ダイの大団円 (take2) (ギアっちょ)
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異界神降臨

絵心や画力が有ればマンガで表現したかったけど、
無いものは強請っても仕方がないので拙い文章で二次創作してみました。

でも、二次創作ってこういうことして良いんでしょう?!(笑)

前回以上に勢いといきあたりばったり感で突き進んでます!


「あ~~~~~~~っと、

 言い忘れたが 

 ヒャド(氷結呪文)では止められないよ。

 そいつのエネルギー源である

 魔界のマグマ成液の高熱がはじいてしまうからね・・・!

 

 あと10秒・・・!

 打つ手はない!!」

『死神』キルバーンが勇者一行に死刑宣告を告げ…

 

「うそをつくな」

 

謎の男の声が一言。そして刹那。

『人形』の首が飛ぶ。

 

「は?」

間抜けとしか言いようがない、キルバーンの声。

その場の全員が、何が起きたか分からなかった。

分かったのは、何かが起きた結果、

人形の首が千切れて飛んだこと。

 

ドスン!と鈍い音を立てて、少し離れた場所に『人形』の首が落ちる。

そして次の瞬間

 

『人形の体』は、もはや『人の形』でさえなかった。

無数の破片。崩れる瓦礫。

 

それに気づけたのは、かろうじてラーハルトのみだったろうか。

瞬きする間に、無数の斬撃が『人形』の体を切り裂き、八つ裂きにした。

ただの斬撃ではない。遠距離から斬撃を「飛ばした」のだ。

一撃一撃が海波斬、いや、アバンストラッシュのような重さで。

 

数秒後、そこに残ったのは

「人形」の頭部だけだった。

 

誰一人、状況が理解できないまま、

周囲を風が吹き抜ける。

 

その風に吹かれて、バラバラになった残骸が宙へと舞う。

それはまるで、「灰」のように。

 

「こういう度が過ぎたオモチャって、

 そもそも持ってちゃダメだよね。」

 

キルバーンでも、勇者一行でもない

先程とはまた別の、能天気とも言えそうな声。

 

そして、そのセリフが終わるか終わらないかのうちに

周囲の光景が暗転する。

 

「「「?!」」」

その場の『全員の時間』が止まった。敵も、味方も・・・

 

誰一人、瞼も動かすことが出来ない。

そんな中、誰かはわからないが、謎の…

一人分の足音だけが周囲に響く。

 

「没収!!」

 

「「「!!!」」」

 

次の瞬間、『首』の下の大地に漆黒な円状の紋様が出現する。

紋様は波紋を広げ・・・そして、

 

消えた。

 

 

紋様が消えると同時に、周囲の光景は「通常」に戻る。

そして、全員の「時間」も動き出す。

 

「んだ今の!!」

勢い余って転んだポップが声を荒げる。

だが、一番動揺していたのは・・・

 

「ボクの…ボクの人形が…黒の核晶(コア)が!!」

喚くキルバーンが、慌てて『人形の首』に駆け寄って拾い上げようと、

抱えようと手を出すが…

 

『人形の首』は、掌からサラサラとこぼれ、砂になって崩れ、

風になって砂粒になって飛んでいく。

「うそだ!うわぁーーー!!」

 

「黒の核晶(コア)・・・

 魔法力を無尽蔵に吸収させて、

 とてつもない爆発を起こす、だっけ。

 

 でも、その肝心の『魔法力』さえ吸い取っちゃえば

 どうってことない。」

 

『誰か』が理屈を説明する。さも簡単そうに。

 

「「「「誰だ!!」」」

一同が声のする方向を見た。そこに居たのは…

 

 

スラリと伸びた手足。

後ろで縛られた長髪。

薄手のスモックを身にまとった、

見た目はまるで女神のようで、

それでいて声は男性のような。

 

勇者一行の頭に?が浮かぶ。

 

口火を切ったのは、レオナ王女だった。

「貴方は一体・・・?」

 

『男性』は答える。

 

「ただのおせっかいな通りすがり。

 なんてね。

 

 地上に生きるモノたちが全て消し飛ぶかも?!

 …っていう、世界の危機に

 及ばずながら、馳せ参じました~

 

 まぁ、大魔王は、もう

 倒されてたわけだけど。」

 

 

「馬鹿な!おま、おまえ・・・

 いや、『貴方』がココに『干渉して』いいのかよ?!

 おま! 異界神〈アーク〉だろ!!

 

 ルール違反だろうぅ~~!!」

キルバーンが更に声を荒げて大声を出す。

 

「あーく?!」

勇者一行にはまったく聞き慣れない単語。

意味も、綴もわからない。

 

(あーく・・・あーく・・・? 

