ナランチャの奇妙な青春 (アッシュクフォルダー)
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本編
第五部 第一話 新たなる希望の物語


イタリアのとある都市、ネアポリス

 

(ネアポリスを見て死ね)

 

と言われるほど、美しい観光地である。

 

そこにある建物に金髪の少年が入っていった。

その少年は、建物内の階段を登っていった。

 

少年がドアを開ける。すると…

 

「おはようございます。ジョジョ」

 

その金髪の少年を取り囲んでいる

黒いスーツを着た人たち(二人除く)は、

その声とともに一斉に礼をする。

その部屋には、大きい椅子がある。

まるで偉い人が座るような椅子だ。

 

 

「おはよう。みんな。」

 

その少年がそういったあと、全員が頭を上げた。

 

彼の名前は「ジョジョ」こと「ジョルノ・ジョバァーナ」。

 

今年の春から、

中学三年生になるが、ほとんど学校には行ったことない。

 

彼はかつての仲間、ブローノ・ブチャラティたちとともに

組織のボス、ディアボロを倒し、新たなボスとなったのだ。

 

 

ジョルノが椅子に向かっていると、

二人の男がジョルノに近づいてくる。

 

 

「よぉ、ジョルノ」

 

「ジョルノ!」

 

「ああ、ミスタ、ナランチャ

おはようございます」

 

 

彼らの名は、グイード・ミスタ、

ナランチャ・ギルガ

 

ブチャラティたちとディアボロと戦い

最終的にブチャラティのチームの中

で生き残った人物である。

 

 

 

 

 

「おいおいジョルノ、

お前は組織のボスなんだぜ?

頂点に立ってるんだぜ?」

 

 

 

「そんな、ジョルノが2番手の

俺に礼をするなんて、おかしいだろ?」

 

 

 

ミスタとナランチャが、

ジョルノに言ったら、それに応じた

 

 

 

「ああ、すいませんミスタ ナランチャ

あくまでも、あなた達が歳上なので」

 

 

 

ジョルノがミスタとナランチャに謝った。

 

「いいんだよ、いいんだよ、

そんなことより、ナランチャ

お前スゲーよ! 高校に、合格したってな!」

 

「あぁ!夜間定時制の高校に、

行くことになったんだぜ?」

 

「よかったですね、ナランチャ」

 

「それで、ジョルノは、どうするんだ?」

 

「僕も、ギャングのボスとはいえ、

学問作りをしないと、いけませんので、

僕も、公立の中学に転校しますよ」

 

「マジかよ? でもさー

これから、どうしていくつもり?」

 

「まぁ、それも、意外と、ありかもな?」

 

「それでは、4月に新学期が始まりますので、

それまでに、準備をしておきましょう」

 

 

 

「準備って、ジョルノが中学に行くのと、

ナランチャが高校に行く、準備か?」

 

「えぇ、そうですね」

 

「あー明日から、学校生活が始まるんだな…ダルイ…」

 

「おいおい、ナランチャ、

学校に行きたい行きたいって言ってた、

お前が、今更、何言っているんだ?」

 

「だよな…よーし!頑張るか!」

 

「あっ、ナランチャに、お願いがあるんですけど?」

 

「なに?どした?」

 

「ナランチャには、ラビットハウスで、

アルバイトするのは、

どうですか?夜間定時制高校なんで、

お昼は、暇になるので、

そこで、アルバイトをするのは、どうでしょうか?」

 

「アルバイトか…いいかもな!」

 

「では、決まりですね」

 

こうして、ナランチャは、ラビットハウスで、

アルバイトをするのだった。

 

 

 



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第五部 第二話 ナランチャ ココアに出会う

ナランチャ・ギルガは、

木組みの街にやって来た。

 

「ここが、木組みの街か…

えっと、ラビットハウスは、

地図だと、この辺だけどなー

地図、読めねーから、よくわかんねーしな…」

 

案の定、ナランチャは、

ラビットハウスに辿り着いた。

 

「ここが、ラビットハウスか」

 

ナランチャは、早速、中に入った

 

「あの!今日から、ここで、働くことになった、

ナランチャ・ギルガです!よろしくお願いします!」

 

と、お辞儀した。

 

「えっと…」

 

そこに、小さな女の子が、やって来た。

 

「貴方が、ナランチャさんですか?

父さんから聞いています、私はチノです」

 

「ココアだよ~よろしくね!ナランチャくんっ!」

 

「リゼだ、よろしくな!」

 

「よろしくお願いします!

それで、俺は何をしたら、いいんだ?」

 

「そうだな…じゃあ、まずは、仕事の体験を二日間しておく、

いわば、研修みたいな感じだ」

 

「よーし!覚えることが、たくさんあるけど、

頑張るぞー!」

 

「じゃあ、私が教えるね」

 

「ココアさんでは、頼りになりません」

 

「チノちゃん、ひどーい!」

 

「まぁ、とにかく、まずは、制服だな、

腰にかけるエプロンを探しに行かないとな!」

 

「そこからか…」

 

「白いエプロンがあったはず!

ちょっと、取って来るね!」

 

と、ココアが、ナランチャの為に、

白いエプロンを取りに行くのだった。

 

「あったよ!ナランチャくん!」

 

「ありがとう!ココア!」

 

ナランチャは自分の腰に、

白いエプロンを巻くのだった。

 

「よーし!頑張るぞー!」

 

 

しかし、物覚えが悪いためか、

全く、覚えられなかった。

 

「あーやべー全然覚えられねー」

 

「大丈夫、ナランチャくん?」

 

「そのな、数字、値段が、覚えられなくて、

計算できねーんだよ。俺、頭悪いし…」

 

「計算や数学なら、任せて!」

 

「ホントか!?教えてくれるのか!?」

 

「うん!私が教えてあげるね!

コーヒーの値段から、計算のやり方とか!」

 

「おぉー!ありがとう!ココア!」

 

ココアはナランチャに、計算問題や、

コーヒーの値段を覚えてもらうように、

色々と工夫するのだった。

 

「この問題は、こんな感じに解くんだよ!」

 

「おぉ!ありがとう!ココア!

おかげで、覚えられそうだよ!」

 

「どういたしまして!

計算や数学、得意だから、わからない所があったら、

聞いてね!」

 

「うん!ありがとう!ココア!」

 

 

こうして、その日から、ナランチャは、

ココアから、計算問題や、数学を教わるのだった。

 

しかし、ココアは全日制の女子校

ナランチャは、夜間定時制の共学校の為、

 

なかなか、時間帯が、合わないのだった…

 

休みの日には、二人は、必ず会っているようだ。

 

その日に、数学の勉強をする事が多いのだった。

 

 

 



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第五部 第三話 ナランチャとココア

ナランチャは、今日も勉強を始めるのだった。

最近は、特に数学や理系の勉強をする事が多い、

ココアがいてくれるからだろうか?

 

「よーし、勉強始めるぞ!」

 

「私も宿題しようかな、分からなかったら聞いてね!

