神の力?イイエ、ヤベーイ奴の力です (アカリマシン)
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原作前
1話 早速コンテニュー


ノイズ…突然表れた災害よりもたちの悪い生き物なのか何なのかよく分からない存在。

そんなやつらから逃げ回る人々。

 

「……嘘だろ?」

 

そして、買い物の途中だった青年。彼の名前は桐谷 翔平…この『戦姫絶唱シンフォギアの世界』に転生してきた人間である。

 

「ああああーー!!(ふざけんな!何でこうなるんだよ!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桐谷 翔平……彼は、ただの一般人だった。しかし…転生と言う措置を受けて別世界で再び生を得た。

しかし、生を受けた世界が『戦姫絶唱シンフォギア』だったのだ。

 

これには流石に白目になるしかなかった。だが、一つだけ良かったことがある…それは

 

「(俺の身内に原作キャラは居ない…と言うことは、下手な事をしなければ、原作介入はあり得ない!)」

 

 

そう、それは原作キャラが身内に誰も居ないこと。だが考えてみれば…下手な事せんでもモブとして人生終えられることである。

これは強みと呼べるかは分からない…。

 

 

 

 

 

 

 

「ポウッ!」残りライフ99→98

 

 

そうそう…俺の転生特典は、仮面ライダーゲンムの力(コンテニュー付き)だ。

コレがあれば安全にモブ生活を送ることが出来る。

 

 

「ちょっとまって!?出てくる場所ミスッ…!」←炭化

 

 

「復活!」残りライフ98→97

 

 

 

翔平は兎に角逃げた。1日で二つのライフを消費したものの、これ以上減らされたらたまったものではない。

逃げまくっていたら……いつの間にか避難用シェルターについていた。

 

俺は其処に避難して外の騒動が収まるまで待ち続ける。すると……泣いてる子供の声が聞こえた。

俺は急いで向かうと……足を押さえている子供が。

 

 

「どうしたんですか?」

 

「避難してる時に足を踏まれてしまったみたいで…」

 

「痛いよぉ…」

 

「どれ、ちょっと見してみ?」

 

 

後、俺はここで一応元・医者としての顔がある。俺は子供の足を見てみると……

 

 

「(こりゃあ…完全に折れてんな…)」

 

俺はバッグに入れていた木の棒を子供の足に当てると、自分の服を脱いで破くと、足の所を木の棒と共に余裕があるように縛って固定させる。

 

 

「取り敢えず…応急処置はこれでいいな。ここから出たら病院に行きな。

タクシー呼んどいてやるから。」

 

「ありがとうございます!」

 

「気にしないでくれ、ただの人助けだよ。」

 

 

そう言って、避難用シェルターから出た後にタクシーを呼んで親子を病院に向かわせた。

 

 

「……はぁ、こんな世界に転生しなきゃ良かった…。」

 

若干の後悔を感じながらも、立ち上がって家に向かって歩き出す。

その手には、紫色のカセットがしっかりと握られていた。

 

そして……

 

『何故変身しなかった!私の力を何故使わなかったんだ~!』

 

「勝手に変身したら怒るからだろうが!」

 

俺の体に、厄介な同居人を抱え込んだ状態で。



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2話 GODと呼ばれた男

家に帰った後……俺はバッグを下ろして、早速夕飯の準備に取りかかる。

その瞬間、俺の体からオレンジ色の粒子が出て来てそれが人の形を成していき……一人の男性が現れた。

 

 

『翔平ー!貴様に言いたいことは山程あるのだぁ!だが一つ言わせて貰おう!

1日で貴重なライフを二個も無駄遣いするとはどういうことだーーー!!』

 

「うるせえわ!あの時はただ出てくる場所をミスしただけなんだよ!」

 

 

このとてつもなくうるさい男……この男の名は、『壇黎斗』と言ってかつては仮面ライダーエグゼイド達の敵であり、共闘する関係にもあった人物だ。

だがこいつは一度消滅した……が、どういうわけかよみがえってしまった。

 

これには理由がある。まず、翔平がゲンムの力を貰った時、『プロトマイティアクションXガシャットオリジン』と『マイティアクションXガシャットオリジン』の二つを貰ったのだが…どうやら、プロトタイプの方に壇黎斗のデータが入っていたらしく、そこから翔平の体へと感染することでバグスターとして生きているのだ。

 

 

 

「(はぁ~…何でこいつが…。まあ、こいつが感染してくれたお陰でウイルスの抗体が出来て適合することができたけども…)」

 

『…まさかガシャットがたったの二本しか無い…?ゴッドマキシマムや他のプロトガシャットすらない上に、私が持っていたデンジャラスゾンビガシャットはいつの間にか使えなくなっているとは…』

 

「……そろそろいいか?俺、飯にするから。」

 

 

俺は、自称神を無視して飯を食べる。だがその途中で、俺の目の前に黎斗が座った。

 

 

『翔平に聞きたいことがある。』

 

「……何だよ。」

 

『ここは一体どのような世界なんだ?教えてくれ。』

 

俺は暫く考えたが、教えた方がいいと思い教えることにした。

ここは自分達の住んでいた世界とは違う世界だと言うことを……ノイズについては教えたが、シンフォギアに関しては教えなかった。

自分もよく知らないから……。

 

 

『……ヤツのいた並行世界というやつか?確かに、この世界自体は日本とそこまで変わらない。

変わってるところは私の会社がないことと、ノイズと呼ばれるものがいるくらいか…。』

 

その後、少し考えておくと言い俺の体の中……ではなく、大きめのゲーム機みたいな所に入り込んだ。

 

 

「……邪魔だな、これ。」

 

 

コレが自分の住居のスペースを取っているのだが、同居人の住む場所と考えて割りきる事にした。

俺もそろそろ眠くなってきたので、自室に戻り布団で眠ることにした。今日はぐっすり眠れそうだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『この世界の事は把握した…。だが最初にやるべき事は、私の会社をこの世界に復活させることだ!

ゲンムコーポレーションは私の会社だ!そしてこの世界でも、私は偉業を成し遂げ、神の道へと登り詰める!

