ドラゴンボールZ RTA 孫悟飯爆発チャート (sesamer)
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サイヤ人編
ドラゴンボールZ RTA 孫悟飯爆発チャート


初投稿です。超ヒーローのネタバレ要素が後書きにあるのでご注意下さい。


 

 はい、よーいスタート。

 

 怒れ!怒るんだ悟飯!なRTA、はーじまーるよー。

 

 計測開始は悟空が悟飯を連れてカメハウスにやってくるところからスタートし、魔人ブウを撃破した時点を計測終了とします。

 本作はドラゴンボールZの物語を主人公となるオリジナルキャラクターを操作しながら追体験するというものです。そのためゲームをスタートする前にキャラクリエイトをしなければいけません。

 

 本作はドラゴンボールの世界観よろしく沢山の種族の中から主人公を選ぶことができ、その中には勿論サイヤ人や地球人、変わり種ではフリーザ一族や人造人間なんかも選ぶことができます。まるでヒーローズみたいだぁ……

 

 ただ、今回のチャートはタイトルにもある通り孫悟飯を主軸としたもので主人公はそのサポートに徹することになります。ですので主人公の種族は戦闘力の高いサイヤ人などではなく地球人を選びます。これは地球人以外の種族ではゲームスタート時点の他キャラの初期好感度が恐ろしく低いからですね(例えばサイヤ人ストーリーでは宇宙船に乗って地球にやってくるので最初は敵だと思われます)

 

 というわけで主人公は地球人の女、年齢は13歳で名前は入力速度を考慮してレンズ、略してレズとします(略しスギィ!)今作は対象年齢が子供だからかホモやレズといった単語が使えないからね、しょうがないね。

 

 ただ、本作では名前がある一定の条件を満たすと自動的に種族が変更されるという隠し要素があります。有名なのは野菜に因んだ名前にするとサイヤ人になる、数字+号にすると人造人間になるといったものです。

 前回の通し練習では名前をレーズンとした結果、隠し要素であるツフル人ルートを発見してしまい(発見者俺)それをやっていた為に本ルートの練習は全くできませんでした。

 

 通し練習すらやっていないため各種ガバが目立つと思いますが、ウンチー理論とでぇじょうぶ ドラゴンボールで なんとかなる(字余り)の精神でやっていきたいと思います。

 

 

 

 さて、ゲームスタートすると孫悟空が脇に孫悟飯を抱えてカメハウスまで筋斗雲でやってくるところから始まり、ラディッツに悟飯ちゃんを誘拐されるところまではオープニングになります。この時間で主人公についてと本チャートの解説します。

 

 主人公の年齢は13歳なのでここでは5年前の天下一武道会に出場し、その時の縁でこれまで亀仙人の元で修行していたことになっています。

 

 本作はドラゴンボールZなので以前までの設定は細かくできず、簡易的なキャラとして地球人で亀仙流を習っているというバックボーンがつきます。前作であるドラゴンボールのデータを読み込ませることで鶴仙流なども覚えさせることができますが今回はスルー。鶴仙流はRTA向きなのでこちらも泣く泣くです。

 

 鶴仙流は亀仙流と比べて実戦(殺し合い)を前提とした技が多く、例えば鶴仙流の基本的なエネルギー技であるどどん波はかめはめ波と比べて発生の速さ、連射性、殺傷能力の高さが優れており、撃ち合いに弱いことや戦闘力の高い相手には効きづらいという弱点を除けば優秀な技です。

 

 ちょっと待って!格上にダメージが入ってないやん!ダメージを入れる為にどどん波を習得したの!という関西クレーマーの声もありますが、本チャートは悟飯ちゃんがブチギレることで常に敵の戦闘力を上回った状態で進めるので、格上にダメージを与えるかめはめ波より、格下に素早く致命傷を与えるどどん波の方がチャートに向いています。RTAでは1人の戦闘力を上げまくって敵を蹴散らすのが多い為これは悟飯に限った話ではありません。

 

 じゃあなんで鶴仙流を選ばなかったのかに関しては決して前作が手に入らなかったという理由ではなく、勿論ちゃんとした理由があります。

 

 ところで話が変わりますが、皆さんはドラゴンボール超やその最新映画であるドラゴンボール超 スーパーヒーローはご覧になったでしょうか?特にスーパーヒーローは悟飯ちゃんとピッコロさんが大活躍するので見とけよ見とけよ〜な出来でした。その中で悟飯ちゃんは鈍った体を鍛え直すという工程すら省略して怒りで滅茶苦茶なパワーを引き出しました。私はこの描写を見て超の設定のひとつであるS細胞の存在を思い出しました。

 

 これはサイヤ人が持つ特有の細胞であり、これが増えることで超サイヤ人になれるというものです。見るからに後付け設定ではありますが、このS細胞のお陰で惑星ベジータのサイヤ人が超サイヤ人になれなかった理由や、悟天やトランクスが簡単に超サイヤ人になれた理由をある程度説明できます。

 

 そのS細胞の増加には強さ以外に穏やかな精神が必要であり、その為には平和な地球のような穏やかな精神を育む環境が必要だから、というわけです。

 

 私はこの設定を知ってからドラゴンボールZの検証を行いました。元々原作でも最強と謳われた悟飯ちゃんはRTAでも度々チャートの検証されていましたが、そのどれもが悟空チャートやサイヤ人チャートの劣化で終わりました。しかし私はこのS細胞の設定を受けて、今まで他のチャートと同じような育成法とは全く異なる育成法を編み出しました。

 

 それは「よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休む」つまるところ亀仙流の教えを忠実に守ることで悟飯ちゃんは無限にS細胞を増やし続けて強くなるという育成法です。

 

 ドラゴンボールZでの修行といえば、重りや重力を倍増させて肉体に負荷を掛けたり、組み手をして鍛えるのが殆どです。勿論それらは本ゲームでも効果的で、特に精神と時の部屋を使った修行では地球の10倍もの重力と限りなく薄い空気という過酷な環境下で長時間の戦闘行為を行える為、経験値の上昇率は段違いです。

 

 しかし、悟飯ちゃんの場合はただ精神と時の部屋や重力部屋に突っ込んだところで強くなることはありません。勿論普段時の戦闘力は飛躍的に上昇しますが、ある程度までいくと成長は伸び悩みます。

 

 また、悟飯ちゃんの特性である激怒モード時における戦闘力上昇も主人公が関与せずに、悟空さやピッコロさんに育ててもらった方が高いといった事例もあります。

 

 悟飯ちゃんを普通のサイヤ人のように修行と実戦の中で育てた先に生まれるのは、戦士としては一流だけど爆発力に欠けるという未来悟飯のような悟飯ちゃんです(これはこれでカッコいいし最終的には強くなるけど)

 

 これらの現象は悟飯ちゃんが特にS細胞との親和性が高い為に起きる現象だと思われます。悟空やベジータはS細胞の増加量が低いため、ブウ編までいくとサイヤ人としての戦闘力は伸び悩んでしまいます。そこから先で彼らを伸ばす為には追加コンテンツであるドラゴンボール超のシナリオで破壊神に師事し、サイヤ人とは別方面からのアプローチをしなければなりません。

 

 しかし、悟飯ちゃんやブロリー(超の方)はS細胞が際限なく増加していく設定なので、彼らには修行三昧ではなく穏やかな生活を提供してあげるのが彼らを強く育てる秘訣というわけです。

 

 おっ待てい!セル編の悟飯も映画のブロリーも修行ばっかだったゾ!という意見もあるかもしれませんが、それは2人が大好きなお父さんとの修行で穏やかな精神を育んでたからです。穏やかで戦いが向かない性格になるほどサイヤ人としては強いというのはなかなか複雑ですね。

 

 そんなわけで本チャートでは悟飯ちゃんを鍛える一方で穏やかな暮らしを享受させつつ、良い感じに悟飯ちゃんを怒らせて(ここが1番難しい)激怒モードで敵を殲滅するという流れになっています。この方針自体は前回のツフル人の時でもある程度成功したので今回も上手くいくでしょう。

 

 ちなみにツフル人のストーリーはサイヤ人の反乱から逃げる為にコールドスリープしたまま宇宙に放り出された主人公が地球に飛来するところから始まります。大まかな話の流れは襲来するサイヤ人やフリーザに復讐する為に技術を開発して対抗するというものですが、ツフル人の場合は悟空やベジータ達サイヤ人の好感度が主人公自体のものとなり、上手く自分の爆弾を回避しないと人造人間編で敵になってしまいます。いや〜強かったなぁ……人造人間No.02。

 

 

 

 

「久しぶりだなカカロットよ。しかし現地の奴らと馴れ合うとは酷い軟弱ぶりだな。このガキは預かっておくからそいつらを殺して少しはマトモになれ」

 

「このクズヤローッ!」

 

 オープニングも終わりラディッツによって悟飯が誘拐されました。取り戻す為には約束の1日までにラディッツを倒すしかありません。レズちゃんとクリリンは悟空と一緒に奴に挑もうとしますが、その次に現れたピッコロに足手まといだと言われ、悟空はピッコロと共に行ってしまいます。

 

 ここでようやく操作タイムです。画面には急いでピッコロについていくという選択肢とクリリンと一緒に待つという選択肢がありますが、下のクリリンと一緒に待つを選びましょう。

 

 上の選択肢を選んだ場合は悟空ピッコロとレズちゃんの3人でラディッツに挑むことができますが、ピッコロの言う通り初期ステータスの地球人であるレズちゃんでは壁にしかなりません。レズちゃんは壁。

 

 ただこのルートの利点は悟空を生かすことができることです。悟空が生き残った場合は1年間悟飯達と修行しながら過ごすことになり、悟飯のS細胞の稼ぎどころとなります。しかし、悟空を生かす為には代わりにレズちゃんが死なないといけないためタイムは遅くなるので却下です。悲しいですが悟空には死んでもらいましょう。でぇじょうぶ ドラゴンボールで なんとかなる。

 

 ちなみにS細胞判明前はサイヤ人としてラディッツと一緒に地球にやってきて殺されるラディッツをお見送りしながら悟飯を誘拐してサイヤ人として鍛えるのが悟飯チャートの主流な流れでした。これは悟飯以外の好感度が最低になる代わりに悟飯の戦闘力が大幅に上がり、甘さが消えるという良いことづくめなチャートです。

 

 それに比べると地球人の場合はピッコロと一緒に悟飯を鍛えることになります。悟飯の強さはサイヤ人チャートの時より弱いし、主人公自体もサイヤ人に比べて弱いため普通に育てた場合は原作のように孫悟空に頼らないといけません。

 

 しかし悪いことだけではなく良いこともあります。それは他のキャラの初期好感度が高くなることです。先程も紹介した通り、主人公が地球人の場合は最初から皆と顔見知りになるため他人とのコミュニケーションが円滑になります。

 

「ピッコロ大魔王に悟飯ちゃんが誘拐された!?」

 

 目の前にいる怒ったチチに誠心誠意を込めて申し訳なさそうに謝りましょう。普通のホモなら大激怒されますが……

 

 チチさんすみません!申し訳ナイス!

 

「悟飯ちゃんはまだ4歳なんだべ!戦うなんて冗談じゃない!あの子には立派な学者さんになるって夢もあるのに!」

 

 許して下さい!なんでもしますから!

 

「レンズちゃんに悟飯ちゃんを取り返してけぇれとは言わねぇべ……ただ悟飯ちゃんのことを見守ってけぇろ……」

 

 かしこまり!

 

 という風に、主人公を13歳の少女にしたのもここでチチの印象を悪くしないようにする為です。チチは悟飯チャートにおける裏ボスです。彼女が悟飯を戦いから遠ざけようとする度に彼女を説得しなければなりません。それを怠ってしまうとフリーザ編からセル編までの間、セル編からブウ編までの間で悟飯の戦闘力は大幅にダウンします。

 

 悟飯の特性を考えると戦闘力の減少は大した問題にはなりませんが、問題は技の習得が進まないことです。視聴者の中には悟飯は強いけど舐めプするから印象悪いと思われる方もいますが、その1番の原因は悟飯の決定力の無さが原因です。

 

 技の習得が進まなければ、悟飯の決定力は低いままです。だから、チチを説得する必要があったんですね。

 

 

 

 そういうわけでチチからの命令を受けて、ピッコロさんと悟飯ちゃんの元にやって来ました。当たり前ですがレズちゃんは武闘家の前に学生でもあるので放課後に海を越えて飛んでいます。

 

「悟空達のところにいた女か。ガキを取り返しにでも来たか?」

 

 修行やります。いつの日か世界を救うと信じて。

 

「ふん、俺もそんな高尚な思いでやってるのだと思われてるのなら不愉快だな」

 

 俺も仲間に入れてくれよ〜

 

「誰が馴れ合って修行なんかするか。ちょうどいい、お前はあのガキを監視しとけ。くれぐれも甘やかすんじゃないぞ」

 

 しょうがねぇなぁ〜(本家お膝元)

 

 というわけで悟飯の修行(と言っても今は1人で生きられるようになる為のサバイバルの修行ですが)を手伝えるようになりました。ピッコロさんからは甘やかすなとは言われてますが、ここが悟飯の絶好の好感度稼ぎのポイントなので困ってそうなら突撃しましょう。

 

 君が、まさよしくんだね?(孫正義への風評被害)

 

「お姉ちゃんは……この前の」

 

 私はレンズって言うの。それよりのどか、喉乾かない?

 

「うん……お腹も減ってきちゃった」

 

 まずうちさぁ……川見つけたんだけど、飲んでいかない?

 

「お姉ちゃん……!ありがとう!」

 

 うっ、幼少期の悟飯ちゃんに上目遣いで感謝されるなんてノンケでもホモでもレズでも等しくご褒美ですね。スクショだけでも撮っとこう(RTA中にスクショ撮り始める走者のクズ)

 

 だけどただ施すだけでは悟飯ちゃんの成長には繋がりませんので、ここは悟飯ちゃんが好きそうなやり方でサバイバル技術を教えます。それは勿論勉強、特に自然に関する情報から興味を惹くことです。

 

 例えば今飲んだ川の水は何故あんなに綺麗だったのか?それにはろかという現象が自然に起きており、それをすることで綺麗な飲み水を何もないところから用意することができるのです、といった風に授業形式でサバイバル技術を教えると……

 

「す、すごいや!お姉ちゃんって色んなこと知ってるんだね!」

 

 という風に目を輝かせながらスポンジのように知識を吸収していきます。悟飯ちゃんって強い上に頭も良いから偉いよなぁ……

 

 レズちゃんには明日の学校もあるので夜は一緒にいることはできませんが、ひとりで心細かった原作とは違って色んなことを教えてくれる美少女お姉さんがいるため精神的には余裕が生まれるでしょう。

 

 下手に大猿イベントに顔出しなんかしたら死にかねないのでピッコロさんに任せます。あのさ俺、そろそろ学校なんだよね(マジメくん)

 

 今回はここまで、ご拝読ありがとうございました。

 

 

 




本小説が超ヒーローの悟飯強すぎだろ!ってことで書き始めたのは皆様もお分かりになると思いますが、発想としては皆で作戦を練って悟飯を怒らせるのがRTAみたいだと思ったからです。
また、修行せずに怒るだけでアルティメット化やそれを超える力を引き出せるのは今までの常識を超えたもので、その理由を考えた結果S細胞の存在を思いついたのもあります。S細胞の存在を根拠にすれば、老界王神に潜在能力の全てを引き出してもらったのにも関わらずその上の力が垣間見えたり、もっと過酷な状況に置かれてるはずの未来悟飯の成長が悪かったりするのにも理屈付けて説明ができると思います。
biimシステム小説は初挑戦ですがご評価、ご感想等よろしくお願いします。


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悟飯ちゃん育成計画


悟飯の怒り強すぎだろ!修行はどうなってんだ修行は!
お前ら禁じられたドラゴンボールを平気で使ってんじゃねぇか
わかってんのか!邪悪龍が生まれたのは人間がドラゴンボールに甘えたせいだろうが!(GT)
神龍の願いにおまけなんてあんのかよ!?くそったれ!



 初期悟飯の能力はラディッツも計測した通り戦闘力1の雑魚同然のステータスですが、それをピッコロが厳しい自然の中に放り込んで6ヶ月の間生き延びさせることでステータスもチャオズと同格レベルにまで上昇します。

 

 レズちゃんのステータスはクリリン達と同じくらいなのでまだまだ差はありますが激怒モードの倍率によっては容易に覆せると言えば悟飯の強さがお分かりになるでしょう。

 

 そんな絶賛サバイバル生活中の悟飯ですが、以前言った通りここで好感度を荒稼ぎする必要があります。悟飯の好感度が高いキャラはまず第一に両親である悟空とチチがいますが、この1年間の修行でピッコロも両親と同じくらい慕うようになります。

 

 そして好感度が高い人物ほど悟飯の激怒モードに突入する為のゲージを稼ぐ効率が良いです。例えば悟飯の目の前でこれらの人物を殺すといった行動を取ると悟飯の激怒ゲージは一瞬で100%になり、ステータスが条件を満たしているかによっては新たな変身をする場合もあります。

 

 ここで重要なのは激怒モードに突入した後にも内部的には激怒ゲージが存在しており、そこで激怒モードに突入した場合は条件を満たすステータスの参照先も激怒モードの数値になるということです。

 

 つまり何が起こるかというと、

 

 好感度の高いキャラの窮地で悟飯が激怒モードに突入、ステータスが大幅に上昇

 その状態で更に別の人が窮地に陥ることで悟飯の激怒モードが上昇して更なる激怒モードに突入、ステータスが更に大幅に上昇

 その時ステータスが一定のラインを超えると超サイヤ人といった新たな変身を習得

 

 の無限ループを組めるということです。一見バグ以外の何物でもない気がしますが超ヒーローの悟飯を見ると仕様の可能性も微レ存……?

 

 ちなみに追加コンテンツのブロリー(超)も同様の仕様になっており、彼の場合は激怒ゲージがすぐに上がっていくので初期の状態から馬鹿みたいにステータスが上昇し続けます。まあこっちはインフレした先の話だから多少はね?

 

 ブロリーの激怒ゲージはすぐ上がるという話はしましたが、逆に悟飯のゲージは普通にやると全然上がりません。セル編において悟空が悟飯を怒らせる為にセルを万全な状態にして悟飯を虐めさせましたが(鬼畜の所業)悟飯は自分がいくらダメージを受けても激怒ゲージが上昇しません。

 

 死ぬレベルのダメージを受けると一時的に激怒モードに突入しますが、それも窮地を脱するとすぐに解除されるので実用には向きません。しかし他人、特に大切な人が窮地に陥ることで悟飯の激怒ゲージは一気に跳ね上がります。

 

 ただそれなら親しい人をどんどん死なせれば無限に強くなるじゃん!という話になりますが、悟飯のゲージの伸び方には最終的に相手のレベルと自分の現在レベルを補正した係数が掛けられます。

 

 簡単に言えば、敵が弱いと怒るに値しないということです。セル編において悟飯が悟空達が甚振られ続けても全然怒らなかったのは既に悟飯の戦闘力がセルを超えつつあったからだったわけです。あんだけ余裕ぶってて実際は負けそうだったとはセルが可哀想になりますね。

 

 それに加えて悟飯自身が戦線離脱していると激怒しないことや、一度に複数の親しい人が死んでも激怒するのは一度といった細かい制限があります。こんだけ制限があるなら内部の激怒ゲージも仕様な気がしてきた……

 

 

 

 というわけで今日も今日とて悟飯ちゃんに色んなことを教えましたが、悟飯ちゃんからピッコロさんについて聞かれました。彼からすると緑のおじさんが自分を鍛えようと思ってる意味が分からないそうです。

 

 ここで出る選択肢はピッコロのことを良く言うか悪く言うかになります。レズちゃんは5年前の天下一武道会に出場したのでピッコロの所業も把握しています。むしろその時レズちゃんは神様に乗り移られ微妙にその記憶を引き継いでいるのでピッコロに対してはあまり良い印象を持っていません。

 

 そしてこの選択肢はまあ勿論ですが悟飯ちゃんの好感度に影響します。ピッコロのことを良く言うと悟飯からピッコロへの好感度が上がり、ピッコロのことを悪く言うとピッコロへの好感度が上がらない代わりにレズちゃんの好感度が上がります。

 

 一見するとレズちゃんの好感度が稼げる後者の選択肢が魅力的ですが、このチャートで重要なのは好感度をマックスにした1人の存在よりも好感度が高い複数人です。なので自分が稼げる分は稼ぎますが他のキャラが稼げる場合にはその人に優先的に譲っていきましょう。

 

 しかしこの半年間においてやるべきことは悟飯の好感度調整だけではありません。レズちゃんには他のZ戦士の技を習得する必要性があります。

 

 前回の話で悟飯には決定力が無いという話をしましたが皆様は悟飯の持ってる技と言えば何を思い浮かべるでしょうか?やっぱり親子かめはめ波?魔閃光?ひょっとすると龍翔拳を挙げる通な方もいるかもしれません。

 

 実は原作で撃った悟飯の技は魔閃光とかめはめ波の2つしかないのです。親子かめはめ波は勿論かめはめ波ですし、龍翔拳なんて完全!オリジナル!な技です……

 

 勿論そこにはZ以降の一部のキャラ以外が技名を叫ばないという理由もあります……が、それでも悟飯が異質なのは技にするような特殊なモーションや攻撃も殆ど存在しないということです。

 

 そこには悟飯の持つ戦闘スタイルという問題があります。悟飯は幼い頃から格上ばかり戦う戦場に投げ出されており、技を習得する暇がありませんでした。そこで彼は打撃メインの戦法を確立し、ラッシュと気弾で攻めてトドメや相手の攻撃に応じてエネルギー波を撃つというドラゴンボールにおいてスタンダードな戦い方を最後まで貫いています。

 

 スタンダードな戦い方ならそれでいいような気もしますが、この戦法は同格や格上が相手だと通用しにくいという問題があります。その問題を解決するため他のキャラは色んな技を覚えているわけですね。

 

 じゃあ何故悟飯がそれらの技をいつまでも覚えようとしないのかに関しては単純に忙しいことなど以外に、自分は怒ると強くなれるっていう前提があるのではないかと思いました。

 

 原作での悟飯の活躍を見れば分かると思いますが、悟飯の戦闘シーンは大体が格上相手に苦戦するか、怒った悟飯が格上だった相手をボコボコにしてるかのどちらかです。技を駆使して逆転なんかせずとも怒るだけで状況をひっくり返せるから技を覚える必要性が薄いわけですね。

 

 更に悟飯は合理的かつ戦いたがらない性格なので、技を覚えてる人が隣にいるのに自分がその技を習得する意味は薄いとも思ってそうですね。子供なら技とか覚えたがるものなんだけどなぁ……

 

 しかしその甘えが決定力の無さに繋がり、自爆や吸収や石化といった絡め手を取る猶予を与えていることも事実です。並べてみると悟飯ちゃんホント碌な相手と戦ってないな……

 

 そういうわけで悟飯に技を覚えさせるのは悟飯チャートにおいてはたいへん重要なファクターです。流石にこの一年で追加に技を覚えさせる余裕はありませんが、師匠になるレズちゃんにはその余裕があります。今回は原作と同じく死闘になるため将来的には支援役になるレズちゃんも必死に戦わないといけません。

 

 本作の主人公の技システムは近年のドラゴンボールゲームと同じく仲間や戦った相手の技を習得してセットするタイプです。それに加えて本作は好感度に応じて貰える技も変わる他、習得した技を強化することで別の技に変化させることも可能です。

 

 更に自分が覚えた技のひとつを別のキャラに覚えさせることもできます。余談ですがこのシステムがなければ悟飯チャートの目処も立っていませんでした。つまるところ今からのレズちゃんの行動は仲間の好感度を上げて技を覚える、というわけですね。

 

 

 

「誰の気かと思ったらレンズか。久しぶりだな」

 

 オッスオッス、(修行)やりてぇなぁやりましょうよ

 

 向かうのは天津飯とチャオズのいる場所です。この2人は常に固まって行動しているので好感度を同時に上げやすい上、天津飯の好きなものは修行でチャオズの好きなものは天津飯(もの?)なので、天津飯と一緒に修行するだけで2人の好感度は上がっていきます。

 

「レンズもまた一年後に戦うつもりか、それなら是非一緒に鍛えよう」

 

 チャオズも見てないでこっち来て、3人でやりあわねぇか?(戦闘狂)

 

「ハイ!レンズさん天さん!よろしくお願いします!」

 

 それからは、もうめちゃくちゃに天さんとかめはめ波を撃ち合い、チャオズとどどん波を撃ち合い、2回もかめはめ波を出した。もう一度やりたいぜ。

 

 おっと失礼、そういうわけで半年間のレズちゃんの行動は悟飯ちゃんの好感度上げと天さんチャオズとの修行を中心に行動します。目標としては悟飯ちゃんの好感度を5段階中4段階、天さんは3段階、チャオズは3段階です。

 

 これで天さんからは太陽拳と気功砲、チャオズからは舞空術とどどん波を習得します。ちなみに悟飯の習得する技は魔閃光しかないので好感度を5段階目まで上げても魔閃光しか習得できません。魔閃光も発生早くて使いやすいけどどどん波の方がね……

 

 

 

 半年間を過ぎると悟飯は今まで逃げていた恐竜に真っ向から立ち向かうほど成長し、いよいよピッコロとの地獄の特訓が始まります……が、その前にピッコロと話しておく必要があります。

 

「なんだ?俺は今からコイツを鍛えるのに忙しいんだ」

 

 どうかこれからの半年間は悟飯ちゃんを母親の元に帰らせてくれませんか!オナシャスセンセシャル!