ナランチャくん」

 

「おう!ありがとうな!!」

 

「えっへん!」

 

ナランチャの元気な姿にココアのモチベーションは上がっていく。

いつ質問してくるかなと、

足をぶらぶらさせて待っていたが、一向に質問してこない、

ナランチャにココアは書きこんでいるノートを、

チラ見して五行目辺りを指さした。

 

「あーまたナランチャくん間違えてる」

 

「ぇえ!?」

 

「ほらここ、先に掛け算してから次足し算するんだよ」

 

「さっき教えてもらったところじゃあないか」

 

髪をかきあげて悔しがるナランチャに、

ココアは優しく声を掛ける。

 

「もう一回解いてみよ?」

 

「次は正解すっぞ!」

 

「フレッフレッ!ナランチャくん!!」

 

「おっしゃー!力湧き上がってきたぞおおお」

 

ナランチャに勉強を教えるココアはナランチャ曰く、

天使のように優しく、

間違えてもフォークで手を刺されることは無いことから、

ナランチャはココアに勉強を教えて貰いたく時々頼んでいる。

 

「悪ぃなココアちゃん、学校終わりなのに」

 

「放課後暇だったし大丈夫だよ」

 

「お!そっか!!」

 

ラビットハウスの制服を着ているナランチャに、

ココアは女子校の制服を着ている。

ココアは着替えようと思ったけどナランチャくんを待たせてはいけない

と思い、ロングスカートの制服のまま教えている。

ナランチャはココアの制服姿が好きで、

学校がある日に来ているのは本人には内緒。

 

「あー!俺もココアちゃんみたく頭が良かったらいいのに!」

 

「ナランチャくんは運動神経いいでしょ、この前、

私がコーヒーこぼしちゃった

時なんかコーヒーカップ空中でキャッチしてたじゃない。」

 

「あれ、そうだっけか」

 

「うん!何だかお互いを補うって素敵ね~」

 

ココアは机に肘をついて両頬に手を添えた。

ナランチャはココアの言っていることが

理解できなかったのか、

指でペンを回しながら頭の上にハテナが付いていた。

 

「ふぁ、何だか眠くなってきた」

 

「ココアちゃん?」

 

「……」

 

ラビットハウスはコーヒーのいい匂いがするのでとても落ち着く居場所になっ

ている。ココアはいつの間にか寝てしまって、瞼を擦り目を覚ますと肩には

ブランケットが掛けられていた。

隣を見るとナランチャもぐっすり寝ていて、

自分に掛けられたブランケットをそっとナランチャに掛けた。

優しい眼差しでみるココアにナランチャは

熟睡して気づかなかった。

 



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第五部 第四話 チノ ジョルノに出会う

ジョルノが、ギャングのボスになってから、

数日が経った。

覚悟はしていたが、引き継ぎの作業をする毎日で、

疲労感があったので、カフェで、ゆっくりすることになった。

 

ジョルノは、ラビットハウスに来店して、

店内の席に座った。

 

「いらっしゃいませ…ご注文は?」

 

グラスを置いたのは、可愛らしい少女だった。

小学生くらいにしか、見えない少女だった。

 

「じゃあ、オススメのブレンドコーヒーで、頼むよ」

 

「え、あ、はい、かしこまりました…」

 

彼女は人見知りで大人しそうな、女の子だった。

お客様を相手に、接客するのは、大変だと、

ジョルノは、そう感じるのだった。

 

彼女がコーヒーを淹れる様子を、ボーッと、

ジョルノは、見ているのだった。

 

「お待たせしました、ブレンドコーヒーです…」

 

「ありがとう」

 

と、ジョルノは、チノの淹れた、コーヒーを飲むだった。

 

チノは、感じるのだった。

ジョルノの見た目に、心を奪われた。

 

ジョルノは、コーヒーを飲んだ後、

普通に店から出た。

 

それからというもの、ジョルノが来店してからは、

チノが、積極的に、ジョルノの相手をするようになった。

 

「いらっしゃいませ…ご注文は?」

 

「ブレンドコーヒーで、お願いします」

 

すると、複数の女の子達が、

ジョルノの前にやって来た。

 

(あ!ジョルノ!私と一緒にお茶しない?)

 

(えー?ジョルノは、あたしのモノなんだけど?)

 

(ちょっと!ちょっと!ジョルノは、私の!)

 

「キミたち、邪魔だよ、向こう行けよ、

僕は一人が好きなんだ」

 

(えーそうなの?じゃあねー!ジョルノ!)

 

(バイバーイ!ジョルノ!)

 

(チャーオ!ジョルノ!)

 

女の子達は、帰って行った…

この人の名前は、ジョルノと言う名前らしい。

チノは、思わず、ジョルノの名前を呼んでしまう。

 

「あの…ジョルノさん?」

 

「?どうしましたか?」

 

「あっ、あの!コーヒーもうすぐ、出来上がるので…」

 

「わかりました、待っておきますね」

 

会話が続かない…

 

「あっ、あの!私、チノって、言うんです!」

 

「チノって、言うんですね」

 

「は、はいっ!その…ジョルノさん!

また、来てください!待っていますので…!」

 

「えぇ、来ますよ、

ここは、ナランチャも、働いているので、

よく、来店しますよ」

 

「ナランチャさんを、知っているんですか?」

 

「えぇ、僕の友人です」

 

「そうだったんですね…」

 

「チノ…でしたっけ?

キミの淹れる、コーヒーは美味しいですよ」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

それからというものの、ジョルノは、

時折、週に三日位のペースで、

ラビットハウスに、来店するようになった。

 



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第五部 第五話 チノ ジョルノに恋をする

ラビットハウス、ここは、ジョルノに、

とって、落ち着く憩いの場所、

チノの淹れる、コーヒーを、

ジョルノは、週に三回くらいのペースで飲んでいた。

 

「ジョルノさん、こんにちは」

 

「やぁ、チノ、ブレンドコーヒーを一つ、

淹れてもらえませんか?」

 

「は、はい…わかりました…ごゆっくり…」

 

チノが、ジョルノからの注文の、ブレンドコーヒーを

作っていた、いつもより、時間がかかっている…

何かあったのか?と、思いつつ、

ジョルノの席には、ブレンドコーヒーと一通のお手紙が、

添えられていた。

 

「チノ…これは?」

 

「えっ、えっと…その…私…お手紙書いたんです…」

 

「わかりました、読んでおきますね」

 

ジョルノは、コーヒーを飲みながら、

チノが書いた、手紙を読むのだった。

 

そこには、こう書かれてあった…

 

(ジョルノさん、私はチノです。

もし、よかったら、私と一緒にお出かけしませんか?

私…ジョルノさんのことが、気になります)

 

「チノ…」

 

「!?」

 

「いいですよ、ただし、一週間後の日曜日でいいですか?

今週は、忙しいので」

 

「えっ?あっ、はい!ありがとうございます!

後…ジョルノさん…これを…」

 

「これは…ラテアート?」

 

「はい…」

 

ハートの形が描かれた、ラテアート、

シンプルな、ラテアートであった。

 

「期待してもいいんですよね」

 

「えっと…はいっ!」

 

ラビットハウスに初来店した時から、

チノは、ジョルノに、惚れていた。

いわば、一目惚れだ。

 

チノは、一瞬にして、心を奪われた、

その、黄金に輝く可憐な容姿に、

惹きつけられるようになったのだった。

 

「その…ジョルノさん!」

 

「どうしましたか?チノ?」

 

「私と付き合ってください!」

 

「!!」

 

「私は、ジョルノさんに惹かれたんです!

一目惚れしたんです!

まだまだ、わからない部分が、いっぱいありますけど…

でも、私は確信が持てるんです!

この人は、とても、いい人だと!

