ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物 (ラルク・シェル)
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プロローグ

pixivで投稿した作品です。
ちなみにワンパンマンは海人類篇から終わった後で、暗殺教室は夏休みが終わった9月の竹林篇も終わったばかり設定で、A市とかZ市という単語はありませんが、ヒーロー協会は存在しています。
ついでに暗殺教室本編には進みませんが、少し改良したワンパンマンのガロウ篇風をやる予定です。


とあるアパートに2人のヒーローが住んでいた。

1人はハゲた頭が特徴で前は趣味でやってたが、今はプロでヒーローをしているサイタマ。

もう1人は金髪で全身兵器のサイボーグボディの、サイタマの自称弟子・ジェノス。

 

「なぁ、最近俺のランキングは?」

「いつもと同じB級のままですよ」

「そっか・・・・・・・・・・・・・まぁ、仕方ねぇな」

 

でもそんな時、突然呼び鈴がなった。

扉を開けるとそこには黒服で、かなり真面目で堅物そうな青年と部下らしい男達が立っていた。

 

「なに?新聞なら間に合ってるけど?」

「新聞ではない、私は烏間惟臣。防衛省の者だ!」

「へ~~~~~~んで、何しに来たの?」

[[コイツ・・・・・・・・・・・・・・・態度デケェ・・・・・・・・・・・・]]

 

烏間の部下は相変わらず態度のデカイサイタマに戸惑ってしまう。

 

「ゴホン!ここにS級のヒーロージェノスがいると聞いたが」

「え?いるけど」

「なんですか先生?」

 

するとジェノスが現れた。

 

「ジェノスさん。じつはアナタに、話がありまして」

「とりあえず、中に入れよ」

 

烏間とその部下は部屋に入った。

 

「単刀直入に言うが、月消滅事件は知ってるか?」

「たしか月が7割消滅したって」

「そのせいで本当の意味で三日月になりましたよね」

 

その途端、烏間は深くため息をして。

 

「じつはどういう訳か、その犯人は椚ヶ丘学園中学校の3年E組の担任なっているんだ」

「「え?」」

 

当然のように2人は声を上げる。

 

「おいおい、なんで月を破壊した奴が学校の教師に?」

「しかも椚ヶ丘中学校っっていえば、有名な進学校なはず!!」

 

2人は顔を見合わせながら考える。

 

「それは分からん。だが奴は現に3年E組の担任として、生徒に授業を教えている。しかも奴は3月には地球をも破壊すると宣言した!」

 

と烏間はイラついた態度を見せ始めた。

 

「だから私は、生徒達に奴を暗殺するように頼み。さらに私自らが暗殺の基礎を教えている」

「そりゃあ、ごくろうさん」

 

サイタマはいつものように他人事のような態度を取る。

 

「だが、それでも力不足と分かった政府は、ヒーロー協会に頼み込んで、S級新人のジェノス!つまり貴様を貸す事が出来たんだ!!」

 

キレた烏間は雷のごとく怒鳴り叫んだ。

 

「おいおい、大声を出すなよ。近所迷惑だろ?」

 

当然のようにサイタマとジェノスは引くのだった。

 

「とにかく期限は3週間!生徒と共に奴の暗殺を手助けをしてくれ!」

 

烏間は頭を下げてジェノスに頼み込んだ。

 

「もしかしたら先生の力も必要かもしれませんね」

「お?そうか?」

「ところで、お前は確かB級のサイタマか?」

「そうだけど」

 

すんなりと答えるサイタマに烏間は考えた。

B級のヒーローも連れて来ていいのか。

 

「分かった。君も一緒に来て貰おう」

「お!そうか」

 

こうしてサイタマもジェノスと行動する事を認められた。

 

「それで、理事長からある条件が出された」

「「条件?」」

 

さてその理事長からの条件とは。




次からは椚ヶ丘学園中学校から始ります。


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登場キャラ紹介 1

今回はワンパンマン対暗殺教室の登場キャラを、本編設定で説明します。


主要キャラ

 

 

 

サイタマ

本編主人公の一人で無敵のヒーロー。特訓で最強のパワーを手に入れたが、あまりに強すぎて怪人や怪獣を一撃で倒すほどになってしまい、戦いの緊張感や勝利の喜びを失ってしまう。

本編では防衛省とヒーロー協会の依頼【というか、ジェノスのついで】として、椚ヶ丘学園中学校で殺せんせー抹殺の為にやってきた。しかし殺せんせーの戦闘で情熱などが目覚めてライバルとして認め合った。今では親友という関係になっている。

 

殺せんせー

同じく本編主人公の一人で無敵の超生物。落ちこぼれクラスのE組の担任であると同時に、マッハ20のスピードと超回復能力を持ち、さらに3月には地球を破壊すると宣言する危険生物。

本編ではヒーロー協会から来たサイタマ&ジェノスを歓迎した。自分のスピードに着いて行けるサイタマとライバル兼親友関係となった。ちなみに一度覆面教師として強盗を倒した。

 

ジェノス

サイタマの弟子と自称するサイボーグヒーロー。ほとんどを機械化の兵器にしてパーツを変えて強化する事が出来る。

本編では全身を対先生装備にしたけども、殺せんせーの方が上で逆にメンテナンスされられる形で敗北する。それからは自分を改造してくれたクセーノ博士に頼んで、対怪人用の武器を作ってもらってE組のバックアップをする。

 

潮田渚

E組の生徒で見た目も中身も草食系男子。しかし観察力があって殺せんせーの弱点を探ったり、強い殺意を隠しながらも相手に近づけるという、殺し屋としての才能や素質を持っていた。

本編ではヒーローの大ファンでヒーロー協会のプロヒーローの説明をしたりするが、あまりに熱心すぎて周りから引いてしまう事もしばしば。最初はキングのファンだったけど、怪獣来襲の時に彼はただの一般人だと知る。しかし今はファンではなく、キングの友達という関係となった。

 

烏間惟臣

元自衛隊員で防衛省特務部で臨時のE組体育担任。真面目な堅物でサイタマや殺せんせー程ではないが、高い戦闘力と判断力を兼ね備えている。

本編ではヒーロー協会の頼みで殺せんせーの完全暗殺までの間、A級40位のヒーローネーム・ワイルドクロウになった。ワイルドクロウの時には鴉風の黒いヘルメットで顔を隠す。さらに少し前、A級のタンクトッパーの一人、タンクトップソルジャーを倒している。

 

音速のソニック

サイタマを勝手にライバル視する忍者。殺し屋から用心棒までなんでもこなして、刀や手裏剣だけでなく、驚異的なスピードが武器で目にも止まらぬ速さで相手を殺す事ができる。

本編ではサイタマ抹殺の為に旧校舎に来た途端、殺せんせーと出会い。自分以上のスピードを持つ殺せんせーもライバル視して抹殺を企むほどに。




次回はE組とプロヒーロー達にしようと思います。


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登場キャラ紹介 2

今回は本編のE組登場人物を紹介します。


E組キャラ

 

 

 

茅野カエデ

渚とは隣の席の陽気で甘いものが好きな少女。あだ名を考えるのが得意で、貧乳を気にしており巨乳に対して敵対している。

本編ではサイタマにワンパンマンとあだ名をつけたりしている。

 

赤羽業

フランクな性格で喧嘩っ早く度々暴力事件を起こしている問題児。騙し討ちや凶器の使い方が得意で、E組にとっては渚と同じぐらいの実力者。

本編ではヒーロー協会に対して全然信用していなかったが、サイタマの実力は認めたりした。

 

磯貝悠馬

成績と暗殺の腕は高い学級委員長。貧乏なところを除けば顔や性格や将来までイケメンな少年。

本編では同じ貧乏暮らしのサイタマと意気投合して、一緒に特売スーパーを調べたりしている。さらにバングから弟子にならないかと勧誘されたけど断った。

 

杉野友人

元野球部員で殺せんせーが来るまで自身を持てずにいた渚の親友。

本編では渚からプロヒーローの解説を少し引いたり、サイタマに敗北した部活仲間の進藤をフォローしたりする。

 

倉橋陽菜乃

動物・生物関係が好きな天真爛漫な性格のふるゆわ少女。

本編では怪人や怪物にも興味を持って、危険を承知にヒーローと怪人の最前線に行ったりする。

 

寺坂竜馬

乱暴者で横暴だけどそれなりに度胸と行動力がかなり高い性格。

本編ではヒーローに興味がなく。サイタマに対しても見た目で笑ってバカにしてたが、圧倒的な実力に度肝を抜かれてしまう。

 

中村莉桜

今時のギャルのように軽くて渚をからかったりするけど、成績はかなりいい方。

本編ではイタズラのターゲットを渚からサイタマに変えて、何度も禿げ頭をネタにからかったりしている。

 

吉田大誠

寺坂の取り巻きでバイクが好き。

本編ではC級ヒーローの無免ライダーとは顔なじみでまるで兄弟のような関係。

 

千葉龍之介

目を前髪で隠していて射撃が得意。

本編ではタツマキに対して合法ロリという単語を発言した為に周りが度キモを抜く事に。

 

不破優月

マンガが好きで推理力と観察力が高い。

本編では烏間とジェノスのカップリングを妄想していた。

 

菅谷創介

絵やイラストにメイクが得意な美術担当。

本編ではサイタマの為にカツラを制作したが、結局全て却下された。

 

狭間綺羅々

暗いオカルト系でいつも寺坂達と行動している。

本編では密かにC級ヒーローウェーブ般若として、夜中限定で活動していた。そして怪堂に戦いを挑んだが瞬殺される。

 

矢田桃花

胸の大きさとスタイルが特徴で器量も良くて、イリーナに弟子入りしている。

本編では何度もジェノスを誘惑して効果ゼロだが、いつか絶対に落とそうと努力する。

 

岡島大河

殺せんせー同様に巨乳を好むゲス的存在。

本編ではフブキの巨乳とスタイルを高評価していた。

 

竹林考太郎

メイドや二次美少女を愛する医療担当。

本編では千葉にタツマキの事を合法ロリと先に言われて、岡島と一緒にショックを受けた。

 

岡野ひなた

大雑把だけどもじつは前原に恋している。

本編での活躍は残念ながら少ない。

 

奥田愛美

内気で臆病だけど、化学系が得意で薬づくりが上手い。

本編での活躍は残念ながら少ない。

 

前原陽斗

磯貝の親友でイケメンだけども女癖がかなり悪い。

本編での活躍は残念ながら少ない。

 

神崎有希子

E組のマドンナと呼ばれる位の美人だけど、じつはゲーム系が好きという一面がある。

本編での活躍は残念ながら少ない。

 

村松拓也

寺坂の取り巻きで実家はラーメン屋。

本編での活躍は残念ながら少ない。

 

三村航輝

映像関係が得意で岡島とはそれなりに気が合っている。

本編での活躍は残念ながら少ない。

 

片岡メグ

責任感が高い前原と同じ学級委員。

本編での活躍は残念ながら少ない。

 

速水凛香

無口が特徴だけど千葉と同じくらいに射撃が得意。

本編での活躍は残念ながら少ない。

 

原寿美鈴

ふくよかで料理好きな性格で自称動けるデブ。

本編での活躍は残念ながら少ない。

 

木村正義

足は速いけど自分の名前にコンプレックスを持っている。

本編での活躍は残念ながら少ない。

 

自律思考固定砲台・律

対殺せんせー用に作られた兵器転校生。だけど殺せんせーの改造と生徒達との触れ合いで、自立する心が芽生えた。

本編ではじつは設計や機能を考えたのが、S級ヒーローのメタルナイトだと判明する。

 

堀部イトナ

同じく殺せんせーを倒す為の兵器転校生で、頭部に殺せんせーと同じ触手を持つ。

本編では番外編に登場する形となって、暴走したがサイタマのマジ草抜きで触手を根本を残さず綺麗に抜かれた。




前半は色々と活躍しているキャラですが、後半からは手抜きな説明ですみません。


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番外編シリーズ
番外編1


今回は本編とは違う番外編です。
今回はE組の仕返し篇で、もしそこに怪人が乱入したら。


雨の日のオープンカフェもある喫茶店。外のテラスにそれぞれの席に座る客がいた。1つは中学生ぐらいの男女2人と、もう1つは老夫婦であった。

じつはこの老夫婦は変装した渚でカエデで殺せんせーが企画して、仲間と一緒に隣の席の男女・土屋果穂と、瀬尾智也に仕返しを考えていた。

 

「昨日のあいつとい、今日のこの爺さん婆さんとい。君って変な奴を集める才能あるんじゃないの?」

「ちょっと、そんな訳ないでしょ?」

 

2人は笑いながら会話を続ける。

 

[全然気づいてないね?]

[ええ、これから始まる復讐に気づかないで]

 

渚とカエデは携帯のメールを見て作戦を実行しようとした。

が、突然店の中からガシャンと、食器が割れる音が聞こえた。

 

「「ん?」」

「なんだ?うるさいな?」

「全く、一体何?」

 

4人は思わず店内を見てみた。

なんと店内にはヤカン・急須・湯のみの姿をした、3人の怪人が暴れていた。

 

[かっ、怪人?!]

「ひぃぃぃぃぃ!!怪人だ!?」

「てっ、なに私の後ろに隠れてるの!!」

 

智也は情けなく逃げ出すように果穂の後ろに隠れて怯えてた。

 

「おい、そこ!?」

「「「「げっ!?」」」」

 

ヤカン怪人は外に居る4人の前に出た。

 

「外にもいたのか?ほら、中に来いよ」

「「ひぃぃぃぃぃ!!」」

「渚・・・・・・・・・どうする?」

「どうするって・・・・・・・・」

 

そしてヤカン怪人は4人を無理やり店の中に入れる。

その頃、喫茶店の向かいにある家では、殺せんせー達がその様子を見ていた。

 

「なんか、大変な事になっちゃったよ!?」

「う~~~~~ん。怪人とは予想外でしたね・・・・・・・・・・」

 

さすがの殺せんせーもこれは考えていなかった。

それから喫茶店の中では、マスターや店員や他の客はもちろん、果穂と智也と変装した渚&カエデも人質にされた。

 

「俺達はお茶3兄弟!」

「日本人の貴様らが、コーヒーや紅茶と西洋な物を飲みやがって!」

「俺達が貴様等に日本茶の素晴らしさを叩き込んでやる!」

 

3人の怪人はかなり個人的なことを宣言した。

 

「でも・・・・・・・好みは人それぞれだから?」

「なんだ貴様!我々より長く生きられた高齢者なのに、日本茶の素晴らしさを忘れたのでも言うのか!!」

「うわっ!?」

 

急須怪人が渚の服を掴んで怒鳴る。

 

[本当は僕、中3なんだけど・・・・・・・・・・・]

 

渚は心の中で呟くと、急須怪人は服を離した。

 

「とにかく、俺達は日本茶に命を懸けたりするんだ。分かったか!?」

「あっ、あの・・・・・・・・・」

「ん?」

 

すると果穂は湯飲み怪人に声をかける。

 

「じつは私、根っからの日本茶派なのです。ついでに羊羹も♪」

 

この場から助かる為に、果穂は少し苦しい嘘をついた。

 

「え?だったらなんで喫茶店に?」

 

だが湯飲み怪人はその嘘を信じてしまっていた。

 

「じつはここに来たのは、単に雨宿りなんです」

「おいっ!何嘘ついてんだよ!?俺を招待する為に来たはずだろ!?とっておきの場所だって何回も来てるだろ!?」

「ちょっと!空気を読みなさいよ!」

 

智也は嘘をついた果穂に声をかけるので、すぐさま果穂は彼の口を塞ぐが遅すぎた。

 

「「「なに嘘だと!?」」」

「「ひぃ!!」」

 

3怪人が湯気が出るほど、身体を熱くしながら怒った。

 

「貴様・・・・・・・お茶好きと嘘をついたな・・・・・・・・・・許せん!!」

「「うわぁぁ!?」」

 

するとヤカン怪人が口から熱湯を噴射して、それが智也は果穂に命中する。

 

「「熱ぁぁぁぁぁぁ!!!」」

 

2人は熱湯で転げまわってしまい、思わず渚とカエデは自業自得だが気の毒に感じた。

 

「今のは火傷しない程度だが、次はそうは行かんぞ!!」

 

3怪人の目が本気であり、渚とカエデ以外のみんなは怯えてしまう。

 

「どうしよう?やっぱり殺せんせーに!?」

「無理だよ茅野。だって携帯は取られちゃったから」

 

2人はこのピンチを、なんとか打破できないか考えていた。

その頃、買い物帰りのサイタマだが

 

[やっべーーーーー!トイレ行きてぇ!!]

 

トイレが近い状態になっていた。

 

[こんな事ならジェノスに買い物頼めば良かった!でも、もう後悔しても遅いしなぁ]

 

少し早歩きになるけど、アパートまではまだ遠かった。

 

[こんな雨だしやっても気づかないけど、ダメだ!人としては絶対に!でも民家でトイレ借りるのもあれだし・・・・・・・・・・ん?]

 

すると立てこもってる喫茶店を見つける。

 

「・・・・・・・・・・・・もう我慢出来ん!あそこで借りよう!」

 

そのまま早歩きで喫茶店に入った。

 

「「「ん?」」」

「「えっ!?」」

「なんだテメェは!?」

 

突然現れたサイタマに、ヤカン・急須・湯のみの3怪人は襲い掛かったが

 

「どけ!邪魔だ!!」

「がはっ!?」

「ごはっ!?」

「うがっ!?」

 

サイタマの一撃パンチで3怪人は倒され、そのままトイレに入った。

 

「ふ~~~~~~スッキリ♪」

 

そしてトイレを済ましたサイタマは喫茶店を出た。

 

「なにあの人・・・・・・・・・・」

「怪人倒しちゃったけど、ヒーローなのかな?」

 

思わず渚と他の人達はその様子に呆然となってしまう。

だがしばらくすると

 

「アンタ!さっきはよくも私を盾にして逃げようとしてたわね!?」

「うるさい!お前だって日本茶派って嘘ついてたろ!!」

「なんですって!?大体アンタ、散々怯えてこの弱虫内弁慶!」

「テメェこそ、自分だけ助かる為に色目使いやがって!この性格ブス女!」

 

果穂と智也は自分だけ助かろうとしたことで、醜く口論と抓り合って髪も引っ張り合って喧嘩をしてしまう。

周りの客や店員の視線に気づかずに。

 

「ここは・・・・・・・・・・」

「うん、逃げようか」

 

そして渚とカエデは奪われた携帯を持って、お金を払ってこの場から逃げた。

少しだけ遠くに来ると、殺せんせー達が待っていてくれた。

 

「2人とも!無事でよかったね!」

「心配してくれてありがとう。なんかトイレを借りに来た人が、怪人をやっつけたの」

「え?トイレを?」

 

渚とカエデは変装を解いて、今までの出来事を話した。

 

「でも折角の作戦が台無しになっちゃったね」

「まぁまぁ、じつは少し近くまで来て様子を見ましたが、結果的に2人には相当屈辱を受けた事ですしね」

「たしかに・・・・・・・・・・・2人とも自分だけ助かろうと、盾にしたり嘘ついたりしてましたからね」

 

渚とカエデはさっきまでの事を改めて思い出していた。

果穂と智也の2人が自分達より強い相手に怯えて、逃げようとしたり誤魔化したりして、その後は醜い醜態を晒してしまうという態度の変わりように。

 

「なんか、ありがとな。俺にここまで」

 

陽斗は申し訳なさそうにお礼を言う。

 

「今回はちょっと狂いましたが、人はそれぞれ強い弱いは、目で見れないところにあるものです。それを暗殺を通して学んだ君は、この先弱者を簡単にさげすむ事がない筈ですからね」

「・・・・・・・・・・ありがとう、殺せんせー」

 

殺せんせーの言葉に感動する陽斗であったが

 

「じゃあ、これから他校の女子とメシ食いに行って来るから!!」

 

と他に彼女がいた陽斗を全員は、目を点にして呆れ果ててしまった。

それから果穂と智也は自分達の喧嘩が、周りに見られてる事に気づいて、そのまま逃げるように店を出た。




果穂と智也にはこんな感じで屈辱を受ける事になりました。
また番外編をやりますので、お楽しみに。


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番外編2

番外編その2では、オリヒーローでワンパンマンの単行本の番外をやってみます。


僕は・・・・・・・・・・・・ヒーローになりたい!!

 

椚ヶ丘学園中学3年B組。ここに1人の男子生徒が居た。

彼の名は友谷悟。

学力と運動はB組で一番だが、地味であんまり目立たず、そして目標なんてものがなかった。

 

「最近、E組の奴ら調子乗ってるよな?」

「たしかに、美人の教師が居て、球技大会で野球部に勝利するわ!格下の癖にいい気になって・・・・・・・・・お前もそう思うだろ友谷?」

 

B組の男子がE組に対して愚痴を言って友谷にも尋ねる。

 

「別に、僕はあんまり気にしないし。むしろE組も、がんばってるって思うから」

 

でも友谷はあんまりE組の差別意識は薄かった。

 

「かーーーーーー!お前って奴は、対抗心とかそういうのないのか?」

「無理無理。だって悟くんって、目標が全然無いんだもの」

「成績は俺達より上だけど、アイツは絶対A組は似合わないからな?」

 

同じクラスの同級生にバカにされて、呆れされているのであった。

だが、それは同級生だけではなく担任の教師でも。

 

「全くアナタって人は、目標がないの?成績はいいけど中途半端よ?」

 

職員室で担任が友谷の成績を見て呆れ果てる。

そう友谷には苦手な教科がなければ、得意な教科が全然なく、テストでは全て70点や80点と中途半端な結果である。

 

「とりあえず。この成績ならE組落ちはないけど、A組行きは絶対にないわね!」

「はい・・・・・・・・・・・」

 

完全に教師にもバカにされてしまう。

だが、そんな彼にも1つ秘密があった。

それは放課後。彼が学校からだいぶ離れた所の林で、同級生に見られないように周りを見回し。

 

「良し!さっそく」

 

林に隠れながらゴソゴソと支度して出たのは、ゴーグルを着け灰色のパーカーを着てフードを被り、そして手作りのバッチも着けた友谷。

 

「今日もヒーロー、パーカーゴーグルのパトロール開始!!」

 

じつは彼は放課後と休日の日に、C級ヒーロー・パーカーゴーグルとして過ごしていた。

あれは友谷が中2の夏の時だった。

なんとか目標を見つけたいと考えた友谷は、ヒーロー協会の広告を見て、ついプロヒーローになった。じつは彼は小学生の頃、ヒーローに憧れたので願ったり叶ったりである。

 

「あっ!パーカーゴーグルだ!」

「パーカーゴーグルさん、前はありがとう」

 

地道に迷子の子供や年寄りを助けたり、火災や事故や怪人の避難誘導などをし続けた。そして元々友谷は運動は得意な上、学校で護身術を学んだりしてたので、引ったくりや強盗をなんとか退治していた。

もちろん身体を休む時間と勉強の時間を考えながら、せっせとヒーロー活動を続けたが、それでも彼は目標が見つけられなかった。

 

「どうしたの迷子かい?」

「うん・・・・・」

 

商店街で泣いてる迷子の子供に声をかける。

 

「じゃあ、僕と一緒にお母さんを捜しに行こうね」

 

友谷は子供の手をつないで母親を一緒に探した。

だけどその途中で渚とカエデが歩いていた。

 

「あれはE組の!いや、気づいてない筈だ・・・・・・・・普通にしよう」

 

友谷はちゃんと顔を隠してあるか確かめながらも、

 

「何あれ?変質者?」

[変質者?!]

「違うよ茅野。あれはヒーローのパーカーゴーグル。多分パトロールだね?」

 

カエデから不審者と勘違いされたけど、ヒーローオタクの渚はちゃんと分かっていた。

そしてなんとか子供の親を見つけて、またパトロールを再開した。

 

[ダメだ・・・・・こんなんじゃあ、全然目標なんて見つけられないよ]

 

途中ベンチで休憩しながらも、今の自分に悩み続ける。

だけど、その時どこからか、子供の悲鳴が聞こえたので、すぐさま向かう。

着いたのは車の解体場であった。

 

「どうしたんだ!何を・・・・・・・・・・」

 

そこで見たのは、自動車やバイクにブルドーザーやロードローラーといった、乗り物のスクラップで出来た怪獣・スクラッドン。

そしてスクラッドンに襲われる、小学生ぐらいの子供が3人である。

 

[かっ、怪獣!?]

「あっ!パーカーゴーグルだ!?」

 

子供達はすぐに友谷の方に駆け寄る。

 

「助けに来てくれたんだね!」

「でも大丈夫なの?」

「大丈夫だよ!だってヒーローだから!」

[ちょっと待ってよ!!僕が怪獣に勝てる筈なんてないだろ!?]

 

当然のように、彼は怪獣はもちろん、怪人となんて戦った事は全然ない。

だけど子供に期待されて、逃げたくても逃げられない状況に陥り。

 

「君達、早く逃げよ!ここは僕が何とかする!」

「ありがとう!」

 

なんとか子供達を逃がすことが出来たけど、その後は当然。

 

「ゴガガガガ!!」

「うわっ!ひぇ!?」

 

ただ逃げ回ってばかりだった。踏みつけられそうになったり、噛み付かれそうになったり、とにかく逃げまくった。

だけどついに蹴り付けられて、そのまま地面に叩きつけられる。

 

「痛たたたたた・・・・・・・・・・うわっ!!?」

 

なんとか身体を起こすけど、もうすでにスクラッドンの足が、友谷の真上にあって踏みつけようとした。

 

「た・・・・助け!!」

 

諦めかけたその時、バゴンッ!っと大きな音と一緒に、スクラッドンが吹っ飛んでいた。

隣を見てみると、緑色の巻き髪に黒いドレスで、幼女だと思えるほどの小柄で童顔な女性が立ってた。

 

[まさか・・・・・・・・S級上位の、戦慄のタツマキ!!]

 

彼女こそがS級2位で超能力者の戦慄のタツマキであった。

 

「アンタもヒーローなの?」

「はい・・・・・助けてくれて、ありが「情けないわね!勝てもしないのに立ち向かった挙句、逃げ回って助けを求めるなんて、ヒーロー向いてないんじゃないの!?」

「っっ!!?」

 

イタイところを言われてしまい、友谷はこの人生で1番心に傷が出来てしまった。

だがスクラッドンは起き上がると、さっきの攻撃なのかキレたかのような唸り声を上げて、2人に襲い掛かってきた。

 

「うわっ!!また!?」

「ガラクタの分際で、よくがんばるわね!」

 

タツマキは超能力で動きを封じた後、スクラッドンの両腕と首を捻るようにもぎ取って、そのまま頭部をプレスのように潰した。

 

「どうせアンタなんて、目標なんて考えず生きてるんでしょ?情けない」

 

ついにタツマキまで目標ないと、攻められてどこかに去っていく。

 

「なんだよ・・・・・・・目標って・・・・・・・・」

 

そしてついに友谷の我慢していたなんかが爆発した。

 

「僕だって目標が欲しいよ!でもそんなの全然無かっただけなのに・・・・・・・なんでそこまで酷く言われるんだよ!!僕だって努力はしたんだ。でもどうしても見つけられないんだよ!!」

 

自暴自棄になって泣き叫び続けた。

するとそこにサイタマがやってきた。

 

「おい、どうしたんだ?なに泣いてんだ?」

「アンタは?」

「怪獣が出たって聞いたから」

「ああ、怪獣なら別のヒーローが倒したよ」

「そうなんだ。でも、なんかまだ動いてるぞ?」

「えっ!?」

 

するとタツマキに倒された、スクラッドンが起き上がった。

さらにスクラッドンは引き千切られた首と両腕から、コードを出して他のスクラップを寄せ集めて再生した。

 

「なんだ?復活するんじゃん」

「待て!早く・・・・・早く逃げよう!?」

 

スクラッドンの元に向かう、サイタマをすぐに止める。

 

「いや大丈夫だって。俺、強いから」

「無茶だよ!僕は始め目標を作る為にヒーローになった!でも結局ここまでが僕の限界で、目標が見つからずこの有様だ!これ以上、僕を悩まさないで!!」

 

必死で止めようとしたけど、完全に修復完了したスクラッドンはまた襲い掛かる。

 

「オイル臭い!!」

 

の一言と共にスクラッドンを一撃でぶん殴り、そのまま上空で爆発して倒した。

 

「目標があるとか無いとか、そんなの個人の自由だろ?だったら思いついた事を目標にすりゃ良いだけだろ?座絶する前に限界を超えて前に進んだほうがいいぜ」

 

とサイタマが友谷にそう伝えると、どこかに行こうとした。

 

「だったら・・・・・アナタはどこに進むの?」

「俺はスーパー行く。だって今日は特売日だからな」

 

その言葉に、友谷はなにかに響いたのであった。

そして次の日、友谷はクラスのみんなに、自分はヒーローをやってる事を打ち明けた。当然みんなから驚かれて、これをクラス全員で秘密にするのだった。

それから友谷は、前よりも性格が明るく積極的になり、担任からも何かが変わったと驚かされた。

 

「良し!行くか!!」

 

ようやく出来た目標を掲げて、彼はヒーローを続けた。

 

[いつか強いヒーローとなって、アナタに追いつきたい!!]




椚ヶ丘学園の生徒にヒーローがいる話にしてみました。
ちなみにパーカーゴーグルの名前の由来はパーマンからです。


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番外編3

ある日。

殺せんせーは自動販売機で、あるジュースを見つめる。

 

「ゼリーソーダ・アズキ味・・・・・・・・・・どんな味でしょう?」

 

なんども見つめて財布の貯金も確認した。

ちなみに殺せんせーの全財産は310円で、自販機で売られているそのジュースは120円である。

 

[・・・・・今月ピンチですし、諦めましょうかな?]

 

その場を離れようとしたけど、やっぱり気になって引き返してしまう。

 

「うう・・・・・・・・・・なんか、どうしても気になりますね!」

 

殺せんせーはしばらく自動販売機を眺め続けてしまい。

だが、突然誰かが近づいて来たようなので、殺せんーはすぐに身を隠した。

普通だったら隠れずに、簡単な変装で済むのだが、近づいてくるのはヒーローであった。

 

「良いか?ヒーローは何事も目立たなければならない。分かってるよな?」

「はぁ・・・・・・・・・・」

 

サンバとラテンを合わせたド派手なタイツ衣装のB級ヒーロー・スーパースターTと、同じく浮世絵と歌舞伎をモチーフにしたマスクとスーツのC級ヒーロー・カブキサイクロン。

どちらも派手な格好をしていた。

 

「先輩、やっぱり僕なんか、ヒーローには向いてないと思います・・・・・・・・・・」

「なに言ってんだよ!生まれ変わりたいって言ってきたのはお前なんだぞ!高校でも先輩である俺が指導してんだから、もう少し自信を持てよ!」

「・・・・・・・・・・はい」

「とりあえず、ジュースでも奢ってやるから、元気出せよ」

「ありがとうございます」

 

2人はさっそく自販機で飲み物を買って、カブキサイクロンはオレンジジュースで、スーパースターTはゼリーソーダ・アズキ味にした。

 

「先輩・・・・・・・・・・前から思ってたんですけど、美味しいんですか?」

「慣れると癖になるんだぜ♪」

 

スーパースターTはゼリーが解れるように、よく振って飲んだ。

 

[・・・・・・・・・・やっぱり今回は、諦めるとしましょう]

 

殺せんせーはこの場から去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[しかし・・・・・・・・・・ちょっと飲んでみたかったでしたね]

 

殺せんせーが町を歩いてると、なにやら騒ぎが起きてた。

気になったのでつい行って見ると、そこは銀行だった。

 

「あの?何か?」

「えっ!あ・・・・・・・・・・じつはあの銀行に、強盗団・ハイエナが乱入してんだ!」

 

通行人が殺せんせーに驚くけど、それでもこの状況を話した。

ちなみに銀行の内部では

 

「おらぁ!さっさと金を用意しろ!!」

 

強盗団・ハイエナのリーダー、大キバが数人の手下を率いていた。

銀行員は、しかたなく大キバの指示に従ってしまうが。

 

「「待て!!」」

「あぁ?」

「貴様らはこの俺、スーパースターTと!」

「拙者、カブキサイクロンが相手をするでござる!」

 

スーパースターTとカブキサイクロンが現れた。

それからカブキサイクロンは、こういう出動の時にキャラを作っていた。

 

「あっ!B級のスーパースターTだ!」

「カブキサイクロンもいるぞ!」

 

周りの客と銀行員は歓声の声を上げる。

 

「やれ!」

「「「「おぅ!」」」」

 

大キバが手下に命令して、2人に襲い掛かった。

 

「行くぞ!」

「了解!」

 

最初に飛び出したスーパースターTは、まるでダンスを踊るかのように、避けてパンチやキックなどの技を決めて、さらに背中に背負った2つのブーメランを投げて、一気に5人を倒した。

カブキサイクロンも手裏剣で攻撃し、素早く華麗な武術で倒していくけども。

 

「ぐわっ!」

「カブキ!?」

 

するとカブキサイクロンは、身体にまるでなにかに噛まれた痕を残してやられ、大キバはいつのまにか両腕に、ハイエナの顎とキバをモチーフにした、グローブを装着した。

 

「よくも後輩を!」

 

スーパースターTはブーメランを剣のようにして攻撃してきたが、大キバのグローブで両方噛み砕いてしまい。そのままぶん殴られて吹っ飛んでしまう。

 

「けっ!たががB級に上がっただけで、俺に勝てるかよ!」

 

のびてる2人に自慢しながら蹴り付ける。

 

「さてと、さっさと金を!」

 

振り返ると手下の1人が倒れて、目の前には。

 

「ヌフフフフフ!」

 

覆面レスラー姿の殺せんせーが立っていた。

 

「なんだお前は!?」

「覆面教師です。今すぐ降参しなさい!」

「お前もヒーローの仲間かよ!テメェら!さっさとコイツも・・・・・・・・・・」

 

後ろを向くと手下が全員丸坊主になってのびてた。

 

「なっ!なに!?」

「さて、最後はアナタだけですよ」

 

殺せんせーが近づいてくるので、すぐにグローブで攻撃した。

 

「ん・・・・・・・・あれっ!」

 

だが、いつのまにか両腕のグローブが、野球のグローブに変わっていて

 

「さぁ、終わりですよ!」

「うわぁぁぁぁ!!」

 

そして大キバも丸坊主になって気絶してしまう。

 

「ではみなさん、どこかで会いましょう!」

 

殺せんせーはこの場から去った。

そしてしばらくすると、警察が来て強盗団・ハイエナを全員逮捕し、スーパースターTとカブキサイクロンの手柄という形になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日。

殺せんせーはいつものようにE組の部屋に入る。

 

「みなさん、おはようございっ、にゅああああああ!?カルマくん、その手にしてあるものは!?」

 

赤羽が持っているのは、昨日殺せんせーが飲みたがっていた、ゼリーソーダ・アズキ味のジュースであった。

 

「面白そうだから買ったんだけど、飲みたいの?」

 

赤羽の言葉に、殺せんせーは首を縦に振って返事する。

 

「じゃあ、110円♪」

「え?お金・・・・・・・・取るんですか?」

「当たり前でしょ?10円はおまけしてあるけど?」

 

赤羽が取引してきたので、殺せんせーが真剣に悩んだ結果。

 

「私には教師のけじめがありますが・・・・・・・・・・買います!」

 

そして赤羽に110円を払って、ゼリーソーダ・アズキ味をよく振って、そのまま一気に味わいながら飲んだ。

 

「殺せんせー、一応聞くけど味は?」

 

渚が殺せんせーに感想を聞いてみると。

 

「・・・・・・・・不味いですね」

「まぁ、そんなもんだよね」

 

期待はずれの味に殺せんせーはがったりする。




今回登場したオリキャラヒーローのスーパースターTとカブキサイクロンのモデルは、知ってたり気づいてると思いますけど、とってもラッキーマンのスーパースターマンと、TIGER&BUNNYの折り紙サイクロンです。


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番外編4

今回の番外編では、暗殺教室のキャラがそれぞれ主役になっています。


狭間綺羅々の場合

 

夜中の町を走るヒーローがいた。

黒いウェーブヘアで般若の仮面を付けて、黒いマントと黒いスーツを着込んだ、C級ヒーローのウェーブ般若。

 

「ふ~~~ちょっと休もうかな?」

 

ウェーブ般若が公園のベンチに座って仮面を取る。

その素顔はなんと寺坂組の紅一点の狭間だった。

 

「寺坂もアイツらも知らないだろうね。私がヒーローをやっていたなんて」

 

じつは狭間はB組の友谷改めパーカーゴーグル同様に、C級のプロヒーローをやっていた。

そして彼女は夜限定に活動してるが、その格好でよく他の人から怖がられたりしていた。

 

「今日は5人も驚かせたな?元々私って素顔でも驚かせたけど…」

 

溜息を吐きながらも仮面を着けて立ち上がった時に、後ろから何かの気配を感じ振り向いた。

それは髪も顔もないまさに。

 

「のっ、のっぺらぼう!!?」

 

突然の事で狭間は大声で驚いて腰を抜かしてしまった。

 

「おい、誰がのっぺらぼうだって?」

「え?その声?」

 

その顔がないのっぺらぼうな頭部が剥がれると、それはサイタマだった。

 

「サイタマ!でも、さっきまで顔が?」

「これが風で飛んできて、顔に張り付いたんだよ」

 

白いビニール袋を見せた。

 

「てか、俺の名を知ってたみたいだけど?」

「……私よ、私!!」

 

なんだかで恥ずかしくなったのか、仮面を取って正体を明かした狭間であった。

 

「あっ、お前か!なにやってんの?」

「ヒーロー活動。私アイツらに内緒でヒーローやっているの!」

「そうなんだ」

「ところで、アンタはなんでここに?」

「借りてたDVDを返しに行く途中」

 

そのレンタルDVDを見せた。

 

「とにかく、今日あった事と私がヒーローだって事は秘密にしておいてよね!」

「別に、俺そんなの一々話したりしねぇから」

「とにかく内緒だからね!!」

「はいはい、じゃあな」

 

そして狭間はサイタマと別れる。

 

「まさかミス肝だめし日本代表と呼ばれた私が、他人に驚かせてしまうなんて」

 

情けなくなる狭間だったが、そのまま夜のヒーロー活動を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吉田大成の場合

 

それは吉田が実家のバイク屋・吉田モーターズで、1人で店番をしていると、自転車に乗った男がやって来た。

 

「やぁ、大成くん」

「なんだ、また手伝いに来たのか?無免ライダー」

 

じつは無免ライダーはたまに、ここのバイク屋に手伝いに来ていて、そして吉田自身も、彼とは顔なじみであった。

 

「君の所の怪人だけど、本当に今は無害なのかい?」

 

無免ライダーはバイクを運びながらも、バイクのメンテをしている吉田に尋ねてみる。

 

「ああ。最初はいけすかなかったけど、今じゃあそれなりに仲良くやってるぜ!」

「そうか。でも、君が無事でよかったよ」

「無事じゃなかったら、こうやって会ってないだろ?」

 

この2人はまるで兄弟のような関係になっていた。

それからしばらくすると

 

「イヤッホーーーーー!!やっぱ風を斬る感覚は最高だぜ!!」

 

サーキットでは吉田がバイクを乗り回していて、無免ライダーは呆れながら見ていた。

 

「いくら君ん家の所有だけど、無免許は絶対に良くない事だっていつも言ってるのに」

「良いの良いの!嫌な事とかは走ってスッキリするもんだろ!!」

 

笑いながら返事を返すと、そのまま無免ライダーの前に止まる。

 

「なぁ、いつか本当に免許取ったらどうだ?そして無免ライダーから免許ライダーに改名したらいいんじゃね?」

 

ふざけ半分で聞いてみる。

 

「良いよ。俺はジャスティス号だけで十分だから!」

「それもそうだな」

 

2人は楽しく笑いあった。

そしてしばらくすると吉田と無免ライダーは昼を食べに出かけるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倉橋陽菜乃の場合

 

倉橋は生き物が好きで生物学者を目指している。

そんな彼女が密かにやっている事とは。

 

「さて、今日も行くか!」

 

倉橋は汚れてもいいようなジャージと、プロテクターを着込んで、カメラと手帳などを入れたバックを持って出かけた。

 

「さぁって、今日もやるよ。怪人怪獣観察!!」

 

彼女はやっている事、それは怪人と怪獣の調査。

ネットでなどで怪人警報している場所に、近づいてきて観察し調べるという、かなり危険な行為であった。

倉橋が怪物が出たという所に着いたけど、誰も姿がいなかったのでとりあえずベンチに座った。

 

[さてと、今まで調べた怪人の種類を見直そう]

 

バックからこれまでの怪人のデータが書かれた、手帳を取り出して見始めた。

 

[怪人にも生まれ方がさまざまあって、たとえば人間がなにかのコンプレックスや特別な環境で変身・変化した怪人。科学の力で肉体を改造された怪人。元々宇宙から来たり特別な条件で進化した怪人や怪獣と、今私が分かるのはこれだけよね]

 

ちなみに殺せんせーは科学で生まれた怪人に入ると思われる。

すると誰かが近づいてくるのに気付き、素早く護身用のエアガンとスタンガンを持って、後ろを振り向いた。

 

「倉橋…?」

「磯貝くん!」

 

それは買い物袋を持った磯貝であった。

 

「倉橋、なんでこんな危険な場所に?」

「それは、磯貝くんも同じでしょ?!」

「俺はただ、スーパーの特売日なので買い物してたら、サイタマさんと出会ったんだ」

「サイタマさんと!?」

 

