遊戯王GX 決闘者たちが歩む物語 (有頂天皇帝)
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世界観
アニメ『遊戯王GX』を舞台にしている。原作と異なる点は物語が始まる三年ほど前にエジプトで発見された未知の遺跡にて発見された大量の石版をペガサス会長がデュエルモンスターズのカードとして再現した。
しかし、再現したものの大半のカードは既存のカードと異なるカードであった為に当初は多くのカードデザイナーたちの頭を悩ましていた。
インダストリアルイリュージョン社と海馬コーポレーション、そしてイリアステルの協力によってカードを再現してから二年ほど経ってようやくそれらのカードをデュエルで使えるようになった。それがシンクロ・エクシーズ・ペンデュラムカード達である。
石版から再現されたカードたちの中で特に不思議な力を感じ取れた『シグナーの竜』、『決闘龍』、『No.』、『四天の龍』のカードたちは当時の新しい召喚法を扱うために選ばれたテスターたちの中で優秀なデュエリストたち、特別な大会の優勝賞品、ペガサスや海馬が選んだ優れたデュエリストたちの手に渡ったが、まだ持ち主の見つかっていないカードたちはインダストリアルイリュージョン社にて厳重に保管されている。
そして、物語が始まる3ヶ月ほど前になってようやく世界中のデュエリストたちが新たな召喚法である三つの召喚法を操れるようになったのだ。しかし、それらのカードはレアカードであるために財力または運命力がなければ使用出来ないでいた。
また、アカデミアでは本土よりも先に新しいカードが発売されることからレッドでも新召喚を行えるデッキを所有している生徒もいる。
デュエルのルールはマスタールール3に先行ドローを追加し、EXデッキの枚数は新たな召喚法が追加されたばかりなのでEXデッキの上限枚数は無制限から30枚までとなっている。
『カオス・ブラック』について
原作ではデュエルアカデミア高等部は3つのクラスに分けられているが、今作ではオベリスク・ブルーのさらに上のクラスとして『カオス・ブラック』が存在する。このクラスは純粋なデュエルの実力と十分な学力、そして人格面の問題等を吟味した上で認められて始めてこのクラスの生徒になれる。人数は他クラスに比べて全学年で50人と人数されており、時にはアンティをするブルー生徒やカードを捨てる生徒、賄賂などを受け取る教員を取り締まることもあるため倫理委員会とは敵対していると言っても過言ではない。
『クレイシリーズとグラン・ロロシリーズについて』
これらのカードは『カードファイトヴァンガード!!』の舞台である惑星クレイのユニットと『バトルスピリッツ』の舞台である異界グラン・ロロのスピリットたちが遊戯王のカードとなっている。これらのカードは10年前、ペガサスがとある神殿で見つけた三枚のクレイシリーズ『三英雄』のカードと12枚のグラン・ロロシリーズのカード『12宮Xレア』たちを元に創られたカードたち。一部のカードを除いて一般に販売されているがその入手難易度はかなり高い。
現在登場予定候補のヴァンガードのクランは『アクアフォース』、『かげろう』、『ロイヤルパラディン』、『シャドウパラディン』、『たちかぜ』、『ディメンションポリス』、『メガコロニー』、『ノヴァグラップラー』、『グランブルー』、『むらくも』、『ぬばたま』、『リンクジョーカー』になります。あくまで候補なため出番がない可能性は高いです。
バトスピのカードで『ブレイブ』はユニオンモンスターとして登場させるつもりです。
『サイバー流について』
師範である鮫島校長と準師範である才業龍五郎による『サイバー・ドラゴン』を始めとした『サイバー』と名のつく機械族モンスターを使用するデュエリスト流派の一つ。リスペクトデュエルを志しているがその実態はバーンやデッキ破壊、バウンス、戦闘以外でのモンスターの破壊などによる戦術を否定し他人にもその考えを押し付けているのが現状である。過去の大会でもバーンデッキを使う相手に対してその戦術を否定し更には観客を味方につけ大勢によるブーイングを行い相手をサレンダーさせた出来事があり、そのような出来事が多々あるためにサイバー流の関係者やその信者以外の人間からは嫌われている。
大手流派だったサイバー流だが流派の考えの違いから流派は鮫島によるサイバー流。黒騎鳳仙による裏サイバー流。完全にフリーとして活動しているもの達と別れてしまった。
人物設定(オリキャラ)
如月刹那 (きさらぎ せつな)
年齢:15歳
容姿:黒髪に紅眼の青年(イメージは魔王学院の不適合者のアノス・ヴォルディゴード)
精霊:ダーク・アームド・ドラゴン、レッド・デーモンズ・ドラゴン
使用デッキ:闇デッキ、シンクロデッキ、 ドラゴンデッキ
備考:今作の主人公。海馬コーポレーション所属のの新召喚のテスターの1人であり、そのデュエルの腕からペガサスに『スターダスト・ドラゴン』、『レッド・デーモンズ・ドラゴン』、『ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン』を託された。
デュエルの腕は高いが普通の人間ならば回しにくいデッキ構築になっているため日々デッキ構築に勤しんでいる。
黒鉄彩人 (くろがね あやと)
年齢:15歳
容姿:長い黒髪を後ろに結い上げている赤目の少年(イメージはD.Gray-manの神田ユウの目付きを優しくした感じ)
使用デッキ:BFデッキ
精霊:BF疾風のゲイル BFアーマードウイング ABF驟雨のライキリ
備考:遊城十代の幼なじみの1人。昔から十代が恋愛に対して鈍感なせいで苦労をかけられる事が多い。
某箒頭のBF使いと同じ苦労人で十代を含めた幼なじみたちに日々振り回されていた。
また、普段は長い髪を後ろにまとめて結い上げている。そのために髪を下ろした姿を見た人には女性と勘違いするものもいる。
実家の道場で合気術を習っているため、かなり鍛えられている。
十代がモテているのに自分に女っ気がないことを内心気にしているが、本人が気づいていないだけで普通に女子からはモテている。(尚、中学時代では十代と彩人による腐の妄想をしている女子がいた事は彼らの当時の同級生のみが知るのであった)
蒼龍院氷華 (そうりゅういん ひょうか)
年齢:17歳
容姿:黒髪ポニーテールの金色の瞳をした少女(イメージは艦隊これくしょんの大和)
デッキ:水属性デッキ
精霊:蒼嵐龍メイルストローム NO.32海咬龍シャークドレイク
備考:遊城十代の幼馴染みの一人にして転生者の少女。元いた世界では普通のデュエルが好きな女子高生だったが、学校帰りの夕暮れに通り魔に刺されて死んでしまった。しかし、死後に『遊戯王GX』の世界へと転生した。転生した時は突然の出来事に動揺していたが、氷華にとって初恋にして憧れの十代の幼馴染みになれたことでその事をあまり気にしなくなっていた。十代や十代にとって大切な存在を守るために合気や剣道などで心身を鍛えたため戦闘能力は高い。
十代を溺愛しているため他の男子は彼女にとって眼中にない。そのため彼女に告白してきた男子は全員が玉砕し、氷華の想い人である十代に嫉妬するのであった。また、氷華が振った男子に恋していた女子からも敵対されている。
デュエルアカデミアの最高ランクであるカオス・ブラックに所属しており、その実力はアカデミアの生徒たちの中でも十指に入るほどである。
また、デッキにはヴァンガードの『アクアフォース』のクランのカードが含まれている他、シャークの使用していたカードや他の水属性モンスターなどが入っている。
結崎浩介 (ゆいさき こうすけ)
年齢:24歳
容姿:ボサボサの白髪に白衣を着た眼鏡をかけた青年(イメージは東方Projectの森近霖之助)
使用デッキ:???
精霊:???
備考:融合次元のアカデミアに所属する科学者。主にデュエルディスクの整備やリアルソリッドビジョンのメンテナンスを行っている。プロフェッサーである赤馬零王に対して忠誠の欠片すら持っていないことからアカデミアの殆どの人間から蛇蝎の如く嫌われている。アカデミアにいる理由は衣食住が揃っているのと優秀なデュエリストや特殊なカードのデータ収集を行うためである。一応自分のデッキを所有しているがデュエルしている姿を見たものがいないことからその実力は不明である。
才業龍五郎 (さいごう りゅうごろう)
年齢:48歳
容姿:白髪の混ざった黒髪のオールバックの男性(イメージはFate/ZEROのケイネス・エルメロイ・アーチボルトの髪を黒くして老けさせた感じ)
使用デッキ:サイバーデッキ
精霊:なし
備考:デュエルアカデミアの教頭にしてサイバー流の師範代。基本的に鮫島の補佐をしているが内心では鮫島を蹴落とし自分が師範になろうと目論んでいる。自分の思うがままに動かせる手駒を増やすためにサイバー流の門下生を筆頭にアカデミアの生徒や元教え子たちを使ってサイバー流を広め反抗する勢力を潰していく。
赤馬零王たち融合次元のアカデミアの人間からは優秀な人間として認められているのか『サイバー・オーバー』シリーズのカードを渡されている。
宮本新羅 (みやもと しんら)
年齢:17歳
容姿:白髪に金色の瞳をした男(イメージとしてはD.Gray-manのアレン・ウォーカーで左目の逆さのペンタクルが刻まれていない)
使用デッキ:暗黒界デッキ
精霊:暗黒界の龍神グラファ
備考:カオス・ブラックの2年生。元デュエルアカデミア中等部男子トップで高等部に上がってからもその地位にあぐらをかかずに努力を続けた結果、カオス・ブラックに上がることが出来た。
去年まではスキドレ暗黒界を使用していたが、新たに登場した『魔轟神』や『未界域』に興味を抱き、現在はそれらのカードを収集している。
遊城榛名 (ゆうき はるな)
年齢:19歳
容姿:黒髪ロングの爆乳美少女(イメージは真剣で私に恋しなさい!の川神百代)
使用デッキ:EM魔術師オッドアイズデッキ
精霊:EMドクロバット・ジョーカー、調律の魔術師
備考:遊城十代の義姉にして転生者。転生した原因を覚えていないが何故かそれ以外の事は覚えていた。現在、大学に通いながらプロデュエリストとして活動中。幼い頃に両親を事故で亡くし父親の兄であった十代の父親に引き取られたことで十代と家族になった。前の世界から十代が好きであったために十代の義理とはいえ家族になったことを嬉しく思っている。将来はプロデュエリストのあらゆるコネを使って日本でも一夫多妻出来るようにすることを目標にしている。また、過去のある事件をきっかけに闇の事件に関わり、精霊が見えるようになった。また、十代が将来困らないように勉強をよく教えていた。
遊城楓 (ゆうき かえで)
年齢:14歳
容姿:黒髪ロングの美少女(イメージはやはり俺の青春ラブコメはまちがっているの雪ノ下雪乃)
使用デッキ:E-HEROデッキ
精霊:ユベル
備考:榛名の妹にして十代の義妹。榛名と同じ転生者で前世でも榛名とは仲の良い姉妹だった。姉と同じように転生した原因を覚えていない。両親の死のショックから遊城家に引き取られた当初は部屋に引きこもりがちだったが親身になって支えてくれた榛名と十代のおかげで徐々に回復し、今では前を向いて進むことが出来た。現在は中学に通いながら十代のいるデュエルアカデミアを受けるために勉強とデュエルに励んでいる。最近の悩みは十代の弟分を名乗るティラノ剣山と十代に恋する乙女にしてライバルの早乙女レイの相手を毎日していることである。
四ノ宮蓮 (しのみや れん)
年齢:18歳
容姿:長い銀髪に黒目の男性(イメージとしては家庭教師ヒットマンREBORN!のスペルビ・スクアーロ)
使用デッキ:インフェルニティ
精霊:インフェルニティ・ジェネラル
備考:カオスブラックの3年生。怖そうな見た目に対して面倒見がよく学年やクラスが異なっても人から慕われている。カイザーや他のカオスブラックの生徒たちのテストプレイに口では文句を言いつつも手伝ってくれる。入学当時はオシリスレッドだったが、たった一年半でカオスブラックにまで登り詰めた出来事から頑張れば上のランクに上がれるのではと希望を抱いている生徒が増えているが、オベリスクブルーの大半の生徒からは成り上がり風情と嫌われている。
『インフェルニティ・ジェネラル』はシャーマンキングの馬孫のような性格で、蓮のことを『坊っちゃま』と呼んでいるが当の本人である蓮はその呼び方が気に入らないでいる。
人物設定(原作)
遊城十代
使用デッキ:E・HEROデッキ
遊戯王GXの主人公。使用デッキは原作と同じE・HEROだが、アニメと違って属性HEROやM・HEROもデッキに組み込まれている。
原作通りオシリスレッドであるが義姉の榛名や幼馴染みの氷華たちのおかげで実技の勉強をしっかりとしており実技だけでも1年の中で上の方の順位にいる。入試の時は途中からマークシートの位置をずらしてしまったためにギリギリの点数になってしまった。今作では授業中もたまに寝てしまうことはあるが基本授業はしっかりと受けていることから原作とは違ってクロノスから嫌われていない。過去にとある大会でペガサス会長と出会い、その時自分がデザインしたカード達を見せたことがある。
丸藤翔
使用デッキ:ビークロイドデッキ
十代と同じオシリスレッドの1年。変態度が増してしまいデッキの強化より美少女カードに目移りしてしまっていることから原作より弱体化されている可能性大。
前田隼人
使用デッキ:オーストラリアデッキ
十代と翔のルームメイトで1度留年したオシリスレッドの生徒。自分に自信が持てず全てを諦めていたが、諦めずに楽しそうにデュエルをしている十代を見て自分も頑張ろうと思い始めている。
三沢大地
使用デッキ:岩石族
ラーイエローの1年のトップ。『磁石の戦士』を中心とした岩石族デッキを使っており、日々他のデュエリストたちのデュエルデータを見て対策を考えている。最近の悩みは『白魔道士ピケル』を見ていると胸がドキドキすることである。
神楽坂
使用デッキ:武藤遊城と海馬瀬人の混成デッキ
ラーイエローの生徒の1人。原作ではコピーデッキの使い手として盗んだ遊戯デッキで十代を苦しめた。今作では憧れのデュエリストである海馬瀬人と武藤遊戯の混成デッキを使用している。
ティラノ剣山
使用デッキ:恐竜デッキ
原作では十代達が2年に上がった時にラーイエローに入学し十代のデュエルを通して彼の個性に惚れ押しかけ舎弟となった。この作品では十代が中学二年の頃に出会い、原作同様十代の個性に惚れ彼の舎弟となった。十代や彩人をアニキと呼んでいた。また榛名や氷華、雪乃、ツァン、ゆまを最初の頃は姐御や姐さんと呼んでいたが本人たちから止めて欲しいと言われたのでそう呼ばないことにしている。
早乙女レイ
使用デッキ:ライトロードデッキ
原作では初登場時は初恋の丸藤亮に会うために密航してアカデミアにやって来た小学生。十代とのデュエルで十代に惚れ後に十代たちが3年生の頃にアカデミアに正式に入学した。今作ではショップで不良に当時パックで引き当てたレアカードを不良に盗まれそうになっていた所を十代に救われた。そんな十代に惚れた彼女は学校が終わると十代たちが通っている中学校に行ったり彼らが通うショップについて行ったりなど少しでも接点を持とうと頑張っていた。ライバルは多いがそれでもめげずに頑張ろうと現在は飛び級で十代の通うデュエルアカデミアに入学できるよう日々勉強を頑張っている。
人物設定(TFキャラ)
藤原雪乃
使用デッキ:ドラゴン族デッキ
十代の幼馴染み。両親が有名な俳優であるために実家はお金持ちであるがその事が原因で幼馴染みのツァン以外に友人がいなかった。小学生の頃、十代と出会いデュエルに誘われたことをきっかけに多くの友人が出来るようになり、その事を十代に感謝しているのと同時に十代に対して恋心を抱くようになった。最近の悩みは十代を誘惑しようとしても鈍感なために全く通用しないことである。
ツァン・ディレ
使用デッキ:戦士族デッキ
十代の幼馴染み。ツンデレなその性格が災いして雪乃以外の友人がいなかったが、雪乃と同じように十代にデュエルを誘われた事をきっかけに友人が出来るようになった。自分のキツイ性格に対しても普通に女の子として扱ってくれる十代に恋心を抱くが雪乃のように積極的になれずついキツイ態度を取ってしまうことが多くそれに頭を悩ませることが多い。最近は十代に喜んでもらおうと料理の練習をしている。
宮田ゆま
使用デッキ:漫画版十代のHEROデッキ
十代の幼馴染み。気弱な性格から小学生の頃に同じクラスの生徒たちからいじめを受けていた。そんな彼女を救ったのが十代でありその姿からテレビでみたヒーローのような存在である十代に憧れと行為を抱くようになった。なお、いじめっ子たちは榛名が徹底的に絞ったおかげか卒業まで何もされなくなった。雪乃やツァンなど他の人が十代を取り合っているすきに十代に近づくなど意外とちゃっかりとしている。
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アカデミア編
第1話 吠えろ!ダーク・アームド・ドラゴン!!
???Side
海馬ドーム
海馬コーポレーションが所有しているこのドームでは今、デュエルアカデミアの入試試験が行われていた。
デュエルアカデミアとは太平洋の孤島に設立された、全寮・寄宿制のデュエリスト養成学校。オーナーはデュエルキングの永遠のライバルと言われる海馬コーポレーション社長、海馬瀬人でネームバリューもあり、成績によって三段階の寮に分けられている。
寮分けは上からオベリスクブルー、ラーイエロー、オシリスレッドがある。ただし、中等部からの成り上がりと女生徒はオベリスクブルー入りが決まっているが、今受験している生徒たちはこの実技試験に合格してもなれるのはラーイエローかオシリスレッドのどちらかと決まっている。
『試験番号35番如月刹那、第1フィールドに来てください』
海馬ドームにアナウンスからの声が響き渡ると、観客席で本を読んでいた俺───如月刹那は読んでいた本を閉じてその本を鞄にしまい席を立った。
「俺の番か、いつも通り全力で行きますか」
俺はそんなことを呟きながらフィールドへと歩いていった。そして俺がフィールドに着くと既に試験管の人がデュエルディスクを構えて待っていた。
「私が君の試験を担当するものだ。勝ち負けも大事だが、デュエル中での行動でも合否を決めるので全力でかかってきなさい」
「わかりました」
試験官の言葉に頷きながら俺はデュエルディスクを構え始めた。そして互いにデュエルの準備が終わると、デュエル開始宣言の言葉をほぼ同時に言った。
「「デュエル!!」」
刹那:LP4000
試験官:LP4000
「俺の先行ドロー。俺はモンスターとカードを二枚伏せてターンエンド」
刹那:LP4000
モンスター:裏守備
魔法・罠:2
手札:3
試験官:LP4000
モンスター:なし
魔法・罠:なし
手札:5
「私のターンドロー!私は『ブラッド・ヴォルス』を攻撃表示で召喚!!」
ブラッド・ヴォルス ☆4 ATK1900
ブラッド・ヴォルス
通常モンスター
星4/闇属性/獣戦士族/攻1900/守1200
悪行の限りを尽くし、それを喜びとしている魔獣人。手にした斧は常に血塗られている。
試験官の前に斧を持った悪魔のように見えるが獣戦士族の『ブラッド・ヴォルス』が現れた。
「バトル!ブラッド・ヴォルスでセットモンスターを攻撃!!」
『ブラッド・ヴォルス』が手に持っている斧を振り上げながら俺の場にセットされているモンスターに迫るとその斧を振り下ろした。そして攻撃が当たる瞬間、セットされたカードがその姿を表した。
ジャイアントウィルス ☆2 DEF100
紫色の球体──『ジャイアントウィルス』は真っ二つに切り裂かれた。そして2つに切り裂かれたジャイアント・ウイルスは試験官に突撃し、ぶつかり終わったそれらは俺の場に新たに2体の『ジャイアントウィルス』が現れた。
「セットされていたモンスターは『ジャイアントウィルス』。このカードが戦闘で破壊されたことにより相手に500のダメージを与え、デッキから同名モンスターを任意の数召喚できる。俺はデッキから2体の『ジャイアントウィルス』を特殊召喚」
「くぅっ!!」
試験官:LP4000→3500
ジャイアントウィルス ☆2 ATK1000
ジャイアントウィルス ☆2 ATK1000
ジャイアントウィルス
効果モンスター
星2/闇属性/悪魔族/攻1000/守 100
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、相手ライフに500ポイントダメージを与える。さらに自分のデッキから「ジャイアントウィルス」を任意の数だけ表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
「なら、私はカードを一枚伏せ、永続魔法『凡骨の意地』と『ツーマンセルバトル』を発動してターンエンド。エンドフェイズにツーマンセルバトルの効果で手札からレベル4以下の通常モンスターである『剣闘獣アンダル』を特殊召喚する」
ツーマンセルバトル
永続魔法
各プレイヤーは自分のターンのエンドフェイズ時に1度だけ、レべル4通常モンスター1体を手札から特殊召喚する事ができる。
剣闘獣アンダル ☆4 ATK1900
剣闘獣アンダル
通常モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻1900/守1500
高い攻撃力で敵を追いつめる、隻眼の戦闘グマ。
恐るべきスピードと重さを誇る自慢のパンチを受けて倒れぬ者はいない。
刹那:LP4000
モンスター:ジャイアントウィルス(攻)×2
魔法・罠:2
手札:3
試験官:LP3500
モンスター:ブラッド・ヴォルス(攻) 剣闘獣アンダル(攻)
魔法・罠:伏せ1 凡骨の意地(永続) ツーマンセルバトル(永続)
手札:1
「俺のターンドロー。俺は『ジャイアントウィルス』2体を生贄に、『ダーク・ホルス・ドラゴン』を召喚する!」
2体の『ジャイアントウィルス』が光となって消えていくと、代わりにホルスの黒炎竜の闇堕ちした姿であるダーク・ホルス・ドラゴンが現れた。
ダーク・ホルス・ドラゴン ☆8 ATK3000
ダーク・ホルス・ドラゴン
効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守1800
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手のメインフェイズ時に魔法カードが発動した場合、自分の墓地のレベル4の闇属性モンスター1体を選択して特殊召喚できる。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
「攻撃力3000のモンスターだと!?」
試験官は『ダーク・ホルス・ドラゴン』の攻撃力に驚愕していた。攻撃力3000というのはこのデュエルアカデミアのオーナーである海馬瀬人の魂であり嫁である『青眼の白龍』と同等の攻撃力なのだからそれも当然だろう。
「バトル!『ダーク・ホルス・ドラゴン』で『ブラッド・ヴォルス』を攻撃!!『ダーク・メガフレイム』!!」
『ダーク・ホルス・ドラゴン』の口から放たれた黒い炎の球体が『ブラッド・ヴォルス』に当たると『ブラッド・ヴォルス』は塵も残さず燃え尽きてしまった。
試験官:LP3500→2400
「だがブラッド・ヴォルスが破壊されたことによりトラップ発動『命の綱』‼︎モンスターが破壊された時、手札を全て捨てることで破壊されたモンスターを攻撃力を800上げて特殊召喚することができる。私は手札を1枚捨てて『ブラッド・ヴォルス』を墓地より特殊する。甦れ!『ブラッド・ヴォルス』‼︎︎」
命の綱
通常罠
自分モンスターが戦闘によって墓地に送られた時に、手札を全て捨てて発動する。そのモンスターの攻撃力を800ポイントアップさせて、フィールド上に特殊召喚する。
ブラッド・ヴォルス ☆4 ATK1900→2700
「さらに墓地に送られた『代償の宝札』の効果で2枚ドローする」
「チッ、俺はこれでターンエンド」
倒したかと思ったらパワーアップして蘇生してきたのに舌打ちすると手札に伏せるカードもなかったのでそのままターンを終了した。
刹那:LP4000
モンスター:ダーク・ホルス・ドラゴン(攻)
魔法・罠:伏せ2
手札:3
試験官:LP 2400
モンスター:ブラッド・ヴォルス(攻) 剣闘獣アンダル(攻)
魔法・罠:1枚 凡骨の意地(永続) ツーマンセル・バトル(永続)
手札:2
刹那Side out
試験官Side
まさか『ダーク・ホルス・ドラゴン』が出てくるとはな・・・『ブラッド・ヴォルス』を蘇生したはいいがこのままではまた破壊されるだけだ。ここは次のドローに賭けるしかないか
「私のターンドロー!」
ドローしたカードは『ジェネティック・ワーウルフ』。普段ならば優秀な下級アタッカーとして使えたが今の状況では意味が無い。しかしまだチャンスはある。
「私のドローカードは『ジェネティック・ワーウルフ』‼︎通常モンスターのため永続魔法『凡骨の意地』の効果によりもう一枚ドロー!『岩石の巨兵』‼︎更にドロー!『チェーン・ウォリアー』‼︎更にドロー!『デーモンの召喚』‼︎更にドロー!ドローしたカードは通常モンスターではないためこれでドローは終了する」
発動していた『凡骨の意地』の効果で手札を増やすことに成功し、この状況を巻き返すのに十分なカードが揃った。
「そして私は魔法カード『古のルール』を発動し、手札から『デーモンの召喚』を特殊召喚する‼︎」
凡骨の意地
永続魔法
ドローフェイズにドローしたカードが通常モンスターだった場合、そのカードを相手に見せる事で、自分はカードをもう1枚ドローする事ができる。
古のルール
通常魔法
手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する。
『デーモンの召喚』が場に現れたことで観客席から興奮の声が上がっているのが聞こえる。それも当然だろう。このカードはあのデュエルキング武藤遊戯の使うカードとして有名なのだからな。
デーモンの召喚 ☆6 ATK2500
デーモンの召喚
通常モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200
闇の力を使い、人の心を惑わすデーモン。悪魔族ではかなり強力な力を誇る
「そして私はチューナーモンスター、『チェーン・ウォリアー』を攻撃表示で召喚‼︎」
チェーン・ウォリアー ☆3 ATK1600
チューン・ウォリアー
チューナー(通常モンスター)
星3/地属性/戦士族/攻1600/守 200
あらゆるものをチューニングしてしまう電波系戦士。
常にアンテナを張ってはいるものの、感度はそう高くない。
私がチューナーモンスターである『チェーン・ウォリアー』を出すと観客席の方がざわつき始めた。そして目の前にいる対戦相手である受験生は警戒を顕にしていることからこの後私がやることに気がついているのだろう。ならば見せてやろう!
「私は、レベル4の『剣闘獣アンダル』にレベル3の『チェーン・ウォリアー』をチューニング‼︎」
☆4+☆3=☆7
『チェーン・ウォリアー』が3つの光り輝く輪になるとその輪の間を『剣闘獣アンダル』が潜り抜けると4つの光り輝く星となる。
「シンクロ召喚‼︎現れよ、スクラップ・デスデーモン‼︎」
そして試験官に場に全身が継接ぎで出来たスクラップの悪魔——『スクラップ・デスデーモン』が現れた。
スクラップ・デスデーモン ☆7 ATK2700
スクラップ・デスデーモン
シンクロモンスター
星7/地属性/悪魔族/攻2700/守1800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
これにより私の場に伝説のデュエリストである海馬瀬戸が使用している『ブラッド・ヴォルス』、デュエルキング武藤遊戯が使用している『デーモンの召喚』、そして先月インダストリアルイリュージョン社が発表した3つの召喚法の1つ、『シンクロ召喚』によって召喚された『シンクロモンスター』である『スクラップ・デーモン』の三体が並び立った。
「装備魔法『執念の剣』を『スクラップ・デスデーモン』に装備して攻撃力を500アップさせてバトル!『スクラップ・デスデーモン』で『ダーク・ホルス・ドラゴン』を攻撃‼︎」
執念の剣
装備魔法
装備モンスターの攻撃力・守備力は500ポイントアップする。
このカードが墓地へ送られた時、このカードをデッキの一番上に戻す。
スクラップ・デスデーモン ATK2700→3200
これによって『スクラップ・デスデーモン』の攻撃力が『ダーク・ホルス・ドラゴン』を超えた。
「トラップ発動、『ガード・ブロック』‼︎戦闘ダメージを無効にし、デッキからカードを一枚ドローする」
ガード・ブロック
通常罠
相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
執念の剣を手にした『スクラップ・デスデーモン』は『ダーク・ホルス・ドラゴン』の首を切り裂き、『スクラップ・デスデーモン』は倒れた『ダーク・ホルス・ドラゴン』の頭を踏み砕いた。その衝撃が受験生に襲いかかるが受験生の前に障壁が現れるとその衝撃を防いだ。
「だが、私の場にはまだ攻撃できるモンスターが2体残っている。この2体の直接攻撃で終わりだ‼︎ゆけ!『ブラッド・ヴォルス』‼︎『デーモンの召喚』!!」
「手札の『バトル・フェーダー』の効果発動‼︎直接攻撃を受ける時、手札のこのモンスターを特殊召喚し、バトルフェイズを強制終了させる‼︎」
斧を振りかぶりながら受験生に襲いかかる『ブラッド・ヴォルス』の前に『バトル・フェーダー』が鐘を鳴らしながら現れ、その鐘の音を聞いた『ブラッド・ヴォルス』は振りかぶっていた斧を下ろし、私のフィールドへと戻っていった。
バトルフェーダー ☆1 ATK0
バトルフェーダー
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
「凌いだか。ならば私はこれでターンエンド。エンドフェイズに『ツーマンセル・バトル』の効果により手札から『ジェネティック・ワーウルフ』を攻撃表示で特殊召喚する」
この攻撃を防がれたことには驚いたが相手の場にいるのは攻守0のモンスターが一体だけ。次のターンになれば私の勝ちは決まったも当然だ。しかしここは念の為にジェネティック・ワーウルフを召喚しておく。
ジェネティック・ワーウルフ ☆4 ATK2000
ジェネティック・ワーウルフ
通常モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻2000/守 100
遺伝子操作により強化された人狼。本来の優しき心は完全に破壊され、闘う事でしか生きる事ができない体になってしまった。その破壊力は計り知れない。
刹那:LP4000
モンスター:バトルフェーダー(攻)
魔法・罠:伏せ1
手札:3
試験官:LP 2400
モンスター:ブラッド・ヴォルス(攻) スクラップ・デーモン(攻)・(執念の剣装備) ジェネティック・ワーウルフ(攻)
魔法・罠:執念の剣(装備) 凡骨の意地(永続) ツーマンセル・バトル(永続)
手札:1
試験官Side out
刹那Side
「(『ガード・ブロック』で『バトル・フェーダー』を引けなかったら危なかったな)」
まさか『ダーク・ホルス・ドラゴン』が1ターンで破壊された上にシンクロモンスターと上級モンスターを場に揃えるとは、流石はデュエルアカデミアの試験官と言わざるを得ない。
「(今の手札じゃ反撃できない。ここは次のドロー次第だな)俺のターンドロー!」
ドローしたカードは『天使の施し』。どうやらまだ運は尽きてないようだ。
「魔法カード『天使の施し』を発動しデッキからカードを3枚ドローしその後手札から2枚カードを捨てる。そして墓地に送った『代償の宝札』の効果で更に2枚ドロー!更に『手札抹殺』を発動し俺は手札5枚を捨ててデッキから5枚ドローする!!」
「私も1枚捨てて1枚ドロー」
天使の施し
通常魔法
デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる
代償の宝札(未OCGカード)
通常魔法
このカードが手札から墓地に送られた時、デッキからカードを2枚ドローする
手札抹殺
通常魔法
手札があるプレイヤーは、その手札を全て捨てる。その後、それぞれが捨てた枚数分デッキからドローする
手札と墓地にカードが揃い始めたがまだカードが足りない。ここは
「そして墓地に闇属性モンスターが7体以上存在するので魔法カード『終わりの始まり』を発動!墓地から『ダーク・ホルス・ドラゴン』、『マッド・デーモン』、『ジャイアント・ウイルス』3体を除外して3枚ドロー!」
終わりの始まり
通常魔法
自分の墓地に闇属性モンスターが7体以上存在する場合に発動する事ができる。自分の墓地に存在する闇属性モンスター5体をゲームから除外する事で、自分のデッキからカードを3枚ドローする。
マッド・デーモン
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1800/守 0
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
(2):攻撃表示のこのカードが攻撃対象に選択された場合に発動する。このカードを守備表示にする。
そしてドローした3枚を見ると求めていたカードがやって来て、全てのパーツが揃った。
「そして墓地に闇属性モンスターが3体のみの時、このモンスターは特殊召喚できる。闇に染まりし鎧竜よ、その力で我が敵を蹂躙せよ!!現れよ!!ダーク・アームド・ドラゴン!!」
俺の前に現れるのは伝説のLvモンスターの一体であるアームド・ドラゴンの闇堕ちした姿のドラゴンであり俺のフェイバリットカードの『ダーク・アームド・ドラゴン』。『ダーク・アームド・ドラゴン』は闇の中から現れると咆哮を上げた。
ダーク・アームド・ドラゴン ☆7 ATK2800
ダーク・アームド・ドラゴン
特殊召喚・効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守1000
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の闇属性モンスターが3体の場合のみ特殊召喚できる。
(1):自分の墓地から闇属性モンスター1体を除外し、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
「更に俺は手札の『人造人間サイコ・ショッカー』を墓地に送り、『ダーク・グレファー』を特殊召喚!『ダーク・グレファー』の効果で手札の『ネクロ・ガードナー』を墓地に送りデッキから『ヘルウェイ・パトロール』を墓地に送る」
ダーク・グレファー ☆4 ATK1700
人造人間-サイコ・ショッカー
効果モンスター
星6/闇属性/機械族/攻2400/守1500
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いにフィールドの罠カードの効果を発動できず、フィールドの罠カードの効果は無効化される。
ダーク・グレファー
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1700/守1600
(1):このカードは手札からレベル5以上の闇属性モンスター1体を捨てて、
手札から特殊召喚できる。
(2):1ターンに1度、手札から闇属性モンスター1体を捨てて発動できる。
デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る。
ネクロ・ガードナー
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1300
(1):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。
ヘルウェイ・パトロール
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守1200
(1):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。そのモンスターの元々のレベル×100ダメージを相手に与える。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。手札から攻撃力2000以下の悪魔族モンスター1体を特殊召喚する。
モンスターを次々と墓地に落としていく行動に観客席の方からは野次のような声が聞こえてくるが無視してやるべきことを続ける。
「『ヘルウェイ・パトロール』の効果発動!墓地にいるこのモンスターをゲームから除外することで手札から攻撃力2000以下の悪魔族モンスターを特殊召喚することができる。俺はチューナーモンスター『ダーク・リゾネーター』を特殊召喚!」
俺の後ろに半透明の『ヘルウェイ・パトロール』が現れるとその姿を消し、代わりに俺の場に音叉を持った小さな悪魔──『ダーク・リゾネーター』が現れた。
ダーク・リゾネーター ☆3 ATK1300
ダーク・リゾネーター
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1300/守 300
(1):このカードは1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。
「俺はレベル4のダーク・グレファーにレベル3のダーク・リゾネーターをチューニング!!」
『ダーク・リゾネーター』は音叉を鳴らすと3つの光の輪と化し、『ダーク・グレファー』はその3つの輪を潜り4つの星となる。
☆3+☆4=☆7
「天頂に輝く死の星よ!!地上に舞い降り生者を裁け!!シンクロ召喚!!現れよ『天刑王ブラック・ハイランダー』!!」
この瞬間、死神のような鎌を持った黒い外装を纏った悪魔──『ブラック・ハイランダー』が俺の場に現れた。
天刑王ブラック・ハイランダー ☆7 ATK2800
天刑王ブラック・ハイランダー
シンクロ・効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2800/守2300
悪魔族チューナー+チューナー以外の悪魔族モンスター1体以上
(1)このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにシンクロ召喚をする事ができない。
(2)1ターンに1度、装備カードを装備した相手モンスター1体を選択して発動する事ができる。
選択したモンスターに装備された装備カードを全て破壊し、破壊した数×400ポイントダメージを相手ライフに与える。
新たなシンクロモンスターの登場に会場からは歓声が上がった。シンクロモンスターは最近登場したカードであるためそれを使う人はプロでも余りいないためこの反応も仕方がないことだろう
「まさか君もシンクロモンスターを使うとはな。しかし、君のモンスターたちの攻撃力では私の『スクラップ・デスデーモン』を倒すことは出来ないぞ」
「まだこんなもんじゃないですよ。俺は墓地の『サイコ・ショッカー』をゲームから除外することで手札から『闇の精霊ルーナ』を特殊召喚する」
闇の精霊ルーナ ☆4 ATK1600
闇の精霊ルーナ
特殊召喚・効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守1200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地から闇属性モンスター1体を除外した場合に特殊召喚できる。
(1):自分スタンバイフェイズに発動する。
相手に500ダメージを与える。
「そして永続罠『強化蘇生』を発動!墓地から『ダーク・リゾネーター』を蘇生させる。『強化蘇生』の効果で『ダーク・リゾネーター』のレベルは1上がり、攻撃力と守備力は100上がる」
ダーク・リゾネーター ☆3→☆4 ATK1300→1400
強化蘇生
永続罠
(1):自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。そのモンスターは、レベルが1つ上がり、攻撃力・守備力が100アップする。そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。
「再びチューナーモンスターを出したということは、またシンクロ召喚をする気かな」
試験官はそう言いながら警戒してくるが、その考えは間違えである。
「残念ですが違います。俺はレベル4の『闇の精霊ルーナ』と『ダーク・リゾネーター』でオーバーレイ!!」
目の前に黒い渦が現れると、『闇の精霊ルーナ』と『ダーク・リゾネーター』がそれぞれ紫の光の球となってその中に飛び込んだ。
「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
2体の紫の光の球が入った穴が様々な光を飛び出しながら爆発した。
「闇に潜みし反逆の龍よ、その牙で敵を穿て!!現れよ!『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!!」
そして爆発が収まり煙が立ちこむ中、周囲に電気が走りながら黒き龍──『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』が現れた。
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ★4 ORU2 ATK2500
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
レベル4モンスター×2
(1):このカードのX素材を2つ取り除き、
相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を半分にし、その数値分このカードの攻撃力をアップする。
「え、エクシーズ召喚だと!?」
試験官は『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』の登場に動揺を隠せなかった。シンクロ召喚とは別にインダストリアルイリュージョン社が発表した2つ目の召喚法であるエクシーズ召喚も扱うっている受験生がいるとは思わなかったのだろう。
「最後に『バトル・フェーダー』を生贄に『邪帝ガイウス』を召喚。『バトル・フェーダー』は場を離れたことでゲームから除外される」
邪帝ガイウス ☆6 ATK2400
邪帝ガイウス
効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2400/守1000
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを除外し、除外したカードが闇属性モンスターカードだった場合、相手に1000ダメージを与える。
「生贄召喚に成功したことで『邪帝ガイウス』の効果で『ジェネティック・ワーウルフ』を除外する」
「くっ!」
『ガイウス』は右腕を前に突き出し、『ジェネティック・ワーウルフ』へと黒球を放つ。それは真っ直ぐと地面を削りながら突き進み『ジェネティック・ワーウルフ』に当たると『ジェネティック・ワーウルフ』は黒球に吸い込まれていき黒球と共に姿を消した。
「そして『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』のモンスター効果発動!ORUを2つ取り除くことで『スクラップ・デスデーモン』の攻撃力を半分にし、その数値分『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』の攻撃力を上げる」
スクラップ・デスデーモン 攻撃力3200→1600
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻撃力2500→4100
「そして『ダーク・アームド・ドラゴン』の効果発動!墓地の闇属性モンスターを1体ゲームから除外することで相手の場のカード1枚を破壊する。俺は墓地から『闇の精霊ルーナ』と『ダーク・リゾネーター』、『ダーク・グレファー』の3体を除外することで相手の場のモンスターを全て破壊する!『ジェノサイド・カッター』!!」
『ダーク・アームド・ドラゴン』の背中の刃が飛ばされるとその刃が試験官のモンスターたちに突き刺さり、爆散した。
「くぅっ!!」
「これで貴方の場はがら空きになった。バトルフェイズに移行し、全モンスターで攻撃!」
俺が攻撃宣言したことによって『ダーク・アームド・ドラゴン』の腕が、『ブラック・ハイランダー』の鎌が、『ガイウス』から放たれた黒球が、そして『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』の牙が試験官を襲った。
「ぐわぁぁぁ──────!?」
試験官:LP2400→-9700
モンスターたちの総攻撃を喰らった試験官が吹っ飛ばされるのと同時に試合終了のブザーが鳴り響いた。
「ふぅ、何とか勝利できたな」
正直、今回はデッキが上手く回ってくれたからこそこんな展開を出来たがもう一度再現しろと言われたら難しいだろう。
「試験番号35番。合否は追って通知するから今日は帰っていいぞ。素晴らしいデュエルだった」
「ありがとうございました」
試験官のその言葉を聞いて俺はお辞儀をしてからデュエルフィールドを離れてそのまま海馬ドームを後にして帰宅するのだった。
刹那Side out
???Side
「アイツすげぇな。あの状況から一気に逆転するなんて」
俺、遊城十代はワクワクが止まらなかった。
試験官がシンクロモンスターを出した時は終わったかと思えば、次のターンにシンクロモンスターとエクシーズモンスターを出して一気に逆転したのだから。
だから、素直にこう思った。アイツとデュエルしてみたいと。
気がつけばデュエルするためにアイツの元へと走っていったのだが・・・・
「くっそ~~何処にも居ねえじゃねぇかよ・・・」
アイツがいたデュエルフィールド近くの出入口に着いたはいいもののそこには誰もいなかった。
「まぁそう慌てるな十代。彼の試合の結果からして合格は間違いないんだからアカデミアでデュエルすればいいだろ?」
そう言ってくるのは俺の幼馴染みの1人である黒鉄彩人。まぁ確かにそうなんだけどさ・・・・
「というかお前はまず自分の試験に集中しろよ。先生たちが認めてくれたから何とか試験を受けれるけどその分判定は厳しくなるんだからな」
「うっ、わかってるよそんなこと・・・」
実は俺、電車の人身事故に巻き込まれた為に試験に遅れたのだが何とか試験を受けさせてもらえることになった。しかしその代わりとして俺が戦う相手は実技担当最高責任者な上に使用するデッキも試験用ではなく本気のデッキでのデュエルらしい。
「よーし!どんな奴が相手か分からないけど楽しみになってきたぜ!」
「相変わらず調子の良い奴だよお前は・・・」
アイツとデュエル出来ないのは残念だけど今は目の前のデュエルに集中だ!
十代Side out
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第2話 オベリスクブルーの洗礼!
刹那Side
実技試験を終えてから数日、自宅にデュエルアカデミア合格が書かれた書類とラーイエローの制服が届いた。俺はカードや本などは輸送してもらうことにしてそれ以外の必要最低限の荷物を纏めてから届いたラーイエローの制服を着てデュエルアカデミアへと向かった。
デュエルアカデミアに着いてたらそのまま流れるように入学式が始まり校長先生による無駄に長ったらしい話を適当に聞き流しているとようやく話が終わりその場で解散となった。
その後はイエロー寮の自分の部屋に届いた荷物を整理してからは島の中を歩き回って何処に何があるのかを詳細に把握することにした。
島を歩いていると購買を見つけたので折角なのでカードバックを3パック買って近くに座れそうな場所があったのでそこで早速開けてみることにした。
「さてと、何が入ってるかな~」
パックを開ける時は何が入っているか分からないこのドキドキ感を楽しめるのがパックの醍醐味と言えるのは多くのデュエリストが共感してくれることだろう。さて、先ずは1パック目からだな
『ネクロ・ガードナー』
『カード・ブロッカー』
『くず鉄のかかし』
『魔王ディアボロス』
『モリンフェン』
「まぁいいカードなんだけどさぁ・・・」
しかし残念ながらどのカードも既に持っているカードなので正直当たっても使わないのだが、とにかく次のパック開けるか2パック目!
『ラーバモス』
『プチモス』
『進化の繭』
『明鏡止水の心』
『シーホース』
「・・・・・・」
ま、まだだ!まだ最後のパックがある。3パック目ぇ!!
『E・HEROリキッドマン』
『ゾンビキャリア』
『アサルトワイバーン』
『ターレット・ウォリアー』
『鎖付きブーメラン』
「よ、良かった・・・2パック目の結果が結果だけに不安を感じたが3パック目はいいカード引けたな」
というか2パック目のラインナップはどう考えてもラーバモスを召喚しろという圧を感じさせるんだが?というかモリンフェン、シーホースと来たならそこはレオグンとかというオチが着くものだと思ってたがそんなことはなかったな。
とりあえずそろそろ寮の歓迎会の時間が近づいているので手に入れたカードを閉まってイエロー寮へと向かおうとした。
だが、その時だった。
「おい待てよそこの半端もんのラーイエロー」
「あ?」
オベリスクブルーの制服を来ている生徒が同じ制服を着ている取り巻きらしき生徒を何人か連れて声をかけてきた。
「誰だよアンタ」
「フッ、流石は半端もののラーイエローだな。この未来のデュエルキングと名高い獅童誠様のことを知らないとはなぁ!!」
獅童と名乗る男がこちらを見下しながら自慢げに話してくるのを適当に聞き流しながら聞いているとどうやらこの男は俺が試験でシンクロモンスターとエクシーズモンスターを使ったのを取り巻きから聞き、半端もののラーイエローが使うことが気に入らないのかエリートであるオベリスクブルーである自分に寄越せと言いたいようだ。なんと言うかまぁ・・・・
「話は終わったか?だったら俺はこれで失礼させてもらう」
「なっ!?」
話の内容がくだらなすぎたので俺は席を立つとイエロー寮の歓迎会に参加するためにその場を去るのだった。高田やその取り巻き連中が後ろの方で何か喚いていたがそんなもの無視した。
そして無事何事もなくイエロー寮に着いた俺は歓迎会にてイエロー寮の寮長である樺山教諭特製のカレーを食べつつ、同じラーイエローになった新入生である試験番号1番の三沢大地や神楽坂などと話しをしていた。そして歓迎会も終わり、部屋に戻ってデッキの調整をしているとアカデミアから配られたPDAにメールが届いていた。内容を確認してみるとそれは昼間に出会った獅童とかいうオベリスクブルーからのものだった。
《よぉ半端モン。今夜の10時に互いのレアカードを賭けたアンティルールでデュエルだ!場所はオベリスクブルー専用のデュエルリングだ。怖かったらしっぽ撒いて逃げてもいいんだぜ?》
「・・・・・・・・」
俺はメールを確認し終えるとPDAをポケットにしまい、デッキをケースに閉まってから腕にデュエルディスクを装着してから誰にも気づかれないように気をつけながらイエロー寮を出てデュエルリングへと向かった。正直、こんなくだらない誘いを受ける理由などないがここで無視しても明日また因縁をふっかけられる可能性もあるのだからここで徹底的に叩きのめすほうがいいだろう。
しかし、この時の俺は気づいていなかった。イエロー寮を出ていく俺の姿を見ていた2人の人物が俺の後を追ってきていたことを
刹那side out
彩人side
午後10時のオベリスクブルー専用(実際の所そうでも無いが)デュエルリングに俺と十代、そして今日十代の弟分になった丸藤翔はやって来ていた。それというのも昼間にこのデュエルリングにやって来た俺たちだが十代がここでデュエルをしようとした時にオベリスクブルーの生徒である万丈目準からデュエルを仕掛けられた。
突然のことに動揺する翔を無視して十代はその挑戦を受けてデュエルに応じようとしたのだが、タイミング悪く寮での歓迎会の時間が迫ったため残念ながらデュエルは出来なかった。
しかし先程十代のPDAに万丈目からメールが届いた。それは『デュエルリングにて貴様を待つ』と短い文だったがデュエルの申し込みだと本能で理解した十代はデッキとデュエルディスクを持ってデュエルリングへと走っていた。そんな十代を流石に無視できないので俺と翔は十代の後を追ってデュエルリングにやってきたのだが、そこには万丈目だけでなく他のブルー生もいた。
話を聞くところによるとどうやら獅童というブルー生もまたこの場所でラーイエローの如月刹那を呼び出してデュエルを行うつもりのようでこうしてたまたま被ってしまったようだ。
「万丈目!?なぜ貴様がここにいる!?」
「獅童か。フン、貴様には関係ないことだ」
「なんだと!!」
「貴様の相手はそこにいるラーイエローだろう。そいつにも興味はあるが今は譲ってやる」
「き、貴様ァ!!」
獅童が万丈目に対して突っかかているが、万丈目はそんな高田を適当にあしらっているためか高田は激号していた。
「おい、時間ねぇんだからとっととデュエルするぞ」
如月はそう言いながらデュエルディスクを構えてデュエルリングに上がっていた。その反対側には十代が同じようにデュエルディスクを構えていた。それに気づいた高田は万丈目に対して舌打ちをしてから如月と向かいあう位置に移動してデュエルディスクを構え、万丈目もまたデュエルディスクを構え十代を見据えていた。
「「「「決闘(デュエル)」」」」
そして、4人は同時にデュエル開始の宣言を行ったことでデュエルが始まろうとしていた。
刹那
LP:4000
獅童
LP:4000
十代
LP:4000
万丈目
LP:4000
彩人side out
誠side
ルーレットによって先行は俺様になったのでカードをドローする。
「俺様のターン、ドロー!フッ」
ドローしたカードを見て思わず笑みを浮かべてしまう。何故ならば今ドローしたカードによって俺様の勝利が確定したのだから
「俺様は魔法カード『二重召喚』を発動!これによって俺様はこのターン通常召喚を2回行うことが出来る。まずは『
炎を支配する者 ☆4 ATK1500
効果モンスター
星4/炎属性/炎族/攻1500/守1600
炎属性モンスターを生け贄召喚する場合、このモンスター1体で2体分の生け贄とする事ができる。
「『炎を支配する者』は1体で2体分の生贄にできる。俺はコイツを生贄に『絶対服従魔人』を召喚するぜ!」
絶対服従魔人 ☆10 ATK3500
絶対服従魔人
効果モンスター
星10/炎属性/悪魔族/攻3500/守3000
自分フィールド上にこのカードだけしかなく、
手札が0枚でなければこのカードは攻撃できない。このカードが破壊した効果モンスターの効果は無効化される。
「更に俺様は手札から装備魔法『愚鈍の斧』と『デーモンの斧』を『絶対服従魔人』に装備するぜ!」
絶対服従魔人 ATK3500→5500
愚鈍の斧
装備魔法
(1):装備モンスターの攻撃力は1000アップし、効果は無効化される。
(2):自分スタンバイフェイズに発動する。
装備モンスターのコントローラーに500ダメージを与える。
デーモンの斧
装備魔法
(1):装備モンスターの攻撃力は1000アップする。
(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた時、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。このカードをデッキの一番上に戻す。
「こ、攻撃力5500!?そんなモンスターにかないっこないっスよ!?」
「流石は獅童さんだぜ!1ターンで『青眼の究極竜』を超えた攻撃力のモンスターを召喚するだなんて!!」
「やるわね獅童くん」
『絶対服従魔人』を見て恐怖するオシリスレッドのチビメガネ、興奮する取り巻きたち、そしていつの間にかこの場にいた俺様のプレイングに感心する天上院さんの反応を見ていい気分になった。
「俺様はリバースカードを1枚伏せてターンエンドだ!さぁテメェのターンだ!!」
手札を使い切ってしまったが伏せたカードは『聖なるバリア-ミラーフォース-』だ。例え『絶対服従魔人』の攻撃力を超えたモンスターが現れようとコイツがあれば問題ない。
俺様は余裕を持ってエンド宣言をした。
獅童:LP4000
モンスター:絶対服従魔人(攻)
魔法・罠:愚鈍の斧(装備) デーモンの斧(装備) リバースカード1枚(聖なるバリア-ミラーフォース-)
手札:0枚
刹那:LP4000
モンスター:0
魔法・罠:0
手札:5枚
誠side out
刹那side
(なんだコレは・・・)
俺は獅童の場を見て正直呆れた。確かに先行の1ターン目で『絶対服従魔人』を出してきたことには驚いたがそれだけだ。先行1ターン目で手札を使い切るコイツにも呆れるがそれに感心している周りにも呆れるしか無かった。
(しかもあの表情からしてあの伏せカードは恐らく『ミラーフォース』や『次元幽閉』みたいな攻撃反応型トラップだな。まったくわかりやすいったらないな)
俺は思わず「はぁ」とため息を吐いてしまう。
だが、それがいけなかった。
「おい、何ため息なんて吐いてやがるんだよ。やる気がないならさっさとサレンダーしやがれ」
「所詮半端モンが俺たちエリートにかなう訳がないんだよ」
獅童の取り巻きたちが騒がしいが騒音でしかないので無視をする。そして
「俺のターン、ドロー」
俺はデッキからカードを1枚ドローする。ドローしたカードを確認するとそれは『ダーク・アームド・ドラゴン』だった。
ダーク・アームド・ドラゴン
特殊召喚・効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守1000
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の闇属性モンスターが3体の場合のみ特殊召喚できる。
(1):自分の墓地から闇属性モンスター1体を除外し、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
(ここでこのカードが来たか。だが今回のデュエルはコイツを出さなくてもケリをつけられそうだな)
俺は『ダーク・アームド・ドラゴン』のカードを見ながらそう思い、別のカードを発動させる。
「手札から魔法カード『真紅眼融合』を発動。デッキから『真紅眼の黒竜』と『ブラック・マジシャン』を墓地に送り融合召喚を行う」
「なっ!デッキのモンスターを使って融合召喚だと!?」
獅童と取り巻きたちを含めたこのデュエルを見ている連中は驚愕していた。まぁデッキのモンスターを素材にした融合というのはあまりないから珍しいのも無理はないだろう。
真紅眼融合(レッドアイズ・フュージョン)
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はこのカードの効果以外ではモンスターを召喚・特殊召喚できない。
(1):自分の手札・デッキ・フィールドから、
融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、「レッドアイズ」モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターのカード名は「真紅眼の黒竜」として扱う。
真紅眼の黒竜
通常モンスター星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000
真紅の眼を持つ黒竜。怒りの黒き炎はその眼に映る全てを焼き尽くす。
ブラック・マジシャン
通常モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100
魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。
「可能性を秘めし黒竜よ、黒衣の魔術師と交わりて、今ここに新たな力を生み出さん!融合召喚!!現れよ、『超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ』!!」
超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ ☆8 ATK3000
超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ
融合・効果モンスター
星8/闇属性/魔法使い族/攻3000/守2500
「ブラック・マジシャン」+「真紅眼の黒竜」またはドラゴン族の効果モンスター
(1):このカードは効果の対象にならず、効果では破壊されない。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。この効果は1ターン中に、このカードの融合素材とした通常モンスターの数まで使用できる。
(3):1ターンに1度、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、手札を1枚捨てて発動できる。
その発動を無効にして破壊し、このカードの攻撃力を1000アップする。
「ちっ!伝説のレアカード『ブラック・マジシャン』と『真紅眼の黒竜』を素材に融合召喚したことに驚きはしたがそいつの攻撃力は俺様の『絶対服従魔人』には遠く及ばねぇんだよ!!」
獅童は『ドラグーン・オブ・レッドアイズ』の攻撃力を見て安心したのかそう言ってくるが、それは間違いだ。それを今から証明しよう。
「『超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ』の効果発動。1ターンに一度、相手モンスターを破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを与える。この効果は融合素材にした通常モンスターの数だけ使用できるが今回は関係ないな」
このモンスターには他にも効果があるが今回のデュエルでは使うこともないだろうから説明する必要は無いな。
「ば、バカな・・・・」
獅童の奴はこの結果を信じられないのか顔を青ざめさせて体を震わせていた。
「やれ『ドラグーン・オブ・レッドアイズ』、『
『ドラグーン・オブ・レッドアイズ』は掌に黒炎の球体を創り出すとそれを『絶対服従魔人』に向けて放った。黒炎は瞬く間に『絶対服従魔人』の全身を焼き尽くすと爆散し、その衝撃が獅童を襲いライフを大きく削った。
「ぐぁぁぁぁぁー!!」
獅童:LP4000→500
「バトル!『ドラグーン・オブ・レッドアイズ』でプレイヤーにダイレクトアタック!!」
「さ、させるか!トラップ発動『聖なるバリア-ミラーフォース-』!!コイツでそのモンスターも──」
「無駄だ。手札を1枚捨てて『ドラグーン・オブ・レッドアイズ』の効果発動!その発動を無効にして破壊し、『ドラグーン・オブ・レッドアイズ』の攻撃力を1000ポイントアップする。バニシメント・フレア!!」
『ドラグーン・オブ・レッドアイズ』が獅童に向かって剣を振り下ろすが、獅童を覆うように発生した薄透明のバリアに阻まれ、バリアから反射した光が『ドラグーン・オブ・レッドアイズ』を襲うがそれを『ドラグーン・オブ・レッドアイズ』は白色の炎の球体で迫り来る光を焼き付くし、その力を自らの糧とした。
超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ ATK3000→4000
「やれ!『ドラグーン・オブ・レッドアイズ!!」
「ぐぁぁぁぁぁっ!!」
獅童:LP500→-3500
こうして俺と獅童のデュエルは呆気なく終わってしまった。チッ、オベリスクブルーは優秀だと聞いてたから期待していたがこの程度とはな・・・
「どうやら満足のいくデュエルでは無いようだったみたいだな」
「1ターンキル決めたって言うのにそんな表情してるんだもんな」
「三沢に神楽坂か、どうして2人がここに?」
デュエルリングを降りた俺に声をかけてきたのは同じ寮生である三沢と神楽坂だった。俺は思わずなぜ2人がここにいるのか尋ねてしまった。
「君が寮から出ていく姿が見えたものでね。つい気になって追いかけてしまったんだよ」
「なるほどそういう事か」
三沢の説明を聞いて俺は納得がいった。
「しかしもう1つのデュエルは万丈目と十代か、これはどちらが勝つのか見物だな」
「?万丈目ならわかるがあの十代とかいう奴は強いのか?」
万丈目は日本ジュニアチャンピオンとして名が知られているプロデュエリスト候補として知られているからわかるが、あの十代というオシリスレッドも三沢が興味を引くほどの相手だと言うのか?
「彼、遊城十代はアカデミアの実技試験で唯一アカデミア実技最高責任者のクロノス教諭の本気のデッキを倒したんだからな」
「へぇ、それは興味深いな・・・・」
なら見せてもらおうじゃないか、このアカデミアの実技最高責任者を倒したというその実力を・・・・
刹那sideout
万丈目side
(やはり獅童程度では奴の実力は測りきれないか・・・)
俺は隣でデュエルしていた2人のデュエルを見てそう思わずにはいられなかった。中等部の奴を知っているから如月には勝てないと思っていたがせめて如月の手の内を幾つかは明かさせることができると考えていたが、まさか1ターンキルされるとはな・・・
(まぁいい、全くの成果がない訳では無いしな。今は遊城十代とのデュエルに集中するか)
俺はそう思いながらデュエルディスクを構え直し、俺と十代の場を確認する。
十代:LP4000
モンスター:E・HEROエアーマン(攻)
魔法・罠:無し
手札:3枚
万丈目:LP4000
モンスター:E・HEROフレイム・ウィングマン
魔法:無し
手札:4枚
今のターン、十代が召喚した奴のエースである『E・HEROフレイム・ウィングマン』を俺の罠カード『ヘル・ポリマー』で奪うことに成功した。
E・HEROエアーマン
効果モンスター
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
ヘル・ポリマー
通常罠
相手が融合モンスターを融合召喚した時に発動する事ができる。
自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる事で、その融合モンスター1体のコントロールを得る。
E・HEROフレイム・ウィングマン
融合・効果モンスター
星6/風属性/戦士族/攻2100/守1200
「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
「クソっ!まさかフレイム・ウィングマンが奪われるだなんて・・・」
奴はそう言って驚きを隠せずにいた。
「貴様がそのモンスターを使うことはクロノス教諭とのデュエルで読んでいたからな。この罠を仕掛けさせてもらったのさ」
奴は既に召喚権を行使している為に新たなモンスターを召喚することは出来ない。奴に出来る事は伏せカードを伏せるかそのまま何もせずにエンド宣言をして終わるだろうとそう思っていた。
「まだだ。俺は手札から魔法カード『破天荒な風』を発動!!『E・HEROエアーマン』の攻撃力と守備力を1000アップさせる!!」
「何だとっ!?」
奴は俺の予想していなかった手段を使って『エアーマン』の攻撃力を『フレイム・ウィングマン』の攻撃力を超えに来た。
E・HEROエアーマン ATK1800/DEF300→ATK2800/DEF1300
破天荒な風
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターの攻撃力・守備力は、次の自分のスタンバイフェイズ時まで1000ポイントアップする。
「行けっ、『エアーマン』。『フレイム・ウィングマン』を攻撃!!『エアー・サイクロン』!!」
奴がそう宣言すると『エアーマン』の翼に付いているフィンから巨大な竜巻が放たれて『フレイム・ウィングマン』に攻撃を仕掛けてそのまま破壊する。
万丈目:LP4000→3300
「チィっ!!まさかそんな手で攻略してくるとはなっ」
俺は思わず舌打ちをする。可能性の1つとしてクロノス教諭とのデュエルで使用した『摩天楼ースカイスクレイパーー』辺りを使うことを考えていたがまさかこのような手段で突破してくるとは・・・
摩天楼-スカイスクレイパー-
フィールド魔法
(1):「E・HERO」モンスターの攻撃力は、
その攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターに攻撃するダメージ計算時のみ1000アップする。
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」
十代:LP4000
モンスター:E・HEROエアーマン(攻)
魔法・罠:リバース1枚
手札:1枚
万丈目:LP3300
モンスター:無し
魔法:無し
手札:4枚
万丈目side out
三沢side
「まさかあんな手段で突破するとはな。流石と言うべきか」
俺は十代のデュエルを見ながらそう呟いた。『フレイム・ウィングマン』を奪われた時には十代がピンチかと思ったが、これは予想外だ。
「しかし万丈目もこのままじゃ終わらないだろう。まだ十代が有利だとは言いきれない」
隣で同じように観戦していた彩人が万丈目を見ながらそう呟く。そしてその言葉は当たる。
「俺のターン、ドロー」
万丈目のターンとなり、彼はデッキからカードを1枚ドローする。
「俺は今ドローした魔法カード『死者蘇生』を発動。これにより墓地から『地獄戦士』を特殊召喚する」
地獄戦士 ☆4 ATK1200
死者蘇生
通常魔法
(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1200/守1400
このカードが相手モンスターの攻撃によって破壊され墓地へ送られた時、この戦闘によって自分が受けた戦闘ダメージを相手ライフにも与える。
万丈目が『死者蘇生』を発動したことによって奴の墓地から『地獄戦士』が蘇生された。さらに・・・
「俺は速攻魔法『地獄の暴走召喚』を発動!この効果でデッキから2体の『地獄戦士』を特殊召喚する」
地獄戦士 ☆4 ATK1200
地獄戦士 ☆4 ATK1200
地獄の暴走召喚
速攻魔法
(1):相手フィールドに表側表示モンスターが存在し、自分フィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体のみが特殊召喚された時に発動できる。
その特殊召喚したモンスターの同名モンスターを
自分の手札・デッキ・墓地から可能な限り攻撃表示で特殊召喚し、相手は自身のフィールドの表側表示モンスター1体を選び、そのモンスターの同名モンスターを自身の手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する。
「『地獄の暴走召喚』の効果によって貴様も『エアーマン』を可能な限り特殊召喚できるが・・・」
「俺のデッキには『エアーマン』は1枚しかいない。だから特殊召喚することは出来ない」
本来ならば十代も『地獄の暴走召喚』の効果で万丈目同様モンスターを展開できるはずだったが、十代のデッキには『エアーマン』が1体しかいないためか十代は悔しそうに万丈目にそう言った。
「俺は『地獄戦士』1体に装備魔法『団結の力』を装備させる!これによって『地獄戦士』の攻撃力は───」
地獄戦士 ATK1200→ 3600
団結の力
装備魔法
(1):装備モンスターの攻撃力・守備力は、自分フィールドの表側表示モンスターの数×800アップする。
「攻撃力が3000越えか・・・このままマトモに全ての攻撃を喰らえば遊城の奴は大ダメージだな」
神楽坂もまた万丈目の場を見てそう呟いた。確かに傍から見ればこれは十代にとって圧倒的不利に見えるだろう。だが・・・・
(さぁ、君ならばこの状況をどう切り抜けるんだ?)
俺ははそう呟きながら十代と万丈目のデュエルの続きを見るのだった。
「バトルだ!『団結の力』を装備した『地獄戦士』で『エアーマン』を攻撃!」
『団結の力』によって強化された『地獄戦士』が手に持っている剣で『エアーマン』を袈裟斬りに斬り殺すとその衝撃が十代を襲った。
十代:LP4000→3200
「くうっ!?だが『エアーマン』が破壊されたことでトラップ発動!『ヒーロー・シグナル』!!デッキからレベル4以下の『E・HERO』1体を特殊召喚する。来い、『E・HEROオーシャン』!!」
『エアーマン』と入れ替わるようにして現れたのは槍を持った青いヒーローの『オーシャン』だった。
E・HEROオーシャン ☆4 ATK1500
ヒーロー・シグナル
通常罠
(1):自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
手札・デッキからレベル4以下の「E・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。
E・HEROオーシャン
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1500/守1200
(1):1ターンに1度、自分スタンバイフェイズに
自分のフィールド・墓地の「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。
その自分の「HERO」モンスターを持ち主の手札に戻す。
「チッ、追撃は出来ないか。俺はカードを伏せてターンエンドだ」
十代:LP3200
モンスター:E・HEROオーシャン(攻)
魔法・罠:無し
手札:1枚
万丈目:LP3300
モンスター:地獄戦士3体(攻)(1体は『団結の力』装備)
魔法:リバース1枚
手札:1枚
三沢sideout
十代side
(やっぱりそう簡単にはいかないよな。流石はジュニアチャンピオンだぜ)
まさか強化していた『エアーマン』がこうも簡単に倒されるなんてな・・・『ヒーロー・シグナル』で『オーシャン』を出していなかったら大ダメージはまぬがれなかったな。っと、今は俺のターンだな。
「俺のターン、ドロー。このスタンバイフェイズに『オーシャン』の効果発動!墓地から『エアーマン』を手札に加える。そして『強欲な壺』を発動してデッキからカードを2枚ドロー!」
強欲な壺
通常魔法
デッキからカードを2枚ドローする
俺は今ドローした『強欲な壺』を発動しカードをドローするときた。この状況を逆転するのに必要なカードが。だが手札がまだ足りないのでここは・・・
「俺は『壺の中の魔導書』を発動!互いにデッキからカードを3枚ドローする!!」
壺の中の魔術書(未OCG)
通常魔法
互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする。
これによって万丈目の手札も増やしてしまうが仕方ない。しかしこれによって十分な手札が揃った。
「魔法カード『融合回収』を発動して墓地から『融合』と『E・HEROバースト・レディ』を手札に加える。」
通常魔法
(1):自分の墓地の、「融合」1枚と融合召喚に使用した融合素材モンスター1体を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
融合
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、
融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
E・HEROバーストレディ
通常モンスター
星3/炎属性/戦士族/攻1200/守 800
炎を操るE・HEROの紅一点。紅蓮の炎、バーストファイヤーが悪を焼き尽くす。
「そして『E・HEROエアーマン』を再び召喚!召喚時の効果でデッキから『E・HEROシャドー・ミスト』を手札に加える」
E・HEROシャドー・ミスト
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1500
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「E・HERO シャドー・ミスト」以外の「HERO」モンスター1体を手札に加える。
「そして魔法カード『融合』を発動!手札の『E・HEROシャドー・ミスト』と『E・HEROクレイマン』の2体を融合!!」
俺の前に『シャドー・ミスト』と『クレイマン』が現れると2体は頭上に現れた渦の中へと入っていった。
「影に潜みし英雄よ、土くれの英雄と交わりて大地の力を秘めし英雄へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れろ『E・HEROガイア』!!」
そして2体のモンスターが入った渦が消えると地面を砕きながら地中から『E・HEROガイア』が現れた。
E・HEROガイア ☆6 ATK2200
E・HEROガイア
融合・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻2200/守2600
「E・HERO」モンスター+地属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが融合召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動する。ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力を半分にし、このカードの攻撃力はその数値分アップする。
「墓地にいった『シャドー・ミスト』の効果でデッキから『E・HEROバブルマン』を手札に加える。そして『ガイア』の効果発動!このモンスターが融合召喚に成功したので『団結の力』を装備している『地獄戦士』の攻撃力を半分にしその数値分『ガイア』の攻撃力をアップする!『アース・クラッシャー』!!」
『ガイア』がその太い両腕を地面に叩きつけると大地を砕きながら衝撃波が『地獄戦士』を襲い、突き出た岩の破片によって力を奪われる『地獄戦士』に対して『ガイア』は大地から力を得ていた。
地獄戦士 ATK3600→1800
E・HEROガイア ATK2200→4000
これで『ガイア』の攻撃力が『地獄戦士』の攻撃力を上回った。
「バトルだ!『E・HEROガイア』で攻撃力の下がった『地獄戦士』を攻撃!『コンチネンタル・ハンマー』!!」
『ガイア』が両腕を掲げると両手をガシリと掴み、『地獄戦士』に向けて振り下ろそうとしたその瞬間
「トラップ発動『炸裂装甲』!!このカードの効果により貴様の『ガイア』を破壊する!!」
万丈目の伏せていたカード『炸裂装甲』が発動したことにより『ガイア』が腕を振り下ろすより先にその身体を爆散させた。
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃モンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃モンスターを破壊する。
「くっ!だったら『エアーマン』で別の『地獄戦士』を攻撃!『エアー・サイクロン』!!」
『エアーマン』が再び翼に付いているフィンから竜巻が放たれると『地獄戦士』の身体を斬り裂いた。
万丈目:LP3300→2700
「くぅ!?モンスターの数が減ったことで『団結の力』を装備している『地獄戦士』の攻撃力は下がる」
地獄戦士 ATK1800→1000
「だが『地獄戦士』の効果で俺が受けたダメージと同じ数値のダメージを貴様に与える!」
万丈目がそう言うと倒した『地獄戦士』が持っていた剣が俺に向かって飛んできた。
「ぐうっ!?」
十代:LP3200→2600
「だったら次は『オーシャン』で攻撃力の下がった『地獄戦士』を攻撃!『タイダル・ウェイブ』!!」
『オーシャン』が持っている槍で岩に挟まれ身動きの取れないでいる『地獄戦士』を破壊した。
そしてさっきと同じように『地獄戦士』の剣が俺に当たった。
万丈目:LP2700→2200
十代:LP2600→2100
ダメージを受けたがこれで万丈目のモンスターを減らすことに成功した。
「俺はカードを2枚伏せてターンエンド」
十代:LP2100
モンスター:E・HEROエアーマン(攻) E・HEROオーシャン(攻)
魔法・罠:リバース2枚
手札:1枚
万丈目:LP2200
モンスター:地獄戦士(攻)
魔法:0枚
手札:4枚
「俺のターン、ドロー!俺は『地獄戦士』を生贄にして『地獄詩人ヘルポエマー』を召喚!」
地獄詩人ヘルポエマー
効果モンスター
星5/闇属性/悪魔族/攻2000/守1400
このカードは墓地からの特殊召喚はできない。
(1):戦闘で破壊されたこのカードが墓地に存在する場合、相手バトルフェイズ終了時に発動する。
このカードが墓地に存在する場合、相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる。
「そして装備魔法『ニトロユニット』を『E・HEROオーシャン』に装備させる」
「え?装備魔法を自分のモンスターじゃなくて相手モンスターに装備っスか?」
万丈目が発動した『ニトロユニット』を俺の『オーシャン』に装備させたことに翔が不思議そうに言うが、これは不味い!
「その様子だとこの装備魔法の効果は知っているようだな」
「『ニトロユニット』を装備したモンスターが破壊された時、俺は装備したモンスターの攻撃力分のダメージを受ける・・・」
「そうだ!これで貴様も終わりだ!!」
ニトロユニット
装備魔法
相手フィールド上モンスターにのみ装備可能。
装備モンスターを戦闘によって破壊し墓地へ送った時、装備モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
「バトルだ!『ヘルポエマー』で『オーシャン』を攻撃!『地獄の演奏殺』!!」
「トラップ発動『ヒーロー・ベール』!!このターン俺の「HERO」と名のつくモンスターは戦闘・効果では破壊されない!!」
『オーシャン』と『エアーマン』のそれぞれの身体を覆うように光り輝くベールが纏わられた。
ヒーロー・ベール(オリカ)
通常罠
(1):このカードを発動したターン、「HERO」と名のつくモンスターは戦闘・効果では破壊されない
(2):墓地のこのカードとこのカード以外の罠・魔法カードを1枚ずつ墓地から除外することでデッキからレベルの異なる「HERO」と名のつくモンスターを2体手札に加えることが出来る。
「ちっ、だがダメージは受けて貰うぞ!」
『ヘルポエマー』が呪いの演奏を奏でるとその衝撃波が『オーシャン』に襲いかかり『オーシャン』は苦痛に顔を歪ませるも『ヒーロー・ベール』の効果で破壊は免れた。
十代:LP2100→1600
「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ!さぁこの状況をどうするつもりだ!!」
「へへっ、ワクワクするな。俺のターン、ドロー!」
俺は次の一手を考えるためにもドローしたその時だった。
コツコツコツ・・・
通路の方から足音が聞こえてきた。
「いけない、ガードマンが来るわ」
明日香は聞こえてきた足音からガードマンが来ることを察知する。それで・・・
「何だと・・・あと少しだと言うのに。ちっ、仕方がない。デュエルは此処でお預けだ」
万丈目はそう言いながらデュエルディスクの電源を切った。それにより『地獄詩人ヘルポエマー』と万丈目のリバースカードが姿を消した。って
「おいっ、お前逃げるのかよ!?まだデュエルは終わってないんだぞ!!」
俺は思わず万丈目にそう言って呼び止めてしまうが・・・
「馬鹿か貴様は。此処にいたことがバレて退学にでもなったら元も子もないだろうが。だから、今回はこれで終わりにするだけだ。それに・・・貴様とはいずれ決着を付けてやるから安心しろ!!」
万丈目はそう言って裏口から逃げるようにこの場から脱出するのだった。
「十代!俺達も早く逃げるぞ!」
「うっ、わかったよ・・・」
デュエルリングに上がってきた彩人が俺の肩を掴んで早くこの場を去るように言ってくる。以前同じようなことが起こった時に俺が駄々を捏ねてその場に残ろうとしていたら彩人が腹パンしてきたのでここは大人しく従うのだった。だけど次デュエルする時は絶対に負けないからな!
十代sideout
刹那side
なんとかガードマンに見つかることなくデュエルリングを去ることが出来た俺たち。周りに人がいないことを確認すると一息ついた。
「どう?オベリスクブルーの洗礼を受けた感想は?」
俺と十代にそう聞いてきたのはオベリスクブルーの天上院明日香。黒鉄に聞くといつの間にかやってきたらしいがどうやって話を聞きつけたのだか・・・まぁそんなことは考えていても無駄だから正直に答えるか。
「話にならないな。あの程度の実力でよくブルーになれたな」
1ターン目から手札を使い切るわ耐性のない高攻撃力のモンスターを出しただけで満足し勝った気になるなど相手を舐めているにも程がある。
「俺は結構楽しめたぜ!まぁあのまま続けたら俺が勝ってたけどな!」
十代はそう言いながらデュエルの最後にドローしたカードを見せてきた。それは『二重融合』だった。
「まず『オーシャン』の効果で墓地から『フェザーマン』を手札に戻してかは手札の『戦士の生還』で墓地の『フレイム・ウイングマン』をエクストラデッキに戻す。そしてこのカードを発動すれば『フレイム・ウイングマン』と『E・HEROアブソルートZero』を融合召喚できる。そして伏せていた『マスクチェンジ』で『M・HEROアシッド』を出せば2体の効果で相手の場のカードを一掃してそのままダイレクトアタックして俺の勝ちだったぜ!」
通常魔法
500ライフポイントを払って発動。
このターン、下記の効果を2回まで使用できる。
手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚扱いとして特殊召喚する。
E・HEROアブソルートZero
融合・効果モンスター
星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000
「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する「E・HERO アブソルートZero」以外の水属性モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードがフィールド上から離れた時、相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
マスク・チェンジ
速攻魔法
(1):自分フィールドの「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを墓地へ送り、そのモンスターと同じ属性の「M・HERO」モンスター1体を
エクストラデッキから特殊召喚する。
M・HEROアシッド
融合・効果モンスター
星8/水属性/戦士族/攻2600/守2100
このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊し、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は300ポイントダウンする。
十代は自慢げにそう言うが俺たちはえげつないコンボを決めようとしていた十代に顔を引き攣らせていた。というか容赦なさすぎるだろ
「っと、これ以上長居する訳にはいかないな」
「そうだなあまり遅くなりすぎると寮長の樺山先生にバレるかもしれないしな」
「あぁ遊城たちも早く寮に戻れよ」
俺と三沢、神楽坂はそう言うと自分たちの寮であるイエロー寮に戻るために十代たちと別れた。
しかし獅童とのデュエルは正直歯ごたえがなかったが万丈目と十代というやりがいのありそうな相手が見つかったのが収穫だろう。そしてほかにもここにいる三沢や神楽坂のようにまだ見ぬ強敵がいる可能性を考えると楽しみが増えるというものだ
(さぁ、どんな奴らがいるのかな?)
俺は心の中でそう呟きながら歩くのだった。
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第3話 女子寮でのデュエル
刹那side
オベリスクブルーの獅童との深夜のアンティデュエルをしてから2週間が経った日の今日、クロノス教諭の授業を終えたことで今日の授業が終了したので自分の部屋に戻ってデッキ調整を行っていた。今使っている闇デッキの改良をするのもそうだが同じデッキばかり使っていてはメタを貼られてしまうので他のデッキも幾つか持っているからそれらの調整をしていた。
「さて、明日はどのデッキを使うか」
入試試験でも使用した闇属性モンスターを中心とした闇デッキの他は3つほどあるのだがどのデッキを使おうかとしばらく悩んでいたがひとつのデッキを選択した。
「さっそくデッキ調整するか」
俺は選択しなかったデッキをそれぞれのデッキケースにしまい、実家から持ってきた大量のカードが入っているケースと金庫の中のカードを広げながらまずは今選んだデッキの調整に取り掛かった。
途中、夕食の時間になって呼びに来た三沢と神楽坂が呼びに来たので一旦夕飯を食べ、再びデッキ調整をしようとしたらPDAに十代からの電話が来た。
『もしもし刹那か!?大変だ!翔が攫われちまった!!』
「は?」
十代が慌てた声で話した内容に俺は理解出来ず間抜けな声を出してしまった。
話しをまとめると、匿名で『丸藤翔は預かった。返して欲しければ今から1時間以内に女子寮まで如月刹那、黒鉄彩人共に来られたし。一つ忠告するが、1分でも遅刻したら丸藤翔の身の安全は保証しない』という文が書かれたメールが十代に届いたらしい。しかしなんで俺も行かなければならない?
『頼む!翔を助けるために一緒に来てくれ!!』
電話越しで姿は分からないが声からして申し訳なさそうにしている十代の姿が頭に浮かんでしまい、思わずため息を吐いてしまった。
「わかった。急いで準備を済ませて向かうからお前と彩人は先に女子寮に行っててくれ」
『おう!ありがとな刹那!!』
十代はそう言うとPDAの通話を終わらせた。俺は調整し終えたデッキをそれぞれのデッキケースにしまい、カードをケースと金庫にしまうと寮長の樺山先生に気づかれないようにこっそりとイエロー寮を出ると女子寮へと向かうのだった。念の為にデッキとデュエルディスクも付けて行った。何があるか分からないから一応な。
そして俺は女子寮に着いた時、十代の頼みを聞いたことを若干後悔するのだった。
刹那sideout
彩人side
レッド寮で寝ていたところを十代に無理やり起こされて女子寮に来た俺、十代、如月の3人。指定された場所に行くとそこには天上院明日香とその取り巻きの浜口ももえと枕田ジュンコ。そしてボロ雑巾のようになった翔が簀巻きで転がされている姿があった。
詳しい話を聞いてみるとどうやら翔は如月宛の天上院が書いたらしきラブレター(偽物)が自分のロッカーに入っているのを見つけて浮かれてノコノコ女子寮にやって来た結果がコレである。本人は覗いていないと言っているがそれを証明する手段は無いので今は置いておくとする。
天上院は自分たち3人をデュエルで倒すことが出来れば翔を解放することを約束するが、もし負けたら翔は覗き犯として突き出されることになる。
それで順番は俺VS浜口、如月VS枕田、十代VS天上院となったので最初のデュエルをする俺は浜口と向かい会う位置に移動するとデュエルディスクを展開した。そして浜口も同じようにデュエルディスクを展開するのを見た。
「「決闘(デュエル)!!」」
ルーレットの結果、先行は俺となった。
「俺のターンドロー、手札から永続魔法『黒
い旋風』を発動し『
BFー精鋭のゼピュロス ☆4 ATK1600
黒い旋風
永続魔法
(1):自分フィールドに「BF」モンスターが召喚された時にこの効果を発動できる。
そのモンスターより低い攻撃力を持つ「BF」モンスター1体をデッキから手札に加える。
効果モンスター
星4/闇属性/鳥獣族/攻1600/守1000
このカード名の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在する場合、
自分フィールドの表側表示のカード1枚を持ち主の手札に戻して発動できる。このカードを墓地から特殊召喚し、自分は400ダメージを受ける。
チューナー(効果モンスター)
星3/闇属性/鳥獣族/攻1100/守 300
このカードがカードの効果によって自分のデッキから手札に加わった場合、このカードを手札から特殊召喚できる。
このカードをシンクロ素材とする場合、「BF」と名のついたモンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。
「デッキから手札に加えた『BFーそよ風のブリーズ』の効果で自身を特殊召喚」
そよ風のブリーズ ☆3 ATK1100
「俺はレベル4の『BFー精鋭のゼピュロス』にレベル3の『BFーそよ風のブリーズ』をチューニング!!」
☆4+☆3=☆7
『そよ風のブリーズ』がその身を輝かせると3つの光の輪となり、『精鋭のゼピュロス』その輪の間を潜りその身を4つの星となる。
「黒き翼を広げし大空の戦士よ!その拳で立ち向かう敵をなぎ倒せ!!シンクロ召喚!!現れろ、『BFーアーマード・ウイング』!!」
この瞬間、黒い翼を生やし、その身に黒き鎧を纏わせた鳥人──『BFーアーマード・ウイング』が現れた。
BFーアーマード・ウイング ATK2500
シンクロ・効果モンスター
星7/闇属性/鳥獣族/攻2500/守1500
「BF」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードは戦闘では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
(2):このカードがモンスターを攻撃したダメージステップ終了時に発動できる。そのモンスターに楔カウンターを1つ置く(最大1つまで)。
(3):相手フィールドの楔カウンターを全て取り除いて発動できる。楔カウンターが置かれていた全てのモンスターの攻撃力・守備力をターン終了時まで0にする。
「俺はカードを一枚伏せてターンエンド」
先行は攻撃できないのでこのままターンを終了する。とりあえず今はコレで相手の出方を見るとしよう。
彩人:LP4000
モンスター:BFーアーマード・ウイング
魔法・罠:リバースカード1枚 黒い旋風(永続魔法)
手札:3枚
浜口:LP4000
モンスター:無し
魔法・罠:無し
手札:5枚
「私のターンドロー!私は魔法カード『古のルール』を発動し、手札から『魔法剣士トランス』を特殊召喚しますわ!」
古のルール
通常魔法
手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する。
魔法剣士トランス
通常モンスター
星6/地属性/魔法使い族/攻2600/守 200
かなりの実力を持った風変わりな魔法使い。
異空間の旅から帰還したらしい。
浜口の場に上級モンスターである『魔法剣士トランス』が現れた。その攻撃力は僅かだが『アーマード・ウイング』の攻撃力を上回っていた。
「更に私は『エルフの剣士』を召喚しますわ!そして召喚した『エルフの剣士』に装備魔法『執念の剣』と『稲妻の剣』を装備しますわ!」
エルフの剣士 ☆4 ATK1400→1900→2700
エルフの剣士
通常モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1400/守1200
剣術を学んだエルフ。素早い攻撃で敵を翻弄する。
執念の剣
装備魔法
装備モンスターの攻撃力・守備力は500ポイントアップする。
このカードが墓地へ送られた時、このカードをデッキの一番上に戻す。
稲妻の剣
装備魔法
戦士族モンスターにのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は800ポイントアップし、フィールド上に表側表示で存在する全ての水属性モンスターの攻撃力は500ポイントダウンする。
召喚された『エルフの剣士』が握る剣の刀身に稲妻と怨念のオーラが纏わせるとその剣先を『アーマード・ウイング』に向けた。
「バトルですわ!『魔法剣士トランス』で『アーマード・ウイング』を攻撃ですわ!」
『トランス』が呪文を詠唱すると持っている剣がオーラのようなものを纏い、その剣で『アーマード・ウイング』に斬りかかった。しかし『アーマード・ウイング』はその攻撃を両腕を交差させて受け止めた。
「『アーマード・ウイング』は戦闘では破壊されず、戦闘ダメージを0にする」
「なっ!?で、でしたら私はカードを1枚伏せてターンを終了させますわ・・・」
俺の説明に浜口は動揺を隠せずカードを1枚伏せてターンを終了させた。
彩人:LP4000
モンスター:BFーアーマード・ウイング
魔法・罠:リバースカード1枚 黒い旋風(永続魔法)
手札:3枚
浜口:LP4000
モンスター:魔法剣士トランス(攻) エルフの剣士(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚 執念の剣(エルフの剣士装備) 稲妻の剣(エルフの剣士装備)
手札:0枚
「俺のターンドロー。俺は『BFー蒼炎のシュラ』を召喚。永続魔法『黒い旋風』の効果でデッキから『BFー疾風のゲイル』を手札に加える」
効果モンスター
星4/闇属性/鳥獣族/攻1800/守1200
(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。
デッキから攻撃力1500以下の「BF」モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
「そして場に『BF』が存在するので手札から『BFー疾風のゲイル』を特殊召喚」
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 400
(1):自分フィールドに「BF-疾風のゲイル」以外の「BF」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):1ターンに1度、相手フィールドの
表側表示モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターの攻撃力・守備力を半分にする。
「そして手札からトラップカード『デルタ・クロウーアンチ・リバース』を発動!」
「手札からトラップですって!?」
デュエルを見ている天上院が俺が手札からトラップカードを発動したことに驚いていた。まぁ確かに手札から発動するトラップは数少ないので驚くのも無理はないだろう。
デルタ・クロウーアンチ・リバース
通常罠
自分フィールドの「BF」モンスターが3体のみの場合、このカードの発動は手札からもできる。
(1):自分フィールドに「BF」モンスターが存在する場合に発動できる。相手フィールドにセットされた魔法・罠カードを全て破壊する。
「このカードは俺の場に『BF』と名のつくモンスターが3体存在する時のみ手札から発動できる。このカードの効果により相手のセットされた魔法・罠を全て破壊する」
俺が発動したトラップの効果により、黒羽根が混じった竜巻が発生するとその竜巻は浜口が伏せていたカードを飲み込み、破壊した。
「くっ、『炸裂装甲』が破壊されてしまいましたわ。ですが私のモンスターたちの攻撃力はあなたのモンスターの攻撃力を超えています。次のターンが来れば───」
「次のターンなど与えない!『疾風のゲイル』の効果で『魔法剣士トランス』の攻撃力を半分にする!!」
『ゲイル』がその両翼を勢いよくはためかせると風が発生し、その風が『トランス』に襲いかかりその剣を、その鎧を傷だらけにするのだった。
魔法剣士トランス ATK2600→1300
「バトル!『蒼炎のシュラ』で『魔法剣士トランス』を攻撃!!」
『シュラ』がその腕の鉤爪で『トランス』の身体を引き裂いた。
浜口:LP4000→3500
「『シュラ』の効果発動。戦闘で相手モンスターを破壊したことでデッキからチューナーモンスター『BFー上弦のピナーカ』を特殊召喚」
BFー上弦のピナーカ ☆3 ATK1200
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/鳥獣族/攻1200/守1000
「BF-上弦のピナーカ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードをS素材とする場合、「BF」モンスターのS召喚にしか使用できない。
(1):このカードがフィールドから墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。デッキから「BF-上弦のピナーカ」以外の「BF」モンスター1体を手札に加える。
「続いて『アーマード・ウイング』で『エルフの剣士』を攻撃!」
「なっ!いくらダメージを受けないとはいえ攻撃力の劣るモンスターで攻撃するですって!?」
デュエルを見ていた天上院が俺の行動に驚いたのか声を上げるが問題ない。既にこのターン勝利するための布石は整っているのだからな。
「ダメージステップ時に手札の『BFー月影のカルート』を墓地に送ることで『アーマード・ウイング』の攻撃力を1400アップさせる」
BFーアーマード・ウイング ATK2500→3900
効果モンスター
星3/闇属性/鳥獣族/攻1400/守1000
(1):自分の「BF」モンスターが戦闘を行う
ダメージステップ開始時からダメージ計算前までに、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1400アップする。
「ぶち抜け!『ブラック・ハリケーン』!!」
『アーマード・ウイング』はその拳に『カルート』が与えた風の力を纏わせると『エルフの剣士』の鎧にその拳を叩き込ませると『アーマード・ウイング』は鎧を破壊しかながら『エルフの剣士』を絶命させた。
浜口:LP3500→2300
「トドメだ。『ピナーカ』と『ゲイル』の2体でダイレクトアタック!!」
そして『ピナーカ』と『ゲイル』が浜口にダイレクトアタックしたことによって浜口のライフを削りきった。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
浜口:LP2300→-200
彩人sideout
???side
「チッ、やはり思い通りには進まないか・・・」
ブルー女子寮から少し離れた茂みから彩人と浜口のデュエルを見ていた俺、西郷敦史はそのデュエルの結果に思わず舌打ちをしてしまった。
俺は表向きは獅童の取り巻きの1人として過ごしているがそれは俺の本来の目的を成し遂げるための隠れ蓑に過ぎない。そして今回その目的の達成のための1歩として如月刹那に偽物のラブレターを送ったのだが何かの手違いでそれがオシリスレッドの遊城十代の腰巾着である丸藤翔の手に渡ってしまいこのようなことになってしまった。
「この後はあのラーイエローと天上院さんの取り巻きの1人とのデュエルか、フン、見なくても勝敗が分かりきっているな」
天上院さんの実力は中等部の頃から知っているので疑う余地もないが、その取り巻きである枕田の実力ではあのラーイエローを倒すなど不可能だ。
「今回は諦めるしかないな。まぁいい機会は次にでも────」
「あら?そんなのが許されると思ってるのかしら?」
バレないうちにこの場から離れようとした瞬間、声をかけられたため後ろを振り向くとそこには黒い腕章を右腕につけた黒髪のポニーテールのオベリスクブルーの女子生徒が立っていた。
「『カオス・ブラック』の蒼龍院氷華だな」
思わぬ人物の登場に俺は冷や汗をかくしかなかった。
デュエル・アカデミアの生徒たちは3つのランクに分けられているのだが、その中でも極一部の上位の生徒たちのみによって構成されたクラス。それが『カオス・ブラック』と呼ばれる最上級クラスである。
「あら、私の名前を知ってるみたいね。でも私にはあなたが誰なのかだなんて興味もないわ。ただ・・・・」
蒼龍院はそう言いながらデュエルディスクを構えると俺を睨んでいた。
「あなたが十代の敵だというならば容赦なく潰すだけ」
彼女のその言葉を聞いて俺は理解することが出来た。彼女は俺にとっては邪魔な存在だということを
「なるほどな。なら俺の障害となるであろうあんたにはここでやられてもらおうか」
俺もまたデュエルディスクを展開すると蒼龍院の正面の位置に移動し、デュエルディスクを構えた。そして────
「「決闘(デュエル)!!」」
本来の物語では起こるはずのないデュエルが人目もつかないこの場所にて行われるのだった。
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第4話 機械獣闘士VS正義の艦隊
氷華side
「「決闘(デュエル)!!」」
氷華:LP4000
敦史:LP4000
私の名前は蒼龍院氷華。十代の幼馴染みの1人にしてこの世界に転生した転生者。今は幼馴染みである十代を欲望にまみれた転生者たちから守る存在──『守護者』の1人にして『カオス・ブラック』の2年である。この世界のクロノス先生が原作とは多少の違いがあるため女子寮での騒動が無いと踏んでいましたがまさかこの様な事になるとは・・・・
恐らく彼も私と同じ転生者だろうが私が十代を守ろうとする存在に対して彼は自らの欲望を満たす為ならば十代や他の原作キャラたちを踏み台としてしか見ていない存在だろう。
過去にも十代を殺して主人公の地位を奪ってハーレムを築こうなど考えて十代を闇のデュエルで葬ろうと企てた連中がいたがそういった連中は全員倒してきた。そしてデュエルディスクのルーレットの結果、先行は私となった。
「先行は私、私のターンドロー。私は手札から魔法カード『強欲な壺』を発動しデッキから2枚ドロー。そして『ティアーナイト ラザロス』を攻撃表示で召喚」
私の場に現れたのは長剣を持った白い海軍の軍服を着た青い肌をした騎士。本来ならば別のカードゲームのカードであるが何故かこの世界ではデュエルモンスターズのカードとして扱われる1枚である。
ティアーナイト ☆4 ラザロス ATK1800
ティアーナイト ラザロス(オリカ)
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1800/守1000
(1):このモンスターがこのターン2回目の攻撃宣言をする時に発動する。そのバトルの間このモンスターの攻撃力は300アップする。
「私はカードを2枚伏せてターンエンド」
先ずは相手の出方を見るためにあまり展開しないでおこう。さぁ彼は一体どのようなデッキを使ってくるのだろうか・・・
氷華sideout
氷華:LP4000
モンスター:ティアーナイト ラザロス(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
手札:3枚
敦史:LP4000
モンスター:なし
魔法・罠:なし
手札:5枚
敦史side
予定外のデュエルをすることになってしまったが問題ない。例え相手が『カオス・ブラック』だろうとこの次元の決闘者に俺が負けるはずがないのだから。っと今は俺のターンだったな。
「俺のターンドロー。俺は魔法カード『融合』を発動。手札の『漆黒の豹戦士パンサー・ウォリアー』と『古代の機械狩猟犬』を融合させる。犠牲を求めし黒豹の戦士よ、機械仕掛けの猟犬と交わりて更なる力を得よ!!融合召喚!!現れろ、『獣闘機パンサー・プレデター』!!」
『パンサー・ウォリアー』と『古代の機械狩猟犬』が俺の頭上に浮かぶ黒い渦の中へと吸い込まれていき、渦が光り輝きその光が消えるとそこには体の一部が機械となった『パンサー・ウォリアー』──『獣闘機パンサー・プレデター』が俺の前に現れた。
獣闘機パンサー・プレデター ☆6 ATK1600
漆黒の豹戦士パンサー・ウォリアー
効果モンスター
レベル4/地属性/獣戦士族/攻2000/守1600
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、 このカードの攻撃宣言の際に、自分はこのカード以外の自分フィールドのモンスター1体をリリースしなければならない。
効果モンスター
星3/地属性/機械族/攻1000/守1000
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。相手に600ダメージを与える。
(2):このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
(3):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールドから、
「アンティーク・ギア」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
獣闘機パンサー・プレデター(未OCG)
融合・効果モンスター
レベル6/闇属性/機械族/攻1600/守2000
レベル4以下の獣戦士族モンスター+レベル4以下の機械族モンスター
(1):1ターンに1度、このカードの攻撃力の半分のダメージを相手に与える事ができる(2):このカードが戦闘で破壊された場合に発動できる。このカードの融合素材としたモンスター一組を自分の墓地から特殊召喚する。
「『パンサー・プレデター』・・・そのカードを使うデュエリストは私が知る限り1人しかいない。まさか貴方は」
蒼龍院は『パンサー・プレデター』を見て何かを察したようだが、素直にこちらが答える必要も無いので無視してデュエルを続ける。
「さらに装備魔法『ダメージ・ランチャー』を『パンサー・プレデター』に装備!」
そして召喚されたパンサー・プレデターの両肩に二門のビームランチャーが装備された。
ダメージ・ランチャー(オリカ)
装備魔法
(1):このカードを装備したモンスターが相手プレイヤーにモンスター効果によるダメージを与えた時、与えたダメージ100ポイントにつき『ダメージカウンター』を1つ乗せる
(2):このカードに乗せられている『ダメージカウンター』1つにつき装備モンスターの攻撃力を100ポイントアップする
(3):このカードを装備しているモンスターが破壊される時、代わりにこのカードに乗っている『ダメージカウンター』を5つ取り除くことで破壊を無効にする
「『パンサー・プレデター』の効果発動。1ターンに1度、このカードの攻撃力の半分のダメージを相手に与える。『パンサー・プレデター』の攻撃力は1600。よって、800のダメージを喰らえ!」
俺の言葉を合図に『パンサー・プレデター』は蒼龍院に向けてレーザー光線を放った。
「くっ!」
氷華:LP4000→3200
これで俺が先にダメージを与えることに成功した。そしてこれにより『パンサー・プレデター』に装備しているカードもまた効果を発動できふ。
「装備している『ダメージ・ランチャー』の効果発動!このカードを装備しているモンスターの効果によって相手に与えたダメージ100ポイントにつきダメージカウンターを1つ乗せる!800ポイントのダメージを与えたことによりダメージカウンターを8つ乗せる」
ダメージ・ランチャー:ダメージカウンター:0→8
「そしてダメージ・カウンター1つにつき『パンサー・プレデター』の攻撃力は100ポイントアップする!」
パンサー・プレデター:ATK1600→2400
これで『パンサー・プレデター』の攻撃力はラザロスの攻撃力を上回った。
「バトルだ!『パンサー・プレデター』で『ティアーナイト ラザロス』を攻撃!」
「永続罠『属性神の護封壁』を発動!手札から水属性である『屈強の釣り師』を墓地に送ることで私の場にいる水属性モンスターは破壊されず戦闘ダメージを0とする!」
『パンサー・プレデター』のサーベルをラザロスに振り下ろそうとしたが、ラザロスの前に水の壁が現れたことによりサーベルは弾かれ、『パンサー・プレデター』は悔しそうに俺の前へと戻ってきた。
チューナー・効果モンスター
星1/水属性/戦士族/攻 100/守 100
(1):このカードが直接攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた時、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
属性神の護封壁(オリカ)
永続罠
(1):手札からモンスターを1枚捨てることで発動できる。手札から捨てたモンスターと同じ属性が場にいる限り、その属性のモンスターは戦闘では破壊されず、その属性のモンスターによって自分が受ける戦闘ダメージを0にする。
(2):自分の場に(1)で捨てたモンスターと同じ属性のモンスターがいない場合、このカードは破壊される。
(3):このカードが破壊された時、2000ポイントのダメージを受ける。
「チッ、そう上手くはいかないか。ならカードを2枚伏せてターンエンド」
手札に『サイクロン』のような魔法・罠カードを破壊することが出来るカードがないためここは次のターンのために行動できるように準備を進めておこう。
しかし次のターン、俺は思い知ることになった。相手はこのデュエルアカデミアの中でトップクラスの実力者の1人であり、次のターンなど悠長なことを考えることの甘さを・・・
敦史sideout
氷華:LP3200
モンスター:ティアーナイト ラザロス(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚 属性神の護封壁
手札:2枚
敦史:LP4000
モンスター:獣闘機パンサー・プレデター(攻)
魔法・罠:ダメージ・ランチャー(パンサー・プレデター装備) リバースカード2枚
手札:0枚
氷華side
「私のターン、ドロー。(『パンサー・プレデター』に『古代の機械狩猟犬』。あれらのカードを使うのはあの組織の人間しか考えられない)」
私はドローしたカードを見ながらジッと相手の場にいる『パンサー・プレデター』を見る。
『パンサー・プレデター』と『古代の機械狩猟犬』。この2枚のカードを見て思い浮かべるのは前世で見た勲章中毒のおっさんと量産型仮面集団であり、もし彼がその連中と同じ組織の人間だとしたらかなり嫌な予感がする。
「(そのことを含めデュエルに勝って彼から情報を得る必要がありそうですね)私は手札のスケール3の『ネイブルゲイザー・ドラゴン』とスケール9の『戦場の歌姫 ドロテア』でペンデュラムスケールをセッティング!」
私は手札から2枚のカードをそれぞれのペンデュラムゾーンにセットする
これにより私の場を挟むように光の柱が2つ現れ、その柱の中には巨大な槍を持った青い鱗に覆われた屈強な海龍と海軍の制服を着た三股の槍を携えた人魚がそれぞれの柱の中に現れた。
ネイブルゲイザー・ドラゴン
ペンデュラム・効果モンスター
星6/水属性/海竜族/攻2400/守2000
【Pスケール:青3/赤3】
「ネイブルゲイザー・ドラゴン」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのモンスターがこのターンで3回目の攻撃宣言をする時に発動できる。
そのモンスターの攻撃力は300アップし、そのモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、自分フィールドのモンスター2体はこのターンの攻撃回数をそれぞれ1つ増やす。
【モンスター効果】
このカードがこのターンで3回目の攻撃宣言時に発動できる。
自分フィールドのモンスター1体の攻撃力はこのターンの間1000アップし、1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる
|戦場の歌姫》バトルセイレーン》ドロテア
ペンデュラム・効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1400/守1900
【Pスケール:青9/赤9】
(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターがこのターンで3回目の攻撃宣言を行う場合に発動できる。そのモンスターの攻撃力は400アップする。
【モンスター効果】
墓地から水属性モンスター2体をゲームから除外して発動する。
自分フィールドのモンスター1体の攻撃力はこのターンの間800アップする。
これにより私はレベル4から8のモンスターの同時召喚が可能になったが手札は1枚しかないためすぐに行動は出来ない。なのでここは
「魔法カード『天よりの宝札』を発動。互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにドローする」
「ここで最強のドローカードだと!?」
天よりの宝札(アニメ効果)
魔法カード
(1):互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにデッキからカードをドローする。
彼の手札を増やすことにもなるけどこのままだと何も出来ないので仕方がない。そしてドローした6枚のカードを見ると相手の伏せカードが予想通りならばこのターンで終わらせられる!
