花田提督と艦娘達の日常 外伝 (花田司令)
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第一章「謎の仮面の男」
第1話「誕生」


 

NPF柱島基地

 

江風「遅いな父さん」

 

瑞鶴「うん。そろそろこっちに着くてもおかしくないのにね」

 

海風「まさかお父さんに何かあったんじゃ」

 

 

飛龍「大丈夫だよ!刀治郎は必ず帰ってくる。 もう少し待っておこう」

 

コンコン

 

基地司令「失礼致します」

 

飛龍「どうしました?」

 

基地司令「奥方様に面会を求めているものがおります」

 

飛龍「構いませんどうぞ」

 

基地司令「はっ!入りなさい」

 

近衛憲兵「失礼致します」

 

飛龍「あなたは確か」

 

近衛憲兵「はい花田閣下の近衛憲兵をしていた者です」

 

飛龍「近衛憲兵さん 中将は?」

 

近衛憲兵「閣下は。」

 

蒼龍「どうしたの?」

 

基地司令官「花田閣下は敵の攻撃により戦死されたそうです。」

 

飛龍「えっ」

 

江風「おいおっさん!嘘を言うな!あの父さんが死ぬ訳ないんだ!」

 

基地司令官「うそではありません。私ども部下が救援に向かいましたが花田邸は炎上。生存者は彼以外誰もいませんでした。閣下も含めて」

 

近衛憲兵「これを」

 

海風「それは?」

 

近衛憲兵「閣下がこれを皆さんに渡してくれと」

 

海風「これはお父さんの文字!」

 

飛龍(刀治郎。)

 

 

旧花田邸跡

 

 

(うぅここはどこだ。そうだ俺は爆発で死んだはずだが。どうやら死んではいないようだな)

 

花田中将「ふぅーあれこんな声してっけもっと低かったような気がするがってか俺の手こんなに小さかったか?まるで子供じゃないか!」

 

虎徹「ん?あれ刀治郎!お前小さくなったか?」

 

花田中将「あぁ虎徹なのか?だとしたら大分小さいけど」

 

「「まさか!俺達子供の頃に若返ったのか!」」

 

 

花田中将「しかしなんでまた」

 

虎徹「さぁな分からん。」

 

花田中将「うーん」

 

虎徹「それでこれからどうするんだ?」

 

花田中将「ん?」

 

虎徹「舞鶴に帰るのか?」

 

花田中将「いやおそらく今私らは死んだことになって混乱しているはずただでさえ混乱しているのにそこに死んだはずの人間の名を名乗る子供が現れるとさらに混乱を招く可能性がある」

 

虎徹「それじゃあどうするんだ?」

 

花田中将「しばらくは仮面をつけて行動しようと思う。まぁやることは以前と変わらないがな」

 

虎徹「俺達でブラック提督や深海棲艦 ジュラル星人などの悪を斬るってか?」

 

花田中将「あぁ。今はこんな体だが。力は以前の時と同じくらいあるからな。」

 

虎徹「そうか。」

 

花田中将「さてとまずは名前を変えるか」

 

虎徹「なんていう名前にするんだ?」

 

花田中将「そうだな。伊達重綱としよう」

 

虎徹「なぜその名前に?」

 

花田中将「あぁ戦国時代奥州。今の宮城県に伊達政宗という大名がいた。またの名を独眼竜と言われていてな」

 

虎徹「なるほどお前も片目しか見えていないし竜みたいな強さがあるからか」

 

花田中将「そういうことだ。」

 

虎徹「ならば重綱は?」

 

花田中将「重綱は当時政宗の軍師だった片倉重綱からいただいた。」

 

虎徹「なるほどお前にそれほどの戦術があるとは思えないが」

 

花田中将「なぁにおー」

 

虎徹「冗談だよ。」

 

花田中将「なんだよったく」

 

虎徹「悪い悪い。とりあえずこれからもよろしくな伊達重綱殿」

 

伊達重綱「あぁこちらこそよろしく頼む 虎徹」

 

 

 

続く

 



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第2話「友との再会」

某所

 

虎徹「これからどうするんだ?」

 

伊達重綱「あぁまずは情報を集めたい」

 

虎徹「情報だと?」

 

伊達重綱「あぁ情報なしじゃさすがに動けないからな」

 

虎徹「なるほどそれでどうやって情報を集める?」

 

伊達重綱「あぁそれなんだが」

 

虎徹「あぁ分かってるよ。」

 

伊達重綱「うむ。いい加減出てきたらどうだい?」

 

虎徹「隠れているのはお見通しだ。大人しく出てきな」

 

 

「いつから気づいていた?」

 

伊達重綱「最初からだ 気が漏れてるからな分かりやすいんだよ」

 

「ほぅ」

 

伊達重綱「それでカポネの所の艦娘が私に何のようだ」

 

「なぜ分かった」

 

伊達重綱「その気を以前カポネの所に行ったとき感じたことがある。」

 

「なるほど、どうやら旦那の話は本当みたいだな」

 

虎徹「どういうことだ」

 

「いやこちらの話だ。用件を伝えるうちの旦那があんたに会いたいそうだ。」

 

伊達重綱「そうか。分かったと伝えてくれ」

 

「確かに伝えたぞ」

 

虎徹「どうする?」

 

伊達重綱「無論行くしかないだろ」

 

虎徹「だな」

 

城西鎮守府

 

伊達重綱「ここだな。よし行くぞ」

 

虎徹「あぁ」

 

伊達重綱「すまないがここの提督に会いたい」

 

「どちら様でしょうか?」

 

伊達重綱「彼の友人だ。彼にソードが来たと伝えてくれれば分かるよ」

 

「分かりました。少々お待ち下さい」

 

伊達重綱「うむ」

 

虎徹「なぁソードってなんだ?」

 

伊達重綱「あぁ俺とカポネの間でしか使わない呼名みたいなものだ。」

 

虎徹「なるほど刀治郎だからソードか」

 

伊達重綱「そういうことだ」

 

「お待たせしました。お会いになられるそうです。どうぞこちらへ」

 

伊達重綱「うむ」

 

 

執務室前

 

「ファーザー客人をお連れしました。」

 

ファーザー「入れ」

 

ガチャ

 

「失礼します。」

 

ファーザー「下がれ。」

 

「はっ失礼します」

 

ガチャン

 

ファーザー「旦那ご無事で何よりです!」

 

伊達重綱「いつから気づいていた?」

 

ファーザー「最初からだ。旦那も知っての通り俺は自分が欲しい物、失くしたくない物は納得するまで執着する性格でして。『中』に観測員を配置させて、独自に調べていた」

 

伊達重綱「なるほど。さすがだな 白虎も久しぶりだな」

 

 

白虎「はっ!ご無沙汰してます。刀治郎様!兄上」

 

虎徹「まさか白虎より年下になるとはな」

 

白虎「フフ昔を思い出しますね。」

 

伊達重綱「そうだ。虎徹久しぶりに白虎と話したらどうだ?俺はファーザーと話がある」

 

虎徹「俺は構わないが」

 

白虎「よろしいでしょうか?」

 

ファーザー「あぁゆっくりしてこい」

 

白虎「ありがとうございます!では兄上こちらへ」

 

虎徹「あぁ」

 

ガチャン

 

 

ファーザー「それで話とは?」

 

伊達重綱「あぁ実は二三点聞きたいことがある。」

 

ファーザー「旦那のためならいくらでもお答えしますよ」

 

伊達重綱「そうか。ならまずはNPFは飛龍達はどうなった?」

 

ファーザー「あぁまず飛龍姐さん達を無事に柱島基地まで護衛しました損害なしです」

 

伊達重綱「そうか」

 

ファーザー「そしてそのあと柱島基地と中国方面隊の部隊が岩国基地に向かい乱を鎮圧。首謀者はその場で確保取り調べの後に銃殺刑。そして本邸で死者の遺体捜索を行ったがただ一人花田刀治郎の遺体だけが見つけることは出来なかった。しかし海軍省はあの状況下で生き残ることは不可能と判断し花田刀治郎は死んだものとされその後NPFは退役した飛龍姐さんが新司令官となったそうだ」

 

伊達重綱「そうか副司令官は?」

 

ファーザー「確か尾張鎮守府から織田信孝っていう提督が副司令官になったと聞いているが」

 

伊達重綱「そうか。引き受けてくれたんだな」

 

 

ファーザー「やはり旦那が引き抜いたんだな」

 

伊達重綱「あぁ彼が副司令官なら問題ないだろうそして二つ目この事をNPFに報告は?」

 

ファーザー「いやまだだ。必要ならこちらから報告するが」

 

伊達重綱「いやしなくていい。」

 

ファーザー「そいつはなんでまた」

 

伊達重綱「彼女達はもう私が居なくても大丈夫だし私個人で独自に奴のことを調べてみたいんだ」

 

ファーザー「旦那…分かった」

 

伊達重綱「それと最後に頼みたいことがある」

 

ファーザー「なんだ?」

 

伊達重綱「三木之と関係ある奴らの情報が欲しい」

 

ファーザー「分かった。用意させよう」

 

伊達重綱「ありがとう。助かるよでは私はこれで」

 

ファーザー「家まで送ろうか?」

 

伊達重綱「いやいい。ってか家のことも知っているんかい」

 

ファーザー「えぇ旦那が作ったことも」

 

伊達重綱「本当お前さんには敵わないな」

 

ファーザー「お互い様だろ?旦那」

 

伊達重綱「そうだな」

 

こうして花田刀治郎生存の報は夏夜月提督を通してNPFを除きへたれ提督やヒィッツ提督など一部の各関係者に伝えられたのだった

 

ヒィッツ提督「なるほど伊達重綱ねぇ」

 

足柄「でも本当にいいの?飛龍達に会えないままなんて」

 

ヒィッツ提督「大丈夫だ。もう手は打ってある」

 

フフフ

 

 

続く

 

 

 



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第3話「救援 ~九州辺境海域の戦い」

九州某所 伊達家

 

伊達重綱「忘年会だぁ~?」

 

『えぇ横須賀で忘年会を開くみたいで閣下にも参加するようヒィッツ提督からの伝言です』

 

伊達重綱「まさかとは思うが」

 

『もちろん飛龍様らも参加なさいます』

 

伊達重綱「気まずさしかないのだが ,,,分かったヒィッツさんの友人としてなら参加すると伝えておいて。あと私はもう閣下ではない。これからは重綱さんと呼んでくれ いいな。」

 

『分かりました。ではこれで』

 

 

伊達重綱「あぁご苦労様」

 

ガチャン

 

虎徹「今のは?」

 

伊達重綱「あぁ最後まで私の下にいたあの近衛憲兵君だ。彼には事情を話して協力してもらっている。」

 

虎徹「情報を探るためにか」

 

伊達重綱「そうだ。それでどうした?何か面白い話でもあるのか?」

 

虎徹「あぁ実はこの辺りの海域で深海凄艦の活動が活発しているみたいでな。中にはボス級の姿も確認されているらしい」

 

伊達重綱「ほぉこんな九州の辺境海域まで活発しているとはNPFの治安も低くなったな」

 

虎徹「それがNPFも治安維持の為九州方面隊の艦隊が出動しているのだが」

 

伊達重綱「まさか。敗れたのか」

 

虎徹「あぁ壊滅的被害を被ったそうだ」

 

伊達重綱「九州方面隊直属の部隊は精鋭揃いとは聞いていたがまさか敗れるとは。」

 

虎徹「それだけじゃない。どうやらNPFはこの事を公表していないらしい。」

 

伊達重綱「恐らく混乱を防ぐためだろうが対応が甘過ぎる。」

 

虎徹「さらにこの海域を夏夜月提督の艦隊が遠征帰りに通るみたいだ。」

 

伊達重綱「あいつのことだ。激戦区特にNPF艦隊が敗れた海域を遠征帰りに通らすという間抜けなことはしないだろう。恐らくこの件他には伝えていないな」

 

虎徹「どうするよ」

 

伊達重綱「どうするもこうするもねぇよ。遠征装備ではあの海域を突破するは出来ん!」

 

虎徹「ならばやるべきことはただ一つ」

 

伊達重綱「あぁ無論援軍に行くぞ」

 

虎徹「了解!」

 

一方その頃 海上

 

五十鈴「ハァ……ハァ……」

 

遠征艦隊の旗艦、五十鈴は既に満身創痍だった。

 

随伴艦である若い駆逐艦達を軽巡洋艦・由良と共に守りながら、深海棲艦を迎え撃っていたのだが、遠征装備の為か苦戦を強いられていた

 

五十鈴「グ………、駆逐艦の…子達は、大丈夫…?」

 

由良「…ええ……なんとか、大破した子は出ていません…しかしこのままでは」

 

五十鈴「…分かっているわ……」

 

『グルル……!』

 

そのころ周辺海域にて

 

伊達重綱「さてと獲物はどこかなぁ?」

 

虎徹「もうすぐなんだが」

 

伊達重綱「ん?これは」

 

虎徹「どうした?」

 

伊達重綱「あぁ気配を感じた。一つは艦娘みたいだがもう一つは,,,深海凄艦みたいだな」

 

虎徹「場所は?」

 

伊達重綱「距離はそんなに遠くないな9時方向だ。」

 

虎徹「俺目視にて確認した。あれは夏夜月提督の艦隊じゃないか?」

 

伊達重綱「あぁ遅かったか。苦戦している。虎徹行くぞ!」(仮面をつける)

 

虎徹「応!」

 

 

場所を戻して辺境海域

 

 

五十鈴(このまま、この子らを連れて逃げるのは無理そうね……なんとか引き離すしか無いか……)

 

由良「五十鈴さん!危ない!」 

 

五十鈴「しまった!」

 

すると

 

「させるかよ」抜刀

 

 (水龍波!)

 

ドカーン

 

五十鈴「ケホケホ。まさか助かったの?」

 

「そのまさかだ。大丈夫か?」

 

五十鈴「あなたは?」

 

伊達重綱「私の名は伊達重綱(だて しげつな)安心しろ君らの味方だ」

 

 

続く 

 



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第4話「初陣」

由良「五十鈴さん!危ない!」 

 

五十鈴「しまった!」 

 

すると

 

「させるかよ」抜刀

 

 (水龍波!)

 

ドカーン

 

五十鈴「ケホケホ。まさか助かったの?」

 

「そのまさかだ。大丈夫か?」

 

五十鈴「あなたは?」

 

伊達重綱「私の名は伊達重綱(だて しげつな)安心しろ君らの味方だ」

 

由良「五十鈴さん!救援が……!!」

 

五十鈴「良かった……っ」

 

伊達重綱「さぁ僕が来たからにはもう大丈夫だよ。」

 

由良「なんでここに子供が?」

 

伊達重綱「まぁ詳しい話はあとで話すとして取り敢えずこいつらをなんとかしないとね。」

 

 

空母悽鬼「キサマナニモノダ?」

 

伊達重綱「おやおや空母悽鬼とはこりゃまたやりがいがあるな!」

 

空母悽鬼「シツモンニコタエロサモナクバコロスゾ!」

 

 

伊達重綱「おぉ~怖い怖い。だけど化け物ごときがこの僕を倒せるかな?」

 

空母悽鬼「クッ!コロセヤツヲコロセ!」

 

駆逐悽鬼「クラエ!」

 

伊達重綱「遅い!爆龍波!」

 

ズバ!

 

駆逐悽鬼「ギャー」ドカーン

 

伊達重綱「まだ五体か」

 

空母悽鬼「ナッ!」

 

伊達重綱「どうした?さっきまでの威勢はもうないのか?ならば今度はこちらから行くよ!」

 

伊達重綱「破!」

 

ドゴーン

 

空母悽鬼「ナンダクウキガオモイ。」

 

伊達重綱「そりゃそうさ。限界突破しているからね」

 

空母悽鬼「ドウナルンダ?」

 

伊達重綱「こうなるんだよ。」ビュン

 

空母悽鬼「ナッ!キエタダト?」

 

駆逐悽鬼「ドコダ!ドコニキエタ!」

 

空母悽鬼「駆逐悽鬼!ウエダ!」

 

駆逐悽鬼「ナッ!」

 

伊達重綱「金剛槍波!」

 

ビュー

 

駆逐悽鬼「ナニ!グワァー!」

 

ドカーン

 

空母悽鬼「駆逐悽鬼!」

 

伊達重綱「まとめて消えちゃえ!蒼龍波!」

 

ツ級 ドカーン

 

ヌ級 ドカーン

 

空母悽鬼「アットイウマニゼンメツダト!」

 

伊達重綱「あと一体。」

 

空母悽鬼「ナンダコノバケモノハ?」

 

伊達重綱「化け物じゃないよ。僕の名は伊達重綱だ」

 

空母悽鬼「ウワァーー」

 

伊達重綱「逃がすかよ。ぜぇああああっ!!」

 

伊達重綱「冥道斬月波!」(めいどうざんげつは)

 

空母悽鬼「グワァー!」

 

ドカーン

 

伊達重綱「ふぅ……。これで、トータル6体か……」

 

辺りを見回し、安全を確認。納刀して、一息ついた。

 

伊達重綱(これがボスだとしたら九州方面隊の精鋭で倒せるはずなんだが。まぁいい取り敢えずはこの子達を夏夜月の所に送るとしよう)

 

伊達重綱「大丈夫かい?お姉さんたち?」

 

五十鈴「すごい」

 

由良「あのボス級を意図も簡単に倒すなんて」 

 

五十鈴「あなた一体何者なの?」

 

伊達重綱「伊達重綱。剣が強いだけのただの子供だよ。さぁ夏夜月提督の元へ帰ろうか。送っていくよ」

 

由良「なぜ提督のことを」

 

伊達重綱「そりゃ知り合いだからだよ」

 

五十鈴「ふーん」

 

注文の多い鎮守府

 

 

夏夜月提督「皆お帰り」

 

由良「提督。ただいま戻りました」

 

夏夜月提督「皆疲れたでしょ。はやく休みなさい」

 

五十鈴「分かった。」

 

夏夜月提督「さてと君は執務室に来てもらおうか?」

 

伊達重綱「うん。いいよ」

 

執務室

 

ガチャン

 

夏夜月提督「さてと・」

 

伊達重綱「?」

 

夏夜月提督「うわぁ~先輩!ご無事だったんですね!」

 

伊達重綱「おい!抱え上げるな!あと落ち着け!」

 

夏夜月提督「すみません。取り乱しました。いやぁしかしファーザァーから聞いてはいましたがまさか本当に小さくなるなんて」

 

伊達重綱「あぁ私もびっくりしているよ」

 

(仮面を外す)

 

夏夜月提督「うん。やっぱり面影ありますね」

 

伊達重綱「そうか?虎徹に言われて仮面をつけてみたのだがやはり面影あるのか?」

 

夏夜月提督「えぇあっしは小さい頃の先輩は知りませんが顔を見れば分かりますよ。」

 

伊達重綱「そうか。あぁそれはさておき今回は申し訳なかったな」

 

夏夜月提督「なんのことです?」

 

伊達重綱「こちらの情報を回してなかったせいで君の所の子達を危険な目に会わせてしまった。申し訳ない」

 

夏夜月提督「いいんですよ!顔を上げて下さい混乱を防ぐためなのは存じてますから!」

 

伊達重綱「そうか。感謝する それでは俺はこれで失礼するよ」

 

夏夜月提督「もう行くんですか?ゆっくりしていけば」

 

伊達重綱「いや。ちょっと調べたいことがあってな」

 

(仮面をつける)

 

伊達重綱「それじゃまた」

 

夏夜月提督「お気をつけて」

 

伊達重綱「あぁ」

 

 

こうして伊達重綱は注文の多い鎮守府をあとにしたのだった

 

 

続く

 

 



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第5話「出会い」

伊達重綱(夏夜月の所に行ってから一週間がたった があれからいろんなことが起こったNPFの弱体化によってどこの情報源か知らないが私が生き残っているとの噂を知りかつての部下達が集まったこと。そして何より一番の出来事は)

 

綾波「司令官さん。この報告書なんですが」

 

榛名「綾波ちゃん。その報告書はあとで私がやっておくので大丈夫ですよ」

 

伊168「司令官!一緒に昼食に行かない?」

 

キャキャ

 

伊達重綱(彼女ら艦娘との出会いである。彼女らと初めて会ったのは今から一週間前 雨が強い日であった。)

 

 

一週間前

 

伊達重綱「ふぅー今日も異常なしと。さてそろそろ戻るか」

 

ガサガサ

 

伊達重綱「誰だ!」

 

バタン

 

伊達重綱「何の音だ?」

 

ガサガサ

 

伊達重綱「確かこの辺りだったはずだが,,,いた!」

 

タタタ

 

伊達重綱「これは艦娘か!服装からして綾波と伊168だな。しかし何でこんな所に」

 

サッ

 

伊達重綱「まだ息はあるな。取り敢えず誰かいるか」

 

遠藤近衛兵「はっ!ここに」

 

伊達重綱「彼女らをうちで保護する。家まで運ぶの手伝ってほしい」

 

遠藤近衛兵「分かりました。」

 

数時間後 伊達家

 

「,,,あれここは?」

 

伊達重綱「気がついたかい?」

 

「あなたは?」

 

伊達重綱「私はここの家主の伊達重綱というものだ。君は?」

 

綾波「私はNPF九州方面軍唐津警備隊の綾波です。」

 

伊達重綱「綾波。やはり艦娘みたいだね」

 

綾波「艦娘のことを知っているんですか?」

 

伊達重綱「あぁ観艦式で見たことがある。それでNPFの唐津警備隊の艦娘がなぜうちみたいな辺境海域に?迷子かい?それなら唐津警備隊に連絡しないと」

 

綾波「違います!」

 

伊達重綱「ごめんなさい。だけどその様子だと何かあったみたいだね」

 

綾波「はい。」

 

伊達重綱「君に何が起こったのか話してくれるかい?」

 

綾波「でも」

 

伊達重綱「もしかしたら君の力になれるかも知れない」

 

綾波「,,,」

 

伊達重綱(怯えてるみたいだなこれは話を聞くどころじゃないな。)

 

伊達重綱「分かった。取り敢えず話はあとで聞くとしてこれからどうするの?行くあてはあるのかな」

 

綾波「行くあてはありません。」

 

伊達重綱「そうか。もし君さえよければしばらくうちにいないかい?」

 

綾波「でもそしたらご迷惑に」

 

伊達重綱「大丈夫だよ安心して必ず君たちを守るから」

 

綾波「,,,分かりました。お世話になります」

 

伊達重綱「うん。こちらこそよろしくね」

 

綾波「はい。」

 

伊達重綱「取り敢えず寒かったでしょお風呂に入って体を暖めたら?」

 

綾波「ありがとうございます。」

 

伊達重綱「うん。笠原!彼女をお風呂へ」

 

笠原近衛兵「はっ!では綾波ちゃんこっちよ」

 

綾波「はいではお先に失礼します」

 

ガチャン

 

遠藤近衛兵「綾波ちゃん。いい子ですね」

 

伊達重綱「あぁ」(さっきの目 あれは明らかに暴力に怯えてる目だった 唐津警備隊かぁあそこは戦略的重要地点だから優秀でなおかつ艦娘想いのやつを提督に任命したはず。まさか俺の知らない間に異変が起こっているのか?ならば)

 

伊達重綱「遠藤。」

 

遠藤近衛兵「はい。彼女ですね」

 

伊達重綱「あぁ柴崎を呼んでくれ」

 

遠藤近衛兵「はっ!」

 

伊達重綱「さてと状況開始するとしますか」

 

続く

 

 

 



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第6話「状況開始」

伊達家

 

遠藤近衛兵「殿。柴崎が戻りました」

 

柴崎諜報兵「ただいま戻りました」

 

伊達重綱「では早速だが報告を頼む」

 

柴崎諜報兵「はい。まず唐津警備隊ですが司令官が変わり現在は副司令が司令官として動いています」

 

伊達重綱「なぜ司令官が変わった?」

 

柴崎諜報兵「亡くなったそうです。」

 

伊達重綱「病か?」

 

柴崎諜報兵「表向きは病死とされていますがどうやらそうでもないみたいです」

 

伊達重綱「詳しく」

 

柴崎諜報兵「はい。実は唐津警備隊では二つの派閥が存在していました。一つは艦娘とのコミュニケーションを通して共に敵を倒す閣下派、そして一切のコミュニケーションをせず艦娘を道具として使う三木之派です。」

 

伊達重綱「待て。確か副司令の奴は閣下派だったはずだが」

 

柴崎諜報兵「実は副司令は裏で三木之派と繋がっていたのです。」

 

伊達重綱「確かか?」

 

柴崎諜報兵「はい。これがその証拠です」

 

伊達重綱「まさか俺を欺いていたとは、やりおる」

 

柴崎諜報兵「えぇ。そして三木之派の副司令が閣下派の司令官を病死に見せかけて殺したのではという噂があるみたいです」

 

伊達重綱「謀反いやクーデターか」

 

柴崎諜報兵「はい。」

 

伊達重綱「ということはあそこはブラック化しているのか」

 

柴崎諜報兵「はい。しかもあまりの酷さに耐え変えたのか あの警備隊から艦娘が三人脱走し奴等が探しているとの情報も」

 

伊達重綱「その脱走した艦娘まさか」

 

柴崎諜報兵「はい 綾波ちゃんとイムヤちゃんです」

 

伊達重綱「あと一人は」

 

柴崎諜報兵「既に連中に捕まっています。その名前は戦艦榛名。」

 

伊達重綱「なるほど。そういうことか、ご苦労だったゆっくり休んでくれ」

 

柴崎諜報兵「はい。失礼します」

 

遠藤近衛兵「まさか唐津警備隊でクーデターが起こっていたとは」

 

伊達重綱「あぁしかもおそらくその事を本部の連中は知らない」

 

遠藤近衛兵「知っていたら既に治安部隊が向かっているはずですからね」

 

伊達重綱「あぁ。奴等が気づかせていないのかそれとも」

 

遠藤近衛兵「本部が黙認しているか ですね」

 

伊達重綱「あぁ」

 

笠原近衛兵「失礼します!」

 

伊達重綱「どうした?」

 

笠原近衛兵「監視班から緊急連絡武装した兵がこちらに向かっています」

 

遠藤近衛兵「数は?」

 

笠原近衛兵「およそ一個大隊くらいかと」

 

伊達重綱「所属は分かるか」

 

笠原近衛兵「はい NPF唐津警備隊の特殊部隊です」

 

伊達重綱「やはり気づかれたか」

 

遠藤近衛兵「いかがなさいますか?」

 

伊達重綱「笠原。彼女らをここへ」

 

笠原近衛兵「はい!」

 

綾波「失礼します」

 

イムヤ「失礼します」

 

伊達重綱「さてとお二人さん。今ここにある武装兵が向かっている。所属は君らがもといた唐津警備隊の特殊部隊だ。おそらく君らを連れ戻しに来たのだろう」

 

綾波「はい」

 

伊達重綱「時間がないから単刀直入に聞こう。君らはどうしたい?唐津警備隊に戻るか。それともここに残るか?」

 

綾波「これ以上伊達さんらにご迷惑をお掛けするわけにはいきません。なので」

 

伊達重綱「いいか。綾波ちゃん僕らは迷惑だなんて思っていない。だから心配しなくていい大事なのは君らの意見や気持ちだ。本心を聞かせて欲しい」

 

イムヤ「私はここに残ります!もうあそこに戻りたくない!ここで皆さんと一緒に笑っていたいです!」

 

綾波「イムヤちゃん」

 

伊達重綱「そうか。綾波ちゃんは?」

 

綾波「私はあそこには戻りたくないです。もう地獄みたいな生活を送りたくない。ここで皆さんと一緒にいたいです!だから私もここに残ります!」

 

伊達重綱「そうかよく言ったね!笠原彼女を安全な所に」

 

笠原近衛兵「はい」

 

綾波「伊達さん」

 

伊達重綱「安心して 僕らは必ず君達を守ってみせる!」

 

綾波「武運長久を」

 

伊達重綱「ありがとう」

 

ガチャン

 

遠藤近衛兵「いきましたね」

 

伊達重綱「あぁ遠藤皆を集めてここを守れ ただし撃たれるまでこちらから撃ってはならんぞ」

 

遠藤近衛兵「はっ!して殿は?」

 

伊達重綱「俺か 俺はな妖力解放!」

 

ドーン

 

遠藤近衛兵「殿 そのお姿は!」

 

伊達重綱「私にはあの頃と同じ力を持っているからなあまり長くは持たないが少しだけ前の姿に戻ることができるのさ」

 

遠藤近衛兵「まさかそのお姿で」

 

伊達重綱「あぁ。奴等を迎え撃つ」

 

遠藤近衛兵「武運長久を殿いや閣下!」

 

花田刀治郎「あぁ花田刀治郎!推して参る!」

 

続く

 



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第7話「戦い」

伊達家 周辺

 

「隊長、レーダー反応がこの施設で止まっています!」

 

「よぉし……間違いない。【彼女ら】はこの建物にいる!」

 

「《例の情報》も共に隠されている筈だ。行くぞ!!」

 

「イェッサー!!」

 

花田刀治郎「へぇー例の情報ねぇ そこんとこ詳しく教えてくれないか」

 

「誰だ貴様!」

 

花田刀治郎「ほぉこの私のことを忘れるとはまあいい

正体がバレると厄介だ。悪いが一撃で仕留めさせてもらうよ」

 

「何をしている!撃て!」

 

花田刀治郎「龍の伊吹!」

 

ドカーン

 

「「うわぁー!」」

 

花田刀治郎「ふぅーこの体に戻るのは初めてだが技も力もそんなに影響ないな。」キィン

 

遠藤近衛兵「閣下。あとはこちらで」

 

花田刀治郎「あぁ頼む。装備は全てとっておけよ」

 

遠藤近衛兵「はっ!」

 

花田刀治郎「さて笠原!」

 

笠原近衛兵「はっ!」

 

花田刀治郎「皆を会議室に集めてくれ もちろん

綾波 イムヤ 両名もだ」

 

笠原近衛兵「はい!」 

 

 

会議室

 

花田刀治郎「作戦を説明する現在内偵が正門や裏門に待機中だ。これより4部隊に分かれ第1第2部隊が正門残りの班が裏門から侵入し第1第2部隊は基地中枢機能を制圧 第3第4部隊は艦娘の保護を行え」

 

 

一同「了解」

 

 

花田大佐「作戦は以上だ各部隊は準備にかかれ」

 

 

一同「はっ!」

 

綾波「あの!」

 

花田刀治郎「これでいいんだろ?」

 

綾波「えっ?」

 

花田刀治郎「君は仲間を助けてもらうためここに来たんだろ」

 

綾波「はい お願いします榛名さんを みんなを助けて下さい!」  

 

花田刀治郎「承知した 」 

 

 

 

唐津警備隊 基地

 

 

 

花田刀治郎「こちらアクチュアル各部隊状況知らせ」

 

 

笠原近衛兵「こちら裏門全部隊配置完了」

 

 

 

遠藤近衛兵「こちら正門、全部隊配置完了」。

 

 

花田刀治郎「内偵 そちらの状況は?」

 

内偵「こちら内偵 配置につきました」

 

花田刀治郎「了解だ。よし合図で突入するぞ」

 

 

三、二、一、

 

 

ギギー

 

 

笠原近衛兵「門の開門を確認しました」

 

遠藤近衛兵「こちらも確認しました」 

 

花田刀治郎「よし今だ全部隊侵入しろ」

 

内偵「ご苦労様です」

 

 

花田刀治郎「予定通りか?」 

 

内偵「これまでは予定です。しかし」  

 

花田刀治郎「しかしなんだ?」  

 

内偵「敵の守備戦力が予想を遥かに上回りました」

 

花田刀治郎「そうか問題ない 皆一旦門から離れろ」

 

 

笠原近衛兵「退避完了」 

 

遠藤近衛兵「こちらも退避完了」

 

 

花田刀治郎「よし気をしっかり持てよ」

 

 

花田刀治郎「はっ!」

 

ビューん  

 

偵察『こちら偵察部隊敵守備戦力の沈黙を確認』

 

 

遠藤近衛兵「これは龍王の覇気!」

 

 

花田刀治郎「執務室は」

 

内偵「はっはい!執務室は二階です。他の艦娘は寮にて待機中です」

 

花田刀治郎「聞いたな笠原」

 

笠原近衛兵『了解。これより向かいます』

 

 

内偵「執務室までご案内します」

 

遠藤近衛兵「ではこちらは中枢機能を制圧に向かいます」

 

花田刀治郎「あぁ頼む」

 

執務室前

 

内偵「これから先が執務室です。」

 

花田刀治郎「そうか。ご苦労様あとはこちらでやる」 

 

内偵「はっ!」

 

 

花田刀治郎「さてと成敗するとしますか」

 

 

続く

 

 

 

 

 

 



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第8話「成敗」

執務室内

 

 

提督「……遅い!いつまでモタついとるんだ、あの役立たずどもは!!」

 

 

少しは勢力がある家だからとは言え、たかが人間。そのトップの首一つを取るのに、何を手こずっているのか。

 

 

榛名「あの…提督。お願いです、もうこんな事は……」

 

提督「黙れ、生抱き人形がッ!!」

 

榛名「あぅっ!?」

 

提督「指揮官に逆らうのか?解体バラすか抱かれるか、好きなのを選べ」

 

榛名「ッ………、だい…て………ください………」

 

逆らえば解体か自沈処理……この2つをチラつかせ、大人しくなったところで欲をぶち撒ける。

 

提督「クックック……良い子だなぁ、このメス犬め」

 

榛名(綾波ちゃん……イムヤちゃん……もし、無事に逃げ切ったのなら……私のことは忘れてね?そして……そのままどうか、幸せに……)

 

その時。

 

「戯れもそこまでだ」

 

提督「誰だ!」

 

 

ガチャ

 

提督「なんだあんたここは部外者立ち入り禁止だぞ」

 

花田刀治郎「提督 前任指揮官を毒殺し己の私利私欲の為に艦娘や軍を利用するなど言語道断!潔く腹を斬れ!」

 

 

提督「何を貴様誰に向かって」

 

花田刀治郎「貴様こそ誰に向かって言っている

よもや俺の顔を見忘れたとは言わせんぞ」

 

仮面をとる

 

提督「なっ!貴様、いやあなた様は!」

 

花田刀治郎「ようやく思い出したか」

 

提督「閣下!ハハァー!」土下座

 

花田刀治郎「それでどうする提督よ潔く腹を斬るか?」

 

提督「えぇいもはやこれまで閣下にはここで死んでもらいます!皆の者!出会え出会え!」

 

ガシャーン 

 

提督「斬れ!斬れい!」

 

抜刀

 

花田刀治郎「愚かな」

 

憲兵「やぁー!」

 

花田刀治郎(水の呼吸 参ノ型 ) キン キン キン

 

提督「なっ」

 

花田刀治郎(流流舞 )ズバ

 

憲兵ら「ぐはぁー」バタン

 

提督「えぇい何をしている!もういい私がやる!」 

 

花田刀治郎「フッ来い!」

 

提督「タァー」ビュン

 

花田刀治郎「ほぉこの私の刀を跳ね返すとはまさか貴様鬼の力を手にいれたな」ヒラリ

 

提督「だったらどうする?ヤァー」ビュン

 

花田刀治郎「はっ」ヒラリ

 

提督「どうした!さっきからかわしてだぞ」ビュン

 

花田隊長「くっ刀があれば」ヒラリ

 

提督「榛名!余計な事はするな。分かってるな私に逆らったらどうなるか」

 

榛名「うぅ」(どうしようあのままだと花田さんが、でも!)

