さぁ、ゲームの時間だ (やさぐれショウ)
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1. ENTRY『選ばれし者達』

翔「よし、完成だ。」

 

ドールハウスにあるファクトリーにて、『青空 翔』はあるものを開発した。それは、中央にソケット、その両端に何かをはめ込むようなスロットがついたベルトと、ライダーズクレストが描かれた小さな円柱型のアイテムだ。それらは1つだけではない、幾つもある。

 

翔(近頃、ジャマトと呼ばれる奇妙な奴らが現れた…全く、面倒なことになりそうだ……)

 

ピグマリオンと妖魔が滅び、平和を取り戻しつつあるこの世界に…また、別の世界にも…新たな脅威が出現し、ため息をつく翔。そんな彼の元に…

 

彩羽「まぁたため息ついてる…それじゃあ幸せが逃げちゃうぞ?」

 

1人の若い女性が姿を現した。

 

翔「逃げるモンなら捕まえる。別にため息つくぐれぇ普通だろ、姉貴。」

 

彼女の名は『青空 彩羽』…青空 翔の実の姉である。

 

彩羽「あれ、それって変身ベルト?」

 

翔「あぁ、妖魔だけじゃなくジャマトって奴にも対抗できる。ただ、それだけじゃ面白くねぇ…ちょっとしたゲームをやろうと思ってなぁ?」

 

彩羽「けど、翔君はもう十分戦ってくれたし…もう休んでもいいんじゃない?」

 

翔「新たな敵が出てきた以上、そうは行かねぇんだ。」

 

翔はそう言うと、椅子から立ち上がった。

 

 

翔「このゲームは生死をかけたデスゲーム…このIDが壊れたら即脱落。全てがゼロになる。」

 

 

かつて、この世界を救い…英雄と呼ばれるようになった翔だが、本人はこれをあまり良くは思っていなかった。自分はただ、化け物になった自分を受け入れてくれたこの居心地の良い世界を守りたかった…最後はここで静かに暮らしたかったという願いがあった。

 

彩羽「ねぇねぇ、そのゲーム…もしかして翔君も参加するの?」

 

翔「当たり前だ、俺は静かに暮らしてぇからな。」

 

翔はベルトと円柱状のアイテムを持つと、ベルトを腹部に装着し…円柱状のアイテム『ライダーコアID』をベルトのソケット部分にセットした。

 

 

《ENTRY》

 

 

ベルトから音声が流れると、顔の上半分にコアIDに対応したマスクを被っている点を除けば、残りの部分はほぼ黒一色となっている姿に変身が完了する翔。

 

彩羽「それ、仮面ライダー…?」

 

翔「そう、『仮面ライダーギーツ』、エントリーレイズフォームだ。」

 

仮面ライダーギーツへと姿を変えた翔は、すぐに変身を解除した。

 

翔(ベルトは適合したようだな。んじゃ、後はコイツらを身近な奴等に渡しに行くか…ま、それはまた後日になるがな……)

 

 

次の日、翔は友人達が生活しているシェアハウスへと足を運んだ。

 

一海「おっ、翔じゃねぇか。どうしたんだ?」

 

家からは1人の少年が姿を現した。彼の名は『木場 一海』、翔の友人である。

 

翔「お届け物だ。」

 

翔はシンプルな黄色い箱型のボックスを取り出し、一海に渡す。一海はそれを受け取り、ボックスを開ける。そこには、翔が開発したベルトとライダーコアIDが入っていた。

 

一海「これ、何だ?」

 

翔「厳正な審査の結果、お前は選ばれた。」

 

一海「…は?」

 

翔「おめでとう、今日からお前は…仮面ライダーだ。」

 

一海「か、仮面ライダーって…いやいや、ライダーシステムならあるぞ?」

 

翔の言葉に困惑する一海。

 

翔「黙って受け取れ。それは新たな敵に対抗するためのライダーシステムだ。今までのライダーシステムでは対処できん。」

 

一海「…成程な、わかった。じゃあ、これは有り難く貰う。」

 

翔「…それで良い。」

 

紫「おい一海…って、翔じゃないか。」

 

友香「あら翔さん、珍しいですね。」

 

諒芽「おぉ翔ちん!!」

 

そこに、『東雲 紫』、『浅井 友香』、『鏡 諒芽』が姿を現す。彼らも翔の友人だ。

 

翔「フン、丁度いい…お前達にもこれをやる。」

 

一海以外のメンバーにも、ベルトとライダーコアIDを渡す翔。

 

紫「何だ、これは…?」

 

諒芽「何々、変身ベルトか?」

 

友香「そうっぽいですね。」

 

翔が開発したベルトとライダーコアIDを隅々まで見るメンバー達。そんな彼らを見た翔は、ニヤッと笑う。

 

翔「厳正な審査の結果、お前達も選ばれた…おめでとう、今日からお前達は仮面ライダーだ。」

 

それだけ言うと、翔は去っていく。

 

諒芽「待ってくれよ翔ちん!これって何なんだ!?後、選ばれたって何だ!?」

 

諒芽は慌てて翔を追いかけ、曲がり角を曲がると…そこに翔の姿は無かった。

 

 

 

ヘルメス「すまないな翔…また君の力を借りる時が来たようだ。」

 

翔「相変わらずか、そっちは…」

 

ドールハウスの屋上にて、翔はヘルメスと話していた。彼は翔をこの世界に転生させた張本人の1人の神である。

 

ヘルメス「ジャドウは中々減らないし、ジャマトと呼ばれる謎の怪物が幾多の世界に出現してな…もう滅茶苦茶だ。」

 

翔「なら丁度いいじゃねぇか…ちょうどなぁ、俺はゲームを考えたんだ。」

 

ヘルメス「げ、ゲーム…?」

 

翔「あぁ、あんたらの手助けをしてやる…この

 

 

デザイアグランプリ

 

 

でな。」

 

ヘルメス「そのグランプリとは何だ?」

 

翔「そのジャマトやジャドウをターゲットにし、生死をかけたサバイバルゲームだ。世界も救えるしあんたらの負担も軽減できるぜ?どうだ、都合良いだろ?」

 

ヘルメス「…ほう、中々面白いことを考えたじゃないか。」

 

翔の言葉を聞き、ヘルメスはニヤッと笑う。

 

翔「んで…来てほしいのか?それとも来てほしくねぇのか?」

 

ヘルメス「あぁ、来てくれ。」

 

翔「よし…このデザイアドライバーを一海達にも配った。俺とアイツらの5人をここに集めろ。」

 

ヘルメスが指を鳴らすと、一海達がドールハウスの屋上へと飛ばされてきた。

 

翔「よく来たな。」

 

一海「いや待て、翔…それに神様まで……これは一体?」

 

翔「世界を救うゲームだ。その名もデザイアグランプリ…ジャドウとジャマトを倒しつつ、生死をかけたサバイバルゲームだ。そのデザイアドライバーを配られた以上、後戻りはできねぇぜ?」

 

一海「あぁ、成程な…大体分かったぞ。俺達は翔と共に戦って来たし、だからこのドライバーを俺らに渡したんだろ?」

 

翔「はっ、一海のクセに飲み込みがはえぇじゃねぇか。」

 

一海「何だと〜?」

 

急な出来事にも、一海達は戸惑うことは無かった。

 

紫「翔、つまりお前は…私達を頼ったわけか。」

 

翔「文句あんのか?」

 

紫「ふっ…いや、無いぞ。」

 

友香「あの〜、翔さん…できればこのドライバーの使い方を教えてくださるとありがたいのですが……」

 

翔「今から説明するから、しっかり聞けよ?」

 

翔はデザイアドライバーの使い方を説明し、次にゲームのルールを説明した。

 

諒芽「何か面白そうじゃん。」

 

説明を聞いた諒芽は、ニヤッと笑った。

 

ヘルメス「では、第一ゲームを始めよう。」

 

ヘルメスが指を鳴らすと、ゲーム名が表示された。

 

ヘルメス「題して、『トレジャーハント』だ。舞台はここ【プロジェクト東京ドールズ】の世界…エリアを徘徊するジャマトを討伐し、宝箱を手に入れるんだ。その箱には戦闘に役立つアイテムが入っている。制限時間は1時間、時間内に宝箱を入手出来なかった者は、脱落だ。」

 

翔「んじゃ、準備は良いか?」

 

一海「おう!ジャマト共は…心火を燃やして、ぶっ潰す!!」

 

紫「勿論…大義の為に、ジャマト達には消えて貰う。」

 

友香「罪なき人達を傷つけるなら、許しません!!」

 

諒芽「おっしゃあ!!皆、協力プレイと行こうぜ!!」

 

5人はデザイアドライバーのソケット部分にライダーコアIDをセットし、仮面ライダーへと姿を変えた。

 

 

《ENTRY》

 

 

翔はキツネを彷彿とさせる仮面ライダーギーツ…一海はスイギュウを彷彿とさせる仮面ライダーバッファ…紫はペンギンを彷彿とさせる仮面ライダーギンペン…友香は猫を彷彿とさせる仮面ライダーナーゴ…諒芽はパンダを彷彿とさせる仮面ライダーダパーンだ。

 

ダパーン「お、一海…お前牛か?」

 

バッファ「そういう諒芽は、パンダだな?」

 

ギンペン「友香、お前は猫か。」

 

ナーゴ「ペンギンの紫さん、様になってますよ♪」

 

ダパーン「翔ちんは…おっ、キツネかぁ!!」

 

ギーツ「さぁ、ゲームの時間だ。」

 

ギーツがそう言うと、ヘルメスは5人のライダー達を戦いの舞台へと瞬間移動させた。



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2.トレジャーハント『Ready Fight』

戦いの舞台へと到着した5人のライダー達は当たりを見回す。

 

ダパーン「おっ?ここは、渋谷か!」

 

どうやら渋谷区に降り立ったようだ。

 

バッファ「おいおい、普通に人が歩いてるぞ…?」

 

戦いが始まろうとしているにも関わらず、沢山の人々で溢れかえっている。

 

ギンペン「それより、敵はどこにいるんだ?」

 

ギーツ「んなもん、自力で探すんだよ。」

 

ナーゴ「えぇっ!?」大汗

 

ギーツの言葉に困惑するナーゴ。

 

若者1「おいおい、あれ何だ?」

 

若者2「コスプレイベントか?」

 

女学生1「何かのショー?それとも撮影?」

 

女学生2「何か動物みたいで可愛くない?」

 

歩行者天国と化した渋谷の大通りに立っているライダー達は、次第に通りかかる人達から注目され始める。

 

ダパーン「なぁなぁ翔ちん、これどうするよ?

 

ギーツ「堂々としてろ……ん?」

 

奥の商店街を見ると、そこには…植物が人型になったような生々しい造形や頭部が特徴の怪人達の姿があった。白い衣装に赤い作務衣のような上着を羽織る、祈祷師や僧侶を思わせる個体のジャマトだ。

 

ギーツ「ッ!!」

 

それを見たギーツは、高速で商店街へと走っていく。

 

バッファ「あっ、翔!!」

 

バッファ、ギンペン、ナーゴ、ダパーンも慌ててギーツを追う。

 

ジャマト「ウ…ウウゥゥ……!!」

 

老店員「ひ、ひぃ!!た、助けてくれぇ!!」

 

1体のジャマトが老店員に襲い掛かろうとした時、ギーツがジャマトに飛び蹴りを放った。

 

ギーツ「早く逃げろ。」

 

老店員「あ、ありがとうございます…!!」

 

老店員が逃げた後、ギーツは構えを取る。

 

バッファ「っとと、数が多いな…ここから先に行かせるわけには……」

 

ギンペン「いかないな。街中の人達が危ない…」

 

ナーゴ「でしたら、私達が!!」

 

ダパーン「止める…いや、コイツらを倒すぞ!!」

 

ギーツ「…行くぞ!!」

 

5人のライダー達は、数多の人々を守るために…商店街にいるジャマトの討伐を始める。

 

ギーツ「フッ!!ムンッ!!」ドゴォッ!!ドゴォッ!!

 

ジャマトA「フガッ!?ガアッ!?」

 

ギーツは得意の格闘戦とアクロバティックな動きを組み合わせ、ジャマト達を順調に薙ぎ倒す。

 

バッファ「はぁっ!!」ドカァッ!!

 

ジャマトB「アギャアッ!!」

 

バッファは蹴り技でジャマトを倒す。

 

ギンペン「せやぁっ!!」ドカカカッ!!

 

ジャマトC「ンギャアッ!?」

 

ギンペンは舞い踊るように両腕を振るい…

 

ナーゴ「えいっ!やぁっ!」ドゴッ!バキッ!

 

ジャマトD「ゴハッ!?ギャッ!?」

 

ナーゴは拳法のような格闘技で……

 

ダパーン「よっと!おりゃっ!!」ズガァッ!!

 

ジャマトE「ンガァッ!?」

 

ダパーンは身軽に動き回り、飛び蹴りでジャマトを倒していく。彼らが順調に戦い、段々数が減ってきたジャマト。やがて、全滅したところで…

 

ギーツ「…ん、これは…?」

 

ダパーン「宝箱じゃねぇか!?」

 

バッファ「戦闘に役立つアイテムが…ここに…!」

 

ギンペン「丁度いい褒美だな。」

 

ナーゴ「どんなアイテムがあるんでしょうか?」

 

5ライダーの元に、マゼンタのクエスチョンマークが描かれているミッションボックスが現れた。それを開けると、中には…

 

ダパーン「何だこれ?変なアイテムだなぁ…」汗

 

ギンペン「これは…弓か?」

 

ナーゴ「私はハンマーでした。」

 

バッファ「俺はこれ、何か毒々しい…」汗

 

大小様々な大きさの小道具が入っていた。

 

 

アフロディーテ『そちらは『レイズバックル』と呼ばれるアイテムで、デザイアドライバーにセットすることで武装ができますよ。』

 

 

戸惑うライダー達に、アフロディーテがアナウンスで告げた。ミッションボックスに入っていたのは『レイズバックル』と呼ばれるアイテムで、デザイアドライバーに取り付けることで、武器を装備することができる。

 

ギーツ「…。」カチッ…

 

ダパーン「翔ちんのは何だ?…お、これは盾か…」

 

ギーツが手に入れたのは、盾の形をした青色の小さなレイズバックルだった。対してダパーンが持っているのは、リボルバー式鉄砲の引き金の形をした大きなレイズバックルだ。

 

ギーツ「…盾か、中々良いんじゃねぇか?」

 

当たり…とは言い難いレイズバックルだが、ギーツは手に入れたレイズバックルをホルダーに収めた。そこに、アフロディーテが姿を現す。

 

アフロディーテ「皆様、お疲れ様です。よろしければ、こちらへどうぞ。」

 

彼女は5ライダーを路地裏へと案内する。

 

ダパーン「何だ何だ?いかがわしい店にでも連れてく気か?」

 

ギーツ「バーカ…」汗

 

バッファ「そんなわけ無いだろ…」汗

 

ギンペン「い、いかがわしい店だと!?」大汗

 

ナーゴ「違いますよ…」汗

 

やってきたのは、ロイヤルな雰囲気のバーテンダーのような場所だった。

 

アフロディーテ「こちらは、当グランプリ参加者を対象としている休憩所となっております。それでは、ごゆっくりお過ごし下さい。」

 

アフロディーテが姿を消すと、奥から誰かが出てきた。

 

斑目「全く、何故私達まで…」

 

カナ「まぁまぁ、良いじゃないですか斑目さん。ほら、翔君達をおもてなししましょう♪」

 

出てきたのは、ドールハウス所長の『斑目 セツナ』と…ドールハウス所属の特殊公務員『南田 カナ』だった。彼女達は、何故かメイド服を着ている。

 

翔「…何やってんだよ。」汗

 

いつの間にか変身を解いた翔が、斑目とカナに問い掛ける。

 

カナ「翔君がまた、世界を救うために戦うと小耳に挟んだのでサポートをしようと思いまして♪」

 

翔「ソイツはありがてぇが、ドールハウスはどうした?」

 

斑目「片山らや元ストライカー達、そしてDollsがいる。だから問題は無い。」

 

ドールハウスを信頼できる仲間達に任せ、斑目とカナはここにいるようだ。

 

ヘルメス「ちなみにだが、Dollsも元ストライカー達も自由にここへ出入りができるぞ。」

 

翔「へぇ…」

 

ヘルメスの言葉を聞いた翔は、近くの椅子に腰掛ける。ドリンクを頼み、次の戦いまで身体を休めることにしたのだ。

 

諒芽「せ、セツナさん…カナさん…メイド服、似合ってまs」ドサッ…

 

一海「おーい諒芽!!ここで倒れるなー!!」大汗

 

アフロディーテ『皆様、そろそろ第2ウェーブが始まりますので、ご準備の方を。』

 

友香「た、大変です!!」

 

紫「おい諒芽、早く起きろ!!」大汗

 

 

 

なんやかんやあって、ジャマト達がいる舞台へと召喚された翔達。先程手に入れたレイズバックルを、デザイアドライバーのスロットにセットする。

 

《SET》

 

ドライバーから音声が響くと、5人はそれぞれの変身ポーズを取ると…

 

 

変身!!

 

 

…と、力強く叫び、レイズバックルを起動させた。

 

《ARMED SHIELD》

 

《ZONBIE》

 

《ARMED ARROW》

 

《ARMED HAMMER》

 

《MAGNUM》

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

それぞれのフォームに姿を変えると、ジャマトの群れ目掛けて突っ込んでいった。ギーツは装備したアームドシールドを攻撃に転用し、バッファは左手の長い鉤爪や拡張武器の『ゾンビブレイカー』を振るう。ギンペンはアームドアローから矢を放ったり、それを槍のように突いたり薙ぎ払ったりしてジャマトを撃破していく。ナーゴはアームドハンマーを軽々と振り回し、ダパーンは『マグナムシューター40X』からレーザーを発射する。

 

ギーツ「ったく、まるでゴキブリだな…」

 

バッファ「なんだよ翔、もう飽きたのか?」

 

ギーツ「んなわけあるか。」

 

5ライダー達の背後には、大勢の一般人がいる。彼らはその人々を守らなければならない。

 

ダパーン「よっと…ひゃあ、まだ居るのかぁ。」

 

ギンペン「翔が言ったように、本当にゴキブリのようだな。」

 

ナーゴ「でも、ここで引き下がる訳には…」

 

彼らの前方には、多くのジャマト達がいる。

 

ダパーン「なぁ翔ちん、俺の武器使うか?」

 

ギーツ「その必要はねぇ…」

 

ギーツはそう言うと、シールドレイズバックルを押し込み、必殺技を発動する。

 

《SHIELD STRIKE》

 

音声が響いた直後、ギーツはレイズシールドを投げた。

 

ギーツ「ムンッ!!」ブォンッ!!

 

シールドはジャマト達目掛けて飛んで行き、ジャマト達を怯ませた。

 

ギーツ「ダパーン!ギンペン!」

 

ダパーン「おっ!?」

 

《CHARGE TACTICAL SHOOT》

 

ダパーンはマグナムシューター40Xのレバー(狐の尻尾型の打鉄)を引いてエネルギーをチャージし、トリガーを引き、巨大な赤いレーザーを放った。

 

ギンペン「よし…!」

 

《ARROW STRIKE》

 

ギンペンはダパーンと同時に、アームドアローから無数の矢を放った。ジャマト達は爆発に包まれたが、まだ全滅はしていない。

 

ギーツ「バッファ!ナーゴ!」

 

バッファ「くっ!!」

 

 

《POISON CHARGE》

 

 

バッファはゾンビブレイカーのカバーを上部までスライドしてポイズンチャージをし、手を放してカバーを戻す。

 

 

《TACTICAL BREAK》

 

 

その後、ゾンビブレイカーのトリガーを引き…迫りくるジャマト達を一気に薙ぎ払った。

 

ナーゴ「いきます!!」

 

 

《HAMMER STRIKE》

 

 

最後に、ナーゴが巨大化したアームドハンマーで残りのジャマト達を潰し、ジャマト達の殲滅に成功した。人々が歓声を上げる中、5ライダー達はどこかへ去っていった。

 

 

 

ヘルメス「よくやった、これでミッションは成功だ。しばらくゆっくり休むと良い。」

 

ヘルメスが姿を消した後、スコアが表示された。

 

諒芽「よっしゃあ!!1位だー!!」

 

紫「3位か、まぁまぁだな。」

 

友香「4位ですか、残念です…」

 

1位は諒芽、翔はビリだった。

 

一海「翔…」

 

翔「悔しいが、次回こそは俺が1位を取る。」

 

初の戦いでは黒星だった翔。しかし、彼らの戦いはこれからである。



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3.ゾンビ狩り

ゾンビが出てくるとあるアニメ作品の世界が舞台になります。


翔「ここに集められたってことは、ゲームの時間か?」

 

ヘルメス「御名答だ。」

 

最初の戦いから約1週間後、選ばれた5人はここ『デザイア神殿』へと集められていた。ここは、デザイアグランプリの参加者が集う場所である。

 

一海「…何やら1人、見慣れねぇ奴がいるが…?」

 

チャラ男「あぁ?なんだてめぇは?」

 

一海の隣りには、何やらモヒカンヘアのチャラい男がいた。

 

アフロディーテ「ここで戦えば、いかなる場合でも失格となります。」

 

アフロディーテがそう言ったことで、2人は大人しくなった。

 

チャラ男「んお?なぁなぁお嬢ちゃん、カワイイじゃ〜ん?連絡先交換しない?」

 

チャラ男は近くにいた友香にナンパを開始するが…

 

友香「お断りです。」

 

あっさりと拒否された。

 

チャラ男「まぁまぁ、そんな事言わずにさ?」

 

翔「そこまでにしろ、強制失格にさせるぞ?」

 

チャラ男「あ?んだとゴラァ?」

 

翔「俺こそがゲームマスターであり、俺が絶対だ。」

 

翔がそう言うと、ヘルメスとアフロディーテが彼の側に移動した。

 

チャラ男「……。」

 

大人しくなったチャラ男を見て、翔はヘルメスとアフロディーテに問い掛ける。

 

翔「…んで、ゲーム内容はあれだろ?」

 

ヘルメス「あぁ、アレだ。」

 

諒芽「アレってなんだ?」

 

アフロディーテ「題して『ゾンビ狩り』です。舞台はこの世界…謎のウイルスによってゾンビ達が発生、その領土の殆どを彼らが支配する世界です。」

 

チャラ男「って、これ【がっこうぐらし!】じゃね?マジで!?推しアニメだから嬉しいわー!!」

 

そこは、人間をゾンビに変えてしまう感染症のパンデミックによって地獄絵図と化した世界

 

 

【がっこうぐらし!】

 

 

の世界だ。この世界にある学校私立巡ヶ丘学院高等学校を舞台とし、様々なミッションをこなして行くのだ。

 

ヘルメス「ゾンビを倒せば倒す程、スコアを稼ぐことができる。ただし、1つだけ言っておくが…万が一ゾンビに噛まれた場合、例えライダーに変身していようがゾンビ化は進行する。十分に気を付けたまえ。」

 

ヘルメスはそう言うと、6人をがっこうぐらし!の世界へと転送させた。まもなく、参加者の身体は光へと包まれ、デザイア神殿から一瞬にして姿を消した。

 

 

 

6人が降り立った場所は、私立巡ヶ丘学院高等学校の正門前…数多のゾンビ達がいる場所だ。

 

チャラ男「おぉい!!いきなりゾンビかよ!!」

 

翔「バカ、叫ぶな…!」

 

翔が静止するも時既に遅く…6人にゾンビ達が迫って来る。

 

翔「チッ…!」

 

《SET》

 

翔はドライバーにシールドレイズバックルをセットすると同時に強く押した。

 

《ARMED SHIELD》

 

《READY FIGHT!!

 

仮面ライダーギーツ(アームドシールド)に姿を変え、襲い掛かって来たゾンビ達を返り討ちにする。

 

一海「俺達も行くぞ!!」

 

3人「「「あぁっ!!(はいっ!!)(おうっ!!)」」」

 

一海達も仮面ライダーに変身し、ギーツに加勢した。

 

バッファ「デエエヤァァアアアアッ!!」ズババババッ!!

 

ギンペン「はぁっ!!」バシュッ!!バシュッ!!

 

ナーゴ「やぁっ!!」バコォッ!!

 

ダパーン「オラオラオラオラオラァッ!!」バキュンッ!バキュンッ!

 

ゾンビ達と乱闘を繰り広げる5ライダー達…

 

チャラ男「は、はぁ?…な、何なんだよ……なんでアイツら、あんな得体の知れない奴と……や、やり合えるんだ…!?」

 

対してチャラ男だけは、混乱して動けずにいた。その後、5ライダー達の活躍で、ゾンビ達は全滅した。

 

 

『MISSION CLEAR』

 

 

すると、5ライダーとチャラ男の前にミッションボックスが現れた。

 

ギーツ「…へぇ、今度は鉄球か。」

 

ダパーン「何だこれ、蛇口か…?」汗

 

バッファ「おっ、シールドだ。」

 

ギンペン「またアローか…」

 

ナーゴ「私もまたハンマーでした…」

 

ギーツとダパーンは、新しいレイズバックルを入手したが…バッファは、ギーツが持っているシールド……ギンペンとナーゴは既に持っているレイズバックルが被った。しかし…

 

チャラ男「な、何だこれ…なんか強そう……!」

 

チャラ男が手に入れたレイズバックルも新型レイズバックルだった。ハンドルレバーやマフラーめいた造形のメタリックレッドのフレームが連なる比較的シンプルな見た目であるが、如何にも強そうである。

 

チャラ男「あ、あげねぇからな!?なぁっ!?」

 

ギーツ「うるせぇボケ。」

 

バッファ「てゆーか、お前何もしてねぇじゃん…」

 

ギーツとバッファは不機嫌そうに言うと、レイズバックルを外して変身を解いた。ダパーン、ギンペン、ナーゴも変身を解いた。

 

翔「…ん?」

 

ふと、翔は学校の上を見上げる。そこには、4人の少女達がこちらを見下ろしているのが見えた。

 

諒芽「おっ、所謂…第一村人的な」

 

チャラ男「由紀ちゃんじゃね!?隣には…胡桃と美紀もいる!!胡桃の隣には悠里もいんじゃねぇか!!おーい!!」

 

興奮したチャラ男は覗いている4人の少女達に手を振る。

 

翔「やめろ、怪しまれるぞ…」

 

翔が注意するが、チャラ男は全く聞いていない。案の定、4人の少女達は怪しい人物を見る目になり、奥に行ってしまった。

 

チャラ男「あっ、ちょっと待って!!」

 

翔「だから言っただろ、この間抜け…!」

 

チャラ男「な、なんだとぉ!?」

 

翔とチャラ男が睨み合う中、紫が校舎入り口を指差す。

 

紫「おい、さっきの4人がこっちに…!」

 

校舎からは、窓から覗いていた4人がこちらに向かって来ているのが見えた。

 

由紀「あ、あの…さっきは、ありがとうございました!!」

 

翔「…は?」

 

最初に喋った少女『丈槍 由紀』からの感謝に、困惑する翔。

 

胡桃「実はあたしら…アイツらの群れに困ってたんだ。そろそろ食料を調達したくてさ…」

 

悠里「本当にありがとうございました。」

 

チャラ男「いやいや、お礼なんて」

 

美紀「貴方ではなくて、そちらの5人に言ってるんですけど…」

 

胡桃「そうだ!大体さぁ、お前だけ何もしてなかったろ?おめでたい奴だな……」

 

何もしていないチャラ男は、美紀と胡桃に呆れられていた。

 

美紀「あの、そのベルト…一体何なんですか?」

 

翔「知ってどうする?」

 

紫「おい、翔…」汗

 

翔「これを知ったところで何になる?それがこの世界で生き抜くための役に立つのか、なぁ?」

 

4人の少女達に意地悪な返答をする翔に、メンバー達は困惑する。

 

友香「す、すみません…私、浅井 友香と申します。」

 

紫「私は東雲 紫。」

 

諒芽「おっす!俺は鏡 諒芽ってんだ!!」

 

一海「俺は木場 一海。」

 

翔「…青空 翔だ。」

 

由紀「私は丈槍 由紀、見た感じ皆は私達と同い年っぽいね?」

 

胡桃「あたしは恵飛須沢 胡桃、お前らアイツらとの戦いに慣れてるみてぇだな!!」

 

悠里「私は若狭 悠里と申します♪」

 

美紀「私は直樹 美紀です。」

 

武「お、俺…飯田 武……」

 

飯田 武とは…チャラ男の本名である。互いに自己紹介し合ったところで、翔はとある提案をした。

 

翔「お前達は、このドライバーについて知りたいのか?なら、食料調達とやらに俺達を同行させろ。数が多い方が、食料調達を調達しやすくなる…どうだ?」

 

胡桃「ホントか!?いやぁ、助かるよ!!」

 

美紀「いやいや、流石に怪しい人達を連れていくなんて」

 

由紀「良いね良いね!みーくん、青空君達強いから大丈夫だよ!!」

 

悠里「是非、お願いします。」

 

美紀「それで良いのか…」汗

 

翔「よし…んで、どこまで行くんだ?」

 

悠里「ここから少し離れた場所に大型ショッピングモールがあるので、そちらに向かいます。さぁ、どうぞこちらへ。」

 

悠里が案内したのは、かなり大きいキャンピングカーだ。

 

胡桃「おら乗れ!ゆーさんの運転はスゲェんだぞ?」

 

翔「俺はこの上で良い…」

 

由紀「えぇ、どうして?中に入ったら快適だよ?」

 

紫「由紀と言ったな、翔は女性が苦手な傾向があるんだ。」

 

若い女性が苦手な翔は、キャンピングカーに乗ることを拒み…屋上が良いと言う。

 

胡桃「外も良いよな?あたしも屋上に」

 

美紀「ダメです。」

 

こうして、翔達は学園生活部の4人と共に食料調達へと向かった。

 

 

 

 

 

 

武(ちっ、印象は最悪か……コイツらを退場させて、学園生活部と俺だけの世界にしてやる!!)



