NeToLOVEる (NiToRo(ニート郎))
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0 脅迫されるモモ

 

 その日、担任のティアーユは見慣れぬ男子生徒を連れて教室に入ってきた。

 制服越しでもわかる細く引き締まった肉体に健康的な小麦色の肌と鮮やかな金髪。高身長もあって威圧的に見えそうな外見だが、柔和で整った顔立ちが雰囲気を和ませる。

 

「みなさん、おはようございます。この子は転入生のラセール・ハーラマくんです」

「どうも、ラセールです」

 

 ラセールが会釈すると同時に周囲の女子生徒が色めき立つ。気持ちは分かるが、リト一筋のモモには響かなかった。

 見た目が良い男など探せばいくらでもいる。だがどんなハレンチな事態に遭遇しても理性を保ち女性を気遣う強靭な紳士的精神と、どんな女性も骨抜きにしてしまう天性のテクニックを併せ持つリトの魅力には遠く及ばない。

 もちろん彼の内面が素晴らしい可能性もあるが、すくなくとも現段階で沸き立つほどではなかった。

 

「ハーラマくんも宇宙人なのよね?」

「はい。辺鄙なところにある小さな星ですが、ハーラマ星という星の王子になります。実は地球に来たのは見識を広めるためでもありますが、私の婚約者探しでもあるんです」

 

 その話に、クラス全体がどよめいた。主に女子が。

 

「そうなの。でも学校はお見合いの場じゃないから、ほどほどにね……」

「わかっています。ですが、ハーラマ星人は女性の数が少ない種族なんです。こうやって外の世界へ出て婚約者を探すのは王族という立場もあってのことですが、ハーラマ星人の男にとって大事な通過儀礼でもあるんですよ」

 

「へぇ」と感心するナナ。

 

「えらいなアイツ。あたしいまから結婚のことまで考えてないぜ」

「あら、私は考えてるわよ?」

 

 もちろん相手はリトだ。

 そう。王族として、この手の問題は他人事ではなかった。

 

 

 【♡】

 

 

 その日のクラスはラセールの話題で持ち切りだった。休み時間になるとクラス中の女子ほぼ全員がラセールに群がる始末だ。動じていないのはメア、ヤミ、ナナ、モモの四人だけ。ラセールは女子たちの矢継ぎ早な質問にも終始笑顔で対応していた。婚約者探しを公言しているだけに浮ついた会話も多いが、それもソツなく受け流す。そのコミュニケーション能力の高さも、彼の人気に拍車をかけた。

 噂は瞬く間に広まり、放課後には他のクラスの女子まで見に来るようになっていた。

 

 そしてその日の帰り道。どうやって先回りしたのか、モモの前にラセールが現れた。

 

「すみません、モモさん……いや、モモ・べリア・デビルーク様。少しお時間いただいていいですか?」

「え? えぇ」

 

 嫌な予想がモモの脳裏を過る。

 そのモモの前で、ラセールは片膝をつき頭を下げた。

 

「突然で不躾なのは承知でお願いします。モモ姫、ボクの婚約者になっていただけませんか?」

(やっぱり……)

 

 薄々そうくる気はしていた。

 なにしろこちらは全宇宙を治めるデビルークの王女だ。辺鄙なところにある無名の星の王族が婚約者探しにきた先でそんな良い条件の相手を見つければ、声をかけない理由はないだろう。姉のララもお見合い話や自称婚約者候補に苦労させられていた。

 もちろんその気持ちに応えるわけにはいかないが。

 

(同じ王族として同情はするけど、こればっかりはね……)

 

「ごめんなさい。さすがに今日会ったばかりの人とそういうことは考えられませんね……」

「ハハハ、そうですよね。すみません、突然……」

 

 ラセールも土台無理な話だと思っていたのかあっさり諦めた。ほっ、と胸を撫で下ろす。しつこくせがませたらどうしようかと心配だったが、どうやらその心配はなさそうだった。

 だが……

 

「じゃあ西連寺春菜さんにします」

 

 次にラセールの口から出た名前に身体が強張った。

 

「は、春菜さん……? 春菜さんって二年の春菜さんですか?」

「えぇ。他にいないでしょう?」

「……なぜ春菜さんを?」

「え、だって」

 

 答えるラセールの顔が、ニヤりと嫌らしい笑みを浮かべる。さっきまでの柔和な表情が嘘のように。

 

「デビルークの王女二人から求愛を受けた男が、その二人を蹴って選んだ女性ですよ? 気になるじゃないですか」

「まだ蹴られたわけじゃ……! って、なんでそんなことまで……」

「知ってますよ、転入前に下調べしたので。結城リトと西連寺春奈が両想いだってことも、貴女が結城リトに頻繁に夜這いをかけてることも」

「なっ……!?」

「いやぁ、デビルークの王女ともあろう方がはしたないですね」

 

 いつからかは不明だが、この男はこっちのプライベートを盗み見ていたらしい。

 つまり最初からこっちを狙っていた……?

 

(この人……紳士のふりしてとんだ食わせ者じゃない!)

「それじゃあボクは春菜さんに交際を申し込みに行くのでこの辺で」

「りょ、両想いだと知ってて行く気ですか!?」

「もちろん。まだ付き合ってないんでしょう? だから貴女だって結城リトへの求愛を止めない。まさか自分は結城リトに言い寄っておいてボクには西連寺春菜を口説くな、なんて言いませんよね?」

「くっ……!」

 

 たしかに自分には彼を止める資格はない。だが相手は春菜だ。リトへの想いなら姉のララに匹敵するハーレム候補の一人。

 

「ま、まぁ構いませんよ……。あなたみたいな人が春菜さんに言い寄ったところで、絶対に良い返事なんて返ってきませんから」

 

 それだけは断言できる。

 しかしモモのその言葉をラセールは鼻で笑った。

 

「平気ですよ。ボクはハーラマ星人ですからね」

「それがなんなんですか」

「学校でいったとおり、ハーラマ星人は女の数が少ない種族なんです。だからハーラマの男には女を堕とすための能力がいくつも備わっている。地球人の雌なんて、つがいがいようが関係ありませんよ」

「…………そんな、まさか……」

「別に信じてくれなくてもいいですよ」

 

 ラセールが立ち去ろうとする。

 

 いかせていいのか?

 もしさっきの話が本当で、リトに一途な春菜でさえも虜にできるような能力があったら?

 それによって春菜を失ったら、リトは?

 

 気付けばモモの手は立ち去ろうとするラセールの袖を握っていた。

 

「ま、まって……」

「なんですか?」

「…………わ、私が……」

「貴女が?」

 

 唐突に突きつけられた選択に言葉が詰まる。

 

「私が……アナタと婚約すれば、春菜さんには……」

「ええ、モモさんが妻になってくれるならそれ以上は望みませんよ。向こうから()()()()されたら別ですけど」

「そんな心配はいりません」

「おお怖い」

 

 おどけて見せるラセールに思わず殺意を抱く。

 

「そんな怖い顔しないでくださいよ。ボクも妻になってもらう女性に『脅されて仕方なく』なんて不満を抱えられたままじゃあ後味が悪いし、ひとつ賭けでもしませんか?」

「賭け?」

「一ヶ月」

 

 ラセールは人差し指を立てて言った。

 

「今日から一ヶ月間、ボクの恋人役をしてください。一ヶ月ボクと愛し合って、それでも貴女がボクを拒絶するならボクは二度と貴女に近づかないし春菜さんにも手を出さないと約束します。どうですか?」

「私に決めさせてあなたを選ぶとでも?」

「そこは一ヶ月後のお楽しみですよ」

 

 そういってラセールは自然な仕草でモモの下腹部に手を這わせた。その瞬間、ゾクリとした熱さがモモの身体を駆け巡る。眠っていた雌の生殖本能をいきなりスイッチオンにされたような感覚。子宮が疼く。反射的にモモはラセールを突き飛ばしていた。

 

「ハハハ、軽く撫でただけでそんな反応してて、一ヶ月も持つんですか?」

「っ…………」

「ま、安心してくださいとは言いませんが、これから恋人として過ごしてもらっても処女は奪わないと約束しますよ。初めてはやっぱり貴女から懇願してもらいたいですから」

「あらそう。お優しいことね」

 

 言い換えれば、処女以外は奪われるということだ。

 だがそれでもマシだろう。もともと全てを捨てる覚悟で申し出たのだから……。

 

 



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1 愛撫されるモモ(☆)

 

 通されたラセールの家……彼が使っている宇宙船は質素なものだったが、王族だけあって作りはしっかりしていた。中には生活に必要な様々な部屋があり、特に寝室と風呂はやたらと広い。ベッドなど三人で寝ても空間が余るほどの大きさだ。

 

(これってやっぱり、そういうことよね……)

 

 露骨すぎる性行為の気配に身の毛がよだつ。嗅ぎ慣れない余所の生活臭も、心なしか厭らしい臭いに思えた。モモは寝室に通され、ラセールはコップを二杯持って現れる。

 

「お茶でもどうです?」

「どうも。それで、どんな薬が入ってるのかしら」

「変な物は入れてませんよ」

「……」

「信じられないのも無理はないですが、ボクは嘘は言いませんよ」

 

 ラセールは肩を竦めて見せる。

 

「ルール無用になって力業で来られたら困るのはボクです。暴力に訴えられたらボク個人もボクの星もデビルークには全く敵いませんからね。だからこそ決めたルールは守りますし、嘘は言いません。それがボクの生命線なので」

「…………」

 

 一応、筋は通っている。恐る恐る、だが動揺を気取られないように淑やかにモモはお茶を啜った。悔しいが、おいしい。ほんのりとした温かさが強張った体内を流れて落ち着かせてくれる。

 

「それにしてもいきなり寝室なんて、ずいぶん露骨ですね。恋人は肉体だけの関係じゃないと思いますけど?」

「結城リトのベッドに半裸で潜り込む人に言われてもなぁ」

「くっ……」

 

 ぐうの音も出ないとはまさにこのことだった。

 

「でもモモさんがそういうなら、少し話でもしましょうか」

「女性を脅迫する人と話すことなんて思いつきませんけど」

「じゃあモモさんは聞いてるだけでいいですよ」

 

 ラセールは一人で喋り始めた。さすがあっという間にクラスに溶け込めるだけあって、コミュニケーション能力は高い。話題も尽きることなくスラスラと出てくる。真面目な話から他愛ない話。モモの好きな植物の話まで。モモはそれに一切耳を傾けず、頑として口を開かない。話を聞きながら返事をしないというのも意外と労力が伴うものだったが、それでもモモは口を開きたくはなかった。

 そして三十分ほど経った頃……。

 

 変化が訪れた。

 

「はぁ……はぁ……♡」

 

 ほんのり汗ばむ身体。全身が火照って息が荒くなる。頭の中ではリトとのピンク色の妄想が湯水のように溢れてきて、無意識に両足を擦り寄せてしまう。まるでその間を埋めるモノを求めるように。

 

「どうしました?」

 

 ニヤニヤ笑いながらラセールがモモの顔を覗き込む。

 

「……やっぱり、さっきのお茶に……」

「まさか。言ったでしょう、嘘はつきません。これはボクのフェロモンの効果ですよ」

「フェロモン……?」

「ハーラマ星人の雄の体臭には雌を発情させるフェロモンが含まれてるんです。こうすると分かりやすいかな?」

 

 ラセールがモモの身体を抱き寄せる。抵抗しようとしたが発情した身体は言うことを聞いてくれず、されるがままにラセールに身を委ねてしまった。そして逞しい胸板に顔を押し付けられ、その匂い――室内に充満していた生活臭の源泉が鼻腔に流れ込んだ瞬間――モモの脳内は白く染められた。

 

「ンむ……♡」

 

 腰が跳ねる。

 秘裂から漏れ出た雌汁が下着を濡らす。

 

 イッた。

 イッてしまった。

 匂いだけで、モモの身体は屈服した。

 

「気に入っていただけました?」

「……ぁ♡ あ、ぁ――♡」

「じゃあ、もっと気持ちよくしてあげますね」

 

 絶頂の余韻で思考が回らないモモから、ラセールは一瞬で制服を剥ぎ取ってしまう。転んだ時のリトのような鮮やかな手際だった。

 

「……っ♡ いきなり脱がすなんて、情緒がありませんね……」

「すみません。それだけ貴女が魅力的なんですよ」

 

ラセールの手がモモの胸と股間をまさぐっていく。

 

「ひぁっ!?」

 

 絶頂の波が引き切るまえに送られてきた新たな刺激にモモの未熟な声帯から艶のある嬌声が飛び出した。普通の手ではありえない刺激に目を見開く。

 

「なに、この……♡」

「わかりますか、これ? ボクらは指や舌に微細な棘が生えているんです。毛虫みたいなものですね。見た目には産毛と区別がつかないけど、チクチクして良い刺激でしょ? 感度を高める媚毒も分泌してくれるから、どんな場所でも性感帯にできるんです。そのうち胸を触られただけでイケるようになれますよ」

「ず、ずいぶん悪趣味な種族ですね……! ひぁ……♡」

 

 棘の刺激と媚毒がモモを追い詰めていく。そしてそれらを抜きにしてもラセールのテクニックはリトと同等……いや、それ以上だった。熟練した滑らかな手つきで、絶妙な力加減の刺激が、的確な場所を狙い撃ちしてくるのはリトと同じだが、潜在的なセンスで無意識にやっているリトと決定的に違うのは、ねっとり嬲って屈服させてやろうという確かな意志を感じさせる厭らしい動きだ。弱点ばかりを狙うのではなく、嬲られる側の心理を読み取って「次はここを触ってくる」という予想の裏をかいてくる。身構えていても耐えられない快感が予想外の場所から襲ってくる。

 リトにはない積極性と経験値の差。

 

(悔しい……! こんな男の手で……感じてしまうなんて……♡)

 

 乳房を弄ばれ、敏感な先端を舐られ、グチョグチョに濡れた秘裂を何度も何度もなぞりながら陰核を掌で擦り潰され、その合間にも耳や首筋を舌が這い、奥にある子宮まで融かすように下腹部を撫で上げられ、四肢まで隈なく撫でまわされる。

 

「あっ♡ あ、あっ……♡」

 

 軽い絶頂が何度も何度も訪れる。異常なまでに発情した肢体をいいように嬲られ、モモの意識はじわじわと、しかし確実に絶え間ない絶頂の海に沈んでいく。好きでもない男に下着姿に剥かれて、秘裂からは粗相をしたように愛液が染み出しているのに、恥じて怒るような余裕はなく、ただただ良いように“食べられ”てしまう。

 

 そう食べられている。

 

 いまのモモは蜘蛛に雁字搦めにされ、体内を溶かされ内臓を啜られる蝶にすぎなかった。一度捕縛されてはもう抗う術はなく、ただ快感に身を委ねる以外の選択は残されていない。

 

「あ――♡ お、ぉッ♡ い、あ……♡ ああぁ……あっ♡」

「そろそろボクも気持ちよくして欲しいんですけど、その様子じゃ無理そうですね」

 

 軽い絶頂を繰り返して脱力したモモを寝かせ、ラセールは自分でペニスを取り出す。モモはそれを見て戦慄した。リトのモノも立派だったが、それよりさらに大きく、逞しい。三日月のような反りにメリハリがついた太さと大きく張り出したカリが、嫌でも雌穴を穿ち、膣壁を抉り、正気を削り堕とす様を想起させる。しかも先端にはサソリの尾のような小さな針が生えていた。そこから透明な液体が垂れ落ちる。

 

「見えますか? これが一番強力な毒針です。ただ感度を高めるだけの棘の毒と違うのは、突き立てた場所をペニスを受け入れるためのモノに変えてしまうっていう点ですね。子宮に突き立てればそのうち子宮口が開いて子宮の中で雄に奉仕できるようになりますし、卵子が精子に貫かれる衝撃すら快感として知覚できるようになりますよ。ちなみに見えないと思いますけどペニス全体に細かい棘も生えてますから、これを挿入された雌はだいたい一発で堕ちますね」

 

 ラセールは笑いながら言った。毒で女性の身体を性処理に都合のいいモノに作り替える。そんなおぞましい行為を何の呵責も感じさせず楽しそうに語るラセールの姿に、モモは強い恐怖を覚えた。この男は女性を――否、“雌”を殺すことに愉悦を覚えるシリアルキラーなのだ。

 

「まあ本番はお願いされるまでしない約束だし、今日は奉仕してもらうほど余裕がなさそうなんで自分でしますよ。ただ――」

 

 またラセールが笑う。ニヤリとおぞましい顔で。

 

「これは使わせてもらいますね」

「ひゃあああ!?」

 

 そういってラセールはモモの尻尾を掴んだ。

 ただでさえ敏感な尻尾を。

 

「ま、まさか……!?」

「尻尾コキなんて普通はできませんからね、楽しみだなぁ」

「や、やめ――!」

 

 モモはなんとか身を起こして止めようとしたが間に合わなかった。ラセールは自分のペニスに――女を狂わせる媚毒の棘がビッシリ生えたそれに――モモの尻尾を巻き付けて扱き始めた。

 

「ひっ♡」

 

 喉から声が漏れる。

 

「ぃ……いいいい――――っっっ♡」

 

 自慰を止めるどころではない。ベッドに倒れ、必死にシーツを握る。力任せに振りほどこうとしたが、媚毒のせいか身体にも尻尾にも普段ほどの力は入らない。

 

「あ――っ♡ ああああ♡」

 

 敏感な尻尾を微細な棘が何度も往復し、蹂躙していく。尻尾に染み込んでいく媚毒。その快感はさっきの愛撫の比ではない。脳に棒を突っ込んでかき回すような快感だった。

 

「っ――ああああああああっっっ♡♡♡」

 

 激しい絶頂。身体が痙攣する。腰が跳ね上がって、痛いほど勃起したクリトリスが下着を押し上げる。生まれて初めて吹いた潮は下着越しであるにも関わらず弧を描いて自分の尻尾とラセールを濡らした。

 仰向けに倒れ必死にシーツを掴みながらも股間だけは高く突き上げる無様なその姿勢は、自らラセールに秘所を差し出す雌犬のようだった。

 

「ずいぶん気持ちよさそうですけど、まだこっちはまだ終わってませんからね」

「……ふぇっ……? ま、さか――」

 

 モモの視界は捉えた。尻尾の先端。ハート型のそれを、ラセールはまるで射精を受け止めるティッシュのようにペニスの先に当てがった。

 

 プスッ。

 

「やめて」という暇もなかった。あっさりと、ペニスの毒針はモモの尻尾に突き立てられた。一度ではない。プスッ、プスッ、プスッと。何度も何度も何度も何度も。

 

「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙♡♡」

 

 たちまち毒が流れ込む。子宮を男に媚びる肉壺に変えてしまうような猛毒が、一番敏感な場所を侵していく。膨れ上がっていく感度。元よりつらかった刺激がどんどん強くなる。平衡感覚すら失いそうなほどの快感の暴力。モモにできるのは雌の鳴き声を上げながらラセールが射精するのを祈るだけ。

 

「あー、そろそろ出ますね」

 

 扱きが激しくなる。モモの悲鳴も。

 そしてようやく……ドピュ、とラセールが射精した。コップをひっくり返した様な量の精液が尻尾とモモに降りかかる。凌辱から解放された尻尾は地面に堕ち、同時にモモの身体もベッドに沈んだ。

 

「ハ……ァ……♡」

 

 極限状態から解放され、ようやく落ち着いた呼吸を味わうモモ。その腹部にはまき散らされた精液がたっぷりと乗っている。しかし、ハーラマ星人はその精液すら普通ではなかった。

 

 動いている。

 精液が、腹の上で動いている。

 地面は揺れていないのに、精液はプルプルとわずかに震えていた。

 

「こ、これは……」

「精液の中で精子が動いてるんですよ」

 

 ラセールはおもむろに精液に手を伸ばすと、それをサンオイルのようにモモの肌に塗り込み始めた。止めたかったが身体はピクリとも動かない。

 

「ハーラマ星人の精子は他の宇宙人の精子と違って大きくて動きも激しいんでね。こうやって外に射精すると精液が動いているのがよくわかる。元気すぎて普通の卵子じゃ受精の前に刺し殺してしまうのが難点ですね」

 

 サラリと恐ろしいことをいう。そんなものをこんな大量に膣内で出されたら、卵子が全滅させられてしまう。子供を産めない身体になってしまうのではないか。そんな不安を察したのか、ラセールは続ける。

 

「ああ、安心してください。ボクらの先走り汁にはこの強力な精子に卵子が耐えられるように、卵子を大きく頑丈にして膜も分厚くする効果があるので。まあそのせいで他の種族の小さくて弱い精子じゃ受精できなくなってしまいますけどね」

 

 恐ろしいことを楽し気に語るラセールの顔。そのニヤついた表情を見ながらモモの意識は暗闇に落ちた。

 

 

 【♡】

 

 

 意識を失って、気づいた時には身体も制服もベッドも綺麗になっていた。この部屋にきたときのまま、何も変わらない。あれは夢だったんじゃないかという淡い希望を抱きそうになるが、服の感触すら快感と捉えるほど敏感になった身体があれが現実だったと訴えてくる。

 

「もう遅いし、家に帰った方がいいですよ。家族に心配かけちゃ悪いし」

「……そうですね」

 

 どの口がいうのか。皮肉の一言もいってやりたかったが、いまはそんな元気もない。とにかくこんな場所一刻も早く立ち去って、愛しのリトが待つ家に帰りたかった。

 しかし敏感になった身体はそんなわずかな望みすら妨げる。

 

「っ、あ……♡」

 

 歩く動作でわずかに擦れた衣服。その刺激だけで尻尾を弄られたような快感が走る。綺麗になった下着が早くも湿ってきた。

 

「辛そうですね」

「だれのせいだと……!」

 

 殺意を込めて睨むモモ。

 その鼻先に黒い帯が差し出される。チョーカーだ。

 

「これ、身体の感度を抑制してくれる制御装置。“ボクが雌奴隷につける首輪”なんだけど、欲しいですか?」

「……このっ!」

 

 さすがに一発殴ってやろうかと腕を振り上げる。しかしその前にラセールの手がモモの胸を掴んだ。

 

「ンあっ♡」

 

 殺意が一瞬で快感に消し飛ばされる。

 頭にピンクの靄がかかって足が震える。

 

「ほら。ちょっと胸触っただけでそんなに乱れるようじゃ家で普通に過ごないでしょ?」

「くっ! んっ、あ……♡」

「早く決めないと結城リトがここに来ちゃいますよ? さっきモモさんを迎えに来てもらうように連絡しといたから」

「なっ!?」

「だから、ね? 早く決めないと」

「あ、ンっ――♡」

 

 服越しに乳首を潰される。愛液が下着から垂れて床にわずかな水たまりを作り始めた。

 

「ボクの」

 

 服の中に入れられた手が乳房と乳首を弄ぶ。

 

「雌奴隷用の」

 

 秘裂をかき分け、棘の生えた指がトロトロの膣壁をこそぐ。

 

「首輪」

 

 クリトリスと恥丘全体を掌が押し潰す。

 

「欲しい?」

 

 綺麗になった身体はあっという間に汗ばみ、下着もびしょ濡れになる。

 呼び鈴が鳴った。リトがきたのだ。

 もはや選択の余地も時間もなかった。

 

「くっ……ほ、しい、です……♡」

「なにが?」

「め……」

 

 若干の逡巡を挟んで、屈辱の言葉を紡ぐ。

 

「雌、奴隷用の……首輪……♡ くだ、さい……♡」

 

 ラセールは満足そうに笑うと、モモの首にチョーカーを付けた。

 

 

 【♡】

 

 

「モモ、大丈夫か?」

「ええ、リトさん。大丈夫ですよ」

「すみません。ボクの宇宙船の環境がちょっとモモさんに合わなかったみたいで」

 

 ラセールは頭を下げる。

 モモはラセールに王族として交際を申し込まれ、話し合いのために宇宙船まで出向いたものの、ハーラマ星人用の環境がデビルーク星人には合わず途中で倒れてしまった。

 表向きはそういう話になっているらしい。

 

 リトに連れられて宇宙船を離れ、見慣れた道へ出ると安心感から一気に力が抜けた。できれば二度とあの部屋にはいきたくないが、そういうわけにもいかないのだろう。

 身体の方はずいぶん楽……というか普段と変わらない状態になった。さっきまで歩くのも辛いほど激しい性感に悩まされていたのが嘘のようだ。悔しいがこのチョーカーは貰っておいてよかった。

 

「さて。じゃあ、帰ろうか。ララたちも美柑も心配してる」

「はい。すみません、リトさんにご迷惑を……」

「気にするなよ。モモが無事ならそれでいいからさ」

「リトさん……」

 

 さっきまでが酷かった反動もあるだろうが、リトの優しさが胸に染み渡っていく。やはりリトが一番いい。他の男……ましてあのラセールなど絶対に嫌だ。

 

(耐えきってみせる。絶対に――!)

「ところでモモ、そんなチョーカー前からつけてたっけ?」

「え? ええ。ちょっと……」

「尻尾の先にも何かついてるし」

「えっ!?」

 

 驚き、振り返ると確かに尻尾の先に金属の輪がついていた。いつの間に、と思うと同時に一番敏感な尻尾、弱点に勝手にマーキングされたことに対する激しい怒りと羞恥心が湧いてくる。だがリトの前でそれを態度に出すわけにはいかない。全力で作り笑いを浮かべる。

 

「えっと、その……ラセールさんから友好の証としてもらったんですよ」

 

 あの男をさん付けで呼ぶのは腹立たしかったがとっさにそう取り繕った。嘘はいっていない。ここで下手に嘘をついて、後でボロが出るのは避けなければならない。

 

「そうか」

 

 リトはひとまず納得したように再び歩き出し、しばらくしてからまた口を開いた。

 

「あのさ……求婚されたらしいけど、受ける気なのか?」

「あら♡ リトさんヤキモチですか?」

「ち、違うって! ただ……」

 

 リトは顔を赤くしながら言う。

 

「この間の告白のこととか、もし気にしてるなら気にしなくていいからな。モモがあいつのことを好きなら――」

「リトさん」

 

 リトが振り返る。

 彼の慎ましい所は魅力だが、言われるまま引く気はない。

 

「私が好きなのはリトさんだけです」

 

 改めてモモは宣言する。

 

「話を受けるつもりはありません。これはあくまで他所の星の王族からの贈り物として、建前で身に着けてるだけですよ」

「そうか……」

 

 リトは安心したような少し困ったような顔。まだそれでもいい。いつかこの答えで笑顔になってもらえるよう自分を磨くだけだ。

 

(そのためにも……)

 

 あの男に負けるわけには――いかない。

 

 

 【♡】

 

 

「いやぁ、さすがデビルーク王女。上物だったな」

 

 部屋でくつろぎながら、ラセールは天井を仰ぐ。手のひらに浮いた球体――コレクションを鑑賞するための展示アイテムの中には、グッショリと濡れたモモのパンティが入っていた。リトの隣で下着から水滴を垂らしながら帰るわけにもいかず、しぶしぶ脱いでいったものだ。

 

「顔もスタイルも一級品。いまでアレなら、育てばもっと美しくなる」

 

 思い浮かべるのはデビルークの王妃、セフィ・ミカエラ・デビルーク。モモが成長すればああいう感じの良いオンナになるだろう。

 

「触った感じナカの具合も良さそうだったし。アレは絶対にモノにしないとな」

 

 モモの肢体を思い出し、舌なめずりする。あの小さく雄を知らない未開通の蜜壺をこの逸物で蹂躙し、屈服させ、深さも幅も自分専用に作り変える。それを想像しただけで、ズボンの中のペニスは痛いほど勃起した。さっき射精したばかりだが、ハーラマ星人は絶倫種族。十発出しても萎えず、濃い精子を吐き出し続ける性の魔物だ。

 この攻撃的な精子を睾丸が枯れるまでモモの膣内に出す日は、おそらくそう遠くない。

 

 自分をご主人様と呼び、自ら雌穴を差し出すモモの姿を妄想しながら、ラセールは眠りについた。

 



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2 フェラさせられるモモ(☆)

感想ありがとうございます(_ _)


 ラセールに凌辱された翌日。モモのクラスはラセールがモモに求婚した話で持ち切りだった。ラセールに興味津々だった女子たちは悔しがっていたが、相手がデビルーク王女とあっては声をかけるのも当然と納得もしているらしくモモに妬みを向けるような様子はない。

 V・M・Cの男子生徒たちが泣き崩れてうるさいのが難点か。

 

「求婚といっても断られたんですけどね。どうにかお願いして一ヶ月だけお試しでお付き合いしてもらえることにはなりましたが、振り向いてもらえるかどうか……」

 

 ラセールは爽やかな笑顔で周囲にそう語る。なんという白々しさだ。あんな穏やかな紳士なふりをして、実際には女を性処理の道具程度にしか思っていないなんてクラスの誰も想像すらしていないだろう。

 

「王族ってたいへんなんだねー」

 

 メアが呑気にいった。

 

「でもモモちゃんがそういう話受けるなんて意外。てっきりリトせんぱい一筋だと思ってたのに」

「別に引き受けたわけじゃありませんよ」

 

 メアの言葉をモモは強めの語気で否定した。

 

「あくまで諦めてもらうためにしばらく恋人ごっこに付き合うだけです。向こうもそれは了承してるんですから……」

「でもモモちゃんなら一も二もなく断ると思ってたなー。なんか首輪?と尻尾用のアクセサリーもつけちゃってるし」

「…………ぐっ……」

 

 全力で否定したかった。でもまさか本当のことを……脅迫されて凌辱されているなんて言えるわけもない。言えばメアやヤミはすぐにでもラセールを排除してくれそうだが、一応とはいえ向こうの言い分は筋が通っている。いかに女を弄ぶクズとはいえ「自分はリトに夜這いかけて言い寄っておいて、こっちが春菜に言い寄ることは妨害するのか」と指摘されると力任せの排除は躊躇われた。

 そういう意味ではシンプルに暴力に訴えてきてくれる賞金稼ぎや暗殺者の方が対処は楽なのだが……。

 

(一ヶ月……。ほんの一ヶ月の辛抱よ……)

 

 必死にそう自分に言い聞かせる。だがあの快感を一ヶ月も受け続けて自分は果たして正気でいられるだろうか?

 昨日はあったはずの絶対の自信は、たった一度の行為で早くも崩れかかっていた。あの快感を思い返しただけではしたなくも愛液を流してしまう自分の身体は、すでに屈服しつつあるのではないだろうか――

 

 

 【♡】

 

 

 お試しとはいえモモと付き合っている、と公言しているラセールは人目も憚らずモモに接触してきた。あらかじめ公言しておくことで二人一緒に行動しても変に深読みされないのは助かるが、かといって大手を振って会いに来られても不快感しかない。

 

「モモさん、昼食ご一緒していいですか?」

「え、えぇ……。構いませんよ……」

 

 誰がみても明らかに構う様子だったがモモは了承した。ラセールがモモの対面に腰を下ろすと、昨日嗅いだあのフェロモンが漂ってくる。クラスの女子が夢中になっているのは、これの影響もあるのだろう。

 

「昨日はすみませんでした。デビルーク星人には少し()()()()()()()ようで……」

「えぇ。次からはもっと()()()くれるとありがたいですね」

「あれ? また来てくれるんですか。うれしいなぁ」

「…………どうせ呼び出すくせに……」

「わかります?」

 

 その一瞬だけ、ラセールはあの厭らしい笑みに変わった。そのまま耳元に顔を寄せる。フェロモンに鼻腔を擽られて子宮がズクンと疼いた。ダメだと思っても秘裂が愛液を流しだすのを止められない。

 

「じゃ、放課後体育倉庫で待ってるから」

「ッ♡……わかりました」

 

 発情したのを覚れないように平静を装い――それが全くできていないことを自覚しつつ――モモは頷いた。

 

 

 【♡】

 

 

 放課後。

 ラセールとは別々に教室を出てから、重い足取りで体育倉庫へ向かう。

 

(それにしても、よりにもよって体育倉庫だなんて……)

 

 あそこはリトと春菜がお互いの気持ちを打ち明けあって両想いになった場所だ。意識しないわけがない。ラセールはそれを分かっていてここを選んだのだろう。

 そして普段は人気がなく、ちょっと細工すれば完全な密室にすることも容易。マットも備え付けで、恋愛コミックでもいかがわしい展開でしばしば登場する場所だ。そんな所で何をするつもりかなんて考えたくもない。

 

「待ってましたよ、モモさん」

 

 ラセールは倉庫の戸を開けて待っていた。普段は鍵がかかっているはずだが何かの道具で開けたのだろう。

 

「……こんなところに呼び出してなんの用ですか?」

「恋人らしくスキンシップをと思いまして。こういうところで密会して交尾するなんて、いかにも高校生カップルがやりそうなことでしょう?」

 

 ラセールの手がモモの顎を持ち上げる。滑らかな手つきと、女を興奮させる香り。何も知らなければ思わずうっとりと身を任せてしまいそうだ。腰に手を回され、抱き寄せられる。密着する腰と腰。制服越しに、ラセールのペニスが勃起している感触が伝わってくる。それに対し湧いてくるのは強い嫌悪感と、それを上回るほどの情欲……。

 

「そう、ですか……。じゃあさっさと済ましてください。私も暇じゃないので」

「それじゃあ遠慮なく」

 

 ラセールは体育倉庫の戸を閉めると、チャックを下ろしてペニスを取り出した。ガチガチに隆起したそれは、すぐにでもモモの膣内に入りたいというようにビクンビクンと脈動する。あらためて見てもえげつない形とサイズだ。

 

「舐めてください」

「……っ」

 

 いつかはさせられると予想してはいた。だが予想よりだいぶ早い。いざやれといわれるとどうしても躊躇ってしまう。リトのモノならすぐに口にしてもかまわないくらいだったが……。

 

「…………ちゃんと洗ってるんでしょうね」

「もちろん」

 

 そうはいっても、半日ズボンの中に密閉されていた陰部は強い臭いを発していた。濃縮されたフェロモンに鼻を突かれ、頭がクラクラする。分泌量が増す愛液。乳首も起き上がってきた。

 

 もう完全に発情させられてしまっている。

 

 自覚してもどうしようもない。

 自然と開く唇。まるで目の前の雄々しい肉棒を含みたがるように。

 

「いいですよ。舐めて」

「……なにが」

 

 いいですよ、だ。

 いちいち苛立ちを口に出すのも煩わしく、モモは覚悟を決めて大きな陰茎を口に含んだ。恥辱と屈辱の味が口内に広がり、吐き気を覚える。同時にチクチクと毒の棘が口内に突き刺さっていく感触が伝わってくる。口を性器に作り替えられる恐怖。いまはチョーカーで性感を抑えられているが、制御を切られたら自分はどうなってしまうのだろう?

