フューチ提督物語 (ゆっくり霊沙)
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海軍立志編
二等兵


 未来が見えるとは良いことだ

 

 初めまして第四の壁を超えた先にある皆さんこんにちは

 

 私の名前はエレ・フューチ

 

 気軽にフューチと呼んでほしい

 

 年齢は今年で12歳になる

 

 なぜ第四の壁を超えた皆さんと会話しているかって? 

 

 私はジゲジゲの実の次元人間

 

 別次元と交信することができます

 

 あくまでも交信だ

 

 別次元に行くことも別次元の物を取り寄せることもできないけど交信することで技術の青写真を手に入れることは出来る

 

 いや~w○kiとは便利な物だねぇ様々な情報がいっぱい詰まっているよ

 

 私の趣味は異世界の武器や出来事の設計図を纏める事とこのONE PIECEの歴史を多方面から得ることにより生き残る事だ

 

 ちなみに今はロックスの時代と呼ばれるロックス海賊団が暴れまわっている世界情勢で、現在私の住んでいるマリンフォードでもピリついた空気が漂っています

 

 なぜマリンフォードにいるかって? 

 

 両親が海軍の海兵だからですね

 

 ちなみに私も海兵です

 

 階級は新兵の三等兵ですが、必ずこの知識を生かして上に上にと登り詰めて見せます! 

 

「こら! フューチ三等兵! 足を止めるんじゃない!」

 

「はい! 上官殿すみません!」

 

「さっさと走れ!」

 

「はい!!」

 

 ちなみに今は基礎訓練ばっかりやらされています

 

 悪魔の実の能力者なのにいまいち凄さを理解してもらえず、ただのカナヅチと周りからは見なされています

 

 しっかし私はいつ悪魔の実を食べたのか記憶に無いんですよね

 

 小さい頃に食べたらしいのですが本当に記憶に無いのです

 

 両親曰く机に置いてあった果実の1つが悪魔の実になっていたらしく、それを偶々近くにいた私が噛った事で能力者となったらしいです

 

 というか訓練がキツ過ぎます! 

 

 なんですかグラウンド100周って12歳の女の子にやらせることではないでしょ! 

 

 死んじゃいます! 死んでしまいます! 

 

 でも走りきらないと食事抜きにされてしまいます

 

 それは嫌ですので頑張ります! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この世界には覇気や六式と呼ばれる技術があり、武装色、見聞色、覇王色の3種類と武装色と見聞色を技術に落とし込んだ六つの技、指銃、鉄塊、紙絵、剃、月歩、嵐脚がある

 

 六式は技術の為頑張れば習得が可能である

 

 覇気は死に直面するか多大なストレスから才能を開花して出来るようになるのでこれは保留

 

 訓練期間中に出来るようになるとは思えないが試せるだけ試してみようと思う

 

 夜に皆が装具の点検をしている時間を上手く使い、私は丸太を吊り下げた木の前に立ち思いっきり丸太を押す

 

 目をつぶり空気の流れを読み取り丸太を回避する

 

 ドゴン

 

 うぐ!? 

 

「もう一回」

 

 ドゴン

 

 うぐ!? 

 

「まだまだ!」

 

 そんな簡単に身に付くものでなく毎晩こっそり訓練を続けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 約6ヶ月の訓練期間を終え私は二等兵に階級が上がった

 

 まぁ上がってもまだまだ下っぱ基礎訓練も続けながら隠れて紙絵の訓練もしているといよいよ航海となった

 

 三等兵の時も近海での訓練はしたが、パトロール任務での航海は初めてだ

 

「貴様が傷だらけのフューチか! ガハハ良く来た! 最初は甲板掃除が主だと思うが戦闘時には戦ってもらうからな」

 

「は、はい!」

 

「では航海前にこの船の癖を叩き込んでやるコッチへこい!」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 航海して思ったことは10日に1回は海戦が起こりバンバン死者が出る

 

 砲撃の精度が悪いのもあるが切り込みでの死傷が多い

 

 私と一緒に乗り込んだ同期は既に3人も亡くなった

 

 こ、こんなに簡単に人が死んでも良いのかって位簡単に死ぬ

 

 後でわかったが普通はこんなに海戦が起こる事も死者が出ることも無いらしい

 

 猛将のブレッド大佐がこの船の船長兼司令官であり、海賊多発地域を率先して突撃し多数の死者と多大な功績を得ている司令官だと、仲良くなった軍曹から教わった

 

 このままじゃ死ぬ、死んでしまう! 

 

 サーベルと銃だけが我が身を守ってくれることは嫌でもわかった

 

 ただこのままこの船にいては擂り潰されてしまうと思い武器の改造を始めた

 

 亡くなった先輩方の銃をパーツ交換がしたいともらい受けジャンク銃を作る

 

 工具は万が一と持ってきた物と備品、折れたサーベルを銃剣代わりに取り付け、ジャンクの拳銃を作っていく

 

 これだけでは不安と思い、廃棄される骨を貰ってきてそれを削りナイフを作る

 

 サーベルが折れた時の御守りにでもなるだろう

 

 ……不安だ不安しかない

 

 たった2回……されど2回

 

 小さな海戦だった

 

 私も初めて銃で殺した

 

 それでも15人も亡くなった

 

「このままじゃ死ぬ……このままじゃ死ぬ」

 

 ガリガリ~ガリガリ~と銃身を削る

 

「ミニエー銃なら今ある工具で作れる。弾丸は削って擬きにするしかない。とりあえずジャンク銃で試してみよう。この航海限りかもしれないけど頼もしい相棒……になると良いなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海賊だ!!」

 

「砲撃よーい!!」

 

 あれから2日後また海賊と合間見えた

 

 私は甲板を走り回る砲弾の供給の為

 

「フューチ二等兵! 斬り込み用意だ!」

 

「まだ距離が」

 

「言い訳をするな! 船を接触させるため操船士のリベート大尉に伝令をしてこい!」

 

「は、はい!」

 

 今度は伝令の為にドタドタと甲板を走る

 

「リベート大尉! 戦闘班のハブ少佐が船を接触させろと!」

 

「バカヤロー! 波が高くてそれどころじゃねー! 接触が悪けりゃ沈むぞこの船は! 砲撃で沈めろと伝えてこい二等兵!!」

 

「は、はい!」

 

 またドタドタと走ると

 

「トリトリこのトリスタン様が爆弾を届けてやったぜ!!」

 

 トリスタン海賊団船長にしてトリトリの実の能力者の爆弾魔のトリスタンが上空から爆弾を降らせる

 

「うぎゃー!!」

 

 

「う、腕が!!」

 

「……」

 

 そこらに負傷した兵士が転がっている先ほど斬り込むと意気込んでいたハブ少佐は運悪く爆弾が直撃したのか体がズタズタに引き裂かれていた

 

「う、うぇ」

 

 グロすぎる

 

 これが現実か

 

 ONE PIECEという漫画の知識は有れどここまで人は残酷な死に方をするのか

 

「月歩!!」

 

「ブレッド大佐!!」

 

 月歩で空を駆けるブレッド大佐がトリスタンに飛びかかる

 

「わ、私のヤるべき事をやらなければ!」

 

 私は銃を構える

 

 パン

 

 海賊船に乗る船員を狙って射撃する

 

「ちぃ! 遠い!」

 

 支給された銃の弾は別の方向に飛んでいった

 

 私は支給された銃を置くとジャンク銃に持ちかえる

 

「ミニエー銃擬きよ当たってくれ!」

 

 パン

 

 弾は真っ直ぐ向かい海賊の船員の1人に直撃する

 

 頭に当たったらしく弾丸の勢いで目玉が飛び出るのが見えた

 

「や、やった!」

 

 バババン

 

「ひ!」

 

 海賊達がすぐさま反撃をしてくる

 

 私はしゃがんで回避をした

 

 しゃがみながら船の手すりに銃を置き私は反撃にまた鉄砲を撃つ

 

 また1人に命中したが、お腹をかすっただけらしく血を流しながら立っている

 

「じ、上空は!?」

 

 ブレッド大佐が押されていた

 

(このままじゃ負けてどうなるかわかったものじゃない!! 死ぬのは嫌だ! まだやりたいこと何もやっていない!!)

 

 私は銃を上空に向けて

 

 パン

 

 発砲した

 

「かは!?」

 

 私の弾はトリスタンの首に命中し、トリスタンの首が吹き飛ぶ

 

「「「せ、船長!!」」」

 

 トリスタンは海に落ちていった

 

 ブレッド大佐が船に戻り

 

「総員斬り込み用意!!」

 

 掛け声をかける

 

 私は正気かと思いながらも上官の命令に従い斬り込み準備を始める

 

「接触するぞ!!」

 

「接触!!」

 

 ドカン ミシミシと船が接触する

 

 リベート大尉の腕が良かったのか私が乗っている船は沈まなかった

 

「突撃!!」

 

「「「うおおお!!」」」

 

 比較的軽傷な者が突撃する

 

 私もそれに混じって突撃する

 

 梯子を引っかけ船に乗り込む

 

 海賊は船長を失って動揺しているのか動きが鈍い

 

「や────!!」

 

 グサッっと銃剣で刺し零距離で発砲する

 

 パンと音で刺した海賊の腸が周辺にぶちまけられる

 

「はぁはぁ!」

 

 私は持っていた御守りの骨のナイフを近くの海賊に投げ殺傷させ、銃剣から持ちかえたサーベルで海賊を斬りつける

 

 サーベルが折れれば近くに転がっていた刀に持ちかえ更に戦闘を続ける

 

 30分もする頃には立っているのは海兵だけになっていた

 

「はぁはぁ……はぁ」

 

 生き残った……

 

 どっと疲労感がやってくる

 

 しかし休んでもいられない

 

 次は負傷した仲間の治療の手伝いをしなくては

 

 私自身も右足に銃弾をカスっていたが左足に力を入れて足を引きずりながら軍艦に戻る

 

 死者20名、重傷者15名

 

 これが名も無き海戦の損害であった

 

 1回の航海で撃ち破った海賊3個、死者47名

 

 いかにブレッド大佐の船は損害が大きいかわかる

 

 幹部はハブ少佐のみ死亡であった

 

 



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一等兵

「今回の航海にて海賊トリスタンを討ち取った功績及び航海の勤務態度をもってフューチ二等兵はこれより一等兵に昇進とする」

 

「謹んでお受けします」

 

 第四の壁の向こう側の皆さんこんにちはフューチです

 

 航海が終わりマリンフォードに帰還したらブレッド大佐より昇進を言い渡された

 

 また改造武器の保持は不問とされ、時間を割いて紙絵や月歩を教えていただきました

 

「猛将と世間では言われているがまず生き残ることが大切だ。部下はことごとく勇敢な者が多いが生き残ることを第一とするその姿勢は立派だ! ガハハ! だがこのままじゃ死ぬな! 精進するように!!」

 

「は、はい」

 

 紙絵の避ける訓練と称して私はボコボコにされながらそう言われた

 

「あとお前さん自前の武器を所持しても良いように手続きしておいた! 鹵獲品を使う海兵も居るからな!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 ブレッド大佐は猛将ですが良い人に見えてきました

 

 ただ海賊を見ると猛将に恥じない動きをするのでやはり部下は巻き込まれて屍をさらしますが……

 

 とにかく自前の武器の保有を認められたのは大きいです! 

 

 ジャンク品でも漁ってしっかりとしたミニエー銃を完成させよう

 

 訓練と平行して廃棄された機材置き場に毎日通い使えるガラクタを集め、家の庭で使えるように組み立て、悪魔の実の能力を使って様々な銃の設計図を書き出し組み立てていく

 

 そして問題にぶち当たる。銃用雷管が作れない

 

 銃の性能を上げるには薬莢がまだ開発途中らしくブレッド大佐に聞いたところ兵器開発局で試作品が出ているということ

 

 ……一般兵に出回るのはまだまだ先らしい

 

 しかしそれだと私が死ぬので血の滲むような努力と睡眠時間、給料の大半をつぎ込んでタバティエール銃と君らの世界で言われる銃を作り上げた

 

 これなら1発撃つのに6秒しかかからず後装式にしたことで装填中に斬り殺される心配が減った

 

 バナーが滅茶苦茶高かったが購入して一体型薬莢を独自に製作し、次の航海までに60発を作り上げた

 

 個人製作、子供の知識と突っ込みどころ満載の銃だがこれが私の命綱

 

 暴発の危険性は有るが薬莢が一体型の為雨でも大丈夫と危険性と天秤にかけて命を取った

 

 そんな事を個人でやっているものだからあだ名が傷だらけから狂人だのカラクリ狂い等言われたが死ぬよりましである

 

 勿論ミニエー銃も2丁作った

 

 合計3丁とミニエー弾200発、薬莢弾60発ナイフを数本、支給されたサーベルが私の武器だ

 

「フューチ一等兵ずいぶん重装備だな任務に支障をきたすなよ」

 

「マークス曹長わかっております!」

 

「ならば良し! また甲板要員だから掃除と砲弾の運搬が主な任務だと思うが頑張れよ」

 

「はい!」

 

 私は女性用のタコ部屋のベッドの下に銃3丁を固定し、弾薬は専用のリュックサックに詰め込んでこれもベッドの下に置く

 

「さぁ仕事の時間だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嵐だ!! 飛ばされるぞ!! 何かに捕まれ!!」

 

 今回は嵐に巻き込まれた

 

 航海長がへましたのかグランドライン特有の急に変わる天候に巻き込まれたのかわからないがとにかく暴風の中に私達はいる

 

「帆柱に何かが接触!! 帆柱が折れそうです!!」

 

「補強だ! 補強しろ!!」

 

「ブレッド大佐! 第三砲の固定が甘く海に落ちてしまいました!」

 

「仕方がない放棄だ!」

 

「大佐!! 新人のミュー二等兵が発狂しました!」

 

「フューチ一等兵! ロープで縛って部屋のベッドにくくりつけておけ!!」

 

「はい!」

 

 私は言われた通り今回初めて長距離航海を経験するミュー二等兵を確保し、ロープで縛って部屋のベッドにくくりつける

 

 波で揺れに揺れ、死ぬんではないかと不安に思いながら1日を過ごす

 

「島だ!! 島が見えるぞ!!」

 

「助かった!!」

 

「運が良い!」

 

 見張り員が島を見つけたらしくボロボロになりながら島で嵐が過ぎるのを待つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何とか沈没せずにすみ、嵐が過ぎれば船の補強の為木材を必要とした

 

 私はクローン大尉の指揮下に組み込まれ島の散策と水の確保を命令された

 

 というのも嵐の衝撃で貯水タンクの1つに穴が空いてしまい水不足が予想されたためだ

 

 しかしこの島普通の島ではなかった

 

「班長! 幻覚を見せる毒草があっちこっちにあります」

 

「服を破ってマスクにしろ! 絶対に深く吸うんじゃねぇぞ!!」

 

「フューチ一等兵! 動けるか」

 

「はい! 動けます」

 

「毒草が比較的生えてない箇所を探せるか」

 

「わかりました!」

 

 私は班長の命令を遂行した

 

 サーベルで草木をかき分け、時に斬り、木に印をつけながら周辺を探した

 

「毒草が薄い所は地面が乾いている……毒草が一番多い所に水が有るのでは?」

 

 最悪な予感がした

 

 最悪な時に最悪は重なる物でドシンドシンと何かが近づいてくる

 

 ギャアォォォォォ

 

「怪獣だ!!」

 

 私は背中に背負っていたタバティエール銃を持つと素早く装填して怪獣の目玉を狙って発砲する

 

 パン

 

 ギャアォォォォォ!! 

 

 弾丸は目ではなくこめかみに当たったが人の腕をかすっただけで吹き飛ばせる威力のタバティエール銃の弾丸は骨を貫通し怪物の脳まで届いた

 

 ギャアォォォ

 

 断末魔を上げながら倒れる怪獣

 

 水ではなく食料を手に入れたため班長に報告しに行く

 

「班長! 周辺を散策中怪物と遭遇し、これを射殺! 食料となると思われるので人手を貸していただけないでしょうか!」

 

「うむ! 許可する二等兵を3名付ける。骨や皮も船の補強に使えるようなら回収するように」

 

「は!!」

 

 私は二等兵の3名を連れて怪獣の解体を始める

 

 怪獣の皮は水を弾く様で補強材に使えると判断し持っていく

 

 骨は思ったよりも脆く記念の牙を除いて放棄することにした

 

 だいたい3時間で不馴れな解体作業を終わらせ、捜索隊に合流する

 

「水源は見つかったが必要量貯まるのに時間がかかる寝ずの番を付けて水源を見張り明日出発できるようにする」

 

「は!」

 

「フューチ一等兵、寝ずの番できるか」

 

「わかりました!」

 

「頼んだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 湧水がチョロチョロ出ている小川に樽を設置して貯まったら大きな樽に移してそれを船に運ぶ

 

 これを繰り返して水を確保するのだが一括で大樽にガバッと掬うことができないので効率が悪い

 

 しかし私の持ってきた道具にこれらを解消できる道具は無く、地道に貯まるのを待つしかない

 

 私はそんな作業を皆でしているのを見ながら銃を背負いとランプを持って周囲の警戒をする

 

「フューチ一等兵差し入れだ」

 

「ありがとうございます!」

 

「寝ずの番悪いな」

 

「いえ大丈夫です軍曹殿!」

 

「この分だと明日には出発できそうだからな! そしたら1日船で休んで良いから」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海賊だ!! 島に海賊がやって来たぞ!!」

 

 出発直前に島に海賊がやって来た

 

「いくぞお前ら! 海軍をぶっ殺せ!!」

 

「「「ヒャッハ!!」」」

 

「応戦するぞ!!」

 

「「「は!!」」」

 

 嵐の対応や島での散策などで疲れきっていたところに海賊が襲撃してきた

 

 旗を見るにラメール海賊団と見える

 

「恐れるな! 高々1500万ベリーの弱小海賊だ!!」

 

「数だけ多いだけだ!」

 

 私は背負っていたタバティエール銃とサーベルで応戦した

 

 時にナイフを投げて敵を倒し

 

 

 

 タバティエール銃で射殺を繰り返した

 

 残弾が残り15発になったところで戦闘は終了

 

 昨日解体を手伝ってくれた二等兵3名と差し入れをしてくれた軍曹は残念ながら亡くなっていた

 

 私は7名射殺、4名を斬殺した

 

 敵の船長ラメールは捕虜となり、船の最深部の牢に入れられた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「できた! できたぞ!!」

 

 甲板で私は叫んだ

 

 訓練時代も合わせると約1年

 

 ついに紙絵を習得した

 

 これで疑似見聞色ができる! 

 

 死ぬ可能性が一段階減る! 

 

 次は月歩だ! 

 

 空を歩けるようになれば海に落ちて死ぬ確率が減る! 

 

 13歳で六式の1つを覚えられるのは優秀じゃないかな! 

 

 この調子で頑張るぞ!!



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伍長 ゴッドバレー事件 前編

 ラメール海賊団を捕縛した時から約半年

 

 あれから2回航海に連れ回され海賊を30人殺したり捕縛した功績で伍長となりました

 

 現在私のマリンフォードでの生活は朝食後ガラクタ漁り、昼訓練、夕食後自室に籠って兵器開発、夜中に月歩の訓練と若さ故の無茶を続けた

 

 またONE PIECEという漫画を第四の壁経由で読むが他の漫画の能力を使えないものかね……呼吸とかスタンドとか念とか……

 

 勉強になったのは料理かなぁ第四の壁を越えてインターネットなるものから大量に存在するレシピは保存食を作る上で参考にさせて貰った

 

 特に缶詰は本当に助かる

 

 船にコックは居るけれど長期航海となると必要ギリギリの量しか出さないから空腹気味になるのを缶詰は解決してくれる

 

 缶詰万歳! 

 

 伍長ということで部下もできるし、缶詰が有れば部下達の士気もご褒美として旨い物が食べられれば上がるだろう

 

 我ながら渾身の出来だ

 

 ……調べたら缶詰は上層部の一部では普通に有った

 

 一般兵にまで出回ってないのは高価な為らしい

 

 缶詰工場がマリンフォードにも近々できるらしい

 

 ……ガックリ

 

 ま、まぁ気を取り直して次の航海はなんと! 

 

 未来の英雄ガープ中将の指揮下に組み込まれて哨戒任務につく

 

 どこの島に行くとかは言われてないけどどうやら天竜人関連らしいと噂を耳にした

 

 今回招集されたのは伍長以上の為、任務中はまた私が最低階級になるので雑用が主な任務になるだろうけど頑張っていこうと思う

 

 この時私はもっと詳しくONE PIECEについて調べておけば良かったと後悔することになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 8隻の軍艦が出航する

 

 私は第三番艦に搭乗し、やはり雑用をやらされていた

 

 中将2人、少将6人の大規模任務総勢1000名が参加するのが天竜人のバカンスの護衛と考えるとなんとも言えない……

 

 いまだに目的地は教えられてないが雑用をしながら月歩の練習をする

 

 相変わらず上手くいかないがやらなければ死ぬので練習を続ける

 

「精が出るな」

 

「バグ少将!」

 

「どれ、私が手本を見せてやろう」

 

 バグ少将は航海中月歩の練習をする私に気にかけてくれた

 

「地面と同様に空気中に壁を作るイメージで蹴るんだ! そうすれば自ずとできるようになる」

 

「そもそもの筋力が足りない。コツを会得するまでは筋力がモノを言う。コツがわかれば病人でもできる」

 

「月歩の最大の利点は平面から立体に行動可能な点だ。わかっていると思うが空から爆弾を落とせるだけでも戦果が違ってくる」

 

「月歩を習得したらそうだな……軍曹を飛ばして曹長になるよう人事に掛け合ってやろう」

 

 すごい気にかけてくれた

 

 その分私も頑張った

 

 目的地に着くまでの1ヶ月間甲板の掃除を行いながら比較的平和に……月歩の習得に勤しんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 島は天国と思えるほど美しかった

 

 真っ白なビーチ

 

 どこまでも続く七色に輝く珊瑚礁

 

 リゾートホテルが景観を邪魔しない程度に建ち並び、珍妙な動物が飼育されている動物園が島の中央付近にある

 

 そして、島の中央には数々の宝石で作られたレリーフが鎮座していた

 

 まさにこの世の楽園……ゴッドバレーである

 

 伍長の私は島に上陸することも許されず船内待機を命令された

 

「ゴッドバレー……この時期……まさかゴッドバレー事件に巻き込まれるのでは!?」

 

 私は今になって慌てた

 

 まず手持ちの弾薬確認

 

 持ってきたのは一体型薬莢の弾丸300発

 

 タバティエール銃2丁、ナイフ10本に支給されたサーベル2本が私の装備だ

 

 紙絵はできるようになったが強力な覇気を纏った攻撃をされれば私は終わる

 

 敵の戦力はどうだろうか

 

 船長ロックスを始め、後の四皇白ひげ、ビッグ・マム、カイドウ

 

 全盛期の金獅子のシキに数多の財宝を手に入れるキャプテン・ジョン、銀斧、王直といった強力な覇気使いもいる

 

 ゴッドバレー事件に欠かせないのがロジャー海賊団だけどこの海軍の包囲網を突破してどうやって入ってくるのかわからない

 

 ロックス海賊団はわかる

 

 フワフワの実のシキの能力で上空から侵入すれば良いからだ

 

 しかしこの楽園のような光景があと数日で地獄となるのか……恐ろしい

 

 私ができることは少ない……というか無い

 

 今からロックス海賊団がやって来るなんて言っても虚言に見られるだけだし、天竜人が予定の変更を許すはずがない

 

 私はただ生き残る為だけに動かなければ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日天気は曇り

 

 その日の正午に事態は動いた

 

 ロックス海賊団襲来

 

 まず覇王色の覇気がロックス海賊団から放たれバタバタと海兵が倒れる

 

 私は運が良いのか悪いのか意識を飛ばされそうになりながらも何とか踏みとどまった

 

「こ、これが覇王色の覇気……」

 

 体に電流を流し込まれたかのような衝撃が全身を駆け巡った

 

「て、敵襲!! 敵襲!!」

 

 私は出せるかぎりの大声で敵の襲撃を周囲に告げる

 

 太陽の光をバックに上空から襲撃したロックス海賊団は島中央に船を降ろした

 

 ズドォォォン

 

うぉぉぉぉぉ!! 

 

 海賊達の雄叫びが遠くの船に居る私達にも聞こえてくる

 

「動ける者は武器を取り島へ!!」

 

 誰かが叫んだ

 

 私はその声に従い島へ降り立つ

 

 我々は1000人

 

 対するロックス海賊団はせいぜい100人

 

 人数はこっちが圧倒的であるが敵は百戦錬磨の大海賊

 

 誰かが既に島で戦っているのか衝撃波が風となりまだ海岸にいる私にも届く

 

「殺せ!! 奪え!! ギャハハハ!!」

 

「天竜人だ! ぶっ殺せ!!」

 

 天竜人がいたホテルは既に戦場となっていた

 

「た、助けてくれだえ」

 

「だ、大丈夫ですか!」

 

「触るな下賎な民! これ! 馬!! 動くんだえ!」

 

 馬と呼ばれた奴隷は既に亡くなっていた

 

 天竜人の青年も血だらけだ

 

「ごめん!」

 

 私は天竜人を殴って気絶させると背負って海岸まで走る

 

 天竜人を運んだ豪華な客船に事情を話して天竜人の青年を運ぶとまた再び戦場に戻る

 

 ガンガンと衝撃波と覇王色の覇気が飛んでくるが地面に伏せながら匍匐前進をしながら島の中央に向かう

 

「ヒャッハ!! 女の海兵だ!! 犯せ!!」

 

「ぶっ殺せ!! 血祭りに上げろ!!」

 

 所々で気絶してしまった海兵が海賊に犯され、血祭りに上げられている

 

 私は油断している海賊をできるだけ遠くから射撃する

 

「ぎは?」

 

「おいおいこいつ死んでるぜギャハハハ!」

 

「銃に撃たれて死ぬなんて間抜けだぜ!」

 

 仲間が死のうがお構い無し

 

 もう5人は射殺したが強そうな者は誰一人死んでない

 

 双眼鏡を取り出し島の中央を見るとガープ中将がロックスと戦っているのが見えた

 

 私を可愛がってくれたバグ少将はシキの手で首だけになっているのが見えた

 

 これが戦場

 

 多数の海戦に参加したと思ったがこれが本物の戦場か!! 

 

 私は死体に隠れながら狙撃を続ける

 

 頭がガンガンする

 

 衝撃的な光景を目の当たりにしすぎておかしくなったか? 

 

「グララララ! 海震!!」

 

 地面が揺れる

 

 そして地面が浮き上がり空に放り出される

 

「ギャアォォォォォ!! 死ぬ死ぬ死ぬ!!」

 

 私はみっともない叫び声を上げながら落下する

 

「月歩!! 月歩!! 頼む出来てよ月歩!!」

 

 涙でぐちゃぐちゃになりながら地面がどんどん近づいてくる

 

「月歩ぉぉぉぉ!!」

 

 フワッと浮き上がる感覚

 

 空気を蹴れた!! 

 

 どしゃっと落ちる

 

 滅茶苦茶痛いが生きている!! 

 

 私の横にいた女海兵だった物が隣でミンチになっている

 

 私の隠れていた死体は内臓をぶちまけて転がっている

 

 ONE PIECE

 

 夢も希望もない地獄がそこには広がっていた

 

 片方が割れた双眼鏡で再び戦場の中央を見るとガープ中将がロックスに何か言われている

 

「黙れ……そん……ない!」

 

 微かに聞こえてきたのは拒絶の言葉

 

 わからない

 

 何を言っているのか

 

 だが私は生き残らなければ! 

 

 まだ物語も始まっていないこんな扉絵にもならない一幕で死んでたまるか!! 

 

 戦闘開始からまだ1時間

 

 海兵は半壊

 

 軍艦も2隻が真っ二つになって沈んでいく

 

 ゴッドバレーの戦いはまだまだ始まったばかり

 



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伍長 ゴッドバレー事件 後編

 地獄様な光景の中私は戦場で狙撃するためにズルズルと体を這いつくばって移動していた

 

 死体は海賊、海兵問わずゴロゴロと転がっており私は使えそうな武器を拾いながら戦場の端へ移動する

 

 ホテルの瓦礫の山まで移動し、拾った単眼境で戦場を見渡す

 

 私も頭から血を流しているがまだ軽傷な方だ

 

 もう何回受けたかわからない覇王色の覇気を感じながら遠くをボーッと見てると瓦礫の下から声が聞こえてきた

 

「助け……て……助けて」

 

「今助ける!!」

 

 瓦礫を退けると天竜人の少女が出てきた

 

「わぁぁぁぁぁん!」

 

「今治療するから我慢してね!」

 

 私は包帯を取り出し少女の傷ついた腕を止血し、治療する

 

「よし、止血は出来たし逃げるよ!」

 

 私は少女を背負って再び船まで走る

 

「もうすぐだからね頑張ってね」

 

 私は前を見ながら背中の少女に語り続ける

 

 地震や津波銃弾を変え潜り何とか船に着く

 

「すみません! 天竜人のお子さんがまだ居て!」

 

「海兵さんその子は乗せれない」

 

「なんでですか!」

 

「海兵さんその子はもう死んでるよ」

 

「え!?」

 

 私は少女を見ると後頭部に弾丸を受けたのか脳ミソが頭からこぼれ出ていた

 

「あ、あぁ……そんなぁ」

 

「もう船を出す。海兵さんこれ以上ここへは留まれないからそう他の海兵に伝えてくれ」

 

「わかり……ました……」

 

 私は救えなかった女の子を海に投げた

 

 埋葬する時間もないので海葬しかできない

 

 救えるハズだった命を失った衝撃は強く私に多大なストレスを与えた

 

 しかしそんな事を考えられる余裕が無い

 

 戦場に戻る更に増える死体

 

 浮く瓦礫

 

 収まらない地震

 

 ゴッドバレーの半分が既に津波や地震ガープ中将とロックスの激突の衝撃波で失われ

 

 私は身を隠すので精一杯だった

 

「グララララ」

 

「ひぃ!?」

 

 出会いたくない時にそういう人と出会うものだ

 

 私の目の前に白ひげことエドワード・ニューゲートがやって来た

 

 瓦礫の隙間から私は白ひげが通りすぎるのを待つ

 

 しかし私を殺すというのならタバティエール銃が火を吹くだろう

 

「グララララっ名もない海兵よ、バレバレだ出てこい」

 

 バレてる!? 

 

 ガジャン

 

「はぁはぁはぁ!!」

 

「グララララ、覇気が駄々漏れだ惜しいな」

 

「覇気!? 私が使えるわけ無いでしょ!」

 

「グラ! グララララ!! 覇王色の覇気を駄々漏れにしながら本人が自覚無しとは惜しい! 惜しいな」

 

「殺す気か! 死ぬ前に3発は当てられる! この距離なら!」

 

「グララララやってみるか女海兵! 銃なんて俺の体にゃ傷すらつけられねーぞ」

 

 ガチャン

 

「私はまだ死ねない!! 死ねないのだぁぁぁぁ!!」

 

 パン

 

「ぐぅ!?」

 

「傷つくじゃないか!!」

 

「グララララ!! 驚いたかすり傷をつけられる銃か! 改造してるな! 面白い女! 俺の家族になれ!」

 

「なるわけ無いでしょぉぉぉ!!」

 

 パン

 

「1発目はサービスだ2発目はねぇ」

 

 巨大な薙刀が近づいてくる

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 私は涙で顔面がグチャグチャになりながらサーベルを振るった

 

 一瞬

 

 ほんの一瞬だけ拮抗した

 

 私が覇気を使えている証拠であり、私はそれを見ることが出来た

 

 しかし供給品のサーベルが最上大業物の薙刀に敵うわけ無く白ひげの振動する攻撃にサーベルは粉々になり、薙刀は私に直撃した

 

 全身がバラバラになるような感覚

 

 薙刀は直接触れたわけではない

 

 しかし白いモヤみたいなのに私の体が触れた瞬間に私は吹き飛ばされた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼヒューゼヒュー」

 

 肋骨が数本折れた呼吸が苦しい

 

 まだ生きている

 

 白ひげのあの一撃は手加減をしていた

 

 白ひげは何を考えて手加減をしたかわからないが結果として私は生き残ることができた

 

 私は痛みで意識が飛びそうな感覚を無理やり現実に戻し、周囲を見渡す

 

 戦闘はまだ続いている

 

 違うところはロックスとガープ中将の他に誰かが戦っている

 

「あれは……ロジャーか!」

 

 単眼境で島の中央を見れば今まさに伝説の戦いが起こっていた

 

「これが……ゴッドバレー事件……」

 

 ロックスとガープ中将、ロジャーの最終決戦

 

 ロジャー海賊団がロックス海賊団と激突している

 

 私はそれを見ていることしかできない

 

 14歳の私にはもうこれ以上戦う手段が残っていなかった

 

 銃は紛失し、サーベルは粉々になった

 

 ナイフももうない

 

 鹵獲品で戦うにももう戦う気力もない

 

 ただこの戦いの結末を眺めることしか……今の私には許されていなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 誰かが火をつけたのか島が燃える

 

 死んだ人々を燃料として、瓦礫と共に業火となる

 

「何人がいきているのだ? 頂上戦争がピークでは無かった……これこそが伝説の一戦だ」

 

 人数は未来の頂上戦争の方が凄いだろう

 

 しかし戦っている者の質が違いすぎる

 

 伝説は夜まで続いた

 

 この凄惨な光景を私は目に焼き付ける

 

 後日必ず世界政府がこの事件を揉み消すだろう

 

 その時にこの事実は必ず海軍の糧となる

 

 私は歴史に消される存在にはなりたくない

 

 今はただそれが生きる意味であった

 

 

 

 

 

 

 

 終わりは唐突に訪れる

 

 ガープ中将とロジャーの渾身の一撃がロックスの体に叩き込まれた

 

 あれだけ燃え盛っていた炎はその衝撃で消え失せ、島は威力に耐えきれずに崩壊した

 

 私は吹き飛ばされそうになるのをなんとか耐え、最後の光景を目の当たりにした

 

 ロックスが何かを呟く

 

 ガープ中将とロジャーは倒れたロックスの言葉を静かに聞く

 

「船長がやられた! 撤退だ!!」

 

「ハッ~ハハママママ野郎共船長が負けた以上この島に用はねぇ帰るぞ」

 

 残されたロックスはまだ何か喋っている

 

 恐らく世界の真実の一部だろう

 

 ただわかるのは1つの時代の終わり

 

 海の覇者であったロックス海賊団の崩壊の始まりである

 

 覇者が不在となった世界で起こるのは次なる覇者を求めての闘争である

 

 私はその結末を知っている

 

 だからあえて言う

 

「次の時代はロジャーだ。海賊王になるまでのロジャーこそが世界の中心となる」

 

「そして私にはわからないがDの意志、世界政府が隠す何かを私は別次元との交信で知る可能性がある」

 

「とにかく生きなければ……私は生きなければならない。覇王色の覇気? 知ったこっちゃないわよ! 私は私のやりたいことをするだけ……今はまだ何がやりたいか決まってないけど必ず見つけてこの時代を生き抜いてやるんだから!!」

 

 私はそう決意した……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロックス海賊団が壊滅したことは直ぐに世間へと触れ渡った

 

 ある者は歓喜し、ある者は泣き、ある者は次の時代を考え、ある者はその対応に追われた

 

「フューチ伍長を軍曹とする」

 

 ゴッドバレー事件

 

 海軍の軍艦5隻沈没2隻大破、海軍の死者750名、民間人の死者260名、海賊の死者57名

 

 ゴッドバレー島は消滅

 

 海軍史に残る大事件だが世界政府が揉み消しにかかる

 

 この事件に関わり生き残ってなおかつ海軍の任務を続けられる者は皆昇進した

 

「バグ少将……月歩出来るようになりました。不完全ですが覇気にも目覚めました……あなたが生きていれば私は曹長になっていたでしょう……私はあなたの遺体を結局見つけられませんでした。可愛がって貰ったのに申し訳ございません」

 

「墓参りか……」

 

「ブレッド大佐」

 

「ゴッドバレーでは散々だった様だな」

 

「白ひげと戦いました……戦いにもなってないですね。遭遇したが正しいと思います」

 

「どっこいしょ……バグ少将は俺の元上官だ。教育隊時代の班長だったお方だ……とにかく優しい方だった」

 

「……私も少しの間でしたが優しく色々教えてくださいました」

 

「……フューチ軍曹、次の航海から砲撃班の班長をやれ」

 

「……まだ私に班長の荷は重すぎます。それにまだ他に階級の高い方が沢山いるじゃないですか」

 

「ゴッドバレーで天竜人を助けた様だな……あの戦場の中を人を抱えて生存できるのは才能だ。俺はその才能を最大限伸ばすつもりだ」

 

「しかし、天竜人の少女を助けられるハズだったのに死なせてしまった。私は……私は無力だった」

 

「誰だって少年少女の時は無力だ……フューチ軍曹は何歳だ! まだ14だろ! これからなのだ貴様は」

 

「ブレッド大佐……」

 

「我が艦の砲の改造を許可する。貴様はこれから全力で指揮を学べ……生きるって才能は将校になれる才能なのだ」

 

「はい!!」

 

「うむ! よろしい!! いつまでも泣くな! 前を向け! そして偉くなれ」

 

「はい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁバグ班長。俺は良い艦長だろうか? 部下を沢山死なせた。ゴッドバレーに俺が居たら真っ先に死んでただろう……聞いたところ将校で生き残ったのガープ中将しかいなんだってよ」

 

「なぁ、バグ班長……俺はあんたを尊敬してたんだぜ! あんたを追い越したくて無茶ばっかりして……あんたは優しすぎるんだぜまったく……良い部下も沢山居てよ……レグレー大佐、ホークリン大佐、マッキンジャー大佐、サバマ中佐……ゴッドバレーで良い部下も殆ど死んじまってよぉ……同班で生き残ってるのが一番真っ先に死ぬって言われてた俺だけじゃねぇか……」

 

「なんでだよ!! なんで皆俺を置いて先にいっちまうんだ!!」

 

「バカヤロー!! バカ……ヤロー……」

 

「……あんたが最後に気にかけていたフューチ軍曹は俺が必ず大成させてみせる。あの世で彼女を見守っていてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は原作開始36年前

 

 フューチが14歳の時であった



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軍曹 砲撃班長

 どうも第四の壁を超えた皆さんこんにちはフューチです

 

 大砲の改造と言ってもどうすれば良いのでしょうか

 

 海軍に配備されている砲は殆どがカノン砲

 

 とりあえず廃棄されたガラクタから大砲を探してみるかたぶん収穫無いと思うけど

 

 ガラクタの中を探すこと3時間

 

「うん! 無駄だわこれ!」

 

 そりゃ良い大砲が転がっていればたもう船の備品となっているだろう

 

「考え方を変えろ……そうだ砲弾を改良すれば良い」

 

 私はドタドタと家に帰り設計図を書く

 

 葡萄弾を更に殺傷力に特化したキャニスター弾や榴弾を作ろう! 

 

 私が作らなくても兵器開発局に投げれば出来上がるだろう

 

 それだけ海軍の兵器開発局の技術力は高いと思っている

 

 後装式の銃も一緒に売り込んでみようどんな反応をするか楽しみだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ? 餓鬼が来るようなところじゃねぇぞ」

 

「ボス軍曹軍曹! 階級みてくださいよ」

 

「あぁ? 軍曹がどうしたって言うんだよ餓鬼は餓鬼じゃねぇか」

 

 兵器開発局

 

 Dr.ベガパンクが来る前の兵器設計、開発を行っていた部署だ

 

 Dr.ベガパンクが海軍科学班トップになると急速に力を落とした部署でもある

 

「今日は兵器開発のお願いに来ました」

 

「あぁ? 餓鬼のお願いなんか聞いてられるか。俺らは忙しいんだよ」

 

 追い出された……

 

 しかし海軍本部の中枢に来たのは初めてだからせっかくだから色々な部署を覗いていこう

 

 と私は海軍本部の散策を大量の図面と銃を持ちながら行うことにした

 

「海図作成室、人事室、会計室、電伝虫育成管理室、教育隊管理室、資料室、食料管理室は広いし大きいなでも小さい部屋も沢山あって面白いな」

 

「お!? 特殊兵器開発室なんか面白そう……入ってみよ! お邪魔しまーす」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 入ってみると小さな部屋に図面がびっしり壁一面に貼られた異様な部屋だった

 

「誰かね。こんな時間に来るなんて珍しいな」

 

「フューチ軍曹です! 兵器開発の依頼が出来る部署を探しており、ここに来ました!」

 

「ホッホッホッそうかそうかお嬢さんまぁ御掛けなさい。お茶でも飲みながら話そう」

 

 対応してくれたのは室長と思われる老人だった

 

「ここは特殊兵器開発室という名の閑職部署だ。私みたいな老人が集められた部署でな。兵器開発も行っているが実務性には乏しい物ばかり作っておる……おっとワシの名前はパール少将じゃ。あっちで図面を引いておるのが」

 

「マヤノ准将です。よろしゅうなぁお嬢さん」

 

「ホッホッホッ2人だけの部屋だがゆっくりしてきな」

 

 私は話した

 

 元々1人で兵器を開発してきたこと

 

 ゴッドバレー事件にて既存の兵器では海賊達に太刀打ちできないこと

 

 新たに砲撃班長となったこと

 

 包み隠さずに全て話した

 

「ホッホッホッ、凄い才覚のお嬢さんだ。悪魔の実の能力があれど銃を改造し白ひげにかすり傷を作ったのは称賛に値する」

 

「せやなぁ。どの図面もしっかり引かれている。これなら工場に持っていって直ぐに試作できるよ」

 

「弾薬や新銃……タバティエール銃だったかの? 量産も出来ると思うがせっかくだ、名前を付けてみなさい」

 

「名前ですか?」

 

「この世界でその銃の名前を知る物は居ねぇからな。どうだ?」

 

「ならAF銃と名付けたいです! エレ・フューチが開発した銃として!!」

 

「ならAF銃に弾丸はAF弾だな。久しぶりに実用性がある物だ。工場の連中も喜ぶだろう」

 

「砲弾の方もよろしくお願いいたします!!」

 

「次の航海までには作っておいてやるよ!」

 

「ありがとうございます!!」

 

 こうして私は特殊兵器開発室とのコネを手に入れた

 

 この出会いが後に私が提督と呼ばれた時に生きてくることになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 弾薬が潤沢に有るのは良いことだ

 

 私が一々手作業でやらなくて済むし不発弾も少ない

 

「班長このAF銃って良いですね! 後装式ってのに戸惑いましたが威力も命中率も段違いでっせ!!」

 

「でしょ! でしょ! 今回は先行量産型を貰ってきたからじゃんじゃん使って不良を見つけるよ」

 

「へい!」

 

 砲撃班の班員は20名

 

 砲手と装填手が4人1組で5門の砲を管理する

 

 一応軍艦だけど最高階級が大佐の船はだいたい80名前後

 

 中型艦に属し1回の航海で2、3ヶ月の航海をする

 

 しかし2~3ヶ月といってもグランドラインの航海は地獄だ

 

 嵐も2回の航海に1回の確率で遭遇するし、頭ほどのサイズの氷塊が降ってくることもある

 

 で、だいたいブレッド大佐が指揮すると1回の航海で10人から20人が平均して死ぬ

 

 海賊も3つ4つ1つの航海で潰すがこれで大航海時代前なのが恐ろしい

 

 ちなみに私の月収が38万ベリー

 

 だから家庭を持とうと思えば持てないレベルではない

 

 ちなみに本部の軍曹だからこの値段

 

 支部だと同階級なら8万ベリーは安い

 

 まぁ14歳の私が家庭を持てるハズもなく大半が武器の工具や手入れ品に消える

 

 まぁ裏話はこんな感じです

 

 第四の壁の皆さんより給料が高い、羨ましいと感じたあなた! 

 

 毎回死ぬ危険性を感じたらこれでも安く感じますよ

 

 まぁ後方でゆっくり出来る技能も能力も無いので私は前線に行きますがね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海賊だ!!」

 

「フューチ軍曹! 砲撃用意!」

 

「はい! 砲撃戦用意!!」

 

 まず砲撃戦となると軽い砲弾と砲身が長い砲を使います

 

 長距離に飛ばすためです

 

 続いて中距離になれば普通の砲弾に切り替えます

 

 そして近距離になれば砲弾を2つ詰め二連砲撃をしたり新兵器キャニスター弾を使ったり、既存の葡萄弾を使ったりする

 

「撃て!!」

 

 ドドドンと砲撃を放つ

 

 キャニスター弾は葡萄弾よりも広範囲に小さな砲弾がばらまかれ海賊達の継戦能力に多大なダメージを与える

 

「ギャアァァ腕が腕がぁ!!」

 

「腹に直撃したぁ!!」

 

「奴ら乗り込んでくるぞ! 迎え撃て!」

 

 海賊側は阿鼻叫喚

 

 ……これが榴弾であれば更に被害が増すであろう

 

「砲撃止め! 射撃切り替え! 射撃よーい!! 撃て!!」

 

 ババババンと斬り込み隊を援護する

 

 しかしAF銃の一斉射撃は凄まじく新世界でもない普通の海賊であれば直ぐに討ち取っていく

 

「班長! すげぇよこの銃! 狙った所に飛んでく!!」

 

「班長! 敵船長討ち取りました!!」

 

「雑兵を狙え拿捕する余裕はうちにはないからね!!」

 

「「はい!!」」

 

 斬り込み隊よりも成果を上げた私達砲撃班はブレッド大佐からお褒めの言葉を受け取り、二等兵と一等兵だった者は1つ階級を上げる事となる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 久しぶりに損害が軽微だったブレッド大佐率いる私達の船は本部に戻る事なく東の海のローグタウンまで赴いた

 

 レッドラインに海軍や世界政府関係者が通ることが許されている秘密通路を管理するG-45基地を通り東の海に出た

 

 なぜローグタウンに来たかというと特に理由は無く、補給基地として最適であったという他無い

 

「ここが将来の始まりと終わりの町……ロジャーの生まれ故郷」

 

 ONE PIECE序盤の山場でターニングポイントでもある町だが、いたって普通と言うしかない町である

 

「しかしグランドラインを逆流する事半年……半年でここに着けるとはね」

 

 ルフィ達がどれくらいの期間でシャボンディ諸島まで旅してきたかは知らないが、短時間であれだけ強くなるルフィ達一行はやっぱり異常である

 

「フューチ軍曹! 今回の航海ではよくやってくれた!!」

 

「ブレッド大佐お疲れ様です!!」

 

「今回の航海では砲撃班の活躍で斬り込み隊の損害が少なくて済んだ礼を言わせて貰う」

 

「いえ、部下達の頑張りのお陰です!!」

 

「そういえば月歩が出来るようになったのなら剃も出来るのだろ?」

 

「はい! 剃は出来るので六式の3つは出来るようになりました」

 

「次は何を練習しているのだ?」

 

「鉄塊をやろうと頑張っていますが、筋力が足りないのかうまく出来ていません」

 

「鉄塊は筋力も大切だが武装色の覇気の基礎でもある。コツを掴むには数年かかる可能性もあるが頑張ってみたまえ」

 

「気にかけていただきありがとうございます!!」

 

「あと3日で再びマリンフォードまでの航海に入る。気合いを入れるように」

 

「は!!」



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曹長

 どうも第四の壁を越えた皆さんこんばんはフューチ曹長です

 

 前回皆さんと話してから2年半が経過し原作開始33年前になります

 

 私の年齢も17歳となりました

 

 原作のルフィの始まりの年齢ですね

 

 私は数々の航海を経験し曹長へと昇格しました

 

 2年半有れば凄まじくパワーアップできたかというとそうでもありません

 

 武装色及び見聞色の覇気のコツは掴めていないし、鉄塊もできていない

 

 ブレッド准将が言うには武装色の覇気がおそろしく苦手だということ

 

「覇王色の覇気を極めろ。それだけで他の覇気を圧倒できるポテンシャルは有るんだからな!」

 

 そう言われこの2年半は覇王色の覇気のコントロールを中心に鍛えました

 

 鍛えるといっても覇王色の覇気は鍛練では成長しないため精神修行が主であった

 

 しかし使えるようになれば便利である

 

 覇王色の覇気を使えば雑魚海賊であれば斬り込む前に気絶させる事ができるし、覇気をサーベルに纏わせれば触れなくても敵が飛んでいく

 

 そのお陰か近々准尉への昇格も決まっている

 

 そんな順風満帆の私であるがなぜそれほど覇王色の覇気が扱えるかには理由がある

 

 ワールド海賊団との戦闘だ

 

 新世界にてバーンディ・ワールドとその一味と海戦が起こり私は死にかけながら攻撃を続け撃退に成功

 

 その戦いで船員の7割が死ぬ凄惨な海戦だったがなんとか生き残った

 

 バーンディ・ワールドとは今後も数度に渡り戦うことになるのだがそれは後の話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 AF銃が一般兵へと配備が始まったのもこの頃で、兵器開発局の面々が弱小室と侮っていた特殊兵器開発室に遅れを取った事件として兵器を開発している部屋に衝撃を与えた

 

「ホッホッホッ今回は自身が一番上だと思っていた兵器開発局に一泡付加せられて中々見物だったわい」

 

「せやな。で? フューチ曹長今日の用事はなにかいなぁ? 銃の改良か? 砲の改造か?」

 

「今日は義手義足の技術を持ってきました機械鎧(オートメイル)という技術なのですが」

 

「……ふむ。作れなくはないだろうが素材に特殊な物を使うことになるだろうから量産は困難じゃろうな」

 

「これが出来るようになれば手足を失った兵達が再び戦場に立つことが出来るでしょうなぁ……ただ弱点として錆びやすいから長期航海には出れないでしょうなぁ」

 

「他にもメンテナンスを行える人材の育成が問題になると思われます。ただでさえ海軍の武器工場はフル稼働なので……」

 

「ホッホッホッなにそこを心配するのはワシらだけで大丈夫じゃ。フューチ曹長はまた新しいアイデアを持ってくれば良い」

 

「そう言っていただけると助かります」

 

「そういえば新式の拳銃が出来上がったぞ! 次の航海には持っていくかい?」

 

「はい! 勿論です!」

 

 私はコルトM1851のコピー拳銃を受け取るとガチャガチャと弄くる

 

「うむうむうむ! 完璧です! ありがとうございます!」

 

「気に入ってくれたようで何よりだ! またいつでも来なさい」

 

「ありがとうございました」

 

 こうして新たな相棒を手に入れ航海に出る

 

 今回は新世界……後半の海への航海にだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ログポースと海図を頼りに新世界のダージリン島を目指す

 

 順調にいけば2ヶ月で到着できるが、順調にいかないのが新世界

 

「海王類だ!!」

 

「任せて!!」

 

 海王類を覇王色の覇気を纏ったサーベルで一撃を加える

 

 グオォォォォオオオ

 

 凄まじく低い断末魔をあげながら死亡する

 

「コック長! 今夜は豪華でお願いします」

 

「任せろ! フューチ曹長! この海王類でとびっきり旨いの作ってやるよ!!」

 

 時に海の恵みに感謝し

 

「大嵐だ!!」

 

「大砲の固定を急げ!! 商売道具を絶対に死守しろ!! 海に放棄なんて絶対にするな!!」

 

「わかりました班長!!」

 

「班長砲弾が嵐の揺れで転がっていきます!!」

 

「馬鹿やろー!! 砲弾をなぜ固定しなかった!! 誘爆しないように見張ってろ!!」

 

「す、すみません!!」

 

 時に嵐に巻き込まれ

 

「海賊だ!!」

 

「あれは……百獣海賊団……ロックスの負の遺産め」

 

「ブレッド准将どうします」

 

「決まってる潰すぞ」

 

「は!! 総員砲撃戦用意!! 砲撃開始!!」

 

 この日百獣海賊団との戦闘の火蓋が切って落とされた

 

「月歩!!」

 

「フューチ曹長何処へ!」

 

「爆弾を直接ぶつけてくる!」

 

「危険ですおやめください!!」

 

「相手はあの百獣海賊団だルーキーと甘く見てはいけないあのロックス海賊団の船員が船長だからね」

 

「しかし」

 

「とにかく砲撃しろ! ヤバイのは私らでなんとかする」

 

 ジリジリジリカチ

 

「こちらフューチ曹長! 幹部の皆様へ報告です今から百獣海賊団に爆撃を行いますので月歩を扱える方は支援をお願いします」

 

『了解したジム中佐含め7名が援護する』

 

「助かります」

 

 ガチャ

 

(さて、まだルーキーのカイドウとの勝負勝てる勝てないではない! ここで勝ち将来の有害因子を取り除かなければ!!)

 

「ウオロロロ! 待ってたぜ海軍! 丁度何かを破壊したくてしょうがなかった所だ……壊れろ!」

 

「させん!!」

 

 私の覇気を纏った一撃と巨大な龍の姿のカイドウが激突する

 

 ガチャ

 

「こちらフューチ曹長! カイドウは私が押さえますので爆撃の継続を!!」

 

「嘗めるな小娘!! ボロブレス!!」

 

 巨大な火炎弾が口から発射される

 

「うぐ!! ……おりゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 なんとか弾いたと思ったら目の前に尻尾か有った

 

「ぶっ飛べ」

 

 ドゴンと私の体は尻尾に当たると軍艦の方に吹き飛ばされた

 

 ドガーン

 

「フューチ曹長!! 大丈夫ですか!!」

 

「な、なんのこれしき」

 

「あ! ああ!! 班長達が!!」

 

「皆殺られていく!!」

 

 私は起き上がると再びカイドウに向かっていく

 

「そうはさせん!!」

 

 ガキーンと剣で抵抗してくるは2枚看板のキング

 

「そこを退きなさいよ!!」

 

「カイドウさんの手を煩わせる訳にはいかねぇ!!」

 

 ガキーンガキーンガキーンとサーベルと剣がぶつかる

 

「隙あり」

 

 パパン

 

「うぐ!?」

 

 私はつばぜり合いになった瞬間に拳銃でキングの腹部を射撃した

 

 ジリジリジリガチャ

 

「こちらフューチ曹長! 船に居るものに通達船を戦闘海域から離脱させろ! 我々生き残った幹部も海域から撤退する」

 

『しかしブレッド准将が許さないのでは!?』

 

「ブレッド准将も連れて帰る越権行為で処分も覚悟しているがこれが最善なんだ!! 理解してくれ」

 

『わかりました! 御武運を!!』

 

 ガチャ

 

「ブレッド准将を助けに行かなければ」

 

 ブレッド准将は爆撃隊が飛び立った時に随伴して援護すると飛び出していた

 

 その後カイドウの攻撃が爆撃隊に届かないように奮闘していたが実力差が有りすぎ爆撃隊は殺られていた

 

 ただブレッド准将はそんな中でも仲間を守ろうと頑張っていた

 

「ブレッド准将!! ここは撤退を!!」

 

「フューチか! 挟撃してこの怪物を倒すぞ!!」

 

「実力差がありすぎます! ここは撤退を」

 

「うるさい!! 勝たなければここで死んでいった者達が浮かばれない」

 

「そんな事を言っている場合ではないでしょ死んでしまいますよ!!」

 

「ええい! 臆病者は引っ込んどけ!! なんとしても奴を倒す!!」 

 

「……ごめん!」

 

 私は覇王色の覇気を最大限ブレッド准将に当てた

 

「何を!? カハッ」

 

 気絶したブレッド准将を抱え私は船に戻ろうとするが

 

「ウォロロロロ何処へ行く!!」

 

「逃がしてはくれないよね!!」

 

「当たり前だぁ! 死にさらせぇ海軍!!」

 

「覇王色!!」

 

 サーベルと青龍状態のカイドウの牙が激突する

 

「くそ! くそ! くそ!!」

 

「ウオロロロ! 勝てる分けねーだろ一海兵風情が!! ボロブレス!!」

 

「ごめん!!」

 

 私は船に向かってブレッド准将を投げるとカイドウの攻撃を必死に守る

 

(全盛期でないカイドウでこれほどの強さとは!! いや! 24歳だから成長期ではあるのか!!)

 

「ウォロロロロ! 中々やるじゃねぇか海兵! 名は」

 

「フューチ……エレ・フューチ!!」

 

「生きていたら覚えてやるよ」

 

 カイドウは青龍の状態から人間の形に戻り

 

「雷鳴八卦!!」

 

「グハッ!!」

 

 サーベルで受けたがサーベルは直ぐに折れてしまい

 

 私は金棒に腹部を強打され何処かへ吹き飛ばされた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……チ曹長!! ……フューチ曹長!!」

 

「ここは」

 

「軍艦です! 我らが母艦です!! フューチ曹長が吹き飛ばされた方向に偶然島があり、そこにフューチ曹長は流れ着いていました悪運強いっすね!!」

 

「そうですか……ブレッド准将は!」

 

「起きています! 話されますか」

 

「はい!」

 

 私は松葉杖を船医から渡され折れた肋骨を庇いながらのそのそと歩く

 

 コンコンコン

 

「エレ・フューチ曹長入ります」

 

「入れ」

 

「失礼します」

 

 ブレッド准将は包帯で全身ぐるぐる巻きにされており、ミイラ男の様だった

 

「フューチ曹長最初にこちらが謝らなければならんな……すまんかった」

 

「ブレッド准将なぜ謝るのですか! 命令違反をしたのは私で」

 

「その命令違反が最適な行動であった。船を安全圏まで撤退させ、上官の私に撤退を仰いだ。私も血が上って居なかったら真っ先に撤退をさせるべきであった」

 

「ブレッド准将……」

 

「今回の海戦でこの船の幹部クラスが全滅してしまった。今からフューチ曹長を准尉とし、私が復帰するまでの間船の指揮を取って貰うよいな」

 

「は!! 目的地は」

 

「マリンフォードまで帰還する」

 

 こうして私は准尉となった

 

 ただカイドウと一応戦いになった実力を海軍は高く評価し、出世のペースが加速していくのであった



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准尉 少尉

 第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 准尉となりはや半年

 

 18となりましたが元気です

 

 ブレッド准将の右腕となりましたがまだまだ教わることが多い今日この頃

 

 原作開始32年前になります

 

 ここで今の新世界の勢力をおさらいしておきましょう

 

 今一番領土や人員的にデカイ勢力は金獅子のシキでしょう

 

 旧ロックス海賊団のクルーを一番吸収した海賊であり、つい先日も海軍の軍艦を沈めています

 

 続いて一番力がある海賊はロジャー海賊団でしょうか

 

 既にロードスター島に到達しておりポーネグリフ解読が可能なおでんが参加した瞬間に海賊王となる素地は出来上がっています

 

 強いて言うなら船医が不足していますが後にクロッカスが加盟することでそのピースも埋まります

 

 つまり残り2手で海賊王になれるのです

 

 その直ぐ下に居るのが白ひげ海賊団です

 

 後の隊長格もおり海賊王となれる素地はあります

 

 その下にビッグマム、孤高のレッド、錐のチンジャオ、世界の破壊者バーンディ・ワールド等がいて更に下が先日戦ったカイドウ達である

 

 大航海時代の前は量より質といった形だろうか

 

 それとも海軍が頑張っているから質の高い海賊しか残らないのかもしれません

 

 まぁ私のやることは変わらず海賊退治です

 

 が、ここんところ働きっぱなしで全然休みが取れていなかったのでここで約1ヶ月の休暇をブレッド准将から頂きました

 

 普通なら家に込もって武器いじりをするのですがせっかく1ヶ月も休みを頂いたので技術習得のためにシャボンディ諸島に赴くことにしました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シャボンディ諸島の第65マングローブに許可を取って私は技術研修を受ける事ができました

 

「シャボンコーティングは海中を船で進むことが出来る技術で、海軍はマリージョアのあるレッドラインを越え新世界に入ることが出来るためあまり重要視されていませんでした。なので海兵であれば希望すればこの様な講習や技能訓練を受ける事が可能なのです」

 

 実際問題海軍の人員が新世界で活動する時はレッドラインを乗り越えての移動となり魚人族のいる魚人島には今まで何回も航海してきましたが行ったことがありません

 

「コーティングに必要なのは最初のシャボンの成分比率を上手く調合できるかと内部の空気の量によって大きく変わります」

 

「上手いコーティング師が行えば弾力性が高く1箇所や2箇所破れたところで再び復元するのです。逆に下手な者がコーティングを行えば水圧に耐えきれずに破裂するでしょう。予算をケチッた商船がよく起こる問題です」

 

「今回の講習では初歩の初歩を教えていきます。出来るようになれば後は回数と感覚が物を言うのがコーティング師です」

 

「初歩さえ出きればコーティング船に破裂する前兆が見られた際に対処する事も出きるので覚えておいて損は全くありません」

 

 私はみっちり1ヶ月間コーティング技術について学ぶのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 コーティング技術の初歩を身につけた私は本業に戻ります 

 

 今回の新兵器はガトリング砲です

 

 特殊兵器開発室に設計図を渡して約半年をかけて完成した新兵器ガトリング砲

 

 車輪をつけて移動が出きるように改良して貰いいよいよ実戦で試してみました

 

「乗り込め!!」

 

「海賊が乗り込んでくるぞ!!」

 

 天候が霧で砲撃不可能な時に初の実戦投入が行われた

 

 場所はグランドライン前半の海ということもあり海賊の質もそこそこある新興海賊団だったが

 

 バババババババ

 

「グギャァ!!」

 

「ビギャ!!」

 

「グハ」

 

「うわぁぁぁ」

 

 ガトリング砲が火を吹くと木の板で1直線上で渡ってきていた海賊はバタバタと倒れていく

 

 扱っていた兵も乗り込んできた海賊も一瞬時が止まる

 

「き、斬り込め!!」

 

「「「うおぉぉぉぉ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「班長なんなんですかあの砲は!!」

 

「ガトリング砲……新兵器だ」

 

「それはわかっていますが! あんな速度で連射出きる砲なんて聞いたこともありません!!」

 

「私は開発にも試射にも立ち会っていたから知っていたし、君達も空射ちはおこなったでしょ。結果はわかりきっていたじゃないか」

 

「しかしこの様な砲が出来上がるとは末恐ろしいですね」

 

「……まだまだ序の口だよ。兵器は更に進化する。最近開発中のパドルシップという船が出来上がればカームベルトでの航海が出きるようになる……時代は刻一刻と変わってきている」

 

「我々一般海兵にはわかりませんが未来はどんな風になるのですかね班長」

 

「大海賊時代が始まるよ。我々海軍は風下に立たされる事になるだろうね」

 

「やめてくださいよ班長そんな地獄みたいな未来を予想するの!! 冗談でも嫌ですよ」

 

「アハハハ、ごめんごめんそんなに怒らないでよ」

 

「全くこの人は……たまに年相応な事をするんだから」

 

 この後ガトリング砲は船ではなくシャボンディ諸島に大量配備されることになります

 

 理由は

 

「この大砲気に入ったえ! これを島中の見えるところに置くんだえ」

 

 天竜人の鶴の一声が理由です

 

 しかしそれが原因でガトリングの技術は他国に渡り、数年後には海賊も装備するようになるのですがそれは後の出来事……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガトリング砲の設計者としての功績を称えられ私は19歳になると同時に少尉に出世しました

 

 相変わらず鉄塊や指銃等は出来ませんが覇王色とガトリング砲のゴリ押しで新旧世界両方で暴れまわっていました

 

 この時私は上層部に招集されある事の選抜メンバーに選ばれました

 

「天竜人ドンキホーテ・ホーミング聖の地上輸送任務及び監視ですか」

 

「あぁ、物好きな天竜人も居たものだ……自ら生け贄になると言っているのだからな。これを期に天竜人に対する不満を物好きに誘導する役目を言い渡す」

 

 恐らく私の海軍に対する忠誠心と天竜人に対する不満度を測られている

 

 これを上手くこなせば上への覚えもよくなり更に出世は加速していくだろう

 

 しかしこの任務の結果ドフラミンゴという化け物が誕生するのも事実

 

 私はどうすれば……

 

 上層部の目を見る

 

 人の心というのは瞳に現れたりもするものだ

 

(上層部の話を聞いてしまったから有無を言わさない感じか……私ははいという返事しか求められていないな)

 

「わかりました受けましょう。隊長は誰がやるのですか?」

 

「君だよフューチ少尉。任務中は大佐権限を付与する。やってくれるな」

 

(マジかぁ)

 

「わかりました」

 

「いや、助かる。期待しているよ」

 

 なぜか大佐権限を付与され私は人事を行い、サイファーポールと何度も打ち合わせを行ってげんなりしながら仕事を始める

 

 まずはマリージョアに赴きドンキホーテご一家を地上へと護衛する

 

 北の海の更に果ての島まで護衛を行う

 

 双眼鏡で遠くを常に見張らせ、海賊と思わしき船を船の船員に見られる前に月歩で移動して覇王色の覇気で気絶させて船を爆発して沈める

 

 ドンキホーテ一家に安全であると錯覚させるためだ

 

 ここで危険な事が起きて帰りたいなどと言われれば今までの会議が全て無駄になり、私の首も飛んでしまうのでほぼ不眠不休で任務をおこなった

 

 続いて島に到着したら私と一部の人員は船を降り、服を着替えて町へ潜伏する

 

 そこで噂を流す

 

 天竜人の悪い噂や最近やってきた船が天竜人の一家であることを……

 

「隊長大丈夫ですか! 凄い隈ができていますが」

 

「ごめんなさい、私は特に天竜人に対して君達のように恨みがあるわけでもないから自身の良心が……辛くて……」

 

「ろくに寝てないんでしょ隊長。今日は休んでください。船での任務で我々は凄く助かっているんですし、人事で我々を呼んでいただき感謝しているんですから」

 

「すまない……すまない」

 

「それに我々がもう居なくても時期に天竜人に対しての不満は爆発するでしょう」

 

「これは任務だ。事の結末まで監視する義務が我々にはある」

 

「わかりました。肝に銘じておきます」

 

「今日は寝る。頼んだよ」

 

「は!!」

 

 

 

 

 

 ドンキホーテ一家が島に来て数日もしないうちに島民はドンキホーテ一家に牙を向いた

 

「こちらフューチ大佐一家が屋敷から逃亡した」

 

『こちらサイファーポール一家にはまだ生きてもらわなければならない。新聞記者がまだ島に到着していない』

 

「了解。島民の誘導を行います」

 

『期待している』

 

 ガチャ

 

「フゥー新聞記者が来るのに3ヶ月か。ストレスで胃に穴が開きそう……私はこれでいいのか? ドフラミンゴが誕生すればドレスローザが地獄になるのだぞ……第四の壁を越えた先に居る皆さんどうなのでしょう。私の選択は正しいのでしょうか。間違っているのでしょうか……わからない……わからないよぉ……」

 

 自問自答を繰り返す

 

 私の行動は正しかったのか、間違っていたのかは後に起こる歴史が決めること

 

 そして運命の日が訪れる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天竜人の一家だ!!」

 

「元天竜人の一家を殺しても海軍は動かねぇ!!」

 

「ありがてぇ復讐の機会が与えられた!! 一生泣き寝入りと諦めていた!!」

 

 天竜人一家の噂は周辺の国々の人々まで集まった

 

 恨みが相当積もりに積もっていることがわかる

 

「まだ5歳と2歳の息子が天竜人を横切ったとしてピストルで16発!! 即死だった!!」

 

「奴隷にされた娘が哀れな姿で帰ってきて一言も喋らずに3日後に自害したわ!!」

 

「俺は元奴隷だった!! 遊び半分で両目を抉り取られた!!」

 

「妻が焼き殺された!!」

 

「天上金で国が餓死して滅んだ!!」

 

「神も同然なんだろ!! これくらいじゃ死なねぇよな!!」

 

 ドスッと矢が子供の天竜人に当たる

 

 ボロボロの天竜人達は磔にされ、火炙りにされる

 

覚えていろよお前ら……俺は死なねぇ!! 何をされても生き延びて!! お前ら一人残らず殺しに行くからな!! 

 

 覇王色!! 

 

「くっ!!」

 

 私も覇王色の覇気をぶつけることで相殺したが民衆や監視をしていた兵やサイファーポールは倒れてしまう

 

「……どのみち私が手を下さなくても焼け死ぬな。任務は完了した」

 

 私には理解できなかった

 

 炎に包まれて見えなくなるまで監視して

 

 あの状態から生還するのが理解できなかった

 

 数年後私はあの時手を下さなかった事を後悔する事となる

 

 しかし、それはまた別のお話……



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中尉

 どうも第四の壁を越えた先に居る皆様フューチです

 

 任務が終わると中尉に昇進となりました

 

 ちなみにですが出世ペースとしては少将になれれば良い方、このままだと准将で止まるペースです

 

 理由としては実力が無いから

 

 上に行く人はガンガン上に行きます

 

 紙絵、剃、月歩の三式と覇王色の覇気が使えても覇王色の覇気が使えるは査定対象にされず、見聞色も武装色も使えない私の将来はそのうち止まるというのがブレッド准将以外の見立てです

 

 ブレッド准将は

 

「お前は運が良ければ元帥になれる実力がある」

 

 と仰ってましたが信憑性がありません

 

 私の同期でも既に佐官の奴も居ますし技士少将がやっぱり最終経歴になりそうです

 

 せめて見聞色が使えなければなぁはぁ……

 

 私は再びブレッド准将の指揮下に入りパトロール任務に従軍するのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 この年の大きな出来事としてはゼファー大将のご家族が海賊に惨殺される事件がありました

 

 ちょうどその時私は航海中だったのでニュース・クーから購入した新聞にそう載っていた

 

 あとは後の大将の2人サカズキ23歳とボルサリーノ26歳が海軍に入隊した

 

 教育隊はゼファー大将の指揮下であり、この年から教育者としてゼファー大将の名が売れていくのだがそれはもう少し後の話

 

 しっかし世界情勢は停滞し始めましたね

 

 まぁ私としましては停滞していた方が海軍有利のこの情勢は心地好く、そして好ましいです

 

 あ、そうそう兵器開発局が新造船の軍艦を出しました

 

 パドルシップではありませんが未来の海軍の船と酷似しています

 

 大きな変更点は砲塔ができ、帆柱も4本の側面の従来型の砲撃口が片側6門の12門あり3連砲3門(前方及び側面2門)と合わせると最大斉射で12門が攻撃可能である

 

 流石は兵器開発局である

 

 海軍上層部も新造船の覚えも良くこの船と後年パドルを追加したパドルシップスが海軍主力となっていく

 

 ブレッド准将も苦手な政治力を私が補佐する形で新造船の使用許可をもぎ取り今乗っている船も新造船の5番艦です

 

 あとブレッド准将の人事で私は副船長となりました

 

 この副船長時代に私は嫌という程航海のいろはと人材育成のいろはをブレッド准将から叩き込まれます

 

「航海図を引けなければ部下から舐められる! 今までの射撃予想図だけでなく航海士としてやることも学ばなければいかん」

 

「船員の士気を上げるのに料理は必須だ。缶詰も良いが料理も出来て損はない。地上と船とでは使える食料や貴重な水の量を調整しながらの調理は色々勝手が違うからな!!」

 

「書類ができてこその幹部だ既にある程度は出来ているのは知っているが、これからの事を考えると重要機密に触れる事も多くなる。わかっているな」

 

「覇王色一辺倒の戦い方ではいつかガタがくる。覇気は満遍なく使えて初めて最大威力を扱える。武装色も見聞色も使えるようになれ!!」

 

 ブレッド准将のスパルタ教育が始まった

 

 約3年半教わる事となるが私がブレッド准将に恩返しすることはできなかった……あの日を堺に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌年とある事件が起こった

 

 元天竜人ドフラミンゴによるマリージョアに生首を持ち込んだ事件だ

 

 ドフラミンゴの言い分では元凶の父親を殺害し、再び天竜人として生活したいとの事であったが勿論天竜人側は拒否し、生首を神聖なマリージョアに持ち込んだとして殺害を海兵に命令し、殺害しにかかるが逃げられる事件が起こる

 

「どういう事だねフューチ中尉、死体は確認しなかったのかね」

 

「焼けた死体が多数あり、天竜人かどうかの判別は不可能でした。焼けた姿は確認したため焼死と判断してしまい申し訳ありませんでした」

 

「……良心が痛むと任務中愚痴を言っていたらしいな」

 

「……はい」

 

「はぁ、いや、この人事をした我々のミスでもある。最後以外の任務に忠実な姿はサイファーポール側からも感心されていた。ただ事が事だ減給3ヶ月は覚悟しろ」

 

「ありがとうございます」

 

「昇進にも響くだろうがそれは仕方がないと思ってくれ」

 

「はい!!」

 

「話は終わりだ。退室したまえ」

 

「失礼します」

 

 やっぱり生きていたか……甘い判断をしてこのザマか……

 

 これでドフラミンゴが誕生し、数々の不幸が起こる

 

 ……いや、やってしまったことは仕方がない

 

 次は無いドフラミンゴ悲劇の前に逮捕する

 

 ただその前に

 

「ワールド海賊団を潰す」

 

 歴史のうねりかなんなのか、インペルダウン襲撃から30年前に投獄されるハズのバーンディ・ワールドは今だ逮捕されずに新世界に君臨していた

 

 新兵の使える者も動員した戦闘が約1年かけた大戦争が始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

「バロロロロロロ俺を止めたきゃ世界を持ってこい!!」

 

 私はこの戦争に従軍

 

「モアモア50倍砲!!」

 

 旧式の船は倍加された砲弾がカスッただけで沈んでいく

 

「砲撃を止めるな!! 周囲の配下の海賊から削れ!!」

 

「フューチ中尉!! 通常弾が無くなりました!!」

 

「新兵器の榴弾をありったけ出せ!! 山ほど積んできたハズだ!!」

 

「しかし、本当に効果はあるのですか!! 爆発する砲弾など!!」

 

「効果は私が保証する!! とにかく数を減らせ!!」

 

 とにかく海軍はセンゴク大将の指揮の下ワールド海賊団や傘下の海賊達を休めなかった

 

 補給もろくにさせずに1隻ずつジワジワと追い詰め

 

 サイファーポールの協力で傘下の海賊団を離反させ最終局面に追い込んだ

 

「クザン二等兵!! 新兵教育後直ぐで悪いが私と頭を取りに行くぞ!!」

 

「あらら、初っぱなから大仕事じゃありませんか!! やってやりましょうよ」

 

「頼もしいな!! 燃え上がる正義を掲げて格好いいじゃない!」

 

「そういうフューチ中尉はどんな正義を掲げているんです?」

 

「わかんない。まだ探し途中のまま正義を遂行しているよ」

 

「面白いっすね」

 

「とにかく今はワールドだ! 頭を討ち取れば海賊団は瓦解する」

 

「了解」

 

 鎖の能力者がワールドの船を周囲の海軍の船で固定し、足場を作る

 

「アイス・エイジ」

 

 更に周辺海域を凍らせ逃げ場を奪う

 

「ワールド!!」

 

「来たか海軍! 1年間の戦い面白かったぜ!!」

 

「くらえ覇王色!!」

 

「バロロロロロロ!!」

 

 私のサーベルはワールドの武装色を纏った鎌で止められる

 

「血が騒ぐ!! 楽しいぜこんな闘争は!! バロロロロロロ!!」

 

「そうかい! こっちは楽しくないよ」

 

「船長!! 海軍と敵対する海賊が周囲を囲んでこのままでは!!」

 

「バロロロロロロ! 俺はこいつの相手で忙しい!! お前らで何とかしろ」

 

「そうかい……そうかい!!」

 

 パッパン

 

「あ!?」

 

「ワールド!!」

 

「海軍があんたさえ討ち取れば俺らは解放してくれるって約束なんだよ!!」

 

「船長悪いが俺達だって死にたくねぇからな」

 

「貴様らまさかサイファーポールの買収に屈したか」

 

「おっと仲間割れのところ悪いけど君達全員死刑執行するよ!!」

 

「な!? 話が違ギャあ!!」

 

「違うも何も末端の兵にそんな話は聞いてないからね」

 

「畜生!! 畜生!! ここまでか!! お前ら副船長命令だ撤退する!!」

 

「させるか!! クザン二等兵! ワールドを凍り漬けにしてインペルダウンにぶちこむ! 私は残党の確保に向かう!!」

 

「了解中尉!!」

 

 こうして世界を震撼させ続けていたワールド海賊団は壊滅

 

 幹部クラスの数人に逃げられたが私は残党20名を捕縛し名を上げるのに成功する

 

 またクザン二等兵はワールド海賊団捕縛の最大功労者とされ大将への道を駆け上がる事となる



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大尉 遭難

 ワールド海賊団壊滅から2年

 

 原作開始26年前となりました

 

 第四の壁を越えた先に居る皆さんは元気でしょうか

 

 私は完全に昇進が鈍足になり悶々としています

 

 なぜ昇進が鈍足になったかはドフラミンゴによるマリージョア生首事件で上層部の覚えがよろしくないからです

 

 ワールド海賊団壊滅の功績で大尉にはなれましたがこのままでは中佐あたりが最終経歴になる可能性も出てきました

 

 え? まだ24歳だろって? 