私は、そう感じたんです!」

 

と、チノは、ジョルノの前で、

そう、叫んだのだった…

 

 

「…」

 

「…」

 

「いいですよ、付き合っても」

 

「本当…ですか?」

 

「えぇ、チノ、僕も、キミのこと、知りたくなりましたので」

 

「ジョルノさん…」

 

「今からでは、何も出来ませんが…

でも、僕も確信が持てます、

この子は、いい子だと…」

 

「ありがとうございます…」

 

「じゃあ、次に来店した時、

僕のメルアドと電話番号が書かれた、

メモ用紙をチノにあげます」

 

「は、はい!よろしくお願いします!

ジョルノさんっ!」

 

「えぇ、これから、よろしく、チノ」

 

これは、まさしく、恋の始まりであった…



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第五部 第六話 ジョルノとチノ

「ジョルノさん、遅れてごめんなさい!」

 

チノは駆け足でジョルノの元に来て何度も頭を下げた。

 

「顔を上げて、チノ僕も今来たところだよ」

 

ジョルノは読んでいた本を閉じると、チノの肩に手を置いた。

チノは恐る恐る顔を上げると白いハンカチが額に当たった。

 

「汗すごいかいてる、わざわざ走って来てくれたんですか?」

 

「は、はい…ありがとうございます」

 

ジョルノはチノにハンカチを貸すと冷たい水まで買ってくれた。

つい先日、二人は散歩しながら、

お互いの近況を報告し合ったり、他愛のない会話をした。

その際にジョルノが最近読んでいる本が映画化した事を聞き、

チノは映画館に行きたいとのことで今日会うことになったのだ。

 

「楽しみです」

 

「僕もだよチノ」

 

繋がれた手を前後に動かして楽しさを身体で、

表現するチノを見てジョルノは笑みをこぼした。

自分の読んでいる本に興味を持ってくれたこと、チノから誘っ

てくれたことが嬉しくて実は一時間も前からチノのことを待っていた。

 

「ジョルノさんと映画観るの楽しみすぎて、ばっちり予習してきました」

 

「それネタバレになっちゃいませんか?」

 

「大丈夫です!ジョルノさんと一緒に観る映画は全て初めてなのですから」

 

「初めてか…ふふっ」

 

「何笑ってるんですか?」

 

「いえ、なんでもありません。さぁはじまるので中に入りましょう」

 

「秘密ですか?」

 

「ええ」

 

自論を出すチノにジョルノはクスクス笑うとチノから不思議な目で見られた。

映画のシートに座る時には丁度照明が暗くなる頃だった。大迫力の映像と音に

チノはビックリしてジョルノの腕にしがみついた

 

「怖いんですか?」

 

「ち、違います!触りたくなったのです」

 

「そうですか」

数秒後、爆発音でチノは怖がったがジョルノはスクリーンをみて笑っていた。

チノも真似しようと歯を見せて笑おうとしたが、

ぎこちない笑顔になって最悪なことに、

その姿をジョルノに見られた。

 

「(み、見られた!?)」

 

もう一度見てないことを願って、横を向くとばっちり目が合う。

 

「(終わった…嫌われたかも知れない)」

 

心の中で泣くチノにジョルノは予想外にも、

チノの手のひらにキスをした。

 

「っ!?」

 

「チノが可愛すぎて、つい」

 

画面の僅かな光に反射して、ジョルノの表情がほんの少しだけ見える。

チノは大音量流れるシーンで良かったと心底思った。

なぜなら、煩い心臓の鼓動の音がジョルノに聞こえそうだったから。

 

映画が終わり、ジョルノは、チノが少しだけ泣いていたので、

ハンカチを渡した。

 

「あ、ありがとうございます…ジョルノさん」

 

「どういたしまして、チノ、

大丈夫でしたか?」

 

「はい…」

 

「じゃあ、僕が、今日のお昼、奢りますよ?」

 

「ありがとうございます…」

 

「じゃあ、行きましょう」

 

こうして、ジョルノはチノにジェラードを、

奢るのだった。

 



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第五部 第七話 ナランチャの座学

ナランチャが、パッショーネの№2になってから、

数日が経った。

 

最初こそは、かなり、浮かれていたが、

次第に、ジョルノの次に次ぐ、№2であるもの、

バカだったら、ダメになるので、

夜間定時制の高校に入学することになった。

 

全日制だと、色々と都合が悪く、

到底、学力的に無理があったので、

ジョルノやミスタの、勧めもあってか、

夜間定時制の高校を選んだのだった。

 

毎日にように、日中に予定がある訳ではなく、

むしろ、暇だったので、

ラビットハウスでアルバイトをすることになった。

 

そして、ここで、ナランチャは、

ココアに出会うのだった。

 

頭をクルクル回転させながらも、

数学の問題を解いていた。

 

これは…小学五年生レベルの数学…

もとい、算数である。

それを、ココアと一緒に解いていた。

 

「あ!ナランチャくん!ここは、こう解くんだよ!

聞いているの?」

 

「ごめん!ごめん!どう、解くんだっけ?」

 

「もーう!」

 

ココアは、いつも明るく、優しい。

ココアは、物覚えの悪い俺に優しく接してくれるし、

励ましてくれる。

 

こういう、気の使えるところや、

勉強を教えてくれる時の説明の仕方などから、

ココアは、頭が良いと、ナランチャは、

そう感じるのだった。

 

「ここの、方式はね、

こうやって、解くんだよ!」

 

「おー!ココア!スゲー、本当に算数や数学が、

得意なんだよな…」

 

「それしか、得意じゃないから、

でも、算数や数学で、わからないところがあったら、

お姉ちゃんに、言ってね!」

 

「俺、ココアより、年上だけど…」

 

「そうなの?」

 

「俺、17歳だよ?」

 

「私は16歳だよ!でも、学年は同じ、

高校一年生だよね?」

 

「まぁ…それも、そうだな…」

 

一つ下のココアに、数学や算数を教えてもらうことは、

別に悪い気がしない、むしろ、良い気がする。

それでも、多少、情けないと、思う部分はあるけど、

でも、そうじゃなきゃ、ココアに、

こんな、感情を持つ事は無かった。

 

 

ココアは私学の女子校、

ナランチャは公立の夜間定時制の高校に、

通っており、

 

二人の通っている、学校の環境とカリキュラムは、

全く違うが、

 

それでも、時間が合えば、

ココアはナランチャに数学や算数、計算問題を教えているのだ。

 

「よーし!やる気出た!」

 

「うんっ!うんっ!頑張って!ナランチャくんっ!」

 

ナランチャは、小学五年生の算数問題を、

解いていくのでだった。

 

「よーし!できた!」

 

「じゃあ、私が、採点するね!」

 

ココアはナランチャが解いた、算数問題を、

採点するのであった。

 

「すごい!満点だよ!」

 

「よーし!絶好調だ!」

 

ナランチャは、満点の喜びを、

気持ちで表すのだった。



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第五部 第八話 アンジェリカ・アッタナシオ

ナランチャが、道を歩いていると、

麻薬に手を染めている、少女、

アンジェリカ・アッタナシオと出会った。

 

「こいつ…麻薬に手を染めているな…」

 

ナランチャは、一人の少女を無理やり連れて、

パッショーネの本部へと、連れていくのだった。

 

「なぁ、ジョルノ、この子、どうする?」

 

「この子…手や足、体の症状からして、

麻薬中毒者だぞ?」

 

「やっぱり…コイツ…何者なんだ?」

 

 

すると、ミスタが…

 

「おい、ジョルノ、ナランチャ、調べてきたぞ?」

 

「ありがとう、ミスタ」

 

「この子、パッショーネの元・麻薬チームの連中の女の子だ、

名前は…アンジェリカ・アッタナシオって、

言うんだぜ?」

 

「そうだったんですね…」

 

「それで、この子、どうするんだ?」

 

満足に、足で歩いたり、走ったりすることも出来ず、

麻薬からの脱却を、サポートしようとする、

考えを、ジョルノは、示すのだった。

 

「アイツの負の遺産の一人か…

むやみに、殺すわけにも、いかない…」

 

「じゃあ、この子…アンジェリカ?

