仮面ライダーゼロワン&ウマ娘  OtherWorlds  REAL×RACE (泥団子男)
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メイクデビュー編
第1話 オペレーション:飛び上がライズ


「本日の任務…『お買い物』を完了。宿舎への移動を開始。」

用件を終えた私は、ふと近くの家電製品店にディスプレイされているテレビに目が行く。

 

『本日で滅亡迅雷.netによるヒューマギアの反乱事件終結から、一年が経ちました。我々はこの事件から、ヒューマギアに対しての…』

 

「・・・テレビ及び、放送しているニュース番組を確認。今発信されているニュースは、『ヒューマギア』というものの話題であると理解。記憶データから『ヒューマギア』についての記憶データを検索…」

 

ヒューマギア』…

「飛電インテリジェンス」という会社が開発したものでしたが、ある一部の機体が「人類に向けての反乱」を行い『デイブレイク』を始めとした様々な事件や出来事が発生した模様。しかし、「飛電インテリジェンス」の社長を始めた様々な人たちによって、ようやくその安全性等が認められ私達のいるトレセン学園でも3か月ほど前から用務員として採用されました。後々は「トレーナー」としても採用するようになるとも言われています。

 

「もし、『ヒューマギア』がトレーナーになったら、私の『目標』も達成できるのでは…」

 

(私の「目標」、『クラシック三冠』。他のトレーナーから否定され続けたこと…『「短距離で走ること」を条件に出来ないのなら契約は出来ない』と言われ続け、今は一人で目標達成に向かっています…でも、それでも、父との約束を果たしたい…)

 

「…長考により、予定時刻より5分20秒経過。私には関係のないことでした。通常より30%スピードアップして宿舎への移動が必須。移動を開始します。」

早歩きとジョギングの間ほどの速度で宿舎へ移動した。

 

「郊外に到着。残り2.5km。予定時間との誤差、45秒。このペースなら問題ないと…あれは…?」

 

眼に入ったのは、「ヒューマギア」。おそらく、服装からトレセン学園の用務員と確認。しかし、その足取りはいつもの「人らしい歩き方」ではなく「壊れかけのブリキ人形」のように足取りがふらついていて、先ほどのニュースで見た「青いライト」は赤く、おぞましさすら感じる色に変異していた。

「いったい何が…」

そんなつぶやきが聞こえたのか、その「ヒューマギア」はグリンと、まるで獲物を捉えた獣のようにこちらを見ると、チューニングがズレたラジオのように声にならない声でつぶやいた。

「ウマ…ムスメ…メツボウ…」

その言葉の意味を理解する前に、「ヒューマギア」は人の皮膚や服のような外装を破り、無機質でグロテスクさをも感じるような素体を露わにする。さらに、口元から配線のようなものを吹き出すと、それが体を包み無慈悲な殺戮マシーンへと姿を変えた。

「…!」

その異様な変貌に、心臓を締め付けられるような感覚を味わった。

だが、「用務員だったナニカ」はそんな余裕すら与えず、私たちと変わらないような速度でこちらに迫った。

「…ッ!」

私は必死に避けた。そして、私には「アレ」に対処する力はないことは、分析するまでもなかった。

(このまま逃げていても恐らくスタミナ切れで追いつかれる…どうにか宿舎まで着いたとしても、他のウマ娘や人に危害が加わるか可能性あり…)

まさしく、「万事休す」。

そして、悲劇は続いた。

先ほどから急いで移動していたせいか、脚をもつれさせてしまった。

「うぁ…!」

為す術なく倒れる身体。

にじり寄る「殺戮者」。

(いっそのこと私の「触れた機械が故障する体質」で停止すれば良いが、もしも余計に暴走し見境なく暴れたら…)

普段は起こらないような、モヤモヤとした何かが思考を停止させてくる。

(私は…父との約束を…果たせてないのに…)

父の顔を思い出す。

私を優しく見守ってくれる顔。

その顔にもう会えなくなる。

「これが、『悲しい』ですか…」

最期に嫌なことを記憶してしまった。

「可能性」はないことはわかっている。

でも凶刃が振るわれる前につい、口から漏れ出した。

「助けて…お父さん…」

 

J U M P !

 

謎の電子音がした。

私は、「アンドロイド」や「サイボーグ」と呼ばれるが、電子音がなるわけではない。

そして、振るわれたはずの刃は、私に痛みを与えなかった。

自らの腕で隠した視界の先には、夕焼けの逆光のせいで「人のようなシルエットと赤く光る瞳」しか見えなかった。

 

その影は、私を守ってくれている。

 

「大丈夫か!?」

 

若い男性の声だった。

 

その声を聴いたとき、さっきまで「恐ろしいものの象徴だった赤い瞳」という認識は「優しさの象徴」に変更された。

 

「お前を止められるのはただ一人、俺だ!」

 

何かを押す動きをした後、高くジャンプした。

私たち、ウマ娘よりも高く。

 

 ラ イ ジ ン グ     イ ン パ ク ト

 

上空に浮かぶ謎の文字列と共に、キックを決めると、その異形は弾け飛び、その爆炎が赤き瞳の戦士の蛍光色と黒色が目立つ姿を映した。

しかし、その姿は即座に青年の姿に変わった。

残骸の方を向くと、

「助けてあげられなくて、ごめんな…」

そうつぶやいた後こちらを見ると優しい眼差しと共にこちらに歩み寄り、

「無事か?つらい目にあったな…」

私は震えながらも、どうにか声を振り絞った。

「はい…」

そんな状況の私にその青年は、何かを思いついいたようにハッとして笑顔でこちらを見た。

「じゃあ、元気が出る抱腹絶倒ギャグをプレゼントだ!

『郊外』の歩き方は『こうかい』!?

ハイ、アルトじゃあ~ナイト!!」

 

「…?」

 

理解不能。どういうことかと思考していると私の後ろから、無機質なような若い女性の声がした。

「今のは、『郊外』と確認を求める『こうかい?』をかけた大変面白いギャグでございます。」

その声が聞こえると、青年は心底困った顔と大きなリアクションで

「イズ~!ギャグの説明はやめて~!!」

と叫んでいた。

私はその「若い女性の声」の方を見ると、服装は私のレース衣装に似た服装の「ヒューマギア」だった。

私は先ほどの事もあってビクッとしてしまったが、それを見た青年は、笑顔で

「彼女は俺たちの味方だよ。あ、自己紹介してなった!もしかしたら知ってるかもだけど、俺は飛電或人!」

「私は秘書のイズと申します。」

と自己紹介をされた。

(『飛電或人』…どこかで聞いた記憶が…)

少し引っ掛かることはあるが、まず自己紹介をしなくては…

「私はミホノブルボンです。」

と返すと、私の姿を見て或人さんは、

「君、もしかして『ウマ娘』!?丁度良かった!」

と高揚し、続けてこう質問してきた。

「俺、トレセン学園ってとこでがトレーナー業をするんだけど、場所や、まだ契約していないウマ娘とか…知らない?」

聞かれた以上、答える義務があると結論。

「…場所は私が案内します。まだ契約をしていない他のウマ娘のことは把握していませんが…」

少し言いよどみつつも、続けた。

 

「私は…まだ契約しているトレーナーが…存在しません。」

ただ、この発言をし終える前、正確には『しま』の時点で或人さんの声でかき消された。

「マジィ!?じゃあ、君のトレーナーにならせて欲しいんだけど!」

 

「…え?」

 

(思考停止…或人さんの発言の意図が理解不能)

「或人社長、お言葉ですが、そんな簡単に決めることは、ウマ娘にも我々にも不利益を生じる可能性が…」

そこで、イズさんが止める。私も自分の事を伝える。

「私には『クラシック三冠』の夢があります。ですが、私はスタミナ不足のため遂行は困難。他のトレーナーからも『短距離でなければ契約はできない』と断られています。ですので…」

そう断ろうとした。だが、反応は意外なものだった。

「それが、ミホノブルボンの『夢』なんだろ?だったら、余計トレーナーになりたい!一緒に『夢』、叶えようぜ!!」

(『夢』…私やお父さんの『夢』…)

 

「お前の夢を叶えられるのはただ一人、俺だ!」

 

夕焼けを背に言い放つ或人さんの表情や声は、お父さんと同じ『温もり』を感じた。

そのせいか、言い放った言葉に、説明できない『安心感』があった。

ふとイズさんの方を向くと、表情などに変化はないが、いかにも「やれやれ」といった雰囲気で

「或人社長が『叶えたい夢』ならば、止める理由はないですね。」

と肯定した。

そして、私も

(夢を叶えたい…)

そう思えてしまった。誰かからのオーダーではなく、自分の意思で…

「わかりました。あなたを私のトレーナー…『マスター』として承認。これからもよろしくお願いします、マスター。」

その言葉と共に、或人さん…訂正、マスターは、飛び跳ねながら

「いよっしゃあぁぁぁ!俺たち3人で夢に向かって、飛ぼうぜ!!」

と喜び、それを見たイズさんも微笑むような真顔のような表情で拍手した。

(私の夢はここから始まる…)

そのことで体中に熱が入るような気がした。

 

「よーし!トレーナー契約(仮)を祝して!

『ウマ娘』と一緒に勝利を『ホースガール』!

ハイッ、アルトじゃ~ナイト!」

 

「…今のは、『ウマ娘』と『ホース(ウマ)』、『ガール(少女→娘)』を『欲しがる』と掛けた少々無理のあるギャグですね?」

とイズさんが説明してくださったので、

「今のが『ギャグ』…新規データとして保存。」

保存を完了させ、

 

「イズ、説明ついでに辛辣な評価言うのやめて~!あと、ミホノブルボンは、真面目に記憶しないで~!!」

と悲痛な叫びをあげ、

私の…訂正。

私たちの夢に向かって飛ぶ』日々が、始まった。




【次回予告】
次回、仮面ライダーゼロワン&ウマ娘!