磯貝の話によれば、あるスーパーが今日特売日なので、さっそく買い物に向かったが、丁度サイタマも買い物していから、途中まで一緒に帰ったのだったけども。

その時に警報が響き渡り、サイタマがすぐに走っていったので、磯貝も思わず追いかけた。

 

「へ~~~サイタマさんって意外と家庭的だね」

「それにしても、よくこんなに調べたね?」

 

これまで倉橋が調べた怪人怪獣のデータに驚いていた。

その時、大きな音が鳴り響いた。

 

「この音って!?」

「あっちだ!」

 

すぐさま音のあった方向に向かった2人が見たものは、サイタマと胴体に大きな穴が出来て倒れたキノコ怪人であった。

 

「これって、サイタマさんが?」

「当たり前だろ?」

 

サイタマの底知れない力に言葉が出ない2人であった。

 

「じゃあ、俺帰るからな」

「はい、またね」

 

サイタマが買い物袋を持ってこの場から去ったが、磯貝はキノコ怪人を見つめてなにかを考えた。

 

「あの、磯貝くん。まさかそれ持って帰って、食べるつもりじゃあ?」

「えっ!そ、そんな訳ないだろ!」

[あっ、図星みたい]

 

少し呆れ果ててしまう。

そしてさすがにキノコの姿をしてるけど、怪人なので諦めて帰っていた。

それから家に帰った倉橋は今日の事を手帳と、パソコンの日記に書いたりする。

 

[今回のキノコ怪人は、恐らくキノコの食べすぎで突然変異か、キノコそのものが進化した可能性あり。だけどやっぱり凄いのは、ヒーローサイタマだと私は思う]

 

こうして彼女の怪人探索は終了した。




狭間綺羅々がじつはC級ヒーローやってたり、吉田大成が無免ライダーと知り合いだったり、倉橋陽菜乃が怪人怪獣を調べて調査したりと、そんな話を考えてみました。
他のキャラにもやろうと思います。


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番外編5

今回は前回の番外編同様で、暗殺教室のキャラを主役にしましたが、今度のはE組以外である3人にしています。


榊原蓮の場合

 

 

それは五英傑の榊原蓮が町で歩いてた時。

 

「え~~~全員来られないなんて?」

 

榊原は学秀達との待ち合わせにしていたが、どうやら4人共用事で来られずに居た。

 

「仕方ない、帰るか」

 

帰ろうとしたその時、榊原はベンチに座っている一見少女と間違えるほどの女、S級ヒーロー戦慄のタツマキがいる事に気付いた。

 

「あれって、S級の戦慄のタツマキじゃあ…なんであそこに?」

 

榊原は不思議に思い始めるが、しばらくすると考えると、そのままタツマキに近づいていった。

 

「すみませんが、そこのお嬢さん!」

「え?」

 

いつもとおりのキザな態度でタツマキに声をかける榊原だった。

 

「なによアンタは?」

「いきなり声をかけたことは失礼しました。僕は榊原蓮というものです。君は確かヒーローの戦慄のタツマキさんですよね?」

「そう…んで、なに?」

 

榊原のナンパ口調や態度に、タツマキがうっとうしい眼差しをする。

 

「いえいえ、ただ先程から誰かを待っているみたいだったから」

「別に、ちょっと妹を待っているんだけど…」

 

すると突然タツマキの携帯が鳴ったのですぐにかけた。

 

「もしもし?あっ、フブキ!どうしたの?随分とおそっ、え?別な予定が入った?なによ!早く言ってよね!!」

 

なにやら不機嫌になりながら電話を切った。

 

「一体、なにが?」

「集会とかで行けなくなったって!全く、自分勝手なんだから!!」

 

怒りながらも帰ろうとしたが、その時榊原が彼女の腕を掴む。

 

「なに?」

「いや…もしよろしかったら、僕と時間を潰しませんか?」

「はぁ?」

「だって、僕も君も色々と予定が狂ったから暇でしょ?だったら一緒に」

 

いつもとおりの爽やかな笑顔を見せると、タツマキは少し引いてしまうが、このまま帰るのもつまらないので

 

「奢りだったら良いわよ?」

「もちろんですよ♪では、行きましょう」

 

こうして榊原とタツマキがデートをする事になった訳だが、2人が歩く姿はまるで兄妹のように見える。

しばらくするとタツマキはゲームセンターの前に止まる。

 

「ん?どうしたんだい?」

 

声をかけてみたが、タツマキはクレーンゲームのクマのぬいぐるみを見つめていた。

 

「欲しいのかい?」

「別に!欲しくないわよ!」

 

否定するタツマキだったけど、すぐに榊原がクレーンゲームに100円を入れると、アームを操ってそのぬいぐるみを取った。

 

「はい、リトルレディ」

 

そのままタツマキに渡したが、本人は少し不機嫌になる。

 

「いらないわよ!子ども扱いして…」

「そうですか。では、これは僕が」

「でも、せっかくだから貰ってあげるわよ」

 

言いながらもぬいぐるみを貰うタツマキであった。

 

「それでは、行きましょうか?」

 

2人のショッピングが再開した。

それからタツマキが洋服店で色んな服の試着をしたり、下着売り場で店員にお子様下着を進められて、キレそうになったところを榊原に止められたりした。

その後、榊原に荷物運びをさせて、クレープやたい焼きを奢ってもらったりと、タツマキはとても楽しんでいた。

そしてしばらくしたら2人はオープンカフェで一休みするが、榊原はもうボロボロだった。

 

「全く、荷物運びだけでだらしない!」

「すみませんが、僕が疲れてるのは、ちょっとお金が…」

 

だが、実際彼がボロボロなのは予想以上にお金を使ったので、榊原の財布は空っぽ寸前だった。

 

「しょうがないわね。ここは私が奢るわ」

「レディにそんなマネをさせるのはいけないけども…ありがとうございます」

 

頭を深く下げてお礼を言う榊原だった。

カフェを出た2人は、なぜか公園に到着した。

 

「さてと、ここまで付き合ってくれてありがとう」

「こちらこそ…S級ヒーローと一緒にいられるなんて、光栄です」

「ふ~~~ん。じゃあ、これをあげるね」

「え?」

 

近づいて顔を近づけたタツマキは榊原の右の頬にキスをした。

当然、榊原は固まってしまう。

 

「もしよかったら、またどこかに行きましょう!これ私の番号とメールアドレスだから!」

 

榊原の携帯に自分の携帯の番号やアドレスを入れると、ぬいぐるみを抱いて荷物と一緒に宙に浮いて、そのままどこかに飛んでいくタツマキだった。

その様子を見届けた榊原は、少し笑いながら公園を出てどこかに電話し始める。

 

「やぁ、用事終わった?それで凄い話があるんだけど聞いてくれる?」

 

こうして榊原とタツマキの不思議な話が終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鷹岡明の場合。

 

 

臭蓋獄。

手に負えない犯罪者を収容する特別な監獄であり、今そこに大量の囚人が送られていた。

それはヒーロー協会で集められた裏社会の住人の内、刑務所から脱獄した囚人達であり、怪堂から受けた怪我が完治して、その半分が臭蓋獄に送られる事になった。

 

「全く、なんでこんなに脱獄されてんだよ」

「本当だぜ。しかもその1人は元防衛省らしいぜ」

 

そして囚人の中には眼帯を付けられて、前よりも顔の傷が増えた鷹岡明の姿も。

当然、彼も脱獄犯なので一緒にぶち込まれるのだった。

 

「ほら、ここがテメェらの終着点だよ」

 

到着したのは鋼鉄製の大きな扉、ここが臭蓋獄への入り口であった。

その頃、この監獄のボスであるS級ヒーローぷりぷりプリズナーは、自分の部屋というより牢の掃除したり飾り付けをやっていた。

 

「準備万端!待っててね、鷹岡ちゃん♪」

 

ぷりぷりプリズナーはポケットから鷹岡の写真を見て、そのまま口付けをし始める。

それから鋼鉄の扉が開かれると、鷹岡達は中に入ると扉が閉められた。

 

「クソっ!なんで俺達がこんな所に!」

「こんな事なら、ヒーロー協会に行かなきゃ良かったぜ!!」

 

鷹岡を除いて他の脱獄犯達は、こんな事なら脱獄しなきゃ良かったと後悔し始めて、ここの囚人達は不気味な笑みを見せて近づく。

 

「ウェルカム~~~♪ようこそ地獄へ♪」

「此処に来たからには、たっぷりと楽しんで貰おうか?」

「まずは先輩に対しての、礼儀を教えなきゃな♪」

 

すると1人の囚人が鷹岡に近づいて来た。

 

「アンタか?元防衛省所属の脱獄囚だって?せっかく逃げたのに残念だな?」

 

馬鹿笑いする囚人に対して、鷹岡は何かをブツブツ言い出した。

 

「…笑……だ……誰…」

「はぁ?なに言って、あが!」

 

その時、鷹岡が囚人の1人の頭を掴むと、そのまま強く投げつける。

当然他の囚人が驚いて、鷹岡に睨みつける。

 

「テメェ、いきなりなにを!」

「俺をバカにして笑う奴は誰だってんだよ!!」

 

そのまま鷹岡は狂ったかのように暴れ始めて、囚人を殴ったりぶん投げたりとし続けた。

 

「俺を…この俺をバカにし続けて!誰も、俺の本当の強さを!!」

 

鷹岡は二度も渚に負けた上に、重戦車フンドシに瞬殺されて、挙句に怪堂にボコボコにされてしまって、精神がかなり不安定になっていたので、ついに何かが爆発して暴れだしてしまった。

そして次々と囚人がやられていた。

 

「コイツ、手に負えねぇよ!」

「どうすりゃいいんだよ!!」

「ちょっと、騒がしいな!」

 

囚人が諦めかけていたその時、鷹岡の前にぷりぷりプリズナーが現れた。

 

「良いか?ここに来たからには、ボスである俺の作ったルールに従ってもらう。ここでは受刑者みんなは仲良くするんだ!」

「上等だ!だったらテメェを殺して俺が此処のボスになってやる!!そしてこんな所を脱獄して、烏間のクソ野郎とE組のガキ共はもちろん、今まで馬鹿にした連中を皆殺しだ!!」

 

完全に狂気に飲み込まれた鷹岡は、ぷりぷりプリズナーを襲い掛かって来た。

 

「しょうがない。少しお仕置きしてやるか」

 

ぷりぷりプリズナーも正気をなくして暴走する鷹岡に立ち向かっていく。

それから3日が経った。

 

「じゃあ、鷹岡ちゃん。行って来るから、また暴れるなよ?」

「……はい」

 

ぷりぷりプリズナーが声をかけた先に、かつてぽっちゃり兼ガッチリ体格が、ガリガリに酷く痩せて、髪も白く生気のなくなった顔になって、隅っこで体育座りする鷹岡の姿。

一体ぷりぷりプリズナーになにをされたか不明だが、もう完全に鷹岡は廃人化していた。

 

「は~~~結局ボスには逃げられなかったな」

「こりゃ、仮に出所してもあの調子だな?」

「それどころか、きっと寝たきりだな」

 

ほかの囚人が気の毒そうにため息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロヴロ・ブロフスキの場合。

 

 

ある夜の日。

殺し屋屋のロヴロ・ブロフスキは日本の街を歩いていた。

 

「全く、イリーナには困ったものだな」

 

E組の指導に来ていてイリーナの態度に呆れていた。

 

「とりあえず、一杯飲もうかな?」

 

ロヴロは目の前の居酒屋に入っていった。

 

「いらっしゃいませ♪カウンターへどうぞ!」

「ありがとう」

 

店員に進められてカウンターに座って、お絞りで手を拭いたりしてると

 

「ほぅ、随分と懐かしい顔だな?」

「んん?なっ!?」

「久しいな。ロヴロ」

「バング!?」

 

隣の席を振り向くと、S級ヒーローシルバーファング改めバングが座ってた。

かつて2人が若かった時、当時ロヴロが現役でしかも名の通った殺し屋だった頃。ある要人の暗殺を頼まれていたのだが、その時バイトでその要人の護衛をやっていたバングに、無残にもやられてしまった過去があった。

その為、ロヴロにとってバングはちょっとしたトラウマであった。

 

「バング。なんでお前が!」

「わしだって飲みたい時はあるんじゃよ」

「おいバング、誰だそいつは?」

 

するとバングの隣に座る老人が声をかけた。

 

「いや、昔のちょっとした知り合いさ。そうだ初めてだったな?コイツはわしの兄貴のボンブだ」

「なるほど、アンタだったか?昔バングにやられた殺し屋って?」

「それは言わないでくれないか!?」

 

ロヴロはこの場から立ち去ろうとしたけども、すぐにバングに腕を捕まれてしまう。

 

「せっかくだしな、一緒に飲もうぜ?」

「うう…」

 

結局嫌々ながらも、ロヴロはバングとボンブと合い席になって、酒と料理を頼んだりした。

 

「初めは驚いたよ。アンタがまさかヒーロー協会でヒーローになったとはなぁ。しかもS級」

「まぁな。ところでお前さん、たしか殺し屋の人材派遣をやっているようだがどうだ?」

「それなりに、たまに俺自ら仕事に行くこともあるが…がんばっているよ」

「本当にお前らって、危ない橋渡っているなぁ?」

 

ボンブは2人が進んでいる道を呆れていた。

 

「そういえば、お前だったよな?ターゲット暗殺用の殺し屋を日本政府に紹介してるって?」

「ああ、そうだ」

「ターゲットって、お前がこの前言ってた怪人の事か?」

 

じつはバングはついボンブに殺せんせーの事を話していた。

 

「お前、あれは秘密だって!」

「すまないなぁ、お兄ちゃんがどうしても知りたいって言ってたから」

「おいおい、まるでワシのせいみたいじゃないか!」

「だってそうだろ?」

 

素直に返事をするバングに、ボンブは少し黙ってしまう。

 

「全く、アンタはあの時から変わってないな?」

「そうか?お前も同じじゃないのか?」

「いや、俺だって衰えながらもがんばっているぜ!」

 

するとロヴロは氷を投げて、その隙に素早く箸で刺そうとしたが、バングの方は氷を交わして箸を指2本で掴むと、そのまま彼の首元に刺すかのように指を構えた。

ちなみにその氷は、ボンブが見事にキャッチしていた。

 

「たしかに腕は鈍っていないようだが、ワシの方が上のようじゃな?」

「ああ、さすがS級ヒーローだな?俺と違って衰えを感じない」

「おいおい、店で暴れるなよな!」

 

余裕の笑みを見せるバングと、少し冷や汗を出すロヴロに、ボンブがそんな2人を叱る。

 

「さてと、俺はもう行く」

「え?帰るのか?」

「まぁな。それじゃあな!」

「おぅ!またな」

 

ロヴロは居酒屋から出て夜の街を歩くのだった。




榊原蓮と戦慄のタツマキが不思議なデートをしたり、鷹岡がぷりぷりプリズナーのおもちゃにされたり、さらにロヴロが居酒屋でシルバーファング改めバングと再会したりとどうですか?


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番外編6

今回の番外編では、イトナ篇にサイタマが登場するようにしました。


ある日、いつもとおりサイタマが暇そうにテレビ見ていると。

 

『ご覧ください!この有り様を…』

 

ニュースで、なにやら携帯ショップが怪人に破壊されているようだった。

 

『監視カメラを見たところ、どうやら頭部から触手が出る模様。既に何人かのヒーローが出撃した模様ですが、やられてしまいこのとおり』

 

続いて映し出されたのは、重傷を負ったヒーロー達の姿。

するとジェノスが駆け寄ってきた。

 

「先生。ここは先生の出番ですね?」

「そうだな、じゃあここは…正義を執行する」

 

サイタマが立ち上がってヒーロースーツを着込んで、2人でマンションを出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、殺せんせーが何かを追いかけるようにしていたが、道路の真ん中にネットにかかった少年を見つける。

 

「イトナくん!」

 

彼は堀部イトナという殺せんせー抹殺のために用意された殺し屋転校生で、頭部に触手を持つ。

だが、三度目の暗殺に失敗した事で触手が暴走し始めたが、このとおり捕らわれてしまっていた。

 

「イトナくん、しっかりして…これは、対先生物質が!」

 

そのネットが対先生加工させていたので、下手に触れたら溶けてしまうがイトナの頭部の触手も少しだけ溶け始めていた。

 

「お察しのとおり。そしてここが君の墓場だ」

 

その時、現れたのはシロという自らイトナの保護者と名乗る、かなり危険で冷酷な人物。

するとシロの言葉と一緒に周りから、ライトが殺せんせーに向けて放たれた。

 

「これは、圧力光線」

 

この光線は殺せんせーの体に圧力をかけて、細胞にダイラタント挙動を起こして硬直させて動きを鈍らせるものであった。

さらにトラックの積荷と周囲の木の上に、エアガンを持った私兵が待機していた。

 

「さぁ、狙いはイトナだ。撃て」

 

そしてイトナに向かって対先生弾が撃ち出されたが、すぐに殺せんせーが服と風圧で防ぎながらも。対先生弾と圧力光線という嵐の中、イトナをチタンと対先生繊維のネットから救い出すのは、いかに殺せんせーでも苦戦に等しい。

 

[これはヤバイ……このままでは、私もイトナくんも!]

 

さすがの殺せんせーも諦め掛けてたその時。

 

「大丈夫か?」

 

その時、サイタマが現れてマントを一振りで、対先生弾を弾き飛ばした。

 

「なに!?」

「動くな」

「なっ!」

 

さらにジェノスが右腕の熱線砲をシロに向けると同時に、周りの私兵に左腕に仕込んだ小型銃で、エアガンを撃ち込んだりした。

 

「おいおい、どうした?ボロボロだぞ?」

「それよりも彼を、このネットから!」

「ああ、分かった」

 

サイタマは殺せんせーに言われたとおりに、ネットを引き千切ってイトナを助け出す。

 

「なんだ…お前は?」

 

イトナは朦朧としながらも尋ねるので、すぐにサイタマは自分なりの自己紹介をする。

 

「今はプロだけど、前は趣味でヒーローやっているものだ」

「ヒー…ローだと?うっ!」

 

しかし、イトナはまた苦しみ始めた。

 

「なんだっ!コイツまた」

「マズイですね…触手が暴走しています」

「暴走」

「触手は意志の強さで動かすものです。このままでは肉体が負荷を受け続け、最後は触手細胞と一緒に蒸発して死んでしまう!」

 

殺せんせーは触手の恐ろしいデメリットを話すと、サイタマはイトナを起こそうとした。

 

「おい、起きろ起きろ」

「あ…なんだ?」

「ちょっと辛くて痛いかもしれないけど、起き上がってくれよな?」

「え?ああ」

 

言われたとおりにイトナはなんとか体だけ起き上がる。

 

「なにを…する気だ?」

「もちろん、要は触手を抜き取れば良いだろ?簡単だ」

 

その言葉に殺せんせーとシロとジェノスは驚く。

 

「先生、この怪人を助けるつもりですか!?」

「だって、こんだけ苦しんでるから、助けた方がいいと思うし」

「待ってください!今の彼にはその行為は危険です!まずは彼の力や勝利への執着を消さないと!」

「そういう難しいのはなし」

「アナタなに考えているんだ!いくらヒーローでも、そんな怪人モドキを助けるなどと!」

「やってみなくちゃわかんねぇ!」

 

さっそくサイタマはイトナの触手を掴み。

 

「必殺マジシリーズ、マジ草抜き!」

 

持ち前の目にも見えない速さと計り知れないパワーで、イトナの頭部に移植された触手細胞を、根元から綺麗に抜き取った。

 

「え?えええぇぇぇぇぇぇぇぇええええぇぇぇぇぇぇぇぇええ!!?」

 

当然シロは触手細胞が抜き取れた事に、驚愕してしまう。

そして抜き取った触手細胞は蒸発消滅して、イトナもそのまま気絶した。

 

「ほら、これで良いだろ」

「さすがサイタマさん…」

「それで、彼は?」

「大丈夫です。ちょっと荒治療でしたが、命に別状はありませんね」

 

すると殺せんせーとサイタマははシロに目を向ける。

 

「よく分かんねぇけど、お前の負けだな?」

「ええ、いくらアナタが作戦を考えても、サイタマさんの前では無意味ですね」

 

そしてシロが深く考え込んで、仕方がないという感じに後ろを向く。

 

「まぁ、良いだろ。その子はくれてやる。だが、絶対に貴様を殺すからな」

 

シロは私兵と一緒にトラックに乗ってこの場から去って行った。

それからイトナはなぜ力や勝利に拘るのか理由を話して、寺坂達のリハビリで回復し、晴れてE組の仲間になった。

ただし寺坂組の一員としてだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イトナが正式にE組に入って3日後。

 

「さてと、昼食にするか」

「そうね」

 

烏間とイリーナが昼食を食べようとしてたが、殺せんせーはイタリアでパスタを食べに行ってた。

だがその時、職員室の窓を叩く音がした。

 

「ん?なんだ?」

 

不審に思った烏間は窓を開けて外をみる。

 

「お前は!?」

「やぁ、御2人さん」

 

外にいたのはシロだった。

 

「お前なんで!」

「それより中に入れてください。私、なんか生徒に嫌われてるみたいで」

 

嫌々ながらも2人はシロを職員室に入れた。

 

「お前、分かってるのか?」

「なにか?」

「このまま生徒を巻き込んだ暗殺をするのはもう止めろって事だ!」

「分かってます。分かってますよ。もう一度計画を練り直すつもりです。だがその前に」

「なんだ?」

「あのサイタマというヒーロー。知っている事があるなら教えてくれませんか?」

 

シロがここに来た理由は、サイタマの事を知る為であった。

 

「なぜ私なんだ…」

「だってアナタ、ワイルドクロウでしょ?」

「うっ…」

 

烏間がヒーローワイルドクロウだと、シロもすでに気付いていた。

 

「貴様……なぜそれを?」

「まぁまぁ、教えてくれたら帰りますからね?」

「ここは教えた方が良いんじゃないかしら?」

「……分かった!俺が知っていることを教えてやる」

 

烏間は自分が今知っているサイタマの事をシロに話した。

 

「うっ…腕立て100回、上体起こし100回、スクワット100回…そしてランニング10km?」

「信じられないけど、アイツはそのトレーニングで強くなったらしいわよ?信じられないでしょ?」

「ああ、全くだ。俺なんかそれらを越えるほどのトレーニングを受けたというのに」

 

それは当然だと思う。

イトナに移植した触手細胞を抜き取ったヒーローが、その程度のトレーニングで強くなったとは思わなかった。

しかしシロは深く考えて、1つの可能性を思いだった。

 

「恐らく彼は…リミッターを外した可能性が高いですな?」

「「リミッター?」」

 

そしてそのまま話を進めた。

 

「脳というのは未知という物。いかに努力しようとも、制限があり限界がある。それらを押さえ込むものはリミッターと呼ばれ、それを外せば強大な力を得る代わりに、なにかしらの代償も得らなければならない」

「たしかに、そんな事は聞いたことあるが…」

「でもおかしいじゃない!だったらアイツにどんな代償を受けたの?!なんともなってないじゃない!」

 

イリーナはそんな話を信じられずにいた。

もしそうだとしたらサイタマが理性を失い怪物のようになったり、寿命が縮んだりといったリスクがあるかもしれないが、当の本人にはそのような様子が一度もない。

 

「いや、サイタマにはもう既に代償を払った可能性が」

「そんな…どうみても、はっ!」

「そう、毛髪ですね。彼はハゲる事を引き換えに超人パワーを手に入れた」

 

それならばイリーナも納得した。

ただトレーニングのストレスで抜けたと思ったが、リミッター外しの代償ならば分かる気がする。

そして戦いの情熱や闘志も冷めてしまった事も、リスクによるものだと思ってしまう。

 

「だけど、それならば怪人や他のヒーローもリミッターって奴を外したんじゃあ?」

「そういうのは生まれつき、そういった才能やコンプレックスによってなったのが、ヒーローや怪人になった場合だが、恐らく彼はただの一般人が努力で限界を超えて、そして自らリミッターを外したのだろうな」

 

最早烏間もイリーナも、言葉を積らすだけなにってた。

 

「まぁ、これだけは言えましょう。あのサイタマというヒーローは、唯一殺せんせーと同等の力を持ったヒーローって事に」

 

そう言うとシロはそのまま窓から外に出た。

 

「では、色々と聞けたので私はこれで。一応元保護者としてですが、イトナの事をよろしくお願いしますね」

「ああ…分かった」

 

シロは他の生徒に見られないようにと、裏から山を降りた。

 

[だが、私には最終兵器がある上に、E組にはイトナ以上の怪物が存在するからな]

 

しかしなにか恐ろしい事を企んでもいた。




サイタマがイトナの触手細胞を抜き取ったりして、シロが烏間らにリミッターの事を話しました。


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番外編7

番外シリーズの7回目では、ワンパンマンの原作番外編からで、わかばパークの鬼屋敷さくらを登場させます。


渚達E組がわかばパークの園長に怪我をさせたので、代わりにそこの児童達の相手をしていた。

初めは戸惑ったりしたけど、一週間ぐらいして殆んど慣れたある時。

 

「ここで飼っていたネコが消えた?」

「うん…ブッチーっていうブチネコで、みんなで飼ってたんだけど…」

 

わかばパークで1番年上の鬼屋敷さくらは、仏頂面で渚に話した。

 

「なるほど、それが突然いなくなったんだね」

「うん……3日も経ってるのに、全然見つからなくて」

 

さくらは少し落ち込んだりすると、渚が優しく彼女の頭を撫でた。

 

「心配しないで、僕も一緒に探してあげるから」

「ほんと?」

「もちろん」

「だったら、俺も手伝うよ」

 

いつのまにか赤羽が側にいた。

 

「え?カルマくんも?」

「だって、3人で探した方がいいと思うよ?なんか面白そうだし…」

「本音はそれだよね…じゃあ、行こうか」

「うん!」

「OK♪」

 

こうして渚と赤羽とさくらがネコ探しに向かった。

その頃、サイタマとジェノスとワイルドクロウ改め烏間が、ヒーロー協会の任務に向かっていた。

 

「悪いな。お前には奴の暗殺があるというのに」

「仕方ないさ。俺もヒーローになった身だし、なにより今はそんな状況じゃないからな」

「んで、今回の任務はなんだって?」

「どうやら、ある研究所で保管研究された怪獣が町に逃げ出したようでして」

「それで、CからB級までが町の各付近で見張り、動けるAからS級で怪獣を討伐らしい」

 

説明しながら3人が、その怪獣が潜伏している町に到着すると、その入口の前にはタンクトップタイガーとタンクトップブラックホールが立ってた。

 

「おい、兄貴!」

「ん?おっ、お前はっ!?」

「よぅ、2人共」

「なんで、テメェがA級とS級と一緒にいるんだよ!?」

 

2人はサイタマがジェノスと烏間と一緒にいることに驚いていた。

 

「なにって俺達もヒーロー協会からの任務に来たんだよ」

「そうだ。それにしても、貴様らまだサイタマ先生を目の仇に」

「止せ!仮に彼らも俺達と同じヒーローだ」

 

ジェノスがそんな2人に敵意をこもりながら睨んだりするが、烏間がすぐに止めたりする。

 

「ところで、俺が見張るのはどこのなの?」

 

そしてサイタマが自分が見張る所はどこか尋ねると、タイガーが不屈そうに答えた。

 

「あっちだよ。第4通り」

「サンキュー!じゃあ行こうか」

「貴様ら、またサイタマ先生を落とし入れようとするなら分かってるな!」

「ほらほら、早く行くぞ」

 

さっそく3人は言われた場所に向かった。

第4通りに到着すると、サイタマ達は立ち入れ禁止のバリケードを張った。

 

「こんなものかな?」

「では、俺と烏間はさっそく探索に行ってきます。なにかあったら携帯で連絡しますので」

「じゃあ、とりあえずここは任せた」

 

そのままジェノスと烏間は一度サイタマと別れて、町に突入していった。

町は人がいないので静けさでいっぱいだった。

 

「町の住人は殆んど避難したみたいだな」

「だな。他のヒーローはどこに…」

 

そんな時、どこからか声が聞こえた。

 

「ん?これは……」

「あっちかっ!」

 

急いで声のする方に向かう2人。

そして路地裏から聞こえてきたので、覗いて見るとボロボロにやられた2人のヒーローだった。

 

「これは…!」

「大丈夫か!しっかりしろ!!」

 

烏間はすぐに2人のヒーローに駆け寄る。

 

「うう……お主らはS級のジェノス殿とA級のワイルドクロウ殿」

「お前達は、俺と同じA級の?」

「そう、拙者は桃テリー。こちらはヘビィコング…」

「酷い怪我だ。いったいなにが!?」

 

桃テリーは弱っていながらも、この状況を説明し始めた。

 

「じつは…先程、逃げ出した怪獣と遭遇して…抗戦したんだがこの有り様でござる」

「で、その怪獣は今どこに?」

「それは……」

 

その時、ジェノスと烏間の後ろに、獣の唸り声が聞こえたので、思わず振り向いてみた。目の前には巨大な体格で目が四つのネコ型怪獣、グリムキャット。

 

「まさか…!」

「そう、これでござる」

 

烏間の質問に桃テリーが素直に答えた瞬間。

 

「ニャアーーーーー!!」

 

グリムキャットはジェノスと烏間を標的にし襲い掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、渚と赤羽とさくらの3人が、立ち入り禁止になっている町に近づいてきた。

 

「もしかしたら、あの町にいるのかも?」

「たしかにね。わかばパークからそれなりに近いからね」

 

3人は丁度サイタマが見張ってる所に近づいて来た。

 

「あれ?お前ら」

「サイタマさん!」

 

サイタマに気付いた渚とカルマは、すぐ駆け寄った。

 

「なにしてんの?」

「もちろんヒーローの仕事」

「ただ、立ってるだけだろ?」

「なんだよ…」

「まぁまぁ、2人共…」

 

サイタマとカルマの間に嫌な空気になったりして、渚がなんとか宥めたりする。

そしてさくらは渚に質問する。

 

「ねぇ、コイツは?」

「え…と…彼はサイタマさん。ヒーローなの」

「ヒーロー?」

「んだよ?文句あるのか?」

 

サイタマが睨んだりするので、さくらも負けずに睨む。

 

「私…ヒーローってあんまり信用してないの。威張ってる割に弱いから…」

「さくらちゃん、たしかにサイタマさんは色々と誤解を受けやすいけど、とても強いヒーローなんだよ」

「お前、さり気なく酷い事言うな…」

 

そしてしばらくしてから、なぜ渚達がここに来たのか話した。

 

「つまり、お前らで飼っている猫が逃げ出したから…ここまで?」

「そうなんだ…でも、なんだか大変そうだね」

「まぁな。こっから先は一般人は入れない事になってんだ」

「そんな……」

 

諦めかけるさくらだったけども、カルマはこんな事を思いつく。

 

「じゃあさくらちゃん、サイタマと一緒に行ったらどうかな?」

「「「え?」」」

「俺らがここで見張ってるから、2人でネコを探しに行く。どうだ?」

 

カルマの考えた提案に渚達は呆然となっていた。

 

「それはさすがに…もし他のヒーローに見つかったりしたら、僕らが怒られたりサイタマさんがヒーロー協会クビになるかも…」

「その時はその時♪」

「そんないい加減な…」

 

さすがにこれはマズイと思う渚であったが、サイタマ本人はというと。

 

「別に、いいけど」

「い、いいの?」

「だって、暇だったし。それにヒーロークビになっても関係ねぇし」

「そうなんだ…」

「なんか、私の知っているヒーローとは、随分違っているのね…」

 

サイタマの能天気さにさくらも呆れてしまう。

そんな訳で、サイタマとさくらは町に突入して渚とカルマが代わりに見張りをした。

 

「んで、そのネコの特徴は?」

 

さくらを肩車しながらサイタマは、ブッチーというネコにどんな特徴があるのか尋ねた。

 

「白い部分が少なくて、黒い部分が多い…たとえるとタキシードみたいな感じで、青い【わかばパーク】って書かれた首輪をしていて…」

 

さくらがなんとかネコの特徴を説明する。

するとサイタマはネズミを銜えて走る黒と白の、タキシードみたいな柄で青い首輪の猫を見つける。

 

「なぁ、そのネコって…ん?」

 

その時、丁度横の壁が壊れたと思ったら、瓦礫に混じってジェノスが現れた。

 

「サイタマ先生!」

「ジェノス、大丈夫か?」

「心配いりません。それで先生は?」

「ちょっとネコ探し。ところでなにやってるの?」

「からっ、ワイルドクロウと目的の怪獣と戦っているところです!では!」

 

すぐにジェノスは壊れて穴の開いた壁から、元いた場所に戻っていった。

 

「なにあれ?」

「まぁ、一応俺の弟子」

 

こうして2人のネコ探しが再開した。

それからジェノスが急いで怪獣のいるところに着くと、烏間がたった一人で必死に戦っていた。

ちなみに彼は今、ジェノスをサイボーグ化させた科学者、クセーノ博士が作ったレーザーガンを使っていた。こんな時のためにジェノスが頼んだらしい。

 

「中々いいなぁ…」

 

烏間は結構気に入ってた。

だが、すぐにグリムキャットが爪で攻撃して来た。しかしジェノスのロケットパンチが、顔面に決まって姿勢を崩した。

 

「大丈夫か?」

「心配はいらない。それよりも」

「ああ、本気でやるか」

 

ジェノスが両手の焼却砲を構えて、烏間もレーザーガンとセットで作って貰ったレーザーナイフを構える。

その頃、こちらも激戦を極めてた。

 

「全く…何の為にこんなのを研究してたんだ?」

 

A級ヒーローの雷光ゲンジが相手してるのは、なんとジェノスと烏間が戦っているグリムキャットだった。

 

「とにかく、倒してやるさ!」

 

雷光ゲンジが2本のバトン型スタンガンを構えて、背中に背負った蓄電池からの電力を上げる。

 

「スタンバトン二刀流…行くぞ!!」

 

そして両足のローラースケートが高速回転して猛スピードで走り出す。

グリムキャットが爪で攻撃するが、雷光ゲンジは避けてジャンプ。そのまま両手のスタンバトンでグリムキャットの顔面をたたいて感電させる。

 

「良し、今だスティンガー!」

「このチャンス、待ってたぜ!!」

 

するとビルの上からスティンガーが飛び降りてきて、グリムキャットの頭を愛槍のタケノコで突き刺した。

 

「よっしゃ!これで任務完了だ!!」

「さてと、早いところ報告を」

 

だが、そんな時に2人の後ろから殺気を感じた。

 

「「え?」」

 

2人が振り向くとさっき倒したのと、ジェノス達が戦っているのと、姿は同じだけど2匹より大きく凶暴そうなグリムキャットの姿。

 

そして2人もなんとかグリムキャットを倒した。

ジェノスは服がズタズタになっただけだが、烏間は腕を怪我していてかなり血を流してた。

 

「大丈夫か?」

「これくらい平気だ。それより」

「ああ…恐らく子供だ」

「脱出後に出産したかもしれない。そして親もきっと」

「ぐぉぉぉぉぉわわわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「「っっ!?」」

 

2人はこの巨大な叫び声を聞いて、さっそく聞こえた場所に向かった。

ついでに彼らも。

 

「なんだ、これ?」

「知らないけど、猛獣の叫び声じゃあ?」

 

サイタマとさくらも親キャットの大声を聞こえたが、全然理解していなかった。

 

「それよりも、早くブッチーを!」

「それって…あれか?」

「え?」

 

サイタマが指を刺した方向には、タキシード柄で青い首輪にネズミを銜えたネコ。

 

「あれだーーーー!!」

 

さくらが叫ぶとブッチーは急いで去って行った。

すぐにさくらもサイタマに降ろしてもらって、ブッチーの後を追いかけた。

 

「ブッチー!なんで逃げるの!?」

 

さくらがなんとか呼びかけるが、ブッチーは無視して走り続けたその時。

 

「ぐぉおおおおおおおお!!」

「え?」

 

さっきの親キャットが現れて、大きな口を開いて鋭い牙を見せながら襲い掛かった。

 

「き、きゃああああああ!!」

 

さくらが涙目で叫んでしまった瞬間。

 

「危ない!!」

 

突然なにものかが一瞬のうちに彼女を抱いてこの場を離れた。

 

「あれ?」

「大丈夫ですか?」

 

それは殺せんせーだった。

殺せんせーの超スピードでさくらを救助した。

そしてブッチーは公園に到着すると、そこには同じ柄の小猫2匹がいた。

だが、そこに先回りしたのかさっきの親キャットがいた。

 

「お前、子供がいたのか?」

 

しかしサイタマも現れてブッチーを抱きかかえる。

親キャットがすぐにサイタマを標的に爪で攻撃したが。

 

「てか、なんだコイツ?」

 

結局サイタマのワンパンチで瞬殺された。

それから。

 

「そっか!子供を生んでたのね!!」

 

さくらはブッチーとその子供を抱きかかえながら喜んだ。

そして渚とカルマは殺せんせーと烏間に叱られた。

 

「全く、あれほど危険な事はさせないようにと言ったのに!」

「そうだ!たまたま俺やサイタマとジェノスがいたからよかったものを!」

「「すみません」」

「まぁ、無事で何よりですけどね♪」

 

それからジェノスはヒーローン協会に報告した。

 

「はい、という訳で負傷者は桃テリー、ヘビィコング、雷光ゲンジ、スティンガーの4名。そして対象は全て駆除しました」

 

報告が終わったジェノスにサイタマが声をかける。

 

「俺…本当にこれからプロ向いてるのかな?」

「なに言ってるんですか?こうして怪獣を倒したんですし」

「でもさぁ…」

「まぁまぁ、サイタマさん」

 

すると殺せんせーが落ち込むサイタマに声をかける。

 

「別にプロでもなんでもいいじゃないですか。こうして人を助けたんですし」

 

さらにさくらも駆け寄った。

 

「私…ヒーローは嫌いだけど、アナタなら信じてあげるから」

「……可愛くないけど、ありがとな」

 

少しだけ自信を持ったサイタマであった。




久しぶりのワンパン暗殺です。
ジェノスと烏間のコンビはいかがでしたか?


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番外編8

今回の番外編は、ちょっとパラレルな感じにしました。夏休みの普久間篇で、このヒーローを出したらどうなるのか?


もしもグリップと超合金クロビカリが戦ったら?

 

夏休み、殺せんせー暗殺のためにとE組は普久間島に向かった。

ついでに同行としてS級を3名連れて行くのだった。連れて来たのは、キングと童帝と超合金クロビカリ。

こうしてE組の暗殺作戦が開始されたが、殺せんせーが絶対防御形態になって失敗してしまう。しかし、突然E組の一部が苦しみだした。烏間のスマホから生徒達にウイルスを盛られたので、解毒剤を欲しければ渚とカエデの2人で、殺せんせーを持って普久間殿上ホテルに来いとの要求だだった。

しかしこれは罠だと確信して、竹林と奥田と童帝に、ウイルスに感染した生徒の応急処置を頼んで、残りは烏間とイリーナとキングとクロビカリと一緒に、普久間殿上ホテルの五階にいる黒幕から解毒剤を手に入れようと考える。

さっそくホテルに潜入し、イリーナが時間を稼いでくれて先に進んだが、途中で生徒にウイルスを感染させた毒系専門の殺し屋スモッグが待ち伏せていた。なんとか烏間が倒したが、麻酔ガスによって動きを封じられてしまう。しかも次の殺し屋は素手専門のグリップで、クロビカリが彼の相手になろうとした。

 

「さて、貴様の握力。俺の筋肉を潰せるのかな?」

「じつは俺、前からS級ヒーローと戦ってみたかったぬ」

 

2人が構えるとさきに動き出したのは

 

「うおおおおおお!!」

 

超合金クロビカリだった。

グリップが掴みかかろうとしたが、クロビカリは素早く避けたり振り払ったりして、パンチをしたりする。

そんな様子を見たE組は息を呑んだ。

 

「凄い…あんな巨体でかわすなんて」

「いえ、そもそもこの戦いはヒーローが上ですね」

「え?」

 

殺せんせーの言葉に、烏間も確かにそうだと感じていた。

 

[本来…殺し屋は防御や、正面戦闘は不要な技術。しかし、あそこで戦ってるのは…常に正面で怪人や犯罪者と戦ってきたS級…明らかにこちら側が有利だ]

 

そんな中、ヒーローと殺し屋の戦闘は今だに続いていた。

 

[なるほど、初めは俺の腕を狙ってから、次に喉か頭を攻撃にするんだな?]

[まさか、ここまで避けるとはな。そんな体格で面白いぬ]

 

2人はとても楽しんでいた。

だが、しばらくすると2人は一度戦うのを中断した。

 

「面白い!まさかそんな体格で避け続けるとはぬ。だが、避けたらいつまでも攻撃できないぞぬ?」

「別に、ただお前の握力の実力はどれ程か、ちょっと確かめてみたくてな。だが、もう終わりだ…次で決めるぞ!」

「そうか、だったらこちらも次で終わらせる!!」

 

2人がまた構える。

 

「行くぞ!!」

 

また最初に動き出したのはクロビカリで、タックルで倒そうとした。だが、グリップは懐から何かを取り出した。

 

[ん?あれは?]

 

グリップが取り出したのはスモッグが使っていた麻酔ガススプレーだった。

 

「あれって!?」

「アイツ、あれを持っていやがったのか!?」

「クロビカリさん!早く避け「いえ!罠です!」え?」

 

殺せんせーの言うとおり、グリップはスプレーを上に投げる。

そして一度後ろに下がったけど、投げたスプレーをつい見上げるクロビカリの喉を掴んだ。

 

「うっ!」

「ヤバイ!」

「ふふふ、終わりだ!!」

 

そして自慢の握力で首をへし折ろうとした瞬間。

 

「ふんぬぅぅぅぅぅぅ!!」

「なっ!?」

 

クロビカリの強烈なパンチが、見事にグリップの顔面にクリーンヒットした。

そしてクロビカリの喉を離しながら、ぶっ飛ばされるグリップは悟った。

 

[掴んだ瞬間に、へし折ったつもりだが…折れてないぬ!]

