牙狼〈GARO〉〜奏演〜 (黄金騎士k.k)
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序章〜男が牙狼を纏うまで〜
#1 天界


処女作になります。 色々文脈がおかしければ指摘していただけると助かります。


「ここは...?」

 

目が覚めるとそこは雲一つ無い青空と緑が生い茂っている大地が広がっていた。

何故こんな所にいるのか、そもそも自分はここにどうやって来たのか。

 

「目が覚めたみたいですね。」

 

声がする方を振り返ると目の前には綺麗な女性が立っていた、見た目からして同い年なのか...?

そもそも女性がどうしてこんな所にいるんだ...?

まだふわふわとした意識の中、思考を巡らすとそれを見かねた女性が声をかけてきた。

 

「...あの〜すみません、大丈夫ですか〜?」

「あぁ、すみません。つい考え込んでしまって

ところで、貴女は...?」

「あぁ、ご挨拶がまだでしたね。私は貴方の世界で言う所の女神という所ですかね〜?」

「は?」

 

自分でも間抜けな声が出てしまったと思っている。

だがこの女性は今自分の事をなんと言ったのか?

自分の事を女神と名乗る女性は続けて衝撃的な言葉を口にする。

 

「雷郷 鋼太郎《らいごう こうたろう》さん、突然ではありますが貴方はお亡くなりになってしまいました。」

 

 

雷郷 鋼太郎とは俺の名前だ。

俺の名前を呼び突然亡くなったと言われたのだ。

 

「は?いや、だって、え?」

「驚くのも無理はありません、本来のこちらの規定では亡くなられた方は亡くなられた事を知らないまま生まれ変わっていただく事になっているのです。」

「ですが、貴方の亡くなられた理由、それの原因をお話させていただきたく今回特例事案として、亡くなられた本人である鋼太郎さんを天界までお呼びさせていただいたのです」

 

死んだ理由...?

ダメだ、靄みたいなものがかかって何も思い出せない...。

 

「すみません...。俺がどうやって死んでしまったのか、靄みたいなものがかかって何も思い出せないんです。」

「...本来であればあまり私達からは亡くなられた理由はご本人様には話さないと言うお話は先程したと思います。」

「貴方が記憶を取り戻した後、貴方は正気でいられる保証は私達にもございません...。それでも、お聞きになられますか?」

 

それはまさに自分に課せられた天秤だった。

聞いた所で今更運命は変えられはしない...。

だけど、知らなきゃ生まれ変わっても一生後悔すると思ったんだ。

だからどんな運命でも受け入れる。

受け入れなきゃ...いけないんだ。

 

「教えて...くれませんか?」

「...いいんですね?」

「はい。全部受け入るって決めました、俺の...生きてきた人生ですから。」

 

「...分かりました。貴方の事について、全てお話させていただきます。」

 




女神の最初のセリフのトーンはウマ娘のセイウンスカイをイメージしていただければ分かりやすいかもです。


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#2 要因

バンドリキャラはまだ出てくる予定では無いです
少し先まではこの主人公にピックアップしていきます


「まず、貴方の亡くなり方は他殺になります。貴方がお付き合いされていた女性に突き飛ばされ、駅のホームに落下した直後、電車に轢かれてしまったという感じです。」

「そう...ですか...。」

 

 

女神様にそう言われ、自身の靄のようなものがかかっていた記憶が

全て思い出された。

 

 

彼女との交際記念日だったあの日

電車でお店に向かおうとした瞬間の話だった

電車が来た瞬間、後ろから誰かに押された気がしたんだ、

瞬時に後ろを振り返った瞬間に見たのは、

彼女のこれまでに見た事の無かった笑顔だった...。

そして彼女が最後に放った言葉は...

 

「ざまあみろ」

 

 

全てを思い出した俺は立ちくらみで倒れそうになってしまった。

だがその場で女神様に体を支えられなんとか持ち堪えた。

 

「大丈夫ですか!?」

「ええ...だけどこれが俺が死んだ理由...なんですね...」

 

これが俺が死んだ理由だと信じたく無かった、

愛する人との記念日が愛する人の手によって自身と共に葬られたなど...