「こちらが私の通う『日本ウマ娘トレーニングセンター学園』、通称『トレセン学園』です。」

――或人、トレセン学園へ!――

「うぉ〜っ!でっけえ学校!!」

「飛電或人社長…いえ、今は飛電或人『トレーナー』とお呼びしたほうがよろしいですか?」

―ートレーナー生活の始まり!――

「まぁ、トレーナーのほうがこっちではしっくりきますよね、たづなさん!」

「気合い入れていくぞ、ミホノブルボン!」

「了解しました、マスター。」



第2話 輝くミライを君と見たいから


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第2話 輝くミライを君と見たいから

―――ミホノブルボンは、仮面ライダーゼロワン=飛電或人、社長秘書のイズと出会い、トレーナー契約(仮)をした。或人は、ミホノブルボンの案内により彼女の通う学校「トレセン学園」へと向かうのであった。―――


飛電或人さんが私を助け、私のトレーナー…マスターになる宣言をされた後、マスターは学園に連絡を入れマスターとイズさんを学園まで案内しました。

そして1時間13分経過…

「目的地到着。こちらが私の通う『日本ウマ娘トレーニングセンター学園』、通称『トレセン学園』です。」

「うぉ〜っ!でっけえ学校!!」

「流石は由緒ある学園。威厳と共に親しみやすさを感じますね、或人社長。」

そんな話をしながら学園を歩いていると清掃員…型のヒューマギアがと遭遇。

それを見たマスターは、

「おっ、『掃除屋ソウちゃん』!今日もごっ苦労さん!」と挨拶。

イズさんは隣りで静かに会釈していた。

それに反応したヒューマギアは、

「或人社長、お疲れ様です。」

と無感情な一礼を返していた。

「…?」

(理解不能。私が言えた話ではないかもしれませんが、いくら人型とはいえ「機械に挨拶してもプログラムされた返答しか返ってこない」のに。

「会話」とはやはり難しいです…。) 

「…ミホノブルボン?どうかしたか?」

マスターに質問されてふと向く。

表情:不安 を確認。心配を掛けていることに気が付き、すぐ返答した。

「いえ、問題ありません。こちらであってます。」

平静を装い、案内を再開。

 

校門を抜け入口に向かうと、

「あっ、お待ちしておりました!」

と(私からすれば)聞き慣れた声がした。

その声の主は、私が説明する前にこちらの方へ歩き挨拶をした。

「ようこそ、トレセン学園へ!飛電或人社長…いえ、今は飛電或人『トレーナー』とお呼びしたほうがよろしいですか?」

そうマスターに確認するとマスターは、

「いや、どっちでも大丈夫ですけど…まぁ、トレーナーのほうがこっちではしっくりきますよね、たづなさん!」

と肯定。

 

(…記憶データ閲覧。

今、出迎えに来た『明るい緑色の服を来た社交的な女性』の名前は、「駿川たづな」さん。

トレセン学園理事長の秘書であり、登校時に校門前にて挨拶を行うことや、トレーナーとの「担当ウマ娘のトレーニング等についての相談役」など様々な活動をされる、『トレセン学園においての重要人物の一人』です。

…閲覧終了。)

 

記憶データの閲覧…即ち、「思い出し」をしていると、イズさんも挨拶をした。

「たづなさま、今回はご依頼して頂きありがとうございます。」

「いえいえ…私たちも不躾なご提案をしてしまったのに快く了承して頂き、なんと御礼を言っていいか…」

と、「秘書同士」の腰の低い話し合いが行われた。

(この「マスターがトレーナーを始めたキッカケ」というのが理事長による案だそうで、

 

「発案!今、人気で様々なことに挑戦する、『飛電インテリジェンス』の若き社長に、我がトレセン学園でのトレーナー業を兼務してもらおう!」

 

と急に言い出し、たづなさんを始めとした様々な方の制止も聞かず、衛星通信を用いた対談・依頼をし、マスターも

 

「あの理事長さん、見た目や話し方は子供っぽいけど、俺や父さん、爺ちゃんと同じ『全力で夢に向かって飛びたい』って目してた!」

 

と語り、引き受けることにしたそうです。

他にも色々あったそうですが、『詳しくは別の機会』…だそうです。)

「遅くなりましたが、こちらが或人トレーナーのトレーナー証です!こちらは基本持ち歩いて下さいね!」

とたづなさんがマスターにトレーナー証を手渡した。

「うぉ〜!これがトレーナー証かぁ!

なんと『綺麗なトレーナー証でしょう』!

ハイッ、アルトじゃ〜ナイト!」

…夜のせいか、ギャグのせいか、静寂が漂う。

「フフッ」

たづなさんの「私でもわかるぐらいの愛想笑い」が聞こえ、その後

「今のは、『トレーナー証』と『キレーナ(綺麗な)』、語尾の『しょう』を掛けたギャグです。」と解説。 

「新しい『ギャグ』をインプット。」と私は保存。

「いや、解説もインプットもやめて〜!」と叫ぶマスター。

その「一連の流れ」を見たたずなさんは、

「フフッ、上手く打ち解けてるみたいで良かったです!」

と、「今度は愛想笑いじゃない笑顔」を見せていた。

 

たづなさんとの話を終え、私が自らの寮に戻る前、

「明日からは練習だ!気合い入れていくぞ、ミホノブルボン!」

マスターは力強く拳を振り上げ、いわゆる「ガッツポーズ」を決めてこちらを見つめ、

イズさんも、(無言ですが)同じポーズをしてこちらを見つめていた。

私は、「了解しました、マスター。どんなハードなトレーニングでも必ず遂行致します。」

とできるだけ力強く返した。

それを見て、笑顔で頷くマスター。

だがその後、何かを閃いたような顔をするとこう訪ねた。

「…ところで、一つ聞いておきたかったんだけど、ミホノブルボンって皆からなんて呼ばれ方してるの?やっぱり、『ミホノブルボン』ってフルネームで呼ばれてるの?」

…私は少し記憶データを確認し平均を取った結果、

「皆さんからは『ブルボン』と呼ばれることが多いと思います。」

と結論を伝えるとマスターは、

「じゃぁ、これからは『ブルボン』って呼ぶな!よろしく、ブルボン!」

「では、私も僭越ながら『ブルボン様』とお呼びさせて頂きます。

マスターとイズさんがそう提案されたので、少し驚きながらも

「分かりました。私のことはそうお呼びください。」と許諾した。

「じゃあな、ブルボン!おやすみ!」

「おやすみなさいませ、ブルボン様。」

と挨拶をしながら先程たづなさんに教えてもらったトレーナー用の部屋へ向かい、

「おやすみなさい、マスター、イズさん。」

と挨拶し、自分の寮へ帰った。

帰るときに見あげた夜空は、いつもの孤独なトレーニングを終えたときより、光り輝いていた。

 

 

 

 

 

Warning…Warning…Warning…Warning…Warning…Warning…

 

「…飛電或人…、『仮面ライダーゼロワン』…。

クッハハハ…まさか、彼がここにくるとは…。あの理事長の突拍子もない考えは、ワタシの『予測』を超えてくる…。まぁ、いい。どの道、敵対する相手だ…。むしろ、面白いデータが『ラーニング』できそうだ…クッハハハハハハハ…」

 

Warning…Warning…Warning…Warning…Warning…Warning…

 




【次回予告】
次回、仮面ライダーゼロワン&ウマ娘!

「さぁ、トレーニングの始まりだ!」

ミホノブルボンのトレーニング開始!

「貴方がミホノブルボンのトレーナーさんですか?」

「良い脚だ…短距離で大活躍しそうだな…グォッ!」

個性豊かな他トレーナーとの出会い!

「飛電或人さん、貴方にトレーナーは向いていない。」

或人に宣戦布告!?

「それでも俺は、ブルボンの夢を叶えたい!」

第3話 I believe ユメの先まで

【後書き】
第一話を見てくださった方々、本当にありがとうございました!
そして感想を書いて頂いた方々、めちゃくちゃ励みになりました!!
ウマ娘でいうなら「福引の『にんじん山盛り』をもらったとき」、ゼロワンでいうと「シャイニングホッパー(完全版)になったとき」ぐらいです!!(バッドステータス:例え下手)
これからも見守ってくださったり、感想をお書きして頂けると助かります!!
次回もお楽しみに!

(泡男)


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第3話 I believe ユメの先まで

無事に、正式なトレーナー契約を結んだ飛電或人とミホノブルボン。
これから、彼らの「夢に向かって飛ぶ」ための日々が始まる!!
そして、影で微笑む謎の存在の正体は!?
―――――――――――――――――――――――
【お詫び】
日曜0時投稿出来てなくて、すみませんでした!!
急用で忙しくなってしまって、だいぶ遅れてしまいました…
ただ、その分内容多めなので、ご容赦ください…!


あと、オリキャラ(といってもモブキャラですが)が出てきます…!