 

「俺はコイツを甘やかすなと前にも言ったはずだ。このガキは厳しくしないと戦士にはならない」

 

 つっても半年間生き延びられたんだからこれ以上ここで生活しなくても十分やっていけると思うし……

 

「俺はそういうことを言ってるのではない。戦士としての心構えのことを言ってるんだ」

 

 けど守るべきものを意識させた方が戦士としての心構えもできるかもしれませんよ?

 

「守るべきもの……それが人間達の戦う意味、か」

 

 貴方も似たようなものでしょう?私も貴方のことは少し理解してると思います。

 

「くっ、どこかで見た顔だと思ったらあの時の神の器か!余計なことを……まぁいい。おい悟飯、これからは家に帰らせてやる。ただし俺が毎日修行をつけてやるのは確定事項だ!その時に甘えた真似でもしたらもう一度ここに叩き込んでやる!」

 

「うん!お姉ちゃんありがとう!」

 

 ウッス、チチさんにもよろしくオナシャス!

 

 これで悟飯は残りの半年間はチチとピッコロさん、そしてレズちゃんの元で厳しいながらも穏やかな暮らしを過ごし、S細胞を存分に溜め込むことができます。

 

 原作のナッパベジータ戦の時の悟飯ちゃんとラディッツ戦の時の悟飯ちゃんの戦闘力を見比べるとおかしく思った人もいるかもしれません。ラディッツ戦の悟飯の戦闘力は怒りによって一気に1000倍も上昇しましたが、ナッパベジータ戦ではピッコロが殺された怒りですら精々2倍もいかないレベルなんです。

 

 勿論それは元の能力値が上がったことで結果的に出せる上限が低く見えるようになっただけかもしれませんが、悟空ピッコロが手を組んで手も足も出なかった相手を追い詰めた悟飯が修行した結果、怒り状態でナッパに大したダメージを与えられなかったのは少しおかしくないでしょうか?

 

 それもS細胞の存在を考えると説明することができます。原作の悟飯はラディッツ戦までは満ち足りた生活を送っていましたが、そこから先は控えめに言って地獄です。父である悟空は死に、ピッコロに攫われて厳しい修行の日々、その修行は報われず師匠であるピッコロは死に、ピッコロを生き返らせるために更なる修羅場へ……といった風にこの時期の悟飯に心休まる日なんて一向に来ません。

 

 つまりS細胞は全く増えていないということで、怒りがS細胞を活性化させて内部に眠る力を引き出しても肝心のS細胞が少ないため、戦闘力の上昇率が低いのではないかということです。

 

 よって今の悟飯ちゃんには厳しい鞭だけではなく甘い飴も必要というわけですね。これぞ悶絶少年調教師の妙技ってやつだな!

 

 更に悟飯が家に帰るようになったことでチチのメンタルも回復します。原作ではチチは悟飯を戦わさないと言って聞きませんでしたが、4歳の子供を自分の手で育てられずそのまま戦場に向かわせるなんて普通の母親なら精神的に病んでもおかしくありません。

 

 ピッコロが向こうには顔を出しづらくて常に悟飯のことを見れなくなった代わりにレズちゃんが向こうで悟飯ちゃんの修行相手になったりピッコロの修行相手になったりと、この方針はレズちゃんの強化にも繋がるので一石二鳥の作戦なわけですね。

 

 そういうわけで残り半年間の修行風景はスキップし、次は(別視点を挟んでから)ナッパ戦を書きたいと思います。ご拝読ありがとうございました。

 

 




S細胞自体は後付けみたいであまり好きな設定ではないのですが、この存在を加味して考えると原作の不安定な悟飯の戦闘力について強引に説明をつけることができるので好きになりつつあります。
この設定と真っ向から矛盾してるのはブロリー(旧)くらいでしょうか。母親から尋常ではない量S細胞を受け継いだと考えるとまあなんとか…?


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救世主の卵


オリキャラの扱い方って難しいですよね
おもしろい展開にならないと原作の劣化になりますし
つぎつぎとオリキャラを出すと描写が回らないし
書く労力を考えずに出しちゃうと後々後悔しちゃいます
愛らしいキャラにしたいと思ってますがどうでしょうか



「君のお父さんは世界を救ったんだ」

 

 なんで僕が戦わないといけないのかという問いに対して、今まで僕のどんな質問にも自信を持って答えていた年上の少女はその様子を一転させて恥ずかしそうに語り始めた。

 

 自分の父親は今までたくさんの悪と戦ってきて、そして色んな人を持ち前の人柄の良さで魅了してきたのだと、ピッコロさんもその内の1人であると。ピッコロさんは5年前の天下一武道会でお父さんを殺して世界を征服するつもりで、無力だったレンズさんは神さまに力を借りて彼を殺しに来たという。

 

 僕は驚いた。誰にでも同じような冷たい反応をしそうなピッコロさんはともかく、人当たりの良さそうなレンズさんがピッコロさんを殺そうとするなんて考えられないことだった。

 

 そして幼い彼女はかつての大魔王に挑み、敗北してしまったらしい。力を失ったレンズさんは大魔王の時代の再来に絶望し、

 

「救世主の存在を目の当たりにしたんだ」

 

「悟空さんはね、大魔王の時のピッコロさんを倒したにも関わらず今のピッコロさんは悪い奴じゃないって命を救ったんだ。借り物の力で増長して幼い正義感から悪だと断じて殺すことしか頭になかった私は救世主なんかじゃなかったのだと、その時に気づいた」

 

「……僕はレンズさんもすごいと思う、だっていくら力があったってあの人に立ち向かうなんて怖いもん。殺すことなんてできっこないよ」

 

 レンズさんに比べたら僕は泣き虫の弱虫だ。お父さんみたいにも、レンズさんみたいにもなれっこない。なのに目の前の少女は僕の告白を眩しそうに見て話をする。

 

「そっか、君はやっぱり優しい子だ。自分の身が惜しいから怖いのではなく誰かを殺すのが怖いんだろう?」

 

「……そう、なのかもしれない。けど、僕だって痛いのは嫌だよ」

 

「君は自分の痛みが分かるから他人に優しくできる人だ。それは悟空さんとも違うし勿論私とも違う。君は君だけの救世主(ヒーロー)になれると私は思う」

 

「僕だけの…….ヒーロー」

 

 それは僕にとってお父さんお母さんが言う偉い学者さんや強え武道家よりも素敵な響きに聞こえた。胸の内に火が灯って温かくなるような、そんな響きだった。

 

「悟空さんですらあの時のサイヤ人には敵わなかったんだ。もしかしたら半年後に来るサイヤ人の2人には悟空さんでも勝てないかもしれない」

 

 だから……

 

「私は君に救世主になって欲しいって思ってる」

 

 

 

 ピッコロさんとの組手はとてもしんどいし痛いことばかりだけど、最近はピッコロさんなりの気遣いがあるんじゃないかなと思い始めた。僕が倒れた時は倒れたからといって手を止めるような相手はいない、と言いながら手を止めて起き上がるのを待ってくれるし、修行中に僕のお腹が鳴ったら休憩している間に早くそれを食って修行を再開するぞってリンゴを渡してくれるのだ。

 

 そういえば半年前に高台に登って降りれなくなった時にも木のないところから急にリンゴが現れたけど、それもピッコロさんの優しさだったのかもしれない。そういったところを指摘するとピッコロさんは尤もらしいことを言うけど。

 

 だからこそピッコロさんが過去に大魔王という凄い悪人だったということが信じられなかった。凄い気になるけどつい聞いたら殺されそうな気配がするから別の人に聞くことにしよう。

 

 だけどそれを考えた時、初めてピッコロさんに会ってあそこに連れられた時に言われた言葉を思い出した。

 

「恨むならてめぇの運命を恨むんだな、この俺のように」

 

 それはピッコロさんにも何かがあって自分の運命を恨んでいるということだ。最初は僕のような弱虫を鍛えないといけないことに怒っているのだと思ってたけど、今考えるとあの言葉には怒りよりも悲観的なものがあった気がする。

 

「(きっとピッコロさんにも自分にしか分からない悩みがあったんだ。レンズさんが明かしてくれたヒーローへの憧れのように)」

 

「おい、突っ立っている暇があるなら修行を再開するぞ。あの女がいない内は俺が好き勝手できるチャンスだからな」

 

「ハイ!よろしくお願いします!」

 

「フン!その威勢がいつまで持つかな!」

 

 僕には僕の持つ悩みしか分からない。だからこそピッコロさんやレンズさんが僕に願っていることがあるのなら、それに全力で取り組むんだ!

 

 それが僕の考えるヒーローだから。

 

 

 

 よしよし、これで経験値稼ぎも終わってレベルも及第点まで上がりました。ここで最終ステータスを確認しましょう。まずはレズちゃんですが、チャオズから習得した舞空術をパッシブスキルにセットします。パッシブスキルとは常に発動するスキルでこのスキルのセット枠には上限が無いためパッシブスキルは覚えれば覚えるほど強くなります。

 

 ただ、パッシブスキルは限られたキャラからしか習得できずとても珍しい上に舞空術などの基本的なスキル以外になると専用の特訓が必要になり、その特訓をクリアする為には条件を満たした能力値が必要になります。勿論RTAではフヨウラ!

 

 そしてメインスキルには5つの技をセットできますが、今回は3つしかないのでどどん波と太陽拳と気功砲をセットしましょう。その下に赤い枠のスキル欄がありますが、これはZスキルといって習得した技の状況や能力値やイベントの進行環境に合わせて既存のスキルを改良したオリジナルスキルを開発することができます。

 

 今回はどどん波のスキルから貫通力と連射性を上昇させてフリーザのデスビームのようにしましょう。両手で連打すればほぼデスビーム並みの弾幕を放つことができるようになります。

 

 Zスキルには自分で名前をつけることができますが、ここは入力速度を考慮して……デデドン波(絶望)としましょう(括弧内は声に出さない)ちなみにデフォルトネームは改良する技の前にZがつくのでZスキルに命名するのは単純にロスです。

 

 そして能力値ですが、レズちゃんは気のステータスが特に上昇してますね。これは普段から舞空術で西の都と遠く離れた砂漠の真ん中までを行き来したことで気力を消費してたからですね。気のステータスは光線技に直に影響するためここの伸び次第ではリセットもありました。次いで伸びているのが素早さですね。これもまた舞空術の使い込みの賜物で、このステータスが高いほど敵の攻撃を回避しやすく他のキャラに先んじて攻撃できるので重要です。

 

 後のステータスは微妙な成長ですが、まあぶっちゃけ今あったら嬉しいかなくらいで最終的には不要になるので十分です。では他のキャラも見ていきましょう。

 

 まずは我らが1番槍であるヤムチャですね。本編では天国までの道のりを誰よりも先に渡りましたが、今回もレズちゃんの介入がないためその時と変わらないステータスです。というか繰気弾や狼牙風風拳などの打撃属性の技が主体であるヤムチャは、打たれ強くて自爆を持つ栽培マンとは相性が悪すぎます。なので本番ではまず彼を栽培マン戦に出さないことから始まります。

 

 その次はチャオズでしょうか。主人公と一緒に修行をしたので多少能力値が上がっていますが、まあ誤差の範囲です。好感度目的である軽めの修行では何度やったところでステータスの伸びは低いです。しかしZスキルの開発ボーナスで彼のどどん波のレベルは上がってるのでそこは大きな変更点ですね。まあチャオズのどどん波ではどんなに強化したところでナッパにダメージを与えるのは難しいのですが。

 

 その次は天さんです。天さんは流石に前の2人よりも高いステータスで、太陽拳や気功砲など終盤まで通用する有能スキルを多数覚えている強キャラです。しかし、最終的に新気功砲を何度も撃てるようなキャラになるので1番伸びるステータスが最大HPなんですよね。本作では最大HPはあまり重要なステータスではないためパッと見た時に感じる強さよりはどうしても見劣りしてしまいます。

 

 ただナッパ戦においてはチャオズも天さんも重要なキャラであるため、2人の活躍には期待しましょう。というか重要じゃないキャラの方が少ないっていうか……

 

 そして我らがピッコロさんですが、流石の大魔王の貫禄というかどのステータスも高い水準を維持しており、唯一低めである最大HPもパッシブスキルである再生能力によってカバーしています。それ以外にスキルも高火力貫通属性の魔貫光殺砲を始めとして優秀な技を多数揃えています。

 

 ちなみにピッコロさんは主人公の次にカスタマイズ性の高いキャラで、同化や融合によって使う技やステータスのバランスを変更することができ、更に変わり種としては大魔王時代のスキルを覚え直すこともできます。なんなら巨大化して大猿ベジータと大怪獣バトルをするチャートも存在するくらいです。

 

 その次はサポートの名手であるクリリン。彼は攻撃力こそ低いですが、高い気と素早さを始めとして支援役として素晴らしく無駄のないステータス配分をしています。攻撃力の低さも気を参照して攻撃する技が優秀であるので弱点と感じさせません。全体攻撃技である拡散エネルギー波に貴重な切断属性の技である気円斬、レズちゃんも覚えた対象を確率で行動不能にする太陽拳といった、いつの時代においても名脇役として悟空達をサポートした実績を裏付けるような捨てる所のない性能をしています。

 

 特に今回はクリリンの気円斬とピッコロの魔貫光殺砲をどうにかして当てないとナッパは倒せないためこの2人は最重要です。

 

 残るは本チャートの主人公である孫悟飯です。ステータスは既にピッコロさんに見劣りしないものとなっており、精々再生能力が無い分実質的な防御が低いことくらいしかケチのつけようがありません。ピッコロさんの言う通り、ベジータ相手では悟飯ちゃんが最大の戦力になるので悟飯ちゃんが殺されないようにどうにか悟空が来るまで耐える守りのチャートを採用するか、積極的に命を捨てて悟飯の火種になる攻めチャーを採用するかを現場的に判断しなければなりません。

 

 何故なら今の悟飯にはパッシブスキルで弱虫がついているためターン開始時に確率で行動不能になります。これの解除条件は激怒モードに入るかナッパを倒して一度戦闘を終了する必要があります。ナッパが生存している状態で悟飯が激怒モードになった場合はナッパを倒した後戦闘が終了して激怒モードも終了するため、ベジータ戦における火種不足によりチャート崩壊します。そうなるとなんとか悟飯を守って悟空との協力体制まで持っていかなければなりません。

 

 そうなってしまうとリセ……といきたい所ですがまあ通し練習だと思って最後まで走り切ることにしましょう(逃走経路)

 

 というわけで悟飯のメインスキルは魔閃光が一個だけでパッシブスキルには弱虫がある……?

 

 

 

 弱虫じゃ……ない!?このスキルは何!?

 

 

 

 えーと、スキル名はヒーローへの憧れ。効果は相性値による庇うが必ず発生し、敵を倒すと生死判定を無視して必ず生かす?えーと、そうね、これは……

 

 チャート崩壊じゃな?

 

 

 

 ああああああああもうやだああああああ!

 

 ナンデ!?特殊スキルナンデ!?

 

 取り敢えず攻略サイトで調べましょう。えーと、このスキルは地球人ルートにて悟飯の相性値が4以上の時に主人公自身のことを話す選択肢を選ぶことで確率で習得するランダムスキルです……と、知らなかったそんなの……

 

 いや、だってさっきも言った通りパッシブスキルは元々習得条件が難しいせいでRTAじゃ使わないだろうって思ってたし!それに隠しスキルなんて知らなかったもん!

 

 ドラゴンボールZは別に某野球シミュレーションゲームみたいに選択肢が複雑じゃないもん!選択肢は全部好感度かルート絡みのもので、今回の選択肢だって悟飯の話を聞いて主人公から悟飯への好感度を上げるか、自分の話を悟飯に話して悟飯から主人公への相性を上げるかの2択だったもん!調べる必要性だって感じないだろ!?

 

 まあ……調査不足なのは確かなので反省はします。再走はしません。サイヤ人ルートにはこんなのなかったのになぁ……

 

 そういうわけでナッパ戦は恐らくチャート崩壊したまま走ることになります。本来なら太陽拳とチャオズの金縛りの術で動きを止めた後、天さんと2人で気功砲で足止め兼削りをし、魔貫光殺砲と気円斬によってトドメを刺す予定でした。これは悟飯の弱虫を前提としたもので、栽培マンを一掃したレズちゃんか、弱虫によって動けない悟飯を狙うナッパに対して、悟飯が狙われた場合にレズちゃんが相性値による庇うを発生させて足を犠牲に受け、太陽拳を発動してコンボをするといったものです。

 

 相性値とは好感度とは別のシステムでキャラ同士に設定されているもので、例えばピッコロと悟飯ではピッコロからの方が相性値が高いので庇うの発生はピッコロから悟飯に対しての方が発生しやすい、といったものです。しかし今の悟飯は隠しスキルであるヒーローへの憧れによってレズちゃんとピッコロのピンチには必ず庇うが発生します。

 

 つまりどういうことか?本来なら悟飯の好感度を稼いでピンチになることで悟飯を怒らせるはずが、悟飯ちゃん自身が庇うでそれを救うため激怒ゲージが上がりません!

 

 これ……ひょっとして詰みでは?そもそもクリアできない可能性も

 

 今回はここまでです。ご拝読ありがとうございました。

 

 

 




架空のゲームのRTA風小説って予想してましたが難しいですね。
本作は悟飯を怒らせる為に自殺行為しまくるレズちゃんVSレズちゃんを庇いまくる悟飯ちゃんになってます。

語録入れるスペースがなかった分前書きにネタを仕込むスタイル。


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VSナッパ


53位 ベジータの部下 ナッパ
敵だね

このネタ書こうと思ってネットのDB人気投票を調べたら53位が未来悟飯だと知って...俺は...ガッカリした
まあナッパが圏外になる人気投票なんて信用できないからゆるすが...



 悟飯ちゃんがチャートを爆発させるRTA、はーじまーるよー。

 

 前回は悟飯が隠しスキルであるヒーローへの憧れを習得したことによりチャートが崩壊したところまででしたね。このスキルは庇うと生死判定無視によって敵味方の生存率を大きく上げる効果で、本来ならブウ編の悟飯及びグレートサイヤマンが所持しているスキルです。

 

 今回のRTAのチャートは悟飯の好感度を上げた状態で敵の攻撃で戦闘不能になることで、悟飯の激怒モード発動を狙うというものです。しかしこのスキルによってレズちゃんやピッコロなどの激怒モード発動の鍵となる好感度が高い人物への致死ダメージを悟飯が庇ってしまうため激怒モードが発動しません。

 

 更にスキルの弱虫が消えたことでナッパ戦に悟飯が参戦するので不確定要素は更に増えます。チャートはどこ…ここ?

 

 そんなわけで不安いっぱいおっぱい僕元気ですが、レズちゃんだけでもできることはしていきましょう。

 

 

 

「そうだ、まずはこいつらのお手並みを拝見させてもらおうか。ナッパ、栽培マンを7粒出してやれ」

 

「へっへっへ、お遊びが好きだなベジータも」

 

 ベジータに命じられてナッパは地面に栽培マンの種を植えると、たちまち地面から栽培マンが7体出現しました。ベジータは簡単に栽培マンについて説明すると、簡単なゲームだと言って栽培マンとレズちゃん達を1人ずつ戦わせようとします。

 

「くだらん遊びだ!7体だろうがまとめて片付けてやる!」

 

「まあまあピッコロ、悟空が来るまで時間を稼がないといけないこっちには好都合じゃないか」

 

「く……勝手にしろ」

 

 という風に栽培マンとのタイマンが始まりそうになりますが、ここで選択肢が出ます。それはベジータにキレるか大人しくするかのどちらかです。前者の選択肢を選んだ場合レズちゃん1人で栽培マン7体と戦います。普通にプレイしてたら難しいですがコレはRTAなので前者を選んでさっさと終わらせるに限ります。コレRTAだよね……?

 

 ゲーム……?取り消せよ……!!今の言葉……!!

 

「レンズ!?戻れ!」

 

 レズちゃんは飛び上がると気を増幅させます。栽培マンは打撃属性攻撃に強いですが、その他の属性攻撃が弱点になります。なので貫通属性であるどどん波や切断属性である気円斬に非常に弱いです。

 

 しかし、それだけでレズちゃんが7体の栽培マンに勝つのは無理です。防御力の低いレズちゃんではターンを渡した時点で栽培マンに腹筋ボコボコにパンチくらって終了なので1ターンで仕留める必要があります。

 

 そこで重要なのがZスキルであるデデドン波(絶望)とパッシブスキルの舞空術です。

 

 連射性を上げたどどん波であるデデドン波はグミ撃ちの要領で撃つことで全体攻撃ができます。ついでに殺傷能力も上げてるので栽培マン程度の防御なら貫通して動きを完全に止められるでしょう。

 

「レンズ、凄い気だ……!これならアイツらも!」

 

 パッシブスキルの舞空術は地上にいる間の能力値を下がる代わりに空中にいる間の能力値を上げるというスキルで、これのお陰でチャオズはステータスの貧弱さをある程度カバーしています。

 

「あのガキの戦闘力が膨れ上がってる!来るぞ、ベジータ!」

 

「フ、ちょうどいい。地球人とやらの技を見せてもらおう」

 

 つまりこれらのスキルの組み合わせで高火力の全体技を即座に放つことができるというわけです。

 

 レンズのデデドン波!栽培マン達は倒れた!