 

「情けない...ですよね、こんな死に方...愛していた人に俺は...。」

「...今私が話をしたのは貴方の亡くなられた理由です。」

「...え?」

「貴方の彼女さんは、貴方の事を愛していました。本来なら貴方の事を手にかける理由は無いんです。」

「じゃあなんだって言うんですか!?愛していたのなら、殺す理由なんて無かった筈だ!!」

「それがこれから話をする原因が関係しているからです!」

「...原因?」

 

そういえば、この女神様は俺の死んだ理由には原因があると言っていた。

それが特例事案だとも言ってたっけ...

 

「今からお話する事はにわかには信じられないかもしれません。ですが、貴方なら理解をしてくださると信じて私はお話させていただきます。」

「信じられない...事?」

「まず、貴方達人間の世界にはいくつものパラレルワールドが存在をしているのはご存知でしょうか?」

「ええ...。パラレルワールドの話は都市伝説でも有名でしたから。」

「人間達のパラレルワールドは幾つもあります。それはもう無限と言っても過言ではありません。」

「そのパラレルワールドがどうかされたんですか?」

「人の持つ知識でのパラレルワールドはあくまでも分岐点、つまり可能性なんです。」

 

「ですが...パラレルワールドはパラレルワールドを引き寄せ融合し破滅をさせ合ってしまうのです。」

 

「...は?」

 

俺はSFを見ているのか?

死んだ後天界に来させられたと思ったら死んだと言われ、遂にはパラレルワールドが引き寄せ合って破滅?

 

「...バカにしてるんですか...?」

「大真面目ですっ!!」

「...はぁ」

「...まぁにわかには信じられないとは思いますが...」

「まぁ、そのパラレルワールドのなにが原因なんですか...?」

「はっ...!!失礼しました...他のパラレルワールドが融合してしまうと他の世界の人間の性格が真逆になってしまうのです...これが貴方の彼女さんが、貴方を殺してしまった原因になります...」

「...という事は彼女は俺を殺したかった訳では無いという事ですか...?」

「ええ、ですから彼女さんの本心による行動では無いのでご安心してください」

「そう...ですか...」

「...鋼太郎さん?」

「よかった...ぅぐっ...よかっだ...」

 

俺は安心したのか涙が止まらず泣いてしまった

嫌いが度を越した訳でも無く、他の男にそそのかされた訳でも無かった。

事象のせいとはいえ、死んでしまったとはいえ彼女が手にかけた理由が分かってホッとしたのだ。

 

「良かったです、俺で」

「え?」

「殺されたのが俺で本当に良かったんです、他の人ではなく俺みたいなので」

「...貴方は平気なんですか!?今お伝えするべきでは無いですが、その事象によって殺された人間は誰の記憶に思い出される事もなく存在しない人間になってしまうんですよ!?貴方の友人や、両親、恋人の記憶から貴方は消えるんですよ!?」

「...だとしたら尚更良かったですよ。」

「...え?」

「彼女には罪の意識を抱いて欲しく無いんです、他の人と幸せになってくれれば、

それが僕にとって願ってもない本心ですから!」

「(彼は優しい...彼なら、我々の望みを叶えてくれるかもしれない...!)」

「雷郷 鋼太郎さん、貴方にお願いがあります。」

「...女神様からお願いってちょっと怖いですね...」

「失敬な!!...まぁいいでしょう、これは貴方にしか託せないと思ったから貴方にお願いをしています。」

「...そのお願いってなんですか...?」

 

「貴方には...とある融合した世界を救う騎士となって欲しいのです!!」

 

 

 

 

........え?

 

 

 

 




書いてて途中で纏まらなくなってしまった...
一応まとめて修正したんですがおかしかったらすみませんm(_ _)m


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#3 決断

一応予定では牙狼以外の騎士だったりはオリキャラか一部バンドリキャラにやらせたい、みたいな思考になってます


「え、いや、ちょっ、え?」

 

この女神様は今なんと言ったのか、世界を守る騎士?

俺がか?

冗談だろ?

 

「世界を守る騎士って....冗談ですよね?」

「いえ?冗談ではなく真剣にお願いをしております。」

 

冗談じゃなくて本気で俺に騎士になってほしいと女神様は俺に言った。

世界を守る騎士?

何故俺なんだ?

