弓使いだったのに気づいたら地上の月の兎になっていました (お〜い粗茶)
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弓使いとログイン
私は『白兎 鈴』転生者です。
いきなり言われても戸惑いますよね。
前世の記憶はオタクや趣味の記憶しか残っておらず、特に『東方project』にはものすごくはまっていた。
その中でも一番好きなのは『鈴仙・優曇華院・イナバ』です。死ぬ直前に願ったのか、転生したら兎耳のない鈴仙そっくりの姿でした。
鈴仙にそっくりで赤い瞳を持つけど、狂気の力や空を飛んだりは出来ないから姿しか一致してない。しかも東方projectも存在していない。
某配管工なんかはあるのに東方projectだけがない。
しかも親とは違う赤い瞳や薄紫の髪などでいじめにあい、部屋に引きこもっている。
親も私に気を利かせて少し前に発売した『New World Online』というVRゲームを買ってくれた。
これで私に人との関わりを持って欲しかったのかもしれない。
ゲームは好きだから、少しやってみてつまらなかったらやめればいいかな。
自分はVRマシンをかぶってゲームにログインした。
するとホログラム空間にいた。するとゲーム内の名前を決めるようだ。
「うーん、容姿は変えられないみたいだし、『鈴仙・優曇華院・イナバ』でいこうかな。姿とも一致するし」
まぁ文字数多くて『鈴仙』にしたんだけどね。
「次は初期装備ね。片手剣、大盾、メイス、杖・・・中々いい装備ないわね。ん?弓矢か〜、これにしよう!」
弓矢を選び、今度はステータスポイントを振り分ける。とりあえずそれぞれにちょこちょこ振り分ける。
振り分けが終わると光に包まれた。
その光から解放されるとそこには賑やかな城下町が広がっていた。
手には弓、背中には矢筒があった。周りにはいろんな人が歩いている。ステータスを開いてみると
鈴仙
Lv1
HP 50/50
MP 15/15
【STR 20〈+10〉】
【VIT 10 】
【AGI 30〈+12〉】
【DEX 20】
【INT 20】
装備
頭 【空欄】
体 【空欄】
右手 【初心者の弓】
左手 【初心者の矢筒】
足 【空欄】
靴 【空欄】
装飾品 【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
なし
全体に平均程度に振ってみたがAGIは少し多めに振って動きやすくした。
ステータスを閉じて、マップをみて近くの東の森という場所に行ってみることにする。
少女移動中
東の森にきてみるとすぐに白兎が出現して襲ってくる。AGIのおかげで避けて少し距離を取り、弓矢を構える。
放った矢は白兎の脳天を貫き、光になり消える。自分も兎が名前についているから凄い罪悪感がある。
『レベルが2に上がりました』
レベルアップを伝える音声が頭に届く。スキルポイントが振れるようだがまだ振らない。その後も白兎や大ムカデを倒していく。
ゲーム内の時間が夕方ぐらいになったので、帰ろうとしたらフォレストクインビーと言う巨大蜂が現れる。
「もう!めんどくさいわね。」
毒攻撃を避けながら矢を巨大蜂に放っていく。巨大蜂のHPをゴリゴリ削っていき、HPが0になると蜂は光となり消えた。
『スキル【
お、新しいスキルだ。効果を見る感じ相手依存なんだよね。これは【廃棄】で。
疲れたから今日はログアウトしようかな。
ポケモンの小説は全然書けないw
まぁ息抜き程度に書いていこうと思います。
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弓使いと極振りプレイヤー
早く二期こないかな?
次の日にまたログインした。
まずは質屋に行き所持金を増やす。3000ゴールドしかなかったけど5000まで増えた。
次は街をうろつく。みんなおしゃれだから私も装備が欲しい。
適当に目についた鍛冶屋に入る。
「あら、いらっしゃい。武器の新調かしら?」
「あ、あ、ま、まぁそうです・・。」
店に入ると水色の髪の生産職の女の人が迎えてくれるけど、人とあまり関わってこなかった為に声が小さくなってしまった。
「あらあら、人見知りかしら?まずはお互い自己紹介をしましょう。私はイズ。生産職で鍛治を専門にしているわ。」
「わ、私は 鈴仙です・・。」
生産職のイズさんと自己紹介をする。すると店に扉を開けて赤めの大盾を持った男の人と初心者の大盾を持った黒髪の女の子が入ってくる。
「あら、いらっしゃいクロム。どうしたの?まだ盾のメンテには早いはずだけど?」
どうやらイズさんの知り合いのようだ。そういう自分は店の隅に縮こまってる。
「ああ、ちょっと大盾装備の新入りを見つけてな…衝動的に連れてきた」
そういうとクロムさんという人が後ろの女の子を紹介する。
「あら、可愛い子ね……クロム、衝動的にこの子を連れて来たの?通報した方がいいかしら?」
イズさんは青いパネルを出して通報ボタンを押す真似をする。
「おい、やめろって!なんてゆうか、言葉の綾だって!」
「分かってるわよ、冗談よ」
イズさんは女の子に注意をしてから新しい大盾の話になっていく。そのまま少し時間が過ぎて話が終わったみたいだ。
「ねぇ、あなたは誰なの?私はメイプルだよ!」
黒髪の女の子に突然話しかけられてビクッとなる。
「あはは、その子どうやら人見知りみたいでね。貴女も自己紹介頑張ってね」
「わ、私は鈴仙です・・」
メイプルさんも最近始めた初心者らしくてクロムさんについて来たみたい。
メイプルさんはゴールドが足りないためにダンジョンに行くそうだ。私も別の素材なんかを集めないといけない。私の武器は大体素材持ち込みで100万ゴールド程度らしい。
イズさん達と共に店の外に出る。メイプルは毒竜の迷宮に行くそうだ。
「そうだ!鈴仙もフレンド登録しようよ!」
「え?私なんかといいの?」
「うん!友達が増えるのは嬉しいから!」
「あ、ありがとう・・。メイプルさんもこれからもよろしく・・」
「もー!友達なんだからさん付けなくて良いよ。私も鈴仙って呼ぶから」
「メイプルさん・・・、いや メイプルがそういうならそう呼ばせてもらうよ・・」
その後にイズさんとクロムさんもフレンド登録してくれた。それとクロムさんが回復ポーションを少し分けてくれた。
「鈴仙ちゃんもダンジョンに行くの?それならオススメのダンジョンがあるわよ」
イズさんがオススメしてくれたダンジョンは弓矢使いしか入れないらしいダンジョンだそうだ。何故そんなダンジョンがあるのかは知らないけどそこに行ってみることにした。
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弓使いとダンジョン
追記 スペルカード入手レベルを5→10に変更しました
北西に向かって歩いていると岩山に当たり、その麓に洞窟が空いている。そこにはバリアが張られているが自分は引っかからずに入ることができた。
入ってすぐに、スライムが数体襲ってくるが避けて弓矢を構える。
そのまま放ちスライムを三体纏めて貫く。
気配を感じ、天井に向かって矢を放つ。そうすると脳天に矢が刺さったトカゲのモンスターが落ちてきて光と消える。
『スキル【狙い撃ち】を習得しました』
新しいスキルを手に入れた為に説明を読む。
【狙い撃ち】
自分が放つ矢などの命中があがる。
取得条件
10m以上離れたモンスター、プレイヤーに矢を当てる。
どうやら弓使い専用スキルのようだ。パネルをしまい、そのままダンジョンの奥に進んでいく。
しばらく進んでいるとモンスターの気配を感じ暗闇に向かって矢を放つと、新たなスキルをゲットした。
『スキル【暗視I】を習得しました』
スキルをゲットしてから暗闇が少し見えやすくなった。そのまま何度も暗闇の中のモンスターに矢を放ち、倒す。
ボス部屋の扉に来るまでにレベルが11まで上がって、新たなスキルとスキル【暗視I】が【暗視V】まで成長した。
そのままボス部屋の扉を開けて入ると扉が閉まってしまった。どうやらボスを倒すか自分がやられないと出られないタイプのようだ。
ボス部屋の中央には巨大な杵を背負った兎のモンスターが居座ってる。
ボス兎は吠えてから杵を地面に打ちつけ衝撃波を飛ばしてくる。
それを飛び跳ねてかわし、弓を構えて矢を放つ。
放った矢は杵によって撃ち落とされた。そのまま何度も衝撃波を放ってくる。一発食らってしまったがHPが二割程度持っていったがそこまで威力は高くないようだ。
「【トリプルアロー】!」
ダンジョンの途中でゲットしたスキルを使う。
【トリプルアロー】
三本同時に矢などを放てる。矢の消費は三倍になる。
習得条件
弓矢でモンスターを三十体以上倒す。
弓に矢を3本セットして同時に放つ。一本は杵に弾かれたが二本はボス兎に刺さってダメージが入る。
「【トリプルアロー】!【トリプルアロー】!【トリプルアロー】!」
何度も矢を放ってボス兎のHPを削っていく。するとボス兎は杵をブーメランのように投げてくるが大振りの為避けやすい。
杵を持ってない状態でガラ空きなのでその隙にまた新たなスキルを使う。
「【パワーアロー】!」
【パワーアロー】
一本の矢に貫通効果を与え、威力が二倍になる。溜めに3秒かかる。
クールタイムは三分間。
習得条件
自分よりVIT値が高い相手を弓矢のみで倒す。
溜めに3秒程度かかる為少し使いづらいが隙があれは使えますね。そのまま溜めが終わり矢をガラ空きのボス兎に放つ。
矢はボス兎の胴体を貫き、そのままボスは光となって消えた。ボスが消えた後には宝箱が現れた。
その宝箱を開けると、少しヨレヨレのうさ耳、白のブラウスに赤いネクタイ、三日月型のブローチの付いた紺色のブレザー、薄桃色の膝下くらいまでのミニスカート、茶色のローファー、そしてメガホンにうさ耳がついたような見た目の銃が二丁入っている。
「これって、原作の鈴仙の衣装そのままじゃん」
気になりつつも説明を読む。
【ユニークシリーズ】
単独でかつボスを初回戦闘で撃破しダンジョンを攻略した者に贈られる攻略者だけの為の唯一無二の装備。
一ダンジョンに一つきり。
取得した者はこの装備を譲渡出来ない。
『玉兎の耳』
【AGI+20】【MP+20】
スキル【波長を操る程度の能力】
【破壊不可】
『三日月のブレザー&ブラウス』
【VIT+15】【MP+25】
スキル【スペルカード】
【破壊不可】
『玉兎のスカート』
【DEX+20】【MP+20】
【破壊不可】
『跳躍のローファー』
【AGI+15】
【破壊不可】
『ルナティックガンI』
【STR+20】【DEX+10】
【破壊不可】
『ルナティックガンII』
【STR+20】【DEX+10】
【破壊不可】
早速出てきた装備を装備する。持ち物から鏡を取り出して見てみると完全に東方projectで一番大好きだった鈴仙そっくりになった。
「まさか本当に鈴仙になれるとはね。よし、とりあえず帰ってから詳しく見ましょう」
近くにあった魔法陣で街まで戻った。
戻ってからすぐに宿屋で部屋を取る。
そのまま部屋へ向かい、ベッドに座る。
「耳とかに付いているスキルは何かしら?」
スキル【波長を操る程度の能力】
装備している人の瞳に波長を操る力を付与する。MPを前払いしておくことにより詠唱不要になる。効果は相手に幻覚を見せたり、波長を操り相手に自分を認識させないようにする事ができる。
スキル【スペルカード】
決まったパターンの弾幕をカードに記憶させてMPを消費して放つ。スペルカードの枚数は10レベルごとに一枚ずつ増えていく。
「もう完全に鈴仙ね。えっと、今あるスペルカードは・・・波符『
現実では鈴仙にはなれなかったけどこっちで鈴仙になれたことだし、これからも頑張りましょう。
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弓使いと再会&レベルアップ
投票結果から散符『真実の月』でいきたいと思います!他の2つもいつか出てくる予定なのでお楽しみに!
(17) 散符『真実の月』
(10) 喪心『喪心創痍』
(11) 生薬『国士無双の薬』
(0) 他のスペルカード
追記 アンケートありがとうございました!スペルカードをスキルに含めることになったので少し書き加えます!
こないだNew World on lineの公式サイトで第一回イベントが発表された。
十位以内には記念品がもらえるそうだ。記念品とかめっちゃ欲しいよね。なのでイベントまでレベルアップ中。
久しぶりに東の森の奥にやってきた。
出てくる大ムカデや巨大蜂をルナティックガンの弾幕で撃退しつつ、奥へと進んでいく。
まだレベルも低い為どんどんレベルが上がっていく。レベル10になった時には新たなスペルカードも入手できたから万々歳ね。そんな事を思っていると、森の奥から声が聞こてくる。
「【パラライズシャウト】」
木の影から声のした方を見てみると、黒い鎧に身を包んだメイプルがテントウムシをかじってた。
自分はフレンドのメイプルに近づき、恐る恐る話しかける。
「あの・・・メイプル?」
「ん?あ、鈴仙じゃん!久しぶり!」
「久しぶりって言っても2日程度じゃない?」
メイプルとなら人見知りもしなくなって来た。はじめての友達だからかな?
「鈴仙も装備変えたんだね、すっごい似合ってるよ!」
「メイプルこそ、お似合いだよ。ところでメイプルはここで何してたの?」
メイプルがテントウムシを食べていた事には突っ込まず、何をしていたのかを聞いてみる。
「イベントの為のレベル上げだよ。鈴仙もそうなんでしょ?」
「ええ、そうよ。これからもっと戦わないと」
そのあともメイプルとおしゃべりをしてからお互いレベル上げの為に別れた。
その後私はイズさんの元は素材とお金を持ってある装備を頼んでから、前に行ったダンジョンの周回を始めることにした。
道中はモンスターをルナティックガンで葬りつつ、覚えている道順通りに移動してあっという間にボス部屋にたどり着く。
ボス兎が襲いかかってくる前にカードを一枚取り出して詠唱する。
「スペルカード発動!【波符『
銃弾型の弾幕がボス兎を襲う。スペルカードは避ける為の隙間があるがボス兎は大きい為避けることが出来ずに弾幕でHPがどんどん削れていく。
数分間弾幕に襲われ続けたボス兎は光となり消滅する。倒したので魔法陣が二つ出現し、ダンジョンの前に戻る魔法陣に乗りまたダンジョンを攻略する。
そんな事を繰り返してる内に現実で2日が経過した。
明日は第一回イベント当日だ。
レベルも20まで上がった。レベル20に上がったおかげで新たなスペルカードも入手できた。
【生薬『国土無双の薬』】
自分か味方ひとりのHPを全回復させ、全てのステータスを10%上昇させる。
クールタイムは10分。
まさかの回復スペルだった。ポーションいらずで結構便利そうね。でも人見知りのせいでうまく戦えない可能性もあるけど、少しずつ人見知りも治って来たから多分大丈夫!
とりあえずステータスの確認だけしておく。
鈴仙
Lv20
HP 75/75
MP 78/78
【STR 60】(+11)
【VIT 25】 (+5)
【AGI 65】(+25)
【DEX 60】(+15)
【INT 20】
装備
頭 【玉兎の耳:波長を操る程度の能力】
体 【三日月のブレザー&ブラウス:スペルカード】
右手 【ルナティックガンI】
左手【ルナティックガンII】
足 【玉兎のスカート】
靴 【跳躍のローファー】
装飾品 【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【狙い撃ち】【暗視V】【トリプルアロー】【パワーアロー】【波符『
【散符『
スキルが少ない気もするけどスペルカードがあるから問題はないのかな?
とりあえず明日のイベントはめざせ、十位以内!
スキルの中にスペルカードも含めた方がいいですかね?
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弓使いと第一回イベント
とうとう第一回イベントの開催日が来た。
広場には沢山の参加者がいる。装備も様々で片手剣や大剣、魔法使いなと沢山いますね。
「ドラ〜!NWO第一回イベント開催ドラ〜!僕はこのゲームのマスコット『ドラぞう』ドラ〜。以後お見知り置きドラ〜。」
小さいドラゴンのようなキャラクターが出てきてバトルロワイヤルの説明がされる。
「それでは、もう一度改めてルールを説明するドラ!制限時間は三時間ドラ!ステージは新たに作られたイベント専用マップドラ!
倒したプレイヤーの数と倒された回数、それに被ダメージと与ダメージのこの四つの項目からポイントを算出し、順位を出すドラ!さらに上位十名には記念品が贈られるドラ!みんな頑張るドラ!」
とりあえず死なないように気をつけてやっていこうかな。
「それではカウントダウンドラ!5!4!3!2!1!スタートドラ!」
カウントダウンが終わると専用マップへと転移した。
光が収まると、岩山が広がるマップにいた。いつでもルナティックガンを出せるように準備する。
しばらく歩いていると、片手剣を持った青年が現れる。
「出逢って早々悪いが倒されてもらうぞ!」
青年が片手剣で切り掛かってくるがそれを避けて、至近距離からMPを込めた弾幕を打ち出す。するとアッサリ光として消えた。
今度は岩に囲まれた場所に来ると、戦斧や大剣、魔法使いが10人程度で同時に襲いかかって来る。
「スペルカード発動!【散符『
スペルカードを発動すると全方向に丸い弾幕と銃弾幕が同時に襲いかかり、全員が光と消えた。
弾幕を消してまたキルを取りに向かう。
【MWO】第一回イベント観戦席3
261名前:名無しの観戦者
てかこの兎耳のやつもヤバくね?
もう90人は倒してる
262名前:名無しの観戦者
鈴仙って名前なのか
謎の魔法で全方向に攻撃を行ってる
263名前:名無しの観戦者
見た感じあのカードが元になってるのか?
てかなんて読むんだ?
264名前:名無しの観戦者
でもMPの消費量は少ない感じだな
読み方は『れいせん』みたいだぞ
265名前:名無しの観戦者
てかこのゲーム、銃なんてあったんだな
266名前:名無しの観戦者
多分弓使いなんだろうな
267名前:名無しの観戦者
こいつの顔を見た瞬間相手が何故か岩や味方を攻撃してるな
268名前:名無しの観戦者
催眠系の魔法か!?
269名前:名無しの観戦者
こいつもメイプルもおかしいわw
そんな話になっていた。
その頃鈴仙はダメージをうけて、岩山に囲まれたところに追い詰められていた。
「ハァハァ・・・」
「やっと追い詰めたぞ!遠距離タイプのお前には近距離はキツいだろ。トドメだ!」
戦斧を持った中年男性が飛び上がり、戦斧を振り落とす。
「スペルカード発動!【生薬『国土無双の薬』】!」
HPを全回復して、アップしたAGIで戦斧を避ける。そのまま、相手の横をすり抜けて逃走する。
岩山を飛び跳ねながら移動して、移動途中にいたプレイヤーは全部倒す。
岩の近くで休憩する為に立ち止まるとドラぞうが現れた。
「後一時間ドラ!現在の一位はペインさん、二位はドレッドさん、三位はメイプルさんドラ!これから一時間上位三名を倒した際、得点の三割が譲渡されるドラ!三人の位置はマップに表示されているドラ!それでは最後まで頑張るドラ!」
とりあえず近くにいるのはドレッドって言う二位の人だけど、私じゃ勝てないから普通のプレイヤーを倒していこう。
「終了ドラ!結果、一位から三位の順位変動はなかったドラ!それではこれから表彰式に移るドラ!」
三位のメイプルは噛み噛みで少し笑ってしまった。
なお、自分は四位でした。
その夜はNWOのスレはメイプルと鈴仙の話題で持ちきりだったそうだ。
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弓使いと回避盾
イベントが終わってから数日後。
二層が追加されたが未だに行っていない。ひとりだとキツいと思ったから、誰かに話しかけようとしても人見知りで話しかけられない。
ふと顔を上げると、広場でメイプルが茶髪の女の子と話している。流石に初めての人がいると話しかけづらい。そんな風に思って通り過ぎようとしていたら、
「あ、鈴仙!こっちおいでよ!」
「えっ!?」
私は突然話しかけられて、ビクッとして止まる。茶髪の女の子はメイプルに対して質問をする。
「メイプル、知り合い?」
「うん、私の友達。サリーにも紹介しようと思ってたんだよね」
「あぅあぅ・・・」
緊張で言葉が出てこない。どうしよう・・・、メイプルも居るのに恥ずかしいよ・・・。
「鈴仙、私の友達のサリーだよ」
「メイプルの友達のサリーよ。よろしくね」
「あぅあぅ・・・、鈴仙です・・・」
サリーさんが握手を求めてくるので恐る恐る手を握る。まさかのパーティも組んでくれた。メイプルには感謝しかない。
この後メイプル達は地底湖に真っ白な素材を取りに行くそうだ。
「あ・・・あの、わ・・・私もついて行っていいですか・・・?」
「ん?いいよ。サリーも良いよね?」
「まぁ、メイプルがいいなら私もいいけど」
まさかのOKで少し驚いてしまった。その後メイプルはサリーさんの背中に乗り、私とサリーさんは走って向かうことになった。
道すがら、モンスターはメイプルが大盾に吸い込んでしまうので暇だった。
そのまま地底湖に着いてしまった。
地底湖に来ると私たちは釣竿で白い魚を釣り上げては倒して、白い鱗を回収していく。
しばらくするとサリーは湖に潜っていった。それから毎日、メイプルとサリーと共に地底湖に通っては釣りをやった。ずっと学校ではひとりぼっちだった為にとても楽しかった。レベルも上がるし、メイプルとサリーとも仲良くなれて嬉しかったわ。
毎日通ってから一週間後程度がたってからサリーが湖の底にダンジョンを見つけたらしく、そこをクリアしてユニークシリーズを装備して帰ってきた。
「うぁー!サリーかっこいい!」
「うん、かっこいいね」
私もメイプルもサリーの装備を褒める。青いローブや服がとてもサリーにあっている。すると、運営から通知が入った。
「なになに?第二回イベント決定ね。次のイベントは探索系みたいだね、それにパーティも組めるみたい」
「じゃあサリーと鈴仙と一緒にできるね!」
サリーの教えてくれた情報でメイプルが私をも入れてくれてる。
「わ、私なんかで良いの?」
「うん!私は鈴仙の初めての友達なんでしょ!そんな大事な人とは戦いたくないからね」
メイプルとサリーとパーティを組んでイベントやる約束をして3人ともログアウトする事にした。
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弓使いと階層攻略
次の日
メイプル達からメッセージが届いて、階層攻略に一緒に行こうと言われたからすぐに二階層へ行ける遺跡に向かう途中でモンスターを倒しつついく。
遺跡に着くとメイプル達が待ってくれていた。
「誘ってくれてありがとうね。1人じゃキツかったと思うし」
「鈴仙も来てくれて嬉しいよ!」
「私からもありがとうね」
メイプルとサリーと少し話してから遺跡に入って、すぐに猪のモンスターが四体突進してくるが、メイプルの大盾に吸い込まれてしまった。
メイプルに聞くと【悪食】というスキルだそうだ。
更には、サリーの【蜃気楼】と言うスキルも見せてくれた。
「貴方達だけに任せられないわね!スペルカード発動!【波符『
前から向かってきた狼のモンスター十体に洞窟一杯に広がる銃弾型の弾幕が襲いかかり、狼は一瞬で光と化す。
「うわーっ、凄い綺麗!」
「これは凄いね。これもスキルなの?」
「そうよ、スペルカードって名前なの」
少し歩きながらスペルカードについて教えてあげた。モンスターはメイプル、サリーも撃退できて簡単に最奥までやってこれた。
ボス部屋まで着くとすぐに根っこで塞がれた入り口が開き、中に3人とも入るとすぐに閉まってしまう。
部屋の中心に大樹で出来た鹿のような巨大モンスターが出現した。脚を踏み鳴らすと、巨大な蔦が襲いかかってくる。
「よっ、と!」
「ははっ!遅いね!」
「弾幕に比べたら遅い遅い」
メイプルの大盾は正面からその蔓を受け止めて飲み込む。サリーは自慢の回避力で、自分は空を飛び、唸りを上げて襲いかかる蔓を難なく躱す。
メイプルがカウンターとばかりに毒竜を放つ。
しかし、毒竜は障壁によって塞がれる。魔法陣を潰す為に鹿の角のりんごを全て破壊すると、鹿に攻撃が通る。
「サリー、いくよ!」
「うん!鈴仙!」
2人揃って、鹿に向かっていく。蔦は全てメイプルが引き寄せてくる為、近づくのは簡単だった。しかしメイプルは高くつきあげられ、地面に落下して気を失ってしまった。
その為に、蔦がこっちに標的を変更してきた。
「ここは私に任せて!スペルカード発動!【散符『
自分とサリーにくる弾幕によって蔦を寄せ付けない。
「ありがとう、鈴仙!【ダブルスラッシュ】!」
体を回転させて両手のダガーでの四連撃で鹿にダメージを与えていく。
そしてサリーはそのまま顔を背中に向かって駆け上がっていく。自分も弾幕で蔦がサリーのとこに行かないように攻撃する。
「【パワーアタック】!」
額から首筋にかけてを切り裂く二連撃、さらに、火魔法でその背中を焼いていく。
そしてそのまま鹿は光と消滅した。するとメイプルが起きたらしく、
「ええええええっ!?」
「ごめん、鈴仙と一緒に倒しちゃった」
そのまま3人で第二層へと向かっていった。
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弓使いとイベント前の下準備
イベントの二週間前
こないだ、メンテナンスが入りました。一部スキルの弱体化、モンスターAIの強化、防御貫通スキル追加なんかがされたそう。
多分、メイプルも弱体化したと思う。でも何故かメイプルはこれでも弱くならないだろうという謎の根拠がある。なんでかは分からない。
今日の予定はイベントの為にレベル上げとスキル購入。自分はちょこちょこスキルを購入してる為に少しだけ増えている。
鈴仙
Lv23
HP 85/85
MP 80/80
【STR 65】(+11)
【VIT 27】 (+5)
【AGI 70】(+25)
【DEX 62】(+15)
【INT 25】
装備
頭 【玉兎の耳:波長を操る程度の能力】
体 【三日月のブレザー&ブラウス:スペルカード】
右手 【ルナティックガンI】
左手【ルナティックガンII】
足 【玉兎のスカート】
靴 【跳躍のローファー】
装飾品 【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【狙い撃ち】【暗視V】【トリプルアロー】【パワーアロー】【跳躍I】【調合I】【気配察知III】
【超加速】【波符『
【散符『
【調合I】はスキルショップにあったやつなのだか、本来はINTが30を超えてないと習得できないのだか、習得出来てしまった。これも自分が鈴仙だから習得出来た?
【超加速】は二層に来てからすぐにイベントをこなしてクリアした。【気配察知】、【跳躍】は気がついたら入手していた。
まずはスキルショップに向かう。
スキルショップの巻物を開いて読んでいるが中々いいスキルがない。結局スキルを買わずに店を出る。
レベル上げの為にモンスターが沢山出現する場所へ向かう。
モンスターが出現するフィールドにやって来たが、スペルカードでまとめて倒したいのでモンスターと戦っている水色の鎧で金髪の男性の横を通り過ぎる。
なんかさっきの鎧の人に見られていた気がするが気にしない。
森の中なら目立たないと思って森の中でモンスターがいたら通り過ぎ様に弾幕を打ち込み、光と消す。
モンスターをおびき寄せて、わざと囲まれる。
「スペルカード発動!【散符『
弾幕でまとめてモンスターを倒す。それを一日中繰り返していた。引きこもりだから時間はたっぷりある。
???side
戦ってたモンスターにトドメを刺してからさっき横を通った少女について考える。
「さっきの女の子は・・、第一回イベント4位の鈴仙か」
彼女のスキルなどは一切分からない。いつかメイプルと彼女とは戦ってたみたいものだな。
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弓使いと第二回イベント
とうとう第二回イベント当日になった。事前準備も万全で第二層の広場でメイプル、サリーと落ち合う。
「これから一週間一緒に頑張ろう!」
「ゲーム内では一週間だけど現実だと二時間だからね」
「メイプルとサリーは仲良しね。羨ましいな」
メイプル達と話していると少し離れた所で赤髪でマントを羽織った女の人が演説をしている。そんな感じで少し待っていると、広場の中心の上にマスコットのドラぞうが現れる。
「これから第二回イベント開始ドラ!今回のイベントは探索型!目玉は転移先のフィールドに散らばる三百枚の銀のメダルドラ!これを十枚集めることで金のメダルに、金のメダルはイベント終了後スキルや装備品に交換出来るドラ!」
その金のメダルは前回のイベントの記念品と同じモノだった。つまり前回10位以内の人は既に金のメダルを所持しているようだ。
「プレイヤーを倒して、メダルを奪うも良し!我ら加担せずと探索に励むも良しドラ!」
説明が終わり、少し経つと専用フィールドに転移するようだ。
「メイプル、頑張ろう!」
「うん!サリーも鈴仙もよろしく!」
「私が力になれるかは分からないけど頑張るよ」
目標はメダル30枚!それぞれ金のメダル1枚ずつ手に入るように頑張りますか。
すると全員光に包まれて転移した。
転移した先は遠くに山が見える開けた草原だった。しばらく襲ってくるモンスターを撃退しつつ歩いていたが、メイプルが突然地面の下に消えてしまった。
どうやらサリーの【蜃気楼】のように幻が見えていたらしく、洞窟に通じているようだ。
メイプルの提案でその洞窟を進んでいく。出てくるモンスターは雑魚ばかりで私の弾幕一発で光と化す。
少し暗いが自分は【暗視X】のおかげで結構はっきり見える。ボス部屋に着き、中に入ると天井から剣を持ったピエロのようなモンスターが襲ってくるがメイプルに塞がれる。
「鈴仙、いくよ!」「わかったわ!」
「「【超加速】」」
「【カバームーブ】」
サリーと共にボスに向かっていく。
「【ダブルスラッシュ】!」
「通常弾幕!」
サリーがボスの身体を切り裂き、通常弾幕でダメージを与える。その後にメイプル【カバームーブ】で続き、【毒竜】を放ちボスのHPを削りきる。
ボスは光と消え、宝箱と魔法陣が出現する。
「鈴仙も【超加速】をゲットしてたのね」
「便利そうだったからね」
宝箱を開けると銀のメダルが3枚入っていた。
「やった!メダル3枚だよ!」
「1人一枚ずつだね」
メダルを分け合い、魔法陣に乗ると草原に転移した。今度は草原の向こうに見える山岳地帯へ向かうことになった。
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弓使いと強敵
2日目になってから山岳地帯に着き、山を登る。メイプルは辛そうだった為に私が背負って登っている。
「鈴仙、なんかごめんね」
「大丈夫よ。こんなのへでもないわ」
出てくるモンスターはサリーが全て撃退する。山岳の頂上に着くとメイプルを下ろす。雪があるが一切冷たくない。
目線の先にボス部屋に入る為の魔法陣を見つけた。
魔法陣に乗ろうと思うと、プレイヤーの気配を感じた為、ルナティックガンを構え、サリーも双剣を構える。
「あっ!…クロムさん!」
イズさんの店で会った事のあるクロムさんでした。
「おっ?……メイプルと鈴仙か…ここで会うとは思わなかったな……ああ、俺達に戦闘の意思は無い。勝てるとも思わないしな」
クロムさんは知らない人達とパーティを組んでいるが戦う意志は無いらしく、警戒を解く。
メイプルは見つけた転移の魔法陣をクロムさんに譲ることにしたようだ。私は隅で完全に人見知りでしゃがみ込んでいたんだけどね。
クロムさん達が魔法陣で転移してから、メイプル達とどこに向かうか相談しているとクロムさん達が入った魔法陣が復活した。メイプルは何故なのか分からず聞いてきた。それにサリーと共に私が答える。
「え!?なんで1パーティしか入れないんじゃ無いの?」
「恐らくは探索系ですぐにメダルをゲット出来たか」
「もしくは、とてつもない強敵になす術もなくやられたか」
全員の意見の一致で準備をしてから魔法陣に乗って転移した。
転移した場所は氷に囲まれた部屋で、空は吹き抜けになっている。すると突然鋭く尖った氷が飛んでくるがメイプルが自らのVITでそれを受ける。
飛んできた方向を見るとそこには雪のような白の翼を持った怪鳥が急降下してくる。
ギラついた目に鋭い嘴と爪、強者の持つ風格をその身に纏い怪鳥は広間に降り立った。
「強敵みたいだね。メイプル、鈴仙、行くよ!」
「【カバームーブ】」
怪鳥は魔法陣から氷の礫を飛ばしてくるがメイプルが大盾を下ろして全てを受ける。しかしメイプルにはダメージは通ってない。
怪鳥が爪でサリーを攻撃するがメイプルの大盾に塞がれ、片足を【悪食】で吸収する。
「私もやらないとね!スペルカード発動!【波符『
弾幕を怪鳥を襲って、その後にメイプルの毒竜が襲い掛かるが、冷気で毒竜は凍りつき破壊される。
怪鳥のHPは一割四分程度しか削れていない。HPが高すぎる。
怪鳥は氷のトゲを放ちメイプルにダメージを与えている。サリーと私はメイプルの後ろに隠れて、サリーはメイプルのHPを回復する。
三十秒程度で攻撃が収まったおかげでサリーと私は、【超加速】で怪鳥に近づき、サリーは【ファイアボール】や【ウィングカッター】【ダブルスラッシュ】で、私は通常弾幕二割割増でダメージを少しずつ削っていく。メイプルも毒竜でダメージを与えていく。
怪鳥のHPが半分を切ると真っ黒なオーラに包まれて巨大な魔法陣を展開してきた。私達は嫌な予感を感じる。
「【カバームーブ】【カバー】!」
魔法陣から白銀の極太のビームが3人の視界を真っ白に染めた。
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弓使いと運営
追記 小説の都合上少し最後の部分を変更しました
怪鳥から放たれたビームでやられたと思ったが目を開けると、メイプルが全てを受け止めていた。
メイプルのHPバーを見るとHP1だった。
「スペルカード発動!【生薬『国土無双の薬』】」
メイプルのHPを全回復する。そのままサリーと私は超加速で怪鳥に一気に近づく。
「【ダブルスラッシュ】」
「スペルカード発動!【散符『
サリーと共に飛んでくる礫を避けて攻撃を仕掛ける。それにメイプルが【カバームーブ】で追いかける。
そして三割まで削ってた怪鳥のHPをみんなで削りきる為に最高火力を放つ。
「【パワーアタック】!」
「【毒竜】!」
「スペルカード発動!【波符『
全員の攻撃により怪鳥のHPを全て削りきり、光となって消えた。その後3人で地面に横たわる。
「な、なんとか勝てた〜」
「鈴仙も回復ありがとうね。鈴仙がいなかったらやられていたかもしれないし」
「私も役に立てて良かったよ」
メイプルは【不屈の守護者】のおかげで生き延びたそうだ。少し休んでから探索する。毒の海はメイプル、私とサリーは高い所を探して回る。
するとサリーがある場所で私とメイプルを呼ぶ。
そこに向かうと銀のメダルが3枚とそれぞれ柄が違う卵が三つあった。
緑色の卵に赤と白のしめ縄が巻かれた白い卵、それに薄ピンクの卵がひとつずつあった。
「メイプルが先に選んで良いよ。鈴仙も良いよね」
私はうなずくと、メイプルは緑色の卵を選ぶ。サリーが譲ってくれたので薄ピンクの卵を貰う。サリーは余った白い卵を取る。
この卵の説明を見てみると
【モンスターの卵】
暖めると孵化する。
説明少なっ!
