大和型3番艦「信濃」の奇妙な旅路 (ナイトーテンマ)
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現世編
プロローグ


 

20XX年 潮岬沖 調査船内にて

 

「魔理沙よ。この付近でいいのか」

 

「もちろんさ。三笠の婆さんから彼女に関してすべて聞いたからな。それに水瀬財団の資料も全て調べた間違いなくこの海域にあるはずだぜ。護よ」

 

「だといいのだが。おや。どうやら海底スキャンで巨大な物体を探知したぞ。これがお目当ての船なのかどうなのかわからんがな」

 

とまあ。7人が調査船の船室でそれぞれ作業をしていた。

彼らが開発した汎用調査ロボットの性能、耐久試験として深度7000mの海底での性能試験と銘打って第二次大戦中に潮岬沖で沈没した大和型3番艦の探索、調査をすることになった。

まあ、メインは調査ロボットの耐久試験が主な目的である。

 

彼らは水瀬護、仁後魔理沙、仁後むつみ。長谷川美湖、美緒、美沙、四条貴美子の7人であるが魔理沙とむつみは歴史学の院生であり、残りの5名は同じ工科の院生であったりする。

まあ、彼らは皆博士課程を受講しており皆論文制作のための実験機をつくりあげたようだ。

 

まあ、貴美子が運営する工場の協力があったりするがそれはまた別の話。

そして大型の無人海底調査艇がおろされ50m単位でトランスポンダをおろして船の場所を特定する。

それから数時間後彼らは海底に鎮座している物体に近付いて調査を開始し始めた。

 

「どうやらサイズ的には7~8万t前後の船のようだな。この付近の海域にタンカーなどが沈没したという記録もない。ということはこの船が件の船とみていいんだろうな」

 

「そうだね。護。だけど艦首を見ないとはっきりとは断定できないし」

 

「そうだな。魔理沙よ操縦しくじるなよ。この機材にはべらぼうな金額が掛かっているんだからな」

 

「わかってるって。これがもしあの信濃ならこの映像は水瀬財団が版権を持つんだよね」

 

「まあ、そうだな。一応水瀬財団が俺たちのスポンサーでもあるからな。貴美子にも感謝してるぞ。実機の完成は君の工場群がなければ無理だったし」

 

「町工場の技術を絶やしたくなかった。それに小ロットの高性能な製品を作ってくれる所はすくないからね。そういう意味では魔理沙の御蔭ともいえる」

 

「そうか崇めるがいいぞ。っと今。母機の方で調査しているけれどこの球状船主(バルバスバウ)は間違いなく大和型の特徴だね。で船体は横倒しになっているけれど

艦首に菊花紋章の跡があった。間違いない。この船は信濃だよ」

 

「本当かやったぞ。この映像は今生放送でアイチューブとニヤニヤ動画で生放送をしているがこれは当たるぞ。むつみ。どうだ」

 

むつみと言われた女性は答える。

 

「ええ。ものすごい量の反響が来てるね。電子マネーによる投げ銭も一杯来ているよ」

 

その様子を聞いて魔理沙は無言で母機を動かし、船体をなぞるように調査していく。そして未完成であった機銃座や高射砲座などの様子もすべてカメラにとらえていた。

 

「これが魚雷を食らった破口だな。穴はそれほどではなさそうだけど内部はどうやら酷いな。多分遅発信管というやつを食らったんだろうな。今、子機を出して破口から中を調べてみたけれど隔壁がひん曲がってしまっている上に防水ハッチも逝かれてる。これじゃあ浸水を止めることは無理だったか・・・。まさに艤装工事も完璧でない状況で無理やり出航させて潜水艦のご飯か悲しいものだな」

 

「ああ。そうだな。とりあえずX線スキャンをするから子機を母機に戻してくれ」

「ん。わかったよ」

そんな感じでX線による内部構造を調べてみた結果今まで謎だった構造が判りこの記録は世界を揺るがす大発見となった。

 

そして安全限界稼働時間ギリギリまで調査し1度目の調査は終わることになった。

それから数時間後探査ロボットを回収した一行は翌日に備えてこの海域で休むことになったが。魔理沙が言う

 

「どうやら護よ。明日以降はちょっち調査できないかもね」

「どういうことだ」

「そりゃあ。あちらにしてみたら墓荒らししたようなものだしね。海が荒れ始めたよ。気象情報ではこの数日晴れると聞いたけれどね。でも気圧計の針が下がっているということは時化るようね」

 

そして空から恐るべき声が聞こえる。

「われの眠りを妨げるものは誰である」とね。

 

そして魔理沙は答える。

「私は仁後魔理沙。貴殿は信濃で間違いないのか。貴殿の眠りを妨げたというのならば謝る。我々は君の船体の位置とどうなっているのかを調べに来た。というのは副次的な目的であり

主な目的は開発した汎用探査ロボットの性能試験として深度7000前後の海底を調査していた際に君を発見したのだ。三笠の婆さんから君のことは詳しく聞いた。

まあ、今の三笠婆さんはすっかり耄碌したね。いまじゃあ君のことを供養しない日はないくらいだ」

 

「そうだ。我名は信濃。そうかそのような理由か。ならば一戦と言いたいところであるが。日ノ本の守護者2柱にロシア皇族の子孫にわれらの加護を持ちし者たちか。ならば少々我の話を聞いてもらおうかね」

 

そして魔理沙は言う。

「そうか。まあ、お互いに争うよりも話し合いでどうにかなるならばそれに越したことはないな」

「そうだ。ならば聞いてもらおうか」

 

 

そして彼女の昔語りが始まる・・・



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第一話 進水から沈没まで

昭和 19年 9月 横須賀

 

「あ号作戦は失敗に終わりました。これでマリアナ陥落は時間の問題です」

「そうですか鳳翔。今ここにあるカプセルで眠りし彼女に貴方の記憶投入を許可いたします。私とて弟子を死なせるようなことはしたくはありませんが戦局が戦局ですのでね。あと他の空母たちはそのまま成長させておきなさい。

この3番艦はこれより記憶注入およびバイオチップの投入を行います」

 

そんな感じで無理やり鳳翔の記憶注入という艦娘にとってもタブーともいえる技をかけられた彼女は10月5日に進水のはずであったが当然うまくいくはずもなく船体を破損させるというトラブルを生じさせていた。同月10月8日に命名式が行われ、彼女は信濃と名付けられたのである。

 

で、ここから私の自我があったのであるがどうにも妙な感覚というべきなのかわからんが念ずるだけでいろいろな物が出せてしまっていた。で、まあ。あたしは期待はされているのだろうけれど無理やり作らされたという感じがあったわね。

そして私は無言で13式艦攻なんかを出してとばしていたわね。

 

で、そこに長身の女性たちが泡食ってやってきてたようね。

「おい。信濃いまだしてのはなんだ見せてみろ」とまあ、尋問するような感じで来たのであたしは答える。

「ヤダね。見せたらスパイとして殺すんだろ。たしか長門おばちゃんだったな。で、まだ完成もできていないあたしをどうするんだね」

「ふん。どうやら戦力にはなりそうもないな。お前にはもうじき呉に回航する。準備しておけ」

「はいはい~。判りましたぞ~。でもまだとても出航できる状況じゃあないよ~」

「だろうな。すぐさま完成させろ」

 

まあ、それからひと月前後経過後・・・

 

長門が私の所へとやってきた。

 

「信濃。お前に任務を与える。横須賀から佐伯を経由し呉に回航することになった。夜間に雪風、浜風、磯風の3隻の護衛を引き連れての航海だ」

で、其の長門の言葉に私は言う。

「夜間に太平洋を渡ってか。無茶だぞ。あいつらもまだレイテの傷が完全に治ってない。長門わかっているのか今の私はいわばまだよちよち歩きのガキンチョだぞ。で、あいつらは電探や聴音機がぶっ壊れているこれが何を意味するのか分かるか。

お前は視覚障碍者と聴覚障碍者によちよち歩きの子供をおもりさせるようなものだぞ」

 

それを聞いた長門は言う。

 

「そんなの私だってわかってる。だが、海軍上層部の命令なんだ」

 

それを聞いた私は達観したよ。

 

「ふふふ。そっか~。要するに上層部は私に死ねということだな判った。死ねというなら死んでやるさ。ま、この国もあと一年と持つまい。こうなった原因はすべて三笠のクズ婆が東郷の爺を殺さなかったのが原因だよ」

そういうと私の顔に衝撃が走る。

 

「貴様。言うに事欠いて」

 

「ふん。事実を述べたら鉄拳か。三笠にべっとりの長門ならそうなるか。だがな、この事実は決して変わらん。予言してやるよ長門。お前は米帝に引き回されるさ。まあ、その時までせいぜい無駄な帝国の誇りを抱いていけばいいさね」

 

そして私は長門の記憶をたどり高槻の情報を調べ私は魂を転送させた。

 

昭和19年 11月18日  シンガポール

 

「高槻少尉かしら」

 

「なんだ。なんだ。一体誰だ。ってお前誰?」

 

「お初にお目にかかるわね。私は大和型3番艦信濃。高槻友三郎でいいのよね。時間がないので単刀直入に言うけれど私を女にしてもらいたい」

そういうと彼を押し倒して服を脱がして一物を立たせるべくいろいろとするが・・・。彼は言う。

 

「おいおい。無理するな。なんというか信濃だったな。君はまだネンネだろ。本当はこんなことするよりももっといろんな遊びがしたかったのじゃあなかったのか」

それを聞いた私はうなずくが・・・。

 

「そう。確かにそう。だけどね私には時間がないの。だからせめて殿方とまぐわって見たいとおもったけれどね・・・」

 

「そうか。そのなんだ。君の手管は鳳翔さんを相手にしているように感じるが」

 

彼の質問に私は答える。

 

「それはそうよ。私は艦娘にとってタブーともいえる術を施されたわね。で、空母艦載機乗りのあなたならわかるはず誰の記憶が入れられたのか」

 

「そうか。鳳翔の記憶をいれられたんだな。では彼女は無事なのか」

 

「それは大丈夫。記憶注入された直後に私は彼女を保護したから。まあ、その副作用というのかわからんがこんな能力を得られたよ」

 

そういって私は海軍のいろいろな機材を出していた。

 

「連合軍の機材も出せるよ」

 

「なんだと。信濃スマナイがちょっと待ってくれ。相棒にも見せてやりたい」

 

「良いわよ」

 

5分もしないうちに彼はもう一人の若者を連れてきていたわね。

 

「なんすか。一体。せっかく呉のピー屋で雲龍ちゃんと龍鳳ちゃんと一戦交えようとしたところに」

 

「それはすまん。って。違う。彼女がいろいろとレクチャーしてくれるそれを学ぶ機会だ。信濃頼めるか」

 

「良いわよ。それじゃあ・・・」

 

そして現在米国陸海軍で運用されている機材の特徴をいろいろとレクチャーしたわね。

 

「このB29という機材だけど。こいつはまさに超空の要塞と言える存在ね。今の日本陸海軍の航空機ではまるで歯が立たない機材よ」

 

「奴は排気タービンを使い高度10000メートル以上での巡行飛行可能でサイパンから帝都は丸々攻撃範囲に収めるほどね。で、速力は高度一万で時速330ノット前後でとべるわ。そして爆弾搭載量は約10t前後になるわね。

当然レーダー搭載しているから夜間爆撃もお手の物ってやつよ。次に陸軍機ではP51マスタング。こいつも厄介だ速度は時速で380ノット前後でとべる。

まあ、航続距離は1600キロ前後だけど硫黄島を拠点にすれば先のB29の護衛随伴ができる機材とおもっていいわね。

で、こいつに立ち向かえる機材はわが軍には残念ながらないわね。まあ、低高度に持ち込んで集団で当たれば勝ち目もあるやもだけどね。

まあ、日本の電子戦のお粗末さからみて日本に勝ち目はないわね。さてと。これでレクチャーはおしまいどちらがあたしの相手になってくれるのかしら」

 

それを聞いた二人は言う。

 

「そうだな。俺達二人で相手になろうじゃあないか」

 

「ん。判ったわ」

 

そんなかんじで一夜の契りをかわした私は彼らがグロッキーに伸びていたので毛布を掛けてやり私は横須賀に戻った。

 

そして同月19日私は公式試験を経て海軍に引き渡されたわね。まあ、私は雲龍達がいる第一航空戦隊にはいぞくされたわね。まあ、彼女たちと会うことはなかったわね。そして11月25日に回航が決定されたわね。

 

まあ、昼間や沿岸航路を通るように海上護衛総体の人は言っていたようだけど結局は夜間洋上航路で出航することになったわね。

 

そして私の体には多数の有人ロケット特攻機である桜花が多数搭載されたわね。機材輸送ということね。そして私は雪風たちと共に呉へむかうことになったわね。

 

まあ、ボイラーすら定数はそろわず全速力でも20ノット出るかどうかの未完成状態だったわね。で、タービンなどもまだ完全じゃあない。そんな状態でいくことになったわ。

 

そして18時30分に外洋へでたわね。まあ、これが死出の旅になる予感はしていたけれどまさか本当にそうなるとはね・・・。

 

そして19時に敵潜水艦のレーダー電波を感知し警戒にあたったわ。そして21時に私たちをつける船があったので私は駆逐艦に偵察をたのむけれどどうやら漁船のようだったわね。