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4.MISSION『食料を調達せよ』

一同は、目的地の大型ショッピングモールに到着した。

 

諒芽「よぉし、着いたか。」

 

一海「取り敢えず変身しとくか?」

 

紫「そうだな、何かあってからでは遅い。」

 

友香「翔さん、どうですか?」

 

翔「好きにすると良い。紫、コイツは返す…」

 

武「ま、まぁ…変身した方が、安心だよな……?」

 

6人はデザイアドライバーのスロットに、レイズバックルをセットする。

 

 

《SET》

 

 

そして、変身ポーズを決め…

 

 

変身!!

 

翔「…。」

 

 

翔以外は『変身』と叫び、レイズバックルを起動させた。

 

《ARMED CHAIN ARRAY》

 

《ZONBIE》

 

《ARMED ARROW》

 

《ARMED HAMMER》

 

《MAGNUM》

 

《BOOST》

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

武が変身したのは、羊を彷彿とさせる『仮面ライダーメリー』だ。

 

ダパーン「な、なぁ…何かゾンビとジャマトが来てねぇか?」汗

 

ギーツ「あれだけ叫んだんだ、そりゃそうだろ…」

 

メリー「えぇっ!?な、何で言ってくんねぇんだよ!?」

 

ギーツ「少しは自分で考えろよ、バカたれ。」

 

ライダーへ変身が完了した直後、沢山のゾンビやジャマトがやってきてしまう。今回のジャマトは、如何にもゾンビな『ゾンビジャマト』だ。ギーツは装備した新武器『レイズチェーンアレイ』の鉄球をブンブン振り回し、ハンマー投げのように回転しながらゾンビ達に向かっていく。

 

ブォオオンッ!ブォオオンッ!

 

ドグシャアアァァッ!!ポタッ…ポタッ……

 

ゾンビ達は頭部を粉砕され、次々と倒れていく。

 

胡桃「おおぉぉっ!!スゲェなぁ!!」

 

由紀「あ、青空君カッコいい!!」

 

ギーツ「よっと…へぇ、コイツは良い。気に入った…」ジャラッ…

 

バッファ「成程、頭を狙えば良いのか。」

 

ダパーン「ま、ゾンビってのは頭が弱点って相場が決まってるだろうし……」

 

ギンペン「弱点さえ分かればこっちのモノだ。」

 

ナーゴ「そうですね。頭を中心に狙いましょう!」

 

メリー「よ、よし…」

メリー(ここで活躍すれば…!!)

 

ゾンビ及びゾンビジャマトの弱点が分かったところで、他のライダー達も続々とゾンビ達を殲滅にかかる。

 

バッファ「そらよっと!!」ヴオオォォンッ!!

 

ゾンビジャマトA「ウゥッ…!?」バタッ…

 

バッファ「はぁっ!!オラッ!!」ヴォォオオオオッ!!

 

ゾンビA「ウオォォ…」ドサッ……

 

バッファはゾンビブレイカーを振り回し、ゾンビ達の頭を粉砕していく。ナーゴもバッファに続き、ゾンビ達の頭をアームドハンマーで叩く。ギンペンとダパーンは遠距離攻撃で近接戦を行うライダー達を支援した。

 

メリー「おりゃっ!!って、あわわわわ!?」ブォォオオンッ!!

 

メリーも負けじとゾンビ達に立ち向かうが、ブーストレイズバックルの力が強く…逆に無様な姿を見せてしまうだけだった。

 

メリー(くそが…これじゃあ俺が一番の足手まといじゃねぇか!!こんな筈じゃ…)

 

ギーツ「よし…そんじゃ、進むぞ。」

 

ギーツを先頭にし、ショッピングモールの中に潜入する一同。案の定、中にはゾンビとゾンビジャマトの群れが徘徊している。

 

胡桃「奥に食料があるんだが…これじゃあ進めねぇじゃん……」

 

ギーツ「何弱音吐いてんだよ…だったら、道を作ってやろうじゃねぇか。」

 

胡桃「ち、ちがうし…燃えてくるって言いたかったんだよ…!」

 

ギーツ「それで良い…」

 

バッファ「あー、翔の奴…自分にも他人にも、滅茶苦茶厳しい性格なんだよ…あはは……」

 

由紀「どうしてそんなに厳しいの?」

 

ナーゴ「それだけ周りのことを考えてくれてるからですよ?」

 

ギーツ「そこ、私語は慎め。」

 

ダパーン「取り敢えず、俺と紫とお前は…この子達を守ろうぜ?」

 

ギンペン「意義なしだ。」

 

メリー「お、おぉ…」

メリー(おいおい、全然リーダーシップを発揮できねぇんだが…ま、発揮したことねぇけど…)汗

 

作戦として、ギーツ、バッファ、ナーゴが胡桃と共に近接攻撃で道を作り…ダパーン、ギンペン、メリーは他のメンバーを守りながら進んでいくモノだ。ギーツの合図で、近接担当はゾンビ達の殲滅を始める。討ち漏らしたゾンビ達は、ダパーンとギンペンが薙ぎ倒す。メリーは相変わらず調子が出ず、またも足を引っ張ってしまう。すると、1体のゾンビジャマトがメリーに遅い掛かって来る。

 

ゾンビジャマト「ウオォォ…!!」

 

メリー「う、うわああああぁぁぁぁっ!!」

 

ダパーン「ッ!!」

 

咄嗟にダパーンが、メリーの前に出た。その直後…

 

ゾンビジャマト「ガアアァァッ!!」ガブッ!!

 

ダパーン「うぎゃああぁぁっ!!」

 

ダパーンは右腕をゾンビジャマトに噛まれてしまった。

 

メリー「あ……あ…ああぁぁ……!!」

 

メリーはその場で尻餅を突き、戦意が消失してしまう。

 

ギーツ「ちぃっ!!」ダッ!!

 

ギーツはすぐにダパーンとメリーの救出に向かい、メンバー達に指示を出した。

 

ギーツ「食料の元に走れ!!」

 

ギーツの指示を聞いたメンバー達は、一斉に走り出す。そのタイミングで、ギーツはレイズバックルを起動させる。

 

《CHAIN ARRAY STRIKE》

 

アームドチェーンアレイを振り回し、ゾンビジャマトの頭を粉砕…ダパーンとメリーの救出に成功した。

 

ダパーン「わりぃ翔ちん、噛まれちまった…!」

 

ギーツ「早く行くぞ。」

 

メリー「……。」

 

ギーツ「お前もだよ、置いてくぞ?」

 

ゾンビ達をなぎ倒し、メンバー達の元へ向かう3ライダー達。

 

 

『MISSION CLEAR』

 

 

そして、無事に食料を確保できたのだが…

 

ダパーン「お、俺…ここで終わっちまうってのかよ……」

 

ゾンビジャマトに噛まれ、感染してしまったダパーンは落ち込んでいた。

 

バッファ「お、おい諒芽…噛まれたのか…?」

 

ダパーン「…あぁ。」

 

ナーゴ「そ、そんな…」

 

ギンペン「どうにかして、元に戻せないのか…?」

 

美紀「それならワクチンを」

 

ギーツ「無駄だ。」

 

美紀「…えっ?」

 

ギーツ「この世界のワクチンは、あくまでゾンビに対抗するもの…ゾンビとゾンビジャマトはちげぇんだよ。」

 

美紀の提案をバッサリと切り捨てるギーツ。

 

メリー「じゃ、じゃあ見殺しにするのかよ…!!」

 

ギーツ「は?誰が見殺しにするっつったよ?てかお前…スゲェバックル手に入れた割には、随分立派な足枷になってくれたなぁ?」

 

ギーツはそう言うと、メリーのデザイアドライバーから強引にブーストレイズバックルを取り外した。

 

メリー「なっ!?おい、それを返せ!!」

 

ギーツ「お前みてぇな奴にコイツは勿体ねぇ。コイツを使う前に、戦う覚悟を身に着けろカス野郎。」

 

メリー「…!!」

 

その時、ブーストレイズバックルが火を噴き、どこかへ飛び去って行ってしまった。ブーストレイズバックルは力が強力過ぎるが故に、1度しか使えないのだ。

 

悠里「あら、バックルさんが…!」

 

由紀「と、飛んでっちゃった…」

 

ギーツ「…ちっ。」

 

つい、舌打ちをしてしまうギーツ。彼は今、物凄く機嫌が悪い…

 

ダパーン「しょ、翔ちん…俺……」

 

ギーツ「まだだ。」

 

ダパーン「…へっ?」

 

ギーツ「まだ終わってねぇだろ…簡単に諦めてんじゃねぇぞこの野郎……」

 

ダパーンと目を合わせ、ギーツは言う。

 

ギーツ「諒芽…お前はどんなに絶望的な状況であっても、周りを励ますムードメーカーだ……俺に悪戯して、ゲンコツくらっても性懲りもなくまた繰り返す程の鋼のメンタルがある……普段のお前は、簡単に絶望しねぇはずだ…選ばれた以上、最後まで諦めんなよ?」

 

ダパーン「…へへ、そうだな…サンキュー翔ちん、元気出たぞ!!」

 

ギーツ「それでこそお前だ、諒芽。」

 

希望を取り戻したダパーンは、少しずつ立ち直って来ている。

 

ギンペン「ゾンビ化を戻す方法があるのか、翔?」

 

ギーツ「このゲームを終えることだ、そうすればゾンビ化が解けるかもしれねぇ。」

 

僅かな望みをかけ、このゲームを生き残る…そうすれば、諒芽の状態異常が解ける可能性がある。

 

 

 

デザイアグランプリにて、命を落とした者は脱落…世界からも存在を抹消される。



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5.パンダヒーロー!?

獲得した食料を、キャンピングカーに積んで行くメンバー達。

 

ギーツ「おいお前、丈槍っつったな?」

 

由紀「うん、どうしたの?」

 

ギーツ「お前の好物は何だ?」

 

由紀「うーん、カレーが好きかな?」

 

ギーツ「わかった。」

 

由紀に好きな食べ物を聞いたギーツは、胡桃の元へ向かう。

 

ギーツ「恵飛須沢、お前の好物は何だ?」

 

胡桃「あたしか?肉料理が好きだぞ、ハンバーグがイチオシだなぁ。」

 

ギーツ「わかった。」

 

その後、悠里と美紀の好物を聞くと…再びショッピングモールへと入って行った。

 

 

 

ギーツ(カレー、カレー…おっ、これか……よし、賞味期限は大丈夫だな。後はハンバーグ、ってここにあったか…後は、ミルクチョコとビスケットか……)

 

何をしているのかと言うと、学園生活部の4人の好物を取りに来ており、それぞれの好物を探しているのだ。

 

ギーツ(ビスケットはここにあったな、後はミルクチョコ…お、最後の1つか。)

 

メンバー達の好物を全て見つけたギーツは、彼女達が待つキャンピングカーへと戻った。

 

 

 

胡桃「おっ、青空ー!!」

 

悠里「どうして戻ったんですか?」

 

ギーツ「ん。」ガサッ…

 

ギーツは買い物カゴに入っている物を差し出した。

 

美紀「もしかして、私達の好物を聞いた理由は……」

 

由紀「探してきてくれたんだ!!わーい、ありがとう青空君♪」

 

ギーツ「…気にするな。」

 

それぞれの好物が手元に来たことで、メンバー達は喜んだ。すると…

 

 

『SECRET MISSION CLEAR』

 

 

ミッションクリアのアナウンスが聞こえ、ギーツの目の前にミッションボックスが現れた。中を開くと…

 

ギーツ「…へぇ。」

 

そこには、先程の戦いで飛び去って行ったブーストレイズバックルが入っていた。任務を完了した一同は、学園へと帰還した。

 

 

 

悠里「いいんですか、別々の教室で?」

 

翔「女の空間に男がいりゃあ、気ぃ遣うだろ?」

 

諒芽「俺もそうして貰えたら助かるかな〜…噛まれちまったしさ。」

 

メンバー達は学園生活部の4人とは別の教室を拠点にすることにした。

 

諒芽「ぜぇ…ぜぇ……」ビキビキ…

 

翔「大丈夫か、諒芽?」

 

諒芽「大丈夫…へへっ、翔ちんが人を心配するとは珍しいな。」

 

翔「…ほざけ。」

 

諒芽の右腕には、ヒビが入ったような傷ができており…紫色の裂け目が見えている。

 

翔(くそ……第3ウェーブはまだか…?早くこのゲームをおわらせなければ、諒芽は……)

 

この世界に飛ばされる前、ヘルメスから説明があったように…ゾンビジャマトに噛まれれば、ライダーに変身していようがそうで無かろうが感染してしまう。更に、ゾンビ化は進行していき…最終的には、ゾンビになってしまうのだ。元に戻す方法が分からない以上、ゲームを終えることに賭けることにしたのだ。

 

武「……。」

 

翔「さて、おいてめぇ…いつまでそこに突っ立ってんだよ、さっさと消えろよ。」

 

翔は近くにいる武を睨みながら言う。

 

翔「お前がデザイアグランプリに参加したのは、自分の理想の世界を…つまり、美女達とハーレムでも築きてぇってか?」

 

武「…!!」

 

翔「どうやら図星のようだな…参加することも何を願うかも勝手だが、せめて命とのやり取りをするっつー覚悟を持ってからエントリーすると良いだろうよ。」

 

翔に責められ、武はだんまりしている。

 

友香「しょ、翔さん…」

 

紫「…翔。」

 

武「な、なぁ…誰も、庇ってくれねぇのか…?」

 

情けなく呟く武は、既に涙目になっている。

 

一海「いやいや、庇ってくれねぇのかって…お前なぁ……」

 

翔「所詮は腰抜けか…全く、どんな審査してんだよ……まぁ良い…いつまでもそんなんじゃ、脱落すんのも時間の問題かもな?」

 

何故翔が武にここまでキツく当たるのかと言うと…諒芽はありのままの自分を受け入れた数少ない友人である。その友人がゾンビになってしまうことに寂しさを感じ、そうなったのは武の責任だと思っているからだ。

 

 

 

次の日…

 

アフロディーテ『皆様、第3ウェーブです。頑張ってくださいね!!』

 

翔「待てよ。このゲームを終えれば、諒芽のゾンビ化は無くなるんだろぉなぁ!?」

 

ヘルメス『無くなるぞ。決して諦めるなよ?』

 

翔「よし、そんじゃ行くか。」

 

諒芽「なぁなぁ翔ちん、俺にやらせてくれるか?試してぇことがあるからさ。」

 

翔「…まぁ良いだろう。但し、死ぬなよ?」

 

諒芽「死にやしねぇってw」

 

前方には、数多のゾンビやゾンビジャマトがウジャウジャいる。諒芽はデザイアドライバーにマグナムレイズバックルとウォーターレイズバックルを取り付け…

 

《SET》

 

諒芽「変し…っとと、デケェ声出しちゃ駄目なんだよな?」汗

 

レイズバックルを起動させる。

 

 

《DUAL ON》

 

《MAGNUM》

 

《ARMED WATER》

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

ダパーン「っしゃあ、行くぞー!!」

 

仮面ライダーダパーンへと変身した諒芽は、ゾンビ達の群れへと走っていく。マグナムシューター40Xをレイズバックルホルダーに収納し、アームドウォーターの拡張武器である水鉄砲『レイズウォーター』を持つと、そこから水を発射する。

 

ダパーン「くらえぇっ!!」ドドドドドッ!!

 

勢いよく吹き出た水は、ゾンビ達を押し退けたのだが…

 

ダパーン「…って、あら?」汗

 

その直後、水の勢いが急激にダウンし…レイズウォーターからは少しだけ水が出てきている。

 

一海「マズイ…逃げろ諒芽!!」

 

翔「あっ、バカ…!!」

 

危機を感じた一海はダパーンにそう叫ぶ。すると、ゾンビ達が一斉にこちらへ走ってきた。

 

翔「…ん?」

翔(待てよ、ゾンビ共は何故諒芽を狙わないんだ…?)

 

ゾンビ達はダパーンに目もくれず、こちらへ向かって来ている。

 

翔(…成程、そういうことか。)

 

ダパーン「あっ!?おい待て!!お前らの相手は俺だよ!!あっ、おい待て待て待て待て!!」

 

ダパーンは左手にマグナムシューター40Xを装備し、ゾンビ達の頭をレーザーで撃ち抜いて行く。

 

ダパーン「これ、鈍器にもなるんじゃね?オリャッ!!」ガツンッ!!

 

ゾンビA「ウゥッ…」ドサッ…ドロォ……

 

ダパーン「おぉおぉ、こっちの方が良いかもしれねぇな!!へへっ、よっ!!どりゃっ!!」ガツンッ!!ゴンッ!!

 

ゾンビ達に狙われないことを良いことに、ダパーンは無双を始める。

 

ダパーン「よいしょおっ!!」ゴォンッ!!

 

ゾンビジャマトa「オォウ……」ドサッ…

 

ダパーン「せーのっ、でりゃあっ!!」ガツゥンッ!!

 

ゾンビB「ガァ…」バタッ…

 

ダパーン「オリャオリャオリャオリャアアァァッ!!」グルルルルッ!!

 

ドガガガガガッ!!

 

ゾンビ達「ギャッ!!」「ゴアァ…!」「グギャアッ!?」

 

たった1人で、沢山のゾンビ達を圧倒するダパーン。

 

紫「諒芽…何故ゾンビに狙われないんだ?」

 

翔「簡単なことだ…」

 

友香「翔さん、分かるんですか?」

 

翔「アイツはゾンビに噛まれたことで、感染した…つまりだ、ゾンビ達からアイツは仲間って認識されているから、ゾンビに襲われねぇんだ。」

 

ゾンビジャマトに噛まれたことで、半ゾンビになっている諒芽は…ゾンビと認識されているため、ゾンビ達から全く襲われないのだ。だからこそ、やりたい放題ができているのだ。

 

由紀「皆…!」

 

胡桃「って、あのパンダみてぇな奴…ゾンビ達を圧倒してるぞ…!!」

 

美紀「す、スゴイです…ゾンビ達の群れが、どんどん減ってる…!!」

 

悠里「あら…あらあらあら…!!」

 

そこに、学園生活部の4人が合流する。

 

翔「手出しはするな…今の諒芽、いや…仮面ライダーダパーンなら、大丈夫だ。」

 

胡桃「へぇ…ダパーンっていうのか。」

 

由紀「スゴイスゴイ!パンダのヒーローって、かわいいしカッコいい!!」

 

翔「バカ、叫ぶな…!」

 

由紀が思わず叫んだことで、ゾンビ達がまたこちらへ向かって来る。

 

ダパーン「行かせねぇぞ!!」ダッ!!

 

ダパーンはレイズウォーターとマグナムシューター40Xを鈍器として、ゾンビ達の頭を殴り、次々とゾンビ達を撃破していく。

 

ダパーン「よぉし、トドメだ!!」

 

すかさずダパーンは、レイズバックルを起動させると…装備している武器の銃口をゾンビ達に向ける。

 

 

MAGNUM WATER VICTORY

 

 

ドライバーから音声が響いた直後、ダパーンはトリガーを引く。

 

ダパーン「必殺・ライダーダブルガトリングウウウウゥゥゥゥッ!!」

 

ドゥルルルルルルルッ!!

 

 

マグナムシューター40Xとレイズウォーターからは、大小長短の赤いレーザーと青の水が、まるでガトリングガンのように連射された。ダパーンが放った必殺技により、ゾンビ軍団は全滅した。

 

 

 

諒芽「ふぃ〜、スカッとしたぜぇ…」

 

アフロディーテ『おめでとうございます、これにて今回のゲームはクリアとなります!!』

 

アフロディーテのアナウンスが入ると、諒芽の傷が浄化され…元に戻ったのだった。

 

諒芽「んおっ!?翔ちんやったぜぇ!!元に戻った!!よっしゃああああっ!!健康って素晴らしーーーー!!」

 

翔「…ふん、調子の良い奴だ。」

 

一海「とか言っちゃって、本当は嬉しいんだろ?」

 

翔「うっせぇわ。」

 

紫「ともかく、諒芽が元に戻って良かった。」

 

友香「はいっ!これでまだ、ずっといられますね♪」

 

最悪な終わりは避けられ、全員が無事だった。その時、6人の身体が光り始める。

 

美紀「ど、どうしたんですか!?」

 

翔「ゲームは終わった…俺達はこの世界を去ることになるんだ。」

 

悠里「お別れ…ってことですか?」

 

翔「そうだ。短い間だったが、世話になったな。」

 

由紀「えぇっ!?そんなの、嫌だよ…折角仲良くなれたのに…!!」

 

胡桃「そ、そうだ!!そんな、悲しいこと…言うなよぉ…!!」

 

翔「泣くんじゃねぇよ、2度と逢えねぇって訳じゃねぇんだから。」

 

世話になったこの世界の住人達に、翔は1つの願いを告げた。

 

翔「どんなに絶望的な状況に追い詰められても、最後まで諦めるな…僅かな希望さえ捨てなければ、必ず報われる。よぉく覚えておけよ?」

 

光が強くなって来た時…

 

 

翔「…またな。」グッ!

 

 

…と、翔がサムズアップし…6人のライダー達は姿を消していった。

 

悠里「…皆、青空君の言葉…しっかり聞いたわね?」

 

由紀「グスッ…う、うん…!」

 

胡桃「ヒック…も、もぢろんだ…!!」

 

美紀「これからも、私達は…生き続けましょう。未来のために、平和のために…そして、ずっと一緒に居られるように…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘルメス「よく戻って来てくれた、これが君達のスコアだ。」

 

諒芽「やったぜぇ!!また1位だぁ!!」

 

翔「…2位か。」

 

今回の戦いも、諒芽がトップだった。前回ビリだった翔は、2位となった。一海、紫、友香もそれなりにスコアを稼げていた。ただ、武だけは全くスコアを稼げず、ビリとなってしまった。

 

アフロディーテ「次の戦いまで、ゆっくり休んでくださいね♪」

 

こうして、今回の戦いは一先ず終わった…しかし、ジャマト達はいつ現れるか分からない。それに、ジャドウがまだ現れていない…世界の平和は、ライダー達に託されているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、とある世界では……

 

???1「へぇ、デザイアグランプリか……なんだか、面白そうだな。」

 

???2「デザイアグランプリ…最後まで生き残った奴には、1つだけ願いも叶えられるか……これなら、俺の野望が叶う…!!」

 

2人の男が、デザイアグランプリのお知らせを見ていた。彼らは一体、何者なのだろうか……



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6.神経衰弱

今回の舞台は、超人気アプリにもなっているアニメの世界です。


ヘルメス「よくぞ集まってくれた、ライダーの諸君。」

 

翔「随分とまぁ偉そうだな…」

 

ヘルメス「実際偉いからな。」

 

武(何だ、このシュールな光景……)汗

 

ヘルメスと翔のやり取りを見て、困惑する武。

 

一海「今回もゲームをやるんですか?」

 

ヘルメス「その通り、今回はこのゲームをやってもらう。題して『神経衰弱』だ。」

 

今回のゲームは、ステージ内にいるトランプジャマトを倒すという内容だ。

 

アフロディーテ「今回、新たに2人の参加者が参りました。では、どうぞお入りください。」

 

アフロディーテがそう言うと、彼らの前に2つの光柱が出現し、そこから2人の男が出てきた。

 

幸喜「よぉっ!!俺は幸喜…『仲本(なかもと) 幸喜(こうき)』、いつか世界中の人達と友達になる男だ!!」

 

男「……。」

 

右にいる黒いリーゼントヘアーが特徴の少年『仲本 幸喜』は自己紹介をするとニカッと笑う。彼の隣りにいる坊主頭の男は、黙っている。

 

翔「俺は青空 翔…おいそこの坊主、名前ぐれぇ名乗ったらどうだ?」 

 

男「…ケッ……」

 

幸喜「おいおい孝志、翔の言う通りだぜ?自己紹介ぐらいしろよな?」

 

男「うっせぇなぁ…『田中(たなか) 孝志(たかし)』……これで良いだろ?」

 

反抗的な態度を取る坊主頭の少年は『田中 孝志』と名乗った。

 

ヘルメス「今回はチーム戦、くじ引きで二人一組のペアを組んで貰う。まずは諒芽、お前からだ。」

 

諒芽「おっ、どれどれ?」

 

諒芽が引いたのは、バッファのコアIDが書かれたボールだった。

 

諒芽「一海ぃ、よろしくな〜!」

 

一海「おう、よろしく。」

 

ヘルメス「次は翔の番だ。」

 

翔「……。」コツ…コツ……

 

翔が引いたのは、何やら狸のライダーズクレストが書かれたボールだった。その人物は…

 

ヘルメス「翔、お前のペアは仲本 幸喜だ。」

 

幸喜「おっ、マジで!?よろしくな翔!!」

 

フレンドリーに話しかける幸喜だが、翔はこれを嫌がった。

 

翔「気安く名前を呼ぶな、あと触るな。」

 

幸喜「あぁ、ワリィワリィ。」

 

その後、紫と友香ペア…武と孝志ペアが完成し、5チームとなった。

 

アフロディーテ「今回、1チームに1つのレイズバックルを支給致します。仲良く使ってくださいね?」

 

アフロディーテがそう言うと、8人は戦いの舞台へと飛ばされた。

 

 

 

…翔&幸喜 side…

 

翔と幸喜ペアが降り立ったのは、何やらライブステージと思われる広い場所だった。

 

幸喜「うぉっ!?ここってライブ会場か!?」

 

翔「……。」

 

落ち着きが無い幸喜とは反対に、翔は落ち着いていた。

 

少女1「ねぇねぇ、あの人達何だろう?」

 

少女2「まさか、変質者?」

 

少女3「ら、蘭ちゃん…いきなりそれは失礼だよ……」汗

 

少女4「でも、どっちもカッコ良くない!?」

 

少女5「うんうん、優しそうだし…るんっ♪と来る!!」

 

観客「何だ、あの少年達は?」「演出の人?それともダンサー?」

 

いきなり翔と幸喜が現れたことで、周りは混乱し始める。そこに、ジャマト達が乱入してきた。

 

ジャマト「「「ジャッ♪ジャッ♬」」」

 

シルクハットを被り、トランプの裏側模様の衣装で、自身のトランプのスートを隠している。槍を武装しているが… 彼らは襲ってくる様子を見せず、左右に揺れるようなダンスを踊っている。

 

翔「…ちっ、来やがったか。」

 

翔はデザイアドライバーにチェーンアレイレイズバックルをセットする。

 

幸喜「よしっ、俺も!!…あ、ヤベ…レイズバックルが……」

 

翔「これを使え!!」ヒュンッ!

 

翔はシールドレイズバックルを幸喜に投げ渡した。

 

幸喜「サンキュー翔!!」パシッ…

 

翔からレイズバックルを受け取った幸喜も、デザイアドライバーにレイズバックルをセットした。

 

 

《SET》

 

翔「変身。

 

幸喜「変身!!

 

《ARMED CHAIN ARRAY》

 

《ARMED SHIELD》

 

READY FIGHT!!

 

 

翔は仮面ライダーギーツに変身し、幸喜は狸を彷彿とさせる戦士『仮面ライダータイクーン』に変身した。

 

少女A「わぁ、変身したわ!!」

 

少女B「あれはまさに、異界からの使者…!!」

 

少女C「ちょっ、写真写真!!」

 

少女D「す、すげぇ…!!」

 

仮面ライダーへの変身が完了すると、周りがザワザワし始める。ギーツはそれを全く気にすることなく、鉄球を振るってジャマトを攻撃する。タイクーンは緊張しながらも、シールドを攻撃にも防御にも上手く使う。

 

ギーツ「ムンッ!!」ブォンッ!!

 

ドッゴオオォォッ!!

 

ジャマト「ジャッ!?」

 

ギーツがジャマトを撃破すると、ダイヤのマークが浮き出た。

 

タイクーン「よっと!!」ドカァッ!!

