライバーの右斜め後ろ(・・・・・)に現れる。

悪名高き狼が現れた瞬間に短剣が眉間に刺さる。

 

 

「グギャァァオォォォーーン」

 

 

悪名高き狼が絶叫し、ポリゴンになって消えていく。

そしていつものスキル取得のシステム音が脳内に流れる。

 

 

『スキル【死世界・凶獣変生(ニブルヘイム・フェンリスヴォルフ)】を取得しました』

MPを消費してAGIを5倍にする。

敵に一度でも触れた場合、状態異常を回復し、AGIが二倍になり、HPが1になる。

スキル使用中は、STR値がAGIの数値に変換される。

取得条件:

悪名高き狼をHP、MPを除くステータスでAGIが他の10倍以上差が有り、単独で倒すこと。

 

 

「完全にシュライバーのスキルがとれたな。というか最後の変化したやつ更にAGIが二倍か、けどHPが1になるデメリットがあるのか」

 

 

「けど流石に死ぬかと思った。デメリットが無かったら無理だったかもな」

 

 

シュライバーはその場で座り少し休憩する。

そして十分休憩すると中央に現れた鍵穴のところがⅫとなっている黄金の宝箱が出現していたのでその宝箱の方へ歩いていく。

 

「ダンジョン攻略の報酬か。楽しみだな」

 

 

シュライバーはワクワクしながら宝箱を開ける。

 

 

 

【ユニークシリーズ】

単独でかつボスモンスターを初回戦闘で撃破しダンジョンを攻略した者に贈られる、攻略者だけの為の唯一無二の装備。

一つのダンジョンに一つきり。

取得した者はこの装備を譲渡できない。

 

 

『骸魂の眼帯』

【破壊不能】【永劫破壊(エイヴィヒカイト)】【スキルスロット空欄】

【AGI+10】【MP+100】

 

 

『月狼のコート』

【破壊不能】【変則移動】【スキルスロット空欄】

【AGI+30】【MP+10】

 

 

『月狼の軍服』

【破壊不能】【速度は力】【スキルスロット空欄】

【AGI+30】【MP+10】

 

 

 

【破壊不能】

この装備は破壊できない。

 

【永劫破壊】

倒した敵のHPの数値分を自分のHPとMPに吸収する。

 

【変則移動】

どんな体制でも移動できるようになる。

 

【速度は力】

STR値をAGI値と同じ数値に変換する。

 

 

スキルスロット

自分の持っているスキルを捨てて武器に付与することができる。

こうして付与したスキルは二度と取り戻すことができない。

付与したスキルは一日で五回だけMP消費0で発動できる。

それ以降は通常通りMPを必要とする。

スロットは15レベル毎に一つ解放される。

 

 

「武器がないからか、能力が破格だな。後これ装備したら見た目が完全にシュライバーになるよな。これを機に口調だけでもロールプレイングしようかな」

 

 

装備を全て着用して、見た目が完全にシュライバーになったことで、今更シュライバーの口調にするかと考え始める。

 

 

『隠しダンジョン【殺戮狼の洞窟】が攻略されたことで、このダンジョンは消失します』

 

 

脳内にシステム音が鳴り響き。シュライバーの足元に始まりの町に転移する為の魔法陣が出現する。

 

 

そして魔法陣からシュライバーの姿が消えた。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「うそぉ~~~【殺戮狼の洞窟】が攻略されてる」

 

 

その叫び声で全員が反応する。

 

 

「【殺戮狼の洞窟】?あれはダンジョンを解放すること自体ないだろうと思っていたほぼネタのダンジョンだぞ」

 

 

男の叫びに別の男が反応する。

 

 

「しかもモンスターの狼はAGIが最低でも300以上あって、STRもかなり高くて更には数十の狼の群れを召喚するやつまでいるんだぞ」

 

 

「しかも、ボスは通常時でもAGIが異常に高いし、スキルを発動したら姿が見えない程の速さになって、STRもプレイヤーを一撃で倒せるレベルのなんだぞ」

 

 

男たちは自分たちが造ったクリアさせる気の無いダンジョンをクリアされたことを知り絶句する。

 

 

「取り合えず、ボスとの戦闘の映像見てみるか」

 

 

男たちは、シュライバーと悪名高き狼の戦闘シーンを見る。

 

 

「このシュライバーってプレイヤーおかしくないか?何でスキルを使った悪名高き狼の攻撃を避けられるんだ」

 

 

「それだけじゃないぞ。シュライバーも滅茶苦茶速い速度で動いてるのに何であんなに正確に動けるんだ。というかプレイヤーにしても速すぎだろう」

 

 

戦闘シーンを見終わった男たちは、シュライバーの回避技術に戦慄する。

 

 

「えっとシュライバーの取得スキルは【疾走者】【大物喰らい】【最速の理】【疾風怒涛】【三十六計逃げるに如かず】【群狼】【死世界・凶獣変生】か。AGI上昇するスキルばかりじゃねぇか。しかもネタ的なやつまでとってるし」

 

 

「これどうしますか?シュライバーのAGIで【速度は力】があったらSTRが異常な数値になりますよ」

 

 

「まあ様子見でいいんじゃないか。【速度は力】のお陰で【大物喰らい】の倍率は無くなるし、【死世界・凶獣変生】はこのAGI値じゃ流石に使えないだろしな」

 

 

「じゃあシュライバーは第一回イベントまで様子見ということで」

 

 

男たちはシュライバーの取得スキルを見て話し合い、第一回イベントまで様子見することにした。

 




シュライバーの3つ目の特典の力の一端を見せました。
3つ目の特典は、第一回イベントの時に完全にはわかるようにします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

野生のラスボスとの出会い

この前話の悪名高き狼を投稿した後に、Dies iraeの詠唱集をある動画サイトで見ていた時に、関連動画欄であれ?司狼に似ている鬼の仮面を頭につけている奴がいるなと思って、その動画を見て、Dies iraeのマリィルートのIFの続編があることを知りました。
神咒神威神楽とDies irae絵が違いすぎるだろ。続編とは全然思っていませんでした。
しかもシュライバーが転生していて、狼なるって、先に知っていたら絶対見た目そっちにしたのに。まあもう投稿してしまったので変更はしませんが。

神咒神威神楽はDies iraeの今攻略中の玲愛ルートが終わったら、プレイしてみたいと思います。後、ちょいちょい神咒神威神楽の動画をみましたが、エレオノーレ姐さんかっこよすぎますね。「笑わせるなよ甘ったれども!真に愛しているなら壊せ!」のシーンしか見てませんがDies iraeのエレオノーレしか知らなかった作者からしたらもう好感度が異常に上がりました。

では、本編を始めたいと思います。


「この眼帯付けている右眼、前が見えて良かったぁ」

 

 

シュライバーは、手に入れたユニークシリーズを装備して始まりの町にいた。

そして、手に入れた『骸魂の眼帯』を装備しても前が見えることに安堵していた。

 

 

「けど流石に、この姿で町を歩いてみたら目立つなあ」

 

 

ファンタジーの世界で衣服が一人だけ軍服を着ており、眼帯をしており、おまけに華奢で美少女に見えるシュライバーはすごく目立っていた。

 

 

「あのぉ~すみません」

 

「なんだい?」

 

 

後ろから声をかけられ、『うわぁ~話しかけられた』と思いながら返事をして後ろを振り返るとシュライバーは一瞬、固まった。

 

 

「その軍服?カッコいいですね。何処でそういったカッコいい装備を手に入れられるんですか?」

 

 

防振りの世界の主人公、のちに『浮遊要塞』と言われる野生のラスボスのメイプルから声をかけられたからだ。

装備は初期装備のようでまだ、毒竜(ヒドラ)を単独で倒して?喰らって?おらずユニーク装備を手に入れてはないようだ。

 

 

「ああ、この装備かい?これは、たまたま見つけた隠しダンジョンで手に入れたんだ」

 

「そうなんですか。いいな~私も早くそういうカッコいい装備が欲しいな~」

 

 

それからメイプルと装備について少し話していると、メイプルに突然「すみません。ちょっと待っていて貰っていいですか」と言われたので「いいよ」と返事をすると、赤い装備の大盾使いに話しかけに行った。

 

 

「本当にコミュ力高いなぁメイプルは」

 

 

見ず知らずの人にいきなり話しかけられるメイプルを見て心からそう思った。

そして話が終わったのか、メイプルが話しかけた大盾使いと共にこっちに戻ってきた。

 

 

「さっきは言ってなかったんですけど、私メイプルって言います。こっちはクロムさんです」

 

 

さっき話していた時に自己紹介してなかったので自己紹介するメイプル。

 

 

『聖槍十三騎士団黒円卓第十二位ウォルフガング・シュライバー』

 

 

「分かるわけないよな」と思いながらそう名乗るのを我慢して、普通に自己紹介する。

 

 

「僕はシュライバー。シュライバーでいいよ」

 

「うん、よろしくねシュライバー。私もメイプルでいいよ」

 

「俺はクロム。ところで君たちは友達なのかな」

 

 

お互いに自己紹介しあって、クロムはシュライバーとメイプルの関係性を聞く。

 

 

「いいや。そこで歩いていたら、メイプルに話しかけられていたんだ」

 

「そうなんだ。軍服カッコいいなって思って」

 

「ああ、さっきの俺と同じか」

 

 

クロムは、じゃあこの二人は初対面なのかと思い、先ほどメイプルと話していた事をシュライバーにも話す。

 

 

「俺とメイプルは、これから生産職のプレイヤーに会いに行くけど、シュライバーはどうするんだ」

 

「あ~。そうだった。クロムさんに生産職の人を紹介してもらうんだ。シュライバーも暇だったら一緒に行かない?」

 

「いいよ。僕も生産職の人と会ったことないから会いたいし」

 

 

特に用事が無く、生産職のプレイヤーというか、自分以外のプレイヤーとソロで活動していた為に交流が無いのでついていくことにした。

そしてシュライバーとメイプルとクロムは生産職のプレイヤーが経営している店に向う。

 

 

『まさか二人と知り合いになるとは』

 

 

クロムは提示版で話していた二人といきなり話しかけられて知り合いになるとは思わず、少し驚いていた。

何故ならクロムはとある掲示板の名無しの大盾使いだったからだ。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

三人で他愛ない話をしながら歩いてお目当ての店に到着した。

そしてクロムが先に店に入っていった。

店に入ると一人の女性がカウンター越しに作業していた。

店に誰かが入って来たことで作業を止めて、知り合いのクロムがいるのに気づき声をかける。

 

 

「あら、いらっしゃいクロム。どうしたの?まだ大盾のメンテには早いはずだけど」

 

「ああ、ちょっと大盾装備の新入りを見つけてな。・・・・・一緒にいた短剣使いと一緒に衝動的に連れてきた」

 

 

そう言ったクロムの後ろからメイプルとシュライバーが姿を見せる。

 

 

「あら、可愛い子達ね・・・・・クロム、衝動的にこの子達を連れてきたの?通報した方がいいかしら?」

 

 

そういって店主の女性が青いパネルを空中に浮かべる。

 

 

「ち、ちょっと待てよ!それは、何というか言葉の綾だった!」

 

「ふふっ・・・・・分かっているわよ。冗談冗談」

 

「はー心臓に悪いから止めてくれ」

 

 

クロムはそう言ってホッと息を吐く。

 

 

「あなた達も怪しい人に簡単についていっちゃ駄目よ」

 

「あぅ・・・・・分かりました」

 

「俺は怪しくねーよ」

 

「まあ、僕は男だから大丈夫だけどね」

 

「「「っえーーーーー」」」

 

 

生産職の女性イズがメイプルに注意して、クロムがイズの言葉に反論して後にシュライバーの爆弾発言に全員が驚いた。

 

 

「あなた男性だったの?私てっきり女性かと思ったわ」

 

「私も女の子かと思ってた」

 

「俺もそう思ってた」

 

「この外見だからしょうがないかな」

 

 

三人に女性と間違われていたシュライバーは、別に自分が男の娘であることに抵抗が無いので『まあシュライバーの顔だから間違えても仕方ないよなあ』と思いながら納得する。

 

そして、イズはメイプルと大盾について話した後にシュライバーに声をかける。

 

 

「メイプルちゃんはお金を貯めてからだけど、あなたは?」

 

 

イズは、シュライバーの軍服を見てお金は溜まってそうだと思い何か買うか聞く。

 

 

「いや、僕はいいかな。生産職の人と交流を持ちたかっただけだから。また今度武器のメンテとかしてもらいたいかな」

 

「分かったわ」

 

 

シュライバーは武器をメンテしてくれる生産職の知り合いが欲しくてついてきたのでまた、武器が消耗してからメンテを頼むことにしていた。

 

そして三人とフレンド登録してから店を出ていった。

 

 

「まだラスボス化はしていない時だな。良かった毒竜の洞窟を一人で攻略しないで。危うく原作ブレイクするところだった」

 

 

シュライバーは、毒竜の洞窟をソロで攻略しなくてよかったと安堵した。

 

 

「誰か一緒にパーティ組める人でも探そうかな」

 

 

シュライバーは初見単独ボス討伐報酬を乱獲しないように誰かとパーティを組むか迷う。まあ取り合えずはいいかなと結論を出して、始まりの町を出ていく。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

241名前:名無しの大盾使い

大盾の少女と短剣使いの子に遭遇したというかフレンド登録したw

 

242名前:名無しの槍使い

は?

 

243名前;名無しの弓使い

どうやって

 

244名前:名無しの大盾使い

ログインして大盾使いの少女がめっちゃキョロキョロしてて一瞬目が合ったと思ったら走ってきて話しかけられたw

短剣使いの子は、先に大盾使いの少女に話しかけられていたらしく、大盾使いの少女の近くにいた。

 

 

245名前:名無しの大剣使い

大盾使いの少女コミュ力高いな。

短剣使いの子も話しかけられていたのか。

っていうか短剣使いの方は子か少女ではなかったのか

 

246名前:名無しの大盾使い

それがなんと男の娘だった

 

247名前:名無しの大剣使い

なん…だと…

 

248名前:名無しの魔法使い

驚愕だな。美少女のような男の娘だと。

んで、その後は?

 

249名前:名無しの大剣使い

俺が生産職の人紹介するからついてこいっていったら二人ともついてきた。

大盾使いの少女はAGI低すぎて俺についてくるのもしんどそうだったな途中何度も止まってあげたし

 

250名前:名無しの槍使い

お前のAGIいくつよ

 

251名前:名無しの大盾使い

まあ待て今まとめる。

いくぞ

 

大盾使いの少女の方は、パーティは組んでいない

大盾を選んだ理由は攻撃を受けて痛いのは嫌だから防御力を上げたかったとのこと

趙素直で活発系少女

 

短剣使いの男の娘の方は、パーティを組んでいない

短剣を選んだ理由は、AGIが高い武器で連想したのが短剣で、別に武器は何でもよかったとのこと

ひとなつっこそうなボクッ子男の娘

 

総評 めっちゃいい子達

 

あー見守ってあげてー

あとお前らとは情報を交換していきたいと思っているから俺の情報晒すわ

 

取り合えず俺はクロムって名前でやってる

んでAGIは20な

お前らとはフレンド登録しときてーから明日来れる奴は二十二時頃に広場の噴水前に来てくれると嬉しい

 

252名前:名無しの槍使い

情報サンクスっていうかお前クロムかよ!

バリッバリのトッププレイヤーじゃねーか!

 

253名前:名無しの魔法使い

有名人過ぎてビビったわw

 

254名前:名無しの弓使い

よっしゃその時間行けるわw

つーかAGI20に置いていかれるとか本当にVIT極振りかもしれん

 

255名前:名無しの大剣使い

じゃあこれからも暖かく見守っていく方向でいいかなー?

 

256名前:名無しの槍使い

いいともー

 

257名前:名無しの弓使い

いいともー

 

258名前:名無しの魔法使い

いいともー

 

259名前:名無しの大盾使い

いいともー

 

 

 




狂っていない、シュライバーの口調にしてみたのですがうまくかけていたでしょうか。そこが不安です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

フェレットの落とし物

前話で、狂気のないシュライバーはただの丁禮よとご指摘を受けました。
その後にシュライバーのコミュニケーションでは深刻な問題を抱えることになるので残当ですが仕方のないことだともいわれました。

なので、狂気のないシュライバーのロールプレイング=僕っ子男の娘キャラだとお考え下さい。


話は変わりますが、Dies iraeの玲愛ルートやっと攻略し終わりました。
作者が好きなキャラの一人の櫻井蛍が適当に殺されたのは残念ですが、ストーリーは面白かったです。
特に、イザークが玲愛に最後に言った台詞が非常に心に響きました。
今は神咒神威神楽の刑士郎&朔夜ルートを攻略している途中です。

では本編を始めたいと思います。


シュライバーが、メイプルとクロム、イズと出会ってから数日が経っていた。

そしてシュライバーは・・・

 

 

「うん、想像していた味よりはうまい味だね。ちょっとピリッとするけど」

 

 

電気を帯びたトンボ、エレキトンボや電気を放出するネズミ、エレキマウス等といった電気系モンスターを食べていた。

 

 

『スキル【麻痺無効】を取得しました』

 

 

「やっとでた。結構時間かかったなぁ」

 

 

そう、シュライバーは【麻痺無効】を取得する為に、電気系モンスターを食べていたのだ。

 

 

「メイプルは、毒竜(ヒドラ)の毒を受けていたから毒無効をあんなに早く【毒無効】を取得したのかな?」

 

 

自分が【麻痺無効】を取得した時間とメイプルが、【毒無効】を取得した時間が全然違うのは、メイプルがボスモンスターの強力な毒を受けて早く取得したのではないかと考える。

 

 

「まあ【麻痺無効】を取得できたからいっか。まあ『女王蜂の指輪』を持っていなかったら【麻痺無効】を取得しようとも思わなかったんだけど」

 

 

シュライバーは、第一回イベントのメイプル対策を考えて『女王蜂の指輪』でメイプルの毒は無効化できるけど、【パラライズシャウト】は【麻痺耐性大】でどこまで耐えられるか分からないので【麻痺無効】を取得しようとメイプルの真似をして麻痺になりそうなモンスターを【麻痺耐性小】から【麻痺無効】になるまで食べ続けていた。

因みに【毒耐性小】を取得できるか毒系モンスターを食べたり、毒を受けたりしたが、【毒無効】で、まず毒が無効化されて毒を直接受けるわけではないからか、耐性は得られなかった。

 

 

「これで後は、【悪食】さえ受けなければメイプルは大丈夫だな」

 

 

メイプル対策は出来たので、シュライバーは森を出ようと歩き出す。

 

 

『・・・・・・・・・・・助けて・・・・・・・・・・・・』

 

 

森をしばらく歩いていると、頭の中に声が聞こえてきた。

 

 

「また、何かのイベントかな?」

 

 

シュライバーは、声が聞こえてきた方向に向かっていく。

 

 

「何か、何処かで見たことあるような気がするなぁ」

 

 

シュライバーは、声が聞こえた先に倒れていたフェレットを見て既知感(デジャブ)を覚える。

 

 

「取り合えず回復させようか。【ヒール】」

 

 

シュライバーは、ユニークシリーズを手に入れてMPが大幅に増えていたので回復魔法【ヒール】を取得していたので、フェレットに【ヒール】をかける。

 

 

『聞こえますか・・・? ボクの声が・・・ 聞こえますか・・・?』

 

『聞いてください』

 

『ボクの声が・・・ 聞こえる方・・・ お願いです・・・』

 

『力を貸してください・・・!』

 

『お願い・・・・・・』

 

 

直接脳内に語り掛けているであろうフェレットが、そう語り終えるとシュライバーの前にシステムメッセージが表示される。

 

 

クエスト【フェレットの落とし物】

 

YES/NO

 

 

「クエスト発生かぁ。やるしかないよね」

 

 

シュライバーはすかさず、YESのボタンを押してクエストを受注する。

 

 

『増えてる・・・・・ッ 』

 

『新しいジュエルシードを取り込んだ・・・!?』

 

 

フェレットは、そういった瞬間に森の奥に向かって走っていった。

 

 

「あれ?いないなぁ。茂みに入ったら転移するしかけか?」

 

 

フェレットが逃げた後、すぐに後を追いかけようと走りだしたシュライバーはその高いAGIですぐにフェレットに追いつくはずだったが、木の茂みに入ってフェレットの身体が完全に隠れた瞬間に姿を消した。

まあフェレットの移動速度は速く、本来は追い付けずあたかも森の奥に走っていったように見せる演出だったがシュライバーのAGIでは関係なかったようだが。

 

 

「逃げたのは、この向こうだし真っ直ぐ行けばいいか」

 

 

シュライバーは、フェレットが走っていった方向に向けて走り出す。

移動中に他のモンスターが襲い掛かってきたが、攻撃を躱してそのままモンスターを無視して走る。

 

 

「見つけた」

 

 

森を走って行った先でフェレットを見つけて、そこに近づくとフェレットの目の前には、黒くて丸いフォルムの身体の所々に触手な様なものが生えているモンスターが三体いた。

 

 

「なんかみたことあるなぁ」

 

 

シュライバーはまた既知感を感じながら、モンスターに『女王蜂の短剣』で斬りかかる。

 

 

モンスターの間を走りぬく間に両側のモンスターの胴体?を数回短剣で斬ると、モンスターが消滅する。

 

 

残りの一体のモンスターも一瞬で近づいて、短剣で斬り刻んで消滅する。

 

 

「えっ弱くない?」

 

 

シュライバーはクエストで出現したモンスターにしては弱すぎると思っていたのだ。

ユニークシリーズの『月狼の軍服』の【速度は力】の効果でSTR値がAGI値と同じ数値に変換されていて、シュライバーのAGIで変換されると途轍もない威力が出るので瞬殺するのは当たり前なのだが。

 

 

消滅したモンスターがいた場所にひし形の宝石のようなものが落ちていた。

 

 

『助けてくれてありがとうございます』

 

 

クエスト【フェレットの落とし物2】

 

YES/NO

 

 

フェレットがお礼を言った瞬間、新しいクエストが発生した。

シュライバーはすかさず、YSEのボタンを押してクエストを受注する。

 

 

『あなたが戦っていたのは、世界の危険な古代資産ロストロギア『ジュエルシード』』

 

『ちょっとしたきっかけでさっきまで暴れ出すこともある・・・・』

 

『危険なエネルギー結晶体』

 

『古い遺跡で遺跡発掘していたらあれを発見して、持って帰ろうとして遺跡を出た時に急に、『ジュエルシード』が光出して各方向に散らばっていったんだ』

 

『このまま『ジュエルシード』をほっとけない。『ジュエルシード』は暴走したのを倒すとさっきみたいに封印状態になるから手伝って欲しいんだ』

 

 

フェレットはそう言うとシュライバーの肩にのる。

 

 

「あれっ?それだけ?『ジュエルシード』が落ちてる場所は?」

 

 

シュライバーは、肩にのったフェレットを見て困惑する。

 

 

「っあマップに緑色のマークが出てる」

 

 

暫く、フェレットや周囲にヒントがないか探して何も無く、適当にマップを開いたらマップに緑のマークが出ていた。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「ここかな。いたいた」

 

 

マップのマークの合った場所に到着して、先程と同じようなモンスターが湖にいたので速攻で近づいて切り刻んで倒す。

 

 

「やっぱり弱いなぁ。けど数がちょっと多いなぁ」

 

 

暴走した『ジュエルシード』を倒して封印して回収してもフェレットは何も言わない。

 

 

「やっぱりこれってマップのマーク全部回収しないとクエスト進まないようだね」

 

 

マップに表示されている複数のマークを面倒くさそうにみる。

 

 

「これ普通に歩いていたら集めるのかなり時間かかるよね」

 

 

マークは一層全体にあるので時間がかかると思いあるスキルを発動する。

 

 

「【死世界・凶獣変生(ニブルヘイム・フェンリスヴォルフ)】」

 

 

【死世界・凶獣変生】を発動させてAGIを上昇させる。

先程の5倍の速度で新しい目的地に向かって走る

 

 

「見つけた」

 

 

目的地に近づいて、『ジュエルシード』らしき翼が生えた巨大な猫達を見つけて、襲い掛かる。

高速で猫達に接近して、短剣で一撃ずつ与えると消滅する。

【死世界・凶獣変生】でAGIが5倍になり、【速度は力】でSTRも5倍になる。

その威力は、暴走した『ジュエルシード』が一撃で倒れる程だった。

 

 

「この調子で最速攻略だね」

 

 

『ジュエルシード』を回収してすぐに次の目標に向かって移動する。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「これで最後っ」

 

 

シュライバーはそれからマップに表示得ている『ジュエルシード』を全て回収した。

暴走した『ジュエルシード』の姿は、複数あり、最初に戦った黒くて丸いものもいれば、猫型や鳥型、木型までいた。

そしてシュライバーは最後の暴走した『ジュエルシード』を回収する。

 

 

『手伝ってくれてありがとう。これで全部の『ジュエルシード』が集まったよ』

 

 

フェレットは『ジュエルシード』を集めてくたお礼を言う。

 