 

そのまま壁に叩きつけられた。

クロビカリは意識が朦朧となってるグリップに近づいてこんな宣言した。

 

「お前の握力は強いことが分かった。だが、この鋼鉄の筋肉を破壊することが出来ないのも分かっただろ!!即ち、この勝負は何もかも俺の勝ちだな!!」

 

そしてグリップはそんな自信満々なクロビカリを見て

 

「全く…このナルシスト」

 

呆れながら気絶する。

それからテープでグリップをグルグル巻きにして、クロビカリに見張りを頼んで先に進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もしも渚対鷹岡の場面で、キングが乱入したら?

 

射撃専門のガストロも倒してついに五階に到着した。

黒幕はなんと鷹岡だった。渚に負けたことでクビになって、防衛省の上層部や同僚からも立場を無くしたので、E組に逆恨みし始める。その為、防衛省の金を盗んで殺し屋を雇った。

そして渚に土下座をさせた上に、解毒剤を爆破した。

 

「絶対に許さない!!殺す殺す殺す!!」

「その顔だよ!さぁ、本気で殺すつもりでかかってきな♪」

 

完全に殺意に身を任せる渚に、鷹岡は歪んだ笑顔で挑発し続ける。

 

「ヤベェ。アイツ完全に頭に血が上ってるぞ!」

「たしかにマズイですね…」

 

寺坂や殺せんせー達もこの現状は不利だと感じていた。

 

「んぐぐぐ!ん?あっ!」

 

だが、突然渚の殺意が抜け始めた。

 

「ん?どうした?俺を殺すんじゃないのか?てか、なんだか後ろに変な気配が…」

 

鷹岡が振り向くと、そこにはアロハシャツ姿のキングが立ってた。

 

「げっ!お前はっ…キング!!」

 

鷹岡はキングの顔を見ると、いっきに冷や汗をかいた。

 

「あれってキングだっ!」

「キング!いつのまに!?」

「いつから隠れてたんだ?」

 

全員もキングの存在をいつの間にか忘れて、登場したことに驚いてた。

 

「ああ、あの…S級7位だけど、実力は人類最強の…」

 

鷹岡は怯えていると、キングはキングエンジンを鳴らしながら近づいて来た。

すぐに鷹岡は一歩ずつ後ろに下がるけど、自分ではしごを捨てたことに気付いて逃げられなかった。

 

「も、もも、申し訳ありませんでした!!!」

 

先程、渚に土下座を命令させたのとは裏腹に、そのまま鷹岡はキングの前で土下座をする。

渚を人質にする手もあったが、今の鷹岡にはそんな考えはなかった。

 

「俺はただ、ただ…どうしてもどうしても、ごめんなさいぃぃぃぃぃ!!」

 

鷹岡は大量の汗と涙と鼻水を出しながらも命乞い続けた。

そしてしばらくすると、鷹岡は顔を上げてみると、いつのまにかキングが顔を近づけていた。

 

「うぎゃあああぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

そんな叫び声をあげながら口から泡を出して気絶した。

しかもそのまま失禁してしまう。

 

「あはははは、あんだアイツ?あんだけ強気だったのに、キングが出から土下座して、しかも漏らしてやがるぜ?」

「まっ、あんな奴って大抵気が弱いのが常識だけど、まさかアレほどとは?」

 

カルマ達は鷹岡の情けないやられ方に呆れたり笑ったりする。

それから渚もキングに近づけて

 

「ありがとうございます!これはこれで良い敵討ちだと思いますので」

 

お礼を言った。

そして当のキングは

 

[うおぉぉぉぉぉ!!危なかったぁぁぁぁぁぁ!怪人じゃなくても相手は自衛官だったからヤバイと思ったけど、なんだかよく分からず自滅してくれて助かった~~~]

 

内心、キングも相当びびっていた。ついでにキングはこのままE組に任せても大丈夫だと思い、1人でこっそりとヘリポートの隅にいた。

そしてしばらくすると童帝が万能ランドセルで現れて、感染した生徒達のウイルスが偽物だと教えてきてくれた。

こうしてE組とヒーロー達の普久間島での戦いが終わった。




どうでしょうか?クロビカリとグリップが戦ったり、鷹岡がキングに怯えたりするのは?


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番外編9

ひさしぶりにワンパンマン対暗殺教室をやりました。しかも今回は吸血鬼すぐ死ぬのY談話です。サイタマも殺せんせーも、声優として出ていたので書きたいと思ってました。


ある日の昼頃。

 

「さてと、白菜を買って豚肉とモヤシも買ったと」

「大安売りで良かったですね」

 

サイタマとジェノスが買い物を終えて家に帰ろうとした時に。

 

「あっ!サイタマさんジェノスさん!」

「ん?お前は確か」

「E組の前原陽斗くんか?」

 

そこに陽斗が慌てて現れて2人に駆け寄った。

 

「全裸の女に1つ着せるとしたら、メガネか靴下のどちらがいいですか!」

「帰れ」

 

いきなり現れての卑猥な話にサイタマははっきり帰れと言った。

 

「お前、いきなりなに言い出したんだ?暇なのか?」

「今は買い物が終わったところだが、関係ないなら帰れ」

 

サイタマもジェノスも無視して行こうとした。

 

「待って、違うんだ!真剣に裸体を彩る唯一の宝石は何か…」

「とっとと帰れ!」

「裸眼鏡ぇぇぇぇぇぇ!!」

「帰れーーー!」

 

陽斗の猥談話にサイタマはストレスが溜まっていき怒鳴り散らす。けれども、ジュネスは何かに気がづく。

 

「もしかして…前原くんは、なにかしらの催眠術にかかっているかもしれませんね」

「催眠術?」

「うわあああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

するとどこからか誰かの叫び声が聞こえる。

 

「先生!」

「ああ、コイツはほっといて…正義を執行する!」

 

さっそく陽斗を置いて声のした場所に向かう。そして声のした場所では、1人の少年を追い詰める怪人の姿。

 

「おやおや、悪い子だね。世の中には怖い人がいるのに近づこうとしている子がいるとは…だが、その欲望を解き放ってあげよう!」

 

そして怪人は杖から少年に目掛けてビームを発射。だが、そこにサイタマが出てきてビームを受け止めた。ここでジェノスもやって来た。

 

「サイタマ先生、大丈夫ですか!?」

「ああ、巨乳のお姉さんにおっぱい揉む?って胸を掌に押し付けられたいぜ」

「「え?」」

 

なぜかサイタマの口からおっぱいの話をし始めた。

 

「さ…サイタマ先生。なぜ女性の胸の話を」

「どうしたの?怪人との戦いで疲れたの?」

 

ジェノスは少し混乱して少年はちょっと呆れそうに言う。

 

「待て待て違う!揉みたいんじゃなくて、揉ませて欲しいんだ!」

「違いわかんねぇよ!」

 

必死で否定するサイタマだが、訳の分からない否定の仕方。

 

「残念だったね。君も我が術中」

「なに!?」

「この私、怪人Y談おじさんによって!」

 

杖を持ってスーツ姿の中年紳士の怪人、Y談おじさんが自己紹介をする。

 

「私の催眠術にかかった人間はY談しか話せなくなる。性癖をぶちまけて慌てふためく者たちを見るのが私の趣味で生きがいだ」

「めっちゃどうしようもねぇな」

 

かなり変態じみた趣味のY談おじさんだが、少年は呆れたまま帰って行った。

 

「テメェ!俺は巨乳のお姉さんに甘やかされてぇんだよ!」

「先生…アナタは巨乳が好きなのですか…」

 

怒り出すサイタマだが、そのY談のせいで巨乳好きという性癖を暴露しまくる。

 

「テメェは年下でも巨乳ならいいと思ってんのか!?〔そんな変な能力で俺に勝てると思ってるのか!?〕」

「もちろん、思ってないさ」

 

Y談おじさんはY談語を理解できる。

 

「ので逃げる!」

「この野郎ぉぉぉぉぉ!!」

 

逃げるY談おじさんにサイタマはますます怒りながら追いかけたが

 

「何か騒ぎみたいですね?」

「もしかして怪人?」

 

ここに殺せんせーと渚が登場してY談おじさんと鉢合わせ。

 

「殺せんせー、それから渚!お前のお母さんのビーチクに触れたい!」

「何言ってるんですかサイタマさん!」

 

サイタマがY談おじさんには気を付けるようにと言おうとしたが、Y談語なので伝わらずにいた。だが、容赦なくY談おじさんが渚にビームを撃つ。

 

「渚くん!大丈夫ですか!?」

「ちんちん!ちんちんちん!」

 

慌てて殺せんせーは大丈夫か聞くと、渚の口から出たのはそんな言葉

 

「ち!」

「どうしたんですか渚くん!そんな小学生みたいになって!?」

「ちんちーん!」

 

顔を真っ赤にして叫ぶ渚で、その隙にY談おじさんは逃げ出した。

 

「じつは、Y談おじさんと名乗る怪人が現れて催眠術によってこんな事に」

 

そこですぐにジェノスがこの状況を説明する。

 

「クソ、裸にはカーディガンを羽織らせたい」

「ちんちん…」

「よく分かりました。だから、サイタマさんは歩く性癖拡散機になって…渚くんは性癖レベルが低いから鳴き声みたいにと」

 

とりあえずある程度まで理解した殺せんせー。

 

「だけど、早く何とかしないと町が下ネタだらけになりますね!」

 

さっそく町に行ってみると

 

「タイルスカートよりパンツスーツのが尻がエロい!」

「待て、スカートの魅力が…」

「ああっ、分かる。リクスーとか最高!」

 

すでに町の人たちがY談おじさんによって下ネタの嵐。

 

「遅かったですけど…こうして見ると楽しそうですね」

 

この光景に殺せんせーがのん気に言うとワイルドクロウ改め烏間がいた。

 

「烏間さん!いや、今はワイルドクロウですかな?じつは、怪人Y談おじさんがこの騒ぎを作ったのですが見てませんか?」

「ん…」

「えっ…まさかアナタ!」

 

思わず烏間はワイルドクロウを脱ぐと、顔を真っ赤にして屈辱にまみれた目の素顔で。

 

「…たくましい女性に…ビシバシといじめられたい…」

「烏間さん…アナタってMなんですか」

 

恥ずかしそうにして烏間が口にしたのは、自分がMという性癖で殺せんせーは少し意外だなと思う。

 

「強気で力強く押してく女性なら、もっと大歓迎…〔突然奴が現れて、他のヒーローと一緒に喰らった〕」

「なるほど、分かりませんがよく分かりました」

 

烏間の話をちょっとだけ理解して他のヒーローはと言うと。

 

「男はデカくてなんぼよ!」

「貧乳を気にしている女はエロい!」

「腰骨のラインが重要だ!」

「これはこれは、大惨事ですね…」

 

タツマキも金属バットもクロビカリも見事にやられたので呆れてしまう。

 

「…やっぱりブルマニーソとセーラースク水に、猫耳と尻尾は最高ぅぅぅ」

「キングさん、分かっていましたけど…ものすごく哀れですね」

 

やっぱりキングもやられたらしく、涙目で二次元なオタクらしい性癖暴露に殺せんせーは同情した。

 

「わしはピーでピーのピーピー」

「バンクさん!!?」

 

なんとバンクはピー音が出る程のY談に殺せんせーは驚愕する。

 

「伏字になる程のY談とは、言っちゃあ悪いですけど…アナタ達とは大違いですね」

「うるせぇ!悪いか!おっぱい大好き!」

 

殺せんせーの言い方にサイタマが怒鳴るが本当のことだった。

だが

 

「隙あり!」

「うっ!?」

「ジェノスさん!?」

 

ここでY談おじさんがジェノスにもビームを撃って逃げ出した。そしてビームに撃たれたジェノスは

 

「俺は…俺は……可愛い女の子…にっ!!」

 

全身から煙がプシューと噴き出して倒れた。

 

「大変です!かなり真面目なジェノスさんがY談催眠術で、電子頭脳が受け入れずオーバーヒートを起こしました!?」

 

ジェノスを解放しながらも殺せんせーは何か退治する方法がないかと考えた。

それからY談おじさんはステップしながら公園を歩く。

 

「さぁて、大混乱で愉快愉快♪もっとY談の渦に包んでやるか!」

「ちょっと待った!」

「ん?」

 

だが、Y談おじさんの前に大河と殺せんせーが現れた。

 

「何だ君は!」

 

すぐさま大河にもビームを撃つが効かない。

 

「君…私の催眠ビームが効かないのか?」

「もちろんだ。俺もエロに生きる者…アンタの間違ったエロを懲らしめるのさ」

「大河くん、あんまり無茶はしないでくださいね」

「分かってる」

 

殺せんせーに言われながらも大河はY談おじさんに近づく。

 

「いいだろう。君のエロスと私のエロス…どちらか上か勝負だ!」

 

こうして2人のエロ対決が始まった。

 

「やはり君の扉も誰かから開かれたのだろう!」

「いや、選択は自分から選んだものだ!」

「では真の自由とは、果たして」

 

などとY談おじさんと大河がお互いのエロスレベルや、これまで道筋とかを語ったりし続けていきかなり激戦していく。これには2人は真剣だと分かるが、周りから見たら2人の下ネタ祭にしか見えない。

とにかく戦いが行き着く先は果たして。

 

「「意気投合♪」」

「アホーーー!!」

 

Y談おじさんと大河はお互いに認め合い、2人仲良く肩組んで意気投合したので殺せんせーは叫んだ。

 

「さぁ、行くぞ!彼と一緒にY談の渦に!」

 

高笑いしながら勝ち誇るY談おじさんだが、殺せんせーは余裕の笑みを見せた。

 

「いえ、そうはなりませんからね」

「なに?ん?」

 

すると大河はY談おじさんの手にロープ付きの手錠をして、それを目の前のベンチにロープを結んだ。

 

「悪いな。アンタとは仲良くできそうだったけど、俺は囮の時間稼ぎだったのさ」

 

大河が言った後に、サイタマ達がやってきた。もちろん全員滅茶苦茶怒っている様子。

 

「え…とひぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

こうして見事、Y談おじさんは退治されて怪人収納所行きとなった。




今回の登場したキャラのポジ紹介です。

サイタマ・ロナルド

殺せんせー・ドラルク

ジェノス・ジョン

渚・ヒナイチ

烏間・サテツ

タツマキ・ター・チャン

金属バット・メドキ

クロビカリ・ショーカ

キング・ショット

バンク・ゴウセツ

陽斗・ヴァミマ店長

大河・変な動物


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番外編10

ひさしぶりの投稿ですが、今回も吸死パロに似たモノです。


サイタマが住むゴーストタウンのマンション。今日一日は、サイタマしかいない。

 

「ふ~~~なんかジェノスはメンテに行ったし、殺せんせーも渚と一緒にキングの所へ行ったから。今日は久々にのんびりしようか」

 

いつもは趣味でヒーローしているサイタマも、たまにはのんびりと休日を過ごそうとしていた。だが、そこにチャイムが鳴った。でも今日はゴロゴロすると決めたサイタマは動かない。けれども、連続チャイムにサイタマはキレて玄関に行き。

 

「おや?随分…ぐおっ!?」

 

扉を開けた瞬間にハエ叩きで、その相手に手を抜きながらも容赦なく叩いた。

 

「おい!一体誰だって…アンタは、浅野か!?」

 

それは渚たちが通う椚ヶ丘学園の理事長の浅野學峯。

 

「君は…いきなりきた相手をこんな風にするのかい?」

 

顔面を押さえてフラフラになりながら立ち上がる。

 

「まぁ、とりあえず…どうもサイタマ「帰れ!」もうちょっと、最後まで喋らせて」

 

今すぐ帰れと睨むサイタマに言葉を返す。

 

「一体何しに来たんだ!アンタ仮にも進学校の理事長だろ?!」

「その学校にいる怪人の殺せんせーを倒す役目を持つ君の私生活を見に来ただけだ!」

 

いきなり勝手に来たことを怒り出すが、本人は殺せんせーの相手がどんな生活をしているのか見に来たと発言。

 

「全く、お土産を持って来たと言うのに」

「とりあえず、ゆっくりしとけよ」

 

しかしお土産と言う言葉にサイタマは態度を変えた。

 

「あははは、正直だな。じゃあ、さっそくお土産を」

 

すると浅野が渡したのは、知恵の輪とルービックキューブ。

 

「これで少しは知恵をつけるように、がはっ!?」

 

ドヤ顔で語る浅野の顔面にその2つを叩きつけるサイタマ。

 

「それにしても、廃墟の町のマンションを許可なく勝手に住み着くとは…君は人としてどうかと思うが」

「勝手に茶を入れるお前に言われたくないけど!?」

 

ブツブツと文句を言いながら浅野はお茶入れて飲むので、また怒鳴りつけたりする。

 

「てか、おちょくりに来たのなら帰れ!」

「ちょっと、せっかく来たんだぞ。客人にもうちょっと居させても良いだろ?」

「そのタップダンス止めろ!!」

 

完全におちょくるようにとタップダンス始める浅野に苛立つサイタマ。

 

「まぁまぁ、さすがに悪かったから息子のアルバムでも見るかい?」

「見ねぇよ!」

 

などといつの間にか、学秀のアルバムやらホームビデオDVDを出した。

 

「つーーーか、アンタ自分の息子と反目しあってんだろ!!」

「公私はちゃんと弁えてるさ!」

 

本来なら息子の学秀とは仲が悪い筈だとツッコむサイタマだけど、あくまでも教師と生徒の関係だと反論。

 

「ほら、どうだい?この頃の学秀は本当に素直で可愛かったんだぞ♪」

[コイツ…裏じゃあ溺愛してんのかよ]

 

メロメロになりながらもテレビで幼稚園の頃の学秀の映像を見たり、または小学生の時の写真を見せたりとしていた。そのあまりの親バカっぷりに引く。

 

「まぁ、それはさておいて…君は近頃どんな風に言われてるのか分かってるのか?」

「あ?」

「たしか、怪人…つまり殺せんせーとコンビを組むヒーローだとな」

「なんだそりゃ!聞いてねぇよ!?」

 

まさかサイタマは自分が殺せんせーとコンビで行動していると噂されていた。

 

「あんだけ一緒いたら仕方ないな」

「こっちだって好きにいるんじゃねぇよ!」

 

バカにする浅野に怒りMAXのサイタマ。

 

「アンタもアンタだろ!子離れしろよ!」

「何を言ってるんだ!あの優秀で可愛い学秀を婿になんかさせてたまるか!そもそもまだピチピチの中三だぞ!」

「ピチピチって単語止めろ!!」

 

そのまま2人は喧嘩し始めてギャーギャー騒ぎ出す。だが、そこに

 

「まぁまぁ、お2人とも」

「お前!?」

「アナタ!?」

 

変装した殺せんせーが現れて2人の喧嘩を止めた。

 

「そんな興奮してはいけませんよ。だって…ほら」

「「え?」」

 

そこにいたのはジェノスと渚とキングと、なぜか学秀だった。

 

「が…学秀」

「あの…せっかくなのでサイタマさんにお土産をしようかと…」

「その途中でね」

「うん…」

 

なんでも学秀はサイタマにお土産を届けようとした時に、たまたまメンテが終わったジェノスと遊びにいこうとした渚とキングと殺せんせーと合流。

 

「それで…それは」

 

などと学秀は自分の小さい頃のアルバムと映像に指をさして尋ねる。これには浅野は脂汗がダラダラ。

 

「えっと…理事長っていうか、父さん…公私はちゃんと弁えているのなら構わないけど…あまり迷惑はかけないように」

 

学秀は少し申し訳なさそうにしながらもサイタマにお菓子の詰め合わせを渡して帰った。

そして浅野は息子に見せてはいけないものを見せられたと倒れる。

 

「ああ、理事長先生!?」

 

慌てて駆け寄る渚達だった。




これも吸死からのポジは声優からです。

サイタマ・ロナルド

浅野・ドラウス


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本編
いざ!椚ヶ丘学園へ!


そして月曜日。

私立椚ヶ丘学園中学校の体育館では、突然の全校朝会が行われて、校長の話が一段落つくと

 

「さて今日。我が校に・・・・・・・・・・・・現役のヒーローが来てくれました!!」

 

校長の言葉に生徒達は少し騒ぎ始めたが、サイタマとジェノスが出た途端。

 

「うわ!?本当だ!?」

「しかもあれ、期待の新人ヒーロージェノスだ!?」

「キャーーー!!ジェノス様!!」

 

本物のヒーローが来たので生徒全員が、興奮して声を上げたり、感動のあまり気を失った人が出てしまう。

 

[まさか条件って・・・・・・・・・・・ヒーローコーチと特別体験実習生になって貰う事かよ・・・・・・・・・・・・]

 

サイタマは呆れるも生徒達に手を振った。

 

「でもこれは、ヒーロー協会のイメージアップも兼ねてのものですよ」

「はいはい、そうだったな」

 

2人は小声で会話するけど、そんな2人を真剣に見る少年が居た。

 

「凄い・・・・・・・・・・・・本物のヒーローが来たんだ」

 

じつは彼、3年E組の潮田渚はヒーローの大ファンで、思わず感動して涙を流していた。

朝礼が終わり2人が理事長室に行く。

 

「改めてようこそ!椚ヶ丘学園へ♪」

 

椚ヶ丘学園理事長・浅野學峯は2人に歓迎の言葉を言う。

 

「んで、コイツ誰だ?」

 

サイタマは彼の事を全然知らなかった。

 

「椚ヶ丘学園の理事長、浅野學峯ですよ」

「はははははは、なんとも面白いヒーローだ」

 

浅野は苦笑いしながら誤魔化す。

 

「じつを言うと、私にはヒーロー協会に知り合いが多数いますし、わが校のOBにもプロヒーローになったものがいて、それなりにヒーローについて調べていますよ」

「ふ~~~~~~ん。準備が早いな」

「ですが、ここに来たからには、私の指示に従って貰います。はい、これがあなた達への日程です」

 

日程表には(一日目は午前中本校、午後は旧校舎・E組で過ごす。2日目はE組で暗殺の手伝い。3日目は本校でヒーロー講師として生徒に教える。4日目から最終日まで午前と午後を分けて、本校と旧校を行き来しながら授業を受けてたり講師として指導する。)となっていた。

 

「では、ジェノスくんは3年A組。サイタマくんにはとりあえず3年D組で、生徒と一緒に午前中の授業を受けてもらいます」

「はい」

「へ~~~~~い」

 

潜入一日目の午前。

ジェノスの居るA組では

 

「ではジェノスさん。とりあえず黒板に書いてくれないか?」

「分かりました」

 

教師に言われたとおり黒板に問題の答えを書く。

 

「ふむ、正解だ。さすがヒーローだな」

 

その言葉に続いて生徒から拍手の音が響く。

 

[さすが一二を争う進学校だけある。どの問題もレベルが桁違いだ]

 

ジェノスは授業のレベルが高い事に改めて理解する。

その頃、サイタマが居るD組では

 

「くちゃくちゃくちゃ」

 

同然のようにサイタマはガムを食べて、全然授業を聞いていなかった。

生徒達はもちろんD組担任の大野は、態度が滅茶苦茶悪いサイタマにストレスを溜める。

 

「あの・・・・・・・・君はゲストだから、あんまりどうこう言わないが、授業中にガムは・・・・・・・・・・・・・」

 

注意するが全然聞く気にもなっていない。

 

「君!この学園に居るという自覚に気づいているか!我が校にいる間は態度を良い方で!!」

 

強く怒鳴ったがガムを風船のように膨らませていた。

それから大野は無視して後ろを振り向く。

 

[もう無心だ!落ちこぼれの潮田と問題児の赤羽に比べたら・・・・・・・]

 

大野はなんとか無心のまま授業を進めようとした。

けど、サイタマが風船を大きく膨らみすぎたせいで、風船が割れてサイタマの顔がガムまみれななり、大野もドンと黒板に強く顔面と額を叩き付けた。

 

「先生・・・・・・・・・・・・・大丈夫ですか?」

 

生徒が恐る恐る尋ねると大野は顔を振り向いた。その顔は鼻血はもちろん額からも血を垂れながれ、さらに目からも大量の悔し涙を流すという具合だった。

 

「・・・・・・・・授業を続ける!!私の事は気にしない!!」

 

大野は大声で叫ぶけどサイタマはというと。

 

「つまんねぇな~~~~~~早く終わらないかな~~~~~~~~」

 

全く気にしてなかった。

そして午前の授業が終わって、昼食になり食堂でサイタマはかき揚げうどんを食べてた。

ちなみにジェノスは

 

「ジェノスさん、私の弁当食べてください!」

「ちょっと!ジェノスさんは私のを食べるの!!」

「なによ!私が先よ!!」

「いや・・・・・・・・・・・・そんな事をしたら君達の食べるのが?」

「良いのよ。あたしダイエット中だから」

「そんな事言って!昨日アイスを食べてたくせに!!」

 

たくさんの女子に囲まれて、ハーレム状態になっていた。

当然周りの男子から妬みの視線が出しまくっていた。

 

「お前・・・・・・・・・・・そんな状態で、よく理性を保てるな?」

「それはどういう意味で?」

「いや、なんでもない」

 

とこんな状態であった。

そして2人は本題のE組のある旧校舎に向かう。

 

「つーーーーーか。なんでわざわざ山の中の隔離校舎にクラスを作るんだよ?いくら落ちこぼれだからって、そんなまどろっこしい真似すんだよ?」

 

サイタマはE組に疑問を持ち始める。

 

「いやなんでも、こうする事によって他のクラスの差別意識を高めて、より努力するようにと合法的な目的があるようですよ」

「つまり、E組に入りたくなければもっとがんばれってか?くだらねぇ」

 

と会話してる内にE組校舎に着いた。

 

「よく来てくれたな」

 

入り口には烏間と金髪で巨乳の美女が立っていた。

 

「よう!んでそっちの美人は?」

「どうも。英語教師のイリーナ・イェラビッチよ♪」

「そして彼女は奴を始末する為に雇った殺し屋だ」

 

イリーナ・イェラビッチはお色気出しながら挨拶する。

 

「そっか。とりあえずよろしくな!」

「こちらも」

「よろしくね。ヒーローくん♪」

 

2人はイリーナと握手する。

 

「なるほど、こんな山の中なら大抵の秘密が漏れなさそうだな」

「そうだ。まさに奴の暗殺にうってつけの状態になる」

 

そして4人はターゲットのいる教室に着いた。

 

「ここか?んじゃ!」

 

サイタマはさっそく扉を開けた瞬間、いきなりクラッカーの鳴る音が響いた。

 

「いや~~~~~~~~まさか本当にヒーローが来てくれるとは♪」

 

とまるでタコのような足と触手の手をして、まんまる頭の落書き風の顔をして、教師の格好の怪人がクラッカーを鳴らして歓迎した。

 

「んで、コイツが月を破壊した怪人か?」

「怪人とは失礼な!!ここでは殺せんせーと呼んでください!!」

 

殺せんせーと名乗る怪人は、分かりやすいリアクションで怒る。

 

「とりあえず、授業の邪魔にならなければ、暗殺しても構いませんから仲良くしましょう♪」

 

殺せんせーは2人に握手を迫る。

 

「お前、面白いな!」

 

いち早く握手したのはサイタマ。だがジェノスはというと

 

「先生!なに仲良く握手してるんですか?奴は恐らく災害レベル・神の怪人ですよ!」

 

このとおり警戒していた。

 

「ヌフフフフフフ。やっぱりヒーローらしい態度をとっていますね」

 

殺せんせーは顔の色を縞々にして、舐めている態度をみせる。

 

「ですが、折角ヒーローが来てくれたのですからね」

 

ここで真剣に考えるが、どうしても簡単な顔なのでギャグにしか見えず、そして考えて思いたのは。

 

「よろしい!ではこの時間を先生対ゲストヒーローの勝負をいたします。全員グランドに集合してください!」




少しTIGER&BUNNYで学校訪問篇風にしてみました。
ついでに潮田渚はヒーローの大ファンで、浅野學峯はヒーロー協会と認識があるって設定を加えてみました。
そしてもしかしたら、オリジナルのヒーローが出るかもしれません。


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超生物対ヒーロー1

殺せんせーとヒーローのバトルで、始めはジェノスから。


「「え?」」

「「なっ!」」

「「「「ええええーーー!!!?」」」」

 

当然のようにサイタマや烏間や生徒全員は、殺せんせーの思いつきに大声を上げて驚愕する。

 

「貴様!なに勝手な事を、持ちかけているんだ!」

 

烏間はすぐさま悪ふざけに見えない思いつきなので怒鳴りつける。

 

「いえいえ、これは本気です。生徒達にヒーローの戦いという物を見せたいと思いますし、私もヒーローに興味がありますから」

 

顔を縞にしてどうみても自分の都合しか見えない。

 

「別にいいんじゃねぇの?だって折角来たんだし」

「こちらも、奴と戦おうと考えていたからちょうどよかった!」

 

2人はすでにやる気満々で

 

「そうだよ!やらせてみてよ!」

「私、ジェノスの戦い見てみたい!」

「俺も!」

「僕も!」

 

生徒も賛成している為、烏間は頭を抱えながら。

 

「勝手にしろ!ただし本校舎に悟られないようにな!!」

「それは承知していますので、ご安心を」

 

完全にやけくそな感じで許可した。

 

「1つ尋ねるが、こちらは本気でいいんだな?」

「もちろん本気で来ても構いませんよ。ただし生徒に危害を加えないように」

「それは承知した」

「よろしい。では行きましょう!」

 

すぐさま殺せんせーは超スピードでグランドに着いた。

サイタマ達もグランドに向かった。

 

「本当に凄いよ!まさかヒーローの戦いが見られるなんて!!」

 

興奮する渚に茅野カエデは尋ねる。

 

「渚って、本当にヒーローのファンなんだね」

「もちろんだよ!イケメン仮面アマイマスクに、人類最強の男キングはもちろん。C級からB級まで調べたり、カードにテレカも集めてるからね」

「そっか!じゃあ後で教えてね」

 

そんな会話をしながら、グランドの内側には、殺センセーとサイタマ&ジェノスが決闘するかのように立って、E組生徒と烏間とイリーナは戦いに巻き込まれないように、なるべく離れたところで見学するのであった。

 

「それで、アンタはあの2人の事は調べたんでしょ?2人の実力は?」

 

イリーナはサイタマとジェノスの実力はどうなのか尋ねた。

 

「たしかジェノスは体力・筆記は満点で、いきなりS級を受けたらしい。が、サイタマは筆記が最低だったが、体力は新記録を更新したようなんだ。だが……」

「だが?」

「奴は今まで巨大怪獣や怪人は勿論の事、巨大隕石を破壊したって噂が立っている」

「ええっ!!?」

 

烏間の発言にイリーナは驚く。

 

「ちょっと!そんなんだったら一気にA級かS級に昇格する筈でしょ!?」

「たしかにそうだが、世間ではインチキだとの噂も出てるだからな」

 

話してる間に、ジェノスが前に立つ。

 

「んで、本当にこんなおもちゃのナイフとBB弾が効くの?」

 

サイタマは対先生武器をあんまり信用していない。

 

「でもどうやら、本人自らが保障したみたいですよ」

「そうかよ……んでまさかとは思うけど、身体……」

「ええ、昨日のうちに改造しておきましたので、先生は離れてください」

 

そしてジェノスは構えると

 

「では、行くぞ!!」

 

猛スピードで突進してきたが、殺せんせーはそれよりも早く避けた。

 

「言っときますが先生の速さはマッハ20ですよ。これくらいのスピードじゃあ先生には勝てませんよ?」

「なら確かめてやる。マシンガンブロー!!」

 

ジェノスがパンチとキックを繰り広げるが、残像が見えるくらいの速さを持つ殺せんせーには無意味だ。

 

「なるほどな……だがこれだけが俺の武器ではない!」

 

ジェノスは両腕を殺せんせーに向けると、手の平から焼却砲を発射した。

 

「焼却砲ですか?」

 

焼却砲を観察しながらも避ける。

だが今度は両腕から小型の機関銃が出ると、そこから対先生用のBB弾が発射された。

 

「おやおや?」

 

すぐさま避けるが少し服にかすったりしてしまう。

 

「凄いな!あれがS級新人ヒーロージェノスの戦いか……」

「もしかしたら本当に勝っちゃうかも!」

 

生徒達は生のヒーローの戦いに興奮する。

そしてジェノスと殺せんせーの戦いから30分しか経ってないが、なぜかジェノスは疑問を持ち始める。

 

[バカな……同じくらい動きをしているのに、なぜ疲れない?それに一度も反撃してこない?]

 

気になったジェノスは思い切って尋ねる。

 

「貴様、なぜ逃げ回っている!!なぜ反撃しない!!貴様の力なら俺を一瞬で倒せるだろ!?なぜ何もしないんだ!?」

 

大声で叫んでみると少し笑い始める。

 

「ヌフフフフフ♪たしかに何もしなければ不安になりますか?ですが、もう反撃してますよ」

「なに?!貴様……一体!」

 

するとジェノスは腕や足や腰の間接がスムーズになっている事に気づいた。

 

「ヌフフ♪アナタが熱却砲を撃つ間に、5秒間のチャージが必要みたいですね。その間駆動系が緩いようなので、色々と直しておきました」

 

殺せんせーはドライバーやピンセットやワックスなどのメンテ道具を多数持って、さらに対先生弾がなぜか入ったビニール袋を持っていた。

 

「ついでに生徒に当たりそうなので、対先生弾を全て抜き取って、さらに焼却砲もオフにしておきました♪」

 

殺せんせー流の反撃にジェノスは腰を抜かす。

 

[なんて事だ……俺の攻撃が当たらない上、ボディのメンテナンスをされてしまうなんて……]

 

その時、ジェノスは初めて殺せんせーの実力を知った。

全てが未知数だと。

 

「そう落ち込まないでください。3週間の間、生徒達と一緒に先生を殺す勉強を共に受けましょう。アナタはその為に来た筈です?」

 

殺せんせーは落ち込むジェノスを元気つける。

 

[そうだな……まだ一日目だ!こっちにはまだ!]

「じゃあ、次は俺の番ね」

 

サイタマが前に立つ。




ジェノス対殺せんせーでは、殺せんせーが勝利しましたけど、サイタマとはどうなるかはお楽しみに。


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超生物対ヒーロー2

次の対決はサイタマとなった。

 

「あれってたしか……この間B級に上がった?」

「あのサイタマってヒーロー。巷じゃあインチキだって噂が立つよ?」

 

赤羽業は少しからかうかのようにする。

 

「うん……隕石破壊したとか海からの侵略者を倒したって言うけど、実際は他のヒーローの手柄を横取りしたって言うし」

「つーーーか、あんなハゲが本当にそんな真似したのかよ?ただのデタラメじゃねぇのか?」

「ほんとほんと!」

 

寺坂竜馬達が笑いながら言う。

 

[でも……なんかあの人、普通じゃない気がする]

 

それからサイタマが殺せんせーの前に立つ。

 

「本当に手加減はしなくてもいいんだな?」

「もちろんですよ♪どっからでも来てください!」

「そんじゃ!」

 

サイタマは拳一撃で殴りつけると、殺せんせーは勢い良く吹っ飛んだ。

 

「うわ!?」

「なんだ!?」

 

しかもその場所から強い衝撃波が出てきた。

 

[これは、なんてパワーだ?!]

「一体どうなってんの?」

 

当然のように烏間や渚達は、サイタマのパンチの威力に呆然となる。

 

「まさか、拳一発で……」

「てか、殺せんせーは!?」

 

するとサイタマは吹っ飛ばされた殺せんせーの所に行ってみると

 

「あれ?」

 

そこには何か落ちてた。

 

「なんだこれ?」

 

手に持って広げるとそれは皮のような抜け殻のような物で。

 

「びっ、ビックリしましたよ!!いきなりですからね……」

 

木の上に殺せんせーがしがみ付いていた。

 

「お前、脱皮するなら先に言えよ」

「それを言わないのが切り札ってものですよ!!」

「そっか」

 

サイタマはジャンプすると抜け殻を鞭のようにして、殺せんせーの腕に巻きつかせる。

 

「にゅ!!」

「おらぁ!!」

 

そのまま地面に叩き付けて、キックをやったが超スピードで逃げられてしまい。

 

「よう」

「ニュニュ!!」

 

なんとサイタマは殺せんせーのマッハ20に着いて来ていた。

 

「お前、パニックより早いな?!」

「アナタも反応が早いですね」

 

殺せんせーは触手でサイタマを捕らえた。

 

「あれ?」

「いくら早くても、動きを見れば捕らえられますよ」

「ふ~~~ん」

 

だがサイタマは縛られたままグルグルと回った。

 

「にゅにゅ!!まさかこの状態で?!」

「この状態作ったの、お前だろ?」

 

そして殺せんせーは思わず離して地面に着地しサイタマも拳を構えて

 

「連続普通のパンチ!!」

「おっと!!」

 

サイタマが連続でパンチを繰り広げるので、殺センセーも尽かさず防御する。

 

「はっ!!」

「くっ!!」

 

負けずに殺せんせーも触手をドリルにして反撃するが、サイタマはそれらを全て避けたりしてパンチを繰り返す。

だが周りはそんなハイレベルな戦いに、思わず言葉を失いかけていて

 

「まさか……殺センセーと互角なんて!!」

 

渚は殺せんせーと互角のサイタマに驚いていた。

 

「つーーーか、もしかしたら学校どころか、町が崩壊するんじゃねぇか!?」

「てか、なんだよあのヒーロー!本当にB級か?!」

 

さらには杉野友人達も声を出し始めた。

 

[あの怪人……先生と同等なのか!やはりこの世界には、これほどの存在がいたのか?]

 

ジェノスも殺せんせーの力に驚いた。

それから2人のバトルは続いて、もはやグランドが壊滅的にボロボロとなってしまう。

 

「うおりゃああ!!」

「にゅらあああ!!」

 

そして2人の拳がそれぞれの額に当たる寸前、ギリギリに止めた。

だがその周りから先ほどよりも強い衝撃波が出た。

 

「お前、本当に本気出してなかったな?」

「それはアナタも一緒でしょ?手加減なしって言ったはずなのに?」

 

2人は睨み合いながらも、一歩とも動こうとはしない。

 

「なんか疲れたし腹減ったから、俺の負けでいいよ」

「いえいえ、この場合は引き分けの方があってますね」

 

2人は意気投合して握手した。

 

「しかし、まさか俺と互角の奴なんていないと思っていたが、世界って本当に広いな!」

「先生だって世界中を回って、色んな人や兵器を目にしてきましたが、アナタは初めてでしたよ!」

 

2人は馬鹿笑いをしまくるが、周りのみんなはついて来られなかった。

 

[あのヒーローが、奴と互角とは……もし2人が本気で続けていたら、確実に地球が滅んでいたな]

 

烏間は改めて、サイタマを呼んだのを正解だと思ってたりする。

そして放課後。

生徒のほとんどは下校していたが、理事長室では

 

「理事長!なんですかあのサイタマというヒーローは!!」

 

大野は浅野にサイタマの事を強く抗議した。

 

「あんな態度の悪いヒーロー見た事がありません!そもそもプロヒーローになったのも可笑しい!!」

「まぁ、落ち着いて。真の教育者はこんな事で興奮するんじゃないですよ」

 

少し脅すみたいな気迫で浅野は大野を落ち着かせる。

 

「なんでも彼は、短期間でC級からB級に上がったみたいでね。もしかしたら彼の実力は、すでにS級を超えてるかもしれませんよ」

 

浅野はすでに気づいていた。

サイタマが何もかも桁違いな男だという事に。

その頃、渚とカエデと杉野と赤羽が一緒に下校していた。

 

「なぁ!今度お前んちで他にヒーローの事を教えてくれよ!」

「もちろん、そのつもりさ♪」

「すっかりヒーロー博士だね♪」

 

楽しく会話しながら歩いていたが

 

「ぎゃははははははは!」

「「うわ!!」」

「えっ!なに?!」

 

突然渚達の目の前に、6本の腕を持つ蜘蛛のような怪人が現れた。

 

「俺様は蜘蛛を愛するあまりに、いつのまにかこんな姿になったクモクモマスター!」

 

怪人はクモクモマスターと名乗った。

 

「へ~~~コイツが怪人か?」

「何だガキ?」

 

赤羽はクモクモマスターを興味を持つ。

 

「ちょっとカルマくん!何する気なの!?」

「別に、怪人って本当に強いのかなってね!」

 

いきなり赤羽はカバンを投げつけて、クモクモマスターの頭部に当たったので、その隙に赤羽は道に落ちてた鉄パイプを拾って殴れ掛かろうとする。

のだが

 

「無駄だ!」

「ぐあ!」

「カルマくん!?」

 

しかし6本も腕があるので、鉄パイプを受け止めて殴りつけた。

すぐさま駆け寄るが

 

「俺に攻撃した連帯責任だ!お前らもこうしてやる!」

 

そしてクモクモマスターは渚達にも襲い掛かろうとした。

それで渚は改めて知った、これが怪人というのを。

 

「あれ?」

 

だが、そこにサイタマが現れた。

 

「サイタマさん!」

「なんだ?てめぇは!!」

 

クモクモマスターは6本の手から爪を出し、さらに口からより鋭い牙を出して襲い掛かったが

 

「えいっ!」

「ぎゃあああああああ!!」

 

サイタマのパンチでクモクモマスターは一撃で倒した。

 

「スゴイ……」

「ワンパンチだ!」

 

 

殺センセーの対決もそうだが、やっぱり桁違いだと思った。

 

「サイタマさん!もしかして危険を感じて?」

「いや、今日このスーパーの特売日だから向かっていた途中、偶然お前らがここで襲われていたから助けただけ」

 

スーパーのチラシを見せると立ち去っていった。

 

「本当に……よく分からないね」

 

起き上がった赤羽はサイタマの性格に呆れる。

けど

 

「ワンパンマン!」

「え?」

「あ……なんでもない」

 

カエデは思わずサイタマに“ワンパンマン”とあだ名を着けたが、それはしばらく自分の心の中にしまっておいた。




サイタマと殺せんせーの対決は、見事に引き分けとなりました。
そして、少し色々と書き加えたりしました。


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E組の授業1

暗殺2日目。

今日は一日中E組で過ごす事になった。

 

「では、みなさん。今日はヒーローと一緒に学習をしましょう♪」

 

殺せんせーはそのまま国語の授業を開始した。

ちなみにサイタマとジェノスは、一番奥に机とイスに座っていた。

 

[昨日もだけど、やっぱりつまんねぇな・・・・・・・・・・・・]

 

でもやっぱりサイタマは全然聞いてなかった。

 

『サイタマさん、ちゃんと聞いてくださいよ』

 

薄型テレビのような機械の自律思考固定砲台・律は、態度の悪いサイタマに注意する。

 

「つーーーーーか、なんでテレビみたいなのがあるんだ?」

『私は、先生暗殺用に作られた自律思考固定砲台です。そして律ってお呼びください♪』

「コラ!律さん!あんまりゲストさんを誘惑するのではありませんよ!!」

 

律は挨拶するけど殺せんせーに叱られてしまった。

二時間目は社会で、ジェノスは殺せんせーの授業を観察する。

 

[それぞれ苦手な科目がある生徒に合わせて、教えているようだな。本当に教師としてやってるのか?]

