魔法少女リリカルなのはStrikerS~もう一人の副隊長~ (三日天下)
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リリカルはインフィニットなの?
一発ネタ! リリカル・ストラトス


一発ネタです!

夏休みは勉強勉強……なので本格的な執筆はあんまりできません。せめて前におもいついたネタをノリで文章化した奴でもあげようかと思いまして……生存報告的な意味で、これからも更新はどんどん遅くなると思いますが見捨てないでください。一応第一志望が国公立なので勉強やらんといけないので……

※因みにこの話は次回の番外編の続きのアップと同時に削除します


 IS‐‐正式名:インフィニット・ストラトス。元は宇宙開発のために開発されたパワード・スーツだが、その兵器として有用性から兵器としてしか見られなかった。兵器としての使用はアラスカ条約で禁止されているがそれを守ってる国はいくつあるのだろうか?

 

 そんなIS(兵器)にも無視できない欠陥が存在した。それは女性にか装備できず、男性には機動すらできなことだった。……そう。過去系である。ISは女性にしか動かせないという常識を壊した男。織斑一夏の存在が世間の明るみに出てから一週間。それと同等のニュースが世間を騒がす。

 

 

 

 

ある男-五反田 弾-は暇を持て余していた。自室でごろごろするのにも飽きていた。そんな弾は確か9時から野球の試合があるはずだと思い出し、別に興味もないが暇つぶしにはなるだろうと思いTVの電源を点け、チャンネルを合わせる。

 

 

『これから9時から予定していたハードバンク対川神ベイスターズの試合の放送を中止し、T&Hの記者会見をお送りします』

 

 

 だが、目当て番組は中止のようだった。しかし、こちらの方がよっぽど興味が湧くものだった。

 

 

「T&Hかぁ……確かISのコアを3つ所持してる日本で一番大きなISの会社だったような?」

 

 

 弾は自分の親友がISを動かしてしまってから少しだけ集めたISの情報を頭の中から引っ張り出す。そうこうしているうちに記者会見は始まっていた。

 

『T&H開発部部長プレシア・テスタロッサです。』

 

『同じくT&H開発部のアリシア・テスタロッサです』

 

 

 黒髪の女性と中学生くらいに見えるの金髪の女の子が挨拶をしていた。

 

 

「両方とも美人だなぁ、金髪の子は社会人なのか?とてもそうには……」

 

 

 弾が画面中の美少女について考察してるうちに話は先に進んでいく。

 

 

『我々T&H開発部は4年前新エネルギーを発見しました。それは枯渇することはないほど膨大で尚且つ生み出され続けらる物でした』

 

 

 今話している女性(プレシア)は自分の発言でざわついた会場を無視して話を続ける。

 

 

『我々はその新エネルギーを魔力と名づけました。今までそのエネルギーの日常への運用、エネルギー問題の解決のために研究を続けてました。そして我々は空気中の魔力素……魔力を生み出す物を吸収して魔力に変換する装置を完成させることに成功させました』

 

 会場のざわめきはプレシアの話を聞くため一時的におさまっていた。それをプレシアは確認すると話を再開する。

 

 

『その装置を魔力炉と我々は名づけて小型化、低コスト化を目指しました。その過程で人間はある程度の装備があれば魔力を扱える能力があることを発見しました。しかし、全ての人間にあるわけではありません』

 

 

「……マジかよ……魔力って漫画やアニメじゃねぇかよ」

 

 弾はTVの画面から目を話さず溜息混じりに呟いた。この弾の言葉はこの話を聞いた誰もが思ったことだろう。

 

 

『それを発見した我々は魔力炉で生み出した魔力の制御を人間に任せ、その補助する装置を魔力炉と融合させました。それをリンカーコアと名付けました。そのリンカーコアの説明を……』

 

『私、アリシア・テスタロッサからさせていただきます。リンカーコアにはISコアと同じく解析不能の部分はありますが、安全性も確立させております。ただ、制御はあくまで人が主として行うので脳と人体への疲労には気をつけなければいけませんし、人に制御を任せた為個人でリンカーコアの調整が異なります。つまり完全なオーダーメイドです』

 

 金髪の女性?は話を続ける。

 

 

『その解析不能の部分ですが……まず一つ、ISと同等のPICと量子変換機能を調整によっては持つこと。二つ、なぜか解析不能なデータ域ができてしまうこと。三つ、人間にきわめて近い高度AIを持つこと。四つ、使用者によっては搭載していない機能を持つこと。この機能に関しては希少能力(レアスキル)と呼んでいます』

 

 

「……」

 

 

 弾は脳の整理が追い付かずポカンとした表情でTVを見るしかなかった。会場も同じ様らしく初めの騒がしさはなかった。

 

 

『これらことから分かるように……リンカーコアは兵器として運用が可能です。しかも、ISと同等の機動力、攻撃力を得ました。ただし、防御面ではかなり劣ります。シールドバリアーは疑似的に再現が可能でしたが、パイパーセンサーと絶対防御は不可能でした。IS同等出力を出すためにエネルギー効率が良いとはいえなくなってしまい、魔力の製造が消費に追いつかないので一時的な魔力貯蔵炉を作ることによって解決しました。これと魔力製造によりISよりも長い稼働時間を確保できました。……これがリンカーコアの性能の大まかな説明です。細かい説明は後日行います。リンカーコアの性能は口頭では分かりづらいところがあるのでデモンストレーション用の映像を用意しました。すでにTV局には送りましたし、今から会場でも上映します。…………では、上映しください。』

 

 

 TVの画面は会場からIS用のアリーナに変わった。そこにはISによく似たパワード・スーツを身にまとい、バイザーをかけた()()が立っていた。

 

 当たり前のことだった。今説明あったリンカーコアは女性にしか反応しないという一切言ってなかった。

 

 

 男性でも動かせる。このことが弾の心を撃った。

 

 

 今まで男性はここ10年でほとんどの地位をなくした。完全なる女尊男卑の社会が出来上がってしまった。弾はそこまでこの社会を意識をしたことはなかったがそれでもなんどか嫌な思いをしたこともある。知らず知らずのうちに感動してしまっていたらしい。そんなこともあり、TVの画面では電撃を纏った光線が横切っていたが弾はそれを気に止めることはできなかった。

 

『これがリンカーコアを兵器として運用した時の性能です。見て分かった通り兵器としては破格の性能です。戦争の火種となってもおかしくありません。なので、戦闘用に調整されたリンカーコアの製造は私たちは現存する10個、それ以上の製造を停止とまではいきませんがかなり制限します。私と母のプレシア・テスタロッサ以外には普通のリンカーコアを戦闘用に調整もできませんし、その部分もブラックボックス化させます。現在リンカーコアを一から製造できるのは私達二人と数名のT&Hの技術者しかいません』

 

 金髪女性?は話を終えたらしき横の黒髪の女性の方を向き確認をとり、もう一度記者のほうに向き直る。

 

 

『以上で私達からは終了です、質問がある場合は挙手をしてください。時間には限りがありますが回答できることには答えようと思います』

 

 

 記者会見の主要な部分は終わった。TVは騒がしさを取り戻した会場を映し出していたが弾の耳には入っていなかった。そして、このことを家族に伝えようと自室をTVも電源も切らずに急いで出ていく。

 電源がまだ点いているTVから

 

『性能開示としてはIS学園にISコアとリンカーコアのハイブリット機、リンカーコア単体機を専用機とした男女一名ずつを入学させます』

 

 

と言う自分の親友に関わりがありそうなことがながれていることも知らずに。

 




 誤字脱字報告、感想、批評等お待ちしております。

 連載してほしいとか言う意見があった場合は続きを書くかもしません。その場合は別の作品としてアップします。


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一発ネタ?あれは嘘だ リリカル・ストラトス2

 要望があったんで続編書いてみました。番外編の続きはだいぶ先になるかなぁ……まだ手をつけてないし。本編の続きは半分くらいできるんですけどね。一人称難しすぎでしょ……。

 あとがきに余分なこと?と、ちょっとみなさんに訊きたいことを書きますのでよかったら読んでってください。

※お気に入り件数300件越えました、ありがとうございます。これからもできるだけ読者様に満足していただける作品を目指していくのでよろしくお願いします。


 

 

 一夏side

 

 

 周りは女子女子女子……。360°どこを見て女子。当たり前だ。ここは実質の女子高IS学園なのだから。例外は唯一ISを動かせる男、俺だけだ。

 

 今なら客寄せパンダの気持ちもわかる。お前らはこんな視線の中にいたんだな、あいつらとはいい酒が飲めそうだ!俺は未成年だから飲めないけどな!そんなことより俺は動じずに笹を食うあの精神力の方がほしい。マジで視線が痛い。

 

「みなさ~ん、席に着いてください。席が分からない場合はドアに貼ってある紙で確認してくださいね」

 

 そんなことを考えていると先生?が入ってきた。……先生なんだろうけど見えないな。まず、童顔だ。そして、低身長。とどめに、ポワポワした雰囲気。ほんとに教師なのだろうか?迷子じゃなかろうか?……訂正だ。少なくとも迷子じゃない。なぜなら迷子があんな立派なもの()は持っていない!俺の親友なら『ロリ巨乳教師キターー!!』とか言いそうだな。

 

「はじめまして、1年1組の副担任を努めさせていただく山田真耶です。みなさん一年間よろしくお願いします」

 

「「「「「「「………………」」」」」」」

 

 おい、いくら俺が珍しいからって俺の方にしか視線を向けないってどういう事だよ!先生に反応してやれよ。ほら、みんなからの反応が全くないから先生オドオドしてる。かくいう俺もこんな状況で先生に反応してる余裕なんてないわけだが。

 

「え~~っと、そうだ!まだみなさんお互いの事知らないと思うので、出席番号順に自己紹介してください」

 

 もしかして丸投げした?まぁ、今の状況じゃ仕方ないか……って、俺の名字『織斑』じゃん!もちろん出席番号もはやいわけで……。やべぇ、なんか考えないとただでさえ先が危ぶまれる高校生活がさらに酷いスタートをきることに……。

 

 こんな時に頼れるのは六年ぶり会った幼なじみ!!善は急げだ、助ける求める生まれてアイコンタクト!

 

 結果→目を反らされた。

 

 どうやら俺は会ってない六年間で嫌われたらしい。最後の頼みの綱もダメだった。俺はどうすれば……。

 

「あの~」

 

「は、はい!?」

 

 意識を思考の中に沈めめてたらいつまにか先生に呼ばれていた。かなりに焦ったぞ、今。

 

「自己紹介『あ』から始まって今織斑君の番なんだけど、やってもらっていいかな?」

 

「も、もちろん」

 

 焦るな、俺。クールになれ。クールに。

 

「ほんとですか?先生との約束ですよ!」

 

 先生……、ここは高校です。決して幼稚園なんかではありません。

 

 別の事を考えてみてもなにかいい案は浮かんでくるはずもなく、とりあえず俺は立つ。

 

「お、織斑一夏です。」

 

「「「「「「「……………」」」」」」」

 

 やめてくれそんな『え?それで終わり?』みたいな視線。俺にはなんの策もないんだ。でも、ここでなにかいわないと暗い奴のレッテルを貼られてしまう。

 

「……(ゴクリ)」

 

「「「「「「「……(ゴクリ」」」」」」

 

 緊張が教室を包む中俺は言う。

 

「以上です!!」

 

ガターン

 

 俺は言いきった!もうこれで暗いやつ扱いはないな。後ろで芸人がイスから転げ落ちるような音が聞こえたが気のせいだ。あんな音を一斉に打ち合わせなしでだせるわけがない。

 

「お前はまともに自己紹介もできんのか」

 

ん?なんか聞きなれた声が。

 

「げっ、関羽!?」

 

 さすが軍神と名高い武将オーラがヤバい。でも、どっかでこの顔みたことあるような?

 

「誰が三国志の英雄か」

 

 うん、この声も聞いたことある。

 

「って、千冬姉!?」

 

「織斑先生だ」

 

「な、なんで千冬姉が……」

 

バシンッ

 

「痛っ!!!???」

 

 なんて火力とパワーだよ!?頭割れるかと思ったぞ!

 

「もう一度言う、織斑先生だ」

 

「はい……」

 

 なんか言おう思ったけど……。うん、やめよう。振り下ろした偃月刀もとい出席簿から煙がでてた。どんだけスピードで振りおろしたら煙なんかでるんだ?

 

「1年1組の担任の織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ないものには出来るまで指導してやる。私の仕事は若干15歳を16歳までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことには『はい』で答えろ。いいな」

 

 ぼ、暴君だ……。確かに家でも厳しいところはあったけど比じゃない。

 

「きゃーー!本物の千冬様よ!!」

 

「ファンなんです、サインください!あたしの背中に!!」

 

「千冬様に会いたくてここに来ました!札幌から!」

 

「私はミルウォーキーから!」

「自分はミュンヘンから!」

 

 なんかすっごい騒がしくなったな。千冬姉ってこんな人気なのか……、さすが『ブリュンヒルデ』だな。

 

 それにしてもIS学園はビール三大都市からの入学を優遇してしてるのか?なんかやたらビールがうまそうな都市から入学()女子()が多かったような。未成年だから飲めないけどな。

 

「毎年毎年私のクラスに馬鹿者を集めているのか……。それともこの学園来る奴全員が馬鹿者(こう)なのか?」

 

 千冬姉は痛そうに頭を抱えている。俺も頭が痛いよ、さっき歓声で。千冬姉が頭が痛い理由あはきっと違うだろうな。

 

 ん?隣クラスもざわつきだしたな、あっちも担任がすごい人だったんだろうか?そんなことを思ってたら教室のドアが開いた。

 

「あ、あの、すいません、遅刻しました」

 

「……すいませんでした」

 

 そこに立っていたのは二人のIS学園の制服を纏った人だった。一人は赤い目に長い金髪を膝のあたりまで伸ばして先の方で一纏めにしている。もう一人は身長は俺と同じくらいの黒髪黒目の男だった。大事だからもう一回言おう。男だ。

 

「……へ?お、男?」

「う~ん、私は織斑君のほうが好みかな」

 

「あれがT&Hからの……」

 

 クラスは絶賛混乱中だ。後、『T&H』ってなんだ?

 

「連絡は入っている、次からはないようにしろ」

 

「「はい」」

 

「ついでだ。自己紹介をここでしろ」

 

 千冬姉がそう言うと二人は若干戸惑ったような感じだったけどすぐに金髪の人の方が一歩前にでた。

 

「フェイト・テスタロッサです。出身はイタリアで、趣味は……ISの訓練?なのかな?あ、あと、先日発表があった『T&H』でリンカーコアとISのハイブリット機のテストパイロットをしています。一年間よろしくお願いします」

 

 金髪の人(テスタロッサさんだっけ?)の自己紹介が終わった瞬間千冬姉の時とは違うざわめきが教室を包む。

 

「やっぱり『T&H』のテストパイロットだったんだ」

 

「テスタロッサって……、『技術のテスタロッサ』の?」

 

「そう言えば記者会見の時の出てきた人と似てる……」

 

「似てるって言うよりそっくりだけど」

 

 なんかみんな騒いでるな、有名人なのか?記者会見とか言ってたし。でも、そろそろ騒ぐの止めたほうがいいと思うぞ。関羽の顔が徐々にけわしくなってるから。

 

「あの~、みなさん静かに。まだ自己紹介は終わってませんよ」

 

 山田先生ナイス!関羽の沸点に達する前になんとかクラスのみんなを静めてくれた。その山田先生の言葉を聞いて男の方が一歩前へでる。

 

「……ヴァニアス・マルディニスだ。リンカーコア単体機のテストパイロットをしている」

 

 ……他には!?俺が言えた事じゃないけど短くないか?しかも、もう話すことはないと言わんばかりに一歩下がったぞ。それにしても今回はみんな静かだな、まるで俺の時の自己紹介のときみたいだな。

 

「……え~と、以上ですか?」

 

 ほら、山田先生も困ってる。

 

「以上です」

 

 そのマルディニスの回答聞いて横のテスタロッサさん?は苦笑いを浮かべている。山田先生は若干涙目だ。……ほんとに俺より年上なんだろうか?仕草に年下オーラが完全に入ってるし。

 

「マルディニスとテスタロッサの席は一番後ろの空いてる席だ。窓側がマルディニスの席になる」

 

 千冬姉はそんな山田先生達を無視してさくさく進めていく。てか、一番後ろっていいな。この席だと後ろからの視線がつらすぎる……。

 

「では、織斑から再開しろ。テスタロッサを見習ってあのぐらいの自己紹介はしろ」

 

 教師になっても(教師になってさらにか?)俺の姉は厳しいかった。もう一回とか虐めだろ……。




 まずみなさんに訊きたいことから。
この『リリカル・ストラトス』番外編の続きの更新と当時に別作品として連載します。ここまでいいんですが……、タイトルどうしましょう?さすがに『リリカル・ストラトス』はちょっとないと思うのでなにか良い案があったら活動報告のところに書き込めるようにしとくのでそちらに良かったらお願いします。

 

 ここから余分なこと?
二次創作を書いていて昔から『読者様のみなさんともっと交流を持ちたい。どうでもいい雑談もしたい』って思っています。しかし、あとがきでやると読むの面倒ですし(特にケータイからの方)、必要な要件と区別がつかないのでどうしたものかと頭を悩ませていました。だから、『活動報告』のところに『雑談』の枠を作ることにしました!!気まぐれに更新するのでよかったらそちらもよろしくおねがいします。


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本編
第一話:出向


何文字くらいがいいでしょうか?1話5000文字くらいでしょうか?
よかったら教えてください。


機動六課。

正式名称、古代遺物管理部 機動六課。

 

最近新設されたばかりの試験運用期間1年の部隊。

 

その割に立派な立派な隊舎の前に一人の男がいた。

 

 

その男は隊舎を眺めながら

 

「俺はまたお前と背中をあわせて戦うのか…」

 

っと言い、その数秒後

 

「…悪くない、悪くないな」

 

噛み締めるように呟いた。

 

 

 

 

男の名前はヴァニアス・マルディニス。

 

黒髪黒眼で、身長は170センチくらいで、ガッチリとはしていないが見る人が見れば身

体が引き締まっていることが服の上からでもわかるだろう。

 

ヴァニアスは昨日から機動六課に出向となっていたが、仕事の都合上今日からになってし

まった。

 

挨拶などは昨日内に終わっているだろうから少し気まずい。

 

それでも行かない事にはしょうがないので六課の受付で部隊長室の場所を聞くことにした。

 

「すいまない、部隊長室の場所を知りたいのだが」

 

「…、どういったご用件ですか?」

 

受付の人は答えるのを少し躊躇った。

 

まぁ、急に部隊長室を訪ねられたから仕方ない。

 

「今日から六課配属になったので部隊長に挨拶に行きたい」

 

「少々お待ちください………………はい、確認とれました。ヴァニアス・マルディニス

三等空尉で間違いないですね?」

 

受付の人は少しコンソロールをいじってからヴァニアスに確認をとる。

 

「ああ」

 

ヴァイニアスは愛想もなく答えた。

 

「部隊長室はそこの道を突き当たりまで進むと案内があるのでそれに沿って進めば

着きます。部隊長は今、部隊長で書類仕事中だと思うので部隊長室に行けばお会い

できるかと」

 

「手間をかけてすまなかった」

 

ヴァニアスはそれだけ言うと部隊長室に向かった。

 

 

 

 

 

「ここか」

 

『部隊長室』っとミッド語で書かれた標識のある部屋の前でヴァニアスは止まっ

ていた。

 

コンコン

 

そして、少し控え目にドアをノックした。

 

「ん?誰や?」

 

「本日から六課出向となったヴァニアス・マルディニスです。挨拶に伺いました」

 

さっき無愛想な対応した者とは思えないシャッキっとした声で答える。

 

「あぁ!ごめんなぁ、もうそんな時間なってたんかぁ。入ってきて」

 

「失礼します」

 

ヴァニアスは自動ドアが開いてしっかりとお辞儀をしてから部隊長室に入っていった。

 

そして気をつけの姿勢になり、

 

「本日から古代遺物管理部 機動六課出向となりました、ヴァニアス・マルディニス

三等空尉であります」

 

敬礼をしながら恒例の挨拶を述べる。

 

「古代遺物管理部 機動六課部隊長 八神はやて二等陸佐です。出向ありがたく思います」

 

はやても起立して敬礼をしながら恒例の挨拶を述べる。

 

「……」

 

「……」

 

お互いの間に沈黙が流れる。

 

そして、

 

「…ぷっ、あはは!我慢できん!シグナムや、フェイトちゃんから聞いてたのと

まるで違う!しかも、似合ってないときたで、これは反則!駄目、お腹痛くなって

きた、笑わせんといて!」

 

はやては笑いが止まらんと言わんばかりに笑っている。

 

「……じゃあ、普通に喋るがいいか?」

 

ヴァニアスは自分でも似合っていないことがわかっているらしく特に何も言わな

かった。

 

「ええで、むしろそうしてくれないとお腹かが……ぷぷっ、思い出したらまた」

 

「……俺はどこの所属なんだ?前線メンバーの隊の副隊長だとは聞いたんだが」

 

「すまんなぁ、笑いすぎた。反省、反省っと。ヴァニアス君にはライトニング分隊

の二人目の副隊長をやってもらうで。分隊長はフェイト・T・ハラオウン執務官。

もう一人の副隊長はシグナム二等空尉やで、二人とも知り合いみたいやし大丈夫やろ?」

 

ヴァニアスは少し混乱していた。なぜなら……

 

「……おい、八神」

 

「部隊長を呼び捨てかいな……まぁ、ええか。で、なんや?」

 

「フェイトとシグナムの片方だけならまだしも二人とはどういうことだ?特に

シグナムだ。あいつは会うたびに模擬戦、模擬戦うるさくてしょうがない。

フェイトも若干だがバトルジャンキーの気がある。3年間あっていないなにを

されるかわかったもんじゃない」

 

急に良く喋りだしたヴァニアス。

 

それだけ本人にとって重要なことがよくわかる。

 

「う~ん、でも決まったことしゃーないしなぁ~、

どうするん?フェイトちゃん、シグナム」

 

はやては部隊長室のドアの方を見てそこにはいないはずの人に呼びかけをする。

 

プッシュー

 

自動ドアが開く独特の音を出してドアは開いた。

 

そこには……

 

「決まったことだしエリオとキャロにも言っちゃたし……」

 