俺になんか出来るわけがない。

そうだ、断ってさっさと生まれ変わってしまおう

自分の死んだ理由が分かったのだからいいじゃないか。

 

「女神様、俺をその騎士とやらになってほしいという想いはすごく名誉な事なんだろうと思います。」

「.....」

「ですが...俺なんかが守る騎士になんかなれません...そうに決まってるんです。」

「...それは」

「え?」

 

「それは、貴方の過去と関係がありますか?」

 

「!?」

 

知られている。

俺の過去が、俺の闇が、

目の前の女神様に知られているんだ。

汗が止まらない。

震えが止まらない。

自分の体から起きた反応の筈なのに、自分の体じゃないような感覚に陥った。

 

「貴方の過去を、失礼を承知で覗かせていただきました。」

「何があったのかは全て分かっています。そしてそれがトラウマになり、守る事を恐れているのも...」

「...だったら分かるじゃないですか!!もう無理なんですよ!!あの出来事以来、俺は俺が嫌いなんだ!!何も守る力も無い、守れない者に何が出来るって言うんですか!?」

「だからこそ貴方にしか託せないんです!!」

「...え?」

 

「守る事の大切さ、失う事の悲しさ、そして誰かに対する優しさ。」

「これは、貴方にしか出来ない事です。」

「そんな貴方だから、私は...私は貴方に世界を闇から照らす騎士に! 人々を救う光の騎士になってほしいのです!」

 

女神様の言葉

女神様の眼差し

それはさっきまでの震えを包み込む様な優しい言葉だった

 

「...僕にも、僕にも人を...また人を守る事が出来るんですか...?」

「ええ、もちろん」

「貴方ならその世界の人達を救う事が出来る、そう私は信じています」

 

その答えで俺は全てを決断したんだ。

俺は...

 

 

 

「やります。その世界で...俺は世界を救う騎士になります!」

 

 

 

俺は騎士になる覚悟を

人を守る、守りし者として一歩進んだのだ。

 

 

 

 

それから女神様は、その世界の話を説明し始めた。

 

「では...鋼太郎さんに今から、貴方が守っていただく世界の話。そしてその現状についてお話致します」

「...お願いします。」

「まずは融合する前のそれぞれの世界のお話から、鋼太郎さんは牙狼という世界とバンドリという世界のどちらかは聞いた事はありますでしょうか?」

「牙狼とバンドリ!?」

「...その反応だとどちらもご存知みたいですね、そしてそれぞれが混ざり合ってしまった場合どうなるのかももうお分かりだと思います。」

 

牙狼は確か人間や物にホラーって化け物が憑依し、好物の人間の肉体や魂を餌とするホラーを黄金騎士である牙狼が狩るお話だったっけ。

バンドリは分かる、彼女に勧められてゲームをよくやってたっけ。

 

「その2種類の世界が混ざり合い、現在バンドリ世界に暮らしていた邪念とされる物を持つ人間が既にホラーに取り憑かれています」

「その結果、現在ではバンドリ世界に行方不明の人間が多発していまして...我々天界の物でも干渉が出来ない状態なのです。」

 

でもそれならおかしい点がいくつかある。

そもそも牙狼の世界なら魔戒騎士や魔戒法師の存在があるはず。

 

「でも、確か牙狼には牙狼以外の魔戒騎士や魔戒法師がいるはずじゃ?」

「それが...この世界が融合した瞬間ホラー以外の全ての概念が消滅してしまったのです...」

「え?」

 

嫌な予感がした、まさかとは思ったが嘘だろ?

 

「まさかとは思いますが...その騎士って言うのは...?」

 

 

 

「はい!貴方には黄金騎士牙狼になって、バンドリの融合した世界を守る魔戒騎士になっていただきたいのです!」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 

 

僕はどうやらとんでもない覚悟をさせられた様です。

どうすればいいんでしょうか...泣きそう

 

 

 

 




主人公の過去は追々深掘りしていきます。
プロローグはもう少しだけ続くので、相変わらずの破茶滅茶文ではありますが変わらずお楽しみいただけると幸いです。


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#4 邂逅

いよいよ、あいつが出てきます
プロローグ自体はあと何話かで終わる予定です


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

もうなにがきても驚かないだろうと思っていたさっきまでの俺を殴りたい

いや、え?牙狼と一緒に戦うんじゃなくて俺が牙狼になるの?

 

「貴方の記憶はそのままに融合世界に行ってもらいます!貴方の世界で言ったら転生系のアニメキャラみたいな感じですね!」

「いやいやいやいや、待ってくださいよ女神様」

 

この女神様は、

自分が何を言っているのかをこちらに整理させる隙を与えちゃくれない。

いや、そもそも牙狼を纏うっておかしいだろ。

俺は冴島の家系でもなんでも無いんですが??

