転生したらキャルちゃんだった話 (榛翔)
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その他
転キャル連絡帳 随時更新予定(22/7/1 更新)


本編や連絡する為の場所です。
活動報告と一緒に使ってきます。
また、短編とか没案とかも出す予定なので
暇潰しように

あとは、特殊タグの使い方慣れたら、wikiみたいにしてみたいです。
特殊タグの使い方教えて下さる方いたら、教えてください。
自分は基本的なのしかできません。
Twitter
https://twitter.com/Haru_kyaru3
よろしくお願いします。


新連絡

 

 

22/6/16 投稿遅れる件について

 

誠に勝手ではございますが投稿日を遅らせていただきます。

 

本当は昨日に上げれる予定でしたが、急遽休みが無くなったのとストーリーの見直しと修正をしていまして今日明日中には無理と判断しました。

 

本当に申し訳ございません。

 

6月中には無理でしたが今週中には出す予定です、てか出します

 

なのでもう暫くお待ちください。

 

誠に申し訳ございませんっ!!!!!

ほんとすみません、徹夜はもう辛いので許してください。

 

 

22/6/16 生存報告と再会について

 

皆様お久しぶりです。そして長い間音沙汰もなく大変申し訳ございません。

今回の報告も昨日までにはしたかったのですが寝落ちしてしまいました。(3敗)

何故こうも期間が開いたのかという理由につきましては簡潔に言いますと

 

職を無くす→探す(2ヵ月)→生活の為にバイトする(2ヶ月)←今ここ

 

てな感じで就活してました。(まだしてますが…。)

なんも連絡できなかったのは本当私の落ち度です。

此処数ヶ月は帰ったら他事する気力さえなくそのまま寝る生活してたのと五月病が発症しまして何に対してもやる気が出なかったのもありハーメルンのチェックを怠っていました。

とりあえず今月中にキャルちゃんをせめて1話更新したいです。

今後は自分の身体の具合にはなりますが再会していくつもりです。

 

ほんとお待たせして申し訳ございませんでした。

忘れて飽きられてしまったと思いますがどうかこれからもよろしくお願いします。

 

活動報告については今日上げます。

上の説明と大体同じになりますが、もっと詳しく書いてほしい等のご要望は承っております、Twitterなどで連絡してくだされば活動報告に書いときます。

 

他作品も随時更新予定です

ちなみにですが空いた期間でウマ娘とのクロスオーバー物書いてみましたが…

読みたいですか?

 

 

22/2/9 次回作について

 

おはこんにちこんばんわ

 

どうも、突然ですが転生したらキャルちゃんだった話の研修編で躓きました…

 

展開考えてたんですが二話にしたことでもともと考えていたのだと短すぎる事に気が付き

 

急遽付け加えたんですが、変えたせいで後半どうするかという問題に直面しています。

 

要は、オチが決まりません(落胆)

 

皆さん…何か研修編で入れてほしい話とかこうしたらいいんじゃないかって案募集します。キャル虐でもギャグシーンも勿論いいです

 

皆様の案を…スランプなワタクシめにお教えください。

 

ホント申し訳ございません。最近休めるどころか忙しくなって考える時間もあまり取れないので悩んでるんですよね。

 

別のお話の案とかならポンポン出てきますのに…

 

てか、この考えている期間にウマ娘の新作できてしまいました。(何時もの)

 

息抜きで書けば何か見えてくると思って書きましたが…知人には結構好評な案だったんで…見たいですか?

 

(まだ完結してないのにどんどん書くおバカ)

 

見たいって意見あったら生存報告代わりに出しときます。

 

ちなみに今回作った話は転生物、TS、銀魂成分強めのやつです。

 

まだ実装されてない子が主人公なので作者が勝手にこんな感じかなと考えたんでキャラ崩壊ありです。

 

早く実装来い!

 

というわけで見たい人いたら気軽にコメントどうぞ。

 

案なんかもここやTwitterなんかで気軽に送ってきてください

 

恥ずかしいならDMでも全然OKです

 

私コメ来るだけで毎回はしゃいでます、どんなコメントでも嬉しいですからね!

 

いや~、案が思い浮かばないからマジでここ最近焦りに焦ってました。

 

ゲームやら他の作品見てたら逆に他のに影響さちゃう…ありません?

 

長くなりましたが案と新作見たい?ってお話でした

 

ちなみにですがこれと同じのを活動報告にも載せてるんでコメントとかあったらそちらで気軽にどうぞ。Twitterとかでも大歓迎です。自分のしやすいほうで。

 

 

 

 

22/2/5 Twitterでのアンケート結果

 

 結果報告遅れて申し訳ございません。

ちょっとここの所立て込んでまして遅れてしまいました。

 

結果を言うと研修編は二話完結という事になりました

投票してくださった皆様には感謝申し上げます。

ありがとうございます。

次話に関してはちまちまと書いておりますのでいつ上げれるかは今のところ未定です。早く投稿できるようには頑張りますのでもうしばらくお待ちください。

 

 

 

 

22/1/24 Twitterにてアンケート実施

 

Twitterにて投票を行っています。

次回作の研修編を1話か2話にするかで、迷ってたのでアンケート取りました。

皆様、ご協力お願い致します。

上の前書きからも行けます。

 

Twitter → https://twitter.com/Haru_kyaru3

 

一応投票期間は一週間です。

 

 

 

22/1/16 アンケート実施

 

アンケート実施のお知らせです。今後の参考にしたいのでご協力をお願いします。

(閑話から最新話)

質問内容はこんな感じです

・地の文もう少し減らしてもいいと思う

・もう少し会話パート増やしてほしい

・このままでも全然OK!

 

 

22/1/1 明けましておめでとうございます。

 

新年明けましておめでとうございます。今年も転キャルよろしくお願いします。

休日だからといって羽目を外し過ぎて体を壊さないようお気を付けください。

新年早々体調不良は嫌ですからね。

今年もマイペースで投稿してくと思いますが皆様よろしくお願いしますね

感想なんかくれるともっと喜びますから

Twitterの方ももう少し投稿頻度上げたいなぁ

今年の目標は転職して書く時間増やしたいです、他にもゲーム実況なんかもしてみたと思ってますのでもしやり始めたら見に来てください。

長くなりましたが今年は去年よりいい年にしましょう。

そして体は大事に…

 

閑話は近いうちに投稿しますね。

明日から通常通りに戻るんで書く時間作りたいです(切実)

 

 

21/12/26 アンケート結果

 

アンケートご協力ありがとうございました。

アンケートの結果、日本のままストーリー続けることになりました。

海外選んでくださっった方もありがとうございました。

海外編はif物語として短編書きますのでご安心ください。

とりあえず今年中には出したいです、金曜までにトレーナー編は投稿出来るようにします。

 

 

 

21/12/24 アンケートについて

 

皆様メリークリスマスです。アンケートについてなんですが明日の夜頃締め切らせてもらいます。

明日の夜までなら何時でも投票できますのでまだ投票なさってない方はどんどん入れちゃって下さい

ご協力をお願いします。

皆様良いクリスマスを!(自分は仕事ですけどね!)

 

 

 

21/12/20 再度アンケート

 

何度もすみません。トレーナー編での海外か国内かで意見二つに分かれたのでもう一度アンケートとります。

内容は海外か日本国内の二択です。

どちらかでだいぶ内容も変わりますのでご協力をお願いします。

0話プロローグから最新話間でアンケート可能です。

(連絡帳やキャラ紹介ではアンケート表示していません)

 

 

21/12/17 アンケートについて

 

次回のストーリーのアンケート結果です。

トレーナー編(1話)17

  閑話(1、2話)16

という事で、トレーナー編からになります。その次に閑話ですね。

アンケートご協力ありがとうございます。

 

昨日のうちに締め切りたかったのですが案の定寝落ちして今日になりました。

毎度申し訳ないです。

次回は未定ですが今年中には…出します。

もう一つ、キャルちゃんに海外行かせる案も出てるんですが皆様どう思いますか?

意見募集してます。

 

 

 

21/12/07 予告について

 

Twitter限定で予告書くことにしました。(今まで書いてなかったけど)

 

別に見たからといってなんもならないのですがTwitterだけの特典みたいに考えてくれればいいです。

 

ちゃんと投稿もするんでこうゆうの興味無かったりしたらごめんなさい。

 

勿論、次話の経過報告やゲームや作者の変なツイートなんかもTwitterならではなのでよろしかったら見てください。(強制ではありません)

 

(PCでこうやって書くのが面倒くさいとか思ってないないですからね!)(目そらし

 

↓フォロー無しでも見れるんでこちらからとんでいただければ

 

https://twitter.com/Haru_kyaru3

 

予告といっても簡易なものです。Twitterには文字数制限ありますからね

活動報告にも書いときました。

次話に関してはもうしばらくお待ちください。すみません。

 

 

21/12/04 次話案と没集

 

次話に関して今書いてますがちょい案浮かばないんでこうしたらいいってのがあったら教えていただければ幸いです。

案をください!

次に没集なんですが…ほんとにいりますかね?読みたいって声多かったら投稿します。

次話までもうしばらくお待ちください!

一応これは活動報告にも書いときます。(同じ内容なんでここ見てもらった方は見なくていいかもです。)

今までの話の感想お待ちしております。

改善点とかも全然送っていただいて結構です。

次話やこういった連絡事項がいち早いのはTwitterなので宜しければフォローお願いします。

勿論こちらにも書くつもりなので安心してください。

いち早い情報なんかや作者とお話してみたいって方はTwitterよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

21/11/30 投稿開始

 

この度ちょっと過労で一週間ほど入院していまして更新止まっておりました。申し訳ございません。

携帯なんかも家に置き去りに…連絡できなかったのはそれが原因です。

今後は自分の体の事も考えながら投稿していくので投稿頻度が減りますが転キャルを今後ともよろしくお願いいたします。

休みの日なんかはストック作ってくようにはしますので大きく空いたりしないはず…です、たぶん

 

 

 

 

21/11/10ゴールドシップについて

 

ゴールドシップのキャラって媒体によって全然違いますよね。

個人的にアニメ枠が一番まともに見える、ゲームは異次元、YouTubeの方ははっちゃけ具合&中の人強め、書籍の方はキャラが定まって無くて、媒体の数だけゴルシ様いますよね。

参考にアニメ、ゲーム、書籍見てきたけどもう分け分からんゾ!

なのでこの作品のゴルシ様はある程度キャラ崩壊入ってるから、はっちゃけ具合マシマシ、パロディマシマシで行きます。

個人的な感想ですが、ゴルシ様って銀魂やボボボーボ・ボーボボにいそうですよね。絶対いたら面白い。

一人だけギャグ時空ですもんね(笑)

作者はギャグ系統は銀魂の印象が強いため、銀魂みたいなノリになると思います。

皆様がどう思われるか分かりませんがとりあえずゴルシ回はギャグ路線で(ときたまシリアルとずきゅんばきゅんで)

ゴルシぽくねぇな思ったらすいません。

 

21/11/9 アンケート結果 活動報告にて

 

アンケート結果は全員幼馴染に決まりました。活動報告にも書きましたが一応こっちにも書いときます

 

※故郷について

正直、故郷が分かっているウマ娘が少なすぎるんです、現実の方だと、ほぼ皆北海道生まれで楽なんですが。

ハルウララだと高知だったり、オグリキャップだと笠松と公式の方のストーリーでも度々出てて分かるんですが、その他は謎のまま(作者が知らないだけ)なんですよ。

ゴルシに限ってはゴルゴル星ですよ?ウサミン星の親戚か何か?

ともかく故郷については二次創作の特権であるオリジナル性を持たせて史実でのデビュー地にします。(例外あり)

 

まず、ゴールドシップについてはいろいろ不明なんで出会う場所を中央トレセンのある東京にします。

 

ハルウララは勿論高知です。

 

ライスシャワーはデビュー地が新潟ですが変えて北海道にします(史実の方参照)。

 

ダイワスカーレットは京都。

 

オグリキャップは岐阜笠松ですね。

 

これで行きたいと思います。

 

故郷ってだけで、最終的に皆東京に行くことになるんであんまり深く考えないようにします。

ちなみにキャルちゃんは東京にある研究所って設定です。なので、出身地東京。

 

これから1話ずつにまとめれた場合5話分は出会いのストーリーになります。

なので、トレセンでの日常はもう少し先になります。

出会う順番については

ハルウララ

  ↓

ゴールドシップ

  ↓

ライスシャワー

  ↓

ダイワスカーレット

  ↓

オグリキャップ

 

でいきます。

 

あと、ウマ娘世界特有の時空の歪み&年齢とかは「ウマ娘世界だし。」で理解してください。

ホント、いろんなウマ娘ストーリーありますがどれも世界観が違ってる為作者も良く混乱してます。

二次創作特有のオリ展開とか設定で乗り切る予定です。

 

 

 

 

【没ストーリー】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【短編】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてさて、ここまで伸びるのは予想してなかったので、びっくりです。

書いてて思ったんですが、物語作るのホント大変ですね、毎回身震いしながら書いてますよ。

アンケート次第ですがこれからどうするか全然頭に浮かんでこないんですよね。

日常のほうは何とかなると思いますが、レースに関しては難しいと思うんで低クオリティというか酷い事になりそうなんで、当分先になると思います。

なのでそれまでゆるゆる日常で行こうと思います。

 

あと今の書き方についてで、今はなるべく伝わりやすいように動作や風景なんかの地の文を多めに書いてますが、言葉(セリフ)多めがいいのか、今のままでいいのか意見くれたらうれしいです。

感想なんかもくれるとやる気になりますので気軽にどうぞ。

Twitterなんかだとゲームの話なんかもできますので、Twitterも気軽に来てください。フォローしてくれたらもっと喜びます。

挿絵は勿論大歓迎です。キャルちゃんやウマ娘ちゃん達存分に描いていただきたいです。作者の絵心は壊滅してますので、ご期待に沿えず申し訳ございません。

ここまでグチグチ書いてきましたが、当初の目的とは違った感じになりましたが皆様と物語を作っていきたいと思うようなりました。なので、案など随時受け入れてます。

出してほしいウマ娘がいたら気軽に連絡ください。

 

あとあと、タイトについてなんですが今のままでいいか変えたほうがいいかも意見ほしいです。ありきたりなのではと今更不安になりました。

 

ここからは話変わりますが

皆様ウマ娘イベントどうでしたでしょうか?

私は今日ギリギリミッションコンプリートしました。

やっぱりイベントボーナス持ちのサポカ必要ですね。もっとイベに出るウマ娘増やして使えるサポカ増やしてほしいですね

ちなみに皆さんの育成に興味あります。よかったら教えてもらいたいです。

明日から始まる新ガチャもですがガチャ怖いです。どうせ出ない

私キタサン未所持なんですよね、だから育成論なんか見ても大抵無いサポカばかりで萎えるばかりです。やっぱりお金入れるしかないのか…

と愚痴ばかりで申し訳ないです、これから年末にかけてガチャの誘惑来ると思うと辛いですが頑張っていきたいです。

 

プリコネに関しては、ホマレとイオ(ノワール)無事にお迎えできました。

 

こう言ったゲーム談もしていきたいですね。

 

 

 

長々と語りましたが、こういった作者の近況報告やゲーム談、出来たら短編なんかを出していきたいです。

 

てか、キャルちゃん出てきてないやん!

 

 

 

 

 

 




改めまして、日間ランキング入りうれしいです。
本当にありがとうございます。

がんばるぞー、お~。    えい、えい、むん!

感想などお待ちしております。
Twitterフォローもよろしくです!


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キャラ紹介 随時更新(21/12/15 更新)

キャラ紹介の要望あったので

まだ本編全然進んでいませんが、随時更新していく予定です。

誤字報告もお待ちしております。


もっと見やすくする為にいろいろ工夫しますので、定期的に編集入れると思います。

キャラの追加はある程度出揃ったらなので毎回追加する事は無いです。

定期的に変わる事を覚えていただければ

 

 

 


 

キャラ紹介

 

 

 

~ 研究所編 ~

 

 

キャル(オリ主)

 

交通事故で亡くなって、気づいたらキャルになっていた少年(容姿幼女)。

生前は気が弱く、怖がり、あがり症、根暗、コミュ障、オタクと絵に描いたような陰キャで勉強も運動もあまり得意ではない男子高校生。

アニメが大好きで、特にサ〇ゲのゲームにハマっていた。特にプリコネのキャルが一番のお気に入り。最近はウマ娘にハマりダイワスカーレットに気が行きがちなのが悩み。

憑依転生直後は精神と体が合ってない状態で自分の意志で自由に動かせない状態だった。

だが、特訓に特訓を重ね、身体能力は原作をも上回る事になる。格闘技や護身術などの腕はピカ一で今のところ彼女に勝てたものはいない。

ラーメンや肉類が好物で転生してからは魚も好きになる。

逆に嫌いなものは、ピーマンやにんじんなどの野菜が苦手、あと虫。

心は多少男の子なので少しむっつり、ウマ娘の事が好きで、内心カップリング見ては尊死しそうになっている。

実を言うと元の体の持ち主の記憶は断片的にしか見れていない。

New

前世では家族の事を大切に思っていたが先に死んでしまい罪悪感など感じるため考えないようにしていたがオグリ回で死んだときのトラウマと家族との会合を果たす。

悩みながらもオグリや母から背中を押してもらい克服したとまではいかないが今までよりはマシになる。

 

この世界の元キャルはネコな事を除けばごく普通の女の子だった。親が大好きでその親にぞんざいな扱いを受けてもなお、親の事を思い続けた健気な子。

詳細は省く(今後のストーリで明かされる予定)大好きだった母親に打たれ吹っ飛んだ時に打ち所が悪く亡くなってしった。そこに今作に主人公が入った。

その時不思議な事が起こった。的な感じで今まで受けた虐待の跡や死亡原因である頭の傷も治った。なお、主人公もそんなことは知らない。

因みにだが、キャルちゃんが世間に知られていないのは母親のおかげ。ひた隠しにされていた。知っているのは彼女の夫に出産に立ち会った医師など、あとは数人の国のお偉いさん。

こっちも原作も重い過去を持っているキャルちゃん可哀想、しかもどっちも親が原因である。

 

New

ハルウララ、ゴールドシップ、ライスシャワー、ダイワスカーレット、オグリキャップの幼馴染でウマ娘たらしの才能が開花したキャルちゃん

幼馴染's達とは仲が良くお泊り会などしているほど。度々この五人に振り回されるが本人はあまり嫌がってない模様

 

みんなもプリコネのストーリー見よう!YouTubeにアップされてるから。

せめてキャルちゃんのストーリーは見てね。本編は結構長いからね。

 

 

 

 

 

 美波 

 

主人公の親兼姉のような存在。キャルちゃんのお世話役。サル目ヒト科ヒト属。

ウマ娘に対しての情熱が凄く、ウマ娘の事になるとやべー奴に大変身。

全てのウマ娘が健康で幸せに暮らせる事を目的にしている為、ありとあらゆるウマ娘関連の知識、資格を獲得したウマ娘キチである。

だがこれでも、まだ20代前半だ、おかわりいただけるだろうか。やべー

容姿は背中に掛かるくらいの茶髪ロング、垂れ目でスタイル抜群の色気がある美人さん。

ちょっとした仕草が絶妙にアレで学生時代多くの男性達が彼女に夢中だった、そして多くの屍を作った伝説を持つ人物。

本人は恋愛よりもウマ娘にしか興味無かった為そんなこと知りもしない。

そんな彼女は昔ウマ娘に苦手意識を持っていたが、小学生の時に起きたデパートの大火災時にウマ娘に助けられ即落ち。そしてウマ娘に興味を持ち調べるようになる。

また、キャルちゃんを昔の自分と重ね合わせ、守ると誓う、など少々思い込みが激しいヒトでもある。

キャルちゃんの世話をするにつれてキャルちゃんにダダ甘になる。後にウマ娘の狂気的思いがキャルちゃんに向くことを本人もキャルも知らない。

彼女は世界的に有名な研究者で名もそれなり大きいが本人は大した事ないと思っている。(世界的に話題あるウマ娘用品は彼女が作り出したのだが…)

結論:色気ある大人のお姉さんだがウマ娘&キャルちゃんの事になるとヤバくなる。以上!

 

タキオンと組み合わせるとヤバい事になりそう。(小並感)

 

 

 

 真帆 

 

キャルちゃんの世話係二号。最初は美波だけだったが一人だといない時対処できないために選ばれた人。

キャルちゃんラブで一目見て惚れたやべー奴。部屋にはキャルちゃんの写真やキャルちゃんからの贈り物で溢れている。

見た目は癖っ毛のある鈴原る●ちゃんみたいな感じ、20代前半(美波の後輩)

キャルちゃん限定の変態さんなのだが実は生物学の有名人なのだ、いろいろと医薬品も出しているらしい…

キャルちゃんが絡むと豹変するのは美波と一緒でキャルちゃんの為なら命を張れるほど。

空気を読むのが上手くキャルちゃんを良く助けている。

美波の事は信頼できる先輩という感じ。

将来の夢はキャルちゃんと一緒に暮らすことだとか。

 

 

 

 謎の男 

 

閑話に初登場した謎が多き男。

キャルちゃんを救ったり、美波に依頼したヒトである。

何処かのお偉いさんなのかキャルの事が世間に伝えられた際の問題を取り除いた人物でもある。

だが全てが謎に包まれている。

キャルの事をとても気に掛けている人物の一人でもある。

今後どう絡ませるか問題。

今回以降出ない可能性もある。

 

誰だ、おめぇ…

 

 

 

 研究所の方々 

 

キャルがいる研究所で働いているヒト達。

因みに、研究所の最高責任者は美波である。

研究所内は女性の比率が多く、男性職員は肩身が狭い思いをしている。が「辛い時もあるが美波様を拝める為OKです」と謎の証言をしている。

キャルに対しても皆優しく受け入れている、その為、研究所内ではキャルはアイドルのような扱になっている。(ちなみに美波は女王)

女性職員内ではキャルの可愛らしい姿を収めたブロマイドが密かに流行っている。

キャルは懐いている人にはすりすりと頭や体を擦り付けている為。多くの尊死者が続出している。

 

いつか話に出したいと思っています。

 

 

 

~ 幼馴染's ~

 

 

 ハルウララ 

 

高知出身の可愛い子(ココ重要)。高知のアイドルみたいな扱いを受けている。

高知では有名でその可愛らしさから買い物に行くたびにおまけを貰っている。(トレセン付近の商店街でも同様)

キャルちゃんと出会い即仲良くなった子、キャルちゃんの事が大好きで一日数回はキャルちゃんの名前が出るくらいに慕っている。

お手紙を書き続けており、キャルちゃんから返ってくる手紙は宝物箱に大切にしまっている。

本当は会いたいが別れの際長期休暇と中央のトレセンでと約束した為我慢している。

キャルちゃんから教わった走りで毎日練習している。(練習は欠かした日が無い)

キャルちゃんの写真を見てから寝るのがウララの日課。

ここ最近の悩みはまだ子ども扱いを受けている事。

幼馴染'sの中では一番の純粋キャラ、その可愛さで何人落としているんだい?

<原作ウララとの違い>

キャルちゃんとの出会いで走るのが楽しい!からキャルちゃんを喜ばせたい!勝利をキャルちゃんに!となりより一層練習に励んでいる為原作ウララより速い。

勝利への意欲が強い

 

 

 ゴールドシップ 

 

ウマ娘界のやべー奴。一人だけギャグ時空なのかたまに物理法則無視した事をしてくる。

自分の事を少なからず理解してくれたキャルちゃんを親友だと思っている。

何時もキャルちゃんの部屋に来ては遊んでいる子。

キャルちゃんをからかったりいじるのが三度の飯より好き。

幼馴染'sの中では一番一緒に居た時間が長い、その為キャルちゃんの考えていることはだいたい読み取れる。

キャルちゃんへ不敬をしたものは何処からともなく現れるゴルシに粛正される…らしい。

独自のネット網を持っていたり、何か売っていたりキャラがぶれすぎて作者も困惑するキャラ。

この後更に友達と呼べる相手が増えるが今のところはキャルちゃんだけなのである。

無防備なキャルちゃんを守っていたりもする。(SPゴルシとか強すぎぃ!)

キャルちゃん限定で褒められたりすると素で照れる。

<原作ゴールドシップとの違い>

特にこれと言ってキャラに変りないがキャルちゃんへの思いは強い、キャルちゃんのお願いなら基本何でも聞くいい子?

普段のレースでは気分屋だがキャルちゃんが絡むと豹変する。

キャルちゃん大好きっ子二号。(マックイーン…)

 

 

 ライスシャワー 

 

恥ずかしがりやでちょっぴりお茶目な可愛い子。どこぞのお嬢様。

原作同様ネガティブ思考はあるが、キャルちゃんのおかげで軽減されている。

キャルちゃんとの通話を毎日楽しみにしている、数時間前からPCの前でスタンバっている。

キャルちゃんが家にいた時は絵本を読む時が一番好きだった。

キャルちゃんと別れてから頑張って人見知りをなくそうと頑張っていた、今では近場では人気者。(本人は知らない)

キャルちゃんに自分以外の幼馴染がいると知った時は嫉妬したりもした。

中央のトレセンに行くために猛特訓中、つらいがキャルちゃんに会うための必死。

トレセン編では新たに大切な友達が増えるがやはり一番はキャルちゃん。

キャルちゃんと自分の絵本を作成中。(他人は絶対見せない秘密)

<原作ライスシャワーとの違い>

まず、ライスのネガティブ差が激減しています。たぶんこの作品で一番キャラブレありそうな子、キャルちゃんが絡むと準ヤンデレになる。

キャルちゃんの事が大好き第三号で勝利はキャルちゃんに捧げるものだと思っている。

普段は原作のライスをちょっぴりポジティブにした感じの子、たまに人見知りはする。

キャルちゃんの頼み事は聞く前にOK出してしまう。

今作ではお金持ちのお嬢様になっている。

 

 ダイワスカーレット 

 

言わずもがなツンデレ要因、キャルちゃんとキャラ被りしていた子。この世界ではキャルちゃんの影響を受けてツンデレになった設定。

キャルちゃんに会うまでは人見知りが激しく友達が余りいなかったがキャルちゃんと出会い過ごしたことで成長し今では人気者。

学業優秀で優等生にまでなったがツンデレの性格ではいけないと思い外では猫を被っている。(ここら辺は原作同様)

キャルちゃんの事を姉と思っている為キャルちゃんにだけデレデレ、ヒトがいる所では「姉さん」と呼んでいるが二人っきりの時は「お姉ちゃん」と呼んでキャルちゃんに良く抱きつく。

キャルちゃんから貰った人形は肌身離さず持っている、トレセン編では枕元に置いて大切している…らしい。

主人子の推しだけあってたぶん一番愛でられた子がこの子。

完全にシスコンと化してしまったが本人は気にしていない。

キャルちゃんの事になると暴走するのは皆同じ

<原作ダイワスカーレットとの違い>

一番キャルちゃんの影響を受けた子。キャルちゃん大好き四号。本当の姉の様に思っており、二人きりになると甘えまくる。

シスコンスカーレットと化している。その他は原作同様です。

 

 

 

 オグリキャップ 

 

何でも吸い込むウマ娘版カービィ、大食いのやべー奴。

キャルちゃんにあっさり餌付けされて仲良くなった、あまりのチョロさに主人公すらドン引きしたほど。

基本は原作同様真顔だがキャルちゃんが絡むと表情豊かになる。(当社比)

食いしん坊で暇な時間は基本走るか食べるかしかしてない。トレセン編では毎日食堂に入り浸っている。

キャルちゃんの事は大切な友達と思っており、今は中央へ向けて頑張っている。

母とキャルちゃんがいれば全て何とかなると思っている。

極度の方向音痴でその凄さはまるでワープのようだとキャルちゃんは語る。

原作同様の天然さで周りを混乱させたりするが何処か憎めない可愛い子。

<原作オグリキャップとの違い>

方向音痴に磨きがかかってワープできるようになった。シンデレラグレイ編ではオグリの目標がキャルちゃんに会うが最優先になった。

その為他のウマ娘とは違い中央を目指すウマ娘になった、激しい特訓をしている、キタハラさんもこれにはドン引き。

特定の人を好きになる描写が少ないオグリだがこの作品ではキャルちゃんが一番好きなのである。あとは、分かるよね?

言わずもがなキャルちゃん大好き五号(無自覚)

皆もシンデレラグレイ買って読んでみよう!面白いよ!!!

 

 

 

~ その他の人々 ~

 

 

 後藤さん 

 

ハルウララ編で出てきた高知の資産家、貴婦人。金持ちだから何でもできる人。

キャルちゃんを一目見て気に入り支援をした行動力の化身。今ではキャルちゃんの友達のハルウララの事も気に掛けている。

長期休暇でのお泊り会時の費用も出している。

キャルちゃんファンクラブ会員№5

 

 

 ハルウララの両親 

 

娘がとても懐いていて最初はビックリしていたがキャルちゃんがいい子だと分かって安心と感謝を感じている。

美波達が事情を説明した為キャルちゃんがネコ娘だというのは知っている、キャルちゃんの支援団体に入っている。

何時か家に招待したいと考えている。

 

 

 護衛さん達(黒服) 

 

ゴルシ回で沢山出てきた人達、ゴルシ回以前にも出ている。

何気に美波、真帆並みにキャルちゃんと行動を共にしている人達。特にキャルちゃんの護衛を任されている国直属の人、佐藤と加藤(初の名前だし)二名はキャルちゃんの専属なのだ。

実はスカーレット回後に感謝の気持ちを込めて手作りピンバッジをプレゼントしている。オグリ回で描写は無いが二人共キャルちゃんから貰ったピンバッジをつけている。

これから出てこなくなる人達でもある。

 

 

 

 ライスシャワーの両親&使用人たち 

 

ライスシャワー回で出てきたライスシャワーのご両親、お金持ちで大きな屋敷を持っている。使用人も沢山いてとにかくすごい。

お父様が渋い感じのダンディーなイケメンさん、お母様は黒髪ロングの大和撫子系美女。夫婦仲はラブラブである。

二人共キャルちゃんを知った後に直ぐに支援団体に加入、キャルちゃんを支援している。

家に来てもらった時はとても嬉しかったが威厳がどうのこうのとあまり親密になれずちょっぴり悲しいと感じていた。

ライスシャワーの笑顔が増えたのと成長した事にとても感謝している。

もう一度家に来てほしいと思っている。お母様の方も次会ったら耳と尻尾をモフりたいと考えている。

 

使用人

ライスシャワー家で働いているメイドさん達、キャルちゃんの支援に積極的で一部はキャルちゃんの可愛いさに惚れファンとなっている。

キャルちゃん達が一月過ごした部屋は使用人たちの間では聖地としてスポット化している。

もう一度会いたいと思っている。

 

 

 

 北海道の謎のロリウマ娘 

 

ライスシャワー達と北海道観光している時に牧場で見た小さなウマ娘、お母さんらしき人を「お母ちゃーん」と呼んでいた。

物凄い芋っぽい子、キャルちゃんと同じく前髪に白いメッシュが入っている。

どこの〇ペチャーン!なんだ~?

 

 

 

 

 

 

 ダイワスカーレットママ 

 

ダイワスカーレット回に出てきたダスカのお母さん、とても美人さんでキャルちゃんの事が大好きな人妻。

京都済みの一般…?家庭の主婦。

娘と同じくらい大事に思っており、美波や真帆の事を羨ましく感じている。

ダスカの笑顔や成長にとても感謝しており、また来てほしいとも思っている。

次会った時は「ママ」と呼ばせたいと考えている。

 

 

 

 三沢 

 

カサマツトレセンの教頭をしている女性。キャルちゃんの事を知っていて会いたいと思っていた。

これから特に出てこない人。

 

 

 

 カサマツトレセン学園の校長 

 

カサマツトレセン学園の校長先生。もうすぐ定年退職するらしい、オグリが入る時期にはいない模様。

キャルちゃんの事を陰ながら応援しているおじいちゃん。

たぶんもう出ない。

 

 

 

 オグリのお母さん 

 

オグリキャップ回に出てきたオグリキャップのお母さん。

オグリ同様の綺麗な芦毛の可愛い系美人さん。

岐阜笠松在住の主婦。あのオグリのご飯を一人で作っている強者。

オグリキャップの事をとても大切に思っており、キャルちゃんには娘の事でとても感謝している。

オグリが今生き生きしていて笑顔が増えたのがとても嬉しい。

キャルちゃんを家にむかえたいと思っている。女の子同士だけど愛があれば関係ないよね。

 

 

 

 主人公の家族(別世界) 

 

前世の主人公「僕」だった時の家族。ウマ娘世界の為他人ではあるが一応家族と認識している主人公。

主人公が悩んでいた時に出会う。

父は軽い性格で面白いこと好き、家族を大事に思っている。

母はホンワカ系で緩い感じの女性、家族をこの世で一番に愛している。

弟は人見知りの照れ屋さん、家族の事が大切だと思っている。今はIT系を目指している。

妹はお調子者で元気ハツラツな女の子、家族大好きっ子。可愛い物に目が無い。

 

 

 

 キャルちゃんの支援団体 

 

出会い編でよく出ていた団体、その名の通りキャルちゃんが普通に生活できるように支援等をする団体。

キャルちゃんが全国に知れ渡った時にできた組織で、全国に多くの支援者が存在する。

今回回ったのはその内の極僅かなんだ。

基本的に活動といったらキャルちゃんの生活費等の金銭面援助が活動だ。

今後この団体がどう動くのか見物だね。

 

 

 




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比較的すぐに対応できるのはTwitterです。
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特別編
閑話 お正月


改めまして明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
そして遅れてもういわけありません。
私にとって今日が正月でした、元旦は寝てたら終わってたのでね
初詣やおせち料理食べましたよ、でも正月過ぎてるからおせち料理店に無くて頑張って自作しました。
そうそう!おみくじ大吉だったんですよ!それで嬉しくて今年は幸先良いなと思ってたら雪に足滑らせてドブに落ちたり上から雪が降ってきて押し潰されたり散々な日でした、怪我とかは軽傷で済みましたが…今日はなんて日だ!大吉って何なんでしょうね。
ともかく楽しい一人正月でしたまる!

今回の会は特別編という事で本編ではないです

一応今日か深夜帯にもう一話出す予定です。
ホントは二話続けて出したかったのですがもう一話の方のデータ消えちゃいまして
書き直してます。すみません。
お詫びとしてもう一話書きますね。連チャン投稿になると思いますがよろしくお願致します。

もうい~くつ寝ると~お正月~


  閑話  お正月 

 

 

 これはトレーナー試験を受ける少し前の出来事である。

年末、多くのヒトが年内最後とあって大忙しにしていた、それを他人事のように眺めるあたしがいる。

この世界に来て何回目かの年末だ、毎年この研究所の人達と一緒に年末年始を過ごす。勿論ゴルシもそこに加わって毎年どんちゃん騒ぎになるのだが今年はあたしのトレーナー試験があるという事でそこまで大きくやらないようだ、ゴルシも空気を読んで大人しくしている。

そんな受験生真っ最中のあたしに連絡が入ったのだ、誰かと思って聞いてみるとウララとスカーレットからみたいで何でも年末にこちらにお泊りしに来たいとの事だった。

あたしとしてはウララ達に会えるのはとても癒しになるから全然OKだったし、それに勉強ばかりだと気が滅入ってしまう。あたしはウララとスカーレットに返事を返すと二人共飛び跳ねるくらい喜んでいた。いや、実際飛び跳ねたのだろう、電話越しから大きく跳ねるような音が聞こえた。

どうせなら皆呼んで年末年始はパーッとしようと思い直ぐに皆に連絡する事にした。

 

 それから数時間後、あたしは皆からの返事をすべて聞き終えた。

少し時間かかったが仕方ない年末だから何処の家も忙しいのは承知していた、それで結果はと言うとウララ、スカーレットは親子でライスは親が仕事で来れない為使用人と来るみたいだ、ゴルシはいつも通りで最後のオグリはお母さんと一緒に来るとの事だった。

こういった集まりは実を言うと初めてではない、オグリとは初めてだが何回かお泊り会らしきものを開いているのだ、まぁこの話は追々としよう。

この事を姉さんに言うとこんな所ではダメだという事で急遽旅館を取ることになった、こんな所って…姉さんの研究所でしょ…と思いつつもあたしは暴走した姉さんを眺める。こうなるのは初めてではない、お泊り会の時は毎回の様に別と場所でしようとさせてくるからあたしが止めているのだが今回は別だ研究所は観光施設では無い為そういった大勢が泊まる機能は無い、前の時は子供だけだったから皆であたしの部屋で布団を敷いて寝ていたが今回は親御さんが来るのと年末年始という事であたしは止めなかったのだ。

今年は研究所の皆とは出来ない為予め研究所の人達と早めのクリスマス兼年末年始のパーティーを開くことにした、皆手を上げたり飛び跳ねたりして歓喜していたがそこまで喜ばれるとは思ってなかったから少し驚くと同時に考えて良かったと思った。

今は年末と言っても12月初めのほうだ、まだ少し期間はあるからあたしは日頃お世話になっている彼らの為に少しサプライズも考えていた。

姉さんや真帆にも言ってはいない、一人では流石に無理なので器用なゴルシに協力してもらい準備を進めた。バレずにするのは苦労したが何とか出来上がり後はパーティーをするだけとなった。

 

 クリスマス。クリスマス会兼少し早めの今年最後のお疲れ会と来年もよろしく会という名のパーティーが開かれた。

誰がこんなダサいパーティー名にしたのか知らないが無事に始めることが出来た、皆思い思いに楽しんでいる、ある者は食べ物を堪能したり、ある者は同僚と楽しく雑談したり、ある者は何人かで集まり一発芸なんかをして盛り上がっていた。その光景にあたしは改めて開いてよかったと実感したのであった。

パーティーは大詰を迎えた頃、あたしはゴルシに指示され小さく作られている台へと上がる。皆が不思議そうな顔してあたしを見上げている、姉さん達も何事かといった表情をしていた、あたしとゴルシしか知らないから当然だ、あたしはマイクを持ち彼らに向けて

 

 「皆に聞いてほしい事あるの、何時もあたしの事大事にしてくれありがとう!と~~っても感謝してるわ!困ってる時助けてくれる貴方達が!あたしの事を陰で何時も見守ってくれてる貴方達が!あたしは大好きです!日頃の感謝を込めてあたしからプレゼント用意したの、受け取って!」

 

そう言ってゴルシに目配せすると頷いて用意していた物を持ってきてもらう

 

 「これは…」

 

皆受け取り終えると姉さんが代表して声を上げる

 

 「え~と、て、手作りのイニシャル付きハンカチよ、できに関しては…その、目をつむってほしいわ、ゴルシとあたしで作ったのっ、ハンカチなら形に残るし実用性もあるから困らないだろうって考えて…それで…あの…」

 

皆からの反応が無い為次第に不安になって声が小さくなっていく、もしかして失敗したと思った時

 

 「うっ」

 

 「?」

 

 「「「「「「「「「「~~~~~~~~~~っ!!!!」」」」」」」」」」

 

言葉にならないような雄たけびが部屋を包み込む

あたしは唐突な事にびっくりし尻尾や毛が逆立つ、ゴルシも驚ろき耳を抑えている。

 

 「あの、キャルちゃんが…。」

 

 「遂に…遂に私達に…デレたっ!!!」

 

 「あぁ…大好きって…ありがとうって…俺はこの日の為に生まれてきたのか…っ。」

 

 「一生大事にするわ。」

 

 「はぁ~~~~~~~~。すこ。」

 

 「てぇてぇなぁ。」

 

 「今のは録音、録画済みですわ。もうこれだけでご飯五杯いけますわ。もう(キャルちゃんへの愛が)止まりませんわ。パクパクですわ。」

 

 「…………コフッ」(吐血)

 

 「ン"ン"~”」

 

周りが阿鼻叫喚になっていた、ある者は血涙を流し、ある者は吐血、ある者は鼻血を流し、ある者は失神していたりもはや地獄絵図と化していた。

 

「……。これはこのゴルシちゃんでも予想外だったわ、どうすんだ…これ?」

 

「……。知らないわよ。どうしろって言うのよ…。」

 

あたし達は収まりが付くまで待つ事にした、ふと唯一の救いである姉さん達の方を見ると真帆は目がハートになっておりあたしのあげたハンカチに頬づりしていた、姉さんはフリーズしていて全く動く気配がない。これはもう手に付けれないとあたしは遠い目をする。

 この世界に来た当初は自分の事しか考えれなくてこんな祝い事自ら行うなんて考え付かなかったものだ、これもあの子達や隣にいるゴルシ、姉さんや真帆、そして此処にいる皆のおかげで成長したんだとあたしは思っている。研究所の皆は個性的で変な人だらけだけど優しくてこんなあたしにも良くしてくれている、感謝しかないのだ。

だからあたしは勇気を出してこの会を開いたのだ、少しでも変われると思ったから。まあ、ここまで喜ばれるとは思ってなかったから正直言ってドン引きだが楽しんでもらえたのなら主催者側としては嬉しい限りだ。

その後皆が正気を取り戻すまであたしとゴルシは大人しく様子を見ていた。ゴルシがドン引する顔とか滅多に見ないから結構新鮮だったのはここだけの話だ。

 

 こうして、クリスマス兼年末年始のパーティーは無事に終えたのであった。

 

 

 

 あのパーティーから数日、あたしは駅まで来ていた、ウララ達を待っているのだ。ちなみにゴルシはあたしの家で待機中である、何でもする事があるのだとか…また何かしでかさないか心配だ。

年末という事もあって何時もよりヒトが多くあたしは既に人混みに酔っていた、近場のベンチに座り来るのを待っていると

 

 「キャ~ル~ちゃ~ん!!!」

 

と大きな声が聞こえてきた、目をやるとウララが物凄いスピードで器用に人混みを縫うようにこちらに向かってきていた。

あたしはベンチから立ち上がりウララに向かって手を振る

 

 「ウララ~」

 

呼びかけると更にスピードを上げこちらに駆けてくる、ここで一つ…車は急には止まれないのはご存知だろう、ウマ娘も同じで急には止まれないのである、その為必然的に…

 

 「ちょっ!?ウララ!スピード!スピード落としry…グフッ」

 

あたしはウララが抱き着くと同時に後ろに吹っ飛ばされた。

 

 「キャルちゃん!キャルちゃん~」スリスリ

 

当のウララはあたしの胸元に頬をスリスリしながらあたしの名前を連呼している、本人は悪気はないが食らったあたしからしたらたまったもんじゃない。

 

 「グッ…ウララ、ギブ、ちょっと立たせて…」

 

 「? うん!わかった!」

 

大人しく引いてくれたようで助かったが受け身をとったとはいえ痛いものは痛いのだ、未だジンジンする背中をさすりながら立つとウララがあたしの手を握ってくる。その顔はとてもニコニコしており可愛らしいかった。

 

 「ふふ、久しぶりね、ウララ。」

 

 「うん!久しぶり!キャルちゃん!」

 

遅れてウララの両親が来る、地味にウララのご両親との対面は初である。電話越しでなら何度か話しているがこうして面と向かって会うと少し緊張してしまう。

あたしは挨拶をし他の子達を待つ事にする、挨拶した際お礼を言われたのが嬉しかった。

あたしがウララと再会して数十分後

 

 「あっ、お姉様!」

 

そう言ってこちらに小走りで向かってくるウマ娘が見えた、お姉様呼びはライスしかいないため直ぐに分かる、こちらに笑顔で走ってくる姿はとても可愛かった。

先程のウララとは違いあたしに突進するのではなく止まるとあたしの手をにぎにぎしてくる

 

 「お姉様、久しぶり!えへへ、会えて嬉しい。」

 

そう、この可愛さである。ライスの後ろがまるで光っているかのように見えた。

 

 「え、ええ。久しぶり、ライス。元気してた?」

 

 「うん!」

 

あたし達が挨拶していると使用人の人達もこちらに到着したようで挨拶を交わす、人数は二人のようでどちらも女性である、というか向こうにいた時に一番お世話になった人達だった。

二人共久々に会えたあたしにとても喜んでおり頭を撫でまわされたのであった。

再び待つ事にするあたし、ベンチに座るとウララとは反対側にライスが座る

 

 「ライスちゃん!久しぶり!」

 

 「うん!ウララちゃんも久しぶり。」

 

ライスとウララが挨拶をする、その光景にてぇてぇなぁと思いながら見るあたし。他の子達が来るまであたし達三人はお話しながら待つ。

あたし達が話している数分後

 

 「お姉ちゃ~~~ん!!!!」

 

こちらに向かって全速疾走してくる小さなウマ娘が見えた。

 

 『あれ?なんかデジャヴを感じるような…』

 

とあたしは感じつつも一応受け身を取れるようにして待つ事にする。

スカーレットがあたしに飛びつくと同時にウララよりも重い威力で吹き飛ばされる

 

 「グフッゥ! ガハッ!」

 

思いっきり地面に叩きつけられるあたしは女の子が出していい声じゃない声を出しつつヤムチャポーズで地面に倒れ伏す。

 

 「「キャルちゃん(お姉様)!?」」

 

 「お姉ちゃ~ん、えへへへ」スリスリ

 

ウララとライスの声が聞こえてきたが今のあたしはそれどころじゃない痛みに耐えながら未だに抱き着いているスカーレットに声をかける

 

 「ス、スカーレット、い、痛い、ギブギブ。」

 

 「えへへへ、お姉ちゃん~」

 

全く聞こえてないのか話す気配がない、ウララの時と違いウララより断然スカーレットの方が早く体重もスカーレットの方が重かったから衝撃が先程よりも凄かったのだ。

その後ウララとライスの協力もあり何とかどいてもらう事に成功したがスカーレットはふくれっ面になってた、無理やり離されたのが気に食わなかったみたいだ。何とかして機嫌を直そうとしていると

 

 「キャルちゃ~ん!」

 

後ろから柔らかい感触がしたと同時に誰かに抱き着かれる、振り返るとスカーレットママがあたしに抱き着いてきたようだ、こうゆう子供っぽいところがある人だったと思い出した所で

 

 「あ~~っ!!!ママだけずるい!」

 

スカーレットの機嫌が更に悪くなる、フグのようにぷっくりと膨らんだ頬が可愛らしいかった。

そして再びあたしに引っ付いてきた、それを見ていたウララやライスもつられて再び抱き着いてくる。

わちゃわちゃしていると静観していた大人組がこちらに来て

 

 「皆~、ここで騒ぐと迷惑になるからおりこうさんにしてようね~。」

 

真帆が代表してあたし達に注意した

 

 「あら?ごめんなさい。これあたしのせいね。」

 

 「い、いえ、あたしも注意しなかったし、お互い様だと思うわ。」

 

 「「「うぅ、ごめんなさい。」」」

 

スカーレットママが謝りあたしがそれを否定していると三人が悪い事したと気づいたのか謝る、直ぐに謝れるのに感心した。特にスカーレットは先程まで拗ねていた為謝らないと思っていたから驚いた。

ひと段落着いた所で最後のオグリを待つためにベンチに座る、先程と同じで両隣をウララとライス、あたしの膝上にスカーレットが座っている状態だ。

 

 「スカーレットちゃん久しぶり!」

 

 「ス、スカーレットちゃん、久しぶりだね。」

 

 「うん!二人共久しぶり!」

 

ウララとライスはアプリ等でよく見る組み合わせだったから違和感なかったがウララとライスとそこにスカーレットが加わると物凄く違和感を感じる、前も思ったが未だに慣れないのは直さないと、頭の中を切り替えあたしはオグリが来るまで雑談話をするのであった。

 

 それから更に数十分後

 

 「キャル、来たぞ。久しぶりだ。」

 

 「キャルちゃ~ん!久しぶりね!今日からお世話になるわ。」

 

オグリとオグリのお母さんが手を繋いでこちらにやって来た、ちゃんと迷子にならずに来れて安心した。

これで全員揃った訳だ、この後一度研究所に戻り荷物とゴルシを拾い出発するのだが

 