「男ならまかされたことくらいやってのけろ」

 

フェイトとシグナム。

 

これからお世話になる分隊の隊長と副隊長がいた。

 

「……いつからそこにいた?」

 

ヴァニアスは少し焦りながらも冷静に努めて、フェイトに重要なことを尋ねた。

 

『いつから』それはヴァニアスの運命を左右するものだった。

 

「はやてに念話で呼ばれてからすぐに来たから早い段階でいたと思うよ。

はやての笑い声聞こえたし」

 

ヴァニアスは終わったっというような顔になった。

 

そいてさらなる追い打ちが加わる。

 

「私もテスタロッサと同じだ」

 

ギンッ

 

ヴァニアスははやてを睨む。

 

これでもかというくらい強く睨む。

 

「いややなぁ、ちょっとしたお茶目や、それに暴露したのは自分やで」

 

はやては睨まれても怖くありませ~んっと言わんばかりである。

 

「部隊長を睨むとはなってないな鍛えなおしてやろう」

 

ヴァニアスの肩をシグナムがつかむ。

 

「あははは………」

 

苦笑しているフェイト。

 

少し同情のまなざしが混ざっているように見える。

 

「はぁ~」

 

溜息をつくしかないヴァニアス。

 

その空間でシグナムとはやてはいい笑顔だった。




何文字くらいがいいでしょうか?1話5000文字くらいでしょうか?
よかったら教えてください。とりあえず今回は2500文字くらいです。


感想、批評等もお待ちしてます。


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第二話:挨拶

切りが良かったので今回は3000字くらいにしてみました。

この小説では、
「」が普通の会話。
「≪≫」が念話。
「()」が心の中で思っていること。
≪≫がデバイスとなっています。

分かりにくかったらごめんなさい


ふぉあーどヴァニアスは六課のロビーにいる。

それも機動六課メンバー全員の前に立っていた。

 

なんでこんな状況かというと…

 

 

 

 

 

「さぁ、模擬戦だ」

 

シグナムがそう言い放った。

 

「……なぜ?」

 

ヴァニアスはやりたくないという意味を込めてそう言う。

 

「部隊長を睨むような部下を私は持っていたくないのでな。鍛えなおしてやろう」

 

「いつ俺はお前の部下になったんだ?そんな話は聞いてない」

 

シグナムの中ではヴァニアスは部下になっていたらしい。

 

「まぁ、そんなことはどうでもいい訓練場に行くぞ」

 

シグナムがヴァニアスを連れていこうとした時、

 

「え、えっと、シグナム。ヴァンが今日来るってキャロやエリオに言っちゃったから

先にそっちでもいい?」

 

フェイトがヴァニアスに対して助け舟を出した。

 

「ん?そうか、ならそちらに行こう」

 

シグナムもフェイトに賛成して訓練場に連行しようとして伸ばした手をひっこめた。

 

「≪フェイト。すまないな≫」

 

「≪いいよ、気にしないで。実際キャロとエリオも会えるの楽しみにしてたから≫」

 

ヴァニアスは念話でフェイトに礼を言ったが…

 

「ついでやし機動六課全員に自己紹介しといた方がええやろ。紛いなりにも副隊長やし」

 

六課の部隊長様から追撃によりヴァニアスは撃墜しそうになった。

 

「……俺は人前に立つのが苦手なんだが」

 

「人前に立つのが得意な人間なんてなかなかおらへんよ」

 

「……俺は無愛想だからそういうのは」

 

「無愛想だからこそこういう機会がないと自己紹介なんてせーへんやろ?」

 

「……敬語は苦手で」

 

「今の感じかまわんよぉ、敬語なんて使われたら堪ったもんじゃあらへんしな」

 

「……拒否権は?」

 

「ほな、連絡しよう。『部隊長から連絡や。昨日任務によりこれなかったライトニング分隊のもう一人の副隊長が今日出向したので自己紹介をしてもらおう思いますぅ。15分後にロビーので行うんで離せない仕事がある人以外は来てなぁ~、これで連絡終了』…因みに拒否権はないで」

 

ヴァニアスは部隊長により自己紹介という過酷な任務を背負わされたのであった。

 

「≪え、えっと…私のせい?ごめんね、ヴァン…≫」

 

「≪…別に…いい≫」

 

念話には全く覇気が感じられなかった。

 

むしろ念話を返してだけ褒めるべきだろうか?

 

褒めても自己紹介という現実は近付いてくるが…

 

 

 

 

 

 

「って言うわけでさっそく本人に自己紹介でしてもらおうか、因みに敬語じゃないからって不快に思わんといてな。私が頼んでいつも口調にしてもらってるから」

 

いつの間にかはやてが初めのあいさつを終えていた。

 

「さぁ、ヴァニアス君出番やで」

 

はやても催促をしてくる。

 

ヴァニアスは隊長副隊長陣の中から前に出て中央に立つ。

 

「…ヴァニアス・マルディニス三等空尉だ。ライトニング分隊の二人目の副隊長をやらせてもらうことになる。俺はこんなんだが嫌わないでくれると幸いだ。」

 

そう言ってお辞儀をして元々いた隊長副隊長陣へ戻って行った。

 

「まぁ、こんなもんか。ごめんなぁ、みんな忙しいのに集まってもらって。じゃあ、解散」

 

はやてが解散の号令をかけるとみんなぞろぞろと自分の仕事に戻って行った。

 

だが、その中に動いていない1団があった。

 

六課のフォアード部隊である。

 

そこに高町なのは一等空尉が歩いていった。

 

そして、

 

「私たちも行くよ」

 

フェイトはヴァニアスを連れてなのは行った方向へ向かった。

 

その一団のところに着くと、

 

「ヴァンさん、お久しぶりです」

 

「お久しぶりです。ほら、フリードも挨拶して」

 

「きゅくる~~」

 

エリオ、キャロ、フリードと知っている連中からあいさつをもらう。

 

「あぁ、久しぶり。いつの間にかでかくなった二人とも」

 

「きゅくる~(怒)」

 

「悪い。お前もちゃんと成長してるよ」

 

「きゅる~」

 

ヴァニアスも挨拶を返しながらフリードをなでる。

 

「あ、あの~、マルディニス三尉は二人と知り合いなのですか?」

 

オレンジの髪を二つに結んだ少女がヴァニアスに話かけてきた。

 

その隣には青髪の少女もいる。

 

「…君は?」

 

「し、失礼しました!スターズ分隊所属ティアナ・ランスター二等陸士であります。あたしの隣にいるのが同じスターズ分隊所属の」

 

「スバル・ナカジマ二等陸士です!」

 

元気な挨拶をもらいヴァニアスは少し怯んだがすぐに挨拶を返す。

 

「ランスターにナカジマか。ヴァニアス・マルディニスだ、よろしく頼む」

 

「「こちらこそ」」

 

挨拶を済ませたヴァニアスは質問に答える。

 

「ランスター、俺がエリオとキャロと知り合いかという質問だったか?」

 

「は、はい」

 

「俺は昔フェイトの補佐官をしていてそのときに知り合った」

 

「ヴァン、ついでだからみんなの質問に答えてあげたら?」

ヴァニアスがティアナの質問に答えるとフェイトがそう提案した。

 

「それいいね。私もヴァニアスくんのことあんま知らないし」

 

なのはもフェイトの提案に乗ってくる。

 

なのはとヴァニアスはさっきの全体への自己紹介の前に個人的に挨拶と自己紹介を済ませている。

 

「…俺なんかに聞くことなんてあるのか?」

 

ヴァニアスが溜息混じり言った瞬間

 

「はいはい!!あります!」

 

スバルが元気よく手を挙げた。

 

「…ナカジマなんかあるのか?」

 

「はい!マルディニス副隊長はどんな魔法をつかうんですか?」

 

ヴァニアスはスバルの質問に少し悩むようなしぐさをした。

 

「…魔法術式は古代ベルカ式で魔力変換資質『雷(いかづち)』を持っている」

 

「え?『電気』じゃなくて?」

 

ティアナがヴァニアスの言葉に疑問に思う。

 

それもそのはずである。

 

有名な魔力変換資質はあくまで『電気』であり『雷』なんて聞いたこともなかったからだ。

 

「『電気』よりも攻撃力は高いが使い勝手が悪いとでも思ってくれればいい」

 

ヴァニアスはティアナの質問に答えた後スバルの質問に答えていく。

 

「魔力光は紫。ポジションはガードウィングとセンターガードだ」

 

「え!?ポジションが二つもあるんですか?」

 

スバルは目を輝かせながら聞いている。

 

「あぁ、俺の魔法は特殊でな。まぁ、実際見せた方が早いんだが…」

 

ヴァニアスはそう言った。

 

いや、言ってしまった。

 

「では、私と模擬戦をしよう」

 

いつのまにかシグナムがヴァニアスの後ろにいた。

 

「新人達へのいい刺激にもなるだろう。高町、訓練場を借りるぞ」

 

「うんいいよ、わたしもヴァニアスくんの実力知りたいし、元フェイトちゃんの補佐官がどこまでやれるか気なるし」

 

「決まりだな」

 

「……」

 

ヴァニアスが関与する暇もなくなのはとシグナムの間で決まってしまった。

 

「では行くぞ」

 

「「「「はい!」」」」

 

新人達もシグナムについて行っている。

 

「ごめん、今回は庇えないよ?」

 

「…そんなこと自分が一番分かっている」

 

フェイトからの助け船はもらえなかった。

 

ヴァニアスも自爆したから助け舟をだしてもらえとも思っていなかった。

 

「でも、がんばってね」

 

フェイトが笑顔で言ってくる。

 

「…やるからにはこちらも手を抜かない」

 

ヴァニアスはこの笑顔のあるなら模擬戦もいいかもしれないっと陰で思っていた。

 

陰でなにかを思っているのはなにもヴァニアスだけではなかった。

 

「(もうちょっとマルディニス副隊長に質問したかったな)」

 

シグナムについて行ったスバルはそう少しだけ損をした気分になっていた。




感想、批評、誤字脱字報告などいつでもお待ちしております。

できれば、こんくらいの文字数がいい!って言うのは早めにお願いします。
書きだめしてるんですが案外各話の文字数がバラバラで調整するのに時間が掛かるんでw


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第三話:模擬戦

今回は誤字脱字が多そうですねぇ…

戦闘シーンって半分ノリで書いてますから文がおかしくなったり、誤字脱字が多くなったりすんですよ…すいません

自分は戦闘シーンを描くのが苦手なので読みにくいと思いますがご勘弁ください、これが全力なんで…


ヴァニアスとシグナムは訓練場の廃墟ビル群のステージで対峙していた。

『お互いに本当に準備は大丈夫なの?』

 

なのはの放送がビル群に響き渡る。

 

「ああ」

 

「…大丈夫だ」

 

シグナム、ヴァニアス両名はセットアップしていない状態にも関わらず戦いが始まっているような雰囲気をまとっている。

 

『じゃあ、セットアップしてね』

 

「レヴァンティン。セットアップ」

 

≪了解≫

 

シグナムは瞬時に騎士の姿になった。

 

手に『炎の魔剣』レヴァンティン。

 

腰には鞘。

 

身を包むのは騎士甲冑。

 

騎士:シグナム、戦闘準備完了である。

 

「早く貴様もセットアップしろ」

 

「…わかっている。ヨネット、セットアップ」

 

≪招致≫

 

ヴァニアスのデバイス:ヨネットは待機状態のブレスレットから光を発した。

 

その光はヴァニアスは一瞬にして包み込みそして、また消えた。

 

身を包んでいるのは紺色に近い黒のスーツ。

 

腰には鞘。

 

手にはシグナムのレヴァンティンと同じくらいの長さの片刃剣。

 

だが、その峰には銃身がついていた。

 

早い話が銃剣である。

 

「…すまない。待たせた」

 

「あぁ、待った。待ち望んでいた」

 

ヴァニアスとシグナムはお互いに武器を構える。

 

「「……」」

 

そして二人の間に静寂が流れる。

 

『じゃあ、どちらかが戦意喪失、ギブアップを認めるまたは戦闘不能になりしだい終了』

 

なのはの放送だけが響く。

 

『では、…模擬戦』

 

見ているフォワード陣からも緊張感が感じられる。

 

『開始!!』

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

シグナムは開始の声が聞こえると同時に駆けた。

 

「はっ!!」

 

ヴァニアスも駆ける。

 

ガキィィィィン

 

そして二人間の中央だった部分で激突した。

 

「はぁぁ!!」

 

シグナムは剣をそのまま振り切ろうとする。

 

「っ!」

 

ヴァニアスはいったん距離をとるために大きくバックステップする。

 

「バレット…シュート」

 

ダンダンダンッ

 

銃剣に付けられた引き金を引き。

 

魔力弾を放つ。

 

その数3発。

 

「はっ!!」

 

ズンッ

 

シグナムはその魔力弾を全て切り伏せた。

 

その瞬間

 

「ヨネット!!」

 

≪ソニックムーブ≫

 

ヴァニアスは剣を振ったシグナムに突っ込む。

 

「はっ!!」

 

そのまま剣を振る。

 

「なめるな!!」

 

シグナムは剣を引き戻し、ヴァニアスの斬撃に対応する。

 

ギンッ

 

だがそれだけではヴァニアスの攻撃は終わらなかった。

 

「はぁぁぁ!!」

 

ギンッ、ダンッ、ギンッ、ギンッ、ダンッ、ギンッ……

 

ヴァニアスの剣戟と銃撃の嵐のような連続攻撃。

 

いつまでも続くと錯覚させる舞いような連撃。

 

しかし、それは一瞬にして崩れる。

 

「レヴァンティン!カートリッジロード!!」

 

≪ロードカートリッジ≫

 

カシュンッ

 

レヴァンティンを炎が包み込んだ。

 

「っ!!」

 

ヴァニアスは剣を引こうとするが遅かった。

 

連撃故に1撃が軽い。

 

キィンッ

 

ヴァニアスの剣戟はシグナムのカートリッジの使った斬撃に簡単にはじき飛ばされてしまう。

 

その空いた胴体へシグナムは、

 

「紫電…」

 

「ヨネット!!」

 

「一閃!!」

 

ザンッ!

 

長く信頼を置いている剣技を放つ。

 

ドゴォォォン

 

ヴァニアスはビルまで吹き飛ばされてしまう。

 

シグナムはもちろん構えを崩さない。

 

ヴァニアスがビルに突っ込んだ時に上がった砂煙が晴れシグナムが追撃を

かけようとしていた時…

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わってある廃墟ビルの屋上。

 

今シグナムとヴァニアスが模擬戦をやっているとこからは大分距離がある。

 

そこでFW陣とフェイト、なのははシグナムとヴァニアスの模擬戦をモニターで見ていた。

 

「あ~あ、決まったちゃったのかな?」

 

「あれは当たったぽいわね」

 

スバルとティアナはそれぞれの評価している。

 

二人ともヴァニアスが戦闘不能になっているっと思っているらしい。

 

「エリオとキャロはどう思うの?因みに私は無傷ではないと思うけど」

 

なのはは暗に撃墜されたといいながらエリオとキャロに聞く。

 

「ヴァンさんですから…」

 

「あ、あれではまだ…」

 

エリオとキャロはヴァニアスが戦闘可能状態であると思っているらしい。

 

「フェイトちゃんは?」

 

なのははフェイトにも意見を求める。

 

「ヴァンは無傷だよ」

 

フェイトは自信をもって即答。

 

「「「え?」」」

 

スターズの3人は少し驚いていた。

 

あれを喰らって無傷のはずがないっと。

 

「まず、ヴァンは当ってないよ。ここからヴァンの反撃だよ」

 

「…根拠は?」

 

なのは自信満々のフェイトに理由を尋ねる。

 

「理由?理由か…う~~ん」

 

フェイトは少し悩んでから

 

「ヴァンだからかな♪」

 

少し楽しそうに笑顔で言った。

 

その瞬間、モニターの中に紫の閃光が一直線に伸びた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

シグナムは少し身体を横にずらす。

 

その1瞬後、

 

ドゴォォォン

 

紫色の閃光が少し前までシグナムの居た空間を包み込み、その背後のビルを貫いた。

 

「…さすがだな」

 

先ほど吹き飛ばされた場所でヴァニアスは剣に着いた銃口をシグナムに向けて立っていた。

 

「貴様も自分からビルに突っ込むとは思いきったことをする」

 

ヴァニアスはシグナムに切られる寸前に『ソニックムーブ』で自分からビルに突っ込んで回避と攻撃準備を行っていたのであった。

 

「バスター……」

 

≪ロードカートリッジ≫

 

カシュンッ、カシュンッ

 

カートリッジの排出口から2発の空薬莢が排出される。

 

「なんども同じ手を…」

 

「バレット!!」

 

引き金が引かれる。

 

「食らうか!!」

 

シグナムは大きくワンステップ横によけてその後すぐに高速でヴァニアスに接近する。

 

だが、

 

「…なんども同じ手を使うと思ったか?」

 

≪バスターバレット≫

 

シグナムの目の前に銃口を向けたヴァニアスがいた。

 

「っ!?」

 

カシュンッ

 

「遅い」

 

ドゴォォォン

 

シグナムを紫色の閃光が包み込んだ。

 

「…さすがにこれは…って、簡便してほしい」

 

ヴァニアスは悪態を吐く。

 

閃光が晴れた場所には先ほどよりかなり後ろに下がっているが無傷のシグナムがいた。

 

「なかなかいい砲撃だ」

 

「…嫌味か?」

 

「カートリッジを使った甲冑をだしたんだ、塞げないはずがない」

 

だがっとシグナムは続ける。

 

「そんな攻撃ではテスタロッサを守ることはできんぞ?」

 

ヴァニアスは少しイラついた。

 

自分の今までやってきたことを否定された気がしたからだ。

 

「…なら試すか?」

 

《ロードカートリッジ》

 

カシュンッ

 

そう言って腰だめに剣を構える。

 

「それは楽しみだな、レヴァンティン」

 

《ロードカートリッジ》

 

カシュンッ

 

シグナムも居合いをするように構える。

 

「紫雷……」

 

「紫電……」

 

ヨネットを雷が包み、レヴァンティンを炎が包む。

 

そして、

 

「「一閃!!」」

 

ガキィィィィィィィィン

 

一瞬で距離二人の距離が詰まり、激突する。

 

雷と炎はぶつかりあい…

 

ドゴォォォン

 

辺りを爆煙で包んだ

 

だが、その爆煙はすぐに晴れることになる。

 

「バスターバレット!!」

 

お互いに剣を振り抜いた瞬間にヴァニアスは後退し、砲撃を放っていた。

 

「っ!!レヴァンティン!」

 

《パンツァーガイスト》

 

シグナムはすぐに甲冑を展開した。

 

ドゴォォォォン

 

ヴァニアスの砲撃はシグナムを包みこんだ。

 

その後すぐにヴァニアスは大きく後退する。

 

シグナムにバインドを残して。

 

「バインドといい、砲撃といいベルカの騎士とは思えない戦い方をする奴だな…」

 

シグナムはバインドを解く手を止めずに独り言をつぶやく。

 

ヴァニアスはもう1瞬ではとても詰められない距離にいた。

 

そこでヴァニアスは止まり足元にベルカ式特有の三角形の魔法陣を大きく展開させる。

 

そして言葉を紡ぐ。

 

「我、紫雷を操る者なり。天神よ我に力を与えたまえ。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。」

 

≪ロードカートリッジ≫

 

カシュンッ、カシュンッ

 

ヴァニアスの周りには大量のスフィアが並んでいた。

 

その1つ1つが紫色の電気を帯びている。

 

「なっ!?」

 

シグナムは驚愕に襲われるがそんな暇はないっと自分に言い聞かせてバインド解くと同時に剣を構える。

 

「レヴァンティン!!」

 

≪シュランゲフォルム≫

 

カシュンッ、カシュンッ

 

シグナムはレヴァンティンを連結刃へと変え振るう。

 

「プラズマランサー・ファランクスシフト…」

 

ヴァニアスは銃口をシグナムに向ける。

 

「うおぉぉぉ!!」

 

シグナムは自分の周りに連結刃の層を作る。

 

「打ち砕け、ファイアー…」

 

ヴァニアスの周りのスフィアから断続的にプラズマランサーが飛んでくる。

 

それをシグナムは連結刃にて迎撃する。

 

ズバババババババババババババ・・・・・・

 

ものすごい爆煙が上がっていた。

 

しかし、それだけでシグナムに攻撃が通ったように思えない。

 

ヴァニアスの無数とも言える攻撃は全て防がれる。

 

だがこれで終わりではなかった。

 

「モードⅡ(ツヴァイ)!!」

 

≪招致≫

 

今までレヴァンティンと同じくらいの長さの銃剣が片手に1つだったが、一回り小さくなって片手に1つずつ、合計2つにして突撃をかける。

 

それと同時に爆煙からシグナムが左手に鞘、右手に剣を持ってヴァニアスに突撃をかけていた。

 

「「はぁぁぁぁ!!」」

 

そして二人は激突した。

 

キィィィン

 

それはヴァニアスの左手の銃剣とシグナムの鞘がぶつかった音だった。

 

お互いのもう一つの武器はというと…

 

シグナムの剣はヴァニアスも首に突き付けられ。

 

また、ヴァニアスの銃剣もシグナムの首筋に突き付けられていた。

 

「「……」」

 

一触触発といいた感じである。

 

『え~~っと…引き分けかな?』

 

なのはの放送が響いた。

 

それを聞き互いに武器をおろして

 

「行くか…」

 

「あぁ、フェイト達も待ってるだろうしな」

 

少し戦いの余韻に浸りながら歩いて行った。

 

 

 

 

「シ、シグナム副隊長と引き分け?」

 

「え、えっとヴァニアス副隊長のランクって確か…」

 

「AA+でリミッターがついてるからいまはAだよ」

 

スバルとティアナは驚き、なのははティアナの疑問に答える。

 

「シグナムさんはS-でリミッターでAAだよ。リミッターについては今度教えてあげるね」

 

「は、はぁ」

 

なのははティアナの疑問に思ったことを察して答える。

 

ライトニングの二人もスターズの3人ほどではないが驚いている様子だ。

 

「うん♪さすがヴァンだね」

 

その中でフェイトだけが納得していた。

 

ちょっと誇らしげだ。

 

「さぁ、早く行こう?ヴァン達を待たせちゃうよ?」

 