 

 甘い甘い若いうちにどれだけ昇進できるかによってこの海軍は最終経歴に直結します

 

 大尉になってからかれこれ8回も航海に出ているのに昇進が無いってのは上層部に嫌われたと思うほかありません

 

 更に追い討ちをかけるのが特殊兵器開発室のパール少将とマヤノ准将が年齢を理由に海軍を引退

 

 特殊兵器開発室の面々が一新され、ガトリング砲を作った功績で今や兵器開発局に唯一対抗できるとして競争が激化

 

 前ののんびりとした感じは失われ、外部の人間だった私は部屋に入ることすらできなくなりました

 

 ガトリング砲の設計者私なのに……

 

 これでハッキリしたのは自分の部署を持たないと上層部に全くアピールできない事

 

 パール少将達は上に私が設計したって報告してたけど今の特殊兵器開発室は私の手柄に全くならない

 

 ならこんな部署に尽くすのが間違いである

 

 私はまた自室で設計図を引く生活に逆戻りした

 

 

 

 

 

 

 

 

 不運な時に不運とは重なるものだ

 

 新世界を航海中大嵐に巻き込まれ、私は陣頭指揮を行っていたが突風に私は不運にも飛ばされてしまう

 

「フューチ大尉!!」

 

「大丈夫月歩できかは!?」

 

 突風に飛ばされてきた岩がゴーンと私の頭に命中し、私は気を失った

 

 そのまま突風に巻き込まれ私はどこか遠くへと飛ばされてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バカーバカー

 

 ツンツン

 

 バカーバカー

 

「う、うーん」

 

 バカーバカー

 

 バサバサ

 

「こ、ここは」

 

 私が意識を取り戻すと運良く海岸に流れ着いていた

 

「1人で漂流するのは初めてだな」

 

 グランドラインを何年も航海してきた私の肝は座っていた

 

 漂流して怖いのは飢えと寒さと病気

 

 身に付けていた銃で枯れ草に発砲してすぐに銃口をおがくずに当て火をつける

 

 何度もできる火の付け方では無いが、緊急時には使える火の付け方だ

 

 とりあえず薪を組んで焚き火にし、持ち物を確認する

 

「AF銃1丁、弾薬200発、割れたログポース、服にコート、サーベル、携帯救急セットと携帯食料1食分……あとは駄目だね嵐で飛ばされたかな」

 

 島の散策もしたいが火を付けた手前移動したら火が消えるかもしれないので今日は海岸で使えそうな物を漁る

 

「修理すれば使えそうな樽にバケツ、鉄板もあるあとは擦りきれた服とか廃材かよし!」

 

 水を確保するために廃材と鉄板、バケツで火を使った海水の即席濾過装置を能力で確認しながらつくる

 

「とりあえずこれで水も一応大丈夫かな。木々が凄いからたぶん川があると思うからもっと水は楽になるかな」

 

 バカーバカー

 

 バサバサ

 

「覇気」

 

 クーン ドシャ

 

「バカ鳥かとりあえず今日のご飯は決まりだな」

 

 私は焦らなかった

 

 すぐに助けが来ると信じて……

 

「ブレッド准将待ってます……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 島を探索してわかったことはこの島は大型肉食動物が多数居る事がわかった

 

 特にヌシクラスの怪物達は覇王色の覇気を普通に耐え、私を襲ってきた

 

 私は命からがら海岸に逃げたが食料を採るには奴らを相手取らないといけない

 

「動物風情が……やってやろうじゃない」

 

 必ず奴らに逆襲してやると心に決める

 

「でもやる事無いな……感謝の正拳突きでもしてみるか? いや、そもそも武装色ってどうやれば良いんだろう」

 

 とりあえず海岸だから地面に向かって覇気を放つ

 

 ボフン

 

 ドシャー

 

 覇王色の覇気を地面に流すと砂が舞い上がってクレーターになるか……

 

 武装色なら腕が黒くなって地面に叩きつけるだけだろうけど覇気を物体に流せるから応用すれば必ず武装色に繋がりそうだけど……うーん

 

 思えばブレッド准将も覇気は扱えていなかった

 

 六式は上手かったが

 

 だから六式を教わっていたが……

 

「うーん、全身に覇気を纏う纏う……覇王色の覇気を纏ってみるか?」

 

 纏ってみると白いモヤモヤした何かが全身を覆っているのがわかる

 

「おお! できたできたこの状態で鍛えてみるか……とりあえず島を何周も走ろうかな」

 

 私は油断していた

 

 この状態がいかに危険な行為なのかを……

 

 

 

 

 

 

「ゼヒューゼヒュー……つ、辛いめちゃくちゃ辛い!!」

 

 覇気を駄々漏れで行動すると覇気切れを起こす

 

 この状態だと通常の活動にも影響が出るくらい体がダルくなる

 

「これHUNTER×HUNTERの念みたいな感じか! 覇気って! ハァハァ……覇王色駄々漏れで訓練なんか人が居るところじゃできないもんね……となるとこのモヤモヤを体内に留めるようにすれば?」

 

 私は座禅を組み、体内に覇気を留めるようにコントロールする

 

「武器に纏わせることはできたんだから体内にもできるよね……ふん!!」

 

 ドバ──ーン

 

 体内に留めようとした覇気が背中から漏れて盛大に砂を巻き上げる

 

「なかなか難しいじゃないか!! でもやってやる!! ふん!!」

 

 ドバ──ーン

 

「ふん!!」

 

 ドバ──ーン

 

「ふん!!」

 

 ドバ──ーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから私は毎日覇気を体内に留める訓練と覇気を放出しながらの走り込みを行うようになった

 

 試しに覇気を完全に消す訓練もしてみたらヌシと遭遇しても私の前を素通りしたことから念でいう絶も覇気はできるようだ

 

「覇気って面白いなぁ! 見聞色もできるようになりたいなぁ」

 

 武装色には手間取っている私だが、見聞色の覇気は惜しいところまでできている

 

 紙絵ができるのだからあとは発展し極めれば見聞色の覇気である

 

 覇気を体に纏わせそれに触れた物を避けるってのはできるけど、殺気を先読みしたり、先の光景を見ることはできない

 

 まぁそこまでいけば見聞色も極めている状態だが見てみたいじゃない少し先の光景ってやつを!! 

 

 救出まで暇だしやれることやってブレッド准将を驚かせてやろうじゃないか

 

「上層部も見返してやって私も将官になって給料いっぱいもらって良い男見つけて家庭をもって……」

 

 砂浜に大の字になり、星を見ながら将来を夢見る

 

「てゆうかONE PIECEの世界なのに胸全然無いんだけど私!! Aカップってなに! IJKカップがゴロゴロ居る世界でAって……24だからこれ以上成長も無いだろうに……はぁ……男女って言われることは無いくらい顔は整っているけど……出るとこ出たいよねぇ……やめやめ、嫌な事は考えない!! 覇気を自在に扱ってそうだなぁ白ひげにリベンジしたいなぁ頂上戦争の衰えた白ひげじゃなくて全盛期の時に」

 

「海軍だけど自分の派閥でも作って三大将ならぬ四大将になったりして……ONE PIECEかぁ」

 

 今はワンピースなんて言葉が服の名前でしかない時代である

 

「頂上戦争の時に私は50歳かぁセンゴク大将やガープ中将、つる中将達に並べるとは思えないけどなぁなってみたいなぁ中将に」

 

「今回の遭難の期間が長ければ戦死扱いで二階級特進かぁそれでも中佐なあたり先が思いやられるなぁ」

 

「そもそもどうやれば強くなれるのかな……この悪魔の実の能力に覚醒なんて思い付かないけど」

 

 色々考えるフューチだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 島に流されて半年が経過した

 

 いくらなんでも遅い

 

 そもそも半年船1隻も通りかからない

 

「これはヤバイのでは?」

 

 ボロボロの衣服を修理しながらそう思う

 

 もし万が一このまま人が来なければ私はこの島で生涯を終えることとなる

 

 それは嫌だ

 

 せっかく覇気を体内に留める事ができるようになったし、見聞色の覇気も扱えるようになったのに……このまま死ぬのは嫌すぎる

 

 しかし、待てども待てども船は来ず

 

「仕方がない島のヌシでも倒しにいくか」

 

 私はこの島の制圧に乗り出すのだった

 

 



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ロジャー海賊団編
出会い


 第四の壁を越えた先に居る皆様こんにちはフューチです

 

 現在島のヌシに挑むためまずはヌシの手下達に挑んでいます

 

 半年前の私はこの手下達にも手も足も出ませんでした

 

 しかし、覇気を纏える様になりパワーアップした私なら

 

黄金の拳(ゴールデンフェスト)

 

 覇王色の覇気を体内に留めると私の場合黄金色に輝きました

 

 バチバチと黄色い稲妻が体から漏れ出ています

 

 これを更に体外に一点に集中して飛ばすのが

 

黄金衝撃(ゴールデンインパクト)

 

 この技をできるようになった時、私は凄まじい万能感を感じるようになった

 

 で、これなら奴らにも勝てると思い、戦ってみた

 

 GAOOOOOO

 

「怪物め、これでも喰らえ黄金衝撃!!」

 

 ドバ──ーンと衝撃が怪物に襲いかかる

 

 並みの動物達ならこの一撃で倒れていただろう

 

 しかし、倒れないからヌシの手下をやっているのだろう

 

 GAOOOOOO

 

 私を食べようと襲いかかってきた

 

 見聞色の覇気でひらりと躱し、今度は拳をぶち当てる

 

「黄金の拳!!」

 

 ゴンっと鈍い音が怪物から鳴る

 

「……やっぱり武装色じゃないから威力の伝わりが鈍いのか?」

 

 怪物は口から血を出しながらもまだ立っている

 

「だけど修行の成果は着実に出ている!!」

 

 サーベルを腰から手に取り怪物に向ける

 

 ギュンギュンギュン

 

「武器に纏わせるのが一番私に合っている気がするよ……デュランダル!!」

 

 覇気を思いっきり溜め込んだ斬撃を怪物にぶつける

 

「成敗!!」

 

 怪物は一刀両断、縦にぱっくり二等分にされ倒れる

 

「強くはなった……けれどもやっぱり本物の武装色じゃないから威力が分散されてしまう……武装色を覚えなければこの先の進展は無いかな……挑んだのがヌシの部下で良かった。ヌシだったら負けてた可能性があったもんなぁ」

 

 私は倒した怪物を縄で足を結ぶびズルズルと海岸まで引っ張り今日の夕食にするのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「武装色の覇気とはなんぞやって何回目だこの問い」

 

 覇気を纏えば出きるとpixiv百科事典とかには書いてあるがそれだったらもうできているハズである

 

 覇王色の覇気も覇気は覇気であるから

 

 しかし黒色にはならず金色に光るだけである

 

「あれか! 圧縮か? 覇気を体内に留めるだけでなく圧縮すれば良いのではないか?」

 

 そもそも私の場合順序が逆なのだ

 

 覇王色の覇気ばっかり使っているから圧縮なんて考えもしなかったし、覇気を体内に留めるにも覇王色の覇気の感覚が邪魔して常に放出する形になってしまい、体内に留めるようになるだけでもこの無人島に来るまでろくに訓練できなかった

 

「覇気を体内に留め、更に圧縮……だからルフィとかは全身ではなく部位に覇気を纏わせていたんだ!!」

 

 ルフィ本人に聞くわけにはいかないので憶測でしかないが、私はすぐにやってみることにした

 

「とりあえず指先だけでもできれば指銃ができる。部位を足にできれば嵐脚ができるとにかく部分に絞って圧縮してみよう」

 

 コツというか独自の理論を構築できれば早かった

 

 僅か3日で私は両腕を武装色の覇気で纏わせることに成功する

 

「できた……腕が黒く……青だな稲妻も走ってるしなんか若干違うけどできた!!」

 

 青い武装色の覇気

 

 後々これが私独特の黄色い覇王色の覇気と合わさり深緑色となるのだが、これが由来で緑狐と呼ばれるようになるのだがそれは後のお話

 

 とにかく私は青い武装色の覇気を腕に纏って訓練を始める

 

 全てはヌシを倒すために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、挑むか……まずは手下から」

 

 サーベルを腰にかけ、森の中にずんずん進む

 

 ヌシの手下と思われる怪物とは既に何回も戦ってきた

 

 まず覇王色の覇気で威圧をし、見聞色の覇気で怪物の攻撃を避けながら青い武装色の覇気を纏った指銃で頭蓋骨を粉砕し脳ミソを抉る

 

 大抵の怪物はこれで倒せてきたが、中には頭蓋骨が分厚すぎて倒れない奴も居た

 

 そういう奴は嵐脚で首を切断して殺していく

 

 普通嵐脚は見えないのだが、私は覇気を纏っているためか青い斬撃となり目視可能だ

 

 それだけ威力が高い事を現している

 

 ただ、それでも倒れない奴は

 

「青拳!!」

 

 覇気を纏った拳で最後は殴り付ける

 

 これで死ななかった奴はおらず全部倒して私のお腹に収まっている

 

「力は蓄えた」

 

「準備もできた」

 

「いざヌシ狩りへ!!」

 

 手下を倒しながら私は森の奥へ奥へと進む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヌシは森の際奥で鎮座……寝ていた

 

 木に寄りかかりながら棍棒を近くの木に立て掛け油断している

 

 私は可能な限り気配を消し、その巨体に近づく

 

「剃……からの青拳!!」

 

 まずは先制の一撃

 

 これで倒す勢いで怪物……トロルに重い一撃を喰らわす

 

 グオオオオ!! 

 

 トロルは私の一撃で1つの頭を押さえながら立ち上がる

 

「首が3つに人型、今の一撃で骨まで砕けないことからやっぱりヌシだね」

 

 モジャモジャの毛の中から素早いパンチを繰り出される

 

「剃!!」

 

 素早く私は避ける

 

 トロルは棍棒を握り襲いかかる

 

「デュランダル改!!」

 

 サーベルを抜き武装色の覇気を纏って斬撃を行う

 

 斬撃は棍棒で打ち砕かれそのままサーベルと激突する

 

「ふんぬぬぬぬぬぬ!!」

 

 グオオオオ!! 

 

 押し潰さんとする棍棒とそれを押し返そうとする私のサーベルのつばぜり合いが起こる

 

 拮抗は数秒

 

 パワーはヌシの方が圧倒的に上だ

 

 私はサーベルの腹で棍棒を受け流すと体勢を崩したヌシの首を嵐脚で斬る

 

「嵐脚!!」

 

 しかし、これは傷が付くだけで斬れない

 

「ならば!! デュランダル改!!」

 

 更に斬撃を傷口に当て、傷をより深く抉る

 

 グオオオオ!! 

 

 苦痛でヌシは仰け反る

 

「青衝撃!!」

 

 武装色の覇気を纏った拳を当て、更に押し付け、覇気を流し込む

 

 衝撃は体内で爆発する

 

「いっけぇぇぇぇ!!」

 

 ボンっとヌシの体内で何かが破裂する音が聞こえた

 

 内臓である

 

 グオオオオ!! 

 

 ヌシは血を吐き出し、その巨体が地面に倒れる

 

「トドメだぁ!!」

 

 私はトロルの心臓と思われる部位にサーベルを突き立て、トドメをさす

 

 ジタバタと最初は暴れていたが、徐々に弱々しくなりそのまま動かなくなった

 

「ヌシ……討伐完了」

 

 それは私が強くなった証だった

 

「シャアアア!!」

 

 勝利の雄叫びを私は上げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヌシを討伐して数日

 

 流石に人型のトロルを食べる気にはならず火葬しましたがまだまだ森には強い生物がうじゃうじゃ居るのでヌシを討伐後も楽しくやってます

 

 そんなある日ついにこの島に船がやって来ました

 

「海賊!」

 

 船の帆には大きなGOL・D・ROGERと書かれ、甲板には大きな卵が乗っていた

 

「ロジャー海賊団か!」

 

 私は再びロジャーと出会うこととなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「船長人食い島なんかやめましょうよ!! 危ないですって」

 

「バギー黙ってろ。あの島で水を補給しなけりゃ衛生的に悪いんだよ」

 

「クロッカスさんでもよぉ新世界でも怪物だらけが住む島なんて滅多にねぇのにここはそいつらの楽園みたいなところじゃん! やめましょうよ!! レイリーさん」

 

「バギー、じゃあお前は船に居ろよ俺は行くけどな」

 

「シャンクス!? お、おお! よし行ってやるよ行ってやるよ!!」

 

「バギー本当に無理しなくて良いからな」

 

「ギャバンさんまで」

 

「ヌシが倒されたな……感じる。ヤバイのがいるな。そう思うだろレイリー」

 

「人だなこりゃ……化物が居やがる」

 

「俺にやらせろ船長」

 

「バレットか……よぉし行ってこい」

 

 覇王色を放つ

 

 島に居る怪物が覇王色の覇気でそれを押し返す

 

「へっ! やるじゃねぇか」

 

 ミシミシッドゴン

 

 船から勢いよく降りるとバレットは覇気が放たれた場所に思いっきり殴りかかった

 

「青拳!!」

 

 バチバチバチ

 

 稲妻と爆風で周囲の木々が吹き飛び怪物の姿が見えるようになる

 

「んん!? 女か」

 

「ロジャー船長!! 着てる服服見てください! ボロボロですが海軍将校ですよあれ!」

 

「アハハハおもしれえじゃねぇか何で海兵がこんな僻地にいやがるんだ? しかもつえぇバレットと互角に戦ってやがる」

 

「見たことが無いな中将クラスでもないだろうしっかし、胸の無い姉ちゃんだ事」

 

「本当だ!」

 

「聞こえてるからなロジャー海賊団!! 確かに胸は無いけど!! 女だから!!」

 

「気のつえぇ姉ちゃんだ事どうするロジャー」

 

「おもしれぇ。おいバレット! ヤバかったら手を貸すぞ」

 

「必要ねぇ!! 女! ぶっ殺してやる」

 

「黄金衝撃!! させるか!!」

 

 バレットと気の強い姉ちゃんの戦いは丸一日かかり、立っていたのはバレットの方だった

 

 

 

 



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ロジャー

前話で最後に立っていたのをバレットに変更

すみません


「おめぇ強いなハァハァ」

 

「そりゃ……どうも」

 

 ダグラス・バレット……鬼の跡目

 

 滅茶苦茶強かった

 

 ただ私も強くなっているのは感じた

 

 バレット相手に1日殺し合いができたのだから

 

 しっかし全身武装色の覇気は良いなぁ……未来の見える見聞色の覇気と合わせたらほぼ最強になれるだろうに

 

「よぉ姉ちゃん強いな! バレット相手に1日戦えるのは異常だぞ」

 

「ハハハ、海賊王にそう言われたら嬉しくなるじゃないか」

 

「ん? 海賊王?」

 

「未来の話さロジャーあんたのね」

 

「なんだ予言か?」

 

「ちょっと違うかもしれない。私は読めるんだ第四の壁を越えた先の映像と文字を」

 

「第四の壁とはなんだ」

 

「役者と観客の境目にある壁の事さ。この出会い、旅、出来事……この世界の大きな出来事を読んでいる者達がいる」

 

「なんじゃそりゃ? 俺達は役者じゃねーぞ。海賊だ」

 

「その冒険を楽しそうに読んでいる子供達が別次元には居るんだよ。もしかしたら今も見られているかもね」

 

「ハハハハっそりゃ傑作だ……で! 俺の役回りはなんだ?」

 

「産まれるのが早すぎた主人公にしてそれを運と努力で最後まで完走した時代の覇者さ」

 

「ハハハハそいつぁすげえな! なぁもしもだ。もしも最後の島への行き方なんかもわかったりするのか?」

 

「確証は無いけどわかる。赤い4つあるポーネグリフを読み解き、そこに記された4つの地点の交わる位置に最後の島がある」

 

「お前海兵だよな。そんな重要な事を言って良いのか?」

 

「あんた達ロジャー海賊団にはゴッドバレーにて助けてもらった借りがあるこれでチャラといこう」

 

「話のわかる奴は好きだぜ! 女海兵名前は」

 

「フューチ……エレ・フューチ、階級は大尉」

 

「「「大尉!?」」」

 

「おめぇ将官じゃねぇのか!?」

 

「将官なんて無理無理! 現場で一回やらかしてるし、この無人島に流されてから約10ヶ月も職務放棄してるから更に階級が上がらなくなったよね……たぶん」

 

「かぁ! 見るめねぇな海軍は……よし! フューチ俺の船に乗れ!!」

 

「おい、船長海兵乗せる海賊がどこに居るんだよ」

 

「かわいそうだろこんな辺鄙な島に置いていったらよぉ」

 

「そうだけどさ」

 

「……そうだ! ただで乗せてもらうのは流石に悪い。船内で働いたりもするけどこれを譲るから乗せてくれないか」

 

 私はダッシュで樽を持ってきてこれを渡すと言い張る

 

「樽なんか要らねーよ」

 

「樽の中身だよ……悪魔の実だよ」

 

「そりゃ乗せるのに釣り合う宝だ! フューチますます俺はお前の事が気に入ったぞ」

 

「そりゃどうも」

 

「おいバギー! お前にこの悪魔の実はやるよ。欲しがってたからな」

 

「へ!? 良いんですかロジャー船長!!」

 

「おう、よく考えて使え」

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

「良かったなバギー」

 

「うるせぇシャンクス!! お前にはやらねーからな」

 

「わかってるよ」

 

「予言ついでに教えてくれ……俺には何が足りない」

 

「ポーネグリフを読める人材でしょ。その人材は白ひげ海賊団に居る光月おでんその人さ」

 

「光月おでん……今暴れてる侍か」

 

「あと乗せてもらう手前こんなことを言うのは苦しいのですが……私を鍛えてほしい」

 

「おいおい嬢ちゃんバレットと1日やり合っておいてこれ以上どこを鍛えるんだよ」

 

「武装色と見聞色の覇気」

 

「見たことねぇ青い覇気を使いこなしてたじゃねぇか」

 

「しっかりとした武装色の覇気の習得方法を知らないと新世界は厳しい。私のは邪道だよ」

 

「ロジャー、じゃあこいつの面倒を私が見よう」

 

「レイリーか! 良かったなフューチこいつは俺の右腕だ。物知りだから色々教えてもらえるぞ」

 

「あ、ありがとうございます!! 代わりに船のコーティングのやり方を教えましょう」

 

「そいつは良いな」

 

「おい船長俺は海兵なんざ乗せるの反対だかんな! 占いも当たるかわかんねぇじゃねえか」

 

「ギャバンお前も真面目だなぁ」

 

「じゃあこれは当たってるでしょ……ロジャーの余命約2年。ラブーンの居る岬で船医クロッカスと出会い延命している」

 

「……当たりだ」

 

「勿論この事は海軍の誰にも言ってない。言っても信じてはもらえない。私の能力も海軍で信じている人は少なかったからね」

 

「そうかそうか! 海軍の事なんざ一回忘れて航海を楽しめフューチ!!」

 

「そうするつもりさロジャー……船長」

 

「野郎共新たな仲間のために宴だ!!」

 

 こうして私はロジャーの船に乗ることとなる

 

 下っ端も下っ端でバギーやシャンクス達と同じ事をやりながら料理の腕を買われてコックの真似事をやっている

 

 これまでの航海を通じてきた事が多いに役立った

 

「フューチさんいつまでボロボロの正義のコートを羽織ってるんだよ! それじゃいつまでも浮いたままだよ」

 

「このコートにはあの島で寒さから助けられてもらってきたし、私が命がけで手に入れた物でもあるんだ……このコートを着られるようになるまでに何度死にかけた事か」

 

「でもフューチさんバレット並みに強いじゃん! 本当に死にかけたの」

 

「シャンクスは居なかったか。ゴッドバレーは地獄だった。何百人もの海兵が死に絶え民間人も亡くなり、ロックス海賊団も多数の死者が出た。私も肋骨が何本も折れたし、島の崩壊時も何とか脱出できた。ゴッドバレーだけじゃない。普通の海戦でも覇気を上手く扱えなかった私は何度も死にかけた。私が漂着していた無人島に飛ばされる前の嵐だって死にかけたっちゃぁ死にかけた……このオーロジャクソン号の様に頑丈な船を海軍は持ってないから嵐が来ると何人もの犠牲者をだす」

 

「へぇ、海軍ってあんなに立派な船を沢山持ってるから強いって思ったけどそうでもないんだな」

 

「船単体だったら海賊の方が良いのを持っている事は多々ある。怖いのは総戦力と少将以上のごく一部さ」

 

「へぇ」

 

「でもよフューチ! 海軍がそんなに怖くないんなら民間人はたまったもんじゃねぇな」

 

「今はまだ海軍と海賊が拮抗している状態だから何とかなっているけれど次の時代にはその拮抗が崩れ20年近く無法の時代が到来することとなる……シャンクスもバギーも強くなりな。もし海軍に私が復帰したら捕まえに行くから覚悟しときな」

 

「ヒュー怖」

 

「べべべつにビビらねーかなら!!」

 

「フフフ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「こうですか」

 

「違う違うこうだ!!」

 

「こうですか」

 

「そうだその調子だ」

 

「またフューチはレイリーに覇気を教わってるのか」

 

「あぁしっかし武装色の覇気の才能が恐ろしい程無いんだとよ」

 

「じゃあ何でバレットと殴りあえるんだよ」

 

「何でも膨大な量の覇気を圧縮して使ってたらしい」

 

「だから俺らにも青く見えたのか」

 

「だけど能力によって終着点は見えてるんだと」

 

「終着点?」

 

「武装色の覇気は全身に纏って長時間活動できること、見聞色の覇気は未来を見えるようになるんだと」

 

「全身武装色って船長とレイリーさんとギャバンさんとバレットくらいしか出来なかったよな」

 

「あぁ、それができれば能力者の攻撃をほぼ無効に出来るんだと」

 

「でも内臓とかは守れないんじゃねぇか?」

 

「フューチは膨大な覇気で内臓や骨まで武装色の覇気で守るんだと。そうすればグラグラの実の白ひげも怖くないんだと」

 

「そりゃ無茶だ」

 

「無茶でもフューチはやる気だぜ」

 

「見聞色で未来視ってなんだ? 見聞色って鍛えれば未来も見えるのか?」

 

「そうらしいぜ何でも数秒先の未来が見えるんだとか」

 

「そいつは良いな! サイコロ当てまくりじゃねぇか」

 

「そういう事考えてるからいつもお前は賭けに負けるんだよ」

 

「ちげぇねえや!!」



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妊娠!?

 どうも第四の壁を越えた先にいる皆さんこんにちはフューチです

 

 ロジャーの船員になってはや3ヶ月……海賊に身を落としましたが元気です

 

 海賊になって何が辛いって物資の補給ですね

 

 海軍なら大半の島に基地があってそこから必要分の物資を調達出来ますがこちらはある程度の町や村がないと食料調達は一苦労、武器弾薬に至っては武器屋が無いと補給すらままなりません

 

 そんな内部事情に悲しくなりながら必死に帳簿を作り、考えながら料理を作ってるのが私です

 

 レイリーさんとか一部の人の理解ある人から凄い凄いと誉められますがだったら手伝えと思います

 

 まぁそれでもなんだかんだ上手くいってきたのがロジャー海賊団の強運……海軍にもこういう人が居れば……いたわ、ガープ中将が

 

 それでも海賊達と拮抗している勢力に涙が出ますよ

 

 まぁこの船の船員達も気に入りましたし、私は私の出きる事をするだけですが……あ、あと船員の精処理とかもしますよ内容は深くは言えませんがこの前ロジャー船長に抱かれました

 

 まぁ私も海兵の荒くれと何度も航海をしていてその場のノリ的に処女捨ててますし別に良いのですがね……

 

 なんだかんだ溶け込んでいます

 

 この海賊団で一番気に入ってるのは堅気には手をださない事です

 

 ただその分他の海賊には熾烈で、友好的でないなら全滅するまで戦います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある島にて

 

「……ガトリング砲……店主これをどこで」

 

「嬢ちゃんシャボンディ諸島で産まれたこの新型砲を知ってるのかい! 高いし、メンテナンスがキツいから売れ残って困ってるんだ。どうだ安くしとくよ」

 

「ほお、フューチその大砲が気になるのか」

 

「レイリーさん……この大砲もともと海軍の機密兵器だよ……一般人が売買して良い物じゃない」

 

「いやいや嬢ちゃん海軍は確かに使っているがシャボンディ諸島で天竜人の命令で大量に配備されてそこからコピーが流通したらしいぜ」

 

「フューチなにやら思い入れでもあるのか」

 

「これを設計したのは私だもの」

 

「設計……フューチ武器を作れたのか!?」

 

「……レイリーさんここだけの秘密にしてください。海賊に重火力を与えるとろくな事が無いから……海軍大尉フューチとして最後の一線だったのですよ……海軍側から裏切られるとは」

 

「もしやもっと凄い兵器が開発できるのか」

 

「ええ、できます。そもそも今海軍本部が扱っている銃の設計をしたのも私です」

 

「おいおい嬢ちゃん流石に話を盛りすぎだろAF銃っつったら旧式銃をガラクタにした兵器だぞ海軍御用達だから武器屋にも売ってない」

 

「AF銃の名前の由来はエレ・フューチの頭文字を取った名前だし、金属製一体型薬莢を作ったのも私だ道具と材料、時間さえあれば作れます……私の傑作兵器をばらまきやがって天竜人め……ガトリング砲が無くて海賊に負けた同胞も沢山いるのに……」

 

「なぁもしも本当に作れるのなら作ってくれないか。銃の性能も大砲の性能も上がれば航海が楽になる」

 

「……少し考えさせてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 考えて考えて考えぬいて……私はAF銃は作ることにした

 

 ただどうしても私だけで作ったワケでないガトリング砲は作る気にはなれなかった

 

「替わりにもっと良い物を作りましょう」

 

「フューチなに作るんだ?」

 

「バギーか、君が敵を薙ぎ倒せる兵器を作ってあげるよ」

 

「へ!? 俺でもか!!」

 

「あぁ、ちょっと頭にキテね……私の本気を見せてあげるよ」

 

 ガチャガチャと私は機材を引っ張り出し船の甲板でナットやドライバー、ハンマー片手に組み立てていく

 

 勿論やることはやる船員の食事は作ったり雑用したり、覇気の訓練も欠かさず行う

 

 やっぱり睡眠時間を削って夜通し作業を初めて5日

 

「ふぅ、できた」

 

「おお!? ……おお?」

 

「砲身は1つに丸い筒がくっついてる?」

 

「三脚はわかる銃を固定するのに、銃に鉄板が付いてるのもわかる。射撃手を守るためだろ? なんだこの筒は?」

 

「バギー試射してみよっか」

 

「おれか!?」

 

「この船で弱いのシャンクスとバギーでしょ。だったら君らのどちらかが扱わないとほら握った握った」

 

「こ、こうか」

 

「サイトを海に浮かべた木の的を狙うよレバーを握って狙って狙って……下ろせ」

 

 バリバリバリバリ

 

 けたたましい連射音

 

 的は何発か穴が空いた後割れて跡形もなく消えた

 

 その威力に見ていた者は口があんぐりと開いていた

 

「す、すげぇ! すげぇよフューチ!!」

 

「銃身が熱くなるからそれを冷やすタンクの扱いが筒の正体か」

 

「ほー、よく考えられているな」

 

「計算上このマキシム機関銃は毎分500発発射することができ、運用にも4人必要になるけど銃を連射するよりこっちの方が圧倒的に火力で勝るよ」

 

「ワハースゲーなこの機関銃って奴は!! 聞いたこともねぇ」

 

「ロジャー船長も気に入ってもらえた様でなによりです」

 

「しかし凄い量の弾薬を使うなこれはあと煙が凄い」

 

「本当なら特殊な火薬を使うのが良いんですが各町での補給を考えると通常の火薬に弾丸も旧式を扱った方が良いと考えました。まぁ弾がバラけるので旧式の弾丸の方が良いでしょう」

 

「そこまで考えてるのか……補給は助かるな」

 

「通常の弾丸をベルト給弾に変更するのは私が空いた時間にやっておくので今は試射して射撃のコツを磨いてください」

 

「お、俺もやりたい」

 

「俺にやらせろ」

 

「的をどんどん浮かべろ」

 

「めっちゃカッケー」

 

「フューチ量産はできないのか?」

 

「そうだね……無理無い範囲なら1週間に1丁できるけどそんなに材料無いし斬り込み隊がいなくなるよ」

 

「そんならバギーとシャンクスとフューチとあと1人で扱える1丁で良いなぁ」

 

「んだんだ!」

 

「バギー次は俺に撃たせろ」

 

「シャンクス! 次も俺だ!!」

 

「なんだと順番守れ!!」

 

「やなこった!!」

 

 バギーとシャンクスはいつもみたいに喧嘩を始め私達はそれを見て笑うのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぷっ……おげぇ……船酔いか?」

 

 最近私は体調を崩すことが多くなった

 

 普段は普通に振る舞っているが見聞色が使える面々にはすぐにバレ、休むように言われる

 

「クロッカスさんに見てもらえよフューチ」

 

「大丈夫大丈夫船酔いだよ」

 

「いや、おかしいだろここに来て船酔いだなんて」

 

「あ、ちょうど良いところにクロッカスさん! フューチがまた吐いてるから視てやってくれよ」

 

「ん? フューチ大丈夫か?」

 

「うぷっ……大丈夫ですよゲェ……」

 

「大丈夫じゃないな。診察室に来い」

 

 

 

 

 

 

 

「フューチお前妊娠してるぞ」

 

「へ!?」

 

「恐らく双子だ! おめでとう! 相手はだれなんだ?」

 

「えっと……時期的にジャンかな? チッロかな? ギャバン? ノズドン? レイリー? ……船長かも」

 

「オメーなぁ馬鹿ヤりすぎだ! 今後産まれるまで控えろよ吐き気止めは出しておくから定期的に飲め。あと1週間に1回の定期検診を受けるように! わかったな」

 

「すみませんクロッカスさん……」

 

「夜更かしもだめだから無理するな。レイリーに言って訓練も止めるように」

 

「はい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 子供ができた……誰の子かわからないけど

 

 皆に言ったらおめでとうと祝福され航海も休むように言われたけど誰が皆の食事を作るんだと言ってその意見は黙らせた

 

 名医のクロッカスさんが居るんだ大丈夫だろう

 

 ……覇気の訓練は休むようになったが体内の臓器を覇気で守るって技術を扱えるようになっていた私は胎児に武装色の覇気と覇王色の覇気を纏わせてみることにした

 

 覇王色の覇気は遺伝も関係するのではと考えている

 

 ビッグマムがそうであり、ルフィの父ドラゴンも使えるだろうと予想できる

 

「早く会いたいな私の赤ちゃん……男の子かな? 女の子かな? 双子だから可愛さも2倍ふふふ!」

 

 この時私は失念していた

 

 この時ロジャー海賊団は一大事件エッド・ウォーの海戦が起こることを



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エッド・ウォーの海戦

「エッド・ウォー……!? ギャバンさんそこはマズイ! 金獅子の大艦隊と接触する」

 

「なに? 予言か」

 

「まぁ予言といえば予言だけど……とにかくこのままだと金獅子と大海戦の末痛み分けで海峡を突破することになる」

 

「……船長に伝えてこよう」

 

 

 

 

 

「フューチ! 俺は勝てるんだろ。なら大丈夫だ突破するぞエッド・ウォー海域を」

 

「しかし危険すぎます私の知識が万が一外れたら敵の艦隊がいない可能性はまだいいとしても我々が負ける可能性の2つがあります! 危険です」

 

「ならもう一つ可能性を加えておけフューチ……痛み分けではなく俺達が完勝する可能性をな」

 

 私や知識を信じたギャバンは必死にロジャー船長を止めたが聞く耳をもたなかった

 

「ロジャーの時間は少ない。止めるなフューチ、ギャバン」

 

「レイリーさん」

 

「レイリーでもロジャー船長に万が一があったら俺は……」

 

「万が一があるか! これまでロジャーはそういったピンチを何度も乗り越えてきた! これ以上追及するならお前ら船を降りろ」

 

「す、すみません」

 

「わかったよ」

 

「うむ、ただ船員には秘密にしておけ。動揺されたら困る」

 

「わかりました。幸い私もギャバンさんにしか言ってませんので」

 

「うむ、フューチ武器や大砲の最終メンテナンスを頼むギャバンはどの位置で接敵すれば戦いやすいか計算していてくれ」

 

「「了解!」」

 

 こうしてエッド・ウォー海域にロジャー海賊団は突入することとなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エッド・ウォー海域

 

 天候が変わりやすくが大兵力を展開しやすい新世界でも度々ここで海賊や海軍が戦闘してきた場所である

 

 ここに金獅子海賊団大親分金獅子のシキは実に23隻の船と3000名の船員を用意し万全の準備で我々に対峙した

 

 そもそもなぜこの場に我々が現れるのか知っているのは謎であるが、近海で停泊していたのでそこから情報が漏れた可能性が高い

 

「だ、大艦隊だぁ!! 金獅子の大艦隊が現れたぞ!!」

 

「バギーうるせぇ! 見りゃわかる!」

 

「ロジャー船長!! どうする!!」

 

「接近だ! 声の届く距離まで近づけ」

 

「い、嫌だぁ砲弾がバンバン当たる距離じゃない!! 船長今から逃げましょうよまだ間に合いますって」

 

「いや、逃げねぇ……野郎共戦闘態勢!!」

 

「「「おおお!!」」」

 

「フューチ当たったな」

 

「……たぶん大丈夫。こっちもできる限りの準備はしてきた。幸いここは天候が荒れやすい。荒れるまで耐えればこっちの勝ち」

 

「あぁ、操縦は任せろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして伝説の場面となる

 

「この話なん十回目だロジャー!! 若ぇ頃には色々有ったが水に流そう……お前が有りかを知る世界を滅ぼす兵器と俺の兵力!! そして俺が長い年月を費やして立てた完璧な計画が有れば今すぐにでもこの世界を征服できる!!」

 

「俺の右腕になれ! ロジャー!!」

 

「俺は支配に興味がねぇんだよシキ!!」

 

「やりてぇようにやらねぇと海賊やってる意味がねぇだろ!! どんな圧力をかけてこようとも金獅子!!」

 

「お前の申し出は断る!!」

 

「止めて船長これ何十隻いると思ってるんだよ」

 

「邪魔だバギー」

 

「つまりその答えは……今ここで殺してくれってことだよなぁ!!」

 

「てめぇら全員叩き潰すって意味だよ」

 

「フューチ砲撃だ!」

 

「わかりました!!」

 

 ドン!! 

 

「初弾命中!!」

 

「流石だフューチ」

 

「野郎共戦闘開始だ!!」

 

「死ねロジャー!!」

 

「死ぬのはてめぇだ金獅子!!」

 

 これまでのエッド・ウォーでの海戦を全て塗り消す海賊大艦隊大親分金獅子のシキと後の海賊王ゴール・D・ロジャーとの決戦が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

「月歩」

 

「フューチ妊婦なんだから無茶すんなよ」

 

「大丈夫これくらいの数なら!! 雑魚だよ」

 

 ヒュ──ーン

 

「武装色……青」

 

「青拳」

 

 飛んできた砲弾を掴み取り投げ返す

 

「海兵だ!! 海兵がロジャーの船にいるぞ!!」

 

「ギャー!! 砲弾を投げ返して来た!!」

 

「退いてろ邪魔だフューチ」

 

「連れないねぇバレット……合わせろバレット」

 

「腕が砕けても知らねぇぞ」

 

「「威海」」

 

 覇王色の覇気を纏わせ殴り合った衝撃で大津波が発生する

 

「舐めるなあ!! 斬波!!」

 

 しかしこの攻撃は全盛期のシキの前には無力であり防がれてしまう

 

「うわぁぁぁぁ近づくんじゃねぇ!! 来るなぁ!!」

 

 バリバリバリバリとバギーが操るマキシム機関銃が火を吹く

 

 近づいてきた船に対して機銃掃射は抜群であり覇気が扱えない雑魚は身を屈めて避けなければカスっただけで致命傷である

 

「おいバキー替われよ!」

 

「シャンクス今替わったら撃たれる!! 撃たれるから!! ムリー!!」

 

「どこ撃ってんだよ!! 貸せ!!」

 

「ギャア!! 死ぬ!!」

 

「相変わらず賑やかだなバギーとシャンクスは」

 

「チッロ!! それどころじゃないですって!!」

 

「ゼハハハハ! こんなに砲撃されるのは久々だな」

 

「だがこんな砲撃じゃトムさん自慢のオーロジャクソン号は沈まねえぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 私はバレットと合同で敵船に乗り込んでいた

 

「海兵がなぜロジャーと一緒に居やがる」

 

「さぁなぜでしょう? まぁ君達とは敵対ってのは馬鹿な君らでもわかるよね」

 

「貴様馬鹿にしやがって!! 野郎共あの女海兵を射殺しやがれ!!」

 

 バババン

 

 銃弾が私に襲い掛かるが

 

「見聞色紙絵」

 

 ヒラヒラと全ての銃弾を避ける

 

「てめぇら斬り殺せ!!」

 

「全身武装色青……鉄塊拳法!! 青拳突き!!」

 

 斬り殺そうとしてきた海賊の土手っ腹に風穴があく

 

「やぁぁぁぁ!!」

 

 ガキン

 

 刀の方が折れる

 

「君達新世界の海賊だよね? 何で覇気を扱えてないの?」

 

「う、うるせぇ!!」

 

「バレットそっちは」

 

「なに遊んでるんだフューチこっちは全員もう殺したぞ」

 

「ちぃ……化け物め武装色!!」

 

「やっぱり幹部クラスは使えるよね!!」

 

 ガキン

 

 腕と刀がぶつかる

 

 鍔迫り合いとなり一瞬の拮抗

 

「が、駄目!!」

 

「な!?」

 

 ボキン

 

 刀が折れる

 

「効率の良い覇気の扱い方、覇気の圧縮、覇気の総量……全てが私以下!! それでは駄目だ」

 

 ガシッ

 

「離せ!! くそ!!」

 

「黄金衝撃」

 

「が、がは!?」

 

「覇気を体内に直接流せば耐えきれないのだよ……おわかり?」

 

「おい、フューチこの船は終わりだ次行くぞ」

 

「……いや、終わりだよ」

 

「あぁん?」

 

「天候が変わった嵐だ……勝った」

 

「ずらかれば良いんだなさっさと行くぞ」

 

「ちょっと待ってね……」

 

「先行ってるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 何回か海賊船に乗り込めば海賊がどこに財宝を隠すか検討がつく

 

 私は壊滅したこの船の中を漁り宝を物色する

 

「悪魔の実の継承には様々な仮説が存在する心臓説、遠くに飛ばされる説等々……バラバラの実を発見した時その実が実っていたのはリンゴの木だったとなると2つの仮説が更に出る能力者が死んだ瞬間近くに合った果実が悪魔の実となる説と近くにあるリンゴの実が悪魔の実となる説の2つだ……どうやらどっちかは当たりのようだね」

 

 手に持ったただのリンゴを噛りながら私は食糧庫を漁る

 

「有った……悪魔の実恐らくさっきバレットが倒していた流体金属の悪魔の実……モデルは何だろうね」

 

 私は他に奪った宝物を手に船から離れる

 

「お腹の赤ちゃんに食べさせる最高の宝物だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「この海域を脱出するぞ捕まれ!!」

 

 嵐が更に酷くなり風に乗ってロジャー海賊団はこの海域から脱出

 

「シキ! これに懲りたら俺達の邪魔をするんじゃねぇ!!」

 

 シキはこの時船の舵が頭にめり込み気絶していてそれどころではなかったし、その影響で船団は大混乱であった

 

 ロジャー海賊団として沈めた船は3つだけ

 

 しかし嵐によって11隻の船が沈み新世界でシキの影響力は低下することとなる

 

 一方ロジャーはこの海戦の事実上の勝者となり、世界に名を馳せることとなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロジャー次はどこに行く」

 

「今回の海戦で船に何発か砲弾を食らったかも知れねぇ魚人島、シャボンディ諸島を経由してウォーターセブンへ行くぞ!! 野郎共!!」

 

「「「おお!!」」」

 

 

 

 

 



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バレットの別れ

 第四の壁を越えた先に居る皆さまこんにちはフューチです

 

 エッド・ウォー海戦から一夜空け、現在私が奪ってきた宝を皆で分配しています

 

「俺この宝石!!」

 

「じゃあ俺はこのネックレス」

 

「ほほう! この腕輪なかなか」

 

「フューチお前が取ってきたんだから混ざれよ」

 

「いや、私はこれで十分だよ」

 

「悪魔の実か。悪魔の実の辞典でもありゃよかったがうちにはねぇからな」

 

「海軍上層部と王族、そのどちらかから奪うしか手に入らない辞典かどんなもんなんだろうな」

 

「何でも殆どの悪魔の実の能力と悪魔の実が絵柄でわかるらしい」

 

「写真じゃないところを見ると相当貴重なんだな」

 

「で、フューチの予想は何の実なんだ?」

 

「そうね……流体金属の悪魔の実だと思うからメタメタの実かな?」

 

「メタメタかまぁ金属系悪魔の実には外れがすくねぇからな」

 

「お腹の赤ん坊には良いんじゃないか?」

 

「でも双子なんだろう片方だけ能力者だと後々問題になるかもな」

 

「まぁまた悪魔の実が手に入ったらストックするよ」

 

「そうしろそうしろ」

 

 宝の分配で私は無事に悪魔の実を獲得するのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロジャーあんたから学べるものは学んだ……最後の決闘をしてくれ」

 

 とある島でバレットがロジャーに対してそう宣言した

 

「そうか」

 

 ロジャーはそれだけしか言わない

 

 最後ということは勝ちにせよ負けにせよ船を降りる覚悟をしたということだ

 

 周りの皆でバレットを説得しようとするがバレットの決意は固く説得に耳を傾けようとはしない

 

「バレット!! 何が不満なのさ!!」

 

「フューチ……俺の中に仲間愛に感化されちまった自分が居る……そいつがどうしようもなく気持ち悪い」

 

「バレット……あんた……」

 

「フューチお前とのライバル関係も今日で終わりだ! ロジャー船長を倒し! 俺が世界最強を証明してやる!!」

 

 バレットは宣言した

 

 私はバレットが私をライバルと見ててくれたことを嬉しく思う反面最後の決闘が終わった後は敵として見なければならないことに悲しみを覚えていた

 

「もうあんたと威海はできないのか……」

 

 数々の海賊との戦いで船を沈めてきた合体技威海

 

 それがもうできなくなるのかぁと寂しく思う

 

「……来いバレット!! お前の全力をこちとらの全力で叩き潰してやる」

 

「行くぞロジャー!!」

 

「神避!!」

 

「うおおおおおおお!!」

 

 ロジャー船長とバレットの最後の決闘は1日かかり、島が半壊し、我々は船の上で見守ることしかできなかった

 

 バレットは私が教えた覇気の圧縮を行ってできる青く光る覇気を纏わせロジャー船長に一撃を喰らわせようとするが、ロジャー船長は神避、神撃、神創の愛刀エースから放たれる3つの技に対応できずジリジリと押される

 

 ロジャーの覇気の総量は化け物と称される私よりも遥かに多く密度、練度も高い

 

 こんな人が残り2年で死ぬとは思えない生命力の高さも感じた

 

「トドメだ!!」

 

「う、うおおおおおおお負けるかぁぁぁぁ!!」

 

 互いの最後の一撃は凄まじく空に有った雲が全て消し飛ばされ、天空にまで衝撃が伝わり一本の線が出現したように見えた

 

「強くなったなバレット」

 

 ロジャーは服に砂ぼこりが少しついてる程度であり片やバレットは全身斬り傷だらけのボロボロであった

 

「バレット!!」

 

「行くなフューチ!!」

 

「でもバレットが」

 

「あいつは男だ。今介抱するのは奴への侮辱だ」

 

「……すみません」

 

「わかれば良い」

 

「ただいま野郎共……出向するぞバレットの荷物とある程度の食糧を置いてな」

 

「う、うぐ……」

 

「泣くなフューチ……世界を回ればまたいつか会える」

 

「……バレット!! ライバルと私を言ったよな!! いつか海兵に戻ったらあんたを捕まえに行くから!! それまで絶対に捕まるなよ!!」

 

 こうしてロジャー海賊団はバレットと別れることとなる

 

 バレットはその後グランドライン後半の海で鬼の跡目の名に恥じず暴れまわり私と再開する時まで海軍に捕まる事は無かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バレットと別れたロジャー海賊団はグランドラインを逆流し、ウォーターセブンに向けて移動する

 

「フューチ船のコーティング任せられるか!」

 

「わかりましたロジャー船長」

 

 私はこれまで培ってきたコーティング技術をフルに使い船をコーティングしていく

 

「フューチお前武器製造といい料理といい砲手の腕といい航海図作成といい今回のコーティングといい本当にまんべんなく一流だよな」

 

「ギャバンさん誉めても何も出ませんよ」

 

「いや、それでもスゲーよ俺達でもそんな器用な奴は居ないしさそれでいて戦闘も強いだろ」

 

「戦闘は……まぁ……何度も死にかけましたし……」

 

「今海軍に戻ったら中将くらいにはなれるんじゃないか?」

 

「それよりもロジャー海賊団のクルーとしての振る舞いで懸賞金付けられそうですけどね」

 

「ちげえねぇな」

 

 幸いな事に私はまだ懸賞金は付けられていなかった

 

 海軍との戦闘は絶対に行わないと船内で料理でも作りながらまったりとしてるし、海賊としか戦闘に出てなかったから懸賞金も付けられようがないって事情もある

 

 ただ最近は噂程度にロジャーの船には海兵が居ると言われており、時期にバレそうではある

 

「はい、コーティング終わり!! 魚人島にこれで行けるよ」

 

「おお、ありがてぇ野郎共!! 出港だ!!」

 

 こうして私は魚人島に初めて向かうのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 魚人島へ向かう時海王類に船を引っ張ってもらう方法と海流の流れを読んで流れに沿って向かう方法がある

 

 ロジャー海賊団は海王類に引っ張ってもらう方法は取らず海流の流れを読む方法で魚人島に向かう

 

 というのもギャバンという超一流の航海士が居るからできることであって普通なら海王類に引いてもらった方が安全だし早く着く

 

 ロジャーは自由をモットーにしているため海王類を使役するのも自由じゃないと嫌っているからしないのかもしれない

 

「魚人島が見えたぞ!!」

 

 深海1万メートル

 

 そこに海底の楽園魚人島が存在する

 

「今日の目的はここじゃねぇ補給だけしてすぐに行くぞ」

 

 魚人島は竜宮城と魚人島本島シャボン外にある魚人街、海の森で構成されており人口は約500万人

 

 リュウグウ王国と言う名前の国であり人口を考えると大国の1つでもある

 

 戦闘能力も高く魚人と人魚の2種類が存在し魚人は戦闘能力が特に高く優等種族と奢る事がある

 

 時間が有れば魚人空手を習ってみたかったのだが時間が無いため断念

 

 食糧買い出しのため街の中を散策しているととある人魚が何かを言っている

 

「このリュウグウ王国を地上に移すのです!! 種族が違う! 肌の色が違う! 姿形が違う! 地上の人間達に違いを理解してもらうのを待つのでは無く私達が寄り添い彼らを知るのです!」

 

「この島にやってくる大半の人間は海賊や人攫いという人間! それを買うのは貴族という権力者! 私達はそういった片寄った人間にしか触れていない! 親切な人も沢山居る! どうか同じ太陽の下にリュウグウ王国を移すのです!」

 

 19歳の活動家オトヒメによる演説であった

 

 誰も足を止めること無く聞き流される演説を私は聞く

 

 パチパチパチ

 

 演説の区切りまで聞いて私は拍手を贈る

 

「聞いてくれてありがとう海賊のお姉さん」

 

「オトヒメさんであってるかな」

 

「はい!」

 

「いつかこの活動が実を結ぶ時が来ることを祈ってます。ただその時にあなたが亡くなっていたとしても活動できますか?」

 

「私のためじゃない。次世代の子供達の為への活動ですもの」

 

「握手しても良いですか」

 

「ええ」

 

 この出会いが私にとって大きな意味を持つこととなる

 

 この時私は島に来ていた一海賊としか見られなかったが海兵フューチとしては大きな出会いで有った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魚人島を後にしてシャボンディ諸島に到着する

 

 ここでは船にガタが来ていると思い私と船員で船の応急修理を施しウォータセブンへと向かう

 

 ここまで来れば元海兵の私にしてみれば庭みたいなものである

 

 海軍が使わない裏ルートを通り安全にウォーターセブンに着くのであった



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ウォーターセブン 出産

 水の都ウォーターセブン……造船業が盛んな水に囲まれた美しい街

 

 ブルという水上移動の手伝いをしてくれる馬の様な魚がおり、比較的快適に生活できる

 

 現在は7つの大規模な造船業者が切磋琢磨してこの島を発展させているが、物資がやや不足気味であり特に食糧は水害が発生すると他の島からの輸入が停止することもあり昨今の問題となっている

 

 今回は廃船島に船を移動させ造船技師トムのいるトムズワーカーズに船の修理を依頼した

 

「たっはっは! 今回もドンッと任せんしゃい! で、そっちの嬢ちゃんが噂の海兵か?」

 

「トムお前も耳が良いな」

 

「新聞でも噂になっとる海賊ゴール・D・ロジャーの船に女海兵同乗真偽はいかにだと! たっはっは!」

 

「だとよ張本人」

 

「ふふふ正解! 初めましてトムさん、私はエレ・フューチ階級は元大尉現在はロジャーの船でコックと雑用をやっているよ」

 

「あとは砲手であり技師でもあるこの機関銃って奴を見てくれトム」

 

「ほお!? 俺も専門家じゃねぇから詳しくは解らねぇが画期的なのは解るぞ」

 

「だろ!!」

 

「たっはっは! 馴染んでいるようで何よりだ! 内部にスパイでも入り込んだんじゃないかと心配したんだぞ」

 

「その心配はご無用だトム! こいつが海軍の行動ルートを教えてくれるお陰で海軍の襲撃がだいぶ減った」

 

「そんでもってこいつは宝なんだ俺らの」

 

「宝? なんだそれは? もしやその膨らんだお腹は」

 

「そう子宝さ! 俺達の誰かの子さ」

 

「たっはっは! そいつは宝だ! で! 今回は船の修理と出産が目的で来たのか? ロジャー」

 

「そうそうなんだよトム。この前の海戦でドンッと砲弾が当たっちまってな」

 

「エッド・ウォーか! さんざん新聞でやってたぞ大活躍だったそうだな」

 

「あと話すことと言ったらそうだな……バレットが船を降りた」

 

「あのバレットがか何が有った」

 

「仲間への思いが強くなってきた自分が嫌いで船を降りるだとよ。それでロジャーと島を半壊する大喧嘩よまぁロジャーが勝ったがな」

 

「たっはっは! 本当お前さんらの話は話題が尽きねぇな!!」

 

「相変わらず煩い奴らだねぇ」

 

「おう! ココロ相変わらずベッピンだな」

 

「ロジャー誉めても何も出ないよ……ここで喋るのもなんだ、料理を作ってあるから家に来な」

 

「そいつぁありがてえ」

 

「ココロさん何か手伝いますよ」

 

「悪いね嬢ちゃんだけど妊婦なんだから無理すんじゃないよ」

 

「それはもちろん」

 

 こうして私達はトムズワーカーズにお世話になるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うぐ」

 

「おい! フューチが産気付いた」

 

「急いで病院に」

 

「待って……はぁはぁたぶん間に合わない……クロッカスさんを呼んで」

 

 産気ついてすぐに陣痛が始まる

 

 私は間に合わないと思いクロッカスさんを呼ぶように皆に言う

 

「大丈夫かフューチ安心しろ大丈夫だ私が来た」

 

「クロッカスさん……はぁはぁお願いします」

 

「任された! おい! この個室に言われたものを持ってこい」

 

「「「はい!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「オギャー……オギャー」」

 

「産まれた!! 産まれた!!」

 

「「「やった──ー!!」」」

 

「元気な男の子と女の子だ!!」

 

「双子が両方とも無事に産まれてきたぞ!!」

 

「うるせぇぞお前ら」

 

「クロッカスさん良いの皆の喜んでいる声を聞きたい」

 

「そ、そうか……名前はどうするんだ?」

 

「船長に付けてもらおうと思うの」

 

「だってさロジャー」

 

「俺で良いのか?」

 

「うん」

 

「良かったなロジャー名付け親だ」

 

「うるせー、俺の子かもお前の子しれねぇんだぞ! うん~ん……そうだ野郎共!! こいつは俺達の宝だよな!!」

 

「「「うぉぉぉぉ」」」

 

「だったらこうだ! 男の子はとある国で黄金を表すオーロ、女の子は銀を表すアルジェントだ!!」

 

「「「俺達の宝だ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかし驚いた双子が真っ黒だったから何事がと思ったが覇気を纏わせ生むなんて聞いた事ねぇぞ」

 

「えへへへへ」

 

「へその緒切っても黒いままだからこの子達は産まれながらに全身武装色の覇気が扱えるってことだろ? 凄いな」

 

「覇気を常に纏わせてたからねこうなるかなってのは思ってたけど」

 

「そんな芸当が出きるのはあんただけだよフューチ臓器1つ1つに覇気を纏わせるなんて芸当普通できないからな」

 

「えへへへ……黒髪か」

 

「両方とも黒髪だな」

 

「私の勘だけどロジャー船長の子供の気がする」

 

「調べてみようか」

 

「お願いします。一応誰が親か知りたいですし」

 

「わかった。まぁロジャーなら採血の時に普通に血液を調べられるからそんなに時間はかからんし怪しまれる事も無いだろう」

 

「クロッカスさん、この事は誰にも話さないようにお願いします」

 

「あぁ、わかった……で、この子達はやっぱり海兵に育てるのか?」

 

「もちろん。強い海兵になってもらってゆくゆくは大将や元帥になってもらうんだから」

 

「そいつぁおっかねぇ……フューチも母親か」

 

「どうしたの急に」

 

「いや、1年とちょっとしか一緒に航海してないが感慨深くてな」

 

「なーに言ってるんですかクロッカスさん、……そういえばロジャー船長の残りの寿命はどれくらいですか」

 

「1年半といったところだろうたまに持ち直す事があるからやや伸びてはいるがこれ以上は流石に厳しい」

 

「そうですか……」

 

「フューチはいつまでこの船に同行するつもりなんだ?」

 

「無論最後まで……私は知る必要があるONE PIECEを」

 

「ワンピース? なんだそれは」

 

「最後の島にある莫大な財宝の事ですよ。それに何らかの意味を込めてワンピースと呼ぶそうで」

 

「おりゃ宝はどうだって良い……帰ってこないルンバー海賊団がどうなったか知りたいだけだ」

 

「私は……」

 

「いい言わないでも……ある程度覚悟はできている」

 

「……」

 

「時代が時代だ。この船に乗って壊滅する海賊団をごまんと見てきた……そういうことだ」

 

 私は言わなかったブルック船長代理のみは生きていることを……白骨化してなおラブーンの事を思っていき続けていることを

 

 言ってしまったらクロッカスさんの覚悟を踏みにじる事になるから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トム修理ありがとな!」

 

「ロジャー次は何処に向かうんだ!」

 

「最後の航海の準備を始めようと思う……フューチ! ロードポーネグリフの有るところ全て分かるんだよな!」

 

「魚人島、幻の島ゾウ、ワノ国、万国ですあと個人的に関係が有りそうなのが空島ですロードポーネグリフではありませんがキーであります」

 

「ならまずは万国に向かいビッグマムと一戦やるぞ野郎共!! 出港だ!!」

 

 私が居ることでロードポーネグリフの有りかは分かっている

 

 魚人島はいつでも行ける

 

 ゾウも比較的楽であり問題は万国とワノ国

 

 ロジャーは最初にビッグマムの居る万国を片付ける気だ

 

「ビッグマムの奴は時間が経過する毎に厄介になる! 俺には時間が無いんだ最初に面倒なのをやるぞ」

 

 狙いは定めた

 

 ロジャー海賊団はウォーターセブンから出港するのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食糧がもったので魚人島を素通りし、新世界に突入する

 

 私は子育てと皆の料理を作るのに専念していた

 

 空いた時間はレイリーさんから再び訓練をしてもらい更に覇気に磨きをかける

 

「色が変化した」

 

「深い緑だな……覇気か」

 

「元々覇王色の覇気が私は黄色に輝いていましたのでそれが合わさったのかもしれません」

 

「……おめでとうフューチ俺が教えられる事はもうこれで何もない」

 

「いや、レイリーさんまだある」

 

「なんだね覇気は十二分に理解したろ」

 

「今までの訓練内容を本にしたい執筆の手伝いをしてほしい」

 

「本だと?」

 

「そう。私みたいに武装色の覇気が才能無いと言われた私がここまでできたんだからこれをオーロとアルジェントにも受け継ぎたい」

 

「それは良い考えだ題名はどうするんだ?」

 

「それは勿論【覇気について】」

 

 

 



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VSビッグマム海賊団

 第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちは

 

 現在原作開始24年前年齢は26歳になったフューチです

 

 現在私はビッグマム海賊団の本拠地万国にて戦争を行っています

 

「オラオラオラ機関銃のお出ましだ!!」

 

 バリバリバリバリとバギーが今日も調子良く機関銃をぶっぱなしてます

 

 私も負けじと緑色の覇気を纏いビッグマムの旦那達を攻撃しています

 

「武装色……緑拳心臓潰し」

 

 ぐあぁぁぁ

 

「ボールベンの旦那が!!」

 

「ママの4番目の旦那が死んだ!!」

 

 現在のビッグマム海賊団の幹部は旦那達が担っているようです

 

 まぁ長男のシャーロット・ペロスペローでも24歳ですし、そうなるのが普通ですかね

 

「ふん!」

 

 べちゃっ

 

「ロジャー船長達がビッグマムを引き付けてくれている! 私達別動隊は宝物庫に突入してロードポーネグリフの写しを手に入れるよ!!」

 

「フューチ張り切ってんな」

 

「別動隊隊長だもんな気合いはいっぺな!」

 

「フューチより俺らの方が強いってところ皆見せてやろうぜ!!」

 

「「「おぉ!!」」」

 

 今回やる気MAXの私が先陣をきります

 

 私が率いる別動隊は10人

 

 バギーが船から援護射撃をしながら私達は島の奥へと進んでいきます

 

「ここから先へは」 

 

「行かせないんでペロ」

 

「なぜ海軍将校がロジャーと共闘してるんだよ!!」

 

「緑拳……大地震!!」

 

 ぐわぁぁ

 

「なぜ海軍将校がロジャーと共闘してるかって……クルーだからだよ」

 

「いでよ魔人」

 

「お呼びでしょうかご主人」

 

「あの先頭の女を倒せ」

 

「了解しましたご主人」

 

「覇王色……黄金衝撃」

 

「行かせぬ!!」

 

 ガキ──ーン

 

 ぐわぁぁ

 

「ま、魔人ぐわ!?」

 

「私は強くなった……止められない」

 

 剃で更に加速し宝物庫の扉を思いっきり殴って抉じ開ける

 

「有った……赤いポーネグリフ」

 

 私は素早く紙をポーネグリフに押し付けペンで写していく

 

「早くしないと増援が来ちゃう……」

 

「うぉぉぉぉスッげぇ宝!! これ全部宝箱か!」

 

「リンリンの奴溜め込んでたな」

 

「フューチ写しは任せた! 俺達はこっちの宝を持ってく」

 

「あいよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「できた! 写し終わったよ」

 

「よしずらかるぞ」

 

 ビッグマムとロジャーの激突は別の島にいる私達にも届いていた

 

「ロジャー船長は勝つだろうけど長引くとまずい……」

 

「あぁ、船長の容態が心配だ」

 

「写しも宝も持った……逃げるぞ」

 

 私達が逃げようとしたその時

 

「待って! 待ってください」

 

「なんだ? 餓鬼か?」

 

「ビッグマムの子供じゃねぇか? なんだ俺達を邪魔しようってか」

 

「海兵さん! 私をここから連れていってください!!」

 

「海兵……私か! お嬢さん今私は海賊のクルーをやっているんだ今は海兵じゃない」

 

「今じゃなくても良い! 後でも良い! 私は海兵になりたいんだ!!」

 

「……お嬢さん名前は」

 

「シャーロット・ココア!! 10歳!!」

 

「海兵になったらビッグマムとは永遠の敵対をすることになるよ……それでも良いの!!」

 

「こんな化け物だらけの国嫌だ!! 私は海軍に入ってママを捕まえるんだ!! 癇癪1つで人が大勢死ぬ国は嫌だ!!」

 

「……私がこの子を引き取るいいね!」

 

「別に構わねぇがお前子育て中だろ良いのか?」

 

「子供が1人2人増えたところで変わらないよ……ココア鍛えてあげる」

 

「ゴゴア……どごえいぐぎだ」

 

「ダイフク兄さん……私……海軍に入るママには絶縁するって言っておいて」

 

「ばがやろう……ママがゆるずわげねぇ」

 

「でも決めたんだもん! 私は私の生き方をするんだ!!」

 

「までゴゴア……」

 

 

 

 

 

 

 

 シャーロット・ココア

 

 ビッグマムから存在自体を抹消し、数日間怒りで暴れまわる原因となった少女はフューチと運命的な出会いを果たす

 

 後のフューチの右腕と呼ばれ移動基地G-52の参謀総長になり、ONE PIECEという物語の一部を大きく変えることとなる人物との出会いであった

 

 フューチはココアを大層可愛がり、ココアもなつき後のフューチの運命を狂わせる事件においても着いてくる人物であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「野郎共良くやった!! これでポーネグリフは残り3つだ」

 

 わはーとロジャーは大声で笑う

 

「あとはこれを読める白ひげんところのサムライを捕まえないとな」

 

「船長それもそうですがまずはお宝の換金をしましょうよ」

 

「おうおうそうだったな」

 

 わいわいとロジャー船長と仲良く話す様子を見てココアはポツリと呟く

 

「全然違う」

 

「何がだい?」

 

「ビッグマム海賊団だと皆ママをどこか恐れていた、怖がっていた。ニコニコ笑っているけれど恐怖がどこか隠れてた」

 

「この船は違うかい?」

 

「違う……フューチさん、海兵になるには何をすれば」

 

「うーん最初は訓練だけどまずは勉強をしようか色々」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ココアと言う名をいくら調べてもビッグマムの子供にそんな名前の子供は存在しなかった

 

 じゃあ今私の横で子供達と寝ているこの子はなんだ? 私みたいな異物か? 

 

 わからない……わからないがもしかしたらこの子は独力であの島から出ていたかビッグマムの逆鱗に触れ消されたのかもしれない

 

 あんな島で海兵になりたいなんて言う子だあり得なくない

 

 ビッグマムの子供と言うにはビッグマムに似てないがビッグマム海賊団の子供達は一部を除いて皆似ていないか

 

 引き受けた以上私がこの子を立派な海兵に育ててあげたい

 

 執筆中の覇気についてや海軍として知っておいた方が良いこと、船について等々教えることは多々ある

 

 この子を上手く育てられればオーロとアルジェントを育てるのにも役立つだろう

 

 そういえば第四の壁を越えた所での歴史にこんな話が有ったな……とある大名が人質に送られてきた嫡子を気に入り自分の息子の教育の練習として育てたそうな……

 

「……海軍かぁ」

 

 ロジャーの船に乗ってしまったのだから海軍にすんなり戻れるとは思えない

 

 何か手柄が無ければ数年間の空白を埋めて出世などできない

 

 かといってロジャー船長やこの船の人を海軍に売ることはできない

 

「マリンフォードには帰らないといけないが、マリンフォードで生活する事はもうできないかも知れないな……上層部の決定に従うしかないが……」

 

 となると罰を受けなければならない

 

 どんな罰になるか想像もできないが私なりの準備をしておこう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ビッグマム海賊団との戦闘後ロジャー海賊団は空島へ目指して航海を続ける

 

「コホコホ」

 

「ロジャー船長大丈夫ですか?」

 

「あぁ問題ない」

 

 ロジャー船長の容態が悪化してきている急がなくてはならない

 

 空島のポーネグリフは解読しなければONE PIECEという物語の1つの出来事……大鐘楼への記述が無ければならない

 

 もし空島に行かなかったら何かしらの影響が出てしまいロジャーの身に何か起こるかもしれない

 

 ただ最近1つ思うことがある

 

「私はONE PIECEを知る権利があるのか?」

 

 というものだ

 

 ロジャー海賊団として航海は続けてきた

 

 数多の海賊と戦い勝ち残ってきた

 

 ロジャー海賊団に乗るに値する力も付けた

 

 しかし、しかしだ! 

 

 本来ならばイレギュラーである可能性が高い私がONE PIECEを見て良いのか? 