(泡男)


今日から、私とマスターのトレーニングが始まる。

イズさんは、一度飛電インテリジェンスの方に戻って会社のサポートを行っているそうだ。

「本日よりマスターとのトレーニング開始。ミホノブルボン、与えられた任務は必ずこなしてみせます。」

「う、う〜ん…なんというか、頑張りたい気持ちは伝わるんだけど、堅苦しくないか、ブルボン?」

マスターは、困惑した表情でこちらを見る。

どうやら、私が「会話・対応」をミスしてしまったようだ。

「すみません、マスター。私はいつもこのような対応しか行えないので…。訂正箇所を教えて頂ければ、即時訂正を…」

私がそう言いかけると、マスターは慌てて

「あっ、いや、違う違う!そういう否定するつもりじゃなくて、そういうの大変だったりしないのかなってさ?」

「…大変?」

私からすれば、『目標を達成するには、どんな過酷なことも乗り越えなければならない』ということが当たり前。それが大変など考えもしなかった。それについて考えていると

「えっと、それはそれとして、トレーニングの話だ!」

…話の転換を確認。思考をトレーニングの件に修正。

「…といっても、ブルボンに合ったやり方ってなんだ…?勉強はしてきたけど、いざ実践となるとなぁ…」

マスターが考えこんでいると、

「貴方がミホノブルボンのトレーナーさんですか?」

と女性の声がした。

私達がその声が聞こえたほうを向くと、そこには『いかにも勉強熱心そうな、マスターと同年代ぐらいに見えるの女性』と『クリーム色の髪色をしたどこか掴みどころがないウマ娘』が立っていた。

「そうですけど…もしかして、あなたもトレーナー?」

マスターが少し困惑しつつも返答する。

その返答を聞くと、その女性は私でも分かるほどに気分を高揚させながら、

「はい!私は、桐生院葵です!こっちが私の担当ウマ娘のハッピーミークです!」

「ハッピーミークです…よろしく…おねがいします…。」

そんな唐突な自己紹介への対応を考えていると、マスターは、

「そうだ!今、ブルボンが長距離を走る為にトレーニングを考えてるんですけど、元々ブルボンはスタミナを付けるトレーニングをこなしてるし、どうしようかと…」

と私のトレーニングについて相談した。

「えーっと…新人なもので私からアドバイスはできませんが…」

そういうと、どこからともなく『ノートのような古い書物のような本』を取り出しあるページを開いて

「ペース配分とかを考えるのはどうでしょう!?」

と提案。マスターもそれを聞いて、

「なるほど、そういう考え方もあるのか…。」

と納得したあと、

「ところで、その本は?」

と別の質問をした。

「あっ、これですか!!」

『待ってました』と言わんばかりの反応。

「これは『トレーナー白書』といって、ウマ娘についての様々な情報が記された私のバイブルなんです!!」

と語ると、

「あっ、長々失礼しました!お互い、頑張りましょうね!」

と挨拶し去っていく姿を見て、マスターは呆気にとられながらも

「ありがとうございました!頑張りましょう!!」

と快活に返事した。

 

それから、ペース配分』を気にして走るようにすると

「…長距離走破完了。いつもより速度低下も少なく、走りきれました。」

確かにいつもより良い走りが出来た。マスターも、

「すっげぇぜ、ブルボン!ナイスな走りっす!ハイッ…」

といつもの『ギャグ』を披露しようとしていた時、私の脚に違和感…いえ、『身体の不調』ではなく『何かに触られてる』ような…

足元を見ると、

「ほうほう…」

謎の男性の私の脚に触れながら何かを呟いていた。

「良い脚だ…短距離で大活躍しそうだな…グォッ!

即座に後ろ蹴りを行使。男性はうめき声をあげる。

「うん?何かあったのか、ブルb…うわぁ!?」

マスターが気がついてこちらに近寄ると、倒れている男性を発見。

私はその男性を『不審者』と断定。

「…ッ!マスター、私の脚部に擦り寄ってくる不審者に遭遇しました!警察に通報しますか!?」

即座にマスターに提案すると、

「えっ!?不審者ならしょうがないk…あっ、トレーナー証!?このふしn…じゃなくてこの人、トレーナーだよ!?」

確かに首にかかっているのは、トレーナー証。

「トレーナー証を確認。失礼しました。」

謝罪すると、そのトレーナーは、

「痛たたた…凄い脚力…やはり、俺の見立ては間違ってないな!流石だ!!」

と痛がりながらもなぜか、喜んでいた。

「(『ヘンタイ』というものでしょうか…?)」

など、考えているとマスターは

「えっと、ちなみにあなたは…?」

と恐る恐る聞くと、

俺は名乗る程の者じゃない…。むしろ、俺の名前より、俺のチーム『スピカ』のほうを覚えておいて欲しい!」

と『さっきの行動がなければ、格好良かった』であろうセリフを残して、去っていった。

 

次の日。

「今日もトレーニング頑張ろうな、ブルボン!」

マスターの声がけに、昨日の反省を踏まえて

「はい。本日も宜しくお願いします。」

とマスターに違和感を抱かれないような返答をした。

「おっ、昨日よりは堅苦しくない!」

と喜んでいただけたようなので、この訂正は間違えてなかったようだ。

本日も『ペース管理』の訓練をしていると、

「飛電或人さん、ちょっとよろしいですか?」

と、トレーナーがマスターに声を掛けてきた。

「始めまして。私は、あそこで練習しているエイシンフラッシュのトレーナーです。」

淡々と自己紹介するトレーナー。

「えっ、あぁ…はじめまして…?えっと、なんのご用でしょうか?」

困惑するマスター。だが、そのトレーナーが次に発した言葉は、私達の困惑を一瞬で打ち砕いた。

「単刀直入に言わせて頂きます。飛電或人さん、貴方にトレーナーは向いていない。早急に、本来の仕事に戻るべきだ。」

…理解不能。

マスターが最初に『ギャグ』を言った時よりも、意味はわかるが理解が追いつかなかった。

「え?」

マスターもまともに返答できなかったが、そのトレーナーは続けざまに話を続ける。

「あなたは、ミホノブルボンの適正を無視して走らせている。トレーナー失格としか言いようがない。」

「いや、俺はブルボンの夢を…」

「それは、適正外を走らせる理由にならない。」

マスターの反論も相手にかき消された。

「いくら担当ウマ娘が希望していたとしても、適正外を走らせることがどれだけの苦痛を与えることなのか、その結果残酷な目に合うのかを貴方は知らない。無謀な『夢』は『戯言』に過ぎません。そんな『夢』ならさっさと諦めさせるのが、トレーナーの仕事です。」

正論…なのかも知れない。やはり、私の『目標』…『夢』は、他から見れば『戯言』。無茶に過ぎないのだろう。 

そう納得しかけた心を、マスターの声が立ち止まらせた。

何が…『戯言』だよ…!!

いつも笑顔で優しい声色のマスター。だが、この声は…叫びは、怒りに震えていた。

「『適正』…?そんなもんで、ブルボンの夢を諦められるかよ!!俺だって社長になったとき、周りから冷たい目や不安な顔され続けた!けど、全力で夢を追い続けたから、社員も俺を信頼してくれた!向き・不向きなんかで、夢を捨てさせんなよ!!

…マスターも、否定された経験があった。だから、マスターの言葉には、「説明出来ない安心感」があったのだろう。

「…それになんの根拠があるのですか?あなたの経験談だけでなにが…」

「それでも俺は、ブルボンの夢を叶えたい!」

なおも否定するトレーナーの発言を今度はマスターがかき消す。

マスターは、自分の…訂正、私達の意思を曲げなかった。

「…ッ!そんなあなたのエゴが、ウマ娘を不幸にするんだ!!

さっきまで淡々と話していたトレーナーが声を荒げる。

「マスター…。」

私が首を挟める状況ではなかった。まさに一触即発の雰囲気。だが、そこに意外な人が割り込んだ。

「中断ッ!その言い合いはそこまでだッ!!」

理事長だ。

「理解ッ!タグ近くを通り掛かったときに、他のトレーナーや生徒から話は聞いたッ!そこで…」

少し溜めてから、いつもより気合いの入った声で

「提案!次の『メイクデビュー戦』で決着をつけるといいッ!」

「…?」

思考停止。

「…え?」

あっけにとられるマスター。

「…は?」 

思わず声が出るトレーナー

「…!(私の知らないうちに、予定外のことが発生している…!)」

戻ってきたら大変なことに巻き込まれていることに気づくエイシンフラッシュさん。

 

『突然のトレーナー生命を掛けた闘い』は、我々の夢を繋げるのか。それとも断ち切るのか。

 

続く




【次回予告】
次回、『仮面ライダーゼロワン&ウマ娘』!

ーーートレーナー生命を懸けた闘い、勃発!ーーー
「俺達の夢が始まったばかりなんだ、こんな簡単に諦めてたまるか!」

ーーー「トレーナー白書」がカギになる!?ーーー
「私の家に伝わる育成の極意が記された本なんです!」

ーーー手に入れろ!「スキル」の力!!ーーー
「私が夢見たあの『光景』を力に…。」

「私たちの夢を…叶えましょう、マスター。」

第4話 駆け抜けていこう君だけのミチを

――――――――――――――――――――――――
【後書き】
どうも!『泥団子男のゼロワンとブルボンの方』、泡男です!
第三話も、ご覧頂きありがとうございます!!
『やりたいことのアイデア』はいっぱいあるのに、それを形にしようとすると大変ですね…。
一応、この作品の『大雑把な道のりとゴール』はできているのですが、色んな要素を足そうとすると難易度があがってしまいますね…。(ゼロワンらしいストーリーや登場キャラ、ミホノブルボンの話し方とか『解釈違い』ができるだけ起こらないようにとか…)
ですが、滅茶苦茶楽しんで書けているので『自分も読者の方も楽しめる作品』になるよう引き続き頑張りますので、次回以降も宜しくお願いします!!