『クエスト【フェレットの落とし物3】が発生しました。またエクストラクエスト【雷光の死神】が発生しました。どちらかのルートを選んで下さい。

 

 

お礼が終わって、新しいクエストとエクストラクエストのシステムメッセージが届く。

 

 

「エクストラクエスト?メイプルの【身捧ぐ慈愛】と同じかぁ。っていうことは、知らずの内に発生条件をクリアのかな?」

 

 

【雷光の死神】のエクストラクエストの発生条件は、MP100以上、AGI100以上で一定時間以内に『ジュエルシード』を集めきるというものでシュライバーは、一定時間内を大幅に残して集めきっていた。

 

 

そしてシュライバーは勿論、【雷光の死神】のクエストを受注した。

 

 




あのフェレットは一体何スクライアなんだ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

雷光の死神

本来は今回の話でタグに魔法少女リリカルなのはのタグを付ける予定でしたが、読者から他作品のアニメネタを出したらタグに追加してはどうかと意見を頂いたので、アニメの内容を話しのメインにする時は、すぐにタグの欄に追加したいと思います。
因みに、ネタ?かどうか分かりませんが気づいている人は気づいているでしょうが、他に一つ今までの話に他作品のアニメのものが入っていますが、それは追々追加するのでご指摘なしでお願いします。

後、作者からお願いがあります。この作品でdies iraeの話や前書きで神咒神威神楽の話をしていますが原作は18歳未満の方はプレイしてはいけないので、18歳未満の読者の方は原作をプレイしないようにお願いします。
18歳を過ぎれば、作者は止めずに是非とも進めるので神座万象シリーズ、マジ恋シリーズ、グリザイアシリーズ、つり乙シリーズ、暁の護衛シリーズ、9nineシリーズ、ゆずソフト作品、ま~まれぇど作品、みなとカーニバル作品等、他にもまだまだある素晴らしい作品をプレイして見てください。

では、本編を始めます。


シュライバーがエクストラクエスト【雷光の死神】を受注した瞬間、回収した『ジュエルシード』が全て光出して宙に浮かび、そして輝きが増していく。

 

 

『そんな、どうして。『ジュエルシード』は全部封印したはずなのに』

 

 

急に輝き出した『ジュエルシード』にフェレットが驚く。

 

 

ドッカーーーーーーーン

 

 

『ジュエルシード』の輝きが周囲が見えなくなるほど輝いた時、青空だった空が急に暗雲になり、巨大な雷が『ジュエルシード』に向かって落ちる。

 

 

『これは、魔法陣?』

 

 

フェレットは雷が落ちた場所に巨大な金色の魔法陣が出現する。

 

 

「演出凄くない?しかもこの魔法陣も何処かで見たことあるね」

 

 

シュライバーは、『ジュエルシード』が輝きだして空から雷が落ちてきた演出に驚き、その後に出現した魔法陣にも既視感を覚えた。

 

 

『あれぇ?『ジュエルシード』が無くなってる。けどこの魔法陣から『ジュエルシード』の気配を感じる』

 

 

フェレットは、そう言ってこちらを見て動きを止める。

 

 

「この魔法陣に入れってことだよね」

 

 

シュライバーは金色の魔法陣に向かって歩いていき、魔法陣の中央に来るとフェレットが話し出す。

 

 

『この魔法陣からは凄く大きな魔力を感じる。この先は、何か途轍もなく恐ろしいモノが存在していると思う』

 

『準備はいいかい?』

 

 

フェレットがそう言うとシュライバーの目の前にYES/NOのシステムメッセージが表示される。

 

 

「何か今回のクエストこういうの多いな」

 

 

シュライバーは、YES/NOの選択肢が多いなと言いながらYESのボタンを押す。

 

 

『これが最後の戦いの予感がする。頑張ろう!』

 

 

フェレットがシュライバーを鼓舞した後、魔法陣が輝きだす。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「ここは何処なのかな?機械の壁だね」

 

 

シュライバーは、魔法陣で転移して周囲を見渡す。

そして周囲は機械の壁で巨大なドーム状になっていた。

 

 

「あれが、敵かな」

 

 

シュライバーが、ドームの中央に黒い影のようなモノを見て。『女王蜂の短剣』を構える。

 

 

「あれは、黒い布?」

 

 

黒い影の様なモノに近づいていくと、黒い影に見えていたモが正確に見えるようになる。

それは、骸骨の仮面を着けて、漆黒のボロボロに見えるローブを羽織り、漆黒の礼装を着ており、右手に黄色の宝石の様なものがはめこまれた漆黒のバルディッシュを持っている。

 

 

「THE死神って姿だね。鎌じゃなくてバルデッシュのところ以外は」

 

 

そしてシュライバーが死神に一定距離近づくと・・・

 

 

ドッカーーーーーーーン

 

 

何処からか死神に雷が落ちる。

雷が落ちた後、死神の身体に黄色のラインの様な模様が浮かび、死神の目が黒から赤に変化する。

 

「いよいよ戦闘モードかな」

 

シュライバーがそう言っている間も死神は動き続ける。

死神が右手の指に雷を纏わせて、横に振るとドームの全体に多数の魔法陣が浮かび上がりそこから多数の人型のロボットが出現する。

 

「魔法陣は消えないんだね」

 

シュライバーはロボットが出現した後も消えない魔法陣を見てから言う。

 

「【群狼】攻撃命令」

 

シュライバーは、多数のロボットを見てすかさずスキル【群狼】を発動して多数の漆黒の狼を召喚して、攻撃命令を出して、狼達にロボットを襲わせる。

 

「まあ、流石に一体一で狼達勝てないよね」

 

赤いオーラを纏わせてSTRを上げているが、一体のロボットに三匹の狼が相手をしている。

狼が30匹に対してロボットが100体、一体のロボットに三匹しか相手にできないということは計十体のロボットしか足止めできない。

そこでシュライバーはとった行動は

 

「【群狼】攻撃命令」

 

スキル【群狼】の連続使用だった。

だがシュライバーのMP量では、【群狼】は2回までしか発動できない。

だからシュライバーは、周囲のロボットを短剣で数回斬って倒し、『骸魂の眼帯』の【永劫破壊(エイヴィヒカイト)】で、ロボット達のHPを吸収して自身のHPとMPを回復する。

HPを吸収した瞬間、青白い炎の様なオーラが眼帯からあふれ出す。

 

「【群狼】攻撃命令」

 

MPを回復させた瞬間に再度【群狼】を発動させる。

 

「やっぱり倒したら復活する感じだね」

 

シュライバーは、先程倒したロボットと同じ数が、最初に死神が出した消えない魔法陣から召喚される。

 

「おっと」

 

再度ロボットを倒してHPを吸収しようと思った矢先、死神から雷の槍を数本シュライバーに向けて放ってきた。

 

「まあ、そう簡単に行かないよね」

 

死神がシュライバーに向かって雷の玉や槍を飛ばし、バルディッシュで斬ろうとするが、シュライバーは全て避けてロボットを斬って倒してHPを吸収して眼帯の青白い炎のオーラを増幅させる。

 

「【群狼】攻撃命令」

 

 

それからシュライバーは、周囲のロボと狼達との戦闘が拮抗するまで、死神の攻撃を避けながら【群狼】を発動させていく。

 

「これで暫くは、邪魔されないかな」

 

狼達の数がロボットの数に比べて時間を稼げると思い、今までずっと無視し続けた死神と対峙する。

 

死神は、バルディッシュで斬かかってきたがシュライバーは横に飛んで回避して死神に接近する。

 

死神はシュライバーに接近させまいとバルディッシュで斬りかかるがシュライバーには当たらずに、遂には短剣が当たる距離まで接近されて、短剣で斬り刻もうとする。

 

「危ないなあ」

 

シュライバーは、4回死神を斬った所で攻撃を止めた。

 

「体力の減り早くない?危うく倒すところだったよ」

 

シュライバーは、体力が自分の攻撃で残り約3割になった死神を見て攻撃を止めたのだった。

 

体力が3割になったところで死神の武器に変化が現れる。

バルデッシュだった武器は、剣の柄のような形になり、剣の柄から雷の巨大な刃が現れる。

死神はそれだけで留まらず身体に雷を帯び始める。

死神の身体に帯びた雷は、更に武器まで広がり、死神がその大剣を掲げるとロボット達全員が雷を帯び始める。

 

「えっと、武器変形と雷憑依と雷全体憑依っていったところかな」

 

シュライバーは、死神が発動した能力を予想する。

 

「これじゃあ、狼達がロボットで勝てなくなるね」

 

雷を帯びたロボット達を見て思った。

ロボット達に攻撃していた狼達は、麻痺になり怯んだところを攻撃されて次々倒されていく。

 

「あ~あ、折角召喚したのになぁ。即終わらせるしかないか」

 

シュライバーは『女王蜂の短剣』を両手から装備を解除する。

そして【最速の理】を発動させてAGIを2倍になり、【速度は力】の効果でSTRも2倍になる。

 

そしてシュライバーは、死神に襲い掛かる。

 

「ガブッ!」

 

死神が巨大な大剣を振り下ろしてくるがシュライバーには当たらずに、シュライバーは死神に接近して死神の首元に噛みついて死神から距離を取った。

 

「流石にHP全損出来なかったかな。けどかなりHPは削れたな」

 

シュライバーは、噛みつき攻撃で全損にできなかったものの、かなり死神にダメージを与えたことに笑みを浮かべた。

 

「後2~3回噛んだら終わりだね」

 

死神の残り少ないHPを見てまた噛みつく為に接近する。

 

死神は、大剣が当たらない為かまた武器の形を変形させて今度は、鎌の形に変形する。

 

そして死神は鎌を振って雷の斬撃をブーメランの様に飛ばしてくるが、シュライバーにはやはり躱されて接近されて、噛みつかれる。

 

後残り一噛みで倒されるであろう死神は、狼達を全員倒したロボット達にシュライバーを襲わせて自分は距離を取ろうとする。

 

「それをされたくないから【群狼】を使っていたんだけど、もう後一回攻撃したら倒れるなら関係ないんだよね」

 

シュライバーが最初に【群狼】でロボット達の相手をさせていた理由は、ロボット達に一斉攻撃させて死神が雷の遠距離攻撃を連打されるのが嫌だった・・・ではなく、ロボット達と死神の戦闘で間違って武器で死神を倒さないように死神との戦闘に集中する為だった。

 

メイプルの毒竜(ヒドラ)にHPドレインで倒してスキルを取得したみたいに、死神をスキル取得の為にHPドレインで倒してスキルを取得しようと思ったからだ。

 

もう後一回、噛んだら倒れるのでもう武器を使う理由はないので別にロボット達が攻撃に参戦しても何も問題はなかった。

 

そして、ロボット達の攻撃と死神の雷を避け続けて、遂には死神の懐にまで接近した。

 

「これで最後っっ! ッッガブ!」

 

シュライバーは死神の腹を食いちぎる。

死神とロボット達はポリゴンとなって消える。

 

『スキル【雷神喰らい】とスキル【雷光の死神】を取得しました』

 

 

スキル【雷神喰らい】

麻痺、スタン、雷属性攻撃を無効化する。

取得条件:

雷の神系モンスターをHPドレインで倒す。

 

 

スキル【雷光の死神】

雷光の死神の力を思うままに扱うことができる。

MPを消費して雷魔法を使用できる。

取得条件:

麻痺無効を獲得した上で雷光の死神をHPドレインで倒すこと。

 

 

「狙い通り新しいスキルを取得できたぁ」

 

 

シュライバーは狙い通り新しいスキルを取得して喜ぶ。

 

 

「隠しダンジョンやこういう隠しクエストって経験値全然くれないのかな?今回もレベル上がらなかったし」

 

 

【殺戮狼の洞窟】、【雷光の死神】のダンジョン、クエストをクリアしてもレベルが全然上がらなかったことに疑問を覚えた。

 

 

「まあその分、強力なスキルや装備を入手できるからいいんだけどね」

 

 

そしてシュライバーは、いつの間にか出現したフェレットに近づいていった。

フェレットに近づくとフェレットが輝きだして、フェレットが人の姿になる。

 

 

「『ジュエルシード』を回収してもらいありがとうございます」

 

 

人の姿になったフェレットがお礼を言う。

 

 

「自己紹介がまだでしたね。僕の名前はユーノ・スクライアさっきのフェレットの元の姿です」

 

「『ジュエルシード』を一人で回収していたら魔力が尽きてフェレットになってしまったんです」

 

「今までは、魔力が足りずに人の姿に戻れなくて、つい先ほど魔力が完全に戻ったのでこうして人の姿に戻ることができました」

 

 

元の人の姿に戻った、金髪の少年ユーノ・スクライアは、自分のフェレットの姿になった理由と、人の姿に戻った理由を説明する。

シュライバーは何故魔力が尽きてフェレットになったのか疑問を覚えるが、疑問を懐の中にしまってユーノの話の続きを聞く。

 

 

「この姿に戻れば先ほどのように『ジュエルシード』が暴走しないように、封印状態から更に封印することができるので、『ジュエルシード』のことは心配いりません」

 

 

ユーノは、もう『ジュエルシード』が暴走することがないことを説明する。

 

 

「すいません。お礼できるものがないですが、せめて先程の死神が持っていた武器が落ちていたのを拾ったので是非とも貰って下さい」

 

ユーノは、自分がお礼することができないのを誤り、せめて先ほどの死神の武器は貰って欲しいと、死神の武器のシュライバーに渡す。

 

 

『バルディッシュ・アサルト』

【破壊不能】【形態変換】【雷属性付与】

【MP+100】【STR+100】

 

 

【形態変換】

様々な武器に瞬時に形態を変化することができる。

 

【雷属性付与】

武器攻撃時に雷の属性を付与させる。

 

 

 

「今まで本当にありがとうございます」

 

 

ユーノは、『バルディッシュ・アサルト』をシュライバーに渡すと姿を消した。

 

 

「これでクエストクリアか。それにしてもユニークシリーズにも負けない武器を手に入れた。超うれしいな」

 

「何より、これ完全にフェイトさんの武器だよな」

 

 

シュライバーは、強力な武器を手に入れ、それが前世で好きだったキャラクターの武器で気分は最高潮になっていた。

 

 

そしてシュライバーは気分よく始まりの町に戻っていった。

シュライバーが満面の笑みを見て、悶絶した男性プレイヤーと一部の女性プレイヤーが町中で多数発見されたとか。

 

 

 

 

 

 




やっとシュライバーに装備させる予定だった、作者が一番好きな女性キャラの武器、バルディッシュ・アサルトを手に入れさせることが出来ました。

フェイト・T・ハラオウンさんいいですよね。
作者の中では最高の女性キャラだと思っています。

金髪巨乳美女で性格は優しく、それでいて意志が強く、甘えたり、甘えてきたりしてくれそうで、仕事ができる執務官のエリートで、凛々しいところがあり、可愛いとことがあり、
すこしMっぽいところがある。もう完璧ですよね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一回イベント前の準備

今日は、7月7日の七夕です。
作者は、無理だと承知の上でDies irae PANTHEONの配信を願います。
何か起きて配信スタートしないかな?


【NWO】で【毒竜(ヒドラ)の迷宮】の攻略している最中の4人組のパーティがいた。

 

「なあ、知ってるか?」

 

「なんの話だ?」

 

 

4人パーティの弓使いがパーティの大剣使いにパーティメンバーに話しかける。

パーティの大剣使いがなんのことだと聞き返す。

 

 

「第一回イベントの開催が公式で発表されただろ」

 

「ええ、それは知っているわ。だから私たちも第一回イベントの為にレベリングしてるんじゃない」

 

 

弓使いの話を聞き、短剣使いがそのことはもう知っており、その為に迷宮を攻略していると返す。

だが弓使いは話はまだ終わってないと話を続ける。

 

 

「それで第一回イベントの開催が残り一週間になった時に、ある現象が一層全域に起こるようになったんだよ」

 

「ある現象?」

 

「聞いたことないわね」

 

「僕も聞いたことがないですね」

 

 

弓使いが最近ある現象が【NWO】に起きるようになったと伝えると、パーティメンバーの大剣使い、短剣使い、魔法使いの全員は知らないとこたえる。

パーティメンバーの反応に弓使いは笑みを浮かべる。

 

 

「モンスターと戦闘している時にそれは起こる見たいなんだよ。戦っていたモンスターが急に倒れたかと思ったら、今度はパーティメンバーが次々倒されて行くみたいんだよ。しかも何で倒されたのか当事者自身も分からないみたいなんだ」

 

「そんなことがあり得るのか?」

 

「そうですよ。それも当事者が分からないなんてありえないですよ」

 

「何か特殊なスキルか魔法を使ったのかも」

 

 

弓使いがある現象について説明すると、パーティメンバーの反応は弓使いが考えていた通り全員疑問を覚えた。

 

 

「まあ、魔法やスキルの可能性は否定しきれないけど、俺はイベント前の運営の隠しイベントか何かだと考えているだよ」

 

「なるほど、何か特殊な条件でその現象が出現して、何らかの手段で条件を満たしてクリアするみたいな感じですかね」

 

「まあ、俺の憶測だけどな」

 

 

弓使いが現象の憶測を言うと、魔法使いがその憶測を過程として予測を立てる。

 

 

「けど隠しイベントの可能性は有ると思うわよ。もしかしたらそのイベントをクリアすると第一回イベントに何か有利な報酬が貰えるかもしれないし」

 

「そうだな、その可能性は否定しきれないな」

 

 

弓使いの憶測をパーティメンバーの全員が可能性は0ではないと思っていた。

 

 

「隠しイベントかどうかはともかくとして、その現象に遭遇しないと関係ないんだがな」

 

「それもそうですね。まず現象が自分達に起きないと関係ないですもんね」

 

「その現象が起こった時に考えることにして迷宮の攻略を続けましょ。一層全域にその現象が起きるなら場所は関係ないと思うし、いつまでここにいても意味ないし」

 

「じゃあ、話し合いはここまでにして奥に進むか」

 

「「「そうするか(しましょうか)」」」

 

 

弓使いのパーティは現象が起きたらその時に対処する方針にして、【毒竜の迷宮】の攻略を続けることにした。

 

 

「モンスターが出てきたぞ。みんな準備はいいか」

 

「「「おう(ええ)」」」

 

 

弓使いのパーティは、周囲にスライムが現れたのでそれぞれが武器を構えて戦闘態勢をとる。

大剣使いと短剣使いがそれぞれ別のスライムに斬りかかり、弓使いが他のスライムに弓を引き矢を撃とうして、魔法使いが全員のサポートをする為に支援魔法を発動しようとする・・・が

 

 

「「「「っえ?」」」」

 

 

弓使いが矢を撃つのを魔法使いが魔法を発動するのを止め、更には、大剣使いと短剣使いまでもがスライムに斬りかかるのを止める。

弓使いのパーティ全員が攻撃を止めた理由は、今まさに戦闘しようとしていたスライム達が一瞬でポリゴンになって消えていったからだ。

いきなりのことで全員が驚いて動きが止まった。

 

 

「っ!?皆気をつけろ。今話していた現象だ!」

 

 

弓使いがいち早く驚愕の硬直が解け、全員に気をつけるように声を上げて叫ぶ。

弓使いの言葉で全員の硬直が解けて武器を構えなおす。

 

 

「いきなり、あの現象とそうグッ」

 

「っ!?大丈夫ですk」

 

 

大剣使いが武器を構えていたが、話している途中でHPが一瞬に0になりポリゴンになって消えて、そんな大剣使いの声が途中で止まった事に反応して、大剣使いの方に気を向けた魔法使いも大剣使いと同じようにHPが0になり、ポリゴンになって消滅した。

 

 

「聞いてないぞ。一瞬で消えるなんt」

 

「こんなのどうしろっt」

 

 

弓使いが一瞬でスライムとパーティメンバーが倒れたことに動揺したところで、短剣使いがこの現象をどうすればいいか叫んでいる途中に立て続けにHPが0になり消滅した。

 

 

「よし戦闘終わり」

 

 

弓使いのパーティメンバーが消えた場所に、軍服を着て、片目に眼帯を着けた美少女にも見える中世的なプレイヤーのシュライバーが立っていた。

 

 

「経験値も大分稼げたなぁ。あと少しで目標のレベルに到着だぁ」

 

 

そう弓使い達が話していた現象の正体は、第一回イベントの為の隠しイベントではなく、ある目標の為に経験値稼ぎをしてレベルを上げていたシュライバーだったのだ。

それもスキル【死世界・凶獣変生(ニブルヘイム・フェンリスヴォルフ)】を発動してAGIを5倍にした状態のシュライバーにだ。

その手には、前回のクエスト【フェレットの落とし物】のエクストラクエスト【雷光の死神】で入手した『バルデッシュ・アサルト』の鎌の形態で持っていた。

 

 

「さあ、第一回イベントまであと少ししかないし頑張るかぁ」

 

 

シュライバーは、第一回イベントの為にどうしても獲得したいスキルがあったのと、『バルディッシュ・アサルト』の【形態変換】で変えた武器を自分に慣れさせる為に、新たな標的を求めて駆けて行った。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「モンスターが勝手n」

 

「おい、これまずくn」

 

「一体なにが起こっているんだ」

 

 

先程の弓使いパーティと同じようにシュライバーに標的と定められた哀れな子羊、もといパーティを組んでいたプレイヤー達が悲鳴を上げて消えていった。

 

 

『レベルが35になりました。スキル【空蝉】を取得しました』

 

 

スキル【空蝉】

一日に一度だけ自身への致死ダメージを無効化するスキル。

一分間【AGI】を50%上昇する。

取得条件:

レベル35に到達するまでノーダメージであること。

 

 

「っよし!第一回イベントまでに取得できた。イベントでダメージを受けるかもしれないからね」

 

 

シュライバーは、運営から第一回イベントの告知を受けて残り一週間になったところで全力でレベル上げをしていた。

35レベルになるまでノーダメージで取得できるスキル【空蝉】がどうしても欲しかったからだ。

【空蝉】のスキルの取得方法は、前世の知識で知っていたので悪名高き狼(フローズヴィトニル)を倒してユニークシリーズを入手した時から、本格的に取得しようと決めていたのだ。

そしてシュライバーは【空蝉】を取得した達成感に浸ろうとしたところで、頭の中で更なるシステム音が流れる。

 

 

『条件を満たしたので、クエスト【真なる死神】を強制受諾します。今から1分後に転移するので戦闘準備を整えて下さい』

 

 

システム音の後に、シュライバーの足元に漆黒の魔法陣が出現した。

 

 

「っえ?強制受諾何それ?」

 

 

シュライバーは、欲しいスキルを手に入れた後にいきなりの強制受諾という想定外のことに驚いていた。

 

 

「この魔法陣、移動したら一緒に移動するな。これじゃあこの転移から逃げれないなぁ」

 

 

驚きが解けたシュライバーはすぐさま移動して魔法陣の外に出ようとしたが、魔法陣がしっかりとシュライバーの足元に移動していたので諦めた。

 

 

「想定外だけど、似たようなことが二回あったしやるか」

 

 

強制受諾という点を除けば、【殺戮狼の洞窟】【雷光の死神】とほとんど変わらないので、気を落ち着かせて戦闘態勢に入る。

 

 

転移時間残り10秒になるとシュライバーの目の前に赤い10の数字が現れて、10、9、8、7とカウントダウンし始める。

 

 

「さあ、第一回イベント前の最後の大勝負を始めようか!」

 

 

シュライバーは、第一回イベントの前の最後のバトルに気合いを入れる。

そしてカウントが0になり、魔法陣が黒く輝きシュライバーを転移させた。




【雷光の死神】に続けて、【真なる死神】という死神系モンスターを連続で出してしまいました。
予定では、【真なる死神】を出すつもりはなかったんですけど、シュライバーの【空蝉】を取得する為のレベリングについて考えている時にふと思いついたので出しました。
どうかご了承ください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

真なる死神

前話を投稿してから遅くにも気づいたことがあります。
何時もは、感想で誤字報告をしてくれている読者の方がいたので、それで誤字を直していたのですが、マイページを見て誤字報告一覧という欄があり、そこで誤字報告してくれている読者の方がいらっしゃっいました。
前から誤字報告をして下さっていたのに、気づけなくてすみませんでした。
誤字報告ありがとうございます。
これからも誤字があれば誤字報告お願いします。

話は変わりますが、神咒神威神楽をゆっくりとプレイしたので遅くなりましたが、刑士郎&朔夜ルート、宗次郎&紫織ルート、夜行&龍水ルートを攻略しました。
夜刀と覇吐の戦闘シーンは特に最高ですね。
前に言っていた、龍明のシーンも素晴らしかったです。
ヒロインの中では作者は、紫織が好きで、夜都賀波岐の中では、母禮が好きです。
何時もは主人公が様々なヒロインを攻略するゲームをプレイしてますが、たまにはカップリングが変わるモノもいいなと思いました。
まあハーレムものが一番好きなことは変わらないんですが。
今は、覇吐&竜胆ルートをプレイしています。
早く終わらせて波旬を倒したいと思います。

では本編を始めたいと思います。






 

「ここは、洞窟?」

 

 

シュライバーが【真なる死神】を強制受諾させられて転移した場所は、漆黒の暗い洞窟のような巨大なドーム状のような場所だった。

 

