早死にした俺がダンまちの世界で最強になる (岬サナ)
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プロローグ

拙い文章だと思いますが、読者に楽しんでもらえるなら嬉しいです♪


そこはオラリオ、神々や冒険者たちが住む一つの都市である。

 

そこには天にも昇る塔バベルがあり、バベルの下にはオラリオの象徴たるダンジョンが存在している。

 

そのダンジョンが存在するバベルの元に一人の青年が歩いている。

 

「ここがオラリオか」

 

青年は銀髪に赤眼で170センチ程の身長をしていた。

 

「時期的にはベル・クラネルがミノタウロスに襲われる1時間前って要求したしな。6層で張ってたらミノタウロスの何体かは来るかな?ベルの所も気になるけどベートに会うにしても酒場での方が都合がいいしな」

 

青年は一人でダンジョンに潜る。

 

「転生した人生を楽しませてもらおうか」

 

彼は前世で死に、神のイタズラで新しく命を得て転生した転生者だから。

 

……あれはイタズラに入るのだろうか?

 

 

────時は少し遡る

 

 

 

「……ここは?」

 

俺は目が覚めたら、市役所の相談窓口のような所に座っていた。

 

「いや、本当に何でだよ!」

 

「落ち着いてくださいね」

 

俺が少し取り乱していると前方から声をかけられた。声が聞こえた方を向いたら、一人の男が座っていた。

 

「アンタは誰なの?」

 

「一応、簡単に言うと死神に近いですかね」

 

俺の前方に現れた男は死神に近い存在と言った。

 

「俺は死んだのか?」

 

「そうですね。寿命で死にましたね」

 

「俺の寿命早くない‼️」

 

俺はまだ20歳になる前程度しか生きてないんだけど!

 

「人の寿命はアミダで決まった寿命ですからね」

 

アミダで決まられるの⁉️そこにも驚くよ!

 

「アミダで20歳以下が出るのはレアなんですけどね」

 

「そんなレアは要らないよ!」

 

嫌なレアだな、おい!

 

目の前の男は一枚の用紙を俺の前に出した。

 

「なので転生してください」

 

「はい?」

 

理解が追い付かなくなった。

 

「説明しますとアミダで決まったとはいえ20歳以下で死んでしまうのは辛いだろうから、この結果になった人には新しく転生させるって取り決めになってるんですよ」

 

つまり早くに死ぬから変わりに死んだ後に転生させますよって事か。

 

「それは行ける世界は決められるのか?」

 

「話しが早くて助かります」

 

死神の男はそう言って箱を取り出した。

 

「これは?」

 

「これから行く世界を決めるクジですね」

 

「クジで決めるのか⁉️」

 

そこまでクジ系列で決める執念は何なんだよ!

 

「一応クジの中に入ってるのは、貴方が生前に気に入った世界だけですよ。先に言うなら、決まった行き先の変更は出来ませんので」

 

「一発勝負か」

 

俺は、この一回が大事だと悟ってクジの入っている箱に手を突っ込んだ。

ガサガサと箱の中を感覚と調べたら紙が多く入っているのが分かる。

 

「これだ!」

 

俺が箱の中から取り出した紙には、ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか⁉️っと書かれていた。……つまり、

 

「ダンまちの世界か」

 

ある意味では嬉しい世界でもあるけど生きていけるか心配だ。

 

「次は転生先に持っていく特典を決めましょうか」

 

「え?特典とか選べるの?」

 

死神の男は転生特典が在ることを告げた。

 

「行く世界によっては速攻で死ぬ世界もありますからね。輪廻転生なら特典とかは無いですけど、このアミダで選ばれた人には渡す事になっているので」

 

確かにこれなら前世で20歳以下で死んでもレアな部類に入るかもしれない。

行きたい世界を自由には選べないけど、本人も好きな世界の内のどれかが当たることを考えれば許容範囲だろう。

 

「この用紙に書いてくださいね」

 

死神の男が出した用紙には五つの空欄があった。どうやら俺が得られる特典は五つのようだ。

 

「こういうのって先に決めるとかじゃないんだな」

 

俺が死神の男に聞くと。

 

「それをしてしまうと転生先次第では完全に無駄になってしまうかもしれないからね。先に転生先を決めてから特典を決めるんだよ」

 

確かに平和な日常系の世界に戦闘バリバリの特典を持っていけても無意味に近いしな。世界を破滅させる悪魔になる使い道しかなそうに見えるしな。

 

 

スラスラカキカキφ(..)

 

 

「これを頼む」

 

死神の男は俺が書いた特典を見て、

 

「良いですよ。これで通しておきますね」

 

OKを出した。

 

「では、次に転生する世界の行きたい時期は何時ですか?」

 

「時期も選べるんだな」

 

「このアミダに当たった人の要望が多かったので選べるようになりましたね」

 

やはり、寿命のアミダに選ばれた存在は俺以外にも居たようだ。

 

「気になったんだけど、この転生で選ばれた人ってどのくらい居るんだ?」

 

「100万くらいある数の世界で200年くらいしてますが、大体10個ある世界の内に1人か2人ですね。勿論、他の転生者と行き先が被っても、その世界には他の転生者はいませんよ」

 

100万ある内の10個の世界時間200年で1人か2人なら少ない方なのかな?

だけど、転生先で他の転生者がいないのは良いな。そいつと衝突する可能性が無くなるからな。

 

「なら、ダンまちの最初の場面であるベルがミノタウロスに襲われる1時間前に頼む」

 

死神の男は俺の要望を聞き、俺の特典を確認した後に言う。

 

「特典の確認も含めてで大丈夫ですか?」

 

「それで大丈夫です」

 

「なら、今から貴方にとっての新しい世界に送ります」

 

死神の男は立ち上がり、手をこちらに向けると俺の足元に魔法陣的な物が顕れる。

 

「それでは良き第二の人生を、雪代(ゆきしろ)夜行(やこう)さん」

 

それを最後に聞き、俺はその場から消えた。

 

 

────時は戻り

 

この世界に来る前の事を思い出しながら、俺はダンジョンに足を踏み入れていた。

 

「さて、行きますかな」

 

特典の力を使い、俺はその場から消えたようにダンジョンの奥へと進んだ。

 

 

 

 




次は1時間後に更新します!

ステータスやスキルとか名称とかは独自で判断してる部分もあるのでご容赦ください。


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ベルを見つけた

サブタイって考えると難しい物もありますよね。

1話1話のサブタイを考えるのも苦労します(^_^;)


俺はバベルの長い螺旋階段を降りた先に存在するダンジョンに居た。

 

「マップの見方はっと」

 

俺は特典の一つであるマップの機能を使い、マップの性能と一緒にダンジョンを調べる。

 

マップは俺が足を踏み入れた場所と視界に入った部分を表示するタイプだった。

 

「これだと5階層の事までは分からないな」

 

俺はマップの特典とは別の特典であるマーケット機能を起動して、リルを払い5階層までのマップを購入した。

このリルに関しては後で説明するとしよう。

 

「これで5階層までは迷わずに行けるな。ん?」

 

俺はマップを見ながら進むと赤点の表示3つが此方に近付いて来るのが分かった。

俺はそこで止まり、赤点の確認をする。

 

「やはりモンスターか」

 

マップの赤点は、予想通り敵モンスターの表示で合ってるみたいだった。

 

「全部ゴブリンか」

 

俺の前に現れたのはダンジョンでも最弱と言われているゴブリンだった。

 

「さて、俺の特典の確認の相手をしてもらうかな」

 

俺は数匹のゴブリンの元に一瞬で距離を詰めた。

距離を一瞬で詰めたように戦いも一瞬でケリが着いた。

 

一瞬でゴブリンに近付いた俺は、その速度をしっかりと認識し行動出来た。

そして、一瞬の合間に殴り飛ばし蹴り飛ばしてゴブリンを消滅させた。

 

「特典で得た性能を考えたら当たり前だよな」

 

俺は自身の力の確認をし、魔石を回収してからマップに表示されている次の階層に行ける階段を目指して歩き始める。

 

「多少は余裕を持たせてるけど早めに6階層に行って何匹かのミノタウロスはこっちで相手にしたいな」

 

俺はロキ・ファミリアが逃亡を許したミノタウロスを相手にするべく下の階層に向かっていた。

 

何やかんやで6層まで来てしまった。来る過程でモンスターと何回か遭遇したが全て瞬殺し、魔石に変えた。

 

「ここら辺りで待つとするかな」

 

俺は近くにある丁度いい大きさと形をしている岩に座り、ミノタウロスが昇ってくるのを待つ。

 

「それにしても選んだ転生特典は当たりだったな。この感じなら深層に行っても全くの問題も無いな」

 

実際に、この世界の基準レベルを大きく超える力を得た以上、この世界で夜行に敵う存在はいない。

 

そんな風に夜行が思考していると重量のある物を落としたような振動が何回も起き、段々と発生源が近付く気配がした。

 

「来たか」

 

 

「「「ブモォォォォォ!!」」」

 

夜行の前に現れたのはダンジョンのモンスターの代表格たるモンスターのミノタウロスだった。

 

ミノタウロスの実力はオラリオの冒険者がレベル2からで無いと話しにならない力を秘めている。魔導士のような後衛タイプの冒険者ならばレベル3は最低でも必要となる。

 

ミノタウロスは本来ではダンジョンの中層にいるが、ここにはロキ・ファミリアが手違いにより逃がしてしまい、初心者冒険者が多数いる上層にいた。

 

「素早く終わらせてもらうよ」

 

俺はそう言い、両腕から3本ずつぶら下げている≪紅蓮鎖獄の看守(クリムゾンデッドキーパー)≫の内、片方の腕にある3本をミノタウロスに向けて放つ。

 

「「「ブモォ⁉️」」」バッ!…ボオン

 

「これで終わりっと」

 

俺は放った≪紅蓮鎖獄の看守≫を引き戻した。

 

「他にはいないかな?」

 

俺はミノタウロスを片付けてミノタウロスの魔石を特典の一つであるアイテムボックスに仕舞い、マップを確認した。

 

「ミノタウロスの反応が2体いるな。このミノタウロスのどちらかがベルとアイズとの出会いの切っ掛けか」

 

マップを確認する限り、件のミノタウロスはもうすぐここを通るので俺は姿を見せないようにする為に≪紅蓮鎖獄の看守≫をダンジョンの天井に突き刺して上に上がった。

 

暫くすると、先ほどの3体と同じようにロキ・ファミリアの恐怖に襲われたミノタウロスの2体が急いだ勢いで5階層に登る階段を駆け上がった。

 

「スゲー怯えようだな」

 

むしろベルが襲われるまで他の人が接触しなかったのが奇跡な程だな。

 

「お!来たか」

 

俺はマップを見ていながら確認をしたら中々の‥‥多分中々の速さで動く存在を2つ感知した。

 

AGIを意識して見たら、走り去る灰色の狼男と金髪の少女がゆっくりと見える。

 

(あれが、アイズ・ヴァレンシュタインにベート・ローガの2人か)

 

アイズとベートはこちらに気付く様子もなくミノタウロスが向かった5階層へと姿を消した。

 

「匂いか風の感知で気付かれるかとも思ったが、レベル差か実力が足りないのか全く気付かないレベルか」

 

この世界で一級と呼ばれる冒険者の2人が急いでいるとはいえ俺に関しての事で察知出来ないのを見て、俺は障害は一切無いと判断した。

 

「これだと敵の方に期待した方が良いかな?」

 

夜行はそう呟いて、自身も5階層に向かう。

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁ⁉️」

 

距離が開いているのに大きな声が聞こえてきた。これがベル・クラネルとアイズ・ヴァレンシュタインの邂逅であり、主人公が恋に落ち様々な人を救う為の前章だった。

 

「まぁ、俺という原作にいない存在がいるから世界の歴史も道筋も変わるかもしれないけどな」

 

そう言って俺は悲鳴が聞こえた方に足を進めた。

 

暫く歩いていると、マップの表示に次の曲がり道から走ってくる存在を確認した。

 

「だぁぁぁぁぁ‼️」

 

その通路の前に真っ赤な存在が走り去っていった。その存在が通り過ぎた後には血が転々と染み落ちていた。

 

「つまり、あれがベルか」

 

原作で知っているとはいえ、本当に血塗れの状態でギルドまで行くのか。

あのパニクって叫んでる状態から満面の笑顔で手を振る状態になるのかは疑問に思うが、そこは気にしない方がいいだろう。

 

「確認したい事も確認出来たし、魔石を換金したら俺も戻るかな」

 

換金すると言ってもギルドで換金するわけではない。

 

「それよりも重要なのは寝床の確保だな」

 

俺はダンジョンの外に出るために足を進めながら考えていた。

 

 

 

このオラリオには宿屋等も存在はするが安全性や機密性が圧倒的に欠けている。

それなら何処かのファミリアに入ればいいのだが、俺自身がファミリアに入るつもりが一切無いのだ。

 

有名な所で考えるなら最大ファミリアであるロキかフレイヤ、最大ではないが誰もが知っているヘファイストスやガネーシャにゴブニュ等のファミリアがある。

 

それに規模を考えず神柄のみで考えるならば、ヘスティアかミアハの所に入ればいいのだがファミリアに入るとギルドの規律に縛られるし、何より他のファミリアからの追及等がある可能性もあるからファミリアに入ることは止めておきたい。

 

「そうなると宿変わりの場所を提供してくれて無闇に詮索してこない所を考えると、あそこが最有力になるな」

 

俺は自分の現状で面倒な詮索が無いと確信を得ている、最も信頼出来る場所を選ぶ。

 

「ロキ・ファミリアの宴会までは1日の猶予があるし、それまでに交渉出来たら大丈夫だな」

 

そして夜行はある神を探しにオラリオの街中を歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




また次の更新は1時間後にしてます。


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街の散策と住み処

今回の話しも楽しんでくれたら嬉しいです♪


あれから寝泊まりするための場所を確保しようと動いた。

最悪の場合は日を跨ぐ事を考えていたのだが、思いのほか早くに目的の神を見つけた俺は神に交渉して寝床の確保に成功した。

 

団長さんと神様には大量のヴァリスを前金として渡したのが良かったのだろう。神様の方は別に金は要らんとか言っていたが、流石にそれは俺としても良心が痛いので受け取って貰ったが……。

 

「時間もある程度は空いたからな。街でも見て回るかな」

 

今のうちにベルの奮起するであろう場所の豊穣の女主人が何処にあるのかを知っておくのも大事だと考えて探していた。

 

「流石はオラリオ、昨日も思ったけど結構な人がいるな。これは探すのは一苦労だな」

 

まだ朝の早い時間だが、もうオラリオには起きて様々な行動をしている人達がたくさん居た。

中には、これからダンジョンに潜る為に装備を付けてバベルの方に向かう人も何人もいる。

 

「そういえば、鑑定のスキルを使って無かったな」

 

俺は特典の持っている力である鑑定眼のスキルを使用してダンジョンに向かう冒険者のレベルを見た。

 

(やっぱり大半がレベル1か2って所か)

 

予想していたとはいえ、大半のレベルは低くステータスも低かった。

 

「まぁダンジョンにいるモンスターを倒した経験値が少なすぎるからレベルが低いのも当然か」

 

実際に昨日、俺がモンスターを倒した後に経験値を確認したら驚くことにモンスター1匹に付き経験値は1しか上がってなかった。

本当に最低限の経験値しか獲得出来なかった。

 

こっちのレベルが高くモンスターのレベルが低い事も関係があるだろうがかなりの低さだった。

 

「そろそろかな」

 

俺は暫く歩いていると目的の場所である豊穣の女主人の近くまで来ていた。

 

場所を確認したので離れようと思ったら、店の近くでベルと女の子が喋っているのが見えた。

 

「あの女がシルか」

 

客引きの場面を見てしまったようだ。後でベルが料理人が無くほどの大食いと嘘の事を言われる未来が確定した瞬間でもある。

 

「哀れベル」

 

俺はベルに心の中で合掌した。

 

「……ここでベルと知り合っておくのも良いかもしれないな」

 

俺は、今夜発生する酒場の件に参加する事を考えて今の内にベルと接触しようかと考えた。

 

俺はベルのいる方に歩いていく。

 

「おっと⁉️」

 

「うわぁ‼️」

 

予想通り、俺とベルは互いの体がぶつかった。

 