 

ジャマト「ジャッ!!?」

 

タイクーンがジャマトを撃破すると、スペードのマークが浮き出た。ジャマトが倒れ、周りからは拍手が飛び交うが…何故かジャマトは起き上がり、踊りだす。

 

タイクーン「あれっ!?倒せてねぇのか!?」

 

ギーツ「これは神経衰弱だ、同じマークの奴を倒さねぇと死なねぇよ…てかお前、話ぐれぇ聞いとけよ。」汗

 

タイクーン「おっ、そうか。」汗

 

ギーツはチェーンアレイの鉄球をグルグルとぶん回し、タイクーンはファイティングポーズを取っている。

 

ギーツ「俺はあのジャマトを潰す、お前はさっきのジャマトを潰せ。」

 

タイクーン「おうよ!!」

 

ギーツは奥にいるジャマトに向かって鉄球を投げた。タイクーンはさっき倒したジャマトをもう一度倒した。すると、スペードとスペードが現れ、2体のジャマトが消滅した。

 

少女1「やったぁ!!悪者をやっつけたよ!!」

 

少女E「あの白いの、オッちゃんみたい。」

 

少女F「あの2人のヒーロー、一体何者なのかしら?」

 

ジャマトを倒した2ライダーに、関心を示す少女達。観客は歓声をあげている。

 

タイクーン「成程、おんなじマークのジャマトを同時に倒せば良いのか。」

 

ギーツ「だから言ったろ、神経衰弱だって…」汗

ギーツ(コイツ、よく見ると諒芽みてぇな野郎だな…)

 

タイクーン「って、この箱に入ってるレイズバックル…何か強そうじゃね!?なぁなぁ翔、これって当たりか!?当たりなのか!?」

 

タイクーンが開けたハテナミッションボックスには、ブーストレイズバックルが入っていた。

 

ギーツ「知らん、後気安く名を呼ぶんじゃねぇ。」

 

 

…翔&幸喜 side…

 

 

 

諒芽「へぇっくしょおい!!」

 

一海「おい、大丈夫か?」汗

 

諒芽「誰かに噂されてるっぽい…」

 

諒芽がくしゃみをした後、ジャマト達が踊りながら登場した。

 

諒芽「って、なんだぁ!?あのジャマト達!?」

 

一海「早く倒そうぜ!!」

 

一海は仮面ライダーバッファに、諒芽は仮面ライダーダパーンに変身…ジャマトの撃破を開始するが……

 

ダパーン「へへ〜ん、どんなもんよ!!」

 

ジャマト「ジャッ♪ジャッ♬」

 

ダパーン「…えっ?」

 

バッファ「コイツら、不死身なのか!?」

 

ダパーン「そうだ!このレイズバックル使おうぜ!!」

 

バッファ「よ、よし…!」

 

支給されたレイズバックルを使い、何度も撃破を試みたが…ジャマトはムクッと起き上がり、彼らを嘲笑うかのように踊る。

 

ダパーン「えぇ〜!?何なんだよコイツらぁ!!」大汗

 

バッファ「どうしたら良いんだ…」汗

 

 

 

一方、紫&友香ペアは…

 

ナーゴ「さぁ、早く安全な場所へ!」

 

ギンペン「ッ!!」バシュッ!バシュッ!

 

ナーゴが一般人の避難誘導をし、ギンペンはジャマト達を攻撃して足止めしていた。やがて、ナーゴも参戦し…支給されたクローレイズバックルを駆使してジャマトを倒す。だが…

 

ムクッ…

 

ジャマト「ジャッ♪ジャッ♬」

 

ギンペン「何ッ!?」

 

ナーゴ「そ、そんな…!!」

 

何度撃破しても起き上がるジャマトに、混乱していた。

 

 

 

武と孝志ペアはというと…

 

メリー「バカッ!お前がそっちを倒せよ!!」

 

シロー「うっせぇ!!どれを倒したって同じだろうが!!」

 

お互い自分勝手な性格なのが災いし、中々連携が取れずにいた。孝志が変身しているのは、シロクマを彷彿とさせる戦士『仮面ライダーシロー』だ。

 

メリー「てか、そのレイズバックル使わせろって!!」

 

シロー「お前みてぇな無能が使うより、有能な俺が使った方が良いんだよ!!」

 

彼らに支給されたのは、アローレイズバックル…仲良く使うどころか、取り合いっ子を始めていた。

 

ジャマトA「ジャッ♪ジャッ♬」

 

一般人a「いやっ!!離して!!」

 

一般人b「aちゃん!!」

 

ジャマトB「ジャッ!!」ドカッ!

 

一般人b「がっ!?」ドサッ…

 

2人のライダーが取り合いをしている間に、カップルの一人が拐われてしまう。彼氏は彼女を助けようとしたが、もう1体のジャマトに攻撃され、気絶してしまった。

 

一般人a「bくーん!!」

 

一般人aの叫びも虚しく、彼女はどこかへ連れて行かれてしまった。

 

 

アフロディーテ『一般市民の救出に失敗したため、ペナルティをかけます。』

 

 

アフロディーテのアナウンスが響くと、メリーとシローを黒い煙が包んだ。

 

メリー「ぬおっ!?な、何だこれ!?」

 

シロー「か、身体が…重く……」

 

それは、グラヴィティ・スモッグと呼ばれる物で…吸ってしまうと一時的に身体が重くなってしまうのだ。

 

 

 

第一ウェーブが終了し、ライダー達は休憩することに…

 

サクラ「翔さん、何か飲み物はいかがですか?」

 

翔「おうサクラ、何があるんだ?」

 

サクラ「ほうじ茶、緑茶、ココア、コーヒーがありますよ♪」

 

翔「そんじゃ、コーヒーだな…ブラックで頼む。」

 

サクラ「はいっ!」

 

アヤ「一海、あんたも何か飲む?」

 

一海「あぁ、そうだな…ほうじ茶にすっか。」

 

アヤ「OK、諒芽は?」

 

諒芽「俺はココア!!セツナさんとカナさんからの魔法のおまじないもつけてな!!」

 

アヤ「えぇっと……取り敢えず、ココアね?」

 

レイナ「紫、友香、貴女達もドリンクはいかがかしら?」

 

紫「良いのか?では、緑茶にしよう。」

 

友香「私はコーヒーにします、お砂糖とミルクもお願いします。」

 

レイナ「わかったわ。」

 

休憩室では、DOOLSやNumbersのメンバー達が接客をし、ドリンクを作っている。

 

ミア「君は確か…仲本 幸喜さんだったよね?何飲む?」

 

幸喜「おっ!?良いのか、へへっサンキューな。ほうじ茶で!!」

 

ミア「そちらのお二人さんは?」

 

武&孝志「「……。」」

 

ミア「いらないの?」汗

 

翔「口がねぇ奴はほっとけ。」

 

孝志「あるわ!!」

 

翔「じゃあ何が飲みてぇのか言えよ、聞いてんだろうが。」

 

孝志「何でも良いわ…」

 

武「俺もおまかせで…」

 

ミア「は〜い、後翔さん、ありがとね♪」

 

ミアは翔にウィンクし、奥へと引っ込んだ。間もなく、ドリンクが運ばれて来た。

 

翔「……。」

 

シオリ「翔君、お味はいかがですか?」

 

翔「…あぁ、美味い。」

 

一海「てか、今回はどこの世界なんだ?」

 

ヘルメス「今回の舞台は【BanG Dream!】の世界だ。ジャマト達を食い止められるのは、君達だけだからな。」

 

諒芽「非戦闘キャラのみの世界かぁ…まいっか。」

 

紫「どんな世界だろうが、ジャマトには消えて貰わなければな…」

 

友香「えぇ、皆が平和に暮らせるためにも…ですね!」

 

孝志「バンドリの世界!?香澄ちゃんいねぇかな?」

 

武「さよひなに会いて〜……」

 

今回の舞台は、戦いの無い平和な世界…この世界にも、ジャマトの魔の手が伸びていた。




仲本 幸喜…16歳、男。

変身ライダー…仮面ライダータイクーン

モチーフ…仮面ライダーフォーゼの主人公、如月弦太朗


世界中の人達と友達になることを夢見て、デザイアグランプリに参加した転生者。正義感が強く、優しくて面倒見が良い性格だが…お調子者でツメが甘い所も……また、運動が好きで身体能力が高い。


イメージCV…福士 蒼汰さん


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7.仮面ライダー失格

カフェテラスにて腹ごしらえを済ませたライダー達。

 

武(さよひなってさぁ、高校が違うからなぁ…ブーストがあればすぐに会えるのに……)

 

孝志(香澄ちゃんや彩ちゃんに会ったらど〜しよっかなぁ〜……ぐへへ、握手してそのまま結婚式にそれからそれから…♪)

 

翔「……。」

 

誰もいない廊下で怪しげに笑う2人の男を、翔は柱の陰から見ていた。

 

翔(ありゃジャドウだな…おいヘルメス、何故ジャドウを参加させたんだ?)

 

ヘルメス(そうした方が退治し易いだろう?このデザイアグランプリに参加するには、全ての転生特典を捨てるという条件がある。勝てば何でも願いが叶う……物事にはメリットとデメリットが付き物だと言うだろう?)

 

翔(そうだな。だが、グランプリ参加者同士の攻撃は違反だろ?)

 

ヘルメス(原則違反だ。但し、一定の条件を満たせば大丈夫になる。)

 

翔(そうか。)

 

ヘルメス(もうすぐ次のウェーブが始まる。では、頑張りたまえ。)

 

ヘルメスとのテレパシーを終え、立ち去っていく翔。特訓場に着くと、そこには幸喜の姿があった。

 

幸喜「おっ!翔じゃねぇか!!」

 

翔「タイクーン、ここで何をしている?」

 

幸喜「何って、特訓だよ特訓。ジャマトだったっけ?ともかく、敵がどんどん強くなるなら、こっちも強くならねぇと行けねぇしさ。」

 

翔「……。」

翔(コイツの目は、爛々と光っている…世界中の奴らとトモダチになりてぇってのは、本当のようだな。)

 

これまで、多くの罪人達を見てきた翔。それだけではなく、Dollsやドールハウスの関係者等の良い人達も見てきたため、良い人間と悪い人間の区別ができるようになっている。

 

幸喜「同時に倒すって、息を合わせねぇとダメだもんな…あ、そうだ……」

 

何かを思い付いた幸喜は、スパイダーフォンから音楽を流し始めた。それは、『T〇E B〇UE HEA〇TS』『リ〇ダリ〇ダ』という歌だった。

 

幸喜「なぁ翔!次のジャマト戦で、これ流しても良いか?音楽があればさ、息も合わせやすくなるだろうし…何より、何も無いよりかはマシになるだろ?」

 

翔「…勝手にしろ。」

翔(音楽で息を合わせるか、ソイツは面白い…)

 

翔は音楽に合わせて動きを取る幸喜を見ることにした。手足の動きや、筋肉の僅かな振動も見逃さず、細かく観察した。

 

幸喜「よっと!!よぉし、決まったぜ!!」

 

やりきった幸喜は、いい笑顔を見せていた。

 

アフロディーテ『皆様、ジャマトが現れました。これより、第2ウェーブに入ります。』

 

アフロディーテのアナウンスが入った後、ライダー達は現場に召喚された。

 

 

 

召喚されたのは、【BanG Dream!】の世界にある施設『CiRCLE』と呼ばれるライブハウス前だ。

 

香澄「あっ!?あの人達って…あの時の!!」

 

あこ「あの変わったベルトを付けてるってことは……」

 

日菜「あのルンッ♪と来るヒーローに変身するのかな?」

 

彩「あっ、何か出したよ!」

 

バンドリに登場する少女達に見守られながら、8人はデザイアドライバーにレイズバックルを装填し、各々変身ポーズを取る

 

《SET》

 

 

変身!!

 

 

《ARMED CHAIN ARRAY》

 

《ARMED SHIELD》

 

《ZONBIE》

 

《MAGNUM》

 

《ARMED ARROW》

 

《ARMED CROW》

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

翔と幸喜、一海と諒芽、紫と友香はスムーズに変身したが……

 

武「これ寄越せって!!」

 

孝志「バカヤロ、やめろ!!」

 

武と孝志は相変わらず、レイズバックルの取り合いをしている。

 

タイクーン「おーし、行くぜ翔!!」

 

ギーツ「はいよ…」

 

タイクーンはスパイダーフォンを操作し、音楽を流す。

 

バッファ「何だ!?」

 

ダパーン「お、音楽…?」汗

 

突然流れ始める音楽に、他のライダー達は困惑する。そんな彼らをよそに、ギーツとタイクーンは音楽に合わせて連携技を始める。そして、ハートのジャマトペアを撃破した。

 

ギンペン「成程…同じ柄のジャマトを!」

 

ナーゴ「紫さん、私達も行きましょう!!」

 

ダパーン「よーし、弱点が分かればこっちのもんだぜ!!」

 

バッファ「よし、俺達も行こう!!」

 

ギンペンとナーゴはクローバー柄のジャマトを、ダパーンとバッファはスペード柄のジャマトを撃破に成功した。その時、新たなトランプジャマトが2体現れ、ダンスを踊り始めた。

 

シロー「アイツらは俺が潰す…ッ!!」

 

すると、シローはナーゴに近づき…

 

ドカッ!!

 

ナーゴ「きゃっ!?」

 

シロー「へへっ、コイツぁ貰うぜ?」

 

ナーゴを突き飛ばし、彼女からクローレイズバックルを強奪し、レイズクローを装備した。

 

 

『参加者への攻撃は違反行為です。スコアを減点します。』

 

 

シロー「へっ!!んなことどうだっていいんだよ!!」

 

シローはジャマト達目掛けて走り…

 

シロー「オラッ!!どらぁっ!!」ザシュッ!ザシュッ!

 

ジャマト達を乱暴に攻撃した。

 

バッファ「友香!!…あのやろぉ!!」

 

恋人が突き飛ばされた事に腹を立てたバッファは、ゾンビブレイカーを握りしめてシローの元に行こうとした。

 

ダパーン「やめろ一海!!」

 

慌てて彼を抑えるダパーン。

 

バッファ「離せ諒芽!!アイツをぶっ潰さねぇと気がすまねぇんだよ!!」

 

バッファは抵抗し、ダパーンから逃れようとする。

 

ギンペン「一海、1度落ち着け!!」

 

ナーゴ「そうです!私なら大丈夫ですから!!」

 

バッファ「けど!けどよぉっ!!」

 

ギンペンとナーゴもダパーンと一緒にバッファを止めるも、バッファは中々落ち着かない。

 

モカ「ありゃ〜、喧嘩かな?」

 

つぐみ「と、止めないと…!」

 

紗夜「ダメです、相手は何をするかわかりません。」

 

ましろ「じゃ、じゃあどうすれば…!」

 

揉めるライダー達を見て、少女達は困惑する。

 

ギーツ「…。」

 

タイクーン「な、なぁ翔…あれ、止めなくて良いのか?なんか、マズいような……」

 

ギーツ「手出しはするな…」

 

ギーツはそんな彼らを止めず、ただ見ているだけである。

 

ギーツ「タイクーン、お前には分かるか?大切な奴を傷付けられた気持ちが……」

 

タイクーン「大切な奴を、傷付けられた気持ち……」

 

ギーツは両手の拳をギリリと握りしめていた。

 

ギーツ「タイクーン、ちっとお前を頼る。」

 

タイクーン「えっ?」

 

ギーツの言葉に、最初は戸惑ったタイクーンだったが…すぐに察し、レイズバックルを起動させる。

 

《SHIELD STRIKE》

 

直後、ギーツが空中に飛び上がった。そして、タイクーンのレイズシールドを踏み台にし、更に高くジャンプする。

 

《CHAIN ARRAY STRIKE》

 

そして、巨大化した鉄球を思い切り地面に叩き付けた。すると、それは凄まじい衝撃波となり、ジャマト達とシローに襲い掛かった。

 

ジャマト「「ジャアアァァッ!?」」

 

シロー「へっ?どわぁっ!?」

 

最後のペアジャマト『ジョーカージャマト』を倒し、シローへの報復に成功した。

 

『MISSION CLEAR』

 

ギーツ「一海!!そこまでだ!!」

 

バッファ「ッ!?」

 

ギーツの怒鳴り声を聞いたバッファは、漸く大人しくなった。

 

ギーツ「お前は熱くなりすぎなんだよ、後周りを見ろバカタレ。」

 

燐子「け、喧嘩…終わった、みたいですね……」

 

瑠唯「全く、あれでヒーローなんて…みっともないわ……」

 

薫「これもまた、儚いモノだ。」

 

少女達の言葉を聞き、一気に恥ずかしくなるバッファ。

 

ギーツ「恥をかくのはお前だけじゃねぇ、俺達もだ…」

 

バッファ「み、みんな…ごめん……」

 

事の重大さに気付いたバッファは、漸く謝罪した。その時… 

 

メリー「ッ!!」ガシッ!!

 

タイクーン「あっ!?」

 

メリーがタイクーンからブーストレイズバックルを強奪した。そして、ブーストレイズバックルをセットし、ライダー達に襲い掛かって来る。

 

メリー「ヒヤッハァァアアアアッ!!」

 

ギーツ「ぐっ!?」

 

タイクーン「おわっ!?」

 

バッファ「がぁっ!?」

 

ダパーン「いでっ!?」

 

ギンペン「ぐあっ!?」

 

ナーゴ「あうっ!?」

 

メリーから攻撃され、地面を転がるライダー達。

 

メリー「へっへっへっへっ、これで俺が優勝だ!!」

 

メリーはブーストレイズバックルのハンドルを捻り、必殺技を発動しようとする。すると…

 

ヘルメス「そこまでだ。」

 

ヘルメスが現れ、ブーストレイズバックルを解除した。メリーのドライバーから外れたブーストレイズバックルは、どこかへ飛び去って行った。

 

武「な、何すんだよ!?」

 

ヘルメス「そんなことをしなくても、脱落する者はいる。だからコヤツらを攻撃する必要はない。」

 

武「何だよ…んなこと早く言えよな?」

 

ヘルメス「今回の脱落者は2名…それは……」

 

ヘルメスは2人の人物を指差した。

 

 

ヘルメス「メリー、シロー…貴様らは脱落、仮面ライダー失格だ。」

 

 

武「…は?」汗

 

孝志「待てよ…な、納得行かねぇ…ちゃんと説明しろ!!」

 

ヘルメス「簡単なことだ、ジャマトを倒してスコアを獲得していないからだ。最下位だった者は脱落だからな。」

 

ヘルメスがスコア表を見せると、1位は700ポイントのギーツ&タイクーンペア…最下位は0ポイントのメリー&シローペアだった。

 

ヘルメス「では、さらばだ…」パチンッ…

 

ヘルメスが指を鳴らすと、メリーとシローのコアIDが消滅……武と孝志の身体が消滅し始める。

 

 

武「そんな、嫌だ…イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイy…!!

 

孝志「お、俺は…こんなところで、終わるわk……!!

 

 

やがて、武と孝志は消滅した。

 

ヘルメス「ゲームは終了だ、しばらく休むと良い。」

 

ヘルメスはそう言うと、姿を消した。

 

一海「翔……さっきの奴ら、どこに行ったんだろうな…?」

 

翔「アイツらはジャドウで間違い無い…多分、地獄の刑務所にでもぶち込まれたんだろ。」

 

消滅した武と孝志は、どうなったのかは分からない…翔の推測では、地獄へ行ったのだろうと思われる。

 

ヘルメス『折角だ、バンドリのヒロイン達と交流するのはどうだ?』

 

翔「断る、あんなん見せられたら交流する気失せるわ。」

 

翔の言葉を聞いた他のメンバー達も、この世界から去っていった。

 

 

 

有咲「で、アイツら一体何だったんだ?」

 

沙綾「さ、さぁ…」

 

ひまり「かめんらいだーって、言ってなかった…?」

 

友希那「仮面ライダー、名前だけは聞いたことあるわ……」

 

はぐみ「でもでも、かっこ良かったよね!!あの衣装、ライブでよ取り入れて見ない?」

 

こころ「とっても素敵なアイデアね!!」

 

花音「ふえぇぇ…あ、あれ着るのぉ…?」

 

美咲(私はいつも着てるんだけど…)汗



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8.束の間の休息

デザイアグランプリを一先ず終え、まったりする時間を得られたライダー達。そんな彼らは今、サロンの中にあるカフェテリアで腹ごしらえをしていた。

 

幸喜「むぐっ!?む、むぐぁい!!」

翻訳(んぐ!?う、美味い!!)

 

翔「せめて飲み込んでから喋れ…」

 

幸喜「むごぉっ!!…っ!?」

 

慌てて食べていた幸喜は、胸部をトントンと叩く。どうやら、喉に詰まらせかけたようだ。

 

深雪「慌てて食べると、喉に詰まらせてしまいますよ?」コトッ……

 

深雪が幸喜の側に水を置くと、彼は一気に飲み干した。

 

幸喜「ぶはぁ…し、死ぬかと思ったぜ……」

 

翔「死にかけたのは事実だけどな。」

 

幸喜「サンキューお姉さん、助かったぜ!!」

 

深雪「どういたしまして。あ、私は胡蝶 深雪…今はドールハウス専属医ですが、かつて奇跡の3大女医と呼ばれたちょっと凄い人なんですよ?」

 

胡蝶(こちょう) 深雪(みゆき)…かつて、奇跡の3大女医と呼ばれた凄腕の医者で…若くして多くの患者を救った人物である。おっとりとした優しい性格だが、怒ると怖いという噂がある。

 

幸喜「深雪さんだな!俺は仲本 幸喜、いつか世界中の人達と友達になる男だ!!」

 

自己紹介を終え、ニカっと笑う幸喜。

 

一海「おい幸喜、さすがに失礼じゃねぇか?」汗

 

幸喜「…えっ?」

 

紫「私達よりも年上だ。それに、初対面の方に馴れ馴れしいぞ…」汗

 

幸喜「そ、そうだったのか…!すんませんした、胡蝶先生!!」

 

深雪「いえいえ。素敵なお友達ですね、翔君。」

 

翔「こんな奴がトモダチだぁ?冗談じゃねぇよ…」

 

幸喜を友達だと思っていない翔は、パンケーキにかじりつきながら言う。一方、一海達はすっかり幸喜と打ち解けており、友達になっていた。

 

幸喜「なぁなぁ、一海達は翔と友達だろ?どうやって友達になれたんだ?」

 

友香「翔さんと友達になったのは…いえ、友達に戻ったのは時間がかかりました。」

 

諒芽「翔ちんはな、ちっと訳ありっていうか…いろいろあって、人を信じられなくなっちまったんだよ。俺達が本気で翔ちんを信じねぇと、一生翔ちんとは打ち解けられねぇ。」

 

幸喜「成程な…疑う事よりも、信じる方が簡単だし、気持ちも良いもんな。よし翔、俺はお前とぜってぇ友達になる!!」

 

翔「……。」

 

サムズアップする幸喜を無視して、パンケーキをかじる翔。このパンケーキは、蜜璃お手製のスイーツである。

 

蜜璃「翔君、新作のパンケーキどうかな?美味しい?」

 

翔「あぁ、美味いぞ?」

 

蜜璃「良かったぁ〜♪…あっ、一海君達もどうだった?新作パンケーキ、美味しかったかな?」

 

紫「はい、食べやすかったです。」

 

友香「蜜璃先生のスイーツは格別です〜♪」

 

一海「美味しかったです、それはもう…作り方教えて欲しいぐらいですよ!」

 

諒芽「疲れた身体には、蜜璃先生のスイーツが1番だって改めて認識しました!!」

 

蜜璃「皆にも満足して貰えて良かった…私、すっごく嬉しいよ!!」

 

七草(さえぐさ) 蜜璃(みつり)…彼女も深雪と同じ『ドールハウス専属医』であり、奇跡の3大女医と呼ばれる程の凄腕を持つ医者だ。多くの患者の命を救い、天真爛漫で明るい性格で、周囲のムードメーカーのような存在である。髪色は黑だったが、鬼滅の刃に登場する人物『甘露寺 蜜璃』のコスプレをして以来…髪色は桜色のままにしている。

 

幸喜「み、蜜璃さんってことは…ほ、本物の甘露寺さん!?」

 

蜜璃「えっ?あぁ、こういうときは……そ、そうよ!私は甘露寺 蜜璃、皆は私が守るからね!!」

 

幸喜「えぇー!?」ガタッ!!

 

翔「この人は七草 蜜璃さんだ、名前間違えてんじゃねぇよ。」汗

 

翔がそう言うと、幸喜は恥ずかしくなって顔を真っ赤に染めた。

 

蜜璃「顔赤くしてる、可愛い〜♪私は七草 蜜璃、君の名前を教えてくれるかな?」

 

幸喜「ふぇっ!?あ、あ…な、なか…仲本…こっこっ…こ、幸喜…でしゅ…!!」///

 

蜜璃「仲本 幸喜君、よろしくね♪ひょっとして、翔君のお友達?」

 

翔「ちげぇよ…」

 

蜜璃の質問を否定した翔は、コーヒーを飲み始めた。

 

諒芽「あっ、そうだ…なぁ翔ちん?」

 

席から立ちあがった諒芽は、翔の近くに座る。

 

翔「…?」

 

諒芽「俺にもチェーンアレイレイズバックル使わせてくれよ?」

 

翔「…お前のレイズバックルと交換すんなら、考えてやっても良い。」

 

諒芽「おっ、そうか。」

 

現在、諒芽が持っているレイズバックルは、マグナムとウォーターの2つだ。諒芽が選んだのは…

 

諒芽「じゃあさ、これと交換しようぜ?」カチャッ…

 

翔「…普通、ウォーターを選ぶだろ?」

 

諒芽「いやいや、だって翔ちんだぜ?俺の大大大親友なんだしさ、信頼できるんだよ。だからさ、マグナムとチェーンアレイを交換しねぇか?」

 

翔「…お前はホント馬鹿だな。良いだろう、交渉成立だ。」カチャッ…

 

こうして翔は、チェーンアレイレイズバックルを諒芽に渡し、マグナムレイズバックルを手に入れた。現在、翔が持っているレイズバックルは、マグナムとシールドの2つとなった。

 

蜜璃「その小さい物、何だか可愛いね♪」

 

翔「あぁ、レイズバックルのことか…」

翔(この人の可愛いの基準が分かんねぇ…)汗

 

このレイズバックルは、誰がどこで、何の為に作ったのか…誰の物なのかは、今は不明である。ジャマトを退治する上で、仮面ライダーという存在は欠かせない。そのライダーも、一定の条件を満たせば脱落し、姿を消してしまうのだが……

 

翔(ゲームマスターって名乗ったが…本当は俺じゃねぇんだけどなぁ……ま、デザイアドライバーを造ったのは俺だが…)

 

ヘルメス(翔よ、君が考案したこのデザイアグランプリは…最高神がゲームマスターとなっているぞ。)

 

翔(そうか…けど、何故ライダー達を脱落させる?ジャマトを倒すんなら、数が多い方が効率的じゃあねぇの?)

 

ヘルメス(メリーやシローのように、ジャドウがエントリーしていることもある…ソイツらが入れば仲間割れを始め、かえって非効率的になるのは明白だからだ。)

 

翔(だったら、ジャドウをエントリーさせんのは止めにしたら良いじゃねぇか…ジャマトもそうだが、ジャドウも敵なんだし…)

 

ヘルメス(それについては要検討案件だ…次のグランプリではボスジャマトが現れると予想されている。それが終わり次第、我々もデザイアグランプリの見直しを行う。では…)

 

ヘルメスとのテレパシー会話を終えた翔は、考え事を始める。

 

翔(今のデザイアグランプリは、お試しってとこか…ま、脱落者は出たが、幸いソイツらはジャドウだった。ただ、脱落者が一海達ってなると…どうなる?)

 

このデザイアグランプリには、まだまだ不明な点が多い…脱落した者のその後は、分からない。ジャドウは恐らく、地獄にある刑務所に送られると思われるが……

 

 

 

ゼウス「ほほぅ、流石は仮面ライダーの諸君……この6人なら、ラスボスジャマトも倒せそうだな。」

 

その頃、神々の世界では…最高神のゼウスがライダー達の様子を見ていた。

 

ヘラ「ゼウス様。」

 

ゼウス「ヘラか…ジャドウやジャマトの様子はどうだ?」

 

ヘラ「ジャドウ達は相変わらず好き放題で…ジャマトの反応は、まだありません。」

 

ゼウス「そうか。」

 

ヘラ「それより、ゼウス様……またアフロディーテにナンパしたんですか?