「吹き荒れよ嵐のペンデュラム!大海に広がりし蒼き波紋!!ペンデュラム召喚!!現れなさい私のモンスターたち!!」
私の言葉に合わせて、上空から青い光がつどう。それ共に光の中から3つの影が飛びだし・・・・
「集結せよ!『コーラル・アサルト』!!『ストームライダー ディアマンティス』!!そして、あらゆる悪徳を洗い流す激しき潮の流れ──その名は正義!!出撃せよ!!『蒼嵐竜 メイルストローム』!!」
私の前に巨大なガトリング砲がついた水上バイクに乗った海軍制服を着た青年と巨大な二振りの大剣を握る海軍制服を着た青年、そして両肩に巨大なミサイルポッドを付けた巨大な海竜が君臨した。
コーラル・アサルト(オリカ)
効果モンスター
星5/水属性/戦士族/攻2100/守1400
(1):このモンスターがこのターンで3回目以降の攻撃宣言をする時に発動できる。このモンスターの攻撃力を300ポイントアップする。
ストームライダー ディアマンティス(オリカ)
ペンデュラム・効果モンスター
星6/水属性/戦士族/攻1800/守2200
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスター1体を選択して発動できる。そのモンスターがこのターン3回目以降のバトルをした時、手札を1枚捨て攻撃力を300ポイント下げることでこのターンもう一度攻撃ができる。
【モンスター効果】
(1):このカードがこのターンで1回目の攻撃宣言をする時に発動できる。このモンスターの攻撃力を300ポイントアップし相手プレイヤーに直接攻撃ができる。
ただしこの効果を使ったこのモンスターが相手に与えるダメージは半分になり、バトル終了後このモンスターを手札に戻し手札から『ストームライダー ディアマンティス』以外の水属性モンスター1体を特殊召喚できる。
蒼嵐竜 メイルストローム(オリカ)
ペンデュラム・効果モンスター
星8/水属性/海竜族/攻3000/守2500
【Pスケール:青4/赤4】
(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターの攻撃力をターン終了時まで300アップする
(2):自分フィールドのモンスターの攻撃によって相手にダメージを与えることに成功した時、このターン3回目か4回目のバトルなら手札を2枚捨てることでそのモンスターはこのターンもう一度攻撃ができる。
【モンスター効果】
(1):このカードがこのターン4回目以降の攻撃宣言時に発動できる。そのバトル中このカードの攻撃力を500ポイントアップし、バトル終了後デッキから1枚ドローし、相手フィールドのカード1枚を選択し破壊する。
コーラル・アサルト ☆5 ATK2100
ストームライダー ディアマンティス ☆6 ATK1800
蒼嵐竜 メイルストローム ☆8 ATK3000
「バトルフェイズに入り、『ディアマンティス』で攻撃!『ディアマンティス』の効果発動!このターン1回目の攻撃ならば攻撃力を300ポイントアップし、相手にダイレクトアタックができる!!ただしこの時に与えるダメージは半分になるわ」
ディアマンティス ATK1800→2100
「なんだと!?くっ!なら俺は永続罠『鉄盾の獣闘機勲章』を発動!」
彼は予想外の事に声を上げながら永続罠を発動するが関係ない。『ディアマンティス』は『パンサー・プレデター』の横を通り過ぎると二振りの大剣で彼を切り裂いた。
「ぐはぁぁぁぁぁっ!!」
敦史:LP4000→2950
この攻撃によって彼に大ダメージを与えることに成功した。しかし彼はそれに対して笑みを浮かべていた。
「ダメージを受けたことで俺は永続罠『鉄盾の獣闘機勲章』の効果を発動する!1ターンに1度、受けた戦闘ダメージ100ポイントにつき、このカードに勲章カウンター1つを置くことができる。さっきのバトルで俺は1050ポイントのダメージを受けたので、『鉄盾の獣闘機勲章』に置かれる勲章カウンターは10個だ」
鉄盾の獣闘機勲章(永続罠、未OCGカード)
(1):1ターンに1度、自分が100以上の戦闘ダメージを受けた場合に発動できる。
その戦闘ダメージ100につき、このカードに勲章カウンターを1つ置く。
(2):勲章カウンターが置かれているこのカードを墓地へ送り、自分フィールドの『獣闘機』モンスター1体を対象として発動できる。
対象となった『獣闘機』モンスターの攻撃力を勲章カウンター1つにつき、100ポイントアップする。
鉄盾の獣闘機勲章:勲章カウンター:0→10
予想通りのカードが伏せられていたため特に焦らず次の攻撃に移る。
「バトル終了後『ディアマンティス』は手札に戻り、手札から2体目の『メイルストローム』を特殊召喚!」
フィールドにいた『ディアマンティス』の姿が消えたかと思うと『ディアマンティス』がいた場所に入れ替わるように2体目の『メイルストローム』が現れた。
「そして2体目の『メイルストローム』で『パンサー・プレデター』を攻撃!」
『メイルストローム』が肩部のミサイルポッドからビームが放たれ『パンサー・プレデター』を攻撃する。
「『パンサー・プレデター』が装備している『ダメージ・ランチャー』の効果発動!ダメージカウンターを5つ取り除くことで破壊を無効にする!!」
『パンサー・プレデター』の両肩に付いているビームランチャーの片方を外し『メイルストローム』から放たれたビームに投げつけることで破壊は免れたが衝撃は防げずダメージとして彼に襲った。
ダメージカウンター:8→3
パンサー・プレデター:ATK2400→1900
敦史:LP2950→2350
「続いて『ラザロス』で攻撃!2回目以降の攻撃なので『ラザロス』の効果で攻撃力が300ポイントアップする」
ラザロス:ATK1800→2100
「さらにペンデュラムゾーンにいる『ネイブルゲイザー・ドラゴン』と『ドロテア』の効果により『ラザロス』の攻撃力を合計で700アップする」
ラザロス:ATK2100→2400→2800
青いオーラを纏ったラザロスはその剣でパンサー・プレデターを切り裂き、今度こそ破壊した。
敦史:LP2350→1450
「くっ!だが『パンサー・プレデター』が破壊されたことで墓地から融合素材の『漆黒の豹戦士パンサー・ウォリアー』と『古代の機械狩猟犬』を守備表示で特殊召喚する!」
『パンサー・プレデター』の姿が消えると、その代わりに融合素材となった『漆黒の豹戦士パンサー・ウォリアー』と『古代の機械狩猟犬』が守備表示で現れた。
「さらに自分フィールドの融合モンスターが破壊されたことにより手札から『フュージョン・ガーディアン』を特殊召喚!!」
フュージョン・ガーディアン ☆8 DEF3000
彼は手札からカードを1枚モンスターゾーンに召喚すると、彼のフィールドに機械仕掛けの巨大なゴーレムが両手で大盾を構えて現れた。
フュージョン・ガーディアン(オリカ)
効果モンスター
星8/地属性/機械族/攻0/守3000
(1):自分フィールドの融合モンスターが破壊された時、手札からこのカードを守備表示で特殊召喚できる。
(2):(1)の効果でこのカードを特殊召喚した時、このカードは戦闘では破壊されない
「この効果で特殊召喚した『フュージョン・ガーディアン』は戦闘では破壊されない!(このターンを凌げば次の俺のターンで『再融合』を使ってもう一度『パンサー・プレデター』を召喚して伏せてある『白刃の獣闘機勲章』と『鉄盾の獣闘機勲章』のコンボで大ダメージを与えることが出来る)」
再融合
装備魔法
(1):800LPを払い、自分の墓地の融合モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する。このカードが破壊された時にそのモンスターは除外される。
白刃の獣闘機勲章(永続罠、未OCGカード)
相手に与えたダメージ100ポイントにつき勲章カウンターを一つ乗せる。
このカードを墓地に送り、乗っていた勲章カウンターの数だけ『獣闘機』モンスターの攻撃力を100ポイントアップする。
何か企んでいるようだけど既にデュエルの決着は着いているのだからそれは無駄な足掻きでしかない。
「ペンデュラムゾーンの『ネイブルゲイザー・ドラゴン』のペンデュラム効果発動!『ネイブルゲイザー・ドラゴン』のペンデュラム効果によって攻撃力を上げた『ラザロス』が戦闘で相手モンスターを破壊したことによってこのターン攻撃を終えた『ラザロス』と2体目の『メイルストローム』はこのターンもう一度攻撃ができる」
ペンデュラムゾーンにいる『ネイブルゲイザー・ドラゴン』がその巨大な槍を掲げるとその槍先から青いオーラみたいなものが放たれ、それが『ラザロス』と『メイルストローム』を覆うと攻撃を終え膝をついていた2体が再び立ち上がった。
「なっ!?だ、だかいくら攻撃回数を増やそうともこのターン俺にダメージを与えることは───」
「関係ないわ。『コーラル・アサルト』で『パンサー・ウォリアー』を攻撃」
『コーラル・アサルト』が乗っている水上バイクに付いているガトリング砲からビームガトリングを連射して『パンサー・ウォリアー』の体を蜂の巣にして絶命させた。
「続いて2体目の『メイルストローム』で『古代の機械狩猟犬』を攻撃!4回目以降の攻撃なので『メイルストローム』の攻撃力500アップ!」
メイルストローム:ATK3000→3500
『メイルストローム』は口から水色のブレスを放つとそれは『古代の機械狩猟犬』をかき消した。
「『メイルストローム』の効果発動!デッキからカードを1枚ドローし、相手フィールド上のカード1枚を破壊する。私は『フュージョン・ガーディアン』を破壊!」
『メイルストローム』は『フュージョン・ガーディアン』の大盾ごとその体をその鋭い爪で切り裂いた。
「ば、馬鹿な・・・・・・」
彼は敗北を悟ったのか顔を青くしながら数歩後ずさりするが関係ない。
「トドメよ。『メイルストローム』で直接攻撃!!効果で攻撃力を500アップ!混沌を飲み干せ!『ジャッジメント・メイルストローム』!」
『メイルストローム』は肩部のミサイルポッドから今度はビームではなく大量のミサイルを放ち、それが全て彼を襲った。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
敦史:LP1450→-2050
こうしてデュエルは私の勝利で終わりを告げた。しかし、この時の私はデュエルに集中していたため気づくことが出来なかった。このデュエルを見ている存在がいることに・・・・
氷華sideout
???side
「やはり彼では彼女を倒すことは出来ませんでしたか・・・・」
暗い空間の中でその場所には合わない椅子に座って紅茶を飲みながら鏡のようなものを使って西郷と蒼龍院ちゃんのデュエルを見ていた男は笑みを浮かべていた。
「まぁ予想通りの結果ではありましたね。彼女のデータを取れただけでも十分な成果ですしまだマシですかね。他の決闘者たちのデータは残りの人達に頑張ってもらいましょうかね」
男は手元にタブレットを持つとその画面に写っている多数の顔写真の中から西郷敦史の写真にバツをつけた。
「しかしまさか『アクアフォース』が遊戯王のカードとしてあるとはね。他のクランのカードも幾つか遊戯王のカードになっていることは知っていたけどまさか『三英雄』と同等の力を持つあのカードたちがあるとはね・・・これは警戒しておいた方がいいかな」
蒼龍院ちゃんが使用した『メイルストローム』や『ネイブルゲイザー・ドラゴン』などのカードは前世で遊戯王と同じカードゲーム『ヴァンガード』に登場するユニットであり、『アクアフォース』はその中でも強力なクランとして知られており、デュエルを見る限りでも厄介そうな敵だとわかる。
「しかしどうしようかな。このことをロリコンハゲやマッド博士とか上の無能どもに伝えたところで意味ないだろうけどこのことは一応伝えといた方がいいだろうけどな~」
正直上の連中含めて今いる組織がどうなろうとどうだっていいのだが衣食住が整っているこの環境を捨てるのも嫌なのでとりあえず自分の身が危なくならない限りは今の仕事を頑張ろうかな。
「とりあえず今はアカデミアの優秀なデュエリストのデータでも集めようかな。状況によっては敵か味方になるんだからね・・・」
タブレットを持っている男───結崎浩介(ゆうさきこうすけ)はそう呟きながらタブレットに写っているアカデミアでも優秀なデュエリスト候補として上がっているもの達の写真を見ていた。
ちなみに、蒼龍院ちゃんとデュエルをして敗北した西郷は敗北した瞬間にデュエルディスクの強制送還システムを使って彼が本来通っているアカデミアへと送還されたために蒼龍院ちゃんに情報を与えることはなかったのは余談である。
浩介sideout
氷華side
「逃げられましたか・・・・」
デュエルに勝利した私は西郷君から情報を聞き出そうとしたのだが彼に近づこうとした瞬間、彼のデュエルディスクが光輝きその眩しさに思わず目をつぶってしまい、光が収まり目を開けるとそこには彼の姿がなかった。
「恐らく彼のデュエルディスクにはデュエルの敗北を条件にアカデミアに強制送還されるシステムが組み込まれてたのでしょうね」
彼が使用していた『パンサー・プレデター』と『古代の機械狩猟犬』、そしてデュエルディスクに組み込まれているだろうそのシステムから彼の背後にいる組織が大体予想出来たのだが・・・
「何故融合次元のアカデミアの人間がこの世界のアカデミアにいたのかしら・・・」
融合次元とは遊戯王シリーズ5作品目のARC-Vに登場した四つの次元の1つであり、融合次元は理想郷を創りあげるという目標のために他の次元に侵略行為を働いていた。融合次元のアカデミアはこちらのアカデミアと違い軍隊として侵略行為をしていた。融合次元とこの世界は全く違う世界なのだから関わることはないと思っていたがこのような形で出会うとは思いもしませんでした。
「目的は地下に封印されている三幻魔?それともこの世界の優秀な決闘者たちのカード化?もしくはあまり考えたくはないけど十代くんの覇王としての力かしら」
この世界には世界に影響を与えることが出来る強力なカードや優秀な決闘者が存在するのでそれを狙っている可能性は高い。それにもしかしたら原作の次元戦争終盤に現れる彼の覇王との戦いに備えてロリコンハゲが十代くんを利用しようと考えているのかもしれない。
「その時は容赦なく潰してやろうかしら」
私は夜空を見上げながらそう呟いてその場から離れてるのだった。
氷華sideout
十代side
彩人と浜口のデュエルが終わり、次は刹那と枕田とのデュエルになったのだが決着が着こうとしていた。
枕田:LP4000
モンスター:ハーピィ・レディ・SB(攻) ハーピィ・レディ三姉妹(攻) ハーピィズペット竜(攻)
魔法・罠:ハーピィの狩場(フィールド魔法) リバースカード1枚
手札:0枚
刹那:LP4000
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード2枚
手札:4枚
ハーピィ・レディ・SB
効果モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻1800/守1300
このカードのカード名はルール上「ハーピィ・レディ」として扱う。
ハーピィ・レディ三姉妹
特殊召喚・効果モンスター
星6/風属性/鳥獣族/攻1950/守2100
このカードは特殊召喚できない。『万華鏡-華麗なる分身-』の効果で特殊召喚できる。
ハーピィズペット
効果モンスター
星7/風属性/ドラゴン族/攻2000/守2500
(1):このカードの攻撃力・守備力は、
フィールドの「ハーピィ・レディ」の数×300アップする。
ハーピィ・レディ・SB ☆4 ATK1800
ハーピィ・レディ三姉妹 ☆6 ATK1950
ハーピィズペット竜 ☆7 ATK2000→2600
枕田の攻撃が終わり、次は刹那のターンとなった。ここまで守りに徹していた刹那だけど今の枕田の場には三体のモンスターがいる。このままじゃ次のターンに総攻撃をくらって大ダメージを負うことになっちまうぜ?
「刹那く~ん。負けないでよ~」
明日香たちの隣で簀巻きにされている翔が涙目で刹那を応援?するが刹那はそれに対して舌打ちしてからカードをドローする。
「俺のターンドロー。俺は手札1枚を墓地に送り『ワン・フォー・ワン』を発動しデッキから『チューニング・サポーター』を特殊召喚する」
ワン・フォー・ワン
通常魔法
(1):手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。
チューニング・サポーター
効果モンスター
星1/光属性/機械族/攻 100/守 300
(1):フィールドのこのカードをS素材とする場合、このカードはレベル2モンスターとして扱う事ができる。
(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。
「魔法カード『機械複製術』を発動しデッキから『チューニング・サポーター』2体特殊召喚する」
刹那の場に分厚い中華鍋を被った小さなモンスターが現れるとそのモンスターを挟むように機械で作られた2つの門が現れそこから同じようなモンスターが2体現れた。
チューニング・サポーター ☆1 ATK100
チューニング・サポーター ☆1 ATK100
チューニング・サポーター ☆1 ATK100
「そして手札からモンスターを墓地に送りチューナーモンスター『クイック・シンクロン』を特殊召喚!」
続いてテンガロンハットを被ったガンマン人形がその手に握る玩具のピストルで刹那の手札を1枚撃ち抜きながら現れた。
クイック・シンクロン ☆5 ATK700
「そして永続魔法『生還の宝札』を発動し、墓地に送られた『レベル・スティーラー』の効果発動。『クイック・シンクロン』のレベルを1つ下げて墓地から特殊召喚する。さらに『生還の宝札』の効果で1枚ドロー」
『クイック・シンクロン』のレベルを齧りながら天道虫が羽ばたいた。その背中には『クイック・シンクロン』から盗んだ星が浮かび上がっていた。そしてこれにより刹那の場がモンスターで埋められた上に手札補充を行っていた。
レベル・スティーラー ☆1 ATK600
クイック・シンクロン
チューナー・効果モンスター
星5/風属性/機械族/攻 700/守1400
このカードは「シンクロン」チューナーの代わりとしてS素材にできる。
このカードをS素材とする場合、「シンクロン」チューナーを素材とするSモンスターのS召喚にしか使用できない。
(1):このカードは手札のモンスター1体を墓地へ送り、手札から特殊召喚できる。
レベル・スティーラー
効果モンスター
星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。
(2):このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのレベルを1つ下げ、このカードを墓地から特殊召喚する。
生還の宝札
永続魔法
自分の墓地に存在するモンスターが特殊召喚に成功した時、自分のデッキからカードを1枚ドローする事ができる。
「俺はレベル1の『レベル・スティーラー』とレベル1の『チューニング・サポーター』3体にレベル4となった『クイック・シンクロン』をチューニング!!」
☆1+☆1+☆1+☆1+☆4=☆8
『クイック・シンクロン』が玩具のピストルで『ジャンク・シンクロン』のカードを撃ち抜くとその身を輝かせて4つの光の輪となり、『レベル・スティーラー』と3体の『チューニング・サポーター』がその輪の間を潜り4つの星となる。
「破壊を司るくず鉄の魔人よ、立ち塞がる敵を粉砕せよ!!シンクロ召喚!!破壊せよ!『ジャンク・デストロイヤー』!」
この瞬間、ズズンと地鳴らしを響かせ刹那の場に頭部に王冠の様な角に胸部に幾つかのコアを持つ4本腕とX字の翼を持つ巨大ロボットのようなシンクロモンスターが現れた。
ジャンク・デストロイヤー ☆8 ATK2600
「シンクロ素材となった『チューニング・サポーター』の効果でデッキからカードを3枚ドロー。そしてシンクロ召喚に成功した『ジャンク・デストロイヤー』の効果でチューナーモンスター以外のシンクロ素材の数だけ相手の場のカードを破壊する『タイダル・エナジー』!!」
「何ですって!?」
枕田は『ジャンク・デストロイヤー』の効果に驚くがそれを防ぐ手段がないのか、『ジャンク・デストロイヤー』のコアから放たれたエネルギーの波に飲み込まれるハーピィたちと伏せカードをただ見ることしか出来ないでいた。
ジャンク・デストロイヤー
シンクロ・効果モンスター
星8/地属性/戦士族/攻2600/守2500
「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードがS召喚に成功した時、そのS素材としたモンスターの内、チューナー以外のモンスターの数までフィールドのカードを対象として発動できる。そのカードを破壊する。
「俺は2枚の永続罠『リミット・リバース』を発動し墓地から『スピード・ウォリアー』と『チューニング・サポーター』を特殊召喚」
リミット・リバース
永続罠
自分の墓地の攻撃力1000以下のモンスター1体を選択し、表側攻撃表示で特殊召喚する。
そのモンスターが守備表示になった時、そのモンスターとこのカードを破壊する。このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。
スピード・ウォリアー
効果モンスター
星2/風属性/戦士族/攻 900/守 400
(1):このカードの召喚に成功したターンのバトルステップに発動できる。
このカードの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで元々の攻撃力の倍になる。
スピード・ウォリアー ☆2 ATK900
チューニング・サポーター ☆1 ATK100
「チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚。召喚時効果で墓地から『チューニング・サポーター』を特殊召喚し『生還の宝札』の効果でデッキから1枚ドロー」
ジャンク・シンクロン
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500
(1):このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
ジャンク・シンクロン ☆3 ATK1300
チューニング・サポーター ☆1 ATK100
「俺はレベル1の『チューニング・サポーター』2体とレベル2の『スピード・ウォリアー』にレベル3の『ジャンク・シンクロン』をチューニング!!」
☆1+☆1+☆2+☆3=☆7
そして今度は『ジャンク・シンクロン』が背中のリコイルスターターを引っ張り、バックパックが振動すると3つの光の輪となり、『チューニング・サポーター』と『スピード・ウォリアー』がその間を潜り4つの星となる。
「鬼神宿りしくず鉄の狂戦士よ、その戦斧で立ち塞がる敵をなぎ倒せ!!シンクロ召喚!!吼えろ!『ジャンク・バーサーカー』!!」
『ジャンク・デストロイヤー』の隣に現れたのは真紅の鎧に角つきの兜、黒い翼、手に身の丈を越える巨大な斧を握った狂戦士。
ジャンク・バーサーカー ☆7 ATK2700
ジャンク・バーサーカー
シンクロ・効果モンスター
星7/風属性/戦士族/攻2700/守1800
「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
自分の墓地に存在する「ジャンク」と名のついたモンスター1体をゲームから除外し、 相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。 選択した相手モンスターの攻撃力は、除外したモンスターの攻撃力分ダウンする。
また、このカードが守備表示のモンスターを攻撃した場合、 ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊する。
「バトル。2体のモンスターで直接攻撃!!」
刹那が攻撃宣言をすると『ジャンク・デストロイヤー』の4本の腕から放たれた拳の形をしたエネルギーが、『ジャンク・バーサーカー』は戦斧を勢いよく枕田に向けて振り下ろした。
「キャァァァ───!?」
枕田:LP4000→-1300
こうして枕田と刹那のデュエルは刹那の圧勝で終わった。コレで次に俺がデュエルで勝てば翔を解放してもらえる。絶対に負ける訳には行かないぜ!
「さぁ勝負よ十代!!」
「負けないせ明日香!!」
「『決闘(デュエル)!!』」
今回オリカとして『ヴァンガード』のアクアフォースのカードを登場させましたがどうでしょうか?作者はレギオンメイト編の最初のところまでしかアニメ見ていないのとアプリゲーの知識しかないのでそれ以降のカードはよく知りませんが何かおすすめのカードや登場して欲しいカードがあったら教えて貰えるとありがたいです
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第5話 決着!女子寮でのデュエル!!
刹那side
丸藤(変態)の身柄をかけ3本勝負のデュエルをしたのだが、今の所俺と彩人たちが2勝しており、あとは十代が勝利すれば変態の身柄を解放してもらえるが正直このままでもいいんじゃないかと思うがそれは言わぬが花というところだ。
そしていよいよ天上院と十代のデュエルが始まった。先行はデュエルディスクのルーレットの結果から天上院になった。
「先行は貰うわ。私のターンドロー!私は『エトワール・サイバー』を攻撃表示で召喚。そして、カードを1枚伏せてターンエンド!!」
エトワール・サイバー ☆4 ATK1200
エトワール・サイバー
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1200/守1600
このカードは相手プレイヤーを直接攻撃する場合、ダメージステップの間攻撃力が500ポイントアップする。
天上院はそう言ってターンを終える。十中八九あの伏せカードは罠カードだろうが、十代はこれに対して一体どうするんだ。
「俺のターンドロー!俺は『E・HEROワイルドマン』を攻撃表示で召喚!」
E・HEROワイルドマン ☆4 ATK1500
E・HEROワイルドマン
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1500/守1600
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、罠カードの効果を受けない。
「装備魔法『サイクロン・ブーメラン』を『ワイルドマン』に装備して攻撃力500ポイントアップ!」
E・HEROワイルドマン ATK1500→2000
十代が発動した装備魔法によって『ワイルドマン』の手にブーメランが握られその攻撃力は下級モンスターの中では高いものとなった。
サイクロン・ブーメラン
装備魔法
「E・HERO ワイルドマン」にのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。装備モンスターが他のカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。破壊した魔法・罠カードの枚数×100ポイントダメージを相手ライフに与える。
「バトル!『ワイルドマン』で『エトワール・サイバー』を攻撃!『ワイルド・スラッシュ』!!」
『ワイルドマン』がその手に握るブーメランを『エトワール・サイバー』に向けて投げ付けた。
「この瞬間、リバースカードオープン。罠カード『ドゥーブル・パッセ』を発動!!」
しかし、『ワイルドマン』が攻撃した瞬間、天上院が罠カードを発動した。
ドゥーブル・パッセ
通常罠 (アニメ効果)
相手モンスターが自分フィールド上の表側攻撃表示モンスターの攻撃対象になった場合に発動する事ができる。
そのモンスターの攻撃は自分への直接攻撃になる。その後、攻撃対象に選択されたモンスターは、相手プレイヤーに直接攻撃を行う。
「出た!明日香様の十八番!!」
「これで大ダメージですわ!」
敗北のショックで落ち込んでいた天上院の取り巻きの2人は天上院のこのコンボを見て大喜びする。正直そのカードを使うよりも『魔法の筒』とかの方がいい気がするがそこは個人の自由なのだから言わない方がいいだろう。
そして天上院の発動した罠カードの効果によって『ワイルドマン』の攻撃はダイレクトアタックになり、天上院にヒットする。
「ぐっ!!」
明日香:LP4000→2000
そして天上院もまた『ドゥーブル・パッセ』の効果により『エトワール・サイバー』が十代を襲う。
「この瞬間、『エトワール・サイバー』の効果を発動。このカードは相手プレイヤーを直接攻撃する場合、攻撃力が600ポイントアップする。喰らいなさい、アラベスク・アタック!!」
エトワール・サイバー ATK1200→1700
そして攻撃力が上がった『エトワール・サイバー』の攻撃がダイレクトアタックとして十代にヒットする。
十代:LP4000→2300
「やるな明日香。まさかそんな手でモンスターを守るなんてな」
十代はそう言って笑うが、その顔には少し余裕が感じられる。その事が少し気になるが今は2人のデュエルの続きを見よう。
「俺はカードを2枚伏せてターンエンド」
そして十代はカードを伏せるとターンを終了した。
十代:LP2300
手札:2枚
モンスター:E・HEROワイルドマン(攻)
魔法・罠:サイクロン・ブーメラン(ワイルドマン装備) リバースカード2枚
明日香:LP2000
手札:4枚
モンスター:エトワール・サイバー(攻)
魔法・罠:無し
刹那sideout
明日香side
「(さっきの攻撃は伏せカードを発動させるためのものね・・・)」
何時も使っていたコンボが成功した。初見の人間ならば何らかの動揺などを見せるが十代にはそんなものは感じられないことからさっきの攻撃は私の伏せカードを消費させるためにわざとやったとしか思えない。
後ろの方でジュンコとももえが私の定番のコンボが決まっているのを見て喜んでいるが、私は素直に喜べないでいた。
だが、何時までもその事ばかりを気にしている訳にはいかない。今はこのデュエルに勝つために全力を尽くすのみなのだから。
「私のターン、ドロー」
すぐに気持ちを切り替えてデッキからカードをドローする。するとこのデッキのエースを出すために必要なカードをドローした。
「私は手札から魔法カード『融合』を発動。これにより私の場にいる『エトワール・サイバー』と手札の『ブレード・スケーター』を融合!」
融合
通常魔法
手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。
ブレード・スケーター
通常モンスター
レベル4/地属性/戦士族/攻1400/守1500
氷上の舞姫は華麗なる戦士。必殺アクセル・スライサーで華麗に敵モンスターを切り裂く。
「白鳥の如し踊り子よ、氷上の舞姫と交わりて、戦場を踊る踊り子となれ!融合召喚!!現れよ『サイバー・ブレイダー』!!」
サイバー・ブレイダー ☆7 ATK2100
サイバー・ブレイダー
融合・効果モンスター
星7/地属性/戦士族/攻2100/守 800
「エトワール・サイバー」+「ブレード・スケーター」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
(1):相手フィールドのモンスターの数によって、このカードは以下の効果を得る。
●1体:このカードは戦闘では破壊されない。
●2体:このカードの攻撃力は倍になる。
●3体:相手が発動したカードの効果は無効化される。
「来た!!明日香様のエースモンスターが!!」
「これで明日香様の勝利が確定されましたわ!!」
「あ・・・・アニキ~っ!!(泣)」
私のデッキのエースである『サイバー・ブレイダー』の登場にジュンコとももえがはしゃぎ、翔くんは反対に十代がピンチになったと思い落ち込む。
「装備魔法『デーモンの斧』を『サイバー・ブレイダー』に装備!」
デーモンの斧
装備魔法
(1):装備モンスターの攻撃力は1000アップする。
(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた時、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。このカードをデッキの一番上に戻す。
サイバー・ブレイダー ATK2100→3100
「ここでバトル!『サイバー・ブレイダー』で『ワイルドマン』を攻撃!グリッサード・スラッシュ!!」
この攻撃が決まれば勝利まで限りなく近くなる。だが・・・
「トラップ発動!『ガード・ブロック』。戦闘ダメージを0にしデッキからカードを1枚ドロー!」
『ワイルドマン』を破壊することに成功したが十代のライフを削ることは出来なかった。
ガード・ブロック
通常罠
相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
「くっ!だったらバトルフェイズを終了しカードを伏せてターンエンドよ」
そう言って私はターンを終える。
十代:LP2300
手札:3枚
モンスター:なし
魔法・罠:リバースカード1枚
明日香:LP2000
手札:1枚
モンスター:サイバー・ブレイダー(攻)
魔法・罠:デーモンの斧(サイバー・ブレイダー装備) リバースカード1枚
明日香sideout
十代side
前のターン何とかダメージは防げた。だが今の手札には『サイバー・ブレイダー』を倒すカードがないので次のドローにかけるしかない。
「俺のターンドロー!」
俺はそう言ってデッキからカードをドローする。ドローしたカードは『ヒーローアライブ』だった。
ヒーローアライブ
通常魔法
(1):自分フィールドに表側表示モンスターが存在しない場合、LPを半分払って発動できる。デッキからレベル4以下の「E・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。
目当てのカードではなかったがこれで『サイバー・ブレイダー』を倒すためのカードを出すために必要なカードを揃えることが出来る。
「俺はライフを半分払って魔法カード『ヒーローアライブ』を発動。デッキから『E・HEROエアーマン』を特殊召喚する!」
E・HEROエアーマン ☆4 ATK1800
E・HEROエアーマン
効果モンスター
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
「『エアーマン』の効果でデッキから『E・HEROリキッドマン』を手札に加える。そして魔法カード『融合』を発動!手札の『リキッドマン』と場にいる『エアーマン』で融合!風を操りし英雄よ、液体を操りし英雄と交わりて嵐の力を秘めし英雄へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れろ『E・HERO Great TORNADO』!!」
E・HERO Great TORNADO ☆8 ATK2800
「融合素材として墓地に送られた『リキッドマン』の効果でデッキからカードを2枚ドローし、その後手札1枚を墓地に送る。そして融合召喚に成功した『Great TORNADO』の効果で明日香の場にいるモンスター全ての攻撃力を半分にする。タウン・バースト!!」
融合召喚された『Great TORNADO』が巨大な竜巻を作り出すとその竜巻を明日香のフィールドへと投げ飛ばすと『サイバー・ブレイダー』を呑み込んだ。竜巻が消えた頃には傷だらけの『サイバー・ブレイダー』が息切れしながら立っていた。
サイバー・ブレイダー ATK3100→1550
E・HEROリキッドマン
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1400/守1300
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時、「E・HERO リキッドマン」以外の自分の墓地のレベル4以下の「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
(2):このカードが「HERO」融合モンスターの融合召喚の素材になり、墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。自分はデッキから2枚ドローし、その後手札を1枚選んで捨てる。
E・HERO Great TORNADO
融合・効果モンスター
星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200
「E・HERO」モンスター+風属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動する。相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。
「墓地にいる『E・HEROネクロダークマン』の効果発動!このカードが墓地にいる時1度だけレベル5以上の『E・HERO』1体を生贄なしで召喚できる。俺は『E・HEROエッジマン』を攻撃表示で召喚!」
俺の背後に半透明になった『ネクロダークマン』が現れ、その姿が消えると同時に『エッジマン』が場に現れた。
E・HEROエッジマン ☆7 ATK2600
E・HEROネクロダークマン
効果モンスター
星5/闇属性/戦士族/攻1600/守1800
(1):このカードが墓地に存在する限り1度だけ、自分はレベル5以上の「E・HERO」モンスター1体をリリースなしで召喚できる。
E・HEROエッジマン
効果モンスター
星7/地属性/戦士族/攻2600/守1800
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
「そして装備魔法『エレメント・ソード』を『Great TORNADO』に装備する」
エレメント・ソード
装備魔法
装備モンスターが自分と違う属性のモンスターと戦闘を行う場合、装備モンスターの攻撃力は800ポイントアップする。
これで準備は整ったぜ。そう考えていたら、明日香が『サイバー・ブレイダー』の効果を発動させた。
「『サイバー・ブレイダー』の効果発動!相手の場にいるモンスターの数によって効果を得る。十代の場には2体のモンスターがいるため『サイバー・ブレイダー』の攻撃力は倍になる。パ・ド・トロワ!!」
サイバー・ブレイダー ATK1550→3100
「そ、そんな~せっかく攻撃力を下げたのに『サイバー・ブレイダー』の攻撃力がアニキのモンスターたちの攻撃力を上回っちゃったっスよ~(泣)」
「流石明日香様ですわ!」
「これであのオシリスレッドも攻撃できずに明日香様のターンになるわ!」
『サイバー・ブレイダー』の効果には驚いたが問題ない。このターンで決めるぜ!
「バトルだ!『Great TORNADO』で『サイバー・ブレイダー』を攻撃!スーパーセル!!」
「なっ!?攻撃力の劣る『Great TORNADO』で攻撃ですって!?」
明日香は俺が攻撃を宣言してきたことに驚く。
「この瞬間、装備している『エレメント・ソード』の効果発動!!『エレメント・ソード』を装備しているモンスターが属性の異なる相手モンスターと戦闘を行う場合、装備モンスターの攻撃力は800アップする!!」
「何ですって!?」
E・HEROGreatTORNADO ATK2800→3600
これにより再び『サイバー・ブレイダー』の攻撃力が『Great TORNADO』の攻撃力を下回ったので倒せる。そう思ったのだが・・・
「まだよ!リバースカードオープン!!罠カード『聖なるバリア-ミラーフォース-』を発動!!これで十代、あなたのモンスターは全滅よ!!」
明日香は『聖なるバリア-ミラーフォース-』を発動して俺のモンスターたちを倒そうとしてくる。
聖なるバリア-ミラーフォース-
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。相手フィールド上に存在する攻撃表示モンスターを全て破壊する。
だが、何らかの罠を仕込んでいることは読んでいた。なので・・・
「こっちもカウンタートラップ『魔宮の賄賂』を発動!『ミラーフォース』の発動を無効にして相手に1枚ドローさせる!!」
魔宮の賄賂
カウンター罠
(1):相手が魔法・罠カードを発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。相手はデッキから1枚ドローする。
これにより、明日香にカードをドローさせちまったが『ミラーフォース』の発動を無効となり、『Great TORNADO』が発生させた竜巻によって『サイバー・ブレイダー』は切り裂かれ、その衝撃の余波が明日香を襲う。
「くっ!!」
明日香:LP2000→1500
これによって明日香の場には明日香を守るモンスターも伏せカードも無くなった。なので・・・
「トドメだ!『エッジマン』でダイレクトアタック!!パワーエッジアタック!!」
『エッジマン』の腕にある刃が明日香に当たり、トドメを指した。
「きゃぁぁぁっ!!」
明日香:LP1500→-1100
明日香のライフを削りきったことによりこのデュエルは俺の勝ちで決まり、俺たちが三連勝したことで翔は無事解放できたのだった。
「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!!」
十代sideout
???side
「ふ~ん。まぁ天上院妹たちのデュエルの結果は予想通りだったけど遊城十代と黒鉄彩人。そして如月刹那のデュエルを見れたから十分な収穫があったね」
僕、成瀬ユキヤはブルー男子寮の最上階にある自分の部屋からアカデミアの至る所に飛ばしている自作のドローンから送られた映像を自作のパソコンで先程女子寮にて行われていたデュエルを見ていた。結果は最初から分かりきっていたが彼らのデッキを知るのにちょうど良かったので見ていたのだが、十分見応えのあるデュエルだった。
「それにしても如月刹那は獅童誠とのデュエルで使っていた闇デッキを使うのかと思ったけどシンクロデッキを使うとはね。もしかしたら他にもデッキを持っているのかな?」
この世界のデュエリストは基本デッキを1つしか持っていないが、相手によって有利を摂るために使用するデッキを変えるものや接待などのためにデッキのパワーを下げたデッキを使うもの、色々なデッキを使いたいが為に複数のデッキを持つものなど理由は人によって異なるが個人で複数のデッキを持つものは多くはないがいるのでそう珍しいことでもない。
「相変わらず部屋に籠って他人のデュエルを見てるのかユキヤ?」
パソコンの映像に夢中になっていると突然声をかけられたので後ろを見るとそこには同じオベリスクブルーで幼馴染みの佐山リョウが呆れた様子で僕を見ていた。
「あぁリョウか。入るならノックぐらいしてくれないかな?」
「何度もノックしたぜ?だけど反応がねぇから勝手にお邪魔させてもらったぜ」
「全く、勝手なんだから・・・」
「そんなことよりどうだ?誰か面白い奴は見つかったりしたか?」
リョウに文句を言うがそんなことを気にせずリョウは僕の頭を軽く撫でながらパソコンの映像を見る。僕は軽くため息を吐いてから話し始める。
「まぁ予想はしていたけど今年の1年は面白そうなのか何人かいるみたいだよ。まぁ中には虫が混ざっているみたいだけどね」
僕はそう言いながら今映っている女子寮にて行われていたオシリスレッドの遊城十代とオベリスクブルーの天上院明日香のデュエルの映像から少し前に行われていた蒼龍院氷華と西郷敦史のデュエルに切り替える。リョウも西郷敦史の方を見て察したのか面白そうに口角を少しあげていた。
「やっぱり融合次元の連中はアカデミアに生徒として侵入させてると考えた方がいいよな?」
「まぁ十中八九そうだろうね。にしても彼も運が悪かったよね。まさか『エンプレス』に見つかっちゃうだなんてね」
デュエルアカデミアの生徒は4つのクラスに分けられており、その中でも最上級クラスのカオスブラックに所属する生徒の中の1人でありデュエルアカデミアの女子で最強の『エンプレス』こと蒼龍院氷華。彼女は今まで敵対してきたものに対して容赦なく叩き潰していった。そんな彼女が大切な存在である遊城十代に害を与えるような存在を許すはずがないのだから。
「だけどこれから大変だね。僕たちにはただでさえ敵が多いのに融合次元の連中なんてめんどくさい連中とも戦わなきゃいけないんだから、まったく忙しくなりそうで嫌になっちゃうね」
「だろうな、それでも俺たちはアイツらと一緒に闘う道を選んだんだ。今更そんなことを言ってもしょうがねぇだろうさ」
「そうだね」
あの日、僕とリョウそしてもう1人の幼馴染みである香坂アヤノの3人は彼らと出会い共に戦うことを誓った。来るべき戦いの時に備えて今は与えられた任務を果たすために力を尽くすしかない。そんなことを思いながらこれから先、どのようなことが騒動が起こるのだろうかと少し楽しみにするのだった。
ユキヤsideout
刹那side
女子寮でのデュエルを終え丸藤(変態)をたすけることに成功したのでこれ以上ここにいる理由もなかったためそれぞれの寮へと戻ることにした。
「まったくこんな変態のために深夜に寮を抜け出す羽目になるとはな」
「うぅ、面目ないッス・・・でも出来れば変態扱いは止めて欲しいッス・・・」
「わかったよ
「変態と書いて丸藤って呼ばないで欲しいッス!!」
変態が何か喚いているがあんな怪しいラブレターを真に受けて女子寮に侵入している時点で変態扱いされてもおかしくないだろう。
「にしてもよく他の女子生徒たちにバレなかったよね。あんなにデュエルして騒いでいたのに誰も反応してなかったよね」
「言われてみればそうだよな」
彩人がふと思い出したかのように言ったことに俺も同意した。3回もデュエルした上にモンスターの声や攻撃する際の音、光などが発生したのだから誰か気づく人がいてもおかしくないのだが何も無いというのは些か不安を感じる。
「まっ、運が良かったってことでいいんじゃねぇか?」
気楽そうにそう言う十代に呆れるがこれ以上そのことを気にしても仕方がないのは事実な為この話しはこれで終わりにすることにしよう。
「じゃあなお前ら。また明日アカデミアで」
「おう!また明日な!!」
俺はそう言って十代たちと別れそれぞれの寮へと戻るのだった。この時の俺たちはまだ知らなかった。俺たちが知らないだけでこのアカデミアには様々な勢力が存在し、遠くない未来に俺たちがその勢力ちと戦うことになることに・・・・
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第6話 アカデミアの日常
刹那side
女子寮で天上院とその取り巻きとのデュエルを終えてから数日がたった。あれから特に大きな事件などは起こらなかったが相変わらず俺が所有しているシンクロモンスターやエクシーズモンスター、『真紅眼の黒竜』などのレアカードを手に入れようとオベリスクブルーのボンボン共がアンティデュエルを仕掛けてくることが何度かあったがその全てを叩き潰していたりしたがそれ以外は特に変わった出来事はなく普通の学生生活を過ごしていた。
そして今は昼休みということで食堂で昼食を取っていた。デュエルアカデミアではカードや食事、娯楽商品などを購入する際にはお金以外にもデュエルアカデミアや一部のイベントでのみ使用できるDP(デュエルポイント)と呼ばれる仮想通貨を使って購入できる。ここデュエルアカデミアでは自分よりランクの高いクラスと戦い勝利すれば多くのDPを手に入れることが出来るため、大量のブルーを倒したことで十分なDPを手に入れたためそれで昼食として泰山麻婆豆腐定食を注文して食べていたのだが・・・
「なぜ俺の周りに人が誰もいないんだ?」
3日ほど前からここの食堂で泰山麻婆豆腐定食を食べ始めたのだが、俺が食べようとすると距離を取るかのように慌てた様子で去っていくのに違和感を感じるが別にイジメなどのような陰湿なものは感じないので気にしていなかったのだが理由も分からないと気分が悪い。
「よぅ刹那。相席いいか?」
「十代か、別に構わないぞ」
そんなことを考えているとその手にカツ丼とデュエルアカデミア名物のドローパン1つをお盆に乗せている十代が声をかけてきた。席も空いているので許可を出す。
「にしてもお前今日もそれ食べてるのかよ」
「美味いからな。一口食うか?」
「翔や隼人みたいに気絶したくないからいらねぇ。ってか目の前で座っているだけで目が痛くなりそうなんだけど・・・」
十代はそう言いつつも俺の前の席に座ってカツ丼を食べ始める。しかしこんなに美味いのに誰も食べようとしないとはまったく理解できない・・・
「そういえば何時も一緒にいる丸藤たちがいないけどどうしたんだ?」
「あぁ、翔は新しいカードを買いに購買に行ってるし隼人と彩人は別のところで食べてるよ」
「なるほどなぁにしても新しいカード買うってそもそもアイツどんなデッキ使ってるんだ?」
「まだデュエルしたことないから俺も知らないけど機械族デッキらしいぞ」
「機械族か」
機械族といえばとある流派が有名だな。その流派は考え方が異なることから二つに分かれていることがいい意味と悪い意味の両方で有名だが多分その流派とは関係ない話しだろうな・・・
そんなことを考えながら俺は麻婆豆腐を一口食べる。
刹那sideout
翔side
「う~ん。どうしようっスかねぇ~」
購買部の一角にあるカードコーナーにてカードを買いに来たのだが僕は今究極の選択を迫られていた。
「『雷電娘々』か『ドリルロイド』どっちを買おうっスかね~」
そう。僕は今僕にとってのアイドルカードである『雷電娘々』かデッキの強化のために『ドリルロイド』を購入するかで迷っていた。僕はアニキや彩人くん、刹那くんのようにデュエルで勝てていないのであまりDPを稼げていないのでどちらかのカードしか買えないので迷っていた。
雷電娘々
効果モンスター
星4/光属性/雷族/攻1900/守 800
自分フィールド上に光属性以外の表側表示モンスターが存在する場合、表側表示のこのカードを破壊する。
ドリルロイド
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻1600/守1600
このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、ダメージ計算前にそのモンスターを破壊する。
「どうしよう・・・僕には選べないっスよ」
「フフッ、お困りのようだね」
「は、ハンチョーさん・・・・」
どっちを買おうか迷っていると購買部で働いている大槻さんことハンチョーが声をかけてきた。
「分かるよ翔くん君の気持ち。デッキを強化するために必要なカードか自分のお気に入りのカードのどちらを選ぶかなんてみんなが悩んだ経験があるものさ」
ハンチョーは腕を組みながらウンウンと頷きながらそう言ってくれた。
「そ、そうなんスよ。でも僕はアニキたちみたいに強くなりたいからここは『ドリルロイド』にしようかと・・・」
「フフっ・・・へただなあ翔くん。へたっぴさ・・・!欲望の解放のさせ方がへた・・・」
「へっ?」
僕はハンチョーの突然のに首を傾げているとハンチョーはそのまま話を続けた。
「君が本当に欲しいのは・・・
「そ、それは・・・・」
「両方のカードが欲しい君の願いを叶えるためにこれに挑戦してみないかい?」
ハンチョーさんはそう言いながらカードパックを渡してきた。
「コレってカードパックっスよね?」
「そう。コレで上手くいけば両方のカードを手に入れることができるんだよ」
「で、でもパックで狙ったカードを引き当てるだなんてかなり難しいっスよね?」
僕はそう言いながらハンチョーさんに確認するように聞いた。カードパックは1パック5枚なのだが、パックに入っているカードは限定カードなどを除けば全ての種類のカードが出てくるため、狙ったカードを当てることなどかなりの低確率である。だからカードを単品で買った方が安上がりになることだってある。それなのにパックを買うのを進めるとはどういうことなのだろうか?
「確かにパックで狙ったカードを当てるのは難しいことさ。だけどね優秀なデュエリストならレアカードを高確率で当ててるんだよ。現にこの学園だとカイザーやエンプレス、キングなどの優秀なデュエリストもパックを買ったら結構な頻度でレアカードを当てたりしてるからね」
「そうなんっスか・・・」
優秀なデュエリストという部分で少し気分が暗くなってしまったがそんな僕に気づいたのかハンチョーさんは笑みを浮かべながら話を続ける。
「大丈夫さ、君なら当てることも不可能じゃないはずさ」
「は、ハンチョーさん・・・・」
こんな底辺のオシリスレッドの生徒である僕に対しても優しい態度を取ってくれるハンチョーさんに思わず涙目になりそうになってしまった。
「そ、それじゃあ10パック買うっス!」
「はいカードパックご購入ありがとうございま~す!!」
僕は持っているDPで買えるだけのカードパックを購入することにするとハンチョーさんの部下である沼川さんと石和さんが明るい笑顔でカードパック10パックを手渡してくれた。
「・・・いいの、当たるといいね」
ハンチョーさんは僕の耳元でこっそりと励ましてくれた。これにはつい、思わず嬉しくなってスキップしながらカードショップを後にするのだった。
翔sideout
大槻side
「やった!『砂の魔女』当たったっス!!これでまた美少女カードが増えたっス!!」
購買部から少し離れた場所で美少女カードを引く度に一喜一憂している翔くんの姿を見ているのを部下である沼川と石和と一緒に見ていた。
「目当てのカードも当てられずあんな使いにくいカードで喜んでいるだなんて馬鹿ですね」
石和の嘲笑と侮蔑を込めた言葉を聞いて、私は、優しい笑顔のまま言い捨てる
「馬鹿だからね・・・あんなもんよ今の若いものは。パックを開封し終えたらとりあえず満足してこう考えるだろう。『目的のカードは当てられなかったけど次当てればいい』『レアカードを当てられたのだからそれで満足』と、が、その考えがまるでダメ。『次当てればいい』なんて発想からは何も変わらない!明日から頑張るんじゃない。今日、今日だけ頑張るんだっ!今日を頑張った者、今日も頑張り始めた者にのみ明日が来るんだよ!!」
そもそもドロップアウト組と呼ばれるオシリスレッドならばデッキを少しでもデッキを強化して上のクラスを目指すべきなのに悩んでいる時点で愚かというものだ。
「ハンチョーさん。このパックを5パックください」
そんなことを思っていると新しい客が来たのでいつも通りの営業スマイルに戻りながら新しい客に対応する。
「いらっしゃい。って、宮本くんじゃないか。珍しいねいつもならパックじゃなくてカード単体を買うのに」
私は珍しい客に思わず驚いた。客としてパックを買いに来たのはカオス・ブラックの生徒の一人である白髪に金色の瞳をした少年───宮本新羅。二つ名を『
「残念ながらお目当てのカードがまだ売られてないので久しぶりにパック購入で狙ってみようと思いましてね」
彼はそう微笑みながら言うが、恐らく彼はパックで目当てのカードを当てられるだろう。これは先程のオシリスレッドにも言ったことだが、優秀なデュエリストは高確率でレアカードを引き当てることからカオス・ブラックの彼なら問題なく当てられるだろう。
「いいカード、当てられるといいね」
「それ、誰にも言ってますよね」
パックを渡しながら何時ものお決まりの台詞を言うと、彼は苦笑しながらパックを受け取り購買部を後にした。この後も色々なクラスからカードやパックを購入しに来る学生たちの相手をし、全てが終えて店じまいしたら、いい気分で晩酌を楽しもうと私は仕事をしながらそんなことを考えるのだった。
大槻sideout
刹那side
食事を終えて食堂を出た俺は十代に腹ごなしにデュエルを誘われた。十代とはまだデュエルをしたことも無いしちょうどいいと思いその提案を受け入れ早速デュエルコートに向かったのだが・・・・
「さぁ!早くデュエルディスクを構えやがれ!!」
「俺たちオベリスクブルーのエリートがお前たちの相手をしてやるよ!!」
オベリスクブルーの男子生徒に絡まれてしまい、デュエルする流れになっしまった。入学してからこういう輩が多いが今日の奴らは特に様子がおかしかった。特に十代にデュエルを仕掛けた方は今にも十代に襲いかかりそうなほど殺気だっていた。
「仕方がない。無視しても無駄だろうから素直にデュエルを受けるか・・・・」
「俺はデュエルできるならなんでもいいぜ!」
俺と十代はそう言いながらデュエルディスクを構えるのを確認すると、相手も同じようにデュエルディスクを展開した。そして
「「「「
刹那:LP4000
オベリスクブルーA:LP4000
十代:LP4000
オベリスクブルーB:LP4000
「先行は俺が貰う!俺のターン、ドロー!俺は速攻魔法『蛮族の饗宴Lv5』を発動。俺は手札から『バーバリアン1号』と『バーバリアン2号』を特殊召喚するぜ!」
先行はオベリスクブルーAとなり、ドローした魔法を発動したことにより、奴の場に『バーバリアン1号』と『バーバリアン2号』が現れた。
バーバリアン1号 ☆5 ATK1550
バーバリアン2号 ☆5 ATK1800
蛮族の狂宴Lv5
通常魔法
(1):自分の手札・墓地から戦士族・レベル5モンスターを2体まで選んで特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、効果が無効化され、このターン攻撃できない。
バーバリアン1号
効果モンスター
星5/地属性/戦士族/攻1550/守1800
(1):自分フィールドの「バーバリアン2号」1体につき、このカードの攻撃力は500アップする。
バーバリアン2号
効果モンスター
星5/地属性/戦士族/攻1800/守1500
(1):自分フィールドの「バーバリアン1号」1体につき、このカードの攻撃力は500アップする。
「そして俺は『バーバリアン1号』と『バーバリアン2号』を生贄に捧げ、密林の奥より現れよ蛮族たちの王者!!『バーバリアン・キング』を召喚!!」
2体のバーバリアンが光となって消え、代わりに2体のバーバリアンがいた場所に紫の鎧を纏い、巨大な金棒を手にした三メートルはあろうかと思われる赤い鬼──『バーバリアン・キング』が現れた。
バーバリアン・キング ☆8 ATK3000
バーバリアン・キング
効果モンスター
星8/地属性/戦士族/攻3000/守1100
(1):1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの戦士族モンスターを任意の数だけリリースして発動できる。
このターン、このカードは通常の攻撃に加えて、
この効果を発動するためにリリースしたモンスターの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。
「俺はカードを伏せてターンエンドだ!」
奴はそう言ってリバースカードをセットしながらエンド宣言をした。
「俺のターン、ドロー」
俺のターンに移り、ドローしたカードを含めて手札を確認してどう行動するか考える。
「(今の手札じゃ『バーバリアン・キング』を倒せないな。ここは・・・)俺は『デッド・ガードナー』を守備表示で召喚し、カードを3枚伏せてターンエンド」
デッド・ガードナー ☆4 DEF1900
デッド・ガードナー
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻 0/守1900
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターが攻撃対象に選択された時、このカードに攻撃対象を変更する事ができる。
このカードが破壊され墓地へ送られた時、相手フィールド上に表側表示で存在する
モンスター1体の攻撃力はエンドフェイズ時まで1000ポイントダウンする。
オベリスクブルーA:LP4000
手札:1枚
モンスター:バーバリアン・キング(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
刹那:LP4000
手札:2枚
モンスター:デッド・ガードナー(守)
魔法・罠:リバースカード3枚
「ハッ!どうやら打つ手がないようだな!!俺のターンドロー!このターンで決めてやるぜ!!俺は『 ゴブリン突撃部隊』を攻撃表示で召喚!!」
ゴブリン突撃部隊 ☆4 ATK2300
ゴブリン突撃部隊
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻2300/守 0
(1):このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になり、次の自分ターンの終了時まで表示形式を変更できない。
「『バーバリアン・キング』の効果発動!自分フィールドにいる戦士族モンスターを任意の数墓地に送ることで追加攻撃出来る!俺は『ゴブリン突撃部隊』を墓地に送ることで『バーバリアン・キング』はこのターン2回攻撃ができる!」
『バーバリアン・キング』は隣に現れた『ゴブリン突撃部隊』をその巨大な手で捕まえるとそのまま握り潰した。そして、握り潰した『ゴブリン突撃部隊』が光となり『バーバリアン・キング』の胸の宝玉へと吸収され、雄叫びをあげる。
「リバースカードオープン!!永続罠『バーバリアン・レイジ』を発動!!このカードの効果で『バーバリアン・キング』の攻撃力を1000ポイントアップするぜ!」
バーバリアン・キング ATK3000→4000
バーバリアン・レイジ
永続罠
(1):自分フィールドの戦士族モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターの攻撃力は1000アップし、
そのモンスターが戦闘で破壊したモンスターは墓地へ送らず持ち主の手札に戻す。
対象のモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。
『バーバリアン・キング』の攻撃力が俺のライフと同じ数値にまで上がった。
「なら俺は『強欲な瓶』を発動し、それにチェーンして速攻魔法『非常食』を発動!デッキから1枚ドローし、ライフを1000回復する」
刹那:LP4000→5000
強欲な瓶
通常罠
(1):自分はデッキから1枚ドローする。
非常食
速攻魔法
(1):このカード以外の自分フィールドの
魔法・罠カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。
自分はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードの数×1000LP回復する。
「ちっ、このターンでトドメをさすことはできないか・・・だが、ダメージは与えさせて貰うぜ!!まずは『バーバリアン・キング』で『デッド・ガードナー』を攻撃!バーバリアン・クラッシュ!!」
『バーバリアン・キング』がその大きな金棒を『デッド・ガードナー』に向けて振り下ろす。そのあまりの力の差に『デッド・ガードナー』の抵抗も虚しくあっという間に叩き潰された。
「『バーバリアン・レイジ』の効果でその雑魚モンスターは手札に戻ってもらうぜ!続けて『バーバリアン・キング』でテメェにダイレクトアタック!!バーバリアン・クラッシュ!!」
「ぐぅぅぅぅっ!?」
刹那:LP5000→1000
『非常食』を発動したことおかげで何とか首の皮一枚助かったな。
「バトル終了後にトラップ発動!!『ショック・ドロー』!!このターン受けたダメージ1000につき、デッキからカードをドローする。俺はデッキからカードを4枚ドロー!!」
ショック・ドロー(未OCG)
通常罠
バトルフェイズ終了時にのみ発動する事ができる。
このターン中に受けたダメージ1000ポイントにつき、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
「ちっ、まさかそんなカードを伏せていたとはな。だが、いくら手札を増やしたところで俺の『バーバリアン・キング』を倒せるはずなどない!俺はターンエンド!!」
オベリスクブルーA:LP4000
手札:1枚
モンスター:バーバリアン・キング(攻)
魔法・罠:バーバリアン・レイジ(バーバリアン・キングを対象に発動)
刹那:LP1000
手札:8枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
「俺のターンドロー!俺は魔法カード『闇の誘惑』を発動してデッキからカードを2枚ドローし、手札の『デッド・ガードナー』を除外する」
闇の誘惑
通常魔法
(1):自分はデッキから2枚ドローし、その後手札の闇属性モンスター1体を除外する。
手札に闇属性モンスターが無い場合、手札を全て墓地へ送る。
「手札の『真紅眼の黒竜』を墓地に送り『ダーク・グレファー』を特殊召喚する!さらに『ダーク・グレファー』の効果で手札の『ネクロ・ガードナー』を墓地に送り、デッキから『ヘル・エンプレス・デーモン』を墓地に送る」
俺の場に『ダーク・グレファー』が現れ、その効果を使って墓地を肥やしていく。
ダーク・グレファー ☆4 ATK1700
通常モンスター星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000
真紅の眼を持つ黒竜。怒りの黒き炎はその眼に映る全てを焼き尽くす。
ダーク・グレファー
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1700/守1600
(1):このカードは手札からレベル5以上の闇属性モンスター1体を捨てて、
手札から特殊召喚できる。
(2):1ターンに1度、手札から闇属性モンスター1体を捨てて発動できる。
デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る。
ネクロ・ガードナー
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1300
(1):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。
ヘル・エンプレス・デーモン
効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻2900/守2100
このカード以外のフィールド上で表側表示で存在する
悪魔族・闇属性モンスター1体が破壊される場合、代わりに自分の墓地に存在する悪魔族・闇属性モンスター1体をゲームから除外する事ができる。また、フィールド上に存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた時、「ヘル・エンプレス・デーモン」以外の自分の墓地に存在する悪魔族・闇属性・レベル6以上のモンスター1体を
選択して特殊召喚する事ができる。
「俺はチューナーモンスター『ヴァレット・シンクロン』を召喚!召喚時効果で墓地から『真紅眼の黒竜』を守備表示で特殊召喚する!」
水色の装甲を纏った小型の機械の身体のドラゴン─『ヴァレット・シンクロン』が現れるとその瞳を赤く輝かせ、その隣に黒い穴が出現しそこから守備体制をとっている『真紅眼の黒竜』が現れた。
ヴァレット・シンクロン ☆1 ATK0
真紅眼の黒竜 ☆7 DEF2000
ヴァレット・シンクロン
チューナー・効果モンスター
星1/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0
(1):このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地のレベル5以上のドラゴン族・闇属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを効果を無効にして守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
「俺は魔法カード『七星の宝刀』を発動し、フィールドの『真紅眼の黒竜』を除外してデッキから2枚ドローする」
七星の宝刀
通常魔法
「七星の宝刀」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):手札または自分フィールドの表側表示モンスターの中から、レベル7モンスター1体を除外して発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。
手札と墓地のカードが順調に溜まってきているが、このターンで終わらせることはできないためここは厄介な存在である『バーバリアン・キング』に退場してもらおう。
「俺はレベル4の『ダーク・グレファー』にレベル1の『ヴァレット・シンクロン』をチューニング!!」
☆4+☆1=☆5
『ヴァレット・シンクロン』の瞳が赤く輝くと1つの光の輪となり、『ダーク・グレファー』がその光の輪を潜ると四つの星となる。
「災害の名を持つ正義を執行する機械の使徒よ、その力で敵を殲滅せよ!シンクロ召喚!!『A・O・J カタストル』!!」
この瞬間、全身を白銀の装甲で覆い、眼球代わりに青いレンズを埋め込まれた四足のロボット──『A・O・J カタストル』が俺の場に現れた。
シンクロ・効果モンスター
星5/闇属性/機械族/攻2200/守1200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが闇属性以外のフィールド上に表側表示で存在するモンスターと戦闘を行う場合、ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊する。
「バトル!『カタストル』で『バーバリアン・キング』を攻撃!!」
「馬鹿が!!攻撃力は『バーバリアン・キング』の方が圧倒的に上なんだよ!!」
俺の攻撃宣言に相手は勝った気になり、周りで観戦をしていた他の連中も俺が自滅しにいっているように見えているようだ。ならば見せてやろう。この『カタストル』の恐るべき効果を
「『カタストル』の効果発動!このモンスターが闇属性以外のモンスターと戦闘を行う時、ダメージ計算を行わずにそのモンスターを破壊する!!デリート・ウイルス!!」
「な、なんだとっ!?」
『カタストル』が機械的な金属音を響かせながら『バーバリアン・キング』に接近し、足の先端の鋭く強固な爪を振り上げて『バーバリアン・キング』に突き刺す。その瞬間、『カタストル』は爪の先端から黒い稲妻を散らしながら闇のエネルギーを『バーバリアン・キング』の体内へと注ぎ込むと、『バーバリアン・キング』は苦悶の咆哮を上げ、抵抗も出来ないまま絶命し消滅した。
「そんな、俺の『バーバリアン・キング』が・・・・」
「対象のモンスターが破壊されたため『バーバリアン・レイジ』は破壊される」
相手は自身のエースがなすすべもなく破壊されたことにショックを受けているが、デュエルはまだ終わっていない。
「バトルフェイズを終了し、俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
オベリスクブルーA:LP4000
手札:1枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
刹那:LP1000
手札:5枚
モンスター:A・O・J カタストル(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
「お、俺のターンドロー。くっ!俺は『切り込み隊長』を守備表示で召喚して効果で手札の『荒野の女戦士』を守備表示で特殊召喚してターンエンド・・・」
切り込み隊長 ☆3 DEF400
荒野の女戦士 ☆4 DEF1200
切り込み隊長
効果モンスター
星3/地属性/戦士族/攻1200/守 400
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他の戦士族モンスターを攻撃対象に選択できない。
荒野の女戦士
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1100/守1200
(1):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
デッキから攻撃力1500以下の戦士族・地属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。
どうやら『カタストル』を除去できるようなカードは が手札に来なかったようで守備を固めていた。ならこちらは遠慮なく責めさせてもらおう
「俺のターン、ドロー!俺は魔法カード『手札抹殺』を発動する。互いのプレイヤーは手札を全て捨て、捨てた枚数ドローする。俺は5枚捨ててデッキから5枚ドロー!」
「俺は手札がないから捨てられない・・・」
新たにドローしたカードを見て、俺はこのターンで決着をつけられることを確信した。
「俺は『闇王プロメティス』を召喚!」
闇王プロメティス ☆4 ATK1200
「『プロメティス』の召喚時、墓地から闇属性モンスターを任意の数除外することで、このターンの間、その数×400ポイント攻撃力をアップする。俺は墓地から6枚除外し、『プロメティス』の攻撃力を2400アップさせる」
墓地から闇属性モンスターを6体取り出して腰に着けているカードケースにしまうと、『プロメティス』に闇のオーラのようなものがまとわりつき、その力を増幅させていた。
闇王プロメティス ATK1200→3600
闇王プロメティス
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1200/守 800
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。
自分の墓地の闇属性モンスターを任意の数だけ選んで除外する。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、除外した数×400アップする。
「さらに永続罠『闇次元の解放』を発動し、除外されている『マッド・デーモン』を特殊召喚する!」
マッド・デーモン ☆4 ATK1800
闇次元の解放
永続罠
(1):除外されている自分の闇属性モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊され除外される。そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。
マッド・デーモン
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1800/守 0
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
(2):攻撃表示のこのカードが攻撃対象に選択された場合に発動する。このカードを守備表示にする。
これでこのターンに決着をつけるための準備が完了した。
「バトル!『マッド・デーモン』で『切り込み隊長』に攻撃!『マッド・デーモン』は貫通効果を持っているため『マッド・デーモン』の攻撃力と『切り込み隊長』の守備力の差のダメージを与える。ボーン・スプラッシュ!!」
『マッド・デーモン』が腹にある口の中の骸骨を噛み砕くとその破片を『切り込み隊長』向けて放った。『切り込み隊長』はその攻撃を耐えることも出来ず破壊され、その衝撃の余波が相手を襲った。
「くうっ!!」
オベリスクブルーA:LP4000→2600
「続けて『カタストル』で『荒野の女戦士』を攻撃!『カタストル』の効果でダメージ計算を行わずに『荒野の女戦士』を破壊!」
『カタストル』の爪のによって『荒野の女戦士』 は抵抗する前に切り裂かれ破壊された。戦闘ではなく『カタストル』の効果で破壊したことで『荒野の女戦士』の効果が発動することは無かった。これにより相手のフィールドはがら空きになった。
「これでトドメだ。『プロメティス』でダイレクトアタック!!終焉の業火!!」
『プロメティス』が頭上に両手を掲げると、両手から巨大な漆黒の炎を作り出した。そしてその炎を相手に投げつけた。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
オベリスクブルーA:LP2600→-1000
「『フレイム・ウイングマン』、『サンダー・ジャイアント』の2体でダイレクトアタック!!」
「チクショォォォォォォォっ!!」
オベリスクブルーB:LP3300→-200
「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!!」
俺が倒したのとほぼ同時にどうやら十代もケリをつけられたようだ。
というかなんでコイツらはいきなりデュエルを仕掛けてきたんだ?
しかし、この時の俺はまだ知る由もなかった。この後、十代と十代の幼馴染みであるとある少女によってこのアカデミアで騒動が発生することを・・・・
みなさんにゃんぱすー有頂天皇帝です。今回はアカデミアでの日常とデュエルを書きました。デュエルを挑んできたオベリスクブルーBが十代に対して殺気のようなものを向けてきた理由は次の話しで明かす予定です。大槻ことハンチョーさんたちはわかる人はわかると思いますが『賭博黙示録カイジ』と『一日外出録ハンチョウ』に出てくる大槻さんたちのことです。『一日外出録ハンチョウ』面白いですよね。あの人の名言とか面白くてそれを元に今回のセリフを言ってもらったんですがどうでしょうか?他にもオリキャラとしてカオス・ブラックの生徒の1人である宮本新羅が出てきましたが、カオス・ブラックの生徒には『カイザー』や『エンプレス』などのように2つ名を持っています。次回は漫画版遊戯王GXのミス・デュエルアカデミアか、月一試験前の話になると思います。それでは次回もお楽しみに!
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第7話 月一試験開始!!十代VS雪乃
十代side
デュエルアカデミアに来てからもう少しで一月経とうとしいて明日には月一試験が迫っていた。
ここデュエルアカデミアでは月に1度、筆記試験と実技試験が行われ、その結果次第では上のクラスにいけることもあれば下のクラスに落ちることもあるらしい。俺たちオシリスレッドは一番下のクラスであるため成績が悪過ぎれば退学の可能性もあるって隼人も言ってたから俺たちも最低限の勉強をしている。
「えーと、フィールド魔法は魔法・罠と同じでセットすることができるんだよな?」
「えぇ、そうですよ」
「なぁ彩人。これってどう解くんだ?」
「そこはこのカードの効果を使えば解けばいいんだよ」
俺と隼人は隣の部屋に住んでいる彩人に勉強を教えてもらいながら月一試験に向けて問題を解いていた。
俺は詰めデュエルの問題集を中心に解いており、デュエルの隼人はデュエルの基本的なところもできてなかったから勉強することが多かった。それでも早い段階から勉強し始めたおかげで俺と隼人も明日の筆記試験には自信を持って挑めそうだった。
「にしても2人が勉強できるだなんて意外なんだな」
「なんだよそれ」
「まぁオシリスレッドにいるからそう思うのも仕方がないよね」
隼人がそんなことを言うから俺は思わず口をとがらせるとそれに対して彩人は苦笑しながら言った。正直俺と彩人は勉強することが嫌いだから昔はよく2人で宿題をサボってデュエルをしていたこともよくある。ただその度に氷華さんや他の幼馴染み、そして姉さんと楓に捕まっては注意されて勉強するという流れがができたことで気づけば最低限の勉強ができるようになっていた。
「とにかく今は明日の試験に向けて集中するよ。この調子なら筆記の方は問題ないかもしれないけど慢心は良くないからね」
「なぁところでさ・・・・・」
彩人が筆記の方は問題ないと言ってくれるが、それよりも俺はこの部屋で起こっている月一試験とは別の問題が気になってしょうがなかった。それは・・・
「神様、どうかこの丸藤翔めをお助けください。月一試験でいい結果が出ればオシリスレッドからラーイエローに昇格出来るんです。そう!これこそまさに、『死者蘇生』!!」
俺達が勉強している後ろの方で、翔が机の上に『死者蘇生』のカードを3枚飾って祈っている。しかも念入りに『オシリスの天空竜』のポスターまで貼っていることから翔の本気度が伝わるのだが、正直見ていて引く。というか試験に『死者蘇生』は関係ないだろう。せめて『レベルアップ』とかみたいなのしろよと言いたくなる。
「・・・・・・」
その時、彩人が半目になりながら立ち上がると机の上に飾っている『死者蘇生』のカード全部を『降格処分』、『闇よりいでし絶望』、『奈落の落とし穴』の3枚にすり替えた。
「え、えげつないんだな・・・」
隼人も俺と同じように一部始終見ていたため、彩人の行動に顔を引き攣らせていた。まぁ俺もやることがえげつないって思った。というか名前とカードイラストからして縁起でもないカードのオンパレードでひでぇ。
っと、翔の方ばかり気にしてても仕方がないな。俺は詰めデュエルの方の問題は一通り時終わったから一旦筆記試験の勉強を終わらせて実技試験の対策をとるためにデッキの調整を始めた。
隼人から聞いた話じゃ実技試験は基本的に同じ寮の生徒同士でデュエルすることになっているらしいが、例外としてオベリスクブルーやカオスブラックには選択権を使用することで他寮の生徒とデュエルすることが可能らしい。
恐らくだが、万丈目はその選択権を使って俺にデュエルを挑んでくる可能性が高い。あの時のデュエルでは俺が油断したせいでフェイバリットカードである『フレイム・ウイングマン』が奪われ、俺自身の手で破壊することになってしまった。今思い出しても悔しい。
だからこそ次に万丈目とデュエルする時は負ける訳には行かないんだ。今度こそ俺のモンスターたちと一緒にアイツに勝つ。
そう思いながら、俺は再び戦うことになるであろう万丈目とのデュエルに向けてデッキの調整とアイツが使っていたカードを調べるのだった。
十代sideout
刹那side
遂に始まった月一試験。筆記試験は中間や期末とは違って英語や数学などの普通教科などはなく、デュエルに関する問題だけが出るが油断は出来ない。
筆記試験はまだ始まらないので周りを見渡してみると、十代と彩人の姿がまだ見えなかった。
そして、試験開始の時刻になっても2人はやって来なかった。十代1人だけなら寝坊だと思うが、真面目な彩人も一緒なことから何かあったのではないかと考えてしまう。
十代たちのことは気になりはするが、今は試験に集中することにした。十代たちのことばかり考えて肝心の自分の筆記の結果を出せなくなったら元も子もないからな。
しかし、試験自体は実際に解いてみるとさほど難しいものではなかった。通常モンスターのフレーバーテキストを書けというのは難しかったが、それ以外は現在プロとして活躍しているプロデュエリストやその使用カードについて、基本的なカードの種類や効果について、そして伝説のデュエリスト海馬瀬人のエースである『青眼の白龍』についての問題が2割程占めているのは引いた。例えば・・・
問8 現在アメリカで活躍しているプロデュエリストを3人答えなさい
アメリカで活躍しているプロデュエリストといえば『キース・ハワード』、『レベッカ・ホプキンス』、『DD』。
問23 『決闘王』武藤遊戯の使用する融合モンスターを3枚答えなさい
答えは『有翼幻獣キマイラ』、『超魔導剣士─ブラック・パラディン』、『黒炎の騎士─ブラック・フレア・ナイト─』。
問35 『青眼の白龍』のフレーバーテキストを全て答えなさい
確かこれは『高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。どんな相手でも粉砕する。その破壊力は計り知れない。』だったはずだ。
問47 『青眼の白龍』は何をもたらす龍なのか答えなさい
答えは『勝利』だな。ちなみに『真紅眼の黒竜』は『可能性』をもたらす龍として語られているらしい。
順調に問題を解いていると、十代と彩人の2人が慌てながら教室に入ってきて、レッド寮の寮長で錬金術の担当教師である大徳寺教諭に軽く注意されてから指定された席に座ると急いで問題を解き始めていた。
そして全ての問題を解き終わり、最後に書き間違いなどないか問題を確認し終わるのと同時に試験終了の鐘が鳴るのだった。
刹那sideout
十代side
朝は余裕を持って起きたのだが試験会場に向かう途中、車をエンストさせて困っているトメさんの姿を見つけてしまい俺と彩人はその手助けをしたことで筆記試験に遅れちまった。
だけど時間ギリギリまで頑張ったおかげで何とか全問回答する事が出来たし、前日まで勉強していたおかげで回答には自信があるぜ。
そして筆記試験が終わると同時に殆どの生徒が席を立って購買部の方へと走っていった。三沢が言うには今日の昼頃に本土から最新カードが封入されている新パックが購買部にて販売されるらしく、今走っていった奴らはそのパックを購入して少しでもデッキを強化しようと考えているそうだ。
俺も正直新しいカードに興味はあるから購買部に行くだけ行ってみたら、既にパックは売り切れていたのだがトメさんが先程のお礼にと1パック貰ったのは嬉しい誤算だったぜ。
そして昼休憩が終わるといよいよ実技試験が始まった。俺の番が来るまでの間ほかの人のデュエルを見ているとアナウンスで俺の名前が呼ばれたのでデュエル場へと向かった。
そしてデュエル場に着くと、そこには薄い紫色の髪をツインテールにしているオベリスクブルーの制服を着た女子生徒が立っていた。というか・・・・
「久しぶりだな雪乃」
「ええ、久しぶりね十代」
目の前にいる少女の名前は藤原雪乃。彩人と同じ俺の幼馴染みの一人である。中学の頃は俺と彩人は普通の中学校に入学したのに対して雪乃を含めた3人の幼馴染みはデュエルアカデミア中等部に入学したために長期休み以外で会うことはあまり無かったために会うのは久しぶりだった。
「って、俺の相手は雪乃なのか!?」
デュエル場にいることから俺の対戦相手が雪乃であることに気づいた。てっきり俺の相手は万丈目だと思っていたばかりに予想外だった。
「えぇ。万丈目のボウヤも貴方とデュエルしたかったようだけど私の方が先だったから私が相手よ」
雪乃の説明を聞いて納得した。やはり俺が予想してたとおり、万丈目は俺とデュエルしようとしていたみたいだが運が悪かったみたいだ。
「フフ、そんなことはどうでもいいでしょ。今は久しぶりのデュエルを楽しみましょう?」
「おう!全力で戦おうぜ!!」
雪乃と俺はそう言葉を交わすと同時にデュエルディスクを展開した。
「「決闘(デュエル)!!」」
十代:LP4000
雪乃:LP4000
「先行は私が貰うわ。私のターンドロー」
デュエルディスクのルーレットの結果、雪乃が先行となった。
「私はカードを2枚伏せて魔法カード『手札抹殺』を発動するわ。互いに手札を全て捨てて捨てた枚数ドローする。私は3枚捨てて3枚ドローするわ」
「俺は5枚捨てて5枚ドローするぜ」
いきなりの『手札抹殺』に俺は思わず眉を顰めてしまう。というのも最初の手札にフェイバリットカードである『フレイム・ウィングマン』を召喚するための準備が整っていたが崩れてしまったのもあるが、それ以上に雪乃の墓地にカードが溜まることに脅威を感じるからだ。
「墓地に送られた『エクリプス・ワイバーン』の効果でデッキから『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』をゲームから除外するわ」
手札抹殺
通常魔法
手札があるプレイヤーは、その手札を全て捨てる。その後、それぞれが捨てた枚数分デッキからドローする
エクリプス・ワイバーン
効果モンスター
星4/光属性/ドラゴン族/攻1600/守1000
(1):このカードが墓地へ送られた場合に発動する。デッキから光属性または闇属性のドラゴン族・レベル7以上のモンスター1体を除外する。
(2):墓地のこのカードが除外された場合に発動できる。このカードの(1)の効果で除外されているモンスターを手札に加える。
「私は魔法カード『強欲な壺』を発動して2枚ドロー。さらに私は伏せていた魔法カード『融合』を発動するわ。これにより手札の『ロード・オブ・ドラゴン─ドラゴンの支配者─』と『神竜 ラグナロク』を融合!竜を従えし魔術師よ、神に使えし伝説の竜と交わりて新たな力を得よ!!融合召喚!!現れなさい、『竜魔神 キング・ドラグーン』!!」
『ロード・オブ・ドラゴン─ドラゴンの支配者─』と『神竜 ラグナロク』が雪乃の頭上に浮かぶ黒い渦の中へと吸い込まれていき、渦が光り輝きその光が消えるとそこには『竜魔人 キング・ドラグーン』が雪乃の場に現れた。
竜魔人 キング・ドラグーン ☆7 ATK2400
強欲な壺
通常魔法
デッキからカードを2枚ドローする
ロード・オブ・ドラゴン─ドラゴンの支配者─
効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1200/守1100
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いのプレイヤーはフィールドのドラゴン族モンスターを効果の対象にできない。
神竜 ラグナロク
通常モンスター
星4/光属性/ドラゴン族/攻1500/守1000
神の使いと言い伝えられている伝説の竜。
その怒りに触れた時、世界は海に沈むと言われている。
竜魔人 キング・ドラグーン
融合・効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守1100
「ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-」+「神竜 ラグナロク」
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手はドラゴン族モンスターを魔法・罠・モンスターの効果の対象にする事はできない。
1ターンに1度だけ、手札からドラゴン族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
「『キング・ドラグーン』の効果発動!1ターンに1度、手札からドラゴン族モンスター1体を特殊召喚するわ。私は手札から『グリード・ドラゴン』を特殊召喚するわ」
『キング・ドラグーン』が手に握っている竜の形をした笛を鳴らすと、『キング・ドラグーン』の横に並ぶように悪魔のような翼を一対持った翠色の瞳をした黒竜─『グリード・ドラゴン』が咆哮を上げながら現れた。
グリード・ドラゴン ☆5 ATK2300
グリード・ドラゴン(オリカ)
効果モンスター
星5/闇属性/ドラゴン族/攻2300/守1700
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、手札を1枚捨てて発動できる。
デッキから2枚ドローする。
(2):互いのフィールドのモンスターが破壊された時に発動する。
デッキから1枚ドローする。
「ここで召喚に成功した『グリード・ドラゴン』の効果を発動。手札を1枚捨てることで2枚ドローするわ。最後に速攻魔法『超再生能力』を発動してターンエンドよ。そして『超再生能力』の効果でこのターン手札から墓地に送ったドラゴン族1体につき1枚ドローするわ。私は4枚ドローするわ」
「『手札抹殺』と『グリード・ドラゴン』の効果で墓地に送っていたか・・・」
これで雪乃は高レベルドラゴンを2体出したにも関わらず手札が5枚となっている。これには流石としか言えないな。
超再生能力
速攻魔法
(1):このカードを発動したターンのエンドフェイズに、このターン自分の手札から捨てられたドラゴン族モンスター、及びこのターン自分の手札・フィールドからリリースされたドラゴン族モンスターの数だけ、自分はデッキからドローする。
「俺のターンドロー!俺は『E・HEROバブルマン』を守備表示で召喚!自分の場に他のカードがないため『バブルマン』の効果で2枚ドロー!!」
E・HEROバブルマン ☆4 DEF1200
E・HEROバブルマン(アニメ効果)
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/ATK800/DEF1200
手札がこのカード1枚だけの場合、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に自分のフィールド上に他のカードが無い場合、デッキからカードを2枚ドローする事ができる。
「(くっ、この手札じゃ雪乃のモンスターを倒せないか)」
俺は『バブルマン』の効果でドローしたカードを確認するが、ドローしたカードの中には雪乃のモンスターを倒せるカードはなかった。
「俺は魔法カード『HERO‘Sボンド』を発動!このカードは自分の場に『HERO』と名のつくモンスターが存在している時発動できる。手札からレベル4以下の『E・HERO』と名のついたモンスター2体を特殊召喚する。俺は手札から『E・HEROスパークマン』と『E・HEROクレイマン』を守備表示で特殊召喚するぜ」
『バブルマン』の両隣に『スパークマン』と『クレイマン』が現れると、『バブルマン』と同じように膝を曲げて腕を胸の前で交差した。
HERO‘Sボンド
通常魔法
フィールド上に「HERO」と名のついたモンスターが存在している時に発動する事ができる。
手札からレベル4以下の「E・HERO」と名のついたモンスター2体を特殊召喚する。
E・HEROスパークマン ☆4 DEF1400
E・HEROクレイマン ☆4 DEF2000
E・HEROスパークマン
通常モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1600/守1400
様々な武器を使いこなす、光の戦士のE・HERO。聖なる輝きスパークフラッシュが悪の退路を断つ。
E・HEROクレイマン
通常モンスター
星4/地属性/戦士族/攻 800/守2000
粘土でできた頑丈な体を持つE・HERO。
体をはって、仲間のE・HEROを守り抜く。
「俺はカードを3枚伏せて永続魔法『悪夢の蜃気楼』を発動してターンエンドだ」
正直、次のターンの雪乃の攻撃を防ぎきれるかは自信がないが今できる限りのことはやった。あとは雪乃がどう動くかだが・・・・
悪夢の蜃気楼
永続魔法
相手のスタンバイフェイズ時に1度、
自分の手札が4枚になるまでデッキからカードをドローする。
この効果でドローした場合、次の自分のスタンバイフェイズ時に1度、ドローした枚数分だけ自分の手札をランダムに捨てる。
雪乃:LP4000
手札:5枚
モンスター:竜魔人 キング・ドラグーン(攻) グリード・ドラゴン(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
十代:LP4000
手札:0枚
モンスター:E・HEROバブルマン(守) E・HEROスパークマン(守) E・HEROクレイマン(守)
魔法・罠:リバースカード3枚 悪夢の蜃気楼(永続)
十代sideout
雪乃side
十代との久しぶりのデュエル。十代にしては珍しく守りに入っていることと先程の『手札抹殺』でカードを捨てる時に悔しそうな顔をしていたことから良いカードを墓地に遅れたみたいね。でも、それならこっちにとって好都合だから一気に責めさせてもらうわ!
