ダミー結婚指輪がバレたトレーナー (こん@kon)
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~トウカイテイオー編~

トゥインクル・シリーズを勝ち抜いたテイオーとそのトレーナー。

その後数々のレースを勝ち抜いていく二人だが、ある問題が発生していた。

 

 

 

 

____

 

 

「やったぁ♪勝ったよトレーナー♡褒めて褒めて~♡」ダキッ

 

「!?ば、バカお前抱き着いてくるな!公衆の面前だぞ!」

 

「別にいいじゃん♪減るもんじゃないし♪」ダキダキ

 

「がぁあああああああ!!!力が強いんだよオオオオオオオオオ」

 

____

 

 

 

 

 

 

 

 

テイオートレーナー(以後テイオーT)「....この事例が非常に多いんだが、どうすればいい?」

 

ネイチャトレーナー(以後ネイチャT)「...それは重度ですね...」

 

テイオーT「だろ?ウマ娘と仲良くなれるのは嬉しいけど限度があるよなぁ」

 

ネイチャT「そうですね...」

 

ウマ娘との過度な接触への問題である。テイオーはトゥインクル・シリーズを終えたとはいえ未だ学生の身であり、保護者(?)の立場を貫きたいトレーナーは苦難に当たっていた。

 

テイオーT「つか体いてえし。ウマ娘の力で絞られたらマジでジュースになっちまうぜ。ほんと早く解決しないとなぁ。なんか案ない?」

 

ネイチャT「...体臭をきつくするとかはどうですか」

 

テイオーT「開幕一番が体臭!?お前もうちょい頭働かせろ!さすがにないだろそれは...」

 

ネイチャT「と言われましても...ああなら口臭とか」

 

テイオーT「いや体の場所変えればいいもんじゃないから!!お前天然かよォ!!!」

 

ネイチャT「す、すいません...」

 

テイオーT「いやもっとマジで効果あるもの頼む。割と切実なんだ俺は」

 

ネイチャT「...ダミー結婚指輪はどうでしょうか。つけ始めればかなり即効性があると思います」

 

テイオーT「.....」

 

ネイチャT「あの...やはりダメでしょうか」

 

テイオーT「それだァァァァ!!!!!」

 

 

____

 

その後、あるG1レースを勝ち抜いたテイオー。いつも通りトレーナーの元へ向かっていく。

 

 

「わーいトレーナー♪勝ったよー♪いつも通り抱き着かせろー♡」

 

「...テイオー!!この手を見ろォ!!!」

 

「んー?キレイな手だねぇ♡舐めてほしいの?」ニッコリ

 

「いやいやちげーよよく見ろ!俺の指を!!!!」

 

「....えっ...」ハイライトオフ

 

「わかっただろ?俺はこの前結婚したのよォ!!だから過度なスキンシップ、わかりやすく言えば抱き着きはこれ以降禁止だ。わかったな?...まぁそれはともかくG1勝利おめでとうな。ほら撫でるぐらいはしてやるよ...!?」

 

「....................................」ハイライトオフ

 

テイオーがTトレーナーの横を通り過ぎた。Tトレーナーは何のアクションもなしに自らを横切るテイオーは初期の頃以外見たことがなかった。その際にまとっているオーラはTトレーナーに恐怖を感じさせた。

 

「な、なんだったんだ今の...」アゼン

 

 

____

 

 

 

テイオーT「....という事例が非常に多いんだが、どうすればいい?」

 

ネイチャT「...それは重度ですね...」

 

テイオーT「だろ?ってこのくだり前もやったな...まぁ前回と違って今回は紅一点桐生院トレーナーもいるけどな!」

 

桐生院T「あっお邪魔します...」

 

テイオーT「つーわけで桐生院Tに来てもらったのは他でもない!この事態を解決するのを手伝ってくれ!」

 

桐生院T「ええっ...私にできることなんてないですよ...というかそれどう考えても先輩が原因じゃないんですか?」

 

テイオーT「んなこたぁさすがに俺も分かるさ。ただ原因がわからん。なんで指輪見せたらそんな落ち込むんだよ?勝った後に抱き着きが禁止されたからってそこまでヘコむかぁ?お父さんにでも抱き着けばいいだろうよ」

 

ネイチャT「まぁ寮暮らしですので家族の方はいらっしゃらないですが、確かにそうですね。抱き着きが目的であるならばTトレーナーさんでなくてもいいような気がします」

 

桐生院T「...(えっこの二人はもしかして気づいていないんですか...?私もそういう所は疎いしまだわからないことだらけですがこれは間違いなくその...)」

 

テイオーT「だああああああああわからん!!!!桐生院Tも黙り込んでるし今日はヤケ酒だ!!!飲むぞお前ら!!!!」

 

2人「ええっ...」

 

 

 

_________________________

 

飲み会後、トレセン学園のグラウンドにて。

 

桐生院T「はぁ...ひどい目に遭いました...ネイチャTはともかくテイオーT先輩の飲みの付き合いは少し考えたほうがいいかもしれませんね...」

 

ハッピーミーク「トレーナー。口が臭いよ。お酒でも飲んでたの?」

 

桐生院T「ええ嘘!?あんなにブレスケアとか飲んだのに...やっぱりウマ娘はわかっちゃうのね...」

 

ハッピーミーク「トレーナーが飲むのは珍しい。なにかあったの?」

 

桐生院T「うーん...まぁミークならいいか。なんかテイオーT先輩がダミー指輪を付けたらしくて。それを担当ウマ娘に見せたら露骨に態度が変わったんだって。原因はわかりきってると思うんだけどね...」

 

ハッピーミーク「そうだね。トレーナーがネイチャTを見るときと同じ原因だと思うよ。」

 

桐生院T「みみみみみみmmmミーク!!!????何それどういうこと!!????」アワアワ

 

ワイワイガヤガヤ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ふーん...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______________________

 

 

 

その後Tトレーナーの執務室にて。

 

 

T「アアアアア資料まとめ終わったアアアアア」グッタリ

 

T「いや本当にトレーナー業は激務すぎる。給料上げを要求する。」アーダコーダ

 

室内で独り言ちているトレーナー。そうしていると執務室の扉がノックされる。

 

T「ん?このはちみーを思わせるリズムは...テイオーか。あの出来事からあまり喋らなくなったが...ようやくヨリを戻してくれるようになったのか?おーい入っていいぞー」

 

ガチャ 

 

テイオー「.......」ハイライトオフ

 

T「.....ヒッ」(ビクッ

 

トレーナーは恐怖した。今までに感じたモノとはくらべものにならなかった。テイオーは顔に満面の笑顔を咲かせたままドス黒いオーラをまとっていたからだ。

 

T「て、テイオー?ど、どうしたんだ?なな何かあったんだったら相談にのるぞ???(震え声)」

 

テイオー「...そうだね。ボクも丁度相談にのってほしかったんだ。”トレーナー”に。」ハイライトオフ

 

T「.......」ビクビク

 

テイオー「トレーナーのその指輪さぁ...一体誰からもらったの?それともペアとして贈ったのかな...?」ハイライトオフ

 

T「え”っ”...いや...まぁ...俺が買った...みたいな?感じ?かな?(震え声)」

 

テイオー「へぇ...そうなんだ...ボク知らなかったなぁ。”トレーナー”にカノジョがいたなんて。ニオイとかもなかったからさぁ。てっきり念入りに消臭でもしてるのかと勘繰っちゃったよ。おかげでストーキングまでするハメになりそうだったしね...」ハイライトオフ

 

T「え”っ"...(ス、ストーキング?今なんつった?え?え?)」

 

テイオー「じゃあさあ...トレーナーはそのカノジョさんと結婚したんだよね?いつ?どこで?どんな状態で?というか誰?今ボクに詳しく説明してみせてよ。ボクは無敵のテイオー様だからね。すぐに覚えてその女に会いに行くからさぁ。ねえはやくいってよ」ハイライトオフ

 

T「えっいやあの」

 

テイオー「ねえ?..............................................................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はやくいえよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____

 

桐生院T「それがテイオーT先輩があまり活力がなくなった理由ですか...」

 

ネイチャT「....ええ。彼が泣きながら話してくれました。最近彼が目が死んでいるのはおそらく...」

 

桐生院T「ダミー指輪といえど、こんなに効果があるものなんですね...確かに私も好きな方がいつの間にか指輪をつけていたらショックを受けるかもしれません。」

 

ネイチャT「そうですね...そういうのは少し考えたほうがいいのかもしれませんね」汗ダラダラ

 

桐生院T「トレーナーさん?一体どうし...」

 

その時ネイチャTの薬指に何か光が反射した。

 

桐生院T「...トレーナーさん?」ハイライトオフ

 

ネイチャT「...いやこれは」

 

桐生院T「....これは重度ですね?」ハイライトオフ

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり

 



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~グラスワンダー編~

トゥインクル・シリーズを勝ち抜いたグラスとそのトレーナー。

その後数々のレースを勝ち抜いていく二人だが、ある問題が発生していた。

 

 

 

____

 

 

「トレーナーさん♪あーん、ですよ?」

 

「い、いやグラス、さすがにそれはマズいのでは...?」

 

「いえいえ~♡これは別に”過度”なスキンシップではないですよ?ほら、体のどこにも触っていません♪」

 

「い、いやいやこれは...!?あむ!?」グイッ

 

「おいしいですか?」

 

「...ハイオイシイデス」

 

 

 

 

____

 

 

 

 

 

 

グラストレーナー(以後グラスT)「....という事例が非常に多いんだが、どうすればいいと思う?」

 

ネイチャトレーナー(以後ネイチャT)「...それは重度ですね...」

 

グラスT「だよねぇ。グラスってば頭いいからさ。あの手この手でギリギリ微妙なラインをついてくるのよ。この前なんて振り向きざまに耳に息吹きかけられたぞ。この間は尻尾めっちゃこすってくるし」

 

ネイチャT「耳に息を吹きかけられるのはともかく、尻尾に関してはアウトなのでは...?」

 

グラスT「僕もそう思ったんだけどね。そういうときに限って周りに誰もいないし。グラスの目は一体どこをみてるんだか....」

 

ネイチャT「...はぁ、成程。それでなぜ私にそれを?愚痴であるならばもう少し聞きますが」

 

グラスT「まぁ愚痴ってほどでもないんだけど。あのめちゃ家庭的&レースで結果を残した、かのナイスネイチャさんのトレーナー兼彼氏さんにアドバイスいただこうかと思ってねー」

 

グラスT「で、どうなのよ?同棲してるとか聞いたけど?いくとこまでいった感じ?もしかして挙式目前とか?」

 

ネイチャT「いくとこ?挙式?一体なんのことですか?確かに私とネイチャさんは同じアパートに暮らしていますが。」

 

グラスT「...ん?....まぁあまりそういうのほじくられたくないならいいか。それよりアドバイスくれよ。なんかない?」

 

ネイチャT「...そうですね...ではまず体臭をキツくするとか((いやそれはナイだろ))...そうですか」

 

ネイチャT「現実的なことを言えば、ダミーの指輪とかどうでしょう?かなり即効性があると思われます(テイオートレーナーのことは特殊であると仮定して)」

 

グラスT「おっ...それはかなりいいアイデアだな。さすが妻帯者、頼りになるねぇ!」

 

ネイチャT「(妻帯者?彼は一体何を言っているのでしょうか...)」

 

 

____

 

その後トレーナー室での昼食にて。

 

 

「トレーナーさん♪今日もお弁当もってきましたよ♡今日は重箱で作ってきたのでちょっと食べるのは大変かもしれませんが、お互いに頑張りましょうね♪」

 

「!?じゅ、重箱...!?うわすげえ美味そう....じゃなくて!!!グラス!お前に言いたいことがあるんだ」

 

「えっ...も、もしかして...こ、告白ですか...?」///

 

「こ、告白..!?い、いやそういうのじゃなくてその...」アワアワ

 

「...////」

 

「だ、ダメです...!そういうのは大和撫子ではありません!!!///」ピュー

 

ガチャッ!!(扉を閉じる音)

 

トレーナーは驚愕した。てっきり少しお茶目なところがあるがキッチリしている性格のグラスワンダーが、赤面して部屋を飛び出したことに。

 

「...嘘だろ...」アゼン

 

 

____

 

 

グラスT「....という事例が非常に多いんだが、どうすればいいと思う?」

 

ネイチャT「...それは重度ですね...」

 

グラスT「だよねえ。...ってこの前このくだりやらなかったか?んでどうすればいいかな?そもそもダミー指輪を見せる前にグラスが忍者のごとく去るんだけど」

 

ネイチャT「ウマ娘ならではの移動法ですね。本で読んだことがあります。ウマ娘は走りを極めるといずれ壁や天井すらターフになるのだと。グラスワンダーさんは素晴らしいシノビになれそうですね」

 

グラスT「あーうんうんそう思うー...じゃないよね。僕はグラスに忍者になってほしくないんですけど?君天然?」

 

ネイチャT「思うにグラスTさんは押しが足りないのではないでしょうか。グラスワンダーさんはとても優秀なウマ娘ですから、こちらの先行ぎみに行かなければ逃げられてしまいますよ?」

 

グラスT「いやグラスは差すほうだろ...まぁでも確かにそうか。次に会うときは即座に薬指を前に出そう。ありがとうネイチャT。」

 

ネイチャT「お力になれたのであれば幸いです。」

 

 

 

 

 

____

 

 

そして運命の日。

 

 

「グラス、今日だけは話を聞いてくれ。お前に見せたいものがあるんだ」

 

「....わかりました。トレーナーさんがそこまで言うのなら。グラスワンダー、不退転の元、お聞きしましょう」マガオ

 

「ありがとう。....グラス、この手を見てくれないか?」

 

「...!?これは...もしかして」

 

「ああ。指輪だ。もうわかっただろう?グラスほど頭が良ければ、これを見せる意味が分かるはずだ。」

 

「...そうですね...トレーナーさんがそこまで言うのなら、私...」

 

「わかってくれたか。ならさっそく僕と一緒n」

 

「結婚しましょうか」

 

「そうだな。....................ん?」

 

「私、嬉しいです。トレーナーさんからこんな告白をもらうなんて。早く式場を探しに行きましょうか。私、もう結婚できる年なんですよ。新しいマイライフ、楽しみですね。和室があるとよいのですが」

 

「い、いやいや!まままって!この指輪はダm」

 

「”ダミー”ですよね?その指輪。それくらい調べがついています。あなたがどこで買ったのかも、何時に買ったのかも。全て私がわかっていますよ。大和撫子として、ウマ娘として情報を収集するのは得意ですから」ハイライトオフ

 

「ば、バカな...買った時から気づいていた...?もしや今まで会っても逃げていたのは...!?」

 

「もちろん、トレーナーさんにつく羽虫を落としていました♡トレーナーさんは人気の方ですから、少し大変でしたよ♪」ハイライトオフ

 

「それにしても嬉しいです♡ダミーの指輪とはいえトレーナーさんに指輪を贈られるなんて♪是非次はホンモノの指輪を贈ってくださいね?  トレーナーさん」ハイライトオフ

 

トレーナーは恐怖した。自らが先手を打っていると思っていたのに後手どころか最後尾に回っていたことに。

 

「グラスの脚質適正は...差しだった....」  ガバッ

 

 

 

 

____

 

 

 

桐生院T「それがグラスTが急激に電撃結婚なさったお話の顛末ですか...」

 

ネイチャT「ええ...彼は最初から詰んでいたのでしょう。既に彼は彼女の射程範囲に入っていたのでしょうね...」

 

桐生院T「やはりダミー指輪は効果がないのでは?むしろ関係を促進しているような気さえするのですが」

 

ネイチャT「ですが実際に私の周りには効果があって...」

 

桐生院T「....それ本人の前で言いますか?」

 

ネイチャT「...ええまぁ...すいません...」

 

桐生院T「まぁ大丈夫ですよ。私も前回で学びました。そして今回の件。グラスワンダーさんの情報収集の能力は目を見張るものがあります。私も彼女に協力を仰ぎたいと思います」

 

ネイチャT「えっそれは」

 

桐生院T「覚悟しておいてくださいね?トレーナーさん」ハイライトオフ

 

 

 

 

 

 

 

おわり

 



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~セイウンスカイ編~

トレーナー?トレーナー?トレーナー...トレーナー?ドコニイクノ?マダオシオキハオワッテナイヨ?....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テイオートレーナー(以降テイオーTと表示)「はいすいませえええんテイオオオオオオオオ今日だけは本当にゆるじてええええええええ!!!!!!????」

 

スカイトレーナー(以降スカイTと表示)「.....は?」

 

テイオーT「ぜぇ...ぜぇ...あん?ここどこだ...記憶が曖昧だ...」

 

スカイT「お前本当に大丈夫か?トレセン学園の朝の最初の挨拶から挙動不審だったが...ちなみにここは居酒屋だ。お前が飲みたいって言うからついてきてやったんだぞ?」

 

テイオーT「スカイT...?俺はそんなことをいった覚えは...グッ頭が...」

 

スカイT「おいおい、今日は酒はやめておいた方がいいんじゃないか?さっさと帰った方が...」

 

テイオーT「いや、帰ったら...(テイオーが待っている...)」

 

テイオーT「と、とりあえずのもう...のもう...飲むわ...」

 

スカイT「お、おう...」

 

____

 

 

スカイT「このコースはやはり坂がな...そこまでは普段通りいけるんだが、やはりその坂にかかると露骨に速度が落ちる...って聞いてるか?」

 

テイオーT「聞いてるよォ...お前酒の席でもそんな真面目に評論してて疲れないの?ホント担当ウマ娘とは性格がダンチだねぇ...」

 

スカイT「スカイのことか?あいつはへらへらしているように見えてアツイやつだ。お前も見たことあるだろ?」

 

テイオーT「まぁそりゃあなぁ。あの黄金世代の中で皐月菊花を勝ち取るウマ娘なんて忘れようにも忘れられねーよ。その中にある闘志もな。」

 

スカイT「わかってるじゃないか。...そういえば最近スカイの様子がおかしいんだよな...」

 

テイオーT「ん?様子がおかしいって?」

 

スカイT「まぁ聞いてくれ。」

 

 

____

 

 

「あらまー、いつの間にか夜になっちゃってるねぇ。釣りをしながら一日をのんびり過ごすのはセイちゃん的にはグッドな休日だよ~♡」

 

「はぁ、お前な。そろそろレースなのわかってんだろ?さすがに練習しないと...」釣り竿HIT!!

 

「ん!?グオオオオオオオオオオオオオオ!!!」バシャーン

 

「....デカイ鯛ゲットォォォ!..............練習しないと勝てる試合も勝てねえぞ?」ピチピチ

 

「....トレーナーさんのが釣りにハマってない?すんごい様になってるよー。ぱちぱちー。....トレーニングに関してはもう詰めの段階に入ってるしへーきへーき。それに、もう策できたしー。」

 

「何?どんな策だ?」

 

「...ひ・み・つ♪ にゃはは。教えたらつまんないでしょー。それよりさ、早くご飯にしよー。茹でるぐらいは手伝ってあげるよー♡」ダキッ

 

「ったく、調子いいな...捌くのは時間かかるから後ろから抱き着けよー。」

 

「はいはーい。ふぁ~あったかいねぇ...」

 

 

____

 

 

テイオーT「....は?」

 

スカイT「おっ、お前も気づいたか。この会話のおかしさが。」

 

テイオーT「い、いやまぁな...お前...もしかして...」

 

スカイT「あぁそうなんだ.........................