 

ゼウス「うっ…な、何故それを?」汗

 

ヘラ「私、ゼウス様の事なら何でも知ってます…そう、何でもね?」

 

ゼウス「……。」

 

ナイフの刀身を光らせ、ハイライトオフのヘラを見て…ゼウスは冷や汗をかいていた。彼は最高神…神々の中で最も偉い存在であるが、女好きという短所があるのだ。何度も口説いてはからかったりと…女神達は、そんな彼に困っている。

 

ゼウス「そ、そうだヘラよ…次の舞台はこの世界で行うつもりだ。」

 

ヘラ「ここは…人間界の中でも大人気な、あのアニメの舞台ですか?」

 

ゼウス「そうだ。この6人なら、ここでも生き残れるだろう…特に、青空 翔に期待だな。」

 

ヘラ「青空 翔さん…かつて、【プロジェクト東京ドールズ】の世界を救った英雄……彼はどこまで強くなるのでしょうか。」




現在のライダー一覧


青空 翔…仮面ライダーギーツ

木場 一海…仮面ライダーバッファ

東雲 紫…仮面ライダーギンペン

浅井 友香…仮面ライダーナーゴ

鏡 諒芽…仮面ライダーダパーン

仲本 幸喜…仮面ライダータイクーン


脱落したライダー

飯田 武…仮面ライダーメリー

田中 孝志…仮面ライダーシロー


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9.リコリスとシューティング

数週間後、翔達はデザイア神殿へと集められた。

 

ヘルメス「よく来てくれた、ライダーの諸君。」

 

6人を歓迎するヘルメス。

 

翔「んで、次の舞台はどこだ?」

 

ヘルメス「ここだ。」

 

ヘルメスの水晶玉から、次の舞台であるとある世界が映し出される。

 

 

あの忌々しい電波塔事件から10年…日本は犯罪の全くない社会となり、平和を謳歌。治安のよさも、6年連続世界1位。それは、秘密組織『DA(Direct Attack)』により事件やテロが未然に防がれているから。電波塔のそばにある『喫茶リコリコ』ここは、おいしいコーヒーと甘い和菓子が自慢の和風喫茶。かくして、その正体はDAの一支部。ここではDAとしての活動のほか、街で起こった、さまざまな困り事にも応えている。

 

この世界にいるエージェント『リコリス』…殺人を許可されており、彼女達がテロリスト達を殺害することで、事件やテロが防がれているのだ。

 

 

幸喜「おいおい、まさか……今回のゲームは、人を殺すのか?」

 

ヘルメス「まさか…君達が殺害するのはジャマトだ。リコリス達の任務を妨害する『黒服ジャマト』を倒して貰う。今回はライフゲージが0になると脱落だ。ちなみに、ライフは回復可能だぞ?」

 

今回の舞台【リコリス・リコイル】の世界にも、ジャマトが現れてしまった。食い止められるのは、彼らしかいない。

 

一海「質問良いですか?」

 

ヘルメス「何だ?」

 

一海「もし、この世界の住人を殺すとどうなるんですか?」

 

ヘルメス「獲得したスコアが0になる。今回、1番スコアが低かった者には…その場でキツイ罰を受けてもらう。」

 

翔「要は殺さなけりゃ、何をしたって平気なんだろ?」

 

ヘルメス「翔…君が言うと、怖く思うのだが……」汗

 

アフロディーテ「えっと…み、ミッションスタートです。」

 

 

 

アフロディーテとヘルメスにより、【リコリス・リコイル】の世界へと飛ばされた6人。

 

諒芽「ほぉ〜、ここがリコリコの世界か。」

 

紫「私達が暮らしている世界と、あまり変わらないな。」

 

翔「そこまでにしておけ、来るぞ。」

 

彼らの視線の先には、黒いスーツ姿に身を包んだジャマトの群れがいる。そして、ソイツらと戦う2人の少女の姿も…

 

 

少女1「えぇ〜、コイツら銃弾効かないじゃん…」

 

少女2「集中してください、千束。」

 

千束「わかってるよたきな〜…」

 

たきな「お願いしますよ。」

 

 

この少女達こそ、リコリス・リコイルの主人公錦木(にしきぎ) 千束(ちさと)井ノ上(いのうえ) たきな』である。黒服ジャマトに発泡するも、奴らはケロッとしている。

 

幸喜「マズい、助けねぇと…!!」

 

翔「今からそうするんだよ、行くぞ?」

 

6人はデザイアドライバーにレイズバックルをセットし、仮面ライダーに変身する。

 

 

変身ッ!!

 

 

《MAGNUM》

 

《ZONBIE》

 

《ARMED ARROW》

 

《ARMED CROW》

 

《ARMED CHAIN ARRAY》

 

《ARMED SHIELD》

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

仮面ライダーに変身が完了すると、一斉にジャマトの群れに向かって走っていく。

 

ギーツ「フンッ…」ドパパパパッ!!

 

ジャマトA「ジャアッ!?」

 

まず、ギーツがマグナムシューター40Xからエネルギー弾を放ち、ジャマトを攻撃する。

 

ギンペン「くらえっ!!」バシュッ!バシュッ!

 

次に、ギンペンがレイズアローから矢を放ち、ハンドガンを所持するジャマトを撃破する。

 

ジャマトB「ジ…」ジャキッ…

 

バッファ「余所見してんじゃねぇ!!」ヴオオォォンッ!!ザシュウウウウゥゥッ!!

 

ジャマトB「ジャアッ!?」

 

ジャマトC「ジャアアァァッ!!」

 

ナーゴ「はっ!!」ザシュシュッ!!

 

ジャマトC「ジャッ!?」

 

バッファとナーゴペアは、ナイフを装備するジャマトを倒す。

 

ダパーン「ドオオリャアアアアァァァァッ!!」ブォンッ!!

 

ドッゴオオォォッ!!

 

ジャマトD「ジャアアァァッ!?」

 

大盾を装備するジャマトは、ダパーンのレイズチェーンアレイで撃破される。

 

千束「うぇっ!?な、何!?」

 

たきな「何なんですか、これは…?」

 

タイクーン「あぶねぇ!!」

 

タイクーンはレイズシールドで、千束とたきなを狙撃手の攻撃から守った。

 

たきな「どなたかは存じませんが、味方なら助かります。」

 

千束「ありがとう!!えっと、た、狸…?」汗

 

タイクーン「俺の名はタイクーン、仮面ライダータイクーンだ!!」グッ!

 

タイクーンが2人を守ったおかげなのか、ギーツ達は味方だと認識されたようだ。

 

ギーツ「……。」ガチャンッ…

 

《RIFLE》

 

ギーツはマグナムシューター40Xをライフルモードに変形させると、ビルの屋上に向かってレーザーを発射した。そこにはスナイパーライフルを装備したジャマトがおり、レーザーはジャマトに命中した。その後も、物陰に隠れている狙撃手ジャマトを撃破していった。

 

ギーツ「狙撃手は俺が潰した、そっちは任せたぞ!!」

 

バッファ「OK!!」

 

ギンペン「あぁっ!!」

 

ナーゴ「はいっ!!」

 

ダパーン「おうっ!!」

 

タイクーン「よしっ!!」

 

《ZONBIE》

 

《ARROW》

 

《CROW》

 

《CHAIN ARRAY》

 

《SHIELD》

 

 

《STRIKE》

 

 

ギーツ以外の仮面ライダーは、同時に必殺技を放ち…残りのジャマト達を全て撃破した。

 

 

 

千束「いやぁ、マジで助かったよ〜!!」

 

たきな「貴方達は、一体何者なんですか?」

 

ジャマトを撃破したライダー達は変身を解き、自己紹介をする。

 

翔「青空 翔。」

 

一海「俺は木場 一海。」

 

紫「東雲 紫だ。」

 

友香「浅井 友香と申します。」

 

諒芽「俺は鏡 諒芽。」

 

幸喜「仲本 幸喜、いつか世界中の人達と友達になる男だ!!」

 

翔「俺達はジャマトを殲滅すべく派遣された仮面ライダーだ。」

 

自己紹介の後、翔から簡単な説明を受けた千束とたきな。

 

千束「か、仮面ライダー?」

 

たきな「何なんですか、その仮面ライダーって…そもそも、さっきの怪物は」

 

翔「2度も言わせんじゃねぇぞ?さっきのブツがジャマトで俺達はソイツらを潰す為に派遣されたエージェント『仮面ライダー』なんだよ。」

 

たきなの言葉を聞き、不機嫌そうに再度説明する翔。

 

友香「しょ、翔さん…」汗

 

一海「ま、まぁあれだ…ここじゃなくて、場所を変えてから話そうか。な?」汗

 

一海の言葉を聞き、一同は千束とたきなの拠点である『喫茶リコリコ』へと向かった。

 

 

 

喫茶店に入ると、店内は多くの客でいっぱいだった。

 

ミカ「いらっしゃい。」

 

クルミ「おっ、新しいお客さんか?」

 

ミズキ「って、いい男ばっかりじゃない!!」

 

調理場には1人の黒人男性が、客に紛れて2人の若い女性がいる。

 

たきな「はい、新しいお客」

 

千束「違う違う!!私らを助けてくれた人達です!!ま、新しいお客さんでもありますけど。」

 

たきな「結局新しいお客さんじゃないですか…」

 

千束「たはは…」

 

客「千束ちゃんとたきなちゃんを助けてくれたんだ。」「彼女達はこの店の癒しです。欠けてしまっては寂しいですから。」

 

店内にいる者達は、翔達を珍しい物を見た目を向けたり、好感の目を向けたりしている。6人は簡単に自己紹介をした後、小腹を満たした。

 

 

 

そして、全ての客が帰った後…仮面ライダーについて、ジャマトについて語り始める。

 

千束「へぇ〜、これって変身ベルトなんだ。」

 

ミズキ「どういう仕組みなの?」

 

翔「それを知ってどうする?」

 

ミズキ「え…いやぁ、その……」汗

 

翔「理由がねぇなら聞くな。」

 

この世界に現れたジャマトは、リコリスが使用する重火器は効かないため…仮面ライダーしか対抗ができないのだ。

 

クルミ「変身ベルトって、何かゲームみたいで良いなぁ~。」

 

たきな「とにかく、これを使って戦えばそのジャマトを倒せるんですよね?」

 

翔「その通りだ。」

 

仮面ライダーやジャマトについてある程度理解したリコリコのメンバー達。ここで、この喫茶店の店長『ミカ』が口を開く。

 

ミカ「…それなら」

 

翔「錦木と井ノ上(コイツら)の護衛だろ?始めっからそうするつもりだった…罪人を潰す輩が減っては都合が悪いからな。」

 

思いを先読みした翔の言葉に、ミカは頷く。

 

幸喜「俺も、ここにいる人達と友達になりてぇし…協力するのは当然だ!!」

 

ミカ「それもそうだけど…ウチは今、人手が足りなくてね……ここで働いてくれるともっと助かる。もちろん、報酬もある。」

 

友香「わかりました。」

 

一海「あぁ、この街のことも知りたいし。」

 

紫「そうだな。」

 

諒芽「おっしゃあ、何か燃えてきたぜ!!」

 

こうして、リコリス・リコイルの世界の主人公との接触に成功した翔達は、喫茶リコリコの店員として働くことになった。

 

 

 

【デザイアグランプリのルール】

 

仮面ライダーが全滅すると、世界は滅亡…ゲームオーバーとなる。



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10.労働とお披露目

千束とたきなの用心棒となった翔達は、喫茶リコリコで働くことになった。

 

翔「これ、2番席だ。こっちは5番席。」

 

紫「あぁ。」

 

一海「こっちもOKだ。友香、パフェはできたか?」

 

友香「はい、バッチリです♪」

 

幸喜「了解!!」

 

諒芽「ご注文どうぞ!!」

 

翔、一海、友香はキッチンにて調理を担当し…紫、諒芽、幸喜は接客や会計等の業務を担当した。

 

ミズキ「いやぁ、ホント助かるよ〜!青空君達仕事早いし、連携もバッチリだし!!」

 

クルミ「お前もアイツら見習ったらどうよ?」

 

ミズキ「アンタにだけは言われたくない。」

 

千束「ひゃあ、翔さんも一海さんも友香さんも料理上手(うま)っ!!」

 

たきな「本当ですね。」

 

彼らの料理の腕前に驚かされる千束とたきな。

 

ミカ「東雲さんと鏡君と仲本君は接客が上手い。お客様もあんなに楽しそうに…」

 

紫と諒芽と幸喜はコミュニケーション力が接客に活かされているようだ。

 

 

 

その日の夕方…

 

ミカ「お疲れ様。」

 

千束「皆さん、これたきなが考えた『ホットチョコパフェ』です!!良かったら食べてくださいよ!!」

 

頑張って働いた翔達に、リコリコのメンバーがパフェを振る舞ってくれた。

 

幸喜「おぉ〜!美味そ〜♪」

 

諒芽「なんかウンkあだっ!?」

 

翔「それ以上言ったら、どうなるかわかってんだろうな?」

 

諒芽が何か言いかけたが、翔が止めたことで何も言わなかった。

 

一海「こりゃあ美味い。」

 

紫「甘さも程よく、香りも良い。」

 

友香「寒い時期にはピッタリですね♪」

 

たきな特製のパフェに舌を巻く6人。

 

たきな「……。」

 

翔「…?」

 

何故か俯いているたきなだが、翔以外は気付いていなかった。食べ終わった後、リコリコメンバー達からインタビューを受けることに…

 

ミズキ「仮面ライダーってどうやって変身するの?」

 

翔「それを知ってどうする?」

 

ミズキの質問に答えない翔。

 

一海「このデザイアドライバーに、このレイズバックルっていうアイテムをセットして変身します。」

 

翔「おい一海…」

 

デザイアドライバーの仕組みについて話す一海に、翔は不満そうな顔をする。

 

一海「まぁ良いじゃねぇか、どの道知られるんだしさ。」

 

翔「…ちっ。」

 

彼の言葉を聞くと、舌打ちをして大人しくなる。

 

クルミ「お前らはさ、どこから来たんだ?」

 

友香「私達はこの世界とは別の世界から来ました。」

 

紫「信じられないかもしれんが…このドライバーが証拠のようなモノだ。」

 

クルミ「確かにこれは見たことない…触っても良い?」

 

翔「駄目だ。」

 

クルミ「えぇ〜!?」

 

デザイアドライバーの仕組みを知られることどころか、触れられることにも嫌がる翔。その理由は……

 

翔(もしかしたら、裏でテロリスト共とグルになってる阿呆がいるかもしんねぇからなぁ…下手にデザイアドライバー(こいつ)のことを知られたら面倒なことになる。)

 

リコリコのメンバーの中に、テロリストと繋がりがある者がいるかもしれないと思っているからだ。しかし、ここにはそんな者はいないのだが…翔は極度の人間不信であり、心を許した者しか信用しないのだ。

 

千束「えーっと、れいずばっくる…だったっけ?大きいのと小さいのがあるけど、何が違うの?」

 

諒芽「そうだなぁ…デカいレイズバックルをつければスゲェ装備が手に入るし、ちっこいレイズバックルはみみっちい装備なんだよなぁ。ま、バックルにもよるけど…」

 

たきな「他のレイズバックルもあるんですか?」

 

幸喜「今のところ、俺達が持ってるのはこれなんだが…他のはまだ見たことないな。」

 

翔達が所持しているのは、大型がマグナム、ブースト、ゾンビ…小型がシールド、アロー、ハンマー、チェーンアレイ、クローだ。これら以外のレイズバックルは、まだ無いようだ。

 

クルミ「触んのが駄目だったら、変身して貰うのはいいだろ?」

 

翔「ダメd」

 

幸喜「それならお安い御用だぜ!!」

 

翔「…仲本、てめぇ。」

 

静かに怒る翔だが、幸喜は何故か嬉しそうにしている。何故なら……

 

幸喜「おっ!?翔、今名前を呼んでくれたよな!?なぁ!?」

 

初めて翔に名字で呼ばれたからだ。

 

翔「そんなことはどうでも良い。仮面ライダーは安易に変身できるモンじゃねぇんだ。後先考えてから発言しろ。」

 

ヘルメス(それは問題ないぞ。基本的に変身者の体調が良ければ、いくらでも変身できる。)

 

ヘルメスがテレパシーで翔に伝える。このデザイアドライバーは、装着者が元気であれば制限無く変身ができる。但し、一定の怪我や病気がある場合、変身はできなくなる。

 

千束「私も変身見てみたい!!へ〜んしん♪へ〜んしん♪」

 

翔「うるせぇなぁ…」カチャッ…

 

千束が変身コールをすると、ミズキとクルミも彼女に釣られて変身コールをし始める。イライラしてきた翔は、渋々デザイアドライバーを装着する。そして、外へ出ようとした。

 

ミズキ「あれ、どこ行くの?」

 

翔「バカ野郎、こんな狭い場所で変身できるかっての…やるなら外でやる。」

 

翔の言葉を聞き、一同は一旦店の外へ出た。

 

 

 

裏口から外へ出ると、6人はデザイアドライバーにレイズバックルをセットする。

 

 

《SET》

 

 

その後、各々自分の変身ポーズを決め…仮面ライダーへと姿を変えて行く。

 

 

《MAGNUM》

 

《ZONBIE》

 

《ARMED ARROW》

 

《ARMED CROW》

 

《ARMED CHAIN ARRAY》

 

《ARMED SHIELD》

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

仮面ライダーへ変身が完了した時、千束とクルミは目を輝かせていた。たきなは目を見開き、ミカとミズキは思わず拍手をした。

 

千束「仮面ライダータイクーンは分かるけど、そっちの狐みたいなのは?」

 

クルミ「おぉ、ペンギンもネコもいるぞ!」

 

ミズキ「後、ウシとパンダもね?」

 

仮面ライダーに興味津々のリコリコメンバー達。

 

ギーツ「俺は仮面ライダーギーツだ。」

 

バッファ「俺は仮面ライダーバッファ。」

 

ギンペン「私は仮面ライダーギンペンだ。」

 

ナーゴ「私は仮面ライダーナーゴです♪」

 

ダパーン「俺は仮面ライダーダパーン、パンダヒーローとも呼ばれてるんだぜ?」

 

タイクーン「あれ、俺あんまし注目されてない…?」

 

タイクーンである幸喜は、千束とたきなを助ける際にライダー名を言っていたため、あまり注目されていないようだった。そんな状況に、タイクーンは困惑していた。

 

ミズキ「ねぇねぇ、触っても良い?」

 

ギーツ「駄目だ。」

 

ミズキ「えぇ〜……」

 

ギンペン「まぁまぁ、触るだけなら…あぁ、そうか。翔、お前は若い女性が…」

 

ギンペンの言葉に静かに頷くギーツ。

 

たきな「その重火器、一体どんな仕組みなんですか?」

 

ギーツ「教えねぇよ。」

 

ダパーン「ハンドガンモードにもライフルモードにもなる優れモンだ!ハンドガンだと早撃ちや連射ができるし、ライフルだったら狙撃ができる。」

 

教えないギーツを見兼ねたダパーンが、マグナムシューター40Xの説明を行った。一時は彼も使っていたため、ある程度の仕組みは理解している。

 

ギーツ「ちっ…ベチャベチャパンダが……」

 

ダパーン「…えっ?」汗

 

ギーツに暴言を吐かれ、困惑するダパーン。

 

千束「小さいバックルを着けてると、装備も簡易的なんだね~。大きいバックルを着けてると装備が凄いし…」

 

ミカ「そのチェーンソー、本当に切れるのかい?」

 

バッファ「切れますよ?」

 

クルミ「ねぇねぇ、ミズキはさ…どのライダーが好きなんだ?」

 

ミズキ「私は狐かなぁ、クールだし♪あんたは?」

 

クルミ「パンダ一択!!」

 

千束「私はネコが良いなぁ、たきなは?」

 

たきな「何でも良いじゃないですか…」汗

 

千束「良くない良くない。で、どのライダーが良い?」

 

たきな「……ペンギンです。」

 

千束「マスターは?」

 

ミカ「商売繁盛、開運、出世、招福、金運向上の縁起物って呼ばれてる狸。」

 

メンバー達の好きなライダーは、キレイに割れた。こうして、お披露目が終了した。

 

タイクーン「なぁなぁ、狸って縁起良いってホントなのか?」

 

ギーツ「自分で調べたらどうだ?」

 

タイクーンの言葉に、ため息混じりに対応するギーツだった。




こちらの物語は、『独自展開』があります。

ラスボスジャマトを登場させる前に、オリジナルジャマトを登場させる場合ありです。


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11.仮面ライダー=(?)

次の日…翔達は、千束とたきなと共に任務に参加していた。地下鉄構内にてテロリスト集団が現れたため、その始末に当たっている。

 

千束「ッ!!」パンッ!パンッ!

 

タイクーン「おらよっと!!」ドゴォッ!!

 

テロリスト「がぁっ!?」

 

千束の銃撃に怯んだテロリストに、タイクーンがレイズシールドを用いたタックルをかまして捕らえる。

 

ギーツ「……。」ズギュンッ!

 

バシュッ!!

 

テロリスト「ぎゃああぁぁっ!!」

 

ギーツはマグナムシューター40X(ライフルモード)からレーザーを放ち、テロリストの足を貫いた。それをバッファとナーゴが捕らえる。

 

テロリスト「くそ…!!」

 

ダパーン「おんどりゃああああァァァァッ!!」ブオンッ!!ドゴォッ!!

 

テロリスト「「「どわああああぁぁぁぁっ!!?」」」

 

ダパーンのレイズチェーンアレイが強い衝撃を生み出すと、テロリスト達は一斉に吹き飛ばされた。

 

テロリスト「ッ!!」パンパンッ!!

 

たきな「ッ!?」

 

たきながテロリストに苦戦すると、ギンペンがレイズアローから矢を放ち、テロリストの銃を遠くへ飛ばした。その隙に、たきなはテロリストに向かって発砲、拘束した。

 

ギンペン「大丈夫か?」

 

たきな「はい、ありがとうございます。」

 

やがて、テロリスト集団はリコリスと仮面ライダーによって全員拘束された。

 

千束「ふぃ〜終わった終わったぁ…いやぁ、仮面ライダーマジ強いから頼もしいし、助かるよ!!」

 

ギーツ「俺達はある程度の戦闘経験を積んでいる、コイツ以外はな?」

 

タイクーン「えっ!?いやいや、俺だって中々頑張ってるだろ!?自分で言うのもあれだけどよ…

 

ギーツ「あの程度ではまだまだだな。」

 

タイクーンに悪態をつくギーツだが、それ以外のライダーは彼を認めているようだ。

 

バッファ「俺は頑張ってるって思うぞ?幸喜、お前戦闘経験あるんじゃねぇのか?」

 

タイクーン「えっ…いや、無いぜ?」

 

ギンペン「初めてであそこまで動けるのか、大したものだな。」

 

タイクーン「俺さ、身体を動かすのが好きなんだよ。特にスポーツが良いよな。」

 

ナーゴ「良いことですよ!」

 

ダパーン「だな!努力は裏切らないって言うし!!なぁなぁ翔ちん、少しは幸喜を認めても良くねぇか?」

 

ギーツ「…お前らは甘い。グラブ・ジャムンよりも甘すぎるんだよ……」

 

タイクーンを養護する彼らを面白くないと思ったのか、ギーツはそっぽを向いている。

 

タイクーン「グラブ・ジャムン?何だそれ、美味いのか!?」

 

ナーゴ「それはインドのお菓子です。」

 

タイクーン「お菓子なのか!?だったら美味いんじゃ!?」

 

ナーゴ「ただ、非常に甘いので『世界一甘いお菓子』と呼ばれています…」

 

タイクーン「甘ったるいのか、それは嫌だなぁ……」汗

 

グラブ・ジャムンは、世界一甘いと言われているお菓子なのだ。ちなみに、一海達は食べた事があるのか…あまり良い反応をしていない。

 

バッファ「あー、あれな……」汗

 

ギンペン「あれは菓子とは思えん…」汗

 

ダパーン「てゆーか、2度と食いたくねぇ…」汗

 

たきな「何の話をしてるんですか、撤収ですよ?」汗

 

たきなの声で、リコリスとライダー達は地上へと上がってきた。そんな彼らを待っていたのは……

 

 

 

レポーター「あっ!!来ました来ました!!あれが仮面ライダーです!!ちょっとインタビューしてみましょう!!」

 

レポーターやカメラマン等、TV局の関係者達だった。

 

レポーター「えっと、そちらの狐のライダーさん」

 

ギーツ「取材はお断りだ。他を当たれ…」

 

ギーツは取材を嫌がり、レポーターを突き放す。

 

レポーター「そ、それでは牛のライダーさん!!テロリスト集団をどのように捕らえたのでしょうか!?」

 

バッファ「えっ?普通に戦いました。」

 

レポーター「では、そちらのスゴイ武器は?」

 

バッファ「これでテロリストを叩いたんですよ、切れないので。」

 

レポーター「成程、ありがとうございます!!あっ!!そちらのペンギンさんと猫さん、パンダさんとタヌキさん!!」

 

レポーターはインタビュー続行を試みるが、ミズキが乗っている喫茶リコリコの社用車に乗り、去って行ってしまった。

 

レポーター「リコリスと協力関係にあるということは、仮面ライダーは正義であると考えられます!!次の戦いにも期待ですね!!」

 

 

 

一海「おいおい、どうしたんだよ翔?」

 

翔「ったく、揃いも揃ってゴキブリのように集って来やがって…気持ち悪い……」

 

ミズキ「何々、青空君って取材苦手なの?」

 

翔「あぁ…大っ嫌いだ……」

 

目立つことが苦手な翔にとって、取材は拷問である。

 

千束「良いじゃないですか〜、仮面ライダーはヒーローだって証明にもなるんですし…」

 

翔「お前の脳ミソは花畑か?」

 

翔がそう言うと、たきなが眉を寄せた。

 

翔「仮面ライダーが正義とは限らねぇ…中にはライダーシステムを悪用するバカがいる。もしこの世界に、ソイツらが現れたら?仮面ライダーはヒーローだなんて、めでてぇ考えはすぐに切り捨てられる。」

 

一海「まぁ、確かにな……」

 

仮面ライダー=正義という考えは、昔話である。今では、ダークライダーと呼ばれる存在がいるため、仮面ライダー=正義と考えられなくなっている。その後、喫茶店リコリコにて甘い物をいただき、心身の疲れを癒やす翔達であった。

 

 

 

ゼウス「ふむ…順調のようだな。」

 

ゲームマスターであるゼウスは、翔達の戦いを天界から見守っていた。

 

ゼウス(だが、この世界にラスボスジャマトの気配がある…奴が現れるのも時間の問題かもしれん……さて、どう対処する…ライダーの諸君。)

 

彼らがいる世界に忍び寄る『ラスボスジャマト』とは……どれほどの大きさで、どれほどの脅威なのか…誰も知らない。



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12.決戦前

翔達がリコリス・リコイルの世界に来て、約1週間が経った頃……

 

翔「お前ら、残念な知らせだ。」

 

深刻そうな顔をした翔が、喫茶リコリコのテーブル席にやって来た。

 

一海「残念な知らせって何だ?」

 

幸喜「んぐっ…知らせ?」

 

翔はメンバー達の前に座ると、口を開き始める。

 

 

翔「ラスボスジャマトが存在を現し、動き始めた。」

 

 

それは、この世界に『ラスボスジャマト』が現れたというのだ。それも、現れてすぐに行動を開始したようだ。

 

諒芽「ら、ラスボスジャマト!?すぐに行かねぇと!!」

 

紫「待て、そのラスボスジャマトの居場所は分かるのか?」

 

翔「ここだとよ…」

 

翔のスパイダーフォンに映し出された地図には、大きい赤い円があり、その中心にバツ印が表示されている。

 

千束「翔さん達!!旧電波塔でリコリス達がテロリストと戦闘してる!!」

 

たきな「ジャマトもいて、苦戦を強いられています!!」

 

翔「テロリストとジャマトが手ェ組んだか…そんなら、纏めて潰すまでだ…行くぞ!!」

 

 

アフロディーテ『皆様、協力してラスボスジャマトを倒してください。ミッションスタートです!!』

 

 

 

その頃、旧電波塔では……

 

フキ「くっ!!」パンッ!!パンッ!!

 

ジャマトA「……。」

 

サクラ「えぇ…コイツら、不死身ッスか!?どう倒せば良いんだよ……」

 

フキ「弱音を吐くな!!生きて勝つことだけを考えろ!!」

 

リコリス1「リーダー!駄目です、ビクともしません!!」

 

リコリス達がジャマトを倒すべく、発砲をしているが…ジャマトには殺傷能力がある銃弾は通用しない。

 

フキ(くそっ…コイツらを倒す手は無いのか…!?…このままじゃ…!!)

 

その時……

 

 

翔「死にたく無けりゃそこを退け!!」

 

 

翔達が戦場と化した旧電波塔に到着した。

 

一海「リコリス達、ジャマト共は俺達仮面ライダーに任せろ!!」

 

紫「我々が道を作る、その隙に退却なり突撃なりしてくれ!!」

 

友香「奴らには通常の武器が効きません!!」

 

諒芽「俺達がいる限り、誰一人死なせやしねぇ!!」

 

幸喜「リコリス達とも友達になるためには、何かしら貢献しねぇとな!!」

 

6人の英雄達は、デザイアドライバーにレイズバックルをセットすると…各々自分の変身ポーズを取る。

 

 

変身ッ!!

 

 

そして、仮面ライダーへと姿を変えて行く。

 

 

《MAGNUM》

 

《ZONBIE》

 

《ARMED ARROW》

 

《ARMED CROW》

 

《ARMED CHAIN ARRAY》

 

《ARMED SHIELD》

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

リコリス2「あ、あれが…」

 

リコリス3「仮面ライダー…」

 

まず、先に動いたのはギーツだ。マグナムシューター40X(ハンドガンモード)からエネルギー弾を連射し、ジャマト達を葬った。次にバッファがゾンビブレイカーを唸らせ、走ってきたジャマト達を斬り捨てて行く。彼らに続き、ギンペンとナーゴ、ダパーンとタイクーンもジャマト達に立ち向かう。

 

ギンペン「やぁっ!!」バシュッ!!バシュッ!!

 

ジャマト「「「ジャアッ!?」」」

 

ナーゴ「せいっ!はっ!!」ザシュシュシュッ!!