(泡男)


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第4話 駆け抜けていこう 君だけのミチを

正式にトレーニングを始めた或人とミホノブルボン。
様々なトレーナーとの出会いを果たすが、ミホノブルボンの練習風景を見ていた「エイシンフラッシュ」のトレーナーに、「トレーナーをやめるべき」と言われてしまう。
「ミホノブルボンの夢を叶えたい」或人と「無謀な夢はウマ娘を不幸にする」と考えるトレーナー。
二人の意見がぶつかり合ったとき、仲裁に入ったトレセン学園理事長によって、「メイクデビュー戦での決着」を提案をされる。
或人とミホノブルボンの運命は・・・?



理事長からの突然の『メイクデビュー戦での対決』の提案。

エイシンフラッシュさんのトレーナーの言った通りなら事実上の『マスターのトレーナー生命を掛けた闘い』の申し出である。

でも、マスターは

「やります!俺達の夢が始まったばかりなんだ、こんな簡単に諦めてたまるか!」

と即答。

エイシンフラッシュさんのトレーナーも、

「私もそのご提案、謹んでお受けします。あの方のような考え方は危険だ。ここで止めねば…。」

と即答。

確認ッ!それでは、次のメイクデビュー戦での双方の活躍期待してるぞッ!」

こうして正式に約束が決まり、一日が終わった。

 

翌日、その噂が学校中に広まり、私やエイシンフラッシュさんは他の生徒から質問攻めに合った。

マスターはというと、噂を聞いた桐生院トレーナーが『見せたいものがあるので、ミホノブルボンさんと一緒に来てください!!』と頼まれたそうだ。

 

―放課後―

学園の食堂にて。

「えーっと、ここに桐生院さんがいるらしいけど…」

マスターと桐生院トレーナーを捜索中。

すると、

「あっ、お時間を取らせてしまってすみません!」

と声がしてこちらに駆け寄って来る人影。

「桐生院さん!ところで見せたいものって?」

マスターは、自然に話を進めた。

「あっ、そうでした!こちらです!」

そう言って取り出したのは一冊の『少し年季を感じる』ノートだった。

「これは、『トレーナー白書』と言って、私の家に伝わる育成の極意が記された本なんです!」

誇らしげに語る桐生院トレーナー。

「へ、へぇ〜…」

マスターの表情からステータス∶【困惑】を確認。

私もどういう反応をすればよいか分からなかった。

しかしそんな我々の反応も意に介さず、桐生院トレーナーは、その『トレーナー白書』のあるページを開くと私達に提示した。

「ただ、何度も読み直してもこの『スキル』のページのことだけが未だによく理解出来ないんですよね…。役に立つ情報なのは間違えないと思うのですが…。」

唐突な質問。マスターもこれには、

「いやぁ…俺に聞かれても…。」

マスターは依然、【困惑】のまま返答する。

「えっと…『地を駆ける剛脚の少女よ 闘いと訓練の経験を用いて 胸に描いた世界を 自らの走りに映し出せ』…?」

このような文章をなんというか検索…。

「検索結果、『ポエム』…でしょうか、マスター?」

私の検索結果を伝える。

「確かにそれっぽいけど、わざわざ『ウマ娘のトレーニングをまとめたノート』に書くことかぁ…?」

マスターは、より一層【困惑】していた。

しばらく、その事を考えたがなにも結論は出なかった。

とりあえず、内容が理解できる『効率の良いトレーニング方法(作戦∶逃げ用・長距離用)』を読んで、早速トレーニングを始めた。

「スピードとスタミナを上げる練習を重視しつつ、他のステータスも少しずつ上げる」やり方。

今までの「全てのステータスが完璧でなければ、『三冠』には程遠い。」という私中の固定観念は崩された。

「自らに必要なもの、自らの長所」、それだけに集中することが、『三冠』への近道だったのだ。

そんなことを思考しながら新しいトレーニングをこなして行き、少しずつ長距離でも「速く、疲れにくい」走り方を学習した。

「おぉっ!いいぞ、ブルボ〜ン!タイム更新だ!!」

マスターの全力の声掛けが私の胸の中の「ナニカ」に力を与えてくれる。

そう…まるでお父さんに褒めてもらえたときのように。

 

「本日のトレーニングメニュー、完了しました。」

マスターに報告する。

「お疲れ様、ブルボン!」

マスターは、優しい笑顔で労ってくれる。

「ちょっと話があるんだけど…いいかな?」

マスターからの話。

寮に帰るまでの時間は、予定より早く終わったので問題なし。

「了解しました。何のお話でしょうか?」

内容を聞いて

「いや、『トレーナー白書』のポエムみたいなページの事なんだけど…」

「あの文章について何かわかったのですか?」

つい、質問攻めになってしまう。

するとマスターは、

「いや、完璧にわかったって訳じゃないけど、もしかしたら『自分の憧れや、好きなこと、夢を形にすること』なんじゃないかって。」

「憧れ…好きなこと…夢…」

マスターと出会うまで記憶領域から消えていた…いや、『封印していた』言葉。

『三冠ウマ娘』になることを『目的』に設定した時「生半可なものは封じよう。」そう決めて消そうとしたもの達。

今、その『封印』を解く…。

「私の憧れてたもの…」

 

幼い頃…お父さんと見たSFアニメ…そこで宇宙を自由自在に翔け、敵からの攻撃も追手からの追跡も簡単に振り切る戦闘機…。あんな風に、『誰にも抜かれず、どんな距離でも走り切れるような存在』…!

そんな思い出に浸っていると、

「…最ッ高の思い出じゃん!そういうのがきっと、『スキル』の鍵になる…と思う!!」

 

…どうやら一人で思い出に浸っているつもりが、自然と声に出してしまったようだ。

「…そうですね。」

少しずつ体内温度が上がりオーバヒートしてしまいそうだったが、どうにか平静を装いマスターに返事をする。

だが実際、「その戦闘機のように、自由な走りができれば、きっと速くなれる。」とそう思えた。

「明日の練習、このイメージがスキルに繋がるかの試行をさせて頂きたいのですが…」

マスターの練習計画を崩したくはなかったが、どうしても気になってしまった。

これが『スキル』に繋がるのか、私の中に湧き出るこの『熱く、強いナニカ』は何なのかを。

「…」

マスターは、フリーズしたように黙り込む。

「マスター…?」

やはり身勝手だったのだろうか…さっきまでの「熱さ」が冷め始めようとしていたとき、

「お前が、そう言ってくれるのを待ってたぜ!ブルボン!!」

軽く耳鳴りがするぐらい大きな声だった。

ただ、私の「熱さ」はより増した。

「明日から、『スキル』を身に着ける特訓だ!

「スキルを手に入れたブルボンは、素敵スキル!はい、アルトじゃ〜ナイト!!」

…「熱さ」は残っていたが、寒気を感じた。

「…『バッドステータス∶風邪』になる可能性有り。マスター、今日はいつもよりあったかくして寝ます。」

体調管理は基本だ。

「えっ?それって、俺のギャグが寒かったとかじゃ…ないよね…?」

「…寮に戻る時間です。お疲れ様でした、マスター。」

ふと、時計をみたら帰る予定の時刻だった。

「そんなぁ〜!」

マスターの叫びが背後で聞こえたが、時間なので帰らなければ。

 

―次の日―

早速、『スキル』の習得訓練を開始。

「ブルボン、イメージはできそうか?」

マスターが質問する。

「『幼い頃からの憧れ』…ロードは出来ましたが、それを『走りで表現』できる可能性は低いです。」

イメージを現実にする…そんなことが可能だろうか?ただ、マスターが信じたのなら…

「…実行してみせます。」

マスター、お父さん、そして…

私のためにも。

 

しかし、現実に「慈悲」は無かった。

 

最初に『スキル』の練習をし始めてから10日は経っただろうか…

『トレーナー白書』のトレーニングで、スピードやスタミナはもちろん様々な能力が上がったが、『スキル』のようなものは身についた感覚はしなかった。

能力は上昇しているので、決して無駄な日々ではなかった。だが、『スキル』は存在しないのではないかという気持ちが、胸を苦しめる。

マスターは、

「諦めなきゃなんとかなる!」

とずっと勇気付けてくれていた。

私が学園で授業を受けている間、人工知能『ウィア』のデータベースや、図書館で書物などのアナログな情報を収集するなど私のために色んな情報を集めていることを他の生徒の噂で耳にする。

私にはあえてなにも言わずに。

推測するなら、「私に負担をできるだけかけないように」…だろうか。

だからこそ、私も諦めるわけにはいかなかった。

マスターの『指示』ではなく『信頼』を裏切らないために。

 

―メイクデビュー戦前日―

結論を言うと、『スキル』習得未遂行。

「今日は、『スキル』のことは考えず、明日に向けての準備をするために無茶しないようにしよう!」

というマスターの方針により、いつも通りのトレーニングをしていた。

しかし、私の思考回路には『スキル』のことが消去出来てなかった。

クールダウンに入っていると、エイシンフラッシュさんが練習している姿を発見。

時間ピッタリに練習をこなし息を乱さずにいる姿は、私よりも『アンドロイド』のようだった。

クールダウンの時間を終え、練習場に戻る私達の前にエイシンフラッシュさんとトレーナーが現れる。

「…あんな無茶を言う割には、故障なくトレーニングが出来ているようですね。」

…褒められた?それとも、『皮肉』というものだろうか。

一応、私の身体の心配はしてくれたようだ。

マスターは、

「もちろんだ!誰も酷い目に遭わせるもんか!」と威勢よく返答する。

すると、エイシンフラッシュさんがこちらに近づいてきた。

「あなたが努力をしているのは、認めましょう。ですが、私達が勝つという『計画』には狂いはありません。ましては、『適正外の距離を走る』あなたに。」

やはり、『適正外の距離を走る』ことはよく思われていないようだ。

「私と父、そしてマスターとの目標…『約束』は必ず遂行してみせます。」

私も自分の意志を伝える。

「どちらも意志は堅いようですね…ですが、勝つのはエイシンフラッシュです。それでは。」

二人が去っていく。

私はマスターの方を向き、宣言する。

「私たちの夢を…叶えましょう、マスター。」

マスターは、少し驚いた表情をしてから

「ああ!」

と力強い表情で反応した。

 

 

 

 

~練習場の物陰~

 

「『お熱いところ』申し訳ないが、私の『遊び』に付き合ってもらうよ…クッハハハハハハ!!」

 

『朱い霧』を纏い、黒色のフードを被った男は高らかに笑った。

悪意は少しずつ、だが、着実に動き出していた。

 

 




【次回予告】
次回、仮面ライダーゼロワン&ウマ娘!