 

榛名「よし」

 

提督「榛名!貴様!」

 

花田刀治郎「榛名さん!」

 

榛名「花田さん!これを受け取って!」ビュ

 

提督「させるか」

 

花田刀治郎「はあぁ」ジャンプ

 

提督「なんだと!」

 

ガシッ

 

花田刀治郎「よしとった!」

 

スタッ

 

花田刀治郎「さぁ反撃開始だ」抜刀し構える

 

花田刀治郎「よし、行くぞ !」タタタ

 

提督「くっくそったれが」タタタ

 

花田刀治郎「ハァーー」タタタ

 

提督「ヤァーー」タタタ

 

花田刀治郎「蟲の呼吸・蜻蛉の舞・複眼六角天」ズバ

 

提督「グァ~なんだこれは!苦しい!」  

 

花田刀治郎「当たり前だそれは毒性がある技でな一瞬の間に6回毒を叩き込むのだからな」

 

提督「クソォー!」

 

花田刀治郎「毒を以て毒を制す精々苦しみながら死ぬといい。

成敗!」

 

提督「くそぉ」ガクッ

 

花田刀治郎「ふぅ死んだか」キィン

 

榛名「あ、あのう」

 

花田刀治郎「ん?どうしました?」

 

榛名「どうして子供の姿に?」

 

伊達重綱「えっ!あれ本当だ霊力が切れたのか」  

 

榛名「霊力?」

 

伊達重綱「見られたからには仕方がない。実は今のこの姿は仮の姿本当の姿はNPF元司令官花田刀治郎なんだよ」

 

榛名「そうなんですね」

 

伊達重綱「驚かないのかい?」  

 

榛名「そりゃ驚きましたけど悪い人ではないなと思いまして」

 

伊達重綱「そう」

 

遠藤近衛兵『こちら遠藤基地の中枢機能の掌握に成功』

 

笠原近衛兵『こちら笠原艦娘を保護しましたなお代表者よりお礼の品として資材並びに武器弾薬を持って行っても構わないそうです。既に船に移送完了済みです。』

 

伊達重綱「分かった。ならお言葉に甘えるとしよう遠藤隊は

笠原隊と合流しろ 撤収する」

 

『『了解』』

 

榛名「あの。」

 

伊達重綱「さて帰りましょうか。家族のもとへ」

 

榛名「えっ?あなたのもとに行ってもいいんですか?」 

 

伊達重綱「はい でもどうするかはあなたが決めて下さい」

 

榛名「連れていって下さい!あなたのもとへ」

 

伊達重綱「分かりました。では帰りましょうか榛名さん」

 

榛名「はい!」  

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第9話「結成」

執務室

 

遠藤近衛兵「司令。唐津の件の報告書です」

 

伊達重綱「あぁ確認しよう。」

 

遠藤近衛兵「それにしても」

 

伊達重綱「ん?」

 

遠藤近衛兵「この前まで小部屋だったのが広くなりましたね」

 

伊達重綱「そりゃそうだろ。前の家を新たに基地として改造したんだから」 

 

遠藤近衛兵「基地っていうか要塞ですよね。壁で囲んであるし砲台もたくさんあるし」

 

伊達重綱「まぁいつまでもあの家だったらまた襲撃があった際に対応が出来んからな」

 

遠藤近衛兵「しっかしこれバレませんかね?」

 

伊達重綱「安心しろ衛星からの映像は既にダミーに切り替えてるし。至近距離まで近づかないと要塞が見えるよう結界も既に展開済みだ」

 

遠藤近衛兵「相変わらず早いですね」

 

伊達重綱「言ったろ俺は手は早めに打っておくのがポリシーだと。」

 

コンコン

 

榛名「失礼します。司令官。夏夜月提督がお越しです」 

 

伊達重綱「ありゃもうそんな時間ですか。分かりましたでは会議室に通しておいて下さい」

 

榛名「分かりました。」

 

 

遠藤近衛兵「夏夜月提督との会談ですか?」

 

伊達重綱「あぁ先日の戦闘の件でちょっとな」

 

遠藤近衛兵「なるほど。」

 

伊達重綱「では行ってくる。何かあったら内線で呼び出してくれ」

 

遠藤近衛兵「はい。」

 

会議室

 

 

伊達重綱「すまない待たせたな。」

 

夏夜月提督「いえいえこちらこそお忙しい中ありがとうございます。」  

 

伊達重綱「あぁそれでは先日の件だが」  

 

夏夜月提督「その前に」

 

伊達重綱「ん?どうした?」

 

夏夜月提督「九州は我が地元。

そこに敵性深海棲艦が現れ、かつ遠征枠が被害に遭い、花田さん……いや、伊達さんのお手を煩わせるなど、「注文」に応えぬは提督の恥・・・ここは一つ、剣客の腕を雇っていただけますか?」

 

伊達重綱「…ふむ。傘下にならいいのだがあまりおすすめしないな」

 

夏夜月提督「「雇って」は、いただけないのですか?」  

 

伊達重綱「うん。NPFならまだしも今のうちには昔みたいな力がない今そんな状態で傘下に入れたらうちを潰そうとするやつらが現れてしまう。もし戦闘になったら現状の戦力では対処出来んからな」

 

夏夜月提督「なるほど」

 

伊達重綱「逆にそっちが「雇い主」なら大歓迎かな 後ろ楯が欲しいし」

 

夏夜月提督「仕方無い、では「雇い雇われ」の関係といきますか。そうすれば、互いに雇われ側と雇い主の両方を担えますし

 

伊達重綱「そうだな。助かるよ」

 

夏夜月提督「いえいえでは書類の準備を」

 

伊達重綱「あぁ。」

 

 

数分後 

 

伊達重綱「よし、これで終わりかい」

 

夏夜月提督「はい!これで終わりです。これからよろしくお願いしますね」

 

伊達重綱「あぁこちらこそ」

 

夏夜月提督「ところでここの部隊の名前って?」

 

伊達重綱「あぁ特殊戦術憲兵隊(Special-tactics-militaire

Police )通称 特戦隊(STM)だ」 

 

夏夜月提督「いいですね。さすがは先輩」  

 

伊達重綱「だろ?」

 

夏夜月提督「えぇでは私はこれで」

 

伊達重綱「あぁまたな」

 

夏夜月提督「はい。失礼します!」    

 

執務室

 

伊達重綱「ふぅこれでしばらくは安心だな」  

 

綾波「司令官さん。そろそろ夕食の時間ですよ」

 

伊達重綱「わかった。すぐに行く」 

 

ガチャン

 

伊達重綱「雪かぁ。これはつもりそうだなぁ」 

 

榛名「司令官さん?」

 

伊達重綱「すまない考え事をしていた。行くぞ」

 

榛名「はい」  

 

    

 

続く

 



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第10話「商談」

九州某所 特戦隊基地

 

 

司令執務室

 

伊達司令官「いやー!ようやく唐津から引き渡された物資の処理が終わったぁ!」

 

榛名「お疲れ様です。お茶をどうぞ」

 

伊達司令官「あぁありがとう。いやぁまさかまた部隊の司令官になるとはなぁ」

 

榛名「そうですね」

 

伊達司令官「これも運命なのかねぇ」

 

プルプル

 

ガチャ

 

伊達司令官「はい執務室。、、、分かりましたすぐに行きます。」

 

榛名「どうされましたか?」

 

伊達司令官「いや彼が面会に来たからねちょっと会議室行ってくる。」

 

榛名「分かりました。あとの書類はこちらで」

 

伊達司令官「頼んだ。何かあったら内線で連絡くれ」 

 

榛名「了解しました」

 

 

会議室

 

伊達司令官「いやはやお待たせしました。」

 

「いえいえこちらこそお忙しい中このような時間を作って頂きありがとうございます。」

 

伊達司令官「では始めましょうか。改めまして私は特殊戦術憲兵隊の司令官をしています。伊達重綱と言います」

 

ドルフ「始めまして、『ドルフ・ヴァレンシュタイン』

と申します、以後御見知りおきを」スッ

 

 

伊達司令官「それでうちみたいな新鋭部隊になにかご用ですか?」

 

ドルフ「はい!本日はわが社の装備品を使ってもらえないか商談に参りました。」

 

伊達司令官「商談…ねぇ」 

 

ドルフ「何かご不満でも?」

 

 

伊達司令官「いえね。うちみたいな新鋭部隊にわざわざ『Lメタル社』のCEOが商談に来るとはね。少々驚きました」

 

ドルフ「なるほど。実は商談は表向きでしてね本当はある人に会うためにここに来たのですよ」

 

伊達司令官「へぇ―それでどなたにお会いに?」

 

ドルフ「…もう分かっているのだろ?ミスターダテいや

元NPF司令官ハナダ・トウジロウ中将」  

 

伊達司令官「いつからだ」 

 

ドルフ「最初からだ。」

 

伊達司令官「やはりか。ったく相変わらず情報を捕まえるのがはやいな」

 

ドルフ「我々の情報網をなめない方がいい」

 

伊達司令官「そうだな。」  

 

ドルフ「‥‥それでハナダ、体の方はもう大丈夫なの

かい?」

 

伊達司令官「ありがとう、ドルフ、怪我の方は何の心配も

無い、むしろ前より調子がいいほうだよ、後は身体の方をどう

ならしていくかだな」

 

ドルフ「君がまさか『子供』になるとはな、世界はまだまだ

厳しいな‥‥」

 

コンコン

 

伊達司令官「どうぞ」

  

 

ガチャ

 

綾波「失礼します」

 

伊達司令官「お?綾波さんどうしました?」

 

綾波「お茶と茶菓子をお持ちしました」 

 

伊達司令官「そうかありがとう」

 

ドルフ「ミスターダテ、そちらの美しいお嬢さんは?」

 

伊達司令官「私の優秀な部下です、綾波さんこちらは『Lメタル社』のCEOの方です。ご挨拶を」

 

ドルフ「始めまして、『ドルフ・ヴァレンシュタイン』

と申します、以後御見知りおきを」スッ

 

綾波「‥こんにちは‥‥綾波です‥」

 

綾波、伊達司令官の後ろに隠れる

 

伊達司令官「すみません、人見知りが激しい娘で‥‥」

 

ドルフ「大丈夫。直ぐに慣れるさ」

 

伊達司令官「綾波さん。もう大丈夫ですよありがとう」  

 

綾波「はい。失礼します」

 

ガチャン

 

伊達司令官「本当すまないな。」 

 

ドルフ「大丈夫だ。それよりも彼女似ているな」

 

伊達司令官「誰にかい?」

 

ドルフ「君の娘の山風ちゃんに」

 

伊達司令官「…そうだな」

 

ドルフ「すまない。忘れてくれ」

 

伊達司令官「いや大丈夫だよ。ありがとうそれじゃ仕事の話に戻ろう」

 

ドルフ「そうだな。」

 

伊達司令官「じゃあいつもの装備を頼む」 

 

ドルフ「あぁいつもの装備だがほとんど改良型や最新モデルのが出ているよ」

 

伊達司令官「マジか。よし買った!」

 

ドルフ「ありがとう。あと何かいるものは?」

 

伊達司令官「あるにはあるんだが」

 

ドルフ「何がいるんだい?」

 

伊達司令官「銃と弾薬をね。」 

 

ドルフ「数は?」

 

伊達司令官「300丁ほど」  

 

ドルフ「品種は?」

 

伊達司令官「そうだな。アサルトライフルは

マグプルMASADAと64式

サブマシンガンはMP5とスコーピオン

スナイパーライフルはバレットM82とM24SWR

そして拳銃はシグザウエルSP2022とワルサーPPQ M2

それにP9 P30かな」

 

ドルフ「軽機関銃と重機関銃は?」

 

伊達司令官「そうだなM249とM2を」  

 

ドルフ「分かった。営業時代のつてがある私から言って手配させよう。」

 

伊達司令官「あと毎度のことだが」

 

ドルフ「分かっているよ。戦車や高射砲 ミサイル モビルスーツやヘリも手配されるようこちらで手を尽くす」

 

伊達司令官「すまないな。助かるよ」

 

ドルフ「私と君の仲じゃないか。じゃあ私はこの辺で」

 

伊達司令官「あぁありがとう。」  

 

ドルフ「あっそれと」

 

伊達司令官「ん?どうした?」

 

ドルフ「飛龍さん。無事出産したそうです。男の子だとか」 

 

伊達司令官「…そうかありがとう」  

 

ドルフ「では私はこれで」  

 

ガチャン

 

伊達司令官(男の子か。よかったな飛龍 おめでとう)

 

綾波「司令官?」

 

伊達司令官「すまない。考え事をしていた。それでどうした?」

 

綾波「榛名さんが書類の件で聞きたいことがあると」

 

伊達司令官「分かったすぐに行く」 

 

 

続く

 

 

 

 



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第二章「再会と新たな敵」
第11話「戦いのはじまり」


特戦隊基地

 

執務室 

 

伊達司令官「ふぅー今日も平和だな」

 

ガチャ

 

 

榛名「司令官。海軍から治安出動要請が」

 

伊達司令官「海軍から?で内容は?」

 

榛名「それが・・・」

 

プル プル

 

伊達司令官「ちょっとごめんね。」

 

 

ガチャ

 

伊達司令官「はい執務室。 …了解すぐ向かう」

 

ガチャン

 

榛名「どうしました?」

 

伊達司令官「うんレーダーが第一次警戒ラインでおかしな反応を捉えたとの報告があったのでちょっと中央作戦室に行ってきますね」

 

榛名「でしたら私も同席します」  

 

伊達司令官「…分かりました。では行きましょうか」

 

中央作戦室

 

「司令入られます。」

 

伊達司令官「状況は?」

 

オペレーター「三分前水上レーダーがポイントアルファにて反応をキャッチしました。」

 

伊達司令官「正体は?」

 

オペレーター「この反応を見る限り深海棲艦なのですが」

 

伊達司令官「それにしては。」

 

オペレーター「はい。大きすぎます。」

 

伊達司令官「衛星カメラは?」

 

オペレーター「目標を第三監視衛星が光学で捉えました最大望遠で出します!」

 

伊達司令官「…これは」

 

オペレーター「深海棲艦じゃない!」

 

伊達司令官「もう一度確認しろ!」

 

オペレーター「駄目です。確認しても深海棲艦の反応しか出ません!」

 

榛名「ということはまさか!」

 

伊達司令官「新種の深海棲艦なのか?」

 

オペレーター「司令。ご指示を」

 

伊達司令官「総員第一種戦闘配置!」 

 

オペレーター「了解しました」

 

伊達司令官「榛名さん すぐに綾波とイムヤと共に出撃準備に入ってください」

 

榛名「分かりました」  

 

オペレーター「司令!」

 

伊達司令官「なんだ?」

 

オペレーター「新種と交戦している艦隊が!」 

 

伊達司令官「所属は?」

 

オペレーター「識別信号確認!NPF九州方面隊佐世保基地所属の部隊です」

 

伊達司令官「旗艦は?」

 

オペレーター「はい。これは!」

 

伊達司令官「どうした?」 

 

オペレーター「…月です。」

 

伊達司令官「え?」

 

オペレーター「旗艦は駆逐艦皐月です!」

 

伊達司令官「なんだと!…待避させろすぐにだ!」  

 

オペレーター「駄目です。繋がりません!」

 

伊達司令官「電波障害か!くそっ」

 

タタタ

 

オペレーター「司令!」  

 

 

出撃ドック

 

伊達司令官「皆さん!」

 

榛名「司令官出撃準備完了しました」

 

伊達司令官「よしすぐに出撃して下さい私も出撃します!」  

 

綾波「しかし司令官まで出ることは」

 

伊達司令官「いいから早く出撃するぞ!」

 

綾波「はっはい!」

 

オペレーター『司令。緊急事態です。佐世保隊の信号が途絶しました。』

 

伊達司令官「途絶したのは何分前だ?」

 

オペレーター『三分前です。』

 

伊達司令官「まだそんなに経っていないな」

 

オペレーター『はい』

 

伊達司令官「。最後に彼女らの信号が探知された位置は?」

 

オペレーター『最後に探知したのは、ポイントS4です。そのまま東に向かって下さい。』

 

伊達司令官「ポイントS4だな。了解 

また動きがあったら教えてくれ」

 

オペレーター『了解しました。また動きがあったら知らせます!』

 

伊達司令官「了解。さぁ行きますよ」

 

榛名「はい!」

 

伊達司令官「第一遊撃部隊出撃する!」

 

(無事でいてくれ!皐月!)

 

  

 

 

 

続く

 



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第12話「共闘」

榛名「司令まもなくポイントS4です。」

 

伊達司令官「総員第二列航行警戒序列を厳とせよ」

 

榛名「了解しました。」

 

伊達司令官「イムヤ何か見えるか?」

 

イムヤ『こちらイムヤ何も見えません!電探にも反応なし』

 

伊達司令官「ここにはもういないか。だとするとずっと北進して来ているからこのまま前進していくしかないな」

 

榛名「それって勘ですか?」

 

伊達司令官「あぁ長年の勘だ。そろそろ何か動きがあるはずだ。」

 

『司令こちらHQ。皐月さんらの信号を微弱ながら探知しました。そのまま前進して下さい。その先にいるはずです。』

 

榛名「司令官の勘が当たりましたね」

 

伊達司令官「あぁそのまま前進するぞ」

 

榛名「了解しました!」

 

 

 

数分後

 

綾波「司令官さん。まもなく到着します」

 

伊達司令官「了解さぁてどこにいるんだ?」

 

榛名「捜索範囲をもう少し広げますか?」

 

伊達司令官「いや待て!…いたぁ!」

 

綾波「えっどこですか?」

 

伊達司令官「10時の方向!」

 

榛名「本当だ。こちらも視認!」

 

伊達司令官「交戦中か。」

 

綾波「苦戦中みたいです!」

 

伊達司令官「あの皐月の腕でも倒せないとはどうやらただ事ではなさそうだ」

 

榛名「司令官。いかがなさいますか?」

 

伊達司令官「当然我々も参…」

 

「皐月ちゃん危ない!」

 

伊達司令官「皐月!」(妖力解放!)

 

榛名「司令官!」

 

綾波「どうしましょう榛名さん?」

 

榛名「司令官に続いて下さい!我々も参戦します!」

 

綾波「了解しました!聞こえたイムヤちゃん!」

 

イムヤ「了解!任せて」

 

一方その頃 海上

 

皐月「ハァ……ハァ……」

 

 

 

遊撃艦隊の旗艦、皐月は既に満身創痍だった。

 

深海棲艦出現との警報により同期の駆逐艦萩風·親潮·嵐と共に

出撃し迎撃するも新種のためか苦戦を強いられていた

 

皐月「グ…みんな、大丈夫かい…?」

 

萩風「…ええ……なんとか、大破した子は出ていません…しかしこのままでは」

 

皐月「…分かっているよ……」

 

『グワァ……!』

 

その新種は、一見普通の深海棲艦に見えるがよく見ると、筋骨隆々の肉体と艤装に加えた姿をしている

 

皐月(まさかこっちの攻撃が全然効かないとはね……なんとか引き離すしか無いか……)

 

親潮「皐月ちゃん!危ない!」 

 

皐月「しまった!」

 

すると

 

萩風「もうスピードでこちらへ向かう僚艦の信号を探知!この信号は!」

 

「させるかよ」抜刀

 

  (爆龍波!)

 

ドカーン

 

皐月「ケホケホ。あれ僕生きてる?」

 

「俺が来るまでよく堪えた。」

 

皐月「その声まさか!」

 

「あとは任せろ」

 

皐月「おにぃ!」

 

花田刀治郎「久しぶりだな皐月」

 

皐月「どうしてここに!」

 

花田刀治郎「話はあとだ。まずはこの化け物を倒すぞ!」

 

皐月「でもあいつには僕たちの武器が通用しないんだいくらおにいの刀でも倒せるか!」

 

花田刀治郎「大丈夫。そういうやつに限ってどこかに弱点があるはず、あったこの赤いコアだ!これを破壊すれば倒せる!」

 

皐月「本当!」 

 

花田刀治郎「あぁ」

 

キュー(ビーム発射)

 

親潮「危ない!」

 

花田刀治郎「明道斬月波!」

 

ビュー

 

嵐「すげえビームを吸い込みやがった」

 

花田刀治郎「これで終わりだ。金剛槍波!」

 

キキキキーン(命中音) 

 

ドカーン

 

花田刀治郎「これで倒せたかな」キィン

 

嵐「すげぇ」(ドキドキ)

 

親潮「あの人が皐月ちゃんの」(ドキドキ)

 

萩風「お兄さん。」 (ドキドキ)

 

 

 

 

続く

 

 



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第13話「兄妹の再会」

花田刀治郎「これで終わりだ。金剛槍波!」

 

キキキキーン(命中音) 

 

ドカーン

 

花田刀治郎「これで倒せたかな」キィン

 

嵐「すげぇ」(ドキドキ)

 

親潮「あの人が皐月ちゃんの」(ドキドキ)

 

萩風「お兄さん。」 (ドキドキ)

 

花田刀治郎「皐月怪我はないかい?」

 

皐月「う…うん!僕は大丈夫だよ」

 

花田刀治郎「そっか怪我がなくてよかった。」

 

ギギ

 

綾波「ハッ危ない!」

 

親潮「ッ伏せて!」

 

ドドーン(発射音)

 

花田刀治郎「させるか鉄砕牙!」

 

ドカーン

 

花田刀治郎「ふぅ―危ない所だった。」キィン

 

親潮「た、助かったの?」

 

嵐「どうやらそうみたいだぜ。」

 

萩風「ふぅ―よかったぁ」

 

花田刀治郎「君たち大丈夫ですか?」

 

親潮「はっはい!私達は大丈夫です!」

 

萩風「あの!助けてくれてありがとうございました。」

 

嵐「助かったぜ。」

 

花田刀治郎「いえいえ。軍人として当然のことをしたまでです。それより君たちに怪我がなくてよかった。」ニコッ

 

親潮&嵐&萩風(ズッキューーン)

 

皐月「みんな大丈夫かい?顔が赤いよ」

 

親潮「皐月ちゃん、私達少し涼みに行ってくるね」

 

皐月「う、うん。」

 

花田刀治郎「一体どうしたんだ?」

 

皐月「さぁ?」

 

榛名「司令官ご無事ですか?」  

 

花田刀治郎「あぁ私と皐月は無事です。さて帰るとしましょうか」

 

皐月「待ってよおにい!」

 

花田刀治郎「ん?どうした基地に戻らないのか」

 

皐月「…そうなんだけどさ」ギュ

 

花田刀治郎「うちに来るか?」

 

皐月「いいの!」

 

花田刀治郎「あぁ、君らも来るかい?」

 

親潮「へっ?私たちもですか?」

 

花田刀治郎「あぁ君らも何か事情があるんだろ?なぁに4人増えてもどうもないさ」

 

嵐「でもいいのか。監視衛星が観ているんじゃ」

 

花田刀治郎「大丈夫。戦闘時の監視衛星の映像はいつもフェイクを流しているからね。今頃君らが沈んだ映像が流れているはず」

 

萩風「ってことは。私達は沈んだことになってるんですか?」

 

花田刀治郎「まぁそういうことになるね。」

 

親潮「分かりました。これからよろしくお願いします!司令官!」

 

萩風「よろしくお願いします。司令」

 

嵐「よろしくな!」

 

花田刀治郎「あぁこちらこそよろしくね。」

 

 

「「「はい!」」」

 

花田刀治郎「よし帰投するぞ」

 

皐月「ところでおにい?」 

 

花田刀治郎「ん?どうした」

 

皐月「何で子供の姿なんだい?」

 

伊達司令官「あれ!もう妖力切れ!?」

 

皐月「お·に·い?」

 

伊達司令官「皐月?顔が怖いよ」

 

皐月「どういうことか詳しく聞かせてくれないかな」

 

伊達司令官「はっはい」

 

特戦隊本部

 

執務室

 

これまでの経緯を説明中

 

伊達司令官「…という訳だ。」

 

皐月「なるほど」

 

伊達司令官「怒っているよな。」

 

皐月「そりゃそうだよ。」  

 

伊達司令官「ですよねー」  

 

皐月「なのでこれからは」

 

伊達司令官「はい。」 

 

皐月「名一杯甘えさせていただきます!」キリ

 

伊達司令官「へっ?」

 

皐月「何か文句でもあるのかい?」ギリッ 

 

伊達司令官「あ、ありません!」

 

皐月「よろしい。それじゃあ…おにぃ!」ダバ!

 

伊達司令官「おおっと」ギュ

 

皐月「よかった。生きててくれて本当によかったぁ」グスッ

 

伊達司令官「心配かけたな。ごめんな」  

 

皐月「うん。」

 

伊達司令官「よしよし」ナデナデ

 

 

 

皐月「もういいよありがとう。」  

 

伊達司令官「そうか 少しは落ち着いたか?」

 

皐月「うん。大丈夫だよ」

 

伊達司令官「そうか。なら少し聞きたいことがある」

 

皐月「なんだい?」

 

伊達司令官「今NPF内で何が起こっている?」   

 

皐月「ッ!そうだね。おにいにも話しておいた方が良さそうだね。」

 

伊達司令官「話してくれるか?」

 

皐月「いいよ。全て話すよ今NPF内で何が起こっているのか」

 

 

続く

 

 

 

 

 

 



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第14話「発端」

執務室

 

伊達司令官「少し聞きたいことがある」

 

皐月「なんだい?」

 

伊達司令官「今NPF内で何が起こっている?」   

 

皐月「ッ!そうだね。おにいにも話しておいた方が良さそうだね。」

 

伊達司令官「話してくれるか?」

 

皐月「いいよ。全て話すよ今NPF内で何が起こっているのか」

 

伊達司令官「あぁ頼む」

 

皐月「事の発端は数年前、岩国の乱直後の事だったよ。」

 

伊達司令官「あぁ」

 

皐月「これは柱島基地の基地司令さんから聞いた話だけどさ」

 

回想

 

NPF柱島基地

 

執務室

 

 

基地司令官「花田閣下は敵の攻撃により戦死されたそうです。」

 

飛龍「えっ」

 

江風「おいおっさん!嘘を言うな!あの父さんが死ぬ訳ないんだ!」

 

基地司令官「うそではありません。私どもの部下が救援に向かいましたが花田邸は炎上。生存者は彼以外誰もいませんでした。閣下も含めて」

 

近衛憲兵「これを」

 

海風「それは?」

 

近衛憲兵「閣下がこれを皆さんに渡してくれと」

 

海風「これはお父さんの文字!」

 

飛龍(刀治郎)

 

 

花田刀治郎『遺言状。

第一 私の死は十三年隠し総司令の名は花田刀治郎とすること

第二 副司令は尾張鎮守府の織田信孝提督に任命する事

第三 子が十三歳になるまで艦隊の指揮権は大和に任命する        

第四 子が十三歳になるまで指揮官は織田信孝提督とする

第五 尾張鎮守府の所属する艦娘は全てNPFに籍を置くこと

第六 娘たちに真実を伝えること

第七 無駄な争いはしないこと

第八 専守防衛であること

第九 引き続き海軍特殊警察、国防軍 六本脚鎮守府 

   注文の多い鎮守府 連邦軍 海軍及び陸軍省と連携を

   とること

第十 皆仲良く元気に過ごすこと』

 

 

飛龍「後半は分かるけど前半のは、どういうこと?」

 

蒼龍「そうね。あの人何を考えて」

 

海風「おそらくお父さんは子供が十三歳になるまでは自分の死を隠しそれまで艦隊の指揮権は大和叔母さんにそれ以外の指揮権を持つ指揮官は尾張鎮守府の織田提督に任命するってことじゃないですか?」

 

蒼龍「なるほど、混乱を防ぐためね。にしてもあの人は」

 

飛龍「えぇこんな時でもほとんど仕事のことしか書いていないとか。」 

 

瑞鳳「どれだけ仕事バカなのよ」

 

海風「でもお父さんらしい」

 

江風「そうだな。」

 

近衛憲兵「あの飛龍さん。」

 

飛龍「どうしました?」

 

近衛憲兵「これを」

 

飛龍「これは?『家族へ』ってこれは!」 

 

近衛憲兵「はい。閣下がこれを家族の皆さんに渡してくれと」

 

蒼龍「刀治郎が?」

 

近衛憲兵「えぇこの脇差と一緒に」

 

瑞鳳「そう 飛龍読んでくれる?」

 

飛龍「う、うん」

 

 

花田刀治郎『家族の皆へ 今この手紙をみているということはおそらく私は死んでしまったのだろう。皆私に対して呆れているのかな そりゃそうだよな私はこれまで君たちに何も与えることが出来なかった。別に恨んでもくれても構わない。私は旦那としてそして父親として君らに何もしなかった最低な人間だ。恨むのは当然のことだ。だがこれだけは忘れないでくれ。私は君らのことを誰よりも愛している。それだけは死んでも尚変わらないよ。最後にまた約束守れなくてごめんな、そしてこれまでこんな駄目な旦那、父親についてきてくれてありがとう花田刀治郎』

 

 

 

蒼龍「刀治郎」

 

瑞鳳「本当にバカな人 」

 

飛龍「…そうね」

 

蒼龍「これからどうしよう」

 

飛龍「とりあえず舞鶴に帰ろう。そして皆とよく考えよう」

 

蒼龍「そうね。」

 

瑞鳳「そうしましょう」

 

飛龍「基地司令さん。航空機の手配を」

 

基地司令「分かりました。すぐにご用意致します。」

 

飛龍「あとこの事は」

 

基地司令「分かっております。すでに箝口令をしいてあります。」

 

飛龍「感謝します」

 

基地司令「はい。では護衛機の用意をしますのでお待ち下さい」

 

ガチャン

 

 

飛龍(刀治郎。あなたと言う人は。…バカ)

 

 

 

 

続く

 

 

 

 



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第15話「舞鶴会議」

執務室

 

皐月「そして飛龍義姉さんらは舞鶴に戻ったそうだよ」

 

伊達司令官「それからどうなった。」

 

皐月「舞鶴に戻ったあとすぐに僕と大和さんら家族全員と各部署の責任者らが召集され臨時会議が開かれたよ」

 

回想

 

会議室

 

飛龍「以上が事の顛末です。」

 

ザワザワ

 

大和「そんな」

 

瑞鶴(アズレン)「指揮官が…」

 

武蔵「クソッ!奴ら許さねぇ!」

 

能代「武蔵さん!落ち着いて下さい!」

 

武蔵「これが落ち着いて入られるか!奴が死んだんだそ!たった一人の弟だったんだ。」

 

能代「武蔵さん。」

 

高雄「…これからどうされますの?代理の指揮官は」

 

飛龍「それなんだけど、代理の指揮官は私がなります」

 

常守課長「しかし艦娘は司令官にはなれません。それは海軍指揮法によって定められています。上である我々が法を破っては他の人に示しがつきません!」

 

飛龍「それは分かっています!」

 

常守課長「では!」

 

飛龍「私は退役します。艦娘を退役すれば私は指揮官になれる!そうでしょう!」

 

常守課長「そんな無茶苦茶な!」

 

 

蒼龍「そうよ!それに指揮官は尾張の織田提督がするのよ!あの人の遺言にそうあったでしょう!」

 

飛龍「よその人にそれも元ブラック提督なんぞにここの指揮官を任せるわけないでしょ!ここはあの人がつくった機関よ!なら身内である私がやるのが当然でしょ!」

 

蒼龍「飛龍!少しは落ち着いて!」

 

飛龍「落ち着いているわよ!」

 

蒼龍「落ち着いていないわよ!あの人の遺言をないがしろにするなんて何を考えているのよ!」

 

飛龍「私はそんなつもりじゃ!それにあなただって一度はあの人を裏切っておきながら何よ!あの人が死んだからもう用なしなんじゃない?」 

 

大和「飛龍さん!」

 

飛龍「ッハ」

 

蒼龍「ッ私はあの人の遺言通りにすればいいってただその事を伝えておきたかったのに」

 

