絆10のサーヴァントに寝かしつけてもらう (ユイトアクエリア)
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オルトリンデ

これ、タグどうしたらいいですかね。
添い寝はR-15でしょうか、ぜひとも意見の方をお聞かせ願えれば。


飛び起きた。

時刻は午前3時半。

起きるには早すぎる時間だが、無理もない。

先ほどまで、眠りが浅いせいで夢を見ていた。

それも、頭に悪がつく系統の。

 

と、机の方に気配を感じる。

 

「......?まだ4時前ですよ、マスター」

 

少し幼げで無機質な声を放つのは、戦乙女ワルキューレ、そのうちの一騎『オルトリンデ』。

なぜ彼女がここにいるのだろうと思い、そうやって言おうとして、ふと昨日の会話を思い出した。

自分の眠りを妨げない程度に、マイルームで警備をしてくれるという話をした、気がする。

 

「......眠れない、んですね」

 

首肯すると、オルトリンデは近づいてくる。

ふと頭に悪夢の内容がよぎり、少しだけ後ずさってしまう。

 

「どうしました?」

 

何でもない、と言おうとして口から空気だけが漏れる。

 

「マスター?」

 

彼女は心配してくれている。

それなのに、自分の体は彼女から距離を置いている。

しかし、背中が壁と接触したことにより、距離は縮まっていく。

 

「......心配しなくても、襲ったりしませんよ」

 

わかってるよ、と言おうとして、またしても空気だけが漏れる。

どうして?

何故自分は優しく接してくれている彼女から距離を取っている?

 

「マスター、手を」

 

言われるがままに手を出すと、オルトリンデはその手を優しく包み込む。

 

「大丈夫ですよ。何も怖いことはしません」

 

分かっている。

彼女はそういうことはしない。

大丈夫だ、と自分に言い聞かせ、深呼吸を一回。

 

......魔術師であれば、令呪が刻まれている手を相手に差し出すのは自殺行為ではあるけども。

 

「マスターは、少し頑張りすぎていますね」

 

わからない。

自分の中の最適解がこれだから。

常に最善を尽くしていなければ、死んでしまう可能性はどこだってある。

 

「でも、咄嗟にサーヴァントの前に出るのはよくないですよ?私たちと違って、マスターは人間なのですから」

 

悪い癖は治らない。

治そうとしているのに、勝手に足が動いてしまう。

治すようにしなければ。

 

と、オルトリンデがベッドに登ってくる。

 

「......眠れないなら、添い寝でも、と思って。だめ、ですか?」

 

サーヴァントの望みは叶えるのがマスターの使命。

自分としても拒絶する理由はないため、受け入れる。

 

「ありがとうございます、マスター。では、失礼します......」

 

オルトリンデと顔を見合わせて横になる。

しかし、恥ずかしくなって壁側を向く。

 

「何故そっち側を向いてしまうんですか?」

 

素直に恥ずかしいと返すと、「可愛いですね」と笑いながら言われる。

 

「マスター。恥ずかしいかもしれませんが、私の方を見てください。すぐ終わりますから」

 

言われ、再びオルトリンデの顔の方を向く。

すると、突然の眠気。

 

「睡眠のルーンです。おやすみなさい、マスター」

 

その声を最後に、意識が落ちていった。

 

 

 

 

 

 



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妖精騎士ランスロット

タイトルは真名ネタバレ回避のためにこうしてます。

内容に2部6章のネタバレが含まれております、ご注意ください。


今日も一日使命を終えて、マイルームに戻る。

近頃は特異点の発生などもなく、また至急解決案件というのも出ないので、カルデア所属サーヴァントの強化のため、シミュレーションにて種火を集める毎日ではあるが。

 

シャワールームで汗を流し、タオルドライをしてインナーを着る。

そのままベッドに倒れこみ、眠気が来るのを待つ。

 

しかし、1分、2分、3分経っても、眠気は来ない。

瞼を閉じてみても、結果は同じ。

どうしたものか。

いっそ寝れないのならレポートでも書けばいいと、マイルームの机の電気をつけると同時に、横に何かがいる、というより()()()感覚。

距離を取り、身構える。

 

「あれ、どうしたの?」

 

現れたのは、『妖精騎士ランスロット』。真名を『メリュジーヌ』。

第六異聞帯、妖精國ブリテンにて、最も美しい妖精とされたもの。

同時に、炎の厄災、《アルビオン》でもあった彼女。

 

どうしてここにと尋ねると、

 

「竜は体温が低いから、マスターに温めてもらおうと思ってね?けど、肝心のマスターが布団にいないんじゃ......」

 

寂しそうに言う。

竜種は体温が低い、というのはメリュジーヌ談。

変温動物のような感じで、時々こうやって暖を取りに来る。

初めて来たときは驚いたけど、こうやって部屋を訪ねてくるのも慣れた。

 

と、メリュジーヌはしばし考え込んだ後、何を思ったか布団にダイブした。

 

「ほら、マスターもこっち」

 

布団にくるまって、顔と手だけを出して手招きをするメリュジーヌ。

まあいいかと電気を消し、布団に入る。

当然だがこの布団は二人用ではない。

 

「そんなに端っこだと落っこちちゃうよ。こっちおいで」

 

メリュジーヌの腕が背中に回され、抱き寄せられる。

一気に顔が近くなり、目線を外す。

 

「どうしたのマスター?まさか、恋人の顔が近くて恥ずかしいのかい?」

 

メリュジーヌは微笑む。

サーヴァントは美男美女ぞろい、そしてそれはメリュジーヌも例外じゃない。

そんなサーヴァント、あるいは妖精が同じ布団にいて、自分を見つめている。

恥ずかしくならない方がおかしい。

 

「ふふ、マスター。図星だね?顔が真っ赤だ、可愛いよ」

 

断ることでもないが、自分は男性である。

しかし、あまりにもメリュジーヌ、というより、『妖精騎士ランスロット』としての王子力が高すぎる。

バレンタインではカルデアのほぼ全職員からチョコを貰っていたほどだ。

 

「むぅ。マスターからも抱きしめてくれないの?」

 

忘れていた。

メリュジーヌの背中に腕を回す。

 

「マスター、温かい」

 

メリュジーヌは顔を擦り付けてくる。

なんだかこうなると、ただの甘えん坊なペットのような感覚だ。

 

と、だんだん瞼が重くなる。

うとうとしてきたのを察したのか、メリュジーヌは顔を覗き込んでくる。

 

「あぁ、もう眠くなっちゃったんだね。おやすみマスター、良い夢を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




メリュは王子味が強いからこうやってやると信じている()

気軽に感想待ってます。


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ジャンヌ・ダルク《オルタ》

ネタ切れ(早い)
推しへの解像度が低いのはどうしたものか


マイルーム。

自分や、他のサーヴァントにも充てられている部屋。

そこで、亜種特異点の記録を眺めている。

新宿、アガルタ、下総、セイレム。

どこも一筋縄ではいかなかった。

などと考えていると、肩に銀色の髪が一房。

 

「あんた、何見てんの?」

 

後ろから声をかけてきたのは、フランスの聖女『ジャンヌ・ダルク』であって、そうでない。

オルレアンにて、キャスターのジル・ド・レェが聖杯に願ったことによる召喚で生まれた、復讐だけを胸に掲げたサーヴァント、クラスアヴェンジャー『ジャンヌ・ダルク《オルタ》』。

 

新宿の記録、と言うと、

 

「また懐かしいもの見てんのね。なんかあったの?」

 

と呆れたように言われた。

けど、その顔は呆れたような感じではなく、むしろ楽しそうに見えた。

それを指摘すると、

 

「はぁ!?楽しみなんかないわよ!!燃やすわよ!?」

 

と言って、小さい炎を出して見せた。

とは言うが、恐らく彼女が見たがってるのは、記録にはない部分だ。

 

「え、そうなの?」

 

図星だ。

途中途中で、アルトリアオルタとダンスをするシーンがあるが、それを見るたび「私だって......!」と呟いているのはしっかり聞いている。

しかし、新宿で出会ったジャンヌオルタとは、カルデアとの通信を切って、ダンスをした。

故、データはない。

 

「じゃあ、今踊るわよ」

 

そう言って、彼女は新宿で見た霊衣を纏った。

 

「ほら、エスコートなさい、マスター?」

 


 

「なかなか良かったんじゃないかしら?」

 

疲れた。

新宿の時より、だいぶ力を使った気がする。

 

「いいものね、ダンスって。あの冷血女より、私の方がうまいんじゃないかしら?」

 

実際、そうかもしれない。

新宿のアルトリアオルタと言い勝負、というより、ちょっと上だった気がする。

 

「そうよね?」

 

ちょっと圧がすごい気がするが、まぁそれはこの際置いておく。

と、なんだかうとうとしてきた。

 

「え、あんた眠いの?」

 

首を縦に振って答える。

 

「なっさけないわね、ダンスぐらいで。ほら、そこに布団があるわよ」

 

言われるがままに布団にダイブ。

眠気で朦朧としてきた中で、無意識にジャンヌオルタの手を握る。

 

「ちょ......なにしてん......」

 

彼女は手を振り払わなかった。

 

「......眠い中、付き合ってくれてたのね」

 

それは違う。

さっきまでは眠くなかった。

 

「いいわよ、別に。そんなにムキにならなくたって」

 

優しく笑う。

ひっくり返っても、聖女なんだなとか、場違いなことを思いながら、意識が落ちていく。

 

「おやすみ、マスターちゃん」

 

 

 

 

 

 




お気に入り、感想、評価気軽にどうぞ
待ってます


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モルガン

モルガンがマスターって呼ぶシーンはあんまりない気がする(未所持)
未所持なら書くな?いいだろ!!ここは妄想の垂れ流しだ!!



深夜の食堂を徘徊するというのは、なんとも言い難い感覚がある。

こんな深夜に食べ物を物色するという罪悪感、誰もいない食堂で堂々と盗み食いをする幸福感。

まぁ、色々と感じることはあれど、今の目的は食品ではなく、ただの緑茶だ。

最近どうも寝つきが悪い。

寝てしまえば朝までぐっすりではあるのだが、寝るまでの時間が長い。

なので、睡眠前にはぬるめの緑茶、という迷信を信じて、食堂にいる次第だ。

まぁでも、こんな夜中にこんな場所にいれば、誰かの目にはつくわけで。

 

「何をしているのですか?」

 

現れたのは冬の女王。

妖精國ブリテンを2000年もの間統治し続けていた女王。

バーサーカーのサーヴァント、モルガン。

 

「こんな深夜に食堂の物色とは、感心しませんね。我が夫」

 

何故だか自分は彼女の夫判定なようなのだが、理由がいまいちわかってない。

まぁ、それはそれとして置いておこう。

別に自分は食品を漁りに来たのではなく、ただ飲み物を作りに来ただけなのだ。

 

「ほう?.....よく見れば、いつも持ってそうな菓子の一つ、持っていませんね」

 

とりあえず疑いは晴れたようだ。

逆に、モルガンがどうしてここにいるか尋ねると、

 

「理由はありません。強いて言うなら......あなたと同じ、でしょうか」

 

一行矛盾とはこのことである。

理由がないのに強いて言うならとは、これ如何に。

 

「黙りなさい。宝具を展開しますよ。......冗談です。だからこんなことで令呪の無駄打ちはやめなさい」

 

本気で焦った。

彼女はやると言えばやるタイプであることは、ブリテン島での戦闘や、共に戦ってきたことからもわかっている。

 

「理解が深くて助かります。......ところで、さっきから、何を飲んでいるのですか?」

 

寝る前のぬるめ緑茶を言っているのだろう。

 

「寝る前にはホットミルクと、よく聞きますが。......寝つきが悪いのであれば、私の魔術で......」

 

申し出は非常にありがたいが、魔術による睡眠はよろしくないと、今日の講義で学んだばかりだ。

 

「そう、ですか。残念です」

 

そういう彼女の眼は、悲しそうだった。

丁度緑茶も飲み終わったので、とあることを念じながら、それと逆のことを口に出す。

 

「......?口では嫌がってるのに、本心ではされたがっている......?」

 

白々しく否定すると、

 

「ふふっ。我が夫、それならそうと早く言ってくれれば......」

 

まずい、やり方を間違えたかもしれない。

このままでは睡眠導入ではなく貞操の危機だ。

 

と、いつの間にかマイルームのベッドの上に。

モルガンの魔術で転移したのだろう。

 

程なくして眠気が訪れ、それに身を任せる。

 

「安心して寝てください。まだ、その時ではないので」

 

 

 

 

 

 

 




評価、感想、お気に入り登録ありがとうございます。
すごいね、ユーザー名と書いてるサーヴァントがまるで一致しない

そしてね、不定期更新(偽)になってるね今んとこ

書きたいサーヴァントを自由に書いていく場です、どうぞよろしくお願いいたします。


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シャルロット・コルデー

はい、某ウイルスワクチンの副作用でぶっ倒れてました。
ま、不定期更新って書いてるから、1日空いたって誰も怒らないよねっ!
...よね?(不安)


ま、それはどうでもいいですね、どうぞ


シミュレーションを立ち上げ、のどかな高原に設定。

こうしたのは、なんともくだらない理由だが。

日光を浴びながら昼寝がしたかった。

それだけだ。

とはいえ、自分一人だけで行くのも怪しまれる。

だからサーヴァントを一騎、頼んでついてきてもらった。

 

......まぁ、シミュレーション内の出来事は万能の天才に見られてるんだけども。

 

「それで、私が呼ばれたんですね?」

 

隣に立つのはアサシンのサーヴァント、『シャルロット・コルデー』。

暗殺の天使との二つ名がついたこともある、可憐なサーヴァント。

しかし、本人にその気はあんまりないらしく、たまたまうまくいった、と主張している。

だとしても一人で計画を練り、実行したのは偉大な功績ではなかろうか。

 

「マスター?ボーっとして大丈夫ですか?」

 

平気だと返すと、彼女が笑う。

 

「じゃあ、早速昼寝しましょうか!」

 

そう言って、彼女は寝転んだ。

倣って、自分も寝転ぶ。

柔らかな日差しが気持ちいい。

吹き抜ける風が心地よい。

 

「ふぁ......気持ちいいですね、マスター」

 

彼女の欠伸につられ、体を伸ばす。

 

「あ、そうだ。せっかくだから......」

 

そう言って、彼女は上体を起こす。

何をするのかと見ていると、シャルロットは正座をして、太ももを軽く叩く。

 

「膝枕~!......です」

 

言った後に顔を赤くする彼女。

こういうところを見ていると、やっぱり彼女は普通の少女だなと、そう思う。

 

「さ、さあさあどうぞマスター!遠慮なんて無しですよ~!」

 

勢いのまま押し切ろうとしているのがまるわかりだったが、それにのることにした。

彼女の太ももに頭を乗せる。

 

「どうですか?柔らかいですか?」

 

シャルロットは顔を覗き込んで聞いてくる。

 

......それでも顔が半分ほどしか見えないのは、まぁ、うん。

 

邪な考えを振り落としながら肯定すると、彼女は笑いかけてくれる。

 

「いいですね、こういう時間。マスターと二人っきりで、のんびり過ごすの」

 

それは、他のサーヴァントからもそこそこ言われていたこと。

二人だと落ち着く、とか、二人だと普段話さないことも話せる、とか。

リラックスしてくれて、悩みを素直に話してくれるのは、マスター冥利に尽きる。

と、欠伸がまた出る。

 

「あ、そろそろ眠いですか?」

 

頭の上で何かが動く。

それがシャルロットの手で、彼女が頭を撫でているということに気付いた時には、だんだん意識が落ちていく。

 

「ゆっくりおやすみなさい、マスター。夢で、私のことだけを......なんて。わがままですね

 

 

 

 

 

 

 




こんなだったかなぁ、コルデー。


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レディ・アヴァロン

リクエストありがとうございます
書いてストックにでもしようと思ったけど、他の子が難産過ぎてできなかったので投稿。

8月中までは毎日出したいなぁという欲があるので出来上がり次第バンバン出していきます。


夏イベ終わってない人には地味ネタバレかもしれません、ご注意を。

ではどうぞ


スパルタ式トレーニングを終えて、窓際に座りながら水を呷る。

火照った体に冷えた水がしみ込んで、心地よい。

と、後ろに気配。

 

「おや、マスター。今、一人かい?」

 

そう声をかけてきたのは、役羽織(プリテンダー)のサーヴァント、『レディ・アヴァロン』。

自称、花の魔術師『マーリン』の妹で、花のお姉さん。

 

とは言ってるが、実際のところ信用には至ってない。

レディ・アヴァロンという名前だって、真名かどうかすらわからない。

 

「おいおい、そんな目で私を見ないでくれ。照れてしまうじゃないか」

 

分かりやすい嘘だ。

 

「嘘なんてついてないさ。ひどいな、お兄ちゃんは」

 

まただ。

たまに彼女は妹を自称する。

そして「お兄ちゃん」と呼ばれることが有る。

 

「なに?照れてるのかい?妹に呼ばれたぐらいで?」

 

...自分の記憶では、こんな魔性な妹は存在しなかった。

こんな艶やかに兄を呼ぶ妹なんて、この世にいるのか?

 

話を変えようと、なぜここにいるのか尋ねる。

 

「私はただ散歩していただけさ。そしたらたまたまマスターを見かけて、声をかけてみた、というわけだ」

 

つまりは通りすがりだった。

ふと疲弊した思考で、欲を出したことを聞いてみる。

 

「え?君のマイルームに?まぁいいけれど......何されちゃうのかなぁ、私」

 

からかうような声で言うので、ただ居てほしいだと返す。

 

「なんだい?どうせならこのお姉さんに何でも言っていいんだぞ?例えば......」

 

マイルームに戻ってくると、カチャという音がした。

見ると、彼女が後ろ手にドアに鍵をかけていた。

 

「そんな驚くことじゃないだろう?」

 

そのまま彼女に詰め寄られ、ベッドに押し倒される。

 

「これから君と二人っきりなのに......邪魔が入ったら困るから......」

 

やはりマイルームに招くのはまずかった。

今からでも令呪でどうにかしようとすると、優しく宥められる。

 

「無駄使いはだめだぞ?それと、私は素直な妹だからね。お兄ちゃんの言うことぐらい、しっかり聞くとも。でも今は、聞いてあげない」

 

さらに詰め寄られる。

顔が近い。

 

「......うふふ、そんなに怖がらなくても大丈夫だよ」

 

と、レディ・アヴァロンは顔を離して柔らかく笑う。

そして、ベッドに正座をして座り、「どうぞ?」と言う。

 

誘われるままに太ももに頭を乗せると、花の優しい香りが漂う。

 

「それじゃあそのまま、体ごと私の方を向いてもらえるかな?」

 

言葉に従い、体を90度右に傾ける。

すると突然、耳に何か硬いものが触れる感覚。

 

「あぁ、耳かきだよ。最近じゃ、こういうものが流行っているんだろう?」

 

そういう作品があるのは知っているが、聞いたことは一回もない。

仮に聞いたとすれば、こんな感じになるんだろうという考えしか、今は無い。

それと、耳かきのやり方が心地よくて、だんだんと眠気が襲ってくる。

 

「おや?......ふふっ、眠ってしまったね。おやすみ、お兄ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 




最終再臨ボイスの「よろしくね?お兄ちゃん♡」が可愛すぎて土下座した。
7章で真名バレするんでしょうか

評価、感想、お気に入り登録ありがとうございます。
前書きの通り8月中は頑張って毎日上げようと思いますので、よろしくお願いします。


(細かく指定するとあれですが、軽くあのキャラが見たいなぁぐらいを感想と一緒に添えていただければありがたいです)


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アナスタシア

リクエストありがとうございます

カルデアの設定上夏っていうのは微小特異点作らんと難しいのでこうなりました。

では、どうぞ。


カルデアの空調がおかしくなった、というお知らせをダ・ヴィンチちゃんから受けて、早2時間が立つ。

今、カルデアの空調は暖房の温度が30度という何ともおかしすぎることになっているようだ。

そして、原因も解明できておらず、対応中とのこと。

 

インナーのみでマイルームに籠って約1時間半。

流石に熱く感じてきた。

 

と、ドアのノック音。

 

『マスター、私よ。開けてくださるかしら?』

 

声の主には覚えがある。

ドアのロックを解除し、部屋に招き入れる。

 

「ふぅ、ありがとうマスター」

 

彼女の名は『アナスタシア』。

ロシアの皇女で、彼女とは別人だが、第1異聞帯で敵対したサーヴァントでもあった。

 

なぜこの部屋にと訪ねると、

 

「マスターの部屋なら少しは涼しいと思ったのよ。けれど......」

 

彼女は大きく息を吸って、

 

めがっさ熱いわ!!(ガッデムホット!!)

 

と言った。

その後すぐ、咳払いをしてから、

 

「......失礼、取り乱したわ。熱いわね、マスター」

 

と言い直した。

別に叫ぼうが何しようがこの部屋にしか響かないし、何ならこの部屋が一番熱いまであるのでそれは正しい反応だと思う。

 

「なので、裏技を使おうと思うの」

 

裏技?と首をかしげると、アナスタシアは腕に抱えていたぬいぐるみ......に見える精霊『ヴィイ』を頭上に掲げて言った。

 

「ヴィイ、部屋を冷やしなさい」

 

瞬間、ヴィイの眼が光る。

瞬く間に冷気が充満していき、部屋の隅が凍り付き始める。

急いで止めると、

 

「あらマスター?これくらいの冷気には耐えられるでしょう?」

 

と言って冷風がパワーアップ。

極地用の礼装を急いで着用し、一旦凌ぐ。

するとそれを見たアナスタシアが首を傾げた。

 

「マスター?暑くないのかしら?」

 

極地用礼装には着用者の安全を守るための魔術が施されていて、極寒の地であった第一異聞帯でも寒さを感じる事は少なかった。

それくらい便利なものだが、まさか再びそれを味わう日が来るとは。

 

「そう。便利なのね、それ」

 

しかしこの礼装、寒さには強くても暑さにはあまり強くない。

故、この暖房暴走状態では着なかった、というわけだ。

 

「それを着てこの部屋の冷気を感じる事は無くなったとして、マスターは今涼しいのかしら?」

 

......暑い。

先ほども言った通りこの礼装、暑さには効果が薄い。

これでは本末転倒である。

 

「布団に包まれば、涼しさもわかるんじゃないかしら?」

 

それは名案だと、脱衣所で極地用礼装を脱ぐ。

タオルで汗を拭いて、部屋に戻ってくると、すでにアナスタシアが布団の中にいた。

状況が呑み込めず固まってると、

 

「マスター?早く入りなさい?」

 

と、布団を捲られる。

覚悟を決めて布団に入ると、ひんやりしている。

 

「これくらいなら、冷えすぎずに済むわね」

 

そう言いながら微笑む彼女を見ていると、だんだん彼女の眼が虚ろになってきた。

 

「大、丈夫よ、マスター。少し、魔力の使い過ぎで......少しだけ、休むわね......」

 

と言って、寝てしまった。

魔力供給の方法はあるにはあるが、今の状況じゃ何をどうやても怪しい行動にしか見えないので自重。

彼女の寝顔を眺めながら、軽く休憩することにした。

程なくして意識も途切れ途切れになってきたので、そのまま意識を手放す。

 

......視界の端でヴィイが手を振っていたように見えたのは、気のせいだと信じたい。

 

 

 




これ、寝かしつけられて無いね(タイトル詐欺)

まぁほら、ヴィイには寝かしつけられてるしこれでいいだろ(殴られろ)


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グレイ

書きあがり時刻:約10時間前

ギリギリで生きている



レポートまとめ中、小休憩。

文字を打ち込みながら頭の中で報告すべき事柄をまとめる。

それを文字起こししながら誤字修正。

これだけでもすでに目が痛い。

パソコンから発せられるブルーライトが目を順調に傷つけていく。

これはまずいと目を思いきり閉じ、椅子の背もたれに寄りかかる。

そのまま背もたれの上の部分に頭を置き、天井を見る。

と、ドアノック。

 

『ま、マスター。少々、お時間よろしいでしょうか?』

 

ドアのロックを解除する。

現れたのはアサシンのサーヴァント、『グレイ』。

用件を尋ねると、

 

「ライネスさんから、『これを我が弟子に。ついでにお茶会でもすればいい』と......こちらの茶葉を」

 

渡されたのは、どう見ても高級なやつ。

恐れ多く思いつつ、これでお茶会でも、というのなら、淹れてみるしかない。

物は試しだ。

 

「いい、香りですね」

 

肯定しつつ、お湯を注ぐ。

紅茶を作るためのお湯は沸騰したてがいいが、飲む際は少し冷まして、60℃とかの方が良いそうだ。

熱すぎると飲めないから、という理由で。

 

......こういう冷めるのを待ってる時間を、蒸らす、というのだろうか?