ふふふ…ふははは!…ヴェエハハハハ!!』



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3話 ゲンムのデータ取り

「あ…?もう朝か…」

 

目覚めて、布団から起き上がる。ホントにぐっすり眠れたお陰で今日も気分が良い。

階段を降りて居間に向かい、コーヒーを淹れてテレビを見ながら飲む。

 

 

『完成したぞぉ!マイティアクションXのゲームカセットがなぁー!』

 

そんな声と共にこちらに飛び出してきた黎斗。しっかし、早いなぁ……ん?カセット?

 

「ちょっと待て?カセットってどういう事だ?」

 

『ん?あぁ、簡単な事さ。潰れそうな会社を買収して、新しくゲンムコーポレーションを設立したのさ!』

 

「……はぁ!?」

 

 

作り上げたって…こいつ、一夜にしてそれをやったのかよ!?

いやいや…可笑しいだろ?たった一夜で…頭可笑しい…。

 

 

『そして、早速マイティアクションXのプロトタイプを作ったんだ。

早速だが、プレイしてくれ。』

 

 

俺は、ゲームカセットとゲーム機を渡され…朝飯ら食べてはいないが後ろからの圧力に耐えきれず、仕方なく遊ぶことになったのだが……

 

 

 

 

「何だよこれ……面白すぎるだろ!」

 

 

実際にやったことすら無いので、どういうのかは分からなかったが普通に面白い。

これが、お世辞とかではなく本当に面白いのだ。

 

 

「(黎斗は天才ゲームクリエーターでもあるからなぁ……こんな面白いものを作れて当然か…。)」

 

俺は早速、感想を言おうと後ろを振り向いたら…黎斗が頭を抱えていた。

 

 

『駄目だ…駄目だ駄目だ…この程度ではこのゲームは愛されない…。

もっと機能を改善しなければならない。まず動きをもっと軽やかに……ブツブツ』

 

 

一人でブツブツ言いながら考え出していた。まあ、彼はゲーム作りに対しては誰よりも熱い人だから…そうなるのも無理はないね。

さて…朝飯を作って食べよっと。

 

 

『やはり……実際に見て動きなどを確かめるしかない…。翔平、君にも手伝って貰おう。』

 

 

その瞬間、黎斗が俺の体に入り込んできた。俺の目が一瞬だけ紫色に光り、直ぐに元に戻る。

これは、俺と黎斗の意識が交代した合図だ。

 

 

 

「試運転と行こうか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あれが、シンフォギアか…是非ともデータが欲しいところだね。」

 

 

黎斗は、自分なりにシンフォギアについて調べていた。あのノイズに唯一対抗できる兵器…と言うところまでは分かっている。

 

「(だが、あれが何処までの性能かは分からない。だからこそ、確かめる必要がある。

それにシンフォギアのシステムをガシャットとして産み出せれば…)」

 

黎斗は少し笑った後、シンフォギアと言う者を纏った二人の少女がノイズを相手に戦っていた。

歌を歌いながら…。

 

 

「歌を歌っている…?ふむ…ドレミファビートのガシャットを作るためのデータ集めにもなりそうか…?」

 

 

そう言いながら黎斗は『ゲーマドライバー』を取り出して腰に装着する。

プロトマイティアクションXガシャットを起動した後、ドライバーのガシャットスロットにセットする。

 

 

マイティアクションX!

 

 

レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム? アイム ア 仮面ライダー!

 

 

更に、ドライバーのレバーを開いてレベルアップする。

 

 

「グレード2…」

 

 

レベルアップ! マイティジャンプ!マイティキック!マーイティーアクショーンX!

 

 

黎斗は、かつて人類を脅かした仮面ライダーの一人…『仮面ライダーゲンムアクションゲーマーLv2』へと変身した。

 

 

「……」

 

ゲンムは、ガシャコンバグヴァイザー・ビームモードを装備して二人の少女の元へと向かっていった。



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4話 二人の歌姫VSゲンム

ノイズを相手に戦っているのは、奏と翼。彼女達は、トップアイドル『ツヴァイウィング』の顔とノイズから人々を守るために戦っている『シンフォギア装者』としての二つの顔を持っている。

そんな彼女らは、既にノイズを殲滅し終えていた。

 

 

「これで全部か?翼。」

 

「ええ、後は二課に戻って報告を…!」

 

その時、翼は気配に気付き臨戦態勢をとった。奏も異常に気づいたのか、同じく臨戦体勢を取り構える。

 

 

「そこにいるのなら、出てきたらどうかしら?」

 

翼の言葉に反応したのか、物陰から一人の人間?と思わしき未確認生物が現れた。

まるでゲームのキャラクターを思わせるかのような風貌をしているが、何だか少し不気味に思えてきた。

 

 

「翼…こいつは一体…」

 

「分からない…奏、注意してね?」

 

 

『奏!翼!そっちに謎の反応をキャッチした!一体何が起こっているんだ!』

 

男性の声が聞こえてきた。恐らくは、二人に指示を出してる司令塔のような人物であろう。

その男性に応答する翼。

 

「先程ノイズを倒し終えた所、その謎の反応の正体とおぼしき未確認生物が出現しました。」

 

そう報告した時、突然未確認が攻撃を始めた。ビームのような武器で攻撃をしてきたのだ。

直ぐ様通信を切ると、直ぐ様迎撃体勢に入った。

 

 

 

 

「……私の名はゲンム。お前達シンフォギア装者の戦闘データを取らせて貰おう。」

 

 

音声を変えているのか、かなり不気味な声を発しながら攻撃を開始。

翼と奏は距離を取りながら、自身のアームドギアである剣と槍で反撃する。

 

 

「ハァッ!」

 

翼の剣が、ゲンムのバグヴァイザー・ビームモードと激突する。彼女自身は、ゲンムの使う武器は遠距離専用と思っており、接近戦は不得意かと思えた…しかし

 

 

「(!…近接攻撃も熟知していると言うのか!?)」

 

ゲンムの格闘攻撃に驚くも、翼は少女であれどノイズを相手に戦ってきているので遅れをとるような事はしない。

奏も同等であり、横から槍での攻撃をいれてくる。ゲンムは避けるが翼の攻撃は素直に受け止めるしかない。

 

「(!…ただの少女と思って甘く見ていたが、どうやら油断は禁物らしいな…)」

 

ゲンムは、奏と翼のコンビネーションに驚いていたのだが、それは二人にとっても同じだった。

 

 

「翼、このゲンムとか言う奴…かなり強いぞ。」

 

「2対1と言う状況下で、私達と互角の強さを持っているということか…!」

 

 

両者は動かずにお互い見合ったままであったが、先に動いたゲンムが目の前でビームを発射すると土煙を上げて目眩ましに使った。

 

 

「…!逃げられたか…」

 

「しょうがないわ、次こそ捕まえましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

ゲンムは二人が去ったのを確かめると、変身を解いて翔平と意識を入れ替わる。

 

「ハッ!……おい黎斗てめぇ!何を余計なことしてくれてんだこの野郎!