 

ジャマト「ジャア…!!」

 

ダパーン「オラオラオラオラアアアアァァァァッ!!」ブォンブォンブォンブォンッ!!

 

ジャマト「「「ジャアアァァッ!!??」」」

 

タイクーン「どらぁっ!!おらっ!!」ドゴッ!ガスッ!!

 

ジャマト「ジャアッ!?」

 

ライダー達が駆け付けたことで、リコリス達は形成を逆転し始める。

 

フキ「仮面ライダーに続け!!そして援護をしろ!!」

 

サクラ「りょーかいッス!!」

 

リコリス達は拳銃から実弾を放ち、ライダー達の援護を始める。

 

千束「フッフッフッ…どう、仮面ライダーってスゴイでしょ?」

 

たきな「何故千束が自慢するんですか?」

 

フキ「って、おま…まさか、仮面ライダーと知り合いなのか!?」

 

千束「そのとぉぉおおおおり!!」

 

身体を後ろにそらし、フキを見下すように見る千束。

 

ギーツ「そこ!!集中しろ!!」

 

ギーツがマグナムシューター40Xのレバーを引くと…

 

 

《BULLET CHARGE》

 

 

マグナムシューター40Xから音声が響く。ギーツは銃口をジャマト達に向けると、トリガーを引いて無数のエネルギー弾を発射…ジャマト達に風穴を開け、一気に撃破した。

 

 

『SECRET MISSION CLEAR』

 

 

すると、ギーツの目の前にハテナミッションボックスが出現した。それを開けると、中に入っていたのは…

 

ギーツ「…ほぅ?」

 

大当たりのレイズバックル『ブーストレイズバックル』だった。非常に強力なバックルだが、1度のゲームにつき1度きりしか使うことができない。

 

フキ「仮面ライダー、ありがとう。おかげで死者はゼロだ。」

 

ギーツ「バカ野郎、まだボスを倒してねぇだろ。礼はその後に言いやがれ。」

 

フキ「んなっ!?お、お前…折角人が礼を言ったってのに!!」

 

サクラ「まーまー、良いじゃないスか。とにかく、あざます!」

 

フキを落ち着かせるサクラも、ギーツにお礼を言った。ギーツはブーストレイズバックルをレイズバックルホルダーに収納すると…

 

ギーツ「突入だ。」

 

号令をかけた。他のライダー達も、リコリス達も旧電波塔の中へ…と、思いきや……

 

ギーツ「待て、今からグループを作る。まず、錦木と井ノ上は俺らと来い。後、フキ(お前)サクラ(お前)も…お前らα班も途中までは俺達と来い。残りのβ班はここに残れ。α班とβ班は、怪我人の治療を主な任務とする。あんまり数が多いと戦い辛ぇからな。」

 

ギーツがいくつかのグループに分け、指示を出した。リコリス達はギーツの指示に従い、行動を開始した。

 

 

 

ギーツ達は階段を上がり、ラスボスジャマトやテロリストのリーダーが待つ階へと足を運ぶ。

 

ダパーン「なぁ翔ち〜ん…何で階段で行くんだぁ?」

 

ダパーンは足が疲れたのか、ギーツに不満を漏らす。

 

ギーツ「ベーターじゃ逃げ場がねぇし、銃弾を避けられねぇだろ?それに、ぜってぇ気付かれる…それならこっちの方が全然マシだ。」

 

タイクーン「成程な。」

 

ギーツの説明に、納得するタイクーン。

 

ギンペン「皆、疲れてないか?疲れた者が居たら遠慮なく言ってくれ、休憩を挟む。」

 

ダパーン「は〜い、俺疲れたぁ〜!」

 

バッファ「諒芽…」汗

 

ナーゴ「あ、あはは…相変わらず自由ですね。」汗

 

フキ「我々も少し休憩を挟みたい。」

 

ダパーンが真っ先に手を挙げると、フキも休憩を挟みたいと言い出した。数人のリコリス達が、息を切らしていたからだ。

 

ギーツ「承知した。」

 

ギーツが足を止めると、リコリス達は階段へと座った。

 

ダパーン「ふい〜、ちっと休け〜い♪」

 

ダパーンも階段に座り、リラックスしている。

 

たきな「良いんですか、こんなところで。」

 

ギーツ「俺達の日常生活と照らし合わせて考ろ…本来、こんなとこで休憩することなんざあり得ねぇだろ?」

 

千束「ふむふむ、つまり…相手の裏をかいたってこと?」

 

ギーツ「そう思ってくれれば良い。奴らもここで休憩を挟むとは考えねぇだろう。」

 

ギーツも階段の踊り場でしゃがみ込む。しかし……

 

ギーツ「…?」

 

妙な気配を感じたようで、ナーゴに話し掛ける。

 

ギーツ「ナーゴ、ハンマーバックルを貸せ。」

 

ナーゴ「どうぞ、翔さん♪」

 

ギーツはナーゴからハンマーレイズバックルを受け取ると、マグナムレイズバックルと取り替えた。

 

 

《ARMED HAMMER》

 

《READY FIGHT!!

 

 

アームドハンマーにフォームチェンジしたギーツは、レイズハンマーを右手に持ち、上へと上がっていく。

 

バッファ「何をするつもりだ?」

 

ギーツ「しっ…」

 

静かにしろと伝えるギーツは、ドア近くで待ち構える。そして、ドアが開いた直後……

 

ギーツ「ッ!!」ガツンッ!!

 

ジャマト「ッ!?」

 

現れたジャマトの脳天にレイズハンマーを振り下ろし、撃破した。

 

ギーツ「見張りを送るとは、とんだチキン野郎だぜ…」

 

千束「おぉ、翔さん…ひょっとして地獄耳?」

 

バッファ「翔は昔から勘が鋭くてな、俺達もめっちゃ助けられたんだよ。」

 

ギーツ「バッファ…それ以上言うな。」

 

バッファを黙らせると、ギーツはメンバー達に号令をかける。

 

ギーツ「そろそろ行くぞ。見張りを送るってことは、奴らは警戒し始めている。」

 

メンバー達は、ボスが待ち構えるフロアへと上がっていった。

 

 

 

 

???「お前ら、中々忠実な部下じゃねぇか、なあ?」

 

ボスジャマト「○□×↑@★#※。」

 

???「言葉はわかんねぇが、使い道はありそうだ…」



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13.ラスボスジャマトとの死闘

旧電波塔にやって来た6人のライダー達は、リコリスと協力してテロリストとジャマトとぶつかりあった。迫りくるジャマトをライダー達が薙ぎ倒し、テロリストをリコリス達が薙ぎ倒し、遂にラスボスが待つフロアへ辿り着こうとしていた。

 

 

ドガァッ!!

 

 

テロリスト「「「っ!?」」」

 

テロリスト達が驚いてドアを見ると、そこからギーツを先頭に…ライダー達とリコリスが突入してきた。テロリストの1人が銃を構えると…

 

ギーツ「ふっ!」ダァンッ!!

 

バシュッ!!

 

テロリスト1「ぎゃああぁぁっ!!」

 

ギーツがマグナムシューター40X(ハンドガンモード)からエネルギー弾を放ち、テロリストの腕ごと銃をふっ飛ばした。

 

ロボ太「お、お前ら行け!!真島さんのとこにはぜってぇ行かすんじゃねぇぞ!!」

 

ロボ太はテロリスト達にそう言うも…

 

ナーゴ「んにゃあっ!!」ズバババッ!!

 

バッファ「おらっ!!そらよっ!!」ドゴォッ!!バキィッ!!

 

ギンペン「ふっ!せやっ!!」ガキンッ!ガキンッ!

 

ダパーン「退け退け退け退けええええぇぇっ!!」

 

タイクーン「仮面ライダーとリコリスのお出ましだ!!」

 

テロリスト「「「うわああああぁぁぁぁっ!?」」」

 

テロリスト達は次々とライダーとリコリス達に押し返され、あっさり戦闘不能になった。

 

ダパーン「お前にはこうだ!!」ブゥンッ!!

 

ドガシャアアァァッ!!

 

ロボ太「ッ!!!!????」

 

残ったロボ太に、ダパーンがレイズチェーンアレイで戦闘不能にし、拘束した。

 

テロリスト2「くそっ!!女の癖に…!!」

 

テロリスト3「仮面ライダーとか、卑怯だぞ!!」

 

そのうち、テロリストの増援が到着すると…銃撃戦になる。リコリス達は壁に身を隠しながら、発砲を開始する。

 

バッファ「卑怯?全部こっちの台詞だ!!」ガッ!ガッ!

 

バッファはゾンビブレイカーを盾代わりにして銃弾を防ぎながら、テロリスト達に突進していく。

 

タイクーン「紫、友香、諒芽、俺の後ろに!!」

 

タイクーンがレイズシールドを構えながら、ギンペンとナーゴとダパーンを誘導する。

 

ダパーン「翔ちん!!こっちは任せろ!!」

 

ギンペン「早くラスボスジャマトの元へ!!」

 

ナーゴ「私達なら大丈夫ですので、行ってください!!」

 

ギーツ「…頼んだぞ!!錦木、井ノ上、来い!!」

 

千束「言われなくても!!」

 

たきな「はい!!」

 

このフロアを仲間達に任せ、ギーツは千束とたきなと共に上へと突き進んだ。

 

 

 

やがて、ドアの前にやって来た時…

 

ギーツ「待て!!」

 

殺気を感じたギーツが、千束とたきなを静止した。その直後……

 

 

ドゴォォオオオオンッ!!

 

 

ドアが大爆発をし、粉々に吹き飛んだ。砂埃が晴れ、ギーツはマグナムシューター40Xを構えながら突入した。千束とたきなも、ギーツに続いて突入する。

 

真島「ほぉ…お前が仮面ライダーって呼ばれる奴か。待ってたぜ?」

 

ジャマト「ジャア…!」

 

そんな彼らを待っていたのは、大量の破壊と殺戮を目論むテロリスト『真島』と…幾多の重火器を持ち、黒いスーツ、分厚い防弾チョッキに身を包んだジャマト『組長ジャマト』だった。

 

真島「人知れず世界を守るヒーローが、リコイルと手ェ組んだとはなぁ…?」

 

ギーツ「そういうてめぇは、人類を脅かすジャマトと手ェ組んだじゃねぇか?」

 

真島「っはは。俺は目的を遂行すんなら、手段を選ばねぇ男だからな。どうしようが俺の勝手だろ?」

 

ギーツ「なら、尚更お前を排除しねぇとな?」

 

千束「翔さ…じゃなくてライダー、アイツは私とたきながやる。」

 

たきな「貴方はあのジャマトをお願いします。」

 

ギーツ「あぁ。」

 

ギーツは右に向かって走り、マグナムシューター40Xからエネルギー弾を放つ。千束とたきなは左に走り、真島目掛けて銃弾を放つ。

 

真島「フハハハハッ!!良いね良いねぇ!!もっと俺を楽しませろぉぉおおおお!!」

 

真島はアサルトライフルを取り出し、千束とたきなを狙う。

 

組長ジャマト「ジャアッ!!」

 

組長ジャマトはサブマシンガンから銃弾を発砲しながら、ギーツに近付いて来る。

 

ギーツ「ッ!!」

 

ギーツは、ハンマーレイズバックルをドライバーに取り付け、右手にレイズハンマーを装備する。

 

組長ジャマト「!!」

 

ギーツ「ムンッ!!」ガァンッ!!

 

そして、組長ジャマトが右手に持っていたナイフを弾き飛ばした。その直後、マグナムシューター40Xからエネルギー弾をマシンガンのように放つ。

 

ギーツ(コイツ…ビクともしてねぇのか?)

 

すると、組長ジャマトはショットガンを取り出し、ギーツに発砲した。ギーツは後方に吹き飛ばされると、背中から壁に激突した。

 

千束「翔さん!!」

 

真島「余所見してる場合かぁ!?」ドパパパパッ!!

 

千束「ちぃっ!!」パァンッ!パァンッ!

 

たきな「千束、集中してください!!」

 

千束とたきなは、真島を相手するので精一杯で、中々救援に行けない。真島は右手にアサルトライフルを、左手にサブマシンガンを持ち、銃弾の嵐を千束とたきなに放った。

 

ギーツ「ぐっ…くそ……」

 

うつ伏せに倒れるギーツに、ゆっくりと近付く組長ジャマト。

 

組長ジャマト「フャバキョ…

 

ジャマトは謎の言葉を呟きながら、ギーツにゆっくり近付く。だが、ギーツの目の前まで来た次の瞬間……

 

 

ギーツ「!!」ダァンッ!!

 

 

バシュッ!

 

 

ギーツに右足を撃たれ、バランスを崩した。

 

ギーツ「バカだな…狐ってのは、化かす生き物だって相場が決まってんだよ。」

 

ショットガンで撃たれたギーツだが、変身者の翔は…数多の痛みを経験してきた……そして、彼は人間ではない…その人間を喰らう化け物で、恐るべき生命力を持っているのだ。そのため、簡単に倒れることは無い。

 

ギーツ「お前の弱点、漸く分かったよ…」

 

ギーツはハンマーレイズバックルを外すと、ブーストレイズバックルを取り付ける。

 

 

《SET》

 

 

組長ジャマト「ッ!!」ズダァンッ!ズダァンッ!

 

組長ジャマトはマグナムから銃弾を放つが、ギーツはデザイアドライバーを回転させる。

 

《REVOLVE ON》

 

ドライバーから音声が流れると、ギーツの上下半身の装甲が一瞬で変わった。側転のように回転しながらジャマトの攻撃を避けると、レイズバックルを起動させる。

 

ズドォンッ!ズドォンッ!

 

ヴォォオオオオッ!!

 

ヴォンヴォンヴォンヴォンヴォォオオンッ!!

 

 

《DUAL ON》

 

 

ドライバーから音声が響くと、ギーツの姿が変わっていく。

 

 

《GET READY FOR BOOST & MAGNUM》

 

《READY FIGHT!!

 

 

ギーツ「さぁ、ゲームの時間だ。」

 

 

ブーストマグナムフォームとなったギーツは複眼を光らせると、両腕のジェットから炎を噴きながら、高速で組長ジャマトに向かって行く。

 

ギーツ「ムンッ!!」ドゴォッ!!

 

ヴオオォォンッ!!

 

ブーストエンジンに乗ったパンチは、組長ジャマトの顔面を捉え…空中へ飛ばす。直後、ギーツは空中へ飛び上がり…ブーストエンジンを利用して飛行する。

 

ギーツ「くらえ!!」ドガガガガッ!!

 

空中で回転蹴りを放ち、組長ジャマトをフロアへと落とす。だが、床に着く前にギーツが組長ジャマトを再び空中へと飛ばし、反撃のチャンスを与えない。

 

組長ジャマト「デ、デヴァ…!!」

 

組長ジャマトは空中で回転しながら、マグナムから銃弾を放ったが……

 

ガキィンッ!!

 

真島「…?」

 

それは真島のアサルトライフルに命中、アサルトライフルは使い物にならなくなった。これを見逃さなかった千束とたきなは、真島に攻撃を仕掛ける。千束はハンドガンから銃弾を放ち、サブマシンガンを落とした。その隙にたきなはワイヤーガンからワイヤーを放ち、真島を拘束に成功した。

 

ギーツ(よし、こっちもそろそろ決めるか…)

 

《REVOLVE ON》

 

ギーツはドライバーを回転させ、マグナムブーストフォームにチェンジすると、ブーストバックルのハンドルを捻る。

 

《BOOST TIME》

 

ドライバーから待機音が響いた後、ギーツはバックルのハンドルを5回捻り、マグナムシューター40Xの銃口を組長ジャマトに向ける。

 

《BOOST MAGNUM GRAND VICTORY》

 

ドライバーから音声が響くと、ギーツはマグナムシューター40Xから銃弾の嵐を放った。組長ジャマトは銃弾の嵐により、全身に風穴を開けられ、爆散した。

 

『MISSION CLEAR』

 

組長ジャマトが倒れたことで、ミッションクリアに成功した。

 

 

 

アフロディーテ「ミッションコンプリートです!!」

 

 

 

あの後、テロリスト達は警察に身柄を確保され、連行されていった。

 

千束「よっし!!これで一見落着だねぇ♪」

 

たきな「お疲れ様でした。」

 

フキ「仮面ライダー達、本当にありがとう。正直、かなり助かった。」

 

サクラ「いやぁ、あの化け物は何だったんスかね?ま、仮面ライダーが倒してくれたけどさ♪」

 

リコリス達は、6人のライダー達にお礼を言った。

 

千束「翔さん、一海さん、紫さん、友香さん、諒芽さん、幸喜さん、ほんっとにありがとう!!」

 

たきな「貴方方に会ってなければ、私達はテロリスト集団に勝てなかったかもしれないです。」

 

幸喜「へへっ、良いってことよ!!これで、俺達はトモダチになれたな!!」

 

幸喜はニカッと笑い、リコリス4人と握手を交わした。

 

ヘルメス『ライダーの諸君、よく頑張ってくれた。これで、この世界のジャマトは殲滅した。』

 

翔「もう現れねぇよな?」

 

ヘルメス『この世界にはな?』

 

ヘルメスが現れると、スコアを表示した。

 

ヘルメス『今回の最下位は、仮面ライダータイクーンだ。』

 

幸喜「…へっ?」汗

 

ヘルメス『タイクーンには、その場でブーストストライクを受けてもらう。では、頼んだぞ。』

 

ヘルメスが指パッチンをすると、何処からともなく1人の仮面ライダーが姿を現した。それは、フクロウモチーフと思われるが、何処となくギンペンとそっくりな仮面ライダーだ。

 

一海「か、仮面ライダー!?」

 

ヘルメス『顔出し声出しNGの研修スタッフ、『仮面ライダーケイロウ』だ。ではケイロウ、仲本 幸喜の尻にブーストストライクを放つんだ。』

 

ケイロウ「…。」

 

ケイロウはブーストフォームになり、ブーストストライク(回し蹴り)を幸喜の尻に思い切り放った。

 

幸喜「いってええええぇぇぇぇっ!!??

 

千束「わぁっ!?こ、幸喜さんがぶっ飛ばされた!!?」

 

たきな「だ、大丈夫ですか…?」汗

 

幸喜「ムゴゴムゴゴ(大丈夫だ)…」

 

壁に激突した幸喜が、仰向けに地面に倒れる。目に渦巻きを作り、頭上でひよこが回っている。その時、翔達の身体が光り始めた。

 

千束「!?ど、どうしたの翔さん達!!」

 

翔「ここでお別れだ。ラスボスジャマトが倒れた今、この世界にジャマトが現れることは無くなった。」

 

紫「短い間ではあったが、世話になった。」

 

友香「皆さん、お元気で。」

 

諒芽「またどっかで会おうぜ!」

 

一海「そんじゃ、またな!!」

 

幸喜「ま、また会う日まで…!!」

 

瞬間、目映い光が発生すると…リコリス達の前には、翔達の姿が無くなっていた。




漸く、マグナムブーストフォーム出せた…


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14.美味しい街で子育て!?

ラスボスジャマト戦から、役2週間が経った頃……翔達はデザイア神殿に呼び出された。

 

ヘルメス「やぁ、元気にしているかな?」

 

翔「…何の真似だ?」

 

ヘルメスの言葉に違和感を感じた翔は、思わず彼を睨み付ける。

 

幸喜「おいおい、ヘルメスって神様だろ?」

 

一海「あれは、まぁ……翔のメンタルがすげぇんだ。」

 

神を睨む翔に困惑する幸喜と、そんな彼に苦笑いしながら話す一海。

 

友香「今回のゲーム内容って、何ですか?」

 

ヘルメス「君達には、『子育て』をしてもらう。」

 

紫「こ、子育て…?」汗

 

ゲーム内容は『子育てゲーム』…いや、ゲームなのか?

 

ヘルメス「あそこにある卵を育てて貰うぞ。好きなのを1つ選び給え。」

 

ヘルメスの指差す方向には、そこそこの大きさの卵が6つある。

 

諒芽「じゃあじゃあ、俺はこれにする!!」

 

幸喜「お、俺は1番右!!」

 

諒芽と幸喜が卵を取ると、一海と紫と友香も卵を取った。

 

翔「……。」

翔(今回のゲームはくだらん…実にくだらねぇ……やる価値あんのか?)

 

一方、翔は残った卵を取ろうとしない。

 

ヘルメス「翔よ…この卵はゲーム攻略の鍵を握っている。それに、育ててみれば愛着が湧くと思わないか?」

 

翔「…バカ言え。」

 

諒芽「翔ちん、取らねーのか?」

 

翔「今から取るんだよ。」

 

文句を言いながらも、残った卵を手に取る翔。

 

翔(残り物には福があるって言葉があるが…どうなることやら……)

 

紫「それで、舞台はどこなんですか?」

 

アフロディーテ「今回の舞台は、こちらです!!」

 

アフロディーテが手を叩き、戦いの舞台となる世界を映し出す。

 

 

この世のおりょうりを司る幸せな世界『クッキングダム』が守って来た全てのおりょうりのレシピ『ブンドル団』に盗まれてしまった。

 

ブンドル団が次に狙うのはおりょうりの妖精『レシピッピ』。レシピッピが奪われてしまうと料理の味が変わってしまう!レシピボンを探しにクッキングダムから3匹のエナジー妖精が人間界の『おいしーなタウン』にやって来る。

 

そこに住む和実(なごみ) ゆい』芙羽(ふわ) ここね』華満(はなみち) らん』の3人の少女はエナジー妖精と出会い彼らの力を借り、伝説の戦士『プリキュア』に変身し、みんなのおいしい笑顔を守る為ブンドル団と戦う。

 

【デリシャスパーティ♡プリキュア 】

 

この世界が、今回の舞台となる。

 

 

幸喜「プリキュアかぁ、妹が好きだったなぁ…」

 

友香「幸喜さん、妹さんがいるんですか?」

 

幸喜「あぁ!可愛い妹だぜ!!」

 

諒芽「男子でもプリキュア好きだって人もいるよな?」

 

一海「居るな。」

 

紫「翔はどうだ?プリキュアは好きか?」

 

翔「興味ねぇよ、喧嘩売ってんのか?」

 

アフロディーテ「今回はバックルを皆様に1つずつお配り致します。それでは、ゲームスタートです!!」

 

アフロディーテがそう言うと、6人のライダー達はプリキュアの世界へと飛ばされた。

 

 

 

翔は諒芽と共に、おいしーなタウンの和食ストリートに降り立った。

 

諒芽「おぉ〜、美味そうな香りで溢れてんなぁ!!」

 

翔「観光に来たわけじゃねぇ、気ぃ抜くなよ?」

 

諒芽「おい翔ちん見てみ!?でっけぇ招き猫があるぞ!!」

 

翔「…おい。」汗

 

諒芽の自由奔放さに振り回されながらも、ジャマトの気配を探る翔。しかし……

 

翔(…ん?ジャマトの反応が無い…どうなってんだ……?)

 

ジャマトの気配も、ジャマーエリアも無い。

 

諒芽「おーい翔ちーん!!寿司でも食おうぜ!!」

 

翔「…は?」汗

 

いつの間にか寿司を買ってきた諒芽に、困惑する翔。

 

諒芽「まずは腹ごしらえ、腹が減ってはいい草はできねぇって言うだろ?」

 

翔「それを言うなら戦だろ…」汗

 

戸惑いつつも、諒芽が買ってきた寿司を食べ始める翔。

 

諒芽「うんめぇ〜♪」

 

翔「……。」

翔(確かに美味い…コイツ、一体何がしたいんだ…?)

 

諒芽「いやはや、シェアしながら食うともっとうめぇや!!」

 

翔(…そういうことか…てか、何故こんな贅沢なモンをチョイスしたんだ…?)汗

 

シェアするのであれば、寿司じゃなくても良いだろうと思った翔だが、黙って食べることにした。空腹を満たした後、街を散策することに…

 

諒芽「美味かったぁ、満腹満腹ぅ♪」ケフッ…

 

翔「…あんがとよ、諒芽。」

 

諒芽「へへっ、良いってことよ!」

 

街を歩きながら、ジャマトを探す翔と諒芽。

 

翔「てか、まずは一海らを見つけねぇとな?」

 

諒芽「あ、そうだった…」汗

 

翔「忘れてんじゃねぇよ。」汗

 

ジャマトより仲間を探すことにした2人は、洋食ストリートに向かった。

 

 

 

洋食ストリートに着いた頃、諒芽のお腹が鳴った。

 

諒芽「あぁ、腹減ったぁ…」

 

翔「さっきまで寿司食ったのにか?」

 

諒芽「おん…」汗

 

翔「ならあそこに行こうぜ?今度は俺が奢る。」

 

諒芽「マジで!?サンキュー翔ちん、心の友よー!!」

 

翔「うるせぇっての…」汗

 

2人が入ったのは、オムライス専門店だ。席に着き、名物のオムライスを注文した。やがて、料理が運ばれて来ると…料理を口に運んでいく。

 

諒芽「う、うめぇ~!!」

 

翔「…フンッ。」

 

翔と諒芽だけではなく、ここにいる客全員が幸せそうな顔をしている。

 

 

???『ピッピ〜♪』

 

 

翔「…ん?」

翔(何だあれ…?)

 

突如、店の中に現れたオムライスに似た姿の小さな精霊…翔と1人の少女以外は気付いていない。

 

少女「わぁ、レシピッピ…!」

 

翔(へぇ、レシピッピって言うのか…何かありそうだな。)

 

どうやら、現れた小さな精霊はレシピッピというらしい。レシピッピは少女の元へ飛んでいき、彼女の周りを回っている。だが、近くにいる少年はレシピッピに気付いていない。いや、正確には見えていないと言った方が良いだろう。

 

翔(…!!)

 

ふと、翔は少女の後ろにいる怪しい人影に気付く。人影は箱のような物を取り出すと…

 

『ブンブンドルドル・ブンドルー!』

 

…と、怪しげな呪文を唱え始めた。

 

翔(まさか…させるか!!)

 

翔が席から立ち上がった直後、箱から黒い煙が現れると…レシピッピを吸い込み始める。

 

レシピッピ『ピッピー!!』

 

少女「…!?」

 

レシピッピはどんどん吸い込まれていく。しかし、箱に収納される直前…

 

翔「…。」サッ…

 

翔が人影の前に立ち、レシピッピを優しくキャッチした。

 

???「…何?」

 

翔「お前は誰だ?ここで何をしている?」

 

???「…ちっ!」

 

人影は怪盗のような格好をした少女だった。その少女は、瞬時に姿を消した。

 

翔(…くそっ、逃げられたか。)

 

怪しげな少女には逃げられたが、レシピッピを救うことには成功した。

 

レシピッピ『ピィ…?』

 

翔「…大丈夫か?」

 

レシピッピ『ピッピピッピ〜♪』

 

助けられたレシピッピは、翔に感謝するように彼の周りを飛び始めた。

 

諒芽「翔ちん、どうしたんだよ?」

 

翔「話は後だ、一先ずここを出るぞ。」

 

諒芽「お、おう…」

 

翔と諒芽は会計を済ませ、早歩きで店を出た。

 

少女「あっ、待って…!!」

 

少年「…ゆい?」

 

翔と諒芽の後を追うように、少女も店を出た。

 

 

 

翔「…!」

 

諒芽「何だ?」

 

店を出ると、先程の怪しい少女の姿があった。

 

翔「尻尾巻いて逃げたと思えば、そこに居たのか…」

 

ジェントルー「我は怪盗ブンドル団の『ジェントルー』、その妖精をこっちに渡してもらおう。」

 

翔「そうはいかねぇな…コイツを、お前の元に行かせてはならねぇ……コイツの様子が、それを物語ってる。」

 

レシピッピは翔の後ろに隠れ、ジェントルーと名乗る少女に怯えている。

 

諒芽「何だコイツ、敵か…?」

 

翔「当たり前だ。」

 

ジェントルーと睨み合う中…

 

???「見つけたわよ、レシピボン泥棒!!」

 

美しい容姿の男性(?)が姿を現す。

 

少女「マリちゃん!?」

 

ローズマリー「!?ゆい…!!」

 

ゆい「その人、レシピッピを…でも、そのお兄さんがレシピッピを助けてくれたんだよ!!」

 

ローズマリー「えっ…貴方達も、レシピッピが見えるの!?」

 

現れた男性は『マリーローズ』『クッキングダム』という国からレシピボンを探しに来たレシピボン捜索隊隊長だ。後ろにいる少女は、和実 ゆい…後にプリキュアとなる少女である。

 

ジェントルー「貴様らの相手は私ではない…コイt、ん…?」

 

その時、周囲を赤い結界が覆って行くのが見えた。

 

諒芽「ジャマーエリア!?こんな時に!!??」

 

それは、ジャマーエリアであり…エリアが広がると、どこからかジャマトが姿を現した。レストランのホールスタッフの衣装を着た『ホールスタッフジャマト』だ。

 

翔「諒芽!!ジャマトを狩るぞ!!」

 

諒芽「おうよ!!」

 

翔と諒芽は、デザイアドライバーにレイズバックルを取り付けると…

 

 

翔「変身…」

 

諒芽「変身ッ!!