飛龍「いやあの人は甘すぎる!これからは私が厳しくする。」

 

玄田課長「私は賛成です!奴らに鉄槌を」 

 

常守課長「私は反対です!あなた達は司令官をないがしろにするつもりですか!」   

 

玄田課長「なんだとそんなわけないだろ!」  

 

ギャーギャー

 

 

 

回想終了

 

 

 

執務室

 

皐月「それから、NPFは飛龍さんら過激派と蒼龍さんら保守派に分かれてしまったんだ。もうあの頃のNPFはないんだよ。」

 

伊達司令官「そうか。そんなことが」

 

皐月「うん。おにいがいないだけでこうなるとは、そこまで花田刀治郎の存在は大きかったんだね。」

 

伊達司令官「ったくまさか飛龍が暴走するとは。やむを得ないか。皐月?」 

 

皐月「なんだい?」

 

伊達司令官「あの娘たちは?どうなった」

 

皐月「あの娘たちって?」

 

伊達司令官「私の娘たちはどうなった。」

 

皐月「それなんだけど」  

 

プルプルプル(内線)

 

伊達司令官「すまない。」

 

ガチャ

 

伊達司令官「はい。執務室 …分かったすぐに行く」

 

皐月「どうしたの?」

 

伊達司令官「ある物体がこちらに急速接近中だと報告があった。中央作戦室に行ってくる。」

 

皐月「分かった。僕も行くよ」

 

伊達司令官「…そうか。ついてきな。」

 

皐月「うん!」

 

 

伊達司令官「はてさて次はなにかな。」

 

 

続く

 



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第16話「正体」

執務室

 

伊達司令官「ったくまさか飛龍が暴走するとは。やむを得ないか。皐月?」 

 

皐月「なんだい?」

 

伊達司令官「あの娘たちは?どうなった」

 

皐月「あの娘たちって?」

 

伊達司令官「私の娘たちはどうなった。」

 

皐月「それなんだけど」  

 

プルプルプル(内線)

 

伊達司令官「すまない。」

 

ガチャ

 

伊達司令官「はい。執務室 …分かったすぐに行く」

 

皐月「どうしたの?」

 

伊達司令官「ある物体がこちらに急速接近中だと報告があった。中央作戦室に行ってくる。」

 

皐月「分かった。僕も行くよ」

 

伊達司令官「…そうか。ついてきな。」

 

皐月「うん!」

 

伊達司令官「はてさて次はなにかな。」

 

 

中央作戦室

 

オペレーター「アンノウンターゲット急速接近中!」

 

オペレーター「このままだと第一警戒ライン突破されます!」

 

葛木戦術長「まだアンノウンターゲットの正体はわからないの?」

 

オペレーター「だめです!速すぎて認識できません!」

 

葛木戦術長「司令は?」

 

オペレーター「今上がられました!」

 

伊達司令官「葛木戦術長。アンノウンターゲットとコンタクトはとれましたか?」

 

葛木戦術長「いえ未だ応答ありません!」

 

伊達司令官「総員第一種戦闘配置。」

 

オペレーター「了解!総員第一種戦闘配置!」

 

オペレーター『総員第一種戦闘配置繰り返す総員第一種戦闘配置!』

 

葛木戦術長「よろしいのですか?」

 

伊達司令官「構いません。」

 

葛木戦術長「…砲台攻撃用意!目標アンノウンターゲット。位置は監視システムのを使用。交互撃ち方!」

 

オペレーター「了解。中央作戦室より各砲台へ目標に対し交互撃ち方を行う。」

 

オペレーター「各砲台砲弾装填!射撃用意よし!」

 

葛木戦術長「撃ち方はじめ!」

 

オペレーター「うちぃかたぁはじめ!」

 

ドーン

 

 

オペレーター「弾着…今!」

 

葛木戦術長「目標は?」

 

オペレーター「未だ健在!」

 

葛木戦術長「このままだとあと数分後にはここに来るわ!」

 

伊達司令官「葛木。あとは任せた。」

 

シュッ

 

葛木戦術長「…ご武運を!」

 

 

第一警戒ライン 上空

 

伊達司令官「どこの誰かは知らないがここから先には通さないよ。」

 

スッ

 

伊達司令官「花田流簡易妖術。影縛り!」

 

ピーン

 

「なっ!動けない」

 

伊達司令官「今度はこちらの番だ行くぞ!爆龍波!」

 

ドカーン

 

伊達司令官「終わったか。」キィン

 

オペレーター『現在確認中ですがおそらく倒したかと』  

 

伊達司令官「そうか帰投します。」

 

オペレーター『待って下さい爆発地点に大きな反応あり!』

 

榛名『司令官後ろ!』

 

伊達司令官「なっ!」キーン

 

「チッ今の防ぐかよ。」

 

伊達司令官「俺の爆龍波を喰らっておいて無傷とはおまえさん何者だい?」

 

「いいぜ教えてやるよ。」

 

皐月『その声まさか!』

 

伊達司令官「…江風か」

 

江風「ご名答。あたしは江風。伊達重綱あんたに勝負を申し込む!」

 

続く

 

 



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第17話「勝負」

特戦隊基地近海

 

榛名『司令官後ろ!』

 

伊達司令官「なっ!」キーン

 

「チッ今の防ぐかよ。」

 

伊達司令官「俺の爆龍波を喰らっておいて無傷とはおまえさん何者だい?」

 

「いいぜ教えてやるよ。」

 

皐月『その声まさか!』

 

伊達司令官「…江風か」

 

江風「ご名答。あたしは江風。伊達重綱あんたに勝負を申し込む!」

 

伊達司令官「どうしてだい?」

 

江風「ここにある人の生まれ変わりと噂されるほどの強さを持った男がいると聞いてな。」

 

伊達司令官「ほぅある人か…ちなみに誰の生まれ変わりかい?」

 

江風「…花田刀治郎。あたしの父さんだ。」

 

伊達司令官「そうか。それでただの力比べに来たと」

 

江風「単なる力比べじゃない。」 

 

伊達司令官「ではなんの為に勝負を」

 

江風「確かめる為だよ。」

 

伊達司令官「確かめる?」

 

江風「本当に父さんの生まれ変わりと噂されるほどの強さなのか。それを確かめる為にあたしはここにいる。」

 

伊達司令官「そうか。」

 

江風「それでどうするの?勝負する?」

 

伊達司令官「…分かった。その勝負受けてたとう。」

 

江風「話がはやいな。」

 

伊達司令官「とその前に、」

 

江風「?」

 

伊達司令官「「陽より出でて陽より明るくその光をおりたまえ(ひかりよりいでてひかりよりあかるくそのひかりを折りたまえ)結界設定! 急急如律令!」」

 

江風「何をした?」

 

伊達司令官「何邪魔者が入らないよう結界を張って周りから見えなくしただけさ。その方が戦いやすいだろ?」

 

江風「なるほど。」

 

伊達司令官「さぁそろそろ始めよう。そちらからどうぞ」

 

江風「いいのか?後悔するぞ」

 

伊達司令官「その言葉そっくりそのままお返しするよ。」

 

江風「じゃあこっちから行くぞ!紅龍波!」」

 

伊達司令官「水龍波!」

 

ドカーン

 

江風「やるなあんた!」

 

伊達司令官「そっちもね。」

 

江風「でもそろそろ本気でやらない?」

 

伊達司令官「本気だとこれが本気だが?」

 

江風「いいや違うね。あんたからまだまだ隠された力を感じる。それともわざと本気を出さないのか?」

 

伊達司令官(江風、その年で気の流れを見られるとは強くなったな。ならあれを使ってみるか)

 

伊達司令官「いいだろう。そちらが望むのならばこれから少し本気を出させてもらうよ」

 

江風「あぁあたしに本気をみせてくれ!」

 

伊達司令官「では行くよ!」

 

スッ!

 

江風「消えた!?どこだ」

 

伊達司令官「ここだよ」

 

江風「しまっ…」

 

伊達司令官「二天一流簡易妖域。一閃(いっせん)!」

 

ズバッ

 

江風「うっ!まだまだぁ!紅の爆龍波!」

 

伊達司令官「明道斬月波!」

 

ギューン

 

江風「あたしの技が吸われた!?」 

 

伊達司令官「そろそろ終わりにしよう。」

 

江風「何をするつもりだ?」  

 

伊達司令官「妖域展開。桜花空処(さくらくうしょう)」

 

 

続く

 

 

 



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第18話「決着」

伊達司令官「二天一流簡易妖域。一閃(いっせん)!」

 

ズバッ

 

江風「うっ!まだまだぁ!紅の爆龍波!」

 

伊達司令官「明道斬月波!」

 

ギューン

 

江風「あたしの技が吸われた!?」 

 

伊達司令官「そろそろ終わりにしよう。」

 

江風「何をするつもりだ?」  

 

伊達司令官「妖域展開。桜花空処(さくらくうしょう)」

 

ギュイーン サラサラ

 

江風(これは、桜並木?でも何も感じない。ただ聞こえるのは桜並木が風で揺れる音だけ。その他は何も聞こえないし感じない。これは一体?)

 

伊達司令官「桜花空処。これは桜並木の情報だけを脳に直接与え判断力と知能を一時的に麻痺させ体を動かせなくする技だ。さぁどうする?負けを認めるかい?」

 

江風「くっ!こんなもの」

 

伊達司令官「ほぅこの状態でしゃべれるとは。君強いね」 

 

江風「へっ。そりゃどうも」

 

伊達司令官「ならこれはどうだい?」

 

江風「桜吹雪が止まった?」

 

伊達司令官「いや。面白いのはこれからさ。」スッ

 

江風「まさか!攻…」

 

伊達司令官「もう遅い」

 

ビュー 

 

江風「ヒッ…」

 

伊達司令官「いつまで目を閉じているんだい?」

 

江風「ん。…これは桜の花びらが目の前で止まっている。いや違うこれは」

 

伊達司令官「その通り私がわざと止めているんだよ。ご覧の通りこの桜は撹乱だけではなくてこうして妖力で操れば攻撃にも使えるんだよ」

 

江風「凄い」

 

伊達司令官「そうだろ?…それでどうするの負けを認めるかい?」

 

江風 (この技といい気といいやっぱりこの子は、…またあたしはあの人には勝てないのか。なら)「…あぁあたしの負けだ」

 

伊達司令官「そうか。解」  

 

スゥー

 

伊達司令官「これで解除されているはずだ。どうだい?」

 

江風「あぁ元通りだ」

 

伊達司令官「そうか。君にはいろいろ聞きたいことがあるがその前にうちのドックに入ったら?その傷じゃ話どころじゃないからね。」

 

江風「分かった。ここはお言葉に甘えるよ」  

 

 

伊達司令官「そうか。すぐに準備させよう。」  

 

江風「ありがとう」

 

伊達司令官「取り合えずうちの基地に案内しよう。こっちだ」  

 

江風「あぁ。」

 

 

特戦隊基地 ドック

 

伊達司令官「おーい。誰かいるか?」

 

刀鍛冶妖精「ちと待ってろ…おぅ誰かと思ったら司令じゃねぇか」

 

伊達司令官「あぁおやっさん。ちょうどいいところに」  

 

刀鍛冶妖精「なんでぇいまた刀の整備かい?」

 

伊達司令官「あぁ頼めるかい?」

 

刀鍛冶妖精「取り合えず見せてくれ」

 

伊達司令官「あぁ。」スッ

 

刀鍛冶妖精「…ふむこりゃまた派手にやったなあ」  

 

伊達司令官「治せるか?」

 

刀鍛冶妖精「俺を誰だと思ってる。この俺に治せない刀はない!」

 

伊達司令官「フフ冗談だよ。たよりにしてますよおやっさん」

 

刀鍛冶妖精「おぅ任せておけ!」

 

伊達司令官「さて傷もあるしひとっ風呂浴びに行くとしよう」

 

 

浴室

 

伊達司令官「よしっ!いざ風呂へ!」

 

 

カポーン

 

 

伊達司令官「ん?何の音だ?」

 

ガラガラ

 

伊達司令官「誰か入るのか?」

 

江風「ふぇ?」

 

伊達司令官「…」

 

江風「…」

 

伊達司令官「…うわぁ!なんでここに!」

 

江風「そっちこそ!」

 

伊達司令官「この時間は、私以外入らないようにしているんだが!」

 

江風「知らなかったんだよ!ってか看板くらいおいとけよな!」

 

伊達司令官「…取り合えず僕は外で待っておくよ」

 

江風「…待った!聞きたいことがある」

 

伊達司令官「ん?なんだい?」

 

江風「ここで一体何をしているんだよ。クソ親父!」

 

伊達司令官(バ…バレたー!)

 

 

続く

 

 



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第19話「江風」

 

 

伊達司令官「…取り合えず僕は外で待っておくよ」

 

江風「…待った!聞きたいことがある」

 

伊達司令官「ん?なんだい?」

 

江風「ここで一体何をしているんだよ。クソ親父!」

 

伊達司令官(バ…バレたー!)

 

伊達司令官(何故だ!何故バレた!一体どこで…あっ)

 

回想

 

伊達司令官『花田流簡易妖術。影縛り!』

 

伊達司令官『今度はこちらの番だ行くぞ!爆龍波!』

 

伊達司令官『二天一流簡易妖域。一閃(いっせん)!』

 

伊達司令官『明道斬月波!』

 

 

伊達司令官(俺めっちゃお家流使ってるやん!そりゃバレるわ!どうしよう~!あの手を使うか。)

 

伊達司令官「クソ親父とはひどいな僕はまだ子供だよ。君みたいな子供を持った覚えは…」

 

江風「クソ親父!それ以上言い訳するなら海風姉や山風姉に言うよ。」

 

伊達司令官(なぜバレた。まさか江風その年で心眼を身につけたのか!…やむを得ない)

 

伊達司令官「久しいな江風。訳あってこんな姿になってしまった。」

 

江風「…父さん本当に父さんなんだね」

 

伊達司令官「あぁそうだ。このお守りがその証だ」

 

江風「それはあたしが渡したお守り!…父さん!」

 

ギュ 

 

伊達司令官「おっと」

 

江風「生きていたんだね。父さん!よかった、よかったよ!」

 

伊達司令官「心配かけたな。よしその格好だと風邪をひいてしまう。はやく浴槽に入ろう」

 

江風「うん!」

 

カポーン

 

伊達司令官&江風「「ふぅー!いい湯だなぁ!」」

 

お互い見つめ合う

 

伊達司令官&江風「…プッアハハハハ!」

 

伊達司令官「江風。」

 

江風「ん?」

 

伊達司令官「皆元気か?」

 

江風「…海風姉さんと山風姉さんは元気だよ。だけど」 

 

伊達司令官「だけど?」 

 

江風「母さん達はどうか分からない。」

 

伊達司令官「何故だ一緒にいるんはず…まさか!家出したのか?」

 

江風「…」コクッ

 

伊達司令官「理由はなんだい?」

 

江風「怒らないのか?」

 

伊達司令官「そりゃ理由によっては怒るかもしれないがまず江風が理由もなしに家出するとは思えない。」

 

江風「…父さん」

 

伊達司令官「話してくれるかい?なぜ家出したのか?」

 

江風「…いやだったから」

 

伊達司令官「何が?」

 

江風「母さん達のことが」

 

伊達司令官「…」

 

江風「父さんが死んだと判断されて以来母さんは変わってしまった。皆を反対を押し退け退役したり司令官になってからは職権乱用や査察という名の虐殺行為など暴走状態になってしまったんだ。当然蒼龍母さんや瑞鳳母さんらも止めたりするけどそれにはいつも喧嘩ばっかりでかなりギスギスしていたんだ。」

 

伊達司令官「そうか。もうあの頃の幸せな生活はなくなってしまったのか。それで家出を?」

 

江風「あぁ」

 

伊達司令官「海風と山風も一緒にか?」

 

江風「…」コクッ

 

伊達司令官「そうか。江風すまなかったな嫌な思いをされてしまってこんなことならはやく戻ればよかった」 

 

江風「父さん。」ギュ

 

伊達司令官「江風…すまなかった」ギュ

 

江風「ごめん。くそ親父なんて言って」

 

伊達司令官「いいんだ。お前は悪くない。悪いのはそう思わせてしまった私だ。」

 

江風「…父さん」

 

伊達司令官「江風。海風と山風とは連絡とっているんだよな」

 

江風「あぁ」

 

伊達司令官「なら今までのことを全て話したうえでここに呼んでこい。」

 

江風「いいのか」

 

伊達司令官「あぁこれは父親としてやらねばならないことだからな。」

 

江風「分かった。それまで」

 

伊達司令官「ん?」

 

江風「甘えてもいいよな。」

 

伊達司令官「…あぁ」

 

江風「父さん!」

 

 

続く

 

 

 



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第20話「出動」

特戦隊本部内訓練場

 

嵐「ハァー!」

 

伊達司令官「見切った!」

 

嵐「その振りを待っていたぜ!」

 

伊達司令官「しまっ…」

 

嵐「覚悟!」

 

キーン

 

嵐「なっ!今のも防げるのかよ」

 

伊達司令官「それだけじゃないよ」

 

嵐「いつの間に急所を!」

 

伊達司令官「さてどうする?」

 

嵐「うぅ参った!」

 

伊達司令官「ふぅ。さて江風!皐月!そっちはどうだ?」

 

江風「こっちも終わったぜ!」

 

皐月「こっちも!」

 

伊達司令官「よし!今日はここまで!」

 

嵐「ふぅー!終わったぁ!」

 

萩風「お疲れ様。嵐姉さん」

 

嵐「おぅサンキュー!ちょうど喉が渇いていたんだ!」

 

親潮「司令もお疲れ様です。これよろしければ」

 

伊達司令官「あぁすまないな。ありがとう頂くよ」

 

親潮「…いえ」

 

伊達司令官「しかしまぁ皆最初のころに比べたら強くなったな。」

 

嵐「そうなのか!」

 

伊達司令官「あぁあの大振りと見せかけた小振りはいいフェイクだったよ。もう少し遅ければ危なかったよ。」

 

嵐「へへっ!」

 

萩風「いいなぁ。嵐姉さん」

 

江風「萩風も槍術だいぶ板についてきたよな。」

 

萩風「そうかな江風ちゃん?」

 

江風「おぅ最初の頃に比べたら強くなってるよ!」

 

萩風「嬉しいなぁ。ありがとうね」

 

皐月「親潮の抜刀術も最初の頃と比べたらだいぶ腕があがって来たよね。」

 

親潮「ありがとうございます。皐月さんの指導のおかげです。」

 

伊達司令官「しかしまぁ皆、突然強くなりたいとか言い出して正直驚いたよ」

 

嵐「だってあの戦いの時の司令かっこよかったし」

 

親潮「皆憧れたのですよ。」

 

萩風「うんうん」

 

伊達司令官「…そうかそりゃ嬉しいな。」

 

フフフ

 

伊達司令官「さてそろそろ仕事に戻ると…」

 

(警告音)

 

江風「敵襲か?」

 

伊達司令官「作戦室!状況知らせ!」

 

葛木戦術長『陸軍高機動憲兵隊から緊急協力要請です!。』

 

伊達司令官「内容は?」

 

葛木戦術長『福岡管区にて謎の生命体による攻撃を受けており現状の戦力では対処出来ないそうです』

 

伊達司令官「…スクランブルだ!管区内のうちの戦車隊に防衛出動命令!戦車隊及び憲兵隊には我々の到着まで時間を稼ぐよう伝えろ!」

 

葛木戦術長『分かりました!』

 

伊達司令官「皆訓練終わったばかりですまないが出動だ!」

 

江風「目標は?」

 

伊達司令官「福岡だ。今回は親潮、嵐、萩風にも出てもらう。」

 

嵐「待ってました!」

 

親潮「よろしいのですか?」

 

伊達司令官「あぁあとは実戦を積めば大丈夫だからな。これが初の初陣だが皆準備はいいか!」

 

皆「「「「はい!」」」」

 

伊達司令官「よろしい!ドックにて装備を持ち次第ヘリデッキに集合!出動だ!」

 

皆「「「「「「了解!」」」」」」

 

 

続く

 

 

 

 



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第3章「娘」
第21話「襲撃」


福岡管区 

 

高機動憲兵隊前線作戦本部

 

本多隊長「状況は?」

 

憲兵「現在各防衛線にて交戦中ですが我が方が依然不利です。」

 

本多隊長「特戦隊は?」

 

憲兵「現在機甲師団が向かっていますが現在交戦中。到着が少し遅れるとのことです。」

 

本多隊長「引き続き遅滞戦闘を継続するよう各隊に伝えろ」

 

憲兵「ハッ!」

 

 

某市内

 

 

憲兵「うわぁ!」

 

 

憲兵「ギャー!」

 

小隊長「怯むなー!撃ちまくれー!」

 

ダダダ

 

憲兵「駄目です!もう弾薬がありません!」

 

憲兵「これ以上は持ちません!撤退しましょう!」

 

小隊長「駄目だ!まだ住民の避難完了の報告が入っていない。もし撤退したら民間人にも被害がでる!それだけは避けねばならないのだ!」

 

憲兵「しかしこのままでは部隊は全滅です!」

 

小隊長「クソ!やむを得ないか、撤退用…」

 

「グオォー!」

 

憲兵「小隊長!危ない!」

 

小隊長「しまっ!」

 

バァーン

 

「グワァー!」

 

ドスーン

 

小隊長「狙撃?どこからだ!」

 

(ローター音)

 

憲兵「小隊長この音は!」

 

小隊長「ヘリか?しかしこんなところにヘリは」

 

憲兵「小隊長!あれを!」

 

小隊長「あれは!」

 

憲兵「特戦隊だ!」

 

憲兵「特戦隊が来たぞー!」

 

 

ヘリ

 

パイロット『目標に命中確認!司令お見事です!』

 

 

伊達司令官「ありがとう…いいか!現在市内四ヶ所にて高機動憲兵隊が謎の生命体との戦闘を行っているが我々の機甲師団の到着が遅れてることもあり依然不利な状態だ!よって我々はこれより分散し憲兵隊の増援に向かう!激戦地区は我々が向かう第2中隊はブラボー第3中隊はチャーリーに向かえ!いいな!」

 

『『了解!』』

 

パイロット『司令まもなくポイントスペードエースに到着します!』

 

伊達司令官「了解だ。いいか!ラペリングで降下したら別動隊の憲兵隊と合流し、本隊と合流するいいな!」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

パイロット『誘導員視認!到着しました!』

 

伊達司令官「よし!行くぞ!」

 

 

憲兵「特戦隊の方ですか?」

 

伊達司令官「いかにも私は特戦隊指揮官の伊達重綱です。」

 

憲兵「し、失礼しました!伊達閣下でございましたか!ご苦労様です!」

 

伊達司令官「うむ。それより本隊は?」

 

憲兵「ご案内致します。こちらです。」

 

伊達司令官「あぁ。」

 

 

高機動憲兵隊前線作戦本部

 

憲兵「本多隊長!特戦隊の伊達重綱総司令官様らをお連れしました。」

 

本多隊長「分かった。下がりなさい」

 

憲兵「ハッ!失礼します。」

 

本多隊長「…お久しぶりです。閣下」

 

伊達司令官「あぁ本部で会った時以来だな」

 

本多隊長「えぇまさかあの閣下がこんなに小さくなるとは」

 

伊達司令官「本当だな。まぁその話はおいおいするとして現状は?」 

 

本多隊長「ハッ!今までは苦戦していましたが特戦隊の応援により持ち返せています。」

 

伊達司令官「そうか。しかしNPFの姿が少しもないが」

 

本多隊長「それが応援に来てはいるものの少数しか来ていないのです。」

 

伊達司令官「なんと…応援に来たのはどこの部隊だ?」

 

本多隊長「それが」

 

伊達司令官「どうした?」

 

本多隊長「応援に来たのは艦娘二人だけです。」

 

伊達司令官「誰だ?」

 

本多隊長「海風さんと山風さんです。」

 

伊達司令官「そうか」

 

本多隊長「…正直この激戦区が持ちこたえているのはお二人のお陰です。もしお二人がいなければ被害はもっと深刻でした。」

 

伊達司令官「そうか…二人はどこにいる?」

 

本多隊長「最前線です。」

 

伊達司令官「分かった。みんな行くぞ。」

 

本多隊長「閣下!」

 

伊達司令官「ここからは私が指揮をとる。君は他の地区の指揮を頼む。」

 

本多隊長「…ハッ!」

 

伊達司令官「待っていろよ。海風…山風!今行くぞ!」

 

 

 

続く

 

 



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第22話「合流」

市内

 

海風「これでも喰らいなさい!破魔弾!」

 

バンバンバン(発砲音)

 

「ギャー!」 

 

 

ドターン

 

海風「山風!そっちはどう?」

 

山風「大丈夫もう少しで終わる。」

 

 

「キシャー!」 

 

山風「君臨者よ(くんりんしゃよ)血肉の仮面(ちにくのかめん)・万象(ばんしょう)・羽搏き(はばたき)・人の名を冠す者よ(ひとのなをかんすものよ)焦熱と争乱(しょうねつとそうらん)海隔て逆巻き(うみへだててさかまき)南へと歩を進めよ(みなみへとほをすすめよ)破道の三十一(はどうのさんじゅういち)赤火砲(しゃっかほう)!」

 

「ギャー!」

 

ドカーン

 

 

山風「…終わり」

 

海風「よくやったね山風。さぁ残った鬼はあと1体。このまま行くよ!」

 

山風「…うん!」

 

「ウゥー」

 

海風「今よ!山風!」

 

山風「縛道の一(ばくどうのいち)塞!(さい)」

 

 

ピーン

 

 

山風「海風姉!とどめ!」 

 

海風「P92丁持ちの力思い知りなさい!破魔弾(はまだん)!」

 

バンバンバンバン

 

山風「…終わった?」

 

海風「…いやまだよ!」

 

「グオー!」

 

山風「赤火砲!」 

 

キィン

 

山風「そんな!跳ね返された」

 

海風「これならどう!」(5式リボルバー銃装備)

 

バン バン(発砲音)

 

山風「そんなかすり傷一つついていない!」   

 

海風「山風!敵をよく見て!」

 

山風「敵を?」

 

よく見ると、今までの奴より巨体で尚且つ筋骨隆々の肉体をしている  

 

山風「…なるほど。納得。」

 

海風(まさかこちらの攻撃が全然効かないなんて……ならなんとか敵をここから引き離すしか無い!……)

 

山風「どうする?海風姉」

 

海風「敵をここから…」  

 

「グオー!」

 

山風「海風姉!危ない!」 

 

海風「しまった!」

 

 

キィーン

 

海風「…え?」

 

「大丈夫か?海風」

 

海風「誰?」

 

「安心しろ君らの味方だ」

 

海風「良かった……っ」

 

「さぁ僕が来たからにはもう大丈夫だよ。」

 

海風「なんでここに?」

 

「まぁ詳しい話はあとで話すとして取り敢えずこの化け物をなんとかしないとね。」 

 

海風「でもあの敵には私たちの武器や技が通用しないんですよ!いくらあなたの刀でも倒せるか!」

 

 

「大丈夫。」(妖力解放)

 

「私を信じなさい」 

 

海風「その声はお父さん?」 

 

花田刀治郎「あぁ。今までよく頑張ったな。あとはお父さんに任せなさい」

 

海風「はい!」  

 

花田刀治郎「さてと…うちの娘にてぇ出してただで済むと思うなよ!」

 

「ウォーー!」

 

花田刀治郎「そこだ!」

 

ズバ!(斬)

 

「ウゥー」

 

海風「まさかお父さんの技も効かないというの!」

 

花田刀治郎「海風…よく見ていなさい」

 

海風「…はい」

 

花田刀治郎「二天一流抜刀剣術。神速斬(しんそくざん)!」

 

キィン

 

 

ドバー(流血)

 

 

「ゲアァー!」

 

 

ドターン

 

 

海風「…凄い。あの鬼をたった一撃で」

 

 

続く

 



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第23話「再会」

花田刀治郎「二天一流抜刀剣術。神速斬(しんそくざん)!」

 

キィン

 

ドバー(流血)

 

「ゲアァー!」

 

ドターン

 

海風「…凄い。あの鬼をたった一撃で」

 

花田刀治郎「ふぅ~ようやくくたばったか。」

 

山風「海風姉さん!」

 

海風「山風。」

 

花田刀治郎「よかった。怪我はそんなに酷くないな。」

 

海風「…お父さん」 

 

山風「本当にパパなの?」

 

花田刀治郎「あぁ。久しぶりだな二人共」

 

山風「でもどうやって」

 

花田刀治郎「それはだな。そろそろかな」

 

海風&山風「?」

 

ボフン

 

伊達司令官「こういうことだ。」

 

海風「お父さんなの?」

 

伊達司令官「あぁ。なぜかは分からないが体が縮んでしまってな。私自身驚いているよ。」

 

海風「…お父さん!」

 

山風「…パパ!」

 

伊達司令官「おっと」

 

海風「よかったぁ!よかったよ!」

 

山風「パパが死んだら私たち!」

 

伊達司令官「ごめんな。遅くなって」

 

抱きしめる

 

数分後

 

伊達司令官「落ち着いたかい?」

 

海風「大丈夫です。」

 

山風「私も」

 

伊達司令官「そうか」

 

江風「父さんー!」

 

伊達司令官「おぉようやくきたか。」

 

江風「だって父さん速いんだもん!」

 

伊達司令官「これしきの速さについてこれないとはまだまだ修行が足りないな。」

 

海風「江風。」

 

江風「海風姉!山風姉も!ということは」

 

伊達司令官「あぁ。」

 

海風「江風。連絡ありがとう」

 

山風「元気そうでよかった」

 

江風「姉ちゃん達も元気そうでよかった!」 

 

伊達司令官「皆話は後だ。また新手の奴が来たぞ」

 

嵐「ったくこいつら次から次へと」

 

親潮「司令官指示を」

 

伊達司令官「ふむ。今のまま闘ったら体がもたない。何か支援があればなんとかなるんだが」

 

江風「それなら心配ないぜ!」

 

伊達司令官「どういうことだ?江風?」

 

江風「ついさっき機甲師団から連絡があって現場地域に到着直ちに支援戦闘を開始するって!」

 

伊達司令官「ようやく来たか!よしならすぐに支援砲撃を要請しろ!」

 

江風「もぅ要請したぜ!」

 

伊達司令官「でかした!江風」

 

江風「でもピンポイントで撃ってくれればいいんだけど」

 

伊達司令官「なんでだ?」

 

江風「オレンジの煙を狙えと言ったんだよ。」

 

伊達司令官「オレンジってこれか?」

 

江風「ちょっと投げ損ねたかも。」  

 

『これより61式6型及び7型による支援砲撃を行う!』

 

皆「…」

 

伊達司令官「走れー!」

 

皆「うわぁー!」

 

ドカドカーン

 

伊達司令官「あの塹壕に入るんだ!」

 

皆「はい!」

 

ヒュー

 

伊達司令官「皆入ったか!」 

 

皆「はい!」

 

伊達司令官「来るぞー!」 

 

ドカーン!