 

だけど観察しているジェノスの横で、サイタマは退屈そうにあくびをしていた。

でもしばらくすると対先生ナイフを持って、少し悪ふざけに殺せんせー目掛けて投げつけた。

が殺せんせーは教壇を持ち上げて身を守り、ナイフは教壇に突き刺さっていた。

 

「サイタマさん!授業中の暗殺は構いませんが、生徒に迷惑かけないように言った筈ですよ!!」

「でも、周り気づいていなかったから良いんじゃねぇの?」

 

サイタマと殺せんせーのコントみたいな会話に、周りが笑ったり呆れたりする。

 

「やっぱり、殺せんせーと互角にやれるのはサイタマさんだね」

 

苦笑いする渚に赤羽がある事に気づく。

 

「てか、あれって矛盾だね」

「え?」

「まずサイタマって奴は、どんな怪人をも拳1つで倒す最強の矛で、殺せんせーもどんな暗殺も無意味な最強の盾。まさしく2人は矛盾って奴だね」

 

赤羽は思わず本気に笑い出そうとするが堪える。

それから3時間目の英語は、イリーナの授業であった。

 

「じゃあ、今日は。せっかくヒーローが来てくれたから、口説き方について一緒に学びましょう♪」

 

知ってのとおりイリーナの英語の授業は、下ネタ多目のものであった。

 

「という訳で、ジェノスさんこっちへ♪」

「あっ!ビッチ先生、ジェノスさんと距離を近づけるつもりなんだ!?」

「本当に汚いよ!ビッチ先生!?」

「うるさいわね!!それからビッチ先生言うな!!」

 

生徒達がからかったり批判や非難するけど、イリーナは怖い顔で怒鳴りつける。

 

「言っとくけど!これは暗殺に使えるから、見ておけば損にならないからね!!」

「折角の機会だから、お前やってみたら?」

「なんか不本意だが、仕方ないな」

 

仕方なくジェノスはイリーナと一緒に黒板の前に立つ。

 

「まずは、相手とデートしている時に、発信機を付けるコツから」

 

さっそくイリーナはジェノスの腕に抱きつくので、仕方なくジェノスはそれに付き合う。

2人はそのまま教室でデートの真似をするが、周りから見たらまさしく美男美女のデートであった。

 

「そしてここで、自然に躓いたり目にごみが入った演技をする」

 

ここでイリーナは演技とは思えないように、足を捻った真似をする。

 

「ほら、アナタも乗っかってね」

「分かった。大丈夫ですか?」

 

すぐさまジェノスはイリーナを助け起こすが、その瞬間。

 

「あっ!」

 

渚はなにかに気づいた。

 

「なにか気づいたようね♪」

「それなら、俺もだ。これだろ?」

 

するとジェノスはズボンの後ろポケットから、ボタンを取り出した。

 

「お前を助け起こした時に、これを仕込んだらしいな。だが勘が鋭い者には通用しないな」

 

ボタンをイリーナに返した。

 

「さすがS級ヒーローだけあるわね。でも、もっと探してみたらどうかしら?」

「なに!」

 

その言葉にジェノスは思わず自分の身体を調べると

 

「これは?」

 

別のポケットから小さなシールが貼られていた。

 

「いつのまにこれを?」

「アナタと歩いていた時よ。まずアナタの態度と雰囲気を見ながら、さり気なく忍ばせるの。簡単でしょ♪」

 

まるで小悪魔のようにウィンクする。

 

「とりあえず、私の寸劇に付き合ってくれた、ごほうびあげる♪」

 

そしてイリーナはそのままジェノスとキスしようとした瞬間。

 

「もういいだろ?」

「んぐ!!」

 

ジェノスはイリーナの顔を押さえつけた。

 

「俺にそんな手には乗らんし、今は授業中。不謹慎な真似は止めるんだ」

 

かっこ悪く注意されてしまう。

 

「おいおい、怒られてるぜ?」

「てか、当然よね?」

「ビッチ先生ダサ~~~~~い!」

「だから、ビッチ先生言うな!クソガキ共が!」

 

完全にキレて大声で怒鳴ったりするけど、ますます生徒に笑われてしまう。

そして昼休み。

サイタマとジェノスは、渚達と昼食を食べながら話し合った。

 

「じゃあ、サイタマさんは趣味でヒーロー始めたんですか?」

「そうだ。だが知名度が低いから、改めてプロヒーローになったんだ」

「それでジェノスさんも、サイタマさんに進められてプロヒーロー?」

「もちろんだが、俺は元々そんなのに興味はないだが?」

 

それなりに会話が進んだ。ちなみに殺せんせーは、スペインでパエリアを食べに行った。

 

「それにしても、アイツが俺と同じ位だなんて驚いたぜ!久々にワクワクするな」

「え?それってどういう?」

「昨日も見ただろ?俺、強くなり過ぎたんだ」

 

するとサイタマが自分の拳を見ながら、寂しく悲観的になる。

 

「どんな怪人が現れても、ワンパンで片がつく。だから戦いの緊張感や恐怖やワクワクなんて、全然感じられねぇんだ」

「たしかに、一発でやっつけられたら・・・・・・・・・・・・つまらなくなるよな?」

「だろ。おかげで怪人退治は、蚊か蟻を潰すようなものだよ。でもアイツは違った!!」

 

何やらやる気の満ちた目をして大声をあげた。

 

「昨日アイツと戦っていた時、なんかもの凄く熱く!勝負の焦りや喜びが満ちた!全く世界って本当に広いって思ったぜ!!」

「ヌフフフフフフ♪それほど喜んでくれるとは嬉しいですね♪」

「うわっ!!?」

 

いつのまにか殺せんせーが現れた。

 

「お前いつのまに!?」

「たった今スペインから帰ってきました。はい、先ほどのナイフを拭いておきました」

 

殺せんせーはハンカチに包んだナイフを渡す。

 

「まっ、のんびりと先生を殺す秘策を、生徒と一緒に練ってくださいね♪もちろん本校舎の生徒とも触れ合いながら」

「ああ!そうさせてもらうぜ!」

「先生の弟子である俺も忘れずにな」

 

そして午後の授業は体育で担当は烏間である。

しかしそんな様子を監視する影がいた。




イリーナとジェノスが擬似デートをします。


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E組の授業2

五時間目は烏間の体育。

ナイフ捌きや狙撃技術を教えて、殺せんせーの暗殺に一歩近づけるようなものである。

 

「なんだよなんだよ?体育がこんなんかよ?」

「文句を言うな!全て奴を暗殺する為にやってる事だ!」

 

サイタマを無視して体育を進める。

 

「ねぇ、昨日のアンタの戦い。凄かったねぇ?」

 

すると赤羽がサイタマに近づく。

 

「なんだよ?」

「いや、ただアンタがどれくらい素早いかな!」

 

そのまま対先生ナイフで攻撃するが、サイタマは歯で受け止める。

けど、赤羽は懐からエアガンを取り出すが、サイタマに素早く取り上げられてしまった。

 

「ほら、これで満足か?」

 

そのままエアガンを返した。

 

「ほんと怖ぇ~~~でも、ガードだけなら殺せんせーの方が上だから気をつけな♪」

「へいへい」

 

赤羽はバカにするかのように忠告する。

その頃、ジェノスの方は。

 

「あの……」

「ん?なんだ?」

「「「「ジェノスさん!ちょっとナイフで付き合ってください!!」」」」

 

磯貝悠馬と前原陽斗と岡野ひなたと片岡メグは、ジェノスにナイフでの模擬戦をお願いする。

 

「別に構わないが、良いのか俺で?」

「問題ありません!ていうか一度ヒーローと勝負してみたかったんです!!」

「ん……まぁいいだろ」

 

悠馬が自信満々に返事をして、仕方なく付き合う事になった。

 

「では、こちらは手を抜いても良いのか」

「それは、ご自由に!!」

 

悠馬と陽斗は素早くナイフで攻撃し始めた。

 

「おっと!?」

 

驚いたすぐに2人から距離をおいたが、後ろから誰かの気配を察知して避けると、そこにナイフを構えた片岡とひなたが立ってた。

 

「惜しい!でもここからは違うから!!」

 

4人はさっきよりも素早く、そして無駄のなくジェノスに攻撃しまくる。

ジェノスは4人のナイフをかわしながら分析していた。

 

[早いな?しかも正確無比な動き!ここまでのナイフさばきは、相当の特訓をしているな?]

 

しかしその隙を付かれたか陽斗が足を引っ掛けた。

けど体制を整え少し距離を取った。

 

「もしかして俺達、ジェノスさんを圧倒していない?!」

「いやいや、まだ実力の半分かもしれないぞ!」

「でもなんか、ヒーローと勝負する事が信じられないよ!!」

「だけど油断は禁物!せめて殺せんせーだと思ってやるよ!」

 

4人はつい興奮するが、すぐに攻撃を再開した。

だがすでにジェノスは4人の動きを見切っていた。

そして次の瞬間

 

「「「「あれ?」」」」

 

いつのまにか4人の手からナイフが消えた。

 

「ゲームオーバーだ!」

 

ナイフはジェノスに奪われて、腕から銃口を出し構えた。

そして悠馬達はつい手を上げた。

 

「中々の腕だな?驚かせてもらった」

 

ジェノスは4人にナイフを返して感想を言う。

 

「いえいえ、こちらこそ相手になってくれてありがとうございます」

 

片岡がジェノスにお礼を言ってナイフを受け取り。

 

「スゲェ、やっぱりヒーローなんだね!」

「よっしゃ!だったらもっと練習しなくちゃ!!」

 

そしてこのとおり悠馬も陽斗もひなたもやる気を上げさせる事になった。

 

「たく、なにやってんだよ?その前にあのタコを殺せるようにしろよ」

 

寺坂ははしゃいでいる3人に呆れる。

 

「つーーーか、お前らはやんないのか?」

 

サイタマは体育をサボったりする寺坂と村松拓也と吉田大成に声をかける。

 

「別に、俺はもっと楽とかして勝ちたいんだよ」

「もしかしてお前って、喧嘩した事ないだろ?」

「うっ!!」

 

サイタマに痛いところ言われて寺坂はコケかける。

 

「テメー!俺に喧嘩売ってんのか!!」

「そんな怖い顔すんなよ」

 

つい引いてしまう。

 

「ところでサイタマさんって、もしかしてドーピングで強くなったんですか?」

 

だけどそこにカエデはサイタマに質問する。

 

「……いや、薬は使ってねぇけど……」

「でも……そんだけハゲてるから?」

「トレーニングでハゲたんだよ!!それ以外ないって!!」

 

サイタマもそんな感じでカエデに怒鳴る。

そしてそんな様子を、殺せんせーは砂場で城を作りながら見つめる。

 

[ヌフフフフフフ。前よりも賑やかでいいですね♪]

 

と殺しの対象者は笑いながら観察する。

 

 

 

 

 

 

その頃、旧校舎付近の森に、1人の男が近づいてきた。

 

「噂じゃあ、アイツはこの学園のゲストとして、来てるらしいけどな?」

 

コイツの名は音速のソニック。

一流の殺し屋だけどサイタマに二回もやられてしまい、その為勝手にライバルにしている変態忍者。

少し前までサイタマによって刑務所に送られたが、このとおり脱獄してサイタマを探していた。

 

「だが、どんな場所であろうと関係ない!」

 

ソニックは刀を抜いて叫んだ。

 

「絶対に俺の手で倒してやる」

「アナタ?サイタマさんとはどんな関係ですか?」

「奴は俺の経歴やプライドをズタズタにされ、うわっ!!?」

 

いつのまにか後ろに殺せんせーが立ってた。

 

「なんだ貴様は!?」

 

驚いたソニックは超スピードで距離を離れた。

 

「おや?私を殺しに来たのではないのですか?」

 

しかし、殺せんせーの方が100倍も早く、逆に追いつかれてしまう。

 

「ん?何言ってんだ貴様?俺はサイタマに用があるんだ。少し眠ってろ!!」

 

超スピードで殺せんせーに攻撃した。

 

「アナタもしかして、忍者の出身ですか?」

 

殺せんせーは軽々と避けた。

 

「なに!クソ!!」

 

ソニックは体制を整え刀で斬りつけたが、木の棒を箸のようにして受け止められてしまう。

 

「対先生用武器ではないですね?」

「おのれ!爆裂手裏剣!!」

 

と爆発する手裏剣を投げつけたけど、殺せんせーは触手で軽々と上空目掛けてはじいた。

 

「なんだと!?」

「はい、チェックメイト」

「なっ!?」

 

いつのまにか殺せんせーの触手に縛られてしまった。

 

「アナタが何者か知りませんが、不審者を見逃すわけにはいきませんからね」

 

注意するがソニックはなんとか触手から抜け出して

 

「クソ……覚えてろ!!」

 

そしてソニックはそのままこの場から逃げた。

 

「どうやら?本当に私目当てではないのですね?」

 

ソニックを逃がした殺せんせーは、とりあえずグランドに戻った。




殺せんせーとソニックが出会い、やはり殺せんせーの方が圧倒されました。


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E組の授業3

「ねぇ!面白いこと考えたけどさぁ、烏間先生とサイタマさんが対決してみたら?」

「えっ?!烏間先生とサイタマさんが!!」

 

赤羽はいきなりこんな提案をしてきた。

 

「お前、何を「いい考えですね♪」なっ!!」

 

殺せんせーはいつの間にか戻っていた。

 

「貴様、一体どこに行ってた。そしてなに勝手に決めてるんだ!」

「良いではないですか♪生徒達の見本でもなりますからね♪」

 

相変わらずお気楽な殺せんせーに、イラつかせる烏間だが生徒の半分は、やってみてっていう視線でいっぱいだった。

 

「ところで、烏間先生ってプロヒーローと戦った事ありますか?」

 

倉橋陽菜乃はついそんな質問をしてしまう。

 

「ちょっと、倉橋さん・・・・・・・・・・・いくらなんでも」

「ああ、あったぞ」

「「「あったの!!」」」

 

とんでも発言にサイタマとジェノス以外の全員は驚いた。

 

「じつは一年前。俺がまだ防衛省特務部に所属していた頃、ヒーロー協会の交流があってな。そこで俺は当時A級14位のヒーロー、タンクトップソルジャーと組み手をした事がある」

「タンクトップソルジャー?!タンクトップによる動きやすさと、独自の軍隊格闘を武器にして戦う、現在A級13位ヒーローの!!」

 

渚は興奮しながらそのタンクトップソルジャーの解説をし始める。

だけど、思わず回りは引いたりするので、渚は顔を真っ赤にしてしまう。

 

「渚・・・・・・・・・・ヒーローの解説はいいけど、周りの空気をね?」

「ゴメン・・・・・・・・で、結果は?」

「たしかに強かったが、格闘センスはいまいちだったから簡単に返り討ちにしたさ。そして奴はかなり悔しかったか、3日は寝込んだらしいがな」

「さすが・・・・・・・・・・・烏間先生」

 

全員はすぐに納得した。

 

「やっぱり烏間先生って強いんだね!もしかしてスカウトされた?」

「たしかに、ヒーロー協会からプロヒーローにならないかとスカウトされたが、断ったよ」

「あはははははは、先生らしいね」

「で、やるの?」

 

烏間はまた考えて結局。

 

「たく、仕方ない」

 

そしてサイタマと烏間の模擬戦が始まるのだった。

 

「これは、見ものですね♪」

 

殺せんせーはのん気にお茶を飲みながら見物する。

 

「てかさ、どっちが勝つと思う?」

「やっぱサイタマさんじゃね?」

「でも、先生かもしれないから?」

 

生徒はどっちが勝つか相談しあう。

 

「もし俺が勝ったら、ラーメン奢ってくれよ♪」

「・・・・・・・・・・・勝手にしろ」

 

烏間本人は乗り気ではないが、それぞれ対先生ナイフを構える。

 

[コイツのスピードはたしかに早いしパワーもあるが、その動きは完全に素人だ。ただの喧嘩程度の]

 

昨日の戦いでサイタマの動きを少しは把握した。

 

「じゃあ、俺から先に行かせて貰うぜ」

 

サイタマは真っ直ぐに突進してきたので、烏間はすぐに避けて攻撃しようとした。

だが

 

「なっ!」

 

しかしいつのまにか残像を残して、サイタマが消えてしまい。

さらに烏間の後ろに殺気を感じ、振り向くと拳を振りかざしたサイタマの姿が。

その時、烏間はサイタマの中から出ている何かに驚き、怯えて思わず腰を抜かして倒れてしまう。

 

「烏間先生!」

「おいおい、大丈夫か?まっ・・・・・・・・・・・とりあえず」

 

サイタマはそのまま、烏間の胸をナイフで軽く刺した。

 

「はい俺の勝ち!ラーメン奢ってくれよ♪」

「あ、ああ・・・・・・・・・・・」

 

尋ねながら手を差し伸べるので、返事をしながら烏間はサイタマの手を掴んで立ち上がる。

 

「勝っちゃった・・・・・・・・・・・・・・・やっぱり本当は凄いヒーローなのかな?」

「でも、あれって烏間先生が勝手に倒れたから?」

「いやいや、もしかしたら、なにか気合とかで!」

 

生徒は少し騒ぎ出して

 

[このサイタマとかいう男・・・・・・・・・・先ほどは全く殺気が出なかったが、俺の中の野生の勘が危険だと感知した。もし奴が本気だったら俺は殺された]

 

烏間は改めてサイタマの力に革新する。

 

[もしも全ての暗殺術を教えたら、確実に奴を殺せる!]

 

烏間はそう思いながら体育の授業が終了し、そのままと6時間目に突入となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして下校の時間となって、生徒の半分は下校したり部活に勤しんだりしていた。

だが1人の少年が理事長室に向かっていた。

彼は生徒会長で浅野の息子・浅野学秀である。

 

「失礼します」

「おや?なにか浅野くん?」

 

浅野は息子の学秀に対しても生徒として声をかけた。

 

「理事長、なぜいきなりヒーローをゲストで呼んだんですか?」

 

学秀はサイタマとジェノスを呼んだ理由を尋ねた。

 

「もちろん、愛すべき生徒達にもっとやる気を上げさせる為に」

「そんなんだったら、C級トップの無免ライダーかB級トップの地獄のフブキでも良かった筈じゃ?」

「随分と詳しいね?」

「いや・・・・・・・・・・だがなぜ新人とはいえ、S級のジェノスを?」

 

学秀は質問し続けた。

 

「しかも黒い噂が耐えないB級のサイタマ。明らかにE組の噂と関係あるようですね?」

「・・・・・・・・・・・何が言いたい?」

「別に、ただE組の秘密を今度は地道に知りたいだけだから」

「お前らって、親子なのに決別してるのか?」

「「え?」」

 

なぜか浅野と学秀の目の前にサイタマが立っていた。

 

「サイタマさん、なぜここに?」

「だって、窓開いてたから」

「だからって、勝手に入らないでくださいよ」

 

さすがの浅野も少し冷や汗を出てしまう。

 

「へ~~~~~お前がコイツの息子か?」

「あの・・・・・・・理事長の前でコイツ呼ばわり止めてください。一応父ですから」

 

学秀もサイタマの態度に戸惑ってしまう。

 

「つーーーーーか、ジェノスから聞いたけど、なんか家庭の事情って奴だよな?」

「そんなの、アナタに聞かれる理由なんてありませんから」

「あっそう。まっ、俺には関係ないけど」

 

サイタマは扉を開けると

 

「じゃあ、明日はヨロシク!」

「ああ」

 

理事長室から出た。

 

「とりあえず、君も帰りなさい」

「う・・・・・・・・・・・・分かりました」

 

そして学秀も納得ならないまま部屋を出る。

 

[クソ・・・・・・・・・・・折角聞きだせる可能性が出たのに!だけど、絶対にアナタを支配してみせる!!]

 

しかし学秀は未だに諦めていなかった。

そしてサイタマは約束とおりジェノスと一緒に、烏間からラーメンを奢ってもらった。




サイタマと烏間の勝負ではサイタマが勝ちましたけど、「タンクトップソルジャー」はオリジナルヒーローの1人です。
そして浅野の息子、学秀も少しヒーローファンである。


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本校舎の授業は大変

3日目は本校舎でE組以外の全校生徒と、1時間の間ヒーローについて授業であった。

ジェノスは体育館で1年から3年のA組B組を、サイタマはグランドでC組D組の担当となった。

そして一時間経ったら交代する形となった。

 

「という訳で、俺がお前達にヒーローについて授業するからな。ちゃんと聞いとけよ」

 

当然のようにサイタマは、全く教える態度ではなかった。

 

[たく、俺ってこういうの苦手だっつーーーーの]

 

と欠伸しながら周りを見る。

 

[しかもほとんど、人を舐めてるガキばっかだな?]

「あの質問!」

 

と最初に質問してきたのは、3年D組の田中信太。

 

「なんだ?」

「どうして、S級のジェノスさんは、サイタマさんを先生って呼ぶんですか?どうみてはアナタが弟子って感じだけど?」

 

と信太の目はまるでE組を見るように、サイタマを見下す。

 

「いや・・・・・・・・・・それは、アイツが勝手に」

「てか、どうせ呼ぶなら。キングか戦慄のタツマキかイケメン仮面アマイマスクをゲストにしてよ?こんなB級をさ?」

 

さらに同じく3年D組の高田長助も、サイタマをバカにし始める。

 

[クソうるせ・・・・・・・・・・・だから嫌なんだよ]

 

サイタマが苛立ちはじめるけど

 

「ちょっと、いくらB級でも失礼ですよ先輩?」

 

と下級生の1人に味方してくれる人が居てくれた。

 

「でも、B級って大変だよ?」

「あ?」

「なんかB級は、C級以上に出世意識が高くて、とくにフブキ組って組織がかなりヤバイって噂だし」

 

さらに別の生徒もB級の裏事情について教えてくれた。

 

「あーーーーー俺そういうの興味ないから」

「そうですか・・・・・・・・・でも気をつけてくださいね」

「ああ、そんじゃお前らには、俺が強くなる為に行なったトレーニングをして貰おう」

「「「「トレーニング?」」」」」

 

その言葉に全員は不思議がる。

その頃、ジェノスの方だが、彼がサイボーグになった理由や、なぜサイタマの弟子になったか話した。

 

「という訳で、俺の両親を殺した狂サイボーグを追って、その途中でサイタマ先生に出会った」

「では、そのジェノスさんの宿敵の狂サイボーグですが、今はどれぐらい分かった事はありましたか?」

「いや、今のところ全然・・・・・・・・」

 

生徒全員は真剣にサイタマとは大違いにジェノスの話を、ちゃんと聞いてノートにメモッたりして。

 

「じゃあ、アナタにとってヒーローとして必要なものはありますか?」

「それはやはり、強い力と・・・・・・・・・・・後は精神面だな」

 

と生徒からの質問にもちゃんと答えたりしてた。

 

「はい!ではどうしてジェノスさんは、サイタマさんの何に引かれて弟子になったのですか?」

「もちろん、先生の底知れない力に」

「本当にあるんですか?信じられません」

「それはお前達が、先生の本当の力を知らないからだ!」

 

とサイタマの力に信用出来ない生徒に熱く語り続けた。

それからサイタマ本人は先ほどから生徒に、腕立て伏せと腹筋とスクワットを30回。さらに校庭の周りを10周ランニングさせてた。

 

「サイタマさん!本当にこんなトレーニングで強くなったんですか!?」

「当たり前だ!本当なら100回だが、お前達に合わせて30回だぞ?それにきちんとした食事制限も大切だからな!!」

「こんなんで強くなったなんて嘘だよね?」

「絶対ドーピングだよ?あのハゲはそれが原因だよな?」

 

と信太と長助は走りながら愚痴を言ったりする。

それから1時間が立ちトレーニングが終了し、C組D組生徒全員はバテていた。

 

「はい、これで俺の授業は終了。ちゃんと休んでおけよ」

 

と適当な事を言ってこの場から離れて、生徒全員は騙されたと感じ始めた。

それからサイタマはグランドから体育館に入ると、ジェノスの方も終了したみたいで、すぐに合流した。

 

「やぁ、御2人さん」

 

けどいつのまにか学秀と知らない4人がやって来た。

 

「ん?お前、誰だっけ?」

「浅野学秀ですよ!覚えててください」

 

すでに名前を忘れたサイタマに、学秀は少しイラ立ちながら名前を教える。

 

「てゆうか、そいつら誰?」

 

と後ろの4人について尋ねる。

 

「僕の仲間、五英傑を紹介しますよ」

「五英傑?」

「彼は放送部長の荒木鉄平。生徒会書記の榊原蓮。生物部長の小山夏彦。そして生徒会の議長瀬尾智也です」

「それでてきなりですみませんけど。もし宜しかったら、明日の昼の放送に2人共出演してみてください!!」

 

といきなり荒木は2人に出演をお願いした。

 

「別に良いけど・・・・・・・・・ジェノスは?」

「俺は先生がやるなら」

「それは良かった!明日は楽しみにしてますから」

 

荒木は2人にお礼を言うけど

 

[でも本当は、ジェノスさんだけでいいんだけどなぁ・・・・・B級なんて、どうせE組と一緒だろうに]

 

内心ではサイタマをバカにしていた。

 

「つーーーーかさぁ、大体この前B級に上がった分際でいい気になるなよ?」

「あ?何言い出すんだ?」

「言っとくけどなぁ、俺はこの前彼女とカフェ行った時怪人が現れたがな。彼女を守る為に身体張ったんだぞ?ようは気持ちで誰でもヒーローになるって事だよ」

 

智也は2人を見下しすように自慢するが、実際怪人に怯えたりしていた。

ちなみにその怪人を倒したのはサイタマ本人であるが、すでに忘れていた。

さらに智也と果穂は勿論の事、仕返しのために変装した渚とカエデも、サイタマの顔をはっきり見てなかった為、気づかずに居た。

 

「しかしあれだな?人の名前を覚えられないなんて、酷い記憶力だな?ヒーローなら暗記力を高くしとけって話だろ?」

 

と夏彦がサイタマを見下し始める。

ジェノスがすぐに叱ろうとするが、サイタマが止めて話しかける。

 

「なんだお前?暗記暗記って、暗記の鬼かよ?」

「そうだ!はっきり言うが、俺は暗記には自信があるぞ!!」

「おいおい。暗記が凄いって事は、女子の生年月日や身長体重とか覚えちゃうって事だろ?ストーカーかよ?」

「そんな訳ないだろ!俺は断じてストーカーじゃない!!」

 

引き始めるサイタマに夏彦は侮辱の意味も込めて怒鳴った。

 

「とりあえず、次は僕達の講師をお願いしますね」

「ああ、分かった分かった」

 

そして5人は元の場所に戻ろうとした。

 

「しかし浅野君。やはり僕は、あのサイタマさんだけは好きになれませんね?」

 

と榊原が未だにサイタマを信用していなかった。

 

「今はガマンする事さ、E組に負けたのと比べたら安いものだと思えれば」

「・・・・・・・・・・分かった。言うとおりにするよ」

 

それからA組B組に変わったサイタマだが、またいい加減で適当な事を言ったり教えたりして、生徒全員から白けた視線を浴び続けるが気づかずにいた。

ジェノスの方はボディの装備などを見せたり教えたりしていた。

 

 

 

 

 

そして昼休み。

とんでもない事件が起きてしまう。

 

「先生大変です!!」

 

生徒の1人が教務室に慌てて入ってきた。

 

「ん?どうした慌てて?」

「それより早く来てください!!」

 

訳も分からないまま、生徒に連れられてグランドに来た。

そこで目にしたのは、涙と鼻水を流しながら落ち込む、運動部員の姿と戸惑うサイタマが。

 

「なんだこれは!一体何が!?」

「じつは、さっき野球部とサッカー部と陸上部が、サイタマさんの力を確かめようとして」

 

どうやらサイタマの驚異的な身体能力を目の当たりして、野球部・サッカー部・陸上部は、完全にプライドを破壊されてやる気を無くしていた。

 

「まさか・・・・・・・・・・俺のボールをバンバンとホームラン打たれるなんて・・・・・・・・・・・」

 

と野球部主将の進藤一孝は涙と鼻水を垂れ流しして悔しがる。

 

「やべ・・・・・・やり過ぎた」

 

サイタマも少しやっちゃったと思ってしまう。

それでしばらくすると、E組に居る杉野に電話がかかってきた。

 

「あれ?どうしたの進藤?」

 

当然いきなり進藤から電話が来たので、杉野は不思議がってしまう。

 

「えっ!?野球部辞めてE組に来る!?」

 

だが、電話からのとんでもない発言に、当然のように杉野は驚いてしまった。

 

「ああ、さすがにB級だけどヒーローで大人のサイタマって人は警戒してたけど、あんだけホームラン打つから野球部に居られないよ。だからこれから他の仲間と一緒に、E組で鍛え直しに行くから」

「早まるな進藤!?サイタマさんは少しって言うか、滅茶苦茶特別な奴だから!!」

 

杉野はなんとか進藤を説得させようと焦って、他の生徒と教師も進藤を含んだ運動部全員を立ちなおさせる為に説得をする。

ちなみに運動部が立ち直ったのは、2週間後の事であった。

午後は2人ともA組で授業を受けた。

 

「「「「「「ん・・・・・・・・・・・」」」」」」

 

授業をやってる学秀達五英傑や他の生徒と教師は、明らかに気づいていた。

 

「ぐぅ・・・・・・・ぐぅ・・・・・・」

 

サイタマが目を開けたまま寝ている事に。

ジェノスはと言うと

 

「サイタマ先生には気にせず、授業を続けてくれ」

「あ、そ・・・・・・・そうか」

 

納得なら無いまま教師は授業を続けて、こうして3日目が終了した。

そして理事長室では

 

「は~~~~~~まさか、こんなにもサイタマさんが厄介だとは思わなかった」

 

机には生徒からのサイタマに対する苦情の手紙が山ほどあって、浅野は改めてサイタマを呼んだのは失敗だと思った。

 

「だけど・・・・・・・・もう少し様子を見た方がいいかな?」

 

と半分投げやりな感じになり始める。




学秀率いる五英傑が登場した上、サイタマが運動部で大暴れしました。


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かつらと放送部

今回はE組と本校での、出来事を分けてやります。


4日目。

今日から午前と午後に分かれての授業となった。

サイタマとジェノスがE組に来たら。

 

「よう!御2人さん♪」

 

教室は言った途端いきなり菅谷創介が、ダンボールを持って出迎えてくれた。

 

「なに、そのダンボール?」

「ふふふふふふ。これはね?」

 

ダンボールを開けると、そこには色んな種類のかつらが入っていた。

 

「これ全部、菅谷くんが作ったんだね?」

「ああ!サイタマさんにプレゼントしようと思ってな♪」

 

どうやら菅谷がサイタマの為にかつらを作って用意してくれた。

 

「ちょっと菅谷くん、先生用のは無いんですか?」

「いや、なんで先生用を用意しなきゃいけないんだよ?」

「だって……この前、私の変装グッズ用意してたじゃないですか?」

「あれはついで!本当は俺達で使う筈だったんだ!」

 

菅谷は呆れながら言い返した。

実際こっそりと変装道具を用意したけど、殺せんせーに気づかれたらしい。

 

「へ~~~たくさんあるな?」

「だろだろ!だから、この中でアンタに似合いそうなのはどれか決めようぜ♪」

「面白そうだな!」

 

さっそく試着会を始めた。

 

「最初はこれだ!」

 

最初のかつらは少しアトム風の髪型であった。

 

「……これのテーマは?」

「えっと……原作者というより、作画者繋がりかな?」

 

適当に説明するけど、本人は気に入っていなかった。

 

「次は、これだ!!」

 

今度のかつらは逆三角の髪飾り着きの、前と後ろが黒で中心が金髪であった。

 

「これは?」

「原作者繋がり!!」

 

だがこれも気に入っていない。

 

「じゃあ、なんか死んだ魚の目してるからこれは?」

 

今度のは銀色パーマのかつら。

 

「これって、銀ちゃんだね?」

「ああ、だったら!インパクトを出して」

 

金髪アフロにサングラス着き。

 

「俺の原形とどめてねぇよ……」

「そうだな。じゃあ!」

 

角とゴーグル着きのキャップ。

 

「最早、かつらじゃねぇよ」

「ええっと……これは?」

 

さして最後はキン肉マン風のかつら。

 

「お前、遊んでるだろ?」

「うん…少し……」

「もういいよ。なんか余計空しいから」

「たしかに・・・・・・・」

 

2人と周りの空気が重くなってしまった。

 

「じゃあ!もしサイタマさんの髪があった頃の写真があったら、俺作って来てやるよ!」

「そうか、じゃあもし見つけたら頼むわ」

 

そんな約束をするけど、殺せんせーが勝手にかつらを被っていた。

 

「んで、なに被ってんだよ?」

「いやだって、なんか勿体無いですから…私が貰っても?」

「ダメに決まってんだろ?」

「うううう……勿体無いですね」

 

納得しないままかつらを片付けて、そのままホームルームを開始した。

それから体育の時間になると、今度はジェノスと烏間の模擬戦をしていた。

ちなみに烏間は対先生ナイフとエアガンを装備している。

 

「ハッ!とっ!」

「おっと!」

 

2人の勝負はかなり真剣なもので、何回もナイフで攻撃するので、ジェノスも避けたりする。

だがそれでも烏間は隙を見逃さずに攻撃を続ける。

 

「さすが、ジェノスさんだね……烏間先生と互角だなんて」

「いやむしろ、やっぱり烏間先生が凄いって事だよね!?」

 

模擬戦を見ているE組は、改めてジェノスに評価する。

だけどサイタマはつまらなそうに、横になっていた。

 

「それにしても、烏間先生とジェノスさんのコンビって、なんか良いかも!!」

「不破さん……」

「やれやれ」

 

不破優月は2人のカップリングを考えて、カエデや神崎有希子は呆れてしまう。

 

「はっ!」

「うわっ!!」

 

そして烏間の隙をついて、地面に叩きつける事で、見事ジェノスが勝利した。

 

「大丈夫だったか?」

「いや、心配無用」

「がんばったな、ジェノス♪」

 

なんとか烏間は起き上がって、2人に近づいたサイタマはジェノスを褒める。

 

「本当に生でヒーローの戦いが見られるなんて、信じられないな」

「でも烏間先生は、やっぱりヒーローでもやっていけそうだな?」

「なんか……私の人気が取られそうな気が」

 

砂場でローマのコロッセオを完成させた殺せんせーは、思わず嫉妬してるが周りは気づいていなかった。

そして昼休みになる前に、2人は本校に着いて、約束とおりに昼の放送に出演した。

 

「今日はスペシャルゲストの、ジェノスさんとサイタマさんに来てくれました!」

「どうも!」

「よっ!」

 

と放送部の部長である荒木が2人を紹介する。

 

「さて、せっかくですので御2人には、我が校について説明をいたします」

 

はりきって学校の説明をし始める。

もちろんE組の侮辱も忘れずに話し続けた。

だけど

 

「長い!」

「えっ?」

「だから学校の説明が長いって!俺達には関係ないだろ?!」

「先生は長い話を好まん!20文字以内に纏めろ!」

 

そんな2人に荒木は話を詰まらせてしまう。

 

「え……たっ、たしかにそうでしたね!ちょっと長すぎでしたね」

 

なんとか切り替えて再開する。

 

「で、では!御2人は、椚ヶ丘学園をどう思いますか!!」

「はい!やはり全ての教科において、レベルの違いが全く感じますね。部活にしても同じ事。そして生徒達は、E組に落ちないようにと努力してるのが分かる」

「当然ですよ!E組に落ちたら、なにもかも終わりですから♪」

 

荒木は生き生きとE組をバカにし始める。

 

「あの……」

「はい!サイタマさん、なにか質問でも?」

「腹が減ったんで、もう食堂行ってもいいですか?」

「え?」

 

そしてサイタマとジェノス以外の、放送室と格教室の全員が、静けさと重い空気に包まれた。

 

「…じゃあ、今日はこれで終了いたします」

 

こうして放送の時間は予定よりも短く終了となって、サイタマとジェノスは食堂に向かった。

 

「お帰り、どうだった?」

 

学秀は疲れきって戻った荒木に尋ねた。

 

「なんか、サイタマさんが大変でした」

「そうかそうか、とりあえずゆっくり休んだ方がいいね」

 

その後の授業でも、サイタマが居眠りをしまくったのであった。




菅谷お手製かつらの内、2つは小早川瀬那と脳噛ネウロです。


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新しいヒーロー誕生

ダークマター篇が終わった後の話です。
さらにこれからは、基本的ガロウ篇だけど全く違った、別な形に進みます。


それはある金曜を飛ばして、土曜日の日。

渚が家で過ごしていると

 

「ん?」

 

突然大きな音がしたので、窓を開けると遠くからでも分かるぐらいの、巨大な宇宙船が浮かんでいるのが分かった。

 

「うっ、宇宙船!?」

 

そう渚達や椚ヶ丘学園のある町から遠い、ヒーロー協会本部のある町が、巨大な宇宙船によって本部以外破壊された。

そしてその場所に向かう超生物が居た。

 

「う~~~~~~ん。これは酷い!?」

 

殺せんせーも廃墟になった町と上空に浮かぶ、巨大宇宙船を目の当たりにしながらも、とにかくヒーロー協会本部に近づくと、その近くの瓦礫の上にジェノスと他3人の姿を見つけた。

そして見つからないように身体を擬態させて、こっそり近づくとジェノスが居ることに気づく。

 

「ジェノスさん、ジェノスさん」

「貴様は!?」

 

なんとかジェノスを他の3人に気づかれないようにと離れる。

 

「ジェノスさん!一体どうしたんですか?そしてあれは?」

「宇宙からの侵略者らしい。今先生が宇宙船に潜入している」

「なるほど。それであちらにいるのはたしか、S級5位の童帝くんと7位のキングさんと11位の超合金クロビカリさんですかね?」

 

殺せんせーはスラスラと3人を言い当てるが、じつはすでにプロヒーローの名前を把握していた。

 

「それで、もしかしてあちらで騒いでいるのは?」

「同じS級のアトミック侍、シルバーファング、金属バット、ぷりぷりプリズナーだ。どうやら今宇宙船からの奴と戦っているな?」

「ほぅ?ん?」

 

すると突然瓦礫が流星のように、宇宙船に向かって飛んでいき、次々と激突していった。

 

「あれは?」

「超能力者でS級のクソガキ、戦慄のタツマキだな?」

「渚くんからはヒーローについて、多少は聞きましたけど、これほどの超能力者とは。おっと!?」

 

殺せんせーは何かに気付くと、素早くこの場から離れ隠れた。

 

「おい!いきなりどうし「ジェノスくん」ん?」

 

いきなりS級の駆動騎士がジェノスの前に現れた。

 

「なんだ?俺に何か?」

「伝えたい事があるんだが、メタルナイトはお前の敵だ!気をつけろよ」

「えっ!?それはどういう」

「時期に分かる。あんまり近づかないようにな」

 

駆動騎士はそんな忠告をすると、どこかに去っていた。

 

「ふ~~~~~危ない危ない!私一応怪人扱いされてるから、見られたら大変な事になっていましたよ」

「ああ・・・・・・・たしかにな」

 

駆動騎士が去ったのを確認した殺せんせーが、再びジェノスの前に現れたけど、彼は先ほどの忠告について気になっていた。

だがしばらくすると宇宙船が爆発した。

 

「ジェノスさん!あの爆発は!?」

「間違いない!?先生だ!?」

 

そしてそのまま宇宙船は落下して地面に激突した。

すぐさま殺せんせーとジェノスは落下した方に向かって墜落した宇宙船を見た。

 

「確実に先生だな?」

「そうみたいですね。ちょっと見てきます」

「別に構わないが、宇宙人の残党には気をつけろよな」

「ご心配なく。では、行って参ります♪」

 

さっそく宇宙船に潜入した。

 

「これは、見つけるのが一苦労ですね」

 

