聖なる刃と物語 (ボルメテウスさん)
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序章
日常の崩壊


放送まであと少し。
少しだけ見えてきたセイバーという事で、少しずつ連載していきたいと思います。
また、活動報告で募集内容の例文ができたので、良かったら見てください。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=243290&uid=45956


――これは、ゲームであっても、遊びではない

 

そんな声が聞こえると共に、俺の目の前に広がっていたのはとある一人の青年の物語だった。

 

近未来で行われる現実ではない仮想の世界で数々の危機に立ち向かっていく彼の姿を、俺は見つめていた。

 

それが一体何が起きているのかよく分からないが、数々の剣を手に持ちながら、多くの敵との戦いが目の前に繰り広げられ、そして

 

「夢か」

 

ゆっくりと立ち上がると共に、俺は起き上がる。

 

何時の間にか寝落ちしていたのか、目の前には俺が普段から愛用している机があり、枕代わりにしていたのは小説の原稿だった。

 

その原稿を見つめると

 

「やっぱり、書かれている」

 

そこには俺が寝る前には何も書いていなかったはずの原稿用紙には何時の間にか文字が書かれていた。

 

そこには、先程まで見ていた夢の内容が書かれており、小説の中で描かれていた内容だった。

 

「まったく、この癖、どうにかならないかな」

 

そう言いながら、俺は既に書かれている小説の原稿を纏めながら、俺はそのまま纏めた原稿をいつも通り、アプリで文庫本にするように頼む。

 

「謎が多いな、この癖」

 

幼少の頃から、俺はどういう訳だが色々な夢を見ている。

 

それは5歳頃、俺の祖父から貰ったボールペンをきっかけだったのか、時折、俺は寝ている間に小説を書くという謎の癖があった。

 

なんの病気なのか、未だに謎が多く、直す方法はなかった。

 

それでも、俺はこの癖に対して、奇妙だと思いながら、嫌いではなかった。

 

机の近くにある本棚には多くの本が置かれていた。

 

半分は俺が好きな本だが、それ以外は俺が夢を見て書いた本が数多く書いていた。

 

「まぁ、何時でも面白い本がすぐに手に入るのは良いけどな」

 

そう言いながら、これまでのように手慣れたように本を一冊取り出して、そのまま学校へと向かう準備を終えると共に外に出る。

 

「行ってきます」

 

そう言いながら、俺はそのまま学校へと向かっていくと

 

「あっ響、おはよう」

 

「あっおはよう、飛羽真」

 

そう言って、俺に挨拶してきたのは、俺の幼馴染でもある立花響だった。

 

俺と同じ高校の制服を身に纏っており

 

「相変わらずおにぎりを食べているな」

 

「あはは、やっぱり、お腹が空くからね。

それよりも、今日も新しい本ができたの?」

 

「まぁな、だけど、さすがにお前好みの本じゃないかもな」

 

そう言いながら、俺は今朝届いたばかりの本を渡す。

 

今朝見た夢の物語の一巻とも言える作品で響はそのまま軽く読んでいく。

 

「でっデスゲームなの。

なんというか、本当に色々とあるね」

 

「出てくる夢もランダムだからな」

 

そう言いながらも響はおにぎりを食べながら、読んでいくと、顔を少し赤くさせた。

 

「どうしたの?」

 

「えっと、いや、あはははっ、なんでもないよ」

 

そう言った響は何か隠しているようだった。

 

「やっぱり、夢は小説家かな?」

 

「いや、それはないよ。

自分で書くのは本当に駄目だからな」

 

実際に俺自身が書いた小説はあまりにも酷かった。

 

自分が思い描いた通りに書けずにいた。

 

本当に、同じ俺自身が書いたのか疑問なぐらいに。

 

「飛羽真」

 

そんな俺を心配そうに見つめる響だけど

 

「気にしないで良いよ、とにかく学校に」

 

そう思って歩き出そうとした時、俺は一瞬、目の前の光景を疑ってしまった。

 

「なっ」

 

そこに広がっていたのは何もない光景だった。

 

田舎と都会の中間のようなこの町だったはずが、目の前に広がっていたのは何もない空間だった。

 

白い世界が広がっており、俺達はすぐに後ろを見るといつもの街並みだった。

 

だからこそ異様な光景だった。

 

「なにこれっ」

 

あまりの光景に呆然していると

 

「なんだ、まだいたのか」

 

「っ?!」

 

その声を聴き、俺達は見つめるとそこには奇妙な存在がいた。

 

犬の顔に人間の体を持った、神話に出てくるコボルトを思わせる姿をした怪物がこちらを見つめていた。

 

「まだいたか」

 

その言葉と共に怪物はこちらに近づく。

 

「逃げるぞ、響」

 

「うっうん」

 

その言葉と共に俺達はゆっくりと走り出そうとしたら

 

「逃がすとでも思ったか!!」

 

そう言い、目の前にいる奴は同時に手に持った刀をこちらに向けて振り下ろした。

 

突然の事だったが、すぐに逃げだすと、先程まで俺達がいた場所は大きな穴が開いていた。

 

「あっ鞄がっ」

 

すると、響はさっきの衝撃で鞄を落としたのか、拾いに行こうとする。

 

「馬鹿っ」

 

俺はすぐに駆け寄り、鞄を拾った響を抱え込み、次に来た攻撃をそのまま避けた。

 

そのまま俺は響を連れて、近くに隠れる場所に入ると

 

「一体、なんであんな無茶をしたんだ」

 

俺はそのまま怒鳴るように睨むと

 

「ごめん、でも、これをどうしても無くしたくなかったからっ」

 

それと共に響が鞄から取り出した物は

 

「これは」

 

それは俺がこの謎の夢ができて、最初に書いた本だった。

 

「・・・うん、だって飛羽真が初めて書いた小説だから」

 

その言葉と共に見つめるのは本当に最初に見た本だった。

 

表紙に描かれているのは、幼い頃に書いた落書きのような炎の龍だった。

 

「私ね、飛羽真が書いた本が大好きだよ。

最初に見た時から、私は、飛羽真の初めてのファンで、それが一番だったから」

 

「っあぁ」

 

その言葉を聞いて、俺もまたゆっくりと頷く。

 

「確かにな、ファンを、こんな所で悲しませる訳にはいかないよな!!」

 

同時に俺はその本を強く握りしめると、何かの足音が聞こえ、こちらを見つめるのを感じ、すぐに走り出す。

 

「逃げても無駄だ。

どうせお前達はここで死ぬからな」

 

「いきなり言われて、死ねるかよ」

 

そう言いながら、俺は叫んでいると、怪物は本を見つめると

 

「なんだ、貴様。

大事そうに持っているのは本か?

しかも、何の価値もない本を」

 

「価値がないだと?」

 

その言葉に俺は思わず目の前にいる怪物を睨む。

 

「その本で何ができる?

存在する価値も何もない、そんな本など、不愉快だけだ」

 

その言葉を聞いて、俺は思わず怒りで身体が震える。

 

「お前に本の何が分かる!

本を書いている人が面白いと思った事を伝えたい思いも、その本を愛した事で人生が変わった人がいる!

だからこそっ、本の事を馬鹿にしているお前を、絶対に許さない!!」

 

先程まであったはずの恐怖心よりも怒りが大きくなり、俺は目の前にいる怪物を睨む。

 

そんな思いに応えるように、俺の手元にあった本はまるで燃え上がるような熱を感じた。

 

「えっ」

 

「なっ、まさかっ、ただの本がっ」

 

その言葉と共に、本は徐々に小さくなっていき、手のひらサイズの本へと変わっていく。

 

同時にその本と共に現れたのは炎を模した剣がその手に収まった。

 

「あの時の夢に見たっ!!」

 

それが偶然かどうか分からない。

 

だが、俺は夢で見たあの光景がまさに再現した瞬間だと思った瞬間、手に持った本を構えた。

 

【ブレイブドラゴン!】

 

「あぁ、そうだよな」

 

その名を聞いた瞬間、身体が炎のように燃え上がる感覚とは違い、陽の光を思わせる温かさが俺の心に包み込む。

 

【かつて全てを滅ぼす程の偉大な力を手にした神獣がいた】

 

「っ!!」

 

「やらせるかぁ!!」

 

そう言い怪物が俺に向けて無数の炎が放たれる。

 

だが、本から現れた炎のドラゴンがその攻撃を防ぎ、襲い掛かる怪物をそのまま吹き飛ばす。

 

そのまま俺は、そのベルトに本を装填し、腰に巻き、そのまま剣を抜く。

 

「変身!」

 

【烈火抜刀!ブレイブドラゴン!】

 

ベルトから鳴り響く音、同時に俺の身体はスーツを身に纏った。

 

身体の中央は銀色のラインが入っており、両手は黒いアーマーを身に纏った。

 

それと共に、現れたドラゴンは雄叫びを上げながら俺の右側に寄り添うと共に俺の右側は炎を身に纏う。

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎烈火が交わる時、深紅の剱が悪を貫く!】

 

その音声が鳴り終えると共に俺の右側は赤いドラゴンの鎧を身に纏い、それはまさに夢で見た姿とまるで同じだった。

 

「お前はっ」

 

「名前か」

 

俺はそのまま手に持った剣を構え、名乗る。

 

「俺はセイバー、仮面ライダーセイバーだ」

 

 

 

「ちっ、成長したら厄介な事になりそうだな!!」

 

その言葉と共に怪物はそのまま無数の炎が襲い掛かるが、俺はそのまま手に持った剣を構える。

 

――火炎剣烈火

 

「なるほどな!!」

 

その手に持った剣の名前が分かると同時に俺はそのまま目の前に襲い掛かってきた炎を烈火で振り払いながら近づく。

 

「ぐっ、火力が違いすぎるっ、だったら!!」

 

その言葉と共に怪物の後ろから現れたのはボロボロな衣装を身に纏った剣を持った奴らが襲い掛かってきた。

 

それに対して、俺はそのまま手に持った剣を構えながら、それを受け止める。

 

「数がいくら何でも多いな!!」

 

こうして斬り合っている中で、奴らの力は今の俺よりも低いのは分かる。

 

だが、それを補うように数は多く、切り抜ける事ができない。

 

「だったら」

 

その時、俺が取り出したのは今朝、届いたばかりの本だ。

 

俺はそれを取り出すと、同時にブレイブドラゴンと同じく手の平サイズの本へと変わる。

 

【とある青年が、巻き込まれた仮想の世界で生き残る物語】

 

その音声が鳴り響くと同時に俺はそのまま夢で見た通り、ベルトに『ソード・アート・オンライン』をそのまま装填する。

 

「はぁ!!」

 

【烈火抜刀!ドラゴン!ソードアートオンライン!二冊の本を重ねる時、聖なる劔に力が宿る!ワンダーワンダー!】

 

その音声と共に、俺の目の前に現れたのは黒い剣だった。

 

襲い掛かる敵に対して、次々と切り裂きながら、左手でその剣を受け止めると同時に俺の左側は漆黒のコートを纏い、新たな姿に変わる。

 

「ふぅ」

 

同時に思い浮かべるのは夢で見た青年の姿だった。

 

襲い掛かる敵に対して、俺は青年の戦い方を模した動きで、そのまま切り裂いていく。

 

「ちっ、まさかワンダーライドブックをここまで簡単に作り出すとはっ」

 

そう言った怪物はそのまま姿を消した。

 

「待っ!!」

 

すぐに追いかけようとしたが、その先を奴らが立ち塞がり邪魔をする。

 

「きゃぁっ!!」

 

「響っ!!」

 

聞こえた悲鳴に俺は振り返ると、怪物が襲おうとしていた。

 

俺はすぐに腰にあるホルダーに烈火抜刀を収める。

 

【烈火居合】

 

「はああぁあ!!」

 

同時に走り出しながら、劣化抜刀を引き抜くと同時に烈火居合は炎を纏い、もう一つの剣は青い光を纏う。

 

そのまま、周りにいる全ての敵を切り裂いていく。

 

全ての敵を切り裂き終えると同時に剣を振り払うと

 

【読後一閃】

 

周りにいた敵は全て一気に切り裂き、消滅していった。

 

「大丈夫か、響っ!!」

 

「うっうん、大丈夫」

 

そう言い、俺はそのまま彼女の手を掴むと

 

「っねぇ、あれ!!」

 

響は何か驚いたようで、指を指し、俺はその方向を見ると

 

「なっ」

 

見つめた先に広がっていた光景。

 

それは先程までかくいつに俺がよく知る町のはずだったのに、田舎町だとは思えないような都会の風景が広がっていた。

 

「何が起きているんだ」

 



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ワンダーライドブック紹介

今回出てきたワンダーライドブックを参考に下記の活動報告など、ぜひ参加してください。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=251929&uid=45956

ここでは主に他作品から出てきたワンダーライドブックを中心に紹介しております。
後日登場するワンダーライドブックも追加で更新していきます。
また、ワンダーライドブック作成時に協力してくれた方の名前は協力ユーザーと書いております。


アクセルワールド

協力ユーザー:烈 勇志

属性【物語】

朗読分:「一人の少年が、銀の鴉となり、黒蓮の少女と共に加速する世界の頂点を目指す物語…」

能力

主にデュエルアバター『シルバー・クロウ』の翼が肩アーマーとなって出現し、クロウの腕を彷彿させる装甲が出現する。

肩アーマーの翼は背中に装備されることによって飛行が可能となり、左腕から光の刃が出現してそれによって相手を斬り裂くことなどが可能となる。

必殺技はシルバー・クロウの心意技『光線槍(レーザーランス)』と、空高く飛び立ち、そのまま落下する勢いを利用して相手を蹴り飛ばす『急降下重突撃(ダイブアタック)』。

 

トランスフォーマー

協力ユーザー:レティス

属性:【動物】

朗読文:この機械生命体の赤き司令官が新たに記す、破壊大帝との戦いの歴史。

能力:身体の構成が変化して巨大化する。聖剣がテメノスソードに変化する。剣と盾による攻防一体の戦いの他、体から銃や剣を展開して戦うようになる。また、トラックに変形して擬態する能力も持つ。

 

幼女戦記

協力ユーザー:はっぴーでぃすとぴあ

属性【物語】

能力

飛行能力を付与し航空機動力に長ける。

銃剣銃を装備し作中登場した各種術式を展開する事で多彩な戦況に対応可能。

朗読文

この白銀の翼が綴る硝煙香るラインの悪魔の戦いの歴史

 

キルラキル

協力ユーザー:立花オルガ

属性【物語】

能力

聖剣が片太刀に変化。必殺技は自身の血を使い、片太刀を巨大化させ、相手を切り裂きながら遠くへ吹っ飛ばす、戦維喪失。また、聖剣を二つにすることもできる。デメリットとして、使った後は貧血になりやすい。

朗読文

片太刀鋏を使う戦士と話す服の戦いの物語

 

鬼滅の刃

協力ユーザー:ガンダムラザーニャ

属性【物語】

能力

呼吸と共に鬼をも滅する強力な剣技を繰り出す。

朗読文

ストーリー:かつて鬼になった妹を元に戻すために鬼と戦った心優しき少年がいた。

 

鋼の錬金術師

協力ユーザー:龍牙

属性【物語】

能力

肩から腕と片足が銀色に輝く義手、義足の様な形に変わり、赤いコートのような様な装飾が現れる。

義手、義足の様な形に変わった手足は高い防御力を持ち、その腕で触れる事で周囲の物質の形状を自在に変化させる。必殺技は巨大な剣を握った腕が現れセイバーの動きに合わせて振り下ろす。

朗読文

禁忌を犯し、失った肉体を取り戻す錬金術師の物語!

 

テラフォーマーズ

協力ユーザー:はっぴーでぃすとぴあ

属性【動物】

朗読文:この恐るべき毒針が新たに記す火星にて繰り広げられた人類の希望と威信を掛けた生存競争、その戦いの歴史

能力

主に第一部の主人公である小町小吉の能力を再現するよう大雀蜂をモチーフとした黄と黒の節足動物らしい装甲と翅に片手には蜂の腹部を模した先端に強力無比な毒針を搭載した円錐形の装甲が追加され武器として扱う。

また装甲の所々から大雀蜂の顎を模した刃が飛び出している。

大雀蜂は我が国において熊に大差を付けて人間を殺傷し、また時として蜜蜂の巣を襲撃し文字通りの皆殺しを行い幼虫を自身の巣の幼虫の餌にする等極めて獰猛な生物である。

その特性が色濃く反映された結果、劇中同様に使用者にその獰猛な殺戮者としての気質を与える。

 

FAIRY TAIL

協力ユーザー:竜神アンザー

属性【神獣】

朗読文:かつて火竜という異名を持つ火の滅竜魔導士がいた…

能力

基本的に主人公が使う火の滅竜魔法や滅竜奥義を使用することができる他に相手が使う炎を吸収することにより炎の威力を上げることができる。

追加項目

使用者の属性によって使用できる滅竜魔法も変化させる事が可能である。

 

作品名:デジモンアドベンチャー

協力ユーザー:龍牙

属性【生物】

朗読分:「これは、選ばれし子供達とパートナー達の冒険と成長の物語」

能力

太一達選ばれし子供達のパートナーデジモンの能力や力が使える。使うライダーと最も相性の良いデジモンが選ばれる。セイバーはウォーグレイモン、ブレイズはメタルガルルモン等。

が、カリバーが使う場合は敵として戦った暗黒デジモン達の力を操れるようになる。(これはラスボスであったアポカリモンの能力と思われる)

 

デジモンクロスウォーズ

協力ユーザー:はっぴーでぃすとぴあ

属性【神獣】

朗読分:かつてジェネラルに率いられて二つの世界を救い、後にデジモンキングとして君臨したのは一体のデジモンだった…。

能力

主に主人公であるパートナーデジモンであるシャウトモン及びその派生形態の技や能力を使用する。

代表的な物としては音符型の火炎弾『ロックダマシー』、ロッド状のスタンドマイクを出現させて往年のロックシンガーの如く殴打する『ラウディーロッカー』、マイクで増幅させた殺人級のシャウトを炎熱混じりの衝撃波とする『ソウルクラッシャー』等。

また作中に登場したクロスローダーというデバイスの機能の1つである『デジクロス』と呼ばれるデジモン同士の合体・武装を行う能力を再現し他のワンダーライドブックから召喚・使役している存在に施行する事が可能。

必殺技はシャウトモンが超進化したオメガモンシャウトモンの物と同様、デジタルワールドを管理するロイヤルナイツが一体、オメガモンのオーラを纏って突撃する『オメガ・ザ・フュージョン』

追加事項

今作初登場のワンダーライドブック・カバー。

ブレイズドラゴンと組み合わせる事によって、ドラゴンの力が増し、さらに強力な力を使用する事ができる。

 

デジモンストーリーサイバートゥルース

属性【物語】

能力

デジモンストーリーサイバートゥルースの能力であるコネクトジャンプによって、電脳空間に移動する事が可能になる。

また、関わりの深いアルファモンの能力を使用する事ができるが、単体では力が強すぎる為、ワンダーコンボじゃないと使えない為、主に探索用として使用される。

 

作品名:けものフレンズ

協力ユーザー:いりごま塩

属性【動物】

朗読文:この巨大なパークで少女が獣の姿と名をした少女と旅をする物語

能力

⑴動物の声を聞く事が出来たり操られた動物を元に戻せる。動物の怪我を治す事が出来る。

⑵スケッチブックに絵を描いて壊れた物を直したり花を咲かせる事が出来る

 

GOD EATER

協力ユーザー:いりごま塩

属性【動物】

朗読分:この極限の世界でアラガミを狩る者達の物語。

能力

アラガミを狩る「神器」の力を剣に宿す事が出来る。

剣を捕食形態に変形させる事で喰らった相手の能力を剣に宿す事が出来る。

また、再生能力を持った相手の場合再生能力を無効化する。

 

ILLEGAL RARE

属性【神獣】

協力ユーザー:烈 勇志

朗読分:「かつて“違法稀少種”と呼ばれ、狩りの対象となってしまった幻獣達を護る為に、多くの仲間達と共に躍動した“黒吸血鬼”の王がいた」

能力

右側に蝙蝠をイメージさせる黒い装甲が装着され、鋭い牙のような刃が腕の装甲として現れる。その牙のような刃はかなり鋭く、あらゆるものを貫くことが可能。更に牙のような刃は折れても再生する。

 

作品名:ガン×ソード

属性【物語】

朗読部分:とある2人の男が紡ぐ痛快娯楽復讐劇!」

能力:左半身が「ダン・オブ・サーズデイ」を模した鎧に変化し、左頭部はヴァンの帽子のような形状となる。

所持している剣の扱いがやや荒くなるが、破壊力や切れ味が上昇する。また左手に使い手のエネルギーで形成された小刀を出現させ二刀流も可能。(使い手によって小刀の属性も違い、セイバーなら火の小刀など)

「剣士」では半分程度の力しか発揮できないが「剣」と「銃」を使いこなすスラッシュなら全ての力を発揮出来る。

スラッシュが使用すると「ダン・オブ・サーズデイ」だけではなく「ヴォルケイン」の意匠と肩掛けのマントに加え左手首付近にキャノン砲が追加され、剣の能力上昇は

そのままに銃は正確無比な狙撃と問答無用の大火力砲撃が可能となる。

 

主人公のヴァンと、ヴァンと同じ相手を追うレイの目的が一貫して「復讐」の為、復讐心を始めとした負の感情を持っているとその感情に引っ張られてしまう。

 

必殺技は剣ならVの字に敵を斬り、銃なら左手の砲と銃剣からの連射でダメージを与えつつ着弾時の粉塵や煙で視界を奪い、弱点を撃ち抜く。

 

NARTO疾風伝

属性【物語】

朗読文:とある忍び達が夢を叶える為の戦いの先は

能力:使用者によって、能力が変わるタイプのワンダーライドブック。

主に使用者の属性に合わせた忍術を使用する事ができ、忍者としての戦い方ができる。

 

ゲゲゲの鬼太郎

属性【物語】

朗読文:とある妖怪の少年が繰り広げる奇妙な戦いの先は

能力:使用者の年代によって、様々な力を使用する事ができるワンダーライドブック。

基本的には遠距離から攻撃が可能な髪の毛針、身体から放つ体内電気など様々な能力を使う事ができる。

それ以外の能力は1期から6期の鬼太郎から、最も相性の良い鬼太郎の能力を借りる事ができる。



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始まりのソードアートオンライン
髑髏の刺客


「やっぱり、ここって私達の町なのかな?」

 

「あぁ、そうかもしれないけど」

 

俺達は何が起きたのか分からないまま、突然現れた謎の町についてを調べ始めた。

 

町で溢れる様々な情報は俺達がこれまで知っている常識的な事は特に問題なくあった。

 

流行っている本やハンバーガーショップなどはあるようだ。

 

「けど、これって、なかったようだな」

 

そう言い、俺達が立ち寄ったんはゲームが売っている場所だった。

 

ここに来てから違和感があり、見たのは見た事のないゲーム機、アミュスフィアだった。

 

「これって、やっぱり夢で見たゲームで間違いない。

だけど、なんで」

 

そう言い、俺が取り出したのはソードアートオンラインだった。

 

「それって、もしかして飛羽真が言っていたゲームがここに?」

 

「分からないけど、もしかしたら想像以上の出来事が起きているかもしれない」

 

そう言い、俺はそのまま店を出ていくと

 

「っ!?」

 

同時に感じた違和感に俺はすぐに周りを見渡す。

 

そうして、偶然見かけたのは建物の上からこちらを見つめていた何かだった。

 

「響っ」

 

「えっ!?」

 

そのまま響の手を取り、そのまま走り出した。

 

後ろからその視線はこちらを見つめており、そのまま路地裏へと入り込むと同時に俺は腰にベルトを巻き、そのまま本をブレイブドラゴンをベルトに挿入する。

 

「変身!!」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎烈火が交わる時、深紅の剱が悪を貫く!】

 

その音声が鳴り響くと共に、俺の姿は再び仮面ライダーセイバーへと変わった。

 

「響、隠れていてくれ!!」

 

「えっうんっ」

 

そうしている間に俺達の目の前に現れたのは黒いフードを身に纏った怪物だった。

 

片手は剣、もう片方は銃という奇妙な怪物であり、その視線は真っすぐと俺に殺気を送っていった。

 

―――

 

セイバー(飛羽真)の姿になって、まず確認したのはその姿だった。

 

その身に宿っているドラゴンの力が、全身を包み込む熱。

 

その熱が先程まで怯える事しかできなかったはずの敵を目の前にしても、恐怖を感じる事なく、手に持った(火炎剣烈火)を構えた。

 

「行くぞ」

 

「グルルルッガアアァ」

 

セイバー(飛羽真)の掛け声に応えるように、目の前にいる怪物は雄叫びを上げながら襲い掛かってくる。

 

髑髏を思わせる怪物は、腕と一体化している銃をセイバー(飛羽真)に向けて銃弾を次々と放っていく。

 

それに対して、セイバー(飛羽真)が行ったのは単純に(火炎剣烈火)を振り上げるだけだった。

 

その瞬間、(火炎剣烈火)から溢れ出した炎がその銃弾を次々と消し炭に変えていく。

 

「ふぅ」

 

銃弾が全ての攻撃を切り払うのと同時に、怪物はそのままもう片方の手と一体化している剣を振り下ろす。

 

それまで、剣など振るった事のないはずのセイバー(飛羽真)は身体が自然に動き、怪物と対抗した。

 

敵の動きが、まるで手に取るように分かり、そのまま何度も対抗していく。

 

(火炎剣烈火)を振りあがる度に、炎が舞い上がりながら、怪物の剣が何度も交わりながら、その火花を散らしていく。

 

「ふぅはぁ!!」

 

そうして戦いを行っていく中で怪物は剣を振り払い、宙に舞い、そのまま銃をセイバー(飛羽真)に向けて、何度も銃弾を放っていく。

 

「ぐっ、銃がこんなに厄介だとは!!」

 

そう言いながら、セイバー(飛羽真)は振り上げ、なんとか銃弾を全て焼き尽くす。

 

この前戦った怪物とは比べものにならない程の強敵にセイバー(飛羽真)はどうすれば良いのか困惑するばかりだった。

 

「まさか、ここでソードロゴスがいるとはな」

 

「ソードロゴス?」

 

聞いた事のない言葉に首を傾げている間に

 

「どちらにしても、邪魔物者は排除する」

 

そう言った怪物はそのまま詰め寄り、襲い掛かろうとした時だった。

 

「まさか、新しい奴が現れるとはな」

 

「っ!?」

 

聞こえてきた声と共に、怪物に襲い掛かったのは青い斬撃だった。

 

何が起きたのか分からず、見つめた先にいたのは

 

「えっ」

 

「あれって、飛羽真と同じ武器?」

 

そこに立っていたのはセイバー(飛羽真)の姿を青く、左に覆っていたドラゴンの代わりに胸に獅子が飾られていた。

 

色や大きな特徴は違いはあるが、確かにセイバー(飛羽真)に確かに似ていた。

 

「あんたは」

 

「そんなのはどうでも良い。

それよりも、今はディビエルを倒すのが先決だ」

 

「ディビエルって一体」

 

何が起きているのか分からないうちに、その人物が手にしたのは

 

「あれって、俺の持っている奴と同じ奴?」

 

そう言いながら、その手に持った本を開く。

 

【一人の少年が、銀の鴉となり、黒蓮の少女と共に加速する世界の頂点を目指す物語】

 

同時に鳴り響く音と共にその人物は腰にあるベルトに本を挿入しろ。

 

「刮目せよ、仮面ライダーブレイズの戦いを」

 

その言葉と共に、手に持った剣をそのままベルトに挿入し、再び振り上げた。

 

それによって、閉じられた本は再び開くと

 

【流水抜刀!流水二冊!ガオー!キラキラ!幻想の爪がいま蒼き剣士のその身に宿る!】

 

ブレイズはそのまま左半身には銀色の鎧が身に纏い、肩アーマーと銀色の翼が現れる。

 

「ぐっ!!」

 

その言葉と共にブレイズに向けて、次々と銃弾が放たれるが、それに対してブレイズはまるで流れる水のような動きでその攻撃を受け流す。

 

受け流すと共に肩から生えた翼が風を受けながら、その場を飛び上がり、そのままディビエルと呼ばれる怪物へと徐々に近づいていく。

 

「ぐっ」

 

そのまま流れる水を思わせる剣で徐々に追い詰めていく。

 

「ここまでだな」

 

その言葉と共にディビエルと呼ばれた怪物が懐から取り出した爆弾はそのまま地面に振り下ろすと、その場は光に包まれる。

 

「ぐっ」

 

光で一瞬で、目をやられてしまう。

 

「ちっ逃げられたか」

 

そう言い、ブレイズはそのまま本を閉じ、そのまま変身を解除する。

 

「さて、貴様は何者だ」

 

「えっと、俺は神山飛羽真で、こっちは立花響。

それで聞きたいんだけど、なんで俺の夢で見たはずの世界が現実になっているんだ」

 

「夢だと?

夢の意味は分からないが、世界が違う事を認識しているというのは認識しているようだな」

 

そう言い、ブレイズの青年はこれに詰め寄り、俺の持っているソードアートオンラインを見つめる。

 

「これは見た事のないワンダーランドブック!?

お前、どうやってこれを」

 

「えっと、どうやってと言われても、俺が夢で作った小説が、何時の間にかこれになっていて。

という事は、あんたはこの状況について知っているのか!!」

 

「えっ本当に!」

 

よく分からなかった、これまでの状況が解決できるかもしれないと思い、そのまま詰め寄る。

 

「落ち着け。

とにかく、そちらも知りたい事があり、こちらも知りたい事がある。

ならば、どこかで話をしよう」

 

「あっあぁ」

 

ブレイズの言葉を聞いて、落ち着いた俺達はそのまま別の場所へと移る事にした。




今回は烈 勇志さんのワンダーランドブックです。

作品名:アクセルワールド
属性【物語】
持ち主:仮面ライダーブレイズ
朗読分:「一人の少年が、銀の鴉となり、黒蓮の少女と共に加速する世界の頂点を目指す物語…」
能力
主にデュエルアバター『シルバー・クロウ』の翼が肩アーマーとなって出現し、クロウの腕を彷彿させる装甲が出現する。
肩アーマーの翼は背中に装備されることによって飛行が可能となり、左腕から光の刃が出現してそれによって相手を斬り裂くことなどが可能となる。
必殺技はシルバー・クロウの心意技『光線槍(レーザーランス)』と、空高く飛び立ち、そのまま落下する勢いを利用して相手を蹴り飛ばす『急降下重突撃(ダイブアタック)』。


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未知なる世界

未だに設定も明らかになっていない所がありますので、個人的な主観が入っております。
ご了承ください


あれからブレイズに変身した男から話を聞く為に俺達はその後を追った。

 

その先は路地裏であり、余り誰も通っていないのか、あまり整備されておらず、道にはゴミが辺り一面に散らかっていた。

 

「ここならば良いだろ」

 

そう言った男はそのままこちらに振り向く。

 

「なぁ、教えてくれよ。

さっきの奴は一体なんなんだ、それになんで昨日までこんな街がなかったはずだろ。

それにこの本は一体「一度にそんなに質問するな、ちゃんと答える」わっ悪い」

 

俺は気になった事が沢山あり、思わず詰め寄るように質問する。

 

だが、いきなりすぎた事もあって、男は少し嫌な顔をしながら遮った。

 

さすがに、これはこちらが完全に悪かったので、俺はすぐに下がると、男はため息を吐きながら懐から先程までブレイズに変身していた本を取り出す。

 

「これはワンダーライドブック。

ここには世界の様々な物語の力が宿っている。

その種類は未だに分からないが主に3種類大まかに分かっている。

神話や想像の中にしか存在しないとされている生物達の事について描かれた『神獣』

現実に存在する生き物達の事について記載されている『動物』

人々の歩みや象徴についてを描かれている『物語』だ」

 

「あぁなるほど」

 

そう考えれば、ブレイズドラゴンは確かにドラゴンだから神獣、男が変身していたブレイズも聞いただけだとライオンだから動物、そしてソードアートオンラインは人の活躍を描いていたから物語。

 

そうして分けてみたら、確かに納得する。

 

「あの、それよりもあなたの名前は?」

 

「そうか、悪かったな。

僕の名前は新堂倫太郎、ソードロゴスに所属する剣士だ」

 

「ソードロゴス?」

 

一つ知れば、また別の謎が現れるのだけど。

 

「その説明は追々にする。

次に先程まで戦っていたディビエルについてだな。

それは、そのソードアートオンラインから生まれた怪物だ」

 

「えっソードアートオンラインから!?」

 

その言葉に俺は思わず驚いてしまう。

 

その説明からして、まさか俺が原因で

 

「一応言うが、奴が生まれたのはお前のせいではない。

ディビエルは本来の存在から外れた存在だからな」

 

「本来の存在から?」

 

そう言い、疑問に思い尋ねる。

 

「桃太郎という例に出そう。

この桃太郎は本来ならば敵役である鬼と戦い、勝利する。

だが、その戦いがもしも桃太郎の敗北に終わったら、どうなる?」

 

「どうなるって、そういう物語に変わるんじゃないのか?」

 

「そうだ、本来の物語から外れた展開。

そういう奴らが現実に姿を現したのがディビエルという奴らだ」

 

「それって、あいつは本来ならばソードアートオンラインで負けるはずだった敵キャラが現実に来て、怪物になった姿という事ですか!?」

 

それを聞けば、どれだけ大変な事がよく分かる。

 

「そうだ、奴らディビエルのような存在から人々を守るのが僕達、ソードロゴスの使命だ」

 

「なるほど。

つまりは、この現象はそのディビエルの仕業という訳?」

 

「少し違うな。

奴らが世界の融合の原因にもなっているが、直接行っている訳ではない」

 

「???」

 

先程から話が見えてこない。

 

戦っていた敵の正体の事は分かった。

 

それでも原因ではない。

 

ますます謎が膨らむ。

 

「なぁ、その原因って」

 

そう俺が訪ねようとした時だった。

 

ポケットの中に入っていたスマホが鳴り響き、俺は慌てて取り出す。

 

「もしもし」

 

『もしもしじゃないわよ!

あんた、学校どうしたの!!』

 

「あっやべぇ!!」

 

あまりの事で気にしていなかったが、スマホの時計を見ればもうすぐ12時になりそうだ。

 

「ごめん、すぐに学校に行くから!?」

 

俺はそう言って、電話の向こうの相手に断ると共に、すぐに切る。

 

「響、学校学校!」

 

「そっそうだった!?

というよりも学校が無くなっていなかったの!?」

 

「そうみたい!?」

 

その事に気付いた俺達は慌てて走り出した。

 

「それじゃあ、俺達すぐに行かないといけないから!!」

 

「新堂さん、また会いましょう!!」

 

その言葉と共に俺達は慌てて学校へと向かった。

 

「まったく、まだ話は終わっていないのに」

 

そう言った新堂さんから見えなくなり、俺達はすぐに学校に向かった。

 

辿り着いた時には既に昼休みに入っており、俺達はすぐに職員室に向かった。

 

勿論、さぼっていたのと同様だったので、勿論怒られた。

 

「うぅ、酷い目にあった」

 

「まったく、あんた達は何をしているの」

 

そう言いながら、冷たい目で話しかけるクラスメイトに俺は思わず振り返る。

 

「少しトラブルに巻き込まれました。

うぅ」

 

そう言いながら、詳しい事を言えない事もあって、少し悔しい。

 

「はぁ、まぁあんたと立花の事だからまたお節介だけど、そういうのあんまりそういうのに手を出さない事ね」

 

「あぁ、分かっているよ」

 

「本当かしら」

 

呆れた様子で返してきたクラスメイトはそのまま次の授業の準備を始めようとしていた。

 

「そう言えば、アミュスフィアって知っている?」

 

そう言うと何やら珍しく驚いた様子だった。

 

「どうして?」

 

「いや、少し気になってな。

こう、VRだから実際にファンタジーの世界に入り込めるかなって」

 

「・・・そうね、確かにあんたが書いている小説のような世界だったらあるかもね」

 

そう言いながら、クラスメイトはバックの中にある本をこちらに渡す。

 

「幼女戦記、最初はタイトルだけでどんな話かと思ったけど、以外と好みだったわ」

 

「そうか?

だったら良かったぜ」

 

そう言い、俺は本を受け取りながら目の前のクラスメイトの顔を見る。

 

待て、誰だ、こいつ?

 

何気なく話していたし、特に違和感なかった。

 

本だって、貸した記憶はあるけど、なんというか違和感がある。

 

「どうしたのよ」

 

「いっいや、なんでもないよ朝田」

 

待て、なんで俺、名前を言えたんだ。

 

朝田詩乃。

 

確かに彼女の名前だ。

 

「何よ、私の顔に何かついているの」

 

「眼鏡」

 

「殴るわよ」

 

「冗談だよ、冗談」

 

そう言いながら、俺は冷や汗をかきながら答える。

 

知らないはずなのに、名前を知っているクラスメイト。

 

彼女は一体何者なんだ。



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謎の朝田

いよいよ放送開始の仮面ライダーセイバー。
これからの展開が楽しみですね。


「どうしたのよ、あんた達」

 

「いやぁ、こういう所は緊張してね」

 

「うっうん」

 

その日の放課後、俺と響、そして朝田さんと一緒にとあるゲームショップへと向かった。

 

朝田さんが言うには安くアミュスフィアを買えるという事もあって、ゲームを始めようとしている俺達に紹介する為に向かっていた。

 

正直に言うと、興味がないと言うと嘘になるが、それよりも目の前にいる朝田さんの方が気になる。

 

響も当初驚いていたが、クラスメイトの未来や他の皆の反応を見る限り、朝田さんは本当に最初からいたような反応をしていた。

 

ただ、あまり人と関わりが少ないのか、俺と響以外は話していないらしい。

 

そこから考えても、やっぱりこの現象と何か関係していると考えるのが妥当だろう。

 

(どうするの)

 

(分からない、けど朝田さんは、うん。

悪い人じゃないと思う)

 

ここまで面倒を見てくれる人が悪人ではないと思いたい。

 

「本当に変よ、貴方達?

なんか変なのでも食べた?」

 

「そっそんな事ないよ!

いつも通り、ごはんを食べて、元気よ」

 

「おにぎりをおかずにチャーハン食べていないわよね」

 

「あっあははははは」

 

そう言った朝田さんが冷めた目で響を見つめる。

 

だが、その事を知っているのは本当に響と長い事過ごさないと分からないはずの出来事。

 

それを簡単に言えるという事は、朝田さんは本当に。

 

「どうなっているんだよ、今日は」

 

「本当に、どうかしたの?」

 

「いや、なんでもなっ」

 

そう言おうとした時だった。

 

入ろうとした店の前に立っていたのは

 

「ディビエルっ!?」

 

それは今朝戦ったばかりの髑髏のディビエルであり、俺達に向けて銃を向けていた。

 

「えっ」

 

何が起きているのか分からない朝田さんの前に俺はすぐに飛び出し、懐に仕舞っていたベルトを取り出し、すぐに構える。

 

「変身!」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎烈火が交わる時、深紅の剱が悪を貫く!】

 

朝から数えて、三度目になるだろう変身を終え、セイバー(飛羽真)はそのまま構える。

 

「なんなの、これ」

 

「朝田さん、逃げよう」

 

「ごめん、状況が付いていけない」

 

「良いから、早く逃げろ!」

 

セイバー(飛羽真)はそう叫ぶと共に、手に持った(火炎剣烈火)を構えながら、ディビエルに向かっていく。

 

以前の戦闘と同じく、ディビエルは一体化している剣と銃を交互に攻撃を繰り出しながら、迫ってくる。

 

それに対して、(火炎剣烈火)から溢れ出る炎でその攻撃を受け止めながら、セイバー(飛羽真)はすぐにソードアートオンラインを取り出し、装填する。

 

【烈火抜刀!ドラゴン!ソードアートオンライン!二冊の本を重ねる時、聖なる劔に力が宿る!ワンダーワンダー!】

 

その音声と共に、セイバー(飛羽真)のもう片方の手には黒い剣が握られ、そのまま迫っていく。

 

銃弾による攻撃を受け止めながら、接近戦に持ち込んだセイバー(飛羽真)はすぐに攻撃を仕掛けていく。

 

怒涛の連続攻撃は片手にしか剣のないディビエルを追い詰めるのに、それ程時間はかからなかった。

 

「よし、このままっ!!」

 

【かつて世界征服を成そうとした死の支配者が居た…。】

 

「っ!?」

 

だが、ディビエルを倒そうとした直前、目の前に現れたのは髑髏の騎士だった。

 

人を遥かに超えた巨体が突然現れた事に驚きを隠せなかったセイバー(飛羽真)はそのまま髑髏の騎士の攻撃に吹き飛ばされる。

 

「なっなんだ!?」

 

すぐに構えると、既にディビエルの姿はなく、変わりに髑髏の騎士がこちらに向かって襲い掛かってくる。

 

「何をしているんだ、セイバーっ!」

 

「あっ新堂さん!!」

 

そう言いながら新堂さんは手に持った剣を受け止めながらこちらを見つめる。

 

「こいつはまさか、デスナイト。

という事はっ」

 

そう新堂は周りを見渡していた。

 

「ここは任せれるか」

 

「えっちょっ!?」

 

その言葉と共に新藤さんはそのままどこかに走り去っていった。

 

何が起きているのか分からなかったが、それでも一瞬だけ隙ができたのを感謝すべきか。

 

「とにかく、今は」

 

そう言ったセイバー(飛羽真)はすぐにベルトからソードアートオンラインを取り出し、そのまま(火炎剣烈火)にリードする。

 

【ソードアートオンライン!ふむふむ!】

 

その言葉と共に両手に持った(火炎剣烈火)と黒い剣に青い光が灯ると同時にデスナイトに向かっていく。

 

「スターバースト・ストリーム!」

 

同時にまるで以前から知っていたように、(火炎剣烈火)と黒い剣による連続攻撃を行っていく。

 

一瞬で16連撃による一撃は強固な鎧を身に纏っていたデスナイトを瞬く間に切り裂く。

 

「ガアァァ」

 

その一撃を喰らい、デスナイトはそのまま倒れ込む。

 

「なんとか、倒せたか」

 

そう言いながら、そのまま変身を解除する。

 

解除すると共に朝田さんは

 

「これって、何が起きているの!!

第一、さっきのあいつ、デスガンじゃないのっ!?」

 

「でっデスガン?」

 

何か驚いている様子の朝田さんだが、もしかしたら。

 

「なっなぁ、落ち着いてくれ。

とりあえず話を聞かせてくれ、そのデスガンについてを。

俺達もあいつを追っているんだ」

 

「追っているって、はぁ、もぅ。

どうなっているのよ」

 

そう言いながら、呆れた様子の朝田さんはそのまま頭を抱えながら

 

「デスガン。

私がやっているGGOに出てくる謎の存在よ。

ゲーム上で撃たれた人間は現実でも死んでしまうという不気味な噂よ。

それが、さっきの奴にそっくりなの」

 

「デスガン・ディビエル」

 

これまで、名前を決めていなかったし、その正体も分からなかったけど

 

「どうやら、ヒントだけでもようやく見つける事ができたか」

 

そう言いながら、俺はゲームショップを見つめる。

 

「行くとするか、ゲームの世界に」




【オーバーロード】
死霊魔法系統の魔法並び高火力の攻撃魔法に特化した広域制圧型。
作中に登場したアンデット系の魔物の軍勢を召喚しけしかける戦法を得意とする。
持ち主:???
属性:神獣
ストーリー音:「かつて世界征服を成そうとした死の支配者が居た…。」


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共に強くなる決意

「なんというか、凄い世界だな」

 

そう言いながら、俺は周りの光景を見ながら呟く。

 

そこは近未来のSF映画のイメージ通りに描かれた世界であった。

 

「少しは落ち着きなさいよ」

 

そう俺に話しかけたのは、この世界での朝田さんの姿であるシノンだった。

 

「ごめん、だけどさ。

こうやって、見ると、この世界は凄いよ。

だって、本当に現実との違いがまるで分からないよ」

 

現在、デスガン・ディビエルの正体を探る為にその噂の元となっているガンゲイル・オンラインに俺と朝田さんはログインしていた。

 

響にはログインしている間に何か起きたらすぐに起こしてもらうように、外で待ってもらっている。

 

「まずは死銃の事についてを調べたいけど、やっぱりなかなか見つからないな」

 

ログインしてから3時間程、シノンと一緒に色々な所で情報を聞いたが、やはりほとんどが本当なのか分からない情報ばかりだった。

 

「・・・ねぇ、聞きたいんだけど」

 

「なんだ?」

 

「さっきの話は本当なの?

今朝、いきなりその、仮面ライダーとか言う力を得たのって」

 

「まぁ信じられないけど、本当なんだよ」

 

そう言いながら、俺は情報を探している間に、今朝の出来事についてを話した。

 

だが、その中で、朝田さんの事について知ったのは今朝だという事だけは話さなかった。

 

「そうね、まぁあんなのを見せられた以上は信じるしかないけどね。

なんというか、少し羨ましいと思ったわ」

 

「まぁ実際にこんなファンタジーのような力だとね」

 

「・・・そういう事じゃないわ」

 

「???」

 

その言葉の意味が分からず、俺は思わず首を傾げる。

 

「あなたも知っているでしょ。

私が、昔人を殺した事を」

 

「・・・あぁ」

 

そう言いながら、周りに誰もいない事を確認するとシノンはそのまま淡々と話し続ける。

 

本来ならば、彼女と共に過ごす中で聞くはずだった話。

 

だが、実際には、この謎の現象によって、無理矢理知ってしまった話。

 

それは余りにも残酷すぎると思えた。

 

彼女の過去、母親を守る為に銀行強盗から銃を奪い、強盗を殺した。

 

話を聞けば、簡単に理解してしまうが、その時は彼女のせいではないだろう。

 

だが、それが原因で学校に虐められ、俺が介入して、彼女を助けたという事になっている。

 

「この世界で、私は強くなろうと思った。

けど、案外上手くいかない。

だけど、あなたは」

 

その言葉と共に思い浮かべたのは、セイバーとしての俺の姿だろう。

 

確かに常識では考えられない程の強さはあの姿にはあった。

 

それでも

 

「俺は別に強くないよ」

 

そう言うしかなかった。

 

「俺がこうして戦えたのは、ただ単に道具が強かっただけだ。

それをなんとか使って戦えただけで、強くなってない」

 

「そんなの」

 

そう呟くシノンに対して俺は

 

「だったら、一緒に強くなろう」

 

「えっ」

 

その言葉に驚きを隠せなかったようだ。

 

「俺はセイバーとして、君や響を守れるように強くなる。

だから、君も一緒に強くなろう」

 

俺はそう言って、真っすぐと見つめる。

 

「・・なによそれ。

本当に変わっているわね」

 

そう言いながらも、少し落ち着いたのか、シノンもまた手を繋ぐ。

 

「えぇ、だったら一緒に強くなるわよ。

でも、置いていかれないようにね」

 

「分かっているよ」

 

そう言いながら、俺達は再び歩き始める。

 

その時、現実の世界で、ソードアートオンラインに僅かな変化が起きている事は、この時、まだ俺は知らなかった。



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偽りを超えた本物に

リクエスト募集に新しい項目を募集しております。
次の世界についても、締め切りを今週の金曜日までとさせてもらいます。
皆様の応募、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=243290&uid=45956


「やっぱり、ゲームの世界で見つかる訳ないわね」

 

「それを言ったら、終わりだろ

 

散々探しまくって、シノンは思わず呟いた一言に俺は思わず言ってしまう。

 

「それはそう言いたくなるわよ。

ここはオンラインゲームの中だから、特定の人を探すなんて、無理があるわ」

 

「そう言われたら、終わりだよ」

 

そう言いながら、俺達はそのまま周りの光景を見る。

 

「やぁ、シノン」

 

「あれ、シュピーゲル」

 

そう話し合っていると、こちらに話しかけてきた人物がいた。

 

俺達は見つめると、そこには灰色の髪をした男がいた。

 

「誰?」

 

「シュピーゲル、GGOで活動している時のフレンド。

けど、変ね、今日は用事があるって、聞いたけど」

 

「うん、本当だったらね。

でも、シノンが死銃を探していると聞いたから心配になって来たんだ」

 

「まぁ、少し訳ありでね」

 

そう言いながらシノンは苦笑しながら答える。

 

「・・・なぁ、シュピーゲルだったけ」

 

「えっうん、そうだけど、君は」

 

「俺は飛羽真」

 

「ちょ、リアルの名前を言っちゃ駄目でしょ」

 

俺の言葉に驚きを隠せなかったシノンを無視して、俺はシュピーゲルを睨む。

 

「お前、GGOを今日やらないんだったよな」

 

「えっ、うん、そうだけど、そんな事になったら、心配になって「誰に聞いたんだ」えっ」

 

「確かに俺達は探して、数時間ぐらいはやっていたけど、そんな情報どこから聞いたんだ。

GGOを今日、やらないはずのお前が、どうやって」

 

「それは」

 

その言葉を聞いて、シノンはそのままシュピーゲルを見つめる。

 

「最初から知っていたんじゃないのか?

俺達が、お前を探しているのを」

 

「探しているって、まさかっ」

 

そう言って、再びシュピーゲルを見つめると

 

「やれやれ、思った以上に簡単にバレちゃったみたいだね。

邪魔な奴を消してから、シノンと一緒に活動しようとしていたのに」

 

「邪魔な奴って、飛羽真は私の、その友達よ。

だからあなたにそれを否定させないわっ」

 

そう言い、シノンはそのまま銃を取り出す。

 

だが、そんなシノンの態度を見て、シュピーゲルは一瞬呆けたと思った次の瞬間

 

「アハハハハハハっ!!ハハッ!」

 

狂ったように笑い始めた。

 

その光景はとても気味が悪かった。

 

一通り笑い終えると共に、こちらを見つめた顔はとても冷たく、睨んでいた。

 

「シノン、君は勘違いしている」

 

「何がよ、シュピーゲルっ!!」

 

そう言いながら、銃を構えるシノンに対して、シュピーゲルは笑みを浮かべながら

 

「彼と君は友達でもなんでもない。

今日会ったばかりのただの他人だよ」

 

「ふざけた事を言わないで」

 

「ふざけてなんてないさ。

なんだって、その証拠が」

 

その言葉と共にシュピーゲルは手に持ったのは変身に使っているワンダーライドブックに似た何かだった。

 

それを開くと共に本から出てきた文字がそのままシュピーゲルを包み込むと、そこに現れたのは、デスガン・ディビエルだった。

 

「あんたが、ディビエルだったのね」

 

「そうだね。

本来ならば、僕は主人公じゃなくて、君はヒロインじゃない。

でもね、僕がこの姿になって、あいつがいなくなった事で、僕が主人公になるはずだったんだ!!

だけど!!」

 

そう言い、俺を睨みつける。

 

「なんだよ、お前!

僕の物語を邪魔するなよ!

死ねよ!死ねよ!死ねよ!!」

 

「っ!!」

 

こちらに向けて殺気を込めて、銃口を向けてきたので、俺はすぐにソードドライバーを取り出す。

 

「こっちの世界でも取り出せて、助かったぜ!」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎烈火が交わる時、深紅の剱が悪を貫く!】

 

その音声と共に、セイバー(飛羽真)に変身し、そのまま(火炎剣烈火)で銃弾を切り落とす。

 

「シノン」

 

「分かっているわよ、あんなでたらめ信じる訳ないでしょ」

 

そう言い、シノンは銃を構える。

 

「・・・ごめん」

 

「えっ」

 

それよりも前に謝る。

 

「あいつが言っているのは本当だ。

俺は今日、本当にお前と初めて会った」

 

「えっ、ちょっと、何を言っているの」

 

そのまま混乱するようにこちらを見つめてくるシノンに対して

 

「ほら、言っただろ!!

これが僕が正しい事を!

だから、シノン、ヒロインである君は僕と一緒に敵を倒そう!!」

 

そう言って、デスガン・ディビエル(シュピーゲル)は狂ったように笑みを浮かべながら誘う。

 

「それは」

 

その言葉を聞いて、戸惑いを隠せない様子だった。

 

「だけど」

 

(火炎剣烈火)を構えながら、シノンに目を向ける。

 

「ここで一緒に強くなろうという言葉は本当だ」

 

「強く」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に、シノンは

 

「偽りの記憶かもしれなくても、シノンに対して思った言葉は本当だ。

何よりも、シノンはどうなりたいんだ」

 

「私はっ」

 

そう言いながら彼女はセイバー(飛羽真)デスガン・ディビエル(シュピーゲル)を交互に見る。

 

そして、その銃口は俺の方へと

 

「シノン」

 

「その約束、嘘じゃないわよね」

 

そうセイバー(飛羽真)に向けて告げる。

 

「約束は絶対に守る」

 

「そう、だったら良いわ」

 

そう言い、そのままシノンはそのまま銃をデスガン・ディビエル(シュピーゲル)に構える。

 

「シノンっ!?

彼が嘘をついて、君を騙していたんだよ!!」

 

「確かにそうね。

私の中にある記憶が偽物だと思った瞬間、飛羽真に怒りで満たされたわ。

でもね、彼の言葉に嘘がないと分かると、自然と怒りが消えたわ」

 

その言葉と共に、セイバー(飛羽真)の手に収まっていたソードアートオンラインのページが開かれ、そこにはシノンが描かれていた。

 

「だからこそ、私は彼と強くなる。

それが、約束だからね」

 

「あぁ」

 

その一言と共に、ソードアートオンラインのボタンを押す。

 

『これは過去の弱さを貫く強き少女の物語』

 

その音声と共に、ベルトにソードアートオンラインを挿入し、剣を差し込み、再び取り出す。

 

【烈火抜刀!龍の炎が弾丸に宿る時、全てを貫く力が宿る!

ワンダーライダー!ドラゴン!ガンゲイル・オンライン!】

 

その音声が鳴り響くと共に、これまで黒いコートの代わり、シノンをイメージさせる水色のコートに代わり、肩にはシノンの持つ狙撃銃が装着される。

 

「「さぁ、物語の結末は()達が変える」」

 

そう言い、 デスガン・ディビエル(シュピーゲル)へと各々の武器を構える。



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世界を貫く銃

ゆっくりと、その手に持った(火炎剣烈火)セイバー(飛羽真)は目の前にいるデスガン・ディビエル(シュピーゲル)に向かって走り出す。

 

それに合わせるように、セイバー(飛羽真)は左肩と一体化している銃をデスガン・ディビエル(シュピーゲル)へと向いた。

 

一体化している銃に警戒したデスガン・ディビエル(シュピーゲル)もまた、一体化している銃をセイバー(飛羽真)に向けて放った。

 

銃弾はそのまま真っすぐとセイバー(飛羽真)に向かって飛んでいくが、左肩から出てきたのは銃弾ではなく、光だった。

 

真っすぐと伸びた光はそのままデスガン・ディビエル(シュピーゲル)の真横へと向かっていく。

 

着弾したその光に吸い込まれるようにセイバー(飛羽真)は勢いに乗りながら、そのままデスガン・ディビエル(シュピーゲル)へと接近する。

 

「ワイヤーだとっ!?」

 

予想外の行動に驚きを隠せなかったが、それでも攻撃の手を緩めないデスガン・ディビエル(シュピーゲル)はそのまま銃弾をセイバー(飛羽真)に放っていく。

 

それに合わせるように、セイバー(飛羽真)の左腕から放たれたのは銃弾だった。

 

互いの銃弾が激突しながら、セイバー(飛羽真)はそのまま(火炎剣烈火)デスガン・ディビエル(シュピーゲル)の剣が互いにぶつかり合い、火花を散らす。

 

手に持った互いの武器が激突させ、火花を散らしていく中で、セイバー(飛羽真)の左肩のワイヤーはそのまま後ろの建物に伸ばし、そのまま後ろへと下げる。

 

「そんなのでっ」

 

そう言い、銃を真っすぐとセイバー(飛羽真)に向けた瞬間。

 

デスガン・ディビエル(シュピーゲル)の銃は暴発した。

 

 

「がっぐぅっ!?」

 

銃が暴発した訳が分からず、戸惑っているデスガン・ディビエル(シュピーゲル)の目に映ったのは、こっちを真っすぐに見つめているシノンの姿だった。

 

その手に持っているのは彼女が愛用している銃、ヘカートⅡの銃口から狼煙が上がっていた。

 

そこから考えて、この暴発したのは、ヘカートⅡからの放たれた銃弾が、デスガン・ディビエル(シュピーゲル)の銃口の中に入り、そのまま暴発させた。

 

「なっなんでっ!?」

 

デスガン・ディビエル(シュピーゲル)は声を荒げながら、驚きを隠せなかった。

 

それはシノンの神業を行った事に対しての疑問ではなかった。

 

彼自身が幾度もシノンの腕を見ており、彼女ならば不可能ではない事を知っていた。

 

だが、疑問に思ったのはそこではなかった。

 

「なんで、僕に君の攻撃が当たったんだっ!?」

 

「さぁね。

でも、当たったのならば、それで十分よっ!!」

 

その一言と共に、シノンは再びへカーテⅡを真っ直ぐとデスガン・ディビエル(シュピーゲル)に狙いを定めた。

 

そして、それに合わせるように、セイバー(飛羽真)はそのままデスガン・ディビエル(シュピーゲル)へと(火炎剣烈火)と共に、左腕を|デスガン・ディビエルに向ける。

 

「これで決める」

 

【烈火居合!】

 

セイバー(飛羽真)はそのまま腰にあるホルダーに(火炎剣烈火)を納め、そのままデスガン・ディビエル(シュピーゲル)に向かって銃弾を放っていく。

 

「ぐっがっがぁっ!!」

 

デスガン・ディビエル(シュピーゲル)の身体に次々と穴が開いていき、そのままホルダーに収めていた(火炎剣烈火)をそのまま振り上げる。

 

【読後一閃!】

 

「はあぁ!!」

 

ホルダーから放たれた(火炎剣烈火)は炎を纏いながら、デスガン・ディビエル(シュピーゲル)の身体を切り裂く。

 

火炎双円斬(フレイム・ダブル・サーキュラー)

 

切り裂かれた事によって、デスガン・ディビエル(シュピーゲル)の身体から弾け飛んだのは、ワンダーランドブックに似た何かだった。

 

「あれは、ワンダーランドブック?」

 

疑問に思いながら、見つめると、先程まで怪物だったはずのシュピーゲルだった。

 

「これで、終わったのか?」

 

「そのようね」

 

そう言いながら、落ち着いたのか、そのまま座り込む。

 

「ねぇ」

 

戦いを終え、落ち着きながらシノンはこちらを見つめる。

 

「あなたはなんで私なんかに付き合ったの?」

 

「んあだ、その質問?」

 

疑問に思いながら、そのまま変身を解除して座り込む。

 

「あなたからしたら、突然出てきた変な女なんでしょ。

なのに、なんで最初から知っているように付き合ったの」

 

その言葉は真っ直ぐと俺を見つめる。

 

それに対して、俺は

 

「信じたかったというのが、一番の理由かな」

 

「信じたかった?」

 

そう言った、俺の言葉に一瞬呆けて、こちらを見る。

 

「だって、俺の本を読んで、正直な感想を言ってくれた奴の言葉、信じたいのは当たり前じゃないか。

まぁ、実際には俺が書いた本じゃないけどね」

 

その言葉を聞いた瞬間

 

「ぷっ、たったそれだけでここまで信じるなんてねっ」

 

シノンは俺の言葉を聞いた瞬間、腹を抱えながら笑った。

 

「そこまで笑う事か」

 

思わず、俺は首を傾げながら尋ねる。

 

「まぁね。

でも、それはそれで、面白いかもね」

 

言葉と共に緊張が解けたのかシノンはこちらを見つめる。

 

「ねぇ、もしも、これでお別れなのかな?」

 

「分からない。

正直、これが初めてだからな」

 

これから何が起きるのか分からないので、俺は正直に言うしかなかった。

 

そんな俺に対して

 

「そう、だったら、少しやっておかないと」

 

「えっ?」

 

そんな彼女の言葉について聞く前に、目の前に迫った彼女の唇がそっと触れた。

 

パタンッ

 

「とんでもない事が起きましたねぇ。

あっどうも初めまして、私はタッセル。

この物語の最後の案内を務めさせてもらいます。

それにしても、突然他の世界が繋がって、怪物が暴れましたが、それを偶然力を手に入れた飛羽真の活躍によって、無事に解決しました。

ですが、どうやら次の危機はもうすぐそこまで迫っているようですね。

なんだって、今度の敵は不死身ですからね」




ガンゲイル・オンライン
属性:物語
概要
ソードアートオンラインのワンダーランドブックがシノンの思いに答えるように現れた新たなページ。
左肩に装着されたアルティメットファイバーガンから放つワイヤーで素早く移動する事ができ、敵の武器を奪う事ができる。
また、左手と一体化している銃による憲政も可能な為、高速戦闘が可能になっている。
また、シノンが近くにいる時には、現実でもシノンの姿になる事ができ、へカーテⅡによる強力な攻撃も可能。


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信じる鬼滅の刃編
不死身の蜘蛛


あの戦いから一週間、その間に何か変化が起きたかと言うと、特にはなかった。

 

朝田を初めとして、以前までこの世界にはなかった物はそのまま存在していた。

 

「あんまり変わらなかったな」

 

「っ!!」

 

「朝田さんも飛羽真もどうしたの?」

 

特に問題なく過ごしていた事もあって、あの時が最後の別れになると思っていた朝田は顔を赤くさせながらしばらく俺の顔を見る事ができなかった。

 

それは俺も同じだったので、あまり顔を合わす事ができなかった。

 

「それにしても、あれから会えないね、新堂さん」

 

「あぁ」

 

そう、俺と朝田が目を覚ました時点では既に新堂さんとも会う事ができない。

 

「それにしても、結局、本については謎だらけね」

 

そう言いながら、俺は鞄から取り出したのはソードアートオンラインを初めとしたワンダーランドブック。

 

あの日から家に帰った俺はすぐに他の本がワンダーランドブックを作る事ができないかどうか試してみた。

 

その結果、何冊かがワンダーランドブックにする事ができた。

 

人目がつかない所でワンダーライドブックの能力を試してみた。

 

そこから分かった事が2つあった。

 

一つ目はベルトに挿入できるワンダーライドブックの数は3つ、各々に挿入できるワンダーライドブックの種類は決まっている。

 

それが新堂さんから教えて貰った種類だという事。

 

二つ目はベルトに挿入できるワンダーライドブックの数。

 

変身にできるワンダーライドブック『ブレイブドラゴン』以外に動物と物語しか挿入できない。

 

しかも、それぞれ一個しか挿入できないので一度の戦いで二個しか使えない。

 

「だけど、本当に私が持っていて良いの?」

 

「まぁすぐに取り出せる訳じゃないからね」

 

実際、この前の戦いでまだソードアートオンラインの一冊だけだからなんとかできたが、本当に戦う事になると選んでいる暇はないだろう。

 

「それにしても戦うと言っても、ディビエルなんて早々」

 

「・・・響、それって小説で言う所のフラグじゃ」

 

朝田の言葉と共に聞こえてくる雄叫び、見るとそこに立っているのは

 

「ふぅん、今の人間はこんな感じなんだ」

 

その言葉と共に見えたのは蜘蛛だった。

 

真っ白の白い着物を身に纏っている蜘蛛の顔をした怪物がそこに立っていた。

 

その着物の隙間から僅かに見えるのは、ワンダーライドブックであり、以前倒したデスガン・ディビエルと同じ形をしていた。

 

「お前、ディビエルっ」

 

「そうらしいね。

まぁ、僕には関係ないけど」

 

そう言って、ディビエルはその手を真っ直ぐとこちらに向けて、糸を吐いてきた。

 

俺はすぐに懐から火炎剣烈火を取り出し、そのまま腰に巻く。

 

【ブレイブドラゴン】

 

「変身!」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎烈火が交わる時、深紅の剱が悪を貫く!】

 

ベルトから現れた炎によって、迫り来る糸を全て燃やし尽くし、そのまま(火炎剣烈火)を構えながら、セイバー(飛羽真)は走り出す。

 

次々と糸を放っていくが、相性が良いのか、(火炎剣烈火)は糸を簡単に切り裂く事ができる。

 

「炎を纏った剣、苛つくね」

 

その言葉と共に手の中に赤い糸を集めると、こちらに向けて放つ。

 

「っ」

 

【ドラゴン・ワンダー】

 

セイバー(飛羽真)はすぐにベルトのブレイブドラゴンを挿入する。

 

瞬間、セイバー(飛羽真)の腕を纏う竜の鎧から炎が溢れ出し、そのままディビエルに向けて放つ。

 

「ふっ」

 

それに合わせるように奴もこちらに向けて竜巻を思わせる一撃が激突する。

 

互いの一撃が激突しながら、そのまま勢いが増したセイバー(飛羽真)の一撃がそのままディビエルを貫く。

 

「っ!!」

 

「勝ったの?」

 

相性は明らかにこちらが有利なはずだ。

 

だが、どうしてか、目の前にいるディビエルは余裕の笑みを浮かべていた。

 

「その程度じゃ、僕は倒せないよ」

 

「っ!!」

 

その言葉と共に、徐々にその身体は修復された。

 

「再生能力持ちっ」

 

どうやら予想以上にとんでもない能力を持っているようだ。

 

「どうすれば「逃げるぞ」うわっ?!」

 

セイバー(飛羽真)が構えようとした瞬間、彼らの目の前に突然巨大な水柱が現れる。

 

同時に見えたのはブレイズ(新堂)だった。

 

「えっ新堂さん!?」

 

「今の状態では勝てない。

とにかく、逃げるぞ」

 

「わっ分かった」

 

状況が分からないが、ブレイズ(新堂)の言葉と共に、その場から離れる。

 

「さすがにあいつと戦うのは面倒だね。

しばらくは隠れるとするか」

 

そうしている間にセイバー(飛羽真)を警戒したディビエルもまた姿を消した。



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遙か昔の物語

「ここまで来れば、安全だろ」

 

そう言いながら新堂さんはそのまま変身を解いて、こちらに振り向く。

 

「なぁ、あいつは何者か知っているのか?」

 

「あぁ、奴はルイ・ディビエル。

この世界へと変わった瞬間に現れた不死身のディビエルだ」

 

「不死身って、どういう事なんですか?」

 

その言葉に響は思わず聞いてしまう。

 

「奴とは既に戦闘を行ったのだが、倒す事ができなかった。

強固な糸の他に何度も攻撃を行っても、致命傷を与える事ができなかった。

残酷かもしれないが、心臓に首。

それらを切り落としても、すぐに再生してしまう」

 

「そんなの、どうやって、倒せば良いの」

 

そう言い、その場にいる全員が頭を悩ませる。

 

「ディビエルという事は、奴は物語では倒されるはずなんだよな?」

 

ディビエルがこうして存在している以上、物語の中では倒される存在。

 

「けど、モンスターパニックのように無敵な敵の可能性はないの?」

 

朝田はそう言い、ディビエルの可能性について話したが

 

「その可能性はある。

だが、不死身という事以外では戦闘能力は高いが倒せないレベルじゃない。

そこから考えれば、奴を倒す可能性は決して低くない」

 

「だとしても、どうやって調べるんだ?」

 

「何か、この町で起きた変化を探せば良いんじゃないか?」

 

朝田の時と同じくアミュスフィアのように大きな変化があるはずだが

 

「そんな変化はある訳」

 

「あれ?

こんな食堂あったけ?」

 

「すぐに見つけたな」

 

そこは見たことのない定食屋だった。

 

登校している時によく通る事もあって、絶対に見るはずの店だった。

 

だが、記憶ではそんな定食屋がなかったはず。

 

そうしている、響の腹から音が響く。

 

「っ」

 

「・・・とりあえず食事するか」

 

「・・・そうね」

 

「さて、何を食べるか」

 

その事について、全員は聞かなかった事にして、そのまま店の中に入っていく。

 

店の中は人は結構いるのか、賑やかな様子だ。

 

「あっいらっしゃい。

お席はこちらにどうぞ」

 

「あっはい」

 

そう言い、俺達は店員に案内され、そのまま席に座った。

 

見た感じ、特に変わった様子もなかったが

 

「何かあるか?」

 

「普通の定食屋だね。

でも、こんな所にあのディビエルのヒントがあるのか?」

 

そう言いながら、俺達は周りを見つめるが

 

「うぅ、だって、爺ちゃんの話は本当なんだよ」

 

「また、その話?

いい加減にしなさいよ」

 

ふと、聞こえてきた声に俺は耳を傾ける。

 

「そんなのあり得ないでしょ。

不死身の鬼に対して、力を合わせて倒したなんていう話なんて」

 

「えっ!!」

 

俺はそう言い、すぐに詰め寄る。

 

「えっ!?