 

 空白の100年、Dの一族とは、古代兵器とは、光月家の意味とは……

 

「知りたい、知りたいが知ってしまったら戻れない気がする。いやしかし、ONE PIECEでわからないことの全てがそこにある……行くべきか? 知らずに過ごすべきか?」

 

 私は悩む 

 

 悩んで悩んで悩み続ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 新世界から楽園へと戻り空島へと向かうロジャー海賊団一行は現在海賊に追われ海戦をしていた

 

「海軍だ!!」

 

「ココア見るのは良いけど流れ弾に気をつけなさい」

 

「はーい!」

 

 私は正義と書かれたコートを脱ぎバレないように甲板で子供達とココアの安全を守りながらどうしても海軍を見たいとせがんだココアの為に海戦を見せていた

 

「ココアこの海戦には海軍の良いところと悪いところが沢山有るからどんどん見つけてみなさい」

 

「はーい! ……まず銃で撃ってるけど皆に当たらないよ」

 

「それはロジャー海賊団が例外かな。殆どの人が見聞色の覇気を扱えるからね」

 

「砲撃も当たらないよ」

 

「斬撃やバギーが使っている機関銃で撃ち落としてるからね」

 

 ドカン

 

「ぶつかった」

 

「これは海軍のミスだね遠距離から攻撃を続ければ運が良ければ当たったかもしれないのを捨てて近接戦闘に切り替えた。海軍側の兵士が強ければそれで良いかもしれないけどこっちは国を1つ滅ぼせるロジャー海賊団だからまず勝てない」

 

「どうして海軍の兵隊さんは弱いの? ママの兵隊さんは弱かったけどママの能力で作られた兵隊だったから弱くても死なないけど海軍の兵隊さんは死んじゃうのに弱いよ」

 

「誰だって最初は弱いよ。産まれながらに特別な才能がなければ弱いよ。私だって今は強いかもしれないけど昔は今死んでいる兵隊さんみたいに弱かったよ」

 

「え? フューチさんが!? 信じられない!!」

 

「死体に隠れながら脅威が去るのを待っていた時も有ったからね……まぁそれはいいよ。兵隊さんが弱いのは経験の差と知識の差だね」

 

「知識?」

 

「まず大多数が覇気について知らない。六式について知らない。身体能力を大きく飛躍させられるこれらを知らないのは大きな欠点であり、それらを教育できてない海軍側の教育制度の問題でもある」

 

「島に降りるぞ!!」

 

「海軍が船を放棄して島に逃げた……海賊に負けたら基本命は無い。女は孕ませられて奴隷にされたりする。運がよほど高くないと死ぬまで働かされて朽ち果てていく……海軍で大切なのは海賊に負けないことと生きることの2つだココア。これが分かってないと屍を晒すことになるよ」

 

「は、はい! フューチさん!!」

 

 もう大丈夫だろうと私は正義のコートを羽織る

 

「何でフューチさんは正義のコートを羽織るんですか?」

 

「海軍への気持ちを忘れないためさ。今は海賊の仲間をやってるけれど必ず海軍へと戻るとこのコートに誓っているからね」

 

「そうなのですか……」

 

「そうさ……ん? 何か近くに居るね……ココア子供達を頼んだ。私は男どもと一緒に島に行く」

 

「はい! 頑張ってください!!」

 

「まかせなさい!!」



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VS白ひげ

 どうも皆さんこんにちはフューチです

 

 海軍との海戦で島に逃げ込んだ海軍を追って殲滅を確認して私は島に上陸しました

 

 無惨に殺された海兵に手を合わせ一礼をし、ロジャーのもとへ向かうと

 

「ひゃぁぁぁ!! 船長島の反対側に白ひげの船だ!!」

 

「白ひげか! 久しぶりだな……生きててこその殺し合い……いっちょやるか」

 

 島の反対側から強烈な覇気を纏った男が猛烈な勢いで近づいてくるのがわかった

 

「レイリーさんギャバンさん恐らくサムライです」

 

「二番隊隊長のおでんだったか面白いじゃねぇか」

 

「ふむ、力比べといこうか」

 

「待てギャバン! レイリー! 君たちを傷つけるわけにはいかねぇ」

 

「やりてぇだけだろロジャー」

 

「光月二刀流がーんもどき」

 

「神避!!」

 

 ロジャー船長が放った神避でおでんは飛ばされていった

 

「派手にやりましたねロジャー船長……弟分を吹き飛ばしたとなったら白ひげが黙ってないですよ」

 

「わはー、あいつとはそろそろ決着を着けなきゃならんと思っていたんだ今日がその日だ」

 

「ふふふふ、分かりましたよ付き合いますよ」

 

「……来たか」

 

「おぉぉぉぉ!!」

 

「ふん!!」

 

 飛んできた白ひげとロジャーが激突する

 

 両者の刃は覇気で纏われ、触れることはない

 

 しかし覇気と覇気の衝突で周辺に衝撃波となり襲い掛かる

 

「黄金衝撃」

 

 私は両手を前に突きだし手のひらを開くと、覇気を放出して皆を衝撃波から守る

 

 姿は後の三大将が頂上戦争で白ひげの攻撃から処刑台を守った通称三大将バリアと同じことをした

 

「二人の覇気の衝撃波をたった1人で防ぐとは腕を上げたなフューチ」

 

「ギャバンさん子守りばっかりしてたわけじゃないんですよ私も」

 

 キュピーン ドバ──ーン

 

 一段と強い衝撃波が来るがそれを私は難なく防ぐ

 

「グララララ!! ロジャー」

 

「何年ぶりだろうな白ひげ」

 

「グララララ!!」

 

「ワハーハハハ!!」

 

 遅れながら白ひげの隊長達が集まってくる

 

「なんだあの女海兵! ロジャーと一緒にいるぞ」

 

「噂は本当だったんだなロジャーが女海兵を奴隷として飼ってるって噂」

 

「グララララ!! ロジャーその女海兵はどうした! 拾ったか? んん?」

 

「あぁ、拾った! こいつは俺達の宝なんだ」

 

「宝か! そりゃいいなグララララ!! 性奴隷として飼ってるって噂を聞いた時にゃロジャーも遂には堕ちたかと思ったぞ」

 

「バカ言え、俺達がそんなことをするかよ」

 

「グララララ!!」

 

「わーははははは!!」

 

「……やっちまえ!!」

 

「奪い取れ!!」

 

「「「「「「おおおおおおお!!」」」」」」」

 

 ロジャー海賊団と白ひげ海賊団が激突する

 

「バギーマキシム機関銃は無しだ」

 

「えぇ!! フューチさんなんで!!」

 

「白ひげ海賊団には効かないから弾の無駄さ」

 

「そんなぁ!」

 

「バギー! シャンクス船に戻って子守りでもしてるか?」

 

「あ、俺はそうしま「嫌だねフューチ!」っておい!!」

 

「俺はいっぱしの海賊だ! 見習いだけど戦うぜ!!」

 

「バカンクス!! 相手は白ひげだぞ!! 俺達が敵うわけないだろっ!!」

 

「それでも立ち向かうのが男だろ」

 

「よく言った!! シャンクス!! ほら! バギーも気合い入れな!!」

 

「フューチさん危ない!!」

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

 鉄球が私を殺しにかかるが

 

「武装色……黄拳」

 

 ガシッ

 

「覇気が甘い!!」

 

 ぐしゃ

 

「ててて鉄球を握りつぶしたぁぁぁ!!」

 

「そんなに驚く事かねバギー」

 

「当たり前だ!! 普通できねーよ」

 

「そう! 普通はできない! できないけども覇気を使えればできるようになる! バギーも覇気を使えるようになりなよ」

 

「うるせぇ!! 毎日死にかける訓練なんて御免だね!!」

 

「でもそうしないと」

 

「おりゃぁぁぁ」

 

「デュランダル」

 

 ガキキキキン

 

「武装色で纏ってるから折れないけれどそろそろ新しいサーベルが欲しいなぁ」

 

 海軍の支給する言ってしまえばなまくらであるこのサーベルは斬るというよりも叩き潰すように使っている

 

「どけお前らには手に余る」

 

「ジョズ隊長!!」

 

「隊長格のお出ましか! いやぁ私も強くなったねぇ」

 

「海兵! なぜロジャーと一緒に行動している? それとも海兵からコートを奪っただけか?」

 

「海兵で有ってるよ……元が付くけどね……ロジャーの船に乗ってる理由? そうだね……歴史を見たいから」

 

「歴史?」

 

「そう。歴史だ! 船長は海賊の王になる!」

 

「ふざけるな!! 海賊の王になるのは親父だ!!」

 

「武装色……緑拳!!」

 

「ダイヤモンドインパクト」

 

 バチンビリビリビリ

 

 強烈な覇気が激突する

 

「しっかしこれで8億か。なら私は何億になるのかねぇ」

 

「なんだ懸賞金付いてないのか」

 

「海軍に戻るつもりだからねぇ懸賞金が付いちゃ戻るに戻れなくなるからねぇ」

 

「ふざけてるな」

 

「ふざけて何が悪い? 私の生き方! 出世街道! 遠回りが近道ってのも多々ある話さ! ロジャーの船に乗って多数の事を身に付けることができた! ロジャーの船に乗らなかったら私は君と戦えるほどの強さは無かった! これはフューチの伝説の序章に過ぎない!!」

 

「ペラペラと!! その口潰してやる」

 

「覇王色……改!! 黄金旅程!!」

 

 覇王色の覇気を一点に集中させビームの様に放つ

 

「うぐ!? ダイヤモンドを貫通した!?」

 

「そりゃ覇気だからね! 貫くさ」

 

 並みの奴なら今の一撃で倒れているがジョズは痛みをこらえながら立ち上がる

 

「女海兵元の階級はなんだ?」

 

「大尉だね」

 

「大尉だと! 詐欺だなその実力で」

 

「海軍をまぁ色々有ってロジャー船長達に拾われてから実力が着いたものでね。今だったらどこら辺かな? 大佐当たりか?」

 

「バカ言え少将クラスは保証してやるよ」

 

「それは嬉しいねぇ」

 

「ジョズ大丈夫か?」

 

「ビスタかすまねぇ手伝ってくれ」

 

「おやおや、か弱い私に2人がかりですか」

 

「バカ言えどこがか弱いだ!」

 

「武装色……緑刀」

 

「花剣!!」

 

 花びらが舞う様な錯覚と共に刀が現れる

 

 私はそれを武装色で強化したサーベルで対処する

 

「デュランダル」

 

「桜」

 

「エクリプス」

 

「椿」

 

「ローエングリン」

 

「桃」

 

「ヴァーミリアン」

 

「梅」

 

「デスペラード!!」

 

「牡丹!!」

 

 技と技の攻防

 

 太刀筋の間にジョズが拳を振るってくる

 

 私はそれを見聞色の覇気で交わしながら36回に及ぶ技の攻防を続ける

 

「1つ1つに凄まじい覇気を纏わせおって!! なまくらなのに切り刻めん」

 

「もう少し良いサーベルを扱いたいけどこれにも思い入れが有ってね……ふん!!」

 

「ぐお!! だが太刀筋は見切った!!」

 

「やっぱり純粋な剣士には負けるか……全身武装色……緑拳……内臓武装」

 

「どおおおら!!」

 

 ガギン

 

「ダイヤモンドが……効かない!?」

 

「衝撃が必ず通るハズ!! ジョズもう一度だ! 援護する」

 

「圧縮した覇気で全身どころか臓器、血管の大部分を武装色で覆ってある……打撃も斬撃も効かないよ」

 

「ならばその防御力を突き破るのみ」

 

「ダイヤモンドコーティング!! やれ! ビスタ!!」

 

「おう!! 花剣橘!!」

 

「黄金障壁」

 

 覇気で作ったバリアはバリンと音を立てて貫かれ全身緑色の武装色で固めた肉体にダイヤモンドでコーティングされた刃が襲い掛かる

 

 

 

 

「一線!!」

 

 

 

「な……に……!?」

 

 腹部を刺された内臓に到達した刃は武装色で守った腸で止まった

 

 ドバッと血が出る

 

「フゥー……ふん!」

 

 斬られた血管に意識を集中させ覇気で管を作り止血を行う

 

 やられた! 

 

 油断か慢心か 

 

 避ければ良かった

 

 色々な思いが交差するが斬られた事実は変わらない

 

「やってくれたね……一生ものの傷になるねこりゃ」

 

「我らの刃の方が勝ったようだな」

 

「流石隊長格だ。あぁ、負けだ負けだ!! こっからは油断も慢心もしない」

 

「「こい!!」」

 

 爆発的な踏み込みで剃を使い距離を詰めると

 

「黄金衝撃」

 

 手のひらを2人の腹部に当て覇気を纏った衝撃を伝える

 

 ドゴ──ーンドゴン

 

「た、隊長達が吹き飛んだ!! 何者だあの女!!」

 

「衝撃は伝播する」

 

 戦いは3日間続いた



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光月おでん

 白ひげ海賊団と激突して3日後

 

「干し肉3箱で酒を樽ごとくれ」

 

「おいおい等価交換が原則だぞそっちの宝にしてくれよ」

 

「のった!!」

 

 わははははと笑い声が絶えない光景が広がっていた

 

「おい小娘そりゃいくらなんでも持てねぇぞ」

 

「大丈夫!! そりゃー!!」

 

「「「え──ー!! 餓鬼が大砲を持ち上げた!!」」」

 

「私は海兵になるんだからこれぐらいできるわよ!」

 

 ふすーと自慢気のココアが白ひげの皆と打ち解けたり

 

「あぎゃーあぎゃー」

 

「ぴぇーん」

 

「あぁヨチヨチおじさん怖くないでちゅよー」

 

「誰の赤ん坊なんだ?」

 

「フューチって女居たろ……ほらボロボロの海軍のコートを羽織った女」

 

「ああ! 隊長2人相手に有利に戦った奴かそいつの子供か」

 

「皆に抱かれたから父親が誰かわかんねぇが俺達の船の宝なんだ」

 

「そいつぁ良い宝だな!!」

 

「お! オメーも話が分かるな!」

 

「俺にも高い高いさせろ」

 

「馬鹿首が座ってねぇから駄目だ」

 

「じゃあせめて抱っこさせてくれよ」

 

「それなら良いぞ」

 

「オーヨチヨチ」

 

「「キャッキャ」」

 

「オメー赤ん坊の扱い慣れてるなぁ」

 

「うちにも赤ん坊が居るんだよ。侍居たろ2番隊の隊長」

 

「あぁ! ギャバンさんと殺しあってた」

 

「そう! そいつに赤ん坊が2人居てよ可愛いのよこれが」

 

「赤ん坊は良いよな癒される」

 

「わかる! わかる!」

 

 オーロとアルジェントも可愛いがられており、岩の上からレイリーさんがその光景を見て微笑んでいた

 

「奪い合いがすっかりプレゼント交換になっちまったな」

 

「レイリーさんこいつにフューチを紹介したいんだがどこ行ったか知らねぇか?」

 

「フューチならロジャーと一緒に白ひげと侍とで何か話してる。後にしな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりですね白ひげさん」

 

「ん? どこかで有ったか?」

 

「ゴッドバレーで仲間に誘われた海兵ですよ」

 

「あぁ! 居たなそう言えば! グララララ! あん時の生き残りか!! 懐かしいな」

 

「白吉っちゃん、ゴッドバレーって何だ?」

 

「俺がまだロックスって野郎の船に居た頃の話だ。世界の征服を企んでいたロックスが、海軍のガープとこいつに負けて死んだ事件だよ」

 

「わはー懐かしな! あの頃も楽しかったなぁ」

 

「軽く言ってるけど世界転覆の可能性が有った大事件だからねおでんさん」

 

「えぇ!! そんな凄い事件が……ん? 女俺はお前に名前をまだ言ってねぇぞ? 誰から聞いた」

 

「能力だよ。歴史に名を残す者なら知ってる」

 

「へぇ、便利な能力が有ったものだ。悪魔の実か?」

 

「そうそう」

 

「……昔話や能力の話も良いが本題に入ろう。フューチ、あれを出してくれ」

 

「はい! ロジャー船長」

 

 私は羽織っているコートから複数の紙を取り出し組み合わせる

 

「ん!? これは」

 

「俺はフューチの予言で白ひげのところに居る侍が読めると言われた。どうだ読めるか!?」

 

「あぁ読める……どうもこうもこの文字はワノ国光月家に伝わる一子相伝の暗号だぞ」

 

「……プハァ……俺達は誰も到達できなかったログポースの最終地点水先星島(ロードスターとう)に到達し、嬉々として上陸してみたがログポースが狂いこれ以上先を示さねぇ」

 

「最後の島に行き着いてこそ前人未到の世界一周が完了する」

 

「だがそこに行くには世界政府が読むことさえ禁じていたポーネグリフって奴が必要だった」

 

「たどり着けば名実ともに世界一の海賊団だ!!」

 

「世界一……」

 

「グララララ! 世界一とは大きく出たなロジャー」

 

「驚いただろニューゲートわはははははは!!」

 

「グララララ!!」

 

「……そこで頼みがあるニューゲート!! おでんを1年だけで良い貸してくれ!! 後生の頼みだ!!」

 

「おい何を勝手な事を言ってんだ!!」

 

「頼む」

 

「私からも頼みます白ひげさん。ロジャーの航海の最後のキーがおでんさんなのです」

 

「ふ……ふざけるなぁ!!」

 

 バキバキバキ

 

 時空にヒビが入る

 

「ロジャー!! 俺から家族を奪おうってのか」

 

「頼む1年だけで良いんだ」

 

「2人共頭なんか下げるな」

 

 おでんの言葉を最後に沈黙が場を支配する

 

 さっきまでのほのぼのとした空気は一変一触即発になる

 

 しかしその空気を変えるのもまたおでんだった

 

「……白吉っちゃん行ってみてえ! 行かせてはくれねぇか!!」

 

 白ひげが凄く嫌そうな顔をする

 

「凄く嫌そう」

 

「当たり前だ!! 俺とお前は兄弟分だろうが!! うおぉぉぉ!!」

 

 バリン

 

 白ひげの怒りが能力として空気に再びヒビが入る

 

「頼む」

 

「……うにゃ……勝手にしやがれ」

 

「白吉っちゃんありがとう」

 

 こうしてロジャー海賊団が最後の島に行くためのキーを手に入れた

 

 残るはロードポーネグリフのみ

 

 

 

 

 

 

 

 

「元気でやるよい」

 

「あぁ! 今まで世話になった」

 

「イゾウ、犬、猫お前らはどうする」

 

「この船であなたの帰りを待ちます……この船が好きだから」

 

「そうか……達者でな」

 

「はい!!」

 

 

 

 

 

「フューチ俺達の宝も出すからそんなに自分の分の宝を置いていかなくても」

 

「どうせ海軍に戻ったら没収を喰らうんだこういう時に使わせてよね。というか私の宝は殆ど食費にしか使ってないからあんまり減らないんだよ! あんた達は貯めときなよ。海賊家業も長く続けるつもりは無いんでしょ。料理や経理のやり方教えるから海賊でなくても食っていけるようにしてあげるからさ!!」

 

「「「えぇ……」」」

 

「嫌そうにしない!! 海軍に私が戻ったらあなた達を捕まえたくないんですからしっかりしてよもう!!」

 

「フューチ! 食糧もだいぶ置いていってるが大丈夫か?」

 

「ちゃんと考えて置いていってるから大丈夫だよ。安心しな空腹になんかさせないから」

 

「ありがてぇ!! 流石この船の女将さんだ」

 

「せめて若女将にしてくれないかな年齢的に……まだ26歳だよ私」

 

「あははまぁ歳よりは若く見えるからなお前」

 

「歳歳言うな!! まだアラサーですら無いんだから!!」

 

「アラサーってなんだべ?」

 

「ほら、30歳」

 

「ああーなるほど」

 

 この後白ひげが食糧を叩き返してきて一悶着有ったが光月一家が加わり、特にトキさんとは同じ女性であり、歳が近く何より幼い子供が居る共通点からすぐに打ち解け、今まで私が仕切っていた調理場を手伝ってもらい大変助かることになる

 

 

 

 

 

 

 

 

「おおよちよち赤ん坊がまた増えたなモモの助に日和か」

 

「ロジャーは赤ん坊が大好きだな」

 

「別に良いだろレイリー可愛いもんな」

 

 ワイワイキャッキャッしているとそれを眺めていたシャンクスの乗っていた樽から手が出て

 

「「おでん様!!」」

 

「犬! 猫!! なぜここに」

 

「儂らおでん様のみゆうかが一番楽しいぜよ」

 

「んだんだ!!」

 

「白吉っちゃんが怒るぞこりゃ!!」

 

「ゴロニャロロー」

 

「急に悪いな! こいつらも一緒に頼む」

 

「何か勘違いしてるんじゃねぇかおでん!! 船長がお前の知識を必要としただけだ!! わかったな!!」

 

「まぁまぁギャバンさんそう言わずにさ……おでんさん、ギャバンさんは私が入った時も強く当たってきたけど仲間思いのいい人だからそのうちわかるよ」

 

「おいフューチ!! せっかく俺がビシッと言ったのに台無しじゃないか」

 

「「「わはははははは!!」」」

 

「おでん、この船の基本的なルールは恐らく白ひげン所と同じだ。仲間には手を出さない。宝は皆で山分け、堅気には手を出さない!! モットーは自由だ!!」

 

「そいつはぁいいなぁ!!」

 

「おいフューチ酒出せ酒!! 皆で光月一家と犬と猫の加入祝いをするぞ!!」

 

「「「おおお!!」」」

 

「「「ビンクスの酒を届けにゆくよ」」」

 

「「「海風 気まかせ 波任せ~♪」」」

 

「「「潮の向こうで 夕陽も騒ぐ」」」

 

「「「空にゃ輪をかく鳥の唄!!」」」

 

「いいぞもっと歌え!!」

 

「楽器出せ楽器!! プー!! 鍵盤やれよ!! 俺ギターやるから」

 

「おうよ!!」

 

 こうしておでん一行がロジャー海賊団に加入した

 



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空島へ

「ロジャー船長このまま空島へ行きますよね」

 

「あぁ、新世界へ戻る前に空島のポーネグリフについて調べておきたい」

 

「私もダイヤルの文化気になりますロジャー船長は今まで行ったことあるんですか?」

 

「ある……が今回は時間がないノックアップストリームに乗って空島へ向かう」

 

「こういう時にシキのフワフワの実の能力は羨ましいですね」

 

「あぁそうだな……ジゲジゲの実も覚醒したら次元を移動できたりしねぇのか?」

 

「どうでしょうね次元移動ができたら確かに便利ですがこの悪魔の実の能力は鍛え方がいまいち良くわかりませんので」

 

「わはははは!! お前さんは若いからなフューチ。生きていれば何か掴めるかもしれねぇぞ」

 

「生きていればねぇ……」

 

 クロッカスさんがロジャーに注射を打つ

 

「んー? 船長風邪か?」

 

「ん、あぁそんなもんだ」

 

「馬鹿を言え! こいつの命はもってあと1年だ」

 

「はぁぁ!!」

 

「わはは……生き急いでんだよ俺は」

 

「我々クルーはその生き急いでいるロジャー船長を全力で支え最後の島まで付き従うつもりだおでんさん」

 

「そ、そうか……そうなのか」

 

「そう言えばこれおでんにあげるよ」

 

「お? 電伝虫か? でかいな」

 

「私が暇な時に育てた電伝虫の強化個体だよワノ国に帰った時に役立つようにあげるよ」

 

「いや……その……」

 

「ワノ国って言うと凄く嫌そうだね……次期将軍」

 

「やめろ!! そう言われるとムズムズする……能力で身元を探るな恥ずかしい」

 

「おでんさん覚えておきな。あんたの運命は過酷に尽きる。海軍に私が戻れば何か役立つかもしれないからその電伝虫は必ず持っていてほしい」

 

「なんだ? また読んだのか? 未来を」

 

「たま~にハズレるからそれならそれで良いんだけどね」

 

「そっかハズレるのか」

 

「でもおでん、フューチの予言的中率はこの船に乗ってからは8割で当ててるからな」

 

「そいつはぁすげえな」

 

「あまり良いものでも有りませんよ。皆に話せない未来の話もあるし」

 

「話せない未来? 話したら何が起こるんだ?」

 

「歴史が大きく変わる……現状未来を変える意味がない。ロジャー船長の未来のためには……シャンクスも時機にわかるようになる。喋れない事の1つや2つ出てくる」

 

「ふーん」

 

「それよりロジャー船長ログポースが」

 

「んん? 来たか」

 

「ん? なんじゃこりゃログポースが空を向いてやがる壊れたのか? ロジャー?」

 

「そうじゃねぇ行くぞ!!」

 

「行くってどこへ?」

 

「……空」

 

 

 

 

 

 

 

「積帝雲とノックアップストリームの重なる位置はわかったか? フューチ、チッロ」

 

「フューチのここの近くの航海のデータが役にたったんだな。これなら割り出せるんだな」

 

「でも失敗する確率も有ります。ロジャー船長どうします」

 

「決まってるいくぞ!!」

 

 

 

 

 

 

「渦潮だ!! 呑み込まれる!!」

 

「ギャバさん!! 頼みましたよ!!」

 

「おう! 俺の操舵技術をナメるな!! しっかり捕まってろ」

 

 渦に呑み込まれそうになるのを必死に堪える

 

 オーロジャクソン号は巨大渦潮の中央にたどり着くと一旦落ち着いた

 

「海底からの海水の逆流が始まりました!!」

 

「来るぞノックアップストリームが!!」

 

 ちょうど積帝雲が重なり空が夜のように暗くなる

 

「いっけぇぇぇぇぇ!!」

 

 ドゴ──ーンっと水の柱が現れる

 

 水の柱の流れに沿って船はどんどん上空に向かう

 

「出た!! 雲の上だ!!」

 

「「「うおおおお」」」

 

「なんじゃこりゃ……世界が真っ白だ」

 

「いや、まだ上に行くぞログポースは上を示している野郎共もう少し頑張れ!!」

 

「「「うおぉぉぉ!!」」」

 

「ロジャー船長!! でっかい魚が現れた!!」

 

「ふん!!」

 

 パンッ

 

 風船が割れるみたいに簡単に切り裂かれた

 

「こりゃ面白いおい! フューチ今の魚調理してみてくれ昔来たときは上手く調理できなくてな」

 

「やってみますトキさん手伝っていだけますか?」

 

「えぇ、もちろんよフューチさん」

 

 私達が料理を作っている間に船はHEAVENS GATEと書かれた門を通る

 

「観光かい? 戦争かい? お客さん」

 

「観光だよ婆さん。ポーネグリフって石をしらないか? でっかくて文字が読めない文字が書いてある」

 

「おいロジャー聞いてもしらないかもしれないぞ」

 

「あの石かな」

 

「「「知ってるんかい!!」」」

 

「まず神に会い神の島に入る許可を頂くと良いそこに読めない文字の石があると聞いたことがある」

 

「婆さん物知りなだありがとう!!」

 

「他にも楽しいところが沢山有るからせいぜいたんまりエクストルを落としていってくれ」

 

「おう!!」

 

「ロジャーエクストルってなんだ?」

 

「おでんはしらないよな。ここでの通貨だ。1万エクストルが1ベリーになっている」

 

「へぇ……でも俺達エクストルなんか持ってないぞ」

 

「大丈夫エクストルとベリーを換金できる場所が確かある」

 

「そうなのか……空の国か」

 

「さぁまた捕まれ白海から白々海に上がるぞ」

 

 特急エビに捕まれたオーロジャクソン号は滝を登って白々海に到達する

 

 

 

 

 

 

 

 

「うめえな! これ!!」

 

「でしょ」

 

「流石フューチとトキさんだ」

 

 白々海に出たロジャー海賊団一行はのんびり食事をとっていた

 

「おお!! 島だ!! 島が見えたぞ!!」

 

 神の国スカイピアに到達した

 

「遥々青海から良く来たなここスカイピアへ」

 

 ピェー!! 

 

「「「へそ」」」

 

 私達は運良くビーチを散歩していた神ガン・フォールと遭遇し神の島へ赴く許可を頂く

 

「青海の者なのに話していて楽しいな」

 

「あぁ! 空島へは久しぶりに来たがその神である者がこんなに良い奴だなんて思わなかったぞ」

 

 ロジャー船長と神ガン・フォールは意気投合

 

 おでんはウェイバーという空島独自の乗り物借りて何度もコケながら遊んでいたり

 

 レイリーさんやギャバンさんなんかも神の使いの人達と楽しく交流している

 

 私はベリーをエクストルに換金するべく換金所に向かい

 

 その後町でココアと一緒に散策していた

 

「バズーカだ!! 貝だ!! 雲で作られた飾りだ!!」

 

「燃焼砲に目が行くとはお目が高い。使い方を教えますから扱ってみてはどうでしょう青海の人」

 

「私でも扱えるかな?」

 

「子供でも扱えますか?」

 

「反動に耐えることができれば扱えるでしょうがあまりお勧めしませんよ子供が扱うのは」

 

「ココアどうする? やめておく?」

 

「やる!! やってみる!!」

 

「じゃあ店主燃焼砲そうだね2門購入したい」

 

「じゃあ15億エクストルになります」

 

「15億だから15万ベリーか結構手頃ですね」

 

「安くしないと売れないんですよ。武器なんて青海の人かゲリラとの戦いに使用するかでしか売れないもので」

 

「もしかしてここ貝も売ってたりします?」

 

「排撃貝も熱貝も衝撃貝、雷貝なんかは扱ってますよ買いますか?」

 

「有るだけちょうだい!! 全部買うわ!!」

 

「へそ!! 助かるよ嬢ちゃん少しまけとくね」

 

 手押し車を貸してもらいどでかい貝を散々手に入れる

 

「あとは水貝と炎貝、風貝が欲しいな。水貝が純粋に水しか取り込まない性質だから海水に浸けても真水を抽出してくれるって航海には絶対に必要な貝だから沢山買わないと!! いや~貝の文化って素晴らしい!! これで夢だったあれが作れる!!」

 

 ココアを武器屋に残し、私は町を巡る

 

 必要な貝を買うために

 

 買いまくって私の貯金がすっからかんになるのだが私は満足していた

 

 

 

 

 

 

 

「行くぞ神の島へ!!」

 

 翌日神の島目指して船を進める

 

 神の島はすぐに到着し皆で上陸する

 

「雲の上なのに大地がある!!」

 

「まるでジャヤの土地を切り取ったみたいだ」

 

「それが事実かもしれんぞシャンクス……とにかく上陸だ!! 野郎共!!」

 

「「「うおぉぉぉ!!」」」

 

 上陸すると巨大な蛇に追われたりしながらも黄金都市シャンドラに到達する

 

 そこに鎮座していたポーネグリフをおでんが読む

 

「真意を心に口を閉ざせ我らは歴史を紡ぐ者大鐘楼の響きと共に」

 

「大鐘楼?」

 

「フューチ何かわかるか」

 

「ちょっと待って……ジゲジゲ交信……巨大な豆の蔓の上にある!! 大鐘楼が」

 

「よし野郎共あの蔓を登るぞ!!」

 

 

 

 

 

 

「有ったぞ!! 大鐘楼が!!」

 

「本当に有った!! フューチの予言通りだ」

 

「おでんさん後は頼みます」

 

「任された……」

 

「すっげぇこれが大鐘楼」

 

「船長どうやって持って帰る?」

 

「俺らは今回は奪いに来たんじゃねえ見に来たんだバギー……それに時間もねぇ。バギーどうしても持って帰りたきゃお前が船長になった時に取りに来い」

 

「ロジャー船長そりゃないよ!! 欠片だけでも今!!」

 

「この石は強い声が詰まってて見つけやすい……大きな力の話だな……どうだおでん」

 

「……ポセイドンって兵器の事が書いてある」

 

「おでんお前この文字を書くことも出きるんだよな」

 

「あぁ」

 

「ならこう掘ってくれ」

 

【我ここに至りこの文を最果てへと導く海賊ゴール・D・ロジャー】

 

「ねぇおでんさん私も掘ってくれるかしら」

 

「おう良いぞ」

 

「じゃあこう書いて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我らは歴史を紡ぐ者……大鐘楼の響きと共に」

 

「お主……なぜその言葉を」

 

 24年後ルフィ達が神エネルを倒した頃

 

 ロビンは大鐘楼のポーネグリフを読んでいた

 

「古代兵器ポセイドンの有りかが書かれている」

 

「古代兵器だと!! なぜそんな物が」

 

「我々は全くしらないぞ!!」

 

「やはりハズレね」

 

「おい! あんた! その横に掘ってあるのは同じ文字じゃないか?」

 

「え?」

 

「……我ここに至りこの文を最果てへと導く海賊ゴール・D・ロジャー……海賊王!? まさか空島に!? なぜ文字を扱えるの!? ……更に続きが」

 

【約束の海新世界 世界の均衡撃ち破る白ひげと激突せしめる海軍と拮抗崩れる世界の和 喪失したる海底のポーネグリフを探す時 なにもない島訪れろ革命の意思に導かれ 天へも揺るがす大事件 我1つの答えを導こう 待っているぞ ニコ・ロビン】




誤字すみません

できるだけ減らす努力はしますが直していただけると投稿スピードが加速できるのでとてもありがたいです

報告いただいた方々に感謝を


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口論

「フューチ何の意味があるんだ? 白ひげと海軍の激突何てあるが……白吉っちゃんに何かあるのか!?」

 

「聞かない方が良い話だおでんさん」

 

「聞かない方がって俺は白吉っちゃんに何かが起こるんだってんなら聞かなきゃならねぇ」

 

「……多数には聞かれたくない船で話そう」

 

「ロジャー船長も来てください」

 

「俺か?」

 

「貴方にも関わりがある」

 

 

 

 

 

 

 

「白吉っちゃんが死ぬ!! 24年後に!? 馬鹿な! ありえねぇ!!」

 

「本当なのかフューチ」

 

「この出来事のキーは4つ……海軍と黒ひげマーシャル・D・ティーチ、白ひげ、そしてロジャーの息子だ」

 

「ロジャーの……息子……まさかオーロがか!?」

 

「違う違うロジャーは別にしっかり子供を授かる……名をエースと言う」

 

「俺の相棒と同じ名か」

 

「将来白ひげの2番隊隊長にエースがなる。そしてティーチが白ひげの掟を破り脱走する」

 

「掟って……」

 

「仲間殺しだよ」

 

 おでんの表情が曇る今いる仲間の誰かが殺されるのを想像したのだろう

 

「話を進めますが、ティーチが逃げた後……海賊団を結成。これが黒ひげ海賊団となります。黒ひげ海賊団は七武海となり、政府への手土産にエースを政府に引き渡します」

 

「なぜそうなる!!」

 

「2番隊隊長として、隊員の仕出かした事への落とし前として、ティーチを殺そうとしたのですよ。その後、エースとティーチがとある島で決闘をした果てに……エースが負けます」

 

「俺の息子がか!?」

 

「ロジャー船長の息子はメラメラの実を口にしておりロギアの能力者となります……つまりそういうことです」

 

「ロギアにかまけて覇気が甘かったか」

 

「たぶんそうかと……その後エースはロジャー船長の息子とバレて、公開処刑となります。その処刑からエースを奪還しようと、白ひげがマリンフォードに乗り込み大戦争……頂上戦争が始まる」

 

「つまりその戦争で……白吉っちゃんは……」

 

「戦死する」

 

「「……」」

 

「ニューゲートが死ぬのはわかった。フューチはどうするつもりだ」

 

「この戦争は起きなければならない戦争でもあります。私は海軍側で参戦するでしょう」

 

「おいちょっと待て!! ロジャーの息子を見殺しにする気か!!」

 

「おでんさん、私がなぜここにいるか……ロジャーには命を救ってもらった借りがある!! 大きな大きな借りだ!! 前に口では借りを返したと言ったが、借りが大きすぎていまだに返しきれたとは思ってない……ただ、その借りはロジャーに対しての話だ。私には守らなければいけない子供達がいる。海軍に戻ると言う話もある。おでんさん、私には私の正義が既にある」

 

「くそったれ!! 納得できねぇ!! ロジャーの子供が死ぬだと!! 白吉っちゃんも死ぬ!! ふざけるな!! ふざけるなよフューチ!!」

 

「だから……それを警告する文を刻んだのだ」

 

「警告って誰にだ?」

 

「主人公に」

 

「主人公って……物語のか?」

 

「24年後に動き出すとある海賊団を中心に世界が動き出す」

 

「もしかして……それがポーネグリフに度々見かける、ジョイボーイって奴か」

 

「はっきりとは分からないけど、私はそう考えている……私はその新たなるジョイボーイに警告をすることで、未来が変わる可能性を残してきた」

 

「それがフューチの精一杯の出きることか」

 

「もっと色々出きるかもしれないが、私の立場では恐らく大勢に影響がでないでしょう。海軍に戻ったとしてもロジャーの一味に居た事実は、経歴に大きな傷となる」

 

「フューチおめぇ」

 

「今回のポーネグリフの写しを取ったのもそうだ。ダイヤルと言う貝を集めたのもそうだ……私は常に未来を見据えて動いている」

 

「おでん、これ以上今の状態のフューチに聞いたところで無駄だ。独自の生存戦略で動いてやがる」

 

「そもそもだおでんさん、白ひげがいつまでも全盛期で居れると思うかい?」

 

「……!? まさか病魔にか!!」

 

「ロジャーでも病気には負ける白ひげも同じだよ」

 

 グビーっと私は水を飲み干す

 

「その時私は50歳。経験値や体の状態にもよるが全盛期だろう。大勢に影響が出る可能性もあるが、知らない小僧にそこまでする義理もない」

 

「私は海兵だ!! 生粋のねぇロジャーと言う海賊王だから船に乗ってみたいと思えた!! 強くなるための最適解だからね!! おでんさん! あんたも人の事言えないよ。死期は近い。白ひげよりも遥かに短い」

 

「……なに?」

 

「だから電伝虫を与えた。必ずその死期を乗り越えて欲しいから。知らない小僧に義理は無くても知ってる人には生きていて欲しいじゃないか!!」

 

「うぅ!? ……フューチおめぇにそんな覚悟が有ったとは……すまねぇ勘違いしていた」

 

「私は貴方を全力で助ける!! 助かったら自力で白ひげの危機に駆けつけな!!」

 

「おう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロジャーとおでんとの話し合いの後ロジャー海賊団は青海へと帰る

 

「「「へそ!!」」」

 

 神ガン・フォール一行に見送られ私達は青海へと向かう

 

「落ちるぞ!! ぎゃー!!」

 

「このままじゃ!! 海に叩きつけられて木っ端微塵だぞ!!」

 

 すると大きなタコが現れ船を包む

 

「タコのバルーン?」

 

 ゆっくりと落下を始め青海にたどり着く寸前でタコが萎み海に船ごと叩きつけられる

 

「いたたたた……全員無事か」

 

「ビックリしたにゃー」

 

「トキ様、モモの助様、日和様大丈夫ですか」

 

「えぇ、大丈夫よ」

 

「フューチ! ガキ達は無事か!!」

 

「ええ、大丈夫ですよねー、ココア」

 

「楽しかった」

 

「「キャッキャッ」」

 

「そうか……それなら良かった」

 

「ロジャー、次はどこへ行く?」

 

「決まってる。目指すはグランドライン最後の島だ……だがその為には、4つのロードポーネグリフを集めなきゃならん」

 

「今は、ビッグマムから奪ったロードポーネグリフの写ししか無いが……フューチ残る場所はわかってるんだろ?」

 

「魚人島、モコモ公国、ワノ国の3つです」

 

「確かにワノ国には赤いポーネグリフが有ったな」

 

「モコモ公国にもにゃー」

 

「うんうん」

 

「これで本当に4つ揃うぞ! わはー!!」

 

「盛り上がってるところ悪いのですが、船の調子が良くねぇ……。素人目には何処が痛んでるか、検討がつかねえ……一度しっかり修理する必要がある」

 

「よし行き先は決まった」

 

「どこだロジャー」

 

「決まってる。水の都ウォーターセブンだ!!」

 

「水の都!?」

 

「素敵な響き」

 

「野郎共行くぞ!!」

 

「「「おぉぉぉぉぉ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「島だ!!」

 

「島が見えたぞ!!」

 

「なんだありゃ!? でけぇ水殿を見るのは始めてだ!!」

 

「噴水だよ」

 

「ここのはちとでかすぎるがな」

 

「綺麗なところね」

 

「あぁ、水の都かぁ……うむ、良いなぁ」

 

 ロジャー海賊団一行は、再びトムの元へ向かい船の修理を依頼した。

 

 約1年ぶりの出会い……空島やおでんとの出会いなど、話す事に事欠かなかった。

 

「たっはっはっは!! できたぞロジャー!!」

 

「サンキュートム……恐らく、これがお前に会うのが最後になるかもしれん」

 

「なんだロジャー弱気になって」

 

「俺の体が病に蝕まれているのを感じてな……。どちらにせよ、新世界を中心に巡る事になるから、これがお前との別れになると思う」

 

「ドンッ! とせい、ロジャー!! 元気でな!!」

 

「おう!! 海列車、見れなくてすまねぇな」

 

「たっはっはっは!! お前に見せたくて作ってるわけじゃねえよ!!」

 

「わはー!! そりゃそうだ!!」

 

 ガシッと握手をする

 

「トム元気でな」

 

「ロジャー最後まで行け!!」

 

 こうしてロジャー海賊団はウォーターセブンを後にする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フューチ!! コーティングだ!!」

 

「わかりました!!」

 

 シャボンディ諸島近郊で私は、シャボンコーティングを船に施す。

 

「行くぞ!! 魚人島へ!!」

 

「「「おぉぉぉぉぉ!!」」」

 

 我らは行くぞ! 魚人島へ!! 

 

 

 



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魚人島 ワノ国 モコモ公国

 どうも皆さんお久しぶりですフューチです

 

 現在深海で久しぶりの魚人島に向かっております

 

 ウォーターセブンを出てから色々な島を通過してきました

 

 マンモス等の古代種がまだ生息している島

 

 橋の上の国

 

 そしてシャボンディ諸島

 

 春夏秋冬の各島を巡り最後の大冒険も中盤

 

 ロジャーも隠してはいますが吐血する事多々あり洗濯物に吐血したハンカチが隠してあるのを見つけ、クロッカスさんに聞いたところ容態もあまりよろしくは無いらしい

 

 覇気も弱くなったように感じます

 

 まぁそんなこんなで魚人島に向かっているのですが、深海で奇妙な出来事がありました

 

 ロジャー船長とおでんさんが静かな海の中で話し声が聞こえると言うのです

 

 何でも生まれるよ……僕達の王が生まれるよと言っていたらしいのです

 

 真偽は不明ですがこの王とは古代兵器ポセイドンこと人魚姫であることを私は知っています

 

 そして魚人島に到着したは良いのですが、今度はリュウグウ王国の兵士と国王ネプチューンに入国を止められました

 

「待て待て俺だ海神ネプチューン!! ロジャーだ!!」

 

「ロジャー? さてはお前がやるのか!!」

 

「まてまて! 何の話だ!!」

 

「とぼけたって無駄じゃもん! 魚人島の門が何物かに壊される予言が出たんじゃもん! こい! 入り江で聞くもん」

 

 

 

 

 

 

 

 結論から言うと魚人島の門は海王類に壊された

 

 占い通りに

 

「ほれ見ろ俺らじゃねぇ!!」

 

「疑ってすまなかったんじゃもん」

 

 私らは今回の目的ロードポーネグリフを読み解くため海の森へ移動する

 

「有った!! 赤いポーネグリフだ!!」

 

「普通のも有る!! 大収穫だ!!」

 

「ん? いや待て……片方はジョイボーイって奴からの謝罪文だ。さして重要じゃねぇ」

 

「ロジャー船長これも写して良いですか」

 

「ん? フューチ毎回ポーネグリフを写しているが何か理由でもあるのか?」

 

「未来で恐らく必要になるから」

 

「ふーん」

 

「ロジャー解読できたぞ!! やはりとある地点を示していた!!」

 

「でかした!!」

 

「よかったんじゃもん」

 

「おっと忘れるところだった海神ネプチューン……ここにとある物が有ると別のポーネグリフから存在を示唆されていた」

 

「なんじゃもん?」

 

「古代兵器ポセイドンの存在を!!」

 

「古代兵器……ポセイドン……ふむ、もしかしたら」

 

「心当たりがあるのか!!」

 

「数百年に1度海王類と対話ができる人魚が産まれることがあるらしいんじゃもん! もしやその事か」

 

「なるほど……古代兵器ってのは人魚姫だってわけか!!」

 

「しっかしそんな兵器に興味を持つとは見損なったぞロジャー!!」

 

「安心しろネプチューン俺達が欲しいのはそれを名付けた奴らが残した莫大な財宝だ」

 

「お前のモジャモジャした娘を奪いに来たりはしねーよ」

 

「モジャモジャせんわ!!」

 

 ワハハハハ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食糧も積み込み再び航海へ目指すは新世界ワノ国

 

 魚人島を出て地上に戻るとまずライジン島に上陸

 

 雷を私は鍛えた見聞色の覇気で避けるが、鍛え方の甘い者達は雷が直撃して黒焦げになりログが溜まるまで逃げまどうことになる

 

 途中春島に上陸し、そこに有ったポーネグリフをおでんが解読していたがさしたる重要な物でなく、収穫は大昔のワノ国への行き方が書いてあった事くらいで、今だと海流の流れも変わりさしたる収穫ではなかった

 

 ワノ国に行く過程で海賊団を4つ潰し、海軍とも2回戦闘した

 

 勿論私は海軍と戦闘はしていないが……

 

「フューチ見ろ!! 皆の懸賞金が上がって総合賞金額が90億になったぞ!!」

 

「ロジャー船長の額が50億丁度ですか50億なんて前代未聞ですよ」

 

「わはー!! そりゃそうだ!! 後少しで前人未到に到達するんだからな」

 

「前人未到の最後の島!! 何が有るんでしょうね」

 

「想像するだけでワクワクするな!!」

 

 最後の島まで残り少し

 

 次に到達するのはワノ国だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワノ国に到達する直前でトキさんが倒れた

 

 長旅による疲労が蓄積し、トキさんの長年の目的地ワノ国に到達した事で緊張の糸が切れたとクロッカスさんは言っていた

 

「これ以上の航海は命に関わる!! トキはワノ国で降ろすべきだ!!」

 

「錦えもん達はトキ様の事を知らんじゃきに」

 

「我々がトキ様、モモの助様、日和様を護衛致します」

 

「何を言う俺も降りるぞ」

 

 おでんさんは自分も降りると言い出したが、それをトキさんが止める

 

 ここで降りるのなら離縁するとまで言い出し、その覚悟に周りで聞いていた私達は驚かされる

 

 結局おでんさんが折れる形となり、おでんさんは航海を続ける決意表明をする

 

 おでんさんが居なくなるとロジャー船長の最後の冒険が破綻するため皆は一安心すると共にトキさんへの別れで涙を流した

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが……ワノ国」

 

 正しい急流を選び九里の九里ヶ浜に流れ着く

 

 ここでおでんさんは家臣の出迎えに会うが航海を続ける決意を話し、素早くロードポーネグリフを写すと船を出した

 

 トキさん、モモの助、日和を降ろし……

 

 おでんさんの家臣達は船が見えなくなるまで叫び続けた

 

「……ワノ国は百獣海賊団とオロチの支配下だ。おでん存命中にこの2つの脅威から解放しなくてはならない……」

 

 おでんさんが生きていれば未来は大きく変わる

 

 この人を将軍にしないと国が終わる

 

 私はとある計画を立て始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワノ国近海を突破し今度は幻の島ゾウを目指す

 

 ゾウはビブルカードでしか行き着けない為ネコマムシとイヌアラシから受け取ったビブルカードで目的地へ向かう

 

 

 

 

 

 

 

 幻の島……ゾウ

 

 それは巨大なゾウの上に存在する国であった

 

 ゾウの足に楔を巻いて船を固定させ足を登って上陸する

 

 月歩が使える者は楽で良いが、使えない者は使える者が降ろしたロープを伝って登る

 

 私は子供達3人を抱えて飛んでいるのでいっぱいいっぱいだった

 

 全員が登りきり島の警備をしていたミンク族に何用かと聞かれると

 

「モコモ公国のひつギスカン公爵にこの手紙を……イヌアラシ、ネコマムシからの手紙だ」

 

「イヌアラシとネコマムシ!! 生きていたのか!!」

 

 同族の絆は強いようで用件を伝えるとすぐに公爵がいる館へと通された

 

「これは間違いなくイヌアラシとネコマムシからの手紙だ……生きていたのか悪ガキ共……旅の者伝えてくれてありがとう」

 

 ひつギスカン公爵から許可を取りくじらの森にあるロードポーネグリフを写す事を許された

 

「なんだか落ち着かねぇ」

 

 おでんさんが言うにはこの国に入ってから巨大な何かに見られているような感覚に襲われているらしい

 

 これはロジャー船長も同様でこんな事深海でも有ったなぁと私は思うのだった

 

 

 

 

 

 

「これが最後のロードポーネグリフ!!」

 

「ミンク族と光月家が兄弟分なのは本当だったのか!!」

 

 ロードポーネグリフの上に光月家の家紋が掘られていた

 

 おでんが解読すると同時に私は写しを行い、これで最後の島への鍵は揃った

 

「ひつギスカン公爵道案内助かった」

 

「なに。良き旅人は助けなければミンクの名が泣く……旅人よ。次はどこへ行くのだ?」

 

「グランドライン最後の島へ」

 

「最後か素晴らしいな」

 

「あぁ、野郎共!! 行くぞ!! 最後の島へ!!」

 

「おおおおおおお!!」

 

 こうしてモコモ公国を後にした我々は最後の島に向かうために最後の補給を行う為にログポースに従いスペルと言う島に到達する

 

 

 

 

 

 

 

 

「この手に入れた4つのロードポーネグリフの示した4つの地点を地図に書き込み、その4つが交わる地点に最後の島が浮かび上がる」

 

「これに幾つかのリオポーネグリフが表す海流に乗ると最後の島へ到達することができる」

 

「ついにやりましたねおでんさん!!」

 

「あぁ!! 道は見えた」

 

「後は何時出発するかだな」

 

 ガチャ

 

「野郎共準備はできたか!!」

 

「「「ロジャー船長!!」」」

 

「何時でも行けます」

 

「そうかフューチ!!」

 

「よっしゃぁいくぞー……あれほれひれ……」

 

「おい!! バギーしっかりしろ!!」

 

「スゴい熱だ! すぐに医務室に!!」

 

 バギーが熱で寝込むアクシデントが発生し、バギーはここで最後の航海を断念

 

 スペル島で皆の帰りを待つことになる

 

 看病を勝手出たシャンクスもここに残ることになり、雑用2人が離脱

 

 その穴はここ最近急成長を遂げたココアが頑張り穴を埋めることとなる

 

「ココア助かるよ」

 

「フューチさん!! 最後の島何があるんだろう!!」

 

「何があるんだろうねー」

 

 ロジャー海賊団は最後の島へと向かう

 



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最後の島

「ここが……最後の島」

 

「野郎共上陸だ!!」

 

 最後の島に嬉々として上陸して島の中央に向かう

 

「すげぇ……これがポーネグリフを残した者達の遺産か!?」

 

 島の中心部に向かう途中には歴史を感じさせる建物や見たこともない動植物、架空とされてきた生き物達が多々生息していた

 

「既にここだけでも来た価値があるなレイリー」

 

「あぁ、家の中には金や銀で作られた小物や巨大宝石を切って作られた椅子にテーブル、燃え続ける石、見たこともない金属……スゴいな」

 

「ポーネグリフの石が石切場にゴロゴロ転がってやがる」

 

「島の中心は……なんだ!? 作りかけの船か?」

 

「ポーネグリフが沢山転がってます!!」

 

 おでんがそれを1つ1つ読み上げていく

 

「ふは、フハハハハ」

 

「わはー!! なんじゃそりゃ!! それでこの国は滅んだのか!! とんだ笑い話だ……その時攻めてきた船員の生き残りが今の世界政府の子孫か!! 笑える」

 

「天竜人とはそういう意味だったか!! 天を駆ける竜ではなく文字通り天からやって来たって意味だったか……」

 

「巨大な力とは外部を意味していたかうむ」

 

「何より傑作だ!! オールブルーの作り方だ!! レッドラインの破壊方法がぶっ飛んでやがる!!」

 

「フューチどこへ行く」

 

 私は朽ちた船のなかに進んでいく

 

「文字は読めないけれど写しは取れる……有った……」

 

 私は巨大な絵のついた石板を見つける

 

「おーい! フューチ!! どこ行った!!」

 

「ここだよおでんさん」

 

「なんだここかまた石板か!!」

 

「おでんさんこれを読んでください。私はそれを写しますから」

 

「何々……悪魔の実とはか……!? この国は悪魔の実を人工的に作っていたのか!!」

 

「悪魔の実の複製はできなかったようですがあらゆる物質、動物を悪魔の実にしていったようですね」

 

「しっかし自分等が起こしたあれで滅ぶとはなんとも間抜けな人々も居たものだ」

 

「ただ、原文によるとその時に裏切り者が居たのも確かだね」

 

「……ジゲジゲの実についてもありますか?」

 

「あぁ、確かにある。何でも異次元と交信をし、時空を飛ぶ力と書いてある」

 

「時空を飛ぶ……」

 

「別空間を使い物質を瞬時に転移させる力だそうだ。別次元に蓄えそれを持ち運ぶこともできると書いてある」

 

「ポーネグリフはそれで運ばれた感じかな? となると」

 

「いや、国の一大事に別の能力で飛ばしたらしい」

 

「なるほど……おでんさん写すのに時間がかかるけど大丈夫?」

 

「あぁ、とことん付き合おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、これで写し終わった」

 

「悪魔の実の辞典が出来上がったな」

 

「これで欲しい悪魔の実を狙うことができる」

 

「ランダム時に飛ばされる場所まで書かれてるとはスゲーな俺も一個食ってみてぇ」

 

「本当にそうだね……私ももし2つ目が食べられるのならあれを食べてみたい」

 

「「ゼウス」か」

 

「神の名をもつ悪魔の実ただ、船長が許さねぇだろこれを口にするのは」

 

「ここにあるこの実を口にすれば船長の命は延命できるかもしれないけどそれをやろうとはしないだろう」

 

「……オーロに食べさせたい」

 

「正気か」

 

「あ、ゼウスじゃないよ。こんな地雷悪魔の実なんか食べさせないよ」

 

「あぁ、食べた瞬間に半分の確率で死ぬ悪魔の実はな……自分の運をかけるのなら良いが」

 

「となると何を食べさせたいんだ?」

 

「アダムとイブ……世にも奇妙なさくらんぼ型の2つ同時になる悪魔の実だよ」

 

「ある場所はわかってるから行ってみれば良い」

 

「そうだね……海軍に戻ったら行ってみようかな」

 

「おめぇ真実を知ってもなお海軍に戻る気か!?」

 

「歴史の真実を知った今、逆にやることができた」

 

「そうか」

 

「恐らくココアも今回ので海軍という組織に対しての希望が無くなっただろうね……ココアはもう家族にも戻れないから私が受け入れないと孤児になってしまう」

 

「そうだな。そうしてやれ……で、このプルトンはどうする? 設計図は入手したんだろ?」

 

「あぁ、原盤は流石に不味いからあくまで写しだけど手に入れた……私が注目したのはコアだよ」

 

「コア……動力源か」

 

「まさか私が使おうとしていたダイナ岩で代用できるとは思わなかった。これを私が設計した動力装置に組み合わすことができれば私が夢見た不沈艦が完成する!!」

 

「不沈艦か! そりゃすげえ」

 

「だけど足りないパーツが多すぎる。海軍に戻ったら1つ1つ手に入れないと」

 

「そうだな……」

 

「……そういえばロジャー船長達は?」

 

「笑い転げてるよ! 世界がひっくり返ったんだ面白すぎてな……フューチは良いのか笑わなくて」

 

「勿論笑ってるよ。ただこの島の宝が今後私が生きるためには必要だからね」

 

「次は何を写すんだ?」

 

「こっち来てみな」

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんじゃこりゃ!!」

 

「巨大地球儀さ」

 

「これは持ってけねぇな」

 

「恐らくこの島最大の宝だよこれ……空島まで全て書いてある気候も全て……」

 

「こいつが有れば世界が安全になるな!! 海王類はポセイドンで何とかなるから」

 

「そう、人魚姫が居て初めて完成する!!」

 

 パチン

 

「ジゲジゲポケット」

 

「おお!? 早速使えるようになったのか!?」

 

「発想が無かっただけで説明さえあればできますよ。これぐらい……これまで写したポーネグリフを含めこれらの写しは海軍に見つかるわけにはいかないからね」

 

「まぁそりゃそうだろうな」

 

「安全となると私が作り出す異空間の中に入れるしかないでしょ。最悪暗号にして更に読み辛い文にしなきゃならないと思ってたんだから」

 

「そいつは大変な事をしようとしてたなフューチ!!」

 

「だけどこれで写しをそのまま保管できるってわけ!!」

 

「良かったなフューチ」

 

「そういえば莫大な財宝はどうするんだって?」

 

「何でも必要な分だけ貰ったら後は後の世代の為に残すんだと」

 

「まぁそれが良い」

 

「さぁおでんさん帰ろう皆のもとへ」

 

「おうよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、笑った笑った!!」

 

「最高の島だったなロジャー」

 

「そうだ! この最後の島にこんな名前を付けようlaugh taleと!!」

 

 これがラフテル誕生秘話である

 

「フューチずいぶん色々書いていたがどうだった収穫は!!」

 

「悪魔の実についての石板と巨大な地球儀がありましたよ」

 

「そうかそりゃ良かった」

 

「後はゼウスの悪魔の実が有りましたが船長食べます?」

 

「いや、いい。俺は今回の旅でハッキリしたジョイボーイを後世に残さなければならないからもう命はいらない。延命できる悪魔の実だろそれは」

 

「はい。そうです。しかも恐らく最強の悪魔の実でもあります」

 

「入らねぇ入らねぇ野郎共いる奴いるか!?」

 

「船長が食べないんだったらいらねぇな」

 

「そうだそうだ」

 

「あ、食べると半分の確率で死ぬよ」

 

「先に言えフューチ!! 俺を殺す気か!!」

 

「ですよね……だから島の中央に置いてきました」

 

「まぁそれが良いな」

 

「で、フューチ世界の真実を知った今も海軍に戻るか?」

 

「戻る」

 

「「「ええ!!??」」」

 

「ココアはどうする?」

 

「わかんなくなっちゃった……正義だと思ってたのが崩れちゃったし」

 

「なら海軍じゃ無くて私に着いてきなよ。世界をひっくり返そう!!」

 

「え!? えええええ!!」

 

 最後の島で見たもの聞いたもの読んだもの

 

 全てが世界をひっくり返す出来事だった

 

 最強の悪魔の実ヒトヒトの実モデルゼウス

 

 半分の確率と言ったが正確には9割で死ぬ

 

 脳が処理できなくなるそうだ

 

 もう皆もこれで海賊家業は終わりだろう

 

 ロジャーの時代はこれで終わり

 

 海賊王の誕生と共に終わるのだ……

 

「楽しかったよロジャー……」



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ロジャー海賊団解散

 最後の島に到達し、私達は帰路に着いた

 

「ロジャー船長……ありがとう」

 

「フューチ何を今さら」

 

「1海兵の私がここまで強くたくましくなれたのはロジャー船長や皆のおかげです。船長は解散する気なんでしょこの海賊団を」

 

「あぁ」

 

「だから今言わないとと思って……」

 

「なぁフューチ……オーロとアルジェントは俺の子か?」

 

「……はい。そうです」

 

「そうか……鬼の子になっちまうな」

 

「大丈夫ですよ私が居ます」

 

「なぁフューチ。最後まで俺に付き合ってはくれねぇか。俺の事を待ってる女が居るんだ……そこへ行くまでで良い俺を守ってはくれねぇか」

 

「ロジャー船長守るってまだ私よりも強いでしょうに」

 

「いや、もう覇気が出せねぇくれぇ体が弱ってやがる。体がわかってやがるんだ。もう戦うなと……」

 

「船長……」

 

「考えておいてくれ」

 

「付いていきますよ最後まで!!」

 

「そうか……フューチありがとな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スペル島に到達した私達はシャンクスとバギーを拾った

 

 そのまま再び航海に出る

 

 別れの旅だ

 

 ロジャー船長は名実共に海賊王となった

 

 新聞では海賊王ゴールド・ロジャーの誕生とその彼が手に入れたひとつなぎの大秘宝をONE PIECEと呼び海賊達はロジャーを討ち取れと盛り上がり、海軍は過剰に反応した

 

 それでも約1ヶ月の航海で我々は海軍の追撃を掻い潜り、海賊王の船に補給したがる物好きは居らず、身元が割れていない私がこっそり買い出しに出掛けなければ補給がほぼ不可能になった段階でロジャーは皆を集めた

 

「思い返せば全てが奇跡だった……死ぬと決まった命で良くここまで来れたものだ……お前らには感謝しかねぇ!!」

 

「や、や、やめろよロジャー何を今さら」

 

「やめろよ船長恥ずかしい」

 

「んもう馬鹿!」

 

「わはー!! ……じゃあ言うぞ!!」

 

「こい!! 覚悟はできている」

 

「「「こい!!」」」

 

「……ロジャー海賊団は……解散する!!」

 

「「「……うわぁぁぁぁぁ」」」

 

「……あの声は……深海で聞こえたあの声はきっと真実……誰かが産まれる……そして俺達を越えていく」

 

「誰が見つけるんだろうなワンピースを」

 

「そうだなレイリー……俺の息子かもしれねーぞ」

 

「オーロの事が?」

 

「馬鹿! オーロやアルジェントは俺達皆の子だろ!! 俺のしっかりとした息子だよ」

 

「おめぇ嫁さんも居ねぇのに何を言ってやがる」

 

「今からできんだよ!! ……俺達は早すぎたんだONE PIECEを見つけるのが」

 

「ワンピースか……でも数年したら忘れられるかもな俺達の偉業が海賊団の解散と共に政府に消されてよ……ロックスの野郎みてぇに」

 

「なに、俺達が語り継いでいくさ!! バラバラになるだろうがきっと……次世代が育つ……育てるさ」

 

「そいつは良いな!! ……オーロとアルジェントも海賊にならねぇかな」

 

「馬鹿、海軍にさせるさ……」

 

 わははははと自然と宴会になる

 

「お前ら海軍の居ない海に向かえ!! フューチ一家と一緒に船を降りる」

 

「えぇ!! フューチも!」

 

「フューチが居ねぇとこれ以上俺は航海が続けられねぇんだよ。あと海軍に最後は捕まる……その海兵はフューチって決めてんだ」

 

「「「えぇ!! 船長捕まるの!!」」」

 

「ちょ!! 聞いてないですよロジャー船長!!」

 

「もう海賊団は解散したんだロジャーでいいフューチ」

 

「聞いてないですよロジャーさん!! 私はロジャーさんを捕まえる気なんかさらさら」

 

「オーロとアルジェント、ココアはどうすんだ……俺を捕まえた実績が有れば政府からの恩赦も期待できる。これはお前の為じゃないフューチ! 俺達の宝を守るためだ」

 

「……う!! ぐっ!!」

 

「それにお前くらいなんでもできる奴が居ねぇと目的地までたどり着けねぇ」

 

「ロジャーさん……」

 

「皆も良いな!! 俺達の宝を守るためだ!! 許せフューチを」

 

「フューチ! オーロとアルジェント、ココアを傷付けたら許さねぇからな」

 

「母親のお前が最後まで俺達の宝を守ってくれフューチ!!」

 

「皆……必ず!! 必ず守ってロジャーさんを越える偉大な人にして見せる!!」

 

「フューチこれを貰ってくれ」

 

「これは……悪魔の実!?」

 

「お前ならこの超人系悪魔の実、メタメタの実モデル珀鉛を使いこなせるだろう! オーロやアンジェントに使うもよし! ココアに使うもよし! お前の信頼できる部下ができた時に使うも良しだ!!」

 

「ならココアおいで」

 

「なーに?」

 

「この悪魔の実はココアあなたが食べなさい」

 

「え? 良いの?」

 

「うん」

 

 ドロリ

 

「「「おお!! 珀鉛だ!! 滅茶苦茶白いぞ」」」

 

「うーん!! よいしょ」

 

「固くなった……どうだ? ココア使いこなせそうか?」

 

「うん! 大丈夫!」

 

「この悪魔の実の能力が覚醒すればココア、1国が救える力になる」

 

「私の力が国を!? 頑張る!!」

 

「頑張れココア!! 応援してるぞ!!」

 

「うん!!」

 

 こうしてココアは珀鉛人間となった

 

 ONE PIECEでしか存在しない架空の金属

 

 美しき白い鉛

 

 毒も含んでいるが体内に入らなければ毒にはならない

 

 私には臓器も武装色で守れるから良いが、次世代に影響する毒の為早めにコントロールを身に付けて貰おうと特訓を開始するのだった

 

 

 

 

 

 

 宴会は続く、夜も続く

 

「おでん俺は死ぬ前に白ひげに会うつもりだ!! 何か伝えることはあるか? イゾウもワノ国に帰すか?」

 

「いや、アイツはあの船に馴染んでいた……イゾウに伝えてくれ白吉っちゃんを頼むと」

 

「わかった伝えておく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある島で私達一家とココア、ロジャーは船を降りた

 

 皆泣いていた

 

 レイリーもギャバンもノズドンもおでんもシャンクスもバギーも皆……皆泣いていた

 

 勿論私もココアも泣いていた

 

 泣いて別れを惜しんだ

 

 ただ1人ロジャーだけは笑っていた

 

 クロッカスさんから受け取った大量の薬は私の能力で別次元にしまい込み、私達は見た目手ぶらで皆と別れた

 

「……ロジャーさんこれからどうする?」

 

「どうするも何も……小舟を買おう! 俺達が暮らせる位の船を」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「フューチさん! 見て見て!! 白々アタック!!」

 

 ドゴンと珀鉛を纏った腕で岩を破壊する

 

「いいねココア! それじゃあ覇気も纏ってみようか」

 

「うん! じゃあ目隠しするね」

 

「じゃあ私が木の棒で叩くから避けてみなよ」

 

「うん!!」

 

 ほのぼのとした空間、ロジャーはオーロとアルジェントを抱きながら昼寝をしている

 

 船を買い、新世界の悪天候をロジャーと私で言い合いをしながら何とか航海を続けて白ひげの縄張りまで来ることができた

 

 後は白ひげと会うだけだが、白ひげが航海に出ていてなかなか帰ってこないのでこうしてココアを鍛えていた

 

「ココア今何歳だっけ?」

 

「11歳!!」

 

「……オーロとアルジェントも2歳になって……子供が大きくなるのは早いなぁ」

 

「フューチさん! いくよ!! 白々あたーく!!」

 

「ふん!!」

 

 ゴチン

 

「かたーい!!」

 

「ダイヤモンドとも殴りあえる私が鉛ごときにダメージが入るわけないでしょ」

 

「うぅ……今度こそ上手くいくと思ったのになぁ」

 

「時間はまだまだある。見聞色の覇気の基礎はできてるから武装色の覇気も頑張ろうね」

 

「うん!!」

 

「おーい!! おーい!! 旅の人!! 白ひげの親父さんが帰ってきたぞ」

 

「ついにか……ロジャーさん起きてください白ひげが来ましたよ」

 

「ん? あぁ、今いゴホッゴホッ」

 

「大丈夫ですか? 今薬を打ちますからね」

 

「頼んだフューチ」

 

「白ひげとロジャーさんは何を話すんですか?」

 

「なーに、色々だ色々……昔話が多いかもな」

 

「おでんの件も伝えませんとね」

 

「あぁ、そうだな……」

 

 白ひげとの対話が始まる……



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24話

 春島……桜が満開のこの島で白ひげとロジャーの対話が行われた

 

「久しぶりだなロジャー」

 

「元気そうで何よりだ白ひげ」

 

「グララララ!」

 

「わはははははゴホッゴホッ」

 

「ロジャーさん……」

 

「おぉ、わりぃなフューチ」

 

「ロジャー風邪か? 仲間はどうした? フューチだけか? おでんも居ねぇ様だが」

 

「……まずはこれだな……ロジャー海賊団は数週間前に解散した」

 

「な!?」

 

「おでんはワノ国に帰す事になった……借りたのにすまねぇな」

 

「待て待て、ロジャー海賊団が解散だと!! 何の冗談だ。お前の事だ死ぬまで航海を続けるものだと思ってたが」

 

「俺はもう余命幾ばくもねぇ……もう時期死ぬゴホッゴホッ」

 

「ロジャーが死ぬだと……フューチ本当か」

 

「白ひげさんもわかるのでは? ロジャーさんがもう覇気も使えないくらい弱っているって事を」

 

「わざとじゃねぇんだな」

 

「あぁ、俺にも限界ってのが有るらしい……今はフューチに助けられてここに居るが手伝いが無かったらこうやってお前に最後の対話すら実現しなかっただろうよ」

 

「本当か……本当なんだなロジャー」

 

「だが、俺は満足だ。最後の島ラフテルへも行けた。……そうだ白ひげ。おでんの借りを返してなかったな……ラフテルへの行き方でどうだ? いや、ラフテルで何が有るか話そうか」

 

「興味ねぇよ。俺はワンピースよりも家族の方が大切なんだ。縄張りの維持もある。お前みたいな大冒険だけできるってわけじゃねぇ」

 

「なら少しだけ世界の真実を話そう…………」

 

「…………なに? それは本当か」

 

「あぁ、本当だ。ジョイボーイってのが鍵だ。そいつには必ずDの名が付く」

 

「D? お前は確かゴールド・ロジャーだろ?」

 

「違う違う、それは政府が俺に付けた名だ。俺の名前はゴール・D・ロジャーだ。俺も歴としたDの一族だよ」

 

「時々会うなDを持つ奴に。うちに居るティーチもDを持っていたな」

 

「ティーチには気を付けろよ白ひげ。力を持ったDは必ず大事件を巻き起こす。寝首を掻かれるんじゃねぇぞ白ひげ」

 

「グララララ! ティーチが? あり得ねぇよ。俺の大事な息子だぞ」

 

「そうか、それならいい……Dは神の天敵と呼ばれている。神はわかるだろ」

 

「天竜人か」

 

「そうだ。まぁこれ以上はお前の目で確かめろ……フューチ写しを出せ」

 

「はいよ」

 

 パチン グニョン

 

「なんだフューチ、お前の能力者だったのか」

 

「元々能力者だったんですが使い方がわかってなくて……ラフテルで能力の使い方説明書みたいなのが転がってたのでおでんさんの力で解読して貰い、ようやく使えるようになりましたよ」

 

「しっかし便利な能力だな道具をしまえる能力とは」

 

「まぁ覚醒すればもっと凄いんですがね……」

 

「グララララ! まだ覚醒してねぇのか! そいつは凄いな……で、ポーネグリフの写しなんか寄越してなんだ?」

 

「お前が使え白ひげ! 写しの写しだがこれが有ればおでんに会いに行った時にお前は俺の次の王になれる! 俺はお前になって欲しい! 白ひげ!!」

 

「……やめだやめだ! お前の苦労を考えるとそれを受け取ったらお前の冒険の冒涜になる! だから受け取れねぇよ」

 

「そうか! そう言ってもらえて安心したぞ! 流石俺のライバルだ」

 

「試したのかロジャー!」

 

「あぁ、試させてもらった!! 来いよ白ひげ俺のたどり着いた世界の真実って奴に家族を連れてな!!」

 

「おう! 行ってやるよロジャー! あの世で見てろ!!」

 

「……あ、そうそう、俺はフューチの海軍復帰のために海軍に捕まる事にした。司法取引の材料って奴だ」

 

「ん? なんでまた。ひっそり死ねば良いだろうに」

 

「おいおい海賊王の死亡がひっそりなんじゃ世界が許してくれねぇよ。公開処刑でもくらって全世界にド派手にしんでやるよ! それにこれはフューチの為じゃねぇ。俺達ロジャー海賊団最愛の宝のためだ」

 

「宝? なんだそれは」

 

「そこに居る俺達の息子と娘の為さ!」

 

「このガキ共か……良い宝じゃねぇか!」

 

「おう! お前も気にかけといてくれ! 俺達の宝をな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 白ひげとの対話は終わった

 

 お互い積もり積もった話を全て吐き出し、ロジャーは満面の笑みを浮かべて白ひげの縄張りから姿を消した

 

「ロジャー、次はどこへ行く?」

 

「決まってる南の海のバテリラって島だ!!」

 

 私は貝で作った小型の試作エンジンを取り付けカームベルトを突っ切るそのままラフテルで見つけた特殊なルート……白海にまで登り、レッドラインを突破し、南の海に僅か1ヶ月で到達した

 

「フューチ! お前さん航海士としても1流になったな」

 

「そりゃレイリーさんやギャバンさんのを身近であれだけ見れれば航海も上手くなりますよ」

 

「しっかし、このエンジンってやつはスゲーなずうっと動いてやがる」

 

「何個も貝を合わせることで外部の風力が1時間当てる事ができれば1週間は動き続ける。でも私が考えているエンジンは水が有れば半永久的に動かせる!」

 

「そいつはすげぇ!! 軍艦なんかも動かせるのか?」

 

「軍艦どころじゃないよ……島だって動かせる!」

 

「わはー!! そいつは良いな!! 最高だ!!」

 

 そんなくだらない話をしながら私達は目的地バテリラと言う島に着く

 

「ロジャーさん一応変装して上陸して。島ではその待ってる子の前以外変装を解いちゃダメだからね」

 

「わかってるよ。ありがとなフューチ。お前はどうするんだ?」

 

「隣のマーキ島でココアの特訓を再開するよ。1週間に1度、薬を渡しにここに来るから何かあったら電伝虫で報告してね」

 

「あぁ! 助かった! じゃあまた会おう!!」

 

「じゃあまた!」

 

「ロジャー船長! またね!!」

 

「ココア! 強くなれよ!!」

 

「うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マーキ島、小さな町と広い草原が広がる夏島

 

「じゃあやるよ! ココア!」

 

「うん!」

 

「じゃあ覇気についての指南書を復唱!」

 

「「覇気とは! 全人類が持つ意思の力であること! 心の力であること!」」

 

 気配、威圧、気合い、殺気、闘争心等の目に見えない力を纏めた物であり、精神がいかに強靭であるか、それを開花させるのは才能と努力である

 

 覇気習得の第一段階は精神修行である

 

 精神が成熟していれは自ずと自らに眠る力を呼び起こせるだろう

 

 邪道として他人の覇気を喰らい続ける事により目覚めを強制的に促す事が可能とわかり、ココアの協力でそれを洗練する事ができた

 

「「覇気は全てを効率よく育てるべきである! 偏りが有れば覇気は十分に機能しない」」

 

 覇気には壁がある

 

 鍛えていけばぶつかる壁が

 

 それを乗り越えるには別種類の覇気を鍛えるのが効率的である

 

 私は最初覇王色に極振りであったが武装色と見聞色を覚えてからどちらも鍛えたからこそ緑色の覇気という世にも珍しい覇気を習得できた

 

 ココアは11歳ながら既に武装色と見聞色の覇気の初歩は身に付けている

 

 メタメタの実の能力を合わせれば将来のシャーロット・カタクリの様に自身の体を削って技を回避するみたいな事ができるだろう

 

 超人系の覚醒こそ伸び幅は絶大

 

 他人に影響を与えるまで到達できればベストである

 

 話を覇気に戻そう

 

 相手の気配をより強く感じる力……見聞色の覇気

 

 目に見えない鎧を着るイメージ……武装色の覇気

 

 気配探知の見聞色の方が訓練内容も分かりやすく身に付けやすいが、武装色の覇気には裏技がある

 

「じゃあココア私が覇気を流すからそれを身に着けてみようか」

 

「うん!」

 

 私はココアの体に手を当てる

 

 そのまま覇気を流しココアが流れた覇気をコントロールする

 

「腕が黒くなったよ!!」

 

「それじゃあ私が手を離すからその状態を維持ね」

 

「うん!」

 

「……はい!」

 

「う──ーん!!」

 

 これが武装色習得の裏技である

 

 初めはコントロールだけを意識して、次は覇気の放出だけを意識する

 

 そしてコントロールと放出を上手く噛み合わせ、最後に覇気の圧縮を行う

 

 今ココアはコントロールと放出の噛み合わせを頑張っている

 

 これさえできれば武装色硬化を自力で扱える

 

 扱えるようになれば後は圧縮をして、範囲を広くしていけば青色の覇気となり、全身武装色になる

 

 さらにコントロールを身につければ臓器や血管をも武装色で守ることができる

 

 そこからは圧縮と面積を広げることのいたちごっこ

 

 その状態になって初めて武装色を極めた状態となる

 

 面積や形状変化の激しい超人系能力者はなかなか圧縮まで到達できず、面積を広げることばかり意識してしまう

 

 その考えをココアには改めるように指導している

 

 ちなみにオーロとアルジェントは圧縮までしてないものの全身武装色硬化と見聞色の初歩は2歳ながらにもう身に付けている

 

 転んだ時に硬化するものだから産まれてこのかた怪我を1度もしたことがない

 

「オーロ! アルジェント! おいで」

 

「「ママー」」

 

 ちなみにこの2人

 

「いや、ママ、子供の名前にイタリア語で金と銀は痛すぎじゃね? ONE PIECEの世界じゃなきゃ児童科に駆け込むレベルだからね」

 

「いや、お兄ちゃん付けたの私達のパパのロジャーだから……海賊王ゴール・D・ロジャーだから私達金金と金銀になる滅茶苦茶な名前だから」

 

「やベー痛すぎ」

 

「きゃはははは」

 

 ギフティッドである……曰く転生者と言っているが……

 

 



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ロジャー逮捕

 海賊団が解散して約10ヶ月

 

 遂にこの日がやって来た

 

「ロジャー……船長……悔いは有りませんか?」

 

「あぁ! ねぇよフューチ!! ……この際だ最後まで付き合ってくれたお前にこれをやるよ」

 

「これは……エース!? 愛刀じゃないですか!!」

 

「俺が捕まればこいつとも別れることになる。……だったらお前に渡した方が何百倍もましだ」

 

「パパ!! パパ!!」

 

「ロジャー死ぬの? 公開処刑されるの?」

 

「オーロにアルジェントか。なに俺は死なねぇよ」

 

「パパ、いつか私達もう一度ラフテルに向かうよ! 強くなってパパを越える」

 

「そうか! わはー!! そいつは嬉しいな」

 

「強い悪魔の実も食べてまずはココア姉ちゃんを越えるんだ!!」

 

「そうか……そうか!」

 

 2人の頭を擦りお別れを済ます

 

「じゃあ行こうロジャー……本当に今までありがとうございました」

 

「じゃあなオーロ、アルジェント、それにココア! 強くなって俺を越えに来い!!」

 

「……ココア少しの間ポートガスさんの家でオーロとアルジェントを守ってね……少し仕事をしてくる」

 