フェイトはそう言って先頭に立ち、屋上を出ていった。

 

笑顔で。




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第四話:模擬戦後

「シ、シグナム副隊長と引き分け?」

 

「え、えっとヴァニアス副隊長のランクって確か…」

 

「AA+でリミッターがついてるからいまはAだよ」

 

スバルとティアナは驚き、なのははティアナの疑問に答える。

 

「シグナムさんはS-でリミッターでAAだよ。リミッターについては今度教えてあげるね」

 

「は、はぁ」

 

なのははティアナの疑問に思ったことを察して答える。

 

ライトニングの二人もスターズの3人ほどではないが驚いている様子だ。

 

「うん♪さすがヴァンだね」

 

その中でフェイトだけが納得していた。

 

ちょっと誇らしげだ。

 

「さぁ、早く行こう?ヴァン達を待たせちゃうよ?」

 

フェイトはそう言って先頭に立ち、屋上を出ていった。

 

笑顔で。

 

 

 

 

ヴァニアス達が訓練場からでてくるとそこには既にフェイト達が待っていた。

 

「…すまない、待たせた」

 

「大丈夫だよ、今来たとこだから」

 

ヴァニアスはフェイトに謝ったが、フェイトそれをやんわりと否定する。

 

その会話を聞いていたなのはは、

 

「なんかデートみたいだね…」

 

っと呟いた。

 

「え?そうかな?」

 

呟きが聞こえたフェイトは首を傾げる。

 

そして、別に違うよね?っと言わんばかりにヴァニアスの方を向く。

 

「俺に振るな…」

 

ヴァニアスは言われてから気が付いたのか居心地が悪そうに素っ気なく答える。

 

「フェイトちゃん…」

 

なのはは親友の天然ぷりに呆れていた。

 

「苦労するな」

 

シグナムはヴァニアスに労いの言葉をかける。

 

「…なんのことだ?」

 

ヴァニアスはシグナムの言葉に対してわからないっととぼけた。

 

「テスタロッサのことだ」

 

シグナムは少し楽しそうに答える。

 

「…なにが言いたい?」

 

対してヴァニアスは不機嫌ですっと言わんばかりの声でシグナムを問いただす。

 

「先輩騎士からただの戯言だ。受け流せ」

 

シグナムはそう言ってヴァニアスの問いに答えることはなかった。

 

「ヴァンさん!!模擬戦格好良かったです!!」

 

「感動しました」

 

シグナムとひと悶着あったヴァニアスのもとにエリオとキャロが来て、ヴァニアスを賞賛する。

 

「……課題点の多かったと思うが?良いか悪いかと聞かれたら悪い部類に入る模擬戦だった」

 

「「……」」

 

ヴァニアスはエリオとキャロの評価を否定する。

 

それを聞いた二人はどう反応していいか分からず黙ってしまう。

 

「もう、だめだよヴァン。エリオとキャロは褒めてるんだから素直に受け取らなきゃ」

 

なのはと話し終えたのかフェイトがヴァニアスのもとに来て、説教をする。

 

「…悪い」

 

「謝るなら私じゃなくてエリオとキャロに。素直に褒め言葉を受け取らないのはヴァンの悪い癖だよ」

 

フェイトの様子は息子を叱る母親のようだった。

 

まぁ、叱り方がいかにも「怒ってますー」っといった感じで可愛いよりなので迫力はないが。

 

「さすがの銃剣の騎士もテスタロッサには形無しだな」

 

ヴァニアスはフェイトにタジタジである。

 

それを見てシグナムは少し楽しそうに言う。

 

「……」

 

ヴァニアスは言わせておけっと思ったのかシグナムを無視してエリオとキャロの方を向く。

 

「すまないな」

 

「い、いえ、あの模擬戦はとても参考になりましたし、ヴァンさんも自分に自信を持ってください。僕はヴァンさんに憧れてますよ」

 

「わ、わたしもヴァンさんのこと凄いと思ってます!!」

 

エリオとキャロは謝ってくるヴァニアスに戸惑いながらもヴァニアスを再度賞賛する。

 

「…俺はそんなに大した奴じゃない」

 

ヴァニアスはだがっと続ける。

 

「お前達の期待には少しくらいは答えようと思う」

 

「ヴァン、それに嘘はないよね?」

 

フェイトは確認をとる。

 

「ああ。ない」

 

「じゃあ、機動六課の試験採用期間が終わって解散した後魔道士ランク昇格試験受けてくれるよね?」

 

フェイトは笑顔で言い放つ。

 

それはヴァニアスにとっては爆弾に等しいものだった。

 

「……それとこれとは話が」

 

「違わないよ」

 

「…ランクが上がると不便なことが」

 

「あるけど低い方が困ることあるよね?」

 

「…今の給料で満足してるんだが」

 

「そういう問題じゃないよね」

「…これ以上仕事は増やしたくない」

 

「管理局は人で不足なんだからランクが高い魔道士がいるに越したことはないの。仕事が増えるのは仕方ないよ」

 

ヴァニアスの言い訳は悉くフェイトに撃沈されてしまう。

 

「…六課の運用期間が終わった後でいいんだな?」

 

「うん♪」

 

フェイトは勝利の笑みを浮かべた。

 

そこへちょうどなのはが来て、

 

「ヴァニアスくんの推定ランクってどのくらいなの?」

 

っと問う。

 

「あっ!それわたしも気になります!!」

 

「少なくともAA+ではないことは確かですし…」

 

なのはの言葉にスバルとティアも乗ってくる。

 

「…AAA「まさかAAAなんていわないよね?フェイトちゃんが魔道士ランク試験受けろっていうくらいだもん」…」

 

ヴァニアスの言葉はなのはによって遮られた。

 

「シグナムどう思う?」

 

「S-ってところだろ。テスタロッサに勝てたとしてもあれが致命的だ…。あれが直らん以上これ以上のランクは無理だろう」

 

「そうかもね…。Sはあげられないね」

 

フェイトとシグナムの方では話し合いが済んだらしい。

 

「S-っていうのが私達の考えかな」

 

「フェイトちゃんなんでSはあげられないの?それに”あれ”ってなに?」

 

なのははフェイト達の意見と話し合いで出てきたものに疑問を持つ。

 

「…模擬戦を見て不自然だったところはないか?」

 

ヴァニアスがここにいる全員に問う。

 

「「「「……」」」」

 

フォアード4人は分からないらしい。

 

「う~ん、シグナムさんの『紫電一閃』を避けてビルに突っ込んだ時に背中に防御魔法を使わなかったことかな?普通なら貼るよね。貼ってなかったから反応できなくって直撃したものだと思ったんだけど…」

 

「…正解だ」

 

なのはの答えに対してヴァニアスは肯定する。

 

「俺が防御しなかった理由は簡単だ。俺は防御が元からできないからだ」

 

「「「「「っえ?」」」」」

 

ライトニングの二人とスターズの三人は驚く。

 

「俺は防御系統の魔法が一切使えない」

 

ヴァニアスはそう言い放つ。

 

だが5人は納得できなかった。

 

当たり前である。

 

魔道士として攻撃よりも回避よりもまず身を守る防御系統の魔法を習う。

 

これは古今東西どこでも一緒で、それができないっと言うのは魔道士としては致命的だ。

 

自分の身を守る術を持たない者は最終的に足手まといになるだけだからである。

 

そんな魔道士をやる上で重要な部分が欠落してるにも関わらずヴァニアスは推定S-という評価をえている。

 

正直な話ありえない。

 

だから、

 

「ありえません」

 

ティアナは否定する。

 

「防御魔法が使えない魔道士がどうやって管理局に入るんですか?嘱託魔道士にしても無理があります」

 

ティアナは自分の常識を守ろうとする。

 

「ランスター、実力が防御魔法を使えないっというデメリットを超えていた場合人手不足の管理局はどうすると思う?」

 

シグナムはティアナに問う。

 

「そ、それは…でも!防御魔法が使えないのを上回る実力があるはずが」

 

「ティアナ、それがあったんだよ。ヴァンは管理局に入った時からAランク、訓練校にも行かずに現場に即投入されるだけの実力があったんだよ」

 

フェイトがティアナを論す。

 

「…お前だって最初からAAAランクだったろ」

 

「ヴァンみたいにデメリットを抱えてたわけじゃないもん」

 

「……」

 

ヴァニアスがフェイトに言い返すと、逆襲が飛んできて何も言えなくなる。

 

「…才能か」

 

ティアナはそっと一人で呟いた。

 

ヴァニアスはフェイトとの言いあいに劣勢になったのかフォワード陣の方を向く。

 

「…とにかく、防御魔法が使えなくても、射撃ができなくても、近接戦闘ができなくても、速さがなくても、レアスキルがなくても魔道士はいくらでもやっていけるっということだ。自分にないものねだるな、あるものでどうにかしろ」

 

「っ!?」

 

ティアナは自分の考えを読まれたような気がして少し顔を強張らせる。

 

「…返事がほしい」

 

「「「「はい!!」」」」

 

ヴァニアスの姿を見たフェイトは

 

「さすが副隊長」

 

っと茶々を入れる。

 

「…黙れ、分隊長」

 

ヴァニアスは満更でない様子で言うのであった。

 

 




独自設定:管理局ではまず最初に防御を習う。

まぁ、普通に考えたらそうですよね…自分の身を守れない奴は最終的にケガをしたりして足手まといになるし、味方に守ってもらわないと攻撃もできんないんじゃ話になりませんもんね


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第五話:朝練

すいません土日に風邪をひき、さらに来週テストにむけてテスト勉強を多少しなくてはいけなかったため更新が遅れました。

ご指摘していただいたとこを注意して書きました、どうでしょうか?少しは読みやすくなったでしょうか?


六課の訓練場にまた一筋の紫の閃光がはしる。

 

「……どうした? もうへばったのか?」

 

「「「「……」」」」

 

ヴァニアスは早朝訓練で少々グロッキーなフォワード陣に問いかける。

 

「ヴァニアスくん少し厳しいよ」

 

なのはが空に浮いているヴァニアスの少し上空から注意する。

 

「……高町のシューターの嵐の方がよぽっど酷い」

 

「「「「(……どっちもどっちですよ)」」」」

 

フォアード陣の感想はひとつだけだった。

 

「……仕方ないなぁ、後5分で終わりにしようか」

 

「「「「っ!!」」」」

 

なのはの一言によってフォワード陣に生気が宿る。

 

「でも、ヴァニアスくんの砲撃とランサーの嵐を避けれたらだけど」

 

「「「「……」」」」

 

そしてなのはの一言によってまた生気を奪われた。

一回希望を見せてからどん底に叩きつけるとは、さすが『管理局の白い悪魔』やることがエグい。

 

「…防御できる思うなよ? こっちもそれなりに力を入れてやる。お前らの防御なんてランサーで貫通できることを忘れるな」

 

ヴァニアスがさらに追い打ちをかける。

 

「「「「……」」」」

 

訓練が終わることはないのかっと錯覚し始めるフォアード陣。

 

「あと、ヴァニアスに攻撃を当てた時点で終了だから頑張ってね」

 

「「「「……はい!!」」」」

 

少しの間理解できなかったフォワード陣だがすぐになのはの言葉の意味を理解する。

頑張れば訓練が終わるかもしれない。なのはは暗にそう言ったのだ。

 

「あんた達、ヴァニアス副隊長の攻撃を5分間よけきる自信ある?」

 

ティアナが他の3人に聞く。

 

「ないよ!」

 

「ありません」

 

「無理です」

 

スバル、キャロ、エリオの順に答えていく。エリオはたまにヴァニアスの個人訓練を受けている所為かできるっということ自体を否定する。

 

「あたしもよ、1分半以内に決着をつけないとやられるわ」

 

ティアナは全員の確認をとり、

 

「≪1分後仕掛けるわ、それまで死に物狂いで避けて≫」

 

念話で仕掛ける時間を教える。

 

「≪わかったよ≫」

 

「≪わかりました≫」

 

「≪了解しました≫」

 

3者別々の肯定の返事をし、

 

「じゃあ、始めるよ。準備はいい?」

 

「……ああ」

 

なのはとヴァニアスの言葉を聞いた瞬間、

 

「わかったわね? へまはゆるされないわ! 散開!!」

 

ティアナは叫ぶ。

 

「スタート!!」

 

なのはも開始の合図を出す。

 

「バスターバレット」

 

その合図とほぼ同時にヴァニアスはフォワード陣に銃口を向け、引き金を引く。一直線に進む紫の閃光は一目見ただけであったら撃墜するような威力をもってることが分かる。

しかし、それはそれは轟音を立て、さっきまでフォワード陣の居た場所を紫の閃光が包み込むだけだった。それはティアナ達の散開が着弾よりも一瞬だけ速かったことを物語っていた。

 

「さすがに不意打ちには対応するようになったようだな、だが……」

 

ヴァニアスの足元に紫の三角形の魔法陣が浮かぶ。そして、デバイスを自分の胸の高さまであげて、詠唱を開始する。

 

「我、紫雷を操る者なり。天神よ我に力を与えたまえ。嵐となりし天神、今導きのもと舞い踊れ。」

 

≪ロードカートリッジ≫

 

カシュン

 

ヴァニアスの口から詠唱が紡がれる。

 

「プラズマランサー・レギオーシフト」

 

無数の魔力スフィアがヴァニアスを囲むように浮かぶ。

 

「廻りだせ、ファイア」

 

その言葉が紡がれた瞬間スフィアはヴァニアスの周りを回転しだした。

 

「……相性は悪いがあいつらならちょうどいい、さてこの状態の俺にどう対処する?」

 

ヴァニアスは少し楽しいそうにしながら言う。

そうしてからしばらくして、数個のスフィアが循環から抜け、一つのビルに向かう。

「……っへ?」

 

その先に素っ頓狂な声をあげたティアナがいた。ランサーはまっすぐにティアナに向かい、その狙いを違えることはなく唖然としてるティアナを打ち抜くが、そのまま貫通してしまった。

 

「……やはりフェイクか」

 

ヴァニアスはそれがフェイクシルエットだったことを初めから知っていたような口ぶりで言葉を吐く。フェイクを貫いたランサーはターンしてヴァニアスの周りに戻り循環の輪に入って行った。

そしてそれは廻りだす。

 

 

 

 

 

 

 

「(あの、魔法何かしら?)」

 

ティアナは数多のスフィアを見て疑問に思う。なぜなら攻撃してこなかったからだ。

それはただ廻っていた。

 

「≪あの魔法のことチビッ子たち知ってる?≫」

 

ティアナはライトニングに二人に聞く。

 

「≪わたしは知りません。エリオ君は?≫」

 

キャロが答える。

 

「≪……レギオーシフトだ≫」

 

エリオが答える。

 

「≪レギオーシフト? まぁ、いいわ。一応フェイクシルエットで試してみる≫」

 

ティアナは実際みて判断した方がいいだろうと判断を下す。そして、ヴァニアスから少し離れたビルの中にフェイクシルエットをだす。その瞬間ただ廻っていただけのランサーから数個シルエットめがけて飛んできた。そのままランサーはぶれることなくフェイクに向かった。耐久なんてものはないに等しいフェイクは一瞬にして貫かれ消滅してしまった。

 

「≪…なにが起きたわけ?≫」

 

ティアナは自分の目で確かめるためにフェイクを使ってのだが、その魔法の本質を見抜くことはできなかった。無理もない、フェイクシルエットを出して2秒と掛からずに消滅さられたのだから。

 

「≪レギオーシフトはプラズマランサーの派生形の1つです。範囲内自動攻撃魔法で、その範囲はヴァンさんが自由に決められます≫」

 

ティアナの疑問にエリオが答える。

 

それを聞いたティアナはたっぷり1秒間思考した。

 

「(ランサーを派生……ファランクスシフトと違って一撃必殺の攻撃ではない……範囲内自動攻撃……

範囲の自由指定……)」

 

そしてティアナは気づく。全ては布石だったことを。不意打ちの一撃を避けた時、そこからもう自分たちは『罠』にハマっていた。

 

「≪っ!? スバル作戦変更!! チビッ子たちも今すぐ言うとおりに動いて≫」

 

「≪え!? まだ30秒もたってないよ?≫」

 

スバルはティアナの言葉に少し戸惑う。

 

「≪このままじゃ撃墜されるわよ!!≫」

 

「≪っあ!! そうかレギオーだから!≫」

 

エリオは理由がちゃんと分かったようだ。

 

「≪わ、わかったよ≫」

 

スバルは戸惑いながらも従う。

 

「≪キャロもいい?≫」

 

「≪は、はい≫」

 

キャロもわかっていないようだがティアナを信用しているようだった。

 

 

 

「……そろそろいいか、範囲拡大」

 

≪招致≫

 

「(これは訓練だ。 生徒に気付かせ学ばせるために行っているものだ。だが、甘く教えることもしない。時間を与え、考えさせても出てこないようなら身体に教えるまでだ)」

 

そうヴァニアスの教え方を再確認しつつ、相手を殲滅することが目的ではないことを自分に言い聞かせる。ヴァニアスの足元の魔法陣が光るとほとんどのスフィアはある方向へ飛んでいった。

それはヴァニアスの正面。

 

「ディバインーーー!!」

 

スバルの後ろに他の3人が並ぶようにして立っている。スバルはスフィアを形成して、いまにも砲撃を放とうしていた。

 

「バスターーーーー!!!!」

 

スバルから砲撃が放たれ数多くのプラズマランサーを消滅させていく。

 

「……なかなか考えたな」

 

もちろんヴァニアスにはとどかないがそれでも感心していた。

 

一か所に固まることでランサーを集めて、それも砲撃で殲滅する。しっかりとレギオーシフトの特性を理解した証拠だった。

 

「だが、甘いな」

 

ヴァニアスはランサーを再生成して、周りにランサーをまた並び直す。

 

「ティア!! 援護お願い!」

 

スバルが叫ぶと同時に飛び出す。ローラーをフルスロットで稼働させ、砂煙を少し上げてスタートし、ウィングロードを発生させ、それの上を疾走してヴァニアスに迫る。

 

「わかってるわよ!」

 

ティアナはアンカーガンに弾を込めるとスバルに迫るプラズマランサーに撃つ。ティアナの放った弾丸は的確にスバルに直撃コースのランサーだけを落としていく。それ以外をスバルは時には避け、時には防御してまっすぐ進む。そして、ティアナが弾を再装填して撃とうしたら、

 

ガシャン

 

魔力の弾丸は発射されることなく変な音を立てるだけだった。

 

「た、弾詰まり?! こんな時に!」

 

アンカーガンは弾詰まりを起こしてしまっていた。この瞬間にも何個かのランサーがスバルに迫っている。

 

「ティア~、援護~」

 

ランサーを紙一重でなんとか避けているが限界が近い。避けられるのは訓練の成果が出てきたかもしれない。

 

「わ、わかってるわよ!」

 

ティアナは焦りながら弾を入れ換えて撃つ。その弾丸はランサーをしかっりと撃ち落とした。

だが、スバルのスピードは確実に落ちていた。あれだけのランサーをフルスピードで避けるのはかなり無理があったらしい。スバルはランサーがなくなったことで安心してスピードを出せるようになったので再加速をしようとする。

 

だが、それが叶うことはなかった。無理な加速がローラーに負担をかけたのか変な音を立てて、火花をだす。壊れることはなかったスバルがバランスを崩すには十分だった。

 

「え?! おっとっと」

 

減速こそしてまったがこけるまでには至らなかった。すぐに体制を立て直し、再加速をする。

 

「《もう何やってんの!! まぁ、いいわ。チビッ子達の準備は終わったみたいだからあたし達も準備するわよ》」

 

「《うん、わかった》」

 

スバルはヴァニアスに一直線に進んでいた90度進路を変更して、ビルの間に入っていく。それまでにランサーが数個飛んでくるがティアナが撃ち落とす。

 

「《準備はできたみたいね、スバルやって!》」

 

ティアナはキャロらに確認をとり終わるとスバルに支持を出す。スバルはティアナから指示後すぐにさっき入っていったビルの間からでてくる。

しかし、出てくる高さが入って行った時よりも遥かに高い。

 

「バスター!」

 

スバルはその高さからティアナの指示が出た即席の砲撃を放つ、威力と射程は余りないがランサーの進行方向を変えて、それらを撃ち落とすには十分だった。

 

「《3秒後にエリオ行って!周りのやつはあたしが落とす》」

 

「《はい!》」

 

キャロから強化魔法を受けたエリオのデバイス(ストラーダ)は桜色の光を発していた。ティアナは発射とクイックリロードを繰り返し、数発外しながらもかなりの数のランサーを減らす。ティアナとスバルの援護によって一瞬だがエリオからヴァニアスまでの一直線の道にランサーがなくなった。

それはキッカリ3秒後に起きた。

 

「いきます!」

 

ストラーダの噴射口から煙をだし、地面を思いっきり蹴る。エリオの突撃はランサーの反応スピードを超えていた。かなりのスピードだが、それなりに距離があったのでヴァニアスにはそれなりに余裕があった。

 

「確かに速いが、避けれないことは……」

 

ヴァニアスがエリオの突撃の軌道から離れようとした瞬間

 

「はぁぁぁああ!!」

 

スバルが既にヴァニアスのすぐ傍まで来ていた。ランサーも反応しきれていないのかスバルにすでに迫っているランサーは一個もなかった。

 

「っ?!」

 

それはヴァニアスを一瞬焦らせた。だが、スバル達だって1発当れば終わりなのだ。ヴァニアスはすぐさま銃口を向けてランサーを1発撃ち込んだ。ゲームセットだとヴァニアスは一瞬だが思ってしまった。

ヴァニアスの撃ったランサーをスバルを貫通して地面にあたった。

それが示していることはただ一つ。

ヴァニアスが撃ったのはフェイクシルエットだったっと言うことだ。

考えればわかることだった。

ランサーの嵐を避けながら一瞬で距離を詰めることは不可能なはずだ。

この時間にして1秒間の攻防がエリオに時間を与えた。

 

「ストラーダ!!」

 

≪ソニックムーブ≫

 

エリオは今出せる最高の速度でヴァニアスへ攻撃を仕掛ける。それは最初から距離などなかったかのように一瞬でヴァニアスに肉迫していた。

 

だが、それで終わるヴァニアスでもなかった。ヴァニアスは銃剣を前に出し紫雷をまとわせる。

電気と雷撃が大きな音を立て、エリオの槍(ストラーダ)とヴァニアスの銃剣(ヨネット)がぶつかる。黄色と紫が、電気と雷撃が激しくぶつかりあう。それも数秒のことだった。