 ツンツン「お姉様、あの子が前に言ってたオグリちゃん?」

 

   「ふわぁ~、綺麗な髪だね~。」

 

   「???」

 

ライスがあたしに聞いてきて、ウララがぽけ~っとオグリを見る、スカーレットに関しては人見知りを発動してあたしの後ろから首をかしげている。そうだ、この子達はオグリに会うのは初めてなのだ、前のお泊り会の時は会ってもいからね。

 

 「え~と、そうね。皆に紹介するわ!ほらっ。」

 

あたしがオグリの傍までより挨拶するように目を向ける

 

 「? ああ、皆、私はオグリキャップと言う、よろしく頼む。」ペコリ

 

最初は不思議そうな顔していたがゆっくりと自己紹介を始めた。

 

 「オグリちゃんって言うんだね!私はハルウララ!よろしくね!」

 

 「ラ、ライスシャワーです、よろしくお願いしますっ!」

 

 「ダ、ダイワスカーレット、よ、よろしくお願いします。」ペコッ

 

皆して挨拶を終えると

 

 「皆~、そろそろ行くわよ~」

 

と姉さんから声を掛けられる、まだ何処かぎこちない二人と直ぐにでも仲良くできるウララに囲まれているオグリを見つつあたしは皆を連れて車に向かうのであった。

次会う時はもう少し腹筋を鍛えておこうと思ったあたしがいたりいなかったり。

 

 

 

 研究所に着くとウララ達が行く前にあたしの部屋に行きたいと言いだした為荷物運びを手伝ってもらう事にした、荷物と言ってもそこまで多くは無いがゴルシも迎えに行かないといけないから全員で行く事になった。

部屋に着き入るとあたしのベッドに寝転がって漫画を読んでいるゴルシがいた。

 

 「はぁ、もう行く準備できたわけ?」

 

 「ん?おう!もうバッチグーだぜ!」

 

 「あ~ゴルシがちゃん久しぶり~!!!」

 

 「おお!ウララ元気いいな~、久しぶり!」

 

 「ゴ、ゴルシさんお久しぶりです!」

 

 「おう!ライスもお久~」

 

 「ちょっと!ゴルシ!ずるい!」

 

 「スカーレットじゃんか、ずるくねぇよ、アタシとキャルの間柄だかんな!」

 

 「…? 初めましてオグリキャップと言う、よろしく頼む。」

 

 「お~、お前さんがオグリキャップね、アタシはゴールドシップって言うんだ。気軽にゴルシちゃんとでも呼んでくれよ!」

 

 「もうそろそろ行くわよ、早く準備始めなさい。」

 

 「え~、もう少しゆっくりでいいじゃんか~」

 

 「私もう少しお姉ちゃんの部屋に居たいよ~」

 

 「そんな事言わないの。早く行くわよ!」

 

 「ええ~」

 

 「ええ~じゃないわよ、ほらさっさと準備する!」

 

 「う~、は~い。」

 

 「あら~!ここがキャルちゃんのお部屋なのね!」

 

行けると思ったらスカーレットママが部屋に入ってきた

 

 「ここが…オグリ以上に殺風景ね、女の子なんだからもっとオシャレな感じにしていいのに」

 

 「キャルちゃんはそうゆうの興味薄いのよね…何でかしら?」

 

 「ですね、趣味と言ったら鍛錬か勉強あとはあの子達とお話しするくらいかな?」

 

 「女の子なんだからもっと色々興味持たないと!そうだわ!私がキャルちゃんにっ!」

 

とゾロゾロとあたしの部屋に入ってくる大人組、あたし達が遅いから様子を見に来たようだ。

 

 「ママ!あたしお姉ちゃんのお部屋にもう少し居たい!」

 

親が来たことで再び言い始めるスカーレット

 

 「そうね~、でももう行かないといけないし」チラッ

 

 「あ…ハハ、そうですね、皆さん長旅してきたばかりでしたね、少し休憩していきましょうか。お茶と茶菓子くらいしか出せませんが…」

 

 「まあ!ありがとうございます!スカーレット!もう少し此処に入れるわよ!」

 

 「ほんと!やったあ!」

 

またまたあたし抜きにして話が決まってしまった、あたしはただ呆然とそのやり取りを見てるしか出来なかった。

 

 その後、あたしの部屋で大人組合わせた大人数でお茶をした、何であたしの部屋で?と思うかもしれないが皆がここがいいの一点張りで急遽テーブルと椅子を用意した。一人部屋にしては物凄く広いが数十人入ると流石に狭くなるがぎゅうぎゅうとまではならない、それ程あたしの部屋は広いのだ。あたしの部屋で二時間くらい過ごしてようやく出発する事になった。

二時間の間あたしのアルバム見たり部屋のインテリ替えの計画してたりと皆ワイワイしていた、オグリも初めて会うメンバーだらけで孤立しないか心配してたがそんな事無く無事に皆と仲良くなっていた。

 

 

 あたしの部屋から出て車に乗り駅と向かう、当初の予定とはだいぶ遅れはしたが大丈夫らしい。

こんな大勢で行くのはあたしは初めてだから何時もよりも浮かれている、他の皆も何時も以上にテンションが高い、ゴルシに絡まれてるライスでさえ浮かれてるのだ、何時もは苦笑いで対処してるが今はニコニコと笑顔を浮かべながらあたしの話に花を咲かせていた。そう、あたしの…あたしの?改めて見てるとあたしの事を褒めちぎっていた。

機嫌がよくゴルシにはきはきと話していたからてっきり旅行で浮かれてると思いきやあたしの話で盛り上がっていたみたいだ、あのゴルシもそんなライスを見て苦笑いを浮かべている、立場が何時もと逆転してて面白かった。ただ、あたしの話ばかりするのは辞めてほしい、照れる。

 駅に着き新幹線に乗り込む、乗った時多少席の事で問題あったが座席を回転させることで無事収まった。

ちなみに席はこんな感じになった。

 

 

 |通|  スカーレット  あたし  ライス      | |

 | |                        |窓|

 |路| ゴールドシップ  ウララ  オグリキャップ  | |

 

 

隣のスカーレット、ウララ、ライスがお菓子を持ってきたようで皆で食べたり、ゴルシがトランプやUNOを持ってきていたから皆で遊んだりと楽しんだ。お昼を新幹線内で食べた後、隣のスカーレットがあたしの肩に頭を乗せて寝てしまった、それに釣られてかライスもあたしの肩に頭を乗せて寝てしまう、両肩が重いが起こすのは悪いと思いそのままにする。前のゴルシがニヤニヤしていたが見なかった事にする。

 

 いつの間にかあたしも寝てしまったようで、オグリに起こされ着いたことを知らされた。

隣のスカーレットを見ると頬に何か書いてある、目を凝らしてみると [私はキャルの事が大好きです。] と書かれていた、ご丁寧にハートマーク付きだ、もしやと思いライスを見るがなんともないようだ、どうやらスカーレットのみゴルシにやられたようだ。

あたしはスカーレットを起こし鏡を見せる

 

 「ちょっと!何よこれ~!ゴルシ!あんたでしょ!」

 

 「何でアタシなんだよ~、もしかしたらお前が思ってることが顔に出てきたのかもしれないじゃんか~」ニヤニヤ

 

 「ふにゃ!?そ、そそそそんな事は」

 

 「へ~、んじゃ、キャルの事嫌いなのか~?」ニヤニヤ

 

 「そんなわけないでしょ!大好きに決まってるわ!!!」

 

 「ふ~ん、大好きなんだな。」ニヨニヨ

 

 「そうよ!うんうん…ん?…ハッ!?」バッ

 

ものすごい勢いでこちらを向くスカーレット

 

 「え、え~と、ありがとうスカーレット。あたしも貴方のことす、好…きよ。」

 

 「はにゃああああああああ!」ボフン

 

スカーレットの顔が真っ赤になり頭から煙が出たように湯気がでる

 

 「ゴルシ。あまりいじらないの!」

 

 「え~、だって反応凄い面白れぇじゃんか~」

 

 「それでもよ!…全くもう!」

 

あたしは濡れたウエットティッシュでスカーレットの頬に書いてある字を消す。油性ペンじゃなくて良かったと思う、この辺はゴルシも弁えてるから安心する。ただ少し時間たってるからウエットティッシュだけじゃ完全に落ちないので旅館に着いた際にお風呂で落とせば何とかなるはずだ。まあ、間近で見ないと分からないくらいまでには消えたから大丈夫だろう。

スカーレットは未だに顔を赤くして俯いているがそろそろ降りないとまずいから手を引いて一緒に降りる。降りると姉さん達が待っていた為合流し旅館へと向かうのであった。

 

 旅館に着くと早速部屋へと向かう案内のヒトに連れられ歩く、部屋割りはあたし達子供組と隣に大人組である。結構広い所を取ったようで襖を全開にすれば大人数で宴会出来そうなほど広いのだ、あたし達は荷物を置き部屋の中を見回す。他の皆もあたしと同じ反応しておりやっぱり凄く高い所だと感じた。てか、年末なのによく此処取れたなと姉さんに感心する。ちなみにだが年越しも此処でする為ちょっと長く取ってある。

荷物を整理し終え早速皆で温泉に入る事になった、スカーレットやウララははしゃいでいた。皆で風呂場に向かう、着くと男性陣とは別れそれぞれ入っていくがあたしは此処まで大勢の女性達と入るのは初めてだから入るのを少しためらってしまう、男性の人格は薄れてきたとはいえ前まで男だった為に無意識に男性用風呂に足を進めていた。

 

 「キャルちゃん!そっち男性用よ?ほらこっちよ。」

 

姉さんに掴まれ連行されていく、ウララ達ならまだいい、まだ小さいから!でも姉さん以外の女性は慣れてないのだ、いや、姉さんと入るのも未だに慣れてないけど…あたしはなるべく見ないようにと心に決め大人しく付いて行くのであった。

 

 脱衣所に着くとウララが一番に服を脱ぎ今か今かと待っていた、ここで一人で入っていかない辺り本当にいい子だなと思う。

結局あたしが最後に脱ぎ終えウララとスカーレットに手を引かれお風呂場へと入っていく、風呂場は湯気が多く視界が悪かったのが幸いだった。

あたしは入る前に体や頭を洗う派だからシャワーブースに行く、それにつられるようにウララやライス達もあたしの後を追ってくる

 

 「? 皆温泉入ってこなくていいの?」

 

 「お姉ちゃんと一緒がいい!」

  

 「私も!」

 

 「わ、私も」

 

 「アタシもキャルと同じで先に洗う派だからな」

 

 「? 皆がこっちに来ていたから付いてきた。」 

 

 「そ、そう」

 

 「お姉ちゃん!あたしが洗ってあげる!」

 

 「ウララもキャルちゃんと洗いっこした~い。」

 

 「ラ、ライスもお姉様のお背中流しましゅっ!」

 

 「アタシも混ぜてくれよな!」

 

 「…私もキャルの背中を流したほうがいいのか?」  

 

 「ちょっ、ちょっと落ち着きなさい!わ、分かったから~落ち着きなさいよ~」

 

皆からもみくちゃにされながらあたしは何とか椅子に座る全員は無理なので次入る時にという事になった。

皆で背中を流し合う事になり順番としては

 

ウララ あたし スカーレット ゴルシ オグリ ライス

 

となった、あたしはウララに背中を流す事になったから早速タオルにボディーソープをつけてウララの背中を見る

とても綺麗な肌だった為ちょっとためらうが優しく傷つかないように洗う

 

 「ひゃ!んっ…キャルちゃんくすぐったいよ~」

 

 「ヴェエ!?そ、そう!?ご、ごめんなさい。」

 

背中にタオルを当てた時ウララから色っぽい声がしたため慌ててタオルを離しキョどるあたしにウララはクスクスと笑っていた。

その後も傷つけないように洗ってるとふとあたしの背中を洗っているスカーレットが気になり目をやるとあたしの背中を一生懸命洗っていたその光景が可愛らしくて少し微笑んでしまう、他の皆もそれぞれゴシゴシと手を動かしているあたしはウララの方に顔を戻し洗う事に集中する。

それからちょっと経ったとき

 

 「ふにゃああああああああ!?」

 

唐突に腰の辺りに電撃がはしったような感覚を覚えた、それは痛くは無く逆にとても気持ちいいというか何というか…ともかく腰を浮かせてしまう程の感覚にびっくりして声を出してしまった、慌てて振り向くとスカーレットがあたしの尻尾の付け根辺りを握っていたのだ。

 

 ここで猫と言うの尻尾の付け根を触られると気持ち良さそうにするのはご存知だろうか?

猫の尻尾の付け根には沢山の神経がありとても敏感なのだその為その辺りを軽く叩いたり触ったりされると気持ちが良く腰を上げてしまうのだ。

これはあたしにも当てはまる事で前に姉さんにされた時物凄い快感が襲ってきてふにゃけてしまった、今回は付け根の辺りを洗おうとしたのだろう付け根をキュッと摘ままれあたしが反応してしまった訳だ。

あたしは恥ずかしさの反面スカーレットに申し訳ないと思った、現にスカーレットは自分が何かやらかしてしまったのか不安そうな顔でこちらを見ている。

 

 「そ、その、大丈夫よ、し、尻尾の付け根弱いから触る時は言ってくれると助かるわ。/////」

 

 「そ、そうなの?良かった~、私何かしちゃったのかと思っちゃった~」

 

 「いや~、エロい声でしたな~」ニヤニヤ

 

 「なっ!え、エロくないわよ!」

 

 「え~、物凄いふやけた声だったし他の人からしたら…」

 

 「も、もうこの話はおしまい!ほらさっさと向き変るわよ!」

 

 「へ~い」ニヤニヤ

 

 「キャルちゃん無事でよかった~私びっくりしちゃった!」

 

 「お姉様本当に大丈夫?」

 

 「キャル、具合が悪いなら先に出てもいいんだぞ?」

 

 「大丈夫よ、大丈夫。敏感な所触られたからだから、ほら、さっさと洗わないと温泉入れないわよ!」

 

その後は向きを変え再び背中を流し合った。洗い終え次は髪を洗う、皆それぞれ洗い方もあるだろうしと思いここは洗いっこしずに洗う。

あたしがいつも通り洗っていると

 

 「あっ!」

 

と声が上がった、振り返るとスカーレットとライスがこちらを驚いたように見ていた、何か付いているのだろうか?あたしは首を傾げ体を確認する。

 

 「お姉ちゃん!そんな雑に洗ったら髪痛んじゃうじゃん!」

 

 「お姉様!そんな乱暴に洗っちゃメっ!だよ!」

 

どうやらいつもの癖で大雑把に洗っていたみたいだ、こういった細かいところは男の感性のままなのは仕方ないのだ。長年やって染みついた事だし中々抜けきれない、姉さん達と入る時は基本的に姉さん達が洗ってくれてたし一人で入る時はパパっと洗っている。一度女性らしく洗ってみたが面倒くさくて諦めた。

そんなこんなで二人に怒られ、ゴルシにも呆れられ結局二人に髪の洗い方をレクチャーしてもらった。ついでと言わんばかりに髪も洗われた、年下になすがままにされるあたしは一体…そう思いつつも大人しくするのであった。

 

 ようやく温泉に入れる、体洗うだけでここまで時間かかるとは…ともかく今は温泉だ、あたしは近場の温めに設定されている温泉に入る。

温泉の温度設定って結構高めなためいきなり入るのはあたしには無理だ熱すぎていつも直ぐに出てしまう、だからこうして自分でも入れるような場所を選んで入っている。

 

 「あ”あ”あ”あ”あ”~」

 

だみ声を出しながら入ると

 

 「お姉ちゃんおじさんくさいよ~」

 

とスカーレットにクスクス笑われる。仕方ないじゃない、自然と出ちゃうんだから。

スカーレットやライス、ウララはあたしと同じ場所に入り、ゴルシとオグリは隣の熱い所に入っている。ゴルシはいつも通りというか…潜水したり泳いだりしてる、ウララも真似して泳いでしまうから辞めてほしいが今のあたしは注意する気になれない為そのまま放置する。温泉入るとここまでやる気失うのは何でだろうと変な事を考えつつ温泉を堪能する。

 

 それから数十分入った後あたしはのぼせてきたから風呂から上がり涼んでいる。女の子だから長風呂になるんだろうなと思っていたがこの体はのぼせやすいみたいだ、研究所でもあたしは男性職員並にお風呂入るのが早いからよく心配されている。

まあ、あたしは種族的に家猫なので暑いのや寒いのは苦手なのだ、当然熱いのや冷たいのも苦手、お風呂なんかは特に熱が籠るから直ぐに体が火照る、前世では長風呂ではなかったが長めに入れていた。この体はそうはいかずこうして体温調節必須なのだ。やはり動物の特徴を引き継ぐ事でメリットは勿論デメリットも存在するわけであたしの場合一番の敵は気温なのだ。お風呂も正直言ってあまり好きではない、原作のキャルちゃんより獣よりの体質のせいだろうか、ともかく温泉に来たからには存分に堪能しないと勿体ない。あたしは再び温泉に浸かったりゴルシに引っ張られて露天風呂に入ったりと温泉を堪能した、結局皆に付き合い入ったおかげでのぼせてしまい姉さん達に助けてもらいながら着替えた。

温泉から戻ったころはもう夕食の時間となっており結構長風呂してたと実感したりもした、夕食は豪勢でとても美味しそうだった。

オグリなんかは準備が出来るまで涎を垂らしながら待ってたくらいだ、食べ始めるとまるで掃除機の様にどんどん無くなってく食べ物を見てライスやゴルシなんかは戦慄していたのが面白かった。

 

 夕食後は温泉に再び入る組と入らない組で別れた。あたしはのぼせたのもあり入らない組だ、あたしが入らないからかウララ達も入らないようで入るのは大人組だけとなりあたし達子供は部屋でトランプなどをして過ごした。

姉さん達が帰ってきた頃ウララやスカーレットが眠たそうにしていた為今日は早いが子供組は寝ることになった、大人達はまだ起きてるらしくあたし達が眠った後にお酒でも飲んで過ごすのだろう。あたしはまだ眠くないがスカーレットやウララはあたしと寝たいと言った為にあたしも大人しく寝る事にした。意外にもゴルシやオグリも素直に従ってくれたのには驚いた。

明日で今年も最後だ、たぶん明日は大晦日だから年明けるまで起きようとするだろうから今日早めに寝ておいて損はないはずだ。

ウララやスカーレットは年明ける前に寝落ちしそうだが…。あたしはウララ達が寝落ちするのを思い浮かべ苦笑する、皆寝る準備も出来たようで電気を消す。

 

 「おやすみなさい。」

 

 

 「「「「(お~)おやすみ(~)なさい!」」」」

 

あたしがそう言って布団に潜ると皆から一斉に返ってきた。あたしは口元を緩ませゆっくりと眠りについた。

 

 

 

 

 

 朝、目が覚めると両隣にスカーレットとウララがしがみ付いていた。予想は出来ていたからあまり驚きは無いが動けない為起きるまで待つ事にした。その間に起きたゴルシが写真を撮っていたり何時の間にか饅頭を何処からか買ってきたのか食べながらあたし達を見ているオグリがいたりしたが無事に二人とも起きて脱出することが出来た。余談だがその後起きたライスが羨ましそうに頬を膨らませてこちらを見ていたから頭を撫でたら機嫌が戻った、やっぱり女の子は難しいわね。

 

 あたし達がゴロゴロしている間に朝風呂を済ませた大人組が帰ってきた為朝食を待つ、朝も結構豪華で美味しく頂かせてもらった。

朝食を終えると自由時間となり姉さん達は夜の為に買い出しにスカーレットやライス、ウララは温泉にゴルシは何かやることが出来たと言って出ていったそしてあたしとオグリは運動できるブースで体を動かしていた。正確に言うとオグリの練習に付き合っていたのだ、大晦日まで練習するとかとっても真面目だなと思いつつもオグリの提案に頷いて今に至る。ウマ娘用のランニングマシンでフォームを確認したりボクシングできる場所もあったからボクシングさせたりして時間を潰した。

昼頃になるとオグリのお腹が鳴り練習をやめる汗もかいたから一度備え付けのシャワールームで汗を流してからお昼を食べる。

食べ終えたら、スカーレット達と温泉に入るため入浴の準備をしないといけない、先程入っていたような気もするが、あたしと入っていないからまた入るとの事だ。

温泉シーンは特に何もないからカットだけどね!本当に何も無かったわよ?昨日と同じで洗ってもらっただけだからね(目そらし)

ちなみにだが貸し切りという訳では無い為他のお客がいない時間を見計らって入っている、だからあたし一人では入らないよう言われている。

部屋に戻ると何時の間にか帰ってきたゴルシが部屋でくつろいでいた、時間帯も夕方で旅館のスタッフが夕食の準備をしていた。

今日の夕食はカニやらお肉が出るようで今から楽しみだったりする、オグリなんてソワソワしてて落ち着きがないくらいだ。

夕食までの間あたし達は年末毎年やっている番組を見たりして過ごした、夕食が来ると皆尻尾を振っていて可愛かった(自分も振っているのに気付いていない)

夕食はあっという間に無くなったとだけ言っておこう、オグリしゅごい…。ちゃんと年越しそばも食べたから安心しなさい!

 

 夕食後、残すところあと数時間で年が明ける。毎年の事ながら今年は少し違う年越しに妙にテンションが上がっているあたし、皆に気づかれないようにしつつもテレビを見ながら過ごす。いつもならこの時間帯には眠くなって寝てしまうスカーレットやウララも今日は起きている。

こうして皆で過ごす大晦日はとても新鮮で楽しい、来年もこうやって皆で過ごせたらと思っている。

 

 あれから更に数時間、部屋の中で大人しくテレビを見ていたあたし達、年明けのカウントダウンまであと少しまで来ていた。

ウララやスカーレットがソワソワしだしあたしの近くまで寄ってくる、それに合わせてオグリやライス、ゴルシもあたしの周りに集まる

 

 「な、なに?急にどうしたの?」

 

 「カウントダウンお姉ちゃんの隣でしたいから…ダメ?」

 

 「そ、そうゆう事なら仕方ないわね!いいわよ!」

 

嬉しい事言ってくれるから少し照れるがとても嬉しい、もうすぐで年が明ける…今年の事をふと振り返る。

今年は本当にいろいろあった、この子達と会ったのも今年だから思えばとても充実した一年だったと思う、ウララにゴルシ、ライスやスカーレット、オグリ、最後の最後まで飽きない日々だったな。来年からは会うのがもっと難しくなる、あたしはトレーナーの試験、受かれば研修でトレセンで住み込みになる、ライスもトレセンの受験を受けるし、オグリもカサマツトレセンに入れる事になってるし、スカーレットとウララはまだ小学生だから学校だろう、ゴルシは…何があるのだろう?まあ、あたしが皆と会えるのが減ってしまうという訳だ、でも全く会えないという訳では無い。休みもあるし休みの日にテレビ通話すればいい、それにライスに関してはトレセンに受かればいつでも会えることになるから寂しい事ばかりではないが強いてあげるなら研究所の皆や姉さん達と今の様に過ごせなくなる事だろうか。というかそれが一番の不安要素だ、この世界に来て姉さん達と一緒じゃない日なんてほぼ無かったからあたし一人での住み込みでの研修は正直言って怖い。でもあたしが決めた事だから我が儘言っていられない。

そんな風に思いふけていると何時の間にかカウントダウンが始まろうとしていた。

ああ、今年もあと数秒、皆と出会えたことに感謝ね。スカーレット達が目配せしてくるから頷く

 

 「5」

 

オグリが何時もの無表情で言う

 

 「4!」

 

スカーレットが元気よく笑顔で

 

 「さん!」

 

ライスが照れながら

 

 「に~」

 

ゴルシが嬉しそうに

 

 「い~ち!」

 

ウララが人差し指を上げて立ち上がり

 

 

 「0ッ!」

 

最後はあたしが

 

 「「「「「明けましておめでと~う!!!!」」」」」」

 

 「キャルちゃん!今年もよろしく!い~~~~っぱい遊ぼうね!」

 

 「キャル~今年もよろしく~」

 

 「お姉様!今年もよろしくお願いします!」

 

 「お姉ちゃん!今年もよろしくね!」

 

 「キャル、今年もよろしく頼む。」

 

 「ふふっ、ええ!皆!今年もよろしく!」

 

こうして年明けのカウントダウンを無事終えた。 

 

 『今年もいい一年になりますように』

 

 その後皆でテレビや姉さん達が買ってきたお菓子を摘まみつつ時間を過ごした。夜中に食べるお菓子って何であんなにおいしいんだろうね。

更に時間が進むと流石に堪えたのかウララやスカーレット、ライスがウトウトしていたから歯磨きさせ先に寝かせた。あたしはまだ眠くないからもう少し起きてようと思っていた、オグリは未だにモグモグと饅頭何かを食べてテレビを見ていたゴルシも寝っ転がって同じようテレビを見ている。

あたしは皆に邪魔にならないよう広縁に出る。襖は勿論閉めてね。

あたしは広縁にある椅子に座り月を見上げる、とても綺麗な満月が空に浮かんでいた。

この世界に来てもうはや数年、来た当初は混乱してて大泣きしてたっけ、で姉さん達と徐々に仲良くなっていって、鍛錬して体鍛えたりしたっけ、それで挨拶回りしてあの子達と出会った。

そう考えれば本当に退屈しない日々を送っていたわけだ、本当に時が過ぎるのは早いわね。まさか自分がTSするとも思ってなかった訳だし人生内があるか分からないのは言えてるとクスクスと笑う。

これからのあたしの人生改めネコ生はどうなっていくんだろうと考えていると頬をギュっと挟まれた、ゆっくりとそのまま視線を上げるとゴルシの顔があった。

 

 「なんだなんだ~こんな所でたそがれちゃって~」

 

ニカッと笑う彼女に不思議とあたしも微笑む

 

 「何でもないわ。ただ一年いろいろあったな~って思い出してただけよ。」

 

 「そっか。」

 

 「ええ。」

 

そこから無言になるあたし達、空を見上げ月を再び見る。

 

 「なあ…。アタシをちゃんと見てくれてサンキューな。」

 

何分か経った頃唐突にそんな事を言われる、あたしは再びゴルシに視線を向ける

 

 「あ~、ほら、アタシって変だろ?」

 

 「自覚あったのね。」

 

 「まあな、でも変える気はねえよ」

 

 「ふふ、それでこそゴルシよね」

 

 「キャルはそんなアタシを見捨てずちゃんと見ててくれてたわけだ、アタシはそれがとても嬉しかったんだよ、ちゃんと理解してくれてる事がな。」

 

 「完全に理解したとは言えないけど、ゴルシはゴルシでしょ?それ以上それ以下でも無い訳だしあたしは気にしないわよ。そ、それにあんたといると退屈しないから…その一緒に居て楽しい…と、思ってる…わ。」

 

 「アハハ!そっかあ、アタシはアタシか。キャル。本当にありがとう。アタシお前に会えて良かった。」

 

そう言って笑うゴルシにあたしは見とれた、いつもと違うストレートな髪型にいつもと違う儚げな表情、そこに月に光が差しまるで女神の様に見えたのだ。

 

 「そ、そう!?そ、その。あたしも貴方と会えて良かったわ。////」

 

あたしは慌てて言うと

 

 「そっか。じゃあ、アタシは寝てくるは、キャルも早く寝ろよ~」「やっぱりす…

 

ゴルシはそう言うと部屋に戻る、戻る際小声で何か言っていたがあたしには聞き取れなかった、チラッとだが頬が赤くなっていたのは不思議だった。

あたしもそろそろ寝ようと思い寝る準備を始めた、明日は初詣らしい、今から楽しみだ。

 

 

 

 

 

 翌日、目を覚ますと既に起きていたのかライスとスカーレットがあたしの寝顔を見ていた。

 

 「あっ!お姉ちゃんおはよう!」

 

 「お姉様。おはよう!」

 

 「ふわぁ~、おはよ~」

 

目を擦り起き上がるあたし、そういや今日は着物着るから準備する必要がある。あたしは眠たいのを我慢しいそいそと着替えるのであった。

着替え終わり部屋でくつろいでいると姉さん達が戻ってきた、その手には着物を持っていた、どうやら着物を取りに行っていたのだろう。

あたしは何気に着物を着るのが初めてな為少しワクワクしていた、前世では男だったし、今世も普通の女の子じゃないからこういった機会があまりなかったのだ。女の子になったからには一度着てみたい服の一つでもある。

姉さんと真帆に着付けをしてもらう、よくよく見ると正月キャルちゃんが来てる振袖の色違い版である。黒色が強めで花とネコが付いたデザインのものだ。あたしは嬉しくなりその場で回転する、そうしてるとカシャカシャと音が鳴り、振り向くと鼻を抑えてカメラを構える真帆とうっとりした表情の姉さんがいた。あたしは先ほどの行動が次第に恥ずかしくなり顔を赤くする。

そんな事もありつつ皆の着付けも終わったようでお披露目会の様に見せ合う、ウララは元気な桜のデザインが付いたピンクの振袖(ゲームのとは違います。)ゴルシは赤色の花柄が付いた振袖、スカーレットは紺色の花柄が付いた振袖、ライスは紫色の振袖だ、オグリは白色の振袖と皆とても綺麗になっていた

 

 「皆とても綺麗じゃない!似合ってるわよ!」

 

そう言うと

 

 「えへへ~、キャルちゃんに褒められちゃった~!キャルちゃんも可愛いよ!えへへ。」

 

 「サンキュー、キャルも可愛いじゃん」

 

 「えへへ、お姉ちゃんも似合ってる~お揃い!」

 

 「お姉様ありがとう!お姉様もとても似合ってるよ!」

 

 「ありがとう。キャルも似合ってる。」

 

皆からお礼を言われ褒められる、それに少しだが照れてしまったが今日くらいはいいだろう

向こうで激写してる真帆は放っておこう。

 

 

 神社に着くと物凄いヒトやウマ娘で溢れかえっていた、流石元旦人の量が多い。でも行けないことは無い為はぐれないように皆で固まって移動する事になった。いろんな屋台も出ていてオグリが欲しそうにしていたがまずはお参りから先だから我慢してもらう、その間も列は少しずつ進み続ける。

ようやくあたし達の番まで回ってきた、そこまで長い時間待たされなくて済んでよかった。

あたしは鐘を鳴らしお賽銭箱にお金を入れ…確か二礼二拍手一礼だった気がする、そこまで詳しくは無いがそう教えてもらった気がするのだ。まあ、間違ってたら姉さん達が教えてくれるだろうと思いつつも二礼二拍手一礼をする

 

 『皆とずっと一緒に居られますように!トレーナー試験合格できますように!』

 

欲張りだが神社に来れるのはこういった時くらいだ、ちゃんとお祈りしとかなきゃね。

その後、姉さん達も参拝を終えあたし達は近場にあるおみくじを引くことにした、やっぱりお正月におみくじは定番だからね。

皆それぞれ引いていく、あたしも最後に引く。ゆっくりと紙を開けていくと[大吉]の文字が見えた。

 

 「わ~い!大吉だ~。」

 

 「お~、ウララも大吉かゴルシちゃんも大吉だぜ!」

 

 「え!私も大吉よ!」

 

 「う、嘘…。ライスも大吉…ふええ、初めて引いたよ~」

 

 「私も大吉だ。キャルはどうだ?」

 

 「お姉ちゃん!教えて!」

 

 「おうおう、このゴルシ様にも見せてくれよな~」

 

 「ちょ、見せるからそんなに押さないで!あたしも大吉よ!」

 

 「お~、凄いね!皆大吉だよ!」

 

 「だな、ここまで揃うと逆に怖いな」

 

 「大吉なんだからいいじゃない!お姉ちゃんとまたお揃い!」

 

 「ふええ~」ポロポロ

 

 「あ~、ほらライス泣かないの」

 

 

おみくじが皆大吉だと知り盛り上がる、ライスは初めて大吉出したからか先程から泣いてるし、オグリは嬉しそうにあたし達を眺める、ウララ、ゴルシ、スカーレットは嬉しいのかはしゃいでいる。

皆でおみくじと共に写真を撮る事にした、あたし達以外見ないものだしたぶん大丈夫だろう、それに皆が一斉に大吉なのは奇跡だからこんな凄い事写真として残してかないほうがもったいない。全員でおみくじが見やすいように広げて撮ってもらう、撮った写真を見てみると皆いい笑顔で写っていた。今年最初のいい思い出が出来て嬉しい。

 

 写真を撮り終えた後は屋台を見て回る、目を離した隙にオグリが何時の間にか沢山の食べ物を手に持っていて呆れたり、あたしと一緒にりんご飴食べたいと言うスカーレットに大人しく頷いて人数分買ったり、何気に綿あめ好きなあたしが綿あめ大量に購入して姉さんに怒られたりと思い思いに楽しんだ。

屋台を回っていたら何時の間にかお昼になっていた為旅館へと戻る事にした。

旅館にに着くと既に昼食が準備されており、あたし達は手洗いうがいを済ませた後昼食を食べるのであった。

こうして旅館に居られるのも今日が最後だから最後に温泉に入る事にしたあたし達はウララ達と共に温泉に入る、今まで苦手意識を持っていて入ってなかったジェットバスや臭いがキツイ効能風呂系に入ったりゴルシと共にサウナに入ったりと温泉を堪能した。結果、のぼせたがちゃんと此処の旅館の温泉制覇したから悔いはない。

着替えも終わり帰る身支度をする、とても楽しい旅行だったが終わりが来るのも早いものでもうチェックアウト時間なのだ、スカーレット達も渋々と言った感じで身支度を始めていた。

 

 帰りの準備も出来あたし達はチェックアウトして帰りのバスに荷物を乗せ駅へと向かうのであった。

駅に着き予約済みの新幹線へと乗り込む行きとは逆に座る。ウララを膝に乗せ両隣がゴルシとオグリだ、一応許可は取ってあるからね

ウララは小さいからあたしでも膝に収まる訳だ、落ちないようにぎゅっと腰から手を回し抱きしめる

 

 「あはは、キャルちゃんくすぐったいよ~」 

 

 「落ちないようにって言われたからね、ちゃんとこうしてかないと」

 

 「えへへ、うん!」

 

とても嬉しそうに笑うウララにあたしもつられて笑う。

 

 「ムムム」

 

 「ウララちゃんいいなぁ」

 

 「ゴルシちゃんも帰ったら膝枕頼むぞ~」

 

 「???」

 

他の皆から視線を感じるが気にしないようにする約一名分かって無い子がいるがそのままの純粋な子でいてほしい、あとゴルシに膝枕なんてしたことないんだけど。

東京駅に着くまでウララを抱きしめつつ駄弁ったりしながら時間を潰した、やはり夢中になると時間が経つのが早いもので何時の間にか東京へと着いていた。

新幹線を降り、皆とはここでお別れなのだ、スカーレット達が次第涙目になりながらあたしに縋りついてくる。

 

 「うぅ~、お姉ちゃん~」

 

 「よしよし、また会えるんだからそれまで我慢よ?」

 

 「…グスン、約束だよ?」

 

 「ええ。」

 

 「お姉様…」

 

 「ライス、近々試験でこっち来るわよね、宿泊はあたしの所に来なさい、あと受験ファイトよ」

 

 「うん!」

 

 「クッ!ここでお別れなんて寂しいぜ!」

 

 「あんたはこっちでしょ。ふざけてないでこっちに来なさい」

 

 「てへぺろ」

 

 「…っ。」 

 

 「キャル」

 

 「ふう。オグリ、貴方も頑張って、これからしばらくにの間会えなくなると思うけどあなたの事待ってるわ」

 

 「ああ。キャルも元気でいてくれ。」

 

 「ええ。…あたしは何があってもあんたの味方だからね、困った事とかあったらあたしに連絡してきなさい」

 

 「ああ!」

 

 「キャルちゃんありがとうね?今度は私とも一緒に寝ましょうね?」

 

後ろからスカーレットママに抱き着かれそう言われる

 

 「か、考えとくわ」

 

 「ふふ、よろしくね。」

 

最後に頭を撫でられスカーレットと共に新幹線へと向って歩いて行った、スカーレットが一生懸命に手を振っていたので振り返す。

 

  「お姉ちゃ~ん!バイバイ!」

 

 

 「キャルちゃん、素敵な思い出ありがとう。」

 

次はオグリのお母さんがあたしにお礼を言ってきた

 

 「いいわよ、それにこれ計画したの姉さんだもの。お礼なら姉さんにしてちょうだい。」

 

 「ふふ、美波さんと同じこと言うのね」

 

 「え?」

 

 「あの人もお礼ならキャルちゃんに~って言ってたのよ?」

 

 「姉さんが…。」

 

 「ええ、それでもお礼だけは言わせて?ありがとう。」

 

 「ええ、こちらこそありがとうござい…ました。」

 

 「ふふ、これからもよろしくね?」

 

 「ええ。」

 

そう言って手を振りオグリと共に電車へと乗り込んでいった

 

 「…。」グスン

 

次はウララなのだが先程から喋らないと思ったら涙を堪えていたようだ

 

 「ウララ…。」

 

 「うぅ~、んっ!私!トレセンちゃんと行くから!」

 

ウララが涙を拭いて顔を上げると覚悟を決めたような表情になっていた。

どうやらあたしが背中を押さなくても自分で立ち直れるようになってたみたいだ、ウララの成長に思わず涙が出そうになる。

 

 「キャルちゃん、今回の旅行本当にありがとうね。とても楽しかったわ。」

 

 「僕からも、キャルちゃんありがとう。これからもウララと仲良くしてやってくれ。」

 

ウララの両親からも頭を下げられる

 

 「い、いえ!全然大丈夫よ!こちらこそ今後ともよろしくお願いするわ!」

 

あたしは慌てて返事を返すと二人はクスクスと笑いながらウララの手を引いて新幹線に向かう

 

 「キャルちゃん!またね!」

 

先程まで泣いていたの嘘みたいにいい笑顔で手を振ってるウララに手を振り返す、見えなくなるまで手を振り続けた。

で、最後が

 

 「お姉様、ライス頑張るから、受験もお姉様の事も!」

 

 「あたしの事?まあ、ライスなら受かるでしょ。なんたってあたしが認めたウマ娘なんだからね!」

 

 「うん!」

 

あたしの事というのは分からないが受験頑張ってほしい。

 

 「「キャルちゃん…。」」

 

今度は使用人の人達だ、二人とも目尻に涙を溜めあたしを見つめていた

 

 「ふふ、主人の方が泣いてないのに貴方達が泣いてたらしまらないでしょ。」

 

 「また会えなくなると思うと…。」

 

 「涙がっ。」

 

 「もう!ライスがこっちに移住する際にこっちに来るんでしょ!会えなくなるわけじゃないから泣かないの!」

 

そう、ライスが受かった際北海道から東京に住むことになるのだがその際緊急時北海道からだと遠い為直ぐ駆け付けれるようこの二人が近場で住むことになっているのだ。

仕方ないのでライスにやると何時も落ち着きを取り戻す行為をする、二人にギュっと抱き着き背中をポンポン叩くのだ。

これをした瞬間、一瞬ビクッとしたが次第に落ち着きを取り戻していったが何故か震えていた

 

 「私、このことは一生忘れません、世にキャルちゃんあらんことを」

 

まるで何かにとり憑かれたかのようにスンとなった彼女に恐怖を感じたあたしであった。それとその文何処かで聞いたことあるような…

隣に目をやると羨ましそうにこちらを見つめている使用人さん二号がいた為仕方なく同じようにやると幸せそうに逝った。

逝った!?慌てて心肺蘇生し事なき事を終えライスへと視線を戻すと今度はライスが膨れていた、ライスにも二人がやったようにやると機嫌を直したようでニコニコしていた。

ともかく時間がおしているから急ぎでタクシー乗り場まで向かう三人、そういやあの子達飛行機で来たんだったと思いだし苦笑する、まだ十分間に合うが空港着くまでに何かする予定なのだろう

 

 「お、キャルちゃん!またね!」

 

ライスが振り返りそう叫んでくる

 

 「ええ!」

 

あたしもそれに返事を返し見えなくなるまで手を振り続けた。

 

 

 皆が帰った後、あたし達は夕食を外食で済ませ、ゴルシを見送り研究所へと帰ってきた。

帰ってきた際研究所の皆からの出迎えもあり嬉しかった。今日は旅行帰りという事もあり姉さんのいいつけ大人しく守り部屋へと戻る、部屋に入ると誰もいなくとても静かだった。皆いないとここまで静かだったのを思い出し少し寂しく感じた、またお泊り会出来たらと思いつつあたしは着替えベッドに潜る。

トレーナー試験まであと少し、頑張ろう。

あたしはそのまま瞼を落とし眠りについた。

 

 




皆さんはお風呂入る時先に洗う派ですか?私は洗う派ですね
ちなみに最初に体を洗う場所は右腕からです。(←そんな情報要らない)
今回はここまで長くするつもりなかったですが何か書いちゃいましたね。
今後幼馴染sの修羅が濃厚になったきゃるちゃん果たしてどうなるのか

それはそれとして何時もはっちゃけてる子やツンツンした子がふいにデレるのって萌えません?他には甘えん坊な子が時折見せる色っぽい仕草とかともかく全てに燃えますね
はい!作者の性癖は置いといて
最近ウマ娘のガチャが死んでるヒトです。爆死し過ぎて泣きそうな作者です、もう心が折れかけてますね、プリコネで振袖イリヤと他ゲーですけどドラゴンボールの方で神引き出来たのでそれで何とか保ってます。
やっぱりガチャは悪い文明なんですね!破壊しなきゃ…
皆様も無理のない範囲で課金して楽しんでくださいね(暗黒微笑)


感想何時でもお待ちしております。
書いていただけると作者のやる気が上がります。
脱字、誤字報告もよろしくお願いします。
皆様今後ともよろしくお願いいたします。


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本編
0話 プロローグ


勢いと深夜テンションで書いたんで酷いと思います(震え声)

兎も角初投稿です。


0話 プロローグ

 

 

 

転生というものをご存知だろうか、アニメやゲーム、小説を見ている人達なら直ぐに想像できるだろう。

 

近年多くの転生物の作品が流通している。だがそれはフィクションだ。

 

死んだら強くてニューゲーム? 勇者召喚からのチート無双? 

 

どれも創作物だからのものであって現実的に考えればどれもあり得ないことだ。

 

望んだって良い事なんてない、ただ虚しくなるだけだ。

 

 

 

そんな事を考えながら学校から帰宅している。

 

別に今日だけに限った話ではない、昔から捻くれた性格をしていた、加え人見知りで照れ屋

 

その為気づいたら友達はいないコミュ障ぼっちになっていた。

 

だが、それを今まで生きていた中で不自由に思ったことはない、気を使いながら友達ごっこするより一人のほうが楽だった。

 

ただそれだけだ。

 

親との関係も良好で貧乏でもなく、本当にごく普通にありふれた陰キャな男子高校生だった。

 

冒頭に考えていたことも最近買った異世界ものラノベを読んで思ったことだ。捻くれた捉え方しか出来ない僕は世間から見ればただの高二病。

 

もしくは社会不適合者だろう。

 

いつかは変わらなきゃいけない時が来るだろう……。いつになるかは知らないが。

 

そんなことを頭の中で考えながら歩く。

 

いつも通りイヤホンを耳にかけ歩く。帰宅中とは案外暇なもので曲でも聞いてないと気が済まないのだ。

 

最近ハマってるウマ娘という作品のうまぴょい伝説という曲を聞きながら歩く。

 

僕は基本的にイヤホンは片耳にしかしないようにしている、それはある程度周りの音に気を配ってるからだ。

 

僕なりの安全対策だ。イヤホンしている時点で安全とは言い難いが……

 

だが、今日に限ってイヤホンを両耳にかけて音をいつもの倍に上げていた、理由は何となくだ、本当に何となく。

 

この行為が後にあんな事になるなんて思ってなかった。

 

 

 

 

帰宅途中にある交差点に着いた。特に何の変りもない交差点、行きかう車、信号待ちをしながら、周りをぼんやりと眺めた。

 

待ってる間暇だからスマホを出す。ここの交差点の信号は無駄に長いのだ。信号を気にしつつウマ娘を開く、待ってる間にサークルで靴でも投げようとしていた。

 

その時だ。 音を上げていた為に反応が遅れたが甲高い悲鳴と怒声、何かがスリップする音がイヤホン越しに微かに聞こえた。スマホから顔を上げると直ぐ目の前にトラックが迫ってきていた。

 

 

理解出来なかった。人間パニック状態になると体が動かなくなるのは本当みたいだ、動けなかった。

 

 

あぁ、今日のデイリーミッション終わってないのに、次のガチャどの子来るだろうか、母さん達には親不孝者で申し訳ないな、そういやぁウマ娘のキャラクター皆可愛いけどプリコネのキャルちゃんも可愛いんだよなぁ、 そんなのんきな事を考えながら現実逃避をしていた僕は…

 

 

 

 

ドンっ!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

強い衝撃と痛み共に意識が暗転した。

 

 

 

 

 

 

体が動かない・・・・。身体自体無いみたいな感覚。

 

暗闇の中体が浮いている。まるで水中にいるみたいだ。体が動かない、何も見えない恐怖を感じた直後光る何かに引き寄せられる。

 

眩い閃光が弾けたと思ったら、今まで感じなかったはずの身体の感覚があった。

 

恐怖や不安を抱きつつ恐る恐る目を開けると、そこは病室だった。

 

僕は確か…。必死に思い出す。

 

 

「確かトラックに轢かれて…。」

 

直後背筋に悪寒が走った。

 

「…っ。はぁ…はぁ…。」

 

過呼吸気味になったが何とか持ち直し。

 

落ち着いたところで今の状況を考えた。そう、僕は確かに轢かれた。普通に考えたら轢かれたが奇跡的に生きていたと思うのが普通だ。

 

だが、身体に痛みはない、まるで事故そのものがなかったかのように。気だるさはあるものの至って健康だ。

 

次に、身体がどうみたって縮んでいるのだ、自分は170以上あるのに対して今の身体は100くらいしか無いのだ。そしてとても華奢だ。

 

まるで別の誰かの身体に入ったような、身体が自分のじゃないような感覚とでもいうのか、どう言っていいのか分からないが兎に角そんな感覚。

 

何がどうなってるのか分からない。とにかく現状を把握する為に気持ちを落ち着かせる。

 

幸いなことにこの病室には洗面台があり、鏡もある。自分の姿くらいは確認しなきゃなと思いながら、急いでベッドから降りる。

 

備え付けの台に乗り鏡を見る。いつも通り冴ない顔があるのだと思っていた。だが自分が思っていたのとだいぶかけ離れた容姿をしていた。

 

 

そう、鏡に映ったのは.....獣耳がついた可愛らしい幼女だったのだ。

 

 

「なんじゃこりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 

 

 

拝啓 お母様 お父様 死んで生き返ったらケモ耳幼女でした。

 

 

 

 

なんで????????

 




はい、やっちゃいました。書いてみて思ったことは、結構大変なんですね。
書いてる人達本当尊敬します。

ハーメルンの機能もほぼ理解してなかったけど何とかなった(なってない)
ほぼ衝動的に書いたのでハチャメチャです
ウマ娘出てくるのいつになることやら
好評だったら続きだします
誤字、脱字あったら報告してくれたらうれしいです。
文章力のアドバイス的なのも待ってます。
深夜テンションで書いたので酷いのは許してください。
とても眠いです。
次出す時はもっとまともなはずです。

何度も書きますが批判、アンチコメなどはしないでください。お願いします。


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1話 転生して最初にすることは?

リア友にプロローグだけで完結させるな言われたので初投稿です。

「」がセリフで 『』が心のお声

分かりにくかったら変えます


1話 転生して最初にすることは? 