 昔、古文書か何かで読んだ単語のような・・・)

メルルだけが、記憶の糸を手繰る。

(アーク・・・『異なる・・・』えーと・・・)

そして、キルバーンの「ココに干渉~」という言葉が引き金になる。

 

(!まさか、異界神〈アーク〉!!

 異なる世界からいらした神様?!)

思わず声が出そうになったので口を抑えた。

それを見た『謎の青年』が自分にウインクするのをみて、

メルルはなんとなくだが、

口に出してはいけない、というコトを察する。

 

 

「やぁ、みなさん。 

 はじめまして。

 ボクの名前はレディオス・ソープ。

 

 ソープでいいですよ。

 

 お察しのとおり、この辺の者じゃない。

 かなり『遠く』から駆けつけました。

 

 君たちにわかりやすいように言うなら・・・えーと・・・

 魔法剣士、ってやつ? なのかな。

 

 魔法も使えるし、剣でも戦えます。

 エッヘン。

 

 さっきのは、ボクのオリジナル呪文で、

 対象の力を全部吸い取っちゃう

 『次元回廊〈セブンスフォール〉』っていうんだ。

 

 ここに『こうやって』たどり着くまで

 正直、いろいろと手間取ったけど、

 間に合ったみたいで良かったよ」

 

「世界には、まだまだすげぇ呪文を使うやつもいるんだなぁ…

 上には上がいる・・・か。」

ヒムは素直に感心しているが、アバンやポップは穏やかではない。

 

あの爆弾、黒の核晶(コア)が内包していた魔法力は

死の大地(大陸)を吹き飛ばした威力を持つ

「ハドラーの体内にあった」黒の核晶(コア)と同等だったはず。

 

それを、あの「呪文」は

一瞬で 

完全に 

吸い尽くしたのだから。

 

そんな途方もないことを可能にする力が

この世に存在するのだろうか・・・?

 

そもそも、ヒムは

その直前の謎の斬撃や停止現象を

なんだと思っているのか・・・

 

「あわわ・・・・」

それ以上に泡を吹いているのはキルバーン。

自身の正体はバレ、武器は失われ。

 

そして、周囲を取り囲むのは大魔王バーンをも屠った勇者一行。

 

「逃げ・・・」

ヴェルザーの指令は果たせない・・・が、

ここは一旦退くしかないと悟ったキルバーンは、

素早く飛び上がる。

「待ちやがれ!」

ポップが追う。

 

だがキルバーンが空中に飛び上がって距離をとって逃げようとしたが早いか、

再び、目にも留まらぬ斬撃が

今度は轟音を立ててキルバーンの周囲を切り刻む。

 

複数の斬撃が大地に深く爪痕を刻み、

そのまま地面に落ちて尻餅をつくキルバーン。

額や頬を冷や汗が流れ声も出ない。

 

キルバーンの退路に立ち塞がるように立っていたのは、

長身の男性。

 

腰まで伸びた長い髪をたなびかせ、

腕を胸の前で組んで、冷たい瞳でキルバーンを見下ろしながら、

男は「死神」に向かって冷たく「死刑」を告げた。

 

「この道は通行止めだ。ほかを当たれ」

 

他にどこに逃げればいいというのか・・・

 

前には謎の長髪の男、

後ろには勇者一行。

 

だが、その勇者一行も、

謎の長髪の男の迫力にあてられ、それ以上距離を詰める事ができない。

 

「おいおい・・・ログナー司令・・・独りで

ちょっとやり過ぎなんじゃないの~?」

 

別の方向から、また新しい声。

今度は女性?

 

誰かは分からない。だが、言葉の内容から、

もしかしたら、自分を助けてくれる味方の援軍、

あるいは、また別の何者かの可能性を考えて、

キルバーンが声の主の方向を向く。

 

「お!お助けを!!」

 

そこには、長髪でツリ目の女性が、腰に手をあてて立っていた。

服の前面にはマイトの称号を示す5本線。

シャリシャリンと、キレイな音を立てて髪がなびく。

 

一縷の望みを賭けて、助けを求めるキルバーンを、

ツリ目の女性は先程の長髪の男同様

冷めた軽蔑するような目で見下ろしていた。

 

「私もそいつにはムカついてるんだが?」

 

むしろ敵の援軍だった!