「ふふっ。あなたにしては保守的な布陣ね。私のターンドロー。そしてスタンバイフェイズに移行することであなたの『悪夢の蜃気楼』の効果が発動するわね」
「ああ。『悪夢の蜃気楼』の効果で相手のスタンバイフェイズ時に俺は手札が4枚になるまでドローする。ただし、次の俺のスタンバイフェイズ時にドローした枚数分自分の手札をランダムに捨てる。俺の手札は0。よって4枚ドロー」
これで十代は手札を増やすことに成功した。恐らくだけどあの伏せカードの1枚は『悪夢の蜃気楼』を除去するためのあのカードだと思うけどここは億さずにいくわ。
「私は手札から永続魔法『星邪の神喰』を発動。1ターンに1度、自分の墓地からモンスターが1体のみゲームから除外された場合、除外されたモンスターと異なる属性のモンスター1体をデッキから墓地に送るわ。そして私は墓地から『エクリプス・ワイバーン』を除外して手札から『暗黒竜コラプサーペント』を特殊召喚するわ」
暗黒竜コラプサーペント ☆4 ATK1800
永続魔法
自分の墓地のモンスター1体のみがゲームから除外された場合、除外されたそのモンスターと異なる属性のモンスター1体をデッキから墓地へ送る事ができる。
「星邪の神喰」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
暗黒竜 コラプサーペント
特殊召喚・効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1800/守1700
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地から光属性モンスター1体を除外した場合のみ特殊召喚できる。
この方法による「暗黒竜 コラプサーペント」の特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「輝白竜 ワイバースター」1体を手札に加える。
「『星邪の神喰』の効果でデッキから闇属性の『ネクロ・ガードナー』を墓地に送るわ。そして除外された『エクリプス・ワイバーン』の効果発動!このモンスターの効果でゲームから除外された『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』を手札に加えるわ」
これで防御するためのカードを墓地に送りつつ、『エクリプス・ワイバーン』の効果で除外していたカードを手札に加えることができた。
「自分フィールド上のドラゴン族モンスター1体をゲームから除外する事でこのモンスターは特殊召喚できる。私は『コラプサーペント』を除外し手札から『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』特殊召喚するわ」
『コラプサーペント』の後ろに黒い渦が現れ、その渦の中へと『コラプサーペント』が吸い込まれていった。そして『コラプサーペント』がいた場所に闇のオーラを流しながら現れたのは伝説のレアカード『真紅眼の黒竜』が闇に堕ち、漆黒の金属と闇の力をその身に纏った姿だった。
レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン ☆10 ATK2800
「『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』の効果発動。1ターンに1度、手札・墓地からドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する。私は墓地から『アークブレイブドラゴン』を特殊召喚するわ」
『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』が咆哮を上げると、空から二対の翼を持つ白いドラゴン『アークブレイブドラゴン』が現れた。
アークブレイブドラゴン ☆7 ATK2400
「『アークブレイブドラゴン』の効果発動。このモンスターが墓地から特殊召喚に成功した場合、相手フィールド上の表側表示になっている魔法・罠カードを全て除外し、攻撃力と守備力を除外したカードの数×200アップする。私はあなたのフィールドで発動している『悪夢の蜃気楼』を除外するわ」
『アークブレイブドラゴン』がその身体を輝かせ、口から光のブレスを十代の場で発動している『悪夢の蜃気楼』へと放たれた。
アークブレイブドラゴン
効果モンスター
星7/光属性/ドラゴン族/攻2400/守2000
(1):このカードが墓地からの特殊召喚に成功した場合に発動できる。
相手フィールドの表側表示の魔法・罠カードを全て除外し、このカードの攻撃力・守備力は、この効果で除外したカードの数×200アップする。
(2):このカードが墓地へ送られた次のターンのスタンバイフェイズに、「アークブレイブドラゴン」以外の自分の墓地のレベル7・8のドラゴン族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
「そう簡単にはいかせないぜ!速攻魔法『非常食』発動!俺のフィールドの魔法・罠のカードを任意の数だけ墓地に送ることで俺は墓地に送ったカードの数×1000ポイントライフを回復する。俺は『悪夢の蜃気楼』を墓地に送ってライフを1000回復するぜ!」
予想していた通り、十代は伏せていた『非常食』を発動して『悪夢の蜃気楼』を墓地に送ってライフを回復しつつ、『アークブレイブドラゴン』の効果をかわした。
非常食
速攻魔法
(1):このカード以外の自分フィールドの魔法・罠カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。自分はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードの数×1000LP回復する。
「やっぱり『悪夢の蜃気楼』を除去するカードを伏せていたわね。カードを除外できなかったから『アークブレイブドラゴン』の攻撃力は上がらないわ。なら私は『キング・ドラグーン』の効果で手札から『ホワイト・ホーンズ・ドラゴン』を特殊召喚するわ」
再び『キング・ドラグーン』が笛を鳴らすと、今度は赤い身体に頭部に白い槍のような角を生やしたドラゴン『ホワイト・ホーンズ・ドラゴン』が現れた。
ホワイト・ホーンズ・ドラゴン ☆6 ATK2200
「『ホワイト・ホーンズ・ドラゴン』の効果発動。このモンスターが召喚・特殊召喚に成功した場合発動する。相手の墓地の魔法カードを5枚まで除外し、このカードの攻撃力は除外したカードの数×300アップする。私はあなたの墓地から『悪夢の蜃気楼』、『非常食』、『融合』、『破天荒な風』の4枚を除外して『ホワイト・ホーンズ・ドラゴン』の攻撃力を1200アップするわ」
十代の墓地には『融合』のほかに、『フェザーマン』と『バースト・レディ』がいた事から前のターン、『手札抹殺』を発動していなければ『フレイム・ウイングマン』を召喚されるところだったわね。
ホワイト・ホーンズ・ドラゴン ATK2200→3400
ホワイト・ホーンズ・ドラゴン
効果モンスター
星6/闇属性/ドラゴン族/攻2200/守1400
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手の墓地の魔法カードを5枚まで対象として発動する。そのカードを除外し、このカードの攻撃力はその除外したカードの数×300アップする。
「ここでバトル!『グリード・ドラゴン』、『キング・ドラグーン』、『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』で十代の守備モンスターたちを攻撃!!」
3体のドラゴンの攻撃は全て十代のモンスターたちを破壊することに成功した。どうやらあの伏せカードは防御カードではないようだ。
「くっ!?」
「そして『ホワイト・ホーンズ・ドラゴン』でダイレクトアタック!!ホーン・ドライブバスター!!」
「ぐぁぁぁぁぁぁっ!?」
十代:LP5000→1800
「くっ!リバースカードオープン!『ダメージ・コンデンサー』!!自分がダメージを受けた時、手札1枚を捨てて発動できる。俺が受けたダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。俺が受けたダメージは3200だからデッキから攻撃力2600の『E・HEROエッジマン』を特殊召喚するぜ!!」
しかし、十代もダイレクトアタックを受けてただでは転ばないのかデッキから上級モンスターである『エッジマン』を召喚した。
ダメージ・コンデンサー
通常罠
自分が戦闘ダメージを受けた時、手札を1枚捨てて発動できる。受けたそのダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスター1体をデッキから表側攻撃表示で特殊召喚する。
「そう簡単にはいかないわね。私はバトルフェイズを終了してカードを1枚伏せてターンエンドよ」
ライフを削ることには成功したが、十代の場にモンスターを残してしまった。恐らく次のターン十代は何か仕掛けて来るのだろう。そう考えただけでゾクゾクしてしまう。
「(さぁ、一体これからどう逆転してくるのかしら?)」
私は十代の次の手を想像しながら内心笑みを浮かべてしまうのだった。
雪乃:LP4000
手札:5枚
モンスター:竜魔人 キング・ドラグーン(攻) グリード・ドラゴン(攻) アークブレイブドラゴン(攻) レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン(攻) ホワイト・ホーンズ・ドラゴン(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚 星邪の神喰(永続)
十代:LP1700
手札:3枚
モンスター:E・HEROエッジマン(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
雪乃sideout
彩人side
「まさか雪乃が十代を試験の相手に選ぶとはね」
「知り合いなのか?」
「俺と十代の幼馴染みの一人。実力はかなり高いよ」
「ほぅ・・・」
観客席にて十代と雪乃のデュエルを見ていた俺はこのデュエルが雪乃がオベリスクブルーの指名権を使用して十代と戦っているのだろう。
そして隣でデュエルを見ていた刹那は雪乃が強者であることを伝えると獲物を狙う獣のように2人のデュエルを見ていた。
最近わかったことだけど刹那は強者とのデュエルを楽しむいわゆるバトルジャンキーな所があるらしい。まぁデュエリストなら誰しもが持つ感情なので珍しくもないけどね。
「まぁ十代と藤原が幼馴染みなのはわかった。それで納得いったわ。あそこの連中が騒がしい理由が・・・・」
「ま、そうだよね・・・」
刹那は半目になりながら観客席の一角を見ながらそう言った。俺も刹那が見ていた場所を見て思わず苦笑した。それというのも・・
『ゆきのーん!!頑張れー!!』
『L!O!V!E!ゆ!き!の!!』
観客席の一角にて、オベリスクブルーを中心にアイドルの応援部隊のように額にハチマキをまき、『I♡LOVE♡雪乃!!』と書いてある団扇を握ってピンクの法被を着ている集団が叫んでいた。正直いって引く。
「なんで最近十代にデュエルを仕掛けてくる連中が多かったのか気になっていたがアレが原因みたいだな」
「まぁ雪乃は見た目からしてそこらのアイドルとは比べ物にならないほど美人だしその上デュエルも強いんだからそりゃファンクラブもできるよ」
誰の目から見てもあそこにいる連中は雪乃のファンクラブである。まぁアカデミアではファンクラブの存在は特に珍しいものでは無いのだが・・・
どうやらどこからか雪乃と十代が幼馴染みであることを知ったようでデュエルを何度も仕掛けて来るようになったらしい。あのファンクラブのメンバーの中に十代にデュエルを仕掛けた連中の姿も何人かいるし。
「というかただの幼馴染みの関係なだけでああも嫉妬するもんか?それに幼馴染みだって言うならお前もそうなんだしお前にもデュエルを仕掛けてもおかしくないよな」
「あ~うん。その話はやめておこうか。それより今はデュエルを見よう」
刹那の疑問も当然で、雪乃ファンクラブメンバーは十代にデュエルを仕掛けて来るが、同じ幼馴染みである俺にデュエルを仕掛けてくることはなかった。
その理由を何となく察している俺はこれ以上この話を続けてるよりも十代と雪乃のデュエルの観戦を続けることにした。
「まぁそうだな。次のターンの十代の動き次第だが、『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』は早い段階で倒さないと厄介だな」
「そうだね」
『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』は1ターンに1度、手札・墓地からドラゴンを特殊召喚することが出来る。例え十代が次のターン、ドラゴンを1体破壊できたとしてもその効果で蘇ってしまう。
それに雪乃は先程『星邪の神喰』の効果で『ネクロ・ガードナー』が墓地にいるため、雪乃のモンスターを倒すには2回以上攻撃する必要がある。
「さて、十代はどうするのかな?」
十代の手札はドローを含めて4枚。その中に今の状況を打開するためのカードがなければ次の雪乃のターンで十代の敗北は濃厚になってしまう。ここから十代はどう巻き返すのだろうか・・・
彩人sideout
十代side
「(流石は雪乃だな。前戦った時よりも強くなっていやがる)」
雪乃のフィールドに並んでいる5体のドラゴンを見ながら俺はそう思ってしまう。アカデミア入学以前に戦った頃も強かったが更に強くなっている。
「でも俺だって負けてないぜ!俺は『E・HEROワイルドマン』を攻撃表示で召喚!」
ワイルドマン ☆4 ATK1500
E・HEROワイルドマン
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1500/守1600
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、罠カードの効果を受けない。
「そして魔法カード『置換融合』を発動!自分フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地に送り、融合召喚する。俺は『E・HEROエッジマン』と『E・HEROワイルドマン』を融合!鋭き刃の英雄よ、野生の力を秘めし英雄と交わりて敵を切り裂く英雄へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れろ『E・HEROワイルドジャギーマン』!!」
俺の場にいる『エッジマン』と『ワイルドマン』は背後に出現した渦の中へと入り、そして渦が消えるとそこには身体の所々に金色の鎧を付け、右腕の甲冑には刃がつき、大剣を背負った筋骨隆々で浅黒い肌をした英雄─『ワイルドジャギーマン』ご現れた。
E・HEROワイルド・ジャギーマン ☆8 ATK2600
置換融合
通常魔法
このカードのカード名はルール上「融合」として扱う。
(1):自分フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の融合モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをエクストラデッキに戻す。その後、自分はデッキから1枚ドローする。
E・HEROワイルドジャギーマン
融合・効果モンスター
星8/地属性/戦士族/攻2600/守2300
「E・HERO ワイルドマン」+「E・HERO エッジマン」
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。相手フィールド上の全てのモンスターに1回ずつ攻撃をする事ができる。
「さらにフィールド魔法『摩天楼─スカイスクレイパー─』を発動!これにより俺の『E・HERO』が自身より攻撃力の高いモンスターに攻撃をしたら攻撃力を1000アップする」
摩天楼-スカイスクレイパー-
フィールド魔法
(1):「E・HERO」モンスターの攻撃力は、
その攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターに攻撃するダメージ計算時のみ1000アップする。
「バトルだ!『ワイルドジャギーマン』は相手フィールド上のモンスター全てに1度ずつ攻撃をすることが出来る。俺はまず『グリード・ドラゴン』、『キング・ドラグーン』、『アークブレイブドラゴン』を攻撃!インフィニティ・エッジ・スライサー!!」
『ワイルド・ジャギーマン』は左腕の甲冑に付いている刃を射出すると3体の首を斬り落とし、爆散した。
「んっ♪」
雪乃:LP4000→3500→3300→3100
「まだいくぜ!次は『ホワイト・ホーンズ・ドラゴン』を攻撃!『スカイスクレイパー』の効果で『ワイルドジャギーマン』の攻撃力を1000ポイントアップする!!」
ワイルド・ジャギーマン ATK2600→3600
『ワイルドジャギーマン』は背中に背負っている大剣を抜くと『ホワイト・ホーンズ・ドラゴン』に斬りかかった。『ホワイト・ホーンズ・ドラゴン』はそれに抵抗するように槍のような角でその攻撃を受け止める。しかし、『ワイルド・ジャギーマン』の大剣の一撃を受け止めることが出来ず、大剣を受け止めていた角は破壊されそのまま『ホワイト・ホーンズ・ドラゴン』の身体ごと斬り裂かれた。
雪乃:LP3100→2700
「最後に『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』を攻撃!」
「そうはいかないわ。私は墓地の『ネクロ・ガードナー』の効果発動!墓地にいるこのカードをゲームから除外することで相手の攻撃を1度だけ無効にする!」
『ワイルドジャギーマン』の大剣が『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』に襲いかかるが、『ワイルド・ジャギーマン』の目の前に半透明の『ネクロ・ガードナー』が現れ、両腕を交差してその攻撃を受け止めた。
ネクロ・ガードナー
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1300
(1):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。
「『星邪の神喰』の効果により闇属性の『ネクロ・ガードナー』が除外されたことでデッキから光属性の『超電磁タートル』を墓地に送るわ。これであなたのターンも終りょ──」
「まだだ!俺は速攻魔法『ダブル・アップ・チャンス』を発動!モンスターの攻撃が無効になった時、攻撃力を倍にしてもう一度攻撃できる!!」
「なっ!?」
ワイルド・ジャギーマン ATK3600→7200
ダブル・アップ・チャンス
速攻魔法
(1):モンスターの攻撃が無効になった時、そのモンスター1体を対象として発動できる。
このバトルフェイズ中、そのモンスターはもう1度だけ攻撃できる。
この効果でそのモンスターが攻撃するダメージステップの間、そのモンスターの攻撃力は倍になる。
『ネクロ・ガードナー』によって攻撃を防がれた『ワイルド・ジャギーマン』は体勢を立て直すとオーラを纏い、再び『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』に攻撃を仕掛けた。
「くっ!私は今墓地に送った『超電磁タートル』の効果発動!デュエル中に1度だけ、墓地のこのカードをゲームから除外してバトルフェイズを終了する!!」
『ワイルド・ジャギーマン』の目の前に半透明の『超電磁タートル』が現れると電磁波を放ち、『ワイルド・ジャギーマン』は一瞬それに抵抗するも、跳ね返されるのだった。
超電磁タートル
効果モンスター
星4/光属性/機械族/攻 0/守1800
このカード名の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):相手バトルフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。そのバトルフェイズを終了する。
「くっ、倒しきれなかったか。俺はこれでターンエンドだ」
今の攻撃で俺の手札は使い切ってしまったのでこれでターンを終了するしかない。
雪乃:LP2700
手札:5枚
モンスター:レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚 星邪の神喰(永続)
十代:LP1700
手札:0枚
モンスター:E・HEROワイルドジャギーマン(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
十代sideout
雪乃side
「(さっきは危なかったわね。『超電磁タートル』を墓地に送らなければ負けるところだったわね)」
何とか前のターンは『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』を守ることは出来たがそのためにカードを少し使いすぎてしまった。
「(だけどまだ私の有利は変わらない)私のターンドロー!スタンバイフェイズに墓地の『アークブレイブドラゴン』の効果発動!このカードが墓地に送られた次のスタンバイフェイズに『アークブレイブドラゴン』以外のレベル7・8のドラゴン族モンスターを墓地から特殊召喚する。私は墓地からレベル8の『トライホーン・ドラゴン』を特殊召喚するわ」
トライホーン・ドラゴン ☆8 ATK2850
トライホーン・ドラゴン
通常モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻2850/守2350
頭に生えている3本のツノが特徴的な悪魔竜。
「私は『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』の効果で手札より現れなさい!銀河の力を帯びし瞳を持つ光の竜よ、その力で敵を薙ぎ払いなさい!!降臨せよ!『銀河眼の光子竜』!!」
『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』の効果を再び使い、私はこのデッキのエースの1体である銀河の力を秘めし青き光の竜─『銀河眼の光子竜』を特殊召喚した。
銀河眼の光子竜 ☆8 ATK3000
効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
(1):このカードは自分フィールドの
攻撃力2000以上のモンスター2体をリリースして手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが相手モンスターと戦闘を行うバトルステップに、その相手モンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターとフィールドのこのカードを除外する。
この効果で除外したモンスターはバトルフェイズ終了時にフィールドに戻り、この効果でXモンスターを除外した場合、このカードの攻撃力は、
そのXモンスターを除外した時のX素材の数×500アップする。
「バトルよ!私は『トライホーン・ドラゴン』で『ワイルドジャギーマン』を攻撃!」
「リバースカードオープン!罠カード『無敵の英雄インビンシブル・ヒーロー』を発動!エンドフェイズまで俺の『E・HERO』と名のついた表側攻撃表示モンスターは戦闘では破壊されない!!」
「だけどダメージは与えられるわ」
「くっ!」
『トライホーン・ドラゴン』が放った炎の火球は『ワイルド・ジャギーマン』に当たったが、『インビンシブル・ヒーロー』の効果により破壊することは出来なかった。しかし、その衝撃は十代を襲う。
十代:LP1700→1550
無敵の英雄インビンシブル・ヒーロー(未OCGカード)
通常罠
発動したターンのエンドフェイズまで、自分フィールド上の「E・HERO」と名のついた表側攻撃表示モンスターは戦闘では破壊されない。
「続いて『銀河眼の光子竜』で攻撃!この瞬間、『銀河眼の光子竜』の効果発動!このモンスターが相手と戦闘を行う時、その相手モンスターとこのモンスターをゲームから除外する」
『銀河眼の光子竜』が咆哮を上げるとその身を光に変え、その光を浴びた『ワイルド・ジャギーマン』と共に次元の彼方へと消え去った。
「これであなたを守るカードはなくなったわ。『レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン』でダイレクトアタック!!ダークネス・メガフレア!!」
「そうはいくか!俺は墓地の『ネクロ・ガードナー』の効果発動!墓地のこのカードを除外してその攻撃を無効にする!!」
十代の前に半透明の『ネクロ・ガードナー』が現れると『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』が放った黒い火球を防いだ。
「仕留めきれなかったわね。なら私は速攻魔法『異次元からの埋葬』を発動。このカードの効果によりあなたの除外されている『ワイルドジャギーマン』を墓地に送るわ。そしてバトルフェイズ終了により自身の効果で除外された『銀河眼の光子竜』は私の場に戻るわ。だけどあなたの『ワイルドジャギーマン』は墓地にいるためフィールドに戻ってこないわ」
異次元からの埋葬
速攻魔法
(1):除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体まで対象として発動できる。そのモンスターを墓地に戻す。
これで十代の場は『スカイスクレイパー』のみとなった。しかし相手は十代。次のドローで逆転のカードを引く可能性は高いから油断はできない。
「私はカードを1枚伏せてターンエンド」
雪乃:LP2700
手札:5枚
モンスター:レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン(攻) トライホーン・ドラゴン(攻) 銀河眼の光子竜(攻)
魔法・罠:リバースカード3枚 星邪の神喰(永続)
十代:LP1550
手札:0枚
モンスター:無し
魔法・罠:摩天楼─スカイスクレイパー─(フィールド)
雪乃sideout
十代side
前のターン、何とか雪乃の攻撃を凌ぎきったけど今の俺の手札は0。このドローで全てが決まる。
「俺のターンドロー!」
ドローしたカードを確認するとそれは『命削りの宝札』だった。
命削りの宝札(未OCGカード)
通常魔法
手札を5枚になるようにドローする。5ターン後すべての手札を墓地に置く
「(よしっ!まだ勝負は分からないな)」
俺は今引いた『命削りの宝札』を見ながらそう思った。
「おれは魔法カード『命削りの宝札』を発動!手札が5枚になるようにドローする。俺の手札は0なのでデッキからカードを5枚ドロー!」
俺はドローしたカードを確認するが、雪乃の場のモンスターを倒すには手札のカードでは足りない。だがまだ手はある。
「魔法カード『天使の施し』を発動。デッキから3枚ドローし手札を2枚捨てる。そして今墓地に送った『代償の宝札』の効果でさらに2枚ドロー!さらに『強欲な壺』を発動して2枚ドロー!そして墓地の『置換融合』を除外し墓地の『ワイルドジャギーマン』をEXデッキに戻して1枚ドロー!」
天使の施し
通常魔法
デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる
代償の宝札(未OCGカード)
通常魔法
このカードが手札から墓地に送られた時、デッキからカードを2枚ドローする
連続してカードを引くことによって揃った。このデュエルに勝利するために必要なカードたちが。
「魔法カード『融合』発動!俺は手札の『E・HEROフォレストマン』と『E・HEROオーシャン』で融合!これによって俺は『E・HEROアブソルートZero』を融合召喚──」
「そのモンスターの召喚を許すわけにはいかないわね。リバースカードオープン。罠カード『神の宣告』を発動!ライフを半分払って『融合』の発動を無効にするわ」
雪乃:LP2700→1350
神の宣告
カウンター罠
(1):LPを半分払って以下の効果を発動できる。
●魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。それを無効にし、そのモンスターを破壊する。
E・HEROアブソルートZero
融合・効果モンスター
星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000
「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する
「E・HERO アブソルートZero」以外の
水属性モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードがフィールド上から離れた時、相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
『アブソルートZero』の召喚は防がれたがまだ手はある!
「まだいくぜ!俺は魔法カード『ミラクル・フュージョン』を発動!墓地から『E・HEROバーストレディ』と『E・HEROフェザーマン』を除外して融合する!爆炎を操りし女英雄よ、風を操りし翼の英雄と交わりて炎の翼を持つ英雄へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れろ、『E・HEROフレイム・ウィングマン』!!」
これにより俺のデッキのフェイバリットカードである右腕にドラゴンの頭を持つ左肩に白い翼を生やした英雄─『フレイム・ウィングマン』が出現した。
E・HEROフレイム・ウィングマン ☆6 ATK2100
ミラクル・フュージョン
通常魔法
(1):自分のフィールド・墓地から、
「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
E・HEROフレイム・ウィングマン
融合・効果モンスター
星6/風属性/戦士族/攻2100/守1200
「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
「さらに俺は手札のカード2枚を墓地に送り魔法カード『魔法石の採掘』を発動。俺は墓地の魔法カード『ミラクル・フュージョン』を手札に加え、再び発動!フィールドの『E・HEROフレイム・ウィングマン』と墓地の『E・HEROスパークマン』を除外して融合する!炎の翼を持つ英雄よ、雷を操りし英雄と交わりて輝きの翼を持つ英雄へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れろ、『E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン』!!」
今度は『フレイム・ウィングマン』と『スパークマン』の2体が渦の中へと入る。そして渦が消えるとそこには『フレイム・ウィングマン』の進化系である白い鎧を纏い、眩い光を放っている英雄─:『シャイニング・フレア・ウィングマン』が現れた。
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン ☆8 ATK2500
魔法石の採掘
通常魔法
(1):手札を2枚捨て、自分の墓地の魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン
融合・効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻2500/守2100
「E・HERO フレイム・ウィングマン」+「E・HERO スパークマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードの攻撃力は、自分の墓地の「E・HERO」カードの数×300アップする。
(2):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。
そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
「『シャイニング・フレア・ウィングマン』の効果発動!このカードの攻撃力は自分の墓地にいる『E・HERO』の数×300アップする。俺の墓地の『E・HERO』は8体。よって攻撃力2400アップ!!」
『シャイニング・フレア・ウィングマン』が墓地に眠る仲間の魂を受け継ぎ、その力を増大させ身体をさらに輝かせていた。
シャイニング・フレア・ウィングマン ATK2500→4900
「バトル!『シャイニング・フレア・ウィングマン』で『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』を攻撃!」
「そうはいかないわ!私は墓地の罠カード『仁王立ち』の効果発動!墓地のこのカードを除外することで、このターン相手は私が指定したモンスター以外攻撃できなくなる。私は『銀河眼の光子竜』を指定!」
「なら速攻魔法『禁じられた聖杯』を発動!『銀河眼の光子竜』の効果を無効にし、攻撃力を400アップする!!」
『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』に攻撃を仕掛けようとした『シャイニング・フレア・ウィングマン』だが攻撃対象が強制的に変更され、『銀河眼の光子竜』へと向かった。
そして『シャイニング・フレア・ウィングマン』の目の前に聖水が注がれた杯が出現すると、それを掴み『銀河眼の光子竜』へと投げつけた。投げつけられた杯は『銀河眼の光子竜』に当たるとその中身である聖水がかかり、それによって『銀河眼の光子竜』は力をみなぎらせるが、その身体の光は弱まってしまった。
銀河眼の光子竜 ATK3000→3400
仁王立ち
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの守備力は倍になり、ターン終了時にその守備力は0になる。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
このターン、相手は対象のモンスターしか攻撃できない。
禁じられた聖杯
速攻魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が400アップし、効果は無効化される。
「くっ!『銀河眼の光子竜』の効果が無効になっちゃたわね。なら私はリバースカードオープン、罠カード『援護射撃』!!これによって『銀河眼の光子竜』に『トライホーン・ドラゴン』の攻撃力2850を加えるわ!よって『銀河眼の光子竜』の攻撃力は─」
銀河眼の光子竜 ATK3400→6250
「攻撃力6250!?」
『銀河眼の光子竜』の攻撃力が『シャイニング・フレア!!ウィングマン』を上回ってしまった。『スカイスクレイパー』の効果を使ってもその攻撃力には届かない。
援護射撃
通常罠
相手モンスターが自分フィールド上モンスターを攻撃する場合、ダメージステップ時に発動する事ができる。
攻撃を受けた自分モンスターの攻撃力は、自分フィールド上に表側表示で存在する他のモンスター1体の攻撃力分アップする。
「これで終わりよ!迎撃しなさい『銀河眼の光子竜』!!破滅のフォトン・ストリーム!!」
『銀河眼の光子竜』の口から光線が放たれ、その光は『シャイニング・フレア・ウィングマン』を消し去ろうとしていた。
「そうはいかないぜ!俺は速攻魔法『旗鼓堂々』を発動!墓地の装備魔法を『シャイニング・フレア・ウィングマン』に装備させる。俺は墓地から『龍殺しの剣』を『シャイニング・フレア・ウィングマン』を装備し攻撃力を700アップ!!」
『シャイニング・フレア・ウィングマン』の足元に黒い穴が出現するとその穴から『龍殺しの剣』が出てきた。『シャイニング・フレア・ウィングマン』は出てきた『龍殺しの剣』を握ると迫り来る光線を受け止めた。
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン ATK4900→5600
旗鼓堂々
速攻魔法
自分の墓地の装備魔法カード1枚と、
その正しい対象となるフィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。
選択した装備魔法カードを選択したモンスターに装備する。
この効果で装備した装備魔法カードはエンドフェイズ時に破壊される。
このカードを発動したターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。
「旗鼓堂々」は1ターンに1枚しか発動できない。
龍殺しの剣
装備魔法
戦士族モンスターにのみ装備可能。
(1):装備モンスターの攻撃力は700アップする。
(2):装備モンスターがドラゴン族モンスターと
戦闘を行ったダメージ計算後に発動する。
装備モンスターと戦闘を行ったそのモンスターは
そのバトルフェイズ終了時に破壊される。
「そして『スカイスクレイパー』の効果で『シャイニング・フレア・ウィングマン』の攻撃力を1000アップする!!」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン ATK5600→6600
『シャイニング・フレア・ウィングマン』は『銀河眼の光子竜』の光線を切り裂くと飛び上がりビルの天辺まで上り詰め、そこから一気に『銀河眼の光子竜』に向かって急降下した。
「今度こそ終わりだ!!いけ、『シャイニング・フレア・ウィングマン』。シャイニング・スカイスクレイパー・シュート!!」
急降下している『シャイニング・フレア・ウィングマン』は右手の機械に白い炎を纏わせ『銀河眼の光子竜』に突撃した。そして2体のモンスターが激突したことによって爆風が発生し、その衝撃が雪乃を襲った。
雪乃:LP1350→1000
「そして『シャイニング・フレア・ウィングマン』の効果発動!モンスターを戦闘によって破壊し墓地へ送った時、その攻撃力分のダメージを相手に与える。よって、雪乃は6600ポイントのダメージを受ける!!」
『銀河眼の光子竜』を破壊した『シャイニング・フレア・ウィングマン』は爆風の名から飛び出ると全身を発光させ、その光が雪乃を襲った。
「フフっ今回は私の負けね。でも、次は負けないわよ」
雪乃は小さく微笑みながらそう呟いた。
雪乃:LP1000→-5600
「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ雪乃」
こうして、このデュエルは俺の勝利で幕を閉じた。
十代「今日の最強カードは『E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン』!!」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン
融合・効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻2500/守2100
「E・HERO フレイム・ウィングマン」+「E・HERO スパークマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードの攻撃力は、自分の墓地の「E・HERO」カードの数×300アップする。
(2):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。
そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
刹那「十代のフェイバリットカードである『フレイム・ウィングマン』と『スパークマン』が融合したE・HERO。『フレイム・ウィングマン』の効果であるバーン効果と墓地のE・HEROの数だけ攻撃力が上がることから終盤でより強力になるぞ」
十代「俺の頼れるHEROだぜ!」
あとがき
皆さん、こんぱっぱー有頂天皇帝です。今回はデュエルアカデミアの月一試験で十代とTFのヒロインで人気のある藤原雪乃のデュエルです。小説内で語ったとおり、前回の話で十代が殺気を向けられていたのは簡単に言えば嫉妬です。自分たちの方が優秀(だと思っている)オベリスクブルーではなく落ちこぼれのオシリスレッドの十代に雪乃が好意を向けていることが許せないというくだらないプライドだと言う話ですね。
あと何話かは月一試験の話を書いていく予定で、誰と誰がデュエルするかはまだ確定していないのでこの人のデュエルが見たいなどの意見を貰えるとありがたいです。
キャラデッキの募集なのですが、今回は原作遊戯王GXにて登場した神楽坂と十代のライバルである万丈目準のデッキを募集させてもらいます。作者の候補としては神楽坂には帝デッキやアンデッドシンクロ、万丈目はオジャマ+アームドドラゴン+VWXYZ+αなどを考えているのですが何か良い意見があればコメントやメッセージで教えていただくとありがたいです。
それでは次回の話もよろしくお願いします。
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第8話 仮面の英雄VSビークロイド
氷華side
「流石は十代ですね。あの状況から逆転するなんて」
観客席の一角で2人のデュエルを見ていた私は思わずそう呟いた。
雪乃はデュエルアカデミア中等部時代では男女の中でデュエルの腕がトップクラスであり高等部に上がってからもその実力は留まることを知らず、この1ヶ月の間にも成長し続けている。
そんなオベリスクブルーの彼女が最底辺であるオシリスレッドである十代に敗北したのだから多くの生徒、教師がその結果に驚愕しただろう。
本来の物語通りに進んでいれば十代の相手は万丈目であり、十代は彼に勝利したことでラーイエローの昇格の話が上がったのだが、十代はその話を辞退してオシリスレッドに残った。
「(今の私たちがいるこの世界はアニメじゃなくて現実。十代の将来のことを考えれば昇格させた方がいいんですけどね)」
デュエルアカデミア卒業後の進路といえば殆どの生徒がプロデュエリストとして活躍することを目指すが、実際になれるのはほんのひと握りでありなれたとしてもプロとして成功するのはその中でも極一部とプロの道は狭く険しいものである。
なのでプロデュエリストの道を諦め、アカデミアを卒業したあとはデュエル関係の仕事であるデザイナーやデュエルディスクなどの開発部門などに進むものや、大学に進学する道を選択するものもまた多くいる。
どの道を選択しようとこの先の人生ではデュエルの腕だけでなく、十分な学力を要求されるのだった。さらに卒業時に所属していたクラスのランクが低ければそれだけで進路の選択肢は激減してしまうのだから彼のことを考えればやはり少しでも上のランクに上がって欲しいのが個人的な意見だ。
「(でもそれを決めるのはあくまで十代なんだから強制は出来ないのよね)」
十代に昇格して欲しいのは私自身の考えであり、それに対して十代がどう思うかによって決まるのだからあれこれ言うのも筋違いというものだろう。
「そのことについては後回しにするしかありませんね。今は他の人のデュエルでも見ていようかしらね」
そう呟くと私は実技試験を行っているデュエル場に目を向けるのだった。
氷華sideout
翔side
「うぅ~緊張するっス・・・・」
とうとうボクの番となり、実技試験を行うためにデュエル場に来たのだが気分は最悪である。
筆記試験は神頼みしていたからロクに勉強していたことで散々な結果だったのでこの実技試験で結果を出さなければならない。
流石に退学などは言われないだろうがそれでも成績に大きく響いてしまうだろうからこの実技試験で結果を出さなければならないと考えると緊張が止まらない。しかもその肝心の相手が・・・・
「お、遅れてしまいすみません。少し遅れてしまって」
そう言いながらペコりと頭を下げているのは何故かボクの対戦相手になったオベリスクブルー女子の宮田ゆまさんだった。というのもアニキがオベリスクブルーの藤原さんとデュエルしたことでオシリスレッドとオベリスクブルー女子が1人ずつ余ってしまったからこうしてボクが宮田さんとデュエルすることになってしまったのだ。
「気にしなくていいッスよ。まだ時間にも余裕があるんッスから」
ボクはそう言って彼女に気にしていないことを言う。そしてお互いにデュエルディスクを構え始めた。
「「[[rb:決闘>デュエル]]!!」」
翔:LP4000
ゆま:LP4000
「ボクのターンドロー!ボクは『ジャイロイド』を守備表示で召喚してターンエンドッス」
ジャイロイド ☆3 DEF1000
まずは相手の動向を探るために飛行機をモチーフにしたヘリコプターをデフォルメした大きな目を持つ機械『ジャイロイド』を守備表示で召喚した。
ジャイロイド
効果モンスター
星3/風属性/機械族/攻1000/守1000
このカードは1ターンに1度だけ、戦闘によっては破壊されない。(ダメージ計算は適用する)
「私のターンドロー!私は『E・HEROエアーマン』を攻撃表示で召喚します」
宮田さんの場に現れたのはアニキもよく使う『E・HEROエアーマン』だった。
E・HEROエアーマン ☆4 ATK1800
E・HEROエアーマン
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
「召喚に成功した『エアーマン』の効果によりデッキから『E・HEROザ・ヒート』を手札に加えます。そして魔法カード『H─ヒートハート』を発動します。このカードの効果により『エアーマン』の攻撃力をターン終了時まで500アップし、守備モンスターを攻撃した場合、攻撃力が相手モンスターの守備力を超えていればその差分のダメージを相手に与えます」
E・HEROエアーマン ATK1800→2300
H─ヒートハート
通常魔法
(1):自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500アップし、このターンそのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
「そ、そんなぁ・・・」
「バトルです!『エアーマン』で『ジャイロイド』を攻撃!!エアーサイクロン!!」
「だ、だけど『ジャイロイド』は1ターンに1度、戦闘では破壊されないッス!!」
「ですがダメージは受けてもらいます」
『エアーマン』の背中のフィンから放たれた竜巻が『ジャイロイド』を襲いその体を傷つけるが『ジャイロイド』は破壊されずに済んだ。しかし、その衝撃がダメージとしてボクに襲いかかった。
翔:LP4000→2700
しかしダメージは受けたがこれでこのターンは凌げた。そう思っていると宮田さんはカードを発動させた。
「私は速攻魔法『マスク・チェンジ』を発動します!自分フィールド上の『エアーマン』を墓地に送り、『エアーマン』と同じ風属性である『M・HERO』1体をエクストラデッキから特殊召喚します。疾風纏いし仮面の英雄よ、その風の如き速さで戦場を駆け抜けてください!変身召喚!!『M・HEROカミカゼ』!!」
M・HEROカミカゼ ☆8 ATK2700
『エアーマン』の目の前にマスクが出現し、『エアーマン』がそのマスクを頭に被るとその体を光り輝かせた。そして光が収まるとそこには白いマントを付けた緑のマスクを被った英雄──『M・HEROカミカゼ』が現れた。
マスク・チェンジ
速攻魔法
(1):自分フィールドの「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを墓地へ送り、そのモンスターと同じ属性の「M・HERO」モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。
M・HEROカミカゼ
融合・効果モンスター
星8/風属性/戦士族/攻2700/守1900
このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードは戦闘では破壊されない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はバトルフェイズにモンスター1体でしか攻撃できない。
(3):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
「『カミカゼ』で『ジャイロイド』を攻撃!エアリアル・インパクト!!」
『カミカゼ』が右手の掌に空気の塊を作り出すとそれを『ジャイロイド』に叩きつけ、『ジャイロイド』は今度は耐えることが出来ず破壊されてしまった。
「『カミカゼ』が戦闘で相手モンスターを破壊し墓地送ったことでデッキからカードを1枚ドローします。そしてメインフェイズ2に移行し私はカードを2枚伏せてターンエンドです」
翔:LP2700
手札:5枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
ゆま:LP4000
手札:2枚
モンスター:M・HEROカミカゼ(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
「ぼ、ボクのターンドロー!僕は魔法カード『死者転生』を発動。手札の『サイクロイド』を墓地に送り墓地の『ジャイロイド』手札に戻すッス」
サイクロイド
通常モンスター
星3/地属性/機械族/攻 800/守1000
数あるビークロイドの中で、最も親しみ深く愛されるビークロイド。
補助輪を装備する事もできるぞ!
死者転生
通常魔法
(1):手札を1枚捨て、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。
「そして魔法カード『融合』!!手札の『ジャイロイド』と『スチームロイド』を融合!!空を飛ぶ機械よ、蒸気で動く機械と交わりて新たな機械へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れよ、『スチームジャイロイド』!!」
『ジャイロイド』と機関車をデフォルメしたような姿をした『スチームロイド』が背後に現れた渦の中に入ると、胴体にプロペラがついた機関車──『スチームジャイロイド』が現れた。
スチームジャイロイド ☆6 ATK2200
融合
通常魔法
手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。
スチームロイド
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻1800/守1800
このカードは相手モンスターに攻撃する場合、
ダメージステップの間攻撃力が500ポイントアップする。
このカードは相手モンスターに攻撃される場合、
ダメージステップの間攻撃力が500ポイントダウンする。
スチームジャイロイド
融合モンスター
星6/地属性/機械族/攻2200/守1600
「ジャイロイド」+「スチームロイド」
「装備魔法『デーモンの斧』を『スチームジャイロイド』に装備し、攻撃力を1000ポイントアップするッス!!」
スチームジャイロイド ATK2200→3200
「バトル!『スチームジャイロイド』で『カミカゼ』を攻撃!ハリケーン・スモーク!!」
『スチームジャイロイド』が胴体のプロペラを回転させながら『カミカゼ』に体当たりした。
ゆま:LP4000→3500
「くっ!ですが『カミカゼ』は戦闘では破壊されません」
『カミカゼ』の効果で倒すことは出来なかったがダメージを与えることには成功した。それに今の『スチームジャイロイド』の攻撃力をそうそう超えることなんてできないはずだがらこのまま攻めればボクの勝ちッス!!
「ボクはカードを1枚伏せてターンエンドッス!!」
念の為にカードを伏せておく。しかし、この後ボクは思い知ることになるのだった。それが甘い考えであると・・・・
翔sideout
翔:LP2700
手札:0枚
モンスター:スチームジャイロイド(攻)
魔法・罠:デーモンの斧(スチームジャイロイド装備) リバースカード1枚
ゆま:LP3500
手札:2枚
モンスター:M・HEROカミカゼ(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
ゆまside
「(丸藤さんの場に『カミカゼ』の攻撃力を上回る『スチームジャイロイド』がいますがまだ手はあります)」
私は丸藤さんの場にいる『スチームジャイロイド』を見ながら心の中でそう呟いた。
今の手札では『スチームジャイロイド』の攻撃力を超えることは出来ないが、デッキの中に倒すことの出来るカードはあるためドロー次第ではまだわからない。
「私のターンドロー。私は魔法カード『苦渋の選択』を発動します。私はデッキからカードを5枚選択してそれを相手に見せます。相手はその中からカードを1枚選択し、私はその選択したカードを手札に加え、残りは墓地に送ります。私が選択するのはこの5枚です」
私はデッキから5枚のカードを取ると、それを丸藤さんに見せた。ちなみに私が選択したカードは『E・HEROシャドーミスト』、『E・HEROリキッドマン』、『光の護符霊剣』、『超電磁タートル』、『E・HEROクレイマン』の5枚である。
苦渋の選択
通常魔法
自分のデッキからカードを5枚選択して相手に見せる。
相手はその中から1枚を選択する。
相手が選択したカード1枚を自分の手札に加え、
残りのカードを墓地へ捨てる。
「ボクは『クレイマン』を選択するッス」
「なら私は『クレイマン』を手札に加え、残りのカードを全て墓地に送ります。そして墓地送られた『シャドーミスト』の効果でデッキから『E・HEROオーシャン』を手札に加えます。さらに私は魔法カード『天使の施し』を発動し、デッキからカードを3枚ドローして手札からカードを2枚捨てます」
E・HEROシャドー・ミスト
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1500
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「E・HERO シャドー・ミスト」以外の「HERO」モンスター1体を手札に加える。
天使の施し
通常魔法
デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる
『苦渋の決断』と『天使の施し』によって墓地に十分なカードを送ることができ、手札にもカードが揃った。ここは攻めます!!
「私は魔法カード『マスク・チャージ』を発動します。墓地の『エアーマン』と『マスクチャージ』を手札に加え、再び『エアーマン』を召喚します!!」
エアーマン ☆4 ATK1800
マスク・チャージ
通常魔法
(1):自分の墓地の、「HERO」モンスター1体と「チェンジ」速攻魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
「私は『エアーマン』のもう1つの効果を発動します!このモンスターが召喚・特殊召喚に成功した時、このカード以外の『HERO』の数だけ相手の魔法・罠カードを破壊します!!私の場には『カミカゼ』がいるのでそのセットカード1枚を破壊します!!」
私の場に再び現れた『エアーマン』が背中のフィンを回転させると、フィンから竜巻が発生しその竜巻は丸藤さんの伏せカードを飲み込むと破壊した。ちなみに破壊した伏せカードは『聖なるバリア─ミラーフォース』だったのでそのまま攻撃していたら危ないところでした。
「くっ、でも『ミラーフォース』を破壊されてもボクの『スチームジャイロイド』の攻撃力なら問題ないっス」
丸藤さんは『ミラーフォース』が破壊されたことに一瞬顔を歪めたが、すぐに場にいる『スチームジャイロイド』を見て余裕な表情になった。ですが問題ありません。
「私はさっき手札に加えた速攻魔法『マスク・チェンジ』を発動し、再び自分フィールド上の『エアーマン』を墓地に送り『エアーマン』と同じ風属性の『M・HERO』1体をエクストラデッキから特殊召喚します。荒々しき風を纏いし仮面の英雄よ、その拳で道を切り開いてください!変身召喚!!『M・HEROブラスト』!!」
再び『エアーマン』の目の前にマスクが出現し、『エアーマン』がそのマスクを頭に被るとその体を光り輝かせた。そして光が収まるとそこには赤いマフラーを首に巻いた『カミカゼとほ異なる』緑のマスクを被った英雄──『M・HEROブラスト』が現れた。
M・HEROブラスト
融合・効果モンスター
星6/風属性/戦士族/攻2200/守1800
このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を半分にする。
(2):1ターンに1度、500LPを払い、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。
「『ブラスト』の効果発動します!このモンスターが特殊召喚に成功した場合、相手フィールド上の表側表示モンスター1体を対象として発動できます。そのモンスターの攻撃力を半分にします。私は『スチームジャイロイド』の攻撃力を半分にします。ガスト・ブロウ!!」
『ブラスト』は勢いよく正拳突きを放つと、大気の塊が『スチームジャイロイド』に向けて放たれ、その大気の塊に当たった『スチームジャイロイド』は胴体のプロペラを破壊した。
スチームジャイロイド ATK3200→1600
「そ、そんな・・・『スチームジャイロイド』の
攻撃力が・・・」
丸藤さんは顔を青くさせながら『スチームジャイロイド』を見ているが容赦はしない。あの人だってどんなデュエルでも全力を尽くすのだから私も最後まで油断せずにデュエルを続けるんです。
「バトルです!『ブラスト』で『スチームジャイロイド』を攻撃!!ウインド・ラッシュ!!」
『ブラスト』は『スチームジャイロイド』に一気に近づくと拳によるラッシュを決め、破壊した。
翔:LP2700→2100
「これで終わりです!『カミカゼ』でダイレクトアタック!!」
『カミカゼ』はジャンプすると体勢を整え、ラ〇ダーキックの構えを取ると勢いよく丸藤さんに向けて蹴りかかった。
「うわぁぁぁぁぁぁっ!?」
翔:LP2100→-600
『カミカゼ』の攻撃が決まり、このデュエルは私の勝利となった。これで私も少しはあの人に近づけましたかね?
ゆまsideout
刹那side
丸藤のデュエルが始まってから少しして、アナウンスで俺の名前が呼ばれたので指定されたデュエルリングにいくと、そこには三沢がデュエルディスクを構えて待ち構えていた。
「俺の相手はお前か、三沢」
「あぁ、まさかこんな早くに君とデュエルできるとは思わなかったよ」
三沢とはまだデュエルしたことがないから今回のデュエルはこちらにとっても都合がいいものだ。
「いいさ。ラーイエロー1年首席のお前とせっかくデュエルできるんだから楽しませてもらうぜ」
「あぁ。だが勝つのは俺だ!」
俺もデュエルディスクを展開する。
「「
刹那:LP4000
三沢:LP4000
「先行は俺だ、俺のターンドロー!俺は『岩石の番兵』を守備表示で召喚し、フィールド魔法『岩投げエリア』を発動!」
先行は三沢となり、三沢はカードを引くと三沢の場に岩の身体を持つ二振りの折れた岩の大剣を交差させているモンスター『岩石の番兵』が守備表示で現れ、フィールドが岩埃の立つ古ぼけた城塞のような場所へと変わり幾つかの投石器が建ち並ぶ。
岩石の番兵 ☆3 DEF2000
「俺はさらにカードを2枚伏せてターンエンドだ」
岩石の番兵
効果モンスター
星3/地属性/岩石族/攻1300/守2000
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在し、自分フィールドのモンスターが岩石族モンスターのみの場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。
岩投げエリア
フィールド魔法
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、自分のモンスターが戦闘で破壊される場合、代わりに自分のデッキから岩石族モンスター1体を墓地へ送る事ができる。
この効果は1ターンに1度しか適用できない。
三沢:LP4000
手札:2枚
モンスター:岩石の番兵(守)
魔法・罠:リバースカード2枚
「俺のターンドロー。相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは攻守を半分にして手札から特殊召喚することができる。俺は『バイス・ドラゴン』を守備表示で特殊召喚!」
バイス・ドラゴン ☆5 ATK2000/DEF2400→ATK1000/DEF1200
バイス・ドラゴン
効果モンスター
星5/闇属性/ドラゴン族/攻2000/守2400
(1):相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
この方法で特殊召喚したこのカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる。
「俺は手札の『レベル・スティーラー』を墓地に送り、魔法カード『ワン・フォー・ワン』を発動。デッキからレベル1のモンスター1体を特殊召喚する。俺はチューナーモンスター『変溶王 ヘル・ゲル』を召喚!」
変溶王 ヘル・ゲル ☆1 DEF100
「『ヘル・ゲル』の効果発動!このモンスターが召喚・特殊召喚に成功した時、このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。俺は『バイス・ドラゴン』を対象にし、『ヘル・ゲル』のレベルは『バイス・ドラゴン』と同じレベル5になりそのレベル×200ライフを回復する。俺はライフを1000回復する」
カエルの上半身が2つくっついたようなゲル状のモンスター『ヘル・ゲル』 はそのゲル状の身体を隣にいる紫色のドラゴン『バイス・ドラゴン』と同じ姿へと姿を変えた。
ヘル・ゲル ☆1→☆5
刹那:LP4000→5000
ワン・フォー・ワン
通常魔法
(1):手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。
手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。
変溶王 ヘル・ゲル
チューナー・効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 100/守 100
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
このカードのレベルをそのモンスターと同じにし、自分はそのモンスターのレベル×200LPを回復する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はSモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(2):自分メインフェイズに発動できる。手札からこのカードより低いレベルを持つ悪魔族モンスター1体を特殊召喚する。
「『ヘル・ゲル』の効果発動!自分メインフェイズに手札からこのカードより低いレベルの悪魔族モンスター1体を特殊召喚する。俺は手札からレベル3の『ダーク・リゾネーター』を特殊召喚!」
『バイス・ドラゴン』と似た姿になった『ヘル・ゲル』が左腕を横にかざすと地面に黒い穴が生まれ、そこから音叉を持った小さな悪魔『ダーク・リゾネーター』が現れた。
ダーク・リゾネーター ☆3 DEF300
ダーク・リゾネーター
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1300/守 300
(1):このカードは1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。
「そして墓地の『レベル・スティーラー』の効果発動。『バイス・ドラゴン』のレベルを1つ下げて墓地から特殊召喚する」
『バイス・ドラゴン』の頭上に5つの星が浮かび上がると、その1つの星を背中に星が描かれた天道虫『レベル・スティーラー』が齧りながら羽ばたくとほかのモンスターたちと同じように並んだ。
バイス・ドラゴン ☆5→☆4
レベル・スティーラー ☆1 ATK600
レベル・スティーラー
効果モンスター
星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。
(2):このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのレベルを1つ下げ、このカードを墓地から特殊召喚する。
「チューナーモンスターを揃えてきたということは狙いはシンクロ召喚か」
三沢は俺の場にいるモンスターたちを見て警戒心を高めていた。
「永続魔法『次元の宝札』を発動。互いのプレイヤーはエクストラデッキからモンスターを特殊召喚する度にデッキから1枚ドローする」
次元の宝札(オリカ)
永続魔法
このカード名はフィールドに1枚しか存在できない。
(1)互いのプレイヤーはEXデッキからモンスターを特殊召喚する度にデッキからカードを1枚ドローする。
これで準備は整った。
「俺はレベル1の『レベル・スティーラー』にレベル5となった『変溶王 ヘル・ゲル』をチューニング!」
☆1+☆5=☆6
『ヘル・ゲル』がその身を輝かせて5つの光の輪となり、その輪の間を『レベル・スティーラー』が潜ると1つの星となる。
「天を焼くシリウス、孤狼の蒼き瞳よ、地に縛られた牙無き犬共を噛み砕け!!シンクロ召喚!!吠えろ!『天狼王 ブルー・セイリオス』!!」
俺の場に雄叫びを上げながら三つ首の蒼き狼が現れた。
天狼王 ブルー・セイリオス ☆6 ATK2400
天狼王 ブルー・セイリオス
シンクロ・効果モンスター
星6/闇属性/獣戦士族/攻2400/守1500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの攻撃力は2400ポイントダウンする。
「『次元の宝札』の効果で1枚ドロー。続けてレベル4となった『バイス・ドラゴン』にレベル3の『ダーク・リゾネーター』をチューニング!!」
☆4+☆3=☆7
「天頂に輝く死の星よ!!地上に舞い降り生者を裁け!!シンクロ召喚!!現れよ『天刑王ブラック・ハイランダー』!!」
この瞬間、死神のような鎌を持った黒い外装を纏った悪魔──『ブラック・ハイランダー』が俺の場に現れた。
天刑王ブラック・ハイランダー ☆7 ATK2800
天刑王ブラック・ハイランダー
シンクロ・効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2800/守2300
悪魔族チューナー+チューナー以外の悪魔族モンスター1体以上
(1)このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにシンクロ召喚をする事ができない。
(2)1ターンに1度、装備カードを装備した相手モンスター1体を選択して発動する事ができる。
選択したモンスターに装備された装備カードを全て破壊し、破壊した数×400ポイントダメージを相手ライフに与える。
「『次元の宝札』の効果で1枚ドロー。バトル!『ブルー・セイリオス』で『岩石の番兵』を攻撃!
「だがフィールド魔法『岩投げエリア』の効果発動!1ターンに1度、自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊される場合、代わりにデッキから岩石族1体を墓地に送ることができる。俺はデッキから『リバイバル・ゴーレム』を墓地に送る」
『ブルー・セイリオス』の牙が『岩石の番兵』に当たる寸前に三沢がデッキからカードを1枚選択し墓地に送る。すると投石器の1つに粘土で出来た人のような形をしている巨人『リバイバル・ゴーレム』が設置され、そのまま『ブルー・セイリオス』に向けて投げ飛ばされた。そして『ブルー・セイリオス』その投擲された『リバイバル・ゴーレム』の攻撃をかわすために攻撃を中断し俺の前まで戻ってきた。
「そしてこの瞬間、墓地に送られた『リバイバル・ゴーレム』の効果発動。1つ目の効果を選択し、墓地から守備表示で特殊召喚する」
リバイバルゴーレム
星4/地属性/岩石族/攻100/守2100
このカードがデッキから墓地へ送られた時、以下の効果から1つを選択して発動する。"リバイバルゴーレム"の効果は1ターンに1度しか使用できない。
●このカードを墓地から特殊召喚する。
●このカードを墓地から手札に加える。
リバイバル・ゴーレム ☆4 DEF2100
モンスターを増やしてしまったか。だが今は少しでも三沢の伏せカードを使わせよう。
「『ブラック・ハイランダー』で『リバイバル・ゴーレム』を攻撃!
『ブラック・ハイランダー』は手に握っている鎌を振りかぶると『リバイバル・ゴーレム』に向けて振り下ろした。
「トラップ発動!『岩投げアタック』。デッキから『タックルセイダー』を墓地に送り相手に500ポイントダメージを与える。さらに墓地に送った『タックルセイダー』の効果により『ブラック・ハイランダー』を裏守備表示に変更させる!!」
しかし『リバイバル・ゴーレム』が巨大な岩を持ち上げると投げとばし、地面に落ちるとその砕けた破片が俺に襲いダメージを受けた。さらに砕けた岩の中からトゲのついた肩パットをつけた機械が『ブラック・ハイランダー』にショルダータックルをかますと『ブラック・ハイランダー』は体制を崩しそのまま裏守備表示になってしまった。
刹那:LP5000→4500
タックルセイダー ☆4 DEF1800
岩投げアタック
通常罠
自分のデッキから岩石族モンスター1体を選択して墓地へ送る。
相手ライフに500ポイントダメージを与える。
その後デッキをシャッフルする
タックルセイダー
効果モンスター
星4/地属性/岩石族/攻1500/守1800
このカードが墓地へ送られた場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して裏側守備表示にする。
●相手フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠カード1枚を選択して持ち主の手札に戻す。
このターン、相手はこの効果で手札に戻したカード及びその同名カードを発動できない。
「俺はこれでターンエンドだ」
さぁ見せてもらおうじゃないか、お前の実力を・・・
三沢:LP4000
手札:2枚
モンスター:岩石の番兵(守) リバイバル・ゴーレム(守) タックルセイダー(守)
魔法・罠:リバースカード1枚
刹那:LP4500
手札:3枚
モンスター:天狼王ブルー・セイリオス(攻) 天刑王 ブラック・ハイランダー(裏守備)
魔法・罠:次元の宝札(永続)
刹那sideout
十代「今日の最強カードは『マスク・チェンジ』!!」
マスク・チェンジ
速攻魔法
(1):自分フィールドの「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを墓地へ送り、そのモンスターと同じ属性の「M・HERO」モンスター1体を
エクストラデッキから特殊召喚する。
刹那「漫画版遊戯王GXの後半で十代が使用していたカードで漫画版の効果は『M・HERO1体を対象とし、レベルが2つ上までの同属性M・HEROを特殊召喚する』だったから大幅に効果変更されたな」
十代「速攻魔法だから今回みたいに攻撃し終えたモンスターに使って追撃をしたり、リリースエスケープをすることも可能だぜ!!」
刹那「『M・HERO』はそれぞれに様々な効果を持っているので戦況に合わせて『M・HERO』を召喚したいな」
十代「今後は他の『M・HERO』たちも出てくるから活躍に期待だぜ!」
あとがき
皆さんこんにちは有頂天皇帝です。今回は探究者さんからのリクエストであった。ゆまVS翔のデュエルを行いました。この頃の翔はプレイングミスも多く融合モンスターも『スチームジャイロイド』くらいしかいなかったことからこうしました。宮田ゆまのデッキは漫画版遊城十代の『E・HERO』と『M・HERO』の混合デッキです。漫画に出ているレベル4以下の『M・HERO』たちに効果を考えて出そうかなど考えているのですがどうでしょうか?また、三沢のデッキは要望の多かった『岩石族』デッキになりました。このデュエルで出番があるかはまだ決まってませんが、『磁石の戦士』シリーズもデッキに入っています。
現在、神楽坂のデッキを遊戯と海馬の混合デッキを考えているのですが『青眼の白龍』の代わりとなるモンスターが思いつかないので何か良いカードとかあったら教えてください。
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第9話 闇龍VS秀才
三沢side
「(ここまでは俺の想定通りに進んだな)」
俺は刹那のフィールドを見ながら心の中でそう呟いた。刹那のデュエルは実技試験から今日までの間に何度も見てきたおかげで前のターンの攻撃を防ぐことに成功した。
だが、今の手札では刹那のシンクロモンスターを一体倒すことは出来てももう一体を倒すことは難しかった。なのでここは次のドロー次第と言ったところだな。
「俺のターンドロー!」
ドローしたカードを見るとそれは俺が求めていたカードではなかった。やはり俺には十代のようなドロー力はないようだ。しかし、それでもやりようはある。
「俺は魔法カード『天使の施し』を発動しデッキからカードを3枚ドローし手札を2枚捨てる。そして墓地の『岩石の番兵』の効果発動!自分フィールド上のモンスターが岩石族のみの場合、墓地から特殊召喚できる。俺は2体目の『岩石の番兵』を特殊召喚する」
天使の施し
通常魔法
デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる
岩石の番兵
効果モンスター
星3/地属性/岩石族/攻1300/守2000
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在し、自分フィールドのモンスターが岩石族モンスターのみの場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。
「俺は2体の『岩石の番兵』でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
俺のフィールドにいる2体の『岩石の番兵』がオレンジ色の光の球となって目の前に現れた黒い渦の中へと入った。そして2つのオレンジ色の球が入った渦が様々な光を飛び出しながら爆発した。
「呪いの魔眼を持ちし蛇の石像よ、その呪われし眼で立ちはだかる敵を石へと変えよ!エクシーズ召喚!!現れよ、『ゴルゴニック・ガーディアン』!!」
爆発が収まると、その下から地面を砕きながら赤と青の眼を持ち、頭の両側頭部から紫色の棒が伸びその先端にはそれぞれ三匹の蛇がおり、下半身が巨大な蛇の尾をした石像──『ゴルゴニック・ガーディアン』が現れた。
ゴルゴニック・ガーディアン ★3 DEF1200
ゴルゴニック・ガーディアン
エクシーズ・効果モンスター
ランク3/闇属性/岩石族/攻1600/守1200
岩石族レベル3モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。
ターン終了時まで、選択したモンスターの攻撃力を0にし、その効果を無効にする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
また、1ターンに1度、フィールド上の攻撃力が0のモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターを破壊する。
「俺は『ゴルゴニック・ガーディアン』の効果発動!オーバーレイ・ユニットをひとつ取り除き、相手フィールド上の表側表示で存在するモンスター1体の攻撃力を0にする。俺は『ブルー・セイリオス』の攻撃力を0にする!ゴルゴニック・アイ!!」
『ゴルゴニック・ガーディアン』は両目を怪しく光らせると、その光を浴びた『ブルー・セイリオス』は為す術なくその体を石へと変えられた。
ブルー・セイリオス ATK2400→0
「そして『ゴルゴニック・ガーディアン』のもう1つの効果発動!1ターンに1度、フィールド上の攻撃力が0のモンスターを選択し、選択したモンスターを破壊する。俺は当然『ブルー・セイリオス』を選択!」
『ゴルゴニック・ガーディアン』が全身を紫色の怪しいオーラを纏わせると、石化した『ブルー・セイリオス』にも同じ色のオーラがまとわりつくと『ブルー・セイリオス』は粉々に砕け散った。
「くっ!だが破壊された『ブルー・セイリオス』の効果発動!このモンスターがフィールド上で破壊され墓地に送られた時、相手フィールド上の表側表示モンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力を2400ダウンする。俺は『ゴルゴニック・ガーディアン』を選択!」
石となって砕け散った『ブルー・セイリオス』の破片から上半身だけとなった半透明の『ブルー・セイリオス』が現れると『ゴルゴニック・ガーディアン』に噛みつきその力を奪った。
ゴルゴニック・ガーディアン ATK1600→0
「その行動はこちらの読み通りだ。俺は『ゴルゴニック・ガーディアン』と『リバイバル・ゴーレム』の2体を生贄にし、『地球巨人 ガイア・プレート』を召喚!」
『ゴルゴニック・ガーディアン』と『リバイバル・ゴーレム』が光となって消えると、2体がいた場所に岩で作られた無骨な巨人が現れた。
地球巨人 ガイア・プレート ☆8 ATK2800
地球巨人 ガイア・プレート
効果モンスター
星8/地属性/岩石族/攻2800/守1000
このカードのコントローラーは、自分のスタンバイフェイズ毎に自分の墓地から岩石族モンスター1体を除外する。
または除外せずにこのカードを墓地へ送る。
(1):このカードは自分の墓地の岩石族モンスター2体を除外し、手札から特殊召喚できる。
(2):このカードと戦闘を行う相手モンスターの攻撃力・守備力はダメージ計算時のみ半分になる。
「さらに俺は墓地から『ゴルゴニック・ガーディアン』、『タックルセイダー』、『リバイバル・ゴーレム』の3体をゲームから除外することで墓地から『ブロック・ドラゴン』を特殊召喚する」
続いて現れたのは『地球巨人 ガイア・プレート』と同等の巨体を誇る子供用のブロック玩具で作られたドラゴン──『ブロック・ドラゴン』が『ガイア・プレート』と並ぶように現れた。
ブロック・ドラゴン ☆8 ATK2500
ブロック・ドラゴン
星8/地属性/岩石族/攻2500/守3000
このカードは通常召喚できない。自分の手札・墓地から地属性モンスター3体を除外した場合のみ手札・墓地から特殊召喚できる。「ブロックドラゴン」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの岩石族モンスターは戦闘以外では破壊されない。
(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。レベルの合計が8になるように、デッキから岩石族モンスターを3体まで選んで手札に加える。
「バトルだ!『ブロック・ドラゴン』で裏守備表示になった『ブラック・ハイランダー』を攻撃!」
『ブロック・ドラゴン』がセット状態の『ブラック・ハイランダー』の上からその巨体によるのしかかりをするとセット状態から膝をついて守備体勢となった『ブラック・ハイランダー』が顕になるが為す術なく破壊された。
「続いて『地球巨人 ガイア・プレート』でダイレクトアタック!プレートテンペスト!!」
『地球巨人 ガイア・プレート』の岩腕がフィールドがガラ空きになった刹那に当たる。
「ぐっ!?」
刹那:LP4500→1700
「俺はこれでターンエンドだ」
刹那のモンスターを全て破壊してライフを大幅に削ることに成功したが油断は禁物だ。デュエルではたった1枚のドローで逆転されることはよくあるのだから警戒するに越したことはない。
三沢:LP4000
手札:2枚
モンスター:地球巨人 ガイア・プレート(攻) ブロック・ドラゴン(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
刹那:LP1700
手札:3枚
モンスター:なし
魔法・罠:次元の宝札(永続)
三沢sideout
刹那side
三沢によって俺のモンスターたちが全て破壊されてしまったが、まだ慌てるような段階ではない。
「俺のターンドロー。このモンスターは墓地に闇属性モンスターが5体以上存在し自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に特殊召喚できる。現れろ、『ダーク・クリエイター』!!」
ダーク・クリエイター ☆8 DEF3000
ダーク・クリエイター
効果モンスター
星8/闇属性/雷族/攻2300/守3000
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地に闇属性モンスターが5体以上存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に特殊召喚できる。
1ターンに1度、自分の墓地の闇属性モンスター1体をゲームから除外する事で、自分の墓地の闇属性モンスター1体を選択して特殊召喚する。
「『ダーク・クリエイター』の効果発動!墓地の『バイス・ドラゴン』を除外して墓地からチューナーモンスター『変溶王 ヘル・ゲル』を特殊召喚する」
『ダーク・クリエイター』の全身から禍々しい闇のエネルギーが発生しそれはフィールドを埋めつくしたかと思えば『ダーク・クリエイター』が背中の翼を開いたことで闇のエネルギーは霧散し、フィールドに『ヘル・ゲル』が現れた。
変溶王ヘル・ゲル ☆1 DEF100
「特殊召喚に成功した『変溶王 ヘル・ゲル』の効果により、レベルを『ダーク・クリエイター』と同じ8にし、ライフを1600回復する」
変溶王ヘル・ゲル ☆1→☆8
刹那:LP1700→3300
「そして『変溶王 ヘル・ゲル』のレベルを1下げて墓地から『レベル・スティーラー』を特殊召喚する」
『ダーク・クリエイター』と同じ姿になった『ヘル・ゲル』の頭上に8つの星が浮かび上がり、その1つの星を齧って再び『レベル・スティーラー』が現れた。
変溶王ヘル・ゲル ☆8→☆7
レベル・スティーラー ☆1 ATK600
「俺はレベル1の『レベル・スティーラー』にレベル7となった『変溶王 ヘル・ゲル』をチューニング!」
☆1+☆7=☆8
『ヘル・ゲル』が元の姿に戻りその身を輝かせて7つの光の輪となり、その間を『レベル・スティーラー』が1つの星となって潜ると光の柱となった。
「地獄の業火を操りし悪魔の龍よ、その力で眼前に存在せし敵を焼き尽くせ!!シンクロ召喚!現れろ、『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!!」
光の柱が炎に包まれるとその燃え上がる炎の柱の間をその鋭い爪で切り裂き深紅のドラゴンが炎を吐きながら現れた。
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000
レッド・デーモンズ・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードが相手の守備表示モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。相手フィールドの守備表示モンスターを全て破壊する。
(2):自分エンドフェイズに発動する。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、このカード以外のこのターン攻撃宣言をしていない自分フィールドのモンスターを全て破壊する。
「攻撃力3000!?いや、それよりもあのドラゴンはっ!!」
三沢は『レッド・デーモンズ・ドラゴン』の姿に驚きを隠せず、観客席の方でも一部の生徒や教師たちが『レッド・デーモンズ・ドラゴン』の事を知っているのか目を向けていた。
「『次元の宝札』の効果で1枚ドロー。俺はフィールド魔法『暗黒世界─シャドウ・ディストピア─』を発動」
俺が発動したフィールド魔法の効果によってフィールドのモンスターは全て闇属性へと変わった。
闇黒世界-シャドウ・ディストピア-
フィールド魔法
(1):フィールドの表側表示モンスターは闇属性になる。
(2):1ターンに1度、自分がカードの効果を発動するために自分フィールドのモンスターをリリースする場合、自分フィールドのモンスター1体の代わりに相手フィールドの闇属性モンスター1体をリリースできる。
(3):自分・相手のエンドフェイズに発動する。このターンにこのカードが表側表示で存在する状態でリリースされたモンスターの数まで、ターンプレイヤーのフィールドに「シャドウトークン」(悪魔族・闇・星3・攻/守1000)を可能な限り守備表示で特殊召喚する。
「さらに俺は『悪魔嬢リリス』を召喚する。召喚した『悪魔嬢リリス』の元々の攻撃力は1000になる」
悪魔嬢リリス ☆3 ATK2000→1000
悪魔嬢リリス
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻2000/守 0
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):召喚したこのカードの元々の攻撃力は1000になる。
(2):自分フィールドの闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。デッキから通常罠カード3枚を相手に見せ、相手はその中からランダムに1枚選ぶ。そのカード1枚を自分フィールドにセットし、残りのカードはデッキに戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。
「『悪魔嬢リリス』の効果発動!このモンスターをリリースしデッキから通常罠3枚を相手に見せ、その中から相手はランダムに1枚選ぶ。さぁどれを選択する」
俺はデッキから3枚の通常罠『聖なるバリア-ミラーフォース-』、『やぶ蛇』、『闇のデッキ破壊ウイルス』を選択し、それを三沢に見せてからランダムに並べた3枚のセットカードが三沢の前に映し出される。
「なら俺は真ん中のカードを選択する!」
「これか。なら俺は選択されたカードをセットし残りのカードをデッキに戻す。そして自分フィールド上の闇属性モンスターがリリースされたことで手札から『闇黒の魔王ディアボロス』を特殊召喚!」
『悪魔嬢リリス』が消えた場所に闇の瘴気が集まり、その瘴気が霧散するとそこには巨大な闇竜が現れた。
闇黒の魔王ディアボロス ☆8 ATK3000
闇黒の魔王ディアボロス
効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2000
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札・墓地に存在し、自分フィールドの闇属性モンスターがリリースされた場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はこのカードをリリースできず、効果の対象にもできない。
(3):自分フィールドの闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。相手は手札を1枚選んでデッキの一番上または一番下に戻す。
「『闇黒の魔王ディアボロス』の効果発動!この効果は自分フィールド上の闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。だがここでフィールド魔法『暗黒世界─シャドウ・ディストピア─』の効果により、俺は三沢の場にいる闇属性となった『地球巨人ガイア・プレート』を墓地に送ることで効果を発動する。相手は手札1枚を選んでデッキの上か下に戻してもらう」
「なにっ!相手のモンスターをコストに効果を発動させるだって!?くっ、俺は手札1枚をデッキの下に置く」
三沢は驚きの余り声を上げてしまうが『闇黒の魔王ディアボロス』の効果に対して発動させるカードはないようで『ガイア・プレート』は為す術なく闇の中へと引きずり込まれ三沢は手札の1枚をデッキの下へと置いた。
「バトル!『闇黒の魔王ディアボロス』で『ブロック・ドラゴン』を攻撃!」
「だが『岩投げエリア』の効果によりデッキから岩石族モンスター『礫岩の霊長─コングリード』を墓地に送り戦闘破壊を無効にする」
「だがダメージは受けてもらう」
「くっ!」
三沢:LP4000→3500
「続いて『レッド・デーモンズ・ドラゴン』で攻撃!アブソリュート・パワーフォース!!」
『レッド・デーモンズ・ドラゴン』は右手の掌に炎のエネルギー込めるとそのまま『ブロック・ドラゴン』に掌底を叩きつけると『ブロック・ドラゴン』は爆散した。
三沢:LP3500→3000
「メインフェイズ2に移行し、魔法カード『アドバンスドロー』を発動しフィールドの『ダーク・クリエイター』をリリースしてデッキからカードを2枚ドロー。そしてカードを2枚伏せてターンエンドそしてエンドフェイズにて『シャドウ・ディストピア』の効果により2体の『シャドウ・トークン』を特殊召喚する」
アドバンスドロー
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在するレベル8以上のモンスター1体をリリースして発動できる。デッキからカードを2枚ドローする。
シャドウ・トークン ☆3 ATK1000
シャドウ・トークン ☆3 ATK1000
「だが、『レッド・デーモンズ・ドラゴン』の効果により攻撃を行っていない2体のトークンは破壊される」
俺の場に『悪魔嬢リリス』と『地球巨人ガイア・プレート』の姿をした影が現れたかと思えば『レッド・デーモンズ・ドラゴン』のデメリット効果によって破壊されてしまった。
三沢:LP3000
手札:2枚
モンスター:なし
魔法・罠:リバースカード1枚
刹那:LP3300
手札:0枚
モンスター:レッド・デーモンズ・ドラゴン(攻) 闇黒の魔王ディアボロス(攻)
魔法・罠:次元の宝札(永続) リバースカード2枚
刹那sideout
三沢side
「俺のターンドロー。魔法カード『壺の中の魔導書』を発動し互いのプレイヤーはデッキからカードを3枚ドローする」
刹那の手札を増やさせてしまったが問題ない。逆転に必要なカードは十分に揃った事で俺のデッキのエースを呼ぶ事が出来る。
「俺は魔法カード『融合』を発動!手札の『磁石の戦士マグネット・バルキリオン』と『電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン』を融合!異なる磁力を帯びし2体の戦士が交わり、今新たな力を帯びし戦士へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れよ、『超伝導戦機インペリオン・マグナム』!!」
『磁石の戦士マグネット・バルキリオン』と『電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン』が渦の中へと飛び込むとそれぞれ3体の『
『マグネット・ベルセリオン』の装甲を纏った『マグネット・バルキリオン』の上半身に翼をつけ下半身が馬となり、その右手には鋭さを増した磁石の剣を握り、左肩にはレールガンが背負ったこのデッキのエースである『超伝導戦機インペリオン・マグナム』が現れた。
超伝導戦機インペリオン・マグナム ☆10 ATK4000
超伝導戦機インペリオン・マグナム
融合・効果モンスター
星10/地属性/岩石族/攻4000/守4000
「磁石の戦士マグネット・バルキリオン」+「電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン」
このカードは上記のカードを融合素材にした融合召喚でのみ特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、相手がモンスターの効果・魔法・罠カードを発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。
(2):表側表示のこのカードが相手の効果でフィールドから離れた場合に発動できる。「磁石の戦士マグネット・バルキリオン」「電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン」1体ずつを手札・デッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。
「『次元の宝札』の効果で俺もドロー。そして魔法カード『貪欲な壺』を発動し2体の『岩石の番兵』『磁石の戦士マグネット・バルキリオン』、『電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン』『地球巨人ガイア・プレート』をデッキに戻しデッキからカードを2枚ドロー」
念の為に『磁石の戦士マグネット・バルキリオン』と『電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン』をデッキに戻しつつ手札を増やしておく。
貪欲な壺
通常魔法
(1):自分の墓地のモンスター5体を対象として発動できる。そのモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする。
「バトル!『インペリオン・マグナム』で『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を攻撃!超伝導斬!」
『インペリオン・マグナム』が握る磁石の剣にバチバチと青い電気が走るとそのまま磁石の剣で『レッド・デーモンズ・ドラゴン』に斬りかかった。
「トラップ発動!『聖なるバリア-ミラーフォース-』!!これで攻撃してきた『インペリオン・マグナム』を破壊!」
『レッド・デーモンズ・ドラゴン』の周囲を鮮やかなピンク色の薄い膜が覆うと『インペリオン・マグナム』の磁石の剣を防ぎ、その衝撃を跳ね返すように膜から刺すような鋭い衝撃波が『インペリオン・マグナム』に襲いかかる。
「そうはいかない『インペリオン・マグナム』の効果発動!1ターンに1度、相手のモンスター効果または魔法、罠の発動を無効にし破壊する。俺は 『聖なるバリア-ミラーフォース-』の発動を無効にして破壊!」
『インペリオン・マグナム』の左肩のレールガンから高速で電磁砲が放たれると電磁砲は『インペリオン・マグナム』に迫る鋭い衝撃波を飲み込みそのまま『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を覆っている鮮やかなピンク色の薄い膜に当たるとバリンッと大きな音を立てながら崩れていった。
「『ミラーフォース』はやっぱり防がれるか。ならトラップ発動!『次元幽閉』!これで攻撃してきた『インペリオン・マグナム』はゲームから除外する」
『インペリオン・マグナム』の目の前に次元の裂け目が現れると『インペリオン・マグナム』を飲み込もうと凄まじい引力が発生する。飲み込まれまいと必死に抵抗したがその抵抗も虚しく『インペリオン・マグナム』は次元の裂け目へと飲み込まれてしまった。だがまだやれる!
「『インペリオン・マグナム』のもう1つの効果発動!相手の効果でこのモンスターがフィールドを離れた時、手札・デッキから『
『インペリオン・マグナム』が消えた場所に合体パーツであった3体の『
磁石の戦士マグネット・ウォリアー ☆8 ATK3500
電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン ☆8
ATK3000
特殊召喚・効果モンスター
星8/地属性/岩石族/攻3500/守3850
このカードは通常召喚できない。
自分の手札・フィールドから、「磁石の戦士α」「磁石の戦士β」「磁石の戦士γ」を1体ずつリリースした場合に特殊召喚できる。
(1):このカードをリリースし、自分の墓地の「磁石の戦士α」「磁石の戦士β」「磁石の戦士γ」を
1体ずつ対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
特殊召喚・効果モンスター
星8/地属性/岩石族/攻3000/守2800
このカードは通常召喚できない。
自分の手札・フィールド・墓地から、「電磁石の戦士α」「電磁石の戦士β」「電磁石の戦士γ」を
1体ずつ除外した場合に特殊召喚できる。
(1):自分の墓地からレベル4以下の「マグネット・ウォリアー」モンスター1体を除外し、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
(2):このカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、除外されている自分の「電磁石の戦士α」「電磁石の戦士β」「電磁石の戦士γ」を1体ずつ対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
「さらに速攻魔法『マグネット・リバース』を発動し墓地から通常召喚出来ない機械族または岩石族モンスター1体を対象にしそのモンスターを特殊召喚する。俺は墓地から『礫岩の霊長─コングレード』を特殊召喚!」
地面を砕きながら現れたのは巨大な黒い岩のゴリラが現れた。『コングレード』の姿を見た観客席の方から『ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ!』とか『ウッキー!今年は申年だッキー!』などの声が聞こえてきたが無視する。
「バトル!『コングレード』で『闇黒の魔王ディアボロス』を攻撃!」
『コングレード』が赤い瞳を輝かせると牙と黒紫色の舌を見せながら咆哮を上げると『ディアボロス』に襲いかかり2体が衝突すると同じ攻撃力だったために2体とも破壊された。
「続いて『マグネット・バルキリオン』で『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を攻撃!マグネット・セイバー!!」
『マグネット・バルキリオン』は右手に握る磁石の剣にバチバチと青い電気を走らせるとそのまま『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を切り裂いた。
刹那:LP3300→2800
「これで終わりだ!『マグネット・ベルセリオン』でダイレクトアタック!エレクトロ・シュート!!」
『マグネット・ベルセリオン』が身体中から電気を走らせると右手に握る電磁石の剣の先端に全ての電気を集中させると刹那に向けて電撃を一直線に放った。
これでライフを削りきったと思い勝利を確信した俺だが、一向にソリッドビジョンが消えないことに疑問を感じたが刹那の場を覆っていた砂煙が晴れたことでその理由が判明した。
「『クリボー』の効果か」
「その通りだ。『マグネット・ベルセリオン』の攻撃時にこのモンスターを墓地に送ったことで戦闘ダメージを0にした」
刹那は『クリボー』のカードを墓地に送りながらそう言った。これは『壺の中の魔導書』で刹那の手札を増やしてしまったのが仇になってしまったか・・・・
クリボー
星1/闇属性/悪魔族/攻 300/守 200
(1):相手モンスターが攻撃した場合、そのダメージ計算時にこのカードを手札から捨てて発動できる。その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
「仕留めきれなかったか・・・・なら俺はこれでターンエンドだ」
これ以上打てる手はないためターンを終わらせる事になった。手札を増やしてしまった状態で刹那のターンが回ってしまう事に不安を感じるが最後まで俺は勝利を諦めないでデュエルを続けるのみだ。
三沢:LP3000
手札:2枚
モンスター:マグネット・バルキリオン(攻) マグネット・ベルセリオン(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
刹那:LP3300
手札:2枚
モンスター:なし
魔法・罠:次元の宝札(永続)
三沢sideout
刹那side
前のターン、『クリボー』をドロー出来た事で何とか敗北を免れたが状況は俺が圧倒的に不利なのは変わりなかった。
「(今の俺の手札は『闇の誘惑』と『復活の福音』の2枚。このカードだけじゃ逆転は無理だな)」
俺は『壺の中の魔導書』の効果でドローしたカードを見るが、これだけでは『マグネット・ベルセリオン』を倒すことは出来ても『マグネット・バルキリオン』が残ってしまう。このドロー次第で勝敗は決まるかもしれない。
「俺のターン、ドロー!」
俺は勢いよくデッキからカードをドローする。そしてドローしたカードを確認すると『邪帝ガイウス』だったがまだチャンスはある。
「魔法カード『闇の誘惑』を発動。デッキからカードを2枚ドローし手札から『邪帝ガイウス』を除外する。さらに『強欲な壺』を発動してさらに2枚ドロー。そして魔法カード『ナイト・ショット』を発動。セットカードを破壊する」
手札を増やすがこれでは三沢を倒す為に必要なカードは揃わないでいたが、とりあえず三沢の伏せカードを破壊しておくことにした。
「くっ『破壊輪』が破壊されたか」
ナイト・ショット
通常魔法
(1):相手フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
セットされたそのカードを破壊する。
このカードの発動に対して相手は対象のカードを発動できない。
伏せていたのは『破壊輪』か。一歩間違えたら負けるところだったな。これで伏せカードを気にしなくて済むがまだやることはある。
破壊輪
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手ターンに、相手LPの数値以下の攻撃力を持つ相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その表側表示モンスターを破壊し、自分はそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける。
その後、自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与える。
「魔法カード『復活の福音』を発動し墓地から『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を特殊召喚する」
レッド・デーモンズ・ドラゴン ☆8 ATK3000
「魔法カード『天よりの宝札』を発動。互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにデッキからドローする。俺は4枚ドロー」
「俺も4枚ドローする」
これで三沢の手札を増やしてしまったが『天よりの宝札』を使ったおかげで必要なカードが揃った。
「手札を1枚捨てて魔法カード『カード・フリッパー』を発動。これによってお前の場にいるモンスター全てを守備表示に変更させる」
マグネット・バルキリオン ATK3500→DEF3850
マグネット・ベルセリオン ATK3000→DEF2800
カード・フリッパー
通常魔法
手札を1枚墓地へ送って発動する。
相手フィールド上に存在する全てのモンスターの表示形式を変更する。
「バトルだ!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』で『マグネット・ベルセリオン』を攻撃!アブソリュート・パワーフォース!!」
『レッド・デーモンズ・ドラゴン』が炎のエネルギーを込めた右手の拳を『マグネット・ベルセリオン』に叩きつけ破壊した。
「『レッド・デーモンズ・ドラゴン』の効果発動!守備表示モンスターを攻撃したダメージ計算時に発動し、相手の守備表示モンスター全てを破壊する。デモン・メテオ!!」
『マグネット・ベルセリオン』を破壊した『レッド・デーモンズ・ドラゴン』は右手に炎を纏わせたまま『マグネット・バルキリオン』に顔を向けるとそのまま右手から爆炎を撃ち放って破壊する。
「くっ!だがモンスターを破壊されようと俺のライフはまだ残っている!!次のターンになればまだ手はある!!」
三沢はモンスターを破壊されたことにより顔を顰めるがすぐに持ち直しており次の自分のターンで逆転しようと考えているようだ。だが・・・
「次のターンなど与えない!手札を1枚捨てて速攻魔法『トラップ・ブースター』発動!手札から罠カード『破壊神の系譜』を発動!」
「そのカードはっ!?」
「このカードは相手フィールド上の守備モンスターを破壊したターン、俺の場に表側攻撃表示のレベル8のモンスターを選択して発動する。俺は『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を選択し、選択されたモンスターはこのターン2回攻撃する事ができる」
トラップ・ブースター(未OCGカード)
速攻魔法
手札を1枚捨てて発動できる。
手札の罠カード1枚を発動する。
破壊神の系譜
通常罠
相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを破壊したターン、自分フィールド上に表側表示で存在するレベル8のモンスター1体を選択して発動する。
このターン、選択したモンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
「いけ!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』でダイレクトアタック!!アブソリュート・パワーフォース!!」
『レッド・デーモンズ・ドラゴン』が目を赤く輝かせると三沢に顔を向け、再び右手に炎のエネルギーを纏わせると三沢に叩きつけた。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
三沢:LP3000→0
三沢のライフを削りきり、この勝負は俺の勝ちで終わるのだった。
刹那sideout
???side
「まさか『四天の龍』だけではなく『シグナーの竜』を扱う者がいるとはね」
「えぇこれはプロフェッサーに連絡を入れた方がいいですね」
校長室にて生徒たちの試合を鮫島校長と共に見ていた教頭である私、才業龍五郎(さいごうりゅうごろう)は先程の三沢くんと刹那くんのデュエルを見て思わず顔を顰めた。
「我ら『サイバー流』の発展のためにも彼ら融合次元との繋がりは必須です。その障害となる存在は早い段階で処理する必要があります」
「わかっております鮫島校長」
鮫島校長の言う通り、我々サイバー流はこの世界にリスペクトの素晴らしさを広めるためにこの世界とは別世界に存在する『融合次元』のアカデミアと協力関係を築いており、その障害になると考えられている『四天の龍』や『シグナーの竜』、『
「もし彼が我々に敵対するのならば早い内に対処を行う必要がありますね。天上院くんや藤原くんのような事がまたあったら困りますからね」
「えぇそうですね」
過去にも『プラネットシリーズ』を所有している2人の生徒が我々に歯向かってきた事があり、門下生だけでなく融合次元の方にも多大な被害が発生した。
その時は融合次元の協力を得て製作する事に成功した我らサイバー流の至高のカード達のおかげで何とかなったが、彼らの行方は依然不明であるため注意は必要だが今はその事はあまり考えなくてもいいだろう。
「では私はプロフェッサーに連絡を入れますので後のことは頼みましたよ」
「ええお任せ下さい」
鮫島校長はそう言いながら部屋を出ていくのを見送った私はそのまま他の生徒たちの試合を見ながらサイバー流の発展を思いながら心の中で笑みを浮かべるのだった。
「(所詮アカデミアも鮫島も私にとっては踏み台でしかない。彼らにはせいぜい私のサイバー流の発展のために役立ってもらいましょうかね)」
しかし、この時の私は気づいていなかった。サイバー流と融合次元の敵と我々に反抗する存在たちの脅威の恐ろしさに・・・・
才業sideout
十代「今回の最強カードは『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードが相手の守備表示モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。相手フィールドの守備表示モンスターを全て破壊する。
(2):自分エンドフェイズに発動する。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、このカード以外のこのターン攻撃宣言をしていない自分フィールドのモンスターを全て破壊する。
刹那「『遊戯王5D's』の主人公不動遊星のライバルにして仲間であるジャック・アトラスのエースにして魂のカードだ」
十代「守備モンスター攻撃すれば相手の守備モンスター全てを破壊できるから『マシュマロン』や『魂を狩る死霊』のような耐性を持つモンスターを破壊する事が出来るぜ!」
刹那「今回のデュエルで使用した『破壊神の系譜』を使って追撃したり『皆既日蝕の書』や『闇の護封剣』で効果を使ったり、『おジャマトリオ』や『リバイバル・ギフト』と『竜の闘志』のコンボに繋げることも出来る」
十代「他にも色んなコンボがあると思うけど、次回も楽しみにしてくれよな!!」
あとがき
皆さんこんにちは有頂天皇帝です。今回で月一試験のデュエルは終了です。最後の方で不穏な空気がありますがその事は今後の展開で明かされていくので読んでる皆さんに期待して貰えるようなものになるよう頑張ります。次回は十代とタイタンのデュエルを予定していますが原作とは多少異なる展開になる予定です。また以前話した今後の展開予定なのですが、制裁デュエルの後の展開としてはシンクロ次元に向かうはずだったARC-Vのメンバーがこっちの世界に来てしまい融合次元やサイバー流と衝突する予定です。今回デッキ募集として特定のキャラではありませんがドラゴン族や機械族のデッキで何かオススメがあったら教えて欲しいです。
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第10話 特待生寮でのデュエル
刹那side
月一試験が終了してから2週間が経った。試験の結果、俺はオベリスクブルーに昇格した。他にも十代がラーイエローへの昇格の話が上がっていたが十代はレッド寮を気に入っているからその話を断ったり、何人かの生徒たちが昇格や降格していった。
オベリスクブルーに上がったことで中等部の成り上がり連中やエセリート集団が難癖つけて俺の所有しているカード達を狙って日々アンティデュエルを仕掛けてくるが全員返り討ちにした。
オベリスクブルーでも何人か友人や話し相手は出来たが基本的に話し相手は三沢や十代など他の寮生となっているがこれはどうでもいいことだろう。
そして今日、いつも通り食堂で食事をとっていると十代に今夜レッド寮で怪談をするから一緒にやらないかと誘われた。特に自分の部屋でやることとかもなかったのでその誘いを受けると三沢や神楽坂など友人たちに声をかけてその夜にレッド寮の食堂へとやって来た。
「───その入り江の水面を覗くと、その人が欲しいカードが映っているっすけど、その水面にフラフラと手を伸ばしたら、ガバーッと捕まえられて水の中に引き込まれてしまうッス!!」
「「「キャアアアア!!」」」
「「ヒィィッ!!」」
今は丸藤の番であり丸藤は両手を勢いよく上げながら話をすると藤原、宮田、そしてもう一人の十代達の幼馴染みであるツァン・ディレが悲鳴を上げながら十代に抱きついており、前田と神楽坂がビビって悲鳴を上げていた。一方で
「レベル4ならこの程度か?」
「まぁ学校の怪談としては定番じゃないか」
三沢と彩人は翔の話しをそう評価していた。ちなみに十代は3人に抱きつかれて困っているが1人を除いてスルーしている。それでその例外の1人というのが
「ちくしょう!なんでアイツだけがモテてるんだよ!!俺もあの3人の立派に実った果実を押し当てられたい!!」
「少なくともそんな事を女子の前で堂々と言うような奴が女子にそんな事をされる機会は一生巡ってこないだろうな」
本気で悔しがっているのか四つん這いになって地面を叩くのは同じオベリスクブルーの兜山甲平(かぶとやま こうへい)に対して俺はそう言うのだった。コイツはルックスもデュエルの腕も頭もどれをとってもレベルが高いのだがその本能に忠実すぎることから女子にモテないでいた。
「次は俺の番だな。ドロ──」
「何してるんですかにゃ?」
「「「「出たぁぁぁぁぁっ!!」」」」
「「「キャアァァッ!!」」」
俺の番に変わって俺が真ん中に置かれているデッキからカードをドローしようとしたしたらレッド寮の寮長である大徳寺先生が唐突に声をかけてきた事で俺と三沢、彩人、甲平を除いた全員が悲鳴を上げた。
「脅かして申し訳ないにゃ。でも、深夜ですし十代君たち以外の皆さんは門限を過ぎているのではないですかにゃ?」
「大丈夫ですよ大徳寺先生。事前に寮長達からは許可を取っていますので」
「ならいいですがもう夜も遅いですし明日も学校がありますし皆さん早く寝た方がいいですにゃ」
門限を過ぎているのにレッド寮にいる他の寮生達を心配する大徳寺先生に対して三沢が樺山先生やクロノス教諭達から事前に許可を得ていることを伝えると一応は納得してくれたが明日も学校があることから早く寝るように声を掛ける。
「大徳寺先生。僕達カードを引いて、出たモンスターのレベルだけ怖い話を話してるんッス」
「成程それは面白そうですにゃ。では先生も参加させてもらうから皆さんは先生の話で最後にするにゃ」
丸藤が大徳寺先生に対して俺達が今やっていた事を説明すると興味を持った大徳寺先生は自分が怪談話をする代わりにそれを最後にして話が終わったら就寝するように言った。特に文句を言うようなことでもないのでみんなそれに反対することはなかった。そして大徳寺先生がデッキからカードをドローする。ドローしたカードは『F・G・D』レベル12と最高レベルだった。
「コレは今は廃墟となっている特待生寮での話なのにゃ」
大徳寺先生が話し始めた内容はにわかには信じにくいものだった。カオス・ブラックができる2年前まではを優秀な生徒たち専用の寮として特待生寮がアカデミア創立時からあったのだが、そこでは闇のデュエルの研究を行っていたらしい。無論、他の生徒や外部には内緒で。
そしてそんな研究を続けている内に生徒が1人、また1人と行方不明になっていき、その原因が未だ謎なことと多くの行方不明者と特待生寮から逃げ出した者が現れたことにより特待生寮は立ち入り禁止となり、新たに特待生専用のクラスとしてカオス・ブラックが生まれ残った僅かな特待生たちもそこに組み込まれたのだそうだ。俺達は思った以上に重い話に言葉を話すことも出来ず最後まで黙って話を聞いてしまった。
「さあ、もうみなさん解散するにゃー。明日も学校があるんだから早く寝なさいなのにゃー」
大徳寺先生がパンパンッと手を軽く叩きながら早く寝るように声をかけるので話も終わったことで俺達も大人しくそれぞれの寮へと戻るのだった。
余談だが、怪談話を聞いて怖がっている藤原たち3人がレッド寮の十代のベッドで一緒に寝ると言い出して丸藤と甲平が中指を立てていたのはここだけの話である。
翌日、俺は十代たちに誘われ大徳寺先生が話していた特待生寮へとやって来ていた。
「なんで俺達は立ち入り禁止だって言われてるのにこんな所に来てるのかねぇ」
「だってあんな話聞いたらどんなのか気になるじゃねえかよ」
「まぁ流石に中には入らないけどね」
歩きながら十代にそう言うが、十代は気にした様子もなく笑いながらそう言った。彩人はそれに対してあくまでも中に入らず廃寮の様子を見るだけにするのだからそこまで問題にはならないだろうと考えている。ちなみに後ろの方では隼人と丸藤がビビりながらついてきており甲平は周りをキョロキョロと見渡しながらついてきていた。
「で、ここが例の特待生寮か」
しばらくの間歩いていると目的の場所へと辿り着いた。そこにあるのは正しく廃墟と言っても過言ではないほどボロくなっている特待生寮があった。
「想像以上にボロいな。ここに人が住まなくなったのって確か2年くらい前だったはずだよな」
「まぁ人の手入れがされてなかったんだから当然だね」
特待生寮のあまりのボロさに甲平が呆れているが、彩人の言うようにコレは仕方がない事だろう。正確に廃寮になったのは2年くらい前だが生徒が行方不明になっていたことからあの寮にいる生徒だって少なかっただろうしそんな怪しい場所に近づくような人間もいるわけがないのだから手入れがされることがなかったからたった数年でこのボロさになっているのだろう。
「あ、アニキ・・・もう帰ろうよ・・・・」
「そ、そうなんだな。これ以上ここにいてガードマンとかに見つかったら最悪退学になっちゃうんだな」
丸藤と隼人が足を産まれたての子鹿のようにガクガクと震わせながら十代に早く寮に帰ろうと言う。まぁ流石にこれ以上この場に留まって巡回中のガードマンとかに見つかったら面倒だから俺もその意見には賛成だな。
「それもそうだな。ちぇ、折角だから中を探検したかったんだけどな・・・」
「流石にそれは全力で止めるからね」
十代は文句を言いながらも無理して中に入ろうとは考えてなかったようで丸藤と隼人の言う通りに外から見るだけに留めて寮に帰ることにしたようだ。
そして俺達はそれぞれの寮に帰るために特待生寮を背にして来た道を帰ろうとした時だった。
『『『『キャアァァッ!!』』』』
特待生寮の方から4人の女性の悲鳴が聞こえ、俺達は思わず振り向いてしまった。というか今の声はっ!!