卵はとりあえずインベントリに入れてここから出る為に三つある魔法陣へ向かう。
「メイプル、鈴仙 行き先を選べるみたいだよ」
「私はしばらく戦闘のない場所がいいかな〜」
「私もメイプルに賛成〜」
3人揃って戦闘の少なそうな川沿いを選ぶことにして、転移した。
その頃NWOの運営は・・・
「あー!銀翼がやられた!」
「銀翼?あいつはプレイヤーが倒せる設定じゃ無いはずだろ?」
「あいつは殺傷力の高いスキルを詰め込んだ俺たちの悪意の塊だ」
「一体誰が倒したんだ!?」
映像を見ると毒竜と銃弾などに襲われて倒される銀翼が映っていた。
「メイプル!?メイプルでも銀翼は無理なはずだろ!?」
「機動力が足りないはずだ」
「こいつとこいつだ!この2人がメイプルの機動力になってるんだ!」
そこにはサリーと鈴仙が写っていた。
「そうだ!幻獣の卵は取られたのか!?中身はなんだ!」
「狐と亀、そして兎。まぁまだマシな方だろ」
「そうだ!余裕のあるやつはメダルで手に入るスキルにチェックを入れ直せ!変な使い方が出来そうなスキルを探しておけ!」
アニメでのNWOの運営の会話が大好きです。
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弓使いとテイム
怪鳥の魔法陣から転移した場所は川沿いの平和そうな場所だった。
近くには竹林があり、とても美しい光景が広がっている。
そのまま次の日は周りを探索して小さな小屋やダンジョンでメダルを6枚ゲットできた。
川沿いで3人揃ってモンスターの卵を温めていると、全員の卵にヒビが入る。
それを地面に置いて待っていると
メイプルの卵からはリクガメの様な緑色の亀、
サリーの卵からは首にしめ縄を巻いた真っ白な狐、
私の卵からは黒髪兎耳で薄ピンクの服を着た妖怪兎が生まれてきた。全員、大きさは30㎝程度しか無い。
卵から狐や兎が生まれるとは思ってなかったが、生まれた兎が東方projectの『因幡 てゐ』にそっくりなのだ。その兎の頭を撫でていると3人の卵の殻が指輪に変化した。説明を読んでみると
【絆の架け橋】
装備している間、一部モンスターとの共闘が可能。
共闘可能モンスターは指輪一つにつき一体。
モンスターは死亡時に指輪内での睡眠状態となり、一日間は呼び出すことが出来ない。
【絆の架け橋】を装備すると、この子のステータスが見れるらしく、見てみる。
ノーネーム
Lv1 HP 90/90 MP 90/90
【STR 40】
【VIT 30】
【AGI 65】
【DEX 40】
【INT 60】
スキル
【通常弾幕】
卵から生まれたからなのか、ステータスがかなり高い。
「ノーネームって事は・・・名前をつけてあげないとだね!」
「そっか、それもそうだね」
「やっぱ、あの名前にしようかな・・・?」
しばらく考え込んでいる間、モンスター3匹は仲良くじゃれついている。結構仲良しでよかった。
「そうだ!亀さんの名前は『シロップ』!2人合わせてメイプルシロップだよ〜」
「じゃあ、私は『朧』にしようかな?駄目?
サリーは狐を持ち上げて聞いて、狐は嬉しそうにうなずく。
「じゃあ貴方は『てゐ』よ」
もう最初からこの姿をみてからこの名前にしたかった。原作のてゐとは違って憎らしい感じが一切無くてとても可愛い。
メイプルはシロップの方がAGIが高くてステータス画面を凝視していた。『ウサギとカメ』ならぬ『カメとメイプル』とサリーがメイプルを弄っている。
そのあと3人で弱いモンスターを見つけると、レベル上げの為に攻撃を命令する。
「えっと、シロップ【食らいつき】」
「朧、【狐火】」
「てゐ、【通常弾幕】」
シロップはモンスターに噛みつき、朧は炎で燃やし、てゐは弾幕でモンスターを倒す。六体程度倒して、3匹ともレベル3まで上がった。
「あ、朧が新しいスキル覚えてる」
「シロップもだ」
「てゐもそうだね」
3匹とも同じスキルで【休眠】と【覚醒】。
【休眠】は任意で指輪で休ませて体力を回復させるスキル。
【覚醒】は任意で指輪から出てくるスキル。
その後は3日目が終わるまで3匹のレベル上げに励み、4日目になったら見える砂漠まで歩き始めた。
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弓使いと束縛の鎖
最初はシロップ、朧、てゐを出したまま砂漠を歩いていたが、砂だらけになったりしたために指輪で【休眠】させている。
かなりの距離を歩いているがダンジョンらしきものは一切ない。砂漠なのに暑くないのはありがたい。
「あ、あそこに水場が見えるよ!」
「蜃気楼じゃないといいけどね」
メイプルがオアシスを見つけて走り出してそれをサリーが追いかける。仲良しだなと思いながら二人を追いかける。
オアシスに着くと、ヤシの木の影に人の気配を感じて、サリーはダガーを、私はルナティックガンを構える。
「お前らは前回イベント三位のメイプルと四位の鈴仙か。私も運の悪い」
そこには和服をきた女性がいた。上半身は桜色の着物、下は紫の袴をはいている。そして刀を一本を装備している。
「あの人、前回イベント七位の人だよ」
「え!?そうなの?」
メイプルとサリーが話しているが女の人は申し訳なさそうに話してくる。
「話しているとこ悪いが・・・出来れば見逃してもらえないか?」
「そんなこと聞いて『はい、そうですか』って言うと思うの?」
サリーはダガーを構えつつ、警戒を解かない。
「くっ、【超加速】!」
「【超加速】!」
女の人が【超加速】で逃げるが、サリーも【超加速】で追いかける。オアシスにはメイプルと私だけが残された。
「え?早くサリーを追いかけないと!」
「私が担いで行くよ!」
メイプルを背中に背負うと【超加速】でサリー達が向かった方向へ走っていく。
すぐにサリー達に追いつくとそこは砂の山に囲まれた盆地だった。サリーと女の人がお互い構えているのでメイプルを砂の上に下ろすとメイプルが砂を踏み外してサリーと女の人の間に滑り落ちる。
その瞬間、盆地の中が流砂が現れて三人揃って飲み込まれていく。
「もう!めんどくさいわね!」
自分も飲み込まれていく三人を追って流砂の中へ入る。
流砂から落ちて、洞窟の地面にきっちり着地する。サリーやメイプルも一緒の場所に落ちていた。よくみるとサリー、メイプル、女の人を黒い鎖が繋いでいた。自分には繋がっていない。
「メイプル、サリー、大丈夫?」
「なんとかね、鈴仙も落ちちゃったの?」
「助ける為に追ってきたの。でもその鎖はなんなの?」
サリーとメイプルと女の人は手についている鎖にやっと気づいた。説明を見てみると【束縛の鎖】と出た。繋がっている三人は一人でも死亡すると、繋がっている人全員が死亡するそうだ。破壊も不可能のようだ。
「大丈夫だよ!私が守ってあげる」
「ありがとう、メイプル」
「私も協力するからね」
「なんだか、私が凄く場違いだな」
一時休戦として、お互い自己紹介をした。女の人の名前はカスミ。刀での戦闘を得意とするそうだ。
「じゃあ、自分は動きが制限されてないから先に、洞窟をひとりで下見してくるよ」
「うん、お願いね鈴仙」
サリーに見送ってもらって洞窟の奥へと向かう。
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弓使いと刀
洞窟はかなり枝分かれしていて、迷いやすい。先程、道端で銀のメダルを一枚拾ったので、探索系のダンジョンのようだ。
すると何かが動く音が聞こえたので物陰に隠れる。
すると、通路を埋め尽くすぐらい大きなカタツムリのモンスターが通る。HPバーを確認しようと顔を覗かせるが見る事ができなかった。動く倒せないギミックのようだ。
通り過ぎた後、通路に戻り先に進む。すると分かれ道になっていたので左の道へ向かう。カタツムリを避けつつ、進んでいくと宝箱がポツンと行き止まりに置かれている。
その宝箱に近づき開ける。その中には長刀と少し短めの刀と銀のメダルが3枚入っていた。刀をインベントリにしまうと説明を読む。どうやらこの刀は二本でひとつの装備のようだ。
【楼観剣&白楼剣】
【STR+45】【AGI+20】
スキル【スペルカード】
【破壊不能】
まさかの楼観剣と白楼剣だった。東方projectのキャラの一人『魂魄妖夢』の持つ刀だった。
楼観剣は一振りで幽霊10匹分の殺傷力を持ち、白楼剣は斬られた者の迷いを断つことが出来るとされている刀だ。
見た感じ自分は装備できない為、インベントリの肥やしになってしまいそうだから誰かにあげるかな。
とりあえず頭の中にマッピング出来た為にサリー達の元へ戻る。その途中でかなり上の方に光を放つ穴があった為、覗いてみると出口らしき扉が見えた。
サリー達のもとに戻ると、その事を知らせる。
「ありがとう、鈴仙。メイプルもカスミもそこに向かおう」
「ああ、そうだな」
「よーし、いくぞー!」
四人でその出口らしき場所に向かう。その途中でカタツムリに追いかけられたが巻く事が出来た。
出口らしき場所に着くとサリーの【跳躍】とカスミの【三ノ太刀・孤月】によってギリギリ届き、穴の中に着地する。
自分は空を飛んで、穴に入る。するとサリーがこちらを見てくる。
「え?鈴仙今飛んでなかった?気のせいだと思うけど」
「え?飛んだけど?【跳躍のローファー】をはいていると空を飛べるよ」
サリーとカスミには呆れられ、メイプルは目をキラキラさせている。気にしない方が身のためかと思ったのか、サリーはそれ以上追求してこなかった。
穴の先にあった扉を開けて入ると、三人についていた【束縛の鎖】が光となって消える。
「どうやら、ダンジョンクリアみたいだね」
部屋には大きい宝箱がひとつと転移用の魔法陣がある。宝箱を開けると中には大盾と銀のメダルが3枚入っていた。
「私に盾は必要ない。メイプルが持っていくがいい」
「あ、そうだ。さっき探索した時に刀を見つけたからあげるよ」
私はさっき見つけた楼観剣、白楼剣をカスミに渡す。
「いいのか?スキルもあるのに?」
「カスミが持っている方がその刀も嬉しい方がいいしね」
銀のメダル3枚はサリー、メイプル、カスミで分け合う。自分はダンジョン内で見つけている為受け取らなかった。
転移の魔法陣に乗ってダンジョンの外に出ると外はすっかり夜になっていた。
「もう夜なのね。結構長い間いたのね。あ、そういえば私達、カスミと戦うつもりだったのに・・・戦意がもう湧かないや」
「私もだ。元々戦うつもりは無かったがな」
サリーの考えにカスミも賛同する。するとメイプルが
「じゃあ、フレンド登録しようよ!出会った記念に!」
「ああ、構わないよ。鈴仙もお願い出来るか?」
「う、うん。いいですけど」
カスミとフレンド登録して、別れることになりイベント終了後に会う約束をした。そしてその夜は砂漠で過ごした。
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弓使いと動かない大図書館
皆さんありがとうございます!感想もお待ちしております!
5日目の朝は砂漠を抜けると海岸線が広がっていた。サリーは潜水で少し海の中を見てくるそうなので、メイプルと私は砂浜で遊ぶ事にした。
「鈴仙って人見知りしなくなったよね」
「そ、そうかな?自分では自覚無いけど・・・」
自分の人見知りはそう簡単に治るわけないと思っているが案外間違っているのかもしれないかな?すると近くの森から初期装備の赤髪の男の子がこちらに向かってくる。私はルナティックガンを構えつつ警戒する。
「うわ、やめてよ。僕に戦う意思はないよ。まだレベル6だし勝ち目無いからね」
そういうと、男の子は砂浜にあぐらをかいて座る。
「とりあえず自己紹介からかな?僕はカナデ。君たちは?」
「私はメイプルです」
「鈴仙・・・」
「メイプルと鈴仙だね、よろしく。そうだ、フレンド登録お願い出来るかな?」
敵意は無いようなので警戒を解き、フレンド登録をする。少し眠い為、メイプルに許可を貰って砂浜に寝転がる。メイプルはカナデと共に砂のお城を作るそうだ。ゲームの中だから日焼けの心配もないからしばらく眠れそうだ。
〜少女熟睡中〜
身体が揺らされた為に目を覚ますと、そこにはサリーが戻って来ていた。
「おはよう、サリー」
起きあがると近くに大きな砂の城が出来ていて、メイプルとカナデがボードゲームをしていた。
「そうだ、君たちになら話しても良いかな。これを見て」
そういうとカナデの掌の上に宙に浮かぶ立方体がひとつ出現する。
「これにはスキルがあって【
最後の【動かない大図書館】に私は敏感に反応する。東方projectに登場する魔法使い『パチュリー・ノーレッジ』の二つ名と同じなのだ。
「ひとつだけ、質問いい、かな?」
「鈴仙だっけ?いいよ、答えられる範囲なら」
【動かない大図書館】と付いている時点でほぼ確定な気がする。カスミに渡した楼観剣、白楼剣にも同じ効果がついていたのだから。
「【動かない大図書館】ってのには、【スペルカード】って項目が無かった?」
するとカナデは少し驚いたような顔をして答える。
「すごいな、確かに【スペルカード】って項目はあったけど説明も出ないからよく分からないんだよね」
「それはレベルを上げればわかるようになるからね」
スペルカードの詳しい説明はパーティー組んだ時にでも話してあげれば良いや。するとカナデがある一冊の古い本を渡してくる。
「フレンドになった記念にあげるよ。【古ノ心臓】ってやつでね、それを解くとあるダンジョンに行けるようだよ」
「カナデはもう解けたの?」
「うん、簡単だったよ」
メイプルはカナデに答えを聞こうとしてもカナデは自分で考えないとダメといって教えてくれない。それが普通だ。カナデはヒントとして、近くの遺跡の中心にある空の噴水が関係あると教えてくれたのでカナデでと別れて三人で向かう事にした。
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弓使いと小さなスイートポイズン
カナデに教えてもらった遺跡の空の噴水は真ん中に大きい水溜があり、その周りに三つの小さい空の噴水がある。
古ノ心臓には『湧水ニ導カレ、淡イ光ノ中、ソノ姿ヲ現サン。勇敢ナル者ヨ、魔ヲ払イテ、青ク静カナ海へ』と書かれているので水で満たすといいのじゃないかと提案したが、水を出せるのはサリーの【大海】しかない。
「大丈夫だよ!水を出せるのはサリーだけじゃないよ!」
メイプルは少し離れて【毒竜】を出す。サリーは少し呆れながら【大海】を発動する。一応、毒竜が放つ毒は液体だからいけるとは思うけど。
液体が四つの噴水を満たすと中心が光り始めてそのまま何処かに転移した。
転移した先は海底に広がる空気のドームだった。そこには色とりどりの魚が泳いでおり、幻想郷のように幻想的だ。そんな風に景色を見ていると周りの海から太いゲソのような物が襲いかかってくる。
「【カバームーブ】!」
メイプルの闇夜ノ写が悪食でゲソを吸収する。遠くに50mはあるイカモンスターが見えるが、HPバーは一切削れていない。
「もしかして、本体を攻撃しないとダメージが通らない!?」
サリーはイカに攻撃に行けるがメイプルは溺れるのは確定。自分は泳げるが、そこまで器用には動けない。このままではジリ貧ね。
「なら、私に任せて!」
メイプルが笑顔で短刀を上に向けながら、こたえる。短刀をかざしている時点でなんか嫌な予感がする。
「【毒竜】!【毒竜】!【毒竜】!」
毒竜が綺麗な海にどんどん入っていって、溶け出していく。魚は毒によってどんどん沈んでいく。イカも猛毒によってHPがみるみる削れていく。そのままイカはHPが0になり光と消える。
「まぁ、楽が出来たから別にいっか」
「そうだね」
サリーと私はメイプルによってあっさり倒されたイカを哀れに思いながら出現した魔法陣に向かう。メイプルも嬉しそうに来て、魔法陣にのると、転移する。
転移した先は、まさかの水中だったが息は出来るのでメイプルも溺れる心配が無い。かなり広い空間で探索していると、やっと宝箱を見つけた。
「鈴仙、メイプル 開けるよ」
サリーが宝箱を開けるとその中には銀のメダルが5枚とスキルの巻物がひとつ入っていた。
「ねえ、スキルを見てみようよ!」
「そうだね、じゃあ説明を開くよ」
サリーがスキルの巻物の説明を開くとこのように書かれていた。
【小さなスイートポイズン】
使うとスキル【スペルカード】を習得出来る。
習得条件
身長が150cm以下で、【毒無効】又は【毒竜】を習得している
説明を読む限り完全にメイプル専用の巻物のようだ。しかし今度は『小さなスイートポイズン』が出てくるとは。東方projectのキャラクターの一人『メディスン・メランコリー』の二つ名で能力は『毒を操る程度の能力』で完全にメイプルとぴったりのキャラだ。
「これはメイプルしか習得出来ないから、使っちゃってよ。鈴仙もいいよね」
もちろん私は賛成だ。なので無言でうなずく。メイプルは嬉しそうに巻物を使い、【小さなスイートポイズン】を無事に習得して【スペルカード】が追加された。
「スペルカードって、鈴仙が使ってたやつと同じだよね!私もあんな感じのが使えるんだね!」
メイプルはレベルが20を超えていた為に同時に二枚のスペルカードを習得していた。
入手していたのはこの二枚だった。
【毒符『憂鬱の毒』】
【毒符『ポイズンブレス』】
毒だらけでメイプルがかなり強化されたような気がするが気にしてはいけない。
毒で出て来たのがメディスンだったので、メイプルにメディスンの力をあげたくなった。後悔はしていない!
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弓使いと6日目
海底でメダルを入手してから地上に戻ってくると、夜中になっていた。
つまり探索6日目になったわけだ。しかし、銀のメダル30枚の目標までここまでは20枚しか手に入れていない。
「そろそろ、プレイヤーを積極的に狙っていかないといけないわね」
サリーの言う通り目標を達成するにはその方法しかない。なので近くにある山の中腹にあるクリアされたダンジョンらしき洞窟にメイプルは待機していてもらう。
前回イベント3位の為、有名人なのだ。つまりプレイヤーはメイプルを見たら逃げてしまう可能性があるためである。
「でも、鈴仙もイベント四位だったよね?鈴仙も待機してる?」
サリーの提案は却下して、自分は別のダンジョンで集める事にする事を話す。
メイプルにサリーと一緒に朧とてゐを預けておく。メイプルが洞窟から手を振って見送ってくれる。
サリーが向かった森とは反対方向へと向かう。
目の前に大剣、杖、片手剣を持った男の3人パーティが居る。3人は近づいてくる自分に警戒して武器を構える。
「スペルカード発動!【散符『
スペカの弾幕で相手を一瞬で光と化す。するとその場所には銀のメダルが1枚落ちていた。
「これはラッキーね」
メダルを拾ってから、またダンジョンを探して移動する。プレイヤーを何人もぶちのめしながら、返り討ちにしたりしているがダンジョンは一切見つからなかった。
いくつかダンジョンっぽい場所はあったが全部クリアされており、収穫0だった。
自分もプレイヤー狩りに変更するとメダルが更に4枚ゲットする事ができた。
そろそろプレイヤーとも出会わなくなったのでメイプルの待つ洞窟へ戻ると、洞窟の入り口でサリーとも出会う。メイプルとも合流する。
「サリー、メダルは何枚取れた?」
「ふふふ、驚かないでよ。5枚」
自分も5枚取れた事を教えると、メイプルも嬉しそうにしてくれる。そのあとてゐを返してくれる。奥に弱いモンスターがいたのでレベリングもしてくれたそうだ。
「あとはここで最終日まで待機だね」
サリーがそんな風にいっていると洞窟の入り口から誰かが近づいてくる足音が聞こえる。振り向くとそこにはカスミがいた。腰には楼観剣、白楼剣を装備している。カスミは襲ってくる気は一切ないようで私たちの近くに座り込む。
「メイプルとサリー、それに鈴仙か。2日ぶりくらいか」
「カスミこそ何しに来たの?」
「私も金のメダルを持っているからな。少し身を隠そうと思ってな」
四人でここで身を隠すと事になったので四人でメイプルが持っていたボードゲームで遊ぶことになった。入り口はメイプルの【毒竜】で塞いである。なお、毒耐性を持っているからと、踏み込んだプレイヤーが死亡するという事が入り口で起きていたそうだ。
イベント終了時間になると、ドラぞうが現れる。
「ドラ〜!イベント終了ドラ!転移した先でスキルを選ぶドラ〜!時間制限はないからじっくり考えるドラ!」
カスミとはイベント後に会う約束をしているのでそのまま別れる。
転移した先でスキル欄を見て銀のメダル10枚あった為に元々持っていたのを合わせて金のメダルが2枚になった。スキルを二つ選んでいるが中々いいスキルが無い。
MP強化系を見つけたのでそれを手に入れた。
【MP強化中】
【MPカット中】
これでスペルカードのMPを節約できる。スキルを手に入れてから広場に戻ってからメイプル、サリーと共に砂漠に向かう。メイプルの天然すぎる巨大化するシロップで空を飛んで、毒の雨を降らすという摩訶不思議な行動に呆れた。
その日の夜、NWOのスレでは怪鳥の話やプレイヤーを襲う青い人?の話で盛り上がっていた。
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弓使いとギルド
第二回イベントから3日がたった。
その間に、『光虫』がフィールド上に出現してそれを捕まえると街にいくつも存在している入れない家を自らのギルドホームとして使用する事が出来るそうだ。
『炎帝の国』は既に大規模ギルドとして発展している。
第一回イベントの10位以内はどこのギルドも欲している為、誰かが誘ってくれるのを待っている。自分がギルドリーダーなんて出来るはずないからね。
暇なので森でレベル上げをしているとフレンドのメッセージ欄にお知らせがくる。送り主はサリーで、メイプルとサリーへのギルド勧誘だった。すぐに返信で『ぜひ、入らせてもらいます』と、送ってから第二層の広場へ向かう。
広場に着くとそこにはイベント中に出会ったカナデとカスミもいた。
「あ、鈴仙も誘われたの?」
カナデとカスミで少し話していると、サリーとメイプルがやってくる。
「三人ともギルド勧誘受けてくれてありがとう!」
メイプルは笑顔で喜んでいる。
「僕も誘ってくれて嬉しいよ」
「メイプルのギルドなら、こちらから頼み込んで入りたいぐらいだ」
「私もメイプルのギルドなら嬉しいな」
カナデ、カスミ、私は順番にメイプルにお礼をいう。そんな感じで話していると、クロムさんとイズさんがメイプルに気付いて声をかけてくる。
「あら、メイプルちゃんにサリーちゃんと鈴仙ちゃんじゃない。ギルドの勧誘?」
「えっと、確かあなたは第一回イベント7位のカスミさんで、そっちは?」
カナデを見つつ、クロムさんが聞いてカナデは自己紹介をしている。するとメイプルはクロムさんとイズさんを勧誘し始めた。クロムさんとイズさんはすぐにギルドに入ってくれる事になった。
サリーがここにいる全員をギルドメンバーに登録すると、自分達のギルドホームへ移動する。
〜少女達移動中〜
メイプル達のギルドホームは大木の中をくり抜いたような見た目の家だった。中も中々に広くて秘密基地感があってとても良い。
中の大広間のテーブルの椅子にみんな座ると、メイプルがリーダーとなり、自己紹介とギルドの名前を決めた。
ギルド名はメイプルからとって〈楓の木〉になった。
するとカナデが話しかけてくる。ここにいる全員がこの話に耳を傾けている。
「鈴仙、こないだ僕の【スペルカード】について『レベルが上がれば分かる』って言ってたよね。それはこれの事を指してたんでしょ?」
カナデは懐から一枚のカードを取り出す。そこには【火符『アグニシャイン』】と隅に書かれている。
すると、カスミも同じようなカードが二枚懐に気づいたら入っていた事を思い出してそれを取り出す。
それには【人符『現世斬』】と【断命剣『冥想斬』】と書かれている。
自分はうなずくと、カナデは納得したようにうなずき笑顔を返してくる。
「やっぱりか。でも僕はありがたいよ。一回使ってみたんだけど威力が桁違いだったんだよね」
それより威力が上のスペルカードがある事は黙っていよう。カスミは怪しかった為、使ってなかったようだが今度使ってみるとのことだ。
クロムさんやイズさんは話が分からなくてポカンとしていた。
クロムさんにぴったりな東方キャラって一体誰でしょうか?
感想に書いてくれると嬉しいです!
自分的には芳香かと思っています
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弓使いと第三回イベント
ギルドでスペルカードの説明をしてから、鉱石集めと資金集めに向かう事になった。
メイプル、イズさん、カナデは鉱石採取、私とカスミ、サリー、クロムさんは資金集めに向かう事になった。
メイプル達は巨大化したシロップに乗って鉱山へ向かって行った。残った四人でモンスターが多い森にやってくる。入ってからすぐにモンスターが襲ってくるが、サリーが避けつつカウンターでモンスターを倒す。
「サリーちゃんもやばかったか・・・。これは俺たちは必要ないよな」
カスミもクロムさんはサリーのカウンター攻撃を眺めつつ呆れている。青いオーラを纏っているので何かのスキルだろう。すると、サリーがモンスターを倒し切ってこちらに戻ってくる。クロムさんは青いオーラについて聞いてみると【剣の舞】というスキルのようだ。
「今度は鈴仙の番だね」
私はうなずくと、少し開けた場所に向かうとすぐにモンスターが襲ってくるが懐からスペルカードを取り出して発動する。
「スペルカード発動!【波符『
銃弾型弾幕が円状に襲いかかっていき当たったモンスターは光と消える。撃ち漏らしは通常弾幕で牽制する。
「鈴仙ちゃんもあっち側だったのか」
「私は少しだけ見たことはあるな」
なんか小声で話しているが、【玉兎の耳】のおかげで耳が良いので丸聞こえだ。
するとクロムさんの後ろからモンスターが襲ってくるが大盾で牽制して短刀で攻撃する。
「これが本来の大盾使いだぞ」
「メイプルが異質なだけだから・・・」
サリーとカスミがクロムさんを見つつ、話している。クロムさんはモンスターを牽制しつつ、カスミとサリーも援護に入る。カスミは楼観剣を構えるとスペルカードを発動する。
「スペルカード発動!【人符『現世斬』】!」
MPを纏った一閃を放つと味方を巻き込まずに、半径三十メートル以内の敵を消滅させる。
敵をやっつけてもすぐに別のモンスターが湧いてくる。カスミは今度は別のスペルカードを発動する。
「スペルカード発動!【断命剣『冥想斬』】」
今度は縦に一閃でHPの高いモンスターが一撃で消し飛ぶ。
「このギルドは【普通】の人が少数だからな・・・」
メイプル、サリー、カナデ、鈴仙が異常枠。
クロムが普通枠。
イズは生産枠で、カスミは装備枠で異常枠に片足をつっこみつつある。
「俺も・・・このギルドにいる内に普通じゃなくなるのか?」
「みんなメイプル色に染まっていくのかもね」
この後はモンスターのドロップ品を売却してギルドの資金を確保する事が出来た。
ギルドに戻ってくると、運営から第三回イベントの情報が発表された。
次のイベントまでフィールド上の様々な場所に羊のモンスターが出現して、そのモンスターに新たなスキル【毛刈り】で羊毛を入手することが出来るそうだ。
その羊毛を使う装備は次のイベントでボーナスが発生するそうだ。そんなわけでこの日はログアウトした。
アンケートにご協力お願いします!
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弓使いと死神の鎌
(13) 宮古 芳香 なんでも喰う程度の能力
(21) 小野塚 小町
アンケート結果でクロムは小町の能力にしたいと思います!
今回少し長めです。
羊毛イベントが始まって3日程度たった。
その間にメイプルが羊毛モコモコもこたんになったり、メイプルが味方全員にカバーが働く白い天使になったりした。全部メイプルの変化だか気にしてはいけない。
そんな日にギルドに行くと、クロムさんがテーブルに肘をついてなんかため息をついていた。
「どうしたんですか?クロムさん」
「ああ、鈴仙ちゃんか。少し悩んでいてな。聞いてくれるか?」
クロムさんが話してくれた事は自分はメイプルの劣化じゃないかと悩んでいたようだ。それは仕方ないと思ってしまうので、気分転換でレベル上げに行く事をおすすめした。
「それもそうか。悩んでも仕方ないな」
クロムさんは大盾を持ってレベル上げに向かった。玄関でメイプルと出会ったらしく、シロップを貸してあげていた。
クロムさんはそんな事しないけど、シロップを持ち逃げする人も居るかもしれないから安易に人に貸すのはダメだとサリーと一緒に説教しました。
クロムside
メイプルちゃんは人を信じすぎるのがな。でも借りた後、ギルドの中から鈴仙ちゃんの怒鳴る声が聞こえたからメイプルちゃんが説教されてたんだろうな。
シロップを抱きながら草原を歩いていると少し離れた場所に遺跡のようなものが見える。あんなのこれまであったか?近づいてみると、どうやら隠しダンジョンの入り口のようだ。
「よし、行ってみるか」
ダンジョンに入るとすぐにゾンビが襲いかかって来る。それを大盾で塞ぎ、短刀で反撃で倒す。
「貸してくれたから少しレベル上げしてやるか」
シロップにも攻撃させて経験値を入れる。HPを削られても【バトルヒーリング】でHPを回復して、どんどんダンジョンを進んでいく。しばらく戦いながら進んでいるとシロップが新たなスキルを覚えた。【大自然】と【精霊砲】と出ている。
しばらく進んでいくとボス部屋への扉があった。扉を開けて中に入ると
赤い鎧を身につけたスケルトンが起き上がり、こちらに襲いかかって来る。
「早速試してみるか!シロップ【大自然】!そして【巨大化】からの【精霊砲】!」
すると地面から蔦が伸びていき、スケルトンの動きを止める。そこに巨大化したシロップからビームが放たれてダメージを与える。
スケルトンのHPが半分を切ると大量のスケルトンを呼び出して片手には巨大な戦斧、もう片方の手には片手剣を持っている。
「第二形態か?もっとメイプルちゃんを見習った方がいいんじゃないか?」
何度も攻撃を喰らってしまい自分のHPがゴリゴリ削れていく。【バトルヒーリング】では回復が間に合わない。大盾も砕けて消えてしまった。
シロップの【大自然】でスケルトンの動きをとめて近づき、【炎斬】を繰り出してボスのHPを削り切る。
すると棺桶がドシンと出現して転移用の魔法陣が出現する。
「あー、疲れた。やっぱり大盾は防御専門だな」
現れた棺桶を注意しつつ、開けるとそこには真っ赤な鎧、鉈、形が歪んだ巨大鎌が入っていた。
「もしかしてこれが、報酬か!?」
それらをインベントリしまうと説明を読んでみる。鎌以外がユニークシリーズで『血塗れ髑髏』『血染めの白鎧』『首落とし』『怨霊の壁』と出ている。
「つ、強い。呪われそうな見た目と名前を除けば完璧だ」
全部装備してから最後に形が歪な巨大鎌の説明を見てみる。
『死神の鎌』
【STR+40】
【距離を操る程度の能力】【スペルカード】
「【スペルカード】か・・・。鈴仙やカナデやカスミの装備にも付いている装備だな。それともう一つのスキルは・・」
【距離を操る程度の能力】
自分の居る場所と目的地との距離を操る力が使用可能になる。
このスキルがついたアイテムを装備している時のみ使用可能。
この説明を読んでから『首落とし』を一旦しまい、『死神の鎌』を装備するとまたスキル入手を知らせる通知が来る。
スキル【舟符『河の流れのように』】【投銭『宵越しの銭』】を習得しました。
これで俺もあっち側の仲間入り確定だな。
感想お待ちしています!