 

そしてそれから何事もなく航海はすすみ0時30分遠州灘沖を航行中に潜水艦らしきものをはっけんしたけれどどうやら雲のようだったわね。

 

時間は進み3時05分私は潜水艦を発見し警報を鳴らすも同16分ごろに私は敵潜水艦からの魚雷を食らったわね。

 

どうやら4本くらったようだ。そしてそこからが大変なことになったわ。

 

防水ハッチが満足に機能せず浸水が止まらなかったわ。そして右舷に20度近く傾斜するも左舷注水により傾斜は回復したけれど損害は深刻で特にボイラーを直撃されたのは痛いうえに複雑な構造が災いして

ダメコンも満足に機能しなかった。そして午前八時には機関が完全に御釈迦になり船は動かなくなった。それで曳航するべく近くの港のタグボートたちを手配するも180km以上離れた場所ではではどうにもならなかったわね。

 

そして磯風、雪風が曳航しようと何度か試みるも結局はダメだった。

 

そして注排水指揮所が水没し注排水不可能という報告が来た。

 

これはつまりわたしはもう死ぬということを意味するわね。

 

そして10時37分に総員退艦命令が下り10時57分に潮岬沖で私は横転転覆し艦尾から沈没したわね。

 

そして私は上層部を恨みながらあの世にたびだつことになった。

 

まあ、被雷直後に手すき要員上甲板へが総員上甲板と間違えられて伝わったので本来ならお陀仏になるはずの機関員やダメコン連中が多数助かったそうだけどね。

 

そして私はあの世に旅立った。



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天界編
第2話 天界にたどり着く


今回から天界に移動した彼女のものがたりとなります。


私は死んだはずであったが気が付くと真っ暗な道をひたすら歩いていた。それからしばし歩くと変わった場所にたどり着く。そこで私は冥界の審判により天界へ行けと言う指示がくだった。

どうやら私は一応付喪神の一種ということになっているようだ。

 

そして私はその指示に従って天界へと続く道を歩いていたけれどふと思い。

私の能力が使えるかどうか試してみることにしてみた。ハーレーのサイドカーをイメージしてみるするとその通りに出てきた。

どうやら使えるということが判ったわね。で、燃料もオイルもあり電池の方も十分あることがわかったので私は始動手順をこなしてキックペダルを踏み込む。

一発でエンジンが始動を確認。そして私は鉄兜と防塵眼鏡を実体化させそれをそれぞれに装備してそしてそのサイドカーに乗って天界への道をひたすら走ることにしたわね。

 

それから数時間走った後、巨大な門の前にたどりついた。私はそこで門番に名を名乗る。

 

「大日本帝国海軍大和型3番艦信濃だ。冥界の王者にこちらに行けということでここに来たが」

 

すると門番は銃を突き付けてくる

 

「ジャップか殺せ」

 

そういって奴らは間違いなく私を殺そうとするので私はとっさに懐からダガー抜きを奴らの両目を切り裂きその直後に頸動脈も切り裂く。

 

「正当防衛さ。殺そうとするなら殺される覚悟も必要さね」

 

どうやら、天界でも戦のようだね。そして私はそのまま人込みへと消えていこうとすると増援の連中がやってきたようね。

 

「何事なの。たしか彼女が来たと聞いたけれどって何よこれ」

 

「殺されそうになったから逆に殺した。正当防衛だよ」と私が言うと増援の隊長が言う。

 

「貴様の名前は」

 

それを聞いて私はカチンときてこう返す。

 

「人にものを訪ねるときは自分から名乗るのが筋じゃあないのかしらね~。それと奴らの方から襲ってきたけれどね」

 

「そうだったな。私はオーストラリア所属の巡洋艦パースだ。ここは連合の領域だ君は見たところジャパンの人間だな。ジャパンの集落はあっちだ。

で、君は殺人をしたことになるがそのことに関して罪を問わねばならないが」

 

「そう。だけど。やつらがいきなり襲ってきた。銃を突きつけたとなれば殺されたとしても文句は言えんはずだがね」

 

と、まあ流暢な英語で話すとパースはうなる。

 

すると日本の集落から人がやってきた。

「早かったわね。って何よ。着いてそうそうにもめごとなのヤレヤレ。貴方が信濃ね。連絡は受けているわ」

 

「そうか。あんた誰」

 

「私は陸奥よ。貴方が信濃で間違いないわね」

 

「そうだ。まあ、殺されそうになったから門番を始末した。それだけの話だけどね」

 

陸奥がいう。

「確かにそうなるわね。この一件は事故としてお互いに収めましょ」

と陸奥の提案にパースが言うが。

「確かにわたしとしてはそれが良いのだが。ってなに陸奥さんよどうやらますます面倒になったようだよ。プリンスオブウェールズが来ちゃったよ」

 

「殺しがあったと聞くが誰がやったのだ」

 

その問いに私が答える。

 

「私がやった。貴方はどちら様でしょうか。どうやら見たところエゲレスの戦艦とお見受けしますが。私の名前は大日本帝国海軍所属大和型3番艦重装甲空母信濃。

そこの二人のコルベットがいきなり拳銃を抜いて殺そうとしたので身を護るためにやむなくやった。それだけの話」

 

「む。確かに非難されるのは我々か。この件は正当防衛ということで君たちは不問とする。ジャパンの集落は向こうだ。ここはイギリスの集落だよ」

 

「ありがとね」

 

そんな感じで私は陸奥達に保護され、荷物のように日本村へと運ばれていったわね。

そしてそこの長が陸奥だったので詳しい話を聞かされたわ。

 

そして私はありのまますべてを話すと陸奥は呆れた表情というか不思議な表情をしていたわね。

 

「そう。じゃあ貴方。まともに出来上がってない状態で無理やり出撃させられてということね」

 

「そうだ。まあ、三笠の婆さんが鳳翔の記憶を私に書き込んだ。ついでに特殊な金属片も植え付けられたね」

 

「判ったわ。とりあえずあなたの処遇だけど困ったことにどこに処遇すればいいかわからないのよね」

と陸奥が悩んでいると一人の女性がやってくる。

 

「じゃああたしがこの子の面倒を見てあげよう。異論はないな陸奥よ。どうせ、私も仲間外れならば別に問題はないはず」

 

「じゃあ土佐お願いね」

 

「判った」

 

そんな感じで私は天界入りとなったわね。なんでも土佐と名乗る艦娘が私の後見人となってくれるそうだ。

 

 

 

 

 




次回更新はいつになるかわかりませんが、気長にお待ちください。


不定期掲載になりますが感想などを頂けると助かります。

ではこれで


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第3話 土佐にいろいろと天界のしきたりを学び戦いに巻き込まれる

土佐の所に厄介になった信濃であったがここでも下界の戦の影響は
あったのである。




私は信濃。大和型三番艦である。まあ、知っての通りまともな建造もされずに無理やり出航した挙句出航から24時間も経たずに沈没した空母になるね。

この記録は後にも先にも誰にも抜くことはできまいよ。それだけ日本が追い詰められていたということになるけれどね。

 

そして私は天界にたどり着きそこでイギリスの連中といざこざを起こすも正当防衛ということで不問になったわね。

で、陸奥が日本のボスということになっているようだね。

 

で、それから数日後。

「土佐。ご飯できたよ」

 

「そうか。ありがとな。って相変わらず目玉汁に高粱飯と漬物かよ」

 

「仕方ないでしょ。それしか私作り方しらないから。それに肉だの魚なんて見たことないし食べたこともない。ましてやお菓子なんて結局一度も食うことはなかったから調理の仕方も知らんよ」

それを聞いた土佐は呆れる。

 

「信濃お前さん鳳翔の記憶をいれたんだよな。彼女には料理のノウハウはなかったのか」

 

「ん。わからん。三笠の婆さんはどうやら私を即座に使える戦闘マシーンにしたかったらその手の記憶はないよ」

 

それを聞いた土佐はあきれ果てる。

 

「まったく。あのクソババアとんでもないことやらかしやがったなぁ。確か大和型と言っていたな。君の姉貴に当たる武蔵という奴が来たがね」

 

「そう。姉さんか一度見てみたいね」

 

「そうか。じゃあ顔合わせに行くか。まあ、奴は戦艦組のトップさね」

 

「そういえば土佐も歴史の歯車が違っていたら長門の妹になったんだよね」

 

「そうだよ。まあ、条約ってやつで私は進水まではいったけれどそのまま戦艦の標的として一生を終えたがね」

 

土佐の言葉に私は尋ねる。

 

「ねえ。土佐。あんたどうしたい。望むなら戦艦だろうが姉貴のような空母にも改装可能だし望むなら何でもできるよ」

 

「ほんとかよ。それは良いな。まあ、とりあえずまともな飯を作らせるために君を伊良湖のところでしばし修行しろ。あたしも生憎と進水してから幽閉されてたからなぁ」

 

「そっか」

 

そんな感じで私は給糧艦伊良湖の所に見習いとして入ったわね。まあ、そこでは下働きからだったけれどそれでも得るものはたくさんあったわね。そして数日後に賄いで

料理をだしたら彼女からもはや教えるものはないと言われて暇を貰ったわね。

 

で、土佐にそれを言うと彼女とても喜んでいたよ。

 

そして土佐が今何をしていると聞いたら彼女は剣闘士をしていると聞いたので私は何それと尋ねたわね。

「娯楽なんだが今はどうも下界の影響で興行ができなくてな。で、仕事にあぶれているってやつだ」

 

「そう。なら食料確保なら私できるよ」

 

「本当かそれは助かる」

 

「でも、確実にとれるかどうかわからないけれどね」

 

「じゃあ一緒について行っていいか」

 

「いいよ」

 

そんな感じで私と土佐の二人は筏を組んで沖合の海上で釣り竿を持って釣りをしていると。それなりに魚を得ることができたよ。でもまあ、そこで理不尽というか酷い目に合うけれどね。

 

で、戻ろうとすると。陸奥たちが囲んできた。

 

「何か用かな」

 

「あんたらいい食料もっているじゃあない。税金としてもらうわよ」

 

「なんだって。それはないはずだ。釣りをするなとは一言も書いてないぞ」

 

「うるさい。出来損ないの分際でデカい口叩くんじゃないよ」

 

それを聞いた私は切れたわ。

 

「陸奥だったわね。私らのこと出来損ないって言ったわね。私はともかく土佐は出来損ないなんかじゃあない。取り消してもらおうか」

 

「何よ。事実じゃあない。義務も果たしていない奴に食わせる飯はないわよ」

 

「じゃあ。武蔵も陸奥も扶桑達も無駄飯食いだったじゃあないか特に陸奥。あんた開戦後何一つ活躍せずに爆沈したそうだね。それは無駄飯食いと言わないの」

 

というと彼女が剣を抜いて私を切ろうとするが、私は無言で彼女の剣をステッキでへし折り、そのまま流れるように彼女の鳩尾を強烈に痛撃させた。

 

 

「なんだ。陸奥も威張っていたといっても所詮この程度なのね。失望したよ」

 

というと武蔵がやってきたようね。

 

「信濃やめるんだ。これ以上やるなら私が相手になる」

 

「そう。じゃあやめるよ。姉さんとは戦う気はないしね。獲物が欲しければ自分でとればいい。じゃあそういうことでね」

 

そんな感じで私と土佐は引き揚げたわね。

 

で、其の日の夕飯はとても豪勢な食事だったわね。

 

で、まあ、彼女たちも鎌倉武士以来の気質故にねぐらを襲ってきたわね。

 

「土佐。起きて。どうやら数は陸奥を主力に扶桑、山城、霧島、比叡に空母は赤城、加賀、蒼龍、飛龍、龍驤、大鳳、翔鶴に飛鷹、龍驤、祥鳳か。それに各水雷戦隊が数個か。これはなんというかものすごい数だね。

 

どうやら奴らにとって私たちの行動が舐められたと思ったわけか。面白い。土佐あんたは地下の物置に隠れて。あたし一人でやるよ」

 

「まて。お前ひとりでどうなる」

 

「ん。いいのよ。あんたにはまだ見せていないけれど私には切り札もあるから。それと土佐。右も左もわからん私を教えてくれてありがとね」

 

そして彼女を地下の物置に隠す。

 

そして私は陸奥の所にでる。

 

「おやおや。団体さんでお出ましですか~。要するに舐められたから殺すということね。じゃあ。そっちがそうするならそれ相応の代償は払ってもらうわよ。あんたらの首が物理的に飛んでも

文句は言いませんということだね。で、武蔵はどうしたの見たところいないようだけど」

 

「あの子なら参加していないわね。で、あんたに個々のしきたりを教えてあげないとっていうことね」

それをきいた私は答える。

 

「そっか~。判ったよ。ここじゃなんだから場所変えようか。あ、それとあんたらの集落ほっぽっていいのかな~。今頃数千の超重爆撃機があんたらの集落におそいかかろうとしているのにねぇ」

そして陸奥は言う。

 

「ハッタリでしょ。で、おとなしく詫びを入れるなら考えるけれどね」

 

「そっか判ったじゃあ私も本気出させてもらうよ」

 