って、子、しばらく、牢獄に閉じ込めておいて、

保護観察しておくか…」

 

「くっ、ブチャラティが、いてくれれば…」

 

「ブチャラティ、麻薬が嫌いで、

こーゆー感じの女の子、放っておくわけにも、

いかねーと思うけどな…」

 

すると、アンジェリカが、歌い出した。

 

その歌は、しゃれこうべの歌だった…

 

数秒後に、歌い終え、眠りに着いた…

 

「困りましたね、麻薬チームの一人だから、

何か、有益な情報を、言ってくれそうな、

気がするのですが…」

 

「…」

 

アンジェリカは、ジョルノを睨みつけた。

 

「この子…幼い頃から、麻薬に手を染めて、

人生を破滅に追い込んでいる、可哀そうな、女の子だ、

なんとかして、助けてあげなければ…」

 

「この子、笑ったら、絶対に、カワイイと思うけどなー

ココアやチノみたいに、友達を作ることも、

大切かもな―」

 

「ナランチャ、良いこと言いますね」

 

その言葉に、応じたのか、アンジェリカは、

笑いかけていた…

 

「…困りましたね」

 

「調べてみたら、この子、生まれつき、難病を抱えているらしいぜ?」

 

ジョルノは、困っていた、

このアンジェリカ・アッタナシオを、

どうしたら、助けられるか、

悩みに悩んでいた。

 

 

「人の温もりと、居場所を求めているかもしれない…」

 

「俺もそう思うぜ?」

 

「俺もだ、同感だ」

 

「では、ナランチャ、ミスタ、

この女の子を、保護観察しながら、

しっかりと、監視してください」

 

「わかったぜ」

 

「それでは、よろしく頼みますよ」

 

こうして、アンジェリカ・アッタナシオを、

更生させる為に、ジョルノとナランチャ、ミスタは、

全力を尽くするのであった!



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第五部 第九話 シーラE 登場

ミスタとナランチャは、

元・パッショーネの少女である、

シーラEの身柄を拘束するのであった。

 

「こいつ、パッショーネの女の子だぜ?」

 

「ジョルノと同い年くらいの、

シーラEって、女の子だぜ?」

 

「ミスタ、ナランチャ、ありがとうございます。

さて、この子から、色々と、聞いてみたら、

僕を心酔しているみたいだ」

 

「あぁ、この子は、親衛隊と暗殺チームの連中の、

連絡役をしていたから、抹殺するべきか、

そうでも、無いか…」

 

「で、どうするつもり?」

 

「僕たちに、危害を加えないことを、

条件に、生かせてあげましょう」

 

ミスタは、シーラEの口に貼っていた、

ガムテープを剥がした。

 

「ふぅ~やっと、喋られるわ」

 

「シーラE…」

 

「それで、アタシをどうするつもり?

殺すの?殺さないの?」

 

「今、それを決めている、最中だろうが!」

 

「無条件降伏なんて、受け入れられないわ」

 

「それ、言うと思った」

 

「そう言えば、ナランチャ、

アンジェリカは?」

 

「今、牢屋の中に、ぶち込んでいる状態で、

麻薬をやめるように、部下に指示している状態だ、

精神科医が、検査している最中だ」

 

「ありがとう、ナランチャ」

 

「アタシは、地獄の底の魔物以下の最低最悪のゲス野郎が、

この、パッショーネの中にいるの!

暗殺チームのイルーゾォよ!」

 

「アイツは、死んだぜ?」

 

「えぇ、イルーゾォは、この世で、

最も、残虐で、無惨で、苦痛に満ちた死に方をした、

あの男は、自分のしてきたことと、生まれたことを、

後悔するほどの苦しみを味わいながら、

僕と僕の仲間の前で死んだんだ」

 

「それは…よかったわ…」

 

「それで、これから、どうするつもりだ?

シーラ?」

 

「働く場所が無いわ…」

 

「そりゃ…アレだもんな…俺達、ギャングだからよ~

そう簡単に、働き手が、見つかる訳がねーし…」

 

「じゃあ、ラビットハウスで、アルバイトしてみるのは、

どうですか?」

 

「ラビットハウス…?あぁ、あのカフェね、

あそこの、カプチーノは、美味しいって、評判だわ」

 

「それじゃあ、彼女を、

そこで、働かせよう」

 

「それで、いいの?」

 

「自分が言うか?シーラ?」

 

 

 

こうして、シーラEは、ラビットハウスで、

アルバイトを始めた。

 

チノの父、タカヒロは、シーラに挨拶をした。

 

「キミが、新しく入って来た、シィラ・カペッツートだね、

それじゃあ、チノたちの事を頼んだよ」

 

※シィラ・カペッツートは、シーラEの本名

 

 

「それで、どうしたらいいの?」

 

「そうだね、それじゃあ、接客をしてみようか?

お客さんが来たよ」

 

シーラは、ぎこちない笑顔で、

接客するのだった。

 

「いらっしゃいませ…」

 

と、淡白的な態度を、タカヒロに見せつつ、

アルバイトに励むのだった。

 

 



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第五部 第十話 アンジェリカを更生させろ!

ジョルノ、ナランチャ、ミスタの三人は、

生まれつき不治の病にかかり、

麻薬に手を染めている、14歳の少女、

アンジェリカ・アッタナシオを、

なんとかして、更生させようと、

必死で努力を積み重ねていた。

 

ブチャラティの為にも、

彼女を更生させたい、そう思うのであった。

 

「さて、シーラは、ラビットハウスで、

アルバイトして、新たな道を、歩むことは出来たが…」

 

「問題は、この子だな…

むやみに、殺すわけにもいかない…」

 

「精神科医の助けもあってか、

多少、単語は、喋れるようには、なったぜ?」

 

「それは、よかったですね…」

 

「…ら、らら、れろれら、れ、らら…」

 

「…困りましたね、この状態じゃ、

満足に人生を歩ますことが出来ない」

 

「マッシモ・ヴォルペ…どこ…?」

 

「誰だ?マッシモって?」

 

「聞いたこと無い、名前だな」

 

「調べてみますね」

 

ジョルノは、パソコンで、

マッシモ・ヴォルペの資料を閲覧した。

 

「この人…麻薬チームの人間だ」

 

「生きているのか?」

 

「いや、死んでいる、

思い出しました、コイツ、

最悪、他の標的は全員取り逃しても、

彼だけはどんなことが有ろうとも必ず始末する様に、

部下たちに、命令して、

一年前に、殺害されたはずです」

 

「そうだったのか…」

 

すると、アンジェリカ・アッタナシオは、

言葉を放った…

 

「死んだ…!?」

 

アンジェリカの瞳から、涙が流れた…

 

「うぅ…うわわわわぁぁぁぁぁんんんん!」

 

アンジェリカは、泣き出した!