「うん! フューチさん待ってます!!」

 

 ブロロロロ

 

「じゃあフューチ! 最後も派手に頼むぜ!!」

 

「目的地は」

 

「マリンフォード!!」

 

「了解船長!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『こちらフューチ大尉……こちらフューチ大尉応答願います』

 

 プルプルプルガチャ

 

「こちらマリンフォード……何様か?」

 

『大物を捕まえた。私の指揮権限を超過しているため上官の指示を仰ぎたい』

 

「しばし待たれよ……今何処に居る」

 

『正義の門!! 今開ける』

 

「は? 何をする気だ」

 

「長官殿!! 正義の門が勝手に開いていきます!!」

 

「なに!?」

 

 我々は目を疑った

 

 ボロボロの正義のコートを羽織った女海兵が正義の門を抉じ開けているではないか

 

「す、す、直ぐにコング元帥に報告を!!」

 

「は、はい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「やるなフューチ!」

 

「派手にやれって言ったのは船長だよ。さぁこれで本当の最後だと思う。大将達がやって来て私は尋問されるでしょう……ロジャー船長! 大冒険楽しかった」

 

「あぁ! 悔いはねぇ!」

 

 ウゥーウゥーウゥー

 

「緊急事態のサイレンだ。広場まで船を進めるよ」

 

「おう!」

 

 

 

 

 

 

 

「待て!! 止まれそこの小型船!!」

 

「駄目です中将!! あの小型船滅茶苦茶速くて照準ができません!!」

 

「ええい! ……あ、あれは!!」

 

「センゴク大将に! ガープ中将が出てきました!!」

 

「これで小型船も止まるな」

 

「ん? 女海兵ばかり目が行っていたが隣に座っている男性はなんだ?」

 

「あ、あれは!!」

 

 

 

 

 

 

 

「センゴク大将!! ガープ中将!!」

 

 私は叫びながら敬礼をする

 

「この度極めて重大な案件のため!! 正義の門を抉じ開けさせていただきました!!」

 

「ん? なんじゃあの海兵は」

 

「止まれ海兵!!」

 

「ジゲジケ転送……」

 

 小型船はみるみる消えて無くなり、手を縄で縛られた男と女海兵が広場に降り立った

 

「海賊王捕縛と言う案件です!!」

 

「「ブー!! ロ、ロ、ロ、ロジャー!!」」

 

「久しぶりだなガープ! センゴク!!」

 

「何しに来た!!」

 

「何ってこの通り、この海兵に捕まった」

 

 私は直立しながら敬礼を続ける

 

「女海兵! 名と階級は!!」

 

「エレ・フューチ! 階級は大尉であります!!」

 

「大尉!? 馬鹿を言うな! そんな練り上げられた覇気をしながら大尉奴が居るか!!」

 

「ガープまて、話がややこしくなる……ロジャー、何を考えている」

 

「いや何も。ただ捕まっただけだ。もう悪さもしねぇよ」

 

「ふん! 嘘付け……ロジャー。なぜ自由を愛するお前が海兵なんぞに捕まる」

 

「嘘じゃねぇさ。俺はこいつになら捕まっても良いと思ったから捕まったのさ」

 

「……どちらにせよロジャーお前はインペルダウンに収監される! いいな!」

 

「あぁ! 好きにしろセンゴク! 俺の冒険は終わった」

 

「おい見ろよロジャーだ! ロジャーがいる!」

 

「海賊王がこんな場所に……あり得ねぇ」

 

「あの女海兵は何者なんだ! 見たことねぇ」

 

 ざわざわと海兵達が私とロジャーを取り囲みながら話をする

 

 私はその間もずっと敬礼をし続ける

 

「おい! ロジャーを監獄に連れていけ」

 

「は、はい!!」

 

「おいおい逃げはしねぇよ。ビビるなよ海兵」

 

「し、しかしお前は55億の男……」

 

「おい、フューチ! こいつらじゃ話にならねぇ。監獄まで引っ張っていってくれよ」

 

「わかりました」

 

「お、おい」

 

「黙れ」

 

 ドサッドサドサ

 

 屈強な海兵達がバタバタと倒れる

 

「なんちゅう覇気だ」

 

「覇王色……しかし尋常でないな」

 

 ガープ中将とセンゴク大将の顔には冷や汗が出ている

 

 私は真顔でロジャーの事を引っ張っていく

 

「まて、フューチ大尉……ロジャーを牢に入れたら話が有る」

 

「わかりました。全て隠さずに話しますセンゴク大将」

 

 

 

 

 

 

 

「凄いねぇ~あんな海兵居たかねぇ~」

 

「いや、知らん顔じゃな」

 

「……あ!? 思い出した! フューチ大尉だ! あの人かよ」

 

「しっちょるのかクザン」

 

「俺が二等兵の頃の上官だ。全然見なかったから死んだと思ってたが……あらら、凄くなっちゃって」

 

「2人共見てみなよ~あの覇気を……漏れ出てる覇気に色が付いてるよ~黄色いねぇ~」

 

「本当じゃな……覇気に色がついちょる」

 

「昔から覇王色使う人だったけど別物だよ。化け物かよあの人」

 

 次期大将に最も近いとされている3人の中将が揃いも揃って化け物と称した

 

 フューチはロジャーを引っ張り牢に入れる

 

 

 

 

 

 

 どうも第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちは……フューチです

 

 ただ今コング元帥の下、センゴク大将、ゼファー大将、ガープ中将、つる中将、ボルサリーノ中将、クザン中将、サカズキ中将と海軍の最高戦力が揃い踏み

 

「まずは君は何者かね? フューチ大尉。君の経歴は見させてもらった。AF銃の製作者であり、今は無きブレッド少将の部下であった事も調べはついている……遭難したと聞いていたが何をしていた」

 

「ロジャーの船に乗っていた」

 

 場の空気が凍る

 

「つまりロジャーのクルーだと?」

 

「海軍に所属していたので海軍とは1戦も交えなかったので懸賞金は付いてませんが乗っていました。料理長として」

 

「……初めはゴッドバレーの借りが有った為でしたが乗っているうちに船員と打ち解け、私が海軍所属であろうとも平等に扱ってもらいました!! 船長の子では有りませんが2人の子供も産みました。ココアという子供を拾い我が子の様に育てています」

 

「今回の逮捕はロジャー船長の意思です。私を海軍に戻す為に……最後の瞬間を与えてもらいました」

 

「最後の瞬間じゃと!! どういうことだ!!」

 

「ガープ中将……ロジャー船長の病は末期です」

 

「な!?」

 

「薬で延命しているだけでもうこれ以上の延命もできないと悟り今回の逮捕となりました」

 

 私は泣いていた

 

 泣きながら全てを語る

 

 一部嘘を交えながら

 

「強くなり、逮捕できる機会は多々有りましたが遅くなり申し訳ありまぜん」

 

「……そうか。君は見たのだろう最後の島で真実を……それを知ってなおなぜ海軍に戻る」

 

「コング元帥! それは……」

 

「センゴク大丈夫だ。責任は私が取る」

 

「……最後の島で私は…………」

 

「!?」

 

「な!?」

 

「だからこそ海軍にて世界を変えないといけないと思いここに来ました!!」

 

「……追って指示を出す。それまでセンゴク。お前の部屋でフューチ大尉を軟禁とする」

 

「は!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最後の島の事……他に言い様は幾らでも有ったろうに……」

 

「センゴク大将……これから大きな時代の変化が訪れます。ロジャー船長の処刑から始まる時代が」

 

「フューチ大尉……ロジャーの処刑で海賊と海軍の対立の時代が終わるのかね」

 

「逆ですね。海賊達の時代が始まります。新たな海賊王が現れる日まで」

 

「そうか……嫌な時代だな」

 

「今回のロジャー逮捕の功績と海賊王のクルーであった事実はどうなると予測しますかセンゴク大将」

 

「恐らく海賊王のクルーであった事実が消されロジャー逮捕の功績で大幅に出世するだろうが、世界政府の監視下に置かれるだろうな」

 

「……それは困りますね……私は来るべき日の為に有ることをしなければならない」

 

「何かね?」

 

「世界徴兵を!!」



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VSシキ ロジャーの処刑

 ロジャー逮捕の一報は直ちに全世界へと駆け巡った

 

 私はいまだに軟禁を解かれておらず、電伝虫に水やりをするくらいしかやる事が無かった

 

「ロジャーの処刑が決まった。これでアイツの時代は終わりだな」

 

「そうですか」

 

「ロジャーは東の海の始まりの町ローグタウンにて処刑される……行かなくて良いのか?」

 

「別に必要有りませんよ。護送には誰が付くのですか?」

 

「ガープ以外の中将全員が付く……少々過剰戦力だがな」

 

「いや、妥当でしょう。海賊王ですよ」

 

「ずいぶんと評価が高いな。やはりクルーと我々では見方が違うか」

 

「見方云々ではなく実際に国をも滅ぼした大海賊です。その名声は数多の海賊を惹き付けます……もう彼には覇気を出す力もないので」

 

「そうか……奴も病魔には勝てんかったか」

 

「恐らく今は喋るだけで吐血する状態でしょう……私はそんな彼を見るのはもう嫌ですよ」

 

「そんなものか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから2日後

 

 荒れ狂う天候の中、突如侵入者を示すサイレンがマリンフォードに鳴り響く

 

 ウゥ──ーウゥ──ーウゥ──ー

 

「センゴク大将!! 侵入者です!!」

 

「聞けばわかる」

 

「センゴク大将……軟禁を一時解いてもらいませんか」

 

「何をする気だフューチ大尉」

 

「窓から見える軍艦が空から降ってくるこの現象……できるのは奴しか居ない……金獅子のシキのみ」

 

「シキなのか!」

 

「はい! 奴1人で海岸の広場にて先遣隊が戦闘を」

 

「先遣隊は全滅でしょうね……奴ともエッド・ウォーで戦ってきた……思い入れが有るのです」

 

「よかろう……シキ程の男だ。戦力は多いに越したことはない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

「金獅子!! そこまでだ!!」

 

「もうやらせはせんぞ!!」

 

「ガープ中将にセンゴク大将だ!!」

 

「海軍の伝説の2人が来てくれた!! 助かった!!」

 

「シキ!! 久しぶりだな」

 

「……ん? 誰だ!!」

 

「エッド・ウォーでロジャーの側にいた女海兵だよ」

 

「海兵……あぁ! まさかてめぇがロジャーを逮捕したのか!!」

 

「ご名答!!」

 

「て、てめぇ!! ……海軍はやっぱりカスの集まりだ!! ロジャーは俺が認めた男だぞ!! そんな奴がおめえらみてーなカス共に普通捕まるハズが無いんだ!!」

 

「……ロジャーは海賊王……奴との勝負はロジャーの勝ち逃げたシキ」

 

「海賊王……それがなんだ!! アイツが俺に手を貸せば!! 俺達は全世界を手に入れることができた!! ……適合する事は無かったが、アイツとは同じ時代をやってきたんだよ……居るんなら連れてこい!! 殺すなら俺の手で殺してやる!!」

 

「処刑は1週間後……奴の生まれ故郷東の海の始まりの町ローグタウンにて処刑が行われる」

 

「ロジャーの死はあらゆる海賊の心をへし折るだろう」

 

「海賊王ロジャーの伝説があの最弱の海……東の海で終わるってのか!! 笑わせるな!! それはあのくそったれに対する最後の侮辱だよな!!」

 

「俺は死なねぇ」

 

「あ!?」

 

「ロジャーがとある人物に掛けた最後の言葉だ……どういう意味かわかるかシキ」

 

「死なねぇ? もう死ぬじゃねぇかアイツは!!」

 

「死とは全ての人が忘れられた時に初めて死となる! ロジャーの意思は受け継がれ、新しき時代を作るであろう!!」

 

「それがどうした!! 女海兵!!」

 

「死してなお世界に意思を残すロジャーと、ひっそり監獄で死ぬお前とじゃ格がチゲぇんだよ!!」

 

「てめぇ……名は」

 

「エレ・フューチ」

 

「覚えたからな!! フューチ!! ここで八つ裂きにして殺してやる」

 

「全身武装色硬化……ブラックモンスター……倒されるのはテメーだシキ!!」

 

「最弱とは言い様だ……東の海は平和の象徴!!」

 

「処刑の邪魔はさせん!!」

 

「斬波!!」

 

「見聞色紙絵……緑拳!!」

 

「うぉぉぉぉ!! ゲンコツ!!」

 

「衝撃!!」

 

 ドゴーン!! 

 

「緑刀……デュランダル真」

 

「てめぇ!! どこまで俺の神経を逆撫ですりゃ!! 気が済むんだ!! てめぇ!! その刀!! 最上大業物のエースじゃねぇか!! ロジャーから奪ったのか!!」

 

「これは授かった物だ!!」

 

 ガッギィィィィィィン

 

 衝撃は天をも切り裂く凄まじいもので、荒れ狂う天候の隙間から天の光が漏れるほどであった

 

「しぃぃぃぃぃ!!」

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

「ぜいやぁぁぁぁ!!」

 

 フューチ、ガープ、センゴクとシキの戦いは約2時間

 

 マリンフォードの町を半壊させるまでにおよび決着となった

 

 空から軍艦が落ちてきたり、それを空中で切り裂いたりと、常人には理解できない超常的な現象にただの海兵達は黙ってその様子を見ていることしかできなかった

 

 かくして海賊艦隊大親分金獅子のシキはインペルダウンに投獄されることとなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1週間後

 

「フューチの奴はやっぱり居ねぇか」

 

「何をブツブツと」

 

「いやぁすまん手が痒くてな。手錠を外してくれねぇか」

 

「何を馬鹿な事を!!」

 

「別に今さら逃げはしねぇよ」

 

 フューチ……お前と過ごした約5年楽しかったなぁ

 

 葛藤しながらも最後まで航海にも付き合って見ていて楽しかったぜ

 

 オーロとアルジェント、それにココアを頼むぞ

 

「俺の財宝か! 探せ!! この世の全てをそこに置いてきた!!」

 

 悔いはねぇ……悔いは……ルージュ……俺の子を頼む……はは! 最後の瞬間まで悔いが有るとは俺も人だったか

 

 グサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゴール・D・ロジャーの死から1夜明け、海賊王の残した言葉に駆り立てられた世界は大海賊時代が幕を開けた

 

 そんな中海軍はこの様な事になるとは思わずパニックになる中、フューチの処遇が五老星の指示で下る

 

『エレ・フューチ大尉を海賊王逮捕及び金獅子逮捕の功績により少将とし、海軍G・L第6支部支部長とする』

 

「心得ました」

 

『速やかに移動を始めろ』

 

「は!!」

 

 佐官や准将をすっ飛ばして少将となり、新世界に有るG-6支部へと転属が決まった

 

 ただG-6支部は地獄として名高く白ひげ、ビッグマムの縄張りに接しており、周辺の10つの島……冬島1島、春島3島、夏島1島、秋島1島、四季の有る島2島、常に夜の島1島に1週間に1季が変わる島で構成されており総称してテンテン諸島と言われ、それらを世界政府加盟国で纏める小国モーリシャス王国が存在した

 

 なぜ10島もの大きな島を保持しながら小国なのには理由が有った

 

「生存競争に負けた島々か」

 

 大国になるポテンシャルは有る国ながら四季の有る島を除き全てを怪物に支配されており、危険で住むことが叶わない島であった

 

「開拓できれば新世界でも数少ない安全地帯にできる……よし、まずはオーロ、アルジェント、ココアを迎えに行こう……話はそれからだ」

 

 思っていたより緩い罰であり、世界政府側も揉めたのだろうと予想できた

 

「まぁ事実上の左遷か? 中央には置いておきたくない人材だろうし私は……CPナンバーの見張りも付くだろうな」

 

 そんなことを考えながら今後どうしていくか考える

 

「センゴク大将お世話になりました」

 

「うむ。新世界のテンテン諸島は相当厳しい島々だが、フューチ少将の力であれば問題無かろう」

 

「全力で頑張らせてもらいます」

 

「うむ期待しているぞ。部下は……あの島には500名程駐屯しているから上手く使うといい」

 

「そうですね。そうします」

 

 私は荷物を纏めるとマリンフォードから出港した

 

 目指すはバテリラ……子供達のもとへ

 

 モーターボートの様に凄まじいスピードで小型船は移動する

 

 帆を張り風を受けて渦を避け、海上をサッと突き進む



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基地長編
26話時点のオリキャラについて


エレ・フューチ(28歳)

 

悪魔の実 ジゲジゲの実 次元人間

 次元を越えた物を見聞きできる能力

 次元を作りその空間に物資を入れることができる

  (例ドラえもんの四次元ポケット)

覚醒後 次元と次元をねじ曲げ高速移動できる

  (Apexのレイスのウルト)

 

容姿

 

 黒髪、赤色の瞳でありONE PIECE世界だと低身長の170cm美形であるが胸は無い(顔のモデル四宮かぐや)

 

服装

 

 海軍の時は普通の海軍将校服

 

 ロジャー海賊団時代はワンピースの上にボロボロの正義と書かれたコートを羽織っていた

 

正義

 

 包括する正義

 

 全てをまとめて1つにしたいという願いから

 

 裏の意味は天竜人も魚人もミンク族も人類皆人であるという意味

 

 ロジャーとの航海で見つけた正義である

 

思考

 

 改革 革命的

 

能力

 ・航海術

 ・調理

 ・砲術

 ・武器製造

 ・経理

 ・図面引き

 

戦闘技能

 六式 紙絵 剃 月歩は超高水準 嵐脚はやや苦手

 覇王色の覇気 一番使いなれている 黄色い

 見聞色の覇気 まだ未来は見えていない

 武装色の覇気 全身どころか臓器まで硬化できる 青色

 覇気の圧縮 覇気を圧縮することで覇気の性質を上げることができる技法

 覇気の途絶 覇気を完全に消す方法 敵から気づかれにくくなったり実力を隠すことができる

 サーベル剣術 覇気のごり押しでそこまで強くない

 

解説

 海軍でありながらロジャー海賊団のクルーになった異端児

 ラフテルで海軍に戻らなくてはならないと決意する

 オーロとアルジェントという赤ん坊がいる(父親はロジャー)

 ココアというビッグマムの子供を我が子のように可愛がっている

 発明好きでダイヤル(貝)に大興奮した

 

 

 

 

 

シャーロット・ココア(12歳)

 

容姿

 ピンク色の髪の毛青色の瞳、瞳の中星がある可愛い女の子(顔のモデル藤原千花)

 身長は現在150cmくらいだが、将来は3mほどになる

 ボンキュッボンの将来はKカップ

 

悪魔の実 メタメタの実(モデル珀鉛) 金属人間

 白色の美しい鉛を体から生み出したり、体の一部を珀鉛に変化させたりできる

覚醒後 珀鉛の毒を取り除くことができる

 珀鉛を空中から生み出したり攻撃したりできる

 外部の物を珀鉛に変化させることができる  

 

正義

 

 平等なる正義

 

思考

 

 共生 親愛

 

戦闘技能

 六式 未完成部分は覇気でカバー

 武装色 硬化はできる

 見聞色 一通りはできる

 覇王色 鍛えてはいるがコントロールにやや不安

 

解説

 ビッグマムの子供でありながら正義に目覚めた女の子であり、オーロとアルジェントの姉の様な立場になる

 成長速度が凄まじく早く、早熟なのではないかと心配しているが杞憂である

 ラフテル到達時に海軍の正義が正義でないとわかり葛藤するが、フューチのとある考えに賛同し、フューチの子供として生きていくことを決める

 

 

 

 

 

エレ・オーロ(ゴール・D・オーロ)(3歳)

 

容姿

 

 黒髪短髪水色の瞳にその中の右目に星が入っている(顔のモデル星野愛久愛海《アクアマリン》)

 

思考

 

 不変 丁寧 安全 臆病

 

戦闘技能

 武装色 全身硬化可能

 見聞色 人の心を読める

 覇王色 才能有り

 

解説

 ゴール・D・ロジャーの息子にしてジゲジゲの実の影響を受けた自称転生者

 ONE PIECEの知識は頂上戦争まで

 覇気については知らなかったがフューチに教えられた事により知る

 パワーインフレを危惧しており、未来のONE PIECEが頂上戦争の白ひげレベルがゴロゴロ居る末期なのではと考えている(そんなことありません)

 正直自身の安全を一番欲しており臆病者であることから強者とはなるべく対話で済ませたい

 ONE PIECEの押しキャラはジンベエ

 

 

 

 

エレ・アルジェント(ゴール・D・アルジェント)(3歳)

 

容姿

 

 黒髪肩まで長さ薄く赤い瞳の中の左目に星が入っている(顔のモデル星野瑠美衣)

 

思想

 

 改革 社会主義 勇気

 

戦闘技能

 武装色 全身硬化可能

 見聞色 人の心を読める

 覇王色 才能有り

 

解説

 ゴール・D・ロジャーの娘にしてジゲジゲの実の影響を受けた自称転生者

 ONE PIECEの知識は万国編まで

 覇気を正しく理解しておりオーロよりも多方面に才能はある

 現代社会出身者でありながら社会主義の魔力にドップリ浸かってしまった中二病患者

 ONE PIECEの世界ならば計画経済でもやっていけるのではと考えるやベー奴

 ただ本質的には勇気ある人で、改革、革新的技術を吸収して自身の糧にするため親にしてこの子有りと言う感じ

 ONE PIECEの押しキャラはサボ




作者
 1日1万文字書いてる暇人 半ニート
 批評貰うと結構心に来るが来ないと物語が良くならないため複雑な思い

一言
 感想、評価、お気に入り、誤字修正本当にありがとうございます!!


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着任フューチ少将

 どうも第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 原作開始22年前……私が28歳、オーロとアルジェントが3歳、ココアが12歳になりました

 

 私は無事に子供達の居るバテリラに到着し

 

「フューチさん!!」

 

「おぉ、ココア元気だった?」

 

 約1ヶ月ぶりの再会オーロもアルジェントも元気そうだ

 

「ねぇママ。パパはやっぱり処刑されたの?」

 

「うん……偉大な最後だった……オーロ、アルジェント。これからパパの名前を言ってはいけませんよ。鬼の子と分かれば世界政府が動き出すからね」

 

「「わかった!!」」

 

「よしよし、良い子だよ。ココア直ぐにこの島を出てテンテン諸島に向かうよ」

 

「テンテン諸島? 行ったこと有りましたっけ?」

 

「いや、無いけど……永久指針もあるし、地図もある。行くのは容易いよ」

 

「そうですか……良かった……」

 

「ココア、オーロとアルジェントを連れて先に船に行ってて、ポートガス一家に挨拶してくるから」

 

「はーい。行こうオーロ、アルジェント」

 

 

 

 

 

 

 

「ルージュさんお久しぶりです」

 

「あら! フューチさん! いらっしゃい! 子供達には会えたかしら」

 

「えぇ、預かっていただきありがとうございました」

 

「いいのよ……で、もう行ってしまうの?」

 

「はい。ここでの長居はあなた方にも良くない」

 

「そう……海軍に乗り込んだってニュースは笑わせてもらったわ。あの人の顔写真も載っていたし、……ねぇ」

 

「はい」

 

「あの人は満足して逝けたのでしょうか……フューチさん」

 

「マリンフォードに向かう最後の旅でロジャー船長は貴方との惚気話ばかりでしたよ……やっぱりあなたが羨ましいルージュさん。……船長から私も愛されたかった……でも私には抱かれる事は有っても愛までいかなかった……仲間で完結していた。最後まで愛していたのはあなたでした」

 

「そう……そうですか……」

 

 ルージュさんは静かに泣いていた

 

 ルージュさんのご両親はその話を静かに聞き続ける

 

「私はもうここには来ないと思います。ロジャーの子供探しに海軍の捜索が始まると思いますがモンキー・D・ガープ中将に会うことが有ったら頼ってください。彼が監獄に入れられたロジャーと最後に話をしたライバルです」

 

「わかったわ。伝えてくれてありがとう」

 

「それでは……お元気で」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バテリラから小型船でカームベルトを突き進む

 

 風は無いが天候が安定しているためである

 

 時折出てくる海王類はココアの良い練習相手となり、ココアもメキメキと力を付ける

 

「ココアは月歩と剃は使えるようになったから指銃とか覚える? 嵐脚覚える?」

 

「それより能力を伸ばしたい! はやく! はやく能力の覚醒ってのをしてみたい!!」

 

「そうだね……よし! それじゃあその特訓をしようか!」

 

「はい!!」

 

 歌を歌いながら航海を続ける

 

 春島、夏島、秋島、冬島通り抜け、空島、白海を通過してレッドラインを横断し、グランドラインに突入して、新世界テンテン諸島に到着する

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここがテンテン諸島……モーリシャス王国のある1の島」

 

 テンテン諸島の永久指針を頼りに進むこと3週間テンテン諸島に到着する

 

「裏道は航海を楽にすると知っていたけど……カームベルトとレッドラインを空島経由で通過するのは冒険をだいぶ簡単にするね……」

 

「楽じゃ何か問題でもあるの? フューチさん」

 

「いや、……昔のあれだけの苦労はなんだったのかなって」

 

 約10年前の大量の死者を出しながら敢行していたグランドラインの航海を私は思い出していた

 

「……とりあえず行こう。感傷に浸ってたってなにも始まらないからね」

 

 

 

 

 

 

「フューチ少将に敬礼!!」

 

 私も敬礼をしながら歩く

 

「ご苦労!!」

 

 基地に入ると手厚い出迎えを受けた

 

「大佐、まずはこの国の上層部に挨拶をしたい。アポは取れるか?」

 

「は! 既に王族の方から接触を求められております!!」

 

「よろしい。この子達は私の娘だ。生活私の自室に案内していてくれ」

 

「は!!」

 

「フューチ少将新しい制服になります。ボロボロのコートでは格好がつきません。着替えてください」

 

「王族との謁見する時は着替えるが、通常時はこのボロの服で良い……基地の人数、軍艦、武器の数、使える工場、町の規模等のデータが欲しい。謁見後こちらに戻るまでに準備しておいて欲しい」

 

「直ちに」

 

「ふー、さて始めますか!!」

 

 フューチ人生の第三章の始まりだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく来てくれた海軍の少将さん。難しい土地だろうに……その……ずいぶん若いな」

 

 モーリシャス王国国王ベゾルト3世

 

 引き締まった筋肉、肌はやや黒くこの過酷な動植物の王国の国王に相応しい前線で指揮を自ら取る国王である

 

「若さは関係ありません。国王様……前任者は戦死と伺っております」

 

「うむ、白ひげ海賊団と抗争の末戦死した」

 

「まずは安全問題を何とか致しましょう。白ひげとは個人レベルですが知り合いですので何とかできます」

 

「本当か!!」

 

「海軍として公にはできませんが白ひげとは不可侵を結ぼうと思っております。もう一方のビッグマムに対しては苛烈に対処致します」

 

「しかし我が王国は動植物の進行により疲弊している。ビッグマムと全面的な敵対ができる程この国は強くないぞ……食料の輸入にも支障が出る」

 

「なるほど……まず私が着任したからには基地の兵、国軍の強化を行いましょう。覇気と六式の技を伝授致します。動植物の蔓延する島々の解放していこうと思っております」

 

「本当か!! ……前任者は海軍の管轄外と言って協力してくれなかったが」

 

「海兵の訓練のため、食料補給のため等理由は幾らでもつけられます……5年以内に新世界でも戦える強国になる手伝いを致します。10年以内にビッグマム、白ひげと渡り合える武力を、15年以内に世界の強国になる手伝いを致しましょう。こちらは全力で協力するつもりです」

 

「助かる……世界会議に出席する先々代から続く悲願達成に協力してくれ」

 

「わかりました。まずは……我々が力を蓄える時間と金を稼ぐため海兵を使って港の拡張、白ひげ、ビッグマム海賊団の船の補給の見逃し等を行います。治安維持にも海軍を出しますので治安は悪化させません」

 

「し、しかしそれは海賊との癒着になるのでは」

 

「何を今さら……私はロジャーの船のクルーですよ。悪名が高まろうが構いませんし、最終的に駆逐できれば良いのです。センゴク大将、コング元帥両名からの許可は頂いています」

 

「そ、そうか……ずいぶん劇薬みたいな人物を寄越したものだ」

 

「ふふ、別に私腹を肥やそうってわけじゃ無いですから安心してください」

 

 国王や重鎮達は私の威圧感、ふてぶてしさ、異常な自信にヤベー奴が来たと思うが、世界政府の機関である海軍からの人事に文句は言えず、守ってもらってる側なので文句も言えない

 

「それでは失礼します……」

 

「あ、あぁ。頼んだぞ」

 

 

 

 

「全ては未来のために」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「注目!!」

 

 海軍基地に戻った私は全海兵を集め指標や自身の正義を発表する

 

「まずこの国出身の海兵が多数だと思う! 安心しろ。前任者見たいにこの国の問題を見てみぬ振りはしない!! ガッツリ介入する! まず君らには1から鍛え直してもらい! 覇気と六式を覚えてもらう! これは私が訓練内容を紙に書き出し明日までに配る! 次に港の拡張工事を行う! 重機や基地に備蓄している資材を全て使う! 以上2つが目標値に達成するまで航海を禁じる!」

 

 戸惑い半分国の為に頑張ろうってのが半々ってところか

 

「それに新隊員のココア見習いは覇気は習得している。真似して頑張るように……最後に私の正義を発表する」

 

「包括する正義を掲げる!! 以上!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やべぇ人が来たぞ」

 

「あぁ、ずいぶん若い少将だと思ったがロジャーや金獅子を捕まえたヤバイ人らしい」

 

「金獅子!? ロジャー!? 海賊王と新世界の化物じゃねぇか! 俺達一般海兵が万単位でいても敵わない化物をか!?」

 

「何でもカームベルトや新世界を年単位で航海してもピンピンしてるらしい! 海王類も怖くないんだと」

 

「マジか……そんな人の訓練って死ぬんじゃねぇか?」

 

 フューチ少将が着任してから基地内で噂は絶えない

 

 何でもロジャーの船に何年も潜伏して捕まえる機会を狙っていたとか、白ひげ、ビッグマムとも殺し合ったとか

 

 悪魔の実の能力者で家具なんかを能力で出してるのを見たとか

 

 島出身の海兵達は前任者の不干渉主義の提督よりは話がわかるのではと言っていたが、大佐達も少将の行動力に目が回る程忙しいと言っていた

 

 この先俺達はどうなるんだ? 

 

『○○班至急広場に集合するように。武装は無しだ』

 

 地獄の訓練の始まりだった

 

 

 

 




バーが黄色になっちゃった(涙)


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回想 特訓

 フューチが言った白ひげ、ビッグマム海賊団の船の補給の見逃しと言う発言について

 

 話はセンゴク大将とコング元帥の許可を取るところまで遡る

 

 五老星から直接指示が下り、私は直ぐにテンテン諸島及びモーリシャス王国を調べた

 

 モーリシャス王国は白ひげとビッグマムの勢力のちょうど境目にあり、海軍がその隙間を縫うように進出している地域であり、五老星的にはラフテルにて秘密を知る私を早く消したいのであろう意図が見え見えであった

 

 ただ、海軍上層部としては金獅子にて活躍し、使える戦力をみすみす逃したくないと言う意図があり、左遷する場所を4つの海にできないか揉めていたが五老星に押しきられる形となった

 

「なら、白ひげと不可侵を結んでも?」

 

「海賊と取引だと! フューチそれは海軍の絶対的正義に反するぞ!!」

 

「しかしそれでは私はビッグマム、白ひげに擂り潰されてしまうでしょう。なら、穏便に済ませるのが妥当……どうせ20年はビッグマム、白ひげの勢力が拡張する事は有っても衰退はしませんから」

 

「ずいぶんな自信だな。何か根拠でもあるのか?」

 

「ビッグマムも白ひげも実際戦っていますからね……絶対的正義は確かに必要ですがねじ曲げなければ生存できないとなれば話は別です……なに、別に私腹を肥やそうって訳じゃないですよ」

 

「うむ、しかし」

 

「じゃあこう考えましょうよ。滅ぼすための準備期間と考えてください」

 

「滅ぼすための準備期間だと」

 

「えぇ、時間はかかりますが超過酷な生存競争を虐げられているテンテン諸島の兵士の質は新世界でも並み以上には有るでしょう。そこに覇気と六式の技術と強力な武器が有れば海軍の絶対安全圏ができることに繋がります。欲しいでしょ新世界の確固たる拠点は1つでも」

 

「実質新世界で稼働している基地なんてG-1からG-5までなのですからそれが1つでも増えれば楽になるのでは?」

 

「センゴク、悩んでばかりいても仕方有るまい。我々は始まってしまった大海賊時代に1つでも多く使える基地が無ければならない」

 

「コング元帥……ではフューチの白ひげとの不可侵を許可するのですか!?」

 

「フューチお前さんどこまで交渉できる」

 

「海軍側と白ひげの縄張りに互いに手出し不要、縄張りどうしの貿易の許可……それくらいならもぎ取って来ますが」

 

「ふむ、そうなると別のところに割ける兵力も多くなるだろう。だが白ひげが新たな海賊王になった場合、新世界は白ひげの海になるぞ」

 

「まぁそれは無いでしょう」

 

「フューチなぜ断言できる」

 

「白ひげは現在の勢力で精一杯です。これはロジャーのクルーの時に話して聞いています。地固めを白ひげは今行っています。それに……」

 

「それに?」

 

「白ひげは家族ごっこで満足してしまっている。ロジャーの様に全てを知りたい欲望も無ければ金獅子の様に世界を支配する野望もない。海賊王という可能性で言うとビッグマムの方がまだある。奴はロードポーネグリフの1つを所持している」

 

「なに!? それは本当か!!」

 

「えぇ、私はその石しか在りかは知りませんがね」

 

「本当か?」

 

「嘘言ってどうします?」

 

「……まぁ信じよう」

 

「ありがとうございます」

 

「で、白ひげが海賊王になれない理由はわかったが、不可侵を結んだとして本当に殲滅できる兵力は揃えられるのか?」

 

「現在の白ひげの総兵力は3万……恐らく大海賊時代到来に伴い更に兵力は拡張するでしょう」

 

「一方テンテン諸島海軍基地G-6は兵力500名、モーリシャス王国国軍の総数5000名、島全人口を合わせても約20万人程度しかいません……普通に考えて白ひげに勝つには不可能でしょう」

 

「じゃあどうするのだ?」

 

「移民を募ります幸い無人島が8つもあり、開拓地には困りません。世界中から移民を募り白ひげ、ビッグマム海賊団とも渡り合える兵力……まずは3万人の海兵育成を目指しましょう」

 

「正気なのか!? 3万人だと!!」

 

「えぇ、可能でしょう。ただ、これはマリンフォードには迷惑がかからないように進めます。支部でなく本部が海賊と不可侵を結んだなんてニュースが入れば海軍の権威が失墜しますし……まぁ新世界でも辺境の部類なのでニュースにもならない可能性が高いですがね」

 

「……まぁよかろう。やってみたまえ。ただし責任は取るようにな。今回の案件は海賊王逮捕の君とはいえ、失敗したら庇いきれん」

 

「わかってますでは、自分は出向の準備を進めますので……失礼します」

 

「あぁ、頑張ってくれたまえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コング元帥! 海賊と取引など正気ですか!!」

 

「センゴク、お前はよくやってるじゃないか」

 

「あれは戦術レベルの話で戦略レベルの話ではないのですよ!!」

 

「なに、フューチ少将ならばやれると思ったまでだ。常識はずれのロジャーの元クルーだ。海軍と海賊の取引など簡単に成功させるかもしれんぞ」

 

「ですが……」

 

「くどい。この話はこれで終わりだ。それよりもグランドライン前半の支部や東西南北の海の支部から悲鳴に近い救難要請が来ている。これから忙しくなるぞ」

 

「私も前線へ?」

 

「あぁ、シャボンディ諸島の案件はゼファーにやらせる。教育隊で呑気にやらせとく訳にもいかんからな。それにセンゴク、ワシはこの初動対処が一段落したら上からの招集がかかっとる。世界政府全軍総帥の地位に着かねばならん。後任として元帥はセンゴク。お前がやれ」

 

「……貧乏クジですな」

 

「適任がお前しかおらん。ガープの奴が大将にならんからゼファーのみの大将になるが、ロギアの3人が育つまでそれでいくしかなかろう」

 

「育ったらどうするのです? ゼファーの奴は教育隊に戻せば納得すると思いますが元帥の地位は1名しかなれませんぞ」

 

「古臭い制度だが上級大将制度を再認する。ゼファーはそこにぶちこみ、教育総監にさせれば問題なかろう」

 

「上級大将制度……300年前に撤廃されたやつですか。話には聞いていましたが」

 

「話は以上か? そしたらお前さんも前線へ行く準備を頼む。そうそう、ガープにも声をかけといてくれ。東の海近海をガープに任せる」

 

「奴なら喜ぶでしょう伝えておきます」

 

「うむ、頼んだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はい、どうも皆さんこんにちはフューチです

 

 現在覇気を強制的に発現させる特訓を行っております

 

 やり方は簡単

 

 1小隊30名を私の居る部屋に入れ、気絶しないギリギリの量の覇気で体を包み込みます

 

 出力を徐々に上げ、覇気を体内に循環させます

 

 すると

 

「うわぁぁぁぁ!! なんだ!? お前何か言ったか!? 声が頭に響く!!」

 

「うぎゃぁぁぁ!! 体の内側が痛い!! 痛い!!」

 

「息が……ぐるじぃ!!」

 

 幻覚、幻聴、激痛を訴えます

 

 幻覚、幻聴は見聞色の覇気が活性化していることを現し、激痛は武装色が上手くコントロールできずに内側で暴れていることを現しています

 

 この状態でも気絶させないようにして訴えを無視して腕立て伏せをさせます

 

「いだい! いだい! おぇ!」

 

「ぢぐじょう! 鬼め」

 

「はーい、苦しかったら黙る。体に強制的に覇気を覚えさせてるから無駄口を叩かないで腕立てをする!」

 

「もう……無理……」

 

 才能が無い人は私の覇気に耐えきれずに気絶しますが、倒れた海兵の背中に手を当て強烈な覇気を流し込みます

 

「うぎゃぁぁぁ!!」

 

「誰が寝て良いって言ったよ。大佐が一番最初にバテてどうする。部下に示しが付かないでしょさっさと腕立てをしろ!」

 

 どんどん密度を上げていく

 

 普通の人はこんなことできないが、私の鍛え上げられた莫大な覇気の総量に覇王色の才能が有って初めてできるくんれんである

 

 部屋が広ければ人数も100人程度までなら同じことができるし、簡易版でココアは覚醒したので理論上これで生命の危機を感じて覇気に覚醒するはずである

 

 腕立てを続ける海兵の中にソワソワしたり、腕が既に黒くなっているのは才能が有る証

 

「ほぉ……腕を黒くした海兵……名前は」

 

「はぁはぁ……パワプロ二等兵であります!!」

 

「パワプロか。覚えておこう。この基地で一番才能があるぞ」

 

「はぁはぁ……うぐ! ありがとうございます!!」

 

「特別だ! 受け取れ」

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁ!?」

 

「腕に意識を集中しろ。今与えた覇気を腕に集めるんだ」

 

「はぁ……はぁ……うぐ」

 

 腕はみるみる黒く硬くなる

 

「やればできるじゃないか! おめでとう覇気使い一番乗りだ。お前ら覇気を扱えれば隣の島に生息する化け物を対処できるようになる! 武器も良いのを与えるから頑張れ! この国の為だぞ!!」

 

「「「国のため!! はい!!」」」

 

「愛国心は素晴らしいな! ほら大佐!! 外部の者だけど頑張れ! 実力が劣る者の指揮下に皆入りたがらないぞ」

 

「はいぃぃぃ」

 

 だいたい1時間もするとパワプロの様な状態になり、私が1人1人強く覇気を流していく

 

 皆激痛だろうが、血涙を流しながら訓練に耐え覇気の初歩の初歩を習得していく

 

 微かな気配に敏感になったり、才能がある奴は心が読めると言い出す奴もいる

 

 腕を黒くできるものがいれば、指先だけしかできない者もいる

 

 だが密度がまだ足りない

 

「今日はここまで! 次の小隊! こいつらを運び出せ」

 

 部屋が吐瀉物まみれだが素早く私は掃除をして換気をする

 

 そして30分の後また次の30名に同じことを行っていく

 

 3日間に別けて全員を覇気の素養を引き出すと練度別に別けて組み手をさせる

 

 勿論覚えたての覇気を使って

 

 温い事をやっているように見えたところにはココアを投入

 

 一般海兵にとって覇気を十二分に扱え、能力者でもあるココアは恐怖の対象であり、そんな怖い怖いココアと対戦したくないと組み手に力が入る

 

 で、鞭だけでは可哀想なのでアメも与える

 

 覇気習得が目覚ましい者には私がロジャー時代に蓄えた財宝を特別給与として与える

 

 もしココアに最初に勝てた者が出たら悪魔の実を与えるよ

 

 その言葉に海兵達は目をギラつかせ、果敢にココアに勝負に挑む者も現れる

 

 四六時中戦闘を強要し、食事は組み手で勝った者から、掃除等の雑用も弱い者、覇気習得が未熟な者が行うようにさせ、例え階級が高くとも覇気が未熟であれば容赦なく雑用をさせた

 

 頑張る者もいれば諦める者も出てくる

 

 諦める者は私と組み手である

 

 銃や刀の使用も許可して覇王色を全身に浴びながら歯向かったらどうなるかという恐怖を植え付ける

 

 心が壊れた者は精神安定剤を飲ませ無理やり戦わせる

 

「お前の国を思う愛国心はその程度か!! 財宝が欲しくないのか!! うつむいて吐いてるだけじゃどうしようもないぞ!!」

 

 それでもリタイア使用とする者は

 

「大佐、また脱走を試みましたね……わかるんですよ私には」

 

 私の見聞色の覇気の監視網からは逃げられず次々に捕まり、私と一緒に化け物ばかりいる隣の島へ散策に連れ出される

 

「ひやぁぁ!! フューチ少将助けて!!」

 

「お前らが死ぬ気で訓練しないのが悪い……次サボったら私無しで隣の島で散策してもらうから」

 

「ひゃ、ひゃい……」

 

 殺されると思ったら人って頑張れるもので2ヶ月で全員が武装色硬化や、見聞色が使えるようになり、なんと連戦で疲れてるところを見計らったパワプロがココアを倒す快挙を達成

 

「全員よく頑張った!! 時に第4小隊は頑張りが凄かった。1人20万ベリー程度の宝は用意した受け取れ」

 

「「「ありがとうございます!!」」」

 

「さて、パワプロ二等兵。階級を軍曹に昇格のうえ、悪魔の実を与えよう」

 

「ありがとうございます!!」

 

「食べろ」

 

「はい! 少将!! ……うぇ!?」

 

「我慢しろ! 絶対に吐くんじゃない!」

 

「ばい……うぐぐぐん!」

 

 ドロリ

 

「メタメタの実モデル水銀だ強い悪魔の実だからな。良かったな」

 

「ばりがどうございまずぇ」

 

「さて、総仕上げだ! 隣の島の解放を行う! 武器を取れ!! 行くぞ!!」

 

「「「おおおおお!!」」」




アンジェントをアルジェントに修正していただきありがとうございましたm(_ _)m

評価ありがとうございます!モチベーションが上がって助かります

がぁぁぁぁぁ(高評価注入)

これで私は更に戦えるぞバニー!!


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3の島 春島

 第四の壁を越えた先に居る皆様こんにちは、フューチです

 

 現在私達海兵の選抜隊200名は春島にいます

 

 春島の温暖な気候により食料に困らないこの島では、それを目当てに巨大な草食動物と、草食動物を目当てにしている狂暴な肉食動物が蔓延っているのです

 

 今回はその間引き作業を行います

 

「さぁサーベルに武装色を纏わせ斬りかかるぞ!!」

 

「「「おぉ!!」」」

 

 皆に気合いが入る

 

 といっても今まで私に必要だとわかっていても超過酷な訓練を行わされたストレスが溜まりに溜まっており、今回の間引き作戦で、そのストレスや怒りをぶつけようと皆気合いが入っています

 

 それに今回は町の武器工場に依頼して作ってもらった5丁のマキシム機関銃がある

 

 まぁ怪物に効くかわからないが、兵達の精神安定状必要だろうと思い持ってきた

 

 このマキシム機関銃には固定式の車輪が付いており移動は楽に行えるのだが、ジゲジゲの能力で異次元に収納し、兵の負担を最小限にする

 

「ジゲジゲポケット……搬出!!」

 

「さぁ間引き大作戦だ!! 食料自給率を上げて他所からの食料輸入を減らせば、それだけでモーリシャス王国は楽になる!! 肉食動物、草食動物どちらも殺せ!!」

 

「「「おおおおお!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 覇気を覚えたてとはいえ、海兵達の実力は確実に上がっていた

 

 これなら大丈夫と思い指揮を大佐に任せ、私は見聞色で確認したこの島のボスを倒しに行く

 

「少将上手く逃げたんじゃ?」

 

「馬鹿、少将はそんな人じゃないだろ」

 

 そういう噂が聞こえてくるが無視をして剃や月歩で島の中央にズンズン進んでいく

 

 途中出会った強そうな動物を片っ端から殺し、いよいよ島のボスに到達する

 

 この島のボスはウサギだった

 

 狂暴な肉食ウサギ、デッドラビットの変異種だろう

 

 グルルルルと唸り声を上げて警戒する

 

 後ろには子供達であろう小さなデッドラビットが沢山いる

 

「完全に悪者だけどこれも生存競争……悪いが人のために死んでくれ……神避!!」

 

 私はロジャーの技を見様見真似で斬撃を飛ばす

 

 きゅ? 

 

 デッドラビットの胴と頭が離れ、後ろに居た子供達はミンチに変わる

 

「成敗!!」

 

 ズシャーっと巨大なデッドラビットの体から血がおもいっきり吹き出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひ!? し、少将!!」

 

「いやー、血を少々被りすぎた」

 

「ご、ご無事でなによりです」

 

「どうだい? 間引きは順調かい?」

 

「は、はい! 現在大型草食動物を50体、肉食動物を150体ほど仕留めました」

 

「よろしい……この調子であれば1ヶ月で間引きは完了しそうだな」

 

「あの……少将、こんなに生態系を破壊して島は大丈夫なのでしょうか」

 

「え? 草食動物は家畜化して、人間頂点のピラミッドに書き換えるだけだよ。なーに、問題が起きたら起きたで解決していけば良い。今は穀倉地帯が必要なんだ。豊かな土壌があり、畑を作るに適するこの島は早急に間引きする必要がある」

 

「な、なるほど」

 

「それに穀物の種は私が大量に持っている。冒険中に色々な島に寄った時に育て方も一緒に聞いた物が大量に保管してあるから穀物の種不足なども心配しなくて良い」

 

「あ、はい」

 

「木々もある程度伐採して船の素材にもできるしな。あぁ、4の島の冬島も早く解放して鉱物採掘を始めたいものだ。冬島って鉱物資源が豊富だからなぁ」

 

「少将は国の王にでもなったつもりですか?」

 

「いや、そんなつもりは無いけど」

 

「でしたらなぜこれだけの戦力になったのです! 海賊討伐に出掛けないのですか」

 

「いや、なに増長してるの? 君たちのレベルじゃ新世界の海賊と戦えるわけ無いじゃん。屍を晒すだけだよ」

 

「しかし……」

 

「今は動物相手に戦い方を覚えなさい。覇気の練度を上げなさい。話はそれから……わかった? ホフマン大佐」

 

「……はい」

 

「君は覇気習得で逃げ出そうとしたり問題行為も多かったが、作戦立案や指揮能力は高く評価してるんだ。覇気を上手く扱えれば中将にだってなれる。私は問題児だからこれ以上の出世は怪しいけど君なら上にいける素質はあるんだ! 頑張りなさい」

 

「は、はい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 選抜隊と後発隊の2組に別れて作戦と休みのローテーションで作業すること1ヶ月3の島の解放に成功する

 

 即席の港を作り、今はその港の拡張作業をさせている

 

 モーリシャス王国では3の島解放に伴い移民を募集

 

 今なら開拓すれば自分達の物、税金の2年間免除と特例が発令され、開拓フィーバーが巻き起こる

 

「この世界の人達良くも悪くも単純すぎ!! やっぱりここでなら社会主義の計画経済がものをいうのでは!!」

 

「はいはい、中二病乙……でも活気が有るのは良いことだね。あと海兵の皆が強くなってるのが目に見えてわかる。ママ教育めちゃめちゃ上手じゃない?」

 

「ココア姉の下積みが有ったからでしょ。ママなんだかんだ言ってパパの船に乗ってた頃から覇気のメカニズムについて研究してたし」

 

「まぁ覇気については第一人者だろうね。僕達を産むときですら実験してたくらいだし」

 

「あぁ私も冒険に出たい!! 海兵になるまえに色んな国を巡って世界の問題点を洗い出して理想な国家を作りたい!!」

 

「革命軍にでも入れば?」

 

「でもそれするとママに迷惑がかかるじゃない! オーロの馬鹿」

 

「へいへい、馬鹿ですよっと……海兵だと国作りなんて無理だと思うけどなぁ」

 

「海軍本部の目の届かない東西南北4つの海なら海軍の上官が権力を握ったところでどうということはないでしょ」

 

「う、うわぁゲスだ」

 

「理想の国家を作るには悪に染まる必要があるのだ!! はっはははは!! ごぼごぼ」

 

「茶番乙、で、いつまでも覇気の練習だと飽きてきたし、町にでも行く?」

 

「それ良い! すごく良い意見! よし! すぐ行こう! 今すぐ行こう!!」

 

「あっちょっと!! ……ココア姉さん町に行ってきます」

 

「ん? はーい。気をつけて行っておいで……私も付いていこうか?」

 

「任務中でしょ。大丈夫」

 

 ギュイーン

 

「僕達強いから」

 

「そうだね。行ってらっしゃい」

 

 オーロとアルジェントは毎日のように町に行くようになり、町のアイドルになるのだがそれはまた別のお話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「3の島解放を祝して乾杯!!」

 

「「「乾杯!!」」」

 

 ワイワイと3の島を解放して海軍基地はお祭り騒ぎ

 

 あれだけ凶悪だった動物達を負傷者は出たものの死者0で解放できたのは快挙であり、海兵の家族達は喜んだ

 

 勿論モーリシャス王国の民は広がった生存圏に喜び、活発な開拓に島からとれる果実や木材の取引が早くも始まっている

 

 商売魂凄まじいな

 

 まぁそれは置いておいて、今回の宴会は海兵達の息抜きである

 

 強制的な覇気習得の特訓を2ヶ月、島の解放作戦1ヶ月と休みはあったものの、ほぼ働き詰めであり、こうやって息抜きする必要があった

 

「ホフマン大佐飲んでる?」

 

「フューチ少将どうです? 飲みますか?」

 

「頂こう」

 

 コポコポとワインを入れられる

 

「良いワインだ」

 

「でしょ! この島の名産品なんですよ」

 

 大佐の横に座っていた少尉が話しかける

 

「モーリシャス王国の名物かいいね」

 

「家の実家で作ってるんですが今回の宴会用に譲ってもらってきましたよ」

 

「少尉これを樽で購入できる?」

 

「へい! 実家の親父も喜びます。幾つ買いますか?」

 

「そうだね……30樽買おうか」

 

「いやー助かります!!」

 

「少将そんなにお金あるんですか?」

 

「まだまだ蓄えはあるよそれよりも……明日から私は白ひげとの交渉に向かう。業務は2の島と3の島の港の拡張作業を地元の土木屋と協力して行うことホフマン大佐指揮を頼むね」

 

「わかりました!! しかし今回の作戦で機関銃は大活躍でしたね! 有刺鉄線で足止めしてそこを一斉総射すればたちまち怪物も倒れるんですもん便利ですわ」

 

「まだ世界でも稀少なものだから修正が必要になったらメモしておいてくれ戻ったら確認する」

 

「あの機関銃1丁作るのにどれくらいの値段と期間がかかるんですか? うちの軍艦3隻にも5丁ずつぐらい載せたいのですが」

 

「あぁ、3ヶ月で10丁はできると思うよ。値段は交渉次第だけど30万ベリーくらいかな? 1丁」

 

「なら安いですな。買いましょう」

 

「行く前に工場に伝えておくよ。あと何かある?」

 

「いえ、特には……あ、パワプロ軍曹大活躍でしたねやっぱり悪魔の実の能力者は違うや……だって水銀ですから体にダメージが入らないんですもん」

 

「覇気纏わせれば普通にダメージが通るよ」

 

「いやいや、動物に対してですって、超人系なのに自然系みたいで羨ましいです」

 

「ホフマン大佐もココアに挑めばよかったじゃん」

 

「いやいや、お子さんも少将には劣りますが十二分に化け物ですって、なんで覇気を覚えた海兵50人相手に組み手が成立するんですか。彼女も超人系ですよね? 自然系じゃないですよね?」

 

「勿論超人系の珀鉛人間だよ」

 

「珀鉛といえばフレバンスが産地でしたな。少将は行ったことは?」

 

「ほぼ内陸国のフレバンスなんて行ったことないよ。ただココアが作る造形を見ると美しいから行ってみたいとは思うけどね」

 

 ハハハハハと笑い声が起こる

 

 大宴会で翌日は皆グロッキーの中、私は酒を購入すると船を出す

 

 目指すは白ひげの拠点とする島に向かって1人出港する

 

 



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白ひげの時代

 船を進めること2週間、私は目的の島に到着する

 

 モビーディック号が停泊しているのを見るに、白ひげはこの島に居るようだ

 

 私が船をジゲジゲのポケットでしまっていると

 

「おいおい海兵がこんな所に何用だ?」

 

「ケヒヒヒヒ、生きて帰れると思うなよ」

 

 白ひげの下っぱが現れる

 

「白ひげに用があって来た。案内して欲しい」

 

「親父に? 海兵の言うことなんて聞けるかよ!!」

 

 パンパンと発砲

 

 私は武装色硬化でそれを防ぐと覇王色の覇気で下っぱを倒す

 

「かは?」

 

「何が……」

 

「仕方ない、探すか……」

 

 

 

 

 

 

 

 ザワザワ

 

「おい、なんで海兵がこんな所に」

 

「白ひげさんの縄張りのど真ん中だぞ」

 

「白ひげの親父さんに連絡を」

 

 商店街を適当な食べ歩きできる物を買いながらブラブラ歩く

 

「お、これも美味しそう。店主! これちょうだい何ベリー?」

 

「あ、あぁ。150ベリーだ」

 

「安いね10本ちょうだい」

 

「ま、毎度……ねぇちゃん悪い事はいわねぇ、海軍のコスプレならここではやめとけ、ここは白ひげの縄張りだぞ」

 

「いや、コスプレじゃないし、正規兵だし……あ、店主、白ひげに連絡できる電伝虫無い? 連絡したいんだけど」

 

「ぶぶぶ、無礼な事を言うな。なんでそこら辺にある店に王である白ひげの親父さんに連絡できる電伝虫があるんだよ!! 恐れおおいわ!」

 

「だよねー、変なこと聞いてごめん」

 

「おい、いたぞ!! 海兵が!!」

 

「おりょ! 見つかった。おーい」

 

「おい、手を振ってるぞ」

 

「撃つ前に話聞いてみっか?」

 

「おい嬢ちゃん本当に海兵か?」

 

「そうだけど?」

 

「ずいぶん軽いな……ここは白ひげの縄張りだ。すぐに立ち去るんだったら見逃してやっても良いぞ」

 

「いやいや、白ひげに用があって来たんだから、ハイそうですかって帰るわけにはいかないのよ」

 

「親父に? ならなおさら見逃すわけにはいかねぇなお前らやっちまえ!!」

 

「「「おう!!」」」

 

 パパパンと銃で撃ってくる

 

「新技ジゲジゲスキマワープ」

 

 グニョン

 

「だ、弾丸が消えた」

 

 私の目の前に次元の狭間を作りだし私の背後に出口を作り出すことで弾丸を私の体に当てること無く空振りさせる

 

「おい! 能力者だ!!」

 

「囲え囲え! 銃は通じねぇ! 刃物で戦え!!」

 

「私は戦いに来たわけじゃないんだけど……まぁいいか……嵐脚」

 

「やっちまえ!!」

 

「見えない斬撃で十分だろ」

 

「刀が弾き飛ばされた!!」

 

「俺もだ!! 六式使ってくるぞ」

 

「こいつもしかして将官以上の階級じゃねぇか!!」

 

「それがどうした! 親父に拾ってもらう前は9000万ベリーの賞金首だったんだぞ! お前も1億ベリーだろうが!!」

 

「おう! そうだ将官クラスにビビってちゃぁ白ひげ海賊団の名が泣くってもんよ!」

 

「ジゲジゲランダムテレポート」

 

 次元の狭間を飛ばし完全ランダムでこの場から強制退場させる

 

「なんだ!? き、斬れねえ! うわ!!」

 

「おい! やべぇぞ人が消える!! スキマみたいなのはなんだ!! うわぁぁ!!」

 

「死にはしないよこの場から消えるだけさ」

 

 シュン

 

「白ひげ海賊団の人達が……消えた……」

 

「きゃぁぁぁぁ!!」

 

「悲鳴は酷いじゃない。ただ少し遠くに飛ばしただけだよ」

 

「おい! あんた! 流石にヤバイって! 白ひげの家族に手を出したら!!」

 

「何事だぁ」

 

「ダノンさんだ! ダノンさんあの女が白ひげの家族に手を」

 

「ん? 海兵じゃないですかダメですよ。ここは白ひげの縄張り。あんだが来る様などごじゃねぇど」

 

「いやぁ殺しに来たからこの場から退場してもらっただけさ」

 

「それでも手を出した事には変わらねぇ……ごの町を預がる者どじで! お前をだおす」

 

「1つ賭けよう私が勝ったら白ひげの所に案内して欲しい。私が負けたら……そうだね。命を差し出そう」

 

「おいおい海兵の嬢ちゃんやめとけってダノンさんは3億ベリーの大物なんだぞ死にに行くようなものだって! 今から謝れば命は助けてもらえるって」

 

「これは任務なんだ。私は白ひげに会わねばならない!!」

 

「やっちまえ!! ダノンさん!!」

 

「そうよ! この島に世界政府の手先の海兵は不要よ」

 

「……良い島だ」

 

「なに?」

 

「人々が安心している。この場所には元々バブエ王国があったと聞いている。滅亡した原因は白ひげによる占領……いや~白ひげで本当によかったね」

 

「何をごちゃごちゃど!! ぐだばれ!!」

 

「武装色硬化……緑拳!!」

 

 巨大な斧が私に襲い掛かるが、人差し指でそれを止める

 

「な!?」

 

「黄金衝撃」

 

 ドクン

 

「カハ!?」

 

 ドサッ

 

「「「ダノンさん!!」」」

 

「そんな!? ダノンさんが一撃で」

 

「何者なんだこの海兵」

 

 私はノックアウトしたダノンという男を叩き起こし

 

「約束だ。白ひげの所に連れていってもらおう……いや。必要なさそうだね」

 

 私めがけて覇王色の覇気が飛んできた

 

「黄金衝撃」

 

 バチーンと覇王色の覇気どうしがぶつかる

 

「ふふふ、あっちだね……悪かったね町民の人達、騒がして……私は白ひげの所に行くよ」

 

 私は静まりかえった町から出ていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何しに来たフューチ……俺を捕まえに来たか?」

 

 覇気を辿ると白ひげが居た

 

 現在5つある隊の隊長も4人揃っている

 

「マルコ、ジョズ、エドワードにビスタも揃い踏みか……」

 

「何しに来たんだよい、フューチ! お前はもう海兵だろ!」

 

「なに、話をしに来た」

 

「話だ? グララララ。酒でも持ってきてから出直せ」

 

「ジゲジゲポケット」

 

 私は次元の狭間から酒樽を大量に取り出す

 

「これで話せるかしら?」

 

「本当に喰えねぇ女だよオメーは……おいお前らもいただけ。ただ酒だ」

 

「うひょー親父! 話がわかる!!」

 

「あ、おいエドワード!! 毒かもしれねぇのに!!」

 

「あほんだら! フューチがそんな搦め手をするか。そしたらこの島に来てから何人も殺してるハズだ」

 

「やっぱり見てたか」

 

「グララララ、息子達の事は見てるさ……それで、この酒は何処のだ?」

 

「テンテン諸島産のワインだ。度数はやや低めってところでしょう」

 

「テンテン諸島か……リンリンの奴との緩衝地帯の島々だな。小規模ながら海軍基地も確か有ったな」

 

「そこの基地長になったから挨拶をね」

 

「お前が基地長……グララララ! 左遷させられたなフューチ!!」

 

「まぁ私が上層部でもロジャーの元クルーなんて爆弾を海軍本部に置いときたいって馬鹿は少ないだろうに」

 

「ちげぇねぇよい!」

 

「でもフューチ。話ってそれだけか? 基地長になった挨拶ってだけじゃねぇだろ」

 

「ジョズそう! そうなのよ……端的に言うと海軍支部G-6と白ひげとの間で20年間の不可侵を結びたい。他にも色々有るけどそれが本題」

 

「不可侵!? 正気かよい!! 海賊に不可侵なんて聞いたこともないよい!!」

 

「……正気だな。グララララ! おもしれぇ! フューチ、俺も縄張りの維持で精一杯な現状、揉め事は少ねぇ方がいい……フューチおめぇどの様な未来が見えてやがる」

 

「新世界は将来5つに分割される白ひげ、ビッグマム、海軍、金獅子残党、ロジャーの残党の5つに、これが短期的な未来の話だ。……金獅子はフワフワの実の性質上彼は脱獄が可能だ」

 

「インペルダウンは難攻不落で入ったら最後出れねぇ迷宮じゃねぇのか?」

 

「実は案外そうでもない。海軍側がもみ消した脱獄者が1名いる。今どこで何をしてるかわからないけどね」

 

「ほぉ、そうなのか」

 

 まぁ金獅子ではなくカイドウが台頭してくるのだがそれは黙っておこう

 

 いや、一応聞いておくか? 

 

「白ひげ、万が一だがおでんの身に何か有ったらどうする?」

 

「グララララ! 無論助けるさ! 俺の兄弟分であり、家族だからな」

 

「それを聞けて安心した」

 

「何か有るのか」

 

「良くない噂を耳にした。おでん不在のワノ国を乗っ取った馬鹿が居ると」

 

「グララララ! そんな馬鹿おでんが斬って終わりだろう」

 

「普通はそうだ。だが、ロックスの残党が暗躍しているという噂も有る。警戒しておいた方がいい」

 

「わかった。伝えてくれてありがとな」

 

「うん。……さて、他にも決めなければならない事が多々ある」

 

「そういうのはエドワードが詳しい。おい、エドワード相手してやれ」

 

「おうよ! 親父!! さて、フューチ何から決める」

 

「そうだね……移民についてや貿易なんかも決めたい」

 

「どんどん言ってけ! 親父もちゃんと聞いてろよ。縄張りに関しての事だから」  

 

「うぐ……」

 

「凄く嫌そう」

 

「領土問題や外交はエドワードが一任されてるんだからやれよい」

 

「4番隊は頭が良い奴が集められてるんだから頑張れ」

 

「うるせぇ! お前らも手伝え!!」

 

 酒を飲みながら決めることは決めていく

 

 決まった事は

 

 ・白ひげ海賊団とG-6支部の不可侵

 ・島々の貿易の自由

 ・互いの領海の通過時に一報を入れる

 ・移民勧誘の自由

 ・互いの領土内での殺人、略奪の禁止

 ・揉め事は双方の代表を出して話し合う

 ・2年更新

 

 細かい事は他にも有るがとりあえず双方同意した

 

「わかってると思うがフューチお前だから信用してんだ。他の奴ならこうはいかねぇ」

 

「わかってますよ白ひげ。あと数人気絶させて悪かったね」

 

「グララララ! くたばってねぇなら良い。まぁお前だから許すってのも有るがな」

 

「ありがとうございます。では私はこれで」

 

「おう! ……酒旨かったぞ」

 

「作った人に伝えておきますよ」

 

 こうしてG-6支部は片側の安全は手に入れた

 

 もう片方のビッグマムは軍の増強で何とかしなければ……




エドワードという人は白ひげとは別の人物になります

まぁ名字が同じ別人ですのであまり気にしないでください


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国軍への修行 他色々

 第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 白ひげ海賊団との交渉で生き残るための時間稼ぎはできました

 

 問題は山積みですが1つ1つ解決していきましょう

 

 まずやらなければならない問題は人口問題

 

 計算上4の島までなら解放しても問題は無いのだが、それ以上の島を解放すれば人口が足りなくなる

 

 今までモーリシャス王国の国民20万人が僅か2つの島で生活していたのが奇跡な為超過密住宅による第一次産業の壊滅というわけのわからない現象が起きていたので、3の島解放は食料生産の問題点から絶対かつ早急に行わなければならないものであり、だから白ひげとの外交問題を先送りにしてまで進めたのだ

 

 これで来年から食料輸入が8割は減る

 

 そうなれば広がった生存圏に見合う人口になるだろうし、こんな時代(大海賊時代)だ、産めよ増やせよじゃないが20年後には人口は倍加しているだろう

 

 で、白ひげとの取引で移民の自由を盛り込ませたが、こんな島に来る物好きは海軍に憧れが有る馬鹿か、食詰め者、何らかの理由で迫害された者のどれかだろうからあんまり人数は期待できない

 

 まぁすぐにどうこうできる問題でないのでこれは4の島解放をしてからで良いだろう

 

 ホフマン大佐に指揮を任せて既に4の島解放は進めてるし

 

 じゃあ次の問題は何か

 

 脆弱な国軍だろう

 

 一般の国……4つの海の国々の国軍と比べれば強いのだが、新世界の白ひげやビッグマム等の大海賊蔓延るこの海では弱すぎて話にならない

 

 そこで覇気の扱いが特に上手い5名の海兵を連れて国軍にも強制的に覇気を覚えてもらうことにした

 

「国軍が強くなるのであれば我も強くならなければ!!」

 

 国王やそのご子息もこの強制覇気習得訓練に参加

 

 人数が5000人近くいるため全員に覇気を習得させるのに約半年もの時間がかかるのだが、国軍も島解放に参加できるようになったのは大きく、更に国軍の戦力増強の為AF銃の製造を町工場に委託

 

 全国軍にAF銃を扱えるようにすることで戦力増強を行う

 

「陛下覇気の初歩ですが扱えるようにすることなってどうですか?」

 

「うむ! 素晴らしいな! 鉄をも貫く拳とは! 我らが戦士達も強くなった。感謝する!」

 

「有りがたきお言葉です。……4年後の世界会議には参加できそうですね」

 

「うむ! 国難であった動植物からの安全圏が広がった。これにより更に開拓も進むであろう!」

 

「それもそうなのですが、海軍基地を拡張してもよろしいでしょうか。現在港の拡張は行っていますが、基地本体の拡張が許可がなくて進められず」

 

「うむ! 許可するが、2の島ではこれ以上の拡張は厳しいぞ」

 

「それにつきましては現在解放途中の4の島に基地を移して拡張しようと思っております」

 

「どれぐらいの規模にするのだ?」

 

「数万人の兵士が暮らしていける規模にしようかと」

 

「そしたら我が島にいるスラム街の住民を海兵にするのはどうだろう。我が国も補助金を出す。何も生産しない者達をどうするか困っていたところだ」

 

「それは助かります!」

 

「うむ、学が無いから何かと大変だとは思うが上手くあつかってやってくれ」

 

「はは」

 

「それとフューチ少将の娘にココアという娘が居たな……」

 

「はい。どうかされましたか?」

 

「いや、家の息子の1人が彼女に惚れて海軍に入りたいと入っておるのだが」

 

「王位継承権を破棄されるのでしたら構いませんが……」

 

「覇気の扱いも兄弟の中で一番長けておるから王位は譲れないが国軍隊長にさせようと思ったのだがな。まぁ一度会ってはくれんか」

 

「はぁ……」

 

「グレーナー来なさい」

 

「は!!」

 

 グレーナーと呼ばれた青年は国軍の軍服を着て全身武装色をして現れた

 

「この短期間で全身武装色を……将来有望ですね」

 

「必ずフューチ少将の助けとなります。どうか海軍入隊を許してもらえませんでしょうか」

 

「別にココアに惚れたから海軍に入りたいってのでも良いけど……王族だからといって雑用からスタートになるのは変わらないよ」

 

「覚悟の上です」

 

「ベゾルト3世陛下、海軍で預かるのは構いませんが王位継承権だけは本当にハッキリさせてください」

 

「うむ。グレーナー覚悟は有ると言ったな」

 

「はい!」

 

「これからお前がどんなに泣き言を言おうと王族には戻れん。それを理解したのならば、この剣に誓え」

 

 グレーナーは王の前に跪くと

 

「……誓います」

 

 ハッキリと誓った

 

「これでこの子はただのグレーナーだ。フューチ少将、煮るなり焼くなり好きにせい」

 

「フューチ少将よろしくお願いいたします」

 

「わかった。これからよろしくグレーナー海軍見習い」

 

「はい!!」

 

 これがグレーナー16歳と私の出会いであった

 

 ココアとの恋路が上手く行くかは先のお話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私が国軍相手に訓練をしている間に4の島の冬島はホフマン大佐の指揮で解放された

 

「うぅ、寒い」

 

「パワプロ軍曹大丈夫ですか」

 

「あぁ僕は大丈夫。それよりもこの旧鉱山を島の人が来る前にある程度整備しないと」

 

「金属採掘の鉱山と聞いてますがパワプロ軍曹何か聞いてるんですか?」

 

「ああ、フューチ少将はこの地で技術革新を起こすんだと」

 

「技術革新ですか? それとこの鉱山に何の関係が」

 

「鉄でできた船を造るらしい」

 

「鉄でできた船……重くて沈みますよ」

 

「普通はそうだが浮くらしいんだと。僕らには理解できないが造船関連で革新を起こさないとビッグマム海賊団には勝てないらしい」

 

「へぇ、そうなのか」

 

 鉄でできた船は既に誕生しているのだが、海軍は未だに木造船を使ってる理由がある

 

 鉄資源の不足と造船技術の未発達の為だ

 

 後々Drベガパンクが解決するのだが、それまで大量の銃や大砲に鉄が消費され、貴重な海楼石を練り込んだ合金はマリンフォード最終防衛装置の為に大量の鋼が必要であり、なかなか船体を鉄にする事ができずにいた

 

 ロジャーとの冒険で装甲艦の設計図を入手しておりエンジンと素材さえあればできる状態であった

 

 エンジンは空島の貝の技術を巨大化させれば可能であり、電気の技術は謎にある程度発展しているのがONE PIECEの世界

 

 電気を溜める事ができれば貝の組み合わせで水素爆発を起こし、エンジンを稼働させる仕組みをフューチは思い付いていた

 

 残る問題は大量の鉄だが、この冬島に眠る莫大な鉄資源が有れば可能である

 

 それを知らないパワプロ軍曹達はとにかく凄い船ができるのだろうなぁ程度の感想しか持ち合わせていなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 国軍の覇気習得を見届けたフューチは海兵の航海訓練を再開させた

 

 地獄の覇気習得訓練中は私が秘密裏に近海を通る海賊を全滅させていたが、それでは兵は育たない

 

 かといってブレッド少将みたいにバカスカ死者を出していてはただでさえ少ない人員が枯渇してしまう

 

 まぁ死なないための覇気習得なのだが、この程度の練度でどうにかなる海賊は新世界には来ないのだがね

 

「ゲッコー海賊団だ!!」

 

 ほら早速大物が来たよ

 

「砲撃戦に徹しろ!! 絶対に近付くな!!」

 

「なぜです!! 今の我々なら」

 

「増長するな馬鹿!! 今お前達がやりあえるのはせいぜい1億5千万ベリーの海賊団までだ! とにかく砲撃で追い払え! 機関銃も近くなれば総射しろ!」

 

「は、はい!!」

 

「撃て!!」

 

 ドンドンっと砲撃が放たれる

 

 相手の砲撃は私のスキマで防いでいるが

 

「逃がすのもシャクだ……が、奴は百獣海賊団にダメージを与える存在……よし」

 

「ジゲジゲスキマ! 倍返し!!」

 

 撃ってきた砲弾の慣性をそのままに、今まで防いだ砲弾を全てスキマから発射する

 

「砲弾の雨を掻い潜れたら見逃してやる……砲手いい加減当てろ!! 下手くそか!!」

 

「すみません!! 久しぶりの海で照準が上手く行かず!!」

 

「はぁ……先が思いやられる……近々六式の訓練させるわお前ら。とてもじゃないが航海訓練どころじゃないわ」

 

「「「そ、そんなぁ」」」

 

「大丈夫、覇気ほど地獄じゃないから安心しな」

 

「「「安心できねぇよ!!」」」

 

 ゲッコー海賊団は追い払うことができたが問題点が山積みで、砲手の腕もそうだが砲も進化させなければならず、そうなると砲塔の無い旧式艦しかないG-6支部の船は論外であり早急に新造艦が必要になった

 

「経済的、資源的に問題の少ない鉄骨木皮の装甲艦からまず作るか……ん? 伝書バット……」

 

 政府からの伝達事項が持たされたコウモリ伝書バットに書かれた命令はダグラス・バレット捕獲をG-6支部に一任するとの事だった

 

「ふ、ふ、ふ、ふざけるなよ!!」

 

 新造艦どころではない

 

 旧式艦2隻でダグラス・バレット捕獲作戦を行わなければならなくなった

 

「覚えてろよ本部……」



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ダグラス・バレット捕獲作戦 前編

 えー、第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 現在幹部を集めてダグラス・バレット捕獲作戦について話が行われています

 

 海軍上層部はバスターコールを行う前に偵察として私達を派遣したいらしく情報を逐一報告するように指示が出ていた

 

「何で俺達が25億の怪物を相手になんか……」

 

「本部は俺達を殺したいのか」

 

「フューチ少将も何とか言ってくださいよ」

 

 部下達はこの任務を絶望としか認知していなかったが、バレットとは何度も殺し合い、共闘をしてきた仲

 

「これは私とバレットの決闘になるな」

 

「ふ、フューチ少将!?」

 

「丁度良い、2隻でバレットの居る島に向かう。でも上陸はするな。必ず全員船の上で待機させろ」

 

「フューチ少将! 倒せるのですか!? 鬼の跡目ですよ」

 

「わからない……だが、楽しいことは起こるだろうよ……」

 

 私はロジャー海賊団での楽しい思い出を思い返していた

 

「……国をも滅ぼすバレットとは何度も戦ってきた。私以外が戦えば死ぬことになるから見ているだけだ……新世界の強者の戦いを特等席で見せてやるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 伝書バットが私に命令書を届けて数日後、モーリシャス王国から旧式艦2隻が港から出港する

 

「少将! ダグラス・バレットに挑むって本当ですか!」

 