私は能力を発揮させ千機以上の航空機を一度に出し陸奥たちに一気に襲い掛からせる。ついでに高速魚雷艇も出現させ戦いの火ぶたは切られた。そして私は鋼棍を装備して陸奥に殴りかかったわ。

そして戦いは数十分もしないうちに決着がついた。

 

「で、これ以上やればあんたらは死に至るけれどどうする。”舐められたら殺す”だったわね。で、それができなかったときは自害するのが筋だったわね。で、どうする私は別にどっちでもいいけれどね。陸奥よ」

 

と私は陸奥に対して棍棒を突き付けて言う。それに対して陸奥は答える。

 

「残念だけど私の負けを認めるわ。好きにすればいいわ。私の首が欲しいのかしら」

 

「別にあんたの首は要らん。私たちはただ静かにおとなしく生きていたいだけだ。いい遊びだったよ」

 

そして引き上げようとしたときに空母たちが私に尋ねてきたわ。

 

「私は赤城」

 

「加賀よ。信濃と言ったわね。妹の世話になってると聞いたわありがとう。それとあなたの纏っているオーラに高槻の面影があるけれどどうしてかしら」

 

「蒼龍よ。貴方強いわね。ぜひその極意を教えて」

 

「飛龍」

 

「大鳳です。ここまでコテンコテンにやられたらね」

 

「翔鶴です。妹の瑞鶴もよろしく願いますね」

 

「龍驤や。まさか君がそこまでつよいとはおもわんかった」

 

「飛鷹よ」

 

「祥鳳です。瑞鳳がこれに巻き込まれなくてよかったけれど圧倒的な強さね」

 

「それで空母の面々はポンコツの出来損ない空母に何の用かしら」

 

それを聞いて彼女たちは驚く。

 

そして赤城が言う。

 

「貴方がポンコツ。もしもそうなら私たちはゴミになるわね」

 

赤城の問に私は答える。

 

「ん。あんたらは進水から竣工まで時間をかけてじっくりと工事され各種試験も行われた。私は熟練工はいないわ。水密、気密試験は省略されボイラーすら定数そろわずに出撃させられた挙句24時間も経たずに

潜水艦の雷撃食らってお陀仏になった船だよ。それをポンコツと言わずしてなんというのかしらね」

 

それを聞いた加賀は言う。

 

「そうね。確かにそうなるわね。でも、貴方と交えたけれどあなたはすごいとしか言えないわ。さっきの質問の答えを聞かせてもらおうかしら」

 

加賀の質問に私は答える。

 

「そうだね。私はとある空母の記憶を直接注入させられた。勘のいいあんたらならわかるはずだ。で、高槻だがあいつから聞いた加賀達は奴の女だったそうだね。私もそれにあやかったそれだけ。

そして瑞鶴が沈んだ時に機銃掃射うけたそうだけど助かったそうだ。私が知る限りでは駆逐艦に助けられてシンガポールにいたそうだ。で、加賀さんよ私の答えで満足かな」

 

「そう。ありがと。高槻は生き延びているのね。大鳳から空と海では死なさない呪いをかけたと聞いたけれど。無事ならよかったわ」

 

 

「そっか。赤城だったな。私には正直に言えば特定の艤装は持っていないんだ。で、どうしてこの無数の艦載機を出したかというとこれだ」

と言って私は手から96艦上攻撃機を手から出した。それを見て赤城は驚く。弓でもなく式神でもなく、人形でもないやり方をみてだね。

 

そして赤城を筆頭に空母たちは頭を下げたわね。

 

「おいおい。どうしたの一体」

 

「私たちをおしえてほしいのですが」

 

「「「「「「「「「おねがいします」」」」」」」」

 

そこまで言われると私も拒絶する理由もないから了承したわね。

 

「それじゃあ私たちの所に来ませんか」と赤城の提案に私は答える。

 

「ん。そうしたいけれど土佐の所にいるしね」

 

「そうですか。では気が向いたら来てくださいね」

 

そして彼女たちは引き揚げて行ったわね。まあ、帰ったあと彼女たちの集落が丸焼けになっているのも知らないでね。

 

そして私が土佐の所に戻って彼女を助け出すと。

 

土佐が抱き着いてきた。

 

「心配したぞ。無事だったのか怪我はないのか」

 

「大丈夫。まあ、奴らの方が重傷だけどね。で、今頃奴らの集落は丸焼けだろうに。ま、私は警告したけれど奴らが無視したその結果奴らの集落が焼け落ちたそういうことだ」

「お前を怒らせないほうがよさそうだな」

 

「ん。少なくても私はむやみやたらと吠えたり嚙みつきはしないよ。大体弱い奴はよく吠えるけれど真につよかったら一撃でだしね」

 

「そうだよな。で、例の話だが私はそうだな姉貴とお揃いになりたいがどうかな」

 

「たしか土佐の姉さんは加賀だったわね。さっき加賀とも戦ったよ。だけど彼女たちはこれからの戦には対応できないけれどね」

 

「信濃それはどういうことだ」

 

と土佐の質問に私は答える。

 

「あの子たちは今の機材ならどうにか運用かのうだけどこれからの機材には対応できないね」

と言って私はドイツやらイタリア、アメリカ等で開発されているジェットエンジン搭載の飛行機を彼女に見せる。

 

「加賀達の飛行甲板ではジェットエンジンの排ガスで丸焦げになり、離陸速力が足りなくて使い物にならないのだ。で、それを補うというか土佐とあたしがジェット搭載可能な空母として登場したらどうなるかしら」

私の答えに土佐はニヤリと笑う。

 

「なるほど。米帝も一泡吹かせられるな」

 

「そしてジェット機がこれからの主体となる。となれば他の連中も私たちに対して舐めた真似はできないさね。そしていずれ戦も終わる。日本の敗北でね。下界がそうなるならこちらもそうなると見越したほうが良い。

ただ問題は空母と言えども直接攻撃や近接攻撃にはとても弱いのが弱点なんだ。となると土佐。君は空母よりもむしろせっかくの長門型の重装甲を生かし高機動性を持ったほうが良いような気がするんだ。

4万tの駆逐艦というのはどうかな。それに加賀達も発艦直前に敵機の奇襲を食らってそのままボカチンだ君の戦い方はしらないけれどむしろ高速で動ける戦艦というほうが良いと思うぞ。

まあ、もっとも戦艦は時代遅れだが駆逐艦が主力になる先駆けというのはどうかな」

 

そして土佐は言う。

「それは面白そうだ。どうせ私は何も書かれていないカンバスならば時代を先行してもだな。じゃあ頼むよ信濃」

 

「判った」

 

そんな感じで私自身もジェット運用可能な形へと改造し土佐の方もまた155mm両用速射砲5基5門40mm機関銃20丁、レーダー連動回転銃身20mm機関銃10機、対空、対潜弾発射装置4基、四連装対艦誘導弾発射装置2基、

レーダー連動射撃管制装置、ミリ波レーダー、高性能ソナー搭載と回転翼機4機搭載可能な大型巡洋艦になったわね。

 

私の方もまたアングルトデッキ、光学、電波誘導式着陸装置、蒸気式離艦促進装置搭載しジェット機68機搭載可能な空母になったわね。二人とも機関も船体もかなり弄ったけれどね。

どうせ、あたしはまともな船体じゃあなかったから自分で改造したことになるわね。

で、搭載機は戦闘爆撃機「火龍」やら18試局戦改なんかを艦載機仕様にしてみたわね。

で、攻撃機は流星艦攻のエンジンをピストンエンジンからターボブロップエンジンに置き換えた奴に変えたわね。まあ、攻撃機もジェットが使えればなんだけれど今の時点ではこれがベターなんだろうね。

なお、私も土佐も超高圧ボイラーとタービンと高出力ディーゼルエンジン併用とシフト配置にしており生存性もかなりのものだったりする。

 

そして日本の集落に行ってみると陸奥が私に対して突っかかってきたわね。

 

「一体なにかしら陸奥よ。今度は何かしら」

 

「見事に焼け野原になった。ところであの重爆撃機はどうして君がそれをしったのか知りたい」

 

「私が釣りしていた時に近くの島から多数の重爆撃機の姿がみえたで、それが星印だっただからだ。私は信用されていないようだったからね。もっともあの超重爆撃機相手では零戦や一式戦、三式戦でも太刀打ちできんがね」

 

「なぜそれを知ってる」

 

「そりゃあ。敵さんのラジオだのでその手の情報はしってるわよ。あの機材の名前はボーイングB29。高度一万以上を巡行飛行可能で速度は一万メートルでも速度600キロ近い速度をだす。そして爆弾搭載量は約10t以上、作戦行動半径は概ね3000km以内ならどこでも爆撃可能。おまけにレーダー連動の機関銃がワンサカという代物だな。まあ、下界じゃあサイパンがおちてからそこを基地にしてそこから例の重爆撃機が本土を爆撃中だよ。

まあ、私がいたころはまだ工業地帯の爆撃だろうけれどいずれは無差別に切り替わるだろうがね。で、この集落もいまドンパチしているのか」

 

「そうよ。ただ、圧倒的な兵力の差でね。それで無謬を囲っているあなた達が憎くてごめんなさい」

 

陸奥の言葉に私は言う。

 

「だったらそう言え。私とてだ。とりあえず石油資源の確保だな。となると陸奥さんよ。私と土佐の二人で奴らの村を襲うからあんたらはここを防護してほしいそれでいいかしら」

 

「わかったわ。でも村は焼け野原で資材も燃料もだし」

 

「そうかじゃあこれを使うといい」

そういって私はカバンから大量の土木工作機械と工作機械を取り出す。

 

「これは米帝で使われているブルドーザーという土木工作車両だ。少なくてもこいつなら瓦礫を撤去して平地を作る作業は圧倒的に効率がいいぞ。燃料も軽油で大丈夫だからな」

 

「ありがと。助かる。その以前は御免」

 

「別にそれはいい。ただ、奴ら日本を舐めている米帝英帝に一泡吹かせてやるよ。もはや勝ち目はないだろうがそれくらいのことはしても罰は当たるまいよ」

 

「そう。じゃあ私たちは知らぬ存ぜぬでいいのかしら」

 

「それでいいよ。まあ、陽動してくれるととても助かるけれど」

 

「具体的にはどういう風にすればいいかしら」

 

「そうだな。大規模輸送船団を仕立てて南方の油田に向かえばいい。君たちの武装も強化できるけれど私の力ではなあ」

 

それを聞いた陸奥は言う。

 

「そう。なら工房を案内するわ来て」

 

そして私たちは明石工房に案内された。

 

「ここで私たちの艤装などの修理整備が行われるわね。明石。新入りが来たわよ」

 

「はいはい~。って貴方の艤装すごいわね見せてもらってもいいかしら。あ、私は工作艦明石、隣が朝日ね」

 

「朝日です。お見知りおきを土佐もすごい艤装になったわね。これ一体どうやって」

 

朝日の質問に土佐は答える。

 

「信濃に作ってもらった」

 

「信濃貴方兵装を作れるの」

 

「ああ。で、君たちに頼みたいのはこれらだ」

と言って私は多数の兵器の設計図を明石たちに見せると彼女は絶句したわね。

 

「このジェット機や地対空誘導弾ってすごいわね。それに対潜弾にヘリコプター、ターボブロップエンジンとかってこんなの量産は無理ね」

「だろうなぁ。で、生産に必要な機械もあるし治具もあるこれならどうだ。ついでに単能工作機械にマザーマシン、大量の切削油や素材も多数だこれならどうなんだ」

 

私がそれらを取り出すと彼女たちは目の色変えていたわね。

 

「これだけあれば問題ない。工廠の妖精さん達も目をキラキラさせているわね。いいわ。やってあげる」

 

「たすかる。それじゃああとは陸奥達と詰めてくれ」

「判ったわ」

そして私と土佐の二人は米英帝の本拠地へのカチコミへと向かうのであったが、意外な人物達が乱入してきた。

 

「信濃。お前だけに行かせないぞ。妹がカチコミに行くのならば私もつれていけ」

 

「私も米帝にカチコミに行かせてもらいますわ。ね。山城」

 

「姉さまが判断したならば私も僭越ながら参加するわ」

 

「ミー達も参加するね。オールドのロートルだけどシナノのシールド程度にはなれるね」

 

「武蔵。それに皆どうして」

 

「陸奥から聞いた。私も武蔵御殿だのと呼ばれていた存在ならば信濃お前の盾として散るも本望だと思ってな」

そして、扶桑達も言う。

 

「私達もまた協力したいのですがよろしいのでしょうか」

 

「姉さん。随分と暑苦しい性格で。でもいいわ。頭数が増えるのはいいけれど、でも死出の旅だよ。生還率は限りなくゼロに近い戦いだよ。それでもいいの」

その質問に扶桑は答える。

「もちろんでございます。私達で良ければ使ってください」

扶桑の答えに私は言う。

「そうか。ありがとう。でも、貴方方は勘違いしているわね。前線で戦うだけが戦じゃあないはず。扶桑達には悪いけれどね。それよりも私たち以外にもっと重要な役目があるわよ」

 

私の答えに金剛が尋ねる。

「それはいったい何かしらね。答えによってはミーも納得しますが」

 