 ゆっくりと肉棒を口で扱いていく。

 時折、先端の毒針が舌に刺さりそうになって動きが止まる。

 

「もっとしっかり舐めてくださいよ」

「……この邪魔な針を抜いてくれたら考えます」

「さすがに抜くことはできないな」

「じゃあ諦めてください」

「いや、諦めるのはモモさんでしょ」

 

 その瞬間、ラセールはモモの頭を掴んで喉奥までペニスを叩き込んだ。

 

「おっ、ゴ!?」

 

 突然のことに目を白黒させるモモ。猛烈な吐き気と、プスッと毒針が喉奥を突き刺す嫌な感覚が彼女を襲う。だが当然一突きでは終わらない。まるでセックスをするようにラセールはモモの頭に何度も何度も腰を叩きつけてくる。

 

「毒針を避けてたらいつまでたってもまともなフェラなんかできないじゃないですか。大丈夫ですよ。口が性感帯になって喉がチンポケースになってもボクは気にしませんし、その首輪があれば日常生活にも支障ありませんから」

「ブッ!……ごっ! おぇ……っ! ンぶっ! ぶ、ン……おッ!?」

 

 口内を犯される。口を性器にされる。食道を食べ物の通り道からペニスを収めるためのスペースに変えられる。周囲の棘と先端の針が唇を、歯茎を、舌を、喉を蹂躙する。それは断じて恋人同士の性行為ではなく、一方的な凌辱だった。

 そしてそこまでされてなお大人しく従っているほど、モモはか弱いお姫様ではない。いままでの『愛撫』は辛うじて我慢してきたが、これはただの暴力だ。『恋人の真似事』の一線を越えている。約束は違えないのがこの男の生命線だというのなら、いまこの男はそれを自ら断ち切った。

 ぶっとばしてしまおう。

 そう決断し、ラセールを睨んだ瞬間――

 

「えい♪」

 

 とラセールが手に持った端末を操作した。

 

 パンッ。

 

 と何かが爆ぜたような音。

 

「ふぇ……?」

 

 それが自分の尻尾に着けられたリングから放たれた電撃だとモモが気づいたのは、強烈な快感が全身を駆け巡ったあとだった。

 

「お――♡」

 

 絶頂。

 秘裂が情けなくも失禁するように潮を吹く。

 電撃と同時にチョーカーの制御が切られたのが感じられる。途端に鋭敏になる感覚。無茶苦茶にされた口は一瞬で自分が正真正銘の性器にされたことを自覚し、強烈な快感を送り始めた。吐き気と殺意は快感に挽き潰され、喉の奥の奥までペニスが侵入してくるのがたまらなく心地よく感じてしまう。

 

 パンッ、パンッ、パンッ。

 

 グチュ、グチャ、グチョ。

 

 尻尾を襲う電撃と口を犯す陰茎の湿った音が体育倉庫に響く。

 

「い゙ッ♡ ぶ♡ ごほ……っ♡ ぶぇ♡ ンぐ♡ ンぶ……っ♡ おぶぁ♡」

 

 モモは性器に堕ちた口を玩具(オナホ)にされ、先日犯された尻尾を電撃で躾けられ、何度も何度も絶頂しながら必死にラセールの腰にしがみついていた。頭は快感で真っ白に染まり、一瞬たりとも思考することを許してもらえない。未熟な秘所は洪水のように愛液を垂れ流しながら幾度も潮を吹いてモモの下半身と床を濡らしていく。

 モモにできるのはただラセールが満足して動きを止めるまで口マンコを捧げ続けることだけだった。

 

「出すぞ、モモ」

 

 数分後。待ちわびたその言葉を認識した瞬間、思考力を奪われたモモは歓喜を覚えた。覚えてしまった。快感地獄から解放されることに対してとはいえ、ラセールの言葉と喜びを結び付けてしまった。

 そしてそこに送り込まれる大量の精液。

 

「ごっ――♡♡」

 

 喉の奥から胃に向かって一気に流し込まれる。卵子を求める大きく狂暴な精子は食道の壁を突き刺し、毒に侵され性感帯と化した食道はそれすら性感と知覚する。食道を精子にレイプされ絶頂する。普通であれば一生味わわない感覚。胃に入れなかった精子が口の隙間から溢れてきて、それすら快感となる。

 

 ズルリ、とペニスがモモの喉……いや、口マンコから引き抜かれる。その光景はさながら刺し殺した相手から刀を引き抜く侍のようだった。支えを失ったモモがベシャリと自分の愛液と潮で水浸しになった床に座り込む。

 

「……ぁ♡ ……ァ、アァ……♡」

 

 放心し、焦点の合わない目で虚空を見つめながら絶頂の余韻で微かに痙攣し続けるモモ。口からは漏れた精液を垂れ流し、彼女の制服を濡らしていく。

 その身体をラセールは軽々と抱き抱えた。

 

「さて、続きはボクの宇宙船に戻ってからしましょうか。いま3時だから、あと3、4時間くらいかな? 今日は迎えが来る前に自分で帰れるように頑張りましょうね」

 

 ラセールは自作のワープ装置を起動させる。事前に設定した場所へ瞬間移動できる装置だ。二人の身体は一瞬で体育倉庫からラセールの宇宙船へ転移された。

 

 

 【♡】

 

 

 モモの意識がハッキリしてきたのは、ラセールの宇宙船の風呂の中だった。清潔な湯船に浸かりながら歯嚙みをする。

 

「私が、あんな……!」

 

 まさか口を犯されて、尻尾を痛めつけられて、床が水浸しになるほど感じてしまうとは。その恥辱の水たまりに情けなくも座り込むほど放心してしまうとは。自分が情けなくて、惨めで仕方がない。

 それも、まだ二日目であの醜態だ。口と尻尾を責められただけであんなに乱れさせられていては、とても一ヶ月も持つ気がしない。

 リトへの想いはいまでも揺るがない。たとえラセールにこの身をいくら穢されても、それだけは決して変わらない自信がある。だが同時にラセールの与える快感に逆らえなくなる確信も芽生えつつあった。

 リトへの想いは確かに持ったまま、ラセールに首を垂れて、腰を上げて、子宮を捧げる浅ましい雌奴隷……そうなる自分が容易に想像できてしまう。

 

「リトさん……たすけて……」

 

 耐えきれず流れてくる涙。

それを誤魔化すように、モモは湯の中にもぐった。

 

 

 浴室を出ると、洗い立ての制服とスケスケのベビードールが置いてあった。モモにどちらか選べというのだろう。どうせこのあとも嬲られ、秘裂から汁をまき散らして失神させられるのだ。また制服を汚すのも嫌なので諦めてベビードールを着た。

 これを着て向かうのがあの男ではなくリトの部屋だったらどんなにいいだろう。

 寝室に入ると、ベッドでくつろいでいたラセールはモモのベビードール姿を見て唇の端を持ち上げた。

 

「いやぁ、よくお似合いですよ。モモさん」

「…………そう……」

「あれ? テンション低いなぁ」

「疲れてるんです……。早く終わらせてください」

「そう? じゃあさっさと始めましょうか」

 

 そういってラセールが腰を上げ、モモに近づこうとした瞬間。

 

 二人の間を弾丸が貫いた。

 

「え――?」

「なにっ!?」

 

「そこまでにしとこうか、色男さん」

 

 あり得ない乱入者に驚愕する二人。

 扉の向こうに見えるのは、大砲に変身(トランス)させた右手をこちらに向けるメアと、その前でふんぞり返るネメシスの姿だった。

 

「私の縄張りでずいぶん勝手なことをしているな、オマエ」

 

 



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3 肛辱されるモモ(♡※アナル)

いつも評価、感想ありがとうございます

書き溜めが尽きてきたので今後の更新は遅くなるかもしれません


 

「メアさん、ネメシス……!?」

 

 突然寝室に現れたメアとネメシス。いったいなぜここに?というモモの視線を、ネメシスは心地よさそうに受け取る。

 

「ずいぶん情けない顔をしているではないか、モモ姫。そんな下郎如きにいいようにしてやられたか?」

「二人ともどうして……」

「だってモモちゃん明らかに元気なかったし、なにかあると思うじゃん?」

「あの学校はいまや隅から隅まで私の監視下だからな。お前たちの逢瀬は一部始終見させてもらったぞ」

 

 そんなことをしていたのかネメシスは。

 あの痴態を二人に見られたかと思うと恥ずかしくて死にたくなるが、正直助かった。これはラセールを撃退できるチャンスだ。

 しかし当のラセールは慌てる様子もなかった。

 

「うわぁ、とんでもない変身(トランス)兵器が二人もお出ましですか。ちょっとボクみたいな辺境の星の人間にはオーバーすぎるんじゃありませんか?」

 

 と、こんなときでもおどけて見せる。

 だが戦い慣れしている二人はラセールのペースに乗せられることはない。

 

「私の許しなくモモ姫に手を出していいと思ったか? モモ姫で遊んでいいのは私だけだ」

「ちょっと!?」

「色男さん。いますぐ地球から出ていくなら見逃してあげるけど、どうする? わたしと()るなら、二度と女の子を見てえっちな気分にならないようにしてあげるけど」

「それは怖いな。大人しく降参しますよ」

 

 そういって両手を上げる――その手には小型端末。

 

「あ。おかしなことしたら――」

 

 メアが警告したときには、スイッチは押されていた。

 同時にメアが容赦なく発砲……できなかった。

 バチンッと激しい音と同時に部屋の各所から強烈な電撃が放たれたのだ。

 

「……っな!?」

「む……?」

 

 モモの尻尾に叩き込まれるのとはレベルが違う電撃で、メアの変身(トランス)が解除される。ネメシスは電撃を防いでいたが、次の瞬間には姿が消えていた。

 

「そんな……」

 

 一瞬で二人が無力化されたことに愕然とする。いや前々からこちらを観察していたなら、むしろ対処法があるのは当然なのか。

 

「っ……やってくれるね……。ネメちゃんはどこへやったの……?」

 

 身体を焼け焦がされながらも、メアはふらふらと立ち上がる。

 

「ちょっと電脳空間に送り込ませてもらいました。メアさんやヤミさんは電撃である程度無力化できますけど、ダークマターはさすがにボクごときの手には負えませんからね。何重にも重ねた多重電脳空間に組み上げた特製ダンジョンでボクの用が済むまで迷っててもらいますよ。別に死にはしないでしょうから安心してください」

「そっか……。でもさ、そっちの用を済まさせる気はないんだよね。ちょっとのあいだ変身(トランス)できなくても、アンタぐらい倒すのワケないよ?」

「でしょうね」

 

 ラセールが再び端末を操作すると、船内の壁からスライムのような半透明の触手が生えてきてメアを拘束してしまう。

 

「ははっ。こういうの、ニュルニュル苦手なヤミお姉ちゃんならヤバかった……か、も……ね……?」

 

 ここで初めてメアが眉を顰め、次第に顔が困惑していった。

 

「えっ、ちょっ……なにこれ? 変身(トランス)……? わ、わたしの身体になにして……!?」

 

 いままでにないほど動揺するメア。見れば、まとわりつく触手の先端がメアの身体に同化していた。まるでメアの精神侵入(サイコダイブ)のように。

 

「ちょっと、メアさんになにを!」

「ナノマシンの置き換えですよ」

 

 事もなげにラセールはいう。

 

「我がハーラマ星が誇るナノマシン技術の結晶です。メアさんやヤミさんのような変身(トランス)兵器の身体を構成するナノマシンを全てこちらで用意した別のナノマシンに置き換え、能力を別の管理者の支配下におく。こうすればいざという時は用心棒にできるし、普段は男に媚びることしかできないか弱い雌にすることもできる。画期的でしょ?」

 

 またあの顔だ。

 女を不可逆に作り替え、性処理の道具とすることに躊躇いがないどころか楽しみすら覚えているあの顔。

 さすがのメアも顔面蒼白になり、モモも慌てて止めに入る。

 

「や、やめなさい! 私たちの関係はあくまで私たちの取引です! メアさんは関係ないでしょう!」

「そうですけど、仕方ないじゃないですか。このまま見逃して事がバレたらボクは良くて地球を追い出され、悪ければ殺されます。デビルーク王の耳に入ったら星ごと消されたっておかしくない」

「だからわたしにもモモちゃんみたいにえっちいことして従わせようって? わたしは別にえっちいのに抵抗ないからいいけど、だったらモモちゃんは解放してあげてよ」

 

 身体のあちこちから同化する触手に身体を作り変えられながら、メアは普段の余裕のある態度を崩さない。それでもひそめた眉や流れる冷や汗を見れば、それがやせ我慢であることは明白だった。

 

「お断りします。ボクの本命はあくまでモモ姫なので。でも貴女にもボクの身の安全のためにこっち側の人間になってもらいます」

「ふぅん。わたしが素直に従うと思う……?」

「従うようにしますよ。女性を素直にするのはボクらの特技なんで」

「やめなさい」

 

 モモがラセールの腕を掴む。

 

「メアさんには私が話をつけます。これ以上は力ずくで止めますよ」

「……しょうがないな」

 

 諦めたようにラセールが端末を操作した。

 そして――

 

 パンッ。

 

「あ――」

 

 あの電撃。敏感な尻尾を躾けるあの電撃だった。

 チョーカーの制御を切られる。快感は尻尾から全身に伝播し、あらゆる神経を焼き尽くす。快感。快感。快感快感快感。立っていることすらできず、モモはその場に座り込んだ。絶頂の波を抑えるように自分の身体を抱きしめるが、その刺激すら快感に変わる。

 

「ふっ――♡ ぐっ、うっ……♡」

「まだわかってなかったんですか?」

 

 ラセールの声からはそれまでのおどけたような、楽しんでいるような響きが消えていた。代わりに含まれるのは、呆れと嘲笑。

 

「貴女の身体はいまやボクの意思一つでこんなに簡単に無力化できるんですよ。貴女にできるのは、ボクの欲望を受け止めて、雌として開花することだけ。暴力に訴えるには遅すぎましたね」

「くっ……♡ この……!」

「でもまずはメアさんの方の下処理から、ですね」

 

 端末を操作すると、壁から生えてきた作業アームがメアの首に首輪をつける。モモが着けられたようなチョーカーではない。もっとガッシリとした、狂暴な大型犬を止めるためのような、れっきとした首輪だ。

 

「……女の子には絶対首輪つけないと気が済まないタチ? いい趣味してるよね」

「これはナノマシンの動きを検知して電撃を発する首枷です。電撃を受けたくなかったら下手に変身(トランス)能力は使わない方がいいですよ。さあ、メアさんのナノマシン処理が終わるまでの数時間でモモさんの調教を進めないと。あー、忙しい忙しい」

「あぐ……!」

「モモちゃん!」

 

 モモは髪を掴まれ、無理矢理立ち上がらされる。

 そのまま寝室を出て別の部屋へ。向かった先は研究室のようだった。壁のほとんどはモニターが占めており、様々なメカや備品が並んでいる。そこに並ぶ透明なカプセルには見るもおぞましい怪生物が入っていた。

 

「本当はもっとじっくり時間をかけてモノにしたかったけど、仕方ないですね」

 

 ラセールが手を伸ばしたのはカプセルの一つ。中には蛇……いや触手が入っている。

 

「これはアナル開発用に開発した触手型生物です。蛇みたいでしょ?」

「ン……♡ ま、さかとは……思いますけど、それをお尻に……」

「はい。あ、コイツ自体には別に毒とかありませんよ。開発自体は自分の能力でやるのがボクらの誇りなんで」

「っ……♡ 女性を……無理やり、犯し、て……♡ なに、が……誇りよ!」

「ほら、さっさとお尻向けて」

 

 モモは必死に抵抗する。しかし少し触れただけで快感に喘ぎ、脱力してしまう身体では抵抗らしい抵抗にはならなかった。易々と壁に手をつきて尻を突き出す姿勢を取らされ、穴あきショーツから触手型生物を挿入される。

 

「くっ、うぅ……!」

 

 まだアナルは媚毒に侵されたことがないため、感度は高くなかった。嫌な感触ではあったが、座薬を入れられたようにしか感じない。これまでの強烈な快感に比べれば可愛いものだったが、肛門に妙な生命体を入れられるのが一番楽というのは屈辱的だった。

 

 触手が内部に侵入してしばらく。

腹の中からグチャ、グチャと音がし始める。

 

「これ……なにをして……」

「排泄物を食べてるんですよ」

「なっ!?」

「これは腸内の排泄物を食べて衛生管理してくれる生物なんです」

 

 自分の排泄物を食べられる。あまりの恥辱にモモは耳まで真っ赤に染まった。

 

「普通に何回か浣腸してもらうのでもいいんですけどね、面倒だしこっちの方が面白いじゃないですか」

「面白いかどうかの問題じゃ――ひあっ♡」

 

 ラセールの指がついに肛門を愛撫し始める。尻穴にチクチクとした感触。ついに排泄器官まで改造されてしまう絶望感がモモを襲う。

だがモモには逃げ道も抵抗の術もなかった。

 

 

【♡】

 

 

 触手型生物の食事と肛門の開発は数十分続いた。

 

「そろそろいいか」

「ハァ……♡ ハァ……♡ ふぇ……?」

 

 数十分かけて身体と肛門をトロトロに蕩けさせられ、学校でのフェラと合わせて疲労困憊のモモは完全に放心状態だった。

 だから、それに対する心構えなど全くできなかった。

 

 ラセールが尻穴から出っぱなしの触手型生物の尾を掴み、一気に引っこ抜く。

 

「お゙――――♡♡♡」

 

 それはおそらくモモのいままでの人生で最もおぞましい絶頂だった。便をひねり出す感覚を性的快感と強引に結びつけられる。排泄という本来なら包み隠さなければならない不潔な行為でイクという屈辱。そして錯覚と分かっていても、人前で排泄させられるという恥辱。

 モモの心に亀裂を入れるには十分な威力だった。

 

「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙――ッ♡♡♡♡」

 

 絶叫。

 絶頂。

 愛液と潮だけでなく腸液までまき散らす。

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙……♡ ……やめてっ! も、もう許して……! これ以上、私の身体を変にしないで!!」

「アハハハ」

 

 笑い声。デビルークの王族という身分を顧みず、泣き叫び、懇願までしたモモに返されたのは楽しそうな笑い声。

 怖い。

 自分の中の常識も、倫理観も、女もメチャクチャに壊して、それをギャグ漫画でも読むような感覚で行うこの男が。

 

「いやぁ、あれだけ気丈だったモモさんも、アナルでイッちゃったらさすがに折れちゃうか。でもまだ先は長いですよ」

 

 触手型生物が抜けてポッカリ空いた尻穴を指でかき回す。グチャグチャと湿った音が響き、棘が腸壁をブラッシングしていく。どんどん高まっていく感度。一時間もしないうちに、排泄用だった尻穴はもう一つの雌穴に作り変えられてしまった。

 

「うん、もうトロトロだな。デビルーク星人は頑丈だし、これだけ弄ったらもう大丈夫でしょ」

 

 ラセールがあの凶悪なペニスを尻穴にあてがう。

 

「ひっ――!」

 

 モモの顔が恐怖に引きつる。いままで出したこともない情けない声。

 いまのモモはさながら断頭台に拘束された受刑者だった。自分の人生を終わらせる凶器が叩き込まれるのを、ただ黙って享受することしかできない哀れな受刑者。宇宙を支配するデビルーク星の第三王女という高貴な肩書きも、半裸で尻穴を開発されているいまとなっては虚しいものだった。

 

「入れるよ?」

「イヤ……イヤッ、イヤイヤッ!! やめて――!!」

 

 パァンッ!

 

 懇願は全く無視され、ラセールの腰は無慈悲にモモの尻に叩きつけられた。尻の肉を打つ音が研究室内に響く。

 同時に……

 

「あ――♡」

 

 モモの中で何かが砕けた。

 

「ああああああああああああああ――――ッッ♡♡♡♡♡♡」

 

 意識が飛びそうになる。足が震え、まともに立っていられない。だが自分を貫いた肉棒は倒れることを許してはくれない。串刺しにされたまま、肉棒に引っかかるように尻を持ち上げられる。

 

 パァンッ、パァンッ、パァンッ。

 

 柏手のように景気よく耳に心地よい音が響く。押し込まれた空気が行き場を失って放屁のような音を立てる。

 何度も何度も何度も。

 性感帯に変えられた腸が歓喜に震える。異物を押し込まれる違和感も、異物が引き抜かれる排泄感も、すべて快感に変わってしまう。ペニスが進むたびに絶頂し、下がるたびにまた絶頂する。

 便を排泄するという行為に絶頂する感覚を覚え込まされる。

 屈辱の極みともいうべき仕打ち。

 だがモモを頭に流れ込むのは快感一色。

 

 ――ああ、これがマゾに躾けられるということなのか。

 

 絶頂で真っ白に染まった頭の片隅で、モモは他人事のようにそう思った

 

「おっ♡ ぐっ♡ ひぁ……♡ い、ぁ……♡ あっ♡ いやぁ……♡」

 

 ペニスの先端の毒針が何度も何度も直腸の壁を穿つ。便を貯める場所が、ペニス用のスペースへ変わっていく。

 

「全身性感帯で口もアナルもチンポケースになった気分はどうですか、モモさん?」

「あ゙♡ ンっ♡ ひ、ぃ……っ♡ ぐっ……さ、さいて、い……よ! ぉぐっ……♡」

 

 最低。本当に最低なのに、身体はどこまでも喜んでいる。自分もペニスを咥えたいとばかりにパクパク口を開き、愛液と潮を垂れ流している秘裂はとても処女とは思えない。腸液まで零れ、床はさっきのフェラの時を上回る勢いで水浸しになっていく。

 

「じゃあ、もっと最低になりましょうか」

「え……」

 

 ラセールがペニスを引き抜く。

 支えを失い、へたり込むモモ。だが地獄はまだ終わっていない。いや、ひょっとしたらこれもまだ前座なのかもしれない。

 

「……ひぃッ♡」

 

 モモの尻尾を無思慮に掴むと、ラセールはそれをペニスに巻き付けた。先日の尻尾コキの悪夢が蘇るが、今回はそれよりなお悪い。

 なぜなら――

 

「さあ、再開しますよ」

(――――リトさん)

 

 心の中に自然と想い人の名前が浮かぶ。目の前を過ぎ去っていくのはリトとの思い出の日々。それは女としての走馬灯だったのだろう。

 モモの中に確信が芽生えた証。

 いまから“女”として殺されると……。

 

「きっとすごく気持ち良いですよ」

 

 ラセールは朗らかに笑うと、モモを抱き上げてモモの尻尾を巻き付けたペニスでアナルを打ち抜いた。

 

「……ッ~~~~――――♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 声は出なかった。

 いままでで一番激しい絶頂。

 身体が痙攣する。

 死んだと思った。

 潮ではなく尿が出た。

 失禁したのだ。

 尿がラセールの制服を濡らしていくが、ラセールは笑っていた。

 それどころか尿道に指をあてがって刺激してきた。

 尿道すら開発する気なのだ。

 拒絶はできない。

 そんな余裕はない。

 激しいピストン。

 疲労と絶望と諦観と快感がモモを包む。

 

「お゙……♡ お゙お゙お゙お゙っ♡♡ く、イ……グッ♡♡ が、ァ……ッ♡ たひゅけ……♡♡♡ リト、ひゃ……♡ お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙……♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 尻尾を巻き付けられたペニスはさらに太さが増し、凹凸も激しくなってモモの直腸を襲う。その刺激は同時に尻尾にも快感を与え、二重の責めはモモを絶頂の頂に押し上げて下りることを許さない。

 ラセールの身体を壁で挟み込まれ、アナルと尻尾を同時に犯されながら身体のあちこちを棘付きの舌に舐められ、乳首やクリトリス、処女膜まで凶悪な指で嬲られる。

 

 アナルでイク。

 尻尾でイク。

 耳でイク。

 首でイク。

 胸でイク。

 乳首でイク。

 腹でイク。

 臍でイク。

 クリトリスでイク。

 大陰唇でイク。

 尿道でイク。

 処女膜でイク。

 

「あ゙――♡ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙……♡♡♡ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙♡♡♡♡♡♡」

 

 精神を、砕かれる。

 

 絶頂。

 快感。

 絶叫。

 嬌声。

 悲鳴。

 屈服。

 服従。

 

 抗えない。勝てるわけがない。堕とされる。どこまでも堕ちて、心を雌奴隷にされていく。

 

「出すぞ」

 

 その言葉と同時にラセールはピストンを早め、一際強烈な突きと共に射精した。

 

「あ゙あ゙……ッ♡♡」

 

 腸内を精子が犯す。薄い腸壁の向こうにお目当ての子宮があると分かるのか、鋭く大きな精子たちは腸内で激しく暴れまわった。

 

「あ……あ゙あ゙あ゙熱いぃぃッ♡ おしり♡ おひり、あひゅいぃぃ♡♡♡♡♡」

 

 何億もの精子が鋭敏になった腸内を犯す感触は、さながらアナルに熱湯を流し込まれたような熱さだった。それだけでも拷問のように辛いのに、ラセールはすぐにピストンを再開する。

 パンッパンッ。

 グチャグチャ。

 聞くに堪えない汚い音と共に垂れ流される体液に白濁汁が混ざっていく。

 

「まだまだ出せますからね。時間いっぱいまで楽しみましょう」

「……~~~~ッッッ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 まだまだ出る。

 時間いっぱい続ける。

 それはもはや死刑宣告と変わりなかった。

 

 それに対する無意識の返事――いや、降伏の意思表示なのか堕ちた身体は一際派手に潮を吹き、モモの意識は白い闇に飲み込まれていった。

 



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4 壊されるメア(☆)

いつも感想、評価ありがとうございます。

なんかランキングの一部で1位になってたみたいで、本当にありがとうございます。


「ふむ。まだ出口には遠いな」

 

 見上げる空にはいくつもの層が見えた。

 ネメシスが送り込まれたのは幾重にも重ねられた電脳空間だ。各位相にはダンジョンが存在し、踏破することで一つずつ上の位相へ上がっていき最終的には脱出できるらしい。真面目にダンジョンを踏破する気は全くないため、ネメシスはダークマター化して障害物を通り抜けるなり破壊するなりしてクリアしていた。

 もっとなりふり構わず能力を振るえばこの電脳空間そのものを破壊し、脱出できるかもしれないが、それで現実世界にまで余波が飛んで運悪くモモに死なれたりしては困る。仕方がないので、ネメシスは一つ一つダンジョンを突破し続けていた。

 

(それにしても、あの男はどういうつもりだ?)

 

 この電脳空間は面倒だが、出られないわけではない。あくまで時間稼ぎにしかならない。そして一度外へ出てしまえば、戦闘力的にこちらの勝ちは確実だ。

 なにか策があるのだろうか?

 変身(トランス)兵器対策もしていたようだし、ありえない話ではない。

 

(甘く見ないほうがよさそうだぞ、メア……)

 

 まさかメアに届くわけはないだろうが、ネメシスは心の中で呟いた。

 

 

 【♡】

 

 

「……ダメかぁ」

 

 メアを残してラセールとモモが別室に消えてから2時間以上が経過した。何度も脱出を試みたが、絡みつきながら同化した触手と電撃を放つ首輪の二重の拘束を破ることは叶わなかった。何度も電撃を受けたため、メアの身体はモモたちが立ち去ったときよりさらに傷つき、あちこちが焦げていた。

 自分の身体が別のナノマシンに置き換わる。聞いても今一つピンとこないが、変身(トランス)できないというのは確かなようだ。いまはもう変身(トランス)しようとしても何も起きない。首輪も反応しなくなっていた。

 

――過酷な世界で生き抜くための術である能力が失われた。

 

 敵地の真ん中で受け止めるその事実はあまりに重いが、モモが捕まっている現状で挫けている暇はなかった。

 

 ガチャリと音がして扉が開き、誰かが入ってくる。

 

「! モモちゃ――」

 

 目を向け――モモの変わり果てた姿を見てメアは絶句した。

 モモは手錠をかけられ、その腕をネックレスのようにラセールの首にかけられていた。まるで磔だ。その状態でいまだ貫かれたままなのだろう。ベビードールのシースルースカートの向こうでは秘所から体液が垂れ流しになっている。お尻から伸びているはずの尻尾が見えない。どこへいってしまったのかと思えば、ラセールのペニスに巻き付けられ、そのままモモの尻穴に収まっているのが前からわずかに見えた。腹部がわずかに膨らんでいるのは、それだけ大量の精液を腸内に注ぎ込まれたということだろう。それなりに血なまぐさい人生を送ってきたメアだったが、自分の知人が受けるにはあまりに惨い仕打ちに思わず吐き気がした。

 虚ろな目で時折喘ぎ声を漏らすだけになり、背後から貫かれたままラセールの歩みに合わせてつま先立ちの足をヨタヨタと動かすその姿は、普段のリトへの愛を胸に楽園計画を推し進める活気溢れた彼女とは似ても似つかなかった。モモに似せて作られた肉人形だといわれた方がまだ信じられるほどだ。

 だが顔に残る涙の跡が、彼女が偽物ではなく酷い仕打ちをうけたモモ・ベリア・デビルーク本人だと訴えかけている。

 

「おにいさんさ――」

 

 自分も変身(トランス)能力を奪われているのに、メアの口は勝手に動いた。

 

「ぜったい許さないから」

 

 並の荒くれものならその威圧感だけで逃げ出しそうな仄暗い眼光。それを受けたラセールは冷や汗を流しながらも怯まない。

 

「怖いな。ちょっとは怯えてくれるかと思ってお風呂の前に見せにきたんですけど、逆効果だったみたいだ」

「わたしとえっちぃことするつもりなら、気を付けないとその首かっ切っちゃうかもよ?」

「そうですね。精々気を付けます」

 

 ラセールは肩を竦めて部屋を出た。

 

「ッ……この!」

 

 力任せに拘束する触手を引き千切ろうとする。

 だがナノマシンの置き換えによる効果なのか、普段のような腕力はでない。外見相応の非力さ。かつてないほどの無力感を噛みしめ、メアは唇から血を流した。

 

 

 【♡】

 

 

 モモが正気に戻ったのはまたも風呂場だった。すでに拘束は解かれ、チョーカーによる感覚制御も働いて普段通りの動きができる状態。そのモモの身体を、ラセールが介護職のように丁寧に洗っている。

 

「ひっ……!」

 

 さっきまでの凄惨な凌辱がフラッシュバックして、モモは慌ててラセールから離れた。

 

「ああ、よかった。戻ったんですね。いやー、やりすぎて廃人になっちゃってたらどうしようかと思いましたよ」

 

 あれほどのことをしておいて呑気な態度をとるラセール。さっきまでの――尻穴を犯される前のモモなら殺意を抱いていただろうが、いまは恐怖しか感じなかった。

 

「もうやめて……! もう私に近づかないで!!」

「はぁ、仕方ない」

「イヤ! 来ないでッ!!」

 

 ラセールは発狂し暴れるモモを優しく抱擁する。フェロモンがモモを侵していく。性的興奮が恐怖を上回ることで、モモは少し落ち着きを取り戻した。

 

「あ……あ……」

「ほら、そんなに泣かないで。キミはこれから結城リトの家に帰って、何事もなかったように振舞わなきゃならないんだから」

「……――ッ!」

 

 それはこの関係は終わらない、終わらせないという宣言。

 絶望感でモモの膝がガクガクと震えだす。

 

「もうイヤ……。お願い、処女でもなんでもあげるから、もう許して……。私にこれ以上関わらないで……」

「嫌です」

 

 ラセールは笑う。

 

「ボクはね、貴女に処女を捧げさせたいんですよ。『あげる』じゃダメなんです。『もらってください』じゃないと。モモさんに自分から処女を捧げて、ボク専用の雌奴隷、孕み袋にしてくださいってお願いさせるのが目標でありゴールなんです。そのための一ヶ月って約束でしょ? 大丈夫。一ヶ月経っても貴女がボクを拒否するなら貴女の勝ちですから。ボクはそのまま消えて二度と貴女の前には現れない。でもそれまでは付き合ってもらいますよ。それでも拒否するなら、前に言った通りボクは西連寺春菜を狙うだけです。それでもいいですか?」

「あ……あぁ…………」

 

 どこにも逃げ場はない。

 ハーラマ星人のフェロモンと毒の威力を、モモはその身をもって味わった。これを駆使して優しく言い寄られれば、たいていの女子は貞操観念の高さに関わらず一日で身体を許してしまうだろう。そして地球人よりはるかに頑丈なデビルーク星人の自分が二日で根を上げるような凌辱を、春菜が受けてただで済むはずがない。

 もう暴力で叩き潰してしまえばいい。一番手っ取り早い話だ。

 事実、フェラ――いやイマラチオされた時点でそう思ったはずだ。

 それなのに、いまはそんな気は起きない。端末を操作される前に倒せば勝てる相手なのに、怒らせたらどんな仕打ちをされるのかと思うと恐怖で手足が動かない。今日の凌辱はモモの心――その一部を確実に破壊し、強烈なトラウマを植え付けていた。

 

「さあ、分かったらさっさと身体を綺麗にして家に帰ってください。ボクは今日中にメアさんを堕とさないといけないんで暇じゃないんですよ」

「メアさん――!?」

 

 ハッとした。過酷な調教ですっかり頭から抜け落ちていたが、自分を助けに来たメアはいまも囚われの身だった。

 

「やめて、メアさんには……!」

「じゃあ代わりに一晩中セックスしてあげましょうか?」

「あ――」

 

 身体が強張る。ほんの2時間か3時間でこの有様なのに、一晩中犯されたら間違いなく自分は廃人になる。

 怖い。

 身体が動かない。

 怯えるモモに、ラセールはわざとらしく爽やかに笑いかける。

 

「大丈夫ですよ。あの赤毛のメアがボクの調教なんかに負けるわけないじゃないですか。それにお友達は信じるものでしょう? ちゃんと『メアさんなら大丈夫』って信じてあげないと」

 

 それはむしろ勝ちを確信しているからこそ出る言葉。

 このまま帰ればメアがただでは済まないのは間違いない。

 だが……

 

「…………そう、ですね」

 

 モモはもう首を縦に振るしかなかった。

 浴室を出る敵の背中を、敵が投げ寄越した『友を信じる』という建前に乗って、恐怖に負けて助けに来てくれた恩人を見捨てたという負い目を背負いながら見送るしか、なかった。

 

 

 【♡】

 

 

「モモちゃんはどうしたの?」

 

 バスローブ姿で戻ってきたラセールにメアが問いかける。

 

「綺麗に洗って帰ってもらいましたよ。貴女のことを心配してたので説得は面倒でしたけど、彼女にはあくまで『恋人ごっこに付き合ってあげているだけのいつも通りのモモ』でいてもらわなければ困りますから」

「で、次はわたしをどうにかしようってわけだ?」

「えぇ。でもまぁ気が楽ですよ」

 

 ラセールは首や肩を回して凝りを解していく。

 

「処女やキスは奪わない縛りでやってるモモさんと違って、貴女には何をしてもいいわけですからね」

 

 その笑みは、いままでモモの前で見せたどの顔より厭らしく邪悪だった――

 

 

 【♡】

 

 

 モモが結城家に戻ると、美柑が迎えてくれた。

 

「おかえり、モモさん」

「え、えぇ……。ただいま、美柑さん」

 

 リビングに向かえば食事の用意ができていて、みんなが……リトとララ、ナナがいる。

 

「おかえり。今日も遅かったな」

「おかえりー、モモ!」

「お待たせしてすみません……」

 

 愛しのリトはいつも通り優しく、姉のララはいつものように明るい。

 

「おかえり。こんな時間まで余所の王子の相手しなきゃならないって大変だな」

「まぁ、ね……」

 

 双子の姉の軽口も、いつもと変わらない。

 

 何もかもいつも通り。感覚も制御されて身体に何の問題もない。とても十数分前まで尻穴を犯され発狂寸前まで追い詰められていたとは思えないほどに、当たり前の日常がモモを包んでいる。さっきまでの出来事は悪い夢だったのではないかとすら思えるほどに。

 だが、

 

(あ――)

 

 食事を始めると気づく。食べた物が喉を通るときの違和感。それは毒針で何度も何度も刺された喉がラセールのペニスを受け止めるための器官に変貌した証。食事に支障があるわけではないが、ハッキリと自分の身体が今朝この家を出たときとは違うのだと突きつけられてしまう。

 

「どうしたの、モモさん? なにか味おかしかった?」

「あ、いえ! いつも通りおいしいですよ、美柑さん」

 

 慌てて笑顔を作るモモ。

 その後もできるだけ平静を取り繕ったつもりだが、どこまでみんなを欺けたかは分からなかった。

 

 

 その日の夜も酷かった。

 メアを見捨てた罪悪感とその後の安否が気になって寝付けない。ようやく眠れたと思えば、夢に見るのは今日の苛烈な調教の光景。何度も飛び起き、その度に下着はグッショリと濡れていた。

 

 まともに眠れないまま夜が明け、一日が始まる。

 

 登校してまずするのはメアの安否確認だ。ラセールの目的はあくまで穏便に、この調教を一切表沙汰にすることなく終わらせること。モモがいつも通りの日常を送らなければならないように、メアもいつも通りに過ごさなければならないはずだ。だから命の心配はない。……そう信じるしかない。

 すぐにでも町中を探し回りたい気持ちを抑え、モモはいつも通りに登校して席に座り、メアが登校してくるのを待った。一秒一秒が長く感じる。落ち着いているふりをしても、つい髪の先を弄ってしまう。貧乏ゆすりも止まらない。早く彼女の……メアの無事な姿を確認したい。

 

「なぁモモ、そんなにそわそわしてどうしたんだよ?」

「別にそわそわなんてしてないわよ」

「なんか昨日もちょっと変だったし、あのラセールってヤツとなにかあったのか?」

「…………なにもないわよ」

「……」

 

 気まずい沈黙。

 少しして、ようやくメアが登校してきた。

 

「おっはよー」

 

 彼女は昨日の出来事が嘘のように軽快な調子だった。いつもと変わらない、呑気で明るいメアだ。それが逆に不安を煽る。

 

「メアさん、ちょっと」

「え、なにモモちゃん?」

 

 返事も聞かず、メアの手を取り教室を連れ出した。ナナとヤミが不思議そうにしていたが、落ち着いて段取りを踏むような余裕はない。

 人気のない階段の踊り場で、声を潜めて訊ねる。

 

「メアさん、昨日は大丈夫だったの?」

「ん? あぁ。大丈夫か大丈夫じゃないかなら、あんまり大丈夫ではないかなー。そっちこそ大丈夫? けっこう酷い目に合ってたけど」

「お、思い出させないで!……やっぱりメアさんもあの男に……」

「うん。ちょっとご主人様に躾けられちゃったね」

「――――え?」

 

 彼女の口から出た言葉に、息が詰まる。

 いま彼女はラセールをなんと呼んだ?