 

「女神様、俺は牙狼の世界の人間じゃないので牙狼は纏えないですし、そもそも俺に戦う能力なんてありませんよ!」

「だからこそ我々の力があるんじゃないですか!私が貴方に牙狼を纏うための力を授けますとも!」

「えぇ...」

 

もう何も言い出せない、牙狼を纏うためにはそもそも試練だったり色々あるんじゃないんだっけ...?

それをせずに、いきなり牙狼を纏うって言うのはいささかズルなんじゃないのか...?

 

「それに貴方には私の加護も授けちゃいます!ホラーになんて簡単にはやられはしないですよ!」

「......」

「あ、あれぇ?私の加護じゃダメ...ですかね?」

 

俺は守りし者になる

その決断は、今も揺るがすつもりはない

だが、今のまま牙狼を纏えばどうなる?

この鎧は人の想いが受け継がれている鎧のはず、そんな鎧を簡単に纏う事が許されるのか?

 

いや、違う

俺は強くなる

 

強くなって、人々を守るための騎士

黄金騎士 牙狼になるんだ。

 

「...女神様!!」

「ひゃい!?な、なんでしょうか!?」

「俺は牙狼になります、ですが直接力を受け取るのはお断りさせていただきます。」

「...へ?」

「俺には戦う能力がありません。その状態でホラーと戦っても女神様の力に甘えてしまう事になります。」

「た、確かにそうかもしれないですが...」

「だから、僕に時間をくれませんか?」

「時間、ですか?」

「はい、僕に戦う術を教えてほしいんです。」

「女神様じゃなくても構いません、これまで牙狼を纏ってきた英霊の方や戦いに慣れた方でもいいんです。」

「僕に牙狼の全てを使いこなす力をつけさせてください!お願いします...」

「鋼太郎さん...」

 

断られるのだろうか...

これはある意味俺の我儘に過ぎない

こんな俺の我儘に時間を使ってもらう必要もないんだ

 

「...それは貴方なりの覚悟と受け取ってよろしいですか...?」

「...はい」

「...しょうがないですねぇ〜」

「え?」

「さっき、世界に干渉出来ないと言いましたが...完全に出来ない訳ではないんですよ」

「...それは一体?」

 

「融合された世界の時間を止めます」

 

「時間を...ですか?」

「ええ、これは本来我々天界の物が各世界に一度だけ許される干渉です。」

「本来なら、時間干渉をして今起きてる事象を強制的に取り除くために使う力です。」

「ですが...貴方のその決意に頼んだ我々が答えない訳にはいかないじゃないですか。」

「女神様...」

「本来なら...転生してもらう方にはここまで干渉はしないんですからね?」

「なら...どうして?」

「これは、貴方という人の生き方に惚れた一人の女の...ちょっとしたサービスです♪」

「っ!?」

 

どうやら俺には、相当頼りになるご加護がついたらしい。

 

「あ、そうだ!貴方にはお渡しする物があるんでした!」

「...俺にですか?」

「そうなんです!ある意味あちらの世界では必須な物ですよ!」

「...それは?」

 

「ヨォ!人間、俺様の名はザルバ まぁ黄金騎士を知ってるなら俺様の事も知ってるよな?」

 

驚かないって言ったフラグはこうも簡単に折られてしまうみたいです。

 




もしよかったら感想いただけると励みになります。


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#5 転生

牙狼いつ纏うねん


魔導輪ザルバを女神様からいただいてから俺の牙狼の力を使いこなす為の特訓が始まった。

 

「オラオラ!そんなんじゃ、簡単にホラーにやられちまうぞ!」

「分かってるよ!ザルバ!」

 

最初は、牙狼で見た事のある特訓場での攻撃を見極める特訓

 

「おい、鋼太郎!そのままだとケガをするぞ!」

「うるさいよ!ってうわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

案の定、後ろから斬られてしまった。

普通の人間なら死んでたな...

 

「ほぉら、言わんこっちゃないじゃないか...」

「悪かったよ...」

「まったく、確かにお前の剣筋はいい方だが...周囲をよく見てなさすぎるんだ。」

「気を研ぎ澄まし、周囲をよく見るんだ。そうすれば見間違える程に刃を避けられる筈だぞ!」

「...やってみる」

「おう!期待してるぜ!」

 

牙狼を纏い、動き回るための体力

 

「冴島の系譜の人間は、こんなんじゃへばらなかったぞ!まだまだスタミナが足りないんじゃないか!?」

「...くそっ!」

「まずは最低でも20秒は持たせなきゃダメだぞ!」

「あぁ...こんなもんじゃない!」

「その勢いでもっと走る距離を増やすぞ!」

「はぁ!?無茶苦茶だろ!」

 

そして、その特訓を行う事数年...