 

「アンジェリカにとっては、大切な人かもしれないが、

この人は、キミをダメにさせるだけの、クズ野郎だ」

 

「ナランチャ、どこで、その…アンジェリカを拾ったんだ?」

 

「なんかさ、近道しようと思ったら、

偶然、倒れていたんだ、

それも、ゴミ箱の近くに、捨てられていたように、

思えたけどな…でも、放っておく訳にも、いかねーからな…」

 

「そうでしたか…

それにしても、謎だ…麻薬無しで、

どうやって、生き延びたんだ?」

 

「麻薬に詳しい、医者に診てもらったけど、

どうやら、薬を万引きして、

それを、麻薬代わりにして、中毒を起こしていたらしいぜ?」

 

「そうだったんですね」

 

「マッシモ…うぅ…う…

うわわわわぁぁぁぁぁんんんん!」

 

「また、泣き出したし」

 

「ナランチャに、頼みたいことがあります」

 

「なんだ?」

 

「アンジェリカは、人の温もりを求めていると思います、

チノだったら、女の子だから、

すぐに、打ち解けるのでは、無いでしょうか?

年齢も近いですから、でも、リスクが高い…」

 

「でも、やるか…」

 

「えっ?マジで?」

 

「あぁ、更生させるって、決めたんだ、

ブチャラティだったら、

アンジェリカを、必死で、全身全霊で、

更生させるって、言うはずだ、

俺達も、その精神に則って、やろう!」

 

「あぁ、それしかないな」

 

「じゃあ、チノに事情を伝えておきます」

 

「俺、ココアに言っておく!

ココアって、社交性があるから、

アンジェリカ、心開いてくれるかな…?」

 

「前向きに考えましょう、今は、それしかできない」

 

こうして、アンジェリカの更生が、

今、始まろうとしている!



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第五部 第十一話 アンジェリカの過去と今

アンジェリカ・アッタナシオは、

イタリアギャング組織パッショーネの麻薬チームの一員。14歳。

かつて麻薬チームは組織のボス・ディアボロによって重用され、

莫大な利益をもたらし組織の勢力拡大に大きく貢献していたが、

ディアボロがジョルノ・ジョバァーナに敗れてジョルノが

新たなボスの座に就いたことで、

麻薬チームは"ディアボロ時代の負の遺産"として、

抹殺の標的にされてしまい、仲間のマッシモ・ヴォルペと共に逃亡を

余儀なくされる。

 

先天性の"血液がささくれ立つ"という不治の難病に冒されており、

生まれたときから常に血管内に無数の針が流れているかのような

激痛に苛まれている。ヴォルペが

スタンド能力「マニック・デプレッション」

で精製する麻薬だけが唯一彼女の苦痛を

和らげる手段となっており、

これを常用した結果重度の麻薬中毒になってしまっている。

中毒症状の影響か、イタリアの民謡である

「しゃれこうべの歌」を口ずさむという癖がある。

 

病気と麻薬中毒の影響で肉体は既に酷く衰弱しており、

満足に走ることもできない。

また麻薬の効果が切れて症状が悪化したときは、

ヴォルペにしか治療ができないため、

彼の傍から離れられないという弱点も抱えている。

 

ある出来事から、

彼と離れ離れになり、その後、ナランチャに拾われ、

パッショーネの本部に、身柄を拘束後、

マッシモ・ヴォルペの死を知り、嘆き悲しむのだった…

 

 

そんな、彼女は、精神科医と麻薬に詳しい医者に、

診てもらい、治療の末、単語が多少喋れるようになった。

 

彼女は、外出を嫌がってか、

寝たきり状態だった。

 

(足が満足に動かない故にだろうか)

 

「うぅ…うぅ…ううううっ!」

 

彼女の喚き声が、聞こえてくる…

 

「なぁ、ジョルノ」

 

「どうしました?ナランチャ」

 

「アンジェリカが、外出を嫌がっているから、

なかなか、更生プログラムが、

順調に進まねーな…」

 

「人を更生させるのは、難しい、

チノ達と、出会えば、

何とかなると思うが…」

 

「あっ、車いすに乗せるとか?」

 

「いい考えですね」

 

ナランチャは、即座に車いすを持ってきた。

 

そして、アンジェリカを乗せるために、

ミスタも含めて、ジョルノとミスタは、

アンジェリカの腕を掴んで、

車いすに無理やり乗せた。

 

「何とか、麻薬が無くとも、生きられるように、

しなければ!」

 

「それが、ブチャラティの想いでも、あるからな」

 

「麻薬を嫌い、子どもを愛する、

ブチャラティの優しい心と想い、

僕達も、見習わなければ…」

 

アンジェリカが、ココア達と出会うのは、

次の話へ…



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第五部 第十二話 アンジェリカの交流会

アンジェリカは、

ジョルノとナランチャと共に、

ラビットハウスに訪れた。

 

「みなさん、今日は、よろしくお願いします」

 

「よろしくね!キミが、

ナランチャくんが言っていた…」

 

「ジョルノ・ジョバァーナです、

そして、この子が、アンジェリカ・アッタナシオです」

 

「…」

 

車いすに座っていた、アンジェリカは、

まんざらでもない表情を、ココアに向けるのだった。

 

「ココアさん、お待たせしました」

 

「待たせたな!」

 

「あっ!チノちゃん!リゼちゃん!」

 

「ココアさん、この人が…」

 

「うん!アンジェリカちゃんだよ!」

 

「この子がか…」

 

アンジェリカは、ココア達に、暗い表情を、

こちらに、向けるのだった。

 

「それじゃあ!アンジェリカちゃんの交流会を、

開催します!」

 

「ココアさんが、主催じゃありませんよ?」

 

「一応、アンジェリカは、僕とナランチャの前に、

居させてください、何かあっては、遅いので」

 

「りょーかい!」

 

「わかりました」

 

「よし、わかった」

 

こうして、アンジェリカの交流会が、

開かれるのだった。

 

 

「それでは!ただいまより、

アンジェリカちゃんの交流会を始めます!」

 

「何度も言いますが、ココアさんが主催では、

無いですからね」

 

「わかっているよ!

それじゃあ、まずは!何からだっけ?」

 

「考えてなかったのか!?」

 

と、リゼがツッコむ。

 

「…」

 

アンジェリカは、随分と、他愛もなく、

不機嫌かつ、不愛想な表情をしていた。

 

「気を付けてくださいね、

彼女は、精神障がいを持っていますからね」

 

と、ジョルノが警告した。

 

「そうなんだ…じゃあ!

尚更、私たちが、仲良くしてあげないと!」

 

「ココアさんと私たちで、どうにかするような、

案件じゃないですよ…」

 

と、チノも、ココアにツッコミを入れた。

 

 

「じゃあ、アンジェリカちゃん、何して遊ぶ?」

 

「…」

 

「計算問題でも、やってみる?」

 

「遊びの範囲じゃないです」

 

「チノちゃん、ごめん!」

 

「全く、本当にしょうがない、ココアさんですね」

 

すると、アンジェリカが、突然、歌い出した!

 

 

「ら、らら、れろれら、れ、らら…」

 

「これって、歌なんですか?」

 

「すっごく、上手だね!アンジェリカちゃん!」

 

「褒めてるし」

 

「じゃあ、こうしましょう、

アンジェリカに好きなようにやらせましょう」

 

「具体的には?」

 

「歌を披露するとか…ですかね?」

 

「ジョルノくん!ナイスアイディア!