「あ、すみません!」

 

ベルはこちらにぶつかったのが分かり、すぐさま謝罪をした。

 

「いや、大丈夫だよ。そっちも大丈夫か?」

 

「はい!大丈夫です!」

 

「そうか。なら、良かった」

 

ここで俺は原作の主人公であるベル・クラネルと邂逅した。

 

(それにしても本当に髪と眼を見たら、兎を連想させられるな)

 

「本当にすみません!」

 

「いいよ。別に怒ってるわけではないからな」

 

「は、はい」

 

「え~と、君は…」

 

「あ、僕はベル・クラネルと言います」

 

「よろしくベル。俺は雪代夜行だよ。こっちでは夜行・雪代って言うのかな?」

 

俺とベルは互いに自身の名前を名乗りあった。

 

「その読み方だと極東の出身の方ですか?」

 

「まぁ、そんな所かな」

 

俺はベルに聞かれた質問に断言をせずに答える。これでベルがヘスティアに言って、ヘスティアが俺に聞いてきても巧く誤魔化せる。

 

「まぁ気軽に夜行って呼んでくれていい」

 

「分かりました。僕もベルで大丈夫です」

 

「分かったよ。ベル」

 

これでベルと知り合うという目的を果たしたので戻ることにした。

 

「それじゃ、俺は予定があるから失礼するよ」

 

「あ、はい。時間を取らせてすみません!」

 

「別にいいさ」

 

夜行はそう言ってベルと別れた。これでベル・クラネルとの邂逅が済んだ。

ベルはアイズ・ヴァレンシュタインとの出会いでレアスキルに目覚めて、人工的な偽物の英雄ではなく本物の英雄になる為の道を歩み始める。

 

ここからある美の女神がベルを自分の物にする為に色々とするが、それもベルが成長する切っ掛けになる。

 

流石に、この短い接触だけで俺も目をつけられる事は無いと思いたい。例え、それがプラスだろうとマイナスだろうと嫌なのである。

 

「君が成長しないと救えない者もいる。…だから頑張って成長しなよ。ベル・クラネル」

 

俺は原作に対してどう動くか考える。

 

(最初のシルバーバックは無視してもいいだろう。あれはベルが歩む確かな一歩だからな。同時期にある闇派閥(イヴィルス)の尖兵の食人花には介入するか)

 

俺は上手くいけばロキに多大な恩を売れると考える。ベルの方に介入しないのは必要が無いのもそうだが、面倒な美の女神に目を付けられたくないのが大きい。

 

「まぁ、それよりも先に今夜のイベントには絶対に介入するしな」

 

そう俺は今夜、豊穣の女主人で起こる原作においてベルが決起する重要な場面に立ち合うのは決めていた。

 

「絶対にベートをぶっ飛ばすのは確定として、後はフィンとロキに対して釘を打っとかないとな」

 

俺の予想通りに嵌まれば、大手ファミリア以外に強い牽制を与えられる。

故に何としても実力差を分からせないといけない。

 

「そろそろ寝床に戻るかな」

 

 

今夜の予定を決めた俺は寝床として住まわせてもらえるように頼んだ場所に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇───────

 

キィーッ

 

「あぁ、お帰り」

 

「帰ってきたか」

 

「今、戻ったよ。ナァーザさん(・・・・・・)ミアハさん(・・・・・)

 

俺が神格や説明などの観点から頼ることを決めた場所はミアハ・ファミリアだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今日はここまでです。

まぁ今日はって言うけど、そこまでストックがあるわけではないけどね( ̄▽ ̄;)アハハ


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特典詳細とエンブリオのメイデン

自分の妄想の塊とはいえ、こうして書き上げる楽しさは最高ですね♪

少ないストックですが、更新します。


昨日、俺が考えた末に選んだ神はミアハさんである。

彼はダンまちの原作においても神格者であり、頭が可笑しい神が多い世界で数少ないであろう常識神である。

 

彼も熱烈なファンや他数名にも癒しと呼ばれるレベルで優しさレベルが高い。知っている中で考えうる限り常識神トップ3には確実に入ってると断言出来る。

 

確かにミアハ・ファミリアには借金があるが、それは俺自身が稼いで家賃としてファミリアに払っていけば早期に返済も可能だ。

 

「夜行よ。どうだったオラリオは?」

 

「面白い所ですね。いい神にも会えましたし、ここでやっていく分には何の問題も無いですね」

 

「うちに借金あるって知ったら出ていくと思ったけどね」

 

ミアハさんの質問に答える俺にナァーザさんが自虐に言うが、そのくらいなら俺は許容範囲内である。

 

「これナァーザ、そんなことを言っては夜行に失礼であろう」

 

「大丈夫ですよ。宿無しに宿を貸してくれてる時点で俺は助かってますから」

 

神は下界の子供の嘘が分かるという能力があるから、俺はミアハさんや他の神が居るところでは嘘を言わないように言葉に気を付けている。

 

「構わぬよ、困った時はお互い様というやつだ。気にする必要はない」

 

「ありがとうございます」

 

少し話しただけでも分かる。ミアハさんはガチで良い神だと言える。

ナァーザさんに色々と聞かれて答えても問題ない部分だけ答えて、答えられない質問をはぐらかしたように答えても俺の事を信じてくれた。

 

「はぁ、家の主神はこれだから」

 

自分の主神に悪態を付いているようにしか聞こえないが、実際にナァーザさんを見ると口元が少し上がっているので満更でもないのだろう。

 

「取り敢えず夕方くらいにまた外に出るから、それまでは部屋で休むよ」

 

「……ダンジョンに行くの?」

 

「いや、外食でもしようと思ってな」

 

「……そう」

 

ナァーザさんの質問に答えるもダンジョンでないと知ると、こちらから視線を外した。

まぁ、せっかく家賃とはいえ定期的に金を入れてくれる存在が早々に死んだら困るって部分もあるのだろう。

 

「分かった。しっかりと休んでくれ」

 

ミアハさんからの労いを聞き、俺は自身に与えられた部屋に戻った。

 

 

 

◇────────

 

「さてっと」

 

俺は特典の力で購入したベットに腰掛けて身体を休める。

 

「それにしても転生なんて事を実感する日がくるとは夢にも思わなかったな」

 

やはりと言うべきか、いくら望む力を得て好きな世界への転生とはいえ、精神的には死んだ実感が余り無くても生まれた世界がガラッと変わるのには精神的疲労は感じてしまう。

 

「気を取り直して転生特典の確認でもするかな」

 

俺は自分が得た転生特典をゲーム画面の様なホログラムを投影して確認すふ。

 

 

俺が転生して貰った特典の5つは、

 

①インフィニット・デンドログラムにいる人の25人分の力を得る。※但しメインとして使えるのは1人分。

 

これには、その人の職業(ジョブ)、職業レベル、各種技術、ステータス、リル、スキル、エンブリオ、武器防具、UBM特典、アイテム各種の全てを含めてである。

これにより俺はフィガロをメインにして探索して楽々と往復を可能にした。

 

例え、フィガロの力を使っている状態で死んでも、フィガロの力関係が72時間使えなくなるだけで他の人の力は使える。これはデスペナルティの現象が残っているからだろう。

逆にティアンの人間の力を使っている状態で死んだら、俺自身は死なないがその人の力は永続的に使えなくなる。

 

②マップとアイテム収納画面。

 

これのお陰で俺はモンスターを討伐した時に、魔石やドロップアイテムの回収する為に動かなくても勝手に回収が済んでいる。

 

③買い物画面。

 

これを使ってデンドロにいる人が所持していたリル(金)をオラリオのヴァリスに同額変換したり、俺の前世の食べ物や娯楽品、それにデンドロのアイテムや武具も購入が可能だ。

 

これの力を使ってダンジョンの5階層までの地図を購入した。

後は緊急時を除いたら夜行自身が埋めようと考えている。

 

④特典の武具、アイテムの消費、消滅したら24時間後に復活させる。

 

これでフィガロのエンブリオの必殺スキルを使用しても特典武具が消えることは無い。

実際はシステム内で24時間のクールタイムを使って消滅した状態から消滅しなかった状態にシステム内で変えてるのが真実だから消えることは無いとは言わないのかな?

 

⑤不老。

 

これについては名の通りとしか言えないな。前ではそんなに長生きをしなかったので、こっちでは長く生きたいから望んだ。

不死にしていないから死のうとしたら死ねるようにした。

 

 

俺は転生特典を改めて確認したがチートにしたな~。っと他人事のような感想を抱いた。

 

「新しい人生なんだから楽しまないと損だしな!」

 

俺は身体をベットに倒して、この後の夜の事を考えた。

 

「このままフィガロの状態でもいいけど、折角だから他の人の力も使ってみたいしな」

 

俺自身としては、フィガロの力だけでもオラリオでの無双は簡単に出来てしまうけど、それでもせっかく自分が望んだ力を手に入れたのだから色々と試してみたい。

 

「それとは別にやっておきたい事もあるしな」

 

俺はゲームのコンソールと似たものを目の前に出現させる。

そこで俺は自分の名の下にある、現在メインに設定して使っている人物の所を操作する。

 

俺の現在の職業に関する部分の表示はこうなっている。

 

――――――――――――――――――――――

<雪代 夜行>

 

メイン

フィガロ【超闘士】

 

所持ヴァリス=171万3250ヴァリス

 

――――――――――――――――――――――

 

このコンソールは俺が表示したいことだけを考えたら、名前とその世界の金以外は表示を消せる使用だ。

 

取り敢えずで200万リルをヴァリスに換金した分と先ほどダンジョンに潜って討伐したミノタウロス含めたモンスターの分を合わせて、そこから30万ヴァリスを家賃として渡し差し引いた分にマップ購入分を減らした額がこれである。

マップ代金に2万5000も費用として掛かったけどな。

 

俺はここからメインの部分を変更する。

 

 

     『フィガロ』⇒『ベヘモット』

 

 

フィガロからベヘモットに変更した。これにより就いているジョブも【超闘士】から【獣王】に変化した。

 

「当たり前だけど、エンブリオの紋章も変わるんだな」

 

俺の左手にあるエンブリオの紋章の形が『獅子の頭』から『恐竜の頭蓋骨』に変わった。

これで俺は物理最強の二つ名を持つベヘモットの力に変わった。

 

「エンブリオはメイデンに変わったし、もうこれで会話は出来るんだよな?」

 

『えぇ、そうです』

 

俺の呟きに答える声が聞こえた。

 

「君は怪獣女王レヴィアタンでいいのかな?」

 

『その通りです。夜行』

 

「表にも出られるんだよな?」

 

俺がそう聞くと左手の紋章から光が溢れだし、俺の目の前で人の形に纏まっていく。

光が消えた後には1人の少女が立っていた。

 

「初めまして、夜行。貴方のエンブリオtypeメイデンwithガーディアンのレヴィアタンです」

 

かのインフィニット・デンドログラムにおいて西方三国最強と言われたマスターのエンブリオのレヴィアタンが、今俺の目の前にいる。

 

 

 

      『怪獣女王レヴィアタン』

 

 

 

彼女のエンブリオの特性は普通のエンブリオと違い、ただある一つに全てのリソースを捧げている。

typeメイデンやアポストルが覚える≪紋章偽装≫やエンブリオが絶対に覚える≪必殺スキル≫を除くスキルやマスターへのステータス補正を含めた全てのリソースを自身のステータスに割り振っている。

 

「レヴィアタンの記憶とかはどうなってるんだ?」

 

「レヴィで構いません」

 

「分かったよ、レヴィ」

 

自分に対する俺の呼び方を直させてレヴィは説明する。

 

「基になった存在の事は知識として知っているような物ですね。彼女と同種の存在と力はありますが私自身の確固たる意思はあります」

 

「そうか。ありがとう」

 

「いえ」

 

俺はレヴィの左手を確認したが、そこには≪紋章偽装≫で作り出している紋章があった。

紋章の形は一緒であるみたいだった。

 

「取り敢えず、行きたい所があるから一度戻ってくれるか?」

 

「夜行がわざわざ相手をしてあげる意味があるのかは分かりませんが、また呼んでください」

 

「外に出たら早めに呼ぶよ」

 

俺の言葉を聞いたレヴィは、体が現れた時と一緒で全員がすぐに光に包まれて俺の左手の紋章の中に戻った。

そして、俺は物語の分岐点である店に向かい、ベートの心を抉りに行くために部屋を出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




特典の詳細ってありますけど、25人全ての名前は現時点では判明させません。


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豊穣の女主人

今回はベートに対して結構辛辣な考えを持ってます。

ベート好きな人は今回から数話は多分辛いと思う。
アンケートを追加しました。


俺は夜になる時間に目的の場所である豊穣の女主人の店まで相棒のエンブリオのレヴィと一緒にやって来た。

 

「ここですか夜行?」

 

「ここが目的の場所だよ」

 

俺はそう言って店の中に入る。そしたら店員が声をかけてくる。

 

「いらっしゃいませにゃー」

 

「2人なんだけど席はあるか?」

 

「ありますにゃー」

 

語尾ににゃーと付けているから、アーニャかクロエのどちらかだろうな。

そうして席に案内されて俺たちは座る。

 

「注文が決まりましたら、呼んでくださいにゃー」

 

「さて、何にするかな?」

 

「私は何でも構いませんよ」

 

俺はレヴィの食癖を知っているから彼女の何でもと言った理由も知っている。

人型になるエンブリオには基本的にある特徴がある。全員が食事をする時に何かしらのルール、拘り、決まり事、癖、言い方は色々とあるが『それをしないと食べない』か『それしか食べない』というものが存在することだ。

 

レヴィの食癖はマスターと一緒でないと食べないというものだ。

 

「すみません」

 

「はい、何でしょうか?」

 

俺が呼んだ店員はエルフの少し尖った耳が見えることから彼女がリュー・リオンなのだろうと理解した。

 

「これとこれを2人分お願いします」

 

「承りました」

 

そう言って彼女は離れて厨房の方に向かい注文をミアさんに伝えに行った。

 

 

 

 

 

その後に、俺とレヴィは出来上がった料理を互いに食べながら時間が過ぎるのを待った。

 

「いらっしゃいませ!」

 

店に誰かが来店してきたので見ると、ベル・クラネルが入ってきた。

 

「来ましたね」

 

「あぁ」

 

レヴィの確認に俺は肯定して返事を返す。彼はシルによって席にまで案内され、ミアさんと話している。

 

「フフ、店主を泣かせるほどの大食いって嘘を付かれたと理解したな」

 

俺は内容を知っているが面白いから加勢せずに見ていた。

後にベルは普通に席に座り、料理を楽しんでいる。

 

その時、

 

「ご予約されていたお客様がが来ましたにゃー!」

 

運命の歯車が動き出す未来が確定した瞬間であった。

 

「おいおい結構な上玉がいるぞ!」

「バカ、エンブレムが見えないのか⁉️あれはロキ・ファミリアだ!」

「あれが二大ファミリアのロキ・ファミリアかよ」

「って事は、あれが【剣姫】かよ」

「あっちが【勇者(ブレイバー)】か」

 

ロキ・ファミリアの入店に店内にいる客の大半はそちらに注目している。勿論、ベル・クラネルもその一人である。

 

「遠征お疲れ様ーー!」

 

『お疲れ様ーーー!!!』

 

主神のロキが音頭を取り、遠征帰りの彼ら彼女らは飲み食いが始まる。

 

「・・・・」

 

「どうしたんですか夜行?」

 

「いや…鑑定して見たら、他の人よりかはレベルは高いけどそこまでだなって思ってな」

 

「有象無象の中の猿山の大将にさえなれない程度で満足してる連中などそんなものでしょう」

 

周りの騒ぎ声で俺とレヴィの会話はロキ・ファミリアはもちろんのこと、周囲の人にも聞こえている人はいない。

俺はベルの方を見ると、やはり隠れているようだ。隣のシルがいるから簡単に場所の発見が出来た。

 

「この時にしか見れない。絶対に見逃せない事があるからな」

 

俺がそうレヴィに言った後、ロキ・ファミリアの席の方から笑い声が聞こえた。

 

「そうだ、アイズ!お前あの時の話をしてやれよ!」

「?……?」

 

狼人のベート・ローガがアイズ・ヴァレンシュタインに話を振るが、アイズ本人は何の事かが分からないのか首を傾げていた。

 