「今の声って!?」
「雪乃とツァンにゆま、それに天上院さんの声だ!」
そう、今の聞き覚えのある声は十代の幼馴染み3人と天上院のものだった。何故彼女たちが特待生寮にいるのかは分からないが悲鳴が聞こえたことから何かが起こっているのは間違いない。そう考えていると十代が1人、特待生寮へと走っていってしまった。
「あ、十代!!」
「あのバカ!甲平と丸藤達はここに残ってろ!俺と彩人が十代を連れ戻す!!」
「わかった。気をつけろよ」
俺は甲平達には何かあった時のためにここに残ってもらい、俺と彩人の2人は十代の後を追って特待生寮の中へと入るのだった。
刹那sideout
十代side
「くそっ!雪乃たちはどこにいるんだ!!」
雪乃達の悲鳴を聞いた俺は思わずいてもたってもいられず刹那の声を無視して特待生寮の中へと入ったはいいものの特待生寮の中は暗く整備されていないことから足元が悪かった。そのせいもあって雪乃達のいる場所を探すのに困難していた。その時だった。
『クリクリ~!』
「どうしたんだハネクリボー?」
俺の精霊である『ハネクリボー』が俺の目の前に現れると『ハネクリボー』は奥の方に目を向けたので俺もそこを見ると、そこには『サイバー・ブレイダー』、『M・HEROダーク・ロウ』、『銀河眼の光子竜』、『アルカナ・ナイトジョーカー』と雪乃達のカードが落ちていた。
「コレは雪乃達のカードっ!?カードはあっちに続いてるってことは雪乃達はこの先にいるのか!!」
落ちているカードを拾うと間隔を開けながら他のカードたちも落ちており、その先を見ると洞窟のような場所へと続いていた。俺は落ちているカードを拾いながら奥へと向かった。十中八九コレは誘き寄せるための罠であることは俺でも分かるが今は雪乃達を助けることが大事であり罠であろうと構わなかった。
そしてカードを拾いながら先に進んでいると洞窟を抜け、広い空間に出た。その場所は儀式でも行っていたのか周囲には怪しいアイテムのような物が転がっていたり地面に何らかの魔法陣のようなものが描かれていた。そして奥の方には棺桶の中に入っている意識を失った雪乃たちと顔の上半分を仮面で覆った大男がいた。
「お前は誰だ!どうして雪乃達を攫ったんだ!!」
「我が名はタイタン。闇の決闘者だ」
「闇の決闘者だって!?」
大男─タイタンが闇の決闘者と名乗ったことに俺は思わず驚いてしまった。
「遊城十代、この小娘たちを助けたければこの私を闇のデュエルで倒すのだ」
タイタンはくつくつと笑いながらデュエルディスクを展開した。正直、タイタンが本物の闇の決闘者なのかどうかは分からないがコイツを倒さなければ雪乃達を助けることが出来ない。ならばここでやることは決まっている。
「いいぜ。お前が本物の闇の決闘者なのかどうかは知らないけど雪乃達を助けるためにもお前を倒すぜ!」
「威勢がいいな小僧。なら貴様には闇のデュエルの恐ろしさをたっぷりと味わわせてやろう」
俺はデュエルディスクを展開しながらタイタンを睨む。タイタンはそんな俺を余裕そうな表情で見ていた。
「「
タイタン:LP4000
十代:LP4000
先行はデュエルディスクのルーレットの結果、タイタンとなった。
「私のターンドロー。私は『インフェルノクインデーモン』を攻撃表示で召喚」
インフェルノクインデーモン ☆4 ATK900
タイタンの場に現れたのは紫のマントで体を纏い背中には大きな黒い蝙蝠のような翼を持った悪魔『インフェルノクインデーモン』が現れた。そのカードからして奴のデッキは『デーモン』デッキだと予想できる。
昔、姉さんが『デーモン』デッキについて教えてくれたが確か維持コストとして毎ターンライフを支払う必要があるがそれを無くすためのカードがあるって言ってたな。
インフェルノクインデーモン
効果モンスター
星4/炎属性/悪魔族/攻900/守1500
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う。
このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、その処理を行う時にサイコロを1回振る。2・5が出た場合、その効果を無効にし破壊する。
このカードがフィールド上に存在する限り、スタンバイフェイズ毎に「デーモン」という名のついたモンスターカード1体の攻撃力を
エンドフェイズまで1000ポイントアップする。
「さらに私はフィールド魔法『
タイタンが発動したフィールド魔法によってデュエル場の姿が一気に変わる。床はゴツゴツの階段状になり、六本の柱が生えその上には見下すように悪魔の像。中心部分には生け贄を捧げる為の祭壇が現れた。
フィールド魔法
「デーモン」という名のついたモンスターはスタンバイフェイズにライフを払わなくてよい。
戦闘以外で「デーモン」という名のついたモンスターカードが破壊されて墓地に送られた時、そのカードのレベル未満の「デーモン」という名のついたモンスターカードをデッキから1枚選択して手札に加える事ができる。
「私はカードを2枚伏せてターンを終了する」
タイタン:LP4000
手札:2枚
モンスター:インフェルノクインデーモン(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚 万魔殿─悪魔の巣窟─
「俺のターンドロー!」
「このスタンバイフェイズ時、『インフェルノクインデーモン』の効果発動!『デーモン』と名のつくモンスターの攻撃力をエンドフェイズまで1000ポイントアップさせる!」
俺がドローした瞬間、『インフェルノクインデーモン』自身の効果によって自らの体を紫色のオーラを覆わせると力を増した。
インフェルノクインデーモン ATK900→1900
「俺は『E・HEROエアーマン』を攻撃表示で召喚!効果でデッキから『E・HEROブレイズマン』を手札に加える」
俺の場にHEROデッキのエンジンとも呼べるプロペラの翼を持った風の英雄『E・HEROエアーマン』が現れた。
E・HEROエアーマン ☆4 ATK1800
E・HEROエアーマン
効果モンスター
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
「魔法カード『フェイク・ヒーロー』を発動!これにより俺はさっき手札に加えた『E・HEROブレイズマン』を特殊召喚する。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、エンドフェイズ時に手札に戻る」
フェイク・ヒーロー
通常魔法
手札から「E・HERO」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、このターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
「『ブレイズマン』の効果発動!このモンスターが召喚または特殊召喚に成功した場合、デッキから『融合』1枚を手札に加える。俺はデッキから『置換融合』を手札に加えるぜ」
俺の場に現れた炎の鬣を持つ赤い戦士『ブレイズマン』は地面に勢いよく拳を叩き込むと地面から火柱が上がり、そこから1枚のカードが現れ俺の手元へと飛んできた。
E・HEROブレイズマン
効果モンスター
星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1800
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「融合」1枚を手札に加える。
(2):自分メインフェイズに発動できる。デッキから「E・HERO ブレイズマン」以外の「E・HERO」モンスター1体を墓地へ送る。
このカードはターン終了時まで、この効果で墓地へ送ったモンスターと同じ属性・攻撃力・守備力になる。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。
「さらに俺は『置換融合』を発動し、フィールドの『エアーマン』と『ブレイズマン』で融合!大気を司る英雄よ、火炎の英雄と交わりて炎を支配せし英雄へと生まれ変われ!融合召喚!現れろ、『E・HEROノヴァマスター』!!」
『エアーマン』と『ブレイズマン』の背後に出現した渦の中へと入り、渦が消えるとそこには炎のような赤い鎧を纏った英雄『ノヴァマスター』が現れていた。
E・HEROノヴァマスター ☆8 ATK2600
置換融合
通常魔法
このカードのカード名はルール上「融合」として扱う。
(1):自分フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の融合モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをエクストラデッキに戻す。その後、自分はデッキから1枚ドローする。
E・HEROノヴァマスター
融合・効果モンスター
星8/炎属性/戦士族/攻2600/守2100
「E・HERO」モンスター+炎属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。
「バトル!『ノヴァマスター』で『インフェルノクインデーモン』を攻撃!フレアランス!!」
『ノヴァマスター』は炎の槍を創り出すとそれを『インフェルノクインデーモン』に突き刺すとそのまま炎は全身を焼き付くし爆発した。
「ぬうぅぅっ!!」
タイタン:LP4000→3300
タイタンのモンスターを破壊したことに成功したが、爆発の煙が晴れるとそこには左腕が透けているタイタンの姿があった。
「なっ!?タイタンの左腕がっ!?」
「フッフッフ、驚いたかこれが闇のデュエルの恐ろしさだ。今は私の体の一部が透けているだけだが敗者が決まった瞬間、その者の魂は永遠の闇へと葬られるのだ」
タイタンは笑みを隠さずに淡々と話すが、俺は顔を青ざめることしか出来なかった。これが本当に闇のデュエルだと言うのならばこのデュエルに俺が負けてしまえば本当に・・・いや!
「そんな事信じるか!モンスターを戦闘破壊したことで『ノヴァマスター』の効果で俺はデッキから1枚ドロー!」
俺はタイタンの言葉を振り切るようにデッキからカードをドローする。
「ならば私もトラップ発動!『フラットLV4』!!このカードは自分フィールド上のモンスターが破壊された時に発動できる。互いのプレイヤーはデッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚できる。私はデッキから『デーモンの騎兵』を特殊召喚する」
「なら俺は『E・HEROフォレストマン』を守備表示で特殊召喚する!」
タイタンが発動したカードの効果によってタイタンの場に鎧をまとった青い死霊の馬に乗った槍を持った骸骨の戦士『デーモンの騎兵』が現れ、俺の場には体の一部が大樹となっている自然の英雄『E・HEROフォレストマン』が現れた。
フラットLV4(未OCG)
通常罠
自分フィールド上のモンスターが
戦闘またはカードの効果によって破壊された時に発動できる。
お互いのプレイヤーはデッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚できる。
デーモンの騎兵
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1900/守 0
(1):フィールドのこのカードが効果で破壊され墓地へ送られた場合、「デーモンの騎兵」以外の自分の墓地の「デーモン」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。
E・HEROフォレストマン
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1000/守2000
(1):1ターンに1度、自分スタンバイフェイズに発動できる。自分のデッキ・墓地から「融合」1枚を選んで手札に加える。
「メインフェイズ2に移行し俺はカードを4枚伏せてターンエンドだ!」
タイタンの場にモンスターを残してしまったのは不味かったかもしれないがあのモンスターを破壊するためのカードもないためここはこれでターンを終了するしか無かった。
タイタン:LP3300
手札:2枚
モンスター:デーモンの騎兵(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚 万魔殿─悪魔の巣窟─
十代:LP4000
手札:1枚
モンスター:E・HEROノヴァマスター(攻) E・HEROフォレストマン(守)
魔法・罠:リバースカード4枚
「私のターンドロー!」
「ちょっと待った!俺は3枚のトラップ『ゴブリンのやりくり上手』を発動!それにチェーンして速攻魔法『非常食』を発動!」
「なにぃっ!?」
「『非常食』の効果で俺は『ゴブリンのやりくり上手』3枚を墓地に送ってライフを3000回復し、『ゴブリンのやりくり上手』の効果でデッキからカードを4枚ドローし手札1枚をデッキに戻す。俺はこれを3回繰り返す」
十代:LP4000→7000
非常食
速攻魔法
(1):このカード以外の自分フィールドの
魔法・罠カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。
自分はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードの数×1000LP回復する。
ゴブリンのやりくり上手
通常罠
自分の墓地に存在する「ゴブリンのやりくり上手」の枚数+1枚を自分のデッキからドローし、自分の手札を1枚選択してデッキの一番下に戻す。
これで俺はライフを回復しつつ手札を一気に補充することに成功した。これによってタイタンは顔を顰めているが直ぐに気を取り直したのかカードを発動させた。
「ならば私は魔法カード『天使の施し』を発動。デッキからカードを3枚ドローし手札を2枚捨てる。そして『デーモンの騎兵』を生贄に『迅雷の魔王─スカル・デーモン』を召喚!」
『デーモンの騎兵』が光となって消えるとそこには新たに『デーモンの召喚』と似たような姿をした電気を纏った悪魔『迅雷の魔王─スカル・デーモン』が現れた。
迅雷の魔王─スカル・デーモン ☆6 ATK2500
迅雷の魔王─スカル・デーモン
効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う。
このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、その処理を行う時にサイコロを1回振る。
1・3・6が出た場合、その効果を無効にし破壊する。
「さらに私は手札から装備魔法『デーモンの斧』を『スカル・デーモン』に装備し攻撃力を1000アップする!」
迅雷の魔王─スカル・デーモン ATK2500→3500
「バトル!『スカル・デーモン』で『ノヴァマスター』を攻撃!!怒髪昇天撃!!」
『スカル・デーモン』から放たれた紫色の雷撃が『ノヴァマスター』に当たると爆散した。
「ぐあぁぁっ!!」
十代:LP7000→6100
ライフが減ったことにより俺もまたタイタンと同じように俺の右足が透けてしまった。
「どうだ遊城十代、体が消えていく感覚は?」
「俺は信じない!闇のデュエルなんてものが存在するなんて!!」
「威勢がいいな。だが、それも何時まで持つかな?私はこれでターンエンド」
俺はタイタンの言葉を否定するが、それに対して奴は不気味な笑みを浮かべながらターンを終えた。
タイタン:LP3300
手札:1枚
モンスター:迅雷の魔王─スカル・デーモン(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚 デーモンの斧(スカル・デーモン装備) 万魔殿─悪魔の巣窟─
十代:LP6100
手札:10枚
モンスター:E・HEROフォレストマン(守)
魔法・罠:なし
「俺のターンドロー!そしてスタンバイフェイズ時に『フォレストマン』の効果でデッキから『融合』を手札に加えるぜ」
これで俺の手札は融合を合わせて12枚となった。そしてこれによって『スカル・デーモン』をなんとかするためのカードは揃った。
「魔法カード『融合』!手札の『E・HEROネクロダークマン』と『E・HEROワイルドマン』を融合!闇の力を秘めし英雄よ、野生の力を秘めし英雄と交わりて霊を操りし呪術師の英雄へと生まれ変われ!融合召喚!現れろ、『E・HEROネクロイド・シャーマン』!!」
『ネクロダークマン』と『ワイルドマン』が黒い渦の中へと入り、渦が光り輝きその光が消えると俺の場に現れたのは赤い長髪に筋骨隆々の体をした仮面を被った英雄『E・HEROネクロイド眼・シャーマン』が現れた。
E・HEROネクロイド・シャーマン ☆6 ATK1900
E・HEROネクロイド・シャーマン
融合・効果モンスター
星6/闇属性/戦士族/攻1900/守1800
「E・HERO ワイルドマン」+「E・HERO ネクロダークマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動する。その相手モンスターを破壊する。
その後、相手の墓地からモンスター1体を選び、相手フィールドに特殊召喚する。
「『ネクロイド・シャーマン』の効果発動!このモンスターが特殊召喚に成功した場合、相手フィールド上のモンスター1体を破壊する。俺は『スカル・デーモン』を破壊!ネクロ・マジック!!」
『ネクロイド・シャーマン』は右手に握る錫杖を『スカル・デーモン』に向けると呪文を唱え始めた。すると『スカル・デーモン』の影から無数の黒い手が現れ闇へ引きずり込もうとしてきた。
「そうはさせん!私は『スカル・デーモン』の効果発動!このモンスターが相手モンスターの効果の対象に選ばれた時、サイコロを1回振る。これで1・3・6のいずれかの目が出たらその効果を無効にし破壊する」
タイタンが『スカル・デーモン』の効果を説明するとタイタンの目の前に1から6の数字が書かれた6つの玉が円になるように浮かび上がりルールットのように炎が玉から玉へと移動した。そして炎が泊まったのは『5』の数字が書かれた玉だった。
「よし!これで『スカル・デーモン』の効果は不発だ!!」
「それはどうかな?私は永続罠『でたら目』を発動!これによって私は今出した5の目を6の目として扱う。よって『ネクロイド・シャーマン』の効果を無効にし破壊する!」
「なんだって!?」
『スカル・デーモン』は身体中から紫色の電撃を一気に放つと『スカル・デーモン』を掴もうとしていた無数の黒い手を破壊し、電撃はそのまま『ネクロイド・シャーマン』を飲み込み破壊した。
でたら目
永続罠
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分または相手がサイコロを振った場合、その内1つの目を以下の目として適用できる。
●1・3・5が出た場合:6として扱う。
●2・4・6が出た場合:1として扱う。
「くっ!なら俺は『E・HEROクリスタル・レディ』を守備表示で召喚しカードを3枚伏せてターンエンドだ」
このターン、攻撃するためのカードがないためここは守備を固めることにした。しかしこの時の俺はまだ気づいていなかった。奴の言う闇のデュエルの恐ろしさはこれからだと言うことに・・・・
E・HEROクリスタル・レディ(オリカ)
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1000/守2000
(1):1ターンに1度、このモンスターが戦闘で破壊される時、代わりにデッキから同じ攻撃力または守備力の《HERO》と名のつくモンスターを墓地に送ることで破壊を無効に出来る
タイタン:LP3300
手札:1枚
モンスター:迅雷の魔王─スカル・デーモン(攻)
魔法・罠:でたら目 デーモンの斧(スカル・デーモン装備) 万魔殿─悪魔の巣窟─
十代:LP6100
手札:5枚
モンスター:E・HEROフォレストマン(守) E・HEROクリスタル・レディ(守)
魔法・罠:リバースカード3枚
十代sideout
刹那side
「十代ー!どこにいるんだー!!」
「いたら返事しろー!!」
十代を追って彩人と共に特待生寮へと入ったはいいものの十代はおろか藤原たちすら見つけられないでいた。
「ここは別れて探すか?」
「いや、流石にそれは悪手だよ。この寮の中で何が起こっているかも分からないのに別れるのは危険すぎる」
俺は十代達が中々見つからないことから二手に別れて探すことを提案したが、この寮の中で何が起こっているかも分からないために別れることは危険であるとしてそれを否定した。
そして十代達を探しながら特待生寮を進んでいくと特待生が使っていたと思えるデュエル場に辿り着いた。周囲を見渡していると俺達の間を1枚のカードが飛んできた。
「「っ!?」」
「チッ、外れたか」
カードが飛んできた方を見るとそこには赤と金のオッドアイをした銀髪のオベリスクブルーの制服を着た男がいた。
「誰だお前は」
俺と彩人は銀髪の男を睨みながら尋ねた。オベリスクブルーに入ったばかりだから俺も全員知っている訳では無いが銀髪にオッドアイズなんて目立つような生徒なんて見た覚えがない。
「俺様の名前は皇アキラ。あるお方の命令により如月刹那!貴様を始末する!!」
「なに?」
皇アキラと名乗った男は俺に対して指さしながらそう言ってきた。俺はその言葉に思わず眉を顰めたが最近の出来事から奴の狙いを予想した俺はデッキから2枚のカードを取り出した。
「貴様の狙いはこのカードたちか?」
俺は奴に見えるように見せたのは『レッド・デーモンズ・ドラゴン』と『ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン』の2枚だった。この2枚のカードはペガサス会長がデザインした世界に1枚ずつしか存在しないカードの一種であり、その希少価値からこのカードたちを盗もうと考える奴は今まで何度もいた。こいつもその1人だろうと予想できる。
「情報通り貴様がそのカードたちを持っていたか。それは貴様のようなモブが持つべきではない!俺様のような選ばれし主人公が持つべきカードなんだよ!!」
奴は『レッド・デーモンズ・ドラゴン』と『ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン』を見ると訳の分からない言葉をほざきながらデュエルディスクを構えてきた。
「貴様の言っていることの意味は理解できないが、いいだろうデュエルを受けてやるよ」
本来ならばこんな奴を無視して十代を探すべきなんだろうが、コイツを無視すると何か厄介な事がありそうなのでデュエルで叩きのめした方が手っ取り早い。
「彩人悪いが・・・」
「分かってる。ここは刹那に任せるから俺は十代を探す」
「任せたぞ」
「ああ、そっちも気をつけろよ」
彩人はそう言ってこの場から離れて十代を探しに行った。これで十代の方は一応安心できるからさっさとコイツを倒して俺も十代を探そう。
「「
刹那sideout
十代「今日の最強カードは『迅雷の魔王─スカル・デーモン』!!」
迅雷の魔王─スカル・デーモン
効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う。
このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、その処理を行う時にサイコロを1回振る。
1・3・6が出た場合、その効果を無効にし破壊する。
刹那「このカードは今回登場したタイタンがアニメにて十代と戦う時に使用したカードで、決闘王武藤遊戯が昔から使用している主力モンスター『デーモンの召喚』と類似した姿をしているぞ」
十代「今回のように『でたら目』の効果を使えばサイコロは100%で当たるぜ!」
刹那「ただしこれはあくまでも『スカル・デーモン』を対象に取る効果に有効なので『冥帝エレボス』などのような対象を取らない効果などには簡単に除去されてしまうからそこは気をつけような」
十代「次回も楽しみにしてくれよな!」
あとがき
皆さんこんにちは有頂天皇帝です。今回はアニメにて初めて十代が闇のデュエルを経験した特待生のでのタイタンとのデュエルと刹那と謎の敵とのデュエル前編です。今回、ちょろっと登場したタッグフォースのキャラにしてヒロインとしても有名なツァン・ディレが登場しました。彼女のデッキは六武衆ではなく様々な召喚法が行える戦士族デッキにする予定なのですが、おすすめの戦士族モンスターがいたら教えて貰えるとありがたいです。特待生寮でのデュエルは1、2話で終わらせる予定です。
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第11話 迫り来る恐怖
今回、pixivにて遊戯王小説を投稿している探究者さんの『龍と共に道を歩く者』に登場する『サイバー・オーバー』が登場します。
アキラside
俺の名前は皇アキラ。ある人物によってこの世界とは別の世界、『融合次元』に転生した人間である。今回はプロフェッサーである赤馬零王の命令を受けて『シグナーの竜』と『四天の龍』のカードをこの男、如月刹那から2枚のカードを回収するようになっている。
プロフェッサーが何を考えているかは知らないがこれはチャンスだ。
コイツにデュエルで勝利し2枚のカードをプロフェッサーに献上することが出来れば今俺のデッキに入っているあのカードよりも強力なカードが貰え、ゆくゆくはこの世界の主人公である遊城十代を始末し奴のヒロインを全員俺の物にしハーレムを築くことだって夢では無いのだ!
故にこのデュエル、必ず俺が勝つ!
「俺様の先行ドロー!俺様は『プロト・サイバー・ドラゴン』を召喚!」
プロト・サイバー・ドラゴン ☆3 ATK1100
プロト・サイバー・ドラゴン
効果モンスター
星3/光属性/機械族/攻1100/守 600
このカードのカード名は、フィールド上に表側表示で存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。
「そして魔法カード『融合』を発動!手札の『サイバー・ドラゴン』2体とフィールドにいる『プロト・サイバー・ドラゴン』で融合!!三体の機光龍が交わることによって、今ここに偉大なる機光龍が姿を現す!融合召喚!!現れろ、『サイバー・エンド・ドラゴン』!!」
鉄の体をした2体の機光龍『サイバー・ドラゴン』とフィールドにいるみすぼらしい鉄の体をした機光龍『プロト・サイバー・ドラゴン』が黒い渦の中へと入っていき、渦が光り輝きその光が消えると俺の場に三つの頭を持った巨大な翼を得た偉大なる機光龍『サイバー・エンド・ドラゴン』が咆哮を上げながら現れた。
サイバー・エンド・ドラゴン ☆10 ATK4000
サイバー・エンド・ドラゴン
融合・効果モンスター
星10/光属性/機械族/攻4000/守2800
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
「『サイバー・エンド・ドラゴン』・・・厄介なモンスターが現れたな」
奴は俺の場に現れた『サイバー・エンド・ドラゴン』を警戒するように見ているがそんな事は無駄だ。何故ならこのターンで決着をつけるのだからな!
「俺は速攻魔法『時の女神の悪戯』を発動!これによりターンをスキップし俺のターンのバトルフェイズとなる!」
「なんだと!?」
時の女神の悪戯(アニメ効果)
速攻魔法
1ターンスキップし、自分のターンのバトルフェイズとする。
「バトルだ!『サイバー・エンド・ドラゴン』で奴にダイレクトアタック!!エターナル・エヴォリューション・バースト!!」
「手札の『バトル・フェーダー』の効果発動!ダイレクトアタックを受ける時、手札のこのモンスターを特殊召喚し、バトルフェイズを強制的に終了させる!」
『サイバー・エンド・ドラゴン』の三つの口から放たれた極太の光線が奴を襲うが、奴の前に現れた小さな悪魔『バトル・フェーダー』ご振り子時計のように鐘を鳴らすと障壁のようなものが発生し、『サイバー・エンド・ドラゴン』の攻撃を防いだ。
バトルフェーダー ☆1 DEF0
バトルフェーダー
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
「チッ、俺はこれでターンエンドだ」
ワンターンキルを決めるつもりだったがそう簡単にはいかないか。運の良い奴め。
だが、奴のデッキには俺の『サイバー・エンド・ドラゴン』を超える攻撃力を持ったモンスターがいるわけが無い。仮に破壊された所で俺のデッキにはまだあのモンスターがいるのだから問題ない。
アキラ:LP4000
手札:1枚
モンスター:サイバー・エンド・ドラゴン(攻)
魔法・罠:無し
刹那:LP4000
手札:4枚
モンスター:バトル・フェーダー(守)
魔法・罠:無し
アキラsideout
刹那side
「(『バトル・フェーダー』が手札にいなかったら負けていたな・・・)」
まさか『時の女神の悪戯』を使ってのワンターンキルを狙ってくるとは予想外だった。しかも相手の場にいるのは攻撃力4000の貫通能力を持つ『サイバー・エンド・ドラゴン』だ。このターンで何かしなければ次のターンで『バトル・フェーダー』を攻撃されて終わってしまう。
「俺のターンドロー!」
そして俺はデッキからドローしたカードを見るとそれは『邪帝ガイウス』だった。
邪帝ガイウス
効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2400/守1000
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを除外し、除外したカードが闇属性モンスターカードだった場合、相手に1000ダメージを与える。
「(よし、このカードなら何とかなるな)俺は『バトル・フェーダー』を生贄に『邪帝ガイウス』を召喚!『バトル・フェーダー』は場から離れたことによってゲームから除外される」
『バトル・フェーダー』が消え、代わりに俺の場に邪悪な瘴気を纏った鎧を着た闇の皇帝『邪帝ガイウス』が現れた。
邪帝ガイウス ☆6 ATK2400
「『ガイウス』の効果発動!このモンスターが生贄召喚に成功した時、フィールドのカード1枚を除外する。俺は『サイバー・エンド・ドラゴン』を除外!ディメンション・ホール!!」
『ガイウス』は右手を『サイバー・エンド・ドラゴン』に向けると黒球を放ち、黒球が当たった『サイバー・エンド・ドラゴン』はそのまま黒球に吸い込まれていき黒球と共に完全に消え去ってしまった。
「くそっ!『サイバー・エンド・ドラゴン』がこうも簡単にやられるとはっ!!」
奴は『サイバー・エンド・ドラゴン』が倒されたことに悔しさを隠せずに顔を歪ませる。だが、容赦はしない。
「バトルだ。『ガイウス』でプレイヤーにダイレクトアタック!」
『ガイウス』は拳に闇の瘴気を纏わせるとそのまま奴に叩きつけた。
「へぶっ!?」
アキラ:LP4000→1600
「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
これ以上攻撃を行うことは出来ないためカードを伏せてターンを終了させるが油断はしない。気を抜かず最後まで全力で自分のデュエルをする。
アキラ:LP1600
手札:1枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
刹那:LP4000
手札:2枚
モンスター:邪帝ガイウス(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
刹那sideout
アキラside
「クソがっ!!俺のターンドロー!」
まさか『サイバー・エンド・ドラゴン』がこうもあっさりと倒されるとは・・・しかも召喚するために手札をかなり使ってしまったので手札が心もとない。仕方が無いので俺はこのカードを使うことにした。
「俺は魔法カード『壺の中の魔導書』を発動し互いのプレイヤーはデッキからカードを3枚ドローする。さらに『強欲な壺』を発動しデッキから2枚ドロー」
強欲な壺
通常魔法
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
壺の中の魔導書(未OCG)
通常魔法
互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする。
奴の手札も増やしてしまったがこれで奴を倒すために必要なカードは揃った。
「俺はライフを半分払って速攻魔法『サイバネティク・フュージョン・サポート』を発動!これによって俺は1度だけ融合召喚する時に墓地のカードを素材にすることが出来る!!」
アキラ:LP1600→800
サイバネティク・フュージョン・サポート
速攻魔法
ライフポイントを半分払って発動できる。
このターン、自分が機械族の融合モンスターを融合召喚する場合に1度だけ、その融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを
自分の手札・フィールド上・墓地から選んでゲームから除外し、これらを融合素材にできる。
「サイバネティック・フュージョン・サポート」は1ターンに1枚しか発動できない。
「俺は魔法カード『パワーボンド』を発動!墓地から2体の『サイバー・ドラゴン』をゲームから除外して融合召喚を行う!2体の機光龍が交わることによって、双頭の機光龍へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れよ、『サイバー・ツイン・ドラゴン』!!」
2体の『サイバー・ドラゴン』が黒い渦の中へと入っていき、渦が光り輝きその光が消えると俺の場に双頭の機光龍『サイバー・ツイン・ドラゴン』が現れた。
サイバー・ツイン・ドラゴン ☆8 ATK2800
パワー・ボンド
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、機械族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は、その元々の攻撃力分アップする。
このカードを発動したターンのエンドフェイズに自分はこの効果でアップした数値分のダメージを受ける。
サイバー・ツイン・ドラゴン
融合・効果モンスター
星8/光属性/機械族/攻2800/守2100
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
(1):このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
「そして!『パワー・ボンド』の効果によって『サイバー・ツイン・ドラゴン』の攻撃力は倍になる!!」
サイバー・ツイン・ドラゴン ATK2800→5600
「バトルだ!『サイバー・ツイン・ドラゴン』で『ガイウス』を攻撃!エヴォリューション・ツイン・バースト!!」
『サイバー・ツイン・ドラゴン』の片方の頭の口から放たれた極太のレーザー光線は『ガイウス』を飲み込み、『ガイウス』は撃破されその衝撃が奴を襲う
「くっ!」
刹那:LP4000→800
「『サイバー・ツイン・ドラゴン』は1度のバトルフェイズで2回攻撃することが可能!これで終わりだ!エヴォリューション・ツイン・バースト第二波ァ!!」
「手札の『クリボー』の効果発動!手札のこのカードを墓地に送ることで戦闘ダメージを0にする!!」
『サイバー・ツイン・ドラゴン』が反対の頭の口からレーザー光線が放たれたが、奴の目の前に『クリボー』が現れその攻撃を防いだ。
「さらに俺はトラップ発動!『ショック・ドロー』!!このターン、3200のダメージを受けたのでデッキからカードを3枚ドローする!」
ショック・ドロー(未OCG)
通常罠
バトルフェイズ終了時にのみ発動する事ができる。
このターン中に受けたダメージ1000ポイントにつき、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
「ちぃっ!しぶとい奴め!!俺は永続魔法『サイバー・ヴェール』を発動!これによって俺が受ける効果ダメージは全て無効になり、俺はその数値だけライフを回復する」
サイバー・ヴェール(オリカ)
永続魔法
(1):このカードが表側表示で存在する限り、自分が受ける効果ダメージは無効となり、自分はその数値分ライフを回復する。
(2):墓地のこのカードを除外することでデッキから『サイバー』と名のつくモンスター1体を手札に加えることが出来る。
「俺はこれでターンエンド。そしてこの瞬間、『パワー・ボンド』のデメリットによって俺は2800ポイントのダメージを受けるが、『サイバー・ヴェール』の効果でダメージは無効になり代わりに2800ポイントライフを回復する」
アキラ:LP800→3600
(チッ、ライフを削るのには成功したが奴にカードをドローさせ過ぎたな)
このターンで奴のライフを800まで削ることが出来たが、その代償として奴にカードをドローさせてしまった。だが問題ない。例え奴が『サイバー・ツイン・ドラゴン』を倒したところで手札にいる
俺は内心の笑みを隠しながらターンを終了した。せいぜい奴の足掻きを見させてもらおうか
アキラ:LP3600
手札:2枚
モンスター:サイバー・ツイン・ドラゴン(攻)
魔法・罠:サイバー・ヴェール(永続魔法)
刹那:LP800
手札:7枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
アキラsideout
刹那side
奴の場には『パワー・ボンド』の効果によって攻撃力が倍になっている『サイバー・ツイン・ドラゴン』がいる。厄介ではあるが俺のデッキならば
対処する手段はあるので問題ないが、奴のあの余裕そうな表情から何か企んでいる可能性は高いので警戒するに越したことはないな。
「俺のターンドロー。俺は墓地の闇属性モンスター『邪帝ガイウス』を除外し手札から『闇の精霊ルーナ』を特殊召喚する」
闇の精霊ルーナ ☆4 ATK1600
闇の精霊ルーナ
特殊召喚・効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守1200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地から闇属性モンスター1体を除外した場合に特殊召喚できる。
(1):自分スタンバイフェイズに発動する。
相手に500ダメージを与える。
「さらに『ヘルウェイ・パトロール』を召喚!」
ヘルウェイ・パトロール ☆4 ATK1600
ヘルウェイ・パトロール
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守1200
(1):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。そのモンスターの元々のレベル×100ダメージを相手に与える。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。手札から攻撃力2000以下の悪魔族モンスター1体を特殊召喚する。
「レベル4のモンスターが2体。来るか、あのモンスターが」
どうやら奴は俺が何をするつもりなのか読んでいるようだが関係ない。このまま続ける!
「俺はレベル4の『闇の精霊ルーナ』と『ヘルウェイ・パトロール』でオーバーレイ!!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
☆4+☆4=★4
『ルーナ』と『ヘルウェイ・パトロール』が紫色の光の球となって黒い渦の中へと飛び込むと黒い渦は様々な光を飛ばしながら爆発した。
「闇に潜みし反逆の龍よ、その牙で敵を穿て!!現れよ、『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!!」
そして黒い煙の中、電気を走らせながら『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』が現れた。
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ★4 ORU2 ATK2500
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン
エクシーズ・効果モンスター(OCG版)
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
レベル4モンスター×2
(1):このカードのX素材を2つ取り除き、
相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を半分にし、その数値分このカードの攻撃力をアップする。
「現れたか!『四天の龍』が!!」
『四天の龍』?奴は『ダーク・リベリオン』について何か知っているのか?いや、それもデュエルで奴を倒して聞き出せばいいだけの事だ。
「俺は『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』の効果発動!ORUを2つ取り除き、『サイバー・ツイン・ドラゴン』の攻撃力を半分にし、その数値分『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』の攻撃力を上げる!トリーズン・ディスチャージ!!」
『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』の周囲を回っていた2つのORUが『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』の体内に取り込まれると翼が展開し紫色の閃光で『サイバー・ツイン・ドラゴン』を縛り上げ、攻撃力を吸収した。
サイバー・ツイン・ドラゴン ATK5600→2800
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ORU2→0 ATK2500→5300
これで『ダーク・リベリオン』の攻撃力は奴のモンスターの攻撃力を上回った。奴の場にはカードもセットされていないのでここは責めるべきだ。
「バトル!『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』で『サイバー・ツイン・ドラゴン』を攻撃!反逆のライトニング・ディスオベイ!!」
『ダーク・リベリオン』がその身に紫電を纏わせ飛翔し、顎の鋭い牙に雷が集約し『サイバー・ツイン・ドラゴン』の機械の体を貫いた。
「ぐはっ!?」
アキラ:LP3600→1100
『サイバー・エンド・ドラゴン』に続いて『サイバー・ツイン・ドラゴン』も倒した。流れは完全に俺に来ていると思うが油断は禁物だ。
「俺はカードを2枚伏せてターンエンド」
アキラ:LP3600
手札:2枚
モンスター:無し
魔法・罠:サイバー・ヴェール(永続魔法)
刹那:LP800
手札:3枚
モンスター:ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン(攻)
魔法・罠:リバースカード3枚
「俺のターンドロー。思ったよりもやるようだがそれもここまでだ」
「なんだと?」
奴はニヤリと笑みを浮かべながらそんなことを言ってきた。俺はそんな奴の態度に言いしれない不安を感じた。
「まずは魔法カード『魂の解放』を発動し墓地の『サイバー・ツイン・ドラゴン』と『プロト・サイバー・ドラゴン』を除外する」
魂の解放
通常魔法
お互いの墓地のカードを合計5枚まで選択し、そのカードをゲームから除外する。
(何を狙っている?)
『魂の解放』を発動してきたので俺の墓地のモンスターを除外するかと思ったが、何故か自分のカードを除外している。『次元融合』を使えばモンスターを一気に召喚できるがそのためには2000のライフを支払わなければならないのでライフが1100しかない奴にはそれも出来ない。一体奴は何を狙っているんだ?
「クックック、貴様に見せてやろう。『サイバー・オーバー』の偉大なる力を!!」
「『サイバー・オーバー』?」
奴は手札から1枚のカードを取りながら笑みを浮かべてきた。その手に握るカードから何か嫌な気配を感じて思わず固唾を飲んだ。
「このモンスターは5体以上の光属性モンスターが除外されている場合のみ特殊召喚できる。呪いの邪眼を秘めし機械の悪魔よ、その呪いで愚かな敵を殲滅せよ!現れろ、『サイバー・ガストレイゲイズ』!!」
奴の場に幾本の蛇のような触手に巨大な目玉が特徴的な機械の体をした悪魔のようなものが現れた。
サイバー・ガストレイゲイズ ☆10 ATK3600
サイバー・ガストレイゲイズ(探究者さんオリカ)
効果モンスター
レベル10/光属性/機械族/ATK3600/DEF3200
このカードは通常召喚できない。
5体以上の光属性モンスターが除外されている場合のみこのカードは特殊召喚する事ができる。
このカードの特殊召喚が成功した時、相手フィールド上に存在する全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。
このカードは魔法・罠・モンスター効果では破壊されない。
又、このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した場合、もう1度だけ攻撃することができる。
「な、なんだ。このモンスターは・・・」
俺は目の前にいる『サイバー・ガストレイゲイズ』から感じる言い知れぬ恐怖にそれ以外の言葉が出なかった。
そして俺はこの後思い知るのだった。
『サイバー・オーバー』と呼ばれるこのカードの恐ろしさを・・・・
刹那sideout
タイタンside
私の名はタイタン。ある人物から今デュエルをしている遊城十代を闇のデュエルで倒すように依頼を受けている。今は奴の方がライフが多いが私の場には攻撃力の上がっている『スカル・デーモン』がおり、反対に奴は攻撃する手段ごないようで雑魚モンスターで守備を固めていた。
このまま進めば私の勝ちは揺らがないだろう。っと今は私のターンだったな。
「私のターンドロー。私は『ランサー・デーモン』を召喚」
ランサー・デーモン ☆4 ATK1600
ランサー・デーモン
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守1400
相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを攻撃対象とした自分のモンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
そのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
「バトル!『スカル・デーモン』で『フォレストマン』を攻撃!この瞬間、『ランサー・デーモン』の効果が発動し、これによって『スカル・デーモン』は攻撃力が相手の守備モンスターの守備力の差の分ダメージを与える!」
『スカル・デーモン』がその手に握る斧を『フォレストマン』に振り下ろすとそのまま破壊しその破壊された衝撃を遊城十代にダメージとして与えた。
「ぐあぁぁぁぁっ!?」
十代:LP6100→4600
ダメージを受けたことによって今度は奴の右腕が透けてきた。
「私はこれでターンエンドだ」
タイタン:LP3300
手札:1枚
モンスター:迅雷の魔王─スカル・デーモン(攻) スカル・デーモン(攻)
魔法・罠:でたら目 デーモンの斧(スカル・デーモン装備) 万魔殿─悪魔の巣窟─
十代:LP4600
手札:5枚
モンスター:E・HEROクリスタル・レディ(守)
魔法・罠:リバースカード3枚
「俺のターンドロー!くっ、俺は『E・HEROスパークマン』を召喚」
E・HEROスパークマン ☆4 ATK1600
E・HEROスパークマン
通常モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1600/守1400
様々な武器を使いこなす、光の戦士のE・HERO。聖なる輝きスパークフラッシュが悪の退路を断つ。
「バトル!『スパークマン』で『ランサー・デーモン』を攻撃!スパークフラッシュ!!」
「迎え撃て『ランサー・デーモン』!」
『スパークマン』が『ランサー・デーモン』に掌から電撃を放ち、『ランサー・デーモン』は電撃を受けながら『スパークマン』に近づくと槍となっている腕でその体を貫き2体は破壊された。
「俺はこれでターンエンドだ・・・」
遊城十代は為す術もないのか『ランサー・デーモン』を破壊しただけでターンを終わらせた。
「なら私のターンドロー。カードをセットしてバトル!『スカル・デーモン』で『クリスタル・レディ』を攻撃!」
「『クリスタル・レディ』の効果発動!デッキからこのモンスターと同じ攻撃力または守備力の『HERO』を墓地に送ることで破壊を無効にする。俺はデッキから守備力2000の『クレイマン』を墓地に送る!!」
『スカル・デーモン』が再び斧を振り下ろそうとするが、姫騎士のような鎧ドレスを着た青髪の女英雄『クリスタル・レディ』は目の前に水晶で出来た『クレイマン』の像を作り出すとその攻撃を水晶の『クレイマン』の像が防ぎ、破壊を免れた。
E・HEROクリスタル・レディ(オリカ)
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1000/守2000
(1):1ターンに1度、このモンスターが戦闘で破壊される時、代わりにデッキから同じ攻撃力または守備力の『HERO』と名のつくモンスターを墓地に送ることで破壊を無効に出来る
「むぅ破壊できなかったか。なら私はこれでターンエンドだ」
奴の場のモンスターを破壊できなかったが問題ない。このままいけば私の勝ちは間違いないのだから奴が何をしようと問題無いはずだ。
私がこのデュエルの勝利を確信してエンド宣言をしたその時だった。
「大丈夫か十代!!」
遊城十代の名前を叫びながら奴と同じ赤い制服を着た少年がこの場に現れた。
タイタンsideout
十代side
(くそっ、このままじゃ負けちまう・・・)
前のターン、『クリスタル・レディ』の効果で『スカル・デーモン』の攻撃を防げたが奴が攻撃力2000以上のモンスターを召喚すれば破壊されてしまう。
さらに闇のデュエルの影響なのか、意識が朦朧としてきた。その時だった。
「大丈夫か十代!!」
彩人の声が聞こえたので声のした方を見ると洞窟の入口にここまで走ってきたのか肩で息をしている彩人がいた。
「ぬぅっ!!まさか他の人間がここにやって来るとは!?まぁいい貴様もこれを見ろ!」
彩人の登場に驚いたタイタンは首に下げていた千年パズルを彩人に向けると千年パズルは光出した。
「させるか!」
「なにィっ!?」
しかし、彩人はデッキからカードを1枚取りだしそのカードを手裏剣のように投げ、そのカードはタイタンの千年パズルの目の部分に突き刺さった。
すると千年パズルから光が失われたのと同時に俺達の透けていた体の部分が元通りになっていた。
「そうか!その千年パズルによる光とこの煙がアンタのインチキの正体だったんだな!!」
恐らく最初に俺が『ノヴァマスター』でタイタンにダメージを与えた時に千年パズルからダメージを受けると体を透けてるように見える錯覚を与える催眠術のような光を放ち、それを誤魔化すためなどの理由に使っているこの煙を使ってこのデュエルが闇のデュエルだと錯覚させたのだろう。
「バレてしまっては仕方がない。依頼を果たせないことは悔しいがこれ以上貴様とデュエルする必要などない!!」
タイタンはそう言うと懐から煙幕玉を地面に投げつけその場を去ろうとする。
「逃がすか!待て!」
俺は逃げるタイタンを追おうとしたその時だった。突如、床から光が溢れたかと思えば黒い渦が発生しそれはこの場にいる俺達全員を取り込み、気がついたら俺達は暗黒の世界に立っていた。
「お前、性懲りも無くまたイカサマを!」
「ち、違う!私は何もしていない!・・・なっ、なんだ!?」
暗闇より現れた大量の黒いスライムのような小型モンスターが俺たちに向かって襲いかかってきた
「くっ、来るなぁ!助け・・・うわぁああああぁぁぁぁ!」
タイタンがそのモンスターの波に呑まれ、次には俺の足元にも群がってきた。
『クリクリ~!クリ~!』
デュエルディスクから『ハネクリボー』が実体化し、モンスターを追い払う
「ハネクリボー!・・・そうか、守ってくれるのか・・・それは心強いぜ」
『クリ~!』
俺は『ハネクリボー』に感謝の言葉を言うと『ハネクリボー』は目を細めながら笑みを浮かべてくれた。そしてタイタンの方を見るとタイタンを襲っていたモンスターの姿が消えていたが代わりにタイタンが怪しげな気配を纏っていた。
「デュエルを続けるぞ、遊城十代」
感情の籠っていない声をしたタイタンがデュエルディスクを構え直しながらそう言ってきた。そのあまりの変わりように不気味さを感じるがデュエルはまだ続いているのだから俺もデュエルディスクを構え直す。
そして、俺はこの後思い知ることになるのだった。本当の闇のデュエルの恐ろしさを・・・
十代sideout
「今日の最強カードは『パワー・ボンド』!機械族専用の融合魔法だ!」
パワー・ボンド
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、機械族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は、その元々の攻撃力分アップする。
このカードを発動したターンのエンドフェイズに自分はこの効果でアップした数値分のダメージを受ける。
刹那「このカードを使って融合召喚された機械族融合モンスターの元々の攻撃力は倍になるため今回の『サイバー・ツイン・ドラゴン』のように高い攻撃力による連続攻撃を行ったり、『サイバー・エンド・ドラゴン』や『古代の機械究極巨人』のような貫通能力を持つ高い攻撃力を持つモンスターで1ターンキルを狙うこともかのうだ」
十代「でもエンドフェイズにその上がった数値分のダメージを受けるデメリットがあるからそれに気をつける必要があるぜ」
刹那「だから『パワー・ボンド』を入れるならダメージを無効にする『サイバー・ジラフ』や逆にライフ回復に変える『レインボー・ライフ』などをデッキに入れた方がいいな」
十代「次回も楽しみにしてくれよな!!」
こんにちは有頂天皇帝です。今回登場した『サイバー・ガストレイゲイズ』はpixiv出小説を投稿している探究者さんの小説『龍と共に道を歩く者』に登場する『サイバー・オーバー』の一枚です。この作品では今後、今回のように他作者さんから許可を貰えばその作品のカードが出てくることもあります。そして、次回で特待生寮でのデュエルは終了しますが、その後の展開である制裁デュエルで相手として出て欲しいキャラとかいたら教えてください。今のところ相手は3人にする予定で1人はみなさんもよく知っている虫野郎です。
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第12話 決着!闇のデュエル!!
今回で特待生寮で行われていたデュエルは終わります。原作とは異なる展開のほか、新たな敵の存在が少しだけ出てきます。
遊刹那side
(一体なんなんだこのモンスターは・・・?)
俺は奴が召喚したモンスター『サイバー・ガストレイゲイズ』から発せられる闇の瘴気に警戒をしながら奴のモンスターを見る。
「『サイバー・ガストレイゲイズ』の効果発動!このモンスターが特殊召喚に成功した時、相手フィールド上のモンスター全ての攻守を半分にする!!喰らえ!サイバー・イーヴィルアイ!!」
「なんだと!?」
俺は『サイバー・ガストレイゲイズ』の恐ろしい効果に驚いていると、『サイバー・ガストレイゲイズ』はその巨大な目を怪しく光らせその光を浴びた『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』は苦しい雄叫びを上げながら弱体化してしまった。
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ATK5600/DEF2000→ATK2800/DEF1000
サイバー・ガストレイゲイズ(探究者さんオリカ)
効果モンスター
星10/光属性/機械族/ATK3600/DEF3200
このカードは通常召喚できない。
5体以上の光属性モンスターが除外されている場合のみこのカードは特殊召喚する事ができる。
このカードの特殊召喚が成功した時、相手フィールド上に存在する全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。
このカードは魔法・罠・モンスター効果では破壊されない。
又、このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した場合、もう1度だけ攻撃することができる。
「バトルだ!『サイバー・ガストレイゲイズ』で『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』を攻撃!ウロボロス・ドグマ!!」
『サイバー・ガストレイゲイズ』は自らの蛇のような触手たちで『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』に攻撃してくる。
「させるか!俺はトラップ発動!『幻影騎士団シャドーベイル』を発動し、『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』の攻撃力を400ポイントアップ!それにチェーンして速攻魔法『非常食』を発動し『シャドーベイル』を墓地に送ってライフを1000ポイント回復する」
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ATK2800→3200
刹那:LP800→1800
通常罠
(1):自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
(2):このカードが墓地に存在する場合、相手の直接攻撃宣言時に発動できる。
このカードは通常モンスター(戦士族・闇・星4・攻0/守300)となり、モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する(罠カードとしては扱わない)。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
非常食
速攻魔法
(1):このカード以外の自分フィールドの
魔法・罠カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。
自分はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードの数×1000LP回復する。
『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』の攻撃力を上げ、ライフを回復したことでこの攻撃による敗北を防げたと思ったその時だった。
「ッ!?ぐわああああっ!?」
刹那:LP1800→1000
『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』か破壊された衝撃が俺に襲ってきたがその衝撃は通常のデュエルと違って本物のように俺の体に衝撃が走った。
「はははははっ!どうだ思い知ったか!!これこそが偉大なる『サイバー・オーバー』の力!コイツが現れたその瞬間からこのデュエルは闇のデュエルになってるんだよ!!」
奴は高笑いを上げながらこの衝撃の原因を教えてきた。
「まだ俺の攻撃は終わっていない!『サイバー・ガストレイゲイズ』は相手モンスターを破壊した場合もう一度攻撃が出来る!これでくたばれ!!ウロボロス・ドグマ第二波ァ!!」
「トラップ発動!『ガード・ブロック』!!ダメージを無効にしてデッキからカードを一枚ドローする!」
迫ってくる蛇のような触手たちの攻撃を俺の周りを覆うように貼られた薄いバリアが防いでくれたが、衝撃までは防げなかったのか、俺は吹き飛ばされてしまった。
「ガハァっ!?」
ガード・ブロック
通常罠
相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。
その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする
「チッ、防がれたか俺はこれでターンエンドだ」
奴は舌打ちをしながらエンド宣言を行うがその顔からは余裕が見て取れた。
アキラ:LP3600
手札:1枚
モンスター:サイバー・ガストレイゲイズ(攻)
魔法・罠:サイバー・ヴェール(永続魔法)
刹那:LP1000
手札4枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
「俺の、ターン、ドロー!」
俺は体の痛みを抑えながら立ち上がるとデッキからカードをドローする。
「くっ、俺はモンスターとカードをセットしてターンエンドだ・・・」
しかし、あの厄介な『サイバー・ガストレイゲイズ』に対抗できるようなカードを引けなかった為にモンスターとカードをセットすることしか出来なかった。
「ハッ!守りに入ったところで俺の場に『サイバー・ガストレイゲイズ』がいる限りそんな事しても無駄なんだよ!!俺のターンドロー!そしてバトル!『サイバー・ガストレイゲイズ』その雑魚モンスターを攻撃!ウロボロス・ドグマ!」
『サイバー・ガストレイゲイズ』の攻撃がセットモンスターに迫り、攻撃されたセットモンスターが姿を現すとそのモンスターは『ダーク・リゾネーター』だった。
ダーク・リゾネーター ☆3 DEF300
ダーク・リゾネーター
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1300/守 300
(1):このカードは1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。
「『ダーク・リゾネーター』は1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない」
「くそがっ!モンスターを倒せなきゃ『サイバー・ガストレイゲイズ』追加攻撃が出来ない!!俺はこれでターンエンドだ!」
アキラ:LP3600
手札:2枚
モンスター:サイバー・ガストレイゲイズ(攻)
魔法・罠:サイバー・ヴェール(永続魔法)
刹那:LP1000
手札4枚
モンスター:ダーク・リゾネーター(守)
魔法・罠:無し
「俺のターンドロー。俺はこのままターンエンド・・・」
今は『ダーク・リゾネーター』で少しでも耐えてあのモンスターを倒すのに必要なカードが来るのを待つしかないっ・・・!
「俺のターンドロー!俺は『サイバー・フェニックス』を召喚!」
しかし、俺の願いも虚しく奴の場に新たなモンスターが現れてしまった。
サイバー・フェニックス ☆4 ATK1200
サイバー・フェニックス
効果モンスター
星4/炎属性/機械族/攻1200/守1600
(1):このカードがモンスターゾーンに攻撃表示で存在する限り、
自分フィールドの機械族モンスター1体のみを対象とする魔法・罠カードの効果は無効化される。
(2):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
「バトルだ!まず『サイバー・フェニックス』で『ダーク・リゾネーター』を攻撃!」
「『ダーク・リゾネーター』は1ターンに1度だけ戦闘では破壊されないっ」
「だが2度目はない!『サイバー・ガストレイゲイズ』で『ダーク・リゾネーター』を攻撃!!」
「くっ!」
1度は耐えた『ダーク・リゾネーター』だが、2度目の攻撃を防ぐことは出来ず為す術もなく破壊されてしまった。
「『サイバー・ガストレイゲイズ』で再び攻撃!ウロボロス・ドグマァ!!」
「墓地に存在する『幻影騎士団シャドーベイル』の効果発動!直接攻撃を受ける時、墓地からこのカードをモンスター扱いで守備表示で特殊召喚する!!」
再び『サイバー・ガストレイゲイズ』の攻撃が俺に襲いかかってくるが、俺の前に『シャドーベイル』が現れた。
幻影騎士団シャドーベイル ☆4 DEF300
「ならその雑魚を破壊だ!」
『サイバー・ガストレイゲイズ』は攻撃対象を俺から『シャドーベイル』に変えるとそのまま破壊した。
「フィールドから離れた『シャドーベイル』はゲームから除外される」
「俺はカードを伏せてターンエンドだ!さぁこれでお前を守るカードは無くなった!次のターンで終わりにしてやるよ!!」
アキラ:LP3600
手札:1枚
モンスター:サイバー・ガストレイゲイズ(攻) サイバー・フェニックス(攻)
魔法・罠:サイバー・ヴェール(永続魔法) リバースカード1枚
刹那:LP1000
手札5枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
「俺の、ターン!!俺は魔法カード『手札抹殺』を発動!互いのプレイヤーは手札を全て捨てデッキから捨てた枚数と同じ数ドローする。俺は5枚ドロー!さらに墓地に送られた『代償の宝札』の効果で2枚ドロー!」
「俺も1枚捨てて1枚ドローする」
墓地にカードを落としつつ手札を増やしたが、それでも『サイバー・ガストレイゲイズ』を倒すためのカードはまだ揃わないでいた。
手札抹殺
通常魔法
手札があるプレイヤーは、その手札を全て捨てる。その後、それぞれが捨てた枚数分デッキからドローする
代償の宝札(未OCG)
通常魔法
このカードが手札から墓地に送られた時、デッキからカードを2枚ドローする
「まだだ!俺はさらに魔法カード『終わりの始まり』を発動!墓地から『ダーク・リゾネーター』、『変溶王ヘル・ゲル』、『闇の精霊ルーナ』、『クリボー』、『闇黒の魔王ディアボロス』を除外してデッキから3枚ドロー!」
手札を増やしたことによってようやく揃った。奴を倒すためのカードたちが
終わりの始まり
通常魔法
自分の墓地に闇属性モンスターが7体以上存在する場合に発動する事ができる。自分の墓地に存在する闇属性モンスター5体をゲームから除外する事で、自分のデッキからカードを3枚ドローする。
「墓地に闇属性モンスターが3体の場合のみこのモンスターは特殊召喚できる。闇に染まりし鎧竜よ、その力で刃向かう敵を討ち滅ぼせ!こい、『ダーク・アームド・ドラゴン』!!」
闇より現れたのは俺が最も信頼するモンスター『ダーク・アームド・ドラゴン』だ。
ダーク・アームド・ドラゴン ☆7 ATK2800
ダーク・アームド・ドラゴン
特殊召喚・効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守1000
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の闇属性モンスターが3体の場合のみ特殊召喚できる。
(1):自分の墓地から闇属性モンスター1体を除外し、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
「無駄だ!『サイバー・ガストレイゲイズ』はあらゆる効果で破壊されない!!」
「ならその伏せカードを破壊するだけだ!『ダーク・アームド・ドラゴン』の効果発動!墓地から闇属性モンスター1体を除外することでフィールドのカードを破壊する。俺は墓地から『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』と『クリッター』を除外してその伏せカードを破壊する。ジェノサイド・カッター!!」
『ダーク・アームド・ドラゴン』が雄叫びを上げながら背中の刃を飛ばすと刃はセットカードに突き刺さった。
「くそっ!『ミラーフォース』が破壊されたかっ!」
本当に中々『ミラーフォース』は効果を発動しないな。
「手札からチューナーモンスター『ヴァレット・シンクロン』を召喚!」
ヴァレット・シンクロン ☆1 ATK0
ヴァレット・シンクロン
チューナー・効果モンスター
星1/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0
(1):このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地のレベル5以上のドラゴン族・闇属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを効果を無効にして守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
「俺はレベル7の『ダーク・アームド・ドラゴン』にレベル1の『ヴァレット・シンクロン』をチューニング!!」
☆7+☆1=☆8
『ヴァレット・シンクロン』がその身を輝かせて1つの光の輪となり、その間を『ダーク・アームド・ドラゴン』が7つの星となって潜ると光の柱となった。
「地獄の業火を操りし悪魔の龍よ、その力で眼前に存在せし敵を焼き尽くせ!!シンクロ召喚!現れろ、『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!!」
光の柱が炎に包まれるとその燃え上がる炎の柱の間をその鋭い爪で切り裂き深紅のドラゴンが炎を吐きながら現れた。
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000
レッド・デーモンズ・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードが相手の守備表示モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。相手フィールドの守備表示モンスターを全て破壊する。
(2):自分エンドフェイズに発動する。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、このカード以外のこのターン攻撃宣言をしていない自分フィールドのモンスターを全て破壊する。
「今度は『シグナーの竜』か、だがたとえ『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を出そうとその攻撃力は『サイバー・ガストレイゲイズ』に劣る!」
確かにこのままでは『サイバー・ガストレイゲイズ』を倒すことは出来ない。だが、手はある!
「手札から装備魔法『巨大化』を『レッド・デーモンズ・ドラゴン』に装備!!これによって攻撃力は2倍になる!!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000→6000
巨大化
装備魔法
(1):自分のLPが相手より少ない場合、装備モンスターの攻撃力は元々の攻撃力の倍になる。
自分のLPが相手より多い場合、装備モンスターの攻撃力は元々の攻撃力の半分になる。
「バトル!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』で『サイバー・ガストレイゲイズ』を攻撃!」
「させるか!墓地の『サイバー・ゴート』の効果発動!相手モンスターの攻撃宣言時に墓地のこのカードをゲームから除外することによって手札から魔法または罠カードを発動できる。俺は手札から速攻魔法『リミッター解除』を発動!これによって『サイバー・ガストレイゲイズ』たちの攻撃力は倍になる!!」
サイバー・ガストレイゲイズ ATK3600→7200
サイバー・フェニックス ATK1200→2400
サイバー・ゴート
星2/光属性/機械族/攻800/守1200
効果モンスター
「サイバー・ゴート」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に墓地のこのカードを除外して発動できる。手札の魔法・罠カードを発動できる。
(2):手札からこのモンスターを墓地に送ることでデッキから『融合』または『パワー・ボンド』を手札に加えることが出来る。
リミッター解除
速攻魔法
(1):自分フィールドの全ての機械族モンスターの攻撃力は、ターン終了時まで倍になる。
この効果が適用されているモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。
「返り討ちにしろ『サイバー・ガストレイゲイズ』!ウロボロス・ドグマ!!」
力が跳ね上がった『サイバー・ガストレイゲイズ』は蛇のような触手を『レッド・デーモンズ・ドラゴン』の身体に絡み付かせるとその力を奪うように触手の先の蛇の頭のような部分がその身体に噛み付いていた。
「トラップ発動!『不屈の闘志』!!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』の攻撃力を相手の場にいる最も攻撃力の低い『サイバー・フェニックス』の攻撃力2400ポイント分アップする!!よって『レッド・デーモンズ・ドラゴン』の攻撃力は──」
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK6000→8400
不屈の闘志
通常罠
(1):自分フィールドの表側表示モンスターが1体のみの場合、そのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、相手フィールドの攻撃力が一番低いモンスターの攻撃力分アップする。
「攻撃力が『サイバー・ガストレイゲイズ』を超えただと!?」
「『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!!その気色の悪いモンスターを叩き潰せ!!アブソリュート・パワーフォース!!」
『レッド・デーモンズ・ドラゴン』は身体に絡み付いていた『サイバー・ガストレイゲイズ』の触手を無理矢理引きちぎると右手に炎のエネルギーを込め、『サイバー・ガストレイゲイズ』の巨大な目玉に向けて掌底を叩きつけた。そして2体はそのまま爆煙に包まれた。
「ぐぁぁぁぁぁっ!?」
アキラ:LP3600→2400
「速攻魔法『龍の進撃』を発動!このカードは自分フィールド上のドラゴン族モンスターが相手モンスターを破壊した時、続けて攻撃することができる」
爆煙の中から現れた『レッド・デーモンズ・ドラゴン』は咆哮を上げると、『サイバー・フェニックス』をギロリと睨みつけた。
龍の進撃(オリカ)
速攻魔法
(1):自分フィールド上のドラゴン族モンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時に発動できる。そのモンスターはこのターンもう1度だけ攻撃することができる。
「ば、バカな・・・この俺が負けるなんて・・・」
自らの敗北が信じられないのか顔を青ざめながらそう言うが関係ない。闇のデュエルなど仕掛ける愚かな奴に対してかけるような慈悲を俺は持っていない。
「トドメだ!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』で『サイバー・フェニックス』を攻撃!アブソリュート・パワーフォース!!」
「う、うわあああぁぁぁっ!」
アキラ:LP2400→-3600
これによって、このデュエルは俺の勝利で終わった。だが・・・
「く、くそ・・・」
闇のデュエルによる衝撃を受けた影響が今になってきたのかそれともデュエルに勝利したことで気が緩んだ事が原因なのかは分からないが俺はその場で倒れて気絶してしまった。
刹那sideout
◆◆◆
十代side
突然、暗黒の世界へと連れてまれたかと思えばタイタンが闇のモンスターに取り込まれちまった。何が起こっているのか正直分からないが、早くこのデュエルにケリをつけた方が良さそうだな。
「さぁかかってくるがよい、遊城十代・・・」
「言われなくてもやってやるぜ!俺のターンドロー!」
引いたカードは・・・よし!これならあの『スカル・デーモン』を倒せる!
「俺は魔法カード『融合回収』を発動!墓地から『融合』と『E・HEROエアーマン』を手札に戻す。そして『エアーマン』を召喚!」
E・HEROエアーマン ☆4 ATK1800
通常魔法
(1):自分の墓地の、「融合」1枚と融合召喚に使用した融合素材モンスター1体を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
E・HEROエアーマン
効果モンスター
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
「『エアーマン』の効果でデッキから『E・HEROバースト・レディ』を手札に加える。そして伏せていた魔法カード『R─ライト・ジャスティス』を発動!俺の場にいる『E・HERO』の数だけフィールドの魔法・罠カードを破壊できる。俺の場には2体の『E・HERO』がいる。よって『デーモンの斧』と『万魔殿─”悪魔の巣窟─』を破壊する!」
これによって厄介なフィールド魔法と装備魔法を破壊することに成功した。これで『スカル・デーモン』の攻撃力も下がったぜ!
迅雷の魔王─スカル・デーモン ATK3500→2500
R─ライト・ジャスティス
通常魔法
(1):自分フィールドの「E・HERO」カードの数だけ、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
「魔法カード『融合』を発動!手札の『E・HEROバーストレディ』と場の『エアーマン』を融合!爆炎を操りし女英雄よ、大気を操りし英雄と交わりて嵐の力を秘めし英雄へと生まれ変われ!融合召喚!現れろ、『E・HERO Great
TORNADO』!!」
E・HERO Great TORNADO ☆8 ATK2800
融合
通常魔法
手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。
E・HEROバーストレディ
通常モンスター
星3/炎属性/戦士族/攻1200/守 800
炎を操るE・HEROの紅一点。
紅蓮の炎、バーストファイヤーが悪を焼き尽くす。
E・HERO Great TORNADO
融合・効果モンスター
星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200
「E・HERO」モンスター+風属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動する。相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。
「『Great TORNADO』の効果発動!融合召喚に成功した『Great TORNADO』の効果で明日香の場にいるモンスター全ての攻撃力を半分にする。タウン・バースト!!」
『Great TORNADO』を覆うように巨大な竜巻が発生し、その竜巻は『スカル・デーモン』をも巻き込みその身体を傷つけた。
迅雷の魔王─スカル・デーモン ATK2500→1250
「バトル!『Great TORNADO』で『迅雷の魔王─スカル・デーモン』を攻撃!スーパーセル!!」
『Great TORNADO』は再び竜巻を発生させると竜巻は『スカル・デーモン』を切り刻み、その衝撃の余波がタイタンを襲う。
「・・・・・・・・・」
タイタン:LP3300→1750
「よし!俺はこれでターンエンドだ!」
タイタン:LP1750
手札:1枚
モンスター:無し
魔法・罠:でたら目 リバースカード1枚
十代:LP4600
手札:5枚
モンスター:E・HEROクリスタル・レディ(守) E・HERO Great TORNADO(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
「私のターンドロー。私は魔法カード『マジック・プランター』を発動。永続罠である『でたら目』をコストにカードを2枚ドロー。さらに『天使の施し』を発動して3枚ドローし手札から2枚捨てる」
マジック・プランター
通常魔法
(1):自分フィールドの表側表示の永続罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
天使の施し
通常魔法
デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる
「永続罠『正当なる血統』を発動し墓地より『真紅眼の凶雷皇─エビル・デーモン』を特殊召喚する」
タイタンが手札を増やしてきたかと思えば、墓地から紅き目をした『真紅眼の黒竜』を思わせるようなデーモン─『真紅眼の凶雷皇─エビル・デーモン』が現れた。
真紅眼の凶雷皇─エビル・デーモン ☆6 ATK2500
正当なる血統
永続罠
(1):自分の墓地の通常モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。
[[rb:真紅眼の凶雷皇>レッドアイズ・ライトニング・ロード]]─エビル・デーモン
デュアル・効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200
(1):このカードはフィールド・墓地に存在する限り、通常モンスターとして扱う。
(2):フィールドの通常モンスター扱いのこのカードを通常召喚としてもう1度召喚できる。
その場合このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。このカードの攻撃力より低い守備力を持つ、相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する。
「『エビル・デーモン』を再度召喚し効果発動。このカードの攻撃力以下の守備力を持つ相手フィールドの表側表示のモンスターを全て破壊する」
『エビル・デーモン』 は目を紅く輝かせると身体から電撃を放ち、電撃をくらった『クリスタル・レディ』と『Great TORNADO』は破壊された。
「バトルだ『エビル・デーモン』でダイレクトアタック。雷炎黒衝波」
『エビル・デーモン』は両手の間に黒炎と雷が混ざったエネルギーを生み出すとそれを俺に向けて投げつけた。
「うわあああぁぁぁっ!?」
十代:LP4600→2200
「私はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
タイタン:LP1750
手札:1枚
モンスター:真紅眼の凶雷皇─エビル・デーモン(攻)
魔法・罠:正当なる血統(永続罠) リバースカード2枚
十代:LP2200
手札:5枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード2枚
「くっ、俺のターンドロー!」
さっきの攻撃による焼けるような熱さと痛みに耐えながら俺はカードをドローする。この痛みはさっきのインチキの闇のデュエルや普段のデュエルで感じる衝撃とは比べ物にならない。まさかこれが闇のデュエルなのか・・・
「くそっ!俺は墓地の『ネクロダークマン』の効果発動!このモンスターが墓地にいる時1度だけ『E・HERO』を生け贄なしで召喚できる。俺は『E・HEROエッジマン』を召喚!」
E・HEROエッジマン ☆7 ATK2600
E・HEROネクロダークマン
効果モンスター
星5/闇属性/戦士族/攻1600/守1800
(1):このカードが墓地に存在する限り1度だけ、
自分はレベル5以上の「E・HERO」モンスター1体をリリースなしで召喚できる。
E・HEROエッジマン
効果モンスター
星7/地属性/戦士族/攻2600/守1800
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
「バトルだ!『エッジマン』で『エビル・デーモン』を攻撃!パワー・エッジ・アタック!!」
「『エビル・デーモン』がフィールドから離れたので『正当なる血統』は破壊される」
タイタン:LP1750→1650
「っ!俺はカードを伏せてターンエンドだ」
厄介な『エビル・デーモン』を倒しつつタイタンのライフを削ったが、奴は顔色一つも変えなかった。そんな奴を不気味に思いながら俺はカードを伏せながらエンド宣言をした。
タイタン:LP1650
手札:1枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード2枚
十代:LP2200
手札:5枚
モンスター:E・HEROエッジマン(攻)
魔法・罠:リバースカード3枚
「私のターンドロー。私は魔法カード『闇の誘惑』を発動。デッキからカードを2枚ドローしその後手札から闇属性の『ヘル・エンプレス・デーモン』を除外する。そして永続罠『闇次元の解放』を発動し今除外した『ヘル・エンプレス・デーモン』を特殊召喚する」
闇の誘惑
通常魔法
(1):自分はデッキから2枚ドローし、手札の闇属性モンスター1体を除外する。
手札に闇属性モンスターが無い場合、手札を全て墓地へ送る。
闇次元の解放
永続罠
(1):除外されている自分の闇属性モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊され除外される。そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。
ヘル・エンプレス・デーモン
効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻2900/守2100
このカード以外のフィールド上で表側表示で存在する
悪魔族・闇属性モンスター1体が破壊される場合、代わりに自分の墓地に存在する悪魔族・闇属性モンスター1体をゲームから除外する事ができる。また、フィールド上に存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた時、「ヘル・エンプレス・デーモン」以外の自分の墓地に存在する悪魔族・闇属性・レベル6以上のモンスター1体を
選択して特殊召喚する事ができる。
「『ヘル・エンプレス・デーモン』を生贄に捧げ、『デーモンの召喚』を召喚」
デーモンの召喚 ☆6 ATK2500
デーモンの召喚
通常モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200
闇の力を使い、人の心を惑わすデーモン。悪魔族ではかなり強力な力を誇る。
「なに?」
タイタンの行動に俺は思わず声を出してしまった。わざわざ罠カードで召喚したモンスターを生贄にしてそれよりも攻撃力の低いモンスターを召喚する理由が分からなかった。
「私はリバースカードオープン。速攻魔法『デーモンの駆け引き』を発動。レベル8の『ヘル・エンプレス・デーモン』が墓地に送られたことで、デッキから『バーサーク・デッド・ドラゴン』を特殊召喚する」
『デーモンの召喚』の生贄となって抜け殻と化した『ヘル・エンプレス・デーモン』が闇の中へ呑み込まれていき、その姿が完全に見えなくなると闇の中から白の鬣を持つ黒い骨のドラゴン『バーサーク・デッド・ドラゴン』が現れた。
バーサーク・デッド・ドラゴン ☆8 ATK3500
デーモンの駆け引き
速攻魔法
レベル8以上の自分フィールド上のモンスターが墓地へ送られたターンに発動する事ができる。
自分の手札またはデッキから「バーサーク・デッド・ドラゴン」1体を特殊召喚する。
バーサーク・デッド・ドラゴン
効果モンスター
星8/闇属性/アンデット族/攻3500/守 0
このカードは「デーモンとの駆け引き」の効果でのみ特殊召喚が可能。
相手フィールド上の全てのモンスターに1回ずつ攻撃が可能。
自分のターンのエンドフェイズ毎にこのカードの攻撃力は500ポイントダウンする
「くそっ!『ヘル・エンプレス・デーモン』を生贄にしたのはそれを狙ってか!!」
俺は奴が『ヘル・エンプレス・デーモン』を生贄にしてまで『デーモンの召喚』を出した本当の狙いがわかった。
「バトル。『バーサーク・デッド・ドラゴン』で『エッジマン』を攻撃。デッドリー・ブレス」
『バーサーク・デッド・ドラゴン』の口から放たれた黒煙のブレスを浴びた『エッジマン』は苦しみ悶えながらその身体を溶かされ、鎧だけが場に残った。
「くっ!エッジマン・・・!!」
十代:LP2200→1300
「トドメだ。『デーモンの召喚』でダイレクトアタック。魔降雷」
「させるか!速攻魔法は『クリボーを呼ぶ笛』を発動!デッキから『ハネクリボー』を守備表示で特殊召喚する。来い!『ハネクリボー』!!」
ハネクリボー ☆1 DEF200
クリボーを呼ぶ笛
速攻魔法
自分のデッキから「クリボー」または「ハネクリボー」1体を選択し、手札に加えるか自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
ハネクリボー
効果モンスター
星1/光属性/天使族/攻 300/守 200
(1):フィールドのこのカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
このターン、自分が受ける戦闘ダメージは0になる。
「ならば『ハネクリボー』を攻撃する」
「トラップ発動!『アルケミー・サイクル』!!これによって俺の場にいるモンスターの攻撃力を0にする!!」
ハネクリボー ATK300→0
『デーモンの召喚』に立ち塞がるように現れた『ハネクリボー』だが、『デーモンの召喚』から放たれた電撃に耐えることも出来ずにやられてしまった。
「すまない『ハネクリボー』・・・『ハネクリボー』が破壊され墓地に送られたことでこのターン俺が受ける戦闘ダメージは0になる。さらに『アルケミー・サイクル』の効果で1枚ドロー」
アルケミー・サイクル
通常罠
発動ターンのエンドフェイズ時まで、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター全ての元々の攻撃力を0にする。
この効果によって元々の攻撃力が0になっているモンスターが戦闘によって破壊され墓地へ送られる度に、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
「ならばバトルフェイズを終了し、『バーサーク・デッド・ドラゴン』に装備魔法『反転鏡』を装備しターンエンド。そしてエンドフェイズに『バーサーク・デッド・ドラゴン』の効果で攻撃力が500下がるが装備魔法『反転鏡』の効果によってステータスの増減が反対になる。よって『バーサーク・デッド・ドラゴン』の攻撃力は──」
バーサーク・デッド・ドラゴン ATK3500→4000
反転鏡(オリカ)
装備魔法
(1):装備モンスターの攻撃力・守備力のアップ・ダウンの効果は逆になる
「攻撃力、4000!?」
「今度こそ私はターンエンドだ」
タイタン:LP1650
手札:0枚
モンスター:バーサーク・デッド・ドラゴン(攻) デーモンの召喚(攻)
魔法・罠:反転鏡(バーサーク・デッド・ドラゴン装備)
十代:LP1300
手札:6枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
「俺のターンドロー!俺は墓地の『置換融合』を除外して墓地の『E・HEROノヴァマスター』をEXデッキに戻して1枚ドロー!(この手札なら!)魔法カード『E─エマージェンシー・コール』を発動!デッキから『E・HEROリキッドマン』を手札に加えそのまま召喚!さらに効果で墓地から『E・HEROエアーマン』を特殊召喚し効果でデッキから『E・HEROフェザーマン』を手札に加える!!」
E・HEROリキッドマン ☆4 ATK1400
E・HEROエアーマン ☆4 ATK1800
E─エマージェンシー・コール
通常魔法
(1):デッキから「E・HERO」モンスター1体を手札に加える。
E・HEROリキッドマン
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1400/守1300
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時、
「E・HERO リキッドマン」以外の自分の墓地のレベル4以下の「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
(2):このカードが「HERO」融合モンスターの融合召喚の素材になり、墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。自分はデッキから2枚ドローし、その後手札を1枚選んで捨てる
E・HEROエアーマン
効果モンスター
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
E・HEROフェザーマン
通常モンスター
星3/風属性/戦士族/攻1000/守1000
風を操り空を舞う翼を持ったE・HERO。
天空からの一撃、フェザーブレイクで悪を裁く。
「そして魔法カード『闇の量産工場』を発動!墓地から『バーストレディ』と『クレイマン』を手札に加える」
「そんな雑魚モンスターを手札に加えたところでなんの意味もないぞ」
「俺のデッキに雑魚なんていねぇ!俺は魔法カード『融合』を発動!手札の『バーストレディ』と『フェザーマン』を融合!! 爆炎を操りし女英雄よ、風を操りし翼の英雄と交わりて炎の翼を持つ英雄へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れろ、『E・HEROフレイム・ウィングマン』!!」
タイタンが俺のモンスターをバカにしてきたことに腹を立てながら、俺はこのデッキのフェイバリットカードである『フレイム・ウィングマン』を召喚した。
E・HEROフレイム・ウィングマン ☆6 ATK2100
E・HEROフレイム・ウィングマン
融合・効果モンスター
星6/風属性/戦士族/攻2100/守1200
「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
「ここはヒーローが戦うには殺風景だな。俺はフィールド魔法『摩天楼─スカイスクレイパー─』を発動!」
俺が発動したフィールド魔法によって俺たちの周りを囲むようにビルが生えてきて、俺達が立っていた場所もビル街の路地裏へと変わった。
摩天楼-スカイスクレイパー-
フィールド魔法
(1):「E・HERO」モンスターの攻撃力は、
その攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターに攻撃するダメージ計算時のみ1000アップする。
「さらに俺はレベル4の『リキッドマン』と『エアーマン』でオーバーレイ!!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
☆4+☆4=★4
『リキッドマン』と『エアーマン』がそれぞれ青と緑の光の球となって黒い渦の中へと飛び込むと黒い渦は様々な光を飛ばしながら爆発した。
「聖剣の名を持つ王者よ、その剣で闇を斬り裂き戦士たちに光を見せよ!現れろ、『
光の中から雷鳴を轟かせながら赤と銀の鎧を纏いし戦士の中の王者『H─C エクスカリバー』があらわれた。
H─C エクスカリバー ★4 ORU2 ATK2000
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻2000/守2000
戦士族レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を2つ取り除いて発動できる。
このカードの攻撃力は、次の相手のエンドフェイズ時まで元々の攻撃力の倍になる。
「『エクスカリバー』の効果発動!ORUを2つ使い、『エクスカリバー』の攻撃力は次の相手ターンのエンドフェイズ時まで元々の攻撃力が倍になる!!」
『エクスカリバー』の周囲を回っていた2つのORUが『エクスカリバー』の体内に取り込まれると
H─C エクスカリバー ORU2→0 ATK2000→4000
「バトル!『エクスカリバー』で『バーサーク・デッド・ドラゴン』を攻撃!!一刀両断必殺神剣!!」
「迎え撃て。デッドリーブレス」
闘志を全身から漲らせた『エクスカリバー』は『バーサーク・デッド・ドラゴン』の黒煙のブレスに怯まずブレスの中を突っ切るとそのまま『バーサーク・デッド・ドラゴン』の身体を真っ二つに斬り裂いた。しかし、全力を出し切った『エクスカリバー』も黒煙のブレスを浴びたことによってその身が溶かされ爆散した。
「くっすまない『エクスカリバー』っ!だがこれで終わりだ!『フレイム・ウィングマン』で『デーモンの召喚』を攻撃!!」
「攻撃力の劣るモンスターて攻撃だと?」
「フィールド魔法『スカイスクレイパー』の効果発動!『E・HERO』が相手モンスターを攻撃する時、その攻撃力が攻撃モンスターより高いなら攻撃力が1000ポイントアップする!よって『フレイム・ウィングマン』の攻撃力は3100にアップする!!スカイスクレイパー・シュート!!」
E・HEROフレイム・ウィングマン ATK2100→3100
月をバックにして最も高いビルの上に腕を組みながら立っていた『フレイム・ウィングマン』ビルから飛び降りるとジグザグに進みながら『デーモンの召喚』に一気に近づくと全身を炎で纏ってその右腕の龍のアギトを叩きつけた。
タイタン:LP1650→1050
「『フレイム・ウィングマン』の効果発動!このモンスターが戦闘でモンスターを破壊し墓地に送った時に発動できる。これで終わりだ!」
『フレイム・ウィングマン』がタイタンの前に立つとその右腕の龍のアギトをタイタンに向けると炎を放ち、タイタンのライフを削りきった。
タイタン:LP1050→-1450
タイタンのライフが0になり奴に取り付いていたモンスターがタイタンの身体から出ていったかと思えば、奴の身体が闇へと飲み込まれるように沈み始めていた。
「なっ!?くそっ!」
俺は沈んでいくタイタンを助けようとその手を掴んで引っ張り上げようとするがまるで鉛のように重く持ち上げることが出来ない。それどころかどんどん沈んでいっちまう!
『クリクリ~』
「!ハネクリボー!!頼む力を貸してくれ!!」
『クリクリ~!』
『ハネクリボー』が身体から光を放つと俺たちを襲おうとしていた黒いモンスターやタイタンに纏わりついていた闇がその光を嫌がるかのように離れていった。
「よし!これならっ!!」
身体に纏わりついていた闇が離れたことで何とかタイタンを引き上げることが出来た。俺はタイタンの肩を担ぐとその場から急いで離れようとしたが、敵の数が多く『ハネクリボー』の力を持ってしても防ぎきれないでいた。
「くそ、ここまでなのかっ」
俺は周囲を闇のモンスターに囲まれてしまい逃げ場がなくなってしまった。絶体絶命かと諦めかけていたその時だった。
「消し去りなさい!ジャッジメント・メイルストローム!!」
「ぶち抜け!ブラック・ハリケーン!!」
「切り裂け!
黒いモンスターをなぎ払いながら現れた『蒼嵐龍 メイルストローム』、『BF アーマード・ウイング』、『インフェルニティ・ジェネラル』の三体の攻撃によって逃げ道が出来た。
「!今ならいける!!」
俺はモンスター達が作ってくれた逃げ道を通ってこの闇から脱出することに成功した。
「な、何とか助かったぜ・・・」
俺は無事に暗黒の世界から脱出できたことに安堵してタイタンを肩から下ろすと地面に大の字になって転がった。
「全く・・・無事だったから良かったものの一歩間違えれば貴方だって無事じゃすまなかったのよ?」
「うっ、悪かったよ氷華さん・・・」
呆れたように俺を見下ろしながら軽く説教している幼馴染みである氷華さんに対して俺は申し訳なく謝ることしか出来ない。ってアレ?
「なんで氷華さんがここにいるんだ?」
ここは立ち入り禁止と言われている特待生寮である。なのに何故氷華さんここに?
「あそこで気絶しているバカ──天上院さんを追いかけていった雪乃たちの姿を見てね。後を追いかけたらこの寮に入っていく姿があったのよ。それで一旦先生に連絡を入れてから他のカオスブラックの数名と一緒に4人を探しに来たのよ」
氷華さんが顔を向けた方を見るとそこには長い銀髪の男性と彩人が2人の精霊である『アーマード・ウイング』と『インフェルニティ・ジェネラル』に気絶していた雪乃達4人を運んでいる姿があった。
「まぁ、貴方たちがここにいたのは完全に予想外でしたが」
「あ、あはは・・・」
ジト目で俺を見てくる氷華さんに何も言えず俺は乾いた笑みを浮かべるしか無かった。
「とりあえず今日のところは貴方たちも一旦寮に帰りなさい。詳しい話は明日にしましょう」
「ああわかったぜ」
俺は氷華さんにそう返事をすると立ち上がって氷華さん達と一緒にタイタンと途中で合流した気絶している刹那とオベリスクブルーの生徒を運んでいるカオスブラックの人達と共に特待生寮を出ていくのだった。
しかし、この時の俺はまだ気づいていなかった。今回の出来事を監視している存在たちがいることを・・・・・・
十代sideout
???side
場所は変わってアメリカのラスベガスのとあるビルの一室にて
「予想通りの結果だったが中々に面白いものが見れたな」
私は先程までモニターに映っていた遊城十代と如月刹那のデュエルを見ていたが、結果は予想していた通り2人の勝利だった。
如月刹那の方は流石『シグナーの竜』と『四天の龍』を所有するデュエリストなだけはある。問題は遊城十代の方だ。
「まさかこの世界の遊城十代がエクシーズ召喚を使えるとはな・・・」
本来、この世界ではまだ存在していなかった召喚法の一つであるエクシーズ召喚。それをこの時代の主人公である遊城十代がその召喚法を既に会得しているという事実に正直驚かされた。
「それも彼の幼馴染みたちや義理の姉妹たちの影響かな?」
私は手元にある遊城十代と彼と交友関係のある人物たちの資料を見ながらそう呟く。
『おい、さっきから何を見ているだ?』
後ろから褐色肌に赤い瞳をした額に十字傷のある男がその手にハンバーガーを握りながら話しかけてきた。
「少しこの世界の遊城十代について調べていたんですよ」
『あの男か、まさかこの世界にも奴がいるとはな・・・忌々しい奴だ』
褐色肌の男『ハサン』は遊城十代の名を聞いて顔を顰めると手に持っていたハンバーガーに齧り付いた。
「一応言っておきますが彼に手を出すことは禁止ですよ。我々の敵を倒す為にも彼の力は必要なんですから」
『チッ!分かっている。貴様には借りがあるからな』
念の為にハサンに遊城十代に手を出さないように注意をすると渋々だが彼も納得してくれた。
まぁ、別世界とはいえ遊城十代と万丈目準によって倒されたのだからそれも仕方がないですがね。
「さて、食事中のところ申し訳ありませんがこれからちょっと一緒にDDに挨拶しに行きませんか?」
『いや、貴様の言う挨拶って大抵ろくな事が起こらないんだが・・・』
「知りませんね。そんな事は私の管轄外ですからね」
『ハァ・・・』
ハサンが何か言ってくるが関係ない。私は机の上に置いてある黒のソフト帽を被ると部屋を出ていくのだった。
そう、我々の目的を果たすためにも彼らには頑張ってもらう必要がある。その為ならばこの手を汚すことに躊躇わない。私──アルカ・クロイセンはあの日、仲間たちと誓ったことを思い出しながら動き始めるのだった。
アルカside
◆◆◆
十代「今日の最強カードは『バーサーク・デッド・ドラゴン』!!」
バーサーク・デッド・ドラゴン
効果モンスター
星8/闇属性/アンデット族/攻3500/守 0
このカードは「デーモンとの駆け引き」の効果でのみ特殊召喚が可能。
相手フィールド上の全てのモンスターに1回ずつ攻撃が可能。
自分のターンのエンドフェイズ毎にこのカードの攻撃力は500ポイントダウンする
刹那「速攻魔法『デーモンとの駆け引き』によってのみ特殊召喚出来るモンスターで、相手モンスター全てに1回ずつ攻撃することが可能とその高い攻撃力を含めて強力なモンスターだ」
十代「だけどエンドフェイズになる度に攻撃力が500下がるから気をつけた方がいいぜ」
刹那「似たような効果を持っているモンスターに『獣神王バルバロス』や『究極伝導恐獣』などがいるな」
十代「ちなみにこのカードはアニメ『遊戯王』のオリジナルアニメ乃亜編にて遊戯さんと城之内さんのタッグがビッグ5とのデュエルにてビッグ5の『F・G・D』に並ぶもう1つの切り札として登場したぜ!」
刹那「次回もよろしく頼む」
あとがき
皆さんこんにちは有頂天皇帝です。今回で特待生寮での闇のデュエルは終了しましたがまだまだ騒動は続きます。次回は氷華たちカオスブラックたちが介入するために原作とは異なる展開になる予定です。
最近、ニコニコやYouTubeにて架空デュエルを見て 色んなデュエルを見てデッキの回し方を学んだりデッキを勉強しています。なのでそれらを参考にしてデュエルを考えたりデッキを考えていこうと思っています。
架空デュエル見ててこの作品に登場させてみたいと考えているのがギアルさんの小説にもいる『バカとテストと召喚獣』、『とある魔術の禁書目録』、『インフィニット・ストラトス』、『東方Project』。そして『男子高校生の日常』、『生徒会の一存』などのキャラを出してみたいなと思いましたがどうなるかは作者自身も分からないので未定です。もし登場させるなら架空デュエルで使っているデッキとかが元になる可能性は高いです。
また、質問なのですがこの作品ではオリカの一種として他作品カードゲームである『ヴァンガード』や『バトスピ』のカードを遊戯王カードとして登場させているのですが、元のカードゲームのカードの情報を元に遊戯王カードとして作っているために半数以上がオリカで構築されるようなデッキが出来そうなのですが、皆さんはそのようなデッキをどう思いますか?