 

 

バックルを操作し、仮面ライダーへと姿を変えて行く。

 

 

《GRAB! GRASHER! ZONBIE》

 

《MAGNUM》

 

 

仮面ライダーギーツ(ゾンビフォーム)に変身した翔は、ゾンビブレイカーを構え…仮面ライダーダパーン(マグナムフォーム)に変身した諒芽は、マグナムシューター40X(ライフルモード)を構える。

 

ギーツ「さぁ、ゲームの時間だ。」

 

ダパーン「さぁ、うーんと…ら、ランチタイムだ!!」

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

2人のライダーは、迫りくるジャマトからこの店を守るべく…ジャマト達に立ち向かって行く。

 

ギーツ「ぉぉおおおおっ!!」ヴオオオオオオオッ!!

 

ギーツはゾンビブレイカーを唸らせ、ジャマト達を真っ二つに斬り捨てる。

 

ダパーン「よっと!」ズギュンッ!

 

ダパーンはマグナムシューター40Xからレーザーを放ち、ジャマトの頭部を正確に貫く。直後、レバーを引き…ジャマト達に狙いを定める。

 

《CHARGE》

 

音声が響くと、ギーツは残りのジャマトを切り捨て…その場で屈む。その直後、ダパーンはマグナムシューター40Xのトリガーを引いた。

 

《TACTICAL SHOOT》

 

銃口からは太いレーザーが放たれ、残ったジャマトを消し去った。

 

ゆい「わぁ〜、すご〜い!!」

 

ローズマリー「あんなに居た敵をものの数十秒で…!!」

 

ジェントルー「…成程、一旦退こう。」

 

ゆいとローズマリーが感心する中、ジェントルーはその場から姿を消した。

 

ダパーン「あっ!?こら、待て!!」

 

ダパーンはマグナムシューター40Xの銃口を向けたが、逃げられてしまった。

 

ダパーン「くっそぉ〜、アイツ逃げ足速すぎだってぇ…!!」

 

ギーツ「ダパーン、まだ終わってねぇぞ!!」

 

ダパーン「…へっ、まさか…!!」

 

ギーツとダパーンが、慌てて店の中に入ると…

 

客「うわああぁぁっ!!」「いやっ、離して!!」

 

店内にホールスタッフジャマトが現れ、客を襲っていた。

 

ギーツ「ッ!!」

 

ギーツは床を蹴って飛び上がり、ジャマトに飛び蹴りを放った。

 

ドカッ!!

 

ジャマトA「ジャアッ!?」

 

襲われていた客を救出し、人々の前に壁として立ち塞がると…ゾンビブレイカーのカバーを上部までスライドする。

 

《POISON CHARGE》

 

エネルギーをチャージし、手を放してカバーを戻すと、必殺技待機音が鳴り始める。その間にトリガーを押すと、前方にいるジャマト達を一気に叩き斬った。

 

《TACTICAL BREAK》

 

ダパーン「俺も…って、ここで撃つ訳にはいかねぇか。そんなら…!!」

 

ダパーンは店の奥へ入り、ホールスタッフや料理人の救出に向かった。

 

ダパーン「よっ!!」ガツンッ!

 

ジャマト「ジャッ!?」

 

ダパーン「大丈夫ですか!?」

 

ホールスタッフ1「は、はい…!」

 

ダパーン「早くホールへ、仮面ライダーがいるんで大丈夫っす!!」

 

1人のホールスタッフを助けると、更に奥へ突き進み…残りのホールスタッフや料理人の救出を始める。

 

料理人「うわぁっ!?か、怪物…!!」

 

ジャマト「ジャッ!!」

 

ダパーン「させるかぁ!!」ドカァッ!!

 

ジャマト「ジャッ!?」

 

ジャマトにタックルし、スタッフ達を守るため…前に立つ。

 

ホールスタッフ「な、何だあれ…!?」

 

料理人「ぱ、パンダ…?」汗

 

戸惑うホールスタッフを見たダパーンは、名前を名乗る。

 

ダパーン「俺はパンダヒーロー『仮面ライダーダパーン』だ!!」

 

そして、マグナムシューター40Xを鈍器として使い…ジャマトを撃破した。増援のジャマトが来ると…

 

ダパーン「あ、フライパン借りて良いですか?」

 

料理人「えっ…あ、どうぞ…」汗

 

フライパンを1つ手に取って、マグナムシューター40Xをレイズバックルホルダーに収納する。

 

ダパーン「っしゃあ!行くぜ行くぜ行くぜぇぇええええ!!」

 

フライパン片手にジャマトに突進していくと…

 

ダパーン「ほっ!!」ガツンッ!

 

ジャマトA「ンジャアッ!?」

 

ダパーン「せりゃっ!!」ゴォンッ!!

 

ジャマトB「キョジッ!?」

 

ダパーン「おりゃっ!!」ブアキィンッ!!

 

ジャマトC「キョトキョッ!!」

 

襲ってきたジャマトの頭を叩き、ダウンさせた。

 

ダパーン「よし、トドメだ!!」

 

ダパーンはマグナムレイズバックルを操作すると、左手にフライパンを、右手にマグナムシューター40Xを持つ。

 

《MAGNUM STRIKE》

 

ドライバーから音声が響くと、ダパーンは腰をどっしりと落とす。

 

ダパーン「必殺、ライダークロスストラァァアアアアイク!!」

 

そして、持っている武器を上へ振り上げ…最後にアルファベットのXを描くように武器を振り下ろした。攻撃はジャマトに命中し、ジャマト達は撃破…人々の救出に成功した。

 

 

 

ギーツ「…終わったようだな。」

 

取り残されたホールスタッフと料理人達と一緒に出てきたダパーンをみて、ギーツは思う。

 

ダパーン「翔ちん、これは鈍器として使った!!どうだ、良い判断だろ?」

 

ギーツ「バーカ、当然の判断だ。」

 

ダパーン「あちゃ〜、厳し〜なぁ〜…!」

 

ギーツ「てか、お前の卵はどうした?」

 

ダパーン「えっ…あっ!?ヤベッ、割れてねぇか!?」

 

ダパーンは慌ててMY卵を確認すると、卵は無事であった。ギーツはいつの間にか、MY卵をねんねこに包んでいた。

 

ダパーン「よ、良かったぁ…!!」ホッ!!

 

料理長「あの、ありがとうございました!!このお店を、お客様を守ってくださって…ありがとうございました!!」

 

ギーツとダパーンは、この店の料理長から感謝され…更に、周りの客からも感謝された。

 

母親「あの、パンダさん…貴方のお名前は?」

 

ダパーン「おっ?俺はダパーン、仮面ライダーダパーンです☆」

 

父親「そっちのキツネさんは?」

 

ギーツ「仮面ライダーギーツだ。」

 

ダパーンとギーツが名乗りをすると、子ども達が集まって来る。

 

子ども「かめんらいだー!!」「ぎーつーー!!」「だぱーん!!」「じゃぱーん!!」

 

ダパーン「おぉ、順番な〜?」

 

ギーツ「そんなに慌てるな、ケガしたらいてぇだろ?」

 

集まってきた子ども達とハイタッチしたり握手したりと…彼らは子どもの扱いには慣れているのだ。

 

ゆい「マリちゃん、私達も握手して貰おうよ♪仮面ライダーってカッコいいね!!」

 

ローズマリー「フフッ、そうね。」

 

親子が握手をする中、ゆいとローズマリーもギーツとダパーンに握手をしてもらい、笑顔を見せるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェントルー「仮面ライダーギーツに…仮面ライダーダパーンか……覚えておこう。」




ギーツのゾンビフォーム、漸く出せたぜ。

皆さんは、仮面ライダーギーツのライダーの中でどのライダーが好きですか?

ちなみに今の僕は、タイクーンとダパーンとケイロウです。


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15.伝説の戦士

おいしーなタウンにて、バラバラに飛ばされた翔達。和食ストリートにて、翔と諒芽はゆいとローズマリーとコメコメとの接触に成功した。

 

 

 

一方、洋食ストリートでは……

 

幸喜「翔と諒芽と紫と友香、一体どこに居るんだ?」

 

幸喜と一海は、翔達を探していた。

 

一海「てか、連絡してみねぇか?」

 

幸喜「あっ、そっか…」

 

一海の言葉を聞いた幸喜は、スマホを取り出すと、諒芽に連絡した。

 

幸喜「おっ、諒芽か?」

 

諒芽『おう幸喜ィ!!どうした?』

 

電話が繋がり、お互いの位置を話す幸喜と諒芽。

 

幸喜「って、すぐそこじゃねぇか!!俺達もそっちに行く!!」

 

一海「翔と諒芽の場所が分かったのか?」

 

幸喜「あぁ、こっちだ!!」

 

一海「あっ、おい幸喜!!」

 

走っていく幸喜を慌てて追い掛ける一海。

 

 

 

その頃、翔と諒芽は……

 

ゆい「わたし和実 ゆい!食べるの大好き中学2年生!!」

 

翔「お、おぉ…青空 翔だ……」汗

翔(ち、ちけぇ…)

 

諒芽「俺は鏡 諒芽、高1だ!!」

 

ローズマリー「わたしはローズマリー、貴方達もわたしの美しさの秘訣に興味ない?」

 

翔「興味ねぇわ。」

 

諒芽「俺も。」

 

ローズマリー「えっ…」汗

 

互いに自己紹介を済ませた翔達は、さっそく交流を…というか、ゆいがぐいぐい来るので、翔は困惑していた。

 

ゆい「えぇっ!?高校生なんだ、じゃあ翔さんと諒芽さんだね♪」

 

ローズマリー「ゆい、翔と諒芽は先輩よ?」

 

諒芽「いやいや、敬語じゃ固っ苦しいし…タメ語で良いぜ!な、翔ちん?」

 

翔「…好きにしろ。」

 

ここの世界では、翔達は高校1年生という設定である。あまり年が離れていると、親近感が持てないだろうと思ったヘルメスとアフロディーテによる配慮だ。ちなみに、彼らの拠点はシェアハウスだ。

 

ゆい「2人はおいしーなタウンに来るの初めて?」

 

翔「…最近、ここに引っ越してきた。」

 

ゆい「そうなんだ!!そしたらさ、なごみ亭に来てよ!!あたしの実家の定食屋なんだけど、この街で1番のお店なんだよ♪」

 

諒芽「マジ!?行こーぜ翔ちん!!ぜってぇうめぇモンあるからさ!!」

 

翔「定食屋だからそりゃそうだろ…って、おい引っ張るな諒芽!!まだ一海らと合流できてねぇんだから!!」

 

翔がそう言うと、丁度一海と幸喜がこちらへ走って来るのが見えた。

 

諒芽「ゆい、紹介する…こっちは木場 一海でこっちが仲本 幸喜、俺と翔ちんの友達。おんなじ高1なんだぜ?」

 

一海「初めましてだよな?俺は木場 一海、よろしく。」

 

幸喜「俺は仲本 幸喜、いつか世界中の人達と友達になる男だ!!」

 

ゆい「よろしくね、一海さん、幸喜さん♪あたしは食べるの大好きな中学2年生、和実 ゆい!!」

 

一海と幸喜と合流したタイミングで、ゆいとローズマリーは彼らをなごみ亭へと案内した。

 

 

 

ゆい「お母さんただいま〜!!ねぇねぇ、新しい友達ができたんだ!!」

 

なごみ亭(ゆい宅)に到着すると、ゆいの母親と対面することに。

 

あきほ「あら、素敵な男の子ね♪」

 

ゆい「うん!こっちが青空 翔さん、こっちが鏡 諒芽さん、木場 一海さんに仲本 幸喜さん!!」

 

翔「青空 翔だ。」

 

諒芽「鏡 諒芽です!」

 

一海「木場 一海です。」

 

幸喜「ちわっす、仲本 幸喜っす!!」

 

あきほ「初めまして、和実 ゆいの母あきほと申します。」

 

ゆいの母親『和実 あきほ』…定食屋『なごみ亭』を経営している。ちなみに、ローズマリーはここで働いており…あきほとは美容の秘訣の話題で盛り上がり、すっかり仲良しになっている。

 

ゆい「お母さん、翔さん達にも1番の料理をご馳走したい!!」

 

あきほ「もちろん、腕がなるわ。」

 

マリーローズとゆいは、彼らを空いてる席に案内し、注文を取った。注文を聞いたあきほは、さっそく料理を開始した。

 

ゆい「ところで、皆はどこの高校に通ってるの?」

 

翔「通信制高校だ。」

 

ゆい「つうしんせいこうこう…?」

 

翔はゆいに、通信制高校について説明した。それも、彼女にわかりやすく……翔の説明に、ゆいは納得した。やがて、注文した料理が運ばれて来ると、4人はなごみ亭の定食を堪能する。

 

幸喜「う、美味っ!?」

 

一海「本当だ…身がホクホクしてる。」

 

諒芽「たまんね〜♪」

 

幸喜、一海、諒芽は分かりやすいぐらい幸せそうな顔をするが、翔だけは表情を全く変えず、黙って食べている。

 

ローズマリー「翔、どうかしら?」

 

翔「…あぁ、美味いぞ。」

 

表情には出していないが、ここの定食を気に入った様子の翔。ふと、右のポケットに違和感を感じた翔は…ポケットに手を入れる。

 

翔「…!?」

 

一海「どうしたんだ、翔?」

 

翔「…レシピッピが……」

翔(くそ、やられた…油断しちまったよ……)

 

一瞬の隙を突かれ、レシピッピを奪われてしまったのだ。翔は定食を味噌汁で流し込むと、1万円札を置いた。

 

翔「釣りは要らねぇ…」

 

そう言うと、外へ出ていった。

 

ゆい「あっ、あたしも行く!!」

 

ローズマリー「ちょっ、ちょっとゆい!!」

 

翔の後を追うゆいを慌てて追い掛けるローズマリー。

 

諒芽「俺らも行こう!!」

 

一海「あきほさん、ご馳走様でした!!」

 

幸喜「何か、急に入ったり出てったりしてすんません!!」

 

急いで料理を平らげ、翔達の後を追っていった。

 

 

 

その頃、翔は…

 

翔「見つけた…!」

 

ジェントルー「漸く来たか、仮面ライダーギーツ…」

 

翔「レシピッピを返して貰おうか。」

 

ジェントルー「フンッ、君の相手はコイツだ。」

 

ジェントルーはそう言うと、レシピッピが閉じ込められている箱を取り出し…

 

 

いでよ、ウバウゾー!!

 

 

ウバウゾー「ウバウゾー!!

 

 

フライパンのような姿をした怪物『ウバウゾー』が雄叫びを上げると、周辺の人達は慌てて逃げ出す。ローズマリーは咄嗟に『デリシャスフィールド』を展開し、ジェントルーとウバウゾーを閉じ込めることに成功した。しかし、どういうわけかゆいが入ってきてしまった。彼女の後に、諒芽と一海と幸喜まで入ってきた。

 

ローズマリー「ゆい!?あんたどうやって!?」

 

ゆい「分かんない…けど、レシピッピを助けたい!!」

 

ゆいはそう言うと、ジェントルーとウバウゾー目掛けて走っていく。

 

翔「あっ、バカ!!」

 

翔は慌てて仮面ライダーに変身、ゆいの後を追っていく。

 

一海「俺達も行くぞ!!」

 

一海、諒芽、幸喜も仮面ライダーに変身…ゆいとギーツを追っていく。

 

ジェントルー「ほぅ、ギーツとダパーン以外にも仮面ライダーが居たとは…行け、ウバウゾー!!」

 

ウバウゾー「ウバウゾー!!」

 

ウバウゾーは巨大な腕を振り下ろして来る。ギーツはゾンビブレイカーで受け止める。

 

ゆい「あっ、仮面ライダー!!」

 

ギーツ「バカ野郎、生身の状態であんなデカブツに挑もうとすんな!!」

 

ゆい「分かってる!!けど…」

 

ギーツ「お前の気持ちは分かる、だが…今は俺らに任せろ。」

 

ダパーン「よっと!!」ズダダダッ!!

 

タイクーン「おらっ!!くらえっ!!」バシュッ!バシュッ!

 

ウバウゾー「ウババババッ!?」

 

ダパーンはマグナムシューター40X(ハンドガンモード)からエネルギー弾を連射し、タイクーンはレイズアローから矢を放った。ダパーンとタイクーンの攻撃に怯んだウバウゾーを見たギーツは、ゆいを抱えてウバウゾーから距離を取る。

 

バッファ「翔!!」

 

ギーツ「バッファ…お前、ハズレ引いたな……」汗

 

バッファの武装は、レイズウォーター…水場で無い場所では、使い物にならない。

 

バッファ「鈍器としてなら使えるぞ。」

 

ギーツ「ふっ、それなら良い。」

 

4人のライダー達は、ゆいを守るように立ちはだかった。

 

ギーツ「せめて…せめて子どもの未来だけは、守んねぇとな…!」

 

バッファ「あぁ、俺達仮面ライダーが居る限り…子ども達の未来は奪わせやしねぇ!!」

 

タイクーン「1!2!纏めてタイマン張らせて貰うぜ!!」

 

ダパーン「おっしゃ行くぞ!!ランチタイム第2ラウンドだぁ!!」

 

そんなライダー達の背中を見たローズマリーは、紐状の光を出し、ウバウゾーを拘束した。

 

ローズマリー「今よ、仮面ライダー!!」

 

ギーツ「よし!!」

 

ライダー達はバックルを操作し、必殺技を放った。しかし…

 

ウバウゾー「ウバウゾー!!」

 

ウバウゾーはまだ倒れていない。

 

ダパーン「き、効いてない!?」

 

戸惑うライダー達を、ウバウゾーは右腕一振りで薙ぎ払った。吹き飛ばされるライダー達…しかし、ギーツは壁を蹴り、ゆいの近くに降り立った。

 

ゆい「か、仮面ライダー…!」

 

ギーツ「心配すんな…俺達ライダーは何度だって立ち上がる。俺達を信じる者の為にな…!!」

 

ゆい「…!」

 

ジェントルー「フンッ、貴様らではウバウゾーを倒すことは不可能の様だな。ウバウゾー、仮面ライダーを倒せ!!」

 

ウバウゾー「ウバウゾー!!」ブゥンッ!!

 

ギーツ「ちぃっ!!」ヴオオオオオッ!!

 

ガキィィイイイイイインッ!!

 

ウバウゾーの攻撃を受け止めたギーツは、ゆいに問い掛ける。

 

ギーツ「お前はどうしたい?」

 

ゆい「どうって…レシピッピを助けたい!!」

 

ギーツ「どうしてそう思う!?」

 

ゆい「レシピッピは泣いてた…それに、レシピッピはおばあちゃんとの大切な思い出!!いつも笑っていて欲しい…だって、ご飯は笑顔だから!!」

 

ゆいがそう言うと、コメコメのハートが光を放ち、ゆいの左腕に纏わりつく。それは、ハートの形をしたブレスレットのようだった。

 

ジェントルー「何だ、あれは…?」

 

ローズマリー「あれは、まさか…伝説のプリキュアの?」

 

ギーツ「…さぁ和実、後はお前次第だ。」

 

ギーツはウバウゾーの腕を薙ぎ払い、ゾンビブレイカーを思い切り薙ぎ払った。すると、衝撃波が発生し、ウバウゾーを転倒させた。

 

ローズマリー「ゆい!コメコメと一緒に、プリキュアに変身よ!!」

 

ゆい「変身…プリキュアに…?」

 

戸惑うゆいだが、ギーツはゆっくりと頷く。

 

ギーツ「守りてぇモンがあんだろ?ならばやってみろ。」

 

ゆい「わかった、やってみる!!」

 

背中を押されたゆいは、覚悟を決めると…プリキュアに変身する。

 

 

『プリキュア!デリシャスタンバイ!!』

 

『パーティー、ゴー!!』

 

『にぎにぎ(コメコメ) ハート(コメコメ)』

 

『シェアリンエナジー!!』

 

 

コメコメがおにぎり状のエネルギーになると、ゆいはそれを3口で食べる。すると、髪型が変化し、頭部には大きなリボンが着いたカチューシャが装着された。次に、両耳にイヤリングが出現し、衣装が赤やピンクを主とした洋風なモノに変化した。

 

 

『熱々ご飯でみなぎるパワー!!』

 

キュアプレシャス!!

 

『美味しい笑顔で、満たしてあげる♪』

 

 

遂に姿を現した伝説の戦士プリキュア…ウバウゾーを食い止められるのは、彼女しかいない。

 

ローズマリー「すごっ!?本当に変身した…!!」

 

キュアプレシャス「よし…仮面ライダー、ありがとう!!」

 

ギーツ「礼を言うのはまだ早ぇぞ、和実…いや、プリキュア。」

 

仮面に隠れて見えないが、翔は口角を上げていた。

 

バッファ「す、すげぇ…!!」

 

ダパーン「あれが、プリキュア…!!」

 

タイクーン「生の変身シーン、中々見れねぇぞ…!!」

 

ギーツ「おい、いつまで寝てんだ!?」

 

ギーツが呼び掛けると、バッファ達は立ち上がった。

 

ギーツ「さぁ、ゲームの時間だ。」

 

ギーツがそう言うと、ライダー達は武器を構える。

 

ジェントルー「プリキュア…?」

 

戸惑うジェントルー。ウバウゾーはジャンプすると、ライダーとプリキュアを押し潰そうとした。しかし…キュアプレシャスのパワーは凄まじく、ウバウゾーをあっさり受け止めた。

 

ギーツ「バッファ!!」

 

バッファはバックルを操作すると、レイズウォーターを握りしめる。

 

《WATER STRIKE》

 

キュアプレシャスがウバウゾーを上空へ投げると、バッファも上空へ飛び上がり…

 

バッファ「でぇやぁぁああああっ!!

 

レイズウォーターをバットの様に振るい、ウバウゾーを地面に叩き付けた。

 

キュアプレシャス「何、この力…?」

 

ローズマリー「それがプリキュアの力よ!」

 

キュアプレシャス「プリキュアの力?」

 

ローズマリー「いぇい♪」

 

キュアプレシャス「…。」汗

 

ギーツ「おい、来るぞ!!」

 

ウバウゾーは立ち上がると、目を光らせ…腕を伸ばして来る。

 

ダパーン「俺に任せろ!!」

 

タイクーン「いや、俺達に任せろ!!」

 

《BULLET CHARGE》

 

《ARROW STRIKE》

 

ダパーンとタイクーンが必殺技を放ち、ウバウゾーを怯ませる。

 

キュアプレシャス「いっくよー!!」

 

その隙に、キュアプレシャスは腕に力を込めると…

 

キュアプレシャス「500kCalパーンチ!!

 

強烈なパンチで、ウバウゾーを吹き飛ばした。

 

キュアプレシャス「ウォッチが…!」

 

キュアプレシャスのハートキュアウォッチが光ると、ローズマリーが声を上げる。

 

ローズマリー「プレシャス、決めて!!」

 

コメコメ「コメ!!」

 

キュアプレシャス「うん、やってみるよ!!」

 

すると、ギーツがバックルを操作し、必殺技を発動した。

 

《ZONBIE STRIKE》

 

ウバウゾーの周りを墓石のエフェクトで囲い、チャンスを作ったのだ。

 

ギーツ「プリキュア今だ!!」

 

キュアプレシャス「ありがとう、仮面ライダー!!」

 

トドメはキュアプレシャスが……

 

 

プリキュア・プレシャストライアングル!!

 

 

ハートキュアウォッチをタッチし、左手で大きく正三角形を描き、そこから相手に波状ビームを放つ。キュアプレシャスの必殺技を受けたウバウゾーは…

 

ウバウゾー「お腹いっぱい♪」

 

穏やかな顔になり、手を合わせる。キュアプレシャスも手を合わせると…

 

『ごちそうさまでした♪』

 

ウバウゾーは浄化された。ウバウゾーが浄化されたことで、ジェントルーが持っていた箱が壊れ、レシピッピが解放された。

 

ジェントルー「……。」

 

ジェントルーは姿を消し、撤退していった。

 

 

 

キュアプレシャス「あぁ、腹ペコった〜…」

 

ギーツ「…おい。」汗

 

ローズマリー「ありがとう、コメコメ、キュアプレシャス。そして、仮面ライダー。これで、オムライスの味も元に戻った筈よ。」

 

どうやら、レシピッピが奪われると…その食べ物の味が悪くなってしまうようだ。

 

ギーツ「今回は俺の失態だ、済まなかった…」

 

キュアプレシャス「そんな事無いよ。あたし、仮面ライダーに背中を押してもらえなかったら、レシピッピを助けられなかったもん…だから、ありがとう仮面ライダー!!」

 

コメコメ「コメコメ♪」

 

キュアプレシャスは眩しい笑顔をギーツに向けるが、ギーツは顔をそらした。

 

キュアプレシャス「あれ?何で顔そらすの?」

 

ギーツ「それより、ほれ…新しいライダーが2人いんだろ?興味ねぇのか?」

 

キュアプレシャス「あっ、ホントだ!!そっちは牛さんで、こっちは狸さん?」

 

バッファ「俺は仮面ライダーバッファ、よろしくなキュアプレシャス!」

 

タイクーン「俺は仮面ライダータイクーン、すごかったぜキュアプレシャス!!良かったら、友達になってくれねぇか?」

 

キュアプレシャス「もちろん!!よろしくね、仮面ライダー♪」

 

こうして、プリキュアと仮面ライダーが手を取り合った。幸せと未来、平和を守るため…共に戦うことを決意したのであった。




プリキュア全く知らないので、変身シーンは動画で見たり、情報はウィキペディア等で調べたり、かなり時間がかかったなぁ…

プレシャス以外のプリキュアも、いずれ出します。パンクジャックより、そっち優先かな…


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16.仮面ライダーの戦い

ダパーンって、原作ではダークライダーですけれど…

この作品では、正義のライダーです。


遂に、プリキュアとの接触に成功した翔達。あの後、紫と友香と無事に合流できたのだが…

 

一海「おっ?紫と友香、卵が孵りそうじゃないか!」

 

紫と友香の卵は、ヒビが入っており…段々割れてきていた。

 

幸喜「何が産まれるんだ?」

 

諒芽「可愛い動物かもな!ヒヨコか?それともカメか?」

 

幸喜「可愛いって言ったら、ネコか!?」

 

翔「ネコは卵から産まれねぇよ。」汗

 

やがて、卵が割れると…出てきたのは……

 

 

紫「な、何だ…これ……?」汗

 

友香「あの…これの卵だったんですか…?」汗

 

 

小さなレイズバックルだった。紫のは扇の形をしたバックルで、友香のはプロペラの形をしたバックルだ。予想外の出来事に、紫と友香は複雑そうな顔をしている。

 

翔「全員合流できたな…俺らの拠点にでも行こうぜ?」

 

翔の言葉に、メンバー達は拠点へと向かった。やがて、たどり着いたのは……

 

幸喜「で、でけぇ…!!」

 

一海「おいおい、ここが俺らの拠点か!?」

 

諒芽「いやいや、いくらなんでもデカすぎだろ!?」 

 

巨大な門、屋外プール、屋敷とも言えるような豪華な豪邸だった。

 

翔『おいヘルメス、一体どういうつもりだ?』

 

ヘルメス『私からの配慮だ。ここでの君達は世界的大スターという設定にしてある。そうすれば、プリキュアも集まって来ると思ってな。』シッシッシッ…

 

どうやらこれは、ヘルメスによる配慮であるようだ。何やら悪戯な笑いをしていたが…

 

翔『掃除が大変じゃねぇか、何が配慮だ…まぁ良いが…』

 

ヘルメス『心配無用、メイドや執事が居るからな。てへっ♪』

 

翔『てへっじゃねぇよ、気持ち悪いな…』汗

 

ヘルメス『それより、さっそくお客様が来たようだぞ。』

 

ゆい「こんにちは〜!あたしの友達も一緒だよ〜♪」

 

門の前には、ゆいの姿があった。彼女の隣に、2人の少女の姿もある。1人は緑みを帯びた紺色のボブヘアーで前髪の上辺りにアホ毛があり、頭部左側に編み込みがある髪型に、吊り目で緑色の瞳が特徴の少女…もう1人は明るい栗毛の髪で三つ編みを輪っかにした髪型に、 赤みがかった茶色の瞳が特徴の少女だ。

 

ここみ「…う、ウソ!?ほ、本物の翔様!?」

 

らん「えっ!?あの世界的大スターの!?ゆいぴょん友達だったの!?」

 

ゆい「うん、そうだよ!というか、翔さん達って世界的大スターだったんだ。知らなかった。」

 

翔「よく来たな。さ、入れ。」

 

翔は門を開けると、3人をシェアハウスへと招待した。

 

紫「おや、初めましてだな。私は東雲 紫だ。」

 

友香「こんにちは、私は浅井 友香です♪」

 

ゆい「紫さんと友香さんだね!あたし和実 ゆい!食べるの大好き中学2年生です!!」

 

ここね「わ、わたしは『芙羽 ここね』です…!あの、翔様…サインいただけますか…?」

 

翔「良いぞ?後、そんなに緊張しなくて良い…っつっても、初対面なら緊張して当然か。」

 

らん「らんらんは『華満 らん』!!はにゃー、世界的大スターと会えるなんて夢みたい!!」

 

ここねは緊張しながら、らんは元気に自己紹介をする。翔達も自己紹介し、シェアハウスの中へ…

 

執事「お帰りなさいませ。」

 

翔「客人だ、もてなしてやってくれ。」

 

ゆい「わぁ〜、スゴい!!」

 

ここね「執事やメイドもいるんですね。」

 

らん「流石世界的大スター!!」

 

一海「そうだ、折角こうして仲良くなれたんだしさ…敬語じゃなくて良いぜ?」

 

幸喜「そうだよ!!俺達はもう、友達だからな!!」グッ!