「あれだよ!五階層まで逃げたミノタウロスに襲われてたトマト野郎の事だよ!」

「っ⁉️」

 

ベートの言葉に何を聞かれたのかをアイズは理解してしまった。

 

「それって十七階層で逃げ出した奴?」

「そうだ!奇跡みたくドンドン上に上がった奴だよ。こっちも遠征帰りで疲れてたのによ!」

 

アマゾネスのある部分がAくらいの女──彼女がティオナだろうな──が質問し、ベートが正解を言ったからか気を良くして更に口が滑る。

 

「その時にいたんだよ!如何にもひょろくせぇガキがミノタウロスに追い詰められてよ!」

 

ベートが酔っていて更にベルを見下す言葉が出続ける。

 

「ふむ、その冒険者は助かったのか?」

 

「あぁ!うちのお姫様が間一髪で細切れにして助けたよ!」

 

襲われた冒険者の安否をベートに聞くドワーフのオッサン――多分あいつがガレスだろうな―─に景気よく答えるベート。

 

「それで助けられたそいつはうちのお姫様を前にして逃げたんだよ!」

「恐がらせてまうアイズたん萌え~‼️」

『あはははは!』

 

ベートの言葉に周りも感化されて笑い者にする。笑い者に出来る立場ではないのにだ。

逆に自分達のミスをここまで盛大に暴露できる精神に驚くくらいだ。

 

「久々に見たぜ!あんな情けない奴をよ!あんな奴がいるから俺たちの品位まで下がるんだよ!」

 

ハッキリと言うなら今のお前の言葉と態度で品位なんて物は欠片も存在しないし、むしろお前が下げてるとしか言いようがないと気付かないのか?と疑問に思う。

 

「口を閉じろベート。ミノタウロスは私たちが逃がしてしまった失態だ。その冒険者に謝罪はすれど酒の肴にしていい理由ではない。恥を知れベート」

 

さすがにこれ以上の発言はどちらに対してもダメと判断したのだろう。ハイエルフの女性、リヴェリアがベートに叱り付ける。

 

「おーおー。高貴なハイエルフ様は雑魚にもお優しい事で!だがな、雑魚を雑魚と呼んで何が悪い」

 

「あの言葉には同意しますね。雑魚は何をしても雑魚ですから。まぁ言ってる本人も対して強くもない雑魚ですが」

 

ベートの雑魚発言に同意を示すレヴィ。

彼女からしたら貶されてるベルも貶してるベートも、更にはこの街にいる人は全てが雑魚でしかないし、彼女は純粋な実力でしか他人を評価しない。

 

ベートの心情は後に判明したが、だからこそ俺はベートがクズ側の奴だと言える。

奴の心情など好きな人物へのアピールと酒だけで出た言葉で嘘臭く感じるだからな。

 

そして話は進みベートがアイズに告白紛いな事を言い、アイズに振られ、恥ずかしさからかベートはベルの心を抉り、決意するあの言葉を言う。

 

「雑魚にアイズ・ヴァレンシュタインには釣り合わねぇ!」

 

ドン!

 

「ベルさん⁉️」

 

ベートの言葉にベルは耐えきれずに外に出ていき、シルが心配して声を上げる。

だが、これは必要な事である。ただ空を見上げただけで何かを手に出来ると思っていた少年は現実を知り、前に走り出す覚悟を決めた。

 

 

………まぁ、それはそれとして、勘違い狼のクズにはお仕置きが必要だよな。

 

「やるか」

 

「分かりました夜行」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでくれてありがとうございます!

ここまで読んでくれた皆さんは分かってるだろうけど言います!作者はベートが嫌いです!
次でベートはボコボコにします!

明日も同じ時間に最新話を更新します。


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勘違い狼をボコボコに!

今回はベートが情けなく手も足も出ずにボコボコにされます!

ダンまちを書く上で最初のここは絶対に書きたいと思ってた部分ですね!
アンケート追加しました。


「ぷははははwww」

 

外に出た食い逃げの(ベル)の出来事でちょっとした間が出来た時にその笑い声がロキ・ファミリアの面々の耳に届いた。

 

「あぁ、何だ?」

 

アイズに振られ、他の面々からもからかわれて不機嫌になっていたベートや他のファミリアのメンバーもそちらを向く。

 

「実に面白い茶番だったよ!」

 

俺はそんな彼らをバカにするように笑い、話しをする。

 

「あぁ!何だテメェはよ!調子に乗ってんのか‼️」

 

「いやいや無能で弱者なお前相手にそこまでしてやる程、俺は暇ではないんだよ。赤っ恥狼くん(笑)」

 

「どうやら死にてぇらしいな雑魚が‼️」

 

俺の言葉によりベートはかなりキレているようだ。こいつは鏡を見たことがないのかと思うレベルでブーメランだと思うけどな。

 

「お前みたいな無能で弱い奴が幹部なら、お前がいるファミリアも大したことは無いんだろ【凶狼(ヴァナルガンド)】」

 

「これは代金です」

 

「は、はい」

 

俺がベートを煽ってる最中にレヴィは料理の代金を支払いをしてくれていた。

 

「落ち着きーやベート」

 

「アァッ‼️」

 

「まぁ一旦落ち着いてくれベート」

 

キレ気味のベートを主神のロキと小人族のフィン・ディムナが止める。

もう少しベートを煽りたかったが仕方ないな。

 

「それで自分はウチらに喧嘩売ってるって事でえぇんか?」

 

「喧嘩を売られるほどの価値がお前らにあると思えないけどな」

 

「何やと‼️」

 

ロキが俺の言葉に怒りを表す。だが、それもある男により止められる。

 

「ストップだよ。ロキ」

 

ロキ・ファミリアの団長であるフィン・ディムナによって止められる。

 

「次は団長さんが話すのか?」

 

「そうだね。だけど聞きたいこともある」

 

「聞きたいこと‥ね~」

 

「テメェ!団長に対して何ふざけた態度を取ってやがる!」

 

俺とフィンの話し合い?にアマゾネスの特徴の褐色肌をした女のティオネがぶちギレした様子で声を出す。

 

「ティオネ、少し落ち着いてくれ」

 

「は、はい!団長!」

 

(何の茶番だ、これは?)

 

夜行は本気でそう思った。

 

「さっさと話せ、雑魚が」

 

「何だと、この(あま)が‼️」

 

ついにレヴィが我慢できずに言い、ティオネはフィンに声をかけられて落ち着いた心が逆に燃え広がった。

 

「レヴィ、ここは俺に任せて」

「……ティオネ」

 

俺とフィンの言葉にレヴィとティオネは互いに身を引き、改めて俺とフィンは対峙した。

ベートは状況が多少変わろうと俺たちに対して鋭い眼で睨んでいる。

 

「それで聞きたいことは?」

 

「君は僕たちを雑魚と呼んだんだ。僕たちを雑魚と呼べるくらいに強いなら僕たちが知らないのはおかしいからね。だから、僕たちが知らない理由を教えてほしいんだよ」

 

「教えてやる義理はないが、お前たちが雑魚の証明ならしてやるぞ」

 

「上等だ!勘違い野郎に現実を見せてやるよ!」

 

「あんたら店の中で暴れるんじゃないよ!」

 

ベートが今にも飛びかかりそうになった時に店の店主のミアさんの声が響き、さすがのベートも動きを止めた。

 

「安心してください。店の中では流石にしませんよ」

 

「待ちやがれ!」

 

そう言って俺は店の外に出る。そして、ベートも苛つきながら後を追ってきた。

 

「止めなくていいのか?」

「言って聞くならば最初からせんじゃろ」

「大丈夫ッスかねあの子?」

「ベートさん手加減するといいけど」

 

夜行とベートが出た後の席では、夜行が負けるだろうと考える者がほとんどだった。

それは仕方ない部分もあるだろう。

方や全く実力が分からない者、方や同じファミリアで苦楽を共にし実力もよく知っている者ならば、大半の人が実力があると知っている方が勝つと思う。

 

(実力差も見抜けないとは憐れな事だ)

 

夜行のエンブリオである怪獣女王だけは夜行が圧勝することを理解していた。

そして、一応でも街での一級と呼ばれている実力の持ち主たちに砂粒ほどの欠片ではあるが期待したが、実際は期待外れと思った。

 

「ベートがやり過ぎる前に止めるぞ」

 

「あんだけウチらに対して言ったんやから上を知るいい機会やから止めんでいいよ、ママ」

 

「誰がママだ」

 

(実にくだらない)

 

リヴェリアとロキの会話に心底くだらないと感じるレヴィアタンであった。

 

「君は見に行かなくていいのかい?」

 

レヴィアタンの所にロキ・ファミリア団長のフィンが夜行が心配で見に行かないのかが気になった。

 

「あの程度のゴミを相手にするのに何を心配すると言うのです?」

 

至極当然のようにレヴィアタンは答える。まるで、こいつは何を言ってるのかが分からないと目が語っていた。

もちろん、そんな事を言われて頭に怒りが湧かない団員はいない。

 

下界の子供の嘘が見抜けるロキは彼女が一切の嘘を付いていないのが理解できた。

そしてロキは悟る、彼女は本当に自分達の事をゴミ程度の認識しか持っていない事を。

 

「何だt……」

 

キレかけたティオネがレヴィアタンに襲い掛かろうとした、その時!

 

 

 

        ドーーーン!

 

 

 

いきなり地震でも起こったような地響きが伝わってきた。

 

「な、何だ⁉️」

「うわっ⁉️」

「あわわわ!」

「外からだよ!」

「ベートさんが本気でやっちゃったッスか⁉️」

「今のベートにこんなことが出来るかの?」

「あの駄狼が‼️」

「頭打っちゃった‼️」

「きゃん!」

「ッ!」

 

その影響に店の中にいたロキ・ファミリア面々や他の客達や従業員達も驚いていた。

 

「終わったみたいですね」

 

……ただ1人レヴィアタンを除いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡る───

 

 

「ここなら大丈夫だろ?」

 

「負ける言い訳でも考えてやがれ!」

 

互いに店から少しだけ離れた道の真ん中で2人は対面していた。

ここに至ってもベートは夜行の実力の片鱗も感じ取れない。

 

「早く来いよ。振られた弱虫狼くん(笑)」

 

「このクソがぁぁぁぁ!」

 

ベートが自身の俊敏の発揮できる最大スピードで夜行に大降りな蹴りを放つ。

夜行は簡単に躱す。それを見て苛ついて何度も殴る蹴るを繰り返す。

 

頭に血が昇っているからか、大雑把な攻撃になっている。ある程度の実力者や同格に簡単に避けられる程度の質に墜ちている攻撃を夜行が躱せない理由はなく、夜行は難なく躱す。

 

「…遅」

 

ブチッ!!

 

夜行の呟いた言葉が聞こえたのかベートの堪忍袋がキレて更に攻勢に出ようとした。

 

そう、出ようとした(・・・・・・)のだ。

 

「何⁉️」

 

ベートが攻勢に出ようとして殴ろうとした右腕は一切動かせなかった。何故なら、夜行に掴まれてベートの右腕は固定されたように動かせないのだ。

 

「やっぱりお前は雑魚だったね【凶狼】」

 

グシャッ!

 

「ギャアァァァァ⁉️」

 

ベートの右腕は夜行によって握り潰された。夜行はそのままベートを空にほおり投げる。

 

「グッ‼️」

 

「・・・」

 

夜行はその場から跳び、空中に飛ばされているベートの上まで跳んだ。

 

「終わりだ」

 

「ガァッ‼️」

 

夜行はステータス任せにベートの足を狙って地面に蹴り付ける。

 

 

 

     ドーーーン!

 

 

 

勝負は驚くほど短く、勝負とさえ言えるかも分からないほど圧倒的な蹂躙による実力差を突きつけて勝敗は決した。

 

 

 

 

 

 

 




最初は詰る感じでベートを痛め付けようかなって思ったけど、転生特典による実力差で最短による圧勝が限界でした。


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真実暴露

5話から次の話までくらいにアンケートを付けました。


俺とベートの戦闘は予定調和のように呆気なく俺の勝利に終わった。個人的にはもっとボコボコにしたかったから粘ってほしかったと思う。

 

「……ガァ……ガハッ」

 

俺の目の前に倒れ伏しているベートは片腕を握り潰され両足が引き千切れて、誰が見ても瀕死の状態である。

 

夜行としては更にボコボコにしたかったが、これ以上の手加減も難しかったのだ。

 

「分かっただろ。お前は他人を見下したり貶す事ができるほど偉くもないし強くもない、むしろ見下される側の雑魚なんだよ」

 

俺は冷めた目付きでベートを見下ろして言った。地響きに駆けつけたのか、ドタドタと他の人も店の中から外に出て、俺とベートの現状を見て唖然としていた。

 

「遅かったな」

 

唖然とする理由も分からなくはない。何故ならベートの片腕は握り潰されて骨さえも折れ、ギリギリで繋がっている状態であり、両足に関しては膝から先が存在せずにベートの身体から少し離れた所に落ちていた。

 

「ベート!」

「あれってヤバくないですか⁉️」

「生きてんの⁉️」

「ベートさん!」

「っ!」

 

誰しもがベートの敗北が分かってしまうくらいの惨状であった。そしてベートの冒険者生命が終わった事も理解してしまう。

 

「何故そこまでした⁉️」

 

出てきた集団の中からハイエルフのリヴェリアが俺に問うてきた。

 

「お前らだって敵対者には容赦なく潰すだろ?それと同じさ」

 

それに対して俺は至極当然といった感じに答える。むしろ何故疑問を覚えたのかが疑問と感じるな。

 

俺の言葉が気に障ったのか彼女は俺に近付こうとするが、

「夜行に近付かないでもらえますか」

レヴィによって腕を掴まれてその場から動けなくなった。

 

「ッ!」

 

本人も驚いているようだ。彼女は他のエルフよりかはマシだが、本来エルフは認めた者にしか接触を許さない潔癖症な所がある。

故に、軽い接触さえ毛嫌いするエルフも存在する。

先も言ったようにハイエルフであるが、他のエルフに比べたら他人への接触するのにマシな考えを持つリヴェリアでも赤の他人からの接触を許すほど貞操観念が低いわけではない。

だからこそ、レヴィに腕を掴まれるまで気付かなかった事に驚いている。

 

「あなた、リヴェリア様に何をしてるんですか!」

「早く離しなさい!」

 

ハイエルフのリヴェリアに勝手に触れるのは許されないと考えるエルフは多数いる。だから同性であろうと他のエルフからの叱責が飛んでくるのだ。

 

「レヴィ、構わないから戻ってきな」

 

「分かりました」

 

レヴィは俺の指示に従ってリヴェリアの腕を離して俺の所に戻った。

それでも何人かは俺たちに怒りの視線を向けてくる。ハッキリ言って自業自得の部分が大半を占めるから怒りの視線を向けてくるのはお門違いだと感じる。

 

「何か文句でもあるのか?あいつは自分から吹っ掛けてきた喧嘩に無様に負けただけだろ」

 

「そうだね。ベートが痛い目をみるのは自業自得だけど、そこまでするのは過剰じゃないかな?」

 

「そんな甘い教育してるから、あいつみたいな勘違い野郎が後を立たないんだろ」

 

「弱者が勘違いして自分は強いなどと妄言を吐くのも現実を見ない奴が悪い。それにこいつも言っていただろう雑魚を雑魚と言って何が悪いと」

 

『ッ!』

 

俺とレヴィの言葉によって怒りのゲージが限界を越える感覚を団員達は感じていた。

さすがにトップクラスの3人と主神のロキは俺達が何者かを知るために情報を引き出せないかと策を巡らせているように見える。

 

「それよりもあいつを治療しなくてもいいのか?」

 

「…………」

 

俺が指を指した場所には、もはや何かを喋る余裕さえ無くなった憐れな男のベートが未だに放置されている。

 

「ベート!」

「これはマズイのう!」

「リヴェリアを含めた回復魔法を使える者はベートを治療しろ!」

 

さっきまでは意識の外に置いてたのに気付いたらすぐに行動に移せたのは経験からか。

だけど、行動に移したからと言って治せるかは別問題だ。

 

「治療は可能なのですか?」

 

「無理だな。欠損程度も治せないからな。千切れた足なら希望はあったかもしれないけど、無理矢理潰したからそっち方の希望もないな」

 