 

 

 

 

 

 レンズが本気を出したところは他の戦士達は見たことがなかった。彼女は6年前の第23回天下一武道会に出場した時には圧倒的な強さでヤムチャを倒してピッコロに挑んだ。

 

 だがそれには神さまが彼女に乗り移っていたために問題なく戦えていた、というカラクリが存在し、大会が終了した後に亀仙人の元に訪れた少女には全くあの時のような強さは存在していなかった。

 

 しかし彼女はそれでも一般人に戻るという選択肢を選ぶのではなく武道家として戦い続ける選択肢を選んだ。ワシが記憶を消し切れなかったせいだと神さまに彼女のことを頼まれていた亀仙人は、レンズの弟子入りを認めて若き日の悟空達と同じような肉体と精神の両方でトレーニングを施した。

 

 レンズは悟空のように強すぎるわけでもクリリンのようなサボり魔でもなく亀仙人からしたら驚くほどスムーズに修行を進めていたが、彼は彼女の精神性についてを神さまから聞いて不安視していた。

 

「あの子は悪を討つことに対して尋常ではない使命感を持っておった。その原因は勿論ワシが彼女に乗り移ったからなのじゃが、本来なら表出するはずのない人格が表れて、目の前のピッコロ大魔王を討つという強烈な意思を感じた時にはそれだけで済む話ではないとも思ったのじゃ」

 

「ワシはもう神さまとして人を導く自信がない。すまないが武天老師よ、頼まれてくれるか?」

 

「はっ、亀仙流の教えはあの子にとって良い薬になるかと」

 

 そういうわけでレンズを教え始めた亀仙人だったが、レンズはピッコロを生かした悟空に何か感じるものがあったのか、危うい兆候などは全く見られなかった。悟空のことを悪人すらも正義に目覚めさせるヒーローのように思っていたのだけはツッコミたかったが、その少女の無垢な英雄像を壊すには余りに忍びなかった。

 

 そしてその悟空が5年振りにワシらの元にやってきて、ようやくレンズも悟空がどんな人物か知ることができるだろうと考えた時、悟空の兄を名乗る最強の敵がやってきたのだった。

 

 あの時のレンズはピッコロ大魔王に足手まといだと言われたことが余程ショックだったのか、震えながらワシ達と一緒に悟空の場所を探していたが、なにかボタンを掛け違えば彼女も奴と戦うことになっていたかもしれないと思うほど彼女の様子は不安定だった。

 

 そして1年後、レンズは亀仙人を既に大きく超えてあのサイヤ人達に立ち向かうのに十分な力を手にした。そうなってはもう前線を退いた亀仙人にしてあげられることは何も無く、とりあえずクリリンに妹弟子のことを頼むとだけ伝えて彼らを見送った。

 

 だからクリリン達はあんなに怒ったレンズの表情を見て彼女が不安定であることを初めて意識し、遠くから見守っている神さまはどうか彼女が無茶をしないように自分よりも遥かに高次元にいる神々に祈った。

 

 

 

 

 

「す、凄え……これなら奴らもタダでは済まないんじゃあ……」

 

 ヤムチャが楽観的なことを言ってますが、当たり前のように煙が晴れたところに立っていた2人のサイヤ人達は無傷でした。まあどどん波の性能を考えたら当たり前の話ですね。

 

 どどん波は溜めた気を指先から放つことで細いエネルギー波にする技です。そのコストはかめはめ波の二分の一で下手なかめはめ波を弾くほどの威力をしています。

 

 ただそれは、本当に下手(実力が下)なかめはめ波だった場合の話で、気が込められる量が少ないどどん波ではかめはめ波と真っ向から撃ち合って勝つのは難しいです。大量の気を込めるスーパーどどん波なら話は別ですが。

 

 そして同じことは気による防御にも言えます。単純な話、同格以上の相手がどどん波を受ける場合はちゃんと身体全体を気でガードするだけで全くのノーダメージに終わります。要は超サイヤ人悟空にフリーザが放ったデスビームが掻き消されたのと同じ原理です。

 

 勿論格上のサイヤ人2人にレズちゃんのデデドン波が通用するわけはなく、Z戦士の間でも彼らの強さをまざまざと実感して警戒を強めます。そしてナッパは栽培マンを全滅させたレズちゃんに興味を抱きますが……

 

「へへっ、どうやらこいつらそこそこやるようだぜ!俺が7人まとめて相手してやるぜ!いいか!?ベジータ!」

 

「フッ、好きにするがいい」

 

「まずは手始めに栽培マンをやったガキ!お前から殺してやるぜ」

 

 レズちゃんの前に悟飯が立ちはだかります。ナッパは悟飯を見くびって一緒に殺そうとしますがその前に悟飯が声を上げます。

 

「待て、ナッパ!そいつの髪……そのガキがカカロットの息子だ!」

 

「あぁ?そういえば確かにラディッツのスカウターからそんな話を聞いたな」

 

「おまえたち……なんでこんな酷いことをするんだ!」

 

「は?何の話だ一体?」

 

 レズちゃんの前に立った悟飯が彼らが何故このような所業をするのか叫んで問いかけます。その以前までの悟飯とは見違えるほどの変わりぶりにはピッコロ達も驚いて、彼らの返答を待ちます。

 

「なんでか聞きたいか?それはサイヤ人の仕事がこれだからさ!星を侵略してそれを高値で売る!お前達のような現地の強い奴と戦って戦闘欲を満たしつつそれを金に換える素晴らしい仕事だ!お前もサイヤ人の息子なら分かるだろう?」

 

「分かるもんか!僕はお前たちのように誰かの嫌がることをして喜ぶ人間になんか絶対にならない!」

 

「ふん、どうせお前が仲間になりたいと言ったところで切り捨てる予定だったんだ。遠慮せずやっていいぞナッパ!」

 

「そうこなくちゃな!ガキにしちゃ戦闘力が高いみたいだが、精々1000も行かないんじゃ……!?な、なんだこのガキ!?戦闘力がどんどん上がってやがる!?」

 

 こ、これは……悟飯が戦闘に入る前から激怒モードを発動している!?なんで!?まだレズちゃんもピッコロさんも死んでないぞ!?

 

 悟飯ちゃんは無言でナッパを睨みながら力を溜め続けます。その様子を呆然と見ていたナッパですが、しばらくすると悲鳴を上げます。

 

「せ、戦闘力4500!?こ、この俺を超えやがった……!?」

 

「す、スゲェ!悟飯のやつ!流石悟空の息子だ!」

 

「ああ、この気は完全に俺達を超えている!」

 

「ほお……流石サイヤ人とも言うべきか、それでも素晴らしい才能だな。殺すのが惜しくなってきた」

 

「ベ、ベジータ!?そんなこと言ってる場合じゃない!」

 

「ああなんだ?この俺様に手伝って欲しいのか?ガキが怖いから上司に泣きつきたいと?」

 

「ぐっ、ぐぐぐぐぐ……」

 

 ベジータのパワハラ攻撃に何故かナッパは戦闘開始前から憔悴した顔を浮かべています。それにしても悟飯ちゃんの挙動には驚かされました、これも隠しスキルの影響でしょうか。これでレズちゃんとピッコロさんが死ねば単純な2倍計算でざっと18000となりベジータの戦闘力と並びますね。なんかイケる気がしてきた……!!!

 

「ふ、冗談だ。俺様もそのガキには興味がある。適当に教育しておくからお前はガキ以外を皆殺しにしろ」

 

「た、助かるぜベジータ!お前ら!覚悟しろよ!!!」

 

 ここで興が乗ったベジータが悟飯と戦うようです?????

 

 すいません、悟飯が……悟飯がいないんですけど。どうなっちゃってんだよぉ!悟飯がいないっていってんの!ちょ、パーティに悟飯がいないんですけど、聞こえてんですか!えぇ!?

 

 終わり!閉廷!以上!みんな解散!

 

 

 

 い、いえ、ただ今回に関しては元々戦線離脱する予定だった悟飯がベジータと戦うという意味で戦線離脱してるだけ(?)なので本来のチャートに軌道修正できます!

 

「さて、誰から殺ろうかな?やっぱり栽培マンを殺したガキからだなぁ!」

 

 まずはここで1番ヘイトを稼いでたレズちゃんにナッパの攻撃が行くようにお祈りしましょう。仮に回避率が高いクリリンやピッコロにターゲットが向いたなら攻撃を躱すことができますが、天さんヤムチャでは腕を削られて戦闘力が大幅にダウンします。チャオズに至っては即死なので彼らに攻撃が向かうとリセットです。

 

 そして凄い勢いで向かってくるナッパに対して、レズちゃんが取る行動は回避でも防御でもなく迎撃です。回避では状況が変わりませんし、防御は意味を成しません。ここはナッパの攻撃に合わせて思い切り蹴り上げましょう。

 

「はっ!そんな甘っちょろい攻撃が効くかよ!!」

 

「レ、レンズ!」

 

 勿論地球人のガキの攻撃がサイヤ人に通るわけもなく、レズちゃんの右脚は膝から下がナッパの拳によって簡単にもぎ取られてしまいます。ここでダメージに怯んだらリセットですが、レズちゃんはなんとか次の行動に移ってくれました。

 

「太陽拳!」

 

「うぉっ!目が!!」

 

 太陽拳によって目を潰されて足を止めたナッパを尻目にレズちゃんは飛び上がりながら皆に最大火力で仕留めないと終わりだと呼びかけ、自身も気功砲の構えを取ります。

 

「レンズ!もういい!俺が代わりにやる!気功砲!!!」

「俺もやるぞ!かめはめ波!」

 

 そうすると天さんがレズちゃんの代わりに気功砲を、ヤムチャがかめはめ波を撃ってくれます。どうせ片脚を失って気が大幅に減ったレズちゃんの気功砲では命を使い果たしても大したダメージにならないので天さんに任せましょう。片腕を失った状態ですら結構なダメージを与えた天さんが万全の状態で撃つ気功砲はかなりの威力なので、ナッパは地面から動くことができません。かめはめ波も……まあ多少は効果あるでしょう。

 

「この新技ならどうだ!気円斬!」

 

 そして間髪入れずにクリリンの秘密兵器である気円斬が飛びだします。気円斬は真っ直ぐとナッパのいた場所へと飛んでいき、気功砲の衝撃によって発生した煙を切り裂いてナッパの右腕を切断しました。煙で気円斬の存在を隠したのはベジータ対策でしたが、今回は悟飯のお陰で安全に気円斬を通すことができました。

 

「うっ、腕がぁ!?」

 

「まだ終わりだと思うなよ!」

 

 続いて2発目の気円斬が放たれます。原作だと栽培マンを全滅させるために余計な気力を使っていたクリリンが万全の状態なので気円斬を2度も撃てます。気円斬は消費と発生の早さに対してのコストパフォーマンスが高すぎる。

 

「あれはヤベェ!ぐっ!」

 

「くそっ!避けられた!」

 

 しかしナッパも分かってる脅威を甘んじて受け入れるほど馬鹿ではありません。咄嗟に飛び上がって気円斬を回避しますが……

 

「今だ!チャオズ!」

 

「分かった!」

 

 そこをチャオズが捉えて金縛りの術でナッパを拘束します。普通ならこの戦闘力の差では天地がひっくり返っても術は成功しませんが、今のナッパには余裕がないので少しの間ではありますが完全にナッパの動きを止めることに成功します。動きが止まったのならアレの出番です。

 

「ここだァ!魔貫光殺砲!!!」

 

「ぐおおおおおおおお!!!」

 

 長いチャージ時間を終えたピッコロの魔貫光殺砲がナッパを貫通します。大量の気を込めながら細いビーム状にして放つこの技はレズちゃんのデデドン波やフリーザのデスビームのように同格以上の相手が気を込めてガードする防御は通じず、それを上回るほどの気によって防御をぶち抜いて貫通する正に必殺と呼ぶに相応しい技です。

 

 貫かれたナッパは地上へと落下し、動かなくなりました。どうやら心臓を貫いたようです、流石ピッコロさん。

 

 それにしてもなんとかチャート通りにナッパを倒すことができました。ここまでで死者は1人もいないし、気力こそ皆殆ど使い切ってますが目に見える被害はレズちゃんの右脚だけです。それもパッシブスキルの舞空術である程度誤魔化すことができます。

 

 それもこれもイレギュラーを抑えてくれた悟飯ちゃんのお陰です。本人が最大のイレギュラーだったとは言ってはいけない(戒め)

 

 さて、その悟飯ちゃんはどうなってるかなっと……

 

「う、嘘だろ……悟飯が……」

 

「ちっ、ナッパがやられたか。このガキも大した力だったし、どうやら俺様は貴様らを舐めていたようだな……」

 

 えーと、主力が倒れてるんですけど、それはRTAとして大丈夫なんですかね?

 

 今回はここまで、次回はベジータ戦です。ご拝読ありがとうございました。

 

 

 




オッス!オラ悟空!
これどうやったらベジータに勝つんだぁ?オラが来るにも後3時間待たねぇといけねぇぞ?
まあ未来の投稿者がなんとかしてくれるだろ!オラワクワクすっぞ!
次回!ドラゴンボールZ!
絶望の未来!投稿者死す!次もぜってぇ見てくれよな!


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VSベジータその1


ワッカネタ尽きたけど前書きに何書けばいいんですかね...?(深刻な汚染)



 殺されたみんなはドラゴンボールで生き返るから気にすんな!恥を知れ恥を、なRTAはーじまーるよー。

 

 前回は栽培マンとナッパを倒し、ベジータによって悟飯が倒されたところまででしたね。とりあえず悟飯にまだ息があるかを確認しましょう。彼が死んでたらもう全て終わりです。

 

 ……良かった、気絶してるだけで死んではいないみたいですね。どうやらナッパ戦をスムーズに終わらせたお陰で欠損などの致命的なダメージも負ってないので、回復すればまた戦えるでしょう。生きてて良かった〜って思うわけ。

 

 とりあえず気絶してる状態から起こして、戦いから離れた場所に避難させましょう。ここで重要なのは戦いの様子が見える場所にすることです。

 

「よく悟飯のことを見逃したな、てっきり俺達は皆殺しにするつもりだと思ってたが……」

 

「ナッパのクズが死んでしまったからな。あのガキにはナッパの代わりにサイヤ人として育ててやろうと思ってな」

 

「外道め……」

 

 悟飯の激怒ゲージは戦線を離脱した状態だと上昇しないという説明を前にしましたが、あれには語弊があって悟飯の視界に入らない状態でのゲージ上昇行為がカウントされないという意味です。

 

 ブウ編において、悟飯は超サイヤ人2への変身を自由にできなくなっており、天下一武道会では変身できていたのにその後のダーブラ戦では変身できませんでした。つまりあの時点では怒りを介してでないと超サイヤ人2へは変身できないということが分かります。

 

 そして天下一武道会で悟飯の怒りがどのように溜まっていたかというと、勿論スポポビッチ(R18G)ですね。観客席でビーデルが嬲られるのを見た怒りによって激怒ゲージを溜めていたのだと予想されます。

 

 つまり、今の悟飯が動けないまま残りのZ戦士達が死ぬのを見ることしかできないという状況はチャート崩壊のように見えて、実は本来のチャートより理想的な状態であるというわけです。本来は悟飯を守りつつ悟飯の怒りを煽るような良い感じに味方を殺さなければなりませんでしたからね。孫悟飯!孫悟飯見てるかー!?ベジータさんありがとう!(ファイナル)フラーッシュ!

 

 問題は悟飯のダメージ具合でしたが、あのくらいなら何度か激怒モードに入れば動けるようにはなるでしょう。いえいえ、まだ沢山火種は残ってるので。その為の死者無し栽培マン撃破?あとその為のナッパ撃破?

 

 

 

「どうせ貴様らは全員死ぬんだ。1人だけでも生き残った方が嬉しいだろう?」

 

「ほざけっ!」

 

 ピッコロがベジータに飛び掛かりますが彼のパンチがベジータの体を捉えることはなく、避けた反動を利用したベジータの蹴りによってピッコロは元の場所まで吹っ飛ばされ一撃で戦闘不能になりました。

 

「ナメック星人にはドラゴンボールのことを聞き出さなきゃいけないからな……貴様は後で殺してやる」

 

「あ、あのピッコロが一撃で……?」

 

「ヤツと真正面から戦うな!悟空が来るまで持ち堪えるんだ!!!」

 

 クリリンの号令を受けてZ戦士達は散らばって飛び上がります。それを見たベジータはまず1番近かったヤムチャに向かって物凄いスピードで向かってきます。

 

「このバケモノめ!繰気弾!」

 

「なんだその技は?お遊びのつもりか?」

 

 ヤムチャは繰気弾でベジータを迎え撃ちますが、ベジータのスピードに繰気弾を操るヤムチャは全くついていけず最終的にベジータは繰気弾を掌で受けて潰してしまいます。絶望を浮かべるヤムチャの腹をぶち抜いたベジータは物言わぬ肉塊となったそれを投げ捨てると、今度は天津飯の元へと向かいます。

 

「くそっ次は俺か!だがただではやらせんぞ!四身の拳!」

 

「「「「これなら動きを見切れまい!」」」」

 

 4人に分身した天津飯がベジータを撹乱しようと囲みますが、

 

「ふん、ただの子供騙しだな」

 

 ベジータは動きの遅くなった天津飯を見て技の本質を悟り、次々と分身体を撃破していきます。あっという間に3体の天津飯を消滅させたベジータが残った最後の天津飯を手に掛けようとし……

 

「天さんは僕が守るんだ!」

 

「なっ、チャオズ!?」

 

「さよなら……天さん」

 

 チャオズがベジータに掴まって自爆します。爆発の衝撃で天津飯は地面まで吹っ飛ばされ叫びながら地面を叩き、チャオズの死を嘆き悲しみます。しかし天津飯は大切な相棒の死を悲しむ一方で、ベジータは死んでないという武闘家としての冷静な判断から晴れる煙の中に見える人影に向かって構えを取ります。

 

「まさか自爆するとはな。だがなんのダメージも与えられないならそれはただの無駄死にってわけだ」

 

「よくもチャオズを!はぁー!!!気功砲!!!」

 

「ほお中々の戦闘力だ、やるじゃないか。だが……」

 

 天津飯の放った渾身の気功砲はそのほぼ全ての生命力と引き換えに強力な一撃となってベジータの元へと向かいます。それを見たベジータは感心したように呟くと、気功砲に向けて手を出すとそこからエネルギー弾を放ちます。

 

「この俺様と戦うには10年早かったな」

 

 エネルギー弾は気功砲とぶつかるとまるで何の障害も無いかのように気功砲を押し返し、

 

「む、無念……」

 

 天津飯の元に着弾して大爆発を起こし、爆煙が晴れるとそこには何も残っていませんでした。それが意味するのは決して天津飯がそれを避けられたということではなく、爆発によって天津飯の体が粉々に砕け散ったということでした。

 

 

 

 

 

「ぁぁ、うぁぁ」

 

 目の前で命が失われていく。ヤムチャさんもチャオズさんも天津飯さんも初めて会ったのは少し前だったけど、皆良い人ばかりでこんなところで死んでいいような人達ではなかった。

 

「なんで……なんでなんだ……!」

 

 それなのに何故、彼らは惨たらしく死んでるんだ?あの悪い奴がいるから?アイツより皆が弱いから?

 

 違う!

 

「なんで動けないんだっ!」

 

 僕が弱いからだ!アイツを止められるのは僕しかいないのに!お父さんが来るまでの間、ピッコロさんにもレンズさんにも僕が1番強いから頑張れって言われてたのに!

 

「あああああ!!!」

 

 だけどいくら力を振り絞っても体は動かない。その時一瞬だけアイツが僕の方へと顔を向けた気がしたが、レンズさんが気弾で顔を狙うとヤツは彼女の元へと向かう。

 

 ダメだ。

 

 それはダメだ。絶対にダメだ。あの人のおかげで僕はヒーローになるって決めたんだ。僕は絶対にあの人を守らなければならない。

 

「うぎぎぎぎぎ」

 

 血が滲むほど地面を掴んで膝を上げる。それだけでも永遠にも等しい時間が過ぎ去ったように感じて、僕は手遅れになってないか震えながらレンズさんの方を見る。

 

 レンズさんはヤツに向かって緑の怪物達を倒した技を次々と撃っていた。だけど爆風の中のヤツは相変わらず強い気を放っていて、全くダメージを食らっていないことが僕にも分かった。そして一瞬だけヤツの気が膨れ上がったことに僕は気付き、なりふり構わず飛び出そうとして、

 

 一条の光がレンズさんを貫いた。

 

 

 

 

 

 3人の死を見た悟飯が怒りで激怒モードを発動して大きく気を膨れ上がらせますが、まだ戦闘不能から回復するには遠いです。むしろ今はそれを不審に思ったベジータの気を引くためにレズちゃんが動かなければいけません。

 

 ベジータが気を探る手段はスカウターに依存しており、それをレズちゃんが破壊すれば悟飯の戦闘能力の上昇に気づくことはありません。精々今のはスカウターの不調とでも思わせておきましょう。スカウターは精密機器だからね、しょうがないね。

 

 レズちゃんに茶々を入れられたベジータはそのまま彼女を狙います。ここで重要なのはレズちゃんが死なずに死んだような衝撃的なシーンを演出することです。そしてその為にはデデドン波(絶望)が鍵になります。

 

 ベジータのステータスはまあ説明せずとも馬鹿みたいに高いとは皆さまもお分かりになると思うでしょうが、スキルも頭おかしいものばかりです。メインスキルのギャリック砲はかめはめ波のような気の込めやすさにおいて優れた技であり、この技の撃ち合いに現時点で勝てるのは悟空の4倍かめはめ波か元気玉くらいです。

 

 それに加えてメインスキルには大猿化を引き起こすパワーボールがあり、これにパッシブスキルである大猿を合わせることで全てのステータスを2倍にする大猿になります。

 

 原作でベジータは大猿になると戦闘力が10倍になると言ってましたが、それはあくまでその時点からの話であり、この状況でパワーボールを発動すると気が大きく減少するので実質的なステータスは2倍程度というわけです。ですがそれでも発動されたらヤジロベーイベントまでの間ほぼ無敵状態になるのでめちゃくちゃな技です。更に恐ろしいことにベジータはもうひとつスキルがあります。

 

 それは戦闘時に見た技をラーニングするスキルです。原作において大猿と化した悟飯の尻尾を切断するためベジータは気円斬を放ちましたが、あれはベジータの天才的なセンスでクリリンの技をラーニングしたということです。

 

 あ、おい待てい!ベジータが気円斬に似た技を元々習得してた可能性もあるゾ!確かにその可能性も考えられますが、それなら身内の技の性質も見極められなかったナッパがMUR以上の池沼になりますし、そもそもベジータが技名を言わずに持ち前の技を撃つとは考えられません。その後も気円斬を使ってないことからもあの場限りの即興技だと考えられます。

 

 それを踏まえて今回のナッパ戦、ベジータ戦を振り返って見ましょう。ベジータは悟飯と戦っていたためナッパ戦を見ていません。つまりクリリンの気円斬を見ていないのでラーニングしていないというわけですね。

 

 そしてベジータ戦ですが、彼が受けた技はどれも短所が目立つ技でありプライドの高い彼がラーニングするとは思えません。そうなるとレズちゃんが栽培マンを倒した時に使用したデデドン波をベジータがラーニングするのが自然な流れになります。特に格下狩りに向いてるこの技は今のベジータが使うにピッタリの状況です。

 

 そこでレズちゃんが全力でデデドン波をグミ撃ちしたとしましょう。ベジータなら普通の気弾やエネルギー波でもレズちゃんを倒すことができますが、爆風に視界を遮られた状態で気を探れないベジータは正確にレズちゃんを狙うことができません。そんな状況なら地球人でも連発できるコストの低い技を優先的に使うのが天才であるベジータの思考ルーちんちんというわけです。

 

 レズちゃんはそれに対して元いた場所からちょっとだけ動いてベジータのデデドン波が心臓を避けるように受けましょう。即死は免れますが戦闘不能となり、そのまま放置しておくと最悪死にます。

 

 

 

「うわぁぁぁぁ!!!」

 

 そして地面へと墜落したレズちゃんを見た悟飯が2度目の激怒モードを発動します。更にサイヤ人の瀕死時パワーアップも同時に発動して戦闘力を大幅に上昇させます。

 

 1度目の激怒モードで4500、2度目の発動で9000更にサイヤ人特性で戦闘力が増加したため今の悟飯はベジータと殴り合えるほどの戦闘力を手にしています。

 

「お前は絶対に許さないぞ!」

 

「なっ!速い!?」

 

 一瞬にしてベジータの後ろを取った悟飯がベジータを思い切り蹴飛ばし、吹き飛んだベジータに追撃を掛けます。

 

「ぐおっ!っ!調子に乗るなよっ!」

 

「っ!」

 

 しかしベジータもただで殴られることはなく、咄嗟に振り返って追撃を掛けようとした悟飯に拳を振ります。悟飯はそれを受けますがダメージを最小限に抑えます。

 

 そしてそこからはドラゴンボール名物のシュンシュンが始まりました。こうなると最早残ったクリリンには何もできないので、とりあえず倒れたレズちゃんをピッコロの元へと運びます。

 

 ついにベジータとガチな戦いを始めた悟飯ですが、それでも戦闘力はベジータの方が上であり、経験による差や戦いのセンスなども相まって悟飯が押され始めます。

 

 さて、どうしましょうか……(何も考えてなかった顔)今までなんだかんだチャートに近い形で事態を進められてきましたが、こっから先はアドリブで悟飯の更なる怒りを引き出さなければいけません。方法としてはレズちゃんかピッコロが死ねばいいと思うんですけど(外道)どういう展開にすればそうなるのかがこれもう分かんねぇな……お前どう?