 

ただ待ってるのもあれなので、お茶請け用の菓子を出す。

 

「それは?」

 

キッチン勤務系サーヴァントに教えてもらったお菓子の一つ、クッキー。

見た目はよくないのに、味は一級品。

そんなへんてこなクッキーが出来上がった。

魔術で個包装にしてくれたおかげで24時間たった今でも十分に食べられそうだ。

 

「マスターの、手作りクッキー......」

 

出来は悪いけどねと付け加え、10枚ほど出しておく。

 

「では、始めましょうか」

 

いただきますと声を揃えて言い、紅茶を一口含む。

 

......飲んだことがない味だ。

飲んだことはないが、きっとワインに近いだろう、飲んだことはないが。

適当なことを言って申し訳ないが、それくらい知らない味がした。

 

「マスター、お上手ですね。紅茶も、このクッキーも」

 

そんなことはないと否定しようとし、視界が歪む。

 

「マスター!?どうしました!?」

 

グレイがこの反応、ということは、茶葉に何か仕込まれた可能性がある。

流石バレンタインに水銀を渡す師匠(ライネス)と言ったところだが、状態が状態だけに、そんな悠長に考えてられない。

 

「と、とりあえずベッドに......」

 

グレイの腕が背中と膝裏に回り、宙に浮く感覚。

今、自分はお姫様抱っこをされてるのでは?と、朦朧とした意識下でも恥ずかしくなった。

 

「んしょ......ふぅ......どうしていきなり......」

 

グレイがそのまま部屋を出ようとする。

彼女の名を呼んだ、というか、口から勝手に出た。

 

「はい、なんでしょうか?」

 

彼女は首を傾げる。

彼女の手目掛けて、自分の手を伸ばす。

グレイは察してくれて、両手で包んでくれる。

 

「きっと、ライネスさんはこれが狙いだったのですね」

 

グレイも気づいたようだ。

 

「拙はここにいますから、ゆっくりお休みください、マスター」

 

 

 

 

 

 




これライネスじゃね?
茶葉に睡眠薬持ってグレイに持たせてマスターに飲ませるって現代ならやべえことしてるぜ

これタイトルライネスの方が良い気がしなくもない。
ま、ベッドに運んだのはグレイだしグレイでいいよね!!()

それと今感想に来てるキャラについてはあれも違うこれも違ううーんうーんと唸りつつ抽出してるのでもう少々お待ちくださいませ

8月中は毎日出すので、そこまでに頑張ります!


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ジャンヌ・ダルク

リクあざます

難産でした



最近、体が重い。

頭も重いし、体が思うように動かない。

素材集めや種火狩りに行くたび、体が言うことを聞かなくなる率が高くなってきた。

そして今日、ついに寝込んだ。

咳も出るし、熱も出た。

最悪だ。

と、突然ドアが開く。

 

「マスター?大丈夫ですか?」

 

入ってきたのは医者系サーヴァント......ではなく、聖女『ジャンヌ・ダルク』。

フランスを救った聖女......であるが、本人にその気がないのはどうしてなのか、あんまり分かってない。

 

どうしてここに、と聞くと、

 

「マスターが食堂にいないとマシュさんから聞きまして、まだ自室にいるのでは?と、私が呼びに来ましたが......これは確かに、部屋から出られなそうですね......」

 

ジャンヌが手を伸ばしてくる。

それが額に触れる。

 

「......熱い、ですね。うーん、本当はこういう時は、お医者さんに診せるのが良いんでしょうけど......」

 

そう言いながらベッドに腰掛ける。

何してるの?と聞けば、

 

「看病です!」

 

と。

 

......中身、水着霊基なんじゃなかろうか?

そのうち「姉です」と言ってもおかしくないテンションだ。

衣服はルーラーの時のやつだけど。

 

「どうしました?」

 

何でもないと首を振り、枕に頭を乗せなおす。

 

「体調はどうですか?何か欲しいとか、ありませんか?」

 

と聞かれるが、今欲しいものがパッと思い浮かばない。

と、ジャンヌの顔が耳元に寄ってくる。

 

「なんでもいいんですよ?」

 

妙に色気を孕んだ声だ。

もしかして本当に水着霊基なんじゃないか?

これで本当に水着だったら色々とマズいが、意を決して「お姉ちゃん」と呼んでみる。

すると。

 

「......!」

 

あぁ、これはまずい。

死んだかもしれない。

と、思い切り抱き着かれる。

抱き着いてる相手が風邪をひいているってことは分かって......なさそうだ。

 

「やっと甘えてくれましたね弟くん!!そうです私がお姉ちゃんです!!」

 

よりにもよってルーラー霊基に変装していた。

というか、姿が同じなんだから変装も何もないけど。

 

どうにかして離してほしい意を伝えると、ジャンヌは寂しそうな顔をしながら離れる。

 

「弟くんは、私にくっつかれるのは嫌ですか?」

 

風邪ひいてるんだから離れてほしいだけで、別に抱き着かれるのは嫌じゃない。

 

......訂正、常日頃から抱き着いてくるような人は別。

 

「弟くん、のど渇いてませんか?お水いりますか?」

 

有り難い。

 

「はい、どうぞ」

 

ペットボトルの水を貰った。

上体を起こして呷りつつ、自分の体調を確認。

 

起き上がってすぐ、体が少しふらついた。

頭痛がひどくなったような気がする。

 

 

「うわわ、弟くん、無理しちゃだめですよ?今日はお姉ちゃんが一緒にいますから。横になってくださいね」

 

ジャンヌに寝かされ、頭を規則的にポンポンされる。

 

「サーヴァントの皆は、マスターが元気であってほしいから。今はおやすみ、弟くん」

 

目を閉じて、そのうち来る眠気に身を任せることにしよう。

 

 




ルーラー霊基が分かんなかったから水着霊基にチェンジしました()

感想とか評価とか軽率につけてくれれば喜びますんでどうぞよろしくお願いいたします


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妖精騎士トリスタン

妖精サーヴァント3騎目でございます。

ドS感をあまり出せませんでした、謝罪




「それでさー?お母様ったら「ひっ!?」とか言って!あーもう超面白かった!」

 

と、話題がほぼお母様(モルガン)から変わらず、ずっと話し続けている彼女は、妖精國にて悪逆非道の道を歩んだ妖精、『妖精騎士トリスタン』こと、真名を『バーヴァン・シー』。

第六異聞帯にて2度戦い、3度目では失意の庭(ロスト・ウィル)を使用し、その後の行方が分からなくなってしまった。

 

「......っておい、聞いてんのか?」

 

勿論ちゃんと聞いている。

聞いてなかった時が怖いから。

 

「キャハハ!何怖がってんの?もしかして、機嫌損ねたら死ぬとでも思ってんのか?」

 

実際そうしかねないのが、彼女の行動で、そういう有り方だから余計に怖い。

 

「んなコトしねぇよ、つまんねえし。大体、それやったらカルデア終わるぜ?」

 

その意味が、『マスターがいなくなることによる人理漂白阻止不能』という観点ではないことはよく理解している。

 

「まず馬鹿犬のガウェインが暴れんだろ?次にランスロットが暴れんだろ?最後にお母様がドカーン!で終わりだよ、カルデア」

 

妖精組だけで壊滅するのが怖い。

何より、彼女がそうやって言ってるってことは、それほどの物っていうわけだ。

 

「てかさ、なんでお母様はお前のことを「我が夫」って呼んでんの?そうやって呼ばせてんの?」

 

自分でも全くわからない。

召喚応じてくれた時からずっと夫呼びなのは、こっちも知りたい。

 

「なんだ、知らねえのかよ。呼ばせてんだったら今すぐ殺してやろうと思ったけど」

 

呼ばせられるわけがない。

 

「じゃあますます責めらんねえじゃねえかよ」

 

何を?と聞けば、

 

「だって、お母様がお前のことを夫って呼ぶってことは、私さ、お前の娘ってことになるよな?」

 

確かに、自分がモルガンの夫なら、彼女は自分の娘となる。

 

......まだ、籍は入れてないけど。

 

「ってことはさ、私はお前のことを「お父様」って呼ばないといけなくなるんだよな?」

 

確かに呼ばれて見たさはあるが、ここで強要するのもなんか違う気がする。

 

「遠慮すんなよ。私とマスターの仲だろ?な?素直に、「呼んでほしいです」って、言ってみろよ」

 

どうやら渋ってる様子が彼女の残虐スイッチを入れたようだ。

しかし、別にここで渋る意味もない。

 

「え?呼んでほしい?しょうがねえなぁ......」

 

と、彼女が耳元まで寄ってくる。

体が密着している。

 

「......お父様」

 

と、リップ音。

彼女を見れば、なぜか顔を赤くしている。

 

「恥ずかしいんだよ......見んじゃねえ」

 

と、そっぽを向いてしまった。

それを追う形で、ふと時計が視界に入る。

時刻は日付が少し変わったところ。

 

そろそろ寝るかと布団の準備を始める。

 

「もう寝んのかよ」

 

サーヴァントは人間と違って睡眠をとらなくてもいいため、寝ることはほとんどない。

自分は人間であるし、明日も早いので早めに寝ることにする。

 

「ふーん。あ、じゃあ」

 

そう言って、彼女が布団に潜った。

 

「添い寝してやるよ。娘と一緒に寝れて嬉しいだろ?」

 

本人はからかってるんだろうが、常日頃から顔のいいサーヴァントにからかわれるこっちの身にもなってほしい、絶対持たない。

 

寝巻を着て、布団に潜る。

なんとなく彼女を見るのは恥ずかしいので、反対側を向く。

 

「んだよ、こっち向けよお父様」

 

さっきは恥ずかしがってたのに、今は言えるんだと振り向くと、案の定というか、やはり赤面していた。

 

「......マスターは、もし私が娘になったら、捨てないでくれるか?」

 

質問が重いのは置いといて、そんなことはしないと言う。

 

「そっか、そうだよな。お節介焼きのバカマスターだもんな!そんなことしねえか!」

 

と、笑いながら言った2秒後には、彼女の寝息が聞こえてきた。

 

そんな彼女を見ながら、眠りに落ちる。

 

「おやすみ、マスター(お父様)

 

 




藤丸、バーヴァン・シーがケルヌンノスの核になってること知らないよな?
知らないよな?(不安)


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妖精騎士ガウェイン

うーん、ガウェイン感がない気がする


巨大エネミーと戦闘中。

 

「ふっ。話にならんな」

 

(けん)を振って血液の類を振り落とすと、彼女は元の大きさに戻る。

 

「大事はないか?マスター」

 

首肯して彼女の治療に入る。

小さなケガばかりだからすぐに治るだろうが、こういうのはすぐに治療した方が良い。

治療が終わって彼女を見ると、なぜか顔を赤らめていた。

どうしたのと聞けば、

 

「な、何でもない。戻るぞ、マスター」

 

彼女に圧され、カルデアに戻ることにした。

 

 

シュミレーションルームから出ると、後輩(マシュ)がタオルとドリンクを手渡してくれる。

 

「お疲れさまでした、先輩。バーゲストさんもお疲れさまでした。戦闘データはしっかりと取れていますので、ゆっくりお休みください」

 

ありがとうと返し、マイルームに戻る。

 

 

シャワールームに入って汗を流す。

インナーを着て部屋に戻ると、彼女ーー『妖精騎士ガウェイン』、もとい真名『バーゲスト』がいた。

 

「んっ!?......ま、マスターか......」

 

流石に女性の前で下着一枚はまずいだろうか、なんてことを考え、用件を聞きながらカルデア指定の制服を着る。

 

「あ、あぁ......いや、その、なんだ。怪我は、大丈夫か?」

 

......バレてた。

先ほどの戦闘で少し足を怪我していた。

 

大丈夫と返しながら、怪我の具合を見る。

 

血も出てないし、傷も塞がってるし問題はないだろう。

 

「あぁ、ならいいんだ。すまない、私の不注意で......」

 

心配してくれて嬉しいが、そこまで過保護になられても、と考えた時、ふと妖精國の彼女が頭によぎる。

 

彼女は自分より強いものを番としていた。

そして、自分より弱いものは守る。

だからこの態度は自然なのだろう。

ありがとう、大丈夫だよと返すと、

 

「あぁ......その、無事でよかった」

 

と答えた。

 

......さっきからなんだか余所余所しい。

 

「そ、んなことは......いや、あるな。すまない。隠していてもばれているから、言ってしまうが......」

 

彼女は一呼吸置くと、

 

「マスターを見ていると......その、食べたく、なってしまうのだ」

 

そういうことか。

それが()()()()()()でないことは、バーゲストの表情を見ていればわかる。

 

「いや、その......令呪を、一画、くれれば」

 

彼女の魔力食いのおかげで、妖精國では常に魔力が枯渇していた。

肯定し、令呪で魔力を与える。

と、血流の流れなどを強く感じてきた。

体が火照り、眠気が襲う。

 

「マスター!?大丈夫か!?」

 

眠いだけ、と返すと、彼女の手が頭に伸びてくる。

 

「頑張ったな、マスター。今日はよく付き合ってくれた。ありがとう、そしておやすみ、■■■■」

 

 

 




ダメだ、妖精騎士に対する理解が薄すぎる、怒られちゃう


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カーマ

リクがあった水着カーマ、どうでしょうか。

文中にて3臨水着カーマの絆5ボイスが含まれます、ご注意ください。


深夜、誰もいないはずのマイルームで、ふと目が覚めた。

実際目を開けても、誰もいなかったのだが。

しかし、妙に気持ち悪い感覚を無視できず、そのまま目を閉じて狸寝入りを敢行してみることとした。

これで自分の思い過ごしであれば、それに越したことはないが......。

 

 

時間にして5分ほど経っただろうか。

マイルームの中に誰かがいる気配がした。

薄目を開けて確認すると、むき出しの太ももが目に入った。

 

思わず目を背けたくなるのをどうにかして抑え、目を閉じる。

と、声が聞こえてくる。

 

「そろーり、そろーり......ふふっ、よーく寝てますね......」

 

女声の中では低音な方。

声の主は、アサシンのサーヴァント、『カーマ』。

大奥の特異点ではビーストⅢとして立ちはだかった強敵でもあった。

 

そんな彼女は今、夏の霊基でマイルームにいる。

つまり、水着霊基だ。

本人曰く、カーマよりもマーラ寄りだという霊基。

自身のことを意識させようという気が、通常よりも5割ほど増している状態のその霊基。

 

......その分、ポンコツ度合いも増しているとはパールヴァティー談。

 

あまりそうは思わなかったが、これを聞いている限り、寝たふりには気付かなかったようだ。

 

「警戒心も下がりきってる頃合いですし、このまま一気に......」

 

まぁ、警戒してないと言えば嘘になる。

しかし、危険度もそこまでないと分かっているし、彼女に心を許しているのも事実だ。

一気に何かをしようとしていたカーマの手が止まった、ような気がした。

 

と、ため息。

 

「......それにしても、なんて間抜けな寝顔なんでしょう」

 

......寝たふりなんだけどな。

とか思いながら、彼女の気配を探る。

 

「魔王に完堕ちする前の最後の寝顔、せいぜい眺めさせてもらうとしますか」

 

布団に体重が少しかかった。

少しベッドがたわむ。

 

「えぇ、本当に、吞気な......なぁんにも気づかない......」

 

だんだん声がふわふわしてきた。

バレないように願いながら薄目を開けると、カーマの顔が目の前にあった。

面食らったが、彼女は寝顔にあてられて気が付いていないようだ。

ゆっくりと舟を漕いでいる彼女の頭を、そっと撫でる。

 

「んんっ......んぅ......」

 

くすぐったそうに身を捩った後、安心したのか抵抗が消えた。

 

......ここまで眠ってるなら、たぶん平気だろう。

カーマの顔のそばで、おやすみ、と言ってあげる。

そして、もう一度寝たふりに入る。

 

「んぇ......?ますたー......?気のせい、ですか......ふぁ......」

 

程なくして、自分もカーマも眠りに落ちていった。

 

 

 

 

 




未所持だったので絆ボイスは某動画サイトで拝借しました。


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エウリュアレ

このシリーズ初めての銀枠サーヴァント
幾度となくお世話になったサーヴァント
彼女に射止められた敵男性エネミー及びサーヴァントも多いはず

コレジャナイ感もちょっとありますが、どうぞ


「さあマスター?女神様よ、もてなしなさい?」

 

と、マイルームに現れた彼女の名は『エウリュアレ』。

ギリシャ神話におけるゴルゴン三姉妹の次女に当たるアーチャーのサーヴァント。

姉にアサシン『ステンノ』、妹にライダー『メドゥーサ』を持つ。

妹に関して霊基はランサーやアヴェンジャーなどがいるが、そこは割愛する。

 

そして、忘れちゃいけないのが、本人も言ってる通り「女神」である。

偶像(アイドル)として、また理想の少女として生まれ落ちた者である。

綺麗なものが好きで、醜いものが嫌いな、有り体に言えばかわいい子。

しかし、その実態が只の気分であることは、秘かに知っている。

 

「ちょっとマスター?女神さまを目の前に考えことかしら?」

 

何でもないと返し、若干手を震わせながら紅茶を淹れる。

この前よりはいくらかマシになったクッキーと、やはりへんてこなマフィンを添えて、小さいお茶会とした。

 

「あら、クッキーおいしいわね。これは誰が?」

 

ここで嘘を言ってもどうにもならないことを知っているので、素直に、しかし申し訳なさそうに自分だと答える。

 

「まぁ、マスターが作ったの?美味しいわ!」

 

どうやら女神さまの口にはあったようだ。

安心して息をついていると、

 

「じゃあ、こっちのマフィンもマスターが作ったのかしら?」

 

という問い。

これも正直に自分が作ったと答える。

 

「味はおいしいのに、形がいびつで、ちょっと面白いわね」

 

どうやらお小言ではなかったようだ。

再びの安心。

 

と、いくつかの会話を交わしているうちに紅茶も終わり、お茶請けの菓子もなくなったので、お茶会はお開きになった。

しかし、エウリュアレは一向に出ていく気配がしない。

 

「マスター、もしかしてお茶会で私が満足すると思ったのかしら?」

 

全くもってその通りである。

 

「ふふっ、甘いわね。寂しいと言ったの、忘れたのかしら?」

 

いつだかそうやって言われたことを思い出した。

素直に寂しいと言えないと。

 

「だから今日は、と言うより、今だけはマスターに構ってもらおうと思ってね?」

 

そう言って彼女は離れた。

と、突然の霊衣変更。

それは、いつか見たアイドル衣装だった。

 

「ステンノには感想を貰ったけれど、マスターからは貰ってないわね。どう?この衣装。素敵でしょう?」

 

すごく似合っている。

本心からの声が出た。

 

「ふふっ、まぁ、そうよね。当然だわ」

 

と言うのを聞きながら、自分の体がおかしいことに気付く。

 

「......ようやく、効いてきたのね」

 

彼女のスキルだ。

対魔力も、強固な意志も持っていない故か、簡単に虜にされている。

 

「でも安心して?ただ寂しいのを、埋めるだけだから......」

 

彼女と共にベッドに倒れこむ。

 

「一緒に寝ましょう?マスター......?」

 

 




これ、どうでもいいんですけど
文中のセリフ部分、ナーサリーでも違和感なく再生できたりするんですよ()
特にお茶会のあたりね。

まぁ、それは書いた私の不手際なので。
申し訳ない。

さて、8月も後3日、そこまで毎日頑張りますので、よろしくお願いします。


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アルトリア・キャスター

友人ポジとして書きたかったんだ、どうしてブリテンの記録語ってるんだこいつ。



2部6章『妖精円卓領域:アヴァロン・ル・フェ』の多大なネタバレを含みます。
それはもう盛大にお話ししちゃってますので、クリアしたよ、って方だけお進みください。

では、どうぞ




とある記録を見ていた。

出会いと別れ、それが一番激しかったような、そんな記録。

妖精國の思い出。

 

今でも、記録を見ずとも思い出せる。

 

「へぇ、じゃあ話して?」

 

だいぶ終盤のあたりになるが。

 

ロンディニウムで動いていたパーシヴァル率いる軍、「円卓軍」と、王の氏族率いる軍が結託し、キャメロット城への攻撃を開始。

村正とグリムにはメリュジーヌの相手をしてもらって、こちらの本丸は女王軍の突破、及びモルガンの撃破。

バーゲストにも秘密裏に協力してもらい、無事に城内に潜入した......までは良かった。

 

「いやー、びっくりしたよね。まさか町中に出てくるなんて」

 

モルガンが玉座ではなく、堂々と姿を現した。

それを機に、犠牲を出したものの、モルガンを撃破。

しかし、モルガンの魔術により分身した彼女によって、カルデア一行は撤退した。

 

「気が付いたら君の所の船にいたような」

 

そして戴冠式が始まって、毒酒を飲まされそうになって、それがきっかけかどうかは定かではないがメリュジーヌが炎の厄災になり、それをパーシヴァルという大きい犠牲の元退かせ、ケルヌンノスの呪いによって壊される前の時間に戻ってアヴァロンに行ったりして、ケルヌンノスと同時進行で獣の厄災(バーゲスト)を止めて、先輩を殴り飛ばして。

ケルヌンノスにブラックバレルを打ち込んで、これで終わったと思ってた。

 

けれど、奈落の虫(オベロン・ヴォーティガーン)によって一同は危機を迎え......待った。

 

「え、どうしたの?」

 

......いつからいたんだ、この子は。

 

「君がブリテンの記録を見てる時からだよ?」

 

どうやら覗かれていたらしい。

覗いていたのはブリテンにて最後まで危機を救ってくれたキャスター、『アルトリア・キャスター』。

しかし、彼女の本質はこちらではない。

 

「えー?こっちじゃなくてあっちがいいのー?......まぁ、良いけど」

 

そう言うと、彼女の霊基が変化する。

 

「ふぅ。......身構えなくてもいいと言っているのに。第一、こっちがいいと言ったのはあなたでしょうに」

 

こちらの姿こそ、このサーヴァントの本当の姿。

名を『アルトリア・アヴァロン』。

人類の脅威に対する守護者、人理補助装置、聖剣。

概念としては聖剣のそれである。

 

「ふふっ、では今日は子守歌代わりにでも、聖剣の逸話について、たっぷり話しましょうか」

 

彼女は聖剣にまつわる逸話なら何でも知っている。

 

「眠いのがバレていますよ。ほら、どうぞ」

 

アルトリアが布団をあげてくれる。

それに滑り込み、目を閉じる。

 

「夜更かしは体に毒ですからね。......聞いていませんか。まあいいでしょう。おやすみなさい、マスター」

 

 

 

 

 

 




出番が!!
いやほんとはコーンウォールから書こうとした。
最も字数行った、けど削った。
何でかって、そりゃ本質じゃないから。

ま、どうでもいいね。

さて、明日は最終日ですが、ちょっと書きたいサーヴァントがいるので、最終日はそれをやらせてください。

8月が終わったらこの小説は消える......わけではなく、匿名を解除する方針でいます。
厳密に言うと感想にリクエストを書くのはよくないらしいので、リクエストボックスなどを活動報告の場所に置いておこうかなと思います。
見たいサーヴァント、見たいシチュエーションなどがあれば、そちらに投げていただけると幸いです。
詳しくは明日の後書きに書いておくので、よろしくお願いします。

長くなってしまいました、申し訳ない。
それでは明日まで、よろしくお願いします。


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マシュ・キリエライト

8月最終日はこの子!
やっぱり書かなきゃいけない感はあったけど、区切りってことで一つ。
それでは、どうぞ


戦闘シュミレーション、及び種火狩りや素材回収を終え、マイルームでシャワーを浴びる。

日課になったこの流れも、ずっと続けてると飽きが来る。

あとは寝るだけ、なのだが、どうにも落ち着かない。

明日のサーヴァントの編成でも組んでみようかなんて、机に向かったところで、扉が開く。

 

「あっ、先輩。まだ起きていらしたですね」

 

と言いながら入ってきたのは、サーヴァント:シールダーにして後輩の『マシュ・キリエライト』。

後輩とは言っているが、カルデアに配属されたのはマシュの方がはるかに先。

そしてその正体は、円卓の騎士『ギャラハッド』の霊基を持ったデミ(半分)・サーヴァント。

新宿などの亜種特異点では力を失っていたが、異聞帯攻略では新たな装備『オルテナウス』を以って戦線に復帰してくれた、頼もしい後輩だ。

 

眠れなくてと返すと、

 

「先輩も、なんですね」

 

そう言って、マシュは自分の隣に来た。

普段は使わない椅子を出して隣に出すと、マシュはそれに座って、身を寄せてきた。

 

「先輩、暖かいですね」

 

と、マシュが小さい欠伸。

 

「ぁ......ごめんなさい先輩。つい、眠くて......」

 

そう言うので、ちょっと失礼と言いながら、彼女を抱きかかえる。

 

「先輩っ!?」

 

びっくりしながら抵抗はしないので、ベッドに運ぶ。

机の電気を絞って、椅子を運んでベッド側にもっていき、そこに座る。

 

「あの、先輩?どうして私は先輩のベッドに寝かされてるんでしょうか......?」

 

眠そうだったから?と返す。

するとマシュは赤面して黙ってしまった。

図星だったのは恥ずかしかったのか、出過ぎた迷惑で怒ってしまったのか。

 

「あ、あの......もし、よければですが......添い寝、してくれませんか?」

 

少し考え、わかったと首肯して、マシュにスペースを開けてもらってから布団に潜る。

マシュがさっきまでいた場所だからか、少し暖かい。

 

「先輩、大丈夫ですか?落ちそうになってませんか?」

 

と言われつつ、彼女に引き寄せられる。

サーヴァント状態ではないとはいえ、力は強い。

 

「これで落ちなくて済みますね、先輩。......先輩?」

 

危ない、意識が落ちていた。

添い寝を了承したんだ、彼女の睡眠を見届けるまでは...

 

「ふふっ、欠伸を殺しきれてませんよ、先輩。私に吊られて眠くなっちゃいましたか?」

 

そうみたいだと返すと、彼女の手が頭に触れる。

 

「よしよし......前に、先輩にしてもらったので。お返しです」

 

後輩にお返しをされながら、意識がだんだん保てなくなっていく。

 

「ふふっ、おやすみなさい、先輩(マスター)

 

 

 




はい、夏イベの周回なうでございますグランドオーダー中のマスターでございます。

8月中の毎日投稿、やりきれました!
これも皆様の感想、評価、お気に入り諸々、支援のおかげでございます!
本当にありがとうございました!