キルバーンは戦慄した。




好意的な(?)感想コメントいただけたら
続き書くかもしれないです(笑)が、

前述の通り、行きあたりばったりだし、
最終的にどうなるかは?は
前作同様・・・のハズなので(笑)←
続かないかもしれません(;´Д`)

全ては
読者様が居るのか居ないのか、それ次第!!www

まぁ、続くかもしれん←

最後に登場した、この女性がいったい誰なのか?
隠したわけじゃないが、名乗らせる暇がなかったwww
続いたら名乗らせるかもwww


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過去の報い

やっと書けました第二話。

ツバンツヒがどう動くか?
かなり悩んだけど、もう好きにしたwww



一瞬、突風が吹いた気がした。

だが勇者一行が風だと思ったのは、女性が素早く駆けたことによる風圧だった。

 

キルバーンの小柄な体が蹴り上げられ、宙に浮く。

次に、周囲に何度も響く打撃音と、

キルバーンのものと思しきうめき声。

女性は同時に飛び上がり、空中でも繰り返し殴ったのだ。

 

数秒後、ようやく・・・いや、辛うじて・・・

無惨な姿で無様に地面にうつ伏せの状態に叩きつけられ、

痙攣するキルバーン。

 

その手の甲を、女性はヒールの踵で踏みつける。

 

「どうして魔法で逃げられない?とか思ってるな?」

 

「残念~!

 さっき、陛下の『次元回廊』は、

 お前の魔法力も吸い尽くしてるのさ」

 

女性はそう言ってケラケラ笑った。

 

「「「陛下?!」」」

一同が目を見開いてソープの方を振り返る。

チウなどの極一部を覗いて。

 

同時にレオナ姫とフローラ女王は、自分達が感じていた違和感の正体に気づいた。

ソープは、自分を「魔法剣士だ」と言っていたが、

その「身のこなし」は、むしろ貴族や王族にしか見えなかったからだ。

 

「ちょっと!ツバンツヒ!!」

ソープが慌てるも、もう手遅れだ。

「痛!」

いつのまにか隣にいたログナーにゲンコツで殴られるツバンツヒ。

「口が軽いぞ」

 

そのままログナーは地面のキルバーンをつまみ上げると、

空中へ放り投げた。

だが、その体は地面に落下する前に静止する。

 

「・・・なんかバレちゃったみたいだけど、まぁいいや」

 

それを見て照れ笑いを浮かべながら頭を掻くのは、

やはりレディオス・ソープ。

 

「これもボクのオリジナル呪文だよ。

 

 えーと、なんだっけ、あの、

 相手の時間を止めちゃうやつ。

 それをちょっと簡易版にアレンジしたんだ」

 

「まさか『凍れる時間の秘法』!?

 それをこの一瞬で?! 

 日食は?」

 

「そうそう、それそれ。

 

 でも、簡易版だって言ったでしょ? 

 だから、完全に止まってるわけじゃないよ」

 

そういうと、ソープはつかつかとキルバーンに近づき、

その頬をこれでもかと強く抓る。

 

みるみる苦痛に歪むキルバーンの表情。

ただし、声は出ない。

 

「ご覧の通り、ダメージは通る。

 ほとんど動けないだけで、意識はあるし。

 

 ただ、体の時間が『ほとんど』止まっているから、

 どんな大ダメージでも、そう簡単には肉体は死なない。

 

 ・・・本人が死にたくても、ね。」

 

 「あとは・・・まぁ好きにすれば・・・?」

 

 そういうと、ソープは素早く飛び退いて

 キルバーンから離れた。そして・・・

 

「闘気拳!」

「閃華裂光拳!」

「獣王会心撃!」

「ハーケンディストール!」

「アバンストラッシュ!」

 

もちろん止めは・・・

 

「『コレ』なら時間が止まってようが関係ねぇよなぁ〜!

  メドローア(極大消滅呪文)!!」




ログナーは基本動きません。
あまり表舞台に立たないイメージだし?←

大筋は前回投稿版から
そう大きくはズレませんが
ちょっと違いが出てきたかもwww

まぁ、結末がどうなるかは
まだわからないです。

そもそも、読者さんがいないかもしれんしwww





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婚約と責任と修行

すっげー悩んだんですが、
「陛下」発言を一同にスルーしてもらっての
第三話キタコレw

ヨロシクです。


そこにはもう、キルバーンの姿はなかった。いや、跡形もなく消え去ったというべきか。

 

その横では、ツバンツヒがログナーを睨んで小声で抗議していた。

「ちょっと、ログナー!あれじゃあ、私たちまで消し飛んじゃうわよ!」

「仕方あるまい。アレくらいせねば、 奴の悪行は許せん」

「それはわかるけどさぁ〜」

そんな2人のやりとりを他所に、ソープは勇者ダイに声をかけた。

 