 

 悩んでる内に悟飯がベジータに蹴飛ばされて勢いよく岩盤へと激突します。まあレズちゃんは倒れてるから操作できないし、もう大人しく観戦しとこう!と思ってると、クリリンがファインプレーをしました。クリリンは岩盤から出てきた悟飯に呼びかけ、

 

「悟飯!俺たちは悟空が来るまで時間を稼げばいいんだ!無理をするな!」

 

「あっ、そうだ!僕達にはお父さんがいる!」

 

「チィ!カカロットのことか……!」

 

 怒りから頭を冷やした悟飯はそこからはクリリンと一緒にベジータの攻撃を避けることを意識し、ダメージを最小限に抑えます。クリリンの持つ残像拳は気を探れないベジータに有効な技で、このまま行けば悟空が来るまで持ち堪えられそうです。

 

 ただそう簡単にいかないのがベジータでもあります。ベジータは回避に徹する2人から目を離すと、

 

「クソガキ共めぇ!それなら数を減らしてやる!」

 

「なっ!卑怯だぞ!」

 

 倒れているレズちゃんとピッコロを狙ってエネルギー波を撃ちます。戦闘に参加していないレズちゃん達は戦闘中の悟飯には庇うことはできず、エネルギー波は真っ直ぐと飛んで着弾します。

 

「ピッコロさん!!レンズさん!!うわぁぁ!!!」

 

「ひ、ひでぇよ……ピッコロが死んだらドラゴンボールは使えねぇんだぞ!!!」

 

 ピッコロさんとレズちゃんの死亡確認ヨシ!強いて言えば同時に死んだのでは悟飯の激怒ゲージは一本分しか上がらないことが不安材料ですが、それでも悟飯でベジータを5割削ることができそうです。

 

 ただ、レズちゃんが死んだためフリーザ編に介入不可能になりました。こうなってしまうとRTAとしてはゲームオーバーです。流石にフリーザ編を短縮せず丸々と流すと残りのセル編やブウ編でいくら短縮しても元々のサイヤ人チャートを超えることは不可能です。ウンチー理論にも限度があるってそれ一番言われてるから。

 

 とりあえず今回はここまで、次回は……ってあれ!?

 

 

 

「こ、この俺が、器であれど神のヤツを庇って死ぬ、なんてな……」

 

 ピッコロさん!?ちょっと!(せっかくの名シーンが)まずいですよ!

 

 今回はここまで、ご拝読ありがとうございました。

 

 

 




「ピッコロさんの見せ場が入ってないやん。どうしてくれんのこれ?(アルティメット化)」
「すいません」
「ピッコロさんの名シーンを見たかったから注文したの!何でないの?」
「レズちゃんがさっき…食べちゃいました(名シーンぶち壊し)」
「はぁー、あ ほ く さ(銀髪化)」


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VSベジータその2


ベジータや悟空が気円斬や太陽拳をパクリますしブロリーも同じことができるのを考えると純サイヤ人の強みは単純な腕っ節よりセンスの方にあるのかもしれません。
けどゴテンクスの戦術的センスのあるオリジナル技を考えると悟飯ちゃんが特別不器用なだけにも思えてきた…



「ピッコロさん!!!」

 

 ベジータと戦っていた悟飯がまっすぐこちらへと向かってくる。横を見ると目を覚ましたレンズが俺の傍らに寄り添ってて彼女は不思議そうに俺へと呟く。

 

「なんでですか、貴方にとって私は敵だったはず……」

 

 俺は全身を焼く痛みを堪えながらそれに答える。

 

「さてな、俺もどうやらお前らの甘さが移っちまったらしい……ぐうっ!」

 

「ピッコロさん!死なないで!」

 

 悟飯が懸命に俺の手を握って死なないでと励ましてくる。全く、こんな甘っちょろいガキどもに囲まれて満足してるのが大魔王として情けないったらねぇぜ……

 

 

 

 俺が大魔王の子として生を受けた時に最初に感じたものは大魔王の持っていた人間への悪意とそんな人間に父を殺された恨みだった。そして3年間、俺は人間共と父を殺した孫悟空という奴を殺す為に厳しい修行を積んでいた。その時には人間と関わるなど気持ち悪くて想像もしていなかった。

 

 3年が過ぎ、次の天下一武道会に悟空を始めとした地球上の強者達が集うと知った俺はマジュニアという偽名を使って出場した。そこでレンズの体を借りた神や孫悟空と戦い、最終的に俺は敗北した。

 

 敵討ちに失敗した俺は勿論死ぬつもりだったが、あの甘っちょろい悟空の奴はあろうことか仙豆を渡してまで俺を見逃したのだ。その時の俺は宿敵に情けを掛けられた悔しさと、神の死が迫っていて寿命の短い俺を生かすことに何の意味があるのか理解できないという感情に支配された。

 

 とにかくそれらの感情から逃げるように捨て台詞を吐いて会場から飛び去った俺は、唯一生まれた理由である敵討ちに失敗した中で残りの人生何をすればいいのかという問題を前に途方に暮れた。気の迷いで人間界に出向いては魔族的な特徴から人々に恐怖され、俺は隠れるように山奥で半ば現実逃避のように自分を鍛えていた。

 

「なんでピッコロ大魔王を生かしたんですか!」

 

 それは神が憑代にした少女が悟空に問い詰めた時の台詞だった。どうやらそいつは神が憑依した時の記憶が強く残っていたらしく、戦っていた時もしばしば俺への殺意を隠し切れていない様子だった。

 

 だが俺にとってはそいつのことよりもそいつの言ったことの方が重要だった。

 

 そんなことは俺の方が聞きたかった!残り少ない命では大魔王の悲願だった世界征服なんてできっこない!そして仇である悟空に情けを掛けられては奴を殺す気など全く湧かない!

 

 ……それでも俺は悟空を殺すと自分に言い聞かせ続け、自分を鍛えては悟空を殺す為の新技を作り始め、それを完成させる気も起きずに残りの寿命が来るのをひとり山奥で待っていた。

 

 

 

 そうして5年が過ぎ、俺は途方もない巨大な気が宇宙から地球へと飛来したのを感じ、これが俺の死地になるかもしれないという予感に複雑な感情を抱きながらそこに向かった。

 

 そんな俺を待ち受けていたのは悟空と協力しても全く手が出ないほどの恐ろしい敵と、それを諸共倒す為に俺が悟空を殺したという結果だった。

 

 自らの悲願を達成したにも関わらず俺がまず第一に思ったのは仇を殺したことへの嬉しさではなく、殺した孫悟空に代わって地球を守らないといけないという使命感だった。一年後の戦場が今度こそ自らの死地になることを覚悟し、俺はこの戦いで戦いの才能を見せた悟空の息子を鍛えることにした。

 

「悟飯ちゃんの修行なら私にも手伝わせて下さい。お母さんであるチチさんにも許可は得ました」

 

 レンズが俺の前に現れたのはそんな時だった。奴は5年前の苛烈さが嘘のように穏やかになっており、俺はその変貌ぶりに奴があの時の少女だとは気づきもしなかった。

 

 俺は奴が悟飯を甘やかすだろうとは思いつつも、自分の修行を優先するという理由から奴が悟飯を見るのに反対しなかった。俺は悟飯の境遇に同情していたのだ。

 

 勿論俺はあいつのような甘ったれではない。だが、偉大なる父の元に生まれその父を失った状況で自分が戦わないといけないという境遇は、自身のことを連想させるには十分すぎるほど似通っていた。

 

 

 

 悟飯を厳しい環境に放り込んでから半年後、俺はレンズと話し合って悟飯を親元に帰しつつ並行して修行を行うようになった。その時に俺はレンズがあの時の少女だったことに気づき、その変わりように衝撃を受けた。

 

 そして俺や神の存在がレンズの人生を歪めてしまったのだと痛感した。こうして親元から連れ去って戦わせている悟飯も含め、もし俺がいなければ今頃は平和な時間を過ごし、半年後のサイヤ人との戦いなど知りもせずに死んでいたのだと。

 

 だから俺はその責任を果たさなければいけない。悟空を殺し、コイツらの人生を変えてしまった責任を。その為に俺はコイツらに生きてることを後悔するような厳しい修行をつけていたはずなのに……

 

「甘いぞ!そうやって倒れたからと敵が見逃すと思うな!」

 

「ダウンしたのなら相手の様子を見て、追撃を掛けられてるかを判断して対処をするの」

 

「はいっ!」

 

 どうしてコイツらは心地よさそうにしているのだ?どうして俺はこんな環境も悪くないと思い始めているのだ?この大魔王ともあろう者が、ガキどもに囲まれて幸福を感じるなんて……

 

 

 

「悟飯ちゃんは悟空さんみたいにはなれません。彼には彼の、戦う意味が必要なんです」

 

 それは悟飯について語った台詞だったが、俺の胸にも深く刺さったものだった。俺は父のような人間を侵略して世界を征服する大魔王にはなれない、きっとそれはこのガキどもがいなくても同じだっただろう。

 

 だから俺は俺の持つ意味で戦うのだ。そしてそれは……

 

 

 

「死ぬ、なよ。ふた、りと、も……」

 

 目の前がよく見えないのはきっと目蓋が重いせいで、決して涙が溢れるからじゃない。最期に2人の顔をよく見ようとしてボヤけた目を凝らそうとすると、2人の顔の向こうにあのサイヤ人が薄気味悪く笑って手を向けてるのが見えた。

 

「諸共死ねぇ!」

 

 やめろ!!!そんな言葉が出ることもなく俺はその光に目を焼かれ、

 

 

 

「すまねぇピッコロ。間に合わなかった……これから先はオラに任せろ!」

 

 最期に聞いた宿敵の声に安心の感情を抱いた。

 

 

 

 

 

 やった!悟空さが来てくれました!サイヤ人編完!!!

 

 原作の通り悟空の戦闘力は8000で界王拳によって更に2倍、3倍と上げられるため最終的には2万4000まで出せます。そしてピッコロの死によって3度目の激怒モードを発動した悟飯も戦闘力1万8000となり、戦力差で言えば完全に上回りました。

 

 更にベジータは悟飯との戦いで2割ほどダメージを受けてるため、ここから戦闘力1万8000のベジータに勝ち目はありません。

 

「くそっ!この俺が最下級戦士達に手こずらされるなんて……貴様らはサイヤ人の本当の力でぶっ殺してやる!」

 

 しかしそのような危機的状況ですらサイヤ人の王子であるベジータには逆転手段があります。彼は全ての気を手に集中すると、気が一点に凝縮して光り輝くエネルギー弾を作ります。

 

「レンズって言ったか?仙豆で傷を癒やしてクリリンと一緒に逃げるんだ!」

 

 ここでの選択肢は3つです。まずクリリンと一緒に逃げるか、残って戦うかの2択ですが、これはそのまま前者のルートだと原作とほぼ同じでベジータ戦に参戦する戦闘力の条件を満たした戦士が悟空とベジータに戦いを挑みます。後者はクリリンも含めた4人でベジータに立ち向かうルートでRTAだとこちらが有力ですが、今回の悟飯チャートでは3択目の悟空が渡す仙豆を他のメンバーに渡すを選びます。

 

「い、いえ……その仙豆は悟飯ちゃんにあげて下さい」

 

「レ、レンズさん?だってその脚は……」

 

「今はベジータを倒すのが最優先です。それに飛ぶだけなら片脚無くても問題ありません。悟空さんも私の脚より悟飯ちゃんが生き残る方が重要でしょう?」

 

「すまねぇな、恩に着るぞ。悟飯」

 

「ありがとうございます、レンズさん……」

 

 ここで悟飯が仙豆を食べた時点でサイヤ人編はほぼ終了です。終わり!閉廷!以上!皆解散!

 

 ベジータがパワーボールの説明をしている間に解説と参りましょう。原作でベジータを倒した最後のダメージは何だったか皆様は覚えていますでしょうか?4倍かめはめ波?元気玉?いえいえ、最後は悟飯の大猿化によってベジータに止めを差しました。

 

 しかし悟飯の尻尾はピッコロが切断したはずです。じゃあ何で生えてるかというとそれは……謎です(は?)

 

 原作では元気玉を受けたベジータが立ち上がり、気合砲で悟飯達を吹っ飛ばすまで尻尾はありませんでした。つまりダメージを受けた衝撃で再生した?と、考えることもできます?しかしそうなるとそれまで受けたダメージで何故尻尾が再生しなかったのかの理由にはなりません。???

 

 とりあえずこのゲームにおいては尻尾を切断して時間が経ってから仙豆やメディカルマシーンによって体力を完全回復した場合に幼年悟飯のみが尻尾を再生するようになってます。ドラゴンボールの7不思議ですね、探そうと思えばいくらでも出てきそう。

 

 そして悟飯の尻尾が回復したということは悟飯が大猿になれるということですが、戦闘力1万8000のベジータと悟飯ではどちらも戦闘力18万となり一見拮抗しているように見えます。勿論悟空がいることで若干悟飯側が有利ですが、大した影響はないでしょう。

 

 しかしベジータの現状を考えるとそうではありません。ただでさえ体力が減ってるのに加えてベジータの気はパワーボールの生成によって大きく減少しています。

 

 原作では大猿化が解けた後のベジータは元気玉の準備をしている間、戦闘力3000もいかない悟飯とほぼ互角の戦いをしました。優勢だったのを考えると恐らくあの時点のベジータは戦闘力3000ほどになっており、それはそのまま大猿の戦闘力は3000の10倍である3万であると推測できます。

 

 それに比べると体力を全快した悟飯は18万のままなのでオワオワリです。大猿と化したベジータでは気円斬のような細かい気のコントロールを必要とする技は撃てませんし、このまま大猿悟飯にボコボコにされて終了です。

 

 

 

 え?悟空さいる?仙豆係として必須だからいる。ちなみに以前の話でベジータの大猿化はステータスが2倍になるとお話ししましたが、悟飯の大猿化はステータスが5倍になります。はぁ〜、あ ほ く さ。

 

 

 

 

 

「ははっ、すげぇな……オラもあんなに鍛えたのに、全く手がでねぇや」

 

 目の前では大猿になった悟飯が同じく大猿になったベジータを一方的に殴り倒していた。ベジータが光り輝くエネルギー弾を空に打ち上げるとそれを見てベジータが大猿になったのは驚いたが、それ以上に隣にいた悟飯まで大猿になったのはもっと驚いた。

 

 確かに言われてみれば自分も尻尾を神さまに消してもらうまで大猿になってたわけだし、その尻尾を受け継いだ悟飯には満月の夜には出歩かないようにと教えていた。しかしまさか悟飯がこんなに強くなってるとはさっぱり思ってなかったのだ。

 

 確かにラディッツと戦った時に一瞬だけ見せた悟飯の強さには驚かされたし、隠し持ってるパワーはかなりのものだと親としての色眼鏡を抜きに評価していた。

 

 だが、それでも1年前までは戦うことなんて全く知らない、むしろチチの教育のおかげで机に向かって勉強ばかりしているような子だったのだ。それには少しの物寂しさを感じたものだったが、確かに悟飯は戦うことを怖がってたしそれでも良いと考えていた。

 

 だから、自分が死んでピッコロが悟飯を鍛えていると聞いた時には真っ先にチチに殺される(もう死んでるけど)って思ったし、それ以上に戦いを怖がってた悟飯を戦場に連れ出してしまった己の力不足を痛感した。

 

 そしてこうやって帰って来た自分の元で待っていたのは、ただ強くなっただけではなく完全にひとりの戦士としての顔をした悟飯だった。子供の成長は早いというが、1年間見てなかっただけで自分はとんでもなく大事なものを見逃してしまった。

 

 そしてベジータの作ったエネルギー弾が徐々に光を失い、完全に消えた時に残ったのは倒れ伏したベジータと、息を荒くして膝をついた悟飯だった。悟飯の元に駆け寄ると、力強く抱き締める。返ってくる力は記憶より間違いなく強くなっており、それも悟空にとっては喜ばしかった。

 

「よくやったな!悟飯!」

 

「お父さん!僕頑張ったよ!」

 

 それからは悟飯の話を聞いた。ピッコロによって荒野のど真ん中に置いてけぼりにされたこと、そこから半年間自分ひとりで生きろと言われたこと、食べ物も飲み物も無い状況で途方に暮れたこと、レンズにどうやったらそれらを手に入れられるか教えてもらったこと、半年間が過ぎるとピッコロとレンズとたくさん組手をしたこと。

 

 サイヤ人の2人によって皆が殺されたこと、ピッコロがレンズを庇って死んでしまったこと、自分がベジータと戦ったこと。

 

 それに頷きながら悟飯の頭を撫でる。そうして戦場に似つかわしくない穏やかな時間を過ごしていると、倒れたはずのベジータが宇宙船を呼んで脱出しようとしていた。そこをそれまで隠れていたヤジロベーが刀を構えて斬りかかんとする。

 

「逃げられると思うなよ!」

 

「く、くそ!体が!」

 

 あんなに強い奴と戦えなくなるのはとても残念だったが、ベジータと戦っていない自分が口出しすることでもないだろう。そう思ってたら立ち上がった悟飯がヤジロベーを呼び止める。

 

「待ってください!その人を殺さないでください!」

 

「あぁ!?なんでだ?コイツにみんな殺されたんだぞ!お前が好きだったらしいピッコロもだ!」

 

 自分も悟飯の言ったことに驚いた。2度と戦えなくなるのが嫌だから殺したくない自分ならともかく、悟飯にはベジータを殺さない理由なんてないと思ってたのだが。

 

「ここで殺してしまったら、僕達も同じになってしまいます。ベジータさん!もう2度とこのようなことをしないと約束してください!」

 

「く、くそぉ……」

 

「ベジータさん!」

 

「わ、分かった……もう2度と地球は攻めん……」

 

 ベジータはそう言うと宇宙船に乗り込んで地球を離れてしまった。その宇宙船が描く光の軌跡を見ながら悟飯の様子を見る。

 

 

 

「これで良かったんか?ピッコロの仇なんだろ?」

 

 悟飯は涙を流しながらコクコクと頷いていた。暫くして悟飯は涙混じりに答える。

 

「レンズさんに誓ったんです、僕は僕だけのヒーローになるって。だから、ピッコロさんを殺したからあの人を殺すってヒーローらしくないことはいけないんです」

 

「そっか。正直オラも嬉しかったぞ!これで今度はオラがベジータと戦える!」

 

「そう、ですね。死んでしまったら戦うこともできませんから」

 

「……悟飯、おめぇは凄ぇヤツだ。オラよりもずっとずっと、おめぇは強くなれる」

 

「僕は、お父さんやみんながいるなら強くなくても……」

 

 自分と目を合わせなかった悟飯に対して、悟飯がこのような戦いはしたくないと思ってるのだと理解した自分は、今まで受けてきた亀仙流の教えを教える。

 

「悟飯、オラが教わってきた亀仙流はな、敵を倒すために習うものじゃねぇんだ」

 

「敵を倒すものじゃない?」

 

「これは小さい頃のオラは分からなかったんだけどさ、体を鍛えるっていうのは自分に負けないように心も鍛えることでもあるんだ。心を鍛えれば人生も楽しくなるんだ。それを振るうのは今回みたいに悪いヤツが出てきた時だけでいいんだ」

 

「オラが10歳の時じゃ分からなかったことだけど、頭の良いおめぇなら分かるだろ?」

 

「はい」

 

 まだ5歳のはずなのに悟飯は本当に頭が良い。この調子ならチチがいつも言ってる偉い学者さんも夢じゃないなと思いつつ、自分の言いたいことを伝える。

 

「だからさ、オメェがヒーローになるなら今みたいに自分に負けたらいけないだろ?それならもっともっと鍛えて、強くなるんだ。そうすればオメェは自分にだって負けはしねぇ!」

 

「……僕、やってみます!」

 

「ああ!オメェはオラの息子なんだ!頑張れば誰にも負けねぇ!」

 

 まだこんなに小さいのに、自分は悟飯が自分を超えると確信している。

 

 ただ、その為には2人で最強の敵を越えなきゃならねぇ……

 

 

 

「その為には、チチを説得しなきゃな……」

 

「はい……」

 

 せっかく生き返ったのにすぐに死にたくはないと、クリリン達が帰ったカメハウスに2人で向かうことにした……

 

 

 




というわけでサイヤ人編完です。
完走した感想ですが...(早漏)
実際一区切りついたし、フリーザ編は更に登場人物が多くて動かし切れる気がしないので書く気がね...

とりあえず感想が来たら返信してモチベを上げるので気が向いたらご評価やご感想をお願いします。


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フリーザ編
危険なオリチャー!超走者はねむれない



フリーザ編始まって早々ですが絶望してます。詳しくは本編にて…



 かくして、Z戦士の奮闘は身を結びベジータは地球から逃げていった。しかしピッコロの死によりドラゴンボールを失った状況で死んでいった戦士達はもう二度とは蘇らない。悲しみが漂う中でクリリンは一筋の光明を見出すのであった。

 

 そんな聞き覚えのあるナレーションと共にフリーザ編は始まります。八奈見さん生き返れ生き返れ(届かぬ思い)

 

 クリリンはピッコロがナメック星人であるという事からナメック星に行ってドラゴンボールを使わせてもらうことを思いつき、ナメック星人の宇宙渡航技術を解析したブルマ達と宇宙へ旅立ちます。

 

 そこでドラゴンボールを巡って今回のボスであるフリーザ率いる敵達と戦うのですが……レズちゃんはしばらくお休みです。

 

 これは勿論フリーザ編丸々参加しないということではなく、ブルマの父親であるブリーフ博士によって作られた宇宙船で先行したクリリン達を追うルートになります。これはベジータ戦終了時に致命的な負傷を負っていた場合に進むルートで、悟飯を怒らせる為に進んで負傷する悟飯チャートでは今後このルートが一般的になるでしょう。

 

 主人公がいないんじゃタイムも遅いんじゃないかと思われるかもしれませんが安心して下さい。フリーザ編に関しては最後のフリーザ戦が始まるまでの時間はどのような展開でも同じになっており、余った時間は鍛錬に費やすことになります。

 

 結局はフリーザ戦でタイムが大幅に変わるのでサイヤ人編で死亡なんてならない限りはいくらでも挽回できる機会はあります。その為にも今は病院でリハビリを頑張りましょう。病院にいる間も精神集中で気のステータスを上げられるので重点的に行います。

 

 

 

「おーいレンズや。遂に完成したぞ!」

 

「いよいよですか……」

 

 そんなレズちゃんの元にブリーフ博士がやってきます。レズちゃんは既に怪我は回復して万全の状態にはなっていましたが、ある理由からまだ退院はできませんでした。

 

「……これが義足ですか」

 

「そうじゃ!宇宙船の片手間にチャチャっと作ってやったわい!」

 

 それが右脚の欠損です。ベジータ戦においてレズちゃんは仙豆を悟飯に譲ったため欠損を仙豆で治すことはできませんでした。

 

 原作において四肢の欠損を仙豆で治している描写はありませんが、未来世界においてトランクスが片腕を失くした悟飯に対し、仙豆を使えば腕は治ってたのにと話します。流石に無の状況からピッコロのように片腕が生えてくるのはあり得ないと思いますが、切断された腕をくっつけて仙豆を食べれば傷口がなくなって腕がくっつくくらいはあるのではないかと思います。

 

 そして失った右脚の代わりにブリーフ博士が作った義足の出番というわけです。勿論即席の出来合いとはいえブリーフ博士が作ったので超ハイスペックになっています。

 

 ゲーム的には集中的にダメージを食らうと破損して再度欠損状態になるくらいで生身とほぼ変わりません。更にドラゴンレーダーとスカウターの通信機能を搭載しており、これのおかげでドラゴンボール探しとブルマとの通信を行えるようになっています。

 

「宇宙船だけではなくこんなものまでありがとうございます。では私もドラゴンボール探しを頑張ります!」

 

「おお逸る気持ちも分かるがちょっと待つんじゃ。ちょうど見舞いに来たのもいるようじゃしの」

 

「見舞い?」

 

「さ、入ってくるのじゃ」

 

 ブリーフ博士が扉の方を横目に見ながら言います。この状況で見舞いとなると悟空さでしょうか?まあ彼なら早くレズちゃんを連れてナメック星に行こうとするかもしれません。

 

「お久しぶりです。レンズさん」

 

「悟飯ちゃん!?」

 

 

 

 ファッ!?ウーン...