何です!?」

 

「ごめん、聞きたいんだけど、さっき不死身の鬼って言った!?」

 

俺はすぐに詰め寄るが、女の子は少し驚いて目を見開いてる。

 

「なんですかあなたは?」

 

そう言いながら、俺に対してすぐ隣の男の子はこちらを睨んでくる。

 

「あっ悪い。

いや、その鬼の話をしていると聞いたから、少し気になって。

そういう小説を探していたから」

 

いきなり聞いてくるのは驚いたのか、そのまま無難な理由を言ったが、それでもこちらを見つめる目は怪しいままだ。

 

「まぁ、私の所の曾おじいちゃんの嘘話ですけど。

人食いの鬼が昔いたらしくて、曾おじいちゃんとその仲間が鬼のボスを倒したというよくある話ですよ」

 

「・・・」

 

まだ確定じゃないけど、もしもそれが嘘話ではなく、本当に起きた話ならば。

 

そして、舞台が現代ではなく遙か過去の可能性が出てきた。

 

「それで、その鬼というのは一体どうやって倒したんだ?」

 

「なんで、そんな事を聞いてくるの?」

 

そう言ってこちらを怪しむ女の子に対して、俺は冷や汗をかいてしまう。

 

「いやぁ、小説の参考にしていてね。

参考にしていて」

 

「ふぅん」

 

そう言いながら、未だに怪しんでいる様子だけど

 

「えっと、確か曾爺ちゃんの話だと、太陽に当てて倒すか、山の頂上で一年中太陽の光を浴びた岩で作られたと聞いてるけど」

 

「そんな場所あるのか」

 

俺は思わず呟いたが

 

「そう言えば」

 

俺が思わず首を傾げていると、もう一人の男の子が上を向き

 

「この前、先輩と桃寿朗先輩と行った合宿場所の山にそんな岩があったな」

 

「それは本当なのか!?」

 

「あぁ、なんだか曾爺さんの話で聞いた場所で印象に残っていたから。

確か、場所は陽光山だったような」

 

「ありがとう!!」

 

そう言い、俺はすぐに自分達の席に戻る。

 

「聞いた?」

 

「勿論」

 

「なるほど、鬼か。

見れば確かにルイ・ディビエルの特徴も合っている。

ならば、そこに向かえば、倒す事ができるかもしれない」

 

「んっんっ、そうだね」

 

そう言いながら、響は先程注文した料理を口の中に入れていた。

 

「・・・とりあえず、目的地は決まったら、向かうか」

 

そう言い、俺達もまた運ばれてきた料理を食べ始める。



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山に炎が灯る

「本当にこんな所に手掛かりがあるのかな?」

 

「分からない。

だが、それしかない以上はな」

 

その言葉と共に、俺と新堂さんの二人はそのまま山の中へと歩いて行く。

 

響と朝田の二人を連れて行くのはさすがに危険だと思い、今回は新堂さんと二人だけで進む事になった。

 

「それにしても、不思議だよな。

遠い昔の出来事だけど、本当にそんな話があったら」

 

「融合した以上、可能性は否定できないからな。

だが、世界の均衡を保つ為にもディビエルを倒さなければならない」

 

「ディビエルか。

なぁ、新堂さん」

 

「なんだい?」

 

「もしも、バッドエンドを変える為に出てくるディビエルが出てきたら、どうする?」

 

「バッドエンドを?」

 

「あぁ、物語の結末を変えるのがディビエルだったら、もしもそんな奴がいたら、どうなるかなぁと」

 

俺はふと疑問に思った事を新堂さんに尋ねる。

 

「あくまでも世界の均衡を保つ為に戦うのがソードロゴスだ。

それが、もしもバッドエンドを変えるとしても、僕達は倒さなければならない」

 

「そうだよな」

 

新堂さんの言うことも納得ができる。

 

物語の結末を無理矢理変えて、その結果がどのようになるかなんて、誰も分からない。

 

もしかしたら、そのバッドエンド以上に最悪な結果になる可能性もある。

 

「けどさ、もしもその後に襲いかかる不幸があるなら、それを倒すのは、駄目なのか?」

 

「・・・さぁ、僕はこれまで、そのような事は考えた事はない」

 

「だったら、その先の物語の結末は俺達で変えれるという事だよな」

 

「何を馬鹿な事を言っている」

 

そう言い、新堂さんは真っ直ぐとこちらを見る。

 

「物語の結末は変えられない。

だけど、まだ終わっていない物語の結末だったら、幾らでも作れるだろ」

 

「そうだな。

ようするに物語の結末は俺が決めるか?」

 

「あぁ。

だから今は、この状況を」

 

その言おうとした時、殺気を感じた。

 

殺気を浴びながら、見覚えがあった俺達はそのまま手に火炎剣烈火を、新堂さんはその手に自身の剣を手に取る。

 

【この蒼き鬣が新たに記す、気高き王者の戦いの歴史】

 

新堂さんの手に持った本から聞こえる音声と共に、俺達は合わせるようにそのままベルトにワンダーライドブックを挿入し

 

「「変身!」」

 

【烈火抜刀!ブレイブドラゴン!烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】

 

【流水抜刀!ライオン戦記ー!流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!】

 

その音声と共に、各々が変身すると共に、目の前にはルイ・ディビエルが現れる。

 

「悪いけど、君達はここで死んで貰う」

 

「どうやら、ここが当たりだったようだな。

飛羽真君、ここは俺が引き受ける。

君はすぐに頂上へ!」

 

そう言い、ブレイズ(新堂)そのまま構えるが

 

「いや、ここは俺に任せて頂上に行ってくれ」

 

「何を言っているんだ」

 

「あいつは俺の炎の剣に警戒している。

だったら、俺がここで時間を稼いで、新堂さんが手に入れた方が良いだろ」

 

「そんなのは「信じろ」っ!」

 

セイバー(飛羽真)の叫びにブレイズ(新堂)は一瞬身体が固まる。

 

「俺はお前が絶対に間に合うのを信じる。

だからこそ、お前も俺を信じてくれ」

 

その言葉を聞いたブレイズ(新堂)は迷っていた。

 

だが

 

「・・・分かった」

 

その一言と共にブレイズ(新堂)は、山の頂上へと向かって走って行く。

 

「向かわせないよ」

 

そう言い、ルイ・ディビエルはブレイズ(新堂)に向かって糸を伸ばしていく。

 

だが

 

【この白銀の翼が綴る硝煙香るラインの悪魔の戦いの歴史】

 

その音声が鳴り響くと共にベルトに新たな本を挿入すると共に、セイバー(飛羽真)はそのまま剣を振り上げる。

 

【烈火抜刀!二冊の本を重ねる時、聖なる剣に力が宿る!ワンダーライダー!ドラゴン!幼女戦記!二つの属性を備えし刃が研ぎ澄まされる!】

 

その音声と共に、セイバー(飛羽真)の中心部分を覆ったのは、軍服を思わせる鎧を身に纏う。

 

同時にセイバー(飛羽真)は手に持った(火炎剣烈火)を構えると、背後から現れたのは無数の銃。

 

その銃から放たれる銃弾がブレイズ(新堂)に向かって襲いかかる糸を全て吹き飛ばす。

 

「ちっ」

 

「お前の相手は、俺だ」

 

その言葉と共に再び銃を放ちながら、ルイ・ディビエルに向かって、飛んでいく。

 

これまでにないスピードと共にルイ・ディビエルに向かって接近し、その手に持った(火炎剣烈火)を振り上げる。

 

そのスピードに驚きを隠せなかったルイ・ディビエルはすぐに身体に糸を巻き付き、攻撃を防御する。

 

だが、糸で構成された縦は瞬く間に燃やし尽くされ、ルイ・ディビエルを真っ二つに切り裂く。

 

「ちっ」

 

上半身だけになったルイ・ディビエルはそのままセイバー(飛羽真)に向かって放つ。

 

それに対して、セイバー(飛羽真)は剣を振り上げながら、手に持った別のワンダーライドブックを展開させる。

 

(3つ同時に使ってはいけないんだよな)

 

ここに来る前に、ブレイズ(新堂)から聞いた言葉がどういう意味か分からないが、それでも従った方が良い。

 

そう思ったセイバー(飛羽真)はそのままベルトから幼女戦記を取り出す。

 

【片太刀鋏を使う戦士と話す服の戦いの物語】

 

【烈火抜刀!二冊の本を重ねる時、聖なる剣に力が宿る!ワンダーライダー!ドラゴン!キルラキル!二つの属性を備えし刃が研ぎ澄まされる!】

 

その音声と共に目の前にいるルイ・ディビエルに向けて銃弾を放つと共に、真ん中にある軍服は消え、代わりに黒いトゲのある服へと変わる。

 

同時に現れたのは鋏を思わせる武器を手に持ち、ルイ・ディビエルに向けて振り上げる。

 

「ぐっ」

 

その鋏を受け止めたルイ・ディビエルはそのままセイバー(飛羽真)に向けて糸を放ち、身体を拘束する。

 

「まだまだぁ!!」

 

その言葉と共に、左半身に生えている棘が高速回転し、その糸を切り裂く。

 

「またっ」

 

その言葉を聞くと共に、手に持った(火炎剣烈火)をベルトに挿入し、トリガーを押しながら、引く。

 

【必殺居合!烈火抜刀!ドラゴン!キルラキル!二冊斬り!】

 

「うおおぉぉ!!」

 

その言葉と共に、両手に持っている二つの剣を構えると、炎の刃に変わり、鋏のような形になる。

 

その二つの刃が重なる所にルイ・ディビエルへと向けると

 

「はぁ!!」

 

その言葉と共にルイ・ディビエルを刃で挟む。

 

「がぁ!!」

 

避ける事ができなかったルイ・ディビエルはそのまま目を見開きながら、真っ二つに切り裂く。

 

「はぁはぁ、ぐっ」

 

必殺技を放ちながら、そのまま倒れ込む。

 

「身体から血が」

 

同時に変身が解除されてしまう。

 

「ぐっ、本当にっ厄介だな、炎の剣はっだけど」

 

そう言いながら、徐々にだが、身体が再生されていく。

 

「だが、まずは厄介なお前から始末する!!」

 

そう言い、ルイ・ディビエルは真っ直ぐと手を俺に向ける。

 

「っ!!」

 

既に身体が動く事もできず、死を覚悟した時だった。

 

「よくやった」

 

その言葉と共に、襲いかかろうとした糸が全て切り裂かれる。

 

そこにはブレイズ(新堂)が立っていた。

 

「新堂さん」

 

「あとは、任せてくれ」

 

その言葉と共に、その手に持ったワンダーライドブックを開く。

 

【かつて鬼になった妹を元に戻す為に鬼と戦った心優しき少年がいた】



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受け継がれた刀

「待たせたな」

 

そう言いながら、ブレイズ(新堂)の手の中には一冊の本があった。

 

その一冊のワンダーライドブックをそのまま自身のベルトに挿入したブレイズ(新堂)はそのまま振り上げた。

 

【流水二冊!ガオー!ザブザブ!変幻自在の爪が今、蒼き剣士のその身に宿る!】

 

その音声と共に、ブレイズ(新堂)の左半身に二色の着物を思わせる鎧を身に纏う。

 

「その着物の色はっ!!」

 

「どうやら、この力、相性が良いようだ!!」

 

同時にルイ・ディビエルはそのままブレイズ(新堂)に向かって、無数の蜘蛛の糸が襲い掛かる。

 

それに対して、ブレイズ(新堂)の握っている剣から流れる水の量が見たことがない程に溢れ出した。

 

「陸ノ型 ねじれ渦」

 

その一言と共に、迫り来る糸に対して、その剣から溢れ出る水によって、全て吹き飛ばす。

 

「っ!!」

 

「漆ノ型 雫波紋突き」

 

同時に水が晴れると共に、ルイ・ディビエルに対して一突き。

 

巨大な水の柱がルイ・ディビエルの身体の巨大な穴を作り出す。

 

「ぐっ、これはっ」

 

貫かれた身体は少しずつ再生されているが、それは俺が戦った時と比べても明らかに遅すぎる。

 

「またっ、貴様かっ!貴様がっ!!」

 

そう言い、ルイ・ディビエルはその身体から溢れ出る赤い糸を集め、こちらに向ける。

 

そのまま、剣をそのまま鞘に収め、構える。

 

【必殺読破!流水抜刀!ライオン二冊斬り!ウォーター!】

 

「ふぅ拾壱ノ型 凪」

 

その言葉と共にルイ・ディビエルの身体を一閃。

 

真っ二つに切り裂かれる。

 

「っ」

 

あまりにも一瞬、それだけで全ての戦いが終わった。

 

ルイ・ディビエルはこちらを真っ直ぐと見つめたまま、その身体から飛び出したワンダーライドブックが見える。

 

同時にルイ・ディビエルの身体の端から塵になっていく。

 

「あっあぁ、父さん、母さっ・・・」

 

「っ!」

ルイ・ディビエルが最後に呟いた一言。

 

それが何を意味しているのか、俺には分からなかった。

 

だが、既に戦いが終わった以上、ルイ・ディビエルが何をしたかったのかもう分からない。

 

「でも、ゆっくりと寝ていてくれ」

 

調査を行っていた時に分かったが、物語自体はもう既に終わっている。

 

だからこそ、ルイ・ディビエルがどのような目的でこんな事をしたかも分からないけど

 

「今は眠ってくれ」

 

そう俺は祈る事しかできない。

「よく保ってくれた」

 

そう言い、新堂も変身を解除すると共に俺に向けて、手を差し出された。

 

「だけど、見つける事ができたの、そのワンダーライドブックを?」

 

「偶然としか言えない。

この山の頂上で突き刺された刀から手に入れる事ができた。

本当に偶然だけど」

 

「大昔から伝わる刀か。

なんだか、面白そうだな」

 

パタンッ

 

「いやぁ、まさかディビエルがまさか現代だけではなく過去にも存在した存在が出てくるとは驚きですね。

しかし、過去からの刺客はどうやらまだまだ現れるそうです。

だけど、それは刺客だけではないようですね」



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受け継ぎの鋼の錬金術師編
豪快な父


「今朝のニュースです。

アメストリスの歴史に関する貴重な資料を多く展示される展覧会が近く開催予定となっております。

アメストリスは現在では失われた技術として錬金術に関する貴重な資料もあり」

 

「・・・アメストリスに錬金術って、これって、確実に」

 

今朝、俺はいつものように朝飯を食べている時に聞いた内容。

 

幾ら勉強していない俺でも、ここまで大きな国だったら、俺だって知っているはずだ。

 

「それにしても錬金術って、なんだ?」

 

そう言いながら、俺は取り出したスマホで錬金術についてを検索した。

 

どうやら、昔から存在している技術だけど、一般的に知られている錬金術は原子配列そのものを組み替える行為ではなく、既存の物体の形を変えたり、化学反応を起こしたりすることを主としているらしい。

 

しかも、アメストリスでは、地下のマグマの地殻エネルギーを使用して行われており、現在はそのエネルギーも枯渇してしまった為、昔のような錬金術は使えないようだ。

 

その為、俺の知っているのでは、むしろファンタジー世界の部類に入るだろう。

 

「なんか、気になるな」

 

俺はそう言い、簡単な身支度を終えると

 

「飛羽真!

行くんだよね!!」

 

「響、その反応からして」

 

「いやぁ、そりゃあ、あんだけ宣伝されていたら」

 

どうやら響もアメストリスの事について気になっていたらしい。

 

「それじゃあ、行くか。

えっと、確かここから電車ですぐだったな」

 

そう言い、俺達は一緒に目的地に向かう。

 

目的地に辿り着くと、既に多くの人がいるようで、入り口前は人で溢れかえっていた。

 

「なんというか、凄い人の数だな」

 

「なんでも、アメストリスの錬金術をモチーフにした小説が結構あるらしいよ。

三国志とか、そういうのに似たジャンルで描かれているらしいよ」

 

「まぁ、調べる限りだと、錬金術って、ファンタジーだからな」

 

それを考えれば確かに小説のネタには困らないだろう。

 

「なんだか、凄い事になったのぅ」

 

「んっ?」

 

どこからか声が聞こえ、見てみるとそこには老人が一人いた。

 

かなり歳をとっているようで、車椅子でその光景を見つめており、薄い白髪が見える。

 

見れば、周りには家族だと思われる人物がいないようだが

 

「えっと、大丈夫ですか?

家族ともしかしてはぐれてしまいましたか?」

 

「えっ響!?」

 

その事で心配になったのか、響がお爺さんに話しかけた。

 

「ははぁ、大丈夫じゃよ、お嬢さん。

儂はここには一人で来たからのぅ」

 

「一人でですか?」

 

それは俺も疑問に思った。

 

言っては悪いが、確実に介護が必要な人なのだが

 

「これでも経験は豊富じゃからな。

心配してくれて、ありがとうね」

 

そう言って、お爺さんはすぐに返事してくれた。

 

そうしている間に何か大きな騒ぎが起きた。

 

「えっなに」

 

「っ!!」

 

見ると、巨大な怪物が見えた。

 

いくら何でも可笑しい状況なので、見ると真っ白でグロテスクなサンショウウオのような醜い怪物だった。

 

「っ響、悪いけど、その人を頼む」

 

俺はすぐにその怪物に向かおうとしたが

 

「今のお前では手に負えないぞ、新人」

 

「えっ?」

 

突然聞こえてきた声。それと共に現れたのは巨大な岩を思わせる鎧を身に纏い、その背中にはその巨体に見合った巨大な剣を手に持っていた。

 

背中だけ見れば、その剣に埋め込まれていたのはワンダーライドブックだった。

 

「あれはワンダーライドブック。という事はもしかして、あんたもライダー!?」

 

俺は思わず叫んでしまうが、そのライダーはその手に持ったワンダーライドブックをそのまま剣に読み込ませる。

 

――玄武神話!ドゴーン!会心の激土乱読擊!ドゴーン!

 

その音声と共に、その手に持った巨大な剣を覆うように地面から幾つもの岩石が吸い込まれ、そのまま巨大な剣へと変わる。

 

「はあぁ!!」

 

怪物に向けて放たれた一撃によって、怪物の胴体が簡単に切り裂かれた。

 

「がっがああぁぁ!!」

 

真っ二つに切り裂かれたが、怪物はそのまま近くのマンホールを吹き飛ばし、そのまま怪物はそのマンホールの中へと入り込む。

 

「っ危ない!!」

 

吹き飛ばされたマンホールの先には子供がいた。

 

それを見て、俺はすぐに手に持った(火炎剣烈火)でマンホールを切り裂く。

 

「ふぅ、大丈夫かい?」

 

「はい!

うん、ありがとう!!」

 

そう言い、子供はそのまま向かったのは先程の怪物を切り飛ばしたライダーの向かっていく。

 

「父上!!」

 

「「ちっ父上!?」」

 

俺と響は思わず叫んでしまう。

 

まさか、偶然助けた子供の父親が、今さっき怪物を斬ったライダーだとは。

 

「がははは、助かったぞ後輩。

息子を助けてくれて、感謝する」

 

「いっいえ」

 

そのまま豪快に笑いながら、その人に肩を叩かれながら、俺は思わず頷く。

 

まさか、こんな偶然があるとは。

 

「さっきのは、まさかグラトニー」

 

先程の怪物を見て、驚きを隠せない爺さんに俺は思わず見つめてしまう。

 

「爺さん、知っているのか!!」

 

「・・・あぁ、奴はホムンクルスだ」

 

「ホムンクルス?

それって、確かファンタジーとかにある人造人間の事だよな」

 

まさか、前回の鬼に引き続き、とんでもない奴が出てきたな。



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知られざる知識の扉

「グラトニーって、一体なんですか?」

 

そう言いながら、俺達はあの場にいたお爺さんと話せる場所に移動した場所にて、話を聞いていた。

 

「見た目はかなり変わっていたが、あの特徴的な顔は忘れもしない」

 

「そもそも、あなたは一体何者なんですか?」

 

「儂か?

昔、錬金術が使えただけのただの爺さんじゃよ」

 

「それって、お爺さんって、昔錬金術師だったんですか!」

 

その一言に驚いて、響は思わず大声で聞いてしまう。

 

「まぁな、けど今はそれも使えないがな」

 

「使えないって、なんで」

 

「色々あったんじゃよ。

けど、後悔はないよ」

 

そう言い、特に気にしていないのか、からからと笑っていた。

 

「今はそれよりもグラトニーの事についてだよ。

あいつは一体何者なんですか?」

 

「あいつはホムンクルスと呼ばれており、賢者の石を核に瞬く間に再生する奴だ。

だが、あんな姿は」

 

ホムンクルスの事についてを知る事ができたが、どうやら既にお爺さんですら予想外な姿だったらしい。

 

「ホムンクルスに対抗する為にはどうしたら」

 

以前の鬼よりも倒す可能性は高いが、、それでも弱点である賢者の石探し出すのは困難だ。

 

「一つ、名案があります」

 

「名案?」

 

新堂は何か気になったのか、俺を見つめる。

 

「飛羽真君のワンダーライドブックを作り出す能力ですが、あれは作り出す能力ではないと思います」

 

「作り出す能力じゃないって、どういう事。

それに、今はそれが関係しているの?」

 

「えぇ、大いに関係あります」

 

そう言い、取り出したのは、鬼滅の刃ワンダーライドブックだった。

 

「これを手に入れた時も、飛羽真君が持っていたワンダーライドブックが元で作られました。

ソードアートオンラインも、鬼滅の刃も融合した世界の能力を備えたワンダーライドブックです」

 

「まぁ確かに」

 

「なるほどな、そういう事か。

どうやらセイバーの能力は思って以上にとんでもないようだな」

 

そう言い出てきたのは仮面ライダーバスターに変身していた人物である尾上亮が頷いた。

 

「どういう事なんだ?」

 

未だについて行く事ができない俺と響を見て、新堂は鬼滅の刃ワンダーライドブック、そして俺が持っているソードアートオンラインワンダーライドブックを見せる。

 

「飛羽真君が作り出すワンダーライドブック。

それは、その世界の物語なんです。

つまりは、ワンダーライドブックを作り出すのではなく、ワンダーライドブックを通して、その世界の力を再現する能力だったんです」

 

「それって、つまり」

 

「えぇ、あのディビエル。

グラトニー・ディビエルを倒す為にはお爺さんの物語が必要になります」

 

「でも、ワンダーライドブックを作り出す方法なんて、夢を見るぐらいしかないけど」

 

「なるほど、では」

 

「えっ」

 

それを聞くと共に尾上さんがなぜか土豪剣激土を構えていた。

 

「あの、それは一体「行ってこい新人!」あぐぅ」

 

その一言と共に俺の頭に強い衝撃が襲い掛かった。

 

一瞬で目の前が暗くなる。

 

暗くなりながら、ゆっくりと目の前に広がるのは、どこかの家の地下だった。

 

「これが、お爺さんの過去」

 

いきなり過去を見る事になって、失礼だと思いながら、ゆっくりと見渡す。

 

金髪の二人の子供がおり、何やら魔方陣のような何かが置かれていた。

 

疑問に思っている間に、魔方陣が光り輝き始め、同時に見えたのは

 

「はっ?!」

 

そこに広がっていたのはまさに悪夢というべき光景だった。

 

突然現れた黒い手、それによって二人の子供は瞬く間に吸い込まれ、片方の男の子は完全にいなくなり、もう一人の子は右腕と左足が無くなっていた。

 

そして、魔方陣の中央には、人間だとは思えない何かがそこにいた。

 

それを見た男の子は目を見開き、驚く事しかできなかった。

 

「ちくしょおっ!持って行かれたぁ!!」

 

「っ!!」

 

その光景を見て、俺は喉から込み上がっている感覚が襲う。

 

だが、現実の世界ではないのか、俺の口からは何も出てこなかった。

 

未だに終わりが見えず、その男の子は近くにあった鎧に手を伸ばす。

 

何かの魔方陣だった。

 

「返せよ、たった一人の弟なんだよ!!」

 

それと共に鎧はまるで意思が宿ったように、動き始め、男の子に近づく。

 

「一体、何があるんだっこの先でっ」

 

これが、お爺さんにとっての物語の始まりだ。

 

俺がこれまで見てきた中でも悲劇的な出来事なのに、これが未だに始まりに過ぎないならば、これから何が起きるんだ。

 

「ぐっ」

 

そこから何十、何百という景色が通り過ぎた。

 

兄弟達は、その後、元の身体を取り戻す為の旅。

 

それは心躍るような冒険などではなかった。

 

犬の身体に少女の魂を無理矢理閉じ込めさせたキメラ、賢者の石の正体は人の魂を集めた凶器の代物、そしてその賢者の石を元に作られたホムンクルス達。

 

その中には俺達が戦ったグラトニーの姿もあった。

 

「へぇ、こいつの記憶を見る奴がいると思ったら、奇妙な奴だな」

 

その言葉と共に振り返ると、そこに立っていたのは白い人の何かだった。

 

「お前は」

 

「オレはおまえ達が"世界"と呼ぶ存在

あるいは"宇宙"、あるいは"神"、あるいは"真理"

あるいは"全"、あるいは"一"

だけど、本来ならばオレはお前だが、今回はあいつがお前に見せたかったらしいからな。

あえて、名乗るとしたら、オレはエドワード・エルリックの真理だ」

 

「真理」

 

その言葉に、俺は疑問に思うしかなかった。



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知られない等価交換の法則

「真理って、なんだ?」

 

俺は思わず首を傾げながら、目の前にいる何かに目を向ける。

 

「おいおい、そんなのも知らないでここに来たのか?

まぁ、お前の目的はこれじゃないようだな、まぁ、あれから誰も来ていないから」

 

そう言いながら、目の前にいる白い何かは座り込みながら、ゆっくりとこちらを見つめる。

 

「それで、お前は何を対価にこいつの記憶を見るんだ」

 

「対価?」

 

「あぁ、錬金術の鉄則で、等価交換の法則だぞ」

 

「等価交換と言われても、俺に差し出せる物なんて」

 

ここまで辿り着いたのも偶然であり、どのような対価が必要なのかなんて

 

「まぁ、これは意地悪だったな。

問題ないよ、既に支払われたからな」

 

「支払われたって、何を言っているんだ」

 

「とにかく、受け取れ」

 

その言葉と共に、俺の手元にあったのは【鋼の錬金術師】だった。

 

「っ!!」

 

同時に目の前にある扉から強烈な風が襲い掛かり、俺を吹き飛ばす。

 

「それにしても、等価交換だが、これは果たして、お前にとっては幸運なのか不幸だのか。

それはどちらだろうかね」

 

そんな真理の声を聞きながら、俺はそのまま意識を失った。

 

―――

 

「たくっ、こんなに暴れやがって」

 

そう言いながら目の前にいるグラトニー・ディビエルを目の前に尾上はその手に持った土豪剣激土を片手に持ちながら立つ。

 

「あいつがここに来る前に片付ける事ができれば良いがな」

 

そう言い、尾上はもう片方の手に持っているワンダーライドブックを起動させる。

 

【かつて、四聖獣の一角を担う強靱な鎧の神獣がいた】

 

鳴り響く音と共に、そのまま土豪剣激土に玄武神話へと装填し、構える。

 

「変身!」

 

【玄武神話!一刀両断!ブッた斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!

激土重版!絶対装甲の大剣が北方より大いなる一撃を叩き込む!】

 

その音声と共に尾上は仮面ライダーバスターに変身すると共に、目の前にいるグラトニー・ディビエルに目を向ける。

 

「こいつ相手に時間をかける訳にはいかないからな」

 

その言葉と共に取り出したのは、玄武神話とは別のワンダーライドブックを取り出す。

 

【この機械生命体の赤き司令官が新たに記す、破壊大帝との戦いの歴史】

 

そのワンダーライドブック、トラスンフォーマーワンダーライドブックを取り出したバスター(尾上)はそのまま土豪剣激土に装填させ、そのまま引き金を引く。

 

その音声が鳴ると共に、その身体は変化し、左腕はバスター(尾上)の右腕を遙かに超え、まるでトラックを思わせる腕へと変わる。

 

「さぁ、ド派手に決めるぜ!!」

 

その言葉と共に、腕はそのまま目の前にいるグラトニー・ディビエルへと向けると、腕はそのまま巨大な銃へと変わる。

 

銃から放たれた巨大な銃弾はそのままグラトニー・ディビエルの身体に巨大な穴を開く。

 

「ガアアァア!!」

 

身体に穴が空いた事によって、グラトニー・ディビエルに絶叫をあげながら倒れ込んだ。

 

同時にバスター(尾上)の右腕から炎があふれ出し、重厚な鎧からは考えられないスピードでグラトニー・ディビエルへと接近する。

 

一気に近づいたバスター(尾上)は右腕を銃から剣へと変形させ、そのまま土豪剣激土と同時に振り下ろす。

 

「おらぁ、まだまだ切り落とすぞ!!」

 

その言葉と共に、二つの大剣で目の前にいるグラトニー・ディビエルの肉を次々とそぎ落としていく。

 

グラトニー・ディビエルもまた、反撃しようと身体から次々と生えてくる腕が掴み掛かってくる。

 

だが、それでもバスター(尾上)止まる事なく攻め続ける。

 

「がぁ痛いっ痛い!!」

 

削ぎ落とされた肉の破片からグラトニー・ディビエルが再生し、何十と増殖する。

 

「数が増えた所で!!」

 

そう言い、そのままバスター(尾上)はそのまま土豪剣激土に玄武神話をスキャンさせる。

 

【玄武神話!ドゴーン!激土乱読撃!ドゴーン!】

 

その音声と共に、右腕と土豪剣激土が一体化する事によって、目の前に立ちはだかるグラトニー・ディビエルと同じぐらいの大きさの剣へと変わる。

 

「気合いだぁ!!!!」

 

その言葉と共に、目の前にいるグラトニー・ディビエルに向けて巨大な剣を振り下ろす。

 

振り下ろされた事によって、真っ二つに切り裂き、周りにいる全てのグラトニー・ディビエルを切り裂く。

 

切り裂き終えると共に、一体化している剣から放たれる熱によって、グラトニー・ディビエルはたちまちに焼き尽くされ、倒れる。

 

「これで、どうだ!!」

 

そう言い、バスター(尾上)は構えるが

 

「がぁがぁ!!」

 

「ちっ、一匹逃していたか」

 

そう言い、バスター(尾上)が構える。

 

「ここからは、俺に任せてください」

 

そんな彼に向けた声と共に、現れたのは飛羽真だった。

 

「遅かったな、新入り」

 

「色々と問題がありました。

けど、その分、挽回します!!」

 

【禁忌を犯し、失った肉体を取り戻す錬金術師の物語!】

 

そう飛羽真の手元から鋼の錬金術師ワンダーライドブックの音が鳴り響く。



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闇の剣士

グラトニー・ディビエルはバスターとの戦いによって、傷だらけの身体は瞬く間に再生しながら、飛羽真を見つめる。

 

「なんとか間に合った。

けど」

 

飛羽真は目の前にいる敵を見つめながら、自身の異変について疑問に思っていた。

 

力を得る時の代償。

 

それが何なのか。

 

ここに来る前にエドワードから聞いた話にあるような手足を持って行かれる事はなかった。

 

心配している響や朝田にも聞かれたが、特に問題なかった。

 

だけど、奇妙な喪失感だけがあった。

 

「それでも、今は」

 

その言葉と共に、飛羽真は手に持ったブレイズドラゴンと鋼の錬金術師をベルトに挿入し

 

「変身!」

 

【烈火抜刀! 龍の炎があらゆる物を作り出す! ワンダーライダー! ドラゴン! フルメタル・アルケミスト!】

 

その音声が鳴り響くと共に、セイバーの左腕は鋼の腕へと代わり、肩にはオーガヘッドが装着される。

 

「ハガネェ!!」

 

セイバーの姿を確認したグラトニ-ディビエルはそのまま真っ直ぐとセイバーに向かって襲いかかる。

 

それに対して、セイバーは手を合わせ、地面に触れる。

 

その瞬間、セイバーを中心に一つの巨大な柱が作られる。

 

「ふぅ、さて、やるか!」

 

ゆっくりと息を吸ったセイバーはそのまま柱から一歩、足を踏み外す。

 

同時に柱からセイバーの足場になるように伸び、そのままセイバーは真っ直ぐとグラトニーディビエルに向かう。

 

「ガァァ!!」

 

真っ直ぐと向かってくるグラトニーディビエルだが、その動きは真っ直ぐと分かりやかった。

 

軌道を読みながら、セイバーは地面を滑るように避けていく。

 

襲いかかるグラトニーディビエルは分裂した身体を一つにさせながら、セイバーを食らう為に襲いかかる。

 

そんな一つの口がセイバーの肩を掠り、装着されたオーガヘッドが落ちる。

 

それでもグラトニーディビエルは未だに止まることなく襲う。

 

そうして、セイバーはそのまま宙へととび、グラトニーディビエルはそのまま巨大な口を開く。

 

「イタダキマァス!」

 

そうセイバーに襲いかかろうとした時だった。

 

グラトニーディビエルはそれ以上セイバーに近づく事ができなかった。

 

「ナンデ?」

 

疑問に思ったグラトニーディビエルは見ると、そこにはセイバーが通った道がグラトニーディビエルを締め付けていた。

 

そして、その近くには落ちていたオーガヘッドが一つの鎧となって、道を操っていた。

 

「一撃で、それも分裂する逃げ道がなければ、お前を倒すのは簡単だ!」

 

その言葉と共に、火炎剣烈火をベルトに納め、そのまま構える。

 

【必殺読破!烈火抜刀!ドラゴン!アルケミスト!二冊斬り!】

 

その音声が鳴り響くと共に、別の地面がセイバーまで近づくと共に、セイバーの腕と一体化する。

 

地面はそのまま巨大な拳の形へと変わり、炎を纏って、そのままグラトニー・ディビエルへと向かって放つ。

 

「はああぁぁ!!」

 

そのまま拳をグラトニー・ディビエルは押しつぶされ、そのまま爆散する。

 

「ふぅ、なんとか倒す事ができた」

 

「なかなかやるじゃないか、新人」

 

そう言いながら、セイバーの肩を叩くバスター。

 

「えぇ、なんとかできました」

 

「お嬢ちゃんも随分と心配していたからな」

 

「そっそうですね」

 

一瞬、戸惑ってしまうが

 

「ブレイブドラゴンを寄こせ」

 

「「っ!!」」

 

そう、安心していると、突然聞こえた声。

 

その方向を見ると、これまで見たことのない紫色の鎧を身に纏った存在が立っており、何よりも目立つのは左肩にある紫色の龍の鎧であり、セイバーと似ていた。

 

「あの人は新しいライダー?」

 

「違う、逃げろセイバー!!」

 

その言葉と共にバスターはその手に持った土豪剣激土を構える。

 

だが、目の前にいるライダーはその手には別のワンダーライドブックがあった。

 

【かつて世界征服を成そうとした死の支配者が居た…。】

 

「オーバーロードライドブック!」

 

「それって」

 

バスターから聞いた言葉と共に、目の前にいるライダーはそのままオーバーロードライドブックを自身の剣にスキャンする。

 

【オーバーロード!習得装甲!】

 

その音声と共に目の前にいるライダーの左腕を覆うように骸骨を思わせる鎧を身に纏い、黒いロープが覆う。

 

「ふんっ」

 

「ぐっがああぁ!!」

 

「尾上さん!」

 

瞬く間に吹き飛ばされたバスターを見たセイバーだが、その一瞬で目の前にいるライダーは接近する。

 

セイバーもすぐに対抗するように、構えるが

 

「ブレイブドラゴンを寄こせ」

 

「ぐっ」

 

狂気にも似た声と共に近づいた瞬間、セイバーの腰にあるブレイブドラゴンが共鳴するように黒いライドブックが互いに反応するように光り始める。

 

「これは共鳴だと」

 

そうしている間に、セイバーの後ろに現れたのは本の形をしたエネルギーだった。

 

「ぐっ吸い込まれっ」

 

そのままセイバーはその方向へと吸い込まれしまい、そのまま本は閉ざす。

 

「まさか、共鳴で。

仕方ない」

 

そう言い、ライダーはそのまま立ち去ろうとした。

 

「待てっ、なぜ裏切ったんだ、カリバ―!!」

 

そう、カリバーに向けてバスターは叫んだが、カリバーは足を止める事なく姿を消した。

 

――――――

 

「強敵、グラトニー・ディビエルを倒す事に成功した飛羽真君達。

ですが、突然現れた闇の剣士カリバーとの戦いによって、飛羽真君は姿を消してしまったようです。

未だに明かされていない多くの謎がありますが、果たして飛羽真君の運命は」



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友情のFAIRY TAIL編
再会の雷鳴


「んっ」

 

ゆっくりと、身体にかかっている疲労と共に目を覚ますと、そこに広がっているのは、まるで知らない景色だった。

 

「なんだ、ここは」

 

そう言いながら、目の前に広がるのは海、後ろには多くの木々があり、現代ではあり得ないような光景が広がっていた。

 

「確か、カリバーと戦って、それで」

 

懐から取り出したブレイブドラゴンを見つめる。

 

あの戦いの時に確かにこれが、カリバーのベルトにあったワンダーライドブックと反応していたようだが、一体なんの関係があるんだ?

 

「あなたは一体何者なんですか?」

 

後ろから聞こえてきた声に振り返ると、そこには妖精を思わせる小柄な少女がそこに立っていた。

 

「えっと、君は一体?」

 

「質問しているのは、私ですが?」

 

「あっ、ごめん。

俺は神山飛羽真、それで君は?」

「私はメイビスです。

この天狼島に住んでいるんですが」

 

そう言っていると、何やら顔が曇っていた。

 

「どうしたんだ?」

 

「その、実は、今、とっても大事な物を探しているんです」

 

「大事な物?」

 

その事に俺もすぐに気になった。

 

「なんというか、忘れてはいけないはずなのに、忘れてしまった大事な物を探していて。

それで、あなたが丁度来たので、何か知っているのかと思って」

 

「残念ながら、俺も分からないんだ。

ここに来たのも本当に偶然で」

 

「そうだったんですか」

 

そう言いながら、俺は悩んでいると

 

「っ!!」

 

こちらに近づく足音が聞こえ、見るとそこには黒い靄があった。

 

【DEATH GUNNER】

 

その音声と共に見えたのはアルターライドブックだった。

 

聞き覚えのない本の題名だったが、同時に現れたのは、かつて倒したはずのディビエル、デスガン・ディビエルだった。

 

「まさか、復活したのか!」

 

倒したはずのデスガン・ディビエルの存在に驚きを隠せないが、俺はすぐに構える。

 

「ディビエルって、一体」

 

「本来ならば存在しない怪物と言ったら良いのか」

 

そう言い、俺はすぐにブレイブドラゴンを取り出そうとした瞬間

 

「追いついた」

 

俺とメイビスの間で何かが通り過ぎ、ディビエルに接近する。

 

【必殺読破!黄雷抜刀!アランジーナ一冊斬り!サンダー!】

 

その音が鳴り響くと共に、デスガン・ディビエルは瞬く間に何十に切り裂かれる。

 

「今のは」

 

突然の事で俺は思わず身構えたが、そこに立っていたのはライダーだった。

 

肩にはランプを思わせる鎧を身に纏い、顔は月を思わせる仮面を被っていた。

 

手には雷を思わせる剣を持っており、俺の火炎剣烈火と似ている。

 

新しいライダーの登場と共にカリバーの仲間かと疑問に思い構えていたら、ライダーは変身を解除させ

 

「お前、飛羽真だよな!!」

 

「えっ」

 

何やら、俺の事を知っている様子で近づいた。

 

こちらを知っている様子の男だが、俺はまるで見覚えがない。

 

「俺だよ、富加宮賢人!

中学校の時、一緒にいただろう」

 

「中学校の時」

 

そう言われ、俺は思い出そうとする。

 

だが、まるで思い出せない。

 

「・・・悪い、覚えていないんだ」

 

「おいおい、冗談をよせよ。

中学の3年間一緒だっただろ」

 

「それが」

 

その言葉を聞きながら、俺は懐から鋼の錬金術師ワンダーライドブックを取り出す。

 

あの時、喪失感があった。

 

だが、まさか

 

「それはワンダーライドブック?

しかも、これは鋼の錬金術師」

 

「これを手に入れる時、どうやら取られてしまったらしいんだ」

 

俺はそう言いながら、戸惑いながら言う。

 

「あの、話が見えないですが?」

 

「あっごめん、とりあえず、少し纏めても良いか?」

 

「あっあぁ」

 

戸惑いを隠せない様子の富加宮とメイビスを交えて、話をする事にした。

 

「えっと、それじゃあ、メイビスさんから聞いた方が良いかな?」

 

「いえ、私の事情は先程話した事が全てです。

それよりも、そちらの方が何やら複雑そうですが」

 

「あぁ、多分だけど、これを手に入れる為の対価だと思うんだ」

 

「対価?」

 

「対価。

このワンダーライドブックを手に入れる為に、俺はエドワードさんの記憶を見たんだ。

だから、その対価として、エドワードさんの戦いが描かれた歳、多分だけど10歳から15歳ぐらいかな?

小学校後半と、中学生時代の記憶がまるでないんだ」

 

「・・・そうか」

 

それを聞いて、富加宮は少し顔を逸らした。

 

「・・悪い」

 

「気にするな。

お前が望んでやった事じゃないし、またこうやって会えただけでも嬉しいからな」

 

そう言い、富加宮は手をこちらに伸ばした。

 

「あぁ、そう言ってくれると嬉しい」

 

そう、俺もまた握手する。

 

「・・・友達」

 

そんな俺達の様子を見ていたメイビスは何か思い詰めたように、首を傾げる。

 

「メイビス、どうしたんだ?」

 

「いえ、もしかしたら、私が忘れていたのは友達の事じゃないかなと思いまして」

 

「友達を?」

 

「はい、なんだか、二人を見ていると懐かしい気持ちがして、私にもいたような気がして」

 

そう言ったメイビスは迷いながらも

 

「だったら、一緒に探そう、メイビスの友達を」

 

「はい!」

 

メイビスも少し元気を取り戻したように立ち上がる。

 

「勿論、俺も協力する」

 

「ありがとうな、富加宮!」

 

そう決まり、俺達は行動は決まった。

 

「それに帰ったら、響にも聞かないとな。

あいつだったら、富加宮の事を知っているかもしれないからな」

 

「響?」

 

「おい、忘れたのかよ、立花響。

俺の幼馴染みだよ」

 

「幼馴染み、そうか」

 

その時、富加宮の様子は何か可笑しかったが、俺達はそのままメイビスの友達を探す事にした。



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親友の過去

「なんというか、ここは本当に何もないな」

 

俺はそう言いながら、周りを見渡すが、その島には多くの木々や既に廃れている村しかなかった。

 

メイビスから聞いた話だと、5年前に起きた事件によって、この村にはメイビス除いた全ての住人が虐殺されたらしい。

 

それからはたった一人だけの生活らしいが、その事について違和感を覚えた。

 

元々、記憶に自身があったメイビスだからこそ、自身の生活の中から感じた違和感や思わず行ってしまった癖、そういった細かい所から自分は一人ではない事に気づいた。

 

そして、それは自分よりも年上と一緒に暮らしている感触ではなかった事、そして何よりも自分が小さな頃から求めていた物だと思った。

 

「変ですか?」

 

「・・・うぅん、全然」

 

それを聞いて、俺はメイビスの事を否定する事はできなかった。

 

さっき再会したばかりで、記憶もないはずの富加宮との会話。

 

そこにはメイビスが言うように理屈ではなく、本当に心から友達と思えた。

 

「だから、探そう、メイビスの友達を」

 

「えぇ、勿論です」

 

そう言いながら、俺達は島を探し始める。

 

「そう言えば、富加宮はどこにいるんだろう」

 

ふと気づくと、姿を消していた富加宮。

 

「・・・」

 

「気配?」

 

ふと後ろから気配を感じて、見てみると、そこには見た事のない茶髪の女の子が立っていた。

 

「これ以上、メイビスをっ」

 

そう、悲しそうな声を絞り出しながら、少女が取り出したのはアルターライドブックだった。

 

同時にその身体が光に包まれる。

 

「くそ、厄介な事になったな!!」

 

状況が掴めないまま、俺はすぐにブレイズドラゴンと火炎剣烈火を取り出す。

 

―――

 

「飛羽真」

 

久しぶりに再会した親友。

 

まだ、ソードロゴスに所属する前にできた友人がセイバーとなったと聞いた時には驚きを隠せなかった。

 

当時はディビエルとの戦いもあって、すぐに駆けつける事ができなかったが、戦いを終わった時に駆けつけた時には、カリバーとの戦いでこの物語の世界に入った時には驚きを隠せなかった。

 

「それにしても、まさか過去の世界とは」

 

この世界に入る前に調べた物語、『Fairy Tail 』が舞台になった時期よりも遙か過去の世界。

 

物語の世界に入る場合は、その物語の舞台、そして物語が行われている間しか活動できない。

 

長い歴史を誇るソードロゴスでも、このような現象は富加宮自身も驚きを隠せなかった。

 

「やはり、飛羽真の力と関係しているのか」

 

飛羽真自身が他の世界を物語にして、ワンダーライドブックにする力。

 

それは普通では考えられない力であり、世界を大きく揺るがすのには十分な力だ。

 

だが

 

「中学の時の飛羽真にそんな力はなかったはずだ」

 

読書好きという事で、色々な本を読んでおり、感想を言い合った記憶はある。

 

だが、自分で本を書いている事、ましてやあのような事をしているなど聞いた事ない。

 

「そして、何よりも響」

 

本部に戻った際に飛羽真の友人だと言った彼女。

 

高校に入った頃に出会った友人だと思っていた。

 

だが、幼馴染み。

 

「飛羽真に幼馴染みはいなかったはずだ」

 

中学時代で別々の学校に通っていたと聞いた事もない。

 

偶然なのか、そのような疑問が頭の中で巡っていると

 

「あれはっ」

 

そんな考えを吹き飛ぶように、強烈な揺れ。

 

同時に見えたのは飛羽真が変身した姿であるセイバーと巨大な骸骨の蜥蜴が戦っている風景だった。

 

「考え事は後にするか」

 

その言葉と共に、懐からワンダーライドブックを取り出す。

 

【とある異国の地に、古から伝わる不思議な力を持つランプがあった】

 

その音声と共に、俺は手に持ったランプドアランジーナをそのまま聖剣ドライバーに装填する。

 

そして、もう一冊、ここに来る前に手に入れたワンダーライドブックも作動させる。

 

【この恐るべき毒針が新たに記す火星にて繰り広げられた人類の希望と威信を掛けた生存競争、その戦いの歴史】

 

その音声と共に、テラフォーマーズワンダーライドブックをそのままセットし

 

「変身!」

 

【黄雷二冊!雷の力によって驚異的な力をもって貫く針を纏う】

 

その音声と共に、俺は仮面ライダーエスパーダーへと代わり、左腕にランプを思わせる鎧を身に纏う。

 

それと共に身体は黄色い蜂の巣を思わせる鎧を身に纏う。

 

「ふぅ」

 

ゆっくりと息を整え、背中には半透明な翼を生やし、飛び上がる。

 

「まさか、ここまですぐにディビエルが出てくるとは」

 

そう言いながら、身体から出てくる蜂形のミサイルを次々とディビエルに放っていく。

 

「富加宮か」

 

「あぁ、それにしてもまさかここまで巨大だとは」

 

「そうだ。

だけど、結構厄介な事になっている」

 

「どういう事?」

 

「多分、あの子だと思う。

メイビスの友達は」

 

そう言いながら、飛羽真の言葉と共に構える。



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三冊の本の力

「あの子は一体」

 

セイバーに変身し、目の前にいるディビエルと戦いを繰り広げている。

 

途中でエスパーダに変身した富加宮も合流して、なんとか応戦している。

 

「なんで、こんな事を」

 

そう言いながら、俺は目の前にいるディビエルに問いかけた。

 

あの時、彼女は確かに「これ以上、メイビスをっ」と言い、それは悲しそうな声でメイビスを確かに思った言葉だ。

 

だからこそ、なぜこんな事に

 

「お前に何が分かるんだっ

メイビスの事も何も知らないお前なんかにっ」

 

その叫び声で、俺を吹き飛ばされながら、手元に幼女戦記ワンダーライドブックをそのまま聖剣ドライバーを装填し

 

【烈火抜刀!二冊の本を重ねる時、聖なる剣に力が宿る!ワンダーライダー!ドラゴン!幼女戦記!二つの属性を備えし刃が研ぎ澄まされる!】

 

足下に魔方陣を展開し、空中で浮遊しながら、俺は目の前にいるディビエルと対峙し見つめる。

 

「ぐっ」

 

空に飛びながら、こちらに向けて幾つも放たれる魔法に対して、俺は火炎剣烈火で応戦する事しかできない。

 

「なるほど、そういう事か」

 

そうして、追いついた富加宮は何か分かったのか、こちらに迫っていたディビエルの攻撃を打ち返して言う。

 

「何か分かったのか?」

 

「あぁ、だけど」

 

そう言いながら、富加宮は俺を見つめる。

 

「もしかしたら、僕と君はとても似ている。

だからこそ、ここで君を止めなければならない」

 

その言葉と共に取り出したのはワンダーライドブックだった。

 

【かつて火竜という異名を持つ火の滅竜魔導士がいた】

 

その音声と共に富加宮は3冊目のワンダーライドブックを装填する。

 

「それが、僕の役割だ!」

 

【黄雷二冊!雷の力によって驚異的な力をもって貫く針を纏う!

増冊!フェアリー!雷二冊!キュキュッとこすると現れたその魔神への願いとは全てを貫く針だった!】

 

「これは三冊目」

 

新堂から止められていた三冊同時に使った姿。

 

「行くぞ」

 

その言葉と共に、赤と黄色の光を羽に纏いながら、ディビエルに接近する。

 

それに対して、反撃するように無数の魔法が富加宮に襲い掛かる。

 

だが、残像する程のスピードを出しながら、その手に持った剣を構える。

 

【必殺読破!

黄雷抜刀!フェアリー!ヘッジホッグ!アランジーナ!二冊斬り!

サ・サ・サンダー!】

 

「っ!!」

 

その音声と共に手に持っている剣は巨大な針となって、ディビエルを突き刺す。

 

一瞬、驚きを隠せないディビエルはそのまま針を突き刺した部分を中心に亀裂が作られ

 

「がっがぁあ」

 

亀裂はやがて大きな穴となり、そのままディビエルは完全に砕け散った。

 

その中で、女の子が落ちそうになった。

 

富加宮はすぐにその女の子を抱きかかえてくれたおかげで、無事だった。

 

「ふぅ、良かった」

 

「・・・あぁ、そうだな」

 

俺が安心して、息を吐くが、富加宮はその女の子を見ながら、少し複雑そうな顔をした。

 

「富加宮?」

 

「なんでもない、多分、この子はアルターライドブックの影響で暴走していたと思う」

 

「そうなのか?」

 

あまりそういう事に詳しくない俺は首を傾げるが、確かにあの時の様子は少し変だった。

 

「あぁ、何か迷っていた心にアルターライドブックが影響して、暴走したんだろう」

 

「そうか」

 

あの様子からして、本当にメイビスの事を思っての行動だったんだろう。

 

「それじゃあ、戻ろうか」

 

その一言と共に、俺もメイビス達の元へと向かう。

 

「あの、大丈夫ですか」

 

「あぁ、あの子も無事だったよ」

 

そうしている間にも富加宮が女の子を連れてきた。

 

既に気絶している状態から起き上がっているようで

 

「メイビス」

 

「良かった、無事で、本当に」

 

そう言い、メイビスは彼女を抱きしめた。

 

嬉しそうに涙を流しているメイビス、女の子の方もそんなメイビスを抱きしめながら答える。

 

「飛羽真、帰ろう」

 

「あっ、そうだな」

 

そうしている間にも、富加宮が展開してくれた本の扉が開き、富加宮に合わせて、一緒に飛び込んだ。

 

「ありがとうございます、飛羽真!!」

 

「メイビスも!!」

 

俺はすぐに手を振りながら、元の世界へと戻っていく。



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競い合うダンボール戦機編
猫型ロボットとの出会い


「ふぅ」

 

「どうやら、無事に戻ってこられたようだな」

 

本の扉を開いた先に見えたのは、これまで見たことのない場所だった。

 

周りは本が置かれており、古い図書館を思わせる場所。

 

そこで俺は周りを見渡していると、新堂さんや尾上さんがいた。

 

「おぉ、戻ってきたか」

 

「二人がいる?

ここは一体」

 

「ここはノーザンベース。

僕達ソードロゴスの基地です」

 

「ノーザンベース」

 

そういえば、これまで新堂達との交流はあったけど、基地があるとは思わなかった。

 

そう周りを見ていると

 

「聖剣がここまでボロボロじゃないか」

 

「えっ?」

 

周りを見ていたら、後ろから声が聞こえ、思わず振り返るとそこには俺の火炎剣烈火とブレイズドラゴンを手に持っていた。

 

「誰!?」

 

「彼は大秦寺哲雄。

僕達の聖剣やワンダーライドブックをメンテナンスしてくれる人です」

 

「めっメンテナンス!?」

 

まさかそれを行っている人がいるとは思ってなかったが、そうしている間に大秦寺さんはそのまま火炎剣烈火をそのまま近くにある機械に入れる。

 

「こんなボロボロの状態でよく戦えたな。

ワンダーライドブックも十分じゃない」

 

そう言っている間にも大秦寺さんは目の前に置かれた火炎剣烈火を手入れを始めた。

 

「大秦寺がメンテナンスに入った以上、数日は戦えないでしょう」

 

「今度は?」

 

声が聞こえ、見てみると、そこには女性が立っていたが、彼女は。

 

「彼女はソフィア。

このノーザンベースを管理している人です」

 

「初めまして、セイバー」

 

「はっ初めまして」

 

初めて会ったタイプという事で、俺はそのまま頭を下げる。

 

「これまでの活躍はブレイズとバスターから聞いております。

敵も未だに目的が分からない以上、あなたの力がきっと必要になります。

期待していますよ」

 

「きょっ恐縮です」

 

俺はそう言いながら、聞いていると

 

「さて、戻ってきて早々にですが、セイバー。

あなたに頼みたい事があります」

 

「俺に?」

 

思わず首を傾げていると

 

「あなたが、この世界を離れている間にまた新たな世界と融合しています。

そして、ディビエルもまた出現しました」

 

「なっ本当ですか!!」

 

まさか、ディビエルが現れているとは。

 

「だったら、すぐに対処しないと」

 

「それが、奴は潜伏しているのか、なかなか見つける事ができない。

襲撃があったと思われる場所に向かっても、既に姿が消えていた」

 

「何か共通点は」

 

「あります。

こちらを」

 

そう言いながら、新堂が取り出したのは

 

「なんだこれ?」

 

「LBX、小型ロボットで世界が融合すると共に流行った物です。

そしてディビエルは大会優勝者などを襲っている事がこれまでの調査で分かっています」

 

「それじゃあ、その人達の近くにいれば良いんですか?」

 

「それは僕と尾上さんが担当します。

飛羽真君にはアキバハラキングダムに参加し、優勝してもらいたい」

 

「ゆっ優勝!?」

 

いきなりの事で戸惑いを隠せずにいた。

 

「お前以外にもう一人もメンテナンスでアキバハラキングダムに参加予定だ。

お前にはそいつ合流して、やりたいが」

 

「待って待って!

そもそも俺はその、LBXなんて、知らないけど!?」

 

「それは、説明したいのは山々なんですけど」

 

「俺達も詳しい事を知らないからな。

そこは合流して、聞いてくれ」

 

「えっちょ」

 

そうしている間に二人は姿を消してしまう。

 

「ふっ富加宮は、いない」

 

富加宮に聞こうと思ったが、既に富加宮も既にいなかった。

 

「頼みましたよ、セイバー」

 

「うぅ」

 

ソフィアさんに頼まれ、とりあえず俺はそのまま現実の世界、秋葉へと飛ばされる。

 

「なんというか、凄い光景だな」

 

こういう町を見たこともなかった俺は思わず見回ってしまう。

 

そうして、秋葉を見ていると

 

「くっ」

 

「んっ?」

 

何やらLBXバトルを行っているのか、俺は見てみる。

 

そこには一つ目のLBXと猫を思わせるLBXが戦っている光景だった。

 

だが、それは一方的な戦いで、猫を思わせるLBXが負けている光景だった。

 

「やっぱり、性能が良すぎてっ」

 

「お前にLBXバトルなんて、無理なんだよ」

 

そう言いながら、一つ目のLBXを操作する奴は馬鹿にするような発言と共に猫のLBXを吹き飛ばす。

 

「なんだか、嫌な気分だな」

 

そうしている間にも、バトルが終わり、男は猫のLBXを操っていた少年に詰め寄る。

 

「いい加減、俺のメカニックとして一緒に参加しろよ」

 

「断る、お前みたいに、LBXを大切にしない奴なんか」

 

「はぁ、まったく、こんな見た目が変な奴が何が良いんだよ」

 

そう言うと、男はそのまま猫のLBXを手に取り、ゴミ箱に向けて投げる。

 

「っ!!」

 

その光景を見ていられなかった俺はすぐにゴミ箱に捨てられそうになっていた猫のLBXを受け止める。

 

「なんだ、お前は」

 

「おい、LBXバトルしろよ」

 

「何?」

 

俺に向けて睨み付けるが、それを気にせず、少年の元へと向かう。

 

「悪い、こいつ借りても良いか?」

 

俺はそう言い、聞く。

 

少し見つめ合うと共に

 

「お願い、僕のヴァンパイアキャット・ミニタスを」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に操作を行う為の機械を受け取ると共に、すぐに準備を行う。

 

「さぁ行けよ、デクーカスタム!」

 

そう、一つ目のLBX、デクーカスタムが飛び出る。

 

俺もそれに合わせて、渡されたLBX,ヴァンパイアキャット・ミニタスを動かす。

 

「行け、ヴァンパイアキャット・ミニタス!」

 

そう言い、箱の中にヴァンパイアキャット・ミニタスが入る。

 

どのように動かせば良いのか分からない俺は、少しの間の操作に慣れるように動かしていく。

 

「ふむ」

 

少しずつ触っていく内にどう動けば良いのか分かっていき

 

「何をしているんだ、お前は!!」

 

そうして、動かしていく内に相手は痺れを切らしたのかデクーカスタムがこちらに武器を構えた。

 

だが、同時に俺は操作が僅かでも分かると同時に動き出した。

 

「えっ」

 

次々と放たれる銃弾に対して、ヴァンパイアキャット・ミニタスは変幻自在な動きをしながら攻撃を避けながら、そのまま接近する。

 

「なっ、なんだよ、こいつはっ」

 

「これ、SAOのような感じがする」

 

ゲームの中ではなく、ソードアートオンラインワンダーライドブックを通して見た記憶もあってか、動き方が分かる。

 

そうしている間にも敵の攻撃を避けながら、ヒットアンドウェイを基本に戦っていく。

 

「こいつ、どうなって」

 

「これで、ラスト!!」

 

その言葉と共に相手のデクーカスタムを切り裂くと、それで負けたのか、機体から青い光と共に倒れる。

 

「倒した。

しかも、あれは試験機で作ったヴァンパイアキャット・ミリタスなのに」

 

「ちっ、こんなのやってられるかよ」

 

その言葉と共にデクーカスタムを取り出し、そのまま店から出て行った。

 

「えっと、ごめん。

なんか余計な事をして」

 

「そんな事ないよ。

それよりも、君は本当にLBXは初めてなのか!!」

 

「あっおっおう」

 

はっきり言って、これを行う事自体は本当に初めてだが、ソードアートオンラインワンダーライドブックの力とこれまで行った戦いの経験もあってか、LBXが簡単に動かす事ができた。

 

「だったら、頼みがあるんだ。

僕とこいつと一緒にアキハバラキングダムに出てくれないか」

 

「アキバハラキングダム!!」

 

その言葉が出てきて、俺は思わず詰め寄る。

 

まさか、ここでディビエルの情報が出てくるなんて。

 

「えっ知っているのか?」

 

「あっまぁな。

少し知り合いを探していて、アキバハラキングダムに関係していると聞いてな」

 

「だったら、丁度良い。

頼めるか?」

 

「あぁ、よろしく。

俺は神山飛羽真」

 

「僕は古城タケル。

そして、こいつは僕が作った新しい機体」

 

そう言い、見てみる。

 

先程まで使わせて貰った猫のLBXに似て、猫の特徴を持っているが、全身が赤く、背中には巨大な刀を持っている。

 

「剣豪紅丸だ」



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双剣の忍び

「それじゃあ、今はこのLBXに慣れないといけないんだ」

 

「なんというか、私が言うのもなんだけど、まさかこんなのがあるとはね」

 

「そうだな、けど、これはこれでなかなか凄いぞ」

 

そう言いながら、俺はタケルから受け取った紅丸を動かしながら、響と詩乃に見せている。

 

世界が移動した事もあって、俺とは別に日常生活を送っていた二人から聞くと、LBXの登場自体に様々な影響を受けており、人々の生活は大きく変わったらしい。

 

人の手のひらサイズのロボットという事もあって、本来ならば人間では通れない場所や危険な場所の調査などおもちゃという枠を超えて、様々な活動を行えるLBXは世界を大きく変えていた。

 

だが、以前までは過去の世界が変えられたが、以前までの世界とはあまり変わりない様子だった。

 

あえて言うなれば、GGOなどのゲームぐらいの変化は起きているが、技術がここまで世の中が大きく変わる事はなかった。

 

「それにしても本当に凄いなこれは」

 

そう言いながら紅丸を動かしていく。

 

今はタケルから借りたステージで練習しており、周りにはあまり人が通っていない。

 

「へぇ、それがお兄さんのLBX?」

 

「んっ?」

 

そう練習していると話しかけてきた少年がいた。

 

緑色の長髪を後ろで一本にまとめている青年がいた。

 

「誰?」

 

「そんな事よりも、君のLBXと戦わせてよ」

 

「えっ、いや別に良いけど」

 

「ふふっ、楽しみだ」

 

そう言っていると彼が取り出したのは黒い一つ目のLBXが現れた。

 

「ベクター戦いの時間だよ」

 

「行くぜ、紅丸!」

 

その言葉と共にバトルが始まった。

 

ベクターと呼ばれている機体は目を赤く光らせながら、その手に持った斧で攻撃を仕掛けていく。

 

それに対して、紅丸は背中に背負った刀を構え、攻撃を受け流す。

 

「この衝撃、とんでもないけど」

 

そう言いながら、紅丸は軽やかな動きで宙に舞いながらベクターに対して攻撃を仕掛けていく。

 

攻撃力も防御力も、これまで戦ってきたLBXとは比べものにならない。

 

それでも

 

「勝てない訳じゃなさそうだ!」

 

紅丸は攻撃を避けながら、何度も攻撃を仕掛けていく。

 

「ふぅん、面白いね」

 

そう言って、ベクターは武器が持っていない手で紅丸に触れようとした。

 

「っ」

 

その瞬間、何か嫌な予感がし、そのまま後ろへと下がる。

 

「一気に決める」

 

同時に紅丸に備わっている必殺技を発動させるコマンドを入力する。

 

「必殺ファンクション!」

 

【怒髪天横一文字斬り】

 

その音声と共に紅丸が手に持った刀に炎が宿り、そのまま紅丸は走り出し、一閃。

 

ベクターはそのまま真っ二つに切り裂かれ、そのまま爆散する。

 

「へぇ、ここまでの性能か。

それに面白いね」

 

「んっ?」

 

目の前にいる男がそんな事を呟くと同時にベクターの残骸はそのまま消える。

 

「えっ、何が起きたの!?」

 

ベクターが消えた事に驚きを隠せない響はフィールドを見ているが、詩乃は

 

「あいつ、人間なの」

 

「何があったんだ?」

 

どうやら詩乃は何か見ていたのか、目を見開いて、男がいた所を見つめていた。

 

「あいつ、一瞬で姿を消したわ。

人間じゃないわよ」

 

「っ!」

 

LBXのようなロボットだけが変化のはずだが、そんな技術は聞いた事ない。

 

そう思っていると、ガサガサと音が聞こえる。

 

見ると、周りにはLBXの大群が現れ、こちらを見つめていた。

 

「なっなんなのこれ!?」

 

「これは幾ら何でも異常よ」

 

「あぁ」

 

どうやら、思った以上に厄介な事に巻き込まれている。

 

ここで変身して対抗したいが、今は火炎剣烈火はメンテナンスをしていてない。

 

「このまままじゃ」

 

「あれ、戦わないの?

あぁそういえば、今は持っていないんだったな」

 

「えっ?」

 

聞こえてきた声、それと共に目の前に迫っていたLBXを切り払い現れたのは一人の少年だった。

 

「君は」

 

「せっかくセイバーの戦いが見れると思ったけど、残念。

まぁ、ここは俺がなんとかしてやるよ」

 

その言葉と共に取り出したのは緑色の剣とワンダーライドブックだった。

 

「もしかして」

 

【とある影に忍ぶは疾風!あらゆる術でいざ候・・・】

 

その音が鳴り響くと共に、そのまま手に持った剣にワンダーライドブックにセットすると

 

「変身!」

 

【猿飛忍者伝!双刀分断!】

 

その音声と共に手に持った剣は二つに分離すると共に襲い掛かってきた敵に対して二つに分かれた刀で攻撃する。

 

【壱の手、手裏剣!弐の手、二刀流!風双剣翠風!】

 

目の前に迫るLBXに向けて、吹き荒れる嵐と共に放たれる斬撃は地面を覆う程のLBXを瞬く間に切り裂き、その姿を現す。

 

【翠風の巻!甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!】

 

そこに現れたライダーの姿はまさに忍者と呼ぶのに相応しい程に緑色の身軽な姿をしており、足下まで届く緑色のマントに最低限の装甲しかなかった。

 

「あれが、俺と一緒に調査しているライダー、剣斬」

 

「それじゃあ、行くよ!!」

 

その言葉と共に剣斬は走り出すと、襲い掛かっているLBXを切り裂いていく。

 

体格差で力は圧倒的に剣斬の方が有利だが、LBXは手に持った銃やその体格故に狙い憎い。

 

だが、剣斬はそれを見せないように、縦横無尽な動きで正確に切り裂いていく。

 

「俺に勝つなんて、まだまだだね。

さらに、ここで」

 

そう言いながら、剣斬がバックル取り出したのは別のワンダーライドブックだった。

 

【かつて“違法稀少種”と呼ばれ、狩りの対象となってしまった幻獣達を護る為に、多くの仲間達と共に躍動した“黒吸血鬼”の王がいた】

 

「よっと」

 

【風の忍びが聖剣と交わり身に宿る】

 

その音声と共に剣斬が纏っていたマフラーは黒いマントへと変わると同時に、その手に持った剣を振り上げる。

 

「ほらほら、どんどん突き刺すよ!!」

 

その言葉と共にLBXに向けて放たれたのは牙だった。

 

次々と放たれる牙の威力は高く、瞬く間に全てのLBXを破壊した。

 

「凄い」

 

一瞬の出来事で、思わず呟いてしまう言葉。

 

だが、同時に感じた圧迫感に、思わず見上げると、そこには

 

「あれは、LBXなのか?」

 

そこに立っていたのはLBXだった。

 

ここまでLBXを数々見てきたので、その特徴から分かるが、その大きさが可笑しかった。

 

大きさは既に人間と同じぐらいの大きさだが、その姿はこれまで見てきたLBXとは違った。

 

緑色の光を放った翼、白い装甲などこれまでのLBXとは思えないような姿だった。

 

「なになに、結構強そうだね!!」

 

その言葉と共に剣斬はそのままそのLBXに向かって剣を振り下ろすが

 

「あれ?」

 

簡単に避けた。

 

一瞬で攻撃を避けた事に驚きながら、そのままLBXはそのまま手に持った槍で剣斬に攻撃を仕掛けていく。

 

「うわっ、なんだこいつ!?」

 

その怒濤の攻撃に驚きを隠せなかったが、剣斬もそのまま反撃をする。

 

だが、まるで身体がすり抜けるように攻撃を避けていた。

 

「俺よりも早いのか、こいつはぁ!!」

 

そうしながら、剣斬はそのまま攻撃を続けようとした瞬間、そいつは自身を飛行機を思わせる形に変形し、その場からいなくなった。

 

「なんだったんだ、あいつは?」

 

「分からない、けど」

 

あまりにも突然すぎる出来事、それらは先程の男が原因かもしれない。

 

「んっ?」

 

そう悩んでいると、ポケットにあるスマホから着信があり、メールを見てみると

 

「・・・」

 

そこに書かれているのは一つの文章、それは

 

【アキバハラキングダムで待っている ベクター】

 

「ベクター」

 

おそらく、それが今回の黒幕だろう。

 

なぜか、俺はそんな予感がした。



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兵器かおもちゃか

今週のセイバーは休みなのは残念ですが、その代わりメモリーオビヒーローズや繰りドンVSドリアンなどライダー祭りで盛り上がっていますね。
さらに来月にはゼロワン&セイバーの映画も公開されるので、今年もまだまだライダー熱は冷める気配はありません。
という事で、こちらのセイバーもどうぞ。


アキバハラキングダム本戦が始まって数時間が経った。

 

LBX初心者という事もあって、最初は無事に進める事ができるのか不安だったが、タケルのアドバイスもあって、無事に決勝戦まで進める事ができた。

 

「本当に助かったよ。

俺だけだったら、多分ここまで勝てなかったよ」

 

「それはこっちも同じだよ。

俺だけだったら、多分一回戦を進める事もできなかったよ」

 

そう言いながら、俺達はそのまま次の決勝戦の相手を見る。

 

決勝戦の相手の機体を見る。

 

「あれは?」

 

「あれは、オーディン!