 

諒芽「おう!ここだって、我が家だと思って思い切りくつろいじゃってくれよ!!」

 

一海と幸喜と諒芽が、持ち前の優しさやフレンドリーな性格を発揮したことで…ゆい、ここね、らんはすぐに翔達と打ち解けることができた。

 

翔「……。」

 

それを見た翔は、3人に言う。

 

翔「単刀直入に聞く、お前たちがプリキュアだな?」

 

翔の質問に、ここねとらんはビックリした。

 

らん「えっ!?何で知ってるの?」

 

翔「そのハート型のウォッチを見りゃすぐに分かる。」

 

ここね「よく見てるんですね。」

 

翔「俺達はコイツを使って仮面ライダーに変身するんだ。」カチャッ…

 

翔はデザイアドライバーを彼女らの前に置きながら説明した。

 

ゆい「あっ、そうそう!!翔さん達は仮面ライダーになれるんだよ!!紫さんと友香さんもなれるの?」

 

紫「勿論だ。」

 

友香と友香も、自分のデザイアドライバーをゆい達に見せる。

 

ここね「あの、翔様…私達がプリキュアであることは」

 

翔「分かっている、『誰にも言うな』だろ?誰にだって、知られたくねぇことの1つや2つ、あるからな。」

 

諒芽「なぁ翔ちん、俺達がライダーであることを話して良いのか?」

 

翔「俺達ではウバウゾーを浄化することは不可能だ。アイツらはプリキュアに頼るしかねぇ…」

 

この世界に来て分かったこと…ウバウゾーは仮面ライダーの力では倒すことはほぼ不可能である。この間現れたウバウゾーは、ライダー達の必殺技を受けても倒れなかった。キュアプレシャスが浄化したことにより、漸く倒すことができた。

 

翔「そこでだ、プリキュアの諸君…俺達はジャマトに関する情報をお前達に提供する…更に、お前達がウバウゾーを浄化する手助けもしよう。その代わり、ジェントルーやウバウゾーに関する情報を俺達に提供してくれ。無理強いはしねぇ…この取引に乗ってくれるかくれねぇか、選択はお前達次第だ。」

 

ゆい「うん、分かった!」

 

翔「…ん?」汗

 

翔は彼女らに取引を出したが、ゆいはこれをあっさり承諾した。予想外の出来事に、困惑する翔。

 

幸喜「おい翔、自分から取引しといてそんな顔すんなよな?w」

 

翔「…仲本、お前後で覚えとけ?」

 

ゆい「ここねちゃん、らんちゃん、仮面ライダーって強いんだよ!!」

 

らん「仮面ライダーって何?」

 

ここね「ジャマトという言葉も聞いたことないけれど…」

 

聞き慣れない言葉に戸惑うらんとここね。

 

翔(そりゃ戸惑うわ…本来、プリキュアの世界に仮面ライダーが居るなんてあり得ねぇし……そんな時は、見てもらった方が早ぇかもな……)

 

そんな時…スパイダーフォンが鳴った。

 

アフロディーテ『皆様、ジャマトが現れました!!現場は皆様の拠点付近です!!』

 

紫「こんな時にジャマトだと!?」

 

すると、翔は立ち上がり、デザイアドライバーを身に着けた。

 

翔「丁度良い、そこの3人に仮面ライダーの戦いを見せてやろうじゃねぇか。」

 

一海「翔…いつもならライダーの秘密を教えねぇのに、珍しいな。」

 

翔「ゴチャゴチャ言うな、さっさとジャマトをぶっ飛ばすぞ?」

 

翔の行動を見た一海達も、デザイアドライバーを装着し、外へ出る。

 

ゆい「仮面ライダーの戦いが始まるんだ…ここねちゃん、らんちゃん、行こう!!」

 

6人のライダー達の後を追うように、3人のプリキュア達も外へ出る。

 

 

 

玄関前には、無数のホールスタッフジャマト達の姿があった。

 

翔「お前ら、後ろの3人にジャマトを近付けるなよ?」

 

一海「オッケー!」

 

友香「わかりました!」

 

紫「了解した。」

 

諒芽&幸喜「「了解ッ!!」」

 

ゆい、ここね、らんの前に立った翔達は、デザイアドライバーにレイズバックルを取り付ける。

 

 

《SET》

 

 

各々自分の変身ポーズをすると、レイズバックルを操作し、仮面ライダーへと変身する。

 

 

翔「変身…」

 

友香「へ〜ん身♪」

 

4人「「「「変身ッ!!」」」」

 

 

《GRAB! GRASHER! ZONBIE》

 

《ARMED PROPELLER》

 

《ARMED WATER》

 

《ARMED FAN》

 

《ARMED ARROW》

 

《MAGNUM》

 

 

ギーツはゾンビフォームに、ナーゴは新しいバックルを使ってアームドプロペラに、バッファはアームドウォーター、ギンペンもこれまた新しいアームドファン、タイクーンはアームドアロー、ダパーンはマグナムフォームに変身した。

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

ここね「あれが、仮面ライダー…?」

 

ゆい「うん、そうだよ!カッコいいでしょ!?」

 

らん「はにゃー!パンダの仮面ライダーだ!!」

 

ライダー達がジャマトと戦う中、ここねとらんは関心を見せ、ゆいは目を輝かせる。

 

ギーツ「ムンッ!!」ザシュッ!!

 

ジャマトa「ジャアッ!?」

 

ギーツは左手に着いているオレンジ色の長い鉤爪『バーサークロー』で、ジャマトを瞬殺した。

 

ギンペン「やぁっ!」

 

ギンペンは両手に持っている銀色の刃付きの白い扇型武器『レイズファン』を振るい、舞い踊るようにジャマトと戦う。この武器は、斬撃用の武器として扱うことが可能である。ギンペンは空中に飛び上がると…

 

ギンペン「はっ!」ヒュンッ!

 

レイズファンをブーメランのように投げた。

 

ズババババッ!!

 

そして、10体程のジャマトを一気に撃破した。

 

バッファ「やるな紫…俺も負けられねぇぜ!!」

 

バッファはレイズウォーターを鈍器として扱うだけでなく…

 

バッファ「おらっ!!どらぁっ!!」ドガァッ!!ドガァッ!!

 

ジャマト「「ジャッ!?」」

 

頭部に生えている2本の角を使い、突進や頭突きを繰り出し、ジャマトを倒していく。

 

ゆい「スゴイスゴイ!!」

 

らん「はわわわ、仮面ライダーって強いね!!」

 

ここね「数が多いのに、たったの6人で柔軟に対応してる…!って、敵がこっちに来てる!?」

 

感心する3人に、ジャマトが近付いて来る。

 

ダパーン「おぉっと!?そっちに行くんじゃねぇぞ!!」ズギュンッ!ズギュンッ!

 

ダパーンは咄嗟に3人の前に立ち塞がり、マグナムシューター40X(ライフルモード)でジャマトを撃破した。

 

ここね「わぁ…ありがとう、パンダさん♪」

 

ダパーン「へへっ、良いってことよ!」グッ!

 

お礼を言うここねに、グッドサインを送るダパーン。

 

ジャマトb&c「「ジャッ…!!」」ブゥンッ!!

 

そんなダパーンに、2体ジャマトがナイフとフォークを投げた。

 

らん「はわっ!!パンダさん危ない!!」

 

ダパーン「うぉっ、ヤベッ!?」

 

ダパーンは3人の方に向き、トウセンボをするように守る。

 

ナーゴ「にゃっ!!」バババババッ!!

 

すると、ナーゴがダパーンの前に立ち…レイズプロペラを高速回転させ、攻撃から守った。

 

タイクーン「くらえっ!!」バシュッ!バシュッ!

 

その直後、タイクーンがレイズアローから矢を放ち、ジャマトb&cを撃破した。

 

ダパーン「サンキュー友香、助かったぜ!幸喜もありがとな!」

 

ナーゴ「いいえ♪」

 

タイクーン「困った時は、お互い様だろ?」

 

今回、彼らが変身するライダー達はスペックは低いものの…持ち前のチームワークを駆使して、多彩な連携プレイを展開する。

 

ギンペン「諒芽、友香、幸喜、こっちはあと少しだ!」

 

ダパーン「オッケー、そっちは任せたぞ!」

 

前戦をギーツ、バッファ、ギンペンに任せ…ダパーン、ナーゴ、タイクーンはゆいとここねとらんを守ることに専念した。

 

 

 

ギーツ(仲本、お前中々やるな…)

 

タイクーン(幸喜)にだけ心を許していないギーツ(翔)だが、少しずつ彼を認めて来ていた。

 

バッファ「よっと!」ゴォンッ!

 

ジャマトd「ジャアッ!?」

 

バッファはハズレバックルであっても、それを使いこなし…上手くジャマトと渡り合えている。ギンペンは新型バックルをすぐに使いこなしていた。それを見たギーツは、バックルを操作する。

 

《ZONBIE STRIKE》

 

ドライバーから音声が響くと、左手のバーサークローを地面に叩き付けた。すると、墓石のようなエフェクトが現れ、残りのジャマト達を拘束する。

 

ギーツ「バッファ!!ギンペン!!」

 

ギーツの言葉を聞いたギンペンは、バックルを操作する。

 

《FAN STRIKE》

 

ギンペン「はぁっ!!」ブゥンッ!ブゥンッ!

 

ギンペンは2つのレイズファンを投げつけ、拘束されたジャマトを倒していく。残ったジャマトには、バッファがトドメを刺す。バックルを操作せず、頭部の角を突き付けた状態で、猛スピードで突進して行き…ジャマト達を上空へぶっ飛ばした。

 

 

 

6人のライダー達の活躍で、シェアハウス前に現れたジャマト達は全て撃破された。

 

『SUBMISSION CLEAR』

 

どこからか音声が響くと、6人のライダー達の前にハテナミッションボックスが出現した。それを開けると、中にはレイズバックルが入っていた。

 

ギーツ「…へぇ。」

 

ギーツはシールドを手に入れ…

 

バッファ「うおっ!?これって、ブーストじゃねぇか!!」

 

バッファは大当たりのブーストバックルを手に入れた。

 

タイクーン「おっ、これは初めて使う奴だな。」

 

ナーゴ「私は爪でした。」

 

ギンペン「私のは短剣だ。」

 

ダパーン「おっ、これはチェーンアレイだな。」

 

ナーゴはクローバックル、ダパーンはチェーンアレイバックル、タイクーンは緑色の槍の形をした小型バックル、ギンペンは紫色の短剣の形をした小型バックルだった。

 

ギーツ「……。」

ギーツ(ジャマトからプリキュアを守る、か…)

 

スパイダーフォンに表示されたサブミッションをこなし、安堵するギーツ。

 

らん「すっごぉ〜い!!ゆいぴょんが言ってた通り、仮面ライダーってホントに強いんだね!!」

 

ここね「でも、ビックリした…まさか世界的大スターの翔様達が変身してたなんて…」

 

ゆい「ねぇねぇ、ここねちゃんとらんちゃんはどの仮面ライダーが好き?あたしはパンダの仮面ライダー♪」

 

らん「らんらんもパンダが好き!」

 

ここね「わたしもパンダが良い…」

 

パンダとは、本来人から愛される動物であるが故なのか…この世界では、ダパーンは子ども達から絶大な人気があるようだ。

 

ダパーン「今の俺、人気者?」汗

 

タイクーン「てゆーか、コアIDって…誰がどうやって決めてるんだ?」

 

ギーツ「さぁな…」

 

ライダー達専用のコアIDは、ランダムで配られているようで…誰が決めているのかはわからない。

 

ここね「あっ、翔様からサインを…!」

 

ゆい「翔さんは…キツネさんだよ!!」

 

ギーツ「どこにサインすれば良い?」

 

ここね「この色紙に…!」

 

ギーツ「はいよ。」

 

ギーツはここねの色紙にサインを書いた。

 

らん「パンダさんパンダさん!握手して!!」

 

ここね「わ、わたしも…!」

 

ゆい「あたしもあたしも!!」

 

ダパーン「おう、勿論だ!!」

 

3人のプリキュア達は、ダパーンがイチ押しのようだ。彼女達のリクエストに応えるダパーン。

 

ギーツ「ヤレヤレ、人気者は大変だなぁ…」

 

バッファ「いやいや、翔…お前他人事みてぇに言ってるけど……」汗

 

ギンペン「翔、お前も人気者じゃないか。」汗

 

ギーツ「…冗談だろ?」

 

ナーゴ「いえ、事実だと思いますが…」汗

 

タイクーン「良いことじゃねぇか!皆から好かれてるってことだろ?」

 

ギーツ「タイクーン…お前は良いよな、脳内花畑で……」




パンダって、本来人から愛される動物であるという僕の偏見から、ダパーンは子ども達から人気が高いと考えています。

僕もダパーン好きです。


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17.孵らぬ卵

この世界にやって来て、約1週間が経った。世界的大スターである翔達は、この日は別々に行動をしていた。その理由は……

 

カメラマン「では翔様、お願いします。」

 

翔「…あぁ。」

 

今日の仕事は、偶然にも皆それぞれ違う時間にあったからだ。おいしーなタウンの中華ストリートにて、翔は写真撮影をしていた。

 

カメラマン「撮影は以上になります、お疲れ様でした!!」

 

翔「お疲れ。」

 

撮影を終えた翔は、街を散策するために歩き始める。彼は今、中々割れない卵をねんねこに入れ、ゆっくりと歩く。

 

翔「おい寝坊助、見てみろよ…美味そうな香りが広がるこの街、たくさんの人で賑わってんだろ?」

 

卵に優しく話しかけながら、街を歩く翔。大きな卵を抱えて歩いているからか、街中の人から注目の的になっていた。

 

主婦「ねぇねぇ、あの人…もしかして世界的大スターの?」

 

おば様「えぇ、翔様よ♪」

 

学生1「翔様じゃん!ねぇねぇ、声掛けてみない!?」

 

学生2「ムリムリ!!ウチら絶対相手にされないって…!」

 

学生3「大きな卵を抱えて、どうしたんだろ?」

 

学生4「きっと動物が好きなんだよ!」

 

こちらの世界では、世界的大スターという設定であるため、人々からは嫌でも注目される。目立つことが苦手な彼は、少しずつ歩くスピードを上げ、中華ストリートを歩く。

 

翔(悪いな寝坊助…また今度ゆっくり回ろうぜ……)

 

 

 

中華ストリートを抜け、人通りが少ない道へとやって来ると…翔は歩くスピードを緩めた。

 

一海「おっ、よぉ!!」

 

そこに、一海と幸喜がやって来た。

 

幸喜「なぁ翔!俺らの卵が孵りそうなんだ!!」

 

翔「…それは皮肉のつもりか?」

 

幸喜「いやいや、そうじゃなくって!!」

 

一海「おいおいおいおい、段々割れて来てるぞ!!」

 

幸喜と一海が抱える卵は、段々割れて行く。やがて、卵が完全に割れると…そこから出てきたのは、やはりレイズバックルだった。

 

幸喜「ぬおっ!?何だこれ…手裏剣みたいなのがついてるぞ!?」

 

一海「俺のはドリルだ、コイツは強そうだな。」

 

幸喜のは緑色のメインカラーに、手裏剣のような物がついたバックル…一海のは銅色のカラーに、ドリルが着いた小さなバックルだ。

 

翔「……。」

 

一海「ま、まぁ…翔、お前のもきっと孵るって、な?な?」

 

翔「…ちっ、無責任なこと言ってんじゃねぇよ!!」

 

翔は一海に怒鳴ると、どこかへ去って行ってしまった。

 

幸喜「あっ、おい翔!?」

 

一海「待て幸喜!!そっとしてやってくれ…」

 

幸喜「な、何で…!?」

 

一海「怒った奴に構い過ぎてると、返ってヒートアップするだけだ……だから、そっとしておこう。」

 

幸喜「…た、確かにそうだな……」

 

 

 

自分以外の卵は無事に孵った…だが、何故自分のだけは孵らない……翔はそれに納得していなかった。

 

翔(だからといってかち割る訳には行かねぇし…どうすりゃ良いんだ……)

 

翔は考えた…どうすれば卵が孵るのか……そして、たどり着いた答は……

 

翔「よし、行くぞ寝坊助!」

 

まず、公園にてブランコに卵を乗せ…自分はブランコを押した。滑り台も一緒に滑り、砂場にて山や城を作ったり…

 

ゆい「…あれ、翔さんだ。」

 

ここね「ホントだ…」

 

らん「ん〜?あの卵、何の卵だろ?」

 

偶々ここを通り掛かったゆい達は、卵と一緒に公園で遊ぶ翔を見てキョトンとした。

 

ローズマリー「んま〜!!あれは正しく…子どもを大切に思う父親……あんな旦那様が居たら、素敵じゃない!!」

 

らん「そう言えば、らんらんも昔…お父さんとああやって遊んでもらったな~。」

 

ここね「何だか、あの卵さんが羨ましいかも…」

 

ゆい「うんうん!翔さんはきっと、素敵なパパになる…って、もうなってるか……」汗

 

パムパム「あっ、移動するパム!」

 

メンメン「着いてってみるメン?」

 

メンメンの言葉を聞いたメンバー達は、翔に気付かれないよう…こっそり後をつけた。翔にはバレてないと思っていたメンバー達だったが……

 

 

翔(誰かに着けられてると思えば…プリキュアの奴らか、まあ良い……)

 

 

あっさりバレていた。やがて、ボート場へとたどり着いた翔は、卵と共にボートへと乗った。パドルでボートを漕ぎながら、卵へと話し掛ける翔。

 

翔「どうだ寝坊助、中々気持ち良いだろ?」

 

時よりボートを停め、見える景色を卵にも見せていた。

 

翔(コイツにも、色々なことを経験して貰わねぇとな…かわいい子には旅をさせろって言うし。)

 

翔なりの子育て方法はこれだ。共に経験を積み、共に成長して行こうという考え…一海達は卵を温めていたのだが、仲間達と一緒では面白くないと感じたようだ。

 

ゆい「そう言えば、卵って温めると良いんだっけ?」

 

ローズマリー「ちょっとゆい、ヨダレ出てるわよ?」汗

 

コメコメ「コメ〜…」汗

 

ゆい「…えっ?」

 

ここね「ねぇ、あそこ…」

 

らん「はんにゃ〜!!じゃ、ジャマトだぁ!!」

 

そんな彼の元に、ジャマトの魔の手が伸びて来る。

 

翔「…。」

 

翔は卵をねんねこで隠すと、パドルを1本掴み、構えを取った。モーターボートを使い、ジャマト達は高速で迫って来る。

 

ジャマトα「ジャッ!!」

 

翔「ムンッ!!」ゴスッ!

 

ジャマトα「ジャアッ!?」

 

翔が振るうパドルが、ジャマトの顔面に命中し…ジャマトは着水した。

 

翔「おらよっ!!そらっ!!」ゴンッ!ボコォッ!

 

その後も、ボートに乗り込もうとするジャマトにパドルで攻撃し、次々と池へ落としていく翔。しかし、着水したジャマトは消滅することはなく、泳いでボートによじ登ろうとしている。そのせいで、ボートが傾く。

 

翔「…ちっ、鬱陶しい連中だな!!」

 

 

《GRAB! GRASHER! ZONBIE》

 

《READY FIGHT!!

 

 

腸が煮えくり返った翔は仮面ライダーに変身、ゾンビブレイカーを唸らせ、よじ登って来たジャマトを叩き斬って行く。不安定な足場であっても、戦闘経験が豊富な彼にとっては何ともない。

 

ギーツ「ムンッ!!」ズバァッ!!

 

ジャマトβ「ジャアアァァッ!?」

 

ゾンビブレイカーだけではなく、左手のバーサークローも武器として使い、ジャマトを確実に始末していく。

 

ギーツ(向こうからも来やがったか…アイツらにプリキュアが倒されたら都合が悪い……)

 

ゆい達がいる方角からも、ジャマトの群れが迫って来るのが見えたギーツは、ボートによじ登って来たジャマトの1体を池に蹴り落とす。その直後…ボートからジャンプし、着水させたジャマトを踏み台代わりにし、岸へと到達…ゆい達の方へ走って行く。

 

ローズマリー「ちょっと!!ジャマトが来てるわよ!!」

 

らん「はにゃっ!?」

 

ここね「あっ、ライダーが…!!」

 

《TACTICAL BREAK》

 

ギーツ「ムンッ!!」ヴオオォォッ!!

 

迫り来るジャマトの群れを、ギーツはゾンビブレイカー1振りで瞬殺…残るは水に落ちたジャマト軍団だ。

 

ゆい「仮面ライダー…!!」

 

ギーツ「俺について来なけりゃ、こんな事にはならなかったかもな?」

 

ゆい「えっ!?な、何の事かにゃあ…?」大汗

 

ギーツの言葉に、目線を泳がせるゆい。

 

ギーツ(嘘下手か…)汗

 

らん「仮面ライダー!その卵、らんらん達が持ってようか?」

 

ギーツ「いや、大丈夫だ…寝坊助には色々旅をさせてやりてぇからな。」

 

ギーツはゾンビブレイカーを握りしめ、ゆい達の前に立つ。そんな彼に、救いの手が舞い降りる。

 

ナーゴ「翔さん!!」

 

ギンペン「助太刀するぞ!!」

 

ナーゴとギンペンが救援に駆け付けたのだ。

 

ギーツ「一海達はどうした?」

 

ギンペン「アイツらなら、街中に現れたジャマトを始末している。」

 

ナーゴ「紫さんと私は一海さんの指示でここに来ました。」

 

ギーツ「そうか。」

 

池に着水したジャマト達は、岸へ上がると…ライダー達に迫って来る。ナーゴとギンペンが前戦へと走ったため、ギーツはゆい達の近くに立ち、彼女達を守ることに専念した。

 

ナーゴ「ふっ!!にゃあっ!!」ゴスッ!バキッ!

 

ナーゴはレイズプロペラを鈍器代わりに使い、ジャマトを殴り付ける。

 

ギンペン「やっ!はぁっ!!」

 

ギンペンは2つのレイズファンで、ジャマトを斬り捨てて行く。すると、ナーゴが空中へ飛び上がり、空からジャマトを攻撃した。彼女らの攻撃を潜り抜けたジャマトに待っていたのはギーツ…ゾンビブレイカー及びバーサークローの餌食になっていった。

 

 

 

ギーツ「さて、何故着いて来ようと思った?」

 

ローズマリー「うっ、まさかバレていたの?」汗

 

ギーツ「あぁ、そうだ…んで、何故着いて来ようと思ったんだ?質問を質問で返してんじゃねぇぞ?」

 

らん「いやぁ、翔さんって素敵なパパになるんだろ〜なぁ〜って、思ったの!!」

 

ギーツ「素敵なパパ、俺がか?」

 

ここね「はい、翔様はその卵に色んな経験をさせているんですよね?」

 

ギーツ「そうだな。それがどうした?」

 

ゆい「皆で話してたんだ、翔さんみたいなパパが居たら素敵だよね〜って♪」

 

ギーツ「……。」

 

ギーツはデザイアドライバーからバックルを引き抜き、変身を解いた。

 

翔「おい寝坊助、お前はどう思ってんだ?俺はお前にとって、良いパパになれてんのか?なぁ?」

 

らん「ねぼすけ?まだ出て来てないけど…」

 

翔「…だからだよ。」

 

ローズマリー「えっ、ちょっと待って?寝坊助寝坊助って、まさか…その子の名前…?」

 

翔「…そうだが?」

 

翔が無表情で言うのだから、ローズマリーはム○クの叫びのようなリアクションをした。

 

ゆい「寝坊助さんかぁ、寝過ぎは良くないよ〜?あ、食っちゃ寝はもっと良くないか…」

 

ここね「何が産まれるんですか?」

 

翔「…さぁな。」

 

紫「あぁ、その卵は」

 

翔「紫、余計な事を言うな。」

 

紫がネタバレをしようとしていると思った翔は、彼女の口を封じた。

 

友香「紫さん紫さん、ここは翔さんを見守ってみませんか?

 

紫「それも悪くなさそうだ…こんなにも真剣になっているのだからな。邪魔者は私らで始末しようじゃないか。

 

翔「そこ、何をコソコソしてんだ?」

 

友香「いえいえ、今回も手応えのある敵でしたねと言ってました♪」

 

紫「そうだな。翔、今日のお前の戦いも実に見事だった。」

 

翔「何だよ急に、気持ち悪い………」



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18.起きろ、寝坊助!!

ちっと書いてみたいのがあるので…


一海達の卵が孵ったが、翔の卵だけはまだ孵らない。それどころか、数ヶ月経っても、未だ微動だにしていない。それでも翔は、卵と共に様々な経験をし、旅をさせていた。この日は料理番組の収録で、とあるレストランのシェフと共に料理をしていた。

 

シェフ「翔様、そちらの卵は一体…?」

 

翔「寝坊助だ。」

 

シェフ「ね、ねぼすけ…?」汗

 

翔「あぁ、全く起きねぇからな…」

 

翔とシェフが作った料理は、グルメフェスにて売り出させる予定である。そのため、失敗は許されない。

 

ディレクター「それにしても、翔様は何でもできるんですね。スゴイな…」

 

スタッフ「多特技なんですね。」

 

翔「……。」

 

ディレクターやスタッフの言葉を聞き流しつつ、どんどん料理を完成させていく翔。やがて、会場に次々と客がやって来る。そこに、お馴染みの彼女達も…

 

ゆい「あっ、翔さ〜ん!!」

 

翔「よぉ…ん、見ねぇ顔もいるな?」

 

らん「紹介するね!こっちはあまねん、らんらん達の友達だよ!!」

 

あまね「初めまして、わたしは菓彩(かさい) あまね』です。青空さん達のことは、ゆい達から伺っています。」

 

翔「…青空 翔だ、よろしく。」

翔(コイツ、どこかで見たような……)

 

ゆい達の新しい友人『菓彩 あまね』を怪しんだ翔だが、それ以上考えないようにした。

 

ここね「って、その卵も一緒なんですね…」汗

 

翔「当たり前だろ?」

 

背中に卵を背負いながら、次々と料理を作っていく翔。

 

翔(おい寝坊助、美味そうな香りが広がってんだろ?まだ起きねぇのか?)

 

会場には美味しそうな香りが一面に広がっている。それでも、卵はまだ孵らず…ピクリとも動かない。

 

翔「それより、お前達も食ってくか?」

 

ゆい「やったー!丁度腹ペコってたところなんだ。」

 

翔から料理を受け取り、席へと移動するゆい達。ゆい達と共に楽しそうに話すあまねを見て、翔は思う。

 

翔(ジェントルー…だったっけな、多分アイツで間違いねぇだろう……そうか、新たな居場所を見つけたって訳か…)

 

そして、ジェントルーの正体があまねであることを察し…新たな居場所を見つけたのを知り、どこかホッとしていた。

 

翔「おい、もう大丈夫そうか?」

 

シェフ「はい、助かりました。いやぁ、翔様は手先が器用ですな〜♪」

 

ディレクター「お疲れ様でした〜!」

 

スタッフ「では翔様、ここからは会場を満喫してください!」

 

翔「はいよ。」

 

収録を終えた翔は、寝坊助を抱えて会場へと出てきた。

 

ゆい「翔さんが作ったこの料理、デリシャスマイル〜♪」

 

翔「パワーワードか…」汗

 

ここね「美味しいってことですよ、きっと…!」

 

翔「それは分かってる、コイツの顔を見りゃな。」

 

らん「翔さんの卵、まだ割れないの?」

 

翔「…そうだな。」

翔(ほれ、中々の美少女だろ?それでも起きねぇのか?)

 

中々割れない卵を見て、思わずジト目になる翔。

 

あまね「ところで、それは一体…何の卵ですか?」

 

翔「俺が教えるとでも思ってんのか?ネタバレしちゃあ、つまんねーだろうが。」

 

ゆい「産まれてからのお楽しみってことだね♪」

 

翔「…そうだ、そういうことだ。」

 

翔が持っているのはレイズバックルの卵だ。だが、何のバックルが出てくるかは分からないのだ。

 

翔「…お前達にも、パートナー的な奴…いんのか?」

 

ゆい「モチロン♪」

 

コメコメ「コメッ♪」

 

ここね「はい、わたしのパートナーはパムパムです。」

 

パムパム「よろしくパム〜♪」

 

らん「らんらんはメンメンだよ!」

 

メンメン「よろしくメン♪」

 

あまね「わたしのパートナーはパフェのレシピッピです。」

 

パフェピッピ「ピッピ〜♪」

 

プリキュア達のパートナーは個性的だ。コメコメだけは知っていた翔、パムパムとメンメン、パフェのレシピッピ『省略:パフェピッピ』と話すのは初だ。

 

翔「俺が青空 翔だ、よろしく。」

 

エナジー妖精達を目にしても、翔は全く表情を変えない。

 

らん「あれ、驚かないの?」

 

翔「…慣れてるからな。」

 

らん「…?」

 

幾つものファンタジックな展開を潜り抜けて来た翔にとって、エナジー妖精は驚きの対象では無かった。そんな時…翔のスパイダーフォンが鳴った。

 

翔「何だ?」

 

アフロディーテ『ジャマトが現れました!場所は、グルメフェス会場です!!』

 

翔「…ここか。」

 

やがて、翔の視線に禍々しい渦が出ると…そこから、ジャマトが姿を現した。

 

翔「…なに?」

 

しかし、現れたジャマトの姿を見て…翔は目を見開いた。

 

 

ジャバウゾォォオオオオッ!!