 

伊達司令官「よしこれで大丈夫だ!。」

 

皆「ふぅー!」

 

江風「死ぬかと思ったー!」

 

皆「それをお前さん(あなた)が言うなー!」

 

江風「ご、ごめんなさぁーい!」

 

 

続く

 



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第24話「決意」

特戦隊基地 執務室

 

榛名「以上がここ数日間の福岡戦線に関する報告です。」

 

伊達司令官「そうですか。少しは奴らの動きが落ち着いたみたいでまずはよかった。」

 

榛名「そうですね。」

 

伊達司令官「守備隊には引き続き警戒をするよう伝えて下さい。」

 

榛名「分かりました!榛名にお任せ下さい!」

 

伊達司令官「お願いします。さてと次は」

 

コンコン

 

伊達司令官「どうぞ」

 

綾波「失礼します。司令官さん。夏夜月提督とカポネ提督がお越しです。会議室にお願いします。」

 

伊達司令官「分かりました。では参りましょうか?」

 

綾波「はい!」

 

伊達司令官「他の皆は?」

 

綾波「皆、会議室にて待機中です。」

 

伊達司令官「そうですか。」

 

会議室

 

ガチャ

 

伊達司令官「いやぁ、ごめんごめん!ちょっと報告を受けていたら遅くなった。皆揃っているな」

 

海風「はい。」

 

伊達司令官「では会議を始めよう。まず今回福岡に出現した謎の生物について海風、」

 

海風「はい。この生命体は知能と戦闘能力が非常に高く通常の武器では傷つけることすら不可能なほどの強靭な肉体を持つことから私たちは通称…鬼と呼んでいます。」

 

夏夜月提督「それだけではありません。」

 

伊達司令官「そういえばお前さんの部隊もあの戦線にいたな。」

 

夏夜月提督「えぇ謎の生命体ということだったので」

 

伊達司令官「そうだった、お前さんは怪物退治も専門だったな。それでお前さんから見た鬼はどうだった?」

 

夏夜月提督「ほとんどは先ほど海風ちゃんが言った通りでしたが自分が戦った鬼はゴリラみたいな腕やバッタみたいな足または羽が生えるなどの肉体的異変が見られました。」

 

カポネ提督「俺のところの奴もそうだ。」

 

伊達司令官「そうか。二人がそういうとなればこれはちと厄介な相手かもしれんな」

 

カポネ提督「だが今のところこの戦力で対処するしか他に方法はない。そうだろ旦那?」

 

伊達司令官「そうだな。では各自引き続き警戒態勢を維持しながら奴らのことを可能な限り調べよう。もちろん情報は皆で共有してな。」

 

夏夜月提督「そうですね。」

 

カポネ提督「それで行こう。それよりもだ?」

 

伊達司令官「どうした?カポネ」

 

カポネ提督「それはこっちのセリフだぜ旦那わざわざこれだけのために俺達を呼ぶなんて今までなかったからな。他に何か話したいことがあるんだろ?旦那」

 

伊達司令官「…やれやれお前さんにはかなわないな。カポネ」

 

カポネ提督「話してくれるか?」

 

伊達司令官「もちろんだ。単刀直入にいうお前さんらの力を貸してほしい。」

 

夏夜月提督「何をするつもりですか?」

 

伊達司令官「特に行動はしないがただ情報がほしい。」

 

カポネ提督「内容は?」

 

伊達司令官「父上や蒼龍,瑞鳳など家族皆の所在だ。」

 

夏夜月提督「では先輩ついに!」

 

伊達司令官「あぁこの内戦に終止符をうつ!」

 

カポネ提督「分かった。他ならぬ旦那の頼みだ」

 

夏夜月提督「先輩にはいつもお世話になっていますから!」

 

伊達司令官「ありがとう。さてやるぞ!」

 

カポネ&夏夜月提督「応!」

 

 

 

 

続く

 

 

 

 



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第25話「父と長女」

会談から一週間後

 

特戦隊本部 執務室

 

海風「…大丈夫?お父さん」

 

伊達司令官「…大丈夫だよ。」

 

海風「でもそうは見えないよ。それに最近夜遅くまで仕事をしているって綾波ちゃんから聞いた。」

 

伊達司令官「…最近夜眠れなくてな。仕事をしていたほうが落ち着くんだ」

 

海風「お母さんのこと?それとも」

 

伊達司令官「それともなんだ?」

 

海風「私たちのこと?私たちが本当の娘だって」

 

伊達司令官「蒼龍から聞いたのか?」

 

海風「うん。」

 

伊達司令官「…駄目なお父さんだろ?」

 

海風「最初はね。でも最近は違う。」

 

伊達司令官「どうしてだ。俺は一度自分の勝手な理由でお前さんらの親権を捨てたんだぞ!」

 

ギュウ

 

伊達司令官「海風?」

 

海風「確かに施設で過ごしてからずっと嫌なことばっかりできつかった!誰かに助けに求めても誰も助けに来なかったけど今度は違った!お父さんが助けてくれた!そのあとも責任を充分果たしてくれた!」

 

伊達司令官「…海風」

 

海風「もう思い悩まないで。私たちは大丈夫だから」

 

伊達司令官「そうか。娘に助けられるとはな。ありがとな」

 

海風「お父さん。」

 

伊達司令官「これで一つ悩みは解決した。あとは」

 

海風「お母さんのこと?」

 

伊達司令官「あぁ。必ず俺達で母さん達をこの負の連鎖から助けるぞ」

 

海風「うん。」

 

プルプル

 

伊達司令官「すまない。仕事の電話かも」

 

海風「私が出るよ」

 

ガチャ

 

海風「はい執務室。…分かりました少しお待ちください」

 

伊達司令官「なんだって?」

 

海風「カポネ提督から大事な電話だって」

 

伊達司令官「分かった。変わろう」

 

海風「3番だって」

 

伊達司令官「ありがとう」

 

ピッ

 

伊達司令官「私だ。」

 

カポネ提督『旦那、忙しい時にすまない。』

 

伊達司令官「構わないさ。それで娘と楽しい時間を邪魔するほど大事な用って?」

 

カポネ提督『そいつぁ失礼したな。だが実はな,』

 

伊達司令官「あぁ…なに!確かな情報か?」

 

カポネ提督『あぁ。あとは旦那に任せる』

 

伊達司令官「分かった…ありがとう」

 

放送マイクポチ

 

伊達司令官『司令より達する各部署のトップ及び全艦娘は至急会議室へ。繰り返す各部署のトップ及び全艦娘は至急会議室へ。以上』

 

マイク切る

 

海風「お父さん?」

 

伊達司令官「…時は来た。」

 

海風「え?」

 

伊達司令官「ついにこの時が」

 

海風「一体何が?」

 

伊達司令官「…瑞鶴の居場所が判明した。」

 

海風「瑞鶴さんが?」

 

伊達司令官「あぁ、海風お前さん確か瑞鶴に射撃を習っていたらしいな」

 

海風「えぇ舞鶴会議のあとにね。」

 

伊達司令官「そうか。」

 

海風「それで瑞鶴さんはどこにいるの?」

 

伊達司令官「あぁカポネからの情報によれば瑞鶴はこの九州にいる。もしかしたら蒼龍や飛龍、瑞鳳など他の皆のことについて何か知っているかも知れない。」  

 

海風「本当に?」

 

伊達司令官「それを確かめるためにもなんとしても奪還しなければ!」

 

海風「奪還?もしかして幽閉されているの?」

 

伊達司令官「…詳しい話は会議室でする。まずは会議室に行こう。」

 

海風「…はい!」

 

 

 

続く



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第26話「作戦会議」

特戦隊基地 会議室

 

伊達司令官「皆揃っているな?」

 

榛名「はい。全員揃いました」

 

伊達司令官「よし。さっそくだが皆に集まってもらったのは他でもない、NPFのことだ」

 

全員「!?」

 

伊達司令官「皆私の本当の姿や昔のことについて既に知っているかも知れないが私は元NPF総司令官花田刀治郎その人であり部下の反乱により私は死んだことにされた。そして今NPFの司令官をしているのは私の妻飛龍だ。しかし知っての通り今のNPFは内部分裂し腐敗している。なぜなら彼女が憎しみや悲しみで暴走しているからだもはやNPFの栄光は過去の物になってしまった。それによって嫌な思いをした人もいるだろう。特に榛名や綾波イムヤ。そして私の娘である海風、山風、江風にはな。私がちゃんとしていればこんなことにはなかった本当に申し訳ない。」

 

榛名「…司令」

 

海風「…お父さん」

 

伊達司令官「だから罪滅ぼしというかこうなってしまった責任をとろうと思う。それは舞鶴に行き飛龍の暴走を止めることだ。だがそのためには各地にいる私の家族を取り戻さなければいけない。皆力を貸してはくれないか?」

 

榛名「一つ聞いてもいいですか?」

 

伊達司令官「なんだい?」

 

榛名「もし飛龍さんの暴走を止めたら司令官はまたNPFに戻るのですか?」

 

伊達司令官「…処理とかでな。」

 

榛名「そうですか」

 

伊達司令官「だがそれは一時的なことだ」

 

綾波「え?」

 

伊達司令官「私は前より今の皆といたほうが居心地がいい。それに私は死んだことになっている。そんなやつがまたNPFにいたら混乱を招く。」

 

イムヤ「じゃあ!」

 

伊達司令官「あぁ俺の新しい居場所はここしかない。だがその前にけじめをつけなればならない。」

 

 

榛名「分かりました。協力します」

 

伊達司令官「これは完全な私的だ。本来の任務とは関係ない。それでも協力してくれるのか?」

 

榛名「何を言っているんですか?私たちは司令には返しても返しきれないほどのご恩があります。少しだけでもいいからご恩を返させて下さい。」

 

遠藤班長「私たちも同意見です。お手伝いさせてください」

 

伊達司令官「…分かった。」

 

海風「これで話は終わりってことじゃないよね。」

 

伊達司令官「もちろんだ。話はここからが本題だ。ある人物を奪還したい。その人物の名は瑞鶴私の嫁の一人だ。ある情報によれば彼女は今この九州にいる。」

 

榛名「九州のどこなんですか?」

 

伊達司令官「大島だ。あそこは最重要航路の一つである豊後水道があるからな。その基地に瑞鶴がいる。しかも幽閉されているらしい」

 

遠藤班長「しかしあそこは最重要拠点それなりに堅城でなおかつ警備も厳重だと聞いています。奪還は難しいかと思いますが」

 

伊達司令官「あぁそのためにも現地に行き潜入することにした。そこで情報を集め次第ここにいる皆で急襲し奪還する

潜入する間他の者は装備を持って待機しててくれ」

 

江風「装備を持って行ったら警戒されないか?」

 

伊達司令官「確かにな。しかしそれはそのまま行ったらの話だな。」

 

海風「何か策があるんですか?」

 

伊達司令官「装備を持って堂々と入る方法がね」

 

江風「それは?」

 

近藤中将「我々の出番ってことですね」

 

伊達司令官「あぁ。我々にはNPFまでとはいかないが水上戦力がある。今回はそれを利用し向こうには海上演習だと言って豊後水道にいればいい。そしたら向こうは警戒はしないだろ」

 

海風「でも突然海上演習と言えば向こうも少しは警戒するのでは?」

 

伊達司令官「そこは大丈夫だ。前もって向こうに伝えてあるからな。」

 

海風「さすがです。」

 

伊達司令官「さすがに思いつきでこんなことは言わないよ」

 

榛名「でも潜入は誰が?」

 

伊達司令官「私がやる。」

 

榛名「そんな危険すぎます」

 

伊達司令官「私は姿を見せるとしてもそれは花田刀治郎の姿だけだ。この顔と姿はまださらしていない。ならこの中で適任なのは私だろ?」

 

榛名「しかし子供があんな所にいたら目立ちませんか?」

 

伊達司令官「それなら大丈夫だ。俺に考えがあります。」

 

榛名「それは?」

 

伊達司令官「現地で見せよう。とりあえず急襲用の装備を持って軍港に集合。その後各班に分かれて乗船する直ちに取りかかれ!」

 

全員「はい!」

 

 

続く



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第27話「いざ大島へ!」

特戦隊地下軍港

 

榛名「司令!作戦参加要員全員揃いました!」

 

伊達司令官「分かった。…近藤、艦隊の出撃準備はどうなっている。」

 

近藤中将「はっ!我が第一特務艦隊はいつでも出撃可能です!」

 

伊達司令官「よしただちに出撃するぞ!」

 

全員「はっ!」

 

第一特務艦隊それは海上における作戦及び上陸支援などの特別任務にあたる特戦隊初の水上艦隊である。編成は以下の通り

 

汎用型護衛駆逐艦 朝日 曙

 

防空型護衛駆逐艦 秋月 冬月

 

汎用型護衛巡洋艦 神通

 

防空型護衛巡洋艦 鳥海

 

強襲型揚陸艦 大隅

 

艦隊旗艦 強襲型空母 生駒

 

艦隊司令官 近藤 悠(こんどう ゆう)中将

 

伊達司令官「君らは大隅で待機しろ。私は生駒で指揮をとる」

 

榛名「分かりました。」

 

近藤中将「司令。艦橋はこちらです。」

 

伊達司令官「分かった。」

 

生駒 艦橋

 

艦長「近藤艦隊司令官及び伊達総司令官に対して敬礼!」

 

ビシッ!

 

伊達司令官「お世話になります。」ビシッ

 

近藤中将「よし通信!僚艦に出撃するよう伝えろ」

 

通信「了解」

 

艦長「航海長両舷前進微速!」

 

航海長「両舷前進微速ー!」

 

近藤中将「生駒発進!」

 

こうして伊達司令官らを乗せた第一特務艦隊は大島に向けて出撃した。

 

近藤中将「通信。大島基地に演習艦隊ただいま特戦隊基地より出港したと伝えろ到着予定時間は今のところ誤差なしだ」

 

通信「了解」

 

伊達司令官「近藤中将。航路はどうしますか?」 

 

近藤中将「進路はこのまま。対馬海峡と関門海峡を通って大島に向かいます。」

 

伊達司令官「了解です。深海の奴らに注意しながら行きましょう。」

 

近藤中将「すでに哨戒機を交代で飛ばしています。」

 

伊達司令官「さすがだな。お兄さんに君を見習ってほしいくらいだよ。」

 

近藤中将「私は兄とは違いますから」

 

伊達司令官「そうだな。」

 

 

第一特務艦隊は対馬海峡を越え下関に一度寄港したあと関門海峡を越えた。

 

戦闘指揮所(CIC)

 

近藤中将「司令官まもなく豊後水道に入ります」

 

伊達司令官「ここまでは特に異常なしですか」

 

近藤中将「このまま無事に着くといいのですが」

 

『フリッパー1から生駒CIC進路上に小型船舶救助要請を出しています。』

 

艦長「フリッパー1こちらCIC救助要請とはどこの船だ?」

 

『確認出来ません。』

 

近藤中将「大島基地に連絡しますか?」

 

伊達司令官「いや待て。艦長対潜警戒を」

 

近藤中将「まさか」

 

『CICミサイル発射音探知!潜水艦です。艦隊前方15マイル11時の方向!』

 

艦長「いきなり撃ってきただと!」

 

近藤中将「待ち伏せか!」

 

レーダー員「ミサイル探知!その数12!本艦に向かってきます!」

 

近藤中将「11時方向なら一番近いのは鳥海か。ならば鳥海ミサイル迎撃!」

 

伊達司令官「間に合わない砲雷長!チャフ発射CIUSで対応しろ!」

 

砲雷長「了解。対空戦闘CIUS攻撃始めチャフ発射!」

 

シュババババ(チャフ発射)

 

レーダー員「目標距離2000尚も接近!」

 

砲雷長「てぇー!」

 

ダダダダダダダダダダダダ(CIUS発射音)

 

レーダー員「全弾命中!」

 

艦長「よし!」

 

伊達司令官「生駒から神通!」

 

『こちら神通。』

 

伊達司令官「閃光魚雷発射。敵を浮上させよ。」

 

『了解』

 

レーダー員「神通。閃光魚雷発射。」

 

ソナー員「敵魚雷探知!8発来ます!」

 

伊達司令官「生駒から各艦へ対潜戦闘一本も被弾するな!」

 

近藤中将「一番二番デコイ発射!」

 

ソナー員「魚雷デコイ追走。」

 

伊達司令官「生駒から曙 朝日!」

 

『捉えてます任せて下さい!』

 

レーダー員「曙 朝日 アスロック発射!」

 

ソナー員「アスロック敵魚雷に命中します」 

 

ソナー員「アスロック全弾命中。まもなく閃光魚雷が命中します」

 

ドーン(爆発音)

 

ソナー員「命中。目標浮上します。」

 

レーダー員「衝撃波来ます!」

 

伊達司令官「総員衝撃に備え!」

 

ドゴオォン

 

近藤中将「司令!ご無事ですか?」 

 

伊達司令官「私は大丈夫だ。君は?」

 

近藤中将「私も大丈夫です。乗組員も怪我はありません」

 

伊達司令官「そうか。曙と朝日には潜水艦の調査をさせろ我々はこのまま大島に向かう」

 

近藤中将「了解しました。」

 

伊達司令官「大島基地にもそう伝えろ」

 

通信員「了解。」

 

伊達司令官(このタイミングでの襲撃。まさかとは思うがいや考えすぎか)

 

数時間後

 

近藤中将「司令官大島に到着しました。」

 

伊達司令官「ようやくつきましたね。では私は大隅に行きます。艦長ヘリの用意を」

 

艦長「分かりました。すぐに用意させます。」

 

伊達司令官「近藤中将。例の潜水艦は?」

 

近藤中将「曙からの報告によればどうやら潜水艦は無人だったらしくあの小型船舶が信号を出したら自動的に攻撃するシステムになっていたらしいです。現在朝日が詳しく調査中です。」

 

伊達司令官「曙は?」

 

近藤中将「現在小型船舶を曳航しながらこちらに向かっております。まもなく到着するかと」

 

伊達司令官「分かりました。何か分かったらまた連絡を」

 

近藤中将「はい!」

 

艦長「伊達総司令ヘリの準備完了しました。」

 

伊達司令官「了解。では私はこれで」   

 

近藤中将「御武運を!」

 

伊達司令官「ありがとう」

 

 

 

続く

 



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第28話「会談」

NPF大島基地 執務室

 

提督「ようこそ大島基地へ」

 

「このような歓迎感謝します。」

 

提督「それでなぜ突然この執務室にいらしたんですか?伊達重綱司令官殿。」

 

伊達司令官「突然の訪問については謝罪いたします。しかしいろいろ話したいことがありまして。」

 

なぜ彼が執務室にいるのかそれは今から三時間前に遡る

 

強襲型揚陸艦 大隅 作戦室

 

江風「司令官単独で大島基地に行き向こうの提督から情報を聞きだすってぇー!」

 

海風「無茶です!」

 

伊達司令官「無茶なことは重々承知している。だが時間がないんだ!」

 

榛名「どういうことですか?」

 

伊達司令官「実はなある噂があってな」

 

綾波「噂ですか?」

 

伊達司令官「あぁその内容がな大島基地にとある保守派の艦娘が幽閉されているっていうことだ」

 

海風「まさかそれが瑞鶴さんだと…」

 

江風「でもそれだけの内容じゃあ瑞鶴さんだと断定は出来ないじゃ」

 

伊達司令官「あぁ。俺自身も気になったんでカポネや保守派や過激派にいる内通者に確認させたが所在は確認された。たった一人を除いてな」

 

榛名「じゃあその一人が」

 

伊達司令官「瑞鶴だ。」

 

海風「そんな」

 

伊達司令官「もし瑞鶴が幽閉されていたら危険な状態だ。」

 

親潮「それならはやく助けないと」

 

伊達司令官「本来ならもっと外堀を埋めてからやるべきなんだが今回は時間がない。だから直接確かめるしかないんだ」

 

萩風「しかし司令官お一人では危険です。もし司令官に何があったら」

 

嵐「あぁ司令官が一人でやるって言ったら俺たちは全力で止めるぞ」

 

みんなの強い意思を感じる視線が伊達司令官に向く

 

伊達司令官「皆…さすがに皆が相手だと無理だな。分かったなら護衛を二人つけよう。親潮、海風頼めるか?」

 

親潮「はい!」

 

海風「私たちにお任せください」

 

伊達司令官「よしじゃ向こうの指揮官にアポの電話入れるとするか。」

 

 

そして現在に至る

 

 

伊達司令官「今回我々の海上演習にご協力してくださりありがとうございます。提督殿」

 

提督「いやいや特戦隊と言えばさきの福岡の戦いで我々を勝利に導いた精鋭部隊。そんな方々のお願いなら喜んでお受けしますよ。」

 

伊達司令官「我々,ねぇ…」ボソッ

 

提督「何か?」

 

伊達司令官「いえ何も。それでは本題に参りましょう当初の予定通り海上演習は3日間行います。そこまでは問題ありませんね。」

 

提督「はい。」

 

伊達司令官「えぇでは次に敵地の島に上陸することを想定した演習ですが…」

 

提督「それなんですがね。」

 

伊達司令官「どうしました?」

 

提督「実は演習地が確保できなくなりまして」

 

伊達司令官「は?確か南側は海岸やトーチカがありますよね」

 

提督「それが特命で急に使えなくなりまして」

 

伊達司令官「急にですか」

 

提督「えぇそれで申し訳ないのですが」

 

伊達司令官「…やはり噂は本当でしたかぁ」

 

提督「どんな噂ですか?」

 

伊達司令官「大島にはとある保守派の艦娘を幽閉している場所があるっていう噂ですよ。我々の界隈では有名な噂ですよ。」

 

提督「…それは…あ…あくまで!噂じゃないですかぁ!」

 

伊達司令官「…そうですか。分かりましたでは私からの話は以上です。それでは我々はこれで」

 

提督「私の秘書艦が門までお送りします。頼んだぞ有明」

 

有明「分かった。では司令官門まで送るぜ」

 

伊達司令官「頼みます。あっそうそう司令官殿」

 

提督「なんでしょう?」

 

伊達司令官「我が艦隊が潜水艦に襲われたことはご存知ですよね。」

 

提督「えぇそれはもう」

 

伊達司令官「その潜水艦どうやら無人機である程度の距離から操縦が出来るみたいなんですよね」

 

提督「何が言いたいのでしょうか」

 

伊達司令官「その距離から操縦が出来る範囲にちょうど大島基地がぴったり入るんですよ。これは偶然ですかねぇー?では」

 

ガチャン

 

 

伊達司令官「ここまでいいよ。ありがとう」

 

有明「あの!」

 

伊達司令官「なんでしょう。」

 

有明「いやあのー」

 

伊達司令官「海風、親潮周囲を見張ってくれ」

 

海風「分かりました。」

 

親潮「了解です。」

 

伊達司令官「これで大丈夫でしょう。それで話とは」

 

有明「本当なんだ」

 

伊達司令官「何がですか?」

 

有明「あの噂は本当なんだよ!」

 

伊達司令官「幽閉されているのは誰なんですか?」

 

有明「瑞鶴さんだ!NPF本部の瑞鶴さんなんだよ」

 

伊達司令官「!?」

 

有明「瑞鶴さんは南側の演習場内にある司令塔にいます」

 

伊達司令官「そうですか。」 

 

有明「あとおたくらを襲った潜水艦はここの試作艦だ。それで練習としておたくらを襲う計画も提督を中心にたてられたんだ。」

 

伊達司令官「情報感謝します、」

 

有明「頼む瑞鶴さんを助けてくれ!」

 

伊達司令官「分かった我々に任せなさい。」

 

有明「ありがとう。じゃ」

 

スタスタ 

 

伊達司令官「海風、親潮」

 

海風「はい」

 

親潮「ここに」

 

伊達司令官「皆にこう伝えろ。『作戦を開始する』と」

 

海風「分かりました。」

 

親潮「ただちに」

 

伊達司令官「さてと落とし前つけさせてもらうとするか」

 

そういった伊達司令官の目には怒りに満ちていたのだった…

 

 

 

続く

 

 

 

 



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第29話「S」

強襲型揚陸艦 大隅 作戦室

 

伊達司令官「…以上が私が彼女から聞いた話だ。」

 

江風「まさか本当に幽閉されていたとはなぁ。」

 

榛名「どうなさいますか?司令官」 

 

伊達司令官「無論救出する。そのために彼らを呼んだんだ」

 

海風「Sですか?」

 

伊達司令官「あぁ」

 

特殊作戦郡 通称S  その名の通り特殊作戦時において潜入及び奇襲を行う特殊部隊である。一部では特戦郡とも呼ばれている

 

伊達司令官「既に大島基地周辺に展開済みだ。」

 

江風「でも陸を制圧しても海にはまだ艦隊が」

 

伊達司令官「それなら心配ない。彼らはもともとあの提督に不満を抱いていたようだから私の正体を明かしてこちらにつくよう既に調略済みだ」

 

綾波「さすがです!」

 

伊達司令官「手は早く打つのが俺のポリシーだからね」

 

嵐「それで作戦はいつも通りでいいんだよな」

 

伊達司令官「あぁ。まずS大隊が各門を速やかに確保し外で待機中の我々を中に誘導する。その後各自迅速に要所を確保。瑞鶴を救出したあとにヤツにこれまでのけじめをつけさせる。」

 

江風「邪魔するヤツは切り捨てていいんだよな。」

 

伊達司令官「あぁ。もちろんだ」

 

嵐「よっしゃ!腕が鳴るぜ!」

 

伊達司令官「よし私は先に大島基地に行く君らはあとからついて来てくれ。作戦開始まであと一時間だ。ただちに準備にかかれ!」

 

皆「はい!」

 

 

大島基地 正門周辺

 

アルファリーダー「これは司令官殿」

 

伊達司令官「目標の様子はどうだ?」

 

アルファリーダー「それがいつもより警備が厳重なのです。」

 

伊達司令官「まさか我々の襲撃が奴らに漏れたのか?」

 

アルファリーダー「いえどうやら謎の予告状が届いたらしくそれが原因で警備を強化したものかと」

 

伊達司令官「予告状ねぇ」

 

アルファリーダー「作戦続行しますか?」

 

伊達司令官「いや引き続き待機だブラボーにもそう伝えろ」

 

アルファリーダー「了解。」

 

『ソードこちらアーチャー送れ』

 

伊達司令官「こちらソードどうした?」

 

 

『謎の部隊が警戒線を越えこちらに向かっています。大島基地所属の部隊ではないですが報告によると今日この辺りを通過する味方部隊はありません。こちらで対処しますか?』

 

伊達司令官「アーチャー引き続き監視を続行せよ」 

 

『了解』

 

伊達司令官「さてどうしたものか?」

 

『ソードこちらブラボー送れ!』

 

伊達司令官「こちらソードどうした?」

 

『基地内の動きがあわただしくなりました。内部からの報告によると謎の部隊が接近しておりこれより迎撃態勢に入るそうです。』

 

伊達司令官(ということは敵ではないのか?ならば試してみるか。それにどもみちこの状態で作戦は続行は出来ないしな)

 

伊達司令官「アーチャーこちらソード」

 

『こちらアーチャー送れ』

 

伊達司令官「謎の部隊の正体は分かったか?」

 

『いまだに所属は分かりませんが。黒服の集団がこちらに向かっています。』

 

伊達司令官(黒服?まさか!)

 

伊達司令官「アーチャー足止め出来るか?」

 

『はい。』

 

伊達司令官「よしそれなら足止めを頼む。我々もすぐに向かうが到着するまで敵対行動は禁止。「ソードの使い」だと言っても尚攻撃するならやむを得ない発砲を許可する。」

 

『了解』

 

伊達司令官「ブラボー聞こえるか?」

 

『こちらブラボー送れ!』

 

伊達司令官「聞いていた通りだ私とアルファはここから一旦撤収する。その間ブラボーは引き続き目標の監視を続行せよ」

 

『こちらブラボー。了解』

 

伊達司令官「よし銃を片付けろ!撤収!」

 

アルファチーム「撤収!」

 

伊達司令官「ったくちと面倒なことになったな」

 

 

続く

 

 



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第30話「救出作戦」

アーチャーリーダー「司令ご苦労様です!」 

 

伊達司令官「状況は?」

 

アーチャーリーダー「所属の確認ができました。城西鎮守府所属の部隊です。」

 

伊達司令官「了解。それじゃあアーチャーは引き続きこの周辺を監視しろ。何かあったら無線で連絡すること」

 

アーチャーリーダー「了解しました。」

 

伊達司令官「さてとカポネよ。」

 

カポネ提督「敵が俺達の動きを監視していたことは気づいていた。もちろんすぐに始末したが」

 

伊達司令官「それが返って仇となったと」

 

カポネ提督「そのようだな。でどうするよ旦那兵の数は圧倒的に向こうが上いくら旦那とはいえ部下を無駄死にさせるようなら俺達は帰らせてもらうぜ」

 

伊達司令官「安心しろ。策はある」

 

カポネ提督「聞かせてくれるか?」

 

伊達司令官「もちろんだとも。だが説明するのは私じゃない。

親潮カポネ提督に作戦内容を」

 

親潮「はい!分かりました」

 

カポネ提督「なぜ旦那が説明しないんだ?」

 

伊達司令官「そりゃあこの作戦を発案したのは彼女だからな。」

 

カポネ提督「ほぅ。ではさっそく作戦内容を聞かせてもらえるかな?」

 

親潮「もちろんです。」

カポネ提督「なるほどな。さすが旦那の部下だなぁ」

 

伊達司令官「策多きは勝ち少なきは負けだからな」

 

アーチャーリーダー『トリガーこちらアーチャー送れ』

 

伊達司令官「こちらトリガー何かあったのか?」

 

アーチャーリーダー『敵の武装集団がこちらに向かっています。指示を』

 

伊達司令官「アーチャーターゲットをポイントOSに誘導しろあとはこちらが対処する」

 

アーチャーリーダー『了解。ただちに取りかかる』

 

伊達司令官「よし皆お客さんだ。親潮と嵐それとカポネはここに残り敵部隊を叩け」

 

嵐「よっしゃい!」

 

親潮「お任せを」

 

カポネ提督「なら作戦通りに」

 

伊達司令官「あぁ思う存分暴れてこい!

 

カポネ提督「おうよ!いくぞ野郎共!」

 

ファミリー「オォー!」

 

 

過激派率いる大軍はわずかな兵をあてては退却する特戦軍と城西鎮守府の連合軍を追い崩していた

 

過激派隊長「敵は小勢だ!一気に蹴散らせー!」

 

しかしこれこそが特戦軍が得意とする戦術であった

過激派の彼らが誘い込まれたのは親潮が選び抜いた決戦場

大島坂…狭くさらに先日の大雨によって足場が悪いところに入り込んだ大軍の動きが極度に鈍くなった。

 

親潮「我らの軍法このときのためにあり!過激派の者共我らの戦いその身で味わえ!」

 

ダダダダ(射撃音)

 

カポネ提督「かかれー!」

 

師,伊達重綱に対地,対水上の戦術の類いで彼女の右にでる者はいないと言わしめた天才親潮の改新の戦闘であった。大島基地の過激派部隊は壊滅。作戦は大成功に終わったのだった。

 

カポネ提督「作戦は大成功だな。」

 

親潮「えぇですが肝心なのがこれからです。」

 

カポネ提督「あぁはやく旦那のところに戻るぞ」

 

大島基地南側訓練所付近の高台にて

 

海風「親潮さんたち大丈夫でしょうか?」

 

伊達司令官「大丈夫だよ。向こうにはファーザーがいるからな。俺達は彼らを信じて待とう。いずれ来る」

 

カポネ提督「旦那」

 

親潮「司令官ただいま戻りました。」

 

伊達司令官「ほらな。それで作戦は?」

 

親潮「大成功です。敵武装集団は壊滅これでこの基地の戦力は大幅に下がったことでしょう。」

 

伊達司令官「ここまでは予定通りだな。有明何か動きはあったか?」

 

有明『いや特に変わった動きはない。いつも通りだ』

 

伊達司令官「分かった。隙を伺ってそこから退避し合流ポイントに向かえ。うちのアルファチームが待機している彼らと合流しそこから逃げるんだ。」

 

有明『分かった。』

 

親潮「どうやら敵はまだこちらの動きや部隊が壊滅したことに気づいていない様子。」

 

伊達司令官「謀多きは勝ち少なきは負けるここまでは我らの勝ちよ。だがこれ以上は謀の外の戦闘だ皆油断するじゃないぞ!」

 

皆「応!」

 

前日の大雨で波が激しいなか船を出した特戦隊は敵に気付かれることなく上陸に成功,乗ってきた船を全てかえした

 

伊達司令官「かかれー!」

 

決死の覚悟を決めた精鋭軍の奇襲によって基地は大混乱に陥る。

 

提督「くそォー!こうなったら船だ!島から逃げるぞ!」

 

伊達司令官「提督殿いずこに行きなさる。謀ごと少なき貴殿の負けよ。おとなしくその命差し出すがよい。」

 

提督「ちくしょうー!こんなところでぇ」

 

伊達司令官「逃がすか!」

 

ズバ

 

提督「お,おのれ今にみていろあのお方が必ず貴様らを恐怖のどん底に突き落としてくれる…わ」

 

伊達司令官「あのお方?貴様誰のことを言っている!おい!」

 

カポネ提督「旦那もう駄目だ…奴は死んだ。」

 

伊達司令官「クソォ!」

 

カポネ提督「それより旦那はやく迎えに行こうぜ」

 

伊達司令官「そうだな。」

 

 

南側演習場 司令塔

 

伊達司令官「ここだな。」

 

海風「この先に厳重な扉があるみたい」 

 

伊達司令官「下がってろ。」

 

妖力解放

 

花田刀治郎「メテオスマッシュ!」

 

ドカーン

 

花田刀治郎「瑞鶴!どこだ!」

 

海風「お父さん!こっち!」

 

花田刀治郎「瑞鶴!おい瑞鶴!」

 

瑞鶴「…刀にぃ?」

 

花田刀治郎「あぁ俺だよ瑞鶴」

 

瑞鶴「…本当に刀にぃなの?」

 

花田刀治郎「あぁよく頑張ったな。もう大丈夫だ」

 

瑞鶴「…もう帰れるの?」

 

花田刀治郎「あぁ帰ろう。新しい家に」

 

瑞鶴「…うん。」

 

花田刀治郎「瑞鶴?おい!瑞鶴!」

 

山風「かなり衰弱している!」

 

花田刀治郎「江風!今すぐここにヘリを呼べ!急いで生駒の医務室に運ぶぞ!」

 

江風「おう!」

 

 

花田刀治郎「瑞鶴…すぐに回復させるからな。」

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 



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第4章「介入」
第31話「訪問者」


大隅 医務室

 

伊達司令官「軍医。彼女の様子は?」

 

軍医「かなり体力気力ともに衰弱して一時期危なかったですが今はだいぶ落ち着いています。しばらくは安静ですね。」

 

伊達司令官「そうか。附属病院の受け入れは?」

 

軍医「大丈夫との連絡が来ていますので容態が安定しだいヘリで搬送します。では私は隣の部屋にいますので何かあれば呼んで下さい。」

 

伊達司令官「分かった。ありがとう」

 

軍医「お大事に」

 

ガチャン

 

伊達司令官「フゥー。」

 

瑞鶴「…刀にぃ」

 

伊達司令官「大丈夫ここにいるよ。」

 

瑞鶴「…うぅ…」

 

伊達司令官「ようやくお目覚めかい?」

 

瑞鶴「…ここは?」

 

伊達司令官「医務室だ。俺らが踏み込んだ時にはかなり衰弱していたからな。」

 

瑞鶴「…刀にぃ」

 

伊達司令官「ん?」

 

瑞鶴「ずっとここにいてくれる?」

 

伊達司令官「あぁずっとそばにいるよ。だから安心して休みなさい。」

 

瑞鶴「…うん。」

 

伊達司令官「眠ったか。しかしまぁ小さくなった俺に気づかないとは幻でも見ていると思ったのかな。それとも気づいているのかまぁどちらにせよ甘えん坊な所はあの頃から変わらないみたいだなお前さんは。」

 

海風「お父さん」

 

伊達司令官「どうした海風?」

 

海風「艦隊司令官がCICに来てほしいって」

 

伊達司令官「分かった。海風彼女を頼む」

 

海風「うん。」

 

CIC

 

近藤中将「お呼びだししてすみません司令。」

 

伊達司令官「いやいい。それでどうした?」

 

近藤中将「はい。実は呉のNPF基地から至急電があってまもなくこちらに使者が来ると」

 

伊達司令官「やはり来たか。」

 

親潮「確か呉のNPF基地は保守派の本部でしたよね。」

 

伊達司令官「あぁ過激派が舞鶴総司令部を完全に掌握したからな。」

 

親潮「やはり過激派のことでしょうか?」

 

伊達司令官「それかあの放送のことか」

 

実はこの数時間前伊達司令官は花田刀治郎として保守派及び過激派の全部隊に対し「これ以上の争いは無益であるただちに停戦し組織全体を再建すべし」と放送で呼びかけたのである。

 

伊達司令官「まあどちらにせよ。対応するしかあるまいよ」

 

綾波「失礼します」

 

伊達司令官「どうした?」

 

綾波「NPFの方々がお越しです。」

 

伊達司令官「大島基地の会議室は空いてるか?」

 

綾波「はい。既に綺麗に掃除済みです。」

 

伊達司令官「掃除してくれたのか、ありがとうな。じゃあ先に会議室にお通して後から行くから」

 

綾波「分かりました。」

 

伊達司令官「さてと一体何を言ってくるかな?」

 

大島基地 会議室

 

花田刀治郎「使者はもう中に?」

 

綾波「はい。念のため武器などはこちらで預かっています。」

 

花田刀治郎「完璧だね。」

 

綾波「ありがとうございます。」

 

花田刀治郎「よしじゃあ行きますか」

 

ガチャ

 

花田刀治郎「いやぁお待たせしました。ちょっと後処理に追われて遅く…」

 

綾波「司令官?」

 

「お久しぶりですね」

 

花田刀治郎「あなたは!…」

 

 

 

 

続く

 

 



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第32話「襲撃者」

大島基地 会議室

 

ガチャ

 

花田刀治郎「いやぁお待たせしました。ちょっと後処理に追われて遅く…」

 

綾波「司令官?」

 

「お久しぶりですね」

 

花田刀治郎「あなたは!…」

 

海風「大和さん!」

 

大和「久しぶりだね海風ちゃん舞鶴会議以来かしら?」

 

海風「はい。ご無沙汰してます」

 

綾波「あのこちらの方はお知り合いですか?」

 

花田刀治郎「あぁ紹介が遅れたね。彼女は戦艦大和

NPF舞鶴本部第一補佐官で私の義理の姉です。」

 

大和「はじめまして大和と申します。」

 

綾波「綾波です。はじめまして」

 

花田刀治郎「まさか姉さんが使者だったとはね。」

 

大和「貴方こそまさか生きていたとはね。こっちに連絡の一つくらい入れたらよかったのに」 

 

花田刀治郎「すみません。」

 

大和「それで済むならNPFはいらないでしょあとわざわざ

その姿にならなくても大丈夫」

 

花田刀治郎「では」 

 

ポン!