 

 

 

「ちょ……まっ……落ち着け僕、落ち着くんだ」

 

 

自分に言い聞かせるようにゆっくりとつぶやく。

 

 

鏡に映った自分を改めて見た。絹糸のように艶のある黒髪、前髪に白いメッシュが入っており、頭にはちょこんとある可愛らしいケモ耳。女の子らしいぱっちりした目に綺麗なグリーン色の瞳。

まだ幼さがのこる可愛らしい口からは小さな八重歯がのぞいていた。身長は100あるかないかくらいで幼稚園児くらいだろうか。そしてお尻のほうを見るとユラユラと揺れる尻尾がある。

 

じっくりと観察して分かった事は、自分が人ではないことだ、そしてもう一つ、

 

下のほうに恐る恐る手を伸ばし股に触れる、男にあるはず物が亡くなっているのである。オォ……マイサンよ 役目すら終えてないというのに……。そんな現実逃避する。

 

てか、こんな事してる場合じゃない。現状把握をしようと意識を切り替える。

 

まずここが、何処なのか、ここがどういった世界で何が主軸で物語が進んでいるのかだ、僕みたいな獣人がいるってことは前の世界とはだいぶ違うみたいだし。

ファンタジー世界なのか? 仲間は? 主人公は? 僕は女の子だからヒロインなのか? 

考えれば考えるほど分からなくなった。とにかくもう一度自分の容姿を見る。鏡には小さな女の子がこちらを眺めている。そう僕だ。

この子凄い可愛いんだよなぁ。見ていてほっこりする可愛さだ。周りから見たら鏡に向かってニヤついているようにしか見えないが、兎も角可愛いのである。愛でたい……。

 

……というか、この子、何処かで見たことあるような……。

 

そう、僕が好きなキャラに似ている気がする。そう思い何となく直感的に髪を両手で持ちおさげのようにしてみると、頭に電流が流れるような感覚を味わった。

 

そうだ、なんで今まで気づかなかったんだろう。前世でアニメやゲームで何度も見たし、よく使ってたキャラだ。

 

 

プリンセスコネクト! Re:Diveという作品に登場するキャルというキャラクターだった。

このキャラを簡単に説明すると、猫耳がカワイイ獣人の黒髪おさげ(ツインテール?)の女の子で口の悪いツンデレ、ツッコミ兼いじられキャラである。主人公達を裏切ったり、裏切らなかったりする。

年末年始はヤバいらしい。

 

ってことは、これから主人公達を騙し暗躍()したり、裏切ったり、オバサン陛下からOSIOKIされたりするってことなのか⁉

 

 

やべぇよ…やべぇよ。これからどうするんだ。 もうダメだぁ…おしまいだぁ…。現代っ子でメンタルヨワヨワな自分に耐えられる訳ないYO。蒼井翔太何とかせ~い! 

 

って、中の人やん! やっぱり来なくていいわ! 

 

絶望し四つん這いになる。すると、遠くの方から慌てた様子で走ってくる音が聞こえた。獣人と化したからか耳がとても良くなっているみたいだ。

 

誰が来るか分からい為、急いで四つん這いながらも警戒する。それに合わせて身体が勝手に動く、尻尾が体に巻き付き頭を低くし背中を高く丸める。

そう、ネコの威嚇時の仕草だ。自分自身驚きながらも警戒心を解かないようにする、だんだん足音が近づいてくるにつれて、今度は毛が立ち始めた。

 

恐怖と不安を感じつつ、いつでも動けるようにする。そうしていると足音の人物が扉の前に着いたみたいだ、分厚い扉が開く。

 

 

入ってきたのは綺麗なお姉さんだった。こちらを見ると安堵し心配したような眼差しを向けられる。

 

「大丈夫? 具合が悪いのかな」

 

 

ゆっくりこちらに近づき膝を折り目線を合わせながら彼女は言う。

 

だが、警戒は解けない、悪いと思うがこっちもいきなりこんな知りもしない場所で目覚めて、性別や身体まで変わってしまっている状態だ。

弱みに付け込んで何かされないか、痛いことされないか、そんなことで頭がいっぱいになる。自分でも驚くほど狼狽える。

この身体に魂が引っ張られているのか分からないが、途轍もなく恐怖と不安になる。

 

そんな僕を見て彼女は悲痛そうな顔したが優しい笑顔に戻るとまたゆっくりとこちらに近づてくる。

 

「大丈夫だよ。怖くないから、安心して」

 

 

そう言いながら目の前まで来るが僕は

 

「シャーッ」

 

 

と鳴き声が出て更に腰を高く丸め、牙を剝きだした。ほぼ無意識だ、キャルちゃんに何があったは分からないが人間に対してとても恐怖を感じているのが分かる。

それも身体が覚えてるほどに。ゆうことを効かない身体になすがままにされている僕。

それでもなお、優しくゆっくりと近づく彼女。

 

そしてついに彼女の手が僕の頭に触れた瞬間、爪で彼女の頬を引っ搔いていた。

 

ゆっくりと流れる血が地面落ちる。それと同時にばっと彼女が僕に覆い被さる、恐怖で身体が動かない。僕は叩かれると思い身体を丸め目を閉じた。

 

しかし、いくら経っても痛みがない、あるのは撫でられる感覚だった。ゆっくり顔を上げると、彼女は涙を流しながら優しい声で

 

「大丈夫、大丈夫だよ。あなたをいじめる悪い人達はいないから、大丈夫、私がちゃんと守ってあげるから、だから怖がらないで」 

 

 

そう言い何度も優しく頭を撫でられる。同時に僕も涙がとめどなく流れる、安心感や罪悪感を感じ彼女の胸に顔を埋め大声で泣いたのであった。

 

 

 

それから、数十分? 数時間? 泣いたのかは覚えてない、ただただ母親を求めるように彼女に甘えた。

 

別にイヤらしいことは考えてない、ホントだ。そんな事よりどうやら僕の精神にもこの身体の影響が出ているみたいだ、精神年齢が下がったような感覚、小さい子特有の感情の豊かさがでてるような……。身体が子供だから精神もそちらに寄っているという事だろうか。

兎に角冷静になって考えると今の状況は童貞の僕にっては辛いのだ、未だ優しく抱き着いてくる彼女。

『とてもいい匂いがあああああ。柔らかすぎだろ。てか、結構大きなオイィ』

 

そんな馬鹿なこと考えつつ何とかして彼女から離れなきゃと思い。離れようと動いていると、彼女の抱擁が止んだ。何とか抜け出し彼女と向き合う。目が合うとさっきのこと思い出し顔が赤くなる。

 

「もう大丈夫みたいね」

彼女は微笑みそう言ってきた。

 

「うん、もう大丈夫」

沢山泣いた分気持ちが軽くなったのか少し笑えた気がした

 

 

兎に角気持ちを切り替えないと、ここはどこで、今何が起きているのか。彼女にそれを聞こう、情報は一番重要なのだ。そうすればある程度は危機を回避できるかもしれない。たぶん。

 

彼女に転生云々をぼやかしつつ話す。記憶が混濁してる事や外の世界の事。彼女は僕の話をちゃんと聞いてくれた、そしてこの世界について詳しく説明してくれたのだ。まぁ、まだ4、5歳だから難しいのを抜きにしてだが

 

聞いた話を軽くまとめると

 

1.この世界にはウマ娘と言う種族がいてそのウマ娘達が行うレースが世界的にブームで注目を集めている。

 

2.ウマ娘とはヒトとは少し異なる「神秘的な種族」で耳と尻尾がありヒトよりも強靭な肉体をもっている。

 

3.僕はそんな中生まれた異分子、猫の特徴を持ったネコ娘

 

4.貴重な実験対象、もしくは絶滅危惧種、新種な為ある程度身体が出来上がるまで研究施設で暮らしている(逃げられない)

 

5.彼女は僕のお世話係でスタイル抜群のお姉さん。美波さんというらしい

 

6.最後に親の事については濁されたが生きてはいるみたい、因みにどちらもヒトみたいだ(宇宙キャル)

 

 

 

.

 

 最初に言わせてもらいたい。

 

ここプリコネ世界じゃなくてウマ娘世界なんか──────────ーい!!! 

 

確かに現代チックな病室に家具、よく見れば文字も日本語だし。

むっちゃ意気込んでた僕がバカみたいじゃないか! いいや! まてクロスオーバー的な世界かもしれない。

ランドソルやHEIKAの事についても聞いてみたが、聞いたこともないみたいだった。聞いているとき始終彼女は不思議そうな顔していた。

 

 

 

 

 

この世界がウマ娘の世界で自分が異端なのは十分に理解できた、だが、何故にキャルちゃんなんだ……、普通にウマ娘でいいだろう、もしくはヒト科の雄、確かに出してる会社同じだけど……。

 

再度野垂れる僕に対して、優しく頭を撫でてくれるお姉さんが言う

 

「いい時間だし、ご飯たべよっか」

 

 

とにかく今の現状大人しく従うしかない、こんな小さいんだし出来る事もない。お腹も空いているし

 

「……分かった」

 

 

僕をまた抱くとそのまま部屋を出る。どうやら食事する専用の場所があるのだろう。今まで何を食してきたのかも気になる、そう考えつつ廊下を観察する、病院の廊下みたいだ。

 

監視カメラが区分毎についている。僕が収容されているここは結構大きな施設のようだ。そう思っていると食堂らしき場所に着いた。匂い嗅ぐと病院食のような匂いが鼻につく、
普段なら少し抵抗しそうだが、お腹を減らした今の僕には気にならなかった。

 

 

食事は栄養管理がしっかりされているみたいだ、お子様ランチが用意されていた、味の心配をしたが杞憂だったみたいだ。どれも美味しかった。量はどれも少なかったが今の身体だと丁度いいみたいだ。

 

食後の休憩をしていると、お姉さんから今日の分の検査を行うと言われた。

 

体に異常がないか調べられるみたいだが、その中には身体を動かすのもあるのだ。

何も問題ないように思えるが問題だらけだ、まず、研究者がそれなりにいると言う事だ。キャルちゃんは昔ヒトから何かされているせいで心許した相手以外だとトラウマが出てしまう。

そしてもう一つは僕の身体のことだ。僕は身体をあまり動かせないのだ。

完全に動かせないわけではない、例えば軽く歩いたり、立ったり座ったりは出来るが走ったり飛び跳ねたり激しい運動ができないのだ。表情筋も同じであまり動かないのだ、できてもせいぜい苦笑いくらいなのだ。理由は多分僕自身なんだろう。

それぞれ別の体と魂だったんだ、身体と僕が定着しきってないのだろう。そんな感じで今の僕は不完全な状態なのだ。完全体になるまでもう少し時間が掛かる、どうにかしないと

と思っていると、

 

「今日は沢山泣いて疲れたみたいだから軽めの検査にするようお願いしとくわね」

 

 

とお姉さんが微笑みながら言ってくれた。

 

『天使かよ……。捻くれボッチじゃなかったら告白して黒歴史作るとこだった……』

 

 

何はともあれ検査の方は何とかなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

検査が終わり今日はもう寝るだけとなった。

 

 

布団に入り目を閉じながら思う

 

 

 

やらなきゃいけない事が多すぎるが、とりあえず明日から少しづつトレーニングしよう…と。

 

 

 

 

 

 

 

そんな不安でいっぱいなキャルちゃんモドキライフが幕を開けた。

 

 

 




情緒不安定すぎだろこいつ…
まぁ、これには訳があり、話の中にもある通り主人公君とキャル体はまだ
ベストマッチしてない状態なので精神が不安定なんですよ、なのでテンション上がったり下がったりしてるんです。要は二重人格みたいな感じ(表主人公、裏キャルの残り思念)
今はエロガキみたいでもご安心を、これから精神がキャルちゃんに引き寄せられていくので仕草や考え方が女性なものになっていく予定です。当初は僕っ子キャルもいいなぁ思ってたんですけど、口悪くてツンデレでツッコミ役でいじられキャラと属性てんこ盛りガールなんでそこに僕ッ子いれても書ける自信無かったので諦めました。

オリキャラの美波お姉さん
まぁモデルはちゃんといます。一体何処のンナミィなんだぁ?

この世界のキャルちゃんは今よりもっと小さい頃に親から虐待されていた設定です
こんなかわいい子いじめるとか屑かよ(ブーメラン)

オリ主ウマ娘も好きな設定なので隠れオタクみたいになりそう
デジタン(隠れオタクの姿)みたいな。

はい、性懲りもなくまた書きました。
研究所編は次で終わらせます、案が浮かばないので
次こそ誰かウマ娘(幼年期)出したいなぁ


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2話 努力系主人公ってホントすごいよね。

どうも、弱弱しいヒトです。
活動報告書きました、ぜひ読んでね。(激遅)

ウマ娘出す&アンケート結果で次話を書くと言ったな



あれは嘘だ (ウワァァァァァァァァァァァァァァァ!!)


いや、本当は書くつもり無かったんですけど、いきなり数10年飛ばすのは流石に出来ないと思い書きました
前回のが最後とかやっぱりねぇ…
今回は前話から数年経ってる設定です

追記 21/11/5 アンケートについて、活動報告にて確認ください。


2話 努力系主人公ってホントすごいよね。

 

 

 

僕がキャルちゃんとして目を覚まし早二年の時が過ぎた。

 

研究所の人達は皆優しく僕をちゃんと理解してくれている。美波お姉さんも毎日の様に気に掛けてくれてる。

 

そうそう、これでも人見知り&トラウマを克服するための訓練もしている。(ストーキング&闇討ちを訓練と思い込む幼女)

 

二年頑張ってなんと研究員の人達に挨拶出来る様になったのだ! (お菓子で釣れたチョロいロリキャルちゃん)

 

あと、去年から小学校に行ける年になったのだ、また一歩大人への道を進んだのである。

 

勉強は美波お姉さんが教えてくれるようになった、たまに来れない時は研究員の中でも比較的仲のいい人に来てもらって見てもらう。

 

そう見てもらっているのだ、小学校には行ってないのだ、義務教育なのだが、大人の事情もあるのだろう、大きな要因は自分だが。

 

キャルちゃんは世界で一人しかいないネコ人間なのである、そんな子が学校に行くとなると危険が伴うのだ、珍しさでの誘拐や人身売買目的の誘拐、人体実験目的だったり

危険なことばかりなのだ。その為身体が完全に出来上がる又は自己防衛手段を身に着けるまで出られないのである。他にも種族違いのいじめなんかも心配していた。

 

義務教育である小学校や中学校も僕は特例で行かなくても良くなっているのだ。……本音を言うとむっちゃ行きたいけど。

 

だってウマ娘ちゃん達と一緒に学校生活できるんだよ? 前世では絶対不可能な事が今は実現できるのだ、行きたいに決まってる、だから僕は転生して初めてわがままを言った。

 

研究所の人達もお姉さんも辛そうな顔をしていたのは記憶に残っている、それに、お姉さんに泣きながら謝られたことも。そのあと渋々反省して発言を撤回したけど。……、行きたかった。

 まぁ、そんなひと悶着あったが充実した日々を送っていた。

 

今日も勉強が終わりトレーニングタイムがやってきた。

 

身体の方は大丈夫かだって? …ふっふっふっ、これが二年の成果だ! トレーニングルームにあるマットゾーンまでダッシュする。マットの手前まで来ると勢いよく両手をマットに付け倒立した状態から腕で飛ぶ体が天井までとはいかないが中間地点まで浮くそして足で着地する、そうハンドスプリングである、誰しも学校の体育の授業でやった事あるであろうろあれである。(勢いありすぎて飛びすぎて焦って目を逸らす)

 

身体と魂の定着はさほど時間はかからなかった半月くらいしたら完全とは言えないが走ったり激しい動きができるようになっていた。そして気づいた事はこの体凄く軽く動かしやすい、身体能力もまだ子供なのにすごく高いのである。さすが獣人。因みにキャルちゃんといえば魔法があるが、この世界のキャルちゃんは全く使えなかった。ウマ娘世界には魔法なんて無いんだから使えなくて当然だ。

 

ともかく僕はこの体を完璧に使いこなせるようになったのだ。その為身体能力の大幅な向上と野生の感と言えばいいのか分からないが第六感のようなもまで使えるようになった。

 

身体能力については今の時点で成人男性の平均値を越えている、本格的に鍛えると何処まで伸びるか気になるが別にバトル漫画の様に強大な敵に立ち向かうことは今後ないだろうから、自分ともう一人助けられるくらに強くなればいいのである。

 

そんな事を考えていると、護身術の講師がきた、一年前から教えてもらっている。他にも総合格闘技やボクシング、マジカルな八極拳なんかも学んでたりするがおいおいとしよう。

 

護身術の講義が終わると次はランニングだ。それが終われば短距離から長距離走の知識を得るために走ったり、走るフォームなんかを学ぶ、これは将来的に仲良くなったウマ娘ちゃんが走るときにちゃんとアドバイスできるようにやっている。お姉さんや研究所の人達はウマ娘に憧れて真似ていると思っているみたいだが、いくらキャルちゃんが獣人でヒトより頑丈でもウマ娘の速さには勝てないのだ、相手はウマでこっちはネコだ。役に立つのかどうかは分からないがやっておいて損はないだろう。

 

 

時は流れ夕飯時、

 

「キャルちゃん、今日は何にするんだい?」

と食堂のおばちゃんが聞いてくる。

「じゃあ、あたしはこれにするわ」

ラーメンセットを頼み席に着く。

体と魂の定着後変化が起きたのは体だけじゃなかった、そう内面もキャルちゃん化してきたのだ。

話す言葉や考え方が女性的になっていた、ただこの辺は完全ではなく男である時の感覚も残っているためすごく曖昧になっていた。

オシャレや可愛い物が好きになったり、前世でも好きだったミリタリーグッズやゲームとか男性がすきそうな物もよく見ていたり。

男女と言えばいいのか、どっちつかずみたいな感じになっていた。恋愛対象に関しては未だに女性だが。

 

とにかく、現状女性面が強いのは体の影響だろう、今はこれでもいいかもしれないが、外に出た時にこれではウマ娘ちゃん達を遠ざける要因になりかねない。

 

その為もし外に出る時が来たらキャルちゃんらしくしていくと決めたのだ。女性らしくなんてあたしには無理だ。なら推しで愛してやまないキャルちゃんになりきるしかないだろう。

 

てか、そうしないとキャルちゃんに失礼な気がする。(自意識過剰)

 

そんな事を考えながら熱々のラーメンを啜る。

 

「ウワアッツイ!」

 

 

そう言えば猫舌だった……、フーフーと冷ましながらラーメンを啜るのであった。

 

 

 


 

 

 

それから更に時は経ち、あたしは九歳となった。

 

三年間特に変わりなく勉強、訓練、寝るの日常を送っていた。

強いて変わりを上げると年齢が上がり訓練が厳しっくなったくらいだ。

今日も今日とて変わりない日常を過ごしていた。

 

だが今日はやけに食堂のほうが賑わっているではないか、気になって覗くと、どうやら皆テレビの前に集まって何かを見ているようだ。

近くにいる女性の研究員に聞いてみると、どうやら今からウマ娘のレースがあるらしい。

 あたしも気になったから見に行く、出走しているウマ娘達は知らない子ばかりであったがそれなりに有名のようだ。

 

テレビ越しで見るレースはこれが初めてではない、こうして何度か食堂に集いみんなで見る事は多々あった。(あたしはつい最近だが)

 

あたしが今まで見たレースにはゲームで見た子達は出ていなかったのだ。と言うかあたしが生まれた時代にあの子達がいるのかすら分からないのだ。

 

まだ出ていなく研究所の人達も知らないとなるとこれから活躍すると思うが、いつ出てくるか分からない為、少し不安な気持ちになっていた。

 

そんな事を忘れるかのように訓練に没頭していたあたしには今のレース事情を知らないのだ。この世界のヒト達はレースがある度にこんなにワイワイしている為、未だに残っている前世での価値観を持っているあたしには付いていけない時があるくらいだ。(前とここでは開催回数が桁違いなのだ)

 

今回テレビで流れているレースは過去のレースのようだ。過去の映像なのになんでこんなに集まっているのか理解できなかったが、テレビを注意深く見ていて分かった。

 

このレースはシンザンが走ったレースだからだ。前世では競馬についてはほぼ無知だったあたしでも聞いたとあるウマだった、この世界でも伝説として語り継がれている。

 

そんな事を考えていると、レースが始まった、彼女の走る姿を見てあたしは……鳥肌が立った。まるで巨大な怪物に睨まれているような感覚。

 

過去の映像なのになぜあんな覇気を感じるのだろうか、もしこれが当時だったらと思うと身の毛がよだつ。呆然とそのレースを見る。

 

……気づいたら終わっていた。圧勝であった。だが終わってもなおあたしは呆然としていた。

 

 

この日、あたしはウマ娘のレースの見方、考えが大きく変わったのであった。

 

 

 


 

 

 

あのレースを見た日から幾日の夜

姉さんから唐突に外出の話が出た。

 

あたしが外に出ても問題ないかと外の世界を学ぶ為の試験らしい、もちろん監視や護衛はつく

 

姉さんが行くか聞く前に

 

「行く!」

 

 

気づいたら、興奮気味に即答していた。

 

姉さんが可笑しそうに嬉しそうに笑い、それにつられてあたしも笑う。

 

 

こっちに来てから一度も外に出た事無いのだ、この機を逃したらいつになるか分からない。

 

姉さんが試験が行われるのはもう少し先と言われた。決まったらいの一番に連絡してくれるみたいだ。

 

あたしは何処に行くのか決まっても無いのにワクワクしだす。

 

「今日はもう寝なさい」

 

 

と姉さんが言う。

 

 

それに従いベッドに潜り、横になる。

 

 

それを確認した姉さんが部屋を出ていく。

 

 

外への期待で中々寝付けなかったが、次の日も訓練があるため体を休めないといけない。

 

『あぁ、試験の日が待ち遠しい』

 

 

そうして静かに瞼が落ちた。

 

 

 

 

 

 寝れたのはその一時間後だったが……。




主人公君無事に女の子?に!
やっぱり年代が難しいです、ウマ娘世界って時系列バラバラすぎてもう分けわかめ
これから書けるか心配になってきた作者であった。
因みに主人公君九歳の時点でヤムチャくらいなら張り合える強さになってます。
(自爆はしない)なお倒せるとは言ってない。

まぁた性懲りもなく書きやがってと思われるかもしれませんが生暖かく見守っててください。

上でも書きましたが活動報告書きました、アンケートや何かある時は基本的に書いてくつもりなんで暇があったら見といてください。

アンケートは一応今日の夜で一時締め切らせてもらいます。
たぶん少しの間再開するかも?
今のところ、ゴルシ、ライス、ウララ、ダスカの順で人気みたい
そしてオグリが少しずつ伸びてますね。頑張れオグリ!

みんなもジャンジャン投票しちゃってください。
誤字、脱字報告も遠慮なく送っていただければ幸いです。

追記 21/11/5 Twitter始めました。 https://twitter.com/Haru_kyaru3


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閑話 サブキャラにもちゃんと目を向けよう。

遅くなり申し訳ございません。
まさか残業がこうも長くなるとは…
アンケートの方はなんかすごい事になってましたねw
ホントどうすればいいのか

そういやぁ、ゴルシ様がサイゲのゲーム全てにコラボするみたいですね。
自分はプリコネ、デレステ、グラブルやってるので待ち遠しいです。
この物語作った直後にコラボの話来るととても嬉しく感じますね。

まぁ、それはそれとして
今回は2話から登場した美波お姉さんの物語
キャルちゃんくんのお母さん兼姉のような存在で幼少期では欠かせない重要キャラです。やっぱり小さい頃は親がいないとね?
因みに少女期から幼馴染ウマ娘ちゃんが追加でキャルちゃんの支えのような存在になるように今のところ考えてます。
今回は休憩時間に思い浮かんだ駄文なんで許してください。(土下座)

前話にも加えましたがTwitter始めました。
https://twitter.com/Haru_kyaru3
小説は勿論 
多分ウマ娘、プリコネ関係ツイートしていく予定です。
良かった見に来てください。(まだ一つしかしてませんが)



閑話(2.5話) 閑話 美波とキャルちゃん(前編)

 

 

 

 

この世界にはウマ娘なる不思議で神秘的な生物が存在している。

ヒトよりも頑丈で足も速く、そして病的なまでに美しい、そんなウマ娘を私は怖いと感じた。今じゃあ考えられないが、でも確かに小さい頃は恐怖や不気味さをウマ娘に感じていた。

何故怖かったのか好きではなかったのかは思い出せない、でもそんな気持ちを抱きつつ過ごしていた。周りとは違う感性、共感されるはずもなく、誰にも言えないまま時間が過ぎていく。私一人だけ周りとは違うと気づいた時には遅かったのだ。寂しくて辛い、毎日が苦痛だった。そんな感情を一変した出来事があった。

私が小学生の頃デパートで大火事に巻き込まれた。その日は家族と休日という事もあり、遊びに来ていた。丁度帰ろうとした時だ何かが爆裂する音と共に目の前に真っ赤な何かが揺らめいていたのだ。

周りは阿鼻叫喚だった、おもちゃ売り場が近いため小さな子が私含め沢山いたのだ、泣いてる声や逃げるように怒鳴る声、女性の悲鳴、私達家族は呆然としていた。正気に戻った時には火の勢いが増していた。親が急ぐように走り、私もつられて走る。だが、足を躓かせ転んでしまった。母親が起こそうと近づこうとした瞬間。

バタン!!! 

と、私達の間を遮る様に観葉植物の大きな木が倒れてきた。間一髪怪我はなかったが、親と分断されてしまったのだ。乗り越えようにも観葉植物に火が回っていて越えられない、どうしようもなく絶望しかけた時である。何かが飛び越えてきて私の近くに着地した、目を凝らして見てみると、消防服を着たウマ娘のようだ。彼女が手を伸ばしてきた、顔が近くなり目が合った瞬間、私は怖くて手を払いのけてしまったのだ。今思えばとても酷いと事をしたと思う。でも彼女は怒りもせず私を優しく抱擁してくれたのだ。同時に大丈夫と言いながら背中をポンポンと優しく叩いてくれた。私は恐怖と安堵で心がぐちゃぐちゃになり大泣きした。その後、彼女は私達家族が外に出るまで一緒にいてくれた。私達家族の無事を確認するとまた建物の中に入っていった、そこからは私達と同じように中に取り残されたヒト達を救出していった。かっこよかった、凄いと思った。火事が収まった時、私は彼女に謝りに急いで彼女のもとに駆け寄った。謝ると彼女は笑顔で気にしていないと言っのだ、それでも謝りたかった私は、何度も頭を下げる、すると彼女は私の頭を優しく頭を撫でてくれた、何度も。

 

 この日私はウマ娘に対しての恐怖心が少し晴れた気がした。

 

それからは少しずつだがウマ娘に対して積極的にかかわる様になった、関わるにつれて私はウマ娘が好きになっていた。そして同時に彼女達の役に立ちたいと思うようになっていた。トレーナーを目指そうとしたこともある。

だが、トレーナーにはならなかった。彼女達、全てのウマ娘に対して役に立ちたかったのだ。私は全てのウマ娘が怪我無く楽しく走ってもらいたい、幸せになってほしいのだ。

鼻で笑われるよな大それた願いを叶えるために沢山努力をした、彼女達を根元から理解するため医学を習った、彼女達が使うシューズや運動着を使いやすく怪我をしにくい物を開発した、走りを調べ、どうすれば速く走れるか、足に負担を掛けにくい走り方はあるのかなどを研究した。

こうして今の私がいるわけだ。

因みに今の私は研究員だが医師免許や栄養管理士などウマ娘関連の資格は一通り持ってるからか少し有名人でもある。(少し処じゃない)

ウマ娘達が幸せに暮らせるようもっと頑張らなくちゃと意気込む。

 

そんなある日、私に一本の電話がなる。

要件はある子を世話をしてもらいたいという電話だった。少し濁した言い方がきになったが私に掛かってくるくらいだからウマ娘だろうと思い、私はすぐそのお願いを聞き入れた。

この後とても驚くことになるがこの時の私は知る由もなかった。

 

 

あの依頼から数日、その子が運ばれてきたのだ。

意識がない状態で……。啞然とした、意識が無い事は勿論だが、それよりも気になるのはこの子の耳や尻尾がウマ娘達のそれとは全くの別物だったのだ。

保護した人から聞いてみれば、彼女は親から酷い虐待を受けていたみたいだ。警察や通報した本人が家に入り込むと頭から血を流した状態で発見されたみたい。

頭を打ってる為、私は急いで彼女の容態をみた、だが不思議なことに全く異常が見当たらなかった。頭を強く打って流血したはずの頭にもだ。まるで最初から怪我などしていなかったように奇麗なのである。

治癒能力がとても高いのであろうか。私は依頼主に彼女について詳しく聞いてみる。

彼女はウマ娘じゃなく猫の特徴を持った人間のようだ。まだ詳しくは分かっていないが、ネコらしい事ができるみたいだ。

私には彼女について調べる事と、世話をしてほしいみたいだ。 確かに彼女は現段階では未確認生物でウマ娘に似て非なるものだ。このまま世間に出せば彼女は酷い目に合うのは目に見えている。

そんな事があってはならないのだ、ちゃんと生きている小さな命なのだ。

私は依頼を二つ返事で応えた。依頼人は少し安心した表情をしお礼を言ってきたのだ。そこから彼女の今後、人権(彼女専用の)や戸籍などを用意するみたいだ。

その為一旦世間に伝えるらしい。世間の反応が怖いが期待するしかないだろう。

数時間話した後

「この子の事を、頼む。」

そう言って彼は帰っていった。

 

彼女が運び込まれてから、数日後、政府からメディアに取り上げられ世間に彼女のことが知れ渡る。

ネコ娘。それが彼女に付けられた種族名だった。

 

当然のごとく多くのヒトが彼女を知ろうと殺到する、連日テレビもネットも彼女の事ばかりだ、しまいには彼女を見ようと居場所を探り出すヒトまでいた。

過激な行為にはさすがに焦ったが、気づいたら収まっていた。その次の日依頼人からメールが届いた。こちらに被害が及ばないように対策してくれたみたいだ。あの依頼人何者なのだろう。

そんな話題の中心にいる子は、

運び込まれて一週間、未だ彼女は目覚めない、もう起きても大丈夫なはずなのに、何が……。ここ最近は彼女に付きっきりだ。

今日は会議があり少し離れないといけないが無事に彼女が目覚めることを祈るばかりである、心配しつつ部屋を出る、これらある会議は彼女の今後についてだ、気を引き締めなくちゃ。

私は頬を叩き、会議室に入る。

 

会議が始まり三時間が経とうとしていた、大体の案が決まり彼女の今後の生活が決まった時だった。

手元のタブレットが揺れる、急いで開くと彼女のバイタルサインに大きな変化が起こっていたのだ。

私は急いで会議室を出て彼女の元へ向かう、そして部屋の前に着く。

彼女を驚かさないようゆっくり扉を開けると、そこには部屋の隅でこちらを威嚇するように睨みつけている彼女がいた。

怪我の悪化を心配したが無事みたいでほっとした。

 

「大丈夫? 具合が悪いのかな」

 

そう微笑みながら語り掛ける。

だが未だにこちらを睨みつけている。

彼女のその目が私には、身に覚えがあった、恐怖と不安、昔私が感じていた感情だ、とても悲しく、つらい。

普通安易に近い事はしない、落ち着くまで部屋の外に出るなどするはずだが、今離れたらダメな気がした。

私は優しく声をかけながら刺激しないようゆっくりと近づく。

 

「大丈夫だよ。怖くないから、安心して」

 

彼女との差がさらに縮まり、ついに頭に触れたと思った瞬間。

頬に鋭い痛みがはしる、どうやら引っ搔かれたみたいだ。だが、私はそんなのお構いなしに彼女を優しく抱きしめ、頭を撫でる。

「大丈夫だよ。怖くないから、安心して」

落ち着かせるよう、優しく優しく。

彼女はひとりで我慢してきたのだ、痛いのにも、寂しさにも。

「大丈夫、大丈夫だよ。あなたをいじめる悪い人達はいないから、大丈夫、私がちゃんと守ってあげるから、だから怖がらないで」

優しく撫でる。すると彼女は泣き始めたのだ、大きく口を開け、目からも大粒の涙が零れる落ちる。

『この子は昔の私だ、似ているんだ、ひとりは辛いよね』

この子は必ず守ろう、私の時とは違う、彼女にも幸せになる権利はあるから。そうここに誓う。

そんな事を考えていると胸のあたりがもぞもぞと動く。いつのまにか泣き止んでいた彼女は顔を赤くしながら動いていてた。その姿はとても愛らしく……もう一度抱きしめたくなった。

そんな欲求を耐えつつ彼女を離すと少し照れくさそうにしながらこちらを見てきた。

「もう大丈夫みたいね」

と私は聞く。

 

「うん、もう大丈夫」

とたどたどしくもちゃんとした声音で言った。

その時の彼女は無表情だったが微かに安心した笑みを浮かべたように思えた。

 

 

その後、彼女は此処が何処なのかを聞いてきた為自分が知っている事を分かるように説明する。

彼女には難しいかなと思ったがすぐに理解していた。とても頭がいい、この子の親はどんな教育をしてきたの……。(何も教えていません)

そんな事を考えていると、彼女から再度質問された。内容はよく分からなかったが、ランドセル?陛下はいるの?など聞かれた。

生憎私でも知らない事なので分からないと答えたが、何かしらの暗号かな?ランドセルって言ってたし小学校?

彼女を再び見る。彼女は何故か項垂れていた。たぶんお腹が空いたのだろうか、ここに来てから何も食べていないのだ。点滴で栄養は取れても空腹はどうにもならない。

起きたばかりで心配だが食堂へ連れて行こう。彼女を抱っこする、抵抗されると思ったが何もされなかった、どうやら気を許してくれたようだ。

部屋を出て廊下を歩く、彼女は興味深そうに廊下を見ている、こうゆうところは初めてなのだろう。そんなこと考えていると食堂に着く。

彼女を見ると早く食べたいのか尻尾を激しく揺らしていた、可愛らしい。

 

その後食事はスムーズに進んだ、食事に関しては食べれるのか心配したがお子様ランチを平らげてしまった。どうやら問題ないらしい。食べ終わったら、少し食休憩も兼ねてテレビを見た。

丁度ウマ娘達のレースが流れていた、隣の彼女に目を向けると、彼女は興味深そうにそのレースを見ていた、彼女があの子達のように走れるかは分からないが危険なことはしないでほしい、元気に可愛らしく育ってほしいとちょっぴり母親っぽい事を思ってみる。そうこうしていると彼女が眠たそうにしていた、落ち着いた雰囲気が齢を上に見させるが、まだ五歳の子供なのだ。ホントはこの後体の検査があるが、軽めに終わらそう。

そうして短い彼女との一日が終わった。

彼女を部屋まで連れていき寝かせつける、泣き疲れていたのか、お腹いっぱい食べたからなのか直ぐ眠ってしまった。

起こさないように頭を撫でる、明日から彼女のお世話が本格的に始まる、今まで辛い思いをしてきた分、私が彼女を幸せにしなきゃ、今日から私は家族だ、

だから

「困ったときや辛いときはちゃんと頼ってね。」

 

彼女のおでこにキスをする。

 

私は彼女を愛おしく見つめ部屋を後にする。

 

 

 

こうして私とキャルちゃんとの生活が幕を開けたのであった。

 

 




やっぱ書くの難しい。
ガバガバストーリーですみません。
美波お姉さん会長と似たような夢を持ってしまいました。
ちょっと天然とチョロさとウマ娘ガチ勢を除けば普通の美人さんだから

ホント長らくお待たせ致しました
アンケート結果 上位5名
1位はゴールドシップ(39)、同率でハルウララ(39)
2位にライスシャワー(35)
3位にダイワスカーレット(31)
4位にオグリキャップ(30)
となりました。

いやー、同率あるのは驚きました。
いや、どうすればいいのよ。
他三名もそこそこ高いし、
結果だして決まらないじゃダメなんで皆様意見下さい。(他力本願)
最終的にはラノベ主人公ごとく全員幼馴染か親友枠としてダスカ。
なんかいい案求めます。

あっ、みんなリアルじゃあ北海道出身なんだよね
でもウマ娘世界ってデビュー地が故郷なんだよね。(要らないと思う知識)

皆様のお力お借りしたいです。

アンケートの詳細は活動報告に書いておくので気になる方は見といてください。
もしくは意見下さい。


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3話 出会い(ハルウララ編)

皆様、大変長らくお待たせいたしました。
アンケート結果については活動報告にて詳細書いてます。
連絡帳にも一応設定というか決まり事書きました。一応見てない人用でここにも載せます。
※故郷について
正直、故郷が分かっているウマ娘が少なすぎるんです、現実の方だと、ほぼ皆北海道生まれで楽なんですが。
ハルウララだと高知だったり、オグリキャップだと笠松と公式の方のストーリーでも度々出てて分かるんですが、その他は謎のまま(作者が知らないだけ)なんですよ。
ゴルシに限ってはゴルゴル星ですよ?ウサミン星の親戚か何か?
ともかく故郷については二次創作の特権であるオリジナル性を持たせて史実でのデビュー地にします。(例外あり)

まず、ゴールドシップについてはいろいろ不明なんで出会う場所を東京にします。

ハルウララは勿論高知です。

ライスシャワーはデビュー地が新潟ですが変えて北海道にします(史実の方参照)。

ダイワスカーレットは京都。

オグリキャップは岐阜笠松ですね。

これで行きたいと思います。

故郷ってだけで、最終的に皆東京に行くことになるんであんまり深く考えないようにします。
ちなみにキャルちゃんは東京にある研究所って設定です。なので、出身地東京。

これから1話ずつにまとめれた場合5話分は出会いのストーリーになります。
なので、トレセンでの日常はもう少し先になります。
出会う順番については
ハルウララ
  ↓
ゴールドシップ
  ↓
ライスシャワー
  ↓
ダイワスカーレット
  ↓
オグリキャップ

でいきます。

あと、ウマ娘世界特有の時空の歪み&年齢とかは「ウマ娘世界だし。」で理解してください。
ホント、いろんなウマ娘ストーリーありますがどれも世界観が違ってる為作者も良く混乱してます。
二次創作特有のオリ展開とか設定で乗り切る予定です。

と長くなりましたがこういう風にします。
ともかく5話分のキャルちゃん旅行記をお楽しみ下さい。
ではどうぞ。


3話 出会い (ハルウララ編)

 

 

あたしが外に出れると聞いてから一月、ようやく外出の許可と準備ができた。

どうやら今回の外出にはあたしの教育の他にあたしを保護や支援をしてくれている人に会いに行くみたいだ。

そういった人達が一人ではなく数人いるみたいで、その全員があたしに会いたがっているため今回の件と兼ねて行くことになる。

ここに来た当初よりはトラウマを克服出来たと思う。人見知りはまだだが、いきなり威嚇や攻撃はしない。…はずだ。

外出時、あたしや姉さんの他に研究所内で姉さんの次に仲のいい真帆という女研究者とSPみたいな護衛も付くのだ。凄く、大きいです。(震え声)

今回の目的地は高知県らしく、前世でも行ったことが無い場所の為楽しみで前日寝付けなかったくらいだ。交通手段は車で行くらしい。

そして、今、あたしは車の中にいる。

顔を青くしてだ

「おえっっ。」

そう、車に酔ったのである。

「ちょ、大丈夫?少し横になりなよ。」

と、真帆が膝をポンポンと叩いている。

「もうすぐパーキングエリアに着くからそれまでの辛抱よ。」

と姉さん。

こうなった原因は数十分前に遡る。

あたし達を乗せた車は数時間下道を走り高速道路にのったのだ。高速に入ると今まで見えていた景色が一定になるため暇になるのだ、その為暇になった時ように本を用意していた。

乗り物で本を読むと酔うと良く聞くがあたしは乗り物で読んでも前世ではなったことが無かった為に高を括っていたのだ。そして、案の定酔ったのだ。

今にも吐くのを我慢しつつ、PAに着くのを待つ。着いた直後、あたしは物凄い速いスピードでトイレに駆けこんだ。

 

「ごめんなさい。」

あたしは今みんなに謝っていた。

「大丈夫!大丈夫!私も時々なるから!」

「まだ調子悪い?悪かったらすぐに言うのよ?」

真帆と姉さんが言う、護衛の人達に目を向けると微笑みながらも首を横に振っていた。

「でも、もう車の中で本読んじゃダメよ?」

屈みつつ目線を合わせてくる姉さんに

「ええ。分ってるわ。」

と返し。車に乗り込んでいく。

ちょっとしたハプニングはあったものの車は進んでいく。

 

 

姉さん達とお話していると、車が停止したのだ。どうやら着いたようだ。

車を降りると目の前には大きな館のような建造物が建っていた、目の前の建物に驚愕しているといつの間にか姉さんが大きな門の前で警備員と思わしきヒトと何かお話していた。

話し終えるとこっちに手招きしていた、それに従い門まで行くと、門がゆっくり開き中から中年らしきおばさんが出てきた。

「遠路お越しいただきまして、ありがとうございます。」

そう言うとお辞儀をした。姉さん達もそれに合わせお辞儀を返す。あたしもそれを見て慌ててお辞儀をすると、おばさんがこちらを見て

「あら!あなたがキャルちゃん?」

と聞いてきたのだ。

「え、えぇ、じゃなくて、はい。」

慌てつつ返す。

「ふふっ。落ち着いて、別に取って食わないわよ、あなたにとても会いたかったの、今日は来てくれて本当にありがとうね。」

優しく微笑み頭を撫でてくる。

だが、知らない人の為体が硬直し動かなくなる。

「ああ!後藤さんズルい!私も撫でる!」

真帆があたしに抱き着きついてくる。そして、こちらに向かいウインクした。どうやら気を使わせたみたいだ。後で、お礼を言っておこう。

「こら、真帆。後藤さんに失礼でしょ。真帆がすみません。」

姉さんが軽く頭を下げ謝る。

「いいえ、私も少し焦りすぎたみたい、出会ってすぐにすることではないわね。」

どうやら目の前にいるおばさんは後藤というみたいだ。これからお世話になるみたいだし覚えておこう。

「立ち話もここまでにして、入って?お茶用意するから。」

そう言うと玄関に向かい歩き始めた、それに付いていく一同であった。

 

家内は物凄く広く、綺麗であった。使用人も沢山いて、どうやらお金持ちみたい。

今日から数日間この家にお世話になるらしい。先ほど後藤さんと話し合い決まったのだ。あの人はいろいろお金の件でお世話になっているみたいで、あたしのこれまでの教育費や食費もこの人が支援をしていたみたいだ。なぜ見ず知らずのあたしにそんな事しているのか気になって聞いてみると、どうやらあたしに一目惚れしたらしい。一目惚れと言っても恋愛じゃないほうのだ。

全国にあたしの事が知れ渡ったとき、あたしを守ろうとした一人みたいで、あたしを知ったのもその時みたい。一目見て気に入り即行動していた事には引いたが頼もしくも思えた。

他の支援者も同じな感じらしい。あたしの何処かを気に入り守ろうとしてくれているみたいだ。

 

今は案内された部屋のベッドで寝転んでいる。あたしの部屋は姉さんと真帆と一緒の部屋みたいでとても広かった。ベッドは勿論3つある。

高知観光は明日からみたいだ。今日はこの家で過ごすことになる、後藤さんがあたしともっとお話ししたいみたいだが私は初めての相手なので、もうくたくたなのである。

今は姉さんや真帆が相手してるみたいであたしは部屋に逃げ込んでこうして休んでいるのである。

 

今日はこの世界に来て初めての旅行だ、長時間の移動と知らない人との長時間の会話で相当疲れていたようだ、瞼が落ちていく、夕食まで少し寝よう、そう思いそのまま眠りにつく。

 

「…ぉぉ。…ぉぉ…ぃ。…。おおーい。起きてー!ご飯だよー。」

体揺さぶられ目を覚ますと真帆がいた。どうやら夕食の時間のようだ、まだ眠たいが夕食の方が重要だ、重い体を起こしつつ真帆と一緒に食事が用意された部屋へ行く。

 

その後は特に大きい事はなかった、食事中後藤さんがこちらをずっと見ながら食べていた事くらいだ、あと話が長い。食べて終わった後は、お風呂に姉さん達と入った。

最初の頃は目をつぶって入っていたがもう数年繰り返してやってきた事だ、いい加減なれる。(目をそらす)

そんなこんなで今日が終わろうとしている。布団に入り明日に備えて寝る。明日はいよいよ高知観光だ、楽しみだ。明日は無事に楽しく観光できたらいいな、そう思いつつあたしは眠りについた。

 

 

 

次の日の朝、あたしはお姉さんに注意事項の確認を行っていた。それが終わるとリュックのショルダーストラップに2つポケットにも一つ防犯ブザーを取り付けられ、GPS発信機も付けられる。

他にも携帯電話や不審者撃退グッズなど持たされ行くことになった。ちなみに今の私は帽子で耳を隠し、尻尾も服の下に隠している。周りの混乱防止やあたしの為でもある。

とても窮屈に感じるが仕方ない。

 

観光は何の問題もなく順調に進んでいった。私と真帆は景色や歴史的建造物よりも食べ歩きの方が良かったので姉さんに頼み込んだ。

高知の名産に舌づつみしつつ食べ歩くのであった。

そんなこんなで気づいた頃には昼を過ぎており、食休みで近場の大きな公園に来ていた。

ベンチに座り休憩していると、あたしの視界に猫が映った。あたしは本能的な何かにつられ猫の後を追いかける事にした。

 

この時、美波はお手洗いに、真帆は昼寝をし護衛も周りを警戒していたため、誰一人としてキャルが猫を追いかけた事を知る者はいなかった。それもそのはずだキャルは無意識に気配消しつつ足音も消していたのである、熟練の護衛にすら気づかれないほどである。

 

あたしは猫を追いかけていた。ふと猫が止まりあたしを見つめるのである。恐る恐る近づき手を伸ばすと猫はあたしの手に頭をすりすりと擦り寄せてきたのだ。

「うへへへ。」

気づいたらそんな声が出ていた。どうやら、この世界のキャルちゃんも猫好きのようだ。

猫を撫でていると、

「ああー!猫ちゃんだ!可愛い!」

と元気な声が前方から聞こえてきたので、顔を上げてみると、そこにいたのはピンクの派手な髪色をした、ウマ娘が立っていた。

唐突な事で唖然とし撫でていた手が止まる。

彼女はあたしを見て不思議そうに首をかしげる。そしてまた笑顔になる。

「ねえねえ!その猫ちゃんきみの?私も触っていいかな!」

そんな事聞いてくる彼女に再びフリーズするあたし。

「?おーい、大丈夫?」

目の前にきてあたしの顔を覗き込む。

「ファ!?」

と飛び退きしりもちをつく

「!?大丈夫!」

そんなあたしを見て彼女は心配そうに近寄ってきた、そんなやり取りがあと数分続いたのであった。

 

「ごめんなさい」

落ち着きを取り戻し、あたしは彼女に謝る。

「全然いいよ!怪我無くて良かったぁ!」

彼女がとびっきりの笑顔で答える。

あんなに取り乱したのに猫は逃げることなくあたしの膝に乗っている。

そんな猫を撫でている彼女に目をやる。

派手なピンク髪で身長があたしより小さい。頭にはあたしと違うとんがった耳が付いており、お尻には髪と同じピンクのふさふさしてそうな尻尾があった。

「ねぇ、あんたなんであたしに声を掛けようと思ったの?」

自分で言うのもなんだが、今のあたしは帽子を深くかぶっていて目元などが周りから見えないようにしている為、不審者に近しい恰好になってるはずだ。

「うーんとねぇ、わかんない!」

彼女は少し目をつぶり考えるがすぐに目を大きくさせニッコリ笑いながら答えた。

「はぁ?分からないって、あんた…。」

あたしが言葉を詰まらせると

「でもねでもね、きみ見た時話しかけなくちゃって思ったの!でね、話しかけて良かった!」

そう言ってまた笑顔見せる彼女にあたしはドキッとした。

「こんなとこに一人でいると危ないわよ、親が心配してるんじゃないの?」

照れた気持ちを隠すために話を唐突に変えた

「大丈夫!家近いから!」

またもや彼女は笑顔でそう言う、どうやら笑顔と元気は彼女にとっては当たり前らしい。

そんな事を考えてると彼女が

「ねえねえ!きみの名前なんていうの!わたしはねハルウララっいうんだよ~。」

と聞いてきたのだ、その言葉に心臓が鷲摑みされたような感覚になる、そう彼女がハルウララと言ったからだ。

ハルウララ、ウマ娘世界でも主要キャラで彼女の純粋かつ子どもの様に無邪気な性格がさらに可愛らしい為史実共に人気が高いキャラなのである。

こんなとこでこの子と会うなんて予想してなかったのだ。

彼女の顔を見て固まっていたため、再び彼女が顔を近づけてくる、

「?おーい。」

はっとし動揺を隠そうとしつつ

「え、えっと、あたしはキャルよ」

彼女は花が咲いたような笑顔で

「キャルちゃん!可愛い名前だね!」

と言ってきたのである。

「そ、そう、ありがとう、あんたの名前もいい感じだとおもうわよ。」

照れつつこっちもお返しに言ってみるが

「わあ~、ありがとう!わたしもこの名前気に入ってるんだ~。」

笑顔を向けてきた。

それから少しの間だが、彼女とのお話しが続いた。

 

ハルウララと話していると

「ああああああああ!いたあああああああああああ!」

大声が聞こえてきた。あたしもハルウララもびっくりして声の方向に目をやると

疲れ切った真帆の姿と涙を浮かべた姉さんの姿が映った。

姉さんはあたしを見るやいなや猛ダッシュで駆けてきてあたしを抱きしめ

「ほ、ほんとに無事でよかった。よ″か゛っ゛た゛よ゛~゛」

泣き出してしまったのだ。

「ちょ、ちょっと!あたしは大丈夫だから!泣かないでよ、恥ずかしいじゃない!」

あたしは慌てながら姉さんを落ち着かせる。

そんな様子をポカーンと見ていたハルウララが

「あわわわわ、大丈夫?どこか痛いの?」

と姉さんに聞く。

「グスッ、グスッ、あなたは?」

ハルウララを見ると目を大きく見開き、泣き止んだのだ。

「わたし?わたしはね、ハルウララっていうんだよ!」

ハルウララは元気よく答える。

「ハル、ウララ、そう、とてもいい名前ね。」

何か感じたのか、言い聞かせるように姉さんが言った

「えへへ、ありがとう~。キャルちゃんにも言われたんだよ!可愛いって!」

照れた笑顔で言うハルウララに

『可愛いなんて言ってないわよ!いい感じって言ったのよ!』と心の中でツッコむ。

「ふふ、キャルちゃんと仲いいのね?」

 

「うん!さっきまでいっぱいおしゃべりしてたんだ!楽しかった!」

 

気づいたらハルウララと姉さんが楽しそうにあたしの事を話していた。

そこからは真帆も混ざり4人での会話が夕方まで続いたのであった。

 

 

 

「キャルちゃ~ん!また明日もお話ししようね~!」

手を振ってくるハルウララ

「明日もあんたといる事確定みたいじゃない。」

帆を赤く染めつつ返す。

「あんたじゃないよ~ハルウララ!」

 

「急に何よ!?あんたの名前でしょ。教えてもらったから分かるわよ。」

 

「だってキャルちゃんわたしの事あんたしか言ってないもん、わたしはハルウララなんだもん…」

不貞腐れたようにつぶやくハルウララ

「ウ、ウララ、ウララ!これでいいでしょ!フルネームだと長いからウララって呼ぶわよ!」

叫ぶように言うあたし

「ウララ、うん!いいよ!嬉しい!」

ハルウララはさっきより増した笑顔で言うのであった。

 

ウララと別れ館に帰宅するあたし達。

今日は観光と新たな出会いがあり、あたしはまた一つ成長したと感じさせられた。

姉さん達もウララになら会ってもいいらしいので高知にいる間はまた会えそうだ。

この世界に来ての初主要キャラメンバー、会えたことに喜びと興奮を感じた。今後もウララ以外にも会えるだろうか。

そうそう、姉さんが高知への滞在期間を伸ばしてくれたみたい、これでウララともう少し一緒にいれる。

あたしはそんな事を考えながら眠りについた。

 

 

 

ウララとの出会いから三周間、今も出会った公園でお話ししている。

まだ年齢が小さいため何処かに買い物に出かけたりもできないので基本公園でお話しするだけだ。

ウララとの関係も良好で、今ではと、友達なんだと思う。たぶん。

ここ三週間は、

「キャルちゃん!キャルちゃん!」

飛び跳ねる勢いで聞いてくるウララ

「な、なによ。」

勢いに怯み少しどもる

「ぎゅーっ!」

いきなりそんな事を言いながらあたしに抱き着いてきたのだ。

「ふぇ!?」

びっくりして変な声が漏れる。

「大事な人や大好きな人にはこうすると気持ちが伝わるってお母さんに聞いたの!キャルちゃんは私にとって大事な人だし大好きだから!」

可愛らしい笑顔でそう言うウララに

「う、うん///」『も、もうやめて~、可愛いすぎでしょ!何よこの生き物!』

 

 

 

「キャルちゃん!」

今日もウララは絶好調みたいだ。

「なによ?」

 

「キャルちゃんにお土産持ってきたの!」

ニパーとでも言いそうな笑顔で

 

「お土産!なになに!」

お土産と聞いて少しテンションが上がるあたし

 

「じゃじゃーん!にんじん!」

高らかに上げたのはにんじんであった。

 

「うげっ」

あたしは野菜が大の苦手なのである

 

「ここのにんじんとても甘くて美味しいよ!」

 

「そ、そう。…良かったわね。」(目そらし)

 

「だから、キャルちゃんにあげる!食べて!」(グイッ

思いっきり突き出されるそれに丁度の位置にあたしの口があり…

 

「うぐっ」

にんじんが口に突っ込まれる

 

「どうどう!」(満面の笑み)

 

「む~、む~。」(顔青ざめ&口ににんじん刺さってる)

あまりの満面の笑みで口から出せず青臭さを感じながら最後まで食べさせられたのであった。

もう絶対食いたくない、特に生で!