 

 

 

 

 

スカイが茹でる作業を手伝ったんだ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

テイオーT「いやそれじゃねええええええよ!!!!!もっとおかしい部分があっただろうがァァァァ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

____

 

 

 

テイオーT「....んで?このめちゃくちゃ過剰接触してるスキンシップカップルをどう突き放すかが今日の俺の使命?」

 

スカイT「いや、何故そういうことになる?俺が問題視してるのはスカイがやる気を出したことで...((もうそのくだりいいから))...お、おう」

 

テイオーT「ったく...お前は割と硬派な人間だと思ってたが...もう半分くらいセイウンスカイに釣られてんじゃねえか。俺が気づかなかったら、いつか見たあのグラスのトレーナーみたいになってたぞ。」

 

スカイT「グラスのトレーナー...?あぁあの結婚した...」

 

テイオーT「そうそう。ありゃ完全に籠の中の鳥だったわ。お気の毒にな...」

 

スカイT「...スカイと結婚か...悪くないな」

 

テイオーT「....今問題発言が飛び出た気がしたが俺は完全に聞き逃したことにするぞ。ただでさえ理事長から風紀に関する注意を食らってんだ。トレーナーとウマ娘との破廉恥な関係はダメだ!!!断固!!!!ダメ!!!!」

 

テイオーT「ということでお前には丁度ポケットに入ってたこれを貸してやろう」つ(指輪)

 

スカイT「これは...指輪か?...俺にはそっちのケはない。諦めてくれ。」

 

テイオーT「いやちげえええええよ!!!どんな勘違いしてんだボケェ!!セイウンスカイとの関係改善に使うんだよ!!!」

 

 

 

____

 

その後トレセン学園のトレーナー室にて。

 

 

「ダミー指輪を付けてみたはいいが、指輪っていうのはこんな違和感あったんだな...指に絶対跡つくだろ...」

 

その時トレーナー室の扉が開かれる。

 

「ほいほーい♪愛しのセイちゃんがきましたよーっと.....ん?」

 

「あぁスカイか。入るのは構わないが、扉ぐらいはノックしろ。俺だからいいものの他人には迷惑がかかるだろう?」

 

「あぁうん...それはわかったけどさ...トレーナーさん、ソレ、なに?」ハイライトオフ

 

「ん...もしかしてこの指輪のことか?まぁなんか...つけろって言われてな」(語彙不足)

 

「...ふーん...私の獲物に唾つけるヤツなんていたんだ...ちょっとびっくりかな。一人釣りを楽しんでいたつもりだったんだけどね。」ハイライトオフ

 

「えもの?なんのことだ?釣りのことだよな?」

 

「...そうだねー。確かに釣りだよ、それも大物。一生に一度しかないレベルのね。それをセイちゃんはどこのウマの骨ともわからないヤツに奪われようとしてるんですよー。ホントにむかつくよね。」ハイライトオフ

 

「...スカイ?何か目が怖いぞ?お前がそこまで入れ込む獲物とは驚きだ。何か俺も手伝えることはないか?」

 

「...そうだねぇ...じゃあトレーナーさんこの前飲みにいったりしたかな?具体的に言えばテイオーのトレーナーとかさ...」

 

「!?...よくわかったな...あぁ、テイオーTと飲みに行ったよ。おかしいな、ウマ娘にすらわからないようにニオイの細工はしたつもりだったんだが...」

 

「ふっふっふ、それは頭脳派のセイちゃんですから。それにしてもテイオーTね。(ほんと余計なことをしてくれるよね...あとでテイオーに報告だね...)おっけー、大体わかったよー♡じゃあ今日は久しぶりにトレーニングしよっかー。ちょっと今虫の居所悪くてさー、トレーニングにぶつけたいんだよねぇー...」ハイライトオフ

 

「お?珍しいな?じゃあ何のトレーニングをする?この前坂路のトレーニングがしたいって言ってたよな?トレセン学園の坂路にするか?」

 

「それもいいけどぉ...それよりさぁ...」ダキッ

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

「夫婦生活の坂道を登ろうか♡」ハイライト...オフ?

 

 

 

____

 

 

 

 

テイオーT「今頃アイツはセイウンスカイと話してる頃か...?アイツには俺のようになってほしくないからな...俺も早く逃げなけれb((トレーナー?))...!?」

 

テイオー「なんだ、こんなところにいたんだぁ。探したよ?全くボクとのデートの途中にいなくなるなんて、トレーナーは女の子の気持ちがわかってないんじゃない?」ハイライトオフ

 

テイオーT「な、なんでここに...!?わざわざニオイを消すために酒さえ飲んだんだぞ..!?」

 

テイオー「やだなぁ、トレーナー。ボクはトレーナーのことなんでもわかってるんだよ?トレーナーが好きなお酒だって全部知ってるにきまってるじゃん。(それにトレーナーにはGPSつけてるしね)」

 

テイオーT「う、嘘だ...ま、まってくれテイオー...俺は逃げだしたわけじゃなくてな..!  ああそうだ!テイオーが好きなはちみーを買いに行こうと思ってな!拘束具が外れたのはほんの偶然で、することがなかったからテイオーのためにと思って...!」

 

テイオー「それ全部ボクと一緒にできることだよね?別に一人で買いに行く必要はないよね?ボクと一緒に買いに行けばいいよね?...トレーナーは悪い子だなぁ。ボクはトレーナーと一緒にいないと生きていけないんだよ?おいていかないでよ...ねえ?  ト レ ー ナー ?」

 

テイオーT「アッ...」

 

 

 

その後テイオーTの叫び声が、蒼空一面に広がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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~サイレンススズカ編~

トゥインクル・シリーズを勝ち抜いたスズカとそのトレーナー。

その後数々のレースを勝ち抜いていく二人だが、ある問題が発生していた。

 

 

 

____

 

 

「トレーナーさん、一緒に映画館に行きませんか?」マガオ

 

「お、おう、分かった」

 

~~~~

 

 

「トレーナーさん、一緒に水族館に行きませんか?」マガオ

 

「あ、あぁ、分かった」

 

~~~~

 

 

「トレーナーさん、一緒にカフェに行きませんか?」マガオ

 

「おぉ...そうだな、分かった」

 