決戦前の最終練習!

「慌てず、『いつもの私』で走る…」

突如現れる『マギアもどき』達!?

「なんで、こんなにっ…!?」
「今の私の脚は…『逃げるための脚』じゃない…ッ!!」

そして、始まる『メイクデビュー戦』!

「これが私の…『夢見た世界〈スキル〉』!」

第五話 「ヒビけ!Make debut!のファンファーレ!」

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どうも!「日曜日0時更新」を宣言してから達成できなくなってしまった、『泥団子男』の泡男です!
(本当にすみません…!「週1投稿」は、確実に行っていくので…!)
第四話、ご覧いただきありがとうございます!
今回、「スキル」要素をどうしても入れたかったので、(『鋼の意志』と賢さしかkれn…ゲフンゲフン…)「トレーナー白書」に秘伝書的な役割をしてもらいました!
(固有スキル演出ってどの子のも良いですよね…!?)
なので、「『自分の思い描く憧れの世界の自分』=『スキル』」ということにしました!(もしかしたら、他に『スキル』を使う子も出てくるかも…?)
あと、「エイシンフラッシュのトレーナー」は、当初、「ゼロワンの『お仕事五番勝負』にいそうな『単純に嫌味な嫌われ者』にする」つもりでしたが、
「エイシンフラッシュのファンの方に『こんな奴がエイシンフラッシュのトレーナーかよ!ふざけんな!!』ってなるな…」とんあったので、結果、「余計なお世話だけど、言ってることに一理ある気がするし多分、過去に何かがあったんだろうな」って感じの真面目(過ぎて嫌わそうな)キャラになりました!!
(どういう過去かは、次回か次々回で書こうかと…)

長々と失礼しました!
次回もお楽しみに!!

(泡男)


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第5話(前編) ヒビけ!Make debut!のファンファーレ!

お待たせしてすみませんでした!
さらっとサブタイトルに書きましたが、(どうしてもやりたい内容が多くなってしまったため)前・後編に分かれます!
ただ、「お待たせしておいて、これでは…」とも思いましたので、今週中に後編あげます!!(といってもこの投稿時点で木曜日なので、明日・明後日にあげることになりますが…)
来週は来週で、第6話を上げる予定なので、「いつも以上に長い話(SP回)」ぐらいに考えてもらえると幸いです・・!

(泡男)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【前回のあらすじ】
エイシンフラッシュとの闘いに勝つため、トレーニング方法を考える或人と、ミホノブルボン。桐生院トレーナーから、代々受け継がれてきたトレーニングの秘伝書「トレーナー白書」を見せてもらい、トレーニング方法を学ぶとともに「スキル」と呼ばれる特殊な能力があることを知る。しかし、「スキル」を掴めぬままメイクデビュー戦前日を迎えてしまう…。


―トレーニング最終日―

エイシンフラッシュさん達と別れ、私達はメイクデビュー戦前最後の練習を始めた。

「慌てず、『いつもの私』で走る…」

マスターと決めた『今日の練習で心掛けること』。 

スキルが習得出来ていないとはいえ、焦って怪我をしては意味がない。だから元々の自分の力、トレーニングの成果を示すことにのみ集中することにした。

「目標を『通常通りの練習の遂行』に変更。」

練習を開始するときだった。

ふと、視界の端に映り込む警備員型ヒューマギア。

しかし、様子が変…いや、この『状態』を私はよく知っている。

赤く発行した目、不気味な歩き方…恐怖を思い出す。

しかし、先程『集中』モードに入ったせいか、少しだけ『あの記憶データ』と違う点を発見する。

うっすらと『朱い霧』のようなものを、纏っていた。

「マスター!」

自分の出せるだけ大きな声で遠くのマスターに叫ぶ。

「…ああ!」

マスターも状況を理解したようで、真剣な顔で返事する。

しかし、それは1体だけではなかった。

他の警備員型、計5体がそんな状体だった。 

「なんで、こんなにっ…!?」

マスターですら、驚くほどであった。

「とりあえずなんとかしないとな…。ブルボンは、避難しててくれ!」

そう叫ぶと、何か『少し大きめの機械』を取り出し、腰部に構える。

私は、物陰に隠れながらその様子を見る。

すると、『その機械』は黄色い光の帯を出し、ベルトとなる。

そして、『長方形の機械』を取り出しボタンを押す。

 

J U M P !

 

あの時の電子音声。

私が、マスターいわく、『マギア』と呼ばれるモノ達に襲われかけたときに聞こえたのは、コレだったのだと理解する。 

そう思考している間にマスターは、『長方形の機械』をベルトにかざす。

 

Authorize!

 

『オーソライズ』…意味は『承認する』…だったはず。

上空から光の柱が降りる。

ズドン!

地震のような音を響かせて、巨大な『機械バッタ』が落ちてくる。

それだけでなく、まるで変身を楽しみにしてるかのように、コースを跳ね回る。

しかし、コースが傷付かないように着地している。

あわわわわ…。

跳ね回るときの地震で視界は揺らぎ、「壊れた機械」のような声が出てしまう。

マスターは揺れなど気にせず、ポーズを決めながら指でカバーのようなものを回した。

すると『長方形の機械』は長くなり、『カギ』のようになる。

 

「変身!」

 

マスターが叫び、『カギ』をベルトに差す。

 

Progrize!

 

機械音声とともに、『巨大機械バッタ』は、謎のゲートを通って、全身を装甲で包んだマスターの身体に『二重螺旋状のデータ』となり、『あの時の救世主』の姿になる。

 

飛び上がライズ!ライジングホッパー!

"A jump to the sky turns to a rider kick."

 

「お前達を止められるのは、ただ一人…俺だ!」

 

Blade rise!

 

そう宣言すると、変身時に手元に現れた『カバン』を剣に変形させ、敵の方を向く。

『朱い霧に包まれたヒューマギア達』も、様々な異形の姿に変貌する。

『緑色の巨大な鎌を持つマギア』、『赤色で肩から刃を生やしたマギア』、『茶色の牙を生やしたマギア』、『黄土色のドリルのような頭部のマギア』、『紺色の翼のマギア』…

全員見たことない姿をした異形であった。

いくら戦闘に慣れたマスターでもこの数に、苦戦していた。

すると、

「或人社長!」

聞き覚えのある女性の声。

その声のする方を向くとイズさんが、何かを持って立っていた。

「いくつかのプログライズキーのメンテナンスが完了しました!これを!」

そう叫ぶと何かを投げ、マスターはそれを受け取る。

「…!イズ、ありがとう!」

お礼を言ってから、ソレを構える。

 

Fang!

 

さっきとは違う『長方形の機械』。

さっきと同じように認証し、即座にベルトに差す。

天から明るい青緑色の光が差し、巨大な鮫が現れマスターの装甲になる。

元々あった装甲はスライドし、場所を変える。

 

キリキリバイ!キリキリバイ!バイティングシャーク!

"Fangs that can chomp through concrete."

 

そのままベルトに差した機械を押し込み、蛍光色と青緑色の装甲の戦士が『緑色の鎌の異形』に迫る。

 

バ イ テ ィ ン グ   イ ン パ ク ト 

 

鮫の歯を模したエネルギーの刃が『鎌の異形』を噛み砕くように切り裂き、爆散させる。

次に、『茶色の牙を生やした異形』が相手だ。

イズさんは、持っている縦長のケースから別のアイテムを取り出して投げる。

マスターはそれを落とさず手にして、確認する。

「おっ、これもひっさびさだな!

そうよろこびながら、ボタンを押す。

 

Blizzard!

 

また、ベルトで認証。

天から、青白い光と『機械のホッキョクグマ』が現れ、異形に攻撃をする。

そして、カギの形にしてベルトに差す。

 

Attention freeze!フリージングベアー!

"Fierce breath as cold as arctic winds."

 

「悪いが一気に決めるぞ!」

手のひらを、かざすと冷気が放射され敵の足元が凍りつく。

そして、ベルトに差した機械を押し込む。

 

 フ リ ー ジ ン グ   イ ン パ ク ト 

 

先程とは比にならないレベルの冷気が相手を完全に凍りつかせる。

そして、自然と崩れ落ちた。

間髪入れずに『黄土色のドリルの異形』が突進する。

しかし、それを見越していたように回避し、そのタイミングでイズさんが別のアイテムを投げ、それをマスターがキャッチする。

まさに阿吽の呼吸だった。

 

Fire!

 

赤い光が降り注ぎ、燃えたぎる炎を纏った虎が装甲になる。

 

Gigant flare!フレイミングタイガー!

"Explosive power of 100 bombs."