 

 

 

 

「キャルちゃん!」

 

バッ「今日は何も持ってないようね」(安堵)

 

「? 、今日は一緒に走ろうよ!」

 

「え?走る?」

 

「うん!わたし走るの好きなんだ~、だから、友達のキャルちゃんと走るともっと楽しくなると思ったの!」(満面の笑み)

 

「ぐっ!わ、分かったわ」

 

「やった~」

 

 

 

 

「キャルちゃ~ん、むにゃむにゃ」

 

「ちょ、ちょっと、こんとこで寝ると風邪ひくわよ。」

 

「すーっ。すーっ。」(zzz)

 

「全く、しょうがないわね。」

 

「・・・・。」(zzz)

 

「見てたらあたしまで眠くなってきたわね」(ウトウト)

 

 

様子を見に来た真帆

「ありゃ、二人とも気持ちよさそうに寝てますね。」

「それにしても、可愛らしいですな^^~」

「写真撮っておこっと。」(カシャ

 

キャルとウララが寄り添って寝てる写真。

 

 

とこんな感じで三週間はあっという間に過ぎていった。

 

出会いもあれば別れもある。

 

あたし達が東京に帰る時が近づいてきたのだ。

 

その日のあたしは気分が沈んでいた。その為ウララに悟られないよう注意しながら会いにいく。

「あっ!キャルちゃん!こっちこっち!」

ウララが元気よく手を振っている。

「相変わらず元気ね。」

いつものベンチに座り話しをしようとした時である。

「あれ?キャルちゃん元気ないね、何か嫌な事でもあったの?」

ウララがそう聞いてきたのである。自分は悟られないよう気を使ってたのに、

「ど、どうしてそう思うのよ。」

慌ててウララに聞く、

「だってキャルちゃんだもん、わたしの大切な友達!だから何となくだけどキャルちゃんが元気ないの分かるの。」

なんだそれ、そんなにあたしの事を…。

ウララはあたしを大切だと言ってくれた、好きだと言ってくれた、そんな彼女に嘘をつきたくなかった。

 

意を決してあたしは東京に帰る事を伝えた。

「え…、帰っちゃうの?…ッ!い、イヤだ!キャルちゃんともっと一緒にいたいよ!」

初めて見た顔だった、いつも能天気で笑顔でポジティブなウララが泣いていた。

涙でぐしゃぐしゃになりながら、あたしの服を掴み泣いてる。何度もイヤイヤと言いながら。

「うえっ、キャルちゃんいかないでぇ、イヤぁ、ううぅぅぅぅ」

あたしはそんな彼女を慰めようとした時、頬に生暖かいものを感じた。

手で拭いで見るとそれは涙だったのだ。あたしも彼女、ウララと離れたくないのだ。

その時、あたしの中で何かが切れるような感覚に陥った。

 

「あたしだって、あたしだって!ウララと一緒にもっと居たいわよ!でも無理なのよ!あたしがウマ娘なら、あたしが普通なら!」

 

気づいたら叫んでいた。

あたしもウララと居たい、一緒にこれからも仲良くしていきたい。でもあたしは普通じゃないのだ、あたしがいるとウララにも迷惑掛ける、そんなの絶対嫌だ、そんな事になったらあたしはあたしを許せなくなる。

「グスッ、ふつうじゃない…?」

ウララが気になったのかそう聞いてくる。

あたしはウララに自分がネコなのを隠していたのだ、この三週間ずっと帽子をかぶりひた隠してきた、もし見せて嫌われたらどうしようとか気味が悪いと思われたらとか考えたら、言えなかったのだ。

ウララがそんな事しないと思っていても打ち明けられなかった。

でも今なら、別れるのなら気にしなくたっていい、もし嫌われても関係がリセットされるだけ。

あたしはウララに見せつけるように帽子を取り、尻尾を出す。ウマ娘とは違う耳に尻尾、一目見ればウマ娘じゃないと分かるものだ。

ウララの目が見開き啞然としている。

「あたしはウマ娘じゃない、ましてやヒトですらないの…ネコ娘、それがあたしらしいわ。分かったでしょ?あたしに護衛が付いてたのもずっと帽子をしていたのもこれが原因よ。気味悪いでしょ?嫌いになったでしょ?」

あたしは今酷い顔をしているのだろう、ウララに嫌われたのだろうか、もしかしたら聴こえてないだけで今罵倒されているのだろうか。そんな事を考えていると

 

「そんなことないよ!わたしはキャルちゃんの事気味悪いなんて思わない!嫌いにも絶対ならない!だからそんな事、言わないで!」

 

目から大粒の涙を零しながらウララがあたしに向けて叫んだのだ。

「わたし勉強苦手だから難しい事分かんないけど、キャルちゃんが大変なのは良く分かったもん!それにヒトとかウマ娘とかは関係ないの!わたしの知っているキャルちゃんは優しくてかっこよくて困ってる時は必ず手伝ってくれてわたしに沢山いろんなこと教えてくれた。そんなキャルちゃんが私にとって一番の友達!」

ウララが言う。

嬉しかった、体の奥からじんわりと感じた事のない感情が出てくる、この子はキャルをキャルとして見ていてくれた、あたしを認めてくれた、気づいたら、あたしはウララに抱き着いていた。

ウララの小さな体に顔を押し付ける。

「ううぅぅぅぅ、ウ″ラ″ラ″ぁ″、あ″り″が″と″~、あたしも離れたくないよ″~。」

泣いて泣いて泣いた。ウララの存在を確認すように強く抱きしめる。

「うえっ、うぐっ、わたしもキャルちゃんともっと一緒にい″た″い″よ″~。」

ウララのもあたしに抱き着いた。

あたしたちはお互いの存在を確認しあうように、抱きしめ続けた。はたから見ればギョッとする光景だろう、だが今のあたし達には気にする余裕がなかった。

 

互いに落ち付き合い見つめ合う。

目元が赤く腫れ、ウララに至っては鼻水が出ている。

 

「帰っても友達だから、忘れるんじゃないわよ。あたしトレーナーになるわ。あたしからはウララに会いにいけない、だからウララが東京に来なさい。トレセンならまた一緒にいられるわ。」

 

「うん!絶対に行く!また一緒にお話ししたり、遊ぼうね!」

 

互いに酷い顔になりつつ握手する。

「「また、東京で!!!」」

 

あたしたちは熱い想いで繋がったと感じた。

 

最後の日はいつも通り、お話した、いつもよりもたくさん話し合った。

 

 

 

 

「一月お世話になりました!」

そう言って頭を下げる。

「いいえ、いいのよ。キャルちゃん達なら何時でも来てくれていいのよ?ここはあなたの第二のお家なのだから」

後藤さんが優しく言う。

「ええ!その時はまたよろしくお願いするわ!」

笑顔で答える。

こうして後藤さんとの別れが済んだ。

 

 

 

車の中でここ三週間の事を思い浮かべる、本当にいろいろあったな。ウララ泣いてないかな、また会いたいな…。

そんな事を考えていると、車が違う道に入った、不思議に思っていると、

「キャルちゃ~~ん!!!」

ウララの声が響いた。とっさに声の方向へ振り向くと彼女が走っていた。車のスピードが落ち隣につく、ここ三週間で彼女の走りに指導を入れた、教えれる限り、そして今ウララは教えた事をちゃんと守って走っている、まだまだ合格とはいいがたいが。

「キャルちゃん!ありがとう!絶対そっち行くから!待っててね!お手紙も沢山書くから!また、また、あそぼうねぇ!」

走りながら声を上げているせいでどんどんスピードが落ちていく、後半に限っては泣いてるせいで声が震えていた。

どうやら、姉さん達があたしの為に仕組んでいたようだ。

「ッ!ええ!分ってるわよ!あたしも頑張ってなるからウララも来なさいよね!来なかったら酷い目合わすわよ!あたしも毎日書いてやるわ!あんたは、ウララはあたしにとって、さ、最高の友達よ!ありがとう!」

窓から精一杯体を出しあたしもウララに負けじと声を出す、涙が零れ落ちる、でもこれが彼女との最後じゃない。また会うのだ。

 

ウララに手を振る、ウララも負けじとこちらに手を振る。

 

 

こうしてあたしの高知への旅行という名の試験が幕を下ろした。

 

 

 

 

ウララ、待ってなさい、必ずトレーナーになってみせるから。

 

 

 

待っててねキャルちゃん、わたし絶対トレセンに受かって見せるから。

 

 

 

>>>>ン。?面白れぇ電波を感じたな。さてさて、このゴルシ様を楽しませてくれる奴なのか…期待してまってみるか!ってやべぇ!こんな事してる場合じゃねぇ!レーダに受信ありだ!ひとつなぎの大秘宝か!?それとも七つ揃える玉か!?それともドーナツか!…。ネオ●ームストロングサイクロンジェット●ームストロング砲じゃねぇか。完成度たけーなオイ。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

  新たな物語が幕を上げようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 




はい、またまたやったワン!
今作のウララちゃんは大改造、トレセン入学前に強化されたのである。
展開早すぎるっぴ!でも許してくださいこんなの後4話ぶっ続けきついです。
キャルちゃんトレーナー理由はハルウララの為になる予定みたいです。
今後増える幼馴染達にこの二人につけ込むことはできるのであろうか!
そして最後のは一体何ルドシップなんだぁ?
ちなみに今回のキャルちゃん達はまだ小学生です。

真帆って新オリキャラについて
研究所にいる女研究員でキャルちゃんとは美波の次に仲良し
そこまで上り詰めるのに何したのだろうか。
簡易的なプロフィール
肩まで伸びた黒髪をポニーテールにしていて、顔立ちは童顔、身体つきは普通、全体的にラノベによくいるパリピ後輩キャラのイメージ、ヘリオスなんかと相性よさそう
キャルちゃんファンクラブ副会長(会長は勿論美波)
キャルちゃんのこと好きで欲望が抑えきれず関わろうとしてその純粋さ(本人は理解してないだけ)で返り討ちにあったヒト


ハルウララの口調ってこんな感じでしたっけ?キャラの口調マジ分けわかめ
一番難しいのはやっぱりゴルシなんだよなぁ、あの子どうしよう
キャラの口調違ってたらすみません。


ウマ娘イベ終わりましたね。特にこれと言ってないですが、皆様はどうでしたか?
ガチャに関してはお察しください。

次話は早くて今日か明日です。
今回も急ピッチで作ったんで誤字等あるかもしれません。
あったら報告よろしくお願いします。


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4話 出会い2 (ゴールドシップ編)

ほら、皆が期待していたゴルシ回ですよ?

前回指摘あったんですが、高知にいたのは一ヶ月です、空白の1週間は高知にいるその他支援者仲間に挨拶回りしていた設定です。抜けてましたすいません。
今回は、高知行って数週間経った話です。キャルちゃんのはじめてのおつかい!果たしてどうなるのか!(掛かり気味)
もち、安全安心!キャルちゃんの身の回りには沢山のエキストラさん(護衛さんや警察の方々)!GPS通信機に盗聴器完備に上空から人工衛星にて姿をバッチし追跡!ヤンデレさんもびっくりの態勢で行われています。


ゴールドシップについてなんですが、マジでキャラブレブレで定まっていないんで書きにくいのが本音です。他の二次創作見てきましたがちゃんとゴルシしてました、すごい…。(語彙力)
二次創作なんで、オリジナリティあってもいい言われたんですが、ウマ娘ファンとしてはなるべくキャラ崩壊させたくないです。かと言って原作のゴルシ様はどうかと言うと、こっちもブレブレで定まって無いので、もう気にしないようにしました。
そうしないといつまでたっても書けないんで。
「まあ、ゴルシだし」で理解してくださいね。


余談なんですが、ウマ娘世界って見れば見るほど謎ですよね。
例えば電話機とスマホ。
明らかに文明違いますよね。たぶん1990年代の要素入れてるんだと思うんですよね。だって、ダイヤル式ですよ?
個人的な感想ですけど、たぶんあの受話器変形式なんだよ。
かっこよく変形するんだよ。こう、トランスフォーマーみたいに(妄想)
要は年代と科学技術、あと電話機等の媒体の落差が本当に謎ってことなんです。
ウマ娘世界だからで納得するしかないですが。
この作品も近未来技術とかダスカもしれません、その時はウマ娘世界だからと納得下されば幸いです。 

長くなりましたがどうぞ。 


4話 出会い2 (ゴールドシップ編)

 

 

 

高知に行ってから数週間の時が過ぎた。あれからは変わった事といえば毎日ウララから手紙が送られてくる様になった。

何処どこのにんじんが美味しいや今日は沢山走ったやお父さんとお母さんと一緒に出かけたなど、更には綺麗なお花が咲いていたと言ってお花まで送ってくる始末。

あたしはウララらしいと笑う。あたしは基本的に研究所暮らしの為、書けるレパートリーが無いのだ。

検査、訓練、食事、寝る、他は研究員とおしゃべりくらいしか無いので、ほぼ似たような内容になる。でも、ウララは毎回同じ内容なのにとても嬉しそうに読んでいるようだ。(ウララの親談)

そうそう、ウララの親からもお礼の電話を受けた。結構テンパったのは此処だけの話。

その後、ウララが親と一緒に作った言う御守りが手紙と一緒に来たのもあたしにとってはいい思い出だ。お花と御守りは宝箱にしまっている。(真帆がくれた宝箱)

そんなウララとの文通が始まり、早数週間だ。今度はどこへ行くのか気になっている。そんな事を考えつつ訓練ぼ準備をしていると、部屋に姉さんと真帆が入ってきた。

「準備中ごめんなさい。少しいいかしら? 今後の事で、伝えときたい事があるの」

不安そうな表情でこちらを見つめてくる姉さん。あたしがまた何かしらしたのではないかと思い気持ちが焦り始めた時、

「ちょ、美波さん、その言い方だとキャルちゃんが何かしたみたいに聞こえますよ?」

真帆がすかさずフォローを入れる。

「ご、ごめんなさい。キャルちゃんは別に何もしていないから安心して? 次の試験の事だから」

姉さんもそのことに気づいたのか慌てて言う。

どうやら、次の試験が近々あるみたいだ。焦りから一転ワクワクしながら話を聞く。

「今回の試験はお使いよ」

そう言う姉さんにあたしは不思議そうな顔で見る。いきなりお使いと言われても理解しかねるのだ。

「だから、いろいろ抜けてますよぉ! 美波さん!」

真帆がツッコミ、姉さんがまた慌てだす。

「全く、美波さんはキャルちゃんの事になるとポンコツになるんですから……」

真帆が呆れたようにつぶやく

「ご、ごめんなさい。どうしてもキャルちゃんの事になると……」

姉さんが照れながら言う。あたしはそのやり取りを黙って見ていた。

その後、ちゃんと説明をしてもらう、要は【キャルちゃんはじめてのおつかい大作戦】簡潔に言えばこうゆう事になる。

今後一人でも外出ができるようにする為にやるみたいだ。勿論お使いの為一人での外出になる。

だからか姉さんが今まで以上に心配しているのである。

それにしても、

『お使いか……。前世でも小さな子が一人でお使いする番組あったなぁ。確か、その地域と連携してやってたっけ。沢山のエキストラがいて……』

そう心の中で言っていると

「安心して! あなたは何があっても守るから! そう、たとえ何があっても……」「大丈夫よいろいろ策は考えてある。絶対に……。(ボソボソ)」

瞳孔が開いた状態で言う姉さん、後半ぼそぼそ言っていて何言ってるか分からないが、少し怖かった。

「ア、アハハ……」

と少し引き気味に笑う真帆がとても印象的だった。

この日はいつもより遅くはなったが訓練をした。

就寝時、姉さんの様子が気になったが、何かしら考えがあるのだろうと気にしないようにして寝た。

 

 

お使い当日がやってきた。

あたしは恰好を改めてみる、白のパーカーに黒いジャケット、チェック柄のスカートそして耳を隠すようにキャスケットを被っている。

ここまではいい。数日前に研究所内の女性研究員達総出で行われたキャルちゃんコディネート大会(着せ替え人形)が行われ、沢山の衣装を着せられた。

中には巫女服やメイド服、チャイナ服などのコスプレ衣装まであったのだ。皆目が獲物を前にした肉食獣の様で怖かったのは内緒だ。この話はおいおいとして、

兎に角目立つのはダメなので大人しいのになった。服装に関しては何の問題もない、初めてのスカートでスースーした感じには未だ慣れないが。

問題は、持ち物だショルダーバッグの中を覗く、財布はこれからお買い物だからヨシ! 携帯に防犯ブザーも分かる、そして一番重要なウララ印の御守り! これは外せない、あとは……警棒にスタンガンに催涙スプレー、タクティカルライト。ン??? 

ちなみに服の下には防弾防刃ベストを着ている。たかがお使いにここまでするのか……と啞然となる。(キャルちゃんは知らないが周り、上空からも監視の目が光っている)

こんなものなくてもマジカル八極拳があればどうとでもなるはずだ、そんな物騒な事を考えていると姉さん達がこちらに来た。

「いい? 知らない人について行っちゃいけませんよ。あと知らない人からもらった物は口にしない事、危ないと思ったらすぐに逃げける事、車には気をつける事、飛び出しとかホントに気を付けてね。それから財布にお使い用とは別にお小遣い入れてあるけど使いすぎないように。寄り道なんかしちゃだめよ? どうしても危険と思ったらカバンに付けてあるボタンを押しなさい。あとあと…」

姉さんのいつもの癖みたいだ。こうなった姉さんは止まらないのである。

「美波さん、美波さん、キャルちゃんもちゃんと理解しているみたいですし、子ども扱いしすぎると嫌われちゃいますよ」

慌てた様子で言う真帆、流石空気読む天才だ。(キャルちゃんが絡んだ時限定)

「ごめんなさい。でも、本当に心配で……」

心配そうな表情になる姉さん

「心配なのは分かりますが、心配しすぎてもこの子の為にはなりませんよ。ほら、……なんでしたっけ? ああ!杞憂って言うじゃないですか! 子を信じてあげるのも親の役目ですよ」(そうだっけ?)

真帆が姉さんに言う。普段おちゃらけているのにこうゆう時は凄いと思う。(キャルちゃんがいる時限定)

「そ……うね、分かったわ。信じる。キャルちゃんいってらっしゃい。……やっぱり私もついて行ったほうが……」

「ええ! 全然分かって無いじゃないですか!」

二人のこんなやり取りを聞きつつあたしは行く時間になったので二人に向かい

「二人とも! 行ってくるわ! 心配しないで、ちゃんと試験は成功させるわ!」

そう言うと門に向かい歩き始めたのであった。不安ではあるがそれ以上に楽しみでしょうがないのだ。待っていろ、外の世界! ウララが作ってくれた御守りを手に門を抜けたのであった。

 

 

「こちらα、対象移動開始しました」  「「「「了解!」」」」

 

 

研究所を出て、指示通りに街を歩く、しかし、今日はやけに警察が多い、パトロール強化期間なのだろうか。

駅に着き電車に乗る、今回の試験は食材と自分の生活用品その他諸々を買ってくるのが任務だ、お小遣いを使っていいみたいだがこの世界はウマ娘関連以外何が人気なのかとか理解してないので今の所は食事以外の使い道を考えていない。

電車の中を見渡す、今世では初の電車だが、ここもやけに人が少ない、東京って平日だともこんなに人がいないのか? 前世では地元が田舎で電車なんか通っていなかった為よく知らないのだ。

今日は何かあるのだろうと解釈してその疑問から一度離れたのであった。

 

目的地であるデパートに到着。ここは先ほどよりもヒトがいて賑わっている、それに安心しつつ、頼まれていた食材を買いに歩き始めた。

 

「おっ! 面白そうな奴いるな! 後で話してみっか! さてさて、今はここらにいるごっついおっちゃん探しなきゃ」

 

ブルッ! 

 

今何か直感的に危険を感じたような……気のせいだろうか。

 

この後、この直感が間違いでは無かった事を知るキャルちゃんであった。

 

 

 

 

あらかた食材を集め終わり郵送してもらう。食材に関しては郵送する手筈なので重い物を持って帰る事は無いのが安心した。

残る事あとはあたしの生活用品の歯ブラシや下着なんかだ、ヨシ! もうひと頑張り。

歯ブラシやコップ何かの小物類、生理用品なんかも買った。この体はヒトではないにしろ構造が一緒の為、あたしも女の子の日が来るのだ。最初来たときは痛みで何が何だか分からず取り乱したのを思い出す。いや、前世男なのに分かれ言うのは無理な話である、女の子の日事態は知っていたがここまでとは知らなかった。女性の皆さん本当にご苦労様ですと思ったのであった。

生理用品買う時とても緊張したが、若い女の店員さんが丁寧に教えてくれて助かった。

そして、問題の下着売り場。その辺の適当な物でも良かったのだが姉さん達にちゃんとしたものを買えと叱られたのである。

店に入る前からとても緊張してしまう、謎のプレッシャーすら感じるまでである。こわばった顔で店を見てると、中から店員と思われる女性がゆっくりと近づいてきた。

「どうしたの?」

優しく屈んで聞いてくる。あたしは緊張して言葉が出てこずカタコトになりながらも身振り手振りで説明したら

「ふふ、安心してね、あなたに似合うの選んであげるから」

彼女はそう言うとあたしの手を引き下着選びを手伝ってくれたのであった。

 

下着売り場を後にした、試着はしなかった、してしまうとバレてしまうからだ。

とにかく慣れない事ばかりで疲れたため今はデパート近くにある公園で自販機で買った飲み物を飲んでいる。

近場にハチミーなるものが売っていた怖いのでやめておいた。

『千円越えとかこわッ! あれが東京のパリピ達が飲んでいるス〇バか……』(違います)

飲みながら物思いにふけていると、

 

「おい、なに宇宙人と一緒にマグロ釣り上げたみてぇな顔してんだよ」

 

体が固まる、そして直感が危機を察するように警報を鳴らしている。

ゆっくりと声のした方向に顔を向けると、そこにいたのは...

綺麗な銀髪が腰近くまで伸びており、ピンクっぽい綺麗な瞳に均等の取れた抜群なプロポーション、お前本当に小学生かと言いたくなるような、とても綺麗なウマ娘がいた。

彼女はあたしの事をまじまじと見つめて、

「おまえ猫が宇宙行ったような顔してんな」

と言い放った。

あたしの中の何かが彼女とは関わるなと警報を鳴らし続けている。

「あ、あんたは……」

絞りだしたように言う。彼女に見覚えがあった、何かが足りないが、確かにあったのだ。

「おっ! アタシはゴールドシップだ! 気軽にゴルシちゃんって呼んでくれよな!」

そう、あのゴールドシップだ、奇行馬(ゴルシ)だったり、ウマ娘のやべー奴、一人だけ世界観違くない? 、ハジケリストなどなど

ウマ娘界で実際に会ってはいけないウマ娘であった。

「お前名前は? アタシは言ったんだから、おめぇも言えよな!」

そんな事を考えていると彼女はあたしに名乗るように言ってきたのだ。

「キャ、キャル」

戸惑いながら名乗ると

「キャルな、お前今暇? 暇なら富士山行こうぜ!」

元気よく意味不明な事を言う彼女に

「はぁ?」

意味が分からない。

「んじゃあ、行くかぁ!」

あたしの返事も聞かずに手を掴む

「ちょ! ちょっと! まだ行くとは一言も言ってないじゃない!」

慌てて言うが

「今行くって言ったから行くんだよぉ!」

と返してくる。

「はあああああ!」

訳も分からず、彼女に引っ張られるあたしだった。

 

 

一方、護衛達

 

「対象ロスト!!!居場所がつかめません!」

 

 

「何ぃ!!!急いで探れぇ!何としてでも見つけ出すんだ!」

 

 

「「「「「了解!!!」」」」」

 

 

 

 ~富士山頂~

「ふう~、山頂アタックは気持ちいぜ~!」

 

「…………」

あ……ありのまま 今 起こった事を話すわよ! 

「彼女が富士山に向かおうと言いながらあたしの手を引っ張ったと思ったら富士山頂にいたのよ」

な……何を言っているのかわからないと思うけど

あたしも何をされたのかわからなかった……

頭がどうにかなりそうだった……

 

「ハッ!?」

今アタシは何を……。

「んじゃ、次は何する?」

彼女があたしに聞いてくるが、

「あ、あんた今何したのよ! 今さっきまで公園にいたわよね! そうよ! 町中にいたのよ……」

「なんで山の山頂にいるのよおおおおおおおおお!」

あたしは訳が分からず叫ぶ。

「おお! やまびこか! アタシもするぜ!」

「 うおおおおおおおおお、お宝はどこじゃあああああい!」

彼女の事が一層理解できなくなった

「違うわよ! なんで今の状況でやまびこなんてすると思うのよ! この訳分からない現象を説明しなさいよ!!!」

思わずそう言わずにはいられなかったのだ。

「そんなかっか怒んなって、寛容な女の方が人気あるぞ」

「ええ、そうよね、寛容な態度で……って違うわよ!」

「ヨシ! 次は何する!」

「あたしの話を聞きなさあああああああああああい!」

 

その後、普通に元の公園にワープした時何も言えなくなった。

 

ベンチに再度座って言う

「はぁ~、あんたって結構変わってんのね」

彼女も隣に座り

「そうか? アタシはいたって普通だろ」

 

「全然普通じゃないわよ! ワープできる奴が普通なわけないでしょ!」

 

「そう怒んなって、ビビンバ食うか?」

彼女がビビンバを懐から出してきたのだ。

 

「ちょっと! それ何処から出したのよ!」

驚きつつツッコむ

「ふっ、このゴルシちゃんに掛かればこれくらい朝飯前だ」

 

「やっぱり普通じゃないわよ!」

 

そんなやり取りが数十分続くのであった。

 

 

「ハァハァ、あんたに構ってると疲れるわ」

行き絶え絶えになりながら彼女に言うと

「なんたってゴルシちゃんだからな!」

全く気にしてないようにはつらつと答える。

「あんた、そんなんで友達とかいんの?」

 あたしは何気なく聞いてみると

「……。そんなもん気合と根性で何とかなるだろ。アタシはんなもん居なくたって別に困ってないし、自由にできないならいる必要ないだろうよ」

途端さっきまでの勢いがなくなり、辛そうに言う彼女

「ッ⁉」

その言葉に詰まるあたし、あたしも前世ではそう思っていたのだ、友達なんて必要ないと。

ただ、この世界に来て姉さんや真帆、研究所の人々、そしてウララ、彼女らに会って考えが改まったのだ、確かに友達の重要性は人それぞれだ

前世のあたしの様に一匹狼のごとく過ごすのが好きな奴のいるのは確かだ。だが、友達が一人でもできるだけで、世界が違って見えるのだ、時に笑いあい、喧嘩しあいそうしていく事で内面が成長する、また心に余裕が生まれるのだ、一人の時は周りが全員敵の様に見えた。でも、友達出来た今と違い内面的な成長全くしてこなかったのだ。

彼女はどうなのだあろうか。原作のトレセンにいる時の彼女はもっと生き生きしている、でも、幼少の頃は? 今の彼女は誰かに支えられているのだろうか、認められているのだろうか。

彼女は生き生きとしていたほうが似合っている。誰か分からないがそれを窘めているのなら、あたしは……。

そう思った時

「別にいいんじゃないそれで」

口が勝手に開いていた。

「え?」

彼女は意外そうにこちらを向いてきた、

「別に友達なんて生きていくうえで必ずしも必要って訳じゃないわ、実際いないっていう人もこの世の中には沢山いるわよ。友達作らないと死にますなんてことは無いんだもん。一人だと誰にも縛られないし、相手に気を使わなくたっていい、とても気楽でいいじゃない。それについてああだこうだ言う奴はさぞいい人生を送ってるのね。...何様よ! あたしの事を知りもしないで、友達できないのはお前が悪いから? 自主性がない? 知った事か! これがあたしなんだ! あんたらに決められてそれに従って動く人形でもない! .そう思ってた、でも、友達もそこまで悪いもんじゃなかったわ。上部面だけで仲良くしてる奴より心の底から信頼しあえる親友を見つければ見方だって変わる。実際あたしも前まで友達はいらない思ってたもの、屁理屈たたいて強がってた。でもそんなあたしを友達って泣きながら言ってくれた子がいたの、嬉しかった。こんなあたしを認めてくれたの。……だから必ずしも友達がいるっていうのも悪い事ではないわ。一人でもちゃんと理解して、認めてくれる人がいるだけで凄く変われるし、見えていた世界が広がるのよ。ごめんなさい。長々と言っちゃって、そんな事言われなくても分かってるかもしれないけど、あたしと同じように言っていたあなたには伝えたかった、友達が悪いものでもないってこと」

あたしは彼女に向けて思ったこと伝える。

「別にあんたが悪いって言ったつもりはないわ、あんたの性格がそれなのも短時間付き合っただけで理解できたし。でも、もう少し相手を信用してもいいんじゃない? さっきの顔まるで拒絶しないでって言ってるみたいだったわよ」

続け様に言ってやった。そう、彼女はあのゴールドシップだ、破天荒で性格気性難だが今の彼女はまだ子供だ。原作の様にこの先誰かが彼女を救うだろう、でも、だからと言って今の彼女を放っておく事は出来なかった。

あたしの話なんかでは彼女は救われないだろうが少しは気晴らしになれたら嬉しい。

「お、おまえはわたし、を、否定しなのか? さっきもあんな事したのに」

彼女が泣きそうな顔で見つめてくる、そんな表情想像できなかったが

「ええ、引いたけど、それもあんたの良さなんじゃないの? はっちゃけてて意味が分からないけど生き生きと笑っているあんたはとても楽しそうだったわよ。否定なんてできるわけ無いじゃない。

あんたはあんたなんだから、他人に物事言われたくらいでへこたれるんじゃないわよ」

原作の彼女も悲しさも吹っ飛ばすくらい楽しそうに周りを巻き込んでいた、これこそが彼女の本質だろう。

「おまえはわたしを認めてくれるのか……?」

不安そうな表情で聞いてくる。

「認めるも何もそれがあんたなんでしょ? ならあたしは認めるわよ!」

 

「あ、あたしは、このままでもいいのか?」

少しづつだが顔に活気が戻ってきてる。

「ええ! それがゴールドシップなんでしょ? ならあんたを貫きとしなさい! 誰に何と言われようともその破天荒に巻き込んで認めさせちゃえばいいのよ!」

彼女は意を決したように

「アタシと、と、友達になってくれるか……?」

消え入りそうな声で聞いてくる。

「あんたがいいならあたしは構わないわよ」

彼女が少しでも笑顔でいてくれるなら、構わないのだ、ウマ娘ファンとして、そしてキャルとしても、

「そ、そっか、すまん、ちょいと向こう向いてくれ、今のあたしは人様に見せれるような顔してねぇんだ」

 そういう彼女

「全くもう! そんなこと言えるなら平気そうね」

あたしは彼女に背中を向ける、すると、背中にポンと衝撃が来たのだ、ちらっと見ると彼女の頭だった。

「グスッ……ヒクッ……」

あたしは静かに彼女が元に戻るまで待ち続けた。

 

「ゴルシちゃん復~活!!! わりぃな、背中汚して」

会ったばかりの活気のいい笑顔である、いや、先ほどよりもキラキラしていた。

「ええ、気にしてないわよ。それよりもう大丈夫そうね」

彼女を気にしつつ言う

「ああ、あんたのおかげで悩み事がすっきりしたぜ! ……で、でよ、友達の件なんだが、嘘じゃねえよな?」

またも不安そうな表情で聞いてくる彼女に

「嘘なんかつくわけないでしょ。あんたもやっぱりやめたなんて言わないでよ」

すると

「うおおおおおおしゃあああああああああ!」

「これからアタシとお前は友達なんだ、お前の事はキャルって呼ぶからお前もアタシの事はゴルシちゃんって言えよな!」

とても嬉しそうにはしゃぐ彼女に

「ちゃんは付けないわよ! まあ、これからよろしくね。……ゴルシ」

照れたように答えるあたしだった。

 

その後は特に変わった事なく彼女と話し合った。

彼女とは晴れて友達となったわけだが、彼女に自分の事を伝えようと思ったら唐突に怖くなったのだ。

あんだけ彼女に上から目線で語ったのにだ、ヘタレな部分はどうしても治らないのである。

そんな雰囲気を感じ取ったのか

「おいおい、んな怯えんなって。別に今更獲って食ったりしねーからさぁ。この友達! のゴルシちゃんに言ってみ?」

とおちゃらけたように言う彼女にあたしは

「ふ、ふふっ。何それ、わ、分かったわ、そこまで言うなら……」

笑ってしまった、そうだゴルシはこうだったと改めて再確認させられた。先ほどまでキャラ崩壊起こりすぎてて忘れていたのだ。

あたしは彼女の前に立ちゆっくりと帽子をとった。

「これがあたしの秘密よ、あんたは友達なんだから特別に見せてあげたわ! ……今更友達辞めるなんて言ったら許さないから」

不安になり早口になるあたし

「おお! スゲー、イカした耳してんじゃん! うおおおおおお尻尾もスゲー!」

彼女はあたしの周りをそんな事を言いながら回り始めた。

「へ?…気味悪く思わないの? あたしウマ娘じゃないのよ?」

先ほどの彼女の様に消え入りそうね声で聞くと

「ンあ? 別に思わねぇよ。それにアタシからしたらこっちの方がイカしててかっけーからな!」

彼女は何言ってんだこいつみたいな顔で言ってきたのだ

「なによ、それ。でも、ありがとう」

少し涙目になりつつも言う、彼女に打ち明けて良かったと思った。

こうして二人で笑いあいながら中を深めれたような気がした。

 

この日新たな友達ができた。

 

 

 

 

研究所に帰ると物凄い勢いで姉さん達に質問攻めにあう、どうやら、あたしとゴルシが富士山頂に行った時にあたしの消息が消えたためらしい。

順を追って説明して何とか理解してもらう、どうやらGPSや盗聴器などが軒並みダメになっていたようで記録として残ってたのは人工衛星だけだったらしい。

てか、盗聴器ってなんだ、それについて問いただすと彼女達はそそくさと逃げていった。良かったならあの言葉は聞かれてないかと安堵する。

でもまさかゴルシと友達になれるとは、世の中何が起こるか分からないな。

疲れたので早めの夕食をとり、お風呂に入る。

部屋に戻りベッドに寝転がり、

 

「ああああああああああ! 何言ってるのよあたしは! 友達はわるくないわ(キリッ 。 ああああああ! 知ってるわ! アタシが認めるわ! 上から目線すぎでしょうが! 何様よおおおおおおおお!」

 

顔を手で押さえゴロゴロと転がりながら叫ぶ。

そんな羞恥心にかられながらゴロゴロしていると

ピロン♪ 

と携帯が鳴る。

あたしは気になりベッドから起き携帯を取る。

今日ゴルシとの別れの際に連絡先を交換したのだ。

一件メールが来ていた、内容はまた一緒に遊ぼうとの事

ゴルシらしからぬメールに苦笑しつつ

「ええ、いいわよっと」

と打ち込み、携帯を机に置かれた充電器にさし、布団に入る。

羞恥心はまだあるものの今までの事を思い出す。

新しくできた友達のゴルシにウララ、より一層この世界が楽しく感じる。

ゴルシは今後救われるだろう、あたしなんかより上手く。あたしが言った事は世界の修正力なんかでたぶん忘れるであろうけど、ゴルシの笑顔を少しでも守れたのなら良かった。

ゴルシが幸せになれるなら今日の事忘れられても悔いはないのだ。

あ、でもロリゴルシの泣き顔みたのはあたしだけなのよね……それはそれで最高じゃないか? このことは絶対忘れないように脳内メモリーに刻んでおこう。

今後も仲良くそして新たな出会いに期待しつつ寝るのであった。

 

 

 

 

 ~ゴルシside~

 

夜の街に綺麗な銀色の光が照らす、ゴールドシップの髪に光が当たり反射した光だ、その姿はまるで小さいながらも女神の様であった。

そんな彼女は今ある一人の少女について考えていた。

 

キャルと別れてからとても気分がいい、まるで羽が生えたみたいだ。

友達ができるとここまで違うとは、やはりアタシはまだまだ未熟だったんだと思い知らされた。

アタシの為にあそこまで熱く語ったのはキャルだけだった、こいつと友達になりたいと一緒にいたいと心の底から思ったのだ。

頭の中がキャルでいっぱいになる、確か彼女は研究所で生活してると言っていた、なんでも外には危険があるため出られないとも言っていた。

「大丈夫だぜ、キャル。アタシがお前を守ってやるからな。……アタシにここまで想わせたんだ、責任取ってもらうからな」

アタシはこれから彼女との生活を夢に見つつ、家に向かうのであった。

 

 

 ~ゴルシside end~ 

 

 

 




またまた、やってしまいました。
これ悪いキャラ崩壊ですかね(震え声)
今回はロリゴルシというね
まだ小さいので心までは強くなかったようで、友達出来ない事や周りの目を気にしていたっていう設定です。
いや、ロリゴルシとか分かんないから。(断言)
作者の中では小さい頃からはっちゃけてたと思ったので、そして時たまみせる子供らしい仕草に萌えるんです。
とにかくキャラ崩壊はごめんなさい、大きくなれば皆様の知ってるゴルシになるから!あっ、多少違いますよ?キャルちゃんとの友情カタメマシマシゴールドシップでした。すみません。 
キャルちゃんとの友情?が今後どうなっていくのか見物だな(謎の上から目線)
そしてロリゴルシという概念

あと、他キャラ視点って必要ですか?
勿論主要キャラ達の視点は番外編で書くつもりですが、今回の護衛しかりキャルちゃん着せ替え大会しかり
見たいと思う人多いのでしたら書きますけど。

話変わって、皆様スコーピオ杯の準備はどうでしょうか。
前回のライブラ杯では運良くAグループで1位取れまして歓喜したんですが、
今回は正直自信無いです。育成中々上手くいかないですね。
おのれ、【夜ふかし気味】めッ!お前だけは絶対に許されないッ!!!
駆逐してやるっ!!!!!
とまあ、こんな感じに絶好調に上げた次に普通ないしは不調まで下がるの繰り返しで萎えてます。
何かの呪い受けてるのか・・・・
皆様も夜ふかし気味にはお気を付けください。

誤字脱字報告お願いします。
感想も一言だけでもあると嬉しいです。
今後ともよろしくお願い致します。
次話は未定ですね、明日かもしれないし明後日かもしれません。


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5話 出会い3 (ライスシャワー編)

出会いシリーズ三作品目のライスシャワー編でございます。
ライス×ウララが個人的に尊みの極みだと思うんですけどどうですか?
今回も幼少期編なんでロリライスちゃんです。
ライスちゃんのあの不幸体質というのは小学生の頃からだったのか謎ですけど、内気な性格ではあったと思いますね。
あとライスちゃんはたぶんいい所のお嬢様。絶対そうだよ(確信)
というわけでこの作品のライスちゃんはいいとこのお嬢様と言う設定。
しかも今回キャルちゃん達がお世話になる場所もライスちゃん家です。
たぶん今回もキャラ崩壊あるかもしれません

二次創作のガイドライン更新されましたね。多くの作品が消えて悲しいです。
自分のは今の所大丈夫なはず…です。今後そういった展開はないですが、気を付けて書かないとですね。
人によって健全な物の見方考え方違うので、もしここら辺はダメな表現じゃないか?と思ったら連絡下さい。
皆様もルールやマナーを守ってウマ娘楽しみましょうね。


5話 出会い3(ライスシャワー編)

 

ハルウララとの出会いから一月、ゴルシとの出会いから数週間が経過した。

ハルウララとの文通は未だに続いているし生活も特に不自由はない、変わった事があるとしたらゴルシが毎日の様に研究所に来るようになった。

最初の頃はどうやって入ってきたのか分からないが起きたら目の前にいた事があったのだ。その時は警察や警備員の方々とか沢山来て大事になった。

その後、姉さん達に何か言われたのか大人しく通常口から入るようになった。それからは施設内でゴルシとテーブルゲームで遊んだり、ゴルシが自作した将棋なのか囲碁なのかオセロなのかチェスなのか分からないゲームで遊んだりした。この事を手紙に書くと数日後にウララの親御さんから電話が掛かってきた。どうやら、ウララもこっちに行きたいと駄々をこねたみたいだ。こればかりはどうしようもない、毎日の様に来ればここまでの片道の交通費だけでもゾッとする。苦笑いしつつ

「こっちは何時でも待ってますから。」

と言っておいた。

 

翌日、後藤さんが何処から聞いたのかわからないが交通費を半分払ってくれるようで長期休暇限定だがこちらに泊まりに来ることが決まった。

いや、あたしの意志は…。と思ったのはそっと閉まっておこう。あたしもウララに久々に会えるのは嬉しいから来る日が待ち遠しい。

あと、トレーナーに向けての勉強も始まった。姉さんにトレーナーになりたいと言った時は驚かれたものだ、少しこちらを見つめた後OKを出してくれた。

ただ、少し準備があるからそれが終わればとの事だった為、その準備が終わりこうして遅くはなったが学んでいるのだ。

とにかく難しく前世では習わない事まであるため簡単にはいかなかった。たまに、ゴルシも勉強を手伝ってくれるがなぜ分かるのかやっぱりゴルシは謎である。

 

数日後

三回目である外での試験(挨拶回り)が予告された。今回は北海道のようであたしは以前同様に初めて行くためウキウキしていた。

今回は一月いる事が予定されておりいつも研究所で行われていた定期検査を向こうで行うみたいだ。

一月空けるためゴルシには予め伝えておく、少し落ち込んだような顔をしたが毎日メールすると言うといつもの顔に戻った。

行くための準備を済ませ今日は寝るのであった。

 

 