何で原作キャラと関わったんだ!」

 

『私のゲーム開発の為には必要な事だった、それだけさ。』

 

「答えになってるようでなってねぇー!」

 

翔平は、意識が入れ替わっても自分自身の意識がなくなるわけではないが、黎斗の精神力が強すぎて表に出れないだけである。

 

 

「ホントに何でこんな奴と同居しなきゃならないんだよ…」

 

翔平の嘆きなど知ったこっちゃないと言う風に、ゲーム作りに没頭する黎斗であった。



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5話 プロトガシャット完成

夜……家に戻った俺は、疲れた体を癒すために湯船に使っていた。

 

「(…黎斗の奴、ガシャットを完成させるって息巻いてたけども…何を作る気なんだ?)」

 

天羽奏と風鳴翼…この二人から戦闘データを取ってたみたいだけど、作れるやつは大体察する。

 

「はぁ~……嫌でも関わった以上は、免れねぇようなぁ…」

 

黎斗が仮面ライダーゲンムとして戦った……これは即ち、この世界にとって未知なる存在として現れたということになる。

あの二人……いや、二人だけではなく後ろにいる組織とこれから会うことになると言うこと。

しかし、それに対して一つ不安なことがある。

 

 

「(あっちは人を守る事を考えてるけど…黎斗(こっち)の考え方からして絶対にそりが合わないよな…?)」

 

 

黎斗の考え方…それは人の考え方の範疇には収まらないようなものだ。

黎斗のやったことは犯罪以上の事だ……だが、反省するなんて事は黎斗はしない。

しかし、誰かを救う……その思いは確かにあった筈だ。

 

 

「………」

 

 

俺は物思いに耽りながら、湯船から上がる。体を吹いてリビングに戻ると、ゲーム機のような機械から黎斗が飛び出してきた。

 

 

「……出来たのか?」

 

『あぁ、明日マイティアクションXを世界同時発売する。そして私は、この世界で快挙を成し遂げ神へと至るのだぁ!』

 

成る程、あのゲーム面白いからな。発売すればきっとこの世界でも人気になるだろう。

……って、違う!

 

 

「俺が聞いてるのはガシャットの方!確かにそっちも気になってたけども!」

 

『問題はなぁい!何故なら、既に完成しているからなぁ!』

 

黎斗が見せてきたのは、色が白黒のガシャット…『プロトガシャット』と呼ばれるものだ。

ゲンムは、このプロトガシャットを使うことでスペック以上の戦いをすることが出来る。

まぁ、本人の実力もあるけど……

 

 

「……シャカリキスポーツとギリギリチャンバラのプロトガシャットか。

ギリギリチャンバラならまだ分かるけど…」

 

『シャカリキスポーツは以前からずっと作っていたが、ギリギリチャンバラは風鳴翼の戦闘データから作り出したからなぁ!』

 

 

自慢げに説明する黎斗。やはり、ガシャット作りやゲーム作りに関しては抜かりないなと思った。

 

 

「……まぁ、別に良いけどさ…」

 

 

俺は、二つのプロトガシャットを受けとるとそのまま床に付いた。

 

 

『ヴェハハハハハハハハ!』

 

 

「うるせぇ!さっさと寝ろ!」

 

 

その次の日、マイティアクションXは爆発的な大ヒットを起こして殆どのゲーム会社の売上を軽々と越えてしまったのは、また別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある町にノイズがいるのだが、何処か様子がおかしかった。

その次の瞬間、ノイズに変化が起こる。なんと、オレンジ色の粒子が纏わりついて姿がみるみる変わっていく。

 

「………」

 

ノイズ改め、『バグスターノイズ』として生まれ変わったその姿はマイティアクションXのボスキャラである、ソルティー伯爵の姿にそっくりだった。

 

バグスターノイズは、黙ったまま立っていたが…おもむろに歩きだして、姿を消した。



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無印編
6話 バグスターノイズ


「………」

 

ずっとパソコンとにらめっこ状態の将平……ではなく、将平に憑依している壇 黎斗は、難色を浮かべていた。

ノイズ相手にゲンムの力は通用しない。いくら神の才能を持っていても、位相差障壁だけはどうすることも出来ない。

故に、黎斗は位相差障壁を乗り越えるためのシステムを開発しているのだが……

 

「駄目だぁーー!!」

 

燃え尽きていた。そしてそのままゲームオーバーとなったが、コンテニュー土管で直ぐに復活する。

 

 

「残りライフ……90」97→90

 

因みに、システムの作成で既に7つ程、ライフを失っている。

 

 

『……諦めたら?』

 

「黙れぇぇぇぇぇ!!ウッ…!」

 

今度は真っ白に燃え尽きて、ゲームオーバーとなり直ぐに蘇った。

 

 

「残りライフ……89」90→89

 

 

俺は二つ程ライフを失っただけで怒られたのに黎斗だけ自由に使えるの本当に理不尽すぎると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く……死ぬだけ死んどいて疲れたはないだろ…。」

 

 

俺はぶつくさ文句を言ったまま、今日のご飯の買い出しをする。

黎斗はバグスターだから死ぬこともないだろうけども……こっちは人間だから、食べたり寝たりしないと体が持たない。

 

 

「……ん?」

 

そんな俺の目の前に突如として現れたのは……何とバグスターであった。

 

 

「!?…何でバグスターが!?」

 

バグスター……本来はこの世界ではあり得ない筈のウイルス。

人に感染するのはそうだが……感染された人間は、『ゲーム病』と呼ばれ、治さないと感染された人は消えてしまう。

 

しかし…何かが違う。何だか、あのバグスターは普通のとは違う気が……。

 

 

 

『ソルティ伯爵…だが、私はバグスターウイルスをばらまいた覚えはない。』

 

目が覚めていたのか、黎斗はそんな事を言う。前の世界でばらまいた奴が言っても説得力はないが…黎斗はこの世界で好き勝手出来る訳ではなく、自由に動けるのは俺に憑依した時か家の中にいる時だけなので…黎斗がバグスターウイルスをばらまくのは難しい。

 

 

「てことは…他に原因があるってことか?」

 

『恐らくはそうだろう……だが!』

 

黎斗は俺に憑依すると同時に、ゲーマドライバーを腰に巻いてプロトマイティアクションXガシャットを取り出して起動すると、チョコブロックが散らばっていく。

 

 

マイティアクションX!