この話が出るころには、活動報告にリクエストボックスができていると思いますので、今後はそちらにリクエストサーヴァントをいただければと思います。

最後に、アンケートを貼り付けておくので、気軽に答えてくれればと思います。


それでは、8月中、ありがとうございました!
9月からは月一で出るかどうかという感じではありますが、今後ともよろしくお願いいたします。

それでは、皆様。
またどこかで。



リクエストボックス出来ました→https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=285351&uid=220152


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ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ

名前が長い!!
あと私オリュンポス配信のころから始めたのでこのイベント知らないんですよ()

マテリアル(pixiv百科事典)見ながら書きました。
解釈違いでないことを祈ります。

これ、タグにはサンタリリィでいいのかな


今日は、少し大きめの微小特異点の解消だった。

特異点の形成の元、『聖杯』を獲得するのは楽だったが、それまでの道のり、敵エネミーが異様に多かった。

そのせいで魔力も枯渇気味、今すぐシャワーを浴びてベッドにダイブしたい気分だったのだが......

 

「うーん、ここにもない......」

 

......何やらベッド下が騒がしい。

しかし、2日に1回いるバーサーカー(きよひー)ではない。

 

「あ」

 

潜っていた人物と目が合った。

しかし、その人物は無視してベッドに潜った。

 

「うーん......」

 

意を決して、何をしているのかを問う。

 

「えっ?......あ」

 

さっきと全く同じ反応を返した彼女。

 

「あの、その......見なかったことにしてくださーい!!」

 

小さい体を駆使して逃げようとするので、仕方なく令呪で拘束する。

対魔力スキルが高めの彼女だったが、うまく一画で引っかかってくれた。

 

「うぅ......ひどいです。サンタさんの言うことが聞けないんですか......?」

 

と、涙目になりながら訴えるのは、ランサーのサーヴァント『ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ』......長い。

出自としては、クリスマス前にプレゼントを配ろうと、透明になる薬をギルガメッシュ(子)からもらったはずなのだが、子ギルが渡したのは若返る奴で、それを飲んで、ジャンヌ・ダルク・オルタ・リリィ。

そこからアルトリア・オルタ《サンタ》がサンタの座を渡したことによって、ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィが生まれた。

 

......改めて考えてみても、よくわからない。

 

「もう!トナカイさん!!いい加減令呪の拘束を解いてくださいよ!!」

 

そう言われても、何をしていたのか吐くまでは解くわけにはいかない。

 

「......大人になった私が、「あいつはこういうのが好きなのよ!」って......」

 

何を言ってるんだ。

 

「その言葉、そっくり聞いたんです。そしたら、「ベッドの下に答えがあるわ!!」って」

 

......なるほど、理解した。

 

「でも、ないから......」

 

あるわけがない。

自分の部屋にそういったものは一冊も、一枚もないのだから。

 

「え、そうなんですか」

 

......まぁ、あくまで自分の性別上、どうしても抑えきれないときはあるけども。

その時はその時だ。

まぁ、そんなことはどうでもいい。

今は自分の従者(マスター)を疑ってかかったサンタ(サーヴァント)に罰を与えなければ。

 

「......トナカイさん、私ちゃんと答えましたよね?だったら解いてくれても......うわぁ!?」

 

サンタリリィをベッドの端に寄せ、その隣に寝転ぶ。

 

「トナカイさん!?なんで私を捕まえたまま寝ちゃうんですか!?ちょっと!?」

 

本当は、脇腹をくすぐろうと思ってたんだけど、寝転んだら、なんだか意識が遠くなってきた。

くすぐるのに使う予定だった腕は、サンタリリィの腕の上に乗っている。

 

「......疲れてたん、ですね。特異点修正に行ってたって言うし......」

 

掛け布団が体にかかる感覚。

 

「全く、世話の焼けるトナカイさんです。......おやすみなさい」

 

 

 




9月初投稿はリクがあったサンタリリィ。
次は9/7。
有り難いことにリクエストもたくさんいただいているので、頑張って昇華(消化)しようと思います。

式さんとか書きたいんだけどさ......他作品キャラって、ファンが読んだらブチギレられそうで、めっちゃ怖い()




リクエストボックスです→https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=285351&uid=220152


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ナイチンゲール

未所持サーヴァント、書けない()

解釈違いじゃないことを祈ります。





体が重い。

前にもこんなことが有った。

あの時は突破をかけてくれた後輩がいたけど、今日に限ってそれはない。

なぜなら今日は休暇で、誰もかれも英気を養う日だ。

後輩もわざわざ休みの日に起こしに来ることはないだろう。

と、思っていた時があった。

 

「失礼します、マスター」

 

と、扉が開き、赤い服が目に入る。

このカルデアにて、赤い服、と言うのは珍しい。

故、その正体はすぐ絞り込める。

 

「定期健診の時間です。マスター、ご同行を願います」

 

医療系サーヴァント、そのうちの一人、バーサーカーのサーヴァント『ナイチンゲール』。

バーサーカーではあるが、まだ話が通じる方ではある。

まぁ、ちょっとでも体調が悪くなると問答無用で医務室に連行され、文字通り力ずくで治療を始めるのだが。

第五特異点修正の際、怪我していた腕を切断されそうになったのはいい思い出だ。

 

にしても、定期健診?

そんなもの存在したか?

 

「はい。マスターのメンタル面について、少々気になることがあるので、ご同行願えますか」

 

特に断る理由もないので、ナイチンゲールについていく。

 

 

2分ほど歩き、医務室に到着した。

中には誰もおらず、がらんとしている。

 

「こちらにどうぞ」

 

丸椅子に座る。

彼女がその向かいにあった背もたれ付きの椅子に座り、どこからともなくカルテを取り出した。

 

「最近、精神面で心配事などはありますか?」

 

正直、ないわけじゃない。

人類最後のマスターなんて言われても、中身はまだまだ青二才だ。

むしろ、この人理焼却、人理漂白の旅が、急激に成長をさせてくれたと言う方が良い。

心は成長したけれど、体がそれに追いついてない。

だから、たまに心が不安定になるときがある。

 

《なぜ、自分だったのだろう》

《なぜ、辛い思いをしなければいけないのだろう》

 

なぜ、どうして、の繰り返し。

 

「ふむ......自分がこの役職に向いているか不安だ、と?」

 

大まかに言えばその通りである。

人類最後のマスターなんて大役、自分にはそぐわない。

けれど、自分しかいないからやらなきゃいけない。

死んだら、元も子もないのだから。

だから、そのプレッシャーに押しつぶされそうなときもある。

実際、今日なんかは押しつぶされていた。

 

「そうですか。そうですね......」

 

ナイチンゲールは少し考えこむと、いきなり立ち上がった。

そして腕を掴まれた。

バーサーカーのサーヴァントに掴まれているにしては、少し優しく感じた。

そして、ベッドに投げられた。

 

「それに対する治療法は、十分な休養です。夜更かしはしていませんか?」

 

してない、訳じゃない。

やるべきことを片付けていると、いつの間にか徹夜していたなんてこと、ざらにある。

 

「それはいけません。寝てください、今すぐに」

 

有無を言わせぬ感じで、掛け布団をかけられる。

 

「マスターの症状は、鬱とよく似ています。なので、対処法は休養、すなわち寝る事です」

 

手を握られた。

温かい。

 

「マスターはいつも、無理を抱え込む癖があります。それは直した方が良いでしょう。それと、無理な運動と勉学も禁物です。気持ちは分かりますが、加減と言うものを覚えてください」

 

自分が怒られている、というのに気づいたのは加減を知れと言われたとき。

それと一緒に、自分は認められているとも感じた。

 

なんだか安心して、気が抜けていく。

 

「そうです。力を抜いてください。何も考えなくていいのです」

 

だんだんと意識が薄れていく。

抗う気もなくなった。

 

「......寝ましたね。......おやすみなさい、マスター」

 




9月2本目!!
リクエストのナイチンゲールですが...なんかまぁ...治療って言ってベッド投げる人だしさぁ...

解釈違いじゃないことだけ、本当に願います



リクエストボックスはこちら→https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=285351&uid=220152

指定したサーヴァントの回が来るのは遅くなってしまいますが、それでもよろしければ。


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シェヘラザード

アガルタをクリアしたのは約4か月前とかなんですね、私
記憶には新しいとか思ってたんですけどね、全然書けなかった


それは訓練終わり、シャワーを浴びてベッドでゆっくりしていた時のこと。

ふと、なんとなく意識を向けた先、机の上にある紙に気が付いた。

手に取って読んでみると、『時間があれば、11時に私の部屋に』と言うきれいな字が書かれていた。

裏には、きっと英語表記の、名前の類。

非常に達筆で読み取るのに時間をかけたが、『Šahrzād』と読み取れた。

 

見当はついた。

早速部屋に向かおう。

 

と、すぐに到着した。

ノックをし、中から返答が来たら、入る。

 

「マスター。わざわざお呼ばれ頂き、ありがとうございます」

 

彼女の名は『シェヘラザード』。

キャスターのサーヴァントで、「千夜一夜物語」の語り手兼登場人物。

 

死を極端に嫌うサーヴァントで、事あるごとに「死んでしまいます」と言うのが口癖。

そして、命乞いの手段に土下座を使うサーヴァントでもある。

日本での土下座の扱いは、ただの謝罪の最上位なだけなんだけども。

 

そして、自分に真名を明かしてくれてからは、自分を王と呼んでくれている。

まぁ、ただの人間だから王の器ではないけれど。

 

あと、忘れてはいけないのは、彼女は亜種特異点『アガルタ』において、魔神柱フェニクスと共に世界を壊そうとしたサーヴァントでもある。

今はそんなこと考えないと、そう思うけれど。

 

「マスター。今日はわざわざ、ありがとうございます。私の読み聞かせに参加いただいて」

 

参加、というか強制だった気がする。

 

「ふふっ。そうです、強制です。あなたは日頃から無理をしている。それこそ、目付の者がいなければ死んでしまうほどに」

 

そこまで思いつめた表情や行動はしてないと思ったが、彼女が言うならそうなんだろう。

 

「だから、寝物語を一つ、二つ。マスターに読み聞かせでも、と思いまして。これなら、戦場と違って、死にませんから」

 

確かに、読み聞かせをしていて死ぬ危険がどこにあるのだろう。

強いて挙げるとすれば、本が頭に落ちてきて、それがたまたま当たりどころが悪くて......というぐらいか。

それでも強いて挙げる上、その事象は本が自分の頭より上に無ければならないので、それはないと考えていいだろう。

それに、彼女の手元には、本の類はない。

 

「死因を考えるのは、おやめになってください。では、始めましょうか」

 

そう言うと、彼女はベッドへ誘う。

誘われるがままにベッドに乗り、そのまま寝転ぶ。

 

「では、早速。読み聞かせと言うのは緊張しますが、一つ」

 

コホンと咳払いをしてから、彼女の口から物語が紡がれていく。

すでに眠気を患っているため、寝落ちるのはそう遅くないだろう。

物語が終える頃には、自分の意識は闇の中にいるだろう。

だからせめて感謝の意を伝えるべく、手を彼女の手に合わせる。

 

「めでたし、めでたし......おや?.....ふふっ、眠ってしまわれていますね。おやすみなさいませ、マスター」

 

 

 




もうほんとに解釈違いじゃないことだけ祈ってます。

何かと死んでしまいますって言ってるイメージが強いんです、彼女。


リクエストボックス→https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=285351&uid=220152


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スカサハ=スカディ

能登麻美子さんの声って、めっちゃ眠くなるんだけど、わかる人いませんか?()


たまに、何を考えることもなく、カルデア内を散歩することがある。

通路であったサーヴァント談笑したり、厨房組サーヴァントの作ったおやつを摘まんだり、まぁ、色々。

そんな事をしつつ、マイルームに戻ると、なぜだかサーヴァントが一騎。

 

「ん、あぁ、マスターか。邪魔してるぞ」

 

キャスター、スカサハ=スカディ。

スカサハと言えば、ケルトのランサー霊基の方がいるが、それとはまた別。

スカディの霊基を持ったスカサハと言うのが一番近いだろうか。

第二異聞帯の北欧にて、異聞帯の王として立ちはだかったサーヴァントでもある。

 

そんな彼女が、どうしてここにいるのだろうか。

 

「あぁ、その......謝罪を、したくてな?」

 

謝罪?と首を傾げれば、

 

「今回の夏のことで、迷惑をかけたこと......」

 

結局あれは伊吹童子の気まぐれ、それに道満が悪乗りした結果なだけであって、スカディは被害者側だと思うのだが。

気にしてないと返すと、

 

「そういう訳には、いかないのだ。私にも、その意地が......」

 

ともごもご言っている。

と、突然彼女は立ち上がった。

 

「とにかくそういう訳だ!貴様の日頃の疲れを癒してやる!そこに寝転べ!」

 

と、圧されてベッドに寝る。

 

「とはいえ、迷惑をかけたのはこの霊基ではないからな。少し、着替えるぞ」

 

と、彼女の姿は光に包まれ、それが収まった時には、彼女は紫のセーターに身を包んでいた。

 

「マンガ家霊基だ。......これが、一番マシなのだ」

 

水着霊基の彼女は、露出を恥ずかしがっていた。

通称"第二再臨"であるセーター姿は、彼女の中で一番マシだと言う。

 

......それでも、恥ずかしいとは言っていたが。

 

と、彼女がベッドの上に乗り、

 

「マスター、少し頭をあげてくれ」

 

と言った。

言われるがままにすると、後頭部のあたりに温かさを感じる。

膝枕をされているんだ、と気づいた時、彼女の顔を見れば、すごく赤くなっている。

そして、彼女と目が合うと、

 

「なっ!?み、見るでないマスター!氷漬けにしてしまうぞ!」

 

と脅された。

ちょっと泣き真似なんてしてみると、

 

「あっ......いやその、冗談だ、マスター。泣かないでくれ」

 

と、逆に泣きつかれてしまった。

お互いをお互いに宥め合っていると、ふと眠気が襲って欠伸を漏らす。

 

「おや、眠いのか?ふふっ、そのまま眠っても良いぞ?」

 

と、頭を撫でられる感覚。

続いて、視界が彼女によって黒く塗りつぶされた。

だんだん意識が薄れてきて、言葉を紡ぐのもしんどくなってきた。

 

「無理をするでない。ゆっくり休むといい。それが私の願いでもある。......おやすみ、マスター」

 

 

 

 




スカディは確かこんな感じだったよなぁで書いてる。
てか基本的にリクエスト貰うサーヴァントが未所持が多すぎるので、探り探り書いてます


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イリヤスフィール・フォン・アインツベルン

未所持!故に手探り!!(n回目)

...まぁ、水着の方は持ってるけども、水着霊基って頭3割ぐらい吹っ飛んでるから参考にしにくいというか、なんと言うか。


自分の一日は起床から始まる。

それはどの人間でも大体そうだろうが、この環境においては、睡眠をとっている人型の方が少ない。

なぜなら、ここはカルデアで、ここにいる大半の人型はサーヴァントであるが故、睡眠がいらないからだ。

だからといって寝ないわけではないと思うが、少なくとも睡眠をとらなければ死ぬわけではない。

さて、今日は小さめの特異点の修正任務があったはずだ。

急いで管制室に向かう。

ブリーフィングの時間まで、あと5分しかない。

 

 

と、どうにかブリーフィングに間に合い、特異点を速攻で修正した結果、まだ日付が変わる4時間前と言う異例の好タイムをたたき出した。

別に特異点修復のタイムアタックをしているわけではもちろんないし、自分はあくまで真面目にやっている。

ただ、特異点にレイシフトしたのは日付が変わってから9時間後だったので、半日で帰ってこれたのは異例と言える。

しかし、それはそれとして疲れた。

 

早くシャワーを浴びて、ベッドで休息を取りたい。

 

シャワーを浴びてベッドに倒れこむと、それと同時にドアの開閉音。

 

思わず偽の寝息を立てながら、侵入者がだれかを突き止める。

カルデア内のサーヴァントであることがほぼ確定している以上、何かされたら令呪で拘束すればいい。

 

「だ、だめだよルビー。そんなことしたら......」

『大丈夫ですよ~。今は天井にしか反応がありませんから!』

「それがだめだって言ってるんだけど......?」

 

二人組?の声が聞こえた。

一人は幼い少女の声。

一人は違うタイプの少女?の声。

しかし、後から喋った方はずいぶんと機械っぽかった。

なんというか、聞こえ方がノイズのそれだった。

 

「ほ、本当に怒られないよね?大丈夫なんだよね!?」

『大丈夫です~。少なくともマスターは怒らないですね』

「うぅ......マスターさん、起きないでくださいよ......!」

 

と言いながら布団に潜ってくる。

と、このタイミングで正体が分かった。

キャスターのサーヴァント『イリヤスフィール・フォン・アインツベルン』と、その礼装『ルビー』だ。

生前は聖杯とより深い関係にあった家系らしかったり、食堂のアーチャーと何やら関係があるらしいが、詳しくは知らない。

 

「マスターさん、髪......は一応乾いてるけど、そんな状態で寝てるの、これ気絶してない?」

『うーん、大丈夫じゃないですかね?マスター、例のレム睡眠なので』

「ふーん......」

 

と、小さい熱が頭の上で動く。

イリヤによって頭を撫でられていると分かった時には、すでに意識は落ちかけていた。

 

『イリヤさーん、マスター寝たふりですよ(小声)』

「......じゃあ、このまま寝かせてあげよう」

 

引き続き頭を撫でられながら、時折頭をポンポンされる。

眠気に抗えない。

意識が落ちていく。

 

「おやすみなさい、マスターさん」

『お疲れさまでした、マスター』

 

 

 

 

 




何が書きたいのかわからなくなっちまったZE☆

ホントは千代女上げるつもりだったんだけど、なんかデータ吹っ飛んだので先に書きあがってたイリヤを、と言う感じです。

とりあえず週1、日曜更新でやってく予定なので、どうぞよろしゅう。



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アサシン・パライソ

いつも通り真名隠し

そしてキャラが分からんち!!



マイルーム。

安寧と平穏を兼ね備えた、究極の要塞。

他人に迷惑で無ければ改造をしてもよし、自分だけが侵入を許される究極の場所。

 

......なのだが。

 

最近、でもないが、バーサーカー(自称母)バーサーカー(自称恋人)バーサーカー(自称妻)アサシン(自分がいても唯一無害)フォーリナー(いつの間にかベッドにいる)などがマイルームにしょっちゅう潜んでいる。

 

というわけで、とても申し訳なく思いながら忍者系サーヴァントに夜中の護衛を頼んだところ、快く引き受けてくれた。

本当に感謝しかない。

ということがあって、ここ最近は快適、と言うよりいつも通りな睡眠を取れている。

 

のだが。

 

今日の護衛はなんだか危ない予感がしている。

決して自惚れではないが、死線を潜り抜けてきたマスターとしてのカンが、今日の護衛はまずいと本能に訴えかけている。

 

が、しかし眠気には抗えないため、ベッドに身を横たわらせ、意識を落とした。

 

 

 

 

「......もうちょっと......」

 

深夜、布団の中で何かが蠢いている感覚で目を覚ました。

案の定というべきか、悪い予感は当たったようだ。

やたらと近い。

体が密着している。

くすぐったくて身を捩る。

 

「起きた、でござるか......?」

 

しかし、護衛(侵入者)は寝息を聞くと、

 

「ほっ、起きたわけではないようでござるな」

 

といって、再び密着。

 

とはいえ、このままなのも少し気味が悪い。

ので、離れてもらうために寝返りを打って目を開ける。

 

「わっ......お、お館様?起きていたのでござるか?」

 

いやな予感がしたからね、と言うと、

 

「こ、これは護衛でござるよ!?お館様もされたいと......」

 

いやまぁ、護衛ではある。

しかも、この上ない護衛の仕方でもある。

ただ、近すぎる。

いろんなところが当たってる。

 

......もしかしたら、当てに来てるのかもしれないけれど。

くノ一だし、万が一の可能性もある。

しかし、仕えた主にそんなことをするのか?

 

「断じてない、とは言えないでござる。ただ、その......」

 

不自然に言葉が切れて、千代女の体がさらに近づく。

もう近づくほどの距離はないはずだが、さらに近づかれたような、そんな感じがする。

というか、絡みつかれている。

まるで、蛇のように。

 

「どうですか?お館様?」

 

どうですかと言われても、どう返せというのだろう。

 

「こういうのは、お好きですか?」

 

耳元で聞こえた声に驚いて距離を取ろうとするも、絡みつかれているために逃げられない。

 

「逃げないでください、お館様。今日はこのまま、護衛するでござるよ?」

 

絡みつかれながら、耳元でささやかれながらのこの状況。

しかし、この状況で眠れてしまう。

 

「......あれ?寝たので、ござるか?......おやすみなさいませ、お館様」

 




もう、マジで。
キャラ違うってなってたら許してください

あとすごい言い訳になるんですけど、学校始まってですね、執筆時間がとれんこと。

毎週日曜更新はできる限り守っていきたいと考えておりますので、見限らないでいただければ。

もしその週に出なかったら、あの、はい。
ごめんなさい!!!!って感じなので。

...許してください


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謎のヒロインXX

謎ヒロ一発目!
毎度のごとくキャラ崩壊、キャラ迷子!

見逃してぇぇぇぇ!!!


カルデアにいるサーヴァントには、○○系サーヴァント、という括りが大まかに存在する。

本当大雑把に括ってるため、そこまできっかり決まってるわけでもない。

 

まず、ジャック・ザ・リッパーやサンタリリィ、ナーサリーライム、さらにボイジャーなどの、幼児系サーヴァント。

アルトリアを筆頭に、円卓の騎士がそろい踏みする、円卓系サーヴァント。

そして、無限に増え続ける、アルトリア系サーヴァント。

とまぁ、納得できるものから意味が分からないものまであるような系統分けだが、ひときわ目立ち、そして訳が分からないのは、「ユニヴァース系」サーヴァントである。

 

本当に意味が解らない故説明するにも出来ないので割愛するが、ここ地球とは別の場所、彼女らが言うには別の銀河から来たというサーヴァントを、括ってユニヴァース系と呼ぶ。

 

と、ここまで訳が分からない説明をしたが、そこに括られているサーヴァントは"大方"まともだ。

 

「ややっ、マスター君!いいところに!」

 

と、カルデア内を散歩していた自分を呼び止める声。

後ろから聞こえた声に反応して振り返ると、露出度の高いサーヴァントが。

 

彼女の名は『謎のヒロインXX』。

決して『ペケペケ』ではない。

『ダブルエックス』だ。

 

それにしても、「いいところに!」とはどういう意味だろう。

 

「ふっふっふ......それはですね......」

 

ゆっくりとした動作で背中から何かを取り出した。

 

「じゃじゃーん!!」

 

......持っていたのは、どう見ても普通の耳かきだ。

 

「ちょ、違いますよぅ!これは私のためた貴重な給料をはたいて買った最高級の耳かきで......」

 

......どうやら、彼女が言うには、ユニヴァース時空では手に入れる事すら困難だという。

それの予約が偶然取れ、それが今日届いた、ということらしい。

アマゾネス・ドットコム、いつもありがとう。

 

「で、そう言うことなんですけど、わかっていただけました?」

 

どういうことなのかさっぱりわからないが、とりあえず外観は理解した。

 

「なので、今日はこれを使って、マスター君の耳を掃除して、日ごろの疲れを取ってもらおうと思います!という訳で、早速マスター君の部屋にゴー!です!」

 

 

という訳で、移動してきた。

 

「では、ベッドに失礼して......マスター君、太ももにどうぞ」

 

もうなんだか反論もなにもやる気が失せたので、素直に従う。

それにしても、どうしてこの人はすぐ散財するのだろう。

 

「し、仕方ないじゃないですか!ユニヴァースじゃあ手に入らないまで言われてたんですから......」

 

尻すぼみになっていく声で、それに、と続く。

 

「......恩返ししたかったんです、マスター君に。いつも、お世話になっているので」

 

......多少強引だったことに目を瞑れば、今日はいい休暇になる気がする。

 

「だから、今日はお姉さんに身をゆだねて下さ......あれ、寝て......?」

 

「むむ......まぁいいです。お休み、マスター君」

 

 

 

 

 




学校始まってから書く時間のないことないこと。
いや言い訳にはしたくないからこうやって週一で続けさせてもらってますけど

書くたびにどんどんクオリティが落ちてるような気がしてねぇ。


あ、よろしければ感想と評価、後お気に入り登録も、お願いします

数字が上がれば人間は喜ぶので。


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謎のヒロインX

キャラ崩壊なんて知るかよっ!!!(やけくそ)


カルデアには、クラスや身分を偽るサーヴァントがたびたびいる。

まぁ、前提として偽るのが本分なクラス、プリテンダーという例外がいるが。

クラスを偽る代表として本来はアサシンのはずなのだが、自称セイバーの彼女。

そして、対セイバー決戦兵器を自称するサーヴァントこそ、謎のヒロインX。

 

謎のヒロインとは言っているが、帽子からどうやって突き出てるかわからない黄色い毛、どっかで聞いたことある声、どっかで見たことある顔。

 

どう見たってアルトリア族です本当にありがとうございました。

 

しかし、本人にそうやって言うとキレる。

けど、顔が似てることは分かっているらしい。

その上、セイバーに対する私怨が小さいことも。

 

また、彼女は。

 

「例え、他のセイバーが居るにせよ、私がマスターにとって最強の剣であることに変わりはありません」

「ええ、他のセイバーなどどうでもいい。重要なのは、私が剣であること。マスターにとっての剣であれば」

 

とも言っていた。

 

そう考えたとて「私以外のセイバー死すべし!」とか言ってるのはちょっとわからないが。

 

さて、いろいろ言っては来たが、件の彼女は今、すやすやと寝息を立てている。

 

何でも「アルトリウム不足」らしい。全くわからない。

 

まぁ、素材周回に連れまわしてしまったし、休ませてあげよう。

そう思った矢先、彼女が目を覚ました。

 

「......あれ、おはようございます、マスター」

 

寝ぼけて少し柔らかくなっているが、それでも凛々しい声。

おはようと返し、感謝と謝罪を伝える。

 

「何ですかいきなり。当然でしょう。私はあなたの剣ですよ?」

 

さらに続けて、

 

「そこら辺のセイバーより、私の方が圧倒的に強いですからね!!」

 

と胸を張って豪語。

 

それは頼もしいなぁと思いつつ、あまり無理しないでねと声をかける。

 

「む、それは無理です」

 

即座に否定。

どうしてか訳を聞くと、

 

「そうなったら、マスターがほかのセイバーに手を出すかもしれないので!!」

 

どやっと付きそうな顔。

口外に浮気しないように私が頑張るって言ってます、このサーヴァント。

献身的に支えてくれる彼女ってこういう感じなのかなぁ、なんて思った。

 

「そうですよ!もっと私を頼ってください!」

 

そんな事を言うので、じゃあお言葉に甘えて、と彼女の肩に頭を預ける。

 

「え、マスター、何を......?」

 

実はさっきから眠気をこらえていたんだと、構わず太もも辺りに移動する。

 

「......しょうがないですね。おやすみなさい、マスター」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




...はい、何も書けないよ


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謎のヒロインX《オルタ》

もうわかんなくなっちゃったなぁ!!!