北海道に行く当日

準備を済ませ車に乗る、北海道なので飛行機で行くようだ。

前世でも乗った事が無いため初の飛行機である、少し怖いが乗って慣れるしかない、これからも飛行機に乗る機会があるかもしれないのだから。

空港までの片道を景色を見ながら過ごす、田舎暮らしだった為にビルや高層マンションが立ち並ぶ景色は見ていて楽しかった。

空港に着くといろいろ受付があるため待たされたがこの待ち時間もあたしは楽しみつつ待つのであった。

飛行機に乗るとやはり緊張した、特に動き出した時と浮くときは怖くて隣に座る姉さんにしがみ付いていた。

その時両隣から「ハァハァ…。」と聞こえたが気のせいだろう。

機体が安定して飛び始めれば大したことは無い(ドヤ顔)普通に快適だった、着くまでの間機内食を食べたりしながら過ごした。

一時間半くらいで着き、飛行機を降りると肌寒い風が吹いていた。さすが北海道夏前とは言え寒い、防寒具を用意していてよかった。

あたしは猫だからなのか寒さに弱いのだ、ある程度は耐えれるが、耐えててもいい事ないのである。

上からモコモコのジャンパーを羽織り、受付を待つ、それが終わると車に乗り込みこれからお世話になる場所へ移動する。

車に揺られながら二時間、大きな家が見えてきた、どうやらここが今回お世話になるとこみたいだ。

姉さんに聞いてみると今回お世話になる所にはウマ娘もおり、母親とその娘がウマ娘のようだ。

これから一月お世話になる身だ、迷惑かけないようにしないと、そう意気込み大きな家を見る。

 

車が大きな門の前に着き、門の警備の人と姉さんが話し合う、招待状のようなものだろうか、何か紙を見せると、門が開いた。

大きいとは思ったが予想以上だ、豪邸と言ってもいい。この世界の日本はお金が潤っているのだろうか、周りを見渡していると車が止まった。

車から降り姉さん達に付いて歩く、数分歩いて玄関が見えてくるとその前にダンディーなおじ様と黒髪が綺麗なウマ娘、そしてそのウマ娘の背に隠れるように小さなウマ娘がいた。

 

「本日は遠路はるばるお越しいただき、誠にありがとうございます。」

 

おじさんがにこやかに挨拶してきたのであたしは固まる、少しはヒト見知りも改善したと思ったがまだまだのようだ。

 

「今日から一月お世話になります。」

 

姉さん達が頭を下げたのであたしも下げる。

 

「君がキャルちゃんかな?」

 

膝を折りこちらに目線を合わせて聞いてくる。

 

「え、は、はい。キャ、キャルでしゅ!」

 

緊張しすぎて噛んでしまった。

 

「ハハハハ、そんな緊張しなくても大丈夫だよ。これから一月一緒に住むんだ、気を楽にしてくれ。」

 

そう言って彼はまた微笑んだ。

 

 

御夫婦の紹介も済んだところで

 

「ほら、あなたも挨拶しなさい。」

 

後ろに隠れていたウマ娘を前に出させる。

綺麗な黒髪ロング、所々跳ねている髪が特徴的だった。前髪で片目が隠れていて、全体的に気弱そうな子であった。

 

『この子、何処かで見た気が…。もう数年経ってて前世の記憶が怪しいんだよなぁ。』

 

まじまじと目の前にいるウマ娘に目をやる

 

「ひぃ!」

 

目が合った途端、怯えられた。その子は慌てて母親の後ろに隠れようとしたが止められ再び前に出された。

 

「ラ、ライスシャワー、でしゅ…。」

 

涙目になりつつ、ボソボソっと言う彼女。

 

『そうだ、ライスシャワーだ、小さいけどちゃんと面影あるじゃん。』

 

小さい頃はみな幼い顔付きゆえに分からない事が多いのだ。

隣にいる真帆に顔を向けると、あちらもこっちを見ていたのかあたしにウインクをしライスの方に向いた。どうやら、ライスに挨拶をして来いとの事だ。

ゆっくりと彼女の前に立つ、少し怯えたようにビクッと震える彼女に

 

「は、初めまして、あたしはキャルっていうのよ。よろしく。」

 

緊張しながらも手を出す。彼女はあたしとあたしの手を交互に何度も見る、そして、恐る恐る手を握ってきたのだ。

これがあたしとライスシャワーとの最初の出会いであった。

 

挨拶し終わると屋敷の中を案内された、あたしたちの部屋は前と同じでとても広かった。金持ちは皆壺を飾るのがお決まりなのだろうか…。

案内中ライスシャワーにガン見され続けたが、たぶんあたしが気になっての事だろうと思っておく。

案内が終わり皆で客間に移動する。どうやら、休憩するらしい。使用人さん達がお茶や茶菓子を用意しており、それをソワソワしながら待つ。

甘い物には目が無いキャルちゃんであった。

ちなみにだが、子供同士だからなのかあたしの席はライスシャワーの隣なのだ。穴が開くくらい凄く見られている、気になって仕方ない。

お茶や茶菓子が行き渡ったところであたしは待ってましたと言わんばかりに茶菓子を頬張る。その様子を隣に座る姉さんが微笑ましそうに見ていた。

あたしは茶菓子に夢中で話を聞いてなかった、あたしは何時の間にか集まる視線に不思議そうな顔しつつ見回す。

 

「食べている途中申し訳ない、キャルちゃん、良ければ帽子を取って私達に見せてくれないかな?」

 

申し訳なさそうにおじさんが言ってきたのだ。そういやあたしはこの屋敷に入ってからも尻尾や耳は隠したままだった。

 

あたしは姉さんに顔やる、姉さんがあたし手を握り小さな声で「大丈夫よ。」と言ってくれる、あたしはその言葉にうなづくとゆっくりと帽子を取った。

服の下に隠していた尻尾も出す、周りからは多少なりとも驚きが漏れる、あたしは怖くなり下を向くと

 

「ありがとう。怖がらなくても大丈夫だ、ここにいる皆君の事は受け入れている。」

 

それにつられ顔を上げると、皆にこやかにこちらを見ていた、誰もあたしを気味悪がってないのだ。

あたしは安堵を覚えると、倒れるように椅子にもたれかかる。

ちらっとライスシャワーの方を見ると、ソワソワしながらこちらをチラチラ見ていた。

 

「改めて、今日からよろしくお願いするよ。キャルちゃん、この屋敷にいる間は隠さなくてもいいそれにこの場にいる皆キャルちゃんのファンだからね!」

 

おじさんが嬉しそうに言いながら周りを見渡すと使用人の人達からも可愛いや素敵と言った言葉が聞こえてきた。

此処の人達は皆優しいようだ。

こうしてライスシャワー家との顔合わせが無事に終了した。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

あたしはその後おじさんに自由にして構わないと言われ屋敷の中を探索している。こうでかいと好奇心をくすぐられる。

それに、屋敷内自由にしていいみたいだし、姉さん達もおじさん達とまた話し合いしている為暇潰しでもある。

あたしが探索している後ろから

 

「付いてく、付いてく…。」

 

コソコソとライスシャワーが追っかけてくる、本人は気づかれていないと思ってるのだろうがバレバレである。

 

「ねえ、あたしに何かよう?」

 

あたしは立ち止まり彼女に向けて言うと

 

「ひう!」

 

シュバッと曲がり角に隠れる。時たまチラチラとこちらを覗いている。

 

「用が無いならいくわね。」

 

こういうのは無理に関わったら余計こじれるので気にしないのが正解な気がする、向こうから寄ってくるまで大人しくしていよう。

再び歩き始めようとした時

 

「ま、待って、ぁ、の、ね、…。うぅ、その…。」

 

彼女は何かを伝えようと必死になってる。小さな体がフルフルと震えていた。

 

「大丈夫よ。別にあんたの事取って食わないわ、ゆっくでいい、あんたのペースで話してみなさい。」

 

少し言葉がきついがゆっくりと言い聞かせる。昔姉さんがあたしにやってた方法だ。相手をまずは落ち着かせる。

最初はオドオドしていたが次第に落ち着きを取り戻したのかゆっくりとこちらに近づいてきた

 

「ぁ!あのね、キャルちゃんとお、お友達になりたくて、でも、断られたらどうしようって思って、怖かったの…変だよね…」

 

その気持ち良く分かる、あたしもウララやゴルシと友達になる時とても不安でいっぱいだった

 

「別に変じゃないわ。あたしだって同じだもの」

 

「お、同じ?」

 

彼女は少し目を丸くしながらあたしをみる

 

「ええ、友達になってって言うのはとても勇気がいるわ。断られた時の事考えると怖い、あたしだって怖いわ。でもねあんたはちゃんと言えたじゃない、それだけであんたは凄いのよ!もう少し自信を持ちなさい!」

 

あたしが彼女に渾身のドヤ顔を見せると

 

「ふ、ふふふ」

 

彼女は小さく笑ったのだ

 

「わ、わたし、キャルちゃんと仲良くなりたいです、…なれますか?」

 

彼女はあたしに再度聞いてきたので

 

「なれますか?じゃなくてなるんでしょ。だったらあたしからも言わせてもらうわ、あたしと友達になりましょ。」

 

「!?…うん!」

 

彼女は花が咲くような笑顔で頷いた。

 

「改めて、あたしはキャルよ、よろしく。」

 

「ラ、ライスシャワーです!よろしくお願いします!」

 

あたしとライスシャワーは晴れて友達になった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

次の日からライスシャワーが部屋まで迎えに来るようになった。

昨日友達になれた事がとても嬉しいらしい、年の近い子がこの屋敷にいないのと、小学校では内気なため友達がいないとの事。

それを聞いて、分かると共感しまくったのは内緒だ。

食事に向かう際、手を繋ごうとソワソワしていたのであたしから繋いであげるとそれはもう…可愛らしかった(語彙力損失)

居間に着くとライスシャワーの両親が既におり、あたし達をみると目を丸くするも笑顔になった。

その日の御両親のテンションはもう凄かった。ライスシャワーが赤面して怒るくらい、余程あたしと仲良くなったのが喜ばしいのだろう。

 

数日経ちあたしとライスの仲は更に深まった、あたしがライスシャワーは長いからライスと呼びたいと言うと彼女は瞳を輝かせてOKをくれた。

ここ数日ライスとは基本的に絵本を一緒に読む事が多い。ライスは絵本が好きらしくライスの部屋には沢山の絵本があった。その中でも特に大切で大好きな絵本があるらしくあたしに教えてくれたのだ、不幸な青いバラがヒトと出会い幸せなバラに成長する物語みたいだ。どうやらあたしにもこの絵本を好きになってほしくて見せてきたらしい、

ライスシャワーらしいと苦笑する。

なんで好きなのか何気なく聞く、ホントは前世の記憶で知ってはいるが彼女の口から聞きたかった。

ライスはこの絵本の青いバラと一緒らしい、周りを不幸にするのだとか、原作のような過度なのは今はまだ起きていないが軽い不幸事は起きているようだ。

彼女は決して不幸って訳ではない、タイミングが悪いのだ、凄く悪い。それを自分のせいにする事で彼女は殻に籠る事になってしまうのだが、まさかもうその予兆が出ているのは驚いた。

会って分かったがライスは内面が脆い、今はまだ大丈夫かもしれないが今後酷くなってく不幸に耐えられないだろう。だが、彼女は後に出会うお兄様/お姉様の助けで救われるのだ。

あたしが心配なのはあたしというイレギュラーのせいで何かしら悪い事が起きないか、お兄様/お姉様が現れないかもしれないことが心配なのだ。それにここで救ってしまえばライスの救出&覚醒イベを潰しかねない、あたしはどうしたらいいのか迷いながらライスの話に耳を傾ける。

ライスが話し終え続け様に

 

「キャルちゃんがライスのお姉様ならいいのになぁ」

 

と呟いたのだ。隣にいるので勿論聞こえる訳で、その呟きを聞いた時、あたしに電流が走る…!

そうだ、あたしがライスのお姉様になれば解決するのでは…と。(ポンコツ)

頭の中でやって見せろよ!とか何とでもなるはずだ!とかガ(ry 言わせねえよ! とか聞こえてきた気がする(変な電波受信)

 

「ライスがそれで安心できるならなってやるわ。」

 

と、ライスに向けて言うと、彼女は目を大きく開かせ

 

「ほ、ほんとうに?本当にライスのお姉様になってくれるの?」

 

「ええ、ライスがそれで成長してくれるなら友達として支えてあげたいもの。」

 

「…ありがとう。キャルちゃん、ううん、お姉様。」

 

ライスは感極まったのか涙を流したのだった。

 

「御両親や姉さんの前ではキャルって呼んでよ?この事は二人だけの秘密よ!」

 

「うん!」

 

そう言うと、彼女は泣きながら笑い頷いた。

 

またライスとの仲が深まった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ライスへのお姉様宣言をしてから更に1週間

ライスはあたしと一緒にいることが更に増えた。

入浴時や寝るのも一緒がいいと言われたのは驚いたが、今のところ問題ない。

何度も部屋を行き来するのは大変なため、あたしは姉さん達が使っている部屋からライスの部屋に移動になった。

今日も今日とてライスがあたしにべったりと付いている。

可愛いからいいけどこうも懐かれるとは思っていなかったから少し動揺している。

北海道に来て早二週間、ずっとこの家と近場(片道二時間)の研究施設の行き来しかなかった為、とても暇なのである。

そろそろ北海道を観光したい、ストレスを感じてか不機嫌になることがある。

別に猫だからグルーミングや爪とぎなんてしない、髪の毛も爪も定期的に姉さんが整えてくれている。

あたしは猫さながら溶けていた、そんなあたしに膝枕をするライスに癒されつつのんびりしていると部屋に姉さんがノックして入ってくる。

 

「ふふ、二人共相変わらず仲がいいわね、さっそくだけど今から泊りで観光いく事になったのだけど、キャルちゃんい…」

 

「行くわ!」

 

姉さんの言葉を遮り勢いよく答える。その際起き上がった為かライスがしょんぼりしていた、もう少し膝枕をしたかったようだ。

こうしてあたし達は泊りがけでライス達と観光に行くのであった。

 

車に乗り込み早速移動する。ライスは勿論隣だ、一緒に出掛けるのが楽しみなのか常に尻尾と耳が揺れている。ニコニコしていてこっちまで笑顔になりそうだ。

移動すること数時間お昼時だったので昼食を食べる事になり、カニを食べた。北海道のカニ食べてみたかったからとても嬉しい。

カニを思う存分堪能し終え、また車での移動になった。

 

動物園や歴史的建造物なんかをみつつ買い食いしたりして思い思いに過ごしたのであった。

そうそう、ある牧場行った時に芝の上を元気に走り回っていたあたし達より小さなウマ娘がいた、あたしと同じで白のメッシュが入ってたから何気に印象に残ったのだ。

遠くにいる人影に「お母ちゃーん」と言って手を振っていたので母親だろう。ウマ娘界での重要人物か分からないからそっとしといたけどね。

キャルがその場を離れようとした際小さなウマ娘もキャルを見ていたのをキャルは知らない。

 

観光を堪能した後今日泊まる旅館に向かう、温泉があるみたいだから楽しみだ。

旅館に着き部屋に荷物を置く。ちなみに隣の部屋がライス一家だ。

早速温泉に入りに行こうとするとライスも一緒に行きたいみたいだったから連れていく。

 

温泉はとても気持ち良かった。入浴シーンが無い?幼女の入浴シーンなんてアウトだろ。

部屋に戻り食事にする、海鮮を使ったコース料理みたいで、とても美味しかった。

後は寝るだけになったのだが、ライスがあたしと一緒に寝たいみたいで駄々をこねていた為、仕方なく同じ布団で寝ることになった。

ライス…懐きすぎでしょ…

こうして観光一日が幕を閉じた。

 

 

次の日

起きて朝風呂に入る、その後朝食を取り旅館を後にする、ライスは寝起きの為か車の中でもボーっとしていた。

観光二日目も特に変わりなく観光名所巡りをした。

全部は回り切れない為行ってない所もあった、大きくなったらライスは勿論、ウララやゴルシ達と来たいと思いながら観光を楽しんだ。

三日、四日も同様に観光やグルメ巡りなどしながら北海道を満喫したのであった。

 

四日間の観光が終わり、帰宅する車の中、あたしとライスは疲れて寝てしまった、起きた時真帆にあたしとライスが頭をくっつけて寝ている写真を見せてきたので、後で送ってもらうように催促した。

屋敷に着いた時すでに辺りは暗くなっていた。お風呂に入り、後は就寝するだけだ。

後此処に居られるのもあと一週間ちょっと、ライスとの思い出を沢山作って帰ろう。

 

「明日もいい一日になると良いな。」

 

そう言い眠りについた。

 

 

翌日、観光疲れで皆遅くまで寝ていた。あたしはいつも通りの時間に起きたから誰もいない屋敷の庭でジョギングをする、ライスも隣で爆睡していたので起こさずここに来たのだ。

やはり体を動かさないとなまってしまう。一通りジョギングや鍛錬を終え、シャワーを浴びる。そうしていると皆が起きてきたのだ。ライスに至っては起きたら隣にいるあたしがいなくなってた為に慌てていたが、あたしの姿を確認すると安堵していた。

今日もライスと絵本を読みつつトレーナーに向けての勉強も欠かさずにやるのであった。

ライスはあたしがトレーナーを目指しているのを知ってる、半月も一緒にいるのだ、あたしが勉強している姿は見てきている。

彼女は原作通りトレセンに行くみたいだ。ライスに将来どうするか聞いた時

 

「ライスね、レースに出たい。キャルちゃんの為に勝ちたいの、それに向こうに行けばまたキャルちゃんと一緒に居られるでしょ。だからライス東京に行く!」

 

と熱く語っていた。大半あたしの事言っていた気がするが気のせいだろう。(目そらし)

なのでライスもここ最近あたしと一緒に勉強を始めたりトレーニングしだした。

余談だがウララの手紙やゴルシのメールも毎日来てる。手紙に関してはメールで見ているが。

 

残り一週間、ライスと絵本読んだり、勉強や特訓したりして過ごした。

ライスとの別れも近い。

 

 

残り一日になった日。

その日はあたしや姉さん達のお別れ会のようなのを行ったのだ、いつもよりも豪華な席になり楽しかった。

あたしは一月お世話になったお礼として一人一人に宛てたメッセージカードをあげた。

簡単な物しか作れなかったが皆とても喜んでいた。

最後の方はおじさん達や使用人の人達も皆泣きそうになりながらお別れ会は終わった。

ただ、皆がお別れの挨拶やお礼など言ってた時ライスだけ何も言ってくれなかったのが気になった。

その晩、いつものようにライスと一緒に寝てると、腕が締め付けられるような感覚がし目が覚めた。

目をやると、あたしの腕にしがみ付いて泣いていたライスがいた。

ライスは力強くあたしの腕を抱くと

 

「いかないでぇ、キャルちゃんともっと一緒にいたいよぉ。」

 

寝言だろうか、震えた声が聞こえた。あたしはライスを抱きしめ撫でる事しか出来なかった。

 

ライスは泣き止まずこの日はいつもよりも遅くに寝た。

 

朝になり起きるとライスがいなかった、今日でこの屋敷とも最後だ。そう考えると無性に寂しくなる。

着替えて居間に行くとライスがいた。どうやら朝食作りを手伝っていたようだ。

ライスが作ったお味噌汁と玉子焼きはとても美味しかった。美味しいと伝える泣きながら喜んでいた。

 

朝食を食べ終え少しの間ライス達と話した後

時間になったから帰る準備をした、忘れ物が無いか確認し、荷物をまとめる。

この一か月お世話になった部屋に一礼し出る。

車が止まっている駐車場まで行くとライスや御両親、使用人の人達までいた、どうやらライス家総出で見送ってくれるみたいだ。

皆に最後のお別れを言いつつお礼を言いう。

そんな中、ライスはうつむき涙を耐えていた、そんなライスに近づいてこの日の為に作っていたプレゼントを渡す。

青いバラをイメージして作った写真立てだ。青色で端には青いバラらしき小さな造花が付いている。中の写真は最近撮ったこの家の人達全員+あたし達の集合写真が入っている。

作るのに苦労したが何とか出来た。もしこれで受け取ってくれなかったら泣く自信ある。

 

「これをライスに、これがあればある程度は我慢できるでしょ。お別れは言わないから。あたし待ってるから、ちゃんと来なさいよね。」

 

ライスの手に無理やり押し付け、あたしは走って車に乗り込む。

 

「キャルちゃん!ライス頑張る!頑張ってそっち行くから、待っててね!キャ、お姉様!」

 

乗り込んだと同時にライスの声が聞こえた、振り向くと涙でぐちゃぐちゃにしながらも写真立てを大切そうに抱えていた。

 

「ええ!約束よ!」

 

窓から身を乗り出しライスに言うと車が発進した。

あたしは見えなくなるまで手を振り続けたのであった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「いやー前回もだけど毎度毎度感動する別れしちゃってぇ!このこの!」

 

車の中で真帆がそんな事言いじゃれてくる

 

「うっさいわよ!別にいいじゃない。」

 

あたしは適当にあしらうが

 

「でも、最後に言ってたお姉様って何だったんだろうね?キャルちゃん知らない?」(ニヤニヤ)

 

ニヤニヤと擬音が付きそうな顔でこちらに聞いてくる真帆

 

「ッ!?」

 

あたしは何も言えずただ声を押し殺し耐えるのであった。

 

こうしてあたしの北海道旅行は終わった。

 

飛行機の離着陸は未だに慣れなくて怖かった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

一月振りの研究所

研究所内に入ると帰ってきた実感がわきホッとする。

今日はもうやる事が無いため自分の部屋に向かう、

自分のお部屋に入ると何故かゴルシがいた。

あたしを確認すると入ってきたあたし目掛け飛びついてきたのだ。

 

「待ってたぜええええええええええええ!」

 

「きゃあああああああああああああああ!」

 

ゴルシの飛びつきに悲鳴をあげながら吹っ飛んだ

背中がジンジンする、起き上がろうと目を開けると、あたしにウマ乗りになったゴルシがいた

 

「ちょっと、どきなさいよ。」

 

不満げに言うと

 

「おいおい、一月振りの親友に向かってそんなひどい事言うなよ。」

 

おチャラけた様に返すゴルシ

 

「なら、まずあたしの上から降りなさいよ!」

 

「えー!」

 

彼女はとても文句ありげに声をあげた

 

「えー!じゃないわよ!」

 

その後数十分話しあうと彼女は満足したのか帰っていった。

どうせまた明日も来るのだろう。

一月はあっという間だった、楽しかったがそれで終わらしちゃいけない。ライスが来た時にトレーナーになれてませんではダメなのでより一層頑張らなくちゃいけない。

まだやることが沢山あるが今日は大人しく旅行疲れを取る事を優先し、その日は勉強や訓練を少しして休むことにした。

 

後は寝るだけになりベッドに入ると直ぐに睡魔がきた、これならすぐに寝れそうだ。

 

『ウララ、ゴルシ、ライス、あたしちゃんとトレーナーになるから。よし!そうと決まれば頑張るわよ!』

 

心の中で誓うが睡魔に負け瞼が落ちていった。

 

 

 

 

 

 

この日彼女はまた一つ成長した、

 

 

頑張れキャルちゃん。負けるなキャルちゃん!

 

 

 

 

To Be Continued...

 

 

 

 

 




ライスに甘やかされたい人生でした。
今回も飛ばし飛ばしで書きました。もう少し安定して出せるようになったら、書けなかった数日分書きたいです。そうですね、キャルちゃん旅行記秘話みたいな。
この作品のライスちゃんは幼少期でも原作に近い性格をしています。
年齢に関してはどうだろう、ライスと同年代がいいか少し年上がいいか迷ってます。
原作でも学年に関しては謎が多いので…

問題が次のダイワスカーレットなんですよ
幼馴染の中で一番の年下なわけでこのまま会いに行ってもまだ向こうは小学生の低学年くらいなんですよね。
ん~どうしようか、ロリダスカ…いいね!
ちなみに今の所ライスとキャルが高学年、ウララが中間、ゴルシは謎です。
ここにあとダスカとオグリ来るんですよね。
ダスカが今までにないくらいキャラ崩壊激しいかも
ちょっと、精神熟したほうがいいですかね?皆様の意見お待ちしております。

ゲームの方もスコーピオ杯迫ってきましたね。
私はキタサンに駆けて破産寸前です
もう辛いです。
キャラの育成もままならないこの現状
やっぱりサポカだよなぁ
皆様もあと少しだけど頑張って!
プリコネに関しては圧倒的マナ不足で何も進まない状態
もっとマナ貰えるようにしてほしいですね。
ウマ娘もそうですけど、デイリーレースのマ二ー増やしてほしい。
そう思うこの頃です。


誤字報告よろしくお願いします
感想もどんどん書いて下さいね。
Twitterやってます、次話予告とかここが一番情報早いです
ゲームのツイートとかもしてるので良かったらフォローお願いします。
無言OKです。
https://twitter.com/Haru_kyaru3



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6話 出会い4 (ダイワスカーレット編)

ほんとお待たせいたしました。ちょっと一週間くらい入院してまして遅くなりました。ごめんなさい!
これからはちゃんと続くと思うので
Twitterの方で先週中に出すって言っちゃたからホント申し訳ないです
見てくれた方々はホントすみません
もう大丈夫なんで!

さてさて
今回はダイワスカーレット編ですが、今までの子達よりもっと幼いです。なので性格はツンツンじゃなくて恥ずかしがり屋な子供らしい感じになってる為誰だこれってなってます。(リアルの小学生しかも低学年の性格なんて知りませんのでね)
キャルちゃんとダスカって似てますよね!
似てるからキャルちゃんの影響モロ受けて原作の性格になったら面白そうと思ったんで…
うわぁ、無いわ思った方がいたらすみません。
ちょっと今回早足気味です。

皆様も体調にはくれぐれもお気を付けて
夜更かしも身体には毒ですからね。


6話 出会い4 (ダイワスカーレット編)

 

 

北海道遠征からはや一月、変わった事はライスとのビデオ通話が追加された。勿論毎日である。

朝起き朝食後勉強し昼頃にウララの手紙を読み書き送る、昼過ぎにゴルシが来るのでゴルシを相手にしその後訓練と勉強、寝る前にライスとのビデオ通話。

これがあたしの一日になっている。最初の頃と比べるとやることが多く疲れはするがとても充実している。

トレーナーになるための勉強も日に日に難易度や量が増している、だが、体のスペックがいいのか前世よりもスラスラ頭に入っていく為とても助かっている。

あたしがスラスラ覚えるもんだから姉さん達が張り切りより難しくなるのだ、まだまだ覚えない事は沢山ある、落ちない為にも頑張らないと。

―ただ、この時のあたしは気付かなかった……教えている人達が類いまれな天才(変人)であることに……そしてこの時点でのあたしの学力はエリートトレーナーすら超えている事に……

そんな感じであたしはこの一月怪我もなく平和に過ごしていた。

 

そんなある日、またしても挨拶回りの目的地が決まったのだ。

今回は前回よりも滞在期間は短いみたい、行く場所は京都だそうだ。

四回目ともなると慣れてくるもので何時ものように準備をする、準備と言ってもあたしの場合は私物がほぼ無いので着替えと数冊の本と携帯くらいになる。

後は当日を待つだけだ、わくわくしつつあたしは日課を過ごした。

 

 

京都遠征当日

あたし達は身支度を整え車に乗る。今回は新幹線を使うみたいだ、車、飛行機の次は新幹線、日本の交通機関コンプしそうねと思いながら車が出発するのを待つ。

外を見ると何時ものように研究所の皆やゴルシがお見送りに来ている。そんな光景を見ると嬉しいし何より胸が温かくなる、前世ではこんな大勢の人から見送りなんて無かった、本当に生まれ変わったのだと実感するしこの身体の持ち主である彼女の分まで幸せに生きようと思う。少しウルっときたがあたしは見送りの人達に大きく手を振った。あたしは今幸せだ。

 

そんなこんなで駅に着いた。移動中ほぼ何もなかったので割愛する。新幹線も飛行機同様に初である。田舎住だと新幹線や飛行機なんてほぼ乗らないのである。因みに車、バス、自転車があれば不自由なく暮らせる。

駅内はそれなりにヒトがおり賑わっている、スーツを着ているヒトが多いので出張なんかで利用しているのだろうかとあたしは周りを見渡し思った。

車両に乗り込み指定席に座る、周りを見渡すとあれ程いたヒトがいなかった。不思議そうにしていると真帆が

 

「あぁ、少し料金高めの席だからヒト少ないんだよ、皆安く済ましたいからねぇ、それにヒト多いとキャルちゃん落ち着かないでしょ?」

 

そう笑みを浮かべ言ってきたのだ。確かにヒトが多いと落ち着かない為、姉さん達の配慮がありがたい。

車内はとても静かで快適だった。あたしは着くまでに駅弁を食べたり、持ってきた甘味を食べたりして過ごした。この体になってから食欲が凄いのだ、ヒトの倍は普通に食べるようになった、原作ではそこまで大食いでは無かったはずなのでこの世界ではウマ娘と同じようになったのだろう。

あたしはくつろいでると新幹線が止まった、着いたようだ、あっという間に着いた為にここが京都だと実感できない、文明の技術凄いとぽけーっと立ってると

 

「さ、行くわよ」

 

姉さんに腕を引かれる。

あたしは車に乗り込みまた移動する、今回お世話になる場所は元競争バの方がいるらしく、その方がどうしてもあたしに会いたいという事で決まったようだ。

あたしの支援団体なのだからあたしの何処かを気に入って支援してくれているのだろうから文句はないがあとどれくらい会わないといけないのだろうか。

そんな事を考えていると目的地に着く。家は豪邸と言うわけではないがそれなりに大きく、日本屋敷ではなく西洋っぽい感じだった。庭もあり庭には花壇がある、なにか花らしき物を育てているようだ、家全体がオシャレで入りにくい、家を見まわしていると姉さんがインターホンを押していた。ちなみにだが、今回お世話になるのはあたしと姉さんと真帆の三人のみである、いつもはそこに数人研究所の人達がいるのだが一般家庭に大勢で行けないというわけでこうなったのだ。

玄関から綺麗なウマ娘が出てきた、姉さんと少し話すとこちらに来てゆっくりと膝を折る、その動作にビクッと驚くが耐えるあたしに

 

「こんにちは。あなたがキャルちゃんね? あなたの話は聞いているわ。今日は来てくれてありがとう。私あなたにとても会いたかったの。ふふっ、写真で見るよりとっても可愛いわ」

 

そう優しく語りかけるように話しかけてくる。少し姉さんと雰囲気が似ているのか直ぐに落ち着くことができた。

何を言うか迷ってると

 

「ふふっ。緊張しちゃったかな? ごめんなさいね? 私あなたに会えて舞い上がってるみたい」

 

笑いながらあたし撫でてきたのだ、いつものあたしなら少ししかめっ面するか固まるかのどちらかなのだが、不思議と不快感は無く逆に安心できるような感じだった。

これが母親なのだろうか、ライスの母親にも撫でられた時とても安心した母は偉大と思った、肩がチョンチョンと突かれ振り向くと真帆がいた。

挨拶の事だろう、このままでは埒が明かないと思ったのだろう。

 

「え、えっと、あたしはキャルよ、そ、そのよろしく……今日からお世話になります」

 

照れつつぎこちなく言うあたしに

 

「ふふっ。はい、よろしくね。ほんと可愛いわ~」

 

またしても撫でられあたしはなすがままにされる。

 

「お客様を玄関で待たせるなんて……ごめんなさい。さあさあ、上がって上がって」

 

一通り撫で終えると彼女がハッとする、急いで立ち上がり家へと招く。

彼女は少し抜けているようだ、苦笑いしながら家へ入ると、リビングルームであろう部屋のドアから小さなウマ娘がこちらを覗いていた。

 

「あ、あの子……」

 

 真帆も気づき何か言いかける

 

「あら? スカーレット、こっちに来てご挨拶しなさい」

 

 彼女の子供のようだ、呼ばれたからかビクッと体を震わせ隠れてしまった。

 

「ごめんなさい。あの子恥ずかしがりみたで……」

 

 あたし達は玄関からリビングに向かう、中に入ると先ほどいたウマ娘がソファーから顔を覗かせていた

 

「あの子はダイワスカーレット、私の子よ、仲良くしてあげてね」

 

あたしが見ている事に気づいたのか彼女がそう言って小さなウマ娘に目をやる。

あたしはそのウマ娘に少し近寄る、またビクッとして隠れるが

 

「あたしはキャルっていうのよ。これから短い期間だけどお世話になるわ、よろしく」

 

先ほど彼女がしたように優しく言うと、ソファーからちょこんと顔を出しこちらを見つめてきた。

あたしはその子に向かい笑いかけると、ゆっくりとだがソファーからこちらに歩いてきた、

 

「わ、私の名前はダイワスカーレットで、す! よ、よろしくお願いします!」

 

緊張しているが元気よく挨拶をしてきた。

 

「ええ! よろしくね」

 

あたしは膝を折り彼女の頭を撫でた、最初はビクッと体を震わせたが直ぐに

 

「えへへ」

 

と微笑んだ。

 

これがあたしとダイワスカーレットの出会いであった。

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

スカーレットと出会って早一時間、今では最初会った時の態度が嘘のようにあたしの膝の上で過ごしているスカーレット。

 

「それにしても、驚いたわ、人見知りのスカーレットがこうも早く懐くなんて。キャルちゃん凄いわ」

 

そう言ってあたしを褒めてくれる彼女に少し照れながら

 

「そ、そんな事ないわ」

 

と返す。そんなあたし達を姉さんは微笑み、真帆はニヤニヤしながらあたしを見ていた。

 

「な、なによ」

 

「何でもないよ~、ただ見てて微笑ましいな~って思っただけ」ニヤニヤ

 

あたしが真帆と話していると、スカーレットが構ってほしいのかあたしの服を引っ張る。

 

あたしは構いながらふと思う、

 

『そういえば、前世ではダイワスカーレット推しだったはず、キャルちゃんに似てて可愛かったし……。あれ、よくよく考えたらキャルちゃんとダスカほぼ同じ属性持ちよね……口の悪さ除けばほぼ被ってるじゃない! てか、子供の頃のダスカは原作時の性格とはかけ離れているのね、これから誰かしらの影響でツンデレになっていくのかしら?』(←まさか自分の影響で原作の性格になるのは知らない)

 

そんな事を考えつつダスカ改めスカーレットの頭を撫でる、スカーレットは目を細めて気持ち良さそうにしていた。

それからしばらく撫でているとスカーレットが何か思いついたのかあたしの膝から降り絵本がある本棚に走っていく、そしてそれを取りこちらに戻ってくる

 

「お姉ちゃん! 絵本読んで!」

 

あたしに本を見せつけながらあたしの膝に座る。

 

「ふふふ、いつもはあんなにはしゃがないのよ? スカーレットったらお姉ちゃんができてとても嬉しいみたい」

 

スカーレットのお母さんがあたしにそう言ってきた、話によるといつもは一人で本読んでいるらしくこんなにはしゃいでいるのは珍しいみたいだ。

この年頃だと外で遊びたいとか思うはずだけど人見知りなスカーレットは家の中で過ごすのが好きみたいだ、だが別に外で遊ぶことが嫌いというわけではないらしい。

一緒に公園なんか行くと元気よく走り回るらしいのだ、要は遊ぶ友達がいないという事だろう。

だからか今まで一人だったのが姉のような存在ができた為に溜め込んでいたものが弾けたようだ、あたしもその気持ちが分かる、ならスカーレットが少しでも楽しめるよう存分に相手をしてあげようと決めた。

その日スカーレットと沢山絵本を読んだ、ライスの家でたくさん読んでた為そこまで苦ではなかった。

読んでいるとスカーレットがこちらに倒れこんできた、はしゃいだからか寝てしまったようだ、スカーレットのお母さんがそれに気づき抱きかかえると部屋まで運んで行った。

その後はあたしも少し疲れたためソファーに身を預ける。

 

「いやー、それにしてもいいお姉ちゃんっぷりだったねぇ」

 

真帆が何か言ってきたがあたしにはそれに返す気力が無いため無視をしゆっくりと瞼を閉じた。

 

 

 

「ハッ!?」

 

あたしは急いで起き上がる、はらりと掛け布団が落ちそれを見る、どうやらあたしは疲れてソファーで眠ってしまったようだ。

 

「目、覚めたかしら? もすぐ夕食だから待ってて」

 

声がしたほうを見ると姉さんとスカーレットママが夕食の準備をしていた。真帆は机に食器を並べていた、そういえば料理苦手って言ってた。

あたしも何か手伝おうとしたが戦力外通告を受け大人しくソファーに座った。

テレビを見ているとスカーレットが起きたようで目を擦りながらリビングに入ってきた、あたしを視認した途端笑顔になり一直線にあたしの元まで駆け寄ってきた、そしてあたしの隣に座るとこちらに顔を向けてむふーとドヤ顔してきたのだ。あたしはとりあえず笑顔で見返すがスカーレットは先ほどよりも顔をドヤらせあたしにすり寄ってきた、まるで猫さながらである。

とにかくそんな可愛いスカーレットに離れてとは言えずなすがままにされる。

 

「ご飯できたわよ~」

 

二人で寄り添っているとスカーレットママから声を掛けられる、あたしはスカーレットと共にソファーから移動して椅子に座ると目の前には美味しそうなものが沢山並んでいた、どれも美味しそうで内心今か今かと待っていると

 

「じゃあ、皆に行き渡ったみたいだし、食べちゃおっか。いただきます」

 

「「「「いただきます」」」」

 

皆で手を合わせ、あたしは目の前の夕食を口に入れていくのであった。

食べている最中ふと隣を見るとスカーレットが野菜をのけていた、好き嫌いがあるようだ、今も原作でもそういったのはなさそうに見えたから少し意外だった。あたしも好き嫌いは勿論ある、だが残すと姉さんが怖いため最近は涙目になりながらも飲み込んでいる。

 

「スカーレット、好き嫌いしないでちゃんと食べなさい」

 

それに気づいたスカーレットママがすかさず注意するが

 

「やっ! だって苦いもん」

 

スカーレットは嫌そうな顔して拒否をしたのだ

 

「こら! そんなこと言わないの。ちゃんと食べないと大きくなれないわよ」

 

「やっ!」

 

遂には言い争いにまで発展し掛ける始末、あたしは口に入れたものをもごもごと食しながら見ていると

 

「ふふっ。少し前までのキャルちゃんみたいね」

 

姉さんがあたしに目を向けながら笑ったのだ。

 

「お姉ちゃんと?」

 

それが気になったのかスカーレットは首を傾げて聞き返す

 

「ええ、キャルちゃんも少し前までは好き嫌いあって食べなかったことあったの」

 

「え! お姉ちゃんが……」

 

そう言ってこちらに視線を向けるスカーレットにあたしは恥ずかしくなり顔を背ける

 

「そうだよ~、キャルお姉ちゃんもついこの間まではスカーレットちゃんと同じで怒られてたんだよ」

 

真帆があたしを見ながら又もやニヤニヤする、そんな真帆にイラっときたのは内緒だ

 

「でもお姉ちゃん、ちゃんと食べてるよ……?」

 

不思議そうに見つめてくるスカーレット

 

「ええ、でもねこの子はちょっとずつ食べて食べれるようになったの、スカーレットちゃんも残してもいいから一口だけでもいいから食べてみない? キャルちゃんと同じ方法ならできるでしょ?」

 

姉さんがスカーレットに優しく言うと

 

「お姉ちゃんと同じ……うん! お姉ちゃんみたいにする!」

 

元気よく返事をし野菜を口に入れた、子供だから単純だなぁと思った。ちなみにだが、あたしは今こうして野菜を口にしているがほとんど嚙んでない、この体に転生してから身体能力は勿論のこと中身も前とだいぶ変わった、その中に味覚も含まれる、ヒトの倍になってる為食材の味がとても分かるようになったのだ。その為野菜何かは苦みが前世の倍感じるようになった、元々好き嫌いはあまり無かったが今じゃ苦手なものが増えたのだ、そもそもネコ科動物である以上肉食動物なんだから肉食えばいいんじゃないかな? (極論)今世ではお肉と魚が好物です。

 

スカーレットは一口食べてうえ~と舌を出していた、数回口に入れて後は残したのだが、残りはなぜかあたしが食べる事になった。なんで? 

 

食事を終えお風呂に入る時間になった、あたしはスカーレットと入ることになった。二人で洗いっこして一緒に湯船につかってお風呂をでる。 

夜も勿論スカーレットと一緒になった、寝る前はママに絵本を読んでもらうのがルーティンみたいだ、あたしもスカーレットと一緒のベッドに入る、横になるとスカーレットが抱きついてきたのだ今日初めて会ったのにこの懐きよう、他の子達もそうだったが転生特典でウマ娘に好かれやすい体質みたいなものでも貰ったのかと思うくらい懐かれてる気がする。そんな事を思ってると、スカーレットママが来た、読み聞かせの時間だ、とても優しく不思議と落ち着く声が聞こえてくる、その声を聴きながらあたしは静かに瞼が落ち眠りについたのだった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

朝目が覚めるとあたしをがっちりとホールドして寝るスカーレットがいた。体が動かせず起きるまで大人しく待つ事にしたあたしは寝ているスカーレットの顔を見る。

幼いながらも整った容姿をしている、ぷっくりとした唇、傷一つない白く透き通った肌見れば見るほど可愛い、こんな子がこの世界には沢山いるんだから恐ろしい。

見過ぎて視線を感じたのかスカーレットが起きた、未だ眠いのかウトウトしているがあたしと目が合うとぱぁっと笑い

 

「お姉ちゃんおはよう!」

 

スカーレットはあたしの胸に頬ずりをしてきた。

 

「グッ!!!」

 

あまりの可愛さに変な声が出た。

 

『何この可愛い生き物! これがあのダスカなのか!? ギュって抱きしめたい。可愛すぎて尊い……しゅき……』

 

限界オタクみたいに動揺していると

 

「朝ご飯できたよ~、って……あらあらあら^~」

 

真帆がタイミングよく入ってきた、あたし達を見ると途端に物凄いニヤケ顔になる。

 

「お邪魔しちゃったみたいだね。私の事はいいか存分に続きをどうぞ!」

 

とてもいい笑顔でからかってくる、あたしはムカつきつつも未だ抱きついてるスカーレットを離し起こす。

一階のリビングに向かってる時もニヤニヤしていた真帆に

 

「いい加減そのニヤケ顔やめなさい! 怒るわよ!」

 

声を上げるあたしに、真帆は慌てて謝る、謝るくらいなら最初からやらなきゃいいのにとため息をつきながらリビングへと向かうのであった。

 

朝食は特に変わったことは無い、スカーレットママの作るご飯はうまい! ということだけだ。今更だがママ呼びになったのはスカーレットがママ呼びしてたからである。心の中だけだが、外で呼ぶ時はちゃんと名前だからね? 

今日することは特にないみたいなのでスカーレットと遊んで過ごす事になりそうだ、そのスカーレット本人はというと今日遊ぶ物を選んでいる最中だ、昨日は本読んで終わったからかテーブルゲームや人形遊びなんかをする予定なのだろう、おもちゃ箱の中をあさっていた。

ちなみにだが、外で遊ぶことはまだできないみたいだ、安全確保優先の為下見調査してるみたい、護衛の方々いつもあたしの為にありがとうございます。

スカーレットが選び終える間あたしはソファーでボーっとしていた、やる事ないから暇である。そんな事してると選び終えたスカーレットがこちらに来る、人形を持ってるってことは人形遊びでもするのだろう、それから数時間スカーレットと人形遊びをしたのであった。

三時頃になるとスカーレットママ達が焼いてくれたマフィンやらクッキーをもらい食べたりもした。

食べ終え少し経つとスカーレットがウトウトし始めそのままあたしの膝を枕代わりに寝てしまった、寝顔を見つつあたしはソファーにもたれる。家に一日居るというのは案外疲れるものだ、それが他人の家となると尚更である。数日経てば外に出られるあと数日の辛抱だ。

京都観光は意外と楽しみにしている、前世では修学旅行で来た事があるが班行動であまり周れなかった気がする。だが今回はあたしを合わせた数人+αだ、しかもあたしが行きたい所は優先してもらえるのだ、この世界の京都は知らないが美味しい物があるのだろう。気が早いが楽しみで仕方ない(食い意地)

京都観光の事を考えてると何時の間にか夕食になっていた、楽しみ過ぎてトリップしてたみたいだ、気を取り直してあたしは夕食ができるのを大人しく待つのであった。

夕食とお風呂を済まし、昨日と同じようにスカーレットのベッドに入る。今日もスカーレットママの読み聞かせ(子守唄)を聴きながら眠りにつく。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

スカーレット家に来て数日が経過した。一応少し事件と言うか些細な事はあったが無事に過ごしている、ただここまでする事無いと飽きてくる。

遊びは基本的に家でしか出来ない為限られているのだ。ここにゲーム機なんかあればいいが小さい子、しかも女の子の家には無い物である。

この世界は前世であったゲームが少ないのだ、全然無いというわけでは無いがP〇2やD〇くらいの物しかない無かった。スマホ出来てるならもっと作れと思ったがこの世界はウマ娘のレースが世界的なブームである、ヒトがやるスポーツなんかよりもだ。野球やサッカーなど前世では人気あったスポーツもウマ娘のレースと比べると天と地、月とすっぽん……言い過ぎたがそれくらい人気度が圧倒的なのだ。ウマ娘のレースが絶対なこの世界の価値観。あたしだけが違うのはもう慣れたつもりでいたがここまでウマ娘関連と差があると少し嫌になってしまう。

娯楽も基本的にウマ娘だ、ゲームなんかは二の次なのだろう、今の技術ならP〇3くらいの物は作れるはずなのだが作ったところで需要が少ないのだろう。その為ゲームは基本的にテーブルゲームくらいだ。因みにネットのほうはそこそこ面白いゲームはある、前世であったハイクオリティなFPSや3DRPGなどはないがオンラインでの昔ながらのRPGや格ゲーなんかは結構面白いのがあった。あとはゲーセンにはクレーンゲームは勿論音ゲーなんかも人気が高いみたいだ。家庭用ゲーム機にもっと目をやってもいいと思う。

ライスの家では今以上に長い日数家の中にいたが向こうは家が広いし庭も広い、暇になれば外でも遊べたがここは住宅街だしライス家と比べると……。

ともかく同じことばかりだと飽きる、ここ数日鍛錬も出来て無い為体がうずうずしているのだ、スカーレットに関しては飽きておらず今まで通りである、あたしといるだけで楽しいらしい。

そうそう、事件と言えばスカーレットが学校に行きたくないと駄々をこねたのだ。(あたしはダスカ登校拒否事件と勝手に呼んでいる)

あたしと離れることが嫌みたいでお姉ちゃんと一緒に居たいと泣いてしまった、だからあたしは

 

「スカーレット! 学校から帰った来たら何でも言う事聞いてあげるから学校行きなさい!」

 

「グスン……ほんと?」

 

「ええ! 約束するわ!」

 

これで何とかなったわけで、学校から帰って来る度にいろんなお願い事されて参っている、自業自得だから仕方ないが。

スカーレットは今では文句言わずに学校に行っている。

こんな事があった訳だがそれ以降特に変わったことは無い。

 

そして遂に外出許可が下りたのだ、だからといって今すぐに出られる訳では無いがそれでも外に出られることが嬉しい

明日スカーレット達と近場の公園に行くことになった、あたしは遠足前の子供の様にワクワクしていた。この日の夜はあまり寝付けなかった。

次の日待ちに待った外出日だ、あたしは思いっきり体を動かしたい衝動に駆られていた。隣のスカーレットもあたしと出掛けるのが嬉しいのかニコニコしている。

数十分移動すると公園が見えてきた。あたしが思ってたより大きなとこだった、遊具広場や休憩できるスペースもある、さらには芝生広場もあった。

着くとあたしは遊具をガン無視し芝生広場へと急いだ、とにかく犬の様に駆け回りたい、あたし猫だけども、芝生広場の坂を走って登りきると気持ちいい風が吹いていた、あたしは大きく深呼吸する、久々の外の空気はとても新鮮でおいしかった。

遅れてスカーレットがあたしを追いかけて坂を登ってきた

 

「お姉ちゃ~ん、待ってよ~」

 

「ごめんなさい、嬉しくてついね」

 

それからあたしとスカーレットは芝生広場で疲れるまで走り回ったのだった。

あたしとスカーレットは今芝の上で寝転がり休憩している。さすがウマ娘と言えばいいのか、スカーレットはこの年でとても速かったのだ。あたしもそれなりに鍛えているがやはり種族の違いはどうしようもないのだ。ただ俊敏さや反射神経はあたしの方が上だというのが分かった。

あたりを見まわす、あたし達と同じように遊びに来ている親子ずれがそれなりにいたその中にはウマ娘もおり皆楽しそうに遊んでいた。その光景を見ていると袖の部分が引っ張られた、隣を振り向くと頬を膨らませたスカーレットがいた、どうやら構ってもらえないのが気に食わなかったようだ、あたしはスカーレットの頭を撫で落ち着かせ次の遊びを考えるのであった。

追いかけっこをしているとお昼になったのか姉さん達が呼びに来た、東屋(あずまや)に着くとスカーレットママと真帆がお弁当を広げていた、動いたからお腹が空いていたあたし達は急いで手を洗い座る、そんな姿を見て大人組はふふっと笑ったのであった。

いただきますを言い終えるとあたしとスカーレットは近場にあったおにぎりにかぶりつく、やはり運動後のご飯は別格だ。味わいつつモグモグと食べていく、気づけば沢山あったお弁当は半分ほど無くなっていた。お腹もだいぶ膨れこれ以上食べてもこの後また体を動かすのだからと控えることにした、食後直ぐには遊びに行かず食休みをする。

食休みを終えると再びスカーレットと共に遊ぶ、こうして時間は過ぎていった。

夕日が沈んでく頃あたし達はヘロヘロになっていた、帰りの車の中汗が服に張り付いて気持ちが悪かった、家に着くと急いで手洗いうがいを済ませお風呂に入る勿論スカーレットも一緒だ。今日は夕食前にお風呂を済ませた、お風呂を出た時丁度夕食が出来たみたいであたし達は直ぐに食事にありついた、夕食を終えるとスカーレットが眠たそうにしてたので少し早いが寝るために寝室へ移動する。

ベッドに入るとスカーレットは直ぐに寝てしまった、あたしは日課になっている読み聞かせをするために来たスカーレットママにもう寝ていることを伝えあたしも眠りについた。

 

それから更に数日、平日はスカーレットが学校に行ってる為家に休日は近場の公園にピクニックに行ったりした。

今日は京都観光に行く事になっていた、京都に来てから早数週間遂に来たって感じだ、あたしは何時ものようにワクワクしながら車の窓から景色を眺めていた、いつも見ているビルやマンションなど近未来感はなく京都は歴史を感じる建物が多い、生前修学旅行で来た事あるがここまでじっくり見たことはなかったのでとても楽しめた。

隣の席ではあたしに構ってもらえないのが原因なのか頬を膨らませたスカーレットが腰にしがみ付いていた、その姿に苦笑するが可愛らしくてあたし的にはもっと甘えてもらいたいと思ってるから敢えて放置する。

数時間走ると車が駐車場へと入り停車する、目的地に着いたようだ。あたし達は降り姉さん達について行くと観光通りが見えてきた、休日だからかヒトが多く賑わっていた。出店などが沢山並んでおり美味しそうな匂いが至る所から漂っていたのだ、あたしは涎が出そうになるが何とか耐える、それを不思議そうに見るスカーレットと目が合った。

あたしは恥ずかしくなり手を繋ぐことで誤魔化す

 

『はぐれるといけないからね! 仕方なくよ、それに腹ペコキャラはオグリとスぺとぺコリーヌだけでいいのよ!』

 

あたしはスカーレットと共に姉さん達の後を付いてくのであった。

 

 

昼過ぎまで通りを観光したあたし達は別の場所に移動している。

観光通りは普通に楽しめた、出店の食べ物もとても美味しくスカーレットと共に欲張って沢山食べてしまった、勿論姉さん達に食べ過ぎと叱られてしまったが悔いはない。

移動中スカーレットはあたしの膝で寝ている、最近すっかりあたしの膝がお気に入りになってしまったみたいだ、お昼寝の時は基本寝るのはあたしの膝を枕にして寝ている。

流れる景色を見ながら京都の町を楽しむ、次はお寺巡りかな、また食べ歩きとか、内心思いつつ着くのを待つ。

車で移動する事数十分あたし達は清水寺に来ていた、やはり有名観光地な為先ほどよりも多くの観光客で賑わっていた。全体を見回してみる、前の世界同様で建造物自体が変わったとかは無い為安心している。

ウマ娘という存在がどういう変化をもたらしたか謎であるためにこういった歴史的建造物に何らかの影響が出ていると思っていたが日本は比較的前の世界とは変わっていなかったのだ。

あたしはヒトの多さに若干恐怖しながらも姉さん達の後ろを付いてく、舞台も三重塔などの内部も前の世界と同じだ、前世で一回来ている為そこまで驚きはないが今世では初めての京都だ、迂闊な発言は出来ないから変な事口走らないようにしないと、そう心に決めた。

 

その後は何もなく無事に清水寺の観光を終えた、やはり子供には退屈な所で始終スカーレットは暇そうにしていた。可愛らしい御守を見つけた時はとてもはしゃいでいて可愛かった。

清水寺の後は八坂神社や伏見稲荷大社に行った、ここではスカーレットがおみくじや御守買っていた、お揃いの御守を買ったらスカーレットが凄い喜んでいた、ちゃんとお参りもしたからね? 