 

 

「私の許可なく好き勝手しようとするならば排除するぅ!」

 

『……別に誰の許可もいらないと思うのだが…』

 

 

ガシャットを、ガシャットスロットにセットしてレバーを開く。

 

 

レベルアップ! マイティジャンプ!マイティキック! マーイティアクショーンX!

 

 

仮面ライダーゲンムLv2になると、ソルティ伯爵に向かっていく…のだがまるで意識がないように思える。

機械的にゲンムの攻撃を受け止めたり、避けたり……どう考えても、普通のバグスターとは思えない。

 

 

 

『……こいつ、本当にバグスターかよ?普通のとは全く違う…』

 

「ならばぁ…こいつの試運転と行こうかぁ!」

 

ゲンムはプロトシャカリキスポーツガシャットを起動させる。

 

 

シャカリキスポーツ!

 

 

灰色のゲーム画面が現れるとレバーを閉じる。プロトシャカリキスポーツガシャットを二本目のガシャットスロットにセットしてレバーを開く。

 

 

 

レベルアップ! マイティジャンプ!マイティキック! マーイティアクショーンX!アガッチャ!シャカリキ!メチャコギ!ホット ホット!シャカ!シャカ!コギ!コギ!シャカリキスポーツ!

 

 

仮面ライダーゲンムプロトスポーツアクションゲーマーLv0に変身した。

ゲンムは、『トリックフライホイール』を持ちソルティ伯爵に投げつける。ソルティ伯爵は、ガードしようと試みるが体を削られるように攻撃を受ける。

 

スピードが上乗せされたゲンムの動きにソルティ伯爵はついていけずに、ダメージがどんどん増えていく。

ゲンムは、プロトシャカリキスポーツガシャットを『キメワザスロット』にセットする。

 

 

キメワザ!

 

 

ボタンを押して、必殺技を発動させる。

 

 

シャカリキ!クリティカルストライク!

 

 

エネルギーがたまったトリックフライホイールを投げつけて、何度もぶつけるソルティ伯爵を切断すると同時に撃破する。

 

ソルティ伯爵だったものは、炭化したものに変わっていた。

 

 

 

「……やはり、ただのバグスターウイルスではなかったか。」

 

 

ゲンムは変身を解かずに、直ぐにその場から去っていった。



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7話 覚醒の鼓動

遅れてしまい…申し訳ありませんでした…


「………」

 

将平は、珍しく黙り込んでいた。実はバグスターノイズと戦っていたあの時…ツヴァイウィングのライブが行われていたのだが、ノイズによる悲劇が起こったのだ。

あの事件で大多数の人間が死亡し、生き残った者達は“人殺し”だなんだのと呼ばれるようになってしまったのだ。

外へ出るたびに見かける…自称“正義の味方”の粛清と言う名の暴行…。

 

「……なんで、ああいう連中が生まれるんだ。」

 

俺の中に、“憎悪”の感情が沸き出す。俺はライブに行ってないが故に知らないが…あんな連中は見てるだけで吐き気がしてくるのだ。

だが……こうは言っても、自分には何も出来ない。黎斗が憑依してくれなければゲンムに変身することさえままならない。俺と黎斗のコンテニュー機能は共有しているので、変身できなければ、ライフを無駄に削るだけしか出来なくなるしそんな事はしたくない。

 

 

『将平。君がそんな事を思う立場でも意見を言える存在でもないことは知っておくといい。』

 

 

「!…んなことは分かってるんだよ!」

 

 

知ってるよ…!自分がそんな事言える立場じゃないことぐらい。

俺だってそんな現状を無視してる傍観者なんだから……

 

 

『……これから私は新たなガシャットの制作を行う。暫くは表に出ることは出来なくなるが…構わないな。』

 

 

それだけ言うと、黎斗はゲーム機に入ってしまった。将平が変身できなくなる条件は先程言った通りだが…その原因は、調子に乗らせないと憑依してくれなくなる。

 

 

「……何か気持ち悪ぃ。」

 

俺は妙な気持ち悪さを覚えたので、気晴らしに散歩に出ることにした。

家の庭には、仮面ライダーレーザーLv2モドキのバイクがある。何か売ってたから買ったのだ。

 

俺はこのバイクに乗って散歩と言う名のドライブに出掛けることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おねえちゃん…怖い…」

 

「大丈夫、だから泣かないで…」

 

 

立花響…彼女はリディアン音楽院に通う女子高生。彼女は、風鳴翼のCDの発売日を忘れていたので慌てていたのだが、買いに行く途中で炭化した物体を発見。

それが、ノイズの仕業だと理解するのにそう時間は掛からなかった。

逃げてる途中で、彼女は母親とはぐれている女の子を発見したのだ。

 

 

 

だが、響にも分かっている筈だ。このままでは二人ともノイズに襲われて死んでしまう。

響は女の子と一緒に逃げ続ける……が、もうすぐ其処までノイズが迫っていた。

 

 

「おねえちゃん…わたしたち、死んじゃうの?」

 

「大丈夫だから!お願い…」

 

 

女の子はもう諦めている。だが、響は諦めていない。彼女はあのライブの被害者だ。

酷い迫害を受け、バッシングを受けた。だがそれでも、彼女の胸の中に秘められている言葉…

 

 

「生きるのを諦めないで!」

 

 

この言葉が彼女を支えてきた。ならば、彼女のやることは一つ…!