......ご期待に添えているのか、これは


ユニヴァース時空において、「謎のヒロインX」と呼ばれるアルトリアサーヴァントがいる。

そのサーヴァントを基に作られたサーヴァントが、またユニヴァース時空に存在する。

セイバーバーサーカーのサーヴァント、名を『謎のヒロインX《オルタ》』。

またの名を、『対・対セイバー決戦兵器』。

オルタ、とは言っているが、一般的なオルタサーヴァントとは違い、別側面という訳ではなく、完全新規のサーヴァントである。

だから、ヒロインXとは直接の関係性はない。

 

本当に訳が分からない。

謎のヒロインと名乗るアルトリアサーヴァントとは何度も遭遇しているが、そのたびに頭が痛くなる。

しかし、今回は今までよりはまともだと、勝手に思っている。

 

話が通じる部類のバーサーカーなのだ、しかもあまり会話がすれ違ってる感じがしない。

 

時折ものすごく大量にお菓子、しかも和菓子を要求されるが、それさえいなしてしまえばどうにかなるバーサーカーだ。

 

と、マイルームの扉が開く。

 

「マスター、お菓子をください」

 

件のサーヴァント、通称は「えっちゃん」だ。

 

「お菓子を持っているのはバレています。さぁ、早く」

 

こうなると防戦一方なので、素直に冷蔵庫から取り出し、渡す。

 

「ふふ。分かればいいのです」

 

と言って、えっちゃんはその場に座ってもぐもぐ食べ始める。

本当は自分が食べるはずだった草大福なんだけどなぁとか未練がましく思いつつ、見てると食べたくなってしまうので、意識を無理やり目の前のタブレットに移す。

 

素材周回の編成に少し無理が生じてきたため、パーティの検討をダヴィンチちゃんに頼まれていたのを今さっき思い出したのだ。

 

「んぐんぐ......ん?マスターの分はないんですか?」

 

それが最後の1個だったんだと返しながら、組み終わったパーティ案を送信する。

 

「あぁ......それは悪いことをしました。すみません」

 

頭を下げるえっちゃん。

ぶっちゃけそんなに気にすることでもなかったし、そこまで食べたい気でもなかった。

ラスイチだったのにという未練がましい思いは、ラスイチはなんか特別感があるよねという思いの結果。

故、そこまで気にすることではないのだが。

 

「うーん......じゃあ、この最後の一口、食べますか?」

 

えっちゃんが一口分の欠片を差し出してくる。

ありがとう、いただきます。と言って、その欠片を口に含む。

餡の甘さが脳に沁みる。

さっきまで頭を悩ませてたおかげで、何倍もおいしく感じる。

 

「ふぁ......」

 

という声が聞こえ、音源の方を見ると、えっちゃんが欠伸をしていた。

 

「あ......糖分の過剰摂取で眠くなってしまいました」

 

と言って、ベッドに潜り込む。

 

「マスターも一緒にどうですか?」

 

と手を差し出されれば、その誘いに乗ってしまうのが男の性であろう。

掛け布団でえっちゃんを包んで端に寄せ、自分はその開いた隙間に横たわる。

 

「おやすみなさい、マスター」

 

 

 




危ないねぇ!
ここで寝ちゃったら12時に上がんないねぇ!!(投稿日の午前2時半)

後書きが長いです、ごめんなさい。

......はい、マジで思いつかないうえに未所持なのが辛すぎる所存。
もっと前から書いとけよと言われればその通りだし、クオリティが低いと言われれば返す言葉もございませんといった感じでございます。

ただでさえ週1投稿で決して早くないペースなのにここで週2に下げてしまったらもう終わりですね。
どうにかして週1はキープしたいところ。

最近後書きにリクボックス貼ってないのは意図的にやってます、ごめんなさい。
ちょっとリクを消化しないと後の方まで行かないので、申し訳ない。

ま、こんな辛気臭い話は吹っ飛ばしていきましょ、また来週お会いしましょう。
それでは。


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アタランテ

恒例、未所持鯖は手探り。

いいよね、絆10なら甘々になるよね!!

よねっ!!!!!(大声)


何も、カルデアのマスターというのは、戦闘・素材採取だけが仕事なわけではない。

契約しているサーヴァントと交流し、絆を深めることも大事だ。

絆が深まれば簡単な指示を理解してくれたり、思考が伝わるようになったりと、良いこと尽くめだ。

そして今、彼はその行動を実践している。

いるの、だが......。

 

「トナカイさん!次はこっちですよー!」

「おかあさん、はやくはやく!」

 

......とまあこのように、所謂幼児系サーヴァントに振り回されているのが現状だ。

 

「だらしないぞ?普段の無尽蔵な体力はどうした?」

 

そう言って顔を覗き込んでくるのは、アーチャーのサーヴァント、『アタランテ』。

 

第三特異点:オケアノスで共に戦ったサーヴァントの一人。

勿論そのアタランテとは全く無関係...でもないが、ほぼ無関係。

それこそ神霊級サーヴァントとか特別な事情があるサーヴァントでない限りは、はぐれサーヴァントとして活動した記憶は残ってないというのは、割と聞いた話。

 

「どうしたマスター。ボーっとして」

 

アタランテにそう言われ、意識を戻す。

 

「子供たちの相手をしていて疲れたか?」

 

彼女が指さす方向には、ソファの上で寝転がる二人。

 

「突然電源が切れたように寝てしまったよ」

 

子供はよく遊んでよく寝ればよく育つという。

......サーヴァントは例外だろうが。

 

それでも根底は変わっておらず、またそうしている姿を見るのは非常に良い。

目の保養、と言う奴だ。

 

「......マスター。可愛いのは同意するが、口角を上げるのをやめてくれないか」

 

......遠まわしに気持ち悪いって言われた気がする。

いや、言われたのか。

 

「おい、露骨に落ち込むな」

 

慰められた。

 

しかし、寝ている人を見ると眠気が伝染するのは、あながち一種の呪いではないのか。

 

「ふふ、眠いのか?」

 

意図せず欠伸が出ていたのを、しっかりと見られた。

明日も急用があるわけでもないが、今日は早く寝てしまうか。

そう考え、自室に向かおうとした足を、「マスター」という声が止めた。

 

「......早く寝るのは構わないが、先に子供たちを自室に運ぶ手伝いをしてくれないか?」

 

そうだった。

サーヴァントは風邪とか引かないだろうけど、その辺にほっぽり出したままなのはよくない。

サーヴァントのケアも、マスターの仕事だ。

 

「......ところで」

 

今度こそ自室に入ろうとした足を、またしても止めた。

 

「疲れているときは膝枕が効くらしいぞ?」

 

それは、つまり?

 

「普段は子供たちにしかやらんのだが、今回は特別だ。ベッドを借りるぞ、マスター」

 

ベッドに正座したアタランテ。

太ももを叩いて、

 

「おいで、マスター」

 

誘われるがままに太ももに頭を置く。

そうすると、もう意識がなくなっていく。

数秒の内に、意識が遠のいていく。

 

「相当疲れていたか。おやすみ、マスター」

 




まーたこんな時間だよぉ...(午前2時)

感想とか評価とか置いといてくれたらテンションぶち上げキャッホウなので、どうぞよろしくお願い致します。

いや、レポートが...(言い訳)


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沖田総司

今回は寝かせてもらう、ではなく、寝かしつける方です。

そして毎度ながら未所持。

クイックセイバーはシャルルマーニュで事足りるので...(単体と全体知らん奴)


とある日の素材採取周回。

 

カルデアのマスターの令呪は、カルデアの電力によって深夜0時に一画分回復する。

そのせいか、サーヴァントに対する絶対服従権は持たない。

しかし、契約を結んだサーヴァントであれば、『今どういう状態か』、ぐらいは把握可能だ。

故、今でもあの判断は間違ってないと思う。

 

「ごはっ!」

「沖田が血吐いた!!」

 

......という、ぐだぐだ組のやり取りを見る前に、沖田総司というサーヴァントを下がらせた自分の判断は、自分で言うのもなんだが、英断だったと言えるだろう。

 


 

「ふむ、異常はないな。いつも通りの霊基だ、つまらん」

 

医者(アスクレピオス)の診断を受けたセイバーのサーヴァント、沖田総司。

幕末の京都にて、新撰組一番隊隊長として存在していた人物。

 

「うぅ......すみませんマスター。私のこの体のせいで......」

 

沖田総司、通り名は沖田さんであるが、サーヴァントであるにも関わらず、病弱である。

病にかかりやすいわけではなく、ショックを受けると血を吐くという何ともわからない体の持ち主である。

一応、これは生前からあったというのは本人談で、聖杯でもこの体は治らないと言われたそうな。

何でも、病弱なのが一種のスキルと化してしまっているせいらしい。

 

「聖杯ってどんな願いでも叶うんじゃないんですか~!?」

 

とは、よく聞いたセリフである。

 

 

場所が変わって、マイルーム。

 

「はぁ......ホントなら今頃「沖田さん大勝利~!」ってなってたはずなのになぁ......」

 

露骨に落ち込む沖田さん。

どうやら先の周回時のことを引き摺っているらしい。

サーヴァントのモチベーション維持はマスターの務めだが、どうすれば......。

と、頭に一つの考えが過ぎる。

 

膝枕だ。

疲れた時にやるといいと、どこかの文献で読んだ。

サーヴァントに効くかはわからないが、元は人間、きっと効くだろう。

 

「え?膝枕ですか?私に?」

 

そうだよとうなずき、ベッドに正座する。

 

「あの、どうしたんですか?いきなり膝枕だなんて......」

 

沖田さんの落ち込んだ顔は見たくないし、それで疲れた顔してる沖田さんを見てるのは辛いと言う。

 

「お、落ち込んでなんて!......そうですね、すみません。失礼します」

 

沖田さんの頭が自分の太ももに乗る。

 

「マスターのお役に立てなかったのが、悔しいんです」

 

そういう沖田さんの声は、ひどく沈んでいた。

 

「マスター。たまにでいいので、こうやって癒してくれませんか?」

 

勿論とうなずく。

 

「......ありがとう、ございます。......なんだか、眠く、なって......」

 

程なくして、静かに寝息が聞こえる。

おやすみと呟いて、自分も壁に背中を預け、力を抜いた。

 

 

 




プロット書いて本文爆速で書き上げて投稿オラァ!!って感じでやってるから情報とか見てないんですが、お気に入りが700件越え、評価バーにも赤色3メモリと、自分の小説の中で最高評価をいただいております。

本当に嬉しい限りです。
とりあえず今頂いているリクエストを昇華したら、またリクエストボックスを設置しようと思うので、その時はまた、よろしくお願いします。

ついでに言うと、リクで来たサーヴァントと自分が書きたいサーヴァントがマッチすることが多いので、別に考えるのがめんどくさいからリクくれって言ってるわけじゃないです、悪しからず


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ブリトマート

やられた。
引いて絆ボイスまで聞いて可愛くてしんどい。
あー、しんどい。

もしかしたら妖精騎士が癖なのかもしれない。

半分ガンダムだし、あれ。
ランスロといい、ブリトマートと言い、変化する娘が好みです。

絆ボイスネタバレを含みますのでご注意を。
では。


廊下の真ん中に、大きな人影が一つ。

重々しい装甲と、中から聞こえる呼吸音。

目の前に立たれているだけで、相当な威圧感だ。

もし自分がこれとやり合おうものなら、1撃耐えれば上出来、2撃耐えれば勝ったも同然だろう。

それほどまでの、威圧感。

 

しかし、敵意がないだけで、こうも威圧感の感じ方が違うとは。

前に一度カルデアの地下ドックで出会った時は、侵入者と言う立場の元、こちらも敵意を出したが故、なんとか踏みとどまっていられたが。

 

ランサーのサーヴァント、『ブリトマート』。

妖精騎士ブリトマートを母に持つ、所謂2代目ブリトマート。

鎧と武器は母から継いだものであり、鎧の防御力は完全に使いこなせれば鎧を解除しても纏えるという。

そして、槍の方は対騎乗員に特化したものだ。

馬に乗っているものを必ず馬から引き摺り落とすという何とも凶悪な呪いを持っている。

 

ところで。

 

「......」

 

......どうしたらいいんだろう、この状況。

 

「......」

 

何か喋って欲しい。

 

「......あの、ですね」

 

喋った。

 

「この鎧着てると、息苦しくて......あんまり喋りたくないのです......ごめんなさい」

 

3mある巨体の半分から上が折れ曲がる。

 

謝るのはこちらの方だ。

特に用もなく、彼女を見続けていたのは自分なのだから。

 

「あの、よろしければ......マスターのお部屋、お邪魔しても......?」

 

喜んで快諾する。

まだ召喚して日の浅いサーヴァントは積極的に交流しているようにしているが故、このお誘いには乗って

おこう。

 


 

マイルーム。

 

黒い鎧が解除され、約半分ほどの身長をした人物が姿を現す。

 

「はぁ......修行の一環とはいえ、重いのは堪えますねぇ......」

 

と言うと、彼女は肩に頭を預けてきた。

名前を呼べば、

 

「......前にも言いましたが、私を呼ぶときは呼び捨てで構わないですよ?」

 

恐れ多くも、ブリトマート、と呼ぶ。

それだけで、彼女の顔が弛緩していく。

 

「マスター。前に私は妖精と人間のハーフだと言いましたね?」

 

彼女の母は妖精騎士であったが、父は人間だったと言う。

それがどうかしたのだろうか。

 

「つまり今の私は、妖精と人間、二つの力でマスターを癒すことができるのです!」

 

......何を言っているのか全く理解ができないが、要は私に癒されろと、そういうことだろうか。

 

「そうです!ではマスター、頭をこちらに」

 

ブリトマートの肩に頭を預け、目を閉じる。

 

「そうです。そのまま、息を吸って......吐いて......」

 

肩に頭を維持する力も抜けてきて、滑って太ももで着地。

 

「あ......ふふ。ゆっくりおやすみなさい」

 




......正味これ、アンケート貼りたくて書いたんですよ。
ま、だからと言って次の書いたら消すってわけじゃないんですけど。

いやぁ、可愛いなぁ。と思ってた。
そしたら手が勝手に文章を出力してまして。

あ、それはそれとして、アンケートにもご協力お願いしま。

では。


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エミヤ

男鯖リク!
そしてアンケートも加味していつも通りになります!

うーんタイトル詐欺感
寝かしつけてないのよ

まぁ初男性サーヴァント、大目に見てくだしい


人間たるもの、やはり娯楽の一つや二つが無ければ生きるのがしんどいと思う。

それは人類最後のマスターであっても例外ではなく、やはり息抜きはするべきである。

 

と、言う考えの元、現在地は食堂。

現在時刻は4時を過ぎたところ。

微小特異点の切除を午前10時とかで終え、シャワーを浴びて寝落ちしてしまったため、食事をしていない。

 

というのを起きてからすぐなったお腹の音で自覚した。

 

「おや、いらっしゃい。マスター」

 

厨房の向こう側から声が掛けられる。

声の主はアーチャーのサーヴァント、『エミヤ』。

クー・フーリンとは何かの縁で一緒になっていたり、アルトリアとはよく話していたり、村正を見ると絶妙にヤな顔をしたり、正直言って分からないサーヴァントである。

 

「ご所望は何かな?だいぶ遅めの昼か、遅めのおやつか、それとも早めの夜かな?」

 

遅めのおやつで、とオーダーすれば、すぐに「了解した」と帰ってくる。

流石頼れるキッチン組サーヴァントだ。

あるいは、こういうのをオカンと言うのだろうか。

 

「お待たせした。大学芋だ」

 

なんて考えてたら、クオリティが恐ろしく高いものが出てきた。

いつも思うが、こんなクオリティの料理を、あんなハイペースで提供していると考えると、キッチン組には頭が上がらない。

 

ひとかけら口に運べば、外側がカリッとしているのに、内側がほくほくと柔らかい。

それらのバランスが完璧に調和している。

改めて、恐ろしい。

それにしても、どうして大学芋と呼ぶのだろう。

 

「口には合ったかな?」

 

浮かびかけた思考を無理やり止め、とってもと返す。

 

「それは良かった。ところで、答えるまで少し間があったように聞こえたが?」

 

この時、初めて声に出してギクッと言った。

 

「ふむ、図星か。そして考えていたのは「何故大学芋と言うのだろう」だろう?」

 

......流石、長年一緒に居るだけはある。

 

「分かるとも。君のその顔は、「なぜかわからない」ことを考える顔だからな」

 

バレているならと、正直に聞く。

 

「正直この手の疑問は答えを持っていないことが多い私だが、これだけは答えられる」

 

珍しく自信満々に言うエミヤ。

 

「まず、由来については諸説ある。一つは、『大学生が好んで食べていた』という説だ。二つ目は真逆、『大学生が食べて行けるように作った』説。三つ目に関しては当時の風流だが、『売り物に『大学』とつけるのが流行っていた』説と、色々あるぞ?全部話すとそれこそ大学の講義のようになるが......」

 

と、そこまで聞いて頭痛がしてきた。

 

「ふむ。大学芋講義は時間のある時にしよう。マスター、ゆっくり休んでいくといい」

 

そう言い残して、エミヤは厨房に戻っていった。

 

 

 

 




もう2,3年ぐらいFGOやってますけど、いまだにエミヤ出てこない
つかStay night勢の金鯖をアルトリアしか持ってない

そういえば箱イベがあと2日ぐらいで終わりますが、周回具合はどうでしょうか。

是非お話の感想と共に書いていただければ



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出雲阿国

持ってるのに!!
なんだこの解像度は!!!


バレンタインイベと絆ボイスの一部ネタバレを含みます。
ご注意を。


「......それでは此度の公演は、是にてフィニッシュとさせて頂きます」

「ザザザザザァン!」

 

紙吹雪が舞い、公演が終わる。

演者への礼として、拍手を返す。

ここは自分のマイルームであるが上、観客は自分一人しかいないのだが。

 

「......ふぅ。如何でしたか、マスター様?此度のお試し阿国公演は?」

 

阿国公演、と言う名の通り、ここにいるのはキャスターのサーヴァント、歌舞伎踊りの始祖『出雲阿国』。

と、その連れロボット、『斬ザブロー』。

 

新しいものが好きな芸能者で、他の日本由来サーヴァントよろしく「ますたぁ」のような、あいまいな発音での外来語がないサーヴァント。

 

そして何より、彼女は歌舞伎踊りの役者ではあるが、それとは別に、所謂裏の顔、と言うのを持っている。

名を『封印の巫女』。

 

諸国をめぐり、魔を切り伏せる、自称『妖ハンター・出雲阿国』。

 

カルデアに協力しているのも、「この世の命運をかけた演目」と言う目で見ているからだそうな。

 

「マスター様?」

 

感想を求められているのに考え事は良くなかった。

いつも通り、最高だった。

 

「ありがとうございます!いやぁ、マスター様ってば、目をキラキラさせながらご覧になるものですから、ちょっと照れちゃいますよ~」

 

とは言いつつ、微塵もそんなそぶりを見せないあたり、彼女のすごいところであり、さすがのプロ意識と言えるだろう。

 

「いえいえそんな」

 

今、顔が赤くなった。

遅れて照れがやってきたのだろうか。

 

「ち、違いますよぅ!ただ、その......褒められるのは、照れますから」

 

と、そろそろと近寄ってくる阿国さん。

 

「舞台から見るマスター様の顔もいいですが、やっぱりここから見るお顔も素晴らしい......」

 

なんだか恍惚に浸っていらっしゃる。

ちょっと怖い。

 

「別にいいじゃないですかぁ~。......いつぞやのバレンタイン、阿国さんの独り言、全部聞いていらしたのでしょう?」

 

そういえば、そんなこともあった。

阿国さんからチョコレートを貰って、マイルームから阿国さんが出て、しばらくしてチョコのお礼でもと思って扉に近づいた時、大体全部聞こえた。

 

「マスター様も罪なお人ですねぇ。返事もしないまま放っておくなんて」

 

あれ、もしかして責められてる?

 

「いえいえ、別に。ただ、ちょっと不安になってしまうので......今宵は、マスター様のお熱を分けていただければ、と」

 

と言って、ベッドに押し倒される。

とてもマズい気がする。

 

「さすがの阿国さんも、ここから先に進む勇気は......ちょっと、あれなので。今日は、共に夜を過ごすと致しましょう。マスター様?」

 

 

 

......もちろん、阿国さんが寝た後も、寝れるわけがなく、目を何時間も閉じる羽目になった。

 

 




阿国さん、自分もお気に入りなので、もうちょっと濃く書きたかったんですけどね。
どうしてこうなったんだろうか。

阿国さん、弊カルデアでは数少ない聖杯組に入るのでもうちょっと濃く書きたかった。

どうしてこうなった?


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新宿のアヴェンジャー

真名隠し。

ホントは彼、新宿のアヴェンジャーですからね。

今回は違う視点で書いているので、よろしければこう思ったなど感想ください。


ーー俺は、こいつが好きじゃない。

 

どこかの地で縁を結んで......確かシンジュクとか言ったか、召喚に応じはしたが。

戦闘だけならいい。

それがサーヴァントの本分だからな。

しかし、プライベートまで侵入してくるのは聞いてない。

 

上のやつはなんだかんだ仲良くなってやがるし、あいつはなんで上のやつの話が分かるんだ?

だってデュラハンだぞ?

首ないんだぞ?

 

......いや、まぁジェスチャーが大きいから分かりやすいか。

 

と、そんな話はどうでもいい。

俺が嫌いなのは、あのマスターだ。

 

距離感ゼロだし、すっごい毛ワシワシしてくるし。

 

一回だけ本気で怪我をさせに行った時があったけど、その時は親衛隊に止められた。

 

一時期は俺を座に返す話も合ったらしいが、マスターの渾身の説得で残ることになったらしい。

 

何を考えて俺を残したのか?

自分に危害を加えるサーヴァントを残しておくその思考が理解できない。

 

上のやつを介して聞いてみた。

 

曰く、

 

「俺はこれからもロボと一緒に戦いたいし、仲良くなりたい」

 

だそうだ。

どこまでもお人好しなやつだ。

 

......と、前まではそう思ってたんだが。

 

 


 

「うわぁ、結構汚れちゃったなぁ......」

 

......ひどい目にあった。

全身は泥だらけで、上のやつも少し汚れている。

そして、マスターに関しては顔までやばい。

 

「うわうわ!二人ともドロドロだね!?」

「あはは......ちょっとミスっちゃって」

 

ホントだよ。

俺が庇わなかったらどうなってたことか。

 

「とりあえずマスター君もロボも先にシャワー行ってきて!」

「ありがとうダヴィンチちゃん......行こうかロボ」

 

手......と言うか毛を引かれてシャワーに向かう。

 

 

シャワー室。

マスターのマイルームだ。

 

......名義上マスターとは呼んでいるが、そこまで親愛があるわけじゃない。

 

「ロボ、一緒に入ろう?」

 

仕方ないか。

このまま待っているのも違和感がすごいし、何より人様の部屋を汚すわけにはいかない。

 

「ごめんね、ロボ。俺のせいで......」

 

と言いながら泥まみれの礼装を脱ぐ。

それによって見えるのは、今までの特異点攻略によってついた体の傷跡。

それと、それ以外の原因によってついた傷跡。

 

泥を流し流されながら、その傷跡を無意識的に舐める。

 

「ん?......あぁ、もう平気だよ」

 

自分と俺にシャンプーをかけ、ごしごし洗って泥と泡を落とす。

タオルドライとドライヤーで水分を飛ばす。

 

おかげさまでだいぶもふもふになった。

と、マスターが飛び込んでくる。

 

「ロボ、もふもふになったね」

 

......お前のおかげだ。

 

とは直接言えず、ワン、と返してやる。

 

俺が無視していた時も、こいつはずっと俺に構い続けてきていた。

 

なら少しぐらい、お返しをしてやるべきか。

 

「......Zzz」

 

 

寝やがった。

よりにもよって、俺の毛を枕にして。

 

まぁ、良いか。

 

俺も寝るとしよう。

 

 

 

 

 




......サーヴァント視点で書くの、ちょっと楽しい。


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メドゥーサ

未所持とは言えないが、あまり知らないサーヴァントではある



今日も今日とて訓練。

別に嫌なわけではない。

辛くて、苦しくて、逃げ出したいときもあったけど。

 

そんな事を言ってられるほど、世界の状況は芳しくない。

だから、今日も頑張って訓練を受ける。

体術の訓練から、魔力コントロールの訓練、魔術の講義もしっかり受けて、とどめにスパルタ式筋トレ。

 

心身ともに疲弊しきったために、もうベッドに入って眠りたい。

けどその前に汗を流しておかないと気持ち悪くて仕方ない。

 

「おや、マスター」

 

女性にしては低音で落ち着いた声。

そして少し高めの所から聞こえてきた。

顔を上げるとお姉さんといった感じの顔が見えた。

 

ライダー、メドゥーサ。

 

「訓練終わりですか?お疲れ様です」

 

力なくありがとうと返してから、マイルームに入ろうとする。

本当はサーヴァントとの時間も大事だが、いつ緊急で特異点攻略が入ってくるかわからない。

今日は早めに寝よう。

なんて考えてマイルームに入ったはずなのに、自分の足は一向に廊下を進んでくれない。

それになんだか、腕が後ろに持ってかれているような気がする。

そっちを見ると、メドゥーサが腕を掴んでいた。

声を掛けようとした瞬間、メドゥーサと目が合った。

 

いや、()()()()()()()

 

そう意識した瞬間に思考は止まり、体は言うことを聞かなくなっていく。

しかし石化はしていない。

 

と、動かない体を持ち上げられて、マイルームに連れていかれる。

自分のマイルームに拉致られるとは、これ如何に。

 

「すみません、マスター。我慢が、効かないのです」

 

と、やや乱雑に投げられた体はベッドに着地し、そのまま押さえつけられる。

恐怖のせいでまともに舌も動かず、喉も乾ききって、令呪を切ろうにも切れない状況だ。

 

まずい、怖い、ヤバい

 

いろんな感情が混ざり合って、体の表面に涙として恐怖が出たことで、漸くメドゥーサの体が止まった。

 

「さっきも謝りましたが、すみません。マスターの首を見ていたら、我慢ができなくなってしまって......」

 

といいながら首元に口が近づいてくる。

嚥下できた唾液でのどを潤し、それを基に令呪を切ろうとすると、メドゥーサは口を塞いでくる。

何でか、口で。

 

「......あっ、そ、その......」

 

なんか気まずい空気になったが、しかし状況は変わらず。

むしろ耐性がないせいでメドゥーサは首元まで到達している。

そして、歯を立てられた。

 

「んむ......ん」

 

首元に熱いものを感じる。

まさか、吸血されている?