「あぁ、パワプロ軍曹本当だ」

 

「す、すげぇ……」

 

「フューチ少将! 見習いの自分も連れてきていただき感謝します!」

 

「おぉ、グレーナー見習いか、航海中様々な事を見て学ぶように……ココアいる?」

 

「なんでしょうフューチ少将」

 

「グレーナー見習いに航海のいろはを叩き込むように、また今回の戦いでは船に危害が加わらないように船で待機を言い渡す……頑張って守ってよココア三等兵」

 

「はい!」

 

「さぁ2週間の航海だ! 気合いを入れてくぞ皆!!」

 

「「「おぉ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 航海中私は様々な事を海兵達に教えた

 

 貝によって水問題は解決したが、それでも食材の無駄を徹底的に省いた料理の事や航海術、正しい風の捉え方、海上での武器の手入れの仕方なんかを徹底的に教え込む

 

「フューチ少将何でもしってるんですね」

 

「伊達に海賊王のクルーをやってた訳じゃないかね」

 

「潜入任務だったんですよね……その忍耐力憧れます」

 

「いやいや、好んで乗ってただけだから」

 

「またまた、ご冗談がお上手で」

 

 海賊王を捕まえたバックストーリーが新聞により全世界に発信され私は海賊王逮捕の功績者となり、クルーであった事実は潜入任務とされた

 

 真実をしっているのは、ロジャー海賊団の皆と最後に会った白ひげ海賊団幹部のみ

 

 私は人を化かし、海賊王を捕まえた事から世間では私を狐というあだ名が付けられているらしい

 

 更に私が緑色の覇気を扱うのを見た海軍上層部は私の事を緑狐と呼ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サカズキ中将探したよ~こんなところで何を読んでいるんだい~?」

 

「ボルサリーノか、これを見ろ」

 

「ふ~ん。フューチ少将じゃないかぁ。ダグラス・バレット捕獲任務ねぇ~」

 

「アイツは駄目じゃ。海軍の絶対的正義に反するやつじゃ。ロジャーの事を心酔しちょる!!」

 

「でも故人だよ~。そんなに心配する必要があるかね~」

 

「あやつは狐じゃ、女狐じゃ」

 

「世間ではそういわれてるねぇ~」

 

「化かされてるのは我々かもしれんちゅうとるんじゃ!」

 

「でもコング元帥もセンゴク大将も、ガープ中将だって信頼してるんだよ~」

 

「ゼファー先生は!!」

 

「あの人はほら、海賊が大嫌いじゃないですかい~ロジャーって単語を聞くだけで怒り出すし~……嫌いなんじゃないかな~」

 

「やはりゼファー先生はわかっちょる! 一度海賊に情けを与えてしまった先生だから! ……あの海賊王のクルーだった女狐は危険じゃ」

 

「でもどうしようもできないよ~。彼女は新世界の僻地に飛ばされたんだよ~」

 

「どうせ女狐のことじゃ。本部に戻る策謀でもねっちょるじゃろうよ」

 

「そんなもんかね~となると君はダグラス・バレット捕獲作戦が失敗すれば良いと思ってるくちかい~?」

 

「ふん! 共倒れすればよか」

 

「ふ~ん……わっしとしては同じ海兵として勝って欲しいけどねぇ~」

 

 赤犬と黄猿がそんな事を話している頃、フューチはダグラス・バレット捕縛作戦がいよいよ始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 破壊され尽くした港町、積み重なる死体、蒸せ返る血の臭い

 

「相変わらずの残忍さだねぇ……島に上陸するんじゃない!!」

 

「ですが……死体を埋葬しなくては……」

 

「余波で死にたいのか。ここはもう既にバレットと私の戦場だ」

 

 バレットが気がついた様で覇王色の覇気が飛んでくる

 

「ぬ!」

 

 私もすかさず覇王色の覇気でそれを押し返す

 

「……島の中央か」

 

「フューチ少将! ご武運を!!」

 

「ホフマン大佐船を近海で待つように頼むな」

 

「は!!」

 

「では、行ってくる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 島の中央に進むほど死体の傾向が変わってくる

 

 最初は兵隊が多かった

 

 次に成人男性

 

 その次に女性

 

 島の中央に行くほど子供の死体が増えた

 

 どれも恐らく殴られた衝撃に耐えきれず下半身が無かったり、上半身が吹き飛んでいたり、頭が無かったり……

 

「あっちこっち臓物だらけでまいるよ……バレット……君の趣味でもないだろうに」

 

 ただ単純に強さだけを求めた怪物だ

 

「なぁ、バレット……」

 

「やはり……フューチか」

 

 ぶちゃ

 

 この島最後の生き残りであろう子供が目の前で握り潰された

 

「なぁ、フューチ……お前、ロジャーを海軍に売ったんだってな」

 

「……あぁ、売ったね」

 

「……ふん」

 

 顔面を思いっきり殴りかかってきた

 

 私は手に覇気を込めて殴りを受け止める

 

「ずいぶんな挨拶じゃないか。常人なら死んでいるよ」

 

「黙れフューチ!! ロジャーを海軍みてーなカスに売りやがって!! 挙げ句の果てにはロジャーの野郎……勝ち逃げで処刑されやがって」

 

「ロジャーは言っていた……俺は死なねぇと」

 

「ふん!!」

 

「よっと」

 

 再び殴ってくる

 

 私はヒョイっとそれを避ける

 

「ロジャーという男の肉体は確かに死んだ。しかし、彼の意志はどうだろうか……死んじゃいないさ……といってもバレット、お前が納得するようなものじゃないのはわかってる……こい! その怒り、悲しみ全て受け止めてやる!!」

 

「フューチ!!」

 

「武装色硬化……緑拳!!」

 

 拳と拳がぶつかる

 

 衝撃で周辺に落ちていた死体が吹き飛ぶ

 

 1発1発がお互いを殺す威力で1歩間違えれば死んでしまう

 

 私は見聞色と武装色を全開で、対応する

 

 バレットも同じだ

 

「海軍も海賊も……俺に楯突く全ての者は1人残らず殺す!! それがロジャーですらなし得なかった世界最強の証明だ!! フューチ! 貴様はここで必ず殺す!!」

 

「やってみやがれダグラス・バレット!! 倒されるのは貴様だ!!」

 

 怪物と怪物の激突

 

 拳を交える毎に雲が裂け、天が裂け、地響きが起こる

 

「なぁ、バレット……懐かしいな。最初に会った時を覚えているかい」

 

「余裕そうな顔しやがって! 腹が立つ!!」

 

「あの頃の君は戦闘を楽しんでいた。それが今じゃ辛そうだ。なぜだろうね」

 

「俺の心を読むんじゃねぇ!!」

 

 ドゴン

 

「君は既にロジャーに対して負けを認めているんだ……これ以上の殺戮が何になる」

 

「うるせぇ!!」

 

 ドゴン

 

「怒り過ぎだ! 冷静さを欠けた瞬間に覇気使いの勝敗は決まる……緑脚!!」

 

 武装色を纏った足技がバレットの腹に突き刺さる

 

「ごぼ!!」

 

「……? バレット……お前弱くなってないか」

 

「ぐ!? ……うるせぇ!!」

 

 ドゴン

 

 凄まじいパンチであるが、私はヒラリと避ける

 

 今言った弱くなっている云々はブラフであったが、なぜか効いている

 

 何か思うところが有るのだろうか

 

「緑拳……インファイト」

 

「ぐおぉぉぉぉぉ!!」

 

 バレットも本気だ

 

 覇気を更に圧縮し青色に変わったし、稲妻のような物を帯始めた

 

 スロースターターだっただけか

 

「覇気の練度が甘いんだよ!!」

 

 バンバンバン

 

 3発拳がバレットの体に接触する

 

「何がわかる! お前に俺の苦悩の何が!!」

 

「戦場に私情を持ち込むな! 戦闘中は戦闘だけに集中しろ!! 馬鹿!!」

 

 バレットの拳を1発貰うが服が破れただけ

 

 臓器まで高密度の武装色で守っている私にはダメージは入らない

 

「うおぉぉぉぉ!!」

 

「おりゃぁぁぁぁ!!」

 

 互いの渾身の一撃が接触する

 

 いや、両方覇王色を纏わせ、触れていない

 

 バチバチバチバチと大地が悲鳴を上げる

 

 行き場を失った衝撃が爆発するように天と地面に亀裂を入れる

 

「やはり見せなきゃならんか! フューチ! お前には見せたくなかったがな!! ガシャガシャの実の力を!」

 

「ジゲジゲ緊急脱出」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 紙を折るように次元と次元を折り合わせて瞬間移動を行う

 

 バレットが地面に触れると地面が盛り上がり巨大な怪物が出来上がる

 

 それを覇気で纏い薄く青色の光を放つ怪物が誕生する

 

「これがガシャガシャの実の力だ!!」

 

 怪物の足元には吸収されなかった死体が大量に転がっており、怪物の足を赤黒く染める

 

「……ずいぶん汚い趣味じゃないか」

 

 私はエースを抜刀した



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ダグラス・バレット捕獲作戦 後編

 無機物を合体、変形させ怪物になったバレット

 

 この能力はロジャー海賊団時代でも見たことが無かった

 

 もしかしたらロジャー船長との最後の決闘では使ったかもしれないが、船にいた私達は見えなかった

 

 なぜ使わなかったのか……使わなくても十二分に強かったからだ

 

 ガシャガシャの力を使ったということはそれだけ私を不本意だろうが認めたということだ

 

 ……それにこの能力は

 

「仲間が居たら使えないものね」

 

 広範囲を巻き込むこの技は、仲間が居たら使えない

 

 バレットは最強になるのに仲間は要らないと言う……それは自身の力を最大限活かすには仲間が足枷になるのも事実

 

 ……悲しき男だ

 

 グオオオオオと怪物が立ち上がる、私を攻撃しようと拳を振るう

 

 私はその拳に飛び乗り腕を走る

 

 逆の手で私を払い落とそうと攻撃してくるがそれを神避で弾き飛ばし、更に先に進む

 

 パン

 

 銃が私の走っている先から現れ発砲してくるが、それを銃ごと斬り裂き、更に先に進む

 

 怪物の首に到達し、私は首にエースを刺し込む、そのまま剃で高速移動をして怪物の首を一周、首を切断しようとするが

 

「内部まで届いていないか!」

 

 覇気の入れた量が足りなかったのか首は切断までいかず、グラグラしているが繋がっている

 

「ならもう一度!?」

 

 私はもう一度刺し込もうとしたら両腕が襲ってきた

 

 私は覇王色を全開で武装色と混ぜ緑色の覇気で、押し返そうとするが、膨大な質量攻撃の前には敵わず一瞬の拮抗の後、押し飛ばされてしまった

 

 月歩で空中で立て直していると先ほど斬った首が復元し始めた

 

 更にバレットが覇気の密度更に上げ、青紫色に光だしている

 

 もうこうなってくると覇気の総量勝負だ

 

 質量では私が負けているので、それを補うために覇気を大量に使うが、覇気の効率的運用では、私の右に出るものは居ない

 

 あのロジャーですら敵わないと言わしめた超効率的運用を見せてやるよ……バレット

 

 月歩と剃を同時に行い高速で空を駆ける

 

「神絵」

 

 紙が空中からヒラヒラと落ちるように、私は落ちながら連続して神避を繰り出す

 

 怪物は不規則に揺れながら落ちながら繰り出される斬撃に対応できず、体に無数の斬り傷が出来上がる

 

 私はその間にも見聞色の覇気で、この怪物のコアであるバレットをさがす

 

「見えた!! そこだぁぉぁぁ!! エクリプス改!!」

 

 空中でドンと発射音が聞こえるぐらい強く踏み込み、コア目掛けて突きを繰り出す

 

 サーベルを真っ直ぐ伸ばし、空気を斬り裂き、一直線に向かうその様子はまるでミサイル

 

 空気との摩擦で私の体は緑色の覇気を纏っていたハズが、赤く燃えるような色に変色する

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

 ドッパ──ーン

 

 コアに向かって突き刺さった私は外殻の覇気を纏った土塊を勢いそのまま斬り裂き、バレット本体に突き刺さる

 

「これを受け止めるか……バレット!!」

 

「あたり……まえだ」

 

 右手でがっちりと刀を握ったバレットの手からは血が流れていた

 

 しかし、ここで受け止めていなかったら心臓まで一直線だったため、守るには最適をうっていた

 

「ふん!」

 

「ぐぅ!?」

 

 私はエースを引き抜くとバレットが握っていた部分が斬れる

 

 バレットの親指がボトリと落ちる

 

「まだやるかい?」

 

「当たり前だ!!」

 

 土塊が私が開けた穴を塞ごうとする

 

 私は慌てて逃げようとするが

 

 ガシッ

 

「逃がさねぇ」

 

 バレットが私の足を握る

 

 私は握られた腕を斬りかかるが、今度は覇気で守られる

 

「土に埋められて窒息しろフューチ!!」

 

「ジゲジゲ……強制転移」

 

 ぐょにょ~んと時空が歪む

 

「な!?」

 

「外の世界へごあんな~い」

 

 バレットごと私は土塊の怪物から逃げ出す

 

 バレットというコアを失った怪物の崩壊が始まる

 

「糞!! 糞!! 糞!! 殺れたと思ったが!!」

 

「いや~焦ったよ。まぁ私が一枚上手だったってことで……さぁ第三ラウンドだ!!」

 

「く!? うおぉぉぉぉ!!」

 

「甘いんだよ!! 考えが!!」

 

 バレットは素手、しかも片方の手の親指が切れて力が上手く入っていない

 

 対する私は五体満足、更にエースという最上大業物もある……どちらが勝つかは一目瞭然であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぜひゅーぜひゅー」

 

「はぁ……はぁ……」

 

 約3時間も粘られたがバレットは全身斬り傷だらけ、虫の息であり、今にも死にそうである

 

 対する私は右腕を攻撃を喰らった時に受け流すことに失敗し、折れてしまったが、まだまだ戦える……覇気もまだ残っている

 

「なぁフューチ……俺はどこで間違えた」

 

「……」

 

「お前は海兵、俺は少年兵……幼い時から軍に所属していたのは一緒だ」

 

「同じロジャーの船に乗ってよ……お前は楽しそうに部下の事や上司の事を喋ってたよな。同じ怪物みてーな力を持ってるのによ……」

 

「片や俺は怪物と蔑まれ、怖がられ、上司だったダグラス将軍に裏切られて、殺されかけた……なんだ? 何がお前と違う? お前も力を求めてロジャーの船に乗ったのは知っている……何でお前の回りには明るく、人が集まってくるんだ? 同じ怪物だろ」

 

「……ロジャー船長も言っていただろ。仲間だって……支え合える仲間が必要なんだよ。別に私はあんたみたいに最強を目指してロジャーの船に乗ったわけじゃない。強さは欲しかったさ……生きるために」

 

「生きるため……か」

 

「生き残るためには力が必要だった。いつの間にかその生きるための力が、皆を守れる強さに変わっていたがね……」

 

「なんじゃそら……ハハハ、俺はそんなふわふわした信念の奴に負けたのか」

 

「ふわふわで悪かったわね……気を張りすぎなのよ。あんたは……」

 

「フューチ、お前に負ける様じゃロジャー船長には敵わないな……俺はこの後どうなる?」

 

「一生監獄で暮らすかな? まぁあんたが本気を出せば脱出できる可能性も無くは無いけど」

 

「……なぁフューチ……」

 

「なに?」

 

「俺はまだまだ強くなれるか?」

 

「覇気の総量は増えるかわからないけど、密度は更に上げられる。まぁ監獄で出れる日まで鍛え上げるんだね……最もその時に私が…………」

 

「な!? 正気か!!」

 

「正気さ」

 

「お前、最後の島で何を見た!!」

 

「世界」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『以上をもってダグラス・バレット捕獲を終了と致します。G-5基地に我々で護送するので、その後はお願いします』

 

「うむ、ご苦労だったフューチ少将」

 

『は!!』

 

 ガチャ

 

「おお、センゴク。ずいぶん今日は顔色が良いな。良いことでも有ったか」

 

「フューチ少将がダグラス・バレットの捕獲に成功した。海軍側損害は0だ」

 

「そりゃ良いな……民間人は」

 

「到着した時には壊滅していたらしい」

 

「そうか」

 

「跡地はG-7基地を移して海軍の直轄地にすることで話しは纏まってる」

 

「しっかし、ロジャーにシキ、バレットとフューチ少将は大物を捕まえるな。中将にせんで良いのか?」

 

「いずれは上げなければいかんが、今はその時じゃない。本人も辞退している……ただな」

 

「ただなんだ?」

 

「新造船の物資を要求された。旧式艦ではいつ沈むか怖くて乗れたものじゃないと言ってきてな」

 

「G-6の船はそんなに古いのか」

 

「かれこれ20年前の木造船だからな。傷みも酷いのだろう……あと面白いことを言っていたな」

 

「なんだ?」

 

「これはガープが好きそうだが、廃民にされた人々を預かりたいと」

 

「あぁ、糞ったれな王族、貴族がやる差別政策のあれか」

 

「なんでもモーリシャス王国の人口だと周辺の島々への移民が足りないのだと」

 

「ふーん、良いんじゃないか? 廃民にされた者がどこへ行こうが奴らは追わないからな」

 

「まぁ私からも許可するとは言ったが業務を滞らせるわけにはいかないから新造船ができてから行うとの連絡も来たがな」

 

「いいなぁ……ワシも新造船欲しいな……」

 

「お前は船を壊さないようにしろ!」

 

「そうじゃったな」

 

 こうしてダグラス・バレット捕獲作戦は終了した

 

 

 




難産でした


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戦闘中の他の様子 後始末 その後

「双眼鏡持ってる奴島の中央を見てみろ! 見聞色が得意な奴は凄まじい気配が2つぶつかるぞ!!」

 

 島の近くで船を止め、見ていろと言われて僕達は待機していた 

 

 最初は援軍に行く気満々だったのだが、フューチ少将に止められた

 

 曰く

 

「死にに行くだけだ。足手まといになる」

 

 と、バッサリ

 

 最初は不服だったが、島について放たれる覇気の大きさに僕達では敵わないとハッキリわかった

 

 島中にはおびただしい数の死骸が転がっており、それを見ただけで吐いた奴もいる

 

「フューチ少将……大丈夫でしょうか」

 

「なんだパワプロ軍曹不安か?」

 

「はい、ホフマン大佐……相手は25億の怪物。正直分が悪いかと」

 

「……フューチ少将は負けんよ。40億有った金獅子のシキにだって勝ってるんだ。単独でだって強いに決まってる」

 

「……それでも……」

 

「フューチ少将は負けませんよ」

 

「ココア三等兵……」

 

「フューチ少将は今まで本気を見せたことは皆さんには有りません。だから今回が彼女の本気を生で見る良い機会です……我々の基地長がいかに強いかわかると思います」

 

「それほどまでに強いのか……フューチ少将は」

 

「えぇ、強いです。バレットにだって負けません」

 

「おい! 見ろ!! フューチ少将とバレットが接触した!!」

 

 次の瞬間凄まじい衝撃が船に襲いかかってくる

 

 ギシギシと古いこの船の船体から嫌な音が響く

 

「今のは覇王色の覇気……」

 

 それから数度覇気のぶつかり合いの後、戦闘が始まる

 

「両者共に凄まじい覇気の練度だ……僕達とは次元が違う……」

 

「覇気が使えて始まりだったんだ……覇気は極めてこそなんだ……」

 

「覇気を使えるようになって傲っていた自分が恥ずかしい」

 

 空気が揺れる、大地が砕け、空に亀裂が入る

 

 超人達のぶつかり合いを直接みた、僕達はフューチ少将との戦闘能力の絶対的な壁を目の当たりにした

 

「まだ本気じゃない」

 

「なに!?」

 

「フューチ少将はサーベルを抜いていない」

 

「……本当だ……これで、小手調べだというのか」

 

 数度の衝撃の後、地面が揺れだした

 

「おい見ろ……怪物だ!!」

 

 それは青色に光る怪物だった

 

 覇気を纏う何かだが、それが何の悪魔の実の能力か見当もつかない

 

「フューチ少将がサーベルを抜いた!!」

 

「あんな怪物を斬り裂けるのか!?」

 

 フューチ少将の行動が速すぎて、肉眼ではもう感知できず、見聞色の覇気を頼りに気配を探る

 

 凄まじいスピードで化物の攻撃を何かで弾き飛ばす

 

「覇気を凝縮して発射する神避……かつてロジャー船長が行っていた技だ」

 

「ココア三等兵知ってるのか」

 

「直接見たことがある。更にロジャー船長は他にも神とつく技を持っていた……」

 

「化物だな」

 

「あぁ、化物さ、でもその化物の戦いにいつか私達も参加しなければならない」

 

 皆が沈黙する

 

 地獄の訓練が始まりでしかなかったことに心を折られた者も居るだろう

 

 しかし、心が折れようとも敵は待ってくれない

 

「見ろ!! フューチ少将が怪物の胸に飛び込んだ!!」

 

「……フューチ少将って優しかったんだな。俺達の心を壊さないようにギリギリでわからせてたんだなって……」

 

 様々な思考が交差し、この戦いの後、移動希望や除隊希望を十数名が出したが、フューチは基地駐屯員にするから残ってくれと懇願した

 

 ただ、心を折られなかった者達で後々多数の海戦で死ななかった者は全員中佐以上となり、フューチが作る機動艦隊という組織の中核となっていくのだが、それは後のお話……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦いの決着の後、ホフマン大佐の指揮の下、死体の火葬が行われた

 

 火種はバレットが壊した廃材で、人手が足りず何日もかけて火葬が行われ、本当に稀に生き残った人々を助け、戦場となった島を後にした

 

 私自身も疲れきっており、2日間泥睡したため、ホフマン大佐が後始末の指揮をしてくれた

 

 倒されたバレットを私が乗る船に乗せ、もう1隻には生き残った人々を乗せG-5支部に向かう

 

 途中通りかかった海賊船を2隻沈め、無事にG-5支部に到着し、海楼石の楔で雁字搦めにされたバレットを引き渡す

 

「お疲れ様です!! フューチ少将!!」

 

「あぁ、あなたはG-5の基地長の……」

 

「ダグラス・バレットという化物の捕縛……本当にありがとうございました!!」

 

「いえいえ」

 

「海軍本部よりフューチ少将の昇格は控えさせてもらうが、代わりに何か希望があれば言うようにと伝言を預かっています!!」

 

「そしたら廃民の人々を預かりたいのと新造船を造りたいから物資を融通してもらえると助かる。後は部下の昇進許可を頂きたい」

 

「それぐらいなら構わないと思われます!!」

 

「助かる……私達は物資の補給が終わり次第直ぐに出港しますので……」

 

「はい! 後はお任せください!!」

 

「フューチ!!」

 

 連れていかれようとしていたバレットが叫ぶ

 

「なんだい?」

 

「また殺ろうぜ!!」

 

「あぁ、待ってる」

 

 こうして本当にバレット捕獲作戦は終了したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バレットの逮捕の記事は全世界へと駆け巡った

 

 大半の人物は安堵し、一部の海賊や有力者はフューチ少将がロジャー逮捕の一発屋ではないと知らしめる事件となり、女狐と呼ばれるようになる

 

 実力だけなら大将クラスであるのにも関わらず少将と、不遇な扱いなのではと本部の人員から上に声が届くが、上層部はその声を黙殺

 

 海軍内部に既に生きる伝説であるガープと新しい伝説であるフューチの2人を押す派閥が影で出来上がり、フューチ少将がロジャーのクルーであった事実を知り、海軍の汚点であるという派閥と激しく対立することになり、結果事態を重く見た上層部が動き、フューチ少将を押していた派閥の一部をフューチの元に左遷させる事件が起こる

 

 フューチは飛ばされてきたエリート達を気に入り重宝するのだが、これももう少し後の話

 

 そんな事を知らないフューチは部隊の戦闘能力を向上させるために六式の伝授に勤しんでいた

 

「まず移動技の剃、月歩を習得した後に武装色の練度を上げながら鉄塊を会得する! そして紙絵の4つを覚えればまず死ぬことはない!! 全身武装色なんて短期間では才能の有り無しで決まってくるからとにかく銃による狙撃での死亡率を下げる!!」

 

 フューチは覇気の第一人者ではあるが六式はどちらかと言えば下手であり、教えるのも試行錯誤しながらであった

 

 こういう時に役立つのがココアという女である

 

 フューチは剃、紙絵、月歩は六式でも得意のため比較的分かりやすく教えられたが、残りの3つはフューチが大まかに教え、それをココアが補足する形を取った

 

 で、約2ヶ月もすればちらほらと1つはできるようになるものが現れ始め、互いに教え合う形を取った

 

 で、六式を習得するのも教えるのも滅茶苦茶上手い奴が現れる

 

 ホフマン大佐である

 

 元々大佐の階級なだけあって鉄塊や剃、紙絵を覚えていた彼は瞬く間に残り3つを覚え、ココアと並んで六式使いとなった

 

 私は本部から貰った部下の昇進許可を行使し、ホフマン大佐を准将にあげ、六式教育の教官に任命、私はフリーになったことで、新造船建設の指揮を取れるようになる

 

 

 

 

 

 

 拡張された造船所にて船大工達に今回造る船の設計図を説明していた

 

「鉄骨で骨組みを作り、木皮ので被う種別はパドル装甲艦を造りたい」

 

 外見はリゴー・ド・ジュヌイイー級巡洋艦にパドルを両サイドにくっ付けた見た目で後部にはスクリュープロペラを付ける奇抜な船になる予定だ

 

 この船は帆船の利点とパドル、スクリュープロペラの推進力を遺憾無く発揮できる構造となっていた

 

 そちらの世界ではパドルシップは廃れてしまっているが、こちらの世界では素材や技術的観点、海王類等の超大型海中生物、異常気象等による安定性の観点からスクリュープロペラが中々発展していないため、今回は技術的蓄積のため両方を採用しつつ、全面鋼の装甲船の前段階の鉄骨木皮の装甲艦を造ることにした

 

「少将さん、確かに利にはかなってるが動力はどうすんだ?」

 

「この水素式ダイヤルエンジンを使います」

 

 水素式ダイヤルエンジン

 

 まず水貝で純水を海水から抽出し、パドルの回転からモーターを回し、電気貝に電力の備蓄及び放出によって水素を発生させる

 

 炎貝の火で水素を爆発させ、それを排撃貝で衝撃を増強、その力でピストンを動作させるエンジンである

 

 空島産の貝が部品の半分を占めるため量産は困難であるが、一応私の空いた時間を全て注ぎ込んでできたオンリーワンの逸品である

 

 大きさはそちらの世界のコンテナ位のサイズが有るが……船舶エンジンならこれぐらい普通であろう

 

「動力が何とかなるんだったら造れなくはないが……何しろ初めてな事が多すぎる。時間や資源は多めに見積もっといてくれよ」

 

「はい! 大丈夫です」

 

 こうして新造船の計画がスタートした



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1日中夜の島 5の島

 どうも第四の壁を越えた先にいる皆さんこんにちは

 

 フューチです

 

 原作開始21年前、私は29歳になっています

 

 そこ、アラサー言わない! 

 

 恐らくこのまま結婚しないまま3人の子供を育て上げて一生を終えるのかな~なんて思いだした今日この頃

 

 私は一日中夜の島に来ています

 

 この島の上に分厚い雲が日光を遮り、日の出と日の入りの数分だけ日の光が見れるという特殊な環境で、この島にいる生物は嗅覚が異常に発達しているだけで、他にはそこまでそちらの世界と変わらないというのが数日に及ぶ探索で判明しております

 

「……邪神召喚の儀式でもしていたのかしら?」

 

 不可解なのはこの島にはなにやら儀式が行われた形跡や、遺跡の跡地が多数有り、それらが全て空に祈りを捧げるものだった

 

「ん? ちょっと待てよ……え~っと地図地図」

 

 私は貝を加工して作った懐中電灯で、ラフテルで写した地図を見る

 

「空島……あるじゃん」

 

 夜の原因が空島が有るからだと判明した

 

 私は荷物を担ぐと月歩で空島目指して空を駆けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぷはー……能力者だから溺れる溺れる」

 

 無事に白海に到達した私は雲に突っ込んだ瞬間に溺れた

 

 そのためジゲジゲの能力で空間を歪め、スキマを作り、雲の上に飛び出した

 

「あぁ、邪神召喚の原理わかったわ。日の出と日の入りの僅かな時間に見れる日の光に映し出された空島の人々の影を邪神として崇拝してたんだな、さては」

 

 仮説でしかないが、そうなら空島には人が居ることになる

 

 夜の島は動物は普通であったが、巨大なキノコをくりぬいて家にしたり、食べていた口跡が有ったことから、生活可能であるし、光を放つキノコや火を吹き出すキノコ等の面白い物も多々有ったが、空島の貝に比べれば利便性はだいぶ劣る(と思っていたが、とあるキノコの発見により重要性が爆増するもよう)

 

 ルンルン気分で空島を探す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へそ! おやおや見馴れない服を着た人が現れましたな」

 

「こんにちはー、ここは空島ですよね?」

 

 月歩で歩くこと数十分、無事に陸地にたどり着いた

 

 そこで第一村人を発見した

 

「えぇ、ここは空島ホワイトランド。あなたは旅人かい?」

 

「旅人といえば旅人ですね……ホワイトランドということは国ですか?」

 

「えぇ、我らが女神エンゼル様の国です」

 

「へぇ……一度お会いすることは可能ですか? 私は地上……青海から来た者なのですが」

 

「おお、青海から!? ここを真っ直ぐ行けば大通りに出ますので、城前に居る衛兵に声をかければ謁見は可能だと思われますのじゃ」

 

「ありがとう。あとここでは貝は買える?」

 

「貝は沢山有りますのぉ旅の人なら買って損は無かろう」

 

「エクストルが手持ちに無いのでまた今度、青海の通貨との交換なんかしてないでしょ」

 

「そうですなぁ、青海との交流は数百年無かったものでな」

 

「わかりました。親切にどうもありがとうございます」

 

「うむ。くれぐれもエンゼル様にご無礼が無いように頼みますぞ」

 

 親切な老人と別れ大通りを進んでいく

 

 私の姿を見て町の人々は物珍しそうに遠巻きから眺めているが、それを気にすること無く、城を目指す

 

 城は真っ白な雲石で出来ており、素晴らしい造りをしている

 

 その大きさは地上では真似できない途轍もない大きさだった

 

 そちらの世界ではサグラダ・ファミリアに近しい物があると思います

 

 地震が無く、軽い雲の石材を使っているからこそできる巨大建造物に度肝を抜かれました

 

「見馴れない人物だな名を名乗れ!」

 

「エレ・フューチ……青海からやって来た」

 

「青海から? 怪しいな事情聴取する」

 

「ええ、いくらでもしてくださいな」

 

 私は事情聴取の為、城の中に連れていかれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「青海とはこれ程広いのだな! ふむ……実に興味深い」

 

 私は事情聴取と言う名の質問会にいた

 

 青海を知らない衛兵達は私の話が面白いようで、今までの冒険の数々、青海と空島の違い、別の空島について、今まで戦ってきた人々、世界政府等を話した

 

「その天竜人とは偉いのであろうな……世界を創ったのであろう」

 

「まぁその当時の奴らは偉人かもしれないが、現在は堕ちきっているカスだけどね」

 

「それほどまでに酷いのか」

 

「人を人と思っておらず、家畜以下の玩具としてしか見ていない。前を横切れば射殺するのが当たり前……凄まじい屑だよ本当に」

 

「しかし、フューチ殿はそれを守る仕事をしておられるのでは?」

 

「私は世界政府保護下にある国々の人々を護るために海兵をしているのであって、屑の為に働いているわけではないのです」

 

「そうなのか……いやぁ実に有意義な時間であった」

 

「一応私も責任ある立場の人だから貿易等の話がしたい。貝の大規模な輸入の代わりに食料や鉄の輸出を行いたい。貝のエネルギーが有れば巨大なエレベーターを作り、人々の行き来が活発にできるかもしれない」

 

「うむ、直ぐに大臣を呼んでこよう。あと、謁見の話は承った。直ちに調整に入る」

 

「ありがとうございます」

 

 その後大臣達と話し合う場が設けられた

 

 大臣達は約10万人が暮らすこのホワイトランドの大問題である、ゆるやかな衰退、血の袋小路(数百年鎖国の状態が続いた為血が近しい者での結婚が多くなり体が虚弱であったり、障害持ちになりやすい現象の事)が発生してその問題が外部との接触をしなければならなかったが、その外部がどこにいるのか不明のため、解決不可能と思われていたらしい

 

 それを私がふらっと現れた事で救世主だと言われた

 

「直ちに国家事業としたい! 巨大エレベーターの動力は貝を組み合わせた物なのだろう!! 設計図を売ってはくれないか!!」

 

「それは構いませんが、融和は少しずつしないと必ず破綻しますよ」

 

「あぁ、大丈夫だ……すまないがエンゼル様への謁見は今日中に行ってもらっても構わないか! 速やかに動かなければならないのでな」

 

「それは、私的には有りがたいのですが」

 

「よし! 行こう!! 直ぐに行こう!!」

 

 大丈夫かこの国……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エンゼル様、青海の民を連れて参りました」

 

「爺や、ご苦労」

 

「はは!」

 

 私は謁見の間に通され、頭を下げる

 

「面を上げてください」

 

 巨大な真っ白い羽が生えた金髪でロングヘアー、青い瞳をした美しい少女が座っていた

 

 頭にはリングが浮いている

 

「よくぞ来ました青海の民よ。ここホワイトランドの女神をやっておりますエンゼルと申します」

 

「青海の海軍という組織の基地長をしていますフューチという者です。謁見ありがとうございます」

 

 今まで見てきた皇族の中でも最上位の神々しさ、神秘性だ

 

 傲慢な王族が多い中、鎖国中のこの国で、民に慕われる正しい王になるとはどれ程の奇跡なのであろうか

 

「畏れ多いのですが、女神エンゼル様、あなた様は不思議な果実を食されたことはおありでしょうか」

 

「不思議な果実……あぁ、儀式で頂く継承の果実の事でしょうか。はい、頂きましたわ」

 

 悪魔の実だぁ、しかも場所からしてラフテルの悪魔の実の石版に載っていたヒトヒトの実モデルエンジェルか? 果実がランダム生成される場所とも一致しているし、代々能力を継承してきてるとでもいうのか……凄い国だ

 

「大臣達の頭痛の種で有った問題の解決の糸口を示してくださりありがとうございました」

 

「い、いえ、そんなお言葉を頂けるだけありがたいです」

 

「その、エレベーター? なるものができたら私も青海へと降りてみたいものですわ……」

 

「歓迎いたします。その時の護衛はお任せください」

 

「頼もしいですわね……では会食をご一緒にしませんこと? 白海の料理の数々は青海では味わえない物と思われますわ」

 

「頂かせていただきます」

 

 こういう時に外部との交流がないと料理等は発展しにくいのだが、素晴らしく美味しかった

 

 ただ、王族の食事となってマナーが分からず失礼が無いように苦労したとだけ記しておこう

 

 

 

 

 

 




数話前にエドワードという人物が出てきましたが白ひげとは別人です

注意をしてくださった方々に感謝を


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天使様

「ねぇ、フューチさん、我々は青海にある相手の国に挨拶もしないまま勝手にエレベーターなるものを降ろすのは失礼だと思いません?」

 

「え、えぇ、まぁそうですが」

 

「そこで私自ら青海に赴こうと思うのです」

 

「は、はい!?」

 

 食事後気が変わったのかエンゼル様がそんな事を言い出した

 

「女神様流石に危険でございます!!」

 

「爺や、何が危険だというのです? 私が危険であるということは、この国の民全てが危険であるということなのですよ」

 

 確かにエンゼル様はここの誰よりも強いだろう

 

 悪魔の実の能力者であり、見聞色の覇気も扱えると見える

 

 とりあえず私は客人、口論の成り行きを見守る

 

「女神様、まずは我々が選抜隊を編成し、向かいますゆえに何とぞご再考を」

 

「フューチさん、青海に行くのに何か条件などは有りますか?」

 

「行くのには条件は有りませんが、帰りは有ります。空を飛べるか駆けることが出来なければ、空島へは行くことが出来ないでしょう……私が背負うことができるのは1人までなので……」

 

「では、尚更私が行くしか有りませんね!」

 

「エンゼル様お願いします! ご再考を」

 

「これ以上の検討は無駄です。フューチさん、私が青海の王族と直接お話をしたいので、護衛をしてくださる?」

 

「構いませんが……1人ならそちらの護衛を連れていけますよ」

 

「……なら私が行こう」

 

「ペタン隊長、私を護ってくださる?」

 

「命に代えましても」

 

 ほぼ成り行きでエンゼル様がモーリシャス王国に来迎する事が決まった

 

 王族……それで良いのか……

 

 

 

 

 

 

 

 その後、私は青海に戻る準備を進める

 

 といっても降りるのを楽にするためにパラシュートと籠を作り、ゆっくり、安全に地上に戻る必要が有った

 

 相手は王族、無礼が無いようにしなくてはならない

 

 即席で籠とパラシュートを作ると、モーリシャス王国に渡す贈り物をジゲジゲのポケットに収納し、いざ青海に向かう

 

「フューチ殿、くれぐれもエンゼル様を頼みますぞ」

 

「わかっております」

 

「では皆さん少しの間留守を頼みました」

 

「女神様行ってらっしゃいませ!!」

 

「「「女神様!!」」」

 

 子供達がエンゼル様に近づき手を振る

 

 エンゼル様は手を振り返す

 

 私はこの国の民がエンゼル様の下で本当に纏まっており、争いの無い、平和な国なのだなと感じた

 

「では出発いたします」

 

「フューチ殿頼みます!!」

 

「ペタン、緊張しないの」

 

「は、はい! 女神様」

 

 私達は青海に降りる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「青海は暗いのですね」

 

「いえ、上に空島が有るため日の光が届かないのです」

 

「そうなのですか」

 

 ゆっくりパラシュートに乗って降りる私達

 

 降りている途中にエンゼル様は様々な質問をしてくる

 

 ペタンと呼ばれた男は周囲の警戒をしながら話を聞く

 

「所々に光っている物がありますが。なんですの?」

 

「あれは光茸というキノコでございます」

 

「まぁ、そんなキノコが有るのですね。幻想的……」

 

 光茸が見えてきたということは地上がもう近い

 

「少々お待ちを」

 

 私は月歩で籠の下に潜ると、下から籠を支える

 

 ゆっくり、ゆっくり地面に近づけ籠を降ろし、パラシュートを嵐脚で切って、退ける

 

「ここが大地なのですね。雲とは違って固い……」

 

 私はコンパスを取り出し、この島の岸に止めた小型船に2人を案内する

 

「空気が濃いな」

 

「雲の上は酸素が薄いですからね。地上と空島では変わってきますよ」

 

 エンゼル様の頭の上で浮いているリングが光るので懐中電灯無しでもスムーズに歩ける

 

 というか、エンゼル様、全身がほんのり光っているような感じがする

 

「つきました。この船に乗り込んでください」

 

「女神様、揺れますので足元にお気をつけて」

 

「ふふ、ありがとうペタン。大丈夫よ」

 

 私達はモーリシャス王国に向かう

 

 

 

 

 

 

「おげぇ……」

 

「ペタン大丈夫?」

 

「女神様、すみませんこの様な醜態を見せてしまい……おげぇ」

 

「船酔いです。酔い止めの薬を渡すので飲んでください」

 

「かだじげない」

 

「ふふ、ペタンも弱点が有るのですね」

 

「わだじもじりまぜんでじだ」

 

「喋らずに安静にしていてくださいね」

 

 ペタンさんが船酔いでダウンするアクシデントが有りながらも私達はまず海軍基地に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『と言うわけで空島からの来賓がいらっしゃるので護衛に海兵100名付けたいからホフマン准将準備を頼みますね』

 

「わかりました。王国への説明はどうしますか?」

 

『私が電伝虫経由で報告する。以上』

 

「わかりました。準備に取り掛かります」

 

 ガチャ

 

「ふぅ……」

 

「ホフマン准将、今の電話はフューチ少将からの電話ですか?」

 

「あぁ、何でも5の島の探索中、空島の王国を発見し、成り行きで、その国の女王がモーリシャス国王と対談したいと言い出したらしい。そのまま護衛1人を連れてこちらに向かっていると」

 

「なんとずいぶん行動力のある女王ですね」

 

「あぁ、しかし、カリスマは凄いらしい。悪魔の実の能力者でもあるから力も強いとの事だ」

 

「失礼の無いようにしなければなりませんね」

 

「あぁ、今回は実力よりも性格で真面目な奴から護衛に付かせる。直ちに書類から選抜しろ」

 

「は!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 基地に到着した私はまず基地で軽い歓迎会を行い、その間にモーリシャス王国の大臣とのホットラインで事情を伝え、会談の席を設けてはもらえないかと交渉した

 

『空島なるものが実在したとは……わかった。直ちに調整に入る』

 

「急にすみません」

 

『なに、国益になるので有れば構わんよ。その為に我々は居るのだからな。王の機嫌も良い。最近では広がった勢力圏の地図を見るのが日課になっておられる』

 

「そうですか……一応こちらで2時間は拘束しますので、その間に宴の用意も頼みます」

 

『了解した。護衛には我が国の兵も出そう』

 

「お願いします」

 

『では、また後でなフューチ少将殿』

 

「はい、大臣もよろしくお願いします」

 

 ガチャ

 

 ふぅーとため息が出る

 

「さて、どの様にもてなすか……」

 

「フューチ少将、只今ココア三等兵とパワプロ軍曹が能力を使った芸で繋いでいます! 直ぐにお戻りください」

 

「わかった、わかった」

 

 私はエンゼル様のもとに戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、見ろよあの羽に輪っか……天使様だべ」

 

「地面に足をつけておられねぇ!! 神の使いじゃ」

 

「拝めなきゃ」

 

 海兵達は悪魔の実の能力者だとわかり、動揺はしたが、拝む等の行動はしなかったが、モーリシャス王国の国民は悪魔の実なんて知ってる人はごく一部であり、エンゼル様の神々しさに膝を付いて拝む人が続出

 

「地上の民は膝を付き、拝むのが礼儀なのでしょうか」

 

「いえ、羽の生えた人物など見たことが無いですし、ふわふわと浮いてますので神の使い……創造神の使いだと勘違いされていますよ」

 

「まぁそんな……私は女神では有りますが、創造神等と言う最高位の使いではありませんことよ」

 

「まぁ民衆はあなた様の事を知りませんので、これぐらいは許してください」

 

 一応道両サイドには兵隊が、我々の前後には海兵が守りを固めているのですが、兵隊は隙間や建物の上から見ていた見物人達が拝めだしたことでエンゼル様は困惑したらしい

 

「さて、着きました。こちらがモーリシャス王国の王宮になります」

 

「綺麗ですね」

 

 空島にある天空の城には負けるが、モーリシャス王国の王宮も十二分に素晴らしい造りをしている

 

 王宮に入り、玉座の前まで私は案内する

 

「ベゾルト3世のおなーりー」

 

 ドコドコドコと太鼓やラッパを鳴らし豪華な演出と共に国王様が玉座の前に立ち

 

「よくぞ来られた天空に住むものよ」

 

 階段を降りながベゾルト国王はエンゼル様の前に立つ

 

「交流の証だ」

 

 王は手を差し出す

 

「……なるほど。へそ」

 

 差し出された手をエンゼル様は握る

 

 握手だ

 

 周囲に居た人々が拍手をする

 

「モーリシャス王国のゾベルト三世である」

 

「ホワイトランドの女神、エンゼルですわ」

 

 こうして国を背負う者同士の会談が始まるのだった



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歴史的会談 エレベーター

 どうも第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちは、フューチです

 

 現在ゾベルト三世とエンゼル様がテーブルに座り話し合いが行われています

 

 両者共に王としての威厳が有りすぎてヤバイです

 

 ただ、話し合い事態は凄まじくスムーズに行われております

 

 やはり両者政治のトップに君臨する者の為、決める事が膨大に有ってもその場その場で決める事ができるのが強みですね

 

 ゾベルト三世は周りに大臣達も居るので、わからなくなったら専門の大臣に聞いていますが、エンゼル様は全て自らの手で決めています

 

 ちなみに私はホワイトランド側の書記をやっています

 

 で、海兵の一部も私の手伝いをしてもらい、聞き漏らしが無いようにしています

 

「ゾベルト王、貿易に関してですが、空島の通貨エクストルはこちらのベリーが1に対して1万エクストルが交換比率になっています。変更は有りませんよね」

 

「フューチ殿、この交換比率は他の空島でもそうなのか?」

 

「はい、空島のエクストル貨幣は1万対1の割合と決まっています」

 

「ならばよし」

 

「続いて貿易の商品ですが、我々はダイヤルという貝の養殖をしていますので、そちらを貿易の商品と致しますわ」

 

 これはエンゼル様に前に貿易する商品は何が良いですかと聞かれた時に、貝と答えたからだろう

 

 雲の彫刻等は地上に持ってくると消えてしまうので商品にはできない

 

「いや待った、食料品も輸入したい」

 

「……これは交換案件ですわね」

 

 ホワイトランドもモーリシャス王国どちらも食料は足りていない

 

 ホワイトランドはやや足りない程度だが、モーリシャス王国は3の島解放により食料自給率は上がったとはいえ、まだまだ足りていないのが、現状……

 

 食料の輸出入は等量の交換とし、双方生産量を上げてから再び会議する案件となった

 

 また人員の移動、物資の運搬の効率を考えると、エレベーターは1つでは到底足りず最低10ヵ所は必要とされ、早急に組み立てを行うように要請された

 

 エレベーター建設に必要な資材はモーリシャス王国とホワイトランドで折半の案に双方合意となり、次の議題に移る

 

 ホワイトランドの外貨獲得のために海軍の工場を建てたいというものだった

 

 本当はモーリシャス王国の工場で全て完結させようとしていたが、ホワイトランド発見で動力源に必要な貝の供給に目処が立ち、エンジンの組み立てをホワイトランドで行い、外貨備蓄を行いたいとの事だった

 

 ただ、それには問題があり、空からどうやって大型のエンジンを降ろすかという問題だが、大型エンジンを積んでも大丈夫な位大きなエレベーターを作ることで解決しようとの事になった

 

 割りを食う形となったモーリシャス王国側には新造船の発注量を増やす、新武器の設計図の売却による武器市場の活性化で穴埋めすると伝えた

 

(こうなってくると海軍本部から予算を更にもらう必要が有るな……基地拡張費や新造艦建築費だけじゃなく他に何か……)

 

 海賊から財宝を奪うって手も有るが不安定であり、それは頼れない

 

(そうだ!? 保険屋だ。海軍が使用できるドックを民間にも解放して船を沢山作らせ、船を貸し付ける。沈めば全損の状態からセーフティができれば食いつくだろう!)

 

 フューチが後で始める保険屋事業は白ひげの勢力の民間船にも適応となり、莫大な利益を産み出す金蔓となり、空きドックの貸し付け代金、海軍側の技術で作った実験船の売却等でも利益を産み出し、1支部でしかないのに機動艦隊の建造、運用、維持ができる下地を作り出す事となる

 

「これで大まかな決めるべき事は決まったな」

 

「えぇ、有意義な時間でした」

 

 王達の会談のも終了し、以後はエレベーターが出来てから追加会議を行う事で締めくくった

 

 

 

 

 

 5の島のエレベーター建造事業は早急に行われた

 

 建築業者や植物の研究者等が5の島に速やかに入り、インフラを整えていく

 

 海軍と国軍合同で猛獣狩りを行い、AF銃が大活躍したと記しておこう

 

 ゾベルト三世とエンゼル様の会議が終わった後、私はエンゼル様とペタンさんをホワイトランドに送り届け、王の会議で決まった事を記した書類を大臣達に投げた

 

 その後速やかに私は戻り、先ほど言った猛獣狩りに参加

 

 生存圏を広げると共にエレベーター建造事業に月歩が扱える者は全員動員し、王の会議から約2週間で最初のエレベーターが建築された

 

 シャボンの技術を応用した物で、設計は私が行った

 

 マリージョアに向かうエレベーターを乗ったことがここで生きるとは思わなかった……

 

 (ダイヤル)エンジンを稼働させエレベーターが起動したときは皆で万歳三唱を行った

 

 1基できれば物資運搬ができるため、次々と出来上がっていく

 

 4ヶ月後には巨大エレベーターが稼働し、ホワイトランドとモーリシャス王国の国交が開かれるのだった

 

 

 

 

 

 巨大エレベーターの建築中に海軍本部から派閥争いに負け、左遷さられてきた人員が到着した

 

 リーダーはファルケンハイン准将、その他将校30名下級海兵200名だった

 

「ファルケンハイン准将長旅お疲れ、左遷は残念かね?」

 

「いえ! フューチ少将の下で働けるのであれば本望です!!」

 

「そうか、今回連れてきた兵達は皆私を持ち上げていた人物達で良いのかな?」

 

「はい! 皆志願してこちらに移った者達ばかりです」

 

 まずこいつらが左遷された理由は海賊王のクルーと知りながら実力主義の観点から少将ではおかしいと異を唱えた者達ばかりであり、その為ファルケンハイン准将は六式を問題なく扱えるし、将校達も覇気を扱えたり六式の一部を扱えたりと優秀な者達ばかりであった

 

「まずこの基地に着任したからには武装色と見聞色の覇気習得及び、六式を完全習得してもらう。現在基地に居る全ての兵が覇気については扱えているため、六式習得の訓練を行っている。習熟度に差が出るのはまずいので私が今回着任した約200を直接訓練を施す……良いな!」

 

「は!!」

 

 ファルケンハイン准将達の思考はわかりやすい

 

 海賊に負けないくらい強くなること

 

 この一点だけに絞ってある

 

 元海賊だろうが、元傭兵だろうが、改心し、強ければ正義

 

 強い者が弱者を導く動物の群れのような心理で動いていると見える

 

 だから政争に負けるんだよ……

 

 ただこういう者ほど強かったり、実戦経験が豊富だったりする

 

 事実今回入ってきた約230名とホフマン准将率いる同数(ココア二等兵とパワプロ曹長は抜き)の模擬戦闘を行ったところ、左遷組が勝利するほど強いのだ

 

 彼らは満足に覇気や六式を扱えてはいないが、使える技を最大限効率的にかつ、連携を取ることでG-6支部の面々に優位に闘ったのだ

 

 これは嬉しい誤算である

 

 経験豊富な彼らを小隊長や小隊長補佐、副隊長に組み込み、練度の底上げをはかる

 

 そうこうしている旧式艦で射撃訓練を毎日の様に行い、新造船に組み込む砲を地上から試射させたりして、練度不足解消に勤める

 

 部下達が六式習得や砲撃の練度向上をしている中、私は部下の火力向上の為、数年間温めてきたAF銃に代わる銃の開発をスタートした

 

 国軍にも銃を支給する条件で、王国の武器開発を行っている場所と提携を結び、海軍本部の兵器開発局とはいかないものの、そこそこの施設環境を整備することに成功し、ボルトアクション方式ライフルの開発に着手する

 

 ここから技術的蓄積を得てセミオートマチックライフルに進化させていくが、今はとにかくボルトアクション式だ

 

 精度が高ければ狙撃銃としても扱えるし、何よりAF銃の普及により薬莢を製造できる下地は出来上がっているので、導入しやすい

 

 ただ問題もある

 

 無煙火薬の開発も同時並行して行わなければならない点である

 

 たぶん世界中を探せばこの技術も有るのだろうが、海軍に出回ってない時点で秘蔵されていると見受けられる

 

 どうしたものかと考えていると、国軍から出向してきてくれていた若い技師が

 

「もしかしたらニトロ茸なら無煙火薬の製造ができるかもしれませんよ」

 

 そう、5の島で採取できるニトロ茸により無煙火薬開発はスムーズに進むこととなる



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処女航海

 どうも第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちは、フューチです

 

 原作開始20年前となり、私も30歳となってしまいました

 

 周りからは見た目20歳と言われていますが、童顔なだけです

 

 まぁ覇気を上手く扱えば美容なんてなんとでもなりますからね

 

 ……そんなことはどうでも良いのです

 

 ついに新造船第一弾のリゴー・ド・ジュヌイイー級巡洋艦こと鉄骨木皮の装甲艦が完成しました

 

 拡張され8番ドックまである造船所の一部で既に全面装甲艦の開発が進められていますが、発展型であるヴァスコ・ダ・ガマ級の開発が進められていた

 

 空島からもたらされた貝やダイヤルエンジンは産業界に革命をもたらした

 

 農業器具はエンジンを組み込んだトラクターが発売され3の島では大規模農園、大規模牧場が多数起こり、食料生産は爆増

 

 農業用水問題も水貝により純水が作れるため問題なく、ダイヤルエンジンも純水で動くので、皆バリバリ使う使う

 

 木造のダイヤル船も使われ始め、貿易や漁で活躍

 

 繊維業、運送業、加工業、建築業全てにダイヤルエンジンが使われ、モーリシャス王国では貝バブルが巻き起こった

 

 私は空きドックを民間に貸し付け、保険代で大儲け

 

 ホワイトランドも貝とダイヤルエンジンの輸出で大儲け

 

 モーリシャス王国は加工品や繊維業の好調、輸出を増やして大儲けと3者全員ホクホクである

 

 話を戻して、鉄骨木皮の装甲艦こと1番装甲艦の処女航海に私は船長として参加、基地にはホフマン准将を残し、私の補佐としてファルケンハイン准将や左遷されてきた将校達に、ココア二等兵にパワプロ曹長とホフマン准将や基地運営に必要な人員を除くと、ほぼ最精鋭の編成で処女航海を向かえることになった

 

「フューチ少将目的地はいかがしますか!」

 

「まずカームベルトを突破できるか試すため南の海のボツワナという島を目指す」

 

「ボツワナですか……何か有る島でしたか?」

 

「世界政府未加入の有人島だが、様々な技術が発展している国と聞く、装備拡張の為その島に向かう」

 

「はい!!」

 

「その後我々は魚人島に行き水中でもエンジンがしっかり作動するのを確認し、帰還する……航海帰還は4ヶ月! いざ出航!!」

 

 ちなみにオーロとアルジェントまだ5歳なのでお手伝いさんを2人雇い、オーロとアルジェントの教育を含めてお願いした

 

 2人共に最近は歴史の勉強に夢中であり、それを私なりに手伝ってあげようとしたからだ

 

 オーロとアルジェントの事が少し心配だが、これも任務

 

 頑張っていこう!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最初は目まぐるしく変わる新世界の海に長期航海に慣れてない者達は苦労していたが、本部からの左遷組は流石としか言えないくらい慣れていた

 

 巨大な雹が降り注ぐ海域を私の覇気で吹き飛ばしつつ進むとカームベルトに突入する

 

「ここは食料には困りませんね」

 

「フューチ少将! 早速化け猫魚が!!」

 

「嵐脚で殺せるでしょ。約2年間鍛えてきた集大成を見せなさい」

 

「は!!」

 

 月歩と嵐脚ができる者が空を飛びながら化け猫魚を切り刻んでいく

 

「「「うぉぉぉぉぉ!!」」」

 

「俺達だって弱くはもうねぇんだ!! どんどんぶっ殺せ!!」

 

 時に砲撃の的にしたり、武装色の練習にしたり、嵐脚、指銃の練度向上に扱われたり、サーベルで切り刻まれたりと海王類達は大量に乱獲されていった

 

「中々強いですなフューチ少将が鍛えてきた兵達は」

 

「ファルケンハイン准将か。新世界の化け物達と闘うには満遍なく闘えなくてはならないからな。君達みたいな特化も強いが、成長限界が必ずやってくる。その時満遍なく扱えていれば、それだけ成長限界を引き伸ばすことができる」

 

「なるほど……」

 

「しかし、君の自慢のクインテット……5人組と呼ばれる大佐達は素晴らしく強いな」

 

 チルノ大佐、リグル大佐、ミスチア大佐、ダイ大佐、ルーミア大佐の5名で武装色、見聞色の両方の覇気と六式全てを扱える秀才達であり、後に全員が少将以上、機動艦隊の各船長になる逸材達であった

 

「あたいの方が早くこの獲物を刈り取った!!」

 

「いや、僕の方が早かったね」

 

 それぞれ年齢も若く、左遷されるまでは期待の若手将校だったのだろう

 

「戦闘能力がココア二等兵並みなのは凄いな」

 

「えぇ、ゼファー教官からも自慢の教え子だと仰っていました」

 

「ゼファー大将か……あんまり私は関わりが無いんですよね」

 

「意外ですね」

 

「そうかな? まぁゼファー大将が教育隊を受け持つようになってから新兵死亡率もガクッと下がったからな……ファルケンハイン准将は年齢的に教育隊に参加してないのでは?」

 

「えぇ、ですが私も教育隊の教官側で参加したことがあったので面識が有るのですよ」

 

「なるほど……左遷されなければ中将なんかになれただろうに」

 

「彼らこそフューチ少将を推していた中核なので今回の人事に不満はあまり無いらしいですよ」

 

「そんなもんかねぇ……」

 

「そういうものですよ」

 

 ファルケンハイン准将と話している間もカームベルトを突き進む

 

 

 

 

 

 

 

 

 カームベルトを突破したのは突入から1週間後の事だったが食料の備蓄が予想以上に進み、私の能力で船に入りきらなかった海王類はジゲジゲのポケットの中に収納した

 

 私の予想よりも海兵達の実力が有る事がわかり少しホッとした

 

 現在は南の海を高速航行で進んでいる

 

 予定よりも早いため4ヶ月を見積もっていたが3から2ヶ月で今回の航海が終わるかもしれない

 

 で、流石南の海だ治安が悪い

 

 この海域に突入してから海賊10隻を壊滅させている

 

 勿論私は出ていない

 

 全員部下達だけである

 

 この時やはりマキシム機関銃が猛威を奮った

 

 積載していた10丁のマキシム機関銃は移動式の為片側に集めることができるので、10丁の一斉総射は壮絶で、覇気をろくに扱えない南の海の海賊達はバタバタと倒れ、斬り込み前に鎮圧できた船も何隻もあった

 

 ちなみに今日までの討伐した総合懸賞金額は2億4千万ベリー

 

 そこそこの金額である

 

 まぁ海軍なのでいくら討伐したところで昇進にしか響かないのだけどね

 

 南の海では圧倒的過ぎる暴力と火力により鎮圧を進めカームベルトを越えてから約2週間という短期間で第一の目的地ボツワナに到達する

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボツワナ

 

 世界政府非加盟国であり、奴隷狩りと闘い続けている国である

 

 海賊に対しては熾烈な戦いをすることも有名で、それに伴い武器の質も高いことで有名だ

 

「補給を直ちに行い、この島の奥に探索に向かう」

 

「フューチ少将何かこの国に有るのですか?」

 

「私用になるが、欲しいものが有る。最悪1人で行く」

 

「そんな、フューチ少将1人では行かせませんよ。パワプロ曹長、チルノ大佐護衛を頼む」

 

「わかりましたファルケンハイン准将、必ずフューチ少将を護り抜いてみせます!」

 

「フューチ少将も宜しいですね」

 

「あぁ、ありがとうファルケンハイン准将。ついでにこの島の武器を購入する手続きを頼む」

 

「は!!」

 

「よし、ではパワプロ曹長、チルノ大佐私に続け」

 

「「は!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボツワナ島は外周部を人の生存圏、島の奥に行けば行くほど過酷な環境となっている

 

 まずジャングルと幻覚作用のある植物が行くてを阻むが、ガスマスクが有れば回避可能なのでここを突破、続いて湿地となり、巨大な肉食ウナギが生息し、その大きさ10メートルにもなる

 

 ここまでは地元の人間でもウナギ狩りの為に来ることが有るらしいが、次の沼地には近づかない

 

 病原菌の温床であり、沼地に1歩でも入れば泡を吹いて死に至る

 

 更に凶悪なのはその沼地には爆弾魚という外敵が現れると大爆発する魚が住み着いており、連鎖爆発で巨大クレーターができるほど凶悪らしい

 

 まぁ私達は月歩ですいすいと突破するんだけどね

 

 最後に火山地帯となり、常にサウナの様な暑さ、降り注ぐ火山弾と普通の人間なら生存不可能の中に火山ゴリラという化け物が住んでおり、このゴリラ怒ると金色に光だし、ビームを放ってくるし、暴れると火山がその振動で噴火するとも言われている

 

「指銃」

 

 ドスン

 

 まぁ心臓を撃ち抜いて、覇気を流し込んで破裂させれば即死である

 

「フューチ少将コイツらも回収するのですか?」

 

 パワプロ曹長は水銀で口や鼻を塞ぎ、窒息させて殺し、チルノ大佐は嵐脚で首を飛ばす

 

「フューチ少将! ここに何が有るのですか!? 新世界でも中々無いですよこんな過酷な土地」

 

「そうだね……有るかどうかはわからない。私がラフテルに行った時には有ると確証が有ったが、2年も時間が経過してしまっている……さぁ有ると良いのだけど」

 

「だから何があるのです? ラフテルに通じる物ですか!?」

 

「とある果実が有るハズなんだ……特殊すぎる悪魔の実がねぇ」

 

「「悪魔の実!?」」

 

「その悪魔の実は常に2つついており、1つの悪魔の実だと勘違いした者は必ず死亡する凶悪な性質がある……その分強力なのだけどね」

 

「あ、悪魔の実の名前なんかはわかってるのですか?」

 

 私は異空間から紙を取り出す

 

「動物系ヒトヒトの実、幻獣種アダムとイブ。食した者は歴代で1人ずつのみ。ラフテルの図鑑にて判明している悪魔の実でもとびっきり強力な悪魔の実だよ」

 

「アダムと……イブ……」

 

「わ、私は食してはいけないのですか?」

 

「チルノ大佐には別に相応しい悪魔の実を与えるよ……そうだね……メガメガの実という動物系幻獣種に8種類ある女神系の1つを探して与えるよ」

 

「約束ですよ」

 

「さて、ここにあるはずなんだけど……あれか」

 

 火山口の中にマグマを養分として育つ木、マグマ桜にさくらんぼが実っている……その中でも一際大きな木に、これまた一際大きなさくらんぼが実っていた

 

「あれだ……」

 

 私は月歩でその果実をもぎ取るとジゲジゲのポケットの中に入れる

 

「任務完了……ありがとうね付き合ってくれて」

 

「いえ、お疲れ様でした」

 

「フューチ少将は悪魔の実をこれからも集めるのですか?」

 

「そうだねチルノ大佐、特に幻獣種は我々が管理する必要がある。四獣は既に2年前の段階で他の人に確保されていると情報を得ていたからヒトヒトの実の幻獣種、バットバットの実モデルバンパイア、メガメガの実8種、ウマウマの実の幻獣種2種とウマウマの実でもう1種獲得したいのがある……これからも悪魔の実は集め続けるよ」

 

「あれ? 超人系は集めないのですか?」

 

「超人系は鉱物系を除くと比較的入手しやすい場所に存在しているため別の能力者が現れやすいんだ。あと、覚醒しなければそこまで強くないのも特徴だね」

 

「えぇ!? 僕のメタメタの実は強くないのですか!? 液体金属ですよ!!」

 

「例外は有るでしょ。水銀は自然系みたいに攻撃の回避がしやすかったり、体を変形させることで躱しやすかったりするでしょ」

 

「あれ? 攻撃は……」

 

「覚醒して水銀を空中生成できるようになってから頑張りなさい」

 

「はい……」

 

「さて、取るもの取ったし帰るよ」

 

「「はい!!」」

 

 こうして私はアダムとイブを手に入れた




名前を覚えやすい様に東方キャラから持ってきました

性格は全員似せますが頭は比べ物にならないくらい良いです

ダイ大佐とリグル大佐は男です



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魚人島2

 ボツワナで最大の目的であった悪魔の実を回収した私達は港まで戻っていた

 

「フューチ少将! 購入した武器をご覧ください」

 

「わかった。ありがとうファルケンハイン准将」

 

 ファルケンハイン准将から渡されたリストと現物を確認する

 

「ミトラィユーズって砲に後装施条のカノン砲か……砲身が短いのは黒色火薬を使っているからかな……お!? 拳銃が有るじゃん! 回転式拳銃とは中々……来て良かった良かった」

 

 その他にも良質なサーベルや刀、槍やAF銃のコピーなんかが集まった

 

「ついにAF銃が市場に流れ始めたか……」

 

 いくら規制していても海賊と戦う以上、鹵獲され、市場に流れる危険性がある

 

「まぁ仕方がない事か……」

 

 以上をもってボツワナ島でやることは全て終わり、船に戻る

 

 その時

 

「なぁあんたら海兵だろ! 非加盟国の俺らが頼み込んでも聞いてもらえないのは百も承知だが……聞いてくれ!」

 

 複数の男に土下座され、道を塞がれた

 

「何事ですか?」

 

「隣の島にいる海賊に俺らは負けてしまったんだ! 若い女は人質として連れ去られ、取り返そうとした戦士達は殆どが殺されちまった!! どうか……どうか助けてくれ」

 

「ファルケンハイン准将、出港準備を」

 

「は!!」

 

「ま、待ってくれ」

 

「隣の島だな……大丈夫、私達の通り道だ。ついでに解放していくよ」

 

「ほ、本当か!! ありがてぇ!!」

 

「海賊の能力、人数なんかはわかるかい?」

 

「人数はざっと250名、キャプテンの能力がやべぇ! 俺達の攻撃が一切通じねぇ」

 

「ふむ……自然系か。4海で燻ってる感じか?」

 

「キャプテンの名前は電撃のシハン! 懸賞金は1億5千万ベリー!!」

 

「4海でその金額はちょっと危ないねぇ……」

 

 まぁついでだ、討伐しておこう

 

「絶対的正義の名の下に!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、諸君実戦だ。そこそこの奴だから気合いを入れていけ」

 

「フューチ少将」

 

「なんだ? 少佐」

 

「世界政府非加盟なら要求を無視しても良かったのでは?」

 

「次そんなことを質問してきたら再教育だからな。困っている民がいる。それは悪だ。堅気に手を出さない海賊は別に良い、海軍に立ち向かってくる海賊も別に良い、それが自然だからな。情状酌量の余地がある……が、弱い者虐めをする海賊は絶対に許さない……なぜかわかるか?」

 

「い、いえ」

 

「それは天竜人やくそったれな王族、貴族と同じだからだ。モーリシャス王国やホワイトランドは良い王族が支配しているから私も手を貸すが、堕落した瞬間に私は牙を向く」

 

「しょ、少将、その発言は海兵としてまずいです! 天竜人は我々の護るべき最高位の存在」

 

「いいか少佐、世界貴族の横暴はロジャーとの旅の中で嫌というほど見てきた。まぁ今の私は消されないだろ。せいぜい厳重注意ですむからな」

 

「それは……」

 

「それにな、この船の中にはサイファーポールが紛れ込んで私を監視している」

 

「な……」

 

「もしかしたら君かもしれないね、少佐」

 

「いえ、私は」

 

「冗談だよ冗談……既に見つけてチェックしてある」

 

「……さ、流石です」

 

 

 

 

 

 

 

 隣の島に上陸すると海賊達が襲いかかってきたが、部下達は難なく殺害し、島の奥へと向かう

 

 おそらく奪ったミトラィユーズ砲による射撃が行われたが、鉄塊を覚えている部下達には有効打とはなり得ず、一部鉄塊が甘くて負傷した奴も居たが順調に制圧していく

 

「お、おい! コイツらがどうなっても良いのか!!」

 

 海賊達は女を木の盾に縛り付け肉の盾をやり始めた

 

 これでは銃は使えない

 

 が

 

「一歩でもうごぺ?」

 

 喋っていた海賊の首が飛ぶ

 

 嵐脚による攻撃は見えない斬撃の為、何が起きたかわからずに海賊達の首が次々に飛んでいく

 

「て、てめぇ!! よくも部下達を!!」

 

 パン

 

「おっと銃は俺の体には効かねぇぜ!! なんたって俺は電気だからな!! ビリビリの実の能力者だせ!!」

 

「ずいぶん喋るな」

 

「おっと見えない攻撃もやめとけ! 俺が指を動かすだけで人質の命はねぇ!」

 

「それはこまるねぇ……何をすれば解放してくれる?」

 

「そうだな! 武装解除して後ろを向け! 俺が何をしてもごほ!?」

 

 海賊シハンの心臓を抉るようにフューチ少将が後ろからグサッと手を突き刺した

 

「な!? ぶぉ……お前さっきまで前に居たはずじゃ」

 

「あぁ、私も能力者でねぇこんな距離ならテレポートできるんだわ」

 

「ごぼ……くそ! なぜだ電気になれねえ」

 

「あぁ、心臓を武装色の覇気を纏った腕で潰したからね。もう肉体は死んでるんだよね。喋れてるのは、私がまだ生かしてるから」

 

「ぐ……そ……」

 

 ドチャっとシハンは倒れる

 

「フューチ少将お疲れ様です」

 

「人質の解放と残党を探して殺せ」

 

「は!!」

 

(あぁ、果実を持ってくれば良かったなぁ。これじゃあランダム転移したなこりゃ)

 

「人質を隣の島に送り届け次第魚人島に向かう。準備しろ」

 

「は!!」

 

 1億5千万程度では傷すら付かない様になったフューチは自身が強くなったなぁと再認識する

 

 しかし、新世界には私並みの化け物が多数居ることを考えると少し億劫になる

 

「この世界の本当の平和とは何なのだろうな」

 

 この頃から私はとある計画を秘密裏に練るようになる

 

 

 

 

 

 

 

 

『白ひげ、魚人島に上陸するから一言伝えたからね』

 

「あぁ、確かに聞いた。しっかし白電伝虫なんて希少種よく持ってるな」

 

『いや、普通の電伝虫を複数配合して突然変異を厳選して、白電伝虫を作っただけだよ。黒やゴールド、シルバーなんかも作ったから上げようか?』

 

「要らねぇよ……で、魚人島には何しに行くんだ?」

 

『新造船の耐久テストと魚人島で海兵を募集する』

 

「おいおい、あそこは排他的で厳しいと思うぞ」

 

『それでも魚人達の身体能力は見過ごせないからね』

 

「まぁ頑張れ、要はそれだけか?」

 

『えぇ、時間を取っていただきありがとうね白ひげ』

 

「グララララ、なに、約束だからな。お互い約束は守っていこうぜ」

 

『助かる。サイファーポールの目があるからこれで切ります。お疲れ様でした』

 

「おう、まぁ頑張れや」

 

 ガチャ

 

「親父、フューチからよい?」

 

「あぁ、律儀に魚人島に行くから一報を入れてきやがった」

 

「なんだかんだアイツは良い奴だよい。エドワードが貿易関係の書類で死にかけてたがな」

 

「グララララ、同じ名字を持ってんだ。エドワードの奴に気合いを入れろと伝えてくるかな」

 

「そうすると良いよい親父!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シャボンコーティングを船に施し、深海に潜る

 

 私以外魚人島に行った者は居らず、皆緊張している

 

「ファルケンハイン准将も緊張してるのか?」

 

「ええ、はい。深海は流石に初めてなので」

 

「深海はシャボンの外に出るだけで水圧で死ぬ恐ろしい世界だけど、海賊とも交戦できない強制的に不可侵となる場所だ。魚人島でもそうなっている。間違えても差別発言はするんじゃないぞ」

 

「は!! 部下に徹底させます」

 

「うむ、あとエンジンの方はどうだい?」

 

「は! 海中でも正常に動作しています。ただ、シャボンコーティングの影響か、水の取り込みができておらず、備蓄を削ってエネルギーを生み出しているようです」

 

「シャボンコーティングをすると、水を取り込めなくなるのか……なるほど、まぁ海中に行くことは少ないから予備の水貝を取り付けるだけで十分か」

 

「はい! おそらくそれで大丈夫かと」

 

「フューチ少将! ファルケンハイン准将! 魚人島が見えました!!」

 

「ようやくか! 新鮮な野菜を食べられるなこれで!」

 

「私は肉珊瑚なるものを食べてみたいです」

 

「よし、島に着いたら奢って上げよう」

 

「本当ですか! ありがとうございます!」

 

「しかし、ファルケンハイン准将は結婚をしないのかい? いい歳でしょうに」

 

「いえ、私は……」

 

「海兵向けの合コン会でも帰ったら開催しなければならないな」

 

「フューチ少将は良いのですか? ご結婚しなくて」

 

「子供が居るからいいよ。結婚したら家になかなか帰らない私に、新しい主夫、旦那と血の繋がらない子供2人は色々地獄だ。子供の成長にも悪い」

 

「まぁ確かにそれは厳しいですな」

 

「さて! 魚人島だ! 各員上陸準備!!」

 

「「「おお!!」」」



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魚人島3

 魚人島に上陸した私達は、補給を行い、長期航海の疲れを癒す

 

 魚人島の住民に迷惑をかけないことを言明し、部下達を解散させた

 

「フューチ少将何処に行くんです? 僕も連れてってくださいよ」

 

「リグル大佐か……ギョンコルド広場に行ってみようと思ってね」

 

「あの中央にある広場ですか……何が有るんです?」

 

「まだ活動を続けていれば……とある女性がいるはずだね」

 

「とある……女性? いったいだれなのですか?」

 

「居たらわかるさ」

 

 

 

 

 

 

 ギョンコルド広場ではとある活動家が演説をしていた

 

「リュウグウ王国を地上に移すのです!! 差別を次世代に残さない為に、同じ血が通っている同じ人類なのです!」

 

 民衆の一部は彼女の言葉を聞く次世代の為ならばと

 

 リュウグウ王国を地上に移す案は私にとって魅力的であったモーリシャス王国の解放されていない島2つで500万人の人口は居住可能であり、そこから生み出される生産力は海軍を拡張するのに無くてはならないものだった

 

「お久しぶりですオトヒメさん、覚えていますか?」

 

「ん? すみません。海兵さんには会ったことが……」

 

「おい、貴様! オトヒメ王妃の演説の邪魔をするんじゃない!!」

 

「大臣、良いのです。すみませんがいつお会いしましたでしょうか?」

 

「3年前、ここに来たロジャー達のクルーの一人で、あなたに挨拶をしたのを覚えています」

 

「3年前……あ、ああ!! あの時の女海賊さん!?」

 

「そうです。覚えていてくださりありがとうございます」

 

「えぇ、熱心に私の言葉を聞いてくれていたので印象に残っています」

 

 王妃と将官

 

 立場が変われど、互いに覚えていたようだ

 

「オトヒメ王妃はまだリュウグウ王国を地上に移すのを諦めてはいないのですよね」

 

「はい! それが私達魚人や人魚の悲願ですから!」

 

「今回はそのお手伝いができないかと思いやって来ました」

 

「ほ、本当ですか!!」

 

「えぇ、今私はとある島々の管理を請け負っているのですが、巨大な無人島が幾つかあり、魚人島の人口500万人の移民を受け入れることができる島々が有ります」

 

「まぁ! まぁ! まぁ!!」

 