こうして観光一日目は終わった。

 

二日目は昨日の神社巡りではなく水族館や動物園に行った。スカーレットがはしゃいでコケて涙目になってたのは可愛かった……。

正直に言って神社巡りとかよりはこういった所の方が個人的に楽しい。水族館ではイルカショーなどを見た。

泳いでいる魚が美味しそうと思ったり、素早く動く魚に反応してガラスに手を付けたりとネコさながらの行動をしてしまったのは恥ずかしい思い出だ。

動物園では、ネコ科の動物を見に行くと向こうから寄ってきたり鳴いてきたり見つめられたりと不思議な行動が多かった、もしかしなくてもネコ科の本能的な何かであたしがネコだと感じ取ったのかもしれない、ネコに近い動物ほどその行動がはっきりしていた。小動物がいる所では何故か体がうずうずしていた、そして遊びたいと気持ちが強くなるため早々に撤退、爬虫類ゾーンではキャルちゃんが虫嫌いな為物凄く毛が逆立ったり悲鳴を上げたりした。

やはり向こうのキャルちゃんと違いこの世界のキャルちゃんは動物の特徴が強く出ている、特に猫が反応しそうなものは目が行ってしまう。例えば素早く揺れるものや狭い所、

狭い所に関してはたまに段ボールなんかに飛び込みそうになるのは内緒だ。マタタビなんかもダメで前に検査でマタタビを嗅がされた時があったがとても頭がフワフワした感じになった、人間でいうお酒なんかと同じ感じだと思う、嗅いだ間の記憶は無かったからそのまま寝たのだろう。そんな話はさておき観光二日目も無事に終わった。

 

この二日間結構楽しめたし推しの可愛い姿を沢山見れたからとてもいい思い出になった。

この後は数日滞在して帰るのみになった、あいさつ回りはとっくに済んでいるため滞在理由が無くなったのだ、スカーレットと別れるのは辛いがまた会えると信じている。スカーレットはどうなのか分からないが別れの日は着々と近づいてきた。

 

ここ数日はこれまでと変わらずスカーレットが学校に行ってる間は家におり、休みの日は姉さん達同伴で公園に行ったりと最終日までスカーレットと共に遊びつくした。

 

それから更に数日、あたし達が帰る前日予想していた問題が起こった。

スカーレットが帰ってほしくないと駄々をこねて部屋に閉じこもってしまったのだ、これには姉さん達やスカーレットママも困り果ててしまいどうするか悩んでいた。

 

「ねえ、あたしがスカーレットを説得してくるわ、だから……あたしに任せてくれないかしら」

 

あたしがそう切り出した。これはあたしなりのけじめだ、そしてスカーレットの成長の為でもある。

 

「…できるのね?」

 

「ええ、やってみせるわ」

 

あたしの目を数秒見つめスカーレットママがあたしに聞いてきたから見つめ返し応える。

 

「……ふふ。ならキャルちゃんにお願いしようかしら。……スカーレットのことお願い」

 

「任せなさい!」

 

スカーレットママに許可をもらえたのだからほかの二人も文句はないだろうと思い姉さん達に振り向く

 

「キャルちゃん頑張って!」

 

「キャルちゃんファイトー!」

 

二人は応援してくれた、別にこれから戦いに行くわけでは無いのだが今はその応援が不思議と心地いい

 

『さてと、わがままなお姫様を部屋から引っ張り出さなくちゃ』

 

あたしは二階へと上る。

スカーレットの部屋の前に着くとあたしは控えめにドアをノックした

 

「スカーレット? あたしよ、キャルよ」

 

「おねえちゃん……?」

 

部屋の中からか細い声が聞こえてきた、どうやら泣いていたようだ。

 

「話があるの、入れてちょうだい?」

 

そう言うとゆっくりとドアが開き隙間から涙目のスカーレットがあたしを覗いていた、怒られると思ったのか耳や尻尾が垂れていた。

 

「大丈夫よ。怒らないから、スカーレットとお話したいから来たの」

 

あたしが微笑みながら言うと安心したのかドアが開いた。中に入るとスカーレットがあたしに抱き着いてきた。

 

「おねえちゃん帰ちゃいやだよ……もっとここにいて。もっと遊ぼうよ」

 

泣きながら必死にすがりつく、そんなスカーレットの肩をつかみ離し言う

 

「スカーレット。聞きなさい、別にこれが最後のお別れじゃないのよ? ちょっと遠いけどまた会えるしあなたが望めば電話や手紙のやり取りもできるのだからそんな悲しい顔しないで。夏休みとか長い休みの日はあたしの所に泊まりに来てもいいわ」

 

「ほ、ほんとうに? また会える? わたしのことわすれない?」

 

「ええ、会えるし、忘れるなんて絶対ないわ!」

 

「で、でも…」

 

「スカーレット、どうしてもって言うなら中央のトレセンに来なさい」

 

「え?」

 

「あたし、これでもトレーナー目指してるのよ?」

 

「トレーナー……」

 

「そうよトレーナーにね、あなたが中央でレースに出るならまた一緒に居れるわよ。まあ、スカーレット次第だけどね」

 

「中央……トレセン……ン、わたし、行く! トレセン行ってお姉ちゃんと一緒に居たい!」

 

「ふふ。あんたトレセン何するところなのか理解してるの? 生半可な覚悟じゃ行けない所よ?」

 

「私もそれくらい知ってるもん!」

 

「そう……なら待ってるわ。まあ、スカーレットならいけるわよね? よく一番にこだわってるんだから」

 

「うん! 絶対一番になる!」

 

「ええ! その調子よ」

 

「で、でも、さ、寂しくなったら会いに行っていい?」

 

「ふふ、ええ。でも、さっき言ったように夏休みよ? それ以外は電話か手紙、いい? 我慢できる?」

 

「うん。グスッ、ン、わ"か"っ"た"、我"慢"す"る"も"ん"」

 

「あんたなら凄い競争バになれるわ、だからこれから頑張るのよ」

 

「う"ん"」

 

「ほら、泣かないの。そんなんじゃ立派になれないわよ」

 

 泣いているスカーレットの頭を撫で落ち着かせるあたし、それから数分後泣き止んだスカーレットを連れ一階に降りる。

 

「ほら、ここで立ち止まってないで行きなさい」

 

あたしはリビングの扉の前で立ち止まっているスカーレットの背を押す、あたしの手を握りながら頷いて扉を開ける、

あたしとスカーレットを見てスカーレットママや姉さん達が少し目を見開くが直ぐ笑顔になり

 

「スカーレット」

 

「マ、ママ……ご、ごめんなさい」

 

「もう大丈夫なの?」

 

「うん……。お姉ちゃんと約束したから、わたしね、中央のトレセン行く!」

 

「っ!?…そう、でも勉強も運動もいっぱいしないといけないのよ? それでもやるの?」

 

「うん! わたし、合格してお姉ちゃんと一緒に走りたい!」

 

「そっか、分かったわ、私は応援するわ。頑張りなさいスカーレット!」

 

「う、ええ!」

 

スカーレットママに言われスカーレットが覚悟を決めたよう表情になる、この時彼女の中で何かが成長したのだろう、それはスカーレットしか知らないからあたしは言えないが、今まで以上にとても生き生きしたいい表情になっていた。

 

「キャルちゃん、何言ったの? なんか一気に大人びた感じになってるんだけど……」(ヒソヒソ

 

あたしがスカーレット親子を見ていると、真帆がボソボソと聞いてきた

 

「別に特にこれといって言ってないわよ、トレーナーになるからトレセン来なさいとは言ったけどね」

 

「……絶対それだと思う」

 

真帆がジト目でこちらを見つめる

 

「ふふ、でもキャルちゃんは本当に凄いわね」

 

隣で話を聞いていた姉さんがあたしの頭を撫でながら褒めてくれる、それが恥ずかしくでも嬉しくも感じ頬が熱くなる、でもちゃんとスカーレットが立ち直ってくれて良かったと思う、あたしは口下手で上手いこと言えないから勢い任せでしか出来ない為少し不安だった。スカーレット自体あたしがいなくてもちゃんと成長できたのだろう。でもあたしの言葉で少しでも救われたのなら嬉しい。

夜、この日は寝る時間が何時もより遅かった、スカーレットが何かをしていたようだ、あたしは教えてもらえなかったけどね。

横になるといつも以上にスカーレットが力強く抱きついてきた、それに苦笑しつつあたしもスカーレットを抱きしめて寝た。こうして騒がしい一日を終えた。

 

 

京都最終日

この日の朝は珍しくスカーレットが先に起きていた、起きたら隣ががら空きになってて焦ったのはここだけの話ね。

どうやら朝食作りの手伝いをしていたみたいだ、最終日だけあって少し豪華な朝食になった、どれも美味しくとても温かかった。

食べを終えると、あたしとスカーレットで食器を洗った、最終日くらいは何か手伝いたかったのだ、この皿洗いの時間もとても楽しかったし大切な思い出だ。

食器を洗い終え帰りの支度を始める、昼過ぎにはここを出るらしくスカーレットと過ごせるのもあと数時間だ、スカーレットを見るとやはり元気がない。

何時ものように遊ぼうと誘おうとした時

 

「お姉ちゃん!」

 

スカーレットが先にあたしを呼んだ、

 

「な、なに?」

 

昨日の様に何か覚悟を決めたような凛々しい顔だったため少し動揺してしまう。

 

「私ね、ちゃんと中央のトレセン行くから。だから、待ってて」

 

その声と目からは闘志のようなものを感じ取った

 

「……ええ。あたしもトレーナーになってみせるから」

 

そう返すとスカーレットが手を差し出してきた、見ると何かを持っている

 

「こ、これ。お姉ちゃんの為に作ったの。良かったら受け取って」

 

先程と打って変わって弱々しく不安そうに聞いてくるスカーレットに笑いが出そうになった。

 

「ええ。勿論受け取るわ」『やっぱりスカーレットは可愛いってはっきりわかるのよね!』

 

スカーレットはパアっと笑顔になる、やはり彼女にはこの笑顔がお似合いだ、特に笑う時に見せる小さな八重歯がキュートで……。はっ! 違う違う、目的見失うところだったわ。

 

「あ、あたしも渡したいものがあるの」

 

あたしは急いで荷物をあさり目的の物を取り出す、あたしもこの日の為に用意していたのだ。

 

「これ、スカーレットが学校に行ってる間に作ってたの。初めてだから上手くできなかったけど受け取ってくれると嬉しいわ」

 

あたしは照れくさくなり、そっぽを向きながら渡す

 

「っ! ……ありがとう」

 

あたしの手から受け取るとスカーレットは泣くのを我慢しながら大切そうに胸元でぎゅと包み込む、そんなスカーレットを見てあたしは渡して良かったと思った。

それからはスカーレットと共に過ごした、渡したプレゼントはあたしが家を出てから開けると一緒に決めた為開けていない、スカーレットはずっとあたしの手を握っていた、ソファーに座り二人で駄弁り笑いあい残りの時間を過ごした。

 

 

準備を終え家を出る、そんなあたし達を泣くまいと必死で涙をこらえ見つめるスカーレットがいた。

 

「長い間お世話になりました」

 

「もう! そんなにかしこまらないで。私たちの仲でしょ?」

 

「ふふ、そうでしたね」

 

「ママさんありがとうございまーす! ご飯すっごく美味しかったです!」

 

「あらあら、ありがとう。真帆ちゃんも何時でも来ていいからね」

 

「むふ~、ありがとうございます!」

 

 大人三人がそんなやり取りをしている中あたしは未だうつむいているスカーレットに寄る

 

「スカーレット、ほらそんな顔しないの。可愛い顔が台無しよ?」

 

「グスッ……泣かないって決めたもん」

 

 そう言ってあたしの手をぎゅっと握ってくる、そんなスカーレットに

 

「トレセンでまた会うんでしょ? ならこのくらいの事は乗り越えなくちゃね」

 

スカーレットの目の端にある涙をそっと手ですくいとると握っていた手に力が入った、スカーレットを見やると

 

「お姉ちゃん、私行くから待っててね。絶対に行くから」

 

真剣な眼差しであたしを見つめるスカーレットに

 

「ええ、待ってるわ」

 

あたしも手に力を入れ握り返す。

 

「そろそろ良さそうね」

 

あたし達の様子を何時の間にか見ていたスカーレットママ

 

「あ、あの、お世話になりました。とても過ごしやすかったしご飯もすごい美味しかった。来てよかったわ……です」

 

「こちらこそありがとう。また来てね? 私もキャルちゃんにはまた会いたいからね。それからスカーレットの事ありがとう、あの子キャルちゃんと会ってからずいぶん成長したわ、これからもあの子の事よろしくね」

 

あたしの頭を撫でるスカーレットママはどこか寂しそうに見えた。

 

別れを告げ車に乗り込み始める、その時

 

「お姉ちゃん!」

 

スカーレットがあたしに抱きついてきたのだ、ぎゅっと昨夜の様に力を籠め胸元に顔を埋める、それから数分したらゆっくりと離れる。

その行動に疑問に思っていると

 

「ふふ、お姉ちゃん成分充電完了!」

 

花の咲いたような笑顔をあたしに向けてきた。てか、

 

「ス、スカーレット? そんなのどこで覚えてきたの?」

 

「? 真帆さんがこうするとお姉ちゃんと離れてても悲しくなくなるって」

 

どうやら真帆が教えていたみたいだ、溜息を吐きながらもそんな可愛らしいスカーレットに笑みが出る、この子がそうするならあたしも……

 

「ス、スカーレット! ぎゅ──っ!」

 

 あたしはスカーレットが先ほどあたしにしたように抱きしめる、あたしよりも少し小さい体があたしの腕の中に収まる、スカーレットも最初はビックリしていたが抱きしめられていると知ると逆に抱きしめ返してきた、そんなあたしを見て姉さん達がクスクスと笑っていたでもこれはスカーレットが可愛すぎるのが原因だから仕方ない。

 その後名残惜しいが離れ車に乗り込む、窓を開けスカーレットを見ると涙を浮かべていたが笑顔だった。

 

「お姉ちゃん! またね! 遊びに行くから!」

 

そう言って大きく手を振るスカーレット

 

「ええ! また会いましょう!」

 

あたしも手を振り返した時車が発進する、スカーレット親子はあたし達の車が見えなくなるまで手を振り続けていた。

 

車の中でスカーレットからもらったプレゼントを開けてみると中からあたしとスカーレットそして姉さん達が描かれた絵とスカーレットを模した小さな人形が入っていた。

人形の出来はお世辞にも上手いは言い難いがとても可愛らしかった、あたしはその人形をぎゅっと抱きしめ

 

「…プレゼント被っちゃったな…」(グスッ

 

涙をこらえながら笑った、あたしもスカーレットにあたしの人形を送ったのだ。まさかの一致に笑みが出る。

この日また宝物が増えた、あたしは絵と人形を大切に抱え込んだ。

 

 

帰りの電車も何事もなく乗り込めた、行きよりヒトが多かったがあまり気にならなかった。

駅弁を堪能しつつ研究所まで戻るのであった。

 

こうしてあたしの京都旅行は幕を閉じた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「で? なんであんたがあたしの部屋にいるのよ」

 

「おいおい、そんな冷たい事言うなよな~」

 

いつものように部屋を開けると我が物顔でいるゴールドシップがいた、あたしの部屋なのに……

どうやらあたしがいない間よく来ていたらしい、ゴルシの私物が増えているからね。

あたしは帰ってきたばかりで疲れているのを感じ取ったのかこの日は少し話して帰っていった。

こうゆう時は素直というか察しがいいというか、常日頃からそうあってほしいと思いつつあたしは少し早い就寝する準備をする。

 

お風呂を終え夕食も取り後は寝るだけになった、約一月振りのマイベッドだ、今までスカーレットと共に寝ていたから少し寂しく感じる、今頃あの子は泣いていないか心配だ、

時間がある時抱き枕お願いしようかなと考えつつ眠りについた。

 

 

ウララにゴルシにライス、そしてスカーレット。こっちに来て多くの大切な友達ができた、毎日が楽しい。これからの事は不安だがあたしなりに頑張っていきたいと思う。

だから、あたしをちゃんと見てなさいよね。

 

 

キャルちゃんの旅はまだまだ続く、今後何が待っているのだろうか、果たしてキャルちゃんの運命は如何に。

頑張れキャルちゃん、負けるなキャルちゃん、可愛いよキャルちゃん。

 

キャルちゃんの物語はまだ始まったばかりだ。

 

 ~完~

 

 

 

って、まだ終わんないわよ! てかあたしは誰に向けて言ってんのよぉ~! 

 

 

 

 

 




ちょっと展開速すぎた気…急いで書いたんで許して~
今の小学生ってすっごく大人びてますよね~、自分が小学生の時なんてバカばかりしてましたもん
今回のダスカのモデル実は家の姪っ子なんですね、今時珍しい年相応で可愛らしいんですが相手してると疲れますね。
時間あったら今までの話も少し修正します、もう少し読みやすいようにしますね。
ストーリー自体は変えないのでご安心ください。

そんな話はさておき今年も残すところ一月しか無いですね
自分は悔いしかない年でしたが皆様はどうでしょうか。
あと一月あるんで何かしらやり残したことに挑戦してもいいかもしれません
そこで一つ提案が…皆様もキャルちゃんで小説書いてみましょう!
キャルちゃんの可愛さを広めるチャンスですよ!
まあ、ほんと悔いないようにやり残したことあるなら一つでもやり切りましょう。

話変わってゲームの方は悲惨過ぎて何も言えないです。
ガチャ文明マジ滅びろ!(唐突)
いや~辛いっす。
新イベ皆様頑張ってください。自分も何とか最後まで出来たらいいな感覚でやります。見るたび胃が痛いんですがね。
単発で当ててる人達に念を送ってるのはここだけの話でw

次回は今年中には出しますね、なるべく早く出す予定ではいます。

オグリか~キャラどうしよう、何気に難しいね
ウマ娘のオグリの幼少期の情報知ってる方いたらこのにわかにご教授お願い致します。

投稿気にしてる人はぜひこちらを↓
いろいろ近況報告なんかもしてますのでフォローしなくても定期的に見て頂ければ
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https://twitter.com/Haru_kyaru3

感想ドンドン書いてくだい、作者のやる気につながります。
誤字脱字報告もお願いします。
毎回してくれてる方にはホント感謝です。
ありがとうございます。


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7話 出会い5 (オグリキャップ編)

またまた遅れて申し訳ありません。寝落ちって怖い。

今回は寝落ちでデータが吹っ飛んで一から急いで書き直したので誤字多いかもです。
見つけたら報告お願いします。
一応二通り読んでるけど徹夜気味なんで見落としてるかも…
まさか二時間も寝てしまうとは…一生の不覚!
皆様もPC使う際はこまめに保存しないとダメだゾ
とにかく寝不足で今気持ち悪いです

出会い物語最終話です。この後一話と閑話入れてトレセン編入ります。
ようやく序章脱出ですよ!ここまで長かった…一か月ちょい頑張りましたよね。
今回からセリフ前に名前付けてみました、いりますか?意見欲しいです。

名馬アグネスデジタルに合掌

グラブル進出おめでとう!
これで後はプリコネに来るだけ!
原作のゴルシ達の掛け合い見てみたいですね。

今年もあとわずか頑張りましょう。




7話 出会い5 (オグリキャップ編)

 

 

京都旅行から一月経ちあたしは何時もと変わらない日常を過ごしていた。ウララからは手紙、ライスはビデオ通話、ゴルシは…毎日来てるから置いといて、京都旅行で新しく友達になったスカーレットは手紙&ビデオ通話だ。帰ってきた次の日から早速ビデオ通話してきたのにはビックリした、ライスと相談して通話時間を調整するのは大変だった。手紙に関しては小学生の女の子!って感じの可愛らしい書き方で微笑ましいが、学校で流行ってるのかは知らないが文字をカラフルにするのは控えてほしいと思った。読んでて目がチカチカするし、読みずらい。

勿論鍛錬や勉強もしている、やることが増えて大変だが楽しいから仕方ないのである。

因みにだが中央のトレセンの倍率は前世でみたのより凄い事になってた、流石この世界で人気トップの職業。

今日も今日とてゴルシに連れまわされクタクタになる、あっ、サラッと外に出ているがゴルシと護衛さん(変装)達となら近場への外出も可能になった。これも四回も遠出したおかげだ、これからは変装無しで外を出歩けるようになるのが目標でもある。

 

研究所に戻ると姉さん達が出迎えてくれた

 

「キャルちゃんお帰りなさい。いきなりで申し訳ないのだけど夕食後連絡あるからお部屋で待っててね?」

 

どうやらまた何かしらあるみたいだ、何をやらされるのか分からないがここは大人しく従うことにする

 

「分かったわ。」

 

あたしは手洗いうがいを済ませ夕飯前にお風呂を済ます、鍛錬は今日ゴルシが出かけると前もって連絡があった為午前中に済ましている。

自分の部屋で姉さんが来るのを勉強しながら待っていると、扉が開いた音がした。

 

「ごめんなさい待たせちゃったかしら?」

 

「待ってないわよ。」

 

あたしは首を振りながら応える

 

「連絡の事なんだけど、次に行く場所が決まったわ、場所は岐阜の笠松よ。」

 

そう教えてくれた姉さんにあたしは目を見開く。

そこはあたしが前世住んでいた地元だ、笠松では無いが岐阜出身なのだ。

あたしは急いで思考を切り替える、何も答えないあたしを不思議そうに見つめている姉さんが目に映った。

 

「そ、そう、岐阜なのね…岐阜…」

 

「大丈夫?もしかして何か気になる事あるの?」

 

「い、いえ違うわ。岐阜が何処なのか度忘れしちゃって思い出してたの!」

 

あたしは慌てて否定する、それをおかしそうに笑う姉さん

 

「そうなの?来週行くからまた準備してね?あ、あとこれが今のところだけどラストになるからね、沢山連れまわしちゃってごめんなさい。これ終われば勉強に集中できるわよ!」

 

今回ラスト…しかも最後が前世での地元って何か怖いわ。

 

『そういえばこの世界にはあたしはいるのかしら、行けば分かるけど…行ったら行ったで怪しまれるかも。』

 

別世界線の自分の事だ、この世界に前世のあたしと同じ名前の人間が存在してるのか気になる。

隙を見て行ってみようと思う。

 

「分かったわ、準備しとく。」

 

その後姉さんは部屋を出ていった、あたしはベッドに倒れこむ。

この世界に自分の家はあるのか、もしかしたら転生した手掛かりがあるかもと可能性としては低い事を考える。

世界が同じだけで向こうとは違うのだから無いかもしれないのにそんな事を考えてしまうのはやっぱり前世に未練があるからなのか、あたしはモヤモヤしたまま眠った。

 

あれから一週間岐阜遠征当日までモヤモヤは消えずゴルシ達にまで心配されてしまった。

前世で悔いのない奴だったらここまで悩まないだろう。なぜここまで悩んでいるのかというのは前世に遡る、僕は普通に何処にでもいる学生だった。変わりない日常に飽き飽きしていた、転生したいとも思っていたがそんなつまらない人生で唯一大切にしていたのが家族だ。僕の家族は両親に弟妹を合わせた五人家族だった、家族仲は特に不仲でもなかった普通に仲良かった。両親はこんな僕にも優しく好きだったし尊敬できる人だった。

弟と妹は僕より優秀で多少なりとも嫉妬したし劣等感を感じた事もあったがバカやって笑いあってたくらい仲良かったと思っている。前世ではこの家族だけは大切にしようと心に誓っていた。

だが親より先に死んでしまい親不孝者になってしまった僕は今まで家族の事を考えないようにしていた。異世界だからいないと思っていたのと何も言えずここに来た罪悪感のようなものがあったからだ。だがここは異世界とは言え日本だ前世と同じ地名があるのは今までの研修でさんざん確認している、でもいざ自分の地元と同じ所に行くとなると前世の事が嫌でも思い起こす。

そんな葛藤していたのがここ一週間のあたしだ。

 

研修の準備を終え行くのを待っていると姉さん達が部屋に入ってきた。

 

「キャルちゃん?そろそろ行くわよ。準備できたかしら?」

 

「え、ええ、大丈夫、初めて行くところだからちょっと緊張してただけよ。」

 

「…キャルちゃんもしかして行きたくないの?」

 

あたしの顔見ていた真帆が急にそんなことを言い出した

 

「なッ、そんなわけないでしょ!今更そんなこと思わないわよ!」

 

「え~、でもなんか不安そうな顔してたよ~」

 

「あら?風邪かしら?今回の研修無理しなくてもいいのよ?」

 

キャル「だから、違うのよ!少し緊張してただけよ」

 

何とか誤魔化そうとするも気づかれる、あたしの中では気にしないよにしたつもりでいたが表情に出るほどまでとは思わなかった。

そこまで【僕】が引きずってるとは思わなかったから少しビックリする、とにかく今から行くのはキャルちゃんなんだ決して僕が行くわけでは無い為気持ちを切り替えないと。

あたしは頬を叩き切り替える

 

「ど、どうしたの!?」

 

「ええ!?」

 

あたしがいきなり頬を叩くもんだから二人共慌ててこちらに寄ってきた

 

「大丈夫よ。ただ単に気合い入れただけだから。」

 

「もう!」

 

「あ~もう!ビックリしたじゃん!」

 

「ふふ。でも、これで問題ないでしょ?」

 

あたしがそう言うと二人は苦笑いし頷いた、解せぬ。

 

 

あたし達は荷物を車に乗せ乗り込む、勿論今回もゴルシや研究所の人達がお見送りしてくれた。皆には今回迷惑かけて申し訳なかったから向こうで何かお土産を買って帰ろう。

移動中なるべく前世の事を考えないようしていた、今回も新幹線での移動だから二時間ちょいで着いた。

羽島に着き新幹線から降りる、このあとまた電車に乗り数十分移動になる、久々の故郷だからかとても懐かしい感じになる。

あたしがボーっと眺めていると姉さん達から呼ばれる笠松行の電車が来たみたいだ、あたし達は電車に乗り込み笠松を目指すのであった。

あれから15分も経たないうちに駅に着く、岐阜のトレセンが近いからかそれなりに賑わっていた、学生服のウマ娘達がちらほら見える。

前世だともっとがらんとしていた、地方だと当たり前だが…ともかく笠松駅にそれなにヒトがいるのは驚きでもあった。

駅から出ると競馬場があった辺りに大きな建物が立っていた。地方のトレセンだろう、周りも前世できた時とはだいぶ違っていた。

近場には自分が知らない学校まであるしオシャレな飲食店、ウマ娘専用のスポーツ用品店も多数ある、地方とは言えトレーニングセンター学園付近だ、学生が不便なく生活できるようにだろう。

変わりすぎてて啞然としたがこれから挨拶回りだ気持ちを切り替えないといけないと頭を振り、切り替える。

 

それから数時間挨拶回りをした、皆優しいヒトばかりだった、あたしの事を怖がったりせず対応してくれたしおもてなしなんかもしてもらえた。

本当に感謝しかない、今回でこの挨拶回りは終わるがまだまだあたしの事を支援してくれているヒト達がいるのだ、そうゆうヒト達にもいつかはお礼が言いたいと思う。

クタクタになりながらも今日の挨拶回りを終えホテルへと向かう、今回は駅近くのホテルで宿泊だ半月の滞在を予定している。あたしは今回も誰かしらの家にお邪魔すると思っていたからホテルと聞いた時はちょっと驚いた。

ホテルに着きチェックインを済ませ部屋へと向かう、両隣の部屋は護衛の人が使うらしい、あたし達の部屋は三人部屋であたし、姉さんに真帆の何時ものメンツだ。

荷物を置きそれぞれ自由時間になる、旅館ではないから温泉は無い、真帆はベッドに寝転がり姉さんはパソコンで何か作業をしていた、あたしはというと…ベランダから外の風景を眺めていた。

近場にトレセンがあるためトレセン側に目をやるとトラックが見えた、そこでは何人かのウマ娘達がトレーニングしていた、今度は駅付近を見やると下校時刻なのか帰宅途中の学生たちで賑わっていた、ヒトと同じ制服を着ているウマ娘がいるという事は普通校の生徒だろう、コンビニや飲食店でワイワイしているのを見ると少し羨ましいと感じた。

駅から目を離し次は遠くの方を見やる、東京と違い大きなビルがあまりないし所々に田んぼや畑なんかも見える。

ここまで来たのなら次は岐阜駅の方も行ってみたい、名駅も行ってみたい、金時計銀時計はあるかな~とかそんな懐かしい思い出を思い浮かべていると

後ろから姉さんに呼ばれる、どうやら夕食らしい、あたしは部屋に戻り姉さん達の後を追う。その日はホテル内のレストランで食事を取った。

 

次の日、昨日に引き続き挨拶回りをしたそれも午前中には終わり今は笠松のトレセンに来ていた。

話を聞くに学園のお偉いさんが姉さんに会いたいらしいついでにあたしも、だから今姉さんと助手として真帆と連れのあたしが来ている、あたしの場合中央のだけどトレセン目指している訳だし地方のトレセンがどうなっているのか気になったからでもあるが、そんな事を考えていると女性慌てて来た。

 

「ハァ、ハァ、お待たせして申し訳ございません。」

 

「いえいえ~、こちらも急に来てごめんなさい。」

 

姉さんと何やら親しげに話し始めたのだ、知人だろうか。不思議そうに見ていると真帆があたしにボソッと教えてくれた。

 

「あの人ここの教頭だよ。美波さん地方にも無償支援してるから地方の学園にたくさんのお友達がいる訳。」

 

姉さんはウマ娘絡むと性格変わるからな~と姉さんを見ていると

 

「あなたが噂の子ね?」

 

姉さんと話していた女性が屈んでこちらを見ていたのだ、

 

「あ、え、ええ。キャル…です。」

 

あたしは慌てて自己紹介をする、いきなり声を掛けられるのは慣れないみたい。

 

「ふふ。あたしはここで教頭をしている三沢っていうの、あなたとは一度会ってみたかったわ。これからよろしくね?」

 

教頭の三沢さんが握手を求めてくる、それにあたしはびくびくしながらも握手に応じる。

その後真帆とも自己紹介しあってたが真帆もそれなりに有名らしく名前を聞いていた三沢さんが驚いていた、そんなこんなで学園の案内というかお偉いさんに会いに行くため移動を開始した。

学園内に入るとグラウンドらしきものが見えたがたぶん昨日ホテルで見たトラックだろう、近場で見るとやはり広いこれで中央より小さいというのだから中央がどんだけ大きいのか気になるところだ。

次に学園の方を見る、いたって普通の学校だ、地方だからもっと年季が入ったのだと思っていたけど案外綺麗だ、校舎内に入ると生徒が少数ではいたがいた、休日に来ているという事は練習できていると思ったがよくよく見ると部活動をしているんみたいだった。地方には普通の学校と同じように部活があるようだ、ゲームや公式作品では描かれてないこうゆうのを見るとウマ娘もちゃんとした人なんだなと思う。それが普通で常識なのだがあたしからしたら非常識になる、たぶんまだ作品として見ている感じが抜けて無いのだろうか…そうこうしているうちに校長室のような…いや、校長室だった。

教頭がノックすると中から渋い声が聞こえてきた中に入ると60くらいのおじいさんがいた、あたし達は高さそうなソファーに案内され腰を下ろした。

姉さん達と校長が話している間あたしはする事無いので大人しく座りながら用意されたジュース飲みながら校長室を見渡していたのだが時間が経つにつれて…

唐突だが猫とは気分屋なのだ、何が言いたいのかというと、あたしは今猛烈にソワソワしているのだ。こうゆう緊迫した雰囲気は大の苦手である。

ソワソワしながら待つ事一時間、話がひと段落したのか雑談へと変わっていた。姉さんがウマ娘達の為にシューズやらを無償提供している事への感謝とかだった。

その後はあたしが自己紹介をして少し見学し学園を出た。校長はとても優しかったし頭も撫でてくれた、前世のおじいちゃん思い出してウルっときたのは内緒だ。

今日もいい時間帯という事でホテルへと帰る、あたしからしたらまだ遊び足りないがこの周辺は観光地といえる場所は無いし特にこれと言ってやる事無い為大人しく姉さん達に従う。

そういやあ、笠松のトレセンを見て思ったが何か忘れているような…そんな気がした。

 

次の日は岐阜の方へと来ていたこっちにも支援者の方々がいるみたいだ、姉さん達に付いて行き挨拶回りをしていくのであった。

昼頃に終わり今は岐阜駅回りを散策していた、前世とこの辺はあまり変わらないみたいだ、ただ競馬場改めレース場がいくつかあった、ウマ娘世界の特徴だろうレースや学園以外のウマ娘達が定期的に利用しているみたいだ。

散策していると姉さんのスマホが鳴った、どうやら急遽呼び出しがあったらしくあたしを真帆に任せ駆けて行った。あたしと真帆と護衛の方々だけになった、あたしは近場の公園に行く事を提案し移動する。

公園に着くと駅近いからなのもあって賑わっていた、ウマ娘の親子連れもちらほら見える。あたし達は空いている東屋に座りテイクアウトした弁当を皆で食べる事にした、あたしの場合ヒトより多くなるのは仕方ないのだ(言い訳)、5個弁当を広げて食べていく。因みに全て別種類だ、流石に同じのを5つ同じのを食べるのはさすがのあたしもキツイ、食べ始めて数分あたしは今まで感じた事もない鋭い視線を感じた、慌てて視線の感じたほうへ振り向くとあたしと同じ年か下くらいの芦毛のウマ娘がじーっとっこちらを涎を垂らしながら見ていたのだ。

改めて彼女の視線の先を見るとあたしではなく弁当にいってることがわかった、確認の為箸で掴んでいたカツを横へずらしてみると彼女の目も横へいく、確信した彼女の獲物を見つけたような鋭い目はあたしじゃなく弁当にいっている事をッ!と心の中で戦慄しながら彼女を見やる試しにカツを彼女の方へ差し出すと目をキラキラさせながらあたしとカツを交互に見ていた、貰っていいのか迷っているようだ。

 

「いいわよ。」

 

そう言うと魚が餌に食いつくようにパクっと箸ごと齧り付いたのだ、それに驚き箸を落としそうになるが何とか耐える。

 

「モグモグ...ゴクン…。ありがとう!とても美味しかった!」

 

彼女はそう言うと花を咲かせたような笑顔であたしにお礼を言ってきた。

 

「え、ええ。別にいいわよ。…そのもっと食べる?」

 

彼女はあたしというよりも弁当の方をチラチラ見ていたから手を付けていない弁当をあげる事にした。

 

「!?!? いいの!?ほ、ホントに貰ってもいいの?」

 

文字じゃ表せないような声を出しながらあたしに迫ってきた

 

「え、ええ。欲しいんでしょ?てか、大丈夫なの?見ず知らずの相手からの物なんだけど…」

 

 

「ありがとう!ん?君は私にお弁当をわけてくれたんだ悪い人じゃないのは分かっているから大丈夫!」

 

「えっ…えぇ…」

 

なんて危なっかしい子なんだと思った、要は今の流れだと食べ物くれたからいい人ってことになる困惑気味に声を出すが相手には伝わっていないのだろう。

というか、この子なんか見たことあるような~ないような~芦毛のポニーテールの子なんて原作にいたってけ?

うんうん悩んでいると

 

「ん?どうしたの?私の顔に何かついてるの?」

 

「い、いや!何もついてないわよ!」

 

「? そうなんだ、あっ、そうだ、私の名前はオグリキャップだ。君の名前は?」

 

「ブフゥゥウウウウ」(前にいる真帆に掛かる

 

「だ、大丈夫か!?何か変な物でも入ってたのかな…」

 

「ゴホッゴホッ…。だ、大丈夫よ。ちょっと気管支に入っただけだからっ。ゴホッゴホッ」

 

「そ、そうか。ほっ、大丈夫ならいいんだ。」

 

「ええ。ごめんなさいね。ま、真帆もごめんなさい。」

 

「いいよ~、キャルちゃん成分補給できたし!」

 

「ヒエッ、そ、そう…」

 

「面白い人なんだな。」

 

「そ、そうね。って早っ!?あんたもう食べ終えたの!?」

 

「ん?ああ、とても美味しかった!え、えーと…」

 

「あっ、そういえば自己紹介まだだったわね。あたしはキャルっていうのよ。よろしく。」

 

「キャル。うん、覚えた。」

 

「ええ、ありがとう。ん?覚えた?」

 

「あたしは真帆っていうの~よろしくオグリちゃん。こっちの黒い服の人達は私の仕事仲間だから安心して」

 

「真帆…さん。よし、こっちも覚えた。よろしくお願いします。黒い服の人達もよろしくお願いします。」

 

てな具合でオグリキャップとの自己紹介が終わった、まさかあのオグリキャップだとは思わなかったから知った時は物凄く驚いたし動揺もした。

でもあのオグリキャップねぇ…とオグリを改めて見る、アニメやゲームではポニーテールにしていなかったから最初は分からなかった。たぶん漫画の方なんだろうか、あたしは漫画読む前に死んだから漫画版の方は全然分からないのだ、分かる事はこの笠松が舞台なのとオグリキャップが主人公ってことだけなのだ。昨日カサマツトレセン見て何か思い出したのはこの事だろう。

 

「オグリ!」

 

オグリキャップがあたし達と話していると突如声が聞こえてきた、声の方へ顔を向けるとオグリに似た芦毛の綺麗なウマ娘がいた。

 

「お母さん!」

 

どうやらオグリの母親のようだ、確かにオグリをそのまま大きくした容姿だ、表情豊かなオグリと言えばいいか、ともかく可愛らしかった。

 

「もう、どこ行ってたの!心配したんだから。ってあら?」

 

「ごめんなさい。キャルがあたしにお弁当をわけてくれたんだ。とてもいい人だ。」

 

「すみません!うちの子がご迷惑をおかけしたみたいで!」

 

「いえいえ~、オグリちゃんお利口さんだったから迷惑掛かって無いですよ~」

 

オグリ母はあたしや真帆次に机に置いてあるお弁当を見て何か気づいた様子になると慌てて謝っていた。オグリは何度かやらかしたような反応だった為あたしは呆れた視線をオグリに向ける、当の本人は分かって無いのか頭を傾げていた、この頃から天然だったのかオグリを見ているとこちらが見ているのに気付いたオグリが可愛らしくコテッと再び頭を傾げる。

 

「ごめんなさいね。お弁当代かわりに払うから」

 

先程まで真帆と話していたオグリの母親が今度はあたしに向かって頭を下げる、そして鞄から財布を出そうとしていたので

 

「ち、違うわよ、あたしが勝手にやった事だからオグリのお母さんは気にしないでいいのよ!お金もいらないから!」

 

あたしが慌てて止める

 

「あら?そう?でも、もう一度謝らせてね。ごめんなさい。」

 

もっとねばるかと思ったがあっさり引いた事に戸惑っているとオグリ母から再度謝られる。

 

「その、あたしは気にしていないから別に謝らなくて大丈夫です、よ。」

 

「この子食いしん坊だからもしかしたらあなたのお弁当全部食べちゃったのかと思ったのよ」

 

まあ、そのことに関しては出会う前から知ってた為あまり驚きはない、食べる早さが以上に早いのは実際見て驚いたが。

その後改めて自己紹介をし直した、オグリ家族はオグリが駆けっこしたいからとこの公園まで来ていたそうだ、近場にある公園じゃ小さくて危ないから広いここがちゃうど良かった。

最初はオグリ母の目の前で遊んでいたが気づいたらいなくなってて探していたところらしい、方向音痴もこの頃からあるみたい。

オグリはオグリであたしがもう一つ追加であげたお弁当をむしゃむしゃと食べている、マイペースというか天然というかこう純粋そうにしているオグリを見ていると怒る気力がわかないのである、ウララと同じようで違う、そもそも分かっていないのだから余計にたちが悪い、まぁ、それがオグリである事も原作知識であった為にそこまでではあるが…

あたしとオグリが残りの弁当を一緒に食べ、真帆とオグリ母が話していると用事を終えた姉さんが帰ってきた、事情を説明しオグリとオグリ母と話している姉さん、オグリ母は姉さんの事を知っていたようで驚いていた、流石姉さん有名人なだけはある。

 

食べ終えたあたし達はオグリと遊んできなさいと言われ広場まで来ていた、オグリに何がしたのか聞くと駆けっこと返ってきたので駆けっこすることなった。

結果は聞くまでもないだろう、でもでも最初の方は結構いい勝負だったんだよ、持久力には負けたけどね。

その後もオグリは元気よく走り回っていた、ウマ娘はホント凄い体力あるな~と感心する、あたしもヒトではないからそれなりに体力はあるがウマ娘と比べられると負ける、あたしは見失わないようにオグリの後を追う、だいぶ走って疲れを感じた時あたしとオグリは公園では無く住宅街に迷い込んでいた。

 

「大変だキャル、私たちは迷子になってしまった。」

 

「見れば分かるわよ!あたし…公園の入り口付近にいた気がしたんだけど…あんたについて行ったらワープしたかのようにここまで来た記憶ないんだけど…もしかして何かしらの能力者なの?」

 

「のうりょくしゃ?何それ?美味しいの?」(涎

 

「うがああああああ!違うわよおおお!」

 

そうなのだ、あたし達はというかあたしは公園から出た記憶がないのだオグリが公園から出そうになってたから入口付近に駆けてから気づいたらここにいたのだ、ゴルシワープ並みにヤバい方向音痴とか聞いてないわよ…。どうやらこの世界のオグリは超能力並みに方向音痴が凄いらしい、ともかく公園に戻らないと。まず此処が何処なのか確認しないと、周りを見回し此処が何処なのか見る、大抵電柱や近場の店の看板見れば分かるのだが、市は超えてないようで安心する。ゴルシの場合東京から富士山と訳分からない移動したからまさかとは思ったがオグリのはそこまででは無いようだ、あとは公園に戻ればいいのだからと歩く、ふと周りをもう一度見渡す、さっきは混乱してて分からなかったがここの道に見覚えがあったのだ、あたしは此処に来たことが無い為この既視感は僕の方つまり前世の記憶だ。僕が済んでいた場所だったのだ、此処も僕が登下校によく使ってた道でこのもう少しした先の交差点で僕は死んだんだ。

まさかこんな形で此処に来るとは思ってなかったから少し驚く、

 

「キャル?」

 

ボーっと止まっているあたしを不審に思ったのかオグリがあたしに声をかけてきた

 

「え?ええ、大丈夫よ。さあ、行くわよ。」

 

あたしはオグリの前に立ち歩いていく、そんなあたしについてくるオグリ。少し進むと例の交差点が見えてきた、あたしはそのまま進もうと足を進めた瞬間今まで感じた事のないような恐怖感があたしを襲ったのだ、まるであの時トラックに轢かれた感覚が突如蘇ったかのような、あたしは思わずしゃがみこんでしまった。