この世界のポーション等の回復アイテムや回復魔法などは身体の部位欠損を治せるほど効果は高くない。

普通のポーションや回復魔法などは使えば小さな傷はすぐに無くなるが傷の度合が酷ければ何度も使わないと治りきらない。

エリクサーと呼ばれる回復薬もあるが、これも高い性能をしてるとは言えない。

ポーションの何度もを1回に短縮するのが限界で、全てを1回で治せる物でもない。治せる上限があり、それで足りないなら何本も使わないといけない。

 

「そんな⁉️」

「これは無理だよ!」

「ホームに戻ってエリクサーを取ってこい!」

 

ベートの治療していた魔法使い達は傷の酷さから治療が困難だと理解した。エリクサーを取ってくるように言うが、エリクサーでも無理だろう。出来て出血を抑えるのが限界だ。

 

「本当に君たちには聞きたいことが山ほど出来たよ」

 

「俺たちには無いんだけど」

 

「なら、これだけは答えてくれるかな?」

 

「まぁ答えられる事ならな」

 

俺はフィンが何を聞こうとしているかは完全には分からない。候補としては俺の力の秘密か冒険者としてのレベルか、もしくは闇派閥への所属についてを遠回しに確認してくるくらいしか浮かばん。

 

「君たちは何処のファミリアの者だい?」

 

フィンが聞いてきたのは、やはり俺の所属についての様だった。確かに自身のいるファミリアの幹部を無傷で倒されているし、そんな相手の事を一切知らなかったとなれば表ではなく裏の住人の可能性を示唆するのも当然か。

 

「悪いけど何処のファミリアにも所属してないんだよ。ついでに恩恵(ファルナ)だって貰ってないしね」

 

「!!」

 

フィンは俺の答えに眼を見開き、顔をロキの方へと向けた。ロキもフィンの考えを察したのか首を横に降って無言で答える。

それは俺が嘘を付いていないという絶対的な証拠でもある。部屋を借りてるだけでファミリアに入っているわけではないし、神々の言う恩恵も得ていないから何一つ嘘は言っていない。

 

「それで質問は終わりだな」

 

「待て!」

 

俺とレヴィが踵を返して帰ろうとしたら声を荒げて静止の言葉をかけられる。

 

「……終わりじゃないのか?」

 

「簡単に帰すわけにはいかないね」

 

「武器も持ってない現状でか?」

 

「………」

 

俺たちを帰す気がないとフィンは言ってきたが、そもそもとして簡単に帰れる状況だ。実力的にも天と地ほどの差はあるし、武器有りでも武器の質や性能にも天と地の差が存在する。

 

「なぁ、ウチもお前に聞きたい事があるんやけど」

 

「ハァ……何だよロキ」

 

「何でこないな事をしたんや?」

 

「分からないのか?」

 

ロキからも聞きたい事があると言われ、一応は聞こうと思ったら、まさかそんな事だとは思わなかった。

状況から考えれば理由など絶対に分かりそうなものだが、ロキは本気で分からないという表情をしている。

 

「加害者が被害者に謝罪もしない上に被害者を笑い者にするんだから仕返しをされるのも当然だろ」

 

『!』

 

俺の言葉に何人かは、何故このような事をしたのかを理解した。

 

「ダンジョン探索中に本来はいない場所にミノタウロスと遭遇するし、その原因である奴らは反省してる処か他の被害者を笑い者にしてるときた」

 

『………』

 

「むしろ、このゴミを殺さなかっただけ良心的だと思うがな」

 

反論の余地は存在しない。そもそも自分達のミスだと自覚してるくせに他人を貶して笑ったのだから反論出来るはずがない。

極端までのバカならば気付かずに反論して更に自分の立場を悪くしただろう。

 

「それで、これ以上の理由は必要かな?」

 

「いや、十分や」

 

だからこそ質問したロキはそう答えることしか許されない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ロキ・ファミリアアンチを付けた方がより分かりやすいと言われて、個人的にアンチを付けた方がいいのか迷うので皆さんに聞きます。


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契約と拒否

これでストックは無くなります。
また書き上げてから投稿ってなりますね。


さすがに後に起こる24階層での事を考えるならベートを治してやるのも吝かではない。勿論、タダではないけどな。

 

「レヴィ」

 

「はい」

 

レヴィは夜行の言いたい事を察して紋章の中に戻ってくれた。

そして、いきなりレヴィが夜行の手の甲にある紋章の中に消えたことに驚きを露にするロキ・ファミリアの面々である。

 

「一体、何者や」

 

ロキの言葉は、その現状を見た全員の総意でもあった。

 

「さて、罪を自覚してなかったロキ・ファミリア諸君に朗報だ」

 

俺が喋りだしたことにファミリアのメンバーは俺の方を見る。そこで俺は救いの手段を提示してやった。

 

「今、そこで瀕死になってる情けない男を治療をしてやってもいいぜ」

 

「っ⁉️」

 

「不可能だ!」

 

「いや出来る」

 

怪我の具合に無理だと判断するリヴェリアに俺は出来ると答えた。どうせ真実かどうかはすぐに分かる事だ。

 

「嘘やないな」

 

「当たり前だろ。その程度の事で嘘なんて言わねーよ」

 

「一体‥何が目的だい?」

 

フィンは俺の目的を聞いてくる。それもそうだろうな。俺の手でベートをボコボコにしたのに態々俺自身が治療するなんて言われたら何か裏があると考えるのが普通だな。

 

「要求は2つだけさ。しかも1つはお前らが本来なら宴会よりも先にしてる筈の事だしな」

 

「それは?」

 

「さっきお前らが笑ったトマト野郎くんにする謝罪だよ。分かってんだろ」

 

俺の言った指摘にその事を笑った奴は自覚をしたのか顔を背ける。

 

「それについては、こちらの招いた事だからね。ちゃんと謝罪をするよ」

 

「なら早く追いかけたらどうだ?」

 

「追いかけるとか何をだい?」

 

さすがにファミリアの団長をしているフィンでも、これは分からないか。

 

「さっき飛び出した客はお前らが散々笑ったトマト野郎の被害者なんだよ。気付かなかったのか」

 

『っ!』

 

俺の言ったことに自分達が何をしたのかを自覚したのだった。

まぁ、もう追いかけても何処にいるかが分からないのなら意味はないけどな。

 

「あ~、本人が聞いとったんか。それは確かにやってもうたな。……それについては分かったわ。ウチらが責任もって、その子のファミリアに謝罪もしに行くし、詫びの品も持って行くのが筋やな」

 

「それについては、こちらの自業自得だからちゃんとすると誓うよ。……それでもう1つは何だい?」

 

さすがに本人が聞いてたのに笑い者にしてしまったのは悪いと感じたのか、ロキは後でベルの所に謝罪に行くと確約した。

ベルのファミリアが何処にあるとかを知らないけど、探すのも自分たちでやるべき事だからな。

フィンは気になっている、もう1つ要求に身構えている。

 

「今回はそこのバカをぶちのめせて良い気分だからな。特別に治療費は20億ヴァリスでいいぞ」

 

「なっ⁉️」

 

俺の要求した金額に驚きの声を漏らすフィン。周りにいる他の団員も目を見開いたり、口を唖然と開けている。

 

「これからの冒険者生命や今後の人生が助かるんだ安いもんだろ?」

 

「一応、聞くけどホンマに治せるんか?治せないのにそないな額を払うわけにはアカンからな」

 

「さっきも言っただろう、当然治せるさ。神は嘘を見抜けるんだろ」

 

俺は何度でも真実だと言える。こういう時は神がいると楽だ。嘘を見抜ける力により無駄な交渉をしなくても済むからな。

 

「……分かった。ベートを治してくれへんか」

 

「OK。交渉成立だ」

 

俺は【獣王】のベヘモットから【女教皇】の扶桑月夜に力を変更した。そして、懐からある1枚の白紙の紙を取り出し、ペンで必要な事を書いてロキに渡した。

 

「これは?」

 

「契約書だ。それでした約束事を破れば破った方に罰が降るシステムになっている」

 

俺の渡した契約書にはこう記載されている。

 

 

①雪代夜行(以降を甲とす)はベート・ローガ(以降を凸とす)を治療し、完全に身体を治す事。

 

②ロキ・ファミリア(以降を乙とす)は甲が凸を治療し①の契約を守ったら以下の2つを遂行する。

 

③乙の主神と団長はミノタウロスの被害者のベル・クラネルに謝罪と謝罪金を払い、謝罪の品を渡す。

 

④乙は甲に対して20億ヴァリスを支払う。

 

⑤甲は①を乙は③と④の契約を守らないならば、乙は恩恵を捨て2度と冒険者を名乗らない行動しない事、甲は命尽きるまで乙の奴隷となる事とする。

※乙の罰は1度でもファミリアに所属していたならば、過去現在に関わらず全員に適応される。

 

 

これが俺がロキに渡した契約の内容である。

 

「それに主神であるお前がサインすれば契約は完了する。俺はちゃんと治療はして守るからどれだけ重い罰でも平気だからな」

 

「なるほどな。これはウチらとアンタ、互いの信頼の保障って訳かいな」

 

「でも、これは…」

 

「まさか迷うのか?破る気が無いなら気にする必要が皆無な契約なのに?」

 

そう、俺が今言ったように破る気がないのなら罰がどれだけ重くとも関係ないし、むしろ破る気がないからこそ罰を極端に重くしているとも言える。

ここで二の足を踏む奴は契約を守る気が無いと言っているのと一緒である。

 

「まさか、そこまでプライドが無いとはね」

 

「いや、これでいいわ。アンタの言う通りお互いに破る気がないなら気にせんでもいいしな」

 

「なら、治すぞ。……『聖者の慈悲』」

 

俺は【女教皇】の回復魔法である『聖者の慈悲』を使い、ベートの身体の欠損を全て治した。

 

『っ⁉️』

 

やはりと言うよりかは、これを見ている人が多数いる場所で使った時の反応は予想出来ていた。この世界では誰も欠損を治せる程の治癒魔法を持つ者は存在していないのだから。

 

「これで俺の方の契約は満たした。後はお前達が契約を守る番だな」

 

俺はそう言ってその場から離れようとした。

 

「待ってくれないか?」

 

これも予測出来ていたことである。俺は声をかけてきたであろうフィンも方を向く。

 

「何だ」

 

「君に少し提案があるんだけど」

 

フィンの言う提案の中身は簡単に想像できるし、それを俺が承認することはありえない。

 

「一応、お前の提案で何を言うのかは予想は付くが、もしも違う提案をする可能性もあるからな。一応でなら聞いてやる」

 

「僕たちのファミリアに入らないかい?」

 

はいーーー!予想通りの答えをどうも!

 

「予想通りの提案どうも、だから俺の答えは決まってる。断る!だ」

 

「……何故だい?」

 

フィンは顔を引き吊り聞いてきた。

だが逆に夜行からしたら何を当たり前な質問をしているのかと思ってるし、逆に何故思い至らないとも思った。

 

「自分達のせいで人一人の命を奪いかけたのに笑ってる奴らと仲間だと思われたくないんだよ。助けたから笑い話に出来てる?違うんだよ。死なせかけといて笑う恥知らずと一緒に居たくないんだよ。まぁ何人かは笑わずにいたようだけどな」

 

『………』

 

夜行の言葉に誰も反論の言葉を言い返せない。フィン至上主義のティオネでさえ黙っている。

 

「これで理由はお分かり?」

 

「あぁ、十分だよ」

 

「なら良かったよ」

 

俺はそう言って、本当にその場から離れて一部屋を借りているミアハ・ファミリアの所に戻った。




あぁ……時間が欲しい!(切実)
デンドロの3倍かアクセルワールドの1000倍の思考の加速が出来る何かが欲しい!

次話は今現在執筆中なので待っててください!


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≪◼️◼️◼️≫と嘆くロキ・ファミリア

アンケートは終了しました。
ロキ・ファミリアアンチのタグは付ける事にしました。
作者は全てのロキ・ファミリアが嫌いとかではないのでアンチには一部アンチって形にはしますけど。

今回はもしかしたら中途半端で終わってるって思う方がいるかもしれませんが、個人的に次の話がやり易くなるので大目に見てくださいm(_ _)m


俺はベートをボコり、ロキ・ファミリアから金も合法的に巻き上げる契約をし、部屋を貸してくれているミアハさんに挨拶をして、その日は眠った。

 

 

 

 

───翌日

 

俺は起床し、部屋から出る。

 

「おはよう夜行。昨夜はよく眠れたか?」

 

「えぇ、ミアハさん。ぐっすりと眠れましたよ」

 

部屋から出たらミアハさんに会い、睡眠が取れたかを聞かれ俺は特に隠すこともないので答える。

昨日はベートをボコれて気分がスッキリとして眠れたから調子はいい。

 

「今日もダンジョンか?」

 

「そうですね。今回はもう少し下に行ってみようかなって考えてます」

 

「そうか、無理をしてくれるなよ。私もナァーザも無理をしてまで金を稼いでほしいとは思ってはいないからな」

 

「大丈夫ですよ」

 

夜行からしたら上層程度のレベルならば慢心全開だろうと無傷で戻ってこれる。

それでも不快感を感じないのはこの神様の神柄が良いところなのだろうと思う。

 

「昼には用事があるので、それまでには探索を終える予定ですよ」

 

「そうか、気を付けて行って来るのだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は今現在でダンジョンに今日潜った事を後悔している。

……ん?何故かって?それはな。

 

「お前良さげなもん持ってんな!全部置いていきな!」

「そうだぜ。でないと強い俺様達にボコボコにされちまうぜ」

「ヒャッハー!」

 

ダンジョン内でカツアゲみたいな事をされているからだ。

しかも前世のカツアゲと違うのは相手は言うことを聞かなければ殺す気マンマンだし、聞いても口封じの為に殺す気だから言うことを聞いても意味が全く無いところも気分が下がる理由だった。

 

「怖くて声も出ねーか!」

 

いや呆れてるだけだ。

 

「そうだぜ!装備を全部置いてくなら助けてやるよ!」

 

ダンジョンで装備を全部置いてくバカはいないだろ。後、助けるのも嘘だろう。

真偽判定のスキル持ちをメインにしてなくても分かる。

 

「ヒャッハー!」

 

お前はヒャッハー!以外に何か言えよ!ヤバめな薬でもキメてんのか!