「そこでよろしければ移民をしませんか?」

 

「はい! ……と言いたいところですが、移民に賛同する方がこれっぽっちしか居らず……」

 

「それはオトヒメ王妃が頑張ってもらうしか有りませんが……そのお手伝いとして今回話した事を書面でサインさせてください。そちらの方が効力が有るでしょうし」

 

「ぜひ、お願いします!」

 

 後にリュウグウ王国移民同意書と呼ばれる書類はオトヒメ王妃の悲願を少しだけ近づけることとなる

 

 また、今回の件で竜宮城に呼ばれ、私は竜宮城に向かった

 

「久しぶりじゃもんね。ロジャーのクルーよ。……いや、裏切り者といった方が適切か?」

 

「ロジャー船長の逮捕はロジャー船長の意思です。彼はやるべき事を全うするため逮捕となりました」

 

「ふん! 信用できるかもん」

 

 私はジゲジゲのポケットでとある貝を取り出す

 

「これはロジャー船長がネプチューン王に宛てた最後のメッセージになります」

 

「なに? ロジャーの?」

 

 カチ

 

『あーあー、見えるか海神ネプチューン』

 

 私が貝を押すとロジャー船長が映し出された

 

「ろ、ロジャー!!」

 

『これを見てるってことは俺は死んでる。まぁ少しだけ話がある。俺が逮捕されるって話だ』

 

『フューチが海軍に戻りたがっているのは俺のクルー全員承知していたし、俺の逮捕により俺達の宝である2人の子供を安全な場所に置くことができるから俺は逮捕されることにした。決してフューチの為だけじゃねぇ』

 

『ただ、フューチの事は恨まんでやってくれ。フューチは最後の最後まで付き合ってくれたからな。海軍に引き渡すだけなら色んなタイミングが有ったが、全て回避して、最終的にはラフテルにも同行したし、俺の愛する人が居る島までの護衛と我が儘を全て叶えてくれた。大事なクルーだ。海神ネプチューン。お前の事だ、フューチを疑う気持ちは十分わかるが俺が指示してやったことだ。気にしないでくれ』

 

『最後にお前の娘……とんでもないキーだ。大切にしろよ。じゃあな海神ネプチューン』

 

「映像は以上です」

 

 ネプチューン王は涙を浮かべていた

 

「そうか、ロジャーはやるべき事をやっての逮捕だったんじゃもんね」

 

「えぇ、そしてこうも言っていました」

 

「俺は死なねぇぜ」

 

「と……結果大海賊時代が始まり、人々の記憶にロジャー船長は生き続けています。そして、ロジャー船長の意志を受け継ぐ者が現れる……私はそう思っています」

 

「受け継がれる意志か……なるほどじゃもん……フューチといったな。海兵……階級は?」

 

「は! 少将です!」

 

「将官か、それならば話に現実味が帯びてくるもんね……良かろう。オトヒメとよく話し合うんじゃもん。正直ワシには扱いが難しい案件じゃもん。オトヒメが適切じゃもんね」

 

「ありがとうございます。ネプチューン王」

 

「難しい話はこれで終わりじゃもん! それよりロジャーの旅を聞かせてくれじゃもん!」

 

「私が知っていることなら……」

 

 私は喋れるだけ喋った

 

 ラフテル以外の冒険の数々を

 

 ロジャーと海軍本部に乗り込んだ事も

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フューチ少将は本当にロジャーと冒険していたんですね」

 

「なにリグル大佐? 見方が変わっちゃったかな?」

 

「いえ、フューチ少将の強さに納得がようやくつきました」

 

「私の強さ?」

 

「ええ、正直ロジャー逮捕までの貴方については全く情報がない一海兵でしかなかった……いや、AF銃の設計者としか情報が有りませんでした。そんな貴方が急激に強くなった理由がロジャーとの大冒険の中で培われたのならば納得がいきます」

 

「私的には、ロジャー船長と冒険の前に無人島に流されたのがターニングポイントだったかな。無人島でだいぶ無茶な特訓をしたからロジャー船長に気に入ってもらえたし、前に捕まえたバレットとも色々あったから……」

 

「そうなのですか? どんな特訓を行ったのですか?」

 

「覇気を全力放出しながらマラソンを行ったり、何度も覇気を爆発させながら圧縮のやり方を覚えたりしたよ……あとは覇気の効率化を意識したのもその頃だっけ」

 

「色々凄い特訓ですね……覇気全力放出でのマラソンは出来そうですが……」

 

「あれ、後から知ったけど普通に死ぬからダメね。だったら他人に覇気を流し込んで、その人の覇気と中和する方がコントロールの練習になって良いよ」

 

「そうなのですか! 試してみます! ……あとモーリシャス王国に言わないで領土を渡して大丈夫なのですか?」

 

「あれ? 許可貰ってるハズだよ。ゾベルト三世も息子のゾベルト四世からも……巨大な島3つ確保して人口20万人しか居ない国だからね……そもそも1と2の島は小さくて20万人は適正かやや過密だけど、3、4、5の島は広大な領土だしね。9の島と10の島は渡しても問題ないと言われてるからね」

 

「9の島と10の島で500万人を収容可能なのですか?」

 

「可能でしょ。もっとも魚人島を完全放棄とはいかないと思うから移民の数も300万人位が妥当な数字かな」

 

「それでも凄い数ですね」

 

「そもそもモーリシャス王国の現在の収容可能人数が200万人位だからねぇ……今のまま拡張してもマンパワーが現在でも枯渇してるのに、これ以上どうするねんって話……ささ、そろそろ別の所行きましょ」

 

「何処に行くのです?」

 

「魚人街! 戦士を引き抜きに行くよ!」

 

「スラム街に行くんですか!? やめときましょうよ……流石に」

 

「なーに、ヤバくなったら逃げるから」

 

「……護衛としてついていきますよ」

 

「ふふ、ありがとう」




コロナワクチン2回目で熱が出て更新遅れたすまぬ


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魚人街

 私とリグル大佐はシャボンで自身をコーティングして、シャボン玉の中で動けるようにし、魚人街に向かう

 

 魚人島のシャボンから外れた深海に有るスラム街

 

 元々は孤児達を預かる巨大な保護施設だったらしいが、現在は荒くれ者、ギャング、海賊の温床となっている

 

「フューチ少将! やっぱり帰りませんか……シャボンが割れたら最後、僕らは水圧でペチャンコですよ」

 

「それでも行くのが我々海兵だと思うけどね。リュウグウ王国と国交を持った今、その負の面も見る必要があると思うんだ」

 

「まぁそうですけど……」

 

「モーリシャス王国にも2年前にはスラム街が有ったし、どこも似たような物だよ。職が有ればそれも減る」

 

「なるほど……」

 

「さて! そろそろ到着するハズだ」

 

 

 

 

 

 魚人街に到着すると武器を持った魚人や人魚に取り囲まれた

 

「何をしに来た人間!」

 

「魚人街の観光と引き抜きに来た! どうだい? 海軍に入らないか?」

 

「海軍? ギャハハ俺達は泣く子も黙る魚人だぜ! 人間なんかの下につくかってんだよ!!」

 

「そう……じゃあ魚人空手を見せてよ」

 

「馬鹿にしてるんじゃねぇぞ!!」

 

「うん、まぁそうなるか」

 

 槍でおもいっきり刺しに来たが、それをヒラリとかわす

 

「お前下手くそか! 何処狙ってるんだよ」

 

「いや、確かに正確に突いたハズなのに……」

 

 更に突いて来るが

 

「よっと」

 

 私は避け続ける

 

「ここでは火器は使えないから槍や剣、刀でしか攻撃できないでしょ。それなら水中でもいくらでも避けられるよ」

 

「くそっ……このアマ調子に乗りやがって」

 

「覇王色……黄拳……黄金衝撃!!」

 

 槍持ちの魚人が吹き飛ばされる

 

「やりやがったな!!」

 

「おい! ジンベエさんやアーロンさんを呼んでこい!!」

 

「お前死ぬからな! 俺達に手を出した事を後悔させてやる」

 

 私は手をクイクイっと挑発する

 

「フューチ少将煽るのはまずいですって!! 海中なんですよ!!」

 

「リグル大佐下がってろ。少し遊ぶだけさ」

 

 魚人達が次々に襲い掛かってくるが、私はヒラリヒラリとかわしながら1人1人に覇気を打ち込んでいく

 

「くっそ! 見えない何かで攻撃してきやがる!」

 

「あれじゃねぇか? 悪魔の実って奴!!」

 

「そうだ! そうに違いねぇ!!」

 

 ジリジリと距離を広げ、槍を投げるなどして遠距離攻撃をしてくるようになる

 

「ねぇ君達、海軍に入ってよ。君達が未知と思ってる技も教えるからさ」

 

「何事じゃ!!」

 

「ジンベエの兄貴!!」

 

「シャーハハハなんだお前ら! 人間ごときに遅れをとっていたのか!!」

 

「アーロンさんも来た!! お前らこれで終わりだ!!」

 

「ジンベエ、アーロン」

 

 私は知識として彼らを知っているが20年前の実力では私には敵わないだろう

 

「親玉かい?」

 

「何しにここに来た人間!」

 

「海軍にスカウトをしにね、血気盛んな人々が居ると聞いてここに来た」

 

「ふん! 笑わせる」

 

「ジンベエの兄貴やっちまおう」

 

「そうじゃな。子分がこれだけやられてだまっちょるわけにもいかん」

 

「シャハハハ、という訳だ人間! ここで死んでもらうぞ」

 

「死ぬわけにはいかないねぇ……こい」

 

「唐草瓦正拳!!」

 

「で、出た!! ジンベエ兄貴の唐草瓦正拳!」

 

「これを受けて立ってた者は居ねぇ!!」

 

「武装色……硬化……緑!!」

 

 バチ──ーン

 

「しゃ、シャボンが割れんじゃと」

 

「ジンベエ兄貴の技が効いてねえ」

 

「なんじゃ? 鋼鉄を殴ったような感覚は」

 

「教えようか?」

 

「じゃかましぃ!! 四千枚瓦正拳!!」

 

「見聞色……見切り……同調」

 

 殴りかかってきたジンベエに対し、私はシャボンに手を振れ、殴られる瞬間に手を素早く振動させる

 

 殴られた衝撃を瞬時に周りに流し、何事も無かったかのようにジンベエの手を掴む

 

「離せ!!」

 

「指銃」

 

 捕まえたジンベエに対して指銃で柔らかく心臓部分を押す

 

「う!? ぐう!?」

 

「兄貴!! てめぇジンベエの兄貴に何をした!!」

 

「よせ、アーロンお前さんじゃ敵わん」

 

「く!! 鮫・ON・DARTS!!」

 

「よさんか!!」

 

「武装色……硬化……緑」

 

 ガギン ボギ

 

 嫌な音がした

 

「ぐ、ぐおぉぉぉ!? 俺様の鼻が!?」

 

 アーロンの鼻の骨が折れる音だった

 

 アーロンの攻撃は私が武装色の覇気を流したシャボンの硬度に耐えきれずに攻撃の威力も合わさり折れてしまったようだ

 

「じ、ジンベエ兄貴とアーロンさん相手に勝っちまったぞあの人間!!」

 

「ば、化け物かよ」

 

「人間の皮を被った悪魔だ」

 

「悪魔とは酷いじゃないか……ねぇリグル大佐」

 

「いや、何で即興でシャボンの強化が出きるのですか」

 

「刀とかに覇気を纏わせるのと同じ要領だよ。逆に出来ないと困るよリグル大佐」

 

「しょ、精進します」

 

「で、どうする? まだやる?」

 

「はぁはぁ六千枚瓦回し蹴り!!」

 

「おっと」

 

 私はガシッと武装色で硬化した手でジンベエの足を掴むとそのまま投げ飛ばした

 

 ドシャ

 

「じ、ジンベエの兄貴!!」

 

「わしゃぁ、まだ戦えるぞ……はぁはぁ」

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

「次はアーロンか。黄線」

 

「な!? くは!?」

 

 黄色い線と書いて黄線

 

 覇気飛ばすことを応用し、圧縮した覇気を弾丸のように打ち出す

 

 分類は覇王色の覇気の為肉体にはダメージは無いのだが、体が急激に流し込まれた覇気に耐えきれずに気絶するという技だ

 

 これを武装色である青線にすると普通に肉体を破壊するビームのような物となり、緑線にすると精神と肉体を同時に破壊する凶悪な技となる

 

 最大射程100メートル

 

 使うときは人差し指を対象を指し示す様にまっすぐ向け、小指を折り畳むと同時に発射される

 

 まぁこれとは別に黄金旅程って技が有るけど、そっちは手のひらを相手に向けて覇気を放出してダメージを与える技も有るが、射程がこれよりも短い欠点がある

 

「で、まだやる?」

 

「くっ!!」

 

「そこら辺でやめてくれねぇか海兵さんよ」

 

「「タイの兄貴」大兄貴!!」

 

 フィッシャータイガーが現れた

 

「大物だね……纏っている覇気が違う」

 

「そんなことはねぇよ……化け物さんよ」

 

「た、タイの大兄貴気をつけてくれ。奴は見たこともねぇ技を使ってきやがる」

 

「……覇気か」

 

「御名答。そう。私が使っているのは覇気さ」

 

「おいおいばらして良いのか? 俺は敵だぞ」

 

「の割には敵意が無い。まぁ私はそもそも反撃しだけだしね」

 

「ふ、なるほど……おい、お前ら怪我をしているアーロンの手当てをしてやれ……俺はこいつらと話がしたい」

 

「タイの兄貴! 人間ですよ! 油断したところをグサッとやるかもしれません」

 

「だったら俺が狙われる理由は皆無だ。俺はただの冒険家だぞ」

 

「攻撃しなければこちらとしても迎撃しなくて良いから手を出さなくていいからね。話し合いといこうフィッシャータイガーさん」

 

「名前知ってたのか」

 

「ある程度は活動内容も知っていますよ」

 

「そうか! 有名人だな俺は!!」

 

「少し話をしましょう」

 

「あぁ、俺の家に来い」

 

 私とリグル大佐はフィッシャータイガーの家に招待されることとなる

 

 

 

 

 

「俺の名前はフィッシャータイガー・・・お前さんは?」

 

「エレ・フューチと言います」

 

「で、何で治安の悪い魚人街なんかに?」

 

「ダメ元で海兵のスカウトにね……魚人島本土の人より荒くれ者の方が海兵にしやすいからね」

 

「まぁそうだろうな。少しでも強い奴らの方が良いのはわからなくもない。が、ここは人間を恨んでいる奴が多く居る。子供の頃から人間は残虐で、差別をする生き物だと教え込まれてる中々上手くはいかねーぞ」

 

「それでも来てくれる物好きがいれば良いなと思って赴いたんだけどね」

 

「お前さん達はいつ頃魚人島を出発するんだ?」

 

「早くて明後日かな」

 

「なら無理だな諦めな」

 

「やっぱり無理か」

 

「そんな短期間で魚人や人魚と人間の間にある溝は埋まらん。本土の奴らなら話は別だがな」

 

「時期を見てまた来ますよ」

 

「おう、そうしろそうしろ」

 

 フィッシャータイガーとの出会いは友好的に終わった

 

 この後彼の人生は壮絶な物となるのだが、私に出来ることはない

 

「ジンベエとアーロンといったか……彼らは手加減したから大丈夫なハズだけど」

 

「あいつらは頑丈だから気にするな……先に手を出して悪かったな」

 

「いえ、大丈夫です」

 

 私とリグル大佐はその後魚人街から離れ出港準備に取りかかるのだった

 

 

 

 

 

 

 

「フューチとかいったか・・・あの人間の女・・・強かったのぉ」

 

「ありゃ世界政府の海軍所属の奴だ。階級は聞かなかったが地上には強い奴が多くいる。俺達が優等種族だとおごり高ぶっていると足元を掬われることになるぞジンベエ」

 

「既に掬われましたんじゃ。タイの兄貴」

 

「世界は広い!いつかお前も冒険に出てみないかジンベエ」

 

「考えときますわい」

 

 



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処女航海の終わり

 魚人島本土に戻った私は再び竜宮城に呼び出されていた

 

「ネプチューン王いかがしましたか?」

 

「少し頼みごとが有ったんじゃもん」

 

「頼みごとですか?」

 

「モーリシャス王国国王ゾベルト三世への親書じゃもん。我々はモーリシャス王国やテンテン諸島について多くは知らんじゃもん。この親書で貿易が活性化することを願ってるんじゃもん」

 

「わかりました。預からせてもらいます」

 

「頼んだもん」

 

「はい」

 

 私はコートに手紙を仕舞うと竜宮城を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 新世界に戻った私達一向には途中ドレスローザに寄港

 

 海軍の募集を行ったところ10名の入隊希望者が現れる

 

 これを歓迎しながらドレスローザを後にした

 

(ドレスローザ……後に悲劇の国となるが……どう介入したものか)

 

 ドフラミンゴ拿捕が一番手っ取り早いのだが、奴らは今北の海の何処かに居ると思われるがどの国に潜伏しているかわからない

 

 スパイダーマイルズに居るかもしれないが、時期的に早すぎるため、残念だが違うだろう

 

 そんな時、海軍からの伝書バットが飛んできた

 

「伝書バット……!? もうそんな時期か」

 

「フューチ少将何が書かれていたのですか」

 

「ファルケンハイン准将これを」

 

「……これは……なぜオハラが……」

 

「あの島は考古学で有名な島だ。ポーネグリフの解読をやらかしたのだろう」

 

「それでバスターコールを……」

 

「あの石にはそれほどの価値がある。私は謎を知っているからわかるけどね」

 

「そうなのですか……!? 避難船も沈めたのですか!?」

 

「たぶん指揮したのはサカズキ中将だね。あの人は任務を徹底的に完遂するから」

 

「……民間人まで巻き込むことは無いでしょうに」

 

「あぁ、今回のはやりすぎだ。それが正常な判断だ」

 

「今回の事件で世界はどうなるのでしょうか」

 

「まず情報操作が最初に行われるでしょうね。調べてはならない古代兵器復活を企んだと」

 

「古代兵器……フューチ少将は知っているのですよね」

 

「あぁ、名前を言うのもアウトだから言わないけれど、古代兵器は実在する……」

 

「実在するのですか……」

 

「まぁ古代兵器は置いておいて、次に起こる影響は世界中の考古学の衰退、特にオハラは考古学で世界トップを独走していたため、その影響力は計り知れないでしょうね」

 

「なるほど」

 

「あとは今回の作戦阻止に海軍元中将サウロ氏が関係していた」

 

「サウロ中将というと巨人族の……本当だ報告書に書かれていますね」

 

「彼は世界政府に疑問を持ってしまったのだろう。だから今回の作戦に抵抗したと推察できる」

 

「しかし、バスターコールは完遂されたということは」

 

「亡くなったのだろうな……海軍本部は我々には事後報告で良いと判断したのが苛つくな」

 

「しかたありません。我々は1支部でしかありませんもの」

 

「早急に機動艦隊計画を進める必要が有るな」

 

「フューチ少将の肝いりの機動艦隊計画とはなんなのですか?」

 

「工作船という船内で船や武器、弾薬の製造、修理が行える船を中心に戦艦、巡洋艦、駆逐艦、装甲艦、潜水艦、巨大輸送艦を中心とした打撃艦隊計画だ。1艦隊20から40隻として広範囲攻撃、大艦隊の海賊を撃滅でき、かつバスターコール能力を完遂できる艦隊のことだよ」

 

「夢が有りますね」

 

「出来上がれば海軍は飛躍的に強くなれる。それにこの部隊には地上作戦も行えるようにする」

 

「地上での作戦ですか?」

 

「ダイヤルエンジンの小型化が進んでいるが、現在は農業用トラクターや重機くらいしか使われていないダイヤルエンジンを使い、輸送車、装甲車、自走砲を作る」

 

「輸送車や装甲車はなんとなくわかりますが自走砲とはなんですか?」

 

「大砲を車にくっ付けた様な物だ自分で走行可能な大砲略して自走砲だ」

 

「なるほど……それらが出来上がれば地上戦では滅茶苦茶強くないですか?」

 

「強いが、今の大砲では効果がたかが知れている。無煙火薬の実用化を急がなければ」

 

「無煙火薬があると何が変わるのですか?」

 

「全ての火器が2段階くらい進化できるし、手入れが楽になる。機関銃ももっと高性能なのが作れる」

 

「なるほど……」

 

「大砲が進化すれば海戦の能力も飛躍的に上がる! だから早く無煙火薬を製造しなければならないの」

 

「ニトロ茸でしたっけ? 材料のキノコは……自然量で足りるのですか?」

 

「絶対に足りないからキノコ栽培を促進させるよ勿論」

 

「人工的にキノコを栽培するのですか?」

 

「生えてる同じ環境を作ればできるらしいよ。風貝で空調弄れるから栽培しやすくなったって植物学者の人達は言ってたし」

 

「本当に貝様々ですね」

 

「貝による産業革命だからね。人手が減ったから5の島まで開拓できている感じが有るけど、今だって3の島の開発状況10%行けば良い方だし」

 

「やはりマンパワーが不足してますなぁ」

 

「まぁぼちぼち移民が来るようにはなってきたからこれからよ。これから」

 

「我々は治安維持と海賊退治を頑張ります」

 

「うん。それで良い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新世界の荒波に負けず、途中寄港した島々で海兵を募りながら約1ヶ月……無事にテンテン諸島に到着した

 

 航海期間はちょうど3ヶ月、いかにダイヤルエンジン搭載船が速いか良い実験航海になった

 

 新兵も100人ほど増え、彼らは覇気習得のための訓練が始まる

 

「お帰りなさいませフューチ少将」

 

「ただいまホフマン准将。居ない間に何か変わった事はあったかい?」

 

「ニトロ茸から無煙火薬の抽出が可能になったと報告が有りました」

 

「でかした!」

 

「現在はニトロ茸の安定供給ができるよう人工栽培の研究が進められています」

 

「なるほど……研究チームは直接労っておきますね」

 

「皆喜ぶでしょう」

 

「他には?」

 

「島民から新たに100名の海兵希望者が入隊しました。基礎訓練を既に開始しています」

 

「こっちも航海中に新しく100名連れてきたからこちらも基礎訓練を頼むね」

 

「わかりました。報告は以上になります」

 

「新造艦の建造はどうなってる?」

 

「現在全装甲艦が50%、新型鉄骨木皮の装甲艦が75%建造できております」

 

「了解。そのまま進めさせて。となると新造砲は建造完了後改修という形で取り付けることになるか」

 

「建造をストップさせた方が良いのでは?」

 

「いや、下手に変更を加えて現場が混乱するのは避けたい」

 

「なるほど……了解致しました」

 

「これから私は国王にリュウグウ王国のネプチューン王から預かった親書を渡しに行くから今回の航海での人員の休みのローテーション作成等をお願いしても良い?」

 

「はい。了解しました」

 

 ホフマン准将にあとは託し、私は親書を渡しに王宮に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「確かにネプチューン王からの親書受け取った」

 

「ありがとうございますゾベルト三世……あと今回の航海中にオハラへのバスターコールが有りましたがお耳に入っておりますでしょうか」

 

「うむ。考古学の島がバスターコールにより地図から消えたことは耳にしておる。何でも古代兵器復活を企んだとか」

 

「正確にはポーネグリフ解読の罪です。この国の考古学者達にも警告をするようにお願いします。ポーネグリフ解読は流石に庇えませんので」

 

「あいわかった。まぁ我が国に古代兵器復活を企む輩は居ないと思うがな」

 

「それと」

 

「まだ何かあるのか」

 

「自由裁量を貰っていた9の島、10の島をリュウグウ王国譲ろうと思います」

 

「それはなぜじゃ?」

 

「魚人や人魚は人族の中でも優等種族であると私は考えております。人間の10倍の筋力を持っている彼らを移民させ、上手く扱えばモーリシャス王国の国力は数倍に跳ね上がるからです。また魚人島と譲った島での格差が必ず現れ、独立運動が起こると思われ、その時に島譲りという恩と独立運動の協力を行えば永久友好国の可能性が出てきます。そうすればホワイトランドが万が一ダイヤルの供給停止が起こった時に、効率は落ちますが移民のマンパワーで賄えると思われます」

 

「なるほど……」

 

「また、ダイヤルの代わりの品の研究として5の島のキノコが想像以上に役立つ可能性があり、万が一に備えております」

 

「助かる。今の産業はダイヤルに依存しすぎているからな。まぁでもホワイトランドと友好関係が唐突に悪くなるとは考えにくいし、こちらでもある考えが議論されておる」

 

「なんでしょうか?」

 

「王族婚姻による国の合体だ。両者の国力は今に小国。人口を流動的にし、国内産業の更なる発展のために必要なのではないかと思ってな。幸いエンゼル殿は未婚で若い。外部の血を取り入れるのに王族同士だとやりやすいとあちらでも活発に議論されておる。こちらは誠意を見せるため嫡子のゾベルト四世を婚姻相手に提示した。もし国の合体といかなくても両国の血縁がいれば話がやりやすいからな」

 

「そこまでお考えでしたか……私達海軍側は問題ありません」

 

「うむ。海軍は今までよりも外部に目を向けてほしいと考えておる」

 

「と、いいますと」

 

「諸君らが出掛けていた3ヶ月でカイドウという海賊が台頭してきておる。もしかしたら白ひげ、ビッグマムと並ぶ可能性がある……この国を外敵から守るには海軍の力が必要不可欠だ。頼んだぞ」

 

「わかりました。動向に注目致します」

 

 



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金獅子の脱走

 どうも第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちは、フューチです! 

 

 え、現在第二次遠征計画をしていた時に事件は起きました

 

「金獅子が脱走!!」

 

「はい! 本部の電伝虫から」

 

「かせ! こちらフューチ!!」

 

『フューチ少将か! 少々まずいことになった』

 

「センゴク大将ですか! インペルダウンの警備に穴でも有ったのですか」

 

『自らの足を切断して逃亡した。本部は先のバスターコールでサウロの奴に軍艦を6隻沈められ、ダメージを回復しきってない。そこで警告をと思い一報を入れた』

 

「金獅子の脱獄はまずいですよ。残党を吸収すればすぐに3000名を超える大艦隊となりますよ」

 

『あぁ、だから頭が痛いのだ』

 

「……まてよ。奴の行動を先読みして網を張ります」

 

『できるのか!! フワフワの実の能力で、我々では予想ができんが』

 

「下準備を金獅子なら必ず行う。そこを殴りかかります」

 

『そういうことなら金獅子捕縛はフューチ少将に一任する。何が必要だ?』

 

「金をください。新造艦の早期就役を行います」

 

『そうか! また全海域での補給許可書を発行する! 最悪殺してもいい。全力で当たれ』

 

「は!! 失礼します!!」

 

 ガチャ

 

「2番装甲艦と3番装甲艦の早期就役を行う!! 給金は倍出すと現場に通達しろ。また1番装甲艦で連続練習航海を行い練度向上を行うように!! 目標はグランドライン前半の海メルヴィユ。そこに網を張る」

 

「「「は!!」」」

 

「航海開始まで3ヶ月それ以上は延期できない!! 各員健闘を祈る!!」

 

「「「はい!!」」」

 

 基地内が一気に慌ただしくなる

 

 旧式艦は解体が始まっているので遠征には連れていけないが、装甲艦が3隻あれば800名は連れていける

 

 そうすればまだ計画を練っている段階のシキであれば兵力数は互角程度に持ち込める

 

「初めての総力戦だ。これを乗り越えられれば一段とG-6支部は強くなれる……忙しくなるぞ」

 

 私はシキ討伐に全力を傾けることとなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オーロ、アルジェント来なさい」

 

「「なに? ママ」」

 

 金獅子のシキが脱走したと報告が有ってから、その日の夜

 

 家に帰った私はオーロとアルジェントを呼んで異空間から果実を取り出した

 

 悪魔の実である

 

「左がオーロ、右がアルジェントが食べなさい」

 

「ママ、これは何の悪魔の実? 変なのだったら食べたくないよ」

 

「ヒトヒトの実幻獣種モデルアダムとイブ……数ある悪魔の実の中でも最上位の悪魔の実だ。過去にこれらを食べた者は1人ずつしか居ない」

 

「アダムと……」

 

「イブ……」

 

「既に動き出しているこの時代で実を守るために与えられる私からのプレゼントだ」

 

「能力は」

 

「超人になれるハズだよ説明書には人間的全ての可能性を得るとしか書かれてなかったけどね」

 

「「人間的……全ての可能性」」

 

 オーロとアルジェントはゴクリと喉を鳴らすと、悪魔の実を噛った

 

「「うっ!!」」

 

「だ、大丈夫!?」

 

「不味い」

 

「吐きそう」

 

「堪えて堪えて!!」

 

 凄く苦しみながら2人は悪魔の実を食べきった

 

「「ぐあぁぁぁぁぁ!!」」

 

 バキバキと骨が軋む音が聞こえてくる

 

 オーロとアルジェントはみるみる成長するが、どんどんガリガリになっていく

 

「オーロ!! アルジェント!!」

 

「奥様何事です! キャー!!」

 

「み、水」

 

「た、食べ物」

 

「ミズキさん水と食べ物を」

 

「は、はい!」

 

 私はお手伝いさんのミズキさんに指示を出す

 

 成長したが、体重はそのままだったのだろう

 

 ガリガリでまるであばら骨が浮き出し、着ていた服は破れ腕や足はほぼ骨である

 

 ミズキさんが慌てて作った粥を食べさせるともっともっとと言うのでどんどん料理を作り、食べさせていく

 

 最初は粥だけ、次に麺類にして、普通の料理とバクバクすぐに食べていく

 

 私は異次元から海王類の肉も取り出し調理していく

 

 最後は調味料が切れて焼いただけの肉を出したがそれすらもバクバクと2人は食べていく

 

 明らかに体と食べた量が有ってないが、とにかく食べていく

 

 すると最初は餓鬼みたいにお腹だけが膨らんだが、それが徐々に身体に肉が付きだす

 

 オーロは身長が3メートル近くなり、アルジェントも2メートルを超えてる

 

 オーロは腹筋は8つに割れ、うでや足も筋肉質な物に変わる

 

 一方アルジェントは女性的肉付きになり、出るところは出て、引き締まるところは引き締まる理想的な女性になった

 

 顔つきも2人とも童顔ながら青年的なものに変わっていた

 

「これが僕……?」

 

「これが……私?」

 

 途中から合流したもう一人のお手伝いさんのサナエさんもこの変化に驚いている

 

「坊っちゃまとお嬢様なのですよね」

 

「うん……はは、凄い変化だ」

 

「ママ……お母さんよりも胸めっちゃ出てる」

 

「ハハ、こりゃ凄いや。肉体的最盛期に強制的に作り替えるのか」

 

 とりあえずその日は寝ることになったが、翌日、私が出勤している間に2の島にある山の中で覇王色の覇気と覇王色の覇気同士がぶつかり合い、天が割れる事件が起こった

 

「な、なんですか! 天が割れてますよ!!」

 

「フューチ少将は……居るよな……いったい誰が」

 

(オーロとアルジェントの覇気だあれ……何してるねん)

 

 探索隊を出すかと騒ぎになったが、私が見てくると言って海兵を落ち着かせた

 

 

 

 

 

 

 

「オーロ! アルジェント! 何をしてるの!!」

 

「え? お母さん? どうしたの?」

 

「あ、天を割ったから? ごめんね。力の制御が出来なくて……お互いにヒートアップしたらこうなった」

 

「天が何回割れたと……」

 

 互いに3種類の覇気全開で戦ったらしく山の一部に大きなクレーターができており、見つけた時には両者ノックアウトしていた

 

「ハハハハ、覇気の総量も爆発的に増えた!! これなら母さんも倒せるかも……っ!?」

 

「増長した者から……死ぬよ」

 

 オーロの首に緑色に光る人差し指を当てた

 

「肉体が成長したとはいえまだ6歳なんだから増長せず、貧欲に学びなさい」

 

「は、はい」

 

「アハハハハまだ弱いか!! お母さん!! 私10歳なったら世界を旅してみたい!」

 

「ぼ、僕も」

 

「別にいいけど……まぁロジャーの息子、娘だからいつか言い出すと思ったけど……まぁいいや、六式は必ず覚えなさい。航海に必要な物は全て覚えること……いいね」

 

「「はーい!!」」

 

 こうして私は空いた時間を航海で培ってきた事を全て教えていったが、乾いたスポンジみたいに2人は覚えていき、私の知らないうちにお医者さんに医学薬学を習ったり、船大工の手伝い、商家でアルバイトをしたりして、航海に必要な技能をガンガン覚えていった

 

 悪魔の実の能力か、完全記憶では無いようだが、記憶力が常人とは一線をかき、本当に教えたら教えた分以上に覚えてくれるから教えてて楽しい

 

 たぶんオーロとアルジェントもそうなのだろう

 

 町に出て色んな人と会話をして私がシキ捕縛に動いたときには町の人気者になっていた

 

 2人は遅れていた全装甲艦の建造にも従事し、持ち前の超パワーで建造速度を早めることに貢献してくれた

 

「これで6歳か……一気に大きくなっちゃったな」

 

 悪魔の実を与えるのを早すぎたかなとも思ったが、もう始まっている大海賊時代を生き抜く為に必要なのは知識と力だ

 

 それらを得れれば2人は自由に海を旅した方が2人のためだと思っている

 

「さぁ、私は私の仕事をしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 プルプルプルガチャ

 

『ああ? なんだフューチか?』

 

「白ひげさんお久しぶりです」

 

『要件を言え。今俺は暇じゃねーんだ』

 

「金獅子捕縛に動くので領土を通過させて貰います」

 

『あぁ、わかった……あとエドワードわかるよな』

 

「えぇ、4番隊隊長の」

 

『エドワードが殺された。後釜は部下のサッチって奴が引き継ぐ』

 

「戦死ですか」

 

『あぁ、ビッグマムの部下に殺られた。俺はこれから弔い合戦を仕掛ける。邪魔すんじゃねぇぞ』

 

「御冥福をお祈りします……一段落したら墓に花を添えさせてください。色々調整した関わりが有りますから」

 

『おぅ。そうしてくれ』

 

 初代4番隊隊長エドワード・ジーンズの死はビッグマムと白ひげの戦争を意味した

 

 数年に及ぶ戦闘により両方の勢力は停滞し、その間をカイドウ率いる百獣海賊団が台頭し、後のワノ国の争乱に影響してくるのだが、フューチはまだ知らない

 

 




賛否両論あると思いますが許して


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VS金獅子のシキ

 突貫作業の為3番装甲艦は色々不備が発生していたが、3隻の装甲艦が揃いシキ捕縛に向けて動き出す

 

 私は不備が発生している3番装甲艦に乗艦し、この艦を旗艦とし、1番装甲艦をホフマン准将が、2番装甲艦をファルケンハイン准将が乗艦し、指揮を取る

 

 今回はシキが居る可能性が高いメルヴィユというグランドラインでも秘境と呼ばれる場所であり、Dr.インディゴという部下が既に潜入していると能力で読んだが、本当に居るかわからない

 

 だが、スピード勝負なのは変わらない為、今回は空島経由のレッドライン突破を行う

 

「まずは海軍専用のレッドライン突破用のトンネルを通過し、前半の海に出る。そこからカームベルトを通過しメルヴィユに上陸する。カームベルトを通る理由は天候に左右されない為だ。海王類と天候どちらを取るかで悩んだが天候を取った。君達なら海王類も怖くないと思っている……今回は総力戦となる。死者も出るだろうが……君達の奮起を期待する」

 

 幹部に今回の大まかなルートの説明を行い、気を引き締める事を言う

 

 今回はバレットみたいに単独でなんとかなる相手ではない為みんなの協力が必須

 

「勝つぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3隻の装甲艦が出港する

 

 その大きさは旧式の軍艦より2回りほど大きく、威圧感があった

 

 特に3番装甲艦は全面鉄製であり、その厳つさは民衆に安心感を与えるに十分であった

 

「頑張ってこいよ!!」

 

「海軍頑張れ!!」

 

「勝ってこいよ!!」

 

 民衆が手を振り見送ってくれる

 

「愛され始めたな」

 

「少将?」

 

「いや、なんでもない」

 

 我々は出港する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『こちら海軍G-1支部所属と指揮官の名と階級を求む』

 

「G-6支部のフューチ少将! トンネル通過の許可は海軍本部からいただいている。2隻目がホフマン准将、3隻目がファルケンハイン准将と続く」

 

『……確認が取れた。金獅子捕縛の自由裁量となっている! 健闘を祈る!』

 

 

 

 

 金獅子脱走から3ヶ月で起こった出来事をここで整理しておこう

 

 金獅子の脱走の責任を取ったのがインペルダウン看守長だった

 

 彼はこの責任を取り辞任、後任にはドクドクの実の能力で名高いマゼランが就任した

 

 更に元々出世が決まっていたコング元帥が世界政府全軍総帥に正式に任命され、空いた元帥の地位はセンゴクさんが拝命され、大将は現場復帰したゼファー大将のみとなり、1元帥1大将体制と呼ばれる期間が始まる

 

 更に本来ならばシャボンディ諸島で天竜人に危害を加えた際に大将が飛んで来るようになっていたが、これをこの期間は中将が行うことに臨時で変更され、一番足の早いボルサリーノ中将がこの案件を多く受け持つこととなる

 

 大将が少ない分中将の数は歴代最多の25名の中将が在任するため業務の支障は最小限に抑えられた

 

 またロジャー処刑から約2年で海軍はようやく初期のダメージを回復し、グランドラインでの海賊捕縛率は上昇傾向にあり、前半のグランドラインでの治安は確保できていた

 

 が、グランドラインの戦力集中戦略の皺寄せで4海の海軍支部は戦力が低下、海賊との癒着事件が多々起こり、平穏とは程遠い状態となっていた

 

 そこで世界政府は王下七武海という制度の検討を開始

 

 次の世界会議にて世界の王族に制度の承認を行うように働きかけるようになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新世界から久しぶりに楽園に戻ってきた私達に早速嵐が出迎えてくれるが、装甲艦は軋むこと無くぐんぐんと進んでいく

 

 まぁ私が乗る旗艦は地獄だったが……

 

「水漏れです!!」

 

「応急処置の後溶接しろ!!」

 

「新兵が使い物になりません!!」

 

「教育期間に何をやっていたんだ!!」

 

 等々、今回が処女航海のこの船は突貫作業のボロを修理しながら進んでいく

 

 大活躍したのがココア曹長だった

 

 能力の珀鉛で水漏れ部分を溶接し、空いた穴という穴を全て塞いでいったので真っ白な模様が何ヵ所にもあるという、カッコ悪い感じになってしまったが仕方がない

 

「カームベルトに突入する! 途中の島に寄り、しっかりとした修理を行う!!」

 

 こうして私達はカームベルトに突入するのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 途中の島まで海王類と死闘を繰り広げられながらも、無事に船はカームベルトにある島に寄り、1番装甲艦と2番装甲艦に護られながら修理を行う

 

「バーナー!」

 

「はい!」

 

「ココア曹長ここ塞いでください! 金属強度が足りません」

 

「この島にある木材を利用して補強箇所を塞いでから金属を流し込め!」

 

 ココアは様々な場所に呼ばれ、あっちこっちに走り回っていた

 

「人気者じゃん。ココア曹長」

 

「フューチ少将! 大変ですよ! あっちこっちに駆り出されて! 能力が船の補強で覚醒するとは思いませんでしたよ!!」

 

「ココア曹長ちょっと」

 

「はい?」

 

「珀鉛を体内から抽出するまで練度を上げるように」

 

「昔に言っていた国を救うってことにもしかして繋がります?」

 

「話が早くて助かるよ。この出来事は発端にしかならない。全ては歴史と私の計画の上で進んでいる」

 

「……フレバンス住民の移民計画ですか」

 

「あの国は後に王族に見捨てられ棄民となる。戦争の中で歴史に消え去るが、逸材がゴロゴロ眠っている……彼らの技術は私に必要だ」

 

「……」

 

「まぁまずはシキをここで必ず殺す。上層部は捕縛と言っているが、もう彼の役回りは終わった。ロジャーと共に」

 

「後でしっかり教えてくださいよフューチ少将……いや、フューチさん。私は真実を知るがゆえにいまだに正義について悩んでるんですからね」

 

「ふふ、シャーロット・ココアよ。大丈夫退屈はさせないよ」

 

「私はもうエレ・ココアですよ。お母さん」

 

「ふふ、子供達はあっという間に大きくなるなぁ。まったく……さて!!」

 

 私は旗艦に戻り指揮を取る

 

 まずは金獅子のいると思われるメルヴィユに向かって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 秘境メルヴィユ

 

 まるで塔のように空に真っ直ぐ伸びる柱のような場所である

 

「フューチ少将本当にここに金獅子が居るのでしょうか」

 

「……いる。奴の気配を感じる……この島に上陸する! 登るぞ」

 

「月歩が扱えない者や新兵はどうしますか」

 

「空を飛べないと金獅子には対抗できない。船で待機を命じる」

 

「は!! すぐに命じます!!」

 

 シキ……2年間では衰えていないようだ

 

 足を失って戦力は下がったのかもしれないが、既に私の事を見聞色の覇気で探知したのだろう

 

「黄金……」

 

「任せてくださいフューチ少将!! 白槍!!」

 

 巨大な落石をココア曹長は空中から作り出した白い巨大な槍で粉砕する

 

「行きましょう。道中は我々が少将の消耗が無いように立ち回ります」

 

「頼みますよフューチ少将! ロジャーと渡り合った怪物を倒せるのはフューチ少将しか居ないのですから」

 

「……ありがとう。では、登ろう」

 

「「「は!!」」」

 

 月歩が扱える500名が空を駆けながら上に上にと登っていく

 

 空からシキの攻撃で巨大な落石が多々有ったが、ココア曹長とパワプロ中尉、5人の大佐やホフマン准将、ファルケンハイン准将、その他武装色に自信がある者が岩を粉砕していく

 

「金獅子!!」

 

「ジハハハハ!! まさかこんなに早く嗅ぎ付けられるとはな……エレ・フューチ……ここにはガープやセンゴクは居ねぇ……前みたいにやられねぇよ……ぶち殺す」

 

「殺れるもんなら殺ってみろシキ!! 今回は捕縛じゃねぇ……純粋な殺し合いだ」

 

「獅子・千切谷!!」

 

「デュランダル……真!!」

 

 強烈な斬撃が飛ばされるが、私もこれを私も斬撃を飛ばして相殺する

 

「シキの大親分に負けるな!! お前らやっちまえ!!」

 

「フューチ少将に続け!!」

 

 部下同士の争いも始まった

 

 こちらは重火器を持ってこれなかったが、シキの能力で上に持ってきていた数門のガトリング砲による弾幕で金獅子海賊団が有利かと思われたが

 

「メタメタ金属大津波!!」

 

 水銀の能力を持つパワプロ中尉が弾幕の攻撃を完全に防ぐ

 

「悪魔の実の能力者があっちにいるぞ!!」

 

「なに! こっちも動物系の悪魔の実の能力者は沢山いるんだ!! 数で押し潰せ!!」

 

「パワプロ中尉が作った隙を見逃すな!! まずはガトリング砲を破壊する!!」

 

 両陣営の激突が始まった



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VSシキ2

「フューチ……俺はお前に会いたかったんだぜ」

 

「なに?」

 

「今の海は海賊モドキのミーハー達がうじゃうじゃ湧いてくるだけのゴミみてぇな海になっちまった。その原因を作ったのはロジャーとお前だフューチ」

 

「気にくわないのかい? シキ」

 

「あぁ、気にくわねぇ……だから俺様が世界をひっくり返してやるのさ。まずは東の海だ。俺の空を飛ぶ戦力が有れば1つの海を制圧するのはわけじゃねぇ」

 

「それをさせないために私は来た」

 

「ジハハハハ、言うじゃねぇか!! 1海兵に何が出きる!!」

 

「貴様の進撃を止めることができる!!」

 

「やれるもんならやってみやがれ!!」

 

「神避!!」

 

「斬波!!」

 

 空中で斬撃の塊がぶつかり合う

 

「てめぇそれはロジャーの技だよなぁ」

 

「ロジャーから継承した」

 

「海兵のてめぇが使って良い技じゃねぇ!! 獅子威し・風巻き!!」

 

 ぐるんとシキが回転したかと思うと風が巻き上がり、竜巻のようになる

 

「死にやがれ!! 斬乱!!」

 

「黄金障壁!!」

 

 回転する風の斬撃を覇気で作り出したバリアで防ぐ

 

「どうした!! その程度か!!」

 

「言わせておけば!! 神絵!!」

 

 風に乗るように不規則に私は動き、そのまま神避を連発する

 

「はん! 風を止めようったってそうはいかねぇ!! 獅子威し・空斬り」

 

 シキは空間を切り取ると暴風のエネルギーの塊を四角いキューブの様にしてぶつけてくる

 

「ローエングリン!!」

 

 それを十字の形の覇気のこもった斬撃で破壊する

 

「緑線!!」

 

「おいおいビームまで出せるのかよ! だがな!!」

 

 緑線を足の刀で斬り裂いた

 

「俺には効かねぇ……ロジャーと戦い続けた俺をなめるなよ小娘! 俺は新世界の王!! シキ様だ!!」

 

「新世界の王はもう白ひげだ。貴様の時代はロジャーと共に終わったのだよシキ!!」

 

「しゃらくせぇ!! 失せろ海兵!!」

 

「死ね!! 老害!!」

 

 ピチューン

 

 ババババババ

 

 フューチとシキの直接の斬り合いは白ひげとロジャーの激突を彷彿とさせた

 

 刀と刀が触れていない

 

 覇気の塊を纏った攻撃であり、その衝撃で空に巨大なひし形の光が放たれた

 

 

 

 

 

 

 

 

「アニマルズ!! 総攻撃じゃおら!!」

 

「ホフマン准将! 敵の攻撃が激しく我々は守勢に立たされております!!」

 

「見ればわかる!! ファルケンハイン准将! 戦況をどう見る」

 

「超人系でありながら自然系のような大規模能力の行使できているココア曹長とパワプロ中尉の攻撃と5人組ことチルノ大佐達の立ち回りで戦線は維持できているが、厳しいな……私が前線に参加するホフマン准将は全体指揮をそのまま頼む」

 

「任された。司令部をここから押し上げ、安全性は犠牲にして作戦効率を上げる」

 

「そこら辺は任せる。とにかくここを勝ってフューチ少将の援護を行わなければ」

 

 空では怪物同士で戦っている

 

 その余波で地上に居る我々も影響を受けているが、戦局はやや不利といったところだろう

 

「じれったい!! 白巨壁!!」

 

「ココア曹長何をしている!!」

 

「弾丸が鬱陶しいので珀鉛で巨大な壁を作りました!!」

 

「それでは敵が見えないではないか!! 鉄塊や武装色で守れる!!」

 

「ヤバい! やらかした!?」

 

「見聞色で探知せよ!!」

 

「戦場では一瞬のミスが命取りだぜ!!」

 

 珀鉛の壁を飛び越えて海賊達がやってくる

 

「何てね……白針地獄」

 

 壁から生えたトゲに海賊達は串刺しにされる

 

「油断したのはそっちだよ馬鹿」

 

 今ので50名近くの海賊が絶命、さらに

 

「珀鉛鉄球! 地獄車!!」

 

 珀鉛の壁が幾つもの球体に変わるとゴロゴロと敵方向に転がりだした

 

「!? いまだ!! 海賊を畳み掛けろ!!」

 

 鉄球が転がるに合わせて海軍側が猛攻撃を開始する

 

「僕も活躍しますよ!! メタメタの津波!!」  ドプンとパワプロ中尉の体が液体になり、戦っていた海賊を飲み込む

 

「なんだ!? アブブブブ」

 

 水銀の水牢(球体)を作り出し、何人も窒息で殺したり、槍の形にして地面から串刺しにしたりと暴れまわる

 

「奴は銃撃で殺せ!!」

 

「おっと僕には銃弾は効かないよ」

 

 トプンと銃弾がパワプロ中尉の体に当たると体内に飲み込まれていった

 

「隊長どうやって倒せば良いんだ!! 水銀の奴の近くに行けば地面からいきなり生えてくる槍で串刺し! 運良く接触できても窒息死だ!!」

 

「覇気を使える奴で対処しろ! そうでない奴は銃撃で他の海兵を狙え!!」

 

 最初は動物系悪魔の実の能力者に余裕で対処されていたパワプロだったが、そいつらが気化した水銀を吸い込み続けた結果水銀中毒でバタバタと倒れ出すとココア曹長の策と合わさり海賊側に大ダメージを与えた

 

 全体の死者は両者まだ少ないがジワジワと増え始めている

 

 キルレは海賊側の方が多いが、武装色や鉄塊、紙絵や見聞色の苦手な者から海兵側も死者がポロポロと出始めている

 

 ドゴン

 

「へへ!! Dr.インディゴが作ったマスタードガスを喰らいやがれ!!」

 

「ガスマスクを装着しろ!! 化学兵器を使い始めやがった!!」

 

 海賊側も黙ってはいない

 

 動物系能力者が死に始めると敵味方問わずの化学兵器を投入し始めた

 

 これにより地上は地獄とかす

 

「Dr.インディゴ、クリーチャーズはどうしますか」

 

「あまり戦闘力は高くないが投入しろ。海軍の意識を逸らすのには使えるだろうよ」

 

「Dr.インディゴ! マスタードガスがガスマスクですぐに対処されてしまいました」

 

「なに、あのガスは皮膚を炎症させる効果もある。手足等の皮下から浸透し、強烈な激痛を与える……直に効いてくる」

 

「流石悪の科学者Dr.インディゴ!!」

 

「ピーロピロピロ!! もっと褒め称えろお前ら!!」

 

「そーなのかー」

 

「誰だ!!」

 

「いやー、悪の科学者なら殺しても構わないよね」

 

「少女?」

 

「失敬な。これでも20なんだよ!!」

 

「おやおやお嬢さんでしたか……まぁいい!! その海軍将校のコートを羽織っているからには敵ってことだ!!」

 

「Dr.インディゴ! ここは我々が!!」

 

「指銃」

 

 プスンプスン

 

「うぐ!?」

 

「ぐは!!」

 

「わはー! 何度突いても心臓は柔らかいのだー」

 

「ちっ! 使えねぇ部下どもだ!! お前ら!! 下がってろ!! ここは俺が殺る」

 

「そーなのかーそうなのだな!! 殺ろう殺り合おう!! 殺し合いは楽しいのだ!!」

 

「ケミカルジャグリング!!」

 

「黒色腕……ブラックダンス!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ!! ガス攻撃とかズルいズルい!! 全身武装色を覚えてなかったら即死じゃん!! 何人も有能な部下が戦闘不能だよこれじゃ!! グレーナー一等兵大丈夫?」

 

「なんとか大丈夫ですチルノ大佐……生きている者の後方輸送は終わりました。どういたしますか?」

 

「ガス攻撃なんかしてくる奴らに慈悲はないよ!! 殺す気でいけ!!」

 

「はい!!」

 

「何であいつらガス攻撃受けてピンピンしてるんだ!!」

 

「「「うぎゃー!!」」」

 

 嵐脚で首が飛ぶ

 

「中々扱い上手いじゃないかグレーナー一等兵」

 

「いやー、まだまだですよ」

 

「じゃあこれを教えて上げるよ……モツ抜き!!」

 

「ぐ?」

 

 バタ

 

「心臓を一撃で体外に排出する技だよ。指銃の応用で片手に集中して目にもとまらぬ速さで相手の臓器をえぐり取る技さ」

 

「え、遠慮しておきます」

 

「皆言うんだよね……便利なのに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フューチ!!」

 

「シキ!!」

 

 上空では相変わらず怪物同士が激突していた

 

 空を飛び回り、空気を切り取ったり、斬撃を飛ばしたり、時には鍔迫り合いをしながら拮抗が続く

 

「ぺっ! 力みすぎたか」

 

 どこか口の中を切ったのか血を吐き出す

 

「ぐお!?」

 

 いきなり下に引っ張られる

 

「くそコートを触れられたか!!」

 

 私はコートを投げ捨てるとコートがどこかに飛んでいった

 

「くっ!! 思い入れ深いコートなのに」

 

「ジハハハハ!! 顔が歪んでるぜ!! フューチ!!」

 

「うるせぇシキ!! あのコートはなぁロジャーと共に旅してきた証なんだよ!!」

 

「そいつは良かった!! 俺にとっちゃぁ忌まわしき物じゃねぇか」

 

 バッと一瞬の地上を見る

 

 明らかに気配の数が減っている……死者が結構出ているな

 

 500人いたうちの幾らが生き残れるものか

 

「部下の心配か? フューチ!!」

 

「シキ、貴様は部下の心配はしないのか?」

 

「あぁ? 弱けりゃ死ぬ。部下はいくらでも補充できる。そういうもんだろ! 部下はなぁ駒だ!!」

 

「……そういうところだぞシキ……貴様がロジャーに及ばないのは」

 

「あぁ? 何が言いてぇ」

 

「ロジャーは仲間の出会いや別れに一喜一憂していた!! 仲間を守るために常に前に出ていた!! そして仲間を大切にした!! 人としての器が違うんだよシキ!! お前とロジャーとじゃな!!」

 

「小娘が!! 何を知った口を!!」

 

 戦いは更に加熱する



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VSシキ3

「俺はな! ロジャーさえ頷けば、あの瞬間に世界を征服する事が可能だった!!」

 

「ロジャー船長は言っていただろ!! 支配に興味が無いと!!」

 

「ならば何故奴は古代兵器の書かれていると言われたポーネグリフ解読に踏みきった!! それは支配に関係するんじゃねぇのか!!」

 

「どこまでもスレ違いだったのだな……シキとロジャー船長は」

 

「あぁん? 何が違うって言うんだ!!」

 

「死に行く老人に教えてやるよ。あれは鍵だ。ジョイボーイが遺した古代の王国を示す道標だ。最後の島に行くためのね」

 

「最後の島……ラフテルか!!」

 

「金獅子。お前ではない。ロジャーが次にラフテルの宝を見つけるとした海賊は……勇敢で、世界を面白可笑しく仲間と共に旅をする……そんな奴じゃないと」

 

「そんなのは海賊じゃねぇ!! ただの船乗りだ!! 海賊ってのは奪い奪われ征服し! 政府に反逆して始めて海賊ってんだよ!!」

 

「クフフ……シキに海賊について教わるとは思わなかったよ」

 

「何が可笑しい」

 

「政府への反逆!! 大いに結構!! しかし、それ故に世界の人々の安全を脅かすお前だけはここで退場してもらわなければ次世代の芽が潰える!! それだけは絶対にしてはならない!!」

 

「何が次世代の芽だ!! 海賊ってのはなぁ今有る物を奪ってこそ海賊だ!! 次世代をどうこう考えるのは死ぬ瞬間で良い!! もっとも俺様は生涯現役だがな!!」

 

「エース!!」

 

「桜十、木枯し!!」

 

 バチバチバチと周辺に電流が流れた様な衝撃波が刀がぶつかった瞬間に起こる

 

「ぐおぉぉぉぉぉ」

 

「ふんぬぅぅぅぅぅ!!」

 

 バチン

 

 バチン

 

 バチン

 

 空を縦横無尽に両者動き回り何度も激突する

 

「世界はシキ! お前が思っているほど簡単に手に入れることはできねぇよ」

 

「なんだと!! お前に何がわかる!!」

 

「数々の国をロジャー船長と見てきた。見習い海兵時代から色んな場所を見てきた……グランドラインだけでも様々な種族! 民族! 人種を見てきた……あぁ、何て素晴らしきかな」

 

「何が言いてぇ」

 

「世界解放は私が行う!! 抑圧ではなく自由を!! 征服ではなく共生を!! ……その為にはお前の悪魔の実が必要だ」

 

「俺の能力は俺様の物だ!! 奪わせはしねぇぞ!!」

 

「そう。……黄金旅程!!」

 

「武装色!!」

 

 私の極太ビームに対して武装色で硬化した腕で防ごうとする

 

「黄金伝説」

 

 それをエースに黄色い覇王色の覇気圧縮させたもので斬りかかる

 

「伝説は続いていく……全ては歴史の名のもとに!!」

 

「歴史がなんだ!! 俺様は金獅子のシキだ!! 世界は俺が手に入れる!!」

 

「エクリプス改」

 

「獅子・三日月」

 

 私はエースを突き立て空を強く踏み込み、弾丸のように回転しながら高速でシキに向かって進み、強烈な突きを繰り出す

 

 摩擦で私の体は真っ赤に見える

 

 一方シキは斬波を同じ場所に繰り出すことにより速度に差をつけ、複数の斬波を合体させる

 

 1発でさえ海を割る威力が何発も合わさるのだから、けたたましい音をしながら私に向かってくる

 

「加速! 加速! 加速! 加速!」

 

 剃で空を何度も何度も蹴り、私の体は加速していく

 

 音を置き去りにし、凄まじい衝撃が体にかかる

 

 覇気でガードしていたが、摩擦で火傷し始めるが更に加速する

 

「死ねシキ!! 私は枢軸となるのだ!! 世界に新たな軸となり悪から救い出すのだ!!」

 

「俺様が世界の王になる!! ロックスを俺は超えるのだ!!」

 

 バチ────ン ゴリゴリゴリ

 

 エクリプス改と獅子・三日月が激突する

 

 回転力と推進力でエクリプス改は進み続ける

 

「突き破れ!! エース!! うぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 徐々に……本当に徐々に獅子・三日月に亀裂が入る

 

「世界の王がこんな所でくたばれるか!! 死ねフューチ!!」

 

 追加の斬波が繰り出される

 

「ぐうぅぅぅぅぅ!!」

 

 押していたハズの私が押し返され始める

 

「このままじゃ……」

 

 とんっと背中を押された気がした

 

 私は後ろを見るとそこにはロジャーがいた

 

「ロジャー船長!!」

 

『……』

 

 ロジャー船長はエースを掴むと私を抱きしめる様に覆い被さる

 

「なにを」

 

『進め!! 止まるんじゃねぇフューチ!!』

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 バリン

 

 真っ赤な弾丸となった私は獅子・三日月を突き破り、シキに刃が突き刺さる

 

「ぐぶぁはぁぁぁぁぁ!!」

 

 腹部に直撃したエースに上半身と下半身が別れるくらいに大きな穴がシキに出来上がる

 

「ぐっぶは!!」

 

 私も口から血の塊を吐き出し、意識を持っていかれそうになる

 

 ビチャビチャビチャ……ドサッ

 

 シキは血液と内蔵をぶちまけながら落下してきた

 

「くそ! くそ! くそくそくそ!!」

 

 醜い肉の塊と成り果てたシキはまだ喋っていた

 

「俺は世界の王になる者だぞ!! それが……グランドラインの辺境で死ぬなんて……俺はまだやるべき事が……」

 

 私は異空間から果実を取り出す

 

「貴様の負けだシキ……介錯してやる」

 

「くそったれ!! くそ……くそ……く……そ……」

 

 驚異の生命力であるが、それでも内蔵がほぼほぼ露出している状態では助かるわけもなく言葉も聞き取れなくなってきた

 

 私は最後の慈悲として首を跳ねた

 

「……死にたくねぇ……」

 

 最後の言葉はなんともシキらしくない弱音だった

 

 ロックス海賊団時代から世界を相手に暴れまわった大海賊の終演はフューチの手により執行された

 

「これが……フワフワの実」

 

 シキの死亡と同時に私はフワフワの実を手に入れていた

 

 それを再び異空間にしまうと部下の救出を行おうと戦場に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フューチ少将大丈夫ですか!!」

 

「ダイ大佐か……なんとかね。シキは殺った」

 

「そうですか……こちら側ももう終わります」

 

「そうか」

 

「あ!! フューチ少将なのだー!!」

 

「ルーミア大佐それは?」

 

「Dr.インディゴの心臓なのだ!! 引っこ抜いてきたのだ」

 

「そうか……お疲れ様」

 

「えへへ……残敵はどうするのだ?」

 

「降伏勧告をして聞かなかったら処刑。捕虜は4の島の地下鉱山に強制労働させる」

 

「「わかりました」ったのだー」

 

「さて、私も行きますかね」

 

 ロジャー船長の幻影が見えた……あれのお陰で私はシキに勝つことができた

 

 ……なんだったのだろうなあれは

 

「幽霊ってのもいるかもしれないな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後は殲滅戦となり、能力者コンビが大活躍

 

 その能力を遺憾なく発揮して殺していった

 

 最終的に1000人近くいたシキの海賊達は捕虜200名を以外全て殺された

 

 シキを失った海賊は纏まりに欠け、すぐに戦闘が終わったとも言っておこう

 

 こうしてシキ脱獄による混乱は一気に収束に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『金獅子殺害をもって任務は完了と致します』

 

「わかった」

 

『あとシキの能力はホフマン准将が継承致しました』

 

「なに!! それは本当か!!」

 

『えぇ。フワフワの実の能力は海軍サイドに渡ったと考えてよいでしょう』

 

「でかした!! で、能力の扱い方はどうだ?」

 

『とりあえず自身の体を浮かすだけのようです。能力の覚醒をしないとマリンフォード襲撃時の戦艦落としの様な事はできないと報告させてもらいます』

 

「うむ。今度ホフマン准将だったか。彼をマリンフォードに召集する。良いな」

 

『は!! 本人にも伝えておきます』

 

「あと今回の事件解決の功績をもってフューチ少将を中将とする」

 

『ありがとうございます』

 

「以上だ」

 

『失礼します』

 

 ガチャ

 

「ふぅー。金獅子が脱獄した時にはどうなることやらと思ったが、これで一息つける」

 

「よう、元帥! 大変そうじゃな」

 

「ガープ貴様はフューチ中将を見習え。任務に忠実、報告も定期的にする、書類仕事も早い! 本部に呼びたいくらいだ」

 

「呼べば良いじゃないか」

 

「上からストップをかけられている。どうしようもない。今回の事件解決でフューチ派と呼ばれる者達がまた出てくる可能性がある。それは何とかせねばならん」

 

「なんだ? フューチ派ってのは?」

 

「素行、経歴に問題があっても実力が伴えば上の階級にするべきと言う派閥だ。初期のメンバーはフューチ中将のもとに左遷できたが、毎回そうもいかん」

 

「中将なら納得するんじゃないのか?」

 

「奴ら最初からフューチ中将を大将にすべきと言っておる」

 

「フューチ中将が大将か……良いんじゃないのか?」

 

「良くないはガープ!! 奴はお前と同じ天竜人に敬意を持っておらん! そんな奴を大将に据えるのは政府上層部が許さんだろう」

 

「センゴク。お前さんの意見はどうだ?」

 

「正直大将にしたい。実力、実績共に十分だ。今の一元帥一大将制度は問題しかない。三大将……せめて二大将にしなくては大将の業務が滞る」

 

「なら次に何か功績をあげたら大将にすれば良かろう。あと本部に置きたくないのなら映像電伝虫でも使いながら書類をさせれば良かろう」

 

「電伝虫か!? その発想はなかった。よくやったガープ!! それでいこう!」

 

 



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フワフワの実

白ひげとの会談の時に七武海の名前が出ていたのを削除しました

時系列がごちゃごちゃになってしまうので・・・

すみません


「フューチ少将……この悪魔の実は何でしょうか……」

 

「フワフワの実だよ。シキからぶんどってきた」

 

「「「!?」」」

 

 シキとの決戦後、本部に報告する前に幹部を集め、テーブルの上にドンッと悪魔の実を置いた

 

「ホフマン准将……食べろ」

 

「俺ですか!?」

 

「あぁ、今までの頑張りを労いたい。脱走騒動以外は実に勤勉に働いてくれた。私への忠誠心も人一倍ある。……そんなあなたに食べてもらいたい」

 

「これを食べれば……シキの様な能力が……」

 

「すぐにはシキの様には扱えないだろう。シキは能力を覚醒していた」

 

「……覚醒……ですか?」

 

「悪魔の実の能力には食べた瞬間から扱える能力と、努力と理解によりもう一段階進化して能力を扱えることを覚醒という……超人系は能力者以外にも影響を与える……ココア曹長とパワプロ中尉が良い例だろう……ココア曹長は空中や地面から珀鉛を生み出す事ができるが、パワプロ中尉はあくまで自身が生み出した水銀が広がる範囲からしか影響力を保持してない」

 

「な、なるほど……」

 

「超人系の他に動物系は耐久力と回復力が上がる、自然系は威力が上がると覚醒すれば全体的に能力が向上する。一番延び幅が大きいのは超人系だけどね」

 

「努力します」

 

「うむ。頑張ってくれ」

 

「はぐっ!? ぐ!! 不味い!!」

 

「悪魔の実はどれも不味いらしいからね。仕方ないね……どうだいホフマン准将。体に変化は有ったかい?」

 

「おお!? 浮きます!! 体が浮きますよ少将」

 

「うん、継承は完了だ。私は本部に報告するから撤退準備を進めてくれ」

 

「「「は!!」」」

 

「少将、次は私も悪魔の実を食べたいです」

 

「わかったわかった。ミスティア大佐にも今度あげるから。我慢してくれ。ホフマン准将はテンテン島着任時から色々助けてもらったから、今回の配分になっただけだ。なーに、すぐに見つけてくるよ」

 

「本当ですか!!」

 

「約束するよ。それよりも本部に報告させてくれ。色々指示を仰ぎたい」

 

「は!! 失礼しました」

 

 

 

 

 

 

 

 本部のセンゴク元帥に報告をした後、私達はメルヴィユから出航した

 

 プルプルプルガチャ

 

『フューチ少将……いや、中将失礼します。ホフマンです』

 

「あぁ、ホフマン准将か。海軍本部に出向おめでとう」

 

『いやいやいや、良いのですか? せっかく3隻の装甲艦ができてこれからって時に私が出向してしまって』

 

「大丈夫、大佐メンバーを准将に引き上げ、ファルケンハイン准将を少将とする。他にも使える人員は全て階級を上げる」

 

『それで穴埋めを行うのですね』

 

「まぁそうだけど、装甲艦を中心とした艦隊にはしないから。この装甲艦達も砲の近代化改修を行うからドックに当分入れっぱになるし、今のタイミングならホフマン准将が抜けても何とか回せると思う」

 

『そうですか……』

 

「あ、ホフマン准将、本部に行ったらやってもらいたいことが有る」

 

『何でしょう?』

 

「私の派閥みたいなのが本部にあるらしいじゃない」

 

『派閥ですか? ファルケンハイン准将達がそれで左遷させられたのは聞いていますが……』

 

「残った派閥組員や弱小派閥を吸収し、本部に影響力を保持してほしい」

 

『何をする気ですか?』

 

「私、大将になるつもりだから、その下準備をね」

 

『た、大将ですか!!』

 

「そう。大将……ゆくゆくは元帥になって今の海軍の改革を行いたいと思ってる。その為には影響力や政治力が必要なの。ホフマン准将なら心置きなく任せられる。政治工作得意でしょ。無能だった前任者の暗殺を執行できるくらいには裏工作も得意らしいじゃない」

 

『さぁ、何の事やら……』

 

「前任者の戦死の割には被害が少なかったから調べ続けていたんだよ。まぁ分かるまでに2年もかかったけどね。私も海軍の裏の仕事をしてきてCPと提携してきたから色々知ってるんだよ。まぁわかったところでどうこうしようって話じゃないけど……頼むね。本部で影響力が持てればホフマン准将は中将になれる素質は有るから。右腕としてこれからも頼む」

 

『暗殺の件は知りませんが、わかりました。自分なりに頑張ってみます』

 

「うん。頼んだ」

 

 ガチャ

 

「聞いてたんでしょ……ベリヤ大尉いや、CP8ラヴパー・ベリヤ」

 

「お気づきでしたか」

 

「あんたは中々曲者だったからねぇ。覇気習得特訓で弱音を一切吐かず、普通よりやや早めに習得と目立たぬように過ごしてきたと思うが、異質だったからねぇ……なにせいつの間にか紛れ込んでいた海兵だからね……経歴が嘘で塗り固められていて中々調べるのに苦労したよ……今さら出てきて何様かね?」

 

「ホフマン准将のやったことは海軍に対しての反逆行為だ。それを黙殺したあなたにも責任があると思うが……いかがかね?」

 

「おいおい、怖いこと言わないでくれよ……ベリヤ。本題を話せ。そんなくだらない事を言いに私に現れた訳じゃないだろ」

 

「……これを」

 

「私に張り付いているCPのメンバーリストか……ふむ」

 

「あなたは世界の全てを知っている。だから頼みが有る……天竜人を殺害したい」

 

「CP職員なのに正気かね?」

 

「正気だ……俺の家族は天竜人に拐われ、帰ってきた妹はその日の内に命を絶った……絶望した表情でな!! ……なぁフューチ!! お前なら出きるんじゃないか!! 天竜人の秘密を知るあんたなら!!」

 

「指銃」

 

「うぐ!!」

 

 バタン

 

「喋りすぎだ……ジゲジケポケット」

 

 私はベリヤをポケットの中に入れる

 

 そして私もポケットの中に入る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は!? ここは!!」

 

「ようこそ精神と物質の狭間の空間……ベルベットルームへ」

 

 薄暗くて壁が青く光るバーの様な場所がそこには有った

 

 フューチがバーテンダーの真似事をしている

 

「座りなよ。ココアが作ったテーブルと椅子だけど中々凝っているだろ」

 

「……俺はお前に殺されたのでは?」

 

「気絶させただけだ。覇気をコントロールできれば容易い事だよ」

 

「何か飲み物をいただけるか」

 

「モーリシャス王国のワインといきたいところだけどラフテルの水から作った発泡酒にしよう」

 

「いただこう」

 

 出されたコップには金色に光る酒が入れられていた

 

「量が少ないからコップ1杯で勘弁してくれよ……君が天竜人を恨んでいるのは見聞色の覇気でもわかった。でもねぇ私が今それをやる理由が無い」

 

「天竜人を恨んではないのか?」

 

「実害が有った訳じゃ無いからねぇ……まぁゴミだとは思ってるよ」

 

「それならば!!」

 

「慌てるなベリヤ大尉。別に優先して排除しなければならないとは思ってないだけで、守るべき民を苦しめてる害虫であることには変わらない。君がやりたいことと私がやりたいことはすれ違っているようで交わっている。私は世界を変えたい。君は天竜人を殺したい……実に結構。でもねぇ私らはちっぽけな存在に過ぎない。……まぁそうだねぇ。その勇気と行動力を称して1つやりたいことを実行に移そう」

 

「何をする気だフューチ!」

 

「突撃隊ってのを設立しようと思う。私個人に忠誠を誓う個の集まりだ。君をその諜報部門のトップにしよう。まずは全てにおいて消されない影響力を身に付けろベリヤ……それまでは突撃隊や海軍の中で安全に過ごし、力を蓄えろ」

 

「しかし、それでは今なお苦しんでいる人々はどうするんだ!! 妹みたいな人が増え続けるのは見てられないぞ!!」

 

「なら尚更強くなれ。お前は弱い。そうだな……約25年まて、それで世界は大きく変わる」

 

「そんなに時間が必要なのか!! どれだけ待たされるのだ!! その間にも被害者が増え続けるのだぞ!!」

 

「嫌ならここで君は死ぬ。それだけさ」

 

「殺すのか!! 俺の事を!!」

 

「生き急ぐな。力を蓄えるのだ……それしかお前に道は無い」

 

 話し合いは1時間にも及んだ

 

 最終的には泣きながら俺はフューチの話に折れ、突撃隊という組織に参入することになる

 

 なおその突撃隊は俺が第一号参加者だと知ったときには騙されたと思ったが、仕事はする

 

 まずは参加者集めとしてCPメンバーの切り崩しから行うことにしよう

 

 

 



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カノン砲

 どうも第四の壁を越えた先にいる皆様こんにちはフューチです

 

 原作開始19年前となりました

 

 まずホフマン准将が少将に昇格となり、海軍本部に召集されました

 

 で、私が中将になった影響力を行使して部下の階級をガンガン上げます

 

 具体的にはシキ討伐戦参加した500名のうち、生き残り、五体満足の400名は大幅昇進

 

 特にパワプロ中尉は中佐に、ココア曹長は大尉に昇進

 

 グレーナー一等兵も曹長へ昇進と権限の範囲内で上げられる人員は軒並み上げた

 

 現在はファルケンハイン少将を副官に5人組ことチルノ大佐達を准将に昇進させ、現在は私が発案した新戦術の理論を教えている

 

 新戦術の理論は速度を重視する戦術で、帆船に対して動力船の高機動力で常に優位の位置をとり続け遠方から砲撃で撃破するというものだった

 

「しかし、砲の精度が高くないとできませんよね? 何か当てはあるのですか?」

 

「よくぞ聞いてくれたチルノ准将! 新式砲が完成した! 後装施条砲というのがついに完成した!! それが10cm単装砲だ!!」

 

 ばんと黒板に10cm単装砲の設計図を貼る

 

「現在装甲艦の改装中だが、それらにはこの砲がなんと8門も取り付けられる! ただこの改修により帆船としての役割は終わる! これからは全動力船になるぞ!!」

 

「ま、ま、まってください! 帆船じゃ無くなるんですか! そんなにダイヤルエンジンを信用して良いのでしょうか……正直3番装甲艦は前回の航海で何度も故障していたイメージがあるのですが……」

 

「ダイヤルエンジンの改良もG-6武器開発室とモーリシャス王国武器開発室、ホワイトランドの民間のエンジン販売業者5社と提携して新型ダイヤルエンジンの衛星ってのができている。これも改装中の3隻に搭載している途中だから故障率は断言しよう……下がる」

 

「他にもエンジニアを乗せる事で故障時の修理をスムーズにする」

 

「それなら……まぁ……」

 

「あと秘密兵器の開発も進んでいるから安心しな」

 

「秘密兵器ですか?」

 

「推進弾及び魚雷という兵器の開発が進められている。私が直接図面を引いているし、実験も数年単位で行うことになるけど、時代を変える兵器だと思って良いよ」

 

「な、なるほど……」

 

「まず基本として生存第一として武装色、見聞色、六式はこれからも必須技能とし、次に遠距離攻撃主体とする! これで斬り込みによる死亡率をかなり減らせる。マキシム機関銃の大量配備で支援射撃も充実させつつ、ボルトアクション方式の新型AF銃の配備で個人火力の底上げ! これで当面を凌ぐよ!!」

 

「船は増やしてはいかないのですか?」

 

「船員が足りなくなるし、シキ討伐で戦死した100名の補充の目処もたってない以上急速な拡張はマンパワー不足でハリボテになると思うから……」

 

「なるほど……」

 

「あとこれから私は基地を空けることが多くなると思うからよろしく」

 

「「「はい?」」」

 

「どういうことですか!! フューチ中将!!」

 

「悪魔の実の回収を始めようと思う。あと人材の発掘も……あ、あと突撃隊っていうのも作るから」

 

「突撃隊ですか?」

 

「世界政府に恨みが有る者を隔離する部隊だ。島の治安維持及び地上戦特化にして海軍で扱えない案件……世界政府非加盟国の海賊による占領の解放等や今まで海軍がやってきたテンテン諸島の解放作戦に従軍させる役割をになってもらおうと思うんだ」

 

「な、なるほど……天竜人に対して悪意を持つ者や世界政府を恨んでいる者の隔離案は納得しました。それが我々の役立つのであれば尚更……でもフューチ中将が基地を離れるのは反対です! 悪魔の実の回収も部下が行えば良いことじゃないですか」

 

「見つけた当事者に食われたらどうするんだよ。信頼できる者に食べてもらわないとこっちだって困るんだよ……それに私が海軍本部に召集された時の練習を行ってもらわないと困るんだよ」

 

「海軍本部ですか?」

 

「ホフマン少将には言ったけど、私は大将になりたいと思ってるからね。だから私が居なくなってもこの基地を運営できるようになってもらわないと困るのよ」

 

「しかし……」

 

「まぁ半年に1度は必ず戻ってくる事を約束するし、なるべくグランドラインは避けて安全に航海するようにするからさ」

 

「そうですか……」

 

「ファルケンハイン少将! フューチ中将の提案を飲むべきなのだ!」

 

「ルーミア准将しかしだな……」

 

「フューチ中将の頭脳は常に未来を見据えてるのだー! だからそのフューチ中将が今やらなければならないと思っている理由が必ず有ると思うのだ! だから見送るべきなのだー」

 

「フューチ中将そうなのですか?」

 

「まぁこれから世界は大きく動く。その前に色々動いておかないといけないからね。今でもビッグマムと白ひげが激突してるし」

 

「フューチ中将的にはどっちが勝利するとおもうのかー?」

 

「引き分け、やや白ひげ有利で終わり、両者痛み分けのどれかでどちらが勝利ってのは思えない。白ひげは縄張りの整理ができてない中、ビッグマムは万国で確固たる勢力を保持している。補給が整ってるのと整っていないとではいくら白ひげの正面戦闘能力が高くても厳しいと思うな」

 

「なるほど……」

 

「逆に今しか無いんだ。両者が戦っている間に私達の勢力がどれだけ固められるかで将来が大きく変わる」

 

「わかりました……必ず半年毎に戻ってきてください。フューチ中将が居ないと進まない事も多いので……特に兵器開発はフューチ中将の発想が無いと辛いと現場から聞こえてきてるのでね」

 

「わかった。必ず半年毎に戻る。その間ファルケンハイン少将留守を頼む」

 

「は!! しっかり預からせてもらいます」

 

「うん! では今回の会議は解散とする! 各自持ち場に戻るように!!」

 

「「「は!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけでこれから世界を巡る旅を始めるけど2人は行くかい?」

 

 家に帰った私はオーロとアルジェントに質問する

 

「そんな軽いノリで職務放棄していいの!?」

 

「やった!! 行く行く!!」

 

「おい! アルジェント! 母さんが職務放棄しようとしてるんだぞ! 止めろよ」

 

「いやいやいや、これはチャンスだよオーロ!! 私達が将来冒険するための予行練習になるし! 今まで覚えてきた技能を試すのにも丁度良いじゃない! 運が良ければこの島では学べない事を沢山学べるわよ」

 

「お前は自由すぎるんだアルジェント! ……はぁ、でも確かにあんまり覚えてないロジャー達との旅よりは今後に役立つとは思うけどさぁ」

 

「じゃあ行こうよ!! 世界をもっと知りたいわ私は!!」

 

「……はぁ、行くよ俺も。アルジェントを放っておくとなにしでかすかわかんねぇからな」

 

「じゃあ明後日出発だからよろしくね!!」

 

「「え! はや!!」」

 

「悪魔の実が早く行かないと回収されちゃうかもしれないでしょ!! いっぱい持ち帰って戦力を強化しないといけないんだから!!」

 

「ちなみに母さんは最終的に何がしたいの? 信頼できる部下を強化して、なんか突撃隊なんて物騒な組織も作り始めてるじゃん。しってる? 突撃隊って俺らの世界だと悪の帝国の組織だよ……粛清されたけど」

 

「突撃隊と親衛隊でしょ。あれと同じことをする」

 

「ふぁ!?」

 

「いやいやいや、お母さん何言ってるかわかる? 悪の帝国でも作る気?」

 

「そんなことは無いけど……まぁ世界を変えるには痛みを伴わないといけないって話だよ」

 

「痛み? ……ラフテルに何か有ったの?」

 

「ラフテルで私の中に有った何かが壊れてやらなければならない使命を見つけた! その為には力がいるの。それに最適なのが今は海軍ってだけ」

 

「ふーん……お母さんは海軍って組織に対して忠誠心はないの?」

 

「無い! ただ改革しなくてはならないと思っている! この組織は変わる事ができると信じている!!」

 

「凄い情熱……俺にもそんな情熱が有ればなぁ」

 

「オーロもきっと見つかるよ。ロジャーが言っていたけどその人々に対して役割がある。その時を探せば良いんじゃない? 今は」

 

「ふーん、そうしてみる」



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海洋冒険編
悪魔の実探し


 第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 現在オーロとアルジェントと共に悪魔の実探しの旅に出ています

 

「天候よし! 風よし! 絶好の船旅日和だねぇ」

 

「その代わりに海王類だらけじゃん!! かれこれ5時間連続で戦い続けてるけど!!」

 

 海王類の巣に迷い込んだらしくカームベルトでないのに大量の海王類と死闘を繰り広げています

 

「本当にこの先に島が有るの?」

 

「ある! はず! 島食いにでも襲われてなければ3年前には有った」

 

 地図をばっと広げる

 

「ほらここに島が有るでしょ……海王類の巣のど真ん中に有るから海賊も寄り付かない、人がそもそも寄り付かないから開拓もされていない未発達の地だよ……そういうところに悪魔の実は実っている」

 

「へぇ……よっと」

 

 スカイウォーク

 

 月歩の事をなぜかオーロとアルジェントはスカイウォークと言うがカッコつけたいのだろうか? 