 

さっきまで凍っていた地面が一気に溶ける。

「また炎で熱して殻をなんとかできればいいけど…練習場に引火したら大変だしなぁ…」

少し考える素振りをするマスター。

「う〜ん…。はっ!そうだ、これなら!」

どうやら、何か思いついたようで、手のひらを敵に向ける。

すると、文字通り『高火力な炎』が放射される。

熱風が吹き荒れ、思わず目をつむってしまう。

熱風が止み、目を開くと敵の姿は無く、練習場は無事だった。

マスターは、斜め上を向いて差した機械を押し込む。

 

 フ レ イ ミ ン グ   イ ン パ ク ト 

 

先程以上の火力の炎がマスターの手のひらに集まる。

そしてマスターの視線の先、上空にいた『殻を失って情けない姿』で飛ばされていたさっきの敵に当たり、爆散する。

ただ、その上空の爆炎の中から『紺色の翼の異形』が現れ、追突してきた。

「えっ!?うわっ!」

マスターも流石に回避できず、ダメージを受ける。

すかさずイズさんの方を向くと、既にアイテムが投げられていた。

マスターはキャッチしながらボタンを押す。

 

Wing!

 

そしてベルトに認証。

上空からマゼンタカラーの光と共に現れた機械の隼が「紺色の異形」を撃ち落とす。

ベルトに差し込み、また姿が変わる。

 

Fly to the sky!フライングファルコン!

"Spread your wings and prepare for a force."

 

マゼンタカラーの翼を広げ、再び上空に逃げた敵を追う。

敵の攻撃を避けながら、機械を押し込み敵へ近付く。

 

 フ ラ イ ン グ   イ ン パ ク ト 

 

マゼンタの隼のようなオーラを纏い、敵へにぶつかる。

爆炎の中から、マスターはマゼンタのオーラを纏って無事、地上に降り立つ。

少し安心して練習場を見た私は、あることを思い出す。

「残り一体、『赤色で肩から刃を生やした異形』は…?」

そして、私の耳にうっすらと何かが聞こえた。

やめて…来ないで…

嫌な予感が当たってしまった。

逃げ遅れたウマ娘が、『赤い異形』に追い詰められていた。

「しまっ…ぐっ…」

マスターも気がついたが、先程からの連戦のせいか、膝をついてしまう。

しかし、敵は無慈悲に肩の刃を取り外し、腕を振り上げる。

「…!ブルボン!?」

マスターに言われて、ふと気が付く。

私の脚は、そのウマ娘の方へ走り始めていた。

『彼女を助けられる可能性…0%』

そんなことは計測しなくても分かっていた。

でも、彼女の姿は『あの時、マスターに助けられた私』と同じだ。

表情に『絶望』と『恐怖』が私の回路…訂正、『心』に痛いほど伝わってしまった。

だから…だからこそ、助けたかった。指示もされていないのに脚が動いてしまっていた。

「今の私の脚は…『逃げるための脚』じゃない…ッ!!」

目の前の命を助けるために、この脚は走る。

 

『スキル』という存在が、本当にあるかはわからない。

ただ、今は目の前の『命』を救うため、『お父さんと見た戦闘機』のような速度を、『救う力』を貸して!

 

視界に映るは、出撃用のカタパルト。

カウントが終わり、宇宙に向かって私は飛び立つ。

 

そんな風景が見え、ふと気がつくと先程の彼女を私は抱きかかえ、敵から3m程離れていた。

「いつの間に…?」

私は、つい呟く。

「…えっ?」

か細い少女の声。

「…?」

異形は、小首を傾げたような動きをする。

「ブルボン…今のは…!」

マスターは、驚いていた。

状況を整理して、私はようやく理解した。

「これが、『スキル』…?」

全員が、呆然としていた。

が、すぐにマスターは気を取り直して

「いや、今はアイツをなんとかしなきゃ!」

カバンが変形した剣を一度カバンに戻す。

Charge rise…

そしてまた、剣に戻した。

Full charge!

剣にエネルギーが集まり、マスターは一気に、敵までジャンプする。

 

「おりゃあああ!」

 

 カ バ ン ス ト ラ ッ シ ュ 

 

必殺の斬撃が、敵を切り裂いた。

 

(後編に続く)




第5話前編、お読みいただきありがとうございました!
「エイシンフラッシュとレースする話を書き始めたら、アプリの『レジェンドレース』でVSエイシンフラッシュが始まって驚いた」『泥団子男』の泡男です!
(もちろん、自分で育成したミホノブルボンで勝ちました!)
今回が前・後編になった理由でもある『トレーニング最終日で現れる多数のマギア』や『本編では、ランペイジバルカンの一部としてぐらいしか出番が無くなってしまった形態(ハイブリッドライズ)達の再びの活躍』、『ミホノブルボンのスキル覚醒』などをまとめたら、いつもの一話分の長さ(大体3500文字ぐらい)を余裕で越えてしまったのでこうなりました…。
ただ、書きたかったことが書けて、幸せです!
(投稿が遅くなってしまったので、良くはないのですが)
というわけで、後半ではエイシンフラッシュとの決着つけます!!
お楽しみに!

(泡男)


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第5話(後半) ヒビけ!Makedebutのファンファーレ!

期限もオーバー(約2時間半)するし、文字数も(前後編)いつもより多くなってしまいました…本当にすみません…。
(やりたい事が多すぎるのも困りものですね…。)


敵の爆発によって起こった爆風から、少女を庇う。

「…大丈夫…でしたか?」

言葉を選びながら、反応を伺う。

「うん…ライスは大丈…!?」

少女…ライスシャワーさんは驚いた顔でこちらを見た。

「ブブブブ、ブルボンさん!?」 

…?

「私は、そんな『バイブレーション』みたいな名前ではないのですが…」

いくら『サイボーグ』だと呼ばれても、そんな名前ではない。

「(ブルボ〜ン!多分、その子ビックリしてるだけだと思うぞ〜!)」

マスターは、気持ち小声で私に言う。

なるほど。ステータス:【混乱】だったのだ。ならば…

「コホン…」

一つ、咳をしてから『今の状況にピッタリな言葉』を放った。

「ライスシャワーさんが、カレー『ライス』を食べて、一言…『辛いっす』

。ハイッ,アルトジャーナイト.」

マスターの『ギャグ』の傾向から作ったコレならば、上手くいくはず。

「…えっ?」

マスター、【困惑】

「…ふぇ?」

ライスシャワーさん、【困惑】

あまりの空気につい、

「『ふぇ』ではありません。」

と口に出してしまう。

「あっ、ごめんなさい…」

ライスシャワーさんが、また落ち込んでしまう。

ただ、変身を解除したマスターは

「…俺のギャグ、ラーニングしてくれたんだな!さっすが、俺の担当ウマ娘だぜ!」

と(恐らく)フォローしてくれた。

 

…色々とあったが、ライスシャワーさんと別れ、マスターとイズさんと『スキル』の話をした。

「ミホノブルボン様は、『スキル』使えるようになったのですか?」

イズさんに聞かれ、私は正直に

「『使えるようになった』とはおもいますが、なんとなくの感覚データしかないのでレースで使用できる保証はありません。」

と答えた。それを聞いたマスターは

「まぁ、一度できたんだ。なんとかなるさ!」

と笑顔で言った。

私はこの言葉の『理由のない安心感』を信じて、残りのトレーニングをし、今日を終えた。

 