まさか、ここで見る事になるなんて」

 

「オーディン?」

 

確か北欧神話の神の名前だけど、タケルの表情から考えても、普通の機体じゃなさそうだ。

 

「LBXで初めて変形機能を持った機体。

その機体性能も高く、今でも最強の機体と呼ばれているんだ。

でも、なんでこんな所に」

 

「つまりは決勝に相応しい相手という事なんだな」

 

そう言いながら、俺は紅丸を構えると

 

「セイバー、そいつがディビエルだ」

 

「えっ?」

 

その言葉と共に見てみると、剣斬が武器を俺達の対戦相手に構えた。

 

「まったく、せっかくの戦いを水を差さないでくれないかな」

 

そう武器を突きつけられている状況なのに、対戦相手はまるで余裕の笑みを浮かべていた。

 

次の瞬間、オーディンが光り始め、その対戦相手と一体化し、そこには先日襲ったディビエルが立っていた。

 

「あれは、オーレギオンっ!?」

 

「オーレギオン?」

 

今度はオーディンとは別の意味で驚きを隠せない様子だったが

 

「かつて、世界を滅ぼそうとしたミゼルが使っていた機体で、最凶の機体と言われている。

けど、あれは製造自体は困難で、もう作成できない機体のはずなのに」

 

「先程、わざわざ紹介してくれたじゃないか。

僕の名前を」

 

「まさか」

 

「ミゼル。

という事はミゼル・ディビエルか」

 

どうやら、かつて世界を破壊しようとした存在がディビエルとして復活したという訳か。

 

「こうやって、早く見つけられるとは、本当に嫌になるね。

けど、ここで始末すれば良いだけの話」

 

「ここは僕が全部やらせてもらうよ!」

 

その言葉と共にミゼル・ディビエルと剣斬の戦いが始まった。

 

その戦いを見ていた観客は何が起きているのか分からない様子だった。

 

「皆、ここで行われている戦いをショーだと思っているのか」

 

「そうかもしれない。

だって、LBXは兵器ではないというよりもおもちゃ考えが強いからね」

 

「おもちゃって」

 

それはこの状況では

 

「何度もLBXは兵器になりそうになった。

その度に、皆を繋げる事ができると言っていました。

だから、僕は誰かを傷つける兵器なんかよりも、誰かとわかり合う事ができるおもちゃという考えの方がよっぽど好きだから」

 

「・・・」

 

それを聞き、周りを見た。

 

周りでこの戦いを見ている人も、今、目の前にいるタケルも本当にLBXが大好きなんだという事。

 

それは俺自身も今回の戦いを通して、LBXの事が好きになったので痛い程に分かる。

 

人を大きく傷つける可能性があるかもしれない。

 

けど、物は使い方次第で大きく変わる事ができ、実際にLBXを通して、俺はタケルという友人ができ、多くの人々と知り合う事ができた。

 

ならば、俺はこの大切な思いを守る為にも戦うべきだ。

 

その思いと共に、手に持っていた紅丸は光り輝き、二つのワンダーライドブックが現れる。

 

「・・・」

 

それが何を意味しているのか、直感だが、分かった気がする。

 

同時に俺は腰に聖剣ドライバーを腰に巻き、そのまま二つのワンダーライドブックを機動させる。

 

【この世に未練を残している猫がその拳で生き残る】

 

【とある小さなロボットから始まる、小さな戦場の物語】

 

二つのワンダーライドブックをそのまま聖剣ドライバーに装填し、火炎剣烈火をそのまま振り上げる。

 

「変身!」

 

【烈火抜刀!常識を越えたその先に、未知なる可能性が示される!】

 

その音声と共に、真ん中は紅丸を思わせる装甲を身に纏い、左腕は一枚の巨大な盾を手に持つ。

 

「あれは、アキレスの盾!」

 

タケルの言葉と共に、俺はそのまま身体は小さく縮まる。

 

「身体が小さくなった。

これが、このワンダーライドブックの力」

 

小さな身体になった事に驚きを感じていると、目の前では剣斬とミゼル・ディビエルが戦っていた。

 

それは以前のように剣斬の攻撃が当たっていない光景だった。

 

だが、小さくなったこの身体だから分かるが、その種が分かった。

 

「攻撃が当たらないはずだ。

まさか」

 

それはミゼル・ディビエルの身体自身が恐ろしい程に小さかったからだ。

 

目の前にある人と同じ大きさのミゼル・ディビエルは幻影であり、実際は小さなミゼル・ディビエルが攻撃を仕掛けるのに合わせて、その幻影が武器を振るっただけ。

 

「種が分かれば、単純だけど、これは厄介だ」

 

実際に小型のミゼル・ディビエル自身を見つけるのは困難な上、幻影によって、その姿が隠れている。

 

「だけど、この身体のサイズならば」

 

その言葉と共に、俺はミゼル・ディビエルに急速接近し、ミゼル・ディビエルに向けて剣を振り上げる。

 

「へぇ」

 

俺の攻撃を受けて、ミゼル・ディビエルはこちらに狙いを変えた。

 

同時にミゼル・ディビエルは背中の翼から無数のミサイルが襲い掛かる。

 

だが、左手の盾でその攻撃を受け止めながら、駆け抜ける。

 

「身体が、本当に軽い!」

 

ワンダーライドブックの能力なのか、柔軟な動きを簡単に行う事ができる上に敵の攻撃を正確に受け流し、無駄のない動きができる。

 

「確かに面白いけど」

 

その言葉と共にミゼル・ディビエルの胴体が光り輝く。

 

「もう終わらせて貰うよ」

 

その一言と共に俺に向かって一つの巨大な光が襲い掛かろうとした。

 

だが、それに対して、俺は火炎剣烈火を聖剣ドライバーに装填し、再び抜刀する。

 

【必殺読破!烈火抜刀!ドラゴン!妖怪ウォッチ!ダンボール戦機!三冊斬り!】

 

その音声と共に、盾を捨て、光の槍を手に収める。。

 

「ダブルレイウィング!」

 

その言葉と共にミゼル・ディビエルに向かって飛ぶ。

 

同時に俺の身体は巨大な龍へと変わり、ミゼル・ディビエルへと迫る。

 

「この技にまた」

 

迫る中、ミゼル・ディビエルの光線を飲み込み、そして爆散する。

 

「このうわぁ、消えた?」

 

どうやら、剣斬の方も戦っていたが、ミゼル・ディビエルの幻影が消え、驚きを隠せなかった。

 

「決まりました!

アキバハラキングダム決勝戦はまさかのオーレギオンとセイバーの激戦を制したのはセイバーです!!」

 

どうやら、何時の間にか俺の名前が登録されていたようだ。

 

見ると、タケルもこちらに目を向けていた。

 

どうやら、彼の計らいらしい。

 

「まさにヒーロー対決に相応しい戦いでしたぁ!!」

 

同時に周りに広がるのは歓声だった。

 

先程まで、本当に危険な状況なはずなのに。

 

俺は思わず笑みを浮かべながら、その光景を見つめた。



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謎との開拓 デジモン編
謎に満ちた物語


新たに募集をしております。
興味がある方はぜひお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=249538&uid=45956


アキバハラキングダムを終え、俺達はそのままノーザンベースへと戻った。

 

「無事に戻ってきましたか」

 

「まぁなんとか。

それにしても、ミゼルというのは、本当に厄介な奴だったよ

 

あの時、ミゼル・ディビエルはLBXサイズの小型な為、今回の戦いはダンボール戦機ワンダーライドブックがなければ勝つ事ができなかった。

 

そうした戦いの中で集められたワンダーライドブックを俺達は見つめていた。

 

「仮想世界を介入したソードアートオンライン、日本の歴史に介入した鬼滅の刃、海外の歴史に介入した鋼の錬金術師、魔法が存在する世界への介入したFAIRY TALE、そしてロボットの歴史を変えたダンボール戦機」

 

そう言いながら、これまで融合した世界を改めて確認するように並べた。

 

「こうして見ると、どれも世界を根本から変えるワンダーライドブックの数々。

これが一体何を意味があるんだ?」

 

「分からない。

そもそも僕達の敵はなんなんですか」

 

そう言った新堂の言葉に俺達はそのまま真っ直ぐと見る。

 

その中でソフィアが取り出したのは一冊の本だった。

 

「5つの物語。

もしも予想が正しければ」

 

「この本は?」

 

「これはアヴァロンへと繋げるのに必要な物語が示されております。

そして、これまでは文字が霞んでいて読む事ができなかった所が」

 

俺達はその箇所を見ると、そこには

 

「なっ」

 

そこに書かれていたのは先程まで俺達が話題に出していたワンダーライドブックだった。

 

「これは」

 

「カリバーはアヴァロンへと至る為に必要なワンダーライドブックを作る為に世界の融合を行っていたという事か」

 

それが絶対敵な回答かどうか分からない。

 

それでも、無関係だとは思えない。

 

「それ以外にも本の名前が既に書かれている。

これってもしかして」

 

「カリバーは既に世界の融合を行っている。

そして、ワンダーライドブックも既に奴の手の中に」

 

「なぁ、さっきからアヴァロンとか言っているけど、それは一体何なんだ?」

 

何やら驚きを隠せない様子だが、アヴァロンとは一体何なんだ?

 

「アヴァロンは僕達でも詳しい正体が分からないんです。

だけど、言い伝えによれば巨大な力が眠る、失われし場所とだけしか」

 

そう言った新堂は答えてくれた。

 

それにアヴァロンって

 

「アーサー王伝説に出てきた伝説の島だよな。

それと何か関係が?」

 

「とにかく、何をするにしても、情報がないと」

 

そう言いながら、俺達は考えていると

 

「もしかしたら、ネットで調べば分かるかな」

 

「ネット?

何を言っているんだ?」

 

「いや、さすがにFAIRY TALEは無理かもしれないけど、それ以外の4つはこの世界の歴史だから、もしかしたらネットで僅かに残っているかもしれない」

 

「・・・それは確かにそうかもしれないが」

 

そう言い、少し戸惑いを見せているが

 

「だったら、俺はこのまま何か無いかノーザンベースで調べておく」

 

「僕はついて行くよ。

だって、本とにらめっこしているよりも、そっちの方が面白そうだから」

 

そう言いながら、新堂と緋道の二人は俺と一緒にネットで調べる事になった。

 

そして富加宮と尾上さんの二人はノーザンベースで調べる事になった。

 

「それじゃあ、よろしくお願いします」

 

「あぁ、任せておけ」

 

そう俺達はそのままネットで調べる為に向かった。

 

そして

 

「それにしても、アヴァロンが目的だとはな」

 

「・・・」

 

「んっ、富加宮どうしたんだ?」

 

「いえ、ただ」

 

「んっ、このワンダーライドブックが気になるのか?

えっと、この中央にある物語は戦姫絶唱シンフォギア?」

 

「全ての始まりの物語」

 

そんな会話があった事に、俺達は知らなかった。



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忍び寄る悪夢

「それにして、このEDENというのは凄いな」

 

その言葉と共に俺達は周りを見渡す。

 

今回の情報収集を行う為にまず尋ねたのは朝田の元だった。

 

「まぁね。

アミュスフィアの技術を使ったシステムだから、多くの企業が参加しているしているから」

 

そう言いながら、朝田にここに来る前に簡単な説明を受けていたのを思い出す。

 

カミシロ・エンタープライズが運営する商用最大手ネットスペース。

 

画面上でのやりとりではなく、バーチャルリアリティーでWebの情報を感覚的に体感することができ、その事もあって、アミュスフィアをEDEN使用目的で購入する人も多いらしい。

 

「うわぁ、凄いな!

ここって、本当に電脳空間なのか!」

 

「確かにこれは、むっ、この店のクーポン!?」

 

「二人共騒ぎすぎって、これって絶版されている本じゃないか!」

 

「あんたもよ、馬鹿飛羽真。

さっさと情報を集めるんでしょ」

 

初めてのEDENという事で俺達は周りを見ている中で朝田に連れられ、その場を離れた。

 

未だに興奮を隠せないこの空間の中で

 

「本当に凄い。

けど皮肉だよな」

 

カリバーが事件を起こしたせいで、多くの人々が傷ついてしまった。

 

けど、それのおかげでこうして現実ではあり得ない光景を見る事ができ、朝田や新堂のような友達ができた。

 

「だけど、それだと俺の元の記憶ってなんだろうな」

 

鋼の錬金術師ワンダーライドブックを代価に払った記憶。

 

そこに広がっている光景は、一体どんな物だったんだろうか。

 

「んっ、何、イベント?」

 

「イベント?」

 

朝田が何か気になったのか、見てみると、そこは何やら人が集まっている。

 

あれは

 

「グラトニー・ディビエル!?」

 

そこにいたのはグラトニー・ディビエルだった。

 

まさか、ここでも

 

「二人とも」

 

「えぇ」

 

「分かっているよ」

 

俺達はすぐにワンダーライドブックを取り出し、構える。

 

「「「変身!」」」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】

 

【流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!】

 

【翠風の巻!甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!】

 

俺達は同時に各々が構えながら、変身するとそのままグラトニー・ディビエルに向かっていく。

 

以前と同様に無数に分裂しながら襲い掛かってくるグラトニー・ディビエルに対して、俺達は各々で剣で対処しながら、戦っていく。

 

だが、分裂する数は多い。

 

「多すぎるって、うわぁ!?」

 

「飛羽真君っぐっ!」

 

そうしていると俺と新堂が吹き飛ばされ、同時にワンダーライドブックも吹き飛ぶ。

 

同時に俺の元には新堂の、新堂の元には俺のワンダーライドブックが

 

「やってみるしかないか」

 

そう言い、俺は新堂のワンダーライドブックである鬼滅の刃を起動させる。

 

【かつて鬼になった妹を元に戻す為に鬼と戦った心優しき少年がいた】

 

「飛羽真君、これを借りますね」

 

そう言った新堂もまた、ダンボール戦機ワンダーライドブックを起動させ、ベルトに挿入する。

 

【とある小さなロボットから始まる、小さな戦場の物語】

 

同時に俺達はすぐにワンダーライドブックをドライバーに装填し、引き抜く。

 

【【二冊の本を重ねし時、聖なる剣に力が宿る!ワンダーライダー!】】

 

聞こえてくる音と共に、俺の手に持っている火炎剣烈火の炎の勢いがさらに高まる。

 

「これは」

 

「いけるかもしれません」

 

そう言った新堂の手には二つの水勢剣流水があり、そのままグラトニー・ディビエルに向かっていく。

 

流れるような攻撃を次々と食らわせながら、身体を瞬時に小さくさせ、その攻撃を避けながら、グラトニー・ディビエルを切り裂いていく。

 

同時にワンダーライドブックを通して伝わる動きが染みこんでいき、火炎剣烈火をベルトに収める。

 

【必殺読破!烈火抜刀!ドラゴン!鬼滅の刃!二冊斬り!】

 

「ふぅ」

 

流れてくる記憶と同じように迫り来るグラトニー・ディビエルを切り裂く。

 

「ヒノカミ神楽円舞!」

 

その言葉と共に迫り来るグラトニー・ディビエルに対して俺はそのまま次の動きを行う。

 

「碧羅の天 烈日紅鏡 灼骨炎陽 陽華突」

 

そう、言葉を紡ぎながら、迫り来るグラトニー・ディビエルを切り裂きながら、俺の手に持った火炎剣烈火の炎の威力は強くなっていく。

 

同時に切り裂いたグラトニー・ディビエルはすぐに逃げだそうとしたが

 

【魔法が使えない少年が、反魔法の力を宿す魔剣を手に、魔道士の頂点を目指す物語】

 

「おいおい、逃げるなよ!!」

 

【翠風の巻!甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!】

 

その声と共に緋道が両手で一体化した黒い巨大な剣でグラトニー・ディビエルの動きを止めた

 

規格外の大きさを誇るその剣によって強制的に止められたグラトニー・ディビエルに対して、俺はそのまま

 

「炎舞!!」

 

火炎剣烈火を両腕で握り振り下ろした後、素早く振り上げる、

 

それによって、溢れ出る炎がそのままグラトニー・ディビエルを燃やし尽くした。

 

「うわぁ、凄い威力だね!!」

 

「えぇ、これは」

 

「威力は凄いけど、これ凄く疲れる。

新堂の時とは違うような」

 

「ワンダーライドブックは使用者によって、性質を変えますからね。

同じワンダーライドブックでも相性によっては形が変わりますからね」

 

「そうなんだよ。

けど、凄いね、まさか再生能力があるディビエルをあそこまで一瞬で燃やすなんて

 

「んっ?」

 

そうして、俺達はディビエルを倒し終えると、後ろから聞こえた声に俺達は振り向く。

 

緑のベリーショートに垂れ目が印象的な女性だが

 

「ディビエルの事を、知っている?」

 

「・・・」

 

「構えろ、飛羽真」

 

そう言った二人の様子はピリピリとした雰囲気が伝わってくる。

 

「嫌だなぁ、そこまで敵意を剥き出しで見つめないでくれよ。

僕はこう見えても、争いはあまり好まない性格なんだよ」

 

「カリバーと一緒に裏切って、何を言っているんですか」

 

「裏切りって、どういう事?」

 

その言葉に驚きを隠せない俺は思わず二人を見るが

 

「裏切りってどういう事?」

 

「こいつは元々、僕達と同じソードオブロゴスだった。

だけど、カリバーと一緒に裏切った5人の剣士の一人だ」

 

「初めましてだね、新しい剣士君。

僕の名前は静鞠 朋絵だよ」

 

そう言い、彼女が取り出したのは一冊のワンダーライドブックだった。

 

【とある一匹の飼い犬の物語、今は亡き飼い主を待ち続ける彼の結末は…】

 

そのワンダーライドブックが起動すると共に、手に持った剣にそのまま読み込ませる。

 

【カースリード】

 

その音声が鳴り響き、そのまま腰にあるベルトに彼女はワンダーライドブックを差し込むと

 

「変身」

 

その一言と共に、剣でベルトを押す。

 

【怨呪剣呪詛…!】【簒奪!斬奪!救済! 忠犬ハッチー!】

【呪詛詠唱(のろいえいしょう)! 忠犬と怨呪剣呪詛が交わりし時、救済を騙る簒奪劇が幕を開ける!!】

 

ベルトにあるワンダーライドブックが開くと、紫色の犬が飛び出し、吠えるながら、彼女の姿は徐々に変わっていく。

 

紫色と黒を基調とした鎧を身に纏い、これまで見てきたライダーとは少し違う印象があった。

 

「はあぁ!!」

 

変身を完了した彼女を見ると同時に剣斬が一瞬で彼女に迫る。

 

それに対して、軽々と手に持った剣で受け止める。

 

「おいおい、剣斬。

私はまだ自己紹介していないんだよ、彼が名前が分からなくて困っているじゃないか」

 

「そんなの、ここで倒せば聞かなくても良いだろ」

 

「おいおい、言っただろ。

私は争いが好きじゃないと」

 

そう言い、彼女の手に持っている剣に紫色のオーラが身に纏った。

 

「争いは同レベル同士が起こる事だ。

君程度と同じレベルだと思われるのは心外だからね」

 

「うわぁ!?」

 

その言葉と共にオーラはそのまま剣斬を吹き飛ばした。

 

「あれは」

 

「彼女の持つ能力です。

強烈な負の感情を自在に操る事ができる能力」

 

「説明ありがとう、新堂君。

うん、君と戦うのもあまり好きじゃないが、その性格はなかなか好ましいから、嫌いじゃないよ。

さて、解説してくれた通り、私は負の感情を自在に操れる剣士、仮面ライダーデスルクだ」

 

そう言いながら、デスルクはそのまま俺を見つめる。

 

「さて、私の能力は知っての通り、負の感情を自在に操る事ができる。

この能力は結構気に入っているが、いかんせん、なかなかに相性の良いワンダーライドブックがなくて困っているんだ」

 

「何が言いたい」

 

何やら悩ましげな表情で俺を見つめるが

 

「単刀直入に言おう。

セイバー君、君、僕の仲間にならないか」

 

「はぁ」

 

その一言に俺は思わず叫んでしまう。

 

「何を言っているんですか」

 

「そうかね?

セイバーの能力は聞けばワンダーライドブックを作り出す能力じゃないか。

こちらがわざわざディビエルを作り出して、ようやくアルダーワンダーライドブックにワンダーライドブックを手に入れる事ができる能力を、君は簡単に作り出す事ができる」

 

「っ!?」

 

まさか、知っているのか。

 

いや、確かにこれまで気にせず言っていたから伝わる可能性はあったけど

 

「だからこそ、僕はぜひとも手に入れたい。

君がワンダーライドブックを作りだし、僕と最高に相性の良いワンダーライドブックを手に入れれば、この世を支配する事ができる。

これはなんとも甘美とは思わないか」

 

「全然思わない。

俺は誰かを不幸にさせる物語を作るつもりはない」

 

「そんなのは他人が勝手に決める事だ。

万人に受ける物語など、この世には存在しないし、多少質が悪ければ容易に人は低く評価する。

そんな誰とも知らない奴らの為なんかよりも、君と僕の二人だけで頂点を目指さないか」

 

「断る!」

 

「・・・そうか、残念だ」

 

そう言いデスルクは肩を落とし

 

「できれば、君には気分良く協力してくれたら、質の良いワンダーライドブックが手に入ると思ったが、この際は徹底的に調教するしかないようだね」

 

「飛羽真君。

構えてください」

 

「あぁ」

 

一気に雰囲気が変わった事に気づいた俺達はすぐに剣を構えるが

 

【カースひぐらしリード】

 

聞こえてきた音声と共にデスルクはその剣に巨大なオーラを身に纏うと共に

 

「はぁ!!」

 

「っ新堂!」

 

その一撃を受けたらやばい。

 

全身から警報が鳴り止まない一撃に対して、俺はすぐに新堂に叫び、同時にその場を離れた。

 

だが、その光は俺に向かって真っ直ぐと飛んでいき

 

「がはぁ?!」

 

直撃してしまう。

 

「飛羽真君!」

 

新堂の声が聞こえる。

 

だが、それ以上に俺の耳に聞こえるのは悲鳴だった。

 

「なっなんだっ」

 

「言っただろ、僕は負の感情を操ると。

このひぐらし鳴く頃は僕の能力と相性は良いけど、精神攻撃のみでこういうのに無縁な奴にはあまり効果ないんだ。

まぁ、今の君を説得するには丁度良いかもしれないね」

 

「なっ」

 

何か喋っているが、俺は周りからの罵倒、悲鳴など、何もかも入り交じった声で俺はそれ所じゃなかった。

 

このままじゃ

 

「ふむ、しばらく見ているつもりだったが、そうもいかないようだね」

 

「えっ」「むっ?」

 

そう、どこからともなく聞こえてきた声、同時に俺の目の前に巨大な穴が開き、そこから巨大な黒い腕が現れ、俺を掴む。

 

「ぐっ」

 

それに対して、何の抵抗する事ができずに吸い込まれる。

 

「飛羽真君!

くそっ、まさかここまで」

 

「残念ながら、僕ではないよ。

なるほど、なるほど」

 

「何が面白い」

 

「なに、ディビエルを出しても、いなくなった訳だよ。

なるほどなるほど、あれ程の巨大な存在が既に倒していた訳か。

そして、それを引き寄せる飛羽真君。

また、今度、じっくりと説得するとしようか」

 

「まっ」




今回出てきたオリジナルライダーはオストラヴァさんの仮面ライダーデスルクでした。
ダークライダーに関しては残り4枠残っていますので、興味がある方はぜひ、お願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=249538&uid=45956


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ようこそ、探偵事務所

「んっ、ここは」

 

俺はゆっくりと起き上がる。

 

周りを見ると、部屋は散らかっており、見るだけで昔からよくある探偵事務所のように見えるが

 

「どうやら、起きたようだね」

 

そんな俺に向けて誰かが話しかけてきたので、見てみると、そこには胸元を大きく開いたシャツ一枚とホットパンツ、ストール一枚を巻いてる女性が

 

「てっ!?」

 

そのあまりにも大胆過ぎる格好に俺は思わず再びこけてしまう。

 

「誰!?」

 

「まぁ突然周りの景色が変わって、驚くのは無理はないがとりあえず落ち着きたまえ。

私は君の敵ではないから」

 

そう言いながら、女性は特に気にした様子もなく、そのままコーヒーをこちらに差し出す。

 

「まぁ、コーヒーでも飲んで落ち着きたまえ」

 

「はっはぁ」

 

俺はゆっくりとコーヒーをそのまま口元に運ぶが

 

「んっぐっ!?」

 

襲い掛かったのは強烈な苦みだった。

 

同時に何を入れたら、こんな味になるのか分からないコーヒーに驚きを隠せなかった。

 

「どうかね、私としてはなかなかの自信作なんだが。

ふむ、こうして飲んでみるとなかなかに美味しいじゃないか」

 

それと共に目の前にあるコーヒーを飲む。

 

見ると、俺が飲んでいるコーヒーと同じ色をしているので、本気で疑ってしまう。

 

「さて、まぁコーヒーを楽しんだ所で自己紹介だ。

私の名前はアルファモン、本来は別の姿があるが、話をするならばこちらの方が良いと思ってね」

 

「アルファモン?」

 

聞いた事のないが

 

「そうだね、こことは別の世界、デジタルワールドと呼ばれる世界に住むデジモン。

私はその一体で、とある理由でこちらの世界に来たんだ」

 

「デジモンって」

 

まさか目の前にいる女性が人間ではない別の存在だとは、俺は驚きを隠せないが、アルファモンはそのまま話を続ける。

 

「さて、私がこの世界に来た理由としては、この世界に奇妙な現象が起きているからだ。

以前、私も似た現象を見た事があってね、気になって、見に来たんだ」

 

「似た現象ですか」

 

「あぁ、世界の融合。

以前、私の世界デジタルワールドと君とは違う別の人間界と融合しそうになった現象をね」

 

「えっ?!」

 

それを聞いて、俺は思わず目を見開く。

 

まさか、俺達の世界と同じ現象がまさか起きているとは。

 

「あぁ、それで来てみればなかなかに厄介な事でね。

それで状況を観察していたら、君がやられそうだったからね。

こうして助けて、看病した訳だ」

 

「そうなんですか、ありがとうございます」

 

どうやらあの状況を救ってくれたのはこの人らしい。

 

「気にしないでくれ。

私としても、助手によく似た君を助けたかっただけだから」

 

「助手ですか?」

 

その言葉に俺は思わず首を傾げるが

 

「あぁ、大切な助手だ。

さて、そんな君に渡さないといけない物がある」

 

そう言い、俺に投げ渡したのは

 

「これって、ワンダーライドブック?

だけど、少し形が違うようだけど」

 

「あぁ、君の持つワンダーライドブックだったか?

悪いと思ったが、少し確認したが、どうやら力は同じだが、本質は大きく異なっている物らしい」

 

「まさかアルターワンダーライドブック。

あの、これって、どこで」

 

「なに、私の偽物がいたのでね。

腕しか出せなかったが、どうやら私が思っていたよりも簡単に倒せた」

 

この人、俺が考えていたよりもとんでもない人物かもしれない。

 

改めて俺はそのままアルファモンを見つめる。

 

「さて、ここまで情報を言ったが、君には少し頼みがある」

 

そう言い彼女が取り出したのはワンダーライドブックだった。

 

それも俺も見た事のないワンダーライドブックだったが

 

「君には私の偽物を倒して欲しい。

その為の力も渡しておく」

 

「偽物って、倒したんじゃないのですか?」

 

「あぁ倒した。

だが厄介な事に、奴はそのまま身体を再生させ、そのままどこかへ飛んでいった。

おそらくはEDENのどこかに潜んでいる。

次に再生した所を見つけても、片手だけの私では倒せないから、君に頼むしかない」

 

そう言い、そのまま彼女は数冊のワンダーライドブックをこちらに渡した。

 

「一応、君達に合わせて作らせて貰った。

3種類という事でなかなかに苦戦したが、力になるだろ」

 

「ありがとうございます。

ここまでしてもらって」

 

「気にしないでくれ。

私も君のような人間を好ましく思っているから、手助けするのは当然さ」

 

そう言い、アルファモンはそのまま手を出すと、その先には光の輪が作り出された。

 

「その先に元の世界へと戻れるはずだ。

だから、よろしく頼むよ」

 

「・・・はい、勿論です」

 

そう言い、俺はそのまま光の輪へと飛び込もうとしたが

 

「あぁ、それと一つアドバイスだ」

 

「へっ?」

 

アルファモンから声が聞こえ、俺は振り返る。

 

「君にはこれから信じられないような現実が来るだろう。

けど、そこで大事して欲しい事は君の心を決して忘れないでくれ」

 

「心を?」

 

「あぁ、君自身がこれまで体験した事が全て偽りだとしても、そこで感じた君の心がきっっと君を導くさ。

少しロマンチックすぎるかもしれないが」

 

「いえ、ありがとうございます!」

 

その言葉がどういう意味か分からないけど、それでも、俺はそれが間違っていないと思えた。

 

その言葉を聞き、そのまま元の世界へと戻っていった。

 

「さて、彼はどんな活躍をするのか、楽しみに待っているとするか」

 




今回のデジモンは『デジモンストーリーサイバートゥルース』となっております。
作者本人としても、アニメデジモンシリーズと同じぐらいに好きなゲームという事もあって、思わず書いてしまいました。
勿論、原作のアニメシリーズもワンダーライドブックから登場しますので、お楽しみに


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進化するワンダーライドブック

「ここにディビエルが?」

 

アルファモンのおかげで、なんとか辿り着いた場所。

 

そこは既に使われていない公園なのか、大量の遊具があり、不気味な雰囲気が漂っている。

 

周りを警戒しながら、俺はすぐにアルファモンから受け取った三冊の本を見る。

 

「どれもデジモンというシリーズの本。

アドベンチャーにサイバースルゥース、それにクロスウォーズか。

んっ、ちょっとこれは」

 

だが、その内の一冊であるクロスウォーズは他のワンダーライドブックとは違った。

 

空洞の部分があり、これまでのワンダーライドブックとは違う。

 

なによりも、種類はブレイブドラゴンと同じ神獣。

 

ブレイブドラゴンは俺が変身を行う時に核となるアイテム。

 

それ以外の神獣のワンダーライドブックが使えない事は既に分かっている以上、アルファモンから渡されたこのワンダーライドブックは使えない。

 

「謎も多いし、帰ってから調べようか」

 

俺はそう仕舞うと、後ろから巨大なうねり声が聞こえ、見つめる。

 

長大な腕が特徴的な半透明な身体を持つ怪物がそこに立っていた。

 

「こいつがアルファモンが言っていたディビエル。

確かにこれは厄介そうだ」

 

俺はそう言いながらブレイブドラゴンを装填してある聖剣ドライバーをそのまま腰に巻き、クロスウォーズ以外のワンダーライドブックを起動させる。

 

【これは、選ばれし子供達とパートナー達の冒険と成長の物語】

 

【現実と電脳が交わりし時、新たな物語が幕を開ける】

 

その音声と共に俺はそのまま二つのワンダーライドブックをそのまま聖剣ドライバーに装填し

 

「変身!」

 

【烈火抜刀!3冊の本が重なりし時、聖なる剣に力がみなぎる!ワンダーライダー!】

 

その音声と共に、確認してみると、俺の背中には太陽を模した盾が背負っており、左腕は巨大な黒い腕に変わっていた。

 

「よしっ行くぜ!」

 

その言葉で、俺は目の前にいるディビエルに向かっていく。

 

だが

 

「うわぁ!?」

 

自分でも驚く程の急加速について行けず、そのままディビエルの横を通り過ぎる。

 

「ぐっ、これは思った以上にやりにくい!?」

 

そう驚いている間にもディビエルはこちらに向けて巨大な手を振り下ろしてくる。

 

「ぐっ」

 

すぐに背中の盾を構えて、その攻撃を受け止める。

 

攻撃は容易く受け止める事ができ、ディビエルはそのまま後ろへと下がる。

 

「パワーは十分すぎる程ある。

いや、むしろありすぎるぐらいだっ!」

 

これまで、俺が三冊同時に使ったのは一度だけ、しかもワンダーコンボという事もあって、力がかなり制御できる状況だった。

 

だが、ブレイブドラゴンと他の二冊ではまったく異なる力だから、上手く同時に使う事ができない。

 

だからと言って

 

「ブレイブドラゴン以外は無理かもしれない」

 

一体どうすれば

 

「んっ?」

 

そう思いながら、先程確認した時の疑問を思い浮かべ、見つめる。

 

神獣に納めるべきワンダーライドブックだが、その本はあまりにも薄すぎる事に。

 

だが、その大きさは丁度ワンダーライドブックを少し覆える程度だが

 

「これって、もしかして」

 

だが、本というよりも、まるでブックカバーという印象が強かった。

 

俺はそのまま開いた状態のブレイブドラゴンを取り出し、開いていない左側に重ねるようにブックカバーを重ねる。

 

【ブレイブドラゴン!クロスオーバー!デジモンクロスウォーズ!】

 

「やっぱり」

 

どのような仕組みが分からないが、これでワンダーコンボが使える。

 

俺はそのまま再びブレイブドラゴンをそのまま聖剣ドライバーに装填し、そのまま取り出す。

 

【烈火抜刀!オメガの称号を得し聖騎士が立ち上がる時、戦いに終止符を打つ】

 

その音声と共に俺の背中に背負っていた盾は弾かれ、そのまま左腕と一体化し、巨大な龍の腕に。

 

右腕は巨大な狼を思わせる銃へと変形する。

 

「凄い、まさか、ブレイブドラゴンが進化するなんて!!」

 

これまでにないワンダーライドブックに対して、驚きを隠せない内に見ると、ディビエルはこちらに向かって襲い掛かる。

 

だが、俺はそのまま左腕を構える。

 

巨大な銃はそのまま大砲へと変わり、ディビエルを吹き飛ばす。

 

それは先程までと変わらないパワーだが、動きやすい。

 

そのまま自身の聖剣ドライバーに装填し、再び抜き取る。

 

【必殺読破!烈火抜刀!ドラゴンクロスウォーズ!アドベンチャー!サイバースルゥース!三冊斬り!デ・デ・デ・デジモン!!】

 

その音声と共に各々のパーツの瞳が光り輝くと、そのまま火炎剣烈火へと光が集う。

 

「オメガソード!!」

 

その雄叫びと共に、振り上げ、目の前にいるディビエルを真っ二つに切り裂く。

 

それによって、ディビエルは簡単に真っ二つに切り裂き、そのまま爆散する。

 

「倒せたか」

 

俺はそう言いながら、少し安心したように見ていると

 

「いやぁ、これは凄いね凄いね」

 

同時に聞こえてきた声に、俺は振り向く。

 

そこには

 

「デクルス!」

 

あの時戦った、仮面ライダーデクルスが目の前にいた。

 

俺はすぐに構えたが、なんと、変身を解除した。

 

「おいおい、そんなに構える事はないじゃないか。

僕は君とは仲良くなりと考えているんだから。

なんだって、君はこれまでにない、ワンダーライドブック自体を強化するアイテムを作り出したからね」

 

そう言いながら、笑みを浮かべながら、俺を見つめる。

 

「だからって、俺がお前に協力する理由はない」

 

「そうだね、君と僕の間には残念ながら信頼関係がまるでない。

あぁ、これだったら、もう少しカリバーの方へ行くのは考えれば良かった。

まぁ、なってしまったのは仕方ないから、君に信用してもらう為に僕も少し行動しないといけない訳だ」

 

そう言い、デクルスはそのまま笑みを浮かべる。

 

「カリバーとの因縁。

実は君の仲間達以上に深い因縁がある。

人生を変えてしまう程の因縁がね」

 

「どういう事だ」

 

「おっと、これ以上は僕の口からは言えないよ。

なんだって、君は僕の仲間になってくれないからね。

まぁ、詳しい内容は君のお友達の富加宮君に聞いてみれば良いさ」

 

そう言いながら、彼女の周りは黒い闇に覆われる。

 

「まぁ彼が喋ってくれればの話だけど」

 

「待て!?」

 

すぐに追いかけようとしたが、既にそこには奴の姿がなかった。

 

「富加宮が知っているって」

 

もしかして、鋼の錬金術師ワンダーライドブックの影響で消えた記憶について何か知っているのか。

 

俺はそのまま不安に思いながらも、すぐに新堂達と合流する為に行動した。




本作オリジナル設定
ワンダーライドブック・カバー
ワンダーライドブックとは別のアイテム。
単体での使用はできないが、相性の良いワンダーライドブックと重ねる事で、ワンダーライドブックの能力を上げる事ができる。
組み合わせによっては、本来は不可能なワンダーコンボも可能としている。

新たに募集しておりますので、興味がある方はぜひお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=243290&uid=45956


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結成のTIGER & BUNNY編
疑いの友情


「ワンダーライドブック・カバーだと?

こんなのは、見た事ないぞ」

 

そう言いながら、大秦寺さんは俺から受け取ったデジモンクロスウォーズ・ワンダーライドブック・カバーを見ながら言う。

 

「ブレイブドラゴン以外のワンダーライドブックとの組み合わせは今の所は無理だが、これ以外にも可能性がある」

 

「大秦寺さんがここまでの反応を見せるなんて、珍しいですね」

 

そう言いながら、新堂と共に、俺は目を丸くしながら言う。

 

「とにかく、本来の目的である情報についてを一応伝えますね」

 

「あっ、そうだった」

 

あの時はディビエルとデルクスのせいですっかり忘れていたが、本来の目的は情報収集だった。

 

「とりあえず、僕達の方で見つけた情報で気になる項目があります」

 

そう言い出したのは、どこかの街の光景だった。

 

「シュテルンビルトと呼ばれる街や、その周辺限定ですがNEXTと呼ばれる人達がいます。

記録としては、約45年前に確認されはじめた特殊な能力を持つ人間で、一種の超能力者です。

だけど、勿論、僕達にはそんな記憶はない。

つまりは」

 

「これが次の目的地」

 

その言葉に頷く

 

「僕達はこのまま情報の整理を行いますので、飛羽真君と富加宮君の二人で行ってくれないか?」

 

「えっ、あぁ」

 

その言葉を聞いて、少し戸惑ってしまう。

 

俺は未だにデルクスの言葉もあって、富加宮にあの事を聞いていない。

 

その事もあって、気まずくあった。

 

「俺も同行しよう」

 

「えっ?」

 

大秦寺さんはそう言った。

 

「大秦寺さんが?」

 

「あぁ、ワンダーライドブック・カバーの事についても色々と調べたいからな」

 

そう言い、大秦寺さんが取り出したのは剣だった。

 

という事は

 

「大秦寺さんも、もしかして!?」

 

「とりあえず、行くぞ」

 

「うわぁ」

 

「ちょ!?」

 

大秦寺さんはそのまま俺達の服を引っ張り、ドアを開け、真っ直ぐとシュテルルンビルトへと移動する。

 

「ここがシュテルンビルト」

 

そう言い、周りを見渡すが、そこに広がっているのはビル街であり、俺が住んでいる街の光景とはまるで違った。

 

その光景に圧倒されながらも、よく見ると、人の手から水を出したり、手を伸ばしたりなど、現実ではあり得ない光景が見えた。

 

「これがNEXT」

 

俺達はそう言いながら、周りを見る。

 

「本当に、本の中に入ったようだな」

 

それは富加宮も同じだったのか、頷いた。

 

デルクスの件がなければ、きっと一緒に楽しんでいただろう。

 

そう思いながらも、俺達はこの街にいるだろうディビエルを探す事にした。

 

「けど、これじゃあ、誰がディビエルなのかなんて、分からないよな」

 

これまでは異形のような姿であれば、ディビエルだと分かるが、この街は超能力者の街だ。

 

異形を思わせるような姿になるNEXTの可能性だってあるから、下手に手を出せば

 

「きゃああ!!」

 

「っ!!」

 

聞こえてきた悲鳴、見るとそこには派手なコートを身に纏った異形がそこに立っていた。

 

「おいおい、そんなに逃げる事はないだろ!!」

 

そう言いながら、街を破壊する怪人を見た瞬間

 

「富加宮!」

 

「あぁ」

 

俺達はすぐに変身アイテムを取り出す。

 

【ブレイブドラゴン!クロスオーバー!デジモンクロスウォーズ!】

 

【ランプドアランジーナ】

 

その音声が鳴り響き、すぐに聖剣ドライバーに装填し

 

「「変身!」」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わり、新たな進化に導かれ、真紅の剣が悪を貫く!】

 

【黄雷一冊!ランプの精と雷鳴剣黄雷が交わる時、稲妻の剣が光り輝く!】

 

その音声が鳴り響き、俺の左腕にあったドラゴンは白いVの字が追加され、まるで音楽で使われるようなマイクが追加されている。

 

「これが、ワンダーライドブック・カバーの力」

 

「行くぜ、富加宮!」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に俺達は同時にディビエルと思われる奴に突っ込む。

 

「なんだぁ?」

 

俺の存在に気づいたディビエルはこちらに目を向けるが、俺の肩のドラゴンの口が開き

 

『ロックダマシー!!』

 

放たれた炎はそのままディビエルに向かっていく。

 

「なに?!」

 

「えぇ?!」

 

突然出てきた炎に俺は驚きを隠せず、ディビエルはそのまま炎に直撃する。

 

なんだか、暴れている時と印象は違ったが

 

「これならば」

 

そう言い、富加宮もすぐに剣を振り下ろす。

 

「調子に乗るんじゃない!」

 

そう、ディビエルはなんと手を翳しただけで富加宮の攻撃を受け止めた。

 

「嘘だろ!?」

 

「ちっ、さすがに予想外だぜ。

だがな、さっきのような展開にはならないぜ」

 

「そうかな」

 

そう言い、俺はすぐにディビエルの元に攻撃を仕掛けようとするが

 

 

【異獣招来!黒き神が葬隠剣零奴に宿りし時、飢えた獣が全ての絆を喰い千切る!】

 

「っ!?」

 

聞こえてきた音、それと共に現れたのは黒い悪魔を思わせる存在が立っていた。

 

「レムルス」

 

「また、別の仮面ライダー。

それも」

 

「あぁ裏切りの剣士の一人だ」

 

まさか、こんなに早く別の敵が現れるなんて。

 

「へぇ、お前ら、なかなかに面白いな」

 

そう言っていると、ディビエルは俺と富加宮の両方を見て、笑っていた。

 

「どういうっぐっ」

 

そうしているとディビエルは謎の力で冨加宮を捕まえるとその場を去った。

 

「しばらく預かるぜ!!」

 

「待て!!」

 

俺はすぐに追いかけようとしたが、その前にレムルスが立ちはだかる。

 

「どけ!!」

 

「良いねぇ、その感情、心地良いぜぇ!!」

 

そう言い、手に持った剣をこちらに向けて突いてきた。

 

火炎剣烈火よりも刀身が長い事もあって、すぐに反撃する事ができなかった。

 

「ぐっ」

 

なんとか受け流し、そのまま剣を振り上げたが、ガラ空きになった身体に向けてレムルスの爪が俺を貫く。

 

「がぁ」

 

「ほらほらぁ!!」

 

そう言いながら、次々と俺に向けて攻撃が襲い掛かる。

 

早くディビエルの後を追いたいのに

 

「心を乱すな」

 

「っ!!」

 

その言葉と共に襲い掛かったレムルスの身体に火花が散る。

 

後ろを見ると、大秦寺さんが手に持った剣を構えていたが、その形は剣ではなく、銃だった。

 

「大秦寺さん」

 

「お前に何があったかは分からないが、心を乱せば負けるぞ」

 

そう言い、大秦寺さんもまた、ワンダーライドブックを取り出す。

 

【とある森に迷い込んだ小さな兄妹の、おかしな冒険のお話】

 

そう、ワンダーライドブックをそのまま手に持った剣に装填すると

 

「変身」

 

【剣でいくぜ!NO!NO!銃でGO!GO!BANG!BANG!音銃剣錫音!

錫音楽章!甘い魅惑の銃剣が、おかしなリズムでビートを斬り刻む!】

 

その音声と共に大秦寺さんが変身した仮面ライダーの姿はピンクを中心にまるでお菓子を思わせる鎧を身に纏った。

 

「なっなんというか、個性的な見た目だな」

 

「さぁ、仮面ライダースラッシュのステージだ!」

 

その言葉と共に、大秦寺さんは引き金を引くと、そのままレムルスへと放っていく。

 

それに合わせて、レムルスも手に持った剣でその銃弾を受け流しているが

 

「やはりこの程度じゃ、まだまだ盛り上がらないよなぁ!!」

 

「テンション高っ!」

 

そう言っている間にも、スラッシュが取り出したのは

 

【この巨大なパークで少女が獣の姿と名をした少女と旅をする物語】

 

「ジャパリパーク!うえぇーい!!」

 

「大秦寺さん!!」

 

取り出したワンダーライドブックをそのまま剣に装填すると、そのまま大秦寺さんを中心にディビエルによって破壊された町が直りながら、花が咲き誇る。

 

それと共に流れてくる音楽に俺を含めて、全員が呆然としていた。

 

「ぐっ不愉快な」

 

その中で、レムルスは仮面の上からでも分かる程に苦い声を出すと、そのまま煙を出しながら、去って行った。

 

「何が起きたんだ」

 

「あいつは人の負の感情を好んでいた。

だから、このけものフレンズワンダーライドブックとは相性は最悪なんだ」

 

「そっそうなんだ。

というか、テンションが元に戻った」

 

正直言って、先程までの高いテンションの大秦寺さんの印象が高く、冷静になった大秦寺さんの声に違和感があった。

 

「おい、なんだったんだ、さっきのは」

 

そう言いながら、こちらに近づいてきたのは、緑色に輝くまるでヒーローを思わせるスーツを身に纏った人物が近づいた。

 

「えっ、いや、これはその」

 

「とにかく、お前らには話を聞かせて貰うからな。

たくっ、こっちはあいつが復活した事でも手一杯なのに」

 

そう言いながら、ため息を吐く謎の人物。

 

怪しい影が見える中で、俺は大秦寺さんに目を向ける。

 

「どうします」

 

「彼はこの街の事について詳しそうだ。

下手に逆らうのは得策ではない。

富加宮の事は心配だが、あいつを助ける為にも、ここは彼から話を聞こう」

 

「・・・分かりました」

 

そう言い、目の前にいる謎の人物に言われるがままに俺達はついて行く事になった。

 




今回から登場するダークライダーはX2愛好家さんの仮面ライダーレムルスです。
ダークライダーの枠は残り3人です。
まだ投票していない方はぜひお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=249538&uid=45956
また、ワンダーライドブック・カバーについても募集しておりますので、ぜひ応募、お願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=243290&uid=45956


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信じる為に

「はぁ、そんなのが信じられる訳ないだろ」

 

そう言いながら、俺達の話を聞いてくれたワイルドタイガーさんは呆れたように言う。

 

この街では認知されているヒーローという職業をしている彼は、その性格とも合っているのか、真剣に話を聞いてくれたが、さすがに信じてくれない様子だ。

 

「ですが、もしもその話が本当ならば、少し納得できます」

 

その言葉と共に後ろから出てきたのはワイルドタイガーさんと同じ特徴を持つ赤いスーツを身に纏った人物がいた。

 

「どういう事だバーナビー?」

 

「確かにとても信じられない話ですが、それ以上に信じられない現象が今起きている以上、彼らの話が真実ならば、納得はできます」

 

「まぁそうだけどよ」

 

そう言いながら、ワイルドタイガーさんも多少納得している様子だけど、どういう事なんだ?

 

「お前達もここで見たと思うけど、あの時いた怪物。

あいつは確かに死んだはずの犯罪者、ジェイクとまるで同じなんだ」

 

「ジェイク?」

 

まるで聞いた事のない人の名前に俺は思わず首を傾げてしまうが

 

「ジェイク。

この街史上最悪の犯罪者で数々の犯罪を繰り返し行い、歴史上でも稀に見る二つのNEXT能力を持っていました」

 

「二つの能力?」

 

「あぁ、けどあの時、確かに死んだはずなんだが」

 

そう言った二人の表情は仮面の中でも隠れていて分からないが、間違いなく後悔している。

 

「おそらく間違いなくディビエルだろう。

そして、奴の性格から考えても、このまま放っておけば、街は」

 

「・・・貴方達には聞きたい事がまだあります。

だから「悪いが、そういう訳にはいかない」何を」

 

「俺はあの時、迷っていたせいで、富加宮が」

 

「迷い?」

 

その言葉に何か気になったのか、ワイルドタイガーさんは

 

「なんだ迷いって」

 

「それは」

 

「・・・飛羽真、お前は少し待っていろ」

 

「えっ、何を言っているんだ」

 

「今のお前ではディビエルの時の戦いでは役に立たない。

そこで待っていろ」

 

そう言うと大秦寺さんは懐から取り出したライドガトストライカーを取り出し、そのまま走り出した。

 

「っ」

 

「まぁ、なんというか。

話ぐらいだったら聞くぞ」

 

「タイガーさん」

 

「いや、なんというかよぉ。

少し放っておけなくてよ」

 

そう言いながらワイルドタイガーさんは少し迷っていたように、そのまま座りながら言う。

 

そんな彼に対して、俺は

 

「俺、どうやら全然違う記憶を植え付けれているみたいなんですよ」

 

「「っ!!」」

 

「敵が言っている事で、嘘だと思っているんですが、それでも疑ってしまって」

 

あの時、それがなければ助けれたかもしれない。

 

なのに

 

「僕もかつて記憶を書き換えられた事があるから、君の気持ちは痛い程分かる」

 

「バーナビーさんも?」

 

そんな俺の話を聞いて、バーナビーさんもまた座りながら、話を続ける。

 

「僕の記憶を書き換えた人は僕の両親を殺し、敵のような存在だった。

だけど、僕を育ててくれた恩人でもあるから、今でも憎みきれないんだ」

 

「そうなんですか」

 

「だから、君が思っているのは、その気持ちと同じかもしれない。

君はその人をどう思っているんだ?」

 

それを言われ、俺は

 

「信じたいと思っている。

再会してから、あいつが時々見せる暗い顔は俺に対して何か隠していると思っている。

けど、それは俺の事を思っているような、そんな気がして。

いや、そう思いたいだけかもしれない」

 

「・・・だったら、聞けば良いじゃないか」

 

そう言い、ワイルドタイガーさんはそのまま俺の肩を叩く。

 

「そいつも、それで苦しんでいるならば助ければ良いんじゃないか?

友達なんだろ」

 

「・・・はい」

 

その言葉を聞くと俺もまた立ち上がる。

 

それと共にブランクワンダーライドブックが反応し、見る。

 

そこには既にワンダーライドブック・カバーであり、タイトルが

 

「TIGER & BUNNYね」

 

そのタイトルを見て、納得すると共に、俺もまたディアゴスピーディーに乗り込む。

 

「またかよ、なんだよあれは」

 

「懐から取り出した本がなんでバイクにって」

 

それに驚いている二人に振り向くと

 

「ありがとうございます。

おかげで、分かった気がします」

 

「えっおっおう」

 

俺はそう言うと共に俺はすぐに聖剣ドライバーにブレイブドラゴンとデジモンストーリーサイバートゥルースワンダーライドブックを挿入する。

 

「変身!!」

 

【烈火抜刀!二冊の本を重ねる時、聖なる剣に力が宿る!ワンダーライダー!ドラゴン!サイバートゥルース!二つの属性を備えし刃が研ぎ澄まされる!】

 

その音声と共に、俺はセイバーに変身すると共に、近くにある機械に向かって突っ込む。

 

同時にサイバートゥルースの能力によって、電脳世界へと入る。

 

「てっ消えたっ!?」

 

電脳世界に入り込むと同時に俺は周りの空間を見ると、そこにはリアルタイムに更新されている数々の情報があった。

 

その中で、俺はあの時、逃げたジェイク・ディビエルを見つけ出す。

 

「ここか!!」

 

俺はすぐにジェイク・ディビエルの動きを辿りながら走り出す。

 

やがて辿り着いた先には拘束されている富加宮がいた。

 

「にしても、お前の親友も酷いよな。

お前を友達と言いながら、疑って助けてくれなかったからな」

 

向かっている途中で聞こえてきたジェイク・ディビエルの声を聞きながら、俺はアクセルを握る手が強くなる。

 

「どういう事だ」

 

「お前が拘束されている時、その友達は自分の知らない記憶でお前を疑っているんだぜ。

まぁ実際に合っている以上は、文句も言えないよな」

 

そう言いながらジェイク・ディビエルは高笑いをするが

 

「それ以上、飛羽真を馬鹿にするな。

あいつは、何も悪くないっ、全部っ」

 

そう言いながら、富加宮は苦い顔をしていた。

 

「なぁ、ばらしても良いか?

お前が大事に大事にしていたその秘密を。

まぁ、信じてくれないと思っても、それで疑って、崩れたらどうなるかなぁ」

 

そうジェイク・ディビエルは笑い声を止めるつもりはなかったが

 

「お前に教えて貰う必要はない」

 

「はいっ!!」

 

何か言おうとしたが、俺は電脳世界から飛び出し、そのままジェイク・ディビエルを蹴り上げる。

 

すぐに防御ができなかったようで、そのまま吹き飛ばされる。

 

「飛羽真」

 

「助けに来たぜ、富加宮」

 

そう言い、俺は富加宮の手を掴み、立ち上がらせる。

 

「おいおい、いきなりなんだぁ、お前?

お友達登場のようだな。

しかしまぁ、お前から来るとはな。

という事は聞いていたんだな、そいつの秘密を」

 

「いいや、全然」

 

「くくっだったら教えてやるぜ、そいつの秘密は「だから知るか」あぁ」

 

何か不愉快そうな顔を出しているジェイク・ディビエルだが

 

「俺は富加宮から直接聞く。

そうじゃないと、俺は俺自身が許せないから」

 

「自己満足か?」

 

「あぁそうだよ。

だから、俺は自分が一番納得できる方法で聞く。

それで良いか」

 

そう富加宮に聞く。

 

「どんなにつらい事でもか?」

 

そう俺に尋ねる富加宮はゆっくりと問いかける。

 

だが

 

「あぁ、勿論だ。

けど、まずはあいつを倒すぜ、俺達二人で」

 

そう言い、俺はワンダーライドブック・カバーを開く。

 

するとワンダーライドブック・カバーは二つに分かれ、片方を富加宮に渡す。

 

「ワンダーライドブック・カバーが二つに」

 

「これは二人で使うのが正しいと思う。

だから」

 

「そうか、分かった」

 

俺達はそう言い、各々のワンダーライドブックにワンダーライドブック・カバーを重ね、そのまま構える。

「「変身!」」

 

【烈火抜刀!二つの力を重ねて、目指すのは英雄!ドラゴン&マジーン!!】

 

その音声と共に、俺はワイルドタイガーを思わせる鎧を、富加宮はバーナビーさんを思わせる鎧を身に纏う。

 

「「物語の結末は、俺達が決める!」」



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ドラゴンマジーンコンビ

「二人だけでなんとかできると思っているのか!!」

 

その言葉と共にジェイク・ディビエルはこちらに向けて攻撃を仕掛けてきた。

 

同時に俺達は左右に分かれ、各々でジェイク・ディビエルに向かって走り出す。

 

「富加宮、そいつはバリアを作る能力と、相手の心を聞く能力の二つがある」

 

「なに?

いや、ならば納得だな」

 

その能力を聞くと共に富加宮と共に互いに剣で攻撃を仕掛けていく。

 

互いの攻撃が当たらないように切り裂いていくが、その隙間を狙うようにジェイク・ディビエルもまた避けていく。

 

「ちっ、だからどうなんだよ!!」

 

そう言い、俺達の剣の隙間で飛び上がりながら、俺達に向けてバリアで攻撃を仕掛け、遠ざける。

 

だが、それに合わせるように俺達のワンダーライドブックが光り輝くと共に走り出す。

 

「こいつはまさか「おらあああぁ!!」ぐっ」

 

俺はそのまま右腕でジェイク・ディビエルに向かって殴る。

 

ジェイク・ディビエルもそれに反応して、すぐに俺の心を読んだのかすぐにバリアを張ったが、バリアは瞬く間にヒビが入り、崩壊する。

 

「なっ俺のバリアがかぁ!!」

 

バリアを突き破られた事に動揺を隠せないジェイク・ディビエルはそのまま俺の一撃によって吹き飛ばされる。

 

「ふぅ!!」

 

それに合わせるように吹き飛ばされたジェイク・ディビエルを切り裂く富加宮は、まさに稲妻を思わせるスピードでジェイク・ディビエルの腕を切り裂く。

 

「がぁ、どうなっていやがるんだ!?

あいつらの能力じゃ、俺のバリアは突破できないはずだぞっ!」

 

「さぁな、俺も正直分からない。

けど、何時までも絶対無敵の能力なんてないんだよ。

富加宮、一気に決めよう」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に、俺達はすぐに聖剣ドライバーへと手を伸ばす。

 

【必殺読破!ワイルドドラゴン!一冊撃!ファイヤー!】

 

【必殺読破!ラピッドアランジーナ!一冊撃!サンダー!】

 

【【タイガー&バーナビー!ハンドレッドスマッシュ!】】

 

その音声と共に手に持った各々の剣は巨大化し、そのままジェイク・ディビエルに向けて、切り裂く。

 

「ぐっ、この俺がぁ!!」

 

その断末魔と共に、ジェイク・ディビエルはそのまま消え去る。

 

「ジェイク・ディビエルは倒せたか」

 

「けど、油断は」

 

その言葉に合わせるように、大きな土煙と共に現れたのは

 

「レムルス」

 

「ちっ、ディビエルはもういなくなっていたか。

まぁ良い、今度は邪魔は入りそうにないな」

 

「そうかよ」

 

そう言いながら、俺は構えるが、身体に力が抜ける感覚が襲う。

 

「しまった」

 

どうやら、先程までの戦闘でワイルドドラゴンの活動時間が来てしまったらしい。

 

ワイルドタイガーの能力を付加した事によって、シンプルに、だが強力な身体能力を100倍にする能力は圧倒的に強い。

 

だが、その反面、制限時間がある。

 

「飛羽真、大丈夫か」

 

「なんとか、少し力が抜けた感じがするだけだから」

 

そう言い、俺は構える。

 

未だに戦いが終わっていない以上は油断はできない。

 

「ちっ、戦いの楽しみが減ってしまったようだけど、まぁどうでも良い。

お前達の悲鳴を聞ければ、それで良いか」

 

その言葉と共に構えるが

 

「まったく、ディビエルがいなくなったら、すぐに帰ってきなさいと言ったはずだけど」

 

そう言った言葉が聞こえ、見てみると

 

「デルクス」

 

「やぁやぁ、セイバー。

また面白いのを作ったようだね。

けど、わざわざ富加宮君に渡しても良かったのかなぁ?

彼は君に隠し事をしていたのに」

 

「それはこれから聞くよ。

それに、お前よりも富加宮の方が信用できるからな」

 

「飛羽真」

 

「そうかそうか、それは残念。

まぁ気が変わったら何時でも言ってよね。

さぁ帰るよ、レムルス」

 

「ちっ」

 

そう言って、二人はそのまま消えていった。

 

「さてっと、富加宮、悪いけど」

 

「あぁ、分かっている」

 

そう言い、富加宮もまたゆっくりと話し始める。



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嘘の真実

「まず、お前はこの世界についてどう思う」

 

「どうって、まぁ色んな世界が混じり合っていると思っているけど」

 

今でも混ざり続ける世界だが、それが何の関係があるんだ?

 

「あぁ、そうだ。

裏切った剣士であるカリバーは世界を融合させる事によって、本来ならば作り出す事ができなかったワンダーライドブックを作る事が目的にしている。

だけど、そのワンダーライドブックがどのような物なのか、こちらも未だに謎だ」

 

「そうなのか」

 

カリバーが今回の事件にも大きく関わっているのは間違いない。

 

「そして、飛羽真。

お前はあいつにとっても本当に未知の存在なんだ。

なぜ、あいつが求めていたワンダーライドブックを作り出す力を得たのかは謎だ」

 

「まぁな。

なんか幼い頃から持っていたらしいけど」

 

俺はそう言いながら頭を抱えながら言うが

 

「いいや、お前はそんな力、元々なかったんだよ」

 

「なかった?

おい、何を言っているんだ」

 

「俺が中学生の時、お前は確実に普通の中学生だった。

けど、お前がセイバーになったと聞いて、そんな能力を小さい頃からあったと聞いた時は驚きしかなかった」

 

「いや、そんな訳ないだろ。

だって、響だって、知っているんだぞ」

 

「その立花響の事でもだ」

 

そう言い富加宮の言葉に戸惑いを隠せなかった。

 

「中学生の時、立花響はいなかった。

そして、立花響は本来この世界の住人ではない」

 

「何を言っているんだよ」

 

その言葉に俺は思わず聞き返してしまう。

 

「立花響は、おそらくは、この世界で最初に融合した世界、戦姫絶唱シンフォギア。

その世界の住人であり、中心人物だ。

だからこそ、お前の側にいたという記憶を刷り込まれたんじゃないのか」

 

「刷り込ませられたって、何を」

 

「お前も知っているはずだ。

世界が融合すれば、世界の住人は記憶に違和感がないように刷り込まされる。

それは世界の崩壊を防ぐ為の処置であり、それを防ぐにはワンダーライドブックが必要だ」

 

「あぁ、だから朝田の時にはっ」

 

その言葉と共に思い出す。

 

あの時、クラスメイト全員が朝田の事について違和感がなかった。

 

その中で、俺と響だけが違和感を持っていた。

 

それが普通で、新堂も、皆も特に気にしていなかったから、思っていなかったけど

 

「そんな事が」

 

「あぁ間違いない。

お前が幼い頃から過ごしていたという立花響は、この世界に最初から存在しないんだ」

 

その言葉に俺は倒れそうになる。

 

嘘だと叫びたくなる。

 

だけど、今の富加宮が嘘を言っているとは思えない。

 

「だからこそ、俺は言えなかった。

お前にとっても立花響はきっと大切な存在だから」

 

「あぁ分かっている分かっている」

 

富加宮がこれまで言えなかった訳も、全てが納得できた。

 

「あぁ、本当になぁ、この世界は嘘だらけかもしれないな」

 

本物だと思っていた記憶、ずっと一緒にいたと思っていた幼馴染み。

 

それらが全て嘘だと証明され、俺はどうしようもない程に涙が止まらない。

 

けれど

 

「だけど、嘘だろうと、そこには確かな思いがあるんだよな」

 

「飛羽真」

 

もしも、これまでの全てが嘘だとしても、そこには意味があるはず。

 

記憶も響も、俺を騙していた訳ではない。

 

「響はこの事は」

 

「・・・知らない。

けど、ある意味、この世界自体も彼女自身が望んだ結果なのかもしれない」

 

そう言い取り出したのは本だった。

 

「カリバーが狙っている中で戦姫絶唱シンフォギアの事についても僅かながら記載されている。

そこで描かれている内容では、立花響自身もつらい経験を数多くしている。

この世界は、その原因自体が既になくなっている、だから」

 

「あぁ、未だに分からない事は沢山ある。

それでも、俺は信じたい。

響に、富加宮の事を」

 

そう言い、俺は富加宮と向き合う。

 

「だから、これからも頼む、富加宮」

 

「あぁ、勿論だ」

 

そう言い、俺達は握り合う。

 

「・・・」

 

「あれ、大秦寺さんいつの間に」

 

そうして、俺達が話していると、入ってきたのは大秦寺さんだった。

 

「いや、急いでここを探していたが、まさか既に終わっているとは思っていなくてな」

 

そう言い、大秦寺さんは顔を逸らしてしまう。

 

「えっいや、そんな事ないですよ。

大秦寺さんのおかげで、俺色々と助かりましたから」

 

「えぇ、本当に気にしないでください!!」

 

大秦寺さんがあまりにも恥ずかしそうに顔を赤くしていたので、俺達は慌ててフォローする。



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太陽のグリッドマン編
揃われし、ワンダーライドブック


「お久しぶりですねぇ、私はタッセル。
いやぁ、ここまで物語を見てきましたが、本当に多くの物語が見れて、私はとてもわくわくしてします。
小さなロボットに異なる世界の電脳生命体、さらには超能力者まで、現実ではあり得ないような彼らが加わった事で、この物語はさらに盛り上がってきました。
そして、明かされた真実の先には一体何があるんでしょうね。
果たして、セイバーと正義の5人のライダーとカリバーが率いる5人の悪のライダー。
彼らの戦いは一体どうなるのか。
そして、この戦いの果てに待ち受けるのは、一体なんでしょうね」


「なんというか、色々と凄い所なんですね、シュテルンビルトは」

 

「あぁ、それにしても、もう少し観光しておけば良かった」

 

「あぁ、どうやら蟹料理が有名らしいぞ」

 

そう言いながら、俺達は無事に帰ってくると、響と朝田、それに富加宮。

 

俺達は4人で集まると、シュテルンビルトの土産を食べながら言う。

 

「それにしても、なんだかどんどん変わっているよね。

色々と結構変わっているよね」

 

「まぁそれは」

 

そう言いながら、俺達は蟹料理を食べながら、ノーザンベースでこれまでの状況を確認していた。

 

「未だに分からない事ばかりだけど、私達の所のアヴァロンに必要なワンダーライドブックと向こうもワンダーライドブックは集まっているのかな?」

 

そう響の言葉に俺は頷く。

 

新堂から教えて貰った情報でアヴァロンに行くのに必要なワンダーライドブックの数は13冊。

 

こちらが揃っているワンダーライドブックは7冊で、半数以上がこちらが確保している。

 

「問題は向こうがどれぐらいのワンダーライドブックが揃っているのかが問題だ。

これまでは向こうもアヴァロンに行く為にワンダーライドブックを集める為に本格的に戦いを行って来なかった可能性があるからな

 

「それじゃあ、本格的に攻め込んでくる可能性があるのか」

 

「あぁ、そこでおそらくは残りの奴らも」

 

その言葉を受けて、俺達は構える。

 

「その場合に備えても、ワンダーライドブックをとりあえず分けておこう」

 

「相性も含めてだな」

 

そう言っていると、部屋の中心にあった本が光り輝く。

 

見ると、そこにはディビエルが暴れている光景が

 

「これって」

 

「カリバー達の仕業でしょう」

 

その言葉と共にソフィアさんが出てくる。

 

「カリバーが」

 

「えぇ、おそらくは、これは罠。

ワンダーライドブックを奪う為に」

 

それを聞き

 

「だとしても、放っておく訳にはいかない」

 

罠だと分かっていても、誰かが襲われているこの状況を放っておく訳にはいかない。

 

「まぁ仕方ないわね」

 

そう言うと朝田が立ち上がったが

 

「朝田、お前は「数は向こうが多いんだったら、一人でも戦える人が多い方が良いでしょ」

それは」

 

確かにこの数はこれまで見たことのない程だ。

 

その状況では朝田がいれば助かるが

 

「別に良いんじゃない」

 

それを促したのは緋道だった。

 

「そいつも強いんだったら、問題ないでしょ。

さすがに俺達でもこの数は無理だし」

 

「でも」

 

「心配する気持ちは分かりますが、この状況は朝田さんの力も必要です」

 

「それは」

 

その言葉に俺は

 

「それに、あなたが守ってくれるでしょ。

だったら、私ができる事ぐらいさせてよ」

 

その言葉に

 

「分かった、頼む」

 

そう言い、俺はソードアートオンラインワンダーライドブックを持つ。

 

「響は待っていてくれ」

 

「あっ」

 

そうして、俺達はそのままカリバー達が暴れている場所まで向かった。

 

ーーー

 

「私、何もできないのかな」

 

飛羽真が出て行った後、私はそう言いながら、顔を俯く。

 

幼馴染みで、一緒にいるだけで力になっていると言われたが、私はここまで何の力になったんだろうか。

 

「どうしたら」

 

そう悩んでいると、どこから声が聞こえる。

 

「声?」

 

「どうかしましたか?」

 

私が何かに反応したのか、ソフィアさんも首を傾げる。

 

私はゆっくりと声がした方へとみると、そこには一つの画面が。

 

「これは」

 

(再び、力を貸して欲しい)

 

「あなたは誰?」

 

そこに移っていたのは、飛羽真達が変身しているのとは明らかに違う何かだった。

 

正直、何者か分からない相手に疑問があったが、私は知っている。

 

(立花響、今、君の力が必要だ)

 

「どういう事?」

 

(私はハイパーエージェントグリッドマン。

この世界を救う為に来た。

だから、その為に、君の力を貸して欲しい)

 

「誰と話しているのですか?」

 

私が画面の向こうにいるグリッドマンと話しかけている事に疑問に思ったのかソフィアさんが話しかけてくれた。

 

「えっと、画面の向こうにグリッドマンという人が力を貸して欲しいって」

 

「グリッドマン。

まさか」

 

そう言いソフィアさんは画面の方へと向く。

 

「あなたも分かっているんですね」

 

(あぁ)

 

「そうですか」

 

それだけ言うと、ソフィアさんは懐から取り出したのはワンダーライドブックだった。

 

だけど、題名が見えないけど

 

「これは?」

 

「鍵となるワンダーライドブックです。

これと、そしてこのワンダーライドブックを使えば、あなたは戦う事ができます」

 

「えっ!?!」

 

どういう事が分からなかったけど、ソフィアさんの表情は真剣だった。

 

「ですが、それは同時にあなたにこれから続く戦いに巻き込む事になります。

それでも」

 

「それでも」

 

私はワンダーライドブックを握り締めながら

 

「私は、飛羽真や皆を助けたい!」

 

その言葉にソフィアさんは

 

「分かりました」

 

それだけ言い、私を見つめる。

 

そして、私はグリッドマンの方へと向く。



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揃いし剣士

今回の話で発表するダークライダーで、募集を終了したいと思います。
多くの募集、ありがとうございました!
そして、応募してくれた皆様、本当にありがとうございます。
まだまだ物語は続きますし、また新たな募集もしますので、皆様、これからもよろしくお願いします。


「ここがディビエルが暴れている場所」

 

「だけど、これは」

 

その言葉と共に俺達はすぐに背中合わせになるように、周りを見回す。

 

先程まで縦横無人に街で暴れていたディビエルは俺達に視線を向けていた。

 

それだけでも、この状況が危機的状況なのが分かる。

 

そこにはこれまで倒してきたディビエルは勿論いるが、その中には見たことないライダーの影もいる。

 

「いよいよ、アヴァロンに行く為に必要なワンダーライドブックが揃ったという訳で狙ってきたか」

 

「だったら、全員をここで倒しちゃっても良いんだよな」

 

そう言い、緋道はそのまま構えると

 

「それじゃあ、行くぜ!」

 

その言葉と共に、俺達は一斉に変身する為のワンダーライドブックともう一冊のワンダーライドブックを手にする。

 

【ガンゲイルオンライン】

 

俺はすぐにソードアートオンラインをそのまま聖剣ドライバーに装填する。

 

それに合わせるように新堂、尾上さん、富加宮、緋道、大秦寺さんの順にワンダーライドブックを装填していく。

 

【鬼滅の刃】

 

【鋼の錬金術士】

 

【FAIRY TAIL】

 

【ダンボール戦機】

 

【デジモンクロスウォーズ】

 

「「「「「「変身!!」」」」」

 

同時に変身が完了すると共に襲い掛かるが、尾上さんは手に持った剣を振り下ろすと共に巨大な岩の柱が作られ、その攻撃を防いだ。

 

「これがワンダーライドブック・カバーの力かぁ!!