 

 

 

 なんだよぉもぉぉぉ!またかよぉぉぉ!!!

 

 

 

 えー、これは予想ですがベジータ戦で悟空が全くダメージを負ってなかったため、ナメック星探索に悟飯ではなく悟空が駆り出されたのではないのかもしれません。フリーザ編こわれる。

 

 というか悟飯ちゃんはなんで留守番してるの!?原作だとピッコロさんを助けたいって言ってたじゃん!!!

 

「悟飯ちゃんもナメック星に行くんですか?」

 

「僕は行きたいって言ったんですけど……お母さんが許してくれなくて」

 

 あぁ!チチのことを忘れていました!原作において悟飯ちゃんはチチに対して自分は留守番なんてしている余裕はないのだと感情に身を任せて説得していましたが、今回は悟空さがいるので彼に任せようとするチチを説得できなかったのかもしれません。なんてたってチチにとっての悟空さは無敵のヒーローですし。

 

 そうなるとどうしましょう……まず裏ボスを倒さなければ悟飯を連れていくことは叶いません。レンズの好感度を合わせてギリギリ説得できるかな……?

 

 

 

 そうこうしている内に突然レンズの義足のランプが点滅します。これはブルマからの通信をキャッチしたという合図です。ブリーフ博士の説明を聞きながら通信を傍受しましょう。

 

 それはナメック星にはベジータが来ており、それ以外にも下手するとベジータ以上の気を持った邪悪なる者もいるという内容でした。今はクリリンが強えヤツと戦おうと飛び出そうとする悟空を必死に抑えており、これ以上は保たないから一刻も早く増援を呼んでくれという内容でした。

 

 クリリンかわいそ……じゃなくて、ナメック星に悟飯を連れて行かなければなりません。幸いこの通信を聞いたことで悟飯のやる気はみなぎっているので、後はチチの説得をするだけです。一番キツイんですがそれは……

 

 

 

「ああ!?悟飯ちゃんをナメック星に連れて行くだか!?悟飯ちゃんもレンズちゃんも自分の勉強放って何するか分かってんだか!?」

 

 はい、もしゃもしゃせん……

 

「申し訳ないは聞き飽きたべ!悟空さにだって勝てそうもない敵がいる場所に悟飯ちゃんを連れて行けるわけねぇべ!」

 

 いえ、ですが戦力的にも、悟飯ちゃんは悟空に並ぶほどの才能がありまして……

 

「はぁ〜〜、あほくさ……そんな事の為に悟飯ちゃんと来たんか」

 

 関西クレーマー(ちなみにチチの故郷であるフライパン山は南にあるみたいです)による猛攻にレズちゃんは平謝りすることしかできません。しかしここには頼れる超戦士がいます。戦闘中のように激怒モードに入るわけではありませんが、悟飯ちゃんがレンズちゃんが責められているのを見て一転攻勢します。

 

「お母さん!このままだとお父さんはまた死んでしまうんだ!ピッコロさんも死んでいるからドラゴンボールで生き返ることもないんだよ!?」

 

「うっ、けど悟飯ちゃんが死んでしまったら元も子もねぇべ!それにこの前は半年間の勉強の遅れで大変だったんだべ!またあの時みたいになるだよ!?」

 

「勉強なんて言ってる場合じゃないんだ!」

 

 徐々にヒートアップしていく2人の間に入って最後の説得をしましょう。その上の説得判定で成功しなければ流石にリセットです。

 

「お願いします!悟飯ちゃんのことはこの身に代えても絶対に守るので!」

 

「レンズさん……」

 

 さりげなく悟飯の好感度を稼ぎつつ頭を下げます。チチはレズちゃんの義足に目を向けてしばらく考えると、しぶしぶとレズちゃん達から顔を背けて頷きました。

 

「分かったべ!そこまで言うならちゃんと2人で帰ってくること!それが約束だべ!!」

 

「「はいっ!」」

 

 RTA続行ヨシ!実際サイヤ人編のタイムはこれまでのチャートに比べても格段に早かったのでここでリセットするわけにもいきません。

 

 これまでのチャートであるサイヤ人を主人公にして悟飯を誘拐して鍛えるというものでは稼ぎ兼命綱として悟飯の大猿化を繰り返しますが、悟飯はそれがトラウマとなって地球に来て尻尾を切ると大猿にならなくなるという情報を聞くとすぐに尻尾を切ります。その結果大猿ベジータ戦でベジータを倒す事ができないため今回のチャートよりも遅くなります。

 

 まあ今回は早くなりすぎた結果悟空が負傷せず、このようなオリチャーを走ることになっているのですがそれは無視します。オリチャーで早くなるならそれが一番良いチャートだから(真理)

 

 

 

「悟飯ちゃん、準備はできた?その髪型も似合ってるわね」

 

「か、からかうのはやめて下さい……お母さんがナメック星人さん達に失礼が無いようにって……」

 

 というわけでカリン様から採れたての仙豆を貰ったらすぐに宇宙船に乗り込みましょう。人工重力装置を始めとした宇宙船の説明をブリーフ博士から受けたら、荷物を載せていざ出発です。

 

 イクゾー!デッデッデデデデ!(カーン)(カーンが入っている+530000)

 

 

 

 ナメック星に着くまでの6日間は修行の時間になりますが、ここで悟飯ちゃんの経験値稼ぎができるのは想定外のラッキーです。重力を徐々に上げていきながら負荷を掛けつつ2人で修行しましょう。

 

 特に重要なのが技の習得です。以前にも言っていた通り、悟飯ちゃんは技の数が少なすぎるので主人公のZスキルを覚えさせることで補わなければカタログスペックほどの活躍ができません。

 

 ということはレズちゃんのデデドン波(絶望)を覚えさせるのか?という話になりますがその答えはNOです。あの技はサイヤ人編で披露した通り格下の殲滅に特化した性能だったため、いくら強くなった悟飯でもボスクラスには有効打を与えることはできません。

 

 なので今回はレズちゃん自身も新しいZスキルを開発することになります。ではどの技を開発するかとなりますが……

 

 今回習得する必殺技は魔貫光殺砲っ。端正な構えと均整の取れた性能、まだ未完成なこの技はレズちゃんの調整に耐えることができるでしょうか?

 

 

 

 サイヤ人編までのピッコロの好感度は隠されており、好感度を上げて技を教えてもらうことはできません。あの時のピッコロさんはツンツンしてたからね、しょうがないね。

 

 しかし内部的には好感度は存在しており、ピッコロさんが死ぬイベントによって好感度が解禁され内部の好感度によって技の習得も発生します。あの時点でピッコロの好感度は3段階まで上がっていたので、1つ目の必殺技である魔貫光殺砲をレズちゃんが習得したわけですね。

 

 ただし、この技は溜め時間が長く発生が遅いのでそのまま覚えさせても使い所さんが限られる技です。悟飯が成長してファストアクションというパッシブスキルを覚えたら話は別なのですが。

 

 

 

 ファストアクションとはスキルの溜め時間を省略ないしは短縮するというパッシブスキルで、魔閃光の習熟を深めた悟飯が身につけるスキルです。魔閃光は発生の速さに優れた技なのでそれを極めることで覚えられるということですね。

 

 原作ではセル編において少年悟飯が溜め動作を介さずにかめはめ波を撃ってセルのかめはめ波を完全に押し切りました。更に親子かめはめ波に関しても完全に出だしの構えでセルに大幅な遅れを取ったにも関わらず、セルの太陽系破壊かめはめ波とほぼ同等のかめはめ波を出せています。

 

 これは悟飯が気を溜める速度に優れているという証であり、それが本ゲームにおいてファストアクションというスキルで再現されています。

 

 似たようなものとして悟空はマルチアクションというスキルを覚えることができ、これを使うことでかめはめ波を溜めながら瞬間移動をしてかめはめ波を撃つという芸当が可能になります。そして今回のZスキルは魔貫光殺砲にそのマルチアクションをつけます。

 

 これは悟空の持つマルチアクションほどの万能性はありませんが、チャージ時間の長い魔貫光殺砲を溜めながら動けるようにすることで弱点をカバーすることができます。

 

 

 

 更にマルチアクションをつけた必殺技には隠された効果があり、溜め中の技をキャンセルすることによって溜めた気を別の技に変化させることができるというものです。

 

 これは劇場版ドラゴンボールZ「極限バトル!!三大超サイヤ人」において悟空が人造人間13号に対して元気玉を吸収したことを受け、超サイヤ人悟空が元気玉を作った場合にそれを扱い切れずに龍拳に変化させるという、一部のゲームの描写が元ネタになっています。

 

 魔貫光殺砲を別の技に変化させた場合は指2本に込められた尋常ではない気を使って貫手を行う技になります。当然リーチが短い打撃技になっているので使い所は限られ、更に威力が高すぎて悟飯ちゃんの気質的にはそう簡単に使える技ではないという欠点がありますが、それを補って余りあるほどの威力です。

 

 名前は入力速度と魔貫光殺砲との関連性を考慮して……魔貫甲にします。まかんこ〜(気さくな必殺技)

 

 ちなみにデフォルトネームは改良する技の前にZがつくので(以下略)

 

 

 

「あっ、ブルマさんからの通信みたいだ!」

 

「悟飯くんとレンズちゃん!そっちはどうなってるの!?」

 

 ここでブルマさんから連絡が来ました。2人でレズちゃんの右脚に向かって話し掛けるという面白い絵面になっていますが、とりあえず悟飯ちゃんが現状を報告します。

 

「今僕たちは宇宙船でナメック星の元に飛び立ったばかりです!そっちはどうなってるんですか?」

 

「どうなってるんですか?じゃないわよ!」

 

 なんか嫌な予感がしますね、耳塞いでも良いですか?

 

「こっちはドドリアって奴を孫くんが倒したんだけど、ベジータがこっちに来て孫くん達が応戦してるの!!」

 

 

 

 あああああもうやだああああああ!!!

 

 

 今回はここまで、ご拝読ありがとうございました。

 

 

 




というわけで今回はただでさえ複雑なフリーザ編を悟空と悟飯を入れ替えて回すとかいう展開になっています。エター不可避。
当然悟空さの戦闘力は下がっていますが、その代わりに悟飯ちゃんとおまけにレズちゃんが上がっているのでそれでなんとかしろってことですね。なんとかできるかなぁ!?
ただ悟空がクリリンブルマと一緒にドラゴンボールを探すっていう展開は無印を思い出して楽しいです、不安でいっぱいですが。


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三つ巴の死闘!


あれ〜?おかしいね。劇場版があったのに誰もドラゴンボールの二次創作書かないね。誰か書いて♡(提案)



「へへ、俺も運が悪い。地球を飛び出す時にはナメック星がこんな地獄になってるとは思わなかったんだけどな……」

 

「わりぃなクリリン、オラが万全だったらオメェには2人を連れて逃げてもらってたんだけどよ……」

 

 クリリンがぼやきながら目の前の強敵に構える。決して自分も隙のある構えをしているつもりはなかったが、目の前の相手の構えは自分よりも洗練されているように感じた。

 

「あのガキはどうした……?雑魚の地球人と最下級のサイヤ人のたった2人でエリート戦士であるこの俺様に勝てるわけないだろう?」

 

「悟飯はオラの子供だからな、まだまだオラだって息子に負けるわけにはいかねぇ。それに生まれは最下級だからって言ってもよ、努力すればエリートに勝てるかもしれないだろ?」

 

「戯言を……あのガキがいないのなら好都合だ!」

 

 ベジータが突っ込んでくるのを迎え撃ちながら、自分は戦闘中にも関わらず今までの経緯を思い出していた。

 

 

 

 始まりはナメック星に来た直後の話だった。温厚なナメック星人にしては邪悪かつ強大な気があることにクリリンと2人で警戒していたが、見覚えのある宇宙船を見て自分達が咄嗟に気を抑えたのは自分にしてはかなり慎重な判断だったのではないだろうか。

 

 その時点でこの星は既に自分やクリリンを遥かに超える恐ろしい敵達が蔓延っていることに気づいたオラ達は、気を隠しながらもブルマから借りたドラゴンレーダーでドラゴンボールを探していた。ちなみに作戦決行時にオラはブルマとクリリンから勝手な行動を取らないようにと度重なる注意を受けていた。オラだって戦う時と場所は選んでると思うんだけどな……

 

 

 

 そして気を抑えてゆっくりと移動していたオラ達は、自分達より遥かに速いスピードでレーダーの反応する方向に向かっている一団に気付き、その中の1人の底知れない気の大きさにオラはワクワクより先に恐怖を感じた。

 

「悟空っ!あの先頭のやつ……!」

 

「ああ、ベジータよりも更にデカい気……こうして気を抑えてたのは正解だったみたいだな……」

 

 できるだけ急いで向かったオラ達を迎えたのは先程の奴らがナメック星人達を脅してドラゴンボールを要求している光景だった。そこでオラ達は奴らが気を探るのではなくスカウターによってナメック星人の村を探していたということと、やはり奴らはオラ達を優に超える力を持っているということを知り、隠れて手を出すチャンスを伺っていた。

 

「なあクリリン、オメェがスカウターっちゅうもんを全部破壊してオラがドラゴンボールを奪うってやればなんとかできんじゃねぇか?」

 

「馬鹿言え悟空!あんな奴らに喧嘩売るなんて冗談じゃねぇよ!取り敢えず今は隠れるんだ!なっ!」

 

 クリリンはそう言ってたが、ナメック星人達が奴らに抵抗する中でオラはひとつの作戦を思いついた。

 

「長老みたいな人がスカウターを壊したお陰でオラ達は気を隠せば居場所もバレねぇんだ。それなら奴らの内の1人に喧嘩売って、誘き寄せるのはアリなんじゃねぇか?」

 

「そう言うってことは勿論誘き寄せた後の勝算はあるんだよな……?もう嫌だぞ勝ち目のない戦いは」

 

 クリリンの疑問にオラは慎重に奴らの気を探りながら答える。あの様子から察するに、気を抑えるなんて芸当はできないから強さも普段の状態から変わらないはずだ。

 

「あのピンクと水色の奴らなら3倍界王拳まででなんとかなると思う。ただ真ん中の小せぇのだけは無理だ。4倍どころか、5倍でも手も足もでねぇ」

 

「くそぅ……悟空が無理ならどうしろってんだよ……」

 

「とにかくあの2人のどちらかが隙を見せたら喧嘩を売って一気に逃げるぞ!」

 

 そしてその時は来た。ピンクの奴がナメック星人の子供を殺すために一団から離れたのを見てオラ達は気を全力で上げて奇襲を掛ける。

 

「ぐおっ!」

 

「悟空はその子供を!太陽拳!」

 

 奴らの目を眩ませ隙に一気に離脱する。取り敢えず距離を稼げばドラゴンボールも持ってない敵2人のために集団で追ってくることはないだろう。集団で追ってきても、それならそれで完全に身を隠してドラゴンボール確保までの時間稼ぎに徹することができる。

 

「クソ共めぇっ!!!」

 

「ドドリアさん!追いかけなさい!」

 

 案の定喧嘩を売られたピンクの奴がこちらを追いかけてくる。そのスピードはクリリンの速度に合わせてるオラ達では撒けるものではなく(元々撒くつもりもなかったが)適当に距離を稼いだところで振り向く。

 

「クリリンは先に行っといてくれ。オラ1人でどこまでやれるか知りてぇんだ」

 

「お前って奴はホント……まあ確かに俺じゃ手を出すのも難しいし先にブルマさんと合流するよ!」

 

 そう言ってクリリンはナメック星人の子供を連れて先に行き、オラとピンクの奴はその場に残された。

 

「テメェをぶっ殺したらあのチビも殺してやる!」

 

「そう簡単にいくかな?」

 

 

 

 このピンク色のドドリアって奴はパワーこそあったが、スピードはそこまででもなかったため、3倍界王拳どころか2倍界王拳でも普通に戦えた。それでもこの状況で時間を掛けるつもりはなかったから一気に3倍界王拳まで使って倒したのだったが、それでも遅かったことを悟ったのは大きな気がこちらに来ているのに気づいた時だった。

 

「甘いなカカロット!」

 

「なっ!オメェベジータ!?トドメまで刺す必要はねぇだろ!?」

 

「はっ、相変わらず地球生まれってのは反吐が出そうな甘さだな。こんな奴らに負けたのが悔しいったらないぜ!」

 

「オメェ悟飯と二度とわりぃことしないって約束しただろ!」

 

「ふん、誰がそんな口約束守るか!そんなことより貴様らもドラゴンボールを探しているんだろう?俺様に差し出せば許してやってもいいぞ?」

 

 どうやらベジータの目的もドラゴンボールだったらしい。そうやってオラが対話で時間を稼いでいる内にクリリンがやって来て2対1の様相になる。

 

「誰がお前みたいなヤツに渡すか!」

 

「フン、地球人が増えた程度で調子に乗るなよ……俺様も気の探知法はマスターした。その上で地球人1人増えたところで問題ないと見逃したのだ」

 

 どうやらベジータは更に強くなったらしい。そんなヤツに消耗した状態で挑むという絶望的な状況にも関わらず、オラはあの時まともに戦うことができなかったベジータと戦う事ができるとワクワクしていた。

 

 

 

 

 

 俺がフリーザ達を追いかけてナメック星へと到着した時には事態は大きく進んでいた。通信を傍受するとフリーザ達は既に5つのドラゴンボールを奪取していたらしい。俺は追いかけて来たキュイを爆殺すると、フリーザ軍の動向を探りながらドラゴンボールを探す。

 

 それで判明したのはドラゴンボールがナメック星人の村に1つずつあることと、ナメック星人の抵抗によってフリーザ軍全員のスカウターが破壊されてしまったことだった。

 

 それは俺にとって大きなチャンスだった。気を探れない奴らではこれ以上ナメック星人の村を見つけるのに大きく時間がかかるが、俺にとってはそうではない。まずは1つのドラゴンボールを確保しようと村を襲い、それを近くの池に埋めた。これでフリーザ達が自力でドラゴンボールを全て集められるのは不可能になったはずだ。

 

 そうしていると大きな気のぶつかり合いを感じ、その気の正体を探って俺は立て続けに起きるチャンスの到来に俺は自分に流れが来ていると確信した。

 

 その気の正体とは地球にいたはずのカカロットとドドリアのものだった。ドドリアはともかく、カカロットの気があるということは地球の奴らもナメック星に来ているということで、その狙いは十中八九ドラゴンボールだろう。

 

 そしてカカロットとドドリアが潰し合っているのは俺にとって好都合だった。決着がつくのを待って俺は奴らに襲撃を掛ける。どうやら勝ったのは意外にもカカロットだったようで、お情けを掛けたらしいドドリアにトドメを刺すと、俺はカカロットとおまけの地球人をぶっ殺してドラゴンボールを奪取しようとした。

 

 

 

「喰らいやがれ!気円斬!」

 

「ちぃっ!」

 

「持ってくれよオラの体!4倍界王拳!!!」

 

「ぐおっ!」

 

 だがそいつらは思いの外しぶとかった。地球人の技は決して侮れないものだったし、カカロットはどうやら普段の気を抑える以外に瞬間的に戦闘力を大きく増加させる方法を会得しており、そのせいで俺はフリーザ達との前哨戦のつもりが大きな苦戦を強いられることとなった。

 

「クソッ!体が……持たねえ……」

 

「オイ!悟空!」

 

「ケッ、やっとくたばったか。これで俺様に楯突くとどうなるかを身をもって知れただろう?ドラゴンボールを渡せば見逃すかもしれんぞ……?」

 

 だが苦戦は所詮苦戦止まりだった。万全の状態のカカロットであればまだしも、ドドリアを倒して気を消耗したカカロットでは地球人と組んだところでこの俺様には勝てない。残った地球人に対してドラゴンボールを渡せと脅し、持ってないことを知ると俺は2人を始末しようと手を上げ、

 

 

 

「おや、ドラゴンボールを探してみればこんな所に裏切り者のベジータがいるとはな」

 

「ザーボン……!?」

 

 俺の運はここまでであったことを悟った。

 

 

 

 あの後俺はいつの間にか消えていた地球人はいつか殺すと誓いながら、少しでも戦えるなら協力しろとカカロットに呼びかけ、ヤツの恐ろしい力を前にカカロットと2人で挑んで敗れた。ヤツは変身型の宇宙人だったのだ。

 

 

 

 そして目を覚ますと俺はカカロットと共にメディカルマシーンの中にいた。咄嗟の機転を働かせた俺はザーボンの目が消えた隙に見張りを殺すと、目覚めさせたカカロットと協力してフリーザを出し抜くことにした。

 

「カカロット!命を救ってやった代わりにお前はあっちで陽動しろ!騒ぎを起こせば隠れるだけでいい!」

 

「オメェドラゴンボールを奪う気だな!?まぁ命を救ってもらったのは事実だし協力はするけどよ……」

 

 そして俺は面白いくらいにフリーザを出し抜くことに成功した。カカロットが反対側で騒ぎを起こして逃げるのを見計らって、俺はフリーザが集めていた5つのドラゴンボールを遠くへと投げ自身も水中に身を潜めながら逃げる。

 

「ざまぁみやがれ!フリーザめ!これで不老不死は俺様のものだ!」

 

 やはり流れは俺にあった!これで隠したドラゴンボールを含めると俺の手にあるドラゴンボールは6つ!あとひとつだ!