 

~~~~

 

 

 

____

 

 

スズカトレーナー(以後スズカT)「...このようなことが何度も何度も続いてるんだけどさ、どう思う?」

 

ネイチャトレーナー(以後ネイチャT)「それは...どうなのでしょうか...」

 

スズカT「いやわからんから聞いてるんだが。なんだろう、最近すごい何かと理由をつけて誘ってくる。基本二人きりで。これはデートなのか?逢引なのか?それとも俺が勘違いしてるだけなのか?」

 

ネイチャT「うーん...特にスズカさんに変わった様子は見られないんですよね?」

 

スズカT「ぜっんぜん。めっちゃ真顔。まったく腹の内が読めない。最近表情豊かになってきたなぁと思ってたんだけどな。むしろそれが変わった様子といえるのかもしれないな」

 

ネイチャT「スズカTはそのデートに付き合っているのですか?」

 

スズカT「うんまぁ...理事長の言う風紀の問題とやらは気にはなったが、スキンシップを行ってくるわけでもないし、ただ見たり行ったりするだけだからな。彼女なりのストレス発散法なら付き合ってあげるのがトレーナーの務めなんだが...彼女のストレスの発散の仕方は『走ること』なんだよな。だからこのデートの意味がわからん」

 

ネイチャT「成程、問題というのは、『デートに誘われることを良しとするか否か』ということですか」

 

スズカT「うーんまぁそんな感じか...?とりあえず彼女が俺を異性として見ていて、且つ風紀が乱れる行動をこれからするつもりなのか気になるといった感じだ。どうすればいいと思う?」

 

ネイチャT「なら答えは簡単ですね。これです」つ(にんにく)

 

スズカT「...これはニンニクか?これでこの問題が解決できるのか?」

 

ネイチャT「ええ。これを体に塗りたくって体臭を増加させればニオイがきつくなりウマ娘の方に嫌われることができるという代物で...((却下))...そうですか」

 

ネイチャT「でしたら...縛られてみるのはどうですか?そうやって特殊な性癖を体験させることで((却下))...そうですか」つ荒縄

 

ネイチャT「...ならばダミーの指輪を用いるのはどうでしょう。かなり即効性があると思います。(テイオーTとグラスTは地雷でしたが、スズカTならば平気でしょう)」

 

スズカT「...成程な。ニンニクなんて代物を出してきたもんだから少し警戒したが、それは名案だ。是非使わせてもらおう。」

 

ネイチャT「せっかくですから是非ニンニクと縄持って行ってください。準備するのに苦労したので、使っていただければ。」

 

スズカT「....ネイチャT、君、天然か?」

 

 

 

____

 

 

その後スズカTのトレーナー室にて。

 

スズカTは資料をまとめていた。

その後ドアがノックされ、スズカが入ってくる。

 

「トレーナーさん、今日は図書館に行きませんか?」マガオ

 

「...スズカ。今日はやめよう。いや、これ以降も少し控え目にしよう。」

 

「...どうしてですか?私、何かしましたか?」マガオ

 

「いや、スズカが何かをしたわけじゃないんだ。これを見てくれるか?」つ(指輪)

 

「...これってもしかして婚約指輪ですか?トレーナーさんは結婚されていたのですか?」マガオ

 

「...あぁ。ついこの間な。知らせてやれなくてごめんな」

 

「...いえ...確かにそれだと私は邪魔ですよね。これからは誘わないようにします」マガオ

 

スズカはその後トレーナー室を去った。結局その後もスズカは普段通りトレーニングをしていた。

 

 

 

____

 

 

スズカT「...ということになってな。まぁ解決したようだ。ありがとうネイチャT。」

 

ネイチャT「それは良かったです。やはりダミー指輪は効いたようですね(テイオーTとグラスTが異常なだけでしたね)」

 

スズカT「あぁ、スズカもその後は普通にトレーニングをしているし、あの行為は戯れか何かだったんだろう。頻繁なお出かけはいきすぎだが、どこかおいしいお店にでも誘うk」ピロロロロロロロ

 

スズカT「ん?この番号は確か、スズカの同室のスペシャルウィークか。一体どうしたんだ?ネイチャTすまない、席を外す」

 

ネイチャT「ええ、構いませんよ」

 

 

____

 

 

「もしもし、どうしたスペシャルウィーク、何かあったk((スズカさんのトレーナーさんッ!!!!!))ハ、ハイ!」

 

「スズカTさん、スズカさんに何をしたんですかッ!!!!!スズカTさん答えてくださいッ!!!!」

 

「グッ...スペシャルウィーク!落ち着け!声が大きすぎてなんて言ってるのかわからん!」

 

「あっ....す、すいません...取り乱しました...で、でも!スズカTさんがスズカさんに何かをやったことだけはハッキリしてます!!!」

 

「何があったんだ?落ち着いて話してくれ。要点だけおさえて簡潔に教えろ。」

 

「...最近スズカさん夜に外出することが多くなったんです。『少し走っていきたいから。』なんて言って。最初はトレーニングし足りないだけなのかと思って、フジさんには言わないで秘密にしてたんですけど...ある日を境にそれがさらに多くなって...その時のスズカさん、すごい泣きそうな顔してました...」

 

「.....(全然気づかなかった。いや、兆候はあったか。彼女が俺をデートに誘ってきたこと...それを俺が断ったこと...)」

 

「そして今日...私がトレーニングから帰ってきたら書置きが置いてあって...

 

 

『今日は少し遠出するわ。もしかしたら戻ってこないかもしれない。スペちゃん、今までありがとう。』

 

 

って書置きが...」

 

「....!」

 

「スペシャルウィークッッ!!!すまんもう切るッッ!!!またあとでかけなおす!!!」

 

「あっトレーナーs」

 

 

____

 

 

 

スズカT「ネイチャTッ!すまない、今日の支払いは任せてもいいかッ!!?急ぎの用ができた、すぐに行かなければならない!」

 

ネイチャT「.......わかりました。会計のことは気にしなくても大丈夫です。今日は私がおごらせていただきますので、早く行ってあげてください」

 

スズカT「恩に着る!」....ガチャッ!!!

 

 

 

ネイチャT「...やはりダミー指輪は効果が薄いのでしょうか...」

 

 

 

 

____

 

 

それからは走った。とにかく走った。臓器が破裂しそうなぐらいに走り狂った。スズカが走りを好きになる理由がわかるかもしれないというところまで走った。場所はスズカが行きそうな場所全て。そしてついに_______

 

 

 

 

「見つけた...スズカ...」

 

「トレーナーさん...!?」

 

今にも山から飛び降りようとしているスズカをようやく、見つけた。

 

 

____

 

 

 

「やっぱりここか...スズカはこの山から見る景色が好きだったもんな。自分の骨をここに埋めようとする気持ちはわからんでもない」

 

「......。」

 

「はぁ...とりあえず、その崖から離れようスズカ。危ないぞ?ここで死んだら二度と先頭の景色はみれなくなるぞ?」

 

「そうですね。以前の私であれば、そんなことは耐えられない。ここから飛び降りようとすることなんてなかったと思います」

 

「なら...」

 

「でも今は違いますから。私、『走ること』以上のことを知ってしまったんです。できれば、知りたくなかった。ですが知ってしまった以上、私はここから飛び降りるしかないんです。もう耐えられませんから。」

 

「...それは、俺が原因か?俺がスズカを変えてしまったんだな?」

 

「....そうですね。トレーナーさんが私を変えてくれました。走ることしか知らなかった私を。ですけど、トレーナーさんは何も悪くないです。悪いのは私なんです...」

 

「スズカ...」

 

「トレーナーさん。私、あなたのことが、好きなんだ、と、思います。私は、人を、しかも男性の方を好きになることに慣れてなくて、最初はわからなかったんですけど。多分そうだと思うんです。トレーナーさんは私にいろいろな景色を見せてくれたから。スペちゃんや他のウマ娘さんとも知り合えたのも。トレーナーさんがいなかったらうまくいかなかったと思います。そしたら、自然と好きになってました。本当にバカみたいですよね。トレーナーさんは結婚しているのに。私はかなうはずのない幻想を抱いて、トレーナーさんを誘っていましたけど、それは全てトレーナーさんが優しくしてくれただけなのに勘違いして。」

 

「...なっ、あの指輪を...!?」

 

「トレーナーさんからその指輪を見せられたとき、私、足の力が抜けそうになりました。あれだけ鍛えていたのに、ほんとにスッって力が抜けそうになって。それからあまり走りにキレがなくなりました。トレーナーさんは気づかなかったみたいで良かったんですけど。あれだけ好きだった『走ること』が急にどうでもよく思えてきて、少し自分に辟易しました。走ることだけが取り柄だったのに、それさえなくなったら私は生きていく価値はあるのかって。私、そこでようやく気付いたんです。私が今まで走ってこられたのは、トレーナーさんがいたからなんだって。」

 

「.............」

 

「トレーナーさんがいなければ、私は私じゃなくなってました。トレーナーさんがいなければ、私は皆の『サイレンススズカ』として、皆の『夢』としていられないんだって。ですから...私はトレーナーさんの重荷になりたくない。だから私...」

 

「...スズカ?待て、スズカ!?」

 

 

スズカは、山から飛び降りた............................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ト、トレーナーさん...!?」

 

「...まさか。戯れにもらった荒縄がこんなとこで役に立つとは思わなかったよ...」ガシィッ

 

 

トレーナーは落ちてゆきそうになるスズカを見ると即座に鞄から荒縄を取り出し、崖と自分を結び付け、飛び降りたのだった。

 

 

「ト、トレーナーさん...どうして...?自分も命を失うかもしれないのに...どうしてこんな危ないことを...」

 

「...スズカが死ぬなら俺も死ぬ。でも今はその時じゃない。まだ俺たちは景色の向こう側をみてない。」

 

「なんで...私はもう走れないのに...」

 

「スズカ。君は走ることだけが取り柄じゃないんだ。...あー...今いうのは、ほんとにおかしなタイミングかもしれないけど、言う。スズカ、お前のことが好きだ。だから君がいてくれなければ、困る。こんな頓珍漢で唐変木な俺だけど、つ、付き合ってくれないか?」

 

「えっ...えっ...?」///

 

「で、でもトレーナーさんにはもう好きな人が...」

 

「あれさ、あー...ダミー、なんだ。本物じゃない。他トレーナーから勧められて付けてただけで、別に好きな人がいるとかは関係ないんだ」

 

「えっ...えっ...じゃあ今トレーナーさんが言ったことは...」

 

「嘘じゃない。スズカ、君のことが好きだ。だから死なないでくれ。生きる理由がなくなったなら、俺が作るから。生きてくれ。そして俺の隣に一緒にいてくれ。頼む」

 

「.........は、はい....」////

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____

 

 

 

 

 

 

ネイチャT「...という顛末だそうです。『サイレンススズカ失踪事件』は」

 

N.N「...え?すごいそれとなしに聞いてみたら、ものすごい濃いんだけど。ネイチャさんはびっくり仰天でフライパンを手放しそうになりましたデス、ハイ」

 

ネイチャT「今ネイチャさんにはお教えしましたが、このことを知っているのは数少ないメンバーしかいません。ネイチャさんも他言は控えてください。」

 

N.N「う、うん...そんなことがあったんだ。通りでスズカさんの指に指輪がついてると思った。あの指輪、すごい高そうだったからさ、気になって聞いてみたらものすごい話だったよ...」

 

ネイチャT「はい、その事件後、彼らは付き合い始めたようで。もうそろそろメディアで公開するようですね。彼らならうまく付き合っていけるでしょう。」

 

N.N「そうだね。.....そういえばさ。」

 

ネイチャT「はい?」

 

N.N「それ、発端の理由作ったのトレーナーさん(ネイチャT)じゃない? というか縄って何?いつ手に入れてたの?」

 

ネイチャT「えっいやそれは」

 

N.N「それに最近桐生院さんがよくうちにくるよね?...」

 

ネイチャT「....」

 

N.N「...トレーナーさんや、最近しでかしたこと、ご飯を食べ終わったらゆっくり話きかせてもらうからねぇ?...」エガオ

 

ネイチャT「...当分はニンニクを口につめて生活させていただこうと思います...」ハイライトオフ

 

 

 

 



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~ダイワスカーレット編~

トゥインクル・シリーズを勝ち抜いたダスカとそのトレーナー。

その後数々のレースを勝ち抜いていく二人だが、ある問題が発生していた。

 

 

 

____

 

 

「トレーナー♪今回もきっちり一着とってきたわよ?」

 

「よくやったなぁスカーレット。おっと、胸がはだけそうだぞ?ほら、俺が直してやるよぉー」サワッ

 

「...!!!//////ちょ、ちょっとトレーナー!!!??どこ触ってんのよこのヘンタイ!!!」ガチビンタ

 

「ごぶえ....うむ、いいビンタだ。腰の使いが最高だぞスカーレット。この調子なら次のレースも余裕だな!」

 

「こ、この...もう知らない!!!」

 

 

____

 

 

ダスカ「...このパターンが多いんだけど、どうすればいいかしら...?」

 

ウオッカ「...なんだ、ただの惚気かよ。いきなり電話かけてきたからどうしたのかと思ったじゃねえか」

 

ダスカ「の...ノロケ!?違うわよ!うちのトレーナーがセクハラ変態魔ってこと!!!これはもう警察よ警察!!!」

 

ウオッカ「...じゃあ掛ければ?嫌なんだろ?」

 

ダスカ「えっ...いやでも...」

 

ウオッカ「はぁ...言いよどむ時点で惚気確定だな。たくよぉ、お前はまだ昼かもしれねえけどこっちは深夜なんだよ。もう少しタイミング見計らって、かつ惚気以外でかけろよな?じゃあもうきるぞ」

 

ダスカ「えっちょっとまっt」

 

プツープツープツー

 

ダスカ「...もう!」

 

 

____

 

 

私があんなトレーナーを好きなんてことありえないじゃない...セクハラ変態魔なんか担当してくれるウマ娘なんて心優しい私しかいないんだから。たまたま誘われたから付き合ってあげてるだけで、別に好きなんて...

 

 

ん?あ、トレーナー!!あんたねえ、この前よくも私の胸を...って.....え?

 

 

 

 

 

 

____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダスカトレーナー(以後ダスカT)「いやマジでなんだよあの胸はあんなの凝視するにきまってんだろむしろ見ない方が男としておかしいだろおらあぁぁあん?」

 

バクシンオートレーナー(以後バクシンT)「いや、素直に耐えろよ。大の大人だろ」

 

ダスカT「ふざけんなッッッ!!!お前さては男じゃねえな?言え!俺は男ではありません!って言え!」

 

バクシンT「ふざけてるのはお前だろーが。お前女だらけのトレセン学園でそんな調子で良く生きてこれたな。そこだけは尊敬するわ」

 

ダスカT「じゃあ何か?お前は女に欲情したことないのか?あの美人まみれのトレセン学園で?むしろそれは失礼だろうがァァァァ!!!」

 

バクシンT「ああもう耳がキンキンするわ。お前うちのバクシンオーとタメ貼れるレベルだぞ。それも評価してやるよ」

 

ダスカT「お、ありがとな。それよく言われてんだ。俺の自慢の声だぜ?」

 

バクシンT「...脳が疲れてきた。んでわざわざこんな酒場に連れ出して何の用だ?もしそれだけ言いたいなら俺はマジで帰るぞ」

 

ダスカT「ああ待て待て。お前を読んだのは他でもねえ、俺に

 

 

 

 

 

 

 

欲を発散させるヒントを教えてくれ!!!

 

 

 

 

 

 

 

バクシンT「...は?

 

 

 

 

 

 

 

....やべえ素で声が出ちまった。マジで何言ってんだお前」

 

ダスカT「お前だから聞いてるんだよ!!!あの短距離で負けず知らずのバクシンオーを言いくるめ、トレセン学園内でも浮いた話が一切ないお前に!!!!」

 

バクシンT「...煽ってんのか?...いや、お前にそんな高等なテクニックは使えないか。はぁ... じゃあこれ貸してやるよ」つ(指輪)

 

ダスカT「....いや、俺にそんな趣味はない!!!すまないが他の男を探してくれ!!!!」

 

バクシンT「(無言の手刀)」ビシィ!!!

 

ダスカT「ごぶぇ」

 

バクシンT「それつけてこれから過ごせ。あくまで俺の予想だが、それつけてりゃ存外あっちからアクション起こすだろうよ。」

 

 

 

 

____

 

 

 

その後トレセン学園の廊下にて。

 

 

「しかし指輪か...試しにつけてみたのはいいが、これだとむしろ物凄い薄い薄い線で繋がってるスカーレットとの絆がブチっと切れる気がするんだが!!!だが!!!スカーレットに出ていかれたら俺もう生きていられねえよォォ...とりあえずこれは外s」

 

ああぁ!!!

 

「ん?」

 

「トレーナー!!あんたねえ、この前よくも私の胸を...って.....え?」ハイライトオフ

 

「スカーレットッ!?なんでここに...」

 

「と、トレーナー...その指についてるのって...指輪よね?しかも薬指...」ハイライトオフ

 

「えっああいいやこれは違くて!な?これは指輪だけど指輪じゃないから!」

 

「......トレーナーって結婚してたんだ...そう...」ハイライトオフ

 

「いや聞いて!?スカーレットさーん...ってうぇ!!!???」

 

その時ダスカはトレーナーの手を掴んだ。

 

「...ダメ。絶対にダメ。それだけはダメ...あんたは私のモノなんだから...どこのどいつだか知らないけど、あんたを好きになるのだけは許さない。あんたには私が一番でしょ?私はあんたの一番になるわ。だからあんたも私を一番にしなさい」ハイライトオフ

 

「ッ!!!!」

 

トレーナーは驚愕した。今までこんなスカーレットの表情をみたことはなかった。怒り、悲しみ、恐れ。ダスカTはそれら全ての感情を同時に感じた。ならば自分がすることは一つである。

 

 

「何言ってんだ。俺はお前がいつでも一番だよ。だから目覚ませこのヤロー」デコピン

 

「えっ?...」パタッ

 

トレーナーはデコピンだけでウマ娘であるダスカを気絶させたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

____

 

 

 

 

 

 

 

 

バクシンT「...は?」

 

ダスカT「いやぁお前の言う通りだったわ。ありゃゾッコンだわマジで。胸はバッキュンだけどな!!!」

 

バクシンT「...(ある程度は予想の範囲だったが...後半の理解が追い付かん。こういう時はバクシンオーのバカみたいな写真集を見るに限る)」

 

ダスカT「ちなみにスカーレットはもうその記憶はないらしいぜ?もったいないよなぁ?俺の最大の告白を聞き逃すなんてよ?まぁ、正直こっぱすかしいからいいけどな」

 

バクシンT「...はぁ。それで、お前が嘆いてた問題は片付いたのか?」

 

ダスカT「おうよ。やっぱ俺アイツのこと好きだわ。だから、これからも胸は触り続けることにしたぜ!!!そしていつか告白してやるウウウウウ!!!」フンス

 

バクシンT「...こいつ俺に相談してきたこと忘れてきただろ...はぁ...脳が疲れてきたわ...」

 

 

 

 

____

 

 

 

 

寮内にて。

 

 

 

ウオッカ「おい?今度はなんだよ?深夜にかけるなっていったろ?」

 

ダスカ「....告白された。トレーナーに。」

 

ウオッカ「...お、おうそうか。そりゃよかったな。むしろ付き合ってないことに驚きだったけどな!!!」///

 

ダスカ「ううん、付き合ってはない。あのあとあのばかトレーナーにデコピンされて気絶したから。」

 

ウオッカ「は?気絶?ウマ娘のお前が人間の男にデコピンされたくらいで?どういうことだよ...」

 

ダスカ「...私、待つことにしたわ。彼がまた告白してくれるまで。いい女は何年も待てる女だと思わない?」

 

ウオッカ「は、はぁ?///れ、恋愛ごとを俺に聴くのはやめろ!!もう勝手に待っとけよこのおしどり夫婦!」ピッ

 

 

 

ダスカ「...私が一番なんだもんね♪トレーナー?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり



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~ミホノブルボン編~

トゥインクル・シリーズを勝ち抜いたブルボンとそのトレーナー。

その後数々のレースを勝ち抜いていく二人だが、ある問題が発生していた。

 

 

 

____

 

 

「ステータス、『寂しい』を確認。迅速に『だっこ』を要求します。マスター」

 

「...ブルボン?私はお前の父さんじゃないぞ?寂しいのはわかるけど、さすがにそれは...」

 

「承知しています。マスターは私の父ではありません。だからこそ要求しています。マスターは私の大切な人なので。」

 

「...ブルボン?今自分で何言ってるかわかってる?」

 

「...マスターに体温上昇を感知。ステータス、『照れ』と判断。マスター、恥ずかしがらなくてもいいですよ」ダキッ

 

「いや恥ずかしいというかさ...バリバリ公共の場で抱き着かれるとかなり立場が危うくなるんだけど...?」

 

 

____

 

 

 

ネイチャT「これは重度ですね...」

 

テイオーT「こりゃ間違いなくアウトですわ。即ボッシュートになります」

 

ブルボンT「...否定ができない」

 

 

____________________

 

 

酒場にて。

 

 

テイオーT「いやぁwwwもうこれはダメでしょwwww確信犯でしょwwwこれwwww」

 

ネイチャT「今までいろいろなトレーナーの皆さまにアドバイスしてきましたが、かなり上位に食い込むほどの重度具合です。ランキング更新ですね」

 

ブルボンT「とりあえずその不名誉なランキングに載せるのだけはやめてほしいです。」

 

テイオーT「大丈夫だ。うちのテイオーよりは全然マシだ。正直うちの娘は闇さえまとってる気さえするからな」ハイライトオフ

 

ブルボンT「.......(まったくもって安心できない)」

 

ネイチャT「いわれるまでもないと思いますが、ウマ娘との過度なスキンシップはNGです。ということで体臭をあげて関係改善を((それだけはない))...。」

 

テイオーT「ということで、毎度恒例になりましたコレを贈呈してやるよォォォ!!」つ(指輪)

 

ブルボンT「...はぁ、成程。これをつけてブルボンに見せれば、ブルボンも自然と身を引くだろうということですか、わかりやすいですね(恒例って言ったけどどういうことだ)」

 

テイオーT「お前は理解度が高くて助かるぜ。トレーナーのやつらは頭は良いんだが思考がぶっ飛びすぎて発想がおかしいやつが多いからな」

 

ブルボンT「...はぁ...ありがとうございます...?(とんでもない人たちと関わってしまった気がする)」

 

ネイチャT「では、早速実践していきましょう。ブルボンTさん、幸運を祈ります」ハイライトオフ

 

テイオーT「今まで数多くのトレーナーが散っていった。ブルボンT、お前は生きて帰れよ...」ハイライトオフ

 

ブルボンT「....(帰りたい)」

 

 

 

____

 

 

トレーナー室にて。

 

 

「ステータス、『構って』を感知。マスター、迅速に『うまぴょい』を希望します」ダキッ

 

「う、うまぴょい...?なんだよそれ...とりあえずブルボン、すまないが少し離れてくれないか?まだ職務が終わってないんだ」

 

「拒否します。今日はマスターにあまり構ってもらっていません。総じて『マスター成分』が不足していると推定されます。この理由から今日一日はもうはなれま....ッ!!!???」ビクッ

 

「マ、マスター,,,その指についているものは...もしかして...」

 

「ん?...あぁこれか。この前結婚したんだ。伝えるの遅くなってごめんな、じゃあ資料書かないといけないからとりあえず離れてくれる?(胸が当たっていろんなとこがヤバいからマジで)」

 

「マスター。今私の中の感情に、『憤怒』、『嫉妬』、『悲嘆』の感知。マスター、今すぐそれを外してください、マスター。マスター。」ハイライトオフ

 

「七つの大罪のうち3つも感知するなんてすごいなブルボンは。でもとりあえず腕離してくれる?割と本気で痛いんだけど。(あと胸がすんごい当たって自制がきつくなるから切実に)」

 

「マスター?とりあえず説明を要求します。マスター?マスター?」ハイライトオフ

 

「...あっブルボン?それ以上掴むとお父さんに突き出すから放してね?(やばい。)」

 

「......了承。しかし話は聞かせていただきますので、明日、またここに伺います」ハイライトオフ

 

 

____

 

酒場にて。

 

 

 

ブルボンT「......詰みでは?」ハイライトオフ

 

ネイチャT、テイオーT「....これは重度ですね(だな)」

 

ブルボンT「お二人とも絶対楽しんでますよね????」

 

 

____

 

 

 

 

テイオーT「何言ってるんだ、俺たちはむしろその修羅場から脱出できたことをほめたたえているんだぞ」マガオ

 

ネイチャT「さすが逃げのブルボンさんと共に駆け抜けてきただけのことはあります。これはいいシノビになれますよ」

 

(圧倒的なツッコミ不足)

 

ブルボンT「お二方。おそらく何の備えもしなければ私は明日、ブルボンにうまぴょいなるものをされるかもしれません。意味は全くわかりませんが、悪い予感しかしません。できれば真面目に考えていただけると。(もう藁にでもすがらないと色々な意味で死んでしまいそうな気がする)」

 

テイオーT「うまぴょいか...それはマズいな。ブルボンTは割とむっつりっぽいからおそらくあのブルボンのなめらかな肢体で迫られたら完堕ちするな」(むっつりってどういうことですかそういう風にみえてるんですか)

 

ネイチャT「(うまぴょい...?)とりあえずマズいことは理解しました。このニンニクを使って脱出を図ってみるのはいかg」

 

テイオーT「...いやブルボンT、悪いがここから先俺たちがアドバイスできることは一つしかない...それでも聞くか?」

 

ブルボンT「...!あるんですね秘策が!お願いします」

 

テイオーT「.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《color:#ff0000》避妊はしような♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルボンT「(TUKAENEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!)」

 

 

 

 

 

____

 

 

運命の日。

 

 

 

 

「(大丈夫だ、言い訳をたくさん用意してきた。先輩トレーナーの方々は本気で使えなかったが、私は違う。私はトレーナーだ。しかもあのブルボンの。逃げきってみせるさ、絶対に。)」

 

コンコン

 

「...(きた...!)ブルボンか?入っていいぞ?」

 

ガチャッ

 

「ブルボン?何度もいってるけど過度なスキンシップはダメだぞこれはトレセン学園の風紀に関わる問題d」

 

ガシィッ

 

「...え?」

 

トレーナーは驚愕した。さんざん復唱した逃げの言い訳をいとも簡単にさえぎられるほどの速さでソファに押し付けられたことを。

 

「ステータス、『高揚』を確認。マスター成分が極端に欠如。早急に『うまぴょい』を開始します。マスター。優しくしてくださいね」

 

「アッ....」

 

 

その日、トレーナーの叫び声が高い高い蒼空に響き渡った。

 

 

 

____

 

 

テイオーT「やっぱりこんかいもだめだったよ。あいつははなしをきかないからな」

 

ネイチャT「正直あの状況はもう手遅れでしたね。重度が過ぎました。生きて帰ってこられればよいのですが」

 

テイオーT「あぁそうだな、つぎはこれをみているやつにも、てつだってもらうy((キミトユメヲカケルヨ♪ナンカイダッテマキオコセスパート♪))アッ....」

 

ネイチャT「電話でしょうか?出なくてよいのですか?」

 

テイオーT「....ネイチャT。骨は拾っておいてくれ。」ハイライトオフ

 

 

 

ネイチャT「........これは重度ですね」ハイライトオフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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~トウカイテイオーEX編~

トゥインクル・シリーズを勝ち抜いたテイオーとそのトレーナー。

その後数々のレースを勝ち抜いていった二人だが、ある問題が発生していた。

 

 

 

 

____

 

 

「んちゅ...♡ちゅっ...♡....ふふ、トレーナーすごい顔してるよ♪テイオーの大人のキスにすっかりメロメロだねぇ♪」

 

「...テイオー...」

 

「もう、最近帰るの遅いよ?そんなにまた遅くなるんだったら、トレーナーのもうないような貞操も奪っちゃうかもね...♡」ハイライトオフ

 

「ハイゼンショシマス」ハイライトオフ

 

 

____

 

 

居酒屋にて。

 

 

 

 

 

 

テイオートレーナー(以降テイオーT)「スーーーーーッ....ハイ....」

 

 

 

 

ウンストレーナー(以降ウンスT)「....お前まだ童貞だったのか」

 

テイオーT「いやそこォ!!??俺が言いたいことこれでわかんねえのかオルルァァン?????」

 

 

____

 

 

 

ウンスT「何が問題なんだ?担当ウマ娘と仲がいいのはとてもいいことじゃないか。俺も普通にウンスとエンジョイングしてるぞ」

 

テイオーT「いやお前な、テイオーはまだえっっっらい若いのよ?それに比べて俺はもう30後半差し掛かるか行かないかぐらいのオッサンよ。わかる?テイオーはこの先もっと素晴らしい若者に会うだろうと思うわけよ。その煌びやかな人生を俺なんかに振ってほしくないわけ。あぁんわかる?」

 

ウンスT「お前酒飲みすぎだ。喋り方がもう初老にかかってるおじいさんだぞ」

 

テイオーT「あんなぁ。そりゃ俺ァまだ性欲を持て余すナイスガイだからよ、テイオーと結婚してお互いに余生を過ごすってのも正直魅力的よ。だからってさ、それを俺がもらうってのはやっぱおかしいだろ。俺は結局テイオーの手助けをしただけで、テイオーのあの経歴はテイオーのものなんだよ。テイオーはなぜか俺に固執しているようだが、俺じゃなくてもテイオーはあの見事な復活劇を成したさ」

 

ウンスT「...そうか。お前がそう思ってるならそうなんだろうな。」

 

テイオーT「...アン?なんだその言い方は。さすがの俺もカチンときたぞテメェ。テイオーをバカにしてんのか?」

 

ウンスT「笑わせてるのはそっちの方だろう。テイオーは確かに優秀だった。だが、それはテイオーの周りのウマ娘や人間が支えてくれたからだ。何より、テイオーのそばにいたお前は、トゥインクル・シリーズ中いつも走り回ってた。それはテイオーのことがとても大切だったからじゃないのか?あの時テイオーのこと以外目に入ってなかったヤツが、『俺じゃなくても』とか抜かしてる方がお笑いだ」

 

テイオーT「...お前...」

 

ウンスT「ま、それでめちゃめちゃ依存されてるほど愛されてるのは笑っちまうけどなwwwwwwまさか監禁までされてるとはwwwwwwwマジで草はえるわwwwwwww」

 

テイオーT「....やっぱ殺すかコイツ」

 

 

 

 

 

 

 

ウンスT「んで?俺を呼んだのはなんか訳があるわけ?惚気だけだったらいらんが」

 

テイオーT「なわけあるか。結婚したお前らが一体どういう健全な付き合い方をしてるのかと思ってな」

 

ウンスT「健全な付き合い方ぁ?なんじゃそれは。学園内でうまぴょいしちゃいけないとかってことかぁ?」

 

テイオーT「なんだその極端な例は...そんなの当たり前だろうが。そんなんじゃなくて、なんか...デートとか、その...キスの頻度とかよォ...」

 

ウンスT「....何お前童貞丸出しみたいなこといってんだ?付き合ったばかりの学生か何か?」

 

テイオーT「お前マジでころだっちするぞテメェ」

 

ウンスT「つか何?結局テイオーと付き合うことにしたのか?」

 

テイオーT「....まぁ不本意ではあるが、もうある程度体を許してる関係になっちまったしな...まだお互いに貞操は保ててるが、もうここまでくれば責任とらなきゃ男じゃねえだろ」

 

ウンスT「ふーん。まぁそうやって考えるようになっただけでマシにはなったか。それにしても頻度ねえ。俺もスカイも基本やりたいときにしかやんないぞ?そもそもあいつとのデートは基本釣りだし」

 

テイオーT「やりたい時って...お前らそんなやってんのか。恥ずかしいとか思わんわけ?」

 

ウンスT「何か勘違いしてるようだが、正直俺とスカイがやってることは結婚する前と大して変わらん。お前だってウマ娘の調子悪い時は出かけたりしたろ。それと大差ない」

 

テイオーT「そんなもんなのか...」

 

ウンスT「...もしかしてそんだけを聞くために呼んだのか?」

 

テイオーT「そ、そんだけって言うけど、俺にとっちゃめっちゃ重要なことなんだよ!そもそも俺はテイオーと付き合おうとも思ってなかったし...」

 

ウンスT「...ふぅ。ま、童貞テイオーT先輩を少しでもサポートできたなら幸いですよ。そんじゃ、もういい時間なので帰るわ。代金は相談代としてお前が払っとけよー」

 

テイオーT「あ、あぁ....ってオイ!代金は自分で払え!!!」

 

 

____

 

 

 

「....帰るか...多分テイオーはいつものようにいるだろうが...」

 

テイオーはなぜかいつも俺の家にいる。鍵は閉めてるはずなんだが、何故か毎回いるのである。

 

「....いや、まだ寄るところがあるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

 

「あっトレーナー♡おかえりーもうお風呂湧いてるよー♡ということでテイオー様と一緒にお風呂タイムだー♪」

 

「...元気だなぁお前も。ちょい服脱ぐから待っててくれ」

 

「....あれ、今日は抵抗しないんだね?もうトレーナーもボクの魅力にとりつかれちゃったのかな?」ハイライトオフ

 

いつもの闇オーラが出てる。最初はビビったし、割と怖いが、もう付き合うことを認めちまったら、なんかもう別に...

 

「テイオーはなんか勘違いしてるぜ?俺はお前をスカウトしたときからずっとお前の魅力にとりつかれてたわ」

 

「...!///も、もう!急に何を言い出すのさ!もうそんなこといってもトレーナーはもう逃げられないからね!!!」////

 

....はぁ、やっぱクソかわいいなコイツ。

 

 

____

 

 

「ちゅっ....んちゅ...ちゅっ...」

 

「ぷはっ。えへへ、どう?またうまくなったでしょー♡トレーナーもいい加減認めちゃいなよ♡」

 

......テイオーは毎度寝るときに同じ布団に潜り込んで夜を明かす。その際毎日欠かさずキスをしてくる。それ以上のことは基本しない。テイオーなりのやり方があるのか、基本俺側のアクションにゆだねるのだ。俺は今までそれを鋼の意志で耐えてきたので、いまだ一線は超えてない。

 

「...なぁ、テイオー」

 

「何?あっもしかしてまた逃げようとしてる?ダメだよ逃げたらそれ以上のことやっちゃうかもよ?」ハイライトオフ

 

「...違う。  なんでお前は俺がいいんだ、ってことを聞きたかったんだ」

 

「....トレーナー?さすがにボクも怒るよ?ボクはトレーナー以外にいないんだよ。トレーナーがボクを救ったんだよ?何度も何度も怪我をして、ライバルたちにはどんどん差をつけられて...トレーナーじゃなかったらボクは...」

 

...まさか泣き始めるとは思わなかった。...そうか、こいつは本当に...

 

「....そうだな、俺もテイオーしかいないかもしれないわ。お前がいなかったら俺も今ここにはいない。テイオーじゃなけりゃ、俺は...」

 

どうしてたんだろうか。いや、おそらく他のウマ娘と一緒に走っていたのかもしれない。でも....その時俺は今以上に輝けていただろうか。このテイオーと一緒に駆け抜けた時間よりも。....いやないだろうな。

 

「えぐっ...ひぐっ...とれーなー?...」

 

 

 

 

「なぁ、テイオー。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結婚するか、俺たち」

 

 

 

 

俺は今日の帰りに買ったブルーダイヤモンドの指輪をそっとテイオーの指につけた。指にはぴったりハマった。

 

 

その時、テイオーの闇とかなんか、全部吹き飛んだような笑顔を見せてくれた。

 

 

 

 

 

____

 

 

 

 

 

 

 

 

ウンスT「あぁ~今日の夜釣りはシケてんな~どっかで運とか全部吸われちまったかな」

 

ウンス「珍しいねぇ。トレーナーさんは結構アタリの場所引くこと多いのに」

 

ウンスT「...........こりゃダメだな。よほどバカなやつに行っちまったようだ。スカイ、今日は肉食いに行くぞー」

 

ウンス「はーい」

 

 

 

 

 

ウンスT「....それにしてもまぁ、キレイな夜空だこと」

 

 

 

 

 

 



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~シンボリルドルフ編~

トゥインクル・シリーズを勝ち抜いたルドルフとそのトレーナー。

その後数々のレースを勝ち抜いていった二人、その威光は世界に轟いていた。しかし、それと同時にある問題が発生していた______

 

 

 

 

____

 

 

テイオートレーナー(以降テイオーT)「ご無沙汰してます、ルドルフトレーナーさん。」

 

ルドルフトレーナー(以降ルドルフT)「...そんなかしこまる奴だったか?お前は」

 

テイオーT「...いや勘弁してくださいよ、今貴方は世界に名を轟かせるシンボリルドルフさんのトレーナーじゃないですか」

 

ルドルフT「いやぁ、それこそ過大評価だろう。私とルドルフはお互いにできることを精一杯やってきただけだ。それは彼女と最初に会った時と変わらん」

 

テイオーT「...(いやァ...一生敵わんなこの人には...)」

 

 

____

 

 

居酒屋にて。

 

 

 

 

 

ルドルフT「ひっさびさに来たけどなんも変わってないなぁ...」

 

テイオーT「...ここに来るまでの間、ずっと聞きたかったことがあるんですが...」

 

ルドルフT「...なんでルドルフを連れて帰ってこなかった、てことか?」

 

テイオーT「ええまぁ...もしかして.................何か怪我をされたとか...?」

 

ルドルフT「ふっ...大丈夫だ。怪我も病気も彼女はしていないよ。外国に行く際はちゃんとそこらへんは気にしてたからな。まぁ...問題があるのは確かなんだけどね...」

 

テイオーT「はぁ...問題ですか。ちなみにどんな?」

 

ルドルフT「...その前に聞きたいんだが...お前、テイオーと結婚したらしいな?」

 

テイオーT「...それ誰から聞きました?式上げてないんでガチで限られた人間にしか言ってませんが」

 

ルドルフT「グラスTだよ。電話で聞いた。水臭いな?それぐらい教えてくれてもいいだろうに」

 

テイオーT「....すみません、言うとしても外国でのレースがひと段落してからの方がいいと思いまして(グラスTには言ってないんだけどどゆことよ...)」

 

テイオーT「...でそれがルドルフさんになんの関係があるんです?」

 

ルドルフT「...まぁ聞いてくれ」

 

 

 

____

 

 

 

「トレーナー君。少しレースのことで相談がしたいんだが、あとで私室に来てくれないか?」

 

「ん?あぁ分かった、あとで向かうよ」

 

 

 

 

 

 

「ルドルフ、入ってもいいかな?」

 

「あぁトレーナー君か。入って構わないよ」

 

「失礼する。....それで、次のレースの話だったか?」

 

「いや、すまない。さっきのレースの話は嘘なんだ。君と話したいことがあってね」

 

「...?なんだ話って」

 

「...トレーナー君、確か私たちはこの国の空港に来た際、案内役として女性が来てくださったね?」

 

「!?.....あ、あぁ。それがどうかしたのか?」

 

「そして君は彼女からラブレターをもらっただろう。確か、『日本にいた時から応援してました、あなたのことを尊敬しています、どうかボーイフレンドになってくれませんか?』...たしかこのような感じだったかな?」

 

「.......なんでそれを...確かに彼女は私にそのような旨の手紙を送ってくれたが...その時私と彼女の二人きりだったはずだ。なんでルドルフが知っt」

 

「ルナだ」

 

「...は?」

 

「これから君には私のことをルナと呼んでもらう」

 

「え?いやなんで」

 

「だって許せないだろう?確か例の女は君にFirst Nameで呼んでくださいと言ったそうじゃないか。君はラブレターの告白も、その申し出も断ったようだが....まったく、愚かな女だよ彼女は。私のトレーナー君なのだから、私しか愛称を言わないに決まっているじゃないか」ハイライトオフ

 

「ル..ルドルフ?何か様子がおかしいぞ...?」

 

「ルナだ」

 

「あっはい」

 

「だがトレーナー君も愚かだな?まさか私以外の女と二人きりになるなんて。これはお仕置きが必要かな?」ハイライトオフ

 

「えっいやあの」

 

「......冗談だ。まさかトレーナー君に危害を加えるわけないだろう?今のことは忘れてくれたまえ。さて、やはりレースの話し合いはしようか。万全を期するのはやはり大事だからな」

 

「...あ、あぁ...」

 

 

____

 

 

 

テイオーT「..........」(開いた口が塞がらない)

 

ルドルフT「....さすがに悪寒がしたな。何が恐ろしいかといえば、彼女が言っていることが全て冗談に聞こえないことがだ」

 

テイオーT「(テイオーがあんな感じだったのはもしかしてルドルフさんのせいじゃねえだろうな...?)」

 

ルドルフT「そしてお前に会ったのは他でもない、担当ウマ娘と結婚した者としての意見が聞きたいんだ」

 

テイオーT「成程、やっと納得しました。ですけど、参考になるかどうか...」

 

ルドルフT「最悪何も思い浮かばなくても構わんよ。既に秘策があるんだ」

 

テイオーT「秘策?一体どんな策なんです?」

 

ルドルフT「ダミーの指輪だよ。それを用いれば、ルドルフも仮に私に何かしらの感情を持っているとしても諦めてくれると思ってね」

 

テイオーT「.........それルドルフTさんの発案ですか?」

 

ルドルフT「いや、ネイチャTが教えてくれた」

 

テイオーT「(なんでよりにもよってそいつにィィィィ!!!!)」

 

テイオーT「......ルドルフT?悪いことは言わないのでその案は辞めといた方がいいと思いm」

 

(ジョウネツニナリヒビクタカナリトイウファンファーレ♪)

 

ルドルフT「あぁすまない、電話だ、少し席を外す」

 

テイオーT「あ...わかりました。」

 

 

 

 