なかなかに燃える力だぜ、ロックダマシー!!」

 

その一言と共にテンションの高い大秦寺さんは剣から銃へと変え、宙に向けて引き金を引く。

 

それによって無数の炎の玉がディビエルを貫いていく。

 

「さぁてと、まさか飛羽真君がいるとは思わなかったけど」

 

【憑依合体!八首ノ大蛇!壱ノ型!降霊!弐ノ型!憑依!!妖魔剣 霊妖!】

 

同時に聞こえてきた声に振り向くと、そこには斬剣と似た特徴をした黒い忍者の仮面ライダーが襲い掛かった。

 

「悪いけど、こいつを先に倒すのは俺だから」

 

その言葉と共に緋道は小さくなった身体で、吹き飛ばす。

 

「忍者?

へぇ、俺と同じか、だったらどっちが早いか勝負といこうか!!」

 

その言葉と共に腕に巻き付いた蛇で緋道に襲い掛かりながら、緋道と共にその場から離れていく。

 

【栄光の特権!全て貫く突剣!正義は我にあり!】

 

次に目に映ったのは新堂と槍を思わせる武器で戦うライダーの姿だった。

 

「なぜ、あなたが裏切ったのですか、ダインス!!」

 

そこから聞こえる声は普段は冷静な新堂からは信じられない程に荒々しい声で、次々と攻撃を繋げながら攻めていく。

 

「言ったはずだ。

ソードロゴスのやり方では生温い。

正義とは徹底的にやらなければ意味がないのだ」

 

「その為に無関係な人々を巻き込む訳にはいかない!!」

 

その言葉と共に攻撃を仕掛けるが

 

「だか甘い」

 

【貫魔翻訳!全てを貫く魔剣が邪悪な栄光をもたらす!】

 

その音と共に、ダインスの目の前にはシャコ貝を思わせる何かが現れ、新堂の攻撃を防ぐ。

 

同時に手に持った剣から伸びた炎の爪が新堂に襲い掛かる。

 

「僕はそれでも負けない!!

参ノ型 流流舞い」

 

その言葉と共に迫り来る炎の爪を逸らしながら、ダインスと攻撃を行っていく。

 

互いの攻撃を受け止め、受け流しの繰り返しを行っている。

 

「大秦寺さん、炎、貰います」

 

「どんどん持って行け!!

 

その戦いの中でも土の壁を歩きながら、大秦寺さんが放つ炎の玉をワンダーライドブックに吸収した富士見はそのまま構える。

 

「雷炎竜の咆哮」

 

その雄叫びと共に放たれた手に持った剣から電撃を纏った極太のレーザービームのような灼熱の炎を放った。

 

多くのディビエルを巻き込んで倒す。

 

「っ!!」

 

だが、その攻撃の横で通り過ぎ、富加宮に襲い掛かる影が一つ。

 

「チャージっ」

 

「以前よりも力をつけているようだな、エスパーダ」

 

そう言いながら、チャージと呼ばれた仮面ライダーはそのまま怒濤の攻撃で、目に見えない程の斬り合いを行っていく。

 

それらの戦いを行っていくと、ガシャンという重い鎧の音が聞こえる。

 

「どうやら、出てきたようね」

 

そう、朝田の声を聞き、見つめた先には

 

「カリバー」

 

「どうやら必要なワンダーライドブックは揃ったようだな。

丁度良い、お前のブレイブドラゴンと火炎剣烈火を頂く」

 

そう言い、カリバーが取り出したワンダーライドブックをその手に持った剣にスキャンする。

 

【必殺リードカギツメ】

 

その音声と共にこちらに向けて、無数の黒い雷が襲い掛かる。

 

それに対して俺は両手に持った剣を構えながら走り出す。

 

「っ」

 

雷が目の前に迫るが、その雷は後ろから銃弾が撃ち抜くのを確認すると共に、俺はそのままカリバーに向けて、剣を振り下ろす。

 

激突しながら、俺の二つの剣とカリバーの剣も紫色の爪が激突していく。

 

その最中で、俺はその場を横に移動すると、それに合わせるように後ろから朝田の弾丸をカリバーに向かう。

 

「ふんっ」

 

しかし、その弾丸はカリバーが剣を振り上げると共に闇と共に消え、俺を吹き飛ばす。

 

「ぐっ」

 

すぐに剣で地面を抉りながら、カリバーを睨む。

 

そうしながら、構えていると巨大な足音が聞こえる。

 

「なっ」

 

そこにはグラトニー・ディビエルを遙かに超える巨大なディビエルがそこに立っていた。

 

「来たか。

さて、ここで始末しろ、アクシス・ディビエル」

 

そう言いながら、怪獣を思わせる咆哮と共にこちらに向けてレーザーを放っていく。

 

それに対して、俺達はすぐに対応ができずにいた。

 

「えっええぇ!?!」

 

だが、それと共に聞こえてきた声に上を向くと、そのレーザーを遮るように一つの影が。

 

それは俺達とは違い、メカニカルな鎧を身に纏っており、僅かにだが女性らしい膨らみがあるが

 

「まさか、共鳴現象が、ここまでとは」

 

「えっまさか」

 

「何が起きているの」

 

そう言いながら、見つめた先で俺達の方を振り返ったのは

 

「これどうなっているの!?」

 

そこには巨大化した、響の姿だった。



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太陽の龍

「えっ、これって何が起きているの!?」

 

そう言いながら、響は今の状況を確認するように身体を見る。

 

「響は、どういう状況で」

 

そう言っている間に、ディビエルは雄叫びと共に、俺達に向かって襲い掛かる。

 

それに対して、響はディビエルの攻撃を受け流すと共に、懐に一撃を与える。

 

「っ!?!」

 

驚きを隠せないディビエルはそのまま吹き飛ばされる。

 

「なんだ、今の動きは」

 

「八卦、中国拳法じゃない。

前にGGOでそれを使う奴は見ているけど、あの動き、素人じゃないわよ」

 

そう言いながら、未だに何が起きているのか分からない。

 

「さっきのは一体、それに咄嗟だったけど、なんだか自然に動けたような」

 

「とにかく、響の元に行かないと」

 

そう言いながら、向かおうとしたが、その先にはカリバーが立ち塞がった。

 

「カリバーっ、お前!」

 

「まさか向こうから来るとはな。

手間が省けた」

 

「どういう事だっ」

 

「全ての鍵となるワンダーライドブックがあるという事だ」

 

そう言い、カリバーはその手に持った剣をそのまま響に向けて斬撃を放った。

 

「させるか!!」

 

そう言い、俺はすぐに幼女戦記ワンダーライドブックを発動させ、そのまま聖剣ソードライバーに装填し、飛び出す。

 

それによって、空を舞いながら、響に襲い掛かろうとした斬撃を受け止める。

 

「ぐっ」

 

「飛羽真っ!!」

 

なんとか受け止める事ができたが、そのまま吹き飛ばされ、俺は響に受け止められる。

 

「くっ」

 

俺に気を逸らされた事によって、響もまたディビエルの攻撃を受け、後ろに下がる。

 

「っ」

 

咄嗟に守ろうとしたはずの響。

 

だけど、俺が飛び出したせいで傷ついてしまった。

 

「ごめんっ、私のせいで」

 

「いや、俺の方こそっ」

 

そう言いながら、カリバーとディビエルがこちらに少しずつ近づいてくる。

 

「飛羽真っ」

 

そんな俺達の状況は他のライダー達にも伝わったようで、すぐに駆けつけようとしたが、妨害されていた。

 

「まったく、何をやっているのよっ、あんた達!!」

 

そんなカリバー達に向けて、朝田が牽制を行いながら

 

「痛っ!」「うえぇ?!」

 

そのまま俺達の頭を殴った。

 

突然の事で驚きを隠せなかったが

 

「あんたら、互いに助けようとして、まったく信用していないじゃない」

 

「えっそんな事は俺は」

 

「そうだよ、私は」

 

「守ろうとした。

そうでしょ」

 

その言葉を聞くと、俺達は目を見開く。

 

「大切にするのは良い。

けど、互いに守りたいと思っているなら、背中を任せて、戦いなさい。

それが、今の状況での一番の信頼でしょ」

 

その言葉に俺達は

 

「そうかもな」

 

「うん」

 

互いに守りたいという思いは同じだった。

 

だけど、朝田のおかげで

 

「響」

 

「うん」

 

そう言い、俺達は一緒に立ち上がると

 

「「一緒に戦おう」」

 

その言葉と共に、響の胸元から出てきたのは二つのワンダーライドブックだった。

 

その内の一つは装填されている俺のブレイズドラゴンとソードアートオンラインを吸い込む。

 

「これって」

 

「どういう事だっ!

シンフォギアワンダーライドブックにそんな力は」

 

その現象に驚きを隠せないカリバーだったが

 

「知らないよ、そんな事。

だけど、これだけは分かる」

 

そう言いながら、俺は構える。

 

「これは、俺達の力だ」

 

【ソルスブライト・ドラゴン】

 

ワンダーライドブックから聞こえる音声と共に、俺はそのまま開く。

 

【民から崇められている太陽神の力を宿した龍】

 

【ドラゴンと人を繋ぎし手が新たな光を照らす】

 

【すなわち天下無双】

 

その音声と共に、俺は聖剣ソードライバーにソルスブライト・ドラゴンワンダーライドブックを装填し構える。

 

「変身!!」

 

【烈火抜刀!Balwisyall Nescell gungnir tron!アニヒレート・レイ!!ガングニール!!!ソルスブライト・ドラゴン!!】

 

その音声が鳴り響くと同時に、響と朝田の身体は光に消え、そのまま俺に吸い込まれる。

 

それと共に俺の装甲は太陽を思わせる鎧を身に纏い、背中には黄色と白の小さな剣が浮かぶ。

 

「ソルブライト・ドラゴン」

 

「ふぅ」

 

身体から湧き上がる熱はまるで太陽を思わせるように熱いが、心地良い。

 

宙に浮かんでいる俺はゆっくりと構えると、左手には弓が現れる。

 

【ソルス・ガングニール】

 

俺はそれに火炎剣烈火を装填する。

 

【太陽弓ソルス】

 

その音声が鳴り響き、火炎剣烈火の持ち手を掴み、ゆっくりと構える。

 

同時に火炎剣烈火から炎が溢れ、そのまま持ち手を離すと、カリバーとディビエルに向かって飛んでいく。

 

「ぐっ」

 

同時に俺は烈火を回すと形が代わり、籠手を思わせる形へと変わる。

 

【太陽籠手ガングニール】

 

その音声と共に、背中の剣から炎を噴出さえながら、カリバーに向けて一撃を与える。

 

「ぐっ」

 

その一撃を喰らいながら、後ろへと吹き飛ぶ。

 

「こんな所でぇ!!」

 

そう言い、受け止めた攻撃を吐き出すように手に持った剣を地面突き刺すと、それと共に、地面が大きく揺れる。

 

「うわっと!?

カリバーはっ」

 

そう言いながら、見つめた先には既にカリバーの姿はなかった。

 

周りを見ると、既に他のライダー達もいなくなっていた。

 

「とにかく、ディビエルをなんとかしないと」

 

そう言い、俺は手に持ったもう一つのワンダーライドブックをソルス・ガングニールにかざす。

 

【グリッドマン!】

 

「グリッド」

 

それと共にソルス・ガングニールを同時にクロスした両腕を大きく上に広げる。

 

それと共に光がソルス・ガングニールに貯まると

 

「ビーム!」

 

そう叫びながら、立てた左腕を突き出す。

 

それと共に巨大な光がディビエルへと激突する。

 

「ガアァァァア」

 

光の中へと吸い込まれたディビエルはそのまま消えていく。

 

「ふぅ、なんとか倒せたか」

 

そう言いながら、変身が解除されると共に、二人は元の格好へと変わっていた。

 

見ると、既に戦いは終わっており、集まりつつあった。

 

「それにしても」

 

同時に聖剣ドライバーから外れたソルスブライト・ドラゴンは再び3冊に別れ、ブレイブドラゴン、ソードアートオンライン、そして

 

「戦姫絶唱シンフォギア」

 

それが響が元の世界を舞台にしたワンダーライドブック。

 

このワンダーライドブックのおかげで生まれたソルスブライト・ドラゴン。

 

「さっき、何が起きたんだ」

 

「分からない。

ただ、3つのワンダーライドブックが一つになったぐらいしかな」

 

「とにかく、これで13冊のワンダーライドブックが揃いました」

 

そう言いながら、新堂達が取り出したのはワンダーライドブックだった。

 

各々が5冊のワンダーライドブック、そしてこれまで集めた8冊のワンダーライドブック。

 

それを俺達は合わせると、ワンダーライドブックは宙に舞い、まるで魔方陣を思わせる扉が現れる。

 

「これがアヴァロンの」

 

「どうやら繋がったようだな」

 

「なっ」

 

それを見ている間に後ろから聞こえてきた声を見ると、そこにはカリバーがいた。

 

カリバーはそのまま振り下ろすと、闇の斬撃に俺達はその場から離れた。

 

同時に魔方陣の扉の中へとカリバーが入っていく。

 

「待ちやがれ!!」

 

俺はすぐに聖剣ソードライバーとブレイブドラゴンを持って、カリバーの後を追う。

 

「飛羽真っ!」

 

響が呼び止める声が聞こえた瞬間、後ろを振り向いた時には既に扉が閉じられた。

 

同時に見えたのは

 

「なんだ、ここは」

 

周りに広がっている光景、それは花畑だった。



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原初のFate編
アヴァロン


「ここがアヴァロン」

 

周りを見渡す限り、広がっている謎の花畑。

 

未だに分からない事が多いこのアヴァロンでゆっくりと歩く。

 

「って、ゆっくりと歩いている暇はなかった!

カリバーが何を目的にしているか分からないけど、急がないと」

 

「その必要はない」

 

「その声は」

 

後ろを見ると、そこに立っていたのはカリバーだった。

 

「カリバーっ」

 

「お前一人か、ならばここでブレイブドラゴンと火炎剣烈火を頂く」

 

「簡単に渡すかよって」

 

そう言いながら、俺はすぐに聖剣ドライバーを取り出すが、手元にあるのはブレイブドラゴンだけだった。

 

ここに来る前にアヴァロンに持っているワンダーライドブックと一緒に他のワンダーライドブックも置いてきてしまった。

 

だからと言って、今は逃げる訳にはいかない。

 

「変身!」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎烈火が交わる時、深紅の剱が悪を貫く!】

 

その音声と共に、変身すると共に構える。

 

「どうやら、他のワンダーライドブックは持ってきてないようだな。

ならば、楽で良い」

 

「くっ」

 

その言葉と共にカリバーはその手に持った剣で攻撃を仕掛けてくる。

 

それに対して、俺はすぐに剣でその攻撃を受け止めるが、その攻撃を先読みしていたように蹴り上げる。

 

「やっぱりっ」

 

これまでの戦いでは、俺は数多くのワンダーライドブックを使い分けて戦ってきた。

 

戦いを乗り越えてきたが、それでも未だにカリバーの技量に届かず、勝てるビジョンが浮かばない。

 

「貴様は厄介だからな、ここで始末させて貰う」

 

【必殺リード!月闇必殺撃!習得三閃!】

 

「っ!!」

 

俺はすぐに剣を聖剣ドライバーに装填し、そのままトリガーを一回押す。

 

【必殺読破!ドラゴン一冊撃!ファイヤー!】

 

「はあぁぁ!!」

 

俺はそのまま身に纏った炎と共に迫り来る一撃に対応するように放つ。

 

だが、威力の違いもあり、俺はそのまま吹き飛ばされる。

 

「がっ」

 

俺はそのまま地面に倒れ、変身が解除される。

 

「さて、頂くとするか」

 

そう言い、カリバーの声が聞こえるが

 

「そういう訳にはいかないよ。

彼は僕のお客さんだから」

 

「っ!!」

 

その言葉と共に、周りに咲き誇っていた花は舞い散り、カリバーの姿が消えた。

 

「えっカリバーは!?」

 

「いやぁ、間一髪だったね」

 

そう言いながら、こちらに話しかける声が聞こえ、見る。

 

そこには白いローブを被っている人物がいるが

 

「あなたは」

 

「僕かい?

僕はこの世界の管理人でもあるお姉さんだよ」

 

そう言いながらフードを外して、その顔が見えた。

 

腰まで伸びた白い髪でエルフを思わせる耳、この世とは思えない妖艶さを持っているが、彼女は一体

 

「自己紹介がまだだったね。

僕の名前はマーリン、よろしく頼むよ、セイバー君」

 

「まっマーリン!?」

 

その名前は俺でも知っている。

 

確かアーサー王伝説で出てくる魔法使いじゃないか!

 

「だったら、このアヴァロンというのはアーサー王伝説に出てくる所なのか!」

 

「少し違うね」

 

そう言うとマーリンさんは笑みを浮かべながら言う。

 

「違う?」

 

「あぁ、ここはアヴァロンでもあるが同時にもう一つ役割を持っている。

君も既にここには二度、来ているが、まぁ覚えていなくても無理はない」

 

「二度って、どういう事ですか?」

 

そう言いながら、マーリンさんが杖を振ると共に映し出されたのは、俺が鋼の錬金術師ワンダーライドブックを手に入れた時の光景だった。

 

「これは、確かあの時にワンダーライドブックを手に入れた時の」

 

「そう、ここは君があのワンダーライドブックを手に入れた場所でもあるんだ」

 

「それって、つまりは真理の扉」

 

「まぁ、呼び方は色々とあるけどね」

 

そう言いながら、マーリンさんは目の前に机と椅子を作り出した。

 

「その辺も含めて、ゆっくりと話そうではないか」

 

「いや、でもカリバーが」

 

「彼に関しては安心したまえ。

この場所が見つかる事はない。

それに、奴は目的の方を優先するだろうし、それはこちらにある」

 

そう言って、マーリンさんがワンダーライドブックを取り出したが

 

「まぁ交換条件だ。

君に知ってもらいたい事を知って貰う代わりに、このワンダーライドブックを渡そう」

 

「それで良いんですか」

 

俺としても、知りたい事があるのだからありがたいが、どうして。

 

「なに、それが僕の目的でもあるからね。

さぁ、座りたまえ」

 

その言葉に従うように俺もまた座る。

 

「さて、まずはこの場所についてだね」

 

「そうだった、ここって、結局どういう場所なんですか?」

 

アヴァロンと聞いていたが、実際に俺は二度ここに来た事があるらしい。

 

一つは鋼の錬金術師ワンダーライドブックの件だと分かったが、もう一つって

 

「まぁね。

そうだね、呼び方は色々とあるけど、まぁ最も呼ばれている名としては」

 

そうため込むように笑みを浮かべると

 

「根源だね」

 

そう意味深に言うが

 

「根源って、なんですか?」

 

俺は思わず呟いてしまう。



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根源の真実

「さて、まずは何かな話そうか」

 

そう言いながら、笑みを浮かべ続けるマーリン。

 

「そもそも、さっきの話で疑問だったんだけど、最初の一回目は何時なんだ?

悪いけど、俺には」

 

「あぁ勿論知っているよ、

君にはその記憶がないのも」

 

そう言ったマーリンはそのまま話を続ける。

 

「まず初めの融合。

つまりはカリバーが裏切った所から始まるんだ。

彼は何を求めて根源に手を伸ばしたのか、さっぱり分からないけど、その行動によって、見事に君の世界と、立花響の二つの世界が融合したんだ。

その時だよ、君が根源に来たのは」

 

その言葉に俺は思わず見開く。

 

まさか、カリバーが行った世界の融合によって、俺のこの能力を得れたなんて。

 

「その時に、何が」

 

「あぁ、その時、融合した世界を守る為に抑止力が君にその能力を付与させたんだ」

 

「抑止力というのは?」

 

「まぁ簡単に言うと、人間を守る存在と星を守る存在の二つが存在する。

だが、この場合、カリバーが行ったのは、その両方を敵に回す行為だったんだ」

 

「そこまでの事」

 

「当たり前だよ。

なんだって、異なる世界を無理矢理一つにする行為は世界の崩壊を容易にさせることができる行為だからね」

 

それを聞けば、確かに分かるが

 

「でも、なんで夢で?」

 

「融合しかけた世界に本来ならば召喚できる存在は、あまりにも強すぎて、召喚した瞬間に融合した世界が消滅させる可能性があるからね。

力だけを渡す方法として、根源にある記録を君に夢という形で渡す事によって、力を渡していたんだ」

 

「それが、俺のワンダーライドブックを作る能力の正体」

 

「ふふっ驚きを隠せないようだね」

 

「それはまぁ」

 

これまで謎だらけの事が一気に分かれば、誰だってそう思う。

 

けど、だとしたら

 

「このブレイブドラゴンは一体」

 

「さぁね。

そこから先は君が見つけなければならない。

それに、もう時間のようだ」

 

その言葉と共に急に花弁によって、視界を覆われる。

 

「また、君に会えるのを楽しみにしている」

 

「待って」

 

俺はそう呼び止めようとしたが、既にマーリンはそこから姿が消えた。

 

「結局力の事しか分からなかった」

 

それだけでも収穫だけど、これからどうすれば

 

「見つけたぞ」

 

「っ!!」

 

その言葉と共に振り返ると、そこにはカリバーが立っていた。

 

「カリバー」

 

「丁度良い、この力を試すにはな」

 

その言葉と共に取り出したのはワンダーライドブックだったが、あれは

 

【ジャアクリード!ジャアクアーサー!】

 

その音声と共に、カリバーの剣を持っていない方の手には巨大な一本の剣が現れた。

 

「なんだ、それは」

 

「キングエクスカリバー。

名前は聞いたことがあるだろ」

 

「エクスカリバー」

 

その名前を聞けば、誰でも知っている聖剣だと分かる。

 

まさか、ただでさえ強いカリバーにそんな力を手に入れたとは

 

「ここで始末して、貴様のブレイブドラゴンを頂く」

 

「こっちだって、ただで倒されるつもりはない」

 

もしも、マーリンの言葉が信じれば

 

「変身!」

 

【烈火抜刀!ブレイブドラゴン!】

 

俺は変身すると共に、ワンダーライドブックを作るのをイメージするが、何をイメージすれば良いんだ?

 

エクスカリバーに勝つ剣って、一体

 

「ふっ」

 

「っ!!」

 

そうしている間にカリバーは手に持ったキングエクスカリバーをこちらに向けて投げた。

 

その瞬間、キングエクスカリバーは瞬く間に巨大化し、ロボットへとなった。

 

「しまっがぁ!!」

 

ロボットになったキングエクスカリバーはそのまま俺に向けて剣を振りかざす。

 

その攻撃を避ける事ができず、俺はそのまま倒れてしまい、聖剣ドライバーに装填されていたブレイブドラゴン外れてしまう。

 

「貴様のブレイブドラゴン、確かに貰った。

あとは、死んで貰う」

 

そう言い、こちらに向けて、殺気を向けていた。



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想像するのは最強の自分

「ぐっ」

 

迫り来るキングエクスカリバーに対して、俺はすぐにその場から避ける。

 

目の前に迫る脅威に対して、今の俺は聖剣ドライバーしか武器はない。

 

「だとしてもっぐっ!!」

 

迫り来る攻撃に対して、俺は聖剣ドライバーを盾代わりにする事しかできない。

 

「ブレイブドラゴンがなければ、その程度だな」

 

そう言い、カリバーはそのままキングエクスカリバーをそのまま手元に戻して、ゆっくりと迫る。

 

「貴様の想像力など、その程度。

この王の剣で死ぬが良い」

 

そう言いゆっくりと迫る。

 

こんな時、本当に俺は何もできないのか。

 

こんな時

 

「こんな時に」

 

その言葉で、俺は落ち着きを取り戻すように息を吸う。

 

そうだ、あの時マーリンはなんて言った。

 

夢という形で渡した。

 

それは俺に物語として見ていた。

 

つまりは

 

「なんだ、簡単な事だったんだ」

 

そう言い、俺はゆっくりと手を前に伸ばす。

 

「何のつもりだ?」

 

「ワンダーライドブックの作り方だよ。

夢の中でとか、根源の繋がりとか、そんな難しい事を考えなくても良かったんだ」

 

その言葉と共に、俺の手元に光が集ってくる。

 

「なっ、なぜ、ワンダーライドブックがっ」

 

そこには3冊のワンダーライドブックが現れると、そのまま俺の聖剣ドライバーに装填される。

 

「ふぅ」

 

イメージするのは常に最強の姿。

 

未だに見ぬ、英雄の姿と共に駆け抜ける自分を思い浮かべる事。

 

それが、ワンダーライドブックを作り出す方法。

 

「変身!!」

 

俺は剣を引いた。

 

【烈火抜刀!それぞれの思惑がぶつかる時。AIの剣が夢を叶える!

ZERO-ONERIDER!】

 

その音と共にベルトから飛び出て、現れたのは飛蝗と狼に蠍など、多種多様な半透明な生物達が現れる。

 

【ゼロワン三冊!夢を叶えた人工知能の剣が今ここに!】

 

それを最後に、そのまま俺の元へと集い、姿を変える。

 

飛蝗を中心に、様々な生物が合わさった鎧へと変わり、これまでのセイバーとは違うデジタルを思わせる鎧へと変わる。

 

「なんだっ、その姿はっ!」

 

その言葉を聞きながら、ワンダーライドブックから伝わる意思と共に俺は宣言する。

 

「俺はセイバー!

ゼロワンを受け継ぐライダーだ」

 

「ゼロワン、なんだそれはっ」

 

「仮面ライダーだよ。

まぁ、俺達の先輩だけどな」

 

その言葉と共に、俺はそのまま剣をベルトに装填し構え、走り出す。

 

それに合わせるように、俺の身体は様々な色の光と共に一気にカリバーに接近する。

 

「っ!!」

 

すぐに俺の攻撃を受け止めるように、カリバーは両手の剣でその攻撃を受け止めるが、俺はそのまま地面を蹴り、上空に飛ぶ。

 

同時に手元には銃が現れ、そのままカリバーに向けて引き金を引く。

 

それに合わせるように、背後から出てきたのは青い銃と紫色の弓が現れ、そのまま一緒にエネルギー弾がカリバーに向かっていく。

 

「この程度の数」

 

そう言い、カリバーは闇黒剣月闇でその攻撃を全て受け止めると共に、キングエクスカリバーで打ち返す。

 

だが、それに合わせて現れる新たな剣と共に、ベルトに装填されている火炎剣烈火と合体させながら、その攻撃を受け止める。

 

「なんだ、それは」

 

「予測のその先の力だ」

 

【牙狼!ふむふむ!習得一閃!】

 

それと共に、合体した剣から生まれた緑色の炎で一閃

 

【ジード!なるほどなるほど!習得二閃!】

 

同時に黒と白の雷の光で一閃、二つの光が十字となって、カリバーへと向けて放つ。

 

「ぐっ、がぁ!!」

 

その攻撃を受けて、カリバーの手元からキングエクスカリバーが離れる。

 

「くっだがぁ!!」

 

その言葉と共にキングエクスカリバーは巨大なロボとなって、現れる。

 

「お前を止められるのはただ一人、この俺だ!!」

 

その言葉と共に、俺は火炎剣烈火を再びベルトに装填し、トリガーを押す。

 

【必殺読破!滅亡!AIMS!秘伝!三冊撃!ファ・ファ・ファイヤー!!】

 

その音声と共に、俺は走り出すと、俺の後ろを追うよう無数の狼がキングエクスカリバーが取り押さえる。

 

そして、腕から出てきた尻尾はそのまま俺の足と一体化し、ジャンプ。

 

「はああぁぁあ!!」

 

そのままキングエクスカリバーに向けて、ライダーキックを叩き込む。

 

その一撃を喰らい、後ろに倒れながら、ゆっくりとキングエクスカリバーは爆散する。

 

「キングオブアーサーがっ」

 

それと共にカリバーの元にあったキングオブアーサーと奪われたブレイブドラゴンが手元に戻る。

 

「ブレイブドラゴンは返して貰った」

 

「ちっ」

 

その言葉と共に、カリバーは走り去った。

 

その先には魔方陣が展開されていた。

 

「行ってしまった」

 

追いかけても、果たして追いつけるかどうか分からない。

 

俺はゆっくりとその場で座り込む。

 

「お疲れ様だったね」

 

「えっマーリン!?」

 

俺は後ろを見ると、そこにはマーリンが立っていた。

 

「さっき別れの挨拶をしたばっかりだったのに、再会できる早すぎない」

 

「そうだね、まぁ君も向こうに戻るようだからね。

最後に、これからの君の道標だけを教えようと思ってね」

 

「道標?」

 

その言葉に俺は首を傾げる。

 

「このアヴァロンへと続く為のワンダーライドブック。

その内、君はまだ5つの世界には向かっていないはずだ」

 

「それは確かに」

 

あの5冊の本はカリバー達から奪った本だけど

 

「それが何か関係あるのか?」

 

「さぁ、それは行ってみてからの楽しみだ」

 

その言葉と共にその場から俺は瞬く間に街の中へと移動していた。

 

「元の世界に戻った」

 

そう言いながら、手元を見ると、手に入れたはずの6つのワンダーライドブックの内、キングオブアーサーと牙狼、ジードしか残っていなかった。

 

「あっ飛羽真!!」

 

そう言いながらこちらに手を大きく振る響達の姿を見て、少しほっとする。




「見事、カリバーを撃退する事ができた神山飛羽真。
ですが、戦いは未だに終わっていないようですね」

「君は相変わらず、こんな所にいるんだね」

「おやおや、マーリン様じゃないですか。
遊びに来たんじゃないですか?」

「なに、私も神山飛羽真の活躍を見たいと思っただけさ」

「そうですか、では一緒に見ていきましょう。
神山飛羽真達、ソードロゴスとカリバーが率いる裏切りのライダー達の戦いを」


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喪失のゲゲゲの鬼太郎編
妖怪忍者現る


新たにディビエルに関する募集を行っています。
参加、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=251264&uid=45956


「本当に、別の世界がここなのかな?」

 

そう言いながら、俺達が向かったの商店街だった。

 

以前、朝田と一緒に来た事はあるが、

 

「そう言っても、ここ以外には手掛かりはないんでしょ」

 

「まぁそうだけど」

 

俺がアヴァロンに戻った後、マーリンから聞いた話を皆に言う。

 

それと共に、各々が手に入れたワンダーライドブックの世界で調査する事になった。

 

今回は俺と緋道で一番近くの街で調査していた。

 

「だけど、このワンダーライドブックの絵柄、結構変わっているよね、不思議だよね」

 

「まぁそれはな」

 

見ると、タイトルは【ゲゲゲの鬼太郎】と描かれているが、未だに定まっていない様子。

 

だが、もしもここで何が原因が分かれば

 

そう思っていると、ビルが突然爆発する。

 

「爆発!?!」

 

驚きを隠せない間に、俺達の周りを囲むように赤い翼が舞っていた。

 

その翼が舞っている場所に向けて、目を向けると

 

「あれは、ディビエルっ!」

 

その言葉と共に見つめた先に現れたのは鷹を思わせるディビエルがその姿を現す。

 

それと共に緋道と目を見合わせ、そのままワンダーライドブックを構えると

 

「へぇディビエルを試しに作ってみたけど、やっぱり出てきたんだ、飛羽真君」

 

「んっ?」

 

聞こえてきた声、俺は後ろを向くと、そこには忍者を思わせる刀を腰に差している男がおり、見る限り、俺と同じ制服を着ているようだけど

 

「誰だ」

 

「おいおい、親友の顔を忘れるなんて、酷いじゃないか。

まぁ、でも良いか」

 

そう言いながら取り出したのはワンダーライドブックだった。

 

【かつて、人々に恐怖を抱かせた八つ首の大蛇がいた】

 

「そのワンダーライドブックはもしかして」

 

それに見覚えがあったのか、緋道は驚きながら見ているが、もしかして

 

腰に帯刀してある剣にワンダーライドブックをセットさせ抜刀し、そのまま剣地面に突き刺してトリガーを押した。

 

それによって、ワンダーライドブックブックが開き

 

「ふっ変身」

 

【憑依合体!八首ノ大蛇!壱ノ型!降霊!弐ノ型!憑依!!妖魔剣 霊妖!】

 

その音声と共に地面から出てきた蛇が現れ、そのまま目の前の男に身に纏い、爆散する。

 

同時に現れたのは、以前の戦いで見たライダーの内の一人だった。

 

「仮面ライダーシャドウ、押して参るってね!!」

 

「へぇ君だったの。

だったら、あの時の続きをしようか」

 

その言葉と共に、緋道もそのまま剣斬に変身し、そのままシャドウに向かっていく。

 

「あっ緋道!

まったく、仕方ない!!」

 

今はあのディビエルを放っておく方が危険だ。

 

俺はすぐにブレイブドラゴンを聖剣ドライバーに装填し、走り出す。

 

「変身!!」

 

俺はそのままセイバーに変身すると、ディビエルはそのまま宙を飛びながら、こちらに向けて攻撃を仕掛ける。

 

その身に生えた翼をまるで銃を思わせる鋭さでこちらに向かって襲い掛かる。

 

「そっちが空を飛ぶんだったら、こっち使わせて貰うぜ」

 

その言葉と共に、俺はすぐにワンダーライドブックを取り出し

 

【とある普通の中学生が仲間と共に戦いマフィアのボスになるための壮大なる物語】

 

俺はそのまま新たなワンダーライドブックをそのまま聖剣ドライバーに装填すると共に、一気に引き抜く。

 

【烈火抜刀!龍の炎と死ぬ気の炎の力が合わさる時、限界を超える力がこの身に宿る!ワンダーライダー!ドラゴン!REBORN!】

 

その音声が鳴り響くと同時に、左側から出る炎の勢いと共に、ディビエルに急接近し、剣を振り下ろす。

 

「っ」

 

ディビエルはそのまま翼による攻撃を仕掛けてくるが、両手で火炎剣烈火を持ち、振り上げる。

 

それによって、左側から出てくる炎と共に放たれた炎の壁によって、翼は瞬く間に燃やされる。

 

「悪いけど、すぐに終わらせる」

 

そう言い、俺はすぐに火炎剣烈火を聖剣ドライバーに装填し、すぐにトリガーを二回押す。

 

【必殺読破!ドラゴン一冊撃!ファ・ファイヤー!】

 

それと共に、俺は左手を後ろに右手をディビエルに向けると共に

 

「ドラゴンバーナー!」

 

その一言と共に放たれた巨大な炎のドラゴンがディビエルを捕らえ、そのまま喰らう。

 

「っ!」

 

炎に包まれたディビエルはそのまま爆散した。

 

同時にディビエルの身体から飛び出たのは

 

「うわっと、なんだ、ワンダーライドブック?」

 

気になって、見てみると、そこには【ストームイーグル】と書かれていた。

 

「これは一体」

 

「ぐっ」

 

そうしている間に、見てみると、剣斬がシャドウの戦いに苦戦していた。

 

「緋道、たくっ」

 

いきなり出てきたワンダーライドブックに疑問に思いながらも、俺はすぐにワンダーライドブックを聖剣ドライバーに装填し、引き抜く。

 

【烈火抜刀!烈火抜刀!竜巻ドラゴンイーグル!

龍の炎と死ぬ気の炎の力が合わさる時、限界を超える力がこの身に宿る!ワンダーライダー!ドラゴン!REBORN!】

 

その音声と共に、俺の胴体には赤い鷹を思わせる鎧を身に纏う。

 

同時に俺はシャドウに向かって、飛び、そのまま火炎剣烈火で攻撃を仕掛ける。

 

「えぇ、もう終わっちゃたの?

まぁ別に良いけど」

 

【この九つの尾を持つ狐が吠えし時、全ては絶望へと変わる】

 

手に持ったワンダーライドブックをそのまま装填し、再び開く。

 

それと共に胴体には狐を思わせる模様が現れ、こちらに向けて無数の尻尾と蛇が襲い掛かる。

 

「ふっほっよ!!」

 

「うわっと、まったく面倒だなぁ!!」

 

そう言いながら、俺達はその攻撃を受け流してると、攻撃の一部がビルに当たり

 

「っ」

 

ビルの破片がその下にいた女の子に向かって、襲い掛かる。

 

「なっこのままじゃ」

 

俺はそう言い、右手の炎の加速と共にその瓦礫を斬り燃やす。

 

「ふぅ」

 

そう俺は女の子の無事を確認するが、同時に蛇が襲い掛かる。

 

「っ!!}

 

「思ったよりもあっさりと終わっちゃうけど、まぁそれも良いか」

 

そう言って、シャドウはこちらに向けて、攻撃を仕掛けようとしたが

 

「リモコン下駄」

 

「えっ?」

 

聞こえてきた声に見ると、そこには下駄があり、蛇達を貫いていく。

 

「下駄?」

 

「っ」

 

驚いている間にも、シャドウに向けて、無数の攻撃が襲い掛った。

 

それに対して、シャドウはそのまま後ろへと下がり

 

「あぁ、残念。

今日はここまでかぁ、じゃあね、飛羽真君」

 

「待て!」

 

俺はすぐに呼び止めようとしたが、既にそこにはシャドウはいなかった。

 

「今の攻撃は?」

 

俺は気になり、周りを見るが、誰もいなかった。

 

 



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盲目な友情

今回の話ではディビエルは烈 勇志さん、剣斬は龍神アンサーさん、そして最後のページではいりごま塩さんの協力もありできました。
これからも、よろしくお願いします。


あの戦いの後、緋道はすぐにシャドウの行方を追う為に別行動を取った。

 

俺は気絶している彼女をさすがに放っておく訳にはいかないので、近くのベンチに寝かせ、しばらく様子を見ていた。

 

「えっと、危ない所を助けてくれて、ありがとうございます」

 

俺が助けた女の子が起き上がるのを確認し、俺は安心する。

 

「しかし、良かった、気絶してから、ずっと起きなかったから」

 

「ごめんなさい、なんというか、いきなりの事で驚いて」

 

その一言には俺も頷くしかない。

 

普通はあんな事に巻き込まれる事はないので、驚きを隠せないのも無理はない。

 

「あっそう言えば、自己紹介が遅れました!

私の名前は犬山まな、一応高校一年生です」

 

「あぁ、俺は神山飛羽真。

まぁ、少し訳があって、ここで調べ物に来たんだ」

 

「捜し物ですか?」

 

そう言いながら、首を傾げながら聞いてくる。

 

「まぁ、それも手掛かりは見つかった」

 

あの戦いの最中に出てきた謎の攻撃。

 

もしかしたら、未だに謎に包まれているゲゲゲの鬼太郎の謎を解く鍵があるかもしれない。

 

「あれ、まなですか?」

 

「んっ?」

 

そう話していると、後ろから犬山さんに話しかけている声が聞こえ、俺は振り向く。

 

そこにいたのはバッテンの髪留めが特徴的な金髪の女の子がいたが、知り合いだろうか?

 

「あっ切歌ちゃん!」

 

「知り合い?」

 

「はい、クラスメイトの暁切歌ちゃんです」

 

「まなちゃん、この人は誰ですか?」

 

「いやぁ、実はさっき危ない所を助けてくれた人の神山飛羽真さんです」

 

「そうだったんですか。

まなちゃんを助けてくれて、ありがとう!」

 

そう言って、暁さんはお礼を言ってくれる。

 

「いや、当然の事だ、んっ?」

 

そう言っていると、懐にあるワンダーライドブックに反応があった。

 

それは俺が預かっている戦姫絶唱シンフォギアワンダーライドブックだった。

 

そこには響が中央で突き出している絵が描かれているが、一つの人影が浮かんでいるが、未だに人影は完全に姿は現していない。

 

「どういう事だ、これは?」

 

未だに疑問が多いが、少しでも手掛かりが欲しい。

 

「少し聞きたいけど、二人はゲゲゲの鬼太郎って、知っている?」

 

「ゲゲゲの鬼太郎?

それって、都市伝説の?」

 

「都市伝説?」

 

その言葉に疑問に思っていると暁ちゃんが取り出したのはスマホだった。

 

そこには一人の少年の画像が写されていたが

 

「ゲゲゲの鬼太郎。

妖怪ポストに手紙を入れたら、助けてくれるという正義の妖怪」

 

「正義の妖怪」

 

それを聞けば、確かにワンダーライドブックになっていても可笑しくない。

 

「飛羽真君は、既に休憩は大丈夫のようだね」

 

「っ!!」「今の声って!」「なに?」

 

突然聞こえてきた声、振り向くと、そこにはシャドウがその姿を現していた。

 

「二人共、少し下がっていて」

 

俺はゆっくりと聖剣ドライバーと共にブレイブドラゴンと牙狼ワンダーライドブックを装填する。

 

「変身!」

 

【烈火抜刀!ドラゴン!牙狼!二つの炎が交わる時、新たな力が宿る!ワンダーワンダー!】

 

その音声と共に俺の胴体に黄金の狼の顔が胴体が印象的な鎧を纏う。

 

「へぇ、また新たな姿なんだ!

でも、こっちにもまだまだいるよ!」

 

その言葉と共に空から出てきたのは雲に乗った猿のディビエルであり、こちらに向かって襲い掛かる。

 

「えぇ!?

何が起きているんですか!?」

 

「切歌ちゃん、とにかくこっち」

 

そう言いながら犬山さんと暁ちゃんはそのまま後ろに下がるのと同時にシャドウとディビエルが一斉に襲い掛かる。

 

シャドウは蛇、ディビエルは伸縮自在の棒でこちらに攻撃を仕掛ける。

 

しかも、ディビエルが操っている雲によって、俺を取り囲むように攻撃を仕掛ける。

 

「どうだい、なかなかに楽しいだろ、飛羽真君!」

 

「さっきから思っていたが、誰だお前は」

 

「酷いじゃないか。

僕は君に助けられて、それ以来親友だと思っていたから」

 

そう言って、俺に向けて、攻撃を仕掛けるシャドウ。

 

「親友だ?」

 

そんな記憶はない。

 

だが、鋼の錬金術師ワンダーライドブックの事もあって、それが本当なのかどうか分からない。

 

「そんな飛羽真君にはお仕置きだよ!!」

 

そう言い、シャドウはそのまま上空へと飛ぶと

 

【鬼伝説!ドロドロ!妖魔速読撃!ドロドロ!!】

 

「っ!!」

 

その音声が鳴り響くと共に上空から襲い掛かる巨大な鬼の金棒。

 

それに対して、俺はすぐに剣を構えるが、攻撃を受けきれず、そのまま後ろへと飛ぶ。

 

「ぐっ」

 

「さすがさすがぁ!!

でも、まだ遊びは終わらないよ!!」

 

そうシャドウは飛びだそうとした時だった。

 

「止めてください!!」

 

そう言って、叫んでいたのは犬山さんだった。

 

「なんで、こんな事できるんですか!!

友達だったら、なんで簡単に傷つけられるんですか!!」

 

「えぇ、だって、これは遊びだよ。

遊びだから、別に良いじゃない」

 

「そんなの可笑しいよっ」

 

「はぁもぅ良いよ。

君、さっさと死んでよ」

 

その言葉と共に、犬山さんに向けて刃を向けるシャドウ。

 

「止めろ!!」

 

俺はそう言い、走ろうとした時だった。

 

無数の髪の毛がシャドウへと襲い掛かった。

 

シャドウは再び後ろへと下がった。

 

「今のは」「えっ」

 

驚きを隠せない中で、犬山さんは先程までシャドウの殺気をまともに浴びていたのか再び気絶する。

 

だが、そんな彼女を支えるように後ろから誰かが駆け寄る。

 

「正直、人間の争いに関わるつもりはなかった。

でも、お前が持っているそれらは妖怪にとっても恐ろしい力だ。

だから、悪いけど、介入させてもらう」

 

「まさか」

 

「君は」

 

「ゲゲゲの鬼太郎」

 

そこに現れたのはなんと先程画像で見せてくれたゲゲゲの鬼太郎だった。

 

「ふぅ、間に合った?」

 

そう言いながら、駆けつけてくれたのは剣斬だった。

 

「また、お前か。

今はお前よりも飛羽真君と遊びたいんだけどなぁ」

 

「どうでも良いよ。

俺はお前を倒す事しか興味ないから」

 

「どうでも良いよ、だってお前は俺の親友じゃないから」

 

「親友?

何を言っているの」

 

そう言いながら、剣斬はゆっくりとシャドウに剣を向ける。

 

「友達という理由で傷つけないで欲しいなぁ?

俺、そういう弱さ、一番嫌いなんだよね」

 

「へぇ、言うじゃない、だったらお前の強さってなんなの?」

 

「そんなの決まっているじゃん」

 

そう言い、自信満々に自分に指を指す。

 

「俺だ!」

 

「はぁ」

 

その一言に周りは冷めてしまうが

 

「それに、友達を傷つけるってのも、気に入らないからね」

 

「最初から、そう言えよ」

 

その一言に少し納得してしまう。

 

「友達を傷つけるのは嫌いですか」

 

俺の懐にあったワンダーライドブックの一つである戦姫絶唱シンフォギアが光り輝く。

 

「これは」

 

見ると、そこには暁さんが響と同じような鎧を身に纏っている姿があり、それに釣られるように、俺の懐から一冊のワンダーライドブックが飛び出す。

 

そしてもう一冊緋道の懐にあったワンダーライドブックが出てきた。

 

【NARTO疾風伝】【FAIRY TALE】

 

「あっこれって賢人君から預かっていたワンダーライドブック?」

 

「これって、もしかして」

 

俺がソルスブライト・ドラゴンを発動させた時と同じ状況。

 

そう思っている内に、緋道の猿飛忍者伝が離れ、三つのワンダーライドブックが融合していく。

 

【疾風忍者伝説】

 

「うぉ凄い!

だったら」

 

その変化に驚いている間に緋道はそのままワンダーライドブックを起動させる。

 

【人々から崇められし天竜の力を得た忍】

【全てを吹き飛ばす力を宿した忍は新たなる力で最強を目指す】

【それすなわち疾風怒濤】

 

「変身!」

 

【双刀分断!壱の風、手裏剣!弐の風、二刀流!風双剣翠風! 】

【翠風の巻!神秘の風を纏いし双剣が、今、新たなる忍者伝説を刻み込む!!】

 

その音声が鳴り響くと共に、これまで軽装だった剣斬に新たに鎧が加わり、歌舞伎に出てくる白い髪が備わり、背中には二本の忍者刀、さらには腰には巻物などこれまで以上に忍者を思わせる姿に変わった。

 

「新しい姿」

 

「これが合体したワンダーライドブックの力か!

試してみるか!!」

 

そう言い、剣斬の地面から煙が出てくると共にその姿を消した。

 

一瞬戸惑っている間にディビエルの背後には剣斬が現れ

 

「それぇ!!」

 

「ぎっ」

 

驚いている間にも、剣斬が斬り、ディビエルはすぐにその場から逃げ出す。

 

だが、それよりも早く剣斬が腰の巻物を投げると、そこから巨大な蝦蟇の舌が現れ、ディビエルを叩きつける。

 

「ぐっぎぃ!?」

 

「一気に決めるよ!!」

 

【疾風忍者伝説!ニンニン!翠風速読撃!ニンニン!】

 

その音声と共に、剣斬の姿は何十と現れ、手に持った剣を投げつける。

 

それによって、無数の剣がディビエルを襲い、そのまま切り刻むと共に消滅する。

 

「こうもあっさりとかぁ」

 

その爆発の中、一冊のワンダーライドブックが俺の手元へと来る。

 

「良いよ、面白くなってきたよ。

だったら、少しは本気を出さないとね!!」

 

そう言い、シャドウもまた、新たなワンダーライドブックを取り出し、剣に装填する。

 

【妖怪絵巻!九尾の力が宿りし刀が、全ての命を狩り尽くす!】

 

【妖怪絵巻!鬼神の力が宿りし刀が、全ての命を狩り尽くす!】

 

その音声と共にシャドウの身体には九尾の鎧、右腕には鬼の顔が現れる。

 

まさに日本を代表する妖怪達が揃っているようか感覚だ。

 

「向こうも盛り上がっているけど、いけるよね、飛羽真」

 

「あぁ勿論だ、鬼太郎さんもいけるか?」

 

「ここまで来たからね、付き合うよ」

 

その言葉を聞き、俺はすぐに新たなワンダーライドブックを取り出す。

 

【とあるお猿さんの冒険記、摩訶不思議なその旅の行方は…】

 

その音声と共に、俺はストームイーグルを取り出し、二冊のワンダーライドブックを装填する。

 

「変身!」

 

【烈火抜刀!語り継がれし神獣のその名は!クリムゾンドラゴン!】

 

【烈火三冊!真紅の剣が悪を貫き、全てを燃やす!】

 

鳴り響く音声と共に、これまで以上に赤く統一された姿になり、全身が燃えるような感覚と共に俺は変身を完了する。

 

「物語の結末を決めるのは、俺達だ!」

 

その言葉と共に、俺達はシャドウに向けて構える。

 

ーーー

 

「アヴァロンで十分な成果は得られた」

 

暗闇の空間において、カリバーはそう呟きながら、近くにある机に並んでいたワンダーライドブックに目を向ける。

 

「これが、君がこれまで行ってきた事かい?

随分と時間がかかってようだけど」

 

そう言いながら、カリバーに近づくのは静鞠だった。

 

「あぁ、真理への道は既に理解した。

あの場で全てのワンダーライドブックを奴らに渡したのは計画としては上手くいった」

 

「そうか、私としては、もう少し飛羽真君の活躍を見ていたいけどな」

 

「向こうに行くつもりならば、好きにしろ」

 

そうカリバーは興味がないように呟くが

 

「いや、それはないね。

あそこはあまり面白くないからね。

私は私個人として、飛羽真君の力を手に入れたいからね」

 

そう満月を思わせる笑みを浮かべる静鞠に対して、興味がないように机の上を見つめながら、一冊の本を掴む。

 

【 DEATH GUNNER】

 

それは飛羽真が初めての相手でもあるデスガン・ディビエルを作り出す為のアルターワンダーライドブックだった。

 

それが始まりと共に

 

【月の鬼 累】【暴食のグラトニー】【電脳悪魔黙示録】【大邪龍プロトン】【革新者達の法律書】

 

次々と鳴り響くアルターワンダーライドブック。

 

それは飛羽真が数々の激戦を繰り広げたディビエル達のアルターワンダーライドブックであり、そこから溢れ出る闇はカリバーの手元にあるワンダーライドブックへと注がれていた。

 

「これはこれは」

 

その光景を見つめる彼女は不思議そうに見つめるが

 

「私自身も真理から僅かだが知識がある。

そして、これまで理解できなかったこれも発動できるようになった」

 

その一言と共に、集まった闇はやがて払われ、一冊のワンダーライドブックが姿を現した。

 

「それで、そのワンダーライドブックでどうするつもりだい?」

 

「無論、真理への探究だ」

 

【ジャオウドラゴン】



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妖怪忍者、闇に消える

仮面ライダーシャドウこと、紅 龍馬は飛羽真の中学時代の同級生だった。

 

だが、彼の中学時代のほとんどは引きこもりであった。

 

そんな彼を助けたのは他でもない飛羽真だった。

 

当時、紅の近くに住んでいた事もあり、飛羽真が彼の家にプリントを届けていた。

 

その時に、飛羽真は玄関でよく紅におすすめの本や学校での出来事などを話していた。

 

それがきっかけとなり、紅は飛羽真と同じように高校に対して夢を持つようになり、高校へと入る事になった。

 

だが、高校へと入る直前、彼は妖魔剣 霊妖に選ばれた。

 

ソードロゴスにスカウトされた彼は、これまで自分が見る事ができなかった世界、そして飛羽真を守る為に自ら仮面ライダーとして戦い続けた。

 

数多な戦いを繰り広げてきた彼は、キュウビディビエル、オーガディビエルなどの名のあるディビエルを倒していった。

 

だが

 

「なるほど、その実力、なかなかに面白い」

 

「えっ?」

 

そんな彼に静鞠が接触した。

 

先輩の剣士として、彼女を知っていたので、疑問に思った紅だったが

 

「君、世界を壊すのに興味はないか?」

 

「世界を壊すって、何を言っているんですか」

 

「世界を壊す事ができれば、強い奴にも戦えると思うけどなぁ」

 

「興味ありません。

俺は飛羽真との約束の為に、世界を守ると決めたので」

 

紅はそう言い、誘いを断るが

 

「そうか、だけど君のその剣。

僕とは相性が良いからね」

 

その言葉と共に、静鞠は手を紅に翳すと共に出てきた闇が静鞠から現れ、紅を覆う。

 

「これはっがっ!」

 

それと共に紅の腰に差している剣から、溢れ出る闇を覆う。

 

「妖魔剣 霊妖。

日本の妖怪などの力を使って戦う剣。

だが、そのコントロールは難しく、僕のような呪いが加われば、簡単に変える事ができる」

 

「がっああぁ!!」

 

その言葉と共に、徐々に紅の瞳は黒く禍々しく変わっていく。

 

「俺は、飛羽真の、飛羽真と」

 

そう言いながら、悶えながら、彼の中にある飛羽真との友情は

 

「飛羽真と戦いたい!!」

 

歪まれた。

 

ーーー

 

「はあぁぁ!!」

 

シャドウはその雄叫びと共に右腕から蛇が現れ、そのまま飛羽真達に襲い掛かる。

 

「はぁ!!

 

それに対して、飛羽真は左手を翳すと、そこから現れたのは伸縮自在の如意棒だった。

 

襲い掛かる蛇に対して、変幻自在の如意棒による防御によって、攻撃を受け流していく。

 

そんな攻防の中で、鬼太郎は霊毛ちゃんちゃんこを腕に巻き付け、そのままシャドウに向けて殴る。

 

「はぁ!!」

 

それに対抗するようにシャドウは鬼の腕でその攻撃を受け止める。

 

地面を割る程の剛力同士の激突は地面を揺らしながらも、それでも攻撃の手を緩める事はなかった。

 

「油断大敵!!」

 

その一言と共にシャドウの死角に回っていた剣斬はその手に持った剣でシャドウに斬りかかるが、シャドウの背中から生えた狐の尻尾によって、その攻撃を防ぐ。

 

「マジで、うわぁ!?」

 

襲い掛かる尻尾に対して、剣斬はそのまま分身を行いながら、攻撃を避けていく。

 

「八岐大蛇、九尾の狐、鬼。

日本でも有名な三大妖怪の力の力を宿しているだけはあるな」

 

そう言いながら、鬼太郎は後ろに下がりながら、牽制を行うように髪の毛針を放っていく。

 

だが狐の尻尾によって、それらは全て払われる。

 

「もしかしたら、鬼太郎さん」

 

その時、飛羽真は懐にあるワンダーライドブックの変化に気づき、そのまま鬼太郎に向けてワンダーライドブックを投げる。

 

「これは」

 

受け取ったワンダーライドブックに疑問に思っている間に、ワンダーライドブックはそのまま開くと

 

【かつて悪しき妖怪から人々を守った幽霊族の生き残りが居た…】

 

「っ!」

 

同時に目を見開いた鬼太郎。

 

同時に彼の胸の中心に模様が現れる。

 

「どういう訳だが、分からないけど、使わせて貰う。

開け、地獄の鍵!!」

 

その雄叫びと共に、鬼太郎の髪の毛は一つの巨大な縄へと変わる。

 

「黒縄縛」

 

その言葉と共に、放たれた縄はそのまま飛羽真や剣斬に襲っていた全ての攻撃を纏め、縛り上げる。

 

「なっぐっ」

 

「今だっ」

 

「分かった!」

 

そのかけ声と共に、飛羽真と剣斬はその手に持ったワンダーライドブックをリードする。

 

【必殺読破!烈火抜刀!ドラゴン!イーグル!西遊ジャー!三冊斬り!

ファ・ファ・ファ・ファイヤー!】

 

【疾風忍者伝説!ニンニン!翠風速読撃!ニンニン!】

 

「風遁竜巻斬り!!」

 

その言葉と共に手に持った剣を上に翳し、そのまま手裏剣のようにシャドウに向けて投げる。

 

それと共に手裏剣の形はまるでドラゴンへと変わり、そのままシャドウに激突する。

 

「はぁ!!」

 

それと共に飛羽真もまた灼熱の炎を刀身に纏いながら、剣斬の攻撃に合わせるように放つ。

 

炎と風、二つの属性が交わった事によって、二つのドラゴンが交わりながら、最後にはシャドウを飲み込んだ。

 

「がああぁぁ!!!」

 

それによって、シャドウは変身を解除し、そのまま地面へと転がる。

 

「決着はついた。

シャドウ、お前には聞きたい事がある」

 

そう言い、飛羽真はそのまま紅へと近づく。

 

「あれ、飛羽真君?

なんで、ここに」

 

そう言いながら近づくセイバーを見つめながら、紅は聞いてくる。

 

「何を言ってるんだ」

 

「俺は、あの時、静鞠と会って」

 

「既に解けかけているか」

 

「その声はっ」

 

そう言い、見つめた先にはカリバーが立っていた。

 

「カリバー」

 

その言葉と共に、ゆっくりと取り出したのはこれまで見たことのないワンダーライドブックだった。

 

「まぁ良い、この力を試すには丁度良い」

 

【邪道を極めた暗闇を纏い、数多の竜が秘めた力を解放する】

【要するに、暗黒竜使い襲来!】

【誰も逃れられない】

 

「っ」

 

その音声と共にこれまでのカリバーとは比べものにならない程の殺気が飛羽真達に襲い掛かる。

 

 

【ジャオウリード!闇黒剣月闇!】

 

「変身」

 

【Jump out the book.open it and burst.The fear of the darkness.

You make right a just,no matter dark joke.Fury in the dark.

ジャオウドラゴン! 誰も逃れられない…】

 

その音声と共に、カリバーの姿は瞬く間に変わり、その姿は元の装甲を外し、新たに金色の鎧を着せたような目た目になり、腰まで届くマントを靡かせる。

 

「カリバーの新たな姿」

 

飛羽真達がその姿に驚いている間に

 

【ジャオウ必殺読破!ジャオウ必殺撃!You are over.】

 

ベルトに装填されたブックを閉じ、聖剣でベルトのスイッチを押してページを開く。

 

それと共に、ベルトから現れた闇の龍が現れ、俺達の元へと向かう。

 

「っ飛羽真!!」

 

だが、その前に立ちはだかったのは、シャドウだった。

 

シャドウはそのまま龍に噛まれ、地面に押し込まれると共に爆散する。

 

「なっ」

 

突然の事で驚きを隠せなかったが、飛羽真すぐに駆け寄る。

シャドウの身体は少しずつ闇の靄に覆っており、今にも消えそうになっていた。

 

「暗黒剣月闇の闇に飲まれるが良い」

 

その言葉と共にカリバーはそのまま姿を消す。

 

「シャドウ、お前なんで」

 

「言っただろ、俺は飛羽真を守るって」

 

「シャドウ」

 

「ははっ、忘れたのか、俺は紅」

 

そう飛羽真に名前を告げる直前、闇によってシャドウは消えてしまう

 

 



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困惑のデート・ア・ライブ編
嵐の双子の参戦は通報案件


「そういう事だったのか」

 

ソードロゴスに帰ってきた俺は響や富加宮に話を聞いた。

 

その中で、中学時代で富加宮から確かに俺が紅との交流があったのを教えてくれた。

 

「今回の件で分かりました。

裏切りの剣士の中で、裏切りの可能性が低かった者達が裏切った訳も

 

「それでも、まだ奴らはいるからな」

 

そう言いながら、ソフィアさんと緋道が話しているが、俺は未だに呆然としていた。

 

もしも、これから戦うライダーが紅と同じように操られていて、そして勝った結果、またカリバー達によって殺されたら

 

「・・・セイバー」

 

「あっ、はいなんですか!?」

 

ソフィアさんに呼ばれて、俺は起き上がって、声を出しながら聞く。

 

「あなたには向かって欲しい場所があります」

 

「向かって欲しい所ですか?」

 

「えぇ、最近になって、行方不明者が多く、現在はエスパーダが調査しております。

なので、そこの調査を一緒に頼めますか」

 

「了解しました」

 

俺はソフィアさんの言葉を聞いて、すぐに出て行った。

 

天宮市と呼ばれる街に辿り着くと、最新技術の実験都市として再開発した場所と紹介されており、俺が住んでいた所では考えられない程だった。

 

「ここも何かの物語だとすると、何か関係しているのか?」

 

俺はそう言いながら富加宮を探していると

 

「んっ?」

 

突然の台風の警報、空を見れば何やら風が舞い上がっているようだが

 

「まさかディビエルっ」

 

俺はすぐに建物に隠れ、そのまま手に持ったブレイズドラゴン、ストームイーグル、西遊ジャーニーを聖剣ドライバーに装填し

 

「変身!!」

 

【烈火抜刀!語り継がれし神獣のその名は!クリムゾンドラゴン!】

 

すぐにクリムゾンドラゴンに変身すると共に空を舞い上がると、そこには二人の女の子が何やら喧嘩しているようだった。

 

これまで見てきたディビエルのような怪物の容姿をしている訳ではなく、色々な意味で危険な格好だが、普通の人間だ。

 

とはいえ、このまま放っておくのは危険だから

 

「とりあえず、喧嘩はそこまでだ」

 

「「えっ、あぐぅ!?」」

 

俺はそう言い、そのままげんこつし、喧嘩を無理矢理止めさせて、作った雲の上に乗せる。

 

「なっ何をするんだいきなり!!」

 

「激怒!邪魔をしないでください」

 

「邪魔も何も、人の迷惑になるだろ。

とりあえず、下に降りて話を聞くけど」

 

「ふふっ、そのような不敬な態度を取って「下で美味しいパフェでもお詫びにあげるからどう?」行く!!」

 

「呆気、あっさりとしすぎています」

 

「そっちの子はいらない?」

 

「・・・いります」

 

よし、単純に響と似たような雰囲気があったので、試してみたが意外と上手くいった。

 

とりあえず、この台風はなんとかなったので、二人を降ろす事にしたが

 

「さて、どうやって、目立たないようにするか」

 

「何をしているんだ!

早く行くぞ!!」

 

既に興奮気味の子は俺を引っ張ろうとしているが、上空からこの三人組が現れたら、絶対に騒ぎになるだろうか。

 

「試した事ないけど、やってみるか」

 

俺はそう言って、取り出したデジモンストーリーサイバートゥルースをそのまま聖剣ドライバーに装填し、引き抜く。

 

【烈火抜刀!竜巻ドラゴンイーグル!

増冊!デジモンストーリーサイバートゥルース!烈火二冊!荒ぶる空の翼龍が獄炎を纏い、あらゆるものを焼き尽くす!】

 

その音声と共に、俺の右腕からそのまま前に突き出すと、巨大な魔方陣が作り上げ、近くのネットワークが繋がったようだ。

 

「とりあえず、捕まってろ。

すぐに地上に行くから」

 

「おっおぉ!!

なんだ、それ良いな!!

私に私にも」

 

「驚愕」

 

「いや、良いから捕まって!!」

 

俺はそう言って、なんとか二人に持って貰うと、そのままネットワークへと突入する。

 

ネットワークを通じて、身を隠せる建物に辿り着くと、俺は変身を解除する。

 

「ここだったら、誰にも見つからないだろ」

 

「なぁなぁなんだ今のは!

というよりも、なんだ、その剣は!!

私にも触らせろ」

 

「失笑、まるで子供のような態度ですね。

それはともかく、さっきの歌はなんですか」

 

「そっちも興味津々じゃないか」

 

「いや、お願いだから、大人しく」

 

俺はそう言って、二人を落ち着かせようとした時だった。

 

こちらに向けられる視線を感じたので、見てみると、そこには俺に対して冷たい目で見ているツインテールの女の子がスマホを耳元に当てていた。

 

そして

 

「もしもし警察ですか?

変態が路地裏で「待って!!」」

 

俺はすぐに女の子を止める為に走り出す。

 

ーーー

 

先程までの台風が嘘のように消えた町中で男は一人、上を見つめていた。

 

「さて、どうしたもんかねぇ。

久し振りに面白いのを見つけたのに、セイバーの奴に取られてしまった。

これはなんとかしないと」

 

そう言いながらも、男は無表情で、自らの手元にある本を見ていた。

 

「見つけたぞ、レムレス」

 

その言葉と共にレムレスと呼ばれた男はその方向を見つめる。

 

そこには富加宮が立っており、こちらを睨んでいた。

 

「久し振りだな、エスパーダ。

お前、以前よりも悪い顔になったじゃないか。

どうしたんだ、まさか仲直りでもしたのか?」

 

「それは既に悩みは吹っ切れている。

それよりも、お前はここで何をするつもりだ」

 

「別に、俺は変わらないよ。

ただ、面白そうな二人がいたからねぇ、あいつらが歪んだ顔というのを見たくて、来ただけさ。

なのに、セイバーに邪魔をされて、本当」

 

その言葉と共に懐から取り出したのは一本の細長い剣だった。

 

「むかつくぜ」

 

【かつて光を模して造られた黒き神が暴走し、獣を従え暗躍を始めた】

 

そのワンダーライドブックを起動させ、そのまま細長い剣の根本を外側に向けて引くと中央にワンダーライドブックを装填する。

 

「変身」

 

【アンノウンリード…!

壊せ…喰らえ…災厄は解き放たれた!葬隠剣零奴!