「食い扶持を運んでくれる商船団のお守りだよ。で、そこにいる水雷戦隊の皆も納得してくれるかな」

球磨が言う。

「判ったクマ。確かにご飯を運んでくれるタンカーが無くなったら困るクマ。クマたちは船団護衛の任務に回るクマ。でも、今の装備じゃあ敵潜水艦に逃げられるクマ。それはどうすればいいのだ」

 

彼女の質問に私は答える。

「それは大丈夫だ。明石工廠にいけば今急ピッチで対潜、対空装備の強化工事を行ってるそうだ」

「そうかそれはありがとうクマ。じゃあ皆行くんだクマ」

 

「で、扶桑達はどうするのかな」

 

「ならばわたくしたちもいざというときには輸送船の盾として守りましょう。一度死んだ身ですから」

「姉さま。その時は私も」

 

そしてみんなひきあげていったわね。で、武蔵と何人かの重巡、軽巡、駆逐艦が残ったわね。

 

「そうか。君たちの名前は何かしら」

 

「重巡愛宕。隣にいるのが摩耶、鳥海よ」

 

「摩耶というんだ対空には自信があったんだけど潜水艦にやられてあっという間さね」

 

「鳥海です。摩耶の妹です。双子なんですが姉さんと違って無改造でした」

 

「夕張です。明石さんから新型装備が使えると聞いて参加します」

 

「特型駆逐艦吹雪です」

 

「白露型の夕立だよ」

 

「白露です」

 

「秋月型の秋月です空の掩護はお任せください」

 

「同じく照月です」

 

「暁になるわ」

 

「電です」

 

「雷よ。よろしくね。信濃さん」

とまあ、これだけのメンツがそろったわね。で、私は言う

 

「君たちの今の装備じゃあ多数の艦載機にやられて犬死が関の山だからチョイと改造するよ」

 

そんな感じで私は皆の艤装を受け取ると私は手慣れた手つきで彼女たちの艤装を改造していたわねそして艤装を渡すと彼女たちは驚いていた。

 

「信濃お前にそんな能力があるのか」

 

「そうだよ。まあ、突然変異ってやつだね」

 

「最初に武蔵姉さんの改造点だけど舷側装甲のリベットを完全溶接に置き換えた。そして非装甲区画に浮上材を大量に詰め。機関の出力アップと発電量の強化、レーダーの強化と

155mm副砲を完全撤去し127mm両方砲を装備、機銃も25mmから40mm機関銃に置き換えと最終近接防護として20mm回転銃身機銃も搭載している。それからレーダー連動式対空兵装と火器管制装置を搭載させたよ。

あとは自動消火装置と注排水装置の強化といったところかな。あと、舵も改善させたぞ速力は32ノットはでるよ。まあ、レーダー射撃も可能にしてあるまあ、米帝の技術盗用だけど戦争だからね」

 

「で、愛宕達の改造点は通信能力の強化と魚雷を撤去しその空いたスペースに火器管制装置をとうさいし対空兵装と主砲もレーダー連動式にした。そして対空砲は127mm単装速射両用砲に置き換えた。あとは機関の強化と言ったころだな」

 

「そして夕張。君の方は逆に発展しようとすると大規模改造でドックがいるので君の場合はむしろ対潜、対空強化の方面にした。水上、対空レーダー搭載と主砲は155mm単装速射両用砲3基搭載し舷側に対空ロケット弾発射装置と

40ミリ連装機銃6基搭載し後部に爆雷と対潜弾発射装置を装備している。魚雷は撤去して対艦誘導弾発射筒が4本ある。あとは消火装置の改良と言ったところだね」

 

「で、吹雪たちは機関部をシフト配置に変更し主砲は127ミリ単装両用速射砲に置き換えをした。そしてレーダーとソナーを更新し、対潜、対空兵装を強化したところだな」

「秋月達も対空兵装と電波兵装を強化した。あと、秋月達には悪いが魚雷は撤去した。その代わりに対空ロケット弾と対潜弾発射装置を搭載しているぞ。さて、これで強化は済んだわけだ。いよいよ米帝たちにカチコミに行くがいいか」

 

「ああ。問題ない。僭越ながら私が指揮を取ろう。信濃お前さんでは通信能力に少々問題があるだろ」

「確かに艦橋に通信用アンテナやらレーダーアンテナをあつめてみたけれど高さは姉さんの方があるのも事実だしね。それじゃあ米帝たちに一泡吹かせてやりましょうかね」

 

 

「おうよ」

 

そして私たちは米英帝の元にカチコミに行くことになった。

 

 

 



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第4話 米英の集落にカチコミに行く

私は大和型三番目の信濃。本来なら姉貴と同じ戦艦になるはずだったけれど。ミッドウェーで軍令部の阿呆が空母機動部隊を丸裸に近い状況にしやがったおかげで赤城以下4隻の空母が沈没という失態をやらかしやがった。

 

そのせいで私は船体が組みあがる状態だった私は急遽空母に改装が決定したのはいいけれど急な改造工事に加え、戦時中という状況かで熟練工が確保できず満足な工事もできなかったうえに物資不足も相まって

 

機関すら定数を用意できなかった状況で出航することになったわね。その上レイテ海戦のケガが治っていない水雷戦隊というような護衛であたしはあっけなく潜水艦の雷撃食らってお陀仏となったわね。

 

で、天界に来たのはいいけれど米英の連中とこちらでも泥沼の抗争という状況。で、あたしたちは舐められ続けている米英に対して強烈な一撃をかましてやろうと思ったわね。

 

で、其の仲間として姉の武蔵、加賀型の妹だった土佐、重巡洋艦愛宕、摩耶、鳥海 軽巡夕張 駆逐艦に吹雪、白露、夕立、秋月、照月、暁、電、雷のメンバーでカチコミに行くことになったわね。

 

まあ、集落にはすでに大量の地対空誘導ロケット弾とレーダーシステム。それに96陸攻を改造した早期警戒機、対潜哨戒機を常時とばせているしね。あと、大量の18試迎撃機とジェット戦闘機、高高度迎撃機を総数3000機

 

用意させたからこれで少なくても空の襲撃はないわね。それに空母連中にも私と同じ艦上機をわたしているからね。まあ、零戦に3000馬力のターボブロップエンジン搭載した65型に同じエンジン搭載の流星艦攻、

 

彩雲を積ませたからね。まあ、ガソリンをつかわずとも灯油や低オクタンガソリンで動くのがジェット系の燃料のいいところだからね。

 

まあ、陸奥たちも陽動というか補給として大規模輸送船団による決死の資源輸送艦隊を編成し向かっているようだしね。あと、イ、ロ、ハ号潜水艦連中には敵さんの輸送船狩りをするように陸奥から指令が来たから

 

これでどうなるかなんだね。

 

で、そんなことをしているといよいよ英国が率いる集落近くにたどりついたわね。

 

武蔵が尋ねる。

 

「で、信濃。これからどうするのか昼間に一気に踏み込むのか」

 

「まあ、踏み込むのはそうだけど最初にヤルのは私の艦載機からだね」

 

「大丈夫武蔵達にも仕事はじゅうぶんあるよ。そうそう、新型の砲弾はちゃんと持ってくれたかな」

 

「持ったぞ。いったいこれはなんだ。赤い砲弾と紅白の弾頭なんだが」

 

「赤いほうは燃料気化弾だね。まあ、空中で揮発油とメチルアセチレンを霧状で反応し猛烈な反応を引き起こし、半径数百mの酸素を一時的に奪う代物。紅白の弾は燃料焼夷弾。

まあ、揮発油とヤシ油とゴムを混ぜた燃焼材に着火剤に黄リンを使っている。こいつが着火したら最後。どんなことをしても消せない代物さ。

奴ら俺たちのことを動物扱いしているんだ。だったらこっちもそれなりの対処してもいいだろうぜ。それにいずれ奴ら核反応弾を我々に使ってくるさ。なら目には目をさね」

 

「まさかそれがあるのか」

 

「ん~。それはどうかな。すくなくても原料がないから無理だね」

 

「そうか。間違いなく奴らは使うだろうな」

 

「だろうね。新兵器があればどうなるのか知りたいのが軍人だしね。それが非人道的だろがね。まあ、この燃料焼夷弾もいずれは非人道的兵器になるだろうが今はまだ合法兵器だ。ならば奴らの基地や集落にばらまいてもだな」

 

「そうか。信濃。少なくても私はお前のことを愛しているぞ。そのなんだ。家族としてだが・・・」

 

それを聞いて私は驚く。

 

「そうか。それはありがとな。いずれ姉さんもくるだろうしそうなったら武蔵姉ちゃんたちの願いをかなえてあげるようにするさ」

 

「それはすまんな。っとそろそろ海域だな。私と、愛宕、鳥海、夕立、白露を率いて奴らの所に向かう。信濃。お前たちは発艦し艦載機を収容後補給地点に迎え。私も攻撃後そちらに向かう。もし定刻までに来なかった場合は単独でやってくれ。

私を待つ必要はないぞ」

 

「そうか判った」

 

そして英国村の襲撃が始まったわ。まあ、夜明け直前に数十機のジェットレシプロ混成の攻撃隊が奴らの沿岸のレーダーサイト、飛行場を徹底的に叩いたわね。そしてその30分後多数の4発、6発の重爆撃機が高度12000から

総重量300tに及ぶ燃料気化弾と収束爆弾により奴らの港湾施設、燃料補給所、製油施設、油槽所などは壊滅的な被害となったわね。

 

でも、英国村にとっての悪夢はまだこれからだったわね。

 

で、日没直後の薄暮状態のころに超ド級戦艦と重巡洋艦がきたわね。まあ、港湾施設が壊滅し魚雷艇などの船も全部破損してとても使える状況ではなく、沿岸砲台も飛行場もすべてパーという状況では手も足も出ず。

武蔵の18インチ砲の雨霰となったわね。特に燃料焼夷弾と燃料気化弾に加え散弾まで降ってきたので英国の集落は完全に無力化に近い状況になったわね。まあ、中枢も砲弾で吹っ飛んだそうだしね。

そして数時間の砲撃後彼女たちはいずこへと去って行ったわね。

 

で、会合地点にて武蔵たちと合流した私は武蔵に尋ねた。

 

「どうだった」

 

「問題ない。次は米国にカチコミだが私たちの燃料、弾薬が心もとないのだがどうだ」

 

「それなんだけど。ちょっち問題があるのよね」

 

と武蔵の質問に私は答える。

 

「どうやら補給用船舶が敵護衛空母艦隊に見つかったらしくその襲撃を受けて壊滅的な損害だそうで引き揚げたそうよ」

 

「なんだとそれじゃあどうするんだ」

 

「となれば。武蔵あんたたちはここで引き揚げろ。残りは私一人で行うよ」

 

私がそういうと武蔵が言う。

 

「まて。信濃お前それがどういう意味を持つのかわかってるのか。死ぬ気なのか」

 

「ん~。そうじゃあないわね。私一人でも米帝に一泡吹かせられるわね。燃料も十分あるしそれに奴らから分捕ることも可能だし。武蔵ありがとな」

 

そして私は単騎で行こうとすると土佐が止める。

 

「まて。信濃おまえひとりでは行かせないぜ。あたしも同行するよ。空母一人に突っ込ませたとなれば水上艦艇の名折れさね。姫君には三太夫がいるだろ」

 

「そうだ。引き上げるならだ」と武蔵が言うので私は答える。

 

「そう。これは言いたくなかったけれどあたしは大改造したときに核反応動力炉に切り替えたから燃料は使わないからそれで行けるといったのさ。土佐。あんたはそうじゃないから。武蔵たちと一緒に引き上げるんだ」

 

それでも土佐は言う。

 

「死ぬなら一緒だ。武蔵だったな。皆を連れて引き揚げてくれないか。私らは言わば員数外だから死んでもだれも悲しむものはないさ」

 

で、武蔵も折れて。

「武運を祈る」

 

と言って彼女たちは日本の集落へと引き上げて行ったわね。

 

そして私と土佐は言う。

 

「おい。信濃お前本当に反応動力にしたのか」

 

「ハッタリよ。まあ、ちょうどそこに擱座したタンカーがあるからそこから使えそうな燃料を頂くとしましょうかね」

 

まあ、そういって擱座したタンカーやら貨物船から航空燃料と船舶用重油を確保できたわね。土佐のほうも燃料は確保できたようだし弾薬もひきあげる夕張たちからもらったようだね。

 

「それじゃあ米国に向かうとしますかね。私達ではなくてこいつらがね」

 

「これは一体。なんだ」

 

土佐の質問に私は答える。

 

「これはロケット。まあ、搭載するのが爆薬だったりすればミサイルだし観測機器ならロケットだ。要するに使い方だね。で、今回はドイツのV2ロケットを参考に射程6000キロの弾道弾を用意したのさ。

搭載弾頭は例の燃料気化弾だよ。で、こいつで先制攻撃してその後はお愉しみさ。土佐じゃあ行こうか」

 

「そうだな。ここで腐っていても始まらん」

 

という感じで戦略ロケット3000発が米帝の集落に降ってきたわね。で、あたしと土佐の二人はそれぞれ面を見られるとまずいのでカボチャとスイカの被り物をつけて奴らの村を襲撃することにしたわね。

 

「信濃お前近接戦の獲物があるのか。如何にその棍棒があっても乱戦には不向きでは」

 

土佐の問に私は答える。

 