 

運動エネルギーで勝っていたエリオの槍がヴァニアスの銃剣をはじいた。ヴァニアスはすぐさまヨネットをⅡモードに切り替え、もう弾かれた方とは逆の銃剣で槍を弾く。弾いたことは弾いたが無理な体勢で放った斬撃は力が籠り切らなく、エリオの槍の突撃を弾ききることはなかった。

 

それでも身体を反らし突撃を流そうとするが、少し足りなかった。ヴァニアスのバリアジャケットの胸の部分に傷をつけた。エリオを追ってランサーが迫ってくるがすぐに消滅する。

 

『そこまでだね』

 

なのはも放送を入れて訓練の終了を告げる。

 

『よく頑張ったね。これで早朝訓練終了だよ』

 

この言葉を聞いた瞬間フォワード陣は喜びの声をそれぞれあげた。

 

 



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第六話:朝練後

すいません、かなり投稿が遅れました。遊戯王をやったり、テストやったりって感じで…

駄文ですが、よろしくお願いします。


早朝訓練が終わり挨拶の為にフォワード陣が整列しているとフリードが鳴き声を上げていた。

 

「フリードどうしたの?え?なにか変な匂いがするの?」

 

唯一フリードとコンタクトをとれるキャロが確認をとった。

 

それを聞いた瞬間キャロたちの鼻にも異臭が届く。

 

その異臭は焦げ臭さを持っていた。

 

「ちょっ、スバル!あんたのローラーブーツ!」

 

ティアナがいち早く匂いの元に気付いた。

 

「うわぁ、もうだめかなぁ?」

 

スバルは少し驚いたがすぐにローラーブーツを脱いで手に持ち、状態を確認する。

 

ローラーブーツはからは異臭を放つ煙が出ておりとても使える状態じゃないことが誰の目からも分かる。

 

その状況を見ていたヴァニアスは訓練中に気になったことをいう。

 

「ランスターのアンカーガンもだろ?」

 

「……はい。騙し騙しです」

 

ティアナも自分の武器の状態を正直に言う。

 

弾詰まりを起こすような銃は実戦ではもちろん訓練でも使いものにならない。

 

なのははその会話を聞き、指をを口元に当てながら少し上を向く。

 

「う~ん、そろそろ実戦用の新デバイスに切り替え時かも」

 

なのはは自分の生徒達の成長と武器の状態をみてどうするか考えてらしい。

 

そんな状態はすぐに終わり、なのはは口を開く。

 

「よし、みんな。午前中の訓練の前にデバイスルームに集合ね。新デバイスを渡すよ」

 

新人は驚愕したがそれぞれに喜びを表した。

 

そんな状態では挨拶がうやむやになってしまうの当然と言ったら当然かもしれない。

 

しかし、うやむやにしないのがなのはとヴァニアスであった。

 

数秒後にちゃんと挨拶をして解散した。

 

 

 

 

「ヴァンさん」

 

「……?エリオどうした?」

 

訓練も終わり告げ、ヴァニアスもバリアジャケットを解いたところでエリオがヴァニアスを呼んでいた。

 

「聞きたいことあるんですけどいいですか?」

 

エリオの態度からは少し遠慮が見て取れた。

 

「ああ、構わない」

 

ヴァニアスはそれを察したのか少しだけ態度が柔らかくなったように見えた。

 

「なんでレギオーシフトだったんですか?前に『1対1用の魔法だから多対1には向かない』って言ってからないと思ったんですけど」

 

 

「「「へ?」」」

 

エリオは普通に質問をぶつけただけだが他のフォワードには違った。

 

エリオから聞きたくないような事実が聞こえてきたようにしか感じなかった。

 

フォアードの3人は素っ頓狂な声をあげていた。

 

「お前らにはそれで十分だったから使ったまでだ。それにあのタイプの魔法には耐性がなかったみたいだからちょうどいいと思った」

 

それを聞いてエリオは少し苦笑いを浮かべて、またも爆弾(フォワード3人にとって)を投下しようとした。

 

「……僕はたまに1人で受けてますよ」

 

エリオからまたもや衝撃の事実が告げられたが放っておこう。

 

「いつもよりはランサーの数を増やして4人用にしただろ。それにスピードタイプの魔導師が攻撃に当っては本末転倒だろ?あれぐらい避けれるようになれ」

 

ヴァニアスはいつになく饒舌になり、厳しい言葉をエリオに言うが、少ししてから

 

「……大丈夫だ。お前ならできるようになるさ」

 

エリオに励ましの言葉をかけた。

 

「っ!?はい!頑張ります!!」

 

それを聞いたエリオは少し驚いてから笑顔で返事する。

 

ヴァニアスは返事を聞いた後エリオの少し撫でた。

 

それはまるで不器用な親が子供を褒めているよに見えた言う。

 

それを見ていたのはフォワード陣以外の人物-なのはは少し納得してるようだった。

 

その証拠にうなずいてる。

 

「……高町。なにしてる?」

 

その行動を不審に思ったヴァニアスがなのはに声をかける。

 

「やっぱフェイトちゃんの副官だったんだなぁって思って、執務官と副官というより夫婦?」

 

「……あいつみたいに過保護じゃないし、甘くもない。それに親でもない」

 

なのはから返答を貰ったヴァニアスは少し不機嫌そうにして文句言う。

 

だが少し頬が緩んでいた。

 

それをなのはは見逃すわけがなかった。

 

「自覚ないの?今凄く『お父さん』してたよ」

 

なのはは少し楽しそうだ。

 

今までそういう浮いた話を聞いたことがなかった親友にも春が来たのだから当然だ。

 

「そうなるとフェイトちゃんは『お姉さん』じゃなくて『お母さん』かな?……うれしい?」

 

終始笑顔でなのはは親友の元補佐官を弄る。

 

「……なんでそうなる?だいたいなんで俺が喜ぶんだ?」

 

ヴァニアスはなのはが楽しそうに言っている様子から頬が緩んでいたのを見られたことを自覚する。

 

「え?違うの?だってシグナm」

 

「あいつは今度潰す」

 

なのはが言い終わる前にヴァニアスは決意を胸に抱く。

 

シグナムはヴァニアスの永遠の敵であるかもしれない。

 

面倒ごとを押し付けられ、模擬戦と言って殺されかけ、フェイトを出汁にいじられ、そんな両手ではとても数え切れない過去のことからもそれは言えた。

 

過去を振り返っていたヴァニアスに笑い声が聞こえた。

 

主はもちろんなのはだった。

 

「にゃははははは、大変だね」

 

「……お前も原因の1つだ」

 

ヴァニアスは大変だと思うなら苦労を増やすなと言いたげだった。

 

「でも、フェイトちゃんが1番の原因だよね?天然だし、苦労するよね」

 

なのははヴァニアスに現実を突き付ける。

 

「……もうなにも言わない」

 

自分の言うことが全てあだになっていくヴァニアスは黙ってしまった。

 

なのははやはりそれを楽しそうに見ているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

その一方、途中から放置されたエリオと少し遠くにいたフォワード陣は合流して話していた。

 

議題は『レギオーシフト(1人用←ここ重要)について』だ

 

「副隊長はあれを一人に対して使ってるっていたわよね?」

 

「言ってたね」

 

「言ってました」

 

ティアナの質問にスバルとキャロは答える。

 

「……エリオはあれを一人で受けてるって言ったわよね?」

 

「言いましたけど……、ランサーの数も少なく、スピードも遅くしてしてもらってます」

 

ティアナの確認にエリオは答える。

 

ティアナ達は強張った顔でエリオの話を一言一句聞き逃さないっといた感じで聞いている。

 

「……避けるのよね?」

 

「はい」

 

「無理ね」

 

「無理だよねぇ」

 

「無理です……」

 

エリオの答えに自分たちの異口同音の感想をそれぞれ言う他の三人。

 

ティアナは少し強張った顔を解きながら再度口を開く。

 

「……だいたい避けるのもそうだけど、あれを一人に対して使おうとする副隊長も副隊長よ」

 

ティアナの頭に『鬼畜』っと言う言葉が浮かんだがさすがに副隊長に失礼だと思い振り払う。

 

「……鬼ね」

 

だが、ティアナの口からでた言葉は対して変わらなかった。

 

「鬼ちk……鬼だよね」

 

スバルに限ってはもう半分以上言ってしまっていた。

 

ティアナと同じことを考えてたらしいが、ティアナ同様言葉の意味は変わっていない。

 

「ヴァ、ヴァンさんは優しいですよ!まだ保護されたばかりの僕を遊園地に連れて行ってくれたり、『任務の時に落ちてたのを見つけた

から拾ってきた』っていいながらお土産を持ってきてくれたり」

 

エリオは酷い言われようだったヴァニアスを必死にフォローし、キャロもその後に続く。

 

「確かに鬼とかではないです……、ヴァンさんは何かと理由を私を気遣ってくれて、フリードが最初にヴァンさんを見たときに威嚇して手を噛んじゃった時も『…ペットの方は元気そうだな』って怒った素振りも見せないでわたしとフリードの頭を優しく撫でてくれました」

 

「ヴァンさんは噂なんかと違ってとても優しい人です!」

 

「とっても優しいんです!」

 

「きゅくる~」

 

エリオとキャロが力説し、『そうだよ』っと言わんばかりにフリードも鳴き声をあげる。

 

「ごめんなさい、あんなこと言って……優しいのはわかったけど……」

 

ティアナをすまなそう顔をしながら謝って、気になったことを聞く。

 

スバルは少しオロオロしてからティアナが謝った時に一緒になって謝った。

 

「『噂』ってなに?」

 

ティアナとスバルはエリオ達の説明は素直に受け入れられたが、疑問が残った。

 

エリオが言った『噂』である。

 

「っえ?知らないんですか?」

 

エリオは少し驚いていた。

 

その『噂』驚かれるくらい有名な噂らしいっとティアナは予想を立てる。

 

「できれば教えてくれない?」

 

ティアナはエリオ達に聞き、その後ろでスバルは大きく何度も頷いていた。

 

「えっと……」

 

「あの、その……」

 

エリオとキャロは二人して渋る。

 

「……言えないようなものだったら別にいいわよ」

 

「そうだよ、無理にってわけじゃないから」

 

それを見たティアナとスバルはきっと聞いてはいけない部類のことだと思い無理に言わなくていいことをはっきりさせる。

 

「別に問題はないんですけど……」

 

「ちょっと……」

 

エリオとキャロは顔を見合わせながら歯切れ悪く言う。

 

しばらくしてからエリオが決心したのか言いだした。

 

「え…っと、フェイトさんの補佐をやって時は『死神代行』とか『紫雷の悪魔』とかフェイトさんとセットで『死神と番人』とかって言われてて……地上部隊にいた時は『紫雷の殲滅者』、『陸の主砲』とかって言われてました……」

 

「「……」」

 

エリオの口からさっきのヴァニアスへの賞賛を無駄にするような発言がぽんぽん飛んでくる。

 

あくまで犯罪者から言われていたものなので多少のオーバーなとこはあるかもしれないがそれでも酷いものだった。

 

いい例が『管理局の白い悪魔』である、誰の事言わないが。

 

どんなことをやったらそんな呼び名がつくのかとティアナが悩んだのは昔のことではない。

 

それを聞いたティアナとスバルは言葉を失った。

 

それを見たキャロは慌てて、

 

「で、でも、フェイトさんは『あははは、ヴァンには見合わないよ。だって、こんなに優しいだもん』って言ってました」

 

っとフォローした。

 

そこへ

 

「私がどうかしたの?」

 

「「「「フェイトさん(隊長)!!」」」」




批評、感想、誤字脱字報告待ってます。


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主人公設定 ※ネタばれ注意

自分が忘れないように書く要素もあるので余分なことを書く可能性が多いにあります、ご注意ください。(この作品オリジナルの魔法の説明等も載せます。オリジナル魔法等に関しては※が付いております)

タイトルにもあるようですが、ネタばれ注意です、重要だから三回いいます。

ネタばれ注意!


内容は随時更新していきます。 5/6誤字修正・加筆


ヴァニアス・マルディニス 

 

 

 

性別:男

年齢:19

髪:黒

瞳:黒

階級:三等空尉

魔導士ランク:AA+

魔力値ランク:S+

管理局入局年齢:8歳

魔法系統:古代ベルカ式

魔力変換資質:『雷(いかづち)』  ※

使用デバイス:ヨネット(アームドデバイス)

前任部隊:陸上警備隊

 

 

使用魔法

 

 

プラズマランサー

 

フェイトの使っている『プラズマーランサー』をヴァニアスが見て、自分なりに作ったものであって厳密に言うと別の魔法だが、性能としてはほぼ等しい。

 

 

 

プラズマランサー・ファランクスシフト   ※

 

上記のプラズマランサー同様、ヴァニアスの作った模造品。性能としては『フォトンランサー・ファランクスシフト』で撃ち出すものがフォトンランサーからプラズマランサーに変わっただけ思ってよい。

 

 

 

プラズマランサー・レギオーシフト   ※

 

ヴァニアスが作り出したプラズマランサーの応用系。範囲内自動攻撃魔法。

自分の周りに『プラズマランサー』を浮かべ、範囲に入った魔力反応に反応して攻撃を加える(標的の魔力量に比例してランサーの向かう数も増える)。

範囲は任意で指定でき、ランサーの数も自由自在で、なおかつランサーを手動に切り替え攻撃を加えないようにすることもできる(相手の砲撃に反応してしまう時等に使う)。ここだけ見るとかなりチート臭い魔法だが、かなり演算が複雑で数も多い。そのため使用限界があり、それを超えると自動終了する。これは『ヨネット』の演算処理が限界を迎えるためである。さらに魔力をかなり使うと欠点も存在する。

 

 

 

 

バレット(魔力弾) ※

 

『ヨネット』から撃ち出す魔力弾の総称。

斬撃に混ぜたり、牽制で撃ったりと使い勝手いい。

 

 

 

 

バスターバレット  ※

 

ヴァニアスが最も多く使う砲撃魔法。

『バレット』同様に『ヨネット』から撃つ出す。威力、連射性能は申し分ない。連射、速射時は威力は下がるがカートリッジシステムを使うことで補うことができる。魔力消費はそこそこ多い。

 

 

 

紫雷一閃(しらいいっせん)  ※

 

シグナムの『紫電一閃』を見て、自分なりにアレンジして、自分の魔力変換資質である『雷』を使っただけ。近接戦闘では連撃を使うため使用回数は少ない。

 

 

 

 

 

 

 

魔力変換資質『雷(いかづち)』  ※

 

古代ベルカの文献によると「その閃光は他の閃光より荒々しく、そして視界を封じるほど眩い

光を放つ。そう、それは嵐の日に迸る雷のように」っとある。(ユーノ調べ)

『電気』よりも使い勝手は悪いが、突破力、爆発力、威力、速度は勝る。変換に使う魔力量も

『電気』より多めである。

実際『雷』っという魔力変換資質は管理局に認めてられていないため『電気(亜種)』っと登録している。

 

 

 

 

デバイス:『ヨネット』

 

銃剣型アームドデバイス。製作者はマリー。ヴァニアスの父親がヴァニアスの11歳の誕生日にあげたもの。もちろんオーダメイド。それまでは支給品のデバイスを複数個持ち歩いていた。

一応人格はあるが、乏しすぎる。『バルディッシュ』より無口。防御魔法の独断発生はできない(防御魔法を積んでいないのが理由)。その分演算能力に回されている。

待機状態はブレスレット。右手についていることが多い。

名前の由来はドイツ語の『パヨネット(銃剣)』から。

 

ヨネット:モードⅠ

 

通常時の状態。攻撃の威力と連撃性のバランスがとれている。大きさはシグナムの『レヴァンティン』ぐらい。

 

ヨネット:モードⅡ

 

モードⅠが一回り小さくなって二つにわかれ双銃剣となった状態。連撃、連射をメインとした途切れない攻撃をメインとしてるためモードⅠよりも同じ魔力込めても威力が劣る。

 

 

 

バリアジャケット

 

紺色に近い黒の色をしたスーツ。ヴァニアス自信は防御魔法を使用できないため一般的な局員と違って防御力は素材だよりである。環境への適応は補助魔法だからなのか使用できるらしくマニュアルで使用する。

 

 

 

 

 

 

 

 

元々孤児院の出身であり、5歳の時にマルディニス家に養子として引き取られる。

その時既にマルディニス家はヴァニアスの父親だけだったため、跡取りとしてできるだけ魔力値の高いものを養子に迎えたと思われる。養子に迎えられてからすぐに魔法の訓練を父親から受ける。

8歳(もう9歳に近い)の時に入局。父親と同じ部隊に所属していて、その時に同年代のAAA+の魔道士が二人の噂を聞く。その後『闇の書事件』が起きて、その映像を一部だが見た。その時に自分の戦闘スタイルと似ていたフェイト興味を持つ。父親にどうにか同じに部署にできないものか頼むが断られる。

だが、父親がクロノ等に口添えしておいていたらしく14歳~17歳までフェイトの補佐官をやっていた。

父親はヴァニアスが12歳の時に任務中に死亡した。




なにかおかしいところがあったらジャンジャン指摘してください。

「これを書いてほしい」等の意見もできるだけ叶えていくつもりです。


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第七話:執務官は天然です。

今回は短めです。 

書きだめしてた分がなくったので更新はこれから遅くなると思います。
会話文だけならあと10話分くらい書きだめしてるんですけど地の文が・・・


噂をすればなんとやらとはよく言ったもので、車に乗ったフェイトがちょうど現れた。

 

キャロ達はいつのまにか隊舎の前まで来ていたらしい。

 

キャロ達の後ろからヴァニアス達も追いついていた。

 

「みんな訓練のお疲れ様」

「私もいるでぇ~」

 

フェイトが労いの言葉をかけて、助手席のほうからはやてが手を振っている。

 

「「「「八神部隊長!?」」」」

 

フォワードの4人は普段はあまり関わりのないこの部隊のトップの登場に驚きを隠せない。

 

部隊の隊長が相手とあってフォワード陣は少々堅くなっていた

 

「フェイト、どこかへ行くのか?」

 

はやての登場にあまりおどろかなかったヴァニアスはフェイトに質問する。

 

驚かないというより関わったら面倒だから無視を決め込んでいたのかもしれない。

 

「うん、ちょっと六番ポートまで」

 

フェイトはすぐにヴァニアスの質問に答えた。

 

そして、二人の会話を聞いたはやてはおもちゃでも見つけたような顔をした。

 

「やっぱヴァニアス君は愛妻家やなぁ、自分の奥さんのことしか見てなくて私なんて眼中にあらへんで?なぁ、なのはちゃん」

 

はやては恒例と言わんばかりにヴァニアスをいじり、なのはも仲間に加える。

 

「うん♪ヴァニアスはやっぱフェイトちゃん一筋だよ」

 

なのはは、はやての意図がわかったのかすぐに悪乗りをしてくる。

 

そんな様子を見てヴァニアスは文句の一つでも言ってやろうという雰囲気で頭を掻きながら口を出す

 

「……お前r「なのは、はやて」……?」

 

「「なに?(なんや?)」」

 

が、フェイトに遮られてしまう。

 

フェイトはそのまま話始める。

 

「だめだよ。ヴァンをからかっちゃ!ヴァンは少し心配症でやさしいからちょっと気を使ってくれただけなんだから」

 

フェイトはヴァニアスを褒めちぎりつつなのは達を注意する。

 

「………」

 

「「フェイトちゃん……」」

 

ヴァニアスはいつも変わらないような表情でフェイトの方を見ているようだが若干だが頬が緩んでいるように見えなくもない。

 

フェイトの言葉に感動し、その後なのはとはやてはヴァニアスを慈愛に満ちた表情で見た。

 

その表情は、「よかったね。思いは届いていないわけじゃないんだよ」とでも言いたげである。

 

フェイトはそんなヴァニアスを無視してるのか自分の話を半分聞いていないことに気がついていないのか(多分後者である)「それに」っと話を続ける。

 

「もしヴァンに彼女さんがいたらどうするの!こんな噂が万一にでも流れて、彼女さんの耳に入りでもしたら大変だよ?彼女さんがいなくてもヴァンには迷惑だよ?」

 

フェイトは話を終えて周りを見た。

 

そこには……

 

 

「…………」

 

誰が見ても暗い表情をしていると分かるヴァニアス。

 

「「フェイトちゃん……」」

 

もう一種の諦めの域に達してるフェイトの親友二人。

 

「「フェイトさん……」」

 

自分たちの母親であり姉の父親のような存在であり兄への精神攻撃を見て唖然しているライトニングの二人。

 

「「副隊長……」」

 

自分たちの戦技教官の一人である人物へ憐れみの視線を送るスターズの二人。

 

そんな状況をみてフェイトはやっと異常に気がつく。

 

「え?なに?みんなどうしたの?」

 

フェイトはもしかて自分の発言の所為とは思っているようだが、なぜかは分かっていないようだった。

 

こういうところが『天然』っと言われる所以とはフェイトは知らない。

 

「……フェイト。出かけるんじゃなかったのか?時間は大丈夫か?」

 

そんなフェイトをみて、またあきらめたのかヴァニアスは気持ちを切り替える。

 

またその姿は話を逸らそうとしている当りむしろ引きずるのを防ごうとしているようにも見える。

 

「え?」

 

「そうやね、ほな行こ」

 

フェイトは急な話題転換についていけなかったが、はやてがヴァニアスの心情を読んだのかフォローを入れる。

 

「う、うん。じゃあねみんな頑張ってね」

 

フェイトはこの場に少し未練というか違和感があったのかぎこちなく別れの言葉をかける。

 

 

 

 

フェイト達が出発してある程度たったころ、

 

「「「「………」」」」

 

「……っく」

 

その場はほとんど沈黙で守られていた。

 

約一名を除きそれを破る気配もない。

 

それを構成しているのは、

 

直立不動のヴァニアス。

 

ヴァニアスに同情の眼差しを向けているフォワード4人。

 

そして、笑いを堪え切れていないスターズ分隊の隊長の三組あった。

 

まぁ、約一名の所為で沈黙も長く持つものではなかった。

 

「……お前らそんな眼で見るな、余計悲しくなる。そして高町、笑いたければ笑え」

 