追記
サリーにぴったりの東方キャラを考えてコメントしてくれるとありがたいです
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弓使いと極振りプレイヤー2
今日は楓の木のギルドに全員集合している。
こないだ、二週間後の第三回イベントの情報と共に第三層の追加と第四回イベントの情報が発表されていた為だ。
「第四回イベントについてだが『ギルド対抗戦』になるそうだ。時間加速もあるから途中参加や途中退出は出来ないそうだ」
つまり楓の木は今のところ7人しかギルドメンバーがいない為、一人でも減ると戦力はガタ落ちする。だからクロムさんは新たなギルドメンバーを増やす事を提案している。その意見に全員が賛成でメイプルとサリーがギルド募集を出しに向かう事になった。
それ以外は自由なのでクロムさんに話しかける。
「クロムさんも異常枠に仲間入りですか?」
「ああ、こんな装備だからな。もうこのギルドでの普通枠はイズだけだからな」
次の日
メイプルとサリーが帰ってきた。後ろには黒髪の女の子と白髪の女の子がついて来ていた。その二人はそっくりの為おそらく双子なのだろう。
「みんなー、新しい仲間見つけてきたよ!」
すぐにギルドメンバー全員が集まり、二人の女の子の自己紹介が始まる。
「私はユイです。こっちがお姉ちゃんの」
「マイです」
黒髪の子がマイちゃん、白髪の子がユイちゃんね。そしてギルドメンバー全員の自己紹介が終わってクロムさんが話を始める。
「つまり二人は極振りなんだな」
「はい、私とお姉ちゃんもSTR極振りです」
二人はしばらく頑張っていたが耐久も素早さも無いためどこのギルドも入れてもらえなかったそうだ。
武器は大槌で完全にパワー特化のようだ。全員二人が入ることに賛成でギルドメンバーに入ることができた。
メイプルはユイちゃんとマイちゃんと一緒にレベル上げ、イズさんは二人の為の武器を作るために工房に篭った。
クロムさんは一層の砂漠へ手に入れた装備を試しに出かける。カナデは解きかけのパズルをクリアをしに向かった。
自分は暇な為、クロムさんについていく事にした。
砂漠に着くとダンゴムシのようなモンスターが襲って来るがクロムさんはHPが削られるが、グングンHPが回復してく為倒れない。クロムさんは『首落とし』をしまって『死神の鎌』を装備する。
「さてと、こっちも試してるか。スペルカード発動!【舟符『河の流れのように』】!」
片手で持った鎌を振るうとクロムさんの足元に木の舟が出現して波が出現してダンゴムシモンスターを襲いかかる。それによりモンスターは光と消える。
「やっぱ、これは凄え。負ける気がしねぇな」
またしばらく試してみたらギルドへと帰った。
帰って来るとメイプル達も帰ってきた。すぐにユイちゃんとマイちゃんについて発表があった。ユイちゃんの背中には直径が40㎝はある杯、マイちゃんは同じくらいの大きさのある瓢箪を持っていた。
「発表でーす!ユイちゃんとマイちゃんはレベル15になりました!」
どうやら一層の『毒竜の迷宮』を周回していたそうだ。レベルを上げていて最後のチャレンジでスキルを二つ入手したそうで、【侵略者】と【破壊王】というスキルだったそうだ。
更に毒竜の宝箱から装備が二つ入手したそうだ
マイちゃんが『星熊杯』、ユイちゃんが『伊吹瓢』というアイテムだそうだ。
どちらも東方projectのキャラの『伊吹萃香』と『星熊勇儀』の持ち物だった。
『星熊杯』
【STR+30】
【怪力乱神を操る程度の能力】【スペルカード】
『伊吹瓢』
【STR+30】
【密と疎を操る程度の能力】【スペルカード】
更に装備した事でスペルカードを習得したそうだ。マイちゃんは【枷符『咎人の外さぬ枷』】、ユイちゃんは【萃鬼『天手力男投げ』】を習得したそうだ。
どちらも大槌を持っていない状態でも使用可能という武器がなくても使える強力なスペルカードを手に入れた。
東方のパワーキャラと言ったら鬼なので勇儀と萃香にしました。
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弓使いと第三回イベント&第三層へ
少し長めです。
ついに第三回イベントが始まった。
イズさんがこないだ羊から刈り取った羊毛で装備を作ってくれた。これを装備していると今回のイベントでボーナスがつくそうだ。
袖や鉢がモコモコの羊毛装備だ。見た目が羊そっくりの真っ白装備だ。
「そ、そのもっとスマートなデザインにならなかったのか?」
「ならなかったの〜。(モコモコ装備のメイプルちゃん達を見たかったからだけど)」
カスミの質問にイズさんはそれを流す。今度はカナデに装備を渡す。赤と白のボーダー柄のコートと帽子だった。
そのあとイズさんと私以外フィールド上に出現する牛モンスターをたおしに向かった。
「あれ?鈴仙ちゃんは向かわないの?私はちょっとだけやってから鉱石を取りに行くけど一緒に来る?」
自分はこの後にイベントに向かう為、断る。少し休めたのでイベントをやるためにフィールドに向かう。
フィールドに着くと身体が丸っこい赤い牛が私の姿を見たら逃げ出す。それを弾幕で撃ち抜き、光と消す。牛を倒した数に応じて報酬が変化するそうだ。
その日はこのまま牛を倒しまくった。
数日後
第三回イベントが終わり、ギルドに久しぶりに戻って来るとイズさんの装備が変わっていた。
古びてところどころ焦げ跡のある茶色のロングコートと大きめのゴーグル、そして焦げ茶色のブーツを装備しており、背中には直径が140㎝はある緑色のポケットが沢山ついたリュックが背負っている。
「あら、鈴仙ちゃん数日ぶりね。貴女を待っていたのよ」
イズさんは緑のリュックの効果を見せてくれる。
【河童印の水陸両用リュック】
【INT+65】
【水を操る程度の能力】【スペルカード】【エンジニア】
やっぱりこれを見る限り完全に東方projectのキャラ『河城にとり』のリュックだったようだ。
【水を操る程度の能力】
水を自在に操る事が出来るようになる。
【エンジニア】
素材とゴールドを使用する事によってありとあらゆる科学兵器などが製作可能になる。
「もちろん、スペルカードも入手したわよ」
習得したスペルカードは二枚で【水符『河童のポロロッカ』】【泡符『撃て!バブルドラゴン』】のようだ。
これで実質生産職のイズさんも戦力確定ですね。
そこにサリーとマイちゃんユイちゃん、メイプル、クロムさん、カスミにカナデと全員集合した。
イベントが終わってすぐに第三層が追加されたのだ。そんなわけでギルドメンバー全員で第三層へのボス戦に向かいます。
シロップ全員で第三層へのボス部屋に着く。中に入ると木が人の形を取った巨人が魔法陣から出てくる。
最初は全員がここまでに手に入れたスキルで攻撃する事になっている。
「【身捧ぐ慈愛】!からの【毒竜】!」
「【ダブルスラッシュ】」
「スペルカード発動!【散符『真実の月』】」
「スペルカード発動!【断命剣『冥想斬』】」
「スペルカード発動!【投銭『宵越しの銭』】」
「スペルカード発動!【火符『アグニシャイン』】」
「スペルカード発動!【枷符『咎人の外さぬ枷』】」
「スペルカード発動!【萃符『戸隠山投げ』】」
様々な弾幕が一気にボスに襲いかかりHPを八割削る。ボスの攻撃は【身捧ぐ慈愛】によってメイプルが引き受けるためダメージを受けない。
「最後は私に任せて!【捕食者】からの【滲み出る混沌】!」
二体の怪物がメイプルの影から出てきてボスを襲っていく。
「なんか目を離すと付属品が増えていくな」
「それがメイプルなんだよね・・・」
クロムさんの発言にサリーがある程度フォローする。
「最後に、【暴虐】!」
メイプルが大きくなった装備に包まれてそれが割れると中から腕が沢山ある怪物が飛び出してきてボスを食いちぎってHPを0にして光と消える。
「ああ・・・とうとう人間を辞めたのか・・・」
「ああ、辞めたな。完全に」
クロムさんとカスミが話しているが2人が使うスペルカードも人間以外が使う技だから人のこと言えないけど黙っておく。
マイちゃんとユイちゃんがびびってしまったので怪物が消えるとメイプルが降りて来る。
「メイプル、あれなんだったの?」
「ああ、あれはね【暴虐】と言ってね。装備の効果が無くなるけどHPが1000になってやられても元に戻るだけ!」
そして楓の木はとうとう第三層に入っていった。
第三回イベント書くことがなかったので第三層へも追加しました。
楓の木でスペルカードを持ってないのは後はサリーだけですね
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弓使いと運営2
今回かなりの難産でした・・・
あとめっちゃ薄いです
第三層は曇り空の機械と道具の世界だった。隣にいるイズさんの目がキラキラしてる。にとりの能力持った人の性なのかな?
とりあえず三層のギルドに向かってから全員バラバラで街の探索をする事になった。
街には様々な機械や道具が点在している。空を飛ぶ機械が売っているがギルドメンバー全員空を飛べるため、いらない。
買い食いしたり、街を見てわかっていくことした。
クレープを食べつつ、移動していると遠くに巨大化シロップが飛んでいるのが見える。なんか嫌な予感がするが、多分大丈夫だと思いたい。
次の日
メイプルは機械神の力を手に入れて帰ってきました。なんかもう見慣れましたね。
そのあとギルドに戻って来るとマイちゃん、ユイちゃんとメイプルが伊吹瓢の中身を星熊盃に注いで飲んでいる。あれって中身お酒じゃなかったけ?
疑問に思ったためマイちゃんユイちゃんに聞いてみる。
「あ、大丈夫ですよ。飲んでも味だけ同じでアルコールは含まれていないんですよ。ステータスにダウン効果がついちゃいますけどね」
【星熊盃】
【STR+10%】【AGI-10%】
注がれた酒のランク(旨み)を上げる、鬼の名品である。
注がれた瞬間に最上の純米大吟醸となる。
これを飲酒するとステータス効果が付与される
(なお、アルコールは含まれていない)
ステータスダウン効果あるけど三人ともデメリット0じゃん。メイプルはそもそも意味ない。
サリーもレベル上げから帰ってきてマイちゃんユイちゃんに回避を教える為にギルドの訓練場に向かっていった。サリーの腰に緑色の大きい葉っぱが付いていたような・・・。
カナデは第二層に行っているそうだ。
その頃の運営は・・・
「おい、カナデが『俺たちの悪ふざけその三十』をクリアしたぞ!」
「仕方ねぇ、あいつは浮遊島のもやってるからな……」
「【楓の木】に悪ふざけを突破した奴が固まってるな」
クロム、サリー、イズ、鈴仙はユニークシリーズ。
カナデは図書館系統。
新入りのユイとマイはSTR上昇スキル。
メイプルはさまざまで、ほとんどのスキルが悪ふざけだ。
これは第四回イベントは楓の木に荒らされそうな気持ちになる。
スペルカードを調整しようにも誰かがロックをかけたせいで下方修正すら出来ない。
「しかし・・・スペルカードはもう諦めないか?こいつらならおかしい事にはならないだろうからな・・・」
「賛成!」
スペルカードは誰が思いついて悪ふざけで入れたがこれ以上楓の木が強化される事は無いだろうな。
メイプルを除く・・・・。
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弓使いと情報収集
第四回イベントまで日にちはある。
今のうちにリラックスするもあり、レベル上げに達するものよし。
自分はメイプル、マイちゃんユイちゃん、サリーと一緒に砂浜のある海のフィールドに来ている。ここはモンスターも出現せず楽しめるリゾートだ。
まぁ自分・・・、泳げないんですけどね!
小さい頃にプールで溺れてから一切泳げなくなった。膝まででもこけて溺れかけたので入ることすら出来ない。悪○の実の能力者かな?
メイプル達はイズさんが作った水着を着て海で水を掛け合っている。自分も水着を着ているが、パラソルの下で砂の城を作ってる。
さっきから誰かに見られているがおそらく他のギルドからの偵察だろう。
ルナティックガンで弾幕を一発その方向を打つとローブを着た男が逃げていく。
しばらくみんなが海から戻ってくるとサリーはすぐにいつもの装備に着替えていた。
「それと、さっきから見てる人出てきたらどう?」
サリーが声をかけるとそこからは金髪ポニーテールのプレイヤーが出てくる。『集う聖剣』のフレデリカだった。
「あー、バレてた?」
自分もずっと気づいていたけどこっちは一切見てなかったから気にしてなかったが、サリーも気付いていたみたい。
「尾行?何のために?」
マイちゃんユイちゃんも意味を分かってないようだ。
「大方、ギルド対抗戦の為の情報収集でしょ。私達のギルド人数少ないから情報が流出しにくいからね」
するとサリーは双剣を持ってフレデリカに話しかける。
「それと、お願いがあるわ。私と【決闘】してくれませんか?」
「なんでそんな事しないといけないの〜?」
確かにNWOには決闘システムがあるがほとんど使われたことはない。
「私が勝ったら『集う聖剣』か『炎帝の国』の情報が欲しいの。貴方が勝ったら私が知ってる情報をなんでも教えてあげるわ」
「オッケー、それならいいよ。でも私は『炎帝の国』の情報しか知らないからそっちでもいいかな」
するとフレデリカとサリーが決闘場へと転移した。
「サリーさん、負けませんかね?」
「サリーなら大丈夫だよ!釣りでもして待っていよう!」
「え?でも貴方達極振りだから釣りは一番苦手じゃない?」
結局、4人で釣りをしてサリーの帰還を待つ事になった。
1時間後、サリーが帰ってくる。
「え?嘘のスキルですか?」
「それをPSだけで再現するのは凄いけどね」
自分はサリーのPSに苦笑いする。サリーが言うには『間違った情報は何も知らないよりも怖い』だそうだ。
そのあとまた全員に海で遊ぶ事になった。サリーはこないだ手に入れた『天狗の団扇』で水を巻き上げていた。装備ショップで裏の商品として売られていたから買ったそうだ。
サリーは東方projectのキャラ『射命丸文』の能力を手に入れたようだ。もうNWO最速のプレイヤーになったでしょ?
『天狗の団扇』
【AGI+30】【MP+30】
【風を操る程度の能力】【スペルカード】
【風を操る程度の能力】
追い風やそよ風、風に関係する事が出来る様になる。
装備している間、常に自分に追い風が起こる。
サリーはレベル30だった為スペルカードは3枚習得したそうだ。
【疾風『風神少女』】
【突符『天狗のマクロバースト』】
【岐符『サルタクロス』】
だったそうだ。結構強力なのが多いな。
さてと、イベントまではリラックスするとしますか。
次回あたりから第四回イベントに入れるかな?
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弓使いと第四回イベント
とうとう第四回イベントの詳細が発表された。ギルドにドラぞうが現れてイベントの説明をしてくれる。
(実際にルールを書くと文字数がエグい事になるので省略。要望されたら書き換えるかも)
ルールを聞く限りオーブを取り合う感じのイベントのようだ。
ギルドに戻りイベントの日程と内容を把握した楓の木の面々は話し合うとそれぞれにイベントに向けての準備を始めた。
幸い、楓の木は全員が参加出来る日程だったので役割を振り分けていく。
メイプル、ユイ、マイ、イズの四人が拠点防衛。
サリー、クロム、カスミ、私が攻撃。
そしてカナデが防衛と攻撃を兼任する形に決まった。
それから準備期間内に各自やるべきことをやりきったところで、ついにイベントがやってきた。
今回は九人での参加である。
「目指すは上位で!」
「異議なし!」
それと同時に専用フィールドへと転移した。
転移した先は洞窟の中で広い場所の中心に楓の木のオーブが輝いている。ここが拠点になるようだ。
「じゃあ、私達は攻撃に」
「おう、予定通りいこう」
時間が惜しいとばかりに攻撃組は自軍から飛び出していく。自分もそれに続いて飛び出す。
洞窟を出ると森が広がっている。木と木の間をくぐり抜けて他のギルドを探す。
しばらく走りながら探していると中規模のギルドを見つける。
ルナティックガンでギルドの近くの木を弾幕で破壊する。それを敵襲と判断したプレイヤーがそっちを警戒しているのでその隙に、そのギルドのオーブを持ち逃げする。
「オーブが無い!?あ、あいつだ!」
プレイヤー達がオーブを取り返す為に追ってくるがそれをあっさりと逃げ切る。それからもさまざまなギルドを回ってオーブを集めまくる。それのおかげで12個も集められた。とりあえず拠点に持ち帰る。
拠点にオーブをセットしてから少しだけ待機する。サリーから少しだけ待機を頼まれたのだ。
すると、ギルド『楓の木』に
「オーブを返して、ブベラッ!?」
マイちゃんが投げた鉄球が片手剣のプレイヤーの顔面を直撃して、光と消える。
「えい、えいっ!」
マイちゃんの鉄球はまあまあの速度で頑張ればかわせるがユイちゃんが投げる鉄球の速度が尋常じゃ無い。鉄球がぶつかった場所に直径1mのクレーターが出来ている。こないだギルドにできた訓練場で能力の使い方をギルドメンバー全員に教えたのだ。
更にレベルアップもしていた為新たなスペルカードもゲットしたそうだ。
そんな事を思っていると剣士の一人がメイプルに剣を突き立てるがダメージすら与えられずマイちゃんの大槌で破壊され、あっさり
それを見届けてから自分はオーブ探しを再開した。
自分の書いているポケモンの小説の話数超えちゃったよ。
まぁこっちの小説書いていて楽しいからいいや
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弓使いとイベント第二位
オーブを集めつつ、森の中を移動していると迷彩のような服を着た男と部下と思われるのプレイヤー数人が一緒にいた。迷彩の男は第一回イベント二位、『集う聖剣』のメンバーのドレッドだった。
近くを通る為に少し待機していると迷彩の男が持っていたオーブを部下のプレイヤーにこう言う。
「お前ら、予定変更だ。オーブを持って全員帰れ。急げ」
他のプレイヤーは戸惑っていたがオーブを持って拠点へと急いで向かった。
「そこにいるんだろ。第一回イベント四位で『楓の木』のメンバーの鈴仙さんよ」
どうやらバレていたようだ。仕方なく茂みから出てルナティックガンを構える。
「お前は強いな。四位なだけある。めんどくさいがここで潰しておかないとな!」
ドレッドは双剣を構えて切り掛かってくるが難なく避けて離れる。そのままルナティックガンから弾幕を放って近づくことを牽制する。
「遠距離タイプかよ。めんどくせー。【超加速】!」
「【超加速】!」
ドレッドの速さについていくように【超加速】を発動して逃げる。ここで戦って手の内をあまり晒したくない。ドレッドの目を見ているとあちら側から攻めてくる。
「【神速】!」
ドレッドは二つ名の『神速』の文字通り【超加速】より早い攻撃が行われ、自分の横っ腹を切り裂かれる。
しかしドレッドには切った手応えがおかしかった。まるで硬い木を切ったような感じだった。
切ったはずの自分の姿が歪み、木になる。
その隙に自分は逃げる。波長を操って幻覚を見せていた。
ドレッドはこのことをペインに報告する事にして、拠点へと戻った。
そのあと自分はオーブを二個手に入れて拠点へ戻った。
その頃、カスミとクロムとイズは小規模ギルドへとオーブを撮りに来ていた。
カスミとクロムがイズを守りつつオーブのある洞窟に近づく。
「準備完了よ!【空中魚雷】!」
イズの緑色のリュックから大きさが70センチはある魚雷十本が洞窟へと発射される。中から悲鳴が聞こえると同時に三人でギルドへと入っていく。
中は突然の襲撃で阿鼻叫喚になっており、そこにクロムの鎌や、カスミの弾幕が襲い掛かる。
弱そうなイズに攻撃をしようにもクロムがイズとの距離を操り、一瞬で移動して防御する為攻撃が通らない。
イズも大型爆弾などで攻撃して手助けをする。ギルドの中にいたプレイヤーを全て殲滅し終わる。
「やっぱりもう全員がメイプル色に染まってしまったな」
「そうね」「そうだな」
クロムの言葉にカスミとイズも納得する。
そんなことを話しながらカスミはオーブを回収して三人で着実にオーブを集めていた。
それぞれがアクシデントが起こらないように努めたのである。
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弓使いとフルメンバー
自分が帰ってきてからサリーは何度もオーブを置きに戻ってくる。それの為今ギルドにはオーブが6個ある。
そしてクロムさん達も帰ってきた為、現在ギルドメンバーが全員集合している。
サリーが奪ったオーブを奪いにプレイヤーがやってくるとサリーは言っている。
「噂をすればだな」
そこに複数のギルドの即席同盟を組んだプレイヤー達が五十人以上でギルドに攻め込んでくる。
「九人で戦うのは三層へのボス以来か。メイプル、いつものを頼む」
「はーい、りょーかい!【身捧ぐ慈愛】!」
メイプルに天使の羽が生え、天使の輪が出現して範囲カバーを発動して味方全員を包む。
その直後に相手が切り掛かったり、魔法が飛んでくるがこちらには一切ダメージが通らない。
「「【ダブルスタンプ】」」
ユイちゃんマイちゃんの大槌によって近づいてきたプレイヤーを一撃で潰す。更にカナデの魔法が飛ぶ。
「【パラライズレーザー】!」
広範囲低威力のレーザーが放たれ、当たると麻痺状態になり、動きが鈍くなった所でカスミやクロムさん、サリーがトドメをさす。自分も高威力の弾幕で相手を貫く。
イズさんを狙う人やオーブを直接狙う人も居るがイズさんのリュックから伸びているマジックハンドによって吹き飛ばされる。
「生産職だからって舐めないでよね。【のび〜るパンチ】!」
相手の数はどんどん減っていくがそのうちのひとりがせめて道連れにしようと突っ込んでくる。
「【ディフェンスブレイク】!」
「【ピアーズガード】」
メイプルに防御貫通スキルを貫通効果を無効にする。そのプレイヤーはフードが落ちた顔を見て呟く。
「メイプルかよ・・・。しくじったな・・・」
その後すぐマイちゃんにトドメを刺された。
残ったプレイヤー達はメイプルを見た瞬間逃げ出すが、クロムさんか距離を操りプレイヤーの目の前まで移動する。
「おっと、逃さないぜ!死神の鎌!」
鎌を横なぶりに振り、プレイヤーを切り裂く。倒し損ねたプレイヤーはサリーによってトドメをさす。
それによって五十人はいたプレイヤーは全滅していた。誰もオーブに触ることすらできなかった。完全勝利である。
そうしている内に空は次第に闇に包まれていき、遂に夜襲と暗殺の蔓延る初めての夜が訪れた。
サリーはその後もオーブ集めに向かっていった。その間私は少しの間眠りにつく事にした。
それから3時間後。
自分が目覚めると、メイプルがメッセージを見てすぐにギルドから出ていってしまった。ユイちゃんマイちゃんカナデは1時間前ぐらいに偵察に行ったそうだ。
自分にも送られてきたメッセージを見るとサリーからだった。そこには短く簡単に書いてあった。
『多分死ぬ。ごめん』
それを見て私もギルドをユイちゃんマイちゃんに任せてサリーの場所へと走り出した。
スペルカードは切り札的存在になってるからあまり使ってないな。
カスミとかクロムとか。
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弓使いとスペルカード
鈴仙がギルドからメイプルを追って行ってから少し時間が経つ。
「メイプルさんと鈴仙さん、間に合いましたかね?」
「マップを見たら同じ場所にいるから大丈夫だと思うよ」
そんなふうに話していると『楓の木』のギルドに足音が聞こえてくる。マイ、ユイがそっちを見るとメイプルではなく『集う聖剣』のドレッドだった。
「はぁ・・・フレデリカも人使いが荒いぜ。本当にメイプルがいないな?これならいけるか?」
ドレッドは双剣を構えるのでマイ、ユイも大槌を構える。その時にギルドメンバー全員に助けを呼ぶ。
「【飛撃】!」
地面を大槌で叩き衝撃波が飛んでいく。二人のSTRだとくらうだけでも致命傷になる。しかしドレッドはジャンプで避けてこっちに近づいてくる。
「【ダブルスタンプ】」
ドレッドは双剣使いの為それを避けてマイに攻撃を仕掛ける。しかしマイはサリーのおかげで双剣は避けることができたが次は無いだろう。
そこにユイが投げた大槌がドレッドに飛んでくる。
「嘘だろ!?」
ドレッドは大槌の持つ部分にぶつかって壁まで飛ばされる。マイとユイは本来両手で持つ大槌を片手で一本ずつ持っている。ユイは大槌は一本は投げた為一本のみ持っている。
「【飛撃】」
三本の大槌によって衝撃波が連続でドレッドを襲う。ドレッドはそれを避けてまたこっちに近づこうとしてくるが、衝撃波の数が多く近づけない。
「私たちはまだ半人前だけど」
「二人合わせて」
「「一人前のあなたを倒すよ!」」
ユイ、マイが一緒に大槌でトドメをさすためにドレッドに向かっていく。
しかしドレッドは二人の四つの大槌による攻撃を避けまくる。それの隙をついてドレッドはユイを双剣で切り裂く。
ユイは光と消えずに霧となって消える。
ドレッドは少し疑問に思いながらも残ったマイを倒そうと動き出そうとすると、突然腕や足が動かなくなる。
手足や身体を見ると、小さいユイがたくさんくっついて行動を阻害している。ユイは【密と疎を操る程度の能力 】で自分を霧にして、攻撃をかわしてから小さい分身になったのだ。小さい状態でもSTRは変わることがないためドレッドは動く事が出来ない。
「わたしはまだやられてない!お姉ちゃん今だよ!」
ドレッドは小さいユイによって双剣を手から落とされる。
「ユイ!そのまま押さえてて!」
マイは大槌を装備から外して、カードを一枚取り出す。
「スペルカード発動!【四天王奥義『三歩必殺』】!」
ドレッドの胸をマイの拳が貫く。貫くと同時にユイはドレッドから離れて分身を消して元の大きさに戻る。
「今回は俺の負けだが、次は万全の状態で・・・な」
ドレッドは光となって消える。
「やったー!勝ちました!」
「ユイ、やったね!」
そこへメイプル達が戻ってくる。
「マイちゃん、ユイちゃん大丈夫?」
「「はい!なんとか勝てました!」」
なんか二人に少し成長を感じた。
サリーが持っていたオーブを十個インベントリから出す。その後にカナデ、カスミ、クロムさん、イズさんが帰ってくる。更にオーブが3個追加する。
全員が集まると、サリーはこのフィールドのマップを映し出す。そこにはほぼ全ての情報が書き込まれている。ギルドの規模なども書き込まれている。
「そろそろプランBに移行しよう」
プランBまたの名を『メイプル解放策』と言う。
原作とは違い、マイちゃんユイちゃんかドレッドに勝ちました。
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弓使いとプランB
イベント2日目
少し外が明るくなってからメイプルがシロップを巨大化してマイちゃんユイちゃんと私を乗せて遠くのギルドから襲いに向かう。
サリーはギルドで泥のように眠っている。
他のギルドに着くと、メイプルが新たに使用が解禁された【捕食者】でギルドに攻撃をかけていく。
その頃のカスミは・・・
メイプルとは別の方向のギルドへオーブを奪いに向かっていた。
森の中を進んでいると、目の前にプレイヤーを見つけた為、後ろから攻撃を仕掛ける。
「警戒が甘いな」
カスミに気づき、剣を振るう。
しかしカスミは迫る攻撃を受け流し、斬り返す。
三人のプレイヤーを倒して、森の中を進んでいるとある1人のプレイヤーとばったり出くわす。
「………おっと、見覚えのある人がきたなぁ」
「……帰るか」
カスミがすっと引き返そうとするものの目の前のプレイヤーは帰らせてくれそうにはなかった。
「俺達のギルドに誘うつもりだったんだけどなぁ」
「悪かったな、メイプルの方が先だった」
どこのギルドも優秀な人材は欲している。目の前のプレイヤーは仕方ないかと呟いてカスミと対峙する。
「第一回イベントで俺負けてるからさぁ〜、今回は勝たせてもらう」
そういうと片手剣と盾を構えるこのプレイヤーは【崩剣】の二つ名を持つ、シンである。
カスミも楼観剣を引き抜き構える。
「【崩剣】!」
シンの声と同時に片手剣がバラバラとなり空を飛ぶ。縦横無尽に飛び回りカスミに襲い掛かる。片手剣を十等分にしてそれを操り戦うのが【崩剣】のシンの戦い方だ。
カスミは楼観剣で飛んでくる剣を弾き返す。それらをいくつか食らってしまうがサリーとは違ってHPが削られるだけで死亡しない。
「【一ノ太刀・陽炎】!」
一瞬でシンに近づき攻撃するがシンは持っていた盾で防ぐ。
「やっぱ早えーな。盾がないと凌げないな」
「これを避けた奴もいたけどな」
崩剣が飛んできた為、カスミはシンから離れる。再び崩剣がカスミに飛んでいく。カスミは白楼剣をも引き抜き、二刀流に変更する。二本の刀で全て防ぐ。
「全て防ぐか、ならこれならどうかな」
シンがそういうと飛んでいた10個の崩剣が二等分になり、20個に増える。数が倍になった事により、対処か難しくなってしまったためにダメージが蓄積していく。
「仕方ない、まだ隠しておきたかったが」
カスミは崩剣から逃げるように離れて、楼観剣白楼剣を構える。
「スペルカード発動!【奥義『西行春風斬』】!」
カスミが振った剣から大量の弾幕が打ち出されて飛んでいる崩剣を次々と弾幕で破壊していく。破壊された崩剣はシンの持ち手の部分に戻っているがしばらく使う事が出来ない。
「まじかよ、遠距離攻撃も出来る様になったのかよ!」
シンが弾幕に気を取られている間にカスミはシンの真後ろにまわっている。
「これでトドメだ」
カスミの楼観剣白楼剣がシンの胸を貫いている。シンは驚いたようにしつつも、悔しそうにする。
「・・・くそっ、また俺の負けか」
そうシンは呟くと光となり消える。
「こないだレベルアップした時に入手したスペルカードのおかげだな」
カスミはオーブ集めに戻っていった。
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弓使いと炎帝の国
メイプル達とオーブを集めていると2日目の昼くらいになっていた。
ほとんどのギルドを全滅させつつオーブを奪ってきた。巨大化したシロップが目立っているけれど誰も奪いにこない。
「えっと、次に狙うオーブは何処だっけ?」
「炎帝の国ですよ、メイプルさん」
メイプルの質問にマイちゃんが返答する。とりあえず炎帝の国が前に見えてきたのでシロップから地面に降りる。メイプルは【身捧ぐ慈愛】を発動してダメージは全員受けない。
すると向こう側に二人の男女のプレイヤーがいる。男のプレイヤーは白と黒のローブをかぶっており、女のプレイヤーは教会のシスターのような服装だ。
ローブの男が【トラッパー】マルクス、シスターが【聖女】ミザリー。
どちらも『炎帝の国』の凄腕プレイヤーだ。
今いる廃墟の道にはマルクスによってトラップが仕掛けられているが自分達はメイプルによってダメージを一切受けない。
蔦などが伸びてきてメイプルの動きを封じてもマイちゃんユイちゃんがそれをぶっ叩いて破壊する。
貫通効果のある魔法は自分の放つ弾幕で相殺する。
マルクスが遠隔でトラップを仕掛ける為クナイのようなものを投げるがそれすら弾幕で破壊する。
「嘘でしょ・・・。トラップを仕掛ける前に破壊するなんて・・・」
メイプルと相手の距離が十分毒竜の範囲内に入った時、メイプルは短刀を構えて
「【毒竜】!」
短刀から毒竜が飛び出してマルクス達を襲うがミザリーは少し離れていた為届かない。
マルクスには直撃するが、ミザリーの【リザレクト】で蘇生される。そこへ、高火力の爆炎が飛んできてノックバックによりメイプルが後ろに下げられる。
目の前には赤髪で赤いマントを羽織った『炎帝の国』のギルドマスター【炎帝】のミィだった。
そのあとメイプルと一緒に前に進もうとするが、ミィの【爆炎】にはノックバック効果があり、一切近づけない。弾幕でも打ち消すことが出来ない火力である。そんな火力でもメイプルには一切のダメージも入っていない。するとメイプルがシロップを指輪から【覚醒】して巨大化させる。
「ユイちゃんマイちゃん、鈴仙はシロップに乗って上空で待機してて。三人とも切り札なんだから」
それに従い、シロップに三人で乗り上空へと浮かぶ。
そのあとメイプルは前に進もうとするが【爆炎】で一切進めない。
するとミィがこんな風に叫ぶ。
「マルクス、ミザリー、あれを使う!時間稼ぎを頼む!」
ミィは詠唱を始めた為、メイプルはチャンスとばかりに近づこうとするがマルクスのトラップの岩壁で塞がれる。その直後ミィの詠唱が終わり
「【火炎牢】!」
それと同時にメイプルが炎で出来た牢に閉じ込められる。継続ダメージのようでメイプルのHPが少しずつ減っていく。それを危険と感じた私はどうしようか考え込んでいるメイプルにメッセージを送る。
『あれを使って!』
メイプルはそのメッセージを見てすぐにカードを1枚取り出して唱える。
「ラストワード!【リターン・オブ・ハピネス】」
ラストワードとは使用すると三時間の間全ての【スペルカード】が使用不可能になる強力なスペルカードである。
メイプルのいる【火炎牢】に弾幕が降り注ぎ、火炎牢を粉々にして破壊する。その直後、メイプルは攻撃が限られている為仕方がなく【機械神】を発動する。
「【全武装展開 砲撃開始】!」
レーザーなどが放たれると同時にイズさんがてにいれた【エンジニア】により機械神も更に改造が施されている。メイプルの背中から四角い金属の箱が四つ展開され、その箱が開くとそこには一箱に九本のミサイルが格納されている。そのミサイルも同時にミィ達を襲う。
煙が晴れるとそこには誰も居なかったが、メイプルの背後にミィが回り込んでいた。マルクスとミザリーは吹き飛んだようだ。
「ミザリーに助けてもらったこの命、無駄にはしない!せめて道連れにしてやろう!【自壊】!」
ミィは自らを犠牲に強力な魔法を放つ。巨大な爆発が起きて煙が晴れるとクレーターが出来ていてその中心には傷一つないメイプルがいた。
シロップに乗っていた私達も地面に降りる。メイプルと一緒にオーブの場所に向かうがオーブはなかった。どうやら持って逃げたようだ。そんなわけで周りにあるギルドのオーブを奪って帰ることになった。
今回のスペルカード【リターン・オブ・ハピネス】は東方ロストワードのメディスンのラストワードから持ってきました。
あと、【機械神】がイズさんによって強化されましたw
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弓使いと後衛
二日目も日が落ちた頃、【楓の木】のメンバーは全員が拠点にいた。
「【炎帝ノ国】はメイプルが罠の殆どを踏み壊したし立て直すのには少しは時間がかかると思うけど……やっぱりオーブを持って逃げられたのは痛いね」
【楓の木】の目標は十位以内だが、一位から十位は同じ景品の為この目標だ。現在、【楓の木】は六位だ。
しかし、大規模ギルドばかりがランクインしている中で小規模ギルドが一つだけ混じっているから一番目立っている。
そして全員で話し合い、イズさんとカナデ、そして私がギルドに残り、他が全員夜の戦場へ向かう事になった。
チームはサリー、マイちゃん、ユイちゃんの三人。
もう片方はメイプル、カスミ、クロムさんだ。私はバランス良くする為ギルドに残る事になった。
カナデとイズさんと私はギルドで三人暇を持て余していた。自分は最初の時に使っていた弓を手入れしていた。これも弾幕に使えないかな?