色々と悩みつつ書いておりますが書きたい話とか登場させたいキャラやカードなど沢山あるので投稿は頑張って続けていきたいと思います。それでは今後ともよろしくお願いします。
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第13話 退学の危機!?
刹那side
特待生寮での出来事があった翌日、皇アキラとの闇のデュエルによって気絶していたため詳しいことを俺たちを特待生寮から連れ帰ってくれたカオスブラックの生徒の1人であり十代の幼馴染みである蒼龍院氷華さんが教えてくれた。
十代がタイタンと名乗る不法侵入者と闇のデュエルを行ったこと、デュエルに勝利したが闇に飲み込まれそうになった所を蒼龍院さん達が助けた事、そしてこれから特待生寮に入った事について鮫島校長から処罰が言い渡されるだろうと言われた。
そして鮫島校長に呼ばれて校長室に来たのは俺と十代、彩人、カオスブラックの蒼龍院さんと四ノ宮さん。そして校長室には鮫島校長の他にクロノス先生と確か倫理委員会のリーダーの女がいたが・・・
「「た・・・退学~!?」」
突然の退学処分を通告されて十代と彩人は思わずそう叫んだ。鮫島校長とクロノス先生は何か言いたそうな顔をしているが、俺はその内容を話している倫理委員会のリーダーの女の話をまず聞くことにした。
「そうだ。オシリスレッドの遊城十代、黒鉄彩人、オベリスクブルーの如月セツナの3名は本日未明、廃寮となっている特待生寮に侵入したので退学処分とする。そして、同じく廃寮に入ったオベリスクブルーの天上院明日香、藤原雪乃、ツァン・ディレ、宮田ゆまは成績優秀な事と本人たちの意識が無かったことから1週間の停学処分とする。尚、特待生寮に入ってはいないが門限を破ったオシリスレッドの前田隼人、丸藤翔、オベリスクブルーの兜山甲平の3名はデュエルに関するレポートの提出とする」
倫理委員会のリーダーの女から語られた処分の内容を聞いて藤原たちが大した処分にならなくて十代が一安心しているが状況は最悪というか納得のいかないものだ。いきなり退学処分というのもそうだが今回の出来事の原因ともいえる天上院が大した処罰になっていないことがおかしい。そもそもだ
「おい、皇アキラの処分はどうなっている。奴も俺たちと同じように特待生寮にいた奴が何故なんの処分も出されてないんだ」
そう、この女は俺たちの処分については言ったがあの場にいたもう1人である皇アキラについて何も言っていない。おかしいと思った俺はその事を尋ねるがそれに対して奴は顔をしかめるだけで何も言わない。流石におかしいと思った俺はその事を追求しようとしたがそれよりも先にクロノス先生が倫理委員会のリーダーに追求してきた。
「どういうことナノーネ?私たちは皇アキラなんて名前を今初めて聞きましたノーネ」
「そ、それは・・・」
クロノス先生は倫理委員会のリーダーに怒りを隠さずその事を言及しようとするが、倫理委員会のリーダーは口篭るだけで何も喋ろうとしない。
「その事についてですが、私から話させてもらってもよろしいでしょうか?」
蒼龍院さんが手を挙げてそう言う。
そしてこの場にいる十代と彩人、四ノ宮さん以外の全員は知る事になる。大切な存在に害をなそうとする存在に対して蒼龍院さんがどのような態度をとるのかを・・・
刹那sideout
氷華side
私は内心目の前にいる倫理委員会という害虫を処理したいと思いながらその事を顔に出さないようにしながら鮫島校長とクロノス教諭に話し始めた。だがその前に
「では話をする前に鮫島校長とクロノス教諭にこちらの写真を見てもらいたいのですがよろしいですか?」
「私は構いません」
「私もですーノ」
私は鮫島校長とクロノス教諭から許可を取ると机の上にまず皇アキラの顔が写っている1枚の写真を置いた。
「こちらが特待生寮に侵入していた皇アキラです」
「オベリスクブルーの生徒のようですが・・・クロノス先生は彼を知っていますか?」
鮫島校長は皇アキラの写真を見て一瞬反応したように見えたが一瞬だったためによくわからない。鮫島校長はクロノス教諭に確認をするが、クロノス教諭は首を横に振った。
「私も全ての生徒の顔と名前をだいたいは覚えていまスーガ、彼のような目立つ生徒はいませんーノ」
「これはどういう事ですかな?」
「そ、それは・・・」
クロノス教諭の言葉を聞いた鮫島校長は確認するように害虫に話しかけるが、害虫は冷や汗をかきながら何とか誤魔化そうとしているがそんな事を許すわけが無い。
「そもそも何故十代たちが退学となるのですか?確かに門限を超えた外出の禁止や廃寮が立ち入り禁止であることは校則で書かれていますが、その処罰として退学なんてどこにも書かれていませんよね?」
「た、確かにそうだったノーネ・・・」
私の言葉を聞いてクロノス教諭は思わずそう呟きますが、流石に冗談ですよね?先生ならそこら辺の校則もちゃんと覚えてて欲しいです。っと話を続けなくては行けませんね。
「それに倫理委員会の方々はどうやって十代たちが特待生寮に入った事を知っているのですか?この事は今回処分を受ける当人たちと私を含めた数人のカオスブラックの生徒、そしてこの場にいる鮫島校長とクロノス教諭に話はしましたが、倫理委員会にはその事をまだ話していないはずですが?」
「そ、それは匿名の連絡があったからだ」
私の質問に対して害虫は嫌な顔をしながらそう言う。そんなもので誤魔化せると思っているとは予想通り過ぎて呆れを通り越して感心させられる。
「そうですか。そんな不確かな情報で生徒を退学にさせようとするだなんて無能もいい所ですね。倫理委員会なんて名乗らず給料泥棒とでも名乗ったらどうですか?」
「くっ!」
害虫が私を睨んでくるが無視する。こんな害虫と話すよりも先にまだ話すべきことはあるのだから。
「私とここにいる四ノ宮さん。そしてここにはいない宮本くんとレインさんは夜中にブルー女子寮から出ていく天上院さんの姿を見たと鮎川先生から連絡を貰い、そして天上院さんたちを探している時に特待生寮から悲鳴が聞こえました。それで中に入るとそこには十代達の他にも場所は異なりますがその皇アキラと闇のデュエリストと名乗るタイタンを発見しました」
「闇のデュエリストでスート?」
闇のデュエリストという言葉を聞いてクロノス教諭が怪訝そうな顔をする。別に本当のことを話してもいいが話が拗れるかもしれないのでここでは詳しいことを言わないことにした。
「本人はそう名乗っていましたが実際はインチキを使った闇のデュエルを行ったらしいです。そしてそのタイタンからこのような物を預かりました」
私は制服のポケットから2枚の紙を取り出すとそれらを机の上に置いた。
「それは・・・・領収のようですが。『高田純二朗様へ、貴方が支払う金額は80万円とさせていただきます。闇のデュエリスト タイタンより』・・・」
「こっちには『オベリスクブルー男子制服 ¥50000円 才原静』と書かれてまスーノ・・・どういう事なノーネ!」
領主書の内容を読んだ鮫島校長とクロノス教諭は害虫こと才原静を問い詰める。
「こ・・・こんなものは捏造です!!彼女が私に罪を被せるために用意したものに決まってます!!彼女はそこにいるオシリスレッドのクズたちの幼馴染みなんですから!!」
害虫は怒鳴るように私を指さしながらそう言う。私はその醜い姿に呆れるが十代と彩人の2人をクズ扱いするようなゴミに慈悲を与えるほど私は優しくない。徹底的に潰すために私はボイスレコーダーを取り出すと再生を始めた。
『それは今回の依頼に関しての領主書だ。何故かこの学園の制服を指定の場所に置くようにも言われたがな。依頼内容はオシリスレッドの遊城十代という生徒を『闇のデュエル』で消すというものと別依頼でその制服をデュエル場に置くことだ。まぁ、ターゲットの遊城十代の友人である少女たちが特待生寮に入ってくれたおかげで遊城十代を誘き寄せるのは簡単だったがなぁ。それと島への侵入は簡単だったぞ。依頼人が前もって倫理委員会とやらに対して買収したとかで誰にも見つからず廃寮へと入れたぞ』
タイタンの証言が終わると害虫は顔を青くしその場に膝から崩れ落ちた。
「これはもう立派な証拠ですね。クロノス先生、高田くんに連絡を入れてこちらへお呼びください。それから才原くん」
「っ!!」
鮫島校長はクロノス教諭に高田という十代に害を与えようとしたゴミを呼ぶように言った。次に鮫島校長は害虫に声をかけると害虫はビクッと肩を震わせた。
「君には期待をしていただけに残念です。処分を下すまでの間は自室で待機してもらいます」
「は、はい・・・」
鮫島校長の言葉に対して害虫はか細い声で返事をするとよろよろと歩きながら校長室から出ていき、それに続くようにクロノス教諭もまた高田に連絡を入れるために校長室を出ていった。
「さて遊城くん達には悪いですが、再度調査し直してから君たちの処分を追って連絡させていただきます」
「その、処罰ってやっぱり退学の可能性もまだあったりするんですか?」
その鮫島校長からの言葉から十代は退学が確定ではなくなった事を理解するが、それはあくまでも確定していないだけで退学がなくなった訳では無いのでその事が十代にとって不安で思わず尋ねてしまったようだ。
「流石に即退学はありませんが、遊城くんたちには退学回避をかけた『制裁デュエル』を受けてもらう可能性が高いです」
「制裁デュエル、ですか」
制裁デュエルという初めて聞く単語に彩人たちは首をかしげる。まぁそれも仕方がないことでしょうね。デュエルアカデミアが創立してから制裁デュエルが行われたのも数える程度しかないために殆どの生徒が知らないのですから。
「簡単に言えばアカデミア側が用意したデュエリストとデュエルをしてもらい、それに勝てば退学は免れるということです」
「へへっ。なんだよ分かりやすくていいじゃん」
鮫島校長の説明に十代は笑みを浮かべる。その表情を見て可愛らしいと思ってしまい頬を緩ませそうになりましたが流石に今そうなるのはまずいので気を引き締めて表情を変えないようにしなくては・・・
「詳しい話は後ほどお知らせしますので今日のところはこれで話は終わりです」
「わかりました。それでは失礼致しました」
鮫島校長にそう言われて私たちは校長室を退出した。これで一先ず十代たちが即退学になることは無くなったので安心するがそれもこれからの行動しだいだ。恐らく原作で迷宮兄弟が相手だったように相手はプロかそれと同等の実力者だと予想できる。
十代の実力は確かに原作よりも高くなってはいるがそれでもプロ相手に通じるかと言われると不安を感じる。なので制裁デュエルが決まるまでの間に少しでも勝率を上げるために彼らの手伝いをしましょう。
氷華sideout
才業side
「まったく、任務に失敗した上に捕まるとは情けないですね・・・」
私は今不審者として捕まっている融合次元のアカデミアの刺客である皇アキラくんを連れてこの島に秘密裏に造られている研究所へとやって来ていた。
ここでは精霊のカードや『決闘龍』や『No.』などの特殊なカード、それらに関する事などデュエルに関する非合法な実験を行っている。当然この場所のことは鮫島師範は勿論、この学園のオーナーである海馬瀬人ですら知らないというか知られないように隠蔽している。
「さてそろそろ時間ですかね」
私は研究所の奥にある次元転移装置が置いてある部屋に入ってある人物が来るのを待とうとしているとちょうど迎えがやって来た。
「お待たせして申し訳ありませんね。何分こちらの方も色々と立て込んでおりましてね」
そう言いながら次元転移装置から現れたのは融合次元のアカデミアのプロフェッサーである赤馬零王の側近にして科学者のドクトルだ。
「いえこちらも先程来たところですから問題はありませんよ」
「そうですか。それにしても貴重なカードを与えられておきながら敗北するとは彼も情けないですね・・・」
私はドクトルに対して特に気にしていないことを言うとドクトルもそれ以上は私に何か言うことも無くまだ気絶している皇アキラを見るとため息をついた。
「ですが全くの無駄という訳ではありませんね。彼がデュエルしてくれたおかげで如月刹那が所有する2体のドラゴンのデータを得ることが出来たのですから結果は上々と言ったところですかね」
ドクトルはそう言いながら皇アキラのデュエルディスクを手に持つと先日行われた如月刹那とのデュエルデータを抜き始めた。私には理解できないがドクトルというより赤馬零王はこの世界の『シグナーの竜』や精霊のカードなどの特殊なカードに対して並々ならぬ興味を抱いており、我々サイバー流に力を貸しているのもそれらのカードを集めるためらしい。
障害になると恐れている割にその力を求めるとは私には理解できない事だが、それらのカードの力を使えば精霊の力やデュエルエナジーを使ってアカデミアで造られた『サイバー・ガストレイゲイズ』よりもさらに強力なカードを造れるのだから協力するのになんの問題もない。
「では私はこれで失礼致しますね。まだ私にもやらねばならない仕事が山のようにあるのですから」
「ええ分かりました。後始末はこちらですませておきますので決してそちらの事はバレませんよ」
「それではまた会いましょうね」
ドクトルは私に対してそう言うと部下に皇アキラを運ばせて融合次元へと帰っていった。この後の皇アキラがいなくなったことの誤魔化しをする事が大変な作業だと理解しているがこれをやらなくては勘のいいものにバレる恐れがあるのだからな。
(まぁせいぜい利用させてもらいましょうかね。最強の『サイバー・オーバー』さえ完成すれば彼らにはもう用はありませんからね)
私は内心融合次元のアカデミアに対してそんな事を考えながら誰にも見つからないように研究所を出ていくのだった。
しかし私はこの時気がついていなかった。私たちの会話を隠れて聞いている存在がいた事を・・・
才業sideout
蓮side
「やはり才業教頭は融合次元と繋がりがあったようだな」
『ハッ!それに何やら『シグナーの竜』や『四天の龍』などにも関心をもっているように思えました』
「となると『決闘龍』や『No.』に対しても同じ関心を持っていてもおかしくはないか・・・ご苦労だったジェネラル。下がっていいぞ」
『かしこまりました坊っちゃま!!それでは失礼!!』
「坊っちゃまはやめろっ・・・」
カオスブラックの自室にて俺は才業教頭の後をつかせていた『インフェルニティ・ジェネラル』からの報告を聞き終えるとカードに戻るように言うと素直にカードへと戻っていった。しかし、いくら言ってもコイツは俺の事を坊っちゃま呼びしてるのは正直頭が痛い・・・
「しかしどうするか。奴が融合次元と繋がりがあるとわかったとしても何かできるというわけではないからな・・・」
そう。確かに才業が融合次元と繋がりがあることがわかったがそれだけであり、奴に対して何かができる訳では無い。俺の勘が間違っていなければサイバー流全体が関わっており下手をすればこの学園の半数以上が奴らの手駒と化している可能性が高い。
サイバー流の師範代である奴ならばその程度の事は片手間でやれるだろうし、元からこの学園の生徒たちはサイバー流が掲げているリスペクトデュエルなどという自分たちにとって都合のいいもので甘い汁を吸っているのだから融合次元の連中の侵略にすら手を貸すだろうな。
「やはりこちらも協力者を増やす必要があるな。候補としてはやはり遊城十代や如月刹那、そしてその周辺の人間たちだな」
実力や人間性などの問題を考えてもやはりその辺が妥当だろうが、遊城十代を協力者にしようとすれば蒼龍院氷華が黙っていない事を考えれば慎重に考えた方がいいな。俺はこれからの事を考えていた時だった。
コンコン
「誰だ?」
部屋のドアをノックする音が聞こえたので俺は座っていたベッドから立ち上がるとそのままドアの前までいき扉を開いた。扉の前にいたのは俺と同じカオスブラックの生徒であるレイン恵だった。
「そろそろ夕食の時間・・・」
「ん、そうかもうそんな時間に──」
「私のご飯を作って欲しい」
「・・・毎日俺にそう頼んでくるがたまには自分で作ったりとかは」
「ない」
「はぁ・・・」
レインがこうして俺に飯を要求してくるのは今日が初めてなことではない。というかコイツがカオスブラックに上がってからほぼ毎日俺がコイツの飯を作っていた。一応、他の寮と同じように寮での食事は学園側が提供してくれているのだが何故かコイツは俺に飯を作るように頼んでくる。
「まぁいい、ちょうど俺も腹が減ったところだからついでに作ってやる。何が食いたい」
「カレー」
「樺山先生の所に食いにいけよ・・・」
レインはいつもカレーをお願いしてくるが、この学園にはプロ顔負けのカレーを作れるイエロー寮の寮長である樺山先生がおり、頼めば他寮の生徒でも気軽に作ってくれるのだから樺山先生に頼めと何度も言っているがあまり聞かないので正直諦めている。
その後、レインの要望通りカレーを作ると一緒に夕食を食べ軽く情報交換を終えてからレインは自室に戻って行った。
蓮sideout
???side
「さぁ日向くん!レイラくんのフィアンセの座をかけてデュエルをしようじゃないか!!」
「・・・・・・」
(どうしてこんなことになってしまったんでしょうか・・・)
私、レイラ・マルカルは何故か恋人である日向アキトとテニス部部長のオベリスクブルーの綾小路ミツル先輩による私のフィアンセの座をかけたデュエルに巻き込まれてしまっていた。
私はいつも通りアキトとカフェで一緒にお茶を楽しんでいたのだが、そこをたまたま通りかかった綾小路先輩が私にナンパしてきてそれをアキトが止めたかと思えば気づいたら私のフィアンセの座をかけたデュエルが始まってしまいました。本当にどういうことなのでしょうか?っとそろそろデュエルが始まりますね。
「「
綾小路:LP4000
アキト:LP4000
「先行は僕だねドロー。僕は魔法カード『スマッシュエース』を発動!デッキトップをめくりそのカードごモンスターカードならば相手に1000ポイントのダメージを与える。デッキトップのカードはモンスターカード『メガ・サンダーボール』。よって君に1000ポイントのダメージ!!」
「・・・・・・」
アキト:LP4000→3000
最初にダメージを与えたのは綾小路先輩ですがアキトは気にした様子もなくただ綾小路の行動を見ていた。
スマッシュエース(未OCG)
通常魔法
デッキの一番上のカードをめくる。
そのカードがモンスターカードだった場合、相手に1000ポイントのダメージを与える。
めくったカードは墓地に送る。
メガ・サンダーボール
通常モンスター
星2/風属性/雷族/攻 750/守 600
地面を転がり回り、周囲に電撃を放つボール。
「さらに手札から魔法カード『サービスエース』を発動!このカードの効果により、君は僕が手札から選んだカードの種類をあてる。もし外したら君は1500ポイントのダメージを受けてもらう」
「またバーンカードか」
「悪いけどこれも立派な戦術さ、さぁこのカードの種類を当ててごらん?」
連続でバーンカードを使ってくる綾小路先輩にアキトはそう呟くが別にその戦術を非難している訳では無いでしょう。バーンもまた立派な戦術ですし私たちの知り合いにもバーン使いはいるのですから。
「魔法カードだ」
「本当にそれでいいのかい?」
「問題ない」
アキトは綾小路先輩が選んだカードを魔法と宣言すると綾小路先輩は選んだカードを公開した。
「残念。僕が選んだのはモンスターカード『プラズマ・ボール』さ。よってこのカードを除外し君に1500ポイントのダメージを与える!」
「・・・・・・」
アキト:LP3000→1500
サービスエース(未OCG)
通常魔法
自分の手札からこのカード以外のカードを1枚選択し、相手にそのカードの種類を当てさせる。
当たった場合はそのカードを破壊する。
ハズレの場合はそのカードをゲームから除外し、相手に1500ポイントのダメージを与える。
プラズマ・ボール
効果モンスター
星3/光属性/雷族/攻 900/守 900
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
このカードが直接攻撃によって相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、このカードを破壊する。
「[[rb:30>サーティーン]]-[[rb:0>ラブ]]。僕はカードを1枚伏せてターンエンドだ。さあ!君の実力を僕に見せてくれたまえ!!」
綾小路先輩はカードを伏せると私にキラリと言う音が聞こえそうな笑顔を向けてきたが無視してアキトがどのような展開を見せてくれるのかを見る。
綾小路:LP4000
手札:2枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
アキト:LP1500
手札:5枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
「俺のターンドロー。俺は『ワイズ・コア』を召喚」
綾小路先輩を無視してアキトが召喚したのはアキトのデッキの中核を担うモンスターを呼ぶために必要なモンスターで、機械でできている白い卵のような姿をし、中心が開かれそこから青い光の玉が照らしている『ワイズ・コア』だった。
ワイズ・コア ☆1 ATK0
ワイズ・コア
効果モンスター (TF5オリジナル)
星1/闇属性/機械族/攻 0/守 0
このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。
このカードがカードの効果によって破壊された時、自分フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
その後、自分の手札・デッキ・墓地から「機皇帝ワイゼル∞」「ワイゼルT」「ワイゼルA」「ワイゼルG」「ワイゼルC」をそれぞれ1体特殊召喚する。
「おいおい、攻撃力が0の雑魚モンスターを攻撃表示で召喚だなんて何を考えているんだい?今なら表示形式の変更を認めてあげてもいいよ?」
綾小路先輩はアキトの場に召喚された『ワイズ・コア』を見て小馬鹿にしながらどこからか取りだした櫛で髪をセットし始める。正直アキトをバカにする先輩の態度にムッとなるがすぐに取りなす。どうせこの勝負はアキトの勝ちなのだからここで何か言う必要はありませんから。
「必要ない。俺は自分の場の『ワイズ・コア』を破壊し、魔法カード『クラッシュ・ストーム』を発動します。このカードの効果でその伏せカードを破壊します」
「くっ!伏せていた『レシーブエース』が破壊されるとは・・・だけどこれで君の場にモンスターはいなくなったよ?」
伏せていたのは『レシーブエース』ですか。あのまま攻撃していたら危険でしたがこれで問題ありませんね。それにこれでアキトのデッキに眠るあのモンスターたちが召喚できる。
クラッシュ・ストーム(オリカ)
通常魔法
(1):自分の場にあるカード1枚を破壊することで発動できる。相手の場の魔法・罠カード全てを破壊する
レシーブエース
通常罠
相手モンスター1体の直接攻撃を無効にし、
相手に1500ポイントのダメージを与える。
その後、自分はデッキの上からカードを3枚墓地へ送る
「破壊された『ワイズ・コア』の効果発動。このカードが破壊されたことでデッキ・手札・墓地からある五体のモンスターを特殊召喚する。現れろ、機皇帝ワイゼル」
砕かれた『ワイズ・コア』から5つの光が飛び出すと光はそれぞれ『ワイゼル
ワイゼルA ☆1 ATK1200
ワイゼルG ☆1 DEF1200
ワイゼルC ☆1 ATK800
ワイゼルT ☆1 ATK500
機皇帝ワイゼル∞ ☆1 ATK0
「『機皇帝ワイゼル∞』の攻撃力は俺のフィールドにいるこのカード以外の『ワイゼル』と名のつくモンスターの攻撃力分アップする。よって『機皇帝ワイゼル∞』の攻撃力は──」
機皇帝ワイゼル∞ ATK0→2500
ワイゼルA
効果モンスター (TFオリジナル)
星1/闇属性/機械族/攻1200/守 0
フィールド上に「∞」と名のついたモンスターが表側表示で存在しない場合、このカードを破壊する。
ワイゼルG
効果モンスター (TFオリジナル)
星1/闇属性/機械族/攻 0/守1200
フィールド上に「∞」と名のついたモンスターが表側表示で存在しない場合、このカードを破壊する。
自分フィールド上に存在するモンスターが攻撃対象に選択された時、このカードに攻撃対象を変更することができる。
ワイゼルC
効果モンスター (TFオリジナル)
星1/闇属性/機械族/攻 800/守 600
フィールド上に「∞」と名のついたモンスターが表側表示で存在しない場合、このカードを破壊する。
ワイゼルT
効果モンスター (TFオリジナル)
星1/闇属性/機械族/攻 500/守 0
フィールド上に「∞」と名のついたモンスターが表側表示で存在しない場合、このカードを破壊する。
機皇帝ワイゼル・∞(TFオリジナル)
効果モンスター
星1/闇属性/機械族/攻 0/守 0
このカードの攻撃力・守備力は、このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する「ワイゼル」・「グランエル」・「スキエル」と名のついたモンスターの攻撃力分アップする。
このカードは相手のカードの効果の対象にならない。1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するシンクロモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに1体のみ装備することができる。このカードの攻撃力は、この効果で装備したモンスターの攻撃力分アップする。
「機皇帝」と名のついたモンスターは自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない
「さらに永続魔法『一族の結束』を発動。墓地に全てのモンスターが同じ種族の場合、自分のフィールドの同じ種族のモンスターの攻撃力は800アップする」
ワイゼルA ATK1200→2000
ワイゼルG ATK0→800
ワイゼルC ATK800→1600
ワイゼルT ATK500→1300
機皇帝ワイゼル∞ ATK2500→3300
「さらに『ワイゼル』たちの攻撃力がアップしたので『機皇帝ワイゼル∞』の攻撃力もその分アップする。よって『機皇帝ワイゼル∞』の攻撃力は──」
機皇帝ワイゼル∞ ATK3300→6500
一族の結束
永続魔法
(1):自分の墓地の全てのモンスターの元々の種族が同じ場合、自分フィールドのその種族のモンスターの攻撃力は800アップする。
「そ、そんな・・・」
綾小路先輩は『機皇帝ワイゼル∞』の攻撃力に顔を青くさせ体をガクガクと震わせる。どうやらあの様子だと手札に攻撃を防ぐ手段はなさそうですね。
「バトル。『機皇帝ワイゼル∞』でダイレクトアタック。ステンレス・スチール・スラッシュ」
『機皇帝ワイゼル∞』の左腕となった『ワイゼルA』が剣を展開するとそのまま綾小路先輩を斬り裂いた。
「う、うわああああああ!?」
綾小路:LP4000→-2500
アキトの攻撃によって綾小路先輩のライフを削りきり、このデュエルはアキトの勝利で決着が着いた。
「そ、そんな・・・オベリスクブルーの僕がワンターンキルされるだなんて・・・う、うわ~ん!!」
綾小路先輩はアキトに負けたことがショックだったのか項垂れたかと思えば泣きながら走り去っていきました。正直情けなさ過ぎて声も出ませんでした。
「いこうかレイラ。遅れるとリョウたちから色々と言われる」
「そ、そうですね。急いで行きましょう」
私はアキトに手を引かれてそのまま仲間であり友人であるリョウたちが待っている場所へと一緒に向かうのだった。
そしてリョウたちと合流した私とアキトは互いに情報交換をしつつこれからの事について話し始めた。ユキヤが盗聴した情報から融合次元の人達が既に動き始めている事がわかった。その事から私達も動き始めなくてはならないと嫌でも思い知らされるのだった。
レイラsideout
十代「今日の最強カードは『機皇帝ワイゼル∞』!!」
機皇帝ワイゼル・∞(TFオリジナル)
効果モンスター
星1/闇属性/機械族/攻 0/守 0
このカードの攻撃力・守備力は、このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する「ワイゼル」・「グランエル」・「スキエル」と名のついたモンスターの攻撃力分アップする。
このカードは相手のカードの効果の対象にならない。1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するシンクロモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに1体のみ装備することができる。このカードの攻撃力は、この効果で装備したモンスターの攻撃力分アップする。
「機皇帝」と名のついたモンスターは自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない
刹那「その効果からシンクロキラーとしてアニメ遊戯王5D'sでも主人公である不動遊星たちを苦しめたことで有名なモンスターだな」
十代「そして『機皇帝ワイゼル∞』の攻撃力は他のパーツたちの攻撃力の合計だから今回のように『一族の結束』などを使ってパーツたちの攻撃力を上げれば『機皇帝ワイゼル∞の攻撃力もアップするぜ!』」
刹那「また、OCG化された『機皇帝』にはパーツがなく1枚のカードとして存在しており、どちらも優秀なカードであるがその使い道は異なるのでもしTF5や6でデッキを作る場合は気をつけような」
十代「どちらのカードもシンクロモンスターにとって厄介なのは変わりはないモンスターだぜ!」
刹那「また、他にも『機皇帝』は存在するがそれらの出番は今後の展開に期待してくれとしか言いようがないな」
十代「次回もよろしくな!」
あとがき
みなさんこんにちは有頂天皇帝です。今回から制裁デュエルの話が始まりますが最初の時点から原作と異なる展開になっています。最後の方で『コードギアス亡国のアキト』のキャラである日向アキトとレイラ・マルカルが登場しテニス部部長の熱血男こと綾小路ミツルとのデュエルにてアキトに『機皇帝』を使わせましたがどうでしょうか?アキトたちがKMFのパイロットであったことから機械族デッキにしましたが何か意見があったら教えて貰えると嬉しいです。また、次の話では探究者さんの許可を得て千雨さんと翔の初デュエルを参考にした話になると思います。探究者さん本当にありがとうございます!!
制裁デュエルが終了してから数話してからオリジナル編を始める予定ですが、今のところARC-Vキャラを出す予定ですが、他にも5D'sやZEXALのキャラを出そうかなど考えているのですが誰が出てほしいとか意見やリクエストがあったら参考にさせていただきます。
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遊戯王GX 第14話 魔王の騎士登場!?
今回の話は探究者さんの『龍と共に道を歩く者』の話を参考にして書いており、丸藤翔が好きな人にとっては読みにくい話になるかもしれないので翔のファンの人は申し訳ありません。
刹那side
「さてどうするか・・・」
俺は今オベリスクブルーの自室にて制裁デュエルに向けてデッキ調整を行っていたが正直難航していた。
あの後、高田の退学と倫理委員会の女リーダーを含めた倫理委員会の解体が決定した他、海馬コーポレーションから家宅捜査が行われる事が決定された。
また、俺たちの処分だが次の中間試験にて退学をかけた制裁デュエルが行われる事も決定した。
俺が今所有しているデッキはシンクロ・エクシーズ・融合を行える闇属性モンスターで固めた『闇デッキ』、シンクロ召喚に特化した『シンクロデッキ』、そしてアカデミアに入学する前によく使っていた『ドラゴンデッキ』の3つだ。
前回の特待生寮での闇のデュエルで何とか勝利することが出来たがあれはギリギリの勝負だった。なので少しでも強くなるためにまずデッキの強化から始めることにした。
「とにかく何度か試行錯誤して試してみるしかないな」
俺は持っているカードを全て取り出すと早速デッキ調整を始めた。ネットでコンボや参考となるようなデッキを調べたり、組んだデッキをネット対戦で実際に回して試して見たりなど色々なことをやっていると気づけば日が傾き始めていた。
一旦休憩しようと席を立った時にポケットに入れていたPDAから着信音が聞こえたので画面を見ると、PDAに十代から電話が来ていたことに気づき俺は電話に出た。
『いきなり電話かけて悪いな。今大丈夫か?』
「別に問題ないがいきなりどうしたんだ?」
俺はあまり電話をかけてくることがない十代が電話してきた事に珍しさを感じて思わずそう聞いてしまった。
『翔の姿を見てないか?』
「丸藤か?悪いが今日はずっと部屋にいたからあっていないぞ」
『そうか、いきなり電話してすまない。もし翔を見かけたら連絡してくれないか?』
「別に構わないが何かあったのか?」
俺は十代に何があったのかを尋ねる。恐らく丸藤の事が関係するのだろうが・・・
『さっきまで制裁デュエルに向けてデッキ調整を兼ねて翔とデュエルをしてたんだけど・・・翔がデュエル中に何度もイージーミスを繰り返すし、しまいには最後にドローしたカードを見て動揺したんだよ。それでデュエルが終わったあとに手札を見せてもらったらあのカードがあったんだよ』
「あのカード?」
『ああ、機械族最強の融合カード『パワー・ボンド』だ。翔の手札の中にそのカードがあったんだよ』
「!!」
十代のその言葉に俺は驚いた。
『パワー・ボンド』・・・このカードで特殊召喚された機械族融合モンスターは攻撃力が2倍となるが、発動ターンのエンドフェイズ時にこのカードを発動したプレイヤーは特殊召喚したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受けると言うデメリットもある。
先日の特待生寮での闇のデュエルにて皇アキラも使用した強力なカードであるが、強力なカードである反面膨大なリスクがあることから融合関連の魔法カードの中でハイリスクハイリターンなカードと言っても過言ではない。
だからこそ『パワー・ボンド』は丸藤の性格を考えるとデッキに入れるようには思えないカードだ。そんな事を考えている俺を無視して十代は話を続ける。
『それで、なんで『パワー・ボンド』を使わなかったのかを問い詰めたんだ。そしたら・・・『だ、駄目だからッス!これはあの時からお兄さんに封印されたカードだからどんなにピンチになっても絶対に使ったら駄目なんッス!』と言われて逃げられたんだ』
「なるほどな。それで今その丸藤を探しているところなのか」
『ああ。隼人と彩人、それに雪乃たちが手伝ってくれているんだけど中々見つからなくて困っててさ・・・』
「そうか・・・」
十代は長い間探していたのか話している声からはどこか疲れを感じられた。だが、話はまだ終わりではなかった。
『それで翔を探している途中で氷華さんに出会って翔の家族の事を教えてもらったんだ。翔の兄ちゃんであり、この学園最強デュエリスト『カイザー』こと丸藤亮について』
「ほぅ・・・」
十代から意外な名前が出たことに俺は少し驚いてしまった。
丸藤亮。サイバー流の後継者にしてこの学園で彼に敵う者はいないと噂がある『カオス・ブラック』のデュエリスト。
故に彼に与えられた称号は『帝王』又は『皇帝』を意味する『カイザー』と学園のほぼ全ての生徒たちの憧れとなっている。
まさか同じ苗字だと思っていたが兄弟だったとはな・・・。まぁそんな偉大な兄を持っているからこそ自分に自信が持てなくなってあんな弱気になっているのかもな。しょうがない・・・
「俺も丸藤を探すの手伝ってやるよ。流石にそんな話を聞いといて何もしないのは気が引けるからな。一応知り合いにも丸藤の姿を見てないか聞いといてやる」
そう言って俺も丸藤を探すことを手伝うことにした。
『悪いな。もし見つかったら連絡くれよな』
十代からの電話はそれで切れた。俺は出していたカードを片付け、調整したデッキをデッキケースにしまうとデュエルディスクを持って丸藤を探すためにブルー寮を出ていくのだった。
刹那sideout
翔side
「はぁ・・・やっぱりボクはダメダメなんだ
・・・」
ボクこと丸藤翔はそう言って森の中を当てもなくトボトボと歩いていた。
アニキと彩人くんの制裁デュエルに向けてデッキ調整の手伝いとしてアニキのデュエルの相手をしたんだけど、終始アニキに押されっぱなしな上にデュエル中に何度もイージーミスを繰り返してしまった。
特にお兄さんに封印されている『パワー・ボンド』を引いてから酷かった。それに動揺したせいで最後はあっさりとアニキに負けたんだから。
でも別にボクがいなくなったところで何の問題も無いはずだ。確かにアニキや彩人くん、如月くんにとって退学をかけたデュエルだから気を引き締める必要はあるだろうけどそのデュエルの相手はボクじゃなくてもいいはずだ。
アニキたちの友人には明日香さんや三沢くん達のようなボクなんかとは比べ物にならない程デュエルの腕を持っているデュエリストたちがいるのだからボクなんかいない方がいいのだ。
そんな事を考えながら歩いているときだった。
『うわああああああああ!?』
「!?な、なんッスか?」
近くの方から叫び声が聞こえてきて思わずビクッとなった。気になったボクは声の聞こえてきた方へと向かうとそこには全ての首が斬り落とされ、無惨に破壊された『サイバー・エンド・ドラゴン』の姿と恐らく所有者であろう倒れて気絶しているオベリスクブルーの生徒がいた。
「口では大層な事を言っていたがこの程度の実力しかないとはな」
気絶しているオベリスクブルーの生徒の対戦相手らしき銀髪の黒い制服を来ている男子は倒れている彼を見下しながらそう言った。その目には失望しかないのか氷のような冷たさを感じさせられ直接見られている訳でもないのに背筋が凍るような思いをした。
「所詮はリスペクトデュエルなどという下らない者を教えているサイバー流の人間だな。大した実力もないくせに人を否定することしか出来ないのだからな」
「待つッスよ。サイバー流の偉大な教えのリスペクトデュエルのどこが下らないって言うんッスか」
サイバー流の偉大なるリスペクトデュエルの教えを小馬鹿にする彼の態度にカチンときたボクは思わず彼の前に出てしまった。
「貴様は確か『カイザー』の出涸らしの弟の丸藤翔か。何の用だ」
彼はボクが現れたことに対して特に興味も無いのか特に驚いた様子もなくボクが現れた理由を聞いてきた。出涸らし扱いされたことにさらに怒りが増したがそれよりも先に言うことがある。
「訂正するッス!リスペクトデュエルは鮫島校長が広めた素晴らしい教えなんッス!!それを下らないなんて言う君にはリスペクトの欠片もないッス!!」
ボクは怒りを隠さずにそう言うがそれに対して彼は・・・
「下らない。相手に敬意を払えないような貴様らが掲げるリスペクトデュエルなどただ自分たちにとって都合のいいものなだけだ。まぁ、相手を批判することしか出来ない畜生以下の知能しかない貴様らに言ったところで意味もないか」
どこまでも馬鹿にしてくる発言にとうとうボクの堪忍袋の緒が切れた。
「デュエルッス!!ボクが勝ったらリスペクトデュエルを下らないって言葉を訂正するッス!!」
ボクはそう言って彼にデュエルを挑む。すると・・・
「まぁいいだろう。デュエルを挑まれたのならそれに応えるのが礼儀だからな」
どうやらデュエルに応じてくれるようでデュエルディスクを構え始めた。ボクはデュエルに応じてくれたことに内心一安心しながら同じようにデュエルディスクを構える。
「一応名前を名乗っておこう。俺の名前はライ・アルトリウス。オベリスクブルーの生徒だ」
「ボクは丸藤翔。偉大な『カイザー』の弟ッス!!」
互いにそう言って自己紹介をする。それから少しし時間が経過して・・・
「「
ライ:LP4000
翔:LP4000
デュエルが始まった。そしてデュエルディスクの決定によって先行は相手となった。
「俺のターンドロー。俺はモンスターをセットしてターンエンド」
相手はカードを伏せただけでターンを終えた。あれだけ大口叩いてたくせにカードを伏せただけでターンを終えたのには正直拍子抜けだがここは一気に責めさせてもらう。
「ボクのターンドローッス!ボクは『パトロイド』を召喚!」
ボクはアニキとのデュエルでも召喚したパトカーをデフォルメにした機械『パトロイド』を召喚した。
パトロイド ☆4 ATK1200
パトロイド
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻1200/守1200
相手フィールド上にセットされているカードを1枚めくり、確認した後元に戻す。
この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに発動する事ができる
「さらに僕は魔法カード『二重召喚デュエルサモン』を発動してこのターンもう一度モンスターを召喚するッス。ボクは『スチームロイド』を召喚!!」
スチームロイド ☆4 ATK1800
二重召喚
通常魔法
(1):このターン自分は通常召喚を2回まで行う事ができる。
スチームロイド
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻1800/守1800
このカードは相手モンスターに攻撃する場合、ダメージステップの間攻撃力が500ポイントアップする。
このカードは相手モンスターに攻撃される場合、
ダメージステップの間攻撃力が500ポイントダウンする。
「一気に決めてやるッス!装備魔法『デーモンの斧』を『スチームロイド』に装備して攻撃力を1000ポイントアップするッス!!」
スチームロイド ATK1800→2800
「バトル!『パトロイド』でセットモンスターを攻撃!シグナルアタック!!」
『パトロイド』が背中のサイレンを鳴らしながらセットモンスターに攻撃する。そして攻撃した事でセットモンスターの姿が現れた。
ライトロード・ハンター ライコウ ☆2 DEF
「『ライトロード・ハンター ライコウ』の効果発動。このカードがリバースした場合、フィールドのカード1枚を破壊する。俺は『スチームロイド』を破壊」
「そんな!!」
『パトロイド』が破壊した白い犬っころこと『ライトロード・ハンター ライコウ』から放たれた光が『スチームロイド』を貫き破壊した。思わぬ反撃にボクはショックするしかなかった。
ライトロード・ハンター ライコウ
リバース・効果モンスター
星2/光属性/獣族/攻 200/守 100
(1):このカードがリバースした場合に発動する。フィールドのカード1枚を選んで破壊できる。自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
「『ライコウ』の効果で俺はデッキトップからカードを3枚墓地に送る。そして墓地に送られた『シャドール・ビースト』と『絶対王バック・ジャック』の効果発動。まず『バック・ジャック』の効果でデッキの上からカードを3枚確認し、好きな順序で並べ替える。俺は三番目のカードを一番上に置く。そして『シャドール・ビースト』の効果で1枚ドロー」
シャドール・ビースト
リバース・効果モンスター
星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守1700
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードがリバースした場合に発動できる。自分はデッキから2枚ドローし、その後手札を1枚選んで捨てる。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。
絶対王バック・ジャック
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。自分のデッキの一番上のカードをめくり、そのカードが通常罠カードだった場合、自分フィールドにセットする。違った場合、そのカードを墓地へ送る。この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる。
(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。自分のデッキの上からカードを3枚確認し、好きな順番でデッキの上に戻す。
「くっ、ボクはこれでターンエンドッス」
「貴様のエンド宣言前に墓地の『絶対王バック・ジャック』の効果を発動する。このカードを除外することでデッキトップをめくりそのカードが通常罠ならそのままセットできる。当然このカードは通常罠なのでそのままセットする」
相手のモンスターを破壊することに成功したが、攻撃力を上げた『スチームロイド』が何も出来ずに破壊されたことを悔しく思いながらターンを終える。この屈辱は次のターンで何倍にして返してやる。
ライ:LP4000
手札:6枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
翔:LP4000
手札:2枚
モンスター:パトロイド(攻)
魔法・罠:無し
翔sideout
ライside
(カイザーの弟だからと期待して見たがこの程度の実力か)
デュエルが始まってまだ2ターンしか経っていないが、自らのモンスターの効果も把握せずただ攻撃力を上げて攻撃するだけというのは正直期待はずれとしか言いようがなかった。
少なくとも『パトロイド』の効果を使っておけば攻撃力を上げた『スチームロイド』を残すことはできたはずだ。まぁいいとっととターンを進めるか。
「俺のターンドロー。俺は墓地の光属性の『ライトロード・ハンター ライコウ』と闇属性の『シャドール・ビースト』をゲームから除外して手札から『カオス・ソルジャー ─開闢の使者─』を特殊召喚する」
俺は墓地から2体のモンスターを除外すると手札からあの決闘王『武藤遊戯』が使用する『カオス・ソルジャー』のリメイク版カードである盾と剣をその手に握る混沌の戦士こと『カオス・ソルジャー ─開闢の使者─』を召喚した。
カオス・ソルジャー ─開闢の使者─ ☆8 ATK3000
カオス・ソルジャー ─開闢の使者─
特殊召喚・効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地から光属性と闇属性のモンスターを1体ずつ除外した場合に特殊召喚できる。
このカードの(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。
(2):このカードの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。このカードはもう1度だけ続けて攻撃できる。
「そ、そんな・・・伝説のレアカードの『カオス・ソルジャー』が出てくるなんて・・・」
『カオス・ソルジャー』の登場にカイザーの愚弟は顔を青ざめている。だが、容赦はしない。
「『カオス・ソルジャー』で『パトロイド』を攻撃。開闢双破斬!!」
「うわぁー!!」
伏せカードがないので安心して攻撃宣言を行うと『カオス・ソルジャー』の剣が『パトロイド』を切り裂きその衝撃がカイザーの愚弟を襲う。
翔:LP4000→2200
「『カオス・ソルジャー』の効果発動。このカードが相手モンスターを破壊した場合、もう一度攻撃ができる」
「なっ!?」
「『カオス・ソルジャー』でプレイヤーにダイレクトアタック。時空突破・開闢双破斬!!」
「て、手札の『カイトロイド』の効果発動ッス!手札のこのカードを捨てることで相手モンスターのダイレクトアタックによる戦闘ダメージを0にするッス!」
カイザーの愚弟にトドメを刺そうと『カオス・ソルジャー』で攻撃を仕掛けたが防がれてしまった。これは流石に油断しすぎたな。
カイトロイド(未OCG)
効果モンスター
レベル1/風属性/機械族/攻撃力200/守備力400
相手モンスターの直接攻撃による戦闘ダメージ計算時、手札のこのカードを捨てて発動できる。
その直接攻撃によって発生する自分への戦闘ダメージを0にする。
また、自分の墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。
相手の直接攻撃によって発生する自分への戦闘ダメージを1度だけ0にする。
「メインフェイズ2に移行し、『魔導戦士ブレイカー』を召喚し、カードを2枚セットしてターンエンドだ」
魔導戦士ブレイカー ☆4 ATK1600→1900
魔導戦士ブレイカー
効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1600/守1000
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。
このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大1つまで)。
(2):このカードの攻撃力は、このカードの魔力カウンターの数×300アップする。
(3):このカードの魔力カウンターを1つ取り除き、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。その魔法・罠カードを破壊する。
このターンでの勝利は逃したが問題ない。奴が何をしてこようと対処するための手段は整っている。さて、それでは見せてもらおうじゃないか。カイザーの愚弟がこれからどう展開していくのかを
ライ:LP4000
手札:3枚
モンスター:カオス・ソルジャー ─開闢の使者─(攻) 魔導戦士ブレイカー(攻)
魔法・罠:リバースカード3枚
翔:LP2200
手札:1枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
「ボ、ボクのターンドロー。ボクは魔法カード『強欲な壺』を発動して2枚ドロー!よし!!」
どうやら手札増強のカードを引けたようだな。青ざめた表情から一転、気味の悪い笑顔を浮かべた。
強欲な壺
通常魔法
デッキからカードを2枚ドローする
「『ジャイロイド』を召喚して魔法カード『死者蘇生』を発動!墓地から『スチームロイド』を特殊召喚するッス!!」
ジャイロイド ☆3 ATK1000
スチームロイド ☆4 ATK1800
ジャイロイド
効果モンスター
星3/風属性/機械族/攻1000/守1000
このカードは1ターンに1度だけ、戦闘によっては破壊されない。(ダメージ計算は適用する)
死者蘇生
通常魔法(制限カード)
(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
「魔法カード『アイアンドロー』発動!僕の場に機械族の効果モンスターが2体いるのでデッキから2枚ドロー!ただしこのターンあと1回しか特殊召喚できなくなるッスけど十分ッス!!」
カイザーの愚弟は下品な笑みを浮かべながらそう言った。どうやら今ドローしたカードに相当自信があるようだ。
アイアンドロー
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドのモンスターが機械族の効果モンスター2体のみの場合に発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分は1回しかモンスターを特殊召喚できない。
「ボクは魔法カード『ビークロイド・コネクション・ゾーン』を発動!フィールドの『ジャイロイド』と『スチームロイド』を素材に融合するッス!!空を飛ぶ機械よ、蒸気で動く機械と交わりて新たな機械へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れよ、『スチームジャイロイド』!!」
スチームジャイロイド ☆6 ATK2200
ビークロイド・コネクション・ゾーン
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、「ビークロイド」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは効果では破壊されず、そのモンスターの効果は無効化されない
スチームジャイロイド
融合モンスター
星6/地属性/機械族/攻2200/守1600
「ジャイロイド」+「スチームロイド」
「まだまだいくッスよ!!速攻魔法『リミッター解除』発動!『スチームジャイロイド』の攻撃力を倍にするッス!!」
これで『スチームジャイロイド』の攻撃力は『カオス・ソルジャー』を超えたな。
スチームジャイロイド ATK2200→4400
リミッター解除
速攻魔法
(1):自分フィールドの全ての機械族モンスターの攻撃力は、ターン終了時まで倍になる。
この効果が適用されているモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。
「どうだ見たか!これがカイザーの弟である丸藤翔様の実力だ!!参ったか!!」
カイザーの愚弟は『カオス・ソルジャー』の攻撃力を超えるモンスターの存在に気を良くしたのか高笑いを上げながらそう言ってきた。
確かに攻撃力は高いが、所詮それだけだ。
「貴様の戯言などどうでもいい。とっととターンを進めろ」
「フン!そんな態度を取っていられるのも今だけッス!!バトル!『スチームジャイロイド』で『カオス・ソルジャー』を攻撃!ハリケーン・スモーク!!」
『スチームジャイロイド』が胴体のプロペラを回転させながら『カオス・ソルジャー』に突撃してくる。だがその程度の攻撃をくらう俺ではない。
「トラップ発動『アームズ・コール』。デッキから装備魔法を手札に加え、自分フィールドのモンスターに装備する。俺はデッキから『団結の力』を手札に加え『カオス・ソルジャー』に装備する。そして『団結の力』の効果によって『カオス・ソルジャー』の攻撃力と守備力は俺の場にいるモンスターの数×800ポイントアップする」
カオス・ソルジャー ─開闢の使者─ ATK3000/DEF2500→ATK4600/DEF4100
アームズ・コール
通常罠
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):デッキから装備魔法カード1枚を手札に加える。その後、そのカードを装備可能な自分フィールドのモンスター1体を選び、そのモンスターに装備できる。
団結の力
装備魔法
(1):装備モンスターの攻撃力・守備力は、自分フィールドの表側表示モンスターの数×800アップする。
「そ、そんな・・・」
「これで終わりじゃない。速攻魔法『コンセントレイト』発動。これにより『カオス・ソルジャー』の攻撃力をその守備力分だけアップする。よって『カオス・ソルジャー』の攻撃力は──」
カオス・ソルジャー ─開闢の使者─ ATK4600→8900
コンセントレイト
速攻魔法
(1):自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時までその守備力分アップする。
このカードを発動するターン、対象のモンスター以外の自分のモンスターは攻撃できない。
「あ、あぁ・・・・・・」
カイザーの愚弟に手札はなく、墓地にもこの攻撃を防ぐ手段はないために顔を青ざめながら少しずつ後ずさりしていた。だが俺はデュエルにおいて相手に情け容赦を与えることなどない。相手が誰であろうとそれは侮辱でしかないのだから。
「迎撃しろ『カオス・ソルジャー』。開闢双破斬!!」
突撃してくる『スチームジャイロイド』の前に陣取った『カオス・ソルジャー』は剣を構えるとそのまま剣を振り下ろし、『スチームジャイロイド』を真っ二つに斬り裂いた。
「う、うわああああっ!!」
翔:LP2200→-2300
これによりこのデュエルは俺の勝利で終わった。
ライsideout
十代side
「くっ!翔・・・何処にいるんだよ?隼人や彩人たちみんな心配してるんだぞ」
俺はいなくなった翔に対して文句を言いながら翔を探し続けるが中々見つからないでいた。そんな時だった。
「う、うわああああっ!」
近くから翔の叫び声が聞こえた。その声を聞いた俺は思わず・・・
「今のは翔の声!?まさか翔の身に何か・・・」
翔に何かあったのではないかと思い、俺は翔の叫び声が聞こえた方へと急ぐ。だが、その時だった。
『待つんだ十代』
『クリクリ~!!』
俺の精霊である『E・HEROフレイム・ウィングマン』と『ハネクリボー』が現れて俺を引き止める。
「いきなりどうしたんだよ?なんで翔の所に行こうとするのを止めるんだよ」
俺はなんで2人が止めるのか分からずそう聞いてしまう。すると『フレイム・ウィングマン』が真剣な表情をしながらそれについて答えてくれた。
『十代、お前が向かおうとしている場所から強力な精霊の力を複数感じる。敵意や悪意などのようなものは感じないがそんな場所に自ら近づくのは危険だ』
『クリ』
『フレイム・ウィングマン』に同意するように『ハネクリボー』もコクンと首を縦に振る。その事から『フレイム・ウィングマン』と『ハネクリボー』が俺の事を心配してそう言ってくれたことが分かる。だけど・・・
「悪い。それでも俺は行くよ。翔の事を放っておけないからさ」
俺は『フレイム・ウィングマン』と『ハネクリボー』に対してそう言うと2人は互いに顔を見合わせて苦笑したかと思えば俺の方に顔を向けた。
『お前ならそう言うだろうと思っていたよ。だが、危険だと私が判断したらその少年を置いていってでもお前を逃がすからな』
「ああ、いつも悪いな」
『フン』
『クリクリ~』
『フレイム・ウィングマン』と『ハネクリボー』はその姿を一旦消すと、俺は翔の声が聞こえた場所へと走って向かった。
その場所にはすぐに到着した。しかし・・・
「し・・・翔!?」
俺の前にはデュエルディスクを腕につけて地面に倒れて気絶している翔の姿と真っ二つに斬り裂かれた翔のエースモンスターである『スチームジャイロイド』の姿があった。
「おい、翔!しっかりしろ!?」
俺は翔の肩を掴み体を揺すりながら声をかけるが、反応しない。
その時だった。
「カイザーの愚弟を倒したと思ったら次は君が現れるとはね。遊城十代」
黒い制服を着た銀髪の男が俺の前に現れる。当然だが、俺はこの男を知らない。だが、今の口ぶりからコイツが翔を倒したことだけはわかる。
「あんた誰だよ。なんで翔をこんな目に合わせたんだ」
俺は倒れている翔の前に立って警戒しながら目の前にいる男を睨む。だが、男はそんな俺の視線を気にせず日常の会話をするように話しかけてきた。
「俺の名前はライ・アルトリウス。オベリスクブルーの2年だ。そこのカイザーの愚弟だが俺はそいつからデュエルを仕掛けられたからそれに応えただけだ。最もその実力は期待外れもいい所だったがな」
ライと名乗る男はそう言うが、俺はその言葉から翔を馬鹿にしていることがわかり俺は思わず睨んでしまった。
「おいなんで翔のことをそんな風に言うんだよ。確かに翔のデュエルには至らない所はあるかもしれないけどそこまで言う必要は無いだろう。それになんで翔をこんな目に合わせたんだ」
俺は翔を気絶させあまつさえ侮辱した彼に対して質問した。すると・・・
「簡単な話だ。デュエルをしてそのカイザーの愚弟の実力をそう判断した上でそう言われても仕方がないと俺は思ったまでだ。そしてそいつを倒した理由は簡単だ。そのカイザーの愚弟がサイバー流の掲げる愚かなリスペクトデュエルの信者にして俺たちの敵だからだ」
彼はなんともないようにそう言うが、その言葉に俺は頭がカッとなってしまった。
「ふざけんな!そんな下らない理由で翔をこんな目に合わせたって言うのかよ!!」
「下らない理由ではないさ。そいつを含めたサイバー流やその信者共の掲げる愚かなリスペクトデュエルによって過去にそして今現在でも多くの犠牲者が生まれている。故に俺は情け容赦なくそいつを倒しただけだ」
彼の言葉を聞いた瞬間、俺はキレてしまった。
「俺は正直リスペクトデュエルの事はよく分からない。だけど、翔を・・・友達をこんな目に合わせたアンタを許せない!!俺とデュエルをしろ!!」
俺はそう言ってデュエルディスクをセットすると彼に向けてデュエルを挑む。
「いいだろう。俺も君の実力が知りたかったからちょうどいい。そのデュエル受けて立つ」
どうやら俺のデュエルに応じてくれるようで彼もまた俺と同じようにデュエルディスクをセットする。そして翔をデュエルに巻き込まないような位置に移動させてから向かい合うような形になると・・・
「「
デュエルが始まった。
そしてこれが、俺とサイバー流と敵対する組織『黒の騎士団』との初めてのデュエルだった。
十代sideout
十代「今日の最強カードは『カオス・ソルジャー ─開闢の使者─』!!」
カオス・ソルジャー ─開闢の使者─
特殊召喚・効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地から光属性と闇属性のモンスターを1体ずつ除外した場合に特殊召喚できる。
このカードの(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。
(2):このカードの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。このカードはもう1度だけ続けて攻撃できる。
刹那「『
十代「2つの効果を持ってるけどどちらも強力だよな。2回攻撃かモンスターの除外。どちらの効果も優秀だから状況に応じて使い分けたいな」
刹那「ちなみにアニメでの初登場は十代VS神楽坂戦の時に神楽坂が使用していたモンスターで十代を苦しめていたな。現実の方でも優秀なカードとして知られているな」
十代「優秀なカードだから『カオス・ソルジャー』もこれ以外にも多くのリメイクカードやサポートカードが登場しているし、他の人のSSでも出番の多いカードの1枚と思うぜ」
刹那「それでは次回の話もよろしくな」
あとがき
どうも有頂天皇帝です。最近スパロボ30の発売日の決定と復活のルルーシュやナイツマなど好きな作品の参戦に喜んでスパロボの方も書こうと思いつつ全くそっちの方は筆が進まなくて辛い・・・今回登場したライ・アルトリウスはゲーム『コードギアスLOSTCOLORS』の主人公にして作者の作品の一つである『スーパーロボット大戦Z 魔王たちの新たに歩む物語』の登場人物です。ライのデッキは光と闇属性モンスターを中心にした『カオスデッキ』となっていますが、今のところの候補として他作品カードゲームであるヴァンガードカードをオリカとして入れようと考えていますがどうでしょうか?今回の話は探究者さんの作品である『遊城王GX 龍と共に道を歩く者』の27話『アンチ・リスペクト』の話を参考に書きました。また、本来なら精霊としての登場はなかった『E・HEROフレイム・ウィングマン』ですが、探究者さんの影響もありますが十代にとって初代エースであるこのモンスターがアニメでも精霊として登場しても正直違和感ないと思うんですよね。それにアニメ見てて感じたのですが、実体化できなくとも十代のモンスターたちは全員精霊だとしてもおかしくないぐらい表情豊かでしたよね。
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第15話 呪われし邪竜
今回の話は十代とライのデュエルとなっており、オリカとして別のカードゲーム作品のカードの登場があります。
ライside
本日3度目の挑まれたデュエルだが、相手は前に相手をした口だけの弱者の2人とは異なり実力を持っている遊城十代。油断も過信もせずデュエルをするつもりだ。そしてデュエルディスクのルーレットの結果、先行は遊城十代となった。
「俺のターンドロー!俺は『E・HEROフォレストマン』を守備表示で召喚し、カードを二枚伏せてターンエンドだ!」
E・HEROフォレストマン ☆4 DEF2000
E・HEROフォレストマン
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1000/守2000
(1):1ターンに1度、自分スタンバイフェイズに発動できる。自分のデッキ・墓地から「融合」1枚を選んで手札に加える。
どうやらこちらの出方を伺うつもりなのかまずは守備を固めてきたようだ。だが『フォレストマン』を残すのは厄介なので早めに倒す必要があるな。
「俺のターンドロー。相手の場にモンスターがいるため俺は手札から『フォトン・スラッシャー』を特殊召喚する」
フォトン・スラッシャー ☆4 ATK2100
フォトン・スラッシャー
特殊召喚・効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻2100/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドにモンスターが存在しない場合に特殊召喚できる。
(1):自分フィールドにこのカード以外のモンスターが存在する場合、このカードは攻撃できない。
「バトル。『フォトン・スラッシャー』で『フォレストマン』を攻撃」
「トラップ発動!『ヒーロー・バリア』!!俺の場に「E・HERO」が存在するのでその攻撃を無効にする!」
ヒーロー・バリア
通常罠
自分フィールド上に「E・HERO」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。
『フォトン・スラッシャー』がその剣で『フォレストマン』に斬りかかるが『フォレストマン』の前に出現した光の渦の壁によってその攻撃は防がれてしまった。しかし、まだ攻撃することはできる。
「速攻魔法『速攻召喚』発動。これにより俺は手札からモンスターを召喚できる。俺は『フォトン・スラッシャー』を生贄に『ダークフレア・ドラゴン』を召喚」
ダークフレア・ドラゴン ☆5 ATK2400
速攻召喚(未OCG)
速攻魔法
手札のモンスター1体を通常召喚する。
ダークフレア・ドラゴン
効果モンスター
星5/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守1200
このカードは自分の墓地の光属性と闇属性のモンスターを1体ずつゲームから除外し、手札から特殊召喚できる。
1ターンに1度、手札とデッキからドラゴン族モンスターを1体ずつ墓地へ送る事で、自分または相手の墓地のカード1枚を選択してゲームから除外する。
「『ダークフレア・ドラゴン』で『フォレストマン』を攻撃」
『ダークフレア・ドラゴン』の口から放たれた炎のブレスによって『フォレストマン』の体を焼き付くし破壊することに成功した。
「トラップ発動!『ヒーロー・シグナル』!!自分フィールド上のモンスターが戦闘で破壊され墓地に送られたのでデッキから『E・HEROブレイズマン』を特殊召喚する。そして特殊召喚に成功したのでデッキから『融合』を手札に加える」
E・HEROブレイズマン ☆4 ATK1200
ヒーロー・シグナル
通常罠
(1):自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
手札・デッキからレベル4以下の「E・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。
E・HEROブレイズマン
効果モンスター
星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1800
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「融合」1枚を手札に加える。
(2):自分メインフェイズに発動できる。デッキから「E・HERO ブレイズマン」以外の「E・HERO」モンスター1体を墓地へ送る。
このカードはターン終了時まで、この効果で墓地へ送ったモンスターと同じ属性・攻撃力・守備力になる。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。
「『融合』を手札に加えられたか。カードを一枚伏せてターンエンド」
『フォレストマン』を倒すことは出来たが、結局彼の手札に『融合』が加わってしまった上に彼の場にモンスターが残ってしまった。
だが、何時までもその事ばかりに目を向けられないので何が起こっても対処できるようにしよう。
ライ:LP4000
手札:2枚
モンスター:ダーク・フレア・ドラゴン
魔法・罠:リバースカード1枚
十代:LP4000
手札:4枚
モンスター:E・HEROブレイズマン(攻)
魔法・罠:無し
ライsideout
十代side
翔を傷つけられた怒りから仕掛けたデュエル。翔のためにも負ける訳にはいかない!
「俺のターンドロー!俺は『ブレイズマン』の効果発動!デッキから『E・HERO』1体を墓地に送ることでターン終了時まで墓地に送ったモンスターと同じ属性と攻守を得る。俺は『E・HEROネクロダークマン』を墓地に送る」
E・HEROブレイズマン(E・HEROネクロダークマン) 炎→闇 ATK1200/DEF1800→ATK1600/DEF1800
E・HEROネクロダークマン
効果モンスター
星5/闇属性/戦士族/攻1600/守1800
(1):このカードが墓地に存在する限り1度だけ、
自分はレベル5以上の「E・HERO」モンスター1体をリリースなしで召喚できる。
「墓地の『ネクロダークマン』の効果発動!このカードが墓地に存在する限り1度だけ、俺は生贄なしで『E・HERO』を召喚できる。俺は『E・HEROエッジマン』を召喚!」
E・HEROエッジマン ☆7 ATK2600
E・HEROエッジマン
効果モンスター
星7/地属性/戦士族/攻2600/守1800
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
「そして魔法カード『融合』発動!フィールドの『E・HEROネクロダークマン』扱いの『E・HEROブレイズマン』と手札の『E・HEROスパークマン』で融合!闇の力を秘めし英雄よ、雷を操りし英雄と交わりて暗き輝きを秘めし英雄へと生まれ変われ!融合召喚!現れろ、『E・HEROダーク・ブライトマン』!!」
半透明となった『ネクロダークマン』を背後に背負った『ブレイズマン』と『スパークマン』が背後に現れた渦の中へと入り、渦が消えるとそこには金色のメタリックな鎧と機械的な翼を付けた黒いヒーロー『E・HEROダーク・ブライトマン』が現れた。
E・HEROダーク・ブライトマン ☆6 ATK2000
E・HEROダーク・ブライトマン
融合・効果モンスター
星6/闇属性/戦士族/攻2000/守1000
「E・HERO スパークマン」+「E・HERO ネクロダークマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
また、このカードは攻撃した場合、ダメージステップ終了時に守備表示になる。
このカードが破壊された時、相手フィールド上のモンスター1体を選択して破壊する。
これで俺の場にモンスターが2体揃った。相手の伏せカードが何なのか気になるがここは攻めるぜ!
「バトル!『エッジマン』で『ダーク・フレア・ドラゴン』を攻撃!パワー・エッジ・アタック!!」
『エッジマン』は一気に『ダーク・フレア・ドラゴン』に近づくと右腕の刃で斬りかかった。
「『ダーク・フレア・ドラゴン』をリリースしてトラップ発動『バーストブレス』。リリースした『ダーク・フレア・ドラゴン』の攻撃力以下の守備力を持つフィールドのモンスターを全て破壊する」
「なにっ!?」
しかし、『エッジマン』が『ダーク・フレア・ドラゴン』の首を斬り落とすよりも先に『ダーク・フレア・ドラゴン』の口から放たれた炎のブレスに呑み込まれ、そのまま俺の近くまで炎は迫ったかと思えば『ダーク・ブライトマン』も呑み込み2体は燃やし尽くされた。そして、ブレスを吐き終えた『ダーク・フレア・ドラゴン』は力尽きたように消え去った。
バーストブレス
通常罠
(1):自分フィールドのドラゴン族モンスター1体をリリースして発動できる。
リリースしたモンスターの攻撃力以下の守備力を持つフィールドのモンスターを全て破壊する。
「くっ!俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」
まさかモンスターが全滅するとは思わず、俺は自分の迂闊さに反省しながら次の相手のターンを凌ぐためにカードを伏せた。これで俺の手札は尽きてしまったが、まだデュエルは終わっていないのだから最後まで諦める気は無い。
ライ:LP4000
手札:2枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
十代:LP4000
手札:1枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
十代sideout
ライside
前のターンは上手くトラップカードが決まったおかげで十代のモンスターを全滅させることにしたがまだ油断はできない。
「俺のターンドロー。俺は魔法カード『天使の施し』を発動しデッキからカードを3枚ドローし手札を2枚捨てる」
『天使の施し』でカードをドローしたことによって来た。俺にとっての剣の1つであるあのカードが。だが、まだこのカードを出す必要は無いのでまずはこのカードを召喚しよう。
天使の施し
通常魔法
デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる
「そして墓地から光属性の『フォトン・スラッシャー』と闇属性の『ダーク・フレア・ドラゴン』を除外して手札から『カオス・ソルジャー ─開闢の使者─』を特殊召喚する」
カオス・ソルジャー ─開闢の使者─ ☆8 ATK3000
カオス・ソルジャー ─開闢の使者─
特殊召喚・効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地から光属性と闇属性のモンスターを1体ずつ除外した場合に特殊召喚できる。
このカードの(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。
(2):このカードの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。このカードはもう1度だけ続けて攻撃できる。
「『カオス・ソルジャー』!遊戯さんの使う伝説のレアカードの1枚!!」
『カオス・ソルジャー』の登場に驚く十代だが、その顔にはどうやって倒そうかとワクワクしながら考えているのか好戦的な笑みを浮かべていた。
「バトル。『カオス・ソルジャー』でダイレクトアタック。時空突破・開闢双破斬!!」
「させるか!トラップ発動!!『カウンター・ゲート』!!相手のダイレクトアタックを無効にしてデッキからカードを1枚ドローする。そのカードがモンスターカードなら攻撃表示で通常召喚できる。俺がドローしたのは『E・HEROバブルマン』!!そのまま攻撃表示で召喚し、『バブルマン』以外のカードが無いので2枚ドロー!!」
E・HEROバブルマン ☆4 ATK800
『カオス・ソルジャー』の剣が十代に迫るが、十代の前に長方形の形をした歪んだ時空が発生しそこから現れた『バブルマン』によって剣を受け止められてしまった。結果的にこちらの攻撃は防がれた上にドローまで許してしまった。
カウンター・ゲート
通常罠
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。その攻撃を無効にし、自分はデッキから1枚ドローする。そのドローしたカードがモンスターだった場合、そのモンスターを表側攻撃表示で通常召喚できる
E・HEROバブルマン(アニメ効果)
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/ATK800/DEF1200
手札がこのカード1枚だけの場合、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に自分のフィールド上に他のカードが無い場合、デッキからカードを2枚ドローする事ができる。
「防がれたか。まあいいいおれはこのままターンエンドだ」
これ以上の攻撃は出来ないためターンを終了する。相手はHEROデッキであることから次のターンで『カオス・ソルジャー』を突破される可能性は高いので警戒をしなくてはな・・・
ライ:LP4000
手札:2枚
モンスター:カオス・ソルジャー ─開闢の使者─(攻)
魔法・罠:無し
十代:LP4000
手札:3枚
モンスター:E・HEROバブルマン(攻)
魔法・罠:無し
ライsideout
十代side
(危なかったな。もし『カウンター・ゲート』が除去されていたら大ダメージを受けるところだったぜ)
十代はさっきのターンの事を思い出して内心冷や汗を流すが、『バブルマン』を召喚できたことでこのドローを含めて手札は4枚になる。これなら何とかなるかもしれない。
「俺のターンドロー!よし!俺はフィールドの『バブルマン』と手札の魔法カード『突然変異メタモルフォーゼ』を墓地に送ることで手札から『E・HERO バブルマン・ネオ』を特殊召喚!!」
E・HEROバブルマン・ネオ ☆4 ATK800
通常魔法
自分フィールド上モンスター1体を生け贄に捧げる。生け贄に捧げたモンスターのレベルと同じレベルの融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
E・HEROバブルマン・ネオ
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻 800/守1200
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に存在する「E・HERO バブルマン」と手札の「突然変異」を墓地へ送った場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、カード名を「E・HERO バブルマン」として扱う。このカードと戦闘を行った相手モンスターをダメージステップ終了時に破壊する。
「さらに装備魔法『バブル・ショット』を『バブルマン・ネオ』に装備して攻撃力を800ポイントアップさせる!」
『バブルマン・ネオ』はその肩にバブル・ショットを背負い攻撃力を上げた。
E・HEROバブルマン・ネオ ATK800→1600
バブル・ショット
装備魔法
「E・HERO バブルマン」にのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は800ポイントアップする。
装備モンスターが戦闘で破壊される場合、代わりにこのカードを破壊し、装備モンスターのコントローラーへの戦闘ダメージを0にする。
「そして魔法カード『天よりの宝札』を発動し互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにドローする。俺はデッキから6枚ドロー!!」
「なら俺も4枚ドローさせてもらおう」
相手にもカードをドローさせてしまったが、ドローしたことでこのターンで相手を倒すためのカードが揃った。
天よりの宝札(アニメ効果)
魔法カード
(1):互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにデッキからカードをドローする。
「魔法カード『ミラクルフュージョン』発動!!墓地の『E・HEROスパークマン』と『E・HEROエッジマン』を除外して融合!雷を操りし英雄よ、鋭き刃の英雄と交わりて雷を帯びし刃で敵を切り裂く英雄へと生まれ変われ!融合召喚!!現れろ、『E・HEROプラズマヴァイスマン』!!」
『スパークマン』と『エッジマン』が背後に現れた渦の中へと入り、渦が消えるとそこには巨大な金色の金属の刃となった両腕を携え、全身から電気を迸らせる英雄『E・HEROプラズマヴァイスマン』が現れた。
ミラクル・フュージョン
通常魔法
(1):自分のフィールド・墓地から、「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
E・HEROプラズマヴァイスマン
融合・効果モンスター
星8/地属性/戦士族/攻2600/守2300
「E・HERO スパークマン」+「E・HERO エッジマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
自分のメインフェイズ時に、手札を1枚捨てて発動できる。相手フィールド上に攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して破壊する。
また、このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
「手札を1枚捨てて『プラズマヴァイスマン』の効果発動!相手フィールドの表側攻撃表示で存在する『カオス・ソルジャー』を破壊!!ライトニング・スラッシュ!!」
『プラズマヴァイスマン』は両腕の刃に雷のエネルギーを溜め込むと、腕を交差するように振り下ろしてXの字になるように鋭い電気のエネルギーを放つと『カオス・ソルジャー』に当たり、その体を斬られて爆散した。
「これでモンスターはいなくなった!!バトルだ!『バブルマン・ネオ』でダイレクトアタック!!バブルショット!!」
『バブルマン・ネオ』は肩に背負ったバブル・ショットの照準を相手に合わせると銃口から大量の泡を発射した。
「・・・・・・」
ライ:LP4000→2400
「これで終わりだ!『プラズマヴァイスマン』でダイレクトアタック!!プラズマ・パルサーション!!」
『プラズマヴァイスマン』は両手の間に電気のエネルギーを溜め込み、その溜め込んだ電気のエネルギーを相手に向けて放った。これでこのデュエルは俺の勝ちだ!
「手札の『暗黒の
しかし、奴の目の前に黒い巨大な盾を両肩に装着した黒い鎧を纏った男──『マクリール』が現れると両肩の盾を前に展開させ『プラズマヴァイスマン』の攻撃を防いだ。
暗黒の
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻800/守1400
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。手札のこのカードを墓地に送り、その攻撃を無効にする。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。ターン終了時まで自分フィールドの闇属性モンスターは戦闘及び相手の効果では破壊されない。この効果は相手ターンにも発動できる。
「倒しきれなかったかっ!俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
決まったと思ったが後一歩のところで防がれた。ここで決められなかったことに俺はどこか不安を拭いきれないが俺はそれを振り切るようにカードを伏せてターンを終了させた。
この時、俺は気づいていなかった。次のターンにこの不安が的中することを・・・
ライ:LP2400
手札:5枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
十代:LP4000
手札:2枚
モンスター:E・HEROバブルマン・ネオ(攻) E・HEROプラズマヴァイスマン
魔法・罠:バブル・ショット(バブルマン・ネオ装備) リバースカード2枚
十代sideout
ライside
(噂には聞いていたけどやはり侮れないな)
こうも簡単に『カオス・ソルジャー』がやられたことに多少驚きはしたがそれと同時に納得出来た。このアカデミアに入学した1年の中でもその実力はトップクラスであり、アカデミア内でもその実力を警戒する生徒は多くいる。実際に戦っているからこそ十代の実力がよく分かり、その実力はまだ成長が止まらないように思える。だが・・・
「俺に敗北は許されない!ドロー!!」
俺はドローカードを確認するとフッと笑みを浮かべてしまった。それを見た十代も警戒しデュエルディスクを構え直す。
「まずはこのモンスターを召喚する。闇に堕ちし聖騎士よ、その刃で刃向かう敵を斬り伏せろ!!来い!ブラスター・ダーク・
俺の目の前の地面から黒々しい闇のオーラが噴出し辺りを覆ったその瞬間、闇のオーラの内部から切り裂かれ漆黒の鎧を纏った騎士がその手に握る漆黒の大剣を地面に突き刺した姿が現れた。
ブラスター・ダーク・
「な、何だこのモンスターは・・・氷華さんの『メイルストローム』とどこか似たような感じがするけど・・・」
初めて見るモンスターに驚く十代だが、驚くのは早い。
「手札を1枚捨てて『ブラスター・ダーク・撃退者』の効果発動。相手のフィールドのカード1枚を破壊する。俺は『E・HEROプラズマヴァイスマン』を破壊」
『ブラスター・ダーク・撃退者』は大剣を構えると『プラズマヴァイスマン』に一気に接近し大剣を振り下ろす。『プラズマヴァイスマン』は大剣を防ごうと両腕でクロスガードするが、防ぐ事が出来ずそのまま破壊された。
ブラスター・ダーク・
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1900/守1400
このカード名はルール上『ブラスター・ダーク』としても扱う
(1):手札を1枚捨てて発動できる。相手フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
(2):フィールドのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで500アップする。
(3):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードの属性は「光」としても扱う。
「くっ、『プラズマヴァイスマン』っ!!」
「まだだ。『ブラスター・ダーク』はフィールドのカードが破壊され墓地に送られたターンのエンドフェイズ時まで攻撃力を500アップする」
ブラスター・ダーク・撃退者 ATK1900→2400
「ライフを1000ポイント支払って魔法カード『深淵からの帰還』を発動。自分の墓地からレベルの異なる闇属性モンスター2体を選択し、自分のフィールドに特殊召喚できる。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に除外される。俺は墓地から『髑髏の魔女ネヴァン』と『ブラック・マジシャン』を特殊召喚する」
俺の目の前の地面に黒い穴が発生するとそこから周囲に青い電気を帯びた青い水晶黒い棘を幾つか浮かせた水晶の髑髏を右手に持った露出の激しいドレスのような黒い鎧を纏った魔女『髑髏の魔女ネヴァン』とデュエルキング武藤遊戯のエースである黒魔導師『ブラック・マジシャン』が現れた。
髑髏の魔女ネヴァン ☆5 ATK1200
ブラック・マジシャン ☆7 ATK2500
深淵からの帰還(オリカ)
通常魔法
このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):1000LPを払って発動できる。自分の墓地からレベルの異なる闇属性モンスターを2体選択し自分のフィールドに攻撃表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に除外される。
「『ブラック・マジシャン』!?遊戯さんのエースモンスター!!」
まさかのデュエルキングのエースモンスターである『ブラック・マジシャン』の登場に十代は驚くが、まだこちらのターンはこれからだ。
「手札のモンスター1枚を墓地に捨てて『髑髏の魔女ネヴァン』の効果発動。デッキから2枚ドロー」
手札のカードを墓地に送りつつドローカードを確認すると来た、このデュエルを終わらせるのに必要なカードが。
髑髏の魔女ネヴァン(オリカ)
効果モンスター
星5/闇属性/魔法使い族/攻1200/守800
このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、手札からモンスター1体を墓地に捨てて発動できる。デッキからカードを2枚ドローする。
ブラック・マジシャン
通常モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100
魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。
「魔法カード『融合』を発動。フィールドの『ブラスター・ダーク・
『ブラスター・ダーク・撃退者』と闇に染ったペガサスを駆る所々に水晶の装飾が施された刺々しい黒い鎧に赤いマントを付けた黒騎士『幽幻の撃退者モルドレッド・ファントム』が背後に現れた渦の中へと入り、渦が消えるとそこには緑色のラインが身体中にある漆黒の奈落竜が両方に刃のある槍を構えて咆哮を上げながら現れた。
ファントム・ブラスター・ドラゴン ☆8 ATK3000
「な、なんだ。このモンスターから感じるプレッシャーはっ!?」
十代は『ファントム・ブラスター・ドラゴン』から放たれるプレッシャーに冷や汗をかくが、その瞳にはまだ闘志の炎が残っているどころかますます燃えていた。
「融合素材となった『モルドレッド・ファントム』の効果発動。このモンスターが融合召喚の素材として墓地に送られた場合、デッキからレベル6以下の闇属性モンスター1体を攻撃力を500ポイントアップして特殊召喚する。俺はデッキから『クリッター』を特殊召喚」
クリッター ☆3 ATK1000→1500
幽幻の
効果モンスター
☆7/闇属性/戦士族/攻2500/2200
(1):このカードの攻撃宣言時に発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで300アップする。
(2):手札・フィールドのこのカードが融合召喚の素材になり、墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからレベル6以下の闇属性モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は500アップする。
クリッター
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。
デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。
「『クリッター』を墓地に送り『ファントム・ブラスター・ドラゴン』の効果発動。自分のフィールドに存在するモンスター1体を選択し墓地に送ることで『ファントム・ブラスター・ドラゴン』の攻撃力はエンドフェイズ時まで墓地に送ったモンスターの攻撃力分アップする。ダムド・チャージング・ランス!!」
『ファントム・ブラスター・ドラゴン』はその手に握る槍を『クリッター』を突き刺すとその力を奪い取り、ボディの緑色のラインが赤くなり、咆哮を上げた。
ファントム・ブラスター・ドラゴン ATK3000→4500
ファントム・ブラスター・ドラゴン(オリカ)
融合モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
「ブラスター・ダーク」+レベル5以上の闇属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、自分のフィールド上に存在するモンスター1体を墓地に送ることで発動できる。このターンのエンドフェイズ時までこのモンスターの攻撃力は墓地に送ったモンスターの攻撃力分アップする。
「『クリッター』の効果でデッキから『幽鬼うさぎ』を手札に加える。バトル。『ブラック・マジシャン』で『バブルマン・ネオ』を攻撃。ブラック・マジック!!」
「『バブルマン・ネオ』に装備している『バブル・ショット』を代わりに破壊することで戦闘破壊とダメージを無効にする!!」
『ブラック・マジシャン』の握る杖から黒い魔道波が『バブルマン・ネオ』に向けて放たれるが、『バブルマン・ネオ』は肩に背負った『バブル・ショット』でその攻撃を防いだことで破壊を免れた。しかし、装備魔法が破壊されたことで『バブルマン・ネオ』の攻撃力は元に戻った。
バブルマン・ネオ ATK1600→800
「続いて『ネヴァン』で『バブルマン・ネオ』に攻撃」
『ネヴァン』は周囲の黒い棘に電気を走らせると宙に浮かぶと右手に持った水晶の髑髏を『バブルマン・ネオ』に向け、黒い棘から電気を集約させると水晶の髑髏から電気を放った。今度は防ぐ手段はなかったようでそのまま破壊された。
「くっ!」
十代:LP4000→3600
これで十代のモンスターは全ていなくなった。残っている2枚の伏せカードの存在が気になるが、対策は取れるのでここで決める。
「『ファントム・ブラスター・ドラゴン』でダイレクトアタック」
「そうはいかないぜ!速攻魔法『クリボーを呼ぶ笛』を発動!デッキから『ハネクリボー』を特殊召喚!!」
十代は伏せていた速攻魔法を発動させるとデッキから天使の羽の生えたクリボーこと『ハネクリボー』を召喚してきた。というか何故HEROデッキにハネクリボー入れているんだろうか?
ハネクリボー ☆1 ATK300
クリボーを呼ぶ笛
速攻魔法
自分のデッキから「クリボー」または「ハネクリボー」1体を選択し、
手札に加えるか自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
ハネクリボー
効果モンスター
星1/光属性/天使族/攻 300/守 200
(1):フィールドのこのカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
このターン、自分が受ける戦闘ダメージは0になる。
「さらに速攻魔法『進化する翼』を発動!手札2枚とフィールドの『ハネクリボー』を墓地に送りデッキから『ハネクリボーLV10』を特殊召喚するぜ!!」
『ハネクリボー』は成長し、その背中の羽をより巨大なものへと変貌し、『ハネクリボー』の体を覆うように金色の竜の鎧を纏った『ハネクリボーLV10』へとなった。
ハネクリボーLV10 ☆10 ATK300
進化する翼
速攻魔法
自分フィールド上に存在する「ハネクリボー」1体と手札2枚を墓地に送る。
「ハネクリボー LV10」1体を手札またはデッキから特殊召喚する
ハネクリボーLV10
効果モンスター
星10/光属性/天使族/攻 300/守 200
このカードは通常召喚できない。
このカードは「進化する翼」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを生け贄に捧げる事で、相手フィールド上の攻撃表示モンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力の合計分のダメージを相手ライフに与える。
この効果は相手バトルフェイズ中のみ発動する事ができる。
「なら『ハネクリボーLV10』に攻撃」
「『ハネクリボーLV10』の効果発動!このモンスターを生贄に捧げることで相手フィールド上の攻撃表示モンスターを全て破壊してその元々の攻撃力の合計分のダメージを相手に与える!これで終わりだ!」
『ファントム・ブラスター・ドラゴン』の槍の一撃が『ハネクリボーLV10』に当たる直前に全身から光を放つと俺のフィールドにいるモンスター達に光が降り注ぐ。このまま素直に喰らえばこのデュエルは俺の負けだろう。だが
「手札から速攻魔法『エフェクト・シャット』を発動。『ハネクリボーLV10』の効果を無効にして破壊する」
『ハネクリボーLV10』の光が『ファントム・ブラスター・ドラゴン』たちに届く前に光は遮られ、『ファントム・ブラスター・ドラゴン』たちに襲いかかった光はそのまま『ハネクリボーLV10』を襲い破壊した。
エフェクト・シャット(未OCG)
速攻魔法
モンスターの効果を相手が発動した時に発動可能。
その効果を無効にし、そのモンスターを破壊する
「『ハネクリボー』!?」
逆転の、それも相棒であるカードが破壊されたことに十代はショックを隠しきれないでいた。
「これで終わりだ。やれ!『ファントム・ブラスター・ドラゴン』!!シャドウ・イロージョン!!」
『ファントム・ブラスター・ドラゴン』はその手に握る槍に闇のオーラを纏わせるとそのまま十代に突き刺した。
「ぐあああああああ!?」
十代:LP3600→-900
十代のライフを削りきり、このデュエルは俺の勝利で終わった。
この時の俺はまだ気づいていなかった。このデュエルをきっかけに遊城十代と関わるようになっていくことになるとは・・・
ライsideout
十代「今日の最強カードは『ファントム・ブラスター・ドラゴン』!!」
ファントム・ブラスター・ドラゴン(オリカ)
融合モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
「ブラスター・ダーク」+レベル5以上の闇属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、自分のフィールド上に存在するモンスター1体を墓地に送ることで発動できる。このターンのエンドフェイズ時までこのモンスターの攻撃力は墓地に送ったモンスターの攻撃力分アップする。
刹那「元ネタは『カードファイト!!ヴァンガード』のカードであり、一期のラスボスである雀ヶ森レンのエースカードでありながら主人公の先導アイチも一時使用していたカードだ」
十代「自分の場のモンスターを墓地に送ることでその攻撃力分アップするから終盤でフィニッシャーとして活躍できるぜ!」
刹那「ただしカード効果による耐性もなく攻撃力を上げるのに場の他のモンスターを墓地に送る必要があるのでそこら辺に注意した方がいいぞ」
十代「今後の話でも登場すると思うけど、どんな登場するかは今後の楽しみの一つにしてくれよな!」
刹那「それでは次回の話もよろしくな」
あとがき
お久しぶりです有頂天皇帝です。更新が遅くなってしまい申し訳ありません。ただでさえ遅いのに他にも小説書いているからより遅れてしまっていますが、ちゃんと書き続けていくのでこれからも読んでいただくと嬉しいです。次回は原作通りのカイザーと十代のデュエルを予定しておりますが、その後の制裁デュエルの相手の候補としてレオンハルトやキース、レベッカなどが候補にあるのですがまだ決まってなくて悩んでおります。また、セブンスターズ編の代わりとしてオリジナル展開としてバトルシティのような大会をやろうかと考えているのですがどうでしょうか?質問が多くなりましたが、次回の話もできるだけ早く投稿できるように頑張ります。それではまた次回!
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第16話 英雄VS機光龍
今回は原作でもあった十代とカイザーの初デュエルです。ただ、デュエルの内容やそれまでの導入に変化があります。
十代side
「はぁ、どうすりゃいいんだろうな・・・」
昨日、ライと名乗る生徒とデュエルをして敗北して気絶した所を翔を探していた彩人達が見つけてそのままレッド寮へと運んでくれたらしい。そして目が覚めた時に彩人と隼人に翔の様子を尋ねたがかなり酷いらしい。
俺より先に目を覚ました翔は叫び声を上げたかと思えばそのまま体をガクガクと震わせながら布団の中に困ってしまったらしい。一応彩人が散らばっていた翔のカードを回収して渡したらしいがそれにも全く触れようとしなかったらしい。
この事から昨日のデュエルでの敗北が余程ショックなのだろう。そんな翔に対して『パワー・ボンド』の事を尋ねるのも酷であるためその事を聞けないでいた。
今は翔に早く元気になってもらいたいのだが、その方法も分からないため俺は一人でレッド寮の下にある海岸で釣りをしながら翔の事を心配していた。
「友達の事を心配するのはいいけど先ずは自分の事を心配するのが先じゃないの?」
「ツァンか、なんの用だよ」
翔の事を考えていると後ろから声をかけられたので振り向いてみるとそこには俺の幼なじみの一人であるツァン・ディレが腰に手を当ててたっていた。
「べ、別に大した用じゃないわよ。ただ制裁デュエルであんたたちがプロデュエリストとデュエルするって噂を聞いたから気になって来ただけよ」
「えっ!俺たちの相手ってプロなのか!?」
俺はツァンの言葉に驚いて思わず持っていた釣竿を落としてしまう。学園側が用意するデュエリストなのだから只者でないことは分かっていたことだがまさかプロを雇うとは思ってもいなかった。
「まぁアンタたちの実力からいって学園内から相手を選ぶより外部から選んだ方がいいわよね」
ツァンが何か言っているが俺はそれよりもプロとデュエル出来るかもしれないことにワクワクが止まらず、早く制裁デュエルをやれないかと不謹慎にもそう思っていたその時だった。
「た、大変なんだな~!」
慌てた様子の隼人がこっちに向かって走ってきた。
「どうしたんだよ隼人」
走ったせいで息が上がっている隼人に驚いた俺は何があったのか聞くと隼人息を整えてから話してくれた。
「大変なんだな!翔がまたいなくなっちゃったんだな!?」
「なんだって!!」
「少し部屋から離れて戻った時には翔が部屋からいなくなってて部屋を探していたら翔の荷物もなくなってて机の上にはこんな書置きが・・・」
隼人はそう言いながら紙を俺に見せるとそれには『探さないでください』の文字だけが書いており、俺はそれを見て何も言えなくなる。
まさかデュエルに負けたショックでこうなるなんて・・・よっぽどショックだったんだろうけどこれじゃあ脱走とか思われるぜ。
でも今はそんなことを考えるよりも先にやるべき事がある。
「まだそう遠くにいっていないはずだから翔を探そう」
「わ、わかったんだな」
「ボクも手伝うよ。それから雪乃達にも連絡して丸藤君を見ていないかも確認しとくね」
今の翔を放っておくことも出来ないので俺は翔を探すことを決め、隼人とツァンにもそれを手伝ってもらい別れて探すことにした。
翔、早まるなよ!