ようやく様になってきた。

 

「はぁ!ふっ!そりゃ!」

「鋼太郎!後ろだ!」

「ふん!」

「魔戒剣で刃を弾いたか!様になってきたじゃないか!」

「はぁ...はぁ...あぁ、自分でも良くなった気がするよ...」

「その調子だぞ!鋼太郎!」

 

そして、牙狼での体力トレーニングは、

 

「はぁ...はぁ...」

「今の時点で、牙狼を纏う時間は結構長くなったな!流石だせ!」

「...あぁ」

 

 

そして数十年の月日が流れ、いよいよその時が近づいてきた

 

 

「いよいよ融合された世界へと、転生する時が来ましたね...」

「...はい」

「ここまで、長い様で短い様な感覚だったな!」

「確かに...色々あったな。」

 

何度も死にかけたし、何度もくじけそうになった

でも決意したあの日の事を思い出したら自然と勇気が湧いてきたんだ

俺は守りし者になるためにここまで来たんだ...と

 

「時間を再び動かした場合、もう二度と干渉は出来ません...本当によろしいですね?」

「ええ、ここまでに充分過ぎるほどの時間をいただきました。守るための力もついたと思います。」

「あぁ、最初とは比べ物にならない力の差だ!これなら歴代の牙狼を纏う騎士達と変わらない筈だぜ!」

「ふふっ...貴方達もこの数十年で仲が良くなったみたいですね♪」

「まぁ、ある意味相棒と言っていいと思います。それに向こうでは一色お世話になるでしょうし...」

「ああ、ホラーを倒して人々を救う。その為ならいくらでも力を貸してやるさ」

「ありがとう、ザルバ」

「私も天界からサポートさせていただきます。頑張って下さいね!」

「はい!ありがとうございました!」

 

そして、目の前に光のゲートが現れた

 

「こちらのゲートを通れば、貴方の向こうの住処で目を覚ます筈です。向こうではまだお昼時だと思いますし、少しでも街を見ていただければと思います。貴方も見た目は学生と変わらないので向こうでは学生として生活していただきますので、ある意味第二の人生として青春を好きに謳歌して下さい!」

「え?いいんですか...?ホラーを倒すだけなんじゃ...」

「いいんですよ!気になさらなくても。過去なんて関係ないです、貴方は今を楽しんで下さい!学生として、黄金騎士として!」

「女神様...このご恩は必ず世界を守って返します!ありがとうございました!」

「ところで、向こうでのお名前はどうされますか?」

「名前...ですか?」

「ええ!せっかくだし、名前も変えて生活して見ませんか...?」

「そうですね...」

 

そして、ザルバがとある提案をした

 

「鋼太郎、せっかくだし【冴島】を名乗るのはどうだ?」

「いいな!せっかくなら、向こうでは冴島を...って、はぁ!?」

「どうだ?名乗ってみないか?冴島の名を」

「いや、いいのか?」

「俺はいいと思うぞ?お前はもう牙狼を纏う騎士の一人なんだから」

「私も、いいと思います!黄金騎士として!」

「...分かりました。冴島の名に恥じない様に頑張ります!」

「でも、下の名前はどうしましょう?そのままの鋼太郎ではちょっと...」

「うーん...そうですね」

「せっかくなら、相棒のザルバに決めてほしいんだが...」

「俺がか?うーん、そうだな...」

「お前が思い付いた名を名乗る事にするよ。」

 

「なら遼牙はどうだ?冴島 遼牙《さえじま りょうが》全てを凌駕する騎士として生きる意味を込めて」

 

「冴島...遼牙」

「ああ、どうだ?いい名前だろう?」

「ああ、ありがとうザルバ。俺は遼牙として生きるよ」

「おう!改めてよろしくな!遼牙!」

「ああ、よろしく。ザルバ」

「では、鋼太郎さん...ではなく...遼牙さん!頼みましたよ...」

「ええ、お任せ下さい。」

 

俺、雷郷鋼太郎もとい、冴島遼牙は光のゲートへ歩き出した

人々をホラーから守る為に。

 

──────────────────────────

 

「...ここは?」

「どうやら、ここが俺たちが暮らす屋敷のようだな」

「屋敷...ね」

「だが遼牙、ゆっくり街を見るとは言ったがまずは学校へ編入する準備とかをしなきゃな」

「まぁ、確かにな。俺が通う学校ってどこだっけか」

「羽丘学園って所みたいだな。女神がパンフレットを屋敷に置いてったみたいだぜ」

「羽丘学園...か」

 

おかしい...バンドリ世界って女子校じゃなかったか?