「この辺りのギルドはもう諦めて近づいてこないし……暇ね」
「僕達のことを知らないギルドが遠出してくるかもしれない……おっと」
噂をすればなんとやら、入り口からぞろぞろとプレイヤーが入ってくる。
プレイヤーは二十人程度いる。こちらを遠目でみて、生産職と後衛だと分かると
「行けるぞ!前衛無しだ!」
プレイヤー達が武器を構えて襲ってくる。防衛は私達三人で十分だった為全員戦場に出向いたのだ。
「スペルカード発動!【水符『ジェリーフィッシュプリンセス』】」
私達三人をカナデのスペルカードから出た泡が包み込む。相手のプレイヤーの攻撃を全て泡が跳ね返す。
「なんだ、この泡!?」
その隙にイズさんはリュックから魚雷を準備する。
「くらいなさい!【空中魚雷】!【のび〜るハンド】!
魚雷がプレイヤーに向かって飛んでいく。プレイヤーは慌てて逃げるが魚雷のスピードには敵わず爆発する。近くにいたプレイヤーはマジックハンドにつかまれて壁になげつけられ、その後にパンチが飛んでいく。
なんとか避けたプレイヤーはカナデが溜めていた魔導書を唱える。
「【破壊砲】!」
白い光の極太ビームがカナデから放たれる。更にカナデが追い討ちをかける。
「スペルカード発動!【木符『シルフィホルン』】!」
葉っぱ型の弾幕が舞い落ちるように打たれていく。弾幕がプレイヤーに当たるとダメージエフェクトが出る。当たりどころが悪いプレイヤーは光と消える。
そして侵入してきたプレイヤーは全員倒された。
「『集う聖剣』がくる可能性があるから強い魔導書やスペルカードは取って置かないとね」
今回はあっさり撃退したが、次もそうとは限らない。相手も死亡回数が増えてきた頃なので慎重になってくるだろう。
アニメのミィのギャップが可愛いですよね
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弓使いと『集う聖剣』
今回は少し長めです。
2日目の夜中頃にメイプル達が戻ってきたが、オーブの収穫は2個だった。
サリー達も同じような状態だった。
「もう少しもつかと思ったけど……どのギルドもやる気あり過ぎで……序盤で稼ぐつもりが思ったより稼げなかったし」
サリーの予想よりもかなり速く大規模ギルドが跋扈する環境になりつつあり、ここからさらにフィールドが荒れていくだろうことは分かりきっていた。
「そろそろ第二段階に移行しようと思う。あとは『集う聖剣』かな」
それを聞いてからギルドメンバー全員が万全の状態で望めるようにスキルと兵器の入念な確認を行った。
『集う聖剣』は大規模ギルドの為大人数なので移動に時間がかかる。その為にしっかり準備しようと話していると入り口の方から足音が聞こえてくる。数は恐らく、四人。
このギルドの脅威が分かっているのに侵入してくる物好きはいないのでサリーは驚いている。
「嘘!?たった四人で攻めてくるなんて!?大規模ギルドの特権『数でのゴリ押し』を捨ててまで!?」
「それでも勝てると考えたからさ」
入り口には『集う聖剣』のギルドマスターで、NWO最強のプレイヤーペイン、ドレッド、フレデリカ、ドラグがいた。
全員が武器を構える。
「【多重加速】!」
フレデリカの魔法により『集う聖剣』の四人の移動速度を上げてこっちにつっこんでくる。
ドラグがユイちゃんマイちゃんを攻撃するが、メイプルの【身捧ぐ慈愛】によりダメージは無いがノックバックによってメイプルの範囲外へ飛ばされる。
更にその後の攻撃は貫通効果があった為、メイプルは【身捧ぐ慈愛】を解除せざるを得なくなった。
自分も相手の攻撃を避けつつ、フレデリカに弾幕を放つが【多重障壁】に防がれる。
『集う聖剣』が偵察に来ていたらしく、メイプルの弱点がモロばれていた。武装展開や【悪食】の回数制限、これらを考慮してメイプルの首を本気でとりに来たようだ。
サリーはフレデリカの【多重障壁】によって壁側に押さえつけられている。クロムさんはマイちゃんユイちゃんをドラグの攻撃から守っている。カナデとイズさんはオーブを守っている。カスミはドレッドの攻撃を受け切ろうと頑張っている。自分もカスミに加わり、なんとか攻撃をいなしている。
ペインとメイプルはペインの方がメイプルを押している。
「【断罪ノ聖剣】!」
ペインのスペルでメイプルのHPが削り切られそうになるが【不屈の守護者】により生き残る。
メイプルはペインに毒竜で攻撃するが、ペインは毒竜を切り裂く。
それをみた【楓の木】全員がスペルカードを発動する。
「スペルカード発動!【疾風『風神少女』】!」
サリーは【多重障壁】をスペルカードの弾幕で全て破壊して脱出する。
「いくぞ!スペルカード発動!【舟符『河の流れのように』】!」
クロムさんの足元に木で出来た舟が出現してその舟の下には波が発生する。その舟にはマイちゃんユイちゃんも乗っている。そのまま地面を滑るようにドラグを鎌で弾き出す。
「スペルカード発動!【『待宵反射衛星斬』】!」
「ラストワード!【『
ドレッドにダブルスペルカードの弾幕が襲いかかり、ドレッドの体力をゴリゴリ削っていく。
「スペルカード発動!【火水木金土符『賢者の石』】!」
「スペルカード発動!【泡符『撃て!バブルドラゴン』】!」
カナデとイズさんの弾幕もギルド全体に飛んでいって、『集う聖剣』に攻撃が届くが致命傷まではいかない。
ペインもメイプルの攻撃により、HPが0になりかけるがメイプルと同じ【不屈の守護者】で耐える。ペインが攻撃しようと近づくとメイプルは盾を捨てる。
「【暴虐】!」
メイプルの奥の奥の手が発動してメイプルが怪物となり、ペインを掴む。
「いっそ、安らかな気持ちだ」
そういうとペインはメイプルに捕食され、光と消える。ドラグを踏みつぶし、ドレッドを握り潰す。
フレデリカは【多重障壁】で防ごうとするが、あっさり破壊されて踏み潰される。
メイプルの叫び声と共に『楓の木』は『集う聖剣』に勝利したのだった。
次回あたりで最終回になるのかな?
アンケートとりますね
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弓使いと悪夢の四日目
『集う聖剣』を撃退した後、ギルドに全員座って話し合っている。
メイプルは【暴虐】を発動したまま、大きな木のマグカップで水を飲んでいる。ペインとの戦いが終わったのが夜中の0時を過ぎていた為、【暴虐】を解除するのがもったいないそうだ。
「私達【楓の木】は現在三位。これを維持するには他のギルドにオーブを取られないようにしないといけない」
「なら、ギルドの数を減らすのが一番だな」
サリーの言葉にクロムさんが答える。そんな訳でギルドの数を減らす殲滅戦を開始する事になった。
「よーし!頑張るぞ!」
「おー!」
メイプルの声に全員答えて自軍のオーブを持って、洞窟をでてメイプルの背に全員乗る。
そのままメイプルは夜のフィールドへと駆け出していった。
すぐにギルドを見つけて、メイプルの噛みつきで偵察に来たプレイヤーを食い殺す。
「殲滅なら私にも手伝わせてください、メイプルさん!スペルカード発動!【鬼符『ミッシングパワー』】!」
ユイちゃんが全長70m程度まで巨大化する。巨大化した伊吹瓢の中身を飲み、STRを上げる。ユイちゃんの背中にはマイちゃんが乗っている。
【鬼符『ミッシングパワー』】
自身を巨大化させる。HPが十倍になり、STRが三倍になる。AGIが
50%減少する。
巨大化したユイちゃんが地面をパンチで殴ると、殴った場所から半径200mの範囲がひび割れを起こして、プレイヤーを飲み込む。
メイプルの背に乗っていた私達はなんとか大丈夫だった為にここをマイちゃんユイちゃんに任せて別のギルドを潰しに行くことにした。
しばらくメイプルに乗って移動していると、『炎帝の国』の方から爆発音が聞こえる。『炎帝の国』が他のギルドから襲われているようだ。
「メイプル『炎帝の国』に向かって!」
サリーの言葉にすぐにメイプルは『炎帝の国』へ向かう。クロムさんとカスミは別行動をしている。
クロムさんの木の舟に乗って別方向のギルドを潰しに向かっている。
『炎帝の国』のギルドではさまざまな所で戦いが起こっている。メイプルの口からビームがはかれて、敵を殲滅する。『炎帝の国』はやっつけないように注意して攻撃している。
それに『炎帝の国』も便乗して、更に交戦を激化させた。
それらをギルドを潰しながら見ていると、遠くの方から何か丸いものが飛んできている。あの方向はユイちゃん達がいる方向だ。
嫌な予感がして、その場をすぐに離れる。落ちてきた場所には直径50mはあるクレーターが出来た。それに何人かのプレイヤーが巻き込まれていた。そして落ちてきた丸いものは直径が1.5mはある鉄球だった。
完全にユイちゃんの投げた鉄球だった。
メッセージで『気をつけて』と送ってからまたギルド潰しを再開した。
メイプルはサリーとカナデによって七体になり、ギルドを蹂躙していった。
このイベントの後『神魔幻想大戦』や『悪夢の四日目』と呼ばれるこの戦いは大規模ギルドのいくつかを残して四日目の夜明けと共に終わりを告げた。
前回、この話が最終回じゃなかったのかって?
あれは嘘だ。冗談です。一話で書ききれなかっただけです。
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弓使いと運営3
四日目の大乱闘の終わった後のゲーム外の運営。
「これは・・・終わったな・・・」
「だな・・・」
残っているギルドの数を見ながら一人が呟く。前のモニターの画面には総ギルド数は『6』と表示されている。今回のイベントは十位以内全部のギルドに同じ報酬が与えられるので、この順位は決定的になった。
「五日の予定だったのにこんなに戦闘が加速するとはな・・・」
現在、ゲーム内時間では四日目の早朝である。ほぼ二日以上余ったのだ。
「とりあえず今俺たちに出来る事はこれまでの見どころを編集して動画にまとめる事だ。もう戦況も変化しないだろうからな」
今回のイベントの見どころをまとめた動画をチェックする為に鑑賞していると、一人が呟く。
「動画の七割に【楓の木】の誰かがひとりは写っているんだが・・・」
「【楓の木】の誰かを映さず、見どころを抜き出せってか?これでもかなり削った方だぞ」
全員が腕を組んで考え込む。
「完全に【楓の木】に引っ掻きまわされたからな〜。あそこのギルドはやっぱおかしいわ」
「炎帝の国も十位だしな。しかも全滅。順位予想もしていたが、当たらないな〜」
ここにいる全員が予想を外している。するとある人が呟く。
「メイプルの行動が読めるようになったらな〜」
「それが出来たら苦労なんてしねーよ。無駄な事考えないようにしようぜ」
そんな感じで話しているとあるひとりがこんなことを言い出す。
「暇だし、ここでちょっと予想大会しよう。お題は今現在、メイプルが何をしているか!当てたやつは俺が奢ろう。思いついた奴から挙手」
そこにいる運営が次々と挙手をして答えていく。
「ギルメン全員でボードゲーム!」
「双子にキャッチボールされているんじゃないか?」
「鍛治によって作られた武器をかじってスキルを入手できないか試してる!」
「機械神で空飛ぶ練習・・・って言おうと思ったがもう飛べるな・・・」
「亀の口の中にいる!」
「むしろ亀をかじってる!」
「よし、全員答えたな。答え合わせだ」
画面に【楓の木】のギルドが映し出される。そこでは羊毛に包まれた機械神になったメイプルが双子にキャッチボールされていた。
「これも動画に入れるか・・・」
「そうだな・・・」
場面は【楓の木】に戻り、
そしてとうとう五日目の夜中になり、ドラそうが【楓の木】に現れる。
「終了〜!みんなお疲れ様ドラ!転移した先で結果が発表されるドラ!」
転移した先は【楓の木】のギルドの中だった。そこで結果は映し出される。
「今回も三位だ!」
【楓の木】は今回のイベント三位だった。ランクインしたギルドが大規模ばかりなので小規模のこのギルドはとても目立っている。
そんなわけで次の日にギルドで打ち上げをやることになった。
ギルドの卓にはイズさんが作った料理が所狭しと並んでいる。全員がコップに飲み物を入れて持っている。マイちゃんは星熊盃だけど。
「打ち上げをやるのはいいんだが・・・なんでこいつらも居るんだ?」
クロムさんが見た方向には『集う聖剣』のペイン、ドレッド、ドラグ、フレデリカ、『炎帝の国』のミィ、マルクス、ミザリー、シンがコップを持って【楓の木】にいるのだ。
「いつものように狩りにいこうとしていたら、メイプルと会ってね。強引に連れてこられた。既にフレンド登録もしてしまったからね」
ペインがクロムさんの疑問に答える。メイプルのフレンド欄にはペインやミィといった大御所の名前が並んでいる。
運営から送られてきた見どころ動画を再生しつつ料理を楽しむ。
カスミとシンの戦いや、サリーを助けにきたメイプルや三日目夜中の『集う聖剣』との戦いが再生される。
「これはメイプルに勝つのは時間がかかりそうだ」
ペインがそんな風に呟くとメイプルかそれに反応する。
「私は普通にプレイしているだけなんだけどな〜」
「「「そんな訳あるか!」」」
ここにいる全員がメイプルの発言に突っ込む。メイプルは笑いながら打ち上げの時間は過ぎていった。
はい!とうとう書こうと思っていた部分まで書き終わりました!
本当はこの話が最終回になる予定だったのですが
アンケート結果はこのようになりました!
(10) 最終回にすべき
(74) まだ終わらないで!もっと続けて欲しい!
このような結果になったのでこれからも書き続けていきたいと思います!これからも頑張ります!
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弓使いと第四層
第四回イベントが終わってから一ヶ月程度経った。
とうとう第四層が追加された。
ギルドに来るとメイプルとサリーが出かける準備をしていた。第四層の興味に勝てないので階層のボスを倒しに行くそうだ。
もちろん私も興味があるのでついていくことになった。
メイプルが【暴虐】状態で私たち二人を乗せてかけていく。もうすでにプレイヤーにバレているので警戒されない。
ボス部屋にたどり着くと扉を開けて入る。そこにはサリーの三倍近い大きさの鋼のゴーレムがいた。
メイプルが攻撃するが一切ボスにダメージが通っていない。HPとVITがとても高いメイプルタイプのボスのようだ。
20分後
サリーの【剣の舞】を最大まで上げて、自分のラストワードを繰り出す事でなんとか倒せた。
「はぁ・・・ミスったね」
「大変だったよ・・・」
なんか出鼻を挫かれたけど出現した魔法陣に乗って転移する。
転移した先は崖の上で下には木造の江戸後期のような町だった。遠くには森と湖、竹林、遠くには雲より高い山、少し手前側の山の上に神社、遠くにもひまわりが咲き誇る花畑が見える。
どこかで見たことあるような感じの階層だ。
三人で第四層のギルドホームに着いて内装を見てから【楓の木】が全員ログインしたので三層へ戻ってから全員で第三層のボスをユイちゃんマイちゃんがあっさり倒した。
新たな町にやって来た一行はそれぞれがバラバラに広い町を探索に向かった。
後でどんなものがあったか情報共有することで町の全容を把握するためである。
お店では着物などが売られている。町のNPCも着物を着ているので買って着替える。『玉兎の耳』だけは外さない。
着物の色は薄いピンクだ。
町を探索していると、ある建物の中に着物を着ていないNPCが見える。
青のメッシュが入った銀髪。頭には頂に赤いリボンをつけ、六面体と三角錐の間に板を挟んだような形の青い帽子を乗せている。
服は胸元が大きく開き、上下が一体になっている青い服。袖は短く白。襟は半円をいくつか組み合わせ、それを白が縁取っている。胸元に赤いリボンをつけている。下半身のスカート部分には幾重にも重なった白のレースがついている。
完全に東方projectのキャラ『上白沢慧音』にそっくりだ。
もしかして・・・、そういえば第四層に来た時、森や湖、雲より高い山、山の上の神社、竹林、ひまわり畑が見えた。
気のせいだと思っていたが、確信に変わった。
「完全にここって幻想郷と同じ・・・?」
東方projectのことは言っても【楓の木】のみんなには分からないので黙っておこう。
はい、第四層を一新しましたw
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弓使いと幻想郷
今回は薄いかも
しばらく人里(自分命名)を探索しているが、慧音先生以外の東方キャラを見ない。するとカナデが少し小さめの建物に引き戸を開けて入っていく。その建物には看板が付いていて『鈴奈庵』と書かれている。中を覗くと、カナデがツインテールのNPCと話している。話しているNPCは東方projectのキャラの『本居小鈴』とそっくりだった。
そこを離れてギルドホームに戻る。そこにはサリーとメイプルがいた。
「あ、鈴仙お帰り」
メイプルが迎えてくれる。紫色の着物が似合っている。すると、サリーが聞いてくる。
「鈴仙は、人里の外に出た?」
「え?出てないけどどうしたの?」
サリーの質問がよく意味が分からないから質問を返してみる。サリーによると、人里の外に出て森の中を進んでいると『この先は危険みたいだ。進むのはやめておこう』のメッセージが表示されて進む事が出来ないそうだ。
「え、そんな事あるの?」
サリーもおかしいと思ったらしいが進まないので仕方なく戻ってきたそうだ。
そんなわけで人里でいくつかクエストクリアしながら過ごして二日程度がたった。
運営から通知が来て
【クエストクリアが合計100を達成しましたので新たなエリアが解禁されました。町の本来の姿に戻りました】
その通知を見てから人里に出るとこれまでいなかった東方キャラを見かける事が出来た。建物の物陰には茄子色の傘が見えている。
飯屋には、狼女と人魚。そして赤髪で赤マントのNPCがいる。
それぞれ東方キャラの『多々良小傘』『今泉影狼』『わかさぎ姫』『赤蛮奇』だった。
人里の外に出てから森を進んでいくと、行けないと言う表示が出ずに霧がかかった湖に着く。ここは『霧の湖』だろう。
また人里に戻り逆方向へ向かうと竹林に着く。その中を進んでいくと竹林から出られなくなっていた。
「完全にやらかしたな〜」
そんな感じでうろついていると近くから長い銀髪を大きな三つ編みにした赤と青の服を着た女性NPCが現れる。東方projectのキャラであり、原作での鈴仙の師匠でもある『八意永琳』だった。
「あ、鈴仙こんな所にいたのね」
すると私は永琳に腕を掴まれて連れて行かれる。もしかして私、勘違いされてる?薬の実験じゃないよね!?
結局そのまま永遠亭に連れて行かれた。
一時間後
結局薬の講座だったので助かった。実験されなくて良かった。これもクエストのひとつだったらしくて、【八意印のポーション】が十個程度手に入った。
ギルドホームに戻ったが夜も遅い為、この日はログアウトした。
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番外編 回避盾と幻想郷最速
これから何話かこのような話が続きます
サリーside
町が本来の姿に戻ったと表示が出たけど、あんまり変わった感じは一切しない。鈴仙は何かを感じていたみたいだけど。
「あややや、そこのあなた」
「え?私?」
建物の影にいたNPCが話しかけてくる。着物じゃなくて薄茶色の記者のような服を着ている。
「そうです、あなたですよ。少し詳しくお話をお聞きしてもよろしいですか?とりあえずあそこの茶屋ででもゆっくりと」
サリーの目の前にクエストの表示が出る。クエストは受けていきたいのでクエストを受注する。
茶屋に入ってNPCがお茶と団子を注文する。私の分まで注文してくれた。お金は払わなくていいようだ。
「あ、自己紹介がまだでしたね。私は『文々。新聞』の記者の射命丸文といいます」
そういうと文は名刺を取り出して渡してくれる。私は丁重に受け取り、私も自己紹介をする。
「では、色々と質問させていただきますね」
そこから30分程度質問と返答を繰り返した。そうしているうちに最後の質問になった。
「では、最後の質問です。これは新聞に乗せる予定のない個人的な質問ですので。貴女の腰に付いている葉っぱはなんですか?」
サリーは腰につけてある『天狗の団扇』を指摘されて答えるか悩むが新聞に乗せないとの事なのでNPCに言っても問題ないと判断した。
「これですか?『天狗の団扇』といいます」
そういうと文は少し顔をしかめてから元に戻る。
「なるほどそうなんですね。サリーさん、本日はありがとうございました。それとこれを差し上げます」
文から謎の紋章のようなものを貰う。すると、文は団子とお茶二人分の代金を払っていた。二人で店の外に出ると、文がこんなことを言い出す。
「サリーさん、明日予定はありますか?」
自分は大丈夫なので、はいと答えると
「なるほど、なら明日の日中にあそこに見える山に来てもらえますか?」
文が指差す先には雲より高い山が見える。何故か鈴仙がすごい詳しくて、妖怪の山だったかな?
すると、文は背中から黒い翼をはやしてその山へ飛んでいってしまった。少し唖然としていたが、その日はレベル上げをして過ごした。
次の日。
メイプル辺りを誘おうと思っていたがみんなギルドに居なかった為ひとりで妖怪の山に向かう道を進んでいる。
進んでいくと山の麓に着く。山の敷地に入ってすぐに白い犬耳を生やして紅葉の模様の盾と太刀を持ったNPCに囲まれる。
頭上をみるとHPバーがあるためモンスター扱いのNPCなの?
「ここは妖怪の山。我々天狗の縄張りだ。侵入者は直ちに立ち去ってもらおう」
私はここにお呼ばれしているのにこの対応なので双剣を構える。すると遠くから何かが飛んでくる。
私と犬耳のNPCの間に着地したのは文だった。服装はこないだとは違って黒いフリルの付いたミニスカートと白いフォーマルな半袖シャツ。赤い靴は底が天狗の下駄のように高くなっているものを履いていた。
「この方は天魔様のお客様です!今すぐに警備に戻りなさい」
そういうと犬耳達はどこかへ行ってしまった。
「サリーさん、天魔様がお待ちですので案内しますね」
天魔様って誰?
次回もサリー目線です。
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番外編 回避盾と幻想郷最速2
お気に入り200人突破しました!ありがとうございます!
サリーは文に案内されて着いた場所はいくつもの建物が建っている。ここは宿舎だそうだ。
そのまま大きな屋敷に着くとそこで紋章を見せるとあっさり入る事ができた。
文に案内されていると、部屋への障子の前で声を上げる。
「天魔様、サリーさんをお連れしました」
「入ってこい」
文が障子を開けて部屋に入ると膝をついてひざまずく。そこには黒髪で和服のような服を着て、背中に黒い羽が見える女の人がいた。
「お前さんがサリーか。私は大天狗の『天魔』と言う。お主に直接聞きたいので呼び出させてもらった。お前さんはその天狗の団扇をどうやって手に入れた?その天狗の団扇は天狗の中でも上位の天狗のみが持っているものなのだが」
サリーは突然そのようなことを聞かれて戸惑ったが、第三層で購入したと説明する。
すると天魔は少し顔を顰めたがすぐに戻り、笑い出す。
「あっはっは!そうか、そんな理由だったのか!気にしすぎだったかな。サリー、お前さんは強いか?」
文は頭を抱えて悩んでいた。小声で「また始まった・・・」と呟いていた。
サリーは自分が強いとはわからないので、分からないと答える。それを聴くと天魔は立ち上がり、
「サリー、こっちに来るといい」
天魔は自分がいた場所の後ろの障子を開けてこっちにこいと行ってくる。それについていこうとすると、文から小声で助言をかけてくる。
「気をつけてくださいね、天魔様は強いお方が大好きなのです」
それを聞いてサリーは覚悟を決めて天魔の向かった方へ向かう。しばらく移動すると、そこは訓練所だった。
天魔は訓練所の中心で立ち尽くしている。
「お前さんは強い。私は強い奴が好きだ。お前さんとは一戦交えてみたいと思ったのだ」
サリーは言っている意味が分かり、双剣を構える。
「お前さんも乗り気なのはありがたい。いくぞ!」
天魔の頭上にHPバーが出現してから、翼を広げてサリーに向かって突っ込む。サリーに近づくと足蹴りを放つが、サリーはそれを紙一重で避けて切り裂きつつ離れる。
天魔のHPバーは一割しか削れていない。HPは低めのようだ。
「【超加速】!」
「なんと!?」
天魔は天狗の団扇で竜巻を起こしてサリーを近づけないようにする。サリーは【超加速】の途中で、装備を『天狗の団扇』に持ち替える。
「【疾風『風神少女』】!」
弾幕を放ってこちらに向かってくる竜巻を相殺しつつ、天魔まで攻撃を放つ。天魔はダメージを受けつつ、空へ飛び攻撃を避ける。
「まさか、文のスペルカードを使えるとわな!楽しくなってきたぞ!」
そのまま弾幕による攻撃が繰り返されて、天魔のHPが一割以下まで削られた。サリーは全ての攻撃を避けた為、ダメージ0だった。
「ここまでだな。降参だ、降参」
天魔の突然の降参で戦いは終了した。サリーは驚いた顔で固まっていた。
「お前さん凄いな!気に入った!お前さんの天狗の団扇の力を解放してやろう!」
天魔がサリーの『天狗の団扇』を受け取り、妖力を込めるとサリーに返す。サリーが説明を見てみると、
『天狗の団扇』
【STR+40】【AGI+50】【MP+50】
【風を操る程度の能力】【スペルカード】
天魔の力によって力が増した団扇。
ステータスアップ効果が上がっていた。更に天魔に気に入られたサリーは天狗の里の出入りの許可まで貰えた。文からはスペルカードを5枚貰う事が出来た。
サリーはその日は天狗の里で過ごした。
サリー編終了です!