 

 

Balwisyall Nescll gungnir tron…

 

 

歌。この歌が、彼女に力を与えた。彼女が光に包まれると、その姿はナニカを武装した姿となる。

だがその間にもノイズが迫っていた。ノイズが当たる直前…響の拳がノイズに直撃する。その瞬間、ノイズが逆に炭化した。

 

 

「……えっ」

 

彼女は今、ただの非力な少女ではない。天羽奏がかつて纏っていたシンフォギア…ガングニールを纏っていたのだから。



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8話 将平は傍観者

人類をノイズの脅威から守るため、日々戦い続ける組織がいた。

その名は二課と呼ばれる者達のことである。

 

そんな彼らの司令塔は、『風鳴弦十朗』と言う大人…いえ、OTONAである。

こいつ人間かよと思ってしまうほど強く、生まれた世界を間違えてるとまで思われている(尚、それは我々の考え)。

 

「高出力のエネルギーを検知!」

 

「波形を照合!急いで!」

 

オペレーター達が大慌てでエネルギーの照合を急ぐ。

 

 

「…まさかこれって、アヴフヴァッヘン波形!?」

 

その言葉に誰もが驚きを隠せない。だが、次の画面に表示された《GUNGNIR》と言う言葉に最も反応したのは……

 

「ガングニールだとぉ!」

 

「!」

 

ヅヴァイウィングの風鳴翼であった。そしてガングニールとは、天羽奏の所持していた聖遺物…。

翼は黙ったまま外に飛び出していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バイクで散歩している途中で…原作主人公である立花響の覚醒シーンに遭遇してしまった。

だが、だからどうしたと言うんだ?俺がいなくてもこの物語は進む。だから俺は傍観するつもりだったのに……

 

「何でこっちに向かってくるんだ~!」

 

だがそんな事を言ってもノイズは答えてくれない。そりゃあ、こいつらには人類を炭素化させることしか頭にないからね。

一応このバイクはスピードが出るから逃げきれるけど…そんな事を考えていると、回りには誰もいない。

 

「逃げきれたか…?」

 

だがそう思ったのもつかの間、こっちが油断した瞬間にノイズが襲いかかってきたのだ。

俺はその事に驚いたが、俺はガシャコンスパローを取り出してプロトギリギリチャンバラガシャットをセットする。

 

 

キメワザ!

 

 

その音声がなると同時に、ガシャコンスパロー・弓モードから矢を模したエネルギー弾を周囲に発射。

攻撃してきたノイズをカウンターの要領で倒すが、こっちも攻撃が当たり炭素化する。

 

「フッ!」89→88

 

残りライフが88となったが、まだ余裕がある。ゲンムに変身してもしなくても変わらないが…ノイズにはこっちの攻撃がカウンターでしか通らない。

だがそんな事をしてれば、命が幾つあっても足りない。

 

「(あのバカ神めぇ…!)」

 

今すぐにでもこの状況をあいつのせいにしたいくらいである。

だがそんな事を言ってる暇はない。俺はいつの間にか、ノイズのいない場所にコンテニューしていた。

良く見れば……風鳴翼がノイズを薙ぎ倒しているではないか。

 

 

「(確かあの後…立花響は連行されてしまうんだよな…)」

 

そして案の定連行された立花響を見届けた後、将平はバイクに乗って家に帰ることにした。

 

「何か今日は色々疲れた……。」

 

家に帰っても居るのは……あのバカ神であるが。将平は憂鬱な気持ちになるが、それでも気持ちを整えて帰っていった。



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9話 神、荒れるってよ

気がついたらお気に入り175だと言うことにビックリしました。
更新がアホみたいに遅くてすいませんでした!


「……いや、何やってんの?」

 

『邪魔をしないでくれ!今、正基版シャカリキスポーツガシャットを開発中なんだ!』

 

家に帰ると、檀黎斗が開発画面に食い入るようにシャカリキスポーツガシャットを開発していた。

俺は邪魔をしないようにコンビニで買ってきた弁当を食べる。自炊は若干面倒臭いからしょうがないんだけどもね。

 

『駄目だぁぁぁぁ!!全くデータが足りていないぃ!』

 

どうやら、データが足りなくてシャカリキスポーツガシャットが完成しないらしい。

だけどこいつ、前にドレミファビートガシャットのプロトタイプを開発するとか言ってなかったけ?あれどうなったんだ?

 

『ドレミファビートに関してはもう既に完成している!だからこそ、今はこっちに集中がしたい!』

 

俺は机を見てみると、プロトドレミファビートガシャットが置いてあった。

それを拾い上げて、俺はポケットに仕舞う。

 

檀黎斗は、俺の体を使わなければ変身が出来ない。肉体がバグスターのままなので…自身の肉体データが人間にならなければ自分自身で変身できないのだ。なんか、「バグスターでも使えるようにゲーマドライバーを改良する」とか変な事を言ってはいたけど。

 

 

『将平!』

 

「嫌だよ。」

 

この神、俺が寝てる時でさえも憑依っつうか、俺の体を乗っ取ろうとする時あるから油断ならねぇんだよな…。

てかまず、こいつのせいで何回も寝不足になったこともあるし。

 

『わたしは早くこのガシャットを完成させたいんだぁーーー!!』

 

「うるせぇ!今日はバイトだから駄目だ!」

 

しかしそんな事はお構いなしに俺の体に入っていった。だが、寝不足なのか疲れからなのか表に出ることはなかった。

 

「……眠ったのか。いやまあ、別に有りがたいから良いけどもね。」

 

俺はバイクに乗り、バイト先である「ふらわー」まで向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンフォギアを纏った事で連行されていった響。何と、連れていかれた場所は彼女の通うリディアンであった。

更にそこの地下には、特異災害であるノイズに対抗する為の組織、通称“二課”があると言う事実。

 

「響君。無理にとは言わないが、どうか俺達と戦ってほしい。」

 

「あの…私、難しいことは良く分からないんですけど、分かりました!」

 

そしてそれをあっさり承諾した。彼女にはこれから、苦難が待っているだろうが、それは誰にも分からない。

 

 

 

 

 

 

 

一方、バイトに向かっていた将平は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何でよりにもよってノイズが出るんだぁー!!」

 

『ブゥワハハハー!ヴェアハハ!戦闘データの回収を、開始するぅ!』

 

「やめろー!マジでバイト遅刻するからぁー!」

 

……ちょっとカオスな事になっていた。



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10話 銀髪少女と出会う

「あ“あ”~!超眠い!」

 

将平は疲れきっていた…主に神のせいで。俺の体に憑依して行動することもざらにあるので、俺が知らない間に使ってました…何て事が良くある。

そして俺はお腹が空いたので夜ご飯をどっかのファミレスで食べようと探していると……

 

「……」

 

「……あの、なにやってるの?」

 

銀髪の女の子と出会った。外に女の子一人でいたら普通に不味くない?