思考が解けて、意識が混濁していく。

意識がだんだん保てなくなって、そのまま落ちた。

 

 


 

後日、メドゥーサを見かけた。

 

首から『私は本能に任せてマスターの血を吸いました』と書かれたフリップを下げながら、カルデアを歩いていた。

無論、晒しあげる行為は嫌なので、すぐに外した。

 




なんかこれじゃない。
うーん、勉強しよ


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レオナルド・ダ・ヴィンチ(ライダー)

あー......ごめん

もうダメだこりゃ


「いやぁ、まさかゴルドルフ君に追い出されるなんてねぇ......」

 

ーー遡ること1時間前。

 

管制室にて。

 

 

「え?休暇?」

 

自分と、横にいるサーヴァント、レオナルド・ダ・ヴィンチ(グラン・カヴァッロ)は目の前にいる金髪の司令官に言われた内容を復唱した。

 

「そうだ!お前たちは働きすぎている!特に技術顧問!」

「私かい?」

「そうだ!だから強制的に休暇を取らせる!1日、いや2日だ!」

「うえぇ!?その間カルデアはどうするんだい!?ゆがみが出た時とか!?」

「その時は別で呼ぶ!特に何もなければ2日ぐらい働くな!良いな!」

 

そう言って、自分とダヴィンチちゃんを管制室から追い出した。

 

 

そして現在。

 

「ゴルドルフ君も不器用だなぁ。『倒れそうだから休め!』ぐらい言ってくれれば、私もぐーたらするのに」

 

苦笑いで返しながら、彼女がそんな玉ではないことは理解している。

引くときは引くが、無理は通そうとする強引さもある。

だから、先ほどの彼に言われたことは、大体的を得てるようにも思える。

 

「あー?マスター君ってば、ゴルドルフ君の意見は正しいと思ってるなー?」

 

見抜かれたことに冷や汗を掻きながら、そんな事より、と遮る。

 

「ん?お昼寝?」

 

......サーヴァントとはいえ、幼児と一緒に寝床に入るのはどうなんだ?

 

「ふふん。いいのかなぁ?歴戦のマスター君が、こんなちっちゃいこと一緒に寝るなんて......やっぱり男の子なんだねぇ?」

 

......この煽り方、前のダヴィンチちゃんそっくりだ。

時折思い出しはするが、そこまで強く感じたことはなかった。

 

「......この言い方、前の私にそっくりだろう?」

 

そっくりだよと褒めて、マイルームへ向かう。

 

「布団って不思議だねぇ。見ると眠くなっちゃう......。寝てもいい?」

 

首肯すると、ダヴィンチちゃんはベッドに飛び込んだ。

 

「わぁ~!マスター君の布団ふっかふかだね~!いいなぁ~、私もこれくらいふかふかなの欲しい~!」

 

サーヴァントに睡眠と食事は必要ないが、それはそれとして眠りたいのは事実なのだろう。

 

「マスター君もおいでよ。布団の上でお話なんて、内緒話みたいでワクワクするだろ?」

 

手招きをしながら誘ってくる。

誘いに乗って自分も布団に入る。

 

「......マスター君にとって私は、模造品かな?」

 

即座に違うと反論しかけて、さっきの会話を思い出した。

前の、つまりカルデア式召喚第3号、レオナルド・ダ・ヴィンチ(キャスター)のように振る舞えているか、という疑問から来た質問である。

だから、その不安を拭うように頭を撫でる。

 

「ん?どうしたのマスター君」

 

君はコピーじゃない。

れっきとしたレオナルド・ダ・ヴィンチとして、ここにいる、と。

 

「うん。ありがとうね、マスター君」

 

呟くと、欠伸を零した。

 

「眠くなってきちゃったな......一緒に寝よっか、マスター君」

 

 

 

 

 




こりゃだめだ。
目に見えてクオリティが落ちてるわ。

許してください。


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アルトリア《サンタ》&ナイチンゲール《サンタ》

皆様、メリークリスマス!!

えー皆様、いかがお過ごしでしょうか。
世間はクリスマスでにぎわう中、この小説をお読みいただき、感謝しております。

そういえばこれが公開された約6時間後には2部7章が始まりますね。
単純明快な冒険もの、楽しみだなぁ。

さて、今回はナイチンゲールメイン、最初の方にアルトリアのように、複数人にチャレンジしてみました。

まだまだサーヴァントへの解像度はクソ低いので、温かい目で見守っていただければと思います。

それではどうぞ。


コンコンとマイルームのドアがノックされる。

 

開いてるよ、と声を掛ければ、ドアが開く。

そして、黒衣の人物が入ってくる。

 

「マスター、メリークリスマスだ」

 

入ってきたのはアルトリアオルタ《サンタ》。

手には緑の箱を赤いリボンを巻き付けたものを持っている。

それをおもむろにこちらに差し出すので、ありがとうと言って受け取る。

 

「開けてみろ」

 

言われたので、リボンを解く。

箱を開けると、目の前の彼女に似たぬいぐるみが。

彼女の顔を見ても、目を合わせてくれない。

 

「......プレゼントだ。光栄に思え」

 

そう言って、アルトリアは出て行ってしまった。

 

もう少しゆっくりしていけばいいのに。

そう思ったのもつかの間、またドアがノックされる。

どうぞと言えば、今度は赤い外套の人物。

 

「マスター。診療のお時間です」

 

入ってきたのはナイチンゲール《サンタ》。

 

「健康ですか?」

 

入って二言目に健康ですか?は彼女らしい。

問題なく元気だし、特に言うこともない。

 

「そうですか。では、こちらを」

 

手のひらサイズぐらいの箱。

開けてみると、お菓子がいくつか。

 

「それはお菓子ではありません。立派な治療薬です」

 

見透かされてしまった。

 

「いいえ。そう思うのも無理はありません。キッチンの方々にも協力していただき、お菓子に偽装したお薬を開発しました」

 

なぜこれを自分に?

 

「マスター、貴方は無理をしている。周りには大丈夫だと言いつつ、日々すり減っていく精神。サーヴァントの皆さんは気づくはずですよ?」

 

......バレていた。

 

正直、自分の力不足でみんなを危険にさらすこともそこそこあったし、もっと学ばなければ、もっと鍛錬しなければと思い続けた結果ではあるが。

 

「私たちは、貴方には休んでほしいと、そう思っているのです」

 

慈愛に満ちた笑顔で言った後、目力を増して、さらに顔を近づけて、

 

「ですから、そのお薬を服用しなさい。ベースはお菓子ですから、そのまま飲めるはずです。さぁ!」

 

とすごい迫力で。

恐る恐るドーナツ型のお菓子......薬を手に取り、口に運ぶ。

 

......甘い。

 

これ、どう考えてもお菓子なんじゃ、と思った瞬間に。

 

薬特有の、あの嫌な苦みが襲ってきた。

これ、ドッキリにはいいのかもしれない。

最初が甘くて後から苦い。

 

「やはり味がガラッと変わるのが吐き出す原因みたいですね。しかし、マスターは偉いですね。吐かずに飲み込んだ」

 

そういわれて頭を撫でられる。

その瞬間に、強烈な眠気。

さっきのドーナツに何か仕込まれていたのか、それともドーナツのお薬とやらがいい感じに効いてきたのか。

 

「やはり副作用が重いのも難点ですか。ですが、今は寝てもらいましょう。おやすみなさい、マスター」

 

 




脱稿!すなわち開放の時ッ!!

は、良いとして。

とりあえずこれが、2022年内最後の投稿となります。
次の日曜はちょうど元日ですね。

元日は里帰りという形で書けないので、まぁ、もしかしたら出ないかもしれないです。

もし元日に投稿されたら、「こいつ里帰りしてまで小説書いてんのかよ」とか思ってやってください。

それでは皆様、ハッピークリスマス。
そしてよいお年を。


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オベロン

新年あけましておめでとうございます。
今年もこの小説をどうぞよろしくお願いします。

新年一発目ですが、私の推しです。
リクエストはまたぼちぼちと昇華させていきますので、どうぞ気長にお待ちいただければ...

2部6章のネタバレを含みます、ご注意ください。

それとキャラがおかしいです。

それでは、どうぞ。


「はぁ......君、正気?」

 

とある人物のマイルームに訪れた際、開口一番にそんなことを言われた。

まだ何も言っていないにも関わらず。

 

「君さ、知ってるだろ。僕とか、アルトリアとかの眼の話」

 

妖精眼。

偽りの言葉を看破し、真実の心を見透かす魔眼。

 

当然知っている。

 

ブリテン島攻略の際、もしかしたら、程度に思っていたけど、それがほんとだったなんて。

 

「いやそこに驚くなよ。神殺しとかできるやつもいるんだし、ここ」

 

明らかに呆れ顔で対応している、このサーヴァントは、プリテンダー:妖精王オベロン。

普段は白い外套に身を包み、王子様らしく振舞っている。

 

()()()、じゃなくて王子様だけどね、僕。一応」

 

そして「無視かよ」......そして。

 

妖精王オベロンには裏の顔、というより、王子様スタイルが裏の顔。

当たりを良くしてお金を借り、それを返さないのもなかなかのあれだが、本性はそんなものではない。

 

「......え?変われって?」

 

嫌そうな顔をしつつも、バサッと霊衣が変わる。

この姿こそオベロンの真の姿。

 

名をオベロン・ヴォーティガーン。

 

ブリテン島の終末装置、邪竜ヴォーティガーン(の滅びの意思)がその身に宿った姿。

故、異聞帯ブリテンにて彼の扱いはヴォーティガーンと同列である。

 

「君、モノ好きだよねぇ。俺の方が好きなの?」

 

顔を近づけて聞いてくる。

実際、白か黒かと聞かれれば黒の方が好みだ。

 

「へぇ......気持ち悪」

 

辛辣な捨て台詞だが、彼の性質上、「本音」というのがあまりない。

 

というのも、『全部の発言がねじ曲がってしまい』、なおかつ『それが本人にすら噓かほんとかわからない』ため、本人もそれにうんざりしいるようである。

 

「考えても見ろよ。嫌いなものに嫌いって言えないんだよ?気持ち悪いだろ?」

 

とは、彼談。

 

「で、俺の紹介を誰かにするのは良いけど、何しに来たの?分かってるけど、一応聞いてやるよ」

 

あ、そうだった。

 

「は?寝かせろ?君正気?いや、さっきも聞いたけどさ」

 

彼の持つスキルに眠りにまつわるものがあり、それを試したい、もとい、それで寝たいと言ってみた。

 

「あのなマスター。俺のあれはそう易々と使うものじゃないんだけど?」

 

やはりだめか。

まぁそれならそれで仕方ない。

どうにかして寝れるようにーー

 

「おい、どこ行くんだよ」

 

押し倒された。

え?なんで?

 

「ここで寝てけばいいじゃん。俺が君の見張りしてやるよ」

 

そう言って、何かを仕掛けた。

 

「ほら、お望み通りのやつだよ。おやすみマスター。せいぜい、良い夢を、ってな」

 

 

 




という訳で、男サーヴァント3体目でした。

いやぁ、一歩間違えるとBLっぽくなるのはどうしたもんかねぇ。
決してそんな小説ではないんですが。

さて、2部7章、どうでしょうか。
私は一応前半は終えたのですが、特に7節のあれはきつかった
6章とはベクトルの違うエグさというか...おのれきのこって感じですね

というか、単純にメインストーリー二個連続で書いてるの、すごい
さすがって感じです。(何様)

では、新年一発目はこのあたりで。



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ネロ・クラウディウス《ブライド》

リクエスト品。

メディアさんがあまりにも難産なのでこちらから。

あと書く時間が取れてない。怖い


微小特異点修復を終え、なんだかんだと過ごしていれば時間は過ぎる。

あっという間に夜になってしまった。

 

まぁそうは言っても、消灯時間という奴なので、感覚的には修学旅行とそう変わらない。

 

変わっていることは、引率の先生などの見張りがいないために、部屋の出入りが制限されないことぐらいか。

 

そんな事はどうでもいい。

猛烈に眠い。

 

特異点修復が思いのほか早く終わり過ぎてしまったから、トレーニングや魔術講習、朝飯こそ逃したが昼と夜のごはんはきちんと食べた。

 

故、体が規則正しい生活をしたと判断し、眠気が来てしまっているのだ。

 

早いとこ布団に入って、明日に備えよう。

 

そう思いながら、マイルームのドアを開けると。

 

「待っておったぞ、我がマスtーー」

 

閉めた。

 

眠すぎて幻覚が見えてるのかもしれない。

 

自分の頬を叩いて、もう一度。

 

「口上の最中に占めるとは!なんと無礼か!」

 

......幻覚じゃなかったです。

 

ふらふらとベッドに倒れようとした体が、彼女の腕一本で浮かされる。

 

「随分お疲れのようだな?今日はおやすみするか?」

 

彼女とは、ネロ・クラウディウスのこと。

 

ローマ5代目の皇帝にして『男装の麗人』だったらしい。

 

......同じ肩書きのアルトリアと見比べると、どうも胸部のボリュームが......

 

という下卑た考えはさておき。

 

今彼女が纏っているのは花嫁衣装。

厳密に言うと、いつもの赤いドレスを纏ったネロ陛下と、この花嫁ネロ陛下の霊基は別である。

 

まあそんなことを言ってしまったら、水着サーヴァントなどは全部別霊基なんですがね。

 

「む?マスターよ。何を考えているのだ?」

 

口が裂けても男装の麗人なんて嘘だよねとは言えず、代わりにどうしてここにいるのか尋ねる。

 

「うむ!よくぞ聞いたマスターよ!」

 

そう言って、彼女は自分ごとベッドに座り、語り始めた。

 

「マスターは最近疲れておる。呼びかけに応じないこともたまにある。なのでな?余が直々に、マスターを癒しに来たのだ!」

 

有り難い。

けれど、その表情はなぜか暗い。

 

「本当は、マスターのために路上ライブと言う奴でもやろうと思っていたのだが、緑色のアーチャーに止められてしまってな?」

 

緑色のアーチャー......ありがとう。

 

「それじゃあどうしたらマスターを癒せるか聞いてみたのだ。そしたら『あ~......添い寝とか喜ぶんんじゃないんすか?』と言ったので、ここにいるわけだ!」

 

経緯は納得した。

それなら別にいいか。

 

「それとも、マスターは余と一緒に寝るのは嫌か?」

 

涙目ウルウルで上目遣い。

そんな顔をしないでほしい。

 

端的に言って色々と悪い。

 

どうにか真顔でそんなことないと言えば、

 

「本当か!?では一緒に寝るぞ!!」

 

顔を輝かせてはしゃぐ。

そのまま布団に入ると、さっきまでのテンションが嘘のように、彼女は眠ってしまった。

 

その寝顔を見ながら、意識を落とした。




ちょっと試験的に、しばらく出す予定の小話は主人公君の自我をもうちょい出してみようと思います。

いや中の人が一緒のせいでネロが「~~なのじゃ」って喋っても違和感ないなあって。


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メディア

新しい書き方を試しています、どうもこんにちは。

今回からちょっと書き方を変えてみてます。

《XXXX》
XXXXの部分に入ってる人の目線で話が進みます。

例:《マスター》
であれば、マスター視点で進みます。


《マスター》

カルデアというのは、人理を守る最終防衛ラインでもあるが、裏を返せば歴戦の英雄が集まるところでもある。

それは、今までの歴史で偉業を成し遂げてきた英雄・反英雄が集まるということ。

つまり、それが意味するのは、めちゃめちゃ頭のいい人とかが集まるということだ!(IQ3)

 

「マスター?余計なことは考えないで」

 

はい、すみません。

 

という訳で。

今はそのすごい人筆頭、キャスターのサーヴァント、メディアさんに授業をしてもらってます。

勿論科目は魔術。

 

俺は魔術師の端くれ......ってことになってるけど、そうやって言えるほど魔術には詳しくないし、魔術も多彩じゃない。

元は一般人だったから、なんて言い訳するつもりはないし、言い訳する時間も、世界もないのは分かってる。

だから、がむしゃらにやっていかなきゃいけないんだ。

 

と、雑念まみれで解いたメディア先生特製のテストを提出。

 

「......」

 

すっごい難しい顔で俺の解答見てる。

めっちゃ間違えてたのかな。

すごく字が汚い?

 

「......うん。これなら合格ね」

 

言われ、ほっと胸を撫でおろす。

 

「けど、あくまで及第点よ。まずはここだけど......」

 

拝啓、人類の皆様。

 

俺は、元気ですよ。

 


《メディア》

 

「つ、疲れた......」

 

テストの補修をして、机に伏している彼を見る。

元は一般人で、魔術の素養もなかった子なのに。

聞いてみよう。

 

「マスター。ちょっといいかしら?」

「はい先生」

「......講義は終わったのだから、先生はやめて頂戴。それはそれとして、貴方はどうして、頑張れるの?」

 

聞くと、彼は少し考えて。

 

「理由は......そうするしかないから、としか。俺は何も持ってないので、せめて足を引っ張らないようにしなきゃ、とか、もっといろんなことを知らなきゃとか。頑張ってるんじゃなくて、今やらなきゃいけないことをやってるだけで.....ふわ......」

 

せっかくかっこいいことを言っていたのに、最後の欠伸で台無しだ。

しかし、今やらなければならない、と。

そういうところは、生前にいた、弟に似た部分がある。

 

「そうね。じゃあ、今あなたがやらなきゃいけないことは、しっかりと睡眠をとることね」

 

彼を抱き上げ、自室から彼の部屋を目指す。

 

「あ、の?メディアさん?」

「何かしら?」

「さすがに、その。女の人に抱きかかえられるのは、その......男としてのプライドが......」

「今更よ。戦闘の後、倒れてるマスターを介抱しているのは、いつも女性サーヴァントよ?」

 

言い返したら黙ってしまった。

そのまま彼のマイルームに着き、彼をベッドに置く。

そして彼の使っている椅子を出して座る。

 

「部屋、帰らないんですか?」

「どうせなら、貴方の寝顔を見ておこうと思ってね。レアなのよ、あなたの寝顔」

 

言うと同時に魔術を行使。

彼は解呪ができないから、成す術無く寝てしまった。

 

「おやすみ、マスター。......特等席で眺めてあげるわ」




さて、どうでしたでしょうか。

新しい書き方、そのへん含めて感想ください。

話に関わる感想でお願いしますね、質問とかはyahoo先輩とかgoogle先生に聞いてください。


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アルトリア・ペンドラゴン《オルタ》

リクエスト昇華

先週休んでごめんなさい。
めっちゃ忘れてました。



「...それ、何個目?」

「ん?17個目だが?マスターも食べるか?」

 

そう言って差し出してくるハンバーガーの包みを受け取って、対面に座る。

何喰わぬ顔で18個目のハンバーガを食べている彼女の名は「アルトリア・ペンドラゴン《オルタ》」、通称アルトリアオルタ。

特異点Fで縁を結び、その縁で召喚をしたサーヴァント。

 

騎士王アルトリアの別側面、アルトリアの「王としての理想の姿」を体現したサーヴァント。

冷徹な物言いで、何でもかんでもモルガーン...というのが最近までのイメージ。

 

今は、というと。

 

「ん、マスターは食べるのが早いな。もっと食べるか?」

「あぁ、えっと...遠慮、しとくよ」

「そうか?ならあげないぞ」

 

これである。

 

どうやらジャンクフードが大層気に入ってしまったらしく、それでこうなっている。

これにはさすがにカルデアキッチン組のオカン(赤い外套のアーチャー)も頭を抱えている。

栄養偏るからね。

まぁ、おいしいからしょうがない、かもしれない。

 

と、アルトリアの後ろから人影。

 

「あらぁ?騎士王様がそんな食べ物で餌付けされてるなんてねぇ?」

「んむ?...あぁ、誰かと思えば突撃女か。食べるか?」

 

と、残りがまだまだ2桁はありそうなハンバーガーを一つとって、後ろにまわしている。

どうやら、ジャンヌオルタだということに気付いていつつも、そこまでバチバチじゃないようだ。

 

「い、いらないわよっ!か、カロリーが...」

 

そんなん気にするキャラだったっけ?と思考したことが危うくバレかけて、燃やされかけた。

 

「マスターちゃんも、こんな奴の食べてるところなんか見てないで、戻って休んだら?じゃあね」

「あぁ、うん...そう、しようかな」

 

そう言って席を立とうとすると、

 

「マスター、少し待て。もう少しで食べ終わる」

 

止められた。

そして止めた当人はものすごい速度で残りのハンバーガを食べている。

 

...というか、全部味一緒のはずなのになんで飽きずに食べられるんだろう。

 

と、アルトリアが席を立った。

 

「行くぞ、マスター」

 

そう言って腕を引かれる。

 

「あ、あの、どちらに...?」

「お前の部屋だ」

 


 

「そこで寝ろ。私も寝る」

 

そう言いながら俺のマイルームまで来て、そこのベッドに投げられた。

そして、アルトリアも布団に入ってくる。

 

「えっと、なんでアルトリアも?」

「いっぱい食べたから眠い。マスターもだろう?」

 

眠気は来ているが、正直こんな状況で寝れはしない。

とか考えてたら、横で寝息を立ててるアルトリアさん。

そして俺の位置は壁側。

あー...これは...。

 

「寝るかぁ...」

 

ま、寝れるわけなかったんですけど。

 

 

ちなみに3時ごろには意識がなかった。




https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=292993&uid=220152
こういう事情で


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トラロック

2部7章ネタバレ含みます(たぶん)


ーーなんだ、これは。

 

突如俺のマイルームに現れたチェイテピラミッド姫路城...のミニチュア。

ミニチュアって言っても実に部屋の4分の1を占めるサイズなんだけど。

いやデカすぎるだろ。

そして、そんな俺の思考もいざ知らず、鼻歌を歌いながら陽気にそれを組み立てる女性が一人。

 

「...何、してるの?」

 

声を掛ければその人物はこっちを向いて。

 

「みてわかりませんか?」

 

と言う。

 

「分からないから聞いてるんだけど」

「...はぁ。この程度、わからないようじゃ、神官としての未来が心配です、ね」

 

ため息をつきながら説明した彼女の名は雨の神トラロック、あるいは戦の神ウィツィロポチトリ。

どちらも彼女自身の名前ではないが、彼女のその両方の性質を持っている。

故にクラスはプリテンダー。

 

「...で、なんで俺の部屋で作ってるの?」

「将来への建築ですが?」

「将来...」

 

...なんだか知らないけど、この人は異様に俺に執着している。

 

兄貴分のテスカトリポカ神曰く、「あの女は湿度が高いのだけが欠点だ」とか言ってたけど、今多分それに直面してる。

 

「このフォルム、少し参考にしたいです、ね」

「...しなくていいよ」

 

こんなトンチキ建築なんてされては誰も住まないだろう。

 

「...つまり、マスターはありのままの私がいいと?」

「あぁいや、えっと、そういう訳ではなく...」

 

卑しい意味ではない、はずなのだ。

彼女の二神の性質は持ってるだけで、真名は別にある。

その名をテノチティトラン。

 

かつて存在した、アステカ王国の首都の名。

つまり彼女は、街そのもののサーヴァント、と言っても過言ではないのだ。

 

「ふふ...そうですか。マスターはこのままがいいのです、ね?」

 

...なんか意味が違う気がするけども。

 

「えっと...別に無理して他の建築物を学ぶ必要はないというか...」

「あら、何者にも染まってほしくないという告白ですか?」

「だからそうじゃないって...」

 

なんか疲れてきた。

俺的に絶対学習してほしくないのはそのピラミッドがぶっ刺さってる姫路城とか言うトンチキな物だけであって、別にほかのものは何してもいいっていうか、なんというか。

 

「そうですか。マスターがそこまで言うのでしたら、私個人の判断で改築するのはやめておきます」

「...そうしてくれると助かるよ」

 

ほっと一息ついた瞬間、視界が暗転した。

 

「...あの、トラロックさん...?」

「代わりに、神官にアイデアを乞うことにしましょう」

 

なんかベッドに押し倒されてる。

これ、相当マズい?