 

「あれは黒い炎?」

 

 

シュライバーが転移した先で見たものは、中央に燃え盛るように見える、蒼い巨大な炎の様なものだった。

巨大な炎の様なものは、シュライバーが中央に近づいた瞬間に膨張し始めた。

 

 

「ボスの出現かな?」

 

 

膨張し始めた巨大な蒼い炎の様な、魂は大きさが倍のサイズに膨張すると漆黒のオーラを纏って弾けた。

 

「漆黒のオーラを纏った死神か」

 

 

弾けた後に姿を現したのは、漆黒のローブを着た骸骨でお腹のあたりに深紅のコアが有り、漆黒と蒼のオーラを身体に纏っている。

その手には、巨大な漆黒の大鎌が握られていた。

 

 

「行くぞっ!!」

 

 

シュライバーは、『バルディッシュ・アサルト』の通常の形状で、姿を現した死神に襲い掛かる。

 

 

「何っ消えた?」

 

 

シュライバーはそのAGIの速さで死神に一直線に近づき、距離を縮めて、いざ斬ろうとした時、死神の身体が蒼い炎を纏ったと思ったらその瞬間に姿を消した。

 

 

いきなり姿を消した死神にシュライバーは周囲を警戒して、いつでも反撃できるように『バルディッシュ・アサルト』を構える。

 

 

「ッッ来た」

 

 

シュライバーは『直観』で嫌な予感を感じた瞬間に、後ろに身体を倒す。

身体を倒した瞬間に、身体の真上に大鎌の刃が通り過ぎる。

大鎌の刃がシュライバーの身体を通り過ぎるのと同じ時に、シュライバーが倒れる勢いに合わして『バルディッシュ・アサルト』を振りかぶっており、大鎌が通り過ぎた瞬間に真後ろに振り下ろす。

 

 

「やっぱり当たらないか。けど攻撃した瞬間は姿は見えるんだね」

 

 

シュライバーの攻撃は死神と距離が離れており、届かなかった。

そして死神は、また蒼い炎を纏い姿を消した。

だが、シュライバーは真後ろに死神の姿を目視出来たので姿を消す能力は、攻撃した瞬間に解除されると予想した。

 

 

「けど、鎌のリーチがうざいなぁ」

 

 

シュライバーは、死神の大鎌のリーチを嫌がっていた。

シュライバーは、今までの戦闘では、自分から斬りに行くか、敵の攻撃を避けた瞬間に反撃するかの二択だが、相手は姿が見えないので、攻撃を躱した瞬間に反撃するしかないが、大鎌のリーチの長さのせいで『バルディッシュ・アサルト』が届かないからだ。

 

 

「仕方ない、魔法を使おうか」

 

 

だが、それは以前のシュライバーの戦闘スタイルのことで、今のシュライバーの戦闘スタイルは【雷光の死神】で得たスキルで増えていた。

 

 

「【電磁波感知】」

 

 

シュライバーは、スキル【雷光の死神】の雷魔法を発動させる。

発動した魔法は、自分の周囲に微弱な電磁波を放ち、電磁波に触れたものを全て感知するという魔法だ。

 

そしてシュライバーは、フィールドを縦横無尽に駆け回る。

 

 

「【フォトン・ランサー】」

 

 

シュライバーは駆け回っている際、【電磁波感知】で死神を感知した瞬間に、死神に向けて槍の様な雷の魔力弾を放つ。

シュライバーの【INT】の数値は0なので、威力はないが、その魔法を死神に放った理由はその副次効果にあった。

 

【フォトン・ランサー】を受けた死神は、痺れて麻痺状態になり、身体の動きが少し止まった。

シュライバーが狙っていたのは、【フォトン・ランサー】の副次効果の確定スタンと確率麻痺だった。

 

動きが止まった死神にシュライバーが斬りかかる。

 

 

「あれ?攻撃してもHPバーが見えない?この死神のスキルか何かかな?」

 

 

死神が現れていた時もHPバーがな無いことに疑問を感じたシュライバーだったが、攻撃すれば出るだろうと思っており、死神が姿を消した瞬間に自分の位置を分からなくする為だったと予測して、その仮説を確信したが違ったことに驚いた。

そして、死神が本体じゃないかもと考えたが、周囲に隠れる場所は無く、駆け回っていた時にも【電磁波感知】に引っかからなかったことも含めて、単にHPバーを隠蔽するスキルだと予測する。

 

 

「まあ、倒すまで攻撃すればいいだけだし」

 

 

シュライバーはHPバーを気にするのを止めて、戦闘を続行する。

また【電磁波感知】で死神を感知する為に、縦横無尽に駆け回る。

死神は姿を消しているが、状態異常の麻痺のおかげで死神が行動していると、確率で痺れて麻痺のエフェクトがでるのでそれでだいたいの居場所が分かる。

そこに向えば【電磁波感知】に反応があるので、そこに『バルディッシュ・アサルト』で斬りかかる。

それの行動を数回繰り返す。

 

 

「まだ、何も変化がない。HPが高いのか、本体が別のどこかにいるのかな」

 

 

シュライバーは、自分の【STR】で複数回攻撃しているにも関わらず、死神の行動が変化しないことに体力が多いか本体が別にいるのかと考え始める。

 

そして駆け回っていたシュライバーが、麻痺で痺れたエフェクトを見つけた瞬間にそこに向かい駆け出す。

【電磁波感知】で死神を感知した瞬間に、死神に向かい襲いかかる。

 

 

「ッッ!?」

 

 

死神にシュライバーが飛び掛かった瞬間にシュライバーに嫌な予感を覚えた。

シュライバーの転生特典の『直観』が発動したのだ。

だがシュライバーは、空中にいたので回避行動を起こせない。

なのでシュライバーは、『バルデッシュ・アサルト』を死神がいる方に向け、自分の身体の前に構えて防御態勢をとる・・・がそれは悪手だった。

 

 

「反応が消えた!?」

 

 

シュライバーは【電磁波感知】で感知していた死神の反応が消失したことに驚く。

驚いた瞬間に死神はシュライバーの真後ろにいた。

 

 

「急に反応がっ。転移魔法かな」

 

 

死神はシュライバーの真後ろに現れた瞬間に大鎌を振っており、大鎌の刃がシュライバーの首を捉えてダメージエフェクトが・・・出なかった。

 

 

「【空蝉】が発動したのかな。だったら、さっきの攻撃は致死ダメージってことかな」

 

 

そうシュライバーが【真なる死神】を強制受諾する前に取得したスキル【空蝉】の効果で致死ダメージを無効化したのだ。

 

 

「さっきの攻撃を何回もされたらやっかいだし、もう決めに行くかな」

 

 

シュライバーは、さっきの攻撃を連続でされたら厄介なのでもう勝負を決めに行くことにしてスキルを発動する。

 

 

「【死世界・凶獣変生(ニブルヘイム・フェンリスヴォルフ)】」

 

 

シュライバーは、自身の切り札のスキルを使用して【AGI】を5倍にして【速度は力】で【STR】も5倍になる。

そして死神に向かい襲い掛かる・・・ことはなかった。

 

 

「【雷纏】」

 

 

シュライバーは【雷光の死神】が使用していた雷魔法を使用した。

魔法の効果でシュライバーは身体に雷を纏って【AGI】と【STR】が30%上昇して、全ての攻撃に雷属性が付与される。

 

 

「ザンバーフォーム!!」

 

 

シュライバーは、それだけで終わらず『バルデッシュ・アサルト』の【形状変換】を使用して、一番威力のある大剣に武器形状を変化させる。

『バルデッシュ・アサルト』は基本状態の斧の形状から、大剣の柄に変わり雷の刀身が出現する。

 

 

「これで決める」

 

 

シュライバーの速度は【死世界・凶獣変生】、【雷纏】、【空蝉】の効果で先程の5.8倍になっていた。

 

死神の麻痺エフェクトを見つけてシュライバーは死神との距離を一気に詰める。

シュライバーが【電磁波感知】で死神を感知した瞬間に死神の反応が消える。

そしてシュライバーの真後ろに反応が現れる。

 

 

「それはさっき見たよ」

 

 

シュライバーは地面に足を着けているので、先程と違い空中にいないので様々な行動ができるようになる。

死神がシュライバーの真後ろから大鎌を振ってきたが、シュライバーは危なげなくしゃがんで避け、一瞬で死神に近づき滅多切りにする。

死神は姿を消すこともできずにポリゴンとなって消滅した。

 

 

「良かった本体とかいなくて」

 

 

シュライバーは死神に別の本体がいなかったことに安堵した。まあ別に本体がいた場合は、あの状態でそのまま倒そうと思っていたが。

 

 

『クエスト【真なる死神】をクリアしました』

 

 

シュライバーにクエスト達成のシステム音が鳴り響く。

 

 

『スキル【死神の加護】、スキル【死神の極意】、スキル【死神の羽衣】、スキル【死への誘い】を取得しました』

 

 

そしてクエスト報酬だろうか。シュライバーは新たなスキルを取得した。

 

 

スキル【死神の加護】

幻系スキル、隠蔽系スキル、即死を無効化する。

気配遮断、ステータス隠蔽、スキル隠蔽を常時発動

 

 

スキル【死神の極意】

敵に自分の姿を見られずに攻撃、又は敵の首か心臓の部分を攻撃時にSTRが二倍になり、10%の確率で即死させる。

 

 

スキル【死神の羽衣】

MPを消費して自身を透明化させる。

発動中は感知系スキルに感知されない。

例外として周囲に魔法などを散布して姿を物理的に捉える能力等は無効化できない。

自身の攻撃時に【死神の羽衣】の効果は失う。

また、透明化中に敵に攻撃を受けると【死神の羽衣】は効果を失う。

取得条件:

【真なる死神】をノーダメージで倒すこと。

 

 

スキル【死への誘い】

MPを消費して、対象の真後ろに転移する。

使用回数は一日十回。

取得条件:

【真なる死神】をノーダメージで倒すこと。

 

 

「えっと【死神の加護】と【死神の極意】はクエストクリア報酬で、【死神の羽衣】と【死への誘い】は条件を満たしたから取得できたのか。どのスキルも強力で暗殺に特化してるね。流石死神のスキル」

 

「で、死神を感知できたのは、【電磁波感知】だったからか。普通に隠蔽を見抜くスキルだったら見抜けなかったと。HPバーが見えなかったのは【死神の加護】のステータス隠蔽の能力だったってことだね」

 

 

シュライバーは取得した強力で暗殺に特化しているスキルに満足していた。

そして、周囲に電磁波を放って電磁波に触れた対象を感知する能力だったから死神を感知でき、普通の隠蔽を見破るスキルは聞かないことにホッとしていた。

後、謎だったHPバーが見えないのは【死神の加護】のステータス隠蔽で見えなかったのだと納得する。

 

 

「っよし。これで油断しなければ第一回イベント10位以内は余裕だね」

 

 

シュライバーは油断しなければイベント報酬は確定で貰えるだろうと思い、第一回イベントを楽しみにしながら【真なる死神】を倒した後に出現した、漆黒の魔法陣に入っていき、始まりの町に戻っていった。

 

 

 




やっと次回に第一回イベントを書くことができます。
シュライバーこと速水刹那の3つ目の特典についてもイベント中に明らかにしていきたいと思います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一回イベント開始

やっと第一回イベントを始まりました。
シュライバーは何位になれるでしょうか?
お楽しみに

神咒神威神楽は覇吐&竜胆ルートを攻略して、波旬との最終決戦をしてやっと完全攻略しました。
作者は、波旬との最終決戦の波旬が歴代の神座を破壊する所が好きです。
波旬は死ぬことに抵抗すれば覇吐達は負けていたんじゃないかとも思いましたが、それはともかく波旬を倒せて良かったです。
波旬ファンには申し訳ないんですが作者は波旬をあまり好きになれなかったです。
やっぱり敵は獣殿の方が作者的に良かったです。例え流出の詠唱がルートごとに変わっていたとしても。

獣殿万歳 ジークハイル!!

それでは本編を始めたいと思います。




【NWO】の第一回イベントの当日シュライバーは、イベント開催地の最初の広場でイベントが始まるのを待っていた。

 

 

「やっぱり軍服を着てるからかな?周りのプレイヤー達の視線が」

 

 

華奢で容姿端麗で、軍服を着用して眼帯をしているシュライバーは、イベントに参加するプレイヤー達の注目の的だった。

 

 

「おい、あれって軍服か?どこで入手したんだ?」

 

「さあ、何処かのダンジョンでレアドロップしたんじゃないか?」

 

「隠しクエストで手に入れたのかもな」

 

「運要素で手に入れたのか、実力で手に入れたのか分からないな」

 

「まあそこの所はイベントで分かるだろ。運で手に入れたなら直ぐやられるだろうし、実力で手に入れたならイベント上位にいるかもしれないし」

 

「実力で手に入れていたら強そうだな。軍服の装備なんて聞いたことないし」

 

「レアアイテムだが、唯のおしゃれアイテムかもしれないぞ」

 

「運にしろ実力にしろイベントが始まらないと分からないな」

 

 

軍服がシュライバー以外、誰も持っておらず情報すら何も無いのでシュライバーの周囲にいたプレイヤー達は、何処で入手したのか、運要素か実力どっちで入手したのかの話で盛り上がっていた。

 

 

 

「あっ、おーいシュライバー!!」

 

 

周囲のプレイヤーから注目されているが、近くには誰も近づいていなかったシュライバーに話しかける黒を基準として所々に赤い装飾がされており、中央に赤い薔薇のレリーフが刻まれている装備を着ているこの第一回イベントで頭角を現すプレイヤーのメイプルだった。

 

 

「やあ久しぶりだね。メイプルも第一回イベント参加するんだね」

 

「うん。あれから装備も手に入れたし、強いスキルも手に入れたんだ」

 

「まあ、その装備見たことないし、前より強くなってそうだなって分かるよ」

 

「えへへ、分かる?あれから私も強くなったんだよ。だから今回のイベントも頑張るよ」

 

 

シュライバーに強くなったと褒められて、えっへんと胸を張るメイプル。

 

 

『まあ、あのユニークシリーズと【毒竜(ヒドラ)】のスキルを手に入れたら強くもなるよな。対策してないととほぼ対処できないし。しかも【絶対防御】と【大物喰らい(ジャイアントキリング)】で強化された異常なVITの高さ。防御貫通がない今の時点でメイプルのVITを突破できるのって僕ぐらいじゃない?』

 

 

シュライバーは、メイプルが軽く言った「強くなった」の強さのレベルに多少引いていた。

シュライバー、お前も人の事言えないレベルで鬼畜仕様だがな。

 

 

「でもイベントで会ったら手を抜かないよ」

 

「私も負けないよ~」

 

 

イベントで会ったら手加減しないと約束を交わす二人。

そしてそんな二人を見て周囲にいたプレイヤー達は・・・

 

 

「何かあの二人を見てると尊いな」

 

「「「「「「「分かる~」」」」」」」

 

「いいよね。美少女同士が話しているのを見ると」

 

「片方眼帯をしているけど可愛いのは分かるしな」

 

「けどどっちの装備も見たことないってやばくないか」

 

「そんなことはどうでもいいんだよ。可愛いが正義だ!」

 

 

シュライバーとメイプルを見て尊んでいた。

装備が見たことないレア装備なんて関係ない。可愛いが正義だと。

そしていつも通り、何も知らない人には女性にみられるシュライバーだった。

 

 

そしてシュライバーとメイプルはイベントが始まるまで雑談した。

そしてそれを暖かく見守るプレイヤー達。

おい、メイプルが来るまでシュライバーに向けていた警戒やら興味は何だったのかと問いただしたい。

 

 

そうして時間が過ぎていき、イベント開催の時間がくる。

 

 

「それでは第一回イベント!バトルロイヤルを開始します!」

 

 

周囲から「おおおおおおおお!!!」といった怒号が響く。

メイプルとシュライバーも怒号と言うほどではないが、手を突き上げて叫んだ。

 

 

そこで大音量のアナウンスが流れる。

 

 

「それではもう一度改めてルール説明をします!時間制限は三時間。ステージは新たに作られたイベント専用マップです!倒したプレイヤーの数と倒された回数、それに被ダメージと与ダメージ。この四つの項目からポイントを算出し、順位を出します!更に上位十名には記念品が贈られます。頑張ってください!」

 

 

そう言い終わるとスクリーンに転移までのカウントダウンが表示された。

 

 

「じゃあメイプル時間だよ。お互い会ったら敵同士だけど頑張ろう!」

 

「うん。上位入賞目指して頑張ろう!」

 

 

シュライバーとメイプルお互いに激励してカウントダウンがゼロになり、シュライバーとメイプルを含めた全員が光に包まれて転移した。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「もう転移にはなれたね。もう四回目だし」

 

 

シュライバーは、今までに三回転移経験があり、もう四回目になるので転移に慣れていた。

なので何も驚かずに周囲を見渡した。

 

 

「周囲に敵はいないか。取り合えず一番使いやすい武器に変えとこうかな」

 

 

シュライバーは周囲に敵がいないことを確認して、自身の武器を一番使いやすい形状に変化させる。

 

 

「『バルディッシュ・アサルト』ライオットザンバー・スティンガー」

 

 

基本形態の斧から二本の片刃の長剣に『バルディッシュ・アサルト』を【形態変換】させる。

 

 

「待っていても意味ないし動こうかな」

 

 

当たり前の事だが、VIT極振りでAGI0のメイプルと違い、AGIに極振りしているので、その場でじっとしているより敵を見つけて倒す方が効率的だからだ。

 

 

「取り合えず、適当に散策しようか」

 

 

シュライバーは、原作知識をもってしてもイベント用ステージの全内容を知らないので適当に駆けて獲物を見つけることにする。

 

 

「見つけた!」

 

 

シュライバーは自分の転移した場所から適当に駆けて直ぐに標的を見つけた。

そして標的に向けて速攻で接近する。

 

 

「うん?何か来る?敵か!」

 

 

シュライバーが接近してきたことに気づいたプレイヤーは、自分の武器である槍を構える。

 

 

「なんだあの武器、刀身が黄色に光っている!?」

 

 

接近してきたシュライバーの武器に標的のプレイヤーは驚いていた。

それはそうだろう。ライオットザンバー・スティンガーは『バルデッシュ・アサルト』の刀身が雷の刃なので【NWO】をプレイしている者ならその異常性に驚くだろう。

『バルデッシュ・アサルト』以外で炎や雷、氷と言った魔力の刃を出せる武器は誰も入手していないからだ。

 

 

「やばそうな武器だがやるしかないな」

 

 

標的のプレイヤーは、武器に驚くのを止めて接近してくるシュライバーに槍を構える。

 

 

「今だっ!」

 

 

シュライバーが接近してくる動きに合わせて、標的のプレイヤーは槍を横薙ぎに払う。

標的のプレイヤーは、上級プレイヤーだったかもしれない。シュライバーの武器に驚きはしたが、シュライバーの攻撃範囲に入る前には気を持ち直し、迫ってくるシュライバーの速度に合わせて槍を振ってきたのだ。

 

 

「何っ!?」

 

 

だが、シュライバーは上級者程度のプレイヤーは歯牙にもかけない。

横薙ぎに払われた槍を、片方の剣で上に弾いて、標的のプレイヤーの横を通り抜け、その瞬間にもう片方の刃で首を斬り飛ばす。

 

 

「一撃かよ・・・」

 

 

シュライバーのSTRはAGIに依存しており、その数値は異常なのに加えて、新しく得た【真なる死神】を倒して手に入れたスキル【死神の極意】で更に威力が上がっており、一撃以外ありえない。

 

 

「よし次に行こう!」

 

 

標的を一撃で倒したシュライバーは歩みを止めず、次の標的を求めて駆け続ける。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

それから数十分程の時が立ち、序盤よりプレイヤー同士の戦闘が増えていた。

そして一対一ではなく、約二十人のプレイヤーが戦闘している所も存在していた。

普通のプレイヤーならばある程度人数を減るのを待つか、全員の体力をある程度減るのを待つか、そもそも戦闘に参加せずにその場を離れて少数で戦っている場所に行くだろう。

だが、嬉々としてその戦闘に参加する者がいた。

 

 

「やった。初めて集団戦闘している場所を見つけた」

 

 

そうシュライバーだ。

今までシュライバーは気のままにステージを駆けていたが、見つけたプレイヤーは一人か多くても三人といったところしか見つからなかった。

そしてイベントで初めて見つけた約二十人ぐらいのプレイヤーが集団戦闘しているのを見つけて、獰猛な笑みを浮かべ戦闘に参加しに行く。

 

そして驚くべきことが起きた。

 

 

「死ねぇぇ!!」

 

「勝つのは俺だぁぁ!」

 

「いいえ、私よ」

 

「どうした、そんなもんかよ」

 

「まだまだぁぁ!!」

 

 

シュライバーがその戦闘の中に入ったが、誰もシュライバーの存在に気付かない。

【真なる死神】のスキル【死神の羽衣】でMPを消費して透明になることができるが、今回は【死神の羽衣】を発動しているわけではない。

 

それは体術。戦闘しているプレイヤー全員の意識の隙間、糸よりも細いその隙間を見つけてそこを歩く。

古流歩法《抜き足》ーそれを戦闘している約二十人ぐらいのプレイヤーに使ったのだ。

戦闘中の場所にするりと通り抜け、そして通り抜けざまに首を斬る。

首を斬られてポリゴンになって消滅したプレイヤーがいることには気づくが、シュライバーには誰一人気づけない。

約二十人の戦闘しているプレイヤーの意識の死角をあっさり見つけ出す眼力と、それを一ミリの狂い無く歩く体技はシュライバーの三つ目の特典の一部だ。

 

 

「なんだ、どうなっている?」

 

「いきなり何人も倒されているぞ!」

 

「最初は相討ちかと思ったけど、これはおかしすぎるわね」

 

「けどこうしている間に何人ものプレイヤーg!」

 

 

戦闘をしていたプレイヤーが自分たちに起こっている事の異常に気付くが何もできない。

一人また一人と首を刎ねられていき数を減らしていく。

対策しようと戦闘していたプレイヤーが協力しようとするが何もできない。

そもそもシュライバーに目を付けられた時点で終わりなのだ。

シュライバーに出会ってしまったことを後悔するしかほかない。

まあ倒した相手がシュライバーだとイベントが終わり、映像を見てないと気づかないのだが。

そしてシュライバーの周囲に誰もいなくなる。

約二十人のプレイヤーはシュライバーに首を刎ねられて倒された。

 

 

「よし。次の標的はどうしようかなっと」

 

 

シュライバーは、駆けながら、周囲に他の獲物がいないか探す。

 

 

「あれは、複数の刃が浮いているのかな?っていうことはあのキャラがいるんだね」

 

 

シュライバーは、駆けている最中に複数の刃が浮かんでいたのが見えたので、防振りのあのキャラがいると予想してそこに向かって行った。

 

 

 

 

 




もうシュライバーの3つ目の特典を気づいた方もいらっしゃると思いますが、次話で完全に明らかにするのでタグにあの作品名を追加するのは、待ってください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一回イベント中盤戦

私は心から渇望する異世界転生を
最強なる転生特典を神から賜る
絶対的ご都合主義の名の下に
自身に仇なす全ての敵に無双しよう
目指す頂は様々な種族の美女たちの桃源郷
世界の誰も私の自由を阻むことはできない
何故なら世界は自分中心に廻っている
さあ、ここに新たな物語を始めよう
創造 Briah――
僕の考えた最強の主人公(シュヴァルツ・ゲシヒテ)

作者が適当に考えた、作者の創造です。
求道型の創造でその渇望は「異世界転生したい」「転生特典で無双したい」「多種族美女ハーレムを築きたい」というもの。
顕現した能力は、空間転移、様々な神話の力、第一級フラグ建築士
そんな能力、作者も欲しい

どうでもいい話はこれで終わるとして
さあ、いよいよシュライバーこと速水刹那の三つ目の特典を発表します!
読者の皆さんは、どんな能力か分かったでしょうか?
あの作品を知っている人は多分、分かるような気がしなくもないです。
でも使っている武器が違うからなぁ~

それでは本編を始めたいと思います。




第一回イベントのバトルロワイヤルが始まってから数十分が経過していた。

二十人を超える集団戦闘をしていた所に乱入して、全員を気づかれずに倒したシュライバーは、その後に新たに獲物を見つける為に駆けて、新たな獲物を見つけた。

 

 

「おお、やってるね。やっぱり、【崩剣】が相手だと複数人で共闘するよね」

 

 

シュライバーが見つけたのは正確には獲物ではなく、宙に浮いている複数の短剣の刃だった。

複数の刃を宙に浮かせられるのは、原作知識で【崩剣】のシンだけだったので、シュライバーはシンだと確信して近づいて行った。

そして予想通り、そこにいたのは【崩剣】のシンがいて、共闘しているであろう五人のプレイヤーがいた。

合計十本に及ぶ短剣の刃を操るシンは、普通のプレイヤーでは圧倒的手数の差で叶うはずもなく、複数人で共闘して戦うことが妥当である。

 

 