「大丈夫あたしにはこれがあるのさ」そう言って光剣を出していた。

 

「こいつはまさか信濃。おまえさん」

 

「そ。ビクトリー、コンスティテューション、三笠と同じ能力を持ってるということ。ま、このカチコミ楽しませてもらうわよ~」

 

私たちはそう言ってつっこんだわ。まあ、弾道弾の襲撃後1000機の重爆撃機による燃料焼夷弾、燃料気化弾の無差別爆撃が行われた直後に私たち二人が米国村に直接乗り込んでのカチコミをしたわね。

 

で、私たちは思いっきり暴れたわね。まあ、あるものは土佐の長巻で真っ二つにそしてまたある者は私の光剣で手足が泣き別れという感じで暴れまわってそしてあらかた無力化したのを見て私たちは引き揚げたわね。

 

まあ、どさくさ紛れに奴らの燃料と弾薬を頂いてついでに技術情報も根こそぎ頂いていったけどね。そして私と土佐の二人は日本村に戻ってきたわね。

 

で、陸奥から熱い歓迎というか説教ともいえるようなのを食らったわね。

 

「でもまあ、無事に戻ってこれてよかったよ。で、これで個々の抗争も終結になるわね。米英ともに生産拠点が壊滅して継続不可能という風になったから手打ちを打診してきたわ。まあ、ここから先は私達の出番になるわね」

 

「そうじゃ。わしらのような婆さんに任せなさい」

 

「そうですかそちらの婆さんは誰?」

 

と私が尋ねると婆さんは答える。

 

「私は笠置じゃよ。信濃と言ったのう。あんたはいい娘じゃよ。三笠のやつを恨まんでもらいたい。奴もまた苦悩しているのじゃて」

 

「そう。でも、三笠の手によって私は艦娘でもタブーの処置をされた。そのことを恨んではいないけど。頭では理解しているけれど感情で理解できないと言えばいいかな。まあ、あの三笠が東郷閣下のような態度をとる限りはいずれはね。

まあ、こちらではどうにか収まった戦だけど。下界の方は大日本帝国は連合軍に敗北だろうね。まあ、徹底的に骨抜きになるがそれも人のやることだが、あの時東郷閣下と伏見宮殿下をヤらなかった三笠もまた罪人だね。じゃあ私はこれで。赤城達にいろいろと手ほどき頼まれたのでこれで失礼」

 

そして私が去ろうとすると一人の壮年の男に出会った。

 

「君が信濃か。私は山本五十六。元連合艦隊司令だった男だ。赤城達から話を聞いてる。行く宛がないならわしの所に来るか。飯と寝床と風呂は用意してやるが」

 

「そう。私は信濃だけど。五十六だったわね。じゃあ土佐も一緒に連れて行ってくれないかな?それがダメなら私は」

 

「ああ。いいぞ。まあ、男所帯だが皆紳士だからの」

 

「じゃあ。いいよ。土佐はどうする」

 

「ん。もちろんやるよ。信濃についていくことにしたよ」

 

そして私たちは五十六という男についていくことにした。そこでまたいろいろと活動をするがそれはまた別の話。

 

 




そして、天界での争いは終了し。お互いそれぞれ痛み分けという結果で講和がせいりつしたわね。

まあ、そのことが原因で後に資源問題で日米がいざこざになるがそれはまた別の話。


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第5話 五十六たちの所に居候して空母達と仲良くなる

米英の村にカチコミをかけて戦を強引に終わらせた信濃達であったがそこで山本五十六という提督だった男に惚れこまれ信濃と土佐は彼の元に来ることになった。その際に赤城以下空母達も皆ついてきていたのであった。
そして今回は空母たちの話から始まる・・・


「赤城達の機材だけどはっきり言えば現時点ではともかくこれからの戦は勝てないね」とあたしがそれを言うと赤城達は言う。

 

「随分とはっきりというわね。でも、貴方が教えてくれた零戦とかではアメリカとは勝てないのかしら」

 

「そうです。この飛行機は速力も防弾性能もあるのになぜ」

 

と加賀と赤城の質問に私は言う。

 

「確かに現時点ではそうだけど。これからの空戦にはレシプロ機は役立たずになるね。事実私が運用している機材はこれだから」

 

といって私がジェット機を見せてあげたよ。

 

「これがジェットエンジンを搭載したジェット機ってやつだ。速力は500ノットを軽々と超えるさ。だけどこれもあと数年後には旧型となるね。いずれこのジェットエンジンを積んだ飛行機で音の壁を超えることが当たり前になる。いわゆるマッハの世界だ。知っての通り音の速さは一気圧摂氏15℃で秒速340mそれを時速換算で1224キロ。ノットなら680ノットを超える飛行機がいずれ実用化されるよ。あ、レシプロでそれだけの速度を出すのは不可能だよ」

 

と私が言うと蒼龍が尋ねる。

 

「それはなぜかしら。見たところ不可能という理由が私にはわからないけれど」

 

彼女の質問に私は再び答える

 

「良い質問ね。答えはだけど音速近くになると空気が圧縮され壁のような状態になるので、その状態になると衝撃波によりプロペラが壊れてしまうからだね。それ以前に時速800キロ近くになるとプロペラの先端が高速になり過ぎて空気を動かすことができなくなるわね。まあ、18試局戦のようなエンテ型ならその辺はある程度は改善されるとはいえ。それでも時速800以上は厳しいわね。みんなもこれで判ったかしら」

 

「ええ。判ったで。となるとウチのようなチンマイ空母は役立たずということなんか。寂しいなぁ」と龍驤が言うと千歳達も同意するが私はいう。

 

「そんなことはないぞ。まあ、固定翼は無理だがあんたらにも使いようはある。これだよ」

 

と言って私は回転翼機を出して見せてみた。

 

「これはなんや。おもちゃ竹とんぼに似てるなぁ」

 

「そりゃあそうよ。これは回転翼機。まあ、元はロシアの技師だったシコルスキー博士が考案した垂直離陸、着陸可能な航空機になるよ。まあ、固定翼機と違って機体重量のすべてをこの回転翼の揚力で賄わないとダメだから強力なエンジンが必要になるわね。で、その強力になればなるほど大型化するわけで、そうなると搭載できる重量が減るということになるわね。まあ、今のところ人命救助やら哨戒程度だろうけれど

この機材もまた小型で強力なジェットエンジンを搭載することで大化けする分野になるわね。まあ、大型化する機材だけど全通甲板をもって格納庫もあるなら回転翼機母艦として運用はかのうとなるわね」

 

「そうかとなると。対潜哨戒や索敵くらいしかだろうね」

「そういうことになるかな。龍驤たちも離艦促進装置を搭載することは不可能じゃあないけれどそうなると君たちの完全真っ平では無理になるんだよねぇ。離艦促進装置の構造上艦首にあるブリッジに装備することになるからね。

となると島型艦橋がひつようになるけれど龍驤のサイズでは無理があるしね。まあ、鳳翔も初期にはあったけれど結局撤去してしまったそうだね」

 

「そうか。となるとウチも引退やろうなぁ」

 

「まあ、無理にとは言わないしそれに下手に改造も危険がたかいからね。だた、回転翼機は着陸場所を選ばなく物資輸送や兵員輸送にうってつけということは龍驤達には強襲揚陸艦としての運用もありだと思うね」

 

「そうかありがとな。ところで強襲揚陸艦ってなんなのよ」

 

「そうだな。あきつ丸や神州丸のような敵地に乗り込んで攻撃する船になるわね。

で、搭載されている飛行機や回転翼機で敵陣を攻撃し内部のドックないしは後部の傾斜から上陸用舟艇や水陸両用車両をおろして沿岸に乗りつけて歩兵を下す船になるよ。まあ、いずれ連合軍もそれを実用化するさね。

だからあきつ丸たちはその始祖ともいえる存在さ。で、話は戻るけれど現時点でジェット運用に一番近いのが大鳳あんたになるわね」

 

「なぜかしら。理由を知りたいわね」

 

「あなた、飛行甲板が木製じゃあなくて装甲甲板でしょならばジェット運用のために飛行甲板の改造と機関換装がひつようになるわね。ジェット機は速度が速いからアングルトデッキで着艦ということになるわね。

判りやすく言えば長方形で一番長い直線となると斜めが一番長くなる。そういうことよ。でも、大鳳とて今のサイズでは大型化するジェット機には対応するのも厳しくなるわね。ガチでジェット運用するとなったら私か

それ以上の排水量がひつようになるわね。それに動力も核反応炉を搭載した船になるでしょうよ」

 

翔鶴が質問する。

「では具体的にどれくらいの排水量が最低限必要になると思いますか」

 

「そうねぇ。大体7~10万トン以上といったところかな。私のサイズでもちとたりないかもしれないけれどね。そしていずれ米帝も巨大な空母を量産するでしょうね。まあ、さすがにエセックス級のような圧倒的な

数はないと思うけれど8~10万トン前後の大型空母を十数隻は作るほどの銭はあると思うぞ。当然空母は船だけじゃあ只の張りぼてだから当然攻撃、防護の要でもある搭載機も用意するわけだ。そして当然超音速ジェット機が主体ということになるだろうね。まあ、最も米帝も核の威力をしったら空母の価値は無用として建造を控えるだろうがね。くくく」

 

「そう。じゃあ私はそのジェット運用がしたいから大規模改造を受けるよ」と雲龍が言う。

 

「あんた。名前は確か」

 

「雲龍になるわね。信濃貴方よりも進水と竣工は早かったけれど、私も何も戦局に貢献することなく台湾沖であっけなくだけどね。ならばやれることやる。そうだ。これ見てくれるかしら」

 

そう言って雲龍は胸元から一機の機材を取り出す。

 

「これは一体」

 

「これは特別攻撃機「桜花」という。いわば人間爆弾。私はフィリピンにこれを運ぶ途中でやられたけれど。信濃あなたならこれを真っ当な形にしてくれると信じている」

 

「そうか。だが、雲龍いいのか下手するとあんたのその体を損なっちまうことになりかねない。私としては君のその体を損なわせるのはどうかとおもうがね」

 

「そう。まあ、とりあえずレシプロで十二分に戦うためにカタパルト装備はできるかしら」

 

「そりゃ。問題ない。まあ、とりあえず雲龍達正規空母組はカタパルト搭載でいいか。まあ、希望があればジェット改造もあるけれど大規模改造になるとおもってくれ。あとは下手すると二度と動けなくなる危険性もあるからその辺をよく考えてから結論をだしてほしい」

 

そんな感じで空母達といろいろと会話をしていたら五十六がやってきた。

 

「どうやら。空母達とはうまくいったようだな。信濃と言ったな。本当にジェットという奴が次世代の航空機となるのか」

 

「間違いないね。で、地上で日本は敗北となるから米帝は間違いなく航空機を目の敵にするからね。で、奴らはジェットの開発を進めるさ。で、日本の翼を根絶やしにして奴らの機材を買わせるというやつさ。

輸出モデルってやつをな」

 

私がそういうと五十六は言う。

 

「たしかにそうだろうな。わしの判断は間違っていたということになるのかな」

 

「だけど、奴らの方から対外資産凍結という。行為を米帝の方が仕掛けてきたとなれば先に手を出したのは奴らの方さ。まあ、はっきり言えば日露戦争の対馬沖でパーフェクトで勝ったことがすべての元凶だな。

これが三笠などの主力艦の大多数が損傷したとかならば、勝つには勝ったがという状況となるだろうな。で、大陸の権益を得たとしても負債が多すぎて債権国の米英に朝鮮半島なんかを物納ということになっただろうね。

まあ、そうなるとイギリスとしても本国からここまで艦隊をというのは補給上大変だから多分日本に用心棒を頼んでいたと思うがね。

そして、東郷閣下と伏見宮殿下の二人とも死亡となればネルソンと同じく

歴史に名を遺す名将となっただろうね。

あの人は長生きし過ぎたのが最大の汚点と言えるね。あ、対馬沖に五十六も参加していたんだったね。確か日進という船に乗っていたと聞いたが」

 

「その通りだ。しかし、信濃君は随分とずけずけと物事を言うが良いのか」

 

「構わないよ。どうせ、私は誰からも好かれず、期待もされず、持て余していた。はみ出し者だからね。そうだ五十六もジェットに乗ってみるか私が飛ばせるのでな」

 

「おいおい。本当か。大丈夫だろうな」

 

「問題ない。私もうでは確か飛行機飛ばせる」

 

そんな感じで五十六に飛行服を着せてその上に耐Gスーツに樹脂製の飛行帽を装備させてジェット機の前席に乗せてあげた。

「私が創造した。ジェット練習機だよ。例によって操縦装置には触らないでほしい。それと酸素マスクを装備してください。高高度を飛びますので。下手すると低酸素症であの世逝きですので」

 

「判った。大丈夫だ。酸素の流入を確認した」

 

「了解。離陸前チェックリストクリア。では参りますぞ」

 

という感じで約30分のフライトをやったわね。まあ、通常飛行にくわえてインメルマルターン、バレルロールなんかをやったわね。そして着陸すると」

 

「五十六さんよ大丈夫か」

 

「どうにか。しかしながら。うぷ。げぇ」

 

とまあ、Gに酔ってしまったようだね。

 

「スマナイ。君の衣服を汚してしまったようだな」

 