じゃあ、チノちゃん!アンジェリカちゃんと、

歌ってみる?」

 

「嫌です」

 

「どうして?」

 

「歌うのが恥ずかしいからです…」

 

「そう言えば、アンジェリカって何歳なんだ?」

 

「アンジェリカは、14歳ですよ」

 

「じゃあ、私と同い年なんですね」

 

「チノちゃんと、アンジェリカちゃん、

同い年なんだ!じゃあ、仲良くなれそうだね!」

 

「そうですかね…」

 

「うぅ…」

 

「あっ、アンジェリカちゃんが、

何か、話したがっているよ!」

 

「珍しいですね」

 

「コ…」

 

「コ?」

 

「ココ…ア…チ…ノ…リ…ゼ…」

 

「私たちの名前を呼んでくれた!」

 

「あの、アンジェリカが…

フフッ、よほど、気に入ってくれたみたいですね」

 

「私たちと、友達になりたいみたい!

応えてあげないと!」

 

「そうですね」

 

「そうだな」

 

「では、もう少し、遊びましょうか、日が暮れるまでは」

 

「よーし!俺も頑張って、楽しませるぞ!」

 

「えぇ、そうですね」

 

ジョルノ達は、アンジェリカを、

楽しませるために、目一杯、遊ぶのだった。



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第五部 第十三話 フーゴとの再会

ラビットハウスで、

ナランチャがアルバイトしていたら、

ある客が、ナランチャの前に現れた。

 

その人は、よく知っているような人だった。

 

そう、パンナコッタ・フーゴという、青年だった。

 

「ナ、ナランチャ!」

 

「フ、フーゴ…」

 

「キミは…ここで、アルバイトをしているのか?」

 

「おっ、おう…」

 

「ちゃんと、しているのか?」

 

「しているさ!ココアから

数学や算数や計算を教わっているんだぜ?」

 

「それは…よかったね…」

 

「にしても、気まずいな…

仕事が終わったら、ゆっくり話そうぜ?」

 

「うん、いいと思います」

 

こうして、久々に再会した、ナランチャとフーゴだったが、

何かと、気まずい感じになっていた。

 

とある広場にて…

フーゴとナランチャは、ベンチに座っていた。

 

 

「まさか、こんなところで、フーゴと出会うなんてな…」

 

「ナランチャ、君は、一体、何をやっているんですか?」

 

「俺か?俺はな、あの後、ジョルノがボスを倒して、

ジョルノが、トップになって、

俺が№2で、ミスタが№3になったんだ!

 

それでな!俺はギャングの身分を隠しながらだけど…

学校に通い出したんだ、夜間学校だけどよ、

それで、ココアって、女の子が、

いつも、計算や数学や算数を教えてくれているんだ!」

 

「それは…よかったですね、ナランチャ、

学校に通っていること自体、驚きでしたけど」

 

「失礼だな!こんな、俺でも、夜間学校に受かったんだぞ!

そーゆーフーゴは、今は何してんだ?」

 

「…僕は本当に正しかったんだろうか?」

 

「えっ?」

 

「あの時だ、もう、思い返すと、二か月前の話だな、

僕がナランチャ達と別れた時、

心のどこかに、後悔という、二文字が横切ったんだ」

 

「じ、じゃあ…フーゴも?」

 

「僕も一緒に居たかった!

けど、無理なんだ…僕は…正しい馬鹿にはなれない!」

 

と、フーゴが泣き出した。

すると、同時にナランチャも泣き出した。

 

「フーゴ…!俺だって、本当はな、ずっと、会いたかったんだ…」

 

「僕もですよ…ナランチャ…!

でも、よかったです…生きていて…

そして、幸せに新しい人生を歩んでいて、

僕よりも、ずっと、立派ですよ!」

 

「そ、そんなぁ…言い過ぎだよ…フーゴ…

俺が学校に通い出すきっかけを作ったのは、

紛れもなく、フーゴなんだよ…!」

 

「そう言ってくれると、計算問題を教えた、

自分も…何とか、前を向けそうです…」

 

「フーゴは…これから、どうするつもりだ?」

 

「知りませんよ…そんなの…ナランチャ達を裏切った自分に、

未来なんて…あるはずが…」

 

「そんなことねぇよ!

俺も協力するよ!フーゴが新たな道を歩みだす、

きっかけを作るのに、手伝ってやるよ!

その…勉強を教えてくれた、恩義もあるからさ…」

 

「ナランチャ…君は、とても優しくなりましたね」

 

「そ、そうかな?フーゴに褒められるのって、

何だか、久しぶりだな…アハハ…」

 

「ちょっと、待ってください、

僕まで、笑いそうですよ…アハハ…」

 

こうして、フーゴは、

前を向くために、ナランチャと一緒に、

再び、道へと、一歩踏み出すのだった。



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第五部 第十四話 ジョルノとチノの恋物語

ジョルノとチノが、出会ってから、4年が経とうとしていた。

 

ジョルノは、19歳

チノは、高校三年生の18歳になっていた。

 

二人は海と夜景が見える、オシャレなレストランに居た。

 

「おいしいですか?」

 

「はいっ!」

 

他愛もない話をしながら、

食事を勧めていき、チノの前には、イチゴのケーキが、

ジョルノの前には、チョコレートケーキが、

スイーツプレートに置かれていた。

 

チノの頬が、緩やかになっているところに、

ジョルノが、気づくのだった。

 

ジョルノは、チノの前で優しい笑みを浮かべていた。

 

「チノ」

 

「ど、どうしましたか?」

 

「チノに贈りたいものがあって…」

 

「私にですか…?」

 

ジョルノは緊張した気持ちで、

チノの右手を取ると、そこには、小さなケースがあった。

 

ジョルノはチノに、小さなケースを渡すのだった。

 

「こ、これは…?」

 

「開けてみてください」

 

「…!!」

 

チノが小さなケースの中を開けると、

その中には、結婚指輪があった。

 

レディースリングの中央にはダイヤモンドと

ブルーのジルコニアが、控えめに輝いており、

メタリックブルーのコーディングによって、

可愛らしくデザインされている。

 

シンプルなデザインが印象的だ。

 

「似合ってます」

 

「ジョルノさん…なんで…」

 

「チノ、僕と結婚してください!」

 

「えっ…えええええっ!?」

 

「…」

 

チノは非常に驚く様子を見せるものの、

まさか、ジョルノから、プロポーズされるとは、

思いもよらなかっただろう。

 

4年前の告白の時から、チノは、

ずっと、ジョルノを追い求めていた。

 

遠回りすることも、傷つくことも、苦しい時も、

悲しい時も、それ以上の幸福を、

彼の傍で感じてきた。

 

それは、今も変わる事はない。

 

これからも、チノはジョルノの傍にいるのだ。

支えて続けたいと思うのだった。

彼の傍にずっといたいのだった。

 

片時も離れる事も無く。

ずっと、願っていて、望んでいた、夢が今、叶うのだ。

 

「今からじゃなくてもいいですよ、

チノが高校を卒業したら、僕と結婚してくれませんか?」

 

「…はいっ!」

 

「ありがとう…」

 

この世で、最も追い求めていたものが、ようやく、手に入る。

それは、他に変えることも出来ない、確かな愛が、

 

ジョルノとチノとの間に、育まれていた。

 

 

 

そして、チノが高校を卒業して、就職をしようとする目前、

チノはジョルノが、どれだけ稼いでいるかを見て、

衝撃を受けるのだった。

 

「…!?!?!?!?!?」

 

「チノ、大丈夫ですか?」

 

「ご、ごめんなさい、見たことがない額なので…」

 

「結婚したら、半分、チノのモノですよ?」

 

「そ、そんな大金いりません!