 

 

 

何と、プリキュアの敵であるウバウゾーとジャマトが1つになっていたのだ。

 

翔「おい、どういうことだ!?何故ジャマトとウバウゾーが合体してんだよ!?」

 

アフロディーテ『そ、そう言われましても…』オロオロ

 

翔「…ちっ、使えねぇな…!!」

 

デザイアドライバーを身に着けた翔は、レイズバックルを取り出す。そこに、一海が駆け付けた。

 

一海「翔!!」

 

翔「…丁度良い…おい一海!!ブースト以外のバックルを寄越せ!!代わりにこれをやる!!」ヒュンッ!

 

一海「よっと…これって、ゾンビ!!」パシッ…

 

翔「ソイツとブーストを合わせろ!!お前の底力、見せてやれ!!」

 

一海「…あぁ、ありがとう翔!!」

 

一海は翔から受け取ったゾンビバックルと、手持ちのブーストバックルをドライバーにセットし…

 

 

一海「変身ッ…!!

 

 

仮面ライダーへと姿を変えた。

 

 

《DUAL ON》

 

 

《Let's ride! Crash out! ZONBIE…》

 

《…And,Boost!》

 

 

《READY FIGHT!!》

 

 

ゾンビブーストフォームになったバッファは、ウバウゾージャマト目掛けて猛スピードで突進していく。その間に、ゆい達もプリキュアへ変身…新たな戦士『キュアフィナーレ』と共にウバウゾージャマトへ立ち向かう。

 

バッファ「おらっ!!どらぁっ!!」ドゴッ!バキッ!

 

ウバウゾージャマト「ジャバッ!?」

 

プレシャス「仮面ライダー!!」

 

フィナーレ「我々も行くぞ!!」

 

バッファと連携しながら、プリキュア達もウバウゾージャマトに攻撃を当てていく。

 

ウバウゾージャマト「ジャバウゾー!!」

 

ウバウゾージャマトは、巨大な腕を振りかざすと…バッファとプリキュア達目掛けて振り下ろしてきた。咄嗟に、キュアスパイシーがメロンパン型の盾を生み出し、攻撃を防いだ。

 

スパイシー「ヤムヤム!!」

 

ヤムヤム「よぉし、バリカッターブレイズ!!

 

キュアヤムヤムは両手からエネルギー刃を発射し、ウバウゾージャマトを怯ませた。その隙を見逃さなかったバッファは、ブーストエンジンを加速させ、ウバウゾージャマトに向かって走って行く。そして、角を突き刺し…上空へぶっ飛ばした。

 

バッファ「今だプリキュア達!!」

 

バッファがそう叫ぶと、プリキュア達は必殺技を放つ。

 

 

プリキュア・プレシャストライアングル!!

 

プリキュア・スパイシーサークル!!

 

プリキュア・ヤムヤムラインズ!!

 

 

プレシャス、スパイシー、ヤムヤムの必殺技を受け…ウバウゾージャマトは浄化されていく。

 

バッファ「…よし!!」

 

しかし…

 

フィナーレ「いや、まだだ!!」

 

翔「プリキュアの浄化技が、効いてない…!?」

 

ウバウゾージャマトは浄化されず、地上へ落下…咆哮を上げた。

 

翔「…!」

 

思わず翔は、MY卵を見る。卵は相変わらず、ピクリとも動かない。

 

翔「…まだ寝てんのかよ!!」

 

ヤムヤム「き、きいてない!?」

 

スパイシー「そんな…!」 

 

プレシャス「みんな、来るよ!!」

 

ウバウゾージャマトは泡だて器のような右腕を、振り下ろしてきた。

 

バッファ(やばい!!)

 

そんな時、翔がメンバー達の前に立つと…MY卵を突き出した。

 

 

ガッキィィイイイインッ!!

 

 

プレシャス「しょ、翔さん!?」

 

バッファ「お、おい…何やってんだよ翔!!」

 

翔「いい加減、コイツを起こさねぇとな?」

 

ウバウゾージャマト「ジャバ…?」

 

翔は前を向くと、大声で怒鳴り立てる。

 

 

翔「起きろ寝坊助!!

 

 

ローズマリー「そ、そんなことしたら卵が…!!」

 

ローズマリーが慌ててもお構い無しに大声を上げる翔。

 

翔「世界が危機に晒されてんだよ!!いつまで寝てんだ、さっさと起きろ!!」

 

すると、卵にヒビが入り…そこから目映い光が発生した。

 

ヤムヤム「はわっ!?う、産まれたぁ〜!!」

 

やがて、光が消えると…青い帽子を被った、猿にも見えるクマのようなポップ調のモンスター型という異色のバックルが姿を現した。

 

フィナーレ「な、何だあれは…?」

 

バッファ「おぉ、何か強そうなバックルだな!!」

 

プレシャス「か、可愛い〜♪」

 

すかさず翔は、バックルをドライバーにセットする。

 

 

《SET》

 

 

グガァ〜ゴォ〜…ゴアァ〜ゴォ〜……Zzz…

 

 

ドライバーにセットされても、バックルはいびきをかいて眠っている。

 

翔「とっとと起きろォ!!

 

翔は右手の拳で、バックルの頭をぶっ叩いた。

 

 

オンギャー!!

 

《MONSTER!!》

 

《READY FIGHT!!

 

 

翔が変身した仮面ライダーギーツは、青い複眼を光らせ、胸部には黄色と青2色に黄色い星のシルエットが描かれたプロテクターを、両腕には大きなナックルグローブを装備した姿となった。

 

バッファ「す、すげぇ…!」

 

ローズマリー「何だか、強そうな姿!!」

 

プリキュア「「「「おぉ〜!!」」」」

 

その時、ウバウゾージャマトが起き上がり…

 

ウバウゾージャマト「ジャバウゾー!!

 

凄まじい咆哮を上げた。だが、次の瞬間…モンスターバックルは目に涙を浮かべ……

 

 

オギャー!!オギャー!!

 

 

火が着いたように、激しく泣き出した。どうやら、ウバウゾージャマトの咆哮にビックリしてしまったようだ。

 

スパイシー「あの赤ちゃんが、泣いてる…!?」

 

バッファ「なぁおい…ジャマトの様子がおかしいぞ?」

 

ウバウゾージャマトを見ると、両耳を塞ぎ、悶えていた。どうやら、このジャマトはモンスターバックルの泣き声が苦手なようである。

 

ギーツ「…!!」ダンッ!!

 

モンスターバックルが激しく泣いている中、ギーツはウバウゾージャマトに攻撃を仕掛ける。両手の『モンスターグローブ』を振るい、舞い踊るように攻撃する。

 

ウバウゾージャマト「ジャバアアァァッ!?」

 

ギーツの攻撃は、ウバウゾージャマトに効いているようだ。攻撃するだけでなく…

 

 

オギャー!!オギャー!!

 

 

ギーツ「おう寝坊助、よく泣いてるな。俺はここにいる、お前と一緒だ。だから安心しろ?」

 

泣いているモンスターバックルに声を掛け、あやしている。

 

プレシャス「あ、あやしながら戦ってるの!?」

 

ヤムヤム「はんにゃー、翔さんはやっぱり優しいパパだぁ!!」

 

スパイシー「あんなお父さんだったら、良いのにな…」

 

フィナーレ「これは、見事だ…」

 

プリキュア達が関心する中、ギーツはウバウゾージャマトを追い詰めていく。

 

ウバウゾージャマト「ジャッ!?」

 

ウェェエエエエンッ!!ウェェエエエエンッ!!

 

ギーツ「よしよし寝坊助、泣いたって良いんだ。泣く子は育つって言うからな、俺はお前と一緒に居るぜ?」

 

やがて、モンスターバックルは泣き止むと…

 

フェッ…キャハハハハッ!!

 

漸く笑顔を見せ、声を出して笑った。

 

ローズマリー「んまぁっ!?強くて優しいパパ…カッコよすぎ〜!!」

 

フィナーレ「泣き止んだな。」

 

ギーツ「プリキュア、必殺技を同時に撃ち込むぞ!!バッファ、お前もやれ!!」

 

バッファ「よし!!」

 

プリキュア達は、再び必殺技を放つため、エネルギーをチャージする。バッファはバックルを操作し、準備を整える。ギーツもモンスターバックルを操作し、再びいびきをかかせる。

 

 

プリキュア・プレシャストライアングル!!

 

プリキュア・スパイシーサークル!!

 

プリキュア・ヤムヤムラインズ!!

 

プリキュア・フィナーレ・ブーケ!!

 

 

プリキュア達が必殺技を撃つと、ギーツとバッファもバックルを操作し、必殺技を放つ。

 

 

《MONSTER STRIKE》

 

《ZONBIE Boost GRAND VICTORY》

 

 

プリキュアとライダーの必殺技を同時に受けたウバウゾージャマトは、穏やかな顔になる。

 

ウバウゾージャマト「お腹いっぱい♪」

 

プリキュアとライダーが手を合わせると、ウバウゾージャマトも手を合わせる。

 

 

プリキュア「「「「ごちそうさまでした♪」」」」

 

ライダー「「ごちそうさまでした!」」

 

 

そして、ウバウゾージャマトは完全に浄化された。

 

 

 

ローズマリー「皆、お疲れ様♪」

 

ローズマリーは、戦いを終えたメンバー達に軽食とドリンクを差し出した。

 

翔「気が利くじゃねぇか。」

 

一海「ありがとう。てか翔、ソイツ抱っこさせてくれよ。」

 

翔「てかお前…バックルを寄越さなかったな?」

 

一海「あ…いかん……」汗

 

翔「まぁ良い…ほれ。」

 

一海はモンスターバックルを抱っこする。だが……

 

フェッ、フェッ…フエェェエエエエンッ!!

 

モンスターバックルは泣き出してしまった。

 

一海「おぉよしよし、お兄ちゃんは一海でちゅよ〜?」

 

一海は一生懸命あやすが、モンスターバックルは全く泣き止まない。

 

らん「翔さんじゃないとやなのかな?」

 

ここね「らん、わかるの?」

 

らん「うーん、その赤ちゃんの気持ちを考えただけだよ?」

 

一海「そ、そうなのか…翔いねぇと寂しいか?」

 

一海は翔にモンスターバックルを返した。翔が抱っこすると、モンスターバックルはすぐに泣き止み、キャッキャッと笑う。

 

らん「あっ、泣き止んだよ。」

 

ここね「ホントだ…」

 

ゆい「可愛い〜♪」

 

あまね「くっ…確かに可愛らしい…!」

 

翔の腕の中で笑うモンスターバックルに、すっかりメロメロになったプリキュア達。

 

ローズマリー「ねぇ翔、その子の名前決まってるの?」

 

翔「寝坊助だが?」

 

ローズマリー「ええぇぇっ!?」

 

真顔で答える翔に、驚くローズマリー。

 

翔「少し抑えろ、寝坊助が驚いちまうだろうが。」

 

ローズマリー「あっ、ごめんなさいね?」汗

 

やがて、モンスターバックルはゆっくりと目を閉じると…スヤスヤと眠り始めた。

 

 

翔「おやすみ、寝坊助。」

 

 

穏やかな笑顔を浮かべる翔は、まるで父親のようにも見えた。

 

一海「翔、俺…改めてお前に惚れた。」

 

翔「はっ?気色悪ィぞ?」

 

一海「いやいや、同じ男として感動したってことだって…」汗

 

翔「バカ言え。」

 

ゆい「やっぱり翔さんは、優しいパパだね♪」

 

らん「ね〜♪」

 

ここね「あの優しい笑顔が、物語っているよね…」

 

あまね「青空さん…わたしも見習わなければな。」

 

翔「…お前ら。」汗

 

褒められたことに恥ずかしく感じる翔だったが、モンスターバックルこと『寝坊助』への愛着が芽生え始めていたのだった。




この物語のモンスターバックルについて…

飲食物を飲み食い可。

言葉は話せないが、泣いたり笑ったりすることも出来る。


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19.子育ては皆で…?

この世界に来て…漸く、ライダー達全員の卵が孵った。

 

諒芽「何だこれ…警棒か?」

 

翔「ソイツぁトンファーだな…」

 

諒芽の卵からは、トンファーの形をした2つの大型バックルが出て来た。このバックルには、小型バックルをセットできるスロットが1つずつ存在する。

 

幸喜「なぁなぁ、翔のバックルは分かるぞ…」汗

 

翔「急に何だよ?」

 

幸喜「いやいや、俺らはこのバックルだぜ?意志を持ってねぇバックル…言うなら物だぞ?どう育てろって言うんだよ?」汗

 

翔「自分で考えたらどうだ?育児ってのはそういうモンじゃねぇの?」

 

ニンジャバックルを持って困惑する幸喜とは反対に、翔はモンスターバックルを抱いている。

 

紫「って、翔…出掛けるのか?」

 

翔「あぁ、ミルクや離乳食とかが必要だろ?」

 

友香「でしたら私も一緒に行っても良いですか?」

 

翔「好きにしろ。」

 

シェアハウスを出た翔と友香は、ベビー用品店へと向かった。

 

 

 

買い物を終えた翔と友香、寝坊助と名付けられたモンスターバックルは、スヤスヤと寝ていた。

 

翔「なぁ友香、何故着いて来ようと思った?」

 

友香「育児は皆で協力してこそ、ですよ♪」

 

翔「…そうか。」

 

すると、モンスターバックルが欠伸をして起きた。

 

翔「おう、起きたか寝坊助。よく眠ってたな。」

 

翔が話し掛けると、モンスターバックルはキャッキャッと笑う。

 

友香「可愛いですね♪私もだっこして良いですか?」

 

翔「…ほれ。」

 

友香がモンスターバックルをだっこすると…

 

 

ヒグッ…フェッ…ウェェエエエエエン!!

 

 

モンスターバックルは泣き出してしまう。

 

友香「よ〜ちよち、お姉ちゃんは怖くないですよ~♪」

 

友香はベビー用品店で購入したガラガラを使ってモンスターバックルをあやすが、モンスターバックルは中々泣き止まない。

 

翔「…おい寝坊助、俺はここに居るぜ?」

 

翔がモンスターバックルの目の前に顔を出すと、モンスターバックルは次第に泣き止んで来た。そして、翔の方へ手を伸ばす。

 

友香「成る程…翔さんじゃないと嫌なんですね。」

 

少ししょんぼりしながら、翔にモンスターバックルを返す友香。翔にだっこされると、モンスターバックルはご機嫌になった。

 

翔「寝坊助、色んなヤツと関わってみろよ?俺も一緒に居るから…な?」

 

ゆい「あっ、翔さんと友香さん!!」

 

そこに、ゆい達がやって来た。

 

ここね「お買い物ですか?」

 

翔「あぁ、寝坊助(コイツ)のためにな?」

 

らん「寝坊助ちゃん、今日も可愛いでちゅね〜♪」

 

らんはご機嫌なモンスターバックルに声を掛ける。モンスターバックルは翔が居ることに安心しているのか、全く泣かない。

 

ローズマリー「あぁ、やっぱり寝坊助って名前なのね?」汗

 

翔「文句を言われる筋合いはねぇ…」

 

らん「らんらんは、寝坊助ちゃんって名前好き♪」

 

ゆい「わたしもわたしも♪可愛いよね〜♪ここねちゃんとあまねちゃんはどう?」

 

ここね「ふえっ!?えっとぉ…」汗

 

あまね「急に聞かれても…どうしたものか……」汗

 

モンスターバックルは翔によって『寝坊助』と名付けられた。らんとゆいはその名前を気に入っているようだ。当のモンスターバックルも、その名前を気に入っている様子。

 

諒芽「おーい翔ちーん!!」

 

そんな時…諒芽と一海、紫と幸喜がこちらへ走ってくるのが見えた。

 

翔「どうした?」

 

幸喜「翔、お前の子育てを俺達にも協力させてくれ!!」ガバッ!

 

一海「頼む、この通りだ!!」ズシャッ!

 

翔「揃いも揃って頭を垂れて蹲ってんじゃねぇよ…」汗

 

土下座をして懇願する幸喜と一海に、ゴミを見るような視線を向ける翔。

 

ゆい「こうべをたれてつくばう…って、なに?」

 

あまね「簡潔に言うと土下座をすることだ。」

 

あまねの説明を聞くと、「へぇ〜、そうなんだ!」と関心するゆい。

 

紫「翔、哺乳瓶や粉ミルクは買えたか?」

 

翔「当たり前だ。」

 

諒芽「俺さ、カセットコンロ持ってきたんだよ。後鍋。」

 

翔「…丁度良い、それ借りるぞ?」

 

紫「それなら、私が寝坊助をだっこしよう。」

 

翔は紫にモンスターバックルを渡し、お湯を沸かし始める。

 

 

フェッ…ウェッ……

 

 

翔から離れた途端、泣きそうになるモンスターバックル…すると、紫は……

 

紫「安心してくれ寝坊助。翔ならちゃんと居るぞ、ほら。」

 

モンスターバックルをカンガルー抱きし、翔の姿を目視させた。翔の姿を見たモンスターバックルは、次第に落ち着きを取り出し始めた。

 

らん「あはっ♪やっぱり寝坊助ちゃんは、翔さんが大好きなんだ♪」

 

ここね「そうみたいだね。」

 

ゆい「何か不思議だなぁ、翔さんが来てくれた時、安心するよね?」

 

ローズマリー「本当ね、いつだって頼もしいし強い…その秘訣を是非、知ってみたいわね。」

 

翔「はっ…俺が教えるとでも思ってんのか?」

 

お湯を沸かし終えた翔は、哺乳瓶に粉ミルクを入れ、シェイクさせてミルクを完成させた。

 

幸喜「おし、これを寝坊助に飲ませれば」

 

翔「待て、それじゃあ火傷しちまうだろ。人肌程度の暖かさにしねぇとダメだ。」

 

諒芽「ほい翔ちん、これ水。」

 

ちゃっかり水入りボウルを用意していた諒芽…そこにできたてホヤホヤのミルクを入れて冷ます。

 

翔「紫、もう良いぞ。」

 

紫「あぁ、ほら寝坊助…翔だぞ?」

 

モンスターバックルは翔にだっこされると…

 

キャハハハハッ!!

 

…と、元気に笑った。

 

翔「仲本、コイツにミルクをやってくれ。もうそろそろ良いだろう…」

 

幸喜「おう、任せろ!」

 

幸喜はミルク入り哺乳瓶を取ると、モンスターバックルにミルクをあげる。モンスターバックルは哺乳瓶を咥えると、ゴクゴクとミルクを飲み始める。

 

一海「おっ、寝坊助のヤツ…翔を見ながらミルク飲んでんぞ?」

 

翔「心配すんなよ、食事の時ぐれぇお前から離れねぇって…」

 

ミルクを飲むモンスターバックルを見守るメンバー達。

 

ここね「上手に飲んでる…」

 

ゆい「やっぱり寝坊助ちゃんは可愛いなぁ~♪」

 

らん「あっ、もう飲み終わった。」

 

幸喜「よしよし、たくさん飲んだな。って、翔…何やってんだ?」

 

翔「決まってんだろ、ゲップすんのを手助けしてんだ。」

 

翔はモンスターバックルを縦抱きし、背中を優しく叩き始める。

 

あまね「確か…ミルクを飲む時、空気も一緒に飲みんでしまう…そのままにしておくと、寝返りの時に吐き戻してしまうからそれを防ぐために、ですよね?」

 

翔「その通りだ。」

 

やがて、モンスターバックルは『ケフッ、ケフッ…』とゲップを出すことに成功した。

 

一海「なぁなぁ、コイツって…オシメ変える必要あんのか?」

 

諒芽「あっ、そうか…」

 

次の問題は、オシメだ。

 

翔『ヘルメス、どうなんだ?』

 

ヘルメス『モンスターバックルを使うことでエネルギーは消耗される。オシメを変える必要は無しだ。ただし、エネルギーが不足している場合、使用者は弱体化してしまうというデメリットがある。』

 

翔『どういう仕組みなんだよ…』

 

エネルギーを消耗することが、モンスターバックルの排泄となるようだ。ただ、モンスターバックルのエネルギーが足りない場合、使用者が使うと戦闘力が急激に低下するというとんでもないペナルティがあるようだ。

 

翔「…おい寝坊助、体力はしっかりつけとけよ?」

 

幸喜「なぁ翔、コイツのオシメは」

 

翔「コイツのエネルギーを使うことが、コイツの排泄となるそうだ…」

 

幸喜「そうなのか、なぁ寝坊助…仲本兄ちゃんと遊ばねぇか?」

 

一海「幸喜兄ちゃんじゃなくて?」汗

 

幸喜「あぁ、えっとな…ふ、雰囲気でw」

 

こうして、6人のライダー達によるモンスターバックル育てが始まった。

 

らん「幸喜さんって、子ども好きなの?」

 

幸喜「モチロンだ!子どもって可愛いだろ?」

 

一海「未来の宝って言われてるしな。な、翔?」

 

翔「俺に聞くな。」



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20.助っ人

ある日…6人のライダー達は皆、デザイア神殿に呼び出された。

 

アフロディーテ「皆様、ようこそおいでくださいました♪」

 

ライダーのを出迎えたのは、アフロディーテだ。

 

翔「何の用だ?」

 

アフロディーテ「今日は…あら、翔さんにすっかり懐いているようで♪」

 

翔の腕の中で笑うモンスターバックルを微笑ましく見るアフロディーテ。そして、コホンと咳払いし、用件を話す。

 

アフロディーテ「ジャマトは進化する怪物…それも、原因はこちらでは判断がつかない状況です。そこで、皆様に助っ人をご用意いたしました!!」

 

一海「助っ人?ウバウゾージャマトに対しては、プリキュアこそが最高の助っ人じゃ?」

 

アフロディーテ「しかし、通常のジャマトはプリキュア達の力では倒すことはできません。というわけで、新たな仮面ライダーを3人出撃させていただきます♪」

 

現在、ライダーの数は6人。そこに、新しいライダーが加わり、9人となる。戦力アップをすることが、運営側の狙いだそうだ。

 

アフロディーテ「いずれも、顔出し声出しNGの研修生です。まず、ギーツ&ダパーンペアには、こちら…その名は……

 

仮面ライダーパンクジャック

 

です♪」

 

アフロディーテがそう言うと…

 

 

《ENTRY》

 

 

どこからともなく、頭部はカボチャを思わせる色合いのクマ科モチーフの仮面ライダーが姿を現した。このライダーこそ、『仮面ライダーパンクジャック』である。パンクジャックは6人の前に立つと、アイドルのように手を振った。そして、翔と諒芽の元にやって来る。

 

諒芽「おぉっ、カッコいいじゃねぇか!俺は鏡 諒芽、よろしくな!」

 

諒芽はパンクジャックと握手しようと手を伸ばすが…パンクジャックは諒芽をスルーし、翔の元へ向かった。

 

諒芽「…へっ、シカト?」汗

 

困惑する諒芽を余所に、翔と握手しようと手を伸ばすパンクジャック。

 

翔「フンッ、俺はまだてめぇを信用してねぇ。あまり馴れ馴れしくすんじゃねぇぞ?後、気安く寝坊助に手ェ出すんじゃねぇ…やったらどうなるか分かってんだろうな?」

 

パンクジャック「……。」

 

低い声を出し、冷たい眼差しを向けてくる翔から離れるパンクジャック。

 

諒芽「おいおい、パンクジャックは俺らの仲間になるんだろ?何もそこまで敵視しなくても」

 

翔「お前は甘すぎるんだよ…仲間を装って、スパイの可能性だってあんだからよぉ、なぁ寝坊助?」

 

モンスター「…?」

 

アフロディーテ「え、えっと…つ、続いてバッファ&タイクーンペアには、こちら……

 

仮面ライダーケイロウ

 

です♪」

 

 

《ENTRY》

 

 

続いてライダー達の前に姿を現したのは、ベージュ色のフクロウ、或いはミミズクがモチーフで、仮面ライダーギンペンに酷似している仮面ライダー『仮面ライダーケイロウ』だ。彼らの前に立つと、ガッツポーズからファイティングポーズを取って見せた。

 

一海「仮面ライダーケイロウ、俺は木場 一海、よろしく!」

 

幸喜「俺は仲本 幸喜、よろしくな!!」

 

ケイロウ「!!」

 

ケイロウは躊躇うことなく、一海と幸喜と握手を交わした。

 

幸喜「って、ああぁぁっ!!お前、俺にブーストキックをしたやつか!?」

 

驚く幸喜に、ケイロウは『ごめんごめん!』と言うように手を合わせてペコペコしている。

 

アフロディーテ「最後に、ギンペン&ナーゴペアにはこちら…

 

仮面ライダーレター

 

です♪」

 

 

《ENTRY》

 

 

紫と友香の前に現れたのは、白いヤギをモチーフにしたライダー『仮面ライダーレター』だ。パンクジャックとケイロウのように、何かリアクションをすることは無く、淡々と現れた。

 

紫「レター、私は東雲 紫だ、よろしく頼む。」

 

友香「浅井 友香です、よろしくお願いします♪」

 

レター「…。」コクッ…

 

紫と友香の自己紹介を聞き、静かに頷くレター。

 

アフロディーテ「助っ人として登場した仮面ライダー達は、皆様の力になってくれますが…信頼関係が第一です、それでは…ご健闘をお祈りします♪」

 

 

 

こうして、9人となったライダー達は、拠点となっているシェアハウスに戻って来た。

 

一海「あっ、そうだ…翔、これ。」カチッ…

 

翔「蛇口じゃねぇのか?」

 

一海「いやいや、流石にハズレバックルを渡す訳には行かねぇだろ?」汗

 

翔「…そうか。」

 

一海からドリルバックルを受け取った翔は、バックルを眺め始める。

 

翔「…?」

 

パンクジャック「……。」ジー…

 

翔が眺めているバックルを見つめるパンクジャック。

 

翔「お前、これが欲しいのか?」

 

翔の言葉を聞くと、彼を見るパンクジャック。

 

翔「お前にはこれがお似合いだ。」スッ…

 

しかし、翔が渡したのはシールドバックルだった。

 

翔「そんなに信頼して欲しけりゃ、行動で示せ。」

 

パンクジャック「♪」

 

翔からシールドバックルを受け取ったパンクジャックは何も言わないが…嬉しそうな反応をしている。

 

幸喜「そうだ、ケイロウ!このバックル、良かったら使ってくれ!」

 

幸喜は緑色の槍の形をしたバックルを、ケイロウに渡した。

 

友香「レターさん、どれか好きなのをどうぞ♪」

 

友香と紫は、手持ちのバックルを全て出し、レターに選ばせていた。

 

紫「遠慮することは無い。」

 

レター「……。」

 

レターが手に取ったのは、プロペラバックルだった。

 

紫「もう1つ良いぞ?」

 

紫がそう言うと、『もう大丈夫』と言うように手を上げるレター。その時、スパイダーフォンが鳴った。どうやら、ジャマトが出現したようだ。

 

翔「…行くか。」

 

ライダー達は、現場へと直行した。

 

 

 

現場に到着すると、プリキュア達がホールスタッフジャマトやシェフジャマト達と戦っていた。

 

幸喜「プリキュア達を助けねぇと!!」

 

翔「待て仲本、先にお前達が行け。俺達だけじゃなく、プリキュア達からも信頼される必要がある。」

 

翔がそう言うと、パンクジャック、ケイロウ、レターはバックルをドライバーにセットし、武装する。

 

 

《ARMED SHIELD》

 

《ARMED SPEAR》

 

《ARMED PROPELLER》

 

 

パンクジャックはアームドシールドに、ケイロウはアームドスピアーに、レターはアームドプロペラとなった。

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

そして、プリキュア達を助けるため、ジャマト達に突撃していく。

 

プレシャス「あっ!皆、仮面ライダーだよ!!」

 

スパイシー「えっ?」

 

ヤムヤム「はにゃ、ホントだ!!」

 

フィナーレ「見たこと無いライダーだな。」

 

まず、パンクジャックがレイズシールドを用いて、1列に並ぶジャマトをタックルをお見舞いする。次に、レターがスライディングしながらレイズプロペラを回転させ、ジャマト達を薙ぎ倒していく。ケイロウはプリキュア達の前に立ち、迫り来るジャマトをレイズスピアーで攻撃する。

 

紫「プリキュア達、大丈夫か?」

 

スパイシー「えぇ、大丈夫…それより、あのライダー達は?」

 

幸喜「へへっ、新しいナマカだ!!」

 

一海「仲間な?」汗

 

フィナーレ「そうか、味方であれば