十代sideout
刹那side
「カイザー?」
「知らないのか?この学園の最強デュエリスト丸藤亮の二つ名だぞ」
息抜きにアカデミアの購買部でドローパンを買いに来た俺はたまたまあった神楽坂と軽く話していたのだがそこでこの学園の最強デュエリストの名前を初めて聞いていた。というか
「丸藤ってことはもしかしてあのレッド寮の丸藤となんか関係があるのか?」
「噂じゃあの二人兄弟らしいぞ」
「マジか」
まさか本当に関係があると思わず神楽坂の言葉に素で驚いてしまった。しかし、それが事実だとしたら丸藤の奴は中々に辛い立場にいるな。
偉大な兄と落ちこぼれの弟。言葉にすれば簡単だが丸藤は否応なしに優秀な兄と比べられ劣等感を感じざる得なかっだろうな。
「まぁそんな事を俺が気にしても仕方ないか」
確かに丸藤の事は気になるが今は迫る制裁デュエルに向けて意識を集中する必要がある。制裁デュエルの相手がプロデュエリストであることが現在アカデミアの生徒たちの間で噂となっており教師陣もそれを否定していないことから噂の信憑性はかなり高いと考えている。
「にしてもプロを雇うんだとしても誰が相手になるんだろうな」
神楽坂がそう言うように学園が誰を呼ぶかなど検討がつかない。というのもプロデュエリストにもプロからアマチュアとその実力に差もあるだけでなく数が多いことから候補を絞ることも難しいので誰が来るかなど予想する事ができない。
「だが誰が相手だとしても負ける訳にはいかない」
こっちは退学がかかっているのだから相手がプロだとしてもこちらは負ける訳にはいかない。俺はそう再度決意を固め制裁デュエルに向けてデッキ調整をしようと部屋に戻ろうと足を向けた時、PDAに十代からのメールが届いたので確認する。
『翔の奴が『探さないでください』って書置きを残してどこかに消えちまった。もし見かけたら連絡をくれ。by十代』
「一難去ってまた一難か、十代の奴も大変だな」
昨日に続いてまた丸藤がいなくなったようだ。しかも今回は書き置きを残していることから学園を去る可能性も高い。俺はそう考えて思わずため息を吐いてしまうが仕方ない。放っておくのも後味が悪いし手伝ってやるか
「悪い神楽坂、ちょっと用ができたからこれで失礼する」
「ん、そうか。まぁそっちも大変だろうけど頑張れよ」
「ああ。じゃあな」
神楽坂にそう言って別れると俺は丸藤を探すために動くのだった。
刹那sideout
翔side
「そろそろ時間ッスね・・・」
ボクこと丸藤翔は夜ということで自分以外誰もいなくなっている灯台でそう呟く。後30分ぐらいしたら今日最後の本土行きの船がこの島に来る。それに乗ればこのアカデミアでの生活に二度と戻ることはないだろう。
「これでいいんス。ボクなんかがアカデミアにこれ以上残ってても何の意味もないんスから・・・」
アカデミアに入学してから何度もデュエルをしたが1度も勝つことが出来ていない。デュエルに中々勝てないことに焦りを感じ最近はミスも多発してますます勝てなくなっていた。そして昨日のリスペクトデュエルを理解しないオベリスクブルーの生徒とのデュエルに敗北したことで完全に心が折れてしまった。
だからボクはデュエルの道を諦めて実家に帰ることにした。これ以上ここにいても辛いだけなのだから・・・
「そろそろ行くっスかね。早くしないとアニキたちに見つかっちゃうッスから」
ボクは地面に置いていた荷物を纏めたポストンバックを肩に背負うと船へと歩き出そうとした。
だが、その時だった。
「翔、ここにいたのか」
「えっ!?」
その声に反応して声のした方を向いてしまう。声の主は・・・十代のアニキだった。
「あ、アニキ・・・どうしてここに・・・」
ボクは思わずアニキにそう質問してしまう。
「お前が荷物を持って港に行く姿を三沢がたまたま見つけてくれてな。そんな事より寮に早くもどろうぜ。みんなお前がいなくなって心配してるぞ」
アニキは笑いながらそう言ってボクに手を差し伸ばしてきてくれた。やっぱりアニキはこんなボクに対しても優しくしてくれる。だけど・・・
「ダメっスよ。ボクみたいなのがいてもアニキの邪魔になるだけっス・・・」
「そんな事誰も思ったりしないぜ。負けたことが悔しいならこれから頑張って強くなればいいじゃねえかよ」
「負けたことの無いアニキには分からないッスよ。いくら頑張ったってボクなんかじゃ強くなれるわけないッスよ」
そうだ。ボクはアニキや刹那くんのようなこの学園にいる人達と違ってデュエルの才能がないんだ。そんな奴の気持ちなんてアニキが分かるわけないんだ。
「そんなことはないぜ。俺だって何度も負けたことがあるしどっちかと言うと負けた方が多いくらいだぜ?でもそういった経験があるから今の俺がいるんだぜ」
「アニキが負けたことがある・・・?」
ボクはアニキの言葉に思わず唖然となってしまった。だってボクが知っているのはデュエルが強くて不利な状況でも諦めずに楽しそうにデュエルをする姿だけなのだからそのアニキが何度も負けたことがあるなんてとても信じられなかった。そう思っていた時だった。
「見苦しいぞ、翔」
「「えっ!?」」
突然、背後の灯台の方からそんな声がしてボクとアニキはつい後ろを振り返る。其処には・・・如月くんたちと『カイザー』こと丸藤亮が立っていた。
「お・・・お兄さん!?」
「翔、それがお前の選んだ道なら、俺は止めたりしない。アカデミアを去るがいい」
「なっ!?」
「ええっ!?」
お兄さんにそう言われてボクはショックを隠しきれなかった。もしかしたらお兄さんもアニキみたいにボクが去るのを止めようとここまで来てくれたと思ってしまった。
「おい、翔はあんたの弟だろ!!それが弟にかける言葉かよ!!」
「俺は翔の意思を尊重する。ただそれだけだ。それにこれ以上、今の翔に何を言っても無駄だろう」
アニキがボクのことを思ってお兄さんに対して怒ってくれているがお兄さんはそれに対して反応をみせず冷たい態度をとり、それがお兄さんがボクを見捨てられたと思い思わず涙が零れそうになってしまった。
「ふざけんな!本当の兄貴なら弟に対してそんな事を言うんじゃねえ!!」
「ア、アニキ・・・」
アニキはそんなお兄さんに対して怒りを隠さずお兄さんに噛み付いておりそんなアニキをボクを見てしまう。
「だからカイザー!いや、丸藤亮!!あんたのその翔に対する態度を否定する!!だから、俺とデュエルしろ!!」
アニキはそう言いながらデュエルディスクを取り出すと装着してお兄さんに向けてそう言った。
「いいだろう、遊城十代。君とは一度戦ってみたいと思っていた所だ。その挑戦、受けて立つ」
お兄さんはそう言ってデュエルディスクを取り出して利き腕に装着する。それに合わせて俺も自分の利き腕にデュエルディスクを装着する。そして・・・
「「[[rb:決闘>デュエル]]!!」」
十代:LP4000
亮:LP4000
アニキとお兄さんのデュエルが始まった。
翔sideout
十代side
翔が学園を去るのを止めようとしていたのに気づいたら学園最強デュエリスト『カイザー』とデュエルする事になったが後悔はしていない。
最強デュエリストのカイザーとデュエルすることにワクワクする気持ちは多少なりともあるが今はそれ以上に翔に対するカイザーの態度に怒りを感じているのでそれを反省させるためにもこのデュエルは負ける訳にはいかない!
先行はデュエルディスクのルーレットの結果、俺からとなった。
「俺の先行ドロー!俺は『E・HEROバブルマン』を召喚!」
E・HEROバブルマン ☆4 ATK800
「『E・HEROバブルマン』の効果発動!召喚に成功した時、自分のフィールドに他のカードがないのでデッキからカードを2枚ドロー!」
E・HEROバブルマン(アニメ効果)
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/ATK800/DEF1200
手札がこのカード1枚だけの場合、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に自分のフィールド上に他のカードが無い場合、デッキからカードを2枚ドローする事ができる。
「魔法カード『融合』を発動!手札の『E・HEROクレイマン』と場の『E・HEROバブルマン』で融合!泡を操る英雄よ、土塊の英雄と交わりて、頑強なる泥の英雄へと生まれ変われ!融合召喚!現れろ、『E・HEROマッドボールマン』!!」
『バブルマン』と『クレイマン』が場に現れるとそのまま背後に現れた渦の中へと入り、そして渦が消えるとそこには丸みを帯びた黒い泥で作られた体をした英雄──『E・HEROマッドボールマン』が腕を交差して膝を着いていた。
E・HEROマッドボールマン ☆6 DEF3000
E・HEROマッドボールマン
融合・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻1900/守3000
「E・HERO バブルマン」+「E・HERO クレイマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
まずはカイザーがどういった手を打ってくるのか様子を見るための布陣は整ったが相手はこの学園の最強デュエリストであるカイザーだ。油断せずにいこう。
そう思っていた俺だが次のターン、思い知ることになる。カイザーの実力の一端を・・・
十代:LP4000
手札:3枚
モンスター:E・HEROマッドボールマン(守)
魔法・罠:リバースカード2枚
亮:LP4000
手札:5枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
十代sideout
亮side
十代がターンを終えたことにより、俺のターンとなる。
「俺のターン、ドロー」
俺はそう言ってデッキからカードを1枚ドローする。
「俺は手札より『サイバー・ドラゴン』を特殊召喚する。このモンスターは相手のフィールドにのみモンスターが存在する場合、手札から特殊召喚することができる」
まず俺はサイバー流の象徴である機械の龍『サイバー・ドラゴン』を召喚する。
サイバー・ドラゴン
効果モンスター
星5/光属性/機械族/攻2100/守1600
相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
「魔法カード『エヴォリューション・バースト』を発動。このカードは自分フィールドに『サイバー・ドラゴン』が存在する場合に発動でき、相手フィールド上のカードを1枚選択して破壊できる。俺は『E・HEROマッドボールマン』を選択する」
『サイバー・ドラゴン』の口から光線が放たれるとそれはそのまま『E・HEROマッドボールマン』に向けて放たれた。
エヴォリューション・バースト
通常魔法
自分フィールド上に「サイバー・ドラゴン」が存在する場合に発動できる。相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。このカードを発動するターン、「サイバー・ドラゴン」は攻撃できない。
「そうはいかないぜ!リバースカードオープン!速攻魔法『融合解除』!!『E・HEROマッドボールマン』をEXデッキに戻して墓地から融合素材の2体を守備表示で特殊召喚!!」
しかし『サイバー・ドラゴン』の光線が当たる直前、『マッドボールマン』が消え代わりに融合素材である『バブルマン』と『クレイマン』が守備表示で現れた。これによって『エヴォリューション・バースト』は不発となった。
E・HEROバブルマン ☆4 DEF1200
E・HEROクレイマン ☆4 DEF2000
融合解除
速攻魔法
(1):フィールドの融合モンスター1体を対象として発動できる。その融合モンスターを持ち主のEXデッキに戻す。その後、EXデッキに戻したそのモンスターの融合召喚に使用した融合素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、その一組を自分フィールドに特殊召喚できる。
E・HEROクレイマン
通常モンスター
星4/地属性/戦士族/攻800/守2000
粘土でできた頑丈な体を持つE・HERO。
体をはって、仲間のE・HEROを守り抜く。
「防がれたか。ならば俺も魔法カード『融合』を発動する。手札とフィールドの『サイバー・ドラゴン』2体で融合する。2体の機光龍よ、双頭の機光龍へと生まれ変われ!!融合召喚!現れよ、『サイバー・ツイン・ドラゴン』!!」
2体の『サイバー・ドラゴン』が背後に現れた渦の中へと入り、渦が消えるとそこには双頭の機光龍──『サイバー・ツイン・ドラゴン』が現れた。
サイバー・ツイン・ドラゴン ☆8 ATK2800
融合
通常魔法
手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する
サイバー・ツイン・ドラゴン
融合・効果モンスター
星8/光属性/機械族/攻2800/守2100
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
(1):このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
「バトルだ。『サイバー・ツイン・ドラゴン』で『クレイマン』を攻撃!!エヴォリューション・ツイン・バースト!!」
『サイバー・ツイン・ドラゴン』の口から放たれた光線が『クレイマン』を飲み込み破壊した。
「『クレイマン』っ!!」
「まだだ。『サイバー・ツイン・ドラゴン』は一度のバトルフェイズに2回攻撃することが出来る。『バブルマン』を攻撃!!エヴォリューション・ツイン・バースト第二波ァ!!」
再び『サイバー・ツイン・ドラゴン』の口から光線が放たれると『バブルマン』を飲み込み『クレイマン』と同じように破壊した。これで十代のモンスター全て破壊したと思ったその時だった。
「すまない『バブルマン』っ!だが、トラップ発動!『ヒーロー・シグナル』!!このカードは俺のフィールドのモンスターが戦闘で破壊され墓地に送られた時に発動でき、デッキからレベル4以下の『E・HERO』1体を特殊召喚する。俺はデッキからレベル4の『E・HEROエアーマン』を特殊召喚するぜ!来い!『E・HEROエアーマン』!!」
E・HEROエアーマン ☆4 ATK1800
ヒーロー・シグナル
通常罠
(1):自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
手札・デッキからレベル4以下の「E・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。
「召喚に成功した『E・HEROエアーマン』の効果でデッキから『E・HEROスパークマン』を手札に加えるぜ」
これで十代の場にモンスターが残った上に手札を一枚増やしてしまった。これがオベリスクブルーが相手ならばこのターンで決着をつけていたがやはり彼は強いな。
「メインフェイズ2で俺は魔法カード『封印の黄金櫃』を発動する。デッキからカードを1枚選択してゲームから除外して2ターン後のスタンバイフェイズ時にそのカードを手札に加える。俺は『異次元からの宝札』を除外する。そしてカードを1枚伏せてターンエンドだ」
これ以上攻撃することも出来ないので俺は『封印の黄金櫃』であのカードを手札に加える準備をするとカードを伏せてターンを終了した。
封印の黄金櫃
通常魔法
(1):デッキからカード1枚を選んで除外する。このカードの発動後2回目の自分スタンバイフェイズに、この効果で除外したカードを手札に加える。
十代:LP4000
手札:4枚
モンスター:E・HEROエアーマン(攻)
魔法・罠:無し
亮:LP4000
手札:0枚
モンスター:サイバー・ツイン・ドラゴン(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
亮sideout
十代side
「俺のターンドロー!永続魔法『亜空間バトル』を発動!互いのプレイヤーはデッキから三体のモンスターを選び一体ずつ同時に見せる。攻撃力の低いモンスターを出したプレイヤーは500ポイントのダメージを受け、そのカードを墓地に送る。攻撃力の高いモンスターを出したプレイヤーはそのカードを手札に加える。ただし効果が終わったあとにこのカードは破壊される」
互いにデュエルディスクからデッキを抜くとその中から3枚のカードを選び手札に加えるとデッキを戻してシャッフルする。
亜空間バトル(未OCGカード)
永続魔法
お互いのプレイヤーはデッキのモンスターカード3体を選択し、選択したモンスターカードを互いに1枚ずつ同時に相手に見せる。
相手より攻撃力の低いモンスターカードは墓地に送られ、そのカードのコントローラーは500ポイントのダメージを受ける。
相手より攻撃力の高いモンスターカードは自分の手札に加える。
攻撃力が同じ場合、どちらも墓地へ送られる。この効果を繰り返した後、このカードを破壊する
「いくぜカイザー!!来い、俺のモンスターたち!!」
「来い十代。現れろ、我がモンスターたちよ!!」
俺とカイザーは同時に互いの選んだカードを公開していく。1枚目は『ネクロ・ガードナー』と『サイバー・ドラゴン』。2枚目は『E・HEROフォレストマン』と『サイバー・ドラゴン・ツヴァイ』。そして三枚目は『E・HEROスパークマン』と『サイバー・バリア・ドラゴン』。
これによってカイザーは『サイバー・ドラゴン』と『サイバー・ドラゴン・ツヴァイ』を、俺は『E・HEROスパークマン』を手札に加えてそれぞれダメージを受けた。
亮:LP4000→3500
十代:LP4000→3000
ライフは減ったけどこれで『サイバー・ツイン・ドラゴン』を倒すための準備は整ったぜ!
「手札のこのモンスターは相手フィールド上にモンスターが存在する場合、モンスター1体の生贄で召喚することが出来る。『E・HEROエアーマン』を生け贄に、現れろ!『E・HEROドラゴンガール』!!」
俺の前に火柱が発生し、その中から火柱を切り裂き青龍偃月刀を構えたチャイナドレスを着た赤い長髪の女英雄『E・HEROドラゴンガール』が現れた。
E・HEROドラゴンガール ☆8 ATK2800
「あ、アニキが美少女モンスターを召喚したッス!!」
「だが攻撃力は『サイバー・ツイン・ドラゴン』と同じだ。このまま攻撃しても相打ちになるだけだぞ」
翔が俺が召喚した『E・HEROドラゴンガール』を顔を赤くしながら見蕩れている隣で三沢はどうするのか気になっていた。
「バトル!『E・HEROドラゴンガール』で『サイバー・ツイン・ドラゴン』を攻撃!この瞬間、『E・HEROドラゴンガール』の効果発動!攻撃宣言時にデッキトップのカードを1枚墓地に送ることで攻撃力を500ポイントアップするぜ!」
『E・HEROドラゴンガール』の効果で攻撃力を上げたことによって『サイバー・ツイン・ドラゴン』の攻撃力を上回った。
E・HEROドラゴンガール ATK2800→3300
E・HEROドラゴンガール(オリカ)
星8/炎属性/戦士族/攻2800/守1900
このモンスターはルール上、ドラゴン族としても扱う。
(1):相手フィールドにモンスターが存在する場合、このカードはモンスターを1体リリースしてアドバンス召喚できる
(2):1ターンに1度、このモンスターが攻撃宣言を行った時にデッキの上からカードを1枚墓地に送ることで発動できる。次の相手ターンのエンドフェイズ時まで攻撃力を500ポイントアップする。
「いけ!『E・HEROドラゴンガール』!!龍破斬!!」
『E・HEROドラゴンガール』は青龍偃月刀の刀の先に炎を発生させると『サイバー・ツイン・ドラゴン』の上まで飛び上がるとそのまま2つの首を斬り落として全身を炎で包ませると爆散した。
「くっ!まさかこうも簡単に『サイバー・ツイン・ドラゴン』を破壊されるとは」
亮:LP3500→3000
「カードを1枚伏せてターンエンドだ」
十代:LP3000
手札:3枚
モンスター:E・HEROドラゴンガール(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
亮:LP3000
手札:2枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
十代sideout
刹那side
突如始まった十代とカイザーによるデュエル。十代が『サイバー・ツイン・ドラゴン』を倒したことで天上院と丸藤、隼人は驚いていた。しかし、まだデュエルは始まったばかりなので油断は出来ない。
それにカイザーはまだサイバー流の象徴であるあのモンスターを召喚していない。そう考えている間にカイザーのターンが始まった。
「俺のターンドロー。この瞬間、前のターンに除外された『異次元からの宝札』の効果発動。除外されたこのカードを手札に加え、互いのプレイヤーはデッキから2枚ドローする」
カイザーはまず、前のターンに除外した『異次元からの宝札』を手札に加えつつ手札を増やす。これによってカイザーの手札は6枚となり、反撃するのには十分な数となった。
異次元からの宝札(未OCG)
通常魔法
このカードがゲームから除外された場合、次の自分のターンのスタンバイフェイズ時にこのカードを手札に戻す。
この効果で手札に戻った時、お互いのプレイヤーはデッキからカードを2枚ドローする。
「俺は再び『サイバー・ドラゴン』を特殊召喚する」
サイバー・ドラゴン ☆5 ATK2100
「さらに『サイバー・ドラゴン・ツヴァイ』を通常召喚する」
サイバー・ドラゴン・ツヴァイ ☆4 ATK1500
「俺は『サイバー・ドラゴン・ツヴァイ』の効果発動。手札の魔法『異次元からの宝札』を見せてこのターンのエンドフェイズ時まで『サイバー・ドラゴン』として扱う」
サイバー・ドラゴン・ツヴァイ
星4/光属性/機械族/攻1500/守1000
(1):このカードのカード名は、墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。
(2):1ターンに1度、手札の魔法カード1枚を相手に見せて発動できる。このカードのカード名はエンドフェイズまで「サイバー・ドラゴン」として扱う。
(3):このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップの間、このカードの攻撃力は300アップする
これでカイザーの場には2体の『サイバー・ドラゴン』が揃ったことになる。再び『融合』をするのかと思えばカイザーは予想外の手段をとった。
「フィールドの2体の『サイバー・ドラゴン』を生贄に速攻魔法『フォトン・ジェネレーター・ユニット』を発動。デッキから『サイバー・レーザー・ドラゴン』を特殊召喚する」
『サイバー・ドラゴン』と『サイバー・ドラゴン・ツヴァイ』が消えると代わりに『サイバー・ドラゴン』をより流線的な姿にし、尻尾の先端が尖っている機械龍『サイバー・レーザー・ドラゴン』がカイザーのフィールドに現れた。
サイバー・レーザー・ドラゴン ☆7 ATK2400
フォトン・ジェネレーター・ユニット
速攻魔法
自分フィールド上の「サイバー・ドラゴン」2体を生け贄に捧げて発動する。自分の手札・デッキ・墓地から「サイバー・レーザー・ドラゴン」1体を特殊召喚する。
「『サイバー・レーザー・ドラゴン』の効果発動!1ターンに一度、このカードの攻撃力以上の攻撃力か守備力を持つモンスター1体を破壊する。俺は十代の場にいる『E・HEROドラゴンガール』を破壊する。破壊光線、フォトン・エクス・ターミネイション!!」
『サイバー・レーザー・ドラゴン』の尻尾の先端が展開されるとレーザー砲が現れ、『E・HEROドラゴンガール』に向けてレーザーが放たれると『E・HEROドラゴンガール』はそのまま破壊された。
サイバー・レーザー・ドラゴン
星7/光属性/機械族/攻2400/守1800
このカードは通常召喚できない。このカードは「フォトン・ジェネレーター・ユニット」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。このカードの攻撃力以上の攻撃力か守備力を持つモンスター1体を破壊する事ができる。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
「くっ、すまない『ドラゴンガール』っ」
これで十代の場にモンスターはいなくなった。
「バトルだ。『サイバー・レーザー・ドラゴン』で十代にダイレクトアタック!エヴォリューション・レーザー・ショット!!」
「そうはいくか!俺は墓地の『ネクロ・ガードナー』の効果を発動!!墓地にあるこのカードを除外することによって相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする!!」
『サイバー・レーザー・ドラゴン』の口から放たれたレーザーが十代に向けて放たれるが十代の前に半透明となった『ネクロ・ガードナー』が現れてその攻撃を防いだ。
ネクロ・ガードナー
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1300
(1):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。
「成程。『亜空間バトル』を発動したのはそのカードを墓地に送るためだったのか」
「まぁな。けど狙いは他にもあるぜ」
十代がニヤリと笑いながらそう言うとカイザーはフッと笑みを浮かべ・・・
「俺はこれでターンエンドだ」
そのままターンを終了した。
十代:LP3000
手札:5枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
亮:LP3000
手札:2枚
モンスター:サイバー・レーザー・ドラゴン(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
「俺のターンドロー!俺は『E・HEROスパークマン』を攻撃表示で召喚」
E・HEROスパークマン ☆4 ATK1600
E・HEROスパークマン
通常モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1600/守1400
様々な武器を使いこなす、光の戦士のE・HERO。聖なる輝きスパークフラッシュが悪の退路を断つ。
十代はドローするとそのまま『E・HEROスパークマン』を召喚するがその攻撃力は『サイバー・レーザー・ドラゴン』に劣っている。何を狙っているんだ。
「ヒーローにはヒーローの戦う舞台があるんだぜ。フィールド魔法『摩天楼ースカイスクレイパーー』を発動!」
十代が発動したフィールド魔法によってアメコミチックなどこかのっぺりとしたビルが、二人の周りを囲むように生えてくる。路地裏、煉瓦の壁に左右を封鎖された通路に十代とカイザーは立っていた。
摩天楼-スカイスクレイパー-
フィールド魔法
(1):「E・HERO」モンスターの攻撃力は、
その攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターに攻撃するダメージ計算時のみ1000アップする。
「バトルだ!『E・HEROスパークマン』で『サイバー・レーザー・ドラゴン』を攻撃!この瞬間、『スカイスクレイパー』の効果で『スパークマン』の攻撃力は1000ポイントアップする!」
E・HEROスパークマン ATK1600→2600
「くらえ!スパークフラッシュ!!」
ビルの上に立っている『E・HEROスパークマン』はビルから飛び降りると両手に電気を溜め込むとそのまま『サイバー・レーザー・ドラゴン』の頭に電撃を叩き込んで破壊する。
「くっ!」
亮:LP3000→2800
「俺はこれでターンエンドだ」
十代はカードを伏せずにそのままターンを終える。
次はカイザーのターンだが、そろそろ現れるかもしれないな。サイバー流の象徴にして切り札であるあのカードが・・・
十代:LP3000
手札:4枚
モンスター:スパークマン(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚 摩天楼ースカイスクレイパーー(フィールド魔法)
亮:LP2800
手札:2枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
刹那sideout
亮side
(まさかここまでやるとはな)
思わぬ形で十代とデュエルすることになったが、予想以上のデュエルに胸の高鳴りが抑えられそうになかった。
学園最強と呼びれるようになってからほとんどの生徒たちが俺に対して憧れを持つだけで本気で勝つ気でデュエルしてくれていなかった。同じランクの生徒たちとのデュエルもほとんど鮫島校長から禁止されていたために最近は不完全燃焼気味だった。
しかし、十代とのデュエルは久しく忘れていたデュエルの熱さを思い出させてくれた。故にこのデュエル、俺は全力を尽くす。
「俺のターン、ドロー」
俺はそう言ってデッキからカードをドローする。引いたカードは『天使の施し』だった。
「おれは魔法カード『天使の施し』を発動しデッキからカードを3枚ドローし2枚捨てる」
天使の施し
通常魔法
デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる
これによって手札にこのデッキの切り札を召喚するために必要なカードが揃った。
「ライフを半分払って速攻魔法『サイバネティク・フュージョン・サポート』を発動。これによって俺は1度だけ融合召喚する時に墓地のカードを素材にすることが出来る」
これで俺のライフはかなり減ってしまったがこのターンで決着をつける気なので問題ない。
亮:LP2800→1400
サイバネティク・フュージョン・サポート
速攻魔法
ライフポイントを半分払って発動できる。
このターン、自分が機械族の融合モンスターを融合召喚する場合に1度だけ、その融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを
自分の手札・フィールド上・墓地から選んでゲームから除外し、これらを融合素材にできる。
「サイバネティック・フュージョン・サポート」は1ターンに1枚しか発動できない。
「来るか。サイバー流の切り札にして象徴であるあのカードが」
十代はそう言いながら警戒を高めるようにデュエルディスクを構え直す。どうやら十代は俺がこれから召喚するモンスターが分かっているようだな。ならば見せてやろう。この俺の切り札にしてサイバー流の象徴たるモンスターを!
「魔法カード『パワー・ボンド』を発動!『サイバネティック・フュージョン・サポート』の効果で墓地の3体の『サイバー・ドラゴン』を素材に融合!3体の機光龍が交わり、サイバー流の象徴にして偉大なる機光龍へと生まれ変われ!融合召喚!現れろ、『サイバー・エンド・ドラゴン』!!」
3体の『サイバー・ドラゴン』が俺の場に現れるとそのまま背後に発生した黒い渦の中に入っていき、渦が光り輝きその光が消えると俺の場にサイバー流の象徴にして俺のデッキの切り札にしてエースである三つの頭を持った巨大な翼を得た偉大なる機光龍『サイバー・エンド・ドラゴン』が咆哮を上げながら現れた。
サイバー・エンド・ドラゴン ☆10 ATK4000
パワー・ボンド
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、機械族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は、その元々の攻撃力分アップする。
このカードを発動したターンのエンドフェイズに自分はこの効果でアップした数値分のダメージを受ける
サイバー・エンド・ドラゴン
融合・効果モンスター
星10/光属性/機械族/攻4000/守2800
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
「やっぱり出てきたか、『サイバー・エンド・ドラゴン』。それにやっぱりあんたも『パワー・ボンド』を持ってたんだな・・・」
十代は驚きを隠さずにそう言う。どうやら『サイバー・エンド・ドラゴン』だけではなく『パワー・ボンド』を持っていることも予想していたようだ。
だが、今更その事に気づいたところでもう遅い。
「『パワー・ボンド』の効果により『サイバー・エンド・ドラゴン』の攻撃力は2倍になる」
サイバー・エンド・ドラゴン ATK4000→8000
「攻撃力8000のモンスターか、流石だぜカイザー!」
十代は驚きながらもその顔には笑みが浮かんでいた。それが少し気になるがここは攻撃させてもらおう。
「バトルだ。『サイバー・エンド・ドラゴン』で『スパークマン』を攻撃!エターナル・エヴォリューション・バースト!!」
『サイバー・エンド・ドラゴン』の3つの口から同時に放たれた光線は合わさるとそのまま1つの太い光線になり『スパークマン』を飲み込むと消滅させそのまま十代に迫ろうとした。
これでこのデュエルは終わってしまうのか、と少し残念に思っていたその時だった。
「トラップ発動!『パワー・ウォール』!!戦闘ダメージが0になるように500ダメージにつきデッキから1枚カードを墓地に送る。俺が受けるダメージは6400なのでデッキから13枚墓地に送るぜ!!」
十代を覆うように透明な障壁が発生すると『サイバー・エンド・ドラゴン』の光線は障壁によって弾かれてしまい十代のライフを削ることは出来なかった。その後、十代はデッキの上からカードを13枚抜くとそのまま墓地に送った。
パワー・ウォール
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けるダメージ計算時に発動できる。その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージが0になるように、受けるダメージの代わりに500ダメージにつき1枚、自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。
「くっ、まさかこの攻撃を防がれてしまうとはな・・・」
これは伏せカードに対しての警戒が甘かったな。だが状況はまだ俺の方が有利だろう。
「俺は『サイバー・ジラフ』を召喚」
サイバー・ジラフ ☆3 ATK300
サイバー・ジラフ
効果モンスター
星3/光属性/機械族/攻300/守800
このカードを生け贄に捧げる。
このターンのエンドフェイズまで、このカードのコントローラーへの効果によるダメージは0になる。
「『サイバー・ジラフ』の効果発動。このカードを生贄にすることでエンドフェイズ時まで効果ダメージを無効にする」
「そうはいかないぜ!俺は手札の『E・HEROナイト・ウイング』を墓地に送って効果発動!!『サイバー・ジラフ』の効果を無効にして破壊するぜ!!」
「なにっ!?」
『パワー・ボンド』のデメリットを回避するため 『サイバー・ジラフ』を墓地に送ろうとした瞬間、十代の背後に半透明の口元を黒い布で覆っている黒い鎧を纏った黒い翼を生やした英雄が現れ、『サイバー・ジラフ』の前に立つとその鳥の鉤爪のような脚で『サイバー・ジラフ』を破壊されて効果を無効にされてしまった。
E・HEROナイト・ウイング(オリカ)
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻800/守1200
(1):相手のフィールドまたは手札のモンスターが効果を発動した時に手札のこのカードを墓地に送ることで発動できる。その効果を無効にして破壊する。
このまま何もしなければ俺はこのデュエルに負けてしまうだが、まだ手は残っている。
「俺はこれでターンエンドだ。そしてエンドフェイズに『パワー・ボンド』の効果によって俺は4000のダメージを受ける。だが、カウンタートラップ『ダメージ・ポラリライザー』を発動。これにより『パワー・ボンド』によるダメージの発動と効果を無効にし互いのプレイヤーはデッキからカードを1枚ドローする」
念の為に伏せておいた『ダメージ・ポラリライザー』のおかげでこのターンの敗北は免れたが十代にドローを許してしまった。
ダメージ・ポラリライザー
カウンター罠
ダメージを与える効果が発動した時に発動する事ができる。その発動と効果を無効にし、お互いのプレイヤーはカードを1枚ドローする。
だが、俺の場には『サイバー・エンド・ドラゴン』がいるためまだデュエルの勝敗は分からない。次の十代のターン、彼はどのような手を使ってくるのか楽しみだ。
十代:LP3000
手札:4枚
モンスター:無し
魔法・罠:摩天楼ースカイスクレイパーー(フィールド魔法)
亮:LP1400
手札:1枚
モンスター:サイバー・エンド・ドラゴン(攻)
魔法・罠:無し
亮sideout
十代side
(『パワー・ウォール』を伏せてなかったら危なかったな)
前のターン、何とか耐えきることに成功したが正直内心冷や汗ものだった。
(だけどまだ俺のライフは残っている。このターンで何とか勝ってみせるぜ)
俺は改めてそう決意する。そして・・・
「俺のターン、ドロー!」
俺はデッキからカードを1枚ドローする。引いたカードを確認した俺は手札のカードを見る。賭けになるがここはこのカードに賭けるしかない!
「魔法カード『フュージョン・バース』発動!デッキの上からカードを5枚めくりその中に融合モンスターによって決められた融合素材モンスターを墓地に送り、そのモンスターを融合召喚する」
めくったカードは『ヒーロー・バリア』、『フェイクヒーロー』、『カード・ガンナー』、『E・HEROフェザーマン』、『E・HEROバーストレディ』だった。
「よし!俺は『E・HEROフェザーマン』と『E・HEROバーストレディ』で融合!風を操りし翼の英雄よ、爆炎を操りし女英雄と交わりて炎の翼を持つ英雄へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れろ、『E・HEROフレイム・ウィングマン』!!」
『E・HEROフェザーマン』と『E・HEROバーストレディ』が俺の場に現れるとそのまま背後に発生した黒い渦の中に入っていき、渦が光り輝きその光が消えると俺の場に俺のデッキのフェイバリットカードである右腕にドラゴンの頭を持つ左肩に白い翼を生やした英雄─『フレイム・ウィングマン』が出現した。
E・HEROフレイム・ウィングマン ☆6 ATK2100
E・HEROフレイム・ウィングマン
融合・効果モンスター
星6/風属性/戦士族/攻2100/守1200
「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
「さらに魔法カード『ミラクル・フュージョン』を発動!フィールドの『E・HEROフレイム・ウィングマン』と墓地の『E・HEROスパークマン』をゲームから除外して融合!炎の翼を持つ英雄よ、雷を操りし英雄と交わりて輝きの翼を持つ英雄へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れろ、『E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン』!!」
今度は『フレイム・ウィングマン』と『スパークマン』の2体が渦の中へと入る。そして渦が消えるとそこには『フレイム・ウィングマン』の進化系である白い鎧を纏い、眩い光を放っている英雄─『シャイニング・フレア・ウィングマン』が現れた。
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン
融合・効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻2500/守2100
「E・HERO フレイム・ウィングマン」+「E・HERO スパークマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードの攻撃力は、自分の墓地の「E・HERO」カードの数×300アップする。
(2):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。
そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
「『E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン』の効果発動!このカードの攻撃力は自分の墓地にいる『E・HERO』の数×300アップする。俺の墓地には13体の『E・HERO』がいるので攻撃力を3900アップするぜ!」
『シャイニング・フレア・ウィングマン』が墓地に眠る仲間の魂を受け継ぎ、その力を増大させ身体をさらに輝かせていた。
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン ATK2500→6400
「いつの間にあれだけのモンスターを墓地に送ってたんだな・・・」
「恐らく『パワー・ウォール』の効果で落としたのだろうな。だが・・・」
「えぇ、それでも攻撃力は亮の『サイバー・エンド・ドラゴン』には及ばないわ」
隼人は俺の墓地に多くの『E・HERO』たちがいることに驚いているが三沢は冷静にその理由を推測した。
そして明日香の言う通り今のままでは『スカイスクレイパー』の効果を使っても攻撃力は『サイバー・エンド・ドラゴン』に届いていない。だが、まだ手はある!
「墓地の『スキル・サクセサー』の効果発動!墓地のこのカードをゲームから除外して『シャイニング・フレア・ウィングマン』の攻撃力をさらに800アップする!!」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン ATK6400→7200
「バトルだ!『E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン』で『サイバー・エンド・ドラゴン』を攻撃!この瞬間、『スカイスクレイパー』の効果でさらにこのカードを攻撃力を1000アップするぜ!」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン ATK7200→8200
これで『サイバー・エンド・ドラゴン』の攻撃力を上回った。
「いけ!『シャイニング・フレア・ウィングマン』!!シャイニング・スカイスクレイパー・シュート!!」
『シャイニング・フレア・ウィングマン』はビルの方へと飛び上がると、それを蹴りあげながら空高く急上昇しそのまま最も高いビルの天辺へと上り詰める。そしてしこから急降下すると右手の武器から白い炎を出してそのまま『サイバー・エンド・ドラゴン』に衝突すると爆発による煙が周囲を覆った
「くっ!」
亮:LP1400→1200
「これで『シャイニング・フレア・ウィングマン』の効果で『サイバー・エンド・ドラゴン』の攻撃力分のダメージを与えれば」
「十代さんの勝ちです!!」
雪乃とゆまが言うようにこれが決まれば俺の勝ちだ。それは俺だけじゃなくこのデュエルを見ている刹那たちも思っていることだろう。だが何故だろう。目の前のカイザーを見ているとまだデュエルは終わっていないと警鐘がなっているようどった。
そして煙が晴れるとそこには『シャイニング・フレア・ウィングマン』と破壊したはずの『サイバー・エンド・ドラゴン』の姿があった。
「なっ!どうして『サイバー・エンド・ドラゴン』が!?」
「俺は墓地の『メタリカル・スフィア』の効果を発動していた。このカードをゲームから除外することで俺の場にいる機械族はエンドフェイズまで戦闘・効果で破壊されずデッキからカードを1枚ドローする」
メタリカル・スフィア(オリカ)
効果モンスター
星3/光属性/機械族/ATK0/DEF1800
(1):このモンスターが表側守備表示で存在している場合、相手はこのモンスター以外の機械族を攻撃することが出来ない
(2):墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。自分フィールド上の機械族モンスターはエンドフェイズ時まで戦闘・効果では破壊されない。この効果は相手ターンにも使用出来る。
カイザーはそう言いながらカードをドローする。まさかこの攻撃を耐えられるとは思わず驚いたが、それ以上にワクワクが止まらなかった。
「すげぇ、すげぇぜカイザー!!翔、お前の兄ちゃんってホントに強いな!!」
「アニキ・・・」
俺は興奮を隠しきれずに思った言葉を言って翔の方に顔を向けると翔はデュエルが始まる前の落ち込んだ表情は消えて顔を上げていた。
「バトルが終了したことで『シャイニング・フレア・ウィングマン』の攻撃力は元に戻り、俺はカードをセットしてターンエンドだ」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン ATK8200→6400
十代:LP3000
手札:4枚
モンスター:E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン(攻)
魔法・罠:摩天楼ースカイスクレイパーー(フィールド魔法) リバースカード1枚
亮:LP1400
手札:1枚
モンスター:サイバー・エンド・ドラゴン(攻)
魔法・罠:無し
「俺のターンドロー。バトルだ『サイバー・エンド・ドラゴン』で『シャイニング・フレア・ウィングマン』を攻撃!この瞬間、手札から速攻魔法『リミッター解除』を発動し『サイバー・エンド・ドラゴン』の攻撃力を2倍にする」
サイバー・エンド・ドラゴン ATK8000→16000
『サイバー・エンド・ドラゴン』の3つの口にエネルギーが溜まっていき、今にも放たれそうだった。この攻撃を受ければ俺の負けが決まってしまう。だが
「最後まで俺は諦めない!速攻魔法『決闘融合─バトル・フュージョン』発動!!俺のフィールドの融合モンスターが相手モンスターとバトルする時、相手モンスターの攻撃力分だけ『シャイニング・フレア・ウィングマン』の攻撃力をアップする!よって『シャイニング・フレア・ウィングマン』の攻撃力は──」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン ATK6400→22400
決闘融合─バトル・フュージョン
速攻魔法
「決闘融合-バトル・フュージョン」は1ターンに1枚しか発動できない。①:自分フィールドの融合モンスターが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に発動できる。その自分のモンスターの攻撃力はダメージステップ終了時まで、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする。
これで『シャイニング・フレア・ウィングマン』の攻撃力は『サイバー・エンド・ドラゴン』を超えた。このまま何も無ければ俺の勝ちだが・・・
「ふっ、最後まで勝利を諦めないその姿は見事だった。だがこのデュエルに勝つのは俺だ!手札から速攻魔法『決闘融合─バトル・フュージョン』を発動!『サイバー・エンド・ドラゴン』の攻撃力を『シャイニング・フレア・ウィングマン』の攻撃力分だけアップする!!」
「なっ!あんたもそのカードを!?」
まさかカイザーも同じカードを使うとは思わず驚いてしまった。そしてこれに対して俺は打つ手はないためこのデュエルは俺の負けが決まってしまった。
サイバー・エンド・ドラゴン ATK16000→38400
「ははっ、流石だぜカイザー。だけど次は負けないぜ」
「ああ。何時でも挑んでくるといい。遊城十代」
俺はカイザーにそう宣言するように言うとカイザーはふっ、と笑みを浮かべながらそう言い返した。
そして『サイバー・エンド・ドラゴン』の3つの口から光線が放たれると『シャイニング・フレア・ウィングマン』を飲み込み撃破するとその衝撃が俺を襲いライフがなくなった。
十代:LP3000→-19400
これでカイザーとのデュエルは俺の敗北で終わってしまった。だけど俺はこのデュエルを全力でやり切れたので満足だった。
十代sideout
???side
「流石は十代ボーイ。あのカイザーを相手にあそこまで追い詰めるとは・・・これは次の制裁デュエルも期待できマース」
本土にあるインダストリアルイリュージョン社日本支部の会長室にてデュエルアカデミアにて行われていた遊城十代と丸藤亮のデュエルを見ていたペガサス会長は満足そうだった。
「会長。彼が例のカードを渡す予定の少年ですか?」
「イエース。その通りデース!!今の彼も充分強いデスがこの新たなヒーローたちが彼をより強くし面白いデュエルを見せてくれるでショウ」
ペガサス会長の隣に立っていた弟である天馬夜行がそう聞くとペガサス会長は楽しそうに話していた。遊城十代の事は彼の姉であり友人である遊城榛名からイヤと言うほど惚気と自慢話をされた事でよく知っている。
「それでは早速デュエルアカデミアに向かうための準備をしまショウ。夜行、月行」
「はっ!」
「承知しました」
ペガサス会長はテーブルの上に置いてあるカードが入ったアタッシュケースを手に取って立ち上がると歩き始めた。私と夜行はペガサス会長の後に続いて歩く。
目指す目的地はデュエルアカデミア
月行sideout
十代「今日の最強カードは『サイバー・エンド・ドラゴン』!!」
サイバー・エンド・ドラゴン
融合・効果モンスター
星10/光属性/機械族/攻4000/守2800
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
刹那「このカードはアニメでは主にカイザーこと丸藤亮の切り札兼エースとして使われていて、他にはサイバー流の門下生たちが使用してるな」
十代「高い攻撃力と貫通効果で相手を追い詰めるぜ!」
刹那「『サイバー・ツイン・ドラゴン』と効果の面で比べられることもあるらしいがどちらも優秀なカードだ」
十代「この先も何度も登場すると思うし扱いの差があるかもしれないぜ」
刹那「それでは次回の話もよろしくな」
あとがき
お久しぶりです有頂天皇帝です。スパロボ30やダイパリメイク、ギアジェネなど面白いゲームがたくさん発売されて小説書くの止まってました。とりあえず今年中にそれぞれの小説で一話投稿できるように頑張りたいです。最後にペガサス会長が登場していますが予定としては次回の話でも登場させる予定です。制裁デュエルの相手は誰にするか決まってきたのであとはデュエルの内容をしっかりと考えます。これからも投稿は遅いですが頑張って投稿していきたいです。それではまた次回!
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第17話 制裁デュエル開幕! 姑息虫VS疾風の鴉
今回から制裁デュエルを開始します。最初の相手はみなさんもよく知っている虫野郎です。
彩人side
「よし、デッキも問題ないな」
俺は控え室で最後にデッキを確認すると特に問題なかったのでそのままデッキをデッキケースにしまう。
十代カイザーがデュエルをしたあの日から2週間たった今日、いよいよ俺たちの退学を賭けた制裁デュエルをやる日が来た。
この日に向けて十代や刹那、そして雪乃や三沢たちの協力のおかげでデッキ調整やテストデュエルを何度も行い、それぞれが今できる限り最高のデッキを作り上げることが出来た。
それでもやはり多少の不安は残っているが、ここまで来たのだからあとは全力で勝つだけだ。
そんなことを考えながら歩いているともうデュエルリングの前まで来ていた。
『それで~は、これより制裁デュエルを始めるノ~ネ!!』
デュエルリングの上では司会としてクロノス教諭がマイクを片手にちょうど話し始めていたところだった。
『第一回戦はシニョール彩人からデュエルをして貰うノ~ネ!そして、シニョール彩人の対戦相手はこの人なノ~ネ!!』
クロノス教諭が手のひらを会場の出入口に向けながらそう言うと同時に出入口の扉が開く。そして・・・
「ヒョッヒョッヒョッヒョ。こんなガキを倒すだけで金を貰えるんだから随分楽な仕事だぜ」
俺の対戦相手である男が不気味な笑い声を上げながら現れる。
『紹介するノ~ネ。彼はインセクター羽蛾。日本で活躍しているプロデュエリストの1人なノ~ネ』
そう。俺の対戦相手はインセクター羽蛾だった。
決闘王である武藤遊戯や現在日本のトッププロデュエリストとして活動している城之内克也とかつて対戦し、敗北したものの後一歩のところまで追い込んだ伝説の1人であった。
『決闘者の王国』や『バトルシティ』ではあまり良い成績を残していない上に、その性格や過去の行いからあまり好印象を持たれないがその実力は本物だ。油断は禁物だ。
俺は羽蛾に警戒を抱いているうちに互いにデュエルリングの上に上がっていた。それに合わせて俺は自分のデュエルディスクを展開すると、対戦相手の羽蛾もデュエルディスクをセットする。
『それで~は制裁デュエル第1回戦。黒鉄彩人VSインセクター羽蛾のデュエルを始めるノ~ネ』
クロノス先生の開始を告げるその言葉を皮切りに・・・
「「決闘デュエル!!」」
羽蛾:LP4000
彩人:LP4000
デュエルが始まった。先行はルーレットの結果、羽蛾からとなった。
「ボクのターンドロー!ボクは『代打バッター』を攻撃表示で召喚!」
代打バッター ☆4 ATK1000
代打バッター
効果モンスター
星4/地属性/昆虫族/攻1000/守1200
(1):このカードが自分フィールドから墓地へ送られた時に発動できる。
手札から昆虫族モンスター1体を特殊召喚する。
「さらにボクは手札の『髑髏顔 天道虫レディバグ』を捨てて魔法カード『闘虫仮装』を発動!デッキから『インセクト女王クイーン』を手札に加えてフィールドの『代打バッター』を破壊する」
フィールドにいる『代打バッター』の背中が割れるとそこから何かが現れるとそのまま羽蛾の手札に加わった。
闘虫仮装(未OCG)
通常魔法
手札から昆虫族モンスター1体を墓地に送って発動する。
デッキから昆虫族モンスター1体を手札に加える。
その後、フィールド上の昆虫族モンスター1体を破壊する。
「そして!墓地に送られた『髑髏顔 天道虫』と『代打バッター』の効果発動!ボクはライフを1000回復し、手札から『インセクト女王』を特殊召喚する」
そして羽蛾はライフを回復させながら『代打バッター』の効果を利用して、エースモンスターの一角である『インセクト女王』を召喚してきた。
羽蛾:LP4000→5000
インセクト女王 ☆7 ATK2200
髑髏顔 天道虫レディバグ
効果モンスター
星4/地属性/昆虫族/攻 500/守1500
このカードが墓地に送られた時、自分は1000ライフポイント回復する。
インセクト女王クイーン
効果モンスター
星7/地属性/昆虫族/攻2200/守2400
(1):このカードの攻撃力は、フィールドの昆虫族モンスターの数×200アップする。
(2):このカードの攻撃宣言の際に、自分は自分フィールドの他のモンスター1体をリリースしなければならない。
(3):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズに発動する。自分フィールドに「インセクトモンスタートークン」(昆虫族・地・星1・攻/守100)1体を攻撃表示で特殊召喚する。
「『インセクト女王』の攻撃力は場の昆虫族の数×200アップする。よって『インセクト女王』の攻撃力は2400にアップする」
インセクト女王 ATK2200→2400
「ボクはカードを1枚伏せてターンエンドだ」
羽蛾はそう言ってターンを終了する。
羽蛾:LP5000
手札:2枚
モンスター:インセクト女王(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
彩人:LP4000
手札:5枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
「俺のターンドロー。俺は永続魔法『黒い旋風』を発動」
まずはこのデッキのエンジンとも呼べる『黒い旋風』を発動できたのは幸先がいいが油断はできない。ここは慎重に進めよう。
「まずは『BFブラックフェザーー蒼炎のシュラ』を召喚。そして『黒い旋風』の効果でデッキから『シュラ』の攻撃力以下である『BFブラックフェザーー突風のオロシ』を手札に加える」
BF 蒼炎のシュラ ATK1800
黒い旋風
永続魔法
(1):自分フィールドに「BF」モンスターが召喚された時にこの効果を発動できる。
そのモンスターより低い攻撃力を持つ「BF」モンスター1体をデッキから手札に加える。
BFブラックフェザーー蒼炎のシュラ
効果モンスター
星4/闇属性/鳥獣族/攻1800/守1200
(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。
デッキから攻撃力1500以下の「BF」モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
「そして手札に加えた『BFー突風のオロシ』は自分フィールドに『BF』が存在する場合、手札から特殊召喚できる。来い!『BFブラックフェザーー突風のオロシ』!!」
BFブラックフェザーー突風のオロシ ☆1 ATK400
BFブラックフェザーー突風のオロシ
チューナー・効果モンスター
星1/闇属性/鳥獣族/攻 400/守 600
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):自分フィールドに「BF-突風のオロシ」以外の「BF」モンスターが存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合、
フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの表示形式を変更する。
これで俺の場にチューナーモンスターと非チューナーモンスターが揃った。これでシンクロ召喚が行えると思ったその時だった。
「おっと。永続罠『不協和音』を発動させてもらうよ。これでお得意のシンクロ召喚は封じさせてもらうぜ」
羽蛾が発動した永続罠によってシンクロ召喚を封じられてしまった。
不協和音
永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、お互いのプレイヤーはシンクロ召喚できない。
発動後3回目の自分のエンドフェイズ時にこのカードを墓地へ送る。
「これでお前は3ターンの間シンクロ召喚を行えずその雑魚鳥たちで戦うしかないぜ!ヒョーッヒョッヒョッヒョッ!」
羽蛾は上手くいったことで気分を良くしたのか高笑いを上げながらそう言ってくる。確かに今の俺の手札には『不協和音』を破壊することも出来ないのでこのターンにシンクロ召喚を行うことは出来ない。だが、まだ手はある。
「俺は自分フィールドにいる鳥獣族の『BFー突風のオロシ』をリリースし、手札から『超重禽属コカトリウム』を特殊召喚する!」
超重禽属コカトリウム ☆4 ATK1300
超重禽属コカトリウム
効果モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻1300/守 900
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札・墓地に存在する場合、
自分フィールドの獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体をリリースして発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
(2):デッキからレベル4以下の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を除外して発動できる。
エンドフェイズまで、このカードは除外したモンスターと同名カードとして扱い、同じ種族・属性・レベルになる。
これでレベル4のモンスターが2体揃った。
「俺はレベル4の『BFー蒼炎のシュラ』と『超重禽属コカトリウム』でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
☆4+☆4=★4
『シュラ』と『コカトリウム』が紫色の光の球と緑色の光の珠となって黒い渦の中へと飛び込むと黒い渦は様々な光を飛ばしながら爆発した。
「大空に潜みし鳥人よ、その銃で敵を狙い撃て!現れろ、『鳥銃士カステル』!!」
鳥銃士カステル ★4 ORU2 ATK2000
鳥銃士カステル
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/風属性/鳥獣族/攻2000/守1500
レベル4モンスター×2
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードのX素材を1つ取り除き、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを裏側守備表示にする。
(2):このカードのX素材を2つ取り除き、このカード以外のフィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主のデッキに戻す。
「まさかエクシーズモンスターも持っていたとはな・・・だが!その程度の攻撃力じゃボクの女王様には及ばないぜ!!」
俺がエクシーズモンスターを召喚したことに最初は驚いていたが、その攻撃力が『インセクト女王』に及ばないことからすぐに余裕の表情になる。
「俺は『カステル』の効果発動!ORUを2つ取り除き、『インセクト女王』をデッキに戻す」
『カステル』の2つのORUが猟銃に入り込むと、『カステル』 は銃口を『インセクト女王』に向けると風の弾丸を放ち、弾丸が当たった『インセクト女王』は身体を仰け反らせ、そのままデッキへと戻らされた。
「じょ・・・女王様~!?」
『インセクト女王』が場から消えたことにショックを受けた羽蛾は悲鳴をあげる。
「バトル!『カステル』でインセクター羽蛾にダイレクトアタック!!」
「がはぁぁぁっ!!」
羽蛾の場には攻撃を防ぐためのカードもないため、この攻撃は簡単に決まった。
羽蛾:LP5000→3000
「最後にカードを2枚伏せてターンエンドだ」
羽蛾のエースモンスターを倒すことに成功はしたがまだデュエルは始まったばかりだ。油断せずに警戒していこう。
羽蛾:LP3000
手札:2枚
モンスター:無し
魔法・罠:不協和音(永続罠)
彩人:LP4000
手札:1枚
モンスター:鳥銃士カステル(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
彩人sideout
羽蛾side
(よくもボクの女王様をあんな手でデッキに戻したな~!!)
ボクは相手の学生が『インセクト女王』をこうも簡単に対処されたことに怒りを感じていた。しかも戦闘や効果で倒すわけでもなくデッキに戻されたので再び『インセクト女王』を出すのは時間がかかってしまうためにその怒りは頂点に達した。
まさかシンクロ特化のデッキにエクシーズモンスターが入っているとは予想外だったが、この屈辱は数千倍にして返してみせると心の中で誓っていると、ボクのターンが回ってきた。
「ボクのターン、ドロー」
ボクはそう言ってデッキからカードをドローする。引き当てたカードは『ドラゴンフライ』だった。
ドラゴンフライ
効果モンスター
星4/風属性/昆虫族/攻1400/守 900
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分のデッキから攻撃力1500以下の風属性モンスター1体を自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
(ちっ!このカードじゃあのモンスターを倒すことはできないな・・・仕方ない今はコイツで時間を稼ぐしかないか)
この状況を打破できるようなカードが引けなかったことについ舌打ちをしながらもとりあえず今は守備を固めることにした。
「ボクは『ドラゴンフライ』を守備表示で召喚してターンエンドだ」
ドラゴンフライ ☆4 DEF900
羽蛾:LP3000
手札:2枚
モンスター:ドラゴンフライ(守)
魔法・罠:不協和音(永続罠)
彩人:LP4000
手札:1枚
モンスター:鳥銃士カステル(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
「俺のターン、ドロー。俺は『BFブラックフェザーー黒槍のブラスト』を召喚!そして『黒い旋風』の効果でデッキから『BFブラックフェザーー極北のブリザード』を手札に加える」
奴のターンになると奴は新たなモンスターを召喚しつつ新たなカードを手札に加えていた。
BFブラックフェザーー黒槍のブラスト ☆4 ATK1800
「バトル!『黒槍のブラスト』で『ドラゴンフライ』を攻撃!このモンスターが守備表示モンスターとバトルする時、その守備力を超えた分のダメージを与える」
『黒槍のブラスト』の握る槍が『ドラゴンフライ』の胴体を貫くと爆散し、その衝撃がボクを襲う。
「くっ!」
羽蛾:LP3000→2100
BFブラックフェザーー黒槍のブラスト
効果モンスター
星4/闇属性/鳥獣族/攻1700/守 800
(1):自分フィールドに「BF-黒槍のブラスト」以外の
「BF」モンスターが存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
「破壊された『ドラゴンフライ』の効果発動!デッキから攻撃力1500以下の風属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する!ボクは2体目の『ドラゴンフライ』を特殊召喚!」
ドラゴンフライ ☆4 ATK1500
「なら『カステル』で『ドラゴンフライ』を攻撃!」
新たに召喚された『ドラゴンフライ』も抵抗する暇もなく頭部を撃ち抜かれて破壊された。
羽蛾:LP2100→1600
「だが再び破壊された『ドラゴンフライ』の効果でデッキから『プチモス』を特殊召喚するぜ!」
プチモス ☆1 ATK300
プチモス
通常モンスター
星1/地属性/昆虫族/攻 300/守 200
成長したらどんなムシになるか分からない、小さな幼虫。
「俺はこれでターンエンドです」
何とかこのターンで敗北することは避けられたな。ライフはかなり削られたが反撃する準備は整った。
羽蛾:LP1600
手札:2枚
モンスター:プチモス(攻)
魔法・罠:不協和音(永続罠)
彩人:LP4000
手札:2枚
モンスター:鳥銃士カステル(攻) BFー黒槍のブラスト(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
「ボクのターン、ドロー!ボクは手札の『進化の繭』を『プチモス』に装備する」
『進化の繭』を装備したことによってフィールドにいる『プチモス』が頭上に向かって口から糸を吐くと全身を糸で覆い、巨大な繭となった。
プチモス DEF200→2000
進化の繭
効果モンスター
星3/地属性/昆虫族/攻 0/守2000
このカードは手札から装備カード扱いとして
フィールド上に表側表示で存在する「プチモス」に装備する事ができる。
この効果によってこのカードを装備した「プチモス」の攻撃力・守備力は
「進化の繭」の数値を適用する。
「さらに魔法カード『天よりの宝札』を発動!互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにドローする。ボクは5枚ドロー!」
「俺は4枚ドローします」
相手の手札を増やしてしまったが手札を増やしたおかげでこのデッキの新たな女王様を手札に加えることが出来た。
「ボクは手札から儀式魔法『黄金蜂の襲来』を発動!手札からレベル1の『魔導雑貨商人』とレベル7の『ブレイン・クラッシャー』を儀式の供物に捧げる!」
僕の目の前に木で作られた儀式の台座が地面から現れるとその台座の上にある蜂の巣に『魔導雑貨商人』と『ブレイン・クラッシャー』は吸い込まれ、2体を吸い込んだ蜂の巣は光り輝いた。
「黄金に光り輝く新たな女王様よ!その毒で愚かなる敵を滅ぼしたまえ!儀式召喚!現れろ、『黄金蜂 ゴールデン・ビー』!!」
光が収まるとそこには人間と同じくらいのサイズをした金と黒の色をした蜂が現れ、その刺々しい毒針を奴に向けていた。
黄金蜂 ゴールデン・ビー ☆8 ATK2500
黄金蜂の襲来(探究者さんオリカ)
儀式魔法
儀式モンスター『黄金蜂 ゴールデン・ビー』の特殊召喚に必要。
『黄金蜂の襲来』の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の手札・フィールドから、 レベルの合計が8になるようにモンスターをリリースし、手札から儀式モンスター『黄金蜂 ゴールデン・ビー』1体を儀式召喚する。
(2):自分の墓地に存在する光属性昆虫族モンスター1体を除外することで、墓地に存在するこのカードと『黄金蜂-ゴールデン・ビーー』を手札に戻す。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。
魔導雑貨商人
リバース・効果モンスター
星1/光属性/昆虫族/攻 200/守 700
(1):このカードがリバースした場合に発動する。
魔法・罠カードが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、その魔法・罠カードを手札に加える。残りのめくったカードは全て墓地へ送る。
ブレイン・クラッシャー
効果モンスター
星7/闇属性/昆虫族/攻2400/守1500
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合、破壊したモンスター1体をそのターンのエンドフェイズ時に墓地から特殊召喚する事ができる。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
黄金蜂 ゴールデン・ビー(探究者さんオリカ)
儀式・効果モンスター
レベル8/光属性/昆虫族/ATK2500/DEF2000
儀式魔法『黄金蜂の襲来』により降臨。
(1):1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択した相手モンスターの攻撃力をエンドフェイズ時まで半分にする。
(2):このカードは魔法カードの効果では破壊されない。
(3):このカードの攻撃力は自分の墓地に存在する昆虫族モンスター×500ポイントアップする。
「『ゴールデン・ビー』の効果発動!このモンスターの攻撃力は墓地に存在する昆虫族の数×500アップする。よって『ゴールデン・ビー』の攻撃力は──」
黄金蜂 ゴールデン・ビー ATK2500→5500
これで『ゴールデン・ビー』の攻撃力はあの『青眼の究極竜』の攻撃力すら超えた。だけどまだだ。この程度じゃボクの怒りは収まらない!
「ボクは手札から魔法カード『強制孵化』を発動!ボクのフィールドにいる『進化の繭』を装備した『プチモス』を墓地に送ることで、デッキまたは墓地から『究極完全態・グレート・モス』を特殊召喚する!」
『進化の繭』がヒビ割れ、繭が割れるとそこから『究極完全態・グレート・モス』が現れた。
究極完全態・グレート・モス ☆8 ATK3500
強制孵化(オリカ)
魔法カード
このカードの(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):自分フィールド上に『進化の繭』を装備した『プチモス』が存在する場合のみ発動できる。『プチモス』を墓地に送ることでデッキから『グレート・モス』を召喚条件を無視して特殊召喚することができる。
(2):墓地のこのカードと昆虫族モンスター1体を除外することで発動できる。デッキからレベル5以上の昆虫族モンスター1体を攻撃力・守備力を半分にして特殊召喚できる。エンドフェイズ時にこの効果で特殊召喚されたモンスターは破壊される。
究極完全態・グレート・モス
特殊召喚・効果モンスター
星8/地属性/昆虫族/攻3500/守3000
このカードは通常召喚できない。
「進化の繭」を装備した状態で、自分ターンで数えて6ターン以上が経過した自分フィールドの「プチモス」1体をリリースした場合に特殊召喚できる。
「墓地に昆虫族が2体送られたので『ゴールデン・ビー』の攻撃力はさらにアップする!」
黄金蜂 ゴールデン・ビー ATK5500→6500
「さらに!『ゴールデン・ビー』の効果発動!1ターンに1度、相手モンスター一体の攻撃力をエンドフェイズ時まで半分にする!ボクは『カステル』の攻撃力を半分にする!!アシッド・ショット!!」
『ゴールデン・ビー』が毒の粘液を毒針から発射すると粘液が体にかかった『カステル』は苦しそうに声を上げながら膝を地面に着いた。
鳥銃士 カステル ATK2000→1000
これで準備は整った。後は奴を倒すだけだ!
「バトルだ!『究極完全態・グレート・モス』で『黒槍のブラスト』を攻撃!モス・パーフェクト・ストーム!!」
『グレート・モス』が羽を羽ばたかせると鱗粉が混ざった風が『黒槍のブラスト』に襲いかかるとそのまま破壊した。
「くうっ!」
彩人:LP4000→2400
「これで終わりだ!『ゴールデン・ビー』で『カステル』に攻撃!ドレイン・ポイズン!」
『ゴールデン・ビー』は残像が残るほどの速さでジグザグに進みながら『カステル』の胴体に毒針を突き刺そうとする。これでボクの勝利だ!と思ったその時だった。
「トラップ発動!『フローラル・シールド』!!『ゴールデン・ビー』の攻撃を無効にして俺はデッキから1枚ドロー!」
奴が発動したトラップカードによって『ゴールデン・ビー』は防がれてしまった。
フローラル・シールド(未OCG)
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
そのモンスターの攻撃を無効にし、自分はデッキからカードを1枚ドローする。
「ちっ、仕留めきれなかったか・・・まぁいいボクはこれでターンエンド」
このターンでトドメを刺すことは出来なかったがボクの場には強力な2体の昆虫がいる。ボクの勝ちは揺るぎないのだからこのままなぶり殺してやる!
羽蛾:LP1600
手札:2枚
モンスター:究極完全態・グレート・モス(攻) 黄金蜂 ゴールデン・ビー(攻)
魔法・罠:不協和音(永続罠)
彩人:LP2400
手札:3枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
羽蛾sideout
彩人side
(前のターン、何とか凌ぎきれたけど今の手札じゃあの2体を倒せないな)
俺の今の手札は『BFブラックフェザーー極北のブリザード』、『アゲインスト・ウインド』、『BFブラックフェザーー精鋭のゼピュロス』の三枚。次のドロー次第でこの先の展開も決まりそうだ。
「俺のターン、ドロー」
俺はそう言ってデッキからカードをドローする。引き当てたカードは『天使の施し』。どうやらまだやれそうだな。
「手札から魔法カード『天使の施し』を発動。デッキから三枚ドローして手札から2枚墓地に送る」
天使の施し
通常魔法
デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる
「(このカードならいけるか)俺は『BFブラックフェザーー極北のブリザード』を守備表示で召喚。召喚時効果で墓地から『BFブラックフェザーー黒槍のブラスト』を守備表示で特殊召喚する」
BFー極北のブリザード ☆2 DEF0
BFー黒槍のブラスト ☆4 DEF800
BFブラックフェザーー極北のブリザード
チューナー・効果モンスター
星2/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 0
このカードは特殊召喚できない。
(1):このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地のレベル4以下の「BF」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
本来ならばこのままシンクロ召喚したいところだが『不協和音』が発動しているためにそれはできない。
「『黒い旋風』の効果でデッキから『BFブラックフェザーー疾風のゲイル』を手札に加える。そしてカードを1枚伏せてターンエンド」
相手の出方次第となるが上手く決まれば何とかなるが果たしてどうなるか・・・
羽蛾:LP1600
手札:2枚
モンスター:究極完全態・グレート・モス(攻) 黄金蜂 ゴールデン・ビー(攻)
魔法・罠:不協和音(永続罠)
彩人:LP2400
手札:2枚
モンスター:BFー極北のブリザード(守) BFー黒槍のブラスト(守)
魔法・罠:リバースカード2枚
彩人sideout
羽蛾side
(どうやら守備に回るだけで手一杯みたいだな)
前のターン、奴はモンスターを召喚して守りを固めただけでターンを終えた。その事から今の奴にはボクの昆虫モンスターに対抗する手段がないと見た!
「このターンで決めてやるよ!ボクのターン、ドロー!ボクは『吸血ノミ』を攻撃表示で召喚!」
吸血ノミ ☆4 ATK1500
吸血ノミ
通常モンスター
星4/地属性/昆虫族/攻1500/守1200
血を吸う巨大ノミ。攻撃はかなり強い。
ノミとあなどると危険。
これで奴のモンスターを全て倒した上で奴にトドメをさせる。本当なら伏せカードを破壊してから攻撃したかったが今の手札ではそれも出来ないので仕方がない。
「バトルだ!『吸血ノミ』で『極北のブリザード』を攻撃!!」
勝利を確信したボクは高らかに攻撃を宣言した。その瞬間だった。
「トラップ発動!『聖なるバリア-ミラーフォース-』!!このカードの効果で貴様の虫たちは全滅だ!」
「なっ!しまった!?」
罠にかかったことに今さら気づいたが、それも遅く『極北のブリザード』に飛びかかった『吸血ノミ』が『極北のブリザード』たちを覆う薄透明のバリアにぶつかり跳ね返されるとバリアから反射された光がボクの昆虫たちの体を貫き、破壊した。
聖なるバリア-ミラーフォース-
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。
「そ、そんな~!!ボ、ボクの昆虫モンスターたちがー!?」
ボクは昆虫モンスターたちが全滅してショックのあまり涙を流してしまう。それもよりにもよって過去にデュエリストキングダムで遊戯にやられた『ミラーフォース』にやられるだなんて最悪だ。
「くそっ!ならメインフェイズ2に移行して墓地の『強制孵化』と『究極完全態・グレート・モス』を除外してデッキから『インセクト女王』を攻撃力を半分にして特殊召喚!」
インセクト女王 ☆7 ATK2200→1100
「さらに墓地の『黄金蜂の襲来』の効果発動!墓地から光属性昆虫族の『魔導雑貨商人』を除外してこのカードと『黄金蜂 ゴールデン・ビー』を手札に加え、そのまま発動!フィールドのレベル7の『インセクト女王』と手札の『コカローチ・ナイト』を儀式の供物に捧げ、再び現れろ!『黄金蜂 ゴールデン・ビー』!!」
黄金蜂 ゴールデン・ビー ☆8 ATK2500→6000
「墓地に送られた『コカローチ・ナイト』は効果でデッキの上におく。ボクはこれでターンエンド」
これで次のターンのドローは『コカローチ・ナイト』に決まってしまったがフィールドをがら空きにする訳にはいかないからこれも仕方がない。
それにまだ『不協和音』の効果は続いているのだからこの調子ならばボクの負ける可能性は限りなく低いはずだ!この借りは 次のターン以降に必ず返してやる!
羽蛾:LP1600
手札:1枚
モンスター:黄金蜂 ゴールデン・ビー(攻)
魔法・罠:不協和音(永続罠)
彩人:LP2400
手札:2枚
モンスター:BFー極北のブリザード(守) BFー黒槍のブラスト(守)
魔法・罠:リバースカード1度
羽蛾sideout
彩人side
『ミラーフォース』が決まり、『究極完全態・グレート・モス』を倒せたが厄介な『ゴールデン・ビー』をフィールドに残してしまった。
(だが逆に言えば厄介なのは『ゴールデン・ビー』だけで、それを何とかすれば勝機はある)
そのためのカードは揃いつつある。あとはあの厄介な『不協和音』を何とかすればいい。
「俺のターン、ドロー!」
俺は勢いよくデッキからカードをドローする。そして引きあてたカードは・・・
(よしっ!引いたカードは『サイクロン』だ!)
『サイクロン』だった。
サイクロン
速攻魔法
(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
「速攻魔法『サイクロン』を発動!これにより羽蛾の『不協和音』を破壊する」
「ちぃっ!!」
これで厄介な『不協和音』を破壊することに成功し、シンクロ召喚を行える。だがまだ準備があるのでシンクロ召喚は行わない。
「フィールドに自分以外の『BF』が存在する場合、手札のこのカードは特殊召喚できる。こい!『BFブラックフェザーー疾風のゲイル』!!」
BFブラックフェザーー疾風のゲイル ☆3 ATK1300
「『疾風のゲイル』の効果発動!1ターンに1度、相手フィールドのモンスター一体の攻撃力と守備力を半分にする。俺は『ゴールデン・ビー』の攻守を半分にする!!」
『疾風のゲイル』がその翼を羽ばたかせて風を巻き起こすと『ゴールデン・ビー』を襲い、その体を傷つけて力を奪った。
黄金蜂 ゴールデン・ビー ATK6000→3000/DEF2000→1000
BFブラックフェザーー疾風のゲイル
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 400
(1):自分フィールドに「BF-疾風のゲイル」以外の「BF」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターの攻撃力・守備力を半分にする。
「さらに永続罠『リビングデッドの呼び声』を発動し、墓地から『BFブラックフェザーー蒼炎のシュラ』を特殊召喚!!」
BFブラックフェザーー蒼炎のシュラ ☆4 ATK1800
リビングデッドの呼び声
永続罠
(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。
そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。
これで準備は整った。
「いくぞ!俺はレベル4の『BFブラックフェザーー黒槍のブラスト』にレベル2の『BFブラックフェザーー極北のブリザード』をチューニング!!」
☆4+☆2=☆6
『極北のブリザード』がその身を輝かせて2つの光の輪となり、その間を『黒槍のブラスト』が4つの星となって潜ると光の柱となった。
「銃剣構えし漆黒の狩人よ、神風を巻き起こし天より敵を撃ち抜け!!シンクロ召喚!吹きすさべ、『BFブラックフェザーーアームズ・ウィング』!!」
光の柱が消えると、そこから猟銃の先端に刃が着いた銃剣を両手で構え翼をはためかせながら黒き鎧をまとった鳥人──『BFブラックフェザーーアームズ・ウィング』が現れた。
BFブラックフェザーーアームズ・ウィング ☆6 ATK2300
BFブラックフェザーーアームズ・ウィング
シンクロ・効果モンスター
星6/闇属性/鳥獣族/攻2300/守1000
「BF」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃するダメージステップの間、このカードの攻撃力は500アップする。
(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
「続けてレベル4の『BFブラックフェザーー蒼炎のシュラ』にレベル3の『BFブラックフェザーー疾風のゲイル』をチューニング!!」
『疾風のゲイル』がその身を輝かせると3つの光の輪となり、『黒槍のブラスト』がその輪の間を4つの星となって潜ると光の柱となった。
「黒き翼を広げし大空の戦士よ!その拳で立ち向かう敵をなぎ倒せ!!シンクロ召喚!!現れろ、『BFブラックフェザーーアーマード・ウイング』!!」
光の柱が消えた瞬間、そこから黒い翼を生やし、その身に黒き鎧を纏わせた鳥人──『BFブラックフェザーーアーマード・ウイング』が現れた。
BFーアーマード・ウイング ATK2500
BFブラックフェザーーアーマード・ウィング
シンクロ・効果モンスター
星7/闇属性/鳥獣族/攻2500/守1500
「BF」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードは戦闘では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
(2):このカードがモンスターを攻撃したダメージステップ終了時に発動できる。そのモンスターに楔カウンターを1つ置く(最大1つまで)。
(3):相手フィールドの楔カウンターを全て取り除いて発動できる。楔カウンターが置かれていた全てのモンスターの攻撃力・守備力をターン終了時まで0にする。
「ふんっ!いくらシンクロモンスターを並べたところでその攻撃力は『ゴールデン・ビー』に及ばない!!ボクの有利状況は変わっていない!!」
羽蛾はシンクロモンスターの登場に驚きはしたが、その攻撃力は『ゴールデン・ビー』に届いていないからか余裕の笑みを浮かべていた。だが、問題ない。
「『アーマード・ウィング』を対象に手札の『BFブラックフェザーー極夜のダマスカス』を捨てて効果発動!ターン終了時まで『アーマード・ウィング』の攻撃力を500アップする!!」
BFーアーマード・ウィング ATK2500→3000
BFブラックフェザーー極夜のダマスカス
効果モンスター
星3/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 700
(1):このカードを手札から捨て、自分フィールドの「BF」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500アップする。この効果は相手ターンでも発動できる。
これで攻撃力は並んだ。
「バトルだ!『アーマード・ウィング』で『ゴールデン・ビー』を攻撃!!ぶち抜け、ブラック・ハリケーン!!」
『アーマード・ウィング』は翼をはためかせて一気に距離を詰めると『ゴールデン・ビー』の懐に潜り込み、その胴体に拳を叩き込む。『ゴールデン・ビー』は苦悶の声を上げながら最後の抵抗に毒針を『アーマード・ウィング』に突き刺そうとするが、その黒い鎧に阻まれ毒針はその体を貫くことは出来ずそのまま破壊された。
「な、なんで『アーマード・ウィング』は破壊されてないんだ?」
羽蛾は自分の『ゴールデン・ビー』が破壊されたのに『アーマード・ウィング』が破壊されていないことに呆然としていた。
「『アーマード・ウィング』は戦闘では破壊されない」
「そ、そんな・・・」
羽蛾はもう打つ手がないのか顔を青ざめさせていた。
「これで終わりだ!『アームズ・ウィング』でダイレクトアタック!!ブラック・チャージ!!」
『アームズ・ウィング』は空に飛び立つと羽蛾に向かって落下するように飛びながら手に持っている銃剣から銃弾を乱れ打ち、そのまま刃の部分で羽蛾を斬りつける。
「うわぁぁぁーーーー!?」
羽蛾:LP1600→-800
これによって、このデュエルは俺の勝利で終わった。
彩人sideout
十代「今日の最強カードは『黄金蜂 ゴールデン・ビー』」
黄金蜂 ゴールデン・ビー(探究者さんオリカ)
儀式・効果モンスター
レベル8/光属性/昆虫族/ATK2500/DEF2000
儀式魔法『黄金蜂の襲来』により降臨。
(1):1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択した相手モンスターの攻撃力をエンドフェイズ時まで半分にする。
(2):このカードは魔法カードの効果では破壊されない。
(3):このカードの攻撃力は自分の墓地に存在する昆虫族モンスター×500ポイントアップする。
刹那「このカードは以前登場した『サイバー・ガストレイゲイズ』と同じでpixivで『龍と共に道を歩く者』を投稿している探求者さんから頂いたオリカだ。昆虫族では珍しい儀式モンスターだな」
十代「墓地に昆虫族がいればいるほど攻撃力も増す上に1ターンに1度相手の攻撃力を半減できるからフィニッシャーとして十分に活躍できるカードだぜ!」
刹那「それに破壊され墓地に送られたとしても『黄金蜂の襲来』の効果で回収することも可能なのでそこのところも要注意だな」
十代「というか昆虫族は何故か融合と儀式が全くいないよな。なんでだ?」
刹那「さぁな。もしかしたら今後昆虫族の融合や儀式も増えるかもしれないが今のところ分からないしなんとも言えないな」
十代「とりあえず今回はここまでだな!」
刹那「それではまた次回もよろしく」
あとがき
はい有頂天皇帝です。現在、マスターデュエルでHEROデッキを作りつつデュエルの勉強をしながら書いております。他の小説に手を伸ばしているのにどれも全く進んでいないことに嫌気がさしますがそれでも頑張って書きたいものを書きつつ皆さんに満足して貰えるように頑張りたいです。次回は十代の制裁デュエルです。また今後の予定としては制裁デュエルが終了後、ARC-Vメンバーを登場させる予定ですがまだどう登場させるかは検討中です。
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第18話 強敵登場!?ラフ・ダイヤモンドの天馬夜行
制裁デュエルの二回戦の相手は天馬夜行です。
十代side
「彩人は勝ったみたいだな」
俺は控え室で1人、そう言って喜ぶ。
館内放送で聞こえたクロノス先生による彩人の勝利宣言を聞いて俺はホッと胸を撫で下ろした。
彩人が強いのは知っていたがそれでも相手はプロデュエリストなためにもしかしたらと考えてしまったが杞憂だったな。
「次は俺の番か」
俺はそう言ってデュエルディスクを腕にはめてデッキをセットするとデュエルリングへ向かうために控え室を出ようと扉を開けると扉の前に幼なじみの1人である宮田ゆまが立っていた。
「十代さん、今大丈夫ですか?」
「別に大丈夫だけど、どうかしたのか?」
「その・・・そろそろ十代さんの番ですけど、大丈夫なのかと思いまして・・・」
ゆまは心配そうな表情でそう聞いてきた。正直いつもの俺ならどんな相手だろうと全力でデュエルをして楽しんでやる!って意気込みでいけただろうが、やはり自身の退学がかかっていると思うと少し不安になる。
そう思っていると顔に出ていたのかゆまが俺の手を両手でギュッと握ってきた。
「ゆま?」
「大丈夫です」
いきなりのゆまの行動に俺が驚いているとゆまは先程のような心配そうな表情ではなく優しく微笑みながら言葉を続ける。
「十代さんの実力はみんな知ってます。だから、何時ものようにデュエルを楽しめば十代さんならどんな相手でも絶対、大丈夫です!!」
ゆまはそう言って俺を激励してくれた。俺はそれを聞いて思わず一瞬呆気に取られたがすぐに気を引き締めてゆまに声をかける。
「ありがとなゆま。おかげで気持ちが楽になったぜ」
「えへへ。そう言って貰えると私も嬉しいです」
俺はゆまにお礼を言うとゆまは照れながら笑顔を浮かべてそう言ってくれた。さて、それじゃあいくか!
「頑張ってくださいね十代さん!」
「おう!いってくるぜ!!」
俺はゆまと別れてデュエルリングへと向かう。ゆまと話したおかげでさっきまで感じていた不安はなくなり、むしろこれから始まるであろうデュエルに対するワクワクが抑えきれそうになかった。その時だった。
「どうやら心配は杞憂だったみたいね」
入口の扉近くに立っている雪乃が声をかけてきた。その隣にはツァンもおり、どうやらゆまと同じようにデュエル前に話しかけに来てくれたようだ。
「まぁ十代のことだから大丈夫だとは思ってたけどね」
「ふふ、そういう割には十代が来るまで心配そうにしてたじゃない?」
「ちょ、ちょっと雪乃!?」
顔を赤く染めながら雪乃に顔を向けるツァンを雪乃はからかうように笑みを浮かべていた。そんなふたりのいつもの光景に俺はつい苦笑いをしてしまう。
「2人ともありがとうな。それじゃあいってくるぜ!!」
俺は2人にそう言って礼を言うとデュエルリングへと歩いていく。既にデュエルリングには対戦相手である長い緑髪の男性が立っていた。
「すいません待たせたみたいで・・・」
俺はそう言って対戦相手である男性に頭を下げる。それに対して男性は俺に・・・
「いえ問題ありません。こちらが早くついていただけですので」
男性は微笑みながらそう言ってくれた。その口調からして遅れたことに対して気にしてないようだ。
『それでーは、これより制裁デュエル第二回戦を始めるノ~ネ!!』
クロノス教諭がマイクを片手にした解説を始める。
『二回戦は我が校からはオシリスレッドのシニョール十代!!そしてその対戦相手はあのインダスリアルイリュージョン社のあのペガサス会長が集めた優秀なデュエリストたちである『ペガサス・ミニオン』のトップである天馬夜行!!』
俺の対戦相手である男性──天馬夜行さんがあのペガサス会長が認める優秀なデュエリストだと聞いて会場全体がどよめいた。
それも仕方が無いことだろう。デュエルモンスターズの始祖とも呼べるべき存在のペガサスが認めた存在なのだがらその実力はかなりのものだと言うことがわかる。
故に観客席の方から俺が勝てないと思っているのか諦めムードになっているのが分かる。だけど俺はむしろそんな強敵と戦えることに胸のワクワクが止まりそうにないぜ!
「では始めましょうか」
「おう!何時でもやれるぜ!!」
そう言って俺と夜行さんは互いにデュエルディスクを展開する。そして・・・
「「[[rb:決闘>デュエル]]!!」」
夜行:LP4000
十代:LP4000
十代sideout
夜行side
ペガサス様の命を受けて今回のデュエルを受けることになったが相手はあの遊城榛名の義弟である遊城十代なので油断せずにデュエルをしましょう。デュエルディスクのルーレットの結果、私が先行となった。
「私のターンドロー。魔法カード『手札抹殺』を発動。互いのプレイヤーは手札を全て捨てて捨てた枚数デッキからカードをドローする。私は5枚捨てて5枚ドロー」
「なら俺も5枚捨てて5枚ドローするぜ」
手札抹殺
通常魔法
手札があるプレイヤーは、その手札を全て捨てる。その後、それぞれが捨てた枚数分デッキからドローする
「私はライフを1000払って永続魔法『ドラゴノイド・ジェネレーター』を発動します。このカードは1ターンに2度まで自分のフィールドに『ドラゴノイドトークン』を攻撃表示で呼び出せます」
夜行LP:4000 → 3000
私のの背後に現れた卵型の機械がズラリと並び――
「私は2度効果を使用し、2体の『ドラゴノイドトークン』を特殊召喚します」
その卵型の機械の2つから、逆さにしたチェスの駒のような身体を持つ小さな青いドラゴンが生れ落ち、宙にフワフワと浮かんでいた
ドラゴノイドトークン ☆1 ATK300
ドラゴノイドトークン ☆1 ATK300
ドラゴノイド・ジェネレーター
永続魔法
1000LPを払ってこのカードを発動できる。
このカード名の(1)の効果は1ターンに2度まで使用できる。
(1):自分メインフェイズに発動できる。「ドラゴノイドトークン」(機械族・地・星1・攻/守300)1体を自分フィールドに攻撃表示で特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
このターンのエンドフェイズに、相手は「ドラゴノイドトークン」1体を自身のフィールドに攻撃表示で特殊召喚しなければならない。
「さらに私は永続魔法『冥界の宝札』を発動します。そしてフィールドの2体の『ドラゴノイドトークン』を生贄に『闇の侯爵ベリアル』を召喚します」
2体の青いドラゴンが消えるとそこには黒い羽を生やし、白く長い髪。何処となく丸っこい黒い鎧に身を包み、白いマントを翻しながら現れた『闇の侯爵ベリアル』その手に握る黒い大剣を地面に突き刺す。
闇の侯爵ベリアル ☆8 ATK2800
闇の侯爵ベリアル
効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻2800/守2400
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手は「闇の侯爵ベリアル」以外の自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターを攻撃対象に選択できず、魔法・罠カードの効果の対象にする事もできない。
「『冥界の宝札』の効果で2枚ドロー。そして墓地の『レベル・スティーラー』の効果発動。『闇の侯爵ベリアル』のレベルを1つ下げることで墓地から特殊召喚する。私はこの効果を2回使い墓地から2体の『レベル・スティーラー』を特殊召喚する」
『闇の侯爵ベリアル』の頭上に8つの星が浮かび上がるとそのうちの2つの星が天道虫『レベル・スティーラー』となり地面に降り立った。
闇の侯爵ベリアル ☆8→☆6
レベル・スティーラー ☆1 DEF0
レベル・スティーラー ☆1 DEF0
冥界の宝札
永続魔法
(1):自分がモンスター2体以上をリリースしたアドバンス召喚に成功した場合に発動する。自分はデッキから2枚ドローする。
レベル・スティーラー
効果モンスター
星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。
(2):このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのレベルを1つ下げ、このカードを墓地から特殊召喚する。
「私はカードを2枚伏せてターンエンド。エンドフェイズにあなたは自分の場に『ドラゴノイドトークン』を特殊召喚しなければなりません」
「なら俺の場に特殊召喚させてもらうぜ」
『ドラゴノイド・ジェネレーター』の効果で遊城十代の場にトークンを出すことになってしまったがこの程度は必要経費。まずはこの布陣で相手の出方を見させて貰いましょう。
ドラゴノイドトークン ☆1 ATK300
夜行:LP3000
手札:3枚
モンスター:闇の侯爵ベリアル(攻) レベル・スティーラー(守) レベル・スティーラー(守)
魔法・罠:ドラゴノイド・ジェネレーター(永続魔法) リバースカード2枚
十代:LP4000
手札:5枚
モンスター:ドラゴノイドトークン(攻)
魔法・罠:無し
夜行sideout
十代side
いきなりの最上級モンスターの登場には驚かされたけどまだデュエルは始まったばかりだ。
「俺のターンドロー!俺は『E・HEROエアーマン』を召喚!!召喚時効果でデッキから『E・HEROシャドー・ミスト』を手札に加えるぜ」
E・HEROエアーマン ☆4 ATK1800
E・HEROエアーマン
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
「そして手札から魔法カード『融合』を発動!!手札の『E・HEROシャドー・ミスト』と場にいる炎属性の『ドラゴノイドトークン』で融合!!影に潜みし英雄よ、炎の小さな機械の竜と交わりて炎を支配せし英雄へと生まれ変われ!融合召喚!現れろ、『E・HEROノヴァマスター』!!」
『E・HEROシャドー・ミスト』と『ドラゴノイドトークン』の背後に出現した渦の中へと入り、渦が消えるとそこには炎のような赤い鎧を纏った英雄『E・HEROノヴァマスター』が現れていた。
E・HEROノヴァマスター ☆8 ATK2600
融合
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
E・HEROノヴァマスター
融合・効果モンスター
星8/炎属性/戦士族/攻2600/守2100
「E・HERO」モンスター+炎属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。
「墓地に送られた『E・HEROシャドー・ミスト』の効果でデッキから『E・HEROブレイズマン』を手札に加えるぜ」
E・HEROシャドー・ミスト
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1500
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「E・HERO シャドー・ミスト」以外の「HERO」モンスター1体を手札に加える。
「そして『E・HEROノヴァマスター』に装備魔法『龍殺しの剣』を装備して攻撃力を700アップするぜ」
これで『ノヴァマスター』の攻撃力が『ベリアル』の攻撃力を超えた。
E・HEROノヴァマスター ATK2600→3300
龍殺しの剣
装備魔法
戦士族モンスターにのみ装備可能。
(1):装備モンスターの攻撃力は700アップする。
(2):装備モンスターがドラゴン族モンスターと
戦闘を行ったダメージ計算後に発動する。
装備モンスターと戦闘を行ったそのモンスターは
そのバトルフェイズ終了時に破壊される。
「バトルだ!『E・HEROノヴァマスター』で『闇の侯爵ベリアル』を攻撃!フレイムスラッシュ!!」
『ノヴァマスター』がその手に握る剣の刃に炎を纏わせると勢いよく振り下ろし、炎の斬撃が『闇の侯爵ベリアル』に迫る。
「永続罠『六芒星の呪縛』を発動。これによりあなたの『E・HEROノヴァマスター』は攻撃を行えず表示形式を変更することもできません」
しかし、『E・HEROノヴァマスター』の攻撃が当たる瞬間、夜行さんの伏せカードがオープンしそこから六芒星が描かれた魔法陣が出現し、『E・HEROノヴァマスター』はその魔法陣に拘束されて身動き取れなくなってしまった。
六芒星の呪縛
永続罠
相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターは攻撃できず、表示形式の変更もできない。
選択したモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。
「くっ!俺はこのままターンエンドだ」
今の手札に伏せられるカードがないためこのままターンを終えるしかできない。おそらく次のターンもまた最上級モンスターが出てくるはずだ。充分警戒しなくちゃな。
夜行:LP3000
手札:3枚
モンスター:闇の侯爵ベリアル(攻) レベル・スティーラー(守) レベル・スティーラー(守)
魔法・罠:ドラゴノイド・ジェネレーター(永続魔法) リバースカード1枚 六芒星の呪縛(永続罠)
十代:LP4000
手札:3枚
モンスター:E・HEROエアーマン(攻) E・HEROノヴァマスター
魔法・罠:龍殺しの剣(ノヴァマスター装備)
「私のターンドロー。私は再び『ドラゴノイド・ジェネレーター』の効果を2度発動し『ドラゴノイドトークン』を2体特殊召喚します」
ドラゴノイドトークン ☆1 ATK300
ドラゴノイドトークン ☆1 ATK300
夜行さんはまずは前のターンと同じように『ドラゴノイドトークン』を場に出してきた。
「『六芒星の呪縛』を墓地に送り魔法カード「『マジック・プランター』を発動します。これによりデッキから2枚ドロー」
夜行さんが『マジック・プランター』を発動してくれたことで『ノヴァマスター』の動きを縛る『六芒星の呪縛』がなくなった。
マジック・プランター
通常魔法
(1):自分フィールドの表側表示の永続罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
「そして私は『レベル・スティーラー』2体と『ドラゴノイドトークン』1体を生贄に捧げる」
「3体の生贄だって!?」
夜行さんがモンスターを三体生贄にして召喚を行うことに俺は思わず声を上げてしまった。デュエルモンスターズの中で3体のモンスターを生贄にして召喚するモンスターはあのデュエルキング武藤遊戯の『三幻神』を筆頭にどのモンスターも強力な効果を持っている。夜行さんは一体どんなモンスターを出てくるんだ?