「別にそれは良い。私も壮年というのを忘れて高G挙動をしたからね。で、空を飛んだ感想は如何に」

 

「わしも年を取ったと思い知らされたな。だが、貴重な経験をありがとうな信濃」

 

それを聞いて私は言う。

 

「どういたしまして。まあ、ジェットのすごさをと思ってね」

 

「となると。そのなんだわしらの中にはパイロットがいっぱいいるんだそいつらにジェットの操縦を教えてやってくれまいか」

 

「そりゃあ。構いませんがはっきり言うとジェットはまだ未知の領域故空中で爆発したりする危険な代物ですぜ。それに非常時の脱出もそれ相応の装備が必要になるし、舵もスロットルもレシプロとは全く違ってくるけれどね」

 

それを聞いた山口が訪ねてくる。

 

「君が信濃だったな。私は山口多門だ。さっきからジェットのことを言っているが具体的にどう違ってくるのか教えてくれるか」

 

「ええ。いいですよ。今までの飛行機は方向舵や補助翼なんかはワイヤーを介して人力で動かしていたよね」

 

「そうだな。大型機はべつだが」

 

「で、速度が上がるにつれて舵はとても重くなりジェット戦闘機になると補助翼などは人力ではとても動かせない代物になって油圧モーターによる操作になるわけ。だから舵の反応などをということで昔からの

感覚が使えなくなるわけ。

まあ、わかりやすく言えば今まで馬車を転がしていた御者にいきなりトラックを運転しろというものですぜ」

 

「なるほどなぁ。言いたいことは判った。なるほどな。こちらの戦局はどうにか講和に持ち込めたが。娑婆の方はどうなのだ」

 

「言いにくいけれど。じり貧ですね。私も満足な艤装工事もできずに無理やり出航させられて案の定雷撃食らってお陀仏でしたからね」

 

「そうだったのか。信濃だったな。わしらは君の味方だからな。ところで長官に着せていた太ももに着けた袋のようなものは何かね」

 

「アレですか。あれは耐Gスーツですね。知っての通り今のレシプロ戦闘機でも旋回を続けると足に血が下がって目の前が暗くなるブラックアウトという症状が発生するのですが、その発生をなるべく抑えようとするために足を締め上げて上半身に血が集中させるようにする装備ですね。

で、これからの戦闘機パイロットには標準装備になるでしょうね。そしてジェット機の速度で脱出も高速度過ぎて手動で風防は開けられない

から非常時には火薬で風防を飛ばして座席ごと射出させて落下傘降下という脱出方法になるでしょうね。多分これからのジェット機の標準装備になると思いますね。それからレーダーの発達なんかで艦戦、艦爆、艦攻

の区別がなくなり、汎用戦闘機と空中哨戒機、対潜、救助用ヘリコプターの搭載になると思いますぜ」

 

「そうかそのような装備が必要か時代はどんどん進んでいくのだな」

 

「そうですよ」

 

「ところで、これほどの戦闘力があるならコロシアムで闘士としてやらないか。腕次第でいくらでも稼げるぞ。どうかね」

 

彼の提案に私は言う。

 

「もしかしてボスは五十六なの?それなら入ってもいいけれど。あと土佐も一緒に入れてくれるかそうでないなら私は・・・」

 

「もちろん。ボスは五十六さんだ。そして土佐も構わんぞ」

 

「だとよ。土佐一緒に暴れよう」

 

「そうだな。信濃。君なら最上位ランクもあっという間だぜ」

 

とまあ、そんな感じで私は五十六達と共に活動することになったね。

 

そんなことをしていると大和たちが天界へと来たようだね。まあ、私を見て大和も驚いていたようだったけれど。そして大和たちも五十六と共に行動することを決めたようだ。

まあ、大和もついぞ見ることがなかった妹に出会えてだな。まあ、大和は武蔵とタッグを組むということになったわね。

 

 

 




実はこの後どう展開しようかまだ決まっていませんので何時公開されるかわかりませんが気長にお待ちください。

ではこれで


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第6話 ファイターとしてデビューをする。

私の名前は信濃。大和型3番艦の空母だ。天界では戦いが無事に終わったというべきなのかどうなのかわからないけれど。日本も米国も英国もフランス、ロシア今はソ連もドイツも皆焼け野原となったわね。

 

で、日本の方も私が渡したブルが大活躍しているようね。で、ブルから派生してドーザーショベル、バックホー、ディーゼルローラーなどの建設機械がうなりを上げて活躍しているようね。

 

まあ、講和時に南方の製油所や油田の使用、採掘権利を貰った私たちは数千tの小型タンカーでちまちま運ぶよりもでかいタンカーで運んだほうが早いということで排水量8万tクラスのの巨大タンカーが先日竣工したところだね。

まあ、3万tクラスのタンカーも多数量産され船団を組んで日本に大量のガソリン、重油、軽油、各種機械油。原油が運び込まれているようだね。

 

そしてその油によって各種の建機が稼働し船の燃料として大いに活躍していたりするわねぇ。まあ、あたしも格納庫やら燃料庫に大量のガソリンを満載させてかつやくしてたけれどどうも効率が悪かったようで

 

すぐに暇を出されて無謬をかこっていたよ。

 

なんというか「働かざる者食うべからず」というスローガンで私が無位無官というのはなんだよなぁ。まあ、私は私で釣り竿と銛をもって食料確保をして五十六の所の食卓に取った獲物が解体されて調理されて上がったわね。

 

あ、そうそう。男所帯だったのと、伊良湖、間宮のところで修行したところ数日で間宮さんから合格を貰ったよ。これも鳳翔の記憶のせいなのかどうなのかわからないけれど。とりあえず食材をどう捌いてどう調理すればいいのか

が判ってしまえば。多数の食材は宝庫ともいえるわけだ。

 

で、五十六の所は男所帯だったのであたしや空母の連中が飯炊き女という事になったけれど。なんというのか皆こぞって飯はへたくそだったね。逆に駆逐艦の連中のほうが家庭の作業に関してはよほど役だったわねぇ。

え、あたし?あたしは珍しく掃除、洗濯、炊事ともに合格点らしい。まあ、そんな感じで日々を過ごしていたのだけど、ある日五十六から誘いがあった。

 

「五十六。何かな」

 

「おお。信濃。実はな評議会の方からコロシアムの再建が完了し興行を復活させるとの通知が来た。いよいよ君たちも参加できるようになるぞ」

 

「そう。それは目出度いけれど。はっきり言って私や雲龍、天城、葛城は空母としての戦い方を知らないけれどいいのか?」

 

私がそれを言うと彼は驚く。

 

「何?そりゃあどういうことだ」

 

「どういう事って。私は空母として未完成のまま出航させられてそのまま潜水艦にやられた。で、雲龍達は空母として竣工するもすでにそのころには搭載させる機材も操縦手もいなくて雲龍は航空機輸送中にやられ

葛城、天城に至っては動かす燃料すら事欠く有様で呉で防空砲台としてだぜ。まあ、あたしは鳳翔の記憶があるし先のカチコミで空母の戦い方はマスターしたけどね」

 

「むう。そうかならば鳳翔よ。済まんが天城達にやり方を教えてやってくれ。まあ、参加が遅くなっても仕方がないか」

 

で、私も鳳翔から空母の運用方法を学んだけれど。私の戦い方は皆とは違っていたので参考にはならなかったけれど、戦術は大いに学ぶことができたよ。で、加賀達と模擬戦闘しようとするけれど皆私に対してしり込みばかり

だったりするわね。

 

それからしばらくして私も剣闘士の組合に参加することがきまったわね。で、加賀達と一緒に登録したわね。で、私は空母クラスという事もあり鳳翔と組むことが多かったよ。まあ、なんでも鳳翔さん自身が私に対して

本当に親身になってくれたよ。

 

それで私は鳳翔に尋ねることにしたね。

 

「鳳翔よ。なにゆえ私に対して親身になってくれるのだ。それを知りたいがね」

 

「信濃だったわね。私のいわば分身というべきなのかわからないけれど貴方が庇わなければ私は廃人になっていた。三笠姉さまの決断とはいえ私も廃人となる記憶注入を決断したのは事実。その代償として貴方が壊れた

だから償いもあるわね。これでいいかしら」

 

「そう。それを知ってよかった。鳳翔だったね。あんた何かしたいことがあるか」

 

「そうねぇ。小料理屋を開いてのんびりと。って言うのは駄目かしら」

 

「問題ない。いいと思う。鳳翔のご飯とてもおいしいから私は好き」

 

「そう。信濃達は生前苦労したんだから思いっきり甘えていいのよ」

 

「そうか。ならば私は鳳翔を護る。だけど鳳翔の体ではこれからの戦に対応できないからデビューはしないほうが良いと思うぞ。むしろ私たちの健康管理なんかをしてくれると嬉しいそれでは駄目か」

 

それを聞いた鳳翔は言う。

 

「そうですか。もはや私では戦えないという事になるわけですか」

 

「改造すればだが、如何せん鳳翔の体では小さすぎて無理だ。今の状況なら回転翼機母艦としての運用が一番になるかな。潜水艦ハンターとして活躍というのもありだと思うが・・・」

 

「そうですか。では赤城たちに任せて私は後方に下がりましょう」

 

「それが無難だね。その・・・。つらいかもしれんが事実なんで」

 

「それを言われるとですね」

 

そんな感じで鳳翔は雲龍達の教官兼我々のトレーナーとして活躍することになったわね。

 

で、私達もコロシアムで試合することになったわね。

 

私のデビュー戦の相手は潜水艦の大群とPTボートの大群の勝負だったわね。

 

「これは一体どういうことだ。明らかなミスマッチだと思うが」

 

私がプロモーターに食いつくと奴はこう抜かしやがったよ。

 

「ジャップのエアキャリアなんだろ。じゃあやってみろや」とな。

 

それを聞いた私は言う。

 

「判った。じゃあ何をしてもいいんだな」

 

「できるものならばな」

 

「吐いた唾は吞めぬぞ」

 

そんな感じで私は奴らが舐めた真似していると確信したわね。まあ、せいぜい舐めた真似すればいい。だが、奴らも勘違いしている。我らは鎌倉武士の末裔。”舐められたら相手を殺す”がモットーなんだよなぁ。

 

そして私のデビュー戦となったわね。

 

で、同じくデビュー戦だった。浜風、磯風、浦風の三人と共にデビューとなったわね。

 

そして私は彼女たちに言う。

 

「浜風、磯風、浦風よ。対潜装備の方は」

 

「まさかこれほど性能のいい聴音機や探信儀に対潜弾をくれるなんて潜水艦を狩りまくるで」浦風。

 

「信濃。今度はあなたを守り抜く」と浜風

 

「潜水艦は任せてほしい。いざとなれば私たちが盾になるから」と磯風

 

その三人大して私は言う。

「なら私は魚雷艇は私がやろう。潜水艦の方も索敵と攻撃は私がやるぞ。すでに対潜哨戒機、戦闘爆撃機は多数用意している。やつら、われらを舐めくさっている。奴らに一泡吹かせてやるぜ」

 

私がそういうと彼女たちはうなづく。

 

そしてわれら4人は闘技場のステージに立つ。で、試合形式は生死を問わない戦いだそうだ。まあ、死体撃ち、降伏した連中の攻撃は禁止というのとアメリカ、イギリス、フランス、ロシアの選手は降伏できるが我々には降伏する権利無という条件だった。

 

つまり、我々には死ねということなのね。それを知った私は生き延びるには奴らを挽肉にしないとダメと悟ったよ。

 

そして試合開始ゴングと同時に無数の雷撃音を随伴の駆逐が察知したわね。で、私は即座に回転翼機を無数飛ばし駆逐艦に魚雷の回避、迎撃を指示しその後は自由に戦えと言って私も回避に回った。

 

そして初手の雷撃を躱した私はすぐさま艦上機を全力出撃させ次々と魚雷艇を挽肉よりも酷い状況へと変えていきましたわ~。

 

そして回転翼機と哨戒機からの情報で潜水艦も次々と発見攻撃され潜水艦もまた酷い惨状になったわね。あるものは対潜弾の直撃を食らいまたある者は降伏して浮上するも127mm砲弾を食らって大破するものが続出だったわね。

 

で、結果は私たちの勝ちとなったわね。まあ、潜水艦も魚雷艇も8割が即死、残りも二度と使い物にならない状態というありさまでしたね。

 

そして試合後プロモーターからトンデモナイお説教を食らったわ。で、私は尋ねるならどういうのがお望みだったのかと。

 

「ふん。お前らが血祭りにあげられる方がよかったのだそれが試合の筋だったのだがな。ギャラはこれだ」

 

で、渡されたギャラを見て私達は激高する。

 

「約束の金額とは違うぞ。約束では1800のはずだ。だがこれは500しかないどういうことだ」

 

「税金と我々組合の仲介料ってやつだ。いやなら出て行けばいい。だが、どこも雇うことはないだろうよ」

 

「そうか。ならば今はおとなしくしよう。忠告だけど。あまり我々を舐めないほうが良いぞ」

 

そして私のデビュー戦は終わりを迎えたわね。

 

で、大和姉さんたちの方も酷いものだったわね。大和と武蔵の姉さん二人に対して14隻の戦艦との勝負だったようね。まあ、結果は姉さんたちの判定負けで終わったけれど奴らの方も8割が大破していたそうだしね。