 

「メアさん、なにを……」

「だからね、ご主人様に躾けられちゃったの」

 

 そういうとメアはスカートをたくし上げた。

 彼女のつるつるとした恥丘は黒いシースルーの卑猥なショーツに包まれ、しっとりと湿っていた。そして下腹部――ちょうど子宮のある位置にはハート型の刺繍のような紋様が浮かんでいる。

 

「昨日モモちゃんが帰らされたあと……昨日の夕方からついさっき――登校する直前までご主人様に犯されてたんだ」

「――ッ!?」

 

 ラセールのセックスの恐ろしさを知るモモは耳を疑った。

 たった2時間程度でもあんなに辛く過酷だった仕打ちを半日も続けられたなんて、たとえ彼女が特別でも精神に異常をきたすに決まっている。

 だがモモの考えを予想していたのか、メアは「あ、一応頭がおかしくなってたりはしないよ」と付け加えた。

 

「ただね、ダメなんだ」

「? なにが……」

「ご主人様にキスされて、子宮まで犯されると、ダメなの」

 

 そう語るメアは普段の呑気な顔ではなく、とても淫靡な雌の顔になっていた。

 

「わたしさ、いままでけっこう荒んだ人生送ってきたし、男のひとと恋愛とかあんまり興味なかったんだよね。だからキスとかセックスとかも特別な意味なんて考えてなくて、ただの気持ちいいこととしか思ってなかったの。でもね、違ったんだ……」

 

 メアの秘裂から愛液と……それに混ざっておそらくまだ出されたばかりだろう精液が流れ出してくる。

 

「ご主人様とキスして、セックスして、それでわかっちゃったの……♡ 自分がメスだって♡ 男のひとと唇をくっつけるってやっぱり特別なことで、すごく心を通わせる行為なんだよね♡ キスして口だけでイッちゃったとき、ご主人様への不快感とか吹っ飛んですっごく愛しくなっちゃった♡ そのあと処女膜やぶられて、子宮をいっぱい突かれたんだ♡ いままで意識したことなかったのに『あぁ、わたしには子供を作る部屋があるんだ』って自覚ちゃった途端、わたしの意識が一気にメスに変わったの♡ 膣内(なか)にたくさんセーエキ出されちゃって妊娠しちゃうって思うと、どんどん『わたしはニンゲンっていう生き物のメスなんだ』って意識が強くなっていくんだよ♡ フツーの人と変身(トランス)兵器なんて分け方じゃなくて、もっと根本的な性別の話♡ ご主人様はオスで、わたしはメス……オスの精子をもらって赤ちゃんをつくるためにいる生き物だって♡」

 

 メアの指が下腹部をなぞる。

 

「でもね、そんな赤ちゃんをつくる部屋の中までおちんちんで突かれて、赤ちゃんをつくるためじゃなくてご主人様を満足させるための道具にされたとき、そこからさらに堕ちちゃったんだ♡ わたしは負けたんだって♡ メスとして、オスに負けたんだって♡ ご主人様にご奉仕するために媚びる負けメスにされたんだって♡」

 

 メアの表情が恍惚としたものに変わっていく。

 そして、モモの下腹部に手を這わせた。

 

「モモちゃんはまだご主人様にキスもセックスもしてもらってないんだよね?」

「な――!?」

「じゃあたぶんわかんないよ、この感覚。唇を奪われて、セックスして、子宮の中まで犯されて、女の子として一番大事な部分をメチャクチャにされて、それでも気持ちよくなっちゃう敗北感。でもだからこそ、わたしより辛いんだよね。ご主人様はモモちゃんに自分から捧げさせるのにお熱だから、一思いにトドメなんて刺してくれない。このままだと半死半生のままずっと嬲り続ける気だよ、あのひと」

「メアさん!!」

 

 彼女の肩を抱き、揺さぶる。声を潜めることも忘れて叫ぶ。

 

「正気に戻って! あなたはそんなモノじゃないでしょう! あなたは――」

 

 スッ、と。

 モモの口をメアの一指し指が閉ざす。

 

「大丈夫だよ。わたしは正気。たしかにこんなこという女の子、頭がおかしくなったって思うだろうけどさ。要するにカンタンな話なんだよ」

 

 彼女は哀しく微笑み、いった。

 

「わたしはご主人様にレイプされて、メスとしてこのオスには絶対勝てないんだって思い知らされちゃったの。ただそれだけ」

 

 その目に宿るのは色欲と諦観。

 敗北を認め、受け入れた彼女いわく『負けメス』の目。

 正気を失ったのではない。

 ただ心が折れただけ。

 

「メアさん……」

「そんな顔しないでよ。別に殺されるわけじゃないし、これからはわたしもいるからモモちゃんの負担も軽くなると思うよ? もう帰らないとナナちゃんとヤミお姉ちゃんに怪しまれちゃうしさ、教室にもどろ?」

「……メアさん」

 

 私のせいだ。

 私が巻き込まなければ。

 昨日、恐怖に負けずに逆らい続けていれば。

 そもそも最初に有無を言わさずラセールを排除していれば。

 後悔し、うなだれるモモを残してメアは階段を下りていく。

 

 ただ最後に、メアは背を向けたままつぶやいた。

 

「……モモちゃん。たすけられなくて、ゴメンね」

 

 





今回のこれは☆なのか♡※アナルなのかマーク付けない方がいいのか自分でも分かりません…


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5 壊されるメアを見せられるモモ 前編(♡※アナル)

長くなりすぎたので分割します




 

 この日、ラセールは学校へ来なかった。最初は安堵したモモだったが、メア曰くモモとアナルセックスしたあと朝までメアとセックスし続けたためにさすがに疲弊して学校をサボって寝ているだけだという。

 バカみたいな話だが、そうやって回復した体力でまた今日も調教されるのかと思うと憂鬱だった。

 

 そして放課後。

 

「ご主人様がお呼びだよ、モモちゃん」

 

 すれ違いざまにメアが耳打ちする。いまや彼女はラセールの伝言役らしい。

 今日は会わずに済んだからこのまま帰ってやろうと思っていたモモは、肩を落としながらラセールの宇宙船へ向かった。

 

「いらっしゃい。待ってたよ」

 

 ラセールが笑顔で迎える。普段の制服姿ではなく、薄手のシャツと短パンというラフな格好だった。

 

「…………」

 

 宇宙船に入るその足が、強張る。日常と凌辱の境界線。フラッシュバックする肛辱の記憶。入りたくない。そんなモモの逡巡を意に介さず、ラセールは無思慮にモモの手を引いた。

 

「はやく入って。モモを自由にできる時間は短いんだからさ」

 

 昨日のモモの無様な状態を見たせいか、すでにラサールは敬語を使うのは止めたようだった。自分の方がお前より上だ、と態度で示してきている。

 

「……気安く呼び捨てにしないで」

「つれないなぁ。さぁ、こっちへ」

 

 モモはまた寝室へ連れていかれた。

 大きなベッドのシーツは新品のように綺麗だ。それはつまり、今日取り換えたばかりということ。メアはシーツを取り換えなければならないほど、このベッドの上でこの男に抱かれて、乱れ続けたということ。

 

 その光景が脳裏をよぎった瞬間、子宮が疼いた気がした。

 

 【♡】

 

 ラセールはさっさと服を脱いでいた。

 ラセールの身体はすでに浴室で何回か見たが、落ち着いてじっくり見るのは初めてだ。細マッチョというほどでもないが、細身かつ筋肉質で無駄のないスタイル。女子ならその身体つきだけで興奮する娘もいるかもしれない。

 その高身長筋肉質な身体にさえ不釣り合いと言えるサイズの逸物は、元気に隆起していた。メアの話では今朝までセックスしていたということだが、そんな気配は微塵も感じさせない。むしろ数日禁欲していたのではないかと疑いたくなるほど威圧感に溢れている。

 

「どうしたの? そんなにボクの竿が気になる?」

「ッ、そんなわけないでしょう……!」

「じゃあモモも早く脱いで」

 

 それは催促ではなく指示。有無を言わさぬ命令。

 情事の最中や抵抗する気力も失せた状態で裸を見られたとはいえ、最初から、まして自分で服を脱いだことはない。

 しかし、いまは……。

 

「わかったわ……」

 

 逆らえない。初日なら棘のある言葉で拒絶して終わっていただろう行為。諦めに胸を支配されながら、制服に手をかける。上着を脱いで、シャツのボタンを外し、スカートと靴下を脱ぐ。薄いピンク色の下着姿になって、そこで手が止まる。

 自ら裸体を晒すことへの、最後の一線。

 

「どうしたの? ボクに脱がしてほしい?」

「……自分で脱ぎます」

 

 一息ついて、モモはブラジャーとショーツを脱いだ。シミひとつない肌に、しなやかで柔らかそうな肢体。身長の割には大きめな胸の先には――桃色の乳首。学校の異性、特にV・M・Cの男子たちなら正気を失うほど興奮しかねない魅力的なそれがラセールの目の前に、モモ自らの手で晒される。

 それは明確な屈服の現れ。

 また一段階、堕とされた証。

 このまま調教が進めば、いずれ彼の望む『自分で処女を捧げるモモ』になってしまうのだろう。

 

「じゃあ、お腹のなか綺麗にしよっか」

 

 そういってラセールはまたあの触手型生物を取り出す。人の腸内に入り込んで排泄物を食らうおぞましい生物を。

 

「できれば普通の腸内洗浄がしたいわ……」

「ダメ。ボクの目の前で、今度は自分で入れて」

 

 そういって、ラセールに触手型生物を手渡される。表面を粘液に覆われ、うねうねと動くそれはビジュアル的にも感触的にも気持ち悪い。本来なら肛門に入れるどころか手で触ることすら躊躇うところだ。だがいまのモモは気持ち悪さを感じながらも従う。従ってしまう。

 ラセールが端末を操作する。チョーカーの感覚制御が停止し、モモの身体はたちまち淫らに発情し始める。

 

「ふっ、ん……♡」

 

 触手型生物を肛門にあてがう。触手は匂いか何かで入口を探しているのか頭をあちこちへ振り、モモの桃尻の中央に狙いを定めると自ら潜り込み始めた。

 

「ひ、ンっ♡」

 

 前回は座薬を入れられたような違和感で済んだ行為は、すでに快感を伴う行為に変わっていた。アナルに潜り込んだ触手が腸内を進み、奥の方まで排泄物を食べていく。その動きさえモモを絶頂に導いていく。

 

「くっ♡ ン、あ……♡」

 

 十分ほど経っただろうか。

 モモが触手に排泄物を食べられながら愛液を滴らせて悶える様を観察していたラセールがいった。

 

「もういいよ。取り出して」

「ン……♡」

 

 よろよろとおぼつかない足のまま、モモは第二の尻尾のように尻穴からはみ出た触手の先端を握り、ゆっくり引き抜いていく。時折空気が混じり、放屁や脱糞を連想させる下品な音が響く。自分でそれをやらなければならない屈辱。あまりの恥ずかしさに涙すら流れてくる。

 だが、それもラセールには不満だったらしい。

 

「違う違う。一気に引き抜くんだよ。こうやって」

「あ!」

 

 モモが止める前に、ラセールは触手を一気に引き抜いた。全長一メートルを超える触手が敏感になった腸と肛門を舐りながら排泄される。

 

「……~~~~ッ♡♡」

 

 絶頂。

 膝が震え、秘所から愛液があふれていく。

 

「見てよこれ。腸内に入ってたのに汚れもないし臭いもしない。すごいでしょ。こいつの表面から分泌される粘膜が綺麗にしてくれるんだよ」

「ハァ……♡ ハァ……♡」

「聞く余裕もないか。まぁいいや。じゃあさっそく」

 

 ラセールはベッドに腰掛けた。

 

「こっちへおいで、モモ」

 

 ラセールが自分の膝を叩いた。

 ここに座れということだろう。

 後ろから抱かれるのは嫌だが、顔も見たくないので背を向けて座ろうとする。背面座位というやつだ。

 

「ああ、ちょっと待って」

「……なにか?」

「これ。巻いて?」

 

 ラセールが自分のペニスを指す。前回のように尻尾で巻けということらしい。今度はモモの手で。だがそれは言ってしまえば素手で毛虫を握れというに等しい。すでに何度も刺されているとはいえ、自分から棘まみれの部分に敏感な尻尾を巻き付けるというのは心理的にハードルが高い行為だ。

 

「ほら。は、や、く」

 

 ラセールの指が乳首を軽く撫でる。

 それだけで背筋を快感が駆け抜けていく。

 

「ッ、ン……♡ わかったわよ……」

 

 逆らえない。

 抵抗できない。

 モモは尻尾を操ってペニスに巻き付かせた。敏感な尻尾を棒に幾重にも巻き付けるなんて普段はしない動きなので苦労はしたが、なんとか巻き終える。尻尾を絡みつかせるたびに棘が尻尾を刺激し、何度も軽い絶頂を味わうハメになった。今日はほとんど触れられていないのに、もう秘裂はしっかりと濡れてしまっていて愛液が太ももを伝っている。

 

「じゃあ、入れて」

「っ♡……あなたが入れたら?」

「ダメ。モモが自分で入れるんだ」

 

 服を脱ぐのも、触手による腸内洗浄も、ペニスに尻尾を巻き付けるのも、ペニスをアナルに入れるのも、全てモモ自らの手でやらされる。

 モモがすでに屈服していることをモモ自身に見せつけるように。

 たった三日でここまで堕とされたと示すように。

 ペニスの先端があてがわれる。ビクリッと身体が震える。快感による興奮と、昨日の恐怖がごちゃ混ぜになる感覚。自分が怯えているのか発情しているのか分からない。

 

 腰を下ろす。

 ラセールのペニスはゆっくりとアナルに侵入してきた。

 

「――アッ♡ ア、アァ……ッ♡♡」

 

 ゆっくりと、ゆっくりと腰を下げていく。いつもの一方的なレイプとは違う、敏感になったアナルを敏感な尻尾を嬲られながら挿入される快感がじっくりと伝わってくる。前後不覚の中で快感の荒波に飲まれるのとはまた別の辛さだ。

 快感を、噛みしめてしまう。

 じわじわとした、それでいて断固とした快感がアナルから全身に広がっていく。

 十秒以上かけてモモのアナルは自分の尻尾が巻き付いたペニスを飲み込んだ。

 いつもならここから苛烈な責めが始まるところだが、今日のラセールは微動だにしなかった。

 

「……なんで動かないの?」

「動いてほしい?」

「まさか」

 

 焦らしプレイのつもりかもしれないが、快感が強烈すぎて焦らしにならない。むしろこのまま動かないで欲しいと思うくらい、この状態でも辛かった。ほんの僅かな身じろぎ一つでペニスはアナルの違う場所を刺激し、モモは絶頂へ押し上げられてしまう。

 絶対に身体を動かさないように、呼吸を整え興奮を抑えながらなんとか平静を保とうとする。

 

「今日は恋人らしく一緒に映画鑑賞でもしようと思ってね」

「もっと普通に見れないの……?」

「ほら、始まるよ」

 

 部屋の天井から降りてくる巨大スクリーン。その画面に光りが灯る。

 そして映し出されたのは――

 

「…………メアさん?」

 

 それは触手に拘束された昨日のメアの姿。

 つまりこれから見せられるのは、メアが凌辱され、屈服し、軽蔑していたラセールを「ご主人様」と呼ぶようになるまで堕とされる光景。

 

「題名は『赤毛のメアが壊されるまでの十二時間』ってところかな。正確に十二時間はかったわけじゃないけど」

「あ、悪趣味な……! くぅ……ッ♡」

 

 思わず身体に力がこもり、肛門でペニスを締め付けてしまって軽く達してしまう。

 

「まぁまぁそういわずに。おもしろいですよ。生意気な女が雌に変わっていくのは」

「ッ……!」

 

 それはまるで「お前もそうなるんだ」と言っているようだった。

 そして、映像が始まる。

 

 メアの処刑映像が。

 

 





次回はメアの処女喪失とモモのアナル同時進行です


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5 壊されるメアを見せられるモモ 後編(♡)

評価と感想、本当に本当にありがとうございます。(_ _)
めちゃくちゃ励みになります。

なんだか最近この小説の影響なのかfantiaやTwitterでフォローしてくださる方も増えまして、重ね重ねありがとうございます。




 

『モモちゃんはどうしたの?』

『綺麗に洗って帰ってもらいましたよ。貴女のことを心配してたので説得は面倒でしたけど、彼女にはあくまで「恋人ごっこに付き合ってあげているだけのいつも通りのモモ」でいてもらわなければ困りますから』

『で、次はわたしをどうにかしようってわけだ?』

『えぇ。でもまぁ気が楽ですよ。処女やキスは奪わない縛りでやってるモモさんと違って、貴女には何をしてもいいわけですからね』

 

 そういうと、ラセールはメアの小さな唇を指でなぞった。

 

『チクチクするんだけど』

『ハーラマ星人の特徴ですよ。舌や指の棘で媚毒を送り込むんです』

『へぇ、悪趣味な種族なんだね』

 

くちくちくち、と。ラセールの指は何度もメアの唇を往復する。

 

『いいの? そんなに口元に指持ってきて。噛み切っちゃうかもしれないよ?』

『平気ですよ。貴女を構成するナノマシンはいまや全てボクの支配下だ。変身(トランス)能力を封じるだけじゃない。その気になれば一切の自由を奪うことすらできる。ボクに危害を加えないようにするくらい簡単ですよ』

『…………』

 

 相変わらず険しい顔のメア。ラセールはその唇にそっとキスをした。性行為というより、愛情表現。恋愛映画で見るような、自分もリトとあんな風にできたらと思える優しいキス。

 しかし、何度も指でなぞられた唇はすでに敏感になっているのだろう。唇が触れた瞬間メアの口から僅かに甘い声が漏れたのが聞こえた。

 

『ほらね。噛めなかった』

『……女の子の唇をいきなり奪うなんて、ずいぶんなことするよね』

『これから処女もいただきますよ。黒咲芽亜さん』

『なんで処女だってわかるの?』

『こういう行為に特化してるのがハーラマ星人ですよ? 経験の有無なんてボクらは一目でわかります』

『うわぁ、ほんと悪趣味……』

 

 それからラセールはねちっこく唇や口を責め続けた。まるで歯磨きでもするように棘の生えた指で口内を隈なく擦り上げ、何度も何度も啄むようなキスをする。徹底的に口だけを開発していく。キスだけで何度も軽い絶頂を味わうメア。最初は反抗的だったのに、三十分もする頃には、すっかり大人しくなっていた。

 

『わかります、メアさん? これがキスですよ』

『そ、そう……♡ あんまり大したことないね……♡』

 

 メアの口調から最初のとげとげしさが薄れている。表情もまだ警戒心は見えるもののずいぶん柔らかくなった。ショートパンツを超えて太ももまで垂れてくるほど愛液を流し、拘束された両足を内股にしてしまっているその姿は、事情を知らない者が見れば発情して彼氏に押し倒されるのをいまかいまかと待っている彼女にしか見えないだろう。

 

「キスだけでかなり大人しくなったでしょ?」

 

 後ろでラセールが知った風な解説を入れる。

 

「性に奔放だからキスに対し抵抗がなく、快感を受け入れやすい。そのくせ遊んでたわけじゃないからキスという行為を軽んじてもいない。堕としやすさでいったら一番簡単な部類だ」

 

――男のひとと唇をくっつけるってやっぱり特別なことで、すごく心を通わせる行為なんだよね♡ キスして口だけでイッちゃったとき、ご主人様への不快感とか吹っ飛んですっごく愛しくなっちゃった♡

 

『負けメス』となったメアの言葉が脳裏をよぎる。

 

(私も……)

 

 あんな風になってしまうのだろうか。こんな快楽の暴力、一方的な凌辱ではなく、あんな風に優しく何度も何度もキスをされて達してしまったら、簡単に心を開いてしまうのだろうか。

 

 メアは拘束を解かれて、そのままラセールの腕に抱かれた。ラセールの手が黒く露出度の高い戦闘服の隙間から潜り込み、メアの秘所や乳房を丹念に愛撫していく。小ぶりな乳房がグニグニと揉みしだかれ、服の上からでもわかるほど固くなった乳首を指でこねくり回されて、メアの口からたまらないというように雌の鳴き声が漏れる。恥丘全体を手で覆って解しながら、立ち上がり秘裂から顔を出したクリトリスを擦り潰されれば、腰全体がカクカクと卑猥なダンスを踊りだす。

 

『……くっ♡ ンッ♡ あっ♡ ひぁっ♡』

『可愛い声ですね。もっと聞かせてくださいよ』

 

 ラセールの指が、秘裂に潜り込む。

 

『っあ――♡ それ、ダメ……♡』

 

 グチャグチャと湿った音をたてて女の入り口をこねくり回す。メアの腰が撥ねる。おもらしのように潮を吹き、ショートパンツと足が水浸しになる。

 処女膜でイカされる感覚。

 思い返してしまったその快感に、無意識にモモは両足を摺り寄せる。

 

『ひっ……♡ あ♡ はぁ……♡ アァ♡ ア♡』

 

 メアが乱れる。それを見ているモモの愛液も増えていく。悪趣味だと断じた映像、気づけばモモは見入っていた。

 

『さあ、充分濡れましたし、そろそろいただきましょうか』

 

 メアの身体がベッドに倒される。白いベッドに横たわる彼女の姿は、まさにまな板の鯉だ。このままどう料理するかは全てラセールの気分次第。メアにはもうなにもできない。『女』に包丁を入れられ、欲望という中身を引きずり出されて、快楽でトロトロになるまで煮込まれて、『雌』という料理になって美味しく頂かれる。

 ラセールの手がメアの両足を大きく開く。下着をつけていないメアの秘裂は、ショートパンツをズラされただけで露になった。散々媚毒を注がれ愛撫されたそこは処女というにはあまりに卑猥。充血し、膨らみ、ぴったり閉じているはずの入口を大胆に開いて雄が入ってくるのをいまかいまかと待ち構えている。

 

『っ♡ そんなにジロジロみて、ヤラシーんだ……』

『ええ、やらしいですよボクは』

 

 ペニスが、あの棘と針で武装された巨大な竿が小ぶりな秘裂にあてがわれる。

 

『そして貴女も、これからやらしくなる』

 

 ペニスは秘裂に侵入し、一気に奥まで貫いた。

 

『――――~~~~ッッ♡♡♡♡』

 

 溢れてくる女の蜜。そこに交じるわずかな血液。メアは目を固く閉じ、歯を食いしばって耐えている。

 何に?

 普通ならば破瓜の痛みだ。だが同じように開発されたモモには分かる。

 

 あれは快感に耐えている顔だ。

 

 処女膜まで毒で侵された身体は、その膜を破られることすら快感と捉えてしまう。

 モモの子宮が疼いた。甘美な破瓜を羨ましがっている。無意識に腰を捩ってしまい、アナルに刺さったままのペニスに腸壁を抉られた。だがその刺激すら雑音に感じるほど、目の前の映像から目が離せない。

 

「あれ、お友達の処女喪失シーン見て羨ましくなった?」

「ッ! そんなわけ……」

 

 ラセールの言葉で我に返る。モモはついさっきまで自分の頭に浮かんでいた欲求を必死に否定した。欲しいなんて思ってない。こんな男のペニスで、処女膜を破り、膣を蹂躙し、子宮を突き崩して欲しいなんて……思っていない。

 

『――アッ♡ ア、アァ……♡ ッ♡ ンッ♡』

 

 ラセールは動いていない。それでもその逞しい身体の下でメアは一人、切ない喘ぎ声を漏らしながら身を捩る。たった一突きでこれだ。映像に表示された時間は午後八時。これから明日の七時過ぎまで責め続けられる。

 

 ……耐えられるわけがない。

 

『いい具合だ。メアの穴は』

『アッ♡ ン、アッ♡』

『いくよ?』

 

 メアが落ち着くのを待って、ラセールは動き始める。膣の浅い部分をこすぎ、半ばを穿り回し、深い所を突きまくる。緩急ついた縦横無尽な責め。膣内を隈なく犯され、メアはひたすら鳴き続けるしかない。

 

『どう? おまんこ気持ちいい?』

『ッ♡ ハァ……♡ ハァ♡……どう、かな? リト、せんぱいの……周りの……女の子って、きもちいい……ことには、慣れてるからさ……』

 

 わかりやすい強がり。巧みなピストンと際限なく漏れ出す愛液で泡立つ結合部を見れば、身体は白旗を振って降参しているのがよくわかる。

 

『じゃあこれは?』

 

 ラセールが一際深く腰を押し込む。

 

『――――あ♡』

 

 メアの目が見開かれ、口から声が漏れた。

 

「ここからは別の映像をつけようか。メアの中の映像だよ」

 

 ディスプレイに小窓が表示された。中に映るのは、メアの子宮とラセールのペニスがディープキスしている映像。体内の光景を映しているらしい。

 

『あ――あ、あ♡』

『どう、気持ち良い?』

『な、に……♡ これぇ……♡』

『ここが子宮だよ。赤ちゃんを作るための部屋。雌はみんな持ってる。キミを雌たらしめている部位だ』

『アッ♡ アッ……アッ♡』

『わかる? キミは雌なんだよ。「女の子」なんて気取ったものじゃない。雄のちんちんで子宮を突かれるのが大好きで、精液を搾り取って子を孕むために存在する生き物。言ってごらん?』

『わたひ……メ、メス? メスぅ……♡』

『そう。メス』

『ちが……♡ わた……ひッ♡ メスじゃ……アァッ♡』

『そう。もっとわからせて欲しいんだ。じゃあ』

 

 パンッパンッパンッと。

 ラセールの責めが加速する。

 横から打ち付けていた腰が、次第に上から打ち下ろすような形に押し込まれていく。すでに何度も絶頂しているのだろう。メアの健康的な足はピンと伸びたまま下りてこない。

 サブスクリーンは子宮がサンドバッグにされる様を克明に映し出していた。何度も突き立てられるペニスによって凹んで戻ってを繰り返す子宮口。膣内の分泌液はとどまる所を知らず、愛液と潮が噴水のように何度も何度も吹き出している。

 

『あ゙ッ♡ お゙お゙ッ……♡ ひ♡ ぐっ……アァッ♡』

『メアの中、気持ち良いよ』

『お゙♡……ンッ♡……ふぁ、ひっ♡』

『出すぞ』

『ンぶッ♡』

 

 塞がれるメアの唇。ディープキスで口内まで犯され、目を白黒させる。メアを抑えていた手はいつの間にか恋人繋ぎに。

 ピストンがさらに加速する。最後にはペニスが一際強く子宮口に叩き込まれ、その瞬間その先端から大量の精液が放たれる。一瞬で真っ白に染まるサブスクリーン。メアの秘裂から、溢れた精液が飛び出していく。

 ピンと伸ばしたメア足が震える。一際大きな絶頂を味わっているのだろう。

 

『――――~~~~…………ッ♡♡♡♡』

 

 口を口でふさがれたまま、身体を寄せ合わせて深い絶頂を共有する。まるで恋人同士のようなひととき。

 ラセールが顔を離す。メアの口から抜き出されていく長い舌。泡立った唾液がディープキスの苛烈さを物語る。

 

『どう、初めての膣内射精(子作り)は?』

『……あ゙♡ おっ♡ ハァ……ア♡ こども……なんて……♡』

『ボクの毒針で敏感になった子宮なら、自分の卵子がボクの精子に犯されていくのが分かるだろう?』

『あ……あぁ……♡』

『このまま受精して、着床すれば、子供が生まれる。メアとボクの遺伝子が混ざって、新しい生命を生み出すんだ』

 

 一言一言、強調するようにラセールは囁く。

 

『どうかな? これがキミだよ。雄におまんこを慰められてイッちゃう雌。わかったかな?』

『ア♡ アァ……♡』

『返事は?』

 

 グリッ、と。

 ペニスがいまだ絶頂しっぱなしの子宮を踏みにじる。

 

『ッ♡ アッ♡ そうやって……腰振ってれば……ン♡ 女の子……が♡ お、落とせると思って、る……なら……♡ 大、間違い、だから……♡』

 

 息も絶え絶え。身体はまだ快感に震えている。

それでもメアはかろうじて耐えていた。

 だが、

 

『そう? じゃあ試してみよう』

『ア――♡』

 

 再び始まる濃厚な種付け交尾。唇を塞がれ、手と手を握って膣と子宮をイジメ抜く本気セックス。

 

「ここからけっこう粘られたんだよね。時間ないし、飛ばしながら見ようか」

 

 そこからは映像が三十分間隔で切り替わっていった。

 

『キミがなにか、理解できた?』

『~~ッ♡ さ、さぁね……♡ ン……アァ、こんな……じゃ、わかんない……か、な……♡♡』

 

 また三十分後。

 

『キミはなんだ?』

『ン♡ ハァ……♡ アッ♡ わたし……♡ ン……♡ わた、し……は♡♡ ア゙ァ……♡』

 

 さらに三十分後。

 

『メア、いい加減自分が何者か分かったか?』

『わか――っ♡ オッ♡ ンンッ♡ わ、わかった……♡ ア、ぐぅ……っ♡ アァ♡ わかった、から……♡♡ アアァッ♡』

 

 痙攣が止まらない身体。下腹部……子宮は何度も大量の精液を注がれたせいでわずかに膨らんでいる。そこを何度も何度もペニスで殴られて、ついにメアは認めてしまった。口にしてしまった。調教開始から約二時間半。あの宇宙でも指折りの強さを持ち、多くの荒くれ者が恐れる赤毛のメアが、力を奪われ、毒に侵され、ペニスで子宮をリンチされて降伏した。

 

『じゃあ聞くよ? キミはなに?』

『め、メス♡ です……♡ お、おまんこ♡ メチャクチャ、にされて……イッちゃう……メスです♡ あなたに……♡ ご主人様に、子宮♡ 差し出して……イッちゃう♡ メス、です……♡』

『良い子だね。ご褒美をあげるよ』

 

 ラセールは一本のシリンダーを取り出すと、それをメアの下腹部に刺した。中の液体が瞬く間に無くなり、刺した場所に卑猥なピンク色をしたハートマークが浮き出す。メアがスカートをたくし上げて見せてきた、あの紋様だ。

 

『これは妊娠を操作するナノマシンだ。好きなタイミングで孕めるし、子供が欲しくないときは受精を止めることができる。これでボクが妊娠させようと思うまで孕むことはない。便利だろう?』

『ア……♡ ありがとう、ございます……♡』

『その代わり』

『――――あ゙♡♡』

 

 メアの腰が撥ねた。

 

『体内の精子を快感エネルギーに変換して消費することで避妊するから、中出しされる度にイクことになるけどね』

『あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙――ッ♡♡♡♡』

 

 外から見てわかるほど腹を膨らませたおびただしい量の精液。そこに含まれる大量かつ強力な精子を全て快感に変えられる。それがどれほどのものなのかモモには想像もつかなかったが、目を見開き、仰け反り、腰を震わせて潮を吹きまくるメアの姿を見れば、途方もない快感なのだろうということは分かった。

 

「ここからは素直だったね」

 

 その言葉の通り、メアはすっかり従順になっていた。ラセールの首に腕を回し、自ら唇を捧げ、甘い声を出しながら腰を振る。服を脱ぎ、裸になった二人は獣のように激しくまぐわい続ける。汗、愛液、潮、精液。様々な体液が垂れ流され、ベッドが湿っていく。

 淫らで、背徳の極みのような光景。

 その光景からモモは目が離せない。

 

「ハァ――♡ ハァ――♡」

 

 息が荒くなる。

 子宮が疼く。

 自分も欲しい。

 この子宮をいますぐにでも慰めて欲しい……。

 

「ずいぶん興奮してるみたいだね、モモ」

「!? ち、ちが――♡」

「違わないでしょ」

「ア――♡」

 

 ラセールが器用に体勢を変える。モモの身体はベッドに投げ出され、後ろから覆い被さられる形となった。メアの痴態を目の当たりにして頭の中がピンクに染まり、アナルを長時間じっくりと棘の毒に侵されたモモは体勢を変えただけで絶頂してしまう。

 

「あんなに見入ってさ、自分がああされるのを想像しちゃった?」

 

 ペニスが押し込まれる。

 腸の奥へ向かって、ではない。

 

「あ……♡」

 

 わかる。

 わかってしまう。

 腸で動くペニスが狙っているのは、奥ではなく腸の向こう。

 薄壁一枚隔てた先にある、子宮(じゃくてん)

 

「あ♡ あぁ……♡」

「さて、映像を飛ばそうか。メアが最低辺に堕ちるところまで」

 

 映像の時刻が午前三時まで飛ぶ。約七時間、ほとんど休みなしで犯され続けたメアは酷い有様だった。三つ編みにしていた赤い髪はほどけ、乱れに乱れている。涙や唾液で汚れた顔。虚ろな目で快感に酔いしれるその姿は、普段の彼女からは想像もつかない。

 その彼女に、さらなる追い打ちがかかった。

 

 ボチュッ。

 

 ピストン運動の最中、そんな音がした。

 

『へぁ――?』

 

 虚ろで間抜けな声。

 快楽の海に浸って弛緩していた身体が一瞬で強張る。

 サブスクリーンはそのときメアの中で何が起こったのかを確かに映し出していた。白濁液まみれの膣内。その奥で、子宮口の中にペニスが入り込んでいた。通常、子宮と膣は「く」の字に曲がって繋がっているため、真っすぐ突いてもペニスが子宮の中に入ることはない。そもそも子宮口は固く閉ざされており、本来は突いてもペニスなんて絶対に入らないし痛いだけの部分だ。それがいま、媚毒によってペニスが通るほどに柔らかく解され、痛いだけの部分を性感帯にされ、無理矢理膣から一直線に貫かれている。

 

 調教の初日。ラセールは毒針で突き続ければ子宮口が開き、子宮の中でも奉仕できるようになるといっていた。

 

 メアはいままさにその段階に堕とされた。

 メスから『負けメス』になったのだ。

 

『あ――……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙♡♡♡♡』

 

 喉を震わせ、メアが吼える。

 本来なら子を孕む部位。受精卵が着床し、胎児が育つことしか許されないスペースを雄の肉棒に占有され、かき回される。それがどれほど衝撃的で、屈辱的で、そして気持ちいいのか……。

 サブスクリーンを見れば、子宮口はペニスを咥え込もうと必死に見えた。まるでカエルを丸のみしようとする蛇だ。だがこの場合、捕食者と被食者の関係は真逆。食べている方が食べられている方に媚びている。

 

 もっと突いてください。

 もっと奥へ来てください。

 

 メアの子宮はそういっているように見えた。

 そして、自分の子宮もそうなりつつあることをモモは感じていた。

 

「見てよ。あれがボクの雌奴隷の姿だよ。子宮口までセックスのための器官にされて、ひたすら雄に媚びてご奉仕する生オナホ。モモもしっかり耐えないとああなっちゃうよ? それとも……ああなりたいのかな?」

「あ、ああああ……♡♡♡♡」

「ほら、ほら」

 

 ラセールがゆっくりとピストンする。腸の向こうの子宮を狙って突き崩す。下腹部に手を這わせ、力を込める。一見、腹の肉を掴んだようにしか見えないそれは、その奥の子宮を鷲掴みにしようという意思表明。そしてそれを、モモの子宮ははっきりと感じてしまう。

 

 前から鷲掴みにされ、後ろから何度も突かれる。

 

 どちらも直接子宮に届きはしない。

 触れはしない。

 だが子宮を包囲され、降伏勧告されているという状況が、芽生え始めたモモのマゾヒズムを刺激する。そして直接触れずとも、媚毒はじわじわと身体に浸透し、子宮を侵していた。

 一度もペニスを受け入れたことがなく、誰にも触れられたことのないモモの生殖器。

 その尊い聖域は、堕とされつつある精神と強力な媚毒によって一度も責められることもないまま陥落しようとしていた。

 

 いや、もう陥落しているのだ。

 

 陥落して、本体(モモ)に、早くこの方に降伏し、媚びて、全て捧げろと促しているのだ。

 

 子宮口がパクパクと口を開いているのが分かる。薄壁一枚隔てた向こうにあるペニスを、早く食べたい、早く食べたいと。まるでケージの外に見える餌に吸い寄せられる愛玩動物(ペット)のように。

 

『なに……これぇ……♡♡』

『子宮口がボクを受け入れたんだよ。どう、子宮の中までセックスの道具に使われる感想は?』

『きもち、いい……♡♡ きもちいいよぉ……♡♡♡♡』

『素直な良い子だね、メアは。もっと子宮の中を可愛がってあげる』

『アァッ♡ すごい……♡ ダメッ♡ ご主人様……♡ わたし……これ、ダメ……♡ ダメになる♡ これ――♡ 女の子でも、メスでも……なく、なっちゃう♡♡』

『そうだ。ダメになれ、メア。ボクはモモを妻にする。子供を産むのはモモの役目だ。キミは暇なときに性処理するための玩具(オモチャ)で十分なんだよ』

『ア……♡ アッ♡ アァ……ッ♡ イク……♡ ダメに、なる……♡ 変身(トランス)兵器じゃなくて……オモチャに……♡ オモチャになる……♡ なっちゃう♡ イクッ♡ 堕ち……♡ イク、イクイク……ッ♡』

 

「もう諦めなよ、モモ。もうわかってるだろ? 自分がどうしたいのか」

「イヤ♡ ダメ……♡ 子宮ヤダ……♡……リトさん♡ たすけてリトさん……♡ わたしもたない……♡ もうもたないの……♡ 子宮堕ちちゃう……♡♡ 堕ちちゃう……♡ この人のモノに、なりたいって♡♡ いうこときいてくれないの……♡♡」

「ほら、逝け。敗北宣言してイクんだ」

「あ、アァ……イヤ♡ まけて、イク……♡ イクイク……♡ 私♡♡ こんな人にまけて、逝っちゃいます♡♡ リトさん……♡ ごめんなさいリトさん……♡♡ 負けちゃう……♡♡ イク――♡♡♡♡」

 

『ああああああああ――ッ♡♡♡♡♡♡♡♡』

「ああああああああ――ッ♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 映像の中で子宮をオナホ化されてメアが堕ちると同時に、モモもアナル越しに子宮を打ち据えられて果てた。汗、涙、愛液、潮、尿、すべてベッドにまき散らして、腰をガクガク震わせて、痙攣しながら、極上の快感を噛みしめる。

 また一つ確実に心をへし折られた感覚。

 

「さあ、モモ。ボクになにかいうことは?」

「…………ァ♡♡ や……♡ いやぁ……♡♡ お、おまんこ……堕ちちゃ……♡ いや♡ 私、は……♡ リトさん……♡♡」

「あれ、まだ耐えるのか。さすがデビルークの王女」

 

 ラセールは素直に感心している様子だった。

 たしかにモモは耐えきった。

 だがそれは、手加減されて、なんとか、ギリギリで、という危ういもの。

 リトへの想いを支えにした薄氷の勝利。

 次はもう耐えられない。モモはそう確信していた。リトへの想いは確かにあるが、それ以外の支えが全て砕かれていた。デビルーク王女としての誇りは失せ、この男がもたらす快楽を否定することも、拒絶することも、もうできない。自分の身体はもう堕ちている。この男のペニスで子宮を貫いてほしいとよだれを垂らし媚びている。

 そう認めてしまった。

 次で終わる。

 終わるのだ……。

 

『お゙♡……ご主人様♡ ご主人様ッ♡ ひ、ぐぅ……♡ 子宮、オモチャに♡ オモチャになっちゃった……♡ アッ♡ こんな♡ わたし♡ メス以下で……♡ ン……♡ メス以下の道具なのに♡ 幸せ……♡ 幸せなの……♡♡ これダ、メ……♡♡ ア♡ アァ♡♡ ダメだよ……♡♡ ご主人様ァ……♡♡♡♡』