「雷鳴轟かせし戦士よ、その剣技をもって稲妻を切り裂け!現れよ、『ギルフォード・ザ・ライトニング』!!」
2体の『レベル・スティーラー』と『ドラゴノイドトークン』に向かって空から雷が落ちると土煙に包まれた。そしてその土煙を切り裂くようにして大剣片手に握る筋骨隆々の褐色肌の鎧を身にまとった仮面の戦士『ギルフォード・ザ・ライトニング』が現れた。
ギルフォード・ザ・ライトニング ☆8 ATK2800
ギルフォード・ザ・ライトニング
効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻2800/守1400
このカードはモンスター3体をリリースして召喚する事もできる。
(1):モンスター3体をリリースしてこのカードのアドバンス召喚に成功した場合に発動する。
相手フィールドのモンスターを全て破壊する。
「三体のモンスターを生贄に召喚した『ギルフォード・ザ・ライトニング』の効果発動。相手フィールドのモンスターを全て破壊します。ライトニング・サンダー!!」
『ギルフォード・ザ・ライトニング』がその手に握る大剣を振り下ろすと剣先から稲妻が走り、『ノヴァマスター』と『エアーマン』に稲妻が当たるとそのまま破壊されてしまった。
「くっ!?」
「『冥界の宝札』の効果で2枚ドロー。そして『ギルフォード・ザ・ライトニング』のレベルを2つ下げて墓地より再び『レベル・スティーラー』を2体特殊召喚します」
ギルフォード・ザ・ライトニング ☆8→6
レベル・スティーラー ☆1 DEF0
レベル・スティーラー ☆1 DEF0
「魔法カード『カード・アドバンス』を発動。デッキの上から5枚カードを確認し好きな順番でデッキの上に戻します。そしてこれにより私はこのターンもう一度生贄召喚を行えます。私は『レベル・スティーラー』と『ドラゴノイドトークン』を生贄に『堕天使アスモディウス』を召喚します」
夜行さんの場に新たに黒い翼を広げ黒い鎧をまとった男の堕天使『堕天使アスモディウス』が現れた。
堕天使アスモディウス ☆8 ATK3000
カード・アドバンス
通常魔法
(1):自分のデッキの上からカードを5枚まで確認し、好きな順番でデッキの上に戻す。
このターン自分は通常召喚に加えて1度だけ
モンスター1体をアドバンス召喚できる。
堕天使アスモディウス
効果モンスター
星8/闇属性/天使族/攻3000/守2500
このカードはデッキ・墓地からの特殊召喚はできない。
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。デッキから天使族モンスター1体を墓地へ送る。
(2):自分フィールドのこのカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動する。自分フィールドに「アスモトークン」(天使族・闇・星5・攻1800/守1300)1体と、「ディウストークン」(天使族・闇・星3・攻/守1200)1体を特殊召喚する。「アスモトークン」は効果では破壊されない。「ディウストークン」は戦闘では破壊されない。
これで夜行さんの場にこれで3体の最上級モンスターが揃ってしまった。
「『冥界の宝札』の効果で2枚ドロー。そしバトル、まずは『闇の侯爵ベリアル』でダイレクアタック!!」
「させるか!墓地の『超電磁タートル』の効果発動!デュエル中に一度、墓地のこのカードを除外してバトルフェイズを終了させる!!」
『ベリアル』が俺に向かって大剣を振り下ろしてきたが、大剣が当たる直前に俺の周囲に電磁のバリアが発生しその攻撃を弾いて防いだ。
超電磁タートル
効果モンスター
星4/光属性/機械族/攻 0/守1800
このカード名の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):相手バトルフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。そのバトルフェイズを終了する。
「防がれましたか・・・私はカードを1枚伏せてターンエンドです。そしてエンドフェイズ時にあなたの場に『ドラゴノイドトークン』特殊召喚します」
再び俺の場に『ドラゴノイドトークン』が現れた。
ドラゴノイドトークン ☆1 ATK300
夜行:LP3000
手札:5枚
モンスター:闇の侯爵ベリアル(攻) ギルフォード・ザ・ライトニング(攻) 堕天使アスモディウス(攻) レベル・スティーラー(守)
魔法・罠:ドラゴノイド・ジェネレーター(永続魔法) リバースカード2枚
十代:LP4000
手札:3枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
十代sideout
氷華side
「流石は『ペガサス・ミニオン』のトップにして最強のデュエリストですね」
「えぇ。昔からその実力は高かったですが武藤遊戯と遊城榛名のデュエルを通してその実力をさらに高めています」
私は今VIP専用に用意された観戦室にてペガサス会長と天馬月行と共にモニター越しに十代と夜行のデュエルを見ていた。
「流石は夜行デスね。十代ボーイをこうも容易く翻弄するとは・・・」
一人椅子に座っているペガサスはワイングラスを片手に2人のデュエルを楽しそうに観戦していた。
「しかし十代ボーイの目にはまだ諦める様子も見れないどころかどう攻略するか燃えている目をしてマース」
「当然です。十代なら例え絶望的な状況に追い込まれようと最後まで諦めずにデュエルをするんですから」
私が自慢げにそう語るとペガサス会長は面白そうに笑みを浮かべていた。
「その通りデース。そうでなくてはこのカードたちを彼に託すことはできまセーン」
ペガサス会長はチラリと机の上に置かれているアタッシュケースに目を向けながらそう言った。その中にはインダスリアルイリュージョン社が新たに制作したカードたちが入っており、今日ペガサス会長がここに訪れたのも優秀なデュエリストを見つけてカードを託すのが目的の一つらしい。現に私もペガサス会長からカードを貰っています。
「それより氷華さん、例の件ですが・・・」
「分かっています。皇アキラの事ですよね」
月行さんが私に聞いてきたことは先日、拘束状態にあったはずの皇アキラが島からいなくなっていた。その事は何故か彼と関わった制裁デュエルの参加者たちにも知らされておらず鮫島校長たちも気にしていなかった。
「私の予想ですけど皇アキラがいなくなったのは鮫島校長、あるいは才業教頭たちサイバー流の関係者が関係しているのではないかと思われます」
「そうですね。しかし現状では証拠もありませんからなんとも言えませんね」
そうなのだ。確かに鮫島校長たちが怪しいと言ったもののそれはあくまで私の主観でしかなく証拠となり得るものは何も無い。しかし、以前から鮫島校長たちは何か隠しているように思えるのでどうも怪しくて仕方がない。
「その事は現在海馬ボーイも秘密裏に調査してマス。ここはその結果を知ってから行動することにしまショウ。とりあえず今は2人のデュエルを楽しみまショウ」
ペガサス会長がそう言ってモニターに視線を戻したので私と月行さんもそちらに視線を向ける。
氷華sideout
夜行side
(やはりこの攻撃は防がれてしまいましたか)
前のターン、『超電磁タートル』の効果でこちらの攻撃は防がれてしまったが防御札を使わせたと考えれば御の字でしょう。
「俺のターンドロー!魔法カード『ミラクル・フュージョン』を発動!!墓地の『E・HEROリキッドマン』と光属性の『E・HEROスパークマン』をゲームから除外して融合!!液体を操りし英雄よ、雷を操りし英雄と交わりて輝きの英雄へと生まれ変われ!融合召喚!現れろ、『E・HEROTheシャイニング』!!」
『リキッドマン』と『スパークマン』が融合し、背中に光り輝く光輪が付いている白金の鎧を纏った英雄『E・HEROTheシャイニング』が現れた。
E・HEROTheシャイニング ☆8 ATK2600
ミラクル・フュージョン
通常魔法
(1):自分のフィールド・墓地から、
「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
E・HEROリキッドマン
効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1400/守1300
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時、「E・HERO リキッドマン」以外の自分の墓地のレベル4以下の「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
(2):このカードが「HERO」融合モンスターの融合召喚の素材になり、墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。自分はデッキから2枚ドローし、その後手札を1枚選んで捨てる。
E・HEROスパークマン
通常モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1600/守1400
様々な武器を使いこなす、光の戦士のE・HERO。聖なる輝きスパークフラッシュが悪の退路を断つ。
E・HEROTheシャイニング
融合・効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻2600/守2100
「E・HERO」と名のついたモンスター+光属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、ゲームから除外されている自分の「E・HERO」と名のついたモンスターの数×300ポイントアップする。
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、ゲームから除外されている自分の「E・HERO」と名のついたモンスターを2体まで選択し、手札に加える事ができる。
「融合素材としてゲームから除外された『E・HEROリキッドマン』の効果でデッキからカードを2枚ドローして1枚捨てる。そして『E・HEROTheシャイニング』の攻撃力はゲームから除外されている『HERO』の数×300アップする。よって『E・HEROTheシャイニング』の攻撃力は600アップするぜ!」
E・HEROTheシャイニング ATK2600→3200
これで『Theシャイニング』の攻撃力は私の場にいるモンスターたちの攻撃力を上回った。
「バトルだ!『E・HEROTheシャイニング』で『闇の侯爵ベリアル』を攻撃!!オプティカルストーム!!」
『Theシャイニング』が両手の掌に光を収束させると『ベリアル』に向かって鋭い光が『ベリアル』の体を貫き、破壊した。
「くっ!」
夜行:LP3000→2600
「『ドラゴノイドトークン』を守備表示に変更し、俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
夜行:LP3000
手札:5枚
モンスター:ギルフォード・ザ・ライトニング(攻) 堕天使アスモディウス(攻) レベル・スティーラー(守)
魔法・罠:ドラゴノイド・ジェネレーター(永続魔法) リバースカード2枚
十代:LP4000
手札:2枚
モンスター:E・HEROTheシャイニング(攻) ドラゴノイドトークン(守)
魔法・罠:リバースカード2枚
「私のターンドロー。私は『ギルフォード・ザ・ライトニング』を守備表示に変更し、そのままバトルフェイズに移行し『堕天使アスモディウス』で『ドラゴノイドトークン』を攻撃します」
今の手札では『Theシャイニング』を倒せないのでここは『ドラゴノイドトークン』だけを破壊しておく。
「私はこれでターンエンドです」
「俺のターンドロー!俺はこのまま『E・HEROTheシャイニング』で『堕天使アスモディウス』を攻撃!オプティカルストーム!!」
再び『Theシャイニング』の掌から光が放たれると『堕天使アスモディウス』の体を貫き破壊した。
夜行:LP2600→2400
「ですが破壊された『堕天使アスモディウス』の効果を発動します。私のフィールドに『アスモトークン』と『ディウストークン』を特殊召喚します」
破壊された『アスモディウス』がいた場所に青と赤の色をした『アスモトークン』と『ディウストークン』が現れた。
アスモトークン ☆5 ATK1800
ディウストークン ☆3 ATK1200
「くっ、モンスターを増やしちまったか・・・なら俺はこれでターンエンドだ」
十代さんは悔しそうにエンド宣言を行った。このまま守りを固めたところでジリ貧なのは目に見えている。故に早い段階で何とかしなくてはならない。
「私のターンドロー」
っ!どうやらいいカードを引けたようですね。
「私は『アスモトークン』、『ディウストークン』、『レベル・スティーラー』の三体を生贄に、神に仕えし従属神たちの王よ、その雄々しき雄叫びで刃向かう敵を恐怖で震わせよ!!現れよ、『神獣王バルバロス』!!」
フィールドに大量の雷が降り注ぎ、地面がヒビ割れるとそこから噴火のように地面から飛び出してきた下半身が黒い獣の四足で上半身は引き締まった筋肉をした金の長い鬣と顎部分の機械的な鬣を靡かせながら赤い槍と青い盾を両手で構えながら獅子の如し顔をした神獣は雄叫びを上げ大気を震わせた。
神獣王バルバロス ☆8 ATK3000
「『冥界の宝札』の効果で2枚ドロー。そして『神獣王バルバロス』の効果発動。このモンスターが3体を生贄にして召喚した時、相手フィールドのカード全てを破壊する。サンダー・ボンバー!!」
『バルバロス』がその手に握る赤い槍を地面に突き刺し雄叫びを上げると頭上に暗雲があらわれ、十代さんの場に向かって雷が降り注ぐ。『Theシャイニング』は雷に向かって光を放って抵抗するが全てを防ぐことは出来ずそのまま伏せカード事破壊され、十代さんの場はがら空きになった。
神獣王バルバロス
効果モンスター
星8/地属性/獣戦士族/攻3000/守1200
(1):このカードはリリースなしで通常召喚できる。
(2):このカードの(1)の方法で通常召喚したこのカードの元々の攻撃力は1900になる。
(3):このカードはモンスター3体をリリースして召喚する事もできる。
(4):このカードがこのカードの(3)の方法で召喚に成功した場合に発動する。相手フィールドのカードを全て破壊する。
「くっ!『ミラーフォース』も破壊されたかっ!?だが、破壊された『E・HEROTheシャイニング』とセットカードの『やぶ蛇』の効果発動!!『E・HEROTheシャイニング』が破壊され墓地に送られた時、ゲームから除外されている『HERO』を2体手札に加える。俺は『E・HEROリキッドマン』と『E・HEROスパークマン』を手札に加える。そしてセット状態で破壊された『やぶ蛇』の効果でデッキから『フレンドック』を守備表示で特殊召喚する!!」
しかし彼もタダでは転ばないのか、手札を増やしつつ守備モンスターを出してきた。
フレンドック ☆3 DEF1200
やぶ蛇
通常罠
(1):セットされているこのカードが相手の効果でフィールドから離れ、墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。
デッキ・EXデッキからモンスター1体を特殊召喚する。
「なら私は『バルバロス』のレベルを2つ下げて墓地より再び『レベル・スティーラー』を2体特殊召喚します」
神獣王バルバロス ☆8→6
レベル・スティーラー ☆1 DEF0
レベル・スティーラー ☆1 DEF0
「そしてフィールドのレベル6となった『ギルフォード・ザ・ライトニング』とレベル1の『レベル・スティーラー』2体をリリースして手札から『獣神王バルバロス』を特殊召喚します」
そして三体のモンスターたちが姿を消すのと同時に雷鳴が鳴り響き、地中から現れたのは『神獣王バルバロス』と瓜二つの姿をしているよ螺旋を描く赤い槍とより頑強になった青い盾を構えて『獣神王バルバロス』が現れた。
獣神王バルバロス ☆8 ATK3000
獣神王バルバロス
効果モンスター
星8/地属性/獣戦士族/攻3000/守1200
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):レベルの合計が8以上になるように、
自分フィールドのモンスターをリリースして発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
(2):自分の墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、「バルバロス」モンスター1体を除外し、相手フィールドのカード2枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
(3):このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。
「このモンスターは自分フィールド上のモンスターをレベル8以上になるようにリリースすることで特殊召喚できるモンスターです。そしてバトル!『獣神王バルバロス』で『フレンドック』を攻撃!」
『獣神王バルバロス』がその手に握る螺旋を描く赤い槍を『フレンドック』に向けて突き刺すと小さな悲鳴を上げながら『フレンドック』はそのまま破壊できた。
「破壊された『フレンドック』の効果発動!破壊された時墓地から『E・HEROシャドー・ミスト』と『融合』を手札に加える」
これでまた十代さんの手札を増やしてしまったが問題ない。このターンで決着をつけるためのカードは揃っているのだから。
フレンドック
効果モンスター
星3/地属性/機械族/攻 800/守1200
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地から「E・HERO」と名のついたカード1枚と「融合」魔法カード1枚を手札に加える。
「続けて『神獣王バルバロス』でダイレクトアタック!!トルネード・シェイバー!!」
『神獣王バルバロス』が赤い槍を振るうと十代さんに突き刺した。
「ぐあぁぁぁぁぁ!?」
十代:LP4000→1000
「トラップ発動『獣王の雄叫び』。このカードは私のフィールドの獣族または獣戦士族のモンスターが相手にダメージを与えた時に発動できます。私の場にいる獣族と獣戦士族の合計のレベル×100ポイントのダメージを与えます。私のフィールドにはレベル6『神獣王バルバロス』とレベル8の『獣神王バルバロス』。レベルの合計は14なので1400のダメージを与えます」
2体の『バルバロス』がその手に握る赤い槍の交差させるとそこからエネルギーが集約され、一気にエネルギーを放出し十代さんを襲う。これが決まれば私の勝利は決まる。
獣王の雄叫び(オリカ)
通常罠
(1):自分フィールドの獣族・獣戦士族モンスターが相手にダメージを与えた時に発動出来る。自分フィールドにいる獣族・獣戦士族のレベルの合計×100ポイントのダメージを相手に与える。
「そうはいくか!墓地の『ダメージ・ダイエット』を除外してこのターン受ける効果ダメージを半分にする!!」
十代:LP1000→300
ダメージ・ダイエット
通常罠
このターン自分が受ける全てのダメージは半分になる。
また、墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、そのターン自分が受ける効果ダメージは半分になる。
「防がれましたか。ならば私はカードを2枚伏せてターンエンドです」
ライフを削り切れることは出来なかったが追い詰めることはできた。
夜行:LP2400
手札:4枚
モンスター:獣神王バルバロス(攻) 神獣王バルバロス(攻)
魔法・罠:ドラゴノイド・ジェネレーター(永続魔法) リバースカード3枚
十代:LP4000
手札:7枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
夜行sideout
十代side
(やっぱり強いな。流石はインダスリアルイリュージョン社の選ばれたデュエリストだぜ)
前のターン、墓地に『ダメージ・ダイエット』があったおかげで何とかライフを残せたがこのターンで決めなければ勝機はない。
「俺のターンドロー!」
っ!よしこのカードならいける。
「俺は『E・HEROソリッドマン』を召喚!」
俺の場に両腕にガントレットを携えた白い鎧のHERO『E・HEROソリッドマン』が現れた。
E・HEROソリッドマン ☆4 ATK1300
「『E・HEROソリッドマン』の効果発動!このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下の『HERO』を特殊召喚する。俺は手札から『E・HEROブレイズマン』を特殊召喚する!!そして特殊召喚に成功した『E・HEROブレイズマン』の効果でデッキから『置換融合』を手札に加える」
E・HEROブレイズマン ☆4 ATK1600
E・HEROソリッドマン
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1300/守1100
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。手札からレベル4以下の「HERO」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):このカードが魔法カードの効果でモンスターゾーンから墓地へ送られた場合、「E・HERO ソリッドマン」以外の自分の墓地の「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
E・HEROブレイズマン
効果モンスター
星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1800
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「融合」1枚を手札に加える。
(2):自分メインフェイズに発動できる。デッキから「E・HERO ブレイズマン」以外の「E・HERO」モンスター1体を墓地へ送る。
このカードはターン終了時まで、この効果で墓地へ送ったモンスターと同じ属性・攻撃力・守備力になる。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。
「魔法カード『置換融合』を発動!俺の場にいる『E・HEROブレイズマン』と地属性の『E・HEROソリッドマン』を融合!炎の英雄よ、硬い意志を持つ英雄と交わりて大地の力を秘めし英雄へと生まれ変われ!融合召喚!!」
フィールドにいる『E・HEROブレイズマン』と『E・HEROソリッドマン』が頭上に現れた渦の中へと入っていった。そして2体のモンスターが入った渦が消えると地面を砕きながら地中から『E・HEROガイア』が現れた。
E・HEROガイア ☆6 ATK2200
E・HEROガイア
融合・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻2200/守2600
「E・HERO」モンスター+地属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが融合召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動する。ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力を半分にし、このカードの攻撃力はその数値分アップする。
「『E・HEROガイア』の効果発動!このモンスターが融合召喚に成功したので『団結の力』を装備している『獣神王バルバロス』の攻撃力を半分にしその数値分『E・HEROガイア』の攻撃力をアップする!アース・クラッシャー!!」
『E・HEROガイア』がその太い両腕を地面に叩きつけると大地を砕きながら衝撃波が『獣神王バルバロス』を襲い、突き出た岩の破片によって力を奪われる『獣神王バルバロス』に対して『E・HEROガイア』は大地から力を得ていた。
獣神王バルバロス ATK3000→1500
E・HEROガイア ATK2200→3700
「さらに魔法カード『融合』を発動!手札の『E・HEROシャドー・ミスト』と『E・HEROリキッドマン』を融合!影の英雄よ、液体を操りし英雄と交わりて皆を照らす太陽の英雄として昇りあがれ!!融合召喚!現れよ、『E・HEROサンライザー』!!」
手札から『E・HEROシャドー・ミスト』と『E・HEROリキッドマン』がフィールドに現れるとそのまま頭上に現れた渦の中へと入っていった。そして2体のモンスターが入った渦が消えると光を放ちながらそこから赤い機械的な鎧を身に纏い、青いマントをたなびかせながら『E・HEROサンライザー』が地面に降り立った。
E・HEROサンライザー ☆7 ATK2500
「墓地に送られた『E・HEROシャドー・ミスト』と『E・HEROリキッドマン』の効果を発動。『E・HEROシャドー・ミスト』の効果でデッキから『E・HEROフォレストマン』を手札に加え、『E・HEROリキッドマン』の効果でデッキから2枚ドローし手札から1枚捨てる。そして特殊召喚に成功した『E・HEROサンライザー』の効果でデッキから『ミラクル・フュージョン』を手札に加える。」
これで新たなHEROを呼べるがまだ『E・HEROサンライザー』の効果は残ってる。
「さらに『E・HEROサンライザー』の効果発動!俺のフィールドにいるモンスターの攻撃力は俺のフィールドのモンスターの属性の種類×200アップする。俺の場には地属性の『E・HEROガイア』と光属性の『E・HEROサンライザー』がいるので400アップするぜ。サンライズ・ライジング!!」
『E・HEROサンライザー』が拳を空に向かって突き上げると全身から赤いオーラを滾らせるとそのオーラは『E・HEROガイア』と『E・HEROサンライザー』を包み込みその力を増幅させた。
E・HEROガイア ATK3700→4100
E・HEROサンライザー ATK2500→2900
E・HEROサンライザー
融合・効果モンスター
星7/光属性/戦士族/攻2500/守1200
属性が異なる「HERO」モンスター×2
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「ミラクル・フュージョン」1枚を手札に加える。
(2):自分フィールドのモンスターの攻撃力は、
自分フィールドのモンスターの属性の種類×200アップする。
(3):このカード以外の自分の「HERO」モンスターが戦闘を行う攻撃宣言時に、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
「魔法カード『ミラクル・フュージョン』を発動!!墓地の『E・HEROエアーマン』と水属性の『E・HEROリキッドマン』を除外して融合!! 風を操りし英雄よ、液体を操りし英雄と交わりて絶対零度の力を秘めし氷の英雄へと生まれ変われ!融合召喚!!現れよ、『E・HEROアブソルートZero』!!」
墓地から現れた『E・HEROエアーマン』と『E・HEROリキッドマン』がフィールドに現れるとそのまま頭上に現れた渦の中へと入っていった。そして2体のモンスターが入った渦が消えると地面から巨大な氷塊が出現し、その氷塊を内側から砕きながら氷で出来た白銀の鎧を身に纏い、白いマントをたなびかせながら『E・HEROアブソルートZero』が現れた。
E・HEROアブソルートZero ☆8 ATK2500
E・HERO アブソルートZero
融合・効果モンスター
星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000
「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する「E・HERO アブソルートZero」以外の水属性モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードがフィールド上から離れた時、相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
「そして新たにフィールドの属性の種類が増えたので俺のモンスターたちの攻撃力は200アップするぜ」
E・HEROガイア ATK4100→4300
E・HEROサンライザー ATK2900→3100
E・HEROアブソルートZero ATK2500→3100
これで攻撃の準備は整った!
「バトルだ!『E・HEROガイア』で『獣神王バルバロス』を攻撃!この瞬間、『E・HEROサンライザー』の効果発動!! のカード以外の自分の「HERO」モンスターが戦闘を行う攻撃宣言時に、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。俺は『神獣王バルバロス』を破壊する!!」
「トラップ発動『帝王の凍志』。『神獣王バルバロス』の効果を無効にし、このカード以外の効果を受け付けない」
『E・HEROサンライザー』がその拳に光を溜め込むと光の弾丸として『神獣王バルバロス』に向けて放つ。しかし光弾が当たる瞬間、『神獣王バルバロス』を囲うように氷の壁が地面から噴き出て防がれてしまった。
帝王の凍志
通常罠
(1):自分のエクストラデッキにカードが存在しない場合、自分フィールドのアドバンス召喚した表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターは効果が無効になり、このカード以外の効果を受けない。
「くっ!だけど『E・HEROガイア』の攻撃はまだ続いている!!いけ!コンチネンタル・ハンマー!!」
『E・HEROガイア』が両手を重ねて頭上に掲げるとそのまま勢いよく『獣神王バルバロス』の頭に向かって振り下ろした。
「トラップ発動『ハーフ・カウンター』。このカードは私のフィールドのモンスターが攻撃された場合のダメージ計算時に発動できる。攻撃対象もなった私のモンスター1体の攻撃力はエンドフェイズ時まで攻撃モンスターの元々の攻撃力の半分の数値分アップする。よって『獣神王バルバロス』の攻撃力は『E・HEROガイア』の元々の攻撃力2200の半分である1100アップします」
獣神王バルバロス ATK1500→2600
ハーフ・カウンター
通常罠
自分フィールド上に存在するモンスターが攻撃された場合、そのダメージ計算時に発動する事ができる。
攻撃対象となった自分のモンスター1体の攻撃力は、エンドフェイズ時まで攻撃モンスターの元々の攻撃力の半分の数値分アップする。
『獣神王バルバロス』の攻撃力が上がり『E・HEROガイア』の振り下ろした両腕を槍と盾で受け止めるが一瞬の間拮抗したもののすぐに武装ごと叩き潰された。
「ぐうっ!?」
夜行:LP2400→700
「まだまだ行くぜ!『E・HEROアブソルートZero』で『神獣王バルバロス』を攻撃!この瞬間、再び『E・HEROサンライザー』の効果を発動し残った伏せカードを破壊するぜ!!」
「ならばそれにチェーンしてトラップ発動『ライジング・エナジー』。手札を1枚捨て『神獣王バルバロス』の攻撃力を1500アップする」
神獣王バルバロス ATK3000→4500
『神獣王バルバロス』の攻撃力が『E・HEROアブソルートZero』の攻撃力を上回ってしまった。このままバトルをしたら俺のライフは尽きてしまう。だが、そうはいかない!
「手札から速攻魔法『キズナブレード』を発動!このカードは自分のフィールドにいるこのターン、バトルを行っていない表側攻撃表示モンスターを任意の数選択し、守備表示にすることで発動できる。このターンのエンドフェイズまで、俺のモンスター1体の攻撃力をこの効果で守備表示にしたモンスターの攻撃力の合計の数値分アップする。俺は『E・HEROサンライザー』を守備表示変更し、その攻撃力分『E・HEROアブソルートZero』の攻撃力を上げる。よって『E・HEROアブソルートZero』の攻撃力は───」
E・HEROアブソルートZero ATK3100→6200
キズナブレード(オリカ)
速攻魔法
このカードは自分のバトルフェイズ時にしか発動できない。
(1):自分フィールド上にいる表側攻撃表示モンスター一体を選択し、バトルを行っていない表側攻撃表示モンスターを任意の数守備表示にすることで発動出来る。選択されたモンスターはエンドフェイズまで守備表示にしたモンスターの攻撃力の合計分の数値アップする。
「攻撃力、6200っ!?」
夜行さんは『神獣王バルバロス』の攻撃力を上回ったことに驚いて目を見開いていた。
「これで終わりだ!!『E・HEROアブソルートZero』で『神獣王バルバロス』を攻撃!!瞬間凍結 Freezing at moment!!」
膝をついた『E・HEROサンライザー』から半透明の『E・HEROサンライザー』が現れるとそのまま吸い込まれるように『E・HEROアブソルートZero』に吸収されると『E・HEROアブソルートZero』は鋭い刃のような氷を鎧に纏わせ『神獣王バルバロス』に一気に近づくと一瞬にして氷漬けにし、『E・HEROアブソルートZero』が腕の氷の刃で氷漬けになった『神獣王バルバロス』を砕き、その砕かれた氷塊が夜行さんを襲う。
「ぐあぁぁぁぁぁっ!?」
夜行:LP700→-1000
これによって、夜行さんとのデュエルは何とか俺の勝利で収めることが出来たのだった。
十代sideou
十代「今日の最強カードは『神獣王バルバロス』!!」
神獣王バルバロス
効果モンスター
星8/地属性/獣戦士族/攻3000/守1200
(1):このカードはリリースなしで通常召喚できる。
(2):このカードの(1)の方法で通常召喚したこのカードの元々の攻撃力は1900になる。
(3):このカードはモンスター3体をリリースして召喚する事もできる。
(4):このカードがこのカードの(3)の方法で召喚に成功した場合に発動する。相手フィールドのカードを全て破壊する。
刹那「このモンスターは今回のように三体のモンスターを生贄にして召喚すれば相手のカードを全て破壊する強力な効果を持っている」
十代「他にも妥協召喚からの『禁じられた聖杯』や『スキルドレイン』を使って攻撃力を元に戻すのは色々な人のデュエルで見られるな」
刹那「というよりもこのカードのイメージは妥協召喚の方が強いな」
十代「ちなみにこのカードはアニメでも登場していて『遊戯王ZEXAL』だと片桐さんの『熱血指導王ジャイアントトレーナー』の効果でドローした1枚目のカードで『遊戯王ARC-V』だとハゲこと赤馬零王の回想でズァークに影響されたデュエリストの1人が乗っていたモンスターだ」
刹那「このカードは今後も色々なデュエリストたちに使われるだろうな」
十代「それじゃあまた次回も!」
刹那「ルールを守って楽しくデュエル!!」
あとがき
はい有頂天皇帝です。今回は十代と『遊戯王R』のラスボスである天馬夜行とのデュエルです。夜行のデッキはアドバンス召喚に特化したデッキとなっております。また、冒頭で宮田ゆまが十代に言った言葉は探究者さんからのリクエストである『カードキャプターさくら』の木之本さくらの名言である『絶対、大丈夫』を元に激励するシーンとして入れました。自信がないのですがどうでしょうか?
それでは次回は刹那の最後の制裁デュエルとなっております。
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第19話 まさかの相手!?バンデットの継承者
今回のデュエルで制裁デュエルは終了します。今回のデュエルの相手は今作のオリキャラで原作のとあるキャラの息子となっております。
???side
「凄いなコイツ。三邪神が入っていないとはいえあの天馬夜行に勝っちまうだなんて・・・」
本土の海馬コーポレーションの一室にて副社長である俺こと海馬モクバはデュエルアカデミアで現在行われている制裁デュエルの映像を見ていた。今はちょうど遊城十代が天馬夜行に勝利したところで映像が終わっていた。
かつて、俺の兄サマである海馬瀬人が天馬夜行とデュエルした時は三邪神の恐るべき力によって敗北したがその後神がいないデッキ同士で戦った際には兄サマが勝利したけどそれでも強かったのは記憶に残っている。
「流石は榛名の義弟ってところなのか」
俺は頬杖をつきながらそう呟いた。遊城十代のことは以前から海馬コーポレーションと契約を結んでいるプロデュエリストの1人である遊城榛名が自慢げに惚気混じりに語っていたことからよく知っている。まぁその度に兄サマと榛名による弟自慢からの言い争いかデュエルが始まって大騒ぎになるのは日常茶飯事だったりする・・・
「最初の彩人って奴もかなりやるしこれは今年のアカデミアの生徒は期待できるかもな」
というのもここ数年のアカデミア卒業生はプロデュエリストとして成功しているのが全くと言っていいほどいないため海馬コーポレーションとしても困っていたのだ。
このままでは予算の無駄遣いとして海馬コーポレーションとしてもデュエルアカデミアへの支援の打ち切りの話も上がりかけたところで優秀なデュエリストの存在は副社長の身としてもありがたい。
「それにこの話をするのにもちょうどいいかもな」
俺は手元にある資料の紙を見ながらそう呟いた。その紙には『第二回バトルシティ』と書かれているのであった。
モクバsideout
刹那side
「いよいよ俺の番か・・・」
十代と夜行さんのデュエルが終わりデュエルリングから2人が降りたことで制裁デュエルの最後である俺の番が回ってきた。対戦相手は分からないが今までの相手がプロデュエリストであるインセクター羽蛾やインダストリアルイリュージョン社の優秀なデュエリストである天馬夜行さんであることから俺の対戦相手も並大抵の相手出ないことが分かる。
「だけど負けるわけにはいかないよな」
彩人や十代だって勝ったのだ。俺もそれに続いて勝利するために全力を尽くす。入学して1年も経たないうちに退学というのは今後の人生にも絶対響くから避けるべき問題であるし、なによりこの学園にいる友人たちと過ごすのは心地よいものだ。
そして俺がデュエルリング前まで着くと司会であるクロノス教諭がマイクを片手に話しているところだった。
『それで~は、これより最後である制裁デュエル三回戦を初める~ノネ。アカデミアからはシニョール刹那!そして、シニョールの相手はこの方なノーネ!!』
クロノス教諭が手のひらを会場の出入口に向けながらそう言うと同時に出入口の扉が開く。そして・・・
「・・・・・・」
無言でデュエルリングに上がってきたのはアメリカ国旗のパンダナを右腕に巻いた金髪の白い軍服のようなアメリカアカデミアの制服を着た背の高い青年だった。まさかの学生の登場に観客席の学生たちはざわついていた。
「彼はアメリアカデミアに通う新入生でありながら既にプロの世界でその実力を示している優秀なデュエリストなノーネ!!その名もロクス・ハワード!!」
クロノス教諭の紹介を聞いてざわついていた生徒たちの声もさらに大きくなりロクスにたいして羨望や嫉妬など様々な視線が向けられているが当の本人であるロクスは何処吹く風と言わんばかりにそれらを無視している。
「始めるぞ」
「ああ」
対戦相手であるロクスから声をかけられたのでそれに返事を返しながら互いにデュエルディスクを展開する。そして・・・
「「[[rb:決闘>デュエル]]!!」」
刹那:LP4000
ロクス:LP4000
デュエルディスクのルーレットの結果、先行は俺になった。
「俺のターンドロー!俺は魔法カード『闇の誘惑』を発動。デッキからカードを2枚ドローし手札の闇属性である『バイス・ドラゴン』をゲームから除外する。俺はモンスターとカードをセットしてターンエンドだ」
相手がどのようなデッキを使ってくるのか分からない以上、ここは様子見も兼ねて守りに入らせてもらう。
闇の誘惑
通常魔法
(1):自分はデッキから2枚ドローし、その後手札の闇属性モンスター1体を除外する。
手札に闇属性モンスターが無い場合、手札を全て墓地へ送る。
バイス・ドラゴン
効果モンスター
星5/闇属性/ドラゴン族/攻2000/守2400
(1):相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
この方法で特殊召喚したこのカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる。
刹那:LP4000
手札:4枚
モンスター:裏守備モンスター
魔法・罠:リバースカード1枚
ロクス:LP4000
手札:5枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
「俺のターンドロー。俺は手札から魔法カード『天使の施し』を発動。デッキからカードを3枚ドローし、手札から2枚捨てる。俺は『メカ・ハンター』を攻撃表示で召喚」
メカハンター ☆4 ATK1850
天使の施し
通常魔法
デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる
メカ・ハンター
通常モンスター
星4/闇属性/機械族/攻1850/守 800
機械王の命令で、ターゲットを捕まえるまで追いつづけるハンター。
「バトルだ。『メカ・ハンター』でセットモンスターを攻撃」
『メカ・ハンター』の攻撃により俺のセットモンスターである『クリッター』が現れるとそのまま破壊された。
「破壊された『クリッター』の効果発動。デッキから『ジェスター・コンフィ』を手札に加える」
「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
クリッター
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。
デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。
刹那:LP4000
手札:5枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
ロクス:LP4000
手札:4枚
モンスター:メカ・ハンター(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
「俺のターンドロー!手札から『ジェスター・コンフィ』を特殊召喚」
ジェスター・コンフィ ☆1 ATK0
ジェスター・コンフィ
効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
(1):「ジェスター・コンフィ」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(2):このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚できる。
(3):このカードの(2)の方法で特殊召喚した場合、次の相手エンドフェイズに相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動する。その相手の表側表示モンスターと表側表示のこのカードを持ち主の手札に戻す。
「『ジェスター・コンフィ』を生け贄に『邪帝ガイウス』を攻撃表示で召喚!!」
邪帝ガイウス ☆6 ATK2400
「この瞬間、リバースカードオープン!!罠カード『隠れ兵』を発動。この効果で手札から『マジック・リアクター・AID』を攻撃表示で特殊召喚!!」
『隠れ兵』の効果によりロクスの場に新たなモンスターが現れた。
マジック・リアクター・AID ☆3 ATK1200
隠れ兵
通常罠
相手がモンスターを召喚・反転召喚した時に発動できる。
手札からレベル4以下の闇属性モンスター1体を特殊召喚する。
マジック・リアクター・AID
効果モンスター
星3/闇属性/機械族/攻1200/守 900
1ターンに1度、相手が魔法カードを発動した時に発動できる。
その魔法カードを破壊し、相手ライフに800ポイントダメージを与える。
「『邪帝ガイウス』の効果発動!『メカ・ハンター』をゲームから除外し、闇属性を除外したことで相手に1000ポイントのダメージを与える。ディメンション・ホール!!」
『邪帝ガイウス』は右手を『メカ・ハンター』に向けると黒球を放ち、黒球が当たった『メカ・ハンター』はそのまま黒球に吸い込まれていき黒球と共に完全に消え去ってしまった。そしてその衝撃の余波がロクスを襲った。
「・・・・・・」
ロクス:LP4000→3000
「バトル!『邪帝ガイウス』で『マジック・リアクター・AID』を攻撃!」
『邪帝ガイウス』の攻撃が『マジック・リアクター・AID』に迫る。だがその時・・・
「相手の攻撃宣言時、トラップ発動『フェイク・エクスプロージョン・ペンタ』。これにより『マジック・リアクター・AID』の破壊を無効にする。」
ロクス:LP3000→1800
フェイク・エクスプロージョン・ペンタ
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
モンスターはその戦闘では破壊されず、ダメージ計算後、自分の手札・墓地から「サモン・リアクター・AI」1体を選んで特殊召喚する。
伏せカードの1枚である『フェイク・エクスプロージョン・ペンタ』によって破壊することが出来なかった。その上にあのカードの効果は・・・
「そしてダメージ計算後、手札・墓地から『サモン・リアクター・AI』を特殊召喚する。俺は墓地から『サモン・リアクター・AI』を特殊召喚」
サモン・リアクター・AI ☆5 ATK2000
サモン・リアクター・AI
効果モンスター
星5/闇属性/機械族/攻2000/守1400
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手フィールド上にモンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時、相手ライフに800ポイントダメージを与える。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
この効果を使用したターンのバトルフェイズ時、相手モンスター1体の攻撃を無効にできる。また、自分フィールド上に表側表示で存在する、このカードと「トラップ・リアクター・RR」「マジック・リアクター・AID」をそれぞれ1体ずつ墓地へ送る事で、自分の手札・デッキ・墓地から「ジャイアント・ボマー・エアレイド」1体を選んで特殊召喚する。
結果的に相手にダメージを与えることは出来たがモンスターを増やす結果となってしまった・・・
「俺はこれでターンエンド」
今の手札であの2体のモンスターにできることは無いのでターンを終了する。しかし、この時の俺は気づいていなかった。2体のモンスターを場に残してしまったことで次のターン窮地に追いやられてしまうことを・・・
刹那:LP4000
手札:4枚
モンスター:邪帝ガイウス(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
ロクス:LP1800
手札:3枚
モンスター:マジック・リアクター・AID(攻) サモン・リアクター・AI
魔法・罠:無し
刹那sideout
ロクスside
(よし。これであのモンスターを召喚する準備が整ってきたな)
俺はフィールドにいる2体のモンスターと手札の『トラップ・リアクター・RR』を見ながらそう呟く。相手の場の伏せカードが何か気になるが今の手札なら問題ないだろう。
「俺のターン、ドロー」
俺はそう言ってデッキからカードをドローする。ドローしたカードは『命削りの宝札』だった。
命削りの宝札(未OCGカード)
通常魔法
手札を5枚になるようにドローする。5ターン後すべての手札を墓地に置く
(いいカードを引けたな。だがまだこのカードを使う時じゃないな)
「手札から『トラップ・リアクター・RR』を召喚」
トラップ・リアクター・RR ☆4 ATK800
トラップ・リアクター・RR
効果モンスター
星4/闇属性/機械族/攻 800/守1800
1ターンに1度、相手が罠カードを発動した時に発動できる。その罠カードを破壊し、相手ライフに800ポイントダメージを与える。
これで3体のリアクターモンスターが揃った。
「俺は『サモン・リアクター・AI』の効果発動!フィールドにいる『サモン・リアクター・AI』、『トラップ・リアクター・RR』、『マジック・リアクター・AID』をそれぞれ一体ずつ墓地に送ることでこのモンスターは特殊召喚できる。デッキより現れよ!空を支配せし爆撃機!!『ジャイアント・ボマー・エアレイド』!!」
3機のリアクターがその体を変形させ合体させると一機の巨大な人型の爆撃機───『ジャイアント・ボマー・エアレイド』となった。
ジャイアント・ボマー・エアレイド ☆8 ATK3000
ジャイアント・ボマー・エアレイド
効果モンスター
星8/風属性/機械族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。
「サモン・リアクター・AI」の効果でのみ特殊召喚できる。
1ターンに1度、手札を1枚墓地へ送る事で、
相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。
また、相手のターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。そのモンスターを破壊し、相手ライフに800ポイントダメージを与える。
●相手がカードをセットした時に発動できる。
そのカードを破壊し、相手ライフに800ポイントダメージを与える
「『ジャイアント・ボマー・エアレイド』の効果発動!手札1枚を墓地に送り『邪帝ガイウス』を破壊する!デス・ドロップ!!」
『ジャイアント・ボマー・エアレイド』がプロペラを回転させ上昇するとそのまま『邪帝ガイウス』の上空に移動すると巨大な爆弾を投下し、『邪帝ガイウス』は爆弾にぶつかると爆弾は爆発し爆風に巻き込まれた『邪帝ガイウス』は爆風と煙が消えた頃にはその姿はもういなかった。
「さらに魔法カード『命削りの宝札』を発動!手札が5枚になるようにデッキからカードをドローする。俺は4枚ドロー!!そして手札からレベル8以上になるように機械族を捨てることで手札または墓地から『マシンナーズ・フォートレス』を特殊召喚できる。俺は『マシンナーズ・フォートレス』と『ブローバック・ドラゴン』を捨てて墓地から『マシンナーズ・フォートレス』を特殊召喚!!」
『ジャイアント・ボマー・エアレイド』の隣に頭と両腕の付いたキャノン砲を携えた青い戦車───『マシンナーズ・フォートレス』が現れた。
マシンナーズ・フォートレス ☆7 ATK2500
マシンナーズ・フォートレス
効果モンスター
星7/地属性/機械族/攻2500/守1600
(1):このカードはレベルの合計が8以上になるように手札の機械族モンスターを捨てて、手札・墓地から特殊召喚できる(自身を捨てた場合、墓地から特殊召喚する)。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードを対象として発動した相手モンスターの効果が適用される際に、相手の手札を確認し、その中からカード1枚を選んで捨てる。
(3):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動する。その相手のカードを破壊する。
これで俺のフィールドにいるモンスターたちの攻撃力の合計が相手のライフを上回った。
「バトルだ!『マシンナーズ・フォートレス』でダイレクトアタック!!マシンナーズキャノン!!」
『マシンナーズ・フォートレス』が方に背負うキャノン砲の砲身を刹那に向けるとそのままビームを放とうとしたその瞬間だった。
「させるか!永続罠『リビングデッドの呼び声』を発動し墓地から『邪帝ガイウス』を特殊召喚する!!」
邪帝ガイウス ☆6 ATK2400
リビングデッドの呼び声
永続罠
(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。
そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。
「だが攻撃力は『マシンナーズ・フォートレス』の方が上だ!やれ!『マシンナーズ・フォートレス』!!」
刹那に向けていたキャノン砲の砲身を新たにフィールドに現れた『邪帝ガイウス』に照準を変更させるとそのままその胴体をビーム砲が貫き爆散した。
「くっ!」
刹那:LP4000→3900
「続けて『ジャイアント・ボマー・エアレイド』でダイレクトアタック!!デス・エアレイド!!」
『ジャイアント・ボマー・エアレイド』が3発のミサイルを放ち、その爆風と衝撃が刹那を襲った。
「ぐぁぁぁぁぁっ!?」
刹那:LP3900→900
「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
仕留めきることは出来なかったが奴のライフは残り僅かだ。次のターンで仕留めれば問題は無い
刹那:LP900
手札:4枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
ロクス:LP1800
手札:1枚
モンスター:ジャイアント・ボマー・エアレイド(攻) マシンナーズ・フォートレス(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
ロクスsideout
刹那side
状況は明らかにこちらが不利だ。だがまだライフも残っており手札もある。次のドロー次第で切り返すこともできる。
「俺のターンドロー!」
俺はそう言ってデッキからカードをドローする。ドローしたカードは・・・魔法カード『帝王の烈旋』だった。
帝王の烈旋
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(1):このターン、自分がモンスターをアドバンス召喚する場合に1度だけ、自分フィールドのモンスター1体の代わりに相手フィールドのモンスター1体をリリースできる。
「(よし!このカードならいける!)俺は速攻魔法『帝王の烈旋』を発動!!これにより俺はこのターンに一度だけ相手フィールド上のモンスター一体を使ってアドバンス召喚することが出来る」
「ちっ!厄介なカードを使いやがって・・・」
「俺は『ジャイアント・ボマー・エアレイド』をリリースして手札から『デーモンの召喚』をアドバンス召喚する!!」
デーモンの召喚 ☆6 ATK2500
デーモンの召喚
通常モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200
闇の力を使い、人の心を惑わすデーモン。悪魔族ではかなり強力な力を誇る
「俺はカードを3枚伏せてターンエンド」
今の手札ではこれ以上できることも無いため俺は手札を全て伏せてターンを終えることしか出来ない。
刹那:LP900
手札:0枚
モンスター:デーモンの召喚(攻)
魔法・罠:リバースカード3枚
ロクス:LP1800
手札:1枚
モンスター:マシンナーズ・フォートレス(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
「俺のターンドロー!俺はこのまま『マシンナーズ・フォートレス』で『デーモンの召喚』を攻撃!マシンナーズ・キャノン!」
「迎え撃て!魔降雷!!」
『マシンナーズ・フォートレス』のビームと『デーモンの召喚』の掌から放たれた雷が互いの体を貫き、その体を爆散させた。
「くっ!だが『マシンナーズ・フォートレス』の効果発動!このカードが戦闘で破壊され墓地に送られた場合、相手の場のカード一枚破壊する。俺は右側のセットカードを破壊!アサルト・ボム!!」
破壊される寸前に落としていたのか球体型の爆弾が俺の伏せているカードの下に転がるとそのまま爆発し、セットカードを破壊した。
「この瞬間、破壊されたセットカード『リ・バウンド』の効果発動!セット状態のこのカードが相手によって破壊され墓地に送られた時、デッキからカードを1枚ドローする」
リ・バウンド
カウンター罠
フィールド上のカードを手札に戻す効果を相手が発動した時に発動できる。
その効果を無効にし、相手の手札・フィールド上からカードを1枚選んで墓地へ送る。
また、セットされたこのカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、デッキからカードを1枚ドローする。
「ちっ、ハズレを引いちまったみたいだな。まぁいい。メインフェイズ2に移行し俺は手札からレベル7の『リボルバー・ドラゴン』とレベル4の『メカ・ハンター』を墓地に送り、墓地から再び『マシンナーズ・フォートレス』を特殊召喚!!」
マシンナーズ・フォートレス ☆7 ATK2500
「俺はこれでターンエンドだ」
刹那:LP900
手札:1枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード2枚
ロクス:LP1800
手札:0枚
モンスター:マシンナーズ・フォートレス(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
「俺のターンドロー!俺は手札を1枚捨てて魔法カード『ブラック・コア』を発動!『マシンナーズ・フォートレス』をゲームから除外する!」
ブラック・コア
通常魔法
自分の手札を1枚捨てる。
フィールド上の表側表示のモンスター1体をゲームから除外する
「ちぃっ!(奴の手札はないから『マシンナーズ・フォートレス』の効果も使えないな・・・)」
「俺はこれでターンエンド」
これで『マシンナーズ・フォートレス』が復活する事は防げる。だが油断はできない。次の相手のターンを何とか乗り切らなくては・・・
刹那:LP900
手札:0枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード2枚
ロクス:LP1800
手札:0枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード2枚
刹那sideout
ロクスside
「俺のターンドロー!フッ、まさかプロでもない学生相手にここまで追い詰められるとはな。だがそれもここまでだ!」
俺は親父やアメリカアカデミアの友人達を除いてここまで久しぶりに本気で楽しいデュエルが出来ていることに思わず笑みを浮かべるがすぐに切り替えて今ドローしたカードを発動させる。
「俺は手札から魔法カード『オーバーロード・フュージョン』を発動!このカードの効果で墓地から『リボルバー・ドラゴン』と『ブローバック・ドラゴン』をゲームから除外する。これにより俺は機械族・闇属性の融合モンスター1体を融合召喚扱いとして特殊召喚する!!」
「その2体を素材に融合召喚するってことはあのモンスターが出てくるか・・・」
どうやら奴には俺がこれから出すモンスターが何かバレているようだな。だが、気づいたところでもう遅い。
「敵を撃ち抜く2体の銃身の機械龍よ、今こそ交わりて全てを蹂躙する機械龍へと生まれ変われ!!融合召喚!!現れろ、『ガトリング・ドラゴン』!!」
背後に現れた渦に『リボルバー・ドラゴン』と『ブローバック・ドラゴン』が入り、渦が消えるとそこには三首のガトリング砲の頭部をした機械仕掛けのドラゴン───『ガトリング・ドラゴン』が現れた。
ガトリング・ドラゴン ☆8 ATK2600
ガトリング・ドラゴン
融合・効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻2600/守1200
「リボルバー・ドラゴン」+「ブローバック・ドラゴン」
コイントスを3回行う。
表が出た数だけ、フィールド上のモンスターを破壊する。
この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用する事ができる。
「バトル!『ガトリング・ドラゴン』でダイレクトアタック!!ヘル・ガトリング・ショット!!」
「させるか!トラップ発動『ガード・ブロック』!!」
『ガトリング・ドラゴン』が3つのガトリング砲から雨霰のように放たれる銃弾が刹那に迫るが刹那の前に発生した障壁によって防がれてしまった。
ガード・ブロック
通常罠
相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。
その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする
「・・・俺はこれでターンエンドだ」
防がれたか。手札もないのでこれ以上できることも無いためターンを終えるしかない。
刹那:LP900
手札:1枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
ロクス:LP1800
手札:0枚
モンスター:ガトリング・ドラゴン(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
「俺のターンドロー!くっ、このままターンエンドだ・・・」
どうやらいいカードは引けなかったようだ。
刹那:LP900
手札:2枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
ロクス:LP1800
手札:0枚
モンスター:ガトリング・ドラゴン(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
「俺のターンドロー!俺は永続魔法『エンジンチューナー』を発動!!これにより『ガトリング・ドラゴン』の攻撃力は守備力の半分の数値分アップする。よって『ガトリング・ドラゴン』の攻撃力は────」
ガトリング・ドラゴン ATK2600→3200
エンジンチューナー
永続魔法(未OCGカード)
このカードが表側表示で存在する限り、全フィールド上の機械族モンスターの攻撃力は守備力の半分の数値分アップする。
また、表側表示で存在する機械族モンスターは 表側守備表示へ変更する事ができない。
「今度こそ終わりだ!やれ『ガトリング・ドラゴン』!!ヘル・ガトリング・ショット!!」
再び『ガトリング・ドラゴン』の銃口が刹那に向けられ、今度こそ倒そうと銃弾が放たれようとしたその瞬間だった。
「手札の『バトル・フェーダー』の効果発動!ダイレクトアタックを受ける時、手札のこのモンスターを特殊召喚し、バトルフェイズを強制的に終了させる!」
奴の前に現れた小さな悪魔『バトル・フェーダー』が振り子時計のように鐘を鳴らすと障壁のようなものが発生し、『ガトリング・ドラゴン』の攻撃を防いだ。
バトルフェーダー ☆1 DEF0
バトルフェーダー
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される
「ちぃっ!ならメインフェイズ2に移行し『ガトリング・ドラゴン』の効果発動!コイントスを3回行い、表が出た数だけ、フィールド上のモンスターを破壊する」
俺はそう言ってコイントスを始める。
先ずは1回目。
出た目は……裏だった。
次に2回目を始める。
出た目は……表だった。
そして、最後の3回目。
出た目は……裏。
「結果は表が1回だが十分だ。『バトル・フェーダー』を破壊する!!喰らえ、ジェノサイド・バレット・シャワー!!」
『ガトリング・ドラゴン』が雨霰のように銃弾を放ち、『バトル・フェーダー』が蜂の巣となって爆散した。
「フィールドを離れた『バトル・フェーダー』はフィールドから離れたことによってゲームから除外される」
「俺はこれでターンエンドだ」
このターンでも仕留めきることが出来なかった。だが次のターンさえくれば問題ない。
刹那:LP900
手札:1枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
ロクス:LP1800
手札:0枚
モンスター:ガトリング・ドラゴン(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚 エンジンチューナー
ロクスsideout
刹那side
前のターン、『バトル・フェーダー』のおかげで何とか攻撃を防げたがそう何度も攻撃を防げるわけが無い。このターンで何とか勝たなくては・・・
「俺のターンドロー!」
ドローしたカードを見て俺はこのカードなら何とかなると思い小さく笑みを浮かべた。
「俺は『アルバスの落胤』を召喚!」
俺の場に現れたのは前髪の一部が赤いメッシュの銀髪に褐色肌の金属の装飾品がついている黒い衣装を纏った少年───『アルバスの落胤』が現れた。
「手札を1枚捨てて『アルバスの落胤』の効果発動!このモンスターが召喚・特殊召喚に成功した時、このモンスターと相手の場のモンスターで融合召喚を行う!!」
「なんだと!?」
ロクスは『アルバスの落胤』の効果を聞いて驚いたのか声を上げた。
アルバスの落胤
効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1800/守 0
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。
融合モンスターカードによって決められた、このカードを含む融合素材モンスターを自分・相手フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。この効果で融合召喚する場合、このカード以外の自分フィールドのモンスターを融合素材にできない。
「俺は『アルバスの落胤』と相手の場にいる『ガトリング・ドラゴン』で融合!!記憶をなくした竜の少年よ、機械仕掛けの龍と交わりて、全てを灰燼に化す銀の竜となれ!!融合召喚!!現れろ、『灰燼竜バスタード』!!」
『アルバスの落胤』の背後に現れた渦に引き寄せられるように『ガトリング・ドラゴン』は自分の意思とは関係なく渦に吸い込まれ2体が渦の中に入り、そして渦が消えるとそこには銀色の流線的なフォルムに身体の至る所に赤く輝く棘がついているドラゴン──『灰燼竜バスタード』が現れた。
灰燼竜バスタード ☆8 ATK2500
「『灰燼竜バスタード』の効果発動!このモンスターの攻撃力は融合素材となったモンスターたちの元々のレベルの合計×100ポイントアップする。レベルの合計は14。よって『灰燼竜バスタード』の攻撃力は1400ポイントアップする!!」
灰燼竜バスタード ATK2500→3900
灰燼竜バスタード
融合・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
「アルバスの落胤」+攻撃力2500以上のモンスター
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの攻撃力は、このカードの融合素材としたモンスターの元々のレベルの合計×100アップする。
(2):このカードが融合召喚に成功したターン、
このカードはEXデッキから特殊召喚された他のモンスターが発動した効果を受けない。
(3):このカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。デッキから「ドラグマ」モンスターまたは「アルバスの落胤」1体を選び、手札に加えるか特殊召喚する。
「バトルだ!『灰燼竜バスタード』でプレイヤーにダイレクトアタック!!」
この攻撃が通ればこのデュエルは俺の勝ちで終わる。しかし・・・
「させるか!トラップ発動!『聖なるバリア-ミラーフォース-』!!これでそのモンスターを破壊してやる!!」
聖なるバリア-ミラーフォース-
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。相手フィールド上に存在する攻撃表示モンスターを全て破壊する
「そうはいくか!トラップ発動『トラップ・スタン』!!これでこのターン、トラップの効果は無効になる!!」
「なっ!?」
トラップ・スタン
通常罠
(1):このターン、このカード以外のフィールドの罠カードの効果は無効化される。
これで罠を気にする必要がなくなった。
「いけ!『灰燼竜バスタード』!!灰燼のバスターブレス!!」
『灰燼竜バスタード』が目を赤く輝かせると口から勢いよく高温の炎のブレスを放ち、ロクスのライフを削りきった。
「ぐぁぁぁぁぁっ!?」
ロクス:LP1800→-2100
こうして俺もまた十代たちと同じく制裁デュエルに勝利することができたのだった。
刹那sideout
十代「今日の最強カードは『アルバスの落胤』だ!」
アルバスの落胤
効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1800/守 0
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。
融合モンスターカードによって決められた、このカードを含む融合素材モンスターを自分・相手フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。この効果で融合召喚する場合、このカード以外の自分フィールドのモンスターを融合素材にできない。
刹那「このモンスターは召喚・特殊召喚に成功した時、手札1枚をコストに相手モンスターと自身で融合召喚を行える優秀なモンスターだ」
十代「『アルバスの落胤』を素材にした融合モンスターは『灰燼竜バスタード』以外にも色々といるから色んなデッキで活躍できるぜ!!」
刹那「似たような効果を持つカードが存在するがそのカードの登場はまだ先なのでそのカードの説明はしないでおこう」
十代「このカードはカードストーリーの方でも人気のあるカードだから知ってる人も多いかもしれないな」
刹那「それじゃあまた次回も」
十代「ルールを守って楽しくデュエル!!」
あとがき
はい有頂天皇帝です。ようやく制裁デュエルを終わらせることが出来ました。今回の刹那の対戦相手は名前から察しているかもしれませんがバンデット・キースことキース・ハワードの息子でアメリカアカデミアの生徒です。キースさんと言えば近年ではコラで何故かいい人に昇格しているのが印象的ですね。次回は制裁デュエルの裏側で暗躍していた人達についての話をするかもしれません。それではまた次回もよろしくお願いします
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第20話 闇で蠢くもの
今回は刹那たちが制裁デュエルを行っているのと同時刻に裏で暗躍していた人々の動向について語ります。なので今回はデュエルシーンないです。
アルカside
アメリカのラスベガスのとあるビルの最上階の一室。私の目の前にはプロデュエリストのトップであるDDが膝をついていた。彼は自分が負けたことが信じられないのか目を開いていた。
「ば、バカな・・・何故『究極のD』を持つ俺が敗北を・・・いや、それよりもだ」
DDはヨロヨロと立ち上がりながら私を睨みつけ声を荒らげる。
「何故貴様がそのカードたちを持っている!?そのカードを所有しているのはこの世界でただ1人だけのはずだ!!」
DDは震える指で私のデュエルディスクに納まっているデッキを指さしながら聞いてくる。それも仕方が無いことだろう。私のデッキのカード達はこの世界のカードでは無いのだから
「あなたのようなこそ泥に答える義理はありません。それに」
私はチラリとDDの背後で揺らめく影に目を向けながら言葉を続ける。
「これから死にゆくものに何を言っても無駄ですからね」
「な、何を───」
DDが言葉を続けようとしたが背後から何者かによって腹部を貫かれてしまった。DDの腹部を貫いたそれは爪を抜くとDDは地面に倒れ腹部から流れる血によって出来た血溜まりの中でDDは息を引き取った。
「さて、はじめましてと言った方がいいですかね。『究極のD』」
私は目の前でDDを殺した影───『究極のD』に挨拶をするが究極のDは何も答えずジッとこちらを見ている。
「こちらとしても無駄話をする気は無いので単刀直入に言わせてもらいます。───我々の仲間になりませんか?」
そう言った瞬間、究極のDは私に向かってその鋭い鉤爪が迫り、私の喉元を貫こうとした瞬間だった。
『調子に乗るなよクソガキ』
私の背後から現れた天井に届く程の巨体で下半身が昆虫の下腹部のような膨らみを持ち、そこから身体を支える六本の足が生えている…筋肉質で両腕は歪・・・右腕は鋭い鋏、左腕は五本指・・・顔つきは鬼のように恐ろしく、その身体はところどころに棘のような突起が見え不気味さを際立たせた異形な悪魔───『トラゴエディア』が私に迫る鉤爪を鋏で弾き飛ばしてくれた。
『ふん、高々数年しか生きていないガキが俺様の前でイキがるな』
「おやもう用事は済ませたのですか」
私は思ったより早くこの場に現れたトラゴエディアに少し驚きながら声をかけるとトラゴエディアは右腕の鋏で究極のDを押さえつけながら私に顔を向ける。
『ああ。やはりこの男が所持していたようだ。これで残り三枚だ』
トラゴエディアはそう言うと1枚のカードを投げつけてくる。そのカードはかつてトラゴエディアが力を取り戻す際に利用したカード『プラネットシリーズ』の1枚の『The supremacy SUN』だった。
「それは良かったですね。それではこれ以上この場にいても仕方がないので彼を連れてここから離れましょうか」
『ああ、そうだな』
トラゴエディアはそういうと究極のDを掴んだままの状態で2体は元から存在していなかったかのようにその姿を消した。
「さて、それでは私もそろそろ───「DD!!」これは面倒な時に来ましたね・・・」
トラゴエディアたちがいなくなったのを確認してから私もこの場から去ろうとしようとしたのだが厄介な人物に姿を見られてしまった。
「貴様!!よくもDDを!!」
死んだDDの亡骸を見て涙を流しながら青年──エド・フェニックスは私を睨みつけながらそう怒鳴る。
「おや、これはこれは。似非ヒーローのお出ましですか。思ったよりもお早い到着ですね」
「なんだと!?」
似非ヒーロー呼びにエド・フェニックスはさらに怒りで顔を赤くする。しかしこれ以上ここで無駄な時間を過ごす訳にも行かないのでこの場はさっさと退場させてもらおうか。
「あなた如きに構ってる暇はないので私はこれで失礼させて貰いましょうか」
私はエド・フェニックスにそう言うとデュエルディスクにセットしてあるのとは別に用意したカードたちの中から『緊急テレポート』のカードを取り出すとデュエルディスクにセットしてその効果を発動させた。
「なっ!?まっ────」
エド・フェニックスは何が起こっているのかわからず思わず私に対して手を伸ばしてくるが間に合わず、私は『緊急テレポート』の効果によりこの場から去ることが出来た。
────彼は私を憎むのだろう。真実を知らないとはいえ死んだ父親の代わりに自分を育ててくれた恩人を殺されたのだ。いつか私の前に復讐の鬼となって私を現れるのかもしれない。だが、それでも私にはやり遂げなければならないことがある。例え、この手が血に濡れ屍の上に立つことになろうとも・・・
アルカsideout
???side
「そうか、遊城十代たちは無事退学を回避出来たか・・・」
『ああ。これで遊城十代たちはより力をつけただろう』
童実野町にあるとあるビルの最上階の部屋にてワシはモニター越しにデュエルアカデミアに潜入させている部下であるアムナエルから報告を受けていた。
「だがまだ足りない。来るべき戦いに備え彼らにはもっと力を、そしてどんな逆境に追い込まれようと決して折れない心を持ってもらわなければならない」
ワシは腰掛けている車椅子を固く握りしめながらアムナエルを睨むようにそう告げる。私たちは知ってしまったのだ。この世界とは別世界の人間たちがこの世界で暗躍していることを。そしてそれによって既に犠牲者が出ていることを・・・
「アムナエル。お前はそのままアカデミアで遊城十代たちの成長を促しつつ見所のある生徒たちをこちら側に引き込め。ただしサイバー流の連中には気づかれるな」
『あぁ、わかっている。そちらも気をつけろ』
アムナエルとの通信を終えるとワシは一息ついて車椅子の背もたれに寄りかかる。やるべきことはまだまだ多いがそれでもこの老耄の老い先短い命でどこまでやれるか・・・
「失礼しますお爺様」
ワシが物思いにふけっていると部屋の扉を開けて孫の1人である影丸暗吾が部屋に入ってきた。
「おお暗吾か、もうそんな時間になったのか」
「えぇイリアステルからの使者が来ました。どうぞこちらへ」
暗吾はそう言うと扉を開けてイリアステルからの使者を案内する。イリアステルからの使者───プラシドは部屋に入るなりそのままワシの前に立つと勢いよく机を叩いた。
「どういうことだ影丸。何故遊城十代の制裁デュエルの相手が迷宮兄弟ではなくあの天馬夜行だったんだ。今回は遊城十代が勝ったから問題はなかったが負けていたらどうするつもりだ」
プラシドはワシを睨みながら制裁デュエルのことを聞いてくる。彼らの知る本来の未来ならば遊城十代は丸藤翔とタッグを組んで迷宮兄弟とタッグデュエルをするはずだが何故か遊城十代は丸藤翔とタッグを組まず天馬夜行とデュエルをした。これには天馬夜行の実力を知っているプラシドたちイリアステルも驚いてしまった。
「悪いが対戦相手を決めるのはワシではなく鮫島たちだ。それに今回のはペガサス会長自らのご指名ということでこうなったのだ」
影丸としてもまさか今回の制裁デュエルにペガサス会長が絡んでくるとは予想外だったのでプラシドたちにその事で文句を言われてもこちらとしてはその事で問い詰められるのはお門違いもいいとこだ。
「それに結果的に見れば彼らは今回で大きく成長した。何も問題はないのではないかね?」
「それはそうだが・・・」
プラシドもその事を理解しているためかそれ以上は何も言わないでいるが彼らの懸念も理解できる。既に彼らの知る未来とは全く異なる道筋を進んでいると言われているがそれでも不安なのだろう。
「まぁいい。遊城十代達のことはわかった。それで『三幻魔』の方はどうなんだ?」
「そちらの方も問題ない。今アムナエルと黒蠍団を中心にして回収作業をおこなっている。このまま順調に進めば無事に回収できるだろう」
「急げよ。既に『三邪神』と『地縛神』が何者かの手によって回収されている。『三幻魔』までもが敵の手に渡れば最悪な事態は免れん」
「わかっておる。故に細心の注意を払ってアムナエルに回収を命じておる」
しかし、この時のワシは理解していなかった。我々の敵はアカデミアだけではなく、その敵が持つ恐るべき力を・・・
影丸sideout
浩介side
「相変わらずここは胸糞悪い場所だな」
融合次元のアカデミアにあるドクトルの研究施設を歩いている僕は嫌悪感を隠さずに培養槽を睨む。培養槽の中には本来ならば融合次元を含めた4つの次元には存在しない精霊と精霊が宿るカード、カードとなった人間たち、そしてドクトルが開発した『サイバー・オーバー』や『古代の機械』のカードや『パラサイト・フュージョナー』などが培養液に浸かっていた。
「ふん貴様程度の人間では私の素晴らしい研究を到底理解できまい」
ドクトルはこちらをバカにするように鼻を鳴らして見下してくるが微塵も興味が無いのでドクトルは無視してドクトルの隣にいるプロフェッサーこと赤馬零王に声をかける。
「それで、なんの用で呼んだんですかハ──プロフェッサー」
「おい今なんて言いかけた」
ロリコンハゲがなんか額に青筋を浮かばせているが大したことないだろうから無視する。既にプロフェッサーがハゲなのも女の子を監禁するのが趣味な変態なのも僕は知ってるから撤回する気は無い。プロフェッサーもそれが分かっているのか追求することなく本題に入った。
「まぁいいお前にはこの人物達の調査と捕獲を頼む。これがそのリストだ」
ロリコンハゲはそう言って紙束を渡してくる。それには別次元にあるデュエアカデミアの生徒である遊城十代や如月刹那たちの他にあちらの次元のプロデュエリストであるロクス・ハワードや遊城榛名などあちらの世界で精霊や特殊なカードと関わりのあると思わしき人物たちの名が並べられていた。
「無論1人で任務をこなせとは言わん。必要ならばこちらからも兵を提供するが・・・」
「いえ問題ありません。自分の部下から何人か連れてくから必要ないです」
正直、彼らを相手にする場合オベリスクフォースの連中は大して役に立つと思えないしそれ以上の実力者たちは面倒な連中ばかりだから一緒に行動したくなんてないからね。ロリコンハゲは一瞬目を細めたがそれ以上特に何も言わなかった。
「そうかならば1週間後に次元転移装置を起動させるからそれまでに準備を整えておいてくれ」
「分かりましたそれでは準備もあるのでこれで失礼しますね」
「ああ頼むぞ。全ては『アークエリア・プロジェクト』を成功させるために」
ロリコンハゲの言葉とドクトルの睨むような視線を無視して僕はこの研究施設から足早に出ていく。正直アカデミアの考える理想の世界の実現など微塵も興味が沸かないが遊城十代たちとアカデミアの衝突は何を起こすのか多少興味はある。
(せいぜい道化として最後まで踊って楽しませてくれよ?赤馬零王)
私はプロフェッサーに気づかれないように内心でそう呟きながら小さく笑みを浮かべるのだった。
浩介sideout
才業side
(まさか遊城十代たちが制裁デュエルに勝利するとは・・・)
私は自室で今後のサイバー流のことを考えていると門下生の1人から制裁デュエルの結果を聞いたがその結果は学生側が全員勝利し退学者はなしとなった。
今後のことを考えてオシリスレッドでありながらその実力はオベリスクブルー以上の実力を持つ遊城十代と『四天の龍』と『シグナーの竜』を所有する如月刹那を制裁デュエルを利用して学園から追い出そうとしたが失敗した。そう簡単に成功するとは思わなかったがこれで遊城十代たちはより厄介な存在になってしまっただろう。
「まぁその程度のことなら問題はないでしょう。多少彼らが強くなったところでサイバー流の力にかかれば潰すのも容易いでしょう」
オベリスクブルーを中心にアカデミアの生徒の半数近くはサイバー流のリスペクトデュエルの教えに共感してくれているためもし私たちにとって面倒な相手となった場合は数の暴力で潰せばいいだけの事だ。
「そんなことよりも今はKCからやって来る監査官の相手をどうするかを考える必要がありますね」
私は机の上に置かれている海馬コーポレーションから送られた書類を手に取りながらため息を吐く。
制裁デュエルが起こった原因は遊城十代たちによる廃寮の侵入であるがそれも倫理委員会がしっかりとパトロールを行っていれば防げてたものでありさらには今までの倫理委員会が本当にまともに仕事をしていたのか今回の一件で疑わしく思われたために海馬コーポレーションから監査官が送られデュエルアカデミアを調査されることになってしまった。
「とりあえずしばらくは大人しくしておいた方がよさそうですね。研究所の方も見つからないように隠す必要がありますね」
元々研究所があるのは森の中なのでそう簡単に見つかるとは思えないが念には念をいれる必要がある。もし研究所が見つかりそこから融合次元の存在を知られ我々サイバー流との繋がりがバレてしまうのは非常に危険だ。我々サイバー流は確かに表向きには世間から高く評価されているがそれでも伝説のデュエリストのひとりにして海馬コーポレーションの社長である海馬瀬人の発言力には劣る。故に監査官の相手は細心の注意を払って対応しなければならないのだ。
「ですが問題ないでしょう。こういった事態に備えて前々から準備はある程度できているのですから」
問題があるとすればオベリスクブルー生徒によるアンティや教員による横領や賄賂などだがまぁその程度のことはバレたとしても大した問題にはならないだろう。
「そんなことより新しく来る手駒の彼が問題ですね」
来週、このデュエルアカデミアに教員実習生としてやって来るサイバー流の門下生の1人である龍牙くんだが、彼は単純かつ短絡的な性格な上に欲望に忠実なために使い捨ての駒としては使いやすいのだが、昔から相手にアンティとしてレアカードか男なら大金、女ならそのからだを要求するような性根の腐った人間であるため監査官にそれを見られれば1発でアウトである。
「まぁ彼にも監査官のことを伝えておけば少なくとも監査官がいる間は大人しくしてくれるでしょう」
私はそう思ってそのことをあまり深く考えないでいた。しかし私はこの後しっかりと龍牙くんに忠告をしておけばよかったと後悔することになろうとは思いもしないのだった・・・
才業sideout
あとがき
はい有頂天皇帝です。今回は原作にもないオリジナルストーリーとして制裁デュエルの裏側で暗躍している人々の動向を書きました。今回登場していないキャラ以外にも暗躍しているものたちはいますが彼らの動向が今後ストーリーにどう関わっていくのかお楽しみにしてください。DDの退場に賛否両論はあるかもしれませんがこれでエドもさらに復讐に心を燃やしていくでしょうね。イリアステルからプラ/シドさんが登場しましたが今後他のイリアステルメンバーも登場していきますがまだまだ先になると思います。次回は番外編としてARC-Vメンバーの登場か龍牙のデュエルになると思います。それではまた次回もよろしくお願いします。
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番外編1話 異次元からの来訪者
今回は番外編ということで舞台をデュエルアカデミアから別の舞台となっており、またARC-Vのメンバーも登場します。ちなみに時間軸としてはシンクロ次元に次元転移する直前となっております。
side遊矢
俺の名前は榊遊矢。スタンダード次元と呼ばれる世界の舞網市でエンタメデュエリストになるため舞網チャンピオンシップに参加したのだが、その大会の3回戦のバトルロワイヤルで融合次元からやって来たアカデミアの兵士たちによって多くの人たちがカード化されてしまった。さらには幼馴染みの柊柚子が行方不明になってしまった。俺は柚子を助けるために赤馬零児が組織したデュエル戦士部隊『ランサーズ』の一員としてシンクロ次元へと向かったのだが・・・
「どうしてこうなったんだよ・・・」
「やっちまえリーダー!!」
「そんなヒョロがりのガキなんて軽く潰しちまえ!!」
金網に囲まれたデュエルリングの中で対峙するランサーズの仲間である沢渡と不良たちのリーダーらしいモヒカン男がデュエルディスクを構えて向かいあっていた。そして俺たちは金網の外で不良たちに囲まれて身動きが取れないでいた。
俺たちが転移した場所は運悪く不良たちの溜まり場で思わぬ出来事に俺たちが動揺している間に50人近くの不良たちに囲まれてしまった。そして色々あって不良たちのリーダーに喧嘩腰になったセレナがデュエルすることになり俺たちはデュエルが終わるまでの間、セレナが逃げ出さないための人質となっていた。
「それじゃあいくぜ嬢ちゃん。今のうちにデッキとの別れを済ませとくんだな!」
「のフン、さっさと始めるぞ」
「威勢がいいこった。なら始めるぜ」
「「
モヒカン男:LP4000
セレナ:LP4000
モヒカン男とセレナが軽く話すとそのままデュエルディスクを構え、声を上げる。先行はモヒカン男からだった。
「俺様のターンドロー!永続魔法『凡骨の意地』を発動!!」
凡骨の意地
永続魔法
ドローフェイズにドローしたカードが通常モンスターだった場合、そのカードを相手に見せる事で、自分はカードをもう1枚ドローする事ができる。
「さらに『セイバーザウルス』を攻撃表示で召喚!!」
セイバーザウルス ☆4 ATK1900
セイバーザウルス
通常モンスター
星4/地属性/恐竜族/攻1900/守 500
おとなしい性格で有名な恐竜。
大草原の小さな巣でのんびりと過ごすのが好きという。怒ると怖い。
「俺様はカードを2枚伏せてターンエンド」
モヒカン男:LP4000
手札:2枚
モンスター:セイバーザウルス
魔法・罠:凡骨の意地(永続魔法) リバースカード2枚
セレナ:LP4000
手札5枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
「私のターンドロー。フン、さっさと倒させてもらうぞ」
ドローしたセレナは余程手札に自信があるのかそう言う。それに対してモヒカン男は笑みを浮かべるだけだった。
「私は手札の『
効果モンスター
星2/闇属性/獣戦士族/攻 100/守 600
(1):このカードを手札から捨て、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●「月光黒羊」以外の自分の墓地の「ムーンライト」モンスター1体を選んで手札に加える。
●デッキから「融合」1枚を手札に加える。
(2):このカードが融合召喚の素材となって墓地へ送られた場合に発動できる。
「月光黒羊」以外の、自分のエクストラデッキの表側表示の「ムーンライト」Pモンスター
または自分の墓地の「ムーンライト」モンスター1体を選んで手札に加える。
「そして私は魔法カード『融合』を発動!!手札の『
出るか、セレナのエースモンスターが!!
「青き闇を徘徊する猫よ!紫の毒持つ蝶よ!月の引力により渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん!融合召喚!!現れ出でよ、月明かりに舞い踊る美しき野獣!『
月光舞猫姫 ☆7 ATK2400
効果モンスター
星4/闇属性/獣戦士族/攻1600/守1200
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、
「月光蒼猫」以外の自分フィールドの「ムーンライト」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで元々の攻撃力の倍になる。
(2):フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「ムーンライト」モンスター1体を特殊召喚する。
効果モンスター
星3/闇属性/獣戦士族/攻1000/守1000
「月光紫蝶」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の手札・フィールドのこのカードを墓地へ送り、自分フィールドの「ムーンライト」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1000アップする。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
手札から「ムーンライト」モンスター1体を特殊召喚する。
融合・効果モンスター
星7/闇属性/獣戦士族/攻2400/守2000
「ムーンライト」モンスター×2
(1):このカードは戦闘では破壊されない。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズ1にこのカード以外の自分フィールドの「ムーンライト」モンスター1体をリリースして発動できる。このターン、相手モンスターはそれぞれ1度だけ戦闘では破壊されず、このカードは全ての相手モンスターに2回ずつ攻撃できる。
(3):このカードの攻撃宣言時に発動する。相手に100ダメージを与える。
「魔法カード『月光香』を発動!墓地から『月光青猫』を特殊召喚する!!そして特殊召喚に成功した『月光青猫』の効果で『月光舞猫姫』の攻撃力を倍にする!!」
月光青猫 ☆4 ATK1600
月光舞猫姫 ATK2400→4800
月光香
通常魔法
(1):自分の墓地の「ムーンライト」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
(2):墓地のこのカードを除外し、手札を1枚捨てて発動できる。デッキから「ムーンライト」モンスター1体を手札に加える。
これでセレナのモンスターたちが総攻撃をすれば相手のライフを削りきれる。しかしそれでも相手は余裕の表情を崩さないでいた。余程あの伏せカードに自信があるみたいだけど・・・
「バトルだ!『月光舞猫姫』で『セイバーザウルス』」
『月光舞猫姫』が両手に握るナイフを構えると軽やかにステップするように『セイバーザウルス』に接近する。『セイバーザウルス』は『月光舞猫姫』を接近させまいと角とシッポの剣を振り回すがその攻撃は当たらず『月光舞猫姫』は『セイバーザウルス』の背中に乗るとナイフを背中に振り下ろそうとした瞬間だった。
「かかったな!トラップ発動!!『ジャスティブレイク』!!これで貴様のモンスターは全滅だ!」
上空から雷が落ちたかと思えばそれはセレナのモンスターである『月光舞猫姫』と『月光青猫』に降り注ぎ、破壊した。
「くっ!」
「ヒャッハー!!わざわざバカ正直に攻撃してくれてありがとよ嬢ちゃん!!」
「黙れ!私はカードをセットしてターンエンドだ!」
セレナは男に怒鳴りながらカードを伏せてターンを終了した。いきなりエースモンスターを破壊されたけどセレナは大丈夫なのだろうか・・・。
そして俺は次の相手のターンで知ることになる。この世界が俺たちが目指していたシンクロ次元とは別の世界であることを・・・
モヒカン男:LP4000
手札:2枚
モンスター:セイバーザウルス
魔法・罠:凡骨の意地(永続魔法) リバースカード1枚
セレナ:LP4000
手札:1枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚
遊矢sideout
モヒカン男side
突然現れたガキ共には驚いたがこのデュエルに勝ちさえすれば大量のカードが手に入りそれを売っぱらってレアカードを買いまくってデッキを強化してやる。そのためにもこのデュエルをとっとと終わらせてやる!
「俺のターンドロー!この瞬間、永続魔法『凡骨の意地』の効果発動!ドローしたカードが通常モンスターなら追加でもう1枚ドローできる。俺が引いたのは『伝説の剣豪MASAKI』!通常モンスターだからもう1枚ドロー!!」
そして『凡骨の意地』の効果で追加ドローしたのは『マグネッツ1号』。どうやらまだまだカードを引けそうだな。
「ドローカードは通常モンスター『マグネッツ1号』!追加でドロー!通常モンスター『岩石の巨兵』!追加でドロー!通常モンスター『炎を操る者』!追加でドロー!通常モンスター『火炎草』!追加でドロー!通常モンスター『エンシェント・エルフ』!追加でドロー!通常モンスター『プチリュウ』!追加でドロー!」
流石にこれ以上は引けないか。だがまだ攻めるのは早いな。
「今引いたのは通常モンスターじゃねえからこれで終わりだ。だがまだまだいくぜ!俺は魔法カード『馬の骨の対価』を発動!『セイバーザウルス』をリリースしてカードを2枚ドロー!!」
馬の骨の対価
通常魔法
(1):効果モンスター以外の自分フィールドの表側表示モンスター1体を墓地へ送って発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。
攻撃力の高い『セイバーザウルス』を墓地に送るのは少し惜しいがおかげでいいカードが手札に来たぜ。
「魔法カード『予想GUY』を発動!このカードは自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に発動できる。デッキからレベル4以下の通常モンスターを一体特殊召喚できる。俺はデッキからレベル1のチューナーモンスター『ウォータースピリット』を特殊召喚!!」
俺の足元に水が集まるとひとつの塊となり、それには人の顔のようなものが浮かび上がり、その頭部に触覚を生やした氷水の精霊となった。
ウォーター・スピリット ☆1 ATK400
予想GUY
通常魔法
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。
デッキからレベル4以下の通常モンスター1体を特殊召喚する。
ウォーター・スピリット
チューナー・通常モンスター
星1/水属性/水族/攻 400/守1200
古代南極大陸の永久凍土にて生命が宿ったと言われる氷水の精霊。
様々な物質に浸透する事ができる。
「チューナー、ということは次は貴様らの得意なシンクロ召喚ということか」
女は俺がチューナーモンスターを召喚したことで次の行動を予想するがそれは少し違う。
「俺はフィールド魔法『フュージョン・ゲート』を発動!!」
「なっ!?」
その瞬間、空間が歪み、俺の背後に巨大な黒い渦が発生した。俺が発動した『フュージョン・ゲート』に女と金網の外側でデュエルを見ていた女の仲間たちが驚いて声を上げているが、まぁ大したことじゃないな。
フュージョン・ゲート
フィールド魔法
(1):お互いのプレイヤーは、自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
「俺は『フュージョン・ゲート』の効果で手札の『岩石の巨兵』と『エンシェント・エルフ』を除外して融合!!現れろ、『
岩で出来た巨人兵士の石像である『岩石の巨兵』と紫色の軽装の鎧を纏った黒髪のエルフである『エンシェント・エルフ』が背後の渦に吸い込まれ、渦の中から赤い魔女服の緑色の髪の女性が箒に跨りながら飛んできた。
砂の魔女 ☆6 ATK2100
岩石の巨兵
通常モンスター
星3/地属性/岩石族/攻1300/守2000
岩石の巨人兵。
太い腕の攻撃は大地をゆるがす。
エンシェント・エルフ
通常モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1450/守1200
何千年も生きているエルフ。
精霊をあやつり攻撃をする。
融合モンスター
星6/地属性/岩石族/攻2100/守1700
岩石の巨兵+エンシェント・エルフ
「いくぜ!俺はレベル6の『砂の魔女』にレベル1の『ウォーター・スピリット』をチューニング!!」
☆6+☆1=☆7
『ウォーター・スピリット』が1つの光り輝く輪になるとその輪の間を『砂の魔女』が6つの光り輝く星となる。
「シンクロ召喚!!来やがれ、『スクラップ・デスデーモン』!!」
そして俺の場に現れたのは屑鉄で造られた機械の悪魔『スクラップ・デスデーモン』だった。
スクラップ・デスデーモン ☆7 ATK2700
スクラップ・デスデーモン
シンクロモンスター
星7/地属性/悪魔族/攻2700/守1800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
「まだまだいくぜ!続いて手札の『マグネッツ1号』と『マグネッツ2号』を融合!!来い、『カルボナーラ戦士』!!」
左側の「U」字型の角が折れたヘルムをかぶった突撃槍を構えた青い肌の戦士『マグネッツ1号』と両肩にトゲの付いたアーマーを装着し薙刀を構えた戦士『マグネッツ2号』が背後の渦の中に吸い込まれ、両肩にトゲの着いた紫色のアーマーを装着した剣を構えた金髪の戦士『カルボナーラ戦士』が渦の中から現れた。
カルボナーラ戦士 ☆4 ATK1500
マグネッツ1号
通常モンスター
星3/地属性/戦士族/攻1000/守 500
コンビプレーが得意な戦士。強い磁力を発し、誰にも逃げられない。
マグネッツ2号
通常モンスター
星3/地属性/戦士族/攻 500/守1000
コンビプレーが得意な戦士。電磁コーティングされた鎧は頑丈。
カルボナーラ戦士
融合モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1500/守1200
「マグネッツ1号」+「マグネッツ2号」
「まだまだいくぜ!次は手札の『火炎草』と『プチリュウ』を融合!!来い、『暗黒火炎龍』!!」
花から火炎を吐く顔の生えた草『火炎草』と緑色の小さな羽の生えたドラゴン『プチリュウ』背後の渦の中に吸い込まれ、両手に紅玉を掴み龍の形をかたどった炎『暗黒火炎龍』が渦の中から現れた。
暗黒火炎龍 ☆4 ATK1500
火炎草
通常モンスター
星2/地属性/植物族/攻 700/守 600
火山の近くに生息する草。花から火炎を吹き攻撃する。
プチリュウ
通常モンスター
星2/風属性/ドラゴン族/攻 600/守 700
とても小さなドラゴン。小さなからだをいっぱいに使い攻撃する。
暗黒火炎龍
融合モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1500/守1250
「火炎草」+「プチリュウ」
「そして!手札の『伝説の剣豪 MASAKI』と『炎を操る者』を融合!!現れろ、『炎の剣士』!!」
緑の武者鎧の剣豪『伝説の剣豪 MASAKI』と紫色のシャツとジーンズを着た褐色肌の男『炎を操る者』が背後の渦の中に吸い込まれ、『炎』の文字を持つ大剣を構える青い衣と赤き鎧を身に纏った熱き戦士『炎の剣士』が渦の中から現れた。
炎の剣士 ☆5 ATK1800
伝説の剣豪 MASAKI
通常モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1100/守1100
百人斬りを成しとげたといわれる、伝説の剣豪。
炎を操る者
通常モンスター
星3/炎属性/魔法使い族/攻 900/守1000
炎の海や炎の壁を自在につくり出し攻撃する。
炎の剣士
融合モンスター
星5/炎属性/戦士族/攻1800/守1600
「炎を操る者」+「伝説の剣豪 MASAKI」
これで俺の場に4体のモンスターが並んだ。このまま総攻撃をすれば相手のライフを削りきることが出来るがここは圧倒的力の差を見せつけてやる!