まぁ、ある意味融合世界によって、かもしれないけど

 

「遼牙、どうやらゆっくりと街を見る事すら許されないらしい。さっそくだがうっすらとホラーの気配を感じるぞ」

「さっそく仕事ってやつか、街を見るのは探しながらにしようか。いこうザルバ」

「おう!俺達の初陣ってやつだ!ド派手に行こうぜ!」

 

 

ホラーは夜に活動を始める

人間の肉体や魂を喰らうために

 

「なぁ、そこのあんた」

「んだよ、おっさん。俺になんか用かよ」

「ゴミを道に捨てるってどんな気持ちなんだい?」

「は?」

「いいから、ゴミを道に捨てるってどんな気持ちなんだ?」

「関係無いだろ!おっさんにはよ、ってか何様な訳?殴られたいの?」

「じゃあ、俺がゴミに何しようと関係無いよな?」

「は?」

「じゃあな、人間」

 

とあるホラーが人間を喰らおうとした

がホラーには誤算があった

それは、

 

「はぁっ!」

「がぁっ!?」

 

この世界に魔戒騎士が現れた事だ。

冴島遼牙は男に告げる

 

「逃げろ。」

「は、はぁ?なに言ってんだよお前」

「目の前の光景を見ても、同じ事が言えるのか?」

 

目の前には顔が歪んだ中年のサラリーマンの姿があった

とても人間とは思えない、それはまさしく化け物だ

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

襲われていた男は逃げ出した

それはある意味正しい事なのだ、これから起きる事を見ない為にも。

 

「貴様、何者だ?何故俺の邪魔をする?」

「邪魔もなにも、お前は魔戒騎士を知らないのか?」

「なっ!?魔戒騎士だと!?この世界には存在しない筈では...!?」

 

続けるように、ザルバは語った

 

「しかも、こいつはお前達の因縁。黄金騎士牙狼なんだぜ!」

「牙狼...だと?」

 

ホラーである男は明らかに動揺していた

だが瞬時にニヤリと笑い

 

「じゃあ、お前を倒せば俺達がなにをしようがいいんだなぁ!?」

 

男は構えると異形の怪物に変化し、襲いかかる

 

「いよいよだな、遼牙。かましてやりな!」

 

「ああ、いくぞ!」

 

俺は魔戒剣を天へ向ける

そして空中に円を描いた。

 

狼の咆哮が聞こえた。

 

そして、牙狼の鎧が纏われ

怪物の攻撃が弾かれた。

 

「他の人間に見られたらマズイ。早めに済ませるぞ!遼牙!」

「ああ!貴様の陰我、俺が断ち切る!」

「出来る物ならやってみなぁ!牙狼!」

 

俺は襲いかかる怪物の胸を剣で貫いた

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?何故だ、何故なんだァァァァァァァァァァァァ!」

 

怪物は苦しみながら、弾け飛んだのだ。

 

「陰我...消滅...!」

「お見事だぜ!遼牙!」

「ありがとうザルバ。とりあえず早く帰ってご飯でも食べようか」

「おう!」

 

鎧を解除した、遼牙はザルバと話ながら屋敷へ戻る

 

(...なに...あれ...?)

 

そこに一部始終を見ていた少女がいるとも知らずに

全ての歯車は今この瞬間、動き出したのだ

 

 




これで、プロローグは終わりです。
次回からようやくバンドリキャラを出していきます。
鋼太郎改め、冴島遼牙とどう絡んで行くのかお楽しみに

感想等、お待ちしてます♪


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壱章〜動き出す歯車〜
#6 幻想


バンドリキャラがいよいよ出ます。


〈???side〉

 

「(...なに...あれ...?)」

 

私の目の前には信じられない光景が広がっていた。

たまたま飲み物が飲みたくなった私は、コンビニに向かっていた。

そして、そのまま家に帰ろうとした時

喧嘩の様な声が聞こえて、それを見てしまったんだ。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

相手の中年男性は、顔が歪んでいた。

それを見た私は、早くここから立ち去らなきゃいけない。

逃げなきゃ

逃げなきゃ

逃げなきゃ

でもその中年男性は更に声を荒げ、異形の怪物に姿を変えた。

 

目の前の怪物が男の人に襲い掛かろうとした。

私は声を出そうにも、恐怖で動けなかったのだ。

その光景を見るまでは...