 

 心を砕かれた少女(メア)の断末魔が響く。彼女の調教記録はまだ終わっていない。この状態からもっと、朝になるまで徹底的に犯されたのだ。

 その悲痛な嬌声を聞きながら、モモは意識を手放した。

 

 

 【♡】

 

 

 その日の夜。ラセールの研究室で異変がおきた。

 ひと一人が丸ごと入るほど大きなカプセル。それが砕け、中から褐色の肌に黒髪の少女、ネメシスが顔を出す。

 

「まったく、小賢しい時間稼ぎをする……」

 

 電脳空間から無事脱出したネメシスは小さく華奢な身体で、外見に似つかわしくない威圧感を放ちながら歩き出した。小賢しい策を弄した下郎、ラセールの姿を探して。

 





次はネメシスが堕とされる予定です。

……本命春菜ちゃんまでたぶんあと少し。たぶん……。


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6 受肉するネメシス(♡)

 

(わざわざ出口に誘導するからどこか別の場所に出るのかと思えば、まだヤツの宇宙船。なにを企んでいる……? それに――)

 

 電脳空間を脱出してから、ネメシスは身体にわずかな違和感を覚えていた。間違いなく自分の身体なのに自分の身体ではないような不思議な感覚。

 船内をうろついても、ほとんど人の気配はない。風呂場、キッチン、トイレ。部屋をいくつか回ったが、誰もいない。もっとも、おおよそどこにいるのかは分かっている。あのヤリ目的の発情猿みたいな男がいる場所といえば寝室だろう。

 

「待ってましたよ、ネメシスさん」

 

 寝室に入った直後、背後から囁かれるラセールの声。入口のすぐ横で入ってくる者を待ち構えるという古典的な待ち伏せ。振り向きざまに腕で薙ぐより先に、ラセールの指がネメシスの小柄な身体を這う。胸の先端の突起を指先が掠め、ネメシスの身体に電流のように快感が走る。

 

「くっ――」

 

 想像以上の感度。

 だが問題はそこではない。

 

「……私の身体になにをした?」

 

 後ろから抱きしめられた形のネメシス。その身体はラセールにしっかりと拘束されている。本来なら力負けするなどありえない相手なのに、腕一本引き抜くことすら敵わない。

 

「貴女の身体になにかした、というのは少し違いますね。それは貴女の身体であって貴女の身体ではありません」

「なに?」

「それはボクが貴女のデータをもとに作ったバイオボディです」

 

 ラセールは語った。

 

「貴女はダークマター。エネルギーの塊であり、その本質は実体を持たない思念体だ。さすがにハーラマ星のナノマシン技術をもってしても、そのまま貴女には使えなかった。でも本質的には別物であっても、貴女も変身(トランス)兵器の一種であることも事実。だったら……」

 

 ネメシスをナノマシン(こちら)の土俵に引きずり込めばいい。

 

「そのために用意されたのが、貴女のデータから制作したバイオボディです。要するに生の肉体ですね。メアや金色の闇と同じナノマシン技術を使って制作した魂のない肉体を、電脳空間の出口に設定させてもらいました」

 

 つまりネメシスは電脳空間から脱出した瞬間、自動的にこのバイオボディに入り込んでしまったのだ。ネメシスは他者の肉体に自在に入り込むことができるが、このバイオボディが他人の肉体と決定的に違うのは「身体から出られない」という点。

 

「これは賭けでした」

 

 ラセールは続ける。

 

「貴女のデータから生み出したバイオボディの体組織であれば、貴女と結合させられるかもしれない。もしそれが成功すれば、実体を持たない貴女を物理的な肉体に閉じ込め、かつナノマシンと紐付けすることでダークマターによる変身(トランス)もこちらの手で制御できるのではないか、とね」

「たいした技術力だな。メアもそれで無力化したのか?」

 

 ラセールが無事であるということは、必然的にメアはこの男に無力化されたことになる。死んだのか、篭絡されたのかは分からないが。

 

「ええ。変身(トランス)能力を封じられて、いまじゃ立派な雌奴隷ですよ」

「…………」

 

 にわかに信じられない言葉。しかしラセールが健在であること、そして……さきほどから身体をまさぐるリト以上の手つきと、その指先から感じる刺激と甘い痺れは、それが可能であると物語っていた。

 

(たいしたものだな……)

 

 結城リトは天性のテクニックとセンスで女が相手なら無敵に近い。それと同格のテクニックを持ちながら、地球人にはない能力を持っているとなれば、女の身ではまず勝ち目がないだろう。本来のネメシスならどうとでも対処できる相手だが、いまは能力どころか身体能力すら外見相応になっている。

 

「しかし……実際こうして貴女を拘束できても、不安ですよ。いまはよくても、これが一時的である可能性もある」

「そんな危うい橋をよくも渡ろうと思ったものだな」

「だって欲しいじゃないですか、モモ。見た目も中身も好みの雌がいて、家柄まで揃ってたら手を出さない理由はない。そのために障害があるなら、全力で取り除くまでです」

「たかがオンナひとり抱くためだけにそこまでするとは呆れたぞ……」

「褒め言葉として受け取っておきます。でもよかった。疑似生命体とはいえ貴女が女で。男だったらボクにはどうしようもなかったですよ」

 

 ラセールの指がしつこく下腹部をなぞる。その奥の子宮にマーキングするかのように。そして敵に用意されたバイオボディは、ネメシスの意思とは無関係にそのマーキングで発情していた。

 愛液が太ももを伝う。

 

「私も交尾で篭絡する気か?」

「えぇ。貴女にも子宮で雄に奉仕する快感を教えてあげますよ」

 

 ネメシスの小柄な身体は簡単に持ち上げられて、ベッドに投げ出された。

 そして始まるラセールの愛撫。秘裂や乳房に指が這い、首筋や耳を舌で嬲られる。棘と媚毒が性感帯を刺激し、より敏感に変えていく。

 

「面白い……。それなら私もお前に下僕としての快感を覚え込ませてやろう」

 

 ネメシスは愛撫を受けながら、ラセールの身体に舌を這わせ、乳首を舐め始めた。ただ口で奉仕しているだけではない。身体と身体を密着させ、すべすべとした肌をくねくねと擦り合わせて、男の劣情を煽る。並の男ならたちまち理性を無くして襲い掛かってくるだろう求愛ダンスだ。

 

「おぉ、さすが。性に関して積極的に反撃してくるところ、モモやメアとは違いますね」

「私をあんな小娘たちと一緒にするな」

 

 しかしラセールはたいして怯まない。それはそうだろう。ラセールのような棘も毒もない普通の愛撫で平静を失うほど感じることはまずない。狙うならやはり一番の性感帯――ペニスだ。

 

「……むっ」

 

 だが手がペニスに触れた瞬間、棘と針の存在に気付く。まともに触れれば手のひらや口すら一気に性感帯へ変えてしまうだろう悪魔の性器。文字通り女殺しの性物兵器。

 

「面倒な性器をしているな、お前」

「自慢の逸物ですよ。おかげで雌はみんな良い声で鳴いてくれます」

「なるほどな」

 

 こんなものを膣に入れられ、あまつさえ子宮を責められたらたまったものではないだろう。モモやメアが耐えられないのも分かる。

 やはり、このままでは分が悪い。

 

(さて、やれるか……)

 

 意識を集中させる。

 すると手のひらに黒い靄が現出した。ネメシスはその手でペニスを握り、擦り上げる。絶妙な力加減と、予期せぬ反撃にラセールがうめく。

 

「ぐっ、お、おぉ……! どうやって……!」

 

 その手を見て、ラセールも気づく。

 

「ダークマター、ですか……」

「ああ。お前の研究はなかなかのものだが、どうやら完全に無力化できたわけじゃないようだな?」

 

 確かに制御はされている。だが意識を集中すればほんの僅かではあるがダークマターは使えた。バイオボディはラセールに危害を加えることを禁じられているうえ、扱えるダークマターもわずかでとても攻撃はできない。だが皮膚の表面を覆い、毒針を防ぐだけならこれでも十分だ。

 

「さぁ、耐えられるか? お前には劣るとはいえ、私はリトのテクニックも習得済みだ。女相手限定の技術だが、手つきを応用してやれば男相手でも十分使えるぞ……」

 

 ペニスへの責めが加速する。もちろん、上への奉仕も忘れていない。ベテランの風俗嬢でさえも裸足で逃げ出すような手つきと舌使い。ラセールの愛撫の手が止まり、防戦一方になる。

 圧倒的な性技を持つラセール。その性格はサディスティック。能力、性格を考えれば普段から攻撃ばかりで防御の経験はほとんどないだろう。せいぜい堕とした女に奉仕させる程度で、相手に絶頂タイミングを支配される機会などまずないはずだ。

 

「あっ、くぅ……! う、うまいじゃないですか……」

「当たり前だ。私を誰だと思ってる。私を奴隷にしようなど十年早いぞ」

「ぐあっ!?」

 

 一際激しい扱き。

 次の瞬間にはラセールのペニスから大量の精子が吐き出された。

 

「まず一発……」

 

 ペロリ、と。

 ネメシスは手に着いた精液を舐めとる。

 

「性欲に特化した種族なのだろう? まさか一発では終わるわけはあるまい」

「えぇ……もちろん。ハーラマ星人が一発や二発で終わるとは思わないでください……」

「そうこなくてはな」

 

 サディスティックな本性を隠そうともしないネメシスの笑み。

 責めが再開された。

 

 

 【♡】

 

 

 三十分後。

 

「い、いったい何発でるのだ、この男性器は……?」

 

 たっぷり十発は出しただろうか。それでもラセールのペニスは萎えず、十発が十発とも粘度も量も衰えない。一発だけでも普通の男の十倍はあろうかという量だ。ベッドシーツには度重なる大量射精で精液の水たまりができていた。

 あまりの底なしぶり。ネメシスも心底呆れかえるより他ない。

 

「いやぁ、ハーラマ星人にとって十連射くらいは普通です。ましてボクはその星の王子なので、その程度では終わりません。さて……」

 

 防戦一方で押し倒されていたラセールが起き上がる。地球人――いや、宇宙人のほとんどが一発や、多くても三、四発で限界だろうに、その倍以上を射精したラセールは全く疲弊した様子がなかった。

 

「次はボクの番です」

「ハァ……♡ ハァ……♡ 悪いが、お前に手番を回す気はない、ぞ……♡」

「そんなに息が上がってるのに?」

「舐めるな……。仮初の身体とはいえ、多少息が上がった程度で私が折れるわけがないだろう……」

「息が上がったんじゃないですよ」

 

 クリっと、ラセールの指がクリトリスを摘まんだ。その瞬間、ネメシスの身体をさっきまでとは比べ物にならない快感が走る。

 

「――――がッ♡♡」

「フェロモンに中てられてるですよ、貴女は」

「フェロモン……だと……」

「ええ。長時間ボクと密着して、汗を舐めてすらいたんですから。むしろよく三十分も持ったと思いますよ。モモなんて同じ時間をボクの近くにいるだけで限界ギリギリでしたから」

「あちこちに生えた棘といい、芸達者だな……」

「性行為に特化した種族ですから、これぐらいはね」

(まずいな……)

 

 ネメシスは二つ見誤った。ハーラマ星人の性欲の底無し具合と、フェロモンの存在。二重のミスはこの状況ではあまりにも重い。

 その心を見透かしたようにラセールは強気に出る。ネメシスの頭を掴むと、乱暴にベッドに――さっきまでラセールのペニスが吐き出し続けた精液溜まりの中へ突っ込んだ。

 

「ぶっ♡」

 

 一瞬で入れ替わる攻守。

 発情したネメシスの脳に、神経に、精液の臭いが突き刺さる。愛液の量が増し、未熟マンコがパクパクとペニスを求めて開閉する。

 そんな無様を晒した股間に、ラセールはペニスをあてがって一気に貫いた。

 

「お゙――――ッ♡」

 

 小学生ほどの体格しかないネメシスの身体に、高身長でも不釣り合いとなるラセールのペニスは明らかに過剰なサイズだった。だがもとよりラセールの愛玩用として作られたナノマシン製バイオボディは、その規格外のサイズに難なく対応する。してしまう。

 そして気づかぬうちにフェロモン漬けになっていたネメシスの身体は、その大きすぎる逸物によって処女膜が破られたことすら快感としか処理しなかった。

 

「がっ、おおおお――ッ♡♡」

 

 絶頂。

 愛液滴るネメシスの秘所から潮が吹きだす。

 

「さぁ、子宮の中まで雄の性処理道具になって、卵子の受精まで知覚しながら犯される幸せ、噛みしめましょうね」

「くっ……! うっ♡」

 

 そして容赦のないピストンが始まる。

 小柄なネメシスの身体に覆い被さり、後背位で激しく突き下ろす。一回腰を叩きつけるたびに撥ねるネメシスの身体が残酷なまでの体格差を物語る。ペニスが叩きつけられるたびに膨らむ下腹部。飛び散る愛液と潮。脳で快感が何度もスパークする。

 

(内臓が……!)

 

 小柄な身体に特大サイズのペニスをねじ込んだことによる凄まじい圧迫感。子宮が、内臓がまとめて押し上げられ、それが全て快感となる。生身の限界を超えて得られる感触。本来生身では許容できない行為を許容させる異常性。限界を超えれば損傷してすぐ修復するダークマターの身体では味わったことのない世界。

 細く短い膣を引き延ばされ、小さな子宮口を潰され、未熟な子宮を押し上げられ、内臓を丸ごと潰され、快感を上り詰めて果てる。

 

 このままでは女として終わる。

 

 そんな確信が芽生えた。

 

(ダークマター、で……)

 

 せめて、ペニスが触れる表面だけでも保護できないか。毒を持つ棘と針だけでも防げないか。しかし圧倒的な雄の力でロリマンコを蹂躙されているいま、ダークマターを操るだけの集中力を発揮するのは不可能だった。

 肉棒が前後するたびに敏感になっていく生殖器。突かれるたびに子宮が解れ、そう遠くないうちに子宮の中まで貫通されるだろうという確信。小柄な身体全体を揺さぶり内臓を押し上げるセックスは、「お前はオナホだ」と言っているように思えてならない。そして、ネメシス自身がその感覚を否定できない。

 

 オナホになった気分だ。

 

 一切の抵抗ができない。

 自分の意思でできることは何もない。

 ただ雄にされるがまま、身体全体をペニスを包むための道具にされている感覚。

 

 これがオナホでなくてなんなのか。

 

(ああ、これは堕ちるな――)

 

 脳のどこかが他人事のようにそう告げた。

 

「お……っ♡ がっ♡ ああああ♡♡」

「出すぞ、ネメシス」

「お゙――♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 さきほどまで出していたのと同等の、いやそれ以上の量の射精。ぎちぎちに埋められた膣では隙間から外へ出ることも叶わず、精液は全てネメシスの胎内に収まる。膨らむ下腹部。すぐさま暴れだす精子を、鋭敏化されたネメシスの子宮が感じ取る。

 蹂躙される。

 性欲処理のために作られたバイオボディ。性欲処理のために作られた人造卵子が、性欲処理で吐き出された数億の精子に犯されていく。

 

「あ――♡♡ あぁ……♡♡♡♡」

 

 この瞬間、ネメシスの脳内から全てが消えていた。

 自分がダークマターの塊、疑似生体兵器であることも。

 この町の思い出も。

 新たに見つけた生きる目標も。

 この男を懲らしめにきた理由も。

 

 その中で唯一残るのは雌の本能。

 

(あ――孕む)

 

 それはただ事実を認識しただけ。

 だが、この男に抗おうとしている女としては敗北を認めたに等しい思考。

 

「…………~~~~♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 イク。

 敗北を認めてイク。

 サディストがマゾヒストに反転する。

 

「さぁ、ネメシス。夜はまだまだ長いぞ」

 

 薄れていく意識のなかで、ラセールの声がした。

 

 

 【♡】

 

 

「ネメシス、起きろ」

「うっ……♡ あ……♡」

 

 ラセールに舌を掴まれ、持ち上げられる。まるで釣り上げられた魚のように。

 身体に力が入らない。一晩中ラセールの相手をさせられ、十回は子宮内に精液を注がれた。妊婦に見紛うほど膨らんだ腹部。子宮はとっくに堕ちて、中で肉棒に吸い付き奉仕する本当のオナホのように変えられている。子宮だけではない。アナルも、喉もペニスの餌食になっていた。前の穴からも後ろの穴からも精液を垂れ流し、食道と胃も精液に犯されている。

 イッた回数はいちいち数えていられないのでわからない。いや回数という表現自体が違うのかもしれない。一度イッたらずっとイキっぱなしなのだから、回数では一回だ。重要なのは時間。ほとんど一晩中、ずっと絶頂から降りてこられず身体中を開発され続けた、その時間。

 

 勝てるわけがない。

 

 能力も筋力も奪われて媚毒漬けにされて一晩中イカされ続けて正気を保てるわけがない。

 助かる道はただ一つ、受け入れること。

 快楽の嵐に抵抗するのではなく身を委ね、自分がラセールに犯され、蹂躙され、奉仕することを喜びとするマゾ雌であると認めること。

 

 ネメシスは認めた。

 

 自分の敗北と主人への忠誠を。

 服従の証として、舌と乳首とクリトリスに小さなピアスが打ち込まれたが、それすら誇らしく心地よいと思えるほどに堕ちていた。

 

「ダメだろ。自分だけ寝ちゃあ、ちゃんとご主人様の事後処理しなきゃ」

「あ……あぁ♡ すまんな、主よ……♡」

 

 ふらつく身体をなんとか支え、一晩で自分の穴を全制覇した最強の肉棒に奉仕する。精液愛液腸液あらゆる体液で汚れたペニスに舌を這わせ、自らの口を布巾として掃除する。いや、させていただく。

 

 ペロペロ、チュプチュプ。

 

 湿っぽい音をさせて、可能な限り色っぽく。一分もすれば、ラセールのペニスは綺麗になっていた。最後に舐めとったあらゆる体液を口の中で混ぜて、嚥下する。

 

「どうだ、主……♡」

「ああ、良い子だ」

 

 頭を撫でられる。

 

(ああ、この雄は強いぞ……モモ姫……)

 

 モモは勝てないだろう。忠誠を強いられ、女としての全てを奪われるのだろう。メアや自分が一晩で陥落させられる相手だ。勝ち目はない。決して逃れられない。だがせめて、かつての‶天敵〟として、ネメシスは心の中でモモに警告を送った。

 

 それが雌奴隷ではない『これまでのネメシス』としての最期の行動だった。

 

 





ネメシスが堕ちる様が想像できなくてかなり悩みましたね…


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7 突きつけられるモモ

 

「ネメシス、無事だったの!?」

 

 翌日。学校でネメシスの姿を確認したモモは、メアのときと同様人目のない場所までネメシスを連れ出した。

 

「おやおや、モモ姫が私の心配をするとはな」

「べ、別に心配したわけじゃないわよ……。ただ私の巻き添えでいなくなられたら後味が悪いだけ」

 

 一時は電脳空間に閉じ込められたネメシス。彼女が無事に戻ってきたのは不本意ではあるがモモにとって嬉しいことだった。しかし同時にあれだけのことがあって何事もなかったように顔を出したということは……

 

「やっぱり、あなたもなの?」

「ああ。すまんなモモ姫。私もすっかり主に躾けられてしまった」

 

 ネメシスはあっけらかんという。

 

「とんでもない男だな、あれは。女相手なら無敵なリト以上のテクニックと、女を堕とすためだけに生まれたような身体の構造。元の身体ならともかく、こんな模造品の身体では全く歯が立たなかったぞ」

「模造品?」

「ああ、これは私に似せて作ったバイオボディだそうだ。ダークマターの塊である本来の私と違って、いまの私は外見から内臓まで本物の雌にされたということだな」

「……」

 

 あの傲慢不遜なネメシスがラセールを「主」と呼び、自らを「雌」と呼ぶ。メアのときもショックだったが、それ以上に信じがたい光景だった。

 そしてバイオボディ(そんなもの)まで用意するラセールの女性に対する執念には改めて恐怖しか感じない。

 

(学校が終わるのが怖い……)

 

 放課後になればまたラセールに抱かれるのだろう。いまやこの身体は全身性感帯。匂いでイキ、愛撫でイキ、フェラでイキ、尻尾でイキ、アナルでイッてしまう。そして直接触れられたことのない子宮すら、いまや肉壁越しの刺激で屈してしまう。

 いまのモモには自分は次で堕とされるという確信があった。

 怖い……。

 喉元にナイフを突きつけられているような気分だった。

 

「……そう怯えるなモモ姫。たとえいままでの想いを全て快楽に砕かれ堕ちたとしても、一度堕ちてしまえば案外楽だぞ」

 

 それは彼女なりの励ましなのか、あるいは快楽地獄からの誘惑なのか。

 ネメシスの言葉は、しばらくモモの脳内で反響し続けた。

 

 

 【♡】

 

 

 放課後。ラセールに人気のない階段に呼び出され、聞かされたのは予想外の指示だった。

 

「今日から来なくていいから」

「え――」

 

 突然のことに一瞬思考が止まる。

 

「……どういうこと?」

「ちょっと結城リトに頼まれたんだ。ボクと恋人ごっこし始めてからモモが疲れ気味だから休ませてやってくれないかって」

「リトさんが?」

 

 リトの名を聞いた瞬間、モモの心に暖かい気持ちが一気に溢れてきた。彼が自分を見ていてくれたこと。気にかけ、心配してくれたこと。その思いやりに心が救われる。

 だが同時に心労を隠しきれていなかったことを悔いもした。メアたちにもそれを気づかれてしまったために巻き込んでしまったのに……。リトだったからよかったものの、もしララやナナだったらと思うとゾッとする。

 だがモモの危惧を見透かしたようにラセールは肩を竦めた。

 

「心配しなくても他の雌に手を出す気はないよ。メアとネメシスは貴女の近くにいるから避けて通れなかっただけ。ボクが興味あるのはあくまでモモ一人だから」

「まったく嬉しくないわ……」

「ああ、あと西連寺春菜には興味あるかな」

「ちょっと!」

「わかってるって」

 

 本当に分かっているのだろうか。

 ラセールのテクニック、能力を自ら味わい、メアどころかネメシスすら雌として屈服させた様を見せつけられ、モモの中の警戒心は過去最大まで高まっていた。

 この男が本気になれば、この学校の全ての女子を性奴隷にされてもおかしくないのだ。春菜やララ、ルンやヤミといったリトに好意を寄せる女子すら例外ではない。

 

「とにかく、そういうことだからしばらく来なくていいよ」

「……しばらくってどれくらいよ」

「さあ? モモがもう二度と来たくないっていうなら来なきゃいいんじゃない?」

「……それで私が行かなかったら春菜さんに……」

「違うって。約束の一ヶ月、残りの日数はモモが好きにすればいい。ボクからは誰にも手を出さない。もちろんモモにも」

「…………」

 

 あまりにも都合が良すぎる話だ。

 どこかに落とし穴が仕掛けてあるに違いない。

 

「すごく怪しんでるけど、別におかしな話じゃないんだよ?」

 

 ラセールの顔が近づく。あの厭らしい笑みを浮かべながら。

 

「もうモモにするべき調教は全て施したからね。たぶん期限が過ぎる前にボクの下に戻ってくるよ」

「ッ……。そんなわけ……」

 

 ない。

 そう断言したくても、言葉がでなかった。

 

「じゃあ、ボクはこれで。二度とボクの宇宙船に来なくて済むように頑張ってね。……っと、最後にこれだけ渡しておくよ」

 

 ラセールは立ち去る前にモモに小さな電子端末を手渡した。

 

「ボクの宇宙船への直通ゲート生成装置。ガマンできなくなったらおいで」

「ッ!」

 

 立ち去るラセールの背中に、渡された端末を投げつけたい衝動に駆られる。

 だが無理だった。手から離せない。その端末がまるで自分にとって大事なものであるかのように。

 ラセールは下で待っていたメアの肩に腕を回すと、そのまま乳房を掴んで愛撫を始めた。微かな甘い声を漏らしながらメアが身を捩る。

 チラリとメアがこちらを見た。淫欲に沈んだ瞳。だが、そのなかに僅かに見える理性の光はモモに「がんばってね」といっているようだった。

 

 

 【♡】

 

 

「モモ!」

 

 放課後、帰ろうとしてリトに呼び止められる。

 

「今日はこのまま帰るんだろう?」

「えぇ、そのつもりですけど……」

「じゃあ一緒に帰るか」

「そ、そうですね!」

 

 最近はラセールのせいでリトのことを避け気味だった。ラセールから解放され、さらにリトから誘われては心が躍るばかりだ。

 どちらから何を言うわけでもなく、無言のまま家までの道のりを歩いていく。久しぶりに心休まる時間に、モモはついついリトに寄りかかって甘えてしまう。

 

「モ、モモ……?」

「すみません、リトさん。ちょっと甘えちゃいました」

「……やっぱり疲れてるのか? 最近元気ない感じだったし」

「そう、ですね……。少し疲れ気味かもしれません」

「そうか……。じゃあ明日は休みだし、どこか気晴らしにでも行こうか?」

「えっ!?」

 

 それは降ってわいた福音だった。

 

「そ、それってデートっていうことですか!?」

「ああ、まあ……そうなるかな?」

 

 もちろんそれはモモへの気遣いであり、決してモモの気持ちに応えてのものではない。それが分かっていても、好きな人からデートに誘われたという事実に心躍らずにはいられない。

 

(や、やったわ! リトさんとデート!)

 

 だが一瞬、メアとネメシスの顔がよぎる。

 巻き込まれた二人が性欲処理の奴隷にされているのに、自分だけがこんなに幸せでいいのだろうか。

 

「どうした? やっぱり家でゆっくりするか?」

「い、いえ! 行きます! デート!!」

 

 これはリトさんたちを安心させるためでもあるから。

 一度だけだから。

 そう言い訳をして、モモはリトとのデートを了承した。

 

 

【♡】

 

 

 目一杯のおしゃれをして、無意味としりつつ勝負下着も着けた。リトとのデートにあの男から与えられたチョーカーと尻尾のリングを着けたままなのは癪だったが、チョーカーは外せばまともに動けなくなるし、尻尾のリングも無理矢理外そうとして電撃を食らわせられても困るので触れないことにした。

 

「お待たせしました、リトさん」

「ああ、じゃあ行くか」

 

 ウキウキ気分のモモ。だがそれを見て美柑が耳打ちする。

 

「あんまりハメを外し過ぎちゃダメだからね」

「わかってますよ♪」

 

 美柑は「本当に分かってるのかな」といいたげな顔をしていたが、それ以上はなにも言わなかった。

 

「リト、モモをお願いね」

「ああ」

「またコケて変なとこに顔つっこむなよな」

「……気を付けます」

「それじゃあ、いってきます」

 

 皆に二人で出かけるのを見送られるのは気分がいいものだ。

 好きな人と二人きり。事情は気分のいいものではないがネメシスの横やりを心配する必要もない。

 

 デートは順調だった。

 植物園を巡り、二人で昼食をとって、ウィンドウショッピングを楽しむ。リトが転ぶような派手なToLOVEるもなく、至福の一日はあっという間に過ぎていく。

 

「今日はありがとうございました、リトさん」

「ああ、元気になったみたいで良かったよ」

 

 今日が終わってしまうのが名残惜しい。いや、もう二度とあの男の宇宙船にいくことはないのだから、これまで通り振り向いてもらえるように頑張って、もう一度……今度は恋人としてデートすればいいだけだ。

 

 このときはそう考えていた。

 

 

【♡】

 

 

 ラセールの思惑に気付いたのはその日の夜だった。

 リトへの想いを慰めようと、自分の尻尾を触る。しかし、いつものように昂らない。

 

(あ。そうか、チョーカーが制御してるから……)

 

 そして気づく。

 

 クリトリスを弄る。

 感じない。

 乳房を弄る。

 感じない。

 恥を我慢して肛門を刺激する。

 感じない。

 

 徹底的に開発されたあらゆる性感帯が、性感帯として一切機能しなくなっている。日常生活を送るために着けたチョーカー。それゆえにいままで気にも留めなかったその効果が、「日常生活が送れる程度に感度を抑える」ではなく「性感を完全にシャットアウトする」ということに、モモは初めて気が付いた。

 

 問題は、性欲自体は抑えないという点。

 

 愛しいリトと一緒にいれば、当然いつかは最後の一線を越えてほしいと思う。女として抱いて欲しいと思う。いまだ処女とはいえ、他の多くの性行為を叩き込まれてしまったいまではなおさら克明にその光景を思い描き、望んでしまう。

 

 しかしそうやって昂った性欲を発散することができない。

 

(なによこれ、我慢してみろってこと……!?)

 

 ラセールの余裕の理由はこれだったのだ。

 ほとんど一ヶ月まるごと残っている期間を、禁欲して乗り切らなければならない。

 

「……ふん、上等よ」

 

 たしかに辛い。だが所詮は自慰行為ができないというだけのことだ。屈辱のなかでイキ狂わされることに比べればどんなに気が楽か。

 絶対乗り切って見せる。

 乗り切って、またリトに振り向いてもらうための日々に戻るのだ。

 

 

 【♡】

 

 

 そして二週間が経った。

 

「ハァ――♡ ハァ――♡」

 

 深夜。皆は寝静まった時間。

 モモはリトの部屋の前に立っていた。

 

「ハァ――♡ ハァ――♡」

 

 禁欲生活はすでに限界だった。

 処女のまま子宮を堕とされるほど躾けられたモモの性欲は、すでに以前のそれとは段違いになっていた。むしろ二週間よく耐えたといってもいいだろう。

 秘裂はすでに洪水状態。まるでご馳走を前にした犬が涎を垂らすように愛液を垂れ流し、床にわずかな水たまりを作っている。

 

「ハァ――♡ ハァ――♡」

 

 ドアノブを捻り、中に入りたい。

 リトを襲いたい。

 せめて、ファーストキスと処女だけは愛しいリトに捧げたい。

 

「ハァ――♡ ハァ――♡」

 

 それはすでに堕ちている者の思考。敗北を知り、認め、その末路に入る前の「女としての死ぬ準備」。最期に心残りを清算する行為。

 

「ハァ――♡ ハァ――♡」

 

 膨らんでいく性欲。

 このあと自分はラセールに頼むだろう。

 頭を下げて、腰を振り、身体を摺り寄せて、「私を食べてください」と、「貴方の女にしてください」と願うだろう。

 腰を上げて、子宮を晒して、どうぞ好きにお使いくださいと差し出すだろう。

 せめて、その前に、初めてだけは……。

 

「ハァ――♡ ハァ――♡」

 

 ドアノブに手をかける。

 さぁ捻れ。

 リトを襲え。

 脳の奥がそう叫ぶ。理性はせめて初めてだけは彼にと叫び、本能は我慢に耐えかねて肉棒を渇望する。チョーカーがある限り、快楽を得られるわけもないのに。

 

「ハァ――♡ ハァ――♡…………ダメッ!」

 

 ドアノブから手を放す。

 愛しい人の純潔を勝手に奪うなんて、できるわけがない。

 していいわけがない。

 たとえこの身がラセールの雌奴隷になるとしても、リトを汚すわけにはいかない。それを許すくらいなら、最初から春菜を庇ってこの身を差し出したりなどしていない。

 

「負けちゃった……。私、負けちゃいました。リトさん……」

 

 ポツ、ポツと。

 

 廊下に水滴が垂れ落ちる。愛液ではない。涙だった。

 

「……さようなら、リトさん」

 

 愛しい人に別れを告げて自室へ戻る。

 そのまま端末を起動させてラセールの宇宙船へ向かった。

 おぞましい記憶がよみがえる寝室の光景。だが嫌悪感とは裏腹に、身体はどんどん熱くなっていく。歓喜している。狂喜している。ついにこの餓えた子宮が満たされる時がきたと。

 

「二週間もよく耐えたね。もっと早くギブアップすると思ってたのに」

 

 深夜にも関わらずラセールは起きていた。

 まるでモモがくると分かっていたかのように。

 

「ここにきたってことは、そういうことでいいんだね?」

「……………………はい♡」

 

 モモはパジャマを脱ぎ捨てる。その下に着けた勝負下着、デートの日に着けた男の欲情を煽るスリット付きのシースルーのブラとショーツをさらけ出す。

 

 そして

 

「私の……モモ・ベリア・デビルークの処女をもらってください……♡」

 

 淫欲と、絶望と、飢餓と、狂喜。

 支離滅裂な感情の嵐に濁った瞳で、モモは最期の一言を口にした。

 

 






モモが終わったら次は春菜ちゃんの番です


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8 堕とされるモモ(♡)

更新ペース落ちてすみません…。



 

 ラセールの手でベッドに導かれる。

 解放される性感。

 室内に充満したフェロモンがモモの快感神経を刺激し、思い出したように身体が快感を訴え始める。

 カサカサに乾燥した喉に水分が流れ込んでくるように、モモの欲求が満たされていく。

 

「モモ、どうすればいいかわかるね?」

「…………はい♡」

 

 僅かな手の震えはリトへの未練か。

 顔を寄せ、ラセールの唇に口づけする。

 初めてのキス。

 異性の唇に、自らの唇を重ねる行為。最上級の情愛の示し方。自分の粘膜と他者の粘膜を触れ合わせるという、普段は決してしない特別なコト。

それを初めて捧げたモモの心に浮かんでくるのは、わずかな後悔と圧倒的な高揚感。

 

 だが、そんな生娘の情緒も一瞬のこと。

 

 次に襲ってくるのは、フェラで、ペニスの棘で鋭敏になった唇を刺激されたことによる快感。

 ショーツは瞬く間に湿っていく。

 

「アッ……♡ ン♡」

 

 啄む。

 もっと欲しい。

 もっとくださいと。

 親鳥に餌をねだる小鳥のように、モモの唇は何度も何度もラセールの唇にしがみつく。

 

「ずいぶん積極的になったじゃないか」

「ン……♡」

 

 もっと。

 もっともっと。

 キスはやがてお互いの口に舌を入れ合うディープキスへと変わっていく。唾液を求めるように貪り合う二人。……いや、「貪り合う」という表現は適切ではない。モモは一方的に貪られているだけ。技術も能力も、ラセールが圧倒的に上。ザラザラした舌が口内を舐め周り、まるでクリトリスをブラシで擦り上げられるような快感に襲われる。腰が揺れる。早くペニスを飲み込みたいと求愛行動をしてしまう。

 ラセールの股に自分の腰を摺り寄せる。衣服越しに感じる長大な肉棒の感触に子宮が震える。

 早く……。

 あぁ、早く……。

 

 しかしラセールはそう簡単には処女を奪ってくれなかった。

 

 前回のように尻尾を巻き付けたペニスで尻穴を犯され、同時に全身を弄ばれる。後背位で腸壁越しに子宮を打ち抜かれて、乳房と乳首もクリトリスも尿道もイジメられて、舌でも口や耳や首筋を嬲られる。

 

 絶頂。

 絶頂。

 絶頂絶頂絶頂。

 

 もはや自分がどこでイッているのかさえ分からない。

 ただ荒れ狂う快感の嵐の中で波に攫われ、溺れるだけ。

 

 それなのに、一番して欲しい子宮(ところ)はおあずけのまま……

 

「アッ♡……お゙っ♡ ひぁっ……♡ アァ……ッ♡ ら、らんでぇ……♡ どうしてェ……♡♡」

「なにがだい?」

「ぐっ、あ♡ なん、で……♡♡ オ、オマン……コ……♡♡ アッ♡……捧げ、たのにぃ……♡♡ もらって……ン♡ もらってって……いっ、たのにぃ……♡♡」

「焦っちゃダメだよ。いま仕込みの最中だから」

「お゙っ♡♡ ひっ、イッ♡♡……ン゙ッ♡ アッ、アッ……♡♡」

 

 降伏した子宮を腸壁越しに殴られ続ける。

 まさに死体蹴りだった。

 抵抗の意思はすでになく、頭を下げてその身を差し出す子宮を貰うでもなく捨てるでもなく嬲り続ける。もうとっくに陥落しているのに。堕ちているのに。女として最低辺の雌になったのに。そこからさらに下へ、もっと下へと。

 

「もうちょっとイッておこうか」

「ン♡ ハァ……♡ アァ♡……な、なにを……♡♡」

「えい」

 

 パンッ。

 

 おぞましいあの音が、尻穴の中から響いた。

 尻尾に着けられたリングの放電音が。

 

「ひ――――――♡♡♡♡」

 

 冷や汗が流れる。

 

「~~~~ッ♡♡♡♡」

 

 腰が撥ねる。

 

「――――あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ♡♡ ひ、ひぬ゙ッ♡♡ ひんじゃゔ――ッッ♡♡ イ゙ヤ゙ァァァァ――ッッ♡♡♡♡」

 

 モモは甘い声のまま恐怖に泣き叫んだ。

 ただでさえ絶頂から降りてこられない極限状態なのに、一度受ければ膝から崩れ落ちるようなで電撃責めまで同時に受けて正気でいられるわけがない。

 

「さすがに尻尾巻いてるとボクもちょっと痺れるけど、まぁいいか。無視できるレベルだし。さぁモモ、もっともっと気持ちよくしてあげるからね」

「い゙……い゙ヤ゙……っ♡♡ イ゙ヤ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙――――ッッッ♡♡♡♡ リ、ト……ざん゙♡♡♡♡ だずげでリ゙ドざ――――ん゙ッッッ♡♡♡♡」

 

 死ぬ。

 殺される。

 イキ殺される。

 ハメ殺される。

 前後不覚に陥ったモモはもはや自分がなにを言っているのかも分からない。秘裂からは愛液と潮が際限なく零れ落ち、ベッドを水浸しにしていく。

 