 

伊達司令官「これが今の私の姿です。しかしまぁこの姿のことをよくご存知で」

 

大和「どうです?驚いたでしょう」

 

伊達司令官「えぇそれはもう…で今回は一体どのようなご用件で?」

 

大和「…それに関してですが我々の代表である蒼龍さんよりあなた宛に書状を預かってきました。」

 

伊達司令官「拝見します。…フムなるほど」

 

大和「呼んだら返事をいただきたいのですが」

 

花田刀治郎「即答しろと」

 

大和「いえ一応1日くらいなら猶予を与えると…」

 

伊達司令官「ではそのお言葉に甘えましょう…親潮」

 

親潮「ハッ!」

 

伊達司令官「大和さんを客室に案内しろ明日の朝返書をしたため…。」

 

とそのとき館内にアラームが鳴り響く

 

伊達司令官「大隅状況報告!」

 

艦長『たった今レーダーがこちらに向かう艦娘を捉えました』

 

伊達司令官「数は?」

 

艦長『1です。』

 

伊達司令官「たった1だと!所属は?」

 

艦長『松江基地です。』

 

伊達司令官「松江基地といったら過激派か。」

 

艦長『司令いかが致しましょう』

 

伊達司令官「親潮、隊を率いて対処にあたれ。後から江風隊を向かう。ただし向こうが撃ってきた場合のみ正当防衛での攻撃を許可する」

 

親潮「分かりました」

 

伊達司令官「大和さんここは危険です。生駒へ参りましょう」

 

大和「分かりました」

 

 

生駒 CIC

 

伊達司令官「状況知らせ」

 

オペレーター「目標進路変わらずこちらに向かってきます!」

 

伊達司令官「勧告は?」

 

オペレーター「駄目です向こう側から返答なし!」

 

オペレーター「先遣の親潮隊まもなく目標を捉えます!」

 

親潮『こちら親潮!電探が目標を捉えました!』

 

伊達司令官「艦名は分かるか?」

 

親潮『目視にて確認!あれは…武蔵です!』

 

伊達司令官「武蔵だと!」

 

大和「なんであの子が」

 

伊達司令官「再度警告し停船させろ!」

 

親潮『了解、なっ…武蔵発砲!』

 

伊達司令官「回避しろ!」 

 

親潮『はい!』

 

伊達司令官「親潮応答しろ…親潮!」

 

親潮『こちら親潮』

 

伊達司令官「無事か?」

 

親潮『至近弾でしたが全員無事です!』

 

伊達司令官「応戦を許可する!なんとしても全員無事に帰ってこい!」

 

親潮『了解!』

 

伊達司令官「大和姉さん」

 

大和「えぇ彼女たちの成功を祈りましょう。」

 

 

 

 

続く

 

 

 



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第33話「決断」

大島基地近海

 

伊達司令官『応戦を許可する!なんとしても全員無事に帰ってこい!』

 

親潮「了解!発砲許可!応戦してください!」

 

嵐「よっしゃ待ってましたぁ!」

 

ガチャ

 

嵐「これでも喰らえー!」

 

そういうと皆武蔵に向けて一斉に撃ちまくる彼女たちが使っているのは50口径127ミリライフル 特選隊技術科が開発、生産を行った状況に応じて2点から3点、5点のバースト射撃も可能見た目はアサルトライフルその物だか威力は12.7ミリ砲と同等いやそれより上である特戦隊所属駆逐艦の主力兵装である

 

武蔵「…ッ」

 

嵐「効いているぞ!」

 

親潮「このまま行きます!」

 

嵐「了解!撃ちまくれぇ」

 

ダダダダダダダダ

 

武蔵「…ユルサナイ!」

 

親潮「様子がおかしい…ハッ!皆離れて!」

 

武蔵「ユルサナイ…ゼッタイニ、ユルサナイゾ!」

 

ウォー

 

嵐「うおっ!」

 

萩風「っ!」

 

親潮「すごい覇気ね」

 

嵐「どうする?」

 

親潮(なんとか注意をそらして接近戦に持ち込みたいけど…このままじゃ)

 

「お待たせ!」

 

親潮「その声は!」

 

江風「遅くなったけど江風隊ただいま到着!」

 

親潮「江風さん!」

 

江風「状況は司令官から聞いた。あたしらが来たからにはもう大丈夫!さぁ親潮、指示を!」

 

親潮「…これより接近戦に持ち込み目標を無力化します!

江風隊の皆さんは援護をお願いします!

 

江風「了解!でもあたしも接近戦に参戦したいから海風姉!山風姉!援護は任せた!」

 

海風「分かった!」

 

山風「…任せて」

 

江風「んじゃそういうわけで…親潮!」

 

親潮「はい!総員抜刀!」

 

抜刀

 

親潮「かかれー!」

 

江風「行くぜ!」

 

海風「やるよ!山風!」

 

山風「分かった。」 

 

山風「縛道の六十一 六杖光牢!」

 

武蔵「ムッ!」

 

山風「海風姉!」

 

海風「喰らいなさい!」

 

そういうと海風は武蔵に向けリボルバー銃を撃つしかしこの銃はただのリボルバー銃ではない。彼女がつかっているのは

55口径120ミリ回転式リボルバー砲 これも技術科が開発した海風専用の武器である。見た目はリボルバー銃そのままだが威力は対戦車ライフル級の高さを誇る武器である。

 

武蔵「クゥ」

 

海風「今よ江風!」

 

江風「よっしゃー!行くぞ皆!」

 

皆「はい!」

 

江風&親潮「はぁぁー」

 

武蔵「ウォォォォー!」

 

江風「しまっ…」

 

親潮「きゃ!」 

 

嵐「おわっ!」

 

 

海風「皆さん!」

 

山風「海風姉!」

 

海風「このままじゃ部隊が」

 

オペレーター『こちらCIC海風さん応答願います!』

 

海風「こちら海風。」

 

オペレーター『あぁようやく繋がりましたぁ』

 

海風「どうしました?」

 

オペレーター『それが先ほど江風さんや親潮隊との通信が途絶しまして…そちらの状況は?』

 

海風「私と山風は無事です。しかし」

 

オペレーター『しかし?』

 

海風「江風と親潮隊の被害は甚大です。このままでは…」

 

オペレーター『了解しました。これより現場指揮権を親潮さんから海風さんに委譲します。』

 

海風「了解しました。」

 

江風「…海風姉」

 

海風「江風!親潮隊の被害状況は?」

 

江風「親潮隊は旗艦親潮が大破その他は中破2小破1

により航行は可能なれども戦闘は続行不能。あたしも同じようなもん。海風姉このままじゃ」

 

海風「分かってる!…CICこちら海風お父さ…司令官か皐月さんはいますか?」

 

オペレーター『こちらCIC…司令官と皐月さんは先ほど緊急の別件対応の為本部に戻りました。あと四時間は戻りません!』

 

海風(部隊は戦闘続行不能。お父さんと皐月さんはいないし大和さんは使者だから武装はついてない。でもここで撤退したら基地が…だったら一か八かあれをやってみますか)

 

海風「CICこちら海風」

 

オペレーター『こちらCIC』

 

海風「これより撤退戦に入ります。江風と親潮隊は作戦続行不能のため当海域から離脱し海風と山風で殿を務めます!その際艦隊から空爆や対艦ミサイル等の戦闘支援をお願いします!」

 

オペレーター『了解。生駒から航空隊が出撃しました

到着は2分後』

 

海風「了解」

 

江風「海風姉、山風姉…」

 

海風「親潮さんたちのこと任せたわよ。」

 

山風「…武蔵さんは私達がなんとか食い止めるから

…江風は萩風と一緒に親潮たちを基地へ」

 

江風「分かった!行くぞ萩風!」

 

萩風「はっはい!」

 

 

海風「行った?」

 

山風「…行ったね」

 

オペレーター『海風さんこちらCICまもなく航空隊による支援戦闘を行います。備えてください』

 

海風「了解。…さてやるよ山風!」

 

山風「…うん!」

 

 

続く



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第34話「出撃」

大隅 CIC

 

伊達司令官「応戦を許可する!なんとしても全員無事に帰ってこい!」

 

親潮『了解!』

 

伊達司令官「大和姉さん」

 

大和「えぇ彼女たちの成功を祈りましょう。」

 

オペレーター「司令!本部から至急電です!」

 

伊達司令官「内容は?」

 

オペレーター「本部に過激派の大部隊が接近中とのことです!」

 

綾波「本部が!」

 

伊達司令官「しまった!奴ら、はなからそれが目的か!」

 

綾波「どういうことです?」

 

大和「おそらく武蔵でこちらの注意を引かせているうちに他の部隊が本部を制圧するそれが過激派の目的」

 

綾波「もしそうなったら…どうなるんですか?」

 

伊達司令官「そうなったら我々は挟み撃ちされてこの大島に攻めてくるそれはつまり我々の全滅を意味する。」

 

綾波「どうしますか?」

 

伊達司令官「ここで全滅すれば平和から遠ざかってしまう。それだけはなんとしても阻止しないといけない。」

 

綾波「では」

 

伊達司令官「うん。通信本部に攻めてくる敵の数は」

 

オペレーター「不明です」

 

伊達司令官「そうか。通信歩兵隊に出撃命令を」

 

オペレーター「了解」

 

伊達司令官「艦長。輸送機の用意を」

 

艦長「既に用意出来てます」

 

伊達司令官「よしでは行こう。皐月、綾波」

 

綾波「はい」

 

皐月「うん!」

 

甲板

 

歩兵隊長「司令官に敬礼!」

 

伊達司令官「これより我々は本部救援に向かう出撃だー!」

 

歩兵ら「おぉー!」

 

伊達司令官「よし行くぞ!」

 

この日伊達司令官率いる特選隊1000人はその後輸送機で福岡へ向かった

 

輸送機内

 

綾波「司令官何で福岡にそのまま直接行けば」

 

伊達司令官「輸送機単機で戦場に行くのは危険すぎる途中で攻撃にあうからね。それに福岡までいければ戦車師団の為の海底トンネルがある。そこを通っていけば本部にいけるはずだよ」

 

綾波「そこを通れば間に合いますかね?」

 

伊達司令官「いやそれでもギリギリだろう。だから守備隊には可能な限り持ちこたえてもらうつもりだ。」

 

皐月「何か策があるんだね。」

 

伊達司令官「分かるか皐月」

 

皐月「うん。だって妹ですから」

 

伊達司令官「かなわないなぁ。よし皆少しはやいが

作戦内容を伝える。まず福岡に着きしだい馬でトンネルを可及的速やかに移動する。おそらく向こうについた頃には戦闘が始まっているだろう。その間守備隊には籠城してもらい敵を迎え撃ってもらう。敵が本部攻略に夢中になっているときに後ろから我々が攻撃しそれに呼応して本部から守備隊が出撃敵を挟み撃ちにしながらこれを叩く」

 

皐月「なるほど」

 

パイロット『司令官まもなく福岡基地に着きます』

 

伊達司令官「了解した。隊長」

 

隊長「はっ!皆傾聴!」

 

伊達司令官「いいか本作戦は時間との勝負だ。神速の恐ろしさを奴らに思い知らせてやれ!」

 

歩兵ら「おぉー!」

 

 

この時まさかこの作戦が後に軍歴史上有名な戦いになるとは誰も思わなかった。

 

 

続く

 

 



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第35話「本部防衛戦」

本部に過激派の部隊が攻めてくるとの報告を受けた伊達司令官は速やかに手勢を率いて一路地下トンネルがある福岡に向かったのだった

 

福岡基地

 

基地司令官「司令!ご苦労様です」

 

伊達司令官「挨拶はいいそれより準備は?」

 

基地司令官「はっ!既に完了しております!」

 

伊達司令官「苦労。よしっ皆馬に乗れ出立するぞ」

 

綾波「司令官!大隅から緊急電です!」

 

伊達司令官「通信機を!」

 

綾波「はい!」

 

伊達司令官「繋がったか?」

 

綾波「どうぞ!」

 

伊達司令官「こちら司令大隅応答しろ」

 

オペレーター『こちら大隅CIC!』

 

伊達司令官「何があった」

 

オペレーター『それが親潮さんたちが…』

 

伊達司令官「親潮がどうした…まさか」

 

オペレーター『はい武蔵の攻撃を受けて親潮隊は戦闘続行不能に江風隊も江風さんが中破し現在海風さん主導で撤退戦をしています。しかしこのままでは…』

 

伊達司令官「くそっ!奴らそこまで計算していたというのか!」

 

オペレーター『どういうことです』

 

伊達司令官「おそらく俺が家族と仲間どれか一方を助ければもう一方を失うあいつら俺の大事なもんを天秤にかけやがったんだ!」

 

オペレーター『いかがなさいますか?』

 

伊達司令官「俺は大事な仲間や家族を天秤にかけたりしないだから…両方助ける!」

 

オペレーター『しかしこの状況では!』

 

伊達司令官「海風の撤退戦はどのくらい時間を稼げそうか?」

 

オペレーター『もって2時間くらいです。』

 

伊達司令官「よし必ず2時間時間を稼ぐよう海風に伝えろ」

 

オペレーター『海風さんと山風だけでは危険すぎます!』

 

伊達司令官「分かっている!大和姉さん!そこにいるでしょう!」

 

大和『聞こえています。私に二人を助けろと言いたいのですね。』

 

伊達司令官「えぇ武器は私の予備の刀があります。無茶な事はは重々承知しています。しかし!」

 

大和『分かっているわ。あなたの事だもんどちらも見捨てないのでしょ。分かりました二人のことは私に任せなさいだからあなたは』

 

伊達司令官「はい!必ず本部を防衛し速やかに大島に戻ります!」

 

大和『よろしい頑張りなさい!』

 

伊達司令官「はい!」

 

綾波「司令官準備完了しました!」

 

伊達司令官「よし!行くぞ」

 

 

本部に立て籠る榛名やイムヤら守備隊は過激派による猛攻を凌いでいた

 

 

榛名「皆のもの!司令官は!後詰は必ず来る!その時は我らも打って出ましょう!」

 

守備隊「「おぉー!」」

 

 

本部近く地下トンネル入口

 

 

伊達司令官「よしなんとか着いたな。」

 

皐月「これからどうするの?」

 

伊達司令官「とりあえず伝令を待つ」

 

伝令「申し上げます!本部が敵主力の猛攻を受けております!」

 

伊達司令官「どうやらいいタイミングで着いたみたいだな」

 

綾波「では」

 

伊達司令官「あぁこの機を逃すな。皐月!先行隊を率いて敵を背後から突け!」

 

皐月「はっ!皆僕に続けぇー!」

 

到着した特選隊の後詰に対して焦った過激派は無謀とも見える

猛攻を仕掛ける 特選隊はその攻勢に耐えながら徐々に過激派を包囲する形を整えていった

 

 

綾波「司令官…伏兵の支度、整いました。今こそ攻め時かと」

 

 

伊達司令官「よし聞け!特選隊全隊!これより先は一歩も退くな!目に入る敵、すべてを切り捨てろ!」

 

敵を引き込み、包囲殲滅する これはのちに特選隊の必勝戦法として釣り野伏と呼ばれるようになる。伊達重綱 皐月 綾波 そして本部から打って出た榛名 イムヤの部隊に包囲され過激派は崩壊北へと逃げ去ったのだった

 

 

榛名「司令官!」

 

伊達司令官「榛名!イムヤ!無事でよかった」

 

イムヤ「怖かったよー!」

 

伊達司令官「よしよし。さて慣れない白兵戦で疲れているかもしれないが榛名もう一仕事頼みたい」

 

榛名「はい?」

 

伊達司令官「状況は知っているよね」

 

榛名「えぇ」

 

伊達司令官「あれを使いたい」

 

榛名「あれをですか?」

 

伊達司令官「今こそあれの機動力が必要だ」

 

榛名「分かりました。では彼を呼びましょうイムヤちゃん!」

 

イムヤ「分かりましたぁ!」

 

榛名「では皆さんはこちらへ」

 

ドック

 

皐月「おにぃあれが?」

 

伊達司令官「あぁあれがうちの新型機TR-07通称逃亡者(チェイサー)最高時速はマッハクラスの高い機動力のある機体でしかも自動飛行も可能だ。これで大返しをする」

 

皐月「でもパイロットは?」

 

伊達司令官「問題ないそのうち一機は私が操縦する」

 

皐月「でもおにぃ片目が」

 

伊達司令官「大丈夫妖力を解放すれば見えるから」

 

皐月「そういう問題じゃないんだけどな」

 

伊達司令官「なんだ?エースパイロットの実力を疑うのか?」

 

皐月「分かったよ!でもあと一機は誰が?」

 

伊達司令官「それはだな」

 

「司令官!」

 

伊達司令官「おぉ来たな。よし紹介しよう加藤翼君だ。」

 

加藤「加藤翼です。よろしく」

 

伊達司令官「彼の父親は俺の元同期で「陸の加藤」と呼ばれていたエースパイロットでね。彼も父親譲りの腕前だから安心してほしい。」

 

加藤「必ず皆さんを無事に大島までお送り致します!」

 

伊達司令官「よし時間がない綾波は俺と皐月は加藤と乗れ」

 

綾波「はい!」

 

皐月「うん!」

 

オペレーター『離陸を許可します!ご武運を』

 

伊達司令官「ありがとう!皆準備はいいか?」

 

綾波『大丈夫です』

 

皐月『僕も!』

 

加藤『いつでも行けます!』

 

伊達司令官「よし!出撃する!」

 

 

続く

 



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第36話「大返し」

花田司令官らを乗せた戦闘機が大島に向かった頃

殿をしていた海風と山風は既に満身創痍だった。

 

撤退している江風と親潮隊を山風と合流した大和と共に守りながら、武蔵を迎え撃っていたのだが、力の差が大きいの為か苦戦を強いられていた

 

ドカーン

 

 

大和「グ………、海風さん達は、大丈夫…?」

 

海風「…ええ……なんとか、…しかしこのままでは」

 

大和「…分かってますでも!……」

 

武蔵『マダダ…マダ…タリナイ……!』

 

 

 

そのころ周辺空域にて

 

 

オペレーター『CICからチェイサー1…聞こえるか?』

 

伊達司令官「こちらチェイサー1、感度良好」

 

オペレーター『針路はそのまままっすぐ進んで下さい…到着まであと2分。」

 

伊達司令官「了解。CIC…海風たちは?」

 

オペレーター『なんとか持ちこたえてますがそろそろ限界です。』

 

皐月『司令官!急がないと』

 

伊達司令官「分かってる。加藤…俺たちも急ぐぞ!」

 

加藤『了解です。』

 

伊達司令官(あと少しだ待っていろよ!)

 

加藤『司令!水上レーダーに感あり。この反応は!』

 

伊達司令官「どうやら間に合ったようだな」

 

カポネ提督『その声は旦那か!』

 

伊達司令官「聞こえていたのか…まぁいいすまないが君に頼みがある」

 

カポネ提督『分かっているぜ旦那ぁ撤退中の旦那の娘さんらの護衛と他の過激派の探索だろ?』

 

伊達司令官「さすがだな…頼めるか?」

 

カポネ提督『任せろ完璧に守ってみせるぜ旦那…』

 

伊達司令官「ありがとう」

 

カポネ提督『ちなみに過激派の連中を見つけたら…』

 

伊達司令官「お前さんに任せる…好きにせい」

 

カポネ提督『なら好きにさせてもらいますぜ』

 

伊達司令官「頼んだぞ」

 

カポネ提督『おう!』

 

 

 

場所を戻して大島基地近海

 

海風「ハァハァ…山風…そっちは大丈夫?」

 

山風「ハァハァ…なんとか」

 

大和(これ以上の戦闘は無理そうね……なんとか引き離すしか無いか……)

 

武蔵「コレデ…終ワリダ」

 

山風「ッツ!」 

 

海風「まずい!」

 

大和「海風さん!山風さん!退却します!」

 

海風「でもここで退いたら!」

 

大和「大丈夫。我々の任務はここまでです」

 

山風「え?」

 

海風「それって!」

 

大和「えぇ…任務交代です」

 

バッシャーン

 

山風「新手!?」

 

海風「違う!この感じまさか!」

 

伊達司令官「いけるか?妹よ」

 

皐月「うん!」

 

海風「お父さん!」

 

山風「パパ!」

 

大和「遅かったわね」

 

伊達司令官「ごめんよ姉さん…二人とも大丈夫か?」

 

海風「はい!」

 

大和「あら?お姉ちゃんの心配はしないの?」

 

伊達司令官「姉さんは大丈夫だろ。」

 

伊達司令官「よく頑張ったな。あとは任せろ」

 

皐月「おにぃ!」(抜刀!)

 

伊達司令官「あぁ行くぞ!」(抜刀!)

 

武蔵『…コイ!』

 

伊達司令官「姉だからといって容赦はしないですよ!」

 

皐月「行くよ!」

 

伊達司令官「おう!」

 

皐月「光龍波!」

 

伊達司令官「爆龍波!」

 

ドカーン

 

武蔵「ムゥ!煙デミエナイ!奴ハドコダ!」

 

伊達司令官「ここだよ。」

 

武蔵「マサカ!」

 

伊達司令官「そのまさかだよ!」

 

武蔵「イツノ間二ソンナ近クニ!」

 

伊達司令官「よし皐月、連撃だ!」

 

皐月「分かった!」

 

伊達司令官「はっ!」

 

(一閃!) 

 

皐月「よっ!」

 

(迅雷!)

 

伊達司令官「せい!」

 

(閃光!)

 

皐月「やぁ!」

 

(紅閃!)

 

伊達司令官「どうしたどうした!こんなものですか!姉さん!」

 

武蔵「アマリ…ナメルナヨ!」

 

(武王ノ覇気!)

 

伊達司令官「うぉ!」

 

皐月「うわぁ!」

 

二人の体が空に飛ばされる

 

武蔵「コレデモ喰ラエー!」

 

(主砲一斉射!)

 

伊達司令官(落下中の攻撃ヤバいな。だが!)

 

伊達司令官「皐月!」

 

皐月「うん!」

 

砲弾が飛んでくるなか二人は冷静に足を揃えると

 

伊達司令官&皐月「「はっ!」」

 

ためていた力を放して横に飛んで回避したのだった。

 

武蔵「アノ攻撃ヲカワストハ…」

 

皐月「これからどうするの?さっきの技だとまた覇気を喰らうことになるよ。」

 

伊達司令官「分かってる。だから」

 

皐月「まさかおにぃ!」

 

伊達司令官「俺の術式を解禁する!」

 

 

 

続く

 

 

 

 



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第37話「落とし前」

伊達司令官「俺の術式を解禁する!」

 

皐月「術式?」 

 

伊達司令官「いいか皐月…俺からお前さんに言えることは

2つ。 止まるな 俺を信じろ!」

 

皐月「分かった!」

 

伊達司令官(武蔵姉さんの主な攻撃方法は覇気と主砲の2つ。なんとかして接近戦に持ち込みたいがあの覇気がある以上それも難しいかぁ。ならば)

 

伊達司令官「よし行くぞ!」

 

武蔵「喰ラエ!」(主砲斉射)

 

皐月「おにぃ!危ない!」

 

伊達司令官「しまった!…」

 

武蔵「マズハ一人…」

 

パッチン

 

ドカーン

 

武蔵「グハァ!」

 

皐月「うわおにぃ!なんでここに」

 

武蔵「キサマ何ヲシタ!」

 

伊達司令官「俺の術式は相手と自分の位置を入れ換えるその名も反転術!」

 

皐月「ハッ!おにぃ!」

 

伊達司令官「しっ相手が慣れる前に無力化にするぞ」

 

皐月「うん!」

 

伊達司令官「よし皐月、もう一度連撃だ!」

 

皐月「分かった!」

 

 

伊達司令官「行くぞ!」

 

パッチン

 

武蔵「チカッ…!」

 

パッチン

 

皐月「はっ!」

 

(ズバ!)

 

伊達司令官「よっ!」

 

(ズバ!)

 

パッチン

 

武蔵「カハッ!」

 

伊達司令官「姉さん気づいていますか?

この術の発動条件を、それは」

 

パッチン

 

武蔵「ナッ!」

 

伊達司令官「指を鳴らすことだ!」

 

皐月「せい!」

 

(一閃!)

 

武蔵「ヴァハ!」

 

パッチン

 

伊達司令官「ハァ!せい!」

 

(牙突!)

 

パッチン

 

皐月「せや!」

 

(一閃)

 

パッチン

 

伊達司令官「ふん!」

 

皐月「ふっ!」

 

((連閃!))

 

武蔵「何故ダ」

 

パッチン

 

武蔵「何故ヌケダセナイ!」

 

皐月「よそ見は禁物だよ!」

 

武蔵「マタサッキノガ来ル!」

 

 

皐月(紅閃!)

 

武蔵「カハッ!」

 

皐月(紅閃!)

 

武蔵「ヴァハ!」

 

皐月(紅閃!)

 

伊達司令官(三回連続だと。あいつ

いつの間に)

 

パッチン

 

皐月(一閃!)

 

武蔵「ナッ!変ワッテナイダト!」

 

伊達司令官「指を鳴らしたからって術式を発動するとは限らない。単純だけど引っ掛かりますよね!」

 

武蔵「ナッ!アマリ舐メンナヨ!」

 

伊達司令官(よし挑発させたぞ。よしこのままさっき姉さんが言ったところを叩けば!)

 

 

大和『武蔵の額にある宝石。そこから何か邪な気配を感じます。恐らくあれが武蔵がこうなってしまった原因よ。つまりあれを壊せば…』

 

伊達司令官(姉さんは元通りになる!)

 

武蔵「武王ノ覇気!」

 

伊達司令官「それを待っていた!」

 

武蔵「ナッ!」

 

伊達司令官(妖域展開。桜花空処)

 

 

ギュイーン サラサラ

 

 

伊達司令官「桜花空処で知能を一時的に麻痺させ体を動かせない間に…。」

 

武蔵「コンナモノ!」

 

伊達司令官「ほぅこの状態でしゃべれるとは。さすが姉さんだけど…」 

 

スッ

 

武蔵「何ヲスルキダ?」

 

伊達司令官「知りたいですか?」

 

武蔵「マサカ!攻…」

 

伊達司令官「…もう遅い」

 

ビュー 

 

武蔵「クソッウゴケ!」

 

伊達司令官「これで終わりです!」

 

キィン 

 

武蔵「ウッ!」

 

キィンキィンキィンキィンキィンキィン

 

武蔵「ウワァー!」

 

伊達司令官「御免!」

 

ドスッ

 

皐月「おにぃ!」

 

伊達司令官「安心せぇ峰打ちだ。」

 

皐月「…びっくりさせないでよ。」

 

伊達司令官「すまんすまん…さぁ帰投するぞ」

 

皐月「了解!」

 

伊達司令官「皐月…帰ったら関係者全員集めろ…」

 

皐月「…ついに決めたんだね」

 

伊達司令官「あぁ…」

 

 

続く

 

 

 



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第38話「参戦」

大島基地 会議室

 

伊達司令官「よし皆集まったな」 

 

綾波「はい。全員揃いました」

 

伊達司令官「よしまず被害状況を聞かせてくれ」

 

綾波「はい。まず親潮隊ですが旗艦親潮が大破他は萩風を除いて中破。現在中破艦艇が入渠中です。」

 

伊達司令官「親潮隊はしばらく出せないか。海風隊は?」

 

海風「江風が中破他は小破ですが既に江風を除いて入渠済みです。」

 

伊達司令官「そうか、なら皐月!」

 

皐月「ハッ!」

 

伊達司令官「彼女らが完全に回復するまでの間海風と山風それに萩風を率いてしばらく部隊の指揮を頼む」

 

皐月「分かった。任せて!」

 

伊達司令官「よし次に武蔵の方は?」

 

明石「駄目ですねいまだ意識が戻りません。」

 

伊達司令官「本部付属の受け入れ態勢は?」

 

明石「準備完了との報告を受けていますので今日中に親潮さんと武蔵さんを医療ヘリで搬送します。」

 

伊達司令官「分かった。次に例の宝石は?」

 

夕張「今のところ未知の物質から出来ていることしか…ただ」

 

伊達司令官「ただ?」

 

山風「…あの宝石から強い暗示の力を感じた」

 

伊達司令官「暗示だと」

 

夕張「おそらく武蔵さんは何者かに強い暗示にかけられてこのようなことになったのかと」

 

伊達司令官「そうか…」

 

綾波「これからどうするんですか?」

 

伊達司令官「それなんだが…まず私と綾波は一度本部に戻って向こうの被害状況などを確認してくるそれまで皐月隊は大島に待機応援として唐津基地から一個艦隊ほどこっちにまわすから君たちは我々が戻るまでの間その娘たちと協力し基地周辺の

海上警備にあたれ」

 

皐月「はっ!」

 

伊達司令官「水上艦隊もそのまま待機。引き続き工兵隊と共に基地の防御を固めるのと基地の修復作業を急いで」

 

近藤中将「お任せを!」

 

伊達司令官「大和殿はこれを蒼龍殿に」

 

大和「これって」

 

伊達司令官「えぇ返書になります。」

 

大和「…確かに」

 

伊達司令官「あとこれも蒼龍殿にお渡し願いたい」

 

大和「これは?」

 

伊達司令官「密書になります。先に返書をみてから見るようにお伝え下さい。」

 

大和「…分かりました。そのようにお伝えします」

 

伊達司令官「ありがとうございます…よし皆いいか!すべての準備が完了しだい我々はただちに作戦行動に移る!」

 

海風「作戦ってことは!」

 

大和「決めたのね」

 

伊達司令官「はい。我々はこれまでこの内戦において中立としてきた。元を正せばこの問題は私の判断が悪かったからだ…がしかし今回の一件で、過激派の連中が艦娘に対し非人道的な行為をやったことは万死に値する。よって我々特戦隊はこれより保守派につき過激派に対し宣戦布告を行う!」

この戦いに終止符を打つぞ!」

 

「「「オォー!」」」

 

 

続く



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第39話「開戦準備」

大島基地 執務室

 

コンコン

 

伊達司令官「どうぞ」

 

明石「失礼します。」

 

伊達司令官「明石か君が来るとは珍しいなどうした?」

 

明石「武蔵さんと親潮さんの搬送ヘリ無事に離陸しました。」

 

伊達司令官「そうか。わざわざすまないね。」

 

明石「いえ」

 

伊達司令官「それで?」

 

明石「??」

 

伊達司令官「用件はそれだけか?」

 

明石「実は」

 

伊達司令官「君も本部に戻りたいのか?」

 

明石「なぜそれを!」

 

伊達司令官「いや君のことだからあの宝石を本部で詳しく調べたいかなぁと思っていたが…違ったかな?」

 

明石「いえ…相変わらずよく見てますよね。先輩」

 

伊達司令官「そりゃ君の先輩だからな。それで本部に戻るのか?」

 

明石「はい!」

 

伊達司令官「ここの整備は?」

 

明石「夕張に頼みました」

 