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番外編 極振りと鬼の四天王
STR極振りの双子マイとユイは三日くらいかけて人里を回りきった。
茶屋に入ってお茶や団子を注文して二人でこの後はどうしようか話している。
「ねぇ、お姉さん達何話しているの?」
マイとユイは突然自分たちの隣にいた女の子のNPCにビビる。そのNPCは灰色のセミロングで、鴉羽色の帽子に、薄い黄色のリボンをつけている。
上の服は、黄色い生地に、二本白い線が入った緑の襟、鎖骨の間と胸元とみぞおちあたりに一つずつ付いたひし形の水色のボタン、黒い袖。
下のスカートは、緑の生地に白線が二本入っている。
またスカートには薄く花の模様が描かれている。靴は黒で、紫色のハートが両足についている。
その中で異彩なのが胸の辺りにある瞳を閉じた目のようなものだった。それからは管がいくつも伸びている。
「お姉さん達におすすめの場所があるよ〜」
するとNPCはマップを広げてある場所を指差す。人里から離れた場所だった。
「お姉ちゃんどうする?」
「NPCだし、怪しい場所はないと思うけど行ってみようか」
二人が相談してからそのNPCの方を向くとそこにいたNPCかいなくなっていた。二人は不思議に思いつつ、その場所へと向かっていった。
AGIが0の二人はかなりの時間をかけて指定の場所へ着くとそこには地下深くまで続く大穴が空いていた。
「お姉ちゃん、これの事なのかな?」
「分かんない。でもあの子が言うにはこれなんだよね」
伊吹瓢と星熊盃を装備していると空を飛べるため、二人は警戒しながらゆっくりと降下していく。
穴を降下し始めて10分程度経った。
それでやっと底に着いた。周りは岩が露出している洞窟のようだ。
洞窟の中を進んでもモンスターの類は一切出てこない。進んでいると、奥から光が見えた為二人は走って洞窟から出ると、高さも広さも人里と同じかそれより広いぐらいの空洞に繋がっていた。川も流れ、その上には橋、その向こう側には木造の建物が所狭しと並んでいる。
それの更に奥には真っ白で大きな洋風の館が見える。
二人ともそこへ向かうために橋を渡ろうとすると、金髪のNPCが話しかけてくる。耳がエルフのように尖っている。
「貴方達、こんな所に来るなんて物好きね。妬ましいわねパルパル・・・」
ハンカチを加えてそれを引っ張りながらこちらを妬んでくる。二人は困惑しつつ、そのNPCは二人の装備に目をつける。
「貴方達の、それは・・・まぁいいわ。忠告よ。勇儀に捕まらないようにね」
二人は橋を通って町に向かっていった。その近くの岩影に灰色のセミロングが見えたが二人は気付かなかった。
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番外編 極振りと鬼の四天王2
双子は地底の町を探索していると、いる住民は鬼や、妖怪の類がいっぱいいる。その辺のNPCによるとここは『旧地獄』という場所だそうだ。
「お姉ちゃん、ここやけに飲み屋が多くない?」
「確かに・・・少し惹かれている自分がいる・・・」
マイとユイはある飲み屋にはいってカウンターが空いていたのでそこに座る。隣では長い金髪の女の人のNPCが飲んでいる。
「お嬢ちゃん達、何飲むんだい?」
お店の鬼の店員が聞いてくるので少し安めの酒と唐揚げを注文する。
そしてユイは出されたお酒を、マイは星熊盃に注いで飲む。
しばらく飲んでいると、隣のNPCが話しかけてくる。そのNPCの額には赤い一本角が生えている。
「お前さん達いい飲みっぷりだな!」
「え?あ、どうも・・・」
「困惑させて悪かったな。私は『星熊勇儀』!この旧地獄に住む鬼さ!」
勇儀はマイの持っている星熊盃と同じもので酒を飲む。マイとユイも自己紹介をしていると霧が現れて、マイ、ユイを勇儀を挟んで反対側にまとまっていき、大きな二本角が生えた身長百二十センチあるかないかのNPCが出現する。
「勇儀〜ここにいたのか!こいつらはなんだい?」
新しく現れたNPCがNPC同士で会話を始める。マイとユイはそのNPCにも自己紹介をする。
「マイとユイね。私は『伊吹萃香』。見ての通り鬼さ!」
萃香と勇儀はマイとユイがSTR極振りだと知ると立ち上がり会計を終える。そしてマイとユイを担いで何処かへ連れて行く。それに萃香もついていく。
連れてこられた場所は少し広いスペースがある広場だった。マイとユイは突然連れてこられて困惑していた。
「お前さん達、私と勝負してくれないか?もちろん、極振りだからハンデをつけてやる」
勇儀がそんなことを双子に聞く。双子はうなずくと一人二本ずつ大槌を構える。
「へー、面白いじゃないか。じゃあハンデはこの星熊盃に注いだ酒を私が一滴でも零したら私の負けだ!」
勇儀は酒を星熊盃に目一杯注ぐと、萃香が始め!の合図をする。
マイとユイは二人同時に大槌を叩きつける。勇儀はそれを零さずに避ける。少し離れてから二人を挑発する。
「「【飛撃】!」」
大槌を地面に叩きつけて衝撃波を放つ。勇儀はそれをあっさりとかわして、ユイとマイに近づき、パンチを繰り出すがユイは霧となってかわし、マイはサリーに教わった回避術で避ける。
ユイは別の場所に纏まってからカードを構える。
「【鬼符『ミッシングパワー』】!」
ユイが巨大化して勇儀に巨大化した大槌を叩きつける。萃香は驚いた顔をしている。勇儀はそれを盃を持っていない手で押させる。ユイの大槌はびくともしない。
余裕だった勇儀の腹を突然の衝撃が襲いかかる。ユイに目線の言っていた勇儀の腹にマイが大槌を横なぶりで叩きつけたのだ。
勇儀は衝撃で二十メートルは離れた場所までで踏ん張って止まる。その瞬間、星熊盃から酒が一雫零れ落ちる。
「私の負けか・・。お前さん達強いな!気に入った!」
「私も勇儀を負かすなんて思わなかったからな。私もお前たちを気に入った!」
マイとユイは二人にスペルカードを5枚教えてもらう事ができた。
その後は三日間勇儀と萃香の飲みに付き合わされていた双子であった・・・。
その時に灰色のセミロングが白い屋敷へ向かっていたのをユイはみたが気にしない事にした。
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番外編 神界書庫と動かない大図書館
カナデは最近は人里にある貸本屋『鈴奈庵』によく通っている。そこには様々な魔導書があるため楽しいのだ。店に入ると、
「あ、カナデさん。今日も新しい魔導書用意しておきましたよ!」
貸本屋の店番のNPC『本居小鈴』が迎えてくれる。飴色の髪を鈴がついた髪留めでツインテールにしている。
服は紅色と薄紅色の市松模様の着物に若草色の袴を履いている。
「ありがとう。早速こないだ借りた本を返してから読ませてもらうよ」
カナデはインベントリから借りていた本を十冊程度出して小鈴に渡す。そして店の中の椅子に座り、魔導書を読む。小鈴は本を元の場所に戻してから店の奥へいった。
しばらく『鈴奈庵』で読んでいると、小鈴から声をかけられる。
「あの〜、カナデさん。頼みがあるんですけどいいですか?」
カナデの前にクエスト発生の表示がでる。カナデはお世話になっている小鈴からのクエストを受けることにする。カナデがOKの選択をすると、小鈴からクエストの話がでる。
「ありがとうございます!こないだ紅魔館のメイドさんが来て、紅魔館の図書館の整理をした際に捨てる予定の本があるそうです。でも捨てられるのも悲しいので貰いに行くので護衛をお願い出来ますか?」
小鈴と共に人里の外にでる。小鈴は本を入れる箱を持っているため戦うことは出来ない。
モンスターが襲いかかってくるが、カナデが全て倒す。しばらく歩いていると、霧のかかった湖に着く。この湖の近くに紅魔館があるそうだ。
湖の近くを歩いていると妖精が襲ってくるがカナデはそれをあっさり撃退する。
そして紅魔館に着く。紅魔館は全てが真っ赤な屋敷だった。門の前には赤髪で中国風の服を着た女性が立ったまま寝ている。
「あれ、寝てていいの?」
「多分大丈夫ですよ・・・」
カナデと小鈴が話していると女性の額にナイフが刺さり、その近くに銀髪のメイドさんがいる。
「パチュリー様がお待ちですわ、小鈴様。そちらは?」
「僕はカナデ。小鈴の護衛だよ」
メイドさんにカナデは自己紹介をする。メイドさんは軽くお辞儀をして自己紹介してくる。
「私は紅魔館のメイド長の十六夜咲夜ですわ。以後お見知り置きを。カナデ様も護衛ならば一緒にどうぞ」
紅魔館の中に入ると、メイド妖精が掃除をしていたりしている。長い廊下や階段を歩いていくと大きな扉の前に着く。
「この先でパチュリー様がお待ちですわ」
扉を開けた先には広さが分からないぐらいの広さに本棚が所狭しと並んでいる。その隅には本が乱雑に置かれている。あれが恐らく捨てる予定の本なのだろう。
「あら、やっと来たのね」
長い紫髪の先をリボンでまとめ、紫と薄紫の縦じまが入った、ゆったりとした服を着用している。さらにその上から薄紫の服を着、ドアキャップに似た帽子を被っている。また服の各所に青と赤と黄のリボンがあり、帽子には三日月の飾りが付いている。
「そっちの貴方は?」
「僕はカナデ。小鈴の護衛だよ」
「そうなのね。私は『パチュリー・ノーレッジ』よ。貴方も面白いわね」
小鈴は既に捨てる予定の本を回収しにいっているため、二人で話している。【
パチュリーと話が終わってから小鈴のところに行くと寝転びながら本を読んでいたのでしばらく紅魔館の中を探索に向かうことにした。
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番外編 神界書庫と悪魔の妹
カナデは紅魔館内をうろついていると、図書館より下へ向かう階段を見つける。もちろんカナデは暇潰しの為階段を降りていく。
かなり長い階段を降りていくと木の扉がある。その扉をカナデは開けて中に入ると、そこには金髪でサイドテールの女の子のNPCが座り込んでいる。
「貴方はだあれ?」
「僕はカナデ。君は?」
「フランドール・スカーレット」
フランドール と名乗ったNPCの背中には枝に宝石がぶら下がった羽?が付いている。
「カナデは私と遊んでくれる?壊れないでよね!」
フランは部屋中で飛び上がり、頭の上にHPバーが出現してスペルカードを取り出して発動する。
「スペルカード発動!【禁忌『カゴメカゴメ』】!」
カナデはサリーから習った回避術で避けていく。そして避けきると神界書庫から魔法を放つ。
「【パラライズレーザー】!」
フランにレーザーが当たるが麻痺状態にはなっていない。状態異常に耐性があるようだ。HPもほとんど削れていない。
「【ファイアボール】【ファイアボール】」
二連ファイアボールを放つがフランが手を握るとファイアボールが二つとも破裂する。
「貴方はコンテニュー出来ないのさ!スペルカード発動!【禁忌『クランベリートラップ』】!」
カナデに向かって弾幕が襲いかかってくる。カナデもスペルカードで応戦する。
「スペルカード発動!【火符『アグニシャイン』】!」
お互いに弾幕が打ち消しあって爆発が起こる。煙によって視界が悪くなる。カナデは後ろに気配を感じて、【ファントムワールド】で分身を生み出して、自分は避ける。
「キュッとして、ドカーン!」
フランの声が聞こえたと同時に分身が弾け散った。あれは危険だとカナデの本能が察した。煙が晴れてからフランがカナデの姿を見て驚く。
「貴方凄いのね!私と遊んでも壊れていないなんて!本気で相手をしてあげる!スペルカード発動!【禁忌『フォーオブアカインド』】!」
フランが四人に分身してそれぞれが弾幕を放ってくる。カナデは弾幕にいくつか被弾しつつ避ける。
「かなりやばいね・・・。早速使ってみよう。スペルカード発動!【土金符【エメラルドメガロポリス】」
弾幕によりエメラルド色の障壁により、フランの弾幕を跳ね返す。跳ね返った弾幕によってフランが1人2人と消えていく。
そしてとうとう一人になった。するとフランは弾幕を消してカナデに近づいてくる。
「貴方、パチュリーのスペカも使えて私と遊んでも壊れないなんて面白いわね!貴方に私の力を分けてあげる!そのかわりまた遊んでね!」
『スキル【ありとあらゆるものを破壊する程度の能力】を習得しました。スペルカード【禁忌『フォーオブアカアンド』】を習得しました。』
カナデはスキルの説明を見てみる。
【ありとあらゆるものを破壊する程度の能力】
物やプレイヤーにある【破壊の目】が見えるようになる。
発動するとHP495以下の相手を即死させるか、障害物を破壊する事が出来る。
クールタイムは五時間。
【禁忌『フォーオブアカアンド』】
自身を四人に分身して弾幕を放つ。このスペルカードを発動している間は同じスペルカードは使用できない。
クールタイムは30分。
完全に即死スキルを手に入れてしまった。【ファントムワールド】と合わせれば更に分身できる為強力なスペルカードを手に入れた。
そのあとフランが図書館まで案内してくれた。パチュリーからは驚かれたが、『貴方にこの図書館の閲覧許可をあげるわ。貸し出しはしてないからそこだけは注意してね。これからもフランと遊んでくれるとありがたいわ』とまた来るのは確定になりそうだ。
そして小鈴と共に人里へと帰った。
それから紅魔館へ通うのが日課になっていたのは仕方ないのか?
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番外編 大盾使いとサボり死神
クロムは森の奥が解禁されたので人里から森の奥へと向かっている。ギルドメンバーは全員いなかった為、ひとりで向かっている。
途中で、マイとユイを見かけたが自分とは反対方向へ向かっていたので声をかけなかった。
「なんで鈴仙ちゃんは第四層にあんなにくわしいんだろうな?」
クロムは鈴仙におすすめされた場所に向かっているのだが、何という場所なのかは一切教えてくれなかった。森を抜けてかなりの距離を歩いていくと、川が見えてくる。川の近くには彼岸花が咲いている。
「これは彼岸花か?縁起悪くないか?鈴仙ちゃんはなんでここを進めんだんだろうな?」
クロムが川を渡る為、スペルカードを発動しようとすると川の向こうから船がやってくる。船には赤髪をツインテールにして、和服のような青い服を着た女性のNPCが乗っている。
「ん?お前さん、死者じゃないのかい?死者じゃ無いのにここに来れるなんて珍しいな。少し話さないか?」
女性のNPCは特に襲ってくる気配は無いのでクロムも警戒を解いて座り込む。
女性のNPCも座り込んでから話しかけてくる。
「あたしは小野塚小町。あんたは?」
「クロムだ。ここは一体何処なんだ?さっき死者とか言っていたが」
小町はあっさりと「ここは三途の川さ」と答える。クロムと小町は少しの間、小町の上司の話や、すぐに一皮剥けるメイプルについて話していた。すると小町の背後から声が聞こえる。
「小町、貴方ここで何をしているんです?」
そこには緑髪のメイプルくらいの身長の少女のNPCがいた。手には金色の杓子のようなものを持っている。
「映姫様!?何故ここに?」
「貴方がサボっているからでしょう!」
映姫様と呼ばれた少女は小町に説教を始めてしまった。クロムは小町も大変だなと思いつつ別のマップに移動しようと立ち上がる。すると映姫様はクロムを止める。
「貴方は何故ここにいるのですか?貴方、死者じゃないでしょう?」
「オレは歩いてきたらここに来ただけだよ」
映姫様は小町の説教をやめてクロムの周りをウロウロしながらクロムを凝視してくる。映姫様は少し微笑んでから元に戻る。
「貴方は凄いですね。いくら死んでも諦めないその精神は気に入りました。私の直属の部下にしたいぐらいですが、メイプルさんというギルドマスターがいるようなので諦めます。ですが、私の力の一部を分けてあげましょう」
するとクロムの前にスキル習得の通知がくる。
『スキル【白黒はっきり付ける程度の能力】を習得しました。スペルカード【審判『ラストジャッジメント』】を習得しました。』
【白黒はっきり付ける程度の能力】
ありとあらゆる物事にどちらかはっきり決める事ができるようになる。
小町からも5枚のスペルカードをもらう事が出来てクロムは新たな力を手に入れて人里へと帰っていった。
クロムは書くことがあまり思いつかなかったので一話だけです。
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番外編 侍と半人半霊
カスミは人里で骨董品などを買いまくっていた。
ギルドの自分の部屋に壺や刀を飾ってご満悦である。しかし既に【楓の木】のギルド予算の五倍は消費している。
「そろそろ稼ぎに行かないとな」
カスミは楼観剣白楼剣を持ちギルドを出る。鈴仙に聞いた話だと霧の湖の方角がおすすめといわれた為、そっちに向かうことにする。
霧の湖に着いて、モンスターを倒して素材を集めていると山の方角へモンスターがたくさん逃げていくのでカスミはそれを追いかけることにする。
逃げていたモンスターを倒していると山の中腹辺りに来ていた。
「かなり登ってきてしまったな。そろそろ戻って換金するかな」
カスミがそう思っていると雲の上になにか光るものが見える。もちろんカスミは気になったので空を飛んで、雲の上に向かう。そこには六つの柱と五角形の魔法陣が浮いている。
「なんなんだこれは?」
カスミがその魔法陣に近づくと転移した。転移した先は暗い空が広がり、長い階段が続いている場所だった。桜も咲き誇りとてもいい景色だった。
カスミはその階段を登っていくと、突然斬撃が飛んでくる。その先には白髪で黒いカチューシャをつけた少女のNPCが楼観剣を構えていた。頭の上にはHPバーが見える。
「倒さないと進めないわけか。【一ノ太刀・陽炎】!」
カスミが一瞬で近づき斬りつけるが、あっさりと塞がれて切りかかってくるがカスミはなんとか避ける。
「スペルカード発動!【人符『現世斬』】!」
「【人符『現世斬』】」
カスミがスペルカードを使って弾幕を放つが、NPCも同じスペルカードを使ってきて防ぐ。
「【七ノ太刀・破砕】!」
カスミが放った剣技により、NPCのHPを削り切る。しかし、NPCは光と消えずに膝をつく。カスミは警戒していると遠くから「お腹空いた〜」と言いながら階段を降りてくるNPCがくる。ピンク髪に水色の着物を着た女性のNPCだった。よく見ると少し浮いている。
「あら、妖夢どうしたの?お腹空いたからなんか作って〜」
妖夢と呼ばれるNPCは立ち上がって呆れたような顔をする。カスミはほのぼのした雰囲気に呆気を取られる。
「あ、突然襲ってすみませんでした。私はこの先にある白玉楼で庭師をしている魂魄妖夢と言います」
「私は西行寺幽々子よ〜。貴方名前はなんというのかしら?」
「私はカスミだ」
カスミは幽々子に誘われて白玉楼にやってきた。そこは和風の庭などが広がっている屋敷だった。屋敷の向こう側には一切の花や葉が咲いていない巨木がある。
カスミと幽々子が縁側に座ると妖夢が湯呑みを二つと団子を五十本程度持ってきた。幽々子が片手に三本ずつ持って食べる。カスミは呆れつつ、団子を一本取る。
「後でここを見て回っていいか?」
「ええ、いいわよ。物を取ったら壊したりしなければいいわ」
カスミは団子をゆっくりと食べて湯呑みのお茶を飲む。その間に幽々子は残っていた団子を全て食べ切っていた。
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番外編 侍と妖怪桜
カスミは白玉楼の中を見物している。畳やふすまなどがとても落ち着く。庭の枯山水もしっかりと管理されている。
屋敷の周りには桜が咲き誇っているが、一本だけ葉すら付いていない巨大な桜の木がある。それを見ていると妖夢が説明してくれる。
「あの桜が気になります?あれは妖怪の一種で、『西行妖』という妖怪桜なんです。人を死に誘う花を咲かすので封印されているんです」
「近くで見てきていいか?」
「はい、多分大丈夫だと思います。気をつけてくださいね」
カスミは枯山水の道を通って西行妖に向かっていく。近くに来ると大きさがよく分かる。カスミの30倍以上はある。近くでは霊魂がふよふよ飛んでいる。
「近くで見ると改めて凄いな・・・。メイプル達にも見せてやりたい光景だな」
カスミが西行妖に触れてみると突然カスミに何か強力な力が流れ込んでくる。
「な、なんだ!?」
しばらく耐えていると流れ込むのは止まった。するとスキル習得の通知が来る。
『スキル【死を操る程度の能力】を習得しました。スペルカード【桜符『完全なる墨染の桜 -封印-』】を習得しました』
カスミはすぐにスキルの説明を見てみる。
【死を操る程度の能力】
蝶の弾幕を放てるようになり、当たった相手を即死させる。
即死させる確率は相手のVIT値に反比例する。
カスミはそれを読んでから白玉楼に戻った。すると幽々子が扇子で口元を隠しながら微笑んでいる。
「あらあら、まさか西行妖の力を己の物にしてしまうとはね。もう夕方だからご飯食べていくかしら?」
来た時から空に違いはないが既に夕方のようだ。カスミも断るのもアレなので食べていく事にする。
幽々子とカスミが座布団に座るとすぐに妖夢が色々な料理をたくさん持ってくる。
カスミが食べてみるととても美味しい。幽々子の目の前の料理はどんどん消えていく。流石に幽々子もカスミの目の前の料理には手を出さない。
「美味しいな。イズの料理とも遜色ないな」
「ありがとうございますね」
妖夢も料理を運び終わってから座り料理を食べる。食べ終わってから妖夢がお茶を出してくれる。飲み終わってからカスミは立ち上がり帰ることにする。
帰りに妖夢からスペルカードを5枚貰った。冥界から出ると入った場所と同じ場所だった。
カスミは地面に降りるとHPが高いモンスターが襲ってくる。
「蝶弾幕!」
カスミが刀を振ると蝶の弾幕がゆっくりとモンスターに飛んでいく。蝶の弾幕がモンスターに当たるとモンスターは光と消える。
「これは凄いな・・・。これで明日からお金を稼ぐのが楽になりそうだな」
カスミが骨董品を買いまくるという事をやめることは無いようだ。
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番外編 生産職と地上最高のエンジニア
【楓の木】の生産職、イズは人里にある鍛治場に来ている。
目の前では水色の髪でオッドアイの女の子のNPCが穴の空いた鍋を修理している。壁際には茄子色の傘が立てかけてある。
「わきちの作業なんか見てて何か楽しいの?」
「いいの、生産職のサガみたいなものだから」
修理を中断してNPC『多々良小傘』が聞いてくるがイズはそれを流す。小傘は修理を再開してから十分後には修理を終わらせる。
小傘は壁に立てかけてあった傘を持つと扉へ向かう。
「わきちは仕事終わったからここの鍵閉めちゃうよ」
そう言われてイズは建物の外に出る。小傘が鍵を閉めるとイズにある情報を教えてくれる。
「そんなに作る事を学びたいなら河童に聞くといいよ。わきちじゃ鍛治くらいしか出来ないしね」
イズが小傘に河童の居る場所を教えてもらうと妖怪の山の近くの玄武の沢という場所に河童達の住処があるそうだ。
イズは詳しい場所を教えてもらうとすぐに玄武の沢へと出発した。
かなりの距離を歩いて滝の前までやってきた。どうやらこの辺りが玄武の沢のようだ。イズがそこで少し休憩をしていると、水の中から女の子のNPCが出てくる。
「あんた、人間だよね。こんな所に来るなんて物好きだね」
NPCの見た目は外ハネが特徴的な青髪を、赤い珠がいくつも付いた数珠のようなアクセサリーでツーサイドアップにして、緑のキャスケットを被っている。
肩の部分にポケットが付いている水色の上着、そして裾に大量のポケットが付いた濃い青色のスカートを着用している。
靴は長靴のようなものを履いており、胸元には紐で固定された鍵がついている。背中には大きいリュックを背負っている。
「貴方が河童なのね!」
「おお、まぁそうだけど・・・」
「私を弟子にしてください!」
イズは現れたNPCに弟子入りを志願する。NPCは困惑しながら言葉を発する。
「とりあえずお互い自己紹介としようじゃないか。私は『河城にとり』」
「私はイズよ。お願いします!私を弟子にしてください、にとりさん!」
にとりは「弟子は取ってないんだよな〜」と言いながら頭をかく。するとイズの近くに置かれている緑色のリュックに目がいく。にとりも同じ物を背負っている。
「あんた、このリュックどこで手に入れた?」
イズは弟子入りを断られてションボリしながらリュックを入手した時の事を話す。するとにとりは少し笑ってからイズにこう言う。
「よし、分かった。弟子には出来ないが、私の仕事に連れて行ってやる。それを見ながら自分で学ぶんだな」
イズはションボリしていた雰囲気はどこ行ったのかのように機嫌が良くなる。
「ところでどんな仕事なんですか?」
イズがにとりに移動しながら聴くとにとりはこう言った。
「旧地獄の核融合炉の点検さ」
はい、イズさんもやばい事になりそうな雰囲気ですねw
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番外編 生産職と地獄鴉
イズはにとりに連れられて旧地獄へと降り立つ。その先には黒い石のような素材で出来た建物が立っていた。
「ここが核融合炉さ。妖怪の山の神様の神奈子様が作ったのさ」
イズはポカーンとしつつにとりが作業を始めたのでそれをじっくりと観察する。
イズがにとりの作業を見ていると遠くから何か黒い鳥のようなのが飛んでくる。イズはその方向を振り向くと女の子のNPCが空から降りてくる。服装は白のブラウスに緑のスカート。長い黒髪に緑の大きなリボンをつけている。
鴉らしい真っ黒な翼には、上から白いマントをかけており、そのマントの内側には宇宙空間が映し出されている。右手には棒のような物を付けて、右足には鉄が溶けたような物体、左足には何かがくるくる回っている。大きな胸の辺りには赤い瞳のような宝石が付いている。
身長もイズよりも高い。
「うにゅ?なにしてるの?」
「なにってこないだも説明したよね?点検だよ、点検」
「あ、そっか。お疲れー」
にとりが作業の手を止めないで応答する。そのNPCは今度はイズに興味を持つ。NPCはイズの周りを回って全身を見る。
「貴方は誰なの?私は『霊烏路空』だよ。お空って呼んでね」
「私は生産職のイズよ。よろしくね、お空ちゃん」
お空はイズと自己紹介をしてからにとりの作業を見ていたがお空はすぐに飽きてしまった。ちょくちょくにとりにちょっかいをして楽しんでいる。
「イズ、お空と遊んできてやってくれないか?ちょっかいされて作業にならないからさ」
「分かったわ。お空ちゃん、私とあっちで遊びましょう?」
イズはお空を連れてにとりの近くから移動する。別の場所に移動してからイズとお空はボードゲームで遊んでいた。
「うにゅ?何処に置くんだっけ?」
「お空ちゃん、ここよ、ここ」
双六で遊んでいるがお空は鳥頭の為、すぐに何処に置くのかを忘れたりしてしまう。イズはこのゲーム内で初めて胃痛を感じたそうな。
一時間後
「あー、楽しかった」
「そう、良かったわね」
お空が嬉しそうにしているのをみるとイズも嬉しくなった。メイプルの面倒を見ている時と同じ感覚だった。
「そうだ!イズにも私の力を分けてあげる!」
お空がイズに手を当てると力がイズに流れ込んでくる。お空が手を離すと同時に運営から通知がくる。
『装備『制御棒』『融合の足』『分解の足』『赤の目』を習得しました。スキル【核融合を操る程度の能力】を習得しました。スペルカード【核熱『核反応制御不能ダイブ』】【爆符『プチフレア』】を習得しました』
【核融合を操る程度の能力】
核融合を自在に操り、扱う事が出来るようになる。
『制御棒』『融合の足』『分解の足』『赤の目』全てを装備していると使用可能。スペルカードも同様。
イズが説明を読んでいると、にとりがやってくる。仕事が終わったらしく迎えに来たそうだ。お空ともお別れをしてイズとにとりは地上へと帰っていった。
その後にとりとも別れた後、イズは人里へと戻っていた。その間にモンスターと出会った為、制御棒などを装備して試してみる事にした。
「スペルカード発動!【爆符『プチフレア』】」
それと同時に高温の弾幕が放たれて、モンスターを一掃する。イズは気付いてないが、背中から真っ黒な翼が生えている。あまりの火力に放心状態だったイズは呆れる。
「もう・・・生産職って何なのかしらね?」
イズは装備をいつものに戻して、人里へと向かって行った。
はい、感想でも予想されていた通りお空でしたw
次はメイプルかな?