~~~~

 

 

 

ルドルフT「テイオーT、早急にあちらに戻らなければいけなくなってしまった。慌ただしい再会となったあげく、すぐに場を離れてしまうことになってすまない」

 

テイオーT「あぁいえ...それは構わないのですが...その...」

 

ルドルフT「この作戦がうまくいったら連絡するよ。ではまたいつか会おう」

 

テイオーT「アッハイ....」

 

 

 

テイオーT「(嫌な予感しかしない.......お....俺は悪くねぇ!俺は悪くねぇ!)」

 

 

 

 

____

 

 

 

行き先のホテルにて。

 

 

 

 

「ルドルフ?急に呼び出して一体どうしたんだ。日本へ少し所用ができたから行ってくると前に言っただろう?」

 

「ルナだ」

 

「あっはい」

 

「トレーナー君の顔がいち早く見たくてね。ふふっすまない、でも用事はもう済んだだろう?他のトレーナーと”相談”してくるという用事は」

 

「あ、あぁ...まぁ...な...(何故ルドルフが俺が別トレーナーに相談しに戻ったことを知っているんだ...?)」

 

「その相談というのは、その手につけている指輪のことに関係しているのかな?」

 

「(きた...!)あ、あぁ。そうなんだ、実は私は結婚していてね。その妻とどう過ごしていけばいいかなんて、まぁそのような感じで相談していたんだ」

 

「そうか」

 

「(納得してくれたようだな。ルドルフも少し甘えたかったのかもしれない、これからも彼女のことはちゃんと目にかけてあげよう)」

 

「................................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘘をついたな?トレーナー君」ハイライトオフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...えっ?」

 

トレーナーは驚愕し、恐怖した。その今までみたことのないような闇のオーラをまとっているルドルフを、彼は知らなかったのだ。彼は萎縮し、その場に座り込んだ。

 

 

 

 

「トレーナー君、私は君のことについて”全て”をしっているつもりだ。君の部屋にはトレセン学園にいた時からずっと監視カメラ、盗聴器を仕掛けていたし、君が何かしらの者と会った時には、その者を徹底的に調べ上げ、トレーナー君に近づくようなら排除した。小学生からの友人、アルバイトをしていた際の同僚、大学生時に会った先生...全てね」ハイライトオフ

 

「......えっ」

 

「もちろん君自身のこともよく知っているとも。いつどこで、だれから生まれたのか。そこからどういう経緯でトレーナーにあこがれるようになったのか。君の人生全て。私は知っているんだ」ハイライトオフ

 

「トレーナー君。....改めて言おうか、嘘を、ついたな?  この私に」ハイライトオフ

 

「る...ルドルフ...」

 

「ルナだと言っているだろうッッッ!!!!!!!!」

 

「は、はいィィィ!!!」

 

「馬鹿らしいことだ。この粗末な指輪程度で私を騙そうとしたのだからな」ハイライトオフ

 

ルドルフはトレーナーから指輪を外すと、いとも簡単に握りつぶした。

 

「さて....34時間22分14秒ご無沙汰だったのだ。お仕置きの覚悟ぐらいは...できているだろう?」

 

「....(ルナには....一生敵わんな....)」

 

 

ぐふっ

 

 

 

____

 

 

 

 

ネイチャT「かの有名なルドルフTさんと連絡したんですが、やはり素晴らしいお方でした」

 

N.N「あ、やっぱり?そりゃあの会長さんのトレーナーだもん。すごい人に決まってるでしょ」

 

ネイチャT「ええ。お互いのことを完全にわかっているといった感じでした。これが絆と呼ぶのでしょうね」

 

N.N「うらやましいなぁ。うちの人もそれわかってくれればいいのにねぇ」チラッ

 

ネイチャT「さて、今日の新聞の記事は...」

 

N.N「...見てないし」

 

ネイチャT「......!?」

 

N.N「?どしたー?」

 

ネイチャT「....ルドルフTさんとルドルフさんがご結婚なされるそうです....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり

 



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~オグリキャップ+オグリキャップリターン編~

トゥインクル・シリーズを勝ち抜いたオグリとそのトレーナー。

その後数々のレースを勝ち抜いていく二人だが、ある問題が発生していた。

 

 

 

 

 

____

 

 

 

「トレーナー?すまない、また”アレ”....お願いできないだろうか...?」

 

「...また”アレ”か?”アレ”やるとオグリはいつも痙攣するから、見てる側としてはいつも困るんだけど...」

 

「頼む、トレーナー。トレーナーが”アレ”をやってくれなければ、私はもう生きていけない体になってしまったんだ...」///

 

「...しょうがないな、やってあげるから早くこっちに来t

 

 

 

____

 

 

 

テイオートレーナー(以後テイオーT)「どっせええええええええええいいいいい!!!!!」

 

オグリトレーナー(オグリT)「うわあああ!!??いきなり叫ぶなあああ!!!!」

 

 

 

___________________

 

 

 

テイオーT「いや叫ぶわ完全にアウトだろそれはァァ!!!」

 

オグリT「なんでだよぉぉぉ...まだなんも言ってないだろぉ...」

 

テイオーT「いやもうこの文面で分かるわァァァ!!うまぴょい、ダメ、ゼッタイ。理事長もそう仰られておられるわァァァ!!!!」

 

オグリT「はぁ?うまぴょい?何言ってんの?俺は耳掃除の話しようと思ってたんだけど...」

 

テイオーT「.................................................HA?」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

テイオーT「紛らわしいにもほどがあるわ...普通に勘違いしたわ....」

 

オグリT「そもそもうまぴょいを連想するお前の方がおかしいだろ...いいか?オグリはうまぴょいなんて知らない純粋な子だ!本当にうまぴょい伝説しか思い浮かばないような子なはずだ!!!」

 

テイオーT「(どうかな...。あの学園でうまぴょいを知らないのどこぞの委員長ぐらいじゃねえか?テイオーに聞いたが、中等部すらその隠語通用するらしいしな...最近の若者は恐ろしいわ)」

 

オグリT「何黙ってんだ?テイオーと結婚してキャッキャウフフして今人生再絶頂のテイオーTさん?」マガオ

 

テイオーT「何真顔でうらやましそうな声で言ってんだお前、結婚って大変なんだぞ?テイオーと俺はえらい年の差結婚だから、お互いの認識の度合とか違うし、学生と大人の違いもあるし、結婚生活を整えながらトレーナー業しないといけないから時間ねえし。それに子どもも生まれたらなんて考えたらな...」

 

※オグリTはテイオーTが結婚することを教えた数少ないT。

 

オグリT「あー。あー。うらーやまーしいー!俺もオグリと結婚したーい!!」

 

テイオーT「....お前今日相談してきたのはもしかして...」

 

オグリT「そう!噂を聞いてきたんだよ!『伝説のキューピッドネイチャTとそのお供のテイオーTに相談さえすれば、担当の方と結婚できる』ってな!」

 

テイオーT「うわでた....そのマジでイミフな噂...」

 

 

今トレセン学園では、その噂が多く流れていた。どういう方法を用いるかは知らないが、ネイチャT(テイオー編やブルボン編に登場)と、テイオーTに相談すれば、100%結婚できるということが大体の噂の状況である。ネイチャTは今、時の人なのである。

 

テイオーT「(つかお供ってなんやねん。いや別に噂になりたくはないんだけど、お供っつのがなんかムカつく...いや、何考えてんだ俺...)」

 

オグリT「んーーーで!どうなの!?ネイチャTは俺面識ないし、今めっちゃ相談されてるから予約必至だしさぁ!」

 

テイオーT「何?お前オグリキャップと結婚したいの?」

 

オグリT「あったりまえでしょ!!むしろあのオグリだよ?もうぬいぐるみなんてすんごい人気なんだから!是非嫁にきてもらって毎朝ご飯食べるところ見てみたいよぉ...」

 

テイオーT「(食費ヤバそう)...はぁ....しょうがなねえなァ、お前はそこそこ付き合い長いし、教えてやるよ。ただ俺が言ったってことは誰にもいうなよー理事長にしばかれたくないからな」

 

 

 

____

 

 

 

 

「よし...指輪もきっちりつけた。これならオグリも嫉妬してくれるかも...」

 

トントン

 

「(お?オグリか)入ってどうぞー」

 

「失礼する、トレーナー」

 