 地獄のような「仕込み」はその後も三時間ほど続いた。

 三時間、モモは一切の休憩なしでイキ続けた。

 

「生きてるかな、モモ?」

「…………ア゙……ァ゙ァ゙……♡♡♡♡」

「大丈夫そうだね」

 

 大丈夫そう、というのはまさに「生きている」「死んではいない」というだけのこと。客観的に見た場合、モモの状態はとても「大丈夫」とは言えないものだった。

 

 乱れた髪。

 涙と鼻水と涎で汚れた顔。

 愛液と潮と尿でずぶ濡れの下半身。

 激しい調教で汗だくの身体は行為が終わっても痙攣し続けている。

 意識は混濁し、口から漏れるのはうわ言か呻き声だけ。

 

 そして……

 

「うん。良い仕上がりだ」

 

 ラセールは無遠慮にモモの秘裂を眺め、満足そうに笑う。

 モモの秘裂は、もはやとても処女とは思えないほど酷い有様だった。

 痛いほど勃起したクリトリス。充血して膨らんだ小陰唇はパクパクと餌を求める鯉のように口を開いている。ローションを一本丸々ぶちまけてもこうはなるまいという量の粘液を垂れ流して、浅ましく肉棒を求めるそれは、奥に見える処女膜の存在がなければとても処女の性器とは思えなかった。

 

「せっかく最高の処女をもらえるんだから、最高の状態に仕込まないと失礼だよね」

 

 ラセールの指が処女膜を撫でる。

 いまだ絶頂の沼に沈んだままのモモは、腰だけを撥ねさせて応える。処女膜を指が撫でる度に、垂れ流しの愛液の量が増す。

 

「さて、じゃあお色直しといこうか」

 

 ラセールは体液でドロドロになったモモの勝負下着をハサミで切ってゴミ箱へ捨てた。そしてモモの髪についている花の髪飾りを外すと、代わりにハート型のデバイスを取り付けた。

 

「…………ア……ェ……?」

「これ、キミのお姉さんのコスチュームロボットと同じ服を自由に変えられる機械ね。これでいつでもどこでもセックス用の服に変えられるから」

 

 ラセールの言葉は朦朧としたモモの耳には届いていなかった。

 それでもラセールは言い聞かせる。

 

「じゃあ準備も整ったし、結婚式にしようか」

 

 

 【♡】

 

 

 ラセールの宇宙船には結婚式場のような部屋まで用意されていた。もちろん大勢が集まれるような広さではない。ただ個室の内装が式場風というだけのもの。

 

 その場に正装したラセールが一人で待っている。

 

 入口から入ってくるのは当然、モモ・ベリア・デビルーク。

 しかし、こちらはラセールと違って正装と呼ぶにはほど遠い格好だった。ハート型デバイスによって形成された服はウェディングドレスではない。ウェディングドレス風になっているだけのランジェリーだ。いや、いつでも性交できるように乳房や秘所は露出しているため、下着姿と呼ぶことすら烏滸がましい。

 

 それは形として示された身分の差。

 正装したラセールは「ニンゲン」。

 破廉恥な装いのモモは「性奴隷」。

 二人の関係を一目で表す効率的な表現。

 

 よたよたと、頼りない足取りでモモはバージンロードを歩みゆく。絶頂の波は完全には引いていない。浅い絶頂を繰り返しながら、どうにか足を前に進めていく。一度は浴室で汚れを落としたのに、すでに秘裂からは愛液が零れて赤い絨毯に等間隔の水滴を堕としていた。

 

 本来なら女の子が憧れる華やかな道。

 だがここは「バージンロード」と呼ぶにはあまりに淫らで淀んでいる。

 

「ハッ……♡♡ ハッ……♡♡ ハッ……♡♡」

 

 まるで犬のように口を開いて息を吐く。そうやって呼吸を整えないと、たちまち絶頂に意識を潰されてしまいそうだった。

 

 モモがラセールの下へたどり着くまで、ほんの数メートル歩くだけで数分かかった。

 

「遅かったね、モモ」

「……ン♡ だ、だっ……て……♡ こんな……♡」

「じゃあ正式なものじゃないけど結婚式を始めようか」

 

 結婚式。

 いまそれを行うとラセールに聞かされたときには驚いたが、さほどショックは受けなかった。それはすでに心を折られたせいなのか、それとも極度の疲労のせいなのかはモモにもわからない。

 

「さぁモモ、自分が何者なのか言ってごらん?」

「は、はい……♡」

 

 モモはいよいよ処女を奪ってもらえる喜びと、全てが終わる悲しみを噛みしめながら答えた。

 

「わ、私……は……♡ ラセール・ハーラマ様に……身も、心も……♡ 全てを、捧げる……♡ 雌奴隷、です……♡」

「違うでしょ」

 

 唯一無二の正解だと思った宣誓を、ラセールはあっさりと否定する。

 クニッ、と乳首を摘まれた。

 絶頂。

 腰が砕けそうになり、思わずラセールにしがみつく。

 

「キミはボクの妻だ。たとえ心と身体が雌奴隷だとしても、妻になってもらわなきゃ困る」

「アッ……♡ で……でも、雌奴隷の……身分で、そんな……♡」

「ダメだよ、モモ」

 

 ラセールは笑った。

 あの厭らしい笑み。

 女を壊し、愉悦に浸るその笑顔。

 

「キミはボクの妻になるんだ。妻として、ボクに愛を捧げるんだ」

 

 愛。

 その言葉を聞いた瞬間、モモは一瞬だけ正気に戻った。

 

「雌奴隷、ただの玩具として使われようなんて甘いよ。ボクの恋人。嫁。妻になるんだ。キミの愛を、ボクに全て捧げるんだ」

「あ……あぁぁ……………」

 

 愛を、結城リトただ一人に捧げると決めていたそれを、ラセールは寄越せといっている。

 モモ自身、言われて初めて自覚した。「ただの奴隷」になることで、妻として愛を捧げることだけは避けようとしていたことに。

 だがラセールはそれを見透かし、決して許さない。

 

「ああああぁぁ…………」

 

 モモの目に涙が溢れだす。

 もう自分は堕ちきったと思っていたのに、実はまだ辛うじて残っていたものがあったのだと気づかされ、そのうえでそれを自らの手で捨てろと命じられる。

 

 あまりにも残酷な命令。

 

 だがいまさら逆らえない。すでに堕ちた子宮は飢えに飢えている。三時間、絶頂地獄に堕とされても、失神するほどの快楽に襲われても満たされないセックスへの飢え。生殖器を使って欲しいという欲求。

 

 子宮が急かす。

 

 早くご主人様に愛を捧げろと。

 

「あ……ぁ……わ、私……♡ モモ・ベリ、ア……デビルークは……♡」

 

 涙が止まらない。

 絶望と悲しみで胸は一杯なのに、その奥から身を焦がす淫欲に逆らえない。

 悲しいのに、泣いているのに、その口元に浮かぶのは妖艶な笑み。

 

「ラセール様を……こ、恋人として……♡♡ 妻として……♡♡ 女として……あ、あ……♡♡」

 

 言うな。言うな。

 言え。言え。

 

 真逆の命令が脳を行き交う。もちろん、もう負けているモモに「言わない」という選択肢を選ぶことはできない。

 

「あ、い……愛し、ます……♡♡♡♡」

 

 言った。

 言ってしまった。

 これで本当に終わって……そして、始まってしまうのだ。

 この男の妻としての淫らな日々が。

 

「よくできました」

 

 ラセールは満足そうに笑うと、椅子に腰かけた。

 

「さぁ、好きにしていいよ」

「……は、はいッ♡」

 

 モモは逸る気持ちを抑え、口でラセールのジッパーを下ろす。手は使わない。その方が卑しい身分に相応しいと、自然にそう考えていた。

 

 衣服から解放された逸物が勢いよく飛び出す。

 すでに臨戦態勢で、雄々しく勃起したペニス。その蒸らされた強烈なフェロモンがモモの鼻腔を刺激した。快感が脳を焼き、秘裂が潮を吹く。

 さっきまでモモの尻穴を犯していたそれは、まだ射精していない。これからモモの子宮に全て注ぎ込むためだ。それが分かった瞬間、子宮が鳴いた。

 

「失礼します……♡♡」

 

 跨る。ラセールの上に。そしてその凶悪なペニスの先端を、自らの意思で、自らの手で膣に宛がった。

 処女膜にペニスの先端が触れる。

 

「ハァ……♡」

 

 ようやくこの飢えを満たしてもらえる。

 そう思うと自然と安堵の息が漏れてきた。

 

「ン……♡」

 

 ゆっくりと、腰を下ろしていく。

 少しずつ、ペニスが処女膜を破っていく。

 もちろん恐怖はあった。薄い膜一枚とはいえ、自分の肉体を自ら引き裂くのはどうしても怖い。だがその恐怖も、子宮の飢えの前では些細なノイズにすぎない。

 

「ア……アァ……♡♡」

 

 ジワジワと引き裂かれていく処女膜。

 しかしメアがそうであったように、それによって得られるのは痛みではなく快感。

 

 ゆっくり、ゆっくりと腰を下ろして。

 やがて、プチッ……と、そんな音が聞こえた気がした。

 

(あぁ……いま……)

 

 モモの処女は、失われた。

 それはつまり、モモの身体の全てが征服されたということ。

 その事実に湧き上がってくる充足感。

 そして襲ってくる強烈な快感。処女を破られての絶頂。思わず歯を食いしばる。だがまだ足りない。まだペニスは入口を通過したに過ぎない。これからもっと奥へ――

 

「ああ、やっぱり反抗的な雌を堕とした瞬間というのは心地いいな」

 

 処女を捧げさせて満足したのか、ようやくラセールが自ら動いた。

 モモの腰に手を添え、

 

「よっ、と」

 

 モモの身体を引き落としながら、自分の腰を打ち上げる。

 

 ボチュ、とペニスがめり込んだ音。

 

「ア――――♡♡♡♡」

 

 下腹部から快感が爆発した。

 強烈な快感が脊髄を駆け上がり、脳を吹き飛ばす。

 一瞬の意識消失。

 膣は激しく痙攣し、はしたなく潮をまき散らす。

 ラセールのペニスは、モモの子宮まで突き刺さっていた。処女のまま陥落したモモの子宮は、初挿入でペニスを飲み込んでしまった。

 

「ア゙……♡ お゙っ♡♡ ぐっ――♡ ア゙ァ……♡♡」

 

 串刺しにされたモモは絶頂に身を震わせながらラセールの身体にしがみつく。

 処女膜を破られた快感。

 膣の内壁を棘付きのペニスでこそがれた快感。

 子宮を毒針付きペニスで打ち抜かれた快感。

 それらが渾然一体となってモモを襲う。

 特に子を孕む部位。女のとして一番大事な部分を性処理に使われる屈辱と快感は飛びぬけて凶悪だった。あのときメアが味わった悦楽は、完全敗北した雌の気持ちはこれだったのかと噛みしめる。実際にはすでに子宮を媚毒漬けにされている分、モモの方が酷い快感を味わっているのだが……。

 

「どうだい、モモ」

「ぁ……♡♡ お゙っ……す、ごぃいィ……♡♡」

 

 満たされる。

 飢えが満たされていく。

 

「じゃあ、もっとしてあげよう」

「ぇあ――♡♡」

 

 ボチュ、ボチュ、ボチュ。

 

 ピストンが始まる。えげつないカリ高の亀頭がモモの子宮を、女を蹂躙していく。子宮口を潰すようにこじ開けられ、通過したかと思えば今度は捲り上げて引き抜かれる。ありえない使い方で生殖器を好き放題に弄ばれる。

 いまやモモの身体は極上オナホに等しかった。

 

「ひ、ぎぁ……♡ お゙っ♡ ひっ♡ か……へ、ぁあぁぁ……♡♡」

 

 一つの星の姫とは思えない無様な嬌声を上げながら、モモの思考は快楽の津波に浚われていく。巨大な津波があらゆる者を飲み込んで、全て無に帰してしまう。それまでの常識も、倫理観も、リトへの愛も、それまでの葛藤も、何もかも。

 

「あぁ……。良い使い心地だよ、モモ」

 

 ラセールの興が乗る。

 動きがだんだん激しくなっていく。

 モモはバージンロードに押し倒され、上から圧し掛かられた。上に向けた雌穴を下へ打ち下ろされる屈曲位で、体重をかけた重い一撃がモモの子宮を襲う。

 ペニスにリンチされる子宮。

 突かれるたびに愛液が溢れ出す。

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙――――ッ♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 言葉にならない。

 子宮を性感帯にされ、犯される快感。

「仕込み」というラセールの言葉通り、それまでの過酷な調教ですら前戯にすぎなかったのだと思い知らされる。

 

「出すぞ、モモ!」

「い゙っ……あ゙♡♡ は、はい……ッ♡♡」

 

 精子を子宮に出す。

 そう言われても、抵抗は全くなく歓喜しか感じなかった。

 

「だし……てぇ……♡♡ わ、たし……私の膣内(なか)……に♡♡ ぜんぶ、出してください……ッ♡♡♡♡」

 

 ラストスパート。

 ピストンがさらに激しくなる。

 そして、一際重い突きが子宮を直撃した瞬間――

 

「あ――♡♡」

 

 ドピュドピュと音が出るほどの量と勢いで精子がモモの子宮内に放たれた。

 

「あ――あ゙あ゙あ゙あ゙♡♡♡♡」

 

 震える。

 子宮内を暴れまわり、卵巣へ狙いを定め殺到していく何億という荒れ狂う精子たち。ラセールの先走り液によって頑丈になった卵子に群がり、その強固な膜を破って中へ潜り込もうとする。受精しようとする。

 そして敏感な性感帯と化した子宮はそれらの動きを全て知覚し、性感へと変えてしまう。

 

「ふぅ……。……さて、モモにもこれを打っておかないとね」

 

 ラセールが取り出したのは一本のシリンダー。見覚えがあるそれは、メアに使われた妊娠を自由に操作できるナノマシン。女の本懐を玩具のように掌握してしまう悪魔の淫紋であり、精子を直接快感に変えることができる祝福の印。

 モモに拒否権などなかったが、そもそも拒否しようという気も全く起きなかった。

 

「お゙♡ アァ……♡♡……は、はい♡♡ う、打って……打ってくらさい……♡♡ 私のおなかにィ……♡♡ あ、貴方の……旦那様の、所有物の……証♡♡ ン♡♡……刻んで、ください♡♡♡♡」

「ハハハ、すっかり立派な奴隷妻だね」

 

 ラセールがシリンダーをモモの下腹部に刺し、ナノマシンを送り込む。

 モモの生殖器に入り込んだナノマシンは精子をエネルギーとして消費し、それを全て快感信号へ変換した。

 

「ア゙――――♡♡♡♡」

 

 モモの中で荒れ狂う大量の精子が全て、一気に快感へ変わる。

 

「……~~~~ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙――――ッッッッ♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 精子が電気信号に変わって神経を駆け巡る。それはまるで全身を精子で侵されているような感覚だった。まさに女を侮辱し、愚弄するような絶頂。

 だが、それがとても心地良い。

 

「ッッ――――…………♡♡♡♡」

 

 しばらく身体を震わせ、そして弛緩する。

 欲求不満が解消され、身も心も満たされた気分だった。

 

 だが、ラセールの射精はまだ一回だけ。

 一度出した程度で萎えることはない逞しいペニスは、すぐにピストンを再開する。

 

「休んでるところ悪いけど、ボクはまだ満足してないよ」

「は、はい……♡ わかって、います……♡♡ どうぞ……モモの身体で、ご自由に性欲発散してください♡♡」

 

 ――そう。

 モモに拒否権はない。

 モモに許された行為は、ただ自分の中に埋まっている肉棒を締め付けて気持ち良くなっていただくことだけなのだ。

 

 

 【♡】

 

 

 結婚初夜の行為が終わったのは、日が昇る頃だった。

 

「あー、スッキリした」

 

 そうラセールが肩を伸ばし、椅子に腰かける傍らで、モモは失神していた。

 

 夜通し行われた激しいセックス。

 赤く綺麗だったバージンロードは、いまや汗や尿や大量の白濁液でドロドロに汚れていた。その中に沈むモモも、下腹部が不自然に膨らんでいる。それは大量に膣内(なか)出しされた精液。モモの中に収まりきらないそれは、秘所からも大量に溢れ出していた。

 地面に横たわり、股間から粘液を漏らすその様は、まるで踏みつぶされて内臓が飛び出たカエルのようだ。

 

 だが、その顔に浮かぶのは笑み。

 それは大事なものを全て捨て、極上の快楽に身を委ねて、女の幸せを骨の髄まで味わわされた者のみが得られる喜び。

 

「さて、じゃあシャワーでも浴びようか。今日は休みだし、ひと眠りしたらまたしようね。あ、でもその前に一度帰さないとダメか。起きたらモモがいませんでした、なんて大騒ぎになるよね」

「……ァ…………ェ♡♡」

 

 ラセールに物のように乱暴に持ち上げられ、モモは部屋を出る。

 

 このときの彼女は、まさかこの後にさらなる悲劇が待っているとは知らず、ただ快感を噛みしめるのみだった。

 

 





ひとまずモモ完堕ちです。
春菜編なるべく早く書けるよう頑張ります。


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9 罠に堕ちる春菜(♡)

一ヶ月も開いてしまってすみません…




 モモはラセールに身も心も捧げた。だがすぐに「ラセールと婚約しました」では周囲に怪しまれる。当分の間はいままで通り、リトに言い寄りながら楽園(ハーレム)計画を推し進めるフリをすることになった。

 

「なのに、学校でこんなことを……」

「不服かい?」

「不服だなんて……」

 

 昼休み。モモはラセールに呼び出され、使われていない空き教室に来ていた。

 あれからというもの、ラセールは暇さえあればモモたちで性欲を発散している。周囲に怪しまれない範囲ではあるものの、場所も時間もお構いなしで。奉仕役をモモ、メア、ネメシスの三人で分担しているとはいえ、実際にはとても「いままで通り」には過ごせない状態だ。少なくとも大量の精液を子宮に入れられたまま以前のようにリトのベッドに裸で忍び込むなど、できるわけもない。子宮に刻まれたナノマシンはあくまで精液に含まれる精子を快感エネルギーに変換することで妊娠を防いでいるだけで、精液自体は消してくれない。

 

「じゃあ、しようか」

「は、はい……♡」

 

 後ろから抱きすくめられ、制服の中をまさぐられる。同時にコスチュームデバイスが下着を消し、ラセールが()()()()()ようにモモの皮を剥いてしまう。チョーカーが停止し、解放される性感。捲り上げられる制服。むき出しになった乳房をラセールの手が撫でまわす。固く勃った乳首を指が掠めると、それだけで全身に途方もない快感が広がっていく。

 

「あ……♡ あぁっ♡」

 

 容易く溶けていくモモの肢体。たまらず声が漏れる。ラセールの発明品で改造されたこの部屋は、すでに遮蔽機能や防音、洗浄機能が完備されている。仮にこの部屋で喉が潰れるほど嬌声を上げたとしても外には聞こえないし、全身や衣服、部屋自体が汗や精液で汚れたとしてもすぐに洗浄できる。そして外からは誰も入ってこられない。

 ここはハイテク宇宙技術を贅沢に使ったヤリ部屋なのだ。

 

「ふっ――♡ ン♡」

 

 ラセールの指が巧みな動きで身体を這っていく。自分の欲しい所へ、欲しい力加減でとどく刺激。そうした想像すら凌いで愛撫してくる熟練の発想、手管。こんなセックスを味わってしまったら、他の男とのセックスなど児戯に等しいだろう。

 だがモモはあくまで雌奴隷。奉仕する立場であり、ただ寵愛を受けるだけの受け身は許されない。そんな奴隷として刷り込まれた思考から、モモはなんとか少しでも奉仕しようと可愛らしく柔らかい尻をラセールの股間に擦り付けた。

 おちんちんを擦って、気持ちよくなってもらおうという試み。だがその動きはどう見ても腰を振って雄を誘惑する淫売そのものだ。……いや、実際これは誘惑だった。頭ではどんなに奉仕しようと考えたつもりでも、これは本能が導き出したラセールのペニスへの求愛行動に他ならない。雄に媚びる雌としての本能を、モモが「奉仕」だと思い込んでいるだけだ。

 

「そんなに欲しいの、モモ?」

 

 ラセールはチャックを下ろすと逞しく反り立った肉棒をさらけ出し、モモの尻に添えた。

 

「ア――ハ……ァ♡」

 

 スカート越しに感じる圧倒的存在感。尻の割れ目に沿うように添えられたそのペニスの感触だけで子宮が疼き、愛液が漏れる。そして棘と毒で完全武装した巨根は、トロトロに溶け切った雌穴にずるずると侵入していく。

 

「おっ♡ あ、あ……っ♡」

 

 雌穴が屈服する。主人の帰還に歓喜し、むせび泣く。柔らかい膣壁で必死にペニスにしがみつく様は、まるで母乳をせがむ乳飲み子のようだ。

 腰が勝手に前後に動く。ラセールもまた、それに合わせて腰を動かす。

 パンパンパンと肉と肉のぶつかる音が教室に響きはじめ、それがどんどん加速していく。

 

「さて、今日はこういうのでいこうか」

 

 ラセールがまた何かの端末を操作した。一瞬、尻尾への電撃が来るかと身体が強張るが、違う。変化があったのは教室の正面。黒板に映像が投影されていた。それはモモが完全に屈服し、愛と処女を捧げたあのときの光景だった。

 

「アッ♡……ァンッ♡ や……♡ こ、これ……は、ぁ……♡」

「この間の映像だよ。自分が堕ちる様を眺めながら犯される気分はどう?」

「アッ♡ お゙……っ♡ ひっ♡ ア、ァッ♡♡」

 

 脳裏を駆け巡る屈服時の記憶。精神があのときに……精神の柱を全て、完膚なきまで叩き潰されたあのときに逆行する。それによって自分では彼に絶対勝てないのだという意識をより強く刷り込まれる。

 同時に子宮を襲うペニスが心を、欲求を満たしていく。自分のなかの大事なものがペニスに潰され、空いたスペースを快楽で埋められるという精神の改造。快楽による洗脳。分かっていても抗えないし、抗う気もおきない。

 自分という存在は完全にラセール専用の雌なのだという事実を、何度も心に刻み込まれる。決して消えないように強く、強く。

 

「出すよ、モモ」

「――はいッ♡♡ はいぃ……♡ あ……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙♡♡♡♡」

 

 ラストスパートからの射精。何度も子宮を抉られた末に内部を精液で満たされ、その精子の量だけ脳を絶頂で焼かれる。

 

「~~~~――――……ッ♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 何度受けても慣れず耐えられない快感の暴力。

 しばらく絶頂の余韻に沈んだ後、ズルリとモモの中からペニスが引き抜かれ、モモは机にしがみついて倒れるのを防ぐ。

 行為が終わり、気分が落ち着くとすぐに身体を光のカーテンのような物が覆って洗浄が始まる。モモの服は一度解除して、再構成すれば元通りだ。

 

「さて、そろそろ戻ろうか」

「ン、はい……♡」

 

 いまだ僅かに残る余韻に身を震わせながら、モモはラセールと共に教室を出た。

 

 これがいまのモモの日常だった。

 

 

 【♡】

 

 

 次なる絶望が襲ってきたのは、それから数日たったある日だった。

 

「そうだ。モモ、今日は来なくていいよ」

「え?」

 

 下校時、宇宙船まで向かう最中にラセールはそんなことを言い出した。モモが雌奴隷になってまだ長くないとはいえ、これまでラセールは毎日性処理を欠かしていない。モモ、メア、ネメシスの三人のうち誰かは必ずラセールの相手をする。そして今日はモモの番のはずだった。

 

「…………」

 

 一抹の不安がよぎる。

 単純に彼の気分が乗らないだけならいい。だがもし、自分たち三人以外の女性――四人目が彼の餌食になってしまったのだとしたら?

 

「あの、なんで急に……」

「実は今日は新しい子がいるんだ」

 

 にっこりと、女を壊すあの笑顔をラセールが浮かべる。

 モモの背中を冷たいものが走った。

 

「あ、新しい……子、って……」

 

 平静を装おうとしたが無理だった。

 声も身体も震えてしまう。

 

「彼女だよ」

 

 そういってラセールが目を向ける。その先――数メートル先の電柱の陰から出てきた女性は、モモが最もそこにいて欲しくない女性だった。

 

「春菜……さん……?」

「モモさん……」

 

 春菜は悲しい顔でモモを見ると、その手を握って頭を下げた。

 

「ごめんなさい、モモさん……。私を庇ってあんな目に……」

 

 涙を流し、そう謝る春菜。

 その一言で大まかな状況は把握できてしまう。

 驚愕し、答えを求めてラセールに視線を向けると、彼は肩を竦めていった。

 

「いやぁ、学校でモモの屈服シーンを再生して楽しんでたら()()()()西連寺センパイに見つかっちゃってねぇ。言葉も出ないくらい驚いて気にしてたから、全部教えてあげたんだよ」

「そ――ん、な――」

 

 うまく声が出せない。

 春菜は自分をだしにしてモモがラセールに性行為を強要されたと知ってしまった。いや、わざと知らされた。優しい彼女のことだ。自分のせいでモモがこんな目に遭っていると知れば、当然気に病むだろう。そして――

 

「優しいよね、西連寺センパイ。モモの境遇を知ったらどうにかモモを救いたいっていうからさぁ、モモを手放すのが惜しいボクも仕方なく彼女の挑戦を受けてあげようって思ったんだよね」

 

 あまりにも。

 あまりにも白々しい言葉。

 

「ちょ、挑戦って……まさか……」

「そう。モモと同じ、一ヶ月耐えたら手を出さないってアレ」

「…………な、なん……で」

「あ、モモさん……」

 

 春菜の手を放し、モモはラセールに縋りつく。その顔はラセールに従順な雌奴隷ではなく、屈する以前のデビルーク王女モモの顔。ただしその顔に浮かぶ感情は怒りや反発ではなく、深い絶望。

 

「や、約束が……ちがうじゃないですか……。私が……私が貴方のモノ、になればって……春菜さんたちは……手を、出さないって……!」

「あれ、そうだっけ? 約束通りでしょ」

 

 あっけらかんと彼は言う。

 

「ボクは西連寺センパイから()()()()されたら別っていったよ? それに約束は『モモが耐え抜けばモモとその周りに二度と手を出さない』だ。でもモモは耐えられなかった。そうでしょ?」

「あ……あぁ…………!!」

 

 モモの瞳から涙が零れ落ちる。自分の大事なものを全て捨て、屈服し、もうこれ以上辛いことは起こらないと、もう失うものはないと……そう思っていたのに、まだ奪われるのだ。

 最初から、最初からそのつもりだったのだ。この外道は。

 

「あ、ああああああああ……!!」

 

 モモが堕ちたのは、あくまでリトの幸せのため。屈服()()()のはリトの傍から自分がいなくなっても春菜がいてくれるから。「リトの幸せのためなら」という自己犠牲精神の上でのこと。その精神の基盤が、いま粉々に踏み砕かれようとしている。

 

「モモさん! モモさん落ち着いて!!」

 

 泣き崩れるモモを春菜が抱きしめる。

 

「大丈夫だよ。私……耐えてみせるから。……もう、結城くんには合わせる顔がなくなるかもしれないけど、絶対にモモさんを助け出すから」

「…………」

 

 ダメだ。それこそラセールの思うつぼなのだ。変身(トランス)兵器でもデビルーク人でも耐えらない毒、テクニック、タフネスに、地球人の貴女では絶対に耐えられない。もう私は全て捨てたのだから。私のことは放っておいて。どうか貴女だけは汚されないで。貴女が汚されたら私は何のために彼の雌に堕ちたのか分からない。

 

 そう言おうとしても、声は出なかった。

 

 徹底して叩き込まれた雌奴隷の精神が、「ご主人様の邪魔をしてはいけない」と固くストップをかけてしまう。どんなに必死で春菜に自分の思いを伝えようとしても、それを行動に移すことができない。

 

「じゃあ、ボクたちは行くから。また明日ね、モモ。さあ、西連寺センパイ」

 

 モモを抱きしめていた春菜の手をとり立ち上がらせると、馴れ馴れしくもその肩に手を回す。春菜は嫌悪の目でラセールを睨むものの、抵抗することはなかった。

 

「モモさん、私は大丈夫だから! 心配しないで!」

 

 最後までそういいながら、ラセールに連れられ遠ざかっていく春菜の姿をモモはただ黙って見送るしかなかった。

 

 

 【♡】

 

 

 それからどれほど時間が経ったのか。

 絶望し、その場に項垂れ続けていたモモが顔を上げると、空はもう赤く染まっていた。

 

「…………いかなきゃ……」

 

 たとえ逆らえないとしても、いかなければならない。

 どうにかして春菜を助けなければならない。

 

 フラフラと危うい足取りでラセールの宇宙船を目指す。

 到着。

 中に入る。

 静かな船内。

 いや、奥から微かに声がする。

 

 ゴクリと息を呑む。

 本能がその先に待つ絶望を察知し、進むなと警告する。

 

 だが行かなければならない。進まなければならない。

 強張る足を引きずって、モモは奥へ進んでいく。

 目的地は――寝室。

 

『――ッ…………ぁ――――♡』

 

 僅かに漏れ聞こえる声。

 その声の正体は考えない。答えは分かっているけど、考えてしまったら足が止まってしまうから、思考の外へ追い出す。

 

『ダ――♡…………ゃ♡――………ァン♡……ひ――♡……』

 

 近づくほどに、声が鮮明になっていく。

 

『ッ、ア♡……アッ♡ い、ぁ……♡ イク……♡ イッてる♡♡ ダメ……♡ そんな、奥に入っちゃ……♡ いや♡ アッ、溶ける……♡ や、ぁ……奥が……奥が溶けちゃう……♡♡』

 

 扉の前に立つと、中の声はおおむね聞き取れた。

 他に一切の動きがない船内では、行為による微細な振動すらも感じ取れる。

 

『ン、あ♡ もう、ダメ……♡ ひぃ、アァ♡ ナカ……にぃ、あんっ♡ 出さない……でぇ……♡ あ、あっ♡ ダメ、もうダメっ♡ おまんこダメっ♡ ダメ♡ せいえき出しちゃダメ♡♡ アッ♡ アッ♡ もうイヤッ♡ イヤッ♡ せいえきでイキたくないのぉッ♡♡ あっ♡ あああああああ――……ッ♡♡♡♡』

 

 ひときわ大きな嬌声。

 それでもモモは扉を開くことができなかった。

 扉を開き主人のお楽しみを邪魔することを拒否する雌奴隷の思考はどうあっても拭えず、すでになにもかも手遅れと分かってしまっては扉を開くことに意味も見いだせない。

 

 

 それから再びどれほど時間が経ったのか。

 茫然と立つモモの前で扉が開かれ、中から春菜を支えながらラセールが出てきた。

 

「あれ? 来たんだ」

 

 言葉のわりに意外そうな雰囲気もない。

 予想はしていたのだろう。

 

 ラセールに支えられた春菜は、それはもう酷い有様だった。

 行為の激しさを感じさせるには十分すぎるほど乱れた衣服。彼女のトレードマークといってもよかった髪留めは外されたまま、汗に濡れた前髪が垂れ下がっている。目は虚ろで、顔には涙や唾液が流れた跡。いまだ絶頂の余韻が抜けきっていないのだろう。肌はいまだほんのり桜色を帯びて汗ばんでおり、自力で立っていることすらできないほど弛緩した身体は嫌悪の目で見ていたラセールに完全に委ねられている。そして、乱れたせいでギリギリ秘所を隠せるかどうかという位置にあるスカート……その陰から垂れ落ちるのは彼女が発情した証の愛液と……容赦なく中出しされた精液。

 その首にはしっかりと彼のモノにされた証であるチョーカーが巻かれていた。服の下には避妊ナノマシンによる淫紋も刻まれているだろう。

 

「いやぁ、地球人にしてはなかなかの抱き心地だったよ。あの結城リトが選んだ雌だと思うとさらに味わい深いね」

「…………ぁっ♡ ゃ……♡」

 

 自らを支える腕に乳房をまさぐられ、春菜の口から切なそうな声が漏れる。胸の形と制服越しにでも強く存在を主張するほど固く勃ってしまった乳首を見ると、下着は剥ぎ取られてしまっているらしい。そして柔らかい乳房を服の上から揉まれながら、固くなった乳首を転がされる。春菜は抵抗もできずにただよがり続けるしかない。

 

「でもたかが地球人がボクに何時間もセックス漬けにされてまだ堕ちないとは驚いたね。メアやネメシスほど時間かけてないとはいえさ。転入前にその辺の雌何匹かつまみ食いしたときは人妻でもここまで耐えなかったのに。よっぽど結城リトが好きなんだね」

 

 素直に感心するラセール。

 素直ということは焦りがないということ。地球人とは思えないほどラセールの責めに耐える春菜の愛であっても、堕とせるという確信は揺らいでいないという証。

 

「ほら、西連寺センパイ。自分の足で立たないとお家に帰れませんよ? それとも帰りたくないのかな?」

「…………ぃ……やぁ……」

「わ、私が送ります……」

 

 モモはそう申し出た。もはやモモにはその程度のことしかできない。

 だがラセールは「いや」と何か思いついたように指を立てる。

 

「ネメシスが西連寺センパイに変身して代役をすれば家に帰る必要もないか。たしか彼女の両親は家を空けてていまはお姉さんしか帰ってこないはずだし、それくらいなら誤魔化せるかな。つまり、急いで帰る必要はないと」

 

 それはモモと春菜にとって、遠回しな死刑宣告に等しかった。

 

「じゃあ今日は夜通しセックスしようかな」

「……そ、そん……な……。まだ……する、なん……て……、ぁあ……ッ♡」

 

 耳を舐められ、春菜が悶える。

 

「ま、まってください! もう春菜さんは限界です! これ以上は――」

 

 パンッ。

 と、お仕置きの電撃がはじけた。一瞬で意識が絶頂に押し流され、その場に崩れ落ちる。

 

「あ――あ――――♡♡」

「忘れちゃダメだよ、モモ。キミはボクに逆らえない」

「……や、やめて……。今日は、泊まる……泊まるから、モモさんには……」

 

 自分もまともに立てない状態だというのに、それでも春菜はモモを庇う。

 

「そう。じゃあ行こうか。夜はこれからだ。食事もとらないとね」

「ッ…………はい……」

 

 扉は再び閉じられる。

 激しい絶頂の只中に置かれたモモは、ただの一言すら発することもできないままそれを見送るしかなかった。

 

 

 




次は連れていかれた後の春菜視点の予定です


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10 手折られる春菜(♡)


ついに更新が一ヶ月以上開いてしまった……。
どんどんペースが落ちててすみません……。



 

 宇宙船の扉が開くと、薄暗い通路が奥まで伸びていた。大きな生き物に飲み込まれて二度と出られなくなるような不安感に襲われる。ゴクリと息を吞み、春菜は足を前に踏み出した。通されたのは通路の奥にある寝室。不必要に大きいベッドと落ち着いた薄暗い照明が、これから行われる行為を嫌でも連想させる。

 

「じゃあ、少し話でもしましょうか」

「話すって……」

「なんでもいいですよ」

 

 そう言ってラセールがベッドに腰掛け、隣に座るように促された。ここまできてこの程度で抵抗しても仕方ないと観念して春菜も腰を下ろす。上質なベッドの心地よい感触が、この状況では逆に不快だった。

 

「……どうして、モモさんにあんな酷いことを?」

 

 女性を脅迫し、無理矢理関係を迫るような男との話題など思いつかなかったので、春菜は率直にそう聞いた。もちろんこちらが納得するような答えは返ってこないだろうが。

 

「酷いですか? ボクはどの女の子にも喜んでもらってる自信がありますけど」

「あなたがどんなに……その、行為……が上手くても、無理矢理あんなことをして嬉しいわけない」

「その辺は文化の違いですね。ボクの星では女性はそうやってモノにするものです」

「……」

 

 思った通りの……いや、それ以上の価値観の違いだった。こうも根底から考えが違う以上なにを言っても無駄だろう。

 

「別に難しく考える必要もないじゃないですか。もともと生物の本質は交尾で子孫を残し、種を存続させること。地球にだって一夫多妻制はありますし、人によって浮気もすればセックスフレンドだっているでしょう。相手を一人に絞る方が少数派なんじゃないかとボクは思いますけどね」

「そんなことないよ」

 

 なにを言っても無駄。そう思っていても、その言葉は考える前に出ていた。

 

「自分の身体を任せてもいい。この人の子供を産みたい……そういう気持ちになれる人と出会えるってすごくステキなことだし、大事なことなんだよ」

「…………」

 

 恋愛……いや愛情の大切さを訴える春菜の言葉に、不意を突かれたように目を丸めるラセールは顔を手で覆い、天を仰いだ。

 

 少しは心に響いたのだろうか――?

 

 そんな淡い期待は、すぐに裏切られた。

 

「あー……ダメですよ、西連寺センパイ」

「え?」

 

 顔を下ろしたとき、そこに浮かぶのはそれまでの……偽りとはいえ紳士的な表情とは打って変わったサディスティックな笑み。

 次の瞬間、春菜の身体はベッドに押し倒された。

 

「キャッ!?」

「ダメですよ、ボクみたいな男にそんなロマンチックなこといっちゃ……。そんな綺麗事の恋愛観を真剣に語られたら、ますます汚したくなるじゃないですか」

「ラ、ラセールくん……」

「すみませんね、もう我慢できませんよ。本当はもうちょっとフェロモンが効いてからにするつもりでしたけど」

「フェ、フェロモンって……あっ!」

 

 ラセールの手が春菜の身体を這う。まるで木に巻き付いていく蛇のように滑らかで的確で素早い動き。絶妙なタッチで乳房をまさぐられ、思わず声が出る。

 

「ま、まって! せめて先にシャワーを……!」

「ダーメ。そんなことしたら匂いが落ちちゃうじゃないですか」

 

 そういってラセールが春菜の首元に顔をうずめる。

 

「ひっ――」

 

 心を許していない男に体臭を嗅がれる。その感触のおぞましさに背筋が凍る。

 そのはずなのに――

 

(なに、この感じ……?)