 

「キャル!だ、大丈夫?お腹痛いのか?ど、どうしたの?な、泣かないで、あわわわ、ど、どうしたら」(アセアセ

 

あたしが急にしゃがみこんでしまったのを見て驚いたオグリがあたしを心配してあたしの周りをグルグル回っていた。あたしは突如来るこの恐怖に涙が止まらなくなる、原因はもう分かり切っている。

死んだときの記憶がトラウマになっていたようだ、自分ではあまり気にしていなかったが死んだときの記憶が体や心に深く刻まれていたのだろう。この交差点に実際に来てようやく分かった。

あの肉が押し潰される感覚、衝撃で体の中がシェイクされるような気持ち悪い感覚、地面にたたきつけられた時の痛み、全て蘇ってきたのだ、怖くて怖くてたまらない、体が震え涙もたくさん出てくる

どうにかなってしまいそうに思った瞬間、あたしに誰かが抱き着いてきた。

 

「私が怖いと思った時はいつもお母さんがこうして抱きしめてくれるんだ、これをされると胸がとても暖かくなって何時の間にか怖さが無くなるんだ。私はお母さんじゃないけど少しでもキャルが怖くならないように!」

 

オグリがあたしに抱き着いてきたのだった、それは姉さんに抱かれたあの夜のようにとても暖かく安心できた、そう思ったらあれだけ震えていた体の震えが止まっていた。

 

「あ、ありがとう。ありがとうオグリッ!」

 

あたしはオグリの胸に抱き着き泣いた。

それから数分したらだいぶ良くなったためオグリと共に立ち上がる、あたしの目元は真っ赤だしかも駅近くの交差点という事もあって人通りが多いのだ、つまり何が言いたいのかというと物凄く注目を集めていた。それに気づいたあたしは急いでオグリの手を掴み横断歩道を渡る、まだ怖かったがこの時だけは羞恥心の方は勝ったのであった。

 

「キャルが元気になってよかった。」

 

あの交差点から少し離れた所でオグリからそう言われた。

 

「ごめんなさい。そしてありがとう、迷惑かけたわね」

 

「別に気にしてない」

 

「そう。」

 

それからあたし達は無言で歩いた、手を離さずに。

 

どれだけ歩いたのだろう、住宅街を進んでいると一軒家に目がいった

 

「あっ…。」

 

その一軒家を見た瞬間あたしは再び立ち止まったのだ。

 

「? キャル?大丈夫?まだ何処か具合悪いのか?」

 

そんなあたしを又もや心配してオグリがのぞき込んできた。

 

「え?え、ええ。だ、大丈夫。」

 

「…。この家に何かあるの?」

 

「うぇ!?な、何でもない!何でもないから!」

 

「…。そっか。」

 

この家は忘れるわけがないのだ、僕が17年間過ごしてきた家なのだ。

幸い家には誰もいないようだ、あたしはオグリの手を引きそこから離れる、歩幅を速め歩く。

家から少し離れた所で遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた、家族のようだ大人二人と中学生くらいの男女二人がこちらに歩いてきた。

あたしは思わず立ち止まった、だんだん近づくに連れて顔が鮮明に見えるようになる、その顔は忘れもしない家族の顔、僕がいないが前世では何度も見てきた顔であった。

両親と兄弟はあたし達に気づいたのかあたし達の前に立ち止まる、あたしは今どんな顔をしているのだろうか分からない。

 

「?どうかしたの?」

 

「もしかしてここら辺に子かな?」

 

「父さんこの辺にウマ娘の子供いなかっただろ」

 

「うわ~、小さい可愛い!そっちの子も可愛いし!」

 

家族いっぺんに話すところは変わって無いようだ、それに安心してしまう。

 

「あっ......え、と......う........ぁ」

 

何か喋らないと怪しまれると思い場所を聞こうとすると声が出なかった、かすれた声しか出せず泣きそうになる。

 

「すまない。私達は道に迷ってしまって道を聞きたいのだがよろしいだろうか。」

 

あたしがおかしいのを気づいたのかオグリが代わりに聞いてくれた

 

「あら?そうだったのね、どこ行きたいの?」

 

代表して母が聞いてきた

 

「駅の公園まで行きたい。」

 

「あぁ、それならここから」

 

オグリと母が話しているのを黙ってみている事しかできなかった。

話が終わりオグリがあたしの手を引っ張る

 

「ありがとうございました。」

 

「いえいえ~、気おつけていくのよ?」

 

「ウマ娘は皆別嬪さんばかりだな~」

 

「まータ変なこと言ってる、まあ、分からないでもないけど…」

 

「明日学校で自慢しよ~っと、ウマ娘ちゃん達またねー!」

 

「ああ、また縁があったら会おう」

 

あたしはオグリに引かれ家族から離れていく、ここで、ここで、聞かないと後々後悔する、あたしは決意を決め再び立ち止まる、オグリが少しビックリしていたが知った事じゃない今は目の前の事だ。

 

「あっ、あの!」

 

帰ろうとしていた家族に声を掛ける、全員揃ってこちらに顔を向ける

 

「そうしたの?もしかしてまだ聞きたい事あった?」

 

「あ、はい、あ、あの唐突に聞いて申し訳ないですがも、もう一人お子さんっていらっしゃいますか?」

 

「?ここにいる二人以外子供はいないわね」

 

「そ、そうですよね…。........すみません、変な質問して。」

 

「でも、もしもう一人いたとしても私のすることは変わらないわ」

 

「え?」

 

「あたしの子供なんだもの大切に、愛情を持って育てるに決まってるわ」

 

「あっ…」

 

「ふむ。もう一人いたらか。私もお母さんと同意見かな、どんな子であっても私達の大切な家族だからな。」

 

「俺は兄が欲しかったよ」

 

「お兄ちゃんがもう一人か~優しいお兄ちゃんなら私は大歓迎かな~」

 

その言葉で泣きそうだった、世界が違えど前世と変わらない家族で良かったと思った。

 

「ありがとうござい…ました。」

 

あたしは泣くのを耐えながらなんとか声を出す。

こうしてあたしと前世との家族との会合は幕を閉じた。

 

今まで悩んでたのが嘘のように思えた、今は家族ではない確かな家族との繋がりというのを感じたのだ。

 

「ふふっ。」

 

「?どうしたのよ?」

 

「とてもいい顔になったなと思って。」

 

「…。いろいろと迷惑かけたわね。でも、もう大丈夫よ。」

 

「そうか、なら安心だ」

 

公園までもう少し早く戻らないと姉さん達に心配かけるだろうから、あたしは今までとは違う軽い足取りで公園へと向かうのであった。

 

公園へ戻ると案の定姉さんとオグリのお母さんがプリプリ怒っていた、そりゃ、昼過ぎ頃に遊びに行き戻ってきたのは日暮れ間近なのだから怒られても仕方ない、あたし達はちゃんと謝りその日はお開きとなった。

因みにだがオグリの家も笠松らしく帰りも同じになった。別れる時あたしはオグリのお母さんの連絡を交換した。オグリは明日もあたしと遊びたいらしくあたしはそれを承諾する。

 

次の日、この日はオグリの家で遊んでいた。オグリがわざわざ招待してくれたのだ、家でする事と言っても特にこれと言ってないのだがまあそこはスカーレットの家にいた時に経験済みだ。

そして今、あたしは今台所でオグリのお母さんと一緒に料理をしていた。

…何がどうしてこうなったのかは数分前に遡る

する事無い為オグリと一緒に寝転がってたらオグリのお母さんに料理してみないかと提案されたのだ、あたしは勿論OKしたしオグリも興味あるのかしたいと言っていた、そうして今の現状に至るわけだが、オグリは料理が壊滅的にダメだった為今は味見役に徹している。食材用意してもそのまま食べてしまうから料理どころではないって話だ。

あたしはオグリのお母さんに教えてもらいつつ作っていく、完成した時オグリが食べいと言ってきたのであげたら物凄く喜んで食べていた、初めての料理だから味は保証できないがオグリは美味しいと言ってくれた。

あたしの腕が相当いいみたいでこれから料理学びに来ないかとオグリのお母さんから言われあたしはそれを承諾した、これは気分いいからとかでは無い、トレーナーになった時にみんなの食事を考え作れればより一層彼女達を成長させることができると考えての事だ。決して褒められたからではない!ほんとよ!

こうして岐阜にいる間オグリのお母さんによる料理教室with味見のオグリが開催されたのであった。

 

 

オグリとの出会いから二週間、オグリとはほぼ毎日一緒に遊んだ、昔は足が弱かったみたいだが今では元気に走り回る事ができるようだ。これをオグリのお母さんから聞かされた。あたしは知っていたからとりあえず驚く振りをする。オグリはオグリで気にしてないみたいで何時もの無表情でテレビを見ている。

そういえば、週に三、四回駅の公園まで行き駆けっこをしている、ウマ娘だから走るのが好きなのだろう、しかもとても速い、競走バになるのは時間の問題だろう。

あたしはというとどんなオグリと併走をしている、速度的に何時も置いて行かれるがオグリはそれでも気にしてない様子で走り続ける。

料理の方も2週間で結構上達したしとても充実した生活を送っていた。

と、言ってもあたしがオグリと居られるのもあと残り一週間しかないのだ、少し悲しいが仕方ない事だ。

オグリは原作でも中央にいたしいずれ来ることになるだろうから心配はしていない、あたしというイレギュラーがどう影響するかが心配だが、オグリならやってくれると信じている。

 

あたしは今日もオグリと一緒に遊ぶ、最近オグリに笑顔が増えてきたとオグリのお母さんにも感謝された、あたしもオグリと居るのは楽しいしオグリも楽しんでくれているなら良かったとも思う。

ここに来るまでの前世の事も家族の言葉で粗方無くなった、ただまだトラウマに関しては治らないからちょっとずつ慣らしていこうと思う、あのトラウマの発作からトラック(車)が怖くなったのだ。

こればかりは心の問題だから時間がかかる、トレーナーになるまでには治したい。

ここ最近はオグリの昼食夕食をオグリのお母さんと共に準備している、あの小さい体のどこに入るんだと思うくらいに大食いなのだ、量が半端ない、作っても作っても減る一方でこれを毎日続けているオグリのお母さんには戦慄したし尊敬もしたのは記憶に新しい、あたしも研究所の人達にこう見られてるんだち実感もした。

あ、勿論勉強やウララ達とのやり取りもしているからね。

たまに草レース(模擬レース)なんかもオグリ達と見に行ったりする、地方だから中央みたいに堅苦しいルールや規則みたいなのは無いし、緩い感じだがレースになると皆人が変わったかのように凄いのだ、草レースでは大半が何かしらの理由で引退したウマ娘、結婚や年で引退したウマ娘などいろんなウマ娘達が出ている。

勿論年や怪我具合なんかでレースの順番や距離などが違ったりするが皆真剣に楽しく争っていた。

見ていてとても勉強になった、地方だからってなめないようにしないと足をすくわれる、オグリみたいな原石もいるわけだし地方も地方で侮れないのだ。

 

更に数日後、明日帰ることになっているあたし達、最終日前日で休日という事もあって今日はあたし達みんなでショッピングに行く、名古屋の方まで出てのだ。行ってみたかったからとても嬉しい。

オグリがはぐれないようにしっかりと手を繋いでだ、少し目を離すと異次元の速さで迷子になるからね、もはや迷子版のサイレンススズカだ。

あたしが確認したかった金銀の時計塔もあったし、駅の外にあるあの何か分からないオブジェもあった。

デパートへ着くとあたし達は初めに衣類売り場に連れてこられた、ここからが地獄だと知らずに…。

あたしとオグリは試着室に入れられるなり姉さん達が持ってきた服を永遠と着せ替えさせられるのであった、隣のオグリもさすがに参ったのか耳が垂れてしょぼんとした顔になっていた。

オグリのワンピース姿とゴスロリはごちそうさまでした。

お昼のレストランではオグリの食べっぷりに周りがドン引きしていた、あたしはそのおかげで目立たず済んだが、会計時十万超えるのは初め見た。

お昼を食べた後はゲームセンターに来ていた、提案したのはあたしだ、ゲーセンは音が大きい為初めて入るオグリ親子は耳を抑えていた、あたしも初め頃は人間の時と同じ感覚で入った為音でやられた

この先公式のレースになるとこのくらい、いやもっと大きい音が流れるため慣れさせる為に連れてきていた、ならレースでいいだろうと言われるだろうが公式のレースはそれなりにお金がいるのだ、決してあたしが行きたいからだとかではないからね。

まあ、最初のうちは音の大きさにしかめっ面をしていたが数十分も経てば慣れたのか普通にあたしとクレーンゲームで遊んでいた、クレーンが動くたびに「おぉお!」とか「すごい!」とか言ってる姿はとても可愛かった。あたしが取ったぬいぐるみを大切そうに抱きしめている姿はホントにすごかった。最後は皆でプリクラを撮って ゲーセンを出た。

その後は姉さん達と本屋に行った、あたしとオグリは漫画コーナーであたしのお気に入りを力説していた。

本屋を出ると丁度いい時間帯だったから夕食の話になり、夕食は皆でオグリ家で食べる事になった。

夕食の材料を買い込んで家へと向かう、道中オグリのお腹の虫が鳴ってたのが面白くて笑ってしまった、オグリは恥ずかしそうにしていた。

家に着くとあたしと姉さん、オグリのお母さんと三人で夕食を作った、物凄い量に真帆が頬を引きつらせていたがオグリならこの程度造作もないだろう。

案の定三十分足らずでほぼ平らげるオグリに姉さんや真帆も苦笑いであった。

この日は夜遅い事もあってオグリ家で寝ることになった、あたしはドヤ顔なオグリに手を引かれオグリの部屋へと入れられる、部屋の中は普通の小学生女子らしくないシンプルかつ物が勉強道具と走るためのシューズくらいだ、何をそんなにドヤってるのかと思ったら机の上にあたしと遊び始めてから撮った写真が並べてあった、今日取ったぬいぐるみもベッドに置いてあった。

 

「これは私の宝物なんだ、キャルと会ってあたしはとても充実している、一緒にいると胸のあたりがポカポカして気持ちがいいんだ、キャル、その...私と仲良くしてくれてありがとう。」

 

オグリは写真を手に取り大切そうに胸元で抱いてあたしを見つめてくる。

 

「フニャ⁉え、ええ!あたしもオグリと会えてとても嬉しかったわ!これからもよろしくね?」

 

オグリのあまりの可愛さに一瞬昇天しそうになったが何とか持ち直す。照れた上に上目遣いで猫撫で声とか反則の極みよ、どこでそんなの覚えてきたのよ。

 

「ああ!」

 

オグリはとてもニッコリと笑い返事をする。

あたしとオグリは一緒のベッドで寝ることになった。四人目となるとさすがにもう慣れるわよね。

今日の事を思い出しつつあたしは静かに瞼を閉じた。

 

朝、体にまとわりつく重さに目が覚める、目を開けるとオグリがあたしにしがみ付いていたのだ。

 

「むにゃむにゃ、肉まん、オムライス、ハムぅ…。」

 

何ともまあテンプレ的な寝言だことと思っていると

 

「ハムっ!」

 

「ヒニャ!」

 

オグリがあたしの耳を甘噛みしてきたのだ

 

「むにゃむにゃ」(ピチャピチャ

 

「ひっ....ひゃぁ....や、やめてぇ~、ヒン!」

 

こそばゆさと続々とした変な感じにあたしは変な声が出てしまう。声をかけても寝ていて反応がないのだ、あたしは耳をハムられがオグリが起きるまで

続いたのであった。

 

「むっ、朝か…。」

 

「ハァ、ハァ、ハァ、んくっ、ハァ、ハァ…。」

 

「ん?キャルどうしたんだ?」

 

「あ、あんた覚えてなさいよ、ハァ、ハァ」

 

「???」

 

最終日の朝だというのにこのありさまだやはり天然怖し。

それから朝の身支度を済ませ朝食を取った、この後お別れ会らしきものを行うみたいだ、今日の為に作っていたオグリへのプレゼント、気に入ってくれたら嬉しい。

 

あたし達は一旦ホテルに帰る事になっている為、その後に行うみたい、オグリとオグリのお母さんがその間に準備するのだろう。

ホテルに戻り荷物をまとめてチェックアウトする、もうここには戻ってこないため、オグリの家での行事が実質最後だ。

あたしは一刻も早くオグリに会いたいために急いで荷物をまとめた、その様子を見て姉さん達は笑っていたが気にしない、チェックアウトを済ませオグリ家へ向かう、その際に車に荷物を詰め込んでいく。

オグリ家に着く、中に入るとまるで誕生日会のような豪華な飾り付けがしてあるその真ん中に何時ものドヤ顔オグリ、あたしはおかしくてクスクスと笑ってしまった。

お別れ会は順調に進んでいくっといっても食べてるだけだが、オグリらしいちゃあオグリらしい

一通り食べ終えるとあたしはオグリにプレゼントを渡す

 

「はい、手作りで申し訳ないけど、その、受け取ってくれるとありがたいのだけど…。」

 

「!?い、いいのか?」

 

「ええ、あなたの為に作ったやつだから」

 

「ありがとうっ。....はっ!私は…え、えーと」

 

オグリが慌てて何かに気づき探し始める、数分後何かを思いついたように髪を縛っていた可愛らしい髪留めを外し、あたしに渡してくる

 

「ご、ごめん、プレゼント用意してなくて…あたしの宝物の一つのこの髪飾りをキャルに」

 

「え、ええ!?そ、そんな大切そうなの貰えないわよ!あたしはあなたとの思い出あれば十分だし…」

 

「お願い、受け取ってくれると助かる。」

 

「…はぁ、分かったわ、貰うわ、大切に使わせてもらうわね」

 

「ああ!」

 

「でもちょうど良かったかもね。」

 

「?」

 

「あたしがあげたの開けてみて」

 

オグリは丁寧に袋を開ける

 

「あたしが作ったのはヘアゴムとブレスレット兼用で使えるやつだから」

 

「!?あぁ、ありがとう。」

 

オグリは目に涙を浮かべていた、渡してよかったみたいだ。

 

あたしとオグリのプレゼント渡しも済み後は帰るのみになる、玄関先であたし達を見送るオグリ親子

 

「キャルちゃんありがとう。また何時でも来ていいからね?」

 

「ええ!また来させてもらうわ!」

 

「お世話になりました。」

 

「お世話になりました~、オグリちゃんもバイバイ!」

 

あたし達がそれぞれ別れの挨拶を言っているとオグリがあたしの袖を掴んだ

 

「ま、また、会える…かな?」

 

悲しそうな顔であたしに聞いてくるオグリに

 

「ええ、必ず。…もし、あたしと居たいなら中央来なさい。」

 

「中央?」

 

「ええ、オグリはそこのカサマツトレセンに入るんでしょ?」

 

「ああ…で、でも私勉強は…」

 

「なら、実力見せつけて中央にスカウトしてもらえばいいのよ」

 

「スカウト?」

 

「ええ、定期的に地方のトレセン周ってスカウトしているみたよ」

 

「なるほど。分かった!私頑張ってスカウトされるように頑張る!」

 

「ふふ。待ってるわよ?」

 

「ああっ!」

 

オグリは他の子と違って地方からの出だ、漫画版にもなるくらここでの競争が成長に重要不可欠なのだろう。

だから原作を壊さないようにしたのだ、あたしがいる時点で原作とかもはやない物同然かもしれない、でも、それでもオグリには強くなってもらいたいのだ。

というか、会った子全員に中央に来いって言っちゃってるから受験落ちたらシャレになんないじゃない…。

より一層勉強しないとね(← 一般トレーナーを超えていることを知らない)

 

車が置いてある駐車場まで行く途中

 

「あら、あたなはこの前の…」

 

「あ、ホントだ」

 

「あ~この前前白いウマ娘と一緒に居た子じゃん!」

 

母と弟妹に会った、どうやら家族で出かけるみたいだ、父がいないがたぶん車を置きに行ってるのだろう。

 

「あ、こんにちは。」

 

「知り合い?」

 

「この前道に迷ってた時に…」

 

「ああ、この方々が」

 

「うちのキャルがお世話になったみたいでその節はありがとうございます。」

 

「あらあら、ご丁寧にどうも~。」

 

母と姉さんが話し始めた、あたしも前よりは普通に接する事ができたと思う。

 

「ねえねえ!あなたキャルちゃんっていうのね!」

 

唐突に妹があたしに話しかけてきた。

妹の性格は向こうと一緒みたいで人懐っこいみたいだ

 

「え、ええ。」

 

「あなたウマ娘なの?」

 

「ふぁ!?え、えーとそ、そうなのかもね」

 

「ふふ、何それ」

 

あたしと妹達も少しだけ話し込んだ。

数分後父が車から戻ってきたみたいだ、これからレースを見に行くらしい

 

「キャルちゃん」

 

別れる直前に母に呼ばれて振り返る。

 

「何か迷ってたみたいだけどもう大丈夫そうね。でも一応、あたなご両親と何かあったのかは分からないけど親なら子供の事考えるのは当たり前だからね。あなたのお母様もちゃんとあなたの子と思っていると思うから。」

 

あたしの頭を撫でてそう言ってくれた、あたしはまたもや泣きそうになる。

 

『ありがとう。母さん、ちゃんと伝わったから』

 

「ええ、ありがとう!」

 

あたしは涙を堪えて笑顔で感謝を伝える。

 

最後の最後でまさかの再会を果たしたがこれで前世の事はだいぶ吹っ切れることができた。

 

こうして岐阜研修は終えた。

 

帰り道窓の外を眺めながら今までの事を思い出す、オグリや両親との出会い、ホントにいい思い出ばかりだったな。

あたしはまた一つ成長した気がした。

 

研究所に戻り、部屋に入ると何時ものようにゴルシがいた。

 

「ただいま。」

 

「…おう!お帰り!もう大丈夫そうだな。」

 

「ええ。迷惑かけたわね。」

 

「アタシとキャルの仲だろ~気にすんなって!」

 

あたしはいい友達を持てて良かったなと思う。

今日も少し話した後ゴルシは大人しく帰っていった。勿論お土産も渡したから安心してね?

 

 

夜、就寝時間になるとあたしはベッドに潜る、これで研修は無くなったわけだがあたしにはトレーナー試験が待っている。

これから勉強漬けになりそうだがあの子達の為に頑張るしかない、あたしは決意を新たに眠るのであった。

 

 

 

キャルちゃんと幼馴染sは果たして中央に行けるのだろうか!キャルちゃんと幼馴染ウマ娘たちの戦いは此処からだ!

 

 




ここにきてようやく主人公の出身地公開。ホントはもっと前にしようと思ってたんですが書くの忘れてて最後のオグリの故郷に近い所にしました。
まあ、岐阜ならよく行ってるからある程度分かるからね書きやすかったです。
ロリオグリの口調ってこれでいいのかな?中学生近い年だし今見たな片言喋り発言しててもおかしくないよね。
シングレより前時空ってのが余計難しい。
この作品のオグリはシンデレラグレイ時キャルちゃんに会うために中央目指しているっていう設定なので原作よりも血の気が多い気が…

次回は閑話かトレーナー編ですがどちらが先見たいですか?

話変わりまして、ウマ娘イベギリコンプできました。
もう残りわずかですが、ウマ娘って年末年始SSR確定ガチャ来るんですかね?
年始に来てくれたら嬉しい。
2月後半はウマ娘一周年なんで余計に楽しみです。


今年もあと半月ちょいです、皆様体調にはくれぐれもお気を付けください。
自分はもう死にそうですが頑張って乗り切ります。

今回は徹夜気味で急いで書いたので誤字脱字多いかもです。報告お願いします。
一旦寝たらまた修正します。
感想もお待ちしております。



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8話 トレーナー試験への挑戦

明けましておめでとうございます。
去年中に投稿したかったんですけど忙しくて結局過ぎちゃって申し訳ございません。
今回はタイトル通りトレーナー試験編です。
次閑話挟んでトレセン編です。
一話研修編入りますけどね




 

 

8話 トレーナー試験への挑戦

 

 

 岐阜へ行ってから数ヶ月、あたしはトレーナー試験への為に本格的に勉強に力を入れた。

鍛錬時間を削りその分勉強した、ウララやライス達の交流は欠かせずやっている、この時間があたしにとっては癒しの時間でとても助かっている。ゴルシはゴルシで何時も通りではっちゃけてるし、スカーレットは相変わらず可愛いし、そうそう、オグリとも通話だが連絡取り合っている、話す内容は迷子になったとかあれが美味しかったとか基本的に迷子になったかご飯の話しかしないが聞いているだけでも面白くてあたしは結構気に入っている。あとは…前世の親の母と妹とも連絡先を交換した、母の方はあたしを心配する文や勉強を応援してくれるメッセージが多い、妹の方はマシンガントーク並みにいろんな事をメッセージで送ってくる、前世と変わらない天真爛漫な彼女に笑みが出る、ただメッセージ多すぎて返せないからもう少し抑えてほしいが。

そんな彼女達に支えられながらあたしはトレーナー試験への勉強を頑張った。

 

 それから更に数日トレーナー試験が近づいてきた時期に少し問題が発生した、それはあたしの年が低い事だった。

別に年齢制限はトレーナー試験には無いのだが中学生くらいの子が試験を受けるのは前代未聞だったその為学園長自らがあたしに会いに来た、来た時は驚いたしもしかしたら試験を受けられないかと心配したがそんな事もなくあたしが本当に受けるのかの確認と合格した際トレーナーとしてではなくマネージャー的立ち位置からスタートと言われた、まあ、子供だし出来る事も限られてくるし、あたしが特別ってのもあるから仕方ないと納得する。担当トレーナーは定期的に変わるらしいが信頼できる人らしいので心配しないでほしいとの事だった。ベテラントレーナーをまじかで見れ、学べる為あたしは目を輝かせて頷いた、試験時の事も話題に出た、最初はあたし一人だけ別室でもいいと言われたがそれだと他の人達と対等ではないと思いあたしは拒否をした、あたしもいちトレーナーを目指す受験生だ特別とはいえそんな待遇を受けるのは卑怯だと思ったからだ、それにあたしもそろそろ変装無しで人前になれる第一歩として挑戦したいのだ。

因みに中央のトレセン学園長はいい年した男性だったまだやよい理事長ではないみたいだ、たづなさんも見なかったしまだいないのかな?とにかくあたしはいろんな人から応援してもらっているのだ、絶対に受からないと…そう思い勉強に励むのであった。

 

 

 試験当日、遂にこの日が来た、今まで頑張ってきたことをそのまま発揮するだけだ。

あたしは緊張しながら会場に向かう為に車に向かう

 

 「お~い、そんな緊張してたら失敗すんぞ~。」

 

 「きゃー!い、いきなり耳元で囁かないで!」

 

 「わりぃ、わりぃ、あんまりにも緊張してるからな」

 

そう言いながらゴルシが笑っていた

 

 「仕方ないじゃない…。」

 

 「あんま無理すんなよ。」

 

 「ええ。」

 

あたしは再び歩く

 

 「キャル!」

 

 「?」

 

 「お前は一人じゃねぇからな!アタシ達が付いてる!今までやってきた事信じろ!」

 

 「!?」

 

そう言ってゴルシは去っていた

 

 「……バカ、かっこつけ過ぎよ…。でも、ありがとう。」

 

いつの間にか緊張していなかった、とても晴ればれした気持ちで姉さん達の元へ向かう。

 

 「あら、ふふ、もう大丈夫そうね。」

 

車に乗ると姉さんがそうあたしに聞いてきた、緊張してたの皆にバレていたみたいだ

 

 「ええ!」

 

あたしは姉さんにそう返す、車が動き始める

 

 「キャルちゃん!大丈夫!キャルちゃんなら絶対受かるから!」

 

あたしの隣に座る真帆があたしに抱きつき言ってきた

皆あたしの事信じてくれている、ゴルシの言った通りあたしは一人じゃないみたいだ、あたしは皆に感謝し試験会場に着くのを待つのであった。

 

 

 試験会場は多くの受験生で混んでいた、中央のトレセンは全国から多く来ている、倍率は毎年数百倍と物凄い数の人が受けに来ている、会場も全国で別れている為此処にいるのはその一部だと思うと鳥肌が立つ、試験の為変装は出来ないからあたしは素のままだ、耳も尻尾も出している状態だ、あたしは車から出ようとすると頭を撫でられる

 

 「大丈夫よ。」

 

姉さんがそう言う、その一言だけであたしは今までざわついていた心がスンと落ち着く

あたしは姉さん達に振り向き笑顔で頷くそして車から降りる、さぁ、試験の開始だ。

 

 

 あたしは案内係の人に従い付いて行く、周りから物凄い視線があるが気にしず歩く。

皆より幼いしヒトじゃないから余計目立つのだ、ひそひそ話も聞こえてくるが気にしない、昔に比べるととても成長したと感じドヤってしまうの仕方ない事なのだ。

多くの受験生が番号ごとの部屋に入室していくあたしも指定された場所へと向かう、扉を開けると中にいる人達が一斉にこちらを見てくる、これには流石にビビったが静かに自分の席に着く。未だに視線が凄いがゆっくりと見回すと人が少ない事に気づく、どうやら学園長が気を遣って少ない部屋にしてくれたようだ、正直言ってありがたい。

あたしは周りを気にしないよう早く試験が始まらないかなと思いながら待つのであった。

それから数分待つと試験官が入ってきた、あたし達全員いるか確認したら試験の内容を口頭で伝えていく、試験は筆記と面接の二つで行われるようだ最初は筆記という事で各自に答案用紙、解答用紙を配っていく、後ろにも監視の試験官がいるようであたし達を見ている。他の人達は緊張した面持ちで机を見ている、試験開始の合図が鳴ると皆一斉に用紙をめくり書き始めた、あたしもそれに遅れないようにめくり問題を読んでいく、問題を解いていくうちに気づいたが問題がとてもやさしいのだ、もしかしたら今年は受かりやすい年なのかもしれない、もしくは面接が難しいのかもしれない、そう考えつつ問題を解いていくとあっという間に全て問題を解いてしまった。見直しをしても相当時間が余ってしまった、仕方なくもう一度見直しをしていくあたしであった。

 

 あれから一時間、何十回も見直しを繰り返していたらいつの間にか終わっていた。

あれだけ確認したんだから筆記の方は満点間違いないだろう、姉さん達が教えてくれた事がバッチし当たったし姉さん達には感謝しなきゃね。

 

 『にしても…簡単すぎたけど…もしかしてあたしだけテスト内容違ったのかな?終わったらしい姉さん達に聞いてみるか。』(無自覚)

 

あたしは次に行われる面接を受けるために会場を移動する。移動中も注目を集めていたがあたしは流石に慣れたのかあまり気にしなくなっていた、というかさっきの筆記試験の事で頭がいっぱいだったからだけどね。

面接は先程の筆記試験の結果が出るまで待たないといけない、筆記試験の結果次第で面接が受けれるか受けれないか決まるのだ、確かに数千人いるからその数を面接するのは非現実的だよね、筆記で落とされるのは毎年多いらしいからここで多くの受験生が消えることになる。

あたしは結果が発表されるまで会場にある小さい休憩スペースで休憩していた。

 

 「あの!…ネコ娘さんですよね?」

 

休憩していた時女性数人があたしの元に来てそう聞いてきた

 

 「え?ネコ娘?」

 

 「はい!~~~~っ、かわいい~。」

 

目の前の女性が急に抱きしめてきた、唐突な事にあたしは理解できず困惑した。

 

 「ちょっ、ちょっと!ずるい!」

 

 「そうよ!」

 

 「私にも!」

 

抱きしめている女性から伝染したように次から次へと女性があたしの元に来て耳やら尻尾やらを撫でられもみくちゃにされた、あたしは必死に抜け出そうとしたが無理だと分かり諦めた。

数分後彼女達は満足したのかあたしは解放された、クタクタになりつつ相手を見ると自分がやった事に気づいたのか申し訳なさそうにしていた。よくよく見ると筆記試験で同じ部屋にいた女性達だった。

 

 「「「「ごめんなさい。」」」」

 

 「え、ええ。」

 

 「貴方を一目見てからこうしたいって思ったら我慢できなくて…ごめんなさいね?大丈夫?」

 

「え、ええ、大丈夫よ。」

 

どうやら悪意があってという訳では無いようだ、ただいきなりはビックリするからやめてほしい。

彼女達はあたしとお話したかったらしく様子を伺っていたようだ、まぁあたしとしても話し相手がいたほうが気が楽になるからありがたい。彼女達に二つ返事でOKを出すと彼女達はとても喜んでいた。

 

 あれから数時間昼を挟み筆記試験結果が発表された、あたしは先程の彼女達と共に見に行く。

張り出された貼り紙に自分の試験番号を確認していくが周りに人がいすぎて人の波に流されそうになると彼女達の中にいる背の高い子があたしを抱っこしてくれたおかげで何とかま逃れたが抱っこされた状態に顔が赤くなる

 

 「ふふ、キャルちゃんこれなら結果見れるよね?」

 

 「うっ、ええ。」

 

あたしは恥ずかしつつも確認すると上の方に自分の番号があるのを見つける。

彼女達の番号もあるみたいで皆で喜び合った

 

 面接時間がそれぞれ通達されあたし達はそれぞれの試験会場へ向かう為に別れる。

着くと順番待ちの受験生がそれなりにいた、あんなに多くいた受験生がここまで少なくなっていると思うとこの試験の厳しさがうかがえる。

皆緊張してあたしに気づいていないのか静かだった、そんな重苦しい差を感じつつあたしは椅子に座る。

ぼーっとしながら待っていると隣の席の人が立つのを感じ取った、見て見ると次あたしの番まで迫ってきていたのだ、そう思ったら急に緊張してきたのであたしは深呼吸しながら気持ちを落ち着かせる。

 

 数分すると前の受験生が部屋から出てきた、少し待っているとあたしの番号が呼ばれたのでゆっくりと席を立ち部屋をノックして入る。

中に入ると学園長とおじいちゃんと威厳のあるウマ娘が座っていた、…ここがボス部屋ですか?

あまりの強烈なメンツに少し後退りそうになるが耐えて入っていく面接の練習もしといて良かったと安堵しながらもあたしの面接が始まるのであった。

 

入ってからは軽く自己PRや何でトレセンに入りたいのかなど無難な質問でちょっと安心したと思った時

 

「んじゃあ、君にとってトレーナーって何?」

 

唐突におじいちゃんトレーナーがそんな事を聞いてきたのだ、動揺してしまったが落ち着くように少し息を吐く

 

 「あたしにとってトレーナーとは架橋です。」

 

 「架橋?」

 

 「はい。夢や目標に向かって駆ける彼女達の架橋になるのがトレーナーだと思っていま…すっ。」

 

あたしは最後の最後に詰まってしまったけど言い切る、短いがあたしはそう思っているのだから意見を変える気はない、あの子達の為にあたしは頑張るって誓ったのだ。彼女達が元気に楽しく走ってほしい、だからあたしはそうできるように頑張るのだ。

 

 「ふむ。」

 

そう言って顔を下げるベテラントレーナーサングラスでその顔が良く見えないから分からない、ウマ娘と理事長はニコニコしていた、ともかくやらかしたのは確か。あたしは焦りそうにながらもこの後の質問を無難に答えていくのであった。

その際あの質問をしてきたベテラントレーナーは一言も話さなかったのが気になった。

 

 こうしてあたしのトレーナー試験最後の試験が終わった、あとは帰って結果を待つだけだ、不安だが祈るしかない。

あたしは受かるように祈りながら試験会場を出ていった。

 

 

 

 

 

 「彼女どうでしたか?」

 

 「私はとてもいいと思ったよ、あの年であそこまでの信念…うん、合格にしたいね。…どうかなトレーナー?」

 

 「……」ニッ

 

 「では決まりだね。」

 

 

 

 

 試験会場を後にしたあたしは今部屋でうつ伏せになりながら寝ていた、あのやらかしたのがどうしても気になるのだ。

 

 「う“あ゛あ゛ぁ“ぁ“」

 

とゾンビのようなうめき声を出しながら寝転がっていると

 

 「オイオイ、やらかしたのは仕方ねぇだろ、結果良けりゃいいんだって!キャルなら合格してるからな」

 

とゴルシがニカっと笑いながら言う

 

 「なんでそんな事わかるのよ…」

 

 「だってアタシのキャルだからな!」

 

その言葉に頬が赤くなる、こうゆうズバッと言うところはホントうらやましい

 

 「ん、分かったわ。…その、ありがとっ!」

 

あたしは布団に潜り照れ隠しする

 

受かっているか分からないがゴルシのおかげで何とか気持ちを落ち着かせることができた、今日はゴルシに助けてもらってばかりだ、今度何かしてあげようとここの中で思うのであった。

 

 こうしてトレーナー試験が幕を閉じた。

 

 

 

 あれから一週間、トレーナー試験が終わったという事で生活が何時ものルーティンへと変わった、勉強をしなくなったのかというと少しは勉強している、前世では勉強全然しなかったから授業に付いていけなかったのだ。地道な事が何時か役立つ事もある、最近では雑学にも手を伸ばし始めた所だ。

一方でトレセンからの結果連絡がこないか毎日ドキドキしながら待っている、やっぱり結果分かるまでのこの緊張感は慣れないなぁ。

 

コンコン

 

 「キャルちゃん入るわよ?」

 

勉強していたら、扉がノックされ姉さんの声が聞こえてきた

 

 「お勉強中だった?ごめんなさいね。トレセンから手紙来てたかr…」

 

あたしは言葉を最後まで聞かずに姉さんの持っている封筒をひったくり急いで封を開けていく

そんなあたしを苦笑しながら見る姉さん、あたしは結果の書かれた紙をゆっくりと開ける、その際 ゴクッ と生唾を飲む音が聞こえてきた、たぶんあたしだろう、それだけ緊張しているのだ。

開けて恐る恐る見ると合格という文字が目に入った、その瞬間

 

「やったあああああああああああああ!!!」

 

あたしは嬉しさのあまり大声を上げて飛び上がった、普段こんな事しないから姉さんがとてもビックリしていたが今のあたしは嬉しさではしゃいでいるから気にならなかった。

その後は、合格した事をウララ達、真帆達にも教えた、皆自分の事のように喜んでくれたのが嬉しかった。

ゴルシに関しては今回感謝しかないから会った早々抱き着いたら珍しく狼狽して顔を赤くしていた。

これからあたしはトレーナーの事を学ぶ為にベテラントレーナーのマネ(雑用)として研修しないといけない、今のように一日研究所暮らしは出来ないためあの子達との通話時間を見直さないといけなくなる。

皆が入ってくるまでには立派なトレーナーになっていないと、あたしは改めて気を引き締める

 

 「皆、絶対トレーナーになるから…貴方達も早く来なさいよね。」

 

 

 こうしてトレーナー試験は無事に合格し、これから研修が始まる。

あたしは新たな目標を目指しまた一歩踏み出したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             キャルちゃんのトレーナーへの道は開いた。

 

 

 

                

                  これにて幼少編終了

 

 

 

 

       これから始まる新たなストーリーでキャルちゃんはどうなっていくのか!

 

 

 

 

                 

                   新章突入!!!

 

 

     




あまり今回はウマ娘出てこない回でしたね
これからの展開どうしようかなぁ

ウマ娘もプリコネも無料ガチャ始まってますけど皆さんどうでしたか?
自分は爆死で何も!得られませんでした!
マジで辛いっす
皆さんも深追いはダメですよ?二月後半は一周年ですからそこまで溜めましょう(提案)

今年もよろしくお願いします。
誤字報告、感想お待ちしております。


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閑話 お泊り会

ホント申し訳ないです。
昨日出す予定でしたが寝落ちして今日になりました。
次の閑話も明日になると思います、遅刻しそうで怖いですね。

今作は夏休み編第一作目です、なので続きますよ!
今作は前々から出したかったお泊り会編です、先に正月編でやっちゃってますがね
お泊り会とか憧れありますよね、私した事無いのでちょっとうらやましいです。
え?修学旅行?あれカウントに入るんですか!?




閑話 お泊り会

 

 

 

 これはオグリキャップとキャルが出会う前の出来事。

 

スカーレットと別れてからすぐの事だ、世間では学生たちが夏休み時期になっていた。

あたしはうだるような暑さの中頑張る人達を尻目にエアコンのついた部屋でくつろいでいた。あたしは暑さにも弱いしエアコンの温度も下げ過ぎると返って寒くなるから温めの温度設定がいいのだ。家で犬猫を飼っている人達はちゃんと温度設定を考えてあげようね!っと誰に言ってるのよあたし。

そんな事を考えつつもあたしはベッドに寝転がって参考書を見ていた、トレーナー試験の勉強である、夏休みやら夏季休暇やら同人誌即売会やら話題になっているが受験生にとっては関係ないのだこうして勉強しておかないと受からないのだ、そうしてると扉がノックされた。

 

 「は~い。」

 

 「キャルちゃん入るわね。」

 

姉さんだったみたいで部屋へと入ってくる

 

  「まあ!?」

 

あたしの姿を見て驚く姉さんに

 

 「何かあったのかしら?」

 

と普通に聞くあたし

  

 「はぁ、ウララちゃん達が夏休みの間此処にお泊りしに来たいみたいよ」

 

 「ホント!?」

 

ガバっと起き上がるあたし

 

 「ええ。」

 

クスクスと笑う姉さん

 

でもこうして反応してしまうのは仕方ないのだ、ウララと会えるのだから

 

 「ウララはいつ来るのかしら!」

 

あたしは興奮気味に姉さんに聞く

 

 「何か勘違いしてるようだけど、ウララちゃん達よ?ウララちゃんの他にもライスちゃんやスカーレットちゃんからも連絡来てたわ。」

 

 「ふにゃぁ!?」

 

まさかの全員から連絡来てるとは思わず驚くあたし

 

 「ふふ、どうする?」

 

ニコニコ笑う姉さんに恥ずかしくなるも

 

 「全然OKよ、アタシも皆と会いたいし」

 

と返すと

 

 「ならOKって連絡しとくわ。そうだわ!ここだと味気ないから別の場所を予約しましょう!」

 

 「ちょっ、待って姉さん。あたし達子供だけなんだからここでいいわよ!それに今夏休みだしきっと混んでるわよ!」

 

 「あら、そう?キャルちゃんが言うならそうよね。なら今回は此処でお泊り会ね!ふふっ、キャルちゃんがお泊り会開くなんて!とても嬉しいわ!あら、ヤダ涙が。」

 

 「も、もう!そこまではしゃがなくてもいいじゃない。って涙!?」

 

姉さんが珍しくはしゃいだと思ったら次は泣き始めたのだ、それに驚きテンパるあたしに姉さんが

 

 「大丈夫よ。これはうれし泣きだから」

 

と優しく撫でてくれた。

そんな事がありつつ皆にOKの連絡を送る、皆とても喜んでいたからあたしまで嬉しくなる。

そういや他の子が来る事伝えたかしら?と思いつつも姉さんなら伝えてあるわよねと思い込みお泊り会の日を待つあたしであった。

 

 あれから数日、皆の学校が夏休みに入った事により無事にお泊り会を行う事となった。

今回は子供だけの参加という事で研究所の人がそれぞれ迎えにに行ってくれているのだ、そしてあたしはというと駅で皆が着くのを待っている。

ただ、夏というだけあって照りつける日差しがとても痛いのである、ここまで暑いと溶けてしまいそうだ。あたしは暑さに耐えながら日陰で待っていた。

待っている事一時間、屋内に避難し涼んでいると遠くの方から声が聞こえてきた、よく耳を澄まして聞いてみると

 

 「お~い!キャルちゃ~ん!」

 

とウララの声が聞こえてきた、顔を上げて声の方を見るとウララが手を振りながらこちらに向かって走ってきていた。

あたしも手を振り返す

 

 「ウララ~」

 

ウララはあたしの手前で止まると

 

 「久し振り!キャルちゃん!」

 

と笑顔であたしに聞いてきたのだ

 

 「ええ。久しぶりね、ウララは相変わらず元気そうね。」

 

 「うん!」

 

先程よりもさらに嬉しそうにしながらあたしの隣に座ってきた。ただ、物凄く距離が近い気がする…暑いから離れてほしいがそんな事言えず諦める。ウララとは、今までの出来事やウララの今までの出来事を話したり聞いたりした、互いに話したいことが沢山あるからか途切れる事はなかった。

ウララと話して三十分くらいした頃

 

 「お姉ちゃ~ん!」

 

と聞き覚えのある声が聞こえてきたのだ、再び前を見るとこちらに向かって走ってくるスカーレットの姿が見えた。

勢い良く走ってくる姿はまるで飼い主を見つけた子犬のようだ、あたしの元まで来るとスピードを緩め飛びついてくる。それを受け止めると胸元に頬づりをしながら

 

 「お姉ちゃ~ん」

 

と甘えた声で言ってくる彼女はとても可愛かった。

そして一通り甘えるとようやく隣にいるウララに気づくと一目散にあたしの後ろに隠れる、まるで猫のようだ。

この様子だと姉さん伝え忘れてたなと知りため息をつく。

 

 「えーと、この子はダイワスカーレット、あたしの新しい友達よ。仲良くしてあげてね。」

 

 「ダイワ、スカーレット。スカーレットちゃんだね!うんわかった!スカーレットちゃんよろしくね!」

 

ウララは何時ものように天真爛漫に挨拶をする、そんな彼女を見て少し警戒心を解いたのかあたしの後ろから顔を出し

 

 「ダイワスカーレット、です。よろしく。」

 

と軽く挨拶をして再び隠れる。その様子を見てあたしとウララはクスクスと笑いあった。

その後は少しずつ話しが出来るようになったスカーレットを入れ楽しくおしゃべりタイムを過ごしたのであった。

 

 それから更に一時間後

 

 「お姉様~」

 

と優しい声が聞こえてきた、この呼び方と声でライスと分かってしまう。

スカーレットは再びあたしの後ろに隠れ、ウララはニコニコしている、ウララのこの動じなさは見習いたい。

ライスがこちらまで走ってくる

 

 「待たせちゃってごめんね。」

 

あたしの元まで来ると涙目になり不安そうに謝ってくる、そんなライスに

 

 「全然気にしてないわ、大丈夫よ。」

 

 「うん、ありがとうお姉様。」

 

と微笑みながら言うとふわりと笑うライスにキュンとする。

隣にいるウララと背中にいるスカーレットに気づいたライスが目を白黒させながらあたしの方に向いてくる、まあ、そうなるわよね。

 

 「こっちの二人は前に話した友達よ。」

 

 「私はハルウララって言うんだ!よろしく!」

 

 「ダイワ、スカーレットです。よろしく…お願いします。」

 

 「アハ…ハ、この子恥ずかしがり屋だから許してあげてね。」

 

 「う、うん。えっと、ら、ライスシャワーです!よ、よろしくお願いします!」

 

 「わあ~、ライスシャワーちゃんって言うんだね!よろしくね!私の事はウララでいいよ~」

 

 「う、うん、なら、ウララちゃんて呼ぶね。私の事もライスでいい、よ?」

 

 「わかった!ライスちゃん!」

 

流石のウララ、コミュニケーション能力の高さが凄い、あたしや後ろのスカーレットには刺さるわね、ていうかスカーレットは向こうで友達出来たって言ってたしこの程度の人数なら大丈夫だと思うけど…もしかしなくてもあたしが原因なのだろうか。

ともかくこれで全員揃った訳だ、あたしはスカーレットをウララに預け姉さんに連絡する。連絡し終え戻るとスカーレットが仲良さそうに話してる姿を見て安堵する、あの子はコミュ障じゃなくただ単に恥ずかしがり屋なだけだから恥ずかしがらなきゃ普通に会話できるのだ。

スカーレットママからの話だと性格があたしにそっくりになったと聞いたがあたしの前では見せた事ないから分からない、恥ずかしがってるのだろうか、それとも甘えているからかどっちにしろそのうち見せてくれるだろう。

 

 姉さんが迎えに来てくれあたし達は研究所へと向かう、行く際にスカーレットがあたしと一緒に座りたいとせがんだからスカーレットを膝に乗せて向かっている。研究所にはすでにゴルシがいるし待たせてしまっているから、まあ、ゴルシならそんな事気にしてないと思うが…何か問題起こしてないか心配だ。

 

 研究所に着くと三人ともポカーンとしていた、研究所住みとは教えていたが実際に見ると驚くだろう。あたしもそっち側の立場なら驚くし、そんな三人を連れてあたしの部屋に向かう。

 

 「なんか病院ぽいね」

 

とライスが辺りを見て言う、研究所と言っても特撮や映画みたいに薬品やら怪しげな機械とかは無いし怪しげな実験なんかも勿論ない。

更に進むあたし達、三人ははぐれないようにあたしの手や服を摘まんで付いてきている。時々通る研究所の人達にライスとスカーレットは隠れウララは元気よく挨拶をする、それから何度かそういった事はあったが無事にあたしの部屋の前に着く。

あたしの部屋に設置されているドアは特別製で特定の人しか入れないように設定されてる為結構最先端な見た目をしている、三人共またもポカーンとしていてあたしはそれが面白く笑ってしまう、中に入るとゴルシがベッドに寝転がってテレビゲームをしていた。

 

 「ん?お~う、お帰り!」

 

 「ええ、ただいま。で、何やってるのかしら?」

 

 「見りゃ分かんだろ?ゲームだよゲーム。」

 

 「あたし此処出る前に言ったわよね?」

 

 「ん~。あっ…、え~と、ほら!ある程度は片付いてるだろ?」

 

 「ええ、そうね。机の上だけね。あたし言ったわよね?帰ってくるまでに散らかしたもの片付けなさいって、見間違いかしら…出ていく前よりも汚くなってるのは…」

 

 「「「ひぃ!」」」

 

後ろから悲鳴と後ずさる音が聞こえてきた

 

 「お、オイ待てよ、キャル。そんないい笑顔でどうしたってんだ?すぐやるからもう少し…」

 

 「ふふ、いつもいつもそれ言ってるわよね?でも今日という今日は許さないわ。」

 

 「まっ」

 

 「ふふふ」ニッコリ

 

 「ぎゃあああああ」

 

ゴルシにOSIOKIをし終え三人に振り向くと扉の前で震えていた

 

 「ご、ごめんなさいね。片付けるからもう少し待ってて。なんならベッド使ってもらってもいいから!」

 

 「も、もう怒ってない?」

 

 「ええ、もう怒ってないわ!」

 

 「ほんと?」

 

 「ええ!ほら!ね?」

 

精一杯笑顔を作ると

 

 「ぅ~」

 

とスカーレットが泣きながら抱き着いてきた

 

 「そんなに怖かったのかしら…」

 

チラッとライス達を見ると

 

 「あっ、えっと、うん。怖かったかな」

 

 「キャルちゃんの目がこーなってたから怖かった!」

 

と言われ少しへこむ、だってあれはゴルシが悪いんだから仕方ないじゃない。スカーレットの頭を撫でつつあたしはため息をつく。

それからあたしはウララ達にも手伝ってもらい片付けをした。

 

 部屋を片付け終えてひと段落する

 

 「んじゃ、初めましてだな!アタシはこのキャルの【唯一無二の親友】のゴールドシップだ。気軽にゴルシちゃんとでも呼んでくれ。」

 

 「「「むっ!」」」

 

ゴルシの自己紹介を聞いた途端頬を膨らます三人

 

 「私は!キャルちゃんの【一番最初に友達になった】ハルウララって言うの!よろしくね!」

 

 「「むむっ!」」

 

 「わ、私はキャルちゃんの【は、初めてを貰った】ライスシャワーでしゅ!」

 

 「「なっ!?」」「?」

 

イヤ、そこでこっち向くのなんなの、あと初めてって…言い方ぁ!ていうか何かライスにしたっけ?(覚えてない)

 

 「ぐっ!あたしは!【お姉ちゃんの妹】のダイワスカーレットよ!」

 

妹だったのか!?どけ!あたしはお姉ちゃんだぞって感じかしら、ていうか何か皆バチバチしてないかしら?喧嘩はしてほしくないわね。

 

 「自己紹介無事に終わったみたいね。あたしは皆の布団持ってくるから待っててね。」

 

 「あっ!ウララも手伝う!」

 

 「わ、私も!」

 

 「貴方達はお客様なんだから此処にいなさい。大丈夫よ、こう見えてあたし力持ちだし」グッ!