伊達司令官「そうか。分かった…すぐに準備しな」

 

明石「ありがとうございます!でも大丈夫です

先輩ならそう言ってくれると思ったのでもう既に準備出来てます!」

 

伊達司令官「相変わらずその自信はどこからくるのやら」

 

明石「エヘヘ」

 

伊達司令官「まぁいい…ついてこい出発するぞ」

 

明石「はい!」

 

 

特戦隊 本部 正面玄関

 

キィーン(ブレーキ音)

 

ガチャ

 

近衛兵「どうぞ」

 

伊達司令官「ありがとう」

 

榛名「司令官!」

 

伊達司令官「榛名…指揮官代理ご苦労様」

 

榛名「いえいえ」

 

伊達司令官「榛名…さっそくですまないが

いろいろ聞きたいことがある」  

 

榛名「分かりました。では執務室へ」

 

伊達司令官「あぁ分かった」

 

執務室

 

伊達司令官「そんじゃ報告を頼む」

 

榛名「はい!今回の戦闘で幸いにも死者は出ていませんが重傷者が50名ほど他は軽傷者が数名です。」

 

伊達司令官「そうか建物の被害の方は?」 

 

榛名「それはほとんどありません」

 

伊達司令官「そうか詳しい被害状況は後で書類にまとめて提出してくれ」

 

榛名「分かりました。」

 

伊達司令官「武蔵と親潮の様子は?」

 

榛名「先ほど無事にが終わりました。」 

 

伊達司令官「容態は?」

 

榛名「二人とも脳と内臓に損傷は見られませんでした」

 

伊達司令官「それはよかった」

 

榛名「ただし」

 

伊達司令官「ただし?」

 

榛名「親潮さんの腕に大きな傷が。」

 

伊達司令官「砲弾の破片か?」

 

榛名「…おそらく」

 

伊達司令官「…親潮の意識は?」

 

榛名「まだ戻りません」

 

伊達司令官「そうか…分かったこの件は私が預かろう」

 

榛名「分かりました。」

 

伊達司令官「榛名は引き続き被害状況の把握に努めよ。」

 

榛名「ハッ!」

 

伊達司令官「綾波は他の基地と連携して開戦まで準備を怠らないようにせよ」

 

綾波「分かりました。」

 

伊達司令官「よしひとまず解散!」

 

榛名&綾波「了解!」

 

伊達司令官「…さてそれじゃあ私はひとまず皆の様子でも見に行くとしますか」

 

ガチャ バタン

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第40話「開戦前」

執務室

 

伊達司令官「分かったご苦労様。引き続き警戒を頼む」

 

海風『はい失礼します』

 

伊達司令官「ふぅー」

 

榛名「中破していた娘たちの入渠が終わったそうですね」

 

伊達司令官「あぁこれで一隊から二隊に増えて警備がより厳重になったひとまずこれで一段落ついた感じかな。」

 

榛名「親潮ちゃんの代わりに指揮は誰が?」

 

伊達司令官「皐月だ。」

 

榛名「なるほど賢明な判断ですね」

 

伊達司令官「ありがとう。それで他に何か報告があるのかい」

 

榛名「あぁ…先ほど病院から連絡があって瑞鶴さん面会可能になったそうです」

 

伊達司令官「そうか…ありがとうそれじゃあちょっと行ってくるよ」

 

榛名「分かりました」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

病院 病室

 

 

警務官「では既に過激派は花田刀治郎閣下が御存命だったことを知っていたのですね」

 

瑞鶴「えぇ…それで本部の奴らは閣下を今度こそ始末するようあの提督に命じたの」

 

警務官「それで止めようとしたがその前に謀反人として捕らえられそのままあの塔に幽閉された…と」

 

瑞鶴「…その通りよ」

 

警務官「…分かりました。では次の質問ですが」

 

コンコン

 

警務官「誰か?」

 

伊達司令官「司令の伊達だ」

 

ガチャン

 

警務官「伊達閣下でしたかどうぞお入り下さい」

 

伊達司令官「ご苦労様 差し入れを持ってきた」

 

警務官「はっ恐れ入ります」

 

伊達司令官「俺も瑞鶴から話を聞きたいんだが外してくれないかな?」

 

警務官「はい」

 

伊達司令官「ありがとう。終わったら声をかけるよ」

 

警務官「はっ!それでは失礼します!」

 

ガチャン

 

伊達司令官「さてと…調子はどうだい?」

 

瑞鶴「刀にぃ?」

 

伊達司令官「おやまだ見間違えるならまだまだのようだね」

 

瑞鶴「違う!見間違えなんかじゃない!」

 

伊達司令官「なぜだ?」

 

瑞鶴「分かるもん!だってその姿子供の頃の刀にぃ

そのものなんだもん!」

 

伊達司令官「瑞鶴」

 

瑞鶴「それに」

 

伊達司令官「それに?」

 

瑞鶴「子供の頃から好きだった人のことを

忘れるなんてあり得ないから」

 

伊達司令官「…そうかそれは嬉しいな」

 

瑞鶴「じゃあやっぱり!」

 

伊達司令官「あぁ久しぶりだな瑞鶴」

 

瑞鶴「刀にぃ!」

 

ギュッ

 

伊達司令官「おぉう」

 

瑞鶴「刀にぃ!刀にぃ!本物の刀にぃだぁ!」

 

伊達司令官「心配かけてすまなかったな。」

 

瑞鶴「よかったぁよかったよぉー!」

 

伊達司令官「ごめんなぁ」

 

トントン

 

伊達司令官「落ち着いたか」

 

瑞鶴「うん…」

 

伊達司令官「それはよかった」

 

瑞鶴「刀にぃ」

 

伊達司令官「うぅん?」

 

瑞鶴「闘うの?」 

 

伊達司令官「これ以上講和での解決は不可能だ。それなら武力を用いて早期決着をつけるしかない。」

 

瑞鶴「そうね。ごめんなさい刀にぃ」

 

伊達司令官「いいんだ。」

 

ガチャ

 

伊達司令官「今はゆっくり休め、いいな」

 

瑞鶴「うん」

 

伊達司令官「…じゃあな」

 

ガチャン

 

廊下

 

伊達司令官「フゥーよし次は」

 

しのぶ医師「刀くん」

 

伊達司令官「あぁ姉弟子。」

 

しのぶ医師「今から親潮さんの所に行くんですね?」

 

伊達司令官「えぇ意識はまだ戻っていませんが様子だけでもと思って…」

 

しのぶ医師「変わらないわねそういうところ」

 

伊達司令官「それしか取り柄がないのでね。それでは」

 

しのぶ医師「えぇまた」(あなたの取り柄はそれだけじゃないんだけど。いつになったら気づくのやら)

 

伊達司令官「さて」

 

ガチャ

 

ピッピッピッ

 

伊達司令官「親潮俺だ。調子はどうだい?」

 

親潮「…」

 

伊達司令官「悪くはなってないようだな。それならよかった」

 

親潮「…」

 

伊達司令官「すまなかったな。俺が無茶なことを命令しなければこんな目には合わなかっただろうに…俺はやっぱり指揮官失格だな。」

 

親潮「…がう」

 

伊達司令官「親潮?」

 

親潮「…違い‥ます」

 

伊達司令官「親潮目を覚ましたんだな!」

 

親潮「‥はいそれよりも‥司令官は‥指揮官失格

じゃありませんよ」

 

伊達司令官「だが俺が無茶な命令をしたせいでお前さんの腕に大きな傷あとが…」

 

親潮「私たちは艦娘です。戦うことを職務としています。戦うことで怪我を負うのは当たり前のこと。」

 

伊達司令官「だが俺ら指揮官には君らを守る義務がある!俺はもう君らが傷つくのを見たくないんだ」

 

親潮「…司令官あなたはお優しい方です。だけどそんなことではいつかは適切な判断を下せなくなります。」

 

伊達司令官「‥そうだな。すまなかった」

 

親潮「いえ」

 

伊達司令官「‥過激派と開戦することになった。お前さんには復帰しだい隊に戻って戦ってもらう。それまで今はゆっくり体を休めよ。これは命令だ」

 

親潮「はっ!」

 

伊達司令官「お大事にな」

 

ガチャ ガチャン

 

親潮「…司令官」

 

それから数日後

 

伊達司令官「準備の方はどうだ?」

 

榛名「怠りなく」

 

伊達司令官「そうか…あとは」

 

プルプル

 

伊達司令官「はい伊達です。」

 

 

大和『海軍省より特殊戦術憲兵隊総司令官伊達重綱殿に治安維持協力要請です。此度の内乱によるNPFの情勢を鑑みて伊達重綱殿に平定を頼みたい。これは海軍治安維持法第11条に基づいた要請である。』

 

伊達司令官「第11条…海軍省関係者に一時的ではあるが指揮権を与えるやつか」

 

大和『ご協力を。』

 

伊達司令官「あい分かり申した。お引き受け致す」

 

大和『ありがとうございます。それでは』

 

ピッ

 

榛名「ついに」

 

伊達司令官「あぁ警報をならせ!」

 

綾波「はっ!」

 

ウゥー ウゥー ウゥー(警報音)

 

伊達司令官「では参ろうか」

 

イムヤ「はい!」

 

 

軍港

 

艦隊総旗艦 超大和型戦艦 敷島

 

艦橋

 

艦長「出港準備!」

 

戦術長「砲術水雷準備完了」

 

航海長「航海行けます」

 

機関長「機関いつでも行けるぜ!」

 

専務長「艦内警戒閉鎖よし」

 

副長「各自出港準備よし!」

 

艦長「出港準備完了致しました。」

 

戦術長「各艦出港準備完了」

 

伊達司令官  腕を上げる

 

戦術長「信号 予定順序に各艦揚錨 出港せよ!」

 

艦長「出港用意!錨をあげぇー!」

 

(出港ラッパ)

 

航海員「錨水面きった!」

 

艦長「両舷前進微速。赤黒なし進路130度。航海長操艦」

 

航海長「頂きました、航海長両舷前進微速。赤黒なし

進路130度」

 

(汽笛)

 

伊達司令官「見事だ」

 

艦長「ありがとうございます。」

 

伊達司令官「よろしい湾外に出しだい第四警戒航行序列に遷移せよ!」

 

艦長「了解!」

 

伊達司令官「さぁ始めようか!」

 

 

続く

 



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第5章「舞鶴上洛戦」
第41話「上洛戦」


本部から出港した旗艦敷島を初めとした新生第1艦隊は博多を超えてまずは各艦隊との合流地点である門司へと進路をとった。

 

門司軍港

 

敷島 艦橋

 

伊達総司令官「各艦隊の状況は?」

 

艦長「はっ佐世保、大島 鹿屋艦隊は既に合流済みです。」 

 

伊達総司令官「唐津、天草艦隊は?」

 

艦長「既に呉基地に到着しているとのことです。」

 

伊達総司令官「そうか」

 

艦長「やはり戦闘は避けられませんか」

 

伊達総司令官「あぁいつからだろうな海軍が戦を好むようになったのは」

 

艦長「そうですな」

 

伊達総司令官「さぁ明日もはやい。私はこれで失礼するよ」

 

艦長「はっ!」

 

翌日 

 

艦長「入港用意赤フタジュウ」

 

航海長「入港用意赤フタジュウよーそろー!」

 

伊達総司令官「ついたか」

 

艦長「はっ萩基地到着です」

 

伊達総司令官「ヘリは?」

 

艦長「準備完了です。」

 

伊達総司令官「分かった」

 

 

萩基地 ヘリポート

 

 

パタパタパタパタ

 

大和「長旅お疲れ様です!」

 

望月基地司令官「お疲れ様です!」

 

伊達総司令官「お出迎えご苦労様。望月久しいな」

 

望月基地司令官「ご無沙汰致しておりますこの度萩基地の基地司令を拝命されました。」

 

伊達総司令官「そうか出世したな」

 

望月基地司令官「ありがとうございます!」

 

伊達総司令官「ではさっそくだが執務室は?」

 

大和「こちらです」

 

伊達総司令官「あぁ」

 

執務室

 

ガチャ

 

大和「特殊戦術憲兵隊総司令官伊達重綱殿ご到着です!」

 

望月基地司令官「敬礼!」

 

ビッ!

 

伊達総司令官「望月もうよい」

 

望月基地司令官「ハッ!直れ!着席」

 

着席

 

伊達総司令官「よしまず初めに私から少し話をしよう。私は伊達重綱であるがそれは偽名だ。本名は花田刀治郎NPF元総司令官だったものだ。なぜ岩国で死んだはずだった私が生きているのかそしてなぜこれまでそれを隠してきたのか。まずはそれを私から説明しよう。」

 

かくかくしかじか

 

伊達総司令官「…という訳だ。疑問に思うこともあるかも知れんがそれはこの戦いが終わってから聞こう。だからまず諸君らにはこの戦いのことだけに集中してもらいたい」

 

他司令官「ハッ!」

 

伊達総司令官「ありがとう。これで私からの話は以上だ

次に現在の戦況について知りたい」

 

望月基地司令官「ハッ!現状我々は四つの戦線を抱えています。庄原戦線、津山戦線、丹波戦線そして瀬戸内戦線です」

 

伊達総司令官「山陰と四国の一部か。にしても多いな」

 

望月基地司令官「えぇしかもどの戦線もいまだに膠着状態です。」

 

伊達総司令官「そうか。ではそろそろ終わらせるとしよう」

 

望月基地司令官「ではついに」

 

伊達総司令官「あぁ…これより作戦内容を伝える。まず唐津天草両艦隊には四国を制圧してもらいたい。」

 

大和「お任せを」

 

伊達総司令官「次に鹿屋大島艦隊は先行して豊岡基地を制圧」

 

近藤基地司令官(大島基地)「はっ!」

 

伊達司令官「そして本隊はまず松江基地を制圧する各戦線の兵には我々が攻撃を開始したと同時にうちの陸上戦力と共に戦線を突破してもらいたい。」

 

望月基地司令官「そのように」

 

伊達総司令官「本作戦は上洛の前哨戦である各々の奮闘を期待する!出港は明日フタヒトマルマルただちに出撃準備に取り掛かれ!」

 

他司令官「ハッ!」

 

一方その頃特戦隊本部付属病院

 

病室

 

武蔵「うぅ…」

 

しのぶ医師「武蔵さん!目が覚めたんですね!」

 

武蔵「…ここは?」

 

しのぶ医師「特戦隊付属病院ですよ。」

 

武蔵「…特戦隊。そうだ!あいぼ…伊達重綱殿はどこに?」

 

しのぶ医師「司令官なら今は萩にいます。なんでも過激派と開戦するとか…」

 

武蔵「なんだと!まずい今すぐ相棒に伝えないと!」

 

しのぶ医師「ではすぐに使いの者を」

 

武蔵「いやどこから情報が漏れるか分からない。私が直接行かないと!」

 

(ダッシュ)

 

しのぶ医師「武蔵さん!」

 

 

武蔵「待ってろよ相棒!」

 

 

続く

 



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第42話「急報」

上洛作戦を明日に控え伊達重綱総司令官以下各部隊の司令官らは最終確認を行っていた。

 

会議室

 

伊達総司令官「では各々方報告を」

 

庄原方面攻略部隊司令官 

 

毛利 元晴(もうり もとはる)少将「では私から

報告を戦線の兵に明日の作戦のことは伝達済みです。

士気も問題ありません現在戦車隊の配備を

行っており順調に進んでおります。」

 

伊達総司令官「それはなによりだ。引き続き準備を怠るなよ」

 

毛利少将「はっ!」

 

津山方面攻略部隊司令官

 

山名 忠政 (やまな ただまさ)少将「津山戦線も

同じく順調です。現在同時進行で敵の偵察妨害作戦を

実行中です。」

 

伊達総司令官「情報は大事だもしこの作戦が漏れたら我々は敗北を免れないだろう慎重にことにあたれ」

 

山名少将「はっ!」

 

丹波方面攻略部隊司令官

 

波多野 光安 (はたの みつやす)少将「丹波戦線は先ほど福知山で過激派と一悶着ありましたが我が軍が優勢との報告を受けております。」

 

伊達総司令官「そうか。福知山は最重要拠点だ絶対に死守せよ」

 

波多野少将「必ずや」

 

 

四国方面攻略部隊司令官

 

大和「四国戦線は尚も膠着状態ではありますが準備は万全です。」

 

伊達総司令官「四国は重要地域だ。工作や内応などを用いてすみやかに制圧せよ。」

 

大和「お任せ下さい」

 

 

伊達総司令官「よし…では各々方は引き続き情報の漏洩や敵の工作に注意しつつ準備に取り掛かるように。」

 

攻略部隊司令官ら「「はっ!」」

 

大和「では本日の会議はこれにて…」

 

伊達総司令官「待て」

 

大和「いかがなさいました?」

 

伊達総司令官「何か外が騒がしいな」

 

大和「えっ?」

 

 

(おい!貴様何者だ!)

 

(どけ!ここの総司令官に用がある!)

 

(待て!勝手に入ることは…)

 

 ダァン

 

憲兵「ぐわぁ!」

 

毛利少将「何事か!」

 

憲兵「この者が総司令に用があると!」

 

山名少将「貴様大事な会議中だぞ!身の程をわきまえんか!」

 

「フッ!それより総司令はどいつだ?」

 

波多野少将「あなたの名前と所属は?」

 

「んなことはどうでもいい。さっさと総司令をだせ」

 

波多野少将「自分の名を名乗らない者に総司令官を会わせる訳にはいかぬ。」

 

「ほぅならどうする?」

 

毛利少将「全力で!」

 

山名少将「おかえり!」

 

波多野少将「頂くだけです!」

 

伊達総司令官「もうよい皆落ち着け。」

 

毛利少将「ですが司令!」

 

伊達総司令官「落ち着けと言っている!」

 

毛利少将「はっ!」

 

伊達総司令官「お久しゅうございますな…武蔵姉上」

 

武蔵「おう!久しいな相棒!」

 

毛利少将「この御方が」

 

山名少将「司令の姉君!」

 

波多野少将「しかし姉君は大和さんでは!」

 

大和「いいえ。彼花田刀治郎の姉は私大和ともう一人そこにいる妹の武蔵よ」

 

伊達総司令官「お目覚めになられたのですね。姉上」

 

武蔵「あぁ昨日目が覚めた。それとな相棒。その堅苦しい言葉は止めろ。気持ちが悪いわ」

 

伊達総司令官「ならこれでいいか姉貴」

 

武蔵「あぁその方が落ち着く」

 

大和「それで武蔵なぜここに?」

 

武蔵「あぁそうだ!相棒に伝えたいことがあってだな。」

 

伊達総司令官「なんだ姉貴?」

 

武蔵「…ゴホン!特殊戦術憲兵隊総司令官伊達重綱殿に申し上げる。」

 

伊達総司令官「聞こう」

 

武蔵「過激派筆頭 飛龍 照月 高雄 能代。外道に堕ち申した!」

 

伊達総司令官「なん…だと!」

 

 

続く

 

 



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第43話「武蔵の知らせ」

会議室

 

大和「それで武蔵なぜここに?」

 

武蔵「あぁそうだ!相棒に伝えたいことがあってだな。」

 

伊達総司令官「なんだ姉貴?」

 

武蔵「…ゴホン!特殊戦術憲兵隊総司令官伊達重綱殿に申し上げる。」

 

伊達総司令官「聞こう」

 

武蔵「過激派筆頭 飛龍 照月 高雄 能代。外道に堕ち申した!」

 

伊達総司令官「なん…だと!」

 

大和「確かなの?」

 

武蔵「でなきゃここに来ていない。」

 

伊達総司令官「…詳しく」

 

武蔵「ことの発端は飛龍が謎の宝石を持ってきたことだった」

 

 

回想

 

高雄「飛龍さんこれは?」

 

飛龍「これはね。髙麗石って言ってねこれを身に付けると本来の力を倍以上出せたり回復までしてくれる万能石よ。」

 

能代「これをどこで?」

 

飛龍「ある御方から貰ったの。これさえあれば反乱軍の奴らなど簡単に捻り潰せるわ。」

 

高雄「しかしこんな石に頼らなくても」

 

飛龍「強いとでも?…今まで全敗しているのに」

 

高雄「それは」

 

飛龍「我々の大義のためやるべきことはただ一つ反乱軍を殲滅すること。そのためにはどんな手段を使うわ。」

 

高雄「…」

 

能代「…」

 

飛龍「だからこれからはこれを付けて戦いなさい。我々の大義のために」

 

高雄「…分かりました。」

 

能代「…大義のために」

 

飛龍「武蔵は?」

 

武蔵「ふん!くだらんこんな石に頼らなくても」バリン!

 

能代「ちょ!武蔵さん!」

 

飛龍「いいのよ。好きにすればいいわ」

 

武蔵「そうさせてもらうぞ」

 

回想終了

 

 

武蔵「そしてあの日以来皆変わってしまった。」

 

大和「ってまさか!」

 

武蔵「あぁ皆鬼になってしまった。」

 

毛利少将「なんてことだ」

 

山名少将「しかし飛龍さんが言っていた。ある御方とは一体」

 

武蔵「あぁそれなんだが…」

 

大和「武蔵?」

 

武蔵「…ジュラルだ」

 

伊達総司令官「姉貴…今なんて」

 

武蔵「飛龍のやつジュラルと手を組んでいやがった!」

 

大和「そんな」

 

伊達総司令官「…ほんとか」

 

武蔵「あぁ現に密会しているところを見ていたのをバレて洗脳されたからな」

 

伊達総司令官「飛龍…あいつよりにもよってジュラルと手を組むとは!我々があいつらに何をされたのか忘れたのか!」

 

バキバキィーーー!!!

 

拳を机に叩きつける!

 

全金属製である筈の机は、この一撃で砕け散った!伊達司令の怒りの度合いが知れようというものだ

 

武蔵「…相棒」

 

波多野少将「武蔵さん。鬼になってしまったのはその四人だけですか?」

 

武蔵「あぁ。だが飛龍のことだ他の兵にやるかもしれん」

 

毛利少将「もしそんなことになったら」

 

波多野少将「戦況が一変することになる!」

 

山名少将「総司令いかがなさいますか?」

 

毛利少将「すぐにでも作戦を開始するべきかと」

 

伊達総司令官「…」離席

 

毛利少将「総司令!」

 

伊達総司令官「伝令『各前線の兵はすみやかに敵拠点を攻撃。すべての敵兵を殲滅せよ』と伝えよ!」

 

伝令「はっ!」

 

伊達総司令官「皆の者出撃じゃー!奴らに自分の愚かさを思い知らせてやれ!」

 

各司令官「はっ!」

 

 

続く



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第44話「舞鶴包囲綱」

午後22時 特戦隊と保守派連合軍は予定より早く過激派の各拠点に対し攻撃を開始。過激派の前線の兵は戦車や兵によって根絶やしにされた。残った過激派は基地に籠城するも海上からは連合艦隊による砲撃空からは航空機による爆撃そして陸からの戦車並びにガンタンクなどの砲撃によって基地ごと破壊し生き残った者たちは歩兵によって皆殺しにされたこれにより中国四国地方は連合軍により平定。残す攻略目標は過激派の本部。舞鶴海上基地である

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日 

 

伊達重綱は舞鶴海上基地攻略のため豊岡に本陣を置いた

 

 

豊岡本陣(旧NPF豊岡基地)

 

毛利少将「総司令全ての戦線において過激派の

掃討完了致しました。」

 

伊達総司令官「そうか。皆ご苦労だった」

 

各司令官ら「「ははっ!」」

 

伊達総司令官「さてこれからのことだが敵の様子はどうだ?」

 

望月少将「それが少し妙なんです。」

 

伊達総司令官「妙だと?」

 

望月少将「はっ配下の望月衆の報告によるとあれだけの

大攻勢だったのに本部内は妙に静かなのです。」

 

毛利少将「敗北で士気が下がっただけでは?」

 

望月少将「それにしても静かすぎるのです。」

 

伊達総司令官「そうか。嫌な予感がするな」

 

山名少将「総司令いかがなさいますか?」

 

伊達総司令官「このまま攻撃を開始するつもりだった

が望月の情報も捨て置く訳にはいかぬ。ここは包囲陣

を築きしばし様子を見るとしよう」

 

各司令官「「「はっ!」」」

 

伊達総司令官「毛利隊は伊根」

 

毛利少将「承知致しました!」 

 

伊達総司令官「山名隊は丹後由良」

 

山名少将「ははっ!」

 

伊達総司令官「波多野隊は野原」

 

波多野少将「お任せをっ!」

 

伊達総司令官「望月隊は与謝野」

 

望月少将「はっ!」

 

伊達総司令官「大和ら保守派は冠島」

 

大和「承りました。」

 

伊達総司令官「本隊は宮津に陣をおく。各所に部隊を配置し敵を包囲せよ」

 

各司令官「「「はっ!」」」

 

伊達総司令官「よし!配置つけぇ!」

 

各司令官「「「おぉー!」」」

 

ドタバタ

 

榛名「やはり包囲戦ですか」

 

伊達総司令官「あぁさっきも言ったとおり本来ならここで一斉攻撃を行い陥落させるところだが…」

 

海風「望月さんの報告ですね…」

 

伊達総司令官「そうだ。先に内部に潜んでいる者に確認させたが同じような報告だった。」

 

海風「では間違いないですね。」

 

伊達総司令官「あぁそこまで静か過ぎるのなら基地内はもぬけの殻なのか。はたまた」

 

海風「罠なのか…ですね」

 

伊達総司令官「さすがだな。罠の可能性がある以上作戦は慎重に行わないといけないだからひとまず包囲してもう少し様子を見ようとおもう。」

 

海風「何も起こらなければいいのですが」

 

伊達総司令官「そうだな」

 

しかし彼らはまだ知らないその思いが後に思わぬ形で実現することを…

 

 

続く

 



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第45話「情報戦」

伊達重綱ら連合軍は舞鶴海上基地攻略のため包囲を続けていた


宮津本陣

 

伊達司令官「敵の様子はどうだ?」

 

望月少将「今だ変わりはありません。」

 

伊達司令官「そうか。他の陣から報告は?」

 

望月少将「異常なしとのことです。」

 

伊達司令官「分かった引き続き警戒を厳とするよう伝えよ」

 

望月少将「はっ!」

 

 

その頃 冠島 保守派陣にて

 

 

大和「偵察部隊からの報告は?」

 

隊長「今だ報告がありません。」

 

大和「…嫌な予感がするわね」

 

隊長「参謀?」

 

隊員「申し上げーますー!」

 

隊長「何事か!」

 

隊員「偵察に出ていたものがただいま帰投致しました。」

 

隊長「おぉようやくか!」

 

偵察員「失礼…致します」

 

隊長「大丈夫か!おい支えろ!」

 

隊員「はっ!」

 

偵察員「ありがとうございます」

 

大和「一体何があったのですか?」

 

偵察員「申し上げます!我ら偵察小隊は舞鶴本部に着くも中は無人!舞鶴本部は既にもぬけの殻でございます!」

 

大和「なんですって!」

 

隊長「おい他の偵察員はどうした?」

 

偵察員「帰投中に敵部隊の奇襲にあい全滅致しました!」

 

隊長「なんということだ」

 

偵察員「しかもその敵部隊人ではありませぬ」

 

隊員「人ではないだと」

 

大和「まさか…」

 

偵察員「はっ!お察しの通り鬼でございます!敵は既に鬼の軍隊となってございます!」

 

大和「恐れていたことが現実になったわね。」

 

隊長「参謀まずいですぞ敵の所在が分からないとなれば包囲を行う意味がありません。」

 

大和「それに敵の本拠が分からないとこっちから仕掛けることが出来ない。…はめられたわね」

 

隊長「すみやかに本陣にこのことを伝えよ!」

 

伝令「はっ!」

 

隊長「しかし一体敵はどこに?」

 

大和「地図をここに!」

 

隊員「はっ!こちらになります」

 

大和「ありがとうございます。敵部隊はどこにいたのですか?」

 

偵察員「はっ。ちょうどこの辺りだったと思います」

 

大和「美浜ですか…ならば敵の目標は…まずい」

 

隊長「参謀?」

 

大和「誰か使いはいますか?」

 

伝令「ここに」

 

大和「敵の目標は栗田だと本陣と丹後由良の陣に伝えよ」

 

伝令「はっ!」

 

隊長「栗田…確かちょうど本陣と丹後由良の中間地点ですな」

 

大和「えぇ敵の目標は栗田を陣取り両陣を制圧したあと残っている私たちを包囲殲滅することにあります。」

 

隊長「もしそうなったら」

 

大和「刀治郎が危ない!」

 

隊長「いかがなさいますか?陣を払い本陣救出に向かいますか?」

 

大和「いやここ冠島は本作戦において最重要拠点ここを敵に渡す訳にはいきません。かといって部隊をわけるほどの余剰戦力は私たちにありません」

 

隊長「では」

 

 

大和「伝令!」

 

伝令「ここに」

 

大和「このことを彼女に伝えて下さい」

 

伝令「かしこまりました」

 

隊長「間に合いますかな」

 

大和「大丈夫です。彼女が来るまではなんとか持ちこたえるでしょう。なんたって彼には最強の近衛集団がいますからね」

 

隊長「そうですな。」

 

大和「さぁこっちも準備を行いましょう。そろそろだと思いますから。」

 

シーン(突然静寂に包まれる)

 

隊長「そうみたいですな」

 

(抜刀)

 

大和「総員!対地上戦闘用意!」

 

隊長「ようやくお出ましのようですな」

 

大和「そのようです。」

 

鬼「グワァー!」

 

続く

 

 

 

 



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第46話「基地防衛戦 前編」

宮津本丸基地(旧NPF第一舞鶴警備基地)

 

中央作戦室

 

シーン

 

伊達総司令官「…きたか」

 

オペレーター「冠島沖の探知システムが作動しました!」

 

橘少将「冠島沖だと!」

 

オペレーター「冠島基地から伝令敵オーガ級部隊半数が美浜から入水中翌朝には宮津に到達と見られます!」

 

伊達総司令官「オーガ級だと!」

 

橘少将「オーガ級って確か」

 

伊達総司令官「あぁ先の福岡市街戦で多く報告された鬼の総称だ。知能は低いが戦闘能力は非常に高い恐るべき存在だ。まさか渡河能力もあったとは…」

 

橘少将「いかがなさいますか?」

 

伊達総司令官「第三種警戒態勢発令!基地内の全部隊を招集せよ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

宮津本丸基地 ドック内

 

ブーブーブー(警報音)

 

海風「警戒警報?」

 

江風「敵が来たのか!」

 

皐月「急ぐよ!」

 

山風「うん」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

中央作戦室

 

戦術オペレーター「機雷原1204から1405まで爆発確認!」

 

レーダーオペレーター1「1503感あり!」

 

レーダーオペレーター2「1706感あり!」

 

レーダーオペレーター3「1905感微弱!反応増加中!」

 

観測長「エリアA1からエリアA2の監視を強化」

 

解析長「海中ノイズの除去を急げ」

 

橘少将「報告にあった通りです。」

 

ビービービービー(警報音)

 

レーダーオペレーター「旅団規模オーガ級先見軍第一警戒ラインに侵入!」

 

伊達総司令官「他の部隊から援軍は?」

 

橘少将「それが…現在どの部隊もオーガ級と交戦中でこっちに回せる戦力がないとのことです。」

 

伊達総司令官「くそ!はめられた!」

 

橘少将「司令いかがなさいますか?」

 

伊達総司令官「これより防衛行動に移る!」

 

橘少将「哨戒艦隊からの報告はどうか?」

 

通信オペレーター「哨戒中の第二艦隊秋風から入電伊根湾沖北東35キロメートル地点にて目標第1波確認!」

 

戦術オペレーター「第1波機雷原に接触!」

 

レーダーオペレーター「機雷原第3から第7まで消滅」

 

通信オペレーター「戦車及びガンタンク隊から砲撃準備よろしとの報告!」

 

橘少将「十分に引き付けるまで待て!」

 

伊達司令官「各航空隊及び各遊撃隊は出撃態勢をとれ!」

 

戦術オペレーター「了解!」

 

レーダーオペレーター「オーガ進行速度落ちません!」

 

ブー(警報音)

 

レーダーオペレーター「第一波第二警戒ラインに突入!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ドック内

 

作業員1「急げ!こっちだ!」

 

作業員2「はい!」

 

作業員3「早くしろ!」

 

萩風「こちら萩風異状なし!」

 

嵐「こちら嵐同じく異状なし!」

 

江風「死ぬなよ新米ども!」

 

 

 

 

続く

 

 



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第47話「基地防衛戦 中編」

宮津本丸基地 戦車隊及びガンタンク隊陣地

 

戦術オペレーター『戦車及びガンタンク隊目標に対し攻撃開始せよ!』

 

戦車隊 隊長「了解!全車こちらタイガー1攻撃開始!攻撃開始!」

 

ガンタンク隊 隊長「目標オーガ級。対榴、中隊集中!」

 

戦車隊 隊長「距離よし!」

 

ガンタンク隊 隊長「ってぇー!」

 

ドドォーン ドドドドドドドドドォーン(砲撃音)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

冠島沖 特戦軍 第一艦隊旗艦 敷島

 

レーダー員「第一波消滅。第二波来ます!」

 

小沢艦長「全艦に攻撃命令を」

 

戦術長「全艦うちぃかたぁ始めー!」

 

ドカドカドカーン(砲撃音)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

中央作戦室

 

レーダーオペレーター「第二波、第三波消滅!続けて第四波来ます!」

 

戦術オペレーター「ファルコン隊はただちに出撃せよ!」

 

レーダーオペレーター「戦闘機体ファルコン隊全機発進!」

 

ファルコン隊 隊長『防壁の近くにいるオーガ級を掃討する全機兵器使用自由!イノシンどもを黙らせろ!』

 

ファルコン隊員ら『了解!』

 

ファルコン隊 隊長『一気に行くぞ!』

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダ(機銃掃射音)

 

戦術オペレーター「ファルコン隊防壁周辺のオーガ級を掃討完了。第五波到達まで一分です。」

 

橘少将「ファルコン隊は後退して補給。第五波の到達までにホーク隊を出撃!」

 

両戦闘機体 隊長『了解!』

 

橘少将「想定していた戦力に対しなんとか対応出来ている状態ですね」

 

伊達司令官「だがこれ以上うちの戦力はない。ぎりぎりだ。支援部隊は?」

 

橘少将「いまだにどこの戦線も手一杯です。」

 

伊達司令官「そうか」

 

 

 

防壁上空

 

 

オーガ級「グワァー!」

 

ドォーン(衝突音)

 

ホーク隊隊長『ホーク隊敵のケツが丸見えだ!しっかり撃ち込んでやれ!』

 

ダダダダダダダダ(機銃掃射)

 

ホーク隊隊員ら『了解!』

 

 

 

 

中央作戦室

 

レーダーオペレーター「ホーク隊第五波掃討完了。」

 

監視員『なんだあれは!』

 

通信オペレーター「監視員状況知らせ!」

 

戦術オペレーター「ファルコン隊補給完了。遊撃隊出撃準備よろし!」

 

ビービービー(警報音)

 

レーダーオペレーター「5606地点に新たなα反応!」

 

伊達司令官「5606だと!」

 

レーダーオペレーター「ホーク隊と同一方向です!」

 

 

防壁上空

 

ヒュー

 

隊員「なんだこれ…うわぁー!」

 

隊員「回避が!」

 

ドカドカーン(爆発音)

 

隊長「05!08!」

 

隊員「隊長!あれを!」

 

ホーク隊隊長「あれは…」

 

 

 

中央作戦室

 

伊達司令官「深海棲艦だと!」

 

戦術オペレーター「ホーク隊残弾僅少!」

 

通信オペレーター「03 05  08通信途絶!」

 

伊達司令官「遊撃隊とファルコン隊を出撃させろ!」

 

戦術オペレーター「了解!」

 

 

ドック内

 

『5606地点に深海棲艦出現!遊撃隊及びファルコン隊はただちに出撃せよ!繰り返す…』

 

嵐「深海棲艦だと!」

 

萩風「なんでこんな近海に!」

 

皐月「そこ!ぐずぐずしない!出るよ!」

 

嵐&萩風「はっはい!」

 

 

 

 

中央作戦室

 

橘少将「しかしなぜこんな近海に奴らが…」

 

伊達司令官「深海棲艦の出現報告はなかったはずだ!」

 

レーダーオペレーター「舞鶴本部方面からの侵攻と思われます!」

 

伊達司令官「舞鶴本部方面からだと…そういうことか」

 

橘少将「このタイミングでしかも舞鶴本部方面からの出現…まさか!」

 

伊達司令官「あぁあり得ない全くもってあり得ない話だが…

過激派の奴らよりにもよって深海棲艦とも手を組みやがった!」

 

 

 

続く

 

 



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第48話「基地防衛戦後編」

防壁上空

 

ホーク隊隊長「戦闘後に棲鬼級と遭遇だと!」

 

ダダダダダダダダダダダダダ(機銃掃射音)

 

ヒュー ドカドカドカーン(爆発音)

 

ホーク隊隊長「この攻撃は!」

 

隊員『隊長!a中隊です!』

 

ホーク隊 隊長「おぉ来てくれたか!」

 

江風『後退せよ!こいつは我々がやる!』

 

ホーク隊隊長「了解!ホーク隊全機後退!」

 

 

防壁近海

 

 

江風「a中隊各員につぐ。棲鬼級には20ミリでは歯が立たたん!120ミリを奴らの首にお見舞いしてやれ!散開!」

 

嵐 萩風「「了解!」」

 

嵐「喰らえ!」(カチ)

 

ダダァン(発砲音)

 

駆逐棲鬼「アマイ!」

 

キィン!