宇宙船の中はかなり複雑な迷路の作りであったが、それでも進み続けてサイタマを探した。

 

「サイタマさん、サイタマさん!」

 

呼びながらサイタマを探していると、突然いきなり壁が突き破られたので、残党宇宙人の可能性もあるので構えた。

 

「あれ?お前?」

「サイタマさん!?」

 

だがそれは身体に血のついたサイタマであった。

 

「無事で何よりですね!それでこの血は?」

「もちろん、この宇宙船のボスと戦ったんだよ」

「そうですか。それで勝ったんですね!?」

「まぁな、今まで戦ってきた中でかなり強かったぜ」

 

サイタマは余裕な感じで話を進める。

 

「でも、もう帰った方がいいと思うよ。他の奴らが来たら襲われそうだし」

「それもそうですね。では月曜日に」

 

殺せんせーは天井を突き破って外に出て帰ったので、サイタマもなんとか外に出ることが出来た。

 

 

 

 

それから日曜日。

烏間と防衛省の幹部がハンヴィーで、廃墟となった町を進み、ヒーロー協会本部に向かっていた。

 

「酷い有様だな?復興は出来るのか?」

「いや、復興は無理だな。だから全てを道路にして、本部も完全な要塞に改築するつもりらしい」

「なんだそれは!?そんな事の為に1つの町を消すつもりですか!本来なら政府がこの状況を対応する筈ですよ!?」

「それを言うな!今や我が日本政府のほとんどが、ヒーロー協会に協力関係となっている。我々は最早ヒーローに頼らなければならない事態だ!」

 

ヒーロー協会のやり方に納得ならない烏間であったが、協会本部に到着した。

 

「お久しぶりです、シッチさん!昨日は大変でしたね。ご無事で何より」

「いえいえ、この本部が丈夫なだけですので。さぁ、こちらへ」

 

烏間はヒーロー協会のシッチと握手して、さっそく会議室に行くと、彼らを椅子に座らせた。

 

「それで、我々を呼び出して何か?」

「単刀直入に言うが、烏間さん……アナタにヒーローになって貰いたい!!」

 

シッチは烏間を勧誘し始めた。

 

「・・・・・・・前にも言いましたが、俺はヒーローになる気も興味もない。それに今は奴の暗殺に最優先にしてる身だ!そんな暇はありません」

 

すんなり断ると椅子から立ち上がる。

 

「もう帰ります!俺には奴を殺さなきゃならないので」

「ちょっと!烏間くん!?」

 

帰ろうとする烏間に幹部が止めようとしたが。

 

「もしそれが、君の言う奴に関係あるとしたら?」

「「え?」」

 

シッチの言葉に烏間は動きを止めた。

 

「一体どういう・・・・・・・?」

「とりあえず座ってください」

「分かりました」

 

仕方なく席に戻った。

 

「シババア様は知っているかな?」

「もちろん、たしか預言者で三日前に亡くなった」

「そうだ。だが死に間際に書き残してくれた、最後の予言がこれだ!」

 

机に置いたのは〔地球がヤバイ!!〕って書かれた紙が1枚。

 

「地球が・・・・・・・・・・」

「ヤバイって・・・・・・・・これだけ?」

「パッとしないだろうが、これこそシババア最後の大予言なんだ」

 

そのままシッチの話を続けた。

 

「つまり、半年以内に地球がヤバイ事が起きようとしているから、俺にヒーローになれと?」

「そうだ!その原因一号が超生物、通称殺せんせーだとは分かっている!すでに椚ヶ丘学園に送り込んだヒーロー2名の他に、何人ものヒーローも討伐しようとした。だが結果はこのとおり」

 

目の前のモニターからそれぞれの成果を流した。

まず無免ライダーは、街中で殺せんせーに勝負を挑むも、自転車のメンテナンスをして貰って、そのまま討伐を忘れて失敗。

タンクトップタイガー&タンクトップブラックホールも、町で見つけるやすぐさま襲い掛かるけど、避けられてさらには2人の着ているタンクトップに、衣服の消臭剤を何度もふきつけてそのまま逃げられた。

スティンガーも、殺せんせーがケーキ屋で並んでる時に勝負を挑むが、一緒に並んでるお客さん(自分も含めて)に迷惑だと叱られて失敗に終わる。

と映像を見た烏間は呆れ果て、幹部もシッチもため息を吐いた。

 

「まぁ、そんな感じだ!だから奴を監視している君にヒーローになってもらいたい!どんな要求でも呑むから頼む!!」

 

シッチは必死に頭を下げてお願いしまくり。

その行動に完全に烏間は負けてしまう。

 

「・・・・・・・・・・・分かりました。だが2つ条件があります」

「条件とは?」

「まずは俺の顔は伏せてください。一応教師となっているから、本校の生徒に悟られたくは無いので」

「それなら心配ご無用」

 

するとシッチは机に置いたのは、鴉をモチーフにしたフルフェイスヘルメットであった。

 

「そう来ると思って、童帝くんに頼んで作っておいたアナタ専用の防護ヘルメットです」

「ふっ、随分と悪趣味だな?俺の名前からか?」

「まぁまぁ、そしてもう1つは?」

「それはいたって単純。即ち・・・・・・・」

 

そしてしばらくして。

 

「まさか、この俺がヒーローになるとはな」

 

烏間はなんどもヒーロー認定書を見つめ続ける。

 

「俺は先に外で待ってますが、よろしいですか?」

「ああ、後はこっちでやっておく」

 

烏間は幹部を残して出入り口に向かった。

だが本部の前に変装した殺せんせーが立ってた。

 

「お前、いつのまに来た?!」

「アナタがヒーロー協会に向かっているのを見ましてね♪」

 

そのまま馴れ馴れしく近づいた。

 

「もしや・・・・・・・これはもしかして、ヒーロー認定書!!」

「あっ!コラ!?」

 

さらに烏間の認定書を奪って見始める。

 

「それは、おめでたいですね!まさか烏間先生がA級ヒーローになるなんて!」

「なんでお前が喜ぶんだ!?」

 

怒鳴りながらヒーロー認定書を奪い返す。

 

「だが、あくまでお前を殺すまでだ!お前を始末したらヒーローを辞める!」

「それは楽しみにしてますよ、ワイルドクロウさん♪」

「気安くヒーローネームを言うな!」

 

こうして烏間はしばらくの間、A級39位のプロヒーロー・ワイルドクロウとなった




烏間は見事プロでA級ヒーローの仲間入りとなりました。
ちなみに烏間専用防護ヘルメットは、仮面ティーチャー風のヘルメットに、鴉の顔の絵を描き加えたものです。


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キングの秘密

キング篇に殺せんせーと渚が加えての話です。


月曜日。

この日はいきなり全校集会が始まってた。

なぜなら土曜のダークマター襲撃事件で、学園の2年生6人が亡くなっしまった。

幸いE組は全員無事であったが、やはり同じ学校の生徒が死んでしまったので、少し簡単な葬儀が行なわれていた。

生徒のほとんどは悲しみの涙でいっぱいであったが、中にはヒーローに対しての批判も流れてた。

 

「どうなってんだよ!?S級ヒーローがいたんじゃないのか!?」

「知らないわよ。てか、ヒーロー協会は一体何をしていたの?」

「噂じゃあ、怪人1体に手こずっていたらしいぜ」

「なんだよそりゃ?全くなにやってんだか?」

「やっぱり……頼れるヒーローなんて居ないんだな」

 

そんな言葉が体育館中に響いていた。

 

「なんかみんなの空気が……嫌な方向に?」

「これは仕方ないと思うよ茅野……最近ヒーローの信頼が落ちてきて、そして土曜のあれだから……」

「たしかに…サイタマさんもジェノスさんも今日は来ていないし」

 

じつはこの日は午前授業だけとなっていて、サイタマとジェノスはその理由で学校に来ていなかった。そして集会が終わってE組は旧校舎に戻る。

 

「という訳で、まさかこの学園の生徒で犠牲者が出たとは・・・・・・でも我がクラスが無事なのが良かったですね♪」

「なにのん気に言ってんだよ?そのせいでヒーローの評判が落ちてんだぜ?」

「たしかに、集会の時もヒーローの不満を垂れてた奴が、はっきりと分かるし」

 

呆れる寺坂に続いて狭間綺羅々も、全校生徒の態度に気づいていた。

 

「まぁまぁ、とにかく今日は午前授業ですから。少ない時間分、いつもよりがんばっていただきますからね!」

 

とすぐに授業に入った。

それから昼ごろになると全員は下校した。

 

「は~~~~なんか今日は……いち早く家に帰りたいな」

 

渚は真っ直ぐに家に帰ろうとした。

だけど、なにか騒ぎが起きたので、行って見ると。

 

[あれってキングさん!?]

 

それはS級7位で人類最強と呼ばれたヒーローキングで、彼の前にゴツゴツとしたボディのロボットが立ちふさがっていた。

 

「おやおや?なにやらキングさんがピンチのようですね?」

「殺せんせー!?」

「よう!2人共」

「奇遇だな?こんな所で」

「サイタマさんにジェノスさんも!?」

 

いつのまにか殺せんせーとサイタマとジェノスが立ってた。

 

「しかし、強そうなロボットだな?」

「それも高エネルギーを秘めてるようですな?」

「キングさん1人で大丈夫ですかね?」

「きっと大丈夫だと思いますよ。だってランクは7位だけど、戦闘力は2位のタツマキ以上って噂もあるし」

 

4人が隠れながら話し合ってると、キングがどこかに行ってしまう。

 

「あれ?キングさん・・・・・・どこに?」

「少し彼らの会話を聞いたのですが・・・・なんかキングさん、戦う前にトイレに行くって言ってましたが?」

「なんだそりゃ?怪人を置いてトイレって?」

「さぁ、しかしこれはキングの実力を見れるかもしれませんね」

 

4人が期待して待ってるけど、当のキングは全然現れない。

 

「なぁ、キング全然来ねぇぞ?」

「そんな筈じゃあ?」

「あっ!あのロボットが暴れそうですよ!?」

 

ロボットは剣を振りかざし人を襲おうとしたので、すぐさまジェノスが剣を破壊し、ロボットに戦いを挑む。

 

「ジェノス。俺がやろうか?」

「いえ!先生が出してくれたS級で10位以内目指せって、課題をこなさなきゃなりませんし!」

「そっか、じゃあ気をつけろよ」

 

返事しながら必死でロボットと戦うので、残った3人は。

 

「んで、キングはどこへ行ったんだよ?」

「うん・・・・・・こんな状況でどこに・・・・・・あれ?殺せんせーは!?」

 

サイタマと渚はいなくなったキングに気になりだすが、殺せんせーがいない事に気づく。

だが、すぐに戻ってきた。

 

「お待たせしました♪」

「殺せんせー、どこに行ってたの?」

「ちょっとキングさんの事が気になったので、彼を目撃した人を回って調査しました」

「お前って本当に行動力が高いな?」

「とにかく、行ってみましょうか♪」

 

呆れるサイタマだったけど、3人はさっそくキングを探しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、キングは自宅のマンションで、さっき買ったギャルゲーをやってた。

 

「ふ~~~~~怖かったなぁ、さっきのロボット。夢に出てきそうだな・・・・・・」

 

さっきのロボットの事で愚痴りながらもゲームを進める。

 

「名前はどうしよっかな~~~~~」

「主人公、キングでいいんじゃね?」

「いや、さすがにヒーロー名はちょっと・・・・・・・え?」

 

キングが後ろを振り向くと、サイタマと殺せんせーと渚が寛いでた。

 

「戸が開いてたから」

「ここ、22階ですよ?」

「すみません。勝手に上がらせてしまって」

 

殺せんせーはキングに謝罪するけど。

 

[コイツ・・・・・・たしかS級の会議にいたB級の!おまけにヒーロー協会でターゲットになってる、災害レベル・神クラスの怪人も!?]

 

当のキング本人は突然の事で混乱していた。

すると渚が少し緊張しながらキングに近づく。

 

「あの、キングさん。僕・・・・・・・キングさんのファンなんです!だからサインを!」

「え?サイン?ああ、俺でよければ・・・・・・・」

 

そのままノートを出してサインを願うので、さっそくキングはノートにマジックでサインする。

 

「それにしても、まさかこういうゲームをするタイプなんだな?」

「あっ!いやそれは!!」

 

サイタマはキングがやっていた、ギャルゲーに興味を持つ。

 

「うわぁ・・・・・・・キングさんってゲームやっていたのですね?」

「ギャルゲーにアクションゲーも、多数ありますね?」

「ちょっと!勝手に触らないで!?」

 

殺せんせーと渚も棚に並んでた、ゲームの数々に驚いたり興味を持ち始める。

 

「それで、キングさん。ちょっとお願いが?」

「なっ!なんだよ?」

「じつは、生徒との交流などを上げる為に、私のこのゲームを教えてくれませんか?」

 

ロボットアクションゲームを手に持った殺せんせーがキングに頼み込む。

 

「別に・・・・・・・良いけど、それ俺のだけど・・・・・・・・」

「それは良かった!さっそくですが、よろしくお願いしますね♪」

「面白さうだな?俺もやっても良い!」

「あっ!じつは僕も、前からこのゲームやりたいって思っていたけど」

「仕方ないな、一緒にやろうか」

 

そのまま4人でゲームをやるのであった。

すでに殺せんせーはゲームコントローラーを、完全に把握しているのだが、実際にゲームをするのは初めてであった。

 

「にゅにゅにゅ!ゲームとは、こんなにも難しいのですね!?」

「あはははは、殺せんせーいきなり苦戦してるね?」

「お前にもちゃんと、苦手なもんがあるんだな?」

[てか、いつになったら帰るんだよ?]

 

焦り始める殺せんせーの隣で、渚とサイタマは笑い出して、キングは早く帰ってくれないかと心から祈る。

 

「ところでさぁ、お前なんで逃げ出したんだよ?」

「っっ!!?」

「たしかにそうですね?今はジェノスさんが代わりに戦っていますけど、アナタはたしかS級7位でありながらも、戦闘力はタツマキさん以上と聞きますよ?あのロボット怪人なんて簡単に倒せる筈ですのに?」

「いやっ!それは・・・・・・・・」

「キングさん、僕も疑ってる訳じゃないけど、まさかゲームをする為なんて?」

 

3人は揃ってキングに問いただす。

ただキングは言葉を積らせながらも冷や汗を出し続けたが。

 

『緊急避難警報!緊急避難警報!この付近に巨大怪鳥が出現!災害レベル・鬼と認定し、絶対に外に出ないでください!』

 

怪獣出現の避難警報が鳴り響いた。

 

「怪獣警報ですね?」

「どうすんだよ?俺は行くけどお前は?」

「俺は・・・・・・・その・・・・・・」

「あの、その怪獣って、あれじゃあ!」

 

渚が恐る恐る指を刺した方に全員が顔を向けると、窓の外には巨大な怪鳥が飛んでいた。

 

「うわぁ!?」

「危ない!?」

 

そのまま窓を突き破って入ってきたが、サイタマはすぐに怪鳥の口ばしを片手で押さえて、一時的に動きを封じる。

殺せんせーはすぐさま、渚を抱き締めながらも安全の為に、少しだけサイタマから離れる。

 

「驚いたな・・・・・・・まさか、怪獣の方からこっちに来るなんて?」

「もしかして、キングさんには怪人や怪獣を引き寄せる力があるのですかね?」

 

サイタマと殺せんせーに尋ねられたが、キングはキングエンジンを鳴らしながら動けずにいた。

そしてキングは何かを決意したのか、口を開き始めた。

 

「じつは、俺!」

 

死ぬと思ったキングは全てを暴露した。

本当は自分はただ顔が厳ついだけで、ゲームオタクの弱虫な男であり。今までキングの前に現れた怪人や怪獣が、偶然誰かが倒してくれて、それを世間と協会が彼の手柄だと勘違いし始めた。

そしてキングから聞こえるキングエンジンも、ただ緊張して胸の鼓動が周りに聞こえただけだった。

真実を打ち明けたキングは、そのまま目を開けてみると。

 

「おいおい、マジかよ?」

 

そこで見たのは、返り血を浴びたサイタマとさっきの怪鳥の死体。

 

「嘘?だったのですか?」

「キングさん・・・・・・・」

 

そして事実を知って驚く、殺せんせーと渚の姿も。

その後、改めて自分が嘘をつき続けた事を、3人の前で謝罪する。

 

「お前、楽しいのか?嘘をついて?」

「すみません。ただ、本当の事を言う勇気がなくて」

「たしかに、こんだけ祭り上げてるから、タイミングが難しいし」

 

サイタマが説教と言うより、彼の相談を聞いて。

 

「だったら強くなればいいじゃん」

「えっ!?」

「だから、強くなれば嘘じゃなくなるだろ?」

「うむ、たしかに嘘を本当にするのも、いい手だと思いますね」

 

すると2人の会話の中に、殺せんせーも入ってきた。

 

「たしかに嘘はよくありませんが、時として嘘は必要なときがありますし、武器にもなります。現にアナタは、その風貌とハッタリで、何度も人々を救ったのは本当です。だから、アナタはアナタのやるべきヒーローを進んだ方がいいですね♪」

 

と殺せんせーがキングに、色々とアドバイスを教えてくれた。

するとキングは渚に近づいて。

 

「ゴメン、君の理想だったキングの正体が、こんなので」

 

キングは渚に謝罪の言葉を述べた。

 

「大丈夫ですよキングさん・・・・・・・・・・・誰にも言いませんから」

 

だけど渚は怒っていなくて、秘密にすると約束した。

 

「と言うか、僕らの教室も秘密の塊ですから、お互い様だからね」

「そうなんだ。たしかに君達は今大変なんだよね?」

「それで、また遊びに来ても良いですか?今度はヒーローとファンじゃなく、友達同士として!」

「ああ、もちろん!」

 

そして渚とキングは友情の印として握手をし、そのままサイタマと殺せんせーと一緒に帰った。




殺せんせーはキングの本当の秘密を知り、渚は少しショックだったけれど、キングと友達になる事が出来ました。


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シルバーファング登場

今回はシルバーファングと、あの5人のキャラが登場します。


火曜日は通常授業に戻って、サイタマ達は午前中本校で過ごしていた。

それから昼休みになると、律が妙にソワソワと落ち着きのない素振りを見せる。

 

「ん?どうたの律?」

『いえ、じつは・・・・・・・・みなさんに伝えたい事があるのですが・・・・・・・・』

「機械でも、隠し事があるんだね?」

「でも話しなよ。俺達はE組の仲間だろ?」

 

悠馬らは律を励ますようにするので、ついに彼女は発言する決意した。

 

『ではみなさん、メタルナイトって知っていますか?』

「え?メタルナイトってたしか、全身重火器で固めて辺りを破壊しまくって敵を倒す、S級ヒーローの?」

「渚君・・・・・・・完全にヒーロー説明係りだな?」

 

赤羽に言われて渚は恥ずかしくなってしまう。

 

「それで・・・・・・・律とメタルナイトとはどんな関係なの?」

『じつは私、メタルナイトから作られました』

 

律が衝撃の事実を話した。

 

「ちょっと待って!アナタを作ったのは、たしかノルウェーの科学者達だって!?」

『正確には、私のこのボディと成形機能を、メタルナイトが設計開発してくれました。それを開発者達(マスター)に渡して、その設計を元に改良を加え私が生まれました♪』

「つまり律にとって、メタルナイトは異父って事になるんだ!」

「意外だね?」

 

E組半分はみんな、律の衝撃の秘密の話題でいっぱいになった。

 

「あの・・・・・・・・・・私の時とは態度や反応が違うのですけど?」

 

殺せんせーはこの前自分が、人工的に作られた生物だって告白したけど、全員ノーリアクションな態度に対して、律の秘密を知った時はリアクションが高い事に戸惑う。

 

「だってねぇ・・・・・・・・」

「なんか殺せんせーと律じゃあ、衝撃が違うしなぁ」

 

三村航輝と吉田が理由を簡単に話した途端、殺せんせーは凄く傷ついた。

それから体育の時間になった。

 

「もしかして、アンタの実家って寺なの?」

「・・・・・・・・・・お前は俺に何の恨みがあるんだ?」

「ジェノスさん、学校が終わったら一緒にお茶行きましょ♪」

「いや、俺にはサイタマ先生と買い物があるので」

 

中村莉桜がサイタマの頭をネタにからかったり、矢田桃花がジェノスを誘惑したりしていた。

 

「そういえば、烏間先生ヒーローになったんだよね?」

 

渚が訓練の途中で、思わず烏間に質問した。

 

「そうそう!ヒーロー協会のホームページに、烏間先生の姿があったよ!?」

「てか、ワイルドクロウって・・・・・・・・そのまんまだね?」

「しかも、鴉型ヘルメットがバレバレな感じだね?」

「全く・・・・・・・・だから俺は、ヒーローというのは嫌なんだ」

 

E組全員がこ烏間は、改めてヒーローになってしまった事に後悔した。

 

「ほ~~~~中々良い動きしとるな?」

 

するとグランドに現れたのは、白髪で髭の生えた老人であった。

 

「なんだ、あの爺さん?」

「一体どこから来たんだ?」

 

当然E組の全員は突然現れた老人に戸惑うけど、渚はその老人を見て衝撃が走る。

 

「アナタは・・・・・・・・シルバーファングさん!?」

「「「「「え!!?」」」」」

 

渚の言葉に全員は声をあげる。

 

「シルバーファングって!?」

「S級3位で拳法の達人の!?」

「あっははは。まぁ、そういうことじゃ」

 

ついシルバーファング、本名バングは照れてしまう。

 

「今回は彼、シルバーファングに拳法を教えて貰う!」

「まぁ、気軽に本名のバングって呼んでも良いからよ」

 

バングは全員にあいさつする。

 

「よう!じいさん♪」

「まさか、アンタも呼ばれたとは」

「そのようだな。とりあえず、よろしくな」

 

するとそこに殺せんせーが現れた。

 

「はじめまして、バングさんいや、シルバーファングさん。態々生徒達の為に来てくれるなんて!」

「君が殺せんせーか?よろしっ!」

 

バンクが握手しようとした瞬間、一瞬対先生弾を埋め込んだグローブを纏った拳で、彼の十八番である流水岩砕拳が決まろうとした。

 

「早い!」

「これが、流水岩砕拳!」

 

ジェノスと生徒と烏間は息を呑んだが、その場には殺せんせーがいなくて、さらにいつのまにかバングの爪と髪が手入れされていた。

 

「なるほど、噂以上に早業だな?ワシの流水岩砕拳をかわして、さらに手入れをされるとはな」

「いえいえ、じつは少し顔とかに掠ったりしましたよ。でも余計なお節介かもしれませんが、あんまり無茶はしてはいけませんよ。もうお歳なのですから」

「分かってるって。あっ!そうだ手土産を持って来たんだ。クラスのみんなで食べるじゃぞ」

「これはこれは!ありがとうございます♪」

「殺せんせー、1人で食べないでね」

 

バングが羊羹とカステラと煎餅の入った袋を、お菓子で涎を流す殺せんせーに手渡す。

 

「アンタがバング?」

 

するとイリーナが割り込んできた。

 

「ワシのこと知ってるのか?」

「もちろんロヴロ師匠から聞かされたわ。何回も酒の席でね」

「ロヴロか、懐かしいの・・・・・・・・・・昔、一度手合わせした以来じゃな。まっ、勝ったのはワシじゃが♪」

 

とバングが自慢するかのように笑い出した。

 

「じゃあ、まずは基本からだ。やれるか?」

「「「「「はい!」」」」」

 

掛け声と共にバングの訓練が始った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ヒーロー協会本部の多目的ホールに、たくさんの人が集められていた。

しかもそれは、目つきが悪い犯罪者達であった。

その中には、彼ら3人の姿も。

 

「おいおい、まだかよ?てか、今日も銃うめぇ・・・・・・」

 

この3人はガストロ、スモッグ、グリップ。

かつて政府によって殺せんせーを殺す為に雇われた殺し屋である。

 

[依頼だと言われて、ヒーロー協会本部に来て見たと思ったら、まさか他にもこんなに!?]

 

ガストロは銃をしゃぶりながら、自分達以外にも殺し屋や殺人鬼といった。裏社会の住人を大量に集められていた事に驚く。

ちなみに京都で殺せんせーの暗殺に失敗した、レッドアイの姿もいた。

 

[あの3人は、たしか普久間島でターグットの生徒にやられたと聞いたが、呼ばれたんだな?]

 

レッドアイはガストロ達を確認する。

 

「一体・・・・・・なぜこんなに俺らのような者達を集めたぬ?」

「ああ、おまけにあれ!」

 

スモッグに指を刺した先には、かつて防衛省に所属してE組の担任になったが、暴力による授業でクビになり、その後は防衛省から盗んだ金で3人を雇って、E組に逆恨み的な復讐を企んだが失敗した鷹岡明の姿もあった。

しかもなぜか左目は潰したかのように切り傷が出来てた。

 

「ありゃ、鷹岡の元ボス!なんであいつまで!?たしか横領と脅迫と傷害ってことで逮捕されたんじゃ?!」

「そういえば、密かに脱獄したらしいぬ。そしてあの左目は、自分から潰したようだぬ」

 

グリップの話によればあの戦いの後、鷹岡は逮捕され刑務所に入れられたが、渚に二度も負けたので新しいトラウマが目に焼きってしまった。

だが、どこからか盗んだハサミで自分の左目を刺し、医務室で治療を受けたが、その隙に刑務所を脱獄したのであった。そして残った右目の色は前より一段と濁って表情も凶悪さが増していた。

 

「まさかとは思ったが、アイツまで呼ばれてたとはな」

「だが、1番気に入らねぇのは・・・・・」

 

ガストロが睨んだ先には、A級ヒーローの重戦車フンドシ、ブルーファイア、テジナーマンが立っていた。

 

「すでにA級上位ヒーローを配置しておいて、呼び出した本人は来てないってどういう用件だ?」

「・・・・・帰るか?」

「そうだな。帰るか」

 

3人はこっそりとこの場から去ろうとした。

 

「やぁ、遅れてすまない。少し用事があってな」

 

ここにようやくシッチがホールの舞台に現れた。

そして少し冷や汗をかきながらも、集まった犯罪者達を確認する。

 

「え~~~~ここに集まってくれた、裏の世界で実力を備えた君達を呼んだのは他でもない。じつは、「ここには、サイタマという男は来てないのか?」

 

するとシッチの話に誰かが割り込んできた。

 

「なんだ?その男とは知り合いか?残念だが今は関係ないことだ。後にしてくれ」

「そうか、では話というのは・・・・・・・・椚ヶ丘学園に住む怪人か?」

「・・・・・・・・さっきからなんだ君は!!」

 

シッチが怒鳴った先には、音速のソニックが立ってた。

 

「ありゃ、音速のソニックだな?」

「ああ、俺達以上に手練れな奴だぬ」

 

するとソニックはいつのまにか何かの資料を手にして読む。

 

「近年より災害レベル・虎以上の怪人・怪獣が出現し続け、CからSのヒーロー達では対処し切れなくなり。さらに大預言者シババワの「地球がヤバイ」という最後の予言が関係している可能性が高いとされる」

「おい!アイツ全員に配る筈の資料を!?」

 

ブルーファイアがソニックの持ってた資料をみて驚く。

 

「そしてもっとも脅威とされてるのは、椚ヶ丘学園にて3年E組の担任。災害レベル・神レベルの超怪人、通称殺せんせーの存在にヒーロー協会と日本政府の態様も間に合わずにいる。そこで、善悪関係なく人類の為に戦ってくれと協力を要請するか・・・・・・・・はっきり言うがお断りだ!」

 

ソニックは不気味な笑いを見せながら、シッチを見下すように宣言する。

 

「俺はアンタらヒーロー共のお遊びに付き合う暇がないし、タコ怪人も俺個人として倒すからな。帰らせてもらうぜ」

 

そしてソニックはそのままホールから出ると、ブルーファイアは人相を歪める。

 

「犯罪者に手を貸すなんて、今の話は本当か!」

「そうだ!今ヒーロー協会にいるC級390名、B級110名、A級39名、S級17名。合わせて556名、明らかに不十分だ!だが裏社会にはヒーロー並の実力を持つ者がいるのは事実!もし怪人を討伐したら報酬を払うつもりだ!」

 

シッチはまるで開き直ったかのように、ホールの全員に頼み込む。

 

[やっぱり帰ろうか・・・・・・・・]

 

ガストロ達は完全に呆れ果てて、さらにフンドシが口を開き始めた。

 

「止めとけ、どうせコイツらは使えん」

「おい待てよ褌が!なに俺が使い物にならないって?」

 

するとフンドシの憎まれ口が気に入らなかったのか、鷹岡がナイフを持って近づいて来た。

 

「ただ一般人より強いだけで、戦い方を知らない民間人の分際で・・・・・・・・この俺に偉そうにしてんじゃねぇよ?」

 

前よりも歪んだ顔で笑い出す鷹岡は、ナイフを突き出してフンドシを挑発し始める。

 

「なんだ、怖いのか?所詮テメェなんてガタイだけの、見掛け倒しだからな!」

 

フンドシの首に小さな傷を作りながらも、鷹岡の歪んだ笑いがホールに広がる。

その笑い声に、ガストロやシッチらホールの中の全員が、不快に感じてしまう。

 

「せっかくだ!お前に俺の特別授業を教えてやるよ?俺の事を父ちゃんと思っても良いんだぜ。たっぷりと戦いってもんを教えてやるよ!!」

「ふんっ!」

「ぐぼっ!?」

 

そのまま襲い掛かったのだが、一瞬にしてフンドシの重い拳で、鷹岡はあっけなく瞬殺された。

 

「どうやらガタイだけの見掛け倒しは、貴様の事だったな!!」

[ほんと、バカな奴だな?]

[俺達は、あんな奴に雇われていたとはぬ・・・・・・・]

[なさけねぇ話だ]

 

3人はなさけなくやられて、痙攣をしまくりながら伸びてる鷹岡を見て、改めて後悔しまくる。

 

「スッゲェなーーーー!災害レベル・神って俺が目指しているもんじゃんかよ!?」

 

その時、誰かがプリントを見てはしゃいでいた。

それは高校生ぐらいで、黒髪の少し中性な顔立ちをした少年であった。

 

「なんだ君は?どっから入ってきた?」

「俺は怪堂阿含。怪人を目指す男だよ!」

 

黒髪の少年は怪堂阿含と名乗った。




律の開発にメタルナイトも関わってたという設定を加えてみました。
さらにガストロ、スモッグ、グリップ、レッドアイに、あの鷹岡明も登場させました。


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謎の少年・怪堂阿含

前回登場した怪堂阿含の名前などのモデルは、アイシールド21の金剛阿含と魔人探偵脳噛ネウロの怪盗Xからです。


ヒーロー協会で怪堂阿含という少年が名乗りを上げた頃、バングはE組に拳法を教えていた。

 

「君の武器は、その素早さだから、もっと磨きを上げるといいな」

「ありがとうございます!」

 

まず木村正義の素早さを褒めたり。

 

「君は元々運動は苦手のようだが、少しでも体力を着けるのを忘れないような」

「・・・・・・・・はい。なんとか努力します」

 

竹林考太郎にアドバイスをしたり。

 

「君は・・・・・・・・こんなにふくよかながらもいいセンスだ」

「バカにしないでね!だって私は動けるデブだから♪」

 

原寿美鈴はつい自慢し始める。

しばらくすると磯貝に目を向ける。

 

「君!」

「はい?」

「こんなに若いのに、中々いい腕してるな?わしの弟子とは大違いに」

「それはありがとうございます!」

「どうだ?わしの弟子にならないか?君だったらすぐに流水岩砕拳をマスターできそうだが?」

 

バングは磯貝の動きを気に入ったのか、弟子にならないかと勧誘してきた。

 

「バングさん、気持ちは嬉しいけど俺ん家貧乏だから、学費や弟と妹と母との生活費で一杯一杯なので無理ですよ」

「そうか、残念だな・・・・・・・センスあったのに」

「でも、誘ってくれるのは嬉しいので、考えて見ます」

 

磯貝は丁寧にバングの誘いを断った。

 

「君達」

「あ?なんだよじいさん」

 

バングは次に寺坂と拓也と吉田ら3人に声をかける。

 

「ちょっと立ってくれないか?」

「はぁ?たくなんだか?」

 

3人は仕方なく立ち上がると、バングが腰や間接を見たり、少し触ったりさらには。

 

「ちょっと失礼」

「え?あ痛たたたたたた!?」

 

寺坂の腰を無理やり曲げての前屈をさせる。

 

「おい、ジジイ!何してんだよ!?」

「すまんすまん。しかし3人共、体力はあるようだが少し身体は硬いな?ストレッチぐらいした方が良いかも知れんぞ?」

「うるせぇ、余計なお世話だ!」

 

寺坂は恥ずかしそうに顔を赤くして怒鳴りつける。

するとバングの後ろに誰かがこっそりと近づいていた。

 

「おっと!」

「うわっ!?」

 

だが素早くバングが、近づいた者の後ろに回りこんで、そのまま彼の腕を押さえたまま、首の辺りに手刀の構えをする。

 

「酷いなぁ・・・・・ちょっとイタズラするつもりだったのに?」

「レモン汁入りのスプレーで、どんなイタズラを?」

 

イタズラを仕掛けようとした犯人は、当然のように赤羽であった。

バングは赤羽のイタズラに、少し呆れたりする。

 

「おや?」

 

するとバングは真面目に訓練しながら、周りと協調する渚の姿を見る。

 

[あの少年・・・・・・・なんとも面白い能力を持ってる]

 

バングは渚の暗殺者としての才能と、素質を見抜いていた。

 

「なぁ、学校終わったらまたキングの所行こうぜ♪」

「うん!行く!」

「では、先生も行きますか♪」

「なんだ?お前もゲームやりたいのか?」

「それもありますが、生徒の安全を守るのも仕事ですからね」

 

ここではそんな平和な時間を過ぎていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ヒーロー協会では。

 

「ちょうど良いや!どうだ?ここにいる奴ら全員で、俺と勝負しろ!!」

 

謎の少年怪堂が、ホールの全員に喧嘩を吹っかけた。

 

「は?なんだよアイツ?」

「頭おかしいだろ?」

「つーーーか、なんでこんなガキがいるんだよ?」

 

だが、ならず者達は呆れたり笑ったりする。

 

「君、いきなり何わけの分からない事を言ってるんだ?ここは喧嘩をする所じゃないよ?」

「なんだよ?ヒーロー協会の奴らって臆病な奴しか居ないのか?」

 

怪堂は笑いながら、シッチを挑発し続ける。

 

「全く、悪いが彼を追い出してくれないか?」

「分かりました。私がなんとかしましょう」

 

テジナーマンが怪堂の前に立つと、シルクハットからロープを取り出す。

 

「悪いが、大人しくしてろよな!」

 

そのロープが蛇のような動きで、怪堂に飛び掛ってきた。

しかし素早くかわして、テジナーマンに近づく。

 

[早い!]

「アンタ、遅ぇな!」

「がはっ!?」

 

そのまま怪堂が膝蹴りをしてテジナーマンを倒す。

だが、フンドシが拳を振りかざし。

 

「重戦車パンチ!!」

 

必殺パンチが決まったに見えたが。

 

「なにっ!?」

 

しかしこの場には怪堂の姿が見れなくなる。

 

「上だよ上」

「なっ!?ごふっ!?」

 

すでに怪堂はフンドシの頭上に居て、そのままフンドシの頭を掴んで強く床に叩きつける。

 

「貴様、もう許さん!消し炭にはさせないが、一生消えない火傷を負え!」

 

するとブルーファイヤーが手から青い炎を発射した。

 

「おっと!コイツは危ないな!?」

 

余裕な笑みで炎を避けると、ブルーファイヤーの背後に回って。

 

「よっこらしょ!」

「なっ!やめ、ぐふっ!?」

 

見事なバックドロップが決まる。

 

「やっぱ、仕込んでたんだな?」

 

さらにブルーファイヤーの両手に仕込んでた、小型の強力火炎放射器をもぎ取る。

 

「中々やるなぁ、あの小僧!」

「良いぞ!そのままこの本部を乗っ取れよ!!」

 

他の犯罪者達はヒーローを倒しまくる怪堂に声援を上げたが。

 

「はぁ?なに調子のいい事を?てめぇらはここで死ぬんだよ?」

「なんだと!」

「テメェ!一体どう言うつもりだ!」

「お前は、こっち側じゃねぇのか!?」

 

その暴言に周りが苛立ちを見せる。

 

「さっきも言ったが、俺は怪人を目指してんだよ?あっち側とかこっち側なんて、関係ないのが怪人よ!」

「生意気言ってんじゃねぇぞ!?」

「上等だ!先に俺がぶっ殺してやるよ!!」

 

ギャーギャー騒ぎ立つ中、先にスモッグが前に立った。

 

「たく、しょうがない。しばらく動けねぇようにしてやるよ!」

 

するとスモッグは麻酔ガスのスプレーを噴きつけようとしたが、素早く腕を掴まれるとそのままへし折った。

 

「っ!?きさ・・・・・ぐぉ!?」

 

さらに怪堂の飛び蹴りも喰らってしまって、スモッグはやられてしまう。

 

「スモッグ!?」

「おのれ!」

 

続いて超握力のグリップが相手をする事になる。

掴みに来るグリップの手を避けたりかわしたりする怪堂は、そのまま大きく振りかぶって殴りかかった。

 

[バカな奴だぬ。一生その手を使い物にならなくしてやるぬ!]

 

グリップは殴りかかる怪堂の拳を右手で掴み、その持ち前の握力で粉砕しようとした。

だが、パンチの勢いは止まらずに掴まれた手ごと顔面に直撃。

 

[コイツ・・・・俺に拳を掴まれたまま、殴ってきたぬ!?]

 

本人も信じられないまま、グリップは数メートルぶっ飛ばされる。

そして右手の骨も砕けてしまう。

 

「さぁ、次は?」

 

まるで獲物を探す獣の目で、辺りを見回して。

 

「良し、お前だ!」

 

ガストロをターゲットに決める。

 

「クソ・・・・・・まさかこんなにも、不味い仕事になるなんて、本当にガッカリだぜ!!」

 

ガストロはしゃぶってた銃を、怪堂に向けるので周りのならず者は、思わず怪堂から離れたりする。

 

「小僧。強いってのは認めてやるが、おいたが過ぎたようだな?」

「忠告する前にさっさと撃てよ?」

「全く、本当に不味い仕事だ!」

 

ガストロが叫んで彼の右足を、掠る程度にぶっ放した。

しかし怪堂は驚く事も恐怖もせずに、ガストロに近づいてくる。

 

[おいおい!コイツは本当に人間かよ!?]

 

ガストロは次第にビビリ始め、手元が震えてしまう。

 

「ほら、撃てよ」

 

どんどん近づいてくる怪堂に、ガストロは恐怖のあまり手の震えが止まらず。

 

「来るな・・・・・来るなあぁぁ!!」

 

叫びながら引き金を引いた。

しかし、いつのまにかすでに怪堂が近くに居て、ガストロの腕を掴んで、銃口を天井に向けていた。

 

「恐怖で手元が狂って周りも見えてなきゃ、銃なんてまともに使うはずないだろ?」

「そりゃ・・・・・どうも・・・・・」

「ふんっ!」

「ごふっ!?」

 

そのままガストロに回し蹴りを喰らわせた。

 

「さてと、次は?」

「ヤバイ!だが俺だって!」

「遅い!」

「うっ!?」

 

すぐさまレッドアイも銃を構えたが、すぐに瞬殺されてしまう。

 

「おっさんも立てよ。どうせ目覚めてんだろ?」

「よく・・・・・気づいたな!」

 

鷹岡が鼻血と額から血を流して、後頭部を押さえて少しふらつきながら立ち上がった。

 

「おいガキ!さっきから随分と生意気言ってんじゃないか?」

「うるせぇよ。見掛け倒しの隻眼のおっさん」

「んだと?この・・・・・・・ガキがああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

怪堂の挑発に鷹岡が完全にキレて、拳を振りかざし襲ってきた。

 

「がはっ!」

 

だが、怪堂のパンチが早く鷹岡の腹部に食い込んで、そのまま彼の姿勢は崩れた。

 

「そして、足がガラ空きだ!」

「ぐおぁぁぁ!!」

 

さらにそのまま鷹岡の足を思いっきり蹴り付けて折る。

 

[このガキ!烏間以上のパワーとスピードを持っていやがる!しかも戦いが喧嘩レベルの分、渚のガキやE組共より動きが読めない!?]