異獣招来!黒き神が葬隠剣零奴に宿りし時、飢えた獣が全ての絆を喰い千切る!】

 

その音声と共に現れたのはかつて飛羽真と戦った事のある仮面ライダーレムレスだった。

 

「だったら、飛羽真の元には行かせない、変身!」

 

【黄雷一冊!ランプの精と雷鳴剣黄雷が交わる時、稲妻の剣が光り輝く!】

 

その音声と共にエスパーダに変身した富加宮はそのままレムレスに向かって行く。

 

素早い一撃を繰り返し放っていく富加宮に対して、レムルスはその手に持った葬隠剣零奴でその攻撃を逸らしていた。

 

「以前の続きだと思ったけど、少しがっかりだな」

 

「だったら、すぐにそんな態度を取れないようにする」

 

そう良い富加宮はすぐに取り出したのは、新たなワンダーライドブックだった。

 

【この極限の世界でアラガミを狩る者達の物語】

 

「ふっ」

 

【黄雷二冊!金色の神が、裁きの鉄槌を降す!】

 

その音声と共にエスパーダの胴体に虎の鎧が現れ、背中からはマントが現れる。

 

「へぇ、それがあいつの言っていたワンダーライドブックを作り出す能力か。

厄介だねぇ、けど、俺にはこんなのもあるんだよなぁ!!」

 

その言葉と共に手に持ったワンダーライドブックを置くと、そこが機転となって現れたのは怪物だった。

 

ナメクジやアメーバのような軟体・不定形動物の形状を模しており、極めてグロテスクな外見をしたその怪物はうなり声と共に無数に分裂し始める。

 

「これはっ!?」

 

「俺のお気に入りのビーストちゃんだよ。

こいつはディビエルと違って、俺のこのワンダーライドブックを使えば、幾らでも作れる便利な奴なんだよ。

しかもね、しかもね、こいつらが人を襲う時なんてっもぅ!!」

 

同時にビーストと呼ばれた存在は無数の触手を富加宮に向かって襲い掛かる。

 

だが、瞬時に避け、富加宮は宙に舞うと、そのまま手に持った剣を聖剣ドライバーに装填し、トリガーを押す。

 

【必殺読破!ゴットイーター!アランジーナ!二冊撃!サ・サ・サンダー!】

 

その音声と共に富加宮を中心に無数の雷の塊が現れ、それをビーストに向けて放つ。

 

雷に激突し、ビーストは悶え苦しみながら、ゆっくりと姿が消える。

 

「レムルスっ待て!!」

 

そう追いかけようとしたが、既にそこにはレムルスの姿はなかった。

 

すぐに周りを見るが、既にレムルスの姿はなかった。

 

「逃げられたか、だけど」

 

すぐに追いかけようとした富加宮だが、冷静になるように息を吸う。

 

「奴は飛羽真に何か取られたと言っていた。

つまりは、飛羽真と合流すれば、奴の狙いも分かるはずだ」

 

そう良い変身を解除した富加宮はすぐに電話を取り出す。

 

「頼むから出てくれ、飛羽真」

 

そう、富加宮は電話をかけると

 

「あっ富加宮か」

 

「飛羽真か、今はどこにいるんだ」

 

「いや、それが、その「おい、次はこっちだぞ」えっちょ」

 

そう電話の向こうでは聞いた事のない声が聞こえ、一瞬だけ疑問に思う。

 

「どうですか、この格好は」

 

「いや、ごめん、本当に待って。今は大事な話をしているから」

 

「嫉妬、今はこっちを見てください」

 

「あっちょ」

 

そう言っている間に、飛羽真と一緒にいたと思われる女性によって通話を切られた。

 

その状況の中で

 

「一体何が起きているんだ」

 

そう呟くしかなかった。



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光の奇跡!変えるぜ!運命!!

新たな募集を行っています、興味がある方はぜひ参加してください。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=251929&uid=45956


「・・・それで、本当にそういう趣味じゃないんですね」

 

「はい、本当です」

 

そう言いながら、俺はなんとか弁明を行いながら、目の前にいる少女、月読調ちゃんに納得して貰った。

 

「本当ならば信じられないような内容ですが」

 

「ふむ、馴染み馴染みな!

この服はまさに私に相応しい!!」

 

「同意、この着心地は良いですね」

 

そう言いながら、先程までの色々と危険な格好とは違うTシャツとジーンズというシンプルな格好をしている二人がいた。

 

誤解を解いて貰った月読ちゃんの協力もあって、無事に衣服を買う事ができたが

 

「本当だったら、信じられなかったけど、この前切ちゃんから聞いた人だからね」

 

「切ちゃんって、もしかして暁さん」

 

まさか、以前の事件で関わった暁さんとの繋がりがここで役に立つとは。

 

「うん、まなちゃんを助けてくれたと聞いたからね。

その時のお礼だけど、これからどうするの?」

 

「そうなんだよね。

一応は富加宮と合流したいけど、どこに行けば良いのか」

 

そう俺は悩んでいると

 

「ふむ、では決まりだな」

 

「承諾」

 

そう俺が悩んでいる間に、なぜか二人はこちらに近づいた。

 

何をする気なのか、疑問に思っていると、二人は左右から抱き締めてきた。

 

「んっ」

 

「さぁ焔の剣士よ!!

我の魅力に魅了されても良いぞ」

 

「笑止、魅力的なのはこちらですよ」

 

そう言いながらアピールするように抱き締めているが、これは一体どういう事なの。

 

「・・・聞きたいけど、一体どういう事ですか」

 

「俺も知らない!?」

 

まるで虫を見るように冷たい目で見つめられ、俺は思わず首を横に振るが、一体何が起きているんだ!?

 

「そうだな、確かに説明がまだだったな。

焔の剣士」

 

「いや、俺は神山飛羽真だけど」

 

「ならば、飛羽真よ!

我らの事についてを説する必要があるようだな」

 

「まぁ、実際にあんな風にしていたから、普通の人間じゃないとは思っているけど」

 

「肯定、私達は精霊、八舞」

 

「・・・精霊ってなんだ?」

 

俺は思わず聞き返しながら、二人の個性的な言葉を聞きながら、俺と月読ちゃんの二人でなんとか聞く事ができたが

 

「ようするに、お前達は元は一人だったけど、なぜか二人になって、元の一人になる時にどちらが主人核になるかを争っていて、その時に俺が乱入したのか」

 

「肯定、驚きましたが、それによって、私達の次の戦いも決まりました」

 

「左様、炎の剣士を魅了する勝負、それこそが我らの最後の戦いとなった!!」

 

えぇ、それって、かなりまずくないか。

 

どちらか一人を決めると言っているけど、そんな事できるはずないだろ。

 

「悪いけど、俺は先に用事があるから「良いから大人しくしていろ」ぐわぁ!?」

 

そう言っている間に、俺は二人に引きつられる形で行く。

 

「月読さん!!

お願いだから、なんとかできないですか?!」

 

こういう時には同じ女の子である月読ちゃんに頼った方が良さそうだ。

 

「まぁ待ってください。

もうそろそろお昼ですし、一緒に食事をしませんか」

 

その一言と共になんとかその場は離れる事になったが

 

「飛羽真、大丈夫なのか」

 

あれからしばらして、連絡が取れた富加宮と合流する事ができた。

 

できたのだが

 

「疑問、誰ですか、この人は」

 

「元々用事で合流する富加宮「おい、こっちに凄いのがあるぞ!」引っ張らないでぇ!」

 

月読ちゃんは気になったのか話しかけてきたので、富加宮の事を説明しようとしたが、俺はすぐに二人に連れられ、その場から離れてしまう。

 

そうして、一日中二人に付き合う事になり、俺は疲れながらも休憩を取るように座る。

 

「あぁ疲れたぁ」

 

俺はそう言いながら、顔を俯いていると

 

「お疲れ様です」

 

そう言いながら、コーヒーを買ってきてくれたのか、俺に渡してくれた。

 

「あっ月読ちゃん、ありがとうね」

 

ありがたく頂くと、俺はそのままコーヒーを頂く。

 

「それにしても、あの二人は結構元気があるね、本当に」

 

「えぇ、本当に。

それで、神山さんは、どちらを選ぶつもりなんですか?」

 

「いきなりそれ?

まぁ、選ぶと言われても、そもそも一つになって片方が消えるというのは納得できないんだよな」

 

どちらが犠牲になるように押しつけ合う。

 

そんな事はあってはならないと

 

「二人は、どちらも、もう片方を生き残らせようとしています」

 

「んっどういう事?」

 

思わず言った言葉に俺はすぐに聞いてしまう。

 

「私と富加宮さん、それぞれが自身の事情、それと相手が好きだと言っていました。

だから、もう片方を生き残らせる為に私達それぞれから神山さんに言うように頼まれました」

 

「そうなのか、なんというか、素直じゃないな」

 

「本当に」

 

確かに二人は張り合っているけど、どこか楽しそうな雰囲気をしていた。

 

そんな二人が互いの為に思っているのに、通じ合えない。

 

悲しいかな。

 

「きっと、二人共どう関わったら良いのか分からないんです。

元は一人だからこその悩みかもしれませんが」

 

「だからこそ」

 

俺はそう言いながら、思い浮かぶのは紅の最後の姿だった。

 

「俺はもう、目の前の誰かを見捨てたくない」

 

そんな言葉と共に悲鳴が聞こえる。

 

「悲鳴?」

 

疑問に思い、俺はすぐに悲鳴の場所へ向かって走る。

 

そこは悪夢のような光景だった。

 

「なんだよ、これは」

 

見つめた先に広がっていた光景。

 

それはまるでゾンビ映画のような光景であり、気味の悪い化け物達が人々を襲っていた。

 

「これは遅かったかっ」

 

「富加宮」

 

「これって」

 

「疑問、この光景は」

 

そうしていると、騒ぎを聞きつけてか、三人も来たが

 

「おぉ、来たか」

 

それと共に出てきたのはレムレスだった。

 

「レムルス、こいつらは一体!?」

 

「これか?

これは、俺の軍勢だぜ、なかなかに良いだろ。

こいつらビーストだけではなく、勿論ディビエルもな」

 

そう言いながらレムルスの後ろから出てきたのは二体のディビエルだった。

 

一体はハリネズミを思わせる姿、もう一体は不気味な犬のような頭が三つ揃ったディビエル。

 

「ハリネズミにケルベロスという事か。

だったら、こいつらをすぐに片付けて「良いのかなぁ」何?」

 

「ここの奴ら、殺してもさ」

 

そう言い、出てきたのは人だった。

 

しかもただの人ではなく、虚ろな目に人間とは思えないような肉塊が一体化している存在。

 

「まさかっお前!?」

 

「人間のビースト、ヒューマン・ビーストという訳さ!!」

 

その言葉を聞いた瞬間、その場にいた全員が驚きで目を見開いた。

 

「・・・巫山戯るなっ、お前、人をなんだと思っているんだ!」

 

「俺を喜ばせる道具」

 

「なっ」

 

「当たり前だろ。

あいつらの苦痛の顔見ているだけで面白い。

何よりも、そこの二人はなかなかに面白いじゃないか、えぇ」

 

そう言いながら、二人に向けて剣を向ける。

 

「なぁ、お前ら片方を消したいんだろ。

だったら、俺が消してやるよ、なぁどうなんだ、なぁ!!」

 

そう言い、迫ってくる奴に対して、二人は後ろに下がった。

 

力がどんなに迫っていても、奴から放つ狂気に恐怖するのは当たり前だ。

 

だからこそ

 

「さぁさぁさぁ「そんなの、お前が決める事じゃない」あぁ?」

 

「こいつらがどうしたいか、お前にも、俺にも決める権利はない。

だけど、お前がこいつらに手を出すならば、俺はお前を倒す!!」

 

「殺せるのか、人間である俺を?」

 

「殺させない。

飛羽真も、俺も」

 

その言葉と共に富加宮が前に出るとそれに合わせるようにランプドアランジーナが光り輝く。

 

それに共鳴するようにウルトラマンジードのワンダーライドブックも光る。

 

「あぁ?

なんだ?」

 

それはレムルスのワンダーライドブックも同じのようだが、俺達のように共鳴するというよりも反発するような感じだった。

 

「これは」

 

「分からない、だが」

 

何が起きているのか分からない。

 

それでも俺はゆっくりとそのワンダーライドブックを引き寄せ合うと、絵柄は大きく変わった。

 

「これは、だが」

 

【ネクサス!】

 

その言葉と共に富加宮はそのまま手に持ったランプドアランジーナを聖剣ドライバーに装填し

 

「変身!

 

【黄雷抜刀!ネクサス!黄雷一冊!

絆の力と雷鳴剣黄雷が交わる時、稲妻の剣が光輝く!】

 

その音声と共に現れたのは普段のエスパーダの姿ではなかった。

 

左半身は普段通りの鎧だったが、その真ん中にはY字型の模様が浮かんでおり、その左腕には見た事もない籠手が備わっていた。

 

「これは一体」

 

それと共にエスパーダから発する光が目の前にいるビースト達が怯んでいた。

 

「あぁ?

どういう事だ、恐怖を感じないはずのビースト達が」

 

「分からないけど、分かる事がある。

不可能な事はないはずだ」

 

「そんな訳ないだろ!!

例え怯んだとしても、このビースト達を助ける術などないからな!!」

 

「そんな、運命っ変えてやる!!」

 

俺はそう言うと共に、懐に光るワンダーライドブック、ウルトラマンジードを取り出す。

 

【これは血に刻み込まれた運命をひっくり返した戦士の歴史】

 

「ユーゴー!」

 

その言葉と共に俺はブレイズドラゴンを聖剣ドライバーに装填し

 

「アイゴー!」

 

ウルトラマンジードワンダーライドブックを挿入

 

「ヒィアウィゴー!」

 

最後にキングオブアーサーを挿入し、そのまま火炎剣烈火を引き抜く。

 

「ハァ!!」

 

その音声と共に富加宮から溢れ出る光が俺を包み込むと、俺は新たな姿へと変わっていた。

 

【烈火抜刀!王の光が宿る時、奇跡が生まれる!ロイヤルメガマスター!】

 

「なっなんだ、その姿は!!」

 

俺の背中から伸びている金色のマントを翻しながら、装填されていたウルトラマンジードワンダーライドブックが飛び出し

 

「変えるぜ、運命!」

 

手に持ったキングエクスカリバーにウルトラマンジードワンダーライドブックを翳す。。

 

【キングソード】

 

形は巨大な剣からまるで杖を思わせる剣へと変形していた。

 

「これは一体」

 

「レムルス、これ以上、お前の好きにはさせない」

 

「好きにだと?

ならば、お前はこの無害な人々を殺せると言うんだなぁ!!」

 

そう言い、ビースト達が俺達へと向けて襲い掛かる。

 

街中にいる人々を含めてかなりの数のビースト化が進んでおり、こちらに進行してきたが

 

「はぁ!!」

 

俺は手に持ったキングエクスカリバーを上に投げると、キングエクスカリバーはその姿を変形させる。

 

【キングソード!からの、剣が変形!巨大な王が目を覚ます!ウルトラマンキング!】

 

そこに現れたウルトラマンキングはそのまま手を翳すと、現れたビースト達に向けて光を浴びさせると

 

「なっ!?」

 

一体化していたはずのビースト達が元の姿へと変わっていた。

 

役目を終えたばかりにキングエクスカリバーはそのまま俺の手元へと戻り、俺もまた構える。

 

「なんだ、今のはっ!?」

 

「奇跡かもな」

 

「巫山戯るなぁ!!」

 

そう言い、レムルスはすぐに手に持ったワンダーライドブックをそのまま近くにいたケルベロスディビエルとヘッジホッグ・ディビエルに無理矢理入れ、その姿を大きく変えた。

 

「富加宮、そっちは頼めるか」

 

「あぁ任せろ」

 

俺達はそう言い、俺はケルベロスディビエルとヘッジホッグ・ディビエルを、富加宮はレムルスへと向かい、戦いが始まる。

 



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黄金の希望

飛羽真は目の前にいる二体のディビエルを見つめながら、ゆっくりと二つの剣を構える。

 

それに対して、ヘッジホッグ・ディビエルは背中から生えている針を次々とセイバーに放っていく。

 

だが、飛羽真はキングソードを軽く振り上げれば、迫り来る針を瞬く間に吹き飛ばし、その攻撃を無力化する。

 

だが、それを見計らい、飛羽真に向けてケルベロスディビエルが鋭く生えた爪を飛羽真に向けて振り下ろした。

 

しかし、まるでその攻撃を見えたように、その場を横に僅かに動くだけでその攻撃を避けた。

 

同時に火炎剣烈火でケルベロスディビエルへとそのまま反撃するように一撃を加える。

 

「がっぐるるるっがぁ!!」

 

ダメージを受けたケルベロスディビエルだが、すぐに再生したのか、攻撃された箇所は再生され、そのまま攻撃を仕掛ける。

 

一振りで軽く地面を抉る程の威力の攻撃を目の前にしても、飛羽真は変わらず、余裕でその攻撃を受け流しながら、反撃していく。

 

攻撃を受けても瞬時に再生するケルベロスディビエル、攻撃をまるで予言しているように全て受け流す飛羽真。

 

両者共に無傷な状態なのは変わりないが、その力の差は歴然だった。

 

「まずはこいつから」

 

その言葉と共に火炎剣烈火をそのまま腰に差し、引き抜く。

 

【烈火居合!読後一閃!】

 

その音声と共に光り輝く火炎剣烈火とキングソードの二振りの剣で十字に切り裂く。

 

「ギッガアァァ!!」

 

傷口から光り輝きながら、ケルベロスディビエルはそのまま後ろへと吹き飛び、そのまま爆散する。

 

「っ!?」

 

「飛羽真」

 

その戦いの最中で、後ろから聞こえた声に振り向く。

 

そこでこちらを心配そうに見つめる八舞の二人がいた。

 

「約束する、俺が絶対になんとかする」

 

その言葉と共に懐から飛び出たワンダーライドブックが現れ、そのまま二人から何かを抜き取るように吸い込む。

 

「んっ?

これは力がない?」

 

「奇態、けど安心な感覚です」

 

「とりあえず、二人は私の後ろにいてください」

 

同時に二人が身に纏っていた衣服は無くなり、その前に調は立って、裸の二人を隠す。

 

そして

 

【デート・ア・ライブ】

 

その音声が聞こえると共にデート・ア・ライブワンダーライドブックをキングソードにスキャンさせる。

 

【ラファエル】

 

その音声と共に飛羽真の目の前に現れたのは巨大な弓だった。

 

それに合わせるようにキングソードは黄金に輝く巨大な矢となり、目の前にある弓と組み合わせる。

 

「ロイヤルエンド!!」

 

その雄叫びと共にヘッジホッグ・ディビエルに向けて、黄金の一撃が襲う。

 

あまりにもの威力に驚きを隠せないヘッジホッグ・ディビエルはそのまま飲み込まれ、その姿を消した。

 

「ありがとう」

 

それと共に、二人の方へと見つめるが

 

「あんまり見ないように」

 

「あっはい」

 

裸になっている事を忘れており、月読からの叱りを受け、頷く。

 

同時に飛羽真の手元に飛んできたのは二つのワンダーライドブックだった。

 

「このワンダーライドブックは」

 

そのワンダーライドブックを見つめながら、飛羽真はそのまま富加宮が戦っている所を見る。

 

【異獣餓喰波!アンノウンバースト!】

 

「ははあぁ!!」

 

見れば、そこにはレムルスが富加宮に向けて赤黒い光線を放っていた。

 

富加宮は、その攻撃に対して、なんと空を跳びながら、攻撃を躱していた。

 

エスパーダとしての新たな姿の能力だが、それだけでも決定的な攻撃には欠けていた。

 

「富加宮!」

 

そんな富加宮に対して、飛羽真は手元にあった二つのワンダーライドブックを投げ渡した。

 

「あぁ」

 

そのワンダーライドブックを受け止めると共に、富加宮はそのまま遙か空まで飛び上がると同時に二冊のワンダーライドブックを起動させる。

 

【かつて冥界の入り口に、三つの頭を持つ恐ろしい番犬がいた】

 

【この弱肉強食の大自然で、幾千もの針を纏い生き抜く獣がいる】

 

開かれた二冊のワンダーライドブック、トライケルベロス、ニードルヘッジホッグの音声が響き渡ると共に、そのまま聖剣ドライバーに装填する。

 

「ふっ」

 

【黄雷抜刀!ランプの魔神が真の力を発揮する!ゴールデンアランジーナ!

黄雷三冊!稲妻の剣が光り輝き、雷鳴が轟く!】

 

その音声と共にエスパーダの姿は大きく変わり、全身が黄金に輝くエスパーダへと変わる。

 

今だに続くY字型の赤い光が目立ちながら、富加宮はそのまま構える。

 

「ワンダーコンボだろうと」

 

そう言いレムルスはエスパーダに向けて攻撃を仕掛けるが、次の瞬間、富加宮の姿が消えた。

 

「なっ!!」

 

驚きを隠せないレムルスだが、富加宮は瞬く間にレムルスの目の前に迫って、切り上げた。

 

「なっ」

 

その攻撃に一瞬呆けている間にも、再び消して、姿を現して攻撃を仕掛ける。

 

それは余りにも早すぎる動きに目が付いて来れず、まるで富加宮が何十といるような見えた。

 

「こんな所でぇ!!」

 

その言葉と共に取り出したワンダーライドブックを読み込ませる。

 

【異獣汚染撃!アンノウンブレイク!】

 

それと共にレムルスの背後から現れたのは巨大な怪物だった。

 

これまで出てきた全てのビーストを合わさったようなその怪物を従えさせながら、富加宮に襲い掛かろうとする。

 

「これで話は終わりだ」

 

【必殺読破!

黄雷抜刀!ケルベロス!ヘッジホッグ!ネクサス!三冊斬り!

サ・サ・サ・サンダー!】

 

それと共に富加宮の剣には巨大な光と雷が合わさり、そのまま構える。

 

「ライメイソード・シュトローム」

 

その一言と共に一瞬で姿を消した。

 

それと共に富加宮が姿を現したのはレムレスの後ろだった。

 

「俺はまだやられていないぞ!!」

 

そう言いながら、レムレスは富加宮に襲い掛かろうとした。

 

だが、背後に現れた怪物の腕は切り落とされた。

 

「なっ」

 

幻影のはずの怪物、それが次々と切り落とされ、ついにはレムレスの手に持っていたビーストを生み出す為のワンダーライドブックも真っ二つに切り裂かれる。

 

「がっがぁ!?」

 

それにより、ゆっくりと倒れたレムレスはそのまま変身は解除される。

 

「なんとかなったか」

 

それが戦いの終わりを迎えた。



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不死鳥の剣士と破滅の本

今回の話は現在公開中の【不死鳥の剣士と破滅の本】を参考に書かせて貰いました。
ゼロワンと共にノンストップバトルが魅力なので、ぜひ見てください。



「どうも、私の名はタッセル!?

皆様、サンタさんが来るクリスマスを楽しんでいますかぁ!?

ですが、どうやら、今、とんでもない事が起きています!?」

 

そう言いながらタッセルはこれまで過ごしていた家にしがみ付きながら、こちらを見つめていた。

 

「クリスマス当日のこの日に、まさかとんでもない男が復活しました!?

そう、バハトが!?」

 

そう言ったタッセルが見つめた先に立っていたのは一人の男が、その手に本を持ちながら笑みを浮かべていた。

 

「さぁ、滅びの時間だ」

 

そう言いながら、見つめた先には、人が誰も通っていないはずの暗い街の中だった。

 

「だけど、そんな滅びに立ち向かうのはなんと」

 

そうしてタッセルもまた現実の世界へと見つめた先には、6人の男がゆっくりとバハトの元へと向かっていた。

 

「本当に世界が崩壊しそうになっているとは」

 

「まさか、お前達がこの事を教えるとはな」

 

そう言いながら富加宮が睨んだ先にいたのはカリバー達、4人のライダーが待ち受けていた。

 

「我らの目的はあくまでも真理。

その際にバハトは邪魔だ。

だが、私達だけでは間に合わないからな」

 

「時間も人手が足りない以上は、仕方ないよね」

 

その言葉を聞きながら、飛羽真達は拳を握り締める。

 

「今回だけだ。

このままじゃ、世界が終わるからな」

 

「僕としては、飛羽真君だけでもこっち側に来て欲しいけど、まぁ、今は仕方ないか」

 

静鞠は飛羽真を見つめながら、全員の視線はバハトへと目を向けていた。

 

そこには既にバハトによって召喚された無数のディビエル達で覆われており、バハトはその手にあるワンダーライドブックを展開させる。

 

「来るか、ならば手加減をする必要はないな」

 

【エターナルフェニックス!

かつてから伝わる不死鳥伝説が今、現実となる】

 

「変身」

 

【抜刀!エターナルフェニックス!

虚無!漆黒の剣が、無に帰す!】

 

その言葉と共にバハトの姿は右肩を中心にフェニックスを模した鎧を身に纏い、手足には長い尾羽のような模様のある戦士へと変わった。

 

「行くしかないな」

 

その言葉と共に飛羽真達は各々のワンダーライドブックを取り出し、自身の変身アイテムに装填する。

 

『変身っ!』

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】

 

【流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!】

 

【黄雷一冊!ランプの精と雷鳴剣黄雷が交わる時、稲妻の剣が光り輝く!】

 

【激土重版!絶対装甲の大剣が、北方より大いなる一撃を叩き込む!】

 

【翠風の巻!甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!】

 

【錫音楽章!甘い魅惑の銃剣が、おかしなリズムでビートを斬り刻む!】

 

【呪詛詠唱! 忠犬と怨呪剣呪詛が交わりし時、救済を騙る簒奪劇が幕を開ける!!】

 

【栄光の特権!全て貫く突剣!正義は我にあり!】

 

【黒曜一突!必殺の一撃が、全てを貫く!】

 

その音声と共に飛羽真達を初め、9人のライダーが変身を完了すると共に、バハトが変身したフォルシオンへと目を向ける。

 

「さぁ、行くぜ」

 

その一言を合図にセイバー達は一斉にバハトの軍勢に向かって走り出す。

 

「数が多いのは厄介だからね、道は作りますか」

 

その一言と共にデスルクはその手に持った剣をディビエルと鉄仮面のような頭部に、首の周りに古い紙きれのようなビラビラした襟巻が付いているのが特徴的な、ミイラ男のような戦闘員シミーを呪いで覆う。

 

「相変わらず、とんでもない能力だな」

 

そう言いながら、ディビエルやシミーが呪いの闇の中で溺れている光景を見ながら、バスターは呟くと、そのまま地面を叩くと巨大な岩石が剣を覆う。

 

そのまま剣を振り下ろすと、バハトへの道を作り出すように地面を抉る。

 

だが、それでも周りから溢れ出るディビエルは絶え間なく襲い掛かる。

 

「本当に多いねぇ、だったら、これを使わせて貰うよ」

 

【かつて、人々に恐怖を抱かせた八つ首の大蛇がいた】

 

その音声と共に、剣斬は八岐大蛇ワンダーライドブックを展開し、そのまま風双剣翠風にワンダーライドブックを装填すると、剣斬の剣から無数の蛇がディビエルを飲み込んでいく。

 

「あいつのワンダーライドブックか」

 

そう言いながら剣斬の横に立ったのはチャージだった。

 

「悪いけど、これは今は俺が預からせて貰っているよ」

 

「別に良い。

奴が弱かっただけの話、今は目の前にある事にしか、興味はない」

 

【かつて、神殺しの牙を持つ擬いものの狗神を宿す少年がいた】

 

その音声と共にチャージは手に持ったワンダーライドブックから溢れ出る影が巨大な牙へと変わってディビエルに向けて放っていく。

 

放たれた牙はそのままディビエルを貫きながら、周りを巻き込んで、吹き飛ばす。

 

「まったく、暴れすぎる。

だが、目的の奴はいないようだからな、さっさと片付ける」

 

【かつて天から来た存在の力を借りた殺し屋がいた】

 

同時にダインスもまた、ワンダーライドブックを装填すると、その剣には炎で覆われる。

 

それと共に目の前にいるディビエルを炎で、空に浮かんでいるディビエルを風で次々と貫いていく。

 

「今回は味方だけど」

 

「あぁ、彼らと戦う事にはなりそうだな」

 

そう言いながら、ブレイズ達もまた、目の前にいるディビエルと戦っていく。

 

「けど、まさか、先に行ったのが」

 

それと共に見た先にフォルシオンと戦っているのは

 

【烈火三冊!真紅の剣が悪を貫き、全てを燃やす!】

 

【ジャオウドラゴン! 誰も逃れられない…】

 

「はああぁぁ!!!」

 

セイバーとカリバー、二人のライダーが戦いを挑んでいた。

 

空中を自在に飛び回るフォルシオンに対して、飛羽真はクリムゾンドラゴンになって飛びながら、カリバーは召喚したドラゴンに乗りながら激しい空中戦を繰り広げていた。

 

その激闘は激しく、ぶつかり合い一つで空が大きく割れる程の戦いだった。

 

「くくっ、お前達が手を組むとはな!!」

 

そんな様子を見ていたフォルシオンはセイバーとカリバーの二人を見ながら、笑みを浮かべる。

 

「お前はなんでこんな事をしているんだ!!」 

 

「簡単な事だ。

この本で、この世界を無に帰す為さ」

 

「無にだと?」

 

その言葉に飛羽真は思わず聞く。

 

「あぁ、無、争いをなくす為には、この世界を無にする。

その為の力、それが、この本だ」

 

「やはり、その本か」

 

その言葉と共にフォルシオンの手に持っていた本から目映い光が二人を襲い掛かる。

 

「ぐっ」

 

「滅びの本か」

 

本から放たれた光によって、セイバーはそのまま変身を解除され、そのまま地面に転がる。

 

カリバーが睨んだ先にはフォルシオンが手に持っている本だった。

 

「滅びの本?」

 

「全てを滅ぼす程の力が納められた本だ。

まさか、こうして目の前で現れるとはな」

 

「そう、ここには全てを滅ぼす力がある。

その力で既に全てが滅びるだけだ」

 

絶体絶命の状況。

 

全てが終わりを迎えそうな時

 

「だとしてもっ」

 

飛羽真は立ち上がった。

 

「終わらせない!!

終わらせてたまるかぁ!!」

 

それが響き渡った瞬間だった。

 

飛羽真のベルトに装填されていたブレイブドラゴンから赤いドラゴンが雄叫びを上げながら現れる。

 

「なに」

 

飛羽真の言葉に反応するようにカリバーのジャアクドラゴンが光り始め、そこから黒いドラゴンが現れる。

 

二体のドラゴンの雄叫び声に合わせるように滅びの本もまた光り始める、

 

「なっ馬鹿な!?

なぜ、本から光りがっ」

 

そこから現れたのはブレイブドラゴン、ジャアクドラゴンと似た白いドラゴンが雄叫びを上げながら、現れる。

 

「あそこに収まれていたのは、滅びだけではなかったというのかっ!」

 

そう言いながら、滅びの本から現れた白いドラゴン、カリバーのジャアクドラゴン、そして飛羽真の持つブレイブドラゴンの赤いドラゴン。

 

三体のドラゴンはそのままセイバーの周りを回り続ける。

 

「来い、ドラゴン!!」

 

そんなドラゴンに向けて、飛羽真は叫ぶと、手に持っていたブレイブドラゴンに次々と吸い込まれ、新たなワンダーライドブックを作り出す。

 

【エモーショナルドラゴン!】

 

それによって生まれたエモーショナルドラゴンワンダーライドブックをそのまま開く。

 

【勇気!愛!誇り!3つの力を持つ神獣が今ここに!】

 

その音声と共に、飛羽真はそのまま聖剣ドライバーに装填する。

 

【烈火抜刀!愛情のドラゴン!勇気のドラゴン!誇り高きドラゴン!エモーショナルドラゴン!

神獣合併!感情が溢れ出す!】

 

それと共に黒い盾、白いマントを翻した赤、白、黒の三色のセイバーが誕生した。

 

「だが、姿が変わった所で」

 

「いいや、変わるさ!

変える、変えてみせる!

だからこそ、物語の結末は俺が決める!」

 

その言葉と共にフォルシオンと共にセイバーが激突する。

 

フォルシオンから出てくる巨大なフェニックス、セイバーの三色のドラゴン。

 

それらの対決が行われ、地面を大きく揺らした。

 

「セイバー、奴は不死身ならばその本に入れろ!!」

 

「あぁ、分かった」

 

カリバーの声を聞くと共に、飛羽真はそのままフォルシオンを蹴り飛ばし、そのまま聖剣ドライバーに火炎剣烈火を装填する。

 

【伝説の神獣!必殺読破!一冊撃!ファイヤー!】

 

その音声と共にセイバーは周りにいるドラゴン達と共にフォルシオンへと向かって飛ぶ。

 

「そんな都合の良い事が起きる訳ないだろ!!!」

 

【必殺読破!永久の不死鳥!無双撃!】

 

その音声と共にフォルシオンもまたライダーキックを放つ。

 

互いのライダーキックが激突し、ぶつかり合う。

 

炎と炎が包み込む。

 

その炎が溢れ出す中で、拮抗する炎。

 

やがてセイバーの炎がフォルシオンの炎を突き破り

 

「はああぁぁ!!」

 

「ぐっがああぁぁ!!!」

 

フォルシオンはそのままセイバーの炎と共に、巨大な滅びの本へと向かっていく。

 

「ぐっがああぁぁぁ!!!」

 

滅びの本へと叩き込まれたフォルシオンはそのまま吸い込まれ、消えていった。

 

「はぁはぁ」

 

滅びの本はそのまま閉じられていき、エモーショナルドラゴンから白いドラゴンが現れ、そのまま滅びの本を白い帯のように包み込む。

 

「なんとかなったのか」

 

「そのようだな」

 

その言葉に飛羽真は振り向くと、そこにはカリバーがいた。

 

「奴が言っていた言葉も馬鹿にはできないようだな」

 

「カリバー、お前の目的は結局なんなんだ」

 

「真理を手にする。

それ以外には、何もない」

 

その言葉と共に、カリバーはそのまま去って行った。

 

「飛羽真!!」

 

「あぁ」

 

ゆっくりと見つめた先には富加宮達を初めとしたメンバーだった。

 

「滅びの本の影響は」

 

「えぇ、収まりました」

 

「まぁ、それが終わると、あいつらもすぐに姿を消しやがったがな」

 

「今回だけの共闘だったからな」

 

そう言いながら、飛羽真は富加宮達に起こされるように、起き上がる。

 

「ふぅ、一時はどうなるかと思いました。

まさかバハトが復活するとは、思いませんでした。

だけど、封印されていたはずのバハトがなぜ蘇ったのか、どうやら、カリバー達との戦いの後にも何か起きそうな予感がしますね」

 

そう言いながら、タッセルが見つめた世界には、バハトが封印された滅びの本を持つ一人の人影だった。

 

本を持つと、そのままゆっくりと、その場から去っていた。

 



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復讐の落第騎士の英雄譚編
大阪からの招待状


あの二人とのデートから翌日、俺はそのまま大秦寺さんに連れられ、大阪へと向かっていた。

 

二人は身分証明になるのがなかったが、ソフィアさん達のおかげで問題は解決した。

 

ただ、住む家がなかったので、ノーザンベース以外で住む場所として、俺の家で居候する事になった。

 

なったが、その後、なぜか響と朝田に正座で説教された。

 

正直に言って、何が起きたのか分からなかったが、大秦寺さんの話に乗らなかったら、俺は未だに正座されていただろう。

 

それはともかく

 

「えっと、どういう事ですか、これは?」

 

そう言いながら、大秦寺さんから渡されたのは七星剣武祭という謎の祭りの招待状だった。

 

これが一体何なのかと気になり、見つめると

 

「私が調査している地域での情報だ。

ここでは魔導騎士と呼ばれる地位が存在するらしい。

我々は、そこのゲストとして呼ばれる事になった」

 

「えっなんで」

 

俺は思わず聞いてしまうが

 

「忘れているかもしれないが、私達が使っているこれは聖剣だ。

伐刀者という枠に入っているらしいが、それに関する事件に巻き込まれ、それを解決したら、なぜか招待されてしまった」

 

「一体何があったんですか」

 

俺は思わず聞いてしまうが

 

「今はここに行く意味があるんですか?」

 

未だにカリバー達が何をするのか分からない状況で

 

「だからこそだ。

私が調べた限りでも、あの時のディビエルによく似ている」

 

「似ているって、何に?」

 

「・・・ダインスの仇であるディビエルに」

 

「仇?」

 

その言葉に俺は首を傾げる。

 

「とにかく、奴はあるディビエルを狙っている。

出るかどうか分からないが、もしもそのディビエルが出れば、奴は周りの被害を考えずにそのディビエルと戦うだろう」

 

「だから、そうなる前に俺達がそのディビエルを倒して、ダインスを止めるという訳か」

 

「あぁ、頼めるか」

 

「任せてください」

 

今は人手が必要ならば。

 

「ただ、気をつけろ。

ダインスの実力は本物だ」

 

「分かっています」

 

これまで戦ってきたシャドウやレムレスも一歩間違えれば負けていた。

 

未だにカリバーに勝てたかどうかも分からない上に、デスルクの実力は未知数だ。

 

油断なんてできるはずがない。

 

「それはそうと」

 

「なんです?」

 

「黙って行って、良かったのか?」

 

「・・・今は、その話は止めてください」

 

俺はそう言いながら、未だに鳴り止まないメッセージの音を無視していると

 

「あなたが大秦寺さんに、もう一人の招待客ですか?」

 

「んっ?」

 

聞こえてきた声に振り向くと、そこにはスーツ姿をした女性が立っていたが

 

「えっと、この人は?」

 

「俺を招待してくれた学園の教師だ」

 

「初めまして、マリア・カデンツァヴナ・イヴ。

破軍学園の教師よ、よろしく」

 



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対決!二大剣士VS二大騎士

「なんというか、凄い会場だな」

 

改めて、これから行われるだろう大会の事を考えながら、見回す。

 

大きな大会と言う事もあって、大会前日だが多くの選手が集っていた。

 

「大きな大会もあるからね。

私自身も、思い出深いわ」

 

そう言いながら、見つめているが

 

「そう言えば、確か生徒さんは大丈夫なんですか」

 

「まぁ、少し問題児は多いけど、大丈夫だと思うわ」

 

そう言いながら、乾いた笑みを浮かべているが

 

「正直言って、先輩の無茶ぶりには頭を悩ませるし、はぁ」

 

「なんか地雷を踏んでしまった」

 

「ふむ、とりあえずは会場に入ろうか」

 

俺達はゆっくりとマリアさんから少し離れて、会場を見ていたが

 

「はぁはぁ、あがぁ」

 

会場の中に入っていると、一人走っている選手がおり、疑問に思っていると

 

「たっ助けてくれ」

 

「っ」

 

それと共に見えたのは異形の存在だった。

 

「まさか、これ程早いとは」

 

「あれは、ディビエルか」

 

ゆっくりと現れたのは一体のディビエルだった。

 

そこには漆黒の狼を思わせる顔を持つディビエルであり、全身を鎧で身に纏っており、巨大な斧を手に持っている。

 

「まさか、奴は」

 

「大道寺さん」

 

「行くぞ、奴を早く倒さなければ」

 

「っ」

 

その言葉を聞くと共に、俺達はすぐに懐からワンダーライドブックを取り出し、そのまま変身アイテムを装填し、走り出す。

 

「「変身っ!!」」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】

 

【錫音楽章!甘い魅惑の銃剣が、おかしなリズムでビートを斬り刻む!】

 

それと共に、変身すると共に、俺は接近し、大道寺さんは遠距離から銃で牽制を行いながら戦闘を行う。

 

その攻撃に対して、ディビエルは手に持っていた斧をたった一振りで全ての攻撃をはじき返した。

 

「キサマラハ、チガウカ」

 

「違う?」

 

その一言に対して、疑問に思っているとディビエルが見つめた先には、選手の一人だった。

 

「奴の狙いはまさかっ」

 

「ハアアァァ」

 

大道寺さんの一言と共に、狼を思わせる口は開き、選手の方へと向けた。

 

「がっぐぅ」

 

それと共に選手がもがき苦しみながら、現れたのは剣だった。

 

「あれは固有霊装か?」

 

「飛羽真、あれを奴に奪われるなっ!

奪われた瞬間、あの選手は死んでしまう」

 

「なんだって、ぐぅ!!」

 

俺はすぐに奪われそうになった固有霊装を掴みながら、もう片方の手でワンダーライドブックを取りだし、そのまま装填する。

 

【魔法が使えない少年が、反魔法の力を宿す魔剣を手に、魔道士の頂点を目指す物語】

 

「おらあああぁ!!」

 

【烈火抜刀!二冊の本を重ねし時、聖なる剣に力が宿る!】

 

俺はそのままブラック・クローバーの能力で作り出した巨大な錆びた剣をそのままディビエルに向けて投げる。

 

巨大な物量もあって、ディビエルは吸い込むのを一瞬止め、受け止める。

 

同時に吸い込む力が弱まり、手に持っていた固有霊装は持ち主の元へと戻っていった。

 

それと共に錆びた剣はそのまま俺の元へと戻ってくる。

 

「今のは一体」

 

「奴はバラゴ・ディビエル。

魂を喰らい、最強の存在になろうとする奴だ」

 

「そして、俺が倒すべきディビエルだ」

 

「っ」

 

そう、どこからともなく聞こえてきた声、同時に出てきたのは巨大な槍を持つ二人の男だった。

 

「奴がか」

 

「あぁ、そうだぁ、あれが仇のディビエルだぁ!」

 

そう言いながら、叫びながら、その手にはワンダーライドブックを取り出していた。

 

「まずい、まさかここで二人とは」

 

【とある魔剣を手にした貴族の特権を守る為の戦いの物語】

 

【大地を駆け抜けるヒクイドリは、遥か先を見続けている】

 

「「変身」」

 

【栄光の特権!全て貫く突剣!正義は我にあり!】

 

【黒曜一突!必殺の一撃が、全てを貫く!】

 

その音声と共に二人はそのままライダーへと変身する。

 

一人はまるで王の鎧を思わせる姿であり、その手に持っていた槍は巨大化していた。

 

もう片方は鳥を思わせる赤い装甲を身に纏っていた。

 

「あいつらは確かチャージとダインス」

 

今回の戦いで乱入すると予想していたダインスはともかく、まさかチャージも一緒に来るとは思わなかった。

 

「バラゴォォー!!!」

 

同時にダインスはその手に持った巨大な槍を手に持ち、バラゴ・ディビエルに襲い掛かる。

 

その一撃は強く、地面を大きく揺るがしていた。

 

「なっ、おいまさかっ!」

 

そうしている間にもダインスとバラゴ・ディビエルの戦闘は激しく、未だに避難を終えていない選手や観客の近くにいても、容赦なく戦い続ける。

 

「何をやっているんだっ」

 

俺はすぐに手に持った剣でダインス達の元へと向かおうとしたが、その前に立ちはだかったのはチャージだった。

 

「何をする」

 

「それはこちらの台詞だ。

ダインスの邪魔をするな」

 

「邪魔って、このままじゃ、周りに被害があるだろ!!

せめて、それをなんとかしないといけないだろう!!」

 

「それがどうした?

その間に奴が姿を消したらどうする。

なにより」

 

その言葉と共に

 

「なぜ、自分の身を守れないような弱者を守る必要がある」

 

「っ!!」

 

その一言に俺は戦慄する。

 

【かつて太陽を蹂躙した破壊の化身がいた】

 

その音声と共にチャージの右腕は白い布と虹色の籠手を身に纏った。

 

すぐに俺は構えようとしたが、その横を銃弾がすり抜ける。

 

「飛羽真、先に行け。

そいつは俺が食い止める」

 

【鈴音楽章!甘い魅惑の銃剣が、おかしなリズムでビートを斬り刻む!】

 

「イエェイ、カモーン、ミッシェル!!」

 

その一言と共にぞろぞろと現れたピンク色の熊のような何かがチャージに向かって飛びついていく。

 

「こいつらは」

 

そう言いながら、襲い掛かってくるミッシェルと呼ばれる謎の熊のおかげでチャージはこちらに寄ってこない。

 

「行け!!」

 

「分かった」

 

その一言を聞くと共に、近くにいた選手に襲い掛かろうとした一撃に対して

 

「ぐっ」

 

「セイバー」

 

「お前は」

 

そう言いながら受け止めた攻撃に対して、思いっきり弾き返し

 

「少しは周りを見ろ!!」

 

【ブラック・クローバー】

 

錆びた剣は巨大な黒い斬撃をダインスとバラゴ・ディビエルを吹き飛ばす。

 

「グッ、コレハ、ヒクシカナイ」

 

その一言と共にバラゴ・ディビエルはその場から去って行った。

 

「バラゴっ、セイバー貴様っ」

 

その言葉と共に、俺に襲い掛かろうとしたが

 

「それ以上はさせない」

 

同時にその攻撃を防いだのは一本の黒い刀を持った一人の選手だった。

 

「ハアァ」

 

その攻撃をそのまま弾き返す。

 

「一刀羅刹でやっと弾き返せるとは」

 

「邪魔をするな」

 

「悪いけど、それ以上は手出しはしないでくれるかしら」

 

その一言と共にダインスの前に無数の短剣が襲う。

 

それと共に前に立ったのはマリアさんだった。

 

「この会場の恩人と私の生徒に手を出すならば、私も相手になるわ」

 

「ぐっ」

 

「引くぞ、ダインス」

 

「チャージ、まだ」

 

「それ以上、やっても無駄だ、

何よりも、この大会が行われている以上、奴も再び現れるだろ」

 

「・・・あぁ、そうだな」

 

その一言と共に巨大な虹を二人を包み込み、その姿を消した。

 

「はぁ、なんとかなったか」

 

そう言いながら、俺は安堵するが

 

「って、大丈夫か」

 

そこには思いっきり倒れて、助けてくれた選手がいた。

 

「黒鉄君は少し無茶しすぎよ」

 

「大丈夫なのか」

 

「この子の能力の反動のせいよ。

けど、まさかここまでとは」

 

そう言いながら、周りを見渡す。

 

「それに、未だに終わっていないから」

 

その一言に頷くしかなかった。




「どうしたんですか、飛羽真君」

「あぁ、新堂に富加宮か」

その日、俺は喫茶店で悩んでいた。

「何か悩み事ですか?
良かったら、相談に乗りますが」

「あぁ、実は大晦日なんだが、初詣の後でなぜか4人にバラバラに誘われたんだ」

「誘われたとはどういう事なんだ?」

その言葉に疑問に思って、富加宮は質問されたが

「なんかデパートの買い物に。
別に皆と一緒で良いと思っていたけど、返答する前に消えちゃってね」

「なるほど、確かにそれは大変ですね。
ですが、だったら早く返信すれ「待て」んっどうしたんですか?」

「下手に返信すれば、飛羽真、死ぬぞ」

「「なっ!!」」

その一言に俺と新堂は雷に打たれたように驚きを隠せなかった。

「どっどういう事なんだ」

「そうです、誘いを断って、なんで死ぬんですか!?」

「いや、分かるだろ、これは」

そう言いながら、富加宮は冷めた目で見つめるが、心当たりがまるでない

「とにかく、考えるんだ、この状況を打開するドキドキデート大作戦を!!」

「なんで、デートになるんだ?」

「それにどきどきとは一体どういう意味なんでしょう」

「これは真剣に考えなければ、本当に死んでしまうな」



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番外編 ドキドキデート大作戦

あけましておめでとうございます。
無事に一年を迎える事ができ、嬉しく思います。
今回は本当に番外編のような感じでキャラ崩壊が多数ありますが、どうか楽しんでください。
そして、活動報告で新しい募集を行っております。
今年も皆様の応募、お待ちしています。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=252857&uid=45956


「これより、ドキドキデート大作戦を実施する!!」

 

大晦日を迎えた昼頃、富加宮を初めとしたソードロゴスのメンバーが集まっていた。

 

「ドキドキデート大作戦って、そこまで大袈裟に言わなくても良いだろう」

 

そう言いながら、尾上は餅を食べながら言う。

 

「皆分かっていません。

こういう修羅場を下手に掻き乱すと、大抵は悲惨な最期が起きてしまう」

 

「さすがは賢人君だね。

それで、結局はどういう事」

 

「どうやら、この事態は思った以上に厄介だな、それで作戦はどんな感じなんだ?」

 

「えぇ、まずは響と合流です。

今は大晦日の牛に関する大食いがあるはずだが」

 

そう言いながら富加宮が見つめた先では

 

「マジで食べるのか」

 

「いやぁ、カップル限定という事で一人じゃさすがに入れなくてね」

 

そこには机の上に山盛りに乗せられたステーキが置かれており、それを見て冷や汗をかいている。

 

「とにかく、食べるよ」

 

「少し胸焼けしそう」

 

そう言いながら、飛羽真達は食べ始めた。

 

「どうやら、上手くいったようだな」

 

「賢人君、店の入り口に朝田が来ているよ」

 

「なっ!!」

 

その一言と共に全員が望遠鏡で見つめると、そこには何やら買い物袋を持った朝田の姿があった。

 

「このまま合流したら」

 

「ここは僕に任せてください!」

 

その言葉と共に新堂は立ち上がり、向かっていく。

 

「頼んだぞ、新郎!」

 

そう言いながら、見つめた先には新堂が朝田の前に立った。

 

「あっ朝田さん、偶然ですね!!」

 

「あぁ、新堂。

あんた、ノーザンベースに戻ったんじゃないの?」

 

「いやぁ、実はこの近くに新井式回転抽選器というのを探しているんですが、どこか知りませんか!」

 

「しん、なにそれ?

本当にあるの」

 

新堂から出てきた単語に疑問に思った朝田は首を傾げるが

 

「お願いします!

僕、どうしても一回回してみたかったんです!!」

 

「はぁ、まぁ待ち合わせまでまだ時間があるから良いけど」

 

その言葉と共に新堂は朝田を遠ざけた。

 

「ナイスだ」

 

「ねぇ新井式回転抽選器って、なんなの」

 

「ガラガラ福引抽選器だ。

ほら、祭りとかで回すあれだ」

 

「新堂の真面目な性格が、まさかここで役に立つとはな」

 

「あっそうしていると、何か動きがあるぞ」

 

そうしている間に飛羽真は口を押さえていた。

 

「食い過ぎた」

 

「えぇ、大丈夫なの」

 

そう飛羽真は机を立ち上がって

 

「悪い、トイレ行ってくる」

 

そう言いながらふらふらとその場から離れていた。

 

その間も、響は特に気にした様子もなく、食べ続けた。

 

「よし、その調子だぞ、飛羽真!

事前の打ち合わせとは違う台詞に気になるが」

 

そう言っていると、飛羽真はトイレに向かっていた

 

「あれ、マジでトイレに行っていないか」

 

「まぁ、あんだけ食べていたからな」

 

「むっ」

 

そうしている間に、飛羽真の前に現れたのは八舞の二人だった。

 

「なぁ!?

このタイミングで!!」

 

「むっ、飛羽真じゃないか、どうしたんだこんな所で」

 

「疑問?

待ち合わせまでまだ時間はありますが?」

 

「悪い、少しトイレ」

 

「そうじゃなぁ!?」

 

「飛羽真、大丈夫?

あれ、二人共奇遇だね」

 

「おぉ。響ではないか?

なんでここに来た?」

 

「最悪の事態だ!?

まさか、ここまで早く合流するとは」

 

その事態に驚きを隠せずにいたが

 

「うぐっ、食い過ぎて」

 

「あわわぁ!?

食べ過ぎた」

 

「えぇ、とりあえずトイレに」

 

そう吐きそうになっている飛羽真を連れて、三人は姿を消した。

 

「これで少しは時間を稼げる。

今の内に「まぁ、そんな事だろうと思ったわ」何?」

 

聞こえてきた声に振り返ると、そこには笑顔の朝田がいた。

 

ただし、全員がその表情から恐怖を感じていた。

 

「って、朝田!?」

 

様子を見ていた富加宮の後ろから声をかけたのは朝田だった。

 

「朝田、なんでお前がここに」

 

「いや、新堂が急に現れて怪しいと思ったからね。

新堂がチラチラとしている方向を見て、ふらふらしている飛羽真とあの三人をみかけたからな」

 

「確か朝田はGGOではスナイパーだったな」

 

「まぁドキドキデート大作戦だと言っても失敗だったからな」

 

「二人共、今、その話をすると」

 

そう富加宮の後ろで会話している三人の声を聞いた朝田は

 

「へぇ、ドキドキデート大作戦って、何かしら」

 

そう言って、冷めた目で富加宮達を睨んでいた。

 

「あっ、賢人君」

 

「どうした」

 

「飛羽真の奴、なんだか特に問題ない様子だよ」

 

「なっ!!」

 

そこには現状ならば考える限り最悪な状況だった。

 

急いで見つめた先では3人は話し合っていたが、険悪という印象はない。

 

「あれ?」

 

「なんか、特にやばそうな雰囲気じゃないような」

 

「まぁ、そもそも三人はデートというよりも出掛ける印象が強いのよね」

 

「あの嬢ちゃん達はそういうの、あんまり考えていない感じだったしな」

 

そう言いながら、尾上は豪快に笑っていたが

 

「それはそれで、とりあえずあんたら、覚悟はできているわよね」

 

【アリシゼーション】

 

「あっ」

 

聞こえてくる音声と共に、朝田の姿はこれまでのスナイパーを思わせる姿ではなく、まるで女神を思わせる姿だった。

 

「・・・」

 

「逃げるか」

 

尾上のその一言と共に、全員がその場から逃げ出した。

 

「うぐぅ、肉はしばらく食べたくない」

 

「それにしても、二人も約束していたんだね」

 

「あぁ、年始め気になるのがあったからな。

しかし、まさか響もとな」

 

「肯定、思えば返信を聞くのを忘れていました」

 

「あはははぁ、私も。

あれ、それじゃあ、他にいたりするの?」

 

「えっとまぁ朝田と一緒に今度のゲームに必要な買い物にな」

 

「ゲームって、確か今度の」

 

「まぁな、ゲーム以外にも必要なのがあるからな。

よく分からないけど、今度GGOやALOのコラボで行われるゲームらしいけど、新堂が調査している場所らしいけど」

 

そんな会話をしていると

 

「待たせたわね」

 

「あっ朝田ちゃんって、あれ新堂君が結構ボロボロだけど、どうしたの」

 

「しっ新堂」

 

「すっ少し転んでしまいまして」

 

「飛羽真」

 

「はっはい」

 

そう言っている間に朝田からの言葉を聞き、そのまま直立で立つと

 

「今度、GGOに付き合って貰うわよ」

 

「はっはい」

 

その言葉に俺は頷くしかなかった。



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我が名はセイバー

「警備、お疲れ様」

「気にする事ない。
これも俺の仕事だから」

そう言いながら、大秦寺はこれから訪れるだろうバラゴ・ディビエルに備えていた。

「あの子、神山飛羽真と言ったかしら?
戦い方を見させて貰ったけど、あまり戦い慣れしていないようだけど」

「あぁ、あいつが仮面ライダーになったのは一年にも満たない。
それも、平凡な高校生だったからな」

「ソードロゴスというのは随分と人手が足りないようね」

その言葉を聞きながら、大秦寺も頷くしかなかった。

「ディビエルは本来の役割から逸れた存在だからな。
それがどのように造られたのか、未だに分からない謎の存在だからな」

「ディビエルねぇ、それってどういう意味なのかしら?」

「元々はデビエーション、「逸脱」や「脱線」した意味を持っており、そこから世界を破壊する悪魔が重なった」

「デビル、つまりは」

「世界から逸脱した悪魔。
昔、誰かがそれを合わせて付けたらしい。
そこから違和感なく、私達は使っている」

そう言いながら、大秦寺はこれまで以上に集中するように目を閉じる。

「けど、迷っているように見えるけど?」

「迷い?」

その言葉に大秦寺はマリアの方へ向く。

「あなた、あの子を巻き込んでいる事に対しての迷っているのかしら?」

「・・・それは、正直に言うと分からない」

「分からない事だらけね」

「あぁ、私は生まれてからずっとソードオブロゴスとしての使命で戦っており、それに対して今も迷いはない。
だが、これまで多くの若い剣士よりも長く生き、彼らの剣を最善にしていたつもりだった。
それでも、死なせたり、彼らを間違った道へと進ませてしまった」

その言葉と共に思い浮かぶのは今はカリバーと共に行動しているライダーの姿だった。

彼らとの交流もあり、共に戦ってきたが、止める事ができなかった。

尾上のように割り切った考えができず、誰よりも聖剣と関わりを持っていた大秦寺はそれに悩んでいた。

「だったら、その経験があるあなたが導かなければならないんじゃない?」

「私が?」

そう言い、首を傾げる。

「私も教師を初めて、まだまだだけど、それでも私の多くの経験で今のあの子達を助ける事ができたと思うわ。
あなたが長年の経験も、今は誰よりも近くにいるあの子が必要にしているんじゃないかしら?」

「あぁ、そうだな。
この後悔した気持ちも間違った彼らの姿も私は見ていた。
だからこそ、彼を間違えないように導く」

「少しは良い顔になったじゃない」

そう言いながら、大秦寺は立ち上がる。

「この音」

「出たのね」

「あぁ」

そう言い、大秦寺は走りだそうとする。

「感謝する、少し迷いが晴れた気がする」

そう言い、大秦寺はそのままワンダーライドブックを取り出し、音があった方向へと導く。

「導くね、なぜかしら、私も何か忘れているような気がするのはね」

そう言いながら、他に何か起きるか分からない為に、自身の武器を取り出す。

その手に握られた剣を見ながら

「アガートラーム、私の心。
でも何か違うと思うのはなぜかしらね」




あの戦いの翌日、俺と大秦寺さんは試合中に何時でも駆けつけるように、観客席から少し離れた場所で待機している。

 

「ふぅ」

 

「えっと、こっちだったかしら?」

 

「んっ?」

 

俺は周りを見渡していると、女性の声が聞こえて来たので、見ると何やら慌てた様子の女子生徒がいたが

 

「どうしたんだ?」

 

「あっ実はこの近くで行われている七星剣武祭の会場に行こうとしているんですけど、なぜかたどり着けなくて」

 

そう言いながら、スマホを見ながら迷っているようだが

 

「迷うって、んっ」

 

その言葉に一瞬だけ疑問に思ったが、見てみると、周りの様子が可笑しい。

 

俺は片手にブラック・クローバーを起動させる。

 

「会場はあっちだ」

 

「えっ、あれ、本当!

ありがとう」

 

「気をつけて」

 

そう言いながら、少女はそのまま去って行った。

 

「ブラック・クローバーの魔法解除能力が効いた。

という事は」

 

その言葉と共に現れたのはバラゴ・ディビエルだった。

 

「結界を破壊するとはな。

極上の獲物だったが、まぁ良い」

 

そう言って、バラゴ・ディビエルはそのまま手に持った斧をこちらに向ける。

 

「貴様の魂を喰らい、完全な復活を遂げる」

 

「その復活の前に俺に殺されるがな!!」

 

その言葉と共にバラゴに襲い掛かる人影が一つ、それはダインスだった。

 

「ダインス」

 

「貴様か、邪魔だな」

 

そう言いながら、バラゴ・ディビエルとダインスの戦いが始まる。

 

「始まってしまったけど」

 

そう言うと周りの事を気にせず、戦いが始まった。

 

「邪魔をするな」

 

「チャージ」

 

そんな俺の前に立ちはだかったのはチャージだった。

 

「これは奴に与えられた試練だ。

過去を乗り越える事で奴はより強くなる」

 

「試練だと」

 

俺はそう言いながら、チャージを睨むが

 

「あぁ、過去にあのディビエルによって大切な人を殺され、その復讐の為に強くなった。

その力は確かに強く、きっと世界を守るのに相応しいだろう」

 

「その為に、周りの奴らを犠牲にすると言うのか」

 

「弱者を守る必要など、どこにある?」

 

そうチャージは言うが

 

「あるな。

少なくとも、俺はこの力は誰かを守る為に使いたい」

 

そう、響達から教えられた。

 

「ならば、その強さを俺に教えてみろ」

 

そう言いながら構えるが

 

「その必要はない」

 

それを遮るように大秦寺さんがスラッシュに変身した状態で俺の前に来ていた。

 

「スラッシュっ」

 

「行け!!」

 

「ありがとうございます!!」

 

同時に俺はブレイブドラゴンとシンフォギア、ソードアートオンラインを装填し、バラゴ・ディビエルに向かっていく。

 

「変身!!」

 

セイバーに変身すると共に、俺はバラゴ・ディビエルに向けて拳を振り上げる。

 

「ちっ」

 

「吹き飛べぇ!!」

 

その言葉と共に、俺はバラゴ・ディビエルと共にその場から遠く離れた無人のビルへと突撃する。

 

戦闘を行う時にマリアさんから教えて貰ったスポットへと一直線へと突っ込むと共に、俺はすぐに確認する。

 

「やっぱり、ソルスブライト・ドラゴンにはなれないか」

 

確認したが、その姿はソルスブライト・ドラゴンではなかった。

 

あの姿になるにはやはり響と朝田の二人の協力が必要だが、今はそれを考えている場合じゃない。

 

「はあぁ!!」

 

襲い掛かる斧、それに対して、二つの剣で対抗していく。

 

シンフォギアワンダーライドブックのおかげなのか身体が軽い、それ以上に

 

「誰にも見られず、咲く花は無償の愛」

 

自然と口から出てくる歌、それを紡ぐ度に、その力が強くなっていく。

 

「ほぅ、まだまだか」

 

そう言いながら、迫り来る斧、それに対して、俺は言葉を発せず、歌い続ける。

 

少しでも途切れたら勝機を失う。

 

一瞬も油断ができない状況の中で、少しでも勝機に近づく為に

 

「邪魔だっ」

 

「っ!!」

 

それと共に後ろから襲い掛かってきた一撃、俺はその場を避けた。

 

見るとダインスがその手に持った武器をバラゴ・ディビエルに向けて放っていた。

 

「ぐっ」

 

その一撃を食らい、バラゴ・ディビエルはその手に持った斧を盾にして受け止めていた。

 

「死ねぇ!!」

 

「温い!」

 

その一言と共にバラゴ・ディビエルは斧の代わりに持ったのは剣だった。

 

剣から放たれた赤い炎は瞬く間に俺達を襲い、吹き飛ばす。

 

「「がぁ!!」」

 

「っ、セイバー!」

 

吹き飛ばされた先では大秦寺さんとチャージが戦っており、近くに倒れた俺を助ける為に大秦寺さんが駆け寄った。

 

「ダインスは、まだ倒していないか」

 

対してチャージはダインスを助ける様子もなく、バラゴ・ディビエルを見つめる。

 

「散々邪魔してくれたな、ただで死ねると思うな」

 

その一言と共にバラゴ・ディビエルはそのままダインスに向けて振り下ろす。

 

「がぁ!!」

 

「っ!!」

 

そこではなんとバラゴ・ディビエルがダインスの身体に攻撃する。

 

致命傷にならないように少しずつ、苦しめるように。

 

「ぐっ」

 

「無茶だ」

 

俺はすぐに立ち上がり、助けに入ろうとしたが、大秦寺さんが止める。

 

「無茶でもなんでらも守らなきゃいけません!

あいつが苦しんでいるのに」

 

そう言いながら、俺はゆっくりと立ち上がる。

 

「まだ、あいつを説得する手立てもありませんが、これ以上、もう誰も死なせたくない。

そう誓ったから」

 

紅のような悲劇を繰り返させない。

 

それだけが、今の俺の身体を動かす。

 

「無茶をする。

だが、それを助けるのも先に進んでいた者の役目か」

 

「大秦寺さん?」

 

見つめると、大秦寺さんは目を瞑っていた。

 

「立てるか」

 

そう言った大秦寺さんはこちらに手を出す。

 

それに対して、俺は

 

「はい!」

 

答えるように握り、立ち上がる。

 

それと同時に、俺のベルトに装填されていたシンフォギアワンダーライドブックが光り輝く。

 

「これはそういう事かぁ!!」

 

その言葉と共に見つめたのはシンフォギアワンダーライドブックだった。

 

それは以前は調ちゃんや切歌ちゃんは描かれており、それに追加されるようにマリアさんが追加されていた。

 

それと同時に大秦寺さんの懐にあったワンダーライドブックが一つになっていた。

 

「一体、何が起きているんだ?」

 

ワンダーライドブックが開くと共に

 

『ヘンゼルナッツとグレーテル』『SHOWBYROCK!!』『BanG_Dream!』

 

その音声と共に3つのワンダーライドブックが一つの巨大なワンダーライドブックへと変わる。

 

「シンフォギアワンダーライドブック。

まさか、他のワンダーライドブックを合わせるとは。

まぁ、その条件はあるが、今はありがたい」

 

そう言った大秦寺さんはそのまま新たなワンダーライドブックを開く。

 

【フェスティバルステージ!

少女達が奏でる音楽が、その場に賑やかな祭りを生み出す。

さあ、新たなステージの始まりへ、ミュージック、スタート♪】

 

「ふんっ」

 

そのまま新たなフェスティバルステージワンダーライドブックをセットし、大秦寺さんは構えると、そのまま開かれる。

 

【銃剣撃弾!銃でGO!GO!否!剣でいくぞ!音銃剣錫音! New Stage Show Time!】

 

響き渡る音と共にスラッシュの身体に装着されたのはDJを思わせるターンテーブルやギターなど音楽で使われる数々の機材を思わせる装備がスラッシュに装着される。

 

「姿は変わったようだが、それでどうするというんだ!」

 

そう言いながらダインスは叫ぶが

 

「音楽は人を変える事ができる。

それを証明するだけの話」

 

その言葉と共に腕に装着されているスピーカーとギターが一体化した籠手、音響籠手サウンダーにシンフォギアワンダーライドブックを装填する。

 

それと共に流れ出る音楽は俺を包み込む。

 

「これは」

 

聞こえてくるのは、マリアさんの歌声だった。

 

力強い声と共に出てきたのは牙狼ワンダーライドブックとキングオブアーサーワンダーライドブックの二つがそのまま聖剣ドライバーに装填される。

 

そこにはこれまで見た事のないような黄金の輝きを放っており、ボロボロで動けないはずの身体に力が入る。

 

「セイバー!」

 

「あぁ」

 

それに答えるように、俺は火炎剣烈火を引き抜く。

 

【烈火抜刀!三冊の本が重なりし時、聖なる剣に力がみなぎる!

ワンダーライダー!ドラゴン!牙狼!キングオブアーサー!三属性の力を宿した、強靭な剣が今ここに!】

 

その音声が響くと共に、俺の身体には二つのワンダーライドブックの力を宿るが、それと共に大きな変化が起きる。

 

普段は赤色のはずのブレイブドラゴンも、キングオブアーサーも黄金へと変わり、火炎剣烈火は巨大な黄金の刀身が追加される。

 

同時に背中にはマントが現れると共に、後ろには巨大な紋章が現れる。

 

「牙狼!」

 

そうして大きく姿が変わった俺を見つめて、先程まで斬り刻んでいたチャージを放り投げて、俺の方へと向かって来る。

 

それに対して、俺はゆっくりと手に持った火炎剣烈火でバラゴ・ディビエルの一撃を防ぎ、そのまま殴る。

 

「ぐっはあぁぁ!!」

 

バラゴ・ディビエルは全身から赤い炎を灯しながら、こちらに近づく。

 

「物語の結末は、俺が決める」

 

同時に牙狼ワンダーライドブックを取り出し、火炎剣烈火に翳す。

 

【牙狼!ふむふむ!習得一閃!】

 

その音声と共にこれまで赤い炎だった火炎剣烈火の色は緑色に変わり、ゆっくりと俺は構える。

 

「はあああぁぁ!!」

 

バラゴ・ディビエルはそのままこちらに向かってくるのに対して、俺はそのまま手に持った火炎剣烈火をバラゴ・ディビエルに向けて一閃切り裂く。

 

「がっ!?」

 

バラゴ・ディビエルは一瞬だけよろめきながら、傷口が徐々に光り始める。

 

「牙狼!!」

 

そう叫びながら、ゆっくりとこちらに向けて手を伸ばしながら、バラゴ・ディビエルはそのまま爆散する。

 

「・・・」

 

ゆっくりと全てが終わるのを確認するが、後ろから襲い掛かる何かに対して、俺は火炎剣烈火を構える。

 

「貴様貴様ぁ!!」

 

そこにいたのは先程までボロボロだったはずのダインスだった。

 

「どういうつもりだ」

 

「貴様っよくも俺の仇を倒したな!!

俺が倒さなくちゃいけなかったのに、よくもぉ!!」

 

そう言いながら、ダインスはそのまま叩き込むが、それに対して俺は両手に持ちながら、そのまま武器を切り払うと

 

「お前の仇なんて知るか。

あいつが、人を襲うならば、俺はそれを止める為にこの剣を使う」

 

「黙れ、俺のこの剣は復讐の為にぃ「その復讐は」あぁ」

 

「その復讐は誰の為なんだ。

お前自身の為か、それとも他の誰かの為なのか」

 

「誰の為、そんなの決まっている!