 

嵐「くっ防がれた!」 

 

江風『嵐!続け!』

 

嵐「はい!」

 

駆逐棲鬼「シズメ!」

 

ドカドカドカーン(発砲音)

 

江風『回避しろ!』

 

嵐「了解!」

 

ヒュー ドカーン(爆発音)

 

嵐「後ろ…もらったぁ!」

 

江風『今だ!』

 

ダダァン(発砲音)

 

駆逐悽鬼「ギャー!」

 

ドカーン(爆発音)

 

嵐「やった!」

 

江風『喜ぶのはまだはやい!次行くぞ!』

 

嵐「り、了解!」

 

江風『1体たりとも防壁に近寄らせるな!』

 

 

 

中央作戦室

 

戦術オペレーター「上陸地点の棲鬼級、撃破5体!」

 

レーダーオペレーター「新たな棲鬼級、出現12体!」

 

橘少将「司令このままでは…押しきられます!」

 

戦術オペレーター「ファルコン隊05 06 08!通信途絶!」

 

レーダーオペレーター「第七波来ます!数一万二千!」

 

伊達総司令官「ホーク隊は?」

 

戦術オペレーター「出撃可能な機体がもう残っていません。」

 

 

防壁近海

 

 

嵐『くそ!次から次へと!』

 

江風「a小隊ここで止めろ!これ以上ここを通らせるな!」

 

ファルコン隊長『援護する!なんとしてでも止めるぞ!』

 

江風「はっ!ファルコン隊回避しろ!」

 

ファルコン隊長『はっしまっ…』

 

ドカーン(爆発音)

 

嵐『レーザー攻撃!?』

 

江風「レーザー級だ全隊回避行動!」

 

 

中央作戦室

 

レーダーオペレーター「沿岸部にレーザー級確認!」

 

橘少将「マザー級による排出です!」

 

伊達総司令官「ついに来たか…戦闘機中隊は?」

 

橘少将「残存戦力での掃討は不可能です」

 

戦術オペレーター「味方の被害甚大!」

 

伊達総司令官「限界か…」

 

橘少将「司令。」

 

伊達総司令官「ここを放棄する。他の部隊はすみやかに福知山及び豊岡に撤退するよう伝えよ」

 

通信オペレーター「はっ!」

 

伊達総司令官「近衛衆は誰かいるか?」

 

榛名「ここに」

 

伊達総司令官「近衛衆全員に武装するよう伝えよ」

 

榛名「では」

 

伊達総司令官「あぁこれより前に出る。」

 

榛名「…分かりました」

 

伊達総司令官「HQからa01及びb01」

 

江風『こちらa01』

 

皐月『こちらb01』

 

伊達総司令官「最後の命令だ…」

 

 

続く

 



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第49話「撤退戦」

防壁近海

 

嵐「くそ!奴らめ次から次へと」

 

江風『a1からa02』

 

嵐「こちらa02」

 

江風『嵐。お前は萩風と共に負傷兵を豊岡まで護衛しろ』

 

嵐「まだ戦えます!」

 

江風『満足に戦えないお前らがいると邪魔なだけだ。保守派残存戦力と合流し任務を遂行せよ。』

 

萩風『…了解しました。』

 

嵐「萩風!?」

 

萩風『嵐。負傷兵護衛も私たちの任務ですここは江風さんに従いましょう。』

 

嵐「くっ!…了解。」

 

 

矢原

 

パカラパカラパカラパカラパカラ

 

伊達総司令官「ハッ!ハッ!」

 

綾波「司令!棲鬼級が江風さんたちの方に!」

 

榛名「このままだと棲鬼級に囲まれてしまいます!」

 

伊達総司令官「榛名。綾波とイムヤを引き連れ

急ぎ救援に向かえ!」

 

榛名「お任せください!」

 

パカラパカラパカラ…(遠退いていく)

 

伊達総司令官「…行ったか。」

 

近衛隊長「はい」

 

近衛兵「前方に大隊規模のオーガ級確認!」

 

伊達総司令官「よし近衛衆!このまま前進しオーガ級を叩くぞ」

 

近衛衆「「「オォー!」」」

 

伊達総司令官「かかれー!」(抜刀)

 

 

 

京丹後

 

負傷兵「いてぇ!」

 

衛生兵「もうすぐ豊岡だからな!頑張れ!」

 

ドカーン(爆発音)

 

負傷兵「ヒィー!」

 

負傷兵「オーガ級だ!」

 

ダダダダダダダダ(発砲音)

 

嵐「行かすか!」

 

萩風「絶対に通さない!」

 

ダダダダダダダダダダダダ(発砲音)

 

嵐「くそ!キリがねぇ!」

 

 

ドカーン(爆発音)

 

萩風「爆発!?」

 

嵐「いや!これは…」

 

ヒュー(飛来音)

 

嵐「連合艦隊の砲撃だ!」

 

ドカーン(爆発音)

 

砲術員『援護する!負傷兵を誘導せよ!』

 

嵐「了解!」

 

 

矢原

 

伊達総司令官「せい!」(ズバ!)

 

オーガ級「ウガァー!」

 

伊達総司令官「ハァ…ハァ」

 

近衛兵「司令!ご無事ですか?」

 

伊達総司令官「あぁこっちは大丈夫だ!そっちは?」

 

近衛兵1「なんとか持ちこたえてますが皆無事です!」

 

伊達総司令官「そうかそれはよかっ…」

 

伝令兵2「大変です!海風さんたちが!」

 

伊達総司令官「落ち着け!海風らがどうした?」

 

伝令兵1「海風さんたちのいる田井砦の方に大規模のオーガ級の集団が!」

 

伊達総司令官「なんだと!くわしい数は?」

 

伝令兵2「申し上げます!田井砦に攻め寄せたオーガ級その数およそ一万八千!」

 

近衛衆「一万八千!」

 

伝令兵2「それだけのオーガ級に囲まれたとなれば例え海風さんたちとはいえ二時間も持ちませぬ!」

 

伊達総司令官「クソォ!」

 

近衛兵2「司令!ただちに海風さんたちの救援に向かいましょう!」

 

近衛兵3「されど我々の手勢でもわずか三千!」 

 

近衛兵4「返り討ちになるぞ!」 

 

近衛兵2「では見捨てろというのか!」

 

近衛兵3「誰もそんなことは言ってないわ!」    

 

近衛兵5「ではー!各地に散らばっている部隊を呼び戻せば!」

 

近衛兵1「無理だ。今から呼び戻しても到底間に合わん」

 

近衛兵2「ではどうする!」

 

伊達総司令官「…海風、山風、皐月!」

 

近衛兵1「司令!」

 

伊達総司令官「皆すまないな、だがこのまま見捨てる訳にはいかねぇんだ。」

 

近衛兵1「…皆の者これより田井砦に向かう!司令と共に必ず海風さんたちを助けるぞ!よいな!」

 

近衛衆「「オー!」」

 

 

伊達司令官「よし!皆我に続けー!」

 

 

某所

 

謎の男「たった三千だと?…愚かな。重綱の首取ってこい!」

 

「ハッ!」

 

 

 

続く



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第50話「田井砦の戦い」

田井砦

 

皐月「てや!」

 

(ズバ!)

 

「グワァー!」

 

皐月「海風!山風!無事かい?」

 

海風「はい!」

 

山風「なんとか」

 

海風「皐月さんは?」

 

皐月「僕は大丈夫!でも!」

 

(ズバ!)

 

皐月「キリがない!」

 

伝令兵「申し上げます!総司令の援軍三千矢原を越えこちらに向かい進軍中!」

 

海風「…お父さん」

 

 

矢原

 

パカラパカラパカラパカラパカラ

 

伊達総司令官「ハッ!ハッ!」

 

近衛兵「前方にオーガ級確認!」

 

伊達総司令官「鉄砲隊構えー!」

 

ジャギ

 

そういうと皆オーガ級に向けてライフルを向ける彼らたちが使っているのは55口径155ミリライフル銃 特選隊技術科が開発、生産を行った見た目はライフル銃その物だか威力は海風の55口径120ミリ回転式リボルバー砲と同等いやそれより上である特戦隊所属歩兵の主力兵装である。本来このような武器は人間には扱えない代物なのだが…

 

 

伊達総司令官(うちの歩兵はただの兵士じゃない皆あの大戦を生き延びた元擲弾兵だ!)

 

伊達総司令官「放てぇー!」

 

ダダダダ(発砲音)

 

オーガ「…ッ」

 

オーガ「グワァー!」

 

近衛兵1「効いているぞ!」

 

近衛兵2「撃ちまくれぇ!」

 

ダダダダ(発砲音)

 

オーガ「グオォー!」

 

近衛兵3「多数のオーガ級がこちらに向かって来ます!」

 

伊達総司令官「よし近衛衆迎え撃つぞ!ハッ!」

 

近衛兵1「ハハッ!」

 

(パカラパカラパカラパカラパカラ)

 

伊達総司令官「行くぞー!」(抜刀)

 

近衛衆「「オォー!」」

 

 

田井砦

 

皐月「このまま守り通すよ!」

 

海風「はい!」

 

伝令「申し上げます!宮津からの援軍。師団規模のオーガ級と衝突!先陣をきるのは!重綱様ご自身とのこと!」

 

皐月衆1「なんだと!」

 

海風衆1「重綱様は死ぬ気か?」

 

海風「…お父さん」

 

皐月「…おにぃ」

 

山風「海風姉…皐月ちゃん」

 

海風「我らも重綱様に続きますよ!」

 

各衆「「オォー!」」

 

海風「開門!」

 

ギギー

 

皐月「ハッ!」

 

(パカラパカラパカラパカラ)

 

 

矢原

 

 

伊達総司令官「てぇや!」

 

(ズバ!)

 

「ギャー!」

 

近衛兵1「B小隊が来たぞー!」

 

伊達司令官「なに?」

 

(パカラパカラパカラパカラパカラ)

 

(ズバ!バザ!ドス!)

 

海風「お父さんー!」

 

伊達総司令官「でかした!海風!」

 

海風「…いえ」

 

伊達総司令官「皆の者!このまま!」

 

(ズバ)

 

オーガ「グワァー!」

 

伊達総司令官「一気に行くぞ!」

 

近衛衆「「オォー!」」

 

 

オーガ「グオォー!」

 

海風「オーガ級がみんなお父さんの方に!」

 

皐月「近衛衆!重綱様を守れー!」

 

近衛衆「「オォー!」」

 

 

伊達総司令官「心配御無用!爆砕波ー!」

 

(ドカーン)

 

伊達総司令官「こんな奴らには負けん!」

 

(ズバ!)

 

「グワァー!」

 

海風「お父さん伏せて!」

 

伊達総司令官「ん?」

 

ダーン(発砲音)

 

伊達総司令官「ぐっ!」バターン

 

皐月「おにぃ!」

 

山風「なぜ奴らが鉄砲を!」

 

皐月「御託はいい!おにぃを守るよ!」

 

海風「はい!行くよ山風!」

 

山風「うん!」

 

 

伊達総司令官「まだやれる!」

 

(ズバ)

 

「グワァー!」

 

「グオー!」

 

伊達総司令官「ッ!なんの!」

 

(ズバ!)

 

山風「パパ!後ろ!」

 

伊達総司令官「しまっ…」

 

海風「お父さん!」

 

「海風!伏せて!」

 

海風「はっはい!ってあなたは!」

 

シュー!ドス!

 

伊達総司令官「この矢まさか!」

 

「その御方をどなたと心得る!特戦隊総司令官伊達重綱様であるぞ!」

 

伊達総司令官「その声は親潮か!」

 

親潮「重綱様の御命我ら特戦隊が!」

 

瑞鶴「身命をとしてお守り致す!」

 

伊達総司令官「…皆」

 

親潮「者共かかれー!」

 

兵士「「オォー!」」

 

海風「お父さん!無事ですか?」

 

伊達総司令官「…海風。足を撃たれたが問題ない」

 

海風「とりあえず豊岡に向かいましょう!」

 

伊達総司令官「俺は大丈夫だ。それにしても

この状況は一体?」

 

海風「援軍です!本部からの援軍が来たんです!」

 

伊達総司令官「ほぅ本部から来たのか。」

 

海風「それに…」 

 

伊達総司令官「…君は!」

 

「大丈夫?刀治郎?」

 

伊達総司令官「蒼龍…蒼龍か?」

 

蒼龍「そうよ。久しぶりね」

 

伊達総司令官「なぜここに君が?」

 

蒼龍「話はあと!まずはこのオーガ級を片付けるよ!」

 

伊達総司令官「フッ…そうだな。」

 

蒼龍「了解!皆行くよ!」

 

海風「はい!」

 

その後オーガ級は応援に駆けつけた毛利少将らの部隊と大和ら保守派により掃討され田井砦防衛戦は連合軍の勝利となったのである

 

 

続く

 



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最終章「舞鶴決戦」
第51話「合流」


豊岡砦

 

榛名「被害状況は?」

 

兵士「こちらになります。」

 

榛名「結構やられましたね。」

 

伝令「申し上げます。重綱様ご帰投でございます。」

 

 

伊達総司令官「榛名!」

 

榛名「司令官!その足は?」

 

伊達総司令官「オーガに足を撃たれてしまってね」

 

榛名「大変!すぐに治療しないと!誰か衛生兵をここに!」

 

兵士「ハッ!」

 

「大丈夫。その心配はありませんよ」

 

榛名「あなたは!」

 

伊達総司令官「ようやく来ましたか。姉弟子」

 

しのぶ医師「ごめんなさい。遅くなっちゃいました!」

 

榛名「どうしてしのぶ先生がここに?」

 

伊達総司令官「私が呼んだんだ。彼女は鬼関連の治療の第一人者だからね。」

 

しのぶ医師「はいじゃあさっそく治療しますね」

 

伊達総司令官「お願いします。よしその間に榛名」

 

榛名「はい!」

 

伊達総司令官「我が軍の被害状況を聞きたい」

 

榛名「分かりました。結果的に申し上げますと損害は大きいです。詳しくはこちらの資料に」

 

伊達総司令官「ええと…戦闘機隊二個中隊に戦車が大破30中破20歩兵も半数近くが戦死か大きいな」

 

榛名「唯一無傷なのが艦隊のみです。」

 

伊達総司令官「ガンタンク隊は?」

 

榛名「全機体残弾なしで戦闘続行不能です。」

 

伊達総司令官「作戦をもう一度組み直す必要がありそうだな」

 

榛名「はい。現在親潮さんと海風さんが立案中とのことです。」

 

伊達総司令官「ほぅあの二人が。分かったなら俺は…」

 

蒼龍「一刻もはやく傷を治すことに専念することね」

 

伊達総司令官「蒼龍それに瑞鶴か…」

 

榛名「…では私は負傷兵の受け入れ先の調整がありますので…」

 

伊達総司令官「…そうか頼むぞ」

 

榛名「榛名にお任せ下さい!失礼します」

 

しのぶ医師「さてなら私も一旦離れましょうかね?」

 

瑞鶴「いえしのぶさんはそのまま続けて下さい」

 

伊達総司令官「いいのか?」

 

蒼龍「うん」

 

しのぶ医師「…分かりました。ではこのまま続けますね」

 

伊達総司令官「…すまなかったな」

 

蒼龍「え?」

 

伊達総合司令官「私がはやく舞鶴に戻っていればこんなことには」

 

蒼龍「ううん。謝るのは私たちの方よ。あなたが今まで守ってきた家族を…家を守れなかったんだから」

 

伊達総司令官「…蒼龍」

 

蒼龍「だからねあなたが謝ることはないのよ。あの状況で舞鶴に戻ってたら間違いなく大混乱するからね」

 

伊達総司令官「…分かっていたのか」

 

蒼龍「ええ。だってあなたの妻ですもの」

 

伊達総司令官「…これは一杯食わされたな。それで話は戻るがなぜここに確か四国戦線にいたはずじゃ」

 

蒼龍「あぁそれはね…」

 

大和「私がお願いしたの」

 

伊達総司令官「姉さんか…なるほど」

 

大和「あらいけなかった?」

 

伊達総司令官「そんなことはないよ。ありがとう大和姉さん」

 

大和「当たり前よ。だって義理でもあなたの姉ですから」

 

蒼龍「相変わらずの仲良しっぷりで」

 

大和「あらあなたの同じじゃない」

 

蒼龍「まぁ確かに大和さんに要請されたのもあるけど」

 

伊達総司令官「それ以外にあるのか?」

 

蒼龍「えぇあなたに伝えておきたいことがあって」

 

大和「…それってまさか!」

 

蒼龍「えぇあの件よ」

 

大和「あの件はまだ正確な情報が少ない!もう少し待ってから」

 

蒼龍「そんなことしてたら間に合わなくなる!」

 

伊達総司令官「なんのことだ?」

 

蒼龍「…そろそろのはずね」

 

瑞鶴「蒼龍さん!潜入部隊から報告が」

 

蒼龍「見せてくれる?」

 

瑞鶴「はい。」

 

蒼龍「…やっぱり」

 

大和「前々から予感はしていたけど…」

 

伊達総司令官「俺にも見せてくれないか」

 

蒼龍「いいけど…覚悟して読んでね」

 

伊達総司令官「あぁ分かった」

 

(バサッ!)

 

伊達総司令官「…嘘だろ」

 

大和「なんて報告?」

 

伊達総司令官「飛龍ハ本物ニアラズ」

 

大和「…やっぱり」

 

伊達総司令官「これは一体どういうことだ。」

 

蒼龍「その言葉通りよ刀治郎。あの飛龍は偽物でその正体は飛龍の皮を被ったジュラル星人よ。」

 

伊達総司令官「…なんだと」

 

続く

 

 



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第52話「豊岡防衛戦 前編」

伊達総司令官「これは一体どういうことだ。」

 

蒼龍「その言葉通りよ刀治郎。あの飛龍は偽物でその正体は飛龍の皮を被ったジュラル星人よ。」

 

伊達総司令官「…なんだと」

 

蒼龍「だから今の舞鶴基地はジュラル星人によって占領されているのよ。飛龍と瑞鳳を人質にしてね」

 

伊達総司令官「瑞鳳もだとなぜだ!?つい最近まで六本脚にいたはずじゃ!」

 

大和「…瑞鳳さんは六本脚から呉に戻る最中に連れ去れたのよ」

 

伊達総司令官「いつの話だ?」

 

大和「つい先週のことよ」

 

伊達総司令官「なぜ俺に報告しなかった!」

 

大和「それは!」

 

伊達総司令官「それはもクソもあるか!そのような大事なことは必ず共有すること!そう誓書にありましたよね!これは重大な信用問題ですよ!」

 

大和「申し訳ありませんでした。」

 

伊達総司令官「大和…君を本作戦から外し呉での謹慎を申し付ける」

 

蒼龍「待って刀治郎!」

 

伊達総司令官「これは命令だ。いいな」

 

大和「…分かりました」

 

瑞鶴「大和さん!」

 

(タタタタ)

 

蒼龍「どういうつもり?」

 

伊達総司令官「どうもこうもあるか。」

 

蒼龍「瑞鳳のことを報告しなかったのは確かにこっちの不始末。でもそれは刀治郎!あなたの為を思ってあえて言わなかっただけのことそれを!…。」

 

伊達総司令官「それが余計な世話だと言うのだ。このような状況下で隠し事があれば混乱が生じる。それが身内のことなればなおのこと。なれば例え身内でも厳罰に処せねば下の者に示しがつかない!」

 

蒼龍「…ごめんなさい」

 

伊達総司令官「いいんだ。それに大和姉さんなら分かってくれるさ。」

 

蒼龍「…そうね」

 

 

伝令「重綱様!」

 

伊達司令官「何事だ。申せ」

 

伝令「申し上げます!703地点にて新たなα反応を探知!こちらへ向かってきます!現在第一守備隊が交戦中!」

 

 

伊達総司令官「敵の数は?」

 

伝令「それがわずか3とのこと」

 

蒼龍「たった3体だけですって!」

 

伊達総司令官「識別は?」 

 

伝令「それが…」

 

 

ドカーン

 

伝令「爆発!?」

 

伊達総司令官「…どうやらその続きは聞かなくてもよさそうだ。」

 

蒼龍「そのようね。」

 

伊達総司令官「分かるか?」

 

蒼龍「えぇ…強い覇気だもん」

 

伊達総司令官「綾波!」

 

綾波「はい!」

 

伊達総司令官「大至急隊を召集せよ。出撃するぞ!」

 

綾波「既に皆さん集まっています。」

 

海風「総司令!蒼龍さん!海風隊全員揃いました。」

 

伊達総司令官「海風か!よし皆続け!」

 

パカラパカラパカラパカラ

 

 

703地点にて

 

「ドコダ…ドコニイル?」

 

「コロシテ…ヤル!」

 

伊達総司令官「おやおや何やら物騒な言葉が聞こえるなと思って来てみれば」

 

 

「ウシロ…トッタァ!」

 

「ソノクビ…!」

 

「ヨコセ!」

 

伊達総司令官「私が仕込みもなく本気で背後をとらせると思っていたのか?」

 

江風「紅の…!」

 

皐月「光龍波!」

 

江風「爆龍波!」

 

ドカーン

 

江風「父さん!」

 

皐月「おにぃ!」 

 

伊達総司令官「二人ともよくやったな。他の皆は?」

 

皐月「少々邪魔が入ってね後から来るよ」

 

伊達総司令官「…そうか」

 

江風「それより父さん。このオーガ級って…」

 

伊達総司令官「あぁやはり、お前さんらだったか能代、高雄!」

 

高雄「ユルサナイ…ゼッタイニ、ユルサナイ!」

 

能代「…コロシテヤル!」

 

「「ウォー」」

 

伊達総司令官「あらら皆武蔵姉さんの話通り鬼となっちゃって」

 

江風「どうするの父さん?」

 

伊達総司令官「そういえば皐月」

 

皐月「なぁに?」

 

伊達総司令官「…あの刀は?」

 

皐月「それなら海風が持ってるよ」

 

伊達総司令官「そうか…ならそれまで持ちこたえるとするか」

 

江風「おっしゃ!」

 

皐月「待ってました」

 

伊達総司令官「いや待てお前らは手を出すな」

 

江風「え!」

 

皐月「なんでさ!」

 

伊達総司令官「これは私の問題だ。だから決して手を出すなよ」

 

皐月「分かったよ」

 

江風「絶対勝てよ!父さん」

 

伊達総司令官「あぁお父さんに任せなさい!」

 

 

続く

 

 



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第53話「豊岡防衛戦 後編」

伊達総司令官「あぁやはり、お前さんらだったか能代、高雄!」

 

高雄「ユルサナイ…ゼッタイニ、ユルサナイ!」

 

能代「…コロシテヤル!」

 

「「ウォー」」

 

伊達総司令官「あらら皆武蔵姉さんの話通り鬼となっちゃって」

 

江風「どうするの父さん?」

 

伊達総司令官「そういえば皐月」

 

皐月「なぁに?」

 

伊達総司令官「…あの刀は?」

 

皐月「それなら海風が持ってるよ」

 

伊達総司令官「そうか…ならそれまで持ちこたえるとするか!」

 

江風「おっしゃ!」

 

皐月「待ってました!」

 

伊達総司令官「いや待てお前らは手を出すな!」

 

江風「え!」

 

皐月「なんでさ!」

 

伊達総司令官「これは私の問題だ。だから決して手を出すなよ」

 

皐月「分かったよ」

 

江風「絶対勝てよ!父さん」

 

伊達総司令官「あぁお父さんに任せなさい!」

 

(妖眼解放)

 

高雄「イキマス!」

 

伊達総司令官「ふっ!」

 

キィン!

 

高雄「ウォー!」

 

伊達総司令官「くっ!こんの!」

 

能代「背中ガガラ空キヨ!」

 

伊達総司令官(パァン!)

 

能代「キ、キエタ!」

 

伊達総司令官(術式!反転術!)

 

高雄「ノシロサン!ヨケテ」

 

能代「アブナ!」

 

伊達総司令官(例の石は…二人とも額か。この刀の峰打ちじゃ壊せそうにない。それに!)

 

高雄「セイ!」

 

伊達総司令官「ふん!」

 

キィーン

 

伊達総司令官(力の差が大きすぎる!受け流すだけで精一杯だ!)

 

能代「アマイ!」 

 

伊達総司令官「しまっ…!」 

 

(ドス!)

 

伊達総司令官「グハッ!」

 

(ドターン)

 

江風「父さん!」

 

皐月「おにぃ!」

 

伊達総司令官「来るな!」

 

江風「でも!」

 

皐月「このままじゃ!」 

 

伊達総司令官「いいから!そこでおとなしくしてろ」

 

高雄「ドウシマシタ?コノ程度デスカ?」

 

伊達総司令官「くっ!」

 

海風「お父さん!」

 

伊達総司令官「海風!」

 

海風「これを!」

 

(バシッ!)

 

伊達総司令官「待たせたな。お二人さんここからは…」

 

(抜刀)

 

伊達総司令官「少々本気でいくぞ!」

 

 

能代「ヤレルモノナラ!」

 

高雄「ヤッテミロ!」 

 

江風「父さん!」

 

伊達総司令官「二天一流抜刀術!」

 

能代「ナッ!」

 

高雄「カワサレタ!」

 

伊達総司令官「龍の型!零式!龍廻閃(りゅうかんせん)!」

 

ズバ

 

伊達総司令官「ますは一人」

 

能代「ガハッ!」

 

高雄「ノシロサン!ヨクモ!」

 

伊達総司令官「二天一流抜刀術、龍の型!」

 

高雄「ッ!チカ…!」

 

伊達総司令官「壱式!龍登閃(りゅうとうせん)!」

 

ダァン!

 

高雄「グハァ…」

 

伊達総司令官「そして最後に…!」

 

伊達総司令官「二天一流、龍の型!弐式!龍追閃(りゅうついせん)!」

 

(バキ…バキバキ) 

 

伊達総司令官「これで終わりだ。お二人さん」

 

(バリーン)

 

高雄「フ…フカク」

 

伊達総司令官「おっと!」

 

(抱きしめる)

 

江風「父さん!」

 

伊達総司令官「おぉお前ら…」

 

江風「斬ったの?」

 

伊達総司令官「いや斬ってはいないよ」

 

江風「ならどうやって」

 

海風「お父さんの刀…よく見てみて」

 

江風「…これは逆刃刀!」

 

伊達総司令官「あぁおやっさんに頼んで作って貰った。これで斬らずに済む…」

 

皐月「…おにぃ」

 

江風「ん?」

 

伊達総司令官「どうした?江風」

 

江風「ここにいるのは二人だけ…確か反応は3つあったはず…」

 

皐月「あと一人はどこに?」 

 

伝令「伝令ー!伝令ー!」

 

伊達総司令官「誰の伝令だ?」

 

伝令「蒼龍殿の伝令でございます」

 

伊達総司令官「蒼龍から…申せ!」

 

伝令「ハッ!申し上げます!UNKNOWNターゲット一体と交戦するもターゲットが逃走。追撃を試みるもこちらの被害甚大なため困難とのこと」

 

江風「おそらくそれが」

 

伊達総司令官「あぁ最後の一体だな。」

 

皐月「ターゲットはどの方向に逃げた?」

 

(地図を開く)

 

伝令「ハッ!…この方向にございます」

 

江風「この方向だと確かこの先にあるのは…」

 

伊達総司令官「…まずい!」

 

伊達総司令官「海風…ここを頼めるか」

 

海風「分かりました。福知山に向かうんですね」

 

伊達総司令官「あぁ…親潮たちが危ない」

 

江風「…行く?」

 

伊達総司令官「もちろん!」

 

皐月「…行こう!」 

 

伊達総司令官「ハッ!」

 

(パカラパカラパカラパカラパカラパカラ)

 

伊達総司令官(無事でいてくれ…親潮!嵐!萩風!)

 

続く

 

 



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第54話「福知山防衛戦」

伊達総司令官「海風…ここを頼めるか」

 

海風「分かりました。福知山に向かうんですね」

 

伊達総司令官「あぁ…親潮たちが危ない」

 

江風「…行く?」

 

伊達総司令官「もちろん!」

 

皐月「…行こう!」 

 

伊達総司令官「ハッ!」

 

(パカラパカラパカラパカラパカラパカラ)

 

伊達総司令官(無事でいてくれ…親潮!嵐!萩風!)

 

 

福知山砦

 

嵐「でぇやー!」

 

照月「オソイ!」

 

キィーン

 

嵐「このまま押しきる!ハァー!」

 

照月「ソレハドウデショウ?」

 

嵐「なに?おわっ!」

 

「スキアリ!」

 

ズバ!

 

嵐「ッ!」

 

ドターン

 

萩風「嵐さん!」

 

親潮「大丈夫ですか?」

 

嵐「なんとか…それにしてもこいつ強すぎる!」

 

親潮「それでも私たちは退くわけにはいかないのです!」

 

照月「ナラ!イマココデシニナサイ!」

 

親潮「ッ!」

 

 

パカラパカラパカラパカラパカラ…

 

嵐「え?」

 

萩風「この音は!」

 

親潮「えぇ…任務交代です」

 

伊達総司令官「二天一流抜刀術!」

 

照月「…キタカ!」 

 

伊達総司令官「龍の型!参式!土龍閃(どりゅうせん)!」

 

 

ドカーン

 

 

嵐「司令!」

 

親潮「少々遅い到着で…」

 

伊達総司令官「ごめんよ親潮…三人とも大丈夫か?」

 

萩風「はい!」

 

伊達総司令官「俺が来るまでよく頑張ったな。あとは任せろ」

 

照月「ナニホカノオンナト…シャベッテイル!」

 

(ブン!)