 

「私の事なんかほっとけよ。」

 

その子はそう言って去ろうとするけどお腹は正直なようだ。慌ててお腹を押さえつけてこちらを睨み付けてくる少女に俺は……

 

「ねぇ、そんなにお腹空いてるなら奢るよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在ファミレス…女の子の名前は、雪音クリスちゃんって言うらしい。

その子に奢ったら今月分の給料が消し飛びました!(泣)

自分の注文したケチャップチャーハンを食べていると、クリスちゃんが話し掛けてきた。

 

「…なぁ、あんた…」

 

「ん?」

 

「何で私に飯を奢ってくれたんだ?普通、知らない奴に飯は奢らないだろ?」

 

何で…か。そうだねぇ……理由と言う物は無いけど、作るとすれば……

 

「女の子にご飯を奢る男って何かかっこ良くない?」

 

「……意味わかんねぇ。」

 

あれ~?もしかして不発かな?やっぱり無理にかっこつけたらナルシストになるだけじゃん……控えよ。

 

 

「でもありがとな。」

 

「今月分の給料消し飛んだけどね。」

 

「奢ったのはお前だろ!」

 

なんだかんだ言いながらも二人はファミレスで夜ご飯を食べた後、直ぐに別れることになった。

 

「じゃあな。私はやることがあるからさ。」

 

「クリスちゃん…次はちゃんと栄養とってな?」

 

「お前は私に何を言いたいんだよ…。まあ、いいや。」

 

そう言うとクリスちゃんは何処かに言ってしまった。だけど、何だかその背中を見ていると少し寂しさを感じずにはいられなかった。

 

 

 

 

「ただいま~『ヴェハハハハ!遂に完成した~!』うおっ!?ビックリした…って、神か。」

 

『遂にぃ!正規版のシャカリキスポーツガシャットが完成したんだーー!』

 

そう言いながら見せびらかす神。だけどこれでLv3の形態になることが可能と言うわけか。

まあノイズには効かないがな!

 

 

『ブゥワハハ!ヴェーハハハ!』

 

「うるせぇんだよ!」

 

 

どうせならクリスちゃんと同居した方が絶対に楽だな……と、神を見ながらため息を吐いた。

だが、将平が雪音クリスと出会うのもわりと直ぐの話であった。

 

『行くぞ将平!最近、二課とやらに新しく入ったシンフォギアの装者が現れたと言う情報を手に入れたぁ!もしかすればゲキトツロボッツのデータが取れるかもしれないからなぁ!』

 

「(こいつそう言う情報を何処から仕入れてくるんだ…?てか、まずこいつってネットワークとかに侵入できるのか?)」

 

神のことはあまり分からない。と言うか、理解しがたいような男である。

こいつの事を良く分かってるのは、監察医である九条貴理矢本人だけだろう。

俺はそんな事を考えながら、神の指示の元にバイクを走らせた。



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11話 ネフシュタンの鎧

投稿頻度が変えられなくて困ってます。失踪したと思われたくないなぁ…。


バイクで移動していく中、将平はあることを体の中にいる黎斗に質問した。

 

「そう言えば…神ってどうしてデータ体になってガシャットの中にいたんだ?」

 

『九条貴利矢との戦いに敗れ、気がついたらその転生特典として選ばれたわたしのガシャットの中にデータ体として入っていた。』

 

成る程……自分の謎が晴れた。て言うか神って貴理矢さんに負けたんだな。

……良く勝てたなこのゲンム()に。

 

『さて…そろそろつく。ゲーマドライバーを巻いておけ。』

 

「……はいはい。」

 

将平がゲーマドライバーを腰に巻くと黎斗が憑依し、ガシャットを取り出して起動する。

 

マイティアクションX!

 

「……変身。」

 

レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム?アイム ア 仮面ライダー

 

ずんぐりむっくりな体型で二頭身。そんなゆるキャラのような見た目をしている仮面ライダーゲンムLv1。今回の目的もデータ収集なので、こちらの姿の方が妥当であると判断しての結果だ。

 

「さぁ、データを回収しようか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立花響が二課に所属して1ヶ月がたった頃、やはりと言うか…風鳴翼との相性は良くなかった。戦いの経験の差と言うものもあるのだろうが…それ以前に、何だかギスギスしている感じがしている。

実際、翼は響と戦おうとしていたのだ。

 

 

一ヶ月前……

 

「あなたと私…戦いましょうか…。」

 

翼がそんな事を響に向かって言った。その様子を見ていた玄十郎と了子。

 

「何をやってるんだアイツらは!?」

 

「青春真っ盛りって感じね!」

 

その言葉を聞いた玄十郎は急いでエレベーターへと向かって走り出した。

 

「指令、どちらへ?」

 

「誰かがあの馬鹿者共を止めなきゃいかんだろうよ!」

 

 

「こっちも青春してるなぁ。でも確かに気になる子よねぇ、放っておけないタイプかも。」

 

了子は、エレベーターに乗り込んだ玄十郎を尻目にモニターに映る響を見ていた。

 

 

 

 

そして対峙している響と翼……

 

 

「あの…そう言う意味じゃありません!翼さんと力を合わせ…」

 

「分かってるわ、そんな事。」

 

「だったら何故…」

 

理由なんて簡単だ。風鳴翼自身が、響を…今のガングニール装者を認めないからだ。

 