 

「……はぁ」

 

俺はメインをフィガロからある超級職(・・・・・)エンブリオ(・・・・・)を持っている人物に変更した。

 

「ふっ!」

 

俺は、そのまま武器を出し一瞬にして目の前にいる3人に横一線を認識させないまま繰り出した。

 

「‥‥え?」

 

3人の内の誰かが声を出すも、すぐにそれは虚空へと消える。

何故ならば彼らは自分がいつ死んだかも分からずに絶命したのだから。

 

「こっちではこうなるのか……それにしてもこれは目立つな」

 

夜行は自分の着ている紅いコートを見て、人に見られたらかなり目立つよなって呑気に考えていた。

そのまま夜行はその場から離れていくが、先ほど誰かも分からないが冒険者が死んだにも関わらず、その場には1滴の血(・・・・)も死んだ冒険者の装備品も何一つ(・・・)残っていなかった。

 

「これはある意味で殺人隠蔽にこれ程向いてる能力もないよな」

 

俺は手に持つエンブリオの渇いた血のような色合い(・・・・・・・・・・・)一対の両刃斧(・・・・・・)を持ち直して先に進んだ。

 

「目撃者はいないし、それに正当防衛だから……無罪だな。うん!」

 

それにしても女性用の服が完全に男性用の服に変化してたのは驚いたな。

 

 

 

 

その後もモンスターに何体か遭遇するも、特に代わり映えせずに倒していった。変化があるとすれば倒したモンスターは魔石やたまにドロップを落とすが、今回は何も落とさずに光の塵となって消えた事ぐらいである。

 

 

 

 

 

 

 

───ロキ・ファミリアのホーム会議室

 

ベートがボコられ契約として20億ヴァリスの支払いとミノタウロスへの被害者への謝罪について等の話し合いをするために、そこには主神のロキと団長であるフィン、副団長のリヴェリアと幹部のガレスの4人が揃っていた。

 

「それでどないやった?」

 

「ラウル達に確認させに行ってもらった。ミノタウロスに襲われたのは先日の少年1人だけだった。血塗れの状態でギルドに行っていたからな。ギルド職員達もよく覚えていたそうだ」

 

「そこは不幸中の幸いだの。ワシらの招いた被害がこれ以上拡がらなかったのは」

 

「リヴェリア、もう一つの方はどうだった?」

 

最初に口を開いたのは主神のロキだった。それにリヴェリアが聞かれたことに答える。

ガレスも被害が拡がらなかった事実に安堵した。

フィンはミノタウロスへの被害者が他にいないかの確認以外で知りたいことを聞く。

 

「彼の所属ファミリアはヘスティア・ファミリアのようだ」

 

「あのドチビのところかいな!」

 

ロキはあまりの事実に叫び声を上げた。

 

「何じゃ、ロキの知り合いか?」

 

「くぅぅ!ドチビの所とは!」

 

「……ロキ」

 

「分かっとるよママ」

 

「ママではない」

 

ガレスが聞くがロキの発狂具合は変わらずにリヴェリアが声をかけ元に戻る。そのおかげでなんとか調子を取り戻したロキ。

それでも沈んでいる気持ちまでは完全には治りきってはいない。

 

「リヴェリア、もう1人の彼の方はどうだった?」

 

「公開されている他のファミリアには何処にも所属していなかったさ」

 

「……そうか」

 

フィンは自身の親指を額に押し付けて考えを纏めている。

 

「公開できないファミリアに所属しとる可能性もあったが、それはロキが潰したからの」

 

「そうや。ファミリアに所属してない事に恩恵を貰てないことも嘘やなかった」

 

ガレスの問いにロキは夜行の言葉に嘘は無いと断言する。

 

「ロキ、あの契約書の罰は本当だと思うかい?」

 

「あんだけの事をしとるし、ホンマやろうな。低く見積もっていいなら誇張で全くの無害や。そんで最悪を考えるなら」

 

「考えるなら?」

 

「ウチらの命を奴さんに握られ続けるやろうな」

 

ロキはそう言ってフィンの聞いてきた事の自分の考えを締め括った。

 

「確実に財政が傾くな」

 

「それにベートの奴が貶してしまった者のファミリアへの謝罪と謝礼の品の用意もあるからのぉ」

 

「とりあえずロキは当分の間、酒は飲めないと思え」

 

「ウチの酒がぁぁぁぁ!」

 

「ワシも節制されるんじゃ、ロキも受けねば意味がないからの」

 

酒を節制されるロキとガレスは暗い雰囲気が可視化してるレベルにまで暗くなっていた。

 

「……はぁ」

 

それを見たリヴェリアは頭を抱えた。ファミリアで1,2を争う苦労人兼皆のママは大変なのである。



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20億って大金だよな

書き上げたぁぁ!
10話まで書いて、まだ1巻部分の終わりが見えてない。
中々、上手いように進めようとしても進まない感じもありますけど頑張って書いていきます!

それでは楽しんでください(*`・ω・)ゞ


あれから夜行は襲ってきたモンスターを光の塵にまでし、ドロップや魔石さえも残さないほどエンブリオのリソースとして喰わせ、上層12階層の中層の入り口前にまで来ていた。

 

「上層程度だとリソースが全然増えないな。……戻るか」

 

俺は現在メインに就いている人物のエンブリオの能力を確認し、エンブリオの貯め込んでいるリソースを見ていた。

大体、モンスター1匹のリソースを喰い尽くしてもリソースは1~3くらいしか増えなかった。

 

「ん?」

 

俺は地上に戻る道すがら檻に入れられているモンスターとそれを運んでいる冒険者の集団を見付けた。

運んでいる冒険者や周囲を警戒しながら護衛している冒険者からは悪意のようなものを感じないから彼らは怪物際(モンスター・フィリア)の準備をしているガネーシャ・ファミリアの冒険者達であろう。

 

「今日は宴が開催される日ってのもあるし、早い目にロキの所に行って金を貰った方が良さそうだな」

 

夜行はそう言って誰の目にも止まらず認識されずにダンジョンの外へと出る。

 

「今回は換金する魔石やドロップが一切ないからな。このままロキ達のホームまで行くかな」

 

そして、夜行はまた目にも止まらぬ速さでロキ・ファミリアのホームまで行き、そこでまた一悶着あったが無事にロキ・ファミリアの首脳陣達と向かい合っていた。

 

 

 

 

「さっさと用件を終わらしたいから言うよ。契約書に記入してあった額を払って貰おうか」

 

「少し待ってくれないかな」

 

俺の催促にフィンが声をかけてきた。

 

「何をだ?お前らは二大ファミリアって言われてるレベルのファミリアなら払えるだろ?」

 

流石に俺でも20億を言った翌日に用意できるとは余り考えてはいないが、用意できている可能性も考慮してないといけない。

 

「流石に額が大き過ぎるからね。少しゆっくり話しをしようと思うのだけど、どうかな?」

 

「ふーん」

 

ここでフィンが俺に対して話す内容はどんなものだろうか?

 

まず一つは契約書に記入してある代金の減額の可能性だな。いくらオラリオでトップクラスのファミリアでも20億は辛い所だろうからな。

まぁ、これに関しては無理の一言で終わるがな。契約書に書く前に減額してるならばともかく記載した後に変更はできない。

 

もう一つの可能性としては脅しをして契約書での事を有耶無耶にする事だな。本来ダンジョンはギルドの方からファミリアに入っていない人が入ることを禁止している。神はある理由から入ることを禁止されているが。

取り敢えずはファミリアに入っていない俺をギルドに言わない代わりに契約を取り下げる腹積もりだろう。

これに関しても無意味と言える。俺はファミリアに入っていない個人であるから罰則が発生しても無視すればいいし、そもそもとして恩恵を持たない人間がミノタウロスを倒したと報告しても信じない奴は多いだろう。

それに契約書の契約は片方の俺が内容を完了した時点で有耶無耶にすることなど絶対に不可能なのだから。

 

「話しって?」

 

「契約書にサインまでしたのに言うのは悪いとは思ったんだけどね。さすがにファミリアの運営にも大きく影響するからね」

 

「それでどうしろと?」

 

俺は分かっているが敢えて聞き返す。

 

「せめて、もう少し減額をしてほしいんだよ」

 

「する理由がないな」

 

舐めてんのか、このショタアラフォーは!

 

「どうしても駄目かい?」

 

「こっちが譲歩してやる理由はないし、それ込みで契約書にサインしただろう」

 

「………」

 

「ついでだから教えてやるが、あれは両者が契約内容を守らない限り永遠に残り続ける代物だ。片方が破れば罰を永遠に相手に執行し続けるためにな」

 

「……フィン、もう諦めてこちらも契約通りにするべきだと思うが」

 

「これ以上は変に拗れても困るしのぉ」

 

今回の件では俺は完全な被害者であるかぎり、フィンが望むような交渉は最初から不可能なのは目に見えていた。

それはリヴェリアとガレスと喋ってはいないがロキを含めた3人は理解しているようだ。

 

「すまないね。これも団長としてファミリアが被る負責を減らしたいと思っての行動でね……ロキ」

 

「はいよ」

 

ロキは戸棚から複数の袋を取り出して机に置いた。かなりの重さなのか置く時にドスッ!と音がするくらいだった。

 

「ベートの治療費やその他諸々で契約した代金通りや」

 

「どうも」

 

夜行は目の前に置かれた金に手を掲げると目の前にあった20億の金が全て一瞬にして消えた。

 

「っ⁉️」

 

「消えおった⁉️」

 

「‼️」

 

「……マジかいな」

 

ロキ・ファミリア首脳陣の4人は驚きを隠せなかった。夜行は4人の驚きは気にせずに、つい先程入れた金が指定の料金であるかの確認をしていた。

 

「確かに20億ヴァリスは貰ったよ」

 

「……確かにこちらで20億は用意したけど、君はどうやって袋の中身が20億入ってると確認したんだい?」

 

俺の発言にフィンは最初に頭を働かせて話しかけてきた。……まぁこれぐらいだったら大丈夫だろうがタダで教えるのは勿体ないしな。

貸しは多ければ多いほど、こっちが有利になるからな。

 

「お前の予想の中に答えはあるんじゃないのか」

 

「……教えてはくれないんだね」

 

「さぁな」

 

俺はフィンからの質問に適当に答える。

 

「やめぇーや、フィン」

 

「………ロキ」

 

「今回は互いにこれで終わりやろ。後はもう1人の被害者の所に謝罪やらして終わりや」

 

「そうだな。確かに先程の事は気にはなるが私たちに教える理由は彼には一切ないからな」

 

フィンの質問をロキが中断させ止める。それに対してリヴェリアも同じようにフィンを止める。

そこで夜行もロキに少しばかり嫌がらせ目的ではないが……多少は嫌がらせ目的はあるけれども、サービスで情報を教えてやる事にする。

 

「そういえば、ロキさんや」

 

「何や?」

 

「今夜ガネーシャが開く神の宴にヘスティアが参加するそうだよ」

 

「何やと⁉️」

 

やはりヘスティアの事を言うとロキのリアクションは面白いと感じる自分がいる。

 

「そこで謝罪なり何なりするといいさ」

 

「確かにヘスティア・ファミリアの主神がいるなら丁度いいな」

 

「そうだの」

 

俺の言ったことにリヴェリアとガレスは賛同を示した。これは聞いたロキは嫌そうな顔をするも自分達が悪いと自覚しているからか、それ以上我が儘を言わずに押し黙った。

 

「それじゃあ帰らせてもらう」

 

「なら、ウチが送るわ」

 

そのまま夜行とロキはホームの長い廊下を歩いていた。

 

「それで何か聞きたいことでもあるんじゃないのか?」

 

「やっぱり気付くわな」

 

「まぁな」

 

「ウチが聞きたい事は‥‥まぁ山程あるけど、これだけは答えてもらわなアカンからな」

 

俺はロキの方を見て言葉を待ち、ロキも聞きたいことを俺に聞く。

 

「それで聞きたいこととは?」

 

「アンタは闇派閥の人間か」

 

普段は糸目のロキが目を開いて俺を見てきた。その目は一切の嘘は許さないと俺に伝わってくる。

 

「俺は闇派閥の人間とは一切関係を持ってないさ」

 

「嘘や‥‥ないか」

 

「神は下界の子供の嘘が見抜けるんだろ。ならこれで俺の潔白は証明されたかな?」

 

「闇派閥との関係性については信用したるわ」

 

ロキは手を軽く振りながら言う。それでも怪しく見えても仕方のない事だろう。そこは甘んじて受け入れてる部分ではある。

 

「着いたな」

 

「おっと、ここまでやな」

 

ロキと話していたらホームの出入口まで着いていた。

 

「それじゃあ今夜の宴でヘスティアに会えば」

 

「分かっとるよ。しっかりと謝罪はするよ」

 

「それでは」

 

「ほなな~」

 

俺はロキ・ファミリアのホームから出て、自身の借りている場所に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次の更新もまだまだ未定ですけど待ってくれるなら嬉しいです。


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祭と騒動

ここを書くのは少し難産になってました(-∀-`; )
次はもっと早く書けるようにしたいな(願望)

でも1ヶ月で他のも入れて10話以上も話を投稿したの初めてだな。


ロキ・ファミリアから20億を貰ってから3日が過ぎた日のこと、俺は怪物祭に来ていた。

 

「やっぱり本や映像とかで見るよりも活気があるし、伝わってくるな。……これ美味しいな」

 

適当な出店で食べ物を買い、歩き食いをしながら俺は廻っていた。

この3日の間にも色々と噂話が好きな神では神の宴にはヘスティアは参加していて、そこでロキが軽い言い争いにはなったが、いつものキャットファイトまでのレベルにまで発展しなかったことに周りが驚いていたらしい。

 

「ん?あれは……」

 

俺は串焼きを食べていると視線の先にある人達を発見した。まさかここで会うとは思わなかったけど……少し離れるかな。

 

「あ~‼️貴方は‼️」

「ん?」

「げっ⁉️」

 

どうやら姿を消す前に見付かったようだ。ステータス任せに振り切ることも可能だけど、ゆっくりと出店とかも楽しみたいしあの問題の騒ぎ(・・・・・・・)までは自分から騒ぎを大きくする予定はない。

 

「何だい、エルフちゃん」

 

「エルフちゃんなどと呼ばないでください!」

 

「モグモグモグ!」

 

「食べ終わってからで大丈夫だ」

 

「っ‼️」

 

そこであったのはロキ・ファミリアのレフィーヤにアマゾネス姉妹のティオナとティオネの2人だった。

エルフちゃん呼びはレフィーヤには不評みたいだった。ティオナは何かを言ってるが口一杯に入ってる食べ物で何を言ってるか分からない。ティオネはどんな理由にせよ愛しの団長であるフィンに無礼な態度を取ってた俺に睨み付けるように見られる。

 

「モグ……ゴクン!久しぶりだね!」

 

「あぁ、久しぶり」

 

ティオナが俺に挨拶を言ってるくる。前回会った時にファミリア全体(何人かは含んでないが)に対してと言っても過言ではないレベルで暴言を吐いた自覚のある俺に一切の悪感情が見られない。………この子はある意味大物になるだろうな。

 

「君も怪物祭を見に来たの?」

 

「調教の方には興味はないけど、出店とかで色んな食べ物とか祭でしか売ってなさそうな何かを買えればって感じだな」

 

「そうなんだ~」

 

「ティオナさん⁉️」

 

俺とティオナが話していると、レフィーヤは何でこの人と平気で話してるんですか⁉️という雰囲気で‥‥っていうか実際にティオナに言ってるのが聞こえてるけど、ティオナに詰めよっていた。

 

「え~、でもあの人の言うとおりこっちも笑いすぎたのも悪いとは思ったしね」

 

「うーー‼️」

 

夜行やもう一人いた被害者の人は悪くなく、こちらが悪いと自覚している為にレフィーヤもそれ以上反論を言えない。

 

「………」

 

ティオネからの睨みの視線は鬱陶しく感じる所だけどそこは無視するとしよう。

 

「それじゃ、俺はこれで……さよならエルフちゃんにアマゾネス姉妹」

 

「エルフちゃんと呼ばないでください!」

 

「ふん‼️」

 

「じゃ~ね~」

 

見事なまでの三者三様の反応で俺と彼女達は別れた。

 

「さて、一応まだモンスターの解放はされてないから大丈夫だろうけど不安だな。……誰にしておこうかな」

 

俺はメインにする人物を誰にするかを悩んでいた。基本的に戦闘職に準じるものに就いている人ならば誰でも構わないけどメインの変更には5秒ほどの意識をそちらに向けないといけない。

別に意識を向けなくても変更はできはするが、ちゃんと変更できるかの保証ができないのである。

間違えて非戦闘職をメインしたら1回は確実に(デスペナルティ)は避けられない。

 

「まだ使ってない奴の力を使ってみたいしな………この人の力にするか」

 

俺はInfiniteDendrogramにおいて、ある最強(・・)の二つ名を持つ人にメインを変更した。

 

「………」

 

ほんの少しだけ周囲に意識を割いたら、周辺にある情報が色々と伝わってきた。

先ほど、別れたティオナ達3人に別の所にいるロキとアイズ、ベルとヘスティア、ナァーザさんとミアハさんの位置も掴めた。

 

「ここまで分かると規格外の理由が垣間見れるな。……あ!これ旨そう。おっちゃん1つくれ」

 

「おうよ!1つ90ヴァリスだ」

 

「はい。90ヴァリス」

 

「毎度!」

 

それはそれとして屋台を楽しんで回っている。事が起こってもすぐにでも行動すればいいから今を楽しむ!