 

「確かに見えた。このまま北に島がある!」

 

「よし! エンジン全開!! 最高速度で向かう!!」

 

「あっちょっと!! 俺を置いていくなよ! 疲れるんだから」

 

「少しは動きなよオーロ!」

 

「いつも動いてるだろ! アルジェント!!」

 

「はいはい、喧嘩しないの……まずは近場だから来てみた島だ……そこまで凄い悪魔の実じゃないけど敵に回ると厄介だからね」

 

「何の実なの? お母さん」

 

「見つけてからのお楽しみ」

 

「へぇ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 島に上陸するとジャングルが広がっていた

 

「果実っていったってこの広さをやみくもに探しても時間がかかるよ母さん」

 

「大丈夫目星はついてる」

 

「本当?」

 

「とりあえず着いてきなよ」

 

 ジャングルの茂みをかぎ分けズンズン進んでいく

 

「うわ! 古代ダニ! 20日病の感染源じゃん」

 

「毒蛇に毒蜘蛛……猛獣が出ない反面強力な毒を持つ生物が多数居るなぁ」

 

「全身武装色を絶対に絶やすんじゃないよ……死ぬから」

 

「「はい!」」

 

 更に進んでいくと洞窟があった

 

 光貝で作った懐中電灯で足元を照らしながら進んでいく

 

「本当にこんなところに悪魔の実があるの?」

 

「図鑑だと有ったハズだよ……おっと門番が居たようだ」

 

 そこに現れたのは巨大な蛇だった

 

 シャァァァァ!! 

 

 見た目はそちらの世界ではポケモンのアーボックだが、大きさが10m近くある

 

「ここは私がやるよ」

 

 アルジェントが前に出る

 

 シャァァァァ!! 

 

「無刀流鏡花水月」

 

 バチンと地面を蹴ったと思うと蛇の腹に大穴が空いていた

 

「成敗」

 

 ドチャ

 

「虚刀流の技じゃん! なんだよアルジェントそのアニメ見てたのかよ」

 

「ええ、暇な時に練習してたら出きるようになったわ。……いいでしょ」

 

「いやいや、ONE PIECEの世界なんだからONE PIECEの技を極めようや。1人で威国をできるようにしてみせるからな俺は!!」

 

「できるんじゃない? 努力すれば。アダムで才能の限界が無くなってるし、成長しやすくなってるからいけるでしょ……さて、おお! 光苔で成長してたか」

 

 蛇の死骸を越えて先に進むと一面苔で光輝く場所に出た

 

「おお! これ?」

 

「ちっさ!! 悪魔の実なのにブドウの1粒ぐらいしかないよ!」

 

 そこに有ったのは暗闇ベリーという僅かな光源で育つベリー種の木が生えており、そこに不思議な模様の木の実が有った

 

 他のベリーよりは大きいのだが、今まで見てきた悪魔の実の中では小さいそれはイパイパの実のインパクト人間こと衝撃を発生できる悪魔の実だった

 

「イパイパの実だね。衝撃を発生することができる」

 

「イパイパ? 強いの?」

 

「覚醒すれば強い超人系だね。グラグラの実の下位互換って言えば良いかな」

 

「なるほど……うーん、強いような弱いような」

 

「まぁオーロやアルジェント、メタメタの2人みたいにすぐに強くなるタイプじゃないから微妙かもしれないけど覚醒するとめちゃくちゃ強くなる晩成型の悪魔の実だからねぇ」

 

「そうなんだ……ここにはもう用はないよね? 早く次の島行こうよ」

 

「そうだね……目的も達成したし次の島に行こうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次の島は……一旦補給にナボール島によろうか」

 

 ナボール島宝石の採掘が盛んな島で、その島でしか採掘されないパープルダイヤは世界の王族、貴族を魅了する

 

「そんな島だから兵士の質も高くて並みの海賊では手出しできない島だね」

 

「立地的にビッグマムから狙われそうな島だけど……」

 

「ほら、ビッグマムは宝石より菓子だから……豊かだけど菓子とかはそこまで美味しいって話は聞かないから……この島」

 

「「あぁ……なるほど」」

 

「さぁ上陸だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 島に上陸すると島全体が金持ちなんだろうなーってわかるくらい綺麗な町並みだった

 

 採掘者は別に住まわされているのか、それとも採掘者も金持ちなのか……

 

 何件も宝石を扱った店が並び、とりあえず物資と情報を得るために酒場に向かおうと思ったが、まず服屋に向かう

 

 ちなみに今の私の姿は探検しやすい格好……そのまんま探検家って格好だからこの島だと浮く浮く

 

 ひそひそ話が聞こえてきて流石に恥ずかしいのでオーロとアルジェント含めて服屋で服を買う

 

 9万ベリー出して安めのスーツを買う

 

 ドレスって柄じゃないし、動きやすさ重視だね

 

 オーロもスーツ、アルジェントはワンピースを選択

 

「ふー、これで少しは落ち着いて過ごせるかな。海賊とかの情報が欲しいから酒場に向かおうかな」

 

「おや、お嬢さん方、情報が欲しいのならコーヒーハウスを使うと良いでしょう」

 

「コーヒーハウス?」

 

「おや? その様子だとこの島の方でないですな。コーヒーハウスには様々な階級の方がコーヒーを飲みながら情報を交換する場ですぞ。なかなか普段では味わえない刺激ある会話が得られますぞ」

 

 ではと初老の紳士は立ち去っていった

 

「コーヒーハウスか……イギリスに有ったっていうのに近いのかな?」

 

「アルジェント。イギリスって言っても母さん知らないでしょ」

 

「いや、知識はあるよ。大英帝国でしょ。まぁとりあえず入ってみよう」

 

 カランカラン

 

 ガヤガヤと紳士服やドレスを身に纏った紳士、淑女がタバコやコーヒー、チョコレートをかじりながら談話していた

 

 ウエイトレスのお嬢さんにマスターに挨拶するように促されバーテンダーの様なコーヒーマスターの男性に挨拶をする

 

「おや? 見ない方々だ。注文は?」

 

「マスターのお勧めを3つ、この島には補給によっただけだけどずいぶん豊かそうだね」

 

「あぁ、町長がやり手でね。この国は共和国なんだが年に1度選挙が有ってそれで町長が決まるんだ。今の町長は3年連続町長になっているんだが、なんと昔は採掘者だったんだ。採掘者の仲間の圧倒的な支持で町長になった彼は町全体が豊かになるような政策を行ってね。こうして金持ち、貧乏人関係なくスーツとある程度の服が有ればこうして会話できる社交場のコーヒーハウスを開くように支持されてね。今はこの島ではコーヒーブーム真っ只中なんだよ……そうだな東の海のゴア王国のゴア1000なんてどうだろう。絶品だよ」

 

「ではそれと……チョコレートを少々頂けますか」

 

「あいよ。8番テーブルに運ぶから他の客と談話でもしてなよ」

 

「マスター、近海の海賊か何かこの国で困っていることってあるかい?」

 

「それだったら3番テーブルのブルーノーズ男爵が詳しい……男爵ってのはあだ名で、新聞屋の社長さんなんだチップを払えばお得な情報を教えてくれるぞ」

 

「ありがとう」

 

 私はマスターにチップを置くと3番テーブルに向かう

 

 オーロとアルジェントは既に他の人と喋っている

 

「どうもブルーノーズ男爵、こんにちは」

 

「おや、こんにちは。レディが私になに様かな?」

 

「あらお上手……既に大きな子供が2人居ますわあちらとあちらに」

 

「おや失敬ミセスだったか……で婦人何様かな?」

 

「マスターに色々情報を持っていると言われましたので……島の外から来たの。教えてくださらない?」

 

 私はスッとベリーを渡す

 

「おやおやおや何が聞きたい」

 

「この国で困っていることはありますの?」

 

「そうだね……怪盗が問題になっているね」

 

「怪盗?」

 

「あぁ、名前はキッドって言うんだ。予告状をご丁寧に送りつけて宝石店や美術館が襲われてるね……既にこの国で3件事件が起こっている。金でできた扇子、嘆く美女の絵画、巨大パープルダイヤの灰皿、これら盗まれてるね。次狙われるのは歴代町長が持つパープルダイヤを削って作られたステッキだと噂されてるよ」

 

「まぁそれは大変……懸賞金はかけられているのかしら?」

 

「あぁ、大怪盗キッド懸賞金8700万ベリーだったハズだ人殺しは絶対にしないから市民から人気があるんだよなーこれが」

 

「なるほど……面白いね……捕まえてみたいものだ」

 

「おいおいやめておけよ婦人、今まで何度も衛兵が捕まえようとしたが悪魔の実の能力と高い戦闘能力で軽くあしらわれているんだ」

 

「なるほど、話題を変えよう。補給にお勧めの店はあるかい?」

 

「あぁ、それならジュセフの酒場がお勧めだ。酒場だが食料の販売をしているし、俺の紹介って言えば安くして貰えるぞ」

 

「まぁ! それは良い情報です! ありがとうございます」

 

 私は更にチップを渡す

 

「毎度! ついでに今日の新聞やるよ! ほら」

 

「まぁありがとうございます」

 

「お、婦人の席じゃないか? コーヒー来たぞ」

 

「あら、本当だわ。親切にありがとう男爵」

 

「いやいや、良い旅を」

 

 私は怪盗に興味を抱いた

 

(少し探してみようかしら)

 

 その後色々な人ど談笑楽しみ、味わったことのない楽しみを見つけたのだった

 



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怪盗

 どうも第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 現在私は海軍本部中将ってことが談話中にうっかりバレてしまい町長さんの家に呼ばれていた

 

「いやー、海軍本部の中将様がこの島に何様でしょうか……」

 

「任務で各地を旅しているんだけど、その途中で補給の為に寄っただけだから何もないですよ」

 

「よかった……いや昨年バスターコールによって島1つが地図上から消えたでしょ。我々の島ナボールではそんな疚しい事は無いのですが、万が一ということもあるので……」

 

「無い無い! 大丈夫ですよ町長さん! この島は各国の王族、貴族から目をかけられていますし、見た感じ衛兵の質も高い。天上金さえ払っていただければ海軍としては何も文句は無いので」

 

「あの……できればで良いのですが海軍の支部を置いてはいただけないでしょうか」

 

「おや? それはなぜですか? 衛兵で十分では?」

 

「近年ビッグマムの圧力が大きくなり、ビッグマム傘下の海賊がここナボール島を略奪しようとしてくるのです。幸い現状撃退できていますがいつまでもは厳しいと言わざるおえません」

 

「そうですか……支部となると私には権限が無いので派出所の設置と常駐100名の人員、巡航ルートにこの島を組み込むことぐらいしかできませんね」

 

「いや、それでも助かります! やはり、話してみるものでした!」

 

「それよりも、最近怪盗に困っていると聞きましたが」

 

「えぇ、怪盗キッド……実に煩い存在ですよ。狙った宝は逃がさない。巧妙な手口で宝を盗んでいく存在です……実は私の所にも予告状が今朝届きまして……このパープルダイヤのステッキを盗むと予告状に書かれていました」

 

「それは大変ですな……私も守りに参加した方がよろしいでしょうか?」

 

「い、いえ、海軍中将様の手を煩わせるわけには……」

 

「正直に言いましょうよ町長さん、部外者の私達がキッドと繋がってないと断定できないから申し入れは断りたいと」

 

「い、いえ……決してその様な事は……」

 

「賞金首ですし、町長の屋敷には入りませんが、外で見張りをさせて貰いますよ」

 

「そ、それでしたらまぁ……」

 

 こうして私達は成り行きでキッドの捕縛に動くのだった

 

 

 

 

 

 

 

「町長、町の人が言う程カリスマがある感じじゃなかったね」

 

「あぁ、元採掘者の若手政治家って聞いてたけど母さんに常にビビっていたし、腰の低そうな人だったね」

 

「あの町長、顔の使い方が上手いんだよ。下でに出る時はとことん下に出て、皆の前では堂々と振る舞う。皆に利益を出そうとするのが海軍を呼びたいという一言でも良くわかる。海軍を呼べば衛兵は更に治安維持対策に使える……たぶん他にも色々理由があるんだろうけど、あの町長とにかく利を確保するのが上手い」

 

「凄い高評価……少し会話しただけでそれだけわかるんだ」

 

「事実こんな教養が高い島で国民に選ばれて町長ができるとなると並外れた何かがあるんだよ……」

 

「並外れた何かねぇ……」

 

「さて、それよりも怪盗のキッドだ! 大怪盗キッド懸賞金8700万ベリー……人を殺してなくて、怪盗家業だけでこの懸賞金は中々異例だね……グランドライン後半の出身で、いまだに20か……3年前から怪盗をしているらしいけどなかなかの逸材だね……ま、捕まえるけど」

 

「能力者?」

 

「たぶんね……いやぁ気配を消すのが上手いねぇ。強ければ私の見聞色に引っ掛かると思うんだけど、ぜんぜん引っ掛かからないや」

 

「俺とアルジェントだとまだ大雑把にしか覇気で戦力を把握できないけど……母さんでもわからないの?」

 

「いやー、キツいね。巧妙に隠してるよ本当……不自然無いように溶け込んでる」

 

「怪盗っていったら夜だけど、ずっと見張るの?」

 

「見張るのは私だけでいいや、それより2人は補給頼むね。ジュセフの酒場って所にブルーノーズ男爵の紹介って言えば安くして貰えるらしいから」

 

「あぁ、お母さんが話してた紳士でしょ。男爵っていうけどここ、貴族の居ない国だよね?」

 

「あだ名あだ名。新聞屋の社長で情報屋でもあったね」

 

「なるほど……まぁわかった補給関連は私達がやっておくから見張り頼むね」

 

「オーロ、アルジェント任せた!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局昼間はなんも動きが無く、夜になった

 

 私達は近くのレストランで見張りをしながら夕食をいただいていた

 

「ここの牛肉美味しい! めちゃくちゃ柔らかいじゃん」

 

「絶対A5! 断言するね!! 口の中で溶けるし甘い」

 

「……」

 

「母さんどうした?」

 

「見聞色に反応が有った……2人は食べてていいから私は獲物を狩りに行くよ」

 

「了解! 食べ終わったら私達も行くね」

 

「小型電伝虫2匹置いておくから合流する時に使って……さて! 大怪盗捕縛しますか」

 

 

 

 

 

 

 

 ジリリリリリ

 

 怪盗が町長の屋敷に侵入したことを知らせるベルが鳴り響く

 

 どうやら町長も罠を張っていたようだが

 

「あばよビコール町長! お宝のステッキは頂いていくぜ」

 

「まて! キッド!! 誰かアイツを捕まえろ!! ナボール島歴代の宝を余所者に奪われたとなったら私の威厳が地に落ちる!! 誰でもいい! 捕まえろ!!」

 

「捕まえられるものなら捕まえてみやがれ!?」

 

「やぁ怪盗君、中々の腕前で」

 

 バゴンと覇気のこもってない一撃で地上に叩き落とす

 

「ぐ!?」

 

 ゴロンゴロンと受け身を取りながらキッドは転がる

 

「綺麗な受け身だねこの高さから落とされてもへっちゃらとは……」

 

 トントントンと私は地上に降りる

 

「てめー、何しやがるんだ!!」

 

「何って……怪盗を捕まえようとね」

 

「ずいぶん強い用心棒を雇ったな町長の奴」

 

「あ、町長は関係無いよ。私の独自の判断で動いているだけ……8700万ベリーの賞金首さん」

 

「賞金稼ぎかよ! おっと話はここまでだお嬢さん」

 

「お嬢さんって年じゃもう無いんだけどなぁ」

 

 ボンっと煙幕を焚いて逃げようとする

 

「うーん、こりゃ覇気使いの戦いを知らないな」

 

 私は煙幕を突っ切るとワイヤーを家の屋根に引っかけ、この場からキッドは逃げようとしているところを取り押さえる

 

「残念!」

 

「くっ!! 脱出マジック!!」

 

 キッドがパチンと指を鳴らすと取り押さえていたハズのキッドが居なくなり、代わりに枕を押さえていた

 

「トランプマジック」

 

 トランプを飛ばしてくる

 

 そしてそのトランプがはぜる

 

 バババババン

 

「非殺傷だが、視覚と聴覚、嗅覚は一時的にダメにして貰った!?」

 

 グニョン

 

 異空間がいきなり現れキッドの足を掴む

 

 そのまま転ばせ、海楼石の手錠を取り付ける

 

「く!? ピッキングで!」

 

「チェックメイト」

 

 頭に指を置く

 

「……降伏だ賞金稼ぎ」

 

「おや? 諦めるのがずいぶん早いね」

 

「実力差が有りすぎる……これ以上戦っても逃げることさえできなさそうだからな……俺よりステッキを売っぱらった方が高いぞ」

 

「あ、私賞金稼ぎじゃないんだ、海軍中将なんだわ」

 

「海軍中将!? そりゃ強いわけだ……で、俺の事はどうするんだ? インペルダウンか?」

 

「ふーん、それでも良いけど、とりあえず宝を返そうか。この島で奪った宝全てだ……そしたら別の道が開けるかもねぇ」

 

「……海楼石の手錠を外してくれよ。能力で隠してる」

 

「ならいいや、ステッキだけ返して貰うよ」

 

 私は手刀でキッドを気絶させ異空間に放り込む

 

 プルプルプルガチャ

 

『母さんどう? 捕まえた?』

 

「捕まえた。ステッキは回収できたから町長さんに渡しにいくね」

 

『怪盗はどうするの?』

 

「とりあえず確保したからそれはおいおい考える」

 

『じゃあ町長さんの屋敷の前で合流で』

 

「はーい。じゃあとで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいよ、町長さん。ステッキは取り返したから」

 

「ありがとうございます中将様! このステッキを奪われたとなったら歴代町長達に申し訳が立たなくて……助かりました」

 

「それならよかった」

 

「怪盗は?」

 

「上手く逃げられた。今後も調査を継続する」

 

「そうですか……いやはや、本当に助かりました! 何かお礼を」

 

「いや、まだキッドを捕まえたわけじゃ無いのでお礼は結構です。では私達はこれで」

 

「ありがとうございました」

 

 こうして私達はナボール島を後にした




難産でした・・・遅れてすみません


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怪盗キッド

「うぐ……ここは」

 

「ようこそここは精神と物質の狭間の空間……私が作り出した異空間……ベルベットルームだ」

 

 バーの様な場所で、キッドの海楼石の手錠は外してある

 

「おいおいずいぶん無用心だな。海楼石の手錠を外してよかったのか?」

 

「なに、君と私では力の差が有りすぎるゆえに関係ない」

 

 キッドはバーテンダーの真似事をしていた私にトランプを突き付ける

 

「このトランプは特殊素材で出来ていてな、そんじょそこらの刃物以上に鋭い切れ味が有るんだぜ……首を切り落とされたくなければここから出せ」

 

「だから言っているだろ……力の差が有りすぎると」

 

 トランプはバラバラに切り裂かれた

 

「な!?」

 

「その程度であれば私の爪だけで十分切り裂ける……ふむ、その能力はマジマジの実かな?」

 

「ふはは! 完敗だ! で、さっきも言ったがインペルダウンにぶち込むか?」

 

「それも良いけど君の経歴を洗い出させて貰った……貧しい弟達のために頑張ってきたらしいじゃないか」

 

「それが……!? てめえまさか弟達に手を出すつもりじゃ」

 

「そんな外道な事はしないさ……そうだねぇ……当面この船で働いて貰おうか……そしたらインペルダウンにぶち込むのは勘弁してあげるよ」

 

「本当か!?」

 

「あぁ、本当だ。あと島に着いても逃げ出さない事をお勧めするよ。君の気配は覚えた。島1つや2つくらいなら逃げ出してもすぐに追い詰めるからね」

 

「おぉ、怖ぇ……で、船で働いて何をさせてぇんだ?」

 

「そうだね……突撃隊って組織で働いて欲しい」

 

「突撃隊? なんじゃそりゃ?」

 

「私の親衛隊って言ったらわかりやすいかな……ふふふ、なーに諜報員と同じ仕事をして貰えれば良いよ……変装得意でしょ」

 

「まーな……報酬は?」

 

「そうだね……弟さん達が普通に暮らしていけるだけの金は出そう」

 

「まぁそこら辺が落としどころか……乗った……けど旗色が悪くなったと思ったら裏切らせて貰うぜ」

 

「あぁ、それで結構……まぁ今の君じゃ弱すぎるから鍛えさせて貰うよ」

 

「鍛える? 確かにお前さんみたいな化け物相手には無理だが、これでも並みの奴には負けねぇよ」

 

「そうだろうね……戦闘力だけの懸賞金だったら1億5000万位は有るだろうね……だけどそれじゃあ足りないねぇ」

 

「足りない? 戦闘力がか!」

 

「覇気というのを教えよう。空を駆ける技術も教えてあげよう……それぐらい君の事を気に入っているんだ」

 

「まぁただ捕まっているのもしゃくだ! やってやるよ」

 

「そうこなくっちゃ」

 

「あ、教えるのは私の娘と息子にやらせるからそのつもりで」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっと! 待っててくれてありがとうね」

 

 異空間の中に居ると出口を入る時に固定していなければならず、異空間内部から別の場所へ出口を開けることができない

 

 その為海の上だと船を動かすことができないのだ

 

 私が外にいればその問題も解決するため経験を積ませる意味も込めてキッドの教育をオーロとアルジェントに任せることにした

 

「で、次はどの島に行くの?」

 

「騎士の王国ゲユシに行こう……たぶんある」

 

「了解! ここからどれぐらいかかるの?」

 

「約2週間」

 

「了解! 帆を張っていざ出港!!」

 

 

 

 

 

 

「ぜひゅーぜひゅー……」

 

「お母さんキッドノビちゃった……覇気を流し込んでの促成教育してるけど……」

 

「そのまま続けて良いよ。人って生死が関わると急激に成長するから」

 

「了解」

 

「俺は……はやまったかもしれねぇな」

 

「それだけ喋れればまだいけるね! 異空間で今度は俺と稽古しようや」

 

「やだぁ!! 死にたくない!!」

 

「大丈夫大丈夫死なせないから」

 

 大怪盗もオーロとアルジェントの前では怪物に怯えるただの人でしかない

 

 哀れキッドは再び異空間に連れ込まれた

 

「……見えてきた……あれが騎士の王国ゲユシ」

 

 人口200万人世界政府加盟国であり、周辺諸国では1つ頭が抜けており、王は団長という役職名を襲名する

 

 団長になるのはこの国で一番強い者とされ、10年に1回闘技の儀式と呼ばれる全国民から立候補し、予選を勝ち抜いた選ばれし戦士15名と団長によるトーナメントが開催される

 

 まぁ今年ではないのだがそんなちょっと異質な国である

 

 まぁ戦闘民族なだけあって戦争では滅茶苦茶強いのだが……

 

 現在の団長はヘイロー……別名精神異常者

 

 両親に虐待され、学が全く無く文字を読み書きできないのだが、滅茶苦茶強く団長となった

 

 それから3回連続団長となっており現在45歳といまだに強い国王である

 

「お母さんどれぐらい強いの?」

 

「敵国の軍艦3隻を1人で壊滅させ、単身で1国を滅ぼした……闘技の儀式で殺害は禁忌となっていたのに強すぎてパンチ1発で予選を勝ち抜いた猛者が破裂して亡くなったりしたらしい……海軍で知っている情報はこれぐらいかな」

 

「うん。どれぐらい異常かはよくわかった……能力者?」

 

「ウマウマの実モデルサラブレッド」

 

「馬かぁ……」

 

 まぁこの島に有るかもしれない悪魔の実もウマウマの実なんだけどね

 

「偶然?」

 

「偶然。というかなぜその悪魔の実じゃなくてサラブレッドの方を国王が食べてるのかも謎」

 

「うへー……とりあえず上陸しますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「安いよ安いよ!」

 

「買った買った!!」

 

 上陸してみるとずいぶん賑わっていた国であるとわかった

 

 殺伐としてるのかななんて思ったが町は普通である

 

 普通であるが……

 

「とっとと働け餓鬼が!!」

 

「う!」

 

 児童労働者という奴隷階級がこの国を支えていた

 

 貧しい家庭が幼児を売り、それを労働者として扱い、ぞんざいに扱い、騎士になることもなく死んでゆく存在である

 

 運良く大人になれても社会の最低辺で再び貧しい子供を産み出す負の連鎖となっている

 

「これは……酷いな」

 

「やめなさい! 小さい子を虐めながら働かせるんじゃ有りません!!」

 

「あぁ!? なんだ女!!」

 

「アルジェントやめなさい!」

 

「離してお母さん!! 児童労働なんて酷いじゃない!!」

 

「この国はそれで回っている……世界政府の人間だから私は注意することができない」

 

「お母さん!!」

 

「行こうアルジェント……見ていて気分の良いものじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 悪魔の実はすぐに見つかった

 

 いや、食べられてはいたのだが

 

「うぐ……」

 

 グチャ

 

 山賊の親分が食べていたので心臓を潰し、持っていたリンゴを悪魔の実にした

 

「お、おがじら……」

 

「オーロ、アルジェント……子分の処刑を」

 

「はいよ」

 

「うん……」

 

 山賊の子分の悲鳴の中どこに有ったか説明しよう

 

 山の中の廃村であり、元々山賊は騎士を理由をつけて辞めたごろつき集団であった

 

 親分は中々に強かったが、エースで四肢を切り裂き、達磨にしてから心臓を抉った

 

 ウマウマの実モデルアハルテケ

 

 黄金の馬である

 

 私はジゲジゲの能力で悪魔の実をしまうと山賊を廃材を使って火葬した

 

 

 帰る途中また町で児童労働者を見てアルジェントが暴れないように異空間でキッドをしばくのに専念して貰った

 

「オーロは大丈夫なの?」

 

「見ていて気分が良いものじゃないけど平気……一歩間違えれば俺もあそこに産まれていたかもしれないし」

 

 そんな事を話していると

 

「くそ! また売れ残りやがって!! この餓鬼!!」

 

「ごほ! ごほ!」

 

 今にも死にかけている少年を見つけてしまった

 

 全身痣だらけに見るからに顔色が悪い

 

 病気を持っている……早く治療しないと手遅れになる

 

「くそ! これじゃサンドバッグにもならねぇ……いや、目障りだここでくたばっておけ」

 

 バタンと扉を閉める

 

「ごほ! ごほ!」

 

「……ジゲジゲポケット」

 

「母さん!!」

 

「オーロ治療をしてみな。私は船まで移動してこの胸糞悪い国から出る」

 

「わかった」

 

 私はこの国で悪魔の実と死にかけの男の子を拾った




フューチ人攫いをする


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少年の名

「グッ……うぐ……」

 

「悪性のウイルスによる腸疾患、酷い虫垂炎、それに打撲傷からわかるように衰弱している……治るかは五分五分」

 

「お母さん拾ってきた子絶対に助けるよオーロ!」

 

「あぁ、任せろ……母さんとキッドも手伝ってくれ」

 

 異空間にある治療室の中でボロボロの少年がオーロとアルジェントにより手術が開始される

 

 点滴を刺し、まずは虫垂炎の切除が行われる

 

「麻酔入れる」

 

「ゆっくり呼吸して……痛みが無いようにするからね」

 

「……凄いですねフューチさん。2人は医者だったのかい?」

 

「いや、私もここまで手慣れてるとは思わなかった」

 

「輸血開始します」

 

「意識が飛んだ事を確認切除開始」

 

「切除開始」

 

「キッドナイフを焼いて消毒して」

 

「お、おう」

 

「母さん輸血のパック追加」

 

「了解」

 

 

 

 

 

 

 

「虫垂炎治療成功、続いて腸疾患に対する治療を継続する」

 

「下痢止め……よりも点滴の量を増やすか」

 

「薬の調合をしないと……」

 

「母さんとキッド手伝ってくれてありがとうね。あとはなんとかなりそう」

 

「そうか……ふぅ」

 

「2人共ごめんね。私が拾ってきたばっかりに」

 

「いや、お母さんはあってたと思うよ……この子虐待されていたのがすぐにわかったし、誘拐しても私達が保護した方がこの子の為だよ」

 

「母さん気にすんなー」

 

「……しっかしあの国は内部から改革しないとダメね……私に国をも変える力が有れば……」

 

「俺らが暴れたところで国は変わらない……まぁ俺はそんながらじゃないけどアルジェントは違うでしょ」

 

「この世の中は不平等が多すぎる。私は平等な世界を求める者……そう社会主義の様に」

 

「どちらかというと共産主義では?」

 

「失礼ね! 国家を破壊まで持っていく趣味は無いわよ。資本主義の一部は市場経済に必要な事だとわかっているから私は社会主義者なの」

 

「へいへい……それよりもこの男の子どうするの? 母さん」

 

「勿論鍛える……ココアで培ってきたモノを遺憾なく発揮する」

 

「無理させちゃダメだからねお母さん」

 

「あの~俺も無理したくはないかなって」

 

「キッドは大丈夫。多少無理しないと覇気が身に付かないから」

 

「嫌だ! 死にたくない!! 死にたくない!!」

 

「死なせないから安心してよ……ね!」

 

 キッドはオーロによって鍛練場に連れていかれた……南無三

 

「私はこの子の看病で当分付きっきりになるから船はお母さん頼むね」

 

「わかったちなみに次はキッドの弟達が居るマハオタルって島に向かう」

 

「マハオタル? ……聞いたこと無いけど」

 

「世界政府非加盟の全国民が貧相で内乱が絶えない国だね……とりあえず男の子の容態が安定するまでそこに寄ろうと思う」

 

「キッドとの約束も有るから?」

 

「そうね……キッドには弟さん達が安心して暮らせるだけのお金を払う約束だけど、マハオタルに住ませるよりもモーリシャス王国に住ませた方が安心だと思う」

 

「まぁモーリシャス王国は家が有るからそこに住まわせれば暇しているお手伝いさんの2人もやりがいが出るんじゃない? お母さん」

 

「そうね……そうしましょう。一旦帰ることになるけどその方が安心ね」

 

 船は全速力でマハオタルに向けて舵を取る

 

 マハオタルに到着する少し前に昏睡を続けていた男の子が目覚めるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは?」

 

「起きた! ふぅ。眠り続けて2週間起きないかと思ったよ」

 

「お姉さん誰?」

 

「私? 私はアルジェント。君を治療した者だよ」

 

「あ、ありがとう」

 

「ゆっくり休んでな。今流動食を持ってくるからね」

 

「おう! よかったぁ……起きたか」

 

「誰?」

 

「俺はオーロ。俺も治療をした者だ。で、こいつが」

 

「キッド……オーロでがげんじでぐれ」

 

「こいつも治療に手伝ってくれたんだ。あと俺達の母さんのフューチがいる」

 

「……僕はどうなるの? また犯されるの?」

 

「あ? しないよそんなこと。ゆっくり休んで良いからね。ほら食事だよ」

 

「べちゃべちゃしてる」

 

「今まで眠ったままだったからいきなり固形物はお腹がビックリして危ないからね……ほら、お姉さんが食べさせてあげる」

 

「はむ」

 

「坊主名前と年齢、親とかわかるか?」

 

「名前……サンデー・サイレンス年齢は……7歳」

 

「7歳か! 俺らと同じ年だな」

 

「……はぁ!? え!? オーロ7歳って嘘だろ!!」

 

「なんだ? キッド驚くことか?」

 

「いやいやいや18とか20くらいだろ! 3メートル有る体格に引き締まった肉体……確かに顔は15位には見えなくないが……でも7歳はねぇだろ」

 

「あ、これ悪魔の実でこうなっただけだから」

 

「じ、じゃあアルジェントもか?」

 

「あぁ、アルジェントも7歳だよ」

 

「ぐわぁぁぁ常識が! 俺の中常識が崩れる!!」

 

「煩いキッドは置いておいて、親とかはわかる?」

 

「母親はウィッシングウェル……宮廷のメイドだった……親父はヘイロー」

 

「ヘイロー!? ヘイローって国王の?」

 

「……僕みたいなのは沢山いる。ただ僕は運が無かっただけ」

 

 俺達は絶句した

 

 国王の子供が……いくら正妻じゃないからって奴隷どうぜんの身分まで落ちているとは考えられないから

 

「僕は生まれつき足が悪い……だから騎士にはなれないと思われて捨てられた」

 

「そうか……そうか。頑張ったな」

 

「母さんにも伝えないと……俺外に出てる」

 

「わかった。この子の面倒は私が引き続き見る」

 

「頼んだアルジェント」

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっかー、国王の子供だったか」

 

「そっかーって軽いよ。あの国は狂ってるな。国王の子供でさえ才能が無いと思われたら捨てられるのかよ」

 

「だからあのヘイローっていう国王は精神異常者なんて呼ばれるんだよ」

 

「……サイレンスは足が悪いのは確かだが、歩けないってわけじゃない。杖を使えば確実に歩く事はできる」

 

「まぁ今はゆっくり休んでもらおう……もうすぐ着くよマハオタルに」

 

 

 

 

 

 マハオタル……内乱と紛争の国

 

 国民は150万人ほどと言われているが、正確な数字は誰も知らない

 

 150年前に世界政府加盟国から何らかの理由で脱退して以来この国は平和とは無縁の内乱と紛争を続ける国となったらしい

 

 現在も政府軍、反乱軍、マフィア、商人連合、海賊、無政府主義者の6つ巴の大戦乱の最中である

 

「ジョニーボル、アントニー大丈夫だったか!!」

 

「「兄ちゃん!!」」

 

 久しぶりの兄弟の再開である

 

「兄ちゃん……親切にしてくれていたマージルカおばちゃんがついこの間反乱軍の砲撃で亡くなったよ……」

 

「兄ちゃん怖いよ……」

 

「大丈夫だ。この国から離れて安全な国に脱出しよう」

 

「うん……ごめん兄ちゃんのくれたお金ほとんど逃走や闇市での買い物で使っちゃって」

 

「大丈夫だ。ごめんな今まで出稼ぎでお前達を安全な場所に連れていってやれなくて……本当にごめんな!」

 

「キッド! この国はヤバい! 小船の私達の船じゃ砲撃されたら一溜りもない!」

 

「あぁ、弟達をよろしく頼む!」

 

「ジゲジゲポケット! スキマワープ」

 

 キッドの弟達を回収するとすぐに私達は船を出した

 

 砲撃の音が島を離れても聞こえてくる

 

「腐ってるなぁ」

 

「なにがだフューチさん」

 

「国がよ。この国は終わってる……どこの勢力が勝とうが150年も内乱が続けば致命的だ」

 

「……」

 

「私は変えたい……世界をより良くするために」



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運命の選択肢

 第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 とりあえず私の家にキッドの兄弟を住まわせ、キッドは見つかるわけにはいかないので異空間でお留守番です

 

 現在私はモーリシャス王国のG-6支部に戻ってきています

 

「ファルケンハイン少将お疲れ様、私が不在の間に何か変わった事は?」

 

「は! 大きく変わった事といえばドックで改修工事をしていた3隻が砲の近代化改修が完了いたしました」

 

「お疲れ様、近海の海賊討伐はこれで行えるかな?」

 

「はい! 後装施条砲の10cm単装砲の威力は絶大でした。並みの海賊であれば遠距離からの砲撃で沈みます」

 

「今年度の新隊員の数は?」

 

「約300名ほど確保できました。近隣諸国の巡航の数を増やした為志願兵が集まってきました」

 

「そうか……ナボール島に行ってきたが、増えた人員を抽出して派出所の設置と巡航ルートに組み込んで欲しい」

 

「派出所は100名程でしたら可能かと」

 

「うん。それぐらいでいい」

 

「了解しました。資材等は勿論ナボール島が出してくれるよ」

 

「あぁ、良かったです。現在3、4、5の島の開拓で資材が高騰しておりまして……」

 

「やっぱりかぁ……当面は新造艦は中止だねやっぱり」

 

「はい……」

 

「他には何かある?」

 

「いえ、他には大きく変わった事は有りません……あ!」

 

「ん? なんだい?」

 

「民間企業がトラックに砲を付けた兵器を売り込んで来ましたがいかがしますか? 自走砲とは少し違って判断が難しいので保留にしていますが」

 

「トラックかぁ……一応関係者呼んでくれる」

 

「は!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラインメタル社の社長ラインメタルでございます。中将殿ご健康でなにより」

 

「君はダイヤルエンジンを搭載した輸送車を販売していた会社だよね。なぜトラックに砲を?」

 

「いまだに5の島では猛獣がたまに出ることがございまして、高機動、高火力の兵器が存在すれば開拓もより楽になると思った次第です。既に国軍には卸している品でして、海軍にもどうかと思った次第です……はい」

 

「商品名は?」

 

「テクニカルと言う名称で呼んでおります」

 

「テクニカル……」

 

 そちらの世界でも有るテクニカル……武装トラックがそのまんま私が居ない間に開発されていた

 

 高機動、高火力で不整地地帯でも走れるように半装軌車の開発も進めているとの事

 

「トラクターとバイクの融合ねぇ」

 

「はい! 雪が積もる4の島ですと普通のタイヤでは上手く走れないので無限軌道車が幅を利かせてきましたので、今後開拓が増え、整地されていない場所が増えると見越しての開発になります」

 

「……水上に進出しない?」

 

「はい? え? 水上ですか……それでしたら船が……」

 

「戦車」

 

 私は黒板にそちらの世界ではルノーFT-17軽戦車と呼ばれる物を描いていく

 

「回転式の砲塔に無限軌道、鉄の車体これが戦車だ」

 

「す、素晴らしい……」

 

「ダイヤルエンジンは水を燃料に動くから無制限に動かすなら海上の方が都合が良い、陸上用と海上用に分けて海上用は波を計算しながら砲撃する必要が有るけど、水上から地上に向けて進撃できる兵器が有れば海軍としてはありがたいけど……」

 

「ぜひ開発させてください!!」

 

「よし! 戦車は頼んだ!! 一応テクニカルも基地や派出所用に何台か購入させてもらうよ」

 

「ありがとうございます」

 

「難しいと思うけど頑張ってくれ」

 

 

 

 

 

 

「よろしいので?」

 

「何がだい? ファルケンハイン少将」

 

「そもそも戦車というものが開発に時間がかかるから砲の自走化を進めると言っていた気がするのですが……」

 

「まぁそうだけど海軍として開発するとまーた天竜人に功績を取られる可能性が高い。海賊が使用なんてしたら凄く困る……まぁ動力源は押さえてるからどうしようとなるけど……リスクを減らすならここの民間企業に委託した方が良いハズだよ」

 

「装甲船の設計図等は海軍本部に提出しているのでしたよね」

 

「したけど当面は作れそうもないらしいよ。まだ最終防衛兵器……まぁ強靭な壁なんだけどそれの建造が最終段階だからまだ装甲船に使えるだけの鋼が確保できないらしい……まぁ装甲化したところでダイヤルエンジンを積んでないし、スクリュープロペラも無い帆船だと凄まじく遅い船になって使えるか不明だけどね」

 

「ダイヤルエンジンを本部に回さなくてもよろしいので?」

 

「この島で使う分だけでもホワイトランドの貝の養殖場は悲鳴をあげてるんだ。これ以上は無理だよ」

 

 それに大型ダイヤルエンジンの開発には私が手を施して一部ブラックボックス化させてある

 

 分解、解析しようにもブラックボックスが解析できなければ最大出力が出せないだろう

 

 ……ガトリング砲で学んだからなこっちは! 

 

「くっくっくっ」

 

「悪役みたいな笑い方になってますよ」

 

「うるさい! ……今後の方針だけど今まで通り。まだ私は出掛けてくるけど……あ、そうそうベリヤ大尉を少し借りたい。見込みが有るから鍛える」

 

「まぁ1人くらいなら別に良いのですが……ココア大尉とかはいいのですか? 連れていかなくて」

 

「ココア抜いたら実働隊が困るでしょ。なんだかんだ能力で船の緊急時の修理ができるの彼女だけだし」

 

「まぁそうですが……」

 

「それにココア大尉は私が十二分に教えた! 私が居なくてもやれるようじゃなきゃ困るからね!」

 

「……次はどこまで?」

 

「ワノ国まで……ちょっと約束事が有ってね……まぁ、途中で幾つか島に寄って悪魔の実集めをしてくるけど……これを機に勢力を更に変えようと思う」

 

「勢力を……ですか」

 

「ビッグマムと白ひげの戦争、シキ死亡により空白地帯となった領域、新しい小勢力が幾つかある……制御可能なら良いけどそうじゃないのが有ってね……だからワノ国に行く」

 

「死なないでくださいよ本当に……フューチ中将が亡くなったらG-6支部は崩壊してしまうんですから」

 

「なーに、ホフマンとファルケンハイン君らが居るじゃないかココア達を上手く使えば大丈夫」

 

「本当に頼みますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて顔合わせだこちらが突撃隊隊員第一号のベリヤ大尉だ。そしてこちらが大怪盗のキッド君だ」

 

「ベリヤですよろしく」

 

「キッドだ」

 

「母さん2人になーにさせる気?」

 

「いやー、これから地獄に向かうから信じられる人を集めただけ」

 

「あのー、私も居るんですけど突撃隊って何ですか?」

 

「あ、ココアには言ってなかったね……うーん、私の親衛隊ってところかな。CP居るじゃん、あれを私も欲しいのよ」

 

「誘ってくださいよフューチさん、えぇ! 私が知らないところでハブられた!」

 

「ココアは海軍で順調にいけば中将クラスになれるじゃん。影響力有るから突撃隊に加入するよりは海軍に専念してもらいたいし」

 

「嫌です! 入ります!!」

 

「まぁ、良いけど……でもココアは今回の作戦お留守番だからね」

 

「えー」

 

「……ちょっと真剣になるよ。これから私達はワノ国を救出に向かう。途中悪魔の実を回収しながら進む……それでも約2ヶ月かけてワノ国に入国したらワノ国の大名光月おでんに接触する」

 

「え? おでんさんに何か有るの!?」

 

「「おでんさん……ああ、ロジャーの船に居たサムライ?」」

 

「オーロとアルジェントは知ってると思う、まあ知らない2人に説明するとワノ国は将軍という国王と、大名と呼ばれる貴族が統治する国と思っていい。現在その国王が海賊の手下に成り下がっている……これをおでんが討伐しようと事を起こす」

 

「ちゅ、ちょっと待ってお母さん! その情報はどこから?」

 

「ジゲジゲの能力は異次元を作り出すだけじゃない。異次元と交信する事……技術ばかり目立ってきたけどこの世界のある程度の出来事は交信する事により手に入れる事ができてきた。シキがメルヴィユに居ると予想できたのも能力のお陰だ……話を戻す……光月おでんは本来ならば海賊と激突した上で海賊に捕まり、処刑される人物であるが、その海賊退治に我々が参加する事により歴史を変える」

 

「ロジャーの船に乗っていたクルーが負けるって相当だな」

 

「光月おでん……思い出したぞ懸賞金が残ってたハズだ……俺が知っている限り12億の懸賞金額だった奴だぞ……それが負ける海賊っていったい」

 

「百獣海賊団船長百獣のカイドウ……私も過去に負けている」

 

「フューチさんが負けている……」

 

「それって後に四皇の1人だよね」

 

「四皇……4人の新世界の海支配者……過去は白ひげ、ビッグマム、ロジャー、金獅子の4人だったが今は2人……これにカイドウともう一人台頭してくる者を合わせた未来の支配者達の事だね……その話はどうでもいい。とにかく今回はカイドウをこの手で抹殺するのを目的とする……いいね!」

 

「尚更私も……」

 

「ココア。私達に何かが有った時にこの島を守れるのはあなたしか居ないの……頼む」

 

「……わかった」

 

 こうして歴史を変えるため私達は動き出した




転生者ですがオーロとアルジェントはワノ国編の内容を知りません


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生け贄

 第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 キッドの兄弟を私の家に、サイレンス君をモーリシャス王国の病院に預け、私達は海に出ました

 

 私には2つの選択肢が有った

 

 おでんさんを見捨てる選択肢とおでんを助ける選択肢だ

 

 おでんさんを助けなければ史実のようにカイドウとオロチの支配の下でワノ国は開国もせずに緩やかな滅びに向かうハズであった

 

 主人公の登場まで……

 

 おでんさんを助けたらどうなるか……それは未知が待っている

 

 ONE PIECEのワノ国編そのものが無くなる可能性が高く主人公のルフィの強化やゾロの刀問題等が消えるかもしれない……が、知ったことか

 

 今までおでんさんに助けられてきた……その恩返しをする番である

 

「来年に事件が起こる事は確定しているんだ……だからなるべく早く到着しなければ……」

 

「母さん今から気張っても仕方ないでしょ……」

 

「まぁそうだね……途中何ヵ所か寄りながらワノ国を目指すけど正しい海流を選べるかなぁ」

 

「だからワノ国はまだまだ先でしょ」

 

「はいはい、わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私達はワノ国に行くまで激しい戦闘訓練を続けていた

 

 ベリヤは武装色、見聞色、六式を覚えているがキッドはまだ全然扱えてない……しいて言うなら武装色の覚えが良いが、まだ完全習得には至っていないのでワノ国に着くまでに習得させなければならない

 

 そんな中、私達は物資の補給の為にテンガン山という海底火山の噴火によってできたトキワ岬に来ていた

 

「悪魔を捕まえたぞ!! これを生け贄にすれば島のヌシも落ち着くだろう」

 

「いや! 火炙りにして遺骨を奉納すべきだ」

 

 なんか凄い物騒な話を村人達がしていた

 

「何事ですか?」

 

「この島に住み着いていた悪魔を捕まえたんだ」

 

「悪魔?」

 

「あぁ、悪魔だ! 黒いコウモリみたいな翼に先が尖ったしっぽを持った人に化けた奴だった」

 

「あぁ、まさかリリスが悪魔だったとは思いもよらなかったがな」

 

「リリス?」

 

「あぁ、この島のシスターだったがついに正体を見破った! ここ数日の天変地異は奴の仕業だった!」

 

 天変地異……

 

「ああ! 海が裂けたり、空が割れたり、地震が頻発していたんだ」

 

「……」

 

 天変地異に心当たりが有った

 

 私とオーロ、アルジェントが戦闘訓練と称して近海で本気で戦ったのだが、その時の衝撃がこの島から見えていたとしたら……

 

「やらかしたな」

 

 後ろで話を聞いていたオーロとアルジェントも自分達のやらかした事だと話から気がついた様だ

 

 オーロなんかめっちゃ汗かいてるし

 

「し、島のヌシとは?」

 

「竜神様だよ。この島から続く海底洞窟の底に居るとされる神様だ……こうやって天変地異が起こると竜神様が怒っているとされ生け贄を捧げるんだ」

 

「今回は悪魔が手引きした事だから竜神様が怒っている理由も悪魔を殺せというものだろう!」

 

 これは……完全に冤罪だその捕まって生け贄にされそうになっている人……

 

 私達は広場に向かうと逆さまに磔にされた女性が居た

 

「違うんです! 不思議な果実を食べたらこの様な姿に!!」

 

「黙れ悪魔が!!」

 

「死ね!!」

 

 村人達はヒートアップして石を投げている

 

「やめてください! 痛い! やめて!!」

 

 既にボロボロだが血が登って顔色が凄まじく悪い

 

 一刻の猶予もないと判断した私は覇王色の覇気で周りを囲んでいた村人達を気絶させた

 

「オーロ、アルジェント! 彼女を助けるよ」

 

「「はいお」母さん!!」

 

 私達は縛ってあったロープをひきちぎると女性を解放した

 

「げぼっげぼっ……助かりました……危うく殺されるところでした」

 

「大丈夫? ゆっくり呼吸しようか……オーロ、アルジェント異次元に彼女を飛ばすから治療してあげて」

 

「母さんは?」

 

「ついでに竜神とやらを殺してこの島のふざけた生け贄の制度を破壊する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここ数ヵ月で嫌な物を一杯見てきた

 

 貧困、紛争、内乱、奴隷のように働かされる人々……それが蓄積して私はイライラしていた

 

 それをぶつける為に始めたオーロとアルジェントとの戦闘訓練だったのだがそれがこの島を混乱させ、無関係な女性が傷つく事件へと発展させてしまった

 

 私の不用意な行動浅い考えでの行動により人が傷ついた

 

 それが私は許せなかった

 

 身から出た錆……じゃないが、自信の行いが自信を結果的に苦しめてる……馬鹿じゃないか

 

 何がおでんさんを救うだ

 

 無関係な人を傷つけてるじゃないか

 

 

 ズドン

 

「何が竜神だ。人食い大鯰じゃないか」

 

 私は鯰を一撃で仕留めるとジゲジゲのポケットの中に放り込んだ

 

「視界が狭まっているな……もっと広く色々な物事を見て聞いて、考えなければ……これから歴史を変えるんだろ! 世界をひっくり返すんだろ! ……考えろ……考え続けろ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鯰を広場に置いた私は物資の補給も終わらないまま島を出た

 

 近くの無人島に船を止めると私も異空間に入った

 

「た、助かりました……いてて」

 

「安静にしてね」

 

「本当に殺されかけたので命の恩人です」

 

 部屋にはベリヤとキッドも居てベットに横たわる女性から話を聞いていた

 

「すまなかった。天変地異の原因は私達だ。私達の考えが足らずにこの様な事になってしまい誠に申し訳ない」

 

 私は頭を下げた

 

「へ? いやいや人がどうこうできるものではありませんよ。天変地異は神が与えた試練です。本来ならば教えを解き、村人の方々にも協力して乗り越えなければならなかったのに……残念です」

 

「嬢ちゃん、中将が言っていることは本当ですよ」

 

 ベリヤが口を挟む

 

「この方は海軍本部中将で能力者、それにオーロさんとアルジェントさんも悪魔の実の能力者で中将のお子さんになります。これでもお二人は7歳なのです」

 

「え? いや、普通に青年……」

 

「7歳です。こっちのアルジェントも7歳の双子なんだ……似てるでしょ」

 

「ええ、まぁ……」

 

「お姉さんも能力者でしょ。こんな翼としっぽが生えて」

 

「そ、そうです! 何か知りませんでしょうか!! 果実を食べたところこの様な異形な姿に」

 

「ジゲジゲポケット……えっとねぇ」

 

 私は空間のスキマから書類を引っ張り出す

 

「この島で生成される悪魔の実はデビデビの実の悪魔人間になる悪魔を食べましたね」

 

「悪魔の実……ですか?」

 

「海の悪魔の化身から能力を身に宿す……まぁ食べると異形になったりこの様に」

 

 正確には違うのだけれどもそれは最後の島で見た私しかわからないので黙っておこう

 

 私は異空間を紫色の作り出す

 

「特殊な能力を宿すことができるのです。あなた名前は?」

 

 知っているけど一応聞く

 

「リリスです」

 

「えっとデビデビの実の能力は飛行能力、テレパシー、怪力か、能力が覚醒すると羊の巻き角が生えて多産になると」

 

「た、多産!?」

 

「子供は普通の子供らしいけど一回の性行為で72人もの子供が産まれたとの伝承が有るね……」

 

「ひ、人じゃあ無いじゃないですか!!」

 

「悪魔の実なんてそんなものだよ……どうする? とりあえず保護するけど、これから決戦に向かう旅をするんだけど……」

 

「……治す方法は……」

 

「一度食べたら死ぬまで能力と付き合う事になるよ。あとカナヅチになる」

 

「な、治らないのですか……これも神が与えた試練でしょう。旅に同行させてください。能力を使いこなして救って頂いた恩を代えさせてください」

 

「わかった。で、あなたは海軍と突撃隊どちらに所属したい?」

 

「か、海軍と突撃隊ですか?」

 

「海軍は世界政府の管轄下で、突撃隊は私の親衛隊。私の親衛隊だから給金とかも私が出すし、拘束も普段はしない……まぁ今回みたいな決戦に向かうとかは同行してもらうけど」

 

「じゃ、じゃあ突撃隊で……」

 

「はいよ」

 

「あと人殺しは覚悟しといてね」

 

「え……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~19年後~

 

「うてー!!」

 

 ドンドンドン

 

「リリスSA(突撃隊)大将砲撃完了いたしました」

 

「この地を更地にするまで砲撃せよとフューチさんからの命令です。続けなさい」

 

「は!!」

 

 あの出会いから19年……私はシスターという神の教えを捨て、俗世に還元し、突撃隊を率いて任務をするようになっています

 

 今まさに世界をひっくり返す大作戦の中突撃隊が持つ戦艦を動かし砲撃を行っています

 

「まさか私がこの様になるとは……」

 

「ホフマン大将より連絡です……砲撃やめ、新世界に帰航する」

 

「わかりました。テレパシーで各艦の指揮官に伝えます」

 

 眼下で燃え盛る城を眺めつつ私は呟く

 

「フューチ提督……私は最後まであなたに着いていきますからね」



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慎重に

「この海流……着いたワノ国へ」

 

 うねり狂う海流、荒れる海

 

 正しい海流を選ばなければ渦潮に巻き込まれて船は大破してしまう

 

「ここが正念場だ! みんなしっかり捕まってな!!」

 

 

 

 

 

 

 トキワ岬から約1ヶ月半

 

 補給に島に何ヵ所か寄りながらワノ国を目指し進んでいった

 

 永久指針が無いので地図と海図を頼りの航海となったが無事に目的地近くまで来ることができた

 

 とにかく1ヶ月半でキッドとリリスの即戦力化を急いだ

 

 ……キッドは武装色の覇気をなんとか習得し、リリスはデーモンハンドという技を覚えるに至った

 

 デーモンハンド……悪魔の手

 

 手を巨大化させて対象を握り潰したり、叩いたり、殴ったり

 

 とにかく手を巨大化させることができ、持ち前の怪力で敵を粉砕する

 

 デビデビの実の能力により簡単な自己回復能力もあるみたいで鉄砲くらいなら3発は耐えれる様に仕上げた

 

 ただまだ覚醒していないので回復もゆっくりだし、四肢が捥げたり斬られたら回復しない様で、左腕を縫って訓練中の事故で接合する羽目になり縫い目が見えるようになってしまったりもした

 

 あとベリヤにイパイパの実を食べさせインパクト人間にした

 

 衝撃を操る能力で、打撃を何倍もの強さにしたり、衝撃を飛ばして攻撃したり、微弱な衝撃をソナー乗様にして探知したりと若くして覇気と六式を短期間で習得した要領の良さを存分に発揮し、ある1ヶ月半である程度の完成度になるに至った

 

 極めればグラグラの実と戦える能力だけに成長能力は折り紙付きである

 

 が、それは未来の話で、今は上記のような3つを主体とする能力でしかない

 

「とにかく正解の海流に乗ってなおかつ滝登りをしなければならない……本当は白舞って地域にある正規の港を使用したいが、将軍の部下達にバレるわけにはいかない……まぁ遅かれ早かれバレるっちゃバレるが入国すら困難になるのは避けたい」

 

「だから密入国を?」

 

「そう! おっと荒れるねぇ……私の航海技術は並みじゃないよ!!」

 

 私は舵を取る

 

 海流に負けないようにダイヤルエンジンもフル稼働だ

 

 ブロロロロとけたたましい音が聞こえてくる

 

「異空間に皆居て良いのに」

 

「いえ! フューチ中将が頑張ってる中、我々だけのうのうと異空間に居るわけには!!」

 

「そうですよ! フューチさん! 帆を張ったりするの手伝いますからね!!」

 

「ベリヤにリリス……よーし! 海流を突っ切るぞ!!」

 

「「「おお!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 海流を突っ切るとそこには巨大な滝が有った

 

「ここからは私が……ジゲジゲポケット!!」

 

 船の前方に異次元を出現させる

 

「異次元に入っても船から降りる事の無いように!!」

 

 グニョンと船が異空間に入るのを確認したら、私は月歩で滝を登る

 

 滝を登りきったら異空間から船を出して先に進む

 

「峠は越えた!! 待ってろおでんさん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 プルプルプル プルプルプル

 

「おお!? なんだ! なんだ!!」

 

「おでんさん! 巨大電伝虫が鳴ってる!!」

 

「今まで鳴ってるの見たこと無かったぞ」

 

「待て待てお前ら……俺が出る」

 

 プルプルプル プルプルプルガチャ

 

「もしもし!」

 

『その声……おでんさん!!』

 

「ん? まさかフューチか!!」

 

『はい! お久しぶりです! 良かった……間に合った』

 

「間に合った? どういうことだ!」

 

『久しぶりに占いと言いますかなんというか……おでんさん! あなたに死の未来が見えた』

 

「俺が……死ぬだと!? どういうことだ」

 

『そのまんまの意味だよ。今年中にあなたは死ぬ運命だ』

 

「誰に何でだ!」

 

『病気を疑わないあたりおでんさんらしい……詳しい話はそちらに着いてから話す。今九里ヶ浜と思う海岸に居るから来てほしい』

 

 ガチャ

 

「お前ら九里ヶ浜に向かうぞ」

 

「おでん様! また海に飛び出したりはしませんよね」

 

「俺もそこまで馬鹿じゃねぇ。奴らとの約束もある」

 

 おでんが言う約束とはオロチと結んだ毎週1回黒炭家への謝罪踊りをすることでカイドウに貢がれる100名の命を救い、巨大な船を作り終えたらこの島から出ていくというものだった

 

「俺は死ぬわけにはいかんのだ……この国の未来の為に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私達は浜辺に打ち上げられた船を異空間に収納するとおでんさん達が来るのを待っていた

 

「やはり来て正解だった」

 

「あれは……工場?」

 

 オーロとアルジェントが月歩で空を駆けると各地から黒煙が昇るのが見えたらしい

 

「百獣海賊団の武器を製造している工場だよあれは」

 

「百獣海賊団……」

 

「懸賞金25億8000万ベリーの海賊ですね百獣海賊団のカイドウと言えば」

 

「そうだベリヤ。……ただ懸賞金以上に強いのは確かだね」

 

「12億と25億がこの国に……」

 

「今から会うのは12億の方……こっちも懸賞金額が過小評価されている人物だよ」

 

 ドドドドと砂煙が舞い上がって何かが近づいてくる

 

「フュ────チェ──ー!!」

 

「おでんさん!! こっちだこっち!!」

 

 ドバーンとおでんさんが止まった衝撃で砂が舞い上がり、それが思いっきり私にかかる

 

「……」

 

「おお! 本当にフューチだ! おめぇ年取らねぇな!!」

 

「砂を思いっきりかけといて第一声がそれですか!! おでんさん」

 

「すまんすまん! 久しぶりに見知った顔が見れて嬉しくてな……後ろの奴らはなんだ? 知らない顔だが」

 

「オーロ、アルジェント来なさい」

 

「「はい!」」

 

「オーロ……アルジェント!?」

 

「久しぶりですおでんさん」

 

「こんにちはおでんさん」

 

「お、俺はこんな大きな奴ら知らねぇぞ! モモの助より小さかったハズだろ!」

 

「俺達も悪魔の実の能力者になったんですよおでんさん」

 

「悪魔の実……なるほど、その能力で成長したというのなら分からなくもない」

 

「「「おでん様!!」」」

 

「おお! 来たかお前ら」

 

「おでん様! いきなり飛び出すのはやめてくだされ! あなた様は九里の大名なのですぞ!!」

 

「わかってる! そんなこと!!」

 

「家臣の皆さん、少しだけおでんさんを借りたい……良いですよね?」

 

「良いわけあるか!! 何処に連れていく気だ!!」

 

「異次元……なーに1時間で戻りますから」

 

「ならば拙者も連れていけ!!」

 

「すまねぇが錦えもんも連れていってはくれねぇか。じゃねぇと話はできなそうだ」

 

「かまいません。錦えもんでしたか、ここでの話は他言無用でお願いしますね」

 

「わかっておる!」

 

「ジゲジゲポケット」

 

 グニョンと異空間が出現する

 

「こちらにどうぞ」

 

 私はおでんさんと錦えもんを異次元に案内する

 

「皆は侍達と交流を深めていてよ……なに、すぐに戻るさ」

 

 そういうと私も異次元に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「茶と菓子だ。まぁ座ってよ」

 

 私は近海で入手した抹茶とそれを使った菓子を出す

 

「抹茶か……良く手に入ったな」

 

「近海で海賊を倒したら積み荷に抹茶の粉末が有ってね……今回はそれを出させて貰った」

 

「おでん様拙者が毒味を」

 

「大丈夫だ! こいつはそんなことをするような奴じゃねぇ」

 

「ですが!」

 

「毒味を許してあげなよおでんさん。それだけ慕われてるなんて羨ましいよまったく」

 

「そ、そうか……ホレ」

 

「ではいただきます……なんと美味な」

 

「抹茶のシフォンケーキだよ……どう? 美味しいでしょ」

 

 錦えもんはコクコクと頷く

 

「おい! 錦えもんもう良いよな俺も食べるからな」

 

 おでんさんもケーキを食べ始める

 

「食べながら聞いてほしい。おでんさん、私はあなたとオロチが結んだ約束を悪魔の実の能力を使って知っている。で、その未来も知っているからここに来た」

 

「約束……おでん様! 拙者知りませんぞ!!」

 

「裸踊りをしているでしょ……あれには1回踊る毎に100名の人がオロチから助ける約束をしているんだ。そして船を作り、オロチとカイドウは国を出ていく……そうでしょおでんさん」

 

「あぁ、有ってる!」

 

「おでん様!! なぜ我らにその約束を教えてくださらなかったのですか!」

 

「何処の誰が聞いてるかわからねぇからな。密約をばらしてしまえば反故にされかねねぇ」

 

「おでんさん、残念だけどオロチがその約束を守る気は無いよ」

 

「なに?」

 

「私の能力は異次元と交信して情報を得る能力だけど、オロチは既にこの国をどう滅ぼすかしか考えていない……邪魔になるおでんさんを消す機会を図っている」

 

「なぜお主がそんなことをわかる!!」

 

「それが私の能力だからとしか言えない」

 

「よせ錦えもん……フューチの能力は俺もよく知っている」

 

「出過ぎた真似をしました」

 

「反故にするっつたな。それと俺の死がどう繋がる? ……カイドウに突っ込むか?」

 

「あぁ。突っ込む。ヒョウ五郎親方をカイドウの元に連れていかれ、その奥方を射殺、子分も数名死人が出る」

 

「なに!? 本当か!!」

 

「本当だ。今ならまだ間に合う……私達と共にカイドウを討とう」



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カイドウ殺害計画

「……私は今何処にカイドウが居るかを知らない。おでんさんは知っているかい?」

 

「あぁ知っている……今兎丼を拠点にしていたハズだ」

 

「兎丼……すまない。私はこの国の地理が簡単にしかわからない。おでんさんに着いていくことになるけどいいね」

 

「あぁ、かまわねぇ……オロチの約束とお前の能力だったらお前を信じる」

 

「おでん様! しかしこの者は外部の者……万が一にも裏切られるということもあるかと!」

 

「錦えもん! こいつは仲間だ。俺の仲間が俺の危機にこの過酷な国へやって来ただけで信用に値する!」

 

「……失礼しました」

 

「カイドウを殺害するにはカイドウの部下1000名を同時に相手することにもなると思う……万が一トキさんやモモの助君、日和ちゃんに危害が加わらない様に誰か残した方が良いと思う」

 

「それだったらヤスさんに頼む。俺らの出せる戦力は全て投入した方が良いだろう」

 

「ありがとうございます……カイドウの能力は私がよく知ってるので」

 

「教えろ……竜の様な姿になることは知っているが、どれぐらい強いか正確には知らねえ」

 

「過去に戦闘した時には火炎弾を口から放ち、巨大な牙や爪で近接攻撃を、中距離は長いしっぽで攻撃してきます」

 

 私は過去にカイドウとの戦闘を包み隠さず話した

 

「もっともこの話は彼がルーキーだった頃の話で、今は更に成長していると思われます……おでんさんと互角かやや相手が上と思ってください」

 

「なるほど……他に注意すべきなのは」

 

「幹部の火災のキングと疫災のクイーンが厄介でしょう。両者は近年カイドウに加入したと海軍側で情報があり、前者が9億ベリー、後者が8億ベリーの大物です」

 

「9億と8億か……厄介だな」

 

「ただ疫災のクイーンは科学者でもあるのでBC兵器を使用してくる可能性が有ります」

 

「BC兵器? なんだそれは?」

 

「生物科学兵器……毒ガスです」

 

「毒ガス……味方がいるのに使うと言うのか!!」

 

「錦えもんさんの言う通り普通の海賊なら使いませんが、彼らなら使う可能性があるかと……一応ガスマスクを配ることはできますが……過去にそれだけでは止まらずに大打撃を受けた事がありましてね……」

 

「いや、呼吸できるだけでも十分だ。毒ガスに怯えていたらカイドウに一太刀入れることが叶わないかもしれないからな」

 

「……では人数分配っておきます」

 

 私は異次元から十数個ほどガスマスクを渡す

 

「かたじけない」

 

「感謝するぞフューチ!」

 

「いつ仕掛ける?」

 

「明日の夜仕掛ける。今日中にヤスさんにこの事を伝えろ錦えもん」

 

「はは!」

 

「今日はそちらの城で待機して良いですかおでんさん」

 

「あぁ、かまわねぇ。久しぶりに俺のおでんを食っていけ」

 

「助かります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グニョン

 

「「「おでん様!!」」」

 

「すまない心配かけたな……錦えもん直ぐに行け」

 

「は!」

 

 錦えもんはそのまま走っていった

 

「おでん様! 錦えもんに何を」

 

「俺はカイドウと戦う覚悟を決めた」

 

「おお!! 遂に!!」

 

「明日こいつと一緒にカイドウと戦う……紹介するロジャーの船で料理長をしていた」

 

「フューチです。現在は海軍の中将をしています」

 

「え!? フューチさんロジャーの船のクルーだったんですか!!」

 

「あ、ごめんリリスに教えてなかったね……海賊王の元クルーだよ」

 

「こいつはつえーぞ……覚悟を決めろ! 明日兎丼でカイドウを討ち、この国を救う」

 

「「「おお!!」」」

 

「……」

 

「母さん?」

 

「いや、何でもない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺がもてなせる最高の料理……おでんだ!!」

 

「「「おお!!」」」

 

 夜になるとおでんの居城九里城にて歓迎の宴会が開かれた

 

 そちらの世界では普通の箸の扱いに私は慣れてないため突き刺して食べてさせて貰ったが、なぜかオーロとアルジェントは普通に扱えていた……教えた覚えはないんだけどなぁ

 

「フューチ!!」

 

「おお! モモの助君大きくなったな」

 

「えへへ! 拙者いつかお父様みたいな格好いい侍になるでござる!」

 

「そうかそうか……慕われてるねおでんさん」

 

「あぁ、自慢の息子だ」

 

「モモの助君、君は将来将軍として国を背負うことになるだろう。その時は私が挨拶に出向く。良いかな」

 

「うん!」

 

「良い子だねえ! おでんさんみたいに破天荒にはなっちゃダメだからね」

 

「こら! フューチ!! 聞こえているぞ!!」

 

「ふふ、ごめんごめん」

 

「めっちゃうめぇ! これめっちゃうめぇ!」

 

「キッドそれは大根だよ」

 

「大根か! 弟達にも食べさせてやりてぇ!!」

 

「作り方知ってるから帰ったら作ってあげるよ」

 

「本当か!! やったぜ!!」

 

 キッド、リリス、オーロ、アルジェントは宴会に馴染んだ様だが、ベリヤだけはピリピリしていた

 

「ベリヤどうした?」

 

「いや、情報が漏れなければ良いのですが」

 

「ちょっと話そう」

 

 私はベリヤを連れて少し席を外した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「情報は漏れている」

 

「な! それでは敵は警戒するのでは」

 

「うん。ただ、万全の状態で敵を壊滅させるのが今回の目的だ。キッドとリリスは後方から機関銃の射手をやってもらい、なるべく雑魚を減らすように動いてもらう」

 

「しかし我々は十数名に対して敵は1000名なのでしょ……勝てるのですか?」

 

「カイドウさえ殺せばあとは烏合の衆なんとかなる」

 

「……誰が情報を漏らしているのかはわからないですよね」

 

「あの赤髪の男……カン十朗は内通者だ。何か有れば殺れ」

 

「は! フューチ中将わかりました」

 

「そこに隠れている忍者出てきな」

 

「……バレたでござるか……カン十朗が内通者だと! 我々おでん様の部下に内通者等と言う不埒な輩は存在せん!」

 

「いや、奴は狂人だ。私は能力によって知っているけど……そう言っても友人がいきなり裏切り者だと言われても困るよねそちらは……まぁ私達も彼が裏切る様子が無ければ何もしないから……明日の決戦頭の隅に入れといておくれよ。そもそも明日決戦って情報は赤鞘九人男である君らと私の仲間しか知らないまぁ私の仲間の中に裏切り者が入る可能性が君からしたら有るけど、それを言っていったらキリがない……でしょ」

 

「そうだな。これは拙者の中に留めておく。ベリヤと言ったな。カン十朗を傷つけるような仕草をしたら拙者雷ぞうが許さない」

 

「それは構わないが俺も諜報機関出身……暗殺は得意だ。せいぜいボロが出ないことを祈るんだな」

 

「ベリヤ煽らないの……はい! この話はおしまい!! ……あ、そうそう、カン十朗の利き手は右手だ。なぜ絵を描くときに左手で描くのかね」

 

「な!?」

 

「宴会に戻るよベリヤ」

 

「は!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 トキさんと久しぶりに会話をした

 

 子供達の事

 

 おでんさんの事

 

 この国の事

 

 近状報告等々彼女は生き生きと話していた

 

「ねぇトキさん。トキさんは最後の島の住民だったんじゃないんですか?」

 

「え?」

 

「昔あなたの話を聞いていてふと思ったのですよ。生い立ちの事を料理している時に話してくれたじゃないですか」

 

「ええまぁ」

 

「それで最後の島の図鑑にはトキトキの実を食べた者をこの国から逃がしたと書かれていましたので今度会ったら聞いてみようと思いましてね」

 

「……確かに私はあの島で育ちました。が、戦乱の中未来に逃げた時には国は滅びていました。両親がワノ国からやって来た者達だったこともあり、ワノ国を目指し、危険があれば時間を超えて次なるジョイボーイが預言者より言われた約800年先の未来で待つ使命を受けました。しかし、おでんさんに出会って冒険して……恋に落ち、子供を作った今、ワノ国でゆっくりと待つことにします。明日この国の未来が変わると信じています」

 

「必ずこの国を変えてみせます……安心してください」



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VSカイドウ

 原作開始18年前……

 

 巨大な力と力が激突する

 

「いやー!! 絶景かな!!」

 

「フューチ殿! そんな悠長な事を言っている場合ではござらんぞ!!」

 

「錦えもんさんごめんって……でも見渡す限り敵、敵、敵……殺りがいがあるねぇ」

 

 グニョンと私はマキシム機関銃を異空間から取り出す

 

 ドスンドスン

 

「キッド! リリス! 使い方はわかってるね」

 

「「はい!」」

 

「掩護射撃を頼む。敵が近づいてきたら廃棄して良いから」

 

「了解!」

 

「わかりました」

 

「さぁ……戦争だ」

 

 味方は16名

 

 敵は約1000名

 

「お前ら……俺に命を貸してくれ!」

 

「「「おでん様!!」」」

 

「我ら、既に覚悟は決まっておりまするゆえに! 必ずカイドウを打ち倒しましょうぞ!!」

 

「おめえら……感謝するぞ」

 

「さて、オーロ、アルジェント」

 

「「はい」」

 

「歴史を変えるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おおおおおおお!! 