 

「ああ、いくぞ!」

 

私と同い年くらいの男の人は、剣を天に向け

円を描いた。

 

「...え?」

 

怪物の攻撃が弾かれたと思ったら

目の前には金色の鎧を着たさっきの人が剣を構えていた

 

「貴様の陰我、俺が断ち切る!」

 

そう言って、牙狼と呼ばれていた鎧の人は怪物の心臓らしき場所を貫いた。

怪物は苦しみながら消滅していた。

 

気がついたら鎧を着ていた男の人の姿は無く、

恐怖で動けなかった体はいつのまにか動けるようになっていた。

 

「黄金...騎士...」

 

今は、早く帰らないと...誰かに見られたらマズイ

そう思った私は、家に走って帰った。

 

 

「ただいま...。」

「おかえり、"蘭" 」

 

家に帰ると、お父さんが居間で待っていた。

 

「随分と遅かったじゃ無いか。なにかあったのか?」

「別に...何でも無いよ」

 

さっき見た事をお父さんに話す訳にはいけなかった

余計な心配をさせたくなかったから

 

「そうか、なんかあったらすぐに話すといい。少しは助けになるだろう」

「...ん」

 

いつも通りのお父さんを見て、心が落ち着いた気がした。

だけど、私はあの時の光景が忘れられない。

 

その日の私は一睡も出来なかった。

ただこの時の私は、思っても無かった。

 

これが、全ての始まりだと。

 

──────────────────────────────

 

〈遼牙side〉

 

「さて!遼牙、今日からいよいよ学生生活だぜ!」

「いや、テンション高くないか?」

 

朝起きた瞬間、ザルバはめちゃくちゃテンションが高かった

 

「俺は、人間の学ぶ場所に行くのは初めてでな!これでもかなり楽しみにしてるんだぜ!」

「まぁ、ホラーを狩る以外は基本的に学生って身分だしね。お互い楽しもうか。」

「だからって気は抜くつもりは無いぜ?学園にホラーがいる可能性だってあるんだからな?」

「まぁ確かにね。だけども、俺は変わらずホラーを狩るだけだよ」

「その意気だぜ!それより、学校に行く前に行けなかった所に行ってどういう場所があるかも確認しないとな!」

「ああ、まだ時間はたっぷりあるし、下見しに行こうか。」

 

支度が早かった事もあり、俺は街へ出かけた。

さて、転生してから久しぶりの学生生活

楽しめたらいいなぁ。

 

─────────────────────────────

 

〈蘭 side〉

 

「はぁ...眠い」

 

昨日は一睡も出来なかった。

まぁ、あんな光景を見た後じゃあ寝れないのもしょうがないのかもしれないけど、

まぁ授業始まるまでは寝てようかな...。

 

「はい、おはようございます!」

「...はぁ。」

 

最悪だ...もう先生来たじゃん

どっかの授業で寝ようかな...

 

「みんなも、噂になってるから分かるだろうけど今日は編入生が来てます!」

 

そういえば...ひまり達が結構噂になってるって言ってたっけ。

編入生...どんなやつなんだろう

まぁ...興味ないし、外でも見てよ。

 

「じゃあ入ってきてー!」

 

すると...

 

「キャー!!カッコイイ!!」

「すげぇイケメンだ!!」

「マジでカッコいいな!?モデルかなんかか!?」

 

なにやら周りが騒がしかった

どんなやつか見たくて前を見たら...

 

「...え?」

 

信じられなかった

だって目の前に居たのは

 

「はじめまして、冴島遼牙と言います!よろしくお願いします!」

 

 

昨日の、あの怪物を倒した男だったからだ。

 

 

 




という訳で最初のバンドリキャラは蘭ちゃんでした。
こっから遼牙とどう絡ませていくかお楽しみに!