これはあいつの為の復讐だぁ!!」

 

「だったら、お前はお前と同じように苦しむ人を増やしたいのか」

 

「っ!!」

 

そう言いながら、俺は睨みながら、近づく。

 

「お前の過去に何があって、復讐を求めるのか、俺は知らない。

けどな、俺の目の前で誰かを傷つけるならば、俺は絶対に止める。

お前のその復讐がどんなに正しくてもな」

 

「くっぐぅっ」

 

そう言いながら、ダインスは立ち上がるが

 

「どうやら、あいつが言っていたように厄介な奴らしいな、セイバー」

 

そう言いながら、チャージはダインスに近づく。

 

「退くぞ、あいつに勝つためには、今、ここでは駄目だ」

 

そのチャージの言葉に従うようにダインスは頷くと共に

 

「次に会った時こそ、決着をつけるぞ、セイバー!!」

 

その叫び声と共に二人の姿は消した。

 

「勝てたのか?」

 

「一応はな」

 

それと共に、俺は脱力するように倒れ、そのままワンダーライドブックも外れる。

 

「痛っ」

 

「無理をするな。

あの姿で一時的に君の身体を強化させたに過ぎないからな」

 

そう言いながら、大秦寺さんも座る。

 

「このシンフォギアワンダーライドブックというのは未だに謎だ。

特定の人物に反応し、力と共に複数のワンダーライドブックを一つにする力を持っている」

 

「それって、確か俺のソルスブライト・ドラゴンとかですか」

 

「あぁ、カリバーが最初に行い、融合させた世界もシンフォギア。

なぜ、最初に融合させたのか、未だに分からないが、世界を融合させてもバランスを取らせる何かが、その世界にあったのだろう」

 

そう言いながら、大秦寺さんは話を続ける。

 

「そして響を中心に君の言う切歌、調、それに続いて今回はマリア。

彼女達は元々は融合する前のシンフォギアの世界の住人かもしれない」

 

「それじゃあ、カリバー達が狙っているのはバラバラに分かれた住人を狙って」

 

「おそらくは中心人物。

そして本を見る限り残りは二人」

 

「それじゃあ、今後はそれも中心に動かないと」

 

そう言いながら、立ち上がろうとするが

 

「君はしばらく休息だ。

学業にもそろそろ支障が出るぞ」

 

「いや、そう言っても」

 

「言う事を聞け。

何時終わる分からない戦いでも、この社会で生きるならば学業も大切な事だ。

何よりも、学友との思い出はきっと君の力になる」

 

「・・・そうですね、分かりました」

 

その言葉に納得するように俺も寝転がる。

 

戦いが終わるのは何時か分からないが、とりあえず今は休息を

 

「そう言えば、電話が鳴っているぞ」

 

「・・・はい、もしもし」

 

しばらくは説教を聞きながら、休息を取るしかなさそうだ。




今回、途中で出てくる歌詞は「ALMIGHTY~仮面の約束」です。
また、活動報告において、新たなライダーを募集しておりますので、興味がある方はぜひ参加をお願いします。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=252857&uid=45956


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チーム結成

「GBN?」

 

「そう、ゲストとして呼ばれる事になったゲームの事よ」

 

先日の戦いから数日後、無事に怪我を治す事ができ、響達を初めとしたメンバーからの説教を受ける。

 

そうして、なんとか立ち直ってから数日後、俺は朝田から頼まれて、とある場所へと向かっていた。

 

その場所というのがTHE GUNDAM BASEという場所だ。

 

近くには巨大なガンダムという機体が置かれており、本物という訳ではなくどうやら劇中に出てきた機体を模して造られた像らしい。

 

「それで、なんで朝田が招待されたんだ?」

 

「GGOでも一応トッププレイヤーなの、忘れたの?

それで、色々な所のプレイヤーが参加するトーナメントがあるけど、それに一緒に参加して欲しいの」

 

「俺が?」

 

そう言いながら疑問になって首を傾げるが

 

「トーナメントはチーム戦だけど、メンバーとして私以外に絶対に近接戦闘が得意な、飛羽真に来て貰った訳よ」

 

「それは良いけど、そのGBNって、一体何なんだ?」

 

「ここに置かれているような奴のプラモデルを造って、ゲームの中で戦うゲームらしいわ。

まぁ、ガンプラというのがさっぱりなのよ」

 

そう言いながら店の中へと入ると、かなりの人がおり、店の中にあるガンプラコーナーに来てみたが

 

「どれがどういう機体なのかさっぱりだ」

 

「えっえぇ、そうよね、本当に何がなんなのか」

 

目の前にあるガンプラ一つ一つの特徴を見ても、派手な見た目だと言う事以外は分からず、どういう基準で選べば良いのか分からない。

 

「あっ明日菜、これは何なのか分かるか?」

 

「うっうぅ、実はさっぱりで」

 

どうやら、近くで俺達と同じような感じの男女がいるようだが

 

「んっ?」

 

「どうかしたの?」

 

その二人を見て、何か疑問に思った俺の様子を見た朝田はこちらに尋ねたが

 

「いや、少しな」

 

その姿には見覚えがあった。

 

丁度、俺が最初に手に入れたワンダーライドブックであり、朝田と共に大きな関係がある姿だった。

 

「あの、何かお探しでしょうか」

 

そう悩んでいると、俺達に話しかけたのは店員だった。

 

「あっあぁ、実は今度の大会でガンプラが必要なんだけど、ガンプラの事がよく分からなくて」

 

「あぁそういう事でしたら、私の友達に詳しい人がいますので、聞いてみますね」

 

「ぜっぜひ」

 

まさかの言葉に俺は思わず頷く。

 

「あの、それ、俺達も良いですか?」

 

「えっと、貴方達も?」

 

「あはは、実はそうなんです。

今度ALOから参加する事になって、GBNでも知りたい事があったので」

 

「それじゃあ、一緒のチームに入る?

私達は丁度、二人だけだったからね」

 

「そう良かった、私は結城明日奈」

 

「俺は桐ヶ谷和人、えっと君達は」

 

「私は朝田詩乃、こっちは神山飛羽真」

 

「どっどうも」

 

俺はそう言いながら、挨拶をするが、やはりワンダーライドブックを通して見た人物とますます似ている。

 

「お待たせしました。

それじゃあ、ヒロト、お願いできる?」

 

そう言いながら、来てくれたのは、俺達と同じ歳ぐらいの男の子だった。

 

「あぁ、分かった。

えっと、それじゃあ、特徴について聞きたいけど良いですか?」

 

「えっと、それじゃあまずは私から?

私はスナイパータイプで、なるべく威力が高い奴が良いわね」

 

「俺は近接戦闘ができる機体で、なるべくだったら二刀流で高い攻撃力がある機体だと良いかな」

 

「私も同じかな、でも戦い方は素早く行えるのが良いかしら?」

 

そう言いながら、各々の機体を話してくれた。

 

そう言っている間にも俺もどういう機体にするか考える。

 

「一撃必殺、癖が強いけど強いのだったら、シルヴァ・バレト・サプレッサー。

二刀流で近接戦闘、だったらエクシア、素早い一撃だったらバエルとかかな?」

 

そう言いながら、選ばれた機体を見ながら、考えている中で

 

「えっと、君はどういう機体が良いのかな」

 

「そうだな」

 

正直言うと、戦い方に拘りはなく、近接以外では

 

「・・・ドラゴン」

 

「ドラゴン?」

 

「ドラゴンのような機体が良いかな、なるべくだったら、接近戦で」

 

「ドラゴンで接近戦、だったら、最近発売したあれとかどうだろう」

 

そう言い持ってきたのは赤いガンプラだった。

 

「ガンダムエピオン。

近接戦闘の他に変形が特徴だけど、その見た目がドラゴンに似ているけど」

 

そう言われ、見てみると確かにこの見た目はよく似ている。

 

剣が武器という事を含めても、確かに俺にはぴったりかもしれない。

 

「とりあえずはこの機体で「あれ、飛羽真君ですか?」新堂!?」

 

そこにはなんと新堂がいた。

 

確か、任務だと聞いていたが

 

「あれ、新堂さんじゃないですか?

今日もですか?」

 

「はい、メンバーを探していたのですが」

 

「もしかして、GBNに」

 

そう言いながら、俺は朝田に目を向けて、そのまま新堂に近づく。

 

「どういう事なんだ?」

 

「実は、GBNの中でダインス達を目撃されております。

何が目的か分かりませんが、このトーナメントに似た人物がいるという情報です」

 

「GBNはオンラインゲームだ、似た容姿や名前という線は」

 

「分かりません。

ですが、情報の真偽の為にも向かう必要があります」

 

「・・・分かった」

 

どうやら、今回も騒動があるけど

 

「また何か面倒事?」

 

「あぁ、悪い」

 

せっかく誘ってくれたのに、こうしてまた戦いに巻き込んでしまって

 

「それは別に良いけど、大会に参加する為にはあとメンバー一人必要よ」

 

「えっ、本当」

 

それは困ったが

 

「あぁ、それならば、僕も実はもう一人メンバーがいます」

 

「本当か」

 

どうやら、幸先は良いらしい。

 

あとは、ここからどうするかだな。

 



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GBNでの出会い

今回からサウザンベース陣営の仮面ライダーも登場していきます。
原作ではまだ出ていませんが、よろしくお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=252857&uid=45956


「はぁ!!!」

 

GBNに無事にログインした俺達はすぐに大会に参加する事になった。

 

操作方法について教えて貰ったが、以外と簡単な操作方法である為か、瞬く間に操作に慣れる事ができた。

 

「それにしても」

 

大会前のチュートリアルで行っているクエストで真っ赤に塗装されているエピオンに乗りながら、他に行われている戦闘を見る。

 

そこには黒く塗装されながら、本来ならば片手だけしか持っていないはずのGNソードを両手に持ち、戦闘を行っていた。

 

迫ってくるリーオーに対して、慣れたように防御を行いながら、次々と重い一撃を放っていく。

 

その姿はまさに俺が最初に使っていたソードアートオンラインワンダーライドブックの能力と酷似している。

 

「やっぱり、キリトさんがソードアートオンラインの中心人物」

 

その戦い方を見ながら、キリトの戦い方を合わせるように赤い線が僅かに入っているバエルとの連携が行われており、その戦闘を見つめていた。

 

「トーマ、ぼーっとしない」

 

そうして見ているとシノンからの声と共に、こちらに迫っていたリーオーが瞬く間に吹き飛ばされる。

 

「あっ悪い!!

 

それと共に見ると、そこにはシノンのイメージカラーとも言える蒼に塗装されているシルヴァ・バレト・サプレッサーが狙撃を行っていた。

 

「そうですよ、ゲーム内とはいえ、油断は禁物です」

 

その言葉と共にリーオーを破壊しながらこちらに近づいてきたのは新堂だが

 

「なんというか、お前のは凄い個性だな」

 

「そうですか?」

 

そう言いながら首を傾げるが、そこに立っていたのはライオンだった。

 

聞いた話だと、ガイアガンダムというガンダムをベースに頭はライオンに、背中にはガーベラストレートを背負いながら、次々とリーオーを倒している。

 

「・・・なんだか、あいつだけまったく別の作品に見えるのは気のせいかしら」

 

「そこはまぁ、気にしてはいけないと思うぞ」

 

そう言いながら、未だにこちらに迫り続けるリーオーを吹き飛ばしたのは、最後のメンバーだった。

 

「やはり頼りになりますね」

 

「確か、ガーベラストレートの事を教えてくれたダイバーだったけ」

 

「えぇ、サキモリは頼もしいですね」

 

その言葉と共に、青く、侍を思わせる武装を身に纏っているアストレイだった。

 

そうして、ミッションを終え、休憩時間の間、キリトにふと聞きたい事を尋ねた。

 

「それにしてもキリト達はなんでこのイベントに参加したんだ?」

 

「そうだな、元々GBNには興味があったけど、何よりもGBNにいるというELダイバーが決め手かな?」

 

「ELダイバー?」

 

聞いた事のない言葉に俺は首を傾げるが

 

「詳しい事は未だに解明されていないけど、人間と同じ思考を持っている存在らしい。

俺達にもユイていう子がいるからな」

 

「へぇ」

 

人間と同じような思考を持つELダイバー。

 

まさかSFのような設定がここであるとは

 

「待てよ」

 

もしも、それが目的ならば

 

「んっ」

 

そうしていると、何やら地鳴りが鳴り、俺達は慌てて立ち上がる。

 

そこに立っていたのは、これまで戦ってきたリーオーとはまるで違う機体だった。

 

灰色の一つ目が特徴的なその機体はリーオーとは違い、不気味な雰囲気を出していた。

 

「なんだ、あれはって」

 

そう言っている間に準備していないのにも関わらず、こちらに向けて攻撃を仕掛けてきた敵。

 

「うわぁ」

 

「こいつら」

 

いきなりの事態で驚きを隠せない中で、俺はすぐに走り出す。

 

「キリト、ここは俺が引きつけるから、お前は急いでガンプラを取りに行ってくれ」

 

「無茶だ」

 

「無茶でも、何でもやらないと駄目だろ。

このままじゃ、全滅だ」

 

俺はそう言いながら、すぐに走り出す。

 

「っ無茶するなよ」

 

そう言い、キリトが離れてくるのを確認すると

 

「さぁて、これで」

 

俺はそう言いながらブレイズドラゴンと響から預かった一冊のワンダーライドブックを取り出す。

 

「こういうのはあんまり好きじゃないけど、明らかに可笑しい状況だからな」

 

【とある少年が出会う電子の勇者との愛のストーリー】

 

俺はそのままワンダーライドブックを二冊装填し、そのまま構える。

 

「変身!」

 

それに合わせるようにその機体は俺を踏み潰そうとする。

 

【烈火抜刀!二冊の本を重ねし時、聖なる剣に力が宿る!ワンダーライダー!

ドラゴン!グリッドマン!二つの属性を備えし刃が研ぎ澄まされる!】

 

完全に踏み潰されたが、変身を完了した俺はそのまま巨大化し、迫ってきた機体をそのまま手に持った火炎剣烈火で一閃切り裂く。

 

「こいつだけじゃなさそうだな」

 

そう言っている間に襲い掛かる敵の数は増えていき、こちらに迫っていた。

 

「さて、聞きたい事があるけど、ここで何をしているんだ、チャージ」

 

その機体の一つに乗り込んでいる人影、既に変身しているチャージだった。

 

「ほぅ、既にここまで来ているとはな」

 

「悪いが、お前が何を企んでいるか分からないが、さっさと終わらせる」

 

俺は聖剣ドライバーに装填されているグリッドマンワンダーライドブックのボタンを押し、響があの時に行った技を再現するように動く。

 

【グリッドマン】

 

「グリッドビーム!」

 

その言葉と共に放たれたビームは目の前を覆っていた機体を焼き尽くす。

 

だが

 

「一撃が遅い!」

 

その言葉と共にチャージは既にそこにはおらず、既に俺に向けて攻撃を仕掛けた。

 

「ぐっ」

 

身体が大きく攻撃を簡単に受けてしまったが、俺はそのままグリッドマンワンダーライドブックを外し、ストームイーグル、西遊ジャーニーを装填する。

 

それと同時にクリムゾンドラゴンへと変身し、巨大化した身体から元の大きさに戻り、そのままチャージへと突っ込む。

 

「ほぅ、既にワンダーコンボをそこまで使えるか」

 

そう言いながら、周りには既に破壊され、燃えている機体に囲まれながら、チャージと戦っていく。

 

クリムゾンドラゴンの能力で空中に飛びながら、攻撃を避けているが、チャージの早さは予想以上だった。

 

飛行能力がなければすぐに負けそうになる。

 

「これがセイバーの力か」

 

それと共に聞こえてきた声の方向を見ると、そこには見たことのないダイバーがいたが

 

「お前は」

 

「まさか、ここで邪魔しに来たか、サウザンベースのライダー」

 

「サウザンベース?」

 

まるで聞いた事のない言葉に首を傾げながら、目の前にいる人物は懐から取り出したのはワンダーライドブックだった。

 

「チャージ、悪いが、ここでお前を倒させて貰う」

 

【とある夜、ダチ公二人の星空輝く友情ロード】

 

懐から取り出したワンダーライドブックから鳴り響きながら、その手には巨大なガンブレードを思わせる聖剣を取り出した。

 

【嵐機銃剣征嵐】

 

「変身」

 

【嵐気銃剣征嵐!暴風!雷撃!豪嵐!銀河爆走の夜!!】

 

それと共に、手に持った剣を振り回しながら、姿は徐々に変わっていき、そこには機械の鎧を身に纏った剣斬を思わせるライダーが現れた。

 

「まさか、新しい仮面ライダー」

 

「仮面ライダーフィング、お前をここで斬らせて貰う」

 

その言葉と共に新たなに現れた仮面ライダーはその手に持ったガンブレードでチャージに攻撃を仕掛ける。

 

そうして走り出したフィングは瞬く間にチャージに近づき、攻撃を仕掛ける。

 

「スピード勝負か、良いだろ」

 

その言葉と共にチャージは攻撃を受け止めると共に戦闘が始まった。

 

まるで鳥を思わせるような俊敏な動きのチャージに対して、バイクのような一瞬の早さのフィング。

 

二人の戦いを異なる早さで行われる戦闘は苛烈を極めており、周りの空間が亀裂が入っていた。

 

「このままじゃ」

 

そう思っていた時だった。

 

二人の戦いに介入したのは見たことのないディビエルだった。

 

「ここで死なれては困るからな」

 

「・・・そうだな、ここでの戦闘は既に無意味だ」

 

その言葉と共にチャージはそのままディビエルと共に姿を消した。

 

「待てっ、くそ」

 

このGBNで何を行うのか、未だに分からなかった。

 

「だけど、GBNがいるのは間違いない、このまま「悪いがそうはさせない」っ」

 

俺はすぐに追いかけようとしたが、フィングが俺の首元に剣を置く。

 

「いや、俺は「セイバーだろ」っ」

 

カリバー達と同じライダーだと思われたと思ったが

 

「セイバー、ソードオブロゴスの命により、貴様を封印する」

 

「封印って、どういう事なんですか」

 

「さぁな!!」

 

その言葉に疑問に思いながらも、フィングとの戦いは避けられないようだ。

 

「本当、何が起きているんだっ!!」

 



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宇宙からの侵略者

「ちょっ待ってください!」

 

突然の事で驚きを隠せない俺は手に持っている剣でなんとか対抗しながら、目の前にいるフィングからの攻撃を受け流していく。

 

「封印って、一体どういう事なんですか!?」

 

そう言いながらも、こちらに対して攻撃を続ける。

 

その攻防の中で

 

「何をしているんですか!!」

 

【流水抜刀!ライオン戦記ー!流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!】

 

そんな中で俺の前に現れた新道がフィングの攻撃を受け止め、そのまま受け流す。

 

「ブレイズか」

 

「何をしているんですか、フィングっ!」

 

そう言いながら、ブレイズはそのままフィングを睨みながら言う。

 

それに対してフィングは

 

「ブレイズ、お前も分かっているはずだ。

セイバーの持つワンダーライドブックを自在に作り出すその力を上層部は危険視している。

カリバーがかつて行った世界の融合によって誕生したその能力が世界でどのような影響を与えるか分からない以上、厳重に封印する必要がある」

 

「確かに、その可能性はあるかもしれません!

だけど、どのような力もその使い方次第で良くも悪くもなります!!

僕は仲間として、ノーザンベースの剣士として、飛羽真君の可能性を信じます!」

 

そう言い、ブレイズは構えながら、目の前にいるフィングは周りを見つめる。

 

「良いだろう、今は見逃そう。

だが、ブレイズ、ソードオブロゴスの使命を忘れるな」

 

そう言いながら、フィングの姿は消えていった。

 

「新堂」

 

「問題ありません。

ソードオブロゴスは世界を、そして人を守る為の組織ですから」

 

そう言いながら、そのまま俺達の所にお知らせが来ていた。

 

「なんだ、このお知らせは?」

 

そう言いながら、見てみると

 

「緊急メンテナンス?」

 

そう思っているが、周りの雰囲気は変わっていないが

 

「あれ、変わっていないな?」

 

「それは僕達が変身している影響でしょう。

変身している間は世界から切り離されているので」

 

「それって、もしもメンテナンスに巻き込まれたら、やばいんじゃない」

 

「・・・それはまぁ」

 

その言葉を聞くと共に俺達は同時にすぐに走りだそうとしたが

 

「んっ待ってください、飛羽真君」

 

「どうしたんだ?」

 

それと共に影に隠れると

 

「あれはヒロトさん?」

 

そこにいたのはここにログインする前に世話になったヒロトさんがいたが

 

「本当にここに出てきたのか」

 

そう言いながらヒロトさんが見ていたのは、先程までの戦闘の動画だけど

 

「なんで、アルスが、しかもエルドラアーミーまで」

 

「アルスって、あの時に出てきたディビエルか」

 

「あの時の大量に出てきたのはこのエルドラアーミーと言うのですか」

 

「って、誰だ!?」

 

そう、後ろから話しかけた俺達に驚きを隠せないようだったが

 

「すいません、僕達は怪しい者ではありません!」

 

「いや、この状況は多分無理だと思うぞ」

 

慌てた様子の新堂に対して、ため息を出してしまうが

 

「その声はもしかして神山さんなのか?」

 

「えっと、そうなんだ」

 

それと共に俺はなんとか俺達の事情を説明する。

 

「そうか、別の世界と繋がるか」

 

「まぁ信じられないと思いますが」

 

「いや、そうでもない」

 

「えっ」

 

普通ならば信じられないような話をしたが、特に気にした様子もなくヒロトさんは言うと画面に映し出されたアルスを見せる。

 

「アルス。

こいつは俺達が戦った別の惑星、エルドラの守護者だ」

 

「「・・・別の惑星」」

 

その言葉にさすがの俺達も驚きを隠せなかった。

 

「なんで、その、別の惑星に?」

 

「俺達も詳しい事分からないが、そのエルドラはエルドラここから30光年先にあるとされる。

そこにある各所に存在する古代遺跡で俺達のガンプラが実体化するんだ」

 

「そんな奇天烈な話がありますか」

 

「まぁ確かに」

 

「けど、それで俺達の話にも納得するならば、確かに」

 

こちらからの話も正直信じて貰えるかどうか分からない内容なのに、信じて貰えたんだろう。

 

「あれ?

あのヒロトさんに聞きたいけど、そのエルドラではガンプラが実体化したっのって、本当なんですか!?」

 

「あぁ、だとしたら」

 

それを聞くと共に考えられる限り最悪な可能性に俺は頭を抱える。

 

「ヒロトさん、実体化したガンプラは本物と同じような感じだったんですか」

 

「あぁGBNで操作したのと変わりない感じだった」

 

「っ」

 

それを聞き、確信する。

 

「何か分かったんですか?」

 

「あぁ、推測だけど、最悪な可能性だ」

 

「最悪な可能性?」

 

その言葉と共に、俺はワンダーライドブックを取り出す。

 

「これまで俺達が戦ってきたのはディビエルは本から実体化した存在だ。

だけど、作れる個体はそれ程多くはできない」

 

「ディビエル自体、誕生させる条件もこちらはあまり分かっていませんからね」

 

「だけど、今回のアルスディビエルがエルドラに行けばどうなる?」

 

「どうなるって、それは実体化するのでは?」

 

「あぁ、そして、実体化したアルスディビエルを使って、他のディビエルは勿論だけど、ガンプラというデータを使って、ディビエルだけではなく、全く別のを実態化させたらどうなる?」

 

「別のって、まさかっ!!」

 

「なぁ、その話は本当なのか?」

 

そう言い出てきたのはキリトさんだった。

 

「えっ?

キリトさんも」

 

「いや、少し気になってな。

俺もあそこにいたからな」

 

「えっ、という事は最初から聞いていた?」

 

「まぁな。

それよりも、さっきの話は本当なのか?」

 

「いや、まだ仮定の話だけど」

 

「・・・いや、そうでもないんだ」

 

「えっ?」

 

それに疑問に思っていると

 

「実はこの前、アスナと一緒に天体観測を行った時に奇妙な星があったんだ。

その時の画像がこれなんだが」

 

そう言われ、見てみると、他の星の輝きとは全く異なる紫色の輝きだった。

 

「紫色?」

 

「これはアルスが使っていた機体と同じ色。

まさか、もうすぐそこまでっ」

 

「どれだけの数がいるんだ?」

 

「分からない。

だけど、向こうとは連絡は取れているから、おそらくは大丈夫だと思うが」

 

それらの考えの中で

 

「あの聞きたいけど、そのエルドラって俺も行けますか?」

 

「それは可能だと思うが、どうするつもりだ?」

 

「まぁ少し行き当たりばったりですけど、エルドラに行って直接倒す」

 

こちらに迫っているが、未だにこちらからの距離は遠い。

 

それにあの時に助けに入った事を考えても、以外とエルドラからそんなに離れてない可能性がある。

 

「そんな無茶ですよ」

 

「無茶でもなんでもやらないと終わるだろ」

 

はっきり言えば、宇宙からの侵略者と戦う事になるとはな。

 

「無茶だと言っても止まりそうにないな、分かった。

ただ、俺も一緒に行く」

 

「えっでも」

 

「アルスならば一度戦った事がある。

だったら、少しは力になれるだろう」

 

「いえ、むしろお願いします」

 

この戦い、絶対にヒロトさんの力が必要になる。

 

「新堂、そっちは頼む」

 

「はぁ、まったくあなたは無茶ばかりしますね」

 

そうため息を出しながらも、しっかりと頷いてくれた。

 

「そちらは、頼みましたよ」

 

「あぁ」

 

 



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繋がる世界

「これだけあれば」

 

そう言いながら、チャージは目の前にある軍勢を見渡す。

 

とある目的で作られたアルスディビエル。

 

それはかつて目の前にある星を守る為に造られた存在だったが、新しく誕生した生命を認める事ができず、虐殺を行ったアルスの生まれ変わり。

 

「それにしても、まさかガンプラの民に協力者が出てくるとは思いませんでした」

 

そう話しかけたアルスディビエルが話しかけた事に答えるように振り返る。

 

「俺はガンプラの民という訳ではないがな。

だが、分かっているだろ」

 

「えぇ、この星にいる彼らを滅ぼした後、私もあなたの使命に協力しましょう」

 

そう言いながら、次々と作り出されているのは、かつてアルスが操り作っていたエルドラアーミーだった。

 

その数は数十おり、その視線は目の前にある星エルドラへと向けていた。

 

「だが、邪魔者は未だに来るようですね」

 

「あぁ」

 

そう言いながら見つめた先に迫っていたのは1つの機体だった。

 

それはアルスにとっては因縁深い相手であるヒロトが乗る機体、コアガンダムⅡが変形したコアフライヤーが迫っていた。

 

「こうして姿を現すのは予想済み」

 

その言葉と共にアルスディビエルはそのまま手を翳すと、複数のエルドラアーミーがコアフライヤーへと襲い掛かる。

 

だが、コアフライヤーはそれに対して次々と攻撃を避けながら、真っ直ぐとアルスディビエルへと向かっていく。

 

「彼は私が始末する。

コアチェンジ・ドッキングゴー」

 

その言葉と共にアルスディビエルの周りには半透明なパーツがアルスディビエルへと装着される。

 

「キマリスアーマー」

 

それと共に、その身に纏ったのはガンダムキマリスを思わせるアーマーであり、手に持った巨大な槍をコアフライヤーに向けて突撃する。

 

「コアチェンジ・ディフォメーションゴー!!」

 

それに相手するようにコアフライヤーはコアガンダムⅡへと変形した。

 

だがそれだけではなく、コアフライヤーに装着されていたアーマー離れると共に、コアガンダムⅡに装着される。

 

その身に纏ったのはコアガンダムが身に纏っていたのはこれまでのアーマーではなかった。

 

「ユニコーンコメットガンダム!」

 

その言葉と共に装着したのはコアガンダムの特徴を残しつつ、ユニコーンガンダムの要素が合わさった姿だった。

 

「ほぅ」

 

「お前との戦いにはユニコーンの力が必要だからな」

 

そう言いながらヒロトはそのまま手に持ったコアスプレーガンとアーマーのパーツが組み合わさった武装『マグナムガン』を周りにいるエルドラアーミーを薙ぎ払う。

 

「なるほど、以前の私を真似た訳か。

だが、ただ一人でどうするつもりだ」

 

そう言い、コンヴィニアンスキマリスガンダムはその手に持った槍で襲い掛かるが、ユニコーンコメットガンダムもまたその手にビームサーベルで応戦する。

 

「では、俺も少し手伝うとするか」

 

そう言いながらコンヴィリアンスキマリスガンダムのコックピットからチャージが現れると、そのままユニコーンコメットガンダムに襲うが

 

「それはこっちもだ!!」

 

その一言と共にユニコーンコメットガンダムの後ろにある変形したコックピットから出てきたのはセイバーに変身した飛羽真だった。

 

「やはり、お前もいたか!!」

 

その言葉と共にチャージはそのまま手に持った槍で攻撃を仕掛けてきたが、飛羽真はそのまま戦闘が始まる。

 

宇宙空間の中で周りに出来上がったエルドラアーミーの浮かび上がるパーツを足場にして、戦いを繰り広げる。

 

宇宙空間で無重力、そして足場が定まっていない空間での戦いはこれまでにない激しい戦いを繰り広げられていた。

 

その中でユニコーンコメットガンダムとコンヴィニアンスキマリスガンダムの戦いも激しさを増していた。

 

ユニコーンコメットガンダムは両手から展開するビーム・トンファーで素早い一撃を次々と行っていくのに対して、コンヴィニアンスキマリスガンダムはその巨大な槍による一撃を叩き込んでいく。

 

そうして、皮肉にも似たような戦いを繰り広げていく中で

 

「これは」

 

宇宙空間に浮かびながら、飛羽真の懐から光り輝いたのは戦姫絶唱シンフォギアワンダーライドブックとガンダムビルドダイバーズRe:RISEの二つのワンダーライドブックだった。

 

このワンダーライドブックがまるで共鳴するようにシンフォギアワンダーライドブックには一つの人影が追加された。

 

「新堂」

 

それが何を意味するのか分からない飛羽真。

 

だが、戸惑いよりも安心感があり、そのまま二冊のワンダーライドブックを押す。

 

「反応?

あれは」

 

「なっ」

 

それと共に後ろを見ると8個のゲートだった。

 

その言葉と共にユニコーンコメットガンダムを支援するように8機のサポートメカが現れる。

 

「これは何が、いや、今はそれよりも」

 

その言葉と共にユニコーンコメットガンダムのアーマーをパージすると共にサポートメカのパーツが次々と新しく装着される。

 

その間にも攻撃を仕掛けてくるコンヴィニアンスキマリスガンダムは攻撃を仕掛けるが、装着されていくアーマーで攻撃を仕掛けていく。

 

「エクストラリミテッドチェンジ!ドッキング・ゴー!」

 

その一言と共に背面のパーツを展開し円環状に展開すると共に光の輪を造りながら、その手には先程まで使っていたコアスプレーガンを構える。

 

そうする事によってコアスプレーガンに複数のアーマーのエネルギーが集まる。

 

「なんだ、あれはっ!? 早く助けなければ」

 

「悪いが、こっちも早々に決着をつける!!」

 

それと共にセイバーの姿も変わっていた。

 

その胴体にはブレイズ、左肩にはエスパーダ、右肩にはスラッシュ、両腕はバスター、両足は剣斬が合わさり、セイバー一人に6人の剣士の力が集まっていた。

 

「なんだ、その姿は一体」

 

「さぁな、でもここで決着をつける」

 

それと共にセイバーの周りに展開された6つのワンダーライドブックが次々とスキャンされる。

 

【完全読破一閃!】

 

その音声と共にチャージに向けて一突き。

 

「「はああぁぁ!!」」

 

その言葉と共に放った一撃が放たれた。

 

「「ぐっがあぁぁ!!」」

 

その一撃を喰らい、アルスディビエルはそのままビームの中へと消えていく。

 

「ぐっ、まさかここまでとはな」

 

チャージはそのままボロボロになりながらも、後ろにゲートを作り、そのまま撤退する。

 

「はぁはぁ、なんとかなって、あれ?」

 

だが、そんなセイバーの目の前には一つ、奇妙な現象が起きる。

 

「何だあれって!?」

 

そう戸惑っている間にそこに現れたのは銀色の壁だった。

 

何が起きているのか戸惑っている間にセイバーはそのまま銀色の壁の中へと吸い込まれていった。

 

ーーー

 

「んっ」

 

そこに立っていたのは一人の青年だった。

 

手にはカメラを持っており、目の前にある光景を写真に撮りながら何かを感じたのか上を見る。

 

「どうしたんだ?」

 

そんな青年に話しかけるように一人の少女が苛ついた声で話しかける。

 

「いやなに、どうやら思った以上に手掛かりは来たようだ」

 

「手掛かりって、まさかあいつらの行方が分かるのか!!」

 

その言葉を聞いた少女はそのまま青年に詰め寄る。

 

「さぁな、だが、接触すれば何か分かるかもしれないぜ」

 

「だったらって、んっ、おっさんどうしたんだ?」

 

そう話している間に少女は耳元にあるインカムに耳を当てると

 

『すまない、そこから数キロに反応があった。

向かってくれないか!!』

 

「こんな時に」

 

「ここから少し先に手掛かりがいると思う。

早めに行ってやれ」

 

「お前はどうするんだよ」

 

「すぐに片付けて向かうよ」

 

「あぁ、もぅ、分かったよ」

 

そう言いながら、少女はそのまま走り去った。

 

そんな少女を見送ると共に青年はため息を吐くと共に振り返るとそこにいたのは虹色の何かだった。

 

人型やオタマジャクシ、鳥など様々な形をしたそれらは真っ直ぐと青年に向かって襲い掛かろうとした。

 

「まったく、最初も、この前のもだが、世界はなんで融合しやすいんだ」

 

そう言いながら、青年が取り出したのはピンク色のケースだった。

 

それを腰に装着すると共に、一枚のカードを手に取る。

 

「変身」

 

その一言と共に腰に装着されたケースにカードを挿入し、そのまま閉じる。

 

【KAMEN RIDE DECADE】

 

それと共に無数の幻影が青年に重なり、その姿を変える。

 

その姿の名は仮面ライダーディケイド。

 

世界の破壊者と呼ばれた最強の仮面ライダー。



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電脳大決戦

「まさか、既にここまでとは」

 

新堂は飛羽真から頼まれ、GBNの調査を行っていた。

 

「それにしても、まさかファンタジーみたいな話が本当にあるとはな」

 

そう言いながら、新堂は調査に協力してくれているキリトは周りを見ていたが

 

「パパ、新堂さん達が言っていたように、過去のアルスのデータと合致している部分がありました」

 

「やはりか」

 

そう言いながらキリトの娘というユイ、そしてGBNのELダイバーの一人であるメイが画面を見つめていた。

 

「ここからは僕がなんとかします。

皆さんは急いで避難を」

 

「えっ新堂さん」

 

それだけ告げるとそのまま新堂は地図で表示された場所に向かって行く。

 

「まさか、ここにも、これ程の数の敵がいるとは」

 

空を見上げると、そこにいたのは空を覆う程のエルドラアーミーだった。

 

その中心にはダインスが立っていた。

 

「ダインス、あなたはここで何をするつもりなんですか!!」

 

「何を?

決まっている、セイバーを殺す為だ」

 

「なんで、飛羽真君を!?」

 

それを聞き、驚きを隠せない新堂は思わず声を出す。

 

「奴は俺が倒すはずだったディビエルを倒した。

ならば、その仇を奪った奴を俺は倒す!」

 

「間違っている!

そんな事、君の大切な人は喜びません!」

 

「今の俺には、この復讐心しかないんだ!!」

 

それと共にダインスの言葉に従うようにエルドラアーミーが飛び立つ。

 

「させまっ!!」

 

そう新堂はすぐに向かおうとした瞬間、それを邪魔したのは二体のディビエルだった。

 

「ペガサス・ディビエルとファンタジスタ・ディビエルだ。

しばらく相手していろ。

その間にエルドラアーミーでGBNのシステムを支配する」

 

「させない!!」

 

それと共に新堂はすぐに聖剣ドライバーを取り出し、ライオン戦記をベルトに装填し

 

「変身!」

 

【流水抜刀!ライオン戦記ー!流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!】

 

その言葉と共にブレイズに変身し、二体のディビエルと戦いながら、周りを見渡す。

 

「厄介な敵ですね。

だけど」

 

そう言い、新堂が取り出したのは

 

【かつて、神殺しの牙を持つ擬いものの狗神を宿す少年がいた】

 

それは堕天の狗神 -SLASHDØG-ワンダーライドブックだった。

 

「それは、なんでっ」

 

「以前、貴方達との戦った時に大秦寺さんが取り返してくれた。

そして」

 

そう言い次に取り出したのはアクセルワールドのワンダーライドブックだった。

 

その二つのワンダーライドブックをそのまま聖剣ドライバーに装填し、再び水勢剣流水を装填し、引き抜く。

 

【流水抜刀!混沌の野獣が光を切り拓く!カオスビースト】

 

その音声と共に銀と黒の二色が交わった姿へと変わったブレイズはそのまま空へと飛び立つ。

 

二体のディビエルに対して、無数の影の刃を放ちながら、牽制していく。

 

「はあああぁぁ!!」

 

それと共に水勢剣流水に影の刃を身に纏い、GBNへと向かおうとしているエルドラアーミーへと放っていく。

 

「はあ!はぁ!」

 

そうしながら、エルドラアーミーを次々と切り裂いていく。

 

それでも再現なく増え続けるエルドラアーミー。

 

「無駄な事。

もうすぐこのGBNは完全に支配される。

そうすれば、ここから無数のエルドラアーミーを作り出す事ができる」

 

「それが、君達の目的か!」

 

「僕とチャージは同じ目的の為に動く。

カリバー達は何を考えているのか分からないが、それでも弱い奴らはこの世界に必要ないのは同意だけどね」

 

「弱い奴ら?」

 

「あぁ、この世界は自身の事しか考えず、醜い奴らばかりだ!

だからこそ」

 

「消すですか」

 

そう会話していると、空に浮かんでいたエルドラアーミーが撃ち落とされる。

 

「っ!?」

 

そうしている間にエルドラアーミーを撃ち落としたのは

 

「どうやら、間に合ったようだな」

 

そこにいたのはキリトが操るエクシアだった。

 

「なっ」

 

「一人で無茶をするな。

それにここはゲームだからな」

 

そうキリトの言葉に続くように多くのガンダムがエルドラアーミーを倒していく。

 

「無事か、ブレイズ殿?」

 

「サキモリさん」

 

そう言いながら、ブレイズを自身の手に乗せてくれたのは共に戦ってくれたサキモリのガンダムだった。

 

「聞いたぞ、何やら無茶をしていると。

少しは頼ってくれても良かったじゃないか」

 

「いえ、会ってそんなに経っていない貴方達を巻き込むのは」

 

「巻き込むのではない。

共に戦った仲間ならば、助けるのは当然の事だ」

 

その言葉を聞き、新堂は笑みを浮かべる。

 

「ダインス、僕もあなたも勘違いをしていた」

 

「勘違いだと?」

 

その言葉にダインスは苛立ちながら言うが

 

「僕達が守るべき人達は決して弱い訳ではない。

むしろ人の世の事ならば僕達よりもずっと強い。

だからこそ、僕はそんな彼らを守りたい」

 

そう言い、新堂はその剣を構える。

 

「水勢剣流水に誓い、僕は彼らを守る」

 

その言葉と共に聖剣ドライバーに装填されていたライオン戦記が光り輝く。

 

「これは」

 

驚く新堂に見えたのは、ここか遠い場所で戦っている飛羽真の姿だった。

 

飛羽真が取り出したシンフォギアワンダーライドブックには新たな人影が映っており、それは共に戦ってくれているサキモリの面影があった。

 

「あれは一体」

 

そうしている間にも、ライオン戦記の形は大きく変わる。

 

「やはり、可能性の力なんですね」

 

全身から感じる力を受け止めながら、新堂はこれまで以上の笑みを浮かべながら、聖剣ドライバーに水勢剣流水を装填し、そのまま引き抜く。

 

【流水抜刀!Rhyming! Riding! Rider!獣王来迎!Rising! Lifull!

キングライオン大戦記! それすなわち、砲撃の戦士!】

 

それと共に新堂の姿は変わり、全身の装甲の黒みが増し、青色よりも藍色に近い色合いとなる。

 

そして、胸のライオンの顔も造形が変わる。

 

「僕は僕の、思いを貫く!!」

 

その言葉と共にダインスと激突する。

 

「ぐっ、だが」

 

激突する事によって、両手が塞がった二人だが、ダインスの声に合わせてペガサス・ディビエルとファンタジスタ・ディビエルの二体が襲い掛かる。

 

「ハァ!!」

 

だが、新堂の叫び声と共に両肩の大砲から放たれた水弾で吹き飛ばす。

 

「なっぐっ」

 

驚きを隠せないダインスに対して、新堂はそのまま吹き飛ばすと

 

「サキモリさん、共に頼みます」

 

「えっ、それはどういう」

 

その言葉に戸惑いを隠せないサキモリに対して、新堂はそのままワンダーライドブックのボタンを押す。

 

【流水咆哮!キングライオン大チェンジ!

それすなわち、砲撃の戦士! さらには、ライオン変形!】

 

その音声と共に新堂の姿は変形し、人間の姿から巨大な獅子へと変わり、その大きさも人間の時とは比べて変わる。

 

「なっ」

 

その大きさはサキモリの乗るガンダムとほとんど大きさは変わらなかった。

 

「よく分からないが、了解した」

 

それと共に新堂の上に乗り込んだガンダムと共に二体のディビエルに向かって走り出す。

 

「はあああぁぁ!!」

 

ガンダムのその両手に持った刀は、キングライオンの力が宿り、巨大な水の刃へと変わり

 

「セイヤーッ!」

 

その雄叫びと共に2体のディビエルは完全に真っ二つに切り裂かれる。

 

「はぁはぁ、この程度でぇ」

 

「君の復讐もここで止めて見せます!」

 

そう言いながら、ディビエルから飛び出た二つのワンダーライドブックを人型へと戻った新堂は掴む。

 

同時に手に装着されていたライオンブースターに次々と読み込んでいく。

 

【ワン!ローディング!ツー!リーディング!!スリー!リーディング!!!】

 

【Fate/EXTELLA!ロード!】

 

「「はあああぁあ」」

 

その音声と共に新堂は両肩のキングカノンに水が集い、ダインスは取り出したFate/EXTELLAワンダーライドブックを装填し、構える。

 

「ライオニックバースト」

 

「フォトン・レイ!」

 

それと共にキングカノンと共にキングライオンブースターから激しい水流を発射し、それに対して、ダインスはその手に持った槍から放たれた虹色の光が激突する。

 

互いの攻撃がぶつかり合いながら、やがてブレイズの攻撃が押し切った。

 

「はぁ!!」

 

「ぐっぐぅ!!」

 

ダインスはその攻撃を受け、そのまま吹き飛ばされる。

 

「がはぁ」

 

その一撃を食らい、ダインスの変身は解除された。

 

同時に周りに展開されていたエルドラアーミーが消えていく。

 

「やりましたか、ダインス」

 

そう言い、駆け寄ろうとしたが、そこにはダインスの姿はなかった。

 

「分かっていたつもりでした。

GBNでは捕らえられない事は。

それでも」

 

そう言いながら、周りを見渡す。

 

「今回の戦いはきっと僕だけでは勝てなかった」

 

そこに広がっているのは多くのGBNのプレイヤーの姿だった。

 

その光景は、自身が守るべき世界を改めて守るべき光景を確認する事ができた。

 

「さて、飛羽真君は『新堂!』あれ、朝田さん?」

 

そうしてすぐに確認しようとした時、現実世界にいる朝田から連絡が来る。

 

「どうかしましたか?」

 

『飛羽真が消えている!

さっきまでそこにいたはずなのに』

 

「なんですって!?」

 

その事に動揺を隠せずにいた。



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破壊者との開拓

「何が起きているんだ!?」

 

そう言いながら、俺は空から落ちていた。

 

突然の出来事で驚きを隠せず、目の前に広がっている光景を見つめるが、どこかの工場だという事しか分からなかった。

 

「ぐっ」

 

俺はすぐに懐から取り出し幼女戦記ワンダーライドブックを装填し、そのまま引き抜く。

 

それにより、俺は飛行能力を得る事で、なんとか工場に激突する直前に留まった。

 

「ここは一体どこなんだ?

あのFAIRY TALEの世界と同じような感じなのか」

 

そう言いながら周りを見渡すがゆっくりと身構えると、現れたのは虹色の何かだった。

 

工場に隠れるように現れたそれらにどのような敵が分からない。

 

「まったく、なんでこういう事ばっかり起きるだよ」

 

そう言いながら、俺の事を気づいた何かは次々と攻撃を仕掛けてくる。

 

それに対して、俺はすぐに飛び上がり、魔方陣を展開させて襲い掛かってくる敵に向けて魔法を放っていく。

 

それを受けても、未だに襲い掛かる。

 

そして、俺が避けた場所に引っ付いた奴らは瞬く間に灰へと変わる。

 

「当たったら、一発アウトかよ、まったく!!」

 

そう言いながら、俺はそのまま取り出したのはワンダーライドブック、それはそのままワンダーライドブック・カバーへと変わる。

 

【とある少年が、異端の魔道騎士として最底辺から駆け上がる】

 

そう言い、以前の戦いの経験もあってか、作成できた落第騎士の英雄譚ワンダーライドブック・カバーをブレイブドラゴンに被せ、装填する。

 

「はぁ!」

 

【烈火抜刀!竜の魂をその身に宿り、炎で埋め尽くす!】

 

その音声と共に、その手に持った火炎剣烈火に宿る炎の火力がさらに高まりながら、俺はそのまま地面に向けて足を振り下ろす。。

 

それと同時に炎を纏った火炎剣烈火でそのまま周りにいる奴ら切り裂く。

 

「こいつらは一体何なんだ?」

 

そう言いながら、周りを見つめるがそこには既に灰だけしか残っていなかった。

 

「そいつらはあアルカ・ノイズ。

この世界に存在している、我らの世界で不必要な存在だ」

 

「っ!」

 

その言葉と共に俺は振り返ると、そこにはカリバーがいた。

 

「カリバー、あれはお前の仕業なのか」

 

「さぁな。

貴様がこの世界に飛ばされた理由も謎だ。

だが、貴様の力を奪うには丁度良い機会だ」

 

その言葉と共にカリバーはそのままこちらに向けて闇の竜が襲い掛かってくる。

 

それに対して、火炎剣烈火から竜の形をした炎を7つ召喚し、対抗するように放つ。

 

威力はこちらの方が弱りのか2,3発が当たるだけで消え去り、残り一つの闇の竜が襲い掛かる。

 

「はぁ」【ドラゴン・スピリット!】

 

それに合わせるように俺はワンダーライドブックを押すと同時に俺から現れたのはブレイブドラゴンだった。

 

ブレイブドラゴンが咆哮すると共に、俺の身体に一体化する感覚と共に走り出す。

 

「はあぁ!!」

 

湧き上がる力と共に火炎剣烈火で最後の闇の竜を切り裂くと共にカリバーへと接近する。

 

「ふんっ」「はぁ!!」

 

接近し、互いの剣がぶつかり合う。

 

ドラゴン・スピリットの影響があり、身体能力を増加しているが、それでもなんとか互角で戦える。

 

「ふんっ、能力は確かに強いが、それだけだぁ!!」

 

「なっぐっ!!」

 

それと共にカリバーは拳を俺に向けて振り上げた。

 

その威力は想像以上に協力で先程斬ったばかりの闇の竜よりも遙かに力は強い。

 

「まさか、こんなに威力があるとはなっ」

 

「その程度か。

まぁ良い、そのまま貴様の力を貰うとするか」

 

「ぐっ」

 

なんとか立ち上がろうとするが、工場の壁に埋まった身体を起き上がるのに時間がかかる。

 

そうしている間にカリバーが目の前に迫っており

 

「てめぇ!!」

 

「っ!!」

 

それと共に聞こえた声、上を見るとそこにはガトリング砲を持った女の子がおり、彼女がカリバーに向けて放っていく。

 

「シンフォギア、まだ残っていたか」

 

「おい、なんでおっさんのカリバーをてめぇが持っていやがる!!」

 

「おっさん?」

 

その言葉に疑問に思っている間にも女の子は構えていた。

 

「シンフォギア、それってどういう」

 

「お前は、あいつの仲間という訳じゃなさそうだな」

 

「あぁ、そうだ、よっと」

 

そう女の子が目の前のカリバーを睨んでいたので、その間に俺は壁から抜け出して、そのまま構える。

 

「まぁどうでも良い。

装者が一人加わった所で、問題はない」

 

「誰があたしだけだと言った?」

 

それに答えるようにどこかを見つめる。

 

俺もそれに釣られるように見つめると

 

【A jump to the sky turns to a rider kick】

 

聞こえてきた音、それと共に工場を駆け巡る黄色い光のラインが見える。

 

そのままカリバーへと攻撃を仕掛けたラインはそのまま俺達の元へと来る。

 

「えっゼロワン」

 

そこに立っていたのは、かつてアヴァロンにて俺の力となってくれたゼロワンがいた。

 

「ゼロワンを知っている?

どういう訳か分からないが、俺はゼロワンじゃないぞ」

 

そう言いながらカリバーを睨む。

 

「さて、どうする?

ここで俺も一緒に戦っても良いが、それで勝ち目はあるか?」

 

そう言いながら、ゼロワンはそのままカリバーに向けて睨んでいると、カリバーはそのまま自身のマントを持つ。

 

「ここでセイバーの能力を奪うのは無理なようだあ。

ならば、退散するか」

 

その言葉と共にカリバーはそのまま闇の中へと消えていった。

 

「退いたか?」

 

「・・・それで、士。

こいつがお前の言っていた手掛かりなのか?」

 

「まぁそうだろうな。

それでお前がセイバーか?」

 

「まぁ一応は」

 

そう言いながら俺達は互いに変身を解除する。

 

「えっと、神山飛羽真です。

あなたはゼロワンじゃないならば一体?」

 

「俺か?

まぁ俺は門矢士。

お前の先輩と言った所だ」

 

 



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暗黒の真実

「潜水艦って、初めて入ったかも」

 

そう言いながら、俺は門矢さんと一緒にいた雪音さんに案内され、潜水艦に案内された。

 

そこで行われた説明、それはS.O.N.G.という組織について、そしてシンフォギアの説明だった。

 

「なんというか、これまでも色々な事を聞いていたけど、少し信じられない事ばかりだな」

 

そして、何よりも驚いたのは

 

「響達がか」

 

「やはり、響君達の事を知っているのか」

 

そう言いながら、ここの司令官であった風鳴弦十郎さんからの説明を聞きながら、画面に映し出された響達を見る。

 

そこには響もそうだが、これまで会った事のある切歌ちゃん、月読ちゃん、マリア先生、サキモリなど、これまでシンフォギアワンダーライドブックに大きく関わってきた人物達もいた。

 

「あぁ、これまで我々は多くの困難を乗り越えてきた。

だが、半年前、あの事件が起きた」

 

「事件」

 

「はい、僕達がこれまで確認した事もない完全聖遺物、闇黒剣月闇とその所有者である海堂 隼人さん」

 

そう言って、出されたのはカリバーの変身者だと思われる人物。

 

だが、そこで行われていた戦い方は俺が知っているカリバーとはまるで違った。

 

これまでのカリバーの戦い方は自身以外を全て利用するような圧倒的な力の戦いだった。

 

だが、そこに映し出されていたカリバーは人々に迫っていたアルカノイズから守るように闇黒剣月闇から出す闇を使い、人々を守っていた。

 

同じ力だが、その使い方が根本的に違っていた。

 

「彼は半年前、突然来ると共に、この世界にある何かを探してました。

その詳細については語ってくれませんでしたが、それでも彼はその力を使って、一緒に戦ってくれました」

 

「えっ」

 

その言葉に驚きを隠せなかった。

 

俺達の世界では裏切り者だったはずのカリバーの行動に。

 

「おっさんが何を目的にしていたのかまったく分からなかった。

けど、おっさんも何か守る為にここに来て、それには偽りはなかったと思う」

 

「あぁ、彼の言葉に偽りはなかった。

それは、俺も保証しよう」

 

そう言いながら、S.O.N.G.の職員からの信頼の高さがよく分かる。

 

だからこそ、分からない。

 

「だったら、なんで裏切ったんだ」

 

映像を見る限りそんな悪人には見えないし、裏切る前の話を聞いた限りでもそうだった。

 

何よりも

 

「何が起きたんですか?」

 

あの時の雪音さんの様子から考えても、何か事件が起きたはず。

 

俺が気になり、そう聞くと次に映し出されたのは、先程まで戦っていたカリバーに変身していた海堂さんが倒れている映像だった。

 

「しかし、それから一週間後、海堂さんはある情報を得る為にある人物と接触を図りました。

ですが、それが罠でした」

 

「罠?」

 

そう言いながら説明してくれたエルフナインちゃんはそのまま説明を続けた。

 

「僕達も厳重な警戒で行いましたが、こちらの動きを知っていたかのように瞬く間に闇黒剣月闇は奪われ、そのまま抵抗もできずに」

 

それが、この映像の真実なのか。

 

それを見ていた雪音さんは悔しそうに握り締めており、そして、映像には老人の笑い声が響いていた。

 

「そして、奴はそのまま闇黒剣月闇。

そしてどこかで保管していたアルカノイズを持ち、保管されていたギャラルホルンを奪う為に襲撃してきた」

 

「ギャラルホルン?」

 

突然出てきた言葉に疑問に思う。

 

「ギャラルホルンとは、こことは違う平行世界を繋ぐ聖遺物です。

海堂さんも元々はここを通って来ました」

 

「平行世界を繋ぐ。

だから」

 

それでようやく納得する。

 

シンフォギアが最初の世界に選ばれたのは、この平行世界を繋ぐギャラルホルンの存在が大きい。

 

他の世界を見る限り、平行世界と明確な繋がる為の物がなく、繋げる要素として、偶然にもあった。

 

「ギャラルホルンを守る為に響さん達は戦いましたが、カリバーの強さは僕達の想像以上でした。

そんな激戦の中で最後に行った絶唱、それに反応するようにギャラルホルンは突然の暴走しました。

暴走が終わった後、クリスさん以外の全員が行方不明。

ギャラルホルンも活動を停止していた為、この世界の調査のみでした」

 

「まぁ俺はそれを補う為にこの世界に呼ばれたと思うが、まさか全員がそっちにいたとはな」

 

そう言いながら、門矢さんはこちらを見ていた。

 

「本当にあいつらは全員無事なんだよな」

 

「あぁ、今は記憶を無くしているけど、だけど無事だ」

 

「そうか」

 

そう言って、少し安心したように雪音さんは笑みを浮かべる。

 

彼女を見ても仲間思いだと分かる。

 

「さて、これまでの事情を聞く限りでもカリバーの奴は真理を手に入れる為に活動しているのは分かった。

そして、手に入れた後の目的もな」

 

「あぁ、それは間違いないだろ」

 

そう既に正体を知っているからこその全員は頷いていた。

 

「なぁ、その闇黒剣月闇を奪った奴って、結局何者なんだ」

 

「あぁ、あいつは」

 

そうして、カリバーの正体を語ろうとした瞬間。

 

突然の警報が鳴り始める。

 

「何が起きたっ!」

 

「アルカノイズ感知っ!

さらにこれはっ闇黒剣月闇っ」

 

「どうやら、こっちを待ち構えていたようだな。

行くぞ」

 

そう言い門矢さんが手を前に出すと手を前に出すと、そこには銀色のカーテンが現れた。

 

「って、それ門矢さんが出したんですかっ!」

 

「良いから、さっさと行くぞ」

 

そう言われ、俺達はそのままカーテンの中へと入った。

 

その先に待ち受けていたのは、街を暴れるアルカノイズ、その中央には着物を身に纏っている若い男が闇黒剣月闇を持っていた。

 

「やはり来たか」

 

「最初からこれが狙いか?」

 

「あぁ、そうだ。

お前達を呼び出すならば、これが手っ取り早いからな」

 

その言葉と共に手に持ったのはジャオウドラゴンワンダーライドブックだった。

 

「変身」

 

【ジャオウドラゴン! 誰も逃れられない…】

 

その音声が鳴り響くと共に、男はカリバーへと変身した。

 

「カリバー、お前の目的は一体何なんだ!!」

 

「前にも言ったはずだ。

真理を手にする事、それこそが俺の目的。

その為に、この世界の民などどうなっても構わない」

 

「本当に全然変わらないなっ」

 

そう雪音さんと、それに合わせるように、俺達は各々の変身アイテムを構える。

 

「「変身!」」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】

 

【KAMEN RIDE DECADE】

 

「Killter Ichaival tron」

 

俺達は各々の変身を終えると共にゆっくりと各々の武器を構える。

 

「行くぞ」

 

「分かってるよ!」

 

「あぁ!!」

 

そう門矢さんの合図と共に、一気にカリバーに向かって行く。

 



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白銀の騎士

カリバーとの戦いが始まると同時に雪音さんはその手に持った銃を巨大なマシンガンへと変形させる。

 

シンフォギアについてはある程度分かっていたつもりだったが、まさかここまで大きく変形させるとは思わなかった。

 

マシンガンから放たれる弾丸は目の前で溢れる程のアルカノイズを次々と消え去っていく。

 

「まったく、張り切り過ぎだ」

 

そう言いながら門矢さんが取り出したのは別のカードだった。

 

【KAMEN RIDE DRIVE】

 

その音声と共に門矢さんの姿は先程までのピンク色の姿から赤い車を思わせる姿へと変わる。

 

「マゼンダだ」

 

「えっ!?」

 

「ピンクだと思っただろ、たく」

 

こちらが考えている事が分かったように告げられて、驚きを隠せなかったが、その間に門矢さんはそのまま走り出す。

 

それはゼロワンの時とは違い、車のように地上を走りながら迫り来るアルカノイズを切りながらカリバーへと近づく。

 

「こっちも負けてられない!」

 

【烈火抜刀!語り継がれし神獣のその名は!クリムゾンドラゴン!】

 

その音声と共に俺はクリムゾンドラゴンへと変わり、すぐに飛び立ち、空から襲い掛かるアルカノイズを切り裂きながら、カリバーへと近づく。

 

「はあぁ!!」

 

「ふんっ」

 

カリバーへと近づくと共に俺達はそのまま攻撃を仕掛け、空と地上から攻撃を交互に行っていく。

 

「邪魔だぁ!!

 

それに対してカリバーは剣でその攻撃を滑らせながら、闇のドラゴンを召喚させて、門矢さんに向けて放つ。

 

「ちっ」

 

それに対して、門矢さんはその場から離れ、迫ってくる闇のドラゴンに対して、手に持った銃で攻撃を行っていく。

 

「おい、セイバー」

 

「なんですか!!」

 

俺はなんとかカリバーに対抗していると、門矢さんは懐から複数のカードを手にして

 

「これを使え」

 

その言葉と共に投げられたカードを俺は受け取る。

 

同時に門矢さんの方も同時に別のカードを取り出し、装填する。

 

【KAMEN RIDE EXAID】

 

その音声と共に門矢さんの姿は今度はピンク色のゲームキャラを思わせる姿へと変わり、迫る闇のドラゴンを踏みながら、攻撃を行っていく。

 

「これはっ!?」

 

受け取ったカードに困惑していると、そのカードが光り輝くと共に俺の頭にはこれまで見たことのない光景が見えた。

 

一瞬だけだったが、俺が見た事のあるライダーであった。

 

「ふんっ」

 

俺がその光景を見ている間にカリバーが俺に向けて攻撃を仕掛け、そのまま吹き飛ばされる。

 

だが、手に持ったカードは一瞬でワンダーライドブックへと変わる。

 

「よく分からないけど、やってやる!」

 

そう言い、俺はストームイーグルと西遊ジャーニーを取り外し、新たなワンダーライドブックを二つ起動させる。

 

【龍騎インミラーワールド】

 

【希望の竜使いウィザード】

 

【増刷!ドラゴン!伝説のライダーが交わる時、正義の心が剣に宿る! レジェーンドライダー! 龍騎! ウィザード! 伝説二冊! 正義の本は、さらなる力で悪を断つ!】

 

その音声が鳴り響くと俺の身体には赤い宝石の鎧と下半身にはた黒いロングコート、左肩にはドラゴンを思わせるアーマーが装着される。

 

「なに!?」

 

「行くぜ!」

 

その言葉と共に俺は走り出す。

 

カリバーはこちらに向けて闇のドラゴンを仕掛けてくるが、俺が蹴り上げると共に地面から炎が現れ、壁となってその攻撃を防ぐ。

 

それと共に俺はカリバーへと向けて攻撃を仕掛ける。

 

「ほぅ」

 

その一撃は重く、これまで大きなダメージを与える事ができなかったカリバーに僅かだが確かに攻撃が通った。

 

「ちっ余計な力を」

 

「お前を止めるには丁度良い!!」

 

【必殺読破!ドラゴン!ウィザード!龍騎!三冊撃!ファ・ファ・ファ・ファイヤー!】

 

その音声と共に俺の後ろに現れたのは先程の記憶で見た二人のライダー、ウィザードと龍騎の幻だった。

 

俺はそのまま構えると後ろに現れたのは変身する時に現れるドラゴンだった。

 

それに合わせるように二体のドラゴンも現れ、俺達の後ろへと回る。

 

「はああああ!!」

 

俺達はそのまま空へと飛び上がると、それに合わせるように3体のドラゴンが俺達の周りを舞う。

 

空高く舞い上がると共に3体のドラゴンから炎が放たれ、炎を身に纏いながら、俺達はカリバーに向けてライダーキックを放つ。

 

「ぐっくぅ!!」

 

「はぁ!!」

 

ライダーキックを食らい、そのまま吹き飛ばされたカリバーはそのまま変身を解除される。

 

「ちっ」

 

そう、変身が解除され、闇黒剣月闇が地面に突き刺す。

 

同時にその若々しい姿が徐々に老化し、その姿を現す。

 

「どうやら少し離れるだけで元の姿に戻るようだな」

 

「ふんっ、この程度」

 

そう言いながら老人は立ち上がり

 

「この風鳴訃堂を止められると思ったか!」

 

その言葉と共に再び闇黒剣月闇を手に取り、その姿は若くなる。

 

「一体どういう事なんだ」

 

その一連の現象に驚きを隠せずにいた。

 

「闇黒剣月闇の力だろう。

まさか、そんな事ができるとはな」

 

そう言いながら、門矢さんは訃堂を睨む。

 

「この剣を目にした瞬間、運命を感じた。

我が使命と共に」

 

「使命だと」

 

俺はそう言いながら、睨む。

 

「この国には不要な物が多すぎるがが、同時に不足している物も多くある。

まったく嘆かわしい」

 

「だからこその世界の融合か」

 

「それって」

 

俺はそう言うと共に奴を睨む。

 

「そう、この国にとって必要な文化、力、共に守る国。

それらを手に入れるには、この方法が一番。

そして真理を手にすれば、既に何者も、我が国を侵す事はない!!」

 

「その為にこんな事を!!」

 

「我が国を守れば、その他の世界などどうでも良い。

安心しろ、万全な国が誕生すれば、脅威となる世界など破壊する」

 

「っ!!」

 

こいつは

 

「お前っ」

 

「ふざけるな!!」

 

俺はそう言い、睨む。

 

「この国も、世界もっお前の物なんかじゃない!」

 

「それがどうした!

例え我が物ではなくても、国を守れるならば、この手が幾ら汚れてもかまわん!」

 

それと共に放たれる迫力はこれまでとは比べものにならない。

 

「覚悟なき者に、止める事などできん!!」

 

「覚悟ならとうにできている!!

お前を止めて、この世界も皆も救う!」

 

それと共に俺は構えると、懐にあったシンフォギアワンダーライドブックが光り輝く。

 

「シンフォギアワンダーライドブックが」

 

それに驚いている間にシンフォギアワンダーライドブックには新たに雪音さんが描かれた。

 

「たく、お前もあの馬鹿も無茶ばかりするな」

 

「雪音さん」

 

「お前だけに無茶をさせるかよ。

それにこれは元々こっちの問題でもあるからな、一緒に戦わせろ」

 

「はいっ!」

 

その言葉と共に俺もまた構える。

 

それに共鳴するようにシンフォギアワンダーライドブックと聖剣ドライバーに装填されていたブレイブドラゴンは光り輝き、新たなワンダーライドブックへと変わる。

 

それはこれまで見たどのワンダーライドブックよりも巨大で、力強かった。

 

【ドでかい竜をド派手に乗りこなす、ド級の騎士のドラマチックバトル

つまりは、ド級のナイトに進化!すなわち、ド強い!】

 

本から鳴り響く音、それに合わせるように俺はそのワンダーライドブックを聖剣ドライバーに装填する。

 

それに合わせるように風鳴訃堂もジャオウドラゴンを取り出し、構える。

 

「「変身!」」

 

【烈火抜刀!Don`t miss it!ドメタリックアーマー!ドハデニックブースター!ドハクリョックライダー!

ドラゴニックナイト! すなわち、ド強い!】

 

カリバーがジャオウドラゴンへと変身している間に、俺も姿が変わっていく。

 

これまでのセイバーとは違い、全身が光り輝く白銀の甲冑を纏った騎士のような外見へと変化し、より重厚感を感じさせるものとなっている。

 

左腕にはこれまで見た事のない武器が装備され、俺はそのまま構える。

 

「物語の結末は、俺達が変える!!」



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炎と闇の戦いが終わりし時、光と闇が現れる

「セイバー、貴様の力は我が物にしてみせる!」

 

その一言と共にカリバーは再び闇の竜をこちらに向けて放たれる。

 

俺はそれに対抗するように左手に装備されている物を見つめる。

 

【ドラゴニック・ブースター】

 

そう自身の名を告げたドラゴニック・ブースターに俺はシンフォギアワンダーライドブックをそのまま装填する。

 

【シンフォギア!ワンリーディング!フレイムスパイシー!】

 

その音声が鳴り響くと同時に俺は構えると、ドラゴニック・ブースターから巨大な槍が現れる。

 

同時に俺はそのまま突き進み、こちらに迫っている全ての闇のドラゴンを全て吹き飛ばしながらカリバーへと接近する。

 

「ふんっ!!」

 

その攻撃を受け止めたカリバーはその攻撃を横に薙ぎ払い、そのままこちらに剣を振り下ろす。

 

だが

 

「なにっ」

 

火花が多少散った程度で、俺にはまるでダメージがなかった。

 

これが新たな姿の能力。

 

これまでの姿と比べて、力と防御力が格段に上がっている。

 

これならば、これまでできなかった戦い方もできる。

 

俺はそれが分かると、俺は二冊のワンダーライドブックを取り出す。

 

【牙狼!ワンリーディング!GOD EATER!ツーリーディング!】

 

その音声が鳴り響くと同時に俺はカリバーに向けて右手を大きく振り上げる。

 

それに合わせるように俺の後ろには巨大な狼が現れ、緑色の炎を纏った爪でカリバーを吹き飛ばす。

 

「ぐっだが!!」

 

【オーバーロード!】

 

その音声と共に俺の周りに次々と骸骨の騎士が現れ、こちらを囲んでいた。

 

「これで逃げ場はない!!」

 

【必殺リード!ジャオウドラゴン!月闇必殺撃!習得一閃!】

「っ!!」

 

周りが囲まれており、俺はすぐに脱出できない。

 

そう思っていたが

 

「おい、こっちを忘れているんじゃないよ!!」

 

その言葉と共に俺の周りを襲っていた骸骨の騎士は次々と蜂の巣へと変わっていく。

 

見れば雪音さんが手に持ったマシンガンを持っていた。

 

俺はそれを確認すると共に俺はその場から走りながら、ベルトに装填されているドラゴニックナイトワンダーライドブックを押す。

 

【The knight appears.

When you side,you have no grief and the flame is bright ride on the dragon,fight.

Dragonic knight.】

 

その音声が響くと同時に俺の足下にはドラゴンが現れ、すぐに俺は乗り込む。

 

同時にこちらに向けて襲い掛かった巨大な闇が爆発する。

 

「ちぃ!!」

 

こちらの攻撃を避けた事を見たカリバーは再び闇のドラゴンを召喚し、襲わせる。

 

それに対して、俺は手に持った火炎剣烈火と乗っているドラゴン、二つの炎を同時に合わせ、闇のドラゴン達を全て吹き飛ばす。

 

「なっここまで力の差がある訳がない!!

このような若造に儂が負けるはずがない!!」

 

「あぁ、俺よりもお前の方が強い!