 

元々防衛省の軍人である鷹岡は、烏間の方が遥かに戦闘力が上だが、それでも強くて洞察力や観察力もある。しかし怪堂の素人ともいうべき戦い方と、その予想以上の戦闘力に驚愕してしまう。

 

「とりあえず、死なねぇ程度にタコ殴りだ!」

「ぐおっ!ぐはっ!止め!がはっ!!」

 

そのまま鷹岡の顔面を何十発もぶん殴り、歯が10本ほど折れて顎や頬の骨が砕けて、完全に顔の形が歪んだ酷い状態になった。

 

「さぁ?次の相手は?」

「上等だ!!」

「テメェみてぇなガキ、俺が殺してやる!」

「袋叩きだ!!」

 

いっせいにならず者達が怪堂に襲い掛かって来た。

だが、逆に返り討ちに合ってしまっていた。

 

「緊急事態!緊急事態!中央多目的ホールで、うわっ!?」

 

すぐさまシッチが助けを呼ぼうとしたが、しかしぶっ飛ばされたならず者、激突して気絶してしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、サイタマは殺せんせーと渚と一緒、キングの家でゲームをしていた。

 

「にゅにゅにゅにゅ!キングさん、少し手加減を!?」

「それは無理!」

「あはははは!お前、ほんと弱ぇなぁ?」

「がんばってね!」

 

渚に応援に答えるべく、必死にリモコンを操作し続ける殺せんせー。

だがしばらくすると、なぜか殺せんせーは自分の触手に絡まってしまう事態になってしまった。

 

「ちょっとちょっと、どうしたんですか!?」

「すみません。殺せんせーってテンパりやすいんですよ」

「めんどくさい弱点だな?」

「というより、助けてください!?」

 

そんな殺せんせーの弱点にサイタマは呆れてしまう。

それから、ヒーロー協会ホールで、シッチが目を覚ます。

 

「う・・・・・・・さっきまでいったい、うわぁ!!?」

 

そこでシッチが目にしたのは、ボロボロにやられて全滅した犯罪者と、全身返り血を浴びた怪堂の姿。

 

「んじゃ、俺はここで失礼するよ♪さすがにS級相手じゃあ荷が重いからな」

 

怪堂は相手の服で自分の顔についた血を拭いて、そのままホールから出た。

シッチはしばらく固まっていたが、すぐに我に戻ってもう一度助けを呼んだ。

 

「先程はちょっとトラブルに合いましたが、中央多目的ホールでの乱闘で、重傷者が多数!すぐに医療班を!そして誰も本部から出さないように!」

 

その頃、怪堂だが警備員と居住しているヒーローを薙ぎ払いながら、すんなりと本部から出た途端。

 

「はぁはぁ!少し・・・・・・・疲れたな。まぁ、怪人になる為ならこれ位の疲れなんて屁でもないがな」

 

かなり疲労しながらもヒーロー協会本部を後にした。




怪堂阿含の強さにヒーローはもちろん、ガストロや鷹岡達は見事にやられました。


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フブキ組現る

今回はフブキ率いるフブキ組の登場です。


水曜日。

この日はサイタマとジェノスは午後に来る予定で、バングも今日は休みであった。

しかしなぜか烏間の姿が居なかった。

 

「殺せんせー!烏間先生は?」

「烏間先生は、今日ヒーロー協会に用事があるので」

「そうだ!一応烏間先生はA級ヒーローになったんだった」

 

生徒達はそれなりに納得して授業を始めた。

 

「そういえば、カエデ。最近サイタマさんの順位がB級7位になったみたいだよ」

「へ~~~~~もしかしてサイタマさんなら、B級1位になるかもしれないね!」

「たしかにそうなんだけど、それが問題なんだよな?」

「コラそこ!私語は慎みなさい!」

 

殺せんせーに注意されて、2人は授業に入った。

そして午後になって、サイタマとジェノスがいつもどおりに、旧校舎に向かっていたけども。

 

「ん?」

 

ジェノスはなにか気配を感じ出す。

 

「どうした?」

「・・・・・・・先生、先に行って下さい。後で追いつきますので」

「ん?別にいいけど、早くしろよ」

「もちろんです」

 

そのままサイタマが先に進む。

 

「そこに居るのは分かっている・・・・・出て来い」

 

そして目の前に現れたのは音速のソニックだった。

 

「貴様は、たしかあの時の変態忍者で・・・・・たしか音速のソニックだったな?」

「お前はあのサイタマと一緒に居る機械野郎か?」

 

じつはかつて深海王の出現で、2人は一度だけであっていた。

 

「どけ!俺はサイタマと決着をつけるからな!」

「なるほどなぁ・・・・・・・だが、サイタマ先生をやる前に、俺を倒してからにしろ!」

「上等だ!貴様みたいな金魚の糞を、最初に片付けてやる!!」

 

こうしてジェノスとソニックの戦いが始まった。

その頃、サイタマはE組に到着した。

 

「あれ?ジェノスさんは?」

「なんか、用事ができたら先に行ってくれって」

「そうですか、まぁ来るのを持ちながら授業を始めましょう」

 

さっそく授業をしようとしたが。

 

「ねぇ、外に誰か居るよ?」

 

カエデが窓の外を見ると、いつのまにか黒いドレスを着た美女と、黒いスーツ姿の集団がいた。

 

「あれって・・・・・・・まさか!?」

「あの人達、私知ってる!たしか地獄のフブキとフブキ組!?」

 

奥田愛美はB級ヒーローの地獄のフブキと、全てB級で構成されたヒーローグループ、通称フブキ組が居る事に驚く。

 

「なるほど、黒いドレスから分かるほど、俺好みの巨乳とスタイルだ!」

「岡島くん・・・・・・・」

 

フブキの巨乳とスタイルに、観察しながら興奮する岡島大河に渚は呆れる。

 

「でも、なんでフブキ組が!?」

「そんなの、決まってるじゃないのか?」

 

不思議がる速水凜香に、千葉龍之介は殺せんせーを見るので、思わずE組全員が目を向ける。

 

「あの・・・・・・・なんで皆さん私を?」

「おいおい、テメェも気づいてんだろ?」

「どうみても・・・・・・・殺せんせー目当てだよな?」

「でも・・・・・・・なんか殺せんせーが目当てでもないみたい?」

 

赤羽はフブキ組が殺せんせー目当てでない事に気づく。

 

「ここにサイタマというヒーローはいないのか!?」

 

B級2位のマツゲが、メガフォンでサイタマを呼んだ。

 

「サイタマさん、呼んでるけど?」

「え?俺を?」

 

言われたままにサイタマは校舎から出て、フブキ組の所に向かった。

 

「俺に何か用?」

 

いつもどおりの態度で尋ねてみると、最初にフブキが喋り始める。

 

「お前はこの間まで、B級に昇格したにも関わらず、すでに上位になってるようね?」

「まぁな。でも俺はそんなの興味ないけど?」

「アナタはなくても、私達はあるのよ!ライバルが増えるのは」

「ライバル?つまりなんだ?」

「つまり、彼女はこう言ってるのですよ」

 

すると殺せんせーが割り込んで入ってきた。

 

「恐らく、彼女は今B級のトップになっていますが、早くも上位に上がっているサイタマさんの存在が邪魔になってるって事ですよね?」

 

殺せんせーの推理にフブキが少し微笑み始める。

 

「なるほど、さすが怪人でありながも教師をやってるって訳ね」

「ヌフフフフフ。どうも♪」

「とりあえず、単刀直入に言うけど。我がフブキ組に入って、一緒にターゲットのそいつを倒しましょう!!」

 

さっそくフブキはサイタマを勧誘し始める。

そしてその様子を、渚達が見守っていた。

 

「おいおい!やばそうじゃねぇか!?」

「あのフブキって女、本気でサイタマを勧誘してるぞ!?」

「もしかして、渚が心配てたのって」

「うん、フブキは自分の順位を守る為に、ああしてヒーローを勧誘しているんだ」

 

E組メンバーから心配されて、サイタマの出した返事は。

 

「ふざけんなよ。ヤダに決まってんだろ?」

「・・・・・・・それが答えか?」

「当たり前だろ?大体ヒーローに上下関係あってたまるかよ。それに、確かにこいつは怪人だけども、そんな急がなくても良いなと思ってな」

 

すんなりと断ったサイタマに対して、フブキは次の行動を開始する。

 

「あんた達」

「「「「「はっ!」」」」」

「コイツにヒーロー活動が出来ないように、痛め付けなさい!!」

「「「「「了解!!」」」」」

 

フブキ組全員が襲い掛かったが、一瞬のうちに殺せんせーが彼らを気絶させロープで縛った。

 

「えっ!?」

「なるほど、アナタも鷹岡先生と同様に、自分の思い通りにならない相手は、実力行使ですか?あんまり良くありませんね」

「だそうだ。どうするフブキ?」

 

サイタマと殺せんせーに、フブキは確実に危険と確信した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、烏間はヒーロー協会本部に設置してある、医務施設に来ていた。

そして病棟には昨日、協会に呼ばれて怪堂にやられた犯罪者達が手当てを受けていた。

 

「なるほど・・・・・・彼ら全てが?」

「はい、怪人を目指すとか訳のわらない事を言う、怪堂って少年に」

「信じられないな。現役の殺し屋も多数居るにも関わらず」

「全くですな。そしてこちらにアナタの知り合いが」

 

シッチに案内された烏間は、とある病室を扉の隙間から覗き込む。

そこにはベッドの上で、顔面包帯を巻かれて足にギプスと、さらに上半身に拘束器具を付けられた鷹岡の姿。

しかもその顔は、何かに恐怖し怯えずっと震えていた。

 

[鷹岡・・・・・・・お前が脱獄したと知った時は、また生徒達に危険が迫るのかと心配したが。まさかこんな形で再び会うとはな・・・・・・・]

「どうやら彼は、あの怪堂がトラウマになり、あのように怯えているようでして」

「そんなの、見れば分かる」

 

確認した烏間は鷹岡の病室から離れると。

 

「お~~~い。旦那!」

 

ベンチに座ってる包帯やギプスまみれのガストロ達が呼びかけた。

 

「お前らも来てたのか?」

「当然、だけど」

 

スモッグとグリップは包帯とギプスまみれの、自分の手と腕を見せる。

 

「おかげで、しばらくは休業だぬ」

「しかし、まさかアンタがヒーローになっていたとは驚いたぜ!」

「それは言うな!俺はあんまり乗り気じゃないが、仕方がなかったんだ!」

 

いまだに烏間はプロヒーローって呼び名に慣れていなかった。

 

「ところで鷹岡の元ボスは?」

「一応完治できたら、ぷりぷりプリズナーのいる監獄に収容する」

「ぷりぷりプリズナーって、あのゲイで有名なヒーローの?こりゃやりすぎじゃないのか?」

「たしかに。だがあんな状態でも、もしもの為だ。ちなみにプリズナー本人は、鷹岡の写真を見た途端、気に入ったらしいしな」

「本当、あのヒーローの守備範囲わかんねぇな?」

 

ガストロはぷりぷりプリズナーに寒気を感じていた。

 

「しかし、まさかアンタや、アンタとターゲットが育ててるガキ共はともかく。あのガキに負けるとはな」

「むしろ・・・・・・・あの少年の殺気は人間ではなく、怪人そのものだったぬ」

 

彼らは怪堂が人間じゃないって事に感じ始める。

 

「旦那。はっきり言うけど、怪堂ってガキは本当に気をつけろ」

 

ガストロは烏間に忠告した。

 

「・・・・・・分かった」

 

そして烏間は本部病棟を後にした。




フブキが原作どおりにサイタマを勧誘し始める話です。


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ソニック究極奥義

サイタマと殺せんせーのタッグによるバトル勃発


「どうやら、アンタはそこのターゲットと一緒に痛い目に合いたいようね」

 

フブキはポケットから袋を取り出すと、そのまま袋を開けて中身を地面に撒き始めた。

 

「なに撒いてんだ?」

「さぁ?ですが、あれはもしや?」

 

フブキのする事に不思議がる2人だったが、殺せんせーは気づいてた。

地面に撒いてるのは、対先生弾であったのだ。

 

「あ、あの!」

 

教室から渚が2人に声をかけた。

 

「サイタマさん、それからとりあえず殺せんせーにも教えておきますけど、フブキは超能力で念動力が得意なんだ!」

「超能力?」

 

すると対先生弾と一緒に、周りの石や砂利も空中に浮かび始める。

 

「喰らいなさい、地獄嵐!!」

 

そして石と砂利と対先生弾の入った、強烈な旋風が2人を襲った。

 

「いくらターゲットがマッハ20でも、この対先生弾入り地獄嵐の前には、一瞬で心も身体もズタズタよ。そしてサイタマって奴も、私に楯突くからいけないの「ヒステリーな女って本当に小さいよな?」「ええ、確実にトップの器じゃありませんしね」!!?」

 

その時、聞き覚えのある声がしたので、後ろを振り向くと2人が立っていた。

 

「あれくらいの攻撃、先生だったら平気で避けれますよ」

「だそうだ」

 

するとサイタマが近づいて来た。

 

「お前…生き残れないヒーローを知っているか?それはまだ強くて悪い奴らがたくさんいて、そいつらに立ち向かうのがヒーローだ。たとえそれが独りになってもな」

「ええ、サイタマさんの言うとおりです。自分より弱い人を手下にして、強くなったつもりみたいですけど、もし手下が今のようにやられたり逃げたりしたらどうするつもりですか?」

「ふざけんじゃねぇぞ!ランキング気にしてるぐらいだったら、お前がヒーローを辞めたらどうなんだ!ヒーロー舐めてんじゃねぇぞ!!」

 

サイタマと殺せんせーの言葉に、フブキは反論できずにいた。

 

「…黙れ!お前に私の地位を奪われてたまるか!!」

 

すると2人の周りの地面が、まるでサンドイッチのようにして2人を挟んだが、サイタマはすんなり拳で破壊し脱出して、殺せんせーもすでに逃げていた。

だが、すぐに対先生弾の別の袋を取り出して、ばら撒いたと同時に弾丸のように飛ばしたが、サイタマには効果がなくて、殺せんせーも軽く避けてしまう。

 

「なんか…凄い戦いになってるね!」

「俺達が入って来れないな?」

 

渚達E組は、3人の戦い方が格が違うと改めて思った。

かつて殺せんせーとサイタマの戦いもそうだが、今回の戦いもそれと同じであった。

そしてフブキがサイタマ&殺せんせーに、負けてしまおうとした瞬間、ジェノスが突然割り込んできた。

 

「ジェノス!?」

「先生!いつのまにか旧校舎に来てしまったのか?」

「アンタは、S級のジェノス!?」

 

ジェノスの登場にフブキは驚く。

 

「お前は、フブキだな?先生になんのようだ?」

「先生だと?」

「俺はサイタマの弟子だからな」

「弟子!S級が、B級に弟子だと!」

「なるほど、つまり貴様は先生を新人潰しのターゲットにしたのだな?そして殺せんせーと一緒に先生を潰そうとしたが、返り討ちにあったのだな?」

 

ジェノスはこの状況を把握していた。

 

「それで、ジェノスさんは今までなにを?」

「コイツと戦っていたんだ」

 

彼が目を別の方向に向けると、ソニックが立っていた。

 

「ソニック?!」

「アナタは、この前の忍者さん?」

「よう、サイタマ。そしてタコ怪人!」

 

ソニックはサイタマと殺せんせーを、睨みながらも不気味に笑う。

 

「なにあれ?ヒーロー?」

「いや、あんなヒーロー、僕知らない!?」

「あれって音速のソニック!?」

「ビッチ先生。あの人を知ってるの?」

「裏社会じゃあ有名な奴で、殺し屋は勿論。用心棒や護衛や傭兵までやっている実力者よ!」

 

イリーナはそれなりに、音速のソニックを知っていたようだが、実際に会うのは始めてであった。

 

「ジェノス……アイツと戦ってたのか?」

「ええ、でも心配しないでください。あのストーカーを二度と現れないようにしますので」

「バカな奴だな?俺のスピードについて来れないのろまの分際で、よく言うぜ!」

「いや、バカは貴様だ!」

 

するといつのまにかジェノスは、ソニックの背後に回って攻撃した。

だが、ソニックは避けるが、すぐに新しい攻撃に移った。

この状況を、殺せんせーは把握する。

 

「なるほど、ジェノスさん。身体のパーツを変えたみたいですね?」

「もしかして、この前のロボットのパーツでも使ったのか?」

 

そんな2人の勝負に、ジェノスが有利に立って、今まさにソニックに止めを刺そうとした瞬間。

 

「喰らえ、マシンガンブロっ!!」

 

突然ソニックの姿が2人になった。

さらに2人だと思ったら、一気に4体になった。

 

「どうだ!これぞ超高速に加えて特殊歩行術による残像を生む技…名づけて奥義、四影葬!!」

 

説明しながらジェノスに襲い掛かる。

なんとか避けたりするジェノスだったが、4体のソニックの攻撃に戸惑ってしまう。

 

[動きが…全然読めない!]

「あははははは!どうした?ならば、死ね!」

[こうなったら、焼却砲の質力を最大に…]

 

たが、焼却砲を構えたその時。

サイタマが後ろからジェノスの肩を掴んで引かせた。

 

「先生?!」

「お前、校舎ごと消し飛ぶつもりか?」

「それはいけませんね。生徒に危害を加えることは禁止だって、知っていた筈ですよね?」

 

注意しながら殺せんせーも前に出始める。

 

「ソニックは俺とコイツ狙いだろ?しつこいんだよ!」

「なれば、私達で相手をしなくてはなりませんね」

 

サイタマと殺せんせーが、タッグでソニックの勝負を受けた。

当然ソニックは、緊張はしたが不気味に微笑む。

 

「そうだ…この時を待っていたぞ。貴様らを葬る溜めに編み出した、究極奥義でな!」

 

かなり緊迫な状況になり始めて、E組全員も真剣にこの勝負を見続けていた。

 

「なんか、もの凄い展開になってきたな!」

「てか、あの2人がタッグを組むなんて、どうなるんだ!」

 

そしてサイタマと殺せんせーがなにやら相談し始めて、しばらくするとサイタマが前に出た。

 

「なんだ?なにかの作戦会議か?」

「いいから早く来い」

「だったら喰らえ!究極奥義、十影葬!!」

 

するとソニックは10体の残像を作りながら、一気に襲い掛かって来た。

 

「必殺マジシリーズ。マジ反復横飛び!!」

 

しかし、サイタマは超高速の反復横飛びで、ソニックの何倍の残像を生み出した。

 

「なばっ!?」

 

驚きのあまり変な声を上げてながら、反復横飛びの衝撃波に吹っ飛んでしまうソニックだったが、いつのまにか後ろに殺せんせーが居た。

 

「ヌフフフフ。ソニックさん、前に集中しすぎてはなりませんよ?」

「くっ…クソぉぉぉぉぉぉ!!」

 

対先生コーティングを施した刀で、そのまま襲い掛かった。

すると殺せんせーは両腕に力を込め始める。

 

「私には自分の身体をボールサイズに縮めて、エネルギーで膜を作って身を守る完全防御形態が使えますが…これはその応用版で触手の一部だけを硬質化して、そのままエネルギーを発射するもので…名づけて、ころせん波!!」

 

少し語呂が悪い技名だが、そのエネルギー波の威力はたしかに高かった。

 

「うわっ!なんだこれ!?」

「殺せんせー!いつのまにこんな技を!?」

 

渚達が殺せんせーの新必殺技の威力に、驚いたり腰を抜かしたりして、ソニックはそのエネルギー波を喰らって、空高く吹っ飛んでしまう。

 

[バカ……なっ!?]

 

そして落下してきたソニックを、殺せんせーが素早くキャッチした。

 

「アナタも相当修行して来たみたいですけど、私もそれなりに進歩しているのを忘れずに」

「おのれ…次……こそは」

 

ソニックは意識が朦朧としながらも、再戦宣言をしながら気絶する。

 

「コイツ、本当にしつこいよな?」

 

呆れるサイタマの隣で、フブキは改めて2人の実力を知る。

 

[強すぎる…この2人は、完全に次元が違う!]




最初はフブキと戦って、次はソニックとのバトルとなりました。


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1位になるために

それからバトルの後に、フブキをとりあえずE組の教室に入れた。ソニックをガムテープで拘束し掃除用具入れに閉じ込めておいて、ついでにフブキ組メンバーも床で寝かせている。

 

「はい、粗茶ですけど」

「どうも…」

 

殺せんせーに渡されたお茶を、フブキはとりあえず受け取って飲んだ。

 

「しかし…本当に3月には地球を破壊するつもりかしら?」

「ええ、そのつもりですので、いつでも殺しにかかっても構いませんから♪」

 

縞模様の舐め顔になりながら挑発した。

 

「むしろ殺せんせーだけじゃなく、サイタマにもちょっかい出すなんて、命知らずだな?」

「無理もないでしょ?知らなかったから」

 

呆れる陽斗に対してメグが仕方のない事だと言う。

 

「でも、どうしてそんな脅迫みたいな真似を?」

「仕方ないのよ!姉のように一番になりたいから!」

「姉のように…」

「…戦慄のタツマキ。S級2位で私の実の姉よ」

 

フブキは姉の戦慄のタツマキの名を言った。

 

「姉?妹じゃないの?」

 

カエデが尋ねてきたので、フブキは返事を返した。

 

「いや、姉よ。あんな体系と体格で妹だと思われるけど…あれでも28歳なのよ」

「つまり、合法ロリってやつだな?」

「「なっ!?」」

[先に言われた!]

[僕が言おうと思ったのに!]

 

千葉に言われたせいで、岡田と竹林はショックを受けてしまう。

 

[てか、アイツ!]

[合法ロリって単語、知っていたのかよ!?]

 

そして他の人も、千葉がその言葉を使った事に驚く。

 

「んで、それとコイツとどう関係があるんだ?」

「さっきも言ったけど、私は一度も姉に…勉強でも運動でも、ましては超能力でも勝った事は一度もない!」

「でも良かったですよね?もしタツマキさんが妹だったら、完全にアナタの心に、大きな傷が出来ていたから!」

「そういう問題じゃないと思うけど?」

 

不破はフォローを入れたつもりだったが、菅谷がツッコミを入れた。

 

「…そして今は2位だけど、事実上は姉が1位。だから私は!」

「へ~~~~つまりアンタは、B級の1位を守りながら、単独主義のタツマキと互角になるために、他のB級を束ねていたって訳だね?」

 

赤羽の言った事にフブキは首を縦に振って返事する。

 

「でも、フブキさんの実力なら、A級になれそうだけど?」

「それは無理だよ」

「え?」

 

すると渚は少し知ったかぶりな感じに口を開く。

 

「たしかにフブキさんならA級にはなれるかもしれないけど、1位になるのは絶対に無理だよ?」

「その坊やの言うとおり。A級の2位から10位、とくにS級のアトミック侍の弟子で、2位のイアイアン、3位のオカマイタチ、4位のブシドリルの実力は、S級レベルとされているけど、彼らがS級になれない理由が」

「イケメン仮面アマイマスクですね?」

 

殺せんせーがアマイマスクの名と一緒に尋ねてみると、フブキはそのとおりだと答える。

 

「ええそうよ…A級1位イケメン仮面アマイマスク。彼を超えるA級が存在しないのよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、烏間は帰ろうとした。だけどヒーロー協会の頼みで、町で暴れる怪人を止めに向かう。

もちろん、ワイルドクロウの時用の防護ヘルメットを被っていた。

 

「全く、ヒーロー協会は本当に人使いが荒いが…俺はヒーローになった身だからな…」

 

諦めるかのように烏間は、暴れている怪人の所に到着した。

その怪人は、長い髪とヒゲが生えて毛皮を身体に巻いた2人の原始人であったが、爪と牙が以上に長くて筋肉も丈夫そうな肉体。

周りには2人に襲われて、重傷を負ったり殺された人間が10人ほどいた。さらに2人の口から氷の息を吐く。

 

「原始人兄弟…冷凍された状態から解凍蘇生されたが、そのまま現代の人々を悪だと思い人を襲い続けている訳で…さらに長い事冷凍されたせいで口から出す冷気で、物を凍らすか…」

 

ヒーロー協会からの情報を読みながら確認し続ける。

 

「出来れば生け捕り、無理なら処分となっているが…これは生け捕りは勿論、処分も難しそうだな」

 

そして原始人兄弟は烏間を威嚇しながら近づいて来た。

 

「たく、だからヒーローって奴は嫌なんだよ!!」

「ぐおっ!」

「がおっ!」

 

原始人兄弟が牙と爪を剥き出して襲い掛かって来たが、しかし烏間が軽く避けて兄の方にパンチを、弟の方には膝蹴りが決まった。しかし2人には効果がなかった。

すると兄弟が息を大きく吸うと、強力な冷気を吐いた。つかさず烏間はジャンプしてかわすけど、その冷気によって地面などが凍る。さらには寒さで木も草も枯れたりしていた。

 

「パワーもスピードもあるけど、やっぱり口からの冷気が厄介だな…」

 

烏間は改めてこの兄弟を取られるのは無理だと考えたので倒そうと思った。

 

[とりあえず、兄よりも弟を先に倒した方がいいな]

 

と上着を脱いで銃を持ってどうやって隙を作るか考える。

その時、兄弟は柵をもぎ取って武器にすると、烏間の周りを回り始めた。

 

「なるほど、多少知恵は働くようだな。だが!」

 

すると烏間が空中に銃を投げると、その行動に弟は驚いて動きが鈍くなった。

すぐにそのまま弟の足を引っ掛け転ばせると、投げた銃をキャッチして頭部を撃つ。

 

「良し、まずは1体!」

 

すると兄は涙を流しながら突進してきたので、すぐに離れた。そして弟の死体を抱き締めながら泣き出すが、それと同時に兄は烏間に対しての憎しみが強くなる。

 

「不味いな…さっきはなんとかなったが、あんだけ怒った相手だと、勝てるかどうか?」

「なるはど、あれか?」

 

その時、後ろにかなり美形な顔立ちの男が立っていた。

 

「お前は確か、イケメン仮面アマイマスク?」

「そういう君は、A級の新入りワイルドクロウだね?」

 

アマイマスクはワイルドクロウだを新入り扱いするかのように見下す。

 

「弟の方に随分手間取ってるみたいじゃないか?」

「仕方ないだろ?こういうのは久しぶりというか、初めてというか」

「たしか君には、超生物であるタコ怪人を始末することが役目であろう?ならば、こんな所で遊んでいる場合じゃないだろ?」

「しかし、さすがにあの兄の方は、俺達2人で!」

「その必要はない」

 

協力を求めたが、アマイマスクは無視してそのまま原始人兄に近づく。

 

「待て!そいつはパワーもスピードも、それなりに知能も高くて、そして口から冷気を!」

 

烏間の警告したがアマイマスクは兄の口から出した冷気を、モロに喰らって凍り付けになってしまった。

 

「くっ!だから言ったのに…」

「ぐばはははははは!!ぐおっ!」

 

と兄は氷の像となったアマイマスクを、バカにするかのように笑った。だが、すぐに弟を殺した烏間に迫ってくる。

 

「仕方ない。勝てるか分からないが、倒してみせる!!」

 

しかし烏間も負けずと銃とナイフを構えて、アマイマスクのように凍り付けになるかもしれないが、ここでやらなければと覚悟を決めた。

だが、突然ピキッと何かが割れる音がした。

 

「ん?この音は…まさか!」

 

烏間の予想通りに、氷像になったアマイマスクの表面にヒビが入り始める。そのまま一気に砕けて中から無傷のアマイマスクが出てきた。

 

「たかが凍り付けで、僕がやられると思ったのか?全く、その姿も言動も行動も何もかも、全然美しさがない!」

「がはは…あ…」

 

そんなアマイマスクの殺気に、兄は怯えて動けなくなってしまい。

 

「死ね!」

 

そしてアマイマスクの手刀が、兄の首をスパッと斬り落として倒した。

 

[相手が怯んでいる中、容赦なく抹殺…なんて男だ!これがA級1位の実力か!]

 

烏間は改めてアマイマスクの実力に、ド肝を抜くのであった。

 

「じゃあ、僕はドラマの収録があるから、後は頼んだぞ」

「え?ああ、分かった」

「それから!」

「ん?」

 

するとアマイマスクは、先程よりも強い殺意を持った目になり。

 

「君が担当しているタコ怪人に言ってくれ。いずれ貴様は僕の手で始末するからって」

 

と言ってこの場を去っていった。

 

[あの男…かなり危険だ!]

 

そしてヘルメットの中で彼の殺気に冷や汗をかいた烏間は、すぐにヒーロー協会に報告をするのであった。




烏間改めワイルドクロウの、始めての怪人倒しです。


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誰よりも強いから

烏間がアマイマスクに助けられていた頃、フブキの話は続けられていた。

 

「たしかに…よく考えたら、いきなりS級になったジェノスさんはともかく、A級上位が一度もS級になれない一番の理由って」

「アマイマスクさんがずっと1位のままって事ね」

 

こうしてE組のほとんどが、プロヒーロー達の事情に納得していた。

アマイマスクを超えられるヒーローが存在していない事に。

 

「世の中にはいるのよ。超えられる事の出来ない、強さを持った化け物がね」

「その例が、まさしくこの2人だね」

 

赤羽がマンガを読んでいるサイタマと、いつのまにかいやらしい目でフブキの胸を見つめる殺せんせーに指を刺した。

 

「でもコイツやこのセクハラ怪人が強いのは分かったけど、アマイマスクや姉のタツマキはもちろん!人類最強のキングにS級トップのブラストといった化け物が存在しているのを分かっているの!!」

「別に、俺そんなの全然興味ないから…それからアンタの配下になる気もねぇし」

「だそうですよ。そもそもこれは個人が決める事ですので、アナタが決める立場ではないはず」

 

すんなりと言いながらマンガを読むサイタマに、フブキは呆れながらも勧誘し続けた。

 

「随分と強がっているみたいだけど、アナタは上には行けないわね。せっかく私の傘下に「サイタマ氏、いるの?」

 

その時、いきなり誰かがE組の教室に入ってきた。それはキングであった。

 

「えっ!?」

「うそっ!?」

「あれってキングさん?!」

「なんでキングさんが!」

「へ~~~」

 

当然、E組全員は一応S級のキングの登場に全員は驚いて混乱してしまう。

だが、キングはスタスタとサイタマに近づく。

 

「サイタマ氏、もしかして俺のゲーム機勝手に持ってった?」

「ああ、面白そうなソフトだったから、つい…」

 

どうやらここの来たのは、サイタマからゲーム機を返してもらいに来ただけらしい。

 

「ほら、ゴメンな…勝手に持ってて」

「いや別に、それでまた今日もゲームしに来る?殺せんせーや渚くんも一緒に」

「「「「「えっ!!?」」」」」

「あっ!!」

 

ついキングの口から出た言葉に、全員の視線はいっせいに、サイタマと殺せんせーと渚に向けた。

仮にもS級のキングと知り合いになったのだから無理ない。

 

「渚!キングさんと知り合いになったの!?」

「うん、ちょっとしたゲーム友達として…」

 

渚はどうやって話せば良いのか分からなくなってきた。

 

「まぁ、話せば長いかもしれませんけど、私達キングさんとはゲーム友達になりまして…」

「それがどういう事だよ!てか、話し短いし!!」

 

殺せんせーのグダグダな説明で、混乱し始めた。

 

「先生、いったいキングと?」

「別に…普通に友達になっただけだよな」

「そうだよ」

 

サイタマも適当に説明したりする。

 

「そんな事より、今日もゲームやりに来る?」

「今日はいいよ。スーパーで買い物しなくちゃ」

「僕も勉強があるし」

「私は少し採点が終えたら、すぐに来ますので、今度こそ負けませんよ!」

 

周り全員が会話している4人の姿を見てると、全く違う世界になっていると実感していた。

 

「渚…なんだか遠い存在に」

「そもそも、なんであのハゲはタコと仲良くなってんだよ?」

 

フブキもこの状況に混乱しているところ、ジェノスが声をかけてきた。

 

「先生はな…最初は俺に興味もなかった。そして誰とも組まないし対立もしない。さらにはランキングも気にしない…なぜだか分かるか?」

「それは……」

「簡単だ。先生は……誰よりも強いから!」

 

その言葉にフブキは心に何かを感じていた。

サイタマという存在に。

その頃、ヒーロー協会では会議をやっていた。

 

「それでは、この2人のヒーローネームは、これで決まりでよろしいですな?」

「「「「「異議なし!!」」」」」

「ではまず、ジェノスくんは鬼サイボーグで、サイタマくんはハゲマントで」

 

どうやらサイタマとジェノスのヒーローネームを決める会議であった。

 

「先程、烏間さん改めワイルドクロウも、アマイマスクの助けもあって、原始人兄弟を撃破したそうです」

「ほぅ、さすがアマイマスクだ!ワイルドクロウも防衛省一の実力者だけの事はある」

 

さらに烏間とアマイマスクの話題に変わった。

 

「では、続いて超怪人、殺せんせーの対策に」

 

しかし、すぐに殺せんせー対策会議に移ったりする。

だが、この会議に納得しない人物がいた。

 

[クソっ!なぜ怪堂ってガキの課題が出てこないんだ!?A級と同レベルの犯罪者を、たった1人で全滅させたんだぞ!!]

 

シッチは昨日の事件の話が、たった10分で終わった事に、納得がいかなかった。

 

[だが焦るな!こっちには姿を見せないブラストと、タツマキとシルバーファングとキングに、そしてアマイマスクがいるんだ!]

 

なんとか自分に言い聞かせながらも会議に参加した。

 

「じつは、政府から聞いた話だが…なんでも世界各国でターゲット抹殺の最終プロジェクトが始まっているらしいがな?」

「それなら私も知っている。どうやら超技術による計画だそうだな?」

「だったら我々も負けていられませんな」

 

そして上層部全員も顔を見合わせて、ヒーロー協会もまだがんばれるって闘志を燃やす。

 

「今こそ、S級全員からA級の上位と協同による、ターゲット暗殺計画を始める時だ!」

「もちろん!今まで非協力的だったメタルナイトに、なんとかこの計画に協力して貰い…ワイルドクロウからも、これまでのE組及び派遣殺し屋達の暗殺記憶も手に入れたんだ!!」

「我らヒーロー協会の底力をみせてやる!!」

 

彼らも殺せんせー暗殺に、本格始動し始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後。

とある空き地に信太と長助のコンビが、シッチに警戒された怪人を目指す少年、怪堂に絡まれていた。

 

「なっ、なんだよお前は!?」

「俺達に、なにかようかよ!」

 

少し怯えながら尋ねる2人に対して、怪堂は不気味に笑い出す。

 

「別に…ただヒーローを呼んでくれたらいいなぁって?」

「「え?」」

「だから、早くヒーローを呼べって言ってんだろうが!!」

「「ぐっ!!」

 

そのまま2人の顔を掴んで脅迫し始める。

 

「待て!!」

「ん?」

 

するとどこからか呼びかける声がしたので振り向くと

 

「正義の自転車乗り、無免ライダー参上!!」

 

無免ライダーが自転車から降りながら名乗った。

 

「無免ライダーだ!」

「本当だ!」

「ほぅ」

 

怪堂は2人の顔を離すと、すぐさま無免ライダーに駆け寄った。

 

「助けてくださいよ!」

「アイツが、僕達を無理やり!」

「分かってる、俺に任せろ!」

 

信太と長助を落着かせながら、戦闘体制になろうとしたとき。

 

「ちょっと待ちな!」

「え?」

 

さらにどこからか他にもヒーローが現れた。

 

「アイツみたいだな、兄貴?」

「そうらしいぜ。弟」

 

それはタンクトップタイガーとタンクトップブラックホール。

 

「このスティンガーが来たからには、もう安心だぜ!」

「本当にこの少年なのか?」

 

スティンガーとイナズマックス。

 

「たしかにそうだ。俺の携帯にも奴の顔が載ってある」

「なるほど、見るからに危険だ…」

「やってやる!やってやるぞ!!」

「俺だって、あれからトレーニングしたんだ!」

 

蛇咬拳のスネックとジェットナイスガイとブンブンマンとオールバックマン。

 

「でも、こんなに来る必要はない気が?」

「それでも多い方が良い」

「我が黒の刃で切り裂く!」

 

赤マフに院卒にダークネスブレイド。

 

「ここで誰よりも手柄を上げるぞ!!」

「そんな事分かってるさ」

 

十字キーと喪服サスペンサー。

 

「たとえ相手が1人で少年でも、油断は禁物ですよね?」

「同然に決まってんだろ?」

「うむ」

「俺達の力を見せてやる」

 

バネヒゲと黄金ボールとヘビィコングと雷光ゲンジ。

 

「アイツがヒーローになったから、手柄を上げてやら!」

「あっ!D組の信太と長助?」

「俺達でやつを倒して目立ってやるぜ!」

「拙者達の底力、知らしめる時!!」

 

さらにタンクトップソルジャーとパーカーゴーグルとスーパースターTとカブキサイクロと、A級B級C級ヒーローが集まっていた。

 

「みんな、なんで?」

「当たり前だろ?お前だけかっこつけてたまるかよ!」

「それに、相手は100人近い犯罪者を倒した奴だ!気を抜くなよ!!」

 

ヒーロー全員は武器や拳などを構えたりしてると、怪堂はさっきよりも不気味に笑う。

 

「これだよ。俺が求めていたのは…これだ!!」

 

大笑いしながら怪堂はヒーロー達に襲い掛かって来た。




今までワンパンマンに登場しオリジナルのも含んだ、22人のヒーローが登場します。


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怪人少年対S級ヒーロー

怪堂とタントップマスターの対決です。
そして今更ですが暗殺教室がアニメ化されましたけど、ワンパンマンもアニメ化して欲しいですね。


殺せんせーは約束どおりにキングの所で30分程ゲームをやって帰ろうとしていた。

ちなみにフブキは仲間達と一緒に帰って、ソニックもいつのまにか拘束を抜けて逃げ出している。

 

「ちょっと遊びすぎましたかね?おや?」

 

すると買い物帰りのサイタマを見つけたので、駆け寄ってみた。

 

「サイタマさん!」

「よぅ、殺せんせー。帰りか?」

「ええそうです。相変わらずキングさんが強くて大変ですよ」

「たしかにアイツって容赦ないからな!ところで」

「はい?」

 

するとサイタマは前から思っていたことを尋ねてみた。

 

「なんでお前、地球も壊そうとしてるんだ?」

「……それはどういった意味で?」

「だって、お前って今の教師生活充実してるだろ?だったら一生教師として過ごしたらいいじゃんかと思ってよ。そもそもなんで教師なんてやってんだ?」

 

サイタマは教師としての実力が十分ある殺せんせー。それがなぜ月と同じように破壊すると考えているのが、不審に思っていたので思い切って聞いてみた。その本人からの答えは。

 

「大変申し訳ありませんが、それを話す事は出来ません」

「はぁ?」

「私はいずれ地球を破壊するもの……故に理由を言っても死んだら意味がないものです」

「……確かにな?」

 

なぜか少し納得してしまうサイタマであった。

 

「もし知りたいのなら、私を殺してみなさい。殺せば徐々にわかる事があります」

 

そう言うと殺せんせーは空を飛んで帰っていった。

 

「ほんと、アイツって訳わかんねぇな」

 

サイタマもそのまま家に帰るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ヒーロー達が怪堂に戦いを挑んだ。しかし無免ライダー達、ヒーローが全てボロボロな姿で倒れ手駒いる。

 

「たくよ。22人が束になっても俺1人倒せないのかよ?」

 

呆れる怪堂であったけど、腰を抜かして怯える信太と長助もいた。

 

「なっ、なんだよお前!?」

「こんな事をして!?」

 

信太と長助は怯えて涙目になりながらも訴え続けた。

だが、密かに隠れているヒーローが1人。

 

「マジなの!連絡で聞いたけど、まさかここまで!?」

 

そうウェーブ般若改め狭間もヒーロー協会からの連絡を聞いていて、パトロールをしていた。さっきの騒ぎに気付いて来てみたのだけど、怪堂の計り知れない力に驚いて動けずにいる。

 

[どうしよう…このまま出てやろうかな?でも私なんかじゃ敵わないし…第一あの2人がどうなろうと関係ないかも]

 

なにやら信太と長助を見捨てようと考え出すが、しばらく様子を見続けていた。

 

「別に、ただ俺の力はヒーローに通じているか試してみたいだけさぁ?」

 

2人の頭を掴みながらも不気味に微笑みながら質問に答える。

 

「ぜ…全然答えになってないだろ!?」

「そうだよ!?」

「うるさい!」

「「うぐっ!!」」

 

顔面を殴られてしまい、2人は大量に鼻血を出してしまう。

 

「全く、お前ら確か椚ヶ丘学園だったよな?真面目だねぇ?」

「「ひぃぃぃぃ!!」」

[こうなったら、仕方ない!!]

 

鼻血を出しながらも信太と長助は、不気味さと狂気に満ちた怪堂の笑みに怯え続ける。

そしてこのままではヤバイと感じた狭間は2人を助けようとした時。

 

「待て!」

「あれって…」

「お前は、ついに来たかS級!!」

 

すると狭間より先に現れたのは、S級ヒーローにして、タイガーとブラックホールとソルジャーの、タンクトッパーを束ねるタンクトップマスター。

怪堂はタンクトップマスターを見るや否や、おもちゃを貰った子供のような目をして微笑みだした。

 

「タンクトップマスターだ!」

「本当だ!」

「君達、早く逃げるんだ」

「「はい!」」

 

信太と長助はすぐさま逃げ出した。

それからタンクトップマスターはタイガーとブラックホールとソルジャー達が、倒されている姿を見て怒りを見せ始める。

 

「貴様…俺の仲間を!」

「悔しいか?だったら仇を討つか?」

「ああ、そのつもりだ!」

 

すぐにタンクトップマスターは戦闘態勢になり始めると、怪堂になにか違和感を感じ始めた。

 

[この男…怪人ではないようだが…本当に人間なのか?]

 

怪堂から出ている殺気や狂気が人間とは勿論、怪人とも全くの別物と感じていた。

 

[だが、俺の大事な部下の仇を取らなきゃいけない!]

「こねぇなら、こっちから行くぞ!」

 

そして怪堂が最初に殴りかかろうとしたが、簡単に避けられる。

 

「タンクトップタックル!!」

「ぐぼっ!」

 

タンクトップマスターは必殺技のタンクトップタックルが決まって、怪堂はかなり遠くに吹っ飛んだ。

 

[さすがS級!私とは比べ物にならない]

[やはり…コイツは人間だな?]