―メイクデビュー戦―

レース場の空気は、期待と緊張感で溢れていた。

準備体操などのウォーミングアップをしていると、メイクデビュー戦に参加する他のウマ娘が話しかけてきた。

「ミホノブルボンさんですよね!?今日は、よろしくお願いします!」

活発なタイプの方と推測。

もちろん、エイシンフラッシュさんだけでなくこの方もライバルではある。

だが、ここで『敵』として接するのは恐らくマスターはよく思わないだろう。

ただ、私は相手に誤解されやすい。

私の出来る『良い返答』は…

「はい、ミホノブルボンです。本日は宜しくお願いします。」

角度も完璧な90度の深い一礼。これなら…。

「あっ…。はい!お互い頑張りましょう!」

そう彼女は告げて、去っていた。

…後に聞いた話では、この会話で『私のロボット疑惑』がより深まってしまったそうだ。

そんなことを知るよしもない私は、マスターとイズさんの元へ向かった。

「ミホノブルボン様、『スキル』というものを身に付けたそうですね。おめでとうございます。」

小さく拍手をしながら祝ってもらえた。

「やり方は理解できましたが、『身に付けた』と呼べる程では…」

そう言いよどむ私をマスターは、

「心配しなくてもいけるさ!少なくとも俺はそう思う!」

と太鼓判を押す。

「私ももちろん、そう思っております。」

イズさんもマスターに同意した。

…この二人がそう言ってくれるのなら、やれるかもしれない。不思議とそう思えた。

「…はい。お二人のご期待に答えるためにも、この『メイクデビュー戦』、必ず勝ちます。」

お二人のために…そして私のために…そう宣言して、レース場のゲートへ向かった。

ゲート近くには、さっき挨拶してくださった方とそして…エイシンフラッシュさんがいた。

「エイシンフラッシュさん。」

私は、意を決して声を掛ける。

「ミホノブルボンさん…!」

相手も、何か決意したように反応する。

「互いの誇りをかけ…正々堂々、勝負です。」

私は、その『宣言』に無言で頷く。

少なくとも彼女自身は、別に『マスターのトレーナー引退』を望んではいないのだろう。

ただ、『勝ちたい』という願望はよく理解出来た。

私達は、同時に背を向けそれぞれの始まり【ゲート】へ向かう。

ゲートに着くといつもより身体が重く感じた。

先程までは無かった異常…原因、及びステータスを確認。

…ステータス【緊張】と判断。

ですが、私は勝たなくてはならない。

マスター、お父さん、そして私のためにも。

盛大なファンファーレの後、放送が流れる。

「美しい青空が広がる、中京レース場。ターフも絶好の良バ場になりました!」

実況…というものだろうか。

「2番人気は、ミホノブルボン!」

私の名前が呼ばれる。

「短距離路線ではなく、『三冠制覇』という偉業を成し遂げることを目指すウマ娘!個人的にはとても注目しています!」

期待…されているようだ。

「1番人気はこの子!エイシンフラッシュ!」

エイシンフラッシュさんが呼ばれる。

「人気と実力を兼ね備えたエイシンフラッシュ。真っ向勝負に注目だ!」

「」やはり、人気も注目もエイシンフラッシュさんの方が上。

しかし、『人気』と『結果』は同じではない。

それを証明してみせる。

スタートの体勢をとりながら気合いを入れ直す。

「各ウマ娘、ゲートにて体勢整いました!」

一瞬の静寂…そして、『ガタン!』と音が鳴ると同時に私たちは飛び出した。

私は『作戦∶逃げ』の通り、最前へと向かう。

エイシンフラッシュさんは、恐らく『作戦∶差し』であるため、後方にいるはず。

そんなことを考えながらも、『掛かり』にならないよう『安定走行モード』を維持。

そして、最終コーナー。エイシンフラッシュさんが全力を発揮するタイミング。

「くっ…」

後ろから得体のしれない重圧…プレッシャーを感じる。『もっと速く走らねば』という気持ちにさせられる。しかし、『掛かり』になってしまっては、スタミナの差で負ける。だからこそ、思考を目の前のゴールと『スキル』の事のみに集中する。

 

あの時『スキル』が発揮したのは、『幼い頃の憧れ』と『目の前のライスシャワーさんの為に走る』という意志の力…だと思う。なら今、『誰かの為に走る』のなら…

 

行っけーっ!ブルボーン!!

 

マスターの声。そうだ…

「お父さんと、マスターの為…」

私を信じて夢を応援してくれた二人の為に、私は再び『飛び立つ』…!

 

「これが私の…『夢見た世界(スキル)』!」

 

その時、ほとんどの観客やウマ娘達には私が『急加速』したように、マスターやエイシンフラッシュさん、そのトレーナーには『近未来的な衣装を着た私が宇宙へ飛び立つ』姿に見えたそうだ。

 

「ミホノブルボン、1着でゴール!人気の差を覆し、実力を見せつけた!!」

 

実況の声が響いて、私は『自分がゴールしたこと』に気がつく。

 

「2着はエイシンフラッシュ!」

 

…そうか、私は勝つことが出来たのか。

まだ、「感情システムの整理」と「状況把握」が追いついていないため、感情表現ができない。

ただ、歓声は私とエイシンフラッシュさんに降り注いでいた。

エイシンフラッシュさんの方を見ると、驚いた表情をしていたが、すぐ歓声の方に一礼をし、優しく手を降っていた。

『私もそうしなくてはいけない。いや、そうしたい。』

そう思い、見様見真似だが手を小さく振ってみる。すると歓声は大きくなり、何人かの言葉は理解できた。

 

『君なら長距離でも闘えるぞー!』

『私、信じてたよー!』

『エイシンフラッシュちゃんも、ミホノブルボンちゃんも、良い走りだったよー!』

 

これが『声援』と認識。ステータス∶【高揚】を確認。

そしてレースを終えてから、マスターとイズさんの元へ向かい、勝利を報告した。

「やったな、ブルボン!最後に見えたぜ、宇宙!!」

マスターの表情は文字通り、『満面の笑み』だった。

「ミホノブルボン様、本当におめでとうございます。きっと、ゼアやウィアも予測出来なかった結果だとおもいます。」

イズさんも拍手しながら祝ってくれた。

…多分、この湧き上がってくるモノが『嬉しい』という感情なのだろう。

そんなことを思考していると、エイシンフラッシュさんと、トレーナーが現れた。

「私の敗北です。ミホノブルボンさんの最後の加速、それが練習の成果なんですね。」

エイシンフラッシュさんは、私を認めてくれた。

トレーナーの方は、少し不服な表情をしながらも

「…勝負は貴方達の勝ちです。貴方達の『夢』…叶うと良いですね…クッ…。」

とだけ言うと去ってしまった。

エイシンフラッシュさんは、半笑いで

「きっと、あの人なりに認めているんだと思います…!」

と言ってから、神妙な面持ちになり呟いた。

「あなた達になら話しても良いかもしれませんね…」

マスターもそれに気がついたのか、即座に質問する。

「一体何を…?」

少しの沈黙の後、彼女はレース前以上の覚悟を決めた顔で話す。

「私達が、『身の丈に合わない夢を否定し、無理な練習をするトレーナーを憎む』ようになった理由を…。」

 

その頃、エイシンフラッシュのトレーナー

 

「私は間違っていたのか…だが、『あんなこと』を繰り返す可能性のほうが高かったはずなんだ…」

一人呟く。そんな彼に話しかける者。

《color:#8c0606》お疲れ様でした。惜しかったですね。

目の前にいたのは、黒いコートを身に着け、フードを被り、声は加工されていて性別もわからない謎の人物。

「誰だ…?」

今の状況のせいもあってか、つい敵対的な対応をしてしまう。

ただ、『黒い影』は、気にせず話し続ける。

キミの考えは間違えてない。それを『急にしゃしゃり出てきた社長業のついででトレーナーするような奴』に否定されたら、誰だって怒るものだ…!

腹立たしいが、図星だった。

『黒い影』はどこかから、『歪んだ仮面のようなものが半分付いた長方形の機械』を取り出しこちらを見る。

その『悪意』、解き放て…。

そう言うと、口元をニヤけさせながらボタンを押す。

 

ArkServants…

 

禍々しい機械音声が流れ、『文字化けした文字』と『不穏な漢字』が混ざった『赤黒い沼』が現れる。

それは、トレーナーの身体に纏わりつき一瞬で包みこんだ。

赤黒い繭のようなものになった彼は、羽化するように繭を砕いて現れる。

腰元には、かつてZAIAが対マギア用の兵器として使用されたアイテム…『レイドライザー』、手には、先程の『機械』を持っていた。

『黒い影』は、半笑いで問う。

キミのしたい事はなんだい?

 

トレーナー…いや、『トレーナーだったもの』は狂気と怒りの混じった声で告げる。

 

『身勝手ナ理想』ヲ…破壊スル…ッ!!

 

(次回へ続く)




【次回予告】
次回、『仮面ライダーゼロワン&ウマ娘』!!

暴れ出す『悪意』!?

「オ前ニ、ナニガ…ナニガ分カルンダァァァァァ!!」

エイシンフラッシュの願い!

「私の…私のトレーナーを…助けてあげてください…っ!!」

少女達の思いは伝わるか!?

「もしも、私が『その子』なら、マスターのために頑張れたことに悔いはないはずです!」

 第6話 輝くキボウは君だけの強さ 

「『その子の夢』、あんたも信じたんだろ?」

――――――――――――――――――――――――――
『泥団子男』の『泡男』です!
第5話後編、ご覧頂きありがとうございます!
何故か、前・後編に分けたはずなのに、後編は、文字数増えてるのでしょうね…?
(文章をまとめる能力が無いだk…)
思いついたアイデアをすぐ形にできればいいのですが…。
今回のレースは、前編の後書きでも書きました「レジェンドレース」を元に…というかほぼそのまま書きました!
(むしろアレ無かったらもっと時間かかってたかも…?)
レースは終わりましたが、『不穏な要素』、『悪意の魔の手』、『エイシンとトレーナーの過去』、『ブルボンのウィニングライブ』…書かなきゃいけないことは多いですがなんとかします!(次の日曜日前に投稿出来ればいいなぁ…)
次回もお楽しみに!!



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第6話 輝くキボウは君だけの強さ(前編)

或人の進退を懸けたメイクデビュー戦は、「スキル」を発揮したミホノブルボンの勝利で幕を閉じた。
レースを終え、エイシンフラッシュと会話をしていたミホノブルボンと或人、イズ。
エイシンフラッシュは、三人に「自身のトレーナーについての重要な話」をしようとする。
その裏で、エイシンフラッシュのトレーナーは、「黒コートの人物」によって、悪意に取り込まれてしまうのであった。



エイシンフラッシュさんは、つぶやく。

「あなた達になら話しても良いかもしれませんね…」

マスターもそれに気がついたのか、即座に質問する。

「一体何を…?」

少しの沈黙の後、彼女はレース前以上に覚悟を決めた顔で話す。

「私のトレーナーが、『身の丈に合わない夢を否定し、無理な練習をするトレーナーを憎む』ようになった理由を…。」

エイシンフラッシュさんがその『理由』を伝えようとしたときだった。

 

「…!」

全身を走る悪寒。前にマスターの『ギャグ』を聞いたときの『風邪のような寒さ』ではなく、『私の回路全てがエラーを発生させたような震え』だった。マスターもそれに気がついたようで、おぞましい気配の方を向く。

 

レース場の出入口、やけに響く足音。

 

「…イズ、ブルボン、エイシンフラッシュ。避難してくれ。出来れば、観客や他のウマ娘も避難誘導してくれると助かるよ。」

そう言うとマスターは、ベルトを構える。

 

ただ、現れた存在の正体を見て、マスターは変身の準備を、私達は避難する足を、止めた。

 

「…オ前ノ…『身勝手ナ夢』は…破壊スル…!」

 

エイシンフラッシュさんのトレーナーだった。しかし、どう見ても通常の『ステータス』ではない。腰元には、マスターとは違うベルト。手には、『マスターの使うアイテムに半分がゆがんでひび割れた仮面のようなパーツがついたもの』が握られていた。

 

『ArkServants…』

 

そのアイテムを起動させ、ベルトに装填。

不穏なbgmが流れる。

 

「壊…放…ッ!」

 

ベルトのボタンが押され、キーから『破壊するための邪悪な力』が解き放たれる。

 

Raidrise…

 

トレーナーの足元に『赤黒い沼』が現れ、トレーナーの身体に纏わりつき繭のようになる。

 

ArkServants…

 

All for the Lord…

 

 

繭を破り、赤く染まった『人型のナニカ』か現れる。シルエットだけなら、マスターの『ゼロワン』に似ていたが、仮面は非対称になっていて、半分は『ゼロワンのような赤黒い仮面』、もう半分は『ヒューマギアの素体のような白い顔』であった。しかし、どちらも今にも崩れそうなほどひび割れていた。

『醜悪な化け物』と化したトレーナーはつぶやく。

 

「オ前ノ理想ヲ…否定シテヤル…殺シテデモ…!」

 

そんな恨みのこもった言葉に対して、マスターは静かに語りかけるように、しかし強い意志を込めて話す。

 

「お前に何があったのか、俺は知らない…。けど、少なくとも『そんな力』に頼ってまでやることじゃない。」

 

J U M P !