 

 背筋が凍る以上に、身体が熱くなっていくのが分かる。その原因がさきほど言っていたラセールのフェロモンの影響だと春菜が思い至るのに時間はかからなかった。

 ラセールの興奮に応じて濃度を増したフェロモンが春菜の神経を侵していく。強烈な発情作用によって秘裂は愛液を流し始め、恐怖と緊張で固まっていた身体がほぐれたことで快感を受け入れやすくなってしまう。

 

「んっ……あ!」

 

 ラセールの指が身体中をまさぐっていく。リトにうっかり触れられた時、その無意識とは思えない巧みな手つきに驚いたものだが、ラセールのテクニックはそれ以上だった。リトと違って意図して動かしているだけに的確で厭らしい。服の下で乳首やクリトリスが固くなっていっているのが分かる。

 

 パチン、と髪留めが外される。

 

「あ……」

「髪を下ろすと一層可愛いですね」

「な……っ!?」

 

 眠るときくらいしか外さない髪留めを外される。ただそれだけ。ただそれだけのことなのに、就寝時――無防備な状態を再現された春菜は自分の内面まで曝け出されたような気分になってしまう。その動揺を狙って投げ込まれた褒め言葉は、驚くほどあっさり心に染み込んでいく。

 嫌な相手。

 許してはいけない男。

 そのはずなのに、嫌悪感が薄れてしまう。

 

 ちょっと褒められただけで気を許してしまう。

 自分はそんな単純な女だったのだろうか?

 

 動揺しているうちにスカートをまくり上げた手が下着まで伸び、スルリと剥ぎ取られてしまった。下着と秘裂の間に愛液の糸が引いているのが見えて、春菜は一層恥辱に頬を染める。

 

「や、やめ……」

「やめませんよ」

 

 ラセールの手がむき出しになった秘裂に伸び、すでに充血し膨らみ始めている割れ目を優しいタッチで何度もなぞる。リトにも数えるほどしか見られたり触られたりしたことのない、女の子の大事で恥ずかしい場所。その秘められた場所を嫌いな男に委ね、弄ばれなければならない屈辱。だがその嫌悪感をかき消して余りあるほど、彼のテクニックはすさまじかった。

 もちろん正確にはテクニックだけではない。フェロモンの発情効果と棘による刺激。さらに春菜はまだ知らない媚毒の効果によって、春菜の悶え方は次第に激しくなっていった。

 

 「ン……ン――ッ!」

 

 指が秘裂をジワジワとこじ開け、硬くなった陰核を優しく撫でる。一際強烈な快感によって一気に絶頂まで押し上げられ、腰が撥ねてしまう。せめてはしたない姿は晒すまいと口を閉ざすが、それでも声が漏れるのを止められない。

 

「いまイキましたよね?」

「…………」

 

 認めたくはない。だが嘘を吐くのも躊躇われて、春菜は沈黙するしかなかった。

 

「よかった。これからもっと気持ちよくなりますからね」

「あ――」

 

 秘裂をなぞりながら、もう片方の手が胸の方に伸びる。「これからそっちへ行くぞ」と強調するように、足の方から肌をなぞって上ってくる優美な手。器用に服の上からブラジャーのホックを外し、解放された乳房が重力に引かれて零れる。

 

 上着を剥がれ、シャツの前ボタンを外されると、零れた乳房が顔を出した。本人は小ぶりであることを気にしているが、客観的に見ればそのサイズこそが魅力の美乳。先端はすでに固く膨らんでおり、早く触ってくださいとねだっているようだった。ラセールの手が乳房を弄ぶ。柔らかいそれを存分に手のひらで転がし、乳首は時折触るか擦る程度。

 

 フェロモンと媚毒の効果で敏感になりつつある乳首はわずかな刺激にすら敏感に反応し、その度に春菜は喘ぎ声を漏らしてしまう。

 

「ッ……。くっ……ン、ァ……ン……ハ、ぁ……!」

 

 幾度も絶頂に襲われ、余裕がなくなってくる。

 すでに秘裂からは春菜が経験したことのない量の愛液が分泌されてスカートとベッドを濡らしていたが、本人はそれに気づく余裕すらない。目を閉じ集中して、送り込まれる未知の快感に耐えるので精いっぱいだ。

 

「そろそろこっちもいただきますね」

「ふぇ……? ふっ……んん!?」

 

 朦朧とする春菜の唇に、ラセールが食らいつく。

 心の準備をする間などなく、一瞬で奪われた春菜の人生二度目のキス。あくまで事故の結果にすぎないリトとのファーストキスと違い、明確に意思をもって行われたという意味では初めてのキス。

 いつか改めてリトと交わしたいと思っていたそれが、あっさりと奪われる。覚悟していたつもりでも、大きく心を揺さぶられた。

 

「ン……ンゥ……ふ、ン……!」

 

 ラセールの口はいつまで経っても春菜の唇を解放しない。

 唇と唇を触れ合わせるキスなど児戯と言わんばかりの、唇の中を貪り喰うような肉食動物を思わせる激しいキス。初々しいキスを一度経験しただけの春菜にとって、口内を貪るディープキスは信じられないほど衝撃的だった。気持ち悪い。拒絶したい。そう思っているのに脳から発せられるのは嫌悪感でも吐き気でもなく心地よさだけ。

 

「瑞々しくておいしいですね、西連寺センパイの唇。たしかファーストキスは愛しの結城リトとしたんでしたっけ?」

「……そん、な……ことまで……知ってるの?」

「もちろん」

「ん……ふぅ、あ……」

 

 ラセールの愛撫もキスも止まらない。足を絡め、手を這わせ、舌で舐める。行為が進めば進むほど春菜の身体はフェロモンと媚毒に侵され、通常ではありえない感度へ高まっていく。

 

「ハァ……ハァ……」

 

 数十分が過ぎただろうか……。もしかしたら一時間以上経っているかもしれない。

 長時間執拗な愛撫に晒され続け、春菜は息も絶え絶えになっていた。何度も絶頂した身体は疲弊し、柔肌の表面には汗が浮かんでいる。服は乱れ、もはやシャツとスカートが辛うじて引っかかっている程度だ。

 

「結城リトと比べてどうでした、ボクのテクニック?」

「…………」

 

 疲れて声は出ない。

 もともと答えたくもないが、答えるために声を出すことすら億劫だった。

 

「無視ですか。まぁいいですけど……」

 

 ラセールがぐったりとした春菜の足の間にその身を入れる。

 

「あ……」

「良い感じに蕩けてますよ、西連寺センパイのオマンコ」

 

 無思慮に割れ目を広げ、中を観察する。さすがに激しい羞恥心が湧いてきて足を閉じようとするが、疲れ切った少女が男に力で勝てるわけもない。

 

「綺麗なピンク色だ。処女膜もちゃんとありますね」

「い、や……」

「じゃあ西連寺センパイの()()()()、いただきますね。心配しなくても大丈夫ですよ。これだけ解れてボクの媚毒も入っていれば、痛みなんて無いも同じです」

「あ……」

 

 ペニスが秘裂にあてがわれる。

 いよいよ入れられる。

 不安と恐怖が心を満たす。

 気分はまるで注射針を向けられた幼子のよう。ただ幼子と違うのは近くに縋りつく親もいなければ、刺される物は医療器具ではなく凶器であるということ。

 

「入れますよ」

「え……。ひ、避妊は……」

「すみませんね。ボクらハーラマ人のペニスは女の子をえっちにする毒の出る棘だらけなんで、地球のコンドームとかいう避妊具は意味ないんですよ」

「そん、な……」

 

『えっちにする毒』も聞き捨てならないワードだったが、それ以上に避妊できないという話が衝撃的だった。

 

「大丈夫、このナノマシンを使えば妊娠はしませんから。地球の100パーセントとはいえないような原子的な避妊よりよっぽど安全、確実です。欲しいですか?」

「そんなの、当たり前じゃない……」

「じゃあ、ハッキリお願いしてほしいな。ボクの雌奴隷用のナノマシン、ここに打ち込んでくださいって」

 

 そういってラセールが下腹部をトントンと指で叩く。その奥にある子宮を狙い撃つように。

 ゾクリ、と春菜の背筋を悪寒が走る。

 

「どうします? ボクは避妊無しでも構いませんけど」

「…………ひどい……ひどいわ」

「そうですか? 地球人じゃ……いや、他の種族じゃ味わえない極上の快楽に、確実な避妊。セックスを楽しむのにこれほどの好条件はないと思いますけど」

「……そんな楽しみ方、私はイヤ……」

 

 セックスはそんなものではない。愛した恋人、身体を許した相手と身も心も通わせる行為だと、処女ながらそう考えていた。快感はもちろんあった方がいいが、それはあくまで愛情に付随するものだと。

 好きでもない相手と身体を重ねて性的快楽を貪るだけなんて、とんでもないことだった。だが、そういう嫌悪感を持っていてなお幾度も絶頂させられるラセールの体質とテクニックを味わうと、それを許容する者は多いだろうとも思えてしまう。それほどに、彼の与える快感は凄まじかった。

 

「で、どうするんですか?」

「…………さい」

 

 やむを得ず、春菜が絞り出した言葉に、ラセールが笑う。

 

「もっと大きな声で」

「わ、私の……」

 

 震える声で、春菜はもう一度言った。

 

「ここに……あなたの奴隷用のナノマシンを……打ち込んで、ください……」

 

 屈辱に涙が流れる。だがきっとモモも自分を守るために同じようなことをされたのだと思うと、耐えねばならない、言わなければならないと思えた。

 

「もっと卑猥にお願いして欲しかったけど、まぁいいでしょう。じゃあ、打ち込みますよ」

「あ――」

 

 心の準備をする暇もなく、シリンダーが打ち込まれる。痛みも違和感もない。ただ、視線を向けると下腹部にハート型のタトゥーのようなものが刻まれているのが見えた。それは紛れもない、目に見える形で刻まれた屈服の証。

 

 ああ、いま私は彼の所有物にされたんだ――

 

 まだ処女を奪われてもいないのに、越えてはいけない一線を越えてしまった感覚。春菜の心に、その無慈悲な現実はあまりに現実味がなかった。一周まわって、他人事のようなにすら思える。

 

 これが諦め、絶望という感情なのだろうか。

 

 だがせめて。

 せめて情けない姿は晒すまい。

 すでに抵抗する余力もない状態で、春菜はそう決意する。

 

「じゃあ、いきますよ」

「あ――」

 

 ゆっくり、ゆっくりとペニスが膣に侵入していく。自分の内側が異物によって押し広げられていくという初めての感触。嫌なはずなのに、恥ずかしいことをされすぎて嫌悪感も湧いてこない。それどころか、膣を広げられ、膜を破られているのに感じるのは痛みではなく快感。

 リトのモノより太く逞しく長いペニスはスムーズに春菜の中に埋まっていく。

 

「――はっ……あ……♡」

 

 強い圧迫感。だが決して不快ではない。フェロモンと媚毒の影響で初めて異物を受け入れたはずの膣は熟練した娼婦のそれのようにペニスに纏わりつき、奉仕する。まるでそのペニスこそが自分の主人だと主張するかのように。

 二人の距離は徐々に近づいていき、やがて腰同士が完全に密着した。

 

「全部入ったよ」

「っ……あ♡」

 

 わかる。

 ラセールの長大なペニスが、自分の膣を本来の限界以上に押し広げ、隅々まで征服しているのが。膣の奥、子宮口が亀頭と密着し、先端の毒針に貫かれているのが。

 

「ああ、いいですね。ちょっとキツめで……これをボクのサイズに合わせるのが今から楽しみですよ」

「っ――ん♡」

 

 媚毒で感度はどんどん増していく。すでにクリトリスを嬲られるより強い快感が膣全体から発せられていた。

 

 これで動かれたら……。

 この太く、長く、逞しいペニスで敏感になった膣を滅茶苦茶に突かれたら、いったいどうなってしまうのか。

 

 いけない。

 これはダメだ。

 

 本能がそう警告する。

 だがすでに春菜にできることなどなにもなかった。

 

「じゃあ動きますね」

「ア――」

 

 ラセールが腰を動かし始める。ゆっくり、ギリギリまで引き抜いて、また奥までゆっくり押し込む。最初はゆっくり、とてもゆっくりだったのが、徐々に速くなっていく。

 

「っ♡ ハッ、ア――♡♡」

 

 凄まじい快感が腰から全体に広がっていく。膣全体がクリトリス以上の性感帯になって、それを微細な棘付きの太い棒でかき回されているのだ。耐えられるわけがない。

 

「アッ♡ イヤ!――ッ、ン♡ ひっ♡ アッ♡ アッ♡」

 

 春菜は必死にもがく。いや、悶えさせられている。それまでの愛撫はしょせん前戯だったのだと、さっきまでの絶頂は序の口であったのだと思い知らされる。人生で一番激しい絶頂が絶え間なく押し寄せ、春菜に思考を許さない。

 

 情けない姿を晒さない。

 そんな春菜の健気な決意など全くの無意味だった。

 押し広げられた秘裂はさっきまでの量でさえ少なく見える愛液を垂れ流しながら、時折潮まで吹いている。制服とベッドが水浸しになるが、ラセールは気にする様子もない。ただただ腰を打ち付ける。

 喘ぎ声が止められない。

 すでにピストンの速さはパンパンと激しい音を立てるほどになっている。ただ前後するだけではない。角度を変え、方向を変え、決して単調にならず、慣れさせず。常に春菜を最高の快楽へ押し上げ続ける。

 

「アッ♡ アァッ♡ も、もうやめ――とめッ♡ ン♡ ぃや♡ アッ♡」

 

 懇願しても、当然ラセールは腰を止めない。

 パンパンパンと肉を打つ音が無慈悲に響く。

 

「いや♡……アッ♡ も、うダメぇ……♡ とめて♡……壊れる♡ 壊れちゃう……♡ アッ、アッ♡ ヤ、助けて♡ 結城くん♡ 結城く――ンンッ!?」

 

 ついになりふり構わず想い人へ助けを求める春菜。だがそれも唇を塞がれ止められる。すでに性感帯となった唇を再び貪られ、密着した厚い胸板に敏感になった柔らかな乳房を擦り潰される。膣からの快感だけでも耐えられていない春菜を、さらなる快感が襲った。

 

「――――~~~~……ッ♡♡♡♡」

 

 愛液と潮が止まらない。

 手を掴まれる。指と指を絡めた恋人繋ぎ。だが頭を真っ白に染められた春菜に、それに気付く余裕はない。自分がどうなっているのか、なにをされているのかすら分からぬまま、ただひたすら快楽の嵐が過ぎるのを待つしかないのだ。

 

 そして、何度も何度もおまんこを苛め抜かれ、とうとうその時はやってきた。

 

「出すよ、春菜」

「ぉ♡……あ、ふぇ……?」

 

 解放された口から出るのは腑抜けた声。

 出す。

 その言葉の意味に考えを回すこともできないまま、一際激しく腰を打ち付けられ、ドビュッと膣の中の音が外まで聞こえてきそうな勢いで、ラセールの精液が春菜の膣内に吐き出された。

 

「あ――――♡」

 

 その瞬間、春菜の脳を一際激しい快感が駆け巡る。淫紋によって精子が快感エネルギーに変換され、脳を侵す。いや、快感エネルギーになった精子が脳を孕ませる。

 

「あ――あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ♡♡♡♡」

 

 輝く淫紋。

 上に乗っているラセールの身体を撥ね飛ばさん勢いで腰が撥ね、汁が溢れ、快感に震える。

 

「気持ちよさそうですね。わかります? お腹の刻印が精子を快感エネルギーに変えてくれてるんですよ。気持ちよくなれて避妊もできる。凄いでしょ?」

「あ゙……、お゙ッ♡ や……いやぁ……♡ お腹が――アアァ……♡」

「もちろん、ボクは一発出して終わりなんて貧弱な雄じゃないので、安心してくださいね。何度でも」

 

 パンッ。

 

「あ゙♡」

「何度でも」

 

 パンッ。

 

「お゙♡」

「何度でも何度でも、中で出してあげますから」

「あ♡ い、や……♡ たすけ……ァ――♡」

 

 無意識に春菜は虚空に手を伸ばす。

 脳裏に浮かべるのは愛しい彼の顔。

 だがそれをかき消すように、現実を見せつけるようにラセールの顔が近づいてくる。

 覆い被さる身体。

 

 春菜の「初めて」は、その後も数時間続いた。

 

 

 【♡】

 

 

 ひとまず行為が終わって、春菜を案じてラセールの宇宙船まで来たモモと会い、結局ラセールに命じられるまま一晩泊まることになってしまった後。

 春菜はシャワーを浴びることを許された。

 

「…………」

 

 シャワーに打たれながら鏡に映った自分の身体を見る。

 下腹部にはラセールの所有物であることを示すマーキング。その下の秘裂からは、大量に注ぎ込まれた精液がドロドロと垂れてきていた。首には浴室の中で唯一身に着けられる……いや、見に着けていなければならない敏感になった性感帯を制御するための首輪。

 

 スタイルは変わらない。もっと大きくなって欲しいと思った胸は大きくなっていないし、細い身体もそのまま。

 だがその中身は、本質はいままでとは違ってしまっている。

 致命的に。

 

「ッ……結城くん…………」

 

 涙が零れてくる。

 抱かれることは覚悟していた。だが彼のする行為は地球の――いや星など関係なく普通のセックスとはかけ離れた行為だった。物理的に女を性欲の捌け口として作り変えてしまうような悪魔的なセックス。

 こんな淫らな身体に変えられて、好きだといってくれた彼に、リトに合わせる顔がない。

 

「失礼しますよ」

「えっ!?」

 

 突然、ラセールが浴室に入ってきた。そのまま春菜の肢体を後ろから抱きしめられる。

 さきほど避妊具も着けないセックスをした相手とはいえ、正常に思考ができるいま裸で密着されて春菜は恥ずかしさから顔を赤くした。乳房や秘所も隠したいが、両腕ごと抱きしめられて身動きがとれない。

 

「ど、どうして……」

「いまさらこれくらいのスキンシップ、別にいいじゃないですか。あれだけたくさん愛し合った仲なんだから」

「私は愛してなんていないわ……!」

「そんなこと言わずに」

 

 ラセールが一層密着する。春菜の小さ目のお尻に、凶悪なペニスが押し付けられる。さっきあれほど射精したにも関わらず全く衰えず硬く勃起しているそれを意識してしまうと、途端に秘裂が愛液を流し始めた。

 

 染められている。

 ペニスに触れただけで、意識しただけで発情する身体に。

 

 ラセールの手が春菜の下腹部を撫でる。

 

「楽しみにしててくださいね。西連寺センパイの()()、ボクの形に変わっちゃうくらいたっぷりセックス漬けにしてあげますから」

「ッ――♡」

 

 そう耳元で囁かれた瞬間、身体が芯から熱くなった。

 これはきっと恐怖だ。そうに決まっている

 

 決して、絶対に、期待なんかではないのだと、春菜は自分に言い聞かせた。

 

 




次は春菜ちゃんが子宮までオナホにされる話の予定です。



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11 染められる春菜(♡)

半年も空いて申し訳ないです…


 

 シャワーの後、春菜は激しい行為と体液で酷い有様だった制服の代わりに髪留め型のコスチュームデバイスを渡された。彼女の艶めかしい肢体を、瞬時に美しいドレスが覆う。普通の高校生ならまず着る機会はないだろう。前から見ると大人しいデザインだが、腰まで届くような深いスリットの入ったスカートや大胆に開いた背中に否が応でもラセールの情欲を意識させられる。

 

「じゃあ、夕食にしましょうか」

 

 ラセールに促されるまま、ダイニングと思しき部屋に通される。落ち着いた照明にお洒落な観葉植物。テーブルや椅子、テーブルクロス等、全ての家具が高級感のある上品な物だった。とても男子高校生の一人暮らしとは思えない。

 テーブルに並ぶのはフランス料理のような見た目のこれまた美しい料理だったが、たぶん地球産ではないのだろう。

 

「さぁ、そうぞ。遠慮せず食べてください。宇宙中から選りすぐった食材です。これから夜通しセックスするんですから、たっぷり精を付けないと」

「……」

 

 いまさらとはいえ、全く隠す気のない直球な物言いに、何を言う気も起きない。

 だが逃げられない以上、食べなければ辛いのは自分だ。春菜は気が進まないまま食事に手を付けた。味は良かった。だが心地よいベッドがそうだったように、この状況で快適な環境を提供されるのは逆に不快だ。……いや、不安というべきか。

 自分がこの快適さに懐柔させられそうで怖いのだ。

 

(夜通しセックス……)

 

 性行為の経験など自慰程度しかない生娘にも関わらず、彼の体質と技術の前ではほんの数時間であんな醜態を晒すハメになった。

 その数時間で散々嬲られ、毒に侵され、作り変えられてしまったこの身体で、文字通り夜が明けるまで半日近く抱かれたとしたら……。

 

 はたしてその時、自分は自分でいられるだろうか。

 

 今晩、自分の人格が致命的に失われそうな予感がして、春菜は身を震わせた。

 

 

 【♡】

 

 

 再び寝室に入ると、あれだけ体液でメチャクチャになっていたベッドは綺麗になっていた。ララたちのような高度な技術を持っている宇宙人の船なのだから、なにか便利な機能でもついているのだろう。

 

「じゃあ、第二ラウンド始めましょうか」

「ん――♡」

 

 背後に立つラセールの手がドレスの内側に潜り込み、春菜の身体を弄る。

 一度落ち着いたからこそはっきりと実感できる感度の変化。明らかに、いままでより感じやすくなっている。少し肌を撫でられただけで……すこし乳房を解され、秘裂をなぞられただけで……まるでクリトリスを直に弄られているかのような強い快感に襲われる。

 思わず腰が引けると、ドレス越しに固く隆起したラセールのペニスに触れてしまう。まだまだ萎える様子がない固さ、熱。聞きかじった程度の知識ではあったが春菜でも通常、男性の射精は一度に一回ということは知っていた。多少の休憩は挟んだとはいえ、あれほど射精したことを感じさせない精力に戦慄してしまう。

 

(こんな敏感な身体で、これから朝までさっきみたいな目に……)

 

 想像し、不安と恐怖で背筋に冷たいものが走る。しかし同時に、下腹部は熱く興奮し、じわじわと潤滑液を流し始めてしまう。

 精神と身体の激しい乖離。

 それを埋めるようにラセールの愛撫によってもたらされる快感が春菜の奥に染み込んでいく。

 

「ほらほら、乳首もクリトリスもすっごく固くなってますよ?」

「や♡ あ、ぁん――♡」

 

 服の上からでも分かるほど固く立ち上がった上下の弱点を、爪の先で擦るように刺激される。一際強い快感が走って、声を我慢することすら叶わない。

 

 耐えられない。

 絶対に耐えられない。

 

 こんなに気持ちいいのに、なにを拒否する必要がある?

 負けを認めて、受け入れて、楽しんだ方が楽だろう。

 

 心の弱い部分が、そう囁いてくる。

 

(ダメ……! そんなこと考えちゃ――ダメッ!)

 

 必死に思い出すリトの顔。

 あの日。ハーレムを否定し、自分のことを好きだと言ってくれた。そのためにララを振ろうとしたリトの顔。

 その涙を思い出して、必死に溶かされそうな心を固める。

 

(結城くん、私――がんばるから……)

 

 汚された自分にはもう彼の隣にいる資格はないかもしれないが、この想いだけは失うわけにはいかなかった。

 

「ッ――♡ ハッ、アッ――ンッ♡」

 

 巧みに身体中を這いまわるラセールの手。はだけていくドレス。露わになった乳房はラセールの手の中で形を変え、本人の意思を無視して準備万端になった秘裂は愛液を流しながら肉棒を待ちわびている。

 とめどなく送り込まれる快感。

 だが――意図的なものだろう、絶頂までは辿り着かない。焦らして、焦らして、結局絶頂はお預けのまま愛撫の手が止まる。

 

「さて、今度は西連寺センパイにご奉仕してもらおうかな」

「はぁ……ン♡ ほ、奉仕……?」

「そう、フェラチオ」

 

 知識だけで知っている、男の生殖器を口で咥える行為。ついさっきまで生娘だった春菜には生殖器に口をつけるという時点でハードルが高いが、拒否権はなかった。

 ラセールにされるがまま彼の前に跪かされる。向こうはベッドに腰掛けたまま。こちらは膝をつく。恋人同士であればまた違ったのかもしれないが、愛情のない相手を前にしてするそれは、靴を舐めろと言われているような屈辱的な姿勢だった。

 

「ッ――♡」

 

 だが、目の前にペニスを突き出された瞬間、そんな不快感は消し飛んでしまう。フェロモン交じりの雄の匂いが鼻を突き、春菜の理性を鈍化させる。子宮が疼く。目の前の肉棒に傅くことに――主人として敬うことに違和感がなくなってしまう。

 

 以前一瞬だけ見たリトのモノより、はるかに大きい生殖器。

 

 初体験のときにはよく見ようとは思わなかったが、改めて眼前に晒されるとその異常な様相がよく分かる。ただ太く、長いというだけではない。死に神の鎌のような反りと、矢じりのように高いカリ首。細かい凹凸と、何より先端の針が自分は快感で女を殺すことだけを目的として進化したのだと主張しているようだった。

 

 地球人のそれとは明らかに異なるその異様。

 生唾を飲む。という状態を春菜はペニスによって初体験させられた。

 

「……こ、これを舐めればいいの……?」

「舐めるだけじゃないですよ。舐めて、しゃぶって、扱くんです」

「…………」

「それにこれを口に含めば、すぐに表面の棘と先端の針が西連寺センパイの口と喉を性器みたいに変えてくれますよ」

「……ッ」

 

 もともと気乗りしない行為だったが、その話を聞いてさらに嫌悪感が増す。しかし最悪なことに、たっぷり可愛がられた春菜の身体は嫌悪感を上回るほど強くペニスを欲していた。

 

「どうします。やめますか?」

「…………す、するわ……」

 

 いまさら逃げるには遅い。そしてモモを少しでも助けるためには、こうするしかない。

 春菜は意を決して凶器に舌を這わせた。躊躇いがちな、子犬がミルクを舐めるような小さな奉仕。

 

「ん……ハァ……」

 

 舌に感じるチクチクとした感触。そこからどんどん快感が広がっていく。すでにラセールの舌によって開発されていた口内が、さらに感度を上げていく。

 

「初々しい奉仕も悪くないんですが、もっと激しくお願いしたいですね」

「…………」

 

 言われるがまま、おずおずと春菜はペニスを口に含む。顎が外れそうなほどの太さ。口内を隙間なく棘が蹂躙していく。

 

(やっぱり、きもち……いい……)

 

 本来であれば男性器に口で快感を与える行為のはずなのに、奉仕すればするほど口が性感帯になって春菜の方が昂っていく。愛液の量も増える一方で、際どいデザインの下着越しに滴るほどになっていた。

 

「そうそう。そのままもっと奥まで飲み込んでください」

 

 言われた通り、飲む。すでに開発されているのか、あるいは生理的な反応より快感の方が強くなってしまっているのか、喉の奥に異物を送り込んでいるのに吐き気はしなかった。チクリとした感触。

 

(ああ、いま――)

 

 毒針が喉奥を貫いた。その感触がはっきり感じ取れる。

 膣がそうだったように、口と喉もクリトリス以上の性感帯にされてしまうのだろう。また一つ、普通じゃない場所を性感帯に変えられてしまう恐怖。

 それを拭おうと春菜は奉仕に没頭した。

 

 

 【♡】

 

 

「もうその辺でいいですよ」

「ン……ン……♡」

 

 そう言われても春菜は口を止めなかった。虚ろな目でペニスにしゃぶり続ける。もう時間の感覚は消えていた。ほんの数分しか経っていない気もするし、すでに一時間くらい経っているかもしれない。

 

 媚毒を口から注がれ続け、春菜の理性はほとんど融けていた。なにも考えられず、一心不乱に甘美な毒を放つ“蛇口”にしゃぶりつく。

 

「もういいって……」

「ア……♡」

 

 髪を掴まれ、無理矢理引き剥がされて、ようやく春菜はフェラを止めた。春菜の唾液とラセールの媚毒と先走り汁が濃厚に混ざり合ったカクテルが、コップをひっくり返したように口から零れる。

 

「ハァ……♡ ハァ……♡」

 

 目は虚ろ。半開きの口。腰は勝手に前後に動いて、存在しないペニスに縋りついている。

 フェラだけで春菜は何度も達していた。口ではもちろん、子宮でも。ラセールに屈服した春菜の身体は、ペニスを求めるあまり触れもせずに軽イキを繰り返していた。

 

「欲しくてたまらないんだ?」

「…………ハ、イ……」

 

 熱にうなされ、素直に頷いてしまう。

 

「でもまだダメ」

「あ――♡」

 

 ラセールの指が春菜のアナルを弄る。

 

「今度はこっちを開発してあげる」

「そんな、そっちは……♡」

「口も、喉も、胸も、お尻の穴も、全部作り変えて身体中どこでも気持ちよくなれるようにしてあげる」

「い、や……そんなの♡」

「嫌って声じゃないですよ、西連寺センパイ」

 

 ふらふらの春菜の肛門に腸内洗浄用の触手生物を挿入される。

 すでに全身蕩け切っていた春菜の身体はすんなりそれを受け入れた。

 

「ア♡ アァ……♡」

 

 桃色の霧に覆われた意識は尻穴を犯される嫌悪感すら抱かない。腸内を触手に好き放題されても、素直にその感覚を享受してしまう。そして排泄物を食べられる間も、唇を貪られ、乳首やクリトリスを玩具にされる。

 腸内を弄られる感触と、媚毒で鋭敏化した性感を紐付けされて、アナルが凄まじい速度で開発されていく。

 

「じゃあ、引き抜くよ」

「は……え?」

 

 ズルリ、と触手が一気に引き抜かれる。

 

「お゙――♡」

 

 腸内の物を引っ張り出される感覚は排泄と全く同じだ。人前で排泄しているような気分、恥辱に顔が熱くなる。同時にクリトリスを擦り上げられる。排泄の感覚と絶頂を同時に味わわされる。アブノーマルな快感は、春菜に「自分が調教されている」「ニンゲンを辞めさせられている」という認識を強烈に植え付けていった。

 

「さて、こっちも立派なオマンコになりましょうね」

「ッあ……♡ い、やぁ……♡」

 

 拒否したくても、そんな力は残っていない。

 あてがわれた凶器を、春菜の処女アナルは何の抵抗もなく飲み込んだ。

 

「ア――アァ♡♡」

 

 尻穴が媚毒に侵されていく。開発されたほかの部位と同じように肛門が急激に“急所”になっていく。

 太い肉棒が出入りし始める。最初はゆっくり、徐々に激しく。地球人基準でいえばまったくの未開発だったアナルを使うには早すぎるペースだが、ラセールの触手と媚毒の前ではまったく問題にならない。

 

「お、しり……♡ おしり、壊れちゃ……あぁ♡♡ やめ……ン♡ ア♡ 気持ちい――アン♡♡」

 

 未使用だったアナルが使い込まれた膣のようになるまで、そう長くはかからなかった。

 

 

 【♡】

 

 

 どれくらい時間が経っただろうか。あの後も口と喉を犯され、尻穴を開発され、春菜の心身はどんどん作り変えられていった。

 フェラチオだけでなく睾丸を舐めさせられ、胸で肉棒を扱かされ、自分の身体に石鹸やローションを付けて男の身体に擦り付ける「泡踊り」などという技術まで教えられた。普段なら恥ずかしくて死にたくなるようなことばかりだったが、何度も何度もイカされた後では羞恥心を感じるような余裕もなく、朦朧とした意識のなかで言われるがままに身体を動かした。

 恥ずかしいことも何度も言わされた気がする。男の精力やペニスを褒めたたえ、自分の卑しさを曝け出し、雄を煽る媚びた言葉遣いの数々を教え込まれ、同時に自分がただの性処理用の雌奴隷なのだと刷り込まれた。

 

 そしていつの間にか春菜は意識を失い、次に目を覚ましたときには時計は午後三時を指していた。

 

 

(本当に、一晩中えっちなことしてたんだ……)

 

 具体的な時間など覚えていないが、おそらく夜明け頃まで行為に及んでいたのだろう。全身に乾いた体液が付着して気持ち悪い。それに腹も重たかった。フェラチオの際に飲まされた分で胃が重いし、中出しされた分で子宮も重い。シャワーを浴びようと身体を動かすと、秘裂からまだ粘性を保っている精液が零れてきた。妊娠しない、と分かっていても自分の中から嫌悪する男の精液が流れ出てくるのは気分の良い物ではない。

 

「…………」

 

 隣を見るとラセールが寝息を立てている。こうして見るとただの好青年だ。出会い方が違えばもっと違う印象も抱けただろうに、いまは「ご主人様」という印象しか――

 

「――……………え」

 

 自分の考えに、息が詰まる。彼を見て湧いてきた感情が、嫌悪や憎悪ではなく「主人として奉仕しなければならない」という意識だったことに。

 

「――――ッ!」

 

 思わず自分の身を抱きしめる。

 昨日の記憶は朧気だ。ほとんど絶頂しっぱなしだったと言ってもいい状態だったのだから、後のことほど断片的にしか覚えていない。しかし、そこで言われたことが、自分は性奴隷だという認識が、睡眠学習のように深層意識に入り込んでいる――そのことに春菜は恐怖した。

 

 シャワー室へ駆け込み、汚れと一緒に恐怖を洗い流そうとする。

 だが、

 

「きゃっ!? あぁ♡」

 

 シャワーの刺激がそのまま快感になってしまうほど鋭敏化した身体は、むしろ春菜が性奴隷にされた事実を否応なく突きつけてくる。

 

(嫌っ、ちがう――! 私は――)

「入るなら誘ってくれればいいのに」

「えっ!?」

 

 またしてもシャワー室に勝手に入ってきていたラセールが春菜の身体を抱きしめる。裸で密着する二人。ラセールの手が乳房を軽く揉みしだくだけで、腰が砕けそうなほどの快感が春菜を襲い、尻の割れ目に押し付けられた硬い肉棒の存在は触れもせず春菜の子宮を媚びさせる。

 

「ひっ……♡ あ、いや……ン♡」

「朝食……いやもう昼食にしても遅い時間か。まぁいいや。とりあえず食事の前に軽く運動しようか」

「だ、だめ……♡ ハァ、あ……やめ、てぇ……♡」

 

 グチュリと、ラセールの指が秘裂の中へ潜り込む。

 

「拒否権はないんだよ、春菜。昨日散々教え込んだのに、忘れちゃった?」

「あっ、そこ……アァ♡ そんな、ン……♡」

 

 シャワーに交じって流れる愛液。堕ちた子宮はペニスを求めて疼き続ける。ラセールの手の動きに合わせて春菜の腰がカクカクと前後する。もはや理性では制御が利かないほど春菜の身体は堕ちていた。

 

「散々焦らしただけあって、もう我慢の限界みたいだね」

「ハァ、ハァ……え……?」

 

 焦らした?