というか、本当にお金なんですか?

ただ、数字が並んでいるじゃないですか?

ドッキリとかじゃないですよね?」

 

(混乱させてしまったな…)

 

チノは、このお金が本当であることを知り、

遂に倒れてしまうのだった…

 

「チノ!大丈夫ですか?」

 

「ちょっと、休ませてください…」

 

「わかりました」

 

この後、チノは寝込むのだった。

 

ジョルノはチノに、優しく布団を被せて、

ラビットハウスを後にした。

 

金銭面に一切問題が無かったのか、

結婚式場選びを、いざしようとすると、

だいぶ、時間がかかったらしい。

 

ジョルノはサンマルコ寺院で貸切る提案をしたが、

アドベンティスト教会でもいいと、考えたが、

チノが両方とも、却下した。

 

その後、海が見える教会が良いと提案して、

サントリーニ島にある、

海の見える教会で式を挙げることになった。

 

 

そして、まもなく、ジョルノとチノの結婚式が、

刻一刻と迫るのだった。

 



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第五部 第十五話 ジョルノとチノの結婚式

遂にこの日を迎え、

今日は、ジョルノとチノの結婚式だった。

 

会場には、大勢の人で溢れかえっていた。

 

ナランチャとミスタが、

ジョルノの忘れ物を届けに行くため、

ジョルノを探すのだった。

 

「おい!ここじゃねーのか?」

 

「おーい!ジョルノ!」

 

「寝ているし」

 

「んじゃ、この指輪、置いていくか」

 

「そうだな!」

 

そこには、キレイな新郎のスーツ姿のジョルノが、

椅子に座りながら、机に頭を置いて、寝ていた。

ジョルノは夢を見ていた。

 

ジョルノの夢の中には…

見たことがある、二人の男が立っていた。

 

(…!ブチャラティ!アバッキオ!)

 

(ジョルノ)

 

(ジョルノ…)

 

(二人とも、どうして、ここに?)

 

(神様に頼んでもらって、天国から、

俺とアバッキオを、

ジョルノの夢の中に、居させてもらっているんだ。

今日は、本当にめでたい日だな)

 

(そうですね)

 

(にしても、ジョルノが結婚か…

まぁ…いいんじゃねーのか?)

 

(俺もアバッキオも、ジョルノの結婚を祝福する。

俺とアバッキオは、これからも、

天国から、ジョルノ達を見守って、

幸せになれるように、祈っているぜ)

 

(ありがとう、ブチャラティ)

 

(じゃあな、邪魔して、悪かったな、ジョルノ)

 

(そんなことありませんよ、アバッキオ、

僕も二人に祝福されて、嬉しい気持ちです)

 

(そうか…)

 

 

すると、ジョルノが目を覚ました。

 

「あ、ジョルノ!結婚指輪忘れているぜ!」

 

「ナランチャ、ミスタ、届けてくれたんですね!

ありがとうございます」

 

「…実はよ!もう一人、ジョルノを祝福してくれる人がいるぜ?」

 

「誰ですか?」

 

「ほら!フーゴも、来なってば!」

 

「僕は別に…行きたく…なかったのに…」

 

ジョルノは、フーゴまで、来てくれることに、

驚きの表情を見せるのだった!

 

「フーゴ!どうしてここに!」

 

「祝いに来たんだよ、ナランチャが、どうしてもって言うから」

 

「ありがとうございます、フーゴ、

あっ、みんなに、伝えたいことがあるんだ」

 

「なんだ?」

 

「実は夢の中で、ブチャラティとアバッキオに、

出会ったんだ」

 

「マジかよ!何て話していたんだ!?」

 

「僕のことを祝福してくれるみたいですよ」

 

「そっか、よかったな」

 

「向こうで、トリッシュが、待っていますよ」

 

「トリッシュまで、参加しているんですか?」

 

「そうだぜ!入り口で待っているから、

早く、会いに行こうぜ!」

 

こうして、ジョルノは、ナランチャとミスタに連れていかれて、

フーゴと一緒に、トリッシュと再会するのだった。

 

 

 

一方、新婦にチノの部屋には、

父親のタカヒロと一緒に会話をしていた。

 

「チノ、結婚おめでとう」

 

「ありがとうございます、お父さん」

 

チノは、身長が伸びて、胸も少しだけ大きくなり、

大人びた顔立ちになっていた。

 

「チノ、お姫様みたいだね」

 

「ありがとうございます…」

 

と、ウェディングドレス姿のチノが、

真っ赤な顔で、照れ出していた。

 

「お母さんは、どんな、結婚式をしていたんですか?」

 

「そうだな…すっごくキレイだった、この世で一番」

 

「幸せだった?」

 

「うん、とっても、世界で二番目に」

 

「じゃあ、一番は?」

 

「そうだな…チノが生まれた時かな?」

 

父の言葉に、チノは感動の涙を流した。

心から愛した父、愛情を注いでくれた父、

ずっと傍にいて、今まで、自分を育ててくれた父、

もう、自分は、そんな父の傍を離れていくのだった。

 

「お父さん、ありがとう、私のお父さんになってくれて…」

 

「…何にもしてあげられなくて、ごめんなぁ…

ありがとう、チノ、俺の娘になってくれて」

 

彼女は美しい輝きだった。

例えば、流れ星は、一瞬激しい光を放ち、

燃え尽きてしまうような星で、その輝きを、

その手に収められるなら、

きっと、方法や手段は、選んでいられないだろう。

 

そして、迎える、運命の時間。

ゆっくりと、教会の扉が開けられていく、

真っ白なレースが鈴のように揺れて、

シルクにロングトレーンが優雅なプリンセスタイプの

ドレスに身を包んだ、チノに、ジョルノは目を張った。

 

両手で花束を持つ、チノ、

その隣には、彼女の父のタカヒロもいる。

 

顔には、柔らかいベールが、かけられている。

 

美しい…その一言だけだった。

 

いつもよりも、ゆっくりの目の速度で、

歩くチノの姿に、皆は一目惚れするのだった。

 

そっと、ジョルノへと歩み寄った、

彼女はベール越しに、美しい顔立ちを、

ジョルノに見せるのだった。

 

ジョルノもまた、美しいチノの姿に、目を焼き付けるのだった。

 

 

やがて、神父からの言葉が告げられるのだった。

 

「新郎、ジョルノ・ジョバァーナ。

貴方は、香風智乃を妻として、

健やかなるときも 病めるときも 喜びのときも

悲しみのときも 富めるときも 貧しいときも

これを愛し 敬い 慰め遣え 共に助け合い

その命ある限り 真心を尽くすことを誓いますか?」

 

「誓います」

 

「新婦、香風智乃、

貴女は、ジョルノ・ジョバァーナを夫として、

健やかなるときも 病めるときも 喜びのときも

悲しみのときも 富めるときも 貧しいときも

これを愛し 敬い 慰め遣え 共に助け合い

その命ある限り 真心を尽くすことを誓いますか?」

 

「はい、誓います」

 

「それでは、誓いのキスを」

 

そっと、ベールがあげられて、

名前は、この世で最も愛する者からの口づけを享受した。

 

ジョルノとチノは、感じるのだった。

 

きっと、お互いに、この瞬間を待ち続けていたと。

生まれた時から、ずっと。

 

 

ナランチャとミスタ、ココアにリゼ、

そして、フーゴとトリッシュ、

アンジェリカとシーラに祝福された。

 

チノは小さなウエディングケーキをジョルノの元へと、

持っていくと、そのまま、あーんと、食べさせた。

 

まさに、幸せな瞬間だった。



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特別編 ココアとナランチャの恋

この俺、ナランチャ・ギルガは、

恋ってやつをしていた。

 

一つ年下で、学年は一緒で、同じ職場に通う、

ちょっと、変わった先輩。

 

保登心愛…ココアちゃんに、俺は恋をしていた。

 

今日も俺は、心愛ちゃんとい一緒に、

算数や数学の、勉強をしていた。

 

そのおかげで、今、数学だけの点数は、

首位をキープしている!