けど、俺は一人じゃない!!」

 

「なに!?」

 

ドラゴニックナイトを通して伝わってくるこの思い。

 

一緒に戦ってくれた雪音さんや門矢さん。

 

この世界で出会ったS.O.N.G.の皆さん。

 

そして、俺を待っている響達の思いが、シンフォギアワンダーライドブックによって進化したドラゴニックナイトが、それを教えてくれる。

 

だから

 

「俺は負けない!!」

 

【ドラゴニック必殺読破!ドラゴニック必殺撃!】

 

その音声と共にこちらに襲い掛かるカリバーに対して、俺はそのまま飛び上がる。

 

それと同時に後ろにドラゴンから放たれた炎を浴びながら、俺はカリバーに向けてライダーキックを放つ。

 

「はああぁあl!!」

 

【ジャオウ必殺読破!ジャオウ必殺撃!You are over.】

 

それに合わせるようにカリバーもまた自身の闇を身に纏い、それを拳に集め、こちらに向けて放つ。

 

互いの渾身の一撃がぶつかり合う。

 

激突は激しくなり、今でも挫けそうになる。

 

だが

 

「物語の結末は俺が決める!!」

 

「っ!!」

 

その一言と共に俺はそのまま力を込め、俺はカリバーを貫く。

 

「がああぁ!!」

 

一撃を食らい、カリバーはそのまま地面へと落ちる。

 

俺はすぐに近くに来たドラゴンに乗り、そのまま地上へと降りる。

 

「終わりだ、訃堂」

 

俺はそう言い、ゆっくりと近づく。

 

「ぐっぐうぅっ」

 

そう言いながら、ゆっくりと俺は近づく。

 

そこには既に闇黒剣月闇が離れ、元の老人の姿へと戻っていた。

 

「再び牢へと入って、罪を償え」

 

俺はそう言い、伝えた瞬間だった。

 

「その必要はない」

 

「っ?!」

 

「危ないっ」

 

突然聞こえた声、それに合わせて、門矢さんは俺を引いて、その場から離れた。

 

同時に訃堂に向けて襲い掛かったのは巨大な手だった。

 

「がっここで我が悲願がっ潰えるとはっ!!」

 

「見るなっ」

 

その一言と共にその巨大な手は完全に訃堂を握り潰し、完全な死体へと変わる。

 

「世界を崩壊させた罪、それは重い。

それは決して許されない」

 

そう言いながら現れたのは見たことのない人物だった。

 

雪のような白いコートを身に纏い、その背中に刻まれているのはソードオブロゴスだった。

 

「お前は」

 

「我が名はロン。

ソードオブロゴスに所属する者だ」

 

「ロンさんはなんでここに」

 

「簡単な事だ。

貴様を捕らえる為に、この地に来た。

まさか暗黒剣月闇があるとは思わなかったがな」

 

「捕らえるって」

 

「貴様に選択する自由はない」

 

その言葉と共に取り出したのはワンダーライドブックだった。

 

だが、その形は俺が持っていたワンダーライドブック・カバーによく似たアイテムだった。

 

【プリミティブドラゴン】

 

「っ!」

 

そのワンダーライドブック・カバーから放たれる異様な力。

 

それはその場にいた全員が凍り付く程の何かがある。

 

【プリミティブドラゴン!古の大いなる竜が本の力を掴み取る!掴ませよ!新たな力!Iwanna get the force!】

 

「なんだそれは」

 

「これはサウザンベース最強のワンダーライドブック。

そして」

 

そう言い近くに落ちていたジャオウドラゴンを取る。

 

すると、ジャオウドラゴンはジャアクドラゴンへと変わり、そのままプリミティブドラゴンを重ねる。

 

【ゲット!プリミティブドラゴン!】

 

その言葉と共にロンの腰に現れたベルトにそのまま装填し、腕を振り下ろす。

 

【バキッ!ボキッ!ボーン!ガキッ!ゴキッ!ボーン!プリミティブドラゴン!】

 

それが鳴り響きながら、ロンの後ろにはそのまま覆う程の巨大な骨のドラゴンが現れる。

 

同時にロンの身体を身に纏い、そこには青白い骨の鎧を身に纏った仮面ライダーが現れる。

 

「新たな仮面ライダーっ!」

 

「仮面ライダープリミティブ。

これより貴様の命を、世界の為に刈り取る!」

 

その言葉と共にプリミティブは右手を出すと、巨大な骨の手が俺に向かって襲い掛かる。

 

「ぐっ!!」

 

すぐに俺は反撃しようとしたが、先程までのカリバーとの戦闘の疲労の為か、身体が思う通り動けない。

 

「てめぇ、何をしているんだ」

 

「まったく厄介な事に」

 

そう言い、雪音さんも門矢さんもすぐに向かおうとしたが、雪音さんの方にも巨大な手が、門矢さんにはドラゴンの顎が襲い掛かる。

 

「がっぐっ」

 

「残酷な事だが、これも世界を守る為だ。

そのままサウザンベースへと連行する」

 

そう言いながら、すぐに俺達を纏めるように一カ所へと集める。

 

このままじゃっ

 

「今の状況は良くないな。

彼にはこれから大いなる使命があるのだから」

 

「えっ?」

 

どこからともなく聞こえてきた声。

 

何が起きたのか分からず戸惑っている間に

 

「おい、お前の胸、なんか光っていないか」

 

「えっ!?なにこれ!?」

 

俺が困惑している間に胸から溢れる光はそのまま俺達を拘束している骨の腕を吹き飛ばし、現れたのは見たことのない人物だった。

 

顔を覆っているフードでよく見えないが

 

「あなたは?」

 

「マーリンから話は聞いていなかったのか?

いや、彼女の事だから、そんなに多くは語らないだろう」

 

「マーリンって、もしかして」

 

アヴァロンにいるマーリンさんの事を知っている?

 

それは一体

 

「お前は一体?」

 

「俺か?

俺は世界を守る剣だ」

 

その言葉と共に取り出したのはドライバーだった。

 

それを手に持ち、腰に巻くと

 

【金の武器、銀の武器GOLD or SILVER】

 

懐から取り出したのはワンダーライドブックだった。

 

それをそのままドライバーにセットし

 

「変身」

 

【最光発光!Who is the shining sword?

最光一章!金銀の力を得た輝く剣! 最光!】

 

そう言うと共に腰にワンダーライドブックを装填し、そのままドライバーを取る。

 

すると変身音だけ鳴り響き、代わりにドライバーだけが残っていた。

 

「えっ何が起きたんだ?」

 

「おいおい、まさかこんな奴がいるのかよ」

 

「えっ?」

 

何が起きているのか分からず、俺と雪音さんは思わず見合わせたが、門矢さんは呆れたように言う。

 

すると

 

「はぁ!」

 

「なっ!」

 

ドライバーだけが空を飛び、プリミティブへと攻撃を仕掛けた。

 

「えっえぇ!?

一人で動いた!?」

 

「俺が剣で、剣こそが俺、仮面ライダー最光だ」

 

「いやいや、それは幾ら何でもあり得ないだろ!?」

 

まさか、目の前にある武器自体が仮面ライダーなのか!?

 

驚きを隠せずにいると、最光はそのまま俺に近づくと

 

「悪いが、少しワンダーライドブックを借りるぞ」

 

「えっ!?」

 

そう言い、俺の懐からソードアートオンラインワンダーライドブックを取り出し、そのまま装填する。

 

【最光抜刀!】

 

その音声と共に最光の形は変わり、その形はまるで青い薔薇を思わせる剣だった。

 

「ふんっ!」

 

その言葉と共に氷の鎖と青薔薇の蔓がプリミティブを拘束する。

 

「くっ」

 

その攻撃に驚きを隠せないプリミティブの様子を見ると、最光はそのまま俺達の元へと来ると

 

「さて、今のうちに、光あれ!」

 

「えっ?」

 

同時に最光から放たれた光は俺達を覆い、一瞬、何が起きたのか分からず、戸惑う。

 

「あれ、ここは?」

 

ゆっくりと何が起きているのか分からず、目を開く。

 

そこは先程まで俺達が戦っていた場所ではなかった。

 

「飛羽真君!?」

 

「えっ新堂に皆!?」

 

そこには新堂達がいた。

 

周りを見れば、あの時のゲームセンターだった。

 

「今までどこにいたんですか!」

 

「いや、それが俺にも分からなくてな」

 

「というよりも、そっちの人達は」

 

そう言いながら朝田に言われて見ると、そこには雪音さんと門矢さん、それに最光が既に人間に戻っていた。

 

「どうやら、思っていた以上だったな。

まぁ良い」

 

そう言うと門矢さんはそのまま懐から何かを取り出し、こちらに投げた。

 

「えっ、これは」

 

そう言いながら、見てみると、そこにはワンダーライドブックであり、題名は【ディケイド世界旅行記】と書かれていた。

 

「そこからお前が他のライダーの力を得られるかどうかはお前次第だ。

それにこっちも貰ったからな」

 

そう言いながら見てみると、そこにはセイバーが描かれたカードだった。

 

それと共に門矢さんの前に再び銀色のカーテンが現れ、その中へと消えていった。

 

「えっと、とりあえず話を聞かせて貰っても良いですか?」

 

「あぁ、分かった」

 

 



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サウザンベース 強襲

なんとか、俺は元の世界に戻ってきて、これまでの経緯についてを皆に話していた。

 

その中でも特に大きかったのは、これまで活動していたカリバーと、皆と仲間だった頃のカリバーが別人だという事を知った時の皆の反応だった。

 

「そうか、あの人は裏切った訳じゃなかったんだ」

 

それと共に大秦寺さんと尾上さんは複雑な表情だった。

 

「お二人とも、海堂さんと同じ時期に剣士になりましたからね」

 

「二人からしたら、自分達が知っているカリバーが仲間だった事を嬉しくもあるけど、同時に」

 

「あぁ」

 

もう2度と帰ってくる事のない故人だという事実。

 

それは悲しいだろう。

 

「にしても本格的にサウザンベースの奴らも攻めてくるね。

結局、どうするの」

 

そう言いながら緋道は俺の方を見る。

 

確かに今回の件でサウザンベースが本格的に攻撃を仕掛けてきた。

 

それを含めて考えても

 

「事態は彼を封印するだけで解決するとは思いません。

セイバー」

 

「はい」

 

そう話していた時、ソフィアさんはこちらに話しかけると

 

「彼は、プリミティブドラゴンを使用したのは本当なんですね」

 

「あぁ、確かそうだったけど」

 

「プリミティブドラゴン、それはやはり」

 

「えぇ、ソードオブロゴスが封印している禁書の一つです。

そのあまりにも強すぎる力と世界を災いになる事もあり、サウザンベースとノーザンベース、それぞれに力を分け、封印されている二冊の内の一冊」

 

「二冊?」

 

「えぇ、ですが、その使用は堅く禁じられているはず」

 

「それ程飛羽真の力を危険視しているという訳だが」

 

「幾ら何でも可笑しすぎる!」

 

そう言いながら、新堂は叫んだ。

 

「ソードオブロゴスは世界を守る為の組織です!

それを、組織自体がその世界を危機を招くような真似をするなんて」

 

「裏切り者か」

 

富加宮のその一言で、その場の全員が驚きを隠せなかった。

 

「カリバーを始めとした裏切り者の剣士。

彼らの活動は5人だけで行っているとは考えられない」

 

「ディビエルとかもどうやって操っていたのか未だに分からないしな」

 

「ワンダーライドブックを管理しているソードオブロゴス自体にいると考えても良いだろう」

 

「組織に裏切り者が」

 

その言葉に新堂は少なくとも動揺を隠せなかった。

 

それは生まれ、育ててくれた組織を疑う事に他ならないから。

 

「新堂」

 

「組織に裏切り者なんて」

 

「新堂、まだいるとは分からない。

でもだからと言って、そこで止まっちゃ駄目なんだ」

 

「飛羽真君」

 

そう言いながら、俺はゆっくりと息を吸う。

 

「俺自身の力もまだ危ないかもしれない。

だけど、このまま封印されて、それだけで解決だとは思えない。

もしも、封印されるとしても、その理由をしっかりと知りたい」

 

「飛羽真君」

 

「まぁ、封印されたいとは全然思わないけどな」

 

「当たり前だ。

自己犠牲なんて、くだらない事を考えるんじゃないぞ」

 

そう言いながら、全員が立ち上がりながら

 

「未だに疑問が多すぎるからな」

 

「疑問って、そんなにあるのか?」

 

「あぁ、その事についてあなたに聞きたい」

 

そう言いながら、会話にこれまで入ってきてない最光に対して、全員が目を向ける。

 

「聞きたい事か?」

 

「あなたは飛羽真の中から出てきたと言っていたが、あなたはそもそも何者なんですか?」

 

「俺は光の聖剣、そのもの。

そして飛羽真の中にいたのは、偶然としか言えないな」

 

「偶然?」

 

その言葉に全員が首を傾げる。

 

「世界を融合されたあの日、俺自身の封印にも綻びが起きた。

カリバー自身も予想していなかったが、その時の俺は封印が解けた直前で力がほとんど失われ時空の狭間を彷徨っていた。

そこで偶然出会ったのが気絶した神山飛羽真だ」

 

「俺に?」

 

「あぁ、本に対する愛、世界を知りたいという好奇心。

そんな人一倍の思いが引き寄せられ、俺はそのまま君と一体化し、その力を少しずつ回復していた」

 

「それじゃあ、俺の中でずっと一緒に戦っていたんですか」

 

「あぁ、俺自身の力と君の中にある思いが重なり、俺の想像を遙かに超えたワンダーライドブックを作り出す能力、そして聖剣に選ばれる程の素質へと成長させた」

 

「それじゃあ、こいつがセイバーとして戦えたのは、お前のおかげだった訳か」

 

「あぁ、マーリンもその事に気づいていたはずだがな。

まぁそういうのは隠したがる奴だからな」

 

そう言いながら、本を読み続ける最光に対して

 

「それじゃ、お前が飛羽真を戦いに巻き込んだのか」

 

「富加宮」

 

そう言いながら、最光に近づく。

 

「お前が飛羽真の中にいたせいで、今、飛羽真はソードオブロゴスから狙われている事になっているんだぞ!」

 

「おい、落ち着け!」

 

「そうだよ、今更どうにもならないんだから」

 

「だけど」

 

最光に向けて、怒りを隠せない富加宮。

 

だが

 

「確かに俺のせいでソードオブロゴスから狙われる事になった。

だが、正義を貫く為には力が必要だ。

今の君達の成長も神山飛羽真がいなければ無かったのではないか?」

 

「それはっ」

 

その事に対して、富加宮は反論する事はできなかった。

 

「それにどうやら、その討論の時間もないようだ」

 

「これはっ」

 

最光の言葉がきっかけにソフィアさんは手に持った本を開く。

 

そこにはノーザンベースの周りを囲むように見たことのな人物が数十人が囲んでいた。

 

「とにかく、今は彼らの対処を」

 

その言葉に対して、頷くと、俺達はすぐに外に出る。

 

そこに

 

「ノーザンベースの諸君。

こちらはサウザンベースの使者です。

これより、神山飛羽真の封印を行うので、ノーザンベースは直ちに神山飛羽真をこちら引き渡してくれませんか?」

 

「まさか、あんたが出てくるとはな」

 

「知っているのか?」

 

その人物に心当たりがあったのか、尾上さんは苦い顔をしているが

 

「おや。貴方とは初対面ですねぇ。私サウザンベースで最優を名乗らせて頂いておりますアウグストと申します。以後、お見知りおきを」

 

「アウグストさん。

悪いけど、俺は今は封印される訳にはいかない、だから」

 

「なるほど、抵抗する訳ですか。

ならば」

 

「誰もそんな事を!」

 

「こちらの要求を拒否するならば、そういう事です。

だから、悲しいですが、ここで制圧させて貰います」

 

【とある人形の王子が少女の為に恐るべき怪物と戦う戦争の物語】

 

そう、アウグストさんを合図に周りにいる人達の懐からワンダーライドブックを取り出す。

 

【それは名も無き騎士達の戦いの物語】

 

「変身」

 

アウグストさんはそのまま腰にあるベルトにワンダーライドブックを装填し、そのまま抜く。

 

【抜刀!ブリキ王子とラットキング!進軍!神機妙算な采配が大勢を征する】

 

アウグストさんの身体はそのまま歯車に囲まれ、その姿を変えた。

 

カリカチュアしたように軍服を模した深緑の装甲。右胸に勲章があり、背中にはマントを背負っている。

 

マスクは右半分にだけ横一線に斬撃のような誇張が入っている。

 

そして、周りにいる人々も、腰にある小型のナイフを思わせる武器にワンダーライドブックを装填し、そのまま引き抜く。

 

【抜刀!】

 

同時にその姿は俺達の変身している姿と比べると、何も飾りのない黒い姿であり、騎士を思わせる兜が異様に目立っていた。

 

「聖剣の量産は既に行われいたのか!」

 

「彼らは僕達、サウザンベースに所属する騎士、ナイツだ。

忠実な騎士達の力はなかなかだよ」

 

そう言いながら、ナイツ達はその手に持ったナイフを手に持つと、すぐに一本の剣へと変わりこちらに向ける。

 

「どうやら戦闘は避けられないようだな。

だったら、やるしかないか」

 

「あくまでも戦闘意欲を下げるだけで良い。

ワンダーライドブックを取り上げるぞ」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に俺達6人はすぐにワンダーライドブックを取り出し、そのまま彼らに向かって走り出す。

 

「変身!」

 

その言葉共に俺達はすぐに戦闘を始めた。

 

数で攻めてくるナイツに対して、殺さないように、狙いはワンダーライドブックに向けるように攻撃を攻めてくる。

 

戦ってみると、一人一人はこれまで戦ってきたディビエルと比べても少し弱い程度だ。

 

だが、数での連携はかなり上手く、しかもこちらの狙いがワンダーライドブックだと分かっているので、それを防ぐように戦う。

 

「さて、私も」

 

そうして戦っている間にアウグストさんも動き出した。

 

連携で戦っているナイツの合間を通り過ぎて、新堂、富加宮、大秦寺さんへと近づき、切り裂く。

 

「っしまった!」

 

「ふふっ」

 

【COATING!】

 

それと共にアウグストさんの横に本が現れ、そこから出てきたのはなんと3人とまるで同じ姿のライダーだった。

 

「なっ」

 

「ジェネラル、まさか噂で聞いた程度だったが、ライダー達の姿を模倣して作り出す事ができるとは」

 

「そう、そして、私の忠実な下僕です」

 

その言葉と共に俺を取り囲んでいたナイツは引き、代わりに作り出した三人が一気に俺を襲い掛かった。

 

「ぐっ」

 

襲い掛かる三人の剣を受け止め、俺は後ろへと後ずさる。

 

流れるような剣、見えないスピード、地面を揺るがす程の力。

 

そのどれもが本物と間違いそうなぐらいの再現度だった。

 

「飛羽真っ」

 

「くっ」

 

すぐにこちらへと向かおうとするが、ナイツ達の妨害があって、すぐに来れそうにない。

 

「さて、彼を拘束してから、君達の処罰も決めますが」

 

「ぐっ」

 

本物と間違う程の戦闘能力に押され気味になり、吹き飛ばされる。

 

その中でバスターの一撃がこちらに迫ろうとした時だった。

 

「何をしている」

 

「っ!」

 

そうしていると、最光の声が聞こえ、見るとバスターの剣を受け止めた最光がその場にいた。

 

「最光」

 

「こいつらはただ似ているだけの存在。

そんな奴らに負けるのか?」

 

「そんな訳ないだろ!」

 

俺はそう言い、そのままバスターを蹴り上げ、最光を手に取る。

 

「例え何もかも似ていても、負けるつもりはない!」

 

「勝てるのかね、君が信頼していた仲間を」

 

そう言いながら、襲い掛かる3人。

 

「仲間の力を知っている。

だからこそ」

 

そう言いながら、最光に目を向ける。

 

「ふむ、なるほど、試してみるか」

 

「あぁ!!」

 

俺はそう言い、そのままバスターの元へと近づく。

 

こちらに振り下ろされる剣。

 

それに対して、俺は火炎剣烈火で受け止め、受け流しながら、伸ばしたのは玄武神話。

 

「なに?」

 

【玄武神話】

 

「力を借ります、尾上さん!」

 

そう言い、俺は最光に玄武神話を差し込む。

 

そうする事によって、最光の姿は代わり、バスターの持つ土豪剣激土へと変わる。

 

同時に俺はこちらに向かっていたブレイズとエスパーダを地面に叩きつけると共にワンダーライドブックを取り上げる。

 

「新堂!富加宮!」

 

「えぇ!!」「任せた!」「行け!」

 

俺の言葉に応えるように3人はすぐにジェネラルの近くにいるナイツ達を吹き飛ばす。

 

同時に俺は取り上げたライオン戦機とランプドアランジーナを聖剣ドライバーに装填し、火炎剣烈火を抜く。

 

【烈火抜刀!三冊の本が重なりし時、聖なる剣に力がみなぎる!】

 

その音声と共に俺の身体にはブレイズ、エスパーダの二人の力が宿る。

 

同時に走り抜けながら、ジェネラルに向けて、剣を振り下ろす。

 

「まさかっ、私の分体を逆に利用するとは、驚きましたがっ!!」

 

そう言い、ジェネラルはすぐに対応するように剣を振り上げ、そのまま自身のベルトに剣を納める。

 

【必殺読破!抜刀!ブリキ一冊斬り!スタチュー!】

 

「ズィーベン・グレイツァイティッヒ」

 

「飛羽真!」

 

「あぁ!!」

 

それに合わせるように俺は最光から溢れる光と共にワンダーライドブックから湧き上がる炎、水、雷、土、光。

 

5つの属性を纏め、振り下ろす。

 

「はああぁぁ!!

 

同時に放たれた攻撃によって、ジェネラルの必殺技とぶつかり合う。

 

互いの攻撃がぶつかり、その高い威力で、俺達は吹き飛ばされる。

 

「ぐっ、まさかここまでとはな、だが」

 

「なっ」

 

すぐ後ろにいたナイツ達が俺の腕を押さえる。

 

反撃しようとしたが、今度は俺の聖剣ドライバーからワンダーライドブックを取り上げ、変身を解除させる。

 

「変身を解除すれば、良いだけの話」

 

「お前っ」

 

その行為に新堂達もすぐに駆けつけようとしたが

 

【必殺読破!ナイツ 一閃!】

 

その音声と共に、ナイツ達は新堂達の前にあった大地を斬り、大きな溝を作り出す。

 

「これで邪魔者はなし。

さて、あとは封印ですね」

 

そう言い取り出したのは少し大きめのワンダーライドブックだった。

 

「ぐっがああぁぁ!!」

 

それと同時にワンダーライドブックに徐々に俺の身体が吸い込まれる感じがした。

 

「ぐっ、これは」

 

それは最光も同じだったのか、身動きが取れず、吸い込まれ、力が抜けていく。

 

「世界の平和の為、ここで封印する」

 

「辞めろ!!」

 

叫ぶ富加宮、だが、その前にはナイツ達が立ちはだかり、進む事ができない。

 

このままでは、そう思った時だった。

 

【噛み砕け!激化!過激化!化石化!化石剣異化!!】

 

【銀河顕現!!罪に購え!!過ちを正せ!!我らが放浪の騎士!!

償いを求める騎士の力が銀河に宿る時、正義が今試される…!】

 

「っ!」

 

聞こえてきた音、同時に地面は大きく割れる。

 

「なっ、まさかお前達っ」

 

同時に俺を抱える人影。

 

それは瞬く間に富加宮達の元へと向かい、俺を降ろす。

 

「どういう事ですか?

なぜ、貴方達がそちら側に付いているのでしょうか。

アガートラム、クシーフォス」

 

それと共に見えたのは見たことのないライダーだが

 

「誰?」

 

俺はそう言いながら、疑問に思いながら、見上げる。

 

「お前ら、サウザンベースの仮面ライダーじゃないのか?」

 

尾上さんはそう言いながら二人に尋ねるが

 

「えぇ、確かにその通り。

だけど、今はサウザンベースとしてではなく、ソードオブロゴスのライダーとして、この戦いを止めに来ました」

 

「どういう事なんだ、それは」

 

「とにかく、今は逃げる。

これ」

 

そう言い、取り出したのはワンダーライドブックだったが

 

「これは、あぁ、分かった。

大秦寺!」

 

「分かった」

 

そう言い、二人は急いでその場から離れた。

 

この状況、どういう事なんだ。



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激闘!サウザンベース

「サウザンベースのライダー?」

 

先程まで絶体絶命の危機の中で助けてくれた二人のライダー。

 

それは尾上さんからの言葉を聞いても分かる事だったが

 

「新堂、誰だか知っているのか?」

 

「えぇ、以前、サウザンベースで会った事はあります。

クシーフォスとアガートラム。

確かに二人共、サウザンベースのライダーですが」

 

そう言いながら、目の前の戦いに目を向ける。

 

クシーフォスはその手に持っているのは、巨大な石材から切り出した様な無骨な身の丈を遥かに越える両刃の石剣、異形の竜の頭骨の様な形状をしていた。

 

そんなクシーフォスに向かって襲い掛かるナイツに対して、その手に持った巨大な剣で振り上げながら反撃する。

 

すぐに数で押すように攻撃を仕掛けるが、まるでダメージがないのか、そのまま振り払うと共に

 

【ティラノ軍記!ドゴーン!暴虐非道!激化!!】

 

その音声が鳴り響くと、その手に持った巨大な剣を巨大化させて跳躍からの全力の振り下ろす。

 

そうして、大地は地割れの如く裂け、隆起したその両側は巨大な恐竜の顎の如くにその間にある全てを押し潰す。

 

それにより、ナイツの変身は強制的に解除され、地面に転がる。

 

その間にアガートラムはジェネラルへと近づき、剣と腕がぶつかり合う。

 

「あれ、アガートラムの聖剣は?」

 

「分かりません、彼は以前は剣士ではなかったはずですが」

 

そう言いながら、戦闘を行い続ける中でアガートラムはその腕を光らせながら、そのまま後ろへと下がる。

 

「腕と聖剣が一体化している?」

 

そう驚きを隠せなかったが、アガートラムの腕から伸びた光の剣がジェネラルの身体に傷を作る。

 

「ふむ、確かに厄介ですが、たった二人でこの状況をどうにかなるとでも?」

 

「いいえ、既に撤退する準備はできています」

 

「なに?」

 

その言葉を聞き、後ろを見るとノーザンベースに設置されていた鎖が次々と外される。

 

「なっ」

 

「急いで行くぞ!!」

 

その言葉と共にその場にいた仲間達が全員がノーザンベースに乗り込んだが

 

「ええぇ!?」

 

そうしていると、ノーザンベースは空中へと飛び始める。

 

「えぇ、何が起きているの!?」

 

「ノーザンベースを初めとした施設は他の世界を守る為に滞在している間はこの鎖で固定されている。

サウザンベースとの本格的な攻撃が行われる前に、少しこの世界から離れる」

 

「えっ、それって大丈夫なのか!?」

 

「いや、問題ない。

ノーザンベースからでもゲートを通れば、元の世界から行けるのは以前から変わらない」

 

「それだったら、大丈夫なのかな」

 

少し心配してしまったが、それでも先程までのような襲撃はもうなさそうだ。

 

「さて、助けて貰った事には感謝します、お二人とも」

 

そう言いながら、既に変身を解除した二人にソフィアさんは頭を下げた。

 

「ですが、なぜサウザンベースの貴方達が?」

 

そう言いながら、話し始める。

 

「今のサウザンベースには、かつての姿から大きく変わってしまった」

 

そう言いながら、サウザンベースの事についてを語り始める。



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禁断への序章

本日からライダータイムシリーズが毎週配信されますね!
ジオウ、ディケイド、両ライダーの活躍が再び見れる嬉しさと共に、これからも連載していきます。


「現在のサウザンベースはある目的の為に活動しています」

 

「ある目的?」

 

その言葉に俺達は首を傾げる。

 

「ディビエルの殲滅。

それを行う為に大いなる力、つまり大いなる力を持つ本の復活の為に活動しています」

 

「大いなる力を持つ本?」

 

聞き覚えはあるが

 

「確か全てのワンダーライドブックの元になった本だと聞いたが?」

 

「その本の完全復活までいかなくても、それに近い物を作り出す為に、セイバーである神山さんを狙っている」

 

「つまり、それは奴らは最初からこいつの力を使うのが目的だった訳か」

 

「えぇ、組織の上層部もその意見に賛成しています」

 

「それだったら、お前らもそれに賛同するんじゃないのか?」

 

「いいえ、私達を初め僅かながら何が起きるか分からないこれには反対しています。

それは私が仕えていた我が主も同じでした。

だが」

 

「あんさつされた」

 

「なっ!?」

 

クシーフォスに変身していた香我美町が途中で話を挟んだ。

 

「暗殺だと!?」

 

その言葉に尾上さんが思わず声を荒げる。

 

「馬鹿な。

ソードオブロゴスの上層部が暗殺されないように警部は厳重なはずだ」

 

「私達もそれを怪しんで、調べました。

その結果、大いなる本の力復活を望む者達の仕業だと分かりました」

 

「それは確かに」

 

「幾ら何でも怪しすぎる」

 

「そして、それは我が主も同じでした。

あの戦いで我が主は殺され、そして奴の聖剣を奪われない為に」

 

そう言い、その腕を摩るアガートラムに変身する星村さん。

 

「なるほどな。

サウザンベースはまさに二つに分かれている訳か」

 

そう言いながら尾上さんは言うとソフィアさんの方を向く。

 

すると、ソフィアさんも頷く。

 

「これより、私達はサウザンベースが行おうとしている大いなる本の完成を阻止します。

その為にも、こちらも禁断の本を使うしかありません」

 

「禁断の本、それって」

 

「プリミティブドラゴン。

それはサウザンベースだけではなく、こちらにも存在しています」

 

そう言い、中心に置かれたのは鎖で固められている巨大な箱だった。

 

「これが禁断の本?」

 

「この中に封印されています。

その鍵はバスターが管理しています」

 

「それじゃあ、久し振りにあいつに会いに行くか。

おい、お前も来い」

 

「えっちょ!?」

 

そう言っていると、尾上さんに首を引っ張られながら、ドアを開く。

 

「俺、結構疲れているんだけど!?」

 

「だったら、余計にこっちに来い。

あっちの世界だったら、奴らもまだ知らないからな」

 

そのまま尾上さんと共に辿り着いたのはどこかの森の中だった。

 

「ここは?」

 

「俺がお前達の世界に来る前に担当していた世界だ」

 

「担当していた世界?」

 

疑問に思い、俺は首を傾げているが、そうしている間に森の中を突き進んでいると、巨大な屋敷だった。

 

「あの屋敷は」

 

そう言いながら、屋敷のドアの前にいると

 

「えっと、お客様でしょうか?」

 

俺達がドアの前にいると、こちらに気づいたのか小さな女の子がこちらを見つめていた。

 

その格好はメイド服のようだが

 

「んっ、新しく入ったメイドか?

悪いが、フレデリカはここにいるか?」

 

「フレデリカ姉様ですか?」

 

そう言っていると

 

「どうかしましたか、ペトラ?」

 

「あっフレデリカ姉様、そのお客様で」

 

「お客様、って」

 

「よぉ、久し振り」

 

そう言っていると、屋敷から出てきたのは金髪のメイドが出てきた。

 

その口元はかなり鋭い歯が特徴的だが、かなりの美人だ。

 

「亮、いつここに」

 

「ついさっきだ。

悪いな、その長い間はいられないが」

 

「ふふっ、良いですよ。

それよりも、その、そらは元気かしら?」

 

「あぁ、勿論だ。

お前の夢は」

 

そう言いながら、話し合っているが、どういう関係なんだ?

 

「フレデリカ姉様、その方は一体?」

 

「そうでしたね。

紹介します、

こちらは尾上亮、その私の夫です」

 

「・・・夫?」

 

「ほへぇ」

 

その一言に俺と小さな子は驚きを隠せず、思わず呆けた声を出すしかできなかった。

 

つまり、それって、この人がそらくんの母親で

 

「おい、何をぼーっとしているんだ?」

 

「うわっと、色々と混乱していて」

 

「それで、その亮?

その子は?」

 

「あぁ、こいつは俺の後輩で、仮面ライダーセイバー、神山飛羽真だ。

それで悪いが、ここに預けていた鍵を取りに来たんだが」

 

「なるほど、分かりました。

それで、その」

 

「あぁ、2、3日はいるつもりだ」

 

「そうですか。

ふふっ久し振りに張り切りますね」

 

そう言いながら、尾上さんとフレデリカさんは話し合っていた。

 

「とりあえずは、この世界について知らないとな」

 

そう言いながら、俺は屋敷の中へと入ろうとしたが

 

「へぇ、結界を通して、まさかこんな事になるとは」

 

「っ!」

 

聞こえてきた声、振り返ると、そこには見た事のない人物がいた。

 

全身が黒く染まった服を身に纏った白髪の女性だった。

 

「誰だ、あんた?」

 

「そうだね、あえて言うならば、強欲の魔女と呼ばれているかな」

 

そう笑みを浮かべる彼女は、どこか人外染みた笑みだった。

 

「話をしようじゃないか、君が知りたい事を含めてね」



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強欲の魔女からの誘い

「強欲の魔女か」

 

「あぁ、とにかく座りたまえ」

 

「あぁ」

 

そう言いながら、強欲の魔女と名乗った女性を目の前にしながら、俺は用意された椅子に座る。

 

「さて、改めて自己紹介を。

僕の名前はエキドナ、この世界では強欲の魔女と呼ばれている」

 

「この世界という事は、俺がこの世界の住人じゃないというのは知っていると言う事だな」

 

その強欲の魔女という名前からして、この世界では相当有名だろう。

 

だからこそ、その名前を先に出して、自己紹介を行った。

 

「それは簡単な事だよ。

君が持っている本から感じ取る力は僕の知る、どの力でもないから。

何よりもその格好は、以前までここに通っていた彼と同じ感じだからね」

 

「同じ感じ?」

 

それに俺は疑問に思ったが

 

「あぁ、遠く離れているここまではっきりと分かる程の力だからね。

だからこそ、少し無理をして、この世界に繋げたんだ」

 

「そうか、それで、何が目的だ?」

 

俺はそう言いながら、目の前にいるエキドナを睨みながら言う。

 

それに対してエキドナは

 

「目的、そうだね。

あえて言うならば、僕は君の事を知りたくてたまらない。

これは本音だ」

 

「俺の事が知りたいだと?」

 

何を言いたいのか分からず、俺は首を傾げる。

 

「そうだね、君自身はそれを自覚しながら、それを使っている。

僕はそれに興味があり、それを解明したい」

 

「それはワンダーライドブックを作る力の事か」

 

「あぁ、そうだね」

 

そう言いながら、その三日月を思えるような笑みをこちらを見せる。

 

「そう、ワンダーライドブックを作る力。

それは無尽蔵に他の世界の事を知る事のできる能力。

知識欲に対する強欲さが有名な僕にとって、その能力は魅力的すぎる。

この世界の常識が通じない未知の世界に、この世界によく似ていながらまったく異なる世界、そんな無限に近い世界の知識を知る事のできるその能力は僕にとっては強い興味の対象であり、実に近づきたい対象だ」

 

「俺に強い興味か、それでお前はただ知りたいだけなのか?

それとも、その力を使って何を企む」

 

「それならば、はっきり言うと、僕はただ知りたい。

それだけしかない。

君に対して嘘を言っても、きっと断る。

それは以前の彼から学んだからこそ、僕自身の正直な思いを伝えよう。

僕は自身の知識欲の為に君に近づきたい」

 

「そうか、まぁそれだったら良いか」

 

「あれ?」

 

俺は特に気にする事なく、懐からワンダーライドブックを取り出す。

 

「なんだ、その反応は?」

 

「いや、こういう場合、断るんじゃないのかな?」

 

「断って、助けられない命が増えるより、協力してもらって、助ける方が良いだろ。

それに」

 

「んっ?

あぁ、なるほど、雰囲気が似ているか」

 

「あぁ」

 

先程からエキドナから感じる狂気、それはデスルクと同じような狂気。

 

そんな感じがした。

 

「ふふっ、確かに、悪いと思ったが、君の記憶を覗かせて貰った。

そこに出てきた彼女の雰囲気は確かに僕によく似ている。

ただ、僕の場合はただ純粋な知識への探求欲、彼女の場合は力を手にする事への執着。

どちらも何かを純粋に求めている事には変わりない」

 

「あぁ」

 

「ふふっ、まぁ彼女が何を考えているのか、私には分からないがね。

もしかしたら、平行世界の私自身かもしれない。

名前なんて、その世界によって変わるし」

 

そう軽く言いながらエキドナは話を終わらせると共に

 

「さて、まずはお近づきの印に、君を強くする方法を一つ教えようと思う」

 

「強くする方法」

 

その言葉に俺は身構える。

 

「必要な事。

それは圧倒的な戦闘経験。

サウザンベースの剣士達は君よりも力を持っていなくても、その人生のほとんどを戦いに捧げた者達だ。

これまでは偶然と君自身の潜在的な力で乗り越えたが、これからもそうなるとは限らない。

ならばこそ、君に必要なのは多くの戦闘経験だ」

 

「そんな方法あるのか?」

 

「あるとも。

それも、君自身の持っているワンダーライドブックにね」

 

そう言いながらエキドナに言われて、ワンダーライドブックを少し並べる。

 

そのワンダーライドブックの一つ、ディケイド世界旅行記だった。

 

「少し、この本の力を借りて」

 

その言葉と共に作り出されたのはマゼンダの扉だった。

 

「これは」

 

「このワンダーライドブックに納められた物語の内の一つを体験する事ができる本だ。

その物語の詳細は僕も君も知らない戦いの歴史。

それを実際に体験する事によって、君に戦闘経験を積ませる」

 

「そうか」

 

そう言い、俺はドアノブに手を置くが

 

「なんで、手を繋ぐ」

 

「それは一緒に移動するからね。

後ろから着いていって、入れなかったら嫌じゃないか。

これでも殿方の手を繋ぐのは、僕も恥ずかしいから」

 

「よし、さっさと入るか」

 

「君は君で結構あっさりとしているね」

 

そう言いながら、俺はそのまま扉の中へと入っていく。



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出会うは希望の魔法使い

「ここは、どこかの町?」

 

「なるほど、こうやって見ると、彼もそうだけど、君もなかなかに面白い世界にいるじゃないか」

 

「いや、正確にはここは俺の世界じゃないけど、一体」

 

そう言っている間に、何か騒ぎが聞こえてきたので、俺はその場所へ向かって走り出す。

 

ようやく辿り着いて、見てみると、そこには身体が石のように罅割れた、灰色の鬼のような奴が暴れていた。

 

「なんだ、あれは?

とにかく、奴を止めないと」

 

そう言っていると、その怪物は次々と火花を散りながら、倒れていく。

 

「何が起きたんだ?」

 

「あれは?」

 

そう疑問に思っていると、その怪物達の中に入り込む一つの人影。

 

その人影が手に持っているのは銃のようだが、そのまま周りにいる怪物達に向けて銃弾を放っていく。

 

「まったく、平和になったと思ったら、まだまだファントムがこんなにいるとはな」

 

「ファントム?」

 

そんな疑問を余所に男はそのまま降り立ち、その指に填めているのは宝石の指輪だった。

 

【ドライバーオン プリーズ!シャバドゥビ タッチ ヘンシン!】

 

男はそのまま、ベルトの操作を行うと共に、ゆっくりと構える。

 

「変身」

 

【フレイム プリーズ ヒーヒー ヒーヒーヒー!】

 

その音声が鳴り響くと共に、男の目の前に現れたのは赤い魔方陣が現れ、そのまま魔方陣を纏う。

 

同時に現れたのは長い黒のロングコートが特徴的で、顔は先程まで男が指に填めていた指輪と同じ仮面を身に纏う。

 

「さぁ、ショータイムだ」

 

「仮面ライダー」

 

以前、ディケイドと同じように、俺達とはまるで違う仮面ライダー。

 

「ふむ、彼の名前は仮面ライダーウィザード。

なるほど、魔法を使い、戦う仮面ライダーか。

僕の世界の魔法とは、どのように違うのか、実に興味深い」

 

「んっ?

おい、そこのカップルさん、すぐに逃げろ」

 

「えっ、俺達の事を見えている?」

 

「あぁ、そうだよ。

この世界は仮想世界とはいえ、向こうはこちらを認識できるし、本物のように動ける。

この本に記録しているウィザードと同じようにね」

 

そう言いながら、周りの怪物達は襲い掛かろうとしていた。

 

「グールがここまで発生するなんて、なんとかしないと」

 

そう言いながらウィザードは、そのまま周りのグールと戦っていた。

 

「・・・なぁ、この世界は仮想世界だけど、このまま止めれなかったら、どうなるんだ」

 

「さぁ、どうだろうね。

だけど、こちらの世界には特に問題ないし、私達が役割を終えたら、この世界は消える。

つまり、助けても何の意味もない」

 

そう、エキドナは呟く。

 

だが

 

「まぁ、確かに意味はないかもしれない。

だけど」

 

そう言いながら、俺は聖剣ドライバーを腰に巻き、そのままブレイヴドラゴンを取り出し、装填する。

 

「変身!」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎烈火が交わる時、深紅の剱が悪を貫く!】

 

「っ!!」

 

俺はそのままセイバーへと変身すると共にウィザードへと襲い掛かろうとしていたグールを斬る。

 

「なっ、お前は?」

 

「えっと、どうも先輩。

俺は仮面ライダーセイバーです」

 

「セイバー?」

 

そう疑問に思いながら、俺はそのままウィザードに話しながら、そのまま襲い掛かるグールと戦う。

 

「それで、その後輩が、俺に何の用だ?」

 

「用という訳じゃなくて、その、なんというか修行みたいな感じで、ここに来ました」

 

「修行?」

 

そう疑問に思いながら、俺はそのままブレイブドラゴンを取り出し、ワンダーライドブック・カバーの一つである舞—HiMEワンダーライドブックに装填する。

 

【かつて姫巫女の祈りと共に戦う異形の守り神達がいた】

 

そう言い、手に持った舞—HiMEをそのまま火炎剣烈火に翳す。

 

【舞—HiME!ふむふむ!カグツチ召喚!】

 

その音声と共に、俺は火炎剣烈火を地面に突き刺すと、そこから現れたのは巨大な白い竜が現れる。

 

それと共に回りにいたグールを一気に倒す。

 

「わぁ、これは驚くな」

 

「へぇ、なるほど」

 

そうして、全てのグールを倒し終えた。

 

「お疲れ様、セイバー」

 

その言葉と共にウィザードも変身を解除して、こちらに近づく。

 

「えっと、こちらこそ突然すいません」

 

「まぁ、別にそれは良いよ。

あぁ、そういえばこっちの名前をまだ言っていなかったな。

俺は操真晴人だ」

 



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屋敷の魔獣戦

「おらあああぁぁぁ!!」

 

その叫び声と共に、尾上はその手に持った土豪剣激土を手に持ち、囲んでいる魔獣を切り裂く。

 

戦闘から始まって1時間、その足下には既に桁が十を超える程の魔獣の死体が倒れていた。

 

だが、それでも途切れる事のない魔獣の大群が尾上に襲い掛かってきている。

 

「たくっ、この世界に何が起きているんだ?」

 

そう言いながら、周りを見渡しても、魔獣が覆っていた。

 

「神山がいなくなって、数日。

ここまでの魔獣の数、可笑しすぎるだろっ」

 

それと共に尾上はすぐにワンダーライドブックを取り出す。

 

【この甲虫の王者が現れし時、森を大いなる災いより救うと伝えられている】

 

その音声が響くと共に、土豪剣激土に装填し

 

【昆虫王者ムシキング!一刀両断!ブッた斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!

激土重版!絶対装甲の大剣が北方より大いなる一撃を叩き込む!】

 

その音声と共に尾上の左腕はカブトムシを思わせる籠手が現れ、そのまま真っ直ぐと魔獣の一体に突っ込む。

 

「はああぁぁぁ!!!」

 

その雄叫びと共に近くにいた魔獣を掴むとそのまま地面に大きく叩きつける。

 

「ガンガンスマッシュ!!」

 

叩きつけられた魔獣は悲鳴を上げるが、それでも収まる事なく、何度も叩きつける。

 

そんな尾上に襲い掛かろうとする魔獣達だが、叩きつける事で飛び出た破片に目を潰され、魔獣は一瞬怯む。

 

そんな魔獣達に向けて、土豪剣激土で切り裂き、手に掴んだ魔獣を投げ捨てる。

 

「はぁはぁ、たくっ、どうなっていやがる」

 

そう言いながら、息を荒げていると共に、尾上の耳に聞こえたのは二つの声だった。

 

「なんだ?」

 

疑問に思い、警戒しながら構えると、二つの声だった。

 

『良いよ、このままあの剣士の足止めをお願いね。

さすがに合流されると、厄介だから』

 

一人は幼い子供だと思われ、その子供が魔獣達に命令していた。

 

「この子供が黒幕か、だが」

 

それとは別にもう一つの声が聞こえる。

 

『この方向に行けば、屋敷へと迎えるんですね!』

 

それはまるで周りにいる小動物達から情報を聞いて、屋敷へと向かっていた。

 

「これはもしかして、加護?」

 

それと共に、動物や昆虫などの声を聞き、操る事ができる加護を持つ者が生まれる事がある。

 

そんな話をフレデリカと聞いたのを思い出す。

 

「ムシキングワンダーライドブックの力か」

 

ムシキングワンダーライドブックの能力として、様々な昆虫達の力を身に纏う能力だと聞いた事がある。

 

それを考えれば、加護を持つ者達が命令したり、話を行う者達の声を聞く事ができるのは必然かもしれない。

 

「片方は敵だと確定して、もう片方は味方か?」

 

一瞬迷いながらも

 

『なっ魔獣がこっちに?!

なんですかっスバルさん』

 

「スバル?」

 

その名を聞いた瞬間、フレデリカから聞いた、エミリアの騎士と同じ名だった。

 

ここにはいないはずの彼がここにいるのは疑問だが、魔獣達の敵である事は確実だ。

 

『もう来たんだ。

だったら、始末をお願いね』

 

その言葉と共にスバル達に向かっていく鋭い音が聞こえる。

 

それはこれまで尾上が感じた事のない気配を持つ何かだった。

 

魔獣と近く、だがディビエルと近い気配。

 

「まぁ良いか」

 

どうしようか、一瞬、迷うが

 

「好きな奴の為に行動している奴を放っておく訳にはいかないか」

 

同時に聞いたスバルの人物像を信じる事にして、土豪剣激土を構え、走り出す。

 

「ダンガンッ!」

 

その言葉と共にスバルに迫っていたディビエルに向けて突っ込む。

 

「ここでっ白鯨かよっ!」

 

それと共に至近距離で聞こえたスバルの声。

 

襲い掛かろうとしていた白鯨の力を持ったディビエルを吹き飛ばす。

 

「尾上さんっ!!」

 

「なんで、俺の名前をって、そういう場合じゃないな!」

 

そう言いながら、尾上はスバル達の竜車の前に立ちはだかる。

 

「ここは俺に任せろ。

てめぇらはさっさと屋敷に行け」

 

「あぁ、分かった」

 

スバルはそう、まるで分かりきったように返事すると

 

「尾上さんっ!

そいつの出す煙に当たるとやばいし、ピンチになったら3体に増えるから!

その時に逃げている一体が本体だから」

 

「なんだか詳しいな、だが、分かったぜ!」

 

【とある魔術講師となった青年が、二人の少女の関りによって己の思いと再び向き合う物語】

 

「さっさと、行け!」

 

「おぉ!」

 

そう言いながら、白鯨ディビエルを睨む。

 

「さて、聞いた話だと、確かに厄介だな。

まぁ、ここからだと屋敷から十分な距離だな」

 

その言葉と共に新たなワンダーライドブックを取り出し、そのまま土豪剣激土に装填する。

 

【ロクでなし魔術講師と禁忌経典!一刀両断!ブッた斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!

激土重版!絶対装甲の大剣が北方より大いなる一撃を叩き込む!】

 

それと共にムシキングから新たな装甲として、魔術師を思わせるローブを身に纏う。

 

『ガアアァァ』

 

こちらの姿が変わったのを見ると、白鯨ディビエルは雄叫びを上げながら、頭から白い煙を尾上に襲い掛かったが

 

「おらぁ!!」

 

尾上はそのまま殴り飛ばす。

 

同時に煙を覆うが尾上は姿を消さなかった。

 

『ッ!?』

 

「さぁ、こっちに付き合って貰うぜ!」

 

 



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繰り返される戦いを終わりに

「はぁはぁはぁ」

 

ナツキ・スバルは、今、負けられない戦いをくり広げていた。

 

彼はこの異世界へと転生して、多くの出来事を乗り越えてきた。

 

唯一与えられた力である『死に戻り』という能力を行ってきたが、その死の先の運命を掴む為に戦っていた。

 

その中でもロズワール邸での戦いは、その困難に立ち向かっていたが

 

「くっそ」

 

それはこれまでにない脅威が迫っていた。

 

今回の戦いにおいて心強い味方でもある尾上から既に聞いていたが、本来の存在から離れ、怪物になった存在ディビエル。

 

それがどのように誕生するか分からなかったが

 

「まさか、こんな事になるとはな」

 

それは不死身とも言える強敵エルザ。

 

そのエルザに対して尾上が変身した時に使われた奴と同じ本が吸い込まれると共に、そこには黒く染まった怪物へと変わった。

 

それがディビエルだと思えたのは、人の大きさまで変わった白鯨を見た頃から予感していた。

 

未だにやり残して、これから助けに行かなければならない時に。

 

「諦めてたまるかよ!」

 

そう言いながら、スバルは必死に走る。

 

残る可能性である扉は二つ。

 

片方は既に場所を知っており、もう片方はすぐ近く。

 

だが、それはディビエルとなったエルザから逃げながら行くにはあまりにも遠すぎる。

 

「その可能性に賭けるしかないだろ!」

 

その言葉と共に走り出す。

 

だが、その決意を砕くように、エルザは瞬く間にスバルの前に立ち、そのナイフを振り上げる。

 

既に走り出し、勢いをつけたスバルは止まる事ができない。

 

ならば、突破できるかもしえない賭けに乗ると共に真っ直ぐと突き進む。

 

そう思った時だった。

 

「そういう所、嫌いじゃないぜ!」

 

「っ!」

 

突然聞こえた声、それと共に目の前にある扉は開かれ、溢れ出る炎はスバルの目の前へと瞬く間に訪れる。

 

同時にこちらに向かっていたナイフが炎から現れた剣によって、防がれた。

 

【烈火抜刀!Don`t miss it!

ドメタリックアーマー!ドハデニックブースター!ドハクリョックライダー!

ドラゴニックナイト! すなわち、ド強い!】

 

「あんたは」

 

いきなりの事で思わずスバルは目を見開く。

 

「通りすがりの仮面ライダーだ」

 

そう言いながら、現れたのはドラゴニックナイトに変身しているセイバーこと飛羽真だった。

 

「その姿、尾上さんとそっくりの。

まさかあんたがずっと尾上さんが探していた騎士かよ!?」

 

「尾上さんを知っている?

まぁそれは良いとして、あまり時間はなさそうだけど」

 

そう言いながら、セイバーが剣を振り上げると、周りにある炎が僅かだが消えた。

 

だが、その僅かな炎によって、最も困難だったもう一つの扉への道ができた。

 

「遅れた分は任せろ」

 

それは罠かもしれない。

 

普通の人間だったら、それを考えるが

 

「あぁ、任せた!」

 

スバルは何の迷いもなく、セイバーを信じて、扉へと向かう。

 

「ウッアアァァ!!」

 

「通させないよ!」

 

その言葉と共にセイバーが取り出したのはディケイド世界旅行記ワンダーライドブックだった。

 

それをドラゴニック・ブースターに装填する。

 

【ディケイド!ワン!リーディング!フレイムスパイシー!】

 

その音声と共にエルザディビエルの背後に現れたのは銀色のオーロラ。

 

「おらぁ!」

 

セイバーはそのままエルザディビエルを蹴り上げ、それに続くように走り出す。

 

「たくっ、本当に厄介だぜ」

 

その向かった先では白鯨ディビエルと激戦を繰り広げているバスターだった。

 

ロクでなし魔術講師と禁忌経典ワンダーライドブックの能力によって、白鯨ディビエルの力を強制的に押さえ込み、その力を封じたまま肉弾戦を繰り広げていた。

 

だが、白鯨ディビエルは見た目こそ人間サイズに収まっていたが、その中身は巨大な鯨の肉を無理矢理、人の形へと変えた存在。

 

それもあってか、バスターによって傷つけられたとしても、すぐにその肉の部分を押し出して、再生する。

 

肉弾戦において、バスターは決定的な攻撃を与える事ができずに苦戦を強いられていた。

 

だが

 

「はぁ!」

 

「んっ」

 

白鯨ディビエルの背後から現れた銀色のカーテン。

 

そこから現れたのはエルザディビエルで、それに続くようにセイバーも現れる。

 

「おい、飛羽真!

今まで、どこに行っていたんだ!」

 

「少し修行を。

それよりも、尾上さん、あいつは」

 

「ディビエルだ。

さっきから何度も試しているが、思った以上にダメージを与えられなくてな」

 

「それは確かに。

でも、諦めるつもりはないでしょ」

 

「当然!

元の世界にはそら、そしてこっちの世界には嫁が俺を待っているんだ。

こんな所で負けてたまるかよ!」

 

その言葉に合わせるように新たなワンダーライドブック、そして鋼の錬金術師ワンダーライドブックが玄武神話に吸い込まれる。

 

【Re:ゼロから始める異世界生活】【鋼の錬金術師】【玄武神話】

 

それらが重なると共に玄武神話は新たなワンダーライドブックへと生まれ変わる。

 

【家族と過ごす為に巨大な存在に立ち向かった父親!】

【つまりはド級な硬さを持つ】

【つまりド強い!】

 

「へっ父親か、俺にぴったりじゃないかよ!」

 

【父屈玄武神話】

 

その言葉と共に新たなワンダーライドブック鋼鉄玄武神話をそのまま土豪剣激土に装填する。

 

【父屈玄武神話!

一刀両断!ブッた斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!

激土重版!家族を守る父に、全てを守る手が集い、その大いなる一撃を叩き込む!】

 

その音声が鳴り響くと共にワンダーライドブックから飛び出たのは何十、何百の黒い腕だった。

 

その腕はそのままバスターの身体に吸い込まれると共に影の鎧へと作り上げ、漆黒のバスターへと変わる。

 

「なんだか、悪役みたいな見た目ですね」

 

「最近流行のちょい悪親父だよ。

それに、このワンダーライドブックから伝わってくるのは家族を守りたい純粋な思いだぜ」

 

それと共にバスターの左腕を翳すと、無数の黒い手が地面に触れると、そこから巨大な壁で白鯨ディビエルとエルザディビエルを強制的に閉じ込めた。

 

「さぁ、まだまだ行くぜぇ!!」

 

その言葉と共にバスターの後ろから作り上げたのは無数の簡易な土豪剣激土だった。

 

それを黒い腕が掴むと同時にディビエルに向かって、斬りかかる。

 

「はぁ!」

 

襲い掛かった土豪剣激土による連続攻撃。

 

一撃一撃が重く、ディビエル達にダメージを与えていく。

 

そのダメージを回復させる為に再生していくが、一撃一撃のダメージは大きく、身体の再生が追いつかない状況だった。

 

「一気に決めるぞ、飛羽真!」

 

その言葉と共に手に持った土豪剣激土に全ての剣が集まり、人を、木を、見上げるのが難しい程の巨大な土豪剣激土へと変わった。

 

その土豪剣激土を支えるように、バスターから何百の手が支える。

 

「えぇ!!」

 

それに合わせるようにディケイド世界旅行記ワンダーライドブックを取り出すと、その絵柄は変わる。

 

【希望の魔法使いウィザード!】

 

そのワンダーライドブックは希望の魔法使いウィザードへと変わった。

 

「晴人さん。

希望の力、お借りします」

 

同時に修行の中で出会った仮面ライダーウィザードとの会話。

 

それと同時に思い浮かべるのは、彼がウィザードとして誕生した経緯を思い出す。

 

多数の人間を生贄にしてファントムを大量に発生させる日蝕の儀式・サバトによって絶望に追い込まれた晴人のアンダーワールドで誕生した。

 

その後晴人の全てを喰らい尽くして現実世界に出現しようとしたが、晴人が生きる希望を捨てなかった事で出現する事は無く、現在も晴人の体内で抑え込まれている。

 

本来だったら、絶望だったはずのドラゴン。

 

だが、多くの戦いを乗り越えた先で、その絶望の象徴だったはずのドラゴンは、今は希望へと変わった。

 

だからこそ、禁断の力だとしても、希望へと変える事ができる。

 

「その為に、俺は強くなる!」

 

その言葉と共に現れたのはセイバーが変身する時に力を貸してくれるドラゴン。

 

ドラゴンはそのまま火炎剣烈火に纏い巨大な炎の剣へと変わる。

 

「「はあああぁぁぁ!!」」

 

セイバーとバスター、互いの叫び声と共にディビエルに向けて必殺の一撃を放った。

 

圧倒的な質量による一撃と全てを燃やし尽くす程の炎。

 

その全てを受け、二体のディビエルは再生が追いつかず、そしてやがて消滅した。

 

「ふぅ、なんとかなった」

 

「まったく」

 

そう言いながら、同時に変身を解除する。

 

「どうやら、向こうもどうにかなったか」

 

その言葉と共に見上げると白い光が空を通り過ぎるのを見る。

 

「どうやら、やったみたいだな、あの坊主」

 

「えぇ」

 

それが、勝利した時だと確信へと変わった。



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戦いの裏側で

その場所はエキドナが作り出した空間。

 

その緑が風に揺れる草原の中の白いテーブルで向き合っているのはエキドナ、そして彼女とはもう一人の人物がいた。

 

「それにしても、無粋だと思わなかったかい?」

 

そう言いながらエキドナは目の前に現れた存在に対してため息を吐きながら質問をする。

 

「そうかい?

僕としては、なかなかに粋な計らいだと思ったが」

 

それに対して、何の悪気もないようにエキドナの質問を答えたのは静鞠だった。

 

「ダフネの魔獣、吸血鬼の彼女。

あの存在を化け物に変えたのは、君の仕業だろ?」

 

「あぁそうだよ」

 

エキドナの質問に対してあっさりと答えると共に取り出したのは複数のアルターワンダーライドブックだった。

 

「これまではあの爺さんに付き合う形でのアルターワンダーライドブックを作成できなかったが、今はあの爺さんも死んだから、こんな風に好きに活動できるからね」

 

「飛羽真君から聞いたが、正体不明のはずの怪物。

それがまさか君が作っていたとはね」

 

「それは違うよ」

 

そう言いながら静鞠はそのまま自身の手で作り出した黒い闇を見せる。

 

「ディビエルは元々物語から外れた存在。

それは以外にも誰もが持っている願望であり、僕はそれに少し干渉して作りやすいだけの話だ。

おかげであの爺さんがジャオウドラゴンに必要なアルターワンダーライドブックを作る為のディビエルを作らされたからね」

 

そう言いながら不満そうに呟く。

 

「まぁ今はこうやって自由に活動できるからね。

以前は作れなかったディビエルを作る事もできるしね」

 

「それであのディビエルを作った訳か」

 

「えぇ、スバル君のおかげで多兎の力を取り込む事ができた。

そのおかげで、これまでできなかったディビエルも作れそうだ」

 

そう言いながら、これまでのアルターワンダーライドブックを並べながら言う。

 

「その力を見る為にも、彼を教えた訳か」

 

「好きだろ、そういう知識は」

 

同時に彼女達の前に映し出されたのはとある風景だった。

 

「そして、彼がこの世界で手に入れるだろう禁断の書、プリミティブドラゴン。

あれは僕でも手を出せない程の呪いが詰まった厄介な本だ。

だけど、彼はそれをあえて手を出すのはなかなかに興味深い」

 

そう言いながら、映し出されたのは飛羽真が禁断の書であるプリミティブドラゴンを受け取る所だった。

 

あの戦いを全て終え、しばらくスバル達と共に復旧を行いながら、書庫を納めていたベアトリスの案内と共に導かれた場所。

 

数多の本が焼け落ちたにも関わらず、そのたった一冊の本だけは焼けておらず、奇妙な程に真新しいその本を手に取っていた。

 

「あの本を使いこなす事なんて普通の人間では不可能だけどね」

 

「僕はそれを行える為に彼に試練を与えた。

いや、なかなかに刺激的だったよ。

僕の知らない魔法を使う彼もそうだが、数多の世界では僕では考えられないような数々の現象。

実に興味深かったよ」

 

そう言いながら、エキドナは笑みを浮かべており、その様子に対して呆れたように静鞠はため息をつく。

 

「だから使いこなせると?

僕としては、彼以外が禁断の書を使っても良いけど、彼が使った結果自滅するのは嫌だな。

せっかく、あの爺様からこれを回収できたのだから」

 

そう言いながら、取り出したのは闇黒剣月闇だった。

 

「彼がプリミティブを相手してくれたおかげで手に入れる事ができた。

これで彼もこちら側に来れば、最初の聖剣は二つが揃う」

 

その笑みは凶悪な表情へと変わっていた。

 

「まったく、君は僕に負けず劣らず強欲だね。

まぁ。そのおかげで僕も面白いのを見られたからね」

 

そう言いながらエキドナの姿が徐々に薄れていく。

 

「ふむ、本体に戻るのか?」

 

「僕としてはこれから起きるこの世界の出来事もそうだけど、彼と一緒に見るのも悪くない。

だからこそ、既に彼が持っているワンダーライドブックに僕の一部を入れた。

これからは君とも戦うかもしれないけどね」

 

「その時はお手柔らかに」

 

そう言って、エキドナはその姿を消し、それに合わせるように静鞠もまた姿を消した。



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暴走する竜の力

周りには何もない黒い場所で彼らは歩いていた。

 

「本当にやるのか?」

 

「あぁ、この本の事について知るには、実際に使わないと分からないから」

 

そう言いながら、飛羽真の手には今でも暴れだそうとしているプリミティブドラゴンだった。

 

無事にプリミティブドラゴンを受けとった彼らが最初に行ったのはプリミティブドラゴンの解析だった。

 

しかし、ノーザンベースでの解析ではプリミティブドラゴンの情報は詳しく知る事ができず、謎が深まるばかりだった。

 

そこれで、彼らが行ったのは、プリミティブドラゴンを実際に使用し、その謎を探る事だった。

 

だが、それは明らかに危険な行為だったが、前に進む為に飛羽真はそれを使用、そして集ったメンバーは飛羽真を暴走した時に止める為に集まっていた。

 

「それじゃあ、行くぞ」

 

「あぁ、分かった」

 

その日、ノーザンベースの修練場であるリベラシオンに飛羽真を中心に他のメンバー達が集まっていた。

 

「気を引き締めてやれよ。

それは暴走する可能性が高いからな」

 

「分かっています」

 

その言葉と共に飛羽真が取り出したワンダーライドブック。

 

【古の大いなる竜が本の力を掴み取る!掴ませよ!新たなる力!I wanna get the force!】

 

その音声が響かせ、飛羽真の懐から飛び出たブレイブドラゴンが吸い込まれる。

 

「これは、ワンダーライドブック・カバーと似ているけどっ」

 

その音声が響かせながら、そのままプリミティブドラゴンは聖剣ドライバーに装填され

 

「ぐっがあああああ!!!」

 

【プリミティブドラゴン!ブレイブドラゴン! ゲット!】

 

「へんっしんっ!!!」

 

身体から溢れ出る何かを抑えるように、飛羽真はそのまま火炎剣烈火を引き抜く。

 

【烈火抜刀!バキッ!ボキッ!ボーン!ガキッ!ゴキッ!ボーン!

プーリーミーティーブ! ドラゴーン!】

 

「グゥゥゥグォオオオオッ! ウゥハァァヴァァッ!!」

 

変身を行うと共に、右肩にはドラゴンの頭蓋骨、腕や足には骨を象った透明感のある水色の装甲を纏う。

 

その姿はまさにブレイブドラゴンが骨だけになった姿へと変わった。

 

「これがっプリミティブドラゴンっ」

 

「プリミティブとは少し違うが」

 

「だが、油断するなっ、おい飛羽真っ、意識はあるか!」

 

「なんとかっ、けどっ」

 

「とにかく、今はそれを制御する事に集中しろ」

 

「それはわかってっ」

 

そう叫んだ瞬間、頭を押さえていた飛羽真は

 

「ガアアァァァ!!!」

 

「くっ」

 

そのまま近くにいたクシーフォスに襲い掛かった。

 

その攻撃を受けたクシーフォスはなんとか、その攻撃を受け止めるが、それでも後ろに下がる。

 

「ちっ、なんつうパワーだよ」

 

そんなクシーフォスの背中をバスターも支えた。

 

「今のサウザンベースの中でもパワーが強い二人が合わせて互角なんて」

 

「とにかく、押さえるぞ」

 

「よしっ、分かった!!」

 

その言葉と共にエスパーダと剣斬の二人が攻撃を仕掛ける。

 

「ぐぅがあぁぁ!!」

 

【この熾烈極まる牙闘をその身に宿した獣の力で勝ち抜く獣闘士達がいる】

 

その二人が迫っている間に、懐から飛び出た一つのワンダーライドブックが、プリミティブドラゴンに新たなワンダーライドブック、キリングバイツが装填される。

 

同時にプリミティブドラゴンに表示されていたブレイブドラゴンからキリングバイツへと変わる。

 

その音声が鳴り響くと同時に攻撃を仕掛けていたクシーフォスの身体を踏み台にして、そのまま飛び上がる。

 

「ガアアアァ!」

 

「うわぁ!」「こっちの動きに対応している!?」

 

その言葉と共に、手に持った火炎剣烈火をそのままベルトに装填すると、セイバーの両手から骨の爪が生え、二人と戦いをくり広げる。

 

その場で動かないセイバーだが、獣の直感とも言える動きで対応していた。

 

「まさか、プリミティブドラゴンはワンダーライドブックの能力を強制的に引き上げるのか」

 

「ぐぅっ、がぁッ!!」

 

その戦いの中で一つの攻撃がエスパーダに当たる直前で、飛羽真の動きが止まる。

 

「飛羽真っ」

 

「ぐっ、どこに?」

 

「?」

 

「止まってはいけません!」

 

「はっ」

 

その様子を見ていたブレイズはすぐにエスパーダの前に立つと、そのまま飛羽真の懐から出てきたのは新たなワンダーライドブックだった。

 

「そろそろ時間ですかっ」

 

そう言うとブレイズもまた複数のワンダーライドブックを取り出す。

 

【かつての獲物で武装した脅威を一刀の元に切り裂いた神獣がいた】

 

【とある音速の針鼠がくり広げる暗黒の王との戦いの物語】

 

ブレイズは、そのまま二つのワンダーライドブックをそのまま聖剣ドライバーに装填し、一気に引き抜く。

 

「がああぁぁ!!!」

 

【かつて、神殺しの牙を持つ擬いものの狗神を宿す少年がいた】

 

その音声と共にプリミティブドラゴンの身体が影で覆われる。

 

「ぐっグルルッ?!」

 

「っ!」

 

【流水抜刀!蒼き獣が剣を手に大地を駆ける!レジェンドビーストブレードズ】

 

「はぁはぁ」

 

一気にワンダーコンボを発動させたブレイズに対して、飛羽真はこれまでのような荒々しい動きとは一変し、その場で制止した。

 

「状況は分かりませんが、このままでは危険なのは確かです。

行きますよ、飛羽真君!」

 

【必殺読破!流水抜刀!ポケモン!ライオン!ソニック!三冊斬り!ウォ・ウォ・ウォ・ウォーター!】

 

水勢剣流水をドライバーに戻し、トリガーを一回引いてから抜刀して、その手には水勢剣流水を手に、飛羽真の身体を一閃に切り裂く。

 

その一撃を食らい、そのままゆっくりと膝から倒れ、そのまま変身が解かれる。

 

「ふはぁはぁっ!!」

 

「飛羽真君っ」

 

「たくっ、無茶だぞ!

いきなり禁書を使うなんて」

 

そう言いながら、変身が解かれた飛羽真に全員が近づく。

 

「それでも、約束したからな。

こいつと向き合うのを」

 

そう言って、プリミティブドラゴンを飛羽真は見つめる。

 

「だけど、少し分かった事もある」

 

「分かった事?」

 

「そういえば、気になる事を言っていたが」

 

「気になる事?」

 

そう、富加宮の言葉に疑問を問いかける。

 

「どこにって」

 

「・・・どこに?

そう言えば、確かにあの時」

 

その言葉と共に飛羽真が思い出したのは、変身していた時の光景だった。

 

その光景は一人の少年が何かを探し求めるような声だった。

 

「聞きたいけど、プリミティブドラゴン以外の禁書はあるんですか?」

 

「それって、力を求めている事ですか?」

 

「いいや、ただ、なんだか、探している感じがするんだ。

誰かを、あの感じは、友達を」

 

「友達を」

 

そう言うと

 

「それじゃあ、あそこに行く?」

 

「あそこ?」

 

それを言い出したのは緋道だった。

 

「俺が強さを学んだ所。

あそこに行くのは卒業して以来だからなぁ」

 

「それって、学校?」

 

「どこなんだ?」

 

「国立半蔵学院」

 

---

 

「さて、まずは実験を始めようか」

 

そう言いながら静鞠は一冊のワンダーライドブックを取り出す。

 

取り出したワンダーライドブックを投げると、それを中心に一つの人影が形成された。

 

「くっ、ここは?」

 

「ここは僕の隠れ家だ。

さて、誕生を祝福しよう」

 

「隠れ家?