 

こっそりと見ていた狭間は彼の実力に驚かせるが、タンクトップマスター本人は改めて怪堂が人間であると確信した。

しかし怪堂は大きなダメージを負いながらも立ち上がる。

 

[なに!この少年は……]

「なんだよ?その程度かよ?もっと本気で来い!」

 

不気味に笑いながら襲い掛かってくる怪堂に、タンクトップマスターは重いパンチを食らわせたが、それでもなお戦いを挑み続けた。

それから数分もしないうちに、怪堂は血まみれでボロボロになりながらも、タンクトップマスターに挑み続けた。

 

[なに考えてるんだ!あんだけズタボロなのに…]

 

と狭間は思わず彼の何かに対する執念に驚かされる。

それからタンクトップマスターも、怪堂の強い執念に危険を感じ出した。

 

[明らかに人間の筈なのに、ここで倒さなければならない気がする!]

 

じつは今までタンクトップマスターの攻撃は全部手を抜いていた。

タイガーやブラックホールにソルジャーは、チンピラ並みに性格に問題があった・しかし彼らタンクトッパーのリーダーであるタンクトップマスターは、本当にヒーローとしての性格の持ち主。なので一応怪堂は人間なので手加減して攻撃してきたが、最早ここは本気で行こうとしていた。

 

[ならば、本気のタンクトップタックルで倒す!]

 

ついに全力で必殺技をかけようとしたその時

 

「止めろ!!」

 

ボロボロの無免ライダーが怪堂の前に立つ。

 

「えっ!?」

「あ?」

[アイツ、いきなりなに考えてるんだ!?]

 

突然の無免ライダーの乱入に当然3人は混乱する。

 

「相手は人間の少年だろ……そんな本気でやろうとするな!俺達はヒーローだ!」

 

無免ライダーは必死にタンクトップマスターを説得する。

 

「たしかに、俺は人間と喧嘩する為にタンクトップを着こなして、ヒーローになった訳じゃないからな」

 

説得に応じたタンクトップマスターは怪堂に目を向けて

 

「お前、二度と他人に危害を加えるなよ?」

 

すると怪堂はしばらく黙り込むと、後ろに振り向く。

 

「分かったよ。今回はこれで終わりにして…やるかよ!」

「えっ!ぐ!?」

 

殺意に満ちた顔になると、無免ライダーの頭を掴んで地面に強く叩きつけたら、再びタンクトップマスターに遅いかかってきた。

 

「だと思った。お前から邪悪な何かを感じた!今此処で!」

「悪いがやられるのはお前だ!」

 

タンクトップマスターもすぐに構えたが、怪堂の拳がいち早くヒットして、そして目にも留まらない速さで連続パンチが決まる。

 

[コイツ…まさか予想以上の実力が!?]

 

怪堂の攻撃があまりにも大きなダメージを受けてしまうが、それでも膝蹴りや頭突きと攻撃が止まらずにいた。

 

「いひひひひひひ!ついにS級相手でも俺は勝てるようになった!」

 

狂ったかのように笑いながら、怪堂はタンクトップマスターにとどめを刺そうとしたが

 

「待ちなさい!」

「ん?」

 

そこに隠れてた狭間が姿を現す。

 

「お前は?」

「C級ヒーローウェーブ般若!悪いけど、アンタにこれ以上好き勝手にさせないから!」

 

右手に強力スタンガンを、左手にエアガンを持って構える。

 

[いくら暗殺訓練受けても…アイツには敵わないかもしれないけど…今のできっとダメージが残ってるかもしれない!だからきっと!]

「どうした?来いよ?」

「言われなくても!!」

 

そして狭間は突進しながら戦いを挑むが、怪堂が手を構えた瞬間に終わっていた。

なぜなら目にも見えない速さで怪堂のチョップが決まり、狭間は般若の仮面が割られてそのまま倒れる。

 

「さすがに、S級は大変だったな…」

 

かなり疲労してダメージも負いながらも、怪堂は倒したヒーローを残してどこかに去った。




怪人を目指す少年怪堂に狭間やタンクトップマスターや無免ライダー達がやられてしまったが、次回はどうなるのかお楽しみに


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なにもかも超えた存在

今回はあの科学者とヒーローを出します。
それでついにワンパンマンもアニメ化されました!


怪人少年怪堂のヒーロー狩りから翌日。

タンクトップマスターをはじめ、ヒーローが全滅した事が話題になっていた。

 

「ヒーローが全滅だって!?」

「ああ、そうらしいよ…」

「しかも噂じゃあ、人間の少年にやられたみたい」

「おいおい、タンクトップマスターはS級の筈だろ?」

「全く、本当はヒーローなんて大したことないよな?」

 

椚ヶ丘の生徒達は次々とヒーローに対して、幻滅したり笑ったりした。

ちなみに顔面を包帯で巻いたミイラ状態で、首にもギプスをつけた友谷は、周囲になんとか誤魔化しながら登校していた。

それからE組でも。

 

「狭間!どうしたんだそれ?!」

 

寺坂は狭間が額に包帯とガーゼをしている事に驚く。

 

「別に、ただ転んだだけ」

「そんな無理しなくても良いのに、ウェーブ般若?」

 

赤羽の口から出た言葉に、狭間は豪快にこけた。

 

「なんで…私の秘密を!」

「言っとくけど、俺だけじゃなくてクラス全員気付いてるから」

「いやぁ…だってあんな格好をする人、狭間さん位だもん」

 

渚は申し訳ないと思いながらも、少し苦笑いをしてしまう。

 

「ところで、無免ライダーの様子はどうだったんだ?」

 

すると吉田が話しに割り込んできて、狭間に聞きだした。

 

「そ…そりゃあ重傷みたいよ。とくに顔面が…」

「…そうかよ」

 

なにやら悔しそうな顔になり始める吉田に、寺坂は声をかけてみる。

 

「たしか無免ライダーは、たまにお前んとこに…」

「俺絶対、無免ライダーの仇を取りたいんだよ!!」

 

吉田は机を思いっきり叩きながら大声を出す。

 

「はいはい、みなさん。なに騒いでるのですか?」

 

ここに殺せんせーが登場した。

 

「ところで狭間さん、その怪我は?」

「別に、ちょっと転んで」

「嘘言わない!先生知ってますからね!アナタがこっそりとヒーローやっている事に」

「う…」

 

さらに1番気付かれたくない奴に知られていて、狭間は言い返しが出来なくなっていた。

 

「全く…最近ヒーロー協会からも狙われ続けているというのに、生徒がヒーローだなんて…」

「なによ…どの道誰とでも命狙われてる身でしょ?」

「たしかにそうですけど、あんまり危ない目には合わないように!」

「う…はいはい」

「さて、じゃあさっそく授業を始めますか!」

 

それから授業が始まって、この日も午後にはサイタマとジェノスがやってくるのであった。

その頃、S級ヒーローゾンビマンがたこ焼き屋にいた。

 

「とここまでだ…」

「んで、なんでたこ焼き屋を?」

「人体再生技術を利用して、タコ足を無間に作らせたんだ」

 

たこ焼き屋店長の名はジーナス。

かつて進化の家という組織を作って、自身の科学力で世界制服をしようとしたけども、サイタマの予想以上のスーパーパワーに負けて、バイオ研究を止めてたこ焼き屋をやっている元マッドサイエンティスト。

さらにゾンビマンも、元はジーナスの実験体であった。

 

「…じゃあ、少し尋ねるが」

 

すると懐から殺せんせーの写真を取り出して見せる。

 

「なんでもコイツは実験で生まれた生物らしいが、貴様が科学者として何か知っていることがあるか教えろ」

 

写真を付きたてながら問い詰めるゾンビマンに、ジーナスはしばらく黙りながらも口を開いた。

 

「じつを言うと、二年前私はある非公式の研究機関に入ってた」

「ん?」

「どうやら私の技術が必要だったみたいで、興味半分で協力したんだが…私でも分からなかったよ」

「分からなか…何?」

「反物質だよ」

 

ジーナスの口から出た反物質とは、簡単に言えば通常の素粒子とは、反転した物質のことであり。

うまくいけば通常のエンジンや核兵器より強力な威力を持つらしい。

 

「つまり、その研究責任者の理論が、アンタの予想を超えていたと?」

「私の頭脳でも理解するのが困難な程だ……はっきり言って、私以上の天才だった」

「ほぅ、それでお前はどうしたんだ?」

「よく分からんが、結局着いて行けずに研究機関を辞めて、数日後に研究所が破壊された後に月も爆発…恐らく奴のその研究の成れの果てがコイツだ」

 

ここまでがジーザスが知る限りの事であった。

 

「なるほど…じゃあお前が思うに、そのリミッターを外したヒーローと、反物質理論で誕生した超生物。どっちが上だと思う?」

「……分からん。さすがに私でも分からない」

 

さすがのジーザスも、サイタマと殺せんせーのどちらが上か分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして授業が終わって下校となり。

 

「んふふふふ♪買っちゃった!新作のプリン♪」

 

カエデはコンビニで発売された、新しいプリンを買った帰りであった。

 

「あと少しで、サイタマさんとジェノスさん達との日々が終わるのかな?でも、これからは普通に来てたりしてね」

 

すると公園でかなり疲労した少年がベンチに座っているのを見つけた。

 

[ん?なに、あの子?]

 

不思議がって近づくカエデであったが、その少年が怪堂だった。

 

[クソ!さすがS級…ダメージがまだ残ってるぜ]

 

昨日の戦いで傷がまで得てないらしい。

 

[だが、俺は最強の怪人になるんだ!こんなところで…]

 

怪堂は少し苦しそうにして立ち上がった瞬間。

 

「おい、大丈夫か?」

「ん!?」

「え!?」

 

いつのまにか買い物かごを持ったサイタマがいた。

 

「お前…ヒーローか?」

「え?そうだけどなにか?」

[ああ、普通に答えるんだ…]

 

質問にすんなり答えるサイタマに、近くで隠れるカエデは少し苦笑いをした。

 

[見た事ないが…新入りのヒーローでC級かB級か?だが、そんなの関係ない]

 

すると怪堂が昨日のヒーロー達と同じように不気味に笑みを見せる。

 

「悪いがアンタは、俺の怪人になる為に協力しろよな!」

「はぁ?お前なにを?」

「言葉の意味だ!」

 

そして怪堂はそのままサイタマに襲い掛かった。

 

「ふんっ!」

「がぼっ!」

 

だが、あっけなくサイタマのアッパーに空高くぶっ放されて、そのまま地面に叩きつけられた。

 

「全く、お遊びは程々にしろよ?」

 

サイタマは呆れてこの場から離れる。

それから隠れていたカエデは怪堂に近づいて声をかける。

 

「大丈夫ですか?」

「俺は…一体?」

「さっきサイタマさんに喧嘩売ってましたよね?」

「サイタマ?アイツか…てかっ、俺は!」

「負けましたよ。サイタマさんに喧嘩売るから」

「ま…負けた!俺がっ!?」

 

A級とS級に勝利し続けた怪堂にとって、B級で初めての敗北にショックを受ける。

しかし、突然黒いマントを羽織った2組が、カエデと怪堂の前に現れた。

 

「なんだ?お前らは?」

「我々は、怪人連合」

「怪人…連合?」




後半最後に出た怪人連合は、怪人協会ポジの組織です。


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カエデ誘拐事件

久々の本編をどうぞ。


カエデと怪堂の前に、怪人連合と名乗る2体の怪人が現れた。

 

「んで、その怪人連合さんが俺に何か用か?」

「もちろん、君を勧誘するためにだ」

 

どうやら彼らの目的は怪堂を怪人連合に入らないか誘ってきたのだ。

当然、怪堂は考え出す。

 

「俺を?」

「ああ、そうさ」

「君は自ら怪人になりたがっているだろう?だったら我らの元にいれば、完璧な怪人になれる…どうだ?」

 

その勧誘に怪堂は少し考え始める。

 

「その怪人連合…もし俺が入ったとき、俺とアンタ達にどんなメリットが?」

「ヒーロー協会の壊滅!」

「「っ!?」」

 

怪人の口から出た言葉に、カエデと怪堂も衝撃を受ける。

 

「我らにとっても、貴様にとってもヒーロー協会は邪魔な存在だろ?」

「…たしかに初めから、ヒーロー協会を潰すってのが手っ取り早いな…」

「で、どうする?」

 

そして考えた末に怪堂の出た発言とは

 

「良いだろ。俺を怪人連合に入れろ!」

「ふっ、その言葉待ってたぞ」

「えっ!ちょっと…危ないよ!」

 

カエデの声を無視して怪堂は怪人達の仲間になった。

 

「さてと、次に」

 

すると今度はカエデに視線を向け始める。

 

「なっ、なにか!?」

「なにって、こんな所を見られたからには…逃げられると思うな」

 

そして2体がローブを脱いで本性を現した。

1体はボサボサとした黒髪ロングヘアーに、顔面八割の皮がはがれ両手がハサミの女怪人で、もう1体は黒く蟻とカブトムシと蜘蛛とカミキリムシを合わせたかのような蟲怪人。

 

「それで、どうする?」

「もちろん貴様を捕らえて、アジトに連れて行くまでさ!!」

 

襲い掛かったがカエデは懐からボールを取り出した。

 

「ここで奥田さんと竹林君の協同作品の出番が来るなんて!!」

 

そのままボールを地面に叩きつけると、そこから強い光と煙が出たので、怪堂と怪人達は思わず目を塞いでしまう。

 

「なんだこりゃ!?」

「煙幕と閃光弾のミックスか!」

 

そして光と煙が晴れると、その場にカエデの姿はなかった。

 

「あの女は何処だ?」

「遠くに入っていない、早く探せ!」

 

2体は周辺を探し続けた。

そして肝心のカエデはというと。

 

[なんとか隠れたのは良いけど…どうしよう?]

 

今木に上って隠れていた。

普段の訓練で身に付けた技術だが、見つかるのは時間の問題だ。

 

「すぐ殺せんせー…いや、たしか今日ビッチ先生と一緒にサイタマさんのところで夕飯食べるって言ってたから…きっと電源をオフにしてるかも…とりあえず、烏間先生にメールで、渚に電話を」

 

さっそく烏間にメールを送ると、次に渚へ電話をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして渚は自分の部屋でマンガ読んでるときに電話がかかってきた。

 

「はい、あれ?カエデじゃないか?どうしたの?」

『大変なの!お願い助けて!!』

「え?一体何が…!」

 

カエデの尋常じゃないほどの慌てように、驚きを見せながらも聞いていた。

 

『とにかく、西公園に居るから殺せんせーに連絡、きゃっ!!』

「ちょっと!カエデ!!」

 

しかしその言葉を最後に、カエデの声が聞こえなくなった。

 

「なんだか知らないけど、大変だ!!」

 

渚は急いで家を飛び出した。

そして大急ぎで西公園に走って行くけども、その後ろについて行く影がいた。

その頃、烏間はヒーロー協会で今後行なう予定の、殺せんせー暗殺計画の為に、S級ヒーロー童帝の発明を見ていた。

 

「という訳で、これが僕の発明した兵器の全てだ!かつての師匠、メタルナイト博士とまではいかないけど、かなり強力だよ」

「そうだな、見れば分かる。だが、そのメタルナイトが協力してくれるんだ。かなり戦力がアップするな」

「だけど、あの人はきっと兵器強化が目的だよな?」

 

童帝が苦笑いした瞬間、突然モニターが何かを反応したかのように音を鳴らした。

 

「なっ、なんだ!?」

「怪人探索装置のここ掘れワンワン号が、怪人の反応している!」

 

すぐに童帝はコンピューターを操作し始める。

 

「人工衛星の障子に目あり号で、場所と位置を割り出して…怪人数の確認と…」

 

だが、そんな時に烏間の携帯が鳴り始めた。

 

「なんだ、こんな時に」

 

そのまま携帯の画面を見ると、烏間は動かなくなってしまった。

 

「うわっ!怪人の反応が20個も!しかも、人間も1人反応している、きっと連れ去られたかも!」

「もしそれは…うちの生徒かもしれない……」

「なに!?」

 

烏間が童帝に見せた携帯に出たメールの内容は、(大変!!怪人人間と思う人が怪人連合って集団に入っちゃった!しかも私を誘拐しようとするの!見つかるのはきっと時間の問題!だから、助けて!!)、このようなものだった。

 

「まさかと思うが…しかし…」

「急いで動けるA級とS級を集めて乗り込もう!!」

「ああ、頼む」

 

烏間はすぐにワイルドクロウヘルメットを被って準備をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらにその頃、サイタマの住むアパートでは、サイタマとジェノスはもちろん、キング、殺せんせー、イリーナに、なぜかバングとフブキが鍋の周りを囲んでいた。

 

[[[[[[[今だ!!]]]]]]]

 

そして鍋が完全に煮えた瞬間、全員が手に持った箸を伸ばして、いっせいに具の奪い合いが始まった。

サイタマは辛うじて白菜を取り、ジェノスも素早くネギを手に入れ、フブキは肉をゲットして、バングも豆腐を多めに取ったが、キングとイリーナはその取り合いに吹っ飛んで、そのまま気絶してしまう。

 

「貴様…先生の肉を多く取りやがったな?」

「なによ?鍋は平等でしょ?」

「そうそう、みなさん仲良く食べるものですよ!」

「てか、お前が1番取りすぎだろ?というより、猫舌だったのか?」

 

たしかに殺せんせーのお碗には具がたくさん合って、冷ましながら食べていた。

 

「ちょっと待てよ……」

「どうしたんですか、サイタマさん?」

「色々と言いたい事があるんだけどさぁ…なんでお前らが鍋喰いに来てんの?大体俺はキングと殺せんせーとイリーナを誘っただけで、お前ら元々呼んでねぇんだよ」

 

鍋をあんまり食べる事が出来なくなったサイタマが、不機嫌な目でバングとフブキを睨みつける。

 

「たしかに、バングはともかくなんで貴様までも?」

 

ジェノスも続いてフブキを睨んだ。

 

「私はサイタマを絶対にフブキ組に入れさせる為に来てるのよ」

「貴様…まだそんな事を」

「言っとくけど、私は諦めないからね。邪魔するならスクラップにしてやるわ」

「だったらすぐに消し炭にしてやるか!」

 

今にも2人がバトルを起こそうとしていた。

 

「待て待て、ここ俺ん家!壊すつもりかよ!」

「そうですよ。近所迷惑になりますし!」

「しかし先生!こんな奴は一度本当に痛い目にあわせたほうが」

「ちょっと!この触手を解きなさいよ!!」

 

すぐにサイタマと殺せんせーが2人を止めて、バングは今だ気絶しているキングとイリーナを介抱しながらこの様子を見ていた。

 

「つーーか。なんかまた変な音が聞こえてないか?」

 

だが、ジェノスを止めている時に、サイタマは外でなにか変な音が聞こえてると言い出した。

 

「変な音?」

「前から聞こえてくんだよ。デカイ足音みたいな」

「そういえば、聞こえてきますね」

「たしか、この辺りは地下廃工場が多いからのう」

 

しばらくするとサイタマは外に出ようとした。

 

「アンタ、どこに?」

「もう近所迷惑だからな。ちょっとこの音の正体を探してくるわ」

「待ってください!私も」

 

サイタマと殺せんせーはさっそく音の発生源の、地下廃工場に向かった。




カエデが怪人に誘拐されたので、ヒーロー協会とE組とサイタマ&殺せんせーの救出劇が始まります。


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怪人連合基地に突入

久しぶりの本編です。


カエデからの電話を聞いた渚は、急いで西公園に走っていき到着した。

そこで目にしたのは遊具が破壊されて滅茶苦茶な状態の公園だった。しかもカエデの携帯が落ちていた。

 

「やっぱり…カエデの身になにか…よし!」

 

渚はすぐ再び走り出した。行く場所はサイタマの住むマンションに。

その頃、サイタマと殺せんせーが出かけて数分がたった。

 

「サイタマ先生、どこまで行ったのか?」

「まっ、すぐに戻って来るじゃろう?」

 

心配するジェノスにバングが落ち着かせようとする。

それからしばらくすると、先程の鍋争奪戦に負けたイリーナが目を覚ました。

 

「うう…あれ?私は…」

「おお!起きたか?」

「まぁね…てか、2人は?」

「サイタマ先生と奴は出掛けた」

「あら、そう」

 

イリーナは起き上がって洗面台で顔を洗いに向かったりすると、突然扉から叩く音が聞こえた。

 

「なんだ?もう帰ってきたのか?」

 

ジェノスが扉を開けてみると、かなり息切れをして汗もかいている渚の姿。

 

「渚くん、どうしたんだ?」

「ジェノスさん…じつは!!」

 

すぐに渚はカエデの事を話した。

 

「なに!茅野さんがさらわれた!?」

「電話にかかってきた途端に途切れて、公園も酷い有り様だったので…」

「ああああああああ!!!」

 

すると突然起き上がったキングが大声を出し始めた。

 

「キングさん、なにを慌てて?!」

「じつは、協会から配給された携帯のメールを見たら…大至急S級A級の呼び出しが!!」

「なにっ!?」

「どうやら、カエデとも関係がありそうだね?」

 

どこかで声がしたので振り向くと赤羽が立ってた。

 

「カルマくん!いつから?!」

「なんか渚くんが慌ててたから後を追ってみたんだけど、まさかこんな事になっていたとはね」

「そ、そうなんだ…」

 

いつのまにか着けられていた事に、思わず言葉を失ってしまう。

でもそんな事より、カエデの方が優先だった。

 

「それで、殺せんせーとサイタマさんは?」

「2人なら不審な音に気付いて、行ってしまったんだ」

「もしかして、この近くに茅野をさらった奴らのアジトが?」

「その考えはアリかもな。ここは所謂ゴーストタウンだから…」

 

たしかにこの地区は怪人が多く居るので有名なので、他の住人が殆んど逃げたのでもぬけの殻。ただしガスや水道がまだ動いているので、サイタマはここに住んでいた。

 

「とにかく、茅野さんを救出しなくてはな」

「たしかにな。あっちはあっちに任せて、わしらはわしらで行こうか」

「僕達も手伝うよ!」

「何言ってるのよ…これは遊びじゃないんだから」

 

フブキは渚と赤羽も着いて行こうとする事に反対する。しかしそれでも渚は怯まなかった。

 

「分かってます…だけど僕達のクラスメイトは僕達で助けないと!!」

「でもせっかくだし、内のクラス全員呼んでみるかい?」

「ぜ、全員!!」

「だって明日は土曜日で、月曜もちょうど祝日だから♪」

 

赤羽は少し小悪魔的な笑みを見せ始める。

 

「たしかに……人数を増やした方がいいかも知れないね…」

「でしょ?じゃあさっそく、E組のみんなに連絡してみるよ!」

「本当に……大丈夫かしら」

「まぁ、信じることだな」

 

E組メンバーに連絡を始める渚とカルマに、フブキは未だに不安だった。

その頃、怪人達に捕まったカエデは薬を嗅がされたのか意識を失っていた。

 

「起きろ!」

「うぷっ!きゃっ!!」

 

だが、怪人の1人が水をかけて無理やり起こした。

顔がずぶ濡れになりながらも、目を覚ましたカエデは周りを見回す。まず自分は両手を縛られて拘束されていた。そして黒いローブを着込んだ怪人が10体か20体程居て、目の前には首領らしき怪人が玉座に座って、さらにとなりには怪堂が立っていた。

 

「よう、気分は?」

「アナタは…もしかしてここが」

「ああ、怪人連合の基地らしいぜ」

 

怪堂は好奇心満々な笑みになる。

すると玉座に座る怪人が立ち上がる。

 

「ようこそ、怪堂阿含くん。我が怪人連合へ」

「アンタが首領か?」

「そうだよ。首領のサイコスだ」

 

首領はサイコスと名乗った。

 

「アナタにはここで完全な怪人になってもらいたい」

「完全な…怪人?」

「そう、怪人は人を超え人が進化した存在。その使命は愚かな人間を滅ぼして世界を怪人のものにすること」

「ほぅ~~~中々面白そうじゃねぇか。だが、俺がまだ怪人しゃねぇ言い方だな?」

「当然。怪人になる為には色々と条件が必要ですからね」

 

怪堂に説明をするサイコスは、次にカエデに向ける。

 

「さて、貴様をさらったのは他でもない…お前らの担任の」

「殺せんせー?」

「そうだ!殺せんせーを我らが配下、いや…我が怪人連合の中心にする!!」

「えっ!?」

 

サイコスの企みに驚くカエデ。

 

「殺せんせーこそが災害レベル・神の怪人。言わば、我らにとっては神に等しい存在!故に怪人連合の生き神にするのだ!」

 

とんでもない企みにカエデは呆然となる。しかしすぐに言い返した。

 

「なに考えてるの!そんな事、殺せんせーがなる筈ないでしょ!」

「だから、貴様を人質にするのだ。生徒の為ならなんでもやるって噂だからね」

「でも、来年の3月には地球を破壊するって…」

「ならばその理由を聞くまでだ。シザーガール、連れて行け」

「はっ!」

 

カエデはそのままシザーガールと呼ばれる女の怪人に、連れてかれるのだった。

そして1人残った怪堂はサイコスに質問する。

 

「アイツはどうなるんだ?」

「もちろん、殺せんせーの交渉材料にする」

「そうか。じゃあもう1つ、俺が怪人として認められる条件は?」

「簡単さ!人間を殺すことさ」

「なに?」

 

その理由に怪堂は呆気に取られてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、怪人連合基地近く。

カエデ救出の為に集まったヒーロー協会のメンバーは、S級から戦慄のタツマキ、アトミック侍、童帝、豚神、超合金クロビカリ、金属バット、ゾンビマン、閃光のフラッシュ、ぷりぷりプリズナー。A級からイケメン仮面アマイマスク、イアイアン、オカマイタチ、ブシドリルと、当然ワイルドクロウ改め烏間であった。

 

「てかワイルドクロウ、アンタ新米の筈でしょ!?なんで来てるのよ!?」

 

タツマキは烏間が新米である事に気に入らなかった。

 

「悪いが、誘拐されたのは俺の教え子だ!教え子を助けるのが教師の仕事だからな」

「たしかにな。教え子を大切にする気持ちは俺にも分かるしよ」

「それに今はA級最下位だけど、実力は上位かS級らしいからな。きっと戦力にはなるな」

「でも俺にとっては、クロウちゃんと仲良くしたいな♪」

 

アトミック侍と童帝とぷりぷりプリズナーは烏間の同行を賛成していた。

 

「だがな、早めに終わらせて欲しいぜ…なんたって明日は妹と約束があるからよ」

「まぁ、俺は俺でがんばるからどっちでもいいけどな!」

 

しかし金属バットと超合金クロビカリは、烏間の同行には興味はない模様。他のヒーローもそんな感じだった。

 

[S級やA級上位は個人主義が多いと聞いたが、これ程とはな]

 

改めてヒーローの内部事情を知る。

するとアマイマスクが烏間に近づく。

 

「ワイルドクロウ…くん」

「なんだ?」

「まぁ、君は一応教師として生徒を救いたいのは分かるけど…あんまり無理はしないことだよ?今後の奴の暗殺には君の情報とかが必要だし」

「たしかに、言われてみればそうだな」

 

アマイマスクに続いて閃光のフラッシュも言う。

 

「そんな事は分かってる!」

「ちょっと!早く行きましょう!」

「そうだな…では、突入だ!」

 

こうしてヒーローチームが怪人連合基地に突入した。

それから渚と赤羽の招集によって、E組全員がカエデを助ける為に集まってくれた。

 

「まさか、本当に集まってくれるなんて」

「当然だよ!茅野が誘拐されたんだから」

「俺達の組から誘拐なんていい度胸じゃねぇかよ!!」

「一度みんなに助けられたから、今度は私が茅野さんを助ける番よ!」

 

メンバーはそれぞれカエデを助けたい気持ちでいっぱいだった。

 

「しかし、いくら訓練を受けてるからって、彼らを連れてって良いのかしら?」

「心配いらん。この子達は結構強いし、仲間を思いやる心は本物じゃ」

「もちろんですよバングさん!それにキングさんもいるから心強いよ!なぁ、渚!」

「えっ!?う…うん」

 

キングがいる事に強い確信を持つ杉野であったが、彼の正体を知る渚はなんとも言えなかった。

 

「そうだ!せっかくだからお前達にプレゼントがあるぞ」

 

ジェノスはカバンを開けると、レーザー銃とレーザーナイフが、4個ずつ入っていた

 

「これって?」

「じつは、クセーノ博士に頼んで作っておいたのだ。烏間にもこれのセットで渡している」

 

するとジェノスはその内の一組を持つと渚に近づき。

 

「では、これを渚くんに」

「えっ!?」

 

これには渚も周りの全員も驚く。

 

「僕が、これを?」

「もちろん、烏間から君には特別な才能があると聞いている。だからだ」

「で、でも……」

 

さすがに受け取り互い渚だったが、赤羽が口を開き始める。

 

「いいじゃないか。折角の武器だし♪」

「赤羽…くん」

「そうだよ!ジェノスさんが君を認めたっていうし!」

「たしかに、お前には散々驚かされたからな」

「磯貝くん…寺坂くん…」

「だから…」

「受け取ったら?」

 

他のE組メンバーからも言われたりして、渚は少し自信を持ち始めていき。

 

「じゅあ、使わせてもらいます!」

「おお!その行き!!」

 

ジェノスから銃とナイフを受け取った渚に、一部のE組メンバーからの拍手がなったりする。

残りのナイフは赤羽と磯貝と陽斗に、銃は千葉と速水と拓也に渡した。

 

「じゃあ、みんな!」

「カエデを助けに行こう!」

「「「「「「おーーーーー!!」」」」」」

 

こうしてE組チームと、イリーナ、ジェノス、バング、地獄のフブキ、キングも、早速ヒーロー協会から届いたメールの地図で、怪人連合の基地に向かった。

ちなみにサイタマと殺せんせーは

 

「へ~~~地下にこんな所があったなんて…」

「まさに隠れ家って所ですね」

 

すでに怪人連合の基地内部に入った。この2人は音を頼りに進んで行き、途中マンホールに入ったが、それが偶然にも怪人連合基地への出入り口の1つだった。

 

「なんだか、凄そうな所だな?快適そうだし」

「ですが、こういう空間は大抵罠がある物ですよ?」

「んなの俺には関係ねぇよ」

「たしかにそうですね」

 

2人はのん気にも先に進んだ。




今回登場した怪人連合首領は、原作のままサイコスにする事にしました。そしてヒーロー協会とE組チームとサイタマ&殺せんせーの、3組はカエデを救える事が出来るのかお楽しみに。


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侵入記録・ヒーロー篇

怪人連合に突入した一部のヒーロー達の活躍をどうぞ。


怪人連合基地。

組織のボス、サイコスはヒーロー組が基地の各出入り口に近づいている事に気づく。

 

「なるほど…我らの存在に気付いたのね!」

 

すぐにサイコスは、メンバーに持たせた無線に呼びかける。

 

「我が怪人連合の同士諸君!この基地に賊が潜入使用としている。そこで各場所に向かい撃退するのだ!」

 

それを聞いたメンバーは、さっそく各位置に向かった。だが、シザーガールにはこんな指令を出す。

 

「ただし、シザーガール。お前は人質を見張りなさい…奴は殺せんせーを招き入れる駒だからな」

『分かってる』

 

シザーガールへの通信が終わるとサイコスは再び玉座に座った。

その頃、怪堂は与えられた部屋で、ベッドに寝転びながらサイコスが言った事について考えていた。

 

[怪人とは、人間を捨てた存在。故に人間の心を完全ら捨てるためには、1000人程の人間を殺すことか……]

 

しかし怪堂は納得してない様子。

 

[そんなんで怪人になれるのなら、とっくになっているもんだろ?第一、人を殺さなくても怪人は相手に恐怖の印象を与えれば十分じゃねぇのか…]

 

これまで怪堂はこんな考えで、人を殺さずに暴れ続けていた。そして一緒に連れてこられたカエデの事を気になり始める。

すぐに部屋を出てサイコスの元に向かう。着くとそのまま扉を開けた。

 

「おや?怪堂くん、なにか?」

「別に…ただ聞きたい事があるんだけどよ?その殺せんせーって奴を誘き出す為に使うの女…」

「あの子がなにか?」

「もし取引に成功したらどうするんだ?解放するのか?」

 

その質問に対して、サイコスから出た答えはというと。

 

「もちろん、殺しますよ」

「なっ、なんだと…!」

 

そんなサイコスの発言に、怪堂は驚いてしまう。

 

「ちょっと待て、なんで殺すんだよ?!普通、取引に使うんだから生かすんだろ!?」

「だから言ったでしょ?怪人は人を超えて捨てた存在だと。ならば、殺すのが本来の事」

「でも、そんな事したら奴は裏切るんじゃあ?」

「分かってる。だから、新しい人質用意するまで」

「新しい……人質?」

 

サイコスは説明をし続ける。

 

「とりあえず。奴には人質は解放したと嘘を言って安心させて、その後また別の人質を使って脅して、また殺して新しい人質を用意させる。これこそが怪人としてのやり方よ」

 

なんとも外道な脅し方であった。

しかしそれを聞いた怪堂は黙り込むと口を開いた。

 

「成る程な…よ~~~く、分かったぜ」

 

怪堂は部屋に置いてあった椅子を持ち上げると、そのままサイコスに向かって投げつけた。だが、椅子はまるで時が止まったかのように、サイコスの目の前で停止した。

 

「君、何の真似だね?」

「はっきり分かったんだ。アンタらは俺が求めていた怪人じゃあねぇってな!」

「じゃない?」

「そうさ!そんな簡単に人を殺すなんて、ただの殺人鬼なもんだろう!!」

 

そのまま怪堂は拳を構えながら突進してきた。

 

「愚か者が!!」

「うおっ!?」

 

サイコスが叫んだ瞬間、突然怪堂の重力が強くなり始めた。

体が重くなって怪堂は思うように動けずに居た。

 

「こ…これは!?」

「念動力による重力潰しさ。私はエスパーだからね」

「なん…だと…!ふざけた……マネを!!」

「静かにしなさい!」

 

そしてさらに重力を上げて怪堂を地面にめり込ませるほど潰し気絶させた。

 

「全く…まだ人間の心が残っているようね?」

 

サイコスは残念そうに怪堂を見ながらも、念力で浮かして彼の部屋に送り返した。

 

「さてと…さぁ、来なさい!ヒーロー協会共!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丁度その頃、烏間とタツマキ達ヒーロー組は、それぞれ童帝が調べてくれた、怪人連合基地へ通じる箇所に到着した。そして各所に着いたヒーロー達は、童帝からの連絡を受けていた。

 

「良い?今回の目的は、人質の奪還だ!これから突入するのは怪人の巣窟で、しかも怪人人間のいる可能性も高い!だけど、あくまでも人質救出を最優先するんだ!分かったね?」

「「「「「「OK!」」」」」」

 

全員の呼びかけと同時に各場所の基地へのルートに突入し、それぞれ基地内部に潜入する。

まず閃光のフラッシュが通路を進んでいると、2体の怪人と出くわした。両方とも新幹線とジェット機を合わせたロボットのような怪人だった。

 

「兄貴、コイツみたいだよ?侵入者は」

「そうだな。しかも高速戦士と呼ばれた閃光のフラッシュだぜ」

 

緑色のボディをした怪人が兄貴と呼ぶ青いボディの怪人に尋ねると、返事をした途端に2体の背中のジェットエンジンが火を噴き。さらに両足の車輪を走らせてフラッシュの周りを囲むように回る。

 

「残念だったな!お前がスピード自慢かもしれないが、俺達レックー&ゴークス兄弟が相手だからな!」

「そうさ!いくら貴様でも俺達のスピードに着いて来れる筈がない!このまま嬲り殺されるのがオチだから…」

 

しかし、レックー&ゴークスが自慢している間に、いつのまにかフラッシュが刀を抜いた瞬間2体はバラバラになっていた。

 

「スピードはたしかに速いようだが、自慢する暇があるなら攻撃をするものだろうに…」

 

捨て台詞を言いながらフラッシュは先に進んだ。

その頃、童帝はタブレットで状況などを調べながら歩いていた。

 

「え~~~と…まずAルートに閃光のフラッシュ、Bルートはイケメン仮面アマイマスク、Cルートはアトミック侍、Dはその弟子のイアイアンとオカマイタチとブシドリル、Eは金属バット、Fが超合金クロビカリ、Gがぷりぷりプリズナー、Hは豚神、Iはゾンビマン、Jが戦慄のタツマキ、Kはワイルドクロウ、そして僕がMルートと」

 

確認すると目の前にまるで不死鳥のような姿で、腹部に人間の顔がある怪人が現れた。

 

「俺は不死鳥の着ぐるみを着て、脱げなくなったまま怪人になったフィニックス男!その実力は、災害レベル鬼を軽く超えてあるのだ!この怪人連合も駆け足に過ぎない。奴らを屈服させて世界に君臨するのだ!!」

 

怪人フィニックス男が長々と自慢してから童帝に襲い掛かって来た。

 

「喰らえ!クチバシ攻撃!」

「長い……」

 

童帝の一言と共に、彼の背負ったランドセルから武器が搭載されたアームがたくさん出てきて。

 

「え?ぐぎゃあああああああああ!!!」

 

そのままアームの一斉攻撃で瞬殺された。

さらにアマイマスクの前にメガネとハートを合わせたかのような女の怪人が現れた。

 

「私は愛の怪人メガミメガネ。アナタも私の愛の奴隷にしてあげるわよ♪」

 

メガミメガネからハート型のビームが発射されてアマイマスクに命中した。

 

「これでアナタも、私の愛の奴隷よ♪一生私のために働き!!」

 

しかしアマイマスクは何事もなかったかのように、メガミメガネの顔面を掴んだまま壁に叩き付けた。

 

「なぜ僕が怪人に惚れなきゃならないんだ?」

「ま…まさか!アナタはイケメン…仮面……!」

「さっさと死ね」

 

そしてそのまま首をへし折った。

金属バットも怪人と死闘を繰り広げていた。

 

「おらっ!」

「くっ!」

 

今、金属バットが戦っている相手はラフレシアに蜘蛛のような脚が生えた怪人だった。

 

「ぐはははは!まさか、このラフレシオン様相手にここまでやるとはな!」

「当ったり前だろうが!テメェみてぇな植物野郎に負けると思ってんのか!!」

「ならこの業をどう防ぐ!」

 

するとラフレシオンから突然異臭が漂った。

 

「ん…なんだこの変な臭いは?」

 

なんとも嫌な臭いなので鼻を掴もうとしたが、すでに遅かった。

 

「うっ!?」

 

突然、立っているのがやっとと言う感じに、金属バットの意識が朦朧となった。

 

「どうだ!この私の体から発する香りにはさまざまな効力を持つのだ!たとえば、今貴様に放っている催眠香だ!どうだ手も足も出まい!!」

 

笑いながらラフレシオンは、蔦を使って金属バットを痛めつけた。なんとか反撃しようとする金属バッドだが、催眠香の効果で思うように動けずにいた。

 

「さぁ、このまま死ね!!」

 

このまま止めを刺そうとした瞬間、金属バットが自分の額を愛用のバッドでガンと叩いた。

 

「なにっ!?」

 

驚くラフレシオンだったが金属バットは額から血を流しながらもスッキリした顔になる。

 

「ふ~~~スッキリしたぜ」

「ばっ、バカな!私の催眠香がそんな事で!?」

「うるせぇよ…良いか、何事も気合で何とかなんだよ!!」

 

そのまま金属バットは愛用のバットでラフレシオンを叩き割って倒し先に進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丁度その頃、サイタマ&殺せんせーも怪人連合の内部を探検していた。

 

「本当に驚きだな?こんな所があるなんて」

「たしかに、まさに悪の秘密基地って奴ですね」

「ああ、もしかしたら怪人が出たりして?」

 

のん気に会話していると、2人の目の前に全身が黒い巨大な災害レベル・竜の、怪物犬デカポチが唸り声を出しながら現れた。

 

「怪人じゃなくて怪物が現れましたね?」

「それも強そうだな?」

「ぐおおおおおおお!!」

 

するとデカポチが声を上げながらも、口から破壊光線を発射した。軽く避ける2人だけども、デカポチはサイタマに狙いをつけると突進してきた。

 

「おっと、そうはさせませんよ?」

「ぐっ!?」

 

しかし殺せんせーの触手がデカポチの全身を縛って動きを封じた。そしてサイタマがジャンプすると

 

「全く、夜は静かに。はい、おすわり!」

 

サイタマのドロップキックが決まって、デカポチはそのまま気を失ってしまった。

 

「たく、どんな躾をしてるんだ?」

「というか、これはどう見ても侵入者対策ですね?」

「それもそうだな?」

 

サイタマ&殺せんせーの行進は続いていた。




今回登場した怪人も一部を除いて、原作の怪人をモデルにしました。次回は他のヒーローとE組チームの活躍です。


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侵入記録・E組篇

今回はE組チームの話です。
そしてついに暗殺教室も最終回になりましたね。


ヒーロー協会のヒーローチームが怪人連合基地に侵入していた頃、丁度E組チームも怪人連合の基地に潜入していた。

 

「さてと、まずはどうする?」

 

ジェノスがこれからどうするのか全員に尋ねてみた。

 

「それじゃあ、まずそれぞれチームに分かれるってのは?」

「たしかに。このまま纏まって行動するのは、かえって危険だからな」

 

竹林の提案に全員は賛成した。

 

「でも、どんな風に分けるの?」

「これはあくまで、茅野を救出する為に来たんだ。だからできるだけ戦闘は避けたいし」

「ジェノスさん達はプロだから、入れた方がいいよね?」

 

こうして色々と話し合った結果、4つのチームに分かれる事になった。

まずA班が赤羽業、磯貝悠馬、杉野友人、片岡メグ、原寿美鈴、神崎有希子、中村莉桜、吉田大成、ジェノス。

B班は前原陽斗、速水凛香、竹林考太郎、三村航輝、菅谷創介、狭間綺羅々、矢田桃花、岡島大河、奥田愛美、バング。

C班は、寺坂竜馬、村松拓也、倉橋陽菜乃、岡野ひなた、木村正義、千葉龍之介、不破優月、フブキ、イリーナ。

そしてD班は潮田渚とキング。

 