「あぁ、おはようオグリ。今日はどうしたんだ?ごはんでも食べに来たのか?」

 

「あぁ...ッ!!!???」

 

「?どうしたオグリ...?(もしかして指輪を見たか...?)」

 

「...............................................いや、ご飯は食べない。トレーニングをしよう、トレーナー」ハイライトオフ

 

「(あれ...?)あ、あぁ分かった」

 

 

____

 

 

 

オグリT「.....こういう事態が多発するんだけど、マジでどうすればいい?」

 

テイオーT「指輪失敗したのか?いやこの場合成功って言うのか...?指輪使い始めた本来の目的って...んごご...」

 

オグリT「違う。この際指輪なんかどうでもいい。一番の問題は......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オグリがご飯を(あんまり)食べないことだぁっっっっっ!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

テイオーT「な、なんだってーーーーーー!!!!」

 

 

 

オグリT「いやマジで心配だ...オグリが米俵一杯しか米を食べないなんて...異常すぎる...!」

 

テイオーT「あのオグリが食べないなんて...一体なぜ....ハッ!!!!??」

 

オグリT「ん?もしかして心当たりがあるのか!!??」

 

テイオーT「....お前さっき指輪はどうでもいいって言ったが...もしかしてオグリは...お前が結婚していることに気付いて、それで心を病むあまりにご飯を食べなくなってしまったのでは....?(名推理)」

 

オグリT「!!!????ま、まさか...そんなことがあり得るのか...だとすれば指輪は効果を発動しなかったどころか、多大な効果を及ぼしている可能性が微粒子レベルで存在する...?」

 

テイオーT「...オグリT。これはマジメな話になるが、早いところオグリに会いに行ってこのことを謝った方がいい。もしこの状態を放っておけばもしかしたらオグリは...」

 

オグリT「...!わかった。すぐにオグリに会ってくる!ありがとうテイオーT!!!」

 

 

 

____

 

 

 

ウマ娘寮内にて。

 

 

「オグリ!!?いるか!!」

 

「....ん?トレーナーか。こんな遅い時間にどうしたんだ....?」ハイライトオフ

 

「(...間違いない。あの元気なオグリがこんなに目が死んでることなんてありえない....)」

 

「....オグリ...すまない!!!!俺が気づいてやれなかったばっかりに、オグリをつらい目に合わせてしまった!!!不甲斐ない俺を許してくれ!!!!」

 

「....トレーナー?どうして謝るんだ?もしかして、あの事に気付いたのか?」ハイライトオフ

 

「俺が指輪をつけたばっかりn.....ん?あの事?」

 

「そうか、気づいてしまったか...すまない、トレーナーにも相談しておくべきかと思ったんだが、なかなか言いづらくてな...トレーナーはよく食べる私を嬉しそうに見てくれるから....」

 

「....食べる?嬉しい?....えっもしかして」

 

「あぁ、保健室の先生に米俵10食べてはいけないという勧告が出されたことを知ってしまったのだろう?」

 

「......................HA?」

 

「おかげで最近よく眠れてなくてな...タマにもいい加減食うのやめーや!って言われてしまって...しょうがないから挑戦してはみたんだが、やっぱりダメだったな。トレーナーにも気づかれるようじゃ、私にはご飯を我慢するなんてできない...」

 

「..........。」

 

「トレーナー?どうしたんだ?」

 

「........よく寝てねオグリ」ハイライトオフ

 

「???」

 

 

トレーナーの方が寝不足になったのは言うまでもない。

 

 

 

____

 

 

 

 

テイオーT「指輪、初の黒星。今日の新聞はこれで決まりだな。さすがに葦毛の怪物には勝てなかったよ...」

 

テイオー「何椅子に座ってぼんやりしてるのトレーナー!早くご飯作るの手伝ってよー!」

 

テイオーT「あぁ分かったわかったすぐいくよー!ちょっとまってってー!」

 

 

 

____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オグリ「(それにしてもどうしてトレーナーは指輪をつけていたんだ?調べてみるか...................

 

 

 

 

 

 

結婚指輪...?トレーナー...結婚した...?......................................トレーナー.........)」ハイライトオフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________

 

リターン編

 

 

 

 

「ん?.....ここは......どこだ....?」

 

「俺は確かオグリに指輪戦法がまったく効かず脈なしと分かってしまって寝不足ぎみになって、それから....家でふて寝してたような...ぐっ...頭が痛い....」

 

「少なくともここは家じゃない...真っ暗で何も見えないが、ここは家ではない。間取りが違いすぎる...ん...?」

 

男は気づいた。いや、気づいてしまった。自分が椅子に縛り上げられていることに。

 

「...おいおい嘘だろ?なんだこれは。寝不足で幻覚でも見ているのか...?」

 

男は混乱した。確かに家にいたはずであるのに、このような真っ暗な場所で椅子に一人で縛りつけられているのだから。

 

「とりあえずここから脱出しねーと...つか俺がいなくなったらトレセン学園側も気づくだろ...大丈夫だ。心を落ち着かせるんだ...」

 

 

「トレセン学園は来ないよ、トレーナー」

 

「!!!!????」

 

トレーナーはどこからともなく声が聞こえたと思ったら、いきなりまぶしい光を浴びせられて驚いた。

 

「驚かせたか?トレーナー」

 

「....この声はオグリか?オグリなんだな?」

 

「ああそうだ。私はオグリキャップ。

 

 

 

 

君を監禁した張本人だ」

 

 

 

 

「.......やっぱりか」

 

トレーナーは比較的落ち着いていた。この縛られている状況の中で。冷静に考えて、この場合オグリが自分を助けにきたのではないか、と考えるかもしれないが、トレーナーは一種のカンか、オグリキャップが自分を監禁していると分かった。

 

「....理由を聞かせてくれないかな?」

 

「理由?それは君が私を裏切ったからだよ、トレーナー」

 

「裏切った?...何のことだ?」

 

「指輪。....何か聞き覚えはないか?」

 

「....!?気づいていたのか...」

 

「当然だろう?私は君をいつも見ているから」

 

「...オグリは勘違いしている。その指輪はホンモノじゃない。ニセモノなんだそれは」

 

「知っている」

 

「.....は?」

 

「知っていると言ったんだ。その指輪はもう既にいろいろと使われているからな」

 

「....なんで知ってるんだ?他のウマ娘にでも聞いたのか?」

 

「それは間違っていないが、正確じゃないな。正確に言えば、他のウマ娘からの依頼を受けて知った」

 

「...?どういうことだ...?」

 

「グラスワンダー。聞いたことはあるだろう?」

 

「...そりゃ知ってるさ。あの黄金世代でもかなり上位に位置するウマ娘だ。それがどうした?」

 

「私は彼女に協力したんだ。その指輪をめぐる関係で」

 

「....何をいってるのかさっぱりわからない。確かグラスワンダーは結婚したと聴いたが...」

 

「だからその結婚に協力したのが私なんだ。グラスのトレーナーに盗聴器を取り付け、尾行し、その情報をグラスに流した、それを行ったのは私なんだ」

 

「........つまり?グラスTとグラスが結婚したのは、オグリが手伝ったからってことか?」

 

「そういうことだ。手伝っている中で、そのダミー指輪が使われていることを知った」

 

「....なるほどな。得心したよ。オグリは俺がつけている指輪がダミーだってわかっていたわけか。

ならなおさら聞きたい。なんで俺を監禁してるんだ?」

 

「それは君が私を裏切ったからだ」

 

「だから!それは一体何を裏切ったんだ!?」

 

トレーナーは声を張り上げてしまった。オグリキャップの回りくどい言い方が、どうにも彼女の面影と合致せず、イライラしているのもあっただろう。

 

「..............私の、情緒だよ」

 

「え?」

 

「トレーナー。人間の三大欲求を知っているか?」

 

「いきなりなんだ...?確か『食欲』、『睡眠欲』、そして『性欲』...だったか?」

 

「そうだ。私はな、トレーナー。その中の性欲が、とてつもなく大きかったんだ」

 

「....は?どういうことだ...?」

 

「ウマ娘だけしか起こりえない病気らしい。何かの欲求が限りなく大きくなってしまう。これは今でも治す方法は見つかっていない。私はそれにかかっているんだ」

 

「嘘だろ...?俺はそんなこと知らなかったぞ...」

 

「難病で、不治の病だからな。履歴には残らないように過ごしてきたんだ。ただ、隠し通せるのも限界がある。ある年を超えたころから、性欲が抑えきれなくなっていたんだ」

 

「私は怖かった。見境なく男を襲うような怪物にはなりたくなかった。だから私は性欲の代わりに食欲で補うようにした。欲の変換。元から胃は大きかったから、最近まではうまくいっていた。レースでの高揚感も、性欲の代わりの欲になっていたし」

 

「....(あの異常ともいえる暴食には訳があったのか...)」

 

「だが...君と3年間を共に過ごし...もう限界が近づいてしまった。君に会ってから、性欲のタガがよく外れそうになるんだ。なぜなのかずっと考えたが、やはり答えは一つだった。君のことを狂おしいほど愛しているんだ、トレーナー」

 

その時、オグリが入ってきた扉の後ろの逆光から、オグリの表情が垣間見えた。その顔は、まるで獣のようで、かつ女の表情も混ざった、とても淫靡な、表情であった。

 

「オグリ...お前...何をしているのかわかっているのか?」

 

「わかっているよトレーナー。大丈夫だ。心配はいらない。グラスワンダーがこの部屋を用意してくれた。そして私にはもう一人協力者がいる」

 

「協力者...まだ存在するのか...!」

 

「シンボリルドルフ...会長、聞かなくてもわかるだろう?」

 

「...嘘だろ?あの会長までお前は味方につけているのか...!?」

 

「グラスワンダーに恩を売ったように、彼女にも恩は売っておいたんだ。なかなか大変だった、彼女のトレーナーは警戒心がかなり強かったから」

 

「.....(唖然)」

 

「おかげで会長にはトレセン学園全域の口止めも頼んでおくことができたからね。

 

トレーナー。君はもう逃げられないんだ」ハイライトオフ

 

「お...オグリ...まて。まだ俺たちはやり直せる。一緒にURAファイナルズを勝ち抜いただろう?こんな...こんな歪な関係じゃなかったはずだ...」

 

「...何度も言わせないでくれ、トレーナー。君は私の情緒を裏切ったんだ。あの指輪を使って、私と愛し合いたいという感情が露見した時点で、私の理性...つまり第一人格は吹き飛んだんだ。」

 

「第一人格...もしかしてお前は...」

 

「理性と情緒、本能。互いに共存は出来なかった。私にはいつの間にか人格は複数備わっていた。君と会話していたのは情緒の方だ。ただ...もう本能も情緒も同じ気持ちだが」

 

オグリキャップは、トレーナーに近づいた。そして拘束されている膝の上に自身のしなやかな肉体をのせた。

 

「君は.....本当に美味しそうだな。本当に。食べてしまいたい。いや、もう食べられるんだな、トレーナー。」

 

「.....................................」

 

トレーナーは、諦めた。オグリのその表情から、もう逃げられないことを悟ったのである。

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ....いただきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり

 



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~マチカネフクキタル編 表&裏

※注意

マチカネフクキタル編は表編と裏編があります。表はいつも通りですが、裏はかなりヤンデレ味が強くグロ注意です。それでも良ければ閲覧してみてください。


トゥインクル・シリーズを勝ち抜いたフクキタルとそのトレーナー。

その後数々のレースを勝ち抜いていく二人だが、ある問題が発生していた。

 

 

 

 

 

 

____

 

 

 

「...あのさ、ちょっと離れてくれない?割と、いやかなり暑苦しいんだけど」

 

「ダメです!トレーナーさんは私のラッキーアイテムなのですよ!ぜえーーーーったい放しませんから!!!」

 

「いやいくらなんでも2週間連続でラッキーアイテムが『身近でぶきっちょで気怠そうででも優しいトレーナーさん』はおかしいだろう....つか具体的すぎるだろ...」

 

「....そういうこともありますよ!!!ほら、はやく私の前に立ってください!!さあ!さあ!!!」

 

「ええっ...」

 

 

 

____

 

 

 

フクキタルトレーナー(以後フクキタルT)「....こういうことがあったんだけど、どう思う?」

 

オペラオートレーナー(以後オペラT)「あー...そりゃまずいかもねぇ...」

 

フクキタルT「だよなぁ...俺、仏像になっちまうかもなぁ...」

 

オペラT「うんうん.....うん?」

 

 

____

 

 

 

オペラT「いやそうじゃないでしょ。それフクキタルちゃんに間違いなく好かれてるじゃない」

 

フクキタルT「ん?そりゃ好かれてはいるだろ。3年間一緒にやってきたんだしな」

 

オペラT「いやだから。トレーナーとウマ娘の枠組みを超えた情熱的な恋愛という意味で好かれてるっていってるのよ」

 

フクキタルT「....いやいや。いくらなんでもないだろそれは。あいつが好きなのはあくまで開運グッズであって、俺が好かれてるのはあくまで開運グッズに相当しているからだろ?」

 

オペラT「いくらなんでも鈍感すぎるわ。私はその一部始終しか聞いていないけど、すぐにわかったわよ。フクキタルちゃんが貴方のことを好いているって」

 

フクキタルT「にわかには信じられんのだが...」

 

オペラT「じゃあその抱き着きが始まった2週間前のことを教えなさいよ」

 

フクキタルT「あ、あぁ...」

 

 

 

____

 

 

 

「ふぁあ...アアッ!いや眠い。なんで朝から仕事しないといけないんだ?そもそも学生に合わせるのはおかしいだろう...ほんと夜行の学園にしてくれ...」

 

「トレーナーさん!!おはようございますっ!朝から精が出ますねトレーナーさん!今日の魚座の方は幸運あり!トレーナーさんも幸運な日に今日はなりますよ!よかったですね!!」

 

「...うるさいぞフクキタル...そんな朝っぱらから叫ばれたら幸運もクソもないわ...」

 

「そ、そんなぁ!占いを信じていませんね!!トレーナーさんはこれから物凄い幸運に合うこと間違いなしなんですよ!もっと自分の幸運に自信をもってくださいっ!!さあさあ笑って笑って!笑う門にはふっくきたる~♪」

 

「あーもう頬をひっぱるなわかったよ....笑う笑う...」

 

「そんな笑ってやるか、しょうがねえな、みたいな笑顔じゃだめですよ!ほら、私の顔を見てください!ほら!」(顔をトレーナーに近づける)

 

「....っ、ち、近いわ!おい離れろ!...ちょおい....あっ」

 

「いいえっ!もっと私を見てください!さあさあ!......あっ」

 

その時、トレーナーとフクキタルの唇が一瞬だけ触れてしまった。

 

「......(トレーナー唖然)」

 

「.........////(フクキタル赤面)」

 

「....ふ、フクキタル?」

 

「....これが...トレーナーさんの味ですか...なんとも...素敵な....」

 

「お、おい?大丈夫か?」

 

「はうっ!!??ああすいませんすいません離れますね!....あー...そ、そうだ!今日は移動教室なんでした!少し失礼します~~~!!!」///

 

「....なんだったんだあいつ...」

 

 

 

~~~~

 

 

(表)

 

 

一日後。

 

 

 

「とれーなーさあああん!!」ダキッ

 

「うおっ!フクキタル!?急にどうしt...ってお前何抱き着いてるんだお前!?」

 

「トレーナーさん!えっとですね...はい!トレーナーさんは今日のラッキーアイテム!そう!あなたはフクキタルのラッキーアイテムに選ばれましたのです!おめでとうございます!....///」

 

「はぁ?」

 

「今日のラッキーアイテムは、『身近なトレーナーさん』だったんです!だから今日は一日中ずっと抱き着かせてもらいますっ!異論は認めません!」

 

「ええっ...」

 

 

 

____

 

 

 

フクキタルT「ということがあってな。そんで日にちが経つにつれ、『ぶきっちょ』だとか、『気怠そう』とか、いろんなワードが追加されては抱き着かれる日々だ...いやほんと偶然ってのはすげーよな」

 

オペラT「いやもうそれアウトじゃない。完全に堕ちてるじゃないの。考えられる全てのピースが揃ったわよ今ので」

 

フクキタルT「嘘だろ?この少しの会話だけでお前は看破したのか!?すげーな...」

 

オペラT「いやむしろわからない方がおかしいでしょ!鈍感にもほどがあるわよ!...はぁ、どうしたものかしら。一応大人の対応としてはそういうのは断ってちゃんとした関係に戻るのは当たり前なんだけど...」

 

フクキタルT「...俺はどうすればいいんだ?」

 

オペラT「...そうだ。じゃあ貴方にこれを貸してあげる」つ(指輪)

 

フクキタルT「あん...?こりゃ指輪か?」

 

オペラT「そ。その指輪を付けて過ごしなさい。もしフクキタルちゃんがその指輪を見たとして...そのあとの彼女の行動で貴方自身でこの件をどう片づけるか考えなさい。これ以上は私はもう干渉しないわ。」

 

フクキタルT「....あぁ。わかった」

 

 

 

 

____

 

 

トレーナー室にて。

 

 

 

 

「とれーなーさあああああん!!今日のラッキーアイテムは『身近でぶきっちょで気怠そうで少しだけお鬚を生やしたかわいくてでも優しいトレーナーさん』でしたっ!!ということで今日も抱き着かせてください!!」ダキッ

 

「うおっ!....フクキタルか...」

 

「あれ?トレーナーさんは今日は振りほどかないのですか?」キョトン

 

「...なぁフクキタル、これを見てくれないか?」

 

「....これって...指輪...ですか?薬指に....」

 

「何が言いたいか、わかるか?」

 

「...........トレーナーさんご結婚されていたんですか...?」

 

「..............................」

 

「....で、で、で、ですよね....トレーナーさんですもん....こんな私に付き添ってくれる方ですもん...愛するお方ぐらいいますよね...」

 

「お、おめでとうございます!!フクキタル的にはそういうお祝い事はバッチコーイですよ!しかもあのトレーナーさんだなんて!いやぁーその幸運うらやましいですっ!」

 

「ほんとうに申し訳ありませんっ!トレーナーさんのお嫁様に申し訳ないことをしてしまいました!もうこの際フクキタルも契約を切った方がいいかもしれませんね!ははは...」

 

....こいつ。泣いてるわ。俺はまだ指輪を見せただけなのに。そして俺はそんなフクキタルを見ていると胸が苦しい__________

 

「なぁ、なんで泣いてるんだ?」

 

「えっ....ああいえいえ!泣いてませんよ!ああいえ!これはうれし泣きですね!いやぁ嬉しいです!トレーナーさんがご結婚されるのがうれしくてうれしくて!」

 

「嘘だな」

 

「えっ...」

 

「それ悲しくて泣いてるんだろ。俺が結婚していると思ったから」

 

「..............そうですよ...トレーナーさんが結婚なされるなんて信じたくないです...トレーナーさんだけがこんな不甲斐なくて、運だよりで、可愛くなくて、すぐ調子にのる私を担当してくれたんです...だから...私は、こんなこと思いたくないのに....トレーナーさんに結婚してほしくないって...本当にバカでずるいですよね...」

 

「....まだ俺は結婚してないぞ。これから結婚するんだ」

 

「...そうですか。お相手がどんな方かは知りませんが、トレーナーさんなら素晴らしいご家庭を築けると思います」

 

「相手は、『不甲斐なくて、運だよりで、可愛くて、すぐ調子にのる招き猫を背負った、笑顔がきれいなウマ娘』だ」

 

「えっ...」

 

「....朝の占いで見たんだよ。そういうやつは俺の知る限り一人しかいねえわ。ってことでフクキタル、結婚するか!」

 

「は、はいィ!?」

 

「ほら、笑えよフクキタル。笑う門には、なんだったっけ?」

 

「.....フクキタルですっ!!!!私も!!!トレーナーさんと一緒に過ごしたいですぅ!!!!」

 

フクキタルは、今までで一番の満面の笑みを見せてくれた....

 

 

 

 

____

 

 

 

オペラT「やっぱりね。二人ともお似合いですもの。いつまでも幸運なカップルでいてね♪」

 

オペラオー「トレーナー!この僕から目を離すなんて、一体どうしたんだい?もしかして、僕の後光が激しすぎて僕の姿が見えなかったのかな?」

 

オペラT「オペラオーの後光が激しいことは知っているけれど、今は違うわ。まぁ私の推しカップルが付き合い始めたもので、感激しているだけよ。さて、オペラオー?今日も観劇の練習するわよ!!」

 

オペラオー「いいだろう!僕の素晴らしい観劇を見たまえトレーナー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