「流石原作で、十位以内入賞者。五人相手でも全然押されてないね」

 

 

5対1でもシンは、危なげなく戦っていた。

【崩剣】は複数の短剣の刃を操る能力であり、それを自分の意志でコントロールしなければならず、本来であれば扱い辛い能力だが、シンの才能と言うべきか短剣の刃を自分の自在に操れるので多対一の戦闘が得意なのだ。

そして五人のプレイヤー相手に善戦していたシンだが一人のプレイヤーが戦闘に参戦してきたことで戦況がガラリと変わる。

 

 

「試してみたい技があるから他のプレイヤーには退場してもらおうかな」

 

 

シュライバーは【崩剣】の能力相手に試したいことが有ったので、速攻で他の五人のプレイヤーを片付けることにする。

先の戦いで見せた相手の無意識の死角に入る《抜き足》を使用せず、普通に接近して五人のプレイヤーの首を斬った。

 

ただし、今までと違う事が一つだけある。

それは、斬りかかる速度だ。

本来シュライバーのAGIで接近されれば並みのプレイヤーはその姿をみることもできない。

イベントが始まり最初に戦闘した槍使いがシュライバーの姿に気づきあまつさえ、その攻撃に反応して槍で攻撃してくることなど到底出来ないのだ。

 

つまりシュライバーは最初から手を抜いていたのだ。

だが今回は違う。

死世界・凶獣変生(ニブルヘイム・フェンリスヴォルフ)】や【最速の理】、【雷纏】といったAGIを上昇させるスキルを発動こそさせていないが、パッシブスキルと素のAGI値だけで異常な数値になっているので反応できない。

 

 

「何だ、何だ。急に倒された?」

 

 

そして五人と戦っていたシンは、突然倒された五人を見て驚いていた。

近くで戦っていたシンでさえ、シュライバーが五人を斬ったことも、シュライバーが戦闘に乱入したことさえ気づけなかった。

 

 

「っっ!? お前のスキルか?」

 

「そう見える?」

 

 

シンは、五人が急に倒れた場所にいつの間にか現れたシュライバーを見てさらに驚いたが、バトルロワイヤルの最中なので気を取り戻して、五人を倒したのはシュライバーのスキルかどうか質問する。

シュライバーはシンの質問に笑みを浮かべながら返答する。

 

 

『何かのスキルだよな。AGIを上昇させるスキルか?それとも転移スキルか?そして攻撃した後は反動があるのか。じゃないと俺に姿を見せた説明ができない。そして俺に気づかれずに戦闘していた五人を倒すスキル。次に発動させるまでにインターバルがあるはずだ』

 

 

シンは目の前に現れたシュライバーの能力を予測するが残念。

単にAGIが異常に高いだけです。

 

 

「【崩剣】!!」

 

『さっきのスキルをまた使われたらやべぇ。それにあの眼帯、何か蒼く燃えてるし何かやばそうだし、早めにけりをつけるしかないよなぁ』

 

 

シンはシュライバーがスキルを発動したと勘違いしたまま、眼帯が【永劫破壊(エイヴィヒカイト)】で蒼く燃えているようなエフェクトを見てシュライバーが、やばいプレイヤーと思い早期決着をつけるために、【崩剣】を発動させて十枚の短剣の刃をシュライバーに飛ばす。

 

 

「この世界に転生して、そういう多方向からの攻撃がなかなか無かったからこの技使えなかったんだよね」

 

 

シンがスキルだと思ってしまった理由の1つであるシュライバーが動きを止めた理由は、ある技をこの世界で使ってみたかったからだ。

 

そして、シュライバー目掛けて襲い掛かってくる十の刃にシュライバーは回避行動は一切取らなかった。

それでも短剣の刃がシュライバーを斬ることはできなかった。

シュライバーに触れた瞬間、全ての短剣の刃は軍服の上を滑り、そのまま傷を付けることなく後方に流されていく。

 

その技は、森羅万象全ての流れを感じ取ることで、目に見えぬほどの微細な動きだけであらゆる攻撃を受け流す、とある剣術の天才が半生を賭してたどり着いた受けの極致ー

 

 

「綾辻二刀流奥義ー《天衣無縫》」

 

 

それは、シュライバーの三つ目の特典の能力の一部【剣技模倣(ブレイドスティール)】で模倣した綾辻一刀流奥義ー《天衣無縫》を特典の1つである【神速反射(マージナルカウンター)】を組み合わせることで本来一刀流の技を二刀流にして強化させた技だ。

 

 

「攻撃があたらねぇ」

 

 

《天衣無縫》を使用したシュライバーにシンはダメージを与える事は叶わず、接近を許してしまう。

そしてそのままシンの首を斬り飛ばす。

 

 

「さてと、そろそろ野生のラスボスに挑戦しようかな」

 

 

シンを斬った後、シュライバーは遠くに見える紫色の三つ首の竜を見て獰猛な笑みを浮かべる。

 

 

「そろそろやっとかないと倒してしまった場合、十位以内に入らないかもしれないしな」

 

 

シュライバーは、最初は第一回イベントで戦うか戦わないか迷っていた。

何故なら、十位以下になることによって【要塞(フォートレス)】と【念力】の二つのスキルの片方しか取得できなくなるのを防ぎたかった為だ。

 

まあシュライバーが100%勝てるというわけではないが、九分九厘シュライバーが勝つ。

現在のメイプルの戦闘スタイルと言えば、【パラライズシャウト】で麻痺らせて、【毒竜(ヒドラ)】か【悪食】で倒すものだが、シュライバーはスキルと装備によって麻痺と毒が効かず、【悪食】以外ダメージを与えられない。

 

AGIを極振りしているシュライバーにAGIが0のメイプルが攻撃を与えられる確率はほぼ0に近い。

そしてイベントの残り時間が一時間になると1位~3位のプレイヤーはポイントの三割が譲渡されるようになる。

そんなこともありメイプルと戦うか迷っていたのだが、シュライバーは簡単なこと事に気づいた。

 

「メイプルを3位以内にしないにするか、残り一時間以内になる前に倒せばいいんじゃないか」という簡単なことに。

そして今の状況なら残り時間は一時間以上あり、【毒竜(ヒドラ)】でメイプルの居場所が明確に分かるようになっていたので戦うことにした。

 

 

「いや~生で見る【毒竜】は迫力凄いなぁ」

 

 

シュライバーは【毒竜】のいる方角に向かっていき、まじかで見る、猛毒で出来た竜の迫力に少し興奮していた。

 

 

「やあメイプル。この三つ首の竜ってメイプルが出していたんだね」

 

「あっ、シュライバー、そうだよ~、どう私が手に入れたスキル凄いでしょ」

 

「そうだな。三つ首の竜、凄い迫力だよ!」

 

「ふふ、そうでしょ。シュライバーもどうしたの?その蒼く燃える眼とその二本の刀身が雷の剣すごくかっこいいよ!!」

 

「そうかい。ありがとう」

 

 

メイプルの近くまで近づいたシュライバーは、メイプルに話しかける。

メイプルも自分の近くにシュライバーがいることに気づき、【毒竜】について言われたのでえへんと胸を張り、自分のスキルを誇るメイプル。

そしてシュライバーは、メイプルの【毒竜】の感想を言いい、笑みを浮かべるメイプル。

シュライバーの姿を見てかっこいいと褒めるメイプル。

シュライバーも装備を褒められ笑みを浮かべる。

メイプルとシュライバーはお互いに笑みを浮かべていた。

 

 

「なんだぁ。いきなり現れやがって」

 

「ほのぼのした空気になるのもいいが、ここが戦場っていうことを忘れるなよ」

 

「戦場では、常に落ち着いていなければならないということを教えてあげよう、お嬢ちゃん」

 

「いくら強いスキルを持っていたって油断したら駄目だぜぇ」

 

「戦いの最中に話し合いとは笑止」

 

 

シュライバーとメイプルの話し合いは、はたから見れば・・・いや、はたから見なくてもほのぼのしており、とても戦いの最中にするものではない。

そう思ったメイプルと戦っていたプレイヤーも好機と思い一斉に、シュライバーとメイプルに襲い掛かる。

 

 

「今、話しているのが分からないのかな~」

 

「もう~今、シュライバーと話してるのに邪魔しないでよもう」

 

 

シュライバーは、獰猛な笑みを浮かべ、メイプルは「しょうがないなぁ(プンプン)」といったような感じで襲い掛かってくるプレイヤーに行動を起こす。

 

 

「【雷纏】」

 

「【毒竜】」

 

 

シュライバーは全身に雷を纏い、メイプルは短剣から三つ首の毒竜を出す。

別にシュライバーは【雷纏】を使わなくてもよかったが、せっかくメイプルがスキルを使ったので自分もといった感じで発動した。

幸いMPは今まで倒したプレイヤーのMPを吸収してその総量は膨大なので問題なく使用した。

 

 

「撤退、撤退」

 

「に、逃げろ~」

 

「やばい、やばい」

 

「乱入した娘も何かやばそうだぞ」

 

「もう、終わりだぁ~」

 

 

シュライバーとメイプルの二人がスキルを発動した瞬間、二人に襲い掛かろうとしたプレイヤーの半分が逃げ、半分がそのまま襲い掛かる。

そのまま襲い掛かったプレイヤーは半分が毒の竜に飲み込まれ、もう半分が雷の双剣に斬り刻まれる。

逃げたプレイヤーも、毒の竜と雷の斬撃に逃げ切れず、二人の周囲にいるプレイヤーは誰もいなくなった。

 

 

「さあ、メイプルそろそろ始めよっか」

 

「そうだね。どっちが勝っても恨みっこなしだよ~」

 

 

二人だけになり戦闘を開始する。

この戦闘は第一回イベントの中でも特に注目される戦いになる。

 

 

「【パラライズシャウト】」

 

「えっ、効かない?」

 

 

メイプルが戦闘開始早々【パラライズシャウト】を発動して、シュライバーを麻痺らせようとするが、【雷神喰らい】の効果で麻痺が無効になるシュライバーには効かなかった。

 

 

「っうわ!ビックリした。でもえへへ、その攻撃は私に効かないよ」

 

『やっぱり【大物喰らい】が発動してない状態で、【大物喰らい】を発動しているメイプルのVITは超えられないか』

 

 

シュライバーは、メイプルが【パラライズシャウト】を使用した後、速攻でメイプルの脇腹を斬るがメイプルは、いきなり目の前に現れたシュライバーに驚いただけでそのHPを減らすことは無かった。

 

 

『やっぱり、首か心臓を斬って、【死神の極意】の力を使わないとダメージを与えられないかな』

 

「けどシュライバー速いな~、こっちの攻撃が当たらないよ」

 

 

シュライバーは、スキルで威力を底上げしないと抜けないVITの高さを再認識する。

メイプルは、接近されえて大盾を振り回すが全然当たらないシュライバーに頭を悩ませる。

 

 

「私から離れたね【毒竜】」

 

 

シュライバーがメイプルから少し距離を開けると、【毒竜】を発動してシュライバーに攻撃する。

そして三つ首の竜は、その場から動かない(・・・・)シュライバーを捉える。

 

 

「ええ~、これも効かないの?」

 

 

【毒竜】はシュライバーに直撃するもINTが0のメイプルは猛毒で相手を倒すのだが、『女王蜂の指輪』で毒は無効化されるのでダメージを与える事は出来なかった。

 

 

「手を抜かないように言ったし、全力でやろうかな。【死世界・凶獣変生(ニブルヘイム・フェンリスヴォルフ)】」

 

 

第一回イベントが開始される前にメイプルと手を抜かないように約束したのが頭をよぎり、全力でメイプルを倒すと決めたシュライバーは、切札であるスキル【死世界・凶獣変生】を発動させて勝負を決めにかかる。

 

 

「約束だからね。手は抜かないよメイプル」

 

「え、ちょっと待って」

 

 

スキルを発動したシュライバーを見て、焦ったメイプルは待ったをかけるが

 

 

「待った無しだよ」

 

 

5倍になった速度でメイプルの真後ろに一瞬で回ったシュライバーは、待った無しとメイプルに声をそっとかけて首を斬る。

 

 

「や~ら~れ~た~」

 

 

シュライバーの声を聴いて慌てて後ろに振り向こうとするが、その瞬間に首を斬られて倒される。

メイプルの悔しそうな?声を上げながら消えていくメイプルを見送る。

 

 

「【死世界・凶獣変生】を解除してっと。流石に毒無効と麻痺無効とVITを上回る威力が出せれば負けないよね」

 

 

シュライバーは、メイプルと戦闘が終わった瞬間に【死世界・凶獣変生】を解除する。

 

そして戦闘が終わったシュライバーは、また獲物を探しにステージを駆け出した。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「けど、全然原作キャラ見つからないね」

 

 

シュライバーはメイプルを倒してから周囲を探索して、新たなプレイヤーを何十人か倒したが、自分の知る原作キャラとなかなか遭遇しないなっと思ったシュライバーは、誰かいないかと探し始めていた。

第一層しか解放されてない現在で、メイプル程派手な攻撃をするプレイヤーはおらず、見つけるのに苦労した。

 

 

「おっ、やっと見つけた」

 

 

そしてシュライバーはやっと自分が知る原作キャラを見つけた。

 

 

「【四ノ太刀・旋風】」

 

 

シュライバーが見つけた原作キャラは、着物を着た刀使いで戦闘中だったのか相手を刀術スキルを使用して、斬り上げ、斬り下ろしをそれぞれ二回放って敵プレイヤーを倒したところだった。

 

 

「次は、お前が相手か?」

 

「そうだね。お願いするよ」

 

 

戦闘が終わった後に、歩いて近づいていたシュライバーに気づいた原作キャラのカスミは、次の相手はお前かと聞かれたので、そうだと返答するシュライバー。

 

 

「いざ、参る!」

 

 

シュライバーの返答した直後に、接近して刀で斬りかかるカスミ。

その斬撃は鋭く、シュライバーを斬り裂こうとする。

 

 

「攻撃を逸らされたか。なかなかやるな」

 

 

斬撃を剣で受け流されたことにシュライバーを強敵だと認識するカスミ。

 

 

「まだまだ行くぞ!【四ノ太刀・旋風】」

 

 

相手が強敵だと認識しても攻撃を続けるカスミ。

次の攻撃は、先程プレイヤーを倒した刀術スキルを使用する。

 

 

「これも流されるのか」

 

 

振り上げ、振り下ろしを二回連続で続けるが、躱すか受け流される。

それでもカスミを攻撃を止めずにに斬り続ける・・・が

全ての攻撃を特典の1つである『神速反射(マージナルカウンター)』の力で見切り、避け、受け流す。

 

そして、時間にして一分が経過して、このままでは埒が明かないと思ったが、バックステップを取り距離を話すカスミ。

 

 

「まさかここまでしても攻撃が当たらないとはな。お前、名前は何という」

 

「僕の名前かい?僕の名前はシュライバー。お姉さんの名前は?」

 

「シュライバーと言うのか。私の名前は、カスミと言う」

 

 

シュライバーはカスミに名前を聞かれたので答えて、カスミの名前も聞き返す。

いくら原作で知っているからといって、初対面なので、最初から名前を知っていると怪しまれたら困るからだ。

 

 

「だが、シュライバーいくら攻撃を避けたり、受け流しても攻撃しないと勝てないぞ」

 

「大丈夫。もう見切った。今から攻撃に入るよ」

 

 

先程から、受け流す、避けるだけで一向に攻撃してこないシュライバーにいつまでそうしていても勝てないぞと言ってきたが、シュライバーはもう準備は整ったので今から攻勢に入ると答える。

 

 

「私の攻撃を全て見切っただと。その言葉が本当か試してみろ!」

 

「それじゃあ、行くよ」

 

「【一ノ太刀・陽炎】!」

 

 

カスミは自分の全ての攻撃を見切られても冷静だった。

だから、シュライバーに攻撃する様に促し、攻撃を始めようとするタイミングで、敵の目の前に瞬間移動して敵を斬りつける【一ノ太刀・陽炎】を発動させる。

 

そして、攻撃をしようとするシュライバーの目の前に突然現れて、シュライバーを斬りつけようとする。

 

 

「っっ!?」

 

「見切ったって言ったよ」

 

 

カスミが斬りつけてきた刀を弾くシュライバー、そして攻撃が弾かれたことに驚愕するカスミ。

一分間カスミの攻撃を受け続けて、三つ目の特典の一部『完全掌握(パーフェクトビジョン)』でカスミの行動を掌握した。

シュライバーは、一分間攻撃し続けたカスミの情報を事細かく収集した。

コンビネーションの癖、技の出所、発想力、呼吸のテンポ、思考の癖、カスミと言うプレイヤーの全てを。

 

そしてあらかじめ知っていたスキル【一ノ太刀・陽炎】を発動すると読んでいた。

そして、その攻撃を受け流してシュライバーはバックステップで後ろに下がる。

 

 

「じゃあ、そろそろ本当に行かせてもらうよ」

 

「来るか!」

 

 

カスミは防御の態勢を取りシュライバーの攻撃に備える。

そして、シュライバーの攻撃に反撃をしようと集中してシュライバーの行動を見逃さないようにする。

 

シュライバーの姿が一瞬でカスミの視界から消えた。

そして、カスミはいつの間にか首を斬られていた。

 

 

「急に消えただと。シュライバーは何の動作もしたように見えなかったのに」

 

 

シュライバーは別に異常に高いAGIを生かして移動したわけでも、【死神の羽衣】を使用して姿を消したわけではない。

もし仮にその行動を起こしたとしてカスミは、シュライバーが何かしらの行動を起こしたことに気づいただろう。

しかし今回は、カスミはシュライバーが消える前に何か動作を起こしたように見えなかった。

 

シュライバーは『剣技模倣』で習得した《比翼》の剣技を使用していた。

それは、世界が捕まえる事を諦めた、世界最強の剣士にして世界最凶の犯罪者の《比翼》エーデルワイスの剣技。

脳から贈られる信号を変化させることで普通は出来ない0~100までの加速が存在しない、いきなり最高速度が出せ、急激な緩急をつけた動きを可能とする。

 

カスミは、いきなり最高速度で動いたシュライバーを捉えることができなかったのだ。

 

 

『何の動きも見えなかったけど斬られた。それに私の行動が完全に読まれた。どこかでみたような』

 

 

斬られてポリゴンになって消える際に、シュライバーの攻撃にどこかで見たような既知感(デジャブ)を感じる。

 

 

『思い出したぞ。そうかシュライバーはクロガネか、それともクロガネと何かしら関係がある者だったのか』

 

 

ポリゴンになって消える直前にカスミは思い出した。

それは【NWO】以外の剣だけで戦うVRMMOのゲームで伝説となった人物だった。

【剣神】クロガネそう呼ばれた伝説のプレイヤーを。

そのクロガネと呼ばれたプレイヤーとシュライバーの戦闘スタイルは酷似していた。

 

実際その予想は当たっている。

シュライバーは、三つ目の特典である、【落第騎士の英雄譚の黒鉄一輝の力】を試すためにプレイしていたのだ。

 

何故、黒鉄一輝の力にしたかというと、転生させてくれた神様は魔法や気といった理解不能な超常現象を起こす力は貰えなかったので、技術チートである黒鉄一輝の力を望んだ。

超常現象を使うことはできないので、魔力が無く【一刀修羅】【一刀羅刹】を使うことはできない。

 

だが、防振りでAGIを極振りにするなら、【一刀修羅】で身体能力を数十倍に上昇させて高速戦闘ができたのと刀以外の武器を使っても直ぐに使いこなしそうな気がしたから黒鉄一輝の力を望んだ。

それは間違っておらず、違う武器を使っても直ぐに使いこなすことができた。

流石に刀を使った方が強かったが。

だが、【NWO】で刀だけでプレイするつもりはなかったのもあり、初期武器を短剣を選んだ。

そして『バルデッシュ・アサルト』を手に入れて様々な武器に変える事ができるので刀一本にしなくてよかったと思っている。

 

 

そしてカスミを倒したシュライバーは新たな獲物を見つけに動き出す。

 

 

 

 

 




シュライバーの3つ目の特典は、作者が二番目に好きな主人公の落第騎士の英雄譚の黒鉄一輝の力です。

えっ?何で一番好きな主人公にしないのかって?
不死で、MP無限で、規格外な能力を持つ十二体の獣を使役する真祖なんか【NWO】に出せるわけないだろう。
シュライバーの能力も作者が改竄して超絶弱体化させています。
真創造を発動したシュライバーなんか【NWO】で誰も勝てないわ。

初めは見た目を黒鉄一輝にするかシュライバーにするか悩みましたが、AGI極振りのキャラを考えたらシュライバーが出てきて、武器も刀だけにするつもりがなかったのでシュライバーにしました。
後、おいおい装備させようとおもっている物が黒鉄一輝が装備したらすごく違和感を覚えるからです。

以上のことからこの作品のシュライバーができました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一回イベント中盤戦 掲示板

前話で原作キャラであり、原作第一回イベントで上位十人の内のシン、カスミ、そしてメイプルを倒したシュライバー。
シュライバーは、何位になることができるでしょうか?

こんな前振りですがこの話は前回の戦闘を見ていたプレイヤーの掲示板です。

それでは、本編を始めたいと思います。


 

【NWO】第一回イベント観覧席3

 

 

241:名無しの観戦者

やっぱ優勝はペインか?

ゲーム内最高レベルだし無双してんな

 

 

242:名無しの観戦者

あれはやばい

動きが人間辞めてるw

 

 

243:名無しの観戦者

でもやっぱ順当に勝ちを重ねているのはよく聞く名前ばっかだな

 

 

244:名無しの観戦者

トッププレイヤーが強いのはそりゃ当然よ

 

 

245:名無しの観戦者

は?何こいつら・・・・・・やばくね?

 

 

246:名無しの観戦者

うっわ映っている奴ら強っ

 

 

247:名無しの観戦者

暫定成績ランキング

メイプルっていう大盾

百二十人潰して被ダメなんとゼロ

 

 

248:名無しの観戦者

シュライバーっていう斧

こっちも百四十人倒して被ダメゼロ

 

 

250:名無しの観戦者

ふぁっ!?

 

 

251:名無しの観戦者

チート? いや・・・・・・無いか

 

 

252:名無しの観戦者

って言うかそんだけ暴れてたらそろそろスクリーンに映るんじゃね

 

 

253:名無しの観戦者

こいつか?

大盾の方今映ってる

 

 

254:名無しの観戦者

盾がw 剣食ってるw 何これw

 

 

255:名無しの観戦者

可愛い顔してやることえぐすぎんよ!

状態異常とあの大盾で殆ど無抵抗のまま潰してる

 

 

256:名無しの観戦者

でも動き遅くね?

さっきからカウンターばっかり

 

 

257:名無しの観戦者

確かにあの立ち回りならダメージ貰って普通だよな

ほら言ってるそばから・・・・・・は?

 

 

258:名無しの観戦者

は?

 

 

259:名無しの観戦者

は?

 

 

260:名無しの観戦者

あいつ何で頭に振り下ろされた大剣頭で弾き返してんの?

 

 

261:名無しの観戦者

え? 真面目な話そんなことできんの?

 

 

262:名無しの観戦者

出来たら皆やるわ

 

 

263:名無しの観戦者

大盾よりも状態異常よりも本体の方が謎すぎてやばい件について

 

 

264:名無しの観戦者

ふぁ!?何か今見た目が凄いやつが映ってんだけど

 

 

265:名無しの観戦者

やばw 軍服着て、眼帯付けてなんか眼帯から蒼い炎でてるんですけどw

 

 

267:名無しの観戦者

それだけじゃないぞ

武器もやばい

あの二本の剣、刀身が雷?になってる

 

 

268:名無しの観戦者

装備からしてやばすぎるw

 

 

269:名無しの観戦者

あの装備一体、何処で手に入れられるんだ?

 

 

270:名無しの観戦者

さあ?何処かで運よく手に入れたんじゃないか?

あの軍服も、あの武器も一切情報が回ってない

 

 

271:名無しの観戦者

うわっ

あいつ装備だけじゃなくてマジ強くね?

 

 

272:名無しの観戦者

10人ぐらいが戦ってるとこに乱入して攻撃を全て躱すか剣で弾いてるw

しかもその後に首を斬って一撃で倒してる

 

 

273:名無しの観戦者

けど倒したやつ全員の首刎ねてるな

全員一撃なのはそのせいか?

 

 

274:名無しの観戦者

そういうスキルがあるのかもな

 

 

275:名無しの観戦者

でもまだ大盾の方がやばいな

強いって言ってもまだ人間の範囲だ

大盾みたいに本体も謎じゃない

 

 

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

 

 

310:名無しの観戦者

化けもんすぎんだろ

 

 

311:名無しの観戦者

おかしい所

防御系スキルの発動無しの素のVIT値で魔法の全てをノーダメで受けきる

アホみたいな威力の魔法

あいつのステどーなってんの?

 

 

312:名無しの観戦者

魔法受けたのは鎧がなんかやばいスキル持ちなんじゃないの?