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番外編 極振りとフラワーマスター
メイプルはギルドにくるが、誰も居ない。人里を歩いている時にカスミを見たが骨董品に夢中でこっちには気づかなかった。
「うーん、どこに行こうかな〜?」
メイプルはギルドの椅子に座ってマップを見ている。予定がない為人里以外の場所に行きたいのだ。
するとある場所がメイプルの目に止まる。そこには『太陽の花畑』と書かれている。
「花畑かー、いいじゃん!ここにしよう!」
メイプルはギルドの外に出て、シロップを呼び出して巨大化させてその上に乗る。そのまま空に浮き上がって、太陽の花畑へと向かっていった。
一時間後
メイプルが出発してからやっと『太陽の花畑』についた。そこには向日葵が咲き誇っており、その中心辺りに赤い屋根の家が建っている。
メイプルは花を潰さないように花畑の手前でシロップから降りて歩いて向かう。
向日葵の近くまで来ると向日葵の大きさがよく分かる。2mはあり、メイプルが完全に隠れてしまう。
メイプルが向日葵の間を通って見えた家まで向かっていると、突然何処かから女性の声が聞こえる。
「あら、侵入者ね。出てきなさい」
メイプルでもわかる殺気を感じてメイプルは向日葵の間に隠れる。すると向日葵がメイプルを避けるように曲がって、メイプルが丸見えになる。向日葵のその先には癖のある緑髪の女性のNPCがいる。服装は白のカッターシャツとチェックが入った赤のロングスカートを着用し、その上から同じくチェック柄のベストを羽織っている。
手には畳んだ日傘を持ち、その先端をメイプルに向けている。
「貴方は強いわね。興味が湧いたわ」
そのNPCはそう言うと弾幕をメイプルに向かって放ってくる。メイプルは自らの身で全てを受け切る。ダメージはもちろん0だ。
そのNPCは少し驚いた顔をすると少し笑う。
「フフッ、貴方凄いのね。一応貴方の名前を聞いておこうかしら?」
「私は、メイプル!貴方は?」
「私に勝てたら教えてあげるわ!」
NPCは弾幕を大量に展開してメイプルに向かって打つ。メイプルはAGIが0の為避ける行動をとる事ができずに全て直撃する。
土煙が上がっており、NPCはつまらなそうな顔をして、その場から去ろうとすると土煙から紫色のものが飛び出してくる。
「【毒竜】!」
毒竜がNPCに向かっていき、一撃を与える。幽香のHPは一割も削れていない。そのNPCは自分に攻撃を当てた事に驚きつつ、笑う。
「今の攻撃で気が変わったわ!私の名前を教えてあげるわ。『風見幽香』よ。さぁ立ちなさい!続きを始めるわよ!」
「スペルカード発動!【毒符『憂鬱の毒』】!」
メイプルはスペルカードを発動して応戦するが全て避けられる。幽香は傘の先端をメイプルに向けて妖力を貯める。その直後、傘の先端から極太のレーザー牙放たれる。メイプルはそれを【闇夜ノ写】で受け止める。
「マスタースパークを受け止めきるなんて貴女が初めてよ!」
すると幽香の周りの地面から蔦が伸びて幽香の動きを封じる。
「シロップ、【大自然】からの【精霊砲】!」
シロップから放たれた【精霊砲】が幽香を包み込んだ。
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番外編 極振りとフラワーマスター2
今回ちょっと薄いかも
シロップの【精霊砲】が消えるとそこには幽香の姿はなかった。
「やった、勝っ・・・・」
喜んでいたメイプルに衝撃が襲い掛かり、吹っ飛ばされる。そこには幽香が無傷で立っていた。
「植物で私の動きを止めようなんて1万年はやいわ」
幽香は自らの能力で蔦を引っ込めて【精霊砲】を避けたのだ。幽香の周りに二つの光の塊が集まり始める。
「これで、トドメよ。【ツインスパーク】!」
さっきの極太レーザーが二つ同時にメイプルに襲い掛かる。それは防御力を貫通してメイプルにダメージを与え続ける。
メイプルのHPはゴリゴリ削られていき、メイプルのHPが削りきられる直前でHP1で耐える。【不屈の守護者】が発動したのだ。
「【暴虐】!」
メイプルは怪物の姿になって幽香に攻撃する。幽香はそれを簡単に避けるがフェイントを仕掛けられて地面に押し倒される。
怪物が幽香にかぶりついてダメージを与え続ける。そのまま幽香のHPは0まで削りきられてしまった。
メイプルは【暴虐】を解除してポーションを使い、HPを回復する。遠くに避難させていたシロップを呼び戻す。幽香はモンスターとは違って光と消えずに起き上がる。
幽香は少し悔しそうにしつつメイプルに近づいてくる。
「私の負けか・・・。しかしいっそ清々しい気分ね。貴方のパートナーに私の力を分けてあげるわ」
幽香はシロップに妖力を分け与える。するとメイプルに、シロップが新しくスキルを習得したと言う通知が来る。
『スキル【花を操る程度の能力】を習得しました。スキル【通常弾幕】を習得しました。スペルカード【元祖マスタースパーク】【ツインスパーク】を習得しました』
その説明をメイプルが読んでいると、幽香がガーデンテーブルと椅子を二つ置く。その上には紅茶の入ったカップが二人分置いてある。
メイプルは椅子に座ると紅茶を一口飲む。これまで飲んだ紅茶の中で一番美味しかった。クッキーも置いてあるのでメイプルはシロップにあげる。シロップは美味しそうにクッキーを食べる。
幽香はその様子を微笑ましそうに見ている。そのあとメイプルはシロップに乗って人里へと帰っていった。
その途中でメイプルはシロップと地面に降りて休憩していると、モンスターが襲ってくる。
「シロップ、【ツインスパーク】!」
シロップの近くに光がたまり極太のレーザーが二つ放たれて近くの木もろとも消しとばした。
「シロップ凄いよ!私ももっと頑張って防御力をあげないとね」
シロップの新たなスキルによってメイプルの防御力にさらに拍車がかかるのをまだ誰も知らないのであった。
次は再びあの双子です。
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番外編 極振りと閉じた恋の瞳
マイとユイは勇儀達の飲みに付き合わされていた。
しかし二人は普通に鬼に混じって飲んでいる。角が生えていれば鬼と勘違いされるぐらい飲んでいる。
「やっぱお前らいい飲みっぷりだな!」
勇儀は笑いながら星熊盃を傾ける。マイとユイも負けじと飲みまくる。ユイが店の外をチラリと見ると人里でここを教えてくれたNPCが店に入ってくる。しかし店員は気付いていないようだった。ユイが席を立ってそのNPCのところへ向かう。マイや勇儀もユイの行動に対して頭にハテナが浮かんでいる。
「君、私達にここを教えてくれた子だよね?」
「え?お姉さん私が見えるの?」
そのNPCは驚いていると他の人にも見えるようになったらしくマイも驚いている。勇儀はなるほどねのような顔をしてそのNPCに話しかける。
「こいしじゃないか。久しぶりだな!」
「そうなのかな?私は最近ずっとここにいたからわかんないや」
人里で会ったNPCはこいしと言う名前だった。マイとユイもこいしに話しかける。
「貴方のおかげでここに来ることが出来たの。ありがとうね」
ユイが笑顔でお礼を言うとこいしも顔を赤くして嬉しそうになる。
「そうだ!お姉さん達私のお家に来ない?お姉ちゃんにも会わせたい!」
マイとユイは勇儀の方を向くと勇儀はすぐに立ち上がる。
「保護者として私もついていこう。お前らは飲んでて良いぞ」
勇儀が他の鬼などにここで飲んでろと言ってからマイとユイと一緒に来たときに見えた白い屋敷へと向かっていった。
屋敷の前に来ると、庭があった。そこには犬猫狐鳥などのさまざまな動物がいた。動かないハシビロコウもいる。
こいしはそこを素通りして、大きな扉を開けながら「お姉ちゃん、ただいま〜」と言う。するとすぐに屋敷の奥からやや癖のある薄紫のボブのNPCが出てくる。
服装はフリルの多くついたゆったりとした水色の服装をしており、下は膝くらいまでのピンクのセミロングスカート。
頭の赤いヘアバンドと複数のコードで繋がれている第三の目が胸元に浮いている。
「こいし、珍しいわね。貴方がただいまを言うなんて。それでそちらは・・、なるほど分かりました」
そのNPCは何かしていたがマイとユイはよく分からない。すると勇儀が説明してくれる。
「マイ、ユイ、あいつはこの地霊殿の主の『古明地さとり』さ。あいつは・・・」
「勇儀さん、自分で言うので説明は不要です。とりあえずこちらへどうぞ」
さとりと呼ばれたNPCは広間の奥にある、テラスへと案内してくれた。
テラスにはテーブルと椅子が人数分置かれている。
さとり以外全員がそこの椅子に腰掛けるとさとりが紅茶の入ったポットを持ってきて全員分の紅茶を入れる。
こいしは紅茶そっちのけで茶菓子に手をつけている。
さとりも席について、話し始める。
「ユイさん、マイさん。貴方達は私について知らないでしょう。あまり言いたくないのですが、私は心が読めるのです」
さとりは自らの嫌われる原因を二人に明かした。
感想でさとり様を出して欲しいという要望があったので出しました。
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番外編 極振りと怨霊も恐れ怯む少女
さとりはマイもユイに自分が嫌われることを分かって自分の力を話した。
その話を聞いた双子は少し下を向いている為目が見えない。さとりはやはり嫌われるのかと思っていると、双子から声が聞こえて始める。
「「す・・・」」
「す?」
「「凄いじゃないですか!そんな力をもってるなんて!」」
さとりは二人の反応に驚いてしまう。心を読んでみるが二人の心の中でも嫌ってなどいなかった。
「さとりさんはどんな事が出来るんですか?」
「心を読むとどんなところまで分かるんですか?」
双子からの質問責めにあっているがさとりはとても嬉しかった。さとりは目から涙を流している。双子は突然泣き出したさとりに困惑している。
「ごめんなさいね。私の能力を知った人や妖怪には嫌われていたから・・・」
さとりはハンカチを取り出して涙を拭く。その時にこいしはずっと茶菓子を食べていた。
さとりはハンカチをしまってから嬉しそうに笑う。
「貴方達は双子なのよね?」
「はい、私が妹で」
「私が姉です」
ユイとマイがさとりの質問に答えるとさとりはこいしを呼ぶ。こいしがさとりの隣にくる。
「貴方ならこの子達に力を分けてくれるかしら?」
「うん!私もユイちゃんを気に入ったよ!能力発動中の私を見つけたんだよ!」
さとりはマイに、こいしはユイに妖力を分け与える。すると二人同時に運営から通知が来る。
『スキル【心を読む程度の能力】を習得しました。スペルカード【想起『テリブルスーヴニール』】を習得しました』
『スキル【無意識を操る程度の能力】を習得しました。スペルカード【本能『イドの解放』】を習得しました』
通知を二人はチラッと見てから古明地姉妹とのお茶会を楽しんだ。勇儀は飽きたようでお酒を飲んでいた。
古明地姉妹と別れた後は勇儀に掴まれて飲み会に連れて行かれた。
二人でお酒を飲みながらさっき手に入れたスキルなどを確認する。
【心を読む程度の能力】
相手プレイヤーの考えている物事を読んだり、深いトラウマを呼び起こす事が出来る。
スキル発動中に『
【想起『テリブルスーヴニール』】
弾幕を放った後、相手のトラウマを読み取りそれを再現する事が出来る。味方のスキルを読み込んで再現も出来る。
【無意識を操る程度の能力】
相手プレイヤーやモンスターの無意識の外に入り気付かれなくなる。発動している間、攻撃でダメージを与える事が出来なくなる。
スキル発動中に『
こいしのスペルカードは弾幕攻撃の説明だけだったのでユイは説明を閉じる。マイも説明を読み終わったので閉じる。
この後マイとユイは勇儀達と酒盛りを楽しんだ。
もう少しで番外編も終わります。
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番外編 炎帝の国と紅の自警隊
今回少し薄めです。
『炎帝の国』のギルドマスターのミィは竹林の中で迷っていた。最初はマルクスやミザリーといたが気がついたらバラバラになっていた。
空を見ると竹の間から星空が見える。夜になってしまったようだ。
「仕方ないな、道が分からないからとりあえずこっちに行ってみよう」
ミィは竹林の中を進んでいくが出口に出る事がない。モンスターも出てくるがあっさりと倒される。ミィは少しずつ疲れてくる。
竹林を移動していると屋台が見える。あかりもついており営業中のようだ。
「こんな竹林の中でか?」
ミィは警戒しつつ屋台の暖簾をくぐる。そこでは割烹着のような着物を着たNPCが何かを焼いている。
「あら、いらっしゃい。とりあえずそこに座りなよ」
ミィが席に座ると隣には白く長い髪で赤と白のリボンを沢山付けたNPCが何かを食べていた。
「ここは一体何屋なんだい?見た感じウナギっぽいが・・・」
「ここは八目鰻屋よ。焼き鳥は売ってないからね」
ミィはそれを聞いてからタレのついた八目鰻と日本酒を注文する。焼かれるのを待っている間、隣のNPCが話しかけてくる。
「お前さん、名前はなんて言うんだ?私は『藤原妹紅』だ」
「妹紅か。私はミィだ」
妹紅とミィは八目鰻を食べながら話していた。ミィはカリスマがなくなり、妹紅とはカリスマブレイク状態で話している。
「もー、私はこんなキャラ演じるんじゃなかった〜」
「そうかそうか。今は私しかいないから安心するんだな」
ミィは妹紅に泣きついている。酒も入った影響で完全に妹紅に懐いていた。
そしてそのまま第四回イベントでのメイプルの話などになった。
「それで、『楓の木』は本当におかしいだろ〜?メイプルもサリーも鈴仙も〜」
妹紅は鈴仙の名前に反応したが、すぐにミィの頭を撫でる。結局そのあと屋台の閉店の時間までミィと妹紅は飲んでいた。
ミィは完全に酔い潰れており、妹紅が肩を貸して歩いていく。竹林の中を通り、人里につく。そのままミィのギルド『炎帝の国』まで送り届けると、ギルドメンバーのミザリーが迎えてくれる。妹紅は自らの妖力を何も書かれていないスキルの巻物にこめる。それをミザリーに渡してこう言う。
「昨日は楽しかった。これはそれのお礼だ。と言っておいてくれ」
そう言うと妹紅は竹林へと帰っていった。
次の日
ミィはギルドのベッドの上で目を覚ました。すると部屋にミザリーか入ってくる。
「あら、起きましたのね。ミィ」
ミザリーの手にはスキルの巻物がある。ミザリーは妹紅に頼まれたことをミィに伝える。ミィは巻物を受け取り、開く。すると、運営から通知が来る。
『スキル【死ぬことも老いることもない程度の能力】を習得しました。スペルカード【不死『火の鳥 -鳳翼天翔-』】を習得しました』
ミィはスペルカードと言うものを聞いて、『楓の木』の使っていたスキルを思い出す。手に入れたスキルを確認する。
【死ぬことも老いることもない程度の能力】
一日五回まで死亡したその場でステータスダウンなどを免除でMPを消費して復活する事が出来る。
炎系統の魔法の火力を底上げする。
自爆系のスキルには発動しない。
ミィはそのあとマルクスやミザリーと共に狩りへと出かけた。
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番外編 トラッパーといたずら妖精
それと第5回イベントをオリジナルイベントにしたいのですが案があったらコメントお願いします・・・。
『炎帝の国』の魔法使いで、『トラッパー』の二つ名を持つマルクスはミィとミザリーと何人かのギルドメンバーを連れて狩りに来ていた。しかし竹林を移動している間にミィがはぐれてしまった。
「前からこの竹林はおかしいと思ってたんだよね〜」
マルクスがそんな風に愚痴を零しながら移動していると『楓の木』のメンバーの一人『鈴仙』と出会う。
「あれ?どうしたんですか?」
鈴仙はこちらを警戒せずに話しかけてくる。敵意は無いのでギルドメンバーに武装を解除する様に言う。鈴仙は自分たちの装備に枝や葉が付いているのを見るとなるほどと言う顔をする。
「もしかして、迷っていたんですか?」
ミザリーと鈴仙が少し会話をしているのでマルクスは近くの石に腰掛ける。するとミザリーはすぐにマルクスの元へやってくる。
「鈴仙さんの話によると、この竹林は『迷いの竹林』と呼ばれる場所だそうです。鈴仙さんは迷わないそうなので出口まで案内してくれるそうですよ」
僕ら『炎帝の国』だけでは抜けることは困難のようなので頼むことにする。鈴仙の後をついていってから10分程度で竹林から出る事ができた。
鈴仙にお礼を言って別れた後、人里へと帰っている途中でモンスターが現れてこちらに向かってくる。自分はトラップで足止めしようと魔力を込めたクナイを取り出そうとすると、腰には何もついておらず遠隔設置のクナイが全て無くなっていた。
自分が探している間に他のメンバーがモンスターを倒した。
「マルクス、どうしました?」
「無いんだよ!僕の遠隔設置のクナイがひとつもないんだよ!もしかして何処かで落としたのかな〜?」
一瞬鈴仙が犯人かと思ったが、彼女は僕に近づいてすらいなかったので犯人ではない。ミザリーや他のギルドメンバーもシロだ。ギルドに忘れたも無い。竹林に入るまでにモンスターとの戦闘で使っているからだ。
「ミザリー、僕ちょっとこの辺りを探してくるよ」
「マルクス、ならギルドメンバーを誰か連れていきなさい」
自分はトラップ魔法に特化しているからクナイがないと戦力にならない。とりあえず片手剣のプレイヤーを一人お供に連れて探しに向かった。
二人で移動している間にモンスターと戦うがお供が全て片付けてくれるので安心して探す。しばらく移動していると霧がかかった湖につく。
「こんな所に来てはいないからやっぱり無いかな〜?」
マルクスはため息をついて引き返そうとすると湖の畔の岩の上で背中に半透明の羽を持つ少女3人が何かをいじっている。
一人はオレンジのかかった金髪のセミロングで、その両側を赤いリボンで二房のツーサイドアップで括っている。
二人目はさらさらの腰まである黒髪でぱっつん。
三人目は亜麻色に近い金髪と、黒いリボンと白い帽子。
三人の手元をよく見るとそこには無くしたはずの自分のトラップ魔法のクナイが入ったバッグであった。
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番外編 トラッパーといたずら妖精
今回薄いかも
オリジナルイベントの案も募集中です。
マルクスは自分のバッグを見つけたのでその三人?の妖精のようなNPCに近づく。すると、三人の会話が聞こえてくる。
「これなんなの、サニー?」
「フード被った男から取ってきた。なにか面白そうなものが入っていたから」
「なにやってんのよ。でもこれは気になるのよね」
亜麻色に近い金髪のNPCがバッグからクナイのようなものを取り出す。札がついており、そこには『岩壁』と書かれている。
マルクスは勇気を振り絞り、三人に話しかける。
「あの〜、君たちそれは僕のだから返して欲しいな〜・・・」
すると三人は驚きつつサニーと呼ばれたNPCはバッグを持って空に飛び立つ。
「嫌だ!こんな面白いもの返してなるもんか!」
サニーの後を残りの二人もついていく。黒髪のNPCがマルクスのクナイを取ってこちらに投げてくる。
マルクスが追いかけようとして突然出現した岩壁にぶつかる。お供のプレイヤーが心配で近づいてくる。
その後からも妖精のNPCが自分のトラップを投げまくってくる。
蔦や岩壁、爆炎などが飛んでくる。
自分で使う分には便利だが、敵になるととても厄介だ。
仕方なく、始めたばかりの頃に覚えてから使っていなかった初期魔法でなんとか攻撃していくが全て避けられる。その後結局逃げられてしまった。飛んで行った方向に追いかけると、そこには巨大な木に窓などが付いている。『楓の木』のギルドと似ている雰囲気がある。
マルクスは扉に近づいてノックをする。
するとすぐに黒髪のNPCが出てくるがすぐに扉を閉められる。マルクスは途中で妖精達が落としたであろう自分のトラップの爆炎を扉の前に設置する。そしてそれを踏まないように扉をノックする。そして離れる。
黒髪のNPCがまた出てきたと同時にトラップの爆炎が発動して扉を破壊する。マルクスはそのままその家の中に入っていく。
そこでは爆炎に巻き込まれたNPCと残り二人のNPCがビビっている。
「それは僕の大事な物だから返してもらうよ」
テーブルの上のバッグを取り返した。マルクスはバッグの中を見るといくつか消費されているがトラップは残っている。
マルクスは壊れた扉から出ようとすると、足にサニーと呼ばれたNPCがくっついてくる。
「どうしたんだい?僕はもう帰りたいんだけど・・」
「お願いがあります!私達にその罠を教えて!」
マルクスは理由を聞くといたずらをしながら過ごしているのでいたずら方法も減ってきたそうだ。マルクスは泣き顔を見てしまい、仕方なく教えることにした。
三時間後
「これでいたずらの幅が広がるわ!お礼に私の力を分けてあげるわ!」
サニーはマルクスに近づいて妖力をマルクスに与える。マルクスに運営から通知が来る。
『スキル【光を屈折させる程度の能力】を習得しました。スペルカード【陽光『サンシャインブラスト』】を習得しました」
マルクスは外で待たせていたお供とともにギルドへと帰っていった。見えなくなるまで三人組の妖精達は見送ってくれた。
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番外編 聖職者とライダー僧侶
薄いかもしれない
ミザリーはマルクスが無くしたバッグを探しに行ってしまったので、人里を歩いていた。
ミィもおらず、暇なので新しいスキルを探しにきたのである。
町中のスキルショップにも寄ってみたがいいのが無かった。ミザリーはしばらく歩いていると、お寺のような場所に来ていた。中を覗くと犬耳のようなものがついたNPCがホウキで掃除していた。すると、そのNPCはミザリーに気付く。すると息を吸い込んでから
「おはようございまーす!」
ミザリーはあまりの大声に耳を塞ぐ。その後なんとか挨拶を返す。ミザリーは気になったのでその寺に入っていく。
お寺の中は綺麗で手入れが行き届いている。すると、お寺の外からバイクの音が聞こえる。すぐに寺の入り口からバイクが乗り込んでくる。ヘルメットを被っているので顔は分からないが、ヘルメットから紫と金色の髪がはみ出てている。
ヘルメットを脱ぐと金髪に紫のグラデーションが入ったロングウェーブの女性のNPCだった。服装は漆黒のライダースーツを着用している。
「あら、貴女は?」
「私はミザリーですわ。少し寄ってみたのですわ」
「ミザリーね。私は『聖白蓮』よ。この命蓮寺の住職ですわ」
ミザリーと聖は一緒に話している。入道を連れたNPCがお茶を持ってきてくれるので、縁側でミザリーと聖は話している。
しばらく話していると聖がバイクで、人里を詳しく案内してくれるそうなので、ミザリーは聖からヘルメットを渡される。聖もヘルメットをかぶる。
聖がバイクに座るとミザリーは聖の後ろに座り、聖に掴まる。バイクに乗って人里を回っていると、ペインやドレッドなんかも人里を回っていた。
しばらく回っていると聖が突然話しかけてくる。
「少しスピードを上げますので、しっかり捕まっていてくださいね」
ミザリーは聖にしっかりと掴まる。するとエンジン音が響いてからスピードが二倍近くまで上がる。目の前にはウェーブのかかった黒のショートヘアーで白いセーラー服をきた少女のNPCと背中から赤と青の羽?ようなものが生えたNPCだった。
結局この後この二人は聖に跳ねられました。
その後に命蓮寺に戻ってくると、また縁側で座る。ミザリーはこれまでなかなか人里を回る機会が無かったのでありがたかった。
そして夕方まで聖の仕事を見たりしていた。ミザリーが帰るときに聖からある巻物を渡される。
「これは私の持っている、『魔人経巻』の複製品ですが本来の力に近い力を使えるようになりますよ。出会った証に受け取ってください」
ミザリーがそれを受け取ると運営から通知が来る。
『装備【魔人経巻】を習得しました。スキル【身体強化を中心とする魔法を使う程度の能力】を習得しました。スペルカード【魔法『紫雲のオーメン』】を習得しました』
ミザリーは聖に見送られてギルドへと帰っていった。
オリジナルイベントのアンケート協力お願いします
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弓使いと新たな力
番外編がやっと終わりました!(朧を書いてないことを突っ込んではいけない)
この第四層が本来の姿になってから一ヶ月が経った。
皆様々な場所に向かっていたらしく【楓の木】全員が新たな力を手に入れて帰ってきたようだ。
それを見せるために人気のない霧の湖の向こう側へとメイプルに乗ってきた。
するとHPが高いモンスターが何体も出現するので試すのには最適なのだ。
「じゃあ、私から行くよ!シロップ【覚醒】からの【大自然】!それから【巨大化】からの【ツインスパーク】!」
メイプルがシロップを呼び出して敵の動きを止めて、そこに極太のレーザーがモンスターを十体程度吹き飛ばす。それと一緒に森の一部も吹き飛ばす。
「メイプルじゃなくて、シロップが超強化されたのか〜」
「これは予想外だな・・・」
サリーとカスミが呆れている。レーザーが晴れるとそこには木一本すら残っていなかった。再びモンスターが現れるので今度はサリーが戦うようだ。
「スペルカード発動!【突符『天狗のマクロバースト』】!」
サリーはモンスターに突っ込んでいき、風の刃をいくつも出してモンスターを斬りつける。いくつもの弾幕などでモンスターのHPが削りきられる。
「サリーちゃんもおかしかったな・・」
「もうこれが普通なのかもしれないわね・・・」
クロムさんとイズさんが話している。再びモンスターが出現するので次はカナデが前に出る。
「スペルカード発動!【禁忌『フォーオブアカインド』】!からの【キュッとしてドカーン】!」
カナデが四人に増えてから手のひらを握り込むと目の前のモンスターが弾け飛ぶ。
「即死効果はヤバいな・・・」
クロムさんは呆れている。すると今度はクロムさんが前に出る。
「スペルカード発動!【審判『ラストジャッジメント』】」
モンスターに空から光の柱が降り注ぎモンスターを倒す。
「クロムさん凄いです!」
「やっぱりカッコいいです!」
マイちゃんユイちゃんもクロムさんを褒める。酒飲んでるのは突っ込んだら負け?
今度はカスミが前に出る。楼観剣を構えてからスペルカードを発動する。
「スペルカード発動!【桜符『完全なる墨染の桜 -封印-』】」
蝶の弾幕や普通の弾幕がモンスターに襲い掛かる。蝶弾に当たったモンスターは一撃で光と化す。『西行寺幽々子』の力を手に入れたようだ。
その次にイズさん。イズさんは制御棒などを装備すると、スペルカードを発動する。
「スペルカード発動!【爆符『プチフレア』】」
高温の弾幕がモンスターを襲い、一瞬で消し炭になった。これは生産職と言えるのだろうか?
「「最後は私達です!」」
ユイちゃんが大槌を構える。するとユイちゃんの姿が消える。マイちゃんの胸元に赤い目のような器官が出現してメイプルの方を向く。
こちらに向かってくるモンスターの真後ろに突然ユイちゃんが現れて大槌を大振りしてモンスターを光として消滅させる。そのユイちゃんの胸元にも閉じた瞳の器官が出現している。
「後は私が!スペルカード発動!【想起『テリブルスーヴニール』】!」
マイちゃんから弾幕が少し放たれた後、手の中に紫の塊が現れる。
「メイプルさん、力をお借りします!【毒竜】!」
マイちゃんの手から毒竜が現れて敵に襲い掛かる。毒の池が出来てしまったので全員で人里へと帰ることになった。
そろそろ次の話でアンケートを締め切ります。
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弓使いと第五回イベント告知
アンケートありがとうございます!
下の結果の通り異変系イベントで行きたいと思います!
(23) 幻想郷探索イベント
(53) これまでの異変を元にした異変系イベント
(6) 闇落ち東方キャラとのイベント
明日はイベントの構成を考えるので投稿しないかもしれません
全員でギルドに戻ってきてから運営から通知がくる。
「おっ、運営から第五回イベントの通知が来たぞ。3日後のようだな」
クロムさんが運営からの通知を拡大してギルドの壁に映し出す。
そこには赤い雲がかかった空のイラストが出ている。
「次のイベントはこのイラストのみしか発表されていない。時間加速があり、ゲーム内時間で一ヶ月あるようだな。とても長いイベントになりそうだ。それと、探索と戦闘系の複合イベントと発表されたみたいだな」
クロムさんが詳しく話してくれるが、運営がほとんど次のイベント情報が出されていなくて秘匿されているようだ。
自分の予想ではイラストの赤い霧がかかったイラストで全てがわかった。
そのあと全員がイベントに向けてレベル上げに向かっていった。自分はイベントに向けて、迷いの竹林へと向かっていった。
メイプルside
2日後
2日ぶりにギルドに来ると鈴仙以外が全員集合していた。
「あれ?鈴仙は?」
「メイプルも知らないの?私達も2日前くらいからずっと見ていないんだよね」
メイプルの疑問にサリーが答える。ギルドの情報を見るとログインはしているようだ。しかしここにいる誰も鈴仙を見ていないようだ。
私はメッセージ送信でミィさんやペインさんに鈴仙について聞いてみたが、一切情報が集まらなかった。
「明日はイベント開始だから作戦なんかを全員で決めようと思っていたんだが・・・仕方ない。メイプルも来たから作戦会議を始めよう。後で鈴仙に作戦をメッセージで送信しておいてくれ」
クロムさんが作戦会議で、イラストの赤い雲に注目する。
「これはおそらく、赤い雲が現れて強いモンスターが沢山出現するタイプのイベントだろう。それらを倒して何かアイテムを入手するイベントだと俺は想像している。他に意見はあるか?」
クロムさんが意見を率先して発言してからサリーが手を上げて発言する。
「私もそうだと思うわ。これまでのイベントの感じを考えてクロムさんの意見に納得しているわ」
ギルドにいる全員がこの意見に賛成で、私の【暴虐】やユイちゃんの【ミッシングパワー】での移動などを決めた。隠す必要が無いので最初から思いっきり戦うことに決まった。
作戦会議が終わると、全員で人里へと鈴仙の情報を探しに向かった。
全員で分かれて情報を探して回ったが、その日の夕方になるまでに鈴仙の情報は一つしか見つからなかった。
あるNPCからの情報だか、竹林へと入っていく鈴仙を見たそうだ。そこは【迷いの竹林】と呼ばれる場所と鈴仙に教えてもらった。一度入ると出てこられなくなる竹林だそうで探しに行くことができなかった。
結局鈴仙が見つからずにイベント当日になってしまった。
楓の木『鈴仙についての情報はなんの成果も得られませんでした!』
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弓使いと紅霧異変
感想お待ちしています
メイプルside
結局鈴仙は帰ってこないで、イベントが始まってしまった。イベントが始まってすぐに赤い霧が空を覆い尽くした。
しばらくサリーと一緒にマップに向かうが、普通のモンスターが出るだけで、強い特別なモンスターは一切見かけなかった。少し攻撃が強くなっている感じはした。
「サリー、この赤い霧はなんなの?」
「おそらく、モンスターの能力を少し上昇させる効果があるんだろうね」
モンスターを倒しつつ、人里へと戻っていると、森の中でカスミと再会する。
「メイプルとサリーか。どうやらこの霧は霧の湖にある赤い館から出ているようだな」
すると運営から通知のメッセージが来る。
『イベントミッション!赤い霧を消して平和を取り戻せ!』
サリーは通知を見てから成る程と頷いている。自分はよく分からないからサリーに聞いてみる。
「おそらく今回のイベントはこういうミッションを沢山こなすタイプなんだよ、メイプル」
そんな訳でサリーとカナデ、カスミとクロムさん、私でその紅い館へと向かうことになった。結局鈴仙は呼んでみたけど来なかった。カナデはなんかそわそわしているが聞いても「なんでもない」の一点張りだった。
霧の湖に着くとそこには『集う聖剣』のペインさんと『炎帝の国』のミィさんが一緒にいた。
「あれ?珍しい組み合わせですね?」
「ああ、さっきここで出会ってな」
サリーの質問にミィさんが答えてくれる。ペインさんも剣を構えていないため戦うつもりは無いようだ。今回そんなイベントじゃないからかな。
「そうだ!ペインさんとミィさんも一緒にどうですか?」
「それはいいかもしれないね。メイプルはいれば敵なしだと思うから是非お願いしよう」
「私もその方がいいと思うな」
そんな訳で私達のパーティにペインさんとミィさんが加わった。そんな訳で霧の湖を歩いて紅い館へと向かっていると、突然空から氷の塊が落ちてくる。全てを私が受けたのでダメージは0だ。
「あたいのなわばりにかってにはいってんじゃないわよ!」
空に青い髪で氷の羽が生えた女の子のNPCがいた。頭の上にHPバーか見える。
氷の弾幕がいくつも飛んできているが全て私が受け止める。
「メイプル、ここは私に任せてくれ」
ミィさんが前に出る。氷の弾幕がくるがミィさんの炎魔法で全て溶かす。弾幕を消してからミィさんの背中から炎の翼が生えてそれで空を飛ぶ。
手を服のポケットに突っ込んで足に炎を纏わせる。
「炎帝ヴォルケイノ!」
炎を纏った足で女の子のNPCの身体を蹴り飛ばす。あっさりとHPが削り切られて『ピチューン』の音とともに消滅する。
結局あの女の子の名前すら分からずに突破してしまった。ミィさんが降りてきてから紅い館へと向かうことを再開した。
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弓使いと紅の門番
メイプルsied
しばらく霧の湖付近を歩いて妖精を倒しつつ、霧が出ている紅い館の前に着く。近くに来るととても大きい館だった。現実の自分の行っている学校より大きい。
門の前には赤い髪の中華風の服を着た女の人のNPCが塀に寄りかかっている。全員で近づいていくと、女の人のNPCが目を開けてこちらを見てくる。
「あ、カナデ様。今日も来てくれたのですね」
「やぁ、フランちゃんは元気かな?」
「ええ、元気過ぎて大変ですけどね・・・」
カナデが門番の人と仲良さそうに話している。クロムさんも敵ではないと思ったのか、武器をしまう。
「カナデ様、フラン様がお待ちですのでどうぞ」
カナデは女の人が開けた門を通って中へと入っていく。私達も通ろうとすると門を閉められてしまう。門を閉めると私達に合気道のようなポーズをとる。
「カナデ様は妹様のお客様ですが、それ以外のお方はお帰り願いましょうか」
その直後、こちらに一瞬で近づき私の体にパンチが放たれる。ダメージは0だけどノックバックによって十メートル位後ろへ吹き飛ばされる。
クロムさんも鎌で攻撃するが、NPCに掴まれそのまま投げ飛ばす。どこにあんな力があるのか?サリーも攻撃していくが上のHPバーは少ししか削れない。
ミィさんも【炎帝】を放つが、パンチによって消し飛ばす。その隙にペインさんが回り込んで技を放つ。
「【断罪ノ聖剣】」
強力な剣技によってNPCのHPを半分まで削る。
「ここまで強いのは博麗の巫女以来ですね。とりあえず名乗っておきましょうか。私は『
門番さんの名前は美鈴さんと言うようだ。私はみんなに離れてもらい、短剣を構えてスキルを発動する。
「【毒竜】!」
美鈴さんを毒竜の毒に包み込まれる。HPの減りが少ないので毒に耐性があるようだ。それでもHPは減っていくので効いてはいるみたい。
すると美鈴さんがカードを取り出して唱える。
「スペルカード発動!【虹符『彩虹の風鈴』】!」
弾幕が飛んできてこちらに向かってくるが、サリーは避けて、クロムさんは大盾で防ぎ、カスミさんは弾幕を切り裂いている。ミィさんは弾幕を火魔法で相殺。ペインさんは避けきる。
私は避けられないが、ダメージは0。
サリーが全て避けて美鈴さんに近づいてスペルカードを発動する。
「スペルカード発動!【突符『天狗のマクロバースト』】」
沢山の風の刃で美鈴さんのHPを削りきった。その瞬間に『ピチューン』の音が鳴る。
サリーがこちらに戻ってくると、美鈴さんがボロボロで膝を付いている。
「まさか文さんのスペルカードを使ってくるとは思いませんでした。仕方ないですね」
美鈴さんが門を開けてくれる。門を入ると、花壇や噴水がある。かなり奥に進まないと館に着かないようだ。全員で館へと向かっていった。
カナデは一体何処まで行ってしまったんだろう?
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弓使いと普通の魔法使い
メイプルsied
紅魔館の広い庭を通り過ぎてから中に入る。中は赤い絨毯や赤い壁で真っ赤な館だった。
「目に悪そうな館だな」
カスミがそんなことを呟いている。するとメイドの格好した妖精がモップなどを持って攻撃してくるが、クロムさんがカウンターを喰らわせて倒している。
しばらく館の中を歩いていると、地下へと向かう階段があった。そこを降りようとすると、後ろから声をかけられる。
そこには黒い三角帽、黒と白の服で、金髪の片方を三つ編みにして右手にはほうきを持った女の子のNPCがいた。
「お前たちもこの霧を止める為に来たのか?」
「えっと、誰?」
サリーが思わず聞き返す。すると、そのNPCはすぐに答える。
「そうだった、自己紹介が先だな。私は『霧雨魔理沙』。普通の魔法使いだ」
魔法使いなのに普通ってのは突っ込んでいいのかな?ゲームの中だから別にいっか。
「ところで魔理沙はこの霧がなんなのか知っているのか?」
ペインさんが魔理沙さんにそんなことを質問する。
「ああ、知ってるさ。あの霧はこの紅魔館の主『レミリア・スカーレット』ってやつが出してるからな」
あっさりと答えてくれる辺り敵では無いようだとサリーが頷いていた。
「この霧を止めたいんだろ?それならこの先にいるパチュリーも倒さないとこの霧は消えないぞ。私が案内してやるよ」
魔理沙が一人で階段を降りていく。それを見ながら全員で話し合う。
「こんな簡単に信じていいのか?」
「怪しいけど、敵ならこんなに情報教えてくれる?」
「とりあえず信じてみようよ!」
私の一声で信じて魔理沙について行ってみる事になった。階段を降りていくと大きな扉がある。魔理沙が持ち手に手をかけて開けようとすると、ガチャガチャと言うだけで開かない。
「今回はちゃんと閉めているんだな。仕方ない!【マスタースパーク】!」
魔理沙が何かを取り出して構えると極太のビームが放たれる。扉にぶち当たってビームが消えると、扉には傷が付いているだけだった。
「やっぱ魔法で補強してあるよな・・・。えっと、あんた達で一番パワーのある奴は居ないか?」
すると魔理沙以外全員が私を見てくる。私は「え?」みたいな顔になってしまう。
「お前、えっと名前聞いてなかったな」
「メイプルです」
「メイプルか!私の攻撃に合わせて一緒に扉に向かって攻撃してくれ」
そう言われたのでシロップを呼び出して巨大化させる。魔理沙の目がキラキラしている。
「シロップ!【ツインスパーク】!」
魔理沙の【マスタースパーク】と【ツインスパーク】が同時に扉にぶつかり、魔法障壁を打ち破って扉を破壊する。その向こう側にいた黒い服を着た長い赤髪の蝙蝠の翼を持ったNPCが吹き飛んでいた。
「よっしゃ!開いたな。あんた達いくぞ!」
あまりのゴリ押しに私と魔理沙以外は呆れていた。
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弓使いと知識と日陰の少女
メイプルsied
扉をぶち壊した先にはとても広い図書館が広がっていた。様々な本が見える。
「これはすごいな・・・」
「これを読み切るのは不可能だろうな」
クロムさんとカスミが驚いている。サリーは少し警戒しているようだった。すると魔理沙が話しかけてくる。
「お前ら、この図書館の主人のパチュリーが登場だぜ」
「魔理沙、扉を壊したら来るに決まっているでしょ?強力な魔法で強化しておいたはずなんだけどね?あと勝手に紹介しないでくれる?」
図書館の奥から『パチュリー』と呼ばれた人物が歩いてくる。姿は長い紫髪の先をリボンでまとめ、紫と薄紫の縦じまが入った、ゆったりとした服。さらにその上から薄紫の服を着、ドアキャップみたいな帽子を被る。また服の各所に青と赤と黄のリボンがあり、帽子には三日月の飾りが付いている。
「あんまり動きたくないのだけど、仕方ないわね。泥棒には然るべき罰を与えないとね。あと吹き飛ばされた小悪魔の敵もあるわね」
「あー、小悪魔が吹き飛ばされたのか?それはすまんな」
パチュリーが空に浮かび上がってカードを構える。全員が武器を構える。
「スペルカード発動!【火符『アグニシャイン』】」
カナデが持っているスペルカードと同じ奴を放ってくる。全員が避けたり、消したりして耐えている。私は全てを受けてダメージ0。その隙に短剣を構える。
「【毒竜】!」
毒竜が飛び出してパチュリーに向かって飛んでいく。パチュリーは毒竜を避けようとするが、突然咳き込み始めて毒竜を食らってしまう。
パチュリーは毒の海に沈んでいる。なんか動かなくなってしまった。すると魔理沙が近づいていく。
「おい、パチュリー大丈夫か!?【解毒】」
魔理沙が魔法でパチュリーの周りの毒を消す。私達も近づいていく。サリーも武器をしまって近づく。
「パチュリーはな、喘息持ちなんだよ。とりあえずどっかに寝かせられる場所はないか?」
するとクロムさんがあったテーブルに椅子に置いてあった毛布をかける。頭のところにクッションを置いてパチュリーを寝かせる。
「まぁ、パチュリーがこんな状態じゃもう戦えないな。次は上の部屋に行かないか?そこに目的のレミリアがいるからな」
するとパチュリーが目を覚ました。しかし動けないので顔だけをこちらに向けてくる。
私はカナデがどこに行ったのかが、気になるので聞いてみる。
「パチュリーさん、カナデを見ませんでした?」
「カナデ?ああ、彼ならフランの部屋よ。いつも遊んでくれているの。心配しなくてもこの先で合流できると思うわ」
「パチュリーがそう言うなら心配ないな。レミリアの元へ行こうぜ」
魔理沙がそう言うので仕方なくレミリアさんの元へと向かうことになった。
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弓使いと完全で瀟洒なメイド長
メイプルsied
魔理沙とみんなと一緒に図書館から上に上がってくる。またしばらく屋敷の中を歩いていると広い階段のある広間に着く。その途中でメイドの妖精に襲われたが全て倒してきた。
その広間の階段を上がろうとすると足元に突然銀色のナイフが刺さる。そのナイフが飛んできた方向を見ると銀髪のメイド服をきたNPCがジョ○ョ立ちで立っていた。サリーやみんなも武器を構える。するとそのNPCはこちらに向かって話しかけてくる。
「また白黒の泥棒と別の侵入者がいるなんて美鈴は何しているのかしらね?まぁいいわ。侵入者には今すぐに帰ってもらいましょうか」
その瞬間、メイドの姿が消えて同時に百本を超えるナイフが出現してこちらに全て飛んでくる。すぐに【身捧ぐ慈愛】で天使の姿になり、みんなに飛んでくるナイフを自分が全て受け止める。
ほとんどのナイフが刺さらずに跳ね返されるが、青い持ち手のナイフのみが当たったカスミやミィさんのダメージが私にくる。
青いナイフは防御力貫通効果があるようだった。
「あら、ほとんど跳ね返すなんて侵入者にしてはやるじゃない。でも青いナイフは防げてないみたいね」
いつの間にか後ろにいたメイドに驚きつつサリーが斬りつけるが瞬間移動で避けられる。メイドはカードを取り出して唱える。
「スペルカード発動!【幻幽『ジャック・ザ・ルドビレ』】」
青いナイフが大量に出現してこっちに飛んでくる。
「【ピアーズガード】!」
防御貫通無効のスキルを発動するが、沢山飛んでくるナイフによってすぐにスキルの効果が無くなる。それによって自分のHPが削られていく。すぐにナイフの応酬は終わってダメージはなくなる。
「メイプル【身捧ぐ慈愛】を解除した方がいい!」
「分かったよ、サリー!」
【身捧ぐ慈愛】を解除して範囲防御が消える。メイドはすぐに瞬間移動してからカードを取り出してから唱える。
「スペルカード発動!【幻世『ザ・ワールド』】」
その直後赤、青、緑のナイフが出現している。それがそれぞれ独特の挙動で飛んでくる。メイドは二階の階段の上でジ○ジョ立ちでこちらを見下している。
サリーは全てを避け、カスミやクロムさん、ペインさんやミィさんはダメージを喰らいつつ避けていく。私は青いナイフのみに気をつけて避けるけどダメージを受けてしまう。
「少しずつ消耗してきたわね。そろそろ諦めて帰ってくれるとありがたいのだけどね」
油断しているようなので短刀を構える。
「【毒竜】!」
毒竜が毒を吐き出してメイドに攻撃するが、あっさり避けられる。移動した先でナイフを構えているとペインさんがその位置サリーの素早さで援護してメイドの後ろに回り込む。
「なっ!?」
「これでトドメだ!【断罪ノ聖剣】」
ペインさんの放ったスキルによってメイドを背中から切り裂く。それによりメイドのHPを削り切る。
膝をついてもう戦うことは出来ないようだ。なので安心して二階へと上がった。上がって別の部屋へ向かおうとすると、メイドの姿が消えてしまった。それと同時に床に刺さっていたナイフも全て消えてしまっていた。
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弓使いと永遠に紅い幼き月
メイプルsied
しばらく屋敷の廊下を歩いていくと赤い扉に当たる。扉の前に赤と白の脇の開いた巫女服?を着たNPCが立っている。すると魔理沙がそのNPCに話しかける。
「おーい、霊夢ー。パチュリー倒して来たぜー」
霊夢と呼ばれたNPCはこちらを見るとため息をついていた。私たちがいるのが何が悪いのか?