「俺はレベル4の『カルボナーラ戦士』と『暗黒火炎龍』でオーバーレイ!!」
「なんだとっ!?」
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!!エクシーズ召喚!!」
☆4+☆4=★4
俺のフィールドにいる『カルボナーラ戦士』と『暗黒火炎龍』がそれぞれオレンジと紫の光の球となって目の前に現れた黒い渦の中へと入った。そしてオレンジと紫の光の球が入った渦が様々な光を飛び出しながら爆発した。
「来い!!『ジェムナイト・パール』!!」
爆発が収まると、周囲に真珠を浮かばせながら両肩と胸の中心に真珠が埋め込まれた丸みのある純白の宝石の戦士『ジェムナイト・パール』が現れた。
ジェムナイト・パール ★4
ジェムナイト・パール
エクシーズモンスター
ランク4/地属性/岩石族/攻2600/守1900
レベル4モンスター×2
「馬鹿な、融合だけでなくエクシーズまでも使うだと・・・」
対戦相手である女が俺が融合とエクシーズを使ったことに動揺しているがデュエルには関係ないからどうでもいい。むしろ勝手に動揺しているならその隙を着いて勝つこともできるな。
「魔法カード『思い出のブランコ』を発動!墓地の通常モンスターである『ウォーター・スピリット』を守備表示で特殊召喚!!」
ウォーター・スピリット ☆1 DEF1200
思い出のブランコ
通常魔法
(1):自分の墓地の通常モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。
「俺はレベル5の『炎の剣士』にレベル1の『ウォーター・スピリット』をチューニング!!」
☆5+☆1=☆6
『ウォーター・スピリット』が1つの光り輝く輪になるとその輪の間を『炎の剣士』が5つの光り輝く星となる。
「シンクロ召喚!!来やがれ、『大地の騎士ガイアナイト』」
そして俺の場に初代決闘王の使用するモンスターの一体である『暗黒騎士ガイア』のリメイクモンスターである『大地の騎士ガイアナイト』が現れた。
大地の騎士ガイアナイト ☆6 ATK2400
大地の騎士ガイアナイト
シンクロモンスター
星6/地属性/戦士族/攻2600/守 800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
これで俺の場に2体のシンクロモンスターと1体のエクシーズモンスターが揃った。手札を使い切ってしまったがこのターンで決着が着くのだから問題ない。
「バトルだ!『ジェムナイト・パール』でダイレクトアタック!!」
「させるか!!トラップ発動!!『
『ジェムナイト・パール』の拳が女に当る寸前に女の前に目が隠れる程度に切り揃えられた艶のある黒髪には豹の獣耳が生えており、肘からは黄金の刃が伸びている。手首では三日月と鈴が鳴り、その手、そして足に伸びた猛獣の野太い腕を持った『月光舞豹姫』が現れた。
月光舞豹姫 ☆8 ATK2800
通常罠
(1):自分の墓地から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを裏側表示で除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。
融合・効果モンスター
星8/闇属性/獣戦士族/攻2800/守2500
「月光舞猫姫」+「ムーンライト」モンスター
このカードは上記のカードを融合素材にした融合召喚でのみEXデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードは相手の効果では破壊されない。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズ1に発動できる。
このターン、相手モンスターはそれぞれ1度だけ戦闘では破壊されず、このカードは全ての相手モンスターに2回ずつ攻撃できる。
(3):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動する。
このカードの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで200アップする。
『月光舞豹姫』の攻撃力は俺のどのモンスターの攻撃力を上回っているため攻撃することができなくなった。
「ちっ!バトルは中断して俺はこのままターンを終えるぜ(まぁいい。俺の伏せカードは『聖なるバリア-ミラーフォース-』。次のターン奴が攻撃してきたのをこのカードで返り討ちにしてやるぜ!!)」
俺は勝利を確信しながらターンを終えた。
モヒカン男:LP4000
手札:0枚
モンスター:大地の騎士ガイアナイト(攻) スクラップ・デスデーモン(攻) ジェムナイト・パール(攻)ORU2
魔法・罠:凡骨の意地(永続魔法) リバースカード1枚
セレナ:LP4000
手札:1枚
モンスター:月光舞豹姫(攻)
魔法・罠:無し
モヒカン男sideout
セレナside
(何故シンクロ次元の人間が融合とエクシーズを使っている・・・)
シンクロ次元のデュエリストの実力がどの程度のものか知るためにデュエルを受けたが何故か相手はシンクロ召喚だけでなく融合召喚とエクシーズ召喚を使用してきた。
(まさか既にシンクロ次元はアカデミアによって支配されたのか?いや、それならエクシーズ召喚も広める理由は無いはずだ)
アカデミアの兵士たちは融合召喚に対して誇りを持っておりそれ以外の召喚法を見下す傾向があった。だからエクシーズ召喚を教える可能性はかなり低い。正直なにがなんだかわからないがごちゃごちゃ考えたところで分かるわけもない。
「勝ってこいつらから聞き出せばいい。私のターン、ドロー!!」
細かいことは一旦棚に上げといて私はデッキからカードをドローする。そして私はドローしたカードを見てフッと笑みを浮かべる。
「私は魔法カード『天使の施し』を発動!デッキからカートを3枚ドローして2枚捨てる。墓地に送られた『
月光紫蝶 ☆3 DEF1000
天使の施し
通常魔法
デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる
効果モンスター
星4/闇属性/獣戦士族/攻1200/守1000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。手札から「ムーンライト」カード1枚を墓地へ送り、自分はデッキから1枚ドローする。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、
自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、「月光翠鳥」以外のレベル4以下の「ムーンライト」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
効果モンスター
星4/闇属性/獣戦士族/攻1400/守 800
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、デッキ・EXデッキから
「ムーンライト」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。このターン、このカードを融合素材とする場合、墓地へ送ったそのモンスターの同名カードとして融合素材にできる。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、
自分の墓地の「融合」1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
(3):このカードが除外された場合に発動できる。このターン、相手はバトルフェイズ中に効果を発動できない。
「魔法カード『融合』を発動!手札の『月光青猫』とフィールドの『月光紫蝶』と『月光舞豹姫』で融合!!」
私の背後に発生した渦の中に『月光青猫』、『月光紫蝶』、『月光舞豹姫』が入り込む。
「月光の原野で舞い踊るしなやかなる野獣よ! 青き闇を徘徊する猫よ!紫の毒持つ蝶よ!月の引力により渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん!融合召喚!現れ出でよ、月光の原野の頂点に立って舞う百獣の王!『
渦が消え、フィールドに現れたのはこのデッキの切り札。装着した仮面を砕き、その美貌を露にした百獣の女王。白い鬣を靡かせ、左腕に三日月を装着し、右手に妖しき閃きを放つ剣を握った『月光舞獅子姫』が現れた。
月光舞獅子姫 ☆10 ATK3500
融合・効果モンスター
星10/闇属性/獣戦士族/攻3500/守3000
「月光舞豹姫」+「ムーンライト」モンスター×2
このカードは上記のカードを融合素材にした融合召喚でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(2):このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
(3):1ターンに1度、このカードがモンスターを攻撃したダメージステップ終了時に発動できる。相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。
「バトル!『月光舞獅子姫』で『大地の騎士ガイアナイト』を攻撃!!」
『月光舞獅子姫』は手に持った剣を煌めかせ、目にも止まらぬ速度で剣閃を走らせ『大地の騎士ガイアナイト』に斬りかかる。『大地の騎士ガイアナイト』はその手に握る赤い槍で受け流そうとするがあまりの速さについていけず次第に『月光舞獅子姫』の剣が『大地の騎士ガイアナイト』を傷つけていく。
「させるかよ!!トラップ発動『聖なるバリア-ミラーフォース-』!!コイツでそのモンスターを破壊する!!」
男が発動した『ミラーフォース』によって『大地の騎士ガイアナイト』を薄透明のバリアにぶつかり跳ね返されるとバリアから反射された光が『月光舞獅子姫』に襲いかかる。だが
「速攻魔法『禁じられた聖槍』発動!!それにチェーンして速攻魔法『突進』発動!!まず『突進』の効果で攻撃力を700ポイントアップする!!そしてさらに『禁じられた聖槍』の効果で攻撃力を600ポイント下げる代わりにこのカード以外の魔法・罠の効果を受け付けない!!」
月光舞獅子姫 ATK3500→4200→3600
『月光舞獅子姫』は目の前に現れた聖槍をその手に握ると目の前で回転させて反射された光を聖槍で防ぎ、そのまま『大地の騎士ガイアナイト』の胴体を貫いた。
モヒカン男:LP4000→3000
『大地の騎士ガイアナイト』を倒した『月光舞獅子姫』はその手に再び剣を握り、その剣と左腕の三日月で『ジェムナイト・パール』と『スクラップ・デスデーモン』の首を切り落とし破壊する。
「『月光舞獅子姫』の効果によりお前のモンスターは全て破壊する。そして『月光舞獅子姫』は1度のバトルフェイズに2回攻撃ができる」
「な、なんだと!?」
「やれ『月光舞獅子姫』!!相手にダイレクトアタックだ!!」
モンスターを倒した『月光舞獅子姫』はそのまま流れるように男の前に飛びかかるとその剣で袈裟斬りに斬りかかった。
「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!?」
モヒカン男:LP3000→-600
セレナsideout
零児side
セレナと不良のデュエルは問題なくセレナが勝利した。だが、リーダーである男が敗れた事に動揺した不良の仲間たちは気絶したリーダーを連れて逃げてしまった。この世界について聞こうとしたが失敗したな。
「それで?本当にここはシンクロ次元なのかよ?普通に融合とエクシーズ使ってたぜ?」
沢渡が私に確認するようにそう聞いてくる。それはほかのメンバーも疑問を思っていることだろう。本来の目的通りに辿り着いたのならばここはシンクロ次元であるだが今のデュエルを見た後だとそう断言できない。
「黒崎。仮にアカデミアが融合召喚を広めたとしてエクシーズ召喚も広めると思うか?」
「有り得ないな。奴らは俺たちのエクシーズ召喚の事を見下している。そんな奴らがそんなことをするとは思えん」
私からの質問に黒崎は顔を顰めながら答えてくれた。ふむ。となるとこれはもしかしたら
「ここは我々の知るシンクロ、エクシーズ、融合、スタンダードのいずれとも違う別次元かもしれないな」
私の出した結論にランサーズのメンバーは驚いた顔をした。その中で黒崎と月影、デニスの動揺が少ないのは何となく察していたのだろう。
「ど、どういうことだよ赤馬零児!!」
「そのままの意味だ。確証はないが少なくともここはシンクロ次元ではない」
周りの建物を見る感じアカデミアの侵攻を受けているエクシーズ次元でも過去に一度だけ見た事のある融合次元の可能性は低い。故にそう判断したがここがシンクロ次元出ない可能性があると聞いて榊遊矢が慌てる。
「ならばどうする。ここがシンクロ次元ではないのだとしたら俺たちの目的は何一つ果たせないのではないか?」
黒崎の言う通りだ。元々シンクロ次元に向かったのはシンクロ次元と同盟を結ぶのと行方不明の柊柚子の保護が目的だった。しかし現状その目的が果たせなさそうで手詰まりに近い状況だ。そう考えていた時だった。
「───おやおや~?お困りのようですな~」
背後の裏路地の方から聞こえたきな臭い声に思わず我々が振り向くとそこには顔の上半分を隠す大きな赤い目がついた銀仮面を着けた銀髪の青年が飄々とした態度で立っていた。気配もなく現れた男に警戒していると男は勝手に話し始める。
「いや~先程のデュエル見させていただきましたよ?そこらの一般デュエリストとしては中々面白いデュエルでしたよ」
「なんだとっ!?」
「お、落ち着けよセレナ!?」
仮面の男の言葉にセレナが食って掛かろうとしたが榊遊矢と沢渡、権現坂がそれを抑える。
「それで貴様は俺たちになんの用で話しかけてきた」
黒崎は敵意を隠さず仮面の男を睨みつける。その視線は普通の人間なら怯え竦むものだが仮面の男は飄々とした態度を崩さず話し始める。
「いえ何、皆さんお困りのようですから手助けしてあげようかと思いまして」
「なに?」
仮面の男の言葉に私は警戒をさらに強める。ただでさえこの世界がどこなのか分からないというのに怪しげな男からのこの提案。疑うなと言うのが無理な話だが情報が欲しいのもまた事実だ。
「おいおい、いきなりやって来てなに偉そうに言ってやがるんだ」
どうするか考えていると沢渡が仮面の男に対して突っかかった。沢渡は警戒していることを隠さずに仮面の男を睨んでいた。それは沢渡だけでなくこの場にいる全員が仮面の男を怪しんでいるがそれでも仮面の男は笑みを浮かべるだけだった。
「むぅ・・・流石にこれ以上ここで無駄な時間を過ごすのは面倒ですねぇ。どうしましょうか・・・」
仮面の男は「むむ~~~」とこめかみに指を当てながらしばらく何か悩んでいると「あっ」と小さく呟いたかと思えば腰につけているカードケースを取り出しカードを漁り始めた。
「えーっと確か主から渡されたカードがこの辺りに・・・おっ!ありました!!」
仮面の男はそう言いながら1枚のカードを取り出すと私たちに見せつけるようにそのカードを見せてきてセレナと黒崎、零羅を除いた私を含めた全員が目を見開いてしまった。
仮面の男が取り出したのは私たちにとってよく知る人物にして現在行方不明である榊遊矢の父親、榊遊勝のエースカード『EM スカイマジシャン』だった。
「なんで・・・なんでお前が父さんのカードを!!」
「おや?君のお父様もこのカードをお持ちで?いやーとんだ偶然もあったもんですねぇ」
「ふざけるな!」
「落ち着け遊矢!!」
一番動揺していた榊遊矢が真っ先に仮面の男に対してそのカードについて聞くが仮面の男は真面目にに答える気はさらさらないのかふざけた態度をとるために、榊遊矢は今にも掴みかかろうとしたが権現坂が羽交い締めにしてとめてくれたことで事なきを得た。
「そんなにこのカードの事を知りたいのなら私めの主の元へ一緒に来てくれませんか?もしご同行頂けるのなら色々と知れるかもしれませんよ?この世界がなんなのか、そしてこの世界で融合次元が何をしているのか」
仮面の男は三日月のような笑みを浮かべながらそう答える。正直怪しさしかない男だが今の我々には情報が必要だ。罠の可能性があろうと我々に歩みを止める時間などないのだから。
「いいだろう。その話に乗ってやろうではないか」
「いいのかい社長?こんなあからさまに怪しい男の話に乗っちゃって」
「構わない。今の我々にはこの世界の情報を何一つ持たない。これから行動していくためには多少のリスクを背負ってでも情報を得る必要がある」
この世界が我々の知っている4つの次元のいずれかでもない未知の次元だとすればこの世界に関する知識を私たちは何一つ持っておらず、手探りで調べる所を怪しいとはいえ貴重な情報源が手に入ったのだから利用しない手はない。最悪、これが罠だったとしても月影がいれば逃走することも可能だ。
「どうやらお決まりになられたようで。それでは」
仮面の男は笑みを浮かべたまま右手を広げお辞儀をするように頭を下げる。
「─────ようこそ歴戦の決闘者たちが集う戦いの歴史を持つ町、『童実野町』へ。わたくし、『暗闇のザジ』があなた方をご案内させていただきます」
────この日、スタンダード次元と呼ばれる別世界から新たな来訪者がやって来た。彼らの来訪はこの世界にどのような影響を及ぼすのか、それはまだこの時は誰も知らないのであった。
十代「今日の最強カードは『[[rb:月光舞獅子姫>]]』だ!」
[[rb:月光舞獅子姫>ムーンライト・ライオ・ダンサー]]
融合・効果モンスター
星10/闇属性/獣戦士族/攻3500/守3000
「月光舞豹姫」+「ムーンライト」モンスター×2
このカードは上記のカードを融合素材にした融合召喚でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(2):このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
(3):1ターンに1度、このカードがモンスターを攻撃したダメージステップ終了時に発動できる。相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。
刹那「『月光』融合モンスターでアニメでのセレナの切り札的なモンスターだな。」
十代「他の『月光』融合モンスターと同じく複数回の攻撃を行えるだけじゃなくて、1ターンに1度攻撃した後のダメージステップ終了時に特殊召喚された相手モンスターを全て破壊する強力な効果を持ってるぜ!」
刹那「まぁアニメではユーゴとのデュエルで初登場したけどそれ以降出番がなかったという悲しい歴史があるけどな」
十代「それを言うなよ」
刹那「まぁ今後この小説でもセレナのデュエルはあるだろうからこのカードの出番も増えるだろうがそれはこれからの展開次第だな」
十代「それじゃあまた次回も」
刹那「ルールを守って楽しくデュエル!!」
あとがき
はい有頂天皇帝です。今回から番外編として『遊戯王ARC-V』の主人公である榊遊矢くんを筆頭にランサーズのメンバーが登場しました。番外編最初のデュエルではモヒカン男に凡骨ビートを使ってもらいました。また『バトルスピリッツブレイヴ』からみんな大好き暗闇のザジさん登場してもらいましたが次回でもバトスピから1人だす予定です。最近ONEPIECEのメリー号の最後のシーンを見て感動して涙してONEPIECEの小説を書きたいと思ったけど現在書いている作品が多いので考えておくだけに今は留めておこうと思います。今後もこの作品では他作品のキャラを登場させていくのでよろしくお願いします。
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番外編2 魔界劇団VS暗闇
半年以上ぶりの投稿で申し訳ございません!!今回は前回の続きとなっており、暗闇のザジさんがデュエルをします。
???side
「これが今のセレナの実力、ね」
童実野町にある海馬コーポレーション経営のブルーアイズホテルのスイートルームで私、遊城榛名はザジから送られた不良とセレナのデュエルを見ていたが予想通りの実力でしかなく結果もセレナの勝ちとなんとも味気ないものだった。
「確かに十分強いけどこれだとアカデミアのネームド連中や『サイバー・オーバー』使いが相手だとあっという間に潰されてお陀仏ね」
決して榊遊矢たちが弱いという訳では無い。本来の歴史通り進んでいれば全員が十分な実力をつけていくが、既に歪んだこの世界でそんな悠長なことを言っている暇もないし、原作と違って最初から命を奪うことに躊躇いのない連中ばかりだ。
そんな連中が暗躍しているこの世界で、今の実力の榊遊矢たちがアカデミアやまだ見ぬ勢力たちに戦いを挑んだ場合、すぐにその命を落としてしまう可能性が高い。
「ここは少し荒療治が必要かしら?」
私はデッキからエースカードの1枚である『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を取りだしながらそう呟く。下手したら壊れるかもしれないがそうなったらそうなったで仕方がないかもしれない。
コンコンっ
「榛名。ザジが君の言ってた子たちを連れて来た」
そう言って扉をノックして入ってきたのは黒スーツに黒サングラス姿の黒いアンドロイド。彼はザジと同じように別世界からこの世界へと飛ばされた灼熱のパンテーラ。今は私専属のバトラーとして雇っている。
「もう来たのね。ならデュエルリングに案内してあげて。そっちの方が二度手間にならなそうだしね」
「ふっ、了解だ」
私はカードをデッキに戻しデュエルディスクと必要最低限の荷物を持つとデュエルリングへと向かう。
「・・・ところでその十代の人形は置いていった方がいいんじゃないか」
「はっ?愛する弟を1人にしろって言うの?」
「流石に初対面の相手にそんな姿を見せるものでは無い・・・」
手作りの十代人形を抱えているとパンテーラに呆れた顔をされたが意味がわからない。がここで言い争っても無理やりパンテーラに十代人形を没収された上でどこかに隠されかねないので渋々置いていくことにした。
さて、では会ってみるとしましょうか。別世界の来訪者さんたちに
榛名sideout
ザジside
雇い主様である榛名嬢に頼まれ榊遊矢たちを彼女が現在滞在しているブルーアイズホテルに隣接しているデュエルリングへとご案内したのだが・・・どうやらまだ来てないようですね。
「それで、貴様は何の目的で我々をここに連れてきた」
私が榛名嬢がいないためどうすべきか考えていると赤馬零児がメガネの位置を直しながら声をかけてきたのでそちらを見ると、赤馬零児だけでなく榊遊矢や黒咲隼たちランサーズの皆様たちも私に対して疑いの目を向けてくるが、まぁそんな視線を向けられたところで馬鹿正直に全部話す気はありませんがねぇ・・・
「いや~うちのボスが次元転移の反応を確認したから見に行って次元漂流者がいたら保護するよう命令されていましてねぇ~」
「やはり次元転移を感知する術を持っているか・・・」
赤馬零児は予想していたのかそう呟くが、榛名嬢が持っているソレは彼の思っているものとは違いますがまぁここは言わなくていいですかねぇ。
「それで転位反応があった場所に来てみれば見慣れない決闘者たちの姿があったではありませんか!!これには私も思わず驚き桃の木山椒の木~!!」
「ふざけてるのか貴様」
私めのおちゃらけた態度が気に食わないのか黒咲隼が私めを射殺すような目で睨んでくるが、かつての連中に比べたら子犬のようなものだ。
「まぁそんなことはどうでもいいじゃないですか。そんなに私に聞きたいことがあるって言うのならコレで決めませんか?」
私は左腕に付けているデュエルディスクとセットされているデッキを見せつけるようにかざすと、それだけで私の言いたいことがわかったのか赤馬零児は眼鏡を上げる。
「なるほど。つまり話を聞きたければデュエルで勝利しろ、ということか」
「Exactly!!その通りでございます」
私はニヤリと笑みを浮かべながら高らかに答える。やはりバトラーもデュエリストもその本質は変わらないものですねぇ。
「だったらその相手はこの俺、ネオニュー沢渡様が務めてやるぜ!!」
そう名乗り上げてきたのは萎びたバナナみたいな髪型をした少年、沢渡シンゴだった。
「まっ、誰が相手でもこちらとして構いませんがねぇ~」
「はっ!言ってやがれ」
互いに相手を挑発するように声を掛け合いながら距離をとり、デュエルディスクを構えると勢いよく宣言をする。
「「[[rb:決闘>デュエル]]!!」」
沢渡:LP4000
暗闇のザジ:LP4000
ザジsideout
赤馬side
(先程のチンピラとは違うこちらの世界での初めての強者とのデュエル。どれほどの実力か見極めさせてもらおうか)
突然行われることとなった暗闇のザジと名乗る男とのデュエル。我々の知る四つの次元と異なるこの世界の決闘者がどのようなカードを使い、どれほどの実力を持っているのかを知るには絶好の機会と言ってもいいだろう。
「私の先行、ドロー。私はフィールド魔法『俊星流れるコロッセオ』を発動!!」
奴がフィールド魔法を発動すると、奴の背後に満天の星が輝く夜空をバックにローマのコロッセオが出現した。
俊星流れるコロッセオ(オリカ)
フィールド魔法
(1):互いのプレイヤーは自分フィールド上にモンスターに存在しない時、魔法・罠カードを発動することができない
(2):互いのバトルフェイズ時、相手プレイヤーはモンスターの攻撃力をアップする魔法・罠・モンスター効果を発動することができない
「私はモンスターとカードを2枚伏せて、ターンエンド♪」
暗闇のザジ:LP4000
山札:54枚
手札:2枚
モンスター:セットモンスター
魔法・罠:リバースカード2枚 俊星流れるコロッセオ(フィールド魔法)
沢渡:LP4000
山札:35枚
手札:5枚
モンスター:無し
魔法・罠:無し
「へっ、偉そうに言っといてモンスターとカードを伏せただけじゃねぇか」
沢渡は大した動きを見せなかったザジに対してそう言うとデッキから勢いよくカードをドローする。
「俺のターンドロー!ふっ、見せてやるぜ沢渡シンゴ様のエンタメデュエルを!!」
沢渡は手札から2枚のカードを選び、発動させようとする。どうやら早速使うようだな。
「俺はスケール2の『魔界劇団─サッシー・ルーキー』とスケール8の『魔界劇団─リバティ・ドラマチスト』でペンデュラムスケールをセッティング───」
ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!
「な、なんだ!?」
沢渡がペンデュラムカードをペンデュラムゾーンに置いた瞬間、沢渡のデュエルディスクから警報アラームが鳴り響いた。それだけでなく、よく見るとご丁寧に『Error』と表示されていた。
「おやおや~?私めのカード効果をちゃんと読んでなかったのですか~?」
「カード効果だと?」
デュエルディスクの故障を疑っていた沢渡に対してザジはニヤニヤと笑みを浮かべながらそう言うと沢渡は眉を顰めながら聞き返す。ザジはニヤリと口角を上げながら説明し始める。
「フィールド魔法『俊星流れるコロッセオ』の効果によって互いのプレイヤーはフィールドにモンスターが存在しない場合、魔法・罠カードを発動させることができないのですよ♪」
「はぁっ!?」
「なんて厄介な効果なんだ・・・」
ザジから語られたフィールド魔法の効果に沢渡と榊遊矢は驚きのあまり言葉を失う。ペンデュラムモンスターはペンデュラムスケールにセッティングする場合魔法カードとして扱う。故にこのカードは彼らにとって相性の悪いものと言えるだろう。
「ちぃっ、だったら俺は『魔界劇団─サッシー・ルーキー』を召喚!!」
魔界劇団─サッシー・ルーキー ☆4 ATK1700
魔界劇団─サッシー・ルーキー
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1700/守1000
【Pスケール:青2/赤2】
(1):自分フィールドの「魔界劇団」モンスターが戦闘または相手の効果で破壊される場合、
代わりにこのカードを破壊できる。
【モンスター効果】
(1):このカードは1ターンに1度だけ戦闘・効果では破壊されない。
(2):モンスターゾーンのこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「魔界劇団-サッシー・ルーキー」以外のレベル4以下の「魔界劇団」モンスター1体を特殊召喚する。
(3):このカードがPゾーンで破壊された場合、
相手フィールドのレベル4以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊する。
「バトルだ!『サッシー・ルーキー』でセットモンスターを攻撃!!」
『サッシー・ルーキー』の拳がセットモンスターに当たると、セットモンスターの姿が顕になり『メタモルポット』が姿を現した。
「『メタモルポット』の効果発動!!このカードがリバースした場合、互いのプレイヤーは手札を全て捨てて5枚ドローします。私は2枚捨てて5枚ドロー」
「ちっ、俺は5枚捨てて5枚ドロー。ターンエンドだ」
暗闇のザジ:山札54枚→49枚
沢渡:山札34枚→29枚
暗闇のザジ:LP4000
山札:49枚
手札:5枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード2枚 俊星流れるコロッセオ(フィールド魔法)
沢渡:LP4000
山札:29枚
手札:5枚
モンスター:魔界劇団─サッシー・ルーキー(攻)
魔法・罠:無し
「それでは私のターンドロー。私はモンスターをセットし魔法カード『浅すぎた墓穴』を発動!互いのプレイヤーは墓地からモンスター1体を選択し裏側守備表示でセットします。私は『メタモルポット』を再びセット」
「なら俺は『魔界劇団─デビル・ヒール』をセットするぜ」
浅すぎた墓穴
通常魔法
お互いのプレイヤーはそれぞれの墓地のモンスター1体を選択し、それぞれのフィールド上に裏側守備表示でセットする。
「私はこれでターンエンド!さぁ、ゲストだからって遠慮しないでかかってきなさぁい」
ザジは指をクイッと動かしながら沢渡に対して挑発する。それに対して沢渡は奴の挑発に乗ってしまったのかイライラしながらカードを勢いよくドローする。
暗闇のザジ:LP4000
山札:48枚
手札:5枚
モンスター:メタモルポット(裏守備) セットモンスター
魔法・罠:リバースカード2枚 俊星流れるコロッセオ(フィールド魔法)
沢渡:LP4000
山札:29枚
手札:5枚
モンスター:魔界劇団─サッシー・ルーキー(攻) 魔界劇団─デビル・ヒール(裏守備)
魔法・罠:無し
「そんなに俺の実力が見たいってんならその目ん玉ひん剥いてよく見やがれ!!俺のターンドロー!!まずはセットされている『魔界劇団─デビル・ヒール』を攻撃表示に変更!!」
セットされていたモンスターが顕になり、『サッシー・ルーキー』の隣に白い仮面を被り大口を開けた紫肌の悪魔『魔界劇団─デビル・ヒール』がその両腕を高く上げながら登場する。
魔界劇団─デビル・ヒール ☆8 ATK3000
魔界劇団─デビル・ヒール
ペンデュラム・効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻3000/守2000
【Pスケール:青1/赤1】
(1):1ターンに1度、自分フィールドの「魔界劇団」モンスター1体をリリースし、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、リリースしたモンスターの元々の攻撃力分ダウンする。
【モンスター効果】
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、自分フィールドの「魔界劇団」モンスターの数×1000ダウンする。
(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、自分の墓地の「魔界台本」魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを自分フィールドにセットする。
「さぁ今度こそ邪魔は入らねぇ!!俺はスケール3の『魔界劇団─エキストラ』とスケール8の『魔界劇団─ファンキー・コメディアン』でペンデュラムスケールをセッティング!!」
今度こそ沢渡のデュエルディスクのペンデュラムゾーンに2枚のカードが置かれ、沢渡のフィールドを挟むように2本の光の柱が現れ、その柱の中にはそれぞれ円盤状の投影機から映し出される3人の隻眼の悪魔と4本腕の黄色い肌をした唇の厚い太った悪魔が現れた。
「これで俺はレベル4から7のモンスターを同時に召喚することが出来る。ペンデュラム召喚!!来い、俺様の下僕たち!!『魔界劇団─ワイルド・ホープ』!『魔界劇団─プリティ・ヒロイン』!そして俺のエース、『魔界劇団─ビッグ・スター』!!」
そして沢渡のフィールドに西武のガンマンのような姿をした悪魔『魔界劇団─ワイルド・ホープ』、猫の手型の手袋をした魔法少女姿の悪魔『魔界劇団─プリティ・ヒロイン』、そして魔界劇団の座長にしてあのデッキのエースカードでもある『魔界劇団─ビッグ・スター』が姿を現した。
魔界劇団─ワイルド・ホープ ☆4 ATK1600
魔界劇団─プリティ・ヒロイン ☆4 ATK1500
魔界劇団─ビッグ・スター ☆7 ATK2500
魔界劇団─ワイルド・ホープ
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守1200
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンの「魔界劇団」カード1枚を対象として発動できる。そのカードのPスケールはターン終了時まで9になる。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「魔界劇団」モンスターしか特殊召喚できない。
【モンスター効果】
このカード名の(2)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、自分フィールドの「魔界劇団」モンスターの種類×100アップする。
(2):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「魔界劇団-ワイルド・ホープ」以外の「魔界劇団」カード1枚を手札に加える。
魔界劇団─プリティ・ヒロイン
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1500/守1000
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、相手モンスターの攻撃で自分が戦闘ダメージを受けた時、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●その相手モンスターの攻撃力は、受けたダメージの数値分ダウンする。
●自分のEXデッキから、受けたダメージの数値以下の攻撃力を持つ表側表示の「魔界劇団」Pモンスター1体を手札に加える。
【モンスター効果】
(1):1ターンに1度、自分または相手が戦闘ダメージを受けた時、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は、その戦闘ダメージの数値分ダウンする。
(2):モンスターゾーンのこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された時に発動できる。
デッキから「魔界台本」魔法カード1枚を選んで自分フィールドにセットする
魔界劇団─ビッグ・スター
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2500/守1800
【Pスケール:青3/赤3】
(1):1ターンに1度、自分フィールドの「魔界劇団」モンスター1体をリリースし、自分の墓地の「魔界台本」魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
【モンスター効果】
(1):このカードの召喚・特殊召喚成功時に相手は魔法・罠カードの効果を発動できない。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。デッキから「魔界台本」魔法カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。この効果でセットしたカードはエンドフェイズに墓地へ送られる。
「『魔界劇団─ビッグ・スター』の効果発動!1ターンに1度、デッキから『魔界台本「オープニング・セレモニー」』をセットしてそのまま発動!これにより俺のフィールドにいる『魔界劇団』の数×500ポイントライフを回復する。俺のフィールドには5体の『魔界劇団』がいるからライフを2500ポイント回復!!」
沢渡:山札28枚→27枚
沢渡:LP4000→6500
魔界台本「オープニング・セレモニー」
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分は自分フィールドの「魔界劇団」モンスターの数×500LP回復する。
(2):自分のEXデッキに表側表示の「魔界劇団」Pモンスターが存在し、セットされたこのカードが相手の効果で破壊された場合に発動できる。自分は手札が5枚になるようにデッキからドローする。
「『ワイルド・ホープ』の効果発動!モンスターゾーンの『魔界劇団』の種類×100ポイント攻撃力をアップ!!」
魔界劇団─ワイルド・ホープ ATK1600→2100
「これで準備は整ったぜ。バトル!『サッシー・ルーキー』でさっき伏せた『メタモルポッド』を攻撃!!」
「『メタモルポット』の効果で再び互いに手札を全て捨てて5枚ドロ~♪」
「ハッ!いくら手札を増やしたところでこのターンで終わらせりゃ関係ねぇんだよ!!」
暗闇のザジ:山札48枚→43枚
沢渡:山札27枚→22枚
「続けて『プリティ・ヒロイン』でもう一体のセットモンスターを攻撃!!」
『プリティ・ヒロイン』の鞭によって奴のフィールドに残っていたモンスターを叩くと1つ目の青い肌の悪魔の姿が現れ、消える寸前にその目玉から放たれる光が沢渡のデッキに当たる。
「セットされていた『悪魔の偵察者』のリバース効果発動~。相手はデッキからカードを3枚ドローし、互いにドローしたカードを確認しその中に魔法カードがあれば全て捨ててもらいます。さぁドローしたカードを見せてくださいね~?」
「ちっ、ほらよ」
沢渡は『悪魔の偵察者』の効果でドローしたカードを舌打ちしながら公開する。
悪魔の偵察者
効果モンスター
星2/闇属性/悪魔族/攻 650/守 500
リバース:相手はデッキからカードを3枚ドローする。この効果でドローしたカードをお互いに確認し、その中から魔法カードを全て墓地へ捨てる。
沢渡:山札22枚→19枚
ドローカード:『魔界劇団─メロー・マドンナ』、『貪欲な壺』、『魔界劇団─トゥインクル・リトルスター』
「おやおや残念~。全て魔法カードなので墓地に送って貰いましょうか~?」
「クソっ、だが俺のフィールドにはまだ攻撃していないモンスターが三体いる。こいつらの総攻撃で終わりだ!!」
確かに沢渡の言う通り沢渡のフィールドにいるモンスターたちの攻撃力の合計は奴のライフを上回っている。だが奴にはまだ使っていない2枚の伏せカードがある。
「さぁ、このターンでフィナーレにしてやるよ!!『デビル・ヒール』でダイレクトアタック!!」
『デビル・ヒール』の巨大な拳が奴に迫る。この攻撃が決まれば大ダメージとなり次のモンスターの攻撃で決着がつく────誰もがそう思った瞬間、沢渡のフィールドにいるモンスターたち全てに地面から湧き出るように現れた悪霊たちがまとわりついた。
魔界劇団─デビル・ヒール ATK3000→0
魔界劇団─ビッグ・スター ATK2500→0
魔界劇団─ワイルド・ホープ ATK2100→0
魔界劇団─サッシー・ルーキー ATK1700→0
魔界劇団─プリティ・ヒロイン ATK1500→0
「な、何が起こりやがった!?」
突然フィールドのモンスターたちの攻撃力が0になったことに沢渡は驚きを隠せないでいると、奴は嬉々として発動したカードの説明を始める。
「トラップカード『墓地墓地の恨み』♪相手の墓地に8枚以上のカードがあれば相手フィールド上のモンスター全ての攻撃力を0にするんですよ♪せっかくやる気満々になったのに出鼻挫いちゃってごめんね~♪」
「くそっ!そのカードを発動させるために俺のカードを墓地に送っていたのか・・・」
いや、やつの本当の狙いは恐らく・・・
「バトルフェイズを終了してカードを2枚伏せてターンエンドだ」
沢渡は次のターンで何とか巻き返そうと考えているようだが、奴の狙いに気づかなければこのデュエル。沢渡の勝機はない
暗闇のザジ:LP4000
山札:43枚
手札:5枚
モンスター:無し
魔法・罠:リバースカード1枚 俊星流れるコロッセオ(フィールド魔法)
沢渡:LP6500
山札:19枚
手札:3枚
モンスター:魔界劇団─サッシー・ルーキー(攻) 魔界劇団─デビル・ヒール(攻) 魔界劇団─ビッグ・スター(攻) 魔界劇団─プリティ・ヒロイン(攻) 魔界劇団─ワイルド・ホープ(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
零児sideout
ザジside
(いや~こっちの思惑通りに簡単に進んでくれましたねぇ~。気づいているのは赤馬零児と黒咲隼、デニス・マックフィールドくらいですかねぇ?)
私は彼のフィールドにいる力を失ったモンスターたちと自分の手札を見ながら思わず笑みを浮かべてしまう。
「私のターンドロー!魔法カード『クロス・ソウル』発動!これにより私はあなたのモンスターである『デビル・ヒール』をリリースしこのモンスターを召喚!」
クロス・ソウル
通常魔法
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
(1):相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
このターン、自分がモンスターをリリースする場合、自分フィールドのモンスター1体の代わりに対象の相手のモンスターをリリースしなければならない。
沢渡シンゴのフィールドから『デビル・ヒール』が消え、代わりに私のフィールドに巨大な槍と盾が上空から落下してきた。
「さぁ!いよいよ本日のメインイベンターの登場ですよぉ!!」
そして『俊星流れるコロッセオ』の中から赤いマントをたなびかせながら鎧を纏った巨人が現れ、ゆっくりと歩み地面に落ちた槍と盾を拾い構える。
「大地を揺るがすヘビーウェイトの勇者!!『巨人大帝アレクサンダー』召喚だぁ!!」
巨人大帝アレクサンダー ☆6 ATK2700
巨人大帝アレクサンダー(オリカ)
効果モンスター
星6/水属性/戦士族/攻2700/守2000
(1):表側のフィールド魔法1枚を手札に戻すことで発動できる。このターン、このモンスターは追加攻撃することが出来る。この効果は1ターンに2度発動することが出来る。
(2):このモンスターの攻撃宣言時に以下の効果から1つ選んで発動する事ができる。
●相手フィールド上のレベル4以下のモンスターを破壊し、相手のデッキの上からその破壊したモンスターのレベルと同じ枚数墓地に送る。
●相手フィールド上の最もレベルの高いモンスター1体を破壊する。
「『クロス・ソウル』の効果でバトルフェイズを行えないのでカードを2枚伏せてターンエンド♪」
暗闇のザジ:LP4000
山札:42枚
手札:2枚
モンスター:巨人大帝アレクサンダー(攻)
魔法・罠:リバースカード3枚 俊星流れるコロッセオ(フィールド魔法)
沢渡:LP6500
山札:19枚
手札:5枚
モンスター:魔界劇団─サッシー・ルーキー(攻) 魔界劇団─ビッグ・スター(攻) 魔界劇団─プリティ・ヒロイン(攻) 魔界劇団─ワイルド・ホープ(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
「さぁあなたのラストターンですよ?精々頑張ってくださいねぇ?」
「はぁ?何言ってんだよ。俺様のライフはまだこんなにあるんだぜ?次のターンで削り切れるっていうのかよ」
おやおや、どうやらまだ気づいていないようですねぇ?
「私が削るのはあなたのライフではなくあなたのデッキですよ。あなたのデッキの枚数をよーく見てください」
「俺のデッキ?ってなんじゃこりゃあ!?」
自分のデュエルディスクにささっている薄くなったデッキを見てようやく気づいたようだ。
「ってまさかそのデッキは!?」
「ご明察!!私のデッキはデッキ破壊をメインにしております。次の私のターンになればその残り少ないデッキを消し飛ばすのなんて朝飯前ですよぉ?」
私のフィールドの『アレクサンダー』と手札に揃っているカードを使えばあの程度の枚数削りきるのなんてわけないですよ。
「沢渡の残りデッキ枚数はこのドローで18枚っ。確かにデッキ破壊に特化したデッキならば削り切ることは可能だっ」
「つまり沢渡がこのデュエルに勝つには奴の言う通りこのターンでライフを削りきらなければ沢渡の敗北が決まるということか」
榊遊矢と権現坂昇もようやく理解してくれたようですねぇ。さぁ彼は一体どんな手を使ってくるのですかねぇ?
「はっ!ならこのターンで決着をつけてやるだけさ!!『ビッグ・スター』の効果でデッキから『魔界台本「魔王の降臨」』をセット!」
「おっと『ビック・スター』の効果に対してトラップカード『亜空間物質転送装置』を発動。これにより『アレクサンダー』をエンドフェイズ時まで除外します」
亜空間物質転送装置
通常罠
(1):自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その自分の表側表示モンスターをエンドフェイズまで除外する。
「ちっ!逃げられちまったか。だが関係ねぇ!!セットした『魔界台本「魔王の降臨」』を発動!これにより俺のフィールドにいる『魔界劇団』の種類だけフィールドの表側表示のカードを破壊できる。『俊星流れるコロッセオ』を破壊!!」
魔界台本「魔王の降臨」
通常魔法
(1):自分フィールドの攻撃表示の「魔界劇団」モンスターの種類の数まで、フィールドの表側表示のカードを対象として発動できる。そのカードを破壊する。
自分フィールドにレベル7以上の「魔界劇団」モンスターが存在する場合、このカードの発動に対して相手は効果を発動できない。
(2):自分のEXデッキに表側表示の「魔界劇団」Pモンスターが存在し、セットされたこのカードが相手の効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「魔界劇団」カードまたは「魔界台本」魔法カードを合計2枚まで手札に加える(同名カードは1枚まで)。
「おっと破壊されてしまいましたねぇ。しかしあなたの場のモンスターたちの攻撃力は全て0。それでは私のライフを削りきることはできませんねぇ?」
「慌てるなよ。ここから沢渡シンゴのエンタメ劇場が始まるんだぜ?俺は『ビッグ・スター』と『ワイルド・ホープ』をリリースしてこのモンスターを召喚するぜ!! 烈風纏いしあやかしの長よ。荒ぶるその衣を解き放ち、大河を巻き上げ大地をえぐれ!いでよ、『魔妖仙獣 大刃禍是』!!」
『ビッグ・スター』と『ワイルド・ホープ』が黒が混ざった緑の嵐に飲み込まれ、巨大な獣の雄叫びが響き渡ると同時に嵐が止み、その中から全身に暴風を纏った巨大なライトグリーンのオオイタチ『魔妖仙獣大刃禍是』が現れた。
魔妖仙獣大刃禍是 ☆10 ATK3000
魔妖仙獣大刃禍是
ペンデュラム・効果モンスター
星10/風属性/獣族/攻3000/守 300
【Pスケール:青7/赤7】
(1):自分フィールドの「妖仙獣」モンスターの攻撃宣言時に発動できる。その攻撃モンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで300アップする。
【モンスター効果】
このカードはP召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードのP召喚は無効化されない。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、フィールドのカード『大刃か』を2枚まで対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。
(3):このカードを特殊召喚したターンのエンドフェイズに発動する。このカードを持ち主の手札に戻す
「『大刃禍是』!?まさかあのデッキ『妖仙獣』も入れているのか!?」
『大刃禍是』の登場に榊遊矢は驚愕する。それは彼だけではなく沢渡シンゴ以外全員が多かれ少なかれ同じ気持ちだろう。『魔界劇団』と『妖仙獣』という異なるテーマを組み合わせるだなんて誰が予想できるというのか・・・
「『大刃禍是』の召喚時効果でそのセットカード2枚を手札に戻してもらうぜ!!」
『大刃禍是』から放たれる嵐によって伏せていたカードを手札に戻されこれによって私のフィールドは空になってしまいましたねぇ。
「まだまだいくぜっ!!お楽しみこれからだ!!俺はセッティング済みのペンデュラムスケールでペンデュラム召喚!!さぁもう一度舞台に上がりな!
『魔界劇団─ワイルド・ホープ』、『魔界劇団─ビッグ・スター』!!」
魔界劇団─ワイルド・ホープ ☆4 ATK1600
魔界劇団─ビッグ・スター ☆7 ATK2500
「さぁこれでフィナーレだ!『魔界劇団─ビッグ・スター』でダイレクトアタック!!」
目の前まで迫ってきた『ビッグ・スター』だが、地面から光の霊剣が無数に飛び出し阻まれた『ビッグ・スター』は後退する。そして彼のモンスターの周囲を無数の光の霊剣が展開しているため『ワイルド・ホープ』も『大刃禍是』も動けずにいた。
「墓地の『光の護封霊剣』を除外し、このターン相手のダイレクトアタックを封じま~す」
「なっ!?」
攻撃を防がれてしまった沢渡シンゴは思わず息をのんでしまった。あの様子からして残った手札でこのターン何とかする手段はないようですねぇ
光の護封霊剣
永続罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に1度、1000LPを払って発動できる。その攻撃を無効にする。
(2):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、相手モンスターは直接攻撃できない。
「俺は『プリティ・ヒロイン』と『サッシー・ルーキー』を守備表示に変更にしてターンエンド・・・」
「このエンドフェイズに『アレクサンダー』はご帰還しま~す」
暗闇のザジ:LP4000
山札:42枚
手札:4枚
モンスター:巨人大帝アレクサンダー(攻)
魔法・罠:無し
沢渡:LP6500
山札:17枚
手札:5枚
モンスター:魔界劇団─サッシー・ルーキー(守) 魔界劇団─ビッグ・スター(攻) 魔界劇団─プリティ・ヒロイン(守) 魔妖仙獣大刃禍是
魔法・罠:リバースカード2枚
「私のターンドロー。まぁアマチュアデュエリストにしてはよくやったよ沢渡くん。でもさぁそろそろ気がついちゃたんじゃないのぉ?」
声を数トーン落としてから私は沢渡シンゴに対して声をかける。
「俺にデュエルで勝とうだなんて100万年早いってことをさぁ。ドロー」
そしてドローカードを見て私は思わずニヤリと笑みを浮かべてしまう。
「魔法カード『死者蘇生』を発動!墓地より『ウォーム・ワーム』を特殊召喚!!」
ウォーム・ワーム ☆3 ATK600
死者蘇生
通常魔法
(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
ウォーム・ワーム
効果モンスター
星3/炎属性/昆虫族/攻 600/守1400
(1):このカードが破壊された場合に発動する。
相手のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
「さらにぃ!速攻魔法『地獄の暴走召喚』を発動!私のフィールドに攻撃力1500以下のモンスターである『ウォーム・ワーム』が特殊召喚されたことで墓地から同名モンスターである『ウォーム・ワーム』2体を特殊召喚!!」
ウォーム・ワーム ☆3 ATK600
ウォーム・ワーム ☆3 ATK600
「くっ!俺のフィールドはモンスターが埋まってるから特殊召喚はできねぇ・・・」
地獄の暴走召喚
速攻魔法
(1):相手フィールドに表側表示モンスターが存在し、自分フィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体のみが特殊召喚された時に発動できる。その特殊召喚したモンスターの同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から可能な限り攻撃表示で特殊召喚し、相手は自身のフィールドの表側表示モンスター1体を選び、そのモンスターの同名モンスターを自身の手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する。
「さぁ!ここからが本当のクライマックス!!私は『アレクサンダー』を対象に魔法カード『バトル・クライシス』を発動!!私のフィールドに存在するモンスターを任意の数破壊することで対象となったモンスターはこのターン破壊したモンスターの数だけ追加攻撃することができます。私は3体の『ウォーム・ワーム』を破壊!!」
『アレクサンダー』がその手に握る槍を地面に勢いよく突き刺すとその衝撃によって3体の『ウォーム・ワーム』が破壊され、『アレクサンダー』に力を、そして沢渡シンゴのデッキにダメージを与える。
バトル・クライシス(オリカ)
通常魔法
(1):フィールドのレベル5以上のモンスターを対象に発動できる。対象に選んだモンスター以外の自分フィールド上にいるモンスターを任意の数破壊することでこのターン、対象に選んだモンスターは破壊したモンスターの数だけ追加攻撃することができる。
「破壊された『ウォーム・ワーム』の効果発動!破壊されたことで相手のデッキを上から3枚墓地へ。3体破壊されたので合計9枚破棄です!!」
「くっ!!」
沢渡:山札17枚→8枚
「さぁ一気に攻めちゃいましょうか!!まずは『アレクサンダー』で『魔界劇団─ビッグ・スター』を攻撃!!この瞬間、『アレクサンダー』の効果が発動。レベル4の『サッシー・ルーキー』を破壊し、そのレベルと同じ枚数つまりデッキから4枚破棄!!」
『アレクサンダー』がその巨大な槍を力任せに振り下ろすと『プリティ・ヒロイン』と『ワイルド・ホープ』は『大刃禍是』の背中に乗って何とか難を逃れたが逃げ遅れた『ビッグ・スター』と『サッシー・ルーキー』は槍に潰されてしまった。
沢渡:LP6500→6300
沢渡:山札8枚→4枚
「さぁこれでフィニッシュです!!『アレクサンダー』で『ワイルド・ホープ』を攻撃!!効果で『プリティ・ヒロイン』を破壊して残りのデッキを破棄!!」
投擲の体勢をとった『アレクサンダー』はその視線を『大刃禍是』の背に乗って逃げる『プリティ・ヒロイン』と『ワイルド・ホープ』に向かって投槍の要領で勢いよく槍を投げ、2体の胴体を貫き爆散させた。
沢渡:LP6300→5200
沢渡:山札4枚→0枚
「『アレクサンダー』はまだあと2回の攻撃を残していますが、これ以上の攻撃は無駄ですのでターンエンド。さぁあなたのターンですよ?」
といってももうデュエルの決着はついているんですけどね。
「俺の、ターン・・・ドローするカードが、ねぇ・・・」
「カードをドローできなくなったプレイヤーはデッキアウトで敗北!!いやぁ~私が勝っちゃって申し訳ございませんねぇ!!」
「くそっ!!」
沢渡シンゴは負けたことが余程悔しかったのか地面に拳を叩きつける。さてと
「それじゃあ早速別室で色々とこの世界について説明しますね~」
『は?』
私が別室に案内することを伝えると榊遊矢、沢渡シンゴ、権現坂昇、セレナ、デニス・マックフィールドはぽかんと口を開けて間抜け面を晒していた。いやー思った通りの反応をしてくれますねぇ!
「確かに私は勝ったら話すと言いましたが別に負けたら話さないとは言ってませんよねぇ?」
ケラケラと笑いながらそう伝えると彼らは唖然とした表情をしばらくしてからようやく私の言ったことの意味を理解したのかふるふると体を震わせその言葉を吐き出した。
『ふ、』
「ふ?」
『ふっざけんなぁぁぁぁぁぁ!!』
暗闇のザジsideout
???side
「どうやら運命は回り始めたようだな」
薄暗い部屋の中で私は水晶にうつる少年たちを見ながら思わずそう呟いてしまう。
────名も無きファラオの器にして現代の最強決闘者『武藤遊戯』
────仲間たちとの絆で未来を切り開いた赤き竜に選ばれし決闘者『不動遊星』
────決して諦めない強い心とチャレンジ精神を持った優しい心を持った決闘者『九十九遊馬』
────世界を破滅に導く可能性を秘めし四つの召喚法を秘めしドラゴンたちを操りし4人の決闘者『榊遊矢』、『ユート』、『ユーゴ』、『ユーリ』
───そしてこの世界の特異点となりつつある『遊城十代』と『如月刹那』
かの決闘者たちは誰もがこれからこの世界に迫り来る巨悪たちを打ち倒し人々に明るい未来を見せる可能性とその力と想いを周りに伝染させるまさに希望とも言える存在になり得る可能性を秘めている。しかし、それはコインの裏表のようにちょっとしたきっかけで絶望に変わる可能性も秘めているため彼らに期待を押し付けすぎるのも危険である。特に四天の龍を従えし決闘者である榊遊矢たちは・・・
「この世界の運命は既に私のかつて見た運命とは大きく異なっている。この先には一体どのような障害が待ち受けているというのか・・・」
私、斎王琢磨はとある少女との出会いで破滅の光の力を失い元々持っていた占いの力でかつて見た未来と異なる未来に変わり始めたのを見てそう呟く。
「破滅の未来と希望の未来・・・我々は一体どうなるというのでしょうね」
未来を見えなくなり不安を感じることは多くあった。しかしそれ以上に未知というものに私は楽しみを感じているのだった。
斎王sideout
十代「今日の最強カードは『巨人大帝アレクサンダー』だ!」
巨人大帝アレクサンダー(オリカ)
効果モンスター
星6/水属性/戦士族/攻2700/守2000
(1):表側のフィールド魔法1枚を手札に戻すことで発動できる。このターン、このモンスターは追加攻撃することが出来る。この効果は1ターンに2度発動することが出来る。
(2):このモンスターの攻撃宣言時に以下の効果から1つ選んで発動する事ができる。
●相手フィールド上のレベル4以下のモンスターを破壊し、相手のデッキの上からその破壊したモンスターのレベルと同じ枚数墓地に送る。
●相手フィールド上の最もレベルの高いモンスター1体を破壊する
刹那「元ネタはアニメ『バトルスピリッツ少年激覇ダン』にて硯秀斗が使用したのを筆頭にその後のシリーズでも何度も出た青のスピリットだな」
十代「フィールド魔法を戻すことによる連続攻撃と攻撃時に発動できる破壊効果で相手を追い詰めるぜ!!」
刹那「高い攻撃力とその効果で相手を追い詰めるぞ」
十代「今後も他作品のカードやキャラクターたちとかがこうしてカード化されるからこれからもよろしく頼むぜ!!」
あとがき
お久しぶりです有頂天皇帝です。半年以上ぶりの遊戯王小説の投稿で申し訳ございませんでした。色々とほかの小説も書いてて投稿が遅れました。今回は『バトルスピリッツブレイブ』の暗闇のザジと沢渡さんのデュエルとなりますがザジさんの口調がちゃんとできているか不安なところがありますがおかしかったら教えて貰えるとありがたいです。次回の予定としてはこの作品内での十代たちの世界設定について語りその後遊城榛名と遊矢によるアクションデュエルを行おうと考えていますがこのデュエル内で遊矢に対して厳しい言葉をかけるかもしれませんがご了承ください。最初の頃アクションデュエルを楽しんでたんですが次第に防御を回避や奇跡などのアクションカードに頼ったり都合のいいタイミングで狙ったかのようなアクションカードを引くのが嫌になってきたんですよねぇ・・・。遊矢以前の主人公たちはみんな自分のデッキを信じているというのがよく分かるだけにアクションカード頼りの遊矢が少し苦手なところあります。でもARC-Vは面白いデュエル色々とあったので完全に否定する気は無いです。次回の更新がいつ頃になるかは分かりませんがほかの小説も含め早く投稿できるように頑張ります。
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番外編3 武神VSエンターテイナー&不動
今回は特殊なルールによるアクションデュエルを行います。もし問題点などがあればコメント貰えるとありがたいです。
榛名side
「まぁ予想通りの結果よね」
別室のモニターで沢渡とザジの結果を見てそう呟く。決して沢渡の実力が低いというわけでなくザジの実力と彼の巧みな話術によって翻弄されて意図も容易くザジの策略にハマってしまったのが敗北の原因と言えるでしょうね。
「さていかがだったでしょうか?あなたがたにとって未知の召喚法『ペンデュラム召喚』は」
私はそう言いながらモニターから目を離して後ろに振り向く。そこには私の協力者であるパンテーラ、精霊にして奇術師『クラウン』、継ぎ接ぎの兎のぬいぐるみを抱える少女『水無瀬結衣』。そしてジョーカーと結衣がこの場所へと案内してくれた別世界の英雄たちである『チーム5D's』の不動遊星たち赤き竜に選ばれし6人のデュエリストと『NO.』たちと深い関わりを持つアストラル世界・バリアン世界・人間界3つの世界を救った英雄九十九遊馬、天城カイト、神代凌牙とその仲間であるナンバーズクラブのメンバーがいた。
『ペンデュラム召喚。中々興味深い召喚法だな』
九十九遊馬の隣でフワフワと浮かんでいる半透明の変わった模様がある水色の身体をしたアストラル世界の住人『アストラル』は顎に手を当てながらモニターに写っている『魔界劇団─ビッグ・スター』たちペンデュラムモンスターに視線が釘付けになっていた。
「それで君は俺たちになんの目的があってこの映像を見せたんだ」
遊星さんがこの場にいる皆さんを代表して尋ねてくる。突然別世界に飛ばされわけも分からない小娘に連れられデュエルを見せられたというのに誰も同様の素振りを見せていない。流石は世界を救った英雄とその仲間たちと言ったところでしょうね。
「詳しい話はあちらで彼らと一緒にさせていただきます。そこであなたがたもこれから先どうするか選んでください」
正直、彼らほどのデュエリストが協力してくれると言うのならばこれ以上ないほど心強いと言っても過言ではないけどこれはこの世界と榊遊矢たちの世界の問題。彼らを巻き込むのはお門違いだと言うのは理解しているつもりだ。だけどそれでも彼らは協力してくれる可能性は高いだろう。親切、否お人好しと言っても過言でないそんな彼らだからこそ仲間や友人、家族などの大切なものを守るために危険を顧みずに戦ってきたのだから・・・
(守るべきもののために他者を巻き込む私はクソハゲたち同様外道なのかもしれないわね・・・)
私は遊星さんたちを案内する傍ら、心の中でそう呟くのだった。
榛名sideout
遊矢side
沢渡と暗闇のザジのデュエルが終わった後、俺たちはザジさんからこの世界について軽くだけど教えて貰っていた。
「この世界は一種の平行世界とも呼ばれる世界で、本来の世界とは異なる歴史を歩んでいるのですよ」
「平行世界?」
平行世界という初めて聞く単語に赤馬零児以外の全員が首を傾げていると赤馬零児が眼鏡を上げながら説明し始めてくれた。
「平行世界、つまりパラレルワールドとはあらゆる選択の上に現在我々のいる世界が成り立っているとしてら選択を違えた「もしも」の別世界のことをさす」
「それって俺たちの世界と融合次元みたいなものか?」
「その通りだ」
俺たちの世界、スタンダード次元はあらゆる召喚法を使える基礎的な世界で、融合次元は融合召喚に特化した世界って感じで別れた世界みたいなものか
「この世界には元々生贄召喚、融合召喚、儀式召喚の3種類の召喚法しかありませんでした」
「融合っ!」
ザジさんが融合召喚があることを伝えると黒崎が真っ先に反応したが権現坂が押えてくれたことで話の続きを聞ける。
「今から3年ほど前。デュエルモンスターズの生みの親であるペガサス・J・クロフォードがエジプトにて偶然発見された遺跡にてある石版たちが発見されました。これがその映像です」
そう言いながらザジさんがどこからか取りだしたモニターで映し出したのは様々な石版が並ぶ遺跡だった。巨大な龍が彫られた石版を囲むように設置された7体のドラゴンの石版、様々な種族が番号順のように並ばされている大量の石版、そして
「『オッドアイズ』・・・」
俺のデッキのエースである『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』とユートの『ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン』、そしてユートと戦った白いドラゴンと見たこともないドラゴンの石版が何も描かれていない石版を囲むように置かれていた。
「ペガサス氏はこれらの見たこともないカードをカードにすることを決めインダストリアルイリュージョン社と海馬コーポーレーションを中心にカード開発が行われました」
そして映像が移り変わるとそこには白い枠のカードと黒い枠のカード、そして茶色と緑が半々に別れたカードが並んでいた。
「そして2年の歳月を経てこれらのカード『シンクロ』『エクシーズ』『ペンデュラム』が誕生致しました」
「それほど前にこの世界では生まれていたのだな・・・」
権現坂の言う通り、どうやら俺たちの世界でシンクロ・エクシーズ・融合が広まるよりも前にこの世界ではペンデュラムを含めた召喚法が広まっているようだ。
「そしてその中でも特殊なカードは選ばれたデュエリストのみに与えられております」
「なるほど、君の主もまたその選ばれたデュエリストということか」
「────正解ね。流石は赤馬コーポレーションの若き社長と言ったところかしら?」
赤馬零児の言葉を肯定する女性の声が聞こえたのでそちらを向くとそこには長い黒髪に緋色の瞳をした女性が立っていた。
「はじめまして、私は遊城榛名。そこにいる彼、暗闇のザジの一応は雇い主ということになっているわね」
黒髪の女性──遊城榛名さんはそう微笑みながら答えてくれた。
「それで、貴様はなんの目的で俺たちをこの場所に呼び出した」
黒崎が俺たちを代表して榛名さんが俺たちをここへと案内させた目的を聞くと榛名さんは笑みを浮かべながら話し始める。
「そうね。答えるのは簡単だけどここは少し交流もかねてデュエルしながら答えましょうか」
榛名さんはそう言いながらデュエルディスクを構える。正直そう言われる可能性は高いと薄々感じていたので驚きはない。だけど次に言われた言葉には流石に驚きを隠せなかった。
「私の相手は榊遊矢くんと権現坂昇くんの2人による変則アクションタッグデュエルでどうかしら?」
榛名さんは俺たちにそう提案すると簡単にルールを説明してくれた。ターンは榛名さん→俺→権現坂→榛名さんの順で回し、ライフは俺と権現坂はそれぞれ4000で、榛名さんはその合計値の8000となる。一周して2回目の榛名さんのターンまで互いに攻撃できない。そしてフィールドは互いに共有され俺と権現坂はそれぞれモンスターと魔法・罠を5枚ずつまで出せるが、ペンデュラムゾーンのカードは2枚までしかセッティング出来ない。墓地と手札のカードは共有できず相談も禁止される。
正直墓地の非共有はありがたい。権現坂のデッキだと墓地に魔法・罠カードがあるとデッキの真価を半分も発揮出来なくなってしまうからな。だけど・・・
「なんでアクションデュエルを、しかもタッグでだなんて・・・」
「理由は大きく分けて2つ。1つはあなたたちの主流とするデュエル《アクションデュエル》がどれほどのものか実際に体験してみたいのが1つ。そして」
ゴウッ!!
「私を相手するのに1人じゃ物足りないのがもう1つの理由よ」
榛名さんは変わらぬ笑顔を浮かべながらも押し潰されてしまいそうなほど圧倒的なプレッシャーを放ってきた。そのプレッシャーは赤馬零児とデュエルした時のプレッシャーに匹敵、いやそれ以上に感じられ思わず後ずさりしそうになったが何とか堪える。
「そのデュエル受けて立つ。権現坂」
「みなまで言うな遊矢。俺とて同じ気持ちだ」
俺と権現坂は互いにデュエルディスクを構え榛名さんに向き直る。既に沢渡たちも距離を取っており何時でもデュエルを始められるようにする。
「さぁ、どこからでもかかってきなさい」
「いくぞ!アクションフィールド、オン!!」
『フィールド魔法《クロス・オーバー》』
俺はデュエルディスクに内蔵されているシステムを使ってアクションフィールド《クロス・オーバー》を発動する。それによってフィールドが光に包まれ上空に大量の光のブロックが形成されていく。
「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」
「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る!」
「見よ、これぞデュエルの最強進化形!」
「アクショーン」
「「「デュエル!!」」」
榛名:LP4000
遊矢:LP4000
権現坂:LP4000
遊矢sideout
榛名side
こちらの思惑通り始まった変則アクションタッグデュエル。遊矢くんと権現坂くんの今の実力を確かめるために始めたデュエルだが果たして彼らは私の予想を上回ることはあるのかしらね?
「私のターンドロー。私は『EMドクロバット・ジョーカー』を召喚」
EMドクロバット・ジョーカー ☆4 ATK1800
私のフィールドに現れたのは《EM》の切り込み隊長とも言えるトランプのスペード、ハート、ダイヤ、クラブが随所に散りばめられた燕尾服を着用したボロボロのハットに黒い仮面をした道化師『EMドクロバット・ジョーカー』が現れる。
「『ドクロバット・ジョーカー』が召喚に成功した時、デッキからこのカード以外の『EM』モンスター、『魔術師』ペンデュラムモンスター、『オッドアイズ』モンスターの中から1体を手札に加えるわ。私はデッキから『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を手札に加えるわ」
「『オッドアイズ』っ」
私が『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を手札に加えたことに遊矢くんは一瞬驚いていたがすぐに表情を引き締める。
EMドクロバット・ジョーカー
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守 100
【Pスケール:青8/赤8】
(1):自分は「EM」モンスター、「魔術師」Pモンスター、「オッドアイズ」モンスターしかP召喚できない。この効果は無効化されない。
【モンスター効果】
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから「EMドクロバット・ジョーカー」以外の「EM」モンスター、「魔術師」Pモンスター、「オッドアイズ」モンスターの内、いずれか1体を手札に加える。
「私は手札の『EMレディアンジュ』の効果発動。手札のこのカードと手札の『EM』モンスター、『EMジンライノ』を墓地に送りデッキから2枚ドロー」
EMレディアンジュ
ペンデュラム・効果モンスター
星3/光属性/天使族/攻1000/守1500
【Pスケール:青1/赤1】
(1):1ターンに1度、自分と相手のモンスター同士が戦闘を行う攻撃宣言時に、手札からPモンスター1体を捨てて発動できる。その相手モンスターの攻撃力はターン終了時まで1000ダウンする。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):手札から「EMレディアンジュ」以外の「EM」モンスター1体とこのカードを捨てて発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。
(2):このカードが墓地に存在し、自分フィールドに「オッドアイズ」カードまたは「EMジェントルード」が存在する場合に発動できる。
このカードを自分のPゾーンに置く。
序盤の布陣としてはこれくらいがいいかしらね
「私はペンデュラムゾーンに『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』をセッティングし、カードを2枚伏せてターンエンド。そしてエンドフェイズにペンデュラムゾーンの『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』の効果でこのカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスター『EMペンデュラム・マジシャン』を手札に加えるわ」
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
【Pスケール:青4/赤4】
このカード名の(1)(2)のP効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分のPモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを0にできる。
(2):自分エンドフェイズに発動できる。このカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のPモンスター1体を手札に加える。
【モンスター効果】
(1):このカードが相手モンスターとの戦闘で相手に与える戦闘ダメージは倍になる。
榛名:LP4000
手札:4枚
フィールド:EMドクロバット・ジョーカー(攻)
魔法・罠:リバースカード2枚
Pゾーン:なし
遊矢:LP4000
手札:5枚
フィールド:なし
魔法・罠:なし
Pゾーン:なし
権現坂:LP4000
手札:5枚
フィールド:なし
魔法・罠:なし
Pゾーン:なし
「俺のターンドロー!」
私のターンが終わり遊矢くんのターンに回る。その間『EMドクロバット・ジョーカー』はフィールド内を駆け巡る。
「俺は手札のスケール1の『星読みの魔術師』とスケール8の『時読みの魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!!」
遊矢くんと権現坂くんの両隣を挟むように光の柱が出現し、その柱の中にはそれぞれ白き星を司る魔術師と黒き時を司る魔術師が浮かんでいく。蒼天の空にいつしか巨大な魔法陣と振り子の様な物が現れ、2人の魔術師の間を静かに大きく揺れ動く。
星読みの魔術師
ペンデュラム・効果モンスター
星5/闇属性/魔法使い族/攻1200/守2400
【Pスケール:青1/赤1】
(1):自分のPモンスターが戦闘を行う場合、
相手はダメージステップ終了時まで魔法カードを発動できない。
(2):もう片方の自分のPゾーンに「魔術師」カードまたは「オッドアイズ」カードが存在しない場合、このカードのPスケールは4になる。
【モンスター効果】
(1):1ターンに1度、自分フィールドのPモンスター1体のみが相手の効果で自分の手札に戻った時に発動できる。その同名モンスター1体を手札から特殊召喚する。
時読みの魔術師
ペンデュラム・効果モンスター
星3/闇属性/魔法使い族/攻1200/守 600
【Pスケール:青8/赤8】
自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこのカードを発動できる。
(1):自分のPモンスターが戦闘を行う場合、
相手はダメージステップ終了時まで罠カードを発動できない。
(2):もう片方の自分のPゾーンに「魔術師」カードまたは「オッドアイズ」カードが存在しない場合、このカードのPスケールは4になる。
【モンスター効果】
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、1ターンに1度、自分のPゾーンのカードは相手の効果では破壊されない。
「これで俺はレベル2から7のモンスターを同時に召喚が可能!!揺れろ魂のペンデュラム、天空に描け光のアーク!!ペンデュラム召喚!!来い、俺のモンスターたち!!」
天空に白き光の穴が発生し、そこから流星のように3つの異なる色の光が遊矢くんの前に降ってくる。そして光が収まるとそこには赤いシルクハットとコートをまとった振り子を持った手品師『EMペンデュラム・マジシャン』、美しい銀色の毛並みをした狼『EMシルバー・クロウ』、そして赤と緑の二色の眼を持った赤いドラゴン『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』の三体が並んでいた。
「レベル4『EMペンデュラム・マジシャン』!『EMシルバー・クロウ』!そして雄々しくも美しき二色の眼の竜『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」
EMペンデュラム・マジシャン ☆4 ATK1500
EMシルバー・クロウ ☆4 ATK1800
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ☆7 ATK2500
「『ペンデュラム・マジシャン』の効果発動!このカードが特殊召喚に成功した場合、1ターンに1度だけ、自分フィールド上のカードを2枚まで対象にして破壊し、破壊した数だけペンデュラム・マジシャン以外の[[rb: EM>エンタメイト ]]モンスターを手札に加える。ただし同名カードは1枚まで。俺は『ペンデュラム・マジシャン』自身と『シルバー・クロウ』を破壊!!」
『ペンデュラム・マジシャン』がその手に握る振り子を揺らすと、『ペンデュラム・マジシャン』と『シルバー・クロウ』の頭上に巨大な振り子が出現し、巨大な振り子が揺れた際に発生した衝撃によって2体のモンスターが破壊され、代わりに遊矢くんの手札に新たなカードが加わった。
EMペンデュラム・マジシャン
ペンデュラム・効果モンスター
星4/地属性/魔法使い族/攻1500/守 800
【Pスケール:青2/赤2】
(1):自分フィールドに「EM」モンスターがP召喚された場合に発動する。
自分フィールドの「EM」モンスターの攻撃力はターン終了時まで1000アップする。
【モンスター効果】
このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、自分フィールドのカードを2枚まで対象として発動できる。そのカードを破壊し、破壊した数だけデッキから「EMペンデュラム・マジシャン」以外の「EM」モンスターを手札に加える(同名カードは1枚まで)。
EMシルバー・クロウ
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/獣族/攻1800/守 700
【Pスケール:青5/赤5】
(1):自分フィールドの「EM」モンスターの攻撃力は300アップする。
【モンスター効果】
(1):このカードの攻撃宣言時に発動する。
自分フィールドの「EM」モンスターの攻撃力は
バトルフェイズ終了時まで300アップする。
「俺はデッキから『EMヘイタイガー』と『EMヘル・プリンセス』を手札に加える!カードを1枚伏せてターンエンド!!」
「そのエンド宣言時にリバースカードオープン。速攻魔法『手札断殺』を発動。これによって互いのプレイヤーは手札2枚を墓地に送り、その後デッキからカードを2枚ドローする。私は手札1枚とアクションカードを捨て2枚ドロー」
「くっ!」
「むぅ・・・」
この特殊なタッグデュエルによって全てのプレイヤーが手札交換を余儀なくされ、遊矢くんは折角サーチしたカードを墓地に落とされ悔しそうにする。ちなみにアクションカードは遊矢くんがペンデュラム召喚した時に『ドクロバット・ジョーカー』が拾ってくれた『奇跡』である。
手札断殺
速攻魔法
(1):お互いのプレイヤーは手札を2枚墓地へ送る。その後、それぞれデッキから2枚ドローする。
榛名:LP4000
手札:5枚
フィールド:EMドクロバット・ジョーカー(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
Pゾーン:なし
遊矢:LP4000
手札:2枚
フィールド:オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
Pゾーン:星読みの魔術師(スケール1) 時読みの魔術師(スケール8)
権現坂:LP4000
手札:5枚
フィールド:なし
魔法・罠:なし
Pゾーン:なし
「俺のターンドロー!!遊矢!お前のペンデュラム使わせてもらうぞ!!」
「あぁ、わかった!!」
権現坂くんは勢いよくドローしたカードを見てから遊矢くんにそう言うと遊矢くんもそれに頷く。
「俺はセッティング済みのペンデュラムスケールでペンデュラム召喚!!来い、俺のモンスターたち!!」
天空に白き光の穴が発生し、そこから流星のように3つの異なる色の光が権現坂くんの前に降ってくる。そして光が収まるとそこには法螺貝を握る小さな機械武者『超重武者ホラガ─E』、十手と提灯をその手に持つ機械の岡っ引き『超重武者ドウC─N』が現れた。
「現れろ!レベル2、チューナーモンスター『超重武者ホラガ─E』、レベル4『超重武者ドウC─N』!!」
超重武者ホラガ─E ☆2 DEF600
超重武者ドウC─N ☆4 DEF1500
「俺は『超重武者ドウC─N』をリリースして効果発動!!自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合、このカードをリリースすることによって墓地から攻撃力1500以下の機械族・地属性モンスター1体を自分の手札・墓地から特殊召喚する。俺は墓地から『超重武者ビッグベン─K』を特殊召喚!!」
超重武者ホラガ─E
チューナー・効果モンスター
星2/地属性/機械族/攻 300/守 600
(1):自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
この方法で特殊召喚に成功したターン、自分は「超重武者」モンスターしか特殊召喚できない。
(2):自分の墓地に魔法・罠カードが存在せず、
このカードをリリースして「超重武者」モンスターのアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する
超重武者ドウC─N
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻 500/守1500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分のEXデッキから表側表示の機械族Pモンスター1体を手札に加える。
(2):自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合、このカードをリリースして発動できる。「超重武者ドウC-N」を除く、攻撃力1500以下の機械族・地属性モンスター1体を自分の手札・墓地から選んで特殊召喚する。
『ドウC─N』の目の前に巨大な黒い穴が発生しその穴に向かって縄を投げ飛ばし勢いよく引っ張りあげると穴から白と橙を基調とした機械武者『超重武者ビッグベン─K』が勢いよく飛び出た。一仕事終えたと言わんばかりに『ドウC─N』は手拭いで額を拭いながら消えていった。
超重武者ビッグベン─K ☆8 DEF3500
超重武者ビッグベン─K
効果モンスター
星8/地属性/機械族/攻1000/守3500
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。
このカードの表示形式を変更する。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分の「超重武者」モンスターは表側守備表示のままで攻撃できる。その場合、そのモンスターは守備力を攻撃力として扱いダメージ計算を行う。
「チューナーモンスター。ということは狙いはシンクロ召喚ね」
「その通りだ。俺はレベル8の『超重武者ビッグベン─K』にレベル2の『超重武者ホラガ─E』をチューニング!!」
『ホラガ―E』がその手に持つ法螺貝の様な装置を吹き鳴らすと、2つの緑色の輪っかになって『ビックベン―K』を囲う。
「荒ぶる神よ、千の刃の咆哮と共に、砂塵渦巻く戦場に現れよ!シンクロ召喚!!」
8つの星となった『ビックベン―K』が眩い光に包まれると、中から大薙刀を振るう大鬼のような機械の武者が現れ、ズシンっと胡坐をかき、座り込む。
「いざ出陣!!レベル10『超重荒神スサノ─O』!!」
超重荒神スサノ─O ☆10 DEF3800
超重荒神スサノ─O
シンクロ・効果モンスター
星10/地属性/機械族/攻2400/守3800
機械族チューナー+チューナー以外の「超重武者」モンスター1体以上
このカードはルール上「超重武者」カードとしても扱う。
(1):このカードは表側守備表示のままで攻撃できる。その場合、このカードは守備力を攻撃力として扱いダメージ計算を行う。
(2):1ターンに1度、自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合、相手の墓地の魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを自分フィールドにセットする。この効果でセットしたカードはフィールドから離れた場合に除外される。この効果は相手ターンでも発動できる。
「『スサノ─O』の効果発動!!自分の墓地に魔法・罠カードがない場合、相手の墓地の魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットする。俺は貴殿の墓地からアクション魔法『奇跡』をセットする」
『スサノ─O』がその両手に握る大薙刀を振るうと私のデッキの墓地から『奇跡』が排出され権現坂くんの手元に渡り、そのまま伏せられる。
「俺はこれでターンエンドだ」
榛名:LP4000
手札:5枚
フィールド:EMドクロバット・ジョーカー(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
Pゾーン:なし
遊矢:LP4000
手札:2枚
フィールド:オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン(攻)
魔法・罠:リバースカード1枚
Pゾーン:星読みの魔術師(スケール1) 時読みの魔術師(スケール8)
権現坂:LP4000
手札:4枚
フィールド:超重荒神スサノ─O(守)
魔法・罠:リバースカード1枚(アクションマジック『奇跡』)
Pゾーン:なし
これで全員のターンが一回周り、この私のターンから攻撃ができるようになった。先ずはこのターンで厄介な『スサノ─O』からご退場してもらおうかしら。
「私のターンドロー。手札から魔法カード『手札抹殺』を発動。全てのプレイヤーは手札を全て捨てて捨てた枚数分デッキからドローする。私は再び拾ったアクションカードを含めた6枚のカードを捨て6枚ドロー。さらに墓地に送られた『代償の宝札』の効果で2枚ドロー」
「俺は2枚捨てて2枚ドロー」
「俺は4枚捨てて4枚ドローだ」
手札抹殺
通常魔法
手札があるプレイヤーは、その手札を全て捨てる。その後、それぞれが捨てた枚数分デッキからドローする
代償の宝札(未OCGカード)
通常魔法
このカードが手札から墓地に送られた時、デッキからカードを2枚ドローする
「さらに罠カード『堕天使の施し』を発動。互いのプレイヤーはこのターン魔法カードの効果で墓地に送られたカードを手札に戻す」
「一気に手札が12枚にっ!?」
堕天使の施し(未OCGカード)
通常罠
お互いのプレイヤーは、このターンに魔法カードの効果で手札から送られた枚数分だけ、
墓地の送られたカードを全て手札に加える。
これで攻める準備は整った。
「私は手札から儀式魔法『オッドアイズ・アドベント』を発動!!」
「儀式魔法だって!?」
その瞬間、私の目の前に黒い巨大な岩を乗せた祭壇が出現しその前には巨大な天秤が上から落ちてきた。
「このカードは手札、フィールドのペンデュラムモンスターを儀式モンスターのレベル以上になるようにリリースし墓地か手札からドラゴン族儀式モンスターを儀式召喚する。私はフィールドのペンデュラムモンスター『EMドクロバット・ジョーカー』と手札の『貴竜の魔術師』と『EMドラネコ』を供物に捧げ墓地に眠りしドラゴンを儀式召喚!!」
右の天秤に『ドクロバット・ジョーカー』が乗り、左の天秤に赤い宝石のついた杖を持つ白い導師服の少女『貴竜の魔術師』と胴体が太鼓になっているオレンジの猫『EMドラネコ』が乗ると、『ドクロバット・ジョーカー』たちはその体を光に変えると祭壇の上の黒い巨大な岩に吸収されていき、卵はその力を得る度にひび割れていく。
「星の引力をその内に秘めし漆黒の竜よ、その力で敵を押し潰せ!!儀式召喚!現れよ、レベル7『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』!!」
岩が割れ、その中から現れた漆黒のドラゴン『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』は周囲に浮かぶ岩の破片を打ち払うように咆哮を上げながらフィールドに降り立つ。
オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン ☆7 ATK2800
オッドアイズ・アドベント
儀式魔法
ドラゴン族の儀式モンスターの降臨に必要。
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドのPモンスターをリリースし、自分の手札・墓地からドラゴン族の儀式モンスター1体を儀式召喚する。
相手フィールドにモンスターが2体以上存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、自分のEXデッキの「オッドアイズ」モンスターもリリースの代わりに墓地へ送る事ができる。
オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン
儀式・効果モンスター
星7/地属性/ドラゴン族/攻2800/守2500
「オッドアイズ・アドベント」により降臨。
「オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した時に発動できる。相手フィールドの魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。この効果の発動に対して、相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は500LPを払わなければ、カードの効果を発動できない。
「『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』の効果発動!!このカードの特殊召喚時、相手フィールド上の魔法・罠カードを全て手札に戻す。インパクト・ハウリング!!」
『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』が咆哮を上げると衝撃波が発生し、その衝撃によって遊矢くんと権現坂くんのフィールドのペンデュラムゾーンの『時読みの魔術師』と『星読みの魔術師』、さらに伏せカードが手札に戻される。この時、『スサノ─O』の効果でセットされていた『奇跡』は除外されている。
「私はスケール6の『EMギタートル』と『EMリザードロー』でペンデュラムスケールをセッティング!!」
私のの両隣を挟むように光の柱が出現し、その柱の中にはそれぞれギターのような躰を持つ亀『EMギタートル』と紳士風のトカゲ『EMリザードロー』が浮かんでいく。蒼天の空にいつしか巨大な魔法陣と振り子の様な物が現れ、2体の間を静かに大きく揺れ動く。
「『ギタートル』のペンデュラム効果発動。1ターンに1度、このカードがセットされている状態でもう片方のペンデュラムゾーンに『EM』が発動されたことによって1枚ドロー。さらに『リザードロー』の効果でもう片方のペンデュラムゾーンに『EM』があることにより、このカードを破壊してさらにドロー。そして空いたペンデュラムゾーンにスケール5の『慧眼の魔術師』をセッティングし、その効果でこのカードを破壊しデッキからスケール2の『曲芸の魔術師』をセッティング」
『リザードロー』がお辞儀をしながら退場すると入れ替わるように黒い導師服の口元を隠した魔術師『慧眼の魔術師』が現れたかと思えば直ぐにその姿を消して道化師のような姿をした魔術師『曲芸の魔術師』が現れる。
EMギタートル
ペンデュラム・効果モンスター
星1/水属性/水族/攻 300/守 400
【Pスケール:青6/赤6】
「EMギタートル」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方の自分のPゾーンに「EM」カードが発動した場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。
【モンスター効果】
(1):1ターンに1度、自分のPゾーンのカード1枚を対象として発動できる。そのカードのPスケールをターン終了時まで2つ上げる。
EMリザードロー
ペンデュラム・効果モンスター
星3/地属性/爬虫類族/攻1200/守 600
【Pスケール:青6/赤6】
「EMリザードロー」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズにもう片方の自分のPゾーンに「EMリザードロー」以外の「EM」カードが存在する場合に発動できる。このカードを破壊し、自分はデッキから1枚ドローする。
【モンスター効果】
「EMリザードロー」のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカード以外の自分フィールドの表側表示モンスターが相手モンスターの攻撃または相手の効果で破壊された場合に発動できる。自分フィールドの「EM」モンスターの数だけ自分はデッキからドローする。
慧眼の魔術師
ペンデュラム・効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1500/守1500
【Pスケール:青5/赤5】
(1):もう片方の自分のPゾーンに
「魔術師」カードまたは「EM」カードが存在する場合に発動できる。このカードを破壊し、デッキから「慧眼の魔術師」以外の「魔術師」Pモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。
【モンスター効果】
(1):このカードを手札から捨て、自分のPゾーンの、Pスケールが元々の数値と異なるカード1枚を対象として発動できる。そのカードのPスケールはターン終了時まで元々の数値になる。
曲芸の魔術師
ペンデュラム・効果モンスター
星5/闇属性/魔法使い族/攻 800/守2300
【Pスケール:青2/赤2】
「曲芸の魔術師」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのモンスターが効果で破壊された時に発動できる。Pゾーンのこのカードを特殊召喚する。
【モンスター効果】
(1):魔法・罠カードの発動が無効になった場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが戦闘で破壊された時に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。
「そしてペンデュラムゾーンの『ギタートル』を手札に戻すことで手札のスケール9の『蒼海の魔術師』をペンデュラムゾーンにセッティング」
『ギタートル』が消えると代わりにそこにはピンクり色の真珠が埋め込まれた杖を握る女性の魔術師『蒼海の魔術師』が現れた。
蒼海の魔術師(オリカ)
ペンデュラム・効果モンスター
星4/水属性/魔法使い族/攻800/守1900
【Pスケール:青9/赤9】
(21):カード効果によってダメージを受ける場合、Pゾーンのこのカードを破壊することでこのターンの間ダメージを無効にする。
(2):自分フィールド上のモンスターが破壊される場合に発動出来る。このカードを破壊することでその効果を無効にする。
【モンスター効果】
(1):自分のPゾーンにカードが発動している場合のみ発動できる。Pゾーンのカード1枚を手札に戻し、手札のこのカードをPゾーンに置く。
(2):1ターンに1度、互いの墓地に存在する魔法カードを1枚選択し発動することが出来る。この効果は相手ターンにも発動できる。
「これにより私はレベル3から8のモンスターを同時に召喚が可能となる。揺れよ黄昏を照らすペンデュラム、私に未来を見せよ!!ペンデュラム召喚!!手札からレベル4、『EMペンデュラム・マジシャン』、『EMロングフォーン・ブル』、レベル7『真紅眼の黒竜』、そしてエクストラデッキより甦れ二色の眼を持つ真紅のドラゴン『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」
天上に紅き光の穴が発生し、そこから流星のように4つの異なる色の光が私の前に降ってくる。そして光が収まるとそこには『EMペンデュラム・マジシャン』、頭部に受話器を乗せた紳士服を着た水牛『EMロングフォーン・ブル』、紅き瞳を持った可能性を秘めし黒龍『真紅眼の黒竜』、そして『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』が並び立つ。
EMペンデュラム・マジシャン ☆4 ATK1500
EMペンデュラムロングフォーン・ブル ☆4 ATK1600
真紅眼の黒竜 ☆7 ATK2400
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ☆7 ATK2500
「特殊召喚に成功した『ロングフォーン・ブル』と『ペンデュラム・マジシャン』の効果発動。『ロングフォーン・ブル』の効果でデッキから『EMフレンドンキー』を手札に加え、『ペンデュラム・マジシャン』の効果で自身と『ロングフォーン・ブル』を破壊しデッキから『EMジェントルード』と『EMヘルプリンセス』を手札に加える」
『ロングフォーン・ブル』が頭部の受話器を取り対応しようとしたら『ペンデュラム・マジシャン』にその首根っこを捕まれその姿を消した。その後、私の手札に3枚のカードが加わった。
EMロングフォーン・ブル
効果モンスター
星4/地属性/獣族/攻1600/守1200
「EMロングフォーン・ブル」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキからPモンスター以外の「EM」モンスター1体を手札に加える。
真紅眼の黒竜
通常モンスター星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000
真紅の眼を持つ黒竜。怒りの黒き炎はその眼に映る全てを焼き尽くす。
「ペンデュラム召喚したのにまだ手札が8枚も残っている!?」
遊矢くんは私の手札を見て驚いているようだがまだ私の展開は止まらない。
「私はレベル7の『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』と『真紅眼の黒竜』の2体でオーバーレイ!! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!!」
『『『『『なにっ!?』』』』』
私がエクシーズ召喚を行うことに遊矢くんたちランサーズのみんなが驚いた顔をする。
☆7+☆7=★7
『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』と『真紅眼の黒竜』がそれぞれ橙と紫色の光の球となって黒い渦の中へ飛び込むと黒い渦は様々な光を飛ばしながら爆発した。
「絶対零度の蒼龍よ、その冷たき氷の力で敵を凍てつかせよ!!現れなさい、氷を司りし二色の眼の龍、ランク7!『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』!!」
吹雪が荒れ狂う中を地面を砕きながら氷塊が現れると、その氷塊が砕け散り中から氷の鎧を纏ったドラゴン『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』が姿を現す。
オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン ★7 ORU2 ATK2800
オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/水属性/ドラゴン族/攻2800/守2500
レベル7モンスター×2
「オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時に、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。その攻撃を無効にする。その後、自分の手札・墓地から「オッドアイズ」モンスター1体を選んで特殊召喚できる。
(2):X召喚されたこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。エクストラデッキから「オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン」以外の「オッドアイズ」モンスター1体を特殊召喚する。
「さらに墓地の『貴竜の魔術師』の効果発動!私のフィールドの『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』のレベルを3つ下げることで墓地からこのモンスターを特殊召喚する。来なさい、チューナーモンスター『貴竜の魔術師』!!」
『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』の頭上に7つの星が浮かび上がったかと思えばその内の3つの星が消え、代わりに『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』の背に『貴竜の魔術師』が乗っていた。
貴竜の魔術師
ペンデュラム・チューナー・効果モンスター
星3/炎属性/魔法使い族/攻 700/守1400
【Pスケール:青5/赤5】
(1):もう片方の自分のPゾーンに「魔術師」カードが存在しない場合にこのカードは破壊される。
【モンスター効果】
このカードをS素材とする場合、
ドラゴン族モンスターのS召喚にしか使用できず、他のS素材に「オッドアイズ」モンスター以外のモンスターを使用した場合、
このカードを持ち主のデッキの一番下に戻す。
(1):このカードが手札・墓地に存在する場合、
自分フィールドのレベル7以上の「オッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターのレベルを3つ下げ、このカードを特殊召喚する
「チューナーモンスター、ということはまさか次は!?」
「えぇお察しの通りよ。私はレベル4となった『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』にレベル3の『貴竜の魔術師』をチューニング!!」
『貴竜の魔術師』がその手に握る杖の赤い宝石を輝かせ3つの光の輪となり、その間を『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』が4つの星となって潜ると光の柱となった。
☆4+☆3=☆7
「流星の力を帯びし焔の龍よ、その爆炎で我らに希望の道を切り開け!!シンクロ召喚!現れよ、炎を司りし二色の眼の龍、レベル7『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』!!」
光の柱が炎に包まれ炎の柱となったそれに宙から降り注ぐ隕石が衝突し、炎が掻き消えるとそこには紅き炎の鎧を纏いし二色の眼の龍『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』が咆哮を上げながら現れる。
オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン ☆7 ATK2500
オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星7/炎属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
「オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した時、自分のPゾーンのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを特殊召喚する。このターン、このカードは攻撃できない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はバトルフェイズ中にモンスターの効果を発動できない。
「魔法カード『融合』を発動!手札の『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』と『EMギタートル』で融合!!聖剣の輝きを秘めし二色の眼の銀龍よ、音楽を奏でる海亀と交わりて雷を纏いし翡翠の龍へと生まれ変われ!!融合召喚!現れよ、雷鳴司りし二色の眼の龍、レベル7『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』!!」
聖剣の輝きを持った『オッドアイズ・セイバー・ドラゴン』と『EMギタートル』が背後に現れた渦の中へと入り、渦が消えると同時に発生した雷雲を切り裂きながら4枚2対の翼を広げ、雷を模したような棘を緑の鎧に装飾し、鳥の嘴のような口よりズラリと並んだ牙を輝かせる二色の眼の龍『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』が姿を現す。
オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン ☆7 ATK2500
融合
通常魔法
手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。
オッドアイズ・セイバー・ドラゴン
効果モンスター
星7/光属性/ドラゴン族/攻2800/守2000
(1):このカードが手札にある場合、
自分フィールドの光属性モンスター1体をリリースして発動できる。手札・デッキ及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、「オッドアイズ・ドラゴン」1体を選んで墓地へ送り、このカードを特殊召喚する。
(2):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊する。
オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン
融合・効果モンスター
星7/風属性/ドラゴン族/攻2500/守3000
「オッドアイズ」モンスター+Pモンスター
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。
(2):このカード以外のモンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。自分のEXデッキから表側表示のPモンスター1体をデッキに戻し、その発動を無効にし破壊する。
「儀式、ペンデュラム、エクシーズ、シンクロ、融合・・・」
「1ターンに全ての召喚法を行うとはっ!?」
遊矢くんと権現坂くんは私はこの世界に存在しないリンク召喚以外の全ての召喚を1ターンに行った私に対して驚きを隠せていないが、攻撃はこれから始まるのだ。まずは
「『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』の効果発動!このカードが特殊召喚に成功した時、相手の表側攻撃表示モンスター1体を手札に戻す。さぁ主の元へ戻りなさい『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」
『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』は全身に電気の鎧を纏わせると、そのまま『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』に突撃し、地面に叩きつけると感電して力を失った『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』はその姿をフィールドから消して遊矢くんの手札へ戻った。
「くっ・・・!『オッドアイズ』!?」
「バトル。『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』で『超重荒神スサノ─O』を攻撃!この瞬間、『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』の効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、この攻撃を無効にする」
冷気を纏った『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』が『スサノ─O』に向かって突進を仕掛けるのに対して『スサノ─O』はその手に握る大薙刀で迎撃しようとしたが、両者の間に巨大な氷塊が地面から飛び出て来て思わず動きを止める。そして氷塊がひび割れ砕け散るとその中から『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』が唸り声を上げながら現れる。
オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン ORU2→ORU1
オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン ☆7 ATK2800
「『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』の効果で攻撃を無効にした後、墓地か手札から『オッドアイズ』モンスター1体を特殊召喚できる。私はこの効果で『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』を墓地から呼び戻しました。さらに速攻魔法『ダブル・アップ・チャンス』を発動!このカードは自分のモンスターの攻撃が無効になった時!そのモンスターの攻撃力を2倍にして、もう一度攻撃できる!!」
「「なんだって!?」」
「再び『スサノ─O』を攻撃!氷結のアブソリュートブレス!!」
オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン ATK2800→5600
ダブル・アップ・チャンス
速攻魔法
(1):モンスターの攻撃が無効になった時、そのモンスター1体を対象として発動できる。
このバトルフェイズ中、そのモンスターはもう1度だけ攻撃できる。この効果でそのモンスターが攻撃するダメージステップの間、そのモンスターの攻撃力は倍になる
一度は歩みを止めたかと思えた『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』だが、その全身の冷気を口内に一点集中させると絶対零度のブレスが『スサノ─O』を襲い、氷塊となった『スサノ─O』は粉々に砕け散り消滅した。
「くっ!俺は手札の『超重武者装留マカルガエシ』の効果をはつど───」
「無駄よ。『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』の効果でバトルフェイズ中に相手はモンスター効果を発動できないわ」
「なんだと!?」
権現坂くんが手札のモンスターの効果を発動しようとしたが、『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』から放たれる熱波によって遮られる。
「さぁ続けて行きなさい。『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』で遊矢くんにダイレクトアタック!!爆炎のメテオストリーム!!」
「くっ!?」
『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』がその口から隕石が混じった炎のブレスが遊矢くんに迫るが、遊矢くんは近くの光のブロックに飛び乗りそこにあったアクションカードを取る。
「アクションマジック『大脱出』をはつど───!?」
遊矢くんがアクションマジックを発動しようとした瞬間、『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』の瞳が輝き、その瞳に睨まれた遊矢くんは突然重りを付けられたかのように動きがにぶってしまう。
「『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』の効果によって相手プレイヤーはカード効果を発動する際にはライフを500ポイント払わなければ発動できない」
「な・・・!?くっ!俺はライフを500払ってアクションマジック『大脱出』を発動!これによりバトルフェイズを終了させる!!」
遊矢:LP4000→3500
大脱出(未OCGカー)
通常魔法 アクション魔法
(1):バトルフェイズを終了する。
「甘い!『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』の効果発動!1ターンに1度、エクストラデッキの表側表示のペンデュラムモンスターをデッキに戻すことでその発動を無効にして破壊する。私は『EMドクロバット』をデッキに戻して『大脱出』を無効にする。パラライズ・エッジ!!」
4枚2対の翼に電撃を集中させた『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』が空を飛び、その電気を纏わせた翼で遊矢くんが発動した『大脱出』のカードを切り裂き、その発動を無効にする。
「くっ・・・!まだだ!!俺はライフを500ポイント払ってアクションマジック『アンコール』を発動!!これで墓地の『大脱出』を発動してバトルフェイズを強制終了する!!」
遊矢くんはあと少しで『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』の攻撃が当たるところで隣の光のブロックに飛び移りアクションカードを取ってなんとか攻撃を防ぐことに成功した。
遊矢:LP3500→3000
アンコール(未OCGカード)
通常魔法 アクション魔法
(1):以下の効果かは1つを選択して発動できる。
●自分の墓地のアクション魔法カードを対象として発動できる。そのカードの効果を発動する。
●このカードを破壊する。
「残念。なら私はこれでターンエンド」
まぁこのターンで終わってしまっては彼らの実力を見ることも出来ない。ここは彼らの出方を見ることにしましょうか。
榛名:LP4000
手札:4枚(『EMフレンドンキー』、『EMジェントルード』、『EMヘル・プリンス』、『代償の宝札』)
フィールド:オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン(攻) オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン(攻) オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン(攻) オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン(攻)
魔法・罠:なし
Pゾーン:曲芸の魔術師 蒼海の魔術師
遊矢:LP3000
手札:8枚(うち3枚は『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』、『時読みの魔術師』、『星読みの魔術師』)
フィールド:なし
魔法・罠:なし
Pゾーン:なし
権現坂:LP4000
手札:4枚
フィールド:なし
魔法・罠:なし
Pゾーン:なし
榛名sideout
???side
「あらら~ちょっちやりすぎじゃねぇの、は~るなちゃ~ん?」
とある空間のモニターで榊遊矢と権現坂昇、遊城榛名による変則アクションタッグデュエルの映像を俺はコメディ映画を見ているようにポップコーン片手に見ていた。
「まぁここでそう簡単に潰れるようなたまじゃねぇから心配する必要はねぇか。潰す時はもっと苦痛に歪ませ生まれたことを後悔させなきゃなぁ?」
『相変わらずだな真月零いや、ベクター』
俺、ベクターが画面に映っている榊遊矢に対して睨むように見ていると後ろの扉を開けながら入ってきた銀仮面の男性が声をかけてきた。
「旦那か。旦那の予定通りランサーズの連中がこの世界にやって来たぜ。そっちの方は大丈夫そうなのか?」
「あぁ、彼らの協力もあって柊柚子とユーゴもまたシンクロ次元ではなくこの世界に飛ばすことも成功した。今は来たるべき聖戦に備え各々戦力を集める時だ。故にベクター、貴様もそのデュエルを見終えたら新たな仕事をしてもらうぞ」
銀仮面の旦那はそう言いながら懐から3枚のカードと黒いペンダントを渡してきた。ってコイツは!?
「おいおい!?コイツは『三邪神』にあの連中の魂を封じこんだペンダントじゃねぇか!?コイツで一体何をやらせるつもりだよ!?」
それは俺たちの切り札の1つでもある『三邪神』ととある盗賊王とある人物の闇人格など邪悪なる魂を持った連中が封じ込められたペンダントだった。そのあまりに俺たちにとって重要すぎるものを渡してきたことに俺が動揺していると銀仮面の旦那が説明してくれる。
『お前にはそれらを持ってエジプトのファラオの眠る場所へと向かってもらい、『三邪神』の強化と闇エネルギーの吸収、そして『三幻神』の復活をやってもらう』
「いやいや、無理だろ!?オリジナルの『三幻神』は復活させることは出来ないって言ったのはあんただろ!?」
『確かにオリジナルの復活は不可能だ。しかしそれに劣るがレプリカとしての『三幻神』を作り出す手段として、あのファラオの眠る場所に行く必要があるのだ』
銀仮面の旦那は何やら考えがあるようで自信がありげだ。まぁ『三幻神』の方は正直成功する気はしねぇがこっちの『三邪神』の方は何やらよからぬ事が起こりそうだから興味がありまくるぜ。
「いいぜ。旦那の頼みだから何か考えがあるってことは分かる。それに俺の仕事の方もいい感じに進んでるから余裕あるしな」
俺はチラリとこの部屋の片隅に置かれている機械の中でバリアンの力を浴びせているカードたちを見てから銀仮面の旦那の手から『三邪神』のカードとペンダントを受け取る。
『では失礼したなベクター。私はアルカに会ってからまた例の作業に戻る』
銀仮面の旦那はそう言うと用はもう無いと言わんばかりにまるで元からそこにいなかったかのように消えていた。
「さぁてよからぬ事を始めようじゃないか!」
俺はこれから巻き起こるであろう出来事と榊遊矢や柊柚子たちごこの先知るであろう真実を知った時の反応を思い浮かべ笑みを浮かべるのだった。
ベクターsideout
十代「今日の最強カードは『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』!!」
オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン
儀式・効果モンスター
星7/地属性/ドラゴン族/攻2800/守2500
「オッドアイズ・アドベント」により降臨。
「オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した時に発動できる。相手フィールドの魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。この効果の発動に対して、相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は500LPを払わなければ、カードの効果を発動できない。
刹那「このカードは『オッドアイズ』モンスターの中で2体いる儀式モンスターの内の1体で、特殊召喚成功時に相手の魔法・罠カードを全て手札に戻すのと相手がカード効果を使用する度に500のライフポイントを支払わせる強力な効果を持っている」
十代「『真紅眼の鋼炎竜』と並べれば1枚カードを発動する度に1000ポイントもライフが減るから4000ルールだとあっという間にライフが消えちまうな」
刹那「このカードを含めて『メテオバースト』、『アブソリュート』、『ボルテックス』はアニメに登場することはなかったが二次小説にて色んな人たちが使っている姿があるな」
十代「もしアニメで登場してたら方中ミエルがきっかけで召喚出来たかもな」
刹那「次回もよろしくな」
あとがき
こんにちは有頂天皇帝です。今回はオリキャラである遊城十代の義姉である遊城榛名が遊矢と権現坂に対して1VS2の変則アクションタッグデュエルの始まりとなりました。ルール的におかしいところがあったら教えて貰えるとありがたいです。『5D's』と『ZEXAL』のキャラも登場していますが彼らの活躍はまだ先なので次回は登場しない可能性もあります。そして最後に登場したベクターと謎の銀仮面は何を企んでいるか謎は深まるばかりですが頑張ってちゃんと書きます。最近遊戯王アニメをちょくちょく見ててARC-Vシリーズの一部の話見てアクションマジックで逆転するのは最初の方は特に違和感なく見れてたのに気づいたけど慣れないところもやっぱあるんだなぁって思いました。クイズデュエルと勝鬨のリアルファイトデュエル、オベフォのリンチデュエルは特に苦手です。いやこれはアクションマジックというより相手側に問題あったな。とりあえずアクションマジックだからって理由で批判してたかもしれないのでそういうのはできるだけやめようと思います。読んでくださってる方々の中でもし不快に思っていた方がいたら今まで申し訳ございませんでした。次回はデュエルの続きとなりますのでよろしくお願いします。
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