 

 

 

 

 

 フリーザってヤツがあのめちゃくちゃ強い親玉の名前らしい。オラはベジータと協力してヤツの宇宙船から命からがら逃げることに成功した。ただ、オラの方は宇宙船にあったドラゴンボールを奪うことに成功したベジータとは違って何の成果も無かった。そこで、オラはそういえば持っていたことを思い出したドラゴンレーダーを使って近くにあったドラゴンボールを探していた。

 

 それは破壊された村の近くの池に埋められており、村の人達が隠したか、ベジータがフリーザ達から隠すために埋めたのではないかと思われるものだった。それを回収したオラはベジータに気を探られないようにしながらようやくクリリン達と合流することができた。

 

「悟空!生きてたんだな!」

 

「ああ、色々あってな……それにホラ!ドラゴンボールも1つ見つけたぞ!」

 

「やるじゃない孫くん!これでベジータがドラゴンボールを7つ集めるのを阻止したわ!」

 

「そうだ悟空!ここは一旦場所を変えるぞ!ベジータに見つかった!」

 

「分かった!」

 

 そうしてオラはクリリン達と現在の状況を確認した。ベジータの口ぶりからするとオラが手に入れたドラゴンボールはアイツが隠しておいたもので、先程までオラ達がいた場所を襲うのにもそう時間は掛からないだろう。

 

 その他にも復活したベジータは先程2人で立ち向かって敗北したザーボンってヤツを倒したことなどを聞いている間に、オラ達はデンデとブルマとドラゴンボールを安全な場所に置いてクリリンと作戦会議をした。

 

 どうやらクリリンはナメック星人の最長老ってヤツに潜在能力を引き出してもらったらしく、それで大幅にパワーアップしていたらしい。それをオラがやればベジータに勝てるかもしれないというものがクリリンの提案した作戦だった。クリリンが言うならその作戦も上手くいくのかもしれない……けど、

 

「オラにもひとつ思いついたことがあるんだ!えっとデンデって言ったか?オメェも神さまと同じ種族ならなんか不思議な力を使えるんだろ?」

 

「え?はい。その神さまがどなたかは知りませんが、傷を癒したりなどすることができます」

 

「いや悟空、ちょっと回復できたからってベジータの力を上回らないと勝てないだろ?」

 

「それがそうでもねえんだ」

 

 そうしてオラはさっきより自分の力が上がっていることと、先程ザーボンに負けたはずのベジータが復活してからは気の大きさで上回っていたことを話した。

 

「ああ!そういえばさっきのベジータもそんなこと言っていた!サイヤ人は死にかけるほどの激しい戦いのたびに強くなると!」

 

「だからその潜在能力ってヤツを解放しなくても、オラならその方法で強くなれるはずだ」

 

「ちょっと待てよ!?死にかけるほどの戦いって俺が悟空を半殺しにしろとかそんなこと言わないよな!?」

 

「あたりめぇだ!そんな方法でパワーアップしても、実際の戦いでは強くはなれない」

 

「……じゃあ誰と戦うんだ……?まさか……」

 

 そこでクリリンはオラの言いたいことに気がついたらしい。

 

「ああ、オラはベジータのところに行って、ヤツと修行してくる。デンデも協力してくれねぇか?」

 

 

 

「ばっ……」

 

 

 

 そしてナメック星を木霊するほどのクリリンの絶叫が響いた。

 

 

 

「ばかかよおまえぇぇぇ!!!」

 

 

 




悟飯の代わりに悟空がいることで変わったこと
・悟空がドラゴンレーダーを持って先導してドラゴンボール探しをするようになった。
・ドドリアを悟空が倒した。
・ベジータがこのタイミングで悟空達に気づいた。
・悟空達とベジータが戦った。
・悟空とベジータが協力してザーボンと戦って敗北した。
・悟空とベジータが協力してフリーザを出し抜いた。
・悟空の安否が分からないため、クリリンはデンデを最長老の元に預けなかった。
・悟空が潜在能力解放ではなく、ベジータとの特訓で鍛えると言い出した。←NEW!

予想してましたがとんでもない原作ブレイクですねこのキャラ……こんな奴が原作主人公ってマジ?
悟空とベジータですが、原作とは違って悟空が直接ベジータを倒したわけではないため、ベジータからの好感度はそこまで低くはありません。修行に関しても超サイヤ人伝説のことを考えれば通らない話でもないと思います。
オラ悟空さがベジータと共闘してる時にチンピラみたいにガラが悪くなるの好き!


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隊長蹂躙!野獣と化した少年


悟飯ちゃんの新形態の名称が発表されましたね。
早速ネタにしといてどの口がって感じなのですが、もっと普通の名前にした方が良かったんじゃねぇかなぁ!?



 

 孫親子が勝手にオリチャーを走り出すRTA、はーじまーるよー。

 

 前回は悟飯ちゃんに魔貫光殺砲のZスキルである魔貫甲を覚えさせるという話で終わりましたね(走者視点では)

 しかし、今回の修行の成果はそれだけではありません。

 

 人工重力装置や界王星など体の負荷が掛かる環境での修行は、普段の修行に比べてステータスの伸び率が非常に良く、特に戦うための体作りには効果的です。悟空の場合はここでの修行した重力の倍率によって運用可能な界王拳の最大倍率が変化します。

 

 そしてこれはそのまま悟飯の成長に関してもかなり効果的であると言えます。セル編において悟飯の潜在能力が解放されたのは精神と時の部屋での修行が大きな要因だろうと悟空は言ってます。

 

 それまでの悟飯の修行の内容はピッコロとの組み手だったりクリリンとのイメージトレーニングだったりと、戦い方を学ぶというのが主な内容でした。一見すると戦いの経験値が少なく怒りでパワーを引き上げる悟飯には戦い方を覚えさせる修行の方が相性良く思われます。

 

 しかしそれはあくまで一般的なレベルでの話であって、今後の激しいインフレのことを考えると戦術や小手先の技術の価値は低いと言わざるを得ません。特に悟飯の場合は激怒モードで相手の戦闘力を大きく上回ることができるため、戦い方が雑でも敵を倒すことは十分可能です。

 

 そして人工重力装置を使った修行はそれらの修行とは違って体を作るのに非常に効果的で、環境的には悟飯が急激な成長を遂げた精神と時の部屋に似ています(精神と時の部屋は10倍の重力で空気が薄い)

 

 更に精神と時の部屋で悟空が実践した修行は超サイヤ人の状態で慣らすのが主目的でそこまで厳しいものではありません。つまりこの宇宙船でも悟飯の潜在能力を引き出すことは十分可能だということです。

 

「ふう、50倍の重力にも慣れたかな?重すぎてこれもう分かんねぇな」

 

「うーん……慣れるって言っても、まだ全然動けませんよ。それに結局この3日間重力に慣れるばかりであんまり組み手もしてないですが、大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫ですよバッチェ鍛えてますよ。それにたった6日間修行したところで新しい体の動かし方なんて身につかないし重力に合わせて体を慣らすだけで十分なんで、多少はね?」

 

「そんな適当な……まぁレンズさんの言うことだから信用しますけど」

 

 原作で悟空は100倍の重力という環境で体を痛めつけ、仙豆を使った瀕死パワーアップも込みで戦闘力を1万から9万まで伸ばしています。それを悟飯にも施せばかなりのパワーアップが見込めるかもしれませんが、瀕死パワーアップをするにも上限があるので出来れば仙豆は戦闘中に有効活用したい所さんです。

 

 それ以上に過酷すぎるトレーニングでは悟飯のS細胞が伸びないという問題があります。勿論ですが何度も死にかける状況が穏やかなはずがありませんからね。今は最大100倍の重力という厳しい環境ではあれど、基本はレズちゃんとのコミュニケーションが主な内容なのでS細胞の増加も見込めるはずです。

 

 

 

 そうこうしている内に宇宙船がナメック星に着きました。ちなみに既にナメック星での顛末はブルマから聞いており、何度か叫んでるのでナメック星に着いてからは叫ぶことはないでしょう。

 

 いや、悟空さはさぁ……まだ完全な敵であるベジータと一緒に修行するとか何してんの?それにドラゴンボールの願いもベジータとの交渉に入れたらしいですが、もしベジータが本当に不死身になったらどうするんですかね……?

 

「この気はお父さん達だ!……けど、小さくなってる?」

 

「それに悟空さん達の近くにいる邪悪な気……もしかしたら今も戦っているかもしれないですね」

 

「とりあえずお父さん達の元に向かいましょう!気は抑えるんでしたよね?」

 

「そうそう。この辺に、悟空さん達をして絶対に勝てないと言い切った存在がいるらしいですよ。じゃけん目をつけられないように行きましょうね」

 

 そうしてレズちゃんと悟飯で可能な限り急いで向かった先に待っていたのは……ギニュー特戦隊と戦う悟空とベジータさんですね。クリリンはどうやらダウンしているみたいです。

 

 いえ……何故かギニュー特戦隊は全滅していて、悟空とベジータが戦っています。これってもしかすると……もしかするかもしれませんよ?

 

 やはりそうです!必要のないはずのスカウターをベジータが装着しています!どうやら既にギニューは虎の子であるボディチェンジを既にベジータへと使っているようです。悟空が戦闘不能になってないのを考えるとこれが1度目のチェンジでしょうか。チェンジ前には自傷するのがギニューのやり方でしたからね。

 

 どうやら悟飯の代わりに悟空がいることでvsギニュー特戦隊の進行をかなり早く進めているようですね。原作でのこの時点の悟飯の戦闘力は1万ちょっとでしたが、悟空の戦闘力はナメック星に来た時点で既に1万でそこから数度の死闘と界王拳があるため、ギニュー特戦隊の平均的な戦闘力である5万前後は超えているのでしょう。

 

 そして、恐らく格上であろうギニュー達に対して悟空とベジータは共同戦線を張って食らいついた結果、ギニューは自身の不利を悟ってボディチェンジによる一発逆転を狙った形でしょうか。原作では悟空の方が強かったため悟空が狙われましたが、今回は悟空はそこまでではなかったためベジータが狙われたのでしょうね。

 

 さて、こうして事態を分析している間にも刻一刻とタイムは過ぎています。どうせフリーザ戦まではある程度猶予はありますが、RTAならRTAらしく急ぐとしましょう。そんじゃ悟飯に呼びかけて……ってあれ?悟飯はどこに?

 

 

 

「おまえぇぇぇ!!!」

 

 ヒェッ

 

 思わず寒気がするほどの馬鹿でかい気を放って悟飯がベジータになったギニューの元へと飛んでいきます。そのスピードに誰もが呆気に取られている中、悟飯はその凄まじい勢いのままに、

 

「ぐはぁ!?」

 

「おまえなんかぁぁぁ!!!」

 

 飛び蹴りをギニューへと繰り出します。それにより吹っ飛んでいった彼を追従していきながら悟飯は猛烈な連撃を加え続けます。

 

 

 

 えーと、そうね……

 

 これは……何ですかね?(思考停止)

 

 見た感じ明らかに激怒モードに入ってる気がしますが、一体何にキレたのでしょうか?キレる若者こわい(14歳並の感想)

 

 というか見物してる場合ではありません。ギニューが死ぬ分には構いませんが、今のギニューの体はベジータの物です。このまま奴が死ねばベジータの外見が一生あの気持ち悪い紫脳みそ野郎のままになってしまいます。

 

 とりあえずレズちゃんは悟飯を止めましょう。あかんこれじゃベジータ(の体)が死ぬゥ!

 

「おまえなんか死んじゃえ!!!」

 

「どうしたんですか悟飯!?」

 

 拳を組んで叩き落とし、そのまま連続エネルギー波で追撃を掛けている悟飯を後ろから羽交締めします。暴れんなよ……暴れんなよ……

 

「落ち着いて下さい!」

 

「だってアイツは……ベジータは2度と酷いことをしないって約束したはずなのに!アイツは破ったんだ!!!」

 

 ……あー!成程ですね!ベジータの体を奪ったギニューをベジータ本人だと勘違いした結果、ベジータが悟空を痛めつけていると勘違いしたようです。それで激怒モードが発動したようですね。

 

 これは予測ですが、前回のベジータ戦でも悟飯は戦闘前に激怒ゲージを上げて激怒モードを発動しました。それと同様のことが今回も起こったのではないかと思います。隠しスキルであるヒーローへの憧れの追加効果でしょうか?

 

 修行によって現在の悟飯の戦闘力は5万まで上昇しています。この状態で激怒モードを発動したことにより戦闘力は2倍から3倍になって10万〜15万、ギニューの戦闘力である9万〜12万やそれに及ばないであろうベジータの戦闘力を大幅に上回っています。

 

 つまりベジータの体を乗っ取ったギニューでは悟飯に勝つことは不可能です。そして、その場合に取られるギニューの行動はボディチェンジ一択です。ギニューに接近しようとする悟飯を抑えるのに失敗し、もしチェンジ成功されてしまったらRTA終了です。暴れんなよ……暴れんなよ……

 

「今の攻撃でヤツは倒したでしょう。悟空さんとクリリンさんの様子のところに向かいますよ。もしかしたら仙豆も使うほどの重傷かもしれません」

 

「あっ!ご、ごめんなさい。勝手に先走っちゃって……」

 

 よし、なんとか悟飯を落ち着かせることに成功しました。もちろんギニューは生きてますが重症で気が小さくなっているのでパッと感じただけでは気づきません。奇襲の可能性もあるので意識はしておきますが。

 

 

 

 

 

「なんだあのガキは……!?」

 

 俺は先程起きたことが果たして現実であったのか未だに半信半疑のまま、その時のことを思い出していた。

 

 話は数時間前まで遡る。フリーザ様に命じられてナメック星へと降り立った俺達ギニュー特戦隊は、裏切り者のベジータとその仲間達を始末するために奴らの元へと向かった。

 

 そこにはフリーザ様がお求めになっているドラゴンボールと呼ばれる7つの球と共に、ベジータが仲間と思われる奴ら2人を連れて立っていた。

 

 その戦闘力は以前より遥かに高く、ベジータともう1人のサイヤ人らしき奴はどちらも戦闘力が3万ほどだった。だが、もう1人の戦闘力1万の奴も含めて特戦隊の敵ではないと判断し、他の奴らに任せて俺はドラゴンボールを奪ってフリーザ様の元へと向かった。

 

 それは大きな判断ミスだった。奴らは俺と同じように戦闘力をコントロールすることで俺の油断を誘ったのだ!そのことに気づいて俺が急いで戻った時には特戦隊のメンバーは全員やられていた。奴らの戦闘力は5万を大きく超えていたのだ。

 

 それだけじゃない。ベジータの戦闘力はこの俺に匹敵するほどの高さであり、カカロットと呼ばれたもう1人のサイヤ人も一時的に力を大きく上げて俺と同じくらいの戦闘力を引き出していた。

 

 恐らく俺を騙したのはベジータの策略だろう。特戦隊の他の仲間達を排除することで俺を孤立させ、その上で俺と同じくらいの強さを持つ2人が俺に当たることで確実に勝利を期す、確かに並の相手なら間違いなく勝てるだろう。

 

 だが、俺はそのような並の相手とは違う。ボディチェンジでベジータの体を奪った俺はカカロットと1対1の状況を作り出すことに成功し、後はカカロットを倒すだけのイーブンに持ち込んだ。奴が余裕そうな表情をしてたのは謎だったが、もし奴に何か作戦があって追い詰められても体を交換すれば奴が勝つことは不可能なのだ。

 

 

 

 そんな目論見が破壊されたのは突然だった。頭部に強烈な一撃を喰らった俺は、その下手人が誰かも確認できないまま殴られ続け、地面へと叩きつけられたことでやっとその姿を見ることができた。

 

 その姿はグルド以上のチビで、声の高さなどを考えても子供にしか見えなかった。そいつは恐ろしい形相で次々とエネルギー波を撃ち込み続けるから、俺は訳も分からず必死に耐えるしかなかった。

 

 

 

 なんとかあの恐ろしいガキの猛攻に耐えた俺は命からがらその場を抜け出すことに成功した。奴から離れようと体を引きずりながらも、俺はカカロットの余裕そうな表情に納得していた。奴はあのガキの接近に気づいてたのだ。あのガキがこちらに来る直前まで戦闘力がスカウターに映らなかったのも、ベジータ達と同じように戦闘力を小さくしていたからだろう。

 

 そしてそれに気づいたということは、奴らはスカウターよりも遥かに高い精度で戦闘力を持った存在を察知できるということだ。当然俺が回復して立て直した後に奇襲しようとしても無駄だし、真正面から奴らに向かったとしても一度チェンジを見せている以上早々隙を見せないだろう。

 

 だが、そう考えている内に違和感に気づいた。奴らがスカウター以上に察知力に優れているとして、今の俺が察知されていないのは何故だ?

 

 もしかしたら今の俺のように大きなダメージを受けている場合は、奴らも察知することはできないのではないか?それなら今の状況に説明がつくし、その状況であればひとつの名案が思い浮かんできた。

 

 

 

 それは弱ったままの状態で奴らに接近し、あのガキとチェンジをすることでその恐ろしいほどの力を俺のものにするという作戦だ。それ自体は普段やっているチェンジと同じだが、その為に弱った状態で奴らに接近するというのは非常に恐ろしく、難しいものだった。

 

 なにしろ接近に気付かれた時点で俺は死ぬだろう。弱った状態なら戦闘力では見つからないだろうが、音や気配が出ても気付かれるのに変わりはない。この状態で息遣いや足運びまで徹底しなければいけないことを考えると、これからしようとすることは並大抵の苦労でできるものでもない。

 

 だが、それでも俺は作戦を遂行しなければならない。

 

 何故なら俺はフリーザ様にお仕えするギニュー特戦隊の隊長、ギニュー様だからだ!

 

 

 

 岩陰に隠れて俺はあのガキとの距離を測る。その距離は既に20mを切っていて既にボディチェンジの射程には届いているが、あのガキの周りにいる女達が邪魔で中々手を出すことはできなかった。

 

 奴らはどうやらフリーザ様がいない間にドラゴンボールを奪おうとしたらしく、ガキとナメック星人とハゲ頭のチビ3人組がドラゴンボールを探し、カカロットは宇宙船になにか食べ物がないかを探し、女は体が入れ替わったままのベジータを拘束していた。どうやらベジータと奴らはただの仲間ではなかったようだ。

 

 俺は数々のフリーザ様への無礼を働く奴らに怒りを覚えながらチャンスがやってくるのを待った。幸いにも奴らはドラゴンボールに夢中になっており、俺を探そうとする動きは見られなかった。俺は身動きもせずに待ち続けた。

 

 

 

 そしてその時は来た!ドラゴンボールを揃えた奴らが願いを叶えようとするその瞬間!俺は岩陰から飛び出してガキとボディチェンジを発動する。

 

 タイミングは完璧で、奴らもその直前までドラゴンボールに完全に意識を取られていた。

 

 

 

 そのはず、だったのに。

 

 

 

 まるでそこに誰がいたか分かっていたかのように女は振り向くと、拘束していたベジータをボディチェンジの光線の先へと投げ込んだ。気がつけば俺は元の姿に戻った状態で地面に倒れ伏しており、顔を上げた先には、

 

 

 

 冷たい表情で俺を見下げる女が一本の指を俺へと向けていた。それが俺が見た最期の光景だった。

 

 

 




投稿が遅くなった理由は色々あるのですが、1番はフリーザ編以降を書くの無理ってなったんですよね…
Z戦士のガバ多すぎてRTA絶対面白くないゾ…(今更感)

そもそもフリーザ戦どうなるのか全然分からん!


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VSフリーザその1


今まで長い間オリ主の性別で書きたい展開が違う不治の病を患わせてしましたが、同時に連載して性癖を満たすことで完治しました。
完走できるかどうかは考えません。



 今まで散々殺し合いをしていたから仕方ないとはいえ、いきなり仲間であるレンズが容赦なく敵を殺したことに悟飯もクリリンもショックを受け、場は鎮まりきっていた。だがその沈黙を破ったのもやはりというべきか、あの男だった。

 

「いやぁ〜、こんだけしか食いもんなかったぞ!オメェ達も食うか?」

 

「い、いや、悟空。確かに俺も腹は減ったけど、そんな場合じゃないというか……」

 

「へ?うわっ、クリリン!ベジータ死んじまったんか?」

 

 あまりにも能天気な悟空の言葉に周囲の空気が弛緩する中、後ろの方から苦しげな声が聞こえてきます。

 

「俺はこっちだカカロット……ナメック星人のガキ、早く来やがれ……」

 

「あ、はい!」

 

「ベジータ?オメェ元に戻ったんか!良かったな!」

 

「ということは……そこの倒れた人は……」

 

「さっき悟飯が倒したあの男ね。悟空さんからこの男が体を入れ替えるって聞いたので、生きている限りきっと何かしてくるだろうと警戒していました。今回は咄嗟にベジータを投げたのが上手くいきましたね。合体しなかったから安心!」

 

「キサマ……今回は上手くやってくれたが、一歩間違えてたらこのオレ様を殺すところだったぞ!」

 

 そう言いながら今回のレズちゃんの行動にベジータの好感度はちゃっかり上昇しています。あくまでギニューに冷酷にトドメを刺したことに対して上昇しているのであって、ベジータを肉盾にしたことは関係ありませんが。

 

 ベジータがドMなんてそんなこと……あるわけないだろ!(魔人ベジータを見ながら)

 

「そんなことより、オラもう腹がペコペコだぞ。ドラゴンボールを使う前にメシ食べてぇ」

 

「そんな悠長にしている暇があるか!いつフリーザが戻ってきても仕方ないんだぞ!」

 

「うーん……そうだ!それなら仙豆を食えばいいじゃねぇか?アレなら腹膨れるし、悟飯達が持ってきてくれたんだろ?」

 

「へぇっ!?仙豆を!?」

 

 ここで悟空がベジータに仙豆の話をして仙豆を使おうとしますが、そこにクリリンが割って入ります。悟空とベジータは仙豆を使うのに対しクリリンと悟飯は仙豆は安易に使うべきではないと考えているようですね。そしてその2択は最後に残されたレズちゃんの意見で決まります。

 

 この選択肢で悟空達に賛成すると仙豆を1個にまで減らす代わりに即フリーザ戦を開始することになり、クリリン達に賛成すると仙豆を5個のまま前者より3分ほど遅れてフリーザ戦を開始することになります。

 

 

 

 (悟空達とクリリン達の案の) どちらが 上かな? もちろん (RTAなら悟空達)の方が(タイムが早くなる)から 上だよね? 

 

 

 

 正解はクリリン達の案に賛成する方です。RTA的には間違っていると思われますが、フリーザのレベルは現時点の悟空達を大きく上回っており回復手段が不足した状態ではまず間違いなく勝てません。

 

 この時点での悟飯とベジータの戦闘力はそれぞれ本編のそれを大きく上回っています。100倍重力下で身体を慣らした悟飯はギニューを倒したことで大きくレベルアップし戦闘力は40万に増え、悟空と修行していたベジータは特戦隊との戦いによる経験値に加えてギニュー戦で瀕死になったことでサイヤ人特性を発揮して戦闘力50万まで上がっています。

 

 しかし、本編では戦闘力300万もあった悟空の現在の戦闘力は特戦隊戦でのレベルアップ分のみで20万しかありません。更に宇宙船での修行を経てないので界王拳も最大倍率が10倍から5倍にダウンしており、負担を無視しても10倍が精一杯です。まあそれでも5倍界王拳発動時の戦闘力100万は間違いなくパーティの主力ですが。

 

 

 

 フリーザの戦闘力といえば53万だからこのメンツならイケルやん!と思った貴方、実は53万はフリーザ第1形態の戦闘力であって100万では最終形態に手も足も出ないのです。参考にフリーザ第2形態の戦闘力は100万を超えており、第3形態は150万。ここまでは今の状態でもなんとかくらいついていけそうですが、最終形態は格が違います。最終形態のフルパワーはなんと脅威の1億2000万!フルパワーを容易には出せないことを考えても、9000万くらいが安定して出せる戦闘力でしょう。ツヨスギィ!