 

 

313:名無しの観戦者

大規模スキルは殆どがエフェクト付きだから多分鎧が光ってないところを見るになんもないと思う

絶対じゃないがな

 

 

314:名無しの観戦者

うん

俺も鎧は今のところ何も無い・・・・・・と思う

 

 

315:名無しの観戦者

マジ何あの歩く要塞w

 

 

316:名無しの観戦者

マジで歩く要塞で草生える

 

 

317:名無しの観戦者

お、今度はシンか

 

 

318:名無しの観戦者

あの十本の刃よく操作できるよな

 

 

319:名無しの観戦者

そうだよな

よく五人相手に立ち回れるよな

 

 

320:名無しの観戦者

ふぁ!?

急に五人が倒された!

何が起きた!?

 

 

321:名無しの観戦者

シンがやったのか?

 

 

322:名無しの観戦者

いやシンが何かしたようには見えなかったぞ

それにシンも驚いてるから違うだろ

 

 

323:名無しの観戦者

おい、さっきの五人がいた場所に人が立ってるぞ

 

 

324:名無しの観戦者

ほんとだ

あれ?軍服双剣じゃないか?

 

 

325:名無しの観戦者

あいつがやったのか

 

 

326:名無しの観戦者

そうじゃないかな

やられた五人がいた場所に立ってるし

 

 

327:名無しの観戦者

一体どうやったんだろう?

 

 

328:名無しの観戦者

何かのスキルじゃないか?

普通五人倒したらそのままシンもやるだろう

スキルの反動で一時的に動けなくなったんだろ

 

 

329:名無しの観戦者

シンもまたさっきのをされないように速攻で決めようとしてるのかな?

 

 

330:名無しの観戦者

そうかもな

あれをされたら躱せないだろうし

 

 

331:名無しの観戦者

お、刃が軍服双剣に向けて放たれたぞ

流石にあれ全部は避けたり弾いたりできないんじゃないか

 

 

332:名無しの観戦者

は?刃が当たってるのにダメージが出てないんだが?

 

 

333:名無しの観戦者

身体にダメージエフェクトがでてないな

 

 

334:名無しの観戦者

あれ?何かあの刃軍服の上を滑って無いか?

 

 

335:名無しの観戦者

本当だ!?

良く見たら滑っているように見えるな

 

 

336:名無しの観戦者

何かのスキルか?

一時的に物理攻撃を全て滑らせて受け流すとか

 

 

337:名無しの観戦者

そんなやばいスキルなら大規模スキルだろうしエフェクトが出てるだろ

それに何かしたようには見えなかったぞ

 

 

338;名無しの観戦者

まさか体術で受け流しているとか

なわけないよなw

 

 

339:名無しの観戦者

そんなことできるわけないだろう

どんな達人だ

神業すぎるだろ

 

 

340:名無しの観戦者

あ、斬られた

 

 

341:名無しの観戦者

まあ、あの攻撃が効かないなら斬られるだろ普通

 

 

342:名無しの観戦者

結局あれはスキルなのかプレイヤースキルなのか

 

 

343:名無しの観戦者

多分スキルだろうが、確証はないな

チートではないだろうし

 

 

344:名無しの観戦者

ほんとにどうなんだろうな

 

 

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

 

 

395:名無しの観戦者

おい、あの大盾と軍服双剣が接触してるぞ

 

 

396:名無しの観戦者

あの二人が戦ったらどっちが勝つんだ?

 

 

397:名無しの観戦者

流石に大盾だろ

どれだけ攻撃してもダメージを受けないだろうし

あの大盾に触れたら終わりだぞ

それに状態異常まである

 

 

398:名無しの観戦者

あ、何か二人が話してる?最中にプレイヤーが乱入してきた

 

 

399:名無しの観戦者

何か凄く乱入してきたやつら悪役に見えるな

 

 

400:名無しの観戦者

大盾があの毒の竜をだして軍服双剣が雷を纏いだしたぞ

あ、乱入したやつの半分が逃げ出してる

 

 

401:名無しの観戦者

襲い掛かる→相手が戦闘態勢をとる→即撤退

何て迅速な行動なんだw

 

 

402:名無しの観戦者

しかし逃げられない

って言うか速いな

雷を纏ってAGIを超上昇させてるんじゃないか?

 

 

403:名無しの観戦者

かもな

素のAGIが滅茶苦茶高いかもしれないが

それなら敵を一撃で倒すことはできないだろうし

 

 

404:名無しの観戦者

お、二人が戦うみたいだぞ

 

 

405:名無しの観戦者

もう邪魔者は殲滅したからな

 

 

406:名無しの観戦者

殲滅、あっというまだったな

 

 

407:名無しの観戦者

早速大盾が麻痺らせようとスキル使ったな

 

 

408:名無しの観戦者

あれ?麻痺らないな

麻痺耐性持ってる?

 

 

409:名無しの観戦者

大盾も驚いてる

 

 

410:名無しの観戦者

速ぇぇぇ!!

攻撃全然見えなかったんだけど!?

 

 

411:名無しの観戦者

確かに速いな

けどダメージは通ってないみたいだな

 

 

412:名無しの観戦者

AGIが高いとどうしても威力出せないよな

ダメージを受けないから大盾の勝ちだな

 

 

413:名無しの観戦者

まあ、そうなるよな

 

 

414:名無しの観戦者

この勝負大盾の勝ちか

 

 

415:名無しの観戦者

お、勝負を決めに行ったぞ毒の竜だ

 

 

416:名無しの観戦者

ふぁ!?

あいつ避けないと思ったら毒の竜が効いてないんですけどw

 

 

417:名無しの観戦者

毒耐性か?

じゃないと耐えられいよな

 

 

418:名無しの観戦者

あいつ麻痺耐性と毒耐性持ってんのか

しかも全然効かないとこを見るに耐性もかなり高いだろ

 

 

419:名無しの観戦者

これで大盾の攻撃は盾で食べるしかないな

もう盾で食べるしか方法がないよな

 

 

420:名無しの観戦者

でもあいつに当てるのはかなり難しくないか?

あいつシンでも攻撃を当てることができなかったし

それにAGI高すぎるし

 

 

421:名無しの観戦者

片や攻撃を当ててもダメージが入らない

片や盾で食べれても攻撃が当てられない

 

 

422:名無しの観戦者

この試合ドローになるんじゃないか?

ダメージが入らないなら逃げるしかないだろ

 

 

423:名無しの観戦者

この勝負引き分けか

 

 

424:名無しの観戦者

いや、まだ攻撃するみたいだぞ

まだ撤退する気はないみたいだぞ

双剣を構えてる

 

 

425:名無しの観戦者

あのVITを抜く気か

無謀すぎるだろ!?

 

 

426:名無しの観戦者

やべぇ遂に倒された!!

やっぱり速すぎて見えねぇ!?

大盾のVIT抜いたぁぁぁ!!

 

 

427:名無しの観戦者

あのAGIの高さで大盾をスキルなしで頭で弾くVITを抜けるのか?

そんなことありえるのか?

 

 

428:名無しの観戦者

実際出来てるんだから出来るんだろう

まあ、あの威力は十中八九スキルだろう

 

 

429:名無しの観戦者

スキルであの威力の攻撃を出せるのか?

 

 

430:名無しの観戦者

あの軍服双剣やばすぎるだろ

攻撃が当たらないうえにAGIが高く滅茶苦茶速い

その上スキルを使用すればあの大盾を貫通する威力を出せる

 

 

431:名無しの観戦者

まあ化物すぎるが流石にダメージが大盾並みにあるとは思えない

あれで大盾並みのVITがあったら今すらやばいのにチート過ぎる

 

 

432:名無しの観戦者

それなら大人数で攻撃すればいけるか

 

 

433:名無しの観戦者

もしかしたら全部躱される可能性は否定できないけどな

全員が広範囲攻撃すればいけるか

 

 

434:名無しの観戦者

まず倒すのに大人数が必要な時点でおかしいだろw

しかも範囲攻撃じゃないと当てられない前提とかw

 

 

435:名無しの観戦者

けど大人数で戦ってもあの速さであの威力

絶対被害甚大になりそうだな

 

 

436:名無しの観戦者

まとめると化物ってことか

 

 

437:名無しの観戦者

っていうか完全に大盾キラーだな

麻痺耐性、毒耐性、VITを上回る威力、回避力が異常に高い

大盾が勝てる可能性がほぼ0に近い

 

 

438:名無しの観戦者

あの盾で食べるしか勝つ方法がないが

当てるのがAGIが低すぎて難しすぎる

余程のことがないと無理だな

 

 

439:名無しの観戦者

大盾VS軍服双剣は軍服双剣の圧勝か

 

 

440:名無しの観戦者

相性が悪すぎるわw

 

 

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

      ・

 

 

475:名無しの観戦者

お、また軍服双剣映ったぞ!!

今度の相手はカスミだな

 

 

476:名無しの観戦者

なんか有名プレイヤーと化物プレイヤーと結構戦ってんな

 

 

477:名無しの観戦者

果たしてカスミはあの化物に勝てるのか?

 

 

478:名無しの観戦者

軍服双剣がほぼ勝つこと前提な件についてw

 

 

479:名無しの観戦者

おお、カスミが斬りかかってる

 

 

480:名無しの観戦者

おい、あいつカスミの攻撃を躱すだけで反撃一切してないぞ

舐めプか?

 

 

481:名無しの観戦者

本当に攻撃当たらねぇな

一分ぐらい一方的に斬りかかってるのに

 

 

482:名無しの観戦者

流石にいったん離れて距離をとるか

 

 

483:名無しの観戦者

あんだけ攻撃して一回も当たらないからな

当然だろう

 

 

484:名無しの観戦者

一旦戦闘が止まった

何か話してるのか?

 

 

485:名無しの観戦者

おおっ!?

軍服双剣が攻撃しようとした際にカスミが斬りにいった

けど読まれていたのか受け止められてる

 

 

486:名無しの観戦者

カスミも速いな

あれはスキルか

 

 

487:名無しの観戦者

あれはスキルだな

カスミは軍服双剣みたいな速度は持ち合わせてないし

 

 

488:名無しの観戦者

けど今の攻撃も止められたしもううつて無くないか?

 

 

489:名無しの観戦者

今度は軍服双剣が動くぞ!!

 

 

490:名無しの観戦者

あれ?カスミが一撃貰った

今の攻撃確かに速かったけどさっき見たいに視認できない速さじゃないのに

 

 

491:名無しの観戦者

そうだなカスミぐらいの実力者なら十分対応可能だと思ったけど

 

 

492:名無しの観戦者

ただ単に攻撃には反応できたが身体が動かなかっただけじゃないか?

遠くから見てる俺等からすれば見えるけど近くにいると速さの感覚が大分違うんじゃないのか?

 

 

493:名無しの観戦者

そうかもな

 

 

494:名無しの観戦者

しかしあの軍服双剣本当に強いな

化物すぎるw

 

 

495:名無しの観戦者

このペースならイベント1位狙えるんじゃないか?

 

 

496:名無しの観戦者

けどまだペインがいるぞ

あいつなら攻撃を当てられるかもしれん

 

 

497:名無しの観戦者

ペインと軍服双剣どっちが強いんだろうか?

 

 

498:名無しの観戦者

俺はペインだと思う

 

 

499:名無しの観戦者

俺もペインだな

このゲームの最高レベルのトッププレイヤーだぞ

 

 

500:名無しの観戦者

俺は軍服双剣だな

ペインと戦っても負けるとは思わないが

戦わなくてもあの速さで倒していけば討伐数で1位になれるだろ

 

 

501:名無しの観戦者

俺も軍服双剣だな

あんな速さ、流石のペインでも反応できねぇよ

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

こうしてシュライバーは一位になれるのか?

シュライバーとペインどっちが強いか提示板では盛り上がっていた。

 

 

前話から特に何か起こるわけでも無く、目の前にいるプレイヤーを倒していたシュライバー。

そして第一回イベント残り時間が一時間になっていた。

そして大音量のアナウンスが鳴り響いた。

 

 

『現在の一位はシュライバーさん、二位はペインさん、三位はドレッドさんです!これから一時間内に上位三名を倒した際、得点の三割が譲渡されます!三人の位置はマップに表示されています!それでは頑張ってください!』

 

 

「やったぁ僕が一位かこのまま逃げ切れるかな」

 

一位になったシュライバーは喜ぶ

 

 

「どうにも簡単には終わらせてくれないようだな。それにしても二位か」

 

危機感は感じていないペイン。

二位であることに思うことはあるようだが。

 

 

「えうぇーめんどくせぇーマジで?」

 

露骨に怠そうなドレッド。

 

 

三者三様の反応を各地で見せる中、イベントはクライマックスに向かって行く。

三人の元に我先にとその首を狙うプレイヤー達が走り出す。

 

 

 




最初の掲示板は、二十人を倒した後シンを見つけるまでの話
次はシンと戦うところの掲示板
次はメイプルと戦うところの提示板
最後にカスミと戦うところの掲示板です。


そして一位~三位までの現在の順位がでました。
果たしてシュライバーは一位で逃げ切ることはできるのでしょうか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一回イベント終盤戦

気まぐれ更新とタグ欄に入れておきながらコツコツ、一週間以内には投稿してきましたが遂に一週間以上の間を開けてしまったぁぁぁ

仕事で疲れていたと言うのもありますが、第一回イベントの終盤は大まかな結末は考えていましたがどうやってその展開にもちこもうか悩んだ為、遅れました。

どうやって、■■■■■■を■■■■が■すか、■■■■の■■で■■■■■を起こして■そうかと考えていました。

■の中に入る言葉は後書きに記入しておきます。

後話は変わりますが、防振り10巻販売されましたね。
今までは《楓の木》《集う聖剣》《炎帝ノ国》しか主立って出てきませんでしたが、新たなギルドのプレイヤーが出てきて、これからのバトルが楽しくなりそうです。
それに伴って更におかしく進化するメイプル、これからの展開が楽しみです。

それでは本編を始めたいと思います。





第一回イベントのバトルロワイヤル残り一時間を切り、現時点で一位~三位が公開された。

 

 

一位のシュライバー、二位のペイン、三位のドレッドは自分の居場所がマップに表示されるようになり、更に上位三位以内のプレイヤーを倒すとポイントの三割が譲渡されるようになり、ポイントが余り稼げず一発逆転を狙うプレイヤーを筆頭にランキング上位十位以内を目指すプレイヤー達は積極的に三位以内のプレイヤーに戦いを挑んでいく。

 

 

「いや~、ランキング一位って公開されてから襲ってくるプレイヤー増えたなぁ」

 

 

ランキング一位になって襲う側から襲われる側になったシュライバーは、多数のプレイヤーから襲われても余裕を崩さずにいた。

 

 

「なんでだ。攻撃が当たらねえ」

 

「こっちは周りを囲んでいるんだぞ」

 

「しかも、攻撃するたびに数人が一瞬で倒されていく。化物すぎる」

 

「くそっ!数で倒すしかない。みんなイケェェ!!」

 

「おぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

自身の周りを囲まれて怒涛の勢いで攻撃を続けるプレイヤー達だが、それぞれが攻撃するたびにカウンターで首を斬られ、倒されていくプレイヤーたち。

だが、倒されたプレイヤーの代わりに他のプレイヤーが入りシュライバーに休む暇すら与えないように攻撃し続ける。

 

 

「倒しても、倒しても減らないねぇ。ポイントを稼げるから別にいいんだけどね」

 

 

槍使いが槍を突き、刀使いが刀で斬りかかり、斧使いが斧を振り下ろし、大剣使いが大剣を振りかぶり、メイス使いがメイスを振る下ろすが、そのどれもがシュライバーは最低限の動きで躱しながら攻撃をしやすいプレイヤー数人を双剣で首を飛ばしていく。

 

 

「次元が違いすぎる」

 

「本当にあれに勝てるのか?」

 

「こっちにはまだまだ数がいるんだ。ずっと攻撃し続ければいずれ勝てるだろう」

 

「そうだ。あの化物もいつまでも回避し続けるのは無理なはずだ」

 

「気を強く持て。アイツを倒せばランキング十位以内に必ずなれる」

 

「まあ、誰があいつを倒しても恨みっこなしだがな」

 

 

シュライバーという化物プレイヤーと戦っている短い内にお互いに鼓舞しあって絆を深めるプレイヤー達が現れる中それでも戦況は変わらず、シュライバーの一騎当千の無双劇が繰り広げられる。

 

 

「おい、一旦さがれ!!」

 

「魔法の準備が整った」

 

「巻き添えをくらいたくないなら早く離れろ!!」

 

 

シュライバーを囲んでいるプレイヤー、そのすぐ後ろに倒されたプレイヤーの代わりに入るプレイヤー達がいて、更に後ろに魔法使いや弓使いの後衛のプレイヤー達の攻撃準備が整った為、シュライバーを攻撃していたプレイヤー達に一旦後退するように言う待機しているプレイヤー達。

 

 

「おい、下がらないのか。そこにいたら巻き添えをくらうぞ」

 

「下がれって!死んでもいいのか?」

 

 

後退を言われても一向に後退しないプレイヤー達。

早く後退しろと待機しているプレイヤー達は叫ぶが、それでも下がらない。

 

 

「構わねぇ、俺らごとやれ!」

 

「じゃないとこの化物は倒せねぇ!!」

 

「せめてこいつを道連れできれば万々歳だ!」

 

「こいつを倒せるなら死して本望」

 

「早く撃て!!」

 

 

攻撃を止めて距離をとると必ず避けられると思ったプレイヤー達は、自分を巻き添えにしてもシュライバーを倒せと伝える。

そう言っている間にシュライバーにプレイヤー達は倒されているが、倒された後直ぐに待機組がシュライバーに攻撃して逃がさないようにする。

もう目的がシュライバーを倒してポイントの三割の譲渡が狙いじゃなくなり、シュライバーを倒すことが目的になっているプレイヤー達。

 

 

「お、お前ら、う、撃てぇぇぇ」

 

「あいつ等の死を無駄にするなぁぁ!」

 

「お前らの死は無駄にしないぞ!」

 

 

シュライバーに攻撃していたプレイヤー達の意をくんで後衛の魔法使い、弓使いに攻撃の号令を出す待機中のプレイヤー。

待機プレイヤーの号令で魔法やスキルを発動させていく後衛のプレイヤー達。

 

そして、シュライバーとシュライバーを攻撃しているプレイヤー達に魔法と矢が放たれる。

炎の魔法が、水の魔法が、風の魔法が、土の魔法が、氷の魔法が、雷の魔法が、大量の矢が雨の様に降り注ぐ。

 

 

「流石にこれなら避けられねぇだろ」

 

「俺たちと一緒に逝こうぜ」

 

「俺たちの勝ちだ!」

 

 

流石に逃げ道を周囲を囲むことで無くし、魔法と矢の雨を降らせば倒せると思ったプレイヤー達は、シュライバーに道連れだが勝利宣言する・・・がシュライバーは余裕を崩すどころか笑っていた。

 

 

「じゃあ、行くよ!」

 

「な、何!?」

 

「馬鹿なっ、まだ勝機があるとでも?」

 

 

シュライバーがあせると思っていたプレイヤー達は、笑っており、行動を開始する言葉に戦慄した。

そして、シュライバーは行動を起こす。

 

 

「うおっ!?」

 

 

攻撃していたプレイヤーの一人をダメージを与えないように足で上空に優しく蹴り上げる。

そして上空に飛ばされたプレイヤーは当然放たれた魔法の餌食になる。

 

 

「まだまだ行くよ」

 

 

上空に飛ばされたプレイヤーを見て驚愕で動きが止まったプレイヤーを逃すことなく次の行動を起こす。

 

今度は、双剣で相手の武器を攻撃して破壊して双剣の柄に相手の鎧に引っ掛けて力づくでまた上空に投げ飛ばす。

投げ飛ばされたプレイヤーは勿論、魔法と矢の餌食になる。

STRが【速度は力】のスキルで異常な数値になっている現地点ではシュライバーならではのやり方だ。

 

シュライバーはそれだけで止まらず、自分の周囲にいるプレイヤーを足を使い、柄を使い、それぞれ上空に飛ばして魔法と矢の数を減らす。

 

だが、それでも全ての魔法と矢を防ぐことは出来ず、次々とシュライバーに向かって降り注ぐ。

それをシュライバーは、最低限の動きで躱せるものは躱して、躱せないものは双剣で斬っていく。

『直観』、『神速反射(マージナルカウンター)』、黒鉄一輝の技術があるシュライバーにはとても容易なことだった。

そして、無傷のままで魔法と矢の雨を乗り切る。

 

 

「あれを凌ぐのか」

 

「化物め!」

 

「あんなのどうしろって言うのよぉ」

 

「ねえ、ひょっとしてこれやばくない?」

 

「え?なんで?」

 

「だって攻撃を防いだら普通、また同じことされないようにこっちくるよね」

 

「それってあの化物がこっちに来るってこと?」

 

「それはヤバイ」

 

 

あの攻撃で無傷のシュライバーに驚愕する魔法使いと弓使い達。

 

 

「おい、防御魔法があるやつは今すぐ使え!!」

 

「え!?」

 

「いそげ全員防御を固めろ!」

 

 

シュライバーの攻撃を恐れた後衛は、防御魔法を使い防御を固める。

 

 

「安心しろ。俺たちが後衛にはいかせない」

 

「絶対防いでみせる」

 

「さあ来るならこい!」

 

 

後衛は守ってみせると意気込んで待機組の中から後衛の前に構えるタンク職のプレイヤー達。

だが、シュライバーを円状に囲んで陣地を組んでいるため、後衛の1つの集団に2~3人しかいない。

それは、シュライバー相手では少々物足りなく感じる。

 

 

「まあ、何回も撃たれたら面倒くさいから少し本気でやるね」

 

 

シュライバーはそういうと、今まで殆ど動かず、動いてもゆっくりとした速度だったのを新たにスキルを発動させるわけではないが、全力で動き出す。

 

 

「き、消えた!?」

 

「なんだ?透明になるスキルか?」

 

「そんなスキル存在するのか?」

 

 

シュライバーから少し離れている場所にいた待機組がシュライバーが突然消えたことに驚愕する。

シュライバーはそんな待機組を無視してその後ろにいる後衛組を片っ端から狙っていく。

 

後衛組を盾や大盾を構えて守っているタンク職を横切りながら双剣で次いでとばかりに首を飛ばして、後衛組の後ろに回り、周囲に貼っているバリアを一太刀で力づくで破壊して後衛の首を斬り飛ばす。

 

一つの後衛集団を潰すと、また次の集団を潰しにかかる。

後衛組やタンク職も他の後衛組がいきなり倒されたのに気づき、何とかしようとするものの何も出来ずに倒されていく。

 

 

「おい、後衛の奴らいつの間にか全滅してないか?」

 

「何!?まさかそんなはずは・・・全滅してる!?」

 

「まさかアイツがやったのか?アイツが目の前から消えてからじゃないか全滅したのって」

 

「それにしてもどうやって倒したんだ?後衛は全員が一か所に集まっているわけじゃないだろ」

 

「そんなこと俺が分かるわけないだろう」

 

 

後衛が全滅したことに今日何回目になるかわからない驚愕する待機組一同。

 

 

「さあ、面倒くさいのは倒したし、続きをやろうか?」

 

 

驚愕している待機組に向かいシュライバーは獰猛な笑みを浮かべて今度は自分から攻め始める。

 

 

「やばい、やばい、やばい」

 

「化物が本格的に攻めてきた」

 

「さっきみたいに受けの姿勢じゃないぞ。気を更に引き締めろ!」

 

「くそーやるしかねぇ!」

 

「行くぞ、奇跡的に攻撃を何回か当てれば勝てる。あの威力とあの速度じゃVITは低いはずだ」

 

 

そして又もやシュライバーの無双劇が始まる。

待機組全てを相手に大立ち回り。

相手の攻撃を躱し、受け流し、弾き、武器を壊し、相手の首を斬り飛ばす。

獰猛な笑みを浮かべて戦い続ける。

 

倒されたプレイヤーも復活してまたシュライバーに挑もうとする者、新しく戦闘に参加する者もいるが戦況は変わらず、一方的な虐殺劇には変わらない。

 

そして自分を狙ってくるプレイヤーを返り討ちにすること四十分が経過して、第一回イベント残り時間が二十分になる。

 

 

「けど、流石に一位だからかなぁ?戦闘が一度も止まないなぁ~」

 

 

シュライバーは戦闘しながら場所が少しづつ移動していき、今は近くに塔が建っている場所まで移動していた。

 

 

「あいつ、まだまだ全然元気だぞ」

 

「何でだ、一位の順位が公開されてからずっと戦っているはずなのに」

 

「あいつ戦闘以外でスタミナも化物並みか」

 

 

未だに動きに疲れが見えないシュライバーを見て、スタミナまで化物並みかと軽く絶望する。

 

 

「後、二十分しかないぞ。急げ、あの化物も攻撃し続ければいつか必ず」

 

「いい加減に倒されろ」

 

「おおぉぉぉぉぉ!」

 

「はぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

残り時間にあせるプレイヤー一同。攻撃頻度をさらに上げ無理やりにでもシュライバーに当てようとする。

が、やはりシュライバーには届かない。

躱され、受け流され倒されていく。

 