ヴァニアスは視線に耐えきれなかったのか、はたまたなのはの様子にしびれを切らしたのか、その両方なのか、理由は定かではいないが元気ではなかった。

 

対してスターズの隊長は、

 

「あはははははははは!!!」

 

もの凄く元気に大爆笑していた。

 

失礼を通り越してすがすがしいくらいの大爆笑である。

 

「笑いすぎだ」

 

予想以上に笑われてさらに不機嫌になっていくヴァニアス。

 

「だって!だって!思わせぶりなこと言っておいてあれだよ!『天然だなぁ』とは思ってたけど、ふふっ、可哀そうだよ、さすがにこれは!」

 

なのはは話している間も笑いを堪えることができないらしく途中で笑い漏らしている。

 

「そう思うなら笑うな」

 

笑えと言ったり、笑うな言ったり忙しい副隊長様はどんどん不機嫌になっていく。

 

「無理だよぉ……あぁ、お腹痛い」

 

全力全開で大爆笑したなのははやっと落ち着いたらしく涙を拭う。

 

「あいつのあれはどうにかならないのか?」

 

ヴァニアスは落ち着いたなのはに分かり切ったことを聞く。

 

「ん?無理だよ」

 

「……そうか」

 

なのはの即答は予想が着いていたらしくヴァニアスは諦めの表情を浮かべていた。

 

「って、それはヴァニアスくんが一番よく知ってるよね?」

 

「……」

 

ヴァニアスはなのはの追撃をガン無視してフォワード陣の方へ向き直る。

 

そこには、

 

「「ヴァンさん……」」

 

「「副隊長……」」

 

さっきよりも同情の色を濃くした眼差しを向けるフォワード陣。

 

「……お前らはさっさと飯を食ってこい」

 

「「「「は、はい!」」」」

 

フォアードの4名はちょっとばかし怒気を含んだヴァニアスの声に身体を震わせ急いで食堂へ向かう。

 

 

 

「……はぁ」

 

フォワード陣が去った後少ししてから溜息をつくヴァニアス。

 

「ダメだよぉ、生徒にあたったりしたら」

 

そんなヴァニアスを見てなのははヴァニアスを注意する。

 

「……」

 

ヴァニアスは、お前もその原因だっと言わんばかりになのはを睨みつける。

 

それはフォアード陣に向けた怒気とは比べ物にならないくらい鋭い。

 

「おぉ、怖い、怖い。さぁ、わたしたちもご飯食べにいくよ」

 

若干馬鹿にするような雰囲気を出しながらヴァニアスの睨みをスルーするなのは。

 

「……はぁ」

 

ヴァニアスはまた溜息をつきながら隊舎に戻っていくなのはの背を追うのであった。




感想、批評、誤字脱字報告お待ちしております。


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第八話:昼食

更新遅れてごめんなさい。ポケモンにハマってまして、さらに最近までテストがありました。
(詳しくは活動報告参照してください)

 ポケモンについて語ると長くなるので読み飛ばせるあとがきにで書きます。興味があったら読んでください。書きたくて書くだけですので。


 後、今更ですが作者は理系(因みに物理選択)です。これを言い訳にしていく機会があると思うのでその時は文系の方は『これだから理系は』とでも思ってください。理系の方は私をフォローしてくださると助かります。「お前なんかフォローしたくねぇよ!」とか「お前の理系全体が馬鹿にされるじゃねぇか!」とか思われた方には私が全力で謝罪させていただきます。
↑これは冗談半分で書いているので真に受けないでください。本気で書いていたら私以外の理系の人に殺されてしまいます。

ながい前書きでしたね。完成度は低い(しかも投稿が開いたわりに短い)ですがこれが私の全力全開ですので許してください、では本編をどうぞ!


 機動六課の食堂に一際目立つテーブルがあった。そのテーブルでは昼食であろうパスタ

を4人の男女が食べていた。

 

 

それだけでは問題はないのだがそのパスタの量が尋常ではないのだ。誰の目からも二十

人前はあることが明らかだ。4人の男女が食べる量ではない。

 

 

 そんな目立つ テーブルで昼食を摂る4人の男女……機動六課FW陣は目立つのはいつも

の事なのだろうか、気にしていないようだった。気にすることをあきらめた人物もいるよ

うだが。

 

 

 一番量を食べているのに一番目立つことを気にしていないスバルがパスタを食べながら

口を開く。

 

 

 

「フェイト隊長ってわざとやってるのかなぁ?…ゴクン。あれはわざとやらないとできない

よね?」

 

 

 

 スバルは先の出来事で浮上した疑問を親友のティアナに質問する。当のティアナは面倒そ

うな顔をしながらもモグモグとパスタを食べながら器用に話すスバルに返答する。

 

 

「それはない……っとは言い切れわよね……昔からあんなだったわけ?」

 

 

 

 ティアナは自分の考えに自信が持てないのかフェイトの子供であり、弟妹であるエリオと

キャロに意見を求めた。

 

 

 

「えーっとですね、あんな感じいうのは分かりませんけどヴァンさんはフェイトさん

と一緒にいる時は溜息が多かったです」

 

 

 

 エリオはスバルと違い口に物を入れながら話すということはしなかった。教育者の二人が

礼儀をしっかりと教えたからだろう。

 

 

 ヴァニアスと比較的交流の多かったエリオの返答を聞きティアナとスバルは『やはり』と

いう表情をして納得していた。

 

 

 そんな中キャロが遠慮しがちにエリオの返答に意見を追加する。

 

 

「た、たしかに溜息も多かったですけどその分楽しそうだったように見えました」

 

 

 

 エリオもそう思ったとこがあるらしく肯定の相槌を打ちながらキャロの話を聞いており、

スバルは身をのりだしそうな雰囲気を醸し出しながら目を輝かせて真剣に聞いている。口は

もごもごと動いているが。ティアナは興味はあまりなさそうにしなそうに聞いているが、そ

れはあまり意味がなく、好奇心が隠せていない。

 

 

 しばらくするとヴァニアスの話が続いた後エリオが急に「あっ!」っと声をあげた。他の

3人はそのエリオの声に反応してそちらを一斉に向く。

 

 

 

「いや……その……ちょっと前にヴァンさんに『……あんな女に引っ掛かるな。苦労するぞ』

って言われたのを思い出しまして……」

 

 

 

 エリオは急に声をあげたことに非を感じているのか少し遠慮しがちに発言する。

 

 

 そのヴァニアスの心の叫びとも言える言葉を聞いて者達は……

 

 

 

「「「…………」」」

 

 

 

 声を発することができなかった。少なくもFWの3人は。

 

「……っぷ、だめ、笑っちゃ」

 

 

 

 しかし、声を発する者がいた。その者は忍び笑いを漏らし、肩を震わせていた。多分FW達

の話を立ち聞きしていたのだろう。

 

 

 

「「「「なのはさん!?」」」」

 

 

 

 その声を発した人物はFWの教導をしているなのはであった。

 

 

 自分たちの教導をしている人物に同じく自分たち教導をしているヴァニアスについての話を

聞かれたFWメンバーはかなり焦った声をあげた。

 

 

 例えをあげるとしたら教師の悪口しているのを別の教師に聞かれて、その聞いていた

教師が笑いを漏らしたっと感じだろう。かなり気まずい事が分かる。

 

 

 

「ごめんね。盗み聞きするつもりはなかったんだけど、ついからいかいのネt、おもしろそ

うな話題だったもんで」

 

 

 

 なのははあまり悪いことをしたっと感覚がないのか謝罪が軽い。しかし、盗み聞きという

行為自体が喜ばれたものではないので形は謝罪したようだ。

 

 

 そんなのはの形ばかりの謝罪はFW陣の耳には入っていなかった。なのはの登場に驚きす

ぎていたからだ。もちろんヴァニアスの話ことをネタっと言ったことも耳にはいっていない。

 

 

 一番最初に放心状態から帰ってきたのスバルだった。

 

 

 

「っ、なのはさんここどうぞ!」

 

 

 

 スバルは自分たちがなのはを昼食を持たせた状態にしていることに気がつき自分とティアナ

の席の間にもう一つ椅子が入るほどのスペースを作った。

 

 スバルの行動を見てティアナも現状を悟り、となりのテーブルから椅子を一つ拝借しスバル

の空けたスペースに置いた。

 

 

 

「ありがとう。スバル、ティアナ。じゃあ、改めて……」

 

 

 

 なのははスバルとティアナにお礼を言うと少し溜めてから

 

 

 

 

「お昼いっしょにいい?」

 

 

 

っと手に持った昼食の定食を胸の前で少し掲げるようにして満面の笑みで問う。

 

 

 FW陣はその問いに対して

 

 

 

「「「「はい!」」」」

 

 

 

 先ほどのように放心状態にならずに元気よく返事をした。もちろんエリオとキャロも

放心状態から帰ってきておりスバルとティアナと一緒に返事をした。

 

 

 その光景を食堂で食事を摂っていた者の一部が微笑ましく見守っていたのを5人

は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、みんな。シャーリーの所行こうか」

 

 

 

 なのはは食事を食べ終えておしゃべりにも休止符が打たれた所で午後のメインイベント

会場へ向かう告げる。

 

 

 その言葉を聞いてFW陣は一瞬顔をほころばせた後に引きしめた。自分の為に作られた

デバイスを持つことがどういう意味なのかしっかりと理解しているようだ。

 

 

 そのFW陣の様子を見たなのはは自分の教えたことがしっかりと伝わってることに満足

気にうなずいていた。

 

 

 

 

「ほら、みんな。早く片付けて行くよ」

 

 

 

 もう一度なのはが号令をかけると、

 

 

 

「「「「はい」」」」

 

 

 

 FW陣はそれぞれの思いを胸に返事をするのであった。




感想、批評等お待ちしております。



さぁ、ここから私の雑談タイム?です。

まず、ラティアスのかわいさから入りましょうか。そうあいつとの出会いった場所は夢の跡地…
(長くなるので中略)っていうことで私とラティアスは真の意味で出会ったのさ。
 因みに私のラティアスは性格はてれや(性格補正なし)という良くない性格なのですが、個体値がH27or28A13,B31,C28,D31,S25 と厳選産とは思えないような数値なので愛用しております。Sが足りないのでスカーフ持たせて、最速81族スカーフ持ちを抜けるようにS調整して、Cに全振り、残りHと言った感じで努力値振っております。まぁ、お兄ちゃん(ラティオス)の劣化と言われそうな型ですが兄にはないものが妹にはあります!それは……可愛さ!!(ドヤッ

※最速81族スカーフ持ち抜き調整の理由→最速スカーフシャンデラを抜ける!(シャンデラが対面からなら怖くない)、りゅうまいしたヨ○シー(カイリュー)を抜ける、りゅうまいしたギャラドスが抜ける っと言った正直どうでもいい理由です。あと、130族抜けます。


厳選勢が準伝の厳選をやるととてつもない時間がかかるので頭のよい方はまねしないでください。


どうでもいいことなんですが『あくのはどう』のエフェクトの時どうしても「闇に染まれ」って言いたくなりません?
……っあ、ならない、そうですか……え?「中二病乙w」……中二病が抜けないorz


この小説関係ネタで使ってるニックネーム

サザンドラ→はやて(普通の型)
ギャラドス→なのは(特殊は平仮名・物理は片仮名)
シュバルゴ→ヨネット(特殊メイン両刀)
デンチュラ→プレシア(普通の型)
リザードン→シグナム(メスの物理メイン両刀)
ボーマンダ→フリード(りゅうまいをする両刀)
サーナイト→シャマル(普通の型)
ミロカロス→リィン(熱湯、ふしぎなうろこを使った物理受け)
アーマルド→ドゥーエ(タスキロッカ型)
エーフィ→リーゼ(夢特のメス、それ以外はただのエーフィ)
ナットレイ→ガジャット(こだわった物理)

ぐらいでしょうか。フェイトがいないのはわざとです。「こんな型でこんなニックネームはどう?」
っという案があったらぜひお願いします。

※ギャラドス→なのは は他の二次創作のネタですのであしからず。

あとがき長ぇwww


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第九話:相棒との出会い

 いつの間にかお気に入り件数が200を超えていました。
遅くなりましたが(いつ超えたかは不明)ここでお礼を言わせてください。

本当にありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いします。

 

ここから先は謝罪と今話の注意点(注意点は※印から)



 あいつらいつシャワー浴びたw
 はい、書き忘れてました、すいません。

 大規模な加筆修正は読者様を混乱させるので行いません。
 ぶっちゃけた話めんどくs……まぁ、察してください

 前話の書き方は自分的に見にくかったのでまた変えます。前回は予告なしで変えて
しまい申し訳ございませんでした。


 ※車中での会話、カリムの初登場のシーンは意図的に(←ここ重要)省きます。アニメと
ほぼ一緒のことしか書けないので……。後、リィンは本名で書くと『リインフォースツヴァイ』と
やたら長いので地の文で一回目行こう基本的に『リインフォース』(これでも長い)っと省略させて
いただきます。そして、もう一つ。デバイスの譲渡の会話でのリインフォースの発言が原作とほぼ一緒これだけは正直省けなかったのでしょうがないのですが……いかんせん原作どおりすぎる会話が多い。このようなことはできるだけなくして行きたいですね


「シャーリー、お邪魔するね」

 

 

 なのはは一言ことわりを入れるとデバイスルームに入っていく。

 

 

「「「「失礼します!」」」」

 

 

 FW陣はなのはと同じ様に入室のことわりを入れてなのはの後をついて行って部屋に入

る。その動作から緊張していることが見て取れた。

 

 入ったことのない部屋であり、なおかつ『デバイスルーム』っと言ういかにも精密機械

がひしめきあってそうな名前の部屋であるため緊張するのも仕方ないことだろう。

 

 

「は~い、どうぞって……みんな緊張しすぎだよぉ。大丈夫、『触るな危険!』とか超精密

機械なんかは置いてないから気軽にして」

 

 

 シャリオはなのは達の言葉に答えてそちら向く。その先にいた緊張した面持ちのFW陣を

見て少し困ったような顔をしながら緊張する必要がないこと告げる。

 

 

「「「「は、はぁ」」」」

 

 

 FW陣はシャリオのおかげでいくらか緊張が解けたが、まだ完全に緊張を解いていいのか

心配しており気の抜けた返事をする。

 

 

「にゃははは……」

 

 

 この様子を見たなのは乾いた笑みを浮かべるばかりである。

 

 が、その雰囲気を壊す者が一人いた。

 

 

「もう、みんな待ちくたびれているですからさっさと緊張を解くですよぉ」

 

 

 リインフォースツヴァイ曹長その人だ。

 

 リインフォースは魔法で何かを操作するような手つきをする。そうするとリインフォース

の後ろからペンダント、カード、腕時計、ブレスレットがふゆうして現れる。そしてそれらは

それぞれスバル、ティアナ、エリオ、キャロのところへ飛んで行く。

 

 

「もしかして……」

 

「これが……」

 

「僕達の……」

 

「デバイス……」

 

 

 スバル、ティアナ、エリオ、キャロはそれぞれ感嘆の声を上げる。

 

 

「もしかしなくてもそれがスバル達の新しいデバイスですよぉ」

 

 

 リインフォースはFW陣の反応に満足したようで笑みを浮かべながら言った。

 

 

「その通りでぇす。設計主任、わたし。協力、なのさん、フェイトさん、ヴァンさん、

レイジングハートさん、バルディッシュさん、ヨネットさん、リイン曹長」

 

 

 シャリオは満面の笑みを浮かべ楽しそうにデバイスの協力者達の名をあげていく。

 

 

「は、はぁ」

 

 

 シャリオに反応できたのはティアナだけで、他の者たちは目の前のデバイスに夢中だった。

ティアナもそれは同じで返事が拙いものになっていた。

 

 

「ストラーダ、ケリュケイオンは変化なしかな?」

 

 

 エリオは自分とキャロの前に来たデバイスを観察して、その感想を漏らす。

 

 

「そうなのかなぁ?」

 

 

 キャロも自信はなさそうだがエリオに同意のようだった。

 

 

「違いまぁぁす、変化なしは外見だけですよぉ」

 

 

 リインフォースが否定の言葉を述べながら、元気にエリオの頭に着地して腰を据える。

エリオとキャロはその一連の動作の間にリインに目を向ける。エリオは少し上目になって

いるだけだが。

 

 

「リインさん」

 

「はいですぅ」

 

 

 キャロとリインフォースは改めて笑顔であいさつを交わす。

 

 リインフォースはキャロとの短い挨拶を終えると腰を据えていたエリオの頭から降りて

二人のデバイスの前に行き、浮遊してさっきの否定の理由を説明しだす。

 

 

「二人はちゃんとしたデバイスの使用経験がなかったですから、感触に慣れてもらうために

基礎フレームと最低限の機能だけで渡してたです」

 

 

 リインフォースの話を聞いた二人は驚きの表情を浮かべてた。

 

 

「あれで最低限!?」

 

「ほんとに?」

 

 

 エリオは驚きを隠せないくらいに驚き。キャロにいたっては半信半疑といった状態

だった。

 

 この二人の様子からデバイスの優秀さが感じられる。元からなかなかの性能だったの

だろう。

 

 そんな二人に目を配らせながらリインフォースは説明を続ける。

 

 

「みんなが扱うことになる4機は六課の前線メンバーとメカニックスタッフが技術と経験の

粋を集めて完成させた最新型」

 

 リインフォースはそれをエリオとキャロに言うとスバルとティアナにも語りかけるために

エリオ達から少し離れて4人全員に話しやすい位置に移動する。

 

 スバルとティアナもリインフォースの話を聞いていたらしくすぐに対応した。

 

 そして、リインフォースは話を再開する。

 

 

「部隊の目的に合わせて。そして、エリオやキャロ、スバルにティア、個性に合わせて作ら

れた文句なしに最高の機体です」

 

 

 そう言うとリインフォースはもう一回デバイス達を自分の周りに集める。

 

 

「この子達はいろんな人の想いや願いが込められてていっぱい時間かけてやっと完成した

です」

 

 

 リインフォースはデバイスを今度こそFW陣の手に渡し、それぞれが手に取ったところで

デバイス達に掛かっていた浮遊魔法を解除する。

 

 

「ただの道具や武器と思わず大切に、だけど性能の限界まで思いっきり全開で使ってあげて

ほしいですぅ」

 

 

 リインフォースは話し終えるとシャリオの肩まで移動してそこに座る。そして、シャリオ

はリインフォースの話に付け加えるようにして話す。

 

 

「うん、この子達もねそれを望んでるから」

 

 

 シャリオはそう言うとデバイス達に目を配らせる。その瞳には慈愛の念が込められていた。

きっと子を送りだす親の気持ちなのだろう。

 

 少し場の空気がしんみりとしたところでデバイスルームのドアが自動ドア特有の音をたて

ながら開く。

 

 

「悪い、遅れた」

 

 

 そして、部屋の中に入ってきたのはヴァニアスだった。

 

 

「あっ、ヴァンさん!はやてちゃんが『なんかなぁ、ヴァニアス君が私を避けてるみたい

なんよぉ』って私に言ってきましたよ。そんなことしちゃメですよ」

 

 

 リインフォースは部屋に入ってきたヴァニアスの顔前に移動して説教し始める。

 

 それを聞いたヴァニアスは溜息をついてから答える。

 

 

「あんな初対面で避けられないと思う方がどうかしていると思うが……。それに八神と話す

となにかと後でシグナムに因縁をつけられる。面倒事は避けたい」

 

 

 ヴァニアスはそれだけ言うとシャリオの方を向いて話をさっさと進めろといった視線

を投げる。

 

 

「部隊長を無視するなんてダメですよ、ヴァンさん。他人を悲しませるなんて……フェイト

さんが悲しみますよ」

 

「はやてちゃんきっと悲しんでるよぉ、他人を悲しませるような人にフェイトちゃんは任せ

られないなかな」

 

 

 もちろんヴァニアスの視線は受け取られることはなく、さらに二人敵を増やしただけだった。

ヴァニアスを攻めている3人はにやにやしながら、FW陣は乾いた笑みを浮かべながらヴァ

ニアスがもう一度溜息をつくヴァニアスを見ていた。

 

 

「……この調子じゃあ機能説明を始めてもいないか、さっさと始めるぞ」

 

「「「は~い(ですぅ)」」」

 

 

 ヴァニアスは強制的に話を打ち切る。3人も引き際だと感じらしくおとなしく?ヴァニアス

に従う。

 

 そして少し遅れながらもそれぞれのデバイス機能説明が始まる。

 

 

 

 

 

 

「っと、こんなもんだ。質問は高町やシャリオにしてくれ」

 

 

 機能説明を終えて仕事を終えたと言わんばかりに部屋から出ようとするヴァニアスだった。

 

 

「あ、あの、ヴァンさん。できればデバイスの試験運転をしたいんですけど……」

 

 

 そんなヴァニアスをエリオはひきとめる。

 

 ヴァニアスは振り向いてからエリオに近づいて無言でクシャリと頭を軽く撫でる。その行動

にエリオはくすぐったそうにして、から少しポカンとする。ヴァニアスはエリオの頭をなで終

えるともう一回部屋を出ようとドアの方へ向かう。

 

 しかし、先とは違い、

 

 

「……さっさと行くぞ」

 

「は、はい!!」

 

 

 その後ろに息子を連れていた。

 

 その姿を見ていた他の5人は小さく笑いあい、キャロだけは撫でられたエリオをうらやまし

そうに見ていた。

 

 そんなヴァニアス、エリオ、キャロの行動をネタにまたヴァニアスが弄られる日は遠くない

だろう。




感想、批評、評価等いつでもお待ちしております。 

ログインしていなくて感想を書けるようにしたのでアカウントを持っていない人でもお気軽に書きこみください。でも、悪意だけしかないと泣いてしまうので、できれば愛のある感想をください。


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第十話:ファーストアラート

 後十数日で受験生となるわけですが……今は気にするのをやめようと思いますwww

 なのはでも出てくるあの空中に浮かんだタッチパネルみたいなあれなんて言うですかね?今回
はウインドウってさせていただきましたけどなにかいい言い方があったら教えてください

※通信での会話は『』であらわしています


 なのは、シャリオ、エリオ以外のFW陣は訓練場の端で実際にデバイスを使って機能の確認を

していた。

 

 

「それがツーハンドモードね、ティアナは二丁拳銃初めてかもしれないけど使いこなせば大きな

武器になるから徐々に使いこなしていこうか」

 