 

 そうなってくるとこちらに残された手段は超サイヤ人化しかありません。超サイヤ人の強化倍率は50倍。本編で悟空が300万から1億5000万になってフリーザに勝ったことから考えると、超サイヤ人になれる可能性がある悟空と悟飯はその辺りまで成長してもらわねばなりません。ベジータ?あいつはS細胞が全然無いから……

 

 

 

 そこで重要になるのが仙豆です。フリーザ戦は形態ごとに変身のイベントが挟まる4連戦になります。その連戦を耐えつつ彼らサイヤ人のレベリングをする為には、フリーザによって深手を負ってから仙豆で復活し、サイヤ人特性による瀕死パワーアップを繰り返さなければなりません。

 

 本編での回復役はデンデが担ってくれましたが、今のデンデは最長老による潜在能力解放を受けてないため全く動けません。戦場に連れ出しても本編以上に呆気なく殺されるでしょう。

 

 

 今の話を全てまとめると、要はこの選択肢で私は自身のチャートの安定性を選んだというわけです。そもそもここまでがサイヤ人チャートから10分以上短縮できているので、たった3分を惜しんで再送案件になるよりは走り切った方が良いでしょう。RTAは走り切るのが大事ってそれ1番言われてるから。

 

「悟飯もすんげぇ強くなったな!あのギニューっちゅうヤツをあそこまで一方的に追い詰めるなんてよ!」

 

「私達が来た宇宙船には重力を変更する装置があって、悟飯はその中で最大の100倍重力に身体を慣らしてたんですよ。私なんて途中でついていけなくなりましたもん」

 

「100倍!?100倍っていうと、界王様のところの10倍じゃねぇか!やるなぁ悟飯!」

 

「えへへ」

 

 さらっとレズちゃんは言ってますが、宇宙船の修行の途中でレズちゃんはリタイアしました。成長速度が遅い地球人ではサイヤ人である悟飯の成長速度に追いつくことは不可能です。本チャートでは悟飯を育てるのが最優先であるためそういう意味ではレズちゃんには犠牲になってもらうしかありません。まあ現時点でレズちゃんも戦闘力3万はあるから頑張ってる方なのですが。

 

「私としてはこの中で悟飯が1番強いと信じていますよ」

 

「この中で一番強いのはオレ様に決まってるだろう。あの時は大猿になった貴様に遅れを取ったが、尻尾の無い今戦えば間違いなくオレ様が勝つ」

 

「オラだってあの時よりは強くなってんだけどなぁ……」

 

「あっ!それならさ、悟飯が大猿になればあのフリーザにも勝てるんじゃないか?確かベジータは月を使わずに大猿になれるんだろ?あの時も土壇場で悟飯の尻尾が生えてきたらしいし、その時に悟飯を大猿にすれば……」

 

「なるほど、辺境生まれにしては良い発想だ。だが」

 

 クリリンの疑問にベジータは渋い顔をして答えます。

 

「それは厳しいだろうな。確かに今のガキが大猿へと変身すればまず間違いなく戦闘力ではフリーザを超えるだろう。だが、サイヤ人を殺し尽くしてその特性を熟知しているフリーザからすれば暴れるだけの大猿など簡単に対処できるだろう」

 

「そんな……」

 

「それに俺達の内誰かが超サイヤ人になれればフリーザには勝てるんだ。俺がパワーボールを作るのに力を使い果たすより、万全の状態のまま超サイヤ人になれる可能性を上げた方が良い」

 

「「超サイヤ人?」」

 

 初めて聞く単語に一同が疑問符を浮かべる中、ベジータが説明します。かつてフリーザはサイヤ人に伝わる伝説の戦士である超サイヤ人という存在を恐れてサイヤ人を惑星ベジータごと滅ぼしたこと、ここにいる3人のサイヤ人の内の誰かがその超サイヤ人になればフリーザも倒せるだろうということを。

 

 フリーザを倒せるという話を聞いたクリリンは喜びますが、あくまで伝説であってその変身手段は知られていないことを聞くと掌を返して落胆します。そんな感じで束の間の休息は比較的穏やかに過ぎました。当然この時間も悟空と悟飯のS細胞増殖に役立っています。

 

 そして休息が終わるといよいよドラゴンボールでポルンガを呼び出して願いを叶えようとします。が、ここでトラブル発生。ベジータが不老不死の願いを叶えようとする主張とクリリンがポルンガにフリーザをなんとかしてもらうという主張が衝突し、揉めている間にポルンガが消失してドラゴンボールがただの石へと変化してしまいます。

 

 実は同時刻にナメック星の最長老が老衰により亡くなっており、それによって最長老に作られたドラゴンボールも機能を失ったのです。幸いピッコロの蘇生と彼の転移の願いは叶えられたものの、ポルンガの登場によってナメック星は一度暗闇に包まれ、いよいよラスボスがこちらの動きを察知します。

 

 

「このムシケラめ……よくもこの私を出し抜いてくれたな!絶対に許しはせんぞ!」

 

「フ、フリーザ!」

 

「来やがったなフリーザめ、だが貴様の天下もこれで終わりだ」

 

「随分と余裕だなベジータ。もしかして、私が今まで一度も本気を出したことなかったのを知らなかったのか?」

 

「さっさとその本気を出せと言っているんだ。ザーボンから貴様が変身型の宇宙人だとは聞いている!」

 

「ふん、ならば精々後悔することだ……!」

 

 そう言うとフリーザは全身に力を込めて気を増幅させます。最初は余裕を見せていたベジータですが、フリーザの体が大きく変化していく光景を見ると冷や汗を流し始め、迸る気の大きさに他の戦士達も動揺を隠しきれません。その中で1人、悟空だけは周囲に反して嬉しそうにします。

 

「へへっ、やっぱりおめぇはこの宇宙で1番強えんだな。こんな時だってのにオラワクワクしてきたぞ」

 

「ククク、この俺の姿を見てワクワクする人間がいるとはね。その余裕がいつまで続くのか、見せてもらおうじゃないか!」

 

 

 

 というわけでフリーザ戦、戦闘開始です。今回はパーティの戦闘力が高かったため、フリーザは第1形態を飛ばして初めから第2形態の状態で襲ってきます。しかしフリーザ第2形態の戦闘力は100万と今のこちらとは桁違いの強さであり、まともに戦ってもまず勝てる見込みは低いです。

 

 ですがその戦力差を大きく覆せる可能性があるのがサイヤ人です。ここはサイヤ人3人を前衛としてフリーザと戦わせ、レンズちゃんはまず大きく下がってクリリンの元へと行きます。

 

「クリリンさん、私達は彼らのサポートに徹しましょう!フリーザはとても私の手に負えません」

 

「それは俺も思ってたよ……」

 

「ではどうぞ、仙豆です。私とクリリンさんで半々に分けて、3人の支援をしましょう」

 

「ああ、任せとけ!」

 

「ではお互いにご武運を」

 

 そう言って今度はクリリンと別の方角から戦場を俯瞰できる場所へと移動します。戦場の中心では3人が必死にフリーザへと食らいついており、それでもフリーザは余裕を持って彼らを捌き切っています。

 

 

 

 ベジータの飛び蹴りを一歩下がることで躱し、反撃しようと伸ばした手をすかさず後ろへ振りかぶることで迫っていた悟空を吹き飛ばし、同時に尻尾を操ってベジータに攻撃します。

 

「ハァッ!」

 

「俺の攻撃を受け止めるなど、身の程を知れベジータ!」

 

「ぐっ!今だ!やりやがれ!」

 

 それをベジータは渾身の力で受け止め、フリーザの動きを封じにかかります。その膠着は僅か一瞬しか続きませんでしたが、一瞬の隙にすかさず悟飯が果敢にラッシュを放ちます。

 

「やぁぁぁ!!!」

 

「ひょっとしてそれが全力か?なら」

 

「うわっ!」

 

「今すぐくたばれ!!!」

 

 しかし悟飯の攻撃の全てをフリーザは片手でいなし、もう片方の手で悟飯の頭を掴んで地面へと叩きつけます。あまりの衝撃に地面が震える中、フリーザは悟飯の頭を足で踏み締めます。

 

「がああ!」

 

「悟飯!界王拳!!」

 

「コレはお前の息子か?なら返してやるよ」

 

「えっ!うわっ!」

 

 赤い気を纏った悟空が突進してくるのに対し、フリーザは悟飯を悟空の方へと蹴飛ばします。それに慌てて足を止めて悟飯を受け止めようとする悟空の姿に、フリーザは笑みを浮かべて手のひらを向けます。

 

「まとめて死ね!!!」

 

「しまった!」

 

「カカロット!ガキを置いて避けろ!」

 

「……!!!」

 

 息子ごと悟空を亡き者へとせんとする光を見てベジータが叫びますが、悟空はその指示を聞かずに悟飯を受け止めて抱えます。光はそのまま着弾して激しい爆発を引き起こし、それを見たベジータが吐き捨ててフリーザへと突貫します。

 

「甘ったれめ!」

 

「おやおやベジータ。お仲間はもう2人も死んでしまったようだが」

 

「くそっ!このぉっ!」

 

「これでお前も終わりだ!死ね!!!」

 

 

 

 たった数手でベジータを追い詰めたフリーザがベジータにトドメを刺そうとしますが、それは直前になってフリーザへの攻撃により妨害されます。突然の奇襲にフリーザは驚き、その下手人を見て更に驚愕します。

 

「一体誰が死んだって?」

 

「な、なぜ生きている!?あの時の攻撃でお前達は……!」

 

 その正体は悟空でした。その傍らには悟飯がいて、両者とも先程までの攻撃が嘘のようにピンピンしています。2人が無事に回復したのを見て、レズちゃんは気を消しつつ彼らの元から離れます。

 

 先程のフリーザの攻撃が爆発を引き起こし、それを見たベジータがフリーザに突撃している間、レズちゃんは2人に仙豆を食べさせていました。フリーザはとても知恵が回るタイプなので、戦闘中に分かりやすく回復行為を行うとそれを見て回復役を優先して攻撃する場合があります。

 

 本チャートで回復役にデンデではなく仙豆を持ったレズちゃんを採用した理由はもちろん、仙豆をクリリンと分け合うのもそれの対策というわけです。そのための仙豆。あとそのためのクリリン。クリリン!暴力!仙豆!って感じで……

 

 

 

「どうやって死にぞこなったかは知らんが、ただ最初と同じ局面に巻き戻っただけ。それならもう一度殺せばいいだけのことだ!」

 

「そいつはどうかな?」

 

 カンコーン!の音と共に戦場に新たな姿が現れます。それは白いターバンにマント、お馴染みのスタイルに身を包んだピッコロさんでした。

 

「ピッコロさん!」

 

「おうピッコロ!久しぶりだな!」

 

「ちっ、あの時くたばったナメック星人か!雑魚は精々後ろの地球人と共に俺達の援護でもしていろ!」

 

「生憎だが俺も更なるパワーアップを遂げた。今の俺はお前よりも上だ、ベジータ」

 

「次はナメック星人の生き残りか……ウジ虫共が!」

 

 ピッコロはこの時現地のナメック星人であるネイルと融合しており、その戦闘力は100万近くにまで飛躍的に上がっています。彼のベジータを超えているという発言もあながち間違いではありません。

 

「戯言を……だが、先程の復活でカカロットもその息子も大きくパワーアップしている!このままならフリーザを倒せる!」

 

「この俺を倒す?」

 

 その言葉を聞いてフリーザが不気味な笑い声をあげます。思わず食ってかかるベジータにフリーザは絶望の一言を放ちます。

 

 

 

「このフリーザは変身する度にパワーが遥かに増す……そしてその変身を俺はあと2回も残している。その意味が分かるかな?」

 

「ば、ばかな……」

 

「そんな……」

 

「へへっ、冗談キツイぜ……」

 

「見せてやろう!光栄に思うがいい!この変身を見せるのはお前達が初めてだ!!!」

 

 

 

 今回はここまで、ご拝読ありがとうございました。

 

 

 




悟空の戦闘力について気持ち悪く語ってるのでお見苦しかったら是非読み飛ばして下さい。

原作に比べて悟空の弱体化が著しくなっていますがこれは決して悟空を下げたいわけではなく、悟空とベジータの才能は大して変わらないということを踏まえた上で、原作での急成長の理由を考察した結果によるものです。
悟空とベジータの強さは本来はそこまで変わらないという根拠は主に劇場版の描写です。悟空とベジータが共闘する劇場版では技の性能や主人公補正などで活躍の差はありますが、強さ自体はそこまで違ってない場合が殆どでした。
そして劇場版が主に原作のパラレルであることを踏まえると、彼らに力の差があった本編の方こそ何か劇場版時空と比べて大きな違いがあったのではないかと考えたわけです。
原作で2人の強さが大きく違っていたのはフリーザ戦前、セル戦前、そしてブウ編開始時点の3つでした。この内セル戦だけは悟空の超サイヤ人への理解度の高さによるものだと結論づけられますが、残りの2つはそのような方針の違いだけでは説明がつかないほどの差があります。
フリーザ戦前ではベジータ25万に対して悟空は300万で、この時点では絶望的なほどの戦力差が2人にはありました。ブウ編でも悟空は超サイヤ人3まで会得していたのに対し(超サイヤ人3は欠陥があったので単純な強化にしていいか悩ましいのを抜きにしても)、ベジータはバビディによる強化を受けて大きくパワーアップしてなお、超サイヤ人2の悟空に優位を取れない有様でした。
これらの描写を見て、2人の差は修行と実戦のバランスによるものではないかと自分は仮説を立てました。修行と実戦のパワーアップはそれぞれ別枠によるもので、常に偏っていたベジータに対してバランスよく鍛えていた悟空は大きな差を作れたのではないか?ということです。
フリーザ編までのベジータは基本的に実戦ばかりしていたと思われます。その一方悟空は修行をした上でその力で敵を倒す、という流れを繰り返しておりフリーザ編でも宇宙船で限界まで鍛えてから、ギニュー特戦隊を1人で壊滅にまで持っていく活躍をしています。グルドとジースを除いた4人を倒したことによる経験値、瀕死になったことで発動してパワーアップするサイヤ人の特性、そして修行と実戦のバランスの良さ、この3つで悟空はベジータとの大きな差を作ったと考えれば、15倍の差も納得できます。
ブウ編開始までベジータは現世に、悟空はあの世にいました。そこで平和な地球で生きていたベジータはブルマに重力発生装置を頼んで修行しますが、その一方で悟空は界王星で鍛える他にあの世の強者とも戦っていました。修行しかできなかったベジータと修行と実戦の両方を行えていた悟空、ブウ編での戦力差にもこれで説明がつきます。
それらを見た上で本小説を振り返ると、ギニューとは戦ったものの倒すことはできず戦績はベジータとの共闘で特戦隊4人だと思われる悟空、悟空と同じ戦績だが元の戦闘力の差とサイヤ人特性でパワーアップした分で悟空を大きく離したベジータ、そして宇宙船での修行とベジータギニューを倒したことでベジータほどではないが大きくパワーアップした悟飯で、ある程度致命的な間違いはないと思っています。別に思ってるだけなのでご指摘に対する異論は全然ありませんが。

語りはここまでにして、投稿が遅くなっているのは偏に戦闘描写が難しすぎるからです。ナッパ戦は必殺技の描写するだけでなんとかなったし、ベジータ戦なんて最後らへん投げ捨てましたが、フリーザ戦はそうはいかないのが困ったところですね(他人事)
ちゃんと戦闘を書けているでしょうかね?よろしければご感想を頂けると幸いです。


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VSフリーザその2


お前たちにも教えよう、投稿が遅れた理由を。
ドッカンバトルで先月行われた七夕フェスではインフレの最先端であるベジータトランクスに加え、最高クラスの性能を誇る7周年悟空ベジータが2種ピックアップされている。
つまり今リセマラを行えば課金せずに最強パーティを組める。そして先月には三連休。俺はその土曜日にリセマラを挑んだ。俺にはその3体を当てる自信があったんだ。
だが、そのガチャは闇鍋すぎた。ピックアップ枠5%の内訳は先述の3体を加えて20種類もあった。
更にドッカンバトルは最近のソシャゲが持っているデータ消去が無い。いちいちインストールとダウンロードをし直す俺の虚しさは計り知れない。俺の休暇はゴミになった。



 フリーザの1回目の変身は元の姿をある程度残したまま体が大きく膨れ上がるというもので、その身に秘めた恐ろしいパワーを連想するのは簡単だったが、2回目の変身はそれとは全く別のものだった。

 

 体の大きさは今までよりむしろ小さくなり、その特徴的な頭の形と冷静な様子も相まって、戦士達に不気味なものを感じさせた。

 

「バ、バケモノめ……折角生き返ったってのに、これじゃ何の為に来たのか分からんぞ……!」

 

「こりゃホントに勝てっこなさそうだな……」

 

「な、何言ってんだよ悟空……!ホントは何か、秘策でもあるんだろ!?」

 

「……いっこだけ、とっておきがある」

 

「本当ですか!お父さん!」

 

 悟空は敵の力が自分達よりも圧倒的に上であった場合に元気玉を解禁します。元気玉は気の消費も無しに敵に大ダメージを与えることができるとんでもない技ですが、同時に大きなデメリットも抱えています。

 

「ああ。だがこの技は溜めるのに時間がかかるし、その間はオラも無防備だ。フリーザの奴に当たるかどうかも……」

 

「ごちゃごちゃ五月蝿い奴め。要は貴様のその技に賭けるしか俺達が生きる道は無いんだろう?どっちにしろ、俺達で全力で時間稼ぎするしかない」

 

「生憎だがベジータの意見に賛成だ。悟飯達はまだやれるか?」

 

「ええ。私とクリリンは皆の援護に徹してましたし、先程悟飯には仙豆を食べさせました。仙豆も私とクリリンで後3つ分あります」

 

「よし、ならば俺が前に出てフリーザと応戦する。ベジータと悟飯も手伝え。レンズとクリリンは俺達の援護を頼む」

 

「皆、頑張って持ち堪えてくれ!」

 

 皆の会話を律儀にも待っていたフリーザが口を開きます。第二形態は力のままに暴れていたフリーザですが、第三形態では一転して空恐ろしいほどに冷静になっています。もしかしたら超サイヤ人などのようにフリーザも形態ごとに感情の昂り方が違うのかもしれません。

 

「作戦会議は終わりましたか?ならばその作戦ごと私が打ち砕いて見せましょう」

 

 そう言い残してフリーザとピッコロの姿が同時に消え、それに続いて悟飯とベジータの姿も消失します。レズちゃんの戦闘力は3万、戦闘力100万を軽く超えたフリーザと、それに並ぶとまでは行かずとも戦闘力100万は超えているピッコロの本気の戦いに目で追うことすら出来ません。

 

 

 

 それにしても、ここで悟空が元気玉を使うのは思わぬ収穫でした。原作では20倍界王拳まで使っても大したダメージを与えられなかったフリーザ最終形態相手に使った技でしたが、ここでは悟空の戦闘力が原作に比べて弱いため、第三形態に使っています。

 

 しかしそれは決して悪いことではなく、むしろタイムを大幅短縮できる可能性のある素晴らしい一手なのです。

 

 

 

 皆様は劇場版ドラゴンボールZ 「超サイヤ人だ孫悟空」をご存知でしょうか?ファンの間ではタイトル詐欺だとか矛盾だらけだとか言われる本作品ですが、この作品は確かにパラレル設定が多いドラゴンボール劇場版の中でも、トップクラスに原作から逸脱してる設定です。

 

 まず1番大きい原作との逸脱点が孫悟空が超サイヤ人になれないことです。これ自体はフリーザを倒したにも関わらずクウラ戦後半まで超サイヤ人になれなかった「とびっきりの最強対最強」と似ていますが、その実態は大きく違います。

 

 なんせクウラはフリーザ以上の戦闘力であり、更にクウラとの戦いの途中で悟空が超サイヤ人に至っているためそこまで原作時空とで悟空の戦闘力に差があるわけではありません。

 

 しかしこの映画のボスであるスラッグは本気を出しても戦闘力は156万であり、映画の中で若返ったことや巨大化したことを考えてもフリーザやクウラの億超えには遠く及びません。また、スラッグに一方的にやられ続けた悟空の戦闘力も原作のフリーザ戦の戦闘力300万より遥か下であることが分かります。

 

 

 

 よくファンの間で「超サイヤ人だ孫悟空」での世界のフリーザは超サイヤ人になった悟空ではなく元気玉によって倒されたのだ、という考察がありますがこれは私も正しいと思います。

 

 ただ、原作では元気玉を食らって尚、超サイヤ人になった悟空と殴り合うだけのパワーを余らせていたフリーザが、元気玉を食らって大人しく死ぬとはどうしても思えません。フリーザを元気玉で倒したということは、フリーザは元気玉で死ぬほどには弱かったというわけで、これではパラレルと言っていいのか疑問が残ります。フリーザの強さは修行によるものではなく元々生まれ持っていたもので、フリーザの行動次第で変化するものではありませんからね。

 

 ですがもし、その時のフリーザが最終形態でなかったとしたらどうでしょうか?最終形態の半分の力で悟空の20倍界王拳かめはめ波を抑え込んだフリーザの戦闘力を6000万だとして、仮に元気玉の威力がそれ以上だったとすると、その威力を最終形態以外の状態で受ければ死んでもまぁおかしくはないでしょう。

 

 そしてその場合は、悟空が元気玉の使用に踏み切るくらいには圧倒的にフリーザより弱い状態であり、下手したらナメック星到着時点の9万のままであったとも推測できます。これならちょうど10倍界王拳でスラッグに勝てない良い塩梅ですしね。

 

 

 

 つまり本チャートでは(偶然ですが)悟空の戦闘力を低い状態で進めたことで、フリーザ戦で早期の元気玉使用を悟空に決断させることができた上、その元気玉がきちんと当たればフリーザ戦を大幅に短縮できるかもしれない、ということです。

 

 今回の流れに似たようなチャートとして、元気玉チャートなるものがあります。これは今回のチャートとは似て非なるもので、地球人のままラディッツ戦で悟空の代わりに死亡し、界王様に元気玉を教わるというものです。

 

 元気玉を教わった後はとにかくボス相手に元気玉を当てるというあまりにもシンプルなチャートですが、レベル上げ不要で複雑なプレイングスキルも要らないということで、一見するとRTA入門にオススメのチャートです。

 

 しかしその実態は、元気玉を当て続ける運とエイム力を必要とするもので完走率が異常に低いことで有名です。特に元気玉一回で倒れないベジータやフリーザ、前もって元気玉の知識を持っているセル、地球の皆に協力を呼び掛けないと威力が足りないブウなど、ただでは通用しない相手も非常に多いです。というか原作ボス全員じゃねぇか!やめたらこの仕事?