~~~~

 

※閲覧注意

 

(裏)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トレーナー室にて。

 

 

 

 

「とれーなーさあああああん!!今日のラッキーアイテムは『身近でぶきっちょで気怠そうで少しだけお鬚を生やしたかわいくてでも優しいトレーナーさん』でしたっ!!ということで今日も抱き着かせてください!!」ダキッ

 

「うおっ!....フクキタルか...」

 

「あれ?トレーナーさんは今日は振りほどかないのですか?」キョトン

 

「...なぁフクキタル、これを見てくれないか?」

 

 

 

「....これって...指輪...ですか?薬指に....なんで?なんでトレーナーさんが指輪をつけているんですか?」ハイライトオフ

 

「(ん?...なんだ...?フクキタルの雰囲気が変わった...?)」

 

「トレーナーさん....なんで指輪をつけているんですか?答えてください」ハイライトオフ

 

「.....け、結婚したからだ。少し前に会った幼馴染と会ってな、気が合ったから付き合ってたんだ」

 

「そうじゃないですよね?トレーナーさんは付き合ってないですよ。よくないですよ嘘は。幸運が逃げてしまいます」ハイライトオフ

 

「(な、なんで...なんでフクキタルは確信をもった表情で俺が嘘をついていると分かるんだ....?)」

 

「トレーナーさん、答えてくれませんか?なぜ嘘をついたんですか?」ハイライトオフ

 

「...フクキタル、俺は....嘘を、ついていないぞ....」

 

「........................................................................そうですか」ハイライトオフ

 

フクキタルはトレーナーを一度一瞥すると、扉に向かい、鍵をかけた。

 

「!?フクキタル!?何を、ぐむっ!!???」

 

フクキタルはトレーナーの口をふさぎ、ソファへ押し倒した。

 

「トレーナーさん。私、思ったんですよ。この世には不幸が多すぎるって。私のお姉ちゃんは、死んでいます。なんでですか?なぜしんだのでしょうか。おかしいとは思いませんか?私のお姉ちゃんは何も悪いことをしていないのに、死んだんです。なんでですか?答えてください、トレーナーさん」ハイライトオフ

 

「ぐむっ!むぐむぐっ!ぐむっ!!!」

 

トレーナーの口は塞がれていて、答えようにもこたえることはできない。

 

「どんなに神に祈っても、どれだけ幸運を集めようとしても、すぐに私の手から零れてしまう。だったら、手元にずっと置いておいた方が安全で安心で、幸運だと思いませんか?」ハイライトオフ

 

「ふくっ!!!ぐむむっ!!!」

 

「トレーナーさんも、いつか死んでしまうのでしょうか?だとすれば私はまた不幸ですね。

 

大切な人が逝ってしまう。おかしい。

 

 

 

おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい

 

 

 

 

 

だからトレーナーさんを救ってあげます。このおかしくて不幸な世界から。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フクキタルは、トレーナーの腕を 折った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

 

 

「トレーナーさん、嘘をついた人がどうなるかわかりますか?罰を受けるんです。当たり前ですよね。嘘をつく人は不幸ですから。大丈夫ですよトレーナーさん。罰を受ければ、罪は許されますから」

 

「がっ.....フ、フクキタル....やめてくれ....なぁ....」

 

「....ああそうです。トレーナーさんはラッキーアイテムですから、後ろに背負って運んだ方が得があるかもしれませんね。招き猫の代わりに背負いましょうか。あぁ、でも困りました。トレーナーさんの足が邪魔ですね。招き猫はそこまで大きくありませんから。トレーナーさんを背負って運ぶとしたら、足は地面に当たってしまいます」

 

「....え?ま、まってフクキタがああっ!!!!ま、まて!!!!やめてくれ!!!!足が...アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

折った。

 

折った。

 

折った。

 

祈った。

 

祈った。

 

祈った。

 

祈った。

 

祈った。

 

祈った。

 

祈った。

 

折った。

 

祈った。

 

折った。

 

 

 

 

 

神は、応えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トレーナーさん?腕と足がなくなっちゃったから、これでいつでも『身近』で過ごせますね。ああでも、『ぶきっちょ』ではなくなってしまったかもしれませんね。でも良いです。

 

これでいつでも『幸運』ですもんね

 

 

 

 

 

 

 

トレーナーさん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり

 

 

 

 



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~サクラバクシンオー編~

トゥインクル・シリーズを勝ち抜いたバクシンオーとそのトレーナー。

その後数々のレースを勝ち抜いていく二人だが、ある問題が発生していた。

 

 

 

 

____

 

 

 

「トレーナーさん!!!!次の休日はどこでデートしましょうか!!!!遊園地?水族館?はたまた公園でしょうか!?はい!楽しみです!!!!」

 

「バカいうな。次の休日は家で一人でごろごろしてたいんだよ。一人で練習しとけ」

 

「い・や・で・すッ!!!!トレーナーさんは普段の生活の規律が悪いですね!!!私がトレーナーさんのおうちへ行って、お世話してあげますッ!!!ということで、家の住所を教えてくださいッ!!!!」

 

「ふざけんな。教えるわけねえだろうが。そもそもお前が来たら家が散らかりそうなんだが...」

 

「....そうですか。トレーナーさんは私のことが嫌いなんですか。そうですか」ショボン

 

「....ええっ...わ、わかったよ教えてやるから落ち込むなよ...」

 

「そうですかッ!!!やはりトレーナーさんはお優しいですねッ!!!早く教えてくださいッ!!!」ガバッ

 

「...!?お前俺を騙したなテメェ!?」

 

 

 

 

____

 

 

 

バクシンオートレーナー(以後バクシンT)「はぁ...最近あいつの思考能力がえらい高くなっている気がしやがる...どういうことだ...」

 

ネイチャトレーナー(以後ネイチャT)「それは重度ですね...」

 

バクシンT「ええまぁ...って、何故ここにネイチャTがっ!!???」

 

 

____

 

 

 

ネイチャT「そんなに驚かないでください。私は悪魔でもなんでもないのですから」

 

バクシンT「いや居酒屋で一人で飲もうとしていた矢先に隣に座って低い声で『それは重度ですね』とか言われたら驚きますよ...つか何してるんですか」

 

ネイチャT「まぁ箸休めのようなものです。最近私へウマ娘との付き合い方に関しての相談が増えておりまして。元からよく相談自体はされていたのですが、近ごろはウマ娘の皆さんからも相談が多く寄せられています。その対応に連日勤務していたので、疲れを取ろうと思いましてね」

 

バクシンT「は、はぁ...それはなんというか、お疲れ様です。ウマ娘の方からも相談されるとは、ネイチャTは慕われているのですね」

 

ネイチャT「いえ、そういうわけではないと思うのですが...まぁそのことは置いておきましょう。そんなことよりも、バクシンT?貴方が今つぶやいたことについて...詳しく教えてもらえますか?」

 

バクシンT「(まぁ、そうなるよな...トレーナーとウマ娘との過剰な接触は原則禁止だし...特にネイチャTは半ば結婚している状態とはいえ、この件に関してはかなり重く受け止めているらしいと聞く。...改めてヤバい人に聞かれちまったな...)」

 

バクシンT「いえいえ、そんな重要なことではありませんよ。ただまぁうちのバクシンオーが最近やけに賢くなっていることに驚いていただけです」

 

ネイチャT「重要なことではない、と貴方は言いますが。貴方の独り言から確か『デートに言った』という言葉を聞いた気がしましたが?」

 

バクシンT「なっ!?そこまでは言ってないはず....................ハッ!?」

 

ネイチャT「....成程。やはり重度でしたか」

 

バクシンT「(は、はめられた....嘘だろ?この俺が...ネイチャT....一体何者なんだこの人は。俺以上の機転の良さをもっていやがる...)」

 

バクシンT「....この場合、私はトレセン学園から解雇されますか。」

 

ネイチャT「ウマ娘との度を超えた関係を持つことは原則禁止です。当然バクシンTはトレセン学園から解雇という形になります.....が。私個人としてはバクシンTの素晴らしい指導能力を他方に移すのは学園の損害になると考えます。よってバクシンTには一つ、私から渡すものがあります」

 

バクシンT「(渡すもの...だと...?一体どんなものを渡されるんだ。まさか盗聴器を渡されて他のトレーナーの情報を奪ってこいだとか、トランシーバーやら渡されて八百長やらセクハラやら指示される...とかじゃねえよな?...)」

 

 

 

 

 

 

 

ネイチャT「これです」 つ(ニンニク)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バクシンT「......................................................え?」キョトン

 

ネイチャT「.....あっ間違えました。こっちです」 つ(十字架)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バクシンT「..............................................?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ネイチャT「...あれ、また間違えました。すいませんこれです」つ(指輪)

 

バクシンT「.........................えっとぉ...指輪ですかね?」

 

ネイチャT「そうですそうです。指輪です。これをつけて生活していただければ、このことはトレセン学園側には言わないと約束しましょう」

 

バクシンT「....(まぁ理屈としては理解できるけど...なんというか拍子抜けだな...というか最近やけに賢くなってきたバクシンオーにこれが通用するのか...?)」

 

ネイチャT「では、私はこの辺りで。楽しい飲み会でした。では」

 

バクシンT「........なんだあの人」

 

 

 

 

 

____

 

 

翌日、トレセン学園にて。

 

 

 

「はぁ...指輪つけたけど...初めて会ったばかりのバクシンオーならいざ知らず、最近のバクシンオーにこれが効くとは思えないんだよな...杞憂だといいんだが...嫌な予感が...」

 

「トレーナーさん!!!おはようございますッ!!!!!!!!」

 

「うおっ!?...声でけえわ本当。賢くなってもその大声は変わんねえんだなお前....」

 

「この声は私のいいところとしてよく褒められますから!!!!えっへん!!!!」

 

「あぁそう...まぁ確かにお前の声はよく響くよな」

 

「はいッ!ところでトレーナーさん!その指につけている指輪はなんですかッ!!!場合によってはトレーナーさんを監禁させていただきますが!!!」ハイライトオフ

 

「...え」

 

「はいッ!答えてくださいッ!」ハイライトオフ

 

「.....(目が死んでるのにすげえデカい声でしゃべっていやがる...!)」

 

ガシッ

 

「!?」

 

バクシンオーが俺の肩を掴んだ。

 

「....トレーナーさん。早く答えてくれませんか?委員長として、風紀を正すことは当然のことですから」ハイライトオフ

 

「...!?(なんだこのバクシンオーは...マジで賢さSSはあるんじゃねえのか...!?最近は勉強ばっかで二人きりで教えていたのが仇になったか...ッ)」

 

「.............正直に言えば、俺の先輩トレーナーから強制されてつけられた...これは俺の意思じゃない...っ」

 

俺は初めてバクシンオーに対して恐怖を抱いた。

 

「.....................ウソはついていないようですね」ハイライトオフ

 

バクシンオーはトレーナーを放した。

 

「いやぁ安心いたしましたッ!!!まぁ私はトレーナーさんがそんな風紀に反するような行動をとる方ではないとは思っていましたよ!!!ええ!!もちろん!!!」

 

「ハアッ...ハアッ...誤解が解けて、よかったよ....」

 

バクシンTの額には物凄い滝のような汗が流れていた。

 

「....(今のは本当にバクシンオーなのか...?)」

 

 

 

 

____

 

 

 

 

 

バクシンT「......はぁ...マジで焦った...あんなバクシンオーを見ることになるとはな...」

 

バクシンT「もし返事の仕方を間違えていたら...なんて考えたくねえ...」

 

バクシンT「最近周りでこういう事態がよく増えているような気がしてならねえ...」

 

バクシンT「一体何が起こって...」

 

トントン

 

バクシンT「?誰だ…?」

 

バクシンTは扉を開けた。そこには、

 

 

 

 

 

 

 

ナイスネイチャ「...バクシンTさんですよね?少しだけ聞きたいことがあるんですケド、いいですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回「ナイスネイチャ真相探求編」



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~ナイスネイチャ真相探求編~

 

 

トゥインクル・シリーズを勝ち抜いたネイチャとそのトレーナー。

その後数々のレースを勝ち抜いていく二人だが、その二人の間に大きな問題が発生しようとしていた...

 

 

 

____

 

 

 

「......おかしい。」

 

赤髪の少女ナイスネイチャは呟いた。近頃、周りの知り合いのウマ娘の結婚率が異常であると。ただ結婚するだけなら別に構わないのだが、問題なのはその相手である。

 

「どうして全員担当トレーナーと結婚してんの...?」

 

その疑問は当然であった。そもそもウマ娘というのは単為生殖ができないため、生物としてはかなり欠陥のある存在である。そのため、ヒトの男と交わるのがウマ娘という存在を後世に残していくためには必要であるのはわかっている。しかし、それが一応大人と学生という立場であるにも関わらず、担当トレーナーと関係をもってしまうのはやはり風聞としても良くないのである。つまり、わざわざ担当トレーナーを選ぶ意味は薄いのである。

 

「って言っても、現にトレーナーさんが好きな私が言うのはお門違いかぁ...」

 

ナイスネイチャはベッドに寝転んだ。そもそも、今現トレーナーであるネイチャのトレーナー(以後ネイチャT)と、同棲したいと言ったのは他でもないナイスネイチャであった。

 

 

 

____

 

 

トレーナー室にて。

 

 

 

「ト、トレーナーさん?ちょっといいかな?もしかして忙しい?」

 

「?いえ。今丁度業務が終わったところです。ネイチャさんはどうしてここに?もう練習は終わったはずですが」

 

「あー...えっと...(覚悟を決めろアタシ....今ここではっきり言うんだよ....トレーナーさんが好きですって...)」///

 

「ネイチャさん?顔が赤くなっていますが、大丈夫ですか?」

 

「えっ...い、いや...別に赤くなってないデスよ?あー夕日がキレイダナー...もしかして夕日に顔が当たっちゃってるからそう見えてるのかもしれませんね!あはは...」

 

「はぁ...それで用事とは一体?」

 

「....(言え。言え。言え。....ここで言わなかったらいつ言うんだアタシ....ここで言わなかったら一生後悔する。たとえ断られてもいい。ここで言うんだ。....でも断られるのはイヤだな...あはは...本当に意気地なしだなアタシ...でも.........言え!!)」

 

「と、トレーナーさん!!!!!!」

 

「!?は、はい!」

 

 

 

 

 

 

「私の作ったお味噌汁、毎朝食べてくれませんか!!!!!!!!!!!!」

 

「(あぁ...言っちゃった言っちゃった言っちゃった言っちゃったぁ~~~~!!!!あぁぁあああもう顔が焼けそうなぐらい熱いぃぃいいい!!!!!)」/////

 

「......................................」

 

「(トレーナーさんずっと黙ってる....やっぱりダメなのかな...そうだよね、私なんてただの無個性女だし...トレーナーさんなんてこんな微妙なアタシを活躍させてくれたぐらいだもん。そりゃ私なんていらないよね...)」

 

「.............ネイチャさん」

 

「!は、はい...やっぱ...ダメですか...?」

 

 

 

 

「是非、お願いします」

 

 

 

 

「えっ....」

 

「(...う、ウソ。ウソウソウソウソウソウソウソウソ!!!そんな...本当に!?)」

 

「ほ、本当にアタシなんかでいいの...?」

 

「当然です。いや、むしろなぜこのような発想に今まで至らなかったのでしょうか。ネイチャさん。あなたは天才です」

 

「....ん?発想?天才?」

 

「味噌汁というのは、一緒に暮らしてほしい、とのことですよね?確かに一緒に暮らせばレースでの情報交換をインターネットを介さずに直に交換できます。しかも飲食メニューや、体調の管理もかなりやりやすくなる。今までの寮生活ではできなかった献身的なサポートが実現できます。さすがネイチャさんです。そこまでの柔軟な発想力は私にはありませんでした。今すぐにでも二人で暮らす家を探します。少し待っていてください」

 

「...え」

 

「(うそでしょ...)」

 

 

 

____

 

 

 

「はぁ....」

 

ナイスネイチャは当時のことを思い出して頭を抱えた。同じ家で暮らすといういわば『同棲』という自分の思い描いた理想の状態を作り出したのにも関わらず、その実態はあくまでトレーニングの円滑などという予想の斜め上をいったのである。自らが言った回りくどい言い方が悪いのかもしれないが、いくらなんでもこれはあんまりである。

 

「いくらなんでも鈍感にもほどがあるでしょ...なんかアニメとかの主人公みたいな鈍感ぷりでネイチャさん驚きの嵐ですよ...」

 

「でも...はぁ。好きなんだよねぇ...あの鈍感であんぽんたんで天然なあの人のことが。こんな私なんかをいろんなレースで勝たせてくれた。私が泣いた時もいつもいつもそばにいてくれて...最初なんてすんごい追っ払ったのになぁ...」

 

ナイスネイチャは自らがまだトゥインクル・シリーズに出ていないときのことを思い出した。

 

 

 

____

 

 

 

「...ねぇ、なんでここにいるんデス?アタシじゃなくて、テイオーのところに行った方がいいですよー新人トレーナーさん。私なんて良くて3位が関の山ですから」

 

「いえ、テイオーさんも素晴らしい走りだとお見受けしましたが、私はナイスネイチャさん。貴方の走りが素晴らしいと感じました。是非スカウトを受けていただけませんか?」

 

「...そのセリフもう5回以上言ってるじゃないですか。こんなに断ってるのになんで...」

 