近くにある塔は所々の箇所が壊れているのか穴が開いており、魔法使いや弓使いがそこから狙うが、シュライバーは躱し、双剣で斬ったりしていく。

 

攻撃が終わった後、直ぐに魔法使いと弓使いを倒すため塔の中に入っていくシュライバー。

 

塔の中に入ってすぐの階段を昇り、階段の途中にある部屋を見つけ入ろうとした時、『直観』が発動した為、一度部屋を入るふりをして姿を見せる。

その瞬間、矢と魔法が飛んでくる。

 

 

「おい、やったか?」

 

「分からねぇ」

 

「今ので倒せていればいいんだけど」

 

 

魔法や矢を撃ち終わっても、倒し切れたか不安になっていた。

ここで倒したと思われないあたり、シュライバーの化物ぶりが現れる。

 

 

「残念。当たってないよ」

 

 

シュライバーは、魔法と矢が放たれた後、少ししてから部屋に入り魔法使いと弓使いに襲い掛かる。

 

 

「やっぱり、倒し切れなかったのか」

 

「不意打ちでも駄目なんて」

 

 

魔法使いと弓使いは、一応は抵抗するがシュライバーにここまで接近されたらやられることは分かっていたのだろう。あっけなく倒される。

 

 

部屋にいた全てのプレイヤーを倒した後、階段を昇りさらに上に行く。

そしてまた階段の最中に部屋が見える。

 

 

「また、同じ手でくるんだろうなぁ」

 

 

シュライバーはさっきと同じように、一瞬だけ部屋に姿を見せひっこめる。

先程と同じように矢と弓が放たれる。

 

そして、攻撃が終わった後さきほどと同じように部屋に入ろうとする。

部屋にシュライバーが姿を現した瞬間にまた魔法と矢が飛んでくる。

 

 

「ふーん。一射目と二射目で分けていたのか」

 

 

シュライバーはそう言いながらも、魔法と矢を躱し、双剣で斬っていく。

そこに第一回イベント初のシュライバーにとっての不幸が現れた。

 

 

「うわぁぁぁぁ」

 

 

階段の上から悲鳴のような声が聞こえた。

シュライバーは、上から聞こえた声に階段から落ちたのかなと予測してラッキーと思っていた。

何故なら、落ちてきたプレイヤーを今までと同じように盾にしようと思っていたからだ。

だが、落ちてきたプレイヤーが問題だった。

 

 

シュライバーは、近づいてくる悲鳴を聞きながら、自分に当たりそうになる瞬間に上を見てそのプレイヤーを双剣の柄で部屋に向けて飛ばそうとした。

 

 

「えっ?黒い大盾?」

 

 

シュライバーが上を見て、見えたのは黒い盾だった。

黒い大盾を見て、落ちてきたプレイヤーが誰か悟るがもう遅い。

黒い大盾はそのままシュライバーの上に落ちてシュライバーをメイプルのスキル【悪食】で喰らう。

 

 

「落ちてきたのはメイプルだったかぁ。運悪すぎだよね」

 

 

そう言いながらシュライバーはポリゴンになって消えた。

 

大盾に接触した瞬間に【空蝉】が発動して【悪食】を一度は無効化するが、シュライバーの真上に落ちてきてメイプルがシュライバーの上に乗っかっている状態なので【悪食】が連続発動した為に倒されたのだ。

 

 

『一位のシュライバーさんが倒されたのでポイントの三割がメイプルさんに譲渡されます。そしてメイプルさんが一位になります』

 

 

「痛たたた。えっ一位やったぁ」

 

 

自分が何をしたかよく理解しないままメイプルは喜んだ。

喜んでいる最中に魔法や矢が放たれているが、メイプルには無傷で耐える。

 

 

「折角喜んでいる最中なのにもうっ」

 

毒竜(ヒドラ)

 

 

喜んでいる最中に攻撃されていたメイプルはプンプンと怒りながら三頭の毒の竜を呼び、毒の地獄を造り出す。

 

 

「よーし何でか一位になったけど、一位のままでいられるように頑張るぞ~」

 

 

メイプルは、片手を上げてオーと気合を入れる。

 

 

第一回イベントのバトルロワイヤル残り時間あと十五分

 

 




第一回イベント終盤戦ってタイトルですが、イベントは終わりませんでした。
今回で終わらせる予定だったのに。
次回には必ず終わらせるので勘弁してください。


因みに前書きの■の中は・・・

シュライバーをメイプルが倒すか、メイプルの天然でハプニングを起こして倒そうかと考えました・・・です。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一回イベント真終盤戦 最後の十五分

前回の話で読者様からメイプルが落ちてきた時、シュライバーの【空蝉】が発動しなかったのですか?と読者の方が教えて下さり、せっかくシュライバーをメイプルがどうやって倒すか考えていたのに話を書いている際にすっかりと忘れてしまっていました。
最後の所少し内容を変更しています。
内容を少し追加しただけなので、別に読まなくても大丈夫です。
【空蝉】は発動しましたが、シュライバーが上にメイプルが乗っているので連続で【悪食】が発動した為に倒されたってことです。

さあ、第一回イベント残り時間十五分。
メイプルに運悪く倒されたシュライバーは何位に入れるでしょうか?

それでは本編を始めたいと思います。


 

「やばいなぁ。残り時間十五分しかないのか。ポイントの三割メイプルに譲渡されたからもしかしたら十位以内になれないかもしれないのか」

 

 

シュライバーはメイプルによって倒されてリスポーンし、メイプルにポイントの三割がメイプルに譲渡され、残り時間が十五分しかないことに不安を覚えていた。

 

 

「ちょっと本気でやらないとまずいのかな?」

 

 

なのでシュライバーは今回使うつもりがなかった、スキルや魔法を使用することにした。

 

 

「【死世界・凶獣変生(ニブルヘイム・フェンリスヴォルフ)】!!」

 

 

シュライバーはいきなりスキル【死世界・凶獣変生】を使用してAGIを5倍にして速度を上げる。

 

 

「残り十五分頑張ろうか」

 

 

そう言った瞬間シュライバーの姿がその場から消えた。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「やばいな。後十五分しかないぞ」

 

「やっぱり上位三人の誰かを倒さないと十位以内に入れないのかなぁ?」

 

「俺たち全然倒せてないからな」

 

「殆どのプレイヤーが同じ考えだよ」

 

「大半のプレイヤーが上位三位以内のプレイヤーを倒そうと必死になってる」

 

「俺たちも行くか。じっとしていても何もできないし」

 

「「「「おう」」」」

 

 

第一回イベントでポイントを余り稼げなかったプレイヤー達。

大半のプレイヤー達は、手を組んでイベント上位三人の誰かを倒そうと手を組んで挑む。

彼らもその中の一組だ。

彼らも上位三人のメイプル、ペイン、ドレッドの誰かを倒そうと行動を始めようとしていた。

 

 

「見つけた」

 

 

そんな彼らに死刑宣告とも言える声が聞こえた。

 

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

 

彼らにとって死刑宣告が聞こえた瞬間、彼らが五人のプレイヤーの首が斬られポリゴンになって消えていった。

 

 

「よし、これでMP補充も十分だね」

 

 

倒されたプレイヤー達がいた場所に、眼帯をしている軍服の男の娘がいた。

その手に握られている武器は、柄だけで刀身が雷の双剣・・・では無く、『バルデッシュ・アサルト』の基本形態の斧の状態だった。

そして五人のプレイヤーのHPを吸収して、眼帯が蒼く燃え盛っている様なエフェクトが出る。

 

 

「時間もないし次だ」

 

 

MPを補充して目的を達成したので速攻でその場から立ち去る。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「あそこにプレイヤーの集団があるね。マップを見るに上位三人はあそこにいないけど。まあいいか」

 

 

MPを補充したシュライバーはプレイヤー達を見つける為にイベントステージを駆けた。

シュライバーのAGIは【死世界・凶獣変生】で5倍になっており、普段の5倍の速度で駆けるのでプレイヤー達を直ぐに見つけることができた。

 

 

「【フォトンランサー】!!」

 

 

プレイヤーの集団から少し離れたところで、シュライバーはMPを消費して魔法を発動する。

前回の【真なる死神】の時のように単発発射ではなく、今回は連続射撃だ。

【フォトンランサー】はMPを追加で消費する代わりに連射できる魔法だ。

 

 

「おい、ちょっと待て。なんかこっちに飛んできていないか?」

 

「そんなこといって、油断した所を攻撃するつもりだろ」

 

 

シュライバーが発射した【フォトンランサー】を集団の中の一人が朧げに視認して戦闘中のプレイヤー達に言うが誰もが油断させる為の嘘だと思い、誰も聞く耳を持たなかった。

それは当然の反応とも言える。

もう第一回イベントの残り時間が後少ししかなく、皆ポイントを稼ぐのに必死で戦闘をしているのだから仕方がない。

 

 

「ぐうぁ!!」

 

「何だ?急に黄色いモノが飛来してきたぞ!」

 

 

集団の一人のプレイヤーの言葉を聞かなかった為、無抵抗で魔法が直撃する。

そして魔法を受けたプレイヤーは麻痺状態になりスタンする。

 

 

「うがぁ!?」

 

「うおっ!?」

 

「くぁwせdrftgyふじこlp」

 

「おい、さっきから何かが次々飛んできてるぞ」

 

「何かの魔法か!?」

 

 

被害はそれだけに留まらず、次々と他のプレイヤーに【フォトンランサー】が直撃していく。

集団の大半のプレイヤーがスタンと確率で麻痺になった所で一人の死神が舞い降りた。

 

 

「おい、あれって」

 

「やばい、あいつはやばい」

 

「あいつってさっきまで一位やったやつじゃ…」

 

「お、終わった」

 

 

集団の中に乱入して来た死神、シュライバーの姿を見て、その中の六割がシュライバーがさっきまで一位だったプレイヤーと気づき絶望した。

 

 

「じゃあね」

 

 

シュライバーは集団のプレイヤー達お別れの台詞を言って、プレイヤー達が視認できない速度で『バルデッシュ・アサルト』で首を斬り飛ばしていく。

元々素の全力の速度でプレイヤー達が視認できないのに【死世界・凶獣変生】で五倍になったシュライバーはその場にいる全てのプレイヤーを倒すのにさして時間はかからなかった。

 

 

「よし、次だね」

 

 

全員を倒してMPを先ほどよりも大量に補充したシュライバーは、ある場所に向けて駆け出した。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「あそこに三位がいるのか。流石三位みんなポイントを稼ごうと必死で狙ってるな」

 

 

シュライバーが向かった先は、マップで上位三人の内、一番近かった三位のドレッドがいる場所だった。

そこには、ドレッドを倒してポイントの三割を得ようとするプレイヤー達はたくさんいた。

それはシュライバーにとってとても都合が良かった。

 

 

「【フォトンランサー】」

 

 

シュライバーは、先程と同じように集団から少し離れた所で魔法を連射する。

そして、集団に向かって雷の発射体(フォトンスフィア)が発射され槍の様な形状になり次々と集団のプレイヤーに突き刺さり、麻痺、スタン状態にしていく。

 

 

「【群狼】攻撃命令」

 

 

シュライバーはある程度プレイヤー達がスタン、麻痺された所でスキル【群狼】で追撃をかける。

【群狼】で召喚された狼達は、その場にいるプレイヤーに襲い掛かる。

 

 

「おい、周りの奴が麻痺になったかと思ったら何か大量の狼が来てるぞ」

 

「モンスターが出るなんて聞いてないぞ」

 

「おい、周りのやつらが動けないせいで凄く動き辛いぞ」

 

 

【フォトンランサー】が当たらなかったプレイヤーは、狼が自分に向かってきた事に驚く。

そして周囲のプレイヤーがスタン、麻痺になっているせいで自分の動きが阻害されていることに危険を感じる。

 

 

「早くあの狼を迎えっ!?」

 

「おい、どうしt!?」

 

「何d!?」

 

 

狼を迎え撃とうとした所で状態異常になっていないプレイヤーをシュライバーが高速で近づき首を斬り飛ばす。

一人を斬った後、直ぐに別のプレイヤーを斬りに行くのでその場にいるプレイヤーには気づかれない。

そして、動揺しているプレイヤーを次々倒していき、更にシュライバーに追いついた【群狼】達がシュライバーが倒していない麻痺状態のプレイヤーに襲い掛かる。

 

 

『ポイントが三位のドレッドさんを上回った為、シュライバーさんが三位になりました』

 

 

ある程度プレイヤーを倒した所でドレッドのポイントを上回り、三位が入れ替わった。

 

 

「あれ、順位抜いちゃったかぁ。あれ?そういえばドレッドがいないな?」

 

 

シュライバーは、ドレッドの順位を抜いたことを知り、ポイントの三割譲渡がなくなり少し残念がる。

そしてドレッドがいるか周囲を見渡してドレッドがいないことに気づく。

 

 

「逃げられたのかなー?」

 

 

シュライバーが思った通り、ドレッドはシュライバーを見て、得意の感が最大限に警報を鳴らしているいたので、順位変更のアナウンスが流れた所でこっそり戦闘から離脱していた。

 

 

「まあ、三位じゃないしもう追わなくていいか。それに」

 

 

ドレッドが三位じゃなくなり、ポイントが三割譲渡されないので見逃した。

 

 

「順位が変わったならそいつをやるだけだ」

 

「マップを見るにあいつか」

 

「うぉぉぉ俺が上位十位以内になるんだぁ!」

 

「俺がなるんだぁ!」

 

 

状態異常になってなく、シュライバーに倒されていないプレイヤーと新たに来たプレイヤー達がシュライバーを狙って襲い掛かかりにきた。

 

 

「ポイントが向こうからやってくるしね。『バルディッシュ・アサルト』ライオットザンバー・スティンガー」

 

 

シュライバーは、『バルデッシュ・アサルト』の【形態変換】で斧から双剣に変更する。

 

 

「【雷纏】」

 

 

更に雷を纏い、STRとAGIを上昇させて、襲いかかってくるプレイヤーを高速で向かい打つ。

 

 

「おい、姿が消えたぞ」

 

「み、見えねぇ?」

 

「あいつ何処に行った」

 

「もしかして逃げたのk!?」

 

 

駆け出したシュライバーの姿が視認できなくなったプレイヤーが倒されていく。

 

 

「【群狼】攻撃命令」

 

 

そして、シュライバーは新たに狼の大軍を召喚する。

 

 

「おい、また狼が出てきたぞ!」

 

「あいつの魔法か?」

 

「あの化物と狼達を同時に相手しないといけないのか?」

 

「それ無理ゲーすぎん?」

 

 

シュライバー&群狼VSプレイヤー集団の戦闘が始まる。

 

 

「周りの狼達一体一体が何気に強いぞ」

 

「しかもあの数だろ。きつすぎる」

 

「更には、あいつと戦わないといけない」

 

「あいつ一人でも手に置けないのに更に狼の大軍とか最悪だぁ!」

 

 

その戦闘は一方的なもので、無双するシュライバーと質が良く、量が非常に多い狼達、プレイヤー達にとって地獄の戦場だった。

プレイヤー達が狼を倒して数を減らしてもまた召喚され増え、召喚した狼達がある程度自分から離れるとまた召喚される狼達。

MPはプレイヤーを倒すことで、【永劫破壊(エイヴィヒカイト)】で吸収するので一向に減らないどころか逆に増える。

【群狼】で倒したプレイヤーも吸収されたので、さらに吸収効率が更に増していた。

しかも召喚士であるシュライバーは、弱いどころか見えない速度で動き一撃で相手を倒す化物プレイヤー。

そんなシュライバー&群狼に蹂躙されるプレイヤー集団。

そんな虐殺劇(グラン・ギニョル)がイベント終了まで続いた。

 

 

『終了!結果、一位メイプルさん、二位シュライバーさん、三位ペインさんです。それではこれから表彰式に移ります』

 

 

第一回イベント終了のアナウンスがイベントステージ全体に響き渡る。

 

 

「メイプルを追い抜けなかったかぁ」

 

 

シュライバーは少し残念な気持ちになりながら白い光に包まれた。

そしてイベント前に最初にいた広場に転移された。

そして一位から三位までが壇上に上がるように言われたのでシュライバーは壇上に上がる。

 

『まず初めに、一位のメイプルさん何か一言どうぞ』

 

「えっあっえっ?えっと、その、一杯耐えれて良かったでしゅ」

 

 

一位のメイプルが盛大に噛んだのを見ていたシュライバーにマイクが渡される。

 

 

『次は、シュライバーさん!一言どうぞ!』

 

「一位になれなかったのは残念だけど、一杯殺れて良かったです!」

 

シュライバーは殺れてのところで嗜虐的な笑みを受かべる。

その姿を見て、ある特殊な性癖を持っているプレイヤー達が撃沈された。

 

 

そして記念品を受け取りシュライバーは広場を後にした。

表彰式はカメラで撮られており、メイプルとシュライバーの姿も動画として記録されていた。

その夜。掲示板では、メイプル可愛すぎ、シュライバーきゅん可愛い、シュライバー様に蔑まれたい、メイプル強すぎ、シュライバー強すぎスレで大いに盛り上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと第一回イベントが終わりました。
予想よりかなり長くなってしまいました。
次話は、多分終盤戦の掲示板とおまけとしてメイプルが落ちてくる少し前の状況を書こうと思っています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一回イベント 掲示板+おまけ

最近FGOのイベントや学生時代の後輩に進められた、みんはやという早押しクイズアプリに嵌ってしまい、投稿するのが遅れました。
みんはやでフリーマッチでアニメ関連のクイズに参加するのが面白いですが、最近の人たちは、ハイスクールD☓D、魔法少女リリカルなのは、バカとテストと召喚獣、ブラック・ブレット、インフィニット・ストラトス、精霊使いの剣舞等知らない人多いんですね。世代差を感じる。
いきなりじゃ、タイトルが浮かんでいない可能性もありますが。
カンピオーネ、セキレイ、ウッチクラフトワークス、ディーふらぐ、マケン姫っ!、フリージング等を知らないのはまだ分かるのですが…
何で氷菓とCharlotte、CLANNADは即答できるんだ?

さて、今回は第一回イベントについての掲示板会を書いていきたいと思います。
本当に第一回イベント終わるの長かった…

それでは本編を始めたいと思います。


【NWO】メイプルちゃんとシュライバー君の謎【考察】

 

 

1名前:名無しの槍使い

スレ立てたぞっと

 

 

2名前:名無しの大剣使い

おう議題は我らがメイプルちゃんとシュライバー君のことだ

 

 

3名前:名無しの魔法使い

正直二人ともペインよりやばいと思った。

現にイベントでもどっちもペインより上だしな

 

 

4名前:名無しの槍使い

しかもメイプルちゃんは、序盤お絵かきしてたしな

 

 

5名前:名無しの弓使い

可愛すぎかよ

 

 

6名前:名無し大盾使い

あれ本当に大盾なのか不安になるわ

あっ因みに俺は九位でした

 

 

7名前:名無しの槍使い

流石大盾でそこまでいくとは

(メイプルから目を逸らしつつ)

 

 

8名前:名無しの大剣使い

それでは今回のメイプルちゃんとシュライバー君のまとめだ

 

第一回イベント

メイプル一位

死亡回数1

被ダメージ40

撃破数2028

 

装備は敵を飲み込む謎の大盾とアホみたいな状態異常魔法を発生させる短刀と黒い鎧

黒い鎧は異常性能を発揮していないように思われる

異常なまでの防御で魔法使い五十人からの集中砲火をノーダメで受けきる

 

第一回イベント

シュライバー二位

死亡回数1

被ダメージ40

撃破数5731

 

装備は双剣やバルデッシュに形状が変わる雷魔法を発生させる武器と蒼く燃える眼帯と黒い軍服

眼帯は敵を倒したら蒼く燃えると思われるが詳細は不明

単体でも普通に強い狼の大軍を召喚できる

異常な速度と回避力と攻撃力を持つ

速度は観戦プレイヤーすら視認できない速度で走れる

回避力は百人ぐらいに前衛、後衛、更には待機組に分かれるが被弾ゼロ

攻撃力はスキル発動時はメイプルのVITを貫ける威力を出せる

毒と麻痺が効かない

 

 

9名前:名無しの魔法使い

どっちももう何回見ても頭おかしいとしか・・・・・・

 

 

10名前:名無しの大盾使い

大盾→まあそういうそう装備もあるかもな・・・・・・うん

短刀→まああるかもしれんな

本体のステとスキルが一番謎

メイプルちゃんのVITいくつよ・・・・・・

 

 

11名前:名無しの槍使い

それを貫通させるシュライバー君もほんと謎

あの武器と軍服、狼の召喚魔法はあるかもしれんな・・・・・・

だが本体のステとスキルがメイプルちゃんより謎

視認できないAGIとスキル有りでメイプルちゃんにダメージを負わせるSTR

そして大勢に囲まれても被弾しない回避力これはスキルなのか?

 

 

12名前:名無しの大剣使い

>10 

マジで歩く要塞だからなマジで(シュライバー君から目を逸らしつつ)

>11

マジで被弾しなくて視認できなくて一撃だからなマジで

 

 

13名前:名無しの弓使い

メイプルちゃんは単純にVITで受けてるっぽいんだよなぁ

シュライバー君の攻撃には何のエフェクトも出ずに倒されたし

っていうかメイプルちゃんの持ってるスキルに心当たりある奴いんの?

魔法攻撃受けてるときとか何かキラキラ光ってたし何かしらスキル使ってるのは確定

 

 

14名前:名無しの大盾使い

状態異常→分からん

防御力アップ→そんなスキル有るなら取ってる

大盾→知らん

 

 

15名前:名無しの弓使い

じゃあシュライバー君はどうだろう

シュライバー君のAGIは素のステだろうけどSTRは何らかのスキルかもな

敵の倒し方全員首を斬ってるからな

被弾ゼロも信じられないけどプレイヤースキルの可能性あり

何のエフェクトも出てなかったから

あれだけの攻撃を回避できるスキルが有れば大規模エフェクト確定のはず

シュライバー君のスキルに心当たりある奴いる?

 

 

16名前:名無しの魔法使い

雷魔法→あるなら取ってる

狼の大軍召喚→同じくあるあなら取ってる

毒と麻痺無効→上に同じ

 

 

17名前:名無しの槍使い

速度アップ→知らんしあそこまで速すぎるのは事故るからいらない

攻撃力アップ→そんなスキルあるなら取ってる

回避スキル→同じくあるなら取ってる

 

 

18名前:名無しの魔法使い

これ

メイプルちゃんとシュライバー君の持ちスキルが一個も分からん流石に基本的なスキルは持っているだろうけど

シュライバー君がどのスキルが基本的になるのかが分からないが

メイプルちゃんとシュライバー君の固有のスキルが一個も分からん

 

 

19名前:名無しの槍使い

シュライバー君にとって何が基本になるかほんとに分からん

武器が特定できないし

AGIに特化してるわけでなくSTRも高い

更には雷魔法と狼召喚までする

どのステータスを上げるのが基本になるんだ

 

 

20:名前:名無しの大盾使い

それはAGIじゃないか?

あの軍服と武器になる前は短剣だったし

 

 

21名前:名無しの槍使い

あ~そういえばそうだったな

イベントのインパクトが強すぎて忘れてたわw

 

 

22名前:名無しの弓使い

メイプルちゃんシュライバー君を除けば、タイマン最強じゃない?

 

 

23名前:名無しの魔法使い

マジであり得る

メイプルちゃんはあの状態異常広範囲攻撃を何とかしないとまず勝てん

致死毒とか言ってたし相当な高位魔法

それで疑問なんだがMPどうなってんの?

あんなポンポン魔法使って、しかも多分VIT極振りだろ?