「はい!」

 

 

 なのははティアナのデバイスの新機能について実際に機動させながら説明し、これからの訓練

の課題を提示していた。それを聞いてティアナはこれからの訓練に胸を熱くさせ、返事をする。

なのははティアナの返事を聞いて満足そうにうなずき、激しい戦闘音が聞こえる方に目を向ける。

 

 

「それにしてもよくやるよね~」

 

「そうですね、あれで私達と同じ量の訓練をこなしてますしね」

 

 

 なのはは激しい戦闘音が聞こえる方向――ヴァニアスがエリオのデバイスの試験運転に付き合っ

ている方向 を向きながらティアナに話しかけるをする。ティアナもエリオ達が試験運転をして

いる方向を向きながらなのはと会話をする。

 

 

「ヴァニアスくんが面倒見てくれてるから無理はさせないと思うけど心配にはなるよね」

 

 

 なのはがそう言い終わった瞬間訓練場、いや機動六課は激しいアラートの音に包まれた。

 

 

「一級警戒態勢のアラート!!リイン、シャーリー、キャロ、スバルこっち来て!」

 

 

 なのははすぐに少し離れたところでデバイスの機能確認をしていたスバル達を集めた。エリオ

はヴァニアスがしっかりと面倒を見てくれるだろうと判断してあえて集めはしなかった。

 

 そしてスバル達がなのはの周りに集まったところでなのはの前に3つのウインドウが開かれる。

それにはグリフィス、フェイト、ヴァニアスがそれぞれ映っていた。

 

 

『教会本部から出動要請がきました。教会本部で追ってたレリックと思わしき物が見つかりま

した、戦闘準備をしてヘリポートへ向かってください』

 

『場所はエーリム山岳丘陵地区や』

 

 

 グリフィスとはやてはそれぞれ任務の説明をしていく。その話を聞いたヴァニアスはふと疑

問に思ったことを口にだす。

 

 

『エーリム山岳丘陵地区?確かあそこには……面倒なことになってる、そうだろ?』

 

『うん、ヴァニアス君の言うとおり面倒なことになっとる。リニアレールの中に侵入した

ガジェットの所為で制御を奪れてる。そして今もなお移動中』

 

『リニアレール車内のガジェット総数は最低でも30。大型や飛行型の未確認タイプの出現の

可能性もあります』

 

 

 ヴァニアスの嫌な予感は当たっており、FW陣の初出動としては重い仕事であった。

 

 

『いきなりハードな初出動や。なのはちゃん、フェイトちゃん、ヴァニアス君いけるか?』

 

「私はいつでもいいよ」

 

『私も大丈夫』

 

『なんのために俺はここに呼ばれたんだ?』

 

 

 隊長達はそれぞれ思い思いの反応を示す。

 

 はやてはさらにFW陣4人に声をかける。

 

 

『スバル、ティアナ、エリオ、キャロ みんなもOKか?』

 

「「『「はい!!」」』」

 

 

 はやてはFW陣4人の元気な返事を聞いて満足そうに肯き、

 

 

『よし、ええ返事や。シフトはA-3、グリフィス君は隊舎での指揮、リインは現場管制』

 

『「はい」』

 

『なのはちゃん、フェイトちゃん、ヴァニアス君は現場指揮』

 

「『はい』」

 

『ああ』

 

 それぞれの役割を確認する。そしてはやては居住まいを正して号令をかける。

 

 

『ほな、機動六課FW部隊……出動!!』

 

「「『「「「『はい!!』」」」』」」

 

『了解、みんな先行して、私もすぐに追いかける。……ヴァン』

 

 

 フェイトは通信を切らずにヴァニアスに話しかける。

 

 

『なんだ?』

 

『私が行くまでライトニングをお願い』

 

『……了解』

 

 

 ヴァニアスははやての号令には返事をしなかったが、こちらのお願いには返事をした。それ

を目ざとく見つけていたなのはにニヤニヤ笑われているのを知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

『現場付近の上空で航空型のガジェットを捕捉しました。数は約200です』

 

 

 リニアレールに向かう途中のヘリの中でなのはとヴァニアスはグリフィスからの通信を聞い

ていた。

 

 

「高町と俺が先行して相手の航空戦力を削る」

 

「うん、そうだね。リニアレールの方はスバル達に任せることになっちゃうけど……」

 

 

 空で戦える魔導師が現在なのはとヴァニアスしかいない為二人で相手の航空戦力を削ぐしか

ないのでなのははヴァニアスに同意するが少し心残りがあるようだった。

 

 

「わたしも地上に降りますし、なのはさん達はスバル達を信じて思いっきり戦ってきてくださ

い」

 

 

 リインフォースはなのはが心配そうにしているのを見て、その心配をはらおうとする。

 

 後ろ髪を引かれる思いだったなのはもリインフォースの言葉でその思い振り払う。

 

 

「俺達は行くがお前らも全力を尽くせ、そして無理をするな」

 

「おっかなびっくりじゃなく全力で行けばみんなならできるよ」

 

 

 ヴァニアスとなのはがそれぞれ声を不安そうな4人にかける。

 

 その不安そうな顔をした中でもキャロは一際不安そうな顔をしていた。ヴァニアスはそれに気

が付きキャロに近寄り、声をかける。

 

 

「……キャロ、お前は一人じゃない。お前の魔法は誰かを助ける魔法だ、誰かをましてや仲間を

傷つける魔法じゃない。それを忘れるな」

 

「は、はい」

 

 

 ヴァニアスはそう言うとキャロの頭に手を置いて、緩く撫でる。そして、その隣にいるエリオ

の方を向く。

 

 

「お前も男ならキャロを護れよ」

 

「は、はい!」

 

 

 その答えたキャロとエリオの顔にあった不安はなくなるとはいかないもののかなりマシになっ

ていた。

 

 ヴァニアスは言い終わるとハッチの方へ向く。そこにはなのはが感心したような顔をして立っ

ていた。

 

 

「なにか言いたいことでもあるのか?」

 

 

 なのはのその姿を見たヴァニアスは怪訝な顔をして尋ねる。

 

 なのははとんでもないっといった様に手を振って答える。

 

 

「なんでもないよ、ただ……お父さんは凄いなって思っただけ」

 

「……お前はなにが言いt「キャロもみんなも心配しないでね私達は通信で繋がってるし、なに

より訓練で培った絆で繋がっているから」……」

 

 

 ヴァニアスはなのはの言ったことに物申すことがあったらしいがなのはの声によって防がれて

しまい、さらにそれを言及できるような雰囲気にされてしまい少し消化不良といった様だった。

 

 

「ヴァイスくん、ハッチ開けて」

 

 

 なのははヴァニアスが言いかけたことを無視してヘリのパイロットであるヴァイスにハッチを

開けるよう声をかける。

 

 ヴァイスもなのはに従いヘリの操作をしてハッチを開けられる状態にする。

 

 

「なのはさん、ヴァニアスさんもお気をつけて」

 

≪メインハッチオープン≫

 

 

 ヴァイスのデバイス――ストームレイダー の声と同時にヘリのハッチが開く。そして開いた

ハッチから風が入り込みそれぞれの髪を揺らす。

 

 

「じゃあ、お先に行くね」

 

「ヴァイス、”さん”はいらないと言ってるだろ……」

 

 

 それぞれハッチに向かう。

 

 

「ヴァニアスくんもすぐ来てね」

 

 

 なのはは意味深なことを言ってハッチから空へ飛び降りる。バリアジャケットも纏わずに。飛

び降りた直後桃色の光が見えたことから空中でセットアップしたようだった。

 

 

「全くいらん気をやがって……ヨネット、甲冑を」

 

≪招致≫

 

 ヴァニアスはそう言うとすぐにセットアップしまう。だが、飛び降りはせずに少し立ち止まって

後ろを向く。

 

 

「エリオ、キャロ。休みがあったら今度は4人でどこかへ行くか」

 

「「っ!?はい!!」」

 

 

 ヴァニアスはエリオとキャロの返事を聞くと今度こそハッチから飛び降りようする。その顔は少

し照れ臭そうにしていた。

 

 

「ライトニング5、ヴァニアス・マルディネス。出る」

 

 

 ヴァニアスは紫色の閃光を放ち空に飛び立った。




誤字脱字報告、評価、感想等いつでもお待ちしております


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第十一話:ファーストアラートⅡ

 更新遅れてすいませんでした。(理由はあとがきにて)



 前回死亡フラグを立てたヴァン!生き残ることができるのか?www

 タイトル思いつかないっというか、ファーストアラート終わってないっていうことでタイト
ルあえて前回と同じにしました。考えるの面倒だったってわけじゃないのでご理解をお願いし
ます。


 恒例?の愚痴・雑談タイムはこれからはあとがきに書くことにします。『さっさと本編見せ
ろよ!』とか『お前の話なんざ興味ねぇよ!』っといった人もたくさんいると思いますので。
↑更新が遅れた理由もあとがきにあります。

 前書きの『』のセリフはあえて口悪く書いてあります。気分を害された方はすいません。


 ヴァニアスはなのはに追いつくように速度を上げていき、なのはの横に並ぶとなのはの飛行

速度に合わせる。なのははヴァニアスがなのはの横に並ぶのを確認してから話し始める。

 

 

「お父さんの役目はちゃんとしてきた?」

「……何度俺はあいつらの父ではないっと言ったら分かる?」

 

 

 ヴァニアスは疲れたように言う。そのヴァニアスの表情を見たなのははニヤニヤと笑みを

浮かべる。

 

 

「じゃあ、それキャロ達の前で言える?」

 

「……」

 

 

 ヴァニアスは聞く耳を持たんといった様になのはの言葉を無視する。もしくは都合が悪かった

から無視をしたのか。おそらく後者である。なのはも無視を決め込んだヴァニアスを相手をする

気はないらしくすぐに仕事モードに入る。

 

 

「エリオの魔力は大丈夫?」

 

 

 なのは出動直前に魔力を使ってデバイスの試験運転をしていたエリオを心配していた。いくら

訓練をしているとはいえ今回は初出動である。できれば全快の魔力で挑んでほしかったとなのは

は感じていた。

 

 

「俺も気になってヘリに乗る前に聞いたら……」

 

「聞いたら?」

「『大丈夫です。万全の状態で出動できる方が少ないですし、万全でなくても任務をこなせる

ように訓練してきました。それにキャロもいっしょです。だから……心配しないでください』

だと。言うようになったなあいつも」

 

「エリオ……」

 

 

 ヴァニアスはなのはの質問に少し誇らしげに答える。なのはもヴァニアスの話を聞いて穏や

かな笑みを浮かべる。

 

 なのはは急に穏やかな笑みを浮かべていたのを一変させて引き締まった顔になり、ウインド

ウをみながら話し始める。

 

 

「後三十秒で接触するよ」

 

「先行する。高町は遠距離からの支援攻撃、砲撃による殲滅を頼む」

 

 

 なのははヴァニアスの言葉に首を振る。

 

 

「だめ、防御魔法を使えない人を単独でいかせて遠距離で支援はできない。中距離で」

 

「了解した」

 

 

 ヴァニアスも反対されることは予測していたのかすぐに了承する。

 

「後十五秒」

 

 

 なのはの言葉と同時にヨネットから一発カートリッジが独特の乾いた音をたてて排出される。

 

 

「我、紫雷を操る者なり。天神よ我に力を与えたまえ。嵐となりし天神、今導きのもと舞い

踊れ」

 

≪ロードカートリッジ、プラズマランサー・レギオーシフト≫

 

 

 訓練の時使ったものより最初に出てきたランサーはだいぶ少なく、魔法陣もヴァニアス背後

に浮かんでいる。ガジェットもかなり近くになっておりヴァニアス達を威圧してくる。

 

 

≪以後レギオーシフトの維持と操作を主とするためサポートが薄くなります≫

 

「分かっている。……さぁ、行くぞ」

 

≪招致。モードⅡに移行します≫

 

 

 ヴァニアスはヨネットが言い終わる前に突撃をかけていた。紫色の雷撃がヴァニアスの居た

位置に少しだけ残っていた。

なのはもそれをただ見ているわけではない。ヴァニアスがレギオーシフトを展開し始めた時に

は動いていた。

 

 

「レイジングハート、行くよ」

 

≪準備はできてます、アクセルシューターセット≫

 

 

 なのはの周りにもヴァニアスと同じようにシューターが並ぶ。だがその数が違う。ヴァニア

スのランサーの三倍もの数のスフィアが浮遊していた。

 

 

「シューーート!!」

 

≪アクセルシュータ、シュート≫

 

 

 その声が発せられたのヴァニアスが閃光となった直後だった。

 

 ヴァニアスが一体目のガジェットを切り裂いたと同時になのはのシューターがヴァニアスを

囲もうとしたガジェットを一掃した。

 

 ガジェットはフェイトよりは遅いとはいえ、六課の中でも高速の部類に入るヴァニアスの接

近に対応できず、対応が遅れたところにシューターが飛んできて早くも戦力を削がれてしまっ

た。だが、これで終わったわけではヴァニアスの真上にいたガジャットが急降下を始め、他の

ガジェットはヴァニアスを狙撃する。

 

 

「バスター」

 

 

 そのヴァニアスの一言と同時に真上に放たれた雷撃を纏った紫の閃光によって急降下をした

ガジェットは一体残らず破壊される。だがヴァニアスは狙撃の方は無視をしていた。

 

 

≪範囲内に反応有り。殲滅します≫

 

 ヴァニアスが無視した狙撃は全弾レギオーによって相殺される。

 

 ガジェットもやられてばかりではなく、小隊を組んでそれぞれ動き始めた。

 

 

「はぁぁぁ!」

 

「バスター!」

 

 

 ガジェットの小隊の二つは組んだ一瞬でヴァニアスの雷撃をまとった斬撃、なのはの放った

桃色の閃光によってそれぞれ全滅させられる。

 

 その後もヴァニアスは防御はレギオーに任せて高速で移動しながら斬撃をメインとして、な

のはは移動は最小限にとどめてヴァニアスがシューターとバスターでそれぞれガジェットを殲

滅していく。

 

 

「≪フェイトが来る前に終わらせるせて、さっさとあっちのフォローに廻るぞ≫」

 

「≪うん、了解≫」

 

 

 ヴァニアスとなのはは少し離れた位置にいる念話を用いて会話をする。そうすると二人の会

話に割り込むように念話が入る。

 

 

「≪ごめん遅れた、後五秒で接触する≫」

「≪……さすがフェイトちゃん凄いタイミング≫」

 

 

 なのはは感心をしたように声を上げるが誰も反応しようとせず、会話を続ける。

 

 

「≪フェイトは俺と一緒に前衛を頼む≫」

 

「≪わかったよ≫」

 

 

 念話が終了した瞬間黄色の閃光が戦場を駆ける。そのスピードはヴァニアスがガジェットへ

突撃をした時よりも速く、鋭かった。そしてヴァニアスの隣まで来ると静止する。

 

「遅れてごめん」

 

「もう少し遅くても構わなかったが」

 

 

 ヴァニアスの隣に並びたったフェイトは再度謝罪をする。ヴァニアスはそれに対して素っ気

なく答える。二人共会話をしている最中でもそれぞれ黄色と紫のランサーをガジェットに向け

て撃つ。

 

 

「ヴァンは素直じゃないなぁ」

 

 

 フェイトは苦笑をするがすぐに顔を引き締めてガジェットを見据える。

 

「それよりも……」

 

「ああ」

 

 

 ヴァニアスもガジェットに意識を集中させる。

 

 

「≪二人とも行くよ?≫」

 

「≪了解/わかったよ≫」

 

 

 なのはは二人の了承と同時にカートリッジを使用したバスターを撃つ。その一撃により全体

の体勢が崩れたガジェットへとヴァニアスが突撃を仕掛け、フェイトはその援護を行う。

 こうして空の戦いは本当の意味で始まった。

 

 

 

 

 一方その頃エリオとキャロは大型のガジェットと対面していた。

 

 

「(魔力も残り少なくなってきた……ここは一撃で)」

 

 

 先のデバイスの試運転で魔力を消費していたエリオは持久戦は不利と思い短期で決着をつけ

ようとする。

 

 

「キャロ、突撃かけるからサポートお願い!」

 

「う、うん。無理しないでね」

 

 

 キャロはエリオを心配した様子だが魔法の詠唱を始める。

 

 

「我が乞うは、疾風の翼。若き槍騎士に、駆け抜ける力を」

 

「行くよ、ストラーダ」

 

 

 キャロのサポートを受けたエリオは他のガジェットを無視して大型のみを狙う。そのスピー

ドで得た運動エネルギーと魔力で強化された一撃はガジェットを破壊すると予想された。

 

 だが、実際は……

 

 

「っ!?硬い!!」

 

 

 ストラーダはガジェットを貫くことなく金属どうしが立てる甲高い音を立てるだけだった。

 

 キャロはそれを見た瞬間にすぐにエリオをガジェットから離そうし魔法を発動させる。

 

 

「我が求めるは、戒める物、捕らえる物。言の葉に答えy、っえ?なんで!?」

 

 

 もちろんガジャットもそれをほっとくわけがなかった。大型のガジェットはAMFを広げキャ

ロの魔法の発動そのものを止める。そのAMFは普通の大きさのガジェットが発生させるものと

は比べ物にならないほど効果範囲が広く、強力だった。ガジェットはキャロの邪魔をするとそ

の間にエリオをアームで捕える。

 

 

「っつ、この!離s、ッぐは!」

 

 

 エリオは必死に抵抗するも壁に叩きつけられてしまい気を失う。

 

 そのエリオをガジェットはリニアレールの走っている崖から投げ捨てる。

 

 

「エリオくん!?」

 

 

 キャロはAMFの所為でまともに魔法発動できず見ていることしかできなかった。だが、その見ている間にキャロの頭の中にはたくさんの過去の記憶が流れていた。

 

 

 

 

「すまぬなお前をこれ以上ここに置くわけにはいかんのじゃ」

 

最初はなにを言っているのか分からなかった。でも、すぐに捨てられたのだと思った。

 

 

 

「とてもじゃないけどまとな部隊でなんて働かせられませんよ」

 

 私は竜召喚をすぐとすぐに暴走させてしまっていた。だから管理局でもたらい回しにされ

た。

 

 

 

「どこに行くかは君がどこに行きたいかによるよ、キャロはどこに行きたい?」

 

 初めて私に居場所ができた。そこはとても暖かかった。

 

 

 

「フェイトに子供ができたって言ったから焦って来てみれば……。そういうことか……。焦ら

せるな……」

 

 最初は怖い人かと思ったけど違った。とても優しくて、フェイトさんのことが大好きなお父

さんみたいな人。

 

 

 

「改めて、僕はエリオ・モンディアル。分隊も一緒だしよろしくね」

 

 初対面の時から迷惑をかけっぱなしで、でも嫌な顔一つしない人。初めて友達って言える関

係を作れた。

 

 

 

「エリオくーーーん!!」

 

 

 キャロはそう叫ぶとリニアレールから飛び降りた。フリードもそれに続く。

 

 

「(護りたい。優しい人、私に笑いかけてくれる人たちを)」

 

 

 キャロは手を伸ばす。決意を胸に秘めながら。

 

 

「護りたい!!」

 

≪ドライブイグニション≫

 

 

 その手がエリオの手をつかんだ時ケリュケイオンから光が放たれた。そして浮遊の魔法が発

動する。そのキャロの目には迷いがなく、決意が宿っていた。

 

 

「フリード不自由な思いさせててごめん。私ちゃんと制御するから」

 

 

 

 キャロは自分にに追いついてきたフリードに語りかける。そして詠唱に移る。

 

 

「蒼穹(そうきゅう)を走る白き閃光。我が翼となり、天を駆けよ。来(こ)よ、我が竜フリード

リヒ。竜魂召喚!」

 

 

キャロの詠唱が始まると同時にフリードの身体は桜色の魔力に包まれその魔力はしだいに大

きくなりキャロをも包んだ、そして詠唱が終わるとそれ弾けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつらは大丈夫そうか……」

 

 

 ヴァニアスはリニアレールの方で輝く桜色の魔力光を見て安堵の表情を浮かべる。

 

 

「エリオとキャロも成長したね……」

 

 

 ヴァニアスの隣に並び立つフェイトもヴァニアスと同じような表情を浮かべている。

 

 なのはは敵の増援がいないか目視で確認をしているらしくヴァニアス達の遥か上空にいた。

そんな三人に通信が入る。

 

 

『リニアレールの路線上の崖にガジェット反応!!このままだと五分後にリニアレールに接触

します』

 

『崖崩れの可能性が考えられますのでライトニング1、ライトニング5での殲滅をお願いしま

す。数は不明ですが多くの反応は見られません。ですが大型が現在で二機確認されています。

警戒してください』

 

「ライトニング5了解した。ライトニング1と共に現場に向かう。座標データを頼む。スター

ズ1はFW部隊の援護を」

 

『スターズ1了解』

 

 

 なのはは言葉を最後に通信を終える。デバイスにはすぐに座標データとリニアレールとの接

触時間が送られてきた。

 

 

「時間がないよ、ヴァンつかまって」

 

 

 フェイトは行動は言ったことは異なっており、ヴァニアスを手を問答無用っと言った感じ握

る。しかもフェイトはかなりの速度をつもりらしくヴァニアスと離れないために俗に言う恋人

繋ぎで手を繋ぐ。

 

 

「っ!?」

 

 

 ヴァニアスは一瞬驚いたような表情をしたとおもうとすぐに顔を赤く染めた。幸いなことに

フェイト”には”見られていなかった。

 

 

 

 

 この後フェイトとヴァニアスはガジャットをなんの苦もなく殲滅をし、リニアレールのコン

トロールも取り戻し、レリックも無事に回収をした。こうして機動六課初出動は幕を下ろした

のであった。

 

 帰還後ヴァニアスは先のことでからかわれることになるがそれはまた別の話。




 スーパーエリオ&キャロタイムカット!!もうね、原作写してるような感じがして書いてか
らカットしたから未練がたらたらだったよ!