 

それから私は赤城達と組んで米英機動部隊とガチ勝負したり、大和姉さんたちと組んでの変則マッチやら幻獣相手の戦いを繰り広げたわね。

 

でも、待遇は相変わらずだったわね。で、五十六に相談することにした。

 

「なんと。そこまで中抜きがひどいのかワシらもその辺を改善しようとは言っているが、下界の影響で我々は敗戦国の分際でというありさまだ」

 

「そうか。要するに奴ら我々を舐めていると判断していいのだな」

 

「そうなるが。まさか信濃お前。早まるな」

 

「今はまだ抑えが効くよ。今はね。でもこれ以上奴らが舐めた真似したらどうなっても知らないけれどね。心配するな五十六達には迷惑はかけん」

 

そしてそれからしばらくしてプロモーターである。ジョンからとある提案がされた。

 

「シナノ。次の試合は負けてもらう。ギャラは500万だどうだ。金を稼げるぞ」

 

「で、その相手は」

 

「レキシントン、ヨークタウン、アークロイヤル、イーグル、ハーミズ達にやられろ。筋はこうだ」

 

とまあ、内容はフルラウンドやって最後に負けろという事だった。それを聞いて私は考えておくと返事をし

 

件の試合が始まったわね。

 

で、結果だけ言うと私が勝利したわね。まあ、筋書き通りにフルラウンドを戦ったわね。で、最後に奴らが油断した隙に奴らに雷撃食らわせて逆転勝ちとなったわね。

 

まあ、あたしも中破するも発艦着艦可能状況で戦闘可能ということで生き延びたが敵サイドは飛行不可ということで戦闘不能扱いという事になったね。

 

そしてその試合後になんだよなぁ。

 

 



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第7話 仕事を干され剣闘士を事実上引退することになる

「おい。筋が違うぞ。わかってんだろうな」

 

「私はあんたたちの筋書き通りに事を進めたよ。でも、流れ弾が相手に命中するなんて予測できるか。で奴らは大破戦闘不能で負け、私は損傷するも

飛行可能と判断されて勝った。それだけの話だけどね。言っとくけれどあんたたちの八百長の証拠はすでにとある奴に渡しているからね」

 

「どうやら。いい度胸だな。おい。野郎ども。このアマにここの流儀をおしえてやんな」

 

と言って黒服にサングラスの連中がずらりと並んだわね。で、手には革製のブラックジャックやらメリケンサック、トンファーにチェーン、ジャックナイフそれに特殊警棒という剣呑な獲物を持ってきたようね。

 

「どうやらあたしを殺すつもりなのね。ならばこちらも容赦はしないよ」

 

奴らが襲い掛かる前に私は流れるような動作で奴らを次々と戦闘不能状態に陥れていったわ。そして数分後。

 

「野郎。なめやがって」

 

そして、マッチメーカーの一人が拳銃を抜き私に銃口を向けたので私はとっさに小刀を投げて奴の腕に命中させそのまま締め落としたわね。

 

で、それらの騒ぎを聞きつけた連中がやってきたわね。

 

「信濃これは一体どういうことなのだ」と長門が訪ねてきたので私は答える。

 

「どうやら、こいつら私が先ほどの試合でやつらが描いたシナリオに沿わなかったから殺そうと武器出してきた。だからこいつら半殺しにした。そもそも戦った給金すら

満足に支払っていなく燃料すら事欠く状況で、大金見せられて奴らのシナリオ通りに試合を進めたけれど最期の最後にラッキーヒットであたしが勝ったそれで奴らトサカにきて

あたしを殺そうとしたから防衛のために反撃した。長門。憲兵に引き渡すのか」

 

私の質問に長門は答える。

 

「まあ、そうなるが向こうから手を出してきて、武器を出した以上。正当防衛として起訴はされまい。信濃心配するな私や五十六達がお前を弁護する。お前には返しきれないほどの恩義があるのでな」

 

「はて?長門にあたし何かしたかしら。それよりも現世で私のことを散々殴ったりしたけれど」

 

「む。確かにそうだな。だが、陸奥からいろいろと話を聞いた。それで信濃。君に恩義を感じたそれではダメか。まあ、信濃。君が私を憎むのは良い。憎まれて当然のことをしたからな。

だが、私は信濃を支持する。それに土佐のことも見てくれて感謝する」

 

それを聞いた私は答える。

 

「あたしがここにきてハブられていたところに土佐が寝床と食い物をくれた。だから彼女にガチの艤装を渡した。それだけ。ところで長門もコロシアムで試合しているのだよね」

 

「ああ。一応、私もビッグセブンの一角だからな。それがどうした」

 

「うん。ファイトマネーとかはどうなの?それから燃料弾薬はどうなのだ」

 

「ああ。金は相当中抜きされているな。燃料などはどうにかやりくりしている。もっとも重油と言っても殆ど瀝青に近いような代物ばかりだがな」

 

「そうか。出頭するよ。すくなくてもブタ箱なら食い物の心配はあるまい」

 

という感じで私はそのまま自首したわね。まあ、結果としては正当防衛で不起訴、無罪放免となったわね。

 

で、それから私の試合の数は目に見えて減ったわね。あったとしても戦艦だの空母混成部隊相手に私と鳳翔、瑞鶴、翔鶴達と水雷戦隊でどうにかしろというような代物だったわね。

で、試合後・・・。

 

「御免。信濃。私たちがふがいないばかりにあなたに深手を負わせてしまって」と瑞鶴が言うと私は答える。

 

「結果的に我々が勝ったそれでいい。ところで装備の使い勝手はどうだ」

 

「それは問題ないわ。鳳翔さんの手を煩わせてしまって」と翔鶴が言うと鳳翔は答える。

 

「いえ。わたくしも戦士のはしくれ皆さんの足を引っ張らずに済んでよかったのですが、この試合信濃さんに頼りきってしまい。そして私の力不足を感じましたね」

 

「そうか。私もこのケガではしばし戦えないわね。だけどプロモーターは私をこき使うでしょうよ」

 

「そんな。そのケガでは無理ですよ。私たちがどうにかしますので信濃貴方は・・・」

 

「奴ら私が目障りなのさ。取り合えずけがを治すよ」

 

そういって私は簡易ドックへと入ろうとするとプロモーターに呼び止められたわね。

 

「また勝ったようだな。で、どうなんだ俺たちのものになる気はあるのかな。君が是としなくても他の連中を当たるだけだがな」

 

「ふん。少なくても我々はあんたらの狗や八百長をやるほど落ちぶれていないさ。で、最近あたしらに対して嫌がらせしているようだけどはっきり言えば返事は否だ。我らは八百長なぞはしないさ。長門達も同様だ」

 

「ジャップの分際でてめえらは連合軍に負けたんだ敗軍の連中はおとなしく連合軍のいいなりになれ」

 

「なるほど。それがあんたらメリケンやらジョンブルの回答ということか。で、どうする。私を殺すのか今の私ならいつでもやれるぜ。だが、ここで私を殺したなら帝国海軍の全艦艇が連合軍の村を襲うことになるぜ。再び抗争の

勃発だ。今度は核反応弾の応酬となるだろうぜ。そうなればお前らも仲良く滅ぶ。どうする。あんたらにその度胸があるかしら」

 

「このアマ。いい加減にしやがれ」

 

「いい加減にしやがれか。じゃあ具体的にどうすればいいのかしらまさか引退しろとか言うのかしら。引退しろというなら隠退するけれど」

 

「ふん。まあいい。今はおとなしくしよう。だが、われらに盾突いた以上どうなるかその身で思い知ればいい」

 

そんな感じで奴らは去ったね。で、それから私の試合は無くなったわね。で、観客からもなぜ信濃を出さないとかブーイングが出ているそうね。で、興行が終わったある日

 

「おう。今日も出番なしか」

 

「そうだよ。まあ、プロモーターやら興行主の八百長を断った以上覚悟はしていたがまさか公もあからさまに嫌がらせをしているよ。ファイトがないから参加費としてのはした金だけだ。

これじゃあ足代にもならん。で、食えないから近くの川やら海岸で魚取って糊口を凌いでる。五十六どうやら奴ら私を日干しにして屈服させようとする腹のようだよ」

 

「そうかアメリカなどにも困ったものだな。しかし、ここまで落ちぶれていると他の連中が知ったら悲しむぞ特に大和あたりが」

 

「でしょうね。でも、姉さんたちと違って私は誰からも期待もされなかったし、知るものもほとんどいない幽霊のような存在。ならばどうしようとという奴だ」

 

「そうか。明日試合がある。どうやら大和たちと組んでガチファイトという事だ。奴らを見返してやりな」

 

「ありがとな」

そして五十六と別れ、翌日に試合が行われて結果は私が勝ったよ。そして私と土佐の二人で住処に帰ろうとした矢先に襲撃されたわ。

 

「あんたらを見たところ鎌倉武士とお見受けするけれど闇討ちしなかったのは褒めてあげる。私の名前は大日本帝国海軍大和型3番艦空母信濃。と知っての襲撃かしら」

 

「その通り。我の名前は源 九朗判官 義経以下30名そなたの首をもらい受ける」

 

それを聞いて私は言う。

 

「なるほど。命惜しくばそのまま引き上げろ。というよりも貴方方に恨みを買われるようなことはしていないが。まさか賭け事で負けたからその腹いせなのか」

 

「われらを見くびるな。そのようなことではない。が、依頼を受けた以上はそれを遂行せねばならん。それがわれらの意地」

 

「そう。で、その鎌倉武士を依頼した依頼人は誰かしら。はっきり言えばあんたらなんか鎧袖一触となる。私も無益な殺生はしたくない。故に依頼人を知りたいのだけどね」

 

「われらの口を割りたければ実力を見せてもらおうか」

 

「判った。ならば御免」

 

といって私は鎌倉武士たちを一瞬の行動で奴らを沈めて丸裸にしてやったわ。

 

そして頭に再び問う。

 

「みぐるみ剝がされたわけだけど、まだ戦う意思があるかしら?あるなら今度こそ容赦はしないけれど」

 

すると奴らも平服して降伏の意思を出してきたわね。

 

「われらの負けである。最早武士の面目故に自害しようにもままならぬか・・・。如何様にもするがいい」

「じゃあ。あんたら単体で私を襲う理由が無い。ならば依頼人がいるはず。それを教えてもらえるかしら」

 

「よかろう。我らに仕事を依頼したのは・・・」

そして彼らから話を聞いた私は言う。

「なるほど。このまま戻ってもあんたらは依頼人から殺されるでしょうね。とりあえず土佐。あんたはこいつら引き連れてあたしたちのねぐらに連れて行って。こうなればへそくりも出すわよ。で義経だったわね

私に負けた以上首を取られてもだろうけれどさすがにそれはあれだからあんたらの髻を貰うよ。心配するないずれまた髪は伸びる」

と言って私は代表者の髻を切って、奴らの依頼主の所に来たわね。

 

「ここがメリケン村のカポネファミリーか。あんたらのボスに会いたいのだがね」

と、あたしが言うと門番のチンピラが言う。

「貴様のようなジャップにボスが会うとおもうのか。一昨日きやがれ」

 

「そう。それが信濃がボスに話があるというのでもかしら」

「信濃だと。判ったボスに取り次ぐ」

そして待つこと数分私は入念なボディチェックを受けたわね。で、まあ、それでも疑われるのは癪だから私は全裸になったわね。

「これなら問題ないでしょ。何にも持っていない全裸だ。これなら用心深く臆病なボスでもあってくれるかしら」

「問題ない。衣装はこちらで預かる」

「そうしてくれるかしら」

 

そしてカポネファミリーのボスであるアルカポネとしっかりと話し合ったわね。まあ、要するに私はコロシアムの試合には二度と出ない代わりに日本の連中の中抜きと八百長を辞めろという確約をしてもらったわね。

で、もしもその約束を違えた場合私が興行の胴元たちすべて滅ぼすという脅しにも近いような要求をだしたわね。

で、その結果。

 

「判った。君の要求を全て飲もうではないか」

「そう。ありがとね。ついでにと言っては何だけど退職金ももらおうかしらね。おおよそ800万ドルほど」

「足元見るのかね」

「別に何の罪もない武士団を雇って私を消そうとしたんでしょ。何ならこの一件を評議会にばらしてもいいんだよ。興行主たちが結託して八百長をしてるとね。物的証拠も証言も皆そろってる。

でも、それをすれば天界の連中が食えなくなる。だから私が消える代わりに口止め料をもらうということなんですがね。パスタの国出身のヤーさん」

 

「わかった。800万ドルという大金は今すぐは用意できん数日待て」

「別に現ナマでなくてもいいよ。10万ドルの小切手を80枚切ればいいだけの話でしょうが。それともそれすら出来ないのかしら」

「判った要求に従おう」

という感じで小切手を受け取った私は預かっていた衣装を引き取って引き揚げたわね。

で、私が引き揚げた後。

 

「ボス。あの尼をどうします。消しますか」

「よせ。あれは艦娘。我ら人族では勝てんよ。それにわれらが約束を破れば彼女は間違いなく我々ファミリーだけではなく他の興行主たちも滅ぼすだろうよ。全裸で来たのは彼女なりの誠意なんだろう。