 

「どうです?あなたが思ったとおりに、改築してみません、か?」

 

耳元で囁かれる。

 

...余談だけど、寝たふりしたら助かった。

 

助かってないかもしれないけど。

 

 

 

 




新型ウイルスで頭痛と喉痛に悩まされ、そんな中2部7章が始まり、デバイスのスペックが低いせいでORT戦落ちまくった作者です。

はい、自家発電。
正直ブリトマートと動機は一緒、書きたかったから書いた。

いいですね、湿度高い系女子サーヴァント。
ぐだ好きなのが分かりやすいので書いてて楽()
ただなぁ、なんでこう、一歩間違えたらR18的な感じになってしまうのかなぁ。

ちなみに7章新鯖の内当たったのは彼女だけです、ガチャ自慢はしないでくださいね

余談なんですけど、ORT戦皆さん何騎使いました?私は52,3騎ぐらいで終わったんですけど、もっと節約できたりするのかな。



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エレシュキガル

バレンタインのネタバレはふんだんに。
2部7章のネタバレは含む、かもしれない


ーーなんだか、フォウくんが曲がり角の向こうをじっーと見つめている。

で、フォウフォウ言って威嚇してる。

誰かいるのだろうか。

 

とか考えてたら、フォウくんはそのままするりと曲がり角の向こうに向かっていった。

と、声がする。

 

「あら、災厄の獣じゃない。ボディーガードのつもりかしら?」

 

この声は...。

 

「まぁいいわ、今は無力のようだし。アナタはあっちへ行っていてね」

 

と、深呼吸が聞こえる。

...この時期になるにつれ、待ち伏せが増える気がする。

 

意を決して、曲がり角を曲がると。

 

「ご、ごごごきげんようマスター?」

 

ーーめちゃくちゃキョドったエレちゃんが出てきた。

 

それはもう、めちゃくちゃに焦ってる。

何でかは知らないけど。

さっきまで軽くフォウくんをあしらっていたのは別人かと思うほど、彼女は焦っていた。

 

で、栄養食の試食を進められたけど、今さっきご飯食べたばっかだしなぁ。

 

そんなこと考えてたら、フォウくんがエレちゃんに耳打ち。

 

「そうなんだ!やったわ、タイミングばっちりね、私!」

 

ーーなんとなく、見当はついたけど。

なんか、黙ってたほうが良さそうだ。

 

「アナタにこれ、あげるわ。私はこういう甘いの、好きじゃないのだけど」

 

冥界の女神から貰った、槍監の形のチョコ。

 

「ありがとう、エレシュキガル」

 

お礼を言ったのに、なんか顔を背けられた。

ついでにおかわりを貰いに行こうとしたら、なんか妙に拒絶されてる。

ちょっと傷つくのだわ、じゃなくて。

 

もしかしてこれ、大量に作った中で一番うまくできた奴なのかな、なんて思ったりもして。

 

でも、それは言わないことにした。

なんか、彼女の中の何かを傷つける気がして。

 

「それじゃあ、その時に」

 

そう言ってみて、彼女の反応を探ってみることにした。

そしたら、赤い顔まま歩いていった。

 

「何だったんだろう...?」

 

フォウくんがなんか叫んでいたけど、どうしてなんだろう。

 


 

律儀に2週間待って、エレシュキガルの部屋を訪ねてみた。

もしかしたらおかわりがもらえるかな、とか思って。

そしたら。

 

「あら?」

 

ーーえ?

 

なんかオルタ化してた。

いや、マジで?

なんで?

 

「冥界にでも行きたくなったのかしら?それは残念、今の私はそういうの、受け付けてないの」

 

なんか心境の変化とかあったのだろうか。

 

「いいえ?ただ成ってみただけだけど?」

 

ーー成ってみただけ...でオルタ化できるんだ、あなた。

(まぁ、霊衣だし)

 

「ちょっと今本音が見えたような気がするのだわ!?...じゃなくて」

 

彼女は一つ咳払いをして。

 

「何の用でここまで来たのかしら?」

 

オルタ化した、本来の冷酷な女神としての彼女を目の前に、「チョコのおかわりください」なんて言えるはずもなく。

 

「ふふふっ、恐れ慄いたようね?そのままおとなしくなさい?冥界にご招待してあげるわ」

 

...頼んでないです。

 

そんな事も言えるはずもなく、俺の意識は落ちた。

 

 




あー、わからん解らん
分からんからバレンタイン大本にしてみた

...ユルシテ


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静謐のハサン

わからんわからん


唐突だけど、「自分の部屋に誰かいるかもしれない」と思ったことはないだろうか。

「よくわからないけど気配がする」とか「なんだか部屋の配置が変わってる気がする」とか。

各々思う理由は様々にしろ、警戒はすると思う。

 

しかし仮にその侵入者が、自分より圧倒的な戦闘力を持っていたとしたら?

自分よりはるかに恵まれた体躯であり、筋力も比にならない。

そんなのが、自分の部屋にいたとすれば?

 

まぁ、そんな仮の話をしたのには訳があって。

現在進行形で、俺のマイルームに侵入者がいる。

()()は何度も入って来ては、毎度毎度連れてかれている。

 

しかし、一定以上の耐性が無ければ、()()には触れない。

虫?違う。

そんなので動揺するカルデアではない。

というか、サーヴァントが一騎暴れだしたぐらいだったら、カルデアは動じないと思う。

補足すると、今この状況に動揺しているのは俺だけであり、サーヴァントの面々はそろって「またか」みたいな顔をしている。

 

仕方ない、覚悟を決めよう。

 

意を決して、マイルームに入る。

 

「マスター様、お待ちしていました」

「...えっと、なんでいるのかな?」

 

彼女はアサシン:静謐のハサン。

端的に言うと、毒使いのハサン・サッバーハ。

ただ、彼女の毒はその辺の毒使いとは違う。

彼女は、体に毒を纏っている。

故に、触れれば即死。

そして、彼女が触れていた物に触れても毒が回ってくる。

 

だから、この状態はめちゃくちゃマズいんだけど。

 

俺の体にはなぜか毒耐性なるものが備わっているらしく。

それによって彼女の毒は無効化出来てるんだとか。

 

「それは、マスター様と一夜を共にしようと」

「...なんで懲りないんだろうこの子」

 

頭の中でバーサーカー(自称母)バーサーカー(自称嫁)を思い浮かべながら呟いた。

愛の力で溶岩泳いでたし。

もうわかんないよサーヴァント。

 

「マスター様は、お嫌、ですか?」

 

困った。

こういう時、どういう言い回しをするのがいいんだろう。

 

「いや、嫌なわけじゃないんだ。その、頻度がさ?だから、抑えてくれれば、俺はそれで...」

 

最適解かもしれない。

 

「つまり、頻度が低ければ、こうしててもいいと?」

「...うーんまぁ、気には、しないかなぁ...」

 

はい、解答ミスったっぽいです。

 

「では、今日は...一緒に寝ましょう」

「...分かりました」

 

言い出した以上、仕方ないと割り切る。

これもマスターとしての役目だと思えば、苦痛じゃない。

 

ベッドに入ったら彼女はすぐに寝付いてしまったけど、俺はしばらく寝れなかった。

 

 


 

 

「...あの、静謐さん?」

「はい、頻度は抑えていますよ」

「...そうじゃないのよ...」

 

余談だけど、一週間連続で侵入してました。

 




うーんこれじゃない感すごいね、ごめんなさい


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アン・ボニー&メアリー・リード

まじごめん、わからない


毎度夏に発生する特異点は、水に近い部分がほとんどである。

どういう因果なのかはわからないが、毎度のごとくキャンプにうってつけであったり、めちゃくちゃに遊べる空間であったりして、真面目に特異点修正をすれば、そこが消えるまで遊び惚けられるっていう。

なんだろうね、夏に出る特異点は。

ハロウィンやクリスマス、バレンタイン特異点とはまた違った緩さがあるよね。

 

で、そんな中、何をしているかというと。

 

「えーと...ちょっと離れてくれると助かるんですが...?」

「あら?マスターはわたくしたちがお嫌いですか?」

「いやそういう訳じゃなくて...ちょっと距離が近いというか...」

 

ライダークラスのサーヴァント:アン・ボニー&メアリー・リード。

2人で1基のサーヴァントであり、どちらが退去してしまうともう一基も退去してしまうという、非常に特異なサーヴァント。

今は夏の特異点ということもあって、非常に露出が高い水着霊基で現界している。

そうなるとクラスはアーチャーになるけど、その分なんだか押しが強い。

そんな二人に拘束されてます。

砂浜で。

寝ながら抱き着かれて。

 

ーーどういう状況なんだろう、本当に。

 

「...僕は、マスターに縛られるなら...」

「うんやめよう、誤解を招くから」

「マスター?そういう趣味がおありで?」

「ないからやめて、マジで本当に」

 

色々と耐えられないので脱出を試みるものの、二人分の圧力があって抜け出せない。

むしろ抵抗せずにこのまま寝てしまおうか。

そうすれば二人は離れてくれるだろう。

 

...いや、なんか悪化する気がする。

 

「マスター?聞いていますか?」

「...ぇ、あ、ごめん、ちょっと、頭が重くて...」

「マスター、顔色が良くない。ちょっとおやすみしよう?」

 

メアリーがそう言うと、二人からの拘束が解かれる。

これを機に抜け出すのもありだったが、サーヴァント相手に逃げてもしょうがないし、何より疲れて動きたくないので、そのまま寝転ぶ。

 

「あら?てっきりマスターはここから脱出すると思ってましたわ?」

「しようと思ったけど、二人に追いかけられたらもっと疲れるからやめた」

「諦めがいいね、マスター。じゃあ、もっとくっついちゃおうかな」

「では、私も」

 

砂浜で寝転がって、美女2人に抱き着かれている。

羨ましいとか思うんだろうな、俺も思うもん。

けど、ちょっとだけ許してほしいな。

ちょっとだけ、息抜きする、だけだから...。

 

「あら?マスター?」

「...寝ちゃったね。どうする?アン」

「...このまま寝かせておきましょうか。あとで埋め合わせでも要求しましょう」

 

 

 




文もサーヴァント解釈もしっちゃかめっちゃか、こりゃだめだ


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曲亭馬琴

マテリアル読みながらだと難しいな
未所持ってやっぱ解像度下がるね


ーー通称、八犬伝特異点。

 

なぜか溜まるアイテムを素材と交換しようと簡易ショップに足を運んだ時のこと。

 

「...『○月○日、晴れ。マスター様来たる。しばらく物語りいたし、犬士たちと戯る。小腹満たしに、粟餅、冷や砂糖水、たまごふわふわなど食す。お粗末様なり』っと...」

 

お路さんこと「土岐村路」。

サーヴァントとしては微弱な霊基ではあるが、その体の主は彼女ではない。

その名を「曲亭馬琴」。

お路さんから見ればお父さんなんだかお義父さんなんだかという関係の人物。

 

「こんにちは、お路さん」

「おや、マスター様。いらっしゃいませ」

 

笑顔で迎えてくれる。

多分お路さんがお店構えてこの顔で接客してたらめっちゃ人集まると思う。

まぁ、もう一個の人格が顔を出したらその限りではないけども。

 

「わふっ!」

「あわわ、四方八方から犬士たちが押し寄せて...マスター様がもふもふに...」

「お路さーん...助けて...」

 


 

お路さんの手を借りて、もふもふから脱出して。

アイテムの交換を終えて、今は小休止中。

 

「そういえば、さっき何か書いてませんでした?」

「あぁ...日記でございます」

 

見てみれば、昨日の自分の行動が大まかに書かれている。

美味しかったなぁなんて思っていると、お路さんの頭が俺の肩に乗る。

 

「眠くなっちゃった?」

「はい...」

「寝てて平気だよ」

「...では、お言葉に、甘えて...」

 

程なくして、控えめな寝息が聞こえてきた。

 

起こさないように膝枕に変えて、少しぼっーとしていよう。

 

 

 

しばらくして、太ももの頭が動く感覚。

 

「あ、おはよう」

「う...ん?わしは、もしかして...?」

 

あ、人格が入れ替わった。

この人格こそ「曲亭馬琴」。

この特異点の名前の元である、「南総里見八犬伝」の著者。

 

「わしは今、マスター殿に、膝枕されていたのか...?」

「お路さんが寝ちゃって、それで」

 

しかしこうしてみると、服装なんて変わってないはずなのに、立ち振る舞いとか喋り方で、だいぶ変わるものだななんて、思ったりもする。

 

「マスター殿」

「はいなんでしょう」

「その、お礼と言っては、だが...お返し、など」

「膝枕?」

 

顔を背けながら首を縦に降る。

 

「そら、ちょうど日も落ちてきたところだ。体を休める意味でも、どうだ?」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

 

恥ずかしいならやらなきゃいいのに、という言葉は噤んでおく。

膝枕のお返しで膝枕なんて、初めてかもしれない。

 

「わうっ」

「マスター殿はひどくお疲れだ、苦しくならぬよう、囲んでやれ」

「わふっ」

 

周りに犬士が達が集まってくる。

もふもふと温かさに包まれて、だんだん意識が遠のいていく。

 

 




もうほんとごめんなさい


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蘭陵王

未所持!!
ごめん!


人類最後のマスターとして、俺がやるべきことは無数にある。

微小特異点の探索や、異聞帯の切除、カルデアに所属するサーヴァントの戦力強化のための素材周回。

他にも、魔術師としての講義や、筋力・体力を鍛えるためのトレーニングなど。

弱音を吐いちゃいけないのは分かっている。

それが、人間として俺しかいないのなら、なおさら。

だけど。

 

「も...むり...」

 

マイルームに戻って、ベッドに上半身だけを横たえる。

本当はシャワーとか浴びたいし、着替えて寝たいけど、体が言うことを聞いてくれない。

一回座り込んでしまったから、もう立てない。

 

と、軽いノック音。

 

「あ、いてるよー...」

 

何とか声を絞り出して来客を迎えると。

 

「マスター、少しよろし...!?」

「あー...蘭君...いらっしゃ...」

 

俺の意識はここで落ちた。

 


 

「...ん、ん...?」

 

自室のベッドより幾分か良いベッドの上に寝ている。

低反発の枕とマットレスが心地よくて、そのまま二度寝したくなる。

 

「...マスター?大丈夫ですか?」

 

目の前にめっちゃいい顔が。

 

サーヴァント:セイバー、蘭陵王。

呪いの顔を仮面で隠す、端的に言えばめっちゃクソ顔がいいから顔を隠してるサーヴァントです。

 

「...ぁ、蘭、くん...?」

「...ようやく気付きましたかマスター!私は心配で...」

 

顔のいい男が泣いてる。

なんだか悪い気分だ。

 

「...大丈夫だよ、俺はまだ...」

 

体を起こして、ほら元気という風に二の腕に力こぶを作るポーズをしてる...という意識とは裏腹に、俺の上体はベッドに逆戻り。

 

「だから言ったのに...いいですかマスター。私たちサーヴァントと違って、あなたは人の身。過労なので死んでしまっては元も子のないのですよ?」

「はい...反省してます...」

 

普段から温厚な人は切れると怖い。

本当に怖い。

 

「もっとあなたは自分の身を大事にしてください。我らサーヴァントは、あなたが頑張っていることなど、100も承知なのです」

 

え、今度は褒められてる?

どうしよう、理解が追いつかなくて泣きそう。

 

「...さらけ出していいのです。あなたは、間違いなく頑張っている」

「...っ...くっ...うぅ...」

 

涙があふれる。

止められない。

また、迷惑を掛けちゃうな。

 

「...何も、気にすることはありません。ここには、私だけしかいませんので」

「...ぁ、りが、とう...」

 

顔のいい人に頭を撫でられて、優しく語り掛けられながら泣き続ける俺。

ちょっと情けない気もするけども。

甘えたくなる日は、あるよね。

 

 

 

 




顔のいい人に甘えたい欲求

リクエスト昇華もだいぶ出来てきたので自己抽出をも混ぜつつ再募集掛けます。

是非ともごゆるりと。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=285351&uid=220152


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テスカトリポカ

未所持の癖に書いた奴。
会話文を「ーー」から始めることで本家の選択肢っぽくなったと信じている。


目が覚めると、何もない場所にいた。

 

ーー...ここ、は?

 

周りを見渡しても、何も見えない。

 

ーー...もしかして、俺、死んだのか?

 

この何もない景色、見覚えがある。

俺の予想通りなら。

 

何もない場所を、ひたすら歩く。

歩いて、歩いて、走って。

 

ーー...見つけた。

 

パチパチと弾ける音がする。

 

「...よぉ、兄弟」

 

ーー...テスカトリポカ

 

アサシンのサーヴァント。

戦士の神、テスカトリポカがそこにいた。

 


 

「んで?今回はどうしてここにやってきたんだ?」

 

ーーいや、俺もよくわかんないというか...

 

焚火を間に、対面で座って話す。

 

「戦士であれば誰であれ歓迎するここミクトランパとはいえ、何回も来るとこじゃないんだけどなぁ...」

 

ーーいや、ほんとごめんなさい...

 

俺でさえ死んだ要因が分からない。

 

「所感でいいか?」

「お、先客が帰ってきたな」

 

ーー...え?

 

いや、不思議じゃないけど。

 

「女性サーヴァントを侍らせ過ぎてるのが問題だな。一人一人を対処しきれてない」

「...だ、そうだ。心当たりは?」

 

ーーあー...はい、あります...

 

言いたいことだけ言ってデイビットは帰っていった。

どこ行くんだろう、あれ。

 

「まぁ、あいつはああいう奴だ。で、どうする?」

 

ーーえ、どうするって...?

 

「そりゃ、戦士なんだからここから出れるのは勝者だけだろ?」

 

ーー誰と戦えと?

 

「...そんな身構えんなよ、兄弟」

 

ーーえ

 

「ちょっと前の自分を倒しに行くんだ。ま、殴り合う訳じゃないけどな」

 

どういうことなんだろう。

 

「そら、ねろ」

 

ーーね...?

 

「夢で過去のお前をぶっ倒すんだよ」

 

ーーえ、出来るの?

 

「いや?オレはある程度確定した未来と現代を入れ替えることはできるが、さすがに意識置換は無理だ」

 

ーーで、ですよねー...

 

「だから、これは気持ちの問題だ。過去の腑抜けたお前を今の反省したお前がぶっ飛ばしちまえば、お前は勝者となれる」

 

ーー...そんなんでいいのか...

 

「おうよ。じゃ、行って来い」

 

ーー行ってきます!

 

目を閉じて、さっきの自分の回想をする。

それにしても、これ、どうやったら勝ちになるんだろう。

 

 


 

「寝つきが早いな」

「レム睡眠とやらではないのか?」

「さぁな。で、どうしてやろうか」

「手出ししないんじゃなかったのか?」

「しないさ。ただ見守るんだよ」

 

「ん、んん...」

「起きたな。じゃあ、俺は帰るぞ」

「おう」

 


 

ーー勝てた、気がする。

 

「よう、目覚めの気分はどうだ?」

 

ーー悪くない、気がする。

 

「んじゃ、景品は生き返るってことで」

 

ーーそんな軽いノリでいいのか、神様

 

「いいんだよ。お前は世界を救うんだ。こんくらいでちょうどいい」

 

ーーありがとう、神様

 

「しょうもねえことで死ぬなよ」

 

 

 

 

 

 

 

 




見づらいからやめますね


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葛飾北斎

未所持
絆10はこういうことするよ!!!!


サーヴァントには基本の7クラスのほかに、エクストラクラスと呼ばれるクラスが存在する。

曰く、特別な役割の下呼ばれるクラスであり、マスターによる使役はできない...らしい。

 

...まぁ、カルデアは特殊って考えた方が良いのかもしれないね。

 

だって、道を歩けは聖女、水着聖女。

食堂じゃ反転聖女が反転聖剣使いと揉めてるし、たまに館内放送を小悪魔系後輩がジャックするし。

決戦用反転病弱剣士とか、最弱サーヴァントとか、カウンター宝具持ちとか。

 

「お、ますたぁ殿!」

 

...うん、カルデアって異様だな。

 

「ますたぁ殿?」

 

ほら、今も声を掛けてくる絵描き降臨者が...。

 

「おいこら、無視すんじゃねぇ!」

「うわぁごめん!考え事してて全然気づかなかった!」

「ったくよぉ...」

 

頬を膨らませ悪態をつく彼女は、フォーリナーのサーヴァント、葛飾北斎。

 

...だが、体は娘の葛飾応為であり、本体はその辺に浮かんでる蛸、とと様である。

 

と、そんな失礼な思考が読まれたのか、とと様に墨を吐かれる。

 

「とと様!?」

「び、っくりしたぁ...」

「わりぃなますたぁ殿...」

 

まぁ、これは自業自得かな。

 

「んで、ますたぁ殿はなんでここにいるんだ?昼飯は食ったんじゃなかったのかい?」

「あー...なんでだっけ」

 

最近たまにある。

特に理由もなくカルデアを散歩したくなる日が。

でも今回はちゃんと目的があったような...

 

「うーん...忘れた」

「それは大丈夫じゃねぇだろ...」

「まぁ、たまにあるし。散歩したかっただけかもだから、そんなに気にしないで」

 

逆説的に言えば、カルデアをほっつき歩いてるってことは、緊急の用事はないってわけで...

 

「じゃあ今、ますたぁ殿は暇なんだな?」

「まぁ、うん」

「じゃあ、おれの用事に付き合ってくれよ。ますたぁ殿を題材に絵を描いてやる」

「え、そんな...いいの?」

「応ともさ!」

「じゃあ、お言葉に甘えて...」

 


 

葛飾北斎のマイルーム。

 

「さあさ、入ってくれ。足元には気をつけてな」

「はーい...おじゃましまーす...」

 

...床に物が散乱している。

 

でも、画家として使うものは別で置かれているようだ。

 

「よし、じゃあますたぁ殿はそこに座ってくれ」

「ベッドだけど、いいの?」

「おう、楽にしてくれ」

 

楽にしてって言われたら、このまま寝転びそうなんだけど...

 

「寝ててもいいぜ?その場合はますたぁ殿の寝顔を描いて売りさばいてやろうかなぁ」

「...趣味が悪いね、お栄さん」

「そうでもなきゃ、画家なんてやってらんねぇよ」

「...そ、っか...」

 

駄目だ、意識が保てない。

フォーリナーのクラススキルでもなし、これは単に、俺の精神力の...

 

「とっとと寝ちまえば良いのに。そしたら寝顔をとびっきりかっこよく書いてやるよ...」

 

 

 

 

 




はい、ちょっとした報告をば。

リアル事情で忙しくなるので、週1投稿の確約が出来ません。
ひと月に一本出せればいいなと思ったりするので、気長にお待ちくださいませ。

リクエスト昇華、及び自己発電は気長にやっていきますので、ご了承ください


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ラーヴァ/ティアマト

ACコラボ、ドラコーも来るなら書いちゃうぞ

...ビースト多すぎるだろ、カルデア。
むしろこっちが人類の脅威だろ。


突然だけど、俺は人類最後のマスターだ。

そして、俺が今いるここは人類を守るための施設、カルデア。

色々あって南極のカルデアに戻れなくなった俺たちは、「オーディールコール」と銘打って、作戦が立てられるのを待っている状態だ。

俺は指揮もうまくなければ、作戦を考えるのも下手だ。

だから、こういう仕事はダヴィンチちゃんとかシオンさんとかに任せるしかなくて。

 

「はぁ...」

 

自分が不甲斐ない。

自分ができるのはサーヴァントのケア。

あとは自己鍛錬。

どうにかしなきゃって考えても、自分が無力だから。

 

「...マスター」

「...ティアマト」

「沈んだ顔、してる。何か、あったか?」

 

サーヴァント:アルターエゴ。

最後の特異点、バビロニアにて、ビーストⅡとして強力な敵として立ちはだかり、なんでか知らないけどつい最近召喚した、本人曰く「ちょっと強い」状態のティアマト。

 

...カルデア、元ビースト多くない?

 

「まさか、いじめられたか?許さない。母、そいつを倒す」

「あぁ違う違う!...なんか、出来ることないかなぁって...なんもないから、ボーっとしてただけ」

「そうか。母は安心したぞ」

 

ティアマトも、自称母サーヴァントだけど、頼光と違うのは、ティアマトは「人類の母」であること。

だから広義的に言えば、俺も、たぶんサーヴァントほとんどがティアマトの子、ということにも...。

 

「相変わらずいい子だ。母は嬉しい。だけど、ちょっとサボっても、誰も怒らないぞ」

「...そういう訳には、行かないよ。俺が、努力しないと」

「ここにいる全員、マスターが頑張っていることは知ってる。否定するやつは、母が殴ってやる」

 

バイオレンスお母さん。

頼もしいけど、過保護なのが玉に瑕。

でも、悪い気はしない。

 

「人類は嫌いだけど、好きだ」

「...と、言うと?」

「マスターの部屋、行くぞ」

「何故...?」

「ふふふ、秘密だ」

 


 

ティアマトだけが俺の部屋に入って、俺は閉め出されてる。

 

「はいって、いいぞ」

「失礼、しまー...」

「ふふ、びっくりした?」

 

びっくりした。

部屋に入ったら俺のベッドに大きくなったティアマトが。

なんか持ってる。

 

「あの、それは?」

「耳かき棒。人類は、これされながら寝ると、気持ちよく寝れる」

 

間違っちゃないんだけど...聖杯の知識って、どこまでカバーしてるの?