 

何度か俺にぶつかりかける‥‥いや、ぶつかろうとする人を簡単に躱して街を歩く。

こう言う時だとああゆう輩が動くからぶつからずに動かないと面倒なんだよな。別に財布とかの貴重品を目に見える形で持ってはいないけど。

 

「後はどうするかな、モンスターの調教は特に興味はないしな」

 

怪物祭の最大にしてメインの催しに興味が全く湧いてこない夜行は買い食いを続けながら街を歩いていた。

 

「楽しい時間も、もう少しで無くなると思うと悲しいな」

 

夜行は怪物祭でのモンスターの調教をするためにモンスター達が多数いる場所に人ではない神が侵入しているのを知っている。

そして、それと同時にもう1つの事件が起こることも知っていて止めないのだ。

 

「俺は聖人君子でもないし、正義の味方でもない。俺は自分のやりたいように動くだけだからな」

 

 

 

そして‥‥事は起こる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何でモンスターが外に出てんだよ!」

「うわぁぁぁぁ⁉️」

「助けてぇぇぇ!」

「早く対処しろ!被害を拡げるな!」

「きゃぁぁぁぁぁ⁉️」

「ガネーシャ・ファミリアの奴は何してんだよ⁉️」

「モンスターが街中にぃぃぃ⁉️」

「こっちにも来たぁ⁉️」

「ギルドにも連絡しろ!」

 

街の人達の悲鳴や幾人かの冒険者のモンスターへの対処する声が聞こえて夜行も自身の考えの為に動く。

 

「行くかな」




今回は、まぁ何とか2000字は越えたね。
次の更新は未定だけど気長に待ってくれると嬉しいです。


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どうする?

時間がかかったけど書き上げました!頑張ったよ俺!(*ノ゚Д゚)八(*゚Д゚*)八(゚Д゚*)ノィェーィ!

魔法についてですが、基本的に魔法は似たような名称やら効果やらを使いますけど、そこは目を瞑ってください。

最後に少しアンケートってかご意見を聞きたいことがあるのでよろしくお願いいたしますm(_ _)m


モンスターが街に放たれ、祭を楽しんでいたオラリオの住民たちは恐怖に駆られていた。

 

「比較的に弱いモンスターばかりだし、こっちは放置で構わないだろう」

 

むしろ、変に倒してベルが相手にする予定になってるシルバーバックが討伐なんてされたら後々面倒になる。

 

「俺はあっちに向かうかな」

 

夜行は街に放たれたモンスター達とそれを迎撃に出た冒険者達を無視して、ある場所から地中に向かって上がってくる存在の方へと足を向けた。

 

「かったぁー⁉️」

 

「っ⁉️」

 

夜行は先ほど会ったティオナ達が視界に入る場所に来た。そこにはもう緑色をした蛇のような形をしている蔦の植物と戦闘を開始していた。

あまりの固さにオラリオにおいて実力者のアマゾネス2人でも、攻撃をした方が痛そうにしていた。

夜行は屋根の上に上がって目的地まで行く方法も使えたが、それは使わずに逃げる人が多い道を通っていた為に予想よりも時間がかかったのである。

 

「まずいな」

 

俺の視線の先で魔法の詠唱に入ろうとしていたレフィーヤが蔦による不意打ちの一撃を腹に受けたのが見えた。

 

「助けに行きますかね」

 

夜行はそう言って今なお続く戦場に介入するべく動いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その場はオラリオ屈指の冒険者であるロキ・ファミリア面々が今もまだ戦闘をしていた。

レフィーヤを吹き飛ばした蛇のような形をしている蔦は先端の部分が開き、まるで花が咲くように開いたのをティオネとティオナは見た。

 

「咲い…た⁉️」

 

「蛇じゃなくて…花⁉️」

 

先の開いた花のモンスター‥‥食人花は魔力の発した方へとその身体を向け動いている。

 

「レフィーヤ起きなさいッ!」

 

「あーもうっ邪魔ぁっ‼️」

 

レフィーヤを助け出そうとするも、モンスターの猛攻により2人は近付く事も儘ならない状態であった。

 

「ああぁぁぁぁ‼️」

 

懸命にその場から離れようとするレフィーヤだが、先に受けたダメージによってまともに動くことが出来なかった。

 

 

だが、絶体絶命であったレフィーヤのピンチを救ったのは彼女の憧れである【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインだった。

 

 

「あっ……あ」

 

アイズはレフィーヤに襲い掛かっていた食人花を切断したが、そこから更に3体の食人花が出現し、アイズは残りも斬り込む為に風を剣に纏おうとしていたが……

 

 

バキッ⁉️……パラ‥‥パラ

 

 

「あっ⁉️」

 

アイズが普段使っているのは何があっても壊れないと言われている『不壊(デュランダル)』の属性を付与された剣であるが、今アイズの手元にあるのは不壊が付与されていない只の剣であった。

アイズの風を纏わせるにはあまりにも剣の質が低すぎたのだ。それ故に代わりの代剣は呆気なく壊れてしまう。

 

「《アースクリエイト》」

 

アイズを襲おうとしていた食人花はいきなり現れた2つの石の塊に押し潰され拘束された。

 

「何あれっ⁉️」

 

「石塊?」

 

「どこから……」

 

アイズ達は何も無かった空間からいきなり現れた石塊に驚きながらも、周りの確認もしていた。

 

「いや~危なかったな」

 

彼女達が声のした方を見ると、先程も会い、そして先日ベートを再起不能にまで追い込んだ夜行がそこにいた。

 

「あれは貴方が?」

 

「そうだよ。苦戦してたみたいだからな」

 

「っ!レフィーヤ!」

 

俺に話しかけてきたが、仲間の傷を負ったのを知っているからそっちに急いでアイズ達は向かう。俺も食人花を今は押し潰しながら拘束しているのでレフィーヤの所に足を運ぶ。

 

「……うっ⁉️」

 

「大丈夫レフィーヤ!」

 

「ポーションはっ‥‥」

 

「持ってきてないよ⁉️」

 

「だっ‥大丈夫です。皆さん」

 

レフィーヤは受けた攻撃による怪我が抜けきれていないために苦しそうだが言葉を返した。

俺はアイテムボックスから1本のポーションを取り出して彼女達の所に着いた。

 

「使いなよ」

 

「あっ⁉️」

 

俺が投げた物をアイズは受け取り、それがポーションと分かった。

 

「いいの?」

 

「構わない」

 

「……後で何か請求したりしないでしょうね」

 

「高々ポーション1本程度で請求しないさ」

 

ティオネは俺がベートの治療の時に膨大な金額を要求した事で不信感を持っているが、レフィーヤの怪我を治すことを最優先にした。

アイズは俺が渡したポーションをレフィーヤに飲ませていた。

 

「‥‥レフィーヤ飲める?」

 

「は、はい」

 

レフィーヤはポーションを飲み、身体から怪我が治るのを実感した。

 

俺は鑑定でレフィーヤの恩恵(ファルナ)によるステータスでなく、レフィーヤ自身のステータスのHPを確認した。

 

(低級ポーションでも十分な成果が確認できたな)

 

自分で得た特典の力によりポーションを使うほどのダメージを負わないからポーションの検証も出来なくて困っていたのだ。

そして半分以上も減り3割くらいになっていたレフィーヤのHPがほぼ全快まで回復していた。

 

「ありがとうね~」

 

「いや、こっちも他の人に試せてよかったよ」

 

「試せて?」

 

「あぁ、あれは俺が作ったポーションだからな」

 

「自分で作ったの!スゴーいっ!」

 

「凄い……」

 

ティオナとアイズは俺が自分で制作したことに純粋に凄いと感じているようだった。

 

「それでどうする?」

 

「何が?」

 

「あれだよ」

 

俺が指を指した方向を見たアイズ達は今もなお石塊によって拘束されている食人花が暴れていた。勿論のように拘束の力が強いために周辺に被害は出していない。

 

「君たちがどうにも出来ないなら俺が対処するけど」

 

「協力って発想は出ないの?」

 

「出ないな、理由は2つ。1つは実力差で互いの足を引っ張るから必要ないのと、もう1つは単純にお互いの戦い方を知らないからだな」

 

「……確かに」

 

ティオネの質問に嘘偽りなく答えるとアイズもその考えに理解を示した。

だからこそ俺自身も協力しようとは提案していないのだ。

 

「それでどうする?俺は君たちの選択に従うよ」

 

「何が目的」

 

ティオネは俺の行動に何かしらの目的があるのではないかと疑っていた。だけど、それは間違いでもある。

 

夜行にとって、自分が対処しようともアイズ達が対処してもどっちでもいいのだ。ただ使う魔法の検証が変わるだけの差であるのだ。

 

「特に目的はないけどね」

 

「……それより、あの拘束はいつまで持つの?」

 

「そこまで耐久度を高くして出したわけじゃないし……少なくても後5分くらいかな」

 

アイズに聞かれて夜行は特に隠すことなく答える。

実際に夜行が込めた魔力はかなり少ない‥‥150くらいしか使用していないのだ。

それでもオラリオの1級冒険者を複数相手にできる頑丈さを持つ敵の拘束としてはかなり長く拘束が出来ている。夜行はもっと早く破られるかな?と予想していたがそこは予想外とも言えた。

 

「そのまま倒しちゃってもいいんじゃない。それで被害も少なくなるしさ」

 

「まぁそれが1番早いわね。それでアンタはあれを倒す手段はあるの?」

 

「無かったら、どうする?とは聞かないね」

 

「あっそ、なら倒してもらいましょうか。こっちはアイズも武器が壊れて、レフィーヤを除けば私達3人は素手で対処しないといけないし」

 

ティオネとティオナも自分達の戦況を鑑みて夜行に任せようと考えている。

アイズも自身の持つ代剣が壊れてしまっているからさほど手助けが出来るとは思っていない。

 

「ま、待ってください!」

 

「?」

 

声のした方を見ればポーションにより身体が動けるようになったレフィーヤが立っていた。HPが回復しても身体を襲った衝撃はまだ残っているのに大した胆力だと思う。

 

「ここは私にやらせてください!!」

 

「レフィーヤ⁉️」

 

「無理しちゃダメだよ!」

 

「・・・・」ヽ(д`ヽ)オロオロ

 

レフィーヤの嘆願が響き、ティオナ達は先程まで怪我をしていたレフィーヤの体調の安否が気になっていた。

アイズは大丈夫なのかを心配してオロオロしているけれど。

 

「任せても構わないけど、もしも失敗すれば周囲に多大な被害が及ぶって分かった上で言ってるのか?」

 

「分かってます!けど!」

 

「けど?」

 

夜行はレフィーヤの発言に現実的に聞き、それでもやるやと聞く。

 

「ここで何も出来なかったら、私はっ!私が背中を追いかけている人達に追い付けなくなる!それだけは絶対に出来ません!」

 

「それで他の君達はどうするんだ?」

 

レフィーヤの啖呵を聞き、俺は彼女の仲間にも分かりきった答えを聞くことにした。

 

「あそこまでの啖呵を切られちゃあね」

 

「私も頑張るよレフィーヤ!」

 

「うん‥‥」

 

アイズ達もレフィーヤの啖呵によりやる気になったようだ。

 

「それなら俺からも最後に手助けはしよう──《ゾーン・バインド》」

 

俺は食人花を拘束していた魔法を解いて、別の魔法を使い新しく拘束した。

効果は光る茨を生み出し敵を拘束する。更に茨を破壊すれば相手に固定ダメージを与える。

 

「動きを阻害しているから後は君たちでやるといい」

 

「ありがとう」

 

「ありがとねー♪」

 

アイズやティオナに礼を言われた俺はそのまま彼女達から離れて後ろで見学することにした。彼女達が失敗しないのは知っているが、万が一の為に近くで見ている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アンケートですけど、作者自身がかなりのスランプになった時や、投入する場面が来た時に投入する話を何にするかのアンケートです。


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覚悟を決めた先にこそ、未来はある!

何とか書き上げたよ(´ε`;)ゞ

GWの雨の酷さとか、休み明けの身体の怠さもあるけど執筆は止めてないぜ!


俺はレフィーヤの啖呵を聞いてから少しだけ離れた位置で見ていた。

 

「〔ウィーシェの名のもとに願う

  森の先人よ誇り高き同胞よ

  我が声に応じ草原へと来れ〕」

 

レフィーヤの周囲に魔方陣が形成されていく。

 

「〔繋ぐ絆

  楽宴の契り

  円環を廻し舞い踊れ〕」

 

「それにしてもあれが彼女だけの反則級魔法か」

 

本来、オラリオの冒険者が覚えられる魔法は最大3つが限界である。その限界数を越えた魔導師が2人存在する。

1人はリヴェリア、もう1人が彼女─レフィーヤ・ウィリディスなのである。

 

「〔至れ、妖精の輪

  どうか──力を貸し与えてほしい〕」

 

ここまでで、まだ詠唱的には半分になるんだよな。と俺は見ながら思う。

 

「《エルフ・リング》」

 

魔導師は詠唱中に魔力を発生させている。これはこの世界の魔導師ならば絶対不変の条件とも言える。

 

「レフィーヤ⁉️すごい魔力…!」

 

「ちょっ⁉️」

 

その魔力は魔法を持っていれば絶対に持っていなくても感じとれる程でもある。だが、それは魔力に反応する食人花にも言えることである。

 

「まぁ彼女の所には辿り着けないけどな」

 

俺が食人花に着けた拘束魔法の《ゾーン・バインド》により動きが遅延している為に並行詠唱できる者ならば簡単に避けられる程の遅さになっているがレフィーヤは並行詠唱は出来ない。

それでもレフィーヤの所に辿り着けない理由は彼女たちによって妨害されるからだろう。

 

「大人しくしてろッ‼️」

 

「ッ!」

 

「はいはいっと!」

 

アイズ、ティオナ、ティオネの3人による連携、間近で見ると凄い迫力が伝わってくるのを夜行は感じた。

 

「GAAaaaa‼️」

 

そして、何の因果か夜行の近くに他の冒険者達から逃げられたのかモンスターが夜行を見つけて襲いかかってきたが──

 

ポスッ

 

夜行は襲いかかってきたモンスターの額を優しく触れていた。そのままモンスターは震えだし動けなくなった。

 

「面白い所なんだから……邪魔すんなよ」

 

モンスターは夜行に対して感じた恐怖によって震えること以外に出来なくなっていた。

 

「消えな──《ボム》」

 

モンスターは内側から爆散し灰となって消える。そして魔石だけが残った。

 

「もうそろそろか」

 

俺がモンスターの対処していたら周囲の気温が下がるのを感じた。レフィーヤの方を見れば詠唱が終わり魔法が完成していた。

 

「あれが‥‥」

 

あれが、このオラリオにおいて最強の魔導師と呼ばれるリヴェリア・リヨス・アールヴが持つ最強の攻撃魔法と呼ばれる物の1つ、それは。

 

 

《ウィン・フィンブルヴェトル》

 

 

絶対零度の氷結魔法、それは本来リヴェリアのみが持つ魔法だが、レフィーヤの第3の魔法である《エルフ・リング》はエルフのみを対象としているが、魔法に必要な詠唱と効果を完全に理解し知ることで自身もその魔法が使えるという一種のチート魔法とも言える。

 

「綺麗な氷像になっちゃってまー」

 

夜行が食人花の動きを阻害していた魔法も一緒くたに凍結してしまった。あれに対抗する手段を夜行は幾つも存在しているが、ここで無粋な真似はせずにパチパチと拍手を贈った。

 

レフィーヤは見事、覚悟を決めて未来を切り開いた。

 

そして、凍結した食人花はティオナとティオネの踵落としとアイズがロキから渡された剣によって粉々に粉砕された。

 

「良いもん見せて貰ったし、ここらで退散しとくかな」

 

「なら、その前にウチと話しでもしよーや」

 

「こんな所で護衛も付けずにいるのは危険じゃないのか……ロキさんよ」

 

アイズ達の戦いを見終わった夜行はこの場から離れようとしたが、ロキに声をかけられて離れるタイミングを逃した。

 

「近くにアイズたん達もおるし大丈夫やよ。それにアンタがウチを害する気がないなら、ここは安全地帯やしな」

 

「中々に食えない神だな。……それで俺に聞きたい事でもあるのか?」

 

「お?答えてくれるんかいな」

 

「実力はまだまだムラな所も多々あるけど、良い物を見せて貰ったからな。その駄賃代わりに答えられる質問には答えてやるよ……1つだけな」

 

実際にこの言葉には嘘は含んでいない。良い物を見せて貰って嬉しい感情も確かにあるし、アイズ達の実力にはムラがあって改善すれば実力が向上するのも見て分かる。

それに答えられる質問には答えてもいいのも嘘ではない。答えられるかどうかは質問の内容次第としか言えない所だけどな。

 

「そりゃ~ありがたいな。アンタからそんな言葉を言わせるとはレフィーヤ達には感謝せなアカンな」

 

「それで何を聞きたいんだ?」

 

策謀を巡らせるこの神相手に無数にある選択肢からどれを警戒すればいいかは分からない。俺が考えるとするならば確信を突く質問には動揺せずに答えるくらいしか対策が出来ない。

 

「そうやな~。本当ならお前は何者や?って聞きたいけど、それは答えてくれなさそうやしな~」

 

何者という質問には答えるだろう。ただし、ロキが望んでいる答えがくるかどうかは無理だろうな。

 

「やから、今聞いときたいんは1つやな」

 

「それは……」

 

「それはな……闇派閥側の人間かどうかや。前にファミリアに入ってないことも恩恵を持ってないことも嘘やなかったけど、ジブンが闇派閥の人間ではない証明はしてないからな」

 

なるほどな‥‥ロキは俺が闇派閥が何かしらの方法により生み出された存在だと考えた訳か。

その考えに行き着いた理由は分かる。本来ならば恩恵を持ってもいない人が恩恵を持った一級冒険者と呼ばれる相手にあそこまでの実力差があるのは理由があると考えたならば有力候補は闇派閥による何かしらの肉体改造と考えたわけだな。

 

「期待してるところ悪いんだけど、俺は闇派閥とは一切関係を持ってないんだよ」

 

なんせ、この世界に来たのはベルがミノタウロスに襲われたあの日だし、それ以降からの接触なんて皆無だからな。それに個人的に闇派閥と接触しようとは考えてもいないしな。……個人的に闇派閥は好きではない。

 

「これで満足したか?」

 

「あぁ十分や」

 

俺の聞き返しにロキは満足気に言葉を返す。

 

「あぁそうだ」

 

「何や?」

 

「ダイダロス通りに行ってみるといい」

 

「何かあるんか?」

 

夜行に言われた突然の事に警戒心をみせるロキ。

 

「贋作じゃなくて本物の英雄になりえる可能性を見れるよ」

 

そう言って夜行はロキ達の前から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




これで一応は1巻部分は出来たと思う。

後はちょっとした閑話的な話を書いたら2巻部分を書いていきます!