 

(それ以外の五教科は、全て10段階中、1だけど!

実技は…イマイチ…だ)

 

でも!数学は10段階中10だぞ!10!

数学だけ、見たことのないような、点数ばかりの連続…

それどころか、90点以上は、常にキープしている!

 

数学だけはな!

 

余談だが、次に成績がいいのは体育。

 

今、この俺、ナランチャ・ギルガは、

夜間定時制の高校に通っている。

 

ギャングの№2という、身分を隠しながらも、

昼はラビットハウスで、アルバイトして、

学校に通う少し前に、

ココアちゃんから数学や算数を学んでいる。

 

「よーし!ナランチャくん!今日も満点だよ~!」

 

「えっ!ホントか!?ココアちゃん!

俺、やればできるんだな!」

 

ココアちゃんは、ナランチャに、数学と算数を教えており、

ほぼほぼ、専属の数学・算数の家庭教師になっていた。

 

ココアも、ナランチャに、数学と算数を教えることが出来て、

喜びを感じていたのだった。

 

 

「ナランチャくん、息抜きに、

どこか、お出かけに行かない?休みの日に!」

 

「えっ!?いいのか!?」

 

(これって、ココアちゃんからのお誘い…

つまり…デート!?あーヤベェ…

こんなに、可愛い女の子から、一緒にデート行こって、

誘われたら、断る訳が無い!)

 

「どうしたの?ナランチャくん?」

 

「ううん!何でもない!いいぜ!

俺、ココアちゃんと、お出かけしたかったんだな~!」

 

「やったー!どこに行く?」

 

「うーん、ココアちゃんが、望むところなら、

どこでもいいぜ!」

 

その後、ココアの希望で、街中を探索することになった。

ココアとナランチャは、木組みの街に、

やって来たばかりの為、まだ、慣れていない様だ。

 

 

休みの日、ココアとナランチャは、デートに出かけていた。

 

「ナランチャくん!今日は楽しもうね!」

 

「おう!俺、すっげー楽しみだぜー!

こんな、楽しい出来事…初めてだぜ…」

 

「ナランチャくん?」

 

「俺、実は…学校に、まともに通ったことがなかったんだ…

イジメられていて…」

 

「ひどい!ナランチャくんに、そんなことする人がいるの?

許さない!」

 

「まぁ…今、通っている学校は、楽しく過ごせているけどな…

色々あってな…実は17歳なんだ…」

 

「17歳…?ということは、リゼちゃんと同い年?」

 

「まぁ…そうなるな、俺、5月20日生まれの17歳だけどな、

学年はココアと同じなんだ」

 

「私は4月10日生まれの、16歳で…

学年が同じ…高校一年生か…」

 

「高校一浪しちゃってさ…一年遅れで高校入学したんだよ。俺」

 

「そうだったんだ…

でも、ナランチャくん!これからだよ!」

 

「そ、そうだよな!ココアちゃん!」

 

「今日はめいっぱい楽しもうね!」

 

「だな!」

 

こうして、ココアとナランチャは、

木組みの街を探索するのだった。

 

通っている、それぞれの学校に、市場に、映画館に図書館…

満喫するのだった!



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特別編 ジョルノはチノのジョルノ

最近、チノの様子がおかしいと、

ジョルノは感じた。

 

(チノ、最近、様子がおかしいですね。

普段なら、大人しいですけど…

最近、僕に対する、アプローチが凄いというか、

何ていうか…僕に対する愛が凄まじい…)

 

と、ジョルノは思っていた。

 

結婚して、数か月後、

チノとジョルノとの間に、

子どもが生まれた。

 

名前は、フェリーチェ・ジョバァーナ。

名付け親はジョルノで、

幸福という意味を持つ、女の子である。

 

特徴としては、見た目は母のチノ似、

性格や髪の色は、どちらかというと、

父のジョルノ似である。

 

フェリーチェを出産後、

チノがジョルノに対する愛を、

加速していった。

 

「フェリーチェ、可愛いですね」

 

「ジョルノさん、私は?」

 

「チノも可愛いですよ」

 

「ありがとうございます。ジョルノさん。

大好きです!」

 

「チ、チノ…!?」

 

チノはジョルノに抱き着いた!

 

「ジョルノさんは、私の王子様です。

だから…私を見捨てませんよね?」

 

「はい。僕はチノだけを愛します」

 

「約束ですよ?破ったら…」

 

「何をするんですか?」

 

「私がジョルノさんを振り向いてもらえるように、

頑張りますから!」

 

「はい」

 

 

しかし、チノは思い悩んでいた。

どうしたら、もっと、ジョルノが振り向いてくれるのか、

もっと、ジョルノとイチャイチャしたい。

 

ジョルノは、チノの王子様。

チノは、ジョルノのお姫様だから…

永遠に幸せに暮らせるよね?

 

運命の出会いだから、ずっと、幸せだよね?

今までも、そして、これからも、

しっかりと徳を積んでいくよね?

 

私とジョルノさんは。

 

就寝時、ジョルノとチノは、

フェリーチェと一緒の部屋で寝ていた。

 

「ジョルノさん」

 

「どうしましたか?チノ」

 

「私はジョルノさんの事を愛しています。

この世界にいる男の人の中で、

ジョルノさんよりステキな男性は一人としていません」

 

「僕もですよ。僕もチノのことを愛しています。

地球上にいる、女性の中で、

僕はチノの事が一番愛しています」

 

「ありがとうございます、ジョルノさん。

私は、ずっと、ジョルノさんの傍にいます」

 

「ありがとうございます、チノ」

 

チノはジョルノに抱き着いた。

 

「ジョルノさん…大好きです…」

 

「チノ…」

 

チノはジョルノにスリスリしていた。

 

「気持ちいいですか?女の子の肌って、

身体もですけど、柔らかいですよ?」

 

「…」

 

「私も、もう大人です。

ジョルノさんは、私の裸を見て、

いやらしい表情には、なりませんよね?」

 

「…」

 

「私、ジョルノさんの事、誘惑できますから」

 

「…?」

 

チノはパジャマを脱いで、ブラジャーとショーツ姿になり、

ジョルノに、誘惑するが、

ジョルノは、表情を一つ変えなかった。

 

「ジョルノさんは、鈍感ですね」

 

「…」

 

今宵の夜は楽しくなりそうな予感だ。

 

 



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