「さて・・・ダイ君!」

「は・・・はい!」

いきなりソープに名前を呼ばれて、背筋がピンと伸びる勇者ダイ。

 

右手と右足、左手と左足と、同じ側の手足を出しながら

緊張した顔でソープに近づいていく。

 

「大魔王バーンを倒したその『竜の騎士』の力・・・

 その根源たる『紋章』2つのうちの一つは

 元々はキミの父上のもの。それをキミに譲られたものだ。

 つまり、その『紋章』は

 ダイ君からも・・・抜き取ることが出来る。

 わかるね?」

 

周囲の仲間に動揺と驚きが走る。

まさか!いや、だが実際に・・・!

 

「レオナ姫、ココからは僕のアイデアなんだが・・・

 ダイ君から『紋章』の力を抜き、彼を普通の人間にして、

 その『紋章』をレオナ姫の『パプニカ王国』で管理するんだ。」

 

「「「!!」」」

 そんなことが?!

 

「なに、ダイ君から完全に『紋章』を取り上げよう、

 っていうワケじゃない。

 もしかしたら、何かの脅威が迫って

 再び地上の世界に危機が訪れたときには

 その『紋章』の力が必要になるだろうからね。」

 

「そして、いざというときに

 その力を使うかどうかは『パプニカ王国』が決める!

 おもしろいと思わないか? 

 

 まぁ、ダイ君が『特別でもなんでも無いただの人間』なら、

 心無いことを言うヒトもいないだろうし・・・ね?」

 

一同は顔を見合わせる。

そんな夢物語な事が可能なら、一気に『問題』は解決する。

 

「ダイ君の気持ちはどうなの・・・?」

レオナが問う。

「オレは賛成だな!

 なにせそれが出来れば、ダイはずっと・・・

 何も心配しないで、みんなと一緒に居れんだろ?!」

ポップが、そしてさらにマァムが口を開く。

「私はむしろ、今すぐにでもそうして欲しいわ。

ダイにとって、それが一番いいことだもの。」

「そうだぜ!ダイはもっと自分の幸せを考えた方がいいんだよ!!」

そして、周りに同意を求めるようにみんなの顔を見渡す。

うなずく一同。

首を横に振るものは誰もいなかった。

「決まりだな!!」

 

「じゃぁ決まりだ。

 とは言っても、僕がやるわけじゃないけど。

 彼女にお願いするよ。

 

 リンス!おいで。」

 

「はい…」

次の瞬間、ソープの後ろに黒髪の女性が現れた。

腰まで伸びた髪、若干装飾は有るが、

鎧ではなく、あくまで動きやすそうな服を身に纏った、細身の女性。

ただし、そこに女性が現れる直前まで、「そこ」に誰もいなかったし、

気配も全く無かった。

 

勇者一行のなかの何人かがそのことに

ビクッと反応したが、

それを口にするものはいない。

一行の常識の通じない力の行使も

既に「またか!」くらいの気持ちなのだろう。

 

「彼女は、メル・リンス・ウザーレ・ターマ。

 魔法の使い手としては僕以上でね。」

「リンスとお呼びください。」

お辞儀をするリンス。

「この子に任せるよ。」

「はい……。

ダイ様……少し痛むかもしれませんが、我慢して下さいね。」

ダイは一瞬躊躇ったが、覚悟を決めたようだ。

「わかりました。お願いします。」

 

顔を青白くするのはポップ。

ソープ以上の魔法の使い手?!

『あれ』よりもまだ更に上が有ったっていうのかよ?

 

なんとなく事情を察したメルルは苦笑する。

恐らく、ソープは「自分だってなんでも出来るわけではない」とでも言いたいのだろうが

あれだけの凄まじい力を見せられた後では、もう手遅れなんですけど・・・

 

リンスは、つかつかと前に進み、

両の掌を上に向けて開いて、ダイに示す。

「さ、貴方の手を出してください。」

 

「はい。」

ダイが恐る恐る両手を広げて、前に出すと、

リンスはその手に自分の手を重ねる。

「ちょっとくすぐったいですよ?」

「えっ?」

その言葉と同時に、重ねた手を中心に光が走り、ダイの中に吸い込まれていく。

数秒の後、光は収まった。

リンスが手を離すと、ダイは胸元を押さえながらしゃがみこむ。

「ぐっ!」

「ダイ君!大丈夫!?」

「うん・・・

 

 でも、なんとなく自分の中にあった『なにか』が無くなったような・・・

 ちょっと不思議な感じだ。」

心配するレオナに、

自分の両手の甲を代わる代わる見つめながら立ち上がったダイは返事をした。

 