 失神するまでイカせておいて、なにを焦らしたのだろうか。

 

 そう考えて、すぐ思い至る。

 子宮の乾きに。

 

 喉を犯され、尻穴を犯され、様々な奉仕を仕込まれ、そのすべてで気が狂いそうなほど絶頂させられて、しかし――昨日の二回目の行為からは膣には挿入されていない。喉を犯されているのに関係ない子宮で軽イキするほど堕ちた身体をさらに昂らされて、それでもなお本来のペニスの受け皿はおあずけを食らっていた。

 

「これが最後の仕上げだ。いままで以上の極上の世界、子宮をチンポ扱く道具にされる女の幸せ……叩き込んであげる」

「あ……あぁ…………」

 

 恐怖で言葉が出ない。

 狂う。本当に狂ってしまう。昨日、初めてを奪われた時もおかしくなるほどイカされた。二回目の行為でもそうだ。それ以上の快感? 無理だ。頭がおかしくなる。脳に異常が出る。だというのに、背筋を走る寒気は子宮からの火照りに打ち消され、身体は逃げるよりもペニスを迎える方を望んでしまう。

 

 ラセールは春菜を振り向かせると壁と自分の身体で挟み込んだ。押し付けられるペニス。その長大でグロテスクな逸物は、春菜の臍の辺りを超えて届いている。ラセールが春菜の腰を持ち上げながら、自分の腰を下ろした。秘裂に潜り込むペニスの先端。

 

 入れられる。

 

 終わる。

 

 殺される。

 

「ぃ、いや……! 結城く――」

 

 グチャ、と。

 

 蕩け切った雌穴は一息でラセールのペニスを飲み込んだ。

 

「ア――♡ ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙――――ッ♡♡♡」

 

 即座に体中を駆け巡る絶頂の波。

 喉が壊れるような酷い声が漏れる。

 だがそれさえも、まだ余興。

 

「さぁ、幸せになろうね」

「イヤ……♡ イヤァァ……♡♡」

 

 グリグリとペニスが狙いを定めるように動く。その動き一つ一つが春菜を苦しめる。そして、すぐにその時は訪れた。

 

「えい」

 

 ゴチュ。

 本来、ペニスが出入りすべきではない場所にペニスが無理矢理潜り込んだ音がした。

 子宮口を穿ち、子宮内部にペニスが叩き込まれる。受精卵を受け止めるべきベッドを、凶悪な侵略者は容赦なく蹂躙した。

 

「ア――――♡♡」

 

 それは変身(トランス)兵器のメアが、ネメシスが。強靭な身体を持つデビルーク人のモモが。尊厳を踏みにじられ、女として終わらされ、雌として完全に屈服させられたほどの一撃。

 

 地球人の普通の少女が耐えられるものでは、なかった。

 

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙――――ッッ♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 

 一際大きな悲鳴染みた喘ぎ声が上がる。ラセールの身体にしがみつくしかない手足はいままでにないほど力み、華奢な肢体が痙攣する。

 この瞬間、春菜の脳細胞は間違いなく大量に破壊された。いや、実際のところどうかは分からないが、春菜自身はそう思った。大事なところが、致命的なところが破壊された感触を――否、破壊される快感を味わった。

 

「まだまだこれからだよ」

 

 バチュン。

 

「オ゙ッ♡♡」

 

 ゴチュン。

 

「ヒッ――♡♡」

 

 バチュン。

 

「ア、ァアア……♡♡♡♡」

「女の子の一番大事なところをオナホにされる感覚、いいでしょ?」

「オ゙ッ♡ ィ、ア……♡♡ らめ……これ゙……ア゙、ア゙ア゙ア゙――♡♡♡♡」

 

 ペニスが子宮を出る度、子宮口が捲れ上がる。捲れ上がっては戻され、捲れ上がっては戻され、文字通り玩具にされる。恐ろしいことに、それが溜まらなく心地よい。子宮の中を毒針が穿つ度に感度が上がっていく。それまで味わった肌の表面が、喉の粘膜が性感を感じるようになったのとは全く違う、下腹部の奥に快感の爆弾を作られていくような感覚。そこを突かれる度に、爆弾が爆発する。爆発する度に感度が上がる。

 

 もう逃げられない。

 

 もう戻れない。

 

「それじゃあ一発目」

 

 ラセールが射精する。

 何億という精子が子宮を埋め尽くし、そのすべてがナノマシンによって快感に変換されて爆弾性感帯と化した子宮を通して春菜の神経に、精神(こころ)に叩き込まれる。女として致命的に終わったことに絶望に浸ることすら許さない、無慈悲で絶対的な絶頂。

 

「~~~~――――――――……ッッ♡♡♡♡」

 

 もはや声にもならない。

 シャワーに交じって涙と愛液をまき散らしながら、深く、深く絶頂する。二度と浮き上がれないような、底無しの絶頂。臨死体験にも思えるような、極上の快感。

 二度と消えない雌奴隷の烙印を押されて――いや、()()()()()()しまった。

 

「春菜、舌だして」

「…………ァ♡♡♡♡」

 

 舌を出す。自ら唇を捧げる。ラセールは春菜の舌を咥え、貪った。

 春菜は堕ちた。

 

 屈服。

 服従。

 隷属。

 

 負けを……自分の持つすべてを捧げることを認めてしまった。理解してしまった。モモへの負担を軽くしようとか、いつかは元の生活に戻れるかもしれないとか、そんな生易しいことを考える次元ではないのだと。彼はとても強い雄で、彼の前ではどんな女もただの雌でしかなく、彼の与える快楽に逆らうなんて全く無駄な行為だと刻み込まれた。

 

 ゴチュ、ゴチュと子宮の中を犯され続ける。突かれる度に子宮は柔軟になり、元からそういう構造で男を楽しませるために作られたオナホのように変化していく。強烈かつ絶え間ない絶頂は思考能力を完封し、春菜の理性を絶頂の波で飲んでどん底まで沈めてしまう。

 

「ァ~~~~ッッ♡♡ ッ~~~~~~~~――ッ♡♡ ――――……ッッ♡♡♡♡」

 

 捕食される春菜にできるのは、歯を食いしばって声にならない悲鳴……いや嬌声を漏らしながら、ただラセールにしがみついて子宮責めという極上の責め苦が過ぎ去るのを待つことだけだ。

 

 だから。

 

 心の中でリトに謝ることすらできないのも、仕方ないことだった。

 

 




次はなるべき早く上げたいですね…


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12 侵食される日常(♡)

前回が6月でもう2月って……


 

「ずいぶんと丁寧に仕込まれたようだな……」

 

 春菜に化けて学生生活の代役をしていたネメシスが三日ぶりにラセールの宇宙船を訪れて目にしたのは、変わり果てた春菜の姿だった。目は虚ろ。乳首とクリトリスは痛そうなほど固く勃起していて、太く逞しい肉棒に貫かれた秘裂は限界まで伸びてそれを咥え込み、止めどない愛液を垂れ流している。

 

 雄に徹底的に性を仕込まれた雌の美が、そこにあった。

 

 ネメシスが部屋に入った瞬間、めまいがしてそのまま絶頂してしまいそうなほど濃く熟成された性臭――ラセールのフェロモンが充満するこの部屋が、三日に渡って行われた調教の壮絶さを物語る。

 

 自分やメアでさえ一晩で屈服させられたアレをただの地球人が三日間。普通なら廃人になっているところだろう。

 

「フフ、羨ましいな。西連寺春菜」

 

 ネメシスは、その光景を目にして股を濡らしてしまう。

 子宮で屈服させられるというのは、こういうことだ。骨の髄まで、心の奥の奥まで「自分はこの男の玩具でしかない」と教え込まれる。女であるということ、生命の根幹を成す性別という土俵で否定しようのない甘美な完全敗北を刻まれる。そうすると不思議なことに、他の能力でどれだけ勝っていようと逆らう気が起きない。

 

 これが雌として雄に負けた者の有り様だ。

 

 あの男の姿を視界に捉えただけで子宮が疼いて、どんな要求も享受せざるを得ない。まるで子が親に逆らえないように、根底意識を作り替えられてしまう。

 

「おかえり、ネメシス。それじゃあ春菜が起きたら始めようか」

「ああ」

 

 ネメシスが春菜の代役をしていた三日間の記憶を変身・融合(トランス・フュージョン)で春菜と融合することで共有し、入れ替わりによるズレを完全に消す。それが事態の発覚をなにより恐れるラセールの立てた作戦だ。

 

(これで西連寺春菜は何事もなかったように以前の生活に戻ることができる、が……)

 

 すでに彼女の身体と心は完全にラセールのモノ。

 何事もなかったとは、決してならない。

 

 自分のような破天荒な存在とは違う、清楚な優等生はこれからの高校生活に苦労するだろう。

 もっとも、そんなことは自分が心配することではないのだが。

 

「その前に……私も抱いてくれないか、主よ。こんな臭いを嗅がされては我慢がきかん」

「そうだね。頑張った雌には褒美を上げないと」

 

 熟練の娼婦のような滑らかな動きで寄りそってきたネメシスを、ラセールはベッドに引きずり込む。そして春菜が目を覚ますまでの数時間、ネメシスは未熟マンコを擦り潰される快感によがり続けた。

 

 

【♡】

 

 

 三日ぶりに戻ってきた日常は、まるでそれまでの悪夢のような出来事が本当に夢に思えてしまうほど、いつも通りだった。

 

「ただいま、マロン……」

 

 自分の部屋で、自分のベッドで、愛犬を抱き寄せる。久しぶりの温かみ。マロンは喜んで春菜の顔を舐めてくれる。自室を出て出勤前の姉と言葉を交わし、朝の食事を済ませる。その一つ一つに、心が救われる気分だ。

 よく知りもしない男と睡眠、食事、セックスの三大欲求を満たすだけの爛れた生活を送った春菜の精神は強いストレスに侵されていた。宇宙船という閉塞的な空間。作り変えられていく自分の身体と精神。たった三日とはいえ、ごく普通の女子高生を追い詰めるには十分な時間だ。

 その精神的負担が、普段の日常に戻れたことで癒されていくのが分かる。

 

「あれ、春菜? あんたそんなチョーカー着けてたっけ?」

「え? あぁ、これは……」

 

 秋穂の何気ない質問が、春菜の意識を現実に引き戻す。

 そう、何もかも元通りになったわけではない。元通りになったのはあくまで上辺だけ。すでに自分の心と身体はラセールのモノで、この首輪が無ければ性感が鋭敏化しすぎて歩くことすらままならない。この制服もこれまで着ていたものではなくラセールに与えられたコスチュームデバイスで作られた偽物だ。

 

「うん。転校生の子に貰ってね……」

「家でも身に着けてるなんて、そんなに大事なの~?」

「そういうわけじゃ……」

「え~~~~?」

 

 秋穂がからかいに心がチクチクと痛む。

 ラセールから貰った物を大事だと思われるのは心外極まる。だが四六時中身につけなければならない以上、強く否定するわけにもいかない。春菜は曖昧に笑って誤魔化すしかなかった。

 

 

 

「おはよう、西連寺」

「ッ……。お、おはよう。結城くん……」

 

 学校でリトと会うと、背筋が冷たくなった。表向き自分は何も変わっていない。移された記憶で自分がラセールに抱かれ続けていた間の学校での出来事もしっかり把握できている。しかしこれ以上ないほど穢されてしまった身で好きな人の前に立つのは、とてつもない不安と罪悪感を伴った。

 

「あれ? 西連寺、そのチョーカーって……モモが着けてるのと同じ?」

「え、そう……かな? たぶん」

「あ、あのラセールってやつに貰ったのか!?」

「……うん」

 

 リトはあからさまに動揺している。正式に付き合ってはいないとはいえ、お互いに想いを告げ合った仲だ。好きな女子が他の男からの贈り物を身に着けていて何も思わないわけがない。

 

「昨日ラセールくんに会って、お近づきの印にって貰っちゃって……貰った以上は着けておかないと悪いかなって」

 

 決して深い意味はないという建前。

 そしてそんな建前すらも、あらかじめラセールと決めておいた内容だった。もちろん、そんな打ち合わせをしなくても自分で似たような言い訳をしていただろう。しかし、そうした建前すら向こうに用意されてしまうと、いっそうと全てがあの男の掌の上でしかないと思い知らされてしまう。

 

「そ、そっか……。ヘアピンも普段と違うんだな」

「……うん」

「それも……ラセールが?」

「………………うん」

 

 ヘアピンもラセールのコスチュームデバイスになってしまったので、前とはデザインが違う。ファッションの些細な変化に気付いてくれるのは普段なら嬉しいものだったが、今回に限っては逆だった。

 

 すぐにでも外したかった。

 外して、なんとも思っていないと、貴方が好きだと言いたかった。

 だができるわけがないし、いまさら言えるわけもない。

 

「…………」

 

 気まずい沈黙が二人の間に流れる。

 そして、それを破ったのは最も聞きたくない声だった。

 

「やぁ、西連寺センパイ。おはようございます」

「ッ!?」

 

 一気に心臓が跳ね上がる。どこからか見ていたのだろう。示し合わせたようなタイミングでラセールが現れた。

 

「あ……あ……♡」

 

 そして、ラセールの仕込んだ“いじわる”が発動する。

 春菜の吐息が、徐々に甘くなっていく。ラセールが近づいてくるにつれて、春菜の感度が上がっているのだ。ラセールの戯れで、春菜のチョーカーはラセールとの距離に応じて感度の抑制を緩和するようになっていた。ラセールが近づくたびに、身体が快感を訴え始める。ラセールがすぐ隣にきた。これで50パーセント解放。少し触れられただけで絶頂しかねない素の状態よりマシとはいえ、普段とは段違いに敏感ということに変わりはない。

 そして、この戯れの何より恐ろしいのは、まるで自分がラセールを見て興奮しているように錯覚してしまいそうなことだった。

 

(これ……ダ、メ……♡)

 

 自分の恋愛感情を上書きされるような感覚と、想い人の前でとんでもない醜態を晒してしまうかもしれない恐怖が春菜を追い詰める。だがその恐怖も、開発された身体とラセールのフェロモンの前では無いに等しい。

 

(し、しっかり……しな……い、と……♡♡)

 

 この場ですぐにでもラセールの身体に寄り添い、愛撫をねだりそうになるのを、唇を噛みしめて必死の思いで正気を保つ。

 

「あ! そのヘアピンとチョーカー着けてくれたんですね。嬉しいなぁ」

「……う、うん。ッ……♡ い、一応……ね……」

「な、なぁ。ラセールはいろんな女の子にコレ渡してるのか?」

 

 ラセールの意図を確認するように、リトが訪ねる。

 

「えぇ。なにせ花嫁探しに来ているので、少しでも気になる女の子にはアタックあるのみですよ。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるっていうんでしたっけ、地球では?」

 

 ハハハハと気さくに笑ってみせるラセール。

 下手な鉄砲どころか女性に対してはリト以上の“必殺”であるなどとは、リトは夢にも思わないだろう。

 

「そうか……」

 

 少しホッとしたような様子のリト。

 それを見て安心したのも束の間、さらなる“いじわる”が春菜を襲った。

 

「……ッ!?」

「どうした、西連寺?」

「う、ううん。なんでも、ないよ……」

 

 春菜は辛うじて平静を保った。

 その服の下では、突如下着が消えてしまっていた。普段ならララの発明品によって起こるようなトラブルだが、今回は違う。ラセールがコスチュームデバイスを遠隔操作して下着だけ消したに決まっている。

 

「…………ッ……」

 

 怖い。すでに身体はどうしようもなく発情してしまっている。服の下ではすでに乳頭が固く勃ち上がってなり、シャツに擦れて春菜をジワジワと追い詰めていた。息が荒くなっていく。落ち着かない。好きな人の前で乳頭が浮き出ていないか、愛液が垂れてしまっていないか気が気ではない。

 

 予鈴が鳴る。

 救いの鐘だった。

 

「あ、じゃあボクは戻りますね」

 

 ラセールが去っていく。

 それにつれて、感度も治まっていった。

 

「西連寺、ほんとに大丈夫か?」

「うん……もう平気。でも……」

 

 そっとリトに身を預けるように寄り添う。

 ラセールのフェロモンとは違う、好きな人の好きな匂いが心地良い。

 

「さ、西連寺!?」

「ごめんね、急に……」

 

 不自然な行動だっただろう。でも、そうしたかった。あの男以外の……いや、リトの温もりが欲しくて、正式に付き合ってはいないとはいえ想いを伝え合った関係に甘えてしまった。

 

「…………」

 

 この先、自分がこの手に抱かれることはないだろう。でも大丈夫だ。頑張れる。自分の想いは報われているのだから、その事実だけで十分だ。

 

「教室、行こっか……」

「あ、ああ……」

 

 裏で起こっている淫靡な悲劇とは対照的に、二人は初々しいカップルのような足取りで教室へ向かった。

 

 

【♡】

 

 

「もう……ン♡ あんな、マネは……♡ しないで……」

「あんなマネ? ああ、結城リトの前でイタズラすることですか?」

 

 昼休み。ラセールのヤリ部屋と化した空き教室で凶悪な竿に口で奉仕しながら、春菜は抗議の声を上げた。

 

「いやぁ、やっぱり雄としては奪い取った雌を見せびらかしたいじゃないですか」

「私は……奪い、取られて……なんて……ンぅ♡」

 

 言葉の上では否定する。

 しかし唇と舌は太く逞しいペニスへの奉仕を止めはしない。敏感になった口で軽イキすればするほど、子宮は餓えに喘ぎ、腰を揺らしながら愛液(よだれ)を垂らして寵愛をせがんでしまう。

 

「そう? じゃあ春菜のここは誰のもの?」

「ぁ……♡」

 

 ラセールは奉仕中の春菜を引き剥がし、顎を掴んで持ち上げる。その瑞々しい唇をラセールの微細な棘付きの指が撫で上げると、それだけで春菜は快感に喘いでしまう。

 

「誰のもの?」

「…………ラセールくんのものです」

 

 言いたくないのに、言ってしまう。逆らえない。抗えない。それが子宮まで犯されて、狂うほど侵されて、思考回路を快感で擦り潰されて、雌として屈服して彼の玩具でしかないと叩き込まれた者の思考。

 

「ここは?」

 

 服に手を入れ、乳房を弄る。それもまた春菜を絶頂へ追い詰めていく。

 

「アッ……ぁ♡ ラセールくんの……」

「ここは?」

「ッ♡ そ、そこも、ラセールくんの……♡」

「ここ」

「そこ……もぉ……♡」

 

 身体中を弄られ、その全てをラセールのものだと宣誓させられる。こうしてさらに深く、強く刻み込まれる。堕とされる。

 

「ぜんぶ……♡ 私の、ぜんぶ……ラセールくんの……♡……もの、だからァ……♡」

 

 必死に訴える。頭の天辺からつま先まで、口も手も胸も腹も臍も膣も尻も足も、全てラセールの性欲処理の玩具だと。言わなければ子宮まで貫かれて狂うほどの絶頂地獄へ堕とされるから。

 だが、ラセールはそれだけでは満足しなかった。

 

「じゃあ、ここは?」

「えっ……♡」

 

 ラセールは春菜の下腹部の両サイドを撫でる。子宮の隣――卵巣を。

 

「ここは、誰のもの?」

「ア……ア…………」

 

 声が出ない。

 快感で弛緩しきっていた全身が、恐怖で固まっていく。

 ここを差し出すとどうなる?

 

 卵巣。

 子供。

 受精。

 卵子。

 妊娠。

 孕まされる。

 

 関連する単語が脳内を駆け巡る。

 ここを差し出したら本当に何もかも終わってしまう。

 だからできない。

 だが拒否も許されない。

 だって自分は雌で、彼の奴隷で、全ては彼の所有物だから。

 

「言えよ」

「ァ……♡」

 

 ラセールが耳元で囁く。その一言と吐息だけで春菜の脳内は白く染まる。恐怖に固まった身体が容易く崩される。

 彼が強い語気になるのは過激に責めるとき。上も下も分からなくなるくらい絶頂させられるとき。パブロフの犬のように刷り込まれ結び付けられた感覚は、もはや声だけで春菜を絶頂させてしまう。

 

「ハイ……♡」

 

 思考力を奪われた春菜は本能的に答えてしまった。

 

「ここも……卵子も……♡ ラセールくんの、もの……だから……♡」

 

 春菜は机に身を委ねるとラセールに向けて尻を突き出し、両手で割れ目を広げて見せる。

 膣。その奥にある子宮。そのさらに奥にある卵子を献上するように。

 

「だよね」

 

 ゴチュリと、曝け出された雌穴を一気に肉棒が貫く。とっくにドロドロに融けていた膣はラセールの逸物を難なく飲み込み、その絡みつく媚肉で奉仕した。

 

「ォ゙――♡♡」

 

 無様な喘ぎ声をあげ、絶頂する春菜。その華奢な腰をしっかりつかんで、ラセールは何度も腰を叩きつける。パンッパンッパンッと。音を遮っているとはいえ、ここが学校だということなどまるでお構いなしの本気のピストン。その度に春菜の子宮は柔軟に形を変えてラセールのペニスを受け止める。

 

「ん、あ゙っ、あ゙っ、あ゙っ……♡」

「春菜の子宮も、卵子もボクのもの。キミを孕ませていいのはボクだけ」

「オ゙ォ……♡ お、奥……ッ♡ ン……あぁっ♡ つぶ……つぶれちゃ、うぅ……♡」

 

 念入りにマーキングをするように、ラセールのペニスはグリングリンと大きく円を描きながら子宮の中を隈なく擦り潰していく。動物が自分の縄張りを示すために身体を擦りつけて匂いを付けるように、春菜の子宮がマーキングされていく。

 

「ま、さすがに春菜に妊娠されたら面倒なことになるからね。孕ませるのは勘弁してあげるよ」

「あっ、あっ♡ ぅ、ア、ありがとう……ござい、ます……♡♡」

「春菜が将来、結城リトとでも結婚することになったら、卵子も“貸して”あげるよ。たまには寝取らせも乙なものだしね」

「ぁ……」

 

 リトとの結婚。

 その言葉を聞いた瞬間、想い人を裏切る罪悪感と、リトと結婚するほど時間が経ったとしてもラセールの雌奴隷で居続けなければならない絶望感、さらにリトとの子供さえ彼に卵子を「お借り」しないと作らせてもらえないという最低の屈辱が春菜の精神を染め上げる。

 だが、そんな状況でも絶頂は止まってくれない。

 

 罪悪感と絶望感と屈辱が、『究極の女の幸せ』に塗り潰される。

 

 痛みで快感を覚えるように調教されるのと同様に、負の感情と絶頂が紐付けされていく。

 

 自分の大事な場所を貶され、汚され、貶められることに快感を覚えるように教え込まれていく。

 

「さて、出すよ春菜」

「…………あっ、あ……あ――♡ イク、イクぅぅぅ――♡♡」

 

 ほんの少し前だったら決して口にしなかっただろう「イク」という言葉。散々犯された今の春菜にとってはご主人様への報告は義務であり、同時に癖にもなっていた。

 ラセールのペニスから大量の精が放たれる。淫紋がその中の膨大な精子を快感に変換して春菜の脳を焼いていく。潮が勢いよく噴き出る。痙攣が止まらない。ラセールにペニスを抜かれると、支えを失った春菜の肢体はそのまま床に崩れ落ちた。

 

 

【♡】

 

 

「じゃあ、午後の授業はその状態で頑張ってくださいね。春菜センパイ」

「…………ハイ……♡」

 

 情事が終わった後、春菜の雌穴は下着が変形した栓によって塞がれた。下腹部が少し膨らんで見えるほど注がれた精液は、そのまま春菜の膣と子宮に閉じ込められている。

 

「他の男の精液を抱え込んだまま好きな男と会うのはどんな気分?」

 

 そう意地悪な質問をしながら、ラセールは春菜の下腹部を撫で上げる。それだけでも春菜は身体を捩り、震わせて、切ない声を漏らした。

 

「あ、あっ♡ キモチイ――キモチイイから……♡ 気持ちよく、しないでえぇ……♡」

「ごめんごめん。もう春菜はお腹を撫でられらだけでポルチオアクメする変態さんだもんね」

「ち、違……アァ……♡」

「違わないだろ」

「オ゙オ゙ォ♡♡」

 

 強く下腹部を押される。それだけで春菜は無様にイキ乱れる。中に溜まった精液が栓の隙間から漏れ出して、潮と一緒に床を汚す。

 

「春菜は変態さんだよね?」

「はい……ハイィ♡♡ わたひ、は……ヘンタイです……♡ おなか、触られただけでイッちゃう♡ イッちゃうから……♡ だから、もうヤメテぇ……♡」

「よし」

「ッ――……ハァ、ハァ……♡」

「それじゃあボクは先に行きますね、春菜センパイ」

 

 ラセールが部屋を出る。

 同時に身体の感度はゆっくりと抑え込まれていった。

 

(結城くん……私、どうすればいいのかな……)

 

 いまだ残る絶頂の余韻のなか、奥におぞましい精液をたっぷりと溜め込まされた下腹部を撫でながら、春菜は予鈴が鳴るまでその場で涙を流し続けた。

 

 

 




あと二話ほどで最終回の予定です。
ですがヤミ編をダークネスのように新作形式でやりたいというだけなので話はそのまま続きます。
ヤミ編は美柑とララとヤミがメインになる予定です。


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12.5 つまみ食いされる古手川(♡)

4ヶ月経ってしまった…

オマケ回みたいなものなので古手川メインはたぶん今回だけです


 

 その日、古手川唯は聞きなれない音を耳にした。

 

 屋上へ続く階段の奥から聞こえてくるそれは、湿った物を出し入れするようなどこか卑猥さを感じさせる音だった。そこに混じって聞こえる男女の僅かな吐息。その二つは唯に一つのイメージを浮かび上がらせる。

 

(いや、まさかそんな……学校で……?)

 

 いくらなんでも、と唯は自分の予感を否定する。

 たしかにこの学校の風紀には多大な問題がある。校長は欲望を隠そうともせず積極的にセクハラを働く変態だし、保険の先生も痴女紛いのことをするし、結城リトは頻繁に女性の服を脱がして胸や股間に顔を突っ込んでいる生きたハレンチ災害だ。

 まったく度し難い。

 おかげで風紀委員としては頭の痛くなる毎日だが、とはいえそんな度し難い環境にあっても直接的な行為はいままでなかった。あの校長や結城リトでさえ、そこまでのことはしていないのだ。

 

 だからありえない。

 さすがにない。

 

 しかし、いくら自分にそう言い聞かせたところで、行為の気配は一向に消えることがない。

 もしこれが本当に直接的な行為なのであれば、誰が公共の学び舎でそのような……この彩南高校でさえあり得なかったほどのハレンチな真似をしているのか?

 

(と、ともかく止めさせないと!)

 

 早とちりであって欲しいと願いながら階段を上る。セクハラに説教するのは(悲しいことに)慣れたものだが、いくらなんでも他人の行為の最中に声をかけるなど気まずいにも程がある。この場に同じ風紀委員であるナナがいないことが不幸中の幸いだろう。

 

「…………」

 

 屋上へ出る扉の前に設けられた僅かな踊り場。その陰になった空間をこっそりと覗き込んでみる。

 そこでは想像通りの……いや、想像以上に生々しい雄と雌のやり取りが繰り広げられていた。顔は見えない。見えるのは男の背中と、男の脇から伸びる白い足、そして男の下で無防備に晒される女子の白いお尻だけ。時折漏れてくる女の喘ぎ声は、とても自分と同年代の女子とは思えないほど艶めかしかった。

 

(ほ、本当にしてる……!? 学校で……)

 

 直に見ても信じられない光景だった。男は腰を振り、女の股へ打ち付けていた。下着を脱がされ露になった女性器に太く逞しい男性器が突き刺さっているのが見える。女性器は唯には判別不能な体液でびしょ濡れになっており、スカートまで水浸し。何かしらの方法で口を塞いでいるのか、くぐもった喘ぎ声がほんのわずかに漏れ聞こえてくる。

 口を塞がなければならないほど激しく濃密な行為。それは唯が漠然とイメージしていた「性欲を抑えきれずに致してしまった馬鹿な学生」などではなく、性に精通した大人が、本来であれば自宅かラブホテルで行うような雄と雌による本気の交尾だった。

 

 ゴクリ、と無意識に喉が鳴る。

 この空間に漂う濃厚な性臭を嗅いでいると、自分まで変な気分になりそうだった。

 

(どうしよう……。と、とにかく止めないと……)

 

 止める?

 これを?

 こんな現実かどうか疑ってしまいそうなほどに激しいセックスの最中に声をかける?

 

 気まずい。だがやるしかない。自分は学校の風紀を正す風紀委員なのだから。

 唯は覚悟を決めて階段の陰から飛び出すと、二人に向かって声を張り上げた。

 

「あ、あなたたち! 学校でなにをしてるの!!」

 

 驚き、振り向くだろう。そう思っていたが、男は少しも動じる様子を見せず、まるで普通の雑談中に声をかけられたかのような様子で振り返った。

 

「あれ、見つかっちゃいました?」

 

 行為の激しさとは裏腹に、男の口調は軽かった。

 その余裕、異質さに、唯の背筋を冷たいものが伝う。

 

「い、いいからさっさと離れなさい!」

「はーい」

 

 ふざけた調子で男は立ち上がる。

 ズルリと、体液塗れの男性器が女性器から引き抜かれていく。女性器は男性器に引っ張られるように、あるいは男性器にしがみつくように上に持ち上がって、男性器が抜けきるとそのまま落下した。

 

「……ぉ……ぁ…………♡」

「――――え?」

 

 男が退いて、露になった女生徒の顔に絶句する。男に組み伏され、性器を蹂躙されて体液塗れになっていたのは、よく見知ったクラスメート、西連寺春菜だった。

 

「さ――西連寺……さん……?」

 

 唯が名前を口にしても、春菜から反応はない。痴態を見られ、秘部を晒しているのに取り乱しもしない。彼女の目は虚ろで、艶めかしい吐息を漏らしながら、男に貫かれていた体勢のまま動かなかった。

 

「……なんで、西連寺さんが」

 

 彼女はこちら側だと思っていた。

 ララやネメシスのような常識外れな言動も、里紗のような過激な行動もない常識的な人間だと。それが学校で、いつものハレンチな事故ではなく、こんな直接的で激しい性行為を……? イメージが乖離しすぎて現実を受け入れられない。

 

「そんなに不思議ですか? 男女が一緒にいれば交尾くらいするでしょう」

「こっ……!?」

 

 生々しい表現に耳まで赤くなる。

 

「非常識な! 普通はそんなことはしません!! 西連寺さんだって……」

「たしかに西連寺センパイはこういうことするようなタイプじゃなかったですね。いまじゃこの有様ですけど」

 

 男はそういって春菜の秘裂を無造作に広げて見せる。普通であれば人目にさらされることはないそこを。広げられた秘裂の奥は精液で満たされ、溢れた精液は肌を伝い落ちていく。

 

 そう、精液だ。

 初めて見る本物の精液。

 とても汚らしい物を見た気がして、唯は目を背けた。

 

(避妊もしてないなんて……!)

 

 まだ高校生なのに、妊娠したらどうする気なのか。女性のことを考えない行為に苛立ちが増していく。

 

「気になります?」

「え?」

「彼女がこうなったワケ」

「ワケって……」

「真面目で大人しく、学校でセックスなんてするはずのない彼女が、こんな雌犬になったワケですよ」

 

 女性を雌犬呼ばわり。やはりこの男はろくでもない人間なのだと確信する。そして「ワケ」というからには、やはり春菜も望んでこんなことをしているわけではないのだろう。

 

「さ、西連寺さんになにをしたの!」

「かんたんに言えば脅迫ですね」

 

 とんでもないことを、男はあっけらかんと言う。

 

「モモさんがボクの慰み者になっていると知って、身代わりに自分の身を差し出したんですよ。せっかく結城リトと相思相愛だっていうのにね」

「は? あ、貴方なに言って……」

 

 ただでさえ異常な状況だったのに、追加情報で唯の頭は一気にパンク寸前になった。

 

(モモさん……? モモさんってララさんとナナさんの妹のあのモモさん? 慰み者って、この人モモさんに無理矢理“した”の……? それで西連寺さんにまで手を……? それに結城くんと相思相愛って……西連寺が結城くんを好きだったってこと? ううん、相思相愛ってことは結城くんも春菜さんを……? 結城くんが――)

 

 混乱する唯。そして「結城リトと西連寺春菜が相思相愛である」という情報は、パンク寸前だった彼女の思考を破裂させるには十分すぎる威力だった。

 

「あ、あれ……? なんで涙が……」

 

 気付けば頬を涙が伝っていた。

 いまだリトへの恋慕を自分で認められていなかった唯は、最悪の形で自分の気持ちを目の当たりにしてしまった。

 

「結城くんが……西連寺さんを……」

 

 膝が崩れそうになる。その身体を男が――ラセールが支えた。

 

「あれ? ひょっとして古手川センパイも結城リトが好きだったんですか?」

「ち、ちが――!」

 

 う――と言い切ることができない。認めたくなくても、好きなのだと自覚せざるを得ない。それほどに彼女の精神的ショックは大きかった。

 そんな彼女をさらなる悲劇が襲う。

 

「じゃあボクが慰めてあげますよ」

「な、なにを――ンン――!?」

 

 唐突に塞がれる唇。

 キスされた。

 もちろんファーストキスだ。

 とっさに跳ね除けようとしたが、強い力で抱きしめられ逃げられない。

 

「ン、むっ――! んん――♡」

 

 媚毒が唯を侵していく。振り払いたくても身体は弛緩してしまう。その身体をラセールの手は這いまわる。片手はシャツに潜り込んでブラの中へ侵入し、もう片方の手はショーツの中へ潜り込む。舌も口内へ侵入して、蹂躙し始める。

 一瞬ごとに感度が上がっていく。弄られた乳房が熱を帯び、固く尖った先端を嬲られ喘ぐ。陰核と膣は巧みな手つきと媚毒の棘の餌食になって、すぐに愛液が滴っていく。怪我の痛みがジワジワ広がっていくように、最初は違和感でしかなかった感触が、ほんの数秒で心地よくなっていた。

 まるでリトが事故で起こすハレンチ行為をより洗練したような愛撫。

 

(ダメ……このままじゃ)

 

 最後までされる(犯される)

 それは背筋が凍るほどの恐怖。しかし感情に反して身体は発情を続ける。逆らえない。拒めない。

 

「ン♡ ンン…………ハァ! やめ、て……」

「イヤです。ボクは女の子を弄んでセックスの虜にするのが好きなんで」

「そんな……最低だわ!」

「あまり大きな声を出さないほうがいいですよ。人が来ちゃいますから」

「ッ……」

 

 チラリと視線を春菜に向ける。いまだ起き上がる気配すらなく秘部から愛液と精液を垂れ流している彼女。助けを呼びたいが、あの姿を他の人に見せるわけにはいかない。

 かといって自力でこの場を凌ぐのは無理だろう。すでに自分がおかしいくらい発情しているのは唯にも分かっていた。具体的なことは分からなくても、間違いなく何か妙な手段でおかしくされている。

 八方塞がりの中、唯にできるのは口で強がる程度のことしかなかった。

 

「わ、私をどうする気……!」

「分かってるくせに」

「ひっ!」

 

 ラセールの指が秘裂を撫で上げる。クリトリスを擦られ、身体を一気に駆け抜ける快感に思わず腰が引けた。

 

「イヤ……! やめ――」

「……や、め……て…………」

 

 春菜が言った。

 まだまともに動けないだろうに、彼女は体液まみれのまま床を這ってラセールのズボンの裾を掴んでいた。

 

「古手……川……さん……に、手を……出さない、で…………」

「西連寺さん……」

 

 その姿に、唯が胸を打たれた――次の瞬間だった。

 

「あれ? 躾けが足りなかったかな」

 

 ラセールが指を鳴らす。すると春菜の着ていた彩南高校の制服が解けるように消えた。まるでララのコスチュームのように。解けた制服はリボンのような細長い布へ変化し、春菜の身体を縛り上げる。目を覆い隠し、口を抑え、両腕と両足を動けないように固定してしまう。

 一瞬で拘束された春菜。その無防備な肢体を、リボンが襲った。

 リボンは先端だけを様々な器具に変化させ、春菜の性感帯へ群がる。乳首とクリトリスには振動するクリップのような物になって噛み付き、ヴァギナとアナルには外からは見えないがリボンの先端が潜り込んで腹の動きが外から見えるほどの激しさで何かを動かしている。

 

「~~~~~~~~――――――――――ッッッ!!?!?♡♡♡♡♡♡ ッ~~~~――――――――――――――――――ッッッッ!?!!??♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 声も出せず身体も動かせない春菜は、声にならない悲鳴を上げて身もだえ、絶頂した。いや、「した」ではない。絶頂し続けている。命の危機を感じるほど身体を痙攣させ、なんとかリボンを解こうと身体を軋ませる。いや正確に言えば、あれは脱出を図っているというよりは、絶頂の波に呑まれ身体の抑えが利かなくなっているだけなのかもしれない。

 

 しかし春菜は脱出できない。

 終わらない絶頂から逃げられない。

 

 無慈悲な拘束具は春菜を一切逃がすことなく、解放することなく、苛烈なまでの責めを性感帯に与え続ける。泣いているのだろう。涎を垂らしているのだろう。顔を覆う布はどんどん濡れてきていた。おぞましい責めが行われているのだろう腹の中。その辛さを示すかのように下腹部の表面が痙攣で波打ち、股間からは潮が絶え間なく吹き出し続けている。

 

 痙攣は止まらない。

 声なき悲鳴も、潮吹きも止まらない。

 

 このままでは死ぬ。少なくとも唯はそう確信した。

 

「や、やめて! 西連寺さんを放して! このままじゃ死んじゃうわ!!」

「やめてほしい?」

「当たり前でしょう!」

「じゃあ代わりに何かボクに差し出せる?」

「ッ…………!」

 

 血の気が引く。

 しかし迷う時間はない。春菜の痙攣は徐々に大きくなっている。もう限界――否、限界なんてとっくに超えているのだ。

 

「…………いい……から……」

「なに?」

「……私を……抱いても、いいから……西連寺を放して……」

「…………いいよ」

 

 そのときラセールの浮かべた笑みは、唯に絶対に忘れられないと確信させるほど厭らしく邪悪だった。

 

 

【♡】

 

 

 解放され、制服姿に戻った春菜はしばらく呻き声と痙攣を続けていたが、そのうち静かになった。失神したらしい。唯には死んでいるのか失神しているのか区別はつかなかったが、ラセールは生きていると言っていたのでそれを信じるしかない。

 

「じゃあ、差し出してもらいましょうか」

「えっ、差し出すって……」

「貴女が頼むからボクは春菜を解放したんですよ? ちゃんと感謝の意を込めて、ボクに貴女の初めてを献上してくれないと」

「…………わ、わかったわよ……」

 

 下手に逆らうとまた春菜にさっきのようなことをされるかもしれない。大人しく従うしかない。処女だなんて言っていないのに初めてと決めつけられたことに多少の不満はあったが、この状況では些末なことだ。

 

 唯は嫌悪感に耐えて必死の思いでスカートをたくし上げ、自ら下着を晒していった。

 

「私の……初めてを、差し上げます」

「う~ん、ちょっと弱いな」

「え――」

 

 ラセールは唯を後ろへ向かせ、腕で頭を抑え込んだ。まるで昔の教師が生徒へ体罰を与えるように強引に、お辞儀の姿勢をとらせる。つまり後ろにいるラセールへ向けてお尻を突き出す……いや、差し出すような体勢だ。

 

「この姿勢のまま、自分の指でオマンコ開いて同じことを言ってみてくださいよ」

「なっ……なっ……!!?」

 

 唯は耳を疑った。

 下着を見せるだけでも火が出るほど恥ずかしいのに、どこまでハレンチな真似をさせる気なのだろう。しかしどんなに拒否したくても、唯に選択肢はない。

 

 屈辱に涙しながら下着をずらし、露になった女性器を自らの手で広げて見せる。自分で見たこともない膣の中。処女膜を初めて会った男に晒す。

 

「く、ぅっ……! わ、私の……初めて、を……差し上げ……ます……!」

「よくできました」

「ひっ!?」

 

 気持ちを落ち着ける暇もなかった。言い終わるや否や、一気にラセールのペニスが挿入される。唯の処女は、何の価値もないかのようにあっさりと、何の感慨もなく奪われてしまった。

 

「ふっ! ぐぅ……!」

「あれ、痛いですか? かなり濡れてるし大丈夫そうでしたけど」

「ちが……う」

 

 悲しいことに痛みはほとんどなかった。

 泣いているのは悔しさからだ。

 

「って、ちょっと! 避妊は――!?」

「すると思います?」

「すると思いますって……赤ちゃんができたらどうするのよ!」

「大丈夫ですよ。ハーラマ星人の精子は基本的に他の星の人間には合わないんで、一回や二回ナマでしたって妊娠しません」

「う……うぅ……」

 

 酷い。涙が止まらない。

 人として、女としての尊厳を踏みにじられ、処女を奪われ、そして結城リトのことさえ――

 

(そうだ……。結城くん……)

 

 異常事態の連続で忘れていた失恋のショックがぶり返す。そして運悪く、その心の隙間が生まれた瞬間に下半身から快感が襲ってきた。

 

「ンァ……♡」

 

 不意打ちでうっかり漏れてしまった甘い声。自分の口から――それもこんな下劣な男に抱かれて出たとは思いたくないほど溶けた声。止めそこなった喘ぎ声は、そのまま一気に流れ出ていく。

 

「……んん♡ あっ、や♡ アン……ッ♡ な、なに……これぇ……♡ なにこれぇえぇ……♡」

 

 破瓜といえば痛いもの。

 好きな人とでなければ感じないもの。

 

 そんな無垢な常識が一切通用しない圧倒的な快感が、唯の膣から全身へ広がっていく。毒の棘と針を持つラセールのペニスによって、唯の処女マンコは瞬く間に堕ちていく。禍々しいペニスが前後する度に感度が増す。自慰で感じるのとは別次元の快感。未体験の感覚。性犯罪のインパクトも失恋のショックも押し流し、思考を許さない快感の暴力。

 

愛 液がドロドロと流れ落ち、魅惑的な太腿を濡らしていく。腰を打ち付けられる度に大きな乳房が揺れ、大きな尻が波打ち、ラセールの力強さを衝撃で唯に伝える。

 

「運がいいですよ、古手川センパイ。ボクのおかげで初体験から中イキもポルチオイキも覚えられるんですから」

「な、にを……♡」

「ほら」

「お゙お゙♡♡」

 

 ここが学校だということを忘れているかのような激しい動きでラセールは腰をぶつける。ただ前後させるだけでなく、円を描き、突く場所を変えるテクニカルな責め。そうやって唯の感じる(よわい)所を暴き出す。

 子宮口が毒針に打ち抜かれ、膣壁が棘に削がれ、初めて雄を受け入れた唯の膣があっという間にクリトリス以上の性感帯へ変わっていく。

 

「ぃ、やぁ……♡ もう、ダメ……♡ くる……きちゃうぅぅ♡」

「ほら、好きでもない男に処女マンコ犯されてイッちゃいな」

「ン、アッ……♡……や、やだ♡ やだぁ……♡ ゆ、うき……くん……結城くん♡」

 

 もはや状況を無視して大声で必死に想い人に助けを求めようとした唯。その瞬間、一際強烈な一撃が唯の最奥に叩き込まれた。

 

「ぇ……ア――――」

 

 煮込まれていた熱い何かが背骨を、神経を一気に駆け上がってくるような快感の奔流に、唯の思考は真っ白に染まる。

 

「ッッアアアアアアアアアア――ッ!!?♡♡」

 

 悲鳴。人生で感じたことのない、感じることなどありえないと思えるほどの激しい絶頂。膣は震え、足が震え、その場に崩れ落ちてしまう。

 

「ハッ♡ ハッ♡ ハッ……♡」

 

 初体験の強すぎる快感に、犬のように呼吸を荒げて呼吸を落ち着かせる。

 

(……これがセックス……? これが…………?)