感想等お待ちしております♪


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#7 驚愕

小説のデータを間違えて消したので
また書き起こすのに時間がかかりました。
ちょい久しぶりに投稿になります


 

〈蘭 side〉

 

「はじめまして、冴島遼牙と言います!よろしくお願いします!」

 

「...え?」

 

目の前には

昨日、あの怪物を倒した男が立っていた。

 

「はい、というわけで冴島遼牙君がこのクラスの新しい仲間になりまーす。」

「席は...見たりゃわかるだろうけど美竹の隣な〜。みんな仲良くするように!」

「...マジ?」

 

最悪だ...。

よりにもよってその男は、私の隣の席に座った

 

「改めて、冴島遼牙といいます。美竹さん...だっけ。よろしくね。」

「......よろしく」

 

どんな顔して見ればいいのか分からない

こんなイケメンが、あの金色の鎧を着て怪物を倒してるなんて、

彼は私と初対面だけど、私は彼を一方的に知ってる。

もしかしたら、あからさまに顔に出てるかも...

そう思った私は、外を見る事しか出来なかった。

 

──────────────────────────────────

 

〈遼牙 side〉

 

「......よろしく」

 

編入した先の学校で、俺は隣の人に話かけた。

ただ、

彼女、美竹さんはずっと窓の外を見ていた。

 

「(ザルバ、これもしかして嫌われてるのかな?)」

「(...いや?そんな様子は無さそうだぜ?...だがさっきから俺様のほうをチラチラ見てるみたいだが...)」

「(えぇ?...まぁデザインが気になる、とか?後はなんで指輪してるかとかなんじゃないかな?)」

「(そうかぁ?まぁならいいんだが...だが気をつけろよ?遼牙)」

「(ん?なにが?)」

「(ホラーと戦う所を見られる事だ。昨日はまぁ、大丈夫だったけどな?もし見られたら厄介かもしれないぞ。)」

「(厄介って...ホラーの血を浴びる事とかか?)」

「(まぁそれもあるんだが...この世界っていわゆるホラーが居なかった世界なんだろ?だとしたら、登場人物に見つかったりでもしたらむしろ危険なんじゃないか?)」

 

そうだ

元はといえばこの世界は危険因子の存在がない

いわば平和な世界だ、そんな世界で人に見られるって事は

危険な事に巻き込んでしまう事になる

 

「(ごめん、全く意識してなかった...でも、どうすればいいんだ?)」

「(なぁに、そんなのは後からでも出来る。ただもし、最初のあれを登場人物に見られてた場合、どうしようもないぜ...?)」

「(あぁ...マジでどうしようかな...)」

 

どうすりゃいいんだよ...これ

 

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〈蘭 side〉

 

「...はぁ」

 

編入生の冴島遼牙はさっきから顔色がコロコロ変わっていた。

不思議な人だし、会ったばっかりだからなにも知らない。

けど、あの金色の鎧を着た騎士の正体

そして、あの怪物はなんなのかを聞きたかった。

放課後、私は彼に声をかけた

 

「...ねぇ」

「ん?...どうしたの?美竹さん...だっけ」

「話がしたいって思ったんだけど...あんた時間ある?」

「あぁ...ごめん、街に慣れてないから今はこの街を知りたいんだ、もうちょっと先でも...いいかな?」

「まぁ...そうだよね、ごめんね。」

「こちらこそ、ごめんね。絶対に時間は作るから」

「うん、ありがとう。」

 

よかった、なんとか話は出来そうだった。

私が私じゃないみたいだった、直感的にこれ以上知ってしまえば

もう後には引けないと思った。

でも、このモヤモヤを無くすためにも知りたかった。

知らなきゃ...いけないんだ。

 

ピロピロリン♪

 

メールが届いていた。

中身は、お父さんから?

 

────────────────────────────────

 

蘭へ、

今日は家に来客があるから

知り合いの経営してる美術館で待ってて欲しい。

 

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お父さんからのメールは、知り合いの美術館で待ってて欲しいとの事だった

知り合いの、経営してる美術館か...

本当に久しぶりだ。

私が好きな絵があそこにあるんだよね。

ちょっとワクワクしながら、私は帰宅の準備を進めていた。

 

この後、まさかあの金色の鎧の正体に近づく事になるなんて

今の私は思わなかった。

 

 




ちなみに次回はいよいよ、ホラーとバトルします。
まぁ1話と言えばってやつですねw

感想等お待ちしております


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