「私はあなたを受け入れられない。力を合わせ、あなたと共に戦う事など、風鳴翼は許せる筈がない。あなたもアームドギアを構えなさい。それは常在戦場の意思の体現。あなたは、何者をも貫き通す無双の一振り、ガングニールのシンフォギアを纏うのであれば。胸の覚悟を構えてごらんなさい!」

 

「か…覚悟とか、そんな…私、アームドギアなんて分かりません…分かってないのに構えろなんて、それこそ全然分かりません!」

 

響のアームドギアは腕にあるのだが…それを知るのはまだ早い。翼は、遊び半分で戦場に立つ響の事が許せないのだ。

その後、玄十郎が二人を止めたが…響が天羽奏の代わりに戦うなどと言った途端、翼に平手打ちされてしまった。その翼は…泣いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、ブドウ型ノイズを倒している最中、駅の地下へと逃げていった。それを追いかける響だが、爆弾で上に穴を空けて逃げようとしたノイズだが…しかしそこに一閃の光が。

 

「流れ星…?」

 

いや、違う。風鳴翼は蒼ノ一閃を使ってノイズを切り裂いた。爆弾と共に炭化するノイズ。

 

「私だって守りたいものがあるんです!だから!」

 

着陸した翼に響はそう言う。翼が響の目を見つめている。その時…

 

「だからぁ?んでどうすんだよ?」

 

乱暴な口調の少女が暗闇から現れた。白い鎧に緑のバイザー、ピンク色の鞭を持った銀髪少女が現れた。満月の光がその姿を露にすると、翼の口から声が漏れる。

 

 

「ネフシュタンの…鎧…!」

 

 

 

 



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12話 BANの正体は誰なのか

夜を駆けるのは、ずんぐりむっくりの体型をしたゆるキャラみたいなへんちくりん。

仮面ライダーゲンムLv1は、チャリンコに乗って移動している。バイクは何処行った?…なんて言うのはこの際置いておこう。

ベルトには、二本のガシャットが刺さっており操作すればいつでもレベルアップが可能になる。

 

「三人のシンフォギア装者……ガシャットのデータ集めになれば良いのだが…。」

 

『時々冷静になるの気持ち悪いんですが……』

 

精神体となっている将平のツッコミを無視して壇黎斗が向かうのは、三人のシンフォギア装者が戦う会場である。

 

「……グレート3…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然の乱入者……銀髪少女はネフシュタンの鎧を纏って、翼と響の前に現れた。

あのライブの事件の日に奪われたネフシュタンの鎧を何故纏っているのか…だが、今はそんな事はどうでも良い。

全て、あの少女から聞けば良いのだから…

 

翼は駆け出していき剣を振るう。少女は鞭を振るってさばく。

攻防一戦…その状態が続いていた。

 

「ハァ!」

 

「どうした!その程度かよ!」

 

鞭と剣…どう考えても相性が悪い。だが、幾多の戦場を戦い抜いてきた翼に取っては問題なんてものはない。

だが問題は響だ。響はまだこの戦いの中に入ったばかりで戦いなれていないのだ。

 

「お前を連れてこいって言われてんだ!だから大人しくしとけ!」

 

しかし銀髪少女の狙いは響本人だ。翼はネフシュタンの鎧をどう手に入れたのか…それを聞き出す。

そして響は、戦いをやめさせるために対話を望んでいる。しかし三人は驚愕することになる。何故なら、全員が予想だにしていない乱入者が現れたからだ。

 

「え…誰、ですか…?」

 

「ゲンム…!」

 

「あ?何だよそいつ。」

 

まるでその姿は三輪車を上半身に着込んだような姿をしており、頭にはヘルメットを被っている。端から見ればおかしな格好である。

仮面ライダーゲンムLv3が、この場に参上したのだ。

 

「お前達の戦闘データを…取らせて貰おう。」

 

そう言うゲンムは素早いスピードで少女の元へと一気に駆ける。しかしそこは流石と言うべきか…鞭でさばききられる。

しかし動きは読まれても攻撃までは読まれていない。

 

「ハァッ!」

 

ゲンムがトリックフライホイールを両肩から取り外して少女に向かって投げる。縦横無尽に空中を舞うように攻撃する車輪にムカついてきたのか、鞭を振り回してそれを全て落とした。

 

「何っ!?…ぐっ!」

 

が、ここで更に邪魔が入る。翼が鬼の形相でゲンムに斬り掛かってきたのだ。

 

「ゲンムゥゥゥゥ!!」

 

その気迫に将平は圧倒されるがゲンムは屈しない。シャカリキスポーツガシャットを、バグヴァイザーへとセットする。

 

ガッシャット!キメワザ!

 

シャカリキ!クリティカルストライク!

 

ゲンムが必殺技を発動させる。チェーンソーモードのバグヴァイザーを構えて翼に突撃、翼も蒼の一閃で迎え撃とうとした次の瞬間……それは遮られた。

ゲンムの背後から攻撃を放たれたからだ。後ろを振り返ると其処には……

 

「スナイプ!」

 

「おい、クリス。さっさとずらかれってよ。」

 

『クリス…?』

 

「うるせぇ!お前に言われなくても分かってんだよ!」

 

クリスと呼ばれた少女は大量のノイズを召喚してスナイプと共に退散。これ以上とどまっていても仕方がないので、ノイズの殲滅はシンフォギア装者に任せて早々に退散した。

 

「待て!ゲンム!」

 

翼の怒りが混じった声を無視して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(あのスナイプは花家大我…いやだが何処か違うな。…まてよ、もしやと思うが将平と同じ転生者か?一度帰って調べる必要が有りそうだ…。)」

 

黎斗もあのスナイプに違和感を覚えたのか将平の呼び掛けには応じず、ゲンムの姿のまま家へと帰っていった。

因みに気づいたのは、家に入った直後であった。



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13話 スナイプの正体と訪問者

「邪魔するな!もう少しで…!」

 

「落ち着けって。そもそも、あそこにゲンムも居たんだし…下手したら消えちゃうぜ?」

 

「糞っ!」

 

「取り敢えず、フィーネの元に帰るぞ。」

 

「お前に言われなくても歩くに決まってるだろ!」

 