 

「母の太ももにおいで。飲み込んだりしないから」

 

軽く身震いしたけど、味方の今なら怖くない。

ティアマトの太ももに、頭が埋まる。

 

「沈んじゃった。大丈夫、私が、引っ張っておいてあげる」

「...ありがとう」

 

これまでのこと、これからのこと。

色々あるし、きっと休む暇なんてないだろうけど。

時々、こうして休みたい。

 

「お母さんに、頼ってね」

 

優しく語り掛けられる。

これが母性か。

そんな事を考えながら、俺の意識は落ちていく。

 

「おやすみ、我が仔」




アンケートオナシャス、リクエスト昇華もしながらやっていくので。


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徐福

突然だけど、俺が人類最後のマスターなのは周知の事実だ。

だけど、それはあくまで汎人類史側の話で、異聞帯側にもマスターはいた。

 

名をクリプター。

秘匿者の意を持つ、カルデアのマスター48人のうち、優秀なマスターだけを集めたAチームがそう呼ばれていた。

 

「おーいー!きいてるのかー!?」

 

...あれ、なんでこの話し始めたんだっけ?

 

「おーいー!」

「...ごめん、なんだっけ。内容飛んじゃって...」

「ぶー...なんでそんな申し訳なさそうな顔できるんだよぉ...」

 

何でクリプターの話なんかしたんだっけ。

 

あぁ、そうそう。

今俺の隣にいるサーヴァントの話をするための前置きだった。

サーヴァントアルターエゴ:徐福。

いつだかの夏の時、俺に化けて出てきてみたり、またある時はスペース徐福なんて言って出てきたりもしてたっけな。

で、彼女は虞美人のファン...ファンなのかな、あの執着の仕方。

まぁ、なんか。

大好きだって言ってたし、そうなんでしょうね。

 

しれっと虞美人にも触れるけど、彼女はカルデアにいたAチーム(クリプター)のマスター、芥ヒナコの本当の姿。

人がサーヴァントなのか、サーヴァントが人なのか、よくわからない。

 

「おいおい!私のこと無視るなー!」

「...あー...ごめん。なんか、意識が...」

「...よく見るとお前、顔色悪いな?もしかして病気か?」

 

そうじゃない、とは言い切れないが、体の具合は自分で分かる。

ただの寝不足かなんかだろう。

 

「寝不足...ふーん。寝不足に効く薬はないなぁ」

「...ないんだ」

「...あったとして、お前にあげる義理はない!」

「...だよね」

 

寝不足に効く薬は寝ることだし。

睡眠薬でも出してくれた方が安心というか。

 

「うーん、あいにくと普通の睡眠薬は持ち合わせてないんだよなぁ...」

「...普通のって、何...?」

 

普通じゃない睡眠薬は、それはもう違うのでは?

 

...何言ってるかわかんなくなってきた。

 

眠いんだか、ほんとに体調不良なんだか。

 

「お前、疲れてるな?」

「...ん~...たぶ、ん...?」

「じゃあ、私の膝を貸してやる」

「膝を貸し...え?」

 

両者驚愕。

何でそっち迄驚いてるの?

 

「あ、こ、これはべつに、その...ぐっ様が心配するからであって...お前のためじゃ...」

「...うん、ありがとう」

 

素直に甘えることにした。

先輩が心配するんだって。(他人事)

 

「...じゃあ、ちょっとだけ、借りるね...」

「マシュが来たら、起こしてやるから...」

 



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ソドムズビースト/ドラコー

キャラを見て思いついたはいいけど勢い任せに書いちまった
後悔も反省もしている、だが私は謝らない()


「...っはぁ...はぁ...いろいろあったけど...終わったぁ...」

 

7つの世界証明を終え、カルデアの船、ストームボーダーへ帰ってくることが出来た。

別のカルデア、そこから来た幼い頃のクー・フーリン『セタンタ』や、生前ネロに仕えていた毒使い『ロクスタ』との邂逅。

そして、ネロによく似たビースト、ドラコーとの契約。

色々あって、ベッドに倒れている。

勿論、シャワーとかを諸々終えた後だ。

勿論眠気がすぐに来る、と思っていたのだが。

 

「...目バキバキなんだけど」

 

嘘みたいにまだ起きていられる。

何なら今からシミュレーター行ってもいいぐらいは。

 

「まぁでも、寝てようかな」

 

目を閉じて、羊を数えてみても、一向に眠気が来ない。

目元をあっためてみても、結果は同じ。

 

「...どうしようか」

「お困りか?我が契約者よ」

「そうなんだよ、疲れてるはずなのに寝れなくてさー...え?」

 

今、誰と会話した?

なんか、さっきの特異点で会ったビーストにすっごく似ていたような。

 

「聞き間違いではないぞ、我がマスターよ」

「...え?」

「何を驚くことがある?余と貴様は縁を結んだ。ここに呼ばれてもおかしくはない」

 

...え?

いや、確かにおかしくはないんだけどね?

霊基がさ。

 

いやほら、2,3L,3R,4L(元ビーストたち)ってみんなアルターエゴだったじゃん?(一部アサシン)

 

「...なんでビーストまま?」

「些事だ」

「些事で片づけないでくださいマジで...」

 

命がいくらあっても足りないよ。

主にショック死関連で。

カルデアにはいっぱい優秀な医療系サーヴァントいるけど、死者蘇生はさすがに、ね?

 

「それより、眠れないと聞いたぞ?」

「誰からぁ」

「たった今、貴様からだ」

 

ダ・ヴィンチちゃん、ネモ船長、今すぐマイルームのセキュリティ改善しよう。

具合的にはサーヴァント3騎ぐらいでも壊れない位に。

 

「さて」

「えっと...なんで俺のベッドに寝転がってるんですかね...?」

「寝かしつけだ。それとも、こんな格好の幼女とは一緒に寝られないか?」

「あぁいやえっとそういう訳じゃなくて...てか自覚あったんだ」

 

何でこう、ビーストは...なんていうか、露出がさ、ね?

 

「仕方ない。少し待っておれ」

 

ドラコーは一回転すると、赤い装束を纏って、再びベッドに潜った。

 

「これならば恥ずかしくならないだろう?」

「...ソウデスネ」

 

なんか、考えるのもめんどくさくなってきたなぁ。

 

「ははは!人類最後のマスターともあろう者が、堕落の獣に抱き着いて眠るとは!」

「...ふぅ...すぅ...」

「おや、ほんとに眠ってしまったか」

 

 

 

 

 




もう疲れちゃってェ...(ティアキン未プレイ)

最近2週に一回ペースで投稿してるだけ偉いと思い始めてきちゃって、末期なんじゃないかと感じています


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雨の魔女 トネリコ

久しぶりの更新が自家発電
8周年になってトネリコ来るとは思わなかったぜ
いっぱい爆死したので、どうぞ


「...天秤の守り手よっ!」

 

聖晶石を砕き、リソースを補って、聖杯の寄る辺に従い召喚を行う。

異常特異点、異聞帯を超えて、人理の壁に立ち向かうための戦力を増強するために。

自分たちの咎を認識し、受け入れるために。

 

「...はぁ、はぁ...」

 

リソースを割いても、新しいサーヴァントが呼ばれるとは限らないのが、カルデア式召喚。

聖杯戦争の召喚では、呼びたいサーヴァントに見合った聖遺物を用意して召喚を行うのだから、カルデア式はだいぶ無理があるだろう。

勿論、今の戦力が不足しているとは思っていないが、ことあるごとに同じメンバーを連れ回すのは人間の良心的に痛む。

代え、と言っては失礼だが、ローテーションできるサーヴァントがいてもいいと、そう思うわけだ。

 

「ふーん?マスターってばブラックー」

「シンプルに心読まないでもらってもいいですか」

 

キャスター:トネリコ。

モルガンの若いころ、と言っていいのか、何なのか。

ブリテンを異聞帯から一種の特異点にしてしまう前のモルガンと言えばいいのか。

楽園の妖精時代、あるいは救世主。

 

「それにしても、カルデアってホント不思議だらけ」

「レイシフト解析やった人が何言ってるんですか...」

 

ブリテン異聞帯でのモルガンとの戦闘時、彼女は独学でレイシフトの解析を行い、過去の自分、つまり楽園の妖精時代の自分にデータを渡したという。

 

「まぁあれは...若気の至り?」

「にしては大がかり過ぎるよ」

「まぁまぁ。それにしてもよくやったよね」

 

その言葉の真意はくみ取れなかった。

自分に言ったのか、妖精国を滅ぼした根本の原因であった俺に言ったのか。

 

「んー...どっちも?よくやったなぁ私って思ったし、よく攻略出来たなぁとも思ってる」

 

トネリコはあははなんて笑ってるけど、笑う気にはとてもなれない。

 

「...そう、だね」

「むう、そういう時は『あはは、確かに』っていうもんなんだよ、マスター」

「...笑えないよ」

「んー、確か...あ、そうだ。マスターお手を拝借」

 

トネリコは俺の手を握ると、転移魔術を使った。

 

「俺の部屋...」

「マスターには休息が必要です」

「十分休んでるけど...」

「いいえ。私の話を聞いて『あはは、確かに』って言えないマスターはどこか疲れてるんですよ」

 

疲れてるわけじゃない。

トネリコの話は、端的に言えば「重い」のであって、それを笑う勇気が俺にはないだけで。

 

「なので、汎人類史流の癒しをお届けしようと思います!」

「...癒し?」

「そう!膝枕!」

 

トネリコは俺のベッドの上に正座して、太ももを叩く。

 

「さ、どうぞ」

「いや、別に...」

「マスターは強情だなぁ...んー、ちょっとずるいけど...」

 

俺の体を強引に倒して、トネリコは耳元で囁く。

 

「ちょっとだけ、お姉さんさせて?...なんて」

 

甘えてほしいのかと、すぐ理解できた俺は褒められていいと思う。

 

「...分かった、おやすみ」

「うん、おやすみ。マスター」

 

 

 

 

 




引けたので嬉しいね
その代わり福袋もデスティニーオーダーも別ゲーのガチャも大爆死なのでトントンですね、あぁ。


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雑賀孫一

えー、大変長らくお待たせいたしました。
式さんその他を書いている筆がなかなか取れず、気づけば最終更新はひと月前。
週1投稿とは何とやら、といった具合でございますが、まぁ湿度高めのサーヴァントが新規実装できたので書くしかねえって勢いで書いたら進む進む。
リクエスト品をぶっちぎって一番最初に上がったので、生存報告ついでの自家発電でございます。

ではどうぞ


「これより、雑賀を開始する――っ!!」

 

拳銃を手に、戦場を縦横無尽に駆け回るサーヴァント。

雑賀のアーチャー、蛍こと雑賀孫一。

 

五稜郭が落ちてくる川中島とかいう、毎度ながら思考すれば負けなようなぐだぐだ。

その特異点において、『M51』という暗号で縁を結び、後に自身の見つけた答えに従い、カルデアに終身雇用になったサーヴァント。

 

最初こそ「仕事じゃなければ近づくな」と言われたし、種火や素材を撮りに行くための周回に声を掛けるのも憚られた。

今であれば仕事という括りになると思うし、喜んでついてきてくれると思うけど。

 

「...大丈夫?」

「ん?...あ、お疲れ様、蛍」

「ちょっとお疲れ気味?休んだ方がいい」

 

疲れてるかと言われると、そうじゃない。

いろんな出来事が重なって、少し休みが欲しい...あれ、これって疲れてる?

 

「それは疲れてる。今すぐお休みする」

「いや、まだ色々残って...」

「お疲れの頭は使い物にならない。戻ろう」

 

種火収集のシミュレーションルームから出て、まっすぐ俺のマイルームに連行される。

そしてどうやら俺の部屋のロックはあってないようなものらしい。

ダ・ヴィンチちゃん、今すぐロック機構に耐熱・耐爆発・耐毒のカバーをください。

 

背が低いとはいえ、さすがはサーヴァント。

気を使われたのだろう、割と軽めの力でベッドに投げられた。

 

「ケガしてない?」

「してない、けど。なんで俺の部屋?」

「寝るなら自分の部屋がいい。ここなら襲われないし、私が襲わせない」

 

どうやら休憩の昼寝に警護まで担ってくれるようだ。

でもわざわざ襲われないと分かっているなら警護をやろうとしているのか。

 

「ずっとそばに居ると、契約時に言ったはず。それに、今なら好機でもある」

「好機?」

 

何だろう、何故か分からないけど、とりあえずヤバいことだけは分かる。

濁しながら具体的に言うと、貞操の危機。

 

「いやあの、何をしようとしてるんでしょうか?」

「私はバカだから、傍で戦うことしかできない。だから」

 

マウントポジション取られました、どうにかしたい。

一瞬だけ右手に視線を向けると、低目の声で「ダメ」と言われる。

 

「契約しているんだから、あなたがやめてと言えばすぐにやめる。そうじゃなきゃ契約は成立しない。だから、後継ぎはまた今度。今日の所は、添い寝で我慢」

「我慢って...」

 

つまり我慢してなかったら今頃美味しくいただかれていた、ってコト...!?

やだなぁ、なーんか怖くなってきちゃったなぁ。

 

「むぅ。警戒しなくても、ただ寝るだけ。それに、契約事項にお昼寝も入ってる」

「今回はそれに巻き込まれたって考えで...?」

「そういうこと。おやすみ」

 

俺より先に蛍が寝た。

 

「...まぁいいか。おやすみ」

 

 

 

 

 

 




残り3日?2日?にしてようやく本加入できたので結構やっつけ気味に書いた
ぐだ好き湿度高い系サーヴァントっていいですよね、こう、癖に((((文章はここで途切れている

そろそろ月1を名乗るのがいい気がしてきた


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Re:オルトリンデ

リメイクしてみた
セミ様はちょっと難産、ごめんなさい


「っ...!はぁ、はぁ...」

 

ひどい夢を見た。

 

「まだ、3時半...」

 

しかも、全く起きる時間じゃない。

ただ、もうひと眠りもできそうにない。

 

「...?まだ4時前ですよ?マスター」

「っ!?...オルトリンデか...」

 

どうしてここに、と聞こうとして、昨日の会話を思い出した。

マイルームの警備をお願いしていたっけ。

 

「眠れない、んですね」

「そうなんだよ、ちょっと夢見が悪くて」

 

肯定すると、オルトリンデが椅子から降りてこっちに向かってくる。

 

「...っ」

「...どうしました?」

 

わからない。

どうして俺は今後ずさった?

オルトリンデは俺を心配していたのに、どうして?

 

「マスター?」

 

呼ばれたことで体は勝手に反応して、また体を退かせる。

が、背中に壁が当たり、否応がなくオルトリンデとの距離は縮まっていく。

 

「マスター、手を」

「手...?」

 

手を差し出すと、オルトリンデは優しく包んでくれた。

温かい手だ。

 

...まぁ、魔術師としては3流以下だろうけど。

 

「マスターは、少し頑張りすぎていますね」

「...そうかな」

 

頑張っているつもりになってはいないだろうか。

常に最適解を導き出し、あれやこれやと指示をして、一人であの時はどうだった、という反省会。

でも、最善を尽くさなければ全滅なのだから、俺一人が弱るわけにはいかない。

 

「でも、咄嗟のサーヴァントの前に出るのは良くないですよ?」

「あ、はは...気をつけるよ」

「...私達とは違って、マスターは人間なのですから」

「そう、だね」

 

怒られた。

これから治さなければいけないけど、これからも咄嗟に足が動いてしまうんだろうなぁと。

そんな考えは、ベッドが軋む音で飛んでった。

 

「え、っと...オルトリンデ?」

「眠れないなら、添い寝でも、と思って」

「添い寝...」

「ダメ、ですか?」

 

断る理由もないし、正直嬉しい。

 

...なんて言ったら、怒られるな。

 

「いいよ、おいで」

 

言いながら、俺は壁側に寄ってスペースを作る。

 

「ありがとうございます。では、失礼します...」

 

この部屋に限らず、全部屋のベッドはシングルサイズであるため、2人が入ることは想定されてない。

故に、めちゃくちゃ顔が近い。

 

「...マスター?何故そっちを向いてしまうんですか?」

「...恥ずかしい、から」

「ふふっ、可愛いですね」

 

可愛いって言われても響かないし、なんて謎の反論を心の中でしていると。

 

「こっちを向いてください、マスター。すぐ、終わりますから」

「すぐ終わるって...な、に...」

「睡眠のルーンです」

「そういえば、そんなこと、出来たね...」

 

意識がシャットダウンしていく。

強制じゃなくて、あくまで眠りを助長するためだけのもの。

 

「おやすみなさい、マスター」

「お、やすみ...」

 

 




文章力落ちたなぁ


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Re:メリュジーヌ

見た時点では30票あったメリュ子のリメイク
書く時間がとれな過ぎてほぼ原文ままみたいになってしまった


「今日もお疲れ、俺...」

 

今日も一日使命を終えて、マイルームに戻る。

近頃は特異点の発生などもなく、また至急解決案件というのも出ないので、カルデア所属サーヴァントの強化のため、シミュレーションにて種火を集める毎日である。

 

「眠くねぇ...」

 

シャワールームで汗を流し、タオルドライをしてインナーを着る。

そのままベッドに倒れこみ、眠気が来るのを待つ。

 

しかし、1分、2分、3分経っても、眠気は来ない。

瞼を閉じてみても、結果は同じ。

 

「どうしよっかなぁ...」

 

ベッドから降り、マイルームの机の電気をつけると同時に、横に何かがいる、というより()()()感覚。

距離を取り、身構える。

 

「あれ、どうしたの?」

「いやそれはこっちのセリフなんだけど...」

 

現れたのは、『妖精騎士ランスロット』。真名を『メリュジーヌ』。

第六異聞帯、妖精國ブリテンにて、最も美しい妖精とされたもの。

同時に、炎の厄災、《アルビオン》でもあった彼女。

 

「竜は体温が低いから、マスターに温めてもらおうと思ってね?けど、肝心のマスターが布団にいないんじゃ......」

「いや、寝れなかったからレポートでもと思って...」

 

竜種は体温が低い、というのはメリュジーヌ談。

まぁ、ほんとかどうかは知らないけども。

変温動物のような感じで、時々こうやって暖を取りに来る。

初めて来たときは驚いたけど、こうやって部屋を訪ねてくるのも慣れた。

 

と、メリュジーヌはしばし考え込んだ後、何を思ったか布団にダイブした。

 

「ほら、マスターもこっち」

「こっち...まぁいいか」

 

布団にくるまって、顔と手だけを出して手招きをするメリュジーヌ。

当然だがこの布団は二人用ではない。

なるべく端っこで眠ろうとすると、

 

「そんなに端っこだと落っこちちゃうよ。こっちおいで」

 

メリュジーヌの腕が背中に回され、抱き寄せられる。

一気に顔が近くなり、目線を外す。

 

「どうしたのマスター?まさか、恋人の顔が近くて恥ずかしいのかい?」

 

メリュジーヌは微笑む。

サーヴァントは美男美女ぞろい、そしてそれはメリュジーヌも例外じゃない。

そんなサーヴァント、あるいは妖精が同じ布団にいて、自分を見つめている。

恥ずかしくならない方がおかしい。

 

「ふふ、マスター。図星だね?顔が真っ赤だ、可愛いよ」

 

しかし、あまりにもメリュジーヌ、というより、『妖精騎士ランスロット』としての王子力が高すぎる。

バレンタインではカルデアのほぼ全職員からチョコを貰っていたほどだ。

なんてことを考えていると、メリュジーヌの顔が膨れる。

 

「むぅ。マスターからも抱きしめてくれないの?」

「...仰せのままに」

 

メリュジーヌの背中に腕を回す。

 

「マスター、温かい」

 

メリュジーヌは顔を擦り付けてくる。

なんだかこうなると、ただの甘えん坊なペットのような感覚だ。

 

と、だんだん瞼が重くなる。

うとうとしてきたのを察したのか、メリュジーヌは顔を覗き込んでくる。

 

「あぁ、もう眠くなっちゃったんだね。おやすみマスター、良い夢を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




つまらん文章になりつつある
もっと磨かないとね


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Re:モルガン

福袋でお迎えしたのでリメイク(4か月前)


「寝れない...」

 

こういう時はホットミルクがいいとか、ぬるめのお茶がいいとか言うけど、今回はお茶にしてみよう。

魔術で寝ると後々に響くから推奨はしないというのは今日の講義で習った。

 

「お茶お茶...」

 

食堂の厨房からお茶のパックを引っ張り出しコップに入れ、ちょうど良く沸いてるポッドからお湯を注いで、お茶が出るのを待つ。

 

しかしこう、深夜の誰もいない食堂に一人でいる、というのは、微かに背徳感を覚える。

まぁ、特に悪さをしているわけじゃないから許してほしいとこではあるけど、一目に全くつかない訳でもなく。

 

「何をしているのですか?」

「あれ、モルガン?」

 

バーサーカーのサーヴァント、モルガン。

第六異聞帯:妖精國ブリテン島にて、2000年もの間女王を務めた、冬の女王。

 

「こんな時間に食堂の物色とは、感心しませんね。我が夫」

「違うよ、別に食べ物を漁ろうってわけじゃなくて...」

 

目の前に置いてあるコップを指さす。

大分お茶が抽出されて、なおかつ温度もちょうどよくなっている。

 

「ほう?...いつも持ってそうなお菓子の一つ、持ってないのはそれが理由ですか」

「まぁ、うん」

「お茶請けのお菓子ぐらい食べてそうと思ったのは、言わないでおきます」

 

妖精眼がない俺にもわかるように、わざと言ったんだろうな。

 

「で、モルガンはどうしてここに?」

「理由...特にはないですね。強いて言うなら、あなたと同じでしょうか」

「ないんじゃなかったのか...」

 

一行矛盾ってこのことか。

 

「黙りなさい。宝具を展開しますよ」

「っ...!」

「...冗談、冗談です。サーヴァント一人に言うこと聞かせる程度に令呪を使うのはやめなさい」

「モルガンの冗談は冗談に聞こえないんだよ...」

 

元は敵だっただけに、なおさらだ。

 

「ふふ。夫たるもの、妻の言葉の真意は常に理解しておくものですよ」

「モルガンは心読めるんだからずるいよ」

「正確には、嘘が分かるだけなのですが...ところで、寝れないのであれば私の魔術など、どうですか?」

「...魔術睡眠、体に悪いらしいから遠慮しとくよ」

「そう、ですか。残念です」

 

すっごいショック受けてる。

なんか申し訳ないな。

 

「さてと、お茶も飲み終わったし、そろそろ寝ようかな(モルガンが寝かしつけてくれたら、良く寝れるのになぁ)」

「...?ふふっ、そういうことですか」

「え、何のこと...?」

「白々しいですね、我が夫」

 

モルガンが俺を抱き上げた瞬間、視界が白く染まる。

反射的に閉じた目を開けた時には、俺のマイルームにいた。

 

しかもベッドの上、モルガンに乗っかられてる。

これ、もしかしてヤバい?

 

「...っ」

「警戒しなくても。すやっとするだけですよ、我が夫」

 

モルガンが手を振ると、意識が飛んだように目が閉じる。

 

「おやすみなさい、我が夫。私が付いています」

 




色々と変えてみたけど、どうかな


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Re:レディ・アヴァロン

リメイク4作...5作目?


「...ふぅ...」

 

今日分のトレーニングを終えて、窓際に座りながら水を呷る。

火照った体に冷えた水がしみ込んで、心地よい。

 

「おや、マスター。今、一人かい?」

「後ろからはびっくりするからさぁ...」

 

そう声をかけてきたのは、役羽織(プリテンダー)のサーヴァント、『レディ・アヴァロン』。

自称、花の魔術師『マーリン』の妹で、花のお姉さん。

 

とは言ってるが、実際のところ信用には至ってない。

レディ・アヴァロンという名前だって、真名かどうかすらわからない。

とか考えながら、疑いの目を向けると、

 

「おいおい、そんな目で私を見ないでくれ。照れてしまうじゃないか」

 

と、軽くいなされてしまった。

 

「分かりやすい嘘なんてつくのやめようよ」

「嘘なんてついてないさ。ひどいな、お兄ちゃんは」

「...はぁ...」

 

まただ。

たまに彼女は妹を自称する。

そして「お兄ちゃん」と呼ばれることが有る。

 

「なに?照れてるのかい?妹に呼ばれたぐらいで?」

「...恥ずかしい」

 

...自分の記憶では、こんな魔性な妹は存在しなかった。

こんな艶やかに兄を呼ぶ妹なんて、この世にいるのか?

 

「そう言えば、LAはどうしてここ?」

「私はただ散歩していただけさ。そしたらたまたまマスターを見かけて、声をかけてみた、というわけだ」

 

つまりは通りすがりだった。

 

「じゃあさ、ちょっと付き合ってくれない?」

「え?君のマイルームに?まぁいいけれど......何されちゃうのかなぁ、私」

「ちょっと、一緒に居てほしい」

「居てほしい、ね。どうせならこのお姉さんに何でも言っていいんだぞ?例えば......」

 

マイルームに戻ってくると、カチャという音がした。

見ると、彼女が後ろ手にドアに鍵をかけていた。

 

「なに、したんだ」

「そんな驚くことじゃないだろう?」

 

そのまま彼女に詰め寄られ、ベッドに押し倒される。

 

「これから君と二人っきりなのに......邪魔が入ったら困るから......」

 

やはりマイルームに招くのはまずかった。

 

「令呪......んむっ」

「無駄使いはだめだぞ?それと、私は素直な妹だからね。お兄ちゃんの言うことぐらい、しっかり聞くとも。でも今は、聞いてあげない」

 

令呪を使おうとして、口を塞がれた。

さらに詰め寄られる。

顔が近い。

 

「......うふふ、そんなに怖がらなくても大丈夫だよ」

 

と、レディ・アヴァロンは顔を離して柔らかく笑う。

そして、ベッドに正座をして座り、「どうぞ?」と言う。

 

「どうぞって...膝枕?」

「そう。そのまま、体ごと私の方を向いてもらえるかな?」

 

言葉に従い、体を90度右に傾ける。

すると突然、耳に何か硬いものが触れる感覚。

 

「あぁ、耳かきだよ。最近じゃ、こういうものが流行っているんだろう?」

 

そういう作品があるのは知っているが、聞いたことは一回もない。

仮に聞いたとすれば、こんな感じになるんだろうという考えしか、今は無い。

それと、耳かきのやり方が心地よくて、だんだんと眠気が襲ってくる。

 

「おや?......ふふっ、眠ってしまったね。おやすみ、お兄ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 




分かんね


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Re:カーマ

式もシータも降りてこない!
ごめんなさい!!!