 

 私が吠えると同時に決戦の火蓋は切って落とされた

 

 ダダダダダンとマキシム機関銃2丁が放つ弾丸を見聞色でひらりひらりと避けながら突撃する

 

「ジゲジゲポケット100連撃ち」

 

 異次元から銃を出しては発砲し、出しては発砲してを繰り返す

 

 撃った銃は異次元に収納され使い捨てること無く回収する

 

 弾丸に覇気を纏わせ殺傷能力を高めたボルトアクション式の威力は絶大で、覇気が甘い者は体の何処かに当たれば当たった部分を大きく抉り、その痛みによるショックで絶命する

 

「オーロ合わせて!」

 

「おう!!」

 

「「威国!!」」

 

 オーロとアルジェントの蹴りがぶつかり合う

 

 その衝撃で前方に居た敵が吹き飛ぶ

 

「いける! いけるぞ!!」

 

「おでんさん! カイドウまでの道を作る!」

 

「おう!」

 

「最大出力……緑線!!」

 

 両手を鍵爪の様な形を作り、指から緑色のビームを発射する

 

「覇王色……はぁぁぁ!!」

 

 ドクン

 

 バン

 

 覇王色の覇気で雑魚を気絶させる

 

「道はできた! 突っ込め!!」

 

「かたじけない!!」

 

 おでんさんがカイドウめがけて突っ込んで行く

 

 侍達やいつの間にか合流したくノ一が雑魚を圧倒している

 

 オーロとアルジェント、ベリヤも侍に負けずに敵を圧倒

 

「全く情けねぇ」

 

「同感だ……お前と同じ考えなのは嫌だがな」

 

「一言多いんだよキング!!」

 

「幹部か……さて、楽しませてくれよ」

 

「なぜ海軍がおでんに味方するのだ?」

 

「キング! こいつはロジャーを捕まえた海兵だ……名は……フューチだったはずだ」

 

「仲間を助けるために来たんだよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウォロロロ……おでんまさか今になって約束を反故するとはな……騙されたぜ……約束を最後まで守ると思っていたんだがな」

 

「守る気のねぇ約束は約束じゃねぇ! カイドウ! お前は出て行け!! ワノ国に二度と来るんじゃねえ!!」

 

 巨大な青龍の口から火球が放たれるがおでんはそれを切り捨てる

 

「全部嘘だったんだろカイドウ!!」

 

「ウォロロロ……そうさ、全部嘘だ。ワノ国の技術力は俺達の飛躍の為に使わせてもらう!!」

 

「く!! ……外道が……」

 

「もっとも……ヒョウ五郎一家と手を組んで反逆してくるものだと思ったがな」

 

「親っさんはオロチの監視だ。奴が動けねぇようにしてもらった!!」

 

「そうか……ずいぶん計画的じゃねぇか! 海兵の奴が吹き込んだ割には綿密だな」

 

「計画なんてもんはねぇ!! 各自が最善を尽くすのみ!!」

 

「ウォロロロ……お前がオロチを襲撃したあの時、人質を無視して行動していれば5年の年月を経たずに俺はお前に敗北していたかも知れねぇが、お前はそのチャンスを捨てた……チャンスってもんは2度はねぇ」

 

「……思うところが無いわけじゃねぇ……が、今を逃せば更に犠牲者が出ると判断した。現体制を破壊しなけりゃこの国に未来はねぇ!!」

 

「そうかい……だが死ね! 熱息」

 

「効かねえ!!」

 

 再び火球を吐いてきたがそれをおでんは叩き斬る

 

「桃源白滝」

 

 カイドウはおでんの技を牙で迎え撃ち、その衝撃波は戦場の端に居たキッドやリリスにも届いた程だった

 

 カイドウは髭でおでんを巻き取ると、そのまま遠くへ投げ飛ばした

 

「「「おでん様!!」」」

 

 おでんはその程度でくたばる男ではなく、おでんは態勢を立て直すと、再びカイドウに突っ込んでいった

 

「おでん二刀流……」

 

「桃源十拳」

 

「……斬りてぇのはお前の首一つ!!」

 

「熱息」

 

「負ける訳にはいかねぇんだ!!」

 

「なに!?」

 

「桃源十拳」

 

 目映い閃光と衝撃

 

 カイドウの体に十字傷が刻まれる

 

「うぉ──ー!!」

 

ドスン

 

 青龍の姿のカイドウの巨体が地面に落ちる

 

「「「よし!!」」」

 

「な!? 無敵のカイドウ様に傷が!!」

 

「うぬぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 カイドウは人間の姿に戻ると金棒の八斎戒を握りおでんを迎え撃つ

 

「ワノ国に二度と来るな!!」

 

「ぬぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「ふんぬぅぅぅぅぅぅ!!」

 

「助けて」

 

 カイドウへの最後の一撃を繰り出そうとした時

 

 そこにはモモの助が敵に捕まっていた

 

「モモぉぉぉ!?」

 

「ニキョキョキョキョ」

 

「な!?」

 

 ガツン

 

 カイドウの一撃をおでんはもろに喰らう

 

「ニキョキョキョキョ……私だよ」

 

「む、無念……」

 

 ドサ

 

 おでんは倒れてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「おでん様!!」」」

 

「ジゲジゲスキマワープ!!」

 

 私はおでんを回収すると私がおでんの居た場所にワープした

 

「史実で有ればここで勝敗が決するが……ここには私がいる」

 

「な!? カイドウ様の前にあの女行きやがった!!」

 

「カイドウ様の手助けに行かなくては」

 

「行かせねーよ」

 

「私達がお前らの相手だ」

 

 キングとクイーンの前にオーロとアルジェントが立ち塞がる

 

「カイドウ久しぶりだねぇ」

 

「海賊王を捕まえた海兵だったか。俺はお前に会った記憶はねーぞ」

 

「18年前ゴッドバレーに居た海兵。16年前に新人だったお前を捕まえ損ねた海兵だ……数多の海兵の無念今晴らしてみせる」

 

「ぐっ!? ぶは!! ウォロロロ……ウォロロロ!! やってみやがれ!! ぶっ殺してやる!!」

 

「ニキョキョキョ……どうするんだいカイドウ!!」

 

「ふん!」

 

 バチュ

 

 マネマネの実の能力者だった老婆の顔面が弾け飛ぶ

 

「余計な真似をしやがって」

 

 カイドウは口から血を吐きながらも私を睨み付ける

 

「こい!!」

 

「エース!! 力を貸してくれ!!」

 

 私は武装色で纏ったエースを抜く

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

「ふん!!」

 

 覇王色をも纏い、エースと八斎戒が触れる事無く激突する

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

「デスペラード改!!」

 

 目にも止まらぬ連撃を放つ

 

 ガギンガギンガギン

 

 触れていないはずなのに鳴る金属音

 

 衝撃は着実に傷付いたカイドウを蝕んでゆく

 

「ちまちまと!! 降三世引奈落」

 

「ローエングリン改」

 

 押し潰しにかかったカイドウの技を私はローエングリン改という流し技で回避する

 

 受け流された金棒は地面に激突すると同時にはぜた

 

「緑線」

 

「ぐ!?」

 

 振り下ろした隙を見逃さず私はカイドウの脇腹に緑線を叩き込む

 

 貫通はしなかったが更に血を吐いたため、確実にダメージは入っている

 

「よし!」

 

「あめぇ!! 雷鳴八卦」

 

 カイドウは崩れかけた態勢を立て直すと凄まじい踏み込みで私に突進してきた

 

「黄金障壁」

 

「あめぇってんだろ!!」

 

 バリン

 

 バリアが破かれると私の腹部に強烈な一撃が入る

 

「がは!?」

 

 ゴムボールの様に私は弾みながら吹き飛んでいく

 

 ドチャ

 

「お「母さん!!」」

 

「フューチ中将!!」

 

「ウォロロロ! 調子にのりやがって……む!?」

 

 ガキ──ーン

 

「はぁはぁ」

 

「ごふ……ウォロロロ! ウォロロロロロ!! 楽しませてくれるじゃねぇか」

 

「内蔵を含めた全身武装色を覚えていなければ死んでいたな」

 

「死ね!! フューチ!!」

 

「武装色……硬化……圧縮……」

 

「金剛鏑」

 

「神避」

 

 衝撃波と斬撃は相殺されるがその間も圧縮を繰り返す

 

 腕が小刻みに震える

 

 稲妻が全身から放たれる

 

「まずいな……降三世引奈落」

 

「圧縮……圧縮!!」

 

 私は手のひらを上に向けるとカイドウの一撃を受け止める

 

 衝撃で私は地面に腰辺りまで埋まるが、その間も圧縮を繰り返す

 

「捕まえた」

 

 ガチン

 

 カイドウの八斎戒に指が食い込む

 

「死ねカイドウ……黄金伝説」

 

 黄色と黒色が混じった極太ビームがカイドウを貫く

 

「「「か、カイドウ様!?」」」



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VSカイドウ2

 カイドウの肉体に極太ビームが直撃する

 

 エースから放たれた黄色い覇王色の覇気の塊は圧縮を繰り返した事で黒色が混じった美しさを感じる一撃であった

 

「武装色が漏れ出したか……」

 

 カイドウは八斎戒から手を離し、10メートルほど吹き飛び地面に落ちた

 

「……」

 

 私は殺ったと思った

 

 渾身の一撃である

 

 それを至近距離で叩き込んだのだ

 

 いくら最強の生物とはいえ死ぬだろう

 

「ウォロロロ……ウォロロログバッ!」

 

「な!?」

 

 私がカイドウの方を見るとカイドウが立っていた

 

「痛ぇじゃねぇかグボッ!」

 

 大量の血を吐き出しながらもカイドウは立っている

 

「……」

 

「ウォロロロ! 強い! お前は強い!! ……願わくば万全な状態で戦いたかったゴプ!」

 

「万全な状態では負けていた可能性が高いからね……この一撃でトドメを刺させてもらう」

 

「こい!! ……最高の一撃で迎え撃つ!!」

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 遡ること5年前

 

 ロジャーがクルー達と別れた少し後の事である

 

「ロジャー船長神避、神撃、神創を教えてください」

 

「なんだ急に改まって」

 

「ロジャー船長の技がここで失伝するのはあまりにも惜しいのです」

 

「そうか……嬉しいこと言うじゃねぇか……いいだろう」

 

「じゃあ!!」

 

「でも神避はお前扱えるだろ……見て覚えてるんじゃねぇか?」

 

「ま、まぁ……しかし有ってるか確証が無いです」

 

「見てやるよ……見せてみろ」

 

「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神避はほぼ同じだ。しいて言うならお前の覇気の扱い方の方が上手いから切れ味は俺より上だろうよ。まぁ威力は俺の方が上だがな」

 

「ありがとうございます」

 

「神撃は衝撃を点で打ち出す技だ。文字通り神を撃破する一撃だ。バレットの奴は耐えたが並みの奴なら即死の技だ」

 

「即死……」

 

「揺らすんだよ……細胞を衝撃で……心臓を、臓器を、脳の繋がっている部分を切断するんだ……その為には1点だけ斬ればいい」

 

「ロジャー船長……いったい何が見えているんですか?」

 

「そうだな……俺が見聞色をすると世界が透ける……白と黒で見えるんだ。そして少し先の未来も見える。透けた世界でここだって部分を突けば、それが弱点って奴だ」

 

「透けた世界」

 

「お前ならいつかこの世界に到達できると信じてるぜフューチ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「透き通る世界」

 

 私がこの世界にいれる時間は僅か5秒

 

 目の前から迫ってくるカイドウの体に光る場所が1、2、3……5ヶ所! 

 

 エースをカイドウに向ける

 

 腰をやや落とし霞の構えをする

 

 一歩、一歩カイドウが近づいてくるのがわかる

 

 光るヶ所が1つ1つと消えてゆく

 

 最後に残った1つが見えた

 

 残り3秒

 

 私の目は血管がバキバキに浮き出ており、そちらの世界では白眼発動時の様に顔回りがなっているだろう

 

 凄まじい負荷がかかる

 

「ぐう!」

 

 口から血が滲み出る

 

 食い縛っているためか歯茎から出血したようだ

 

「これで終わりにさせてもらう!!」

 

「ウォロロロ! やってみやがれ!!」

 

 大振りで放たれたカイドウの拳

 

 技名は無い

 

 無名の一撃

 

「神撃」

 

 どっという音と風がカイドウを通りすぎる

 

 カイドウの拳は私の頭に当たっていた

 

 当たっていたが力が入っていなかった

 

「カイドウ様……? カイドウ様!!」

 

「嘘だろ……嘘だと言ってくれカイドウ様!!」

 

 カイドウは口から大量の血を吐き出すとゆっくりと……ゆっくりと倒れた

 

 ドシャ

 

 私はエースを天に向ける

 

「カイドウ討ち取ったり!!」

 

「「「おおおおおお!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「糞! 糞!! 撤退だ野郎共!!」

 

「逃がすかよ!」

 

「ここで死ね!」

 

 オーロとアルジェントが撤退しようとしたキングとクイーンを釘付けにする

 

「悪いがここで死んでもらいたい」

 

「ONE PIECEの世界を良くするために」

 

「ワンピースだと?」

 

「キング手伝え!」

 

「言われなくてもやってやる!」

 

 カイドウが討ち取られ、幹部のキングとクイーンが釘付けにされていたとなったら、部下達は潰走状態となった

 

「やった……これでワノ国は救われる……」

 

 錦えもんは涙を流しこの出来事に喜んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 兎丼での決戦の結果は百獣海賊団総督のカイドウの戦死

 

 幹部2名の逃走

 

 カイドウの部下400名の逃走

 

 残り600名はこの戦いで戦死した

 

 一方九里の大名おでんも瀕死の重症を負ったが持ち前の回復力で3日目に目を覚ます

 

 私達の部下や、おでんの部下に死者は居らず完勝という形で幕を降ろす

 

「……」

 

 カイドウを殺した時に私は動物系幻獣種のウオウオの実モデル青龍も獲得し、今回のおでん救出もこなし完璧に目標を達成した

 

 カイドウの首はその日のうちに晒し首となり、九里に晒された

 

 おでんが起きていたらその様な事はしなかったかもしれないが、眠っていた為おでんの部下の侍達が晒し首とした

 

 おでんが起きる前に私は最後の仕事としてオロチ城内部にしのぶの協力の下侵入し、ジゲジゲの能力を使い黒炭せみ丸を拉致しようとしたが、お庭番衆にバレてしまい暗殺に切り替えバリアで守ろうとするもスキマを足元から出現させ、体の半分のところで閉じることにより次元ごと切断

 

 体を真っ二つにされた黒炭せみ丸は絶命し、オロチ最後の防壁を失う

 

 あとは簡単であった

 

 目覚めたおでんさんがオロチ城に突撃し、そのままオロチを斬首

 

 ここにワノ国でのオロチとカイドウの天下は終わりを告げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう行くのか祭りの後でも良かろうに」

 

「いや、私達は部外者……おでんさんがあとはやってくださいな」

 

 オロチ斬首から3日後ワノ国から私達は出国しようとした

 

 オロチが殺された翌日にカン十郎が不可解な自害し果てる事件も有ったがオロチが殺され、おでんの天下となったことで混乱も収まりつつある

 

 将軍就任の儀式も控えているおでんさんをこれ以上私達と一緒に居るわけにはいかない

 

「ワノ国を開国した暁にはフューチの居る国と貿易したいものだ」

 

「いいよ、じゃんじゃんしよう! 食料でも出稼ぎの人員でも歓迎するよ」

 

「おいおいこの国はオロチのせいでメチャクチャになってしまったから優し目にしてくれよ」

 

「外交ってのは相手は自国の利益を最大限にしようとするからね! まぁせいぜい使える文官を育てるんだね」

 

「それよりも白きっちゃんが戦争中ってのは本当か」

 

「あぁ、本当だよ。海軍も動向を見守っている状態だ」

 

「なるほど……カイドウの残党はどうするつもりだ?」

 

「居たら捕まえたり殺したりするけど積極的にどうこうはしない。というか探し回るほど私らも暇じゃない」

 

「そうか……本当に世話になったな」

 

「良い国を作ってくれよ……おでんさん」

 

「あぁ!」

 

 ガシッと握手をして私達は別れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ出発としよう!」

 

「待ってください!」

 

 私達がおでんさんから貰った物資を船に積んでいると浜辺から……ココアと同じ年くらいの女性が走ってきた

 

「すみません旅の人! 私も連れていってはくれませんか」

 

 巫女服の女性は私達に必死に旅に行きたいのだと懇願する

 

「外の世界は辛いし過酷だし残酷だよ? どうして旅に行きたいの?」

 

「この国に居ても私には未来が有りません! オロチ様が殺された今、私達を保護してくださる人物が居りませんゆえに……どうかお願いします!! 私を旅に連れていってください!!」

 

「ふふふ、ハハハ! 来るもの拒まず! 歓迎するよその勇気! お嬢さんお名前は?」

 

「スズカです! 黒炭スズカ!」

 

「黒炭……」

 

「ダメでしょうか?」

 

「いや! ダメじゃない! ようこそ突撃隊へ!!」

 

 ひょんな事から黒炭の姫を保護することになったなフューチ一行……カイドウ亡き世界でどうなっていくのか

 

 物語は大きく動いてゆく



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世界会議

 第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 えー、とりあえず山場を乗り越えたのでみんな楽にしています

 

 まぁ1人ピリピリしている子も居ますが……

 

 黒炭スズカです

 

 彼女はミコミコの実の巫女人間であり、占いをしたり、回復祈願で治癒能力を上げたり、豊作祈願や雨乞い、安産祈願……他多数

 

「神やん」

 

 祈願すれば良くなるという話で、ワノ国ではオロチが直接統治していた地域で祈願をやらされまくっていたらしい

 

 分家筋の血統なので本家筋であり将軍のオロチに馬車馬の如く働かされていたが一応身の安全の保証は有ったので生活できていたが、オロチ政権が崩壊したことで黒炭の自分は生きていく事が困難と判断して地域から逃走

 

 とにかく逃げて国外逃亡をしようとした結果、占いで九里にて旅人ありと出たので一筋の望みを賭けてこの船に乗り込んだらしい

 

「まぁカイドウを殺したのは私達だからオロチが殺される原因を作ったのは私達なんだけどね」

 

「それでも奴隷のように働かされるオロチ政権時代も、迫害され続ける新政権下よりはましです!」

 

 ビクビクしているが言うことは言うそれが黒炭スズカだった

 

 年齢は16歳……ココアと同じ年だ

 

 黒炭迫害時代、オロチ時代とあまり良い思い出が無いためワノ国に失望している節がある

 

「まぁここに来たからには賃金も出すから働いてもらうよ……祈願が出きるってことは医者、農家、漁師に引っ張りだこだと思うからその辺の知識を与えるか」

 

「生産系ばかりですね」

 

「私の名で保護はするから安心しなさい」

 

「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私はカイドウを討った事を海軍本部に報告し、ワノ国の内情を報告していく

 

 それはそれとして戦闘訓練もおこなうのだが、ベリアが教えるのが上手いのは嬉しい誤算だった

 

 キッド、リリス、新人のスズカの覇気習得の先生役を買って出てくれて、3人の教育を始める

 

 オーロとアルジェントは私から航海術を教え込んでいる

 

 新世界の悪天候はもう何十年航海を続けてきた私でも判断を誤れば死に直結するため教え足りるということはなく、帆の張り方から舵の取り方を手取り足取り教え込んだ

 

 そんなことをしていると約2ヶ月の航海でテンテン諸島に到着し基地に顔を出す

 

「フューチ中将お疲れ様です! カイドウ討伐新聞で読みました! 激闘だったかと思われましたが……どうでしたか」

 

「ファルケンハイン少将か、死にかけた。おでんさんがいなければ負けていたね」

 

「それほどでしたか……カイドウという男は」

 

「もう少し成長すれば白ひげやビッグマムと肩を並べる大海賊になっていたでしょう……監獄船を何隻も沈めている実力は確かだよ」

 

「そうでしたか……」

 

「ほれ、お土産」

 

「これは……悪魔の実」

 

「動物系幻獣種のウオウオの実モデル青龍……食べなよ。相当強いよこの悪魔の実は! なんたって空を飛べるし、雷操れるし、火球を吐けるし」

 

「いいのですか!」

 

「それだけの働きをしていると私は評価しているけど?」

 

「は、はい!!」

 

「さてそろそろだったよね」

 

「はい! 世界会議があと2ヶ月後に開催されます」

 

「だよね……この国の悲願である世界会議出席……ゾベルト三世と協議しなくては」

 

「直ぐに会談を行いますか? 調整は出きると思われます」

 

「うん、頼んだ」

 

「は!」

 

 

 

 

 

 

 

 2日後……モーリシャス王国国王ゾベルト三世と会談する運びとなった

 

「待っていたぞフューチ中将」

 

「ゾベルト王、ご健康そうでなによりです」

 

「うむ! 今回は我が王家悲願の世界会議出席についてだったな」

 

「はい。今回の話し合われる議題で目玉は王下七武海制度の開始にあります」

 

「なんだそれは?」

 

「世界政府で計画されている強い海賊の7名に対して海賊としての行為を黙認する代わりに政府に上がりの何割かを支払う、政府の意向に従うなどの制限をかして世界政府の戦力増強を行う制度です」

 

「それは……大丈夫なのか?」

 

「私から見ると欠陥だらけの制度ですが、それを行わないと世界の均衡を守れないと世界政府は判断したということです……海軍としては大海賊時代に敗けを認めたということですね」

 

「フューチ中将はどう思うのだ? ガープ中将と並ぶ海軍の双璧、緑狐のフューチとしては?」

 

「絶対に認めてはならない悪政ですが撤回させる政治工作を行えていなかったので諦めています。まぁこの国に影響がないようにだけ努めますのでそこは安心してください」

 

「うむ。一応私からは反対に投票しておくぞ」

 

「いえ、世界政府に目をつけられる可能性があるので、その場では賛成を表明してください」

 

「わかった」

 

「それよりも移民を加速させてください! マンパワーが足りなさすぎて開拓が6の島以降が全く進んでいないので」

 

「うむ、そうだな……移民だと反発を受けそうだから捨民の回収と言えば良いか」

 

「それは政府から私が認められているので別のにしましょう……世界政府非加盟国からの移民許可をいただきましょう」

 

「それは良いな」

 

「旅して非加盟の惨状を何件も見てきました……加盟国でも酷いところは酷いですがね……移民というよりも難民の方が正しいかもしれませんが」

 

「まぁ議題に出すのは良いだろう。それでいこう……あと注意すべき点は何か有るか?」

 

「天竜人には絶対に逆らわないでください。王なので土下座はしなくて良いですが、頭を下げるのは忘れないでください」

 

「わかった……いつ出発するのだ?」

 

「2週間後出発しましょう。護衛には海軍が全力で当たらせてもらいます」

 

「頼んだぞフューチ中将」

 

「は! ゾベルト王!!」

 

 その後は世間話をして会談は終わった

 

「そういえばホワイトランドのエンゼル様との政略結婚はどうなるでしょうか」

 

「うむ、ゾベルト四世……私の嫡子との婚約を進めているが上手くいくかは未知数だ」

 

「そこら辺は海軍は介入できないのでお願いしますよ」

 

「あぁ、わかっている」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 家に久しぶりに帰るとキッドの弟達とサイレンスがココアと遊んでいた

 

「ただいま」

 

「フューチさん、お帰りなさい!」

 

「フューチの姉さんだ!!」

 

「「フューチフューチ!!」」

 

「おおみんな元気そうだね……サイレンスも元気になって良かった良かった」

 

「2ヶ月前に退院して今は近くの学校に行っているんですよ」

 

「ココアそうなの……おいでサイレンス」

 

「うん!」

 

 痩せているし、杖を使いながらヨチヨチと歩くが元気になってきたようだ

 

「ねぇフューチ! 僕を鍛えて欲しい」

 

「なんで?」

 

「ゲユシで地獄体験したけど……いつか父を倒したい」

 

「ヘイローをかい?」

 

「捨てた事を後悔させたい」

 

 その瞳には復讐したいとどす黒い炎がメラメラと宿っていた

 

「わかった……教えてあげよう……キッドの弟達……ジョニーボル、アントニーも教えようか?」

 

「「サイレンスがやるならやりたい!!」」

 

「よし来た! キッドは覇気は覚えたからベリアに六式を引き続き教えてもらいな! リリスとスズカはこの子達と一緒に覇気の特訓ね!」

 

「「え、えー……」」

 

「シスターと巫女さんが弱くてどうするの!」

 

「いや、シスターも巫女も普通弱いですからねフューチさん」

 

「いや! 私の知るシスターは銃で武装して工作員として優秀だったり女教皇だけど刀で人とは思えない戦闘したりと凄まじく強いイメージ、もしくは腹黒」

 

「ひっどい偏見!!」

 

「え? 巫女は?」

 

「最強」

 

「え?」

 

「最強」

 

「えぇ……どんな巫女さんなの……」

 

 

 

 

 



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世界会議 2 武器等

 どうも第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 現在私は推進弾の発射実験に立ち会っています

 

「3、2、1……発射」

 

 歩兵1人が鉄パイプの様な筒からロケット弾が発射される

 

 それは白い煙を吐き出しながら的に向かって飛んで行き命中する

 

「携帯ロケット砲……バズーカの実験は成功です! 続いてトラックにロケット弾を積んだモデルになります」

 

 現れたのはそちらの世界で言うカチューシャだった

 

 打ち出されたロケット弾は島の山に命中し、破裂音が聞こえてくる

 

「推定射程は?」

 

「約7kmになります」

 

「名称は?」

 

「カチューシャです」

 

「ふむ……国軍は如何しますか?」

 

 国軍の将軍が答える

 

「国軍としては採用しようと思っている。海軍はどうだね?」

 

「海軍としてはバズーカは採用しようと思うがカチューシャは発射機構だけ外して大砲の様に運用するならできるでしょうね……7kmの射程は是非とも欲しい」

 

「ただ命中精度があんまりよろしくないので……」

 

「その分数を撃つわよ……コストは?」

 

「ニトロ茸の量産が可能になっているのでだいぶ安くできますが……1発1万ベリー程には……」

 

「まぁ妥当ねそれじゃあ5000発発注しようかしら」

 

「5000発注ですか!?」

 

「フューチ殿どこからそんな金を……」

 

「いやー、私の持っている保険会社に投資していた企業からの上がり、白ひげの領土との貿易や空ドックの貸付で儲かってるからね。5000万ベリーなんか私のポケットマネーよ」

 

「……魚雷はもう少しお待ちください。酸素魚雷の開発が難航しておりまして……」

 

「長距離魚雷と短距離魚雷だっけ?」

 

「はい。長距離魚雷の酸素魚雷は25km先の標的を攻撃することが可能ですが、速度が約時速95kmと短距離魚雷の方より遅くなっております。一方短距離魚雷の方は最大射程7km程ですが時速200kmのロケット魚雷となっております。フューチ中将が発案した魚雷前方より泡を発生させる機材を内蔵させることで水の抵抗を軽減し、開発に弾みがつきました」

 

「ならよかった。魚雷搭載艦の開発も進めるから魚雷は頼むね」

 

「はい! ロケット弾の受注ありがとうございました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モーリシャス王国でスラム街の撲滅に成功した

 

 空前の開発好景気により3の島、4の島に移住する民が続出し5000人程居たスラムの民は完全登用が達成しスラム街は無くなった

 

 スラム街が無くなった事で海軍に参加希望者がモーリシャス王国では減少傾向となったので周辺諸国から志願兵を募集

 

 約500名が集まり総勢約1500名の基地となった

 

 人員が増えたことにより教育隊の隊長に新たにダイ准将を任命し、覇気と六式習得を徹底させる

 

「今まで新造艦の建造が人数不足でできていなかったが、再開する。まずは小型船の駆逐艦の建造を始めようと思う」

 

 ただこの駆逐艦は私が日本海軍の松型駆逐艦をモデルにした船で短期間で大量に造れることにより技術の蓄積を目的としたものだ

 

 魚雷が完成するまではマキシム機関銃から発展させた新兵器MG34機関銃4丁と10cm単装砲2門を載せた船になる予定だ

 

 動力にはダイヤルエンジンの衛星ていう新型ダイヤルエンジンを載せ、スクリュープロペラ式と最新技術をこれでもかと使った船になる予定だ

 

 船員は1隻あたり200名

 

 装甲艦もダイヤルエンジン衛星を乗っけているので25ノットは出るが駆逐艦は装甲艦よりは小型なので最大27ノットは出る予定だ

 

 これらの計画はファルケンハイン少将のお留守番組に任せて、私は世界会議へと行くゾベルト三世の護衛に3番装甲艦を旗艦として他2隻も追随し、聖地マリージョアへ向かう事となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ではゾベルト三世陛下及び皇太子殿下聖地マリージョアへ向かいましょう」

 

「うむ。護衛は我が国の将軍が付き、それとオブザーバーでホワイトランドの護衛隊のペタン隊長が今回の会議に参加する事となった」

 

 今回の会議には参加できないが将来の事を考え、ホワイトランドからも代表を参加させた方が良いと思われ、代表にペタン隊長がまたしても選ばれた

 

「うっぷ……船にはもう乗りたくなかった……」

 

 相変わらず船酔いは酷いが頑張って貰おう

 

「ペタン大丈夫?」

 

「フューチ殿酔い止め感謝する」

 

「いや、まぁ良いんだけどさ……羽の飾りは今回取っておいてね」

 

「それまたなぜで?」

 

「奴隷にされかねないから」

 

「奴隷? 世界政府加盟国は奴隷は禁止なのでは?」

 

「その世界政府の法律よりも上に居るのが天竜人……彼らが欲しいと言えば非加盟国の貴方を奴隷として差し出さなければならなくなるから格好も甲冑で顔を隠して欲しがる要素を全て排除するから」

 

「……エンゼル様は絶対に行かせることはできませんな」

 

「顔良し、スタイル良し、知恵も有る彼女は絶対にマリージョアに行かせてはならない……たぶんマリージョアに行けばわかるよ。あそこは酷いよ」

 

「そうなのか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 途中海王類に襲われたり、海賊と戦闘したりして約1ヶ月の航海を終えレッドラインにあるレッドポートに到達した

 

 レッドポートの下ではマリージョアに向かうシャボンで出来たゴンドラ通称ボンドラがエレベーター式に回っており、天空に物資や人員が運ばれていく

 

「私は上から招集がかかっているので向かう! 護衛はチルノ准将、ルーミア准将、リグル准将とする! ミスティア准将はここで3隻の管理を任せる……以上だ解散」

 

 ゾベルト三世、皇太子殿下、将軍、ペタン隊長、私、さっき呼んだ准将3名がゴンドラに乗り込むと上に出発する

 

 他にも他の国の王族や護衛の人々で1つのゴンドラに対して30名近く乗り込んでいるようだ

 

「このボンドラはどの様な動力で動いているのでしょうか?」

 

「皇太子殿下……人力です」

 

「え?」

 

「奴隷達が歯車を人力で回して動かしております」

 

「そ、そうなのか……未知の動力源が有るのかと思っていたが……」

 

「恐らくこのボンドラだけでなく他にも多数人力で動く何かがあるでしょう……耐えてください」

 

「う、うむ」

 

「あら? 人力でも快適なら良いザマス! うちの国でも導入しようかしら」

 

「うむ、人等いくらでも取れるからなうちの国でも検討してみよう」

 

 私と皇太子殿下の話を聞いていた他の国の王族達がそう話す

 

 ゾベルト三世陛下や皇太子殿下、将軍にペタン隊長はその話し声を聞いて正気かと疑っているようだ

 

「王族なんて普通こんな感じですよ……その正しい感性を大切にしてください」

 

 私は小声でそう言った

 

 

 

 

 

 

 

 ボンドラが頂上に到着すると美しい景色が広がっていた

 

「聖地マリージョアでございます」

 

 聖地というだけあって美しき城パンゲア城が聳え立ち、トラベレーターという動く道が整備されている

 

「まさかこの動く道も……」

 

「地下で奴隷達が動かしています」

 

 パンゲア城に到着すると、私とチルノ准将、ルーミア准将、リグル准将は海軍が集まる会場に出席するために陛下達と別れた

 

「久しぶりだねクザン中将」

 

「おや? フューチさんじゃぁないですか! 久しぶりですね」

 

「クザン中将雰囲気変わったね。何か……あぁ、サウロ中将の件か」

 

「えぇ、まぁそれもあるんですが……一度自身の正義について考えまして」

 

「それは良いことだと思うよ……で、どこに向かえば?」

 

「あぁ、こっちですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう! フューチ!」

 

「お久しぶりですガープ中将」

 

 そこには中将達が勢揃い

 

 大将候補の3人は勿論、ガープ中将、つる中将に巨人族のジョン中将、モモンガ中将にドーベルマン、ヤマカジ、オニグモ中将が参加他にも有力な少将、准将が多数テーブルに座っていた

 

「何しに来た緑の女狐」

 

「おいおいサカズキあんまり挑発せん方がええでしょ~」

 

「赤犬に黄猿もいるじゃんよっこらしょっと」

 

 私も席に座る

 

「ロジャーに心酔しちょるお前さんが海軍中将とは世も末じゃ」

 

「そりゃどうも……で? だからなに?」

 

「ふん! 言いたかっただけじゃ」

 

 海軍側でも話し合いが始まる



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世界会議 3 海軍会議

「カイドウ討伐おつかれさんでしたフューチさん、で? どうでした? カイドウの奴はつよかったですかい?」

 

「強かった……流石怪物だと思ったよ」

 

「フューチさんがそれ程言うんなら強かったんでしょう……バレットや金獅子とどっちが強かったですかい?」

 

「クザン中将聞くねぇ……純粋な戦闘力ならバレットかな……組織力なら金獅子。両方を足して割ったのがカイドウって感じかな脅威だった」

 

「そりゃー凄い」

 

「ふん! それで部下を大勢逃がしてちゃぁしゃあないじゃろ!」

 

「……わっしからもええかい?」

 

「なんだいボルサリーノ中将?」

 

「なんで部下を連れていかなかったんだい? 居たら金獅子みたいに部下共々捕まえることができたんじゃないの?」

 

「確かに出来たかもしれないけど、今回は海軍というよりも友人を助けに行った一個人として動いたからね。海軍を動かすわけにはいかんでしょ」

 

「白ひげやロジャーの船に乗っていた侍……おでんか! どんな奴なんだ?」

 

「そうですねガープさん……一言で表すなら破天荒……ワノ国という鎖国国家を大改革する人物ですよ……たぶんガープさん好きですよ彼の性格的に」

 

「ガハハ! そいつは良いな! 会ってみたい」

 

「10年以内には会えるんじゃないでしょうか……ていうかガープさん白髪増えましたね」

 

「なにまだまだ黒髪の方が多いは! フューチは一向に老けないな」

 

「まだ32ですよここから60までは老ける気はありませんからね」

 

「ガハハ! そうじゃな! ワシよりも働いてもらわなくては困る……どうじゃ? お前さんなら大将になれるんじゃないか?」

 

「ガープ中将そいつぁ聞き捨てならねー、緑狐が大将になったら海軍内部の過激派を掃除したばっかりなのに復活させちまうでしょう」

 

「過激派って言っても強い者こそ大将にしたいというだけの派閥だろ! 別に問題ない」

 

「だからといってロジャー大好きな狐にやらせるわけにゃぁいかん!」

 

「私は大将になる気はあるよ……バレット、金獅子、カイドウでそろそろ世界政府にも有用性を見せたと思うけどね」

 

「じゃかましい! 狐が上司なるなど虫酸が走るは!!」

 

「おいおい、そこまで言わんでもええでしょ~サカズキ」

 

「ボルサリーノはどうなんじゃ」

 

「わっしはどうも思わんねぇ。上司が誰であろうと自分の仕事をするだけよ~」

 

「俺は良いと思うけどね」

 

「クザン貴様!!」

 

「大将になるには格ってのが必要でしょ。現に俺らはそれで足止めされてるわけだし、実績だけならフューチさんはずば抜けてるよ。短期間で大海賊3つに中小合わせたら50近く潰してるし」

 

「ワシらだって海賊の50や100くらい潰してるじゃろ!」

 

「でも大物は不在でしょ~」

 

「ボルサリーノお前さんはどっちの味方じゃ!!」

 

「どっちでもないよ~」

 

「まぁ私は私で今やることが有るから現体制に反対派とか過激派とか未熟者でもいいから人が欲しい船つくってるのに人が足りないんだわこれが」

 

「ずいぶん儲けているとも聞くが? フューチ中将何で稼いでいるのだ?」

 

「内緒と言いたいところだけどモモンガ中将も知ってるんじゃないの?」

 

「やはり白ひげとの貿易は儲かるのだな」

 

「まぁね……白ひげを潰すにも白ひげと貿易しないとやってけないのよ家は」

 

「海賊と取引じゃと!!」

 

「まぁまぁサカズキ落ち着けって政府でも問題視してる訳じゃないんだから」

 

「じゃが!」

 

「上から許可は貰ってるんだ。それよりもカイドウとも世界政府は取引してたらしいじゃない……海楼石の購入……ずいぶんカイドウの部下達の武器や船新しかったけどそこら辺どうなのかな? ザザビー中将?」

 

「わ、私か!? 知らんぞそんなこと!!」

 

「でもオロチを殺したら書類がでてきてるんですよね……確かあなた海楼石の取り扱い担当でしたよね? 何処から産出された物なんでしょうね? 最終防衛装置に使う大量の海楼石を混ぜた合金……政府に献上したことで貴方はこの地位に居るのでは? どうなのでしょうね?」

 

「し、しらん! 知らんぞ私は」

 

「まぁ尋問は後でも良いので皆さんでやっておいてくださいな……それよりも王下七武海制度……正気ですか?」

 

「海賊と取引しちょる狐、お前さんが言うんか?」

 

「世界の均衡というが、白ひげとビッグマムは戦争中、金獅子とカイドウは死亡、パトリック・レッドフィールドは消息不明、キャプテン・ジョンくらいじゃない? 怖いの? でもあいつも新世界ではなく楽園を選んでいる時点でたかが知れている……他の有象無象を抑制するためにわざわざ王下七武海なんてつくる必要があるんでしょうかね?」

 

「わっしは有ると思うよ~、ただでさえキャパオーバー気味なんだ。特にグランドラインを抑えるためには必要でしょ~」

 

「俺もボルサリーノの意見に賛成だ。フューチさんの懸念はもっともだが、使える戦力を集めないと大海賊時代を海軍は乗り越えられねーよ」

 

「ワシは狐と意見が一致するのはしゃくじゃが反対じゃ! 海賊を使うなんてろくな事にならんじゃろ」

 

「ガープ中将はどう思いますか?」

 

「ワシか? ワシとしては気持ちでは反対じゃが、現実的に賛成せざるおえん。比較的戦力の均衡を得ている新世界に居るから賛成といえるのであって4海と楽園は海賊だらけで世界は疲弊しておる。ここいらで何かしら動かんと海軍という組織が崩壊しかねん」

 

「まぁ新世界でヌクヌクしている私の意見は参考程度にしてもらって、そこまで本部は疲弊しているのですか?」

 

「フューチ中将はわからんかもしれませんが、新兵だけ多くて尉官等の指揮官が足りてないのが現状で、無理に指揮を任せるとほぼ潰れてしまうので……」

 

「尉官の育成得意だからやろうか?」

 

 ドーベルマン中将の発言に私はそう返答するが

 

「いえ、貴方が渡してくれたホフマン少将が頑張ってくれているので一応最後の一線は超えていません」

 

「ホフマン少将か……今何を担当してるの?」

 

「将校教育ですね。あと実力は有るけど思考に問題がある奴の隔離部隊も担当してますよ」

 

「おりょ? G-5に向かわせればいいじゃん」

 

「G-5は確かに素行不良の奴らが多い窓際支部だが、ホフマン少将が扱っている奴らは素行は優秀なんだ。ただ世界政府への忠誠心が欠落していたり、馬鹿だが実力だけは有ったり……まぁそんな奴らを集めて部署を創らせたが……」

 

「成果は良いんだがな……これで政府への忠誠心が少しでもあれば……」

 

「仕方ないですよドーベルマン中将、まぁ制御不能になったら私の所に飛ばしてください。補正するので」

 

「頼む……と言いたいが本部での貴重な外洋戦力だ。そうそう送ることはできん」

 

「うーん……チルノ准将、ルーミア准将、リグル准将誰か本部に戻りたい?」

 

「嫌ですね」

 

「嫌なのだー」

 

「勘弁してください。左遷させられた身ですよ」

 

「ごめんこいつら行かないんだったら尉官の派遣は無理だわ……というか新兵こっちにくださいよ。本部から新兵うちには来てないんですけど!!」

 

「我慢しろ。周辺の国から募集かければ来るじゃろ」

 

「やってますー、効果が微妙なんですー」

 

「四海……北海と西海から集めたらどうだ? 国も沢山有るから呼び込みやすいだろう」

 

「お前さんの船はパドルシップみたいに風がなくても進めるんだろ? 集めれば良いじゃないか」

 

「管轄外ですが良いんですか?」

 

「今さらじゃろ、なーに、ワシと実績で並ぶお前さんの部下になりたい民間人は沢山おるじゃろ! 行ってこいフューチ!」

 

「ガープ中将が言うならまぁ……」

 

 この後もサカズキ中将から嫌みを言われたりしたが、クザン中将やボルサリーノ中将が宥めて会議は進んで行く

 

 私も言いたい事は言ったので他の中将方の話を聞くが、やはり海兵の戦死も多いらしい

 

 死者数が金獅子その時に100名くらい出してしまったが、他の支部からしてみれば私の支部はどうやら凄い少ない方なんだとか

 

 有能な部下の戦死、嵩む遺族年金……

 

「いっそ懸賞金の低い海賊は捕らえて改心させて海軍に組み込む事はできないかねー」

 

「出きるのは私くらいだろうね」

 

 つる中将は能力でできるだろうが、私の場合は改心前に血祭りにしてるからなぁ……改心できるのであればさせた方が良いのかも知れないなぁ

 

 海軍側の話し合いも5日間行われ私の教育方法を教えたりもしたが、そんな覇気をコントロール出きるのはお前くらいだと言われた……

 

 ホフマンとファルケンハインに5人組にココアは出きるけどなぁ

 

 海軍じゃなければオーロとアルジェントも出きるけどなぁ……



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世界会議 4

 世界会議……レヴェリーが終了した

 

 会議では王下七武海制度が承認され、7名の海賊が選出された

 

 初期メンバーで名前が上がった中で有名なのは、ジュラキュール・ミホーク、クロコダイル、ゲッコー・モリアの3名

 

 あとは九蛇海賊団船長のボア・ハンコックの先代女帝とかが有名どころか

 

 あとは懸賞金4~6億の海賊が穴を埋めた

 

 その他には国の国境線のいざこざや大国が配下の小国をけしかけ争わせたり、貿易摩擦から戦争に発展するぞと脅し脅され、世界の国々が抱える問題が数々話し合わされた

 

 モーリシャス王国は、世界政府非加盟国からの移民許可を勝ち取り、貿易についてもドレスローザやプロデンス王国、モガロ王国等比較的隣国との貿易協定を結ぶことに成功する

 

 主に建材や鉱石、モーリシャス王国では栽培できない作物等の輸入となる

 

 モーリシャス王国側からは工業製品や加工品が輸出される

 

 実りが多く有った世界会議……しかし、ゾベルト三世陛下と皇太子殿下の顔色は優れなかった

 

「世界の王族とはこれ程までに強欲で自己中心的なのだな……特に4海の王族は国民を私財かなんかと勘違いしていないか? ……国民が貿易の材料とされていたぞ」

 

「奴隷制度……世界政府は禁じていたのではないですか……天竜人も……酷かった」

 

「陛下、殿下、世界なんてそんなものですよ……自分の国を豊かにすることすら忘れてしまった人々も居る……変えなければなりません……世界を」

 

「フューチ中将……頑張ってください。私には国の事でいっぱいいっぱいだ。経験もカリスマもある貴方なら世界を変えられるかもしれない」

 

「あぁ、必ず変える」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

 

「お帰りなさいフューチさん!」

 

「ただいまココア! 教育隊として居残りすまなかったね……ダイ准将やファルケンハイン少将とは仲良くやれたかな?」

 

「はい、可愛がって貰ってます」

 

「そうかー、それなら良かった良かった……あれ? オーロとアルジェントは?」

 

「突撃隊のベリアさんを除いた3名を鍛えてます」

 

「そうかそうか……」

 

「フューチさんはまた出掛けるんですか?」

 

「いや。当分ここに居るよ。ただ、来年から大型船を造って世界を回って兵の募集を行おうと思う」

 

「世界を回って兵の募集……ですか?」

 

「うん、北海と西海から兵の募集をしても良いとガープ中将から言われたからね……あとは魚人をこっちに引き込む為にもう一度魚人島に行ってくる」

 

「それは大きな船で?」

 

「いや、魚人島に行くには小型船の方が良いからまたいつもの小型船で行くよ……あ、そしたら大型船が出きる前に行っちゃった方が良いな」

 

「そしたら半年後にでも出発しませんか? 私も久しぶりにフューチさんと冒険したいですし!!」

 

「良いよー、突撃隊の面々は招集するけど良いよね?」

 

「はい!」

 

「じゃあ半年後を目安に出発しようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これからバンバン軍拡してくよ!!」

 

「気合い入ってますねフューチ中将……レヴェリーで何か有りました?」

 

「海軍本部が想像以上に疲弊してた。人集めて船造ってに北海と西海に進出して影響力高めた方が良い気がする! まだ白ひげとビッグマムの戦争が決着してない今がチャンス!」

 

「凄い目がキラキラしてますよ。でもそんなに人が集まりますかね?」

 

「かき集める! ワノ国とかオロチが死んだことで浪人が沢山出てるって情報を将軍のおでんさんから貰ったりしてるから狙い目だし、北海と西海の大国から本部の高い給料で人集めれば入りたい奴は集まるでしょ。質が低くても時間かければ上がるし、うちは訓練は地獄かもしれないけど払うものは払ってるし、怪我してもモーリシャス王国が好景気だから雇用先は腐るほどある! 今こそ大型船を造って人を集めるよ!!」

 

「どんな船を造るんですか?」

 

「ふ、ふ、ふ……これが1番工作艦だ!!」

 

 ドンと黒板にそちらの世界では大型空母と呼ばれる形に近い船の図面を出した

 

「甲板に重クレーンを3機、艦内に工作機を100セットほど入れる事で装甲車や船の修理を可能に! 漁業施設を入れる事で食料確保をしつつ、甘味や食料を調理する機材や器具を5ブロック入れる事で加工も行える! そして兵の収容が出きるように船内に収容施設を完備!! 砲は大きさ的に4門しか積めないけど! 長距離航行の時に必要な物は全て揃えている! 海に浮かぶドックだよ!!」

 

「フューチ中将が狂ったのだー!! 衛生兵を呼ぶのだー」

 

「私はいたって正気だ!!」

 

「これ甲板な理由有りますか? ドーム型にして覆えば良いんじゃないんですか?」

 

「……それだ!! ダイ准将!! そうすれば装甲車やトラックを甲板に野ざらしにしなくてすむ!!」

 

「あー、フューチ中将、この船ができるかできないかは置いておいて……どれぐらい予算喰うんですか?」

 

「そうだね……駆逐艦20隻分かな」

 

「……造れるんですか?」

 

「ガワはそんなに難しくないよ。駆逐艦よりも構造的には造りやすいと思う。内部が複雑化しているけどそれは外を造ってからでもなんとかなる。内部に複数の工房が稼働すれば自前で砲弾や弾丸を材料が有るだけ造れるのは大きいし、平時は海に浮かぶ工場として扱えば良い。魚も釣れるからこの国の食料事情を改善する切り札になり得るし……指揮所としての役割も有るから、大型電伝虫や普通サイズの電伝虫を置くスペースも大型船なら確保できる。攻撃力が足りない分は周りの艦で補えば良いからね」

 

「……一応使える艦なのですね……それなら私は文句は言いません」

 

「流石ファルケンハイン少将話がわかる! ……今から着工を開始したらたぶん来年完成になると思う。2の島のドックは8ヶ所で限界だから4の島に追加ドックを建造するよ」

 

「現在でも足りてませんか? 民間に貸し出している現状じゃない?」

 

「甘いねチルノ准将……私が目指す機動艦隊は約30隻程度纏まって動くんだ! だから並列で何十隻も建造できるようにならないと困るんだよ。余力が有る今にやってしまおう」

 

「重機は確保できますが、人員はどれぐらい割きますか?」

 

「教育隊や基地運営に支障がでない範囲で全て使う! 民間の建築業者も呼べる範囲で呼ぶよ」

 

「4の島に何ヵ所ドックを造るのですか?」

 

「乾ドックを22ヶ所造ろう……予算は何とかするし、世界一の艦隊をもって海賊撃滅をするよ!」

 

「海賊の……撃滅」

 

「ドックが30ヶ所になればウォーターセブンに匹敵しますね」

 

「鉱山送りの元海賊達もドック建造作業に従事させよう。頑張った者は恩赦すると通達してね」

 

「犯罪者を野に放つのですか?」

 

「いや、4の島で飼い殺しにするけど4の島にある民間施設への出入りを一部許可したりかな息抜きは必要でしょ。彼らは奴隷じゃないんだから」

 

「甘いですね」

 

「海軍に入りたいなら入っても良いって伝えてあるのに希望者は少ないからね。アメもないと苦しさだけじゃ人間は動かないよ……もっとも海賊は海賊だ。監視は徹底するけどね」

 

「「「は!!」」」

 

「さぁ人を増やしていくよ! 気合いいれていこう!!」

 

「「「はい!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドック建造と共に今までに無い大型船の建造が始まった

 

 ラインメタル社から試作型と呼ばれた戦車……まんまルノーFT-17が納入された

 

 これは陸専用と言われたが戦車開発も進んでいく

 

 機関銃もMG34機関銃に進化したことでマキシム機関銃よりも比較的安定した射撃性能を実現し、着々と海軍、国軍共に強化されていた

 

「……突撃隊の拡張もしたいがな」

 

 海軍と国軍の増強が進む一方突撃隊は全く拡張されていなかった

 

 しいて言うならスズカが豊作祈願や安産祈願など祈願を行ってお小遣い稼ぎを始めたそうな




小型船と行ってますがメリー号くらいの大きさはあります


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魚人島4

 第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 原作開始17年前になりました

 

 駆逐艦が建造され、船が4隻となりました

 

 ドックの拡張作業も順調に進み、現在は商船の建造と工作艦の建造に使われています

 

 忙しい中、私と突撃隊の面々とココアは時間を作って魚人島に再び向かっています

 

 今回はオーロとアルジェントはお留守番

 

 鍛えて欲しいと言っていたキッドの弟達やサイレンスを鍛えています

 

 ここで世界情勢の確認といきましょう

 

 まず大きな動きとして白ひげとビッグマムの戦争が自然休戦へ進み始めました

 

 白ひげの補給がパンクしたとの噂が有りますが、今まで戦えてこれたのはエドワードが死ぬ前に残した遺産(貿易や武器供給ライン等)の限度を超えてしまったかららしいです

 

 粘り勝ちのように見えるビッグマムも旦那達がことごとく戦死し、長男や次男等のできの良い息子、娘に戦力を移行していかなければならないダメージを受けました

 

 建て直すのには暫くかかりそうです

 

 あとはワノ国が開国しました

 

 おでんの尽力で開国に漕ぎ着けたようで勢力的には白ひげの縄張りに接しているので白ひげの縄張りになる日も近いかもしれません

 

 白ひげとビッグマムが疲弊していることで空白地帯が幾つかできました

 

 そこを新世界に進出してきた有象無象の海賊達が占領していますが、まぁ最高懸賞金額が9億とかそこらなので白ひげとビッグマムよりは恐くありません

 

 百獣海賊団残党は現在内部分裂を開始

 

 キングとクイーンが決闘を始めた様ですね……私も又聞きなので信憑性は皆無ですが

 

 あと、ガープさんにお孫さんが産まれたようで、主人公のルフィ(?)はちゃんといますよ

 

 よかったね

 

「さて、私は私の仕事をしますかね」

 

 目指すは魚人島……海底を小型船が潜っていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魚人島に到着した私達はネプチューン王に面会を求めた

 

「凄い……人魚と魚人がこんなに沢山」

 

「リュウグウ王国……本当に有ったんだ」

 

「同じ人類だから差別は絶対に駄目だからね……魚人達からすれば地上の民にあまり良い印象は無いの……まぁ白ひげの縄張りだからあまり過激な事はされてないけどね」

 

「ネプチューン王から許可が降りました! 海軍中将フューチ殿一行……どうぞ竜宮城へ」

 

「ありがたい……オトヒメ王妃は元気ですか?」

 

 私は衛門に立つ兵士に声をかける

 

「はい、今日も広場で演説をしていると思われます」

 

「そうですか……また声をかけないと」

 

「ではご一行様どうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりじゃもんねフューチ……今は中将かもん?」

 

「ええ、出世しまして」

 

「バレットに金獅子、そしてカイドウと強敵を倒していることは聞いているもん……今回は何様でリュウグウ王国に来たんじゃもん?」

 

「世界会議の詳細についてと移民受け入れの話です」

 

「世界会議の話から聞こう」

 

 私は世界会議で決まった王下七武海制度や地上での戦争状況、それによる貿易への影響を話していく

 

「ふむ、王下七武海か。危うい制度じゃもんね」

 

「私も危険視しておりますが、権力が足りず廃案にはできませんでした……申し訳ない」

 

「大丈夫じゃもん! 直ちに我が国への影響はないんじゃもんね? だったら大丈夫じゃもん」

 

「続きまして世界情勢ですが、白ひげとビッグマムとの戦争が終わりそうです」

 

「なに? それは本当じゃもんね!?」

 

「はい、約3年間続いた戦争ですが、両者痛み分けで決着しそうです。海軍としては動向に逐一注目しています」

 

「最強の海賊でもビッグマムの牙城は落とせなかったかもん……報告感謝する」

 

「はい、あとは移民受け入れなのですが、モーリシャス王国側は準備できているのですがいかがしますか?」

 

「うむ……移民希望者は約5万人オトヒメの呼び掛けに答えて集まった。何かしらきっかけが有れば開始しようと思っていたところだ。モーリシャスの王に伝えてくれ、年内に5万人の移民を開始すると」

 

「わかりました、伝えさせて貰います」

 

「うむ! 頼んだもん!」

 

「魚人街はどうですかねぇ……相変わらず無法地帯ですか?」

 

「あぁ、頭が痛いことにな……本当なら魚人街の面々みたいなのを行かせた方が両方にとって良いはずなんじゃもんが、選民思考というか、人間に対しての差別が抜けきらないから行かせるわけにはいかんのじゃもんね」

 

「下手に動かせば国民を売り払ったと見なされかねませんから仕方がないことですよ……ではそろそろ私達は失礼致します」

 

「魚人島をゆっくり観光していってくれなんじゃもん」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、王様の人魚大きかったですね」

 

「凄いモジャモジャしてたね」

 

「それにしてもこういう人種の方々が居るのですね……海底なのにまるで外に居るような」

 

「陽樹イブという珊瑚のおかげだよ。それによって光もあるし、空気もある……人口500万人を支える偉大な珊瑚だ」

 

「フューチ中将これからどちらへ?」

 

「とりあえず広場に私は行くけど、皆は各々行きたい場所が有るでしょうし、解散で。疲れたらホテルで休んで3日後に船で集合で」

 

「「「はい!」」」

 

「じゃあ解散」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この国を地上に移すのです! 皆さんの署名がリュウグウ王国を地上に移す最初の一歩となるのです!!」

 

「オトヒメ王妃!」

 

「まぁフューチさん! いらしていたのですね!」

 

 演説していたオトヒメ王妃の話が一段落するタイミングを見計らってオトヒメ王妃に話しかけた

 

「署名の方はどうです? 集まっていますか?」

 

「えぇ、やはり移るべき島が有ると説得力が増しますね! 見てくださいこの署名の束を」

 

「それは良かったです……次の世界会議には参加を?」

 

「はい! しようと思っています」

 

「そうですか……世界会議は色々苦労すると思いますが頑張ってください」

 

「ええ! ありがとうございます!!」

 

 私はオトヒメ王妃と握手をしてその場を離れた

 

 オトヒメ王妃は再び演説を始め、私は魚人街に足を運ぶ

 

 オトヒメ王妃の活動は本当に徐々にだが国を動かしているように見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魚人街に到着した私はまた手荒い歓迎を受けたが、全てあしらった

 

「つ、つぇぇ」

 

「糞! タイガーの兄貴が居てくれれば!」

 

「おりょ? フィッシャータイガーさんは不在か」

 

「あぁ! タイガーの兄貴は今居ねーよ! 残念だったな海軍!!」

 

「いや、まぁフィッシャータイガーさんが居ないんなら居ないで別に良いんだけどさ……君達海軍に入らないか?」

 

「海軍? は! ふざけんな!! 俺達は世界政府の犬になんか成りたくねぇ!!」

 

「だよねー……だったら私の部下にならないか? 突撃隊って言うんだけど世界政府や現政権からはみ出した者を集めてるんだけど!」

 

「突撃隊? なんじゃそりゃ! 海兵の下に付くなら政府の犬になるのと同じじゃねぇか!?」

 

「いや、指揮系統は別にしてある。あくまで私の部下ってだけ」

 

「それで俺らに何のメリットがあるんだよ!」

 

「強さと名声あと金だね……拡張している組織の初期メンバーだから偉い地位になれるよ! 人間の部下を操る事ができるよ! そこそこの金持ちになれるよ……そしてフィッシャータイガーを超える強さを手に入れる事ができるかもしれないよ」

 

「か、金を貰えるのか」

 

「そうだね……入隊したらこれぐらい出すよ」

 

 私は紙に魚人島の兵士の1.5倍の給料を提示する

 

「なんだ? なんだ? 何の集まりだ?」

 

「人間が荒くれ者達をのしたと思ったら勧誘を始めたんだと」

 

「何の勧誘だ?」

 

「突撃隊だとよ」

 

 遠巻きに見ていた人々も集まりだし私は勧誘演説を始める

 

「種族的に弱い人間でも覇気と六式という技術が有れば種族的に圧倒的強者である魚人や人魚の皆さんにシャボンの中という縛りをかしながら相手することができるんだ。訓練したら君達の方が強くなるはずでしょ……君達の力を見込んで頼んでいるんだ! 突撃隊に入らないか?」

 

「お、女でも入れますか!!」

 

「勿論! 種族、性別差別無く突撃隊は皆さんの入隊をお待ちしています」

 

 ガヤガヤと人が更に集まってくる

 

「炊き出しでもするか……海王類の刺身で良いかな?」

 

 私は異空間から海王類を取り出し、エースを使ってさばいてゆく

 

「せっかく集まってくれたんだ! 食べな食べな!!」

 

 私は時間一杯まで魚人街で海軍と突撃隊の勧誘を続けた



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人材集め

 よくも悪くもONE PIECEの住民は単純だ

 

 が、やはり人間の私を良いと思う人物は魚人街では少ない

 

 それでも強さを求めて何人も突撃隊に入りたいと言ってきた

 

 金に釣られた者、純粋に強さを求めた者、底辺から脱却したい者、食べ物を求めた者……正直ろくなものはいないが人魚、魚人問わず人が集まる

 

「ようこそ突撃隊へ……歓迎しよう」

 

 魚人街で集まった男女年齢もバラバラな約100名

 

 小型船のキャパオーバーであるが魚人島で大きな船を購入し、久しぶりの帆船で航海を始める

 

 これが魚人、人魚と人間の融和の第一歩と願いながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魚人島から出航した私達は早速入隊した魚人や人魚に訓練をといきたいがほぼ皆ガリガリで、ろくに食べていないようなので食事を振る舞っていった

 

「さぁ食べな!! まずは体を作ろう!!」

 

 船の甲板に大皿で並べられる料理の数々

 

 私とココア、リリスにスズカの女性勢が腹ぺこの皆に料理を提供していく

 

 途中から料理のできる魚人や人魚達にも手伝ってもらいガンガン料理や酒を出して宴会となる

 

 キッドがマジックを行ったりしながら場の空気が暖まってゆく

 

 私はその様子を見てこの光景を世界に拡大しなくてはならないと思った

 

「フューチさんなに黄昏てるんですか」

 

「ココアか……いや、この光景が全世界に広げなければと思ってね」

 

「なるほど……フューチさんの正義はまだ海軍にあるのですか?」

 

「……どうだと思う?」

 

「いや、私はフューチさんにずっと付いていくつもりです……いつかママと決着を着けなければいけないかもしれないですが」

 

「ビッグマムか……あそこの支配領域は狂気だからな……人の寿命を税金としているのはどうかと思う……が、国民が望んでいるから介入は後回しだね」

 

「次はどこに介入を」

 

「まずはワノ国の膿を回収する……私的には強い侍は得難い人材だからね……金で釣れるならそれでいい」

 

「突撃隊の存在意義有ります? 何に備えてるんですか?」

 

「そもそも突撃隊は私がすぐに動かすことができる戦力だから海軍にできない事をやらせるのにはピッタリなんだよね。例えば隣国等の政治に武力介入したりね」

 

「すごい物騒」

 

「物騒で結構……世界は更に混沌としていくよ」

 

「どんな世界なのフューチさん」

 

「少なくとも私が生きている間に大海賊時代は終わらせる……これは絶対にやらなくてはならない」

 

「フューチさんの役割ってなんでしょうね……歴史にとって」

 

「歴史か……ロジャーのクルー……いや、私は関門だろうね。ロジャーが残したONE PIECEの最終関門でなければならない」

 

「最終関門……」

 

「ぽっと出の小僧、小娘どもに前時代の恐ろしさを見せつけてやろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モーリシャス王国に帰った私はゾベルト三世に魚人、人魚移民の事を伝え、突撃隊の育成と海軍の仕事両方をこなしながら工作艦の完成を待った

 

 突撃隊と国軍、海軍の合同演習を行ったり、魚人や人魚のイメージ改善のためにパレードを行ったり、形になってきた戦車のお披露目、魚雷の完成による駆逐艦の完全体化のお披露目等をこなしつつ1年が過ぎていった

 

 原作開始16年前私は世界徴兵の第一歩ワノ国の浪人衆の回収に向けて着艦した1番工作艦【水星】の練習航海を終えた後、いよいよ動き出す

 

「突撃隊もこの船に乗せてよかったのですか? フューチ中将」

 

「あぁファルケンハイン少将……これから突撃隊との合同任務も多くなるだろう……世界を動かす第一歩を始めよう」

 

「はい!!」

 

 工作艦を囲うように駆逐艦と装甲艦3隻が囲みながら航行する

 

 途中の島に補給でよるついでにとある悪魔の実を回収することに成功した

 

 セイセイの実の精霊人間になる悪魔の実だ

 

「さて、5人組……じゃんけんだ」

 

 私はチルノ准将、ダイ准将、ミスティア准将、リグル准将、ルーミア准将の5人の誰かにあげると約束した

 

 その勝負はじゃんけん

 

 勝ったのはダイ准将だった

 

 悪魔の実を食べたダイ准将は男らしい肉体から中性的な姿に変わり、背中から羽が生えた

 

「これが……私ですか」

 

「綺麗だよダイ准将」

 

「鍛えた肉体が無くなって少し残念ですが、能力はどんなものなのでしょうね?」

 

「ジゲジケポケット……」

 

 私は悪魔の実の書類を取り出し説明する

 

「えーっと全種類の覇気が扱えるようになるのと、覇気を纏わない物理攻撃無効、エレメントっていう小さな光に体を分解することができる、飛べる」

 

「ではフューチ中将みたいに覇王色をあつかえるのですね!?」

 

「ようこそこちら側へ」

 

「おおおおおお!? やった!! フューチ中将みたいに強くなれる可能性があるだけで断然やる気出てきた!!」

 

「ダイ准将覇王色のコントロールをマスターするために今日から特訓するよ……なーに、痛みは感じないと思うから」

 

「……それ痛覚が壊れてません?」

 

 ニチャと私は笑みを浮かべる

 

「うわぁぁぁ早まったぁ!!」

 

 ダイ准将はズルズルと引きずられていった

 

 残った4名は合掌をした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 巨大ダイヤルエンジン衛星を8基も詰んだ工作艦水星は荒れ狂う海流を割るように進んでゆく

 

 正しい間違いの海流関係なく流れに負けること無く進むこの船に私は感動しながら潜港に到達する

 

「よく来たフューチ! 待ちくたびれたぞ!」

 

「おでんさん!」

 

 潜港に到着した私はおでんさんの歓迎を受けた

 

「しっかしでけぇ船だな……全面鋼でできてるのか……帆がねぇな! どうやって動く!」

 

「あぁ、空島の貝を組み合わせて動かしている。ウェイバーみたいに風が出ているわけじゃないけどね」

 

「なるほど……興味深いな……空島の技術が使われているのか……これがフューチの言っていた不沈艦か?」

 

「まさか不沈艦はこれから作るよ……それより紹介したい者がいる」

 

「誰だ」

 

 私はスズカを呼ぶ

 

 現在のスズカはそちらの世界の突撃隊と同じ服装をしている

 

 突撃隊の制服と言えばわかるだろうか

 

「お呼びでしょうか……フューチさん」

 

「おいおい凄い怯えてるじゃねぇか、俺はそんなに怖いか」

 

「は、はい……」

 

「この子は黒炭の姫……黒炭スズカだ」

 

「黒炭……」

 

「おっと斬らせないよ……黒炭の名はオロチ処刑で再び地に堕ちたけどオロチに忠誠を誓っていた者や黒炭であっても重要視されることで人を集めようと思う」

 

「うむ、浪人どもは集まるだろう……俺の事が苦手な奴も来るだろう、俺みたいに世界を見たい奴も集まるだろう……頼んで良いか?」

 

「来る者は拒まない! とにかく人手が欲しいんだ」

 

「わかった」

 

 こうしてワノ国の浪人や野心ある人物、外に出ようと試みた者を集めることに成功した

 

 



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フレバンス

遅くなって申し訳ない

ボチボチ投稿再開します


 第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 ワノ国での浪人や前政権のオロチに同調していて立場が無い人物やその家族達は約5000人も居ました

 

 全員工作艦に乗せモーリシャス王国に連れていきます

 

 モーリシャス王国に到着した一向は3の島に降り立ち資材を海軍側から出して町を作らせました

 

 いきなりワノ国から追い出されどこかわからない場所で生活させるのです

 

 せめて纏まって住むことで彼らのアイデンティティーの喪失は防がないといけません

 

 町が出きるまで海兵達を鍛えるために腕利きを雇って模擬稽古や戦闘訓練をさせ、海兵との融和を目指しました

 

「スズカ様、どうか手下にしてくだせぇ!」

 

「黒炭ですよ……良いのですか?」

 

「はい! スズカ様はオロチと違って我々に手を差しのべてくださってくれたのを我々は覚えております! どうかあなた様の手下として戦わせてくだせぇ」

 

 中にはスズカの下で戦いたいという物好きが何名も出てきた

 

 彼らはスズカの手下として組み込んで突撃隊に編入した

 

 その他にも魚人の移民第一団が来訪し、9の島、10の島の開拓も開始

 

 9の島、10の島はニュー魚人諸島と名付けられ共和制の王が居ない国となるようだ

 

 というのも魚人島のネプチューン王やオトヒメ王妃を移民達は崇拝しており、魚人島本島の影響下で活動するらしい

 

 諸外国からはニュー魚人島はモーリシャス王国の保護国として扱われ、大きな問題とはならなかった

 

 まぁ周辺に友好国がない、ビッグマムと白ひげの領土に接していて下手に触れたら破滅しかねないという切実な理由があったからというのもある

 

 ただこの頃とある記事にフレバンスで珀鉛病という未知の病が発見されたという情報が入る

 

「今動くことはできない……が、数年のうちに動くな。その時はココア頼むね」

 

「はい! フューチさん! この為に鍛えてきました! 体内の珀鉛の摘出も可能です!」

 

「よし! まぁ当分は周辺海域に捨民の回収作業を本格化させようビッグマムと白ひげが疲弊している今やらないとね」

 

「フューチさんが指揮を取るのですか?」

 

「いや、5人組の准将達にやらせる。いつまでも私が指揮をしていたら体が幾つ有っても足りないからね。同時に悪魔の実の回収も依頼しよう場所を記した地図を彼ら彼女らに配るココア一緒に頼むね」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 出会いが有れば別れもある

 

 原作開始15年前オーロ、アルジェントの2人が10歳となり、冒険に出る

 

 私は2人に銃を渡した

 

 私が作ったオンリーワンの銃だ

 

 私はこれを突撃銃と名付け弾薬も市販されているのを流用できる本当に特殊な小銃だ

 

 それに今まで私が使っていた小型船もあげた

 

「もう私が使うことも無いだろうからあなた達が使いなさい。何時でも帰ってきて良いんだからね!」

 

「母さん……この銃大切にするよ」

 

「お母さん……私は世界を回るよ。少しでも悲惨な生活をして居る人を救って見せる!」

 

「頑張って……何時でも戻ってきて良いから」

 

「「今まで育ててくれてありがとう!!」」

 

 2人は旅立っていった

 

 2人の冒険はまた後で紹介しよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 原作開始14年前

 

 フレバンスで国民が一斉に珀鉛病を発症

 

「ついに来た!! 全艦を出してフレバンス国民の救出を開始する!!」

 

 練習艦となった装甲艦3隻を残し造船した駆逐艦12隻、新型艦の駆逐艦を大型化させた主砲14cm単装砲の巡洋艦2隻、大型輸送船5隻、工作艦水星と豪華な布陣だった

 

 2年間で魚人5000名、侍1000名、5人組が世界中から集めた捨民1万名が新たに海軍に入隊しており、一気にG-6支部の海軍は急速膨張していた

 

 全員の覇気、六式習得はこの短期間では無理であるので順次行っては居るが現状完全習得者は10%といったところだろう

 

 それよりも航海術をみっちり鍛え上げ今回のフレバンス国民救出作戦に参加できるようにさせた

 

「1国全ての国民約50万人の救出だ! 絶対に成功させるぞ!!」

 

 フレバンスに急行したG-6の大艦隊は北の海に急行し、フレバンスの港に到着する

 

 するとそこでは既に周辺諸国との戦争が始まっていた

 

「展開が早すぎる……残った国民とにかく船に乗せるんだ!!」

 

 海兵をとにかく素早く展開し、港に逃げてきた人から順次収容してゆく

 

「どうかこの子達をお助けください」

 

「シスターもお子さんも全て助けます! まだ助かる全ての人を助けますので!!」

 

 燃え盛る町、至るところで上がる悲鳴

 

 収容は困難を極めたが大病院に色んな人々が集まっていたお掛けで約5万人の方々を船に乗せることに成功した

 

「ココア収容した人々の珀鉛病治療を頼んだ」

 

「わかりました!!」

 

「助かったのか」

 

「はい! ここに居る人々は海軍が責任をもって保護します」

 

「おお、そうか……そうか……良かった……」

 

「失礼、この難民の中で誰か責任者は居るでしょうか……難民のリーダーとなれる方がよろしいのですが」

 

「そしたらシスターとトラファルガー先生が適任だろう」

 

「トラファルガー先生とは?」

 

「あちらで治療我々の治療を続けてくれた方だ」

 

 フレバンスは滅亡し、50万人いた人口も私達が運良く助けることができた子供や女性を中心とした5万人しか助けることができなかった

 

 その中には少年トラファルガー・ローもいた

 

 この難民達のリーダーに大病院の医院長であったトラファルガー・ローの父親であるトラファルガー先生と恩師であるシスタークレアラインが就任し、私達海軍将校と話し合い、周辺諸国は珀鉛病を感染病と誤認していること、メタメタの実の能力者のココアが珀鉛病の治療が出きる事を告げ、国を捨てる決断をさせる

 

 このまま国に送り返しても殺されると説得し、モーリシャス王国で保護する事を約束する

 

 この約束には元王族のグレーナーが約束し、事態を収束させた

 

 今回の独断行為で世界政府上層部からは小言を言われたが、海軍上層部からは誉められ救国の中将という渾名と大将への昇進が内定された

 

 それに今回活躍したココアと事態を収束させリーダーシップスが取れるグレーナー、実力があり難民救出で最大数救出したパワプロを大佐に独断で昇進させ、5人組の准将達を少将に、ファルケンハイン少将を中将に引き上げた

 

 フレバンス難民の方々は6の島を海軍と国軍の共同開拓に参加させ、自ら開拓して居場所を作った

 

 ただ今回の件で自国を見捨てた王族と周辺諸国に凄まじい恨みを彼らは募らせる事となる

 

 こうしてフレバンスは地図から消えるのであった



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