ネフシュタンの鎧を纏っていた少女、雪音クリスは苛立ちを隠せなかった。もう少しのところでスナイプに邪魔されてしまったからだ。

クリスが後ろを振り向いて帰っていくのを見ながら変身を解くと、その姿は黒髪でイケメンの青年であった。

 

「はぁ~…しょうがないなぁ、クリスさんは。」

 

スナイプはそう呟きながらゲンムの事について考えを巡らせていた。あの場に現れた仮面ライダーゲンム…あれが、自分と同じ転生者なのは間違いはない筈だ。

実力は知らないが、居られると邪魔になるのは間違いないと…心の中で解釈していく。

 

「(見たところ、風鳴翼との相性は悪いし…二課との接触も無さそうだ。

しっかし、あの状態だとレベル3は確定で持ってるな。)」

 

自分の転生特典は仮面ライダースナイプの力。使えるレベルの形態は、1~3のみ。

50は使えないが、もし使えるようになったのなら…

 

「(今は考えても仕方ねぇし、次にあった時には戦ってみますか…。)」

 

青年…影射 勇史はクリスの後を追いかけていった。だが、スナイプの転生者が現れた時に…ゲンム側の方も荒れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『何故だぁぁぁぁぁ!私のバンバンシューティングとジェットコンバットの正規ガシャットが見つからないぃぃ!』

 

そう、黎斗が所持している筈の正規版変身ガシャットが見つからないのだ。将平は、あのスナイプが原因では無いかと考えているが……どうやらそれは黎斗も同じ考えだったらしい。

 

「スナイプも転生者だったらさ、多分だけどスナイプ関連のガシャットもアイツが所持してる可能性あるでしょ。」

 

『わたしのガシャットを無断で使用するなど断じて許さぁぁん!』

 

黎斗が今までに無いくらい荒れている。まぁ、自分の所有物を勝手に使われてるんだもんな…そりゃキレるわ。

……まぁ、それ言ったら自分は許可取ってるとは言えども、勝手に使おうとしてたくらいだからなぁ。

 

「落ち着いて……って言っても無理か。」

 

黎斗に俺の言葉はもう聞こえていない。自分のゲーム機(住み家)へと入っていく。

俺の体に入るかどうかは黎斗自身が決めることなので、俺が一々口出しすることではない。

 

「(俺も眠いし…さっさと寝ようかな…。)」

 

そう思い立った束の間…玄関からチャイム音がなった。こんな時間に誰だと思い、扉を開けると…そこに筋骨粒々の赤い髪のおっさんが立っていた。

 

「こんな夜分遅くに済まない。君に聞きたいことがあるんだ。」

 

「…何ですか?」

 

「我々と一緒に来てくれないだろうか。」

 

…このおっさんは何を言ってるんだ?新手のスカウト?それとも詐欺?

何かめっちゃ怖いんだけど…。

 

「えっと…もう夜遅いですし、その話は…」

 

「あぁ、直ぐに我々は去ろう。明日の朝…君に迎えを出す。」

 

それだけ言ってさっさと帰ってしまった。一体何なんだと…そう思ったが、もう眠気の方が勝ってきたので寝ることにした。

今回は神の大声で邪魔されること無く、ぐっすりと眠ることが出来た。

 

 



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14話 墓穴掘り

他の作品を投稿してたら3ヶ月経ちました。これ、完結まで行けるのか心配です。


黒い車に乗って何処かへと向かう。赤い髪の男性が本当に来て、付いてきて欲しいと言われた。

そうしたら何故か手錠が嵌められてしまい、大人しく連行されております。

 

「(何で!?怖いんだけど!)」

 

ここで暴れるのはよろしくない。神…黎斗が付いてきてくれているので安心と言えば安心なのかもしれない。付いたら付いたで暴れるかも知れない。

支配力は黎斗の方が強くて精神を交換すると、俺が願わないと交換してくれない。

 

『わたしが付いていっても…将平が無事かどうかは分からない。いざとなったら、粒子になって…』

 

「(それが出来るのは神だけだろ!俺は人間だから出来ないんだよ!)」

 

正確にはバグスターウイルスに感染した人間なんだけども。しかし、感染してるからどうした?って感じになるのは否めない。

それにこの世界にはシンフォギアがある。ノイズに対してはそれで対抗できる筈なのだ。

 

「(……ん?そう言えばあの赤い髪のおっさん、どっかで見かけた気がするんだよな…。)」

 

あの時は眠たくってそっちに気を回してなかった。でも、今考えてみると見かけた気がする…のだが、どうにも思い出せない。

考え事をしていると車の速度が落ちた。目の前にあったのは……

 

「(……聞いてない!)」

 

そう、ここはリディアン。地下にはこの世界の人類をノイズから守る為の組織が存在している。

そして赤い髪の男性は……

 

「(嘘だろ!?もしかして何処かで見られてたとか!?)」

 

あの男性が誰なのかようやく分かるも時既に遅し。リディアンの手前まで連行されてしまってはもう逃げ出せない。

大人しく連れていかれること10分間…いや、もう時間は取り敢えずどうでも良い。

 

「(これ、原作に関わること確定やん…。)」

 

終わった…。俺の人生はとっくに終わってるけど二度目の人生が終わったのだ。

後で辞世の句を考えようかな…?…いや、待てよ?もしかしたらこれは夢かも知れない。

そうか、これは夢なんだな!早く覚めろ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

【悲報】夢じゃなかった。ふざけんなよマジでよ…!目の前にはどう考えても二課の職員達が居ますね。

逃げたいです!今すぐ逃げ出したいです!しかし忍者が居るのでそんな事は出来ません。

お前これで人類の為に戦ってくれとか言われたら命を削りながら戦う必要がありますね、マジで何?

 

「君には聞きたいことがある。良いかな?」

 

「は、はい…」

 

「君は、謎の仮面の戦士について知っているか?」

 

思ってたんと違った。聞いてきたことがまさかのゲンムについてだった。

でもこれなら…

 

「あぁ…あの紫色の奴の事ですよね?僕も良く分からなくて…」

 

「いや、俺が言ってるのはガンマンのような戦士の事を言っているんだが…」

 

……墓穴掘りました。自分の中で神が頭を抱えて呆れたかのようなポーズを取っていた。



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