俺は一体」

 

それに対して、自身の事が分からない男は混乱しながらも

 

「君は僕と共に歩むメギドだ」

 

「メギド?」

 

そう言いながら、静鞠が取り出したのは何の特徴もないベルトと剣、そしてワンダーライドブックの3つだった。

 

それを男に渡すと

 

【目を覚ませ!幻獣を司るレジェンドメギド!】

 

その音声と共に、ワンダーライドブックには龍やグリフォン、フェニックスといったあらゆる幻獣を混ぜ合わせたような白い外見をした怪人が刻まれる

 

「おめでとう。

今日から、君はレジエルだ」

 

「レジエル?」

 

それと共に剣の形は変わった。

 

その光景を見ながら、静鞠は笑みを浮かべる。



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新たな敵、その名はメギド

今回の話で出てくるワンダーライドブックとメギドに関する活動報告を募集しております。
皆様の応募、お待ちしています。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=258109&uid=45956

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=258108&uid=45956


「えっと、なんで国立半蔵学院に?」

 

そう言いながら、俺達は緋道に連れて行かれた先は、国の中でもトップクラスの1000人の生徒を抱えるマンモス進学校らしい。

 

「しかし、まさかこっちに入学していたとはな」

 

「まぁ、響達と同じ学校でも良かったが、なかなかに面白そうだからな、こっちに入学した」

 

「肯定、なかなかに興味深い学校ですし」

 

そこには半蔵学院の制服を身に纏っている八舞の二人が笑みを浮かべながら言う。

 

「ここだったら、サウザンベースの奴らも簡単に攻め込んで来れないからね」

 

「それで、緋道、ここで何を?」

 

「いやぁ実は、ここに聞いた事があるんだ。

なんか封印されている本が!

それがなんでも生き物らしいんだ!!」

 

「それって、もしかしてプリミティブドラゴンと同じの!?」

 

「だと思うよ」

 

「だとって、そんな適当な」

 

「とにかく、封印している所へ行こう!」

 

「だけど、この学校にそんな所が「えいっ」うわっ!?」

 

そんな疑問に思っていると、緋道は近くにある壁を押した。

 

すると、そこが回転し、現れたのは隠し扉だった。

 

「「「かっ隠し扉っ!?」」」

 

「ほら、さっさと行くよ」

 

「そんなあっさりと良いのか?!」

 

「くくっ、だが、なかなかに興奮する!」

 

「いざっ探索!!」

 

「えぇ」

 

緋道に釣られて、二人が続き、飛羽真もまた入っていく。

 

「なぁ、緋道。

そもそも、ここはどこなんだ?

ここは学校じゃないのか?」

 

「学校だよ?

忍者のね!」

 

「「「忍者!?」」」

 

そうしている間に、彼らの周りでカラカラという音が鳴り響いた。

 

「なぁ緋道」

 

「何?」

 

「俺達が来る事って、知らせた?」

 

「なんで、そんな面倒な事を言わないといけないの?」

 

「この馬鹿!」

 

その言葉と共に飛羽真達に向かって巨大な岩が襲い掛かってきた。

 

「たくっ!!」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎烈火が交わる時、深紅の剱が悪を貫く!】

 

それと共に飛羽真はその手に持った火炎剣烈火で襲い掛かってきた罠を全て焼き払う。

 

「あぁ、あんまり壊さないでよ。

ここの罠、直すのは、大変なんだから」

 

「それはお前のせいだろったくっ!!」

 

そう言いながら、罠の前に構えていると

 

「まったく、この馬鹿弟子が」

 

「あいたぁ!?」

 

そうして構えていると、緋道を拳骨の音が聞こえる。

 

見ると、そこには緋道を殴った白髪の人物がいたが

 

「えっと、あなたは?」

 

「すまないな。

私はここで教師を務めている霧夜だ。

急に罠が作動したので、来てみれば」

 

「えっと、そのすいません。

罠を壊してしまって」

 

「気にするな。

何よりもこの馬鹿弟子が原因だから」

 

「いってぇなぁ、

爺さん、毎回殴るなよ」

 

「当たり前だ。

まったく、ソフィア殿にも迷惑をかけて」

 

「それで、えっと、実は」

 

「話はある程度ソフィア様から聞いている。

さて、案内を」

 

そう言っていると、警報が鳴り響く。

 

「何事っ!?」

 

「まさかっ今度こそ侵入者!?」

 

「まったく、着いてきたまえ」

 

霧夜先生の案内の元、侵入者の元へと向かうと

 

「お前はフィング!?」

 

そこに立っていたのは、既に変身している状態で潜入しているフィングの姿があった。

 

「お前はセイバー、それに剣斬」

 

「なんでここにっ」

 

そう言いながら、飛羽真達は構える。

 

「ノーザンベースがソードオブロゴスに離反している事もあり、ここに封印されている本の回収しに来た」

 

そう言いながら、フィングはそのまま剣を構える。

 

「そうか。

だが、貴殿の所のジェネラルの噂を聞く限り、信用できないが」

 

「ジェネラル。

彼の行動は確かに問題はあるが、安心しろ。

これは私が責任持って、管理する」

 

「その言葉を信用できるとでも」

 

その言葉と共に霧夜さんが取り出した巻物によって、周りの空間が歪み始めた。

 

「これは」

 

「忍結界だね。

結構久し振りだけど、やるか!」

 

そう言いながら、緋道はそのまま手に取った風双剣翠風を手に取り、そのまま猿飛忍者伝を装填する。

 

「変身!」

 

【双刀分断!壱の手、手裏剣!弐の手、二刀流!風双剣翠風!】

 

「さぁ、行くよ!!」

 

その言葉と共に剣斬は真っ直ぐとフィングへと接近する。

 

「まったく、貴様は相変わらず!!」

 

その言葉と共にフィングと剣斬の戦いがくり広げられていた。

 

真っ直ぐと紫色の軌道と、風のように変幻自在の動き。

 

その両者の剣が激突する音を響かせながら

 

「うわぁ、やっぱり、これじゃあ、力が足りないっ」

 

「緋道!?」

 

それと共に剣斬は両手に持っていた剣が弾き飛ばされ、後ろへと吹き飛ばされる。

 

「待ってろ、緋道っすぐに」

 

そう言い、飛羽真もすぐに駆けつけようとした瞬間

 

「お前がセイバーか」

 

「っ」

 

聞こえた声に振り返り、見つめた先には男が一人いた。

 

「誰だ」

 

そう言いながら、飛羽真は剣を構えていると

 

「俺か?

俺はメギド、貴様ら下等生物を超えた、選ばれた存在だ」

 

【目を覚ませ!幻獣を司るレジェンドメギド!】

 

それと共に手に取ったのはワンダーライドブックだった。

 

【メギドライバー】

 

それに合わせるように、腰から出てきた不気味な音声が周りを響かせた。

 

ワンダーライドブックを手に取り、そのまま腰に現れたメギドライバーを装填した。

 

「まさかっ仮面ライダー」

 

「変身」

 

【ヴィラン一冊!ヴィランライダー!悪意の本は更なる力を剣に宿す!】

 

その音声が響かせると共に、男は瞬く間に闇に包まれ、そこに現れたのは一体の怪物だった。

 

「セイバー、貴様を殺す!」

 

その一言と共に襲い掛かる。

 

飛羽真もすぐに剣でその攻撃を防ぐ。

 

手に持った火炎剣烈火に炎を灯しながら、襲い掛かる怒濤の攻撃を受け流し、戦っていく。

 

「ははっ良いぞ、そうでないと!!!」

 

【デウス・エクス・マキナ・インダストリー】

 

それと共に取り出したのはアルターワンダーライドブックだった。

 

男はそのまま自らの身体に取り込むと同時に、身体から現れたのは無数の機械の腕であり、銃口が飛羽真に狙いを定めていた。

 

「これはどうだぁ!!」

 

その一言と共に、銃弾が飛羽真に襲い掛かった。

 

銃弾は飛羽真を覆う程の煙を起こしながら、攻撃を続けた。

 

だが

 

【烈火抜刀!二冊の本を重ねし時、聖なる剣に力が宿る!ワンダーライダー!】

 

「んっ?」

 

その音声が鳴り響くと同時に、煙を振り払い現れたセイバーの左肩は鎖と巨大な弓矢だった。

 

「二人共、力を借りる」

 

「えぇ、勿論」「準備万端」

 

その言葉と共に八舞の格好も先程までの制服から引き千切られた鎖が特徴的な拘束具へと変わっており、飛羽真を中心に巨大な弓矢が出来上がっていた。

 

【必殺読破!ドラゴン!デートアライブ!】

 

それと共に弓矢の先は巨大な風の渦が出来上がると同時に

 

「「「ラファエル!!」」」

 

3人の声が揃えると共に、放たれる。

 

すぐに男は目の前に無数の盾を作り出すが、放たれた一撃は止まる事なく、そのまま男を貫く。

 

「ほぅ、ここまでとはな」

 

それと同時に、笑みを浮かべながら、男はそのまま爆散した。

 

「奴は一体」

 

「彼はメギド」

 

「っ」

 

聞こえてきた声、見つめた先には、静鞠がいた。

 

「お前は」

 

「久し振りだね。

今は僕と追われる立場と聞いて、心配して来てみたが、どうやら無事のようだね」

 

「あぁ、そうだな。

それよりも、メギドの事を知っているようだが、どういう意味だ」

 

「どういう事も何も、彼は僕の努力の結晶。

ディビエルが到達するべき所だよ」

 

「ディビエルが到達する所だと」

 

その言葉に疑問に思っていると、先程倒したばかりの男がベルトに装填していたアルターワンダーライドブックを中心に復活した。

 

「これがセイバーの力か。

確かに脅威だが、それ程でもないな」

 

「単体で復活しただと」

 

その事に驚きを隠せず、飛羽真は叫ぶ。

 

「君だから特別に教えよう。

ディビエルとは、物語がもしもこうなったらというべき存在だ。

つまりは、彼らはその存在を確定するには彼らが敗北した物語自体が必要だ。

そして、その敗北を勝利に変え、物語を完全に支配した存在、それこそがメギドだ」

 

「それじゃ、そいつは」

 

「まぁ、彼は僕が実験で作り出したオリジナルの物語から作り出したメギド、レジエル君だ。

君に対抗する為に色々な幻獣の物語が合わさってなかなかに強いだろ」

 

「そんな事よりも、目的の物を取りに行くぞ」

 

「そうだったね、さて、そこの忍者さん。

あなたは持っているんでしょ、この学校に封印されているワンダーライドブックを」

 

「霧夜さん」

 

この状況ははっきり言ってまずい。

 

そう飛羽真が思う程、周りを見渡す。

 

「ぐっがぁ!!」

 

近くでは緋道とフィングが戦いをくり広げていたが、緋道はそのまま吹き飛ばされてしまい、こちらまで来る。

 

「まさか裏切り者までいるとはな。

そこにいるのも対象か」

 

「相変わらず、サウザンベースの奴らはうざいなぁ。

飛羽真君以外はまぁ消しても良いけど」

 

「俺はどちらでも良いがな」

 

前方にはフィング、後方には静鞠とレジエル。

 

絶体絶命の危機に、まさしく彼らは陥っていた。

 

「仕方ない。

これを渡すには修行をと思ったが、まずはこの状況を打開してからだな。

緋道」

 

「えっ」

 

霧夜さんはそのまま懐にある物を緋道に渡した。

 

それはこれまで見た事のない、巻物を思わせるワンダーライドブックだった。

 

「それがソフィア様から預かっていた物だ、使え」

 

「えっ良いの!

よしっ」

 

そう言い、緋道はそのまま巻物の端を引っ張る。

 

【歴史の影に埋もれた最強忍者の力をここに集う!自来也蝦蟇伝】

 

「えいっ、変身!」

 

そのまま巻物はそのまま風双剣翠風に装填し、巻物を開かせると

 

【双刀分断!壱の風、手裏剣!弐の風、二刀流!風双剣翠風!

世界を駆け巡る嵐が呼ぶ!自来也蝦蟇伝!】

 

その音声が鳴り響くと共に、剣斬のこれまでの軽装の上に重なるように緑色の忍者装甲とプロテクターを身に纏った姿へとなった。

 

「なになにっ!

これは一体なんなの!?」

 

「かつて世界を駆け巡った忍者達。

その中でも最強と言われた一族の35代に渡る忍の力を得る事ができるワンダーライドブックだ」

 

「それは凄すぎる」

 

聞く限りでは確かに強力なワンダーライドブックだ。

 

「すげぇ!

力が漲っていく、これなら!」

 

そう言い、そのまま緋道は走り出す。

 

同時に緋道は一瞬で何十という数に増え、フィング達に攻撃を仕掛ける。

 

「分身かっ、だが」

 

そう言い、フィングも反撃しようとするが

 

「なにっがぁ!」

 

「これは一体」「厄介だね」

 

そう言いながら、フィングやレジエルは次々とダメージを受けており、静鞠の周りには闇が覆われていた。

 

そこには無数の刀傷ができていた。

 

「分身に見えたのは、あまりにも早すぎて、認識する為に作り出した幻影。

つまり、あの幻影が見た瞬間には既に攻撃が終わっていた訳か」

 

「これまでの剣斬を遙かに超えるスピード」

 

「だが、今は余りにも強すぎる力のようだ」

 

「うわぁ、頭がくらくらする」

 

その先には緋道が目を回している様子だった。

 

「これ以上は危険だね、退散するよ、レジエル」

 

「ちっ」

 

そう言い、静鞠は闇を作り出し、その場から姿を消した。

 

それと同時にフィングもまた、その姿を消していた。

 

「さて、これはまた預かっておく」

 

「あぁ、自来也蝦蟇伝がぁ」

 

そう言いながら、緋道は手を伸ばすが、霧夜はそのまま預かる。

 

「お前の所のプリミティブドラゴンが解決していない所で、制御できないこれを持たせても無駄だ。

緋道、貴様にはここで修業してもらう」

 

「えぇ」

 

「なんだか厄介な事になったな」



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足りない強さを求めて

仮面ライダー50周年という事で、まさか風都探偵のアニメ化、仮面ライダーブラックのリブート、シン・仮面ライダーなど、今後も気になる展開ばかりの仮面ライダー!
今後も楽しみ


「それでは緋道。

これからお前に修業を行う」

 

「あの、先生」

 

霧夜の案内の元、とある教室に辿り着いた飛羽真達。

 

そこには5人の少女達がおり、飛羽真達の登場に全員戸惑いを隠せなかった。

 

「彼らは一体」

 

「急な事ですまないがお前達と共に修業する事になった緋道だ。

この3人はまぁ緋道の付き添いみたいな感じだ」

 

「それだけでは説明が足りません」

 

そう言いながら、彼女達は何が起きているのかについての説明を求める声が聞こえるが

 

「別に良いよ。

こいつらと一緒に修業しても、俺は強くなれるとは思えないよ」

 

「なに」

 

緋道はそのまま何事もないように呟く。

 

「緋道。

今のお前ではあれを使う事はできない。

その為にはお前の持っていない物を彼女達から学べ」

 

「えぇ」

 

そう言いながら緋道は嫌な表情をしていた。

 

「それにしても忍か。

どんな忍術を使うんだ?」

 

「えっと、こっちの人は」

 

「あぁ、緋道の同僚で同じ剣士である神山飛羽真君と」

 

「ふむふむっ!この胸はなかなかっ」

 

「脅威っ、いい加減離れて下さい!」

 

「夕弦から離れろ!」

 

「もぅかつ姉っ!その子から離れなさいっ」

 

そう叫んでいる夕弦とじゃれ合う金髪の女性。

 

そんな女性を止める為に耶倶矢とポニーテールが特徴的な少女が止めようとする。

 

「すまんな、俺の仲間が」

 

「いや、まぁ」

 

そんな4人の光景を見ながら、飛羽真と眼帯が特徴的な少女と話し合っていた。

 

「先生、彼がここで鍛える事については反対です。

彼の性格を考えても」

 

「なんだか偉そうだけど、あんたは強いの」

 

そう言いながら、緋道に話しかけた黒神の女性に対して睨むように言う。

 

「あなたよりは」

 

「だったら、試してみる。

霧夜」

 

「はぁ、ついてこい」

 

その言葉と共に霧夜は緋道を連れて、その場から移動する。

 

そうして、移動した先は広い空間であり、周りには何もなかった。

 

「これより模擬戦を行う。

両者、武器の使用は許可するが、ワンダーライドブックの使用と忍術の使用を禁ずる」

 

「ワンダーライドブック?」

 

その言葉に疑問に思ったようだが

 

「いいよ、何時でも!」

 

「えぇ」

 

「では、両者、はじめ!」

 

その言葉と共に緋道と女性との戦いが始める。

 

「えっと、彼女は?」

 

「斑鳩か?

斑鳩は3年生で、俺達の中では一番強い奴だ」

 

「それで、緋道は?」

 

「緋道か?

緋道は俺達の中でも1,2を争うスピードの持ち主で、忍者みたいな動きをするんだ」

 

「えっ?

それって、飛羽真君は忍じゃないの?」

 

「俺はまぁ、一応は剣士だからね」

 

そう話している間に、緋道と斑鳩の戦いが続く。

 

両手に持った風双剣翠風で怒濤の攻撃を仕掛けていく。

 

それに対して、斑鳩はまるで全ての動きを読むように避け、そのまま反撃する。

 

「ちっ、こいつっ」

 

自身の攻撃が通らない事に対して、苛立ちに満ちた緋道の攻撃は当てる事に重点に、続けた。

 

「焦り、隙だらけです」

 

その言葉と共に、斑鳩はそのまま抜刀した一撃が、緋道の両手に持っている風双剣翠風を吹き飛ばす。

 

「勝負あり」

 

「くそっ」

 

そう言いながら、勝負が決した事に対して緋道は地面を強く叩く。

 

「では、次に神山飛羽真」

 

「へっ?」

 

そう勝負を見届けた飛羽真に対して、霧夜は呼ぶ。

 

「次は君が斑鳩と戦ってくれ」

 

「いや、俺もですか?」

 

「あぁ、君が緋道に足りない部分を見せてくれ」

 

「俺が?」

 

その言葉に疑問に思いながら、そのまま飛羽真は斑鳩の前へと向かう。

 

「えっと、その、いきなりですが、よろしく頼む」

 

「こちらこそ」

 

未だに戸惑いを隠せない飛羽真、それに対して斑鳩もまた挨拶しながら、互いに剣を構える。

 

両者が動かず、ゆっくりと睨み合う。

 

数秒、静寂の中で飛羽真はそのまま斑鳩に近づく。

 

それに対して、斑鳩もまた手に持った刀を横に振り払い、飛羽真は火炎剣烈火で攻撃を防ぎながら、そのまま横へと回り込む。

 

しかし、斑鳩はその攻撃を読んだように蹴り上げる。

 

「ぐっ、やっぱりすぐには潜り込む事はできないか」

 

その言葉と共に、ゆっくりと斑鳩の動きを見ると共に

 

「だったら」

 

その言葉と共に再び接近する。

 

「甘い」

 

それと共に刀を振り払い、再び攻撃を仕掛ける。

 

だが

 

「よっと」

 

「っ」

 

飛羽真はそのまま横ではなく、後ろへと下がり、足に力を込め、そのまま接近する。

 

刀を振り払った事で隙が出来、同時に火炎剣烈火を首元に

 

「そこまで」

 

「ふっはぁあ!!」

 

その言葉を聞くと、飛羽真はそのまま後ろへと転がり込む。

 

「やっぱり生身はきつい!」

 

そう弱音を吐いた飛羽真。

 

「まさか、負けてしまうなんて」

 

「いやぁ、斑鳩さんの抜刀術が凄いからね。

放たれた後、一気に近づくしか方法ないと思っただけだから」

 

「それでも、ここまで追い詰められるとは思いませんでしたわ」

 

「まぁ斑鳩は本気じゃなかったからな」

 

「それだったら、飛羽真だって変身したら、凄いぞ!」

 

そう言いながら、互いに言い争っている中で

 

「なんで、俺は」

 

「緋道、分かったか?」

 

「全然っ!」

 

そう叫んでいる中で

 

「なぁ、緋道。

とにかく分からないなら、一緒に修行をしないか?

分からない事だけど」

 

「それはっ」

 

そう言いながら、緋道は戸惑いながら

 

「えぇい、うじうじしていないで、さっさとやるぞ!」

 

「同意、とにかく修業」

 

「おい」

 

そう言いながら、八舞の二人に連れられ、そのまま緋道は修業に向かう事になった。

 

「えっと、とにかく緋道の事、よろしく頼む」

 

「えぇ」

 

飛羽真から、その言葉を受け止め、斑鳩達と共に修業を行う事になった。

 

 



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強さを知る為に

「あぁ、もう、こんな修業ばっかり!!」

 

そう言いながら、緋道は先程までの修業の内容に嫌になったのか、そのまま倒れ込む。

 

「どうした、それではあのワンダーライドブックは使いこなせないぞ」

 

「だって、さっきから全然強くなっている気がしないから」

 

そう言いながら、怒鳴りながら先程までの修業の内容を思い出す。

 

それは飛鳥達との模擬戦だが、それに対して緋道は勿論飛羽真と共に行った。

 

変身した剣斬の動きは変身した事によって、互角になっていた。

 

その模擬戦では、1対1だけではなく、2対2など複数で行う戦いもあった。

 

その戦績では、緋道はダントツで負けていた。

 

「俺は最強のはずなのに」

 

そう言いながら、苛立ちをぶつけてしまう。

 

「ふむ、ならば緋道。

今度の模擬戦は2対5で行うか」

 

「それって、どういう組み合わせ?」

 

「そうだな、飛羽真。

お前とタッグを行ってくれないか」

 

「俺が別に良いけど。

緋道、行けるか?」

 

「まぁ、別に良いけど」

 

その言葉と共に緋道はそのまま立ち上がる。

 

「えっと、今度は飛羽真君と緋道君のタッグだけど、こっちは」

 

「こちらは全員で行う」

 

「えっ、それって、幾ら何でも」

 

「とにかくやってみようぜ」

 

その言葉と共に飛羽真はそのままワンダーライドブックを取り出す。

 

【ブレイブドラゴン】

 

「そうね、まぁ飛羽真の奴は本当に油断はできないが、緋道がコンビならば」

 

「舐めやがって」

 

【猿飛忍者伝】

 

そう言いながら、緋道もまたワンダーライドブックを取り出す。

 

「「「「「忍転身!」」」」」

 

「「変身!」」

 

その言葉と共に飛鳥達は忍としての姿に、飛羽真達もまた仮面ライダーとしての姿へと変身する。

 

「それでは、試合開始!」

 

「さて、まずはこれだな」

 

その言葉と共に飛羽真が取り出したのはワンダーライドブックだった。

 

【とある少年が獣の刃をその身に宿し、武士となって新時代を生きる】

 

【この白銀の翼が綴る硝煙香るラインの悪魔の戦いの歴史】

 

「あのワンダーライドブックは」

 

そのまま手に持ったワンダーライドブックを聖剣ドライバーに装填すると共に引き抜く。

 

【ドラゴン!幼女戦記!ヨアケモノ!三属性の力を宿した、強靭な剣が今ここに!】

 

その言葉と共に左肩には蒼い誠マークが目立つ羽織と犬のアーマーが現れ、同時に軍服だと思わせる鎧を身に纏う。

 

「あの姿が出たという事はっ」

 

「さぁ、全力で行くぜ!!}

 

その言葉と共に飛羽真は飛び出す。

 

ソードアートオンラインの次に多く使う機会が多かった幼女戦記の能力。

 

それを行う事によって、縦横無尽に動く事ができ、忍者として活動している飛鳥達の動きに対応できた。

 

そして

 

「本来だったら、体力切れを狙いたい所だけど」

 

「あのヨアケモノのせいでっ」

 

その縦横無尽に動く事で体力も大きく消費する幼女戦記は、同時に装填したヨアケモノが持つ無尽蔵の体力によって、それを補う。

 

「互いの弱点を補うのは本当に」

 

そう言いながら、縦横無尽な動きをしている飛羽真、そして緋道もまた

 

「たくっ、それ見えにくいから、嫌なんだけどな」

 

それと共に緋道もまた別のワンダーライドブックを取り出す。

 

【己を祭りの神と讃え、ド派手に生きると決めた一人の忍者の爆裂な連撃を、いざ候う!】

 

そのまま風双剣翠風に装填したワンダーライドブックを開く。

 

同時に剣斬のと左腕は忍者の籠手に腕には金色の腕輪が装着される。

 

「さぁ、行くぜ!!」

 

その言葉と共に風双剣翠風で近くにいた柳生に攻撃を仕掛ける。

 

柳生もすぐに防御するように手に持った傘を開くが、風双剣翠風はそのまま大きな爆発を起こす。

 

「なっ」

 

爆風と共に、そのままもう一撃を仕掛けていく。

 

「ちっこんな音を鳴らしちゃっ」

 

そう葛城もまたすぐに反撃をしようとするが

 

「そこっ」

 

「ちっ」

 

高速移動している飛羽真によって反撃を防がれてしまう。

 

「これって、結構やばいかも」

 

緋道が行う爆音と煙によって高速移動する飛羽真の攻撃が当たりやすくなる。

 

同時に飛羽真の攻撃によって、高い威力を誇る緋道の攻撃も当たりやすくなる。

 

「さっきまでの緋道君の動きとは全然っ違うっ」

 

それと共に徐々に追い込まれていく。

 

【爆音忍者伝!ニンニン!ニニーン!翠風速読撃!ニンニンニニーン!】

 

同時飛鳥達に向かって突進しながら風の鎖によって繋がった風双剣翠風を振り回し、斬撃と爆発を浴びせる

 

「くっ」

 

それと共に

 

【必殺読破!ドラゴン!幼女戦記!ヨアケモノ!三冊撃!ファ・ファ・ファ・ファイヤー!】

 

「っ」

 

その音声が鳴り響くと同時に彼女達の真ん中に既に飛羽真が立っていた。

 

それと共に飛羽真が火炎剣烈火を振り下ろすと同時に周りにいた5人は瞬時に斬り伏せる。

 

その距離は絶対に届かないと思われた距離から斬り伏せられるため、気が付けば斬られていた、

 

「何がっ」

 

その現象に疑問に思っている以上に、既に彼女達の衣服は斬られていた。

 

「勝者、飛羽真と緋道」

 

「よっしゃぁ!!」

 

それと共に緋道はそのまま腕を上げる。

 

「どうだ、これが俺の力だ」

 

そう言いながら緋道は言うが

 

「それは本当にお前だけの力か」

 

そう霧夜は真っ直ぐと言う。

 

それに対して、一瞬だけ呆ける。

 

「いや、そんなのは」

 

そう言いながら、緋道は少し戸惑っているようだが

 

「本当は分かっているんだよね」

 

そう言いながら、飛鳥は戸惑いながら言う。

 

「飛羽真君と一緒に戦っていたから、飛羽真君の強さを知っていた。

だから、その戦い方に合わせたんだよね」

 

「あぁ、それはこいつと一緒に戦っていたからだ。

こいつの強さは俺も知っているから」

 

それと共に霧夜はそのまま真っ直ぐと見つめる。

 

「それが答えだ」

 

「答え」

 

その言葉に対して

 

「お前は自分の強さを絶対に信じている。

だから、他の奴の強さを格下でしか見ていなかった。

けど、飛羽真君の強さを知っていた」

 

「っ」

 

「お前があのワンダーライドブックを使いこなすには他の強さも知り、認める事。

そうしなければ、これまで多くの強者の力を使いこなす事など、不可能だ」

 

その言葉を聞いた緋道は

 

「そこまで言うなら、やってやろうじゃないか」

 

それと共に、緋道は

 

「俺以外の最強か」

 

それと共に、施設内で多くの警報が響いた。

 

「これはまさかっ侵入者」

 

「とにかく、行くぞ」

 

その言葉と共に彼らはそのまま警報の場所に向けて、走り出した。



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強さの答えは

「フィング、お前」

 

侵入者の報告を聞き、飛羽真達は向かった。

 

その先で待ち受けていたのはフィングと、その後ろにはソードオブロゴスの制服を身に纏った数十人の軍勢だった。

 

「フィング、お前」

 

「言ったはずだ、ここにある封印の本を回収させてもらう」

 

その言葉と共にフィングはそのままワンダーライドブックをベルトに装填し

 

「変身」

 

【嵐気銃剣征嵐!暴風!雷撃!豪嵐!銀河爆走の夜!!

征嵐翻訳!邪道を征する雷風が、銀河の夜を駆け抜ける!】

 

その音声と共にフィングが変身を完了する。

 

「だったら、相手になってやるよ!!

変身!!」

 

それと共に緋道もまた剣斬へと変身し、そのままフィングへと近づく。

 

「あぁ、あいつ、また一人でって」

 

飛羽真はすぐに合流しようと走り出すが、そんな飛羽真の前にソードオブロゴス達が立ちはだかり、そのままナイツへと変身し、襲い掛かる。

 

「変身!」

 

それを見た飛羽真もセイバーへと変身し、戦いを始める。

 

物量で攻め込んでいくナイツに対して、セイバーはなんとか奮闘するが、数の差で不利になっていた。

 

「これじゃ、緋道の元にっ」

 

だが、そんなナイツ達に向けて、次々と攻撃が放たれる。

 

「これって」

 

「飛羽真君っ、ここは私達がなんとかするから」

 

そう言いながら、横を通り過ぎたのは、飛鳥だった。

 

同時に飛鳥達は各々の忍術を使いながら、ナイツが塞いでいた道を開いてく。

 

「っありがとう!」

 

その言葉と共に飛羽真はすぐに緋道の元へと向かって走る。

 

「ぐっ」

 

飛羽真がようやく辿り着いた先で待ち受けていた光景。

 

それは以前の戦いと同様に緋道がフィングによって、危機的状況に陥っていた。

 

「緋道っ」

 

「変わっていないな。

貴様はあの時と同じだ」

 

そう言いながら、フィングは嵐機銃剣征嵐を緋道へと向けていた。

 

「あぁ、そうだな。

お前って、結構強いんだな、俺のスピードに追いつけるぐらいには」

 

「なに?」

 

その言葉に疑問に思っている間に緋道はそのまま自身の首に巻いてあるマフラー、ブラストラッパーを引いた。

 

同時にフィングとの距離が一気に詰め、緋道はそのまま怒濤の連続攻撃を食らわせる。

 

「なっなにがっ」

 

「へへっ、こういう小細工も結構強いんだ」

 

「えっ、あれって」

 

何が起きたのか確認するように飛羽真は見つめると、ブラストラッパーから伸びているのはワイヤーだった。

 

「お前っ」

 

「飛鳥達の忍術を色々と見て、細工させてもらったよ。

細工って、なんだか弱そうに見えたけど、やり方次第という訳だね」

 

「お前がっ他の奴の強さを認めただとっ」

 

そう言いながら、ワイヤーを斬った剣斬はそのまま笑みを浮かべる。

 

「そうだな。

だけど、強さこそ正義!

だったら、その強さを認めるのも強さだからね」

 

そう言った緋道は

 

「あんまり考え方は変わらないけど、少しは変わったな」

 

「あぁ、俺は他の奴らが弱いとはもう思わない。

そいつにはそいつしかない強さを持っている。

だから、俺はそんな奴らの中でも頂点の強さを手に入れてやる!」

 

それと共に

 

「成長したようだな」

 

その言葉と共に緋道の手元には自来也蝦蟇伝があった。

 

「霧夜!!」

 

「行けっ」

 

「あぁ、分かっている!

行くぜ、飛羽真」

 

「あぁ、分かっている!!」

 

その言葉と共に飛羽真はその手にドラゴニックナイトを取りだし、そのまま聖剣ドライバーに、緋道も自来也蝦蟇伝を装填し、構える。

 

「「変身っ!!」」

 

【ドラゴニックナイト!!】【 自来也蝦蟇伝!】

 

その音声と共にドラゴニックナイトと自来也蝦蟇伝へと変身する。

 

「両方とも禁書、封印する!」

 

【雷宿りし強風が、全ての者を惑わせる!】

 

その音声と共に、フィングの姿は白いマントを身に纏った姿へと変わる。

 

「一気に行くぜ!」

 

その言葉と共に緋道はフィングに向かって走り出す。

 

そのスピードは残像を残す程の早さであり、瞬く間にフィングの懐へと潜り込む。

 

「2度も同じ手を喰らうか」

 

だが、それを見越したようにフィングの姿が消えていた。

 

「えっどこって、うわぁ!?」

 

戸惑っている緋道だが、その背後から襲い掛かった衝撃。

 

振り返ると、そこには誰もいなかった。

 

「どういう事!?」

 

その言葉と共に飛羽真はそのまま緋道と背中合わせになる。

 

「さっきの、たぶん九尾の狐って言っていた。

だから、多分、幻覚で姿を消したんじゃないかな」

 

「えぇ、だったら、どうするの?」

 

「敵がどこにいるのか分からないんだったら、分かるようにするだけだ!!」

 

【スペシャル!ふむふむふーむ…完全読破一閃!】

 

飛羽真はすぐにドラゴニックブースターに火炎剣烈火をリードし、そのままトリガーを引く。

 

同時に火炎剣烈火を地面へと突き出すと、飛羽真達を中心に空を覆う程の炎の壁が作られる。

 

「これって、俺達が閉じ込められたじゃないか!?」

 

それを見て、何時、どこから来るか分からないフィングの脅威に緋道は焦る。

 

だが、それとは別に飛羽真は笑みを浮かべる。

 

「あぁ、そうだ。

閉じ込めた。

俺と緋道と、あいつもなっ!」

 

「ぐっ」

 

同時に緋道が聞こえたのはダメージを受けたように戸惑うフィングの声。

 

見つめると、その場所にはフィングが姿を現した。

 

「何がどうなっているんだ?」

 

「あいつは姿を隠していただけだ。

幻影だから、こっちを騙しているけど、ようするに見えないだけだ。

だったら、斬る場所を少なくすれば、戦いやすい!」

 

「なるほど、これだったら行ける!!」

 

同時に飛羽真の考えが分かった緋道もまた風双剣翠風に装填されている自来也蝦蟇伝を操作する。

 

【必殺伝授!自来也蝦蟇伝奥義!分身手裏剣!!】

 

「はああぁぁ!!

はぁ!!」

 

同時に風双剣翠風を手裏剣モードへと変え、身体をその場で一回転させる。

 

同時に風双剣翠風を模したエネルギーが次々と互いにぶつかり合いながら、目の前を覆い尽くす程の攻撃が放たれる。

 

「なっぐっがああぁl!!!」

 

それらの攻撃を防ぐ事ができず、逃げ道を塞がれたフィングはそのまま姿を現す。

 

「そこだぁ!!」

 

【スペシャル!ニンニンニニーン!!自来也蝦蟇伝!!】

 

それと共に再び二刀流モードへと変えた風双剣翠風と共に分身した剣斬はそのまま次々とフィングを切り裂いていく。

 

「っがはぁ!!」

 

それに耐えきる事ができず、フィングはそのまま倒れてしまう。

 

「よっしゃぁ!!

今度こそ、勝ったぜ!!」

 

それと共にピースサインをする緋道。

 

「ここまでっ強くなっていたのかっ」

 

同時に変身が解かれたフィングはすぐに立ち上がろうとするが

 

「悪いが、逃がしはしない。

お前には学園を襲撃した事も含めて、問わなければならないからな」

 

それと共に霧夜が逃げようとしていたフィングを捕らえた。

 

それを見つめて、決着がついた事に少し安堵した飛羽真は緋道と勝利を分かち合うように笑みを浮かべる。

 

「っ」

 

同時に見えたのは、奇妙な光景だった。

 

骨だけの巨大なドラゴンは寂しそうに鳴いている時に、その足下にゆっくりと近づくのは小さな蛙だった。

 

ドラゴンの寂しそうな声に合わせるようにゲコゲコと鳴く声。

 

その音を聞きながら、見上げた先には

 

「はぁはぁ」

 

「どうしたんだ、飛羽真?」

 

「見えた。

ドラゴンと蛙が一緒にいた光景が」

 

「どういう事?」

 

そう疑問に思っている中で飛羽真はプリミティブドラゴンを取り出す。

 

「禁書の中に封印されている彼らが、友達だったのか。

でもなんで、禁書の中に」

 

未だに解決しないプリミティブドラゴンの謎。

 

 

 



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三つ巴の獣

「それにしても、未だに分からない事ばかりだな」

 

飛羽真達は前回、無事に自来也鬼蝦蟇伝を手に入れる事ができた。

 

そのワンダーライドブックをノーザンベースで詳しい事を調べて、分かった事が多くあった。

 

「このワンダーライドブックはどういう訳かプリミティブドラゴンと深い繋がりがある。

その詳しい経緯などは分からないが、他にも似たワンダーライドブックがあると考えて良いだろ」

 

「それは本当なんですか、大秦寺さん!」

 

その事に、驚きを隠せない飛羽真はそのまま大秦寺に話しかける。

 

「あぁ、だが、詳しい場所までは分からない。

とにかく、奴らの目があり、気をつけなければならない」

 

そう言いながら、大秦寺が近くにある機械を操作すると共に表示されたのは、どこかの神社だった。

 

「この神社は?」

 

「自来也蝦蟇伝とプリミティブドラゴンの二つを調べて、極めて近いエネルギーを観測した。

悪いが、調べてくれないか?」

 

「それは良いけど」

 

「そうか。それで、今回は」

 

「まぁ今の所は、俺達が妥当だな」

 

それと共に出てきたのは尾上と香我美町の二人だった。

 

「んっ、ここって?」

 

そう神社を見た香我美町は首を傾げていた。

 

「何か知っているのか、香我美町?」

 

「いや、ただ、ここってなんか妖怪について書かれていたような?」

 

「妖怪かぁ」

 

その言葉と共に飛羽真が思い浮かべたのは、まだカリバーの奴と戦っていた時に出会ったゲゲゲの鬼太郎という人物。

 

それと共に、俺は気になって、ワンダーライドブックの一つであるゲゲゲの鬼太郎を取り出す。

 

「んっ?」

 

何故、光り始めたのか、分からないが、気になった俺はそのままゲゲゲの鬼太郎ワンダーライドブックをそのまま懐に締まい、そのまま目的地へと向かう。

 

「それで、この神社については、なんなんだ?」

 

「えっと、それがよく分からない。

何かの妖怪を納めているようですが」

 

「詳しい事が分からないが、とにかく調べてみるか」

 

そう、飛羽真達が調べ始めた時だった。

 

「へぇ、これが剣士達か」

 

「これって」

 

そう言いながら、飛羽真達はすぐに各々の変身アイテムを構え、同時に

 

【ヴィラン一冊!ヴィランライダー!悪意の本は更なる力を剣に宿す!】

 

その音声と共に鎌のように鋭い爪、右手にニッパー、左手に触手を携えるその姿は、地の文の通り『ツギハギの怪人』と呼ぶのに相応しい存在がそこに立っていた。

 

「メギドかったくっ」

 

【烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】

 

【激土重版!絶対装甲の大剣が、北方より大いなる一撃を叩き込む!】

 

【噛み砕け!激化!過激化!化石化!化石剣異化!!】

 

その姿を確認すると共に飛羽真達は同時に変身し、メギドへと向き合う。

 

「ふふっ、面白い能力ばかりだな。

だから、良いよっ!」

 

「何を?」

 

そう疑問に思っている間、顔の赤い球面バイザーからレーザーを放ち、飛羽真達に当たった。

 

「なんだ、今のはって!?」

 

「なっ」「これって」

 

飛羽真は声が聞こえて、見てみると、そこには変身解除されている二人の姿だった。

 

その手には変身アイテムである土豪剣激土と化石剣異化は握られたままだった。

 

「これって、何が」

 

「良いねぇ、これは僕にはなかった力だよ」

 

それと共にメギドの身体は徐々に変化していた。

 

右腕は亀を思わせる甲羅、左腕は恐竜を模した巨大な剣へと変わっていた。

 

「だけど、厄介だなぁ。

セイバーの力も奪おうと思っていたけど」

 

そう言いながら、メギドはそのまま腕と一体化した剣を構えながら

 

「ここで殺せば、問題なしだよねぇ!!」

 

その言葉と共に、剣を振り下ろした。

 

一瞬、飛羽真はその場を離れた事によって、地面を揺らす程の強烈な一撃を避ける事ができたが、地面はその一撃によって、大きく割れていた。

 

「このままじゃ、やばいっ」

 

その言葉と共に飛羽真はそのままドラゴニックナイトを取り出し、すぐに聖剣ドライバーに装填する。

 

【ドラゴニックナイト! すなわち、ド強い!】

 

その音声と共に飛羽真はドラゴニックナイトへと変身し、襲い掛かってくるメギドと戦いを仕掛ける。

 

ドラゴニックナイトはすぐに火炎剣烈火を手に持ち、メギドと戦いを繰り広げる。

 

「どうなっているんだっ、こいつはっ」

 

その戦いの中で、地面を大きく割り、まるでその場だけが地震が起きたように荒れていた。

 

「凄いよ凄いよ!

ドラゴンの力は手に入らなかったけど、ここまで単純だけど、強力な力は!!」

 

「まさかっ奴は俺達のワンダーライドブックの力を奪ってっ」

 

「ぐぅ」

 

「だとしたら、やばいっ」

 

クシーフォスとバスターの二人は、ノーザンベースのライダーの中でも特に力が優れている仮面ライダー達だ。

 

その二人の力を吸収したと考えると

 

「これは危険すぎるだろっ」

 

「さぁ、そうだろう!!

だから、君の力も僕に寄こせよぉ!!」

 

その言葉と共に右腕も巨大な剣へと変え、両手で飛羽真に襲い掛かる。

 

「ぐっぐっ」

 

絶体絶命の危機を迎えた時だった。

 

「んっ」

 

「なんだ?」

 

そんな彼らの間に現れたのはプリミティブドラゴンだった。

 

「これって」

 

【烈火抜刀!バキッ!ボキッ!ボーン!ガキッ!ゴキッ!ボーン!

プーリーミーティーブ! ドラゴーン!】

 

驚きを隠せない中でそのまま飛羽真の聖剣ドライバーに装填され、瞬く間にプリミティブドラゴンへと変身した。

 

「これはっまずいっ!!」

 

その状況を見ていた尾上はその状況に悪寒が走る。

 

「ガアアァァ!!!」

 

雄叫びと共に押されていたはずの飛羽真が、メギドを押し返す。

 

「なっ、こいつは」

 

それと共にメギドを押し返すと共に、火炎剣烈火をそのまま腕に火炎剣烈火の刃を掴み、そのままメギドに襲い掛かる。

 

それは先程まで騎士を思わせる戦いではなく、本能のまま破滅を求める狂戦士の戦い方だった。

 

その戦いを尾上達は見ている事しか、できなかった。

 

「どうにかできないのか」

 

そう言っている間、神社が光り輝き始める。

 

「なんだっ」

 

それを見た尾上は見てみると、その神社から飛び出したのは虎だった。

 

「なっ虎っ!?」

 

それに驚きを隠せずにいると、虎はそのまま争っている飛羽真とメギドに襲い掛かる。

 

「ガァ」「なんだっこいつは?」

 

そうしている間にもメギドに向けて、虎は爪を振り上げて、メギドを吹き飛ばす。

 

「一体何だ、あれはっ」

 

「ガアアアァ」「グルルルッ」

 

そうして飛羽真と虎は睨み合っていた。

 

「ちっ、なんだ、こいつはっ」

 

その言葉と共に未だに暴走する飛羽真、メギド、謎の虎の三つ巴の戦いは続いていた。



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虎の目覚め

「こいつらは一体」

 

その疑問に思いながら、神社の近くにある巻物に香我美町は目を向けた。

 

「ここって、妖怪の檮杌とかの記録が残されているけど」

 

「それが、あの虎という訳か?」

 

そう言いながら、尾上は見つめる。

 

「だったら、ここはやるしかないな!!」

 

「えっ、何を言って「おらぁ!!」えぇ!!」

 

尾上はそのまま虎へと向かって、飛び込む。

 

「何をしているのっ」

 

「悪いけど、力を貸して貰うぞ」

 

『ガアアァァ』

 

尾上はそのまま虎の腹部へと手を伸ばす。

 

「何をしているのか、分からないけど、始末してやる」

 

そう言いながら、メギドが虎へと攻撃を仕掛けようとしたが

 

「グルルッガァアアァ!!」

 

「ちぃ、こいつは」

 

そうしている間にも、メギドと暴走した飛羽真と戦いが始まっていた。

 

その中でも、尾上はそのまま地面に脚を付けて、そのまま虎の動きを止める。

 

「悪いが、こっちだって、土豪剣激土を普段から扱っているんだよ。

だから、負けるつもりはないぜぇ!!」

 

それと共に虎を持ち上げる。

 

「グルルルっ」

 

「悪いが、あいつは俺の大事な仲間だからな。

お前の力を借りたいんだよ」

 

「・・・」

 

そう尾上が叫んでいると、自然と虎は暴れるのが収まる。

 

同時に暴走した飛羽真はそのまま後ろに飛び上がり、その動きを止めた。

 

「なんだぁ?」

 

それにメギドは疑問に思っている間にも、虎はその身体を光に包まれ、それは尾上の手元には新たなワンダーライドブックが出来上がる。

 

【闘争に生き己の道を突き進んだ神獣の神話が大地に轟く!異伝檮杌神話!】

 

「なんとなく、分かるぜ、こいつの力がよぉ!!」

 

そう良い、手に持った異伝檮杌神話をそのまま土豪剣激土に蒼天する。

 

「変身っ!」

 

その雄叫びと共に尾上はそのまま土豪剣激土を振り下ろす。

 

【一刀両断!ブッた斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!

激土重版!絶対装甲の大剣が、北方より大いなる一撃を叩き込む!

闘争の化身が大地を踏み鳴らす!異伝檮杌神話!】

 

その音声が鳴り響くと同時に虎は咆哮を上げながら、尾上の周りを走りながら、尾上はバスターへと変身していき、虎はそのまま土へと変わり、バスターの身体に新たな鎧として装着する。

 

肩には虎の爪を模したブースターが装着されており、これまで以上に重厚感のある鎧で身に纏ったバスター。

 

その姿を確認したメギドは

 

「なっなんだ、その姿はっまぁ良い!

こっちには最強のパワーがある!!」

 

その言葉と共にメギドは真っ直ぐと剣を尾上に向けて放った。

 

それに対して、尾上もまた土豪剣激土で、その一撃を受け止めた。

 

地面が割れ、既に神社があったとは思えない程に崩壊したその場所でメギドは尾上の一撃を受け、吹き飛ばされた。

 

「ぐっ、なんだこれはっ」

 

「おいおい、この程度で、まさかもうギブアップなんて言うなよ」

 

その言葉と共に尾上は構えると、肩にあるブースターがまるで虎の咆哮を思わせる叫び声と共に、放たれた。

 

真っ直ぐと地面を削りながら迫る尾上。

 

「ぐっ」

 

それを見たメギドが行った行為、それは自身の腕を巨大な盾に変える事だった。

 

玄武神話が元々防御に優れたワンダーライドブックという事もあって、全てのエネルギーを使って作り出された盾は迫り来る尾上の一撃をなんとか弾き飛ばした。

 

「はぁ、取ったぁ!!」

 

その言葉と共に盾を大きく開き、尾上に向けて、自身の武器である火炎放射器、パイロディーラーを放った。

 

その炎に包まれた尾上の姿は一瞬で、その姿を消した。

 

「ははっ、なんだ、この程度の一撃だったら、簡単に受け止められたぞぉ!!」

 

そう狂気に包まれた笑い声と共に空を見上げた。

 

「そりゃぁ、腰に力が入っていなかったからなぁ!!」

 

「っ!!」

 

そこには肩にあるブースターで空を跳んでいる尾上だった。

 

尾上はそのまま装填されている異伝檮杌神話を土豪剣激土に読み込ませる。

 

【異伝檮杌神話ドゴーン!激土乱読撃!ドゴーン!】

 

その音声と共に巨大な土の虎が尾上の後ろで作り上げ、岩の猛虎を生み出すが如く刀を大きく振るい、咬みつくかのように敵を斬りつける。

 

「はっはっはあぁぁ!!」

 

その一撃を見ると、すぐにメギドもまた対抗するようにニッパーのついた籠手、ボルトクリッパーで対抗する。

 

だが、その一撃は瞬く間に崩れ落ち、身体は真っ二つに切り裂かれる。

 

同時にメギドは身体から溢れ出るように、メギドのアルターワンダーライドブックが落ち、尾上達の元にワンダーライドブックが戻っていく。

 

「戻ってきた、という事は」

 

そう言いながら、見てみると、そこには既にメギドの姿はなかった。

 

「勝てた?」

 

「あぁ、けど」

 

戦いを終えた尾上だったが、先程から少し落ち着いたのか、その場を動かない飛羽真の元へと向かう。

 

「おい、大丈夫か」

 

「ぐっ、なんとかっでも、そんなには」

 

そう言っていると、異伝檮杌神話がプリミティブドラゴンに反応した。

 

それを見ると、飛羽真の目の前にはまた別の光景が広がった。

 

『悪戯好きな蛙と一緒に過ごしていたドラゴン。

ある日の事、彼らの前に現れたのは怖い顔した虎でした。

無口な虎でしたが、怖がりなドラゴンを見ると、むすっとした顔をしながらも、木の実を取ってきてくれました』

 

「これは、もしかしてドラゴンの続き?」

 

そう言いながら、飛羽真は自然とその変身は解かれる。

 

「なんか分かったのか」

 

「いや、ただ、なんというか。

この本にある虎がなんというか、ドラゴンのお父さんのような感じなんだ」

 

「んっ?」

 

その事を聞いた香我美町は首を傾げるか

 

「なんというか、家族の話みたいな感じだね」

 

「だとしたら、やっぱりプリミティブドラゴンに必要なワンダーライドブックかもしれない」

 

「んっ?」

 

そう言っていると香我美町は何かに気づいたように周りを見渡す。

 

「どうしたんだ」

 

「アルターワンダーライドブックが消えている」

 

「いや、それは壊したからって」

 

そう言いながら、尾上も見ると、そこにはアルターライドブックの欠片もなかった。

 

「何が起きていやがるんだ」

 

 



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現実とゲームの狭間で

「オーディナル・スケール?」

 

そう疑問に思いながら、飛羽真はそのゲームのパッケージを見ながら、疑問に思う。

 

「あぁ、反応があるが未だにその詳細が分からないワンダーライドブックがある。

その中で以前のガンゲイル・オンラインやデジモン、それにビルドダイバーズのワンダーライドブックではないかと考えた」

 

「それで、オーディナル・スケールなのか。

けど、俺も大秦寺さんも、ゲームはあんまり知らないぞ」

 

「あぁ、だが、やるしかない。

今はこれしか手掛かりがないのだから」

 

その言葉と共に、俺達はそのままオーディナル・スケールに挑戦する事になった。

 

これまで行ってきたゲームとは違い、実際の身体を使う事になる。

 

だが、ARというのがよく分からない俺と大秦寺さんは俺達は苦戦を強いられていた。

 

「えぇ、嘘だろ、認識されないの!?」

 

「なんというか、軽すぎる」

 

その理由としては、オーディナル・スケールでの戦闘がこれまで俺が行ってきた戦闘とはまるで違った。

 

これまで数々の戦いをくり広げた俺達の動きはある意味人間離れしている事もあって、オーグマがそれを認識する事ができず、さらに手に持っているデバイスが聖剣とは違い軽すぎた為、違和感があった。

 

それもあって、俺達は現実とは違う戦い方に苦戦していた。

 

「あれ、飛羽真に大秦寺さん?」

 

「あんたら、何をしているの」

 

「えっ、響に朝田?

もしかして、オーディナル・スケールをやっているのか?」

 

そこには俺達と同じくオーグマを装着している。

 

「もしかして、お前らもオーディナル・スケールを?!」

 

「えぇ、まぁね。

というよりも、あんたは学校を休んでいるのに、こんな所にいたら、サボっていると思われるわよ」

 

そう言いながら、こちらをジト目で睨んでいる朝田に俺は思わず顔を逸らしてしまう。

 

サウザンベースとの戦いが激しくなる事も考え、ソフィアさんを初めとしたメンバーのおかげで、俺は現在、学校を休んでいる状態になっている。

 

「というよりも、なんで二人が?」

 

「あぁ、実は、オーディナル・スケールの中に少しワンダーライドブックのヒントがあると思って参加したのだが」

 

「これが、なかなかに難しくってな」

 

そう俺達が苦戦をしている事に伝えている。

 

「あぁ、それ私も分かります。

なんだか記憶が戻ってから、戦い方も思い出したけど、それがどうしても力を出し過ぎちゃって」

 

「あんたの場合は力がありすぎるのよ。

けど、ワンダーライドブックね」

 

「んっ、なんか知っているのか朝田?」

 

「知っているというよりも疑問ね。

今、ちょっとした事件があって、その事件がソードアートオンラインに関係しているらしいの」

 

「ソードアートオンラインに?」

 

そう言いながら、俺はソードアートオンラインワンダーライドブックを取り出す。

 

「えぇ、どうやらこのオーディナル・スケールに、そのボスが出ているの。

そして、そのボスに倒されたSAOプレイヤーはSAOの記憶が無くなるらしいわ」

 

「記憶が、それは確かに異常事態だ」

 

「えぇ、実際にアスナも」

 

「っ」

 

その名前を聞いて、俺は思い出す。

 

確か、GBNの事件で知り合った女性で、キリトさんの恋人。

 

「ならば、俺も助けたいけど、その手掛かりは「聞こえる」えっ」

 

「歌が聞こえる」

 

「えっ、ちょっと、大秦寺さん!!」

 

何か聞こえたのか、大秦寺さんが急に走り出した。

 

それに釣られて、俺達もすぐに走り出すと、そこで行われていたのはボス戦だった。

 

そして、そこには全長は10メートル以上はあろうかと思われる巨大な骸骨のムカデがおり、周りのプレイヤーを襲っていた。

 

「あれも、ボス」

 

「それは間違いない、それに」

 

大秦寺さんが何か疑問に思ったのか、俺の方を向く。

 

それは、ソードアートオンラインワンダーライドブックが強い光を出しており、まるで目の前にあるボスと共鳴するように。

 

それと共に、こちらを見たムカデのモンスターは雄叫びを上げる。

 

「なっなんだ!?」

 

そう疑問に思っている間に、俺達を囲むように現れたのは様々なモンスターだった。

 

何が起きたのか、分からない内に一体のモンスターが俺に向けて剣を振り下ろした。

 

「うわっと」

 

なんとか、紙一重で避ける事ができた。

 

だが、ARの中の映像のはずが、俺の頬には傷ができていた。

 

「これってっ」

 

「分からない。

だが、もしもこいつらがゲームの中ではなく、現実に存在しているのならば、危険だ」

 

その言葉と共に大秦寺さんはすぐに音銃剣錫音を取り出す。

 

「あぁ、悪いけど、二人共」

 

【ヘンゼルナッツとグレーテル!】

 

「分かっているよ、よく分からないけど」「手を貸して欲しいという事ね」

 

「あぁ、久し振りに力を借りるぜ!」

 

その言葉と共に、俺はブレイブドラゴンを取り出すと同時に、そのままソルスブライト・ドラゴンへと変え、そのまま聖剣ドライバーに装填する。

 

「「変身!!」」

 

【烈火抜刀!Balwisyall Nescell gungnir tron!アニヒレート・レイ!!ガングニール!!!ソルスブライト・ドラゴン!!】

 

【錫音楽章!甘い魅惑の銃剣が、おかしなリズムでビートを斬り刻む!】

 

その音声と共に俺はソルスブライト・ドラゴンに、大秦寺さんもスラッシュへと変身する。

 

「飛羽真、さすがにこの数では不利だ。

別れて、戦うぞ」

 

「だったら、これを使って下さい」

 

俺はそう言い、懐から取り出したワンダーライドブックを渡した。

 

「あぁ、確かに!」【ガンダムビルドダイバーズRe:RISE】

 

それと共に大秦寺さんもまた、そのワンダーライドブックを使用した。

 

【錫音楽章!甘い魅惑の銃剣が、おかしなリズムでビートを斬り刻む!】

 

その音声と共に、大秦寺さんの身体に装着されたのはヒロトさんが使っているコアガンダムの形態の一つ、ユーラヴェンガンダムを模した武装であり、音銃剣錫音も銃モードに変わり、その先端にはパーツが装着され、スナイパーライフルを思わせる形へと変わる。

 

「さて」

 

その言葉と共に大秦寺さんの肩のパーツからセンサービットが伸び、そのまま構える。

 

「狙い撃つ」

 

それと共に、引き金を引く。

 

それは音のレーザーとなり、様々な所へと反響しながら、モンスターへと攻撃を仕掛けていく。

 

その攻撃を行った後、背後から襲い掛かったモンスターがいたが、すぐに反撃し、吹き飛ばす。

 

「今の私に死角はない」

 

それは元から備わっている超人的な聴力に加えて、ユーラヴィンが持つ様々な方向を見る事ができるセンサービットもあり、何時、どこから敵が襲い掛かってくるのが完全に分かる。

 

まさに最強のスナイパーである。

 

「俺達も負けていられないな!!」

 

その言葉と共に俺達が向かったのはより巨大な髑髏を思わせるモンスターだった。

 

【ソルスブライト必殺読破!

烈火抜刀!ソルスブライト必殺斬り!】

 

その音声と共に、手に持っていた火炎剣烈火は巨大化し、そのまま真っ二つに切り裂く。

 

そうして、周りにいるモンスターを倒していくと

 

「皆ぁ、今回はまさに規格外のボスが2体が現れているよ!!」

 

「今の声は?」

 

その言葉に疑問に思い、俺は下を見ると、そこには白髪の少女がいたが

 

『あの子、確かオーディナル・スケールのARアイドルだけど』

 

『規格外のボスって、って!!』

 

「んっ?」

 

二人からの言葉に疑問に思い、俺は周りを見る。

 

プレイヤーが全員、俺と大秦寺さんを狙っているようだが

 

「もしかして、ボスって」

 

「俺達か」

 

その言葉と共に、俺達は構える。

 

『どうするのっ、さすがに』

 

「あぁ、分かっているっ、大秦寺さん」

 

「んっあぁ、分かっている。

コアチェンジ・ドッキングゴー」

 

その言葉と共に大秦寺さんもユーラヴィンからアースリィへと変え、そのまま空へと飛ぶ。

 

「悪いですけど、そう逃げて貰っては困る」

 

【この薄命の群が舞う、幻想の一節】

 

それと共に聞こえてきた音声、それに疑問に思っている間に

 

【狼煙開戦!FLYING! SMOG! STING! STEAM! 昆虫CHU大百科!】

 

「なっにっ」

 

それと共に空を跳んでいた俺達に襲い掛かったのは煙だった。

 

疑問に思っている間に俺達は叩き落とされ、そこにいたのは見たことのない仮面ライダーだった。

 

それも、見た目から分かるが女性だと分かるが

 

「あれは、サウザンベースのっ」

 

「また別のライダーかっ」

 

その言葉と共に、俺と大秦寺さんは背中を合わせながら、襲い掛かった新たなライダーとプレイヤー達に囲まれながら、危機的状況に陥った。



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命懸けのゲーム

「とにかくっ、なるべく人々を傷つけないようにしないとっ」

 

そう言いながら、飛羽真達はその場で襲い掛かろうとしている人々からの攻撃を避けいていた。

 

「あぁ、だがっ」

 

彼らの攻撃を避けるが、その隙を狙うように煙となって攻撃を仕掛ける。

 

「これ程厄介な事はない」

 

こちらからの攻撃は行えない相手によって囲まれ、倒すべき相手は煙によって、その攻撃を受け流される。

 

まさに絶体絶命の状況

 

 

「これは」

 

周りに囲まれている状況の中で、飛羽真が取り出したのはディケイド世界旅行記だった。

 

ディケイド世界旅行記はそのまま光輝き、その表紙は

 

「エグゼイド医療日誌、よく分からないけど」

 

その言葉と共に俺はそのまま起動させる。

 

『とある病から人々を救う為、天才ゲーマーが立ち上がった』

 

ワンダーライドブックから音声が鳴り響くと同時に俺達を囲むようにブロックが現れた。

 

「これは一体」

 

俺はそのまま火炎剣烈火にリードする。

 

『ふむふむ!エグゼイド!習得一閃!』

 

その音声と共に、俺達の前に現れたのは、ワンダーライドブックに描かれたライダーエグゼイドが半透明な状態で現れ、そのまま俺と大秦寺さんに向かって光になって吸い込まれる。

 

「これはっ」

 

「あぁ!!」

 

その言葉と共に全身から漲る力と共に、俺達は構えると

 

「「ノーコンテニューでクリアしてやるぜ!!」」

 

その言葉と共に、俺達は跳び上がる。

 

「幾らやっても、無駄です」

 

その言葉と共にサーベラもまた煙となって、俺達を追いかける。

 

それに対して、周りに現れたブロックに俺達は乗りながら、そのまま空へと向かって行く。

 

「ぐっ」

 

煙になったとしても、ブロックをすり抜けてきたサーベラ。

 

「追いつきましたよ」

 

「あぁ、だけど、ここだったら、遠慮なく戦える」

 

「なにっ?」

 

それと共にサーベラは周りを見る。

 

それは既にドローンよりも遙か上空にいる状態。

 

それによって

 

「おいおい、空の上に行っているぞ」

 

「こっからじゃ、流石に狙えないよ」

 

「なんだよ、イベント失敗かよ」

 

その言葉と共に、下にいたプレイヤー達は次々と解散していく。

 

『えっえっと、まさかのイベント失敗!

だけど、また挑戦してねぇ』

 

流石に遙か上空にいるボスが降りてこない限り、イベントを進める事はできず、あちらも終了の合図を出すしかなかった。

 

そして、それに合わせるように

 

『ステージセレクト』

 

その音声と共に彼らの姿は消え、どこか別の空間に飛ばされ、その場にいるのは俺達と大秦寺さん、そしてサーベラだけとなった。

 

「これで、遠慮なく戦える」

 

「だからどうした」【狼煙霧虫!】

 

その音声と共にサーベラは再び煙となり、飛羽真達を囲む。

 

「だったら!!」

 

その言葉と共に飛羽真はそのまま近くにあるブロックを壊す。

 

【残像!】

 

「よっと」

 

そのまま手に入れたメダルをそのまま身体の中に入れると同時にサーベラの攻撃が襲い掛かる。

 

「やったか?」

 

「それは違うよ」

 

「っ!」

 

それと同時にサーベラの後ろに炎の矢が襲い掛かる。

 

「いつの間にっ、だが」

 

それと共に再びサーベラは煙となって姿を消した。

 

「なるほど、ならば」

 

それを見ていた大秦寺も近くにあるブロックを打ち抜く。

 

【縮小化】

 

その音と共に攻撃を仕掛けようとしたサーベラの一撃は大秦寺が突然、姿を消した事によって、空振りになる

 

「一体なにがっ」

 

「何が起きているっ」

 

「まぁ、それを教える訳はないけどな!!」」

 

【分身】

 

その音声と共に飛羽真の身体は3人に分身した。

 

「おぉ、なんだか分からないけど、分身したら、意思も分かれた!!」

 

「元々の3人が合体して、また3人に分かれた。

けど、力は元のまま」

 

「だったら、3人で力を合わせて、一気にやるぜ!!」

 

【Fate/Grand Order】【幼女戦記】【エグゼイド医療日誌】

 

その音声が鳴り響くと共に、朝田の意思が宿るセイバーはそのまま構えると共に太陽を思わせる弓のデザインはまるで月を思わせるデザインへと変わる。

 

「月女神の愛矢恋矢」

 

その一言を月を思わせる一撃は、真っ直ぐとサーベラに向かって行った。

 

それと同時に響の意思が宿ったセイバーの後ろには魔方陣が現れ、それを踏み場にして、真っ直ぐとサーベラへと突撃する。

 

「はあああぁぁ!!」

 

「っ!!」

 

【超狼煙霧虫!昆虫煙舞一閃!】

 

同時にサーベラは縄状の煙を作り出し、響の動きを止め、背中から展開した鋭い虫の足で朝田の攻撃を防いだ。

 

だが、そんなサーベラに向けて、遙か上空から飛羽真が近づいていた。

 

「っ」

 

「はぁ!!」

 

マイティクリティカルストライク

 

それに気づいた時には既に遅く、ピンク色のゲームのようなエフェクトのある脚がサーベラに襲い掛かる。

 

その度にHIT!という音が何度も現れ、そのままサーベラを吹き飛ばす。

 

「ふぅ」

 

同時にそれまで分身していた彼らは再び一つに戻り、ゲームエリアが消えた。

 

「っどうやら、今回はここまでのようですね」

 

その言葉と共にサーベラの姿はそのまま煙と共に姿を消した。

 

「結局、手掛かりは手に入らなかったか」

 

「とりあえず、サウザンベースに「なぁ、あんた」っ」

 

聞こえて来た声、それに思わず振り向いた飛羽真。

 

そこには

 

「キリトさんにヒロトさん!?」

 

そこには、かつてGBNで共に戦った事のあるメンバーだった。

 

俺達はそのまま警戒したが

 

「いや、待ってくれ!

俺達は聞きたい事があって、ここに来たんだ」

 

「聞きたい事?」

 

その事に大秦寺さんは疑問に思ったのか、俺の方を見つめる。

 

「大丈夫、この人達は信用できます」

 

何よりも、この状況では本当に心強い味方だと思えるから。



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現実と電脳の繋がり

突然の再会から数時間、飛羽真達はすぐにその場から離れ、近くの公園へと来ていた。

 

「それで聞きたい事ってなんですか?」

 

少し落ち着きながら、まず聞くべき事を確認するように飛羽真は話を切り出した。

 

「君達があの時、ボスになった理由は分からないけど、もしかしたらオーディナル・スケールに関係していると想定しての話だけど、ELダイバーについて、何か知らないか?」

 

「ELダイバー?」

 

その事に一番初めに疑問に思ったのか大秦寺が首を傾げた。

 

「あぁ、大秦寺さんは知らなかったか。

まぁ簡単に言うとELダイバーといのはGBNというゲームに存在する電子生命体の事だよ。

本物の人間と変わりない命という事でGBNが有名な理由の一つだよ」

 

「ほぅ、電子生命体か、それは興味深いな」

 

話を聞いた大秦寺はその話を聞いて納得すると共に

 

「実は最近になって何人かのELダイバーが攫われる事件が起きたんだ」

 

「えっ、それって確かELダイバーがガンプラに入って、別の場所に行ったのとは違うのか?」

 

それに対して、ヒロトは首を横に振り、否定する。

 

「運営が調べた結果、ガンプラにログインした形跡はない。

それどころか、プレイヤーの目の前で突然消えた報告が多くあった」

 

「それって、本当に攫われた感じだな」

 

それには驚きを隠せずに聞く。

 

「それと同時期に始まったオーディナル・スケール。

そして」

 

そこから少し戸惑いを見せたキリトだが、すぐに決意を秘めたように話を切り出す。

 

「俺達、SAOプレイヤーの記憶が奪われる事件が起きた」

 

「SAOプレイヤー」

 

それを聞き、飛羽真も戸惑いを隠せなかった。

 

これまでの戦いの中で、SAOワンダーライドブックには助けられた。

 

だからその事には驚かなかったが、それよりも

 

「記憶を奪われたって、キリトさんも?」

 

「いや、俺は取られていないけど、既に被害が出ている」

 

その話を聞けば、多少納得するように飛羽真も頷くが

 

「でも、話を聞いていると、なんだか二人の事件はまるで関係ないように見えるが?」

 

「それが、そうでもないんだ」

 

そう言い、ヒロトが取り出したのは、タブレットを見せる。

 

そこにはオーディナル・スケールで有名になったAIユナだった。

 

「なんで、ユナが?」

 

「それが、このユナからはELダイバーと全く同じ反応が出ているんだ」

 

「ELダイバーと!?」

 

その言葉に飛羽真達は思わず声を出してしまう。

 

「原因は分からない。

けど、オーディナル・スケールに出てきたユナから、ELダイバーによく似た反応が出ていた事が分かった。

そこから考えてもユナはELダイバーの技術を使って作り出された存在」

 

それだけ聞けば、ある程度の推理は行えたのか、朝田も頷く。

 

「ELダイバーは多くのプレイヤーの思いが重なった事で誕生した存在だから、SAOプレイヤーの記憶を奪って作られていると考えても良いのね」

 

その言葉と共に俺達は恐ろしい推察が重なった。

 

「なぁ、それって、何を目的にしているんだ」

 

「分からない。

だからこそ、何か知っているのかと思ったのだが」

 

「残念ながら、俺達はほとんど知らない」

 

「そうなのか」

 

「だけど」

 

それとは別に飛羽真達が思い浮かんだのは、あの時邪魔したサーベラの事だった。

 

突然現れたサーベラが飛羽真達を倒そうとした時、飛羽真達とは違い、味方キャラとして認識された。

 

それはつまり、オーディナル・スケールの運営は確実に敵だという事。

 

「俺達で協力できる事ならば、協力する。

幸い、変身した姿でも十分に戦えるようだからな」

 

「そうか、だったら」

 

そう言い、キリトが表示させたのはユナのライブだった。

 

「近日、行われるらしい。

だから、考える限りでは」

 

「そこで何かが起きる訳か」

 

「あぁ、頼めるか」

 

そう真剣に飛羽真達を見つめるキリトに対して、飛羽真は迷う事なく

 

「勿論」

 

その一言を出した。



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