「同じことを言わせてもらいます。ナイスネイチャさん、貴方の走りが素晴らしいと感じました。是非スカウトを受けていただけませんか?」

 

「6回目だし....はぁ....わかりましたわかりました!受けますよスカウト!ただあまり期待しないでね?私そんな強くないから...」

 

「いえ。貴方は強いです。もしあなたが自らを強くないと思っているのであれば、私があなたを支えます。新人の若輩者ではありますが、どうぞお願いします」

 

 

____

 

 

 

「...なんかあの目がなぁ...惹かれちゃったんだよねぇ....」

 

ナイスネイチャは思わずつぶやいた。このような限りなく微妙である自分を6度にわたり説得し、なおかつ自分のためにいろいろなトレーニングを模索し、レースで結果を出させてくれた。彼のことを想ってしまうのにそこまで時間は掛からなかった。

 

「でも別に私じゃなくても、トレーナーさんならだれでも強くできたんだろうなぁ...」

 

ナイスネイチャは最近このセリフをよく言うようになった。言うまでもないが素晴らしいポテンシャルを持っていた彼女だからこそ、ネイチャTは結果を残している部分が大きいのであるが、最初にあまり期待されていなかった分、ナイスネイチャはトレーナーの育成技術が凄いからだと最近特に感じることが多くなっていた。ただ、彼を想う気持ちを止めることはできなかった。どんなに立場が釣り合わなくても彼が好きなことは変わらないとナイスネイチャは感じた。

 

「だから告白した....んだけどなぁ....はぁ...」

 

ナイスネイチャは何度目かもわからないため息をついた。結局、周りの結婚例の多発さは偶然だろうと思い、ナイスネイチャは布団をかぶった。

 

 

 

____

 

 

 

 

事態が変わったのは、ある電話が始まりであった。

 

prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr

 

 

「んぅ...もうマヤノはかわいいねぇ...うへへ~....」

 

 

prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr

 

 

「.....あぁもう!休日の朝から何!?つか誰!?もしもし!!!??朝からなんですか!!!??」

 

「おはよーネイチャ!本当にいい朝だねぇ!太陽がまぶしいぞよ~」

 

「....その声、もしかしてテイオー?一体どうしたの朝から...」

 

「レースでしのぎを削り合ったライバルだから、ネイチャには教えておこうと思ってさ。ボク、結婚することにしたんだー。それだけ♪」

 

「あーそうそう結婚ねわかったわかった....ってはぁ!?結婚?結婚ってあのケッコン?付き合う?感じの?」

 

「むしろそれ以外になにがあるのさ。ついにトレーナーさんが落ちた...というか、ボクが堕とされちゃった...あぁ昨日の夜を思い出しそうになっちゃう~♡ごめんね朝から!ネイチャTにもトレーナーとくっつけてくれてありがとーって伝えといて!それじゃあね~」プツッ

 

「..........(唖然)」

 

~~~~

 

 

 

「あぁ良かった電話に録音機能があって...情報量が多くてキャパオーバーしちゃったけど、すんごい事言ってたもんねあの帝王様は」

 

(ごめんね朝から!ネイチャTにもトレーナーとくっつけてくれてありがとーって伝えといて!)

 

「.......これはどういうこと...?」

 

ナイスネイチャは訝しんだ。このテイオーの言った文面から察するに、ネイチャTはテイオーとテイオーTの仲立ちをしたかに思える。いや、むしろそうとしか思えないだろう。しかし、しかしだ。あの超鈍感で天然の権化であるネイチャTがそのような事ができるだろうか、いやできない。

 

「そういえば、たしかスズカさんの時も似たようなことがあったような...?」

 

『サイレンススズカ失踪事件』のあらましを彼女はネイチャT本人から聞いたことがある。その時は結局詳しいことはネイチャTは言わなかったため、情報はそこまで多くないが、分かっているのは

 

『「にんにく」「縄」「指輪」のどれかを他トレーナーに勧めたこと』で『他トレーナーが結婚した』

 

ことである。

 

「...自分でこの考えを言葉にしておいてなんだけど、意味がわからないんだけど」

 

ナイスネイチャは困惑した。しかし情報としては正しいはずなのでとりあえず頭の片隅に置くことにした。

 

「とりあえず、テイオーの言ったことからうちのトレーナーさんが何らかの形で結婚に介入したことは分かってる。同時にスズカさんの結婚にも絡んでいることも分かってる。ただあの人は超鈍感なので結婚を勧めた、というのはおかしいよね。そもそもあの人は規律はきっちり守る人だ。『ウマ娘とトレーナーとの過度な接触は禁ずる』というルールは私たちも知ってる。その規律を破ることはないと思う。あるとすれば...無自覚」

 

「つまり」

 

『「にんにく」「縄」「指輪」のどれかを他トレーナーに勧めたこと』で『他トレーナーが結婚した』ではなく、

 

 

 

「にんにく」「縄」「指輪」のどれかを他トレーナーに勧めたこと』で『結果的に』『他トレーナーが結婚した』.........

 

「ってことかな?多分。正直意味わからなすぎるけど」

 

ナイスネイチャは困惑した。

 

 

 

~~~~

 

 

「...ちょっと待って?もし仮にトレーナーさんがわざとでなかったとしてもウマ娘とその担当トレーナー様方の結婚を促していることがトレセン学園にバレたら...」

 

「....解雇される...」

 

※読者の皆様はもしかしたら感覚が麻痺しているかもしれないが、一応この作品のトレセン学園では、そのような関係を担当ウマ娘とトレーナーで持つことは原則禁じられている。今までの作品の中で結婚しているペアのトレーナーはトレセン学園を辞めているという設定である。テイオーTはまだ残っているが、それは単純に結婚したことを隠しているから。

 

 

「....私がなんとかしないと...多分トレーナーさんはこのことに気付いてない。だとすれば教えないとダメだ。でもあの人はちゃんと筋道立てて説明しないと、変に誤解しちゃうから...証拠。証拠が必要だ」

 

「証拠...でも多分そんな簡単に手に入らないよね。一番わかりやすいのは、実際に勧めた道具3つを探すのが無難だけど、ニンニクは食べ物だからもう残ってないだろうし、縄はもう捨てちゃったみたいだし...となるともう指輪しかない。でもそうそう指輪なんて見つかるかな...?うーむ...」

 

「...ん-ん。難しくてもやるしかない!トレーナーさんの今後がかかってるんだもん。あのトレーナーさんを納得させるのはかなり大変だから、情報がたくさん必要だし。とりあえず聞き込みかな。いろいろなトレーナーさんのところを周りまくる。これしかない!」

 

ナイスネイチャは決意した。

 

 

 

 

 

「えーっと...確かここだったはずなんだけど...あっ、この家かな?」

 

「うん、間違いないね。『武』....うん、ここだ」ピンポーン

 

<はーい

 

ガチャ

 

「どちら様で...あぁネイちゃん。わざわざ遠いところまで来てくれてありがとう。どうぞ入って」

 

「あっお邪魔しますね、スズカさん」

 

 

____

 

 

 

ネイチャ「いやぁ...すごい立派なお家ですねぇ...」

 

スズカ「そんな、ネイちゃんのお家もかなり大きいじゃない」

 

ネイチャ「いやいや、いくらなんでもこんな天井高くないし...すんごいお金かかってますねコレ...」

 

スズカ「まぁあの人が意地でも出すからっていうから...私はもっと狭いお家で良かったんだけどね」

 

ネイチャ「まぁまぁ...なんでも男には意地を張るべき場面とやらがあるみたいですよ。スズカさんは愛されていてうらやましいなぁ...」

 

スズカ「ありがとうネイちゃん。....それでここに来た理由は挨拶だけじゃないんでしょ?」

 

ネイチャ「あっわかります?...あの本当に言いづらいことかもしれないんですけど...あの...」

 

スズカ「構わないわ。ネイちゃんのトレーナーさんの今後に関わるかもしれない問題だものね。私も協力させて?」

 

ネイチャ「せ、聖人すぎる...ありがとうございます!」

 

 

 

~~~~

 

 

スズカ「これが私のトレーナーさんが知っていること全部よ。ネイチャTさんから指輪を渡されることで私との距離をとろうとしたみたい。」

 

ネイチャ「なるほど、指輪がこの事件の主軸になっているわけですか...ちなみにその指輪はどこに?」

 

スズカ「もうネイチャTさんに返しちゃったみたい。...ごめんね?その指輪があればネイチャTさんを説得できたかもしれないのに」

 

ネイチャ「ああいえいえ!お気になさらないでください。指輪が重要ってことがわかっただけでかなりの進歩ですから!...すいません。なんかつらいこと掘り返しちゃって...スズカさんが走れなくなったのってこの事件が原因なんですよね?アタシ、すごいデリカシーないですよね...」

 

スズカ「ふふ、気にしなくていいのよネイちゃん。そもそもこの事件が起きなくても、もう私の脚は限界に近かったそうだから。それにね...」

 

ネイチャ「?」

 

スズカ「私、景色の向こう側を...もう見れたから。あの人の隣で。」

 

 

 

____

 

 

 

 

「....なんか、すごい『愛』って感じだったなぁ...」

 

ナイスネイチャはスズカの話を聞いて、自らの目的を忘れ聞き惚れてしまった。ネイチャの知るスズカというウマ娘のイメージは、走ることに命をかけていて、颯爽に一位を大逃げという規格外の方法で取るウマ娘、といったものだ。おそらく彼女が結婚するという記事を見る前ならば、スズカの存在を知る全ての人間がそう答えただろう。しかし実際は違った。スズカは担当のトレーナーと結婚することになり、新たな家をもって彼女は引退した。周りの人間も合わせて当時はメディアがざわついたものだ。結局その後も続々とウマ娘の結婚報道がされたのだが。

 

「スズカさんから聞けたことはそう多くないけど、やっぱり指輪がキーになってるみたい。うちのトレーナーさんはなんとまぁ状況が悪化しそうなことをするんですかねぇ...」

 

ナイスネイチャは困惑した。

 

 

 

____

 

 

 

「んーと次は...セイウンスカイさんのお宅...ってはぁ!?この住所って...」

 

 

 

~~~~

 

 

 

ネイチャ「ぜぇ...ぜぇ...まさか山の周りをぐるぐると周ることになるとは...セイウンスカイさん...どこに住んでるの...」

 

 

 

ナイスネイチャは現在山奥にいた。この山はトレセン学園が所有している合宿所に近い山であり、よく合宿中に登ることも多い山である。ネイチャはかろうじて来たことがある山であるからなんとか今の場所を把握しているが、もし知らない山であればかなり危険な状態だったであろう。

 

ネイチャ「はぁ...とりあえずこの川で休もう...まさかこんなとこで足止めを喰らうとは思わなかったなぁ...」

 

ウンス「そうだねぇ。こんな山奥で女の子一人は危ないしねー」

 

ネイチャ「そうですよー..........って....?」

 

ウンス「それにしてもなんでこんなとこで足止めくらってるんだい?赤髪のねーちゃん?」

 

 

 

~~~~

 

 

 

ネイチャ「いやまさか本当に山小屋に住んでるとは...」

 

ウンス「まぁねー。山の管理を任されてるもんだからねー、ここに住んだほうが楽じゃない?」

 

ネイチャ「山の管理って...なんというか、すごいですね...」

 

ウンス「そうなのかな?そういうの全部トレーナーさんに任せてるからセイちゃんはわかんないやー」

 

ネイチャ「(なんか捉え所のないひとだなぁ...)」

 

ウンス「それでー、なんでここに来たの?わざわざ上ってきたみたいだし、なんかあるんだよねー?」

 

ネイチャT「あーそのですね...セイウンスカイさんとトレーナーさんがどうやってお付き合いし始めたかを少し...」

 

 

 

 

 

~~~~

 

 

 

 

 

ウンス「まぁこんな感じかなー。うちのトレーナーさんはテイオーのトレーナーさんに煽られたみたいだねぇ。ま、おかげでトレーナーさんと一緒に過ごせるから別にいいんだけどさー」

 

ネイチャ「....まさかテイオーTさんも関わってるとは思わなかった...」

 

ウンス「テイオーTさんも結構知っていると思うから、聞いてみればいいんじゃない?」

 

ネイチャ「今テイオーTさんいないんですよ。レースの都合で地方へ行っているので」

 

ウンス「あっそうなんだ?まぁ私の知ってる限りの話にはなるけど、

         ”私のトレーナーさんには” ネイチャTさんは無関係かなー」

 

ネイチャ「...どういうことですか?」

 

ウンス「ほかに結婚したウマ娘がいるでしょー。しかも私よりも前にね」

 

ネイチャ「....グラスワンダーさん」

 

ウンス「よく調べてるねぇ。こりゃセイちゃんのところに来るまでもなかったんじゃない?」

 

ネイチャ「そんなことないですよ。ここに来て分かったこともありますから」

 

ウンス「...あっそう?.....もしグラスちゃんのとこに行くんだったら気を付けなよー。怒らせたらヤバイから」

 

ネイチャ「わかりました。ご忠告ありがとうございます」

 

 

 

 

ウンス「....ありゃすごいね。かなりのトレーナーさんLOVE勢とみた。セイちゃんもなかなか拗らせてるとは思うけど、あそこまでじゃないなぁ」

 

 

 

 

____

 

 

 

「グラスワンダーさん...セイウンスカイさんと同期で”黄金世代”でも上位に位置する怪物と呼ばれたウマ娘...一筋縄ではいかなそうだなぁ...」

 

 

~~~~

 

 

 

ネイチャ「えーと...多分ここだよね?なんというか、スズカさんとかスカイさんに比べるとすんごい普通...」

 

グラスワンダーの住んでいる所とおぼしき家は、何の変哲もない一軒家であった。少なくともあれだけレースで結果を残したかの有名なグラスワンダーの家だとすぐには分からないぐらいの普通の家であった。

 

ネイチャ「ごめんくださーい。あの、グラスワンダーさんのお宅ですかねー?こちらナイスネイチャと言う者なんですけどー」

 

インターホンすらついていない扉を何回かノックする。すると家の中から物音が近づいてきた。

 

グラス「はいはい、こちら的場ですけど。どちら様ですか?....あら」

 

 

 

 

 

~~~~

 

 

 

グラス「驚きました。この家の場所を教えている人はそこまで多くありませんから。...もしかしてセイちゃんが喋りましたか?」

 

ネイチャ「いえ。....スカイさんには申し訳ないですけど、スカイさんのお宅から少し資料を拝借させていただきました。そこからここを割り出しました」

 

グラス「...........再度驚いてしまいました。セイちゃんをまさか躱すとは。貴方とはレースで雌雄を決したことはありませんが、もし同じレースに出ていれば必ず私の障害となったでしょうね」

 

ネイチャ「そんな、大げさな話です。......それで聞きたいことがあるんですが」

 

グラス「貴方のトレーナーさんのこと....違いますか?」

 

ネイチャ「...その通りです。何か知っていること....ありませんか?」

 

グラス「...........もし知らないといったら?」

 

ネイチャ「いえ、グラスさんはご存知のはずです。何故なら、近ごろ多く発生している電撃結婚の最初の事例ですから」

 

グラス「ただの偶然ということも普通にありえるとは思いませんか?たまたま私の後にたまたま結婚が重なっただけのことではないか...」

 

ネイチャ「いえ、それもないと思います。アタシのトレーナーとグラスさんのトレーナーさんはグラスさん方の結婚前に会っているみたいですから」

 

グラス「.........よくそこまで調べましたね。そこまで調べるのは容易ではなかったでしょう」

 

ネイチャ「うちのトレーナーさんの携帯、PCの履歴を見てようやくわかった事実ですから。グラスさんはアタシなんかよりはるかに頭が良いと聞きましたので、アタシなりにあがいてみました」

 

グラス「なるほど....さすがですね。少なくとも私が貴方に最初に会った時の印象とはくらべものになりませんね。見事です。認めましょう、私は貴方のトレーナーであるネイチャTのことについて知っています。それも貴方でさえ考えつかないような真実すらも」

 

ネイチャ「真実?何を言っているんですか?私のトレーナーさんが無自覚に指輪を用いて結婚を勧めてしまっているというのが真実なはずですよね?」

 

グラス「それは間違いではありません。しかし正確でもありません。貴方のトレーナーさんは利用されているんです。ある人にね」

 

ネイチャ「....利用?それは一体...?」

 

グラス「...これ以上は言えません。契約ですからね。今言った事も本来言ってはいけないことでしたけど、ネイちゃんの頑張りに免じて答えただけですから。これ以上は自分で調べてみてください」

 

ネイチャ「....わかりました。ありがとうございました」

 

 

 

____

 

 

 

「契約...ね....」

 

ナイスネイチャは思考していた。てっきり自らのトレーナーが無自覚に結婚を勧めているとばかり考えていたのに、なんとそれには何者かの介入があるというのである。なぜ結婚を勧めているネイチャTを利用しているのだろうか?

 

「まぁ単純に考えれば、結婚を勧めているトレーナーさんを止めないで容認してるってことは、グラスさんのいう『ある人』は担当ウマ娘とトレーナーを結婚させたい、って思ってるってことだよね」

 

.......................................................

 

 

 

「ちょっと待って。.....『担当ウマ娘とトレーナーを結婚させたい』。これをなんで『ある人』は隠す必要があるの?」

 

担当ウマ娘とトレーナーを結婚させたい『ある人』の立場に考えてみよう。仮にその『ある人』がメディア関係者のような、ゴシップ等を狙っている記者だとして、それを追っていることを隠す必要があるか?そもそもその事実を公開して金儲けがしたいのだから、グラスさんを契約とやらで縛りつけたところで別に意味はないだろう。つまり記者ではない。では次に考えられるのは自分以外の有力なウマ娘を抱えたトレーナーを消そうとしているトレーナーだろうか?筋は通る。自分のウマ娘を勝たせるため、他のトレーナーを結婚という鎖で縛るのはかなり有効な策だ。しかし問題なのは

 

「グラスさんがそれに応じるわけないか...」

 

グラスさんは怪物と呼ばれるほどのウマ娘だ。同時にかなりの負けず嫌いとも聞く。そのような卑劣な手段での勝利を、いくらトレーナーと結婚したいとはいえ即座に頷くだろうか。いや、少なくともあの人はそのようなことはしない、とネイチャは考えた。

 

「だとしたら一体誰が...?」

 

ネイチャは頭を抱えた。既に自らの目的を逸脱したところにまで根を貼ろうとしているのは分かってはいたが、この問題の原因を判明しないことには何かこの先自分とトレーナーの障害になるような気がしたのである。ネイチャは考えた。考え抜いた。『担当ウマ娘とトレーナーを結婚させたい』ことの何がメリットなのか...?..........