 

あたしは皆を部屋に残して出ていく、これには一応考えがあってあたしがいるとあたしを主軸にして話すから仲良くなれない、あえてあたしが抜け皆が仲良くなってくれればという考えで一人になった訳だが…少し不安が残る。

 

 あたしが布団を持って部屋に入ると

 

 「ちょっと!あたしにも見せなさいよ!」

 

 「そんなはしゃぐなよな、アルバムは逃げてはいかないんだからな」

 

 「小さいお姉様…ジュル」

 

 「うわ~かわいい~」

 

 「ふふそうよね、この頃のキャルちゃんは借りてきた猫みたいに今みたいに明るい子じゃなかったのよ」

 

姉さんが増えており、あたしのアルバムを見ていた

 

 「ちょ、ちょっと、何でそんなの見てるのよ!恥ずかしいからやめて!」

 

 「あら?いいじゃない、皆キャルちゃんのこと知りたがってたんだし」

 

 「私キャルちゃんの事もっと知りた~い!」

 

 「「「わ、私(あたし)も~!!!」」」

 

 「あ、あたしのこと知っても別にあんた達に何の得も無いじゃない…」

 

 「違うよ?私キャルちゃんの事知れたらとっても幸せな気分になれるの、それにもっと仲良くなれると思ったの!」

 

 「ウララ…。」

 

 「ふふ、キャルちゃん、大丈夫よ。此処にいる皆はあなたの事大事に思ってる子ばかりだから酷い事は言わないわよ。」

 

姉さんに言われドキッとする、小さい頃、正確に言うと転生して間近の頃は今みたいに精神が安定してなくていろいろ不安定な状態だったから気味悪がられるのが怖かった、皆に顔を向けると笑顔であたしを見ておりあたしだけが不安がってたのがバカらしく感じた。

とは言っても恥ずかしいってのもあるにはあるからアルバムを取り上げる

 

 「はい!もうおしまい!布団敷くの手伝いなさい!」

 

 「ええ~、もうちょっとみたいよ!」

 

 「そうだそうだ~」

 

 「いいから始めるわよ!」

 

 「アハハ…お姉様恥ずかしがり屋さんだからね」

 

 「そうなの?」

 

 「ふふ、ええ。キャルちゃんは恥ずかしがり屋さんなのよ、でも皆の事大切に思ってるのは本当だから心配しないでね。あの子も見るなとは言ってないから後で見れるわよ。」

 

 「あっ、ホントだ!言ってなかったね!ふふ、よ~し!今日はもっとキャルちゃんと仲良くなるぞ~!」

 

 「わ、私も!頑張るぞ…お~!」

 

 「ふふ、私も応援してるわよ。二人共頑張ってね!」

 

 

 あたし達が布団を敷き終えると皆自分の布団決め始めた、今回あたしのベッドは使わない予定だ。自分だけベッドで寝るは気が引けるからね。

気が付いたらあたしを中心にして円型になっていた、何かの儀式かな?

 

 「あたしは此処だからね!取らないでよゴルシ!」

 

 「んなもん取るわけないだろ、キャル囲って寝るんだから何処も一緒だ。」

 

 「ふっ!それは違うわよ!ここのポジションだとお姉ちゃんの顔が近くで見れるのよ!」

 

 「なん…だと…っ!」

 

 「あ~確かにそうだね!」

 

 「でも、寝返りしたら見えないよね…」

 

 「スカーレット!おめぇもまだまだ甘いぜ!アタシがいる所はキャルのケツが見ry」

 

 「あんたは何言ってんのよおおおおお!」

 

 「アベシッ!」

 

 「なん・・・ですって・・・っ!」

 

 「いや、あんたものらなくていいから」

 

 「私はお姉様とお手々繋いで寝たいな」

 

 「私はキャルちゃんとお話ししながら!」

 

とそれぞれ言い合う彼女らに自然と笑みが出る

 

 「ほら、お昼食べに行くわよ。」

 

 「「「「は~い」」」」

 

 食堂へ着くとお昼時で賑わっていた

 

 「うわ~すご~い!」

 

 「病院みたい」

 

 「向こうで買えるみたいだよ」

 

と三人食堂を見回していた、あたしとゴルシは何時もの光景だからあまり気にならないが、初めて見る三人にとっては新鮮で驚くのは当然だろう。

皆で食券機まで行くとよくあたしに話しかけてくれる女性研究員が見やすいようにと台を用意してくれた、あたし達は順番に乗って決める。

 

 「沢山あるから迷ちゃうね!」

 

 「う、うん。ウララちゃんは何にするの?」

 

 「う~んとね~、あっ、オムライス!私オムライスにする!」

 

 「え~と、じゃあ私は…唐揚げ定食にするね。」

 

 「次はあたしね!え~とっ。」

 

 「スカーレット、お子様ランチもあるわよ。」ボソボソ

 

 「もう!お姉ちゃん子ども扱いしないで!」

 

 「でもよ、ここのお子様ランチ頼むとキャルのブロマイドとかグッズがおまけで付いてくるぞ」

 

 「え!?ならお子様ランチにする!」

 

 「ちょっと待って!アタシそんな事一度も聞いたことないわよ!何時からよ!てか何時の間にそんなの出来てるのよ!?」

 

 「いや~アタシに聞かれてもな~前に頼んだら付いてきたし」

 

 「お姉ちゃん…ダメ?」ウルウル

 

 「うっ!しょ、しょうがないわね」

 

 「イヤ、お前チョロすぎるだろ…」

 

 「し、仕方ないじゃない!あんな目でお願いされたら断れないわ!」

 

 「はぁ~、ほれ次アタシ達みたいだから早く決めんぞ。」

 

 「…ええ。」

 

で、後ろの人達にもこれ以上迷惑かけてしまうのはあれなので急いで決めるあたし、結局あたしはラーメン定食、ゴルシはステーキ定食を選びそそくさとその場を離れた。

 

 

 「「お、美味しいいいいい!」」

 

 「あ、美味しい。」

 

ウララとスカーレットが叫び、ライスは口に手を当て驚いてる。そう、ここの料理は無駄に美味なのだ、最初の頃あたしは無料だと知り食べ過ぎて動けなくなったこともある。病院ぽいから病院食を想像するだろうが全く違う、有名シェフが作ったような料理なのだ、しかもこれが無料…姉さんっていったい何者と常々思う。

 

 「ホント此処の調理師何もんだよ、何か知らないのかキャル。」

 

 「知るわけないでしょ、あまりそういった話した事ないし…あたしは住まわせてもらってる身だから。」

 

 「そっか。」

 

そう言ってゴルシは食事を続ける

 

 「お姉ちゃん!見て見て!お姉ちゃんの写真!」

 

とスカーレットがあたしが写ったブロマイドを見せてきた、てか、これ前に研究員の人がカメラの試し撮りしたいって言ってきて撮ったやつじゃない!?

そこには照れつつも控えめにピースしてぎこちなく笑うあたしが写っていた。も、もう少し良いのなかったの恥ずかしい!

とこんなこともありつつも皆で昼食を終える、今はあたしの部屋に戻っている最中だ。

 

 「ここ広いんだね~」

 

 「そうね、結構広いわよ、運動できる所もあるし体動かしたなら案内するわよ。」

 

実際あたしも行ったことない部屋もあるから分からない事もある。

あたしの部屋に着くと皆ベッドに座ったりテレビ見たりと思い思いに過ごし始める、あたしの部屋は基本的にゴルシの私物が多く遊べるものは大体ゴルシが持ち込んできたものだ、あたしの私物は数冊の本と着替えくらいだろうか一応あたしは住まわせてもらっている身なので娯楽品を買ってもらうのに少し罪悪感があったから結構遠慮していた。

まあ、遠慮してたから部屋が殺風景になってるんだけどね。たまに気を利かして姉さんや真帆がぬいぐるみ何かを買ってくる時がある。そのぬいぐるみはちゃんと棚に飾ってある。

そんなわけで遊べるものが少ないのだ、もしゴルシと出会ってなかったら遊べなかったと思う。

あたしが皆に顔を向けると

 

 「あ~!ゴルシ今のずるい!」

 

 「ずるくないぞ、ちゃんとした技だからな」

 

 「うわ~ライスちゃん上手だね~」

 

 「そ、そんな事ないよ。あっ、ここはこのボタン押すと攻撃できるよ。」

 

某大乱闘ゲームで盛り上がっていた

 

 「お姉ちゃ~ん!あたしの代わりにゴルシやっつけて!」

 

 「ふっふっふっ!アタシの勝ち!何で負けたか明日までに考えといてください。そしたら何かが見えてくるはずですよ。ほな、いただきます。」

 

 「むきっ~~~~!!!!」

 

ゴルシに散々煽られたのだろう、スカーレットの顔が真っ赤になって涙目になっていた。

 

 「ほら、貸しなさい」

 

あたしがスカーレットに手を出すと笑顔になり妙にキラキラしていた

 

 「お姉ちゃん!お願い!」

 

 「おっ!キャルが相手か、久々だから楽しみだぜ!」

 

 「もう、少し手加減しなさいよね」

 

 「できたらな~」

 

あたしとゴルシは対戦に没頭した。ちなみにだが四人でやっているがウララとライスはステージの隅で教え合いっこしながらやっていた、とても可愛かったとだけ言っておこう。

結局同点で終わりゲームをやめた、スカーレットは未だにゴルシにちょっかい掛けられており、ウララとライスは絵本を読んでいた。

そうそう、ライスの好きな絵本、たしか青いバラのだが苦労して見つけ買っておいたのだ、ライスが此処に来るときに喜んでもらえるようにね。

渡したとき抱きつかれたのはいい思い出だ、あたしはそんな中参考書を読みながら時間を潰していた。

一対一なら何とかできるが一対多の時の遊びをした事が無いからこうゆう時どうしたらいいか分からないのだ、あたしにコミュニケーション能力がもっとあればみんなで楽しく遊べたかもしれないのにと思いため息をつく。

 

 それから数時間、姉さん達が部屋に入ってきたのに気付き顔を上げる。どうやら集中していたからノックに気付かなかったようだ。

あたしの膝には疲れたのか寝ているスカーレット、奥を見ると布団の所で絵本を開きながら寝ているウララとライス、あたしの隣で小説を読んでるゴルシと大半が寝ていたのであった。

 

 「あらあら、おやつ持ってきたのだけど要らなかったかしら?」

 

 「うみゅ!おやちゅ!」

 

姉さんのおやつという言葉に反応して起きるスカーレット、寝起きな為に舌足らずな喋りになってて可愛らしかった。

 

 「ありがとう、机に置いといてもらえるかしら。」 

 

 「ええ。それと、せっかく来てもらったんだからちゃんと遊ばないとダメよ?」

 

 「うっ!は~い。」

 

姉さんに注意されるあたし、確かにほったらかしにし過ぎたのは反省点だ、夢中になると周りが見えなくなるのは癖だから直ぐには直せないが…。

おやつの為一度皆、といってもウララとライスを起こして食べる。わざわざ買ってきてくれたのか結構色とりどりだった、スカーレットやウララなんかは嬉しそうに食べてるし、ライスも美味しそうに食べてる。その顔を見てるだけで癒されるがあたしも早く食べないと無くなりそうな勢いで減っていってる、あたしは目の前にあるケーキを食べる。

 

 おやつを食べ終え、皆でテーブルゲームで遊ぶ、麻雀やチェス何かはウララやスカーレットが分からないから簡単なトランプになった。

ババ抜きやら真剣衰弱をして遊んだ、他にもUNOやら(こっちの世界ではUMAらしい)人生ゲームなんかもした、ゴルシが持ってきた物だからか内容も凄かったがまあまあ楽しめた。

終わる頃には夕食時になっており皆で食堂に向かい夕食を食べる。

 

 夕食を食べ終え、お風呂に入る事にする。

お風呂はあたしが何時も使っている所だと狭いから大浴場を貸してもらい皆で入る、ここ使うのは何気に初めてだからあたしも少し楽しみだ。

 

 「うわ~広~い!」

 

中に入ると銭湯くらいの広さだった、シャワーブースは勿論サウナ室まである、仕切り板の多さが気になるが…あたしは驚きつつも大人しく体を洗うのであった。

洗い終えあたしがお風呂でくつろいでいると

 

 「お姉ちゃん!前みたいに洗って!」

 

 「もう、一人で洗えないのかしら?」

 

 「やっ!お姉ちゃんに洗ってもらいたいの!」

 

 「分かったわ、ほら行くわよ。」

 

 「やった!うん!」

 

とスカーレットがおねだりしてきてので大人しく言うことを聞く事にし、スカーレットの髪や体を洗ってあげる、その際あたしの体とかも洗われたが気にしない事にする。

再びお風呂に浸かっていると

 

 「キャルちゃん!洗いっこしよ!」

 

 「え?…ええ。」

 

この時あたしは考える事をやめた、皆一緒に入ってるから洗っている事は知っていると思われがちだがお風呂場は所々に仕切がありお風呂に浸かると洗い場が見えなくなるのだ、シャワーブースにも一つ一つに仕切りが付いている、プライバシー的なアレだろう。その為あたしが洗っていた事はみんな知らないのだ、くっ!こうなるなら皆と一緒に洗っとけば…。

ウララと洗いっこ済ませお風呂に戻る、流石に三回も体洗うとヒリヒリするなあと思ってると

 

 「お、お姉様。あ、あのね」

 

 「洗いっこね?」

 

 「ふぇ?あ、うん!凄い!お姉様私の考えてる事分かってるみたい!」

 

 「ふふ、ええ。何となく分かっちゃたわ。」

 

こうして本日三度目の洗いっこが行われる

 

 「あれ、お姉様の髪なんかちょっと変、クンクン…あれ?もしかしてもう洗っちゃった?」

 

 「え!?」

 

 「それに体…何か少し赤くなってる…」

 

 「そ、それはあれよ!お風呂入ってたからで…イッ」

 

ライスに肌を撫でられる、何度も洗ったから肌が少し炎症していたのだ、だから軽く撫でられるだけでもチクッとした痛みがはしる。

 

 「やっぱり。ウララちゃん達に洗ってもらったんだよね?」

 

 「え、え~と。…はい。」

 

 「もう!そうゆう事は早く言ってくれなきゃメっだよ!」

 

 「怒らないの?」

 

 「怒らないよ?でも私のお願いでお姉様に辛い思いさせてたと思うと少し悲しいな。」

 

 「~~~っ!!!」

 

悲しそうな顔のライスをを見てあたしは言葉にできないような悲鳴を上げライスに抱き着く

 

 「お!お姉様!?」

 

 「ごめんなさい。あたしあなたの悲しい顔を見たくないのよ。今回の事はあたしが悪かったわ、今度からちゃんと言うから。」

 

 「うんっ。うん、約束だよ?お姉様。」

 

 「ええ。」

 

あたしはライスの髪を撫でながら言う、何かライスの息が荒いが大丈夫だろうか

 

 「ハァハァハァ…オネエサマオネエサマ」

 

とりあえず落ち着くまで撫でとこうと思い撫でていると

 

 「あ~っ!ライスちゃんずるい!あたしもお姉ちゃんにギュってされたい!」

 

スカーレットがお風呂場からこちらに走ってくる

 

 「スカーレット!走ると危ないわよ!」

 

注意するも緩めずこちらに走って来る、ぶつかると思い身構えるが途中で失速しあたしの腕に飛びつく。

 

 「はぁ~、びっくりするじゃない。」

 

 「えへへ、お姉ちゃんに抱き着きたかったんだもん!」

 

 「だもんじゃないでしょ。」

 

いろいろあったがお風呂は何とか乗り切った、そういえばゴルシは何処にと思い探すとサウナ室にいた、今まで此処にいたのに驚きだが大丈夫なのだろうかと思って見ていると目が合いサムズアップする。大丈夫のようだ、あたしはのぼせないように言いお風呂に入りに行く。

それから一時間くらい経ってから出た、あたしはのぼせたが何とか着替え今は部屋で休んでいる。姉さんが気を利かせアイスを持ってきてくれたから皆で食べる、ひんやりして体全体に冷たさが周り気持ちがいい、それを堪能しながら食べる。一気に食べると頭にくるからゆっくりとだけどね。

食べ終わった後は皆で歯磨きをして寝るのだが、布団に潜るが全く眠りに付けない、それは皆も同じようで眠くなるまでおしゃべりしようとなった。

と言っても話せる事が限られてくる。そうだ、女子ってこうゆう時恋バナするんだっけ(漫画知識)そう思い付きあたしは皆い聞く

 

 「そういや、あんた達好きな人とかいるの?」

 

 「ん?私はキャルちゃん!」

 

 「わ、私もお姉様が…シュキ。きゃー!////」

 

 「お姉ちゃん!」

 

 「なら、アタシもこの波に乗って!キャル愛してるぜ!」

 

 「そ、そう。ありがとう。ってそうじゃないでしょ!こうゆう時って普通男の名前言うもんでしょ!」

 

 「男の子?ん~、ウララ男の子よりキャルちゃんと居たほうが楽しいしな~」

 

 「わ、私は男の子は少し苦手だから…」

 

 「あいつらすぐちょっかい掛けてくるから嫌いよ!この前だってからかってきたし…思い出したらムカついてきた~」

 

 「男な~、興味無さ過ぎて最近視界に入れてすらなかったな。」

 

 「えぇ…。」

 

ウララやライスは分かる、スカーレットちゃん?それ君に気があるからだよ?と言ってもたぶんすっごい嫌ってるみたいだからその男の子には合掌、ゴルシに関しては論外。ここにいる子達特殊過ぎて話にならないわと思った。

 

 「じゃあ、次の話題を…ライス!お願い!」

 

 「ふぇ!?私!?え、えっと…お姉様、好きな人いる?」

 

 「ヴぇえ!?」

 

まさかのキラーパスで変な声が出る

 

 「それあたしも気になる!」

 

 「アタシも~」

 

 「ウララも!」

 

と先程とは段違いに真剣な表情で言う三人

 

 「え~言わないとダメなの?」

 

 「うん。言ってほしいな。…それとも、もしかして好きな人いるんじゃ…」

 

後半からライスの瞳のハイライトが消え声が低くなる

 

 「い、いないから!あ~もう!あたしが好きなのは姉さん、真帆、此処にいる皆!これで満足でしょ!」

 

 「お~男の気配は今の所無いみたいだな~」

 

 「男の人なんて此処の研究員と護衛の人達以外接してないわよ?」

 

そう言うと皆安堵した表情へと変わった、何だというのだろうか…あたしは疑問に思いつつも次の話題を聞いてくのであった。

それから、数分話す事もなくなりどうしようか迷ってると

 

 「スカーレット!食らえ!」

 

 「ギャフ!」

 

枕が顔に当たり後ろにコロンと倒れるスカーレット

 

 「っ!何すんのよっ!」ブン

 

お返しとばかりに投げ返すスカーレットに

 

 「お前の攻撃は見切ってる!」

 

と言って避けるゴルシ

 

 「ムぅ~!」

 

そんな感じで二人の枕投げが唐突に開催された、あたしとウララ、ライスはその光景を眺めているだけだったが急にこちらにも枕が飛んできた、慌てて避けて、飛んできたほうを見るとゴルシがニヤニヤしていた。

あたしは飛んできた枕を投げ返しそれを手に持っていた枕で打ち返すゴルシ、そしてウララの方に飛んで行き頭に当たる。

 

 「やったな~!え~い!」

 

ウララまでもが参戦、見ているだけとなったライスは次が自分に来ると思い枕を頭に乗せ警戒している、そんなライスに軽く枕を投げて当てる。

あたしの方を驚いた表情で見るライスに笑いかけると目を輝かせ枕投げに参戦してきた、どうやら遠慮していたようだ。

こうして全員で枕投げが行われた、ウマ娘という事もあって枕が飛び交うスピードが尋常じゃないが目で追えるし取れるからまだいい、これがヒトだったら大惨事だろうとそんな事考えつつあたしは飛んでくる枕を避け投げる。ウララは投げるが飛距離があまりなく途中で落ちているそれによく当たってる、スカーレットはゴルシ中心で狙ってるようでゴルシと激しい戦いをしていた、そんな中ライスは枕を投げ飛んで来たら布団に潜りガードを繰り返していた、ゴルシはスカーレットの攻撃を避けつつ無差別攻撃をしている、攻撃されてるのに器用なもんだ。そんな感じで遊んでると時間を忘れてしまう、気づいた時には遅かった。ゴルシが投げた枕が扉へと向かい丁度入ってきた姉さんの顔に当たる、それも結構いい音を出して。

あたし、スカーレット、ライスは顔を青ざめ、ゴルシに関しては「やべっ」と声を出している、ゆっくりと顔に張り付いた枕を取るそして物凄くいい笑顔で

 

 「フフッ、寝 な さ い 

 

と言い放つ

 

 

 「「「「はい」」」」ブルブル

 

あたし達は震えながら返事をしそのまま寝るのであった。ちなみにだが何時も間にか疲れて先に眠っていたウララは無事であった。

 

 翌日、昨日の事を皆で姉さんに謝まり何とかなったのだが姉さんを怒らせてはいけないと皆が思った。

 

これがあたしが初めて経験したお泊り会である、前世でもした事なかったからとても楽しかった、今後もこういったことあればいいなと思う。

 

 

 

 

 

 これはまだ夏の始まりにすぎない!まだまだ滞在する彼女達、果たして今後どういったイベントがあるのだろうか!

 

 

 次回作へ続く

 

 




最近夜起きてるのが辛くなってきた老人です、寝落ちばかりで全然作業だ進まない…
皆さんも私みたいに無茶しずに休む時はちゃんと休んで下さいね、倒れてからでは遅いですから。

そういや、プリコネ二期始まりましたね、相変わらずの作画そして可愛すぎるキャルちゃんもう最っっっ高ですね!
ウマ娘にキャルちゃんのサポカ来ないかな!

ウマ娘の方はレーシングカーニバルっていう面倒くさいイベ来てますね。イベントレベル5因子作るの大変でした、地味に相手さん強いし。ともかく結晶とチケとピースは全て交換できました、まだ少し時間あるのでマニーように頑張りますね。
次回のガチャに恐怖しながらの今日この頃です。

それにしてももう二月ですよ。早すぎません?あれ?この前お正月でしたよね?
日にち感覚バグっててもう良く分からなくなってます
何もできず一年終わりそうで怖いです。

感想頂けると嬉しいです。お待ちしております
誤字報告もよろしくお願いします。
何時もして下さってる人達にはとても感謝しています、ありがとうございます。
意見なども募集してますので気軽にどうぞ。
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閑話 掲示板回 part1

またしても遅刻です。ごめんなさい。
やはり眠気には勝てないですね。今後はゆっくり出すんでご了承ください。

今回は初の掲示板回です、キャルちゃん達は出てきません

まだ寒い日が続きますが皆様も体調にはお気をつけて
コロナもまた流行ってきてますし、何時になったら前の生活できるんですかね~


 【朗報】可愛い猫耳少女見つけた【トレーナー試験落ちた】

 

 

1:名無しの受験生 ID:lAVNw0ZZ+

 

可愛かった。

 

2:名無しのヒト属 ID:N2Qb6vjXo

 

落ちてて草

 

3:名無しのヒト属 ID:H5Xxn4fOl

 

いっち元気出して 

 

4:名無しのヒト属 ID:41TyNe2ZE

 

落ちたショックで幻覚見たんだよ

 

5:名無しのヒト属 ID:cnRRIEJTl

 

散々な言われようで草 

 

6:名無しのヒト属 ID:anV04V+yQ

 

猫耳って、コスプレした子がいたんか…

 

7:名無しのヒト属 ID:IlMeY9ddM

 

試験受けるのにコスプレするのはおかしいだろ

 

8:名無しのヒト属 ID:EjIyMphWk

 

記念受験じゃないの?

 

9:名無しのヒト属 ID:KxhVR6Cyw

 

記念受験にしてもコスプレして行くとか強すぎだろ

 

10:名無しのヒト属 ID:JQhZCOV4i

 

お前ら少女ってとこ気にしろよ

 

11:名無しのヒト属 ID:CKz9LHiTh

 

少女…何歳から何歳までが少女なんだよ

 

12:名無しのヒト属 ID:4PjIV8yZo

 

そりゃ7歳~17歳くらいまでの子じゃないのか?

 

13:名無しのヒト属 ID:XMkG6E6t5

 

は?まだ高校生じゃねぇか、トレーナー試験って中卒でも受けれたのか? 

 

14:名無しのヒト属 ID:vEImKeS+s

 

今公式見てきたけど年齢制限は無かったな。 

 

15:名無しのヒト属 ID:xzh8n0cdt

 

そりゃあ高校生くらいの年で難関なトレーナー試験受ける奴とかいないだろ、名門出てる奴でさえ落ちる確率高いんだから

 

16:名無しのヒト属 ID:qMmiA5OrB

 

待って、いっち受けたのって地方のトレセンか? 

 

17:名無しのヒト属 ID:mk7waNNFU

 

地方でも倍率高いし、結構難しいって聞くけど

 

18:名無しの受験生 ID:KY6+yddSi

 

オレが受けたのは中央だぞ

 

19:名無しのヒト属 ID:Hp7TrZDi3

 

は?

 

20:名無しのヒト属 ID:DFxzpQIvE

 

そりゃあ落ちるのは仕方ない、いっち来年頑張って

 

21:名無しのヒト属 ID:zkNs3Kgjl

 

そういや今年の中央受験生って三千前後って聞いたけどマ?

 

22:名無しのヒト属 ID:awIA0uoEk

 

正確には3415人だぞ

 

23:名無しのヒト属 ID:Tep8Kc/1Z

 

ヒエッ

 

24:名無しのヒト属 ID:kimWAw7zC

 

中央エグいな、まあ、日本のトレーナーが目指す頂点だもんな

 

25:名無しのヒト属 ID:7h9wMY4Ex

 

毎年そんくらい受けて受かるの十数人しかいないって考えると相当ヤバいよな

 

26:名無しのヒト属 ID:5ebXP++wC

 

中央だから仕方ない

 

27:名無しのヒト属 ID:8IAlRJbeG

 

んで、その難関かつ中央のトレセンに少女がいたわけですか。いっちそれたぶん幻覚や、ゆっくり休んで

 

28:名無しのヒト属 ID:kJm+qdZCb

 

確かに信じ難いな

 

29:名無しのヒト属 ID:ziJy0aELg

 

どんな子だったんだ!教えろください!

 

30:名無しの受験生 ID:7J8V6O7Nl

 

いや、ホントにいたんだって猫耳に尻尾まで生えてる子。作り物にしてはリアル過ぎたし、何よりぴょこぴょこ動いてて可愛かった。それに小さいながらも結構美人さんでした。

 

31:名無しのヒト属 ID:J8ADxSSmh

 

見たい

 

32:名無しのヒト属 ID:ScLYRUOdI

 

それな

 

33:名無しのヒト属 ID:2WAsogZRj

 

え?ってことはモノホンですかい?

 

34:名無しのヒト属 ID:53wyTwWUh

 

可愛い美人とか勝組やないか 

 

35:名無しのヒト属 ID:W9arhp79o

 

で、その子がどうしたって?

 

36:名無しの受験生 ID:KhcoqzFZE

 

オレ、一次試験で落ちてるからその後は知らないんだわ。試験会場も違ったし、見たのは受付待ちの時だからな

 

37:名無しのヒト属 ID:8Vzv/o+w1

 

はぁ~つっかえ!辞めたらこの受験?

 

38:名無しのヒト属 ID:fBm2RqaWj

 

もうすでに落ちてるんだよな~

 

39:名無しのヒト属 ID:o6ZyIXxLU

 

誰か一次試験受かった奴いないのか?

 

40:名無しのヒト属 ID:jTQOkTLPF

 

あ~、俺一応一次通った、いっちが落ちてたから言いだせなかったわ

 

41:名無しのヒト属 ID:BThtbLavm

 

ぐう有能。 

 

42:名無しのヒト属 ID:4bQzSRvO7

 

中央の一次通るとかクソ頭いいやん、交換しよ?

 

43:名無しのヒト属 ID:SV0ZC+0Mk

 

で!その女の子のことについて知ってんだよね!

 

44:名無しのヒト属 ID:O6rlIcfuK

 

あ~休憩時間に見たぞ 

 

45:名無しのヒト属 ID:J3OAVZrl/

 

ちょい見にくいな一次受かったニキ名前変えようぜ 

 

46:名無しのヒト属 ID:xJX1WoxIf

 

了解

 

47:名無しのヒト属 ID:gxJ3h0aFh

 

いや~それにしても運良いな、このスレに受かってる奴いて 

 

48:名無しのヒト属 ID:rsYipjkQ+

 

ほんまな

 

49:名無しの一次受かった受験生 ID:/ekd6mgdU

 

変えてきた

 

50:名無しのヒト属 ID:VfEH1B9Lg

 

いっちの精神殺しに掛かってて草

 

51:名無しのヒト属 ID:sXADGxsZz

 

まあ、こればかりはしょうがないね

 

52:名無しのヒト属 ID:hN01dus4k

 

じゃあさっそく教えてくれ受かった方

 

53:名無しのヒト属 ID:uDNNSIFdv

 

受かった方www

 

54:名無しの一次受かった受験生 ID:YxPoJUfWc

 

俺が見たのは休憩時間飯食ってる時だな、ホントたまたま近くにいたから気づけた。確か女性の受験生達に囲まれて撫でられてたわ

 

55:名無しのヒト属 ID:uf7CSaEFJ

 

え?何それ、羨ましい俺も撫でられたい

 

56:名無しのヒト属 ID:l9nSBXwtR

 

親にでも頼め

 

57:名無しのヒト属 ID:E8q2hVEqQ

 

やっぱり小さいから女性達には人気出るんですね~ 

 

58:名無しのヒト属 ID:qSRzGeqqH

 

その子大丈夫だったんか?囲まれてたって…小さいから大人の女性でも大勢で囲まれるのは恐怖もんだぞ

 

59:名無しの一次受かった受験生 ID:H4+5CnukX

 

その辺は大丈夫だったぞ。皆謝ってたし、最後は皆と仲良くご飯食べてた。ただ量がえげつなかったが… 

 

60:名無しのヒト属 ID:JdedZ8E1w

 

量?飯のか?

 

61:名無しの一次受かった受験生 ID:6HkQHPXRu

 

ああ、重箱二、三個平らげてた

 

62:名無しのヒト属 ID:EnmF/dr6i

 

それ、ウマ娘じゃないの?

 

63:名無しの一次受かった受験生 ID:eiHs+aKbh

 

いや、いっちの言った通り猫耳少女やぞ

 

64:名無しのヒト属 ID:M3y4DXhPh

 

これで、ますますヒトじゃないと判明してきたな

 

65:名無しのヒト属 ID:vIuk1DN5f

 

でも、耳生やしたってウマ娘しかいないだろ?ならその子何もんだよ?キメラか何か?

 

66:名無しのヒト属 ID:NTTnSQeVE

 

キメラやめい。でも確かに、ウマ娘以外の種族なんて聞いた事無いぞ

 

67:名無しの受験生 ID:wFv/WuNZG

 

すまん、今更ながら思い出したんだが…

 

68:名無しのヒト属 ID:+V01/zbON

 

いっちじゃん生きてたんだ

 

69:名無しのヒト属 ID:Rc3+d7qoi

 

辛辣っう!

 

70:名無しのヒト属 ID:wMkTjZJ01

 

何を思い出したんだ?

 

71:名無しの受験生 ID:8QCvpRzZX

 

数年前に新しい種族が誕生したとかニュースで連日放送してただろ?その直ぐ後例のウマ娘が歴史的快挙達成させたから忘れ去られたが…

 

72:名無しのヒト属 ID:oTrY/QAv2

 

そういやしてたな、詳細までは教えてくれなかったが

 

73:名無しのヒト属 ID:/gfylbRNO

 

上の連中が隠してたからな、写真さえ無かったぞ

 

74:名無しのヒト属 ID:PYgE4SVIY

 

あ~、あれね。都市伝説にもなってるあれ、俺も阿保らしいと思って信じて無かったわ

 

75:名無しのヒト属 ID:R/IjnZvH7

 

あったあった、確かネコ娘だっけ?安直なネーミングだよな

 

76:名無しのヒト属 ID:HUQYt1sNp

 

あっ。

 

77:名無しのヒト属 ID:8dH3t/hl9

 

そうか、そうだったのか

 

78:名無しのヒト属 ID:1OIbIBffZ

 

いっちの言いたいこと分かったわ 

 

79:名無しの受験生 ID:uMMWo44Xd

 

そうそう、そのネコ娘。それが例の子なんじゃないのか?

 

80:名無しのヒト属 ID:y0pTpBO9c

 

確かに言われれば、何で気づかなかったんだろう。

 

81:名無しのヒト属 ID:XYUdOXT8b

 

まあ、曖昧な情報ばかりで信憑性皆無だったからな当時は。皆信じてないから忘れ去られたんだろ

 

82:名無しのヒト属 ID:TBI/5AWPR

 

ってことは、猫耳少女は実在したってことか?

 

83:名無しのヒト属 ID:qtouY3se6

 

二人、というかその試験受けた奴らが目撃してるわけだし実在したんだろ

 

84:名無しのヒト属 ID:cvQIJIayb

 

マジか!ウマ娘みたいに可愛くて速いのかな?

 

85:名無しのヒト属 ID:bHCySK/8O

 

いや、ネコだから速くはないだろ… 

 

86:名無しのヒト属 ID:/1c5V/Jj7

 

でも、ヒトより速いのは確定だな

 

87:名無しのヒト属 ID:iJ6n+oZ+Q

 

てか、どうやって生まれたんだ…ネコとヒトが交尾して生まれたのか?

 

88:名無しのヒト属 ID:YAgguueWr

 

おいやめろ、怖すぎだろ

 

89:名無しのヒト属 ID:1zq0B5giM

 

そんな事どうでもいいだろ!考えるだけ無駄だろ、国のトップらが隠してるんだから一般人の俺らには一生知らされない事だ。

それよりも可愛いってとこが重要だろ、姿見た事ないから妄想しか出来ないがこれはとても期待。

 

90:名無しのヒト属 ID:e33KYb9/K

 

確かに、ウマ娘じゃなくてネコ娘一号ちゃん早く見て見たい。

 

91:名無しのヒト属 ID:WzmCAivOZ

 

その子受かったのか? 

 

92:名無しの一次受かった受験生 ID:99Pf27YCe

 

結果は後日だからそこまでは知らん

 

93:名無しのヒト属 ID:+Hk8hPZ6K

 

まっそうだよな

 

94:名無しのヒト属 ID:MhaBBsDQ/

 

俺らは何時も通りレース楽しんで見てればええんやで?そのうちその子が育てたウマ娘が出てくるやろうし、その際姿見れるんじゃないか?

 

95:名無しのヒト属 ID:oWEw0FuAz

 

おお~、その日が楽しみやな!

 

96:名無しのヒト属 ID:EGuS5a3DV

 

受かってたらが付くがな

 

97:名無しのヒト属 ID:e0gbKWmTW

 

俺、その子が受かるように神頼みしとこ 

 

98:名無しのヒト属 ID:M8RAA2i/K

 

俺も!

 

99:名無しのヒト属 ID:AMJ+tO5Dh

 

待てよ…受かれば史上最年少でのトレーナになる訳だよな?

 

100:名無しのヒト属 ID:p1/cpLcoj

 

あっ、ほんまや

 

101:名無しのヒト属 ID:P8AEKBpv5

 

確か世界で見ても今の最年少は19やったよな?

 

102:名無しのヒト属 ID:BJqzussaS

 

やな、確かアメリカやったはず 

 

103:名無しのヒト属 ID:dbgxO96Po

 

アメリカのトレセンって中央よりヤバいらしいって聞いた事ある、そこを未成年者が受かること自体凄い

 

104:名無しのヒト属 ID:Do5pZom3m

 

でも、今回で記録が塗り替えられるんだろ?しかも15、6歳くらいの子なんだよな、ヤバいわ

 

105:名無しの一次受かった受験生 ID:xrfRpeQfT

 

いっちが言ってないから代わりに言うけど高校生には全然見えなかったぞ、もっと下の小学生高学年か中学生くらいだったぞ 

 

106:名無しのヒト属 ID:HMbGWJgqi

 

ファ!?

 

107:名無しのヒト属 ID:cU59b88Ac

 

えぇ…

 

108:名無しのヒト属 ID:Nz4Pa/3sx

 

え、待てよ、じゃあ、小学生がトレセンしかも中央の試験を突破したことになるんですがそれは

 

109:名無しのヒト属 ID:Tz1ThKv8W

 

次元が違い過ぎて俺には理解できねぇ

 

110:名無しのヒト属 ID:yp7Xw2wzW

 

その子、ロリっ子BBA説ワンチャンないのか?

 

111:名無しのヒト属 ID:vy+iesmVq

 

それがあったらあったで怖いからな

 

112:名無しのヒト属 ID:4artnENzN

 

老けないヒト型の生物とか吸血鬼かな?

 

113:名無しのヒト属 ID:zDfz5KIHx

 

可愛い子なら血吸われたいわ

 

114:名無しのヒト属 ID:WZbQF5k3N

 

でも、それがホントなら凄いよな、俺が生きている間に起こってくれることに感謝。 

 

115:名無しのヒト属 ID:lLLVTWPij

 

まあ、落ちても来年あるしな。来年受かっても最年少にはなる

 

116:名無しのヒト属 ID:0l2zwZ+w9

 

そんな小さい子が受かるってことは意外とトレーナ試験は簡単なのか? 

 

117:名無しのヒト属 ID:uXRgT5e00

 

なわけないだろ、毎年落ちた奴らの数考えてみろ

 

118:名無しのヒト属 ID:JUEWKdvmM

 

でも実際のところどうなんよ?いっちたち今年はどうだった?

 

119:名無しのヒト属 ID:c0CHTS6NT

 

俺も知りたい!

 

120:名無しの受験生 ID:eKkgOfAeo

 

難しいぞ。そんな事まで知るか!って思う問題も出てくるし、大学受験より難しいはあれ。

 

121:名無しの一次受かった受験生 ID:VAhpaopW0

 

確かに難しかった。俺もギリで受かったようなもんやしな…一次で落ちてた可能性の方が高い。何十回も受けてる奴いるくらいだし受けるなら生半可な覚悟だと痛い目見るぞ

 

122:名無しのヒト属 ID:VK8NUTc0j

 

ヒエ~、そんな難しいんか

 

123:名無しのヒト属 ID:6A4C8C7gd

 

俺目指してたけど諦めようかな…

 

124:名無しの一次受かった受験生 ID:+OMz3JjsG

 

一次終わっても二次の面接があるからな?

 

125:名無しのヒト属 ID:dIKvC6b9/

 

二次…

 

126:名無しのヒト属 ID:9IcUDKcsE

 

あっ、二次ってどうだったんだ、気になってたんだ。

 

127:名無しの受験生 ID:j+jpbXov8

 

俺も気になってた、教えろください。

 

128:名無しの一次受かった受験生 ID:G2HKexbZ3

 

正直言うとマジで苦痛だぞ、俺も緊張しすぎて上手く受け答え出来なかったからな 

 

129:名無しのヒト属 ID:kRWcdCYCT

 

え?そんなに?

 

130:名無しの一次受かった受験生 ID:/8GdMSKKK

 

ああ、面接官は三人。ベテラントレーナーにG1獲ったウマ娘、トレセンのお偉いさんの三人が一人に向かって質問を投げかけるんだがそれが地獄なんだよな。後々聞いた話によると学園長と生徒会長も面接官として参加していたみたいだからそこに当たった奴らはドンマイとしか言いようがない

 

131:名無しのヒト属 ID:lwfh87kjY

 

うわっ

 

132:名無しのヒト属 ID:gNJY6b8Ng

 

こわッ。

 

133:名無しの受験生 ID:zw5X2oK5d

 

マジかよ…

 

134:名無しのヒト属 ID:mBSx8+/63

 

やっぱり中央は格がちげぇ

 

135:名無しのヒト属 ID:U3A3J0Mh2

 

それネコちゃん大丈夫なんか?

 

136:名無しのヒト属 ID:oZwQTi8OC

 

そこはもう祈るしかねぇよ、俺らにできるのはそれしかない

 

137:名無しのヒト属 ID:9UO+8HFwu

 

受かって俺に最高のレースを見せてくれ~

 

138:名無しのヒト属 ID:HCKdMnizX

 

柄にもなく今から興奮してきたわ

 

139:名無しのヒト属 ID:KzkPaGQac

 

ネコちゃんトレーナーのファンになります 

 

140:名無しのヒト属 ID:MOeuGNwmh

 

早すぎだwww

 

141:名無しのヒト属 ID:46mwZn0Ep

 

今後のレースが楽しみなのは俺も

 

142:名無しのヒト属 ID:Gu4XD/+Ar

 

俺も今のうちにファンになっとこ

 

143:名無しのヒト属 ID:6R3o05Qjz

 

古参勢面は程々にな

 

144:名無しのヒト属 ID:JFWS1KJd1

 

ウマ娘よりトレーナーのファンになるのは草

 

145:名無しのヒト属 ID:HhYd7xgge

 

勿論担当ウマ娘もファンになるぞ(戦績による)

 

146:名無しのヒト属 ID:Bc1xX3LK6

 

俺らは歴史的瞬間を目撃できるかもしれないから今から楽しみだわ

 

147:名無しのヒト属 ID:NIpi56k9X

 

だな。俺も期待しとこ

 

148:名無しのヒト属 ID:UH2mdjynv

 

まだ顔も知らない子に期待できるお前らすげぇな

 

149:名無しのヒト属 ID:srHBgMUkR

 

頑張ってネコ娘ちゃん!

 

150:名無しの受験生 ID:ZqE1o4OWt

 

頑張ってほしいな、俺もファンになるわ。今後猫耳少女ちゃんの活躍スレ立てると思うからよろしく

 

151:名無しのヒト属 ID:3s3pC77Sw

 

楽しみにしてるわ

 

152:名無しのヒト属 ID:k2IKFYPUP

 

いっちも来年頑張れよ

 

153:名無しのヒト属 ID:+z90Cpz+a

 

だな、頑張れ。お前の担当ウマ娘も応援させろ!

 

154:名無しのヒト属 ID:OWyl5LuPw

 

一次受かったニキも応援してる

 

155:名無しのヒト属 ID:tHt6LB06H

 

三人とも頑張れ

 

 

 

 

 

 

 




掲示板ってこんな感じで良かったのかな?一応ランキング上位のを参考にさせて頂きました。人気あれば掲示板回も出してきますので感想、意見お待ちしております。

もう、チャンミの季節ですね。勝てる気しないです。サポートガチャ…くっ!
確定ガチャは給料入ってから引きます、サポカの凸の重要性ですよね、ホントサイゲはっ!(財布を出す)皆様も課金は程々にね。(ブーメラン)

次回も早めに出せるよう努力しますのでそれまでお待ちください。
最近はリアルの方が落ち着いてきたので投稿ペース早めれると思います。(絶対ではないのであしからず。)

誤字報告よろしくお願いいたします。
あと、最近Twitter教えてほしいと言われることが多々あったので掲示再会します。
あらすじの所にも一応リンク張ってあるのでそこからでも行けますよ
何時もいいねしてくれてる方には感謝してます、ありがとうございます!

この小説見てくださっている皆様も今更ながら感謝申し上げます。ありがとうございます。

日に日に見てくれる方増えてて嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします。

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Twitterですが基本的に進捗報告や予告(本編)なんかもおこなっています。
一番情報が早いのがTwitterだと思っていただければ


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