 

 そしてこのチャート、悟空の代わりに主人公が元気玉を撃っていますが、その理由は悟空の思考ルーチンにあります(チ、チンがねぇ!タマも……)

 

 先程も説明した通り、悟空が元気玉を撃つのは敵との強さを比較して自身が圧倒的に劣っていた場合であり、勝手に強くなっていく悟空を常にボスより圧倒的に弱い状態に調整するのは至難の技なのです。というか無理です。

 

 ですが元気玉をプレイヤーが使うよりも悟空が使う方が圧倒的に命中率が高いので、元気玉チャートの研究者達はどうにかして素早く悟空に元気玉を撃たせる方法を日夜考えていました。

 

 

 

 今回の悟空の動きはそこで考えられた内のひとつに非常に似ています。悟空の強さを抑えるのはフリーザ編に限っては非常に簡単であり、単純に原作で悟空がレベルアップしたギニュー特戦隊戦の機会を奪ってしまえば良いのです。そうなると瀕死パワーアップは起きず、悟空がナメック星に到着した時点での戦闘力9万のままフリーザ戦を開始することができます。

 

 更にその戦闘でデンデをパーティから外すことで回復によるパワーアップを封じ、後がないと悟空に思わせることでようやく元気玉を撃ってくれるわけです。その時点のフリーザは第一形態か第二形態であり、元気玉で確殺することができます。

 

 

 

 そういうわけでレズちゃんができることはフリーザ相手の時間稼ぎが上手くいくように応援することしかできません。ぴっころさんがんばえ〜。

 

「くそっ、コイツ……!」

 

「皆さんその程度ですか?」

 

「は、早すぎる……!」

 

 高速戦闘を繰り広げていた彼らですが徐々にペースを上げていくフリーザに追いつくことができません。

 

「ではこういう殺し方はどうでしょう?ヒャア!」

 

「ぐあっ!?」

 

「ピッコロさん!?」

 

 フリーザは高速で動きながらピッコロ達にデスビームを放ちます。唯一それに辛うじて反応できたピッコロは悟飯の前に立ち、ビームに次々と身体中を貫かれます。そして同じく身体中を貫かれたベジータと一緒に地面へと落下します。

 

「これで残ったのは子供1人と先程から戦いについていけないゴミ共ですね?」

 

「よ、よくも……」

 

「ですが子供の身でここまでついてこられたのは素晴らしいことです。どうですか?私の元についてみるのは」

 

「よくもピッコロさんを!!!」

 

「交渉は決裂ですか……」

 

 怒りを爆発させた悟飯の突進に対して優雅に構えるフリーザですが、数手打ち合っている内に徐々に冷や汗を流します。

 

「お前なんかぁぁぁ!!!」

 

「ぐっ!このガキ、速さが増している!?」

 

 それもそのはず、フリーザ戦開始時点では戦闘力40万であった悟飯ですが、第二形態との戦闘中に瀕死から復活したことと、今の激怒モード突入で戦闘力は4倍の160万になっています。これはフリーザ第三形態の戦闘力に並ぶほどであり、更に悟飯の苛烈な攻勢もあってフリーザは防戦一方です。

 

「おわりだ!」

 

「ぐぅ!」

 

「はぁぁぁ!魔閃光!!!」

 

 強烈な飛び蹴りを腹に食らって動けなくなったフリーザに対し、悟飯は飛び上がって真上から魔閃光を放ちます。その威力は絶大で、その光線を真っ向から受け止めたフリーザは徐々に押されていき高度を落とします。

 

「ぐおおお……!!!」

 

「フルパワーだ!」

 

「ぐぎぎき……!!!」

 

「悟飯……!」

 

 そして悟飯は更に魔閃光に気を込め、フリーザは地面スレスレにまで押していきます。その威力の高さにクリリンは仙豆で復活させたベジータとピッコロと一緒に驚愕します。しかし、フリーザの本気はまだまだこんなものではありませんでした。

 

「キィエェェェ!!!」

 

「なっ!?」

 

 フリーザは渾身の力で魔閃光を押し返し、悟飯の元へ放ちます。悟飯は既にパワーを使い切っており、逃げられません。そのまま巨大なエネルギー波が悟飯に直撃する寸前、それは掻き消されました。

 

「ふぅ……大丈夫?ほら仙豆よ」

 

「ありがとう!レンズさん」

 

 掻き消したのは気功砲を放ったレズちゃんでした。気功砲はHPを消費する代わりにとんでもない威力で放つことができるエネルギー系の技です。ただし、他の技と決定的に違うのは収束せずに放つため、格上に効きはするけど殺傷能力は低いという、非常に珍しいタイプの技なのです。

 

 更に収束しない普通の気弾と近い性質を持つという理由で、同系の技を掻き消すのに非常に向いています。原作ではアルティメット悟飯を吸収した魔人ブウ(悪)の放った気弾を相殺しました。もちろんですが両者のレベルの差はとんでもないものであり、それでも仕事をしたこの技の優秀さが窺えます。

 

「お前は先程まで戦いを見ていた片割れか……」

 

「俺もいるぞ!」

 

 フリーザを挟んだ反対側にクリリンが立ちます。しかしフリーザはクリリンではなく、クリリンが引き連れていた人物達に動揺を示します。

 

「な、何故殺したはずのベジータとナメック星人が……?そういえば、先程の男達もそうだった!死んだと思っていたのに何故か生き返って万全の状態へと……」

 

 その時ハッとしてフリーザがこちらに視線を向け、全てを理解します。

 

「そうか!貴様らがコイツらを回復させていたのか……!」

 

「ようやく気づいたの?どうやら宇宙一強くても、それに見合うほど賢くはないみたいね」

 

「キサマァ!!!」

 

 レズちゃんの辛辣すぎる挑発にフリーザは顔を真っ赤にして突撃します。それに対してレズちゃんは待ち構えたように十八番になりつつあるあの技を放ちます。

 

「太陽拳!!!」

 

「あうっ!?」

 

 挑発+太陽拳とかいうクソコンボでレズちゃんはまんまとフリーザを行動不能にします。その大きすぎる隙を見逃す戦士達ではありません。

 

「今だ!ハァッ!」

 

「ぐはぁっ!」

 

「おりゃあ!」

 

「ぐおおお!!!」

 

 すかさずピッコロがフリーザの背中に強烈な一撃を叩き込み、悟飯がフリーザの顔へと飛び蹴りをお見舞いして地面へと吹っ飛ばします。ちなみにベジータはレズちゃんの太陽拳をまともに食らって行動不能になっていました。M字ハゲいる?

 

「悟空!元気玉は!?」

 

「あともう少しだ!持ち堪えてくれ!」

 

「カカロットの出番も無い!このまま仕留めてやる!ハァー!!!」

 

 ベジータが吹き飛ばされたフリーザの方へとエネルギー波を連発します。ベジータといえばネタにされるほど有名なグミ撃ちですが、これは格上への通りが最悪な代わりにこのような時間稼ぎではかなり有力な技です。爆発を起こして敵の視界を遮る上、避ける隙間もない攻勢は高確率で相手の防御を誘発します。M字ハゲいる(鋼の意志)

 

「無駄だぞベジータ!まとめて死……」

 

 煙を払ったフリーザが反撃しようとして、空に浮かぶ巨大な元気玉に気付きます。

 

「あ、あれは……なんだ……?」

 

「気づかれた!撃て悟空!」

 

「駄目だ!今撃っても避けられちまう!」

 

「くそっ、このぉ!」

 

「撃ちまくるんだ!奴の動きを止めろ!」

 

 ベジータに続いてピッコロと悟飯がエネルギー波を連射します。フリーザは先程のように防御するのではなく、今いる場所から逃げようとエネルギー波を回避しながら飛び上がります。ここで動くのはZ戦士きっての技巧派であるクリリンです。

 

「気円斬!!!」

 

「な!?これは!?」

 

 フリーザの飛ぶ方向に合わせてクリリンが気円斬を連射します。技の性質を一発で見切ったフリーザは、直撃は危険と考えて方向転換をして避けていきます。しかしその行動はクリリンの思惑通りであり、クリリンはわざとその方向に避けやすいように気円斬を放っていました。

 

「今の状態であれを受けるのはマズイ!」

 

「何がマズイのかしら?」

 

 その方向にいたのは我らがレズちゃんでした。

 

「キサ……」

 

「気功砲!!!」

 

「ぐあっ!」

 

 気功砲の衝撃によって吹っ飛ばされたフリーザはまたもや地面へと墜落します。そして現れたその決定的なチャンスに、悟空が勝負を決めにいきます。

 

「やれーっ!」

 

「元気玉ぁぁぁ!!!」

 

「し……しまった……!!!」

 

「伏せろぉぉぉ!!!」

 

 空を覆うほど巨大な元気玉がフリーザに向かって落ちてきます。フリーザは逃げる暇もなく、元気玉を受け止めようとします。

 

「こ、こんなもの!!!こんな……」

 

「うわあああーっ!!!」

 

 しかし特大元気玉を跳ね返せる存在など、原作にも劇場版にも存在しません。フリーザは奮闘虚しく元気玉に飲み込まれ、ナメック星に着弾した元気玉が大爆発を起こしました。

 

 

 

 やったか!?(疑問)

 

 元気玉を受けて生きてるわけがない!(事実確認)

 

 勝ったッ!第3部完!(大本営発表)

 

 

 

 今回はここまで、ご拝読ありがとうございました。

 

 

 




すまねぇ……こんなはずじゃなかった……オラは劇場版のストーリーを軽く見返そうと、ドラゴンボールのゲームを探したんだ……
そこにちょうど、完璧なリセマラタイミングのドッカンバトルがあったからつい……

オラがリセマラしたフェスは終わったけど、今やってるGTフェスも強え奴らばかりピックアップされてるから、気が向いたらやってみてくれよな!オラもギニュー特戦隊が作れてワクワクすっぞ!


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VSフリーザその3


前書きの内容が思い浮かばなくて連載に困ってるところはあります。
前書きなんて書かなくてもいいって?んにゃぴ…



 ナメック星周辺の星中の元気を集めた特大元気玉は着弾と同時に大爆発を引き起こし、着弾した場所には何も残っていませんでした。

 

「フリーザを倒した……」

 

「……できれば、アイツと1体1で戦ってみたかったけどな……オラもまだまだだったみてぇだ……」

 

「はは…」

 

 悟空のセリフに軽く引きながらクリリンは悟空と一緒に他の仲間達を探します。先程の元気玉による大爆発に戦士達は巻き込まれて散り散りになりましたが、ピッコロが悟飯とベジータを連れたことで無事全員合流できました。

 

「ピッコロ達も無事だったか!あれ?レンズは?」

 

「生きてる…う、生きてる…う(死にかけ)」

 

「レンズ!?大丈夫なのか?」

 

「ああ。かなり衰弱してるが、命に別状は無いようだ」

 

「そういえば、さっきとんでもない威力の気功砲撃ってたもんな……」

 

 レズちゃんはピッコロの背におぶわれながら返事をします。クリリンの言う通り、レズちゃんは気功砲の連発によって現在戦闘不能です。気功砲がHPを消費する強力な技だとは前回紹介しましたが、現状のレズちゃんでは気功砲は2発が限界です。

 

 サイヤ人編での天津飯は気功砲1発によって命を落としましたが、これは原作ではナッパによるダメージ、本チャートでは分身体の消滅でそれぞれ体力を大きく減らしたことが原因です。万全の状態ならばそれ以上に撃つことは可能でしょう。

 

 しかし、レズちゃんはその時の天津飯より大きくレベルアップしたにも関わらず、たった2発の気功砲で死にかけてます。この違いは天津飯のHPの伸びがレンズより高い以外に、気功砲のHP消費量の仕組みにも関係しています。

 エネルギー系の技の威力が気のステータスによって上下することは前にも説明しましたが、気功砲のようなデメリットのある技は威力が上がるほど同時にデメリットも激しくなるため、レズちゃんの気功砲は天津飯のよりも威力が高い上に消耗が激しいのです。

 

 気功砲を習熟して新気功砲を覚えることで消耗自体は格段に減らすことができます。しかし、その習熟を進めるために連発することが消耗が激しいためにできない、というジレンマを抱えているため本来低レベル進行において気功砲はあまり有用ではありません。ですが、本チャートではある抜け道を使うためノープログレムです。大丈夫だって安心しろよ〜。

 

「レンズ、仙豆はまだ残ってるか?」

 

「いえ悟空さん、先程までで使った分でちょうどでした」

 

「ならデンデのところまで行って傷を治して貰うとするか」

 

「ふん…傷を治したらもう貴様らとは一生会わん……」

 

「はは……」

 

 ベジータが吐き捨てながらついてきます。ここまで一緒に戦ってくれたベジータですが、元気玉で倒したルートだとそのまま仲間にならず離脱します。ベジータが仲間にならないって大丈夫かよ!?と思った人達もご安心ください。

 彼は人造人間編になると「お前達を倒すのはこのオレ様なんだからねっ!」という、いわゆるベジータ理論を展開して助けに来てそのまま仲間になります。RTA的にはベジータは邪魔な部分が大きいので正直要らないのですが……

 

「……え?なんでピッコロがデンデのこと知ってるんだ?復活してそのままこっちに来たんじゃなかったのか?」

 

「ああ、それは…「そ…そんな……」

 

 クリリンの疑問を受けてピッコロがネイルとの同化を説明しようとしますが、その説明を受ける前からクリリンの様子がおかしくなります。彼はうめきながらゆっくりと震える手を上げ、その手を次第に人差し指を向ける形を取ります。それに釣られて戦士達はクリリンが指す方向に目を向けます。

 

 

 

「フリーザだーっ!!!」

 

 

 

 そこにいたのは絶望でした。フリーザがこちらを指差すと、そこから一筋の光線が放たれ、それと同時にベジータが後ろに倒れます。

 

「ベ、ベジータ!?」

 

 ベジータからの返事はありませんでした。たった一度の攻撃で瀕死復活によってパワーアップしていたベジータに致命傷を与えたことから、悟空は目の前の大きく姿を変えた敵がいよいよ真の力を解放したことを理解します。

 

「へ…変身が間に合わなければ死んでいた……このフリーザ様が死にかけたんだぞ……」

 

「オラを置いて逃げろオメェ達!オラ達じゃアイツに勝てねぇ!!!」

 

「な、何言ってんだよ悟空……それじゃ、お前が死んじまう……!」

 

「さ、さっさといけ!ジャマだ!!!皆揃って死にてぇか!!!」

 

 悟空は勇気を振り絞ってフリーザに決死の時間稼ぎをしようとしますが、同格の相手ならともかく、遥かに格上であるフリーザに対して悟空の意地が通じるわけがありません。

 

「一匹残らず生かしては帰さんぞ……!そらっ!」

 

「うっ、うわあああ!」

 

「クリリーン!!!」

 

 そこからは親の顔より見たクリリンの爆殺シーンと、悟空の覚醒のムービーが入ります。ちなみにクリリンの死を受けて悟飯は何故覚醒しないのかについてですが、これは戦闘中ではなく一連のムービーになっているからです。更に今回はピッコロがレズちゃんを背負ってたことで皆の後ろにいた結果、フリーザの狙いを免れていたのもあります。

 

 

 

 それにしてもなんとかなりましたね……先程の元気玉でフリーザが死ななかったのは運が悪かったですが、あれは咄嗟のオリチャーだったので駄目で元々でした。それに比べたら悟空の覚醒はチャートのお祈りポイントのひとつであり、ここで覚醒しなければリカバリーに入る必要がありました。

 

 元気玉チャートでのフリーザ戦では、フリーザが第一形態か第二形態の内に元気玉を当てるという内容になっています。これはフリーザが最終形態に変身するまでの時間を与えないことが目的であり、第三形態のフリーザ相手に元気玉を当てても、確率によっては最終形態への変身が間に合って死なないパターンがあることは調査済みでした。

 

「くっくっく…お次はガキの方かな?」

 

 フリーザが悟飯に指を向けた瞬間、フリーザの目の前へと瞬時に悟空が移動します。あまりの速さにフリーザが反応できない中で、悟空は腕を振りかぶって渾身の一撃を加えます。

 

「がはぁっ!!!」

 

 すかさずエネルギー波でフリーザに追撃を浴びせ続ける悟空の姿は金色のオーラが迸り、髪の毛は逆立っています。……あれ?

 

 

 

 あれ〜おかしいね、悟空が金髪じゃないね?

 

 

 

 フリーザが吹っ飛んだ地面ごと崩落するのを見てピッコロと悟飯が唖然とする中、辛うじて息があったベジータが呟きます。

 

「ざまぁ…みやがれ…フリーザ……伝説の…復活だ……」

 

 ベジータはドヤ顔を浮かべてそのまま死んでいきます。……しかし、大変言いにくいのですが、ベジータの遺言は間違っているかもしれません。

 

 まあ、ある意味では間違ってないとも言えるかな?いや言えないかもしれないわ。断言するのやめとくわ、確信がないわ(シャム星人)

 

 

 

 悟空の髪色は従来の超サイヤ人のものである金色になっておらず黒色のままであり、超サイヤ人特有の興奮状態を逸脱して完全に理性を失った状態になっています。

 

 この形態はファンの間で疑似超サイヤ人と呼ばれる変身であり、劇場版ドラゴンボールZ 「超サイヤ人だ孫悟空」に登場します。映画において追い詰められた悟空が変身した姿であり、映画のサブタイトルや界王さまのセリフからこの形態こそが伝説の超サイヤ人であるという風に描かれました。実際にはこの映画は酷いタイトル詐欺でしたし、映画での界王さまは適当なこと言ってただけなことになったのですが……

 

 ただ、その力は超サイヤ人に負けずとも劣らずというべきものであり、映画では界王拳を使っても全く歯が立たなかったスラッグを一方的にボコボコにするほどのスペックがあります。まあこの超サイヤ人もどきには致命的な欠陥があるのですが、その話はまたおいおいする機会があるでしょう。

 

「お父さんはなれたんだ……超サイヤ人に!」

 

「あれが…悟空の真の力だというのか……!」

 

 悟飯ちゃんとピッコロさんも勘違いしていますが、実際あの悟空がフリーザと戦えてる以上は問題ありません。ナニモイウコトハナイ。

 

 

 

 悟空とフリーザの次元の違う戦いについていけない2人は死にかけのレズちゃんのこともあってまずはデンデのところに向かいます。

 

「あっ悟飯さん!大丈夫でしたか!?」

 

「うん、けど…レンズさんが」

 

「デンデ、レンズを回復してくれ」

 

「分かりました!……貴方はどこかでお会いしましたか?どうして僕の名を?」

 

「説明したいのは山々だが、今は時間がない。レンズを頼む」

 

 ピッコロはレズちゃんをデンデに預けると、先程までの戦場へと戻ろうとします。

 

「ピッコロさん!フリーザの所に行く気ですか!?」

 

「ああ、今の俺では間違いなく悟空の足手纏いだが、それでも殺されたナメック星人のことを思えば逃げるわけにはいかない」

 

「だったら僕も……!」

 

「いや、悟飯は逃げる準備をしてくれ。万が一のことがあったらお前達だけでも逃げろ」

 

「で、でも…ピッコロさんとお父さんは……!」

 

 ピッコロに指示されようが彼らと共に戦おうとする悟飯に対して、ピッコロは微笑みながら頭に手を置きます。

 

「悟飯、ここまでよく頑張った。後は俺に任せてくれ」

 

「……ピッコロさん…どうか死なないで!」

 

 悟飯をなんとか説得したピッコロが戦場に顔を向けますが、それと同時に2人は異変に気付きます。

 

「あ、あれ…!?お父さんの気が減っている!!!」

 

「ちぃっ!悟空の奴でさえ歯が立たないのか……!」

 

「お父さん!!!」

 

「ま、待て!悟飯!!!」

 

 ピッコロの静止を無視して悟飯は凄い速さで戦場に向かいます。その後をピッコロが追いかけ、到着した2人が見たものは絶望的な光景でした。

 

 

 

「な、なんだ……伝説の超サイヤ人とやらも……大したことないではないか!」

 

「ち、ちくしょう……体に力が入んねぇ……」

 

 そこには片膝をついて荒い息をする悟空と、それとは対象的に地面に立って悟空を見下していたフリーザがいました。見た目こそ両者ともにボロボロですが、勝者がどちらであるかは確定的に明らかでした。

 

 

 

 疑似超サイヤ人の致命的な欠点ですが、それは消耗の激しさとそれに伴う変身可能時間の短さです。超サイヤ人は初変身してからも長時間戦えることができますが、疑似超サイヤ人の状態では変身を保っても数分が限界です。つまり疑似超サイヤ人に悟空が変身した時点で、耐久力の高いフリーザに勝てないのはまあ当然でした。

 

 こうなるともう残された手段は悟飯の超サイヤ人化しかありません。最終的な戦闘力の測定はできないため予想に過ぎませんが、悟空の戦闘力はフリーザ戦開始前で20万、そこからフリーザ戦で一度の瀕死パワーアップと二度のレベルアップを挟みましたが、重力発生装置での修行がなかったためパワーアップの倍率は低く、原作で超サイヤ人に変身した悟空の戦闘力である300万には遠く及ばなかったのでしょう。

 

 しかし、悟飯はフリーザ戦開始前の時点で戦闘力40万と原作のそれを大きく超えており、瀕死パワーアップと激怒モードによってそれは160万まで引き上げられました。戦闘が終わったため激怒モードこそ終了したものの、その分は戦闘終了後のレベルアップによって上昇しています。

 

 そこから激怒モードによるパワーアップをすれば基準である戦闘力300万を超え、同時に超サイヤ人に変身することができるでしょう。この小説の最初の方で説明しましたが、悟飯が怒りで変身する場合はまず激怒モードでの大幅パワーアップがあり、そこから変身でのパワーアップをするため、悟飯の初変身は他のサイヤ人の初変身よりも圧倒的に強い場合が殆どです。

 

 

 

 セル編での悟空は超サイヤ人2の存在を知らない状態で、悟飯が怒ればセルを倒せると言い切りました。その後なんやかんやあってセルは再生能力と瀕死時パワーアップのクソコンボで大幅に強くなったはずなのですが、ベジータの不意打ちがあったとはいえ最終的には気が半分以下になった悟飯とのかめはめ波での押し合いに敗れました。

 

 このパーフェクトセルが超サイヤ人2に並ぶほどの強さだったのは間違いないのですが、それを半分以下の力で倒した悟飯は全開状態でパーフェクトセルと少なくとも2倍以上の力の差があったことが分かります。

 

 そして超サイヤ人2が超サイヤ人の2倍の倍率の変身であることを考えると、明らかに悟飯の強さがおかしいことになります。それらを踏まえると、悟空が激怒モードを発動した超サイヤ人悟飯ならセルを倒せるだろうと推測した上でそこから悟飯が超サイヤ人2になったため、セルが大幅にパワーアップしても悟飯は半分以下のパワーで勝てたのだと考えられます。

 

 

 

 今の話をまとめると激怒モードと変身、怒りを基点とする2種のパワーアップを同時に発動するのが悟飯の最大の強みであるわけです。そして現在、それを可能とする環境が整っています。

 

 悟飯の好感度が高い悟空とピッコロと共にフリーザと対面しており、フリーザのヘイトが悟飯に向かない限りは簡単に悟飯の怒りのトリガーである親しい者の窮地を見ることができる、というわけです。

 

 ただ、フリーザの攻撃力を考えると悟空とピッコロにはどうしても死亡のリスクがありますが、どうせドラゴンボールがあるからなんとか……

 

 

 

 なんとか…………

 

 

 

 なんとかならない!?

 

 

 

 ちょっと待って!悟空とピッコロのどちらが死んでもドラゴンボールでリカバリー不可能です!!!ピッコロが死んでしまえば地球のドラゴンボールが使用不可能になりフリーザに殺された者を生き返らせることができず、悟空が死んでしまえば地球のドラゴンボールのルールである2度死んだ者は生き返らせることができないルールに抵触し、やはり地球のドラゴンボールでは悟空を生き返らせることができません!

 

 悟空に限ってはナメック星のドラゴンボールで生き返らせることが可能ですが、それも最長老が死にナメック星が滅んだ状態ではいつになるか分かりません!最悪人造人間編に間に合わない可能性すら考えられます!

 

 やべぇよ…やべぇよ…朝飯食ったから…(?)

 

 

 

 こ、これを打開するにはレズちゃんがフリーザに殺されるしかありません!オメェの出番だぞ!レズちゃん!!!

 

「あっ!気がつきましたか?」

 

「…皆は?」

 

「悟飯さん達ならフリーザと戦ってる場所に…」

 

「治してくれてありがとう!行ってくる!」

 

「レンズさん!?まずいですよ!」

 

 レズちゃんーっ!はやくきてくれーっ!!!

 

 

 

 今回はここまで、ご拝読ありがとうごさいました。

 

 

 




悟空が超サイヤ人になれなかったのはこの小説で最も批判されるべきポイントですし、ここまで結構悩んだ末の展開です。皆様のお気に召せば良いのですが。

いや…この小説がbiim式なのを考えたらどうでもいいくらい些細な問題だな…(いまさら)


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