 

「もしかして....担当とかはもしかしてどうでもよくて...問題はそこじゃなくて。ウマ娘とトレーナーの清い関係のまま結婚させることが重要...?」

 

つまるところ恋愛結婚が目的であるのか。ウマ娘は、かなり前にも書いたが、単為生殖ができないという生物として欠陥がある存在である。つまるところヒトの男と結ばれなければ自らの子をなすことができない。そうなると、ウマ娘という立場はそこまで大きくないのである。何故ならヒトの男は、ヒトの女とウマ娘との選択ができるのだから。ウマ娘はかなりの確率で顔が整っているので、ウマ娘を嫁にもらう男は多い。しかしウマ娘はヒトの腕など軽く折れるほどの力を持つ。一部ではウマ娘の強大な力を恐れて、ヒトとしか付き合うなと教えている家も少なくない。そうなってくるとウマ娘の立場は弱くなっていく。ウマ娘側である自分の視点から考えれば、恋愛結婚できる確率はそこまで大きくはないのかもしれない。

 

「...いろいろと破綻している考えかもしれない。でももし恋愛結婚をさせてあげたいと『ある人』が思っていると仮定するなら、ウマ娘の幸せを第一に考えているあの人....つまり

 

 

 

トレセン学園理事長、秋川やよい...ッ!」

 

 

 

 

 

 

 

「トレセン学園理事長、秋川やよい...ッ!」

 

色々と粗はあるし、そもそも証拠がないが、あの人には立派な動機を持っているしメディア等をある程度制御できるほどの権力者でもある。ウマ娘を一番案じているあの人なら...

 

「早くうちのトレーナーさんに伝えて理事長に直談判しにいかないと、他のトレーナーさんに被害がでちゃう...」

 

「......って、あの人どこに行ったの?」

 

今の時刻は夜8時。普段であれば業務があるにしても彼は家で作業することが多いのであるが、一向に帰ってくる気配がしない。...そういえば、最近は帰るのが遅くなることが多いと思っていた。となると現在のこの時間あの人は...?

 

「そうか...この時間帯に他のトレーナーと会ってた...って感じかな?...だからこんな遅かったってことですか。といっても、一体どこにいるのやら...」

 

prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr

 

「ん?こんな時間に電話なんて、一体だれから..?............!?」

 

 

 

 

____

 

 

 

 

???「......はぁ...マジで焦った...あんなバクシンオーを見ることになるとはな...」

 

???「もし返事の仕方を間違えていたら...なんて考えたくねえ...」

 

???「最近周りでこういう事態がよく増えているような気がしてならねえ...」

 

???「一体何が起こって...」

 

トントン

 

???「?誰だ…?」

 

 

 

ネイチャ「...バクシンオーさんのトレーナーさんですよね?少しだけ聞きたいことがあるんですケド、いいですか?」

 

バクシンオートレーナー(以後バクシンT)「....お前は確か...ナイスネイチャか?なんでここに...?」

 

ネイチャ「そんなことはどうでもいいと思います。それよりもバクシンTさん。私のトレーナーさんとあったんじゃないんですか?」

 

バクシンT「...本当にどこまで知ってる?場合によっちゃぁ...」

 

 

 

 

ネイチャ「さっさと話してください。手荒なマネはしたくないんで」ハイライトオフ

 

 

 

 

バクシンT「..........(なんだこいつ...急に雰囲気が...今日のバクシンオーと同等...いやそれ以上の何かを感じる...!?)」

 

バクシンT「.....はぁ。女っつーのはこええなぁ...あぁ会ったよ、いつもの居酒屋でな」

 

ネイチャ「いつもの居酒屋?もしかしてアタシのトレーナーさんも今そこに?」

 

バクシンT「それは知らん。今日も同じ場所にいるとは限らないが...まぁ、いる可能性はあるだろうな」

 

ネイチャ「ありがとうございます、急に来て失礼しました」

 

バクシンT「ああ.........」

 

 

 

~~~~

 

 

 

バクシンT「はぁ...今日はさんざんだな...あのネイチャもそうだが、何よりもあのバクシンオーの雰囲気...」

 

バクシンT「正直、これから先生きていけんのか俺...」

 

 

 

バクシンオー「トレーナーさんッ!このような時間に、女性と二人きりとは、委員長として見逃せませんね!」

 

 

 

バクシンT「は?.....いやなんでお前ここにッ!?」

 

バクシンオー「トレーナーさんのことはいつも見ていますから!...それでトレーナーさん?さっきは何していたんですか?こんな夜中に男性と女性二人きりで...一体何をしていたんですか?」

 

バクシンT「アッ....ちょまっ」

 

 

 

 

アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____

 

 

 

居酒屋にて。

 

 

 

ネイチャ「バクシンTさんはここだって言ってたよね.........というか、アタシいろんなところたらい回しにされすぎじゃない?今日だけですんごい回ったんですけど...山にすらいったし...」

 

ネイチャ「えーと、中にいるかなー...って」

 

 

 

ネイチャT「ですから、ニンニクを用いた嫌われ法を使えば解決できるt」

 

某ウマ娘T「いやいやさすがにそれはいやなんですけど...」

 

ネイチャT「....そうですか...ならこの縄を用い特殊な性癖をさらけ出すことで嫌われるのはどうd」

 

某ウマ娘T「いや嫌ですけどぉ!?」

 

 

 

ネイチャ「なにやってるのあの人...」

 

 

 

~~~~

 

 

 

ネイチャT「なぜネイチャさんがここにいるんです...い、痛いです痛いです耳を引っ張るのはやめてくださいませんか」

 

ネイチャ「まさか本当に何も知らずに指輪勧めてるだけとは思わなかったよトレーナーさん...」

 

ネイチャT「いえ、指輪以外にもニンニクと縄も勧めていましたが」

 

ネイチャ「...まぁこの際何を勧めてたかはもうどうでもいいや。トレーナーさん。アタシの話、聞いてくれる?」

 

ネイチャT「...?はい、なんでしょうか」

 

 

 

 

~~~~

 

 

 

ネイチャT「なっ....私が理事長である秋川さんに利用されている...?そんなバカな...」

 

ネイチャ「...証拠はないよ。アタシが勝手に予想しただけ。でも...なんとなくそんな気がするんだ」

 

ネイチャT「..............」

 

ネイチャ「それでも....信じてほしい。こんな中途半端なアタシだけど...結構...頑張ったんだよ?トレーナーさんのためにさ...」

 

ネイチャT「..........。」

 

ネイチャ「やっぱ...ダメかな?信用できないかな...そりゃそうだよね。なんの証拠もないのに学園のトップの人を疑ってるし...バカみたいかな...」

 

ネイチャT「いえ....信じます。ネイチャさんは3年間共に戦った相棒ですから」

 

ネイチャ「(相棒...か)」

 

ネイチャT「ネイチャさん?どうしたのですか?」

 

ネイチャ「ううん、なんでもない。じゃあいこっか、理事長室」

 

 

 

 

____

 

 

 

理事長室前にて。

 

 

 

 

ネイチャ「それじゃ、ノックするよ」

 

トントン

 

 

.......................................................

 

 

 

???「許可ッ!入っても構わないぞ!」

 

 

 

 

ネイチャ、ネイチャT「失礼します」

 

 

 

理事長「歓迎!よく来たな二人とも!しかしてどうした?何か用でもあったか?」

 

ネイチャ「...すいません、あんま余裕ないんで単刀直入に言います。今起きている電撃結婚騒動、理事長は関与していますか?」

 

ネイチャT「っ!そんな初っ端から言うのですか!?」

 

理事長「..........肯定!ネイチャ君の言う通りだ。私はそれに関与している!」

 

ネイチャT「なっ....」

 

ネイチャ「否定しないんですね、理事長」

 

理事長「事実だからなっ!私は嘘はつかない!......すまないと思っている。ネイチャTを利用したことは」

 

ネイチャT「理事長...」

 

理事長「だが!これはウマ娘の未来のためには必要なことであった!人と結ばれることが難しいウマ娘たちが、走り切った後も幸せに暮らせるためには必要なことであった!トレーナーとウマ娘、それぞれ固い絆で結ばれていなければ、URAファイナルズを勝ち抜くことはできない!その固い絆をもって結婚までたどり着くことができれば、必ずそのウマ娘は走り切った後も幸せに暮らすことのできるはずだと考えたッ!」

 

理事長「事実ッ!結婚したウマ娘たちは幸せそうに暮らしている!...ネイチャ君、君のトレーナー君に何も言わなくて本当にすまないと思っているっ!しかし許してほしいっ!これは君たちウマ娘のためなのだ!」

 

ネイチャT「......そうですね。ネイチャさん、理事長の言う通りです。ウマ娘の立場はそこまで高いものとは言えません。理事長の言っていることは正しいです。私は特に気にしていませんから、ネイチャさんもそこまで気に...ッ!?」

 

 

 

 

ネイチャ「......は?」

 

 

 

ネイチャT「ネイチャさん...?」

 

 

 

 

 

 

 

ネイチャ「お言葉ですが、いえ、この際はっきり言わせてもらいます。

 

 

ふざ.........

 

 

 

 

 

 

 

けんなぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

 

 

二人「「!?」」

 

 

 

 

 

ネイチャ「いい加減に堪忍袋の緒が切れました。理事長、あなたの思想は素晴らしいよ?アタシたちウマ娘のためにわざわざ結婚の準備までしてくれるんだから。ただ....」

 

ネイチャ「アタシたちはそこまで面倒見てもらうほど、弱くないんだよ!!!!!!!」

 

ネイチャT「ネ、ネイチャさん!?理事長相手に何を...」

 

ネイチャ「トレーナーさんは黙ってて!!!!」

 

ネイチャT「は、はいぃ!」

 

 

 

ネイチャ「理事長。あなたのミスは3つある。一つ目は、さっきも言ったけど理事長に面倒みてもらうほど、アタシたちウマ娘は弱くないこと。2つ目は理事長がそんなおせっかい焼かなくてもウマ娘たちは好きに生きていけること。3つ目は....」

 

ネイチャ「アタシのトレーナーさんを、バカにしたことだッ!!!!!!!!!!!!!」

 

パシーン

 

理事長「....!?..............あっ...(泣)」

 

ネイチャT「ビ、ビンタぁ!?」

 

ネイチャ「今ここで誓ってください。あなたの崇高な意思なんてアタシは知りません。ただもう金輪際、うちのトレーナーさんを利用しない。これを誓わなければアタシは永遠とビンタし続けますから!」

 

理事長「いたいっ!いたい!ネイチャ君やめ...痛いっ!ごめんなさいっ!もうしませんから許してくださいっ!いたいぃい!」パシーンパシーン

 

ネイチャT「ね、ネイチャさん!?やり過ぎではないでしょうか!?」

 

ネイチャ「.....黙っててって言ったよね?と、いうかトレーナーさんにも言いたいことあったんだよね...」ハイライトオフ

 

ネイチャT「え...」

 

ネイチャ「ニンニクだとか縄とか....もう少しマシなアドバイスしてりゃこんなことにはならなかったでしょうがああ!!!!!!」

 

ネイチャT「アッ...」

 

 

 

その日、理事長室には鋭く鈍い音が朝まで響き渡った。同時に何か叫び声まで響き渡ったという...

 

 

 

____

 

 

 

ネイチャ「理事長?もうしませんか?」

 

理事長「反省...もうしませんネイチャママ...」

 

ネイチャT「ハイモウシマセン」

 

ネイチャ「いやなんでトレーナーさんもそんなヘコんでるの...」

 

ネイチャT「(覚えていないのですか...?だとしてももうあの姿のネイチャさんは見たくありません...)」

 

ネイチャ「理事長、貴方の思想は素晴らしいと思います。ですけど、そこまで面倒みなくても大丈夫ですから。好きな人に自分で告白するぐらい、できますからアタシたちは」

 

理事長「肯定...そうだな。少し過保護になりすぎていたのかもしれない。本当に申し訳なかった...私は理事長失格だな...」

 

ネイチャ「...いいえ。そんなことはないですよ。理事長はウマ娘のために頑張ってきたじゃないですか。初回のURAファイナルズだって、あんなに芝を育ててくれたじゃないですか。そんなこと理事長しかできませんよ。理事長がいなくなったら皆悲しむと思います。ですから、この騒動の真実は公開しないでください。その代わり、今までと同じようにウマ娘のために行き過ぎない程度にサポートしてもらえると助かります。」

 

理事長「ネイチャ君...許してくれるのか?こんな私を...」

 

ネイチャ「許すもなにも、理事長がアタシたちウマ娘のためにやってくれたことですしね。理事長が悪意をもってやってないことは分かってます。まぁトレーナーさんを利用したことはちょっと...いやかなり許せ...いや許しますけどね」

 

理事長「(本当に許してもらっているのだろうか...)」

 

ネイチャ「何はともあれ、理事長には理事長をやめてほしくないってことです」

 

理事長「....感謝...ッ...」

 

 

 

 

____

 

 

 

 

ネイチャ「はぁ...まさか理事長をビンタするなんて...あんなに何度も...ああもう何やってんだアタシいいい!!!こんなん問題行動どころじゃないよお!退学だよ退学!ああなんてことをしてしまったんでしょうかアタシはあああ!!」

 

 

ネイチャT「ネイチャさん...」

 

ネイチャ「...これでもうわかったでしょトレーナーさん。貴方は利用されてた、貴方の知らないところで。なんでそれを許したの?理事長がやったことはトレーナーさんの意思を無視した行動だったんだよ?」

 

ネイチャT「.....ウマ娘のため...です。私も、ウマ娘の未来を案じる大人でありたかったのです」

 

ネイチャ「トレーナーさん...」

 

ネイチャT「ですが笑い話にもなりませんね。私はウマ娘のためにと、トレーナーの皆さんを結婚させないようにしようと奔走していたのに、むしろそれを推進させていて、それどころか私のこの行動は理事長に利用されていたのですから。本当に...私は今まで何をしていたのでしょうか」

 

ネイチャ「........」

 

ネイチャT「私は...驕っていたのでしょうね。ネイチャさんを育て上げたという、一種の自信を持っていた。ですがそれは、ネイチャさんが努力に努力を重ねたことが要因であって、私が貴方にしたことはとてもとても小さいことでしかなかった」

 

ネイチャT「別に私でなくても、ネイチャさんなら強くなれたでしょうに...」

 

ネイチャ「!」

 

ネイチャは自らのトレーナーの告白に驚いた。ネイチャはこのトレーナーのすること成すことを完璧だとこの前まで思っていた。トレーナーの存在のおかげで、自分は強くなれたのだと。自分の力はトレーナーなしではありえなかったのだと。そんなトレーナーがまるで自分と同じようなことを言っているではないか。ネイチャはその事実に笑ってしまった。

 

ネイチャ「ふふふ...あはは。あーおかしい...」

 

ネイチャT「ネイチャさん...?」

 

ネイチャ「....アタシたち、似た者同士だね。ついこの前までアタシはトレーナーさんにおんぶでだっこな状態だと思ってたのに、むしろトレーナーさんもそう感じてたなんてさ。あーほんとおかしい...」

 

ネイチャT「え?」

 

ネイチャ「ねえトレーナーさん。アタシたちはさ、お互い中途半端でミスする人だけどさ。だからこそアタシたちは一緒に会ったのかもしれないね」

 

ネイチャT「どういうことですか?」

 

ネイチャ「完璧な人なんていない。どんな人だってできないことくらいあるんだってようやくわかったの。アタシができないことをトレーナーさんが埋めてくれて、トレーナーさんができないことをアタシが埋める...これが、真の相棒っていえるって思いません?」

 

ネイチャT「ネイチャさん...今でも貴方は私のことを相棒だと言ってくれるのですか?」

 

ネイチャ「当たり前デスよトレーナーさん。むしろトレーナーさんがいなかったら始まんないし。それにトレーナーさんをちゃんと見とかないと、なんかしでかすかもしれないじゃん?ならアタシが一緒に見たげるからさ。トレーナーさんもちゃんとアタシを見てて?」

 

ネイチャT「!........ありがとうございます」

 

 

 

~~~~

 

 

 

 

ネイチャ「あーそういえばさ...今指輪ってもってます?」

 

ネイチャT「?一応持っていますが?」

 

ネイチャ「あー...じゃあさ。今回の一件のおわびとしてさ、その指輪を...えっと...あ、アタシに試しにつけてもらえませんか?....なんちゃって...」

 

ネイチャT「!...........それはどうしてですか?」

 

ネイチャ「え”っ”...えっとまぁ...ほら!試しに...ね?別にいいじゃん、あくまでダミーなんだしさ、それぐらいやってよトレーナーさん!」

 

ネイチャT「.........................いえ、それはできません」

 

ネイチャ「.....トレーナーさん、それすらやってくれないの?それはダミーなんだし、あくまでつけるくらいいいじゃん...」

 

ネイチャT「.....ふさわしくありませんから」

 

ネイチャ「そうですか...ダミー指輪すらアタシには合いませんか....」

 

ネイチャT「そうではありません。ネイチャさんにはもっと、素晴らしい指輪をお送りいたします。...ネイチャさん。こんな私ですが、共に指輪を選んでいただけませんか?」

 

ネイチャ「....えっそれって...」

 

ネイチャT「ネイチャさん。私はとても完璧とは程遠く、貴方に迷惑をかけてしまうことでしょうが...私は、貴方のことが...好き...なのだと思います...はい...」

 

ネイチャ「ふっ...ふふふ。なにそれ、かっこ悪いよトレーナーさん」

 

ネイチャT「す、すいません...慣れていなくて...」

 

 

ネイチャ「...いいよ。トレーナーさんとならアタシは、どこまでもキラキラできるし、それに...」

 

 

 

ネイチャ「トレーナーさんの一着は、だれにも譲るつもりないから!」

 

 

 

 

色々あったこの一日であったが、ナイスネイチャは今まで生きてきた中で、一番素晴らしい笑顔を見せた。

 

 

 

 

 

____

 

 

 

テイオー「ねえトレーナー?ここ全然釣れないんだけど、本当にここ名スポットなのぉ?」

 

テイオーT「おっかしいなァ...ウンスTからめっちゃ釣れる良穴場って聞いたんだけどな...」

 

テイオー「ちょっとぉ...地方のレースに行きますっていうわざわざ言い訳まで用意してまで来たのにこれとか、つまんないよー」

 

テイオーT「って言ってもなァ...誰かに幸奪われたかァ?たくどこのどいつだよ本当に...」

 

(テイオーTの携帯)<キミトユメヲカケルヨナンカイダッテマキオコセスパート

 

テイオー「およ?トレーナー!電話かかってるよ?」

 

テイオーT「ん?たくなんだよ今楽しんでるときにィ........はぁ!?マジで!?」

 

テイオー「どうしたの?」

 

テイオーT「ふっ...俺が今まで一番驚いた日かもしんねーな。テイオー!帰るぞ!ネイチャTを煽りに行く!」

 

テイオー「え?どういうことおお?ちょっと待ってよトレーナー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダミー結婚指輪がバレたトレーナー 完.....?

 




ダミー結婚指輪がバレたトレーナーを見てくださりありがとうございました。
一旦このシリーズはここで畳ませていただきます。気が向いたら続きを書きます。
渋( https://www.pixiv.net/users/36097760 )では一応続きを書いていますので、気が向いたらみてやってください。全私が喜びます。
では改めて読んでくださりありがとうございました。


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