「...っ」

 

深夜、誰もいないはずのマイルームで、ふと目が覚めた。

 

 

「(誰もいない...いや、誰か、いるよな)」

 

このまま眠るのも気持ち悪くて、目を閉じて寝たふりをする。

もしこれが勘違いであれば、何もなく眠れるのだが...。

 

「(...だれか、いる)」

 

時間にして5分ほど経っただろうか。

マイルームの中に誰かがいる気配がした。

薄目を開けて確認すると、むき出しの太ももが目に入った。

 

思わず目を背けたくなるのをどうにかして抑え、目を閉じる。

と、声が聞こえてくる。

 

「そろーり、そろーり......ふふっ、よーく寝てますね......」

 

女声の中では低音な方。

声の主は、アサシンのサーヴァント、『カーマ』。

大奥の特異点ではビーストⅢとして立ちはだかった強敵でもあった。

 

そんな彼女は今、夏の霊基でマイルームにいる。

つまり、水着霊基だ。

本人曰く、カーマよりもマーラ寄りだという霊基。

自身のことを意識させようという気が、通常よりも5割ほど増している状態のその霊基。

 

......その分、ポンコツ度合いも増しているとはパールヴァティー談。

 

あまりそうは思わなかったが、これを聞いている限り、寝たふりには気付かなかったようだ。

 

「警戒心も下がりきってる頃合いですし、このまま一気に......」

 

まぁ、警戒してないと言えば嘘になる。

しかし、危険度もそこまでないと分かっているし、彼女に心を許しているのも事実だ。

一気に何かをしようとしていたカーマの手が止まった、ような気がした。

 

と、ため息。

 

「......それにしても、なんて間抜けな寝顔なんでしょう」

「(......寝たふりなんだけどな)」

 

そう思いながら、彼女の気配を探る。

 

「魔王に完堕ちする前の最後の寝顔、せいぜい眺めさせてもらうとしますか」

 

布団に体重が少しかかった。

少しベッドがたわむ。

 

「えぇ、本当に、吞気な......なぁんにも気づかない......」

 

だんだん声がふわふわしてきた。

バレないように願いながら薄目を開けると、カーマの顔が目の前にあった。

面食らったが、彼女は寝顔にあてられて気が付いていないようだ。

ゆっくりと舟を漕いでいる彼女の頭を、そっと撫でる。

 

「んんっ......んぅ......」

 

くすぐったそうに身を捩った後、安心したのか抵抗が消えた。

 

......ここまで眠ってるなら、たぶん平気だろう。

カーマの顔のそばで、おやすみ、と言ってあげる。

そして、もう一度寝たふりに入る。

 

「んぇ......?ますたー......?気のせい、ですか......ふぁ......」

 

程なくして、自分もカーマも眠りに落ちていった。

 

 

 

 

 




リメイク技術も落ちてるし
新作も書けない

やってますね


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Re:ジャンヌ・ダルク《オルタ》

先週休んだ上に今週もリメイクで非常に申し訳ないのですが
書く時間を作らねばと反省しております、どうぞ


マイルーム。

自分や、他のサーヴァントにも充てられている部屋。

俺はそこで、カルデアの保管庫から持ってきた記録を眺めている。

ゲーティアを倒した後、最初に現れた特異点:新宿。

 

「こんなこと、あったなぁ...」

 

呟きながら見ていると、肩に銀色の髪が一房。

 

「あんた、何見てんの?」

 

後ろから声をかけてきたのは、フランスの聖女『ジャンヌ・ダルク』であって、そうでない。

オルレアンにて、キャスターのジル・ド・レェが聖杯に願ったことによる召喚で生まれた、復讐だけを胸に掲げたサーヴァント、クラスアヴェンジャー『ジャンヌ・ダルク《オルタ》』。

 

「新宿の記録だよ」

「また懐かしいもの見てんのね。なんかあったの?」

 

呆れたように言うジャンヌ。

けど、その顔は呆れたような感じではなく、むしろ楽しそうに見えた。

 

「なんか、待ってる?」

「はぁ!?楽しみなんかないわよ!!燃やすわよ!?」

 

と言って、小さい炎を出して見せた。

 

「ジャンヌが楽しみなところ、たぶん記録にはないよ?」

「だから楽しみじゃ...え、そうなの?」

 

図星だ。

途中途中で、アルトリアオルタとダンスをするシーンがあるが、それを見るたび「私だって...!」と呟いているのはしっかり聞いている。

しかし、新宿で出会ったジャンヌオルタとは、カルデアとの通信を切って、ダンスをした。

故、データはない。

 

「じゃあ、今踊るわよ」

 

そう言って、彼女は新宿で見た霊衣を纏った。

 

「ほら、エスコートなさい、マスター?」

 


 

「なかなか良かったんじゃないかしら?」

 

疲れた。

新宿の時より、だいぶ力を使った気がする。

 

「いいものね、ダンスって。あの冷血女より、私の方がうまいんじゃないかしら?」

 

実際、そうかもしれない。

新宿のアルトリアオルタと言い勝負、というより、ちょっと上だった気がする。

 

「そうよね?」

 

ちょっと圧がすごい気がするが、まぁそれはこの際置いておく。

と、なんだかうとうとしてきた。

 

「え、あんた眠いの?」

「ん...そんな、ことは」

「なっさけないわね、ダンスぐらいで。ほら、そこに布団があるわよ」

 

言われるがままに布団にダイブ。

眠気で朦朧としてきた中で、無意識にジャンヌオルタの手を握る。

 

「ジャンヌ...」

「ちょ...なにしてん...」

 

彼女は手を振り払わなかった。

 

「....眠い中、付き合ってくれてたのね」

「いや、さっきまでは」

「いいわよ、別に。そんなにムキにならなくたって」

 

優しく笑う。

ひっくり返っても、聖女なんだなとか、場違いなことを思いながら、意識が落ちていく。

 

「おやすみ、マスターちゃん」

 

 

 

 

 

 




推しの癖にクソ解像度
カス


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Re:アナスタシア


はい、ごめんなさい


「空調が?」

「そうなんだよ~。現在も上昇中、今も原因解明を急いでる。マスター君は熱中症とか気を付けてね」

「了解」

 

という会話から早2時間が立つ。

今、カルデアの空調は暖房の温度が30度という何ともおかしすぎることになっているようだ。

 

「あっつ...」

 

インナーのみなのに暑い。

まだ耐えられるが、そろそろ水風呂でも張ろうかと考えてると、ドアのノック音が響く。

 

『マスター、私よ。開けてくださるかしら?』

「アナスタシア?...開けたよ」

 

ドアのロックを解除すると、白髪を靡かせた人影が入ってくる。

 

「ふぅ、ありがとうマスター」

 

彼女の名は『アナスタシア』。

ロシアの皇女で、彼女とは別人だが、第1異聞帯で敵対したサーヴァントでもあった。

 

「いらっしゃいアナスタシア。どうしたの?」

「マスターの部屋なら少しは涼しいと思ったのよ。けれど......」

 

彼女は大きく息を吸って、

 

めがっさ暑いわ!!(ガッデムホット!!)

 

と言った。

その後すぐ、咳払いをしてから、

 

「......失礼、取り乱したわ。暑いわね、マスター」

 

と言い直した。

別に叫ぼうが何しようがこの部屋にしか響かないし、何ならこの部屋が一番熱いまであるのでそれは正しい反応だと思う。

 

「まぁ、カルデア全体だし......」

「なので、裏技を使おうと思うの」

「裏、技?」

 

首をかしげると、アナスタシアは腕に抱えていたぬいぐるみ......に見える精霊『ヴィイ』を頭上に掲げて言った。

 

「ヴィイ、部屋を冷やしなさい」

 

瞬間、ヴィイの眼が光る。

瞬く間に冷気が充満していき、部屋の隅が凍り付き始める。

 

「ちょちょちょまってまってまって」

「あらマスター?これくらいの冷気には耐えられるでしょう?」

 

と言って冷風がパワーアップ。

極地用の礼装を急いで着用し、一旦凌ぐ。

するとそれを見たアナスタシアが首を傾げた。

 

「マスター?暑くないのかしら?」

「まぁ......寒くは、ない」

 

極寒の地であった第一異聞帯でも寒さを感じる事は少なかった。

それくらい便利なものだが、まさか再びそれを味わう日が来るとは。

 

「そう。便利なのね、それ」

「まぁ、暑さは調整してくれないけど」

 

故に、この暖房暴走状態では着なかった、というわけだ。

 

「それを着てこの部屋の冷気を感じる事は無くなったとして、マスターは今涼しいのかしら?」

「......あっつい」

 

先ほども言った通りこの礼装、暑さには効果が薄い。

これでは本末転倒である。

 

「布団に包まれば、涼しさもわかるんじゃないかしら?」

「......それだ」

 

極地用礼装を脱いで、タオルで汗を拭いて部屋に戻ってくると、すでにアナスタシアが布団の中にいた。

状況が呑み込めず固まってると、

 

「マスター?早く入りなさい?」

 

と、布団を捲られる。

覚悟を決めて布団に入ると、ひんやりしている。

 

「これくらいなら、冷えすぎずに済むわね」

 

そう言いながら微笑む彼女を見ていると、だんだん彼女の眼が虚ろになってきた。

 

「アナスタシア?大丈夫?」

「大、丈夫よ、マスター。少し、魔力の使い過ぎで......少しだけ、休むわね......」

 

と言って、寝てしまった。

魔力供給の方法はあるにはあるが、今の状況じゃ何をどうやても怪しい行動にしか見えないので自重。

彼女の寝顔を眺めながら、軽く休憩することにした。

程なくして意識も途切れ途切れになってきたので、そのまま意識を手放す。

 

......視界の端でヴィイが手を振っていたように見えたのは、気のせいだと信じたい。

 




新着が思いつかない
ごめんなさい


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Re:バーゲスト

妖精円卓に夏が来たってわけで、リメイクです


巨大エネミーと戦闘中。

 

「『幻想強化』...!」

「ふっ。話にならんな」

 

(けん)を振って血液の類を振り落とすと、彼女は元の大きさに戻る。

 

「大事はないか?マスター」

「うん、大丈夫...っ」

 

頷きながら答える。

少しだけ体が重い気がするけど、それは今そこまで大事じゃない。

それより彼女の傷の治療だ。

小さなケガばかりだからすぐに治るだろうが、こういうのはすぐに治療した方が良い。

治療が終わって彼女を見ると、なぜか顔を赤らめていた。

 

「バーゲスト?顔が赤いけど...」

「な、何でもない。戻るぞ、マスター」

 

彼女に圧され、カルデアに戻ることにした。

 


 

シュミレーションルームから出ると、後輩(マシュ)がタオルとドリンクを手渡してくれる。

 

「お疲れさまでした、先輩。バーゲストさんもお疲れさまでした。戦闘データはしっかりと取れていますので、ゆっくりお休みください」

「ありがとうマシュ。それじゃ」

 

くたくたながらマイルームに戻り、汗を流すためにシャワールームに入る。

 

「はぁ...いって...」

 

少し開いた傷跡にお湯が染みる。

そこまで大きいものではないとはいえ、後でガーゼぐらいは貼っておこう。

とか考えながらインナーを着て部屋に戻ると、彼女ーー『妖精騎士ガウェイン』、もとい真名『バーゲスト』がいた。

 

「んっ!?...ま、マスター...」

 

流石に女性の前で下着一枚はまずいだろうか、なんてことを考え、用件を聞きながらカルデア指定の制服を着る。

 

「どうしたの?」

「あ、あぁ...いや、その、なんだ。怪我は、大丈夫か?」

 

...バレてた。

先ほどの戦闘で少し足を怪我していた。

 

「平気だよ。さっきはちょっと染みたけど、血も止まってる」

「あぁ、ならいいんだ。すまない、私の不注意で...」

 

心配してくれて嬉しいが、そこまで過保護になられても、と考えた時、ふと妖精國の彼女が頭によぎる。

 

彼女は自分より強いものを番としていた。

そして、自分より弱いものは守る。

だからこの態度は自然なのだろう。

 

「心配かけてごめん、でもありがとう」

「あぁ...その、無事でよかった」

 

と答えた。

 

「ねぇバーゲスト。なんか隠してる?」

「そ、んなことは...いや、あるな。すまない。隠していてもばれているから、言ってしまうが...」

 

彼女は一呼吸置くと、

 

「マスターを見ていると...その、食べたく、なってしまうのだ」

 

そういうことか。

それが()()()()()()でないことは、バーゲストの表情を見ていればわかる。

 

「いや、その...令呪を、一画、くれれば」

 

彼女の魔力食いのおかげで、妖精國では常に魔力が枯渇していた。

肯定し、令呪で魔力を与える。

と、血流の流れなどを強く感じてきた。

体が火照り、眠気が襲う。

 

「マスター!?大丈夫か!?」

「...っ」

 

彼女の手が頭に伸びてくる。

 

「頑張ったな、マスター。今日はよく付き合ってくれた。ありがとう、そしておやすみ、■■■■」

 

 

 




オベロン霊衣が嬉しい
嬉しい


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Re:バーヴァン・シー

「それでさー?お母様ったら「ひっ!?」とか言って!あーもう超面白かった!」

 

と、話題がほぼお母様(モルガン)から変わらず、ずっと話し続けている彼女は、妖精國にて悪逆非道の道を歩んだ妖精、『妖精騎士トリスタン』こと、真名を『バーヴァン・シー』。

第六異聞帯にて2度戦い、3度目では失意の庭(ロスト・ウィル)を使用し、その後の行方が分からなくなってしまった。

 

「...っておい、聞いてんのか?」

「...うん、聞いてる」

 

聞いてなかった時が怖いから。

 

「キャハハ!何怖がってんの?もしかして、機嫌損ねたら死ぬとでも思ってんのか?」

 

実際そうしかねないのが、彼女の行動で、そういう有り方だから余計に怖い。

 

「んなコトしねぇよ、つまんねえし。大体、それやったらカルデア終わるぜ?」

 

その意味が、『マスターがいなくなることによる人理漂白阻止不能』という観点ではないことはよく理解している。

 

「まず馬鹿犬のガウェインが暴れんだろ?次にランスロットが暴れんだろ?最後にお母様がドカーン!で終わりだよ、カルデア」

「妖精円卓、怖いね」

 

何より、彼女がそうやって言ってるってことは、それほどの物っていうわけだ。

そんな思考は、彼女の「てかさ」という言葉で止まった。

 

「なんでお母様はお前のことを「我が夫」って呼んでんの?そうやって呼ばせてんの?」

「呼ばせるなんてそんな...」

 

召喚応じてくれた時からずっと夫呼びなのは、こっちも知りたい。

 

「なんだ、知らねえのかよ。呼ばせてんだったら今すぐ殺してやろうと思ったけど」

「恐れ多いよ。あの人の方が何もかも上なんだから」

「じゃあますます責めらんねえじゃねえかよ」

 

少し拗ねたように言うので、「何を?」と聞いてみる。

 

「だって、お母様がお前のことを夫って呼ぶってことは、私さ、お前の娘ってことになるよな?」

「まぁ、そうだね?」

「ってことはさ、私はお前のことを「お父様」って呼ばないといけなくなるんだよな?」

「そう、なのかな...?」

 

確かに呼ばれて見たさはあるが、ここで強要するのもなんか違う気がする。

 

「遠慮すんなよ。私とマスターの仲だろ?な?素直に、「呼んでほしいです」って、言ってみろよ」

 

どうやら渋ってる様子が彼女の残虐スイッチを入れたようだ。

しかし、別にここで渋る意味もない。

 

「呼んで、欲しいな」

「えぇ?しょうがねえなぁ...」

 

と、彼女が耳元まで寄ってくる。

体が密着している。

 

「...お父様」

 

と、リップ音。

彼女を見れば、なぜか顔を赤くしている。

 

「恥ずかしいんだよ......見んじゃねえ」

 

と、そっぽを向いてしまった。

それを追う形で、ふと時計が視界に入る。

時刻は日付が少し変わったところ。

話は楽しいが、それはそれとして眠気には素直になっとく方がいい。

 

「もう寝んのかよ」

「眠くなっちゃったからね」

 

サーヴァントは人間と違って睡眠をとらなくてもいいため、寝ることはほとんどない。

 

「ふーん。あ、じゃあ」

 

そう言って、彼女が布団に潜った。

 

「添い寝してやるよ。娘と一緒に寝れて嬉しいだろ?」

「...うん、ありがとう」

 

本人はからかってるんだろうが、常日頃から顔のいいサーヴァントにからかわれるこっちの身にもなってほしい、絶対持たない。

 

寝巻を着て、布団に潜る。

なんとなく彼女を見るのは恥ずかしいので、反対側を向く。

 

「んだよ、こっち向けよお父様」

 

さっきは恥ずかしがってたのに、今は言えるんだと振り向くと、案の定というか、やはり赤面していた。

 

「...マスターは、もし私が娘になったら、捨てないでくれるか?」

「うん、捨てないよ」

「そっか、そうだよな。お節介焼きのバカマスターだもんな!そんなことしねえか!」

 

と、笑いながら言った2秒後には、彼女の寝息が聞こえてきた。

 

そんな彼女を見ながら、眠りに落ちる。

 

「おやすみ、マスター(お父様)

 

 




さばふぇすたのしい(脳死)


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Re:グレイ

夏イベお疲れ様でございましたー
という訳で全く関係ないリメイク行きましょー


「もうちょい、もうちょい...」

 

文字を打ち込みながら頭の中で報告すべき事柄をまとめる。

それを文字起こししながら誤字修正。

これだけでもすでに目が痛い。

 

「ちょっとだけ、休憩...」

 

パソコンから発せられるブルーライトが目を順調に傷つけていく。

そのまま背もたれの上の部分に頭を置き、天井を見る。

と、ドアノック。

 

「ん?はーい」

『ま、マスター。少々、お時間よろしいでしょうか?』

「はいはい、開けるよー」

 

ドアのロックを解除する。

現れたのはアサシンのサーヴァント、『グレイ』。

 

「どうしたの?...って、そのトレーは...」

「ライネスさんから、『これを我が弟子に。ついでにお茶会でもすればいい』と...こちらの茶葉を」

 

渡されたのは、どう見ても高級なやつ。

恐れ多く思いつつ、これでお茶会でも、というのなら、淹れてみるしかない。

物は試しだ。

 

「いい、香りですね」

「そうだね、さすが師匠だ」

 

紅茶を作るためのお湯は沸騰したてがいいが、飲む際は少し冷まして、60℃とかの方が良いそうだ。

熱すぎると飲めないから、という理由で。

 

...こういう冷めるのを待ってる時間を、蒸らす、というのだろうか?

 

ただ待ってるのもあれなので、お茶請け用の菓子を出す。

 

「それは?」

「カルデア厨房組に教えてもらいながら作ったクッキー。糖分補給とかに便利って」

 

副作用は口内の水分がなくなることだと、赤い外套のアーチャーが言ってた。

見た目はよくないのに、味は一級品とか言う、へんてこなクッキーが出来上がった。

魔術で個包装にしてくれたおかげで、24時間たった今でも十分に食べられそうだ。

 

「マスターの、手作りクッキー......」

「うん。まぁ、出来は悪いけど」

「そんなことはないですよ。では、始めましょうか」

 

いただきますと声を揃えて言い、紅茶を一口含む。

 

......飲んだことがない味だ。

飲んだことはないが、きっとワインに近いだろう、飲んだことはないが。

適当なことを言って申し訳ないが、それくらい知らない味がした。

 

「マスター、お上手ですね。紅茶も、このクッキーも」

「そんなことは...っ?」

 

視界が歪んで、意識が薄れる。

 

「マスター!?どうしました!?」

 

グレイがこの反応、ということは、茶葉に何か仕込まれた可能性がある。

流石バレンタインに水銀を渡す師匠(ライネス)と言ったところだが、状態が状態だけに、そんな悠長に考えてられない。

 

「と、とりあえずベッドに...」

 

グレイの腕が背中と膝裏に回り、宙に浮く感覚。

今、自分はお姫様抱っこをされてるのでは?と、朦朧とした意識下でも恥ずかしくなった。

 

「んしょ...ふぅ...どうしていきなり...」

 

グレイがそのまま部屋を出ようとする。

 

「ぐれ、い」

「はい、なんでしょうか?」

 

彼女は首を傾げる。

彼女の手目掛けて、自分の手を伸ばす。

グレイは察してくれて、両手で包んでくれる。

 

「きっと、ライネスさんはこれが狙いだったのですね」

「ねら、い...?」

「拙はここにいますから、ゆっくりお休みください、マスター」

 

グレイの手が目にかかる。

視界の暗さと目元の温かさで、意識を落とした。

 

 

 

 

 

 




リメイク1弾が終わった
リメイク2弾も見据えながら前々から貰ってる子たちを練る


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Re:ジャンヌ・ダルク

Q:この一月何してたんですか?
A:すみませんでした。

Q:1か月あってリメイクですか?
A:リクキャラが軒並みコスト高くて...

Q:これから週1でまたやるんですか?
A:月一になりそうです。

Q:ところでなぜジャンヌ?
A:アンケートから漏れてた。


最近、体が重い。

頭も重いし、体が思うように動かない。

素材集めや種火狩りに行くたび、体が言うことを聞かなくなる率が高くなってきた。

そして今日、ついに寝込んだ。

咳も出るし、熱も出た。

 

「...最悪だ」

 

自己嫌悪に苛まれていると、ノックもなしに突然ドアが開く。

 

「マスター?大丈夫ですか?」

「...ジャンヌ?」

 

入ってきたのは医者系サーヴァント......ではなく、聖女『ジャンヌ・ダルク』。

フランスを救った聖女......であるが、本人にその気がないのはどうしてなのか、あんまり分かってない。

 

「どうして、ここに?」

「マスターが食堂にいないとマシュさんから聞きまして、まだ自室にいるのでは?と、私が呼びに来ましたが......これは確かに、部屋から出られなそうですね......」

 

ジャンヌが手を伸ばしてくる。

それが額に触れる。

 

「......熱い、ですね。うーん、本当はこういう時は、お医者さんに診せるのが良いんでしょうけど......」

 

そう言いながらベッドに腰掛ける。

 

「えー...なにしてるの?」

「看病です!」

 

......中身、水着霊基なんじゃなかろうか?

そのうち「姉です」と言ってもおかしくないテンションだ。

衣服はルーラーの時のやつだけど。

 

「どうしました?」

 

何でもないと首を振り、枕に頭を乗せなおす。

 

「体調はどうですか?何か欲しいとか、ありませんか?」

 

と聞かれるが、今欲しいものがパッと思い浮かばない。

と、ジャンヌの顔が耳元に寄ってくる。

 

「なんでもいいんですよ?」

 

妙に色気を孕んだ声だ。

もしかして本当に水着霊基なんじゃないか?

これで本当に水着だったら色々とマズい。

この状況で襲われでもしたらまずいが、何とでもなるだろう、令呪もあるし。

 

「...お姉ちゃん」

「......!」

 

あぁ、これはまずい。

死んだかもしれない。

と、思い切り抱き着かれる。

抱き着いてる相手が風邪をひいているってことは分かって......なさそうだ。

 

「やっと甘えてくれましたね弟くん!!そうです私がお姉ちゃんです!!」

 

よりにもよってルーラー霊基に変装していた。

というか、姿が同じなんだから変装も何もないけど。

 

「ジャンヌ、苦しい...!」

 

そういうと、ジャンヌは寂しそうな顔をしながら離れる。

 

「弟くんは、私にくっつかれるのは嫌ですか?」

 

風邪ひいてるんだから離れてほしいだけで、別に抱き着かれるのは嫌じゃない。

 

......訂正、常日頃から抱き着いてくるような人は別。

 

「弟くん、のど渇いてませんか?お水いりますか?」

「あ...ほしい、です」

「はい、どうぞ」

 

ペットボトルの水を貰った。

上体を起こして呷りつつ、自分の体調を確認。

 

「...っと」

 

起き上がってすぐ、体が少しふらついた。

頭痛がひどくなったような気がする。

 

 

「うわわ、弟くん、無理しちゃだめですよ?今日はお姉ちゃんが一緒にいますから。横になってくださいね」

 

ジャンヌに寝かされ、頭を規則的にポンポンされる。

 

「サーヴァントの皆は、マスターが元気であってほしいから。今はおやすみ、弟くん」

 

目を閉じて、そのうち来る眠気に身を任せることにしよう。

今だけは、お姉ちゃんに甘えるとしよう。

 

 




前書きが全てです
夏休みとかいう学生の娯楽が終わってしまったので萎えてます。
後はシンプルに描きたいと思えるような新規サーヴァントがいないので...
リクエストキャラは難産が過ぎるので自家発電できればいいところでございますが...

タグに不定期とあるので、許してほしいところではあります(カス)

月一が投稿ペースになりそうなので、そうなったら、まぁ...ごゆるりと。


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