 批評、感想、誤字脱字報告等お待ちしております。どうでもいい雑談でもいいですよ。どう
でも雑談はできれば作者に直接でお願いしますね。

 

 更新が遅れた理由ですが……この話の制作そのものに時間がかかったという事とPCが執筆中
にフリーズして3回は書きなおしてるという事です(←自動保存の機能は4回目以降に気がついて
使い始めました。便利ですね)
 前者ですがエリオの見せ場にどう手を加えたものかと悩みまくり(最終的にカットという決断
をしましたが)、後者はPCの調子が悪いことが原因ですね。遅れて本当に申し訳ない。

 ※ネタばれってほどじゃないけどネタばれって思う人もいるかもしれないから一応警告してお
きます(議題は『この小説、オリジナル要素有ってタグあるけどあんまなくね?』)


 本編なんですが「今までオリジナル要素有って言うほどあった?」って疑問に思いません?少
なくとも私が読者なら思います。……ホテル・アなんちゃらのとこまで待ってください。あそこ
からかなり原作と変わりますから。因みにこれは読者様からの指摘ではなく自分で思ったことで
す。


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番外編 前篇:火:アリサ・バニングス + 触媒:高町なのは + ある物質:八神はやて=?

 更新遅れてすいません。しかも、本編じゃないです。

 初の番外編!サウンドステージの話をヴァニアス視点の一人称で書かせていただきました。いやぁ、一人称って難しいですね……これの制作に約一カ月かかりました(汗
※言い訳はあとがきにて

 そんな慣れない一人称ですので誤字脱字等いつもより多いと思います。そんな時は感想かメッセージで教えていただくとありがたいです。

では、前書きはこのくらいにして本文をどうぞ!


「出張任務だと?」

 

 

 俺、ヴァニアス・マルディネスは部隊長である八神から次の任務の話を聞いていた。

 

 

「まぁ、カリムが半分休暇の代わりで出してくれた任務なんやけどな」

 

 

 八神は苦笑をしながら答える。騎士カリムは六課の創設にも関わった人物であることは聞いているがどのような人物かは知らない。今の話を聞く限る初任務で疲れた人に休暇を与える程度は優しい人物ではあるようだ。

 

 

「……で、どこへの出張なんだ?」

 

 

 俺は多分わざと話していないであろう任務先を訊く。

 

 

「聞きたいん?」

 

 

 八神は目を厭らしく光らせながら訪ねてくる。

 

 

「……お前の所為で聞きたくなくなった。が、任務先d「第九十七管理外世界 地球」……」

 

 

 俺が言葉を言いきる前に八神は任務先を言う。それは俺がもっとも行きたくない世界の一つであった。正確に言うと最も会いたくない人物の一人がいる世界であった。

 

 

「……転送ポートはお前達の友人の所にあるんだよな?」

 

 

 だが、まだ会うと決まったわけではない。希望を捨てるわけにはいかない。

 

 

「ん?そうやね、それがどうしたん?」

 

 

「その友人の名前は?」

 

 

 俺は俺の任務への参加不参加を決めるであろうこと八神に尋ねる。

 

 

「??、アリサちゃん。アリサ・バニングス」

 

 

 八神は俺がなんでそんなことを訊くのか疑問に感じていたらしいがそんなことは今の俺にはどうでもよかった。

 

 

「その出張の日俺は六課の護衛をしよう。新設された部隊だ、犯罪者どもが襲ってこないとも限らないしな」

 

 

 俺は全力でその出張への不参加でのメリットを述べる。

 

 

「ヴァニアス君の言う事に一理あるなぁ、考えとくわぁ」

 

 

 八神の了承?の返事を聞いて俺は内心ほっとしていた。

 

 だが、この時の俺はもっと早く気が付くべきだった……。八神の前でこんな態度をとったら玩具にされるという事を。

 

 

 

 

 

「八神訊きたいことが二つある」

 

 

 俺は八神を睨みつけながら問う。もちろん睨んでいることが近くにいるシグナムにばれないように自然体を意識しながら。

 

 

「リインがなぜでかくなっている?」

 

「外部フレームを使用してるんよ。あれで魔法文化のない管理外世界でも問題なく活動できるんや」

 

「……確かにあんなのが管理外世界で浮いていたら怪奇現象扱いか……。それともう一つ……。なぜ俺がここにいる?」

 

「ん?何言っとるん?ヴァニアス君も行くからに決まっとるんやん」

 

 

 俺は溜息もつかずその場‐‐ヘリポートから踵を返す。

 

 

「出張がんばれ、俺は隊舎の警備と自己鍛錬でもしている」

 

「……フェイトちゃん呼ぶよ?あと、エリオとキャロも呼ぶけどええ?」

 

「分かった行く。だから、あいつら呼ぶな」

 

 

 あの三人が来たら確実に面倒なことになる。あの三人が面倒なのではなくその三人に余計なこと言うタヌキと白い悪魔が面倒事を起こす。今は白い悪魔の方は俺の近くにいないがいつ来るかわからない。故に、俺は八神のその言葉に屈するしかなかった。

 

「……会わないことを祈るばかりか」

 

 

 俺は甘すぎる考えをするしか選択肢がなかった。

 

 

「ヴァン、はやて!ヴァイスが出発できたって!」

 

 

俺と八神はフェイトに呼ばれてヘリへ乗り込む。その時の俺は希望を捨てていた。

 

 

 

 

 

「あんた達も部下がちゃんといるのねぇ……。特になのはが教導官とか未だに信じられないわよ。歩いたら躓いて、走ったら転んでいたのにね?」

 

「っにゃ!?アリサちゃん!?今は関係ないよね!?仮にも部下の前なんだからそういう話はしないで!!」

 

「体育の授業があるたびになにか問題おこしてたもんね」

 

「すずかちゃんまで!?」

 

「あははは……」

 

 

 高町達は旧交を深め合っているのかこっちに意識を向けることはない。意識していないから声も大きくこっちにも聞こえている。高町の昔話(黒歴史)が暴露されているのも聞こえている。それを聞いたエリオ達4人は目を丸くしている。できればもっと多く高町の昔話もとい黒歴史を暴露してほしいものだ。反撃の材料になる。

 

 

「な~~に乙女の話を盗み聞きしとるん?ヴァニアス三等空尉」

 

 

 わざわざ階級付き呼んで、まるで盗み聞きをしている俺に対して『管理局員がそんなことええん?』とでもいいたげな八神が俺の後ろから現れる。相変わらず嫌な時に嫌な現れ方をする奴だ。

 

 

「……お前は行かなくていいのか?」

 

「話を反らそうとしたって無駄やで。どうせなのはちゃんへの反撃材料でも用意しようしたんやろ?」

 

 

 八神はお見通し言わんばかりに俺の顔を覗き込む。だが、すぐに身体を反転させ高町とフェイトとその友人の方を向く。

 

 

「まっ、今回不問や」

 

「?」

 

 

 いつもならここぞ言わんばかりに攻めて俺をいじろうとする八神が珍しく俺を見逃した。このことに俺は不信感を覚えた。

 

 

「アリサちゃ~~ん!なのはちゃ~ん!ちょっと来て!」

 

「っ!?」

 

 

 俺は抱いた不信感は間違いではなかった。八神はやらかした。俺が細心の注意を払って回避しようとして事を回避不能な状態にした。しかも、高町という嫌おまけまで付きで。

 

 

「はやてどうしたの?」

 

「そうだよいきなり」

 

 

 小走りでこっちへ来た高町とアリサ・バニングスは八神が呼びだしたことを疑問に思っているらしい。

 

 

「なぁ、アリサちゃんこの人どっかで見たことない?名前はヴァニアス・マルディネス」

 

「……ああ!あるわ」

 

 

 アリサ・バニングスは数秒俺の顔を見ると思いだしたらしい。

 

 

「やっぱなぁ。で、どうして会ったん?」

 

 

 八神は確信に近いことを訊く。俺はアリサ・バニングスが覚えてないことを祈るばかりである。背中に冷や汗を流しながら。

 

 

「中学三年の学園祭あったでしょ?あんときあたし達のクラスメイド喫茶やったじゃない?そん時来たのよ客として」

 

「「へ?」」

 

 

 まずい、マズイ、不味い、拙い。八神さえも予測していなかったらしく素っ頓狂な声をあげている。ある意味予測通りだった方が良かったかもしれない。

 

 

「た、確かにやったけど……」

 

「かなり珍しい客だったし、フェイトの知り合いだって言うから少し話したから覚えてるわ」

 

「どんな感じだったん?」

 

「あたし達と同い年くらいで学園祭に来てるのにスーツだし、入ってくるなりフェイトしか見ないし、フェイトに手振られて顔赤くするし、フェイトに色眼使っていた男どもには威嚇するし、メイド服姿のフェイトに間近で『ご主人様』って呼ばれて顔反らしてさらに顔赤くして、あたしフェイト唆して『旦那様』って呼ばせてみれば、テーブルに頭打ち付けていたわね。後、うちクラスの大人し目な娘達を二、三人落としていったわ」

 

 

 八神と高町はアリサ・バニングスの話を聞き終えるとこちらをちらちらと見ながら必死に笑いをこらえていた。そのうち限界を迎えたらしく、

 

 

「「あはははははははは」」

 

「……」

 

 

 俺は苦虫を何匹潰したか分からないような表情をしているに違いない。

 

 これが嫌だった……。これをネタに何日間あいつらの遊び道具扱いされるにのだろうか……。考えるだけで憂鬱だ。

 

 

「手振られただけで顔赤くするって……ダ、ダメや、笑いが」

 

「だ、だめだよ、はやてちゃん、そんなに、わ、笑ったりしたら……ご、ごめん私も限界!」

 

 

 ……1カ月くらい休暇をもらい何処か人のいない処へ行こうか、そうすれば少しはこの心労も減るだろう。

 

 

「ヴァニアスくんまるで初恋の乙女みたい」

 

「お・と・めwww乙女ってそれはいかんでなのはちゃん。主にわたしのお腹の問題で」

 

 

 ……ダメだ、六課の書類仕事が俺無しで終わるわけがない。

 

 

「あー、笑った、笑った。なんやヴァニアスくん、わたしらのクラスの娘らを落としていったって?まぁ、外見はそこそこええからな」

 

「気取った感じでスーツを着てる訳じゃないしね」

 

「確かに坊ちゃんや成金が威張ってスーツ着てる感じはしなかったわね。中学生でスーツ着こなすって……あたしやすずかが言えたことじゃないか」

 

 

 なおかつ、最終的に休暇届けを承認するのは部隊長である八神だ。俺はどうすればいいんだ?

 

 

「でも、落とされた娘ら可哀そうやな。まず地球来んし、本人はフェイトちゃん一筋だし」

 

「こんなに思われてるのにフェイトちゃんは相変わらずの天然で鈍感だし」

 

「へ?こいつとフェイト付き合ってないの?」

 

 

 最悪八神を脅して……、無理だ。脅す材料が部隊内のセクハラ(女性へ)を上層部へ報告するか、書類仕事を手伝わないくらいしかない。書類仕事はアレの為に手伝わないわけにはいかないから実質セクハラ件だけか?

 

 

「付き合ってへんよ、ヴァニアス君の一方的な片思いや」

 

「アリサちゃんはなんで付き合ってると思ったの?」

 

「……あたし達のクラスの娘を二、三人落としたって言ったじゃない?その娘達親しそうにこいつと話していたフェイトにどんな人かとか、どこに住んでいるかとか訊いたのよ。そしたら……」

 

 

 八神のあのセクハラは酷いしな……、案外いい感じに問題になってくれるか?だいたいあいつはあんなにも女性の胸を揉みただがるのか(特にライトニングの二人のを)?お前は中年の痴漢親父か。

 

 

「「そしたら?」」

 

「フェイトは惚気とも取れそうな……いや、惚気にしか聞こえない言葉でこいつをベタ褒めしたのよ。しかも、頬を少し赤く染めながら」

 

「「……うわぁ」」

 

 

 シグナムは家族だからいいのかもしれないが、フェイトは親友と言ってもただの友人だぞ?フェイトがそれを許したとしても、俺にわざわざ見せつけるようにやらなくてもいいと思う。

 

 

「……フェイトちゃんゼッタイに自分の失敗の話とかしてそれが恥ずかしいから頬を赤くそめてたよ……」

 

「ここまで来ると悪女にしか見えんわ……」

 

「その反応の様子だと天然と鈍感でまたなにかやらかしてるらしいわね」

 

 

 ……だが、羞恥心で顔を赤くするフェイトは非常に可愛かった。

 

 

「また男を無意識に落としてるの?」

 

「そうみたいだよ、よく食事に誘われていたみたいd」

 

「高町、その話詳しく聞かせろ」

 

 

 俺の聴覚が必要な情報を手に入れたらしく脳にその情報を伝えてくれた。

 

「……うわぁ、今までなに言っても無反応やったのに……ヴァニアス君ってフェイトちゃんが関わってくるとキャラ崩れるなぁ」

 

「ほんとだよね、普段はあんましゃべんないのにフェイトちゃんと話す時とフェイトちゃんの話題の時は普通に話すもんね」

 

「好きに言っててくれ、それよりさっきの話続きを」

 

「……あんた大変ね、天然のフェイトに振り回されて、尚且つはやてにいじられるって……ご愁傷様」

 

 そう思うならあぶr、ガソリンに火をつけないでほしいと思うのは贅沢なのか?

 

 

「ヴァン~、このお菓子おいしいよ。地球の料理なんて食べる機会あんまりないからスバル達が食べちゃう前に食べといたほうがいいよ!!」

 

「ああ、わかった、今行く!」

 

 

 フェイトから呼ばれたため普段では出さないような比較的大きい声で返事をする。そして、俺は姫様(フェイト)のもとへ早足で向かう。

 

 後ろからなにか話声と『ニヤニヤ』と効果音が付きそうな視線をいくつか感じたが気のせいだろう。




 感想、誤字脱字報告、批評いつでもお待ちしております。


 さて、ここからスーパー言い訳タイムだ!!

 まず、一つ!
 私、受験生ですから!模試やらテストやら二年の時とは比べ物にならないくらい忙しいんですよ!

 二つ!!
 ただでさえ少ない執筆時間を趣味の遊戯王の方へ回したり、他の作者様の二次創作を読んだりしていた!!


 この二つが遅れた理由ですね。大変申し訳ない


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番外編 後編:スーパーセントウ

 お久しぶりです。色々なことがありましたがまた投稿することができました。活動報告では6日から1週間以内に投稿するみたいなことを言いましたが……すいません遅れました(←ほとんど艦これの所為)この時期に投稿してる時点で受験を諦めている思われるかもしませんがご安心ください。ダメ元で受けた推薦入試に合格しました。まぁ、センターの結果は送られますから勉強はしてますが……、それを差し引いても他の受験生より時間があることには変わりはありませんので少しずつですが執筆していきます。

 感想、評価、誤字脱字報告等々してくれるとうれしいです。

※今回も番外編ですのでヴァニアス君の一人称となっております。次回からは三人称に戻ります。 後、今回は番外編のことをいいことにパロネタを放り込んでおります。あとがきに元ネタ書いておくのでよかったら見ていってください


「……スーパー戦闘?おい、いくらお前にバトルジャンキーの気があるからって管理外世界でしなくてもいいだろう。第一、そんなことやらかしたら問題だろ」

 

 あの後高町家に行ったり色々とあって、バニングス家?に戻って夕飯をで済ませた。そして少ししたらいきなりフェイトと高町が『スーパーセントウに行く』とかのたわった。こいつはいつの間にかシグナム病がかなり進行していたようだ。早いとこ長期休暇届出させて戦闘のない自然が豊かな管理外世界にでも行かせるべきだろう。なんなら地球≪ここ≫でもいい。

 

「ん?どうしたの?」

「フェイトちゃん、『スーパー銭湯』って言ってもわからんよぉ。でも、スバル達の前に副隊長がボケをかますのは予想外やな。まっ、反応予想通りやけど」

「……いいからその『スーパーセントウ』とやらについて教えてくれ、あいつらも俺と同じこと考えてらしいぞ」

 

 そう言って俺はエリオ達FW陣のいるとこに目をやる。そこには皆一様に顔を青くしたあいつらがいた。

 

「ん~、簡単に言うと大きなお風呂だと思えばいいよ」

 

 高町が『スーパーセントウ』について説明する。その説明を聞いて少しホッとした。まだ、フェイトは正常らしい。

 

「じゃあ、いくでぇ~。第六機動部隊出撃や!」

「はやてちゃん……、それなんにも恰好ついてないよ……」

「いいんよ、雰囲気だけやから」

「……第一、『第六機動部隊』でもないだろ」

「いいんよ、それも雰囲気やから。それとも『八神機動部隊』のほうがよかったんか?」

「「それはない(よ)」」

「そうやな、ないな。なんか偵察怠ったりして5人くらい戦闘不能になりそうやな。なのはちゃん、フェイトちゃん、シグナム、ヴィータ、ヴァニアス君 な気がするんよ。わたしは生き残りそうやな」

「……なにそれ、不吉なんだけど」

「そう考えるとやっぱ私ら『機動六課』が一番ええような気がする」

「最初からそれで良かっただろ……」

「気分や、気分。気分は大事にせなあかんで!わたしの士気的な意味で!」

「♪~」

 

 俺たちはこんな会話を続けながら『スーパーセントウ』に向かっていく。フェイトだけは会話はに参加しなかったがやけにご機嫌な様子で歩いていた。

 

 

 

 

 エリオが女風呂に連れて行かれそうだったので救出したり大変だったがとりあえず脱衣所まで避難させた。夕飯時から合流した高町の兄:恭也さんもあの光景には顔を引き攣らせていた。

 

「ヴァンさん、ありがとうございます……」

 

 エリオの声は疲れ切っていた。息も絶え絶えといった感じだ。

 

「ああ、男にとって女風呂≪あそこ≫は地獄だからな」

 

 世の中には『あそこ』を天国や楽園と称する奴がいるが、俺はその意見には断固反対だ。『あそこ』に男一人放置されてみろ、精神なんて一瞬ですり減らせ、精神科に御用になることだろう。

 

「なのは達がすまない……」

「「……」」

 

 恭也さんも『あそこ』は地獄派らしい。実際に謝ってきている。それにしても、本当だったら『そんなことないですよ』くらいのことを言ったほうがいいんだろうが。……さすがに『あれ』をそれで片づけれる気がしないので黙るしかなかった。それはエリオも同様なようだ。しかし、その気分をいつまでも引きずっていても仕様がない。気分を変える為に早く風呂に入ることにしよう。

 

「お~、大きいですね」

「さすがスーパーだな」

「(果たしてスーパーはそこから来ているのか?)」

 

 恭也さんがなにか呟いているがどうしたのだろうか?それよりもエリオが早く入りたそうにしてるが止める。

 

「先に体洗うぞ」

「はい」

 

 俺がエリオにそう言うと素直に付いてきた。そして洗い場に行く。

 

「エリオ、こっち来い。髪ぐらいは洗ってやる」

「あ、ヴァンさん私もお願いします」

「ああ、分かった。エリオを先やるからキャロは先に体をあr……」

「……」

「なんですか?」

 

 なぜかキャロがいる。あまりにも自然にいるから普通に会話をしてしまった。大方まだエリオと風呂に入ることを諦めてなかったっといった感じか。エリオは完全に停止している、後少しの間は帰ってこないだろう。

 

「じゃあ、先に体洗ってますね」

「……ああ」

 

 女という生き物は皆こんなに肝が据わっているのか?全く意に介した様子がないのだが……。

 

「って、キャロ!?なんでここに!?」

 

 エリオがやっと復帰した。結構長い間呆けていたな。

 

「エリオ君騒ぎすぎだよ。他の人もいるんだから」

「ご、ごめん……って、違うよ!キャロがここにいる説明になってないよ、それにここは男湯だよ!」

 

 エリオが完全に手玉に取られている。なかなか見てるとおもしろいものだな、律儀に少し声を落としているあたりも笑えてくる。

 

「なのはさんが書いてあるって言ったじゃん『十歳以下のお子様に限り異性の湯に入ることができます』って」

「う、うん。それの所為で僕は……あっ!」

 

 エリオ、やっと気がついたようだな。そんなことを考えている暇は一切なかったから気づかないのも仕方ないか……。

 

「そう、だから私が男湯≪こっち≫来ても問題無いよね?」

「で、でも!」

「はぁ~、エリオ諦めろ、キャロは何を言ってもここから出てかないぞ」

 

 エリオがまだ抵抗していたがキャロの目を見る限りここを出ていくつもりもなさそうなので早々にエリオを諦めさせることにする。大体男は女に振り回される生き物なんだからさっさと諦めを覚えろ。

 

「はい……わかりました」

「ほら、体冷える前にさっさと洗うぞ。エリオ、もっとこっちよれ」

「あ、ヴァンさん、エリオ君の体は私が洗っていいですか?」

「え!?」

「やめてやれ、後エリオ、動揺するのはわかるが暴れるな」

「あ、すいません」

「残念です」

 

 そんな感じで少し燥ぎながら俺も含め全員が体を洗い終わりやっと湯船に浸かる。恭也さんは俺たちよりも洗い終わって先に浸かっていた。

 

「君たちは兄弟なのか?」

「?エリオとですか?」

「そちらの子も含めてだ」

「違います。エリオとキャロとも血はつながっていませんよ」

「そうか。だが、君たちは仲良い兄弟や親子に見えたぞ」

 

 俺達は他人から見たら親子か兄弟に見えるみたいだな……、そうなるなとフェイトは姉か母か……深く考えるのはやめよう顔に少し紅がさすのが分かる。しかし、うれしいものはうれしい。

 

「どうだ?あそこに入ってきたら」

 

 そう言って恭也さんが指さしたのは何か書いてある外行の扉だった。

「すいません、なんて書いてあるか教えてもらえませんか?」

「あ、すまない。『家族風呂』と書いてある。家族限定の風呂と言ったところだろ、君たちにぴったりだと思ったんだ。後、タオルを着用するよう書いてある」

 

 なんでも外にはここより小さめの湯船があるらしい、時期によって『子供風呂』に変わったりするだたとか。

 

「……エリオ、キャロどうする?入るか?」

「「はい!」」

 

 二人とも入りたいらしいな。

 

「では、失礼します」

「ああ、楽しんできてくれ」

「「はい」」

 

 湯船から出て、扉から外でる。そうするとタオルを見つけているだけではさすがに少し肌寒いかった。なのでさっさと湯船に浸かることにする。そして、しばらくとのんびりとエリオ達と会話を楽しんでいると扉が開く音がした。それも俺たちが入ってきた方と違う方から。だれか来たと思って音のした方を向いた。

 

 ………………

 

 俺は意識を手放すことになるらしい。徐々に視界が暗くなっていく。

 

「「ヴァンさん!?」」

「ヴァン!?」

 

 ただ、意識を手放す前に見たタオルだけを身に着けたフェイトの姿を忘れることはできそうにもない。

 

 このあとFWメンバーでロストロギアの封印を行ったそうだ。封印処理の担当はキャロだったらしい。らしいというのはバニングスの家?で寝かされてたからだ。ちなみにフェイトを差し向けたのは案の定八神だったようだ。女風呂からは外の様子が分かったらしい。……あいつには後で復讐を絶対に行うことを決意した。色々なことがあったがこれで機動六課の出張任務は終了した。

 

 

 おまけ(本編に関係あり?)