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束の間の休息

今回はサブタイ通りの束の間の休息を書きました。ちょっとした息抜きみたいに書いたんで本編的には進んでませんけどね。

それとアンケートの結果ですが、
SUBMの投下に決まりました!

投票してくれた皆さんに感謝します!m(__)m

合計で115票貰い、その中から42票を頂いて決まりました!
UBM製作に38、フランクリンゲームに25、激突に10票という結果でした。

その時が来ましたら、SUBMを投下します。


ベルとシルバーバック、アイズ達と食人花との戦闘があった怪物祭から数日が経った。

 

「んーー?」

 

ミアハ・ファミリアが経営してる薬剤店の2階に部屋を借りている夜行は悩んでいた。

 

「時期的には、そろそろガネーシャ・ファミリアのハシャーナって人が殺される事件があったな」

 

その事件に関わるか関わらないかを悩んでいる夜行。

 

「事件前に関わるのは……そういや、いつからハシャーナが依頼で探索してるのか分かんなかったな~」

 

夜行は一旦事件の事を頭の隅にやり、目の前に置いている試験管の1つを手に取り、中に入っている液体を見る。

 

「面白い薬が出来たけど試してくれる人がいないからな」

 

何処かに協力してくれる心優しい実験台(モルモット)はいないものかな。

 

「適当に置いとけば誰か勝手に飲んでくれるかな?」

 

そう言い俺は部屋から出て移動する。

 

 

 

「あー、でも適当に置いとくと俺が見れない可能性があるな」

 

店の外まで出てから気付き、それならそれで誰かに会ったら試験薬を飲ませて試させてもらおうと考える。

 

「全く知らない相手に飲ませても今は面白くないからな~。まずは原作組の誰かに試したいよな………あれ?」

 

教会にいるヘスティア達か、それともイタズラ好きのロキ達か、バベルにいるフレイヤに面白半分で渡……いや、あの女神には自分から会って関わりたくないな。

シルに会ってる時点で無駄かもしれないが、フレイヤとして会っていないからノーカンだと思いたい。

 

こんな風に考えていると私服姿のベルを見つけた。

 

「やぁ、ベルくん」

 

「あ‼️夜行さん。お久しぶりです」

 

丁寧なお辞儀で頭を下げられる。このベルの対応を見て、よく心は純粋なまま育ったなと夜行は思った。

願いや目標はおじいちゃんのゼウスの影響なのか微妙にちぐはぐな感じに見えるけど、覗きやらナンパ等のことは自分からはしてないのだから意外だ。

 

「久しぶりだね。……その服装だと今日はオフなのかな?」

 

「はい。装備の整備とかポーションの補給とかもありますから」

 

「それは冒険者にとって絶対にやらないとダメな事だからな」

 

俺はこの時思った……ベルに飲ませてヘスティア等の反応を見るのも面白そうだと、俺はベルに完成した面白薬品を渡すことにした。

 

「そうだ。ベルくんにこれをあげるよ」

 

「えっいいんですか⁉️」

 

見た目はポーションよりも色が少し薄くしてある物をベルに渡す。

 

「これは少し特殊な物でね。ホームに戻ってすぐに飲んでほしいな。それと主神がいる時に飲むといいよ」

 

「栄養剤か何かですか?」

 

「そんな感じの物だよ」

 

しれっとベルに嘘を付く夜行。

 

「それじゃベルくん、またな」

 

「はい。それではまた」

 

夜行とベルは話しを終わらして別れて戻る。夜行はその時にあるモンスターを放ち、ベルの後を追わせた。

 

「どんな反応が見られるのか、今から楽しみだな♪」

 

俺は光学迷彩により周囲から見えなくしている場所に同じく光学迷彩しているモンスターに乗って向かった。

 

「さてさて、今頃はどうなっているんだろうな♪」

 

俺は目の前にあるダンまちの世界観を有っていない物──モニターを起動させた。そこに映っているのは先ほど別れたベルの様子が映っていた。

 

「映像送信用のモンスターから受信もバッチリだな。光学迷彩の能力も付けて製造したけど画質も合格ラインだな。……それにしてもここまでのモンスター製造が出来るのは流石は≪超級≫って事だよな」

 

俺は今回のメインにしているのは≪超教授≫の職を持ち、直接戦闘能力は下級マスター以下と自身でも認めているが、数多の脅威となるモンスター達を産み出した王国にとっては最悪の敵の1人であったマスター──Mr.フランクリンである。

 

『お帰りベルくん!』

 

『ただいまです神様』

 

「薬の実験はどうなるのかな」

 

『あっそうだ。夜行さんから貰ったこれを飲んでおかないと』

 

ベルは近くに神様がいる状況で俺が渡した薬品を飲む。

 

「ここまで素直に飲まれると良心が痛むな」

 

『うっ⁉️』

 

『どうしたんだいベルくん⁉️』

 

薬品を飲み、頭を抑えて倒れるベルを心配して近付くヘスティア。

 

『あ、あ、アァァァァ‼️』

 

ベルとヘスティアを映している画面が光によって見えなくなる。

 

『べ、ベル、くん』

 

『う~~ん』

 

「実験成功♪」

 

『あれ?一体何が?』

 

『べ、ベルくんが、こ‥こ‥子供になっちゃったーーーーー⁉️』

 

そうなのである俺がベルに渡したのは幼児化する薬なのである。幼児化する薬の成果は大成功と言えるな。ベルの事が大好きなヘスティアからしたら理由を一時的にでも彼方に飛ばしてベルを可愛がるだろう。

 

「最後に異常がないか確認したら完璧になるな」

 

俺はヘスティア・ファミリアのホームである教会へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルが子供の姿になってしまって混乱しているヘスティアはどうしようかと頭を悩ませていた。

 

「どどど、どうしよう⁉️」

 

「あわわ!神様、落ち着いてください⁉️」

 

「これは落ち着いていられないよ⁉️めっちゃ可愛いよベルくん!」

 

子供になってしまったベルはヘスティアに抱き締められていた。

 

「あははは!」

 

突然聞こえてきた声にベルとヘスティアは反射的にそちらに振り向く。

 

「さっき振りだねベルくん」

 

「夜行さん⁉️」

 

「え?誰だい、何でここにいるんだい⁉️」

 

まぁそんな反応になりますよね。今俺はキャッスリングを使ってヘスティア・ファミリアのホームにお邪魔していた。

 

(キャッスリングも異常が見当たらずに使えるな)

 

キャッスリングによる弊害が無いことを確認した夜行はこちらを見ているベルとヘスティアの方を見る。

 

「どうだいベルくん。俺が開発した幼児化する薬は‼️」

 

「幼児化する薬だってぇぇ⁉️」

 

「その通り!その薬を飲んだ人物を約5時間ほど子供の姿に変えるだけのジョークポーションだよ!」

 

指をパチンッ!と鳴らしてベルの方を指差す。

 

「いや~完成させたはいいけど、誰に試そうか悩んでる時にちょうどベルくんがいたからね。これは試さないと!って天啓が来たのさ!」

 

「何でですか⁉️」

 

「そうだよボクのベルくんに何をしてくれるんだ!」

 

「なら子供の姿のベルを見れなくても後悔しない?」

 

「する!」

 

「神様ぁ⁉️」

 

俺の問いに即答するヘスティア。うん、期待通りの反応で嬉しいね。

そしてベルは憐れ、ここには実は味方だと思ってる神様のヘスティアはこっち側になるのは予想していたから味方ではないのだ。

 

「ところで夜行くんとやら」

 

「何かなヘスティアさん?」

 

「その幼児化する薬はもう無いのかい?」

 

「えっ?か、神様……」

 

「残念ですが……」

 

俺が額に手を当て首を振るとベルはホッとした表情になる。

 

「お詫び用で後3本しか持ってきてませんね」

 

懐から出した試験管を取り出して、ヘスティアは嬉しそうにベルは嘘でしょ!と分かりやすく反応していた。

 

「他にもケモ耳を一時的に生やす薬とかもありますよ」

 

「どんな物があるんだい?」

 

「そうですね。定番の犬耳や猫耳に卯や熊なんかもありますよ」

 

「アハハ」

 

ヘスティアとの会話の中でベルの乾いたような声が聞こえたけど気のせいだろう♪

 

そして、夜行との取引を終えたヘスティアはいい笑顔で見送りに出てきてくれた。

 

「今回はこっちの都合で色々と迷惑をかけました」

 

「いいよいいよ!ボク達にも利益はあったからね!」

 

「渡した分以外はミアハ・ファミリアでの購入をお願いしますね」

 

「じゃーね夜行くん」

 

「夜行さん、さよなら」

 

「それでは、さよなら。ベルくん、ヘスティアさん」

 

束の間の休息に俺は楽しめていた。

 

 

 

 

 

 



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リヴィラでの事件

書き上げたぜぇぇぇ!
手直しや、ここはこっちの方がいいかな?とかで悩んでたら思いの外時間が掛かりました( ̄▽ ̄;)

最低でも月一更新は出来てるし、次も頑張って書き上げます!


ベルの幼児化事件から数日──

 

「「「ギャアッ⁉️」」」

 

その日もダンジョンに潜っていた夜行は目の前のモンスター達の殲滅が終わった所だった。

 

「取りあえずは切り良く20階層まで潜ってみたけど、こうも襲われると面倒な部分とかもあるな」

 

試していない武器の性能チェックをやりながらも周囲確認を怠らずに進んでいる夜行。

ここに来るまでの上層で何回か冒険者にモンスターを押し付けられたが、押し付けられたモンスターは全て殲滅してここにいる。

 

「ダンジョンの中では実質的な罪に問われないとはいえ、露骨にしてくる奴らもいるんだな。これだとあれ(・・)を試すのはもっと下に行かないとダメそうだな」

 

俺は上の方を見上げながら呟く。フィガロの装備とエンブリオの力のおかげでソロでも問題なくダンジョンに潜れるのはありがたいと感じている。

 

夜行はステータス画面を確認しながら座り込む、周囲の警戒は≪紅蓮鎖獄の看守≫6本に任せて装備の量と性能を見ていた。

 

「フィガロのエンブリオの力は知っているし、その為に様々な装備を手に入れてるのも知識としては知ってたけど……多すぎるな」

 

夜行は、フィガロが迅羽との戦いの後の会話で言っていたことの重みを知った。「グギャッ⁉️」

 

「フィガロの装備とレベルのステータスの高さで体感的に周りがかなりゆっくりに見えるから装備の交換には問題はないけど数の多さで少しだけ手間が取られるな」

 

これは完全に慣れでやらないと無理だなと確信した夜行である。「ギャッ⁉️」

夜行はステータス画面を閉じて周りに落ちている魔石を拾ってから上の階層に続く階段の方へと向かう。

 

「試したいことは粗方やったし、地上に戻ろうかな」

 

夜行は時期がいつ頃かを忘れていた為に気付いていなかったが、丁度その頃、ロキ・ファミリアの面々は資金稼ぎの為にダンジョンに潜っていた。

夜行は下の階層から、ロキ・ファミリア面々は上の階層から18階層に行こうとしていた。

 

 

 

ハシャーナが殺害され、宝玉を巡る事件が起こっている18階層へと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───18階層

 

「ん?」

 

18階層に上がってきた夜行は近くにあるリヴィラの街に入り、ある場所が騒がしいのに気付く。

 

 

"リヴィラの街"

それはダンジョンにある数少ない安全階層(セーフティポイント)の1つである。モンスターが産まれない事から幾人もの冒険者によって造られた最低のぼったくりの街である。

 

 

その騒ぎにハシャーナの事件かもと思い、そこへと向かった。

人集りがあったのはヴェリーの宿と看板のある所であった。

 

「何かあったのか?」

 

「あぁ、殺しだよ。しかも頭が完璧に潰されてるらしいぜ」

 

「マジか」

 

どうやらハシャーナの事件の可能性が高くなったな。

 

「あれ君は?」

 

「げっ⁉️」

 

夜行は声のした方に振り向いたら、そこにはロキ・ファミリアのフィン、リヴェリア、アイズ、ティオナ、ティオネ、レフィーヤがいた。

夜行もまさか来てすぐに声を掛けられるとは思わなかったから嫌そうな声が反射的に出た。

 

「やっほー♪」

 

「あーー!」

 

こっちに来ていた他の面々も俺を認識した。ティオナは友人に話し掛けるような軽さでレフィーヤは宿敵にでも会ったかのような反応で叫ぶ。

 

「叫ばないでほしいな」

 

「それなら私たちも嫌そうな声は止めてほしいのだが?」

 

「自分達がしたことを振り返ってから言ってくれないかな~♪」

 

俺の反応に苦言を言うリヴェリアに正論で返事を返す。俺は自分からは手を出していない。向こうが吹っ掛けてきた喧嘩や先に手を出してきたから正当防衛をしただけであるから状況的に俺は一切悪くない。

 

「それよりも何があったんだい?」

 

フィンは流石にファミリアのトップをしているだけあってこの状況の情報を獲ようとしていた。

 

「悪いけど俺も今さっき来た所だから詳しくは知らないが……殺しだってさ」

 

ここで情報を勿体付ける意味はないし、どうせ他の奴らに話しを聞いたり現場を見ればすぐに分かることだ。

 

「とりあえず何が起こったのかを知りたいから僕とリヴェリアは行ってくるよ」

 

「この人集りをか?」

 

純粋に聞き返してしまった。狭い街での殺しだからか野次馬がゾロゾロといるここは先に進めないように見える。

 

「ロ、ロキ・ファミリア⁉️」

 

事件のあった宿の周囲にいた野次馬たちは突然現れた二大ファミリアのロキ・ファミリアのトップ陣営たちに驚き道を開ける。

その開いた道をフィン達は通っていった。

 

「態々、死体を見に行く趣味はないしな」

 

俺はフィン達に付いていかずにその場に残っていた。

 

「それにしてもこういう時のためにあの行動(・・・・)をしたのなら、やっぱりお前はクズ中のクズだよ。フィン・ディムナ」

 

俺も人のことは言えないくらいには自己中の自覚はあるけど、こいつのような酷さにはなりたくないと思う。

 

「どうせ現場の検証や被害者の調べは中にいる奴らがやるし、俺は俺でやることをしますかね」

 

夜行はリヴィラの街にまだいるであろう人物を捜すことにした。

捜すのは犬人族でヘルメス・ファミリアのルルネかハシャーナを殺害して変装をしているレヴィスのどちらかだ。

 

「不謹慎だけど楽しみにさせてもらうかな」

 

俺は柄にもなくワクワクとした気持ちがあるのを感じていた。

人が死んだ直後なのに軽いと思うが、別に俺の知り合いというわけではないし、そもそもとしてこの世界は命が簡単に失われる世界だ。慣れないと明日の自分の身が無くなるかもしれないのだ。

それに適応できないと俺の心が壊れてしまう可能性もある。なら、妥協か適応のどちらかをしてしまうのが一番である。

 

「とりあえずは全身甲冑の姿だろうレヴィスと……ルルネって男だっけ?女だっけ?」

 

少し記憶の一部が曖昧になっている夜行は目的の相手を捜しにリヴィラの街を歩いていく。

 

 

 

 




今回はちょっと変に悩んだので、ここまでなの?的な感じになっているかもしれませんけど、次回を楽しみにしてもらえたらと思います!