「え?ちょっと待って。なんで俺は渚くん1人だけなの?」

 

納得いかない分け方にキングは全員に尋ねる。

 

「だってねぇ。キングさんなら1人でも大丈夫そうだし」

「人類最強の男だからね」

「今まで怪人を倒してきたし」

 

1人でも十分という全員の思い込みという理由だった。

 

「じゃ、じゃあ…なんで渚くんを俺と組ませるの?」

 

しかし、それでもキングはせめて渚を組ませた理由を尋ねてみた。すると渚本人が口を開いた。

 

「あの…それは僕がお願いしたから」

「え?」

「僕は今まで色んな経験を積んでるし…それにキングさんの役に立ちたいから!」

 

渚の真剣で真っ直ぐな瞳と一緒にキングにアイコンタクトを放った。それを理解したキングはすぐに話をあわせた。

 

「たしかに……俺の実力ならば1人で十分だ!多数いると逆に足手まといになるからな」

「足手まといって、たしかにそうかもしれないね」

「本当なら、キングの実力を見て見たいものだが…仕方ないな」

 

納得するE組メンバーとヒーロー達。

 

「じゃあ、律。ナビはお願いできるか?」

『はい!といっても、怪人はどういう場所に出てくるかまでは、さすがの私でも分かりません…それでも皆さんの為にがんばります!』

 

少し自信がない様子のモバイル律だけど、がんばりを見せるのだった。

 

「渚、キングさんの邪魔だけはすんなよ」

「分かってるよ。みんなも気をつけてね」

「ああ、良しみんな!」

「茅野を絶対助け出すぞ!」

「「「「「「おーーーー!!!」」」」」」

 

こうしてA班とB班とC班は、それぞれのルートを歩いて行った。しかし最後に残ったD班は、渚が律にも聞かれないようにと一度携帯の電源を切った。そしてキングがちゃんと全員行ったか確認すると渚に尋ねた。

 

「ねぇ、俺と組んだ本当の理由って…」

「はい、キングさんの秘密をバレないようにと」

「やっぱり…」

 

話が終わったD班の潮田渚とキングは残ったルートを進み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、超合金クロビカリは怪人と激闘していた。相手はカエデをさらった蟲型怪人の蟲神。

しかしクロビカリは抵抗せずに蟲神の攻撃をただ耐えていた。

 

「なんだお前、ガードばっかりして?怖気ついたのか?」

 

不審に思った蟲神はクロビカリに尋ねて見た。

 

「別に、ただ昆虫の力を持ったお前の力はどれ程のものか確かめてみたかった…そしてはっきり分かった…ガッカリした」

「はぁ?」

「ガッカリしたよ!!」

 

大きく強い声で蟲神に向かって怒鳴り叫んだ。

 

「見ろ。この黒く輝く肉体を!はっきり言うが俺の方がお前より性能が良いことを!」

 

自らの筋肉を自慢するクロビカリに苛立ちを見せる蟲神。

 

「お前…そうとう俺に本気でやられたいようだな!」

 

蟲神は全身の甲羅を含まらせて、さらに腕を2本から4本にするとクロビカリに殴りかかった。

しかしクロビカリのパンチに、蟲神の上半身がぶっ飛ばされて倒された。

 

「俺を倒したいなら、もっとトレーニングしておけば良かったな?」

 

自慢するかのように捨て台詞を吐いて去っていった。

それからアトミック侍の弟子のイアイアンとオカマイタチとブシドリルが、出くわしたのはロングヘアーの怪人だった。

 

「この私、魔ロン毛の所にやって来るとは…飛んで火にいる夏の虫……」

 

髪の毛がまるで蛸の足のように動かしながら不気味に笑う怪人魔ロン毛。しかしたった1人、変な目で見ていた。

 

[うっ…この怪人、いい男ね…でも私はヒーローで相手は怪人!どうしよう……]

「おい、お前また怪人相手に惚れてるのか?」

「馬鹿野郎!さっさとアイツに攻撃して来い!」

 

オカマイタチが妄想しているのをイアイアンとブシドリルが大声で正気に戻そうとした。

 

「あら、ごめんなさい。あっ!もしかしてドリル、妬いていたの?」

「あ?今ここで斬ってもいいか?」

「止せ。仲間割れするなと師匠に言われただろ!」

 

オカマイタチとブシドリルが喧嘩しようとしたが、すぐにイアイアンが2人を抑える。

 

「せっかく師匠から別行動していいとお許しを貰ったんだ!しっかり成果を残しておくんだぞ」

「……分かったわ。師匠の為にもがんばらなきゃね」

 

イアイアンの言葉を理解するオカマイタチはさっそく鞘から刀を抜いた。

 

「いい男だけどごめんなさいね。飛空剣!」

 

するとオカマイタチの放った斬撃が、巨大なカマイタチを作り出して魔ロン毛に突っ込んできた。

 

「井の中の蛙、大海を知らず…それと同じに、A級ヒーロー、毛髪の恐怖知らず」

 

しかし魔ロン毛のロン毛が巨大カマイタチをガードすると、そのまま髪を槍のようにして攻撃してきた。すぐさま3人は避けた。

 

「そんな!私のカマイタチが!?」

「だったら直接攻撃だ!」

「応よ!!」

 

こうしてA級3人と災害レベル・鬼の怪人との戦いが繰り広げられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時に、サイコスに無残にもやられてしまった怪堂。ダメージが大きかったのか動けずにいたが、しばらくすると目を開いた。しかもその目は黄色く輝いていた。

 

「人を殺すか……」

 

それから立ち上がるとドアを開けて再び部屋を出た。すると丁度その時、別の怪人と出くわした。

 

「お前、さっきサイコス様に喧嘩売ったけど負けたってな?そりゃそうだよな。お前はまだ人間だからな!」

 

怪人は怪堂を見下しながら笑い続ける。

 

「大体テメェは人間の癖に怪人になりたいなんて無理なんだよ!俺達はな、選ばれた存在なんだ!」それを怪人ゴッコしているテメェとは格が違……うっ!!」

 

すると怪堂は黄色く不気味な目を輝かせたまま、怪人の首元を掴む。

 

「言いたいことは…それだけか?」

「テメェ…なんのっ!!」

 

そのまま怪人の腹部を殴りつけると背中まで貫通して絶命させてしまう。そして腕を死体の体から抜いて、死体は床に捨てると血まみれの自分の腕を見る。

 

「殺すのって、簡単じゃん♪」

 

まるで無邪気な子供のような不気味に笑いながら基地を進んでいった。




E組のチーム分けはどうでしたか?そしてキングと組んだ渚はどうなるのか?


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怪人連合の逆転逆襲

ホームレス帝以外オリジナルです。


イアイアン達3人は魔ロン毛の戦闘中。

 

「ふふふふふ。弁慶の泣き所…即ち、俺の毛…」

 

3人に髪を切られ過ぎで丸坊主になった魔ロン毛は倒れてしまった。

 

「勝ったのかしら?ただ髪の毛を切り続けた、だけなんだけど?」

「どうやら髪の毛がコイツの弱点なんだろう?」

「だが、それでも俺達がここまで苦戦したんだ。きっとこの先も」

「たしかに、でも師匠なら大丈夫だろう」

 

師匠のアトミック侍を信じながらも先を進む3人。

ちなみにアトミック侍が進んでいるルートで1体の怪人がいた。

 

「ほらさっさと来いよ、ヒーロー共。まとめてサクッと殺してやるからな」

 

全身が真っ黒で頭部に角みたいな触角の、まるで雑魚戦闘員のような災害レベル・竜の怪人、悪毒菌。

 

「へ~~~随分と威勢がいい怪人だな?」

「ん?」

「ハードボイルド&人情家。アトミック侍参上」

「けっ、なにカッコつけてやがんだ?」

 

いつの間にかアトミック侍が登場の決め台詞と一緒に現れたが、悪毒菌は呆れた感じに皮肉を言った。

 

「ヒーロー登場は必ずカッコつけるもんだろ?そしてこれからお前は俺に倒されるんだ」

「お前…俺の事を舐めてるだろ?」

 

悪毒菌は変形し始めて体その物を巨大な腕に変えた。そのまま大きく振り被ってアトミック侍に向かって、殴りかかったがスパッと斬られた。

 

「へっ!体を変形する程度で俺に勝とうなんざ…100年早ぇよ!!」

「やっぱりお前、舐めてるだろ?」

 

すると斬られた部分から足が生えると顔も出てきて2体目の悪毒菌が誕生した。

 

「分裂タイプか…一番面倒だな?」

「はぁ、まだ勝つ気でいるのかよ?言っとくが俺はな。無数の俺が集合した存在なんだよ…どんなに斬ろうとも殴られても、俺は俺で分裂する」

 

説明している所で再び、悪毒菌の頭部を切断した。

 

「だったら、その無数の俺って奴を斬りつけて倒してやるよ♪」

「ならやってみろよ?ほら、どうしたよ?」

 

先程の分裂態の悪毒菌が巨大化して襲い掛かったが、素早くアトミック侍の必殺・アトミック斬でバラバラにした。だが、バラバラにしたところ再生して複数に増えたので、もっと切り裂いたが増える一方。そして悪毒菌の1体がアトミック侍に強烈なパンチを放った。

 

[うぐっ!なんて強いパンチだ…こりゃ、想像以上だ!?]

 

改めて敵の本当の実力を知ってしまったアトミック侍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ゾンビマンもまた辺りを警戒しながら進んでいた。しかし怪人は勿論、ネズミの姿も出てこない様子。

 

「…何が出てきても可笑しくないのに、まだ出てきてないとは不気味だな?」

「じゃあ、出てきてやろうか?」

 

いきなり後ろから声がしたので振り向くと、長髪でヒゲの生えて何故か王冠を被ったジャージ姿の中年男。災害レベル・竜の怪人、ホームレス帝が掌からエネルギー弾を生成してゾンビマンに放った。

 

「普通ならば即死だが…まだ生きているだろ?」

 

ホームレス帝の言葉の通りに、頭部がぐちゃぐちゃ状態のゾンビマンが立ち上がって銃を構えた。だが、すぐにゾンビマンの周りに5つのエネルギー弾を設置して攻撃した。かなりの爆発となったが、ゾンビマンは皮がはがれて骨と筋肉が剥き出し状態のまま立っていた。そんな姿にホームレス帝は興味を持った。

 

「噂は本当のようだな?いくら攻撃しようとも再生回復し、まるでゾンビのように敵を倒すヒーロー…」

「てか、なんなんだお前のその手品みたいな能力は…」

 

ゾンビマンの質問にホームレス帝は素直に答え始めた。

 

「良いだろう、教えてやろう…この力を」

 

ホームレス帝は語り始めた。

かつてホームレス帝が人間だった頃、勤めていた会社の新入社員の歓迎会で上司から芸をやれと言われたので、受け狙いとして裸踊りをした。だが、それがきっかけで会社をクビになって、さらに住んでいたアパートも火事で燃えてしまった。家族も身内もいないので公園でホームレスとなってこんな疑問を持ち始めた。地球は広くて美しくて何も要るものなどないのに、住んでいる人間が勝手にルールを作って自己満足暮していることに。

その愚かしさと恐怖に怖くなって自殺しようとした時に、どこからか声がして自分に力を授けると囁いてきた。それによってホームレス帝が誕生した。

 

「そう、私はこの地球から人間と文明を破壊する為に神から力を得たのだ!」

「じゃあ改めて聞くが…その神が本物だって証拠は?」

「そんなの今となってはどうでもいい。ここで倒されるのだからな」

 

ホームレス帝は再びエルネギー弾を作り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ワイルドクロウ改め烏間もルートを進んでいた。

 

「…む?」

 

するとそこにドアがポツンとあっただけで、他には何もない様子。烏間は辺りを警戒しながらもドアノブに手を触れてみた。

 

「ん?これは…」

 

しかし長年の経験と野生の勘で烏間はすぐに罠があると感知した。だが、この先に進まなきゃいけないと分かっていたので。

 

[一か八かだ!]

 

ドアノブを回してドアを開けた瞬間に、仕掛けられた爆弾が爆発した。しかし大量の煙が蔓延する中、なんと烏間は無傷で立っていた。じつはドアを開けて素早く閉じてドアを盾代わりにして防いだのだ。

 

[随分と凝った仕掛けだな?]

 

誰かは知らないがブービートラップを仕掛けた相手に少し興味を持つが、左側に鉄骨がブランコのようにして烏間に突っ込んできた。

 

「おっと!」

 

でもすぐに受け止めるも後ろから撃ってきたボウガンの矢も、5本全て掴み取った。伊達に自衛隊でもっともハードとされた第一空挺団トップの実力者で、殺せんせーを除けばE組の中でトップクラスであった。

 

「それにしても、これだけのトラップを考えるとは…敵の中に軍人でもいるのか?」

 

考えながらも進んでいく烏間。するとすぐに気配を感じてジェノスから貰ったレーザー銃を構える。その時、床からナイフを持った手が出てきた。

 

「うわっ!?」

 

すぐさま避けたが烏間の左腕に少し傷を作った。そして床から現れたのは少しドイツ風のノースリーブな軍服を纏って、腰にはサーベルを装備。右手にサバイバルナイフを持って、左手の指全部が銃口。そしてガスマスクの上半分を着けて、狼のような牙を生やした怪人。災害レベル・竜の怪人、アーミー男爵。

 

「さすが、自衛隊きってのエリート。俺の仕掛けた罠を回避し続けるとはな?」

 

笑いながらアーミー男爵は嫌味な感じに烏間を褒めだす。

 

「そういうお前も、なかなかの罠を仕掛けるな?元軍人か?」

「ああ、俺は元ドイツ軍で、家は小さいけど代々軍人貴族でな。様々な戦闘教育を受けてたんだよ?」

「ではなぜ怪人なんぞに落ちてしまったんだ?」

 

するとアーミー男爵はこれを待っていたかのようにして語り出した。

 

「なぁに…簡単さ。俺もお前と同じってことだよ」

「なん…だと?」

「俺は親から人から期待されて、その期待に応じなきゃと努力して…戦果を上げて…出世して…そしてその後はなにも無いってな…お前もそう感じた事あったろ?」

 

その言葉に烏間も思わず頷ける。自分は第一空挺団として優秀さを持ち。さらに統合情報部や臨時特務部や、E組の戦闘訓練でも上司達から高い評価を受けていた。しかしあまりにも周りから期待され過ぎて、それが重りとなっている事もたまにあった。そしてアーミー男爵の言葉で心の中はかなり詰まっていた。

 

「ただ周囲に期待されて、自分の目標が見失ってしまった…だが、怪人となってからは解放された気分だ!まさしく本当の自由って感覚だ!」

 

自分が怪人となった事を喜ぶアーミー男爵。しかし大量の冷や汗をながして、荒れた息を吐きながら烏間はそれを否定。

 

「それは…お前の心が弱かっただけだ!怪人になったところで、貴様は自由にはならない…永遠に呪われ続けるだけだ!!」

「別に呪われてもいいさ。本人が納得なら…それで良し!」

 

アーミー男爵がナイフと左手の銃口を構えるので、すぐに烏間もレーザーナイフとレーザー銃を構えた。

 

「お前の歪んだ思考…叩き潰す!」

「さっさと来な!」

 

こうして元軍人同士のヒーローと怪人の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ぷりぷりプリズナーの進んでいるルート。

 

「そ…そんな…エンジェルスタイルの…俺を!」

 

全裸状態のエンジェルスタイルになったぷりぷりプリズナーは倒れてしまった。そしてやられたぷりぷりプリズナーの前に立っているのは、あの怪堂だがなぜか髪が少しだけ伸びていた。

 

「さてと…次は…」

 

怪堂はそのまま動けないぷりぷりプリズナーを置いて進んでいった。




悪毒菌のモデルは黒い精子ですが、アーミー男爵の誕生設定は「青の祓魔師」の藤堂三郎太にしてみました。少し烏間ルートもそういう風にしました。


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E組の怪物倒し

今回はE組チームが怪人と怪物と戦う話です。


ヒーローチームが怪人と戦っていたころ、E組チームも進んでいた。

赤羽達A班は周りを警戒して、前に赤羽と磯貝で後ろにジェノスと片岡。さらに左右にはそれぞれ杉野と吉田で中心は、原寿と神崎と中村という形になってた。これによって前後と左右の守りを固めて、万が一の為に中心での援護も可能である。

 

「随分と長い道だな…それに何か所も通路があったみたいだし」

「恐らく、侵入者を迷わす為だろう…」

「律…今私達は、どのあたりまで来ているの?」

 

片岡はスマホを出して律に聞いてみた。するとなにやら困っている様子の律の姿。

 

『あの…その事で相談が……』

「どうしたの、律?」

『じつは、このアジト。どうやら妨害電波が発生していて、しかも進めば進むほどに強くなるので…もしかしたら私はここからは役立たずになるかも』

 

顔色が暗くなりながら全員に謝罪する律。すると磯貝達は悲しむ彼女を励ます。

 

「そう悲しむなよ。とりあえず、分かるところまで頼む」

「だから、そんなに落ち込まないでね」

『はい、みなさんありがとうございます!』

 

涙を拭きながらも律はなんとか立ち直った。

 

「立ち直ったみたいだけど、そうはならないみたいだね?」

「え?」

「あれ」

 

赤羽が指を刺した先に人が立っていた。セーラー服に黒いロングヘアーの女子高生風だが、顔も含めた全身が影のように真っ黒で一つ目の怪人。災害レベル・竜のシャドーJK。

 

「うふふふふ、侵入者はS級のジェノス改め鬼サイボーグ。それからターゲットの生徒か…」

 

シャドーJKはA班を見て不気味に笑い出した。

 

[なんだ…この怪人!]

[不気味すぎる……]

[しかも、高エネルギー反応が出ている。恐らく、災害レベルは竜の可能性が!]

 

全員がシャドーJKに警戒したり怯えたりしていると赤羽が口を開いてきた。

 

「アンタ、俺達9人相手に1人って随分余裕だね?」

「あ?」

「「「「いっ!?」」」」

 

まるで挑発するかのような発言にジェノス以外の全員がヤバいと感じた。

 

「アンタ…随分な言い方ね?」

「だって本当の事だし」

「じゃあ、これでもそんな態度でいられる?」

 

微笑んだシャドーJKの両手を刃にすると同時に自分の影から腕を何本か出した。

 

「か、影が!?」

「影を操る…それが貴様の能力か?」

「私…今までクラスから影が薄いとか言われてバカにされていじめられたの…だから、影が濃ければいいなって思い続けてこの能力が生まれたの…」

[影が濃いって…そういう意味じゃない気が?]

 

心の中で思わずツッコミする杉野。

 

「とにかく、奴を倒さなきゃ先に進めないってことだな?」

「この状況じゃあ、そうなるよな?」

 

ジェノスは両手の焼却砲を展開と同時に、赤羽もまたレーザーナイフを装備する。それに続いて磯貝もレーザーナイフを構えて、他のメンバーもスタンガンやエアガンで戦闘態勢に入った。

 

「うふふふふ、そうよ…私はこんな風に注目されたかった!」

「これが最初で最後であってほしいけど」

 

A班とシャドーJKの戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、B班はというと。

 

「ちょっと、ちょっと…なんだよこれえぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

 

陽斗が叫んだ先には、先程サイタマが倒したデカポチが見事に回復して持ちをふさいでいた。

 

「どうやら、通路を守る怪物のようじゃの?」

「なに解説してるんですか!こんな怪物どうすんの!?」

 

冷静に分析をするバングの隣で混乱し続ける陽斗。

 

「こういう時こそ、何事もあきらめない事!」

「そうそう、俺達は烏間先生から戦闘技術を叩きつけられたし」

「バングさんがいるしね」

 

他のメンバーは戦う気のあるのが居れば、バングに任せようと考えているのもいる。

 

[このチーム…失敗かも]

 

陽斗は半分諦めかけていたけども、いち早くバングが先陣切って飛び出してきた。

 

「では、これが実戦じゃ!」

 

そのままバングの流水岩砕拳が決まったのか、デカポチは少しだけグラついてきた。

 

「あの怪獣、バングさんのダメージが効いたみたい!」

「だったらその瞬間に!」

 

先に動いたのが速水でレーザーガンをデカポチに撃ちまくった。しかし、すぐにデカポチは自己回復して再び襲い掛かろうとしていた。

 

「なんちゅう、頑丈な奴じゃ」

「もう絶体絶命だろ!?」

「てか、犬なんだからしばらく“おすわり”してろよ!」

 

すると岡田の放った一言によってデカポチは、いきなり本当にお座りした。

 

「あれ?お座りしたぞ?」

「なんでなの?」

「犬だから…かな?」

 

このような展開に驚くB班だったが、その理由はサイタマがドロップキックと一緒に言った言葉だった。故にそれが効いたのかデカポチはおすわりの言葉に従ったのだ。

 

「ん?あれって…」

 

すると竹林はお座りし続けるデカポチの体に何か見つけたのか近づいた。当然、陽斗は止めようとした。

 

「おい、竹林。危ないぞ!」

「いやでも…コイツの体になんかトゲが?」

 

デカポチの体を探り当てて黒いトゲを見つけると抜いてみた。その瞬間、デカポチは体が縮んで黒い毛が茶色の柴犬になった。

 

「いいっ!?」

「これって…?」

「いや、僕はこれを抜いただけで…あっ!?」

 

全員が驚いてると竹林が抜き取った黒いトゲが消えてしまった。

 

「消えた…」

「恐らく、さっきのトゲがこの犬を怪獣にしたんじゃろうな」

「それは分かったけど、どうするこれ?」

 

元に戻った柴犬をこれからどうするかの考えた結果、一緒に行くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、C班も。

 

「うわぁぁぁ!?」

「クソッ、なんなんだこれは!?」

 

寺坂達もデカポチに似た怪物猫のデカタマと戦っていた。フブキの得意な地獄吹雪でデカタマに攻撃したがダメージは低い模様。

 

「アンタっ!他の必殺技はないの!?」

「うるさいわね!アンタこそちゃんと戦えなさいよ!」

「しょうがないでしょ!私はお色気で相手が油断した隙に討つのが専門なんだから。こんな相手じゃ無理に決まってるのよ!」

「だったら威張んな!このビッチが!」

「なんだと!」

 

こんな状況にも関わらずフブキとイリーナはそのまま髪を引っ張ったり、顔を抓ったりの喧嘩を始めた。

 

「なに、こんな時に喧嘩してんだよ!!」

「こんな奴らは無視して俺達だけでやるぞ!」

 

リーダーシップをとる寺坂だったけど、こんなタフな怪物相手じゃあいくらなんでも無理だと確信していた。

 

「もっとこのレーザーガンが、強力だったら…」

「文句を言ってる余裕があったら、あの怪物の弱点を探すんだろ!」

 

全員はどうにかしてデカタマを倒すことが先決だと思っていた。その時、倉橋はデカタマの体に何かを見つけた。

 

「あれは…もしかして!」

「え?く、倉橋さん!?」

 

いきなり倉橋はデカタマに向かって走っていった。全員は止めようとしたけども、止まらずに近づいてきたのでデカタマは鋭い爪で攻撃してきた。だが、それを避けてお腹の辺りに近づき。

 

「待ってて、今楽にしてあげるから」

 

そしてデカタマのお腹に刺さっていた物を綺麗に抜いた。倉橋が抜いたのはデカポチに刺さっていたのと同じ黒いトゲだった。するとデカタマも縮んで毛も黒から白へと変わり、普通の白の子猫になった。黒いトゲはB班の時のように消えたが、そんな事よりも全員はデカタマの本当の姿に驚く。

 

「やっぱりこの子は、さっきのトゲで怪物にされて操られたみたい!」

 

倉橋は白猫を抱きかかえながらみんなに言う。

 

「なんで操られたと?」

「じつは怪人や怪物もちょっと調べた頃があったの!それで操られてる怪獣は、大抵目が死んでたり、体のどこかにアンテナのようなものが刺さってるみたいなの!」

 

生物に詳しい倉橋は、怪人怪獣も調べていたのだった。それからC班も白猫を連れていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから再びA班。

 

「はっ!」

「避けろ!」

 

シャドーJKが影の腕を伸ばして攻撃してきたので、磯貝の声と一緒に全員がなんとかかわし。

 

「喰らえ!」

 

すぐにジェノスもロケットパンチを飛ばしてシャドーJKに攻撃したが、敵は影を盾にして防いだ。

 

「ん?」

 

すると何かを察知し始めた。

しかしジェノスが今度は両腕から対殺せんせー用じゃない、通常のマシンガンで撃ち続けたが影の盾はビクともしない。

 

「くっ…!なんて固いんだ!?」

「その程度?こっちにはこんな技があるのよ」

 

さらにシャドーJKは影から黒い自分に似た分身を9体作り出した。

 

「げっ!分身の術かよ…」

「まさか、そんな能力まで…」

 

杉野と片岡は予想以上の能力に思わず冷や汗をかくが、シャドーJKはそれどころじゃない様子。

 

[さっきの感じ、まさかデカポチとデカタマか倒された…もしくは洗脳が解かれたの?]

 

じつはデカポチとデカタマを操っていたのがシャドーJK本人で、トゲ状の影で二匹を怪物にしていたのだ。

 

[だが、例えそうだとしても…もっと先にはさらなる強者がたくさんいるんだから!]

「アイツ、さっきからなに笑ってんだろう?」

「これからアンタ達が無残にやられるって事を想像してたのよ!」

 

そして敵の合図で9体の分身がジェノス達に襲い掛かって来た。しかし、赤羽はそれらをかわして

 

「悪いけど、先に頭を叩かせてもらう!」

「ふん、ガキが!」

 

レーザーナイフを構えた赤羽と、両腕を影の剣にしたシャドーJKの勝負となった。




オリジナル怪人のシャドーJKや、サイタマが一度倒したデカポチと同じタイプのデカタマはどうでしたか?そしてフブキとイリーナは相性最悪という設定にしました。


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ヒーロー大ピンチ

カエデが少しの間、覚醒します。


E組チームがそれぞれバトルやっている頃、他のルートを進んでいたヒーローもピンチを迎えようとしていた。

それは豚神がいつも持ち歩ているお菓子を食べ歩いていると、後ろに気配を感じ振り向いた途端。巨大な口が特徴の災害レベル・竜の怪人、大口に丸飲みにされた。だが、しばらくすると大口は豚神を吐き出してしまう。

そしてすぐに豚神は立ち上がって一度距離をとり

 

「お前…ちょっと僕と似ているな?」

 

観察しながらもそのまま両者は激しく噛み合いして戦った。

その頃、アマイマスクもさっきのメガミメガネを倒してから長い通路を進んでいた。

 

[あの女怪人を潰してから、生き物の気配を感じない…どっかに隠れたのか?]

 

警戒しながらも歩いていくと、その先から猛スピードで走ってくる何かがやってきてた。すぐに構えた瞬間、アマイマスクはその敵を見た途端。突然力が抜け始めて、さらに突っ込んできた敵の攻撃を食らって吹っ飛んでしまう。起き上がりながらもその敵の姿で震えていた。

 

「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃ!どうしたんだクソハンサム野郎?俺の力に怖がってるか?」

 

それはなんとも不細工な顔立ちをした災害レベル・竜の怪人、ブサイク大総統。これをブサモンという不細工という事で怪人化した存在なのだ。

じつはアマイマスクにはブサモンを見ると体が震えて、どうしても動きが鈍ってしまうという弱点を持っていた。

 

[最悪だ…これじゃあ僕の普段の実力が発揮できない!]

「もっと見せてやるよ…不細工の底力って奴を!」

 

ブサイク大総統がアマイマスクに襲い掛かって来た。

それからフィニックス男を倒した童帝はタブレットで、基地内部を引き続き調べながらも進んでいた。

 

「う~~~ん。思った通り妨害電波が発生していたとはね」

 

妨害電波の存在に気づいた童帝だったが、とりあえずタブレットを万能ランドセルに入れて進むことにした。すると倒れている3人を見つける。

 

「ちょっと、大丈夫?!」

 

すぐ3人に駆け寄る童帝。そして倒れているのがイアイアンとオカマイタチとブシドリルで、さっき倒した魔ロン毛以上にボロボロにやられていた。

 

「A級上位でアトミックの弟子の3人がやられるなんて…一体どんな敵が…はっ!?」

 

すると後ろに強い殺気を感じたので振り向いた。そこに現れた怪人を見て言葉を失ってしまう。

 

[まさか…3人共この怪人にやられたの!どう見ても、どう見ても……雑魚キャラみたいなのに!?]

 

童帝が驚くのも無理がない。なぜならその怪人は青いドロドロのスライム状で間抜けそうな目とタラコ唇の災害レベル・竜の怪人、ドロドロ天然水。するとドロドロ天然水は童帝目がけて、自分の体のスライムを弾丸のように猛スピードで飛ばした。

 

「うわっ!?」

 

なんとか避けたが後ろの壁に穴が開いた。

 

[見た目に反して、なんてパワーだ!?]

 

この威力に改めて危険だと童帝は確信した。

それから金属バットがボロボロの体を少し引きずるようにして進んで行く。

 

「クソ…思ったよりダメージが激しい…だが、何事も気合いだ!!」

 

なんとか力を振り絞りながらも先に進んで行くと、丁度角の辺りで怪堂と出くわす。

 

「「はっ!?」」

 

2人はそれぞれ拳と金属バットを振りかざして当時に殴りかかった。すると強烈な火花と衝撃波が起きて、一度ある程度の距離まで離れた。

 

「テメェがヒーロー狩りをしている怪堂か?なんだか写真で見たのとだいぶ違うな?」

「そういうお前は金属バットか?まさかここで2人もS級と出会えるなんて」

「2人もS級と…テメェまさか!」

「そうだよ。ここに来る前にぷりぷりプリズナーを潰したところさ…はっきり言って激弱だったな」

 

バカにするかように笑う怪堂。すると金属バットは一度気を落ち着かせるかのように、静かに深呼吸をするとまた自分の顔面に金属バットを打ち込んだ。

 

「ん?」

「テメェ、絶対俺がぶっ潰す!」

「来て見なよ」

 

こうして金属バットと怪堂の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、カエデは未だになにも無い部屋で監禁されていた。

 

[どうしようこれから…もしかして殺せんせーやサイタマさんが助けに来ているかな?]

 

心配するカエデだったが、その時シザーガールが部屋に入ってきた。

 

「うふふふふふ、アンタに面白い情報を教えてあげる」

「え?」

 

どうせろくでもない事だと分かっているが、ここは仕方なく黙ってシザーガールの話を聞くカエデだった。

 

「どうやらヒーロー協会とアンタのお仲間が救出に来たみたいだけど、時間の問題ね」

「時間の問題って…まさか!!」

「そうさ、奴らはもうすぐ全滅、皆殺しになるって訳さ♪これで上位ヒーロー共が死ねば、ヒーロー協会は壊滅。我が怪人連合の天下となる!!」

 

まるで子供みたいに大はしゃぎで笑い狂うシザーガール。ただカエデも、打って変わって冷静になっていた。

 

「そうなんだ…皆殺しね」

 

その時、カエデが普段とは違った目でシザーガールを睨んだ。

 

「なんだその目は?貴様この状況を分かっているのか!」

 

両手のハサミを構えるシザーガール。だけど、いきなりカエデが立ち上がると縛った筈の縄が切れていた。

 

「ここなら誰も見てないし…アナタに見られても、大丈夫だし」

「なに?」

「だって、今ここでアナタは死ぬからね」

 

まるで今までのが全て演技だったのかという感じに、カエデはまるで別人のように不気味に微笑む。少し怯えたのかシザーガールはつい何歩か後ろに下がったが、カエデは獲物を追うかのように近づいていく。

 

「全然動かしてないから、頭が痛くて痛くて…辛かったの!」

 

するとカエデのうなじから、どす黒い触手のようなものが出てきた。それはまるで殺せんせーのと同じ物だった。

 

「貴様…それはっ!」

「うふふふふふふふ…じゃあね♪」

 

カエデはさらに不気味な笑顔になると、そのまま触手がシザーガールに襲い掛かった。

しばらくするとカエデはいつも通りの目で部屋からこっそりと出た。すると後ろから聞き覚えの声がした。

 

「カエデ!」

「渚!それにキングさん!?」

 

それは渚とキングのD班だった。

 

「2人共、助けに来てくれたんだね!」

「当然だよ。大切な仲間なんだから」

 

カエデは渚とキングに抱き着いてきた。この様子に渚は安心する。

 

「無事でなによりだよ。酷い事は?」

「心配しなくて大丈夫だから。ところで他のみんなは?」

「別々に進んで行ったけど、妨害電波が出ていて」

 

妨害電波の影響で他のチームと連絡が取れなくて困っていた。

 

「でも、無事だったし一度脱出するしかないな?」

「そうだね。まず入り口近くに戻って、もしいかったら探しに行こう」

「うん、他の怪人が来る前に」

 

さっそく3人は一度入り口近くまで脱出しようとこの場から離れた。そして部屋に残されていたのは、ズタズタにされたシザーガールの死体だった。




大口とドロドロ天然水はハグキとエビル天然水がモデルになります。そしてここでカエデが自分に移植した触手で怪人を倒しました。元々殺せんせーを殺す為でしたけど、E組には見てなかったので使用しました。


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本物の怪物

久しぶりの投稿です。それぞれで強敵と出くわした彼らの話です。


ヒーロー協会ではかつてS級はなく、AからCまでしかなかった。そもそもなぜS級が誕生したのかは、A級が束にならなきゃ倒せない災害レベル・鬼を1人で倒せるから。故にS級は他のヒーロー達にとって雲の上の存在。

しかし今、S級は本当の化け物を相手にしていた。

S級10位の豚神は怪人大口に敗北し、S級4位のアトミック侍も怪人悪毒菌に敗北して、S級8位のゾンビマンも怪人ホームレス帝に再起不能になる。

 

[まさか…こんな雑魚な雰囲気漂う奴に!]

 

それからS級5位の童帝は怪人ドロドロ天然水にボロボロになって、しかも万能ランドセルを破壊されてしまう。その後ろではアトミック侍の弟子の、A級2位3位4位のイアイアンとオカマイタチとブシドリルはまだ回復していないでいる。

S級17位のぷりぷりプリズナーは怪堂にやられたダメージがまだ残っていた。

 

「ぎゃはははは!どうしたクソイケメン野郎!?」

「この僕が…こんな不細工に!!」

 

S級と同じ実力を持つA級1位のイケメン仮面アマイマスクも、怪人ブサイク大総統に苦戦してしまう。

それからA級40位のワイルドクロウ改め烏間はという。

 

「はぁ…はぁ…」

 

傷だらけな体を必死で動かしながらも、レーザーガンを構えて壁の影に隠れる烏間。しばらくして覗いてみると、敵の姿が居ない事を確認する。しかしどこかに隠れているかもしれないので警戒を続けると、地面から強い殺気を感じた。

 

[まさか!?]

 

だが、時すでに遅し。

いきなり地面から怪人アーミー男爵が口にナイフを銜えながら現れて、左手の銃口で烏間の足を撃ち抜きながらも、さらに右手に持ったサーベルで斬りつけた。

 

「うぐっ!?」

「ふんっ…急所を外すとはさすがだな?だが、これだけ血を流せば…臭いで分かる!」

「クソ……」

 

今まさに烏間はアーミー男爵の戦い方によって苦戦を強いられていた。

それからS級16位の金属バットも怪堂の相手をしていた。しかし怪堂はさっきよりも髪が伸びてきていたが、なぜか黒かった髪に少し白髪が混じっていた。

 

「テメェ…一体なんなんだ!」

 

さっきよりもボロボロな体を動かしながらも怪堂に立ち向かう。しかし怪堂の重いパンチにノックアウトしてしまう。

 

「ク…ソ……」

「所詮、こんなものか」

 

そのまま怪堂が行こうとしたが、そこに超合金クロビカリが現れた。

 

「お前が怪人少年は…?」

「そういうお前は超合金クロビカリか?」

「なるほど…さっきプリズナーがやられてるのを見たが…そこの金属バッドもお前が?」

「見たら当然だろ?」

 

不気味に笑いながら質問に答える。しかしクロビカリは静かに怒りを出し始めた。

 

「そうか。だったら俺の筋肉が相手だ!」

「面白い…!!」

 

怪堂とクロビカリの戦いが開始された。

さらにA班。そこではジェノス&赤羽とシャドーJKの激戦が続けられていた。

 

「ふん、ふっ…はっ!」

「おらっ!この!」

 

シャドーJKから繰り出される影による攻撃を2人はなんとか、避けたり交わしたりナイフで斬り落としたりする。

 

「おのれ…焼却!」

 

ジャノスは焼却砲をシャドーJKに向けて発射した。辺り一面が焼き焦げてしまったみたいだが、目の前に黒い大きめな球体がいつのまにかあった。すると黒の球体が割れると、そこから無傷のシャドーJKが出てきて、そのまま球体は彼女の影に戻った。

 

「残念だったね?」

[まさか…ここまで影を操れるとは!]

 

見た目と反して恐ろしい実力な相手にジェノスは自分の悪い癖である、油断するという事にまたもや気づいてしまう。

 

[やれやれ…なんとも…殺せんせー程じゃないけど面倒だな?]

 

それから頭の回転の速さと身体能力の高い赤羽だけども、影の触手を大量に出して襲い掛かるシャドーJKにかなり体力を消耗していた。しかも厄介なことにシャドーJKはまだ疲れた様子はなかった。

 

「ほら、がら空きよ!」

「うぉっ!」

 

そしてシャドーJKの刃が疲労した赤羽に突き刺そうとしたが、横腹に切り傷が出来たがなんとか避けた。

 

「痛っ…」

「赤羽くん、大丈夫か?」

「なんとかね…」

「そうか。しかしほんと、俺達って油断しやすいタイプだな?」

「うふふふふふ、そう言われると…そうだな」

 

自分達の欠点を自覚しながらも目の前の敵を倒そうと、なんとか決心するのだった。

ちなみに磯貝達は影の分身相手にまだ戦い続けていた。

 

「全く、分身なのに強すぎる!?」

「2人ががんばってるんだ!俺達もがんばるぞ!」

「「「「「おおっ!!!」」」」」

 

彼らも諦めずに戦っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからサイタマと殺せんせーは、相変わらずのん気に進んでいた。

 

「クンクン、クンクン。なにやら知り合いの臭いがたくさん感じますね?」

「お前、犬みたいだな?」

「私……嗅覚は良い方なんですよね♪」

 

そんな2人の近くに1人の男がいた。

 

[あれは我々のターゲットである、推定災害レベル・神の殺せんせー。それにこの前、総本部に来ていたB級?]

 

それは閃光のフラッシュ。たまたま2人が進んでいたルートがフラッシュのと同じであった。そんなフラッシュはヒーロー協会でも狙っている殺せんせーが、なぜここにいるのか不思議に思っていた。だが、すぐに好都合と切り替える。

 

[ここであの怪人を消せば、色々と丁度いいな?]

 

さっそく対先生用のコーティングを施した、自身の愛刀である瞬殺丸を構えると

 

[必殺、閃光斬]

 

殺せんせーに向かって目に見えない速さに斬りかかった。

 

「おっと、危ないですね?」

「なっ!?」

 

しかし殺せんせーは取り出したハンカチでの瞬殺丸を掴んだ。

 

「なんだなんだ?お前いきなりなんなんだ?」

 

サイタマがいきなり現れて殺せんせーに攻撃してきたフラッシュに尋ねた。しかしフラッシュはサイタマの言葉よりも、自分の必殺技を防いだ殺せんせーに驚く。

 

[なんだと…この怪人の素早さは普通じゃないと聞いていたが、俺のこの技を受け止めるなんて…]

 

高速の動きで敵を倒し続けていたフラッシュは、自分以上に素早い敵は本当にいて少しショックを受ける。

 

[いや、まぐれかも知れない。俺の技はそんな見切れるはずないんだ!]

 

信じられずにフラッシュはもう一度、瞬殺丸を構えた。

 

[本当にまぐれかもしれん…しかし2度目の場合は死ぬかもしれない。いや、ここで災害レベル・神を倒さなければならない!!]

 

何度も何度も自分の心に言い聞かせ続けるフラッシュは、ついに心に決めた。

 

「せ、せっ、閃光斬!!」

 

さっそく2度目の閃光斬を発動したかに思いきや。

 

「お前、なにまた攻撃してくんだよ?」

「なっ…なにっ!?」

 

今度はサイタマが片手で閃光斬を止めた。これにはフラッシュも2度目のショックを受けた。

 

「なんだコイツは?怪人前髪ジャーマか?」

「違いますよ。彼はS級13位の閃光のフラッシュですよ?」

「そうなんだ?」

「そうですよ。サイタマさん、アナタもヒーローでしたら他のヒーローの事も調べた方が良いですよ?」

 

のん気に話し合う2人だったが、フラッシュが立ち直るのには時間がかかる様子であった。

こんな感じでS級達は本物の怪物に敗北したり苦戦したりしていた。しかしただ1人だけヒーロー側に怪物が存在する。

それこそがS級2位の戦慄のタツマキ。事実上、タツマキがヒーロー協会の最終兵器とされていた。

そしてタツマキは今ついに怪人連合のボスと出くわす。

 

「アンタが、怪人連合のリーダーね?」

「そういうお前が、タツマキだな?」




それぞれのルートで怪人に敗北したり苦戦を強いられて、フラッシュはサイタマと殺せんせーにプライドを破壊されました。


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