 

「あんたもデバイスってやつ持ってるんでしょ?人格はあるの?」

「アームドデバイスだが人格はある。ヨネット、挨拶を」

≪招致、お嬢様方こんにちは≫

「こんにちは。へぇ~、デバイスの言葉もあたしたちに聞こえるようになってるのね」

「私もこんにちは。何度見てもすごいなぁ~、どんな技術なんだろ」

「ヴァニアス今でた『招致』って日本語?」

「そうらしいな。俺は知らん、製作者が『カンジ』とやらを気に入ってフェイトに聞いて簡単な返事くらいはそれで表示されるようにしたらしい」

「「……」」

「……どうした?」

「アリサちゃん……フェイトちゃんの国語の成績って……」

「うん……悪かったわ、赤点ギリギリのときあったくらい」

「……なにが言いたい」

「あ~、その『招致』間違えってるわよってこと」

「……」

「あっちに帰ってからなのはちゃんかはやてちゃんにどんな字か聞いて変えたらどうかな?」

「……そうする」

 

 そして、ヴァニアスは一つ学んだ。『カンジ』のことはフェイトは信用できないと。




  第六機動部隊 
 ※第一機動部隊(航空母艦赤城、加賀、蒼龍、飛龍 を主とした高速艦で構成された機動部隊)
  

  八神機動部隊 
 ※南雲機動部隊をもじりました。
 
 
  偵察を怠ったり
 ※諸説はありますが……とりあえず、慢心、ダメ、ゼッタイ!


  五人くらい戦闘不能になる 
 ※ミッドウェー海戦で沈んだ五隻(赤城、加賀、蒼龍、飛龍、三隈)にちなんでいる。(空母は隊長陣、三隈はFWの誰かにしようとしたが一人だけ仲間外れになるので断念した。)

  わたしは生き残る 
 ※私は黒潮(艦これ)がはやてに似すぎていると思う。あの外見で関西弁って……ねぇ。で、黒潮がミッドウェー海戦から生還してることから。







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第十二話:訓練本格化

 皆さん半年ぶりです……。更新遅れて申し訳ありませんでした。完全に遊戯王に没頭してました

 ツイッターなんぞを始めました。早く更新しろよ!や意見、趣味やアニメの話等々絡んでいただけると嬉しいです。HNはこちらと同じ三日天下でプロフィール画像(アイコン)はとある御方に描いていただいたフェイトとなっておりますのでよかったら是非

 誤字脱字報告、感想、批判などお待ちしております。そして今回タイトル詐欺ですw


 今日も六課では訓練をしてるFW陣の悲鳴や掛け声が響いていた。

 

「……当たるな、すべてを避けろ。防御をするな足を止めるな」

 

「は、はい!!」

 

 その訓練場の一角でエリオはヴァニアスから訓練を受けていた。その訓練とはヴァニアスが出すランサーを避ける避けるひたすら避けるというものである。

 そのランサーはエリオの周りを円を描くように囲んだ設置したものから放たれており撃ったは補充撃ったら補充を繰り返しており、時折ヴァニアスのデバイス―ヨネット―から放たれるものの二種である。

 このヨネットから放たれるランサーが曲者だ、勿論普通のランサーよりも速度、威力共に高い。更に一回のみヴァニアスの手動によるターンが入る、しかもターンするかどうかは不明である。避けた後に気にしなくてはいけない弾丸が偶に紛れ込んでおり当たるとダメージが入りノックバックもするので更にランサーが命中しダメージが入る。この連鎖を起こさないためにもすべて避けるしかない。

 

「お前は敵の攻撃を掻い潜っての一撃離脱、スピードに一気に距離つめられる故の奇襲性が売りだ。だから絶対に足を止めるな」

 

「はっ、は、はい!」

 

 エリオも必死になりながらもヴァニアスの話を聞きながら訓練を続けている。六課に来たばかりの頃にはできなかったことだろう。

 

「そろそろ射撃魔法以外もいくか……エリオ!今から砲撃を混ぜる、最優先で避けろ……避けないと……医務室行だ」

 

 そう言ってヴァニアスはヨネットの銃口をエリオに向け、引き金を引いた。

 

≪バスターバレット≫

 

 紫色の奔流がエリオに向かって放たれた。

 

「っ!?、ソニック・ムーブ!」

 

≪ソニック・ムーブ≫

 

 エリオは自分の十八番の移動魔法を使いなんとかヴァニアスからの砲撃を回避する。しかし……

 

「……威力の高い魔法を回避したからと言って安心するな、次がないとは限らないからな」

 

 エリオの周りにはプラズマランサーがもう迫っており回避できる距離ではなかった。

 

「うっ!」

 

 計5つのランサーが命中する。どれも威力は抑えられており痛い程度で済むものだった。

 

「威力は抑えた、続きを行くぞ」

 

「はい、ヴァンさん!」

 

 

 

 

 FW陣は午前の訓練も終了しシャワーを浴びて昼食を摂っていた。因みに本日の昼食はスパゲティらしい。

 

「ふぉいえばふぁ(そういえばさぁ)」

 

「口に物が入ってる時にしゃべろうとしない」

 

 スバルが話そうとし、ティアナに注意される。いつも過ぎる光景にエリオとキャロは苦笑していた。その内にスバルは口の中のものをすべて飲み込んだらしく話を再開する。

 

「そういえばさぁ、なのはさん達隊長陣って身内が多いじゃん?」

 

「そうね、なのはさんと八神部隊長は同じ管理外世界の出身らしいし」

 

「フェイトさんも小さい頃は同じ世界で過ごしたらしいですよ」

 

「ヴィータ副隊長とシグナム副隊長も八神部隊長の家族ですし……」

 

 ここまで言って4人の中で疑問が生まれた。

 

「「「「ヴァニアス副隊長(ヴァンさん)は?」」」」

 

「ずっと気になってたんだよねぇ」

 

「確かに言われてみれば……」

 

「フェイトさんの副官だったからじゃないんですか?」

 

「私もそう思います」

 

「そうかな?う~ん……」

 

そうエリオとキャロに言われてがスバルは少し納得できないようで首をかしげている。その状態でスバルはぽろっと呟く。

 

「じゃあなんで副官に選ばれたんだろ?歳も同じだし……」

 

「た、確かにそうね……魔導師ランクが高い人に魔導師ランクの高い人をあてるのも不自然ね。しかも、管理局の勤務年数も対して変わらないでしょうし……当時まだ私達より若かったフェイトさんには普通ベテランまで行かなくても副官暦が長い人をあてるでしょうし」

 

「そう言われてみると……」

 

「不自然ですね……」

 

 スバルの呟きによって残りの3人も首をかしげることになった。今首をかしげている4人も後ろから忍び寄る影があった。

 

「……気になるか?」

 

「「「「へ?……ヴァニアス副隊長(ヴァンさん)!?」」」」

 

 FW陣の後ろには日替わり定食を持ったヴァニアスの姿があった。

 

「……そんなに驚くか?」

 

 少し怪訝な顔をしてヴァニアスは尋ねた。

 

「ヴァンさんの話をしてる時に急に後ろに現れたら驚きますよ!」

 

 エリオがそう言うと他の3人も同意らしく首を縦に振る。

 

「……まぁ、いい。俺がどうしてフェイトの副官になれたかっだったな?」

 

「は、はい」

 

 ヴァニアスもそこまで気にしていないらしくすぐにいつもの感情表現が少ない顔に戻る。

 

「一言で言ってコネだ」

 

「「「「へ?」」」」

 

 ヴァニアスの口から放たれた強烈な一言によってFW陣は固まってしまった。ヴァニアスには予想通りの反応だったらしく少し面白そうに口角を上げていた。

 

「まぁ話すと長くなる……座っていいか?」

 

「は、はい!」

 

「どうぞ!」

 

 スバルとティアナが過剰な反応を見せてる中エリオは黙々と隣の席から椅子を一つ拝借していた。

 

「ヴァンさん、ここでいいですか?」

 

 エリオは自分とキャロの間を一席分開けてヴァニアスに確認を取る。キャロもヴァニアスが座りやすいように少し移動する。

 

「ああ、すまんな。キャロもありがとう」

 

「いえいえ」

 

「そ、そんなこと」

 

 ヴァニアスの労いの言葉に何でもないですよと言った感じのエリオ、照れるキャロと両極な二人であった。

 ヴァニアスは用意された席に座り、話し出す。

 

「一言で言えばコネだ」

 

「「「「え?」」」」

 

 FW陣4人は予想していなかった言葉を聞いて驚愕の表情を浮かべた。

 

「親父がクロノに口添えしておいてくれたらしくてな、クロノの推薦で一発だった」

 

 いまだぽかんとしてるFW陣だがスバルがいち早く回復してヴァニアスに質問をする。

 

「ヴァニアス副隊長のお父さんってどんなお仕事してらっしゃるんですか?やっぱり管理局でお仕事してるんですか?」

 

「「…………」」

 

 スバルのその言葉を聞いた瞬間エリオとキャロは急に暗い表情をして顔を伏せる。それを見てティアナは疑問に思うがなにも思いつくことはなくヴァニアスの回答を待つしかなかった。

 

「親父は管理局員だったな。俺が12歳の時殉職したがな」

 

「あっ……」

 

「(ばかっ)」

 

「(だ、だってぇ~)」

 

 ヴァニアスの言葉を聞いた瞬間スバルはしまったという表情を浮かべ、ティアナはスバルを睨み付け念話を飛ばす。

 少々暗い雰囲気なってしまったがヴァニアスは気にしていないと言わんばかりに話を再開する。

 

「フェイトの副官になった時が14歳だったからな……親父はフェイトが執務官志望という情報得た頃から手を回してくれたらしい」

 

「あの、なんでヴァンさんはフェイトさんの副官になりたかったんですか」

 

 エリオはスバル達の暗い雰囲気を打ち消そうと少し明るめの声でそう言った。

 

「……俺は管理局に入りたてのとき明らかに異質な存在だった。入局時点の8歳で総合Aランク、絶滅危惧種扱いされていた古代ベルカ式の使い手、おまけに魔力変換資質持ちで尚且つ防御系統の魔法が一切使えないときたからな」

 

「「「「…………」」」」

 

 こうやって並べてみると改めて規格外の人だなぁしみじみと思っているが絶対に口には出さないFW陣4人であった。

 

「入局してしばらくした後ある情報が親父の元に届いた……俺と同い年のAAAランクの魔導師が二名発見され片方は嘱託魔導師にすでになっているとっな」

 

 この言葉を聞きさらにすごい人たちがいたなぁと若干遠い目をしつつあるFW陣である。

 

「その魔導師達の活躍……闇の書事件での戦闘風景を親父が入手した。そこに移っていたのは防御を捨てスピードで翻弄していくタイプの近~中距離を得意としたミッド式の魔導師だった……それを見て思った、『こいつの戦い方をもっと見たい、こいつと戦って技術を盗みたい』とな。しかし俺はすでに親父の部隊に配属されていた、だから親父に頼んだ。こいつと同じ部隊にしてくれっと、そしたら親父に『甘えるな、お前はすでに局員だ。私情で部隊を異動などできるものか』て断られたよ。秘密裏にクロノに口添えしてくれていたのにな。本当にいい親父だったよ」

 

 ヴァニアス言い終わると黙々とちょっとずつつついていた昼食を食べ始めた。そしてなぜか最後のほうにまた暗い話題に行ってしまったことに困惑してるFW陣であった。しかしその雰囲気を壊すものが現れた。

 

「もう、ヴァン。みんな困ってるよ、そんなとっつきにくそうな顔しないの!」

 

「……この顔は生れつきだ」

 

「「「「フェイトさん!?」」」」

 

 正直な話この雰囲気を壊してくれたフェイトのことを救世主だと思ってるFW陣一同であった。

 

「言い訳しない。あっ、はやてから昼休憩終わったら部隊長室来てだって、FWのみんなも」

 

「私たちもですか?」

 

 急に話の矛先が自分たちに少し焦ったFW陣だがティアナは冷静に対処する。

 

「うん。次の任務の話だって」

 

「わかった。後で向かう」

 

 ヴァニアスの了承の言葉を聞くとフェイトは私は用があるからと別のとこに向かってしまった。

 

「さぁ、さっさと飯食って部隊長室に向かうぞ」

 

「「「「はい」」」」

 

 こうやって皆が少し食事に集中したためティアナのつぶやきを誰も聞くことはなかった。

 

「やっぱり副隊長達は凄い……才能がない私とは違う」

 

 という小さな小さな弱音を。

 



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第十三話:ホテルアグスタⅠ:準備編

 二次創作のモチベショーンがほぼ無くなって三日天下です。大学の期末が近いわけですが……テストが近くなると掃除したくなる病の亜種に感染してしまい絶賛執筆中というわけです。

 久しぶりの更新で文が拙いですがお許しください、そして感想、誤字脱字報告いつでも待ってます。では最新話をどうぞ(注意:この二次創作のヒロインはあくまでフェイトです)


「「「「警備任務ですか?」」」」

 

 昼食を食べ終えたFW陣とヴァニアスは部隊長室にてはやてから次の任務の概要を聞かされていた。FW陣は驚きの表情を浮かべているがヴァニアスは特に驚いた様子もなく淡々と話を聞いている。

 

「そうや、場所はホテルアグスタ。目的はそこで行われるオークション終了時までの拠点防衛と警護」

「あ、あの~少しよろしいでしょうか?」

 

 はやての話を聞いていたティアナが少し居心地悪そうに挙手していた。

 

「ん?なんや、ティアナ」

「大変言いにくいことなんですが……」

「『なんで六課が警備を任務を担当するのか、他に適したところがあるんやないか?』てな感じか?」

 

 はやては不敵な笑みを浮かべながらティアナの言葉を遮りまるで犯人が分かっている探偵のように少し偉そうにしている。実際この部隊の中では一番階級が上なわけだが。

 

「っ!?……は、はい、部隊長のおっしゃる通りです」

 

 ティアナは少し身を固くし警戒しながらもはやての問いに答える。

 

「そんな警戒せんでもええやん。別に魔法も使っておらんし、ましてやそんなレアスキルなんて持ち合わせておらんよぉ」

 

 はやてはティアナの反応がおもしろかったのか笑いながらティアナをなだめる。

 

「ではなぜ……」

「簡単な話やよ、わたしも同じ疑問持っただけ。まっ、理由はそのオークションに出品されるものなんやけど……ティアナ、六課の正式名称は?」

 

 はやてはまるで教師になったかのような素振りをしてティアナに問う。それは凄く尊大で机の下で足を組みなおしたりして雰囲気を出していた。

 

「え?古代遺物管理部機動六課ですが……」

「なるほど、出品物がロストロギアというわけか」

 

 質問の意図がイマイチ掴めていなかったティアナの代わりにヴァニアスが答える。だがそのことが気に入らなかったのかはやては眉を顰める。

 

「教育実習の先生が答えては意味がありません~。生徒たちに考える時間をください~」

「きょ、教育実習って……くっ」

「はぁ……さしづめお前は担任の教師かなにか?」

 

 はやてはヴァニアスを咎めるがその表情に真剣みは一切無くただヴァニアスをからかって遊んでいるようだった。ちなみにスバルはヴァニアスが教育実習の先生になっているのを想像をして今にも笑い出しそうであった。

 このように少々?ふざけていたはやてだが一気に雰囲気を変えた。その雰囲気の変化に気が付いたのかFW陣は緩んでいた空気を引き締める。ヴァニアスはようやくかと言いたげな表情をしたがそれは一瞬のことですぐにその表情は消えた。

 

「理由は出品物がロストロギア……その所為で出現することが大いに予想されるカジェットが原因や。普段専用の訓練を積んでない一般局員には少しばっかしAMFは荷が重すぎる。機動六課以外が担当すると各部署からエースか準エース級の人らを引っこ抜いて部隊を構成せなあかんくなる」

 

 はやては全員が話を理解しているか確認してから続きを話始める。

 

「私ら隊長陣は要人警護、副隊長らとFWのみんなでカジェットの迎撃や。つまり今回は機動六課全員出動の大がかりな任務になる、それ故に責任も重大になっちゅう訳やけど……みんな、やりきれる自信はあるか?」

 

 FW陣を試すような視線を投げかけるはやて、それを横目で見守るヴァニアス、少々不安げな表情を浮かべながらも答えは決まっていると風貌のFW陣。

 

「「「「勿論あります」」」」

 

 満足な答えをもらえたはやては嬉しそうに顔を綻ばせる。

 

「自信があろうとなかろうと結局は任務やから行ってもらうこともらうんやけど……訓練がいい自信になってたようで安心したわ。そこんとこはそこの副隊長さんやらなのはちゃんやらヴィータやらに感謝やな、わたしは教導できひんし」

 

 二つの意味でとはやては付け足しながら部隊長室を支配していた緊張感を解すように軽い口調になる。そしてヴァニアスも他人から見ても機嫌がいいがわかるくらい満足げな表情を浮かべていた。

 

「任務詳細は今夜に確認しといてな、詳しいことはそこに書いてあるで。それとみんな個別訓練に入ってそうそうで悪いんやけど訓練は今回の任務重視、つまりチーム戦を意識した訓練に切り替えてもらうで」

「任務までの日数は?」

「一週間と二日。なのはちゃんには話通ってるから訓練メニューのことは心配せんでもいいよ、少し前の訓練に戻ったようになるだけとか言ってたし」

 

 はやてとヴァニアスが任務についての話をしているときその話を聞いていたティアナが肩を震わす。まるでなにかに怯えているいるように。

 

「……戻る?」

「ん?ティア、どうかした?」

 

 スバルの呼びかけでティアナは正気に戻ったらしく目に力も戻る。

 

「だ、大丈夫よ。それより部隊長達の話聞きなさい。あんたはたださえ理解力に乏しいんだからここで聞いといた方が楽でしょうに」

「う、うん、わかったよ」

 

 ティアナは自分がいつも通りであるかのように振る舞うために普段よりきつめの言葉をスバルに投げかける。スバルはそれに違和感を感じたようだが本人が大丈夫と言うので引き下がる。その様子を見ていたエリオとキャロも勿論心配するわけだが。

 

「ほらあんたたちもしっかり聞きなさい」 

 

 ティアナにそう言われてしまえばはい以外の言葉が出ないのであった。そうこうあるうちに任務の話は終わり、

 

「では解散。午後の訓練も頑張ってな」

「「「「「はい!!」」」」

「ん、元気があってええね。あっ、でもヴァニアス君は残ってくれるか?シグナムから伝言や」

 

 はやては今思い出しという表情をしてヴァニアスを呼び止める。

 

「……お前らは先に高町のところへ行け。俺は後で行く」

「はい」

 

 代表してエリオが返事をしてFW陣はなのはが待つであろう訓練場に移動を始めた。

 FW陣が去ってから少し経ちヴァニアスが口を開く。

 

「この狸が……」

「こんな美少女捕まえといて狸とかないわ~。……あんま勘が良すぎる男はどうかと思うんよ、私」

 

 ヴァニアスは少しはやてを睨むようにして話を催促する。それを感じたはやてはため息をつき話し始める。

 

「学ばないやっちゃなぁ、そうやって急かす男も嫌われる……さておふざけはここまでお仕事の話しよか」

「ふざけていたのはお前だけだがな」

 

 はやては先ほどFW陣に見せた緊張感がまるでお遊びのように感じるくらい重たい雰囲気を出し、ヴァニアスを見るその眼光は鋭くなる。

 

「先に言っておく。これは命令やから断ることはできないし、私情を挟むことも許さない」

「……」

 

 さすがにこのはやての雰囲気に呑まれたヴァニアスは姿勢を正し、その『命令』を聞く覚悟をする。

 

「このオークションに紛れて裏である取引が計画されていると情報を地上のある部隊が入手した……これだけなら普通の事件となんら変わらないんやけど取引物に問題があった」

「……レリックでは無いんだな?」

「そうや。レリックやある程度のロストロギアならFWのみんなにも聞かせても良かったんやけどな……」

 

 はやては一回目を閉じて深呼吸してからヴァニアスの眼をしかと捉え言葉を放つ。

 

「その取引物は……人造魔導師の可能性が高いんよ」

「っ!!??」

 

 ヴァニアスはその言葉を聞いた瞬間肩を震わせた。先ほどのティアナの震えとは違い怯えではなく明らかな怒りが見て取れた。そのヴァニアスの様子に気が付きながらもはやては話を続ける。これをヴァニアスに『任務』として伝える為に。

 

「ヴァニアス君の任務はこの人造魔導師を保護、そしてその後前線からの離脱。私と合流して本部へ直行。この間に色々な“邪魔”が入ると思う……これをすべて排除。排除と言っても……」

「管理局員として人を殺す様なことはするな……か?」

「その通りや」

 

 ヴァニアスは少し落ち着いたらしく深呼吸をして気分を正す。これは『任務』で私情を挟むことは許されないのだから。

 

「ヴァニアス君がどんなに人造魔導師の取引に恨みを持っていようが私らは『管理局員』でこれは『任務』や。そのことを踏まえた上でこの任務を完遂させる自信は?」

 

 はやては確認するように、ヴァニアスを値定めするかのような視線で問う。それに対してヴァニアスは

 

「ヴァニアス・マルディニス三等空尉、その任務承りました」

 

 自身があるかないかの答えは要らない。自分は出された任務を受けるだけだと言わんばかりにはやての問いには直接答えず敬礼で返答する。それに対してはやては待ってましたと手を叩き椅子から立ち上がり、ヴァニアスの前まで移動する。

 

「よろしく頼むで、敬礼が似合わない三等空尉さん」

「よろしく頼まれた、自称美少女二等陸佐さん」

 

 そういいながなら二人は握手した。

 

 

 



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