何回か、この主人公に言われたくないとかって意見がありましたけど、あらすじを読んでないのかな?って思いました。
好き勝手に生きるってあるので言いますけど主人公の夜行は自己中にしてます。
でも無実の人とかには手は出してませんからね?喧嘩を売ってきた相手とかに正論ぶつけてるたり、先にしてきたから仕返しをするって感じなので、そこまでクズにしてる気には作者はしてません。


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野郎共の叫び

サブタイはここの部分で特に印象が強かったのでこれにしました。

時間は掛かりましたが書き上げました!
何とか月1更新はやれた!(* ̄◇)=3フゥ-


俺は現場から離れて犯人のレヴィスを探そうとしようとしていた。……そう、しようとしていた(・・・・)のだ。

フィンからの指示を受けたボールスがリヴィラにいた冒険者達を集めたのだ。俺は別に無視してもよかったのだが、レヴィスが先にここに来ている可能性もあったから集まったのだ。

 

「さて……全身甲冑の奴はっと」

 

俺は周りに集まっている冒険者たちを見て、現在レヴィスがしているであろう変装の特徴を思い出しながら探す。

 

(確か全身甲冑のタイプだったから………さすがに事件後に集められてるから何人かは武器を携帯してるよな)

 

中には全身とは言わないが甲冑を着ている冒険者もいるが、レヴィスが兜を被らずにハシャーナの顔の皮を使っているなら俺には見分けがつかない。

 

「ここだと動きが鈍りそうだし、もう1人の方に行くのも有りだな」

 

そう言って夜行は辺りを見回してヘルメス・ファミリアの犬人族のルルネを探す。

視界にはフィンとボールスが何やら話しているようだった。夜行は聞き耳を立てる為に耳に神経を集中させた。

 

「それで、怪しい奴は見かけたか?」

 

「いや、そもそも向こうは騒ぎを起こすつもりだったんだから変装の一つや二つしているだろうさ。まあ、この中から一人を探し出すのは困難だけど、幸い半分には絞れるしね」

 

当たり前だが、犯人が自身を探している事に気付いたならば、普通第一級冒険者達との戦闘は避けようとするはず。ならば冒険者達が集合する前に何らかのひと騒動を起こすはずだ。

だというのに、何も起きていない。その違和感がフィンを蝕む。

 

だが、夜行の考えは少し違う。騒ぎが起こった以上変装はするだろうがまともな奴ならば選択しない方法を選ぶような相手ならば簡単に捜索対象を半分に絞るのは下策だと考えていた。

 

「そうか、ハシャーナを襲ったのは女……しかも男の欲情をそそるような身体の持ち主……ならば!」

 

フィンの言葉にボールスは嫌らしく笑みを浮かべながら一同の前に乗り出すと、天高らかに女冒険者達に向けて吼えた。

 

「よぅし、女どもォ! 身体の隅々まで調べてやるからさっさと服を脱げぇッ!!」

 

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!』

 

 

男性陣、絶叫。

 

「うわぁ……」

 

夜行は男たちの絶叫があれだったので本気で引いていた。自身も男だから確かに女性の裸に興味がないのかと言われたら嘘になるが、この状況でここまで露骨なのは逆に引くと思ってしまう夜行であった。

 

男達は歓喜に叫びを高らかに歌い上げ、他の女冒険者達からの冷ややかな視線と罵声を浴びる。

 

「馬鹿な事を言ってるな。お前達、我々で検査するぞ」

「はーい」

「うん」

「こいつらの結束力ってなんなの?」

「わっ、分かりましたっ」

 

冷静に検査をしようとするロキ・ファミリアの女性陣。

 

『フィン、早く調べて!』

『お願い!』

『身体の隅々まで!』

「……………」

「あ・の・アバズレども……!?」

 

ショタコン共に押し倒されるフィン。そしてフィンに群がる女に嫉妬と殺気を隠そうともしないティオネ。

 

(変態しかいないのかな、ここは?)

 

本当に頭が痛くなってきた夜行は現実逃避をしたくなった。危機感が足りないのかと夜行は思ってしまう。

 

俺はハシャーナの殺害した犯人探しの為って分かってるよね⁉️忘れてないよね!とレヴィスの捜索をしながら考えていた。

 

「ん?」

 

そこで夜行は隠れながらこの場からヒッソリと離れようとしている人物を見つける。

 

(あれがルルネかな?)

 

その後を追うようにレフィーヤとアイズが離れようとするルルネが向かった場所へと行く。

 

「俺も向かうかな」

 

夜行も離れていったアイズ達の後を追うために他の冒険者たちが集まっているこの場から離れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルルネは身体が恐怖で震えて、極度に怯えていた。

 

「あそこにいたら私まで殺されてた⁉️」

 

「一体誰に──」

 

レフィーヤがルルネに聞こうとした瞬間。

 

 

      ドーーーン!!

 

 

強烈な振動と爆発音が近くで響き渡り何かがこちらに飛んできた。

 

「……ッ⁉️」

 

「何が?」

 

いきなり自分達の近くに飛んできたのは全身甲冑を身に纏った冒険者だったことにレフィーヤは驚きを感じ、アイズも何かを感じて戦闘態勢に入る。

 

「意外と飛ばしたな」

 

そして全身甲冑の存在が飛んできた方向から声が聞こえ、そちらの方をアイズ達が見るとそこには酒場での騒ぎで一級冒険者のベートを圧倒的実力差で叩き潰し、食人花の時にも会った謎の青年がまるで血が渇いたような色をしている一対の両刃斧を持ってそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

───時は少しだけ戻り

 

「それじゃ行くか」

 

夜行はアイズ達が離れた後に自分も後を追い集まりから姿を見えなくしてから自分のメインをフィガロから別の相手に変更してから移動を開始した。

 

「さすがにこんな状況でもある程度は離れられる場所もあるのか」

 

アイズ、レフィーヤ、ルルネの3人は先ほどまで集まっていた場所からある程度は離れているがそこまで遠くない場所に留まっていた。

 

「ん?」

 

夜行はそこに向かう途中にある人物を見つける。

 

「あれは」

 

夜行が視線を向けている先には全身甲冑を身に纏った冒険者風の人がいた。

 

(あれがレヴィスか?)

 

俺がその全身甲冑を着ている相手がレヴィスかどうかを考えていたら、そいつはこちらを振り向き喋る暇を与えないかのように拳を握り込んで手加減無しの本気で殺す気で殴り掛かってきた。

 

「危なっ⁉️」

 

俺はフィガロから変更したマスターのエンブリオの一対の両刃斧を出して相手に叩き込んだ。

 

「グッ⁉️」

 

 

        ドーーーン!!

 

 

「……あ!」

 

飛ばした方向にはアイズ達がいるのを思い出した俺は急いでそこに向かう。

 

ステータス任せでそこに向かったらアイズ、レフィーヤ、ルルネの3人と襲い掛かってきた全身甲冑の存在がいた。

 

「意外と飛ばしたな」

 

夜行は相手が意外と飛ばされた事にも少しばかりは驚いていたが、それ以外にもレベル4くらいの耐久寄りの冒険者でも絶命するぐらいに力を込めたのに五体満足だったことにも驚いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




時間が掛かっても書くのが楽しいので頑張って続きを書いていきます!


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後味が微妙な勝利

時間が掛かったけど書けたぁぁ‼️‼️
何とか1年以内にでけた!それでも半年以上はかかったけど!

長いこと待たせてすみません。( ノ;_ _)ノ

やっぱり中々に大変だわ。こういうのを短いスパンで更新できる人達には尊敬するよ。


(いきなり襲い掛かられたな。アイツがレヴィスなのは確定だな)

 

夜行は全身甲冑の存在をレヴィスだと断定し吹き飛ばした方にいるレヴィスに一気に近付く。

 

「チッ⁉️」

 

レヴィスは舌打ちをしながら少しでも俺から距離を取ろうとした。それに対して俺は手に持つ一対の両刃斧のエンブリオを全身甲冑を身に纏って正体を隠しているレヴィスに投げる。

 

「ッ⁉️」

 

夜行が投げたエンブリオのヨナルデパズトリが迫り、流石にそれを直撃したらマズイと察したのかその場で体を捻り回避する。

 

「動かなくていいのか?」

 

「なっ⁉️」

 

まだ夜行との距離があると思っていたレヴィスは自分の背後から聞こえてきた夜行の声に驚きを上げる。そして、自身の背後でもう一つの斧を振り上げて叩き下ろそうとしていた。

 

「……」

 

「くっ⁉️……」

 

そのタイミングでアイズがこちらに斬りかかってきた。夜行はその斬撃を振り下ろそうとした両刃斧の進行方向を変えてアイズごと自身から離した。

 

「何の真似か聞いてもいいかアイズ・ヴァレンシュタイン?」

 

「……何でそこの人を殺そうとしたの」

 

どうやら俺がレヴィスの息の根を止めようとした行動に今回の犯人として疑われてるようだ。

 

「こっちが、それをそいつに聞きたいことなんだよな。それは」

 

「ど、どういうことですか⁉️」

 

「……」

 

俺の言ったことに聞き返すレフィーヤ。自身よりも強いと察したのか俺を警戒しながらもルルネの持つ宝玉を奪おうとしているレヴィスが視界に入る。

 

「説明をする、暇は……ない!」

 

俺はヨナルデパズトリを抑えているアイズの持つデスペラードを腕ごと上に上げさせ、その隙にレヴィスへと近付く。

 

「あっ⁉️」

 

「ヒッ⁉️」

 

これは端から見たらどう見えるのだろうかと切迫した状況なのに夜行は思う。

 

自身の持つ宝玉が狙いだと分かりビビるルルネ、全身甲冑のレヴィスと一対の両刃斧を持つ夜行が迫り来るのを見るレフィーヤ、宝玉を手に入れるためにルルネやレフィーヤを排除しようとするレヴィス、レヴィスの邪魔をしようと動く夜行、それを夜行の後方から見るアイズ。

 

この状況をロキ・ファミリアの誰かや他の冒険者に見られても俺と全身甲冑で見た目を隠蔽してるレヴィスが悪いと見られるだろう。

もしくは俺が完全に襲ってると考えて俺だけが悪く見えるだろうがそんなことを考えるのは後でもいい。

 

「死んどけ!」

 

目覚めよ(テンペスト)!」

 

夜行が振り上げた斧を自身の魔法エアリアルを使って加速したアイズが追い付き≪不壊≫が付与されたデスペラードで負荷を考えずにぶつけて軌道を反らす。

 

「ギャァ⁉️」

 

「・・チッ⁉️」

 

「え?」

 

そこでアイズと夜行が見たのは全身甲冑を着ている者がルルネの首を掴んでいる所であった。

 

「ル、ルルネさん⁉️」

 

「あ…グッ⁉️」

 

「ッ⁉️」

 

流石のアイズもその場面を見て、全身甲冑の存在が危険だと悟り、夜行への攻撃を止めてレフィーヤ達の元へと行こうとした。

 

「暴れるなよ!」

 

夜行は両手に持つ両刃斧を振り上げてルルネと全身甲冑を着込んだレヴィスに振り下ろした。

 

ブチッ⁉️

 

「邪魔を……ッ⁉️」

 

圧倒的なステータスによる高速移動と腕力でレヴィスの片腕を切断した。

 

「死ね」

 

「嘗めるな‼️」

 

「……あ⁉️」

 

俺がレヴィスを両断しようとした時、近くにいたレフィーヤが声を上げた瞬間、

 

「な、何だよ!あれは⁉️」

 

食人花(ヴィオラス)が俺に襲いかかりルルネは驚愕の声を叫んだ。

 

「……あれは⁉️」

 

「何で!」

 

少し前に食人花の相手をしたアイズとレフィーヤはそれを人が操っている事実に驚いた。

 

「もう出してきたのか」

 

夜行は食人花の口を手足で閉じないようにして防ぐが、突進の勢いによりそのまめ空中に共に昇った。

流石の夜行も空中では踏ん張る手段なしでは防ぎようがなかった。

 

「………それでも対処事態は簡単なんだけどな」

 

俺は抑えてる腕とは逆に持っている両刃斧の片方を食人花の体内に向けて投げた(・・・)

 

 

 

 

 

 

 

夜行が上に連れていかれて、アイズは自分達を襲ってきた強敵に応戦し、今も視線を外さずにいた。

そしたら敵からポツリと呟きが聞こえた。

 

「今の風は……そうか、貴様はアリアか」

 

「っ⁉️」

 

その名を聞いたアイズは驚愕の表情をした。何故この人が自分の母の名前を知っているのかと。

 

「ならば貴様を連れていく」

 

「…っ⁉️」

 

アイズへとその瞬発力で近付いたレヴィスにアイズの反応がワンテンポ遅れる。

だが、レヴィスの凶刃がアイズを襲うことはなかった。

 

「グゥッ⁉️」

 

「えっ?」

 

レヴィスの胴体が上半身と下半身という風に分断されていたのだ。

 

「き、貴様ァァァ⁉️」

 

「ッ‼️」

 

「え?」

 

レヴィスとアイズは同時に上を向き、それを見てレフィーヤも反射的に上を向いた。

そこには夜行が空中で何かを投げた体勢をしており、更にその反動から次の一撃を加えようとしていた。

 

「ヤバくないか⁉️」

 

ルルネが危険を察知して叫ぶ。そして、それはまさしく正しかった。

 

「……フッ」

 

一息にヨナルデパズトリを地面に振り下ろして叩き付ける!

 

 

         ドォォォォン‼️‼️

 

 

それは18階層だけでなくダンジョンどころか……地上にも影響を与える程の震動を起こした。

 

「……グゥ⁉️……クソッ!」

 

無論、そんな震動を起こす程の威力を至近距離で受けた半身しかないレヴィスは無事ではなかった。

 

「………ッ⁉️」

 

アイズは戦慄した、ホンの少しだけでも相手をしたから分かるが彼女はまさしく怪物である。アイズ自身も(エアリアル)で逸らす離れるをしてダメージなどを受けないようにしたがそれでも少ない傷を負うほどだった。

 

「な、な、な、何なんだよ。あれは⁉️」

 

そのあまりの光景にルルネは叫んだ。それはこの光景を見ているアイズもレフィーヤもレヴィスさえも思っていることだろう。

 

「この辺りが……潮時か。……………食人花‼️」

 

半身になり更にボロボロにされたレヴィスは自身の不利を完全に理解し撤退するために動く。

ドン!と地面を殴り付けてどこに隠されていたのか大量の食人花が現れた。

 

「さすがにこれは対処しとかないとダメだよな」

 

夜行は投げ飛ばした片方の両刃斧が手元に来た時に危なげなくキャッチし回収する。

リヴィラの街で戦いの音や悲鳴なども聞こえるそこに夜行は走り出す。

 

「アリア。次は貴様を捕らえる」

 

「待っ⁉️」

 

アイズは母について知るレヴィスを捕らえようとするが別の食人花の妨害によってレヴィスは行方を眩ませた。

 

 

 

数分後、夜行が大半を細切れ瞬殺したが、他にもリヴィラにいた冒険者達やロキ・ファミリアの面々により食人花は一掃されたがレヴィスの逃亡を許したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




取り敢えずはリヴィラの事件の話はこれで終わりにします。
まぁ事件後の後始末とかそれぞれの考察とかは書くかもしれませんけどね。


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