 

「変身!」

 

ライジングホッパー!

 

マスターは、いつもの蛍光色の『ゼロワン』に変身する。手には、前にも見た『カバンの剣』が握られていた。

 

「オ前…(ゴト)キガァァァァァ!!」

 

 

『トレーナーだったもの』は、叫びながら『赤黒いエネルギー波』を放つ。

 

マスターはジャンプをすると、上空で身体をひねりながら避けつつ、剣を振るって着地。剣に当たったエネルギーは、上空に向かい爆発する。

その後、着地後の体勢から相手の方まで一気に近づき低姿勢からの蹴り上げ。

空中で為す術のない『化け物』に追撃が決まる。

地に落ちた『化け物』から再び、赤黒い沼が放出され元のトレーナーの姿に戻る。

しかし、様子はおかしいままだった。

 

「お前の…戯言を…絶対に…認メナイ…ッ!」

 

 

そう言い残すと、トレーナーは、『朱い霧』を纏って姿を消した。

 

静かに変身を解除するマスター、呆然とする私やイズさん、地に膝をつきうなだれるエイシンフラッシュさん。

そんな沈黙の中、最初に口を開いたのはエイシンフラッシュさんだった。

 

「私の…トレーナーの話…まだ出来てなかった…ですよね…?」

 

震える声で、そう質問した。

今の状態で話せるとは思えない。

おそらく、私だけでなく、マスターも、イズさんもそう思っていただろう。

しかし、彼女は声の震えを抑え、語り始めた。

「トレーナーには、同じトレーナーでありライバルであるご友人がいました。そして、そのご友人さんの担当ウマ娘は、私の友達でした。」

淡々と話し続けるエイシンフラッシュさん。

「その私の友達は、元々中・長距離の適正がないのに、『私と競いたい』という一心で練習し続けました…。『あの時』までは。」

ここを機に、また少しずつ震え声になり始めた。

「彼女は…『私と模擬レースがしたい』と頼んできました…。『エイシンと戦えるぐらいスタミナも、パワーも付けてきた』と…。」

言葉の一つ一つから、『バッドステータス:【後悔】』を確認…。それでも、彼女は続けた。

「お互い、【差し】の作戦だったため、最終コーナーまで結果は分かりませんでした。最終直線に入ったとき、恐らくわずかな差で、私は彼女に負けていました…。ですが、ゴール寸前で…。」

一瞬、話が止まる。

 

「彼女は…足を…もつれさせて…倒れました…。」

 

押し殺した感情を少しずつ開放するような声。

「そのときに、彼女は脚を怪我して…レースで走ることが…出来なく…なりました…。そして、そのことがキッカケで、トレーナーの友人も…トレーナー業を…引退してしまいました…。」

まるで『自らの罪を懺悔する』ようだった。

彼女は…訂正。

『彼女達の誰も』が罪を犯した訳ではないのに。ただ、『夢を叶えたかった』ウマ娘と『夢を支えようとした』トレーナー、そして『その二人をライバルとして支えていた』二人。

ただ、それだけなのに。

「トレーナーは、不器用なだけなんです…!『無茶してほしくない。心配だ。』…ただ、それだけ言えれば良かったのに…!」

溢れ出る思い。

 

「私の…私のトレーナーを…助けてあげてください…っ!!」

 

『心からの願い』…私でも理解できるぐらい、心のこもった言葉だった。

 

「あんな横暴な対応をしたトレーナーのことで…不躾(ぶしつけ)なお願いなのは、重々承知しています!それでも…私の『唯一のトレーナー』なんです!!」

 

そんなエイシンフラッシュさんの言葉に、マスターは…

「…任せてくれ。君の言っていた通りの人なんだろうなっていうのは、よくわかったから。」

…やはり、マスターからは、『優しさ』があふれていた。

「ただ、少し準備する時間と、あの人がどこにいるかを探す時間が欲しい!エイシンフラッシュは、居そうな場所とか考えておいてくれないか?」

そう言うと、イズさんを呼び、二人で作戦会議のようなものを始めた。

「…って、今使える?」

「いえ、まだメンテナンスが終わってません。」

「じゃあ、…と…だけでもなんとかならない?」

「…ですか?わかりました。優先してその2つのメンテナンスを完了させます。」

「ありがと!」

私には何の話かは理解できなかったが、それが解決に繋がるのだろう。

私は、開催できるかわからない『初めてのウイニングライブ』のことを考えながら、自分にできることを探すことにした。

 

夕暮れ時

先程とは別のレース場を恨みと悲しみのこもった瞳で見つめる男。

 

「…やっぱり、ここにいたんですね。」

女性の優しい声色。

「エイシンフラッシュ…。」

彼の担当ウマ娘は、彼の行きそうな場所を、理解していた。

「トレーナー、あの子は…」

 

「ウルサイッ!」

 

『そんなことを望んでいない』という説得も彼の中で煮えたぎる怒りにうち消される。

「たとえ、お前でも…邪魔ヲスルナラ…」

 

ArkServants…

 

「壊…放…ッ!」

 

Raidrise…

ArkServants…

All for the Lord…

 

悪意がエイシンフラッシュに牙を剥く…。

その時だった。

 

「お前が『悪意』の矛先は、ただ一人…俺だろ?」

エイシンフラッシュの背後に現れる青年とウマ娘。

 

「もしも、私が『その子』なら、マスターのために頑張れたことに悔いはないはずです!」

私は、エイシンフラッシュさんの代わりに言い放った。

「ミホノブルボン…ヒデンアルトォォォ!」

目に見えて苛立つ『化け物』。

「お前を止める方法は、エイシンフラッシュと…『名探偵』が教えてくれたのさ。」

そう言うと、『金色に輝くアイテム』を取り出した。

 

マスターがここに着く前…

マスターは、その『金色のアイテム』で変身し、何か考え込むようにしばらく硬直していた。

マスター曰く、その間にこんなことがあったという。

 

マスターは、『このアイテムを作るために消えたヒューマギア』の意志を信じていた。

イズさん曰く、「その方の意識データは、入っていないはず」…だそうですが。

「(力を貸してくれ…『ワズ』…)」

もちろん、マスターがつぶやいた声に返答はない。

しかし、マスターには聞こえたそうだ。

(『真実』は、『見方』によって変わります。『その悲劇の登場人物』に直接聞いたら…どうです?)

その言葉がマスターに、解決策を思いつかせた…らしい。

「ありがとうな…『ワズ』…。」

虚空にまた、つぶやくマスター。

マスターは、やはり不思議な人だ。

 

そして今、そのアイテムを「彼の悪意を止める」ために使用する。

 

SHINING_JUMP!

 

Authorized…

 

『金のカギ』を天に浮かぶ鍵穴に差して回す。

鍵が開き、中から金の巨大なバッタが現れる。

 

「変身!」

 

Progrize!

The rider kick increases the power by adding to brightness!

シャイニングホッパー!

"When I shine,darkness fades."

 

金のバッタはマスターにくっつき、バッタの脚が尖った装甲になる。

「お前たちの『予定』を守れるのはただ一人…俺だ!!」

マスターは、『いつもの決め台詞をアレンジしたもの』を言い放った。

(後編に続く)




【お詫び】
「泥団子男」の「泡男」です。
一ヶ月以上もの間連絡もせず、投稿をお休みしてしまい、申し訳ありませんでした。
体調などは問題なかったのですが、私の所用が少々立て込んでしまい、「アイデアはあっても、形にできずにいる状態」にありました。
一応、仕事にひと段落が付き、文章を書く時間も取れるようになったため、本日の「第6話(前編)」から投稿を再開させていただきます。
また、今まで「週1投稿」を目標にしていましたが「不定期投稿(週に1回以上投稿するときもあれば、全く投稿できない場合あり)」とさせていただきます。
恐らく「この投稿者はもう書くのをやめてしまったのだろう」とお気に入りから削除された方や、「勝手に失踪したくせに、急に「定期投稿にして復帰するのか」と不快に思われる方もいらっしゃると思いますが、「自分で考えた物語をちゃんと完結まで書き切ること」をどうしても果たしたいので、投稿を再開させていただきます。
今日まで「ゼロワン&ウマ娘」の投稿をお待ちして下さった方々には、本当に頭が上がりません。
こんな作者ですが、これからもご声援と作品のご愛読をよろしくお願いします。

【泡男】


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