 

伊達総司令官「ハッ!」 

 

(キーン)

 

照月「ソノカタナハ!」

 

伊達総司令官「ようやく気付いたか…ならば!」

 

照月「オ、オサレル!」

 

伊達総司令官「ハァー!」

 

(キィーン)

 

照月「ッ!」

 

萩風「強い!」

 

嵐「俺でも力負けしたのにそれを押しきりやがった!」

 

伊達総司令官「次はこちらから行くぞ!」

 

照月「…ソノカマエ…クル!」

 

伊達総司令官「二天一流抜刀術 龍の型!

玖式!突龍閃(とつりゅうせん)!」

 

照月「カマエガワカレバ、コンナモノ!」 

 

嵐「かわされた!」

 

親潮「…いや」

 

照月「…ドコニキエタ?」

 

 

伊達総司令官「二天一流抜刀術 龍の型!」

 

照月「マサカ、ウシロ!…」 

 

伊達総司令官「拾式!双龍閃(そうりゅうせん)!」

 

照月「…ガハッ!」

 

萩風「決まった!」

 

伊達総司令官「…さてとそろそろいいんじゃないか?照月」

 

照月「…ナニヲイッテイル」

 

伊達総司令官「いい加減そのカタコト言葉はやめないか?

ほんとは少し正気を保っているんだろ?」

 

照月「…」

 

 

伊達総司令官「あまり俺の妖眼をなめないことだな」

 

照月「…さすがあなた」

 

伊達総司令官「ちょっとそのまま耐えてろ今楽にしてやる」

 

 

照月「お願いします」   

 

 

伊達総司令官「あぁ任せろ…フッ!」

 

(バキ…バキバキ,バリーン)

 

照月「ありがとうございます。」

 

伊達総司令官「いや礼には及ばん。それより俺ら家族はともかく親潮や嵐に萩風それに兵士まで巻き込んで一体何を企んでいる?」

 

照月「全ては狐を炙り出すためです」

 

伊達総司令官「ほぅ狐とはな。それでその狐の正体は?」

 

照月「ジュラル星人です」

 

伊達総司令官「やはりジュラルか…」

 

照月「どうやら私たちが舞鶴会議以降会っていた飛龍さんは偽者のようです」

 

伊達総司令官「では本物の飛龍はどこに消えたんだ?」

 

照月「…もし場所が分かったらどうなさるんですか?」

 

伊達総司令官「愚問だな。場所が分かってるならば」

 

抜刀

 

伊達総司令官「旦那として助けにいくまでだ!」

 

照月「家族思いなのは相変わらずですねあなた…」

 

伊達総司令官「悪いか?」

 

照月「いえ…むしろそんなところに引かれたんだけどな」(ボソッ)

 

 

伊達総司令官「何か言ったか?」

 

照月「いえ」

 

伊達総司令官「よし伝令!」

 

伝令「ここに!」

 

伊達総司令官「残存部隊に豊岡に集結するよう伝えろ」

 

伝令「はっ!」

 

伊達総司令官「親潮!」

 

親潮「作戦立案ですね。」

 

伊達総司令官「あぁ頼めるか」

 

親潮「お任せを」

 

伊達総司令官「よし。豊岡に向かうぞ」

 

「「オー!」」

 

 

 

 

続く



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第55話「集結」

豊岡基地

 

パカラパカラパカラパカラパカラ 

 

萩風「門が見えてきましたよ!」

 

伊達総司令官「開門ー!」

 

兵士「ハッ!」

 

(ギィーー)

 

伊達総司令官「よし着いたな」

 

「お帰りなさい。司令官」

 

伊達総司令官「あぁただ…い…ま…」

 

海風「あなたは!」

 

伊達総司令官「瑞鶴…か?」

 

瑞鶴(アズレン)「久しぶりね司令官!」

 

翔鶴(アズレン)「私もいますよ」

 

山風「翔鶴さんも…」

 

伊達総司令官「どうして君たちがここに?」

 

瑞鶴(アズレン)「私たちだけじゃないよ!」

 

千歳「閣下…」

 

伊達総司令官「千歳…それに皆も一体何しに来た?」

 

大鳳「大鳳,千歳以下NPF所属艦娘総勢96名これより特殊戦術憲兵隊総司令官伊達重綱殿の指揮下に入ります!」

 

伊達総司令官「なぜだ…」

 

千歳「だって私達も一緒に戦い抜いてきた仲間…」

 

大鳳「家族じゃないですか!」

 

瑞鶴(アズレン)「そうだそうだー!」

 

翔鶴(アズレン)「もぅ瑞鶴ったら…」

 

伊達総司令官「みんな」

 

満潮「それに大和さんに(お願いします。皆で司令官を…義弟を助けて下さい)って頼まれたしね」

 

伊達総司令官「大和義姉さんから?…ったく」

 

武蔵「相棒…」

 

伊達総司令官「分かってます。今回の件はこれで不問とします。だから敷島に隠れている大和義姉さんをさっさとここに呼び戻して下さい」

 

武蔵「…バレてたか」

 

伊達総司令官「義弟なめないで下さいよ。」

 

武蔵「さすがだな」

 

伝令「申し上げます!」

 

伊達総司令官「なにごとか!」

 

伝令「先ほど立岩湾の廃棄フロートが突然爆発しました!」

 

伊達総司令官「立岩湾だと!」

 

武蔵「立岩湾って確か」

 

江風「うちの主力艦隊が停泊している湾です。」

 

海風「ということは…」

 

山風「…まさか」

 

伝令「はい…これにより停泊中の我が軍主力艦隊は全て出港不能です!」

 

伊達総司令官「くそ、やられた!」

 

千歳「つまりこれで出せるのはここにいる戦艦戦隊と護衛の駆逐戦隊の8隻のみということになりますね」

 

伊達総司令官「先手を打たれたな…」

 

江風「どうするんだよ 主力艦隊なしであの要塞を制圧するのは難しいんじゃあ?」

 

伊達総司令官「こりゃ参ったな…」

 

コンコン ガチャ

 

親潮「失礼します」

 

伊達総司令官「あぁ親潮か。ちょうどお前さんを呼び出そうと思っていたところだ」

 

親潮「爆発の件ですね」

 

伊達総司令官「あぁそれで悪いが作戦を…」

 

親潮「その件については心配ありません。既にこうなった場合の代案を作成しておきましたので」

 

江風「マジかよ」

 

伊達総司令官「さすがだな」

 

親潮「いえいえ。では皆さん一度中央作戦室へ」

 

伊達総司令官「分かった。では皆参るぞ」

 

「「ハッ!」」

 

 

続く

 

 



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第56話「作戦会議」

中央作戦室

 

伊達総司令官「全員揃っているか?」

 

綾波「はい。各代表クラス全員揃ってます。」

 

伊達総司令官「よし親潮早速だが…」

 

親潮「はい。ではこれより作戦内容を不肖この親潮がご説明致します。各々方よろしくお願い致します。」

 

伊達総司令官「うむ」

 

親潮「ではまず中央のモニターをご覧下さい。お願いします」

 

オペレーター「はっ!」

 

カタカタカタ ピッ

 

伊達総司令官「これは…」

 

親潮「えぇこれは舞鶴本部の内部と周辺海域の地図を照月さんの情報と偵察部隊からの報告を照らし合わせたものです。」

 

 

伊達総司令官「やはり周辺海域は深海棲艦だらけか」

 

親潮「そうですね。まずは全艦娘による艦隊で敵を北方に誘引しそこで包囲殲滅を行って頂きたいのです」

 

千歳「詳しく聞かせてもらえますか?」

 

親潮「はい…まずは大鳳さんと千歳さんら空母を主力とした機動部隊 第一艦隊敵戦力の対抗として立岩湾から水上艦隊所属空母の航空隊を編入 直衛として比叡さん 霧島さんと二個水雷戦隊が艦隊の守りにつきます。この艦隊で敵を奇襲しこれを北方に誘引します。さらに第一艦隊の側面より伊勢さん 日向さんこれに航空戦艦の扶桑さん山城さんらの航空戦隊及び航空巡洋艦最上さん 三隈さん航空巡洋艦戦隊。鳥海さん率いる巡洋艦戦隊より編成された第二艦隊の支援 そして第一第二両艦隊が敵部隊を誘引したあと全艦隊による一斉砲撃でこれを叩きます!」

 

伊達総司令官「なるほど…で基地内部での作戦は?」

 

海風「現在基地内部状況は潜入部隊のシステムジャックなどによりほぼ完全に把握完了しています」

 

江風「人質は全員このフロア21に」

 

伊達総司令官「見張りは?」

 

親潮「人質の見張りは常に三人ですがまだ交代などのタイミングは分からないままです。」

 

海風「他のジュラル星人は?」

 

親潮「管制室に20名上層階にも見張りが60名それ以外は食堂に集まっているもようです。」

 

江風「人質がいなければズバッって突っ込んでドカーンとやりたいんだけどなー!」

 

海風「だったら人質を全員解放してしまえばいいでしょう。おじい…長官からも人質救出を最優先との指示が来ています。でも人質さえ救出出来れば手加減する必要…ないでしょ?」

 

江風「ひぃー」

 

伊達総司令官「あはは…」

 

海風「あなたは何か策はあるのかしら」

 

親潮「そうですね。ここまで情報が分かっているならば監視システムに欺瞞情報を流してその間に人質を救出でしょうか?」

 

海風「半分正解ねでも交代のタイミングがつかめない以上迅速な制圧が重要よ」

 

親潮「その場合なら大きな陽動が必要ですよね」

 

伊達司令官「なら改大和型による一斉砲撃はどうだ?」

 

親潮「なるほどこれならまず人質に危害を加えることなく作戦を完遂出来ます。」

 

伊達総司令官「確率は?」

 

親潮「…95%残りの5%は江風隊が暴走する可能性ですが海風さんが抑えて下さいます。」

 

江風「あはは…」

 

海風「任せて」

 

伊達総司令官「よし。これで海軍省の承認を得てみよう。皆はそれまで仮眠をとるなどをして作戦に備えてくれ。」

 

「「はい!」」

 

伊達総司令官「じゃ解散!」 

 

 

 

続く



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第57話「約束」

伊達総司令官「あれ ここはどこだ?」

 

「指揮官様…」

 

伊達総司令官「君は!? ここは一体…?」

 

ガチャ

 

(DOKHOーー!!)

 

伊達総司令官「ぐわああああーーー!!!」

 

「‥‥ごめんなさい指揮官様‥‥‥‥でももう

あなたは用済みなのよ。だからね」

 

伊達総司令官「‥‥なっ‥‥嘘だ‥‥」

 

 

「さようなら‥‥指揮官様‥‥」

 

(DOKHOーー!!)

 

ーーーーーーーーーーー

豊岡基地 仮眠室

 

伊達総司令官「ハァハァハァ…またこの夢か」

 

伊達総司令官「まだ深夜の2時かぁ …散歩にでも行くか」

 

海岸

 

伊達総司令官「やっぱり海は綺麗だな…ってあれは」

 

瑞鶴(アズレン)「…はぁ」

 

伊達総司令官「…瑞鶴」

 

瑞鶴(アズレン)「指揮官」

 

伊達総司令官「お前さんも散歩かい?」

 

瑞鶴(アズレン)「うん…指揮官も?」

 

伊達総司令官「あぁ…」

 

瑞鶴(アズレン)「…そっか」

 

伊達総司令官「となりいいか?」

 

瑞鶴(アズレン)「うん」

 

伊達総司令官「どうした?」

 

瑞鶴(アズレン)「指揮官こそ」

 

伊達総司令官「少し眠れなくてな 瑞鶴は?」

 

瑞鶴(アズレン)「私も同じ」

 

伊達総司令官「そっか」

 

瑞鶴(アズレン)「…」

 

伊達総司令官「…時折変な夢を見るんだ」

 

瑞鶴(アズレン)「どんな夢?」

 

伊達総司令官「狐みたいな見た目した少女に指揮官って呼ばれながら撃たれて死ぬってやつ」

 

瑞鶴「ッ!」

 

伊達総司令官「瑞鶴は?」

 

瑞鶴「昔の指揮官との夢を」  

 

伊達総司令官「そういえばこの前はゆっくり聞くことが出来なかったが君がいた世界の指揮官ってどんな男だったんだ?」

 

瑞鶴「艦船の笑顔を守る為なら我が身を省みない、真面目で家責任感が強くて優しい‥‥そんな人だよ‥‥誰かに似てると

思わない?」

 

伊達総司令官「誰だろう?」

 

瑞鶴(アズレン「…まるで指揮官みたい」

 

伊達総司令官「そうか…実はな君らと初めて会ってから君に似たような少女と過ごした日々が頭をよぎる時があるんだ」

 

瑞鶴(アズレン)「え?」

 

伊達総司令官「その子はね お姉ちゃんっ子でいつも元気一杯の極度の負けず嫌いさらに天ぷらが大好きな子でね」

 

翔鶴(アズレン)「本当に瑞鶴みたいな子ですね」

 

瑞鶴(アズレン「翔鶴姉」

 

伊達総司令官「お前さんも散歩か?」

 

翔鶴(アズレン)「いえ瑞鶴と指揮官を探しに」

 

伊達総司令官「瑞鶴はともかく俺もか?何か用でもあったのか?」

 

翔鶴(アズレン)「海軍省から入電です」

 

伊達総司令官「来たかどれどれ…」

 

瑞鶴(アズレン)「…どう?」

 

伊達総司令官「あぁ作戦決行の許可が出た。」

 

翔鶴(アズレン)「では」

 

伊達総司令官「あぁ…翔鶴、瑞鶴急ぎ皆を召集しろ!出撃するぞ!」

 

「「はい!」」

 

瑞鶴(アズレン)「…指揮官!」

 

伊達総司令官「なんだ?」

 

瑞鶴「…今度こそ絶対指揮官のそばにいるから…だから頑張ろう!」

 

伊達総司令官「あぁ!」

 

 

続く

 

 



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第58話「作戦開始」

艦隊総旗艦 超大和型戦艦 敷島

 

艦橋

 

艦長「出港準備!」

 

戦術長「砲術水雷準備完了」

 

航海長「航海行けます」

 

機関長「機関いつでも行けるぜ!」

 

専務長「艦内警戒閉鎖よし」

 

副長「各自出港準備よし!」

 

艦長「出港準備完了致しました。」

 

戦術長「全艦出港準備完了」

 

伊達総司令官  腕を上げる

 

戦術長「信号 予定順序に各艦揚錨 出港せよ!」

 

艦長「出港用意!錨をあげぇー!」

 

 (出港ラッパ)

 

航海員「錨水面きった!」

 

艦長「両舷前進微速。赤黒なし進路130度。航海長操艦」

 

航海長「頂きました、航海長両舷前進微速。赤黒なし

 

進路130度」

 

(汽笛)

 

伊達総司令官「見事だ」

 

艦長「ありがとうございます。」

 

伊達総司令官「よろしい湾外に出しだい第四警戒航行序列に遷移せよ!」

 

艦長「了解!」

 

 

 

基地近海

 

艦長「総司令!千歳大鳳以下奇襲艦隊及び

支援艦隊出撃しました」

 

伊達総司令官「…予定通りだな」

 

艦長「ではこちらも」

 

伊達総司令官「あぁ突入準備に入る!」

 

艦長「了解!」

 

伊達総司令官(頼んだぞ皆!)

 

 

大鳳「…そろそろ敵勢力圏に入ります。各自警戒を怠らないようお願いします!」

 

比叡「了解です。」

 

霧島「にしても静かですね。」

 

大鳳「そうですね。嵐の前の静けさじゃないといいのですが…」

 

千歳「大鳳さん。」 

 

大鳳「どうしました千歳さん?」

 

千歳「二番艦千代田から意見具申。あの…攻撃隊の発艦準備を求むと…」

 

大鳳「え?」

 

パイロット『こちら第二航空隊。大鳳応答願います』

 

大鳳「こちら大鳳です。どうされましたか?」

 

パイロット『敵艦隊を発見!繰り返す敵艦隊発見!』

 

比叡「電探でも捉えました!」

 

大鳳「来た…」

 

千歳「そのようですね」

 

パイロット『敵艦隊発砲!』

 

ヒュー

 

大鳳「全部隊回避行動!」 

 

ドカーン

 

空母悽鬼「ナッ!今ノヲカワスノカ!」

 

千歳「へぇやはりヌ級だけではなかったのですね…」

 

大鳳「まぁこれも想定の範囲内ですけどね」

 

千歳「では作戦通りに…退却!」

 

空母悽鬼「追エ!逃ガスナ!」

 

 

大鳳「千歳さん!そろそろ」

 

千歳「えぇそうね…」

 

空母棲鬼「ナンダ?モウ終ワリカ?」

 

大鳳「どうやらそのようですね」

 

空母棲鬼「ソウカ…ナラバココデ…」

 

大鳳「えぇチェックメイトです!」(信号弾)

 

ヒュー

 

空母棲鬼「ナッ!」

 

ドカーン

 

空母棲鬼「ナ…ナンダ!」

 

伊勢「お待たせ!第二艦隊到着!」

 

空母棲鬼「カ、囲マレタ…マサカ!」

 

鳥海「そうこれはあなた方をここにおびき寄せる罠だったのですよ…」

 

空母棲鬼「クソ!ハメラレタ」

 

伊勢「さぁ行くよ!」

 

大鳳「かかれー!」

 

「「おぉー!」」

 

 

 

中央作戦室

 

伊達総司令官「作戦状況は?」

 

オペレーター「第一艦隊旗艦大鳳から入電『ワレ我敵艦隊ノ誘因二成功 現在第二艦隊トトモニ掃討戦中』とのこと」

 

 

伊達総司令官「よしまずはよかった…」

 

オペレーター「では…」

 

伊達総司令官「こちらも始めるとしよう」

 

オペレーター「ハッ!」

 

伊達総司令官「海風、頼む」

 

海風「分かりました…江風!準備はいい?」

 

江風『おう!さぁてやるぞー!』

 

江風『突入作戦開始!我らに行けぬ海はなし!全力で徹底的にやれぃ!』

 

『『おす!』』

 

 

続く

 



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第59話「救出」

中央作戦室

 

伊達総司令官「突入状況は?」

 

オペレーター「現在海上基地のシステムはこちらが掌握しております。」

 

伊達総司令官「江風隊は?」

 

オペレーター「先ほど入り口制圧との報告が…」

 

伊達総司令官「バレてはないか?」

 

オペレーター「そのようです。」

 

伊達総司令官「分かった。」

 

瑞鶴(アズレン)「…指揮官」

 

伊達総司令官「あぁ我々も突入するぞ」

 

瑞鶴(アズレン)「了解!」

 

 

舞鶴海上基地 入り口

 

 

江風「父さん!」

 

伊達総司令官「よくやったな。誉めてやる」

 

江風「エヘヘ!」

 

伊達総司令官「それで目標の部屋は?」

 

江風「ここから三ブロックほど上の階に…」

 

伊達総司令官「防犯システムは?」

 

江風「もうジャック済み。今頃同じ映像がずっと流れてることだぜ!」

 

伊達総司令官「そうか…なら捕らわれたお姫様たちを救いに行くとしますか」

 

江風「おう!」

 

 

囚われの部屋

 

飛龍「…ここに来てもう半年かぁー」

 

瑞鳳「ほんとね…」

 

「母上…」

 

「母さん」

 

飛龍「大丈夫よ…きっと蒼龍が助けに来てくれる」

 

瑞鳳「えぇ。向こうには大和さんもいるし…」

 

織田提督「御安心なされよ。それまで拙が御守り致す」

 

飛龍「ありがとね織田さん。」

 

織田提督「いえこれは拙とあのお方の約束でございますので」

 

 

「…織田殿に訪ねる」

 

織田提督「ハッ」

 

「あのお方って誰のことか?」

 

織田提督「それはですな」

 

『何者だ!』

 

 ズバ!

 

『ギャー!』

 

飛龍「織田さん!」

 

織田提督「えぇお下がり下さい!」

 

『まさか貴様は!』

 

  ドスッ

 

『グワァー!』

 

『ウワァー!』

 

『おい!待てそっちは!』

 

『江風!ここは頼んだ!』

 

『あぁもう!』

 

タタタ

 

飛龍「誰か来る!」

 

織田提督「ここは拙にお任せを。奥方様方はお子様を!」

 

ピッ(電子音)

 

ダァン!

 

ジュラル星人「ハァハァ…」

 

織田提督「ッ!」

 

ジュラル星人「こうなったらあの女どもを殺して…」

 

「そうはさせんぞ!」

 

ジュラル星人「なんだこのガキ?」

 

「母上を殺らせはせぬ!」

 

ジュラル星人「そうかならまずは貴様からだ!」

 

「クッ!」

 

ズバ!

 

「…ッ?」 

 

ジュラル星人「お、おのれ…」(バタン)

 

伊達総司令官「フゥーなんとか間に合ったようだな」

 

「あ、あなたは?」

 

伊達総司令官「あぁ私は」

 

飛龍「刀治郎…」

 

瑞鳳「刀治郎さん…」

 

「…刀治郎?」

 

伊達総司令官「飛龍…瑞鳳無事でよかった」

 

飛龍「ねぇあなた刀治郎なの?」

 

伊達総司令官「…いえ違います。私は特戦隊の伊達重綱と申します。NPFの蒼龍及び大和両名の要請によりあなた方を助けに来ました,」

 

「そうですか…助けに来て下さりありがとうございます」

 

伊達総司令官「君は?」

 

花田龍治郎「申し遅れました。私花田龍治郎と申します年は今年で6つになります。」

 

伊達総司令官(そうか。この子が俺の息子か…)

 

花田龍治郎「あの?」

 

伊達総司令官「あぁ失礼した。ではここから逃げると致しましょう。」

 

花田龍治郎「はい!さっ母上!瑞鳳さんも!」

 

瑞鳳「え,えぇ…」

 

飛龍「…」

 

親潮「こちらです!」

 

タタタ

 

織田提督「ご無事でしたか…閣下!」

 

伊達総司令官「やはり貴殿にはバレたか…」

 

織田提督「恐れ入ります…しかしよろしいのですか?」

 

伊達総司令官「あぁそれより妻たちのことよろしく頼む」

 

織田提督「ハハッ!身命をとして御守り致します。」

 

伊達総司令官「うむ」

 

織田提督「しかし知ってのとおりここの警備は厳重です。無事に脱出なんて…」

 

伊達総司令官「それなら心配ない」

 

オペレーター『こちら中央作戦室』

 

伊達総司令官「私だ。人質は無事に回収した。援護と回収を頼む。」

 

オペレーター『かしこまりました。』

 

 

織田提督「一体何をなさるおつもりですか?」

 

伊達総司令官「なぁに奴らにちょっとしたプレゼントをね」

 

織田提督「プレゼントですか?」

 

伊達総司令官「あぁ熱き炎にまみれた怒りの砲弾のプレゼントをね…」

 

 

続く

 

 



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最終話「罪と罰」

中央作戦室

 

オペレーター「総司令より人質の回収と撤収の援護を求むと」

 

小沢艦長「了解した。砲術長攻撃用意!」

 

砲術長「了解。旗艦敷島より敷島型全艦に達する。要塞に対し攻撃を開始する」

 

『『『了解。旗艦の助言にて攻撃を行う!』』』

 

小沢艦長「砲術長。目標要塞座標はイムヤさんの報告を使用。一斉撃ち方」

 

砲術長「了解。」

 

ウィーン…ガッシャーン

 

砲術長「射撃用意よし」

 

小沢艦長「敷島より各艦。敷島攻撃準備完了」

 

『『『攻撃準備完了!』』』

 

小沢艦長「撃ち方ぁ始め!」

 

ドカドカドカーン(主砲発射音)

 

 

 

 

旧海上基地指令室

 

 

ドカーン

 

ジュラル星人「なんだこれは!」

 

ジュラル星人「砲撃デス!」

 

ジュラル星人「くそ!反撃だ!」

 

ジュラル星人「リ、了解!」

 

ジュラル星人「念のため人質のいる部屋に戦力を回せ!」

 

ジュラル星人「応答アリマセン!」

 

ジュラル星人「なんだと!」

 

ジュラル星人「まさか!皆俺に続け!」

 

ジュラル星人「オウ!」

 

 

 

伊達総司令官「よし艦隊の一斉攻撃が始まったな、」

 

織田提督「これはなかなか面白いプレゼントですな」

 

伊達総司令官「だろ?さぁ追っ手が来る前に逃がすよ!」

 

織田提督「ハッ!」

 

 

ジュラル星人「イタゾ!」

 

江風「くっ見つかったか」

 

森隊員「隊長!お下がり下さい!」 

 

ワァー! キィーン

 

江風「森!」

 

森隊員「ここは我々が!」

 

江風「お前たち!」

 

森隊員「短い間でしたが隊長の下で戦えてよかったです!」

 

江風「何を言っている」

 

森隊員「これより我々はここにとどまり撤退を援護します!」

 

江風「…分かったなら必ず生きて帰ってこい!これがあたしからの最後の命令だ!」

 

森隊員「はっ!よし皆行くぞ、かかれー!」

 

「「「オー!」」」

 

江風「…すまない。みんな」

 

花田龍治郎「姉さん」

 

江風「走れ!皆の為にも走れ!」

 

森隊員「隊長…ご無事で」

 

ジュラル星人「コレデ終ワリダ…」

 

伊達総司令官「何をやっている」

 

森隊員「総司令!?」

 

伊達総司令官「六道流血凍道,絶対零度の氷柱(つらら)」

 

ジュラル星人「ガ…ハ」

 

森隊員「強い」

 

伊達総司令官「森 良成近衛兵!」

 

森隊員「は!」

 

伊達総司令官「貴様!ここで何をしているか!」 

 

 

森隊員「お嬢らがここから逃げれるよう殿を」 

 

伊達総司令官「貴様の任務はなんだ!」

 

森隊員「はっ!お嬢を御守りすることであります!」

 

伊達総司令官「ならば貴様のいるべき場所はここではない」

 

森隊員「しかしそれでは」 

 

伊達総司令官「大丈夫だここは私がやる」

 

森隊員「閣下…」

 

伊達総司令官「最後まで生きて命令を果たせ」

 

森隊員「はっ!」

 

タタタ

 

伊達総司令官「頼んだぞ…森!」

 

ジュラル星人「やはり貴様だったか」

 

伊達総司令官「ようやく大将がお出ましか」

 

ジュラル星人「動くなよワンモーションでも動いたらその場で殺す」

 

伊達総司令官「…モーション?攻撃のことかい?」

 

ジュラル星人「フッ!バカめが!やれ!」

 

ジュラル星人「「「ウォー!」」」

 

伊達総司令官「そんなのさっき済ませたよ」

 

ジュラル星人「変ナコトヲ抜カスナ!」

 

伊達総司令官「六道式血凍道」 

 

ジュラル星人「グッ!」

 

伊達総司令官「絶対零度の氷柱」

 

ジュラル星人「一瞬で凍らせるとは…」

 

伊達総司令官「こっから先には一歩も通さん!」

 

(抜刀)

 

ジュラル星人「怯むな!数で押し通せ」

 

伊達総司令官「はぁー!」

 

 

 

軍港

 

 

江風「走れ!もうすぐ迎えのヘリがくる!」

 

瑞鳳「江風!前!」

 

ジュラル星人「逃ガスカァ!」

 

江風「クッ!先回りされてたか」 

 

瑞鳳「どうするの?」

 

江風「このまま突っ切る!強行突破だ」

 

「その意気だ」

 

ドカーン

 

花田龍治郎「誰だ?」

 

江風「あなたは!カポネのおっちゃん!」

 

カポネ「おう!久しいな江風のお嬢ちゃん」

 

江風「なんでここに」

 

カポネ「旦那…ゴホン伊達司令官から君らの護衛を頼まれてな」

 

江風「司令官」

 

カポネ「さぁここは俺に任せて先にいけ!この先にヘリが待機中だ」

 

江風「…分かった!ありがとう」

 

タタタ

 

カポネ「いいってことよ…さぁお前ら存分に暴れろ!」

 

「「「おう!」」」

 

 

 

元航空隊基地 ヘリポート

 

海風「皆!」

 

江風「海風姉!」

 

蒼龍「皆いる?」 

 

飛龍「蒼龍!」 

 

蒼龍「飛龍…よく頑張ったね」

 

飛龍「当たり前よ…」

 

瑞鳳「フフ」

 

蒼龍「瑞鳳も無事でよかった」

 

瑞鳳「ありがと」

 

海風「江風?これで全員!」

 

江風「いやまだ司令官が」

 

森隊員「隊長」

 

江風「森!お前ら無事だったのか」

 

森隊員「えぇ司令が助けてくれました」

 

江風「司令官は?」

 

森隊員「それが追ってきたジュラル星人の部隊と交戦中」

 

江風「よしなら助けに!」

 

森隊員「それには及びません」

 

江風「どういうことだ?」

 

森隊員「司令官から言伝です。ここは私が持たせる。だから助けには来ず先に行け。これが最後の命令だ 生きよ!そしてこれから先はお前たちが後世に伝え教えていくのだ!必ず生きて命令を果たせ…」

 

瑞鶴(アズレン)「…指揮官!」

 

翔鶴(アズレン)「瑞鶴!」

 

海風「瑞鶴さん!翔鶴さん!」

 

織田提督「参りましょう」

 

海風「でも!」

 

織田提督「海風よ覚えておくのだどんな作戦にせよ犠牲は付き物だ,例えそれが上官や仲間だとしても」

 

海風「…撤退します」

 

江風「海風姉!」  

 

海風「命令を果たすのよ…江風」

 

江風「…分かった」

 

通路

 

伊達総司令官「ッ!」

 

ズバ!

 

ジュラル星人「グワァー!」

 

伊達総司令官「ゴハッ!」

 

花田龍治郎(…織田提督)

 

織田提督(どうかされましたか?)

 

花田龍治郎(さっきの話の続きだが伊達重綱というのは何者なのだ?)

 

瑞鶴(アズレン)「指揮官!」

 

伊達総司令官「瑞鶴!それに翔鶴!何しにきた!帰れ」

 

瑞鶴(アズレン)「約束を果たしにきたのよ」

 

翔鶴(アズレン)「まさかお忘れとは言いませんよね」

 

伊達総司令官「いいのか…」

 

瑞鶴(アズレン)「うん!」

 

翔鶴(アズレン)「はい!」

 

伊達総司令官「…そうかなら共に行こう!」

 

瑞鶴(アズレン)「はぁー!」

 

ズバ!

 

ジュラル星人「ギャー!」

 

織田提督(それは…)

 

飛龍(家族の笑顔を守る為なら我が身を省みない)

 

織田提督(飛龍様…)

 

飛龍(真面目で責任感が強くて優しい‥‥あなたのお父さんよ)

 

花田龍治郎(しかし私の父は…)

 

飛龍(そう,伊達重綱は偽名彼の本当の名は…)

 

伊達総司令官「爆龍波!」

 

ジュラル星人「うわぁー!」

 

ドカーン

 

飛龍(花田刀治郎…舞鶴の龍と呼ばれる最強の軍人よ)

 

屋上

 

伊達総司令官「さて残りは貴様だけだな」

 

ジュラル星人「…」

 

伊達総司令官「だけどその前にちょいとお痛のことを謝ってもらおうか…」

 

ジュラル星人「謝るだと」

 

伊達総司令官「そこにひざまつきなさいな」

 

ジュラル星人「ハッ!何を言うかと思ったら…」

 

伊達総司令官「ひざまつけ!」

 

ダァン!

 

ジュラル星人「え?」

 

伊達総司令官「右足かなら次は左足だな」

 

ジュラル星人「え?」

 

ダァン

 

伊達総司令官「ようやくひざまついたな。なら次は」

 

ジュラル星人「待ってくれ!話す!なんでも話すから」

 

伊達総司令官「聞こうか」

 

ジュラル星人「俺は頼まれたんだ!そう悪いのはあいつなんだよ」

 

伊達総司令官「誰のことか」

 

ジュラル星人「…ハイザKIーX06号」

 

伊達総司令官「そうか。ありがとう」

 

ジュラル星人「じゃあ!」 

 

伊達総司令官「あぁご苦労さん」

 

ダァン

 

ジュラル星人「ガハァ…」

 

バタン

 

伊達総司令官「ありがとうな 綾波」

 

綾波『いえ』

 

伊達総司令官「年かな。少し…疲れたよ…」

 

綾波『…司令官』

 

伊達総司令官「あとは…任せたよ。…綾波」

 

綾波『…はい』

 

伊達総司令官「どうした?お前さんが泣くなんて」

 

綾波『だって…』

 

伊達総司令官「大丈夫。皆に伝えておいてくれ。次は必ず生きて帰ってくるよと」

 

綾波『分かりました。必ずお伝えします。』

 

 

伊達司令官「フゥー!」

 

瑞鶴(アズレン)「…終わったのね」

 

伊達総司令官「そうだな…」  

 

瑞鶴(アズレン)「これでよかったの?」

 

伊達総司令官「あぁ…」

 

翔鶴(アズレン)「血が止まらないのに?」

 

伊達総司令官「痛いところを突くね。お前らも変わらないのに」

 

瑞鶴(アズレン)「確かに…もぅ動けない」

 

翔鶴(アズレン)「…同じく」

 

伊達総司令官「本当によかったのか…」

 

瑞鶴(アズレン)「うん…だって」

 

翔鶴(アズレン)「約束…ですもんね」

 

瑞鶴(アズレン)(…指揮官!)

 

伊達総司令官(なんだ?)

 

瑞鶴(…今度こそ絶対指揮官のそばにいるから…だから頑張ろう!)

 

 

伊達総司令官(あぁ!)

 

 

伊達総司令官「そうだったな…」

 

瑞鶴(アズレン)「ふふ」

 

翔鶴(アズレン)「うふふ」

 

伊達総司令官(皆強く生きろよ!またどこかで会おう!さらばだ!)

 

ドカーン!

 

 

終わり

 

 



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