MP足りないだろう普通

 

 

24名前:名無しの大剣使い

あれなー・・・・・・多分大盾が魔力タンクになってる

喰ったものを魔力にしてため込む感じ

 

 

25名前:名無しの弓使い

じゃあシュライバー君の眼帯も魔力タンクなのかな

雷魔法バンバン使ってたのMPが尽きること無かったし

 

 

26名前:名無しの槍使い

じゃあメイプルちゃんはあの赤い結晶がそうか

シュライバー君はあの眼帯の蒼い炎

 

メイプルちゃんのは魔法を使う度に割れてたしな

シュライバー君はリスポーンした時以外燃えていたから分からん

 

 

27名前:名無しの大剣使い

つまりメイプルちゃんは

自分自身は有り得ない程の高防御であらゆるダメージをゼロにし

その装甲を抜こうとした攻撃やプレイヤーをMPに変換し

状態異常で叩きのめす

ということだな

 

 

28名前:名無しの槍使い

何そのラスボス

 

 

29名前:名無しの弓使い

ええ・・・・・・鬼畜過ぎんよ~

 

 

30名前:名無しの大盾使い

けどもう流石に隠してるスキルは無いと思う

シュライバー君が倒してくれたからHPが初期の40って分かったから回復されもしないだろうし

 

 

31名前:名無しの魔法使い

鬼畜仕様のメイプルちゃんを倒せるシュライバー君

マジでメイプルちゃんキラーだよなシュライバー君

麻痺と毒の状態異常を無効化して

異常な速度で大盾を当てられない

高防御を貫通する攻撃力

超鬼畜仕様

 

 

32名前:名無しの大盾使い

しかも毒攻撃は避けなかったからもしかしたらあの範囲攻撃を躱せるかもしれないという

 

 

33名前:名無しの槍使い

でもそんなメイプルちゃんキラーなシュライバー君だけど、メイプルちゃんに一回やられてるんだよな

 

 

34名前:名無しの弓使い

あれか

 

 

35名前:名無しの魔法使い

あれだな

 

 

36名前:名無しの大剣使い

あれだな

 

 

37名前:名無しの大盾使い

あれは悲惨だったな

落ちてきたのがメイプルちゃんじゃなければな・・・・・・

 

 

38名前:名無しの槍使い

実際あれが無かったらシュライバー君が一位確定だからな

 

 

39名前:名無しの弓使い

あれがなければなぁ・・・・・・

運が無さすぎる

 

 

40名前:名無しの大剣使い

けど話してるとホントにどちらもヤバイな

しかも二人とも初めてそんなに経ってないという

大型新人過ぎる

 

 

41名前:名無しの魔法使い

次のイベントではメイプルちゃんは鎧も異常仕様に

シュライバー君は軍服を異常仕様に

はいこれ

 

 

42名前:名無しの弓使い

実際にトッププレイヤーなんだよなぁ・・・・・・

あれやべェわ

可愛くて強いとか最強かよ(二人とも)

 

 

43名前:名無しの魔法使い

片方は男らしいけどな可愛いけど

あの見た目では分からない

 

 

44名前:名無しの槍使い

見守ってやろうぜ

ステが第一線級でも中身は初心者だ

シュライバー君は分からないけど

シュライバー君の戦闘スキルはずば抜けてるわ

あんな速度で動いたらまともに戦闘できねぇよ

 

 

45名前:名無しの大剣使い

そうだな

これからも各自調査頼むぞ

 

 

46名前:名無しの弓使い

ラジャ!

 

 

47名前:名無しの魔法使い

ラジャ!

 

 

48名前:名無しの槍使い

ラジャ!

 

 

49名前:名無しの大盾使い

ラジャ!

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇ おまけ~第一回イベント・リスポーン直後のメイプル~ ◆◇◆◇

 

 

 

「あー負けちゃったよ~」

 

 

メイプルはシュライバーに倒された後、第一回イベントステージの何処かの塔にリスポーンされていた。

そしてシュライバーに負けたことに悔しがっていた。

 

 

「これからどうしようかな~でも私遅いからな~」

 

 

メイプルは、これからどうどうしようか考え始める。

そして数分考えて答えを出した。

 

 

「やっぱり、今まで通り敵が来るの待とう!どうせ追っても追いつけないし」

 

 

メイプルは今まで通り、敵が自分に襲い掛かってくるのを待つことにした。

 

 

そして、それからしばらくの時がたち。

 

 

「何人か倒したけど、全然人が集まらないなぁ」

 

 

自分で動くのを止めて塔で自分を襲うプレイヤーを待つメイプル。

十数人ぐらいは襲ってきて【悪食】で倒したが、シュライバーに倒される前程はプレイヤー達が襲ってこなくなっていた。

 

 

「それにしてもシュライバーが今一位かぁ。凄いなぁ~」

 

 

メイプルは残り一時間になり上位三名が公開されてシュライバーが一位だと知り、流石だなぁ~と思っていた。

 

 

「うん?何か下が騒がしい?」

 

 

塔の周囲で戦闘音がすることにメイプルは気づいた。

 

 

「外で大勢の人が戦ってるのかな?」

 

 

外から聞こえてきた戦闘音を聞き、メイプルも自分もそろそろ動こうかと考える。

 

 

「よし!行こうか。ポイントをいっぱい集めて目指せ十位以内だぁ!」

 

 

そして、やる気出したメイプルは気合を入れて、今いる部屋から出る。

 

 

「えっ!?うわぁぁぁぁぁ」

 

 

そこで不運?幸運?が起きた。

勢いよく部屋を出た瞬間に足を滑らせ、前に向かって転ぶ。

そして転んでいる最中のメイプルの目の前には螺旋階段の手摺があった。

普通の人はその手摺にぶつかって止まるが、メイプルは大盾を一番前に構えて転んでいた。

そのせいで手摺を【悪食】で喰らってしまいそのまま下に向けて落ちていった。

現在一位のシュライバーの真上に。

 

 

「えっ黒い大盾?」

 

 

上から落ちてくるメイプルを見てシュライバーがそう呟き、上から落ちてきたプレイヤーを剣の柄で飛ばそうとしていたシュライバーは、大盾の餌食になり、【悪食】の連続発動で倒されていた。

 

 

『一位のシュライバーさんが倒されたのでポイントの三割がメイプルさんに譲渡されます。そしてメイプルさんが一位になります』

 

 

「痛たたた。えっ一位やったぁ」

 

 

 

自分が何をしたかよく理解しないままだったがアナウンスを聞き喜ぶ。

喜んでいる最中に魔法や矢が放たれているが、メイプルには無傷で耐える。

 

 

 

「折角喜んでいる最中なのにもうっ」

 

 

 

「【毒竜(ヒドラ)】」

 

 

喜んでいる最中に攻撃されていたメイプルはプンプンと怒りながら三頭の毒の竜を呼び、毒の地獄を造り出す。

 

 

「よーし何でか一位になったけど、一位のままでいられるように頑張るぞ~」

 

 

メイプルは、片手を上げてオーと気合を入れる。




まず最初にメイプルはシュライバーが一位なのは知ってましたが、マップを見てなかったのでシュライバーがどこにいるかは知らないです。

次に前回、第一回イベント終盤戦の掲示板を書くと言ってましたが、原作ではクロム達の掲示板しかやって無かったので、この作品のもクロム達の掲示板だけにしました。
けど掲示板をオリジナルを入れてアレンジしていたら、名無しの槍使い、名無しの大剣使い、名無しの弓使い、名無しの魔法使いが誰がだれか分からなくなっています。
見極め方がわからない・・・・・・

後、クロムの掲示板でシュライバーを君かきゅんで迷いました。
クロム以外ではきゅんで書こうと思ってますが、クロム達の掲示板では君にしました。





目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二層
石造りの遺跡


掲示板が面白いとか感想を貰い、意外に評価が良いのかなと思いました。
掲示板は、オリジナルの台詞を入れる時にどのキャラに言わせるかでかなり悩むので難しいので大変なんですが・・・
投稿ネームが全部同じ掲示板は比較的簡単なんですけど、クロムの掲示板の名無し達に個性を持てせてくれ(懇願)

やっと第一回イベントが終わり、他のキャラ達の絡みが増えてシュライバーハーレムへの一歩が踏み出せるようになるかな?と思います。
まあ、まだどうやってキャラを落とすか考え中ですが・・・

話は急に変わりますが、みなとそふとの新作情報公開されましたね。
真剣で私に恋しなさいの次回作を期待してましたが、完全新作の我が姫君に栄冠が発売されることになりました、
完全新作なのにキャラが多数存在して、私が好きなバトル系の作品でとても面白そうだなと思います。これは買わなければ!!

因みに真剣に私に恋しなさいと姉小路直子と銀色の死神のクロスオーバーとか書きたいなとか思ってますけどこの作品だけで手一杯なんで書くことを諦めました。
一話書くのに私は約6~8時間ぐらいかかるのでこれ以上増やすのはちょっと無理なので・・・

それでは本編を始めたいと思います。



第一イベントが終了して、《NWO》に新たに第二層がアップデートされた。

第一回イベントで一騎当千の活躍をして《NWO》内でメイプル、ペインと同じ超有名人になったシュライバーは現在・・・

 

 

「どうしようかな?パーティ組もうかな?」

 

 

誰かとパーティを組むか悩んでいた。

というのも、一人で第二層を解放するためのダンジョンを初回攻略に加え、ソロでボスを討伐してしまうとユニークシリーズと呼ばれる唯一無二の装備を入手してしまうのだ。

 

シュライバーは、ユニークシリーズを乱獲するつもりがないので、誰かとパーティを組んで攻略しようかと考えていたのだ。

本来は、そんな心配をしなくても到底ボスモンスターを初回でソロ討伐をできるようなものではないのだが、《NWO》のトッププレイヤーの中でも、さらに上の化物プレイヤーはやろうと思えばできるのが何人か存在するのだ。

 

 

「でもパーティを組むにしても、誰と組もうか?」

 

 

だがパーティを組むにしても、上位プレイヤークラスじゃないとシュライバーとは釣り合わない。

 

別に誰と組んでもシュライバーは攻略できるのだが、初心者はいきなり第二層に行こうとせず、ある程度プレイしているプレイヤーはシュライバーの事を知らない人はおらず、話をしようにも恐縮されて避けられてしまう。

 

さらにもし初心者と組んでも、ダンジョン攻略中ずっとそのプレイヤーが不意にやられないように見てないと駄目で、面倒くさいのでパーティは組みたくない。

 

しかし上位プレイヤー達はもうすでにパーティを組んでいるのが殆どで、ソロで攻略しているプレイヤーは凄く少ない。

 

そんなこともあってシュライバーは悩んでいた。

 

 

「ちょっといいだろうか?」

 

「うん?」

 

 

そんなシュライバーに話しかけるプレイヤーがいた。

そのプレイヤーは、黒髪長髪の和服を着ている刀使いのプレイヤーの第一回イベント7位のカスミだった。

 

 

「別に大丈夫だよ」

 

「そうか。話があるからどこかに場所を移さないか?」

 

 

どうやらカスミはシュライバーに話があるらしく、違う場所で話すように言われた。

 

 

「いいよ」

 

「ありがとう。じゃあ行こうか」

 

 

そしてシュライバーとカスミは始まりの町を後にして、一層の西の森に来ていた。

 

 

「ここらへんでいいんじゃない?」

 

「そうだな」

 

 

西の森で周囲に他のプレイヤーがいない場所まで移動するとそこで立ち止まり、話を始める。

 

 

「いきなりだが、シュライバーは【剣神】クロガネなのか?」

 

「クロガネ?ああ、他のVRMMOでの話かな」

 

 

カスミに言われた言葉の意味が一瞬分からず戸惑ったシュライバーだが、少しして意味を理解したので他のVRMMOの話かとカスミに聞く。

 

 

「そうだ。そう答えたってことは、本当にシュライバーはクロガネなんだな」

 

「まあ別に隠していることでもないしいいか。そうだよ、僕がクロガネだよ」

 

 

シュライバーの返答は最早本人と言っているようなものだったので、カスミはシュライバーがクロガネだと確信する。

シュライバーも【剣神】クロガネだと隠す気はさらさら無かったので本当のことを言う。

 

 

「そうか、そうなんだな。お前があのクロガネなんだな」

 

「でも良く分かったね。僕がクロガネってこと。刀を使っていなかったのに」

 

 

シュライバーがクロガネと同一人物だと知ると、カスミの顔が少し赤く染まる。

そしてシュライバーの武器が刀じゃないのに気づいたことに少し驚いていた。

 

 

「見ていれば分かるさ。未来が見えているような動き、初動すら見ることができない剣技、それを見ていると【剣神】クロガネと姿が被って見えてな」

 

「そ、そうなんだ」

 

 

カスミは恋する乙女の様な笑みを浮かべながら話す。

その様子にシュライバーは少し返答につまる。

 

 

「実は、クロガネの剣技を見て、その、綺麗で見惚れてしまったんだ」

 

「ありがとう」

 

 

両指の人差し指を擦り合わせながら、顔を赤くし、少し目線を下に向けて話すカスミ。

そう、カスミは【剣神】クロガネの剣技を見て、すっかりファンになっていたのだ。

その様子を見て可愛いなと思ったシュライバー。

 

 

「そこで話があるんだが、私に稽古してくれないか!」

 

 

カスミは剣の稽古をしてくれないかとシュライバーに頼む。

先程とは違い今度は真剣な表情を浮かべていた。

 

 

「別にいいけど、人に教えたこととかないけどいいの?」

 

「そんなことはいいんだ。ただ私がシュライバーに教わりたいんだ!それより本当にいいのか?」

 

 

カスミは、シュライバーが人に教えた経験が無いと知っても稽古をつけて欲しく、了承されたことに本当にいいか聞き返す。

 

 

「だけど条件がある」

 

「私にできる範囲なら何でも構わない」

 

 

シュライバーが稽古するには条件があることを言うが、カスミは自分ができる範囲なら構わないと即答する。

カスミは本当に何をされても構わないという真剣な表情だった。

 

 

「いや、そんな難しい事じゃないよ。パーティを組んで二層に行くためのダンジョンを一緒に攻略して欲しいんだ」

 

「そんなことでいいのか。もちろん構わないが。だけどシュライバーなら別にソロでも攻略可能じゃないのか?」

 

 

シュライバーは先程悩んでいたパーティを組むことを稽古をつける交換条件にする。

思っていた条件より大分簡単な内容にカスミは全然かまわないと了承する。

が、シュライバーなら別に一人でもダンジョンを攻略できるんじゃないかと疑問を覚える。

 

 

「い、いや別に、稽古をつけて欲しくない、とか、そういうわけじゃ、ないぞ」

 

「いや、それは分かってるけど」

 

 

シュライバーが無言になったことに、心配したカスミが交換条件が嫌で言ったわけじゃないと必死で弁解する。

 

 

『素直にユニークシリーズを取得してしまうから。って言うのは無理だよな。原作から大きく外れるかもしれないし』

 

 

シュライバーはカスミがユニークシリーズを取得してしまう可能性があるので、正直に言うに言えずどう言うか迷っていた。

 

 

「まあ、色々あってね。ソロ攻略する気はないんだ」

 

「そうなのか。分かったパーティを組もう」

 

「じゃあ、交換条件成立というこでだね」

 

「ああ!!」

 

 

カスミのマナーあるプレイヤーなのでそれ以上詮索せずにパーティを組むことになった。

 

 

「じゃあ、まずフレンド申請をしようか」

 

「そうしよう」

 

 

シュライバーとカスミはフレンド申請をしてパーティを組んだ。

 

 

「まず、二層を解放するダンジョンからいっていい?」

 

「元々こっちから先にお願いしたことだし、そっちが先で構わない。稽古がいつでもできるしな」

 

 

パーティを組んだことで早速ダンジョンを攻略してもいいかと聞くシュライバーに了承するカスミ。

二人は、そのままに二層につながる石造りの遺跡ダンジョンを攻略しに行く。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

パーティを組んで早速、石造りの遺跡のダンジョンを特に苦戦もせずに易々とダンジョンを攻略していた。

 

 

「やっぱり私は要らなかったんじゃないか?」

 

「そんなこと無いよ。カスミは必要だって」

 

「っ、だが、今まで殆どモンスターをシュライバーが倒してるじゃないか。それも一撃で」

 

 

シュライバーが速攻で、それもモンスターを一撃で倒して、ダンジョンを攻略するのを見て、自分がいる必要があるのか疑問に思ってしまうカスミ。

そんなカスミにシュライバーは必要だと言われ笑みを浮かべながら言われ、顔を少し赤くするカスミだった。

 

 

「けど、本当にシュライバーは速いな。それに攻撃力も高い、それに戦闘技術も高い」

 

「まあ、最初からこうじゃなかったけどね。色々なスキルを取得してからかな」

 

「そういうのって言っていいのか?」

 

「別に構わないよ。別に隠しているわけじゃないし、流石に取得方法とかは秘密だけどね」

 

「それは当然だ。それにシュライバーと同じスキルを取って第二、第三のシュライバーが出たら大変そうだし」

 

「第二、第三の僕って、僕をどういう目で見てるのかな?」

 

 

シュライバーがさらっとスキルでステータスを上昇させていることを暴露したことにいいのかと聞くカスミだが、シュライバーは別に隠しているわけではないと返答する。

流石に取得方法を言う気は無かったが。

 

まあ、言ってもスキル取得条件が超絶鬼畜なモノばかりでとてもシュライバーと同じになるのは難しい。

そして、シュライバーの攻撃力を支えるスキル【速度は力】はユニークシリーズのスキルなので他に似たようなスキルを見つけないといけない。

更にはシュライバーの切札である【死世界・凶獣変生(ニブルヘイム・フェンリスヴォルフ)】は隠しダンジョン【殺戮狼の洞窟】でボスを条件付きで倒して取得できるスキルなのでもう入手はできないのだが。

 

それに、もし仮にシュライバーと同じスキルを取得してもあの速度で動いたら、まともに戦闘できないので第二、第三のシュライバーは出現することはないのだが。

 

 

「それより早く先に進もう」

 

「何かはぐらされたけど、別にいいか」

 

 

どういう目で見てるのかな?と言うところでカスミに顔を近づけていたので、カスミは顔を少し赤くして、シュライバーから離れる為に先へ行こうと言って、ダンジョンの先に進んでいく。

そして先に進んでいったカスミを追いかけていくシュライバー、二人はダンジョンを攻略していく。

 

 

「あれが、ボスの扉かな?」

 

「多分そうだろう」

 

 

二人はダンジョンを進んでいくと大扉を見つけた。

その大扉は二人の思った通り、ボス部屋の扉だった。

 

 

「じゃあ、入ろうか」

 

「そうだな」

 

 

二人は大扉を開いて、ボス部屋に入って行く。

中は天井の高い部屋で奥行きがあり、一番奥には大樹がそびえたっている。

そして二人がある程度部屋を進むと扉がしまる。

 

そして、大樹がメキメキ音を立てて変形し巨大な鹿になってゆく。

樹木が変形して出来た角には青々とした木の葉が茂り、赤く煌めく林檎が実っている。

樹木で出来た体を震わせると台地を踏みしめ二人を睨みつける。

 

 

「カスミ来るよ」

 

「ああ、わかっている」

 

 

二人はすぐさま戦闘態勢をとり、ボスに気を向ける。

そして鹿の足元に魔法陣が出現する。

 

 

「先手必勝【雷纏】!」

 

 

シュライバーは鹿が魔法陣を出した瞬間、雷を身体に纏って、一瞬で鹿の背後に回り、斧形態の『バルデッシュ・アサルト』で首を斬りつける。

しかしその攻撃は障壁によって弾かれた。

 

「あれ、弾かれた?]

 

「あれは、障壁か、ボスのスキルか?」

 

 

一瞬で移動したシュライバーを見ることは出来なかったが、緑色の障壁が展開されるのは見えたカスミはそれがボスのスキルだと予測する。

だがじっと考察する余裕はなかった。

カスミは、シュライバーが攻撃したと同時に発動した魔法陣が光って次々でる蔓を躱したり、刀で弾いていく。

 

 

「しまった!?」

 

 

蔓を躱していたカスミだが、流石にサリー程の回避力はないので鹿の蔓に対処できなくなり、蔓がカスミに直撃しようとしていた。

 

 

「えっ?」

 

 

いざ、攻撃を受ける覚悟をしたカスミだったが、蔓が自分に直撃する前に自分の視界が急に変わった事に驚いた。

カスミは、先程の位置からいつの間にか鹿の背中に移動していた。

 

 

「危なかったね」

 

「なぁっ、降ろしてくれ」

 

「分かったよ」

 

 

カスミが鹿の背中に移動させたのは、勿論シュライバーだった。

鹿の蔓が当たる前にカスミをお姫様抱っこして、鹿の背中に移動したのだ。

自分がお姫様抱っこされている事に気づいたカスミは、顔を赤くしながらシュライバーから降りた。

 

 

「何か障壁が発生する条件があるのかな?」

 

「そうかもしれないし、弱点にしか攻撃が効かないのかもしれないな」

 

「成程、じゃあ取り合えず全身を攻撃してみようかな。カスミまたごめんね」

 

「えっ?」

 

 

シュライバーは、先程お姫様抱っこで嫌がられたので、今度は担ぐようにして鹿の背中から跳んで鹿の正面の斜め上に行く。

 

 

「【フォトンランサー】」

 

 

そして、シュライバーは第一回イベントの終盤戦にやった時の様に【フォトンランサー】を連射して、鹿の全身を打ち抜ていく。

かなりの数を撃ったが事前にモンスターを倒して【永劫破壊(エイヴィヒカイト)】でMPを貯めていたのでMPが無くなることはなかった。

だが、攻撃の殆どが障壁で無効化されるが、鹿の角の部分だけは無効化されなかった。

そして、【フォトンランサー】を受けた鹿はスタンして麻痺状態になる。

 

 

「じゃあ、そろそろ決めようか」

 

「やはり、私何にもしてないじゃないか」

 

 

シュライバーを戦闘を終わらせる為に角に攻撃していく。

そんなシュライバーを見て約に立てなかったと落ち込むカスミ。

 

そして、スタンと麻痺状態の鹿は何も出来ずにシュライバーに接近されて角を攻撃される。

シュライバーの攻撃力は高く一撃でHPの約三割を減らした。

そして三回目の攻撃後に鹿の足元に新たな魔法陣が出現するが、流石にシュライバーの攻撃速度の方が速いので何もできないままポリゴンになって消えていった。

 

 

「よし、勝ったね」

 

「ああ、そうだな・・・」

 

 

鹿を倒したことにシュライバーは喜んだが、カスミは落ち込んでいた。

何はともあれダンジョンのボスを倒したので二層進出の権利を手に入れた。

 

 

「所でシュライバーずっと聞きたかったんだが」

 

「何?」

 

「その蒼く燃えているおかげで、あんなに魔法を撃てるのか?」

 

 

シュライバーのあの速度と攻撃力で魔法を大量に連射できることが疑問に思っており、眼帯が蒼く燃えているのが関係あると思ったカスミは質問した。

 

 

「まあ、カスミならいいか。別にいってもあんまり問題ないけど、あまり広めないでね」

 

「ああ、それは分かっている」

 

「この蒼いのは、敵を倒してHPとMPを吸収しているんだ」

 

「やはり、そうだったのか。でも私が聞いたから何も言えないんだが、本当に言って良かったのか?」

 

「知られることにあんまり問題はないし、カスミなら話を広めないでしょ」

 

「そんなに信用されてもこまるんだが。ありがとう、絶対に広めないと約束しよう」

 

「うん、信じてる」

 

 

シュライバーの蒼い燃えている眼帯の能力を知り、教えてもよかったのかと不安に思ったカスミは、シュライバーに信用されている事を聞き、少し喜んだ。

 

 

「でも、そういうのはあんまり言わない方がいいと思うぞ私は」

 

「うん、言う人がは流石に選ぶよ」

 

「私みたいに会ってすぐのプレイヤーにはいわないようにしろよ、まったく」

 

 

シュライバーにあんまりスキルの事を言わないように注意したカスミだが、シュライバーの返答にあんまり気にしてないなと思ったカスミはしょうがないなと小さい溜息を吐いた。

 

 

「あと、稽古の件なんだけどいつにする?流石に今日はもう終わりにしようと思ってるけど」

 

「私も今日は終わりで構わない。稽古はお互いの時間が空いている時にしよう。また時間が空いている日はメールしてくれ」

 

「分かった。型とかは教えてあげられないけど、剣で実践して鍛えてあげるね」

 

「ああ、宜しく頼む!!」

 

 

ダンジョンを終えた二人は、また今度に稽古をする日を連絡することにしてログアウトしていった。

 

こうしてシュライバーとカスミの中は深まっていく。

 




シュライバーとの稽古でカスミの強化フラグが来ましたね。
取り合えず、稽古のシーンを書くつもりは今のところないです。

それにしても、普段クールな女性が取り乱すところっていいですよね。
今回初めてヒロインと仲が良くなるかいでしたが、上手くかけていましたかね?
駄文と思われなければ幸いです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

地底湖

前話の投稿後に見て下さった皆さんは分かると思いますが、シュライバーとカスミの台詞が可笑しい所がありました。
それというのもシュライバーとクロガネが混同して台詞が変わって、クロガネの所をシュライバー、シュライバーの所がクロガネになっていました。
指摘されるまで全然気づきませんでした。
見直してみても、普通に違和感なく読んでいたのに・・・

さあ、前話でカスミとパーティを組んで二層に到達したシュライバーは何をするのでしょうか?
こんな前書きですが、最初は作者が苦手なクロムの掲示板から始まります。

それでは本編を始めたいと思います。



532名前:名無しの大盾使い

皆もう二層いったか?

俺は無事に二層入ったぞ

 

 

533名前:名無しの槍使い

おう

ついさっき勝って二層に入ったところだ

 

 

534名前:名無しの大剣使い

俺も無事に勝利

 

 

535名前:名無しの魔法使い

俺も

勝ったぜ

やったぜ

 

 

536名前:名無しの弓使い

何と俺も二層に到達してるんです

 

 

537名前:名無しの槍使い

あれ?俺ら割と強くね

 

 

538名前:名無しの大剣使い

メイプルちゃんとシュライバー君がさっさと二層になってもついていけるようにレベルを上げてたら・・・・・・

 

第一線の仲間入りですよ

 

 

539名前:名無しの弓使い

俺もそれだわ

 

 

540名前:名無しの大盾使い

そんなメイプルちゃんとシュライバー君だが

メイプルちゃんはまだ二層に行ってないぽい

シュライバー君は行っているみたいだが

っていうか二人ともパーティを組んだ表記がフレンド欄に出てたんだけど

シュライバー君はもう組んでいないみたいだが

 

 

541名前:名無しの弓使い

俺それメイプルちゃんの方は見たぞ多分

 

 

542名前:名無しの魔法使い

それちょっと詳しく

 

 

543名前:名無しの弓使い

名前は分からないが初期装備だったし仲良さそうだったからリア友だと思う

 

 

544名前:名無しの大剣使い

武器は?