「なんで部外者が異変解決に来ているのよ?でも強そうな見た目だからここまでこれたのだから力はあるのかしら?邪魔しないのならついて来なさい」
霊夢さんは扉を開けて中に入っていった。私達もその後に続いて入っていく。
そこは少し広めの部屋で、大きな窓からは外の紅い空が見える。その窓の前に豪華な椅子が置かれており、そこにコウモリの羽の生えたNPCが座っている。
青みがかった銀髪でナイトキャップをかぶっている。
衣服は、帽子に倣ったピンク色。太い赤い線が入り、レースがついた襟で、両袖は短くふっくらと膨らんでおり、袖口には赤いリボンを蝶々で結んである。左腕には赤線が通ったレースを巻いている。
腰のところで赤い紐で結んでいる。 スカートは踝辺りまで届く長さはある。
「霊夢と魔理沙以外にもお客が来るのは見えていたわ。咲夜、手助けをなさい」
「分かりましたわ」
さっき広間で倒したメイドがまた現れた。やられた訳ではなく、逃げていたようだった。
咲夜と呼ばれたメイドが主のレミリアと思われるNPCに耳打ちをしていた。
「貴方達も私を倒しに来たのね。まずは自己紹介ね。私はこの紅魔館の主である、『レミリア・スカーレット』よ。誇り高き吸血鬼よ」
レミリアさんが翼を広げて窓からメイドと共に窓から飛び出していく。それを追って霊夢さんと魔理沙さんも追いかける。私達も鈴仙に教えてもらった通りに空に飛び上がり、追いかける。ペインさんは飛べないのでクロムさんが抱えて追いかけた。
空ではレミリアさんが私たちを待ち構えていた。霧の湖の方で弾幕が飛んでいるが、気にしないことにした。
「貴方達とはとても楽しい弾幕勝負が出来そうね」
このままレミリアさんとの、決戦が始まった。
同じ頃、弾幕が飛んでいた霧の湖では・・・
「わはー、貴方達は食べられる人類?」
「食べれる訳ないだろー!」
プレイヤーが何人も金髪で赤いリボンをつけた黒い服とスカートをはいた女の子に追いかけられていた。その子は何度も噛み付いて来て木を何度も噛み砕いていた。
「食べられないのかー?なら食べてみれば食べれるか分かるのだー」
「結局食べるのかよー!?」
突然プレイヤー達は暗闇に包まれてそのまま飛んできた弾幕の餌食になってしまった。何人かのプレイヤーは女の子に噛み付かれて食べられてしまった。
「わはー、美味しいのだー!これはもっと食べたいのだー!」
女の子はまた森の中へ向かっていった。
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弓使いと永遠に紅い幼き月 その2
メイプルsied
「スペルカード発動!【神罰『幼きデーモンロード』】」
レミリアさんがレーザーと大弾幕を放ってくる。空を自在に食べるので避けていく。サリーは避けると同時に天狗の団扇で弾幕を放っている。
「スペルカード発動!【メイド秘技『殺人ドール』】」
それと同時にメイドの咲夜さんからナイフがスペルカードとして飛んでくる。クロムさんはペインさんを抱えているため弾幕を避けにくそうだった。
「【毒竜】!」
毒竜を打ち出すが弾幕の応酬で飛び散ってしまった。カスミも楼観剣で弾幕を切り裂いている。霊夢さんも慣れた様子で避け続けている。
「こっちからもいくわよ!スペルカード発動!【霊符『夢想封印』】」
霊夢さんから特大の弾幕がいくつも放たれてレミリアさん達に向かっていく。
爆発が起きるがレミリアさん達が、煙から飛び出してくる。その後もスペルカードと弾幕の応酬が繰り返されている。
カスミやクロムさん、ミィさん、ペインさんは弾幕でHPが少しずつ削られている。私は貫通効果のナイフでダメージを受けている。サリーは全て避けていてダメージ無し。
相手は咲夜さんを倒してレミリアさんだけになっている。
「これであの子を終わりにしてあげるわ。スペルカード発動!」
レミリアさんが私の方を見てスペルカードを構える。いつでも受けられるように【闇夜ノ写】を装備しておく。
「【神槍『スピア・ザ・グングニル』】!」
紅い弾幕から紅く光る巨大な槍がレミリアさんの手の中に出現する。それを私に向かって飛んでくる。
空を飛んでいるけれど移動速度は遅いので【闇夜ノ写】で受け止める。
受け止めた瞬間、【闇夜ノ写】が砕かれてそのまま私の鎧と、防御力を貫いてくる。
「うわーっ」
「メイプルー!」
衝撃で地面に叩きつけられる。鎧は完全に破壊されているが【破壊成長】で、元に戻る。【不屈の守護者】のおかげでHP1で耐えている。ポーションを持っていないので仕方なく、【暴虐】を発動する。そのまま空に飛び上がる。
「まさかそんな姿になるとは思わなかったわ。それでも私の弾幕を受け切れるかしら?」
それと同時に弾幕を放ってくる。暴虐の腕を振るうと強力な腕で弾幕を打ち消す。
サリー達も私を援護してくれる。
「通常弾幕程度なら避けられるわよね。でもスペルカードを避けられるかしらね?スペルカード発動・・「お姉様ー!」!?」
レミリアさんが喋っていると、下の紅魔館から声が響いてくる。金髪で背中に宝石がぶら下がった羽?の女の子が誰かを引っ張ってくる。お姉様とレミリアさんを呼んでいたから妹だろうか?
引っ張ってこられていたのは紅魔館に先に入っていったカナデだった。
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弓使いと吸血鬼姉妹
メイプルsied
「もー!お姉様また私に秘密で楽しそうな事してる!」
「貴方はカナデと遊んでいたじゃないの」
レミリアとカナデを引っ張ってきた金髪の子が話している。すると、その子が私たちの方を見てくる。
「貴方達、お姉様と戦ってここまで立っているのも凄いじゃない。そこの怪物とも戦ってみたいわ。お姉様、いい?」
「分かったわよ、一緒に戦いましょう!いくわよ、フラン!」
「分かったわ、お姉様!」
フランと呼ばれた女の子が炎の剣を作り出して私の【暴虐】の腕を一本切断する。しかしすぐに再生して攻撃するが、避けられる。カナデはフランと呼ばれた女の子に引っ張られっぱなしだ。
「カナデも一緒にやりましょ?いいわよね?」
カナデが勧誘されているため、サリーが間に入りカナデを救出する。カナデはサリーに助けられて私の後ろに移動する。
「もー!カナデは私のお気に入りのおもちゃなのに!奪わないでよ!」
「フラン、なら私と一緒に取り返しましょう」
レミリアさんがフランさんを宥めてからお互い手を繋いで同時に弾幕を放ってくる。弾幕の密度が高く、全然避けられない。サリーですらギリギリで避けているようだ。カスミもクロムさんもミィさんもペインさんもダメージを受けている。
魔理沙さんと霊夢さんは結構あっさりと避けていく。
「フラン、行くわよ!」「分かったわ、お姉様!」
「「スペルカード発動!【紅魔符『ブラッディカタストロフ』】」」
レミリアさんから紅い持ち手のナイフ、フランさんから特大の弾幕がいくつも放たれる。するとミィさんが私たちの前に出てくる。
「ここは私が全て引き受ける!他は攻撃を任せたぞ!スペルカード発動!【蓬莱『凱風快晴 -フジヤマヴォルケイノ-』】!」
スペルカードでレミリアさん達の弾幕を打ち消していくのでその隙にレミリアさん達に近づこうとするが攻撃が届く位置まで行くことが出来ない。
「スペルカード発動!【岐符『サルタクロス』】!」
サリーの風の弾幕が飛んでいくが、特大の弾幕には勝てずにそのままミィさんにぶつかり、HPが削り切られてしまう。するとミィさんの身体から炎が出て、HPが満タンまで回復する。
「私は不死鳥だ!みんなの為ならこの命散らしても構わない!」
炎の弾幕が飛んでいき、レミリアさん達が弾幕を打つのをやめて回避行動に徹する。クロムさんはペインさんを抱えている為、HPがギリギリで向かうことが出来ない。私はレミリアさん達の避ける方向へ移動して動きを制限する。腕を振り、レミリアさんに当たる。HPが1割程度削ることが出来る。
「メイプル達!良くやったわ!トドメよ!【霊符『夢想妙珠』】」
霊夢さんが、動きの止まったレミリアさん達にスペルカードをぶち込む。煙が舞い上がり、その中から、「ピチューン」という音が二回聞こえた。それと同時に空から紅い霧が消えて、青い空が帰ってきた。
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弓使いと博麗神社
今回は薄いかも
メイプルsied
レミリアさん達を倒した後霊夢さんと魔理沙さんはすぐに帰って行ってしまった。魔理沙さんが帰る直前に明日に山の上にある神社に来るといいと誘ってくれた。
地面に降り立ってギルドに帰ろうとしていると、運営から通知がくる。
『イベントミッションクリア!報酬として【スカーレット姉妹のフィギュア】をギルドへと郵送されました』
何か報酬が手に入ったようなのでミィさんやペインさんと別れて、ギルドに着く。ギルドではマイちゃんユイちゃんがいた。今回は移動が多かったのでこの二人はモンスター退治に専念してもらっていた。
このイベントの間のみ、『P』という特別なアイテムをドロップすることがあるそうだ。それらは集めれば集めるほど良い報酬と交換できるそうだ。
ギルドの机の上にはリボンの付いた箱が置かれていた。それを開けるとその中にはレミリアさんとフランさんの精密なフィギュアが入っていた。
このフィギュアには飾られているギルドではギルドメンバー全員のSTRを1%増加させる効果があるようだ。
それを分かりやすい場所に置いてみる。精密に作られているのでとても可愛い。
「しかし、今回のイベントはゲーム内で一ヶ月もあるんだよな。今回のイベントミッション以外に他のことが起こるのは確定だから、油断が出来ないな」
「そうよね〜、どんなイベントミッションがあるのかが、分かんないから対策のしようがないのよね」
クロムさんとサリーが話している。マイちゃんユイちゃんも私もどうしたらいいのか分からないので三人で伊吹瓢の中身を飲む。
その後は日が暮れるまでモンスターを狩って『P』を集めていた。
次の日
魔理沙さんの言っていた山の上の神社にやってきた。そこでは魔理沙さんや知らない人達が宴会をやっていた。NWOのプレイヤー達もやってきている。その中には日傘の下でレミリアさんとフランさん、咲夜さんもいる。
「あら、メイプル達じゃない。こっちに来なさいよ」
「カナデ〜!一緒に遊ぼうよ〜」
宴会の中に入っていくと、即興で作られたステージで色が違う形が似た服をきた三姉妹と思われるNPC達がそれぞれバイオリン、トランペット、キーボードを手を使わずに演奏している。サングラスをかけた鳥の羽を生やしたNPCと犬耳のついたNPCが音楽にのって熱唱している。
「みんなー!いつもは夜だけだけど今回は特別!『鳥獣伎楽』がやってきたよー!」
その掛け声にNPCや、ノリに乗ったプレイヤー達が『うぉー!』とノリノリになっている。
「なんで結局、妖怪ばっかり集まってくるのよ・・・」
「これは妖怪神社と呼ばれても仕方ないんだぜ」
そのステージを見ながら神社の縁側で座っているのが見えた。ミィさんやペインさん、ドレッドさん辺りも来ている。
そのままこの日は一日中宴会が続いた。
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弓使いと長い長い冬
今回は薄いかも
メイプルsied
レミリアさん達が起こした赤い霧が晴れてから3日が経った。宴会の次の日から人里や、霧の湖でも雪がふりつづいている。
AGIが0の私は雪に足を取られるのでギルドホームに行くのも大変だった。ギルドの前ではマイちゃんユイちゃんが雪だるまを作っていた。小さくて可愛い雪だるまだった。
「メイプルさん!ここまで来るのに大変でしたよね!」
「本当だよ〜。マイちゃんユイは大丈夫なの?」
「そういえばメイプルさんはなんで空を飛んで来ないんですか?」
あ、そういえば私たちは飛べるんだった。完全に頭から抜けてたなー。そのままギルドに入るとサリー達も来ていた。クロムさんはこの3日連続の雪が気になるそうだ。
「俺が人里を見ていると木に桜の花が一つだけ咲いていたんだ。つまりもうすでに桜が咲く天気にならないのはおかしいんだ」
「でも、それはただの推測だよね?少し早めに咲く花くらいあると思うんだよね」
カスミは話し合いに参加せず壁際で少し冷や汗をかいている。サリーもそれに気づいたようで、カスミに質問してみる。
「カスミ、さっきからなに汗かいているの?」
「ああ、少し気になることがあってな」
カスミは少し躊躇していたが、話してくれた。カスミの話によると霧の湖の近くの山の近くの雲の上に大きな魔法陣が浮かんでいるそうだ。その先は死者が集まる【冥界】の【白玉楼】という屋敷があり、そこに大きな葉も一枚もない桜の木があるそうだ。
その木に春を集めるとその桜が咲くと言われているそうだ。
「もしかしたらその桜が春を集めているから春が来ないんじゃないかと私は思っているのだが・・・」
そんな風に話していると、ギルドの扉が開き誰かが入ってくる。それは白髪の黒いカチューシャをつけた緑の服のNPCだった。カスミはそのNPCを見てすぐに気がつく。サリーはそのNPCの横の白い浮いているものにビビって物陰に隠れてしまう。
「妖夢か!?なんでここに!?」
「やっといましたね、カスミさん。幽々子様が突然暴走した西行妖に乗っ取られてしまったんです!霊夢さんにも知らせたので後はカスミさんにも協力を頼まないかと!」
妖夢はカスミが西行妖の力に近いものを持っているので抵抗出来ないかと思い探したそうだ。
「分かった。今すぐに冥界へ向かおう!メイプルも良いか?」
「分かったよ、カスミ」
「俺も協力するぜ」
「今回は私も連れてってよね」
私が返事した後にクロムさんとイズさんも名乗りをあげる。サリーは死者のいる冥界には行きたがらないという理由、マイちゃんユイちゃんは相手の能力の都合上、カナデは怯えているサリーを見ていてもらう為にお留守番だ。
「じゃあ、幽々子さんを助けるために!」
「幽々子様を助けるために!」
「「冥界に向けて出発!」」
「「「「「おーっ!」」」」」
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弓使いと雪女
メイプルsied
妖夢さんの案内で雪の降る中、霧の湖へと飛んでいる。風もあり吹雪いている場所もある。
そんな中誰かが二人一緒に前から飛んでくる。
一人は紅魔館で会った魔理沙さん。
もう一人は金髪で、一見すると人形のような姿をしているという。
青のワンピースのようなノースリーブに、ロングスカートを着用。
その肩にはケープのようなものを羽織っており、頭にはヘアバンドのように赤いリボンが巻かれている。今はマフラーを首に巻いている。
「お、メイプルと妖夢じゃないか!お前らも冥界に向かうのか?」
「魔理沙が絶対春が来ないのは冥界のせいだと聞かなくて無理やり連れてこられたのよ」
「魔理沙さん、アリスさんも冥界に向かうんですね!お願いです!幽々子様を助けるのを手伝ってください!」
妖夢さんが魔理沙さんとアリスさんと呼ばれたNPCに頼み込んでいる。
魔理沙さんとアリスさんは顔を見合ってから頷く。妖夢さんはお礼を言ってから私達の事を紹介してくれた。
「メイプルちゃんがリーダーの【楓の木】ね。私は『アリス・マーガトロイド』よ。魔法の森に住む人形遣いよ」
冥界へと向かいながら話をする。アリスさんの周りには可愛い人形が三体程度飛んでいる。アリスさんの手作りだそうだ。私も欲しいと言ったら後で作ってくれると言ってくれた。
しばらく飛んでいると、突然吹雪が出現する。竜巻のように吹雪いている。
ゲーム内なので寒さを感じないが、本来だったらとても寒くて動けなくなっていたと思う。
「これはおそらくアイツのせいだぜ。いるんだろ、レティ!」
すると吹雪の中からNPCが出てくる。容姿は薄紫または薄水色のショートボブに白いターバンのようなものを巻き、ゆったりとした服装をしている。 下はロングスカートにエプロンらしきものを着用。また首には白いマフラーを巻いている。
左胸あたりに首から腰までの白いラインが走っており、そこに銀を表す錬金術記号の一つに似た、四方向に矢印がついた槍のようなブローチをつけている。
このNPCがおそらくこの吹雪を生み出した張本人なのだろう。
「レティ!なんでこんな事するだぜ!」
「冬が長く続いているから暴れたい気分なのよ!全員まとめて凍りなさい!スペルカード発動!【寒符『コールドスナップ』】!」
スペルカードから弾幕が放たれる。全員で回避行動を取っていく。私は短刀を構えて【毒竜】を打ち出す。弾幕に当たった部分が凍ったりしているが、レティさんに向かっていく。そのままあっさりと毒竜に飲み込まれてしまった。
その直後に吹雪は消えてしまう。レティさんは毒にまみれながら地面へと落下していった。私が助けに行こうとすると、魔理沙さんに止められる。
「こんなんで妖怪は死なないから放っておいて大丈夫だぜ。そんな事より早く冥界に向かうんだぜ」
そのまま魔理沙に引っ張られて妖夢についていくことになった。レティさん大丈夫かな?
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弓使いと幽冥楼閣の亡霊少女
メイプルsied
妖夢さんの案内で空にある結界を通って冥界へ転移する。
そこは空が暗く、長い階段が伸びている。その両脇には葉が一枚も無い木が生えている。
「もうすでにここの桜すらも吸収してしまったのですね・・・」
「ああ、これは急がないと行けなさそうだな」
妖夢さんとカスミが木を見て呟くとすぐに空を飛び階段を辿っていく。それにクロムさんと私とアリスさんと魔理沙さんも追いかける。
飛んでいると、近くの人魂から弾幕が放たれるがカスミが一閃を放ちあっさりと倒す。しかし倒しても倒しても人魂は湧いてくる。しばらく倒していると人魂が一切寄って来なくなる。
そのまま階段の先には和風の屋敷があった。どうやらここが【白玉楼】のようだ。屋敷の敷地内に第四層の全ての春がそこにある葉のついてない巨木に向かっている。
その木の前には水色の着物を着たピンク髪の女性のNPCが薄気味悪く笑っている。
「幽々子様!もうやめてください!」
妖夢さんがそのNPCに向かって叫ぶが、そのNPCから蝶の形の弾幕が大量に飛んでくる。
「皆さん幽々子様の弾幕は全て避けてください!当たったら即死してしまいます!」
防御姿勢をとっていた私は大盾をしまい、回避に徹する。クロムさんも避けるが、カスミは刀で弾幕を切り裂いている。魔理沙さんとアリスさんも避けていく。
「スペルカード発動。【桜符『完全なる墨染の桜 -春眠-』】」
幽々子様と呼ばれたNPCがスペルカードを発動して大量の弾幕が襲いかかってくる。
「スペルカード発動!【蒼符『博愛のオルレアン人形』】」
「スペルカード発動!【魔符『ミルキーウェイ』】」
魔理沙さんとアリスさんのスペルカードによって弾幕の数を減らしてくれた為なんとか避ける事が出来た。すぐさま【毒竜】を放つ。
【毒竜】はあっさりと幽々子様に命中するが、上のHPバーは一切減っていなかった。どうやら毒無効を持っているようだ。
「幽々子様は亡霊です。毒や状態異常は一切効果無いですよ」
妖夢の言葉の通りだとすると、私はほとんど戦力にならない事になってしまった。弾幕が打てるので一切戦力にならない事にはならなさそうだ。私は【機械神】を発動して一斉発射する。
「スペルカード発動。【幽曲『リポジトリ・オブ・ヒロカワ -神霊-』】」
弾幕によって機械神のレーザーとミサイルを全て相殺される。クロムさんは『白黒はっきりさせる程度の能力』の応用で攻撃を防ぐ結界を張ってくれる。結界には弾幕が大量にぶつかってくる為少しずつ耐久が無くなっていく。全員でこれからどうするか相談しているが時間がない。
「ただの人間どもが小癪ね。死になさい【桜符『完全なる墨染の桜 -開花-』】」
幽々子様から放たれた弾幕の応酬によってクロムさんの結界にヒビが入り始める。そのまま結界が砕かれ、全員が弾幕の光に包まれた。
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弓使いと彷徨わない亡霊
メイプルsied
目が眩んでからしばらくするが一切弾幕に襲われない。目を恐る恐る開けると紙の札がいくつも浮いており結界が張られていた。
「なんであんた達は私に何も言わないで向かうのよ。とにかく間に合って良かったわ」
私達の近くに首にマフラーを巻いて厚着した霊夢さんがいた。私達の後をついてきていたようだ。
霊夢さんの結界は弾幕を食らっても一切傷ついていない。全員で弾幕をどうするかと考えているとカスミがある作戦を採用する事になった。
幽々子さんからの弾幕が消えるとすぐに結界からカスミが飛び出す。白楼剣と楼観剣を抜き、幽々子さんへと向かっていく。
幽々子さんがそれを阻止する為に即死弾幕を放つが、カスミに当たっても一切効果が無かった。
カスミは即死スキルを持っている影響か、自身に対して即死効果を無効にするそうだ。幽々子さんは妖力で薙刀を作り出し、カスミの剣を受け止める。そのまま二人は打ち合う。
「メイプル、今の内よ」
カスミが幽々子さんの気を引いている間に大きな木との妖力の接続を切り、解放する作戦だった。
大きな木に近づくと、人魂が沢山現れて弾幕を放ってくる。魔理沙の弾幕であっさり倒せるが、倒しきれないぐらいの人魂が現れる。
「もう!めんどくさいわね!早く帰ってこたつで寛ぎたいわ」
霊夢さんは文句を言いつつ、しっかりと妖力を遮断する結界の準備をしている。その作業は攻撃をくらってしまうと振り出しに戻ってしまう為、私は【身捧ぐ慈愛】で霊夢さんへの攻撃を引き受ける。
カスミと幽々子さんの戦いは弾幕を互いに打ち消しあっているので消耗戦となりかけている。
そのまま五分程度人魂からの弾幕を凌いでいると、霊夢さんの準備が完了した。
「これで終わりにするわよ!結界発動!」
霊夢さんを中心に結界の範囲が広がっていき、戦っていた幽々子さんをも包み込んだ。その瞬間、幽々子さんは制御を無くした様に空から落下していく。それを受け止める為に向かうが、妖夢さんが先に着き、幽々子さんを受け止めた。
妖力の供給が無くなった大きな木から吸収されていた春が開放されていく。自分たちが通った枯れた木に桜が咲き誇っていく。
「どうやら、これで大丈夫みたいね」
「これで異変解決だな」
アリスさんと魔理沙さんがそんなことを話していると、カスミが降りてくる。カスミのHPバーは後1割まで削られていた。
「カスミ、よくやってくれたな。俺じゃ出来なかったからな」
クロムさんはカスミを褒めている。霊夢は疲れた感じを出している。妖夢さんは幽々子さんを連れて屋敷に寝かせに行ってしまった。そんな訳で全員で現世に帰ることにした。
メイプル達が帰った後の桜の木々の間に誰かが、呟いた。
「まさかあの西行妖がやられるとはな。しかしこの鏡は凄いな。これさえあれば『下克上』も容易いかもな!姫、私はやってみせますよ。次は竹林のあの兎だな」
頭から小さい角が生えたNPCはその場から消えてしまった。
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弓使いと永遠の夜
ちょっと薄いかも
メイプルsied
冥界から戻ってくると第四層は夜になっており、空に満月が浮かんでいる。
「月が綺麗だな。月見がしたいぐらいだ」
「戻ってから月見団子好きなだけ作ってあげるわよ」
クロムさんがそんなことを呟いている。それにずっと空気だったイズさんも答える。イズさんは人魂が追ってこないように守っていてくれたのだ。
ギルドに戻ると、それと同時に運営からイベントミッションクリアの通知と報酬が届く。イベントミッションだった事に気づかなかった。報酬の箱を開けると、幽々子さんそっくりのフィギュアが入っていた。
このフィギュアは飾っている間、ギルドメンバー全員の通常攻撃に0.1%の確率で、即死効果が発動するようだ。
サリーも私達を迎えてくれる。その後にギルドの外でイズさんが作った月見団子を食べながら月見をしていた。
マイちゃんユイちゃんも月見酒をしている。なんかあの二人は常に飲んでいるような気がするけど気のせいだよね?すると、マイちゃんユイちゃんに運営からスキル習得の通知が来る。
「「皆さん!新しいスキルを手に入れましたよ!」」
二人が入手したスキルの効果を見せてくれる。
【鬼の肝臓】
飲み物による、ステータスアップ、ダウン効果が3倍になる。
習得条件
ステータスアップ、ダウン効果のある飲み物を規定値の5倍以上を摂取する。
鬼と共に宴会に参加して最後まで酔い潰れない。
とりあえずなんと言ったらいいか分かんないからノーコメントで。クロムさんなんかも呆れていた。サリーは達観している。
「こんなのはメイプルで慣れているからね」
そんな風に談笑していると、サリーがゲーム内時間を見て、悩んでいる。
「サリー、どうしたの?」
「どうしたのじゃないわよ。今の時間何時だと思う?朝の8時よ」
え?8時?そういえば月見を始めてから結構時間が経つけど月は全く動く気配が無い。
「もしかしてこれもイベントなのかな?」
カナデもサリーの言葉を聞いてそんな風に発言する。それと同時に運営から通知が来る。
『イベントミッション!月の謎を解明して永遠の夜から朝を取り返そう』
「やっぱりか。かなり今回のイベントは盛り沢山のようだな」
「私も情報収集に行ってこよう」
クロムさんとカスミが同時に立ち上がる。その後に続いて私達も立ち上がる。
それぞれ手分けをして情報収集という事になった。
三時間後
全員が情報を集めてきたようなのでギルドに集合する。それぞれ手に入れた情報を披露してそれらからサリーとカナデが考える。
「みんなから集めた情報によって恐らく一番怪しいのは鈴仙も入らないようにと注意していた『迷いの竹林』ね。そこにこ ミッションのクリアが関係していると思うわ」
「じゃあそういう訳で!迷いの竹林へ〜」
『出発〜!』
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弓使いといたずら兎
今回は難産でした。薄いかも
メイプルsied
ギルドメンバー全員で迷いの竹林に着く。中は広いらしいので、二人ずつで行動する事になった。
チーム分けは即席のくじで決めた。その結果サリー&私、クロムさん&カナデ、マイちゃん&ユイちゃん、カスミ&イズさんという組み合わせになった。
「じゃあ、原因と思われる場所で集合だな」
「全員生きて帰るよ!」
クロムさんとサリーがそういう事を話してから別れて竹林の中へと進んでいった。
しばらくの間竹林を歩いていると、妖精などが襲ってくるがサリーが全て倒してしまう。
歩いていると突然、地面が抜けて穴に落ちてしまった。
「メイプル、大丈夫?」
サリーが上から聞いてくる。高さ的に30m程度の穴に落ちてしまったようだ。
「大丈夫!ダメージ0は何をかけても0!」
空を飛んで穴から出てくるとサリーは双剣を取り出して警戒をあらわにする。私も大盾を取り出して構える。
「ウサー、なんで落とし穴に落ちて無傷なわけ?おかしいウサ」
竹林の茂みから兎耳の生えた少女のNPCが愚痴をいいながら出てくる。その姿は鈴仙がテイムしたモンスターの『てゐ』をそのまま少女のサイズまで大きくしたような姿だった。
「まぁいいや。とりあえず侵入者は倒すか、追い返せと言われているから。とっとと帰ってもらうウサ!」
NPCは愚痴を言いつつ弾幕を放ってくる。弾幕を全て大盾を使わずに全て受け止める。NPCは嫌な顔をしつつカードを取り出す。
「なんでダメージ0なのよ!スペルカード発動!【兎符『因幡の素兎』】」
さっきより多い弾幕が襲ってくる。サリーはそれに突っ込んでいき避けながらNPCに近づいていく。
「【ダブルスラッシュ】」
サリーの斬撃であっさりとHPを削りきった。HPはかなり低かったようだ。
「うへぇ、めんどくせー。とりあえず知らせに行くウサ」
そのNPCは何処かへと消えていってしまった。追いかけようとしたが落とし穴や罠が見えた為追いかけることができなかった。
「はー、あのNPCがこの落とし穴を作ったみたいね。この先にも罠があるかもしれないから気をつけて進むわよ、メイプル」
サリーはそんな風に話しかけるがそこに私は居なかった。サリーは慌てているので声をかける。
私は罠を踏んで片足にロープが絡まり、逆さ吊りになっていた。
「サリー、助けてー」
「何やっているのよ、メイプル」
サリーが飛び上がってロープを切ってくれる。そのまま地面に落下するが、ダメージは無い。
その直後に茂みから音が聞こえた為、その方向を警戒する。その茂みから出てきたのは霊夢さんと日傘を持った長い金髪の道士服風前掛けとフリルドレスを着た女性のNPCだった。
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弓使いと神隠しの主犯
メイプルsied
「私は『八雲紫』よ。よろしくね、メイプル、サリー」
金髪の女性のNPCが私達の自己紹介の後に名前を教えてくれる。紫さんは人間のようだけど妖怪だそうだ。
「しかし、貴方達は面白いわね。興味があるから貴方達についていって良いかしら?断ってもついていくけどね」
なんか気づいたら紫さんが仲間になった。霊夢さんはなんか諦めた顔をしてから私達についてくる事になった。
紫さんがある場所に向かうと良いと言われたので紫さんが教えてくれた方角へ真っ直ぐ進む事にした。
妖精なんかが襲ってくるが霊夢さんと紫さんが倒してしまう。私とサリーも弾幕で応戦する。
罠を回避しつつ、進んでいると竹林の中に少しだけ開けた場所に着く。その開けた場所の中央あたりに小さな小屋が建っていた。紫さんはその小屋へと向かっていくので追いかけていく。
紫さんが引き戸をノックすると、すぐに扉が開いて誰かが出てくる。
「誰だ?朝っぱらから私になんの用だ?」
中から出てきたのは地面につきそうなぐらい長い白髪で、赤と白のリボンがいくつも付いている。服装は白のカッターシャツにサスペンダーの付いたお札をたくさん貼り付けたもんぺだったかな?そんな服を着ていた。
「げっ、スキマ妖怪がなんの用だよ?昨日飲んでてまだ寝ていたいんだが」
そのNPCは紫さんを見て苦虫を噛み潰したような顔をする。するとすぐに紫さんはNPCに用を話す。
「実はね、永遠亭に向かいたいのだけど私の能力で隙間が開けないように妨害されているから案内してもらいたいのよ。もちろん、お礼はするわよ。これで良いわよね?」
紫さんは不気味な目が沢山見える空間の裂け目から高そうな日本酒を取り出してNPCに渡す。
「仕方ねーな、やってやるよ」
そのNPCはお酒を家の中に持ち込んで置いてきてから外に出てくる。口には煙草をくわえている。
「お前たちは初顔だな。私は『藤原妹紅』だ。一応この竹林で案内人をやっているよ」
「私はメイプルって言います。妹紅さん」
「サリーよ。お願いするわね」
妹紅さんと言うNPCは煙草を吸いつつポケットに手を突っ込む。そのまま竹林の入り口まで向かう。
「お前ら、永遠亭に用なんだろ?私についてこいよ。絶対に離れるんじゃないぞ」
それを聞いて妹紅さんについて行く事になった。妹紅さんはこの竹林でどうやって道を覚えているのかがとても気になる為聞いて見ると、妹紅さんいわく「目印があるからそれを辿っているだけ」だそうだ。妹紅さんが教えてくれた目印すら分からなかった。サリーも同じように渋い顔になっていた。
妹紅さんの煙草が三本目が半分程度燃えた辺りで目の前竹林が開けた。そこには和風の平家の建物が建っていた。妹紅さんは立ち止まるとこう言う。
「ここがこの月の異変の元凶のいる『永遠亭』だ」
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弓使いと月の頭脳
メイプルsied
妹紅さんに案内された場所は話を聞くと診療所なのだそうだ。
「じゃあ私は帰ろうと思ったが、久しぶりにあいつを殺ってくるかな」
一瞬言葉の一部に寒気を感じたが気のせいだと思いたい。妹紅さんはそんな事を言って先に『永遠亭』に入っていってしまった。
「私たちはどうしようか?妹紅さんについて行く?」
「めんどくさいわよ。直接黒幕の場所に向か・・・『ドカドカドカーン』!?」
霊夢さんとサリーが話していると永遠亭から大きな爆発音が響いてくる。妹紅さんに何かあったのかと思っていると、突然玄関のほうから矢が四本飛んでくる。霊夢さんは結界で、紫さんは隙間で、私は自らの体で無効化する。サリーは避ける。
「脳天狙ったはずなのだけど・・・霊夢と紫には防がれると思ったけど他の二人にまで防がれるとはね」
玄関から出てきたのは銀髪の女性のNPCだった。
長い銀髪を三つ編み?にしている。
左右で色の分かれる特殊な配色の服を着ている。具体的には、青と赤から成るツートンカラーで上の服は右が赤で左が青、スカートは上の服の左右逆の配色だった。袖はフリルの付いた半袖だった。
頭には、同じくツートンのナース帽を被っている。
目は赤い瞳が光っている。
「貴女ね、永琳。貴女が月を隠す理由はもう無いのになんでまたこんなことをやったのかしら?」
霊夢さんが言うのが正しいのなら永琳さんがこの永遠の月の原因のようだ。
私とサリーも大盾と双剣を構える。
「私はただ言われたからやっただけよ。とにかくここから去りなさい。妹紅はさっき倒したからすぐには来ないわよ」
妹紅さんがさっきの爆発音の時に倒されてしまったそうだ。すると、永琳さんはスペルカードを構えていた。
「スペルカード発動。【蘇活『生命遊戯 -ライフゲーム-』】」
それと同時に様々なサイズの弾幕が飛んでくるため、私は【身捧ぐ慈愛】で全ての弾幕を受け止める。紫さんは驚きつつ、小さく笑っている。
「メイプル、貴女は面白いわね。ついてきて正解だったわ」
「まさか弾幕に当たって残機が減らないのはおかしいでしょ?何したらこうなるのよ」
「メイプルはこれが通常運転だからね、仕方ないよ」
なんか後ろから変な会話が聞こえてくるけど聞いていないフリをする。守っていると突然弾幕が消える。その直後少し離れた場所の屋敷の塀がぶっ壊れる。永琳さんが居た場所には妹紅さんが居た。
「勝手に私を殺してんじゃねーよ。だから一発殴らせて貰ったぞ」
妹紅さんは煙草を取り出して咥え、先っぽを手で包むと火がついていた。吸い込んでから息を吐き煙が口から出る。
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弓使いと狂気の月の兎
昨日は私用で投稿出来ませんでした
そういえば『防振り』のアニメ二期決定しましたね!楽しみすぎます!