リンスがゆっくり自分の手を広げると、その掌の中には

大きな丸い宝石が嵌った指輪が2つ握られていた。

「出来ました。完成です。」

 

右手に握られた指輪には赤い宝石。

左手に握られた指輪には青い宝石。

そして、その宝石のなかには、それぞれ『紋章』が一つずつ輝いている。

「ソープ様、こちらを。」

「うん、ありがとう。」

リンスはソープに2つの指輪を手渡すと、静かにソープの後ろに下がった。

 

「この指輪には、それぞれ『紋章』が封じられている。

 赤いほうが父上から譲られたもの、

 青いほうがもとからダイ君に宿っていたものだ。

 『紋章』の力を開放するには、

 まず、青い方一つをダイ君の指に嵌めた上で、もうひとりが

 もう1個の、赤い指輪を・・・こう・・・合わせればいい。

 『紋章』の力は、ダイ君の体に戻るだろう。」

ソープが、両手の拳を突き合わせるジェスチャーをする。

 

「ちなみに、

 同じことをダイ君以外がやっても何も起きないよ?

 そもそも、それはダイ君専用だからね。」

「え~!! それ使ったら僕もメッチャ強くなれると思ったのに!!」

チウが残念そうな声を出すと、周りでドッと笑いが起きた。

 

「で、この指輪を・・・」

ソープは指輪を1個ずつダイとレオナに握らせる。

青い指輪はダイに、そして赤い指輪はレオナに・・・

「王女を守る騎士がいて、

 騎士の力は、王女のものだ。

 そして、二人の手にはおそろいの指輪が。

 ・・・あとは、『わかる』ね?」

 

「「え!?」」

二人が互いの顔を見て、直後に顔を赤くする。

 

「あーあ、これで二人とも完全に婚約成立ですね~。」

メルルがニコニコしながら言うと、他の面々も口笛を吹き始める。

「おめでとうございます!お姫様!王子様!」

ポップまで囃し立てている。

「ひゅーひゅー!!」

「お似合いだぜ~」

「結婚式はこのまま、ココで始めればいいの?」

みんながそれに続く。

「な、な、な・・・」

「えっ・・・と・・・」

二人は真っ赤になって、お互いの顔を見れない。

 

「さて、勇者ダイとやら・・・」

そんな空気を全く読まずに、ログナーが割って入る。

 

「特別な力を失い、ただの人間になったわけだが・・・

 まずは周りを見ろ。仲間たちを見ろ。

 

 誰も皆、生まれついての特別な力などない。

 それぞれ、日々の鍛錬や戦を乗り越えて強くなった者たちだ。

 『紋章』がないからといって、仲間に遅れを取っているようでは

 『勇者』の名が泣くとは思わんか?!

 

 いいか、勇者よ! お前はこれからもっと強くなれ!必ずだ!

 その『紋章』の力に頼らずとも、全てを守れるほどにな。」

 

「はいっ!!」

ダイは力強く返事をした。

「よし、その意気だ。」

 

そう言って、一瞬満足げにうなずいたかと思ったが、

すぐにログナーはそっぽを向いて一同に背を向けた。

 

「陛下!

 そろそろ 出発のお時間かと」

ログナーがソープに告げる。

「え~?!もうそんな時間・・・?」

若干不満そうなツバンツヒ。

 

「それでは、僕はもう失礼するよ。

 君たちの世界のこれからの繁栄を祈る。

 じゃあね~!!」

 

「ちょ、ちょっとまって!

 まだ何もお礼をしてない!」

慌てるダイに対して、

「いやいや、十分に楽しませて貰ったよ。

 それに、これはあくまで僕の『貸し』だ。

 いつか返してくれればそれでいいさ。

 

 それでは皆さん、縁があればまた会いましょう!」

 

「『ルーラ(瞬間移動呪文)』!!」

そう言ってソープがパチン!と指を鳴らすと、

ソープ達4人の姿は一瞬でかき消え、

後には、呆然とした面々と、

キラキラ光りながら消えていく光の粒だけが残った。

 

「行っちゃったわねぇ・・・」

「そうだね~」

「なんだかなぁ・・・」

 

残された一行は、しばらくボーっとしていたが、

ただ一人、ポップは、ポップだけは

「今の・・・絶対に

 普通の、ただの『ルーラ(瞬間移動呪文)』じゃねぇよな・・・」

と、ボソリと呟いた。




とりあえず投稿。
暫定かもですね。

書き換え、修正するかもだし、
まるっと消すかもな第三話です。

工事中。


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