 

 

545名前:名無しの弓使い

短剣だったはず

 

 

546名前:名無しの魔法使い

意外

魔法使いか弓使いだと予想してた

 

 

547名前:名無しの槍使い

俺も

 

 

548名前:名無しの大盾使い

まあ二人で戦うならその構成は良くないな

だが・・・・・メイプルちゃんの友達だろ

果たして普通の初心者なのか

メイプルちゃんタイプの初心者なのかもしれん

 

 

549名前:名無しの魔法使い

確かにありうる

 

 

550名前:名無しの弓使い

メイプルちゃん「極振りは強いよ!」

友達「そうなの!?じゃあそうする!」

 

これ

 

 

551名前:名無しの大剣使い

メイプルちゃんが二人いるパーティとか

友達のプレイにもよるがシュライバー君以外どうしようもねぇぞ

 

 

552名前:名無しの槍使い

おいお前ら落ち着け

短剣使いだぞ(シュライバー君から目を逸らしつつ)

 

 

553名前:名無しの魔法使い

ああそうか

無意識に大盾イメージしてたわ

 

 

554名前:名無しの大盾使い

短剣ならAGI特化か?

 

 

555名前:名無しの弓使い

AGI特化の短剣使いか・・・・・

どこかで聞いたような?

 

 

556名前:名無しの大剣使い

今は一応、半月斧?の形状が変わる武器を持っているからな

AGI特化にしたら一撃で終わりだぞ

しかも火力ゼロ

シュライバー君並みに避けられれば関係ないのかもしれないが

 

 

557名前:名無しの槍使い

まあ多分勝手に頭角を現してくるだろ

次のイベントっていつだっけ?

 

 

558名前:名無しの大盾使い

今から大体一か月後で時間加速させてゲーム内とリアルの時間がずれるらしい

んでイベントは二時間で途中参加と退場は時間加速の関係で出来ないんだと

運営が前回の盛況でイベントの開催スパンを短くしたらしい

 

 

559名前:名無しの魔法使い

そのあたりは運営ぐう有能

 

 

560名前:名無しの槍使い

一か月もあれば多分鍛えてくるだろうし

プレイスタイルもみられるだろし

そこで判断できる

 

 

561名前:名無しの大剣使い

あー早く次のイベント来いよ!

その子の実力が気になってしゃーない

 

 

562名前:名無しの槍使い

ところでシュライバー君のパーティは誰か分かる奴いる?

 

 

563名前:名無しの弓使い

俺はメイプルちゃんしか知らんわ

 

 

564名前:名無しの魔法使い

実際見たわけじゃないが噂でなら知ってるぞ

 

 

565名前:名無しの大剣使い

噂でもいいから教えてくれ!

 

 

566名前:名無しの魔法使い

何でも見たのは一層の西の森らしいんだが

第一回イベント7位のカスミと一緒にいるところを目撃したらしい

 

 

567名前:名無しの槍使い

カスミか

中々にトッププレイヤーと組んでるな

 

 

568名前:名無しの大盾使い

その話の信憑性は高そうだな

二人とも有名だから間違えられることもないだろうしな

 

 

569名前:名無しの大剣使い

でも実際シュライバー君がパーティを組む必要があるのか?

そのままずっと組んでるならまだ分かるが今は組んでいいないんだろ?

 

 

570名前:名無しの弓使い

そうだよな

いくらカスミでもシュライバー君と同等に戦えられるとは俺には思えん

 

 

571名前:名無しの槍使い

何か他に理由があったのかもしれん

それで期間限定で組んでたのかもな

 

 

572名前:名無しの大盾使い

そのあたりは本人たちに聞いてみないと分からないな

 

 

573名前:名無しの魔法使い

そうだよな

 

 

574名前:名無しの大剣使い

まあパーティを組むイベントがあればカスミと組む確率が高くなるな

 

 

575名前:名無しの槍使い

それでプレイヤー同士のバトルになったらキツイな

カスミはトップレイヤーだし

シュライバー君は・・・・・うん

 

 

576名前:名無しの弓使い

俺には勝てるビジョンが思い浮かばねえ

例え相手が一人でも(キリッ!)

 

 

577名前:名無しの大盾使い

また何か分かったら連絡するわ

 

 

578名前:名無しの大剣使い

よろしく~

皆も他に何か分かったことがあれば連絡よろ

 

 

579名前:名無しの弓使い

ラジャー

 

 

580名前:名無しの魔法使い

ラジャー

 

 

581名前:名無しの槍使い

ラジャー

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

その頃、クロム達の噂になっていたシュライバーは二層にいた・・・わけではなく、一層に戻っていた。

 

 

「ここが地底湖か」

 

 

シュライバーはある目的の為、二層に行けるようになったが一層に戻ってきて地底湖に向かっていた。

 

 

「まだ、メイプル達はいるかな?まあ、いなくても関係ないけど」

 

 

シュライバーは原作知識でメイプルとサリーが二層が実装された後、直ぐに二層に行かずに地底湖にいることを知っていたのだ。

だがシュライバーの今回の目的はメイプルとサリーと会うことではないので、会っても、会わなくても関係ないが

 

 

「じゃあ、泳ぎますか」

 

 

シュライバーはそう言うと地底湖に入って行く。

 

 

「やっぱり水の中では速度が軽減されるね」

 

 

シュライバーは地底湖に入った瞬間自分の動きが鈍くなるのを感じた。

だが軽減さえれるといってもシュライバーのAGIは軽減されても異常に速い事にはかわらない

 

 

 

 

◆◇◆◇一時間後◆◇◆◇

 

 

 

『スキル【水泳Ⅰ】、スキル【潜水Ⅰ】を取得しました』

 

 

地底湖を一時間泳ぎまくっていたシュライバーにスキル取得の通知が脳内に響く。

 

 

「よし取得できた。後はレベルを最大にするだけだな」

 

 

そう、シュライバーが地底湖に来た理由はスキル【水泳Ⅰ】とスキル【潜水Ⅰ】を取得してスキルレベルを上げて、水中の戦闘をしやすくする為だった。

 

 

「うわ~地底湖の中に何かいる!」

 

「今まで見たこと無いね。何か特別の条件で出現するモンスターかな?」

 

 

地底湖を凄い速度で泳いでいたシュライバーは、地底湖の上から聞いたことのある声が聞こえてきた。

シュライバーは地底湖に来たのが誰か分かっているので、話をする為に水面を上がって行く。

 

 

「うわっ、こっちに来る!」

 

「来るよメイプル!」

 

 

地底湖に来た二人組メイプルとサリーは、地底湖の中を凄い速度で泳いでいるモノが急遽こっちに向かってきたので、メイプルは大盾、サリーは短剣を構えて戦闘態勢をとる。

そして地底湖からそれが飛び出す。

 

 

「えっ?プレイヤー?」

 

 

水面から飛び出してきたのが見えて、それがプレイヤーだった事にサリーは驚く。

 

 

「あ~シュライバー!」

 

 

メイプルは水面から出てきたプレイヤーの事を知っていたので、手を振りながら話かけに行く。

 

 

「メイプル、あれが誰か知ってるの?」

 

「うん、前にサリーにも話したシュライバーだよ!」

 

「ああ、あの不幸でイベント二位になったていう」

 

 

サリーは水面から出てきたプレイヤーが誰か知っていたみたいなので、だれか聞く。

そしてそのプレイヤーが本当は一位だったのに幼馴染のメイプルとの接触事故でイベント二位になったシュライバーというプレイヤーだということを知る。

 

 

『でも、メイプルから聞いていたけど速いね。水面であの速度なら陸ではもっと速いだろうし』

 

 

サリーはシュライバーが水面を泳いでいた速度に驚いていた。

というのもまだ初めたばかりだが、AGIを中心に上げているサリーが泳いでいる速度より遥かに速かったからだ。

 

 

「やあメイプル、第一回イベント以来かな?」

 

「そうだね。シュライバーは何でこんな所にいるの?私たちと同じで地底湖の探索?」

 

「いや探索じゃなくてスキルを取得しに来たんだよ」

 

 

メイプルは、何でシュライバーがこんなところにいるか疑問に思ったので聞いた。

シュライバーは別にばれてもどうでもよかったので来た理由をそのまま話す。

 

 

「所でそっちのプレイヤーはメイプルのパーティ?」

 

「あ、そうだった。紹介が遅れたね。私の友達のサリー」

 

「どうも、サリーっていいます。シュライバーさんですよね。メイプルから話は聞いてます」

 

「なら知っていると思うけど僕はシュライバー。シュライバーでいいよメイプルもそう呼んでるし」

 

 

シュライバーはサリーの事を原作で知っていたが、今サリーの事を知っているのはおかしいので知りながらもサリーの事をメイプルに聞く。

そして、メイプルはサリーをシュライバーに紹介する。

 

 

「じゃあ私もサリーでいいですよ。メイプルも心を許しているみたいだし」

 

「じゃあ、サリーよろしく!」

 

「うんよろしく!シュライバー」

 

 

シュライバーとサリーは互いに呼び捨てで呼び合うことにして、お互いに握手する。

 

 

「それで、メイプルから聞いているけど、シュライバーは強いんだよね」

 

「まあ、弱いって言ったら嫌味になるほどには強いよ」

 

 

それで少し三人で話していると突然のサリーの質問に、答えるシュライバー。

シュライバーは答えに聞き、笑みを浮かべるサリー。

 

 

「じゃあ、私と決闘しない?《NWO》のトッププレイヤーがどれぐらいなのか知りたいんだ」

 

「別にいいけど流石に、ステータスが違うしハンデをつけるよ」

 

「うん、こっちが言うのも何だけどハンデ有りでお願い」

 

 

シュライバーに決闘を申し込むサリーだが、それは第一回イベントを見ていたプレイヤーなら無謀にも思える行為だ。

それにレベルもステータスも装備も明らかにシュライバーの方が高いのでハンデがあることを条件にシュライバーは受け入れた。

 

 

「えー!?二人とも戦うの?」

 

「ごめんメイプル。ちょっと探索の前にシュライバーと戦わせて」

 

「うん別にそれは構わないけど」

 

 

いつの間にか決闘することになった二人を見て、驚くメイプル。

そしてシュライバーとっサリーの決闘が始まる。

 

 

 

 




さて、突如始まったシュライバーとサリーの決闘。
果たしてどんな決闘になるでしょうか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

シュライバーVSサリー

最近出費が激しい気がする作者です。
ラノベ、漫画は勿論、マジ恋、ストブラ、シンフォギア×なのはのネット通販やリリカルライブのBlu-rayやストブラのイベント配信等で出費が物凄いです。
まだ冬に買わないといけない作品もあるのに・・・
最近ネット通販が多くて欲しいモノを買ってしまいます。
趣味に全力投球しているので構いませんが。
けど、年末ジャンボ当たらないかな・・・

どうでもいい話はここまでにして、さあ、皆さんもシュライバーとサリーの決闘の結果は薄々気づいていると思いますが、果たしてどうなるのでしょうか?
サリーはシュライバーに勝つことは出来るのか!?

それでは本編を始めたいと思います。


「じゃあ、ハンデとして装備を初期装備に変えるね」

 

 

シュライバーは、サリーと戦う前に装備を初期装備に変更する。

武器もサリーと同じ【初心者の短剣】を装備している。

装飾品は何も装備していない。

 

 

「わぁ~やっぱり前から思っていたけど、シュライバーの素顔って可愛いよね」

 

 

久しぶりに【骸魂の眼帯】を外すことで、眼帯で少し厳つさがあったシュライバーは完全に厳つさ0の完全版男の娘プレイヤーに戻る。

その姿を見て軍服姿でも可愛い顔をしているなと思っていたメイプルは、自分の予想は間違ってなかったことを悟る。

 

 

「うん、ありがと」

 

「じゃあ、もう準備もできたし始めよっか」

 

 

メイプルの言葉に微妙な返事をするシュライバー、シュライバーの姿で転生して可愛いは言われ慣れていた。

だが、可愛いと言われることに今更嫌悪感は無いが、嬉しくもないのだ。

 

そして早く戦いたいとばかりのサリーは、もういつでも戦闘が開始しても大丈夫とばかりの姿勢だ。

 

 

「じゃあ、攻撃を一撃貰うか、降参したら負けでいいかな?」

 

「はい、それでいいです」

 

 

決闘のルールを決めたので、シュライバーがサリーに決闘を申請する。

そしてサリーは申請を受けると、二人の足元に魔法陣が浮かび上がり別空間に転移する。

 

 

「え~二人ともどっか行っちゃったよ~」

 

 

シュライバーとサリーが、決闘の為に別空間に転移され、一人だけ地底湖に残されたメイプルは一人であたふたしていた。

 

 

二人の転移先は真っ平らな競技場だった。

 

 

「開始の合図はどうする?」

 

「じゃあ十秒後に開始で」

 

「分かった」

 

 

二人は決闘開始の合図を決めて、戦闘準備を開始する。

そして十秒後に戦闘を開始する。

 

 

そして十秒たち決闘が開始したが、どちらも攻撃を仕掛けることはせずにその場に留まり、相手の出方を窺っている。

 

 

『向こうは流石に警戒しているのかな?』

 

 

サリーが開始早々に攻撃してこないことに、メイプルからは話を聞いて警戒されていると思ったシュライバーは、自分から攻める事にした。

 

 

「じゃあ、行くよ!」

 

「ッ!?」

 

 

シュライバーは、サリーに向かってほどほど(・・・・)の速度で接近してサリーの首にめがけて短剣を一閃する。

 

シュライバーの速度に一瞬驚いたサリーだが、咄嗟にしゃがむ事でシュライバーの短剣を回避し、そのまま前に踏み込んでシュライバーに接近して短剣で胸を突くが、短剣の刃の先を同じく短剣の刃の先を当てることで受け止める。

 

突きを受け止められたサリーは、バックステップをして距離を話す。

 

 

『メイプルから聞いていたけど、速いなぁ。それにさっきの受け止め方は狙われた?』

 

 

ユニークシリーズの軍服を着ていないシュライバーのAGIは、軍服を着ている時の二倍で動ける。

『月狼の軍服』のスキル【速度は力】の効果が無くなり、シュライバーが持っているスキル【大物喰らい(ジャイアントキリング)】の効果が発動してAGIが二倍になっているのだ。

 

なので、ほどほどの速度でも異常な速度を出すことができる。

まあ、【大物喰らい】が無くても十分速いのだが。

 

 

「さっきの攻撃良く避けられたね」

 

「まあ、ギリギリだったけどね」

 

 

シュライバーは、原作知識でサリーの回避技術が神業なのを知っていたが、やはりほどほどとはいえ【大物喰らい】が発動している状態の攻撃を回避されたことに少しだけ驚いていた。

 

 

『流石に本気で集中しないとやられる』

 

 

シュライバーの速さを見て、サリーは本気で集中する。

 

 

「今度はこっちから行くよ!」

 

 

今度はサリーからシュライバーに接近する。

そんなサリーにシュライバーは正面から向かい受ける。

 

サリーがシュライバーの肩に向けて下から上に斬り上げる。

 

それを一歩後ろに下がる事で紙一重で避け、短剣を斬り上げているサリーの胴体に向けて短剣を振り下ろす。

 

それを空中で回転することで回避し、その勢いでシュライバーを切り裂こうとする。

 

振り下ろされた短剣を短剣の刃でスライドさせて受け流す。

 

シュライバーは受け流した勢いに乗せて一回転して肘をサリーの背中に向けて放つ。

 

受け流さえれた方向に自分から転がる事でシュライバーの肘を回避する。

 

そしてお互いに少し距離ができる。

 

 

「いやぁ良く躱すねサリー」

 

「シュライバーこそ」

 

 

シュライバーとサリーがお互いの回避力を称賛しあう。

 

直後にサリーがシュライバーに再び接近する。

 

そして、先程と同じように迎え撃とうとするシュライバーに向けて短剣を振り抜く。

 

だが、今回は先程とは違う事がある。

 

 

「【ウィンドカッター】!」

 

 

そう魔法の発動である。

サリーはシュライバーを短剣の攻撃範囲まで接近してから【ウィンドカッター】を発動した。

短剣から放たれる風の刃は、至近距離にいるシュライバーを切り裂こうとする。

 

 

「嘘っ!?」

 

 

トッププレイヤーでも直撃するであろう、至近距離から放たれた風の刃をシュライバーはその場でバク転して躱す。

 

避けられると思っていなかったサリーは驚愕した。

 

 

「驚くの良いけど、そのまま硬直しててもいいのかい?」

 

「ッッ!?」

 

 

シュライバーは、魔法を躱したのを見て驚愕して硬直していたサリーに攻撃を仕掛けることはしなかった。

シュライバーの言葉で硬直が解けたサリーは、バックステップで再び距離をとる。

 

 

「何で今攻撃しなかったの?」

 

「驚愕して硬直している相手を倒しても面白くないじゃん」

 

「今攻撃しなかったこと、後悔させてやる!」

 

サリーの質問に獰猛な笑みを浮かべて答えるシュライバーを後悔させてやると思うサリー。

 

 

『でも実際どうやってシュライバーに一撃当てようか?』

 

 

サリーは後悔させてやると意気込むも心の中では、さっきの至近距離の魔法を躱された事にどうやって攻撃を当てるか悩んでいた。

 

 

「来ないならこっちから行くよ!」

 

 

距離とってから一向に攻撃してこないサリーを見てシュライバーは自分から攻撃を仕掛ける事にした。

 

シュライバーは速攻でサリーに近づいて、短剣で連続で攻撃していく。

 

 

『今、までと、何か、ちが、う』

 

 

シュライバーの連続の攻撃にサリーは最初の時の様に、回避して反撃するということが出来ずに、シュライバーの怒涛の攻撃に辛うじて耐えるという事しかできなかった。

 

 

『ちゃんとシュライバーの攻撃は読んでいるのに反撃ができないっ!』

 

 

サリーは、相手の微妙の動きと目線で相手の行動を予測することで、未来予知とも言える圧倒的なPS(プレイヤースキル)を持っている。

だから、シュライバーの攻撃を完全に読んでいるのに耐える事しかできない事に戸惑っていた。

 

何故、サリーが反撃できずに防戦一方なのかというと、シュライバーの特典の一つの黒鉄一輝の能力の一つ【完全掌握(パーフェクトビジョン)】でサリーの攻撃を完全に読んで、反撃ができないように攻撃していたのだ。

 

サリーが相手の動きから行動を予測するのに対して、シュライバーは相手の行動の根幹を司る『理』、価値観を相手の行動、趣向、言葉の端々から辿り、理解することで相手の行動を予測する。

 

敵の動作を見てから予測するサリー、理解さえすればあらかじめ行動が予測できるシュライバー、どちらが上かはっきり分かるだろう。

 

 

『もう、耐え、きれない』

 

 

シュライバーの怒涛の攻撃に遂に耐えきれなくなり、短剣を手放してしまい、後ろに倒れる。

 

だがシュライバーが反撃することはなかった。

 

 

「何のつもり?流石にそれは情けがすぎるんじゃない」

 

 

倒れても攻撃してこないシュライバーにサリーはムカついていた。

一方的に攻撃されて防戦一方で、耐えきれずに後ろに倒され、挙句の果てには武器さえも手放しているのに攻撃されないのは屈辱だろう。

だが、シュライバーはサリーに屈辱を与える為に攻撃をしなかったわけではなかった。

 

 

「いやここまで耐えたサリーに敬意を表そうと思って」

 

「敬意?そんな風には見えないけど」

 

 

サリーは短剣を拾って、その場から立ち上がり、短剣を構えながら、シュライバーが攻撃をしなかった事に敬意を表したとは思えなかった。

 

 

「今から分かるよ」

 

 

その一言でシュライバーの纏う空気が変わる。

今までは飄々とした空気の様な感じだったが、今は触れるもの全てを斬ると言ったような鋭い空気を醸し出す。

 

 

「はい、終わり」

 

「えっ!?」

 

 

シュライバーの一挙手一投足を見落とさないように、全力で集中してシュライバーを見ていた。

だが、サリーはシュライバーの動きを見ることが出来なかった。

相手の微動な動作すら見えなかった。

シュライバーの声を聞くまで、シュライバーが移動したことにも気づけなかった。

 

 

「そんな、今どうやって?」

 

「魔法やスキルは使ってないよ」

 

 

背後を取られ、短剣を持っている手は抑えられ、首元に短剣を突き付けられているサリー。

武器も抑えられて何もできない状況だったが、そんな事をサリーは気にしておらず、只々シュライバーが何をしたのかが気になっていた。

魔法やスキルと言った特殊能力じゃない事しかシュライバーは言わなかったが。

 

シュライバーが何をしたのかと言うと、黒鉄一輝が【剣技模倣(ブレイドスティール)】で取得した《比翼》の剣技、それを使いサリーの背後に回り、武器を持っている方の手を抑え、短剣を首に突き付けたのだ。

 

脳の電気信号を戦闘の信号に変える事で、初動から全力で動くことが出来る世界が捕まえることを諦めた世界最強の剣士《比翼》エーデルワイスの剣技は、目線や微動な動作で予測するサリーにとって相性最悪の剣技だ。

 

初動から最速で動けるので、微動な呼び動作ですらシュライバーの異常な速度で動くので見切ることが出来ない。

 

 

「魔法やスキルを使っていないことは分かるけど。エフェクトも予備動作も無かったし」

 

 

シュライバーの行動を見て?いや見えなかったのだが、動き出す前になんの予備動作もエフェクトも見なかったので、シュライバーが魔法やスキルを使っていないことは分かっていた。

だからこそサリーはシュライバーに何をしたか聞いたのだ。

 

 

「まあ、言ってもいいけど、それより早く決闘を終わらせないと。メイプルも待ってるし」

 

「あ、メイプル待たせてるんだ」

 

 

サリーはシュライバーとの戦闘に集中しすぎてすっかりメイプルの事を忘れていた。

 

 

「それとも、まだやる?」

 

 

サリーが降参をしないので、絶体絶命の状況だがまだ戦闘を続けるか聞く。

 

 

「勝てないのはわかってる、降参する」

 

 

台詞の途中でシュライバーの方に顔を向けてしまい、超至近距離からシュライバーの顔を見てしまったサリーは少し顔を赤く染める。

何時ものシュライバーは眼帯を付けていて少し、男の娘度数が下がっているのだが、今回は初期装備の為眼帯を着用していないので、シュライバーの男の娘度数は上昇している。

要するに、厳つい眼帯をしている普段よりも美形なのだ。

それをまじかに見てしまったサリーは顔を赤めたのだ。

 

 

そして決闘が終わり、二人の足元に魔法陣が出現し、元にいた場所に戻る。

 

 

「わ~二人とも戻ってきた。いきなり二人とも消えて心配したんだよ」

 

 

二人が元いた場所に戻るとメイプルが駆け寄ってきた。

 

 

「ごめんねメイプル、またしちゃった」

 

「ううん、気にしてないよ。二人が消えた時は驚いたけど。決闘はどうだった」

 

「それが全然。シュライバー強すぎるよ。まだ勝てるとは思えなかった」

 

 

メイプルをまたしたことを謝るサリー、そして決闘の感想をメイプルが聞くとまだ勝つイメージが浮かばないと答えたサリー。

だが、決してシュライバーに勝つことを諦めたわけでなく、強くなっていずれシュライバーを倒してやると思っている。

 

 

「まあ、決闘は暇だったらいつでも引き受けるから何度でも挑戦していいよ」

 

「暫くシュライバーとの勝負はいいかな」

 

 

決闘は何度でも受けると言ったシュライバーに暫くはシュライバーとの戦闘はいいと断るサリー。

 

 

「でも、決闘はしなくてもたまには稽古とかつけて欲しいかも。シュライバーPS滅茶苦茶高いし」

 

「暇なときだったら大丈夫だよ」

 

「あ、それならフレンド登録して連絡取れるようにしないとね」

 

「そうだね。じゃあ、サリーフレンド申請するね」

 

「うん」

 

 

決闘ではなく、たまに稽古をつける事になりフレンド登録をしたサリーとシュライバー。

 

 

「じゃあ、遅くなったけど地底湖探索しよっか」

 

「そうだねメイプル。シュライバーもどう?」

 

「それじゃあ、一緒にしようかな」

 

「じゃあ張り切っていこう~」

 

 

三人で一緒に地底湖を探索することになり、メイプルが先頭にして地底湖探索を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まあ、流石にサリーに勝てと言うのが無茶ですよね。
しかもまだ、【蜃気楼】や【影分身】、【空蝉】等のサリー特有のスキルも持ってないのにシュライバーと戦うのは無理があります。
例え、シュライバーがユニークシリーズを着ていなくても。
さて、サリーがシュライバーに勝てる日は来るのでしょうか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。