潮時かもしれん。我々のファミリーは興行を辞めて別の仕事にシフトするぞ」

 

「ボス。無念です」

「つまりこれは警告だったのだろうな。まあ、いい。コケにされたというよりもあれほどの力の差を見せられた以上はな」

 

という事で私の知らぬところでマフィアファミリーを解散させたという名前がたったようね。

 

で、私はその足で五十六の所に行ったわね。

 

そして襲撃があったことそれからその依頼人にあって私が引退する代わりに他の連中の中抜きを辞めてもらうように話をつけたという事を伝えて私は武家たちの所にきたわね。

 

すると彼らは皆私にひれ伏していたわね。

 

「われら武士団30名。信濃殿にお仕えします如何様にしてかまいませぬぞ」

 

「ちょ。ちょっと。私一人でも食うのがやっとなのにあんたら30人も抱えることなんて無理よ」と私が言うと義経はいう。

 

「われらの食い扶持はわれらで稼ぐ故にその心配はご無用である。寝床もどうにかするので」

 

それを聞いた私は言う。

「判ったわ。それなら私と土佐の住んでるところに来るといいよ。あそこなら空いてる土地はあるから」

そんなかんじで 土佐の所にもどったわね。

 

で、私は土佐に今日の一件をすべて話して剣闘士を隠退することにしたことも伝えたわ。すると土佐は言う。

 

「そうか。信濃はこれからどうするのだ」

 

「そうねぇ。とりあえずこいつらを用心棒に仕立てようと思う。そのためには現代の装備を使えるようにしないとね。それと衣食住をどうにかしないとだしね。金は奴らからもらったけれどね」

「そうか。じゃあこの家を出ていくのか」

「そういうことになるね。土佐今までありがとね」

「なに。礼を言うのはこっちの方だ。無為無謬だった私を戦えるようにしてくれたからな」

そんな感じで私たちはともに最後の一夜をすごしたわね。

 

そして翌日。

「あんたらのことだけどこれからどうするか決めてほしい。私と共に用心棒や放浪の旅に出るのかそれともこの地にとどまって新たな道を歩むのか。強制はしない。生活に必要な銭も渡そう」

と私が言うと大半は私についてくと言ったわね。

で、何人かは思い知ったのか剃髪して坊主になるという奴らもいたけれど彼らにはある程度の銭を渡したわね。

 

そして私は彼らに対して最新の戦術を教え込ませるという仕事を得たわね。

 

続く

 

 

 

 



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第8話  私らは辺境へと向かう

プロモーターの要求通りにしたが結果的に勝ってしまった彼女

その直後に組織の名を受けた鎌倉武士団の襲撃に会う。返り討ちにした彼女は武士団の頭目から依頼人の名前を聞いて単身乗り込む。

そして、結果的に組織を壊滅させることになり、これ以上村に居れば迷惑が掛かるとして彼女たちは辺境に向かうことになる。


第8話  私らは辺境へと向かう

 

「諸君。君たちはそれぞれの武士というのはわかっておる。だが、近代の戦い方は全くの素人である。それを自覚してもらいたい。まず近代戦のイロハであるが」

 

として五十六の伝手で陸戦隊やら陸軍の連中が彼らを教育することになった。まあ、私も面白そうだからその中に紛れて訓練に従事することにしたわね。

 

基本的な行軍や団体行動、野営のやり方。飯盒による煮炊き、応急処置。それに武器の使用方法とその手入れ、それに銃剣術、近接戦闘訓練と数多くの訓練が行われた。

 

で、数か月の月日が流れて教官から卒業を言われたわね。

 

「まさに時代の流れというべきなのか我らが如何に遅れていたというのを痛感したぞ」

 

「まったくでござるな。機関銃や小銃、拳銃というのが実に威力があるというのを思い知らされたが、近接戦闘になればわれらの剣術や柔術はとても有効というのもわかったのが

儲けものであるな」

 

とまあ、侍たちがそういうのをきいて私も一言いう。

 

「確かにそうね。で、現代戦闘の戦術を学んだ感想はどうかしら。とりあえず傭兵として戦えるように基礎的な訓練をしたけれど貴方方はどうするつもりかしら」

 

「愚問であるな。我らは武家。主君である信濃殿に仕えるのみ。信濃殿が我らにこのような戦術や戦闘を学ばせたのは万が一のことを思ってことであろうが我らは信濃殿に仕えた身。何処までもお供いたす」

 

「そう。ありがとね。一つだけいいかしら」

 

「何なりと」

 

「むやみやたらと殺しちゃあだめよ。そりゃあ。舐められた相手を殺すのが武士でしょうが、賭け事に負けたとかその程度で銃発砲したり、刀を抜いたらいかんよ。これを抜くときは生死をかけた戦いと

心得てもらいたいね。もちろん生命が危ういときはその限りじゃあないわ。あとは喧嘩でも刀を抜くな。特に素人や庶民に対しては刀を抜いたらいかんよ。酔っぱらい相手でも向こうが殴りかかってきたら

受け止めてせいぜいその相手の腕をへし折る程度にしておけばいい。そんなところかしら」

 

それを聞いた侍たちも唸っていたようね。

 

「むう。確かに冷静にかんがえてみれば一理ありますな」

 

「そうでしょ。で、これからなんだけれどわれらはこの地を去って辺境に向かうことにするわ。最後にもう一度確認するわね。抜けたいものは申し出てちょうだい。今ならまだ私も許すわ。これ以後

抜けようとするものは容赦なく脱走兵扱いとして優秀な奴だろうが斬首するわ。それで、どうかしら」

 

そういうと武士団の半数以上がこの地に留まることを選んだようね。

 

「そう。頼朝さんや為朝、与一、義経たちや平家の皆さんもか判ったわ。じゃあ行こうかしらね。はっきり言えばいばらの道。なれどわれらは防人として天界を守ろうではないか」

 

「おー」

 

「では、明朝に出発する。それまで皆英気を養ってもらいたい。解散」

 

そして彼らはそれぞれに散って行ったわね。

 

で、私はというと。

 

「土佐。お別れを言いに来たよ。って。あんたその恰好は」

 

「旅支度だよ。信濃あんたについていくよ。空母一人生かせるのは戦艦の名折れさね。それに扶桑、山城や浜風達もだよ」

 

「信濃。我、浜風は今度こそあなたを護衛する。だからあなたのお供をする」

 

「磯風も同じくだ。雪風はまだここに来ていないから無理だけど私もお供するよ」

 

「うちは浦風や。お初にお目にかかります。信濃殿。ウチが死んでからどえらいことになってしもうて。わても貴方を死しても守り通すさかい。よろしく」

 

「阿賀野です。隣にいるのが酒匂。未熟な彼女だけどね」

 

 

「扶桑です。その盾として存分にお使いくださいませ」

 

「山城です。扶桑姉さまと同じく。それに大規模近代化改修を手掛けてくれた恩もあるのでその恩義に」

 

それを知った私は言う。

 

「どいつもこいつも皆阿呆どもが。二度と帰れぬ死出の旅になるのやもしれんぞ。でも、私が追い返そうとしても無駄なようね。好きにすればいいよ」

 

ということで私を筆頭に戦艦扶桑、山城、巡洋艦土佐、阿賀野、酒匂、駆逐艦は浜風、磯風、浦風、神風、松風、夕立、松型の連中が一緒になることになったね。

で、空母組はどうやら瑞鶴、翔鶴、大鳳、葛城、天城、龍驤、飛鷹、隼鷹、補給艦として神威、速吸に大型タンカー6隻とあきつ丸、神州丸が同行するそうだ。

 

 

まあ、相当な大所帯になりそうね。で、翌日武士団と合流した私たちは武士団とそれぞれに交流しそれから出発となったわね。

 

「信濃殿彼女たちは貴方と同じなのであるか」と与一が尋ねるので私は答える。

 

「そうなるね。もっとも私は航空母艦、いわゆる空を制する飛行機の移動基地、扶桑達は戦艦ね。まあ、侍に例えるなら分厚い重装甲の鎧を装備した鎧武者とおもってくれればいいかな。

で、巡洋艦などは軽装だけど足が速いと思ってくれればいい。で速吸たちは糧食を運んでくれる部隊と思ってくれるといいわね。言っておくけれど、駆逐艦と言えども本来のデカさは50間を超え重量は45万貫になるね。

で、速さはウマ並みの速度とおもえばいいね。まあ、彼女たちを手籠めにしようとおもわないほうがいいね。もっとも彼女の方からあんた達を手籠めにするかもしれないけれど。出航だから神州丸に乗った乗った」

 

まあ、そんな感じで神州丸に武士たちが乗り込んだけれどそこでも巨大な鉄の船をみておどろいたようすであったりする。

 

 

そしてわれらは辺境へと旅立つことになった。

 

 



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第9話 辺境にたどり着き拠点を設ける

投稿が遅れて申し訳ございません。

リアルでごたごたがあり執筆が出来なかったことをお詫びする。




私達は都落ちというか辺境へと向かうことになった。まあ、私達の船団は辺境海域をくまなく調べ暗礁海域や通行可能な航路などを全て測量してとある無人島を確保に成功したね。

 

元火山島だったようで真水が得られるうえに植物もじゅうぶんだったので私たちはその島を拠点として活動を始めたわ。

 

 

そして我々は徐々に拠点を築き上げていったわね。まあ、なんというかまさかあのアルカポネファミリーが私たちの拠点とするところに来るとは思いもしなかったわね。

 

その辺のやり取りをば・・・

 

「たしかカポネファミリーのボスのアルカポネ殿ですよね。なにかな。まさかお礼参りに来たのか」

 

「違う。確かに俺たちの稼ぎをパーにされた恨みはあるが潮時とおもってファミリーを解散したんだ。で、そのなんだ俺達も参加するぞ。人手として使ってくれればいいぜ。

ビッグママ信濃」

 

そういうと彼は私の手に口づけをしたわね。なんでも忠誠を誓う行為だそうだ。それを知った私は言う。

 

「そうか判ったよ。言っておくけれどここでは賭け事なんかはできないし人も来ない辺境の地だけどいいのか」

 

「もちろんだ。艦娘とはいえ。単身俺たちの中全裸でカチコミに来る奴なんてよほどの達人か頭のネジが吹っ飛んだかのどちらかだからな。で、俺たちはあんたに惚れた

それだけの話だ」

 

「そうか。じゃあさ。物資調達やら交易の仲介や担当をお願いしようかしら。身辺のガードは義経たちの侍がしてくれるわよ」

 

「何。おまえ。あのカマクラサムライを率いてるのか。なるほどな。で、見たところ彼らは銃砲火器を持ってるという事はそれを使いこなせる程度の腕を持っているという事なんだよな

ウチのヒットマンも顔負けだな」

 

「そうね。まあ、ある意味彼らは狂戦士ともいえる存在よ。重量40キロの甲冑を纏って去勢していない暴れ馬を操って強弓を使いこなす。かのモンゴル帝国兵も退けたというのも

うなづける存在ね。まあ、彼らの信念は「舐められたら舐めた相手を殺す」これが彼らの信念であるわね。まあ、その辺はあんたらもイタリアマフィアも似たり寄ったりなのかな」

 

 

私がそういうとカポネは言う。

 

「確かにそうだ。まあ、俺たちボスを頂点とした経済団体というか移民たちの保護を目的に結成された組織だがな。まあ、末端の連中が麻薬だの賭博なんかに手を染めて稼ぎを

していたから犯罪組織として有名になったがな。で、俺達はあんたをボスと認めたということだ。まあ、はみ出し者の集まりだがよろしくお願いする」

 

「わかったわ」

 

そんな感じで彼らが交易してくれたおかげで私達の拠点づくりは半年もしないうちに立派な拠点が出来たわね。

 

まあ、そこで私たちは魚や怪獣を取ってそれを加工しその製品をもとに交易を開始したわ。まあ、そこでの生活は比較的自給自足的なものだったわね。

 

で、周りの島々の調査をするとそこにトンデモナイ鉱床が見つかったわね。

 

 

で。日本から地質学者を呼んで調べてみたらどうやら、ボーキサイト、マンガン、クロム、ニッケル、タングステン、錫、チタニュウム、鉄鉱石の鉱床がありその上原油も眠っているそうだ。

広大な土地がありすべて調査するとなるとという事だったね

 

まあ、ここはまだ、領有権も何もない空白地帯の辺境であったが、これが下手に米帝なんかに知られればあっという間にドンパチの再燃ということで私たちは日本村の人間が大多数暮らしているという事で

 

日本領ということになったわね。

 

で、村長である長門にこの件を報告書としてまとめて知らせたがこれを見た長門は腰を抜かしたようね。だけど長年の資源問題の解消となればという事で日本村から大量の調査隊や採掘、精錬機材

それを建設する資材などを積んだ貨物船がワンサカやってくるので仮説の桟橋だったところはあっという間に大規模な桟橋に積み下ろし用大型クレーンや修理整備用乾ドック、浮きドックなどをそろえる

大規模拠点となったわね。

 

まあ、資本や商人たちの交渉としてカポネさんや渋沢氏が絡んで私達の所は辺境の中継点として栄えるようになったわね。

 

 

 




次回の投稿は不定期となります。
気長にお待ちください


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