メイプルsied
妹紅さんに蹴飛ばされた永琳さんは土煙が湧いて晴れるとすぐに立ち上がる。その瞬間、永琳さんが矢を放ち妹紅さんの頭を貫く。
サリーと私はそれを見て、驚愕する。でも紫さんや霊夢さんは無反応だった。永琳さんは私たちの方にも矢を放ってくるけど全て弾いてしまう。
効いていない事に気づいた永琳さんは矢を変えて放ってくる。それが私たちに当たると私にダメージが通る。どうやら貫通効果があるようだ。サリーがすぐに回復してくれるため、問題は無かった。
「【毒竜】!」
毒竜を短刀から放ち永琳さんにぶつかる。ダメージは通っているが毒ダメージは一切通っていなかった。何度も毒竜をぶつけていき、HPが1割以下になると永琳さんはどこかにいってしまった。
安全になったので【身捧ぐ慈愛】を解除する。
「なんとか撃退みたいだね。でも妹紅さんが・・・」
「そうだね・・・。あんなにあっさり・・・」
「勝手に私を殺してんじゃねーよ」
サリーと私が話していると頭を貫かれた妹紅さんが起き上がる。妹紅さんは不老不死だそうで簡単に生き返ることができるそうだ。
「とにかく私がいれば守ってやるよ。あいつの場所に向かうぞ」
「さっきから言っているあいつって誰なの?」
「あいつか?あいつは月のお姫様だよ」
サリーが妹紅さんに聞くと月のお姫様という答えが返ってきた。そんな話を聞きながら霊夢さん達と一緒に永遠亭に入って行く。
場所が変わってメイプル達がいる場所の反対側。
「こいつらがまたこんな異変起こすなんてな。なんかおかしいと思うぜ」
「そうなのよね、幽々子も誰かに操られていたような感じだったわね」
ついさっき永遠亭に着いた魔理沙とアリスだった。回り込むのはめんどくさいと思った魔理沙は塀をぶっ壊して永遠亭へと入る。
敷地内に入った瞬間、どこからともなく弾幕が飛んでくる。魔理沙とアリスは警戒する。すると永遠亭から見慣れた彼女の姿が現れる。
永遠亭に住む月の兎『鈴仙』だった。目は赤く光っている。手を銃の形にして弾幕を放ってくる。それらを魔理沙とアリスは避ける。
アリスは爆薬の入った人形を突撃させるが、柱の間をぬって進む鈴仙には当たらない。
「【覚醒】、【通常弾幕】」
鈴仙がつけていた指輪からSDになったてゐにそっくりの妖怪が現れて弾幕を放ってくる。それと同時に鈴仙も弾幕を放ってくる。
弾幕の密度が高く、二人とも弾幕に被弾しつつ弾幕で応戦する。
「スペルカード発動!【波符『
鈴仙がスペルカードが発動して来たため、魔理沙とアリスは弾幕を避けるのに専念する。その瞬間、鈴仙が能力で波長を操られてしまい、魔理沙とアリスは気を失ってしまった。
魔理沙とアリスは地面に倒れる。それを鈴仙は見てからてゐを指輪に戻してから屋敷の中へと消えていった。
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弓使いと永遠と須臾の罪人
メイプルsied
屋敷の中はふすまや畳の部屋があるが、誰も居ない。結局誰とも会わずに永遠亭の反対側へとやって来てしまった。
そこでは壊れた塀と共に魔理沙さんとアリスさんが倒れていた。それに気づいた私はサリー、霊夢共に近づく。
「気を失っているだけのようね。紫、隙間は開ける?」
「空間干渉が妨害されているから1秒程度しか開かないわよ」
霊夢さんはため息をついてから魔理沙さんを背中に背負う。私はアリスさんを背負おうとしたけどSTRが0の為持ち上げる事すらできなかった。そのためサリーが背負ってくれた。
二人は柔らかそうな芝生の場所に寝かせる。見た感じケガはない感じだった。それでも心配だったのでポーションを使う。
すると、アリスさんがうっすら目を覚ます。アリスさんは起き上がると頭が痛いのかおさえる。
「うう、何なのよ・・・」
「アリスさん、大丈夫ですか?」
私は目を覚ましたアリスさんを心配して声をかける。
「あら、メイプルも来たのね。私は妖怪なのよ。これぐらい平気よ」
「ここで何があったのかしら?」
紫さんが何が起きたのかを聞いてみる。アリスさんはすぐに起きたことを話してくれる。魔理沙さんは未だに目を覚さない。
「鈴仙にね、負けたのよ。あの子はなんかいつもと雰囲気が違う感じだったのよね。手につけた指輪からなんかてゐにそっくりな妖怪を呼び出して一緒に攻撃して来たわ。スペルカードの隙をつかれて負けちゃったのよ」
その話を聞いて、私とサリーは冷や汗をかきまくっている。
(サリー、鈴仙って私たちの知っている鈴仙だよね?)
(直接脳内に!?多分そうだと思うよ)
霊夢はこちらを見ている気がするけど気のせいだと思う。そんな感じで話していると突然後ろから爆発音が響く。
妹紅さんが炎で弾幕を相殺したようだ。空には黒いロングヘヤーで、平安時代のような着物を着ているNPCがいる。
「あら、もこたん。貴女も来たのね」
「よー、輝夜。久しぶりにお前さんをぶっ殺しに来たぞ」
「今日の私は簡単には倒されないわよ」
その言葉と同時に弾幕がたくさん飛んでくる。【身捧ぐ慈愛】を発動して気を失っている魔理沙さんや本調子じゃないアリスさんへの弾幕を防ぐ。貫通効果は無いようだった。
その瞬間、永遠亭から弾幕のレーザーが飛んできて【身捧ぐ慈愛】の効果が打ち消されてしまう。打ち消されてしまったので天使の姿から戻る。レーザーが飛んで来た方向を見るとそこにはイベント前から行方不明になっていた、私達の友達『鈴仙』がこちらを狙っていた。
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弓使いと逆襲のあまのじゃく
この先の展開をどうするか悩み、ポケモンの色厳選をして、オリガミキングを楽しみ、ロストワードをやり込み、モンハンしてたらこんなに月日がたっていました!
本当にすみません(´;ω;`)
不定期になりそうですがこれからもよろしくお願いします。
感想もお待ちしています。
久しぶりなので少し薄くなっちゃったかも
突然現れた鈴仙の目は髪の毛で隠れて見えない。どんな表情をしているかすら分からない。
すると、鈴仙の指輪からテイムモンスターの『てゐ』が飛び出してから本調子ではないアリスさん達に向かって弾幕を放ってくる。それらを全て私が受け止める。
そこに妹紅さんと輝夜さん?の弾幕が追加される。
鈴仙もそれと一緒に弾幕を放ってきて、防ぐのがやっとになってくる。
「!?」
気がつくとサリーが鈴仙に近づいて、横腹を双剣で切り裂いていた。
「サリー!?なんで、鈴仙を!?」
「メイプル!騙されないで!」
すると、切り裂かれた鈴仙の身体が泥のように溶けてしまった。てゐも一緒に溶けてしまった。
「恐らく、鈴仙の見た目をしたモンスターの1種よ」
サリーが言うにはそうらしい。
鈴仙の偽物?を倒すと妹紅さんが戦っている方からの弾幕も飛んでこなくなる。妹紅さんが言うには突然輝夜さんが倒れてしまったようだ。
すると偽鈴仙のモンスターがいた場所に魔法陣が現れて何かが転移してきた。そこには鈴仙が倒れていた。そして魔法陣は消えてしまった。
「え?鈴仙!大丈夫?」
私は鈴仙に近づく。すぐに鈴仙は目を覚ました。
「あれ?メイプル?なんでここにいるの?」
「鈴仙こそ!これまでどこにいたの?」
鈴仙が言うには、謎のダンジョンをずっとさまよっていたそうだ。そこで見つけたお宝を沢山見せてくれてサリーは苦笑いしていた。
「チッ、すぐにやられちまったか。やっぱ、コピーじゃダメか」
突然の声に霊夢さんや紫さんも声のした永遠亭の屋根の上を見る。
そこには、丸い鏡を持ったNPCが座っていた。
容姿は黒髪に白と赤のメッシュが混在した頭に、小さな二本の角が生えている。
服は矢印がいくつも連なったような装飾がなされているワンピースのようなもので、腰には上下逆さになったリボンを付けている。足元は素足にサンダル履きだった。
「あ、あんたは!」
私とサリー以外の全員が驚いている。サリーも私もなんで驚いているか分からず、こっそり鈴仙に聞いてみる。
「彼女は『鬼人正邪』。少し前の異変で指名手配された天邪鬼なの」
指名手配!?それを聞いたサリーと私は双剣と大盾を構えておく。
「正邪!あんたがこの異変の元凶なのね!」
「そうさ!鈴仙のコピーを作り出して狂気の能力で月の賢者達を操ってやったのさ!」
霊夢さん達はそれを聞くとすぐに弾幕を放つ。すると弾幕全てが反転してこちらに飛んでくる。
「そんな弾幕で、私がやられるかよ!この反則アイテム『反射の鏡』があればな、私の能力も強化されるんだよ!」
その瞬間、魔法陣が出現してから正邪というNPCは消えてしまった。その後すぐに空に太陽が登り始めた。永遠に続く夜が終わったようだ。
運営からもイベントミッションクリアの通知も来る。
「はー、これは面倒臭いわね。とりあえず、メイプルとサリー。私が貴女達のギルドに送ってあげるわ」
「あ、あの。鈴仙も一緒にお願い出来ますか?」
「ええ、いいわよ。霊夢、貴女はこれからどうするのかしら?」
「私は魔理沙や、アリスを永琳に預けてから自分で帰るわ」
妹紅さんも家に帰って寝直すそうだ。
ギルドに戻るとそこにはカスミ、クロムさん、ユイちゃんマイちゃん、カナデも戻ってきていた。
私たちはやっと帰ってきた鈴仙と喜びあった。
皆さんはロストワードで『幽玄の剣聖 魂魄妖夢』はゲット出来ましたか?
自分は50連回して二体ゲット出来ました。
自慢じゃないです
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弓使いと夢の世界
鈴仙sied
なんか久々の私ね。ついさっきメイプル達とギルドに紫が送ってくれたから、いなかった事でも話そうと思っていたら、サリーから切り出してくれた。
「鈴仙はこれまでずっとどこにいたの?」
「やっぱり、気になるよね。さっき永遠亭で会った正邪を覚えてるでしょ?」
「確か指名手配の妖怪?だっけ?」
メイプルも話に乗ってくる。カスミやカナデ、クロムさんにイズさん、マイちゃんユイちゃんはよく分からず首を傾げている。
とりあえず、簡潔に説明しようかな?
月兎説明中
「なるほどな。大体理解できた」
クロムさんも理解出来たようだ。そんな訳で話を最初に戻す。
「正邪に迷いの竹林でばったり会ってから、手に持ってた反射の鏡?だったかな。それを向けられた直後、謎の空間にワープしちゃったんだよね。ログアウトしても、人里にも戻れなかったから出口を探してたんだ」
『楓の木』全員で話を聞いてくれる。長くなりそうだし、手早く説明していく。
「最初は何処なのか分かんなかったけど、『ドレミー・スイート』に会って夢の世界って分かったよね」
「ちょっと待って!?夢の世界って何!?」
サリーが説明をぶった斬ってくる。夢の世界は夢の世界なんだけどな。説明のしようがない。
「とりあえず、その話はまた今度。ドレミーに会ったから帰れると思ったんだけどね。月の都への道しか使えなかったんだよね」
「今度は月の都・・・。なんなんだろうな、この階層は」
クロムさんやイズさんはもう呆れたように呟いている。
「まあ、月の都へは行かなかったから夢の世界をもう少し探索することにしたんだよね」
そこで結構色々な宝箱は置いてあったり、偽物の宝箱もあったな。完全にミ○ックだったけど。
「それで、宝探しも疲れて、休憩してたら突然永遠亭に戻って来れたんだよね」
そのままインベントリから沢山の換金アイテムや装備を出していく。
「あ、このお宝はギルドの資金にするから安心してよね」
お宝を仕舞うとギルドにイベントミッションクリア報酬が届く。
中には輝夜のフィギュアだった。ギルドに飾ると、ゲーム内時間から夜の間、HPが10分で2%回復するようになるようだった。
時を同じくして、輝針城
正邪sied
「正邪!もうやめてよ!」
「うるさいですよ、姫。私がやりたいことをやるんですから」
「だからってうちに来ないでよ!やっと小槌の魔力も戻ってきて、最初のサイズに戻ったのに!」
「元々小さいのに気にすること無いじゃないか。小人は器も小さいんだな」
「正邪のバカ!私が何度も説得に来てもなんで変わらないの!もう知らない!」
そういうと、輝針城の主『少名 針妙丸』は小槌を持って飛んでいってしまう。まぁ、今回は利用する気はサラサラないから気にすることも無いな。
「コピー鈴仙は負けちまったが、わたしには最強の切り札があるんだからよ。博麗の巫女にも負けねぇよ」
私は呟きつつ反則アイテム『反射の鏡』を覗く。そこには赤い服の魔女と、全身黒の剣士が映っている。
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弓使いと満身創痍
鈴仙side
永遠亭での出来事から、数日がたった。
あれから、霊夢と魔理沙が正邪がいると思われる輝針城へと向かっているのを見かけた。
今回は流石に霊夢達が向かっているからミッション系のイベントはなさそうかな。そんな訳で、ギルドの自室でルナティックガンを手入れしている。この後は人里の茶屋で団子でも食べようかな。
そんな事を考えながら、ギルドから出ようとするとギルドの目の前に突然何かが落ちてきて土煙が立つ。
音が聞こえたから、メイプル、サリー、イズさんがギルドから出てくる。
一応、武器を構えて警戒をしておく。
土煙が消えるとそこには全身土汚れまみれの魔理沙が倒れていた。近くにはミニ八卦路が落ちている。
「「「魔理沙!?」さん!?」」
とりあえず、魔理沙をギルドに運び込む。イズさんと私の【調合】で傷薬を作って手当てする。その後に空いていた部屋のベッドに寝かせる。
サリーがその間に、クロムさん、マイちゃんユイちゃん、カナデに招集をかける。
【楓の木】のメンバー全員が揃ってから話を始める。
少女説明中
「なるほどね。それで、霊夢さん達に何かあったんじゃないかと」
カナデも分かったようだ。メイプルは霊夢達を助けに行きたいようだが、相手の規模が一切わからないのだ。
「しかしよ、何も分からない状態で行くのは無謀じゃないか?」
「そうよね〜。一応、ドローンでも飛ばして観察でもしておきましょうか」
クロムさんも無謀だと思ったようだ。イズさんは【エンジニア】を使って、カメラ付き自動ドローンを作り出すと窓から飛ばす。
「「私達も何かできることは!」」
マイちゃんユイちゃんも気になるようだ。すると、サリーが
「相手の規模が分かっても私達だけではなんとかなるとは限らないでしょ。ここは【炎帝の国】や【集う聖剣】などのギルド辺りにも協力を頼んでみない?」
その意見に私を含めて、全員が賛成した。それぞれで動き出す事になった。
メイプルとサリーと私は【炎帝の国】や【集う聖剣】に協力の要請を、クロムさんとマイちゃんユイちゃんは広場の掲示板に他のギルドへの協力についての張り紙を張りに、イズさんとカナデは残って魔理沙の手当てとドローンからの映像確認に手分けをした。
それから一日後。
広場の木の上空に突然、正邪が現れる。
「私はこれからこの幻想郷の支配体制を破壊して、弱者が支配する世界に変えてやろう!これを見ろ!」
正邪が、近くに大きな画面を出現させると映像が映し出される。そこには薄暗い牢屋が映っていた。そこには手に鎖を繋がれた、ボロボロの霊夢の姿が映されていた。
「こいつが無事に返して欲しければ、幻想郷の勢力者共よ!私のやる事に手を出すんじゃ無いぞ!1人でも来たら、こいつをぶっ殺してやるからな!」
そういうと正邪は消えてしまった。
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弓使いと全員集結
少し薄いかも
鈴仙sied
正邪が広場であのような発言で、紫やレミリアも手を出すことができなくなってしまった。
あの後に運営からイベントミッション開始の通知が来た。内容は『このNWOの世界を救え!』だった。
【楓の木】全員で、人里の広場で相談会だ。イズさんの偵察や、他プレイヤーからの情報によると、敵はかなりの数がいるようだった。
向かったプレイヤーは全て返り討ちにあったようだ。
「敵は千以上もいるんでしょ?私が全て受け止めて進む?」
「流石にメイプルだけでも千以上はね・・・。貫通効果を持つ敵もいるかもしれないし」
メイプルとサリーも悩んでいる。すると、足元から声が聞こえて来る。
薄紫色のショートヘアーお椀の蓋を被っている。服装は赤色の和服で、足元は裸足だった。
右手に縫い針のような特注の剣、左手に打ち出の小槌を持っている。
身長は30センチ程度の大きさだった。東方projectのキャラの『少名 針妙丸』だった。
「うわー、可愛い!」
「まさかこんな小さいのもいるんだな」
メイプルは針妙丸を抱き上げる。クロムさんは小さい針妙丸に感心している。針妙丸は嫌そうにしているがすぐに話を始める。
「あの、貴方達にお願いがあるんです!正邪を止めて下さい!わたしだけじゃどうにもならないから・・・。私も手助けしますので」
それを聞いて、全員で頷く。
「あ、ありがとうございます。でも、この人数で行けますか?敵の数も多いんですよね?」
針妙丸の言葉に全員が俯いてしまう。
「話は聞かせてもらったぞ。我々【炎帝の国】も協力させてもらうぞ」
「僕らも一緒に向かわせてもらおう」
そこにはこないだ協力を頼んだ【炎帝の国】と【集う聖剣】のミィさんとペインさんだった。
「これから我々もミッションに向かおうと思っていたのだが、渡りに行ってだ。協力させてくれ」
「ありがとうございます!ミィさん!」
するとペインさんも協力をしてくれる事になった。そして敵についての情報を話す。するとすぐに意見を出してくれる。
「これは全てのギルドが向かった方がいいだろう」
その後にペインさんは誰かに連絡を入れる。ミィさんとペインさんは一時間後にまたこの広場で合流する事になった。
一時間後
人里で色々準備をして戻って来るとそこにはイベントの開始時と同じくらいの人が集まっていた。
「嘘でしょ⁉︎こんなに集まるの!?」
サリーも驚いている。わたしもこんなに集まるとは思わなかった。広場の中心で、メイプル、ミィさん、ペインさんが待っていた。
「この人数は一体!?」
「僕のツテでね。おそらく全てのギルドが集まったかな。これだけの人数がいれば対等に戦えるだろうね」
ペインさんのツテ凄いな・・・。全てのギルドの力が集まればあの千以上の敵にも対抗できそう。
さぁ!総力戦だ!
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弓使いと紅魔の魔女
注意!今回の話でスマホゲーム『東方ロストワード』の一部ネタバレが含まれています。嫌な人は東方ロストワードの二章をクリアしてからお読みください
鈴仙sied
広場にほぼ全てのギルドが集まっていると、広場の上空にスキマが開いて紫が顔を出す。
「ここから私が全員を輝針城近辺まで送るわ。そこからは私達は手を出せないけど、貴方達がこの世界の命運がかかっているわ。
最後に一言、『全力で殺りなさい!』」
ウオーッ!
全員で叫ぶと、足元にスキマが開いて転移する。すぐに目を開けると、そこは森の中だった。少し遠くに空の雲から飛び出る逆さまの城が浮いている。
「あれが輝針城ね。あそこまで行くのも大変そうね」
そんな風にサリーが話していると、木々の間からナイフ型の弾幕が飛んでくる。その後に、メイド服を着た銀髪のNPCが持っているナイフで追撃して来るがあっさりと避ける。
「咲夜さんの姿のモンスターなのかな?」
メイプルはナイフでの追撃を喰らいながらそんなことを考えている。ダメージは0のようだけど。
咲夜?に弾幕を一発打ち込むと、あっさりと溶解して消えてしまった。
「メイプルに攻撃を繰り返していたから学習能力はない感じかな」
サリーは更に襲って来る咲夜の偽物を倒しつつ、考えている。
襲って来る偽物達には咲夜以外に、チルノ、レティ、リグル、慧音、メディスン、静葉、雛、なども襲って来る。
「これぐらいの敵、このクリスマスローズの敵では無いわ!」
他のプレイヤー達も偽物を倒していく。大体、一回の攻撃で倒されている感じHPはかなり低いようだ。
ダメージを受けたプレイヤーは、『炎帝の国』のミザリーさんによって回復してくれる。
ミザリーさんも、格闘術で偽物を撃退していく。あんなに動ける人だったっけ?
クロムさんも鎌で横嬲りにして、まとめて倒している。ダメージを受けても装備の効果で回復している。
イズさんはお空の力で空を飛んで、遠くに向かってエネルギー弾を撃ちまくっている。爆発音も激しい。
マイちゃんユイちゃんは2人で行動している。巨大化したユイちゃんには他のギルドの人も乗っている。そこから弓矢や魔法で偽物を撃退している。
メイプルには針妙丸がくっついて行動している。サリーはどんどん先に進んでいって、敵の情報を集めに行った。
カナデも弾幕で偽物を蹴散らしていく。
ほとんどのプレイヤー全員が、輝針城に少し近づいた所で空から熱を帯びた弾幕が落ちて来る。それにより、森の木には火が引火していた。ゲームだからなのか、火が燃え広がることは無かった。
弾幕が飛んできた先を見るとそこには紅い弾幕を放ち続ける、紅い服を着た魔理沙がいた。
すると、突然紅い魔理沙はスペルカードを構える。
「【赤編『アルタースパーク』】!」
突然の紅い極太のレーザーが放たれて、目の前が赤に染まった。
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弓使いと幽玄の剣聖
なるべく今年中には何とか完結させます!
感想が沢山くるとやる気が上昇します
前回同様東方ロストワードのネタバレが含まれます。ご注意ください
いつまで経っても死亡ログが出ないことを不思議に思い目を開けると目の前にはメイプルが大盾を構えて極太レーザーから私を守っていた。
「鈴仙、大丈夫?」
「大丈夫よ。ありがとうね、メイプル」
赤い魔理沙からの攻撃が終わり、今度はメイプルが赤魔理沙に向かって【毒竜】を放つ。
毒竜のブレスによって赤魔理沙はあっさり倒されてしまった。
「これで大丈夫だね。鈴仙、ここは一緒に行動しよ?」
私はメイプルと共に行動しつつ、不思議に思っていた。
原作の東方Projectには赤い魔理沙なんていない。自慢ではないが、かなりの東方の知識を持っている私でもあんなキャラがいたとは聞いた事がなかった。
打ってきた技(おそらくスペルカード)も全く知らない技だった。
そんな事を考えつつ、襲ってくる敵を撃ち抜く。
数十分後には、何とか輝針城の近くまで来たので、2人で空から輝針城へと乗り込もうと飛び上がると突然斬撃が飛んできて、それを受け止めたメイプルが持っていた大盾が真っ二つに切れてしまった。
大盾は【破壊成長】ですぐに元に戻っていたが。
斬撃が飛んできた先には今度は髪と服が黒い妖夢が刀身が赤い二本の刀を両手に持って空に浮かんでいた。
またしても見た事のないキャラだ。そんな事を考えていると、黒妖夢は刀をやたらめったらに振り回し、辺りに飛ぶ斬撃を放ちまくっている。
密度はあまり高くないため次々と避けていく。地上では何人かが直撃しているらしく、申し訳ないと思った。
こちらもメイプルと一緒に【毒竜】や弾幕、スペルカードで応戦していく。
しかし黒妖夢は【毒竜】すらも斬り裂いてしまった。
「うっそ〜!!毒竜が切れちゃった!だったら、ここは機械神を…」
「待って、メイプル!多分機械神でも敵わないよ。だってメイプルの盾すら切り裂いたんだよ?」
「あ、そっか!じゃあどうするの、鈴仙?」
そんな私たちを放っておくわけなく、黒妖夢はスペルカードを放ってきた。
「始怪『草早楼観剣』!」
刀を上に構えると火の鳥のようなものが見え、一瞬で私たちの前に近づいてきた。しかも早すぎてかわせないぐらいだ。
しかし振り下ろされた刀は別の刀によって防がれる。
そこにはカスミが白楼剣楼観剣の2本で押さえていた。
「何とか間に合ったな。メイプル、鈴仙、ここは私に任せてくれ」
「カスミ!ありがと〜助かったよ」
「ありがとう、少し考え事をしててね…それじゃお先に」
「そうか、とりあえず後であの逆さの城で合流しよう。この黒い妖夢を倒したら私もすぐに向かう!」
私は、黒妖夢とカスミの戦闘の横を通り抜け、メイプルと共に輝針城へと向かうのだった。
なるべく週一投稿目指したいですな・・・
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弓使いと名もなき宇宙恐怖
本当に投稿遅れてすみませんでした!
とりあえず『弓使いだったのに気づいたら地上の月の兎になっていました』は全100話で完結予定です
東方ロストワードのネタバレを含みます
カスミと別れてメイプルと一緒に逆さの城『輝針城』へと突入した。
天守閣の窓から入って下になった天井を歩いて進んでいく。
中では付喪神と化した武者鎧や湯呑み、皿などが襲ってくるが、全て弾幕で撃ち抜く。
メイプルに引っ付いていた針妙丸が道案内をしてくれるので直ぐに輝針城のてっぺん(逆さまだからややこしいな)に到着する。
そこには丸い鏡を持った正邪がいた。
「よく来たな。てっきり途中で『勝った』もんだと思ってたぞ。まぁ来たところで私に負ける未来は変わらないがな!」
そういうと正邪は丸い鏡の反射する面をこちらに向けると、鏡が突然光りだした!
「まさか目くらまし!?」
全員でメイプルの持っている盾の影に隠れる。
光が晴れるとそこにはあの謎の紅い魔理沙と黒い妖夢が立っていた。
先程紅魔理沙は倒し、黒妖夢はカスミが足止めしているはずだった。
「こいつらはな、別の世界軸俗にいう並行世界の幻想郷からコピーしてきた奴らさ。おっとそうだ、部外者には退出『しないで』もらおうか」
そういうと足元に魔法陣が出現し、そばにいたメイプルとメイプルの肩に乗っていた針妙丸が突然消えてしまった。どうやら私だけ残してメイプルと針妙丸は別の場所にワープさせられてしまったようだ。
「ここなら『なにも出来ない』だろう?今度こそ、お前を利用し尽くしてやるよ」
正邪の方には赤魔理沙と黒妖夢がいる。恐らく正邪自身はすぐに逃げれるように戦闘には参加しないだろうから2人を相手にすればいいかな。
この2人を相手取るのもかなり大変かなぁ…。赤魔理沙の『アルタースパーク』は威力かバカにならないし、黒妖夢の刀の切れ味も高い。
掠っただけで致命傷になるかもしれない。
「お前さえ倒せれば、この世界をひっくり返す事も容易いだろう。前の世界では失敗したがこの反射の鏡さえあれば下克上を成し遂げられる!」
ん?なんか正邪の言葉に引っかかりを感じた。しかしそんな疑問は黒妖夢の攻撃によって強制的に中断させられた。
赤魔理沙の炎の弾幕や、黒妖夢の斬撃を何とか避けつつ弾幕を打ち込んでいく。
そんな弾幕の打ち合いも10分も続けばこちらにも疲れが出てくる。相手はコピーの都合上、どうやら疲れなどはないようだった。
そんな隙をつかれて、黒妖夢の攻撃をモロに受けてしまいHPを残り一割まで削られる。
さっきまでの戦闘で『国土無双の薬』は使ってしまったのでしばらく使えない。
2人の弾幕が飛んできてここまでかと思い目を瞑るが、何時まで経っても攻撃が飛んでこない。
疑問に思い目を開けるとそこには
小学生サイズくらいまでの大きさまで縮んだ金色ウェーブの長髪に漢服のような装いで服には九尾の狐が描かれている原作の東方Projectのキャラの1人『純狐』が攻撃を全て防いでいたのだった。
ちび純狐は攻撃をおさえつつ、話しかけて来たのだった。
「うどんちゃん、大丈夫でした?」
とりあえずマイペースに進めていきますんで不定期ですがこれからもよろしくお願いします。
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