 

 想像と違う。

 好きな人とベッドの上ですることを思い描いていた漠然とした性行為のイメージとはかけ離れている。

 愛もない。安らぎもない。ただ暴力的な快感で思考を塗りつぶすだけの行為。

 

(違う……)

 

 こんなものが愛の営み(セックス)であっていいはずがない。

 しかし、唯の身体はそんな嫌悪感など無視してラセールに屈していた。子供を作るための器官が愛液を垂れ流し、男を誘うように揺れ動く。動いてしまう。床オナをするように、崩れ落ちた腰がありもしない肉棒を求めて床を舐める。

 それほどに、ラセールとの行為は甘美だった。いままでリトにされて不覚にも気持ちいいと感じていたハレンチな行為が児戯に思えるほどに……。

 

「そんなにお尻振って、誘ってるの?」

「そ!…………そんな、わけ……」

 

 ないと言えなかった。いま自分は間違いなくあの快感を求めている。ダメだと分かっていても、拒否したくても、身体が言うことを聞いてくれない。治まってくれない。

 

「ボクはもう何回かしたいけど、イヤなら拒否してもいいですよ。どうします?」

「あ――」

 

 ラセールが唯の目の前にペニスを突き出す。精液と愛液、そして僅かな破瓜の血でコーティングされた雄々しいペニス。女を作り替え、壊し、服従させる武器。ほんの数分前の自分だったら顔を真っ赤にして罵り否定していたそれを前にして、唯は無意識にその先端にキスをした。

 

(ああ、私……)

 

 負けた。

 完全に彼に屈してしまった。

 もはや言い訳を考えることも放棄してしまうほど、魅せられてしまった。

 身も心も踏みにじられて、抵抗も許されず、キモチイイ暴力で嬲られて、屈辱でしかない扱いを受けて、それでもなお求めてしまう圧倒的な快感。

 

「……して」

「してください、でしょ?」

「…………してください。私のここ……慰めて……」

 

 慰めて……?

 

(ああ、そっか。私……逃げたいんだ……)

 

 失恋のショックから。

 風紀を守り、悪しきを挫き、友達を助けることより、失恋の傷から目を背けるために男に股を開いて慰めを求めている。

 それは、それだけリトへの想いが本気であり、かつラセールの技術と体質が地球人の常識や理性の通用しない“必殺”であるからこそ起きたことだったが、唯が自分自身に失望するには十分だった。

 

 

【♡】

 

 

「じゃあ古手川センパイ、処女ごちそうさまでした。しばらく身体が敏感でいろいろ困ると思いますが、このくらいなら数日で元に戻るから心配しなくていいですよ」

 

 本性を知らなければ気を許してしまいそうな人畜無害な笑顔でそういって、ラセールは春菜を抱えてその場を後にした。

 一人残された唯は呆然と虚空を見上げたままそれを聞き流す。

 

(どうしよう……)

 

 常識でいえば警察に通報だ。しかし彼は宇宙人らしい。しかもモモにまで手を出している。

 

「もし他の誰かにバラしたら今回の古手川センパイのハレンチな映像やモモや春菜のハレンチな映像をバラまきます……なーんて漫画の悪役みたいな古典的な脅しですけど、まあ実際下手なことはやめといた方がいいですよ。もし自分の娘がボクみたいなのに好き放題されたと知ったらデビルーク王は過去に類を見ない勢いで怒るでしょうし、そうなったら最悪地球丸ごと連帯責任で滅ぼされるかもしれませんから」

 

 事が済んだ後にラセールが言った脅しを思い出す。地球が滅びるなんて極論だろうが、デビルーク王のことなど知らない唯には「そんなことあり得ない!」と言い切る自信もなければ、自分のみならず友人知人まで巻き込んで“勇敢な選択”を選ぶ覚悟もなかった。

 

 そして……

 

「…………ん♡……ん、ぁ……♡」

 

 手を伸ばし、股間を弄る。堕とされた膣内を。そこに入れる物などないのにもう一度あの快感を味わいたくて指で慰める。

 自分が学校での自慰など絶対にあり得ないはずなのに、いまとなっては「学校で自慰くらい」という感覚になってしまっている。

 

「もう、戻れるわけないじゃない……」

 

 失恋と自己嫌悪でグチャグチャになっていく心。真面目で堅物な風紀委員、古手川唯はもうどこにもいなかった。

 

 死んだのだ。

 殺されたのだ。

 最低な男にオマンコを串刺しにされてみっともなく死んだのだ。

 

 その現実から目を背けるように、唯はひたすら自分の性器を弄び続けた。

 

 




次で終わる予定


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13 披露される春菜(♡)

 

「今度、仮面舞踏会があるんだ」

 

 ある日、ラセールはそういった。

 

「舞踏会……?」

「そう。まあ舞踏会なんていうのはただの隠語で、実際はボクみたいに色んな女を手籠めにしている男たちが集まって堕とした女を自慢し合う乱交パーティーみたいなもんさ。もちろん男も女も素性は隠しての、だけど」

 

 なんて悪趣味な場だろう。

 眉をひそめる春菜だが、それを気にも留めずラセールは続ける。

 

「本当は一番の大物であるモモを連れていきたいところだけど、顔を隠すとはいえバレたらマズイからね。代わりに一番のお気に入りの春菜を持っていくことにしたんだ」

「お気に入りって……」

 

 思わず春菜は散々嬲られた自分の身体を抱きしめる。

 実際、ラセールは多くの時間を春菜に使っていた。割合でいえばセックスにかける時間の半分近くが春菜に割り当てられている。本妻とされているモモよりも長く抱かれているのだ。おかげで春菜の身体は最後に手を出されたにも関わらず他の三人より酷く堕ちきっていた。春菜の膣や子宮といった性器全体のラセールのペニスへの馴染み具合は誰より上で、もはや完全にラセール専用にフィッティングされているといってもいいだろう。腹を撫でただけでポルチオイキするほど媚毒に侵された身体は、丁寧に下処理された食材のようでさえある。

 

 ちんぽケース。

 生オナホ。

 どう表現しても足りない、ラセール専用にチューニングされた性具。

 それがいまの春菜だった。

 

「フフッ、磨き上げた自慢の逸品を披露できると思うと今から楽しみだよ」

「…………っ♡」

 

 ラセールの指が春菜の頬を撫でる。それだけ身体が熱くなって、息が荒くなる。少しの恐怖と、それを押し流すどうしようもないほどの快感が背筋を駆け上がっていった。秘裂はすぐに愛液を流し始め、無意識に太ももを擦り合わせてしまう。これから自分の身に降りかかる淫靡な宴と……そこで彼が行うだろう行為を想像してしまうと、期待と不安が入り混じる。

 

(期待……するようになっちゃったんだ、私……)

 

 軽く頬を撫でられただけで絶頂しかけ、乳首とクリトリスを勃起させてしまう。そんな自分がいまなお堕ち続けていることに恐怖しながら、春菜はラセールの求めに応じてその晩も雌穴を差し出した。

 

 

【♡】

 

 

 宇宙を漂う巨大な宇宙船。

 その船内に設けられた仮面舞踏会の会場は薄暗く、空気も淀んで感じられた。

 

 淡いピンクの照明が全体を淫らに演出し、その場にいる全員の欲情を掻きたてる。会場にいるのはその多くが男女のペアだが、中には複数の女を侍らせている者もいた。男はみな目元を仮面で覆い、女は仮面だけでなくベールやアイマスクなど様々な形で顔を隠している。

 意外だったのは、全体に漂う社交的な雰囲気だ。男たちは女に夢中になっているわけではなく、他の男と気さくな雑談に興じている。

 

 しかし、そんなものは上辺だけだとすぐに分かった。

 

 男は綺麗なスーツで身を固めているのに対し、女は本来隠すべき部分をギリギリ隠せるかどうかの際どい踊り子衣装やドレス、メイド服といった男を愉しませる衣装ばかり。男たちの雑談内容も女体の評価というろくでもないものだった。そして表面上落ち着き払っている男たちだが、その手は自分の傍らに置いた雌の身体を絶えず這いまわっているし、その目は相手方の女をジットリと観察していた。中には早くも人前で挿入し、使い心地を語る者さえいる。

 

 あからさまな男女の格差。

 食べる雄と、食べられる雌。

 主人と雌奴隷の立場。

 

「っ……♡」

 

 度重なる調教で植え付けられた春菜の中の被虐心が、その光景に刺激された。会場のそこかしこで寵愛を受ける女性たちの姿に雌奴隷として犯されてきた自分の姿が重なる。よみがえる淫辱の記憶。春菜は軽く絶頂した。思い出しただけで、イッてしまった。

 

「さすがに美女揃いだね」

「ッ♡ こんな場所……私なん……っ♡ かじゃ……」

「そんなことない。綺麗だよ」

 

 言葉だけなら恋人同士の会話のよう。

 しかし実際は違う。ラセールが「綺麗」といった春菜の姿は、他の女性たちと同じく……いや、この異質な空間において一番卑猥といっても過言ではない踊り子衣装だった。もはや服というよりアクセサリーに近いだろう。そのアクセサリーに、顔の下半分を隠すベールと乳房と秘裂を隠す申し訳程度の布が付いているだけだ。そのベールと布もシースルーの薄布。ブラは乳首の形どころか色さえ隠すことができず、布越しに硬く勃ち上がったピンクのシルエットを浮き上がらせているし、下半身に至ってはショーツが存在しないためシースルーの前掛け越しに淫紋が刻まれた下腹部も、その下にある一番大事な場所も、ほぼそのまま晒されている。薄布さえない後ろからなら小ぶりな美尻が丸見えだし、目の良い者なら秘裂から太腿へ流れ落ちる愛液も見えるだろう。

 

 まさに雌奴隷の服。

 

 尊厳は一切なく、ただ雌の美を飾り立てることしか考えていない衣装。こんな人前で行為を行うような淫らな場所でも、さすがにほぼ何も隠していないに等しい衣装を着ているのは春菜くらいだった。

 

「やあ、久しぶりだね」

「それが今回の雌かい。ずいぶん大人しそうな娘だ」

「また酷い格好をさせて、もう濡らしているじゃないか」

 

 ラセールはこういう場で顔が広いらしい。道すがら、幾人もの男が声をかけ、その度に春菜へ雄の視線を浴びせる。

 

「っ……♡…………ん♡」

 

 春菜もあの学校で生活しているので、人前で衣服を剥ぎ取られたことはある。ただし、不特定多数の異性の前に堂々とその柔肌を晒したことはさすがにない。好きな人の前でさえ顔から火が出るほど恥ずかしかったのに、いまの自分の周りは初めて会う男だらけ。太った男、細い男、背の高い男、低い男、角や翼や尻尾を持つ男。多種多様な男の目が春菜に突き刺さる。

 

 それがどうしようもなく恥ずかしく、チョーカーを外され発情状態になっている春菜はそんな恥辱さえ興奮に変えてしまう。それがさらに春菜の被虐心を煽いでいく。

 

「やあやあ、久しぶりだね」

 

 ラセールへ声をかけ、歩み寄ってきたのは他の男たちと同様に目元を仮面で覆った中年男性だった。ツルツルの頭にふくよかな身体。立ち振る舞いからこういう淫靡さと社交性を併せ持った場に慣れた、ろくでもない上流階級なのが窺える。

 

「どうも。今日の雌は一匹ですか?」

「ああ。二匹いるんだが、片方は立場的に……な?」

 

 女性を「匹」で数えることには、もはや何も感じなかった。

 

 ふくよかな男が連れていたのは、春菜と同じような黒いショートボブの少女だった。目元をアイマスクで覆われ前が見えないのだろう、首輪とリードで主人である男に誘導されている。衣装はメイド服だったが、スカートはほとんどただのフリルとしか言えない超々ミニで、トップスも丈が短く腹部が丸出し。春菜より大振りな乳房はパツパツのシャツに張り付かれ、乳首の突起さえ浮き出ていた。

 

 そして、その下腹部には見覚えのある紋様が輝いている。

 

「あれって……」

「そう。キミたちに打ち込んだ避妊用ナノマシンだよ」

 

 ラセールが言う。

 

「この人はボクのスポンサーでね、支援の見返りに開発した技術を還元してるんだ」

「そんな……」

 

 漠然と、被害にあっているのは自分たちだけだと思っていた。しかし被害は想像以上に大きいのだと思い知る。今日、いまこの瞬間も、他の誰かがこの男の生み出した技術で酷い目に遭わされているかもしれない。春菜が考えてもどうしようもないことではあったが、それでも気落ちせずにはいられない事実だった。

 

「んぁ♡」

 

 そんな春菜の意識を、目の前の少女の嬌声が引き戻す。

 リードで引き寄せられた少女は男の手の中で良いように弄ばれていた。全身を撫でまわされ、股の隙間にペニスを捻じ込まれ、秘裂を擦り上げられる。リトとラセール以外のモノを見たのは初めてだが、この男のペニスはその二人のどちらとも違った。まるで巨大なミミズの頭のような丸く太い亀頭が少女の股から顔を出している。

 すでにこのペニスに何度も躾けられているのだろう。少女の秘裂はペニスが前後する度に愛液を滴らせ歓迎の準備をしていた。

 

 巨大ミミズが少女の股をゆっくりゆっくり舐り、そのままじっくりと味わうように膣内に潜り込んでいく。

 

「あっ♡ ああっ♡」

 

 たまらず雌が鳴く。

 少女の下腹部がわずかに膨らんだ。それほどまでの太さ、長さ。そしてそれを受け入れるほど慣らされた少女の身体に、戦慄する。愛液を流し、潮を吹きながら少女は男にバックで突かれて喘いでいるその姿は、ラセールに犯されているときの自分たちのようだった。

 

「ンッ♡ あ、あぁ……オ゙ッ♡ ッア――♡」

「このナノマシンはいいねぇ。肉が柔らかくなって私のサイズにもすぐ馴染んでくれる。それに……」

 

 ゆっくりとした動きで少女の胎内を犯していた男が、力を入れて少女の奥を潰しにかかる。そして――

 

「遠慮なく中出しできる。ほれ」

「お゙お゙♡ イ゙ッ♡ ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙――――――――――ッ♡♡」

 

 男が射精する。地球人の常識では考えられない射精量。みっちりと埋められた雌穴からわずかに精液が漏れ出すが、大半は胎内に残りすでにペニスだけで許容量を超えていた少女の腹をさらに膨らませた。輝く淫紋。いまあの大量の精液に含まれているおびただしい数の精子が全て快感エネルギーへ変わって少女の脳を焼きにかかっているのだろう。

 少女の口から上品さとは程遠い汚い嬌声が漏れ出した。

 

「お゙ぐ……おぐイ゙グ……♡ イ゙ッでま゙ず……♡」

 

 少女の絶頂報告。自ら「無理矢理犯されてイキました」と宣言させることで自分自身へ雌奴隷としての認識を埋め込む躾け。春菜もラセールに同じように躾けられたので、彼女の心境が――屈辱と絶望と……幸福と快感がよく分かった。

 

 男は少女からペニスを抜いた。途端に溢れ出す精液。解放された少女はその場に崩れ落ち、精液でできた水たまりの上に尻を着いた。

 

 少女の愛液と自らの精液に塗れた男のペニスの全貌が露になる。

 

「――――ッ」

 

 その偉容に、息をのむ。

 長さはラセールと同じくらいだろうが、太さはラセール以上だ。ラセールのペニスが雌を刺し殺す槍なら、この男のペニスは雌を擦り潰す鈍器といったところだろうか。

 

 少女は自分の顔の付近に差し出されたペニスを、匂いを頼りに探し出して口に含む。下品な音を響かせながら、ペニスの表面についた精液と愛液を綺麗に舐めとっていった。

 

「よく躾けましたね」

「いやいや、この程度は普通でしょう。なぁ?」

「ん……クッ♡……チュッ♡ ぷぁ……♡……はい……」

 

 ペニスから口を離し、頷く少女。

 

「それで、そっちの雌はどんな具合なのかね?」

「まぁ、こんな感じですよ」

「ァン――ッ♡」

 

 いきなりラセールにお尻を掴まれ、それだけで春菜は軽イキする。おもらしのように一気に溢れた愛液が床に染みを作った。

 

「ハッハッハ、尻を掴まれただけでその乱れよう。相当仕込まれてるなぁ」

「この娘はボクのコレクションの中でも特にお気に入りなので」

「ふむ。たしかに悪くない娘ではあるが……キミがそこまで入れ込むほどかね?」

 

 ここにいる女性は自慢されるだけあって魅力的な者が多かった。髪や目の色、スタイル、立ち振る舞い。それらを総合した魅力……オーラとでも言おうか。そういう一目で分かる上質な雌の雰囲気がある。

 対して春菜は地味だ。細くしなやかな肢体に小ぶりな尻と形の良い美乳。それは非常に魅力的ではあるが、この場において突出して目立つというわけでもない。その程度なら大半が備えている、という程度の魅力。

 しかしラセールはそんなことは全く気にせず、春菜を後ろから抱き寄せる。

 

「確かに彼女の価値は見た目じゃ分かりませんね」

「ア――♡」

 

 剥き出しの秘裂にあてがわれる必殺の肉槍。腰を密着させてクイッと動かすだけで、それは容易く春菜の中へ潜り込んだ。熱くなった媚肉は喜び勇んでご主人様に奉仕する。いつもの肉棒で女の中の“雌”を擦り潰すセックスではない。ゆっくりとした穏やかなセックス。しかしそれでも春菜にとっては鋭敏化した膣内を毒針のついた肉棒が動き回るのだから、極上凶悪なセックスであることに変わりはない。

 

「ァ、ア♡ い゙♡ いや゙……♡♡ ダ、ベ♡ あ、ン♡ ア゙ァ゙ッ♡♡」

 

 潮を吹き、愛液を滴らせ、いつもよりはマシな乱れ方で喘ぐ。さすがにここまで派手だと、周囲の目を引き始めた。他の雌奴隷たちだって男と交わり、乱れている。しかしそこに人に見せるためのパフォーマンス的なニュアンスを含まない、完全な()()()()を晒しているのはこの場にいる二人くらいのものだ。

 

「キミは誰のもの?」

「ンン――ッ♡ ッご、ご主じ……ッ♡♡ アアアァ……♡♡ ご……ひゅ、ひん……♡ 様……れすぅ……♡」

 

 ここは仮面舞踏会。素顔も本名も晒せぬ場所。それゆえにこの場では春菜はラセールを名前ではなく「ご主人様」と呼ぶよう厳命されていた。

 

「キミの子宮は誰のもの?」

「アァ……アァアァ――♡ ご、主人……さまぁ……♡♡」

「キミの卵子は?」

「ごッ――――♡♡ ッご主人様ァァァァ……♡♡ 私のカラダはァ、ぜんぶ……♡ 全部ぅ……♡ ご主人様の――ッ♡――もの、だからァ……♡♡」

 

 乱れながら懇願するように宣言する。許してくださいと。人前でこれ以上乱れさせないでくださいと。もっとも、こうした願いが聞き入れられることはまずない。たいていは無慈悲に、徹底的に、彼が満足するまでオマンコをリンチにされ続ける運命だ。

 

「じゃあ好きな人は?」

「――――――――――――ッ♡♡♡♡」

 

 声が止まる。絶頂から逃れたくて「ご主人様」と叫びたくなる。媚びて許しを請いたくなる。だが春菜の中に残された最後の理性が、信念が、恋が、愛がそれを拒んだ。

 歯を食いしばる。涙や唾液をまき散らしてドロドロの顔。それでも、この一言を言うときだけは、その目に光が宿っていた。

 

「ッ♡♡ わ……たひのォ♡……ンッ♡ 好き、な……人はァ――アッッ♡♡――――恋人だけですッ!!」

 

 叫ぶように、吐き出すように言った。春菜は正式にはリトとは付き合っていない。だが両想いの春菜にとって、リトはそう呼ぶに値する人だった。もちろん普段は言えない。ララとのことが解決していないのに、勝手に恋人を名乗るなんて許されない。

 しかしことこの場において自分の信念を貫くには、そう表現するのが一番だった。

 

 周囲は沈黙に包まれる。

 

 目の前の太った男は、春菜の叫びに仮面の奥の目を丸くしながら茫然とし――

 

 やがて大声で笑い始めた。

 

「……………………え?」

「ハッハッハッハッハッ! いやいや確かにこれは素晴らしい雌だ! これほどキミに染められていながら、恋人への操は捨てていないとは!」

「そうでしょう。これこそが彼女の素晴らしさですよ。雌を堕とすのは達成感がありますが、完全に屈服されるとそれはそれで面白味がないですからね」

 

 楽しそうに笑う二人に春菜は絶句する。

 

 毒に侵されながらの過酷な調教。ラセールの雌奴隷として染まっていく身体と精神。そんな中で必死に守っていたリトへの愛。最後の矜持。それが、ラセールにとっては娯楽の種でしかなかったという事実に。

 

(そっか……)

 

 わかった。

 わかってしまった。

 自分はリトへの愛だけは死守できていたのではない。それだけは捨てずに済むように、彼の掌の上で転がされていただけ。

 

「彼女の恋人ってボクの狙ってた大本命にも惚れられてたんですよ」

「ほう! キミらのような能力を持たない地球人の男がキミの本命にかね? それはさぞモテる良い男なんだろうな」

「ええ。この娘はそんな男がボクの大本命を断って選ぶような女ですよ。絶対奪ってやりたいじゃないですか」

「ハッハッハ、たしかに。しかし意地悪だなぁキミは」

 

 自分のリトへの想いは、あえて壊されていなかった。その方がラセールにとって満足感を得られるから。『リトを想っている相思相愛の恋人』というステータスこそが、ラセールが春菜を欲しがる最大の魅力だから。

 

「ぼさっとするなよ」

「オ゙ッ――♡♡」

 

 茫然自失の春菜の最奥を、肉棒が雑に打ち抜く。吹き出す愛液。吹き飛ぶ思考。見開いた瞳からは涙が止まらない。圧倒的な快感によって流す涙ではない。絶望と悲しみで流す涙が。

 ラセールは耳元に顔を寄せ、春菜にだけ聞こえる声で言った。

 

「なぁ春菜。キミは結城リトが好きなんだろう。これからも結城リトを好きでいるよな? 愛し続けるよな? どんなにボクに犯されたって二人の愛は永遠だもんな?」

「……ア……ア……………………」

 

 当たり前よ。

 

 さっきまでならそう答えていただろう。

 だが、もうダメだった。

 春菜の心は折れていた。

 リトへの愛は揺るがない。彼のことはこれからも一生愛し続けるだろう。たとえこの身を穢されたことで彼に振られたとしても、それだけは失わないだろう。

 だがダメだ。

 どんなに深く、強く愛した所で、この男の前で立つための支えにはもうならない。

 

「すみません。もうコレが限界みたいなので帰ります」

「おや、そうかい?」

「ええ、例の件は近いうちに、また……」

「ああ、楽しみにしている。頼んだよ」

 

 ラセールに連れられ、春菜はその場を後にする。会場を出るまで注目の的だったが、それも気にする余裕はなかった。

 格納庫に積まれたラセールの宇宙船に帰るや否や、春菜はベッドに押し倒される。

 

「…………ぁ、あぁ……嫌……いやぁ……」

 

 ボロボロと涙をこぼす。初めてを奪われたときも、ここまで心はグシャグシャにはならなかった。いまの春菜は毅然とした態度でモモを救おうとその身を犠牲にした気高い少女ではなく、ただのか弱い女だった。

 

 その唇を、ラセールが塞ぐ。

 

「ン……♡ むぅ♡……ン♡ んぁ――ン♡♡」

 

 絶頂する。心がどんなに壊れても、躾けられた身体は、絶頂は止まってくれない。唇を塞いだまま、ラセールは肉棒を叩き込む。会場にいたときの控えめなセックスではない本気のセックス。だが、いままで経験したどの本気とも違う。余裕をもって「イケ」と女を嬲るセックスではなく、「堕ちろ! 堕ちろ! 屈服しろ!」と一撃一撃に感情を込めた乱暴なセックス。

 それは本命のモモでさえ、経験したことのない種類の責めだった。

 

「ン゙ン゙ッ♡♡ ン゙ン゙ン゙――ッ♡♡……ぷぁ♡ ァオ゙……♡♡ イ゙、ヤ゙――い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙――――ッッ♡♡♡♡ ゆ゙ヴぎぐン゙――ッ♡♡ ゆ゙うきぐ――――ン♡♡♡♡♡♡」

 

 絶え間ない絶頂の波に呑まれ、平衡感覚すら失い錯乱状態に陥りながら春菜は狂ったようにリトの名を叫んだ。叫び続けた。それしか春菜が自分の心を守るためにできることは無かった。

 ラセールにしがみつき、両足で彼の腰を掴んで、彼の精液を受け止めて彼の精子で脳を焼かれて何もかもをぶち壊されながら、リトの名を叫び続ける。それでもラセールの責めは止まらない。鋭い肉棒が何度も何度も全力で打ち込まれる。気持ちよくしてやろう、なんて気の利いた責め方ではない。問答無用の力技。それでも作り変えられた子宮はサッカーボールを叩き込まれたゴールのように何度もペニスの形にたわんで受け止め、閉じようとする子宮口はその狭さを持ってラセールのペニスに奉仕し続ける。

 

 たっぷり一時間は続いただろうか。

 

 ようやく満足したようにラセールはペニスを引き抜いた。ベッドは汗と涙と尿と潮と精液でメチャクチャ。その真ん中に倒れる春菜は下半身を震わせ、いつまでも止まらない潮を噴射し続けている。壊れんばかりの怒涛の責めを受けた膣はラセールのサイズに広がったまま戻ろうとせず、散々吐き出された精液が垂れ流しになっていた。

 半ば白目を剥いているその目には、もう「好きなのは恋人だけ」と宣言した時の光は残っていない。淀み切った瞳。堕ちきった雌の目だ。

 

「……春菜、キミの好きな人は誰だい?」

 

 ラセールは春菜を見下ろし、訊ねた。

 

「……オ゙…………ぇ゙♡……ァ♡♡ しゅ、しゅきぃ……ゆーきく、ンッ♡♡ ァ……わたひ……♡♡……ゆーき、く……ん……♡♡ ゆー……き……♡♡♡♡」

 

 壊れたラジオのように春菜は繰り返す。

 

 この日、本当の意味で春菜は堕ちた。結城リトへの想いを持ったまま、それすら含めて完全にラセールの雌奴隷になり果てた。リトへの愛を捨てられもせず、支えにもできない。それがリトへの愛を捨てさせられたモモとは別の形で、モモと同じように完全屈服させられた雌の姿だった。

 

 

【♡】

 

 

 春菜がラセールに完全に壊されている頃。

 太った男も少女を連れて自分の宇宙船に戻っていた。

 

「帰ったぞ」

 

 男が寝室に入ると、そこには会場に連れて行かなかった“もう一匹”が待っていた。いや、待っていた、という表現は適切ではない。

 

 そこにあったのは磔だった。

 

 ベッドの上に、両手を両足に繋ぐ形で拘束された少女が横たわっていた。頭には目隠しとヘッドホン、猿轡が着けられ、耳も聞こえず目も見えず、声を発することさえ許されない。そんな状態で無防備になった乳首とクリトリスとアナルにはローターとバイブが着けられていた。愛液と腸液を垂れ流し「フ――ッ♡ フ――ッ♡」と絶頂の中で息を落ち着かせるように必死の呼吸を繰り返すなか、唯一手付かずで放置されたオマンコは口を開いて肉棒を求めて蠢いている。

 

 そんな痴態を晒す彼女がメモルゼ星の王族、ルン・エルシ・ジュエリアだと、誰が信じられるだろうか。

 

(ルン……)

 

 メイド服の少女――ルンの親友であり、ルンと共に地球でアイドル活動をしている霧崎恭子は、限界まで焦らされた親友の身を案じながら、その身を焦がす快感に思いを馳せて股を濡らしていた。

 

 二人がこの男の手籠めにされたのは数日前だった。

 

 二人の番組を支援してくれる新しい大物スポンサー。そのたっての願いとあって、ルンと恭子はこの男のセッティングした会食に参加した。太ったオッサンが美少女二人と三人だけでディナーなどと下心見え見えのシチュエーションだったが、大物スポンサーであるのは事実であり無碍に断るわけにもいかず、いざとなれば地球人の中年など炎も扱える恭子が追っ払えばいいと思っていた。

 その結果、二人はハーラマ星人のフェロモンを元にした発情ガスで身体を昂らされ、投与された者の身体を作り替えるナノマシンを打ち込まれ、その日の内に彼の雌奴隷にされた。

 

 二人とも結城リトという想い人がいたが、そんなものは関係なかった。

 

 作り変えられた身体は男の常軌を逸したサイズのペニスを難なく飲み込み、発情した身体は男の責めに屈して絶頂しまくった。その光景を動画にも撮られてしまった。身体を好き放題改造されたうえで、もう男無しでは生きられない、逆らえば番組を潰す、撮った動画を流すという脅迫。ただの少女二人が抗うには敵は巨大かつ用意周到だった。

 

 そしていまはこの様だ。

 

「さぁて、お待ちかねのようだし、そろそろ頂くかな」

 

 男は身動き取れず悶えるルンに歩み寄る。服を脱ぎ、現れる巨大な肉棒。もはや別の生き物が寄生しているのではないかという異常なサイズ。しかしナノマシンの効果で恭子もルンもそのサイズのペニスでもなんとか咥え込めてしまうほど柔軟なオマンコなってしまった。

 

「いくぞ、ルン!」

 

 興奮した中年は、ドチュッと限界まで焦らされた雌穴を肉棒が貫いた。

 

「ン゙ン゙ン゙――――――――――――――――――――――――――――ッッ♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 声無き悲鳴がルンの口から響く。ブシュッ、と潮が吹きだした。ずっと絶頂させされっぱなしで放置され、唯一刺激されていなかった膣内をいきなり最大火力で責められる。それは死を感じるほど辛いだろうし、身を焦がすほど“気持ち良い”だろう。彼女の心中を想像すると、とても直視できる光景ではなかった。

 恭子は頬を染め、股を濡らしながら目を逸らす。

 

「ン゙ン゙――――ッ♡♡ ゔ――ッ♡♡ ン゙ン゙ン゙――――ッ♡♡♡♡」

「ああ、じっくり煮込んだだけあっていい具合に蕩けてるじゃないか。いい具合だぞ、ルン」

 

 涙を流し、拘束された身体をガクガクと震わせながらイキっぱなしに追い詰められるルン。頭を振り乱し、絶え間なく潮を吹き続ける。しかしそんな彼女の切羽詰まった様子などお構いなしに、男はルンの膣で何度も肉棒を扱く。女を嬲って遊んでいるわけではない。男にとって二人は本当の意味での生オナホ、ただの性欲処理用の道具でしかなかった。

 

「~~~~~~~~~~~~~――――――――ッッッ♡♡♡♡♡♡」

 

 もう声にもならない。水でいっぱいのバケツを引っ搔き回しているかのように水分をまき散らすルン。極太の肉棒が膣内を出入りする度、肉を打つ音以外にグチャグチャと湿った音が響く。

 

「おおッ! 出すぞ!!」

「ッン゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙――――――――――――………ッッ♡♡♡♡♡♡」

 

 バチュン、バチュン、ドビュルルルル……。

 

 そんな音が聞こえるほどに、激しいフィニッシュ。下腹部が膨らむほどの射精量。避妊の代償として快感に脳を焼かれるルンは一際大きく身体を震わせたあと、壊れた蛇口のように潮と精液を吹き出して動かなくなった。僅かな痙攣だけが、彼女が辛うじて生きていることを知らせている。

 

「ふん。キョーコ、掃除しておけ」

「……はい」

 

 従順に首を垂れる恭子。

 その臀部を、男はいきなり鷲掴みにする。

 

「アン……♡」

「それとも、先に犯して欲しいか?」

「ッ……♡ いえ……そんな、こと……は……♡♡」

 

 親友の痴態に心を痛め、身体を発情させていた恭子。その吐息はとっくに熱くなっていた。

 

「……悪い子だ」

「ア――♡」

 

 結局、恭子は立ったままバックで犯された。

 乱暴に押し付けられる身体。それを快感に変えてしまうマゾヒズムという躾けられた性癖。すでに二度射精しているにもかかわらず男の肉棒は全く衰えておらず、たっぷり時間をかけて子宮をハメ潰す。ルンと同じように体液という体液をまき散らし、死んだように動かなくなるまで恭子は肉棒に突かれ続けた。

 

 

 

 

「グフフ、もうすぐ。もうすぐだぞ……」

 

 男は一人、ベッドの上で笑みを浮かべる。

 あの後も散々弄ばれたルンと恭子は、彼の両隣で死んだように眠っていた。ベッドは一度綺麗にしたが、二回戦のせいでまたベチャベチャになっている。そうまでして二人の少女を酷使し、壊れんばかりに扱っておきながら、男が考えているのは別の雌のこと。

 

(絶対にワシのものにしてやるぞ、金色の闇)

 

 宇宙の裏社会に生きる者なら知らない者はいないほどの殺し屋、金色の闇。それが男のターゲットであり、本命だった。そのためにラセールに投資し、ナノマシン技術の研究を進めさせたのだ。ルンと恭子に手を出したのは気まぐれと、ナノマシンのテストのためでしかない。

 

 すでに機は熟しつつある。

 

 ヤミはまだ知らない。裏社会の住人が自分に向ける感情が恨みや憎しみではなく、情欲という場合もあるということを。彼女の未成熟な肢体が中年オヤジの弛んだ肉体に融かされる日は、もうそれほど遠くない――

 

 




本作は今回で終了になります。
美柑、ララ、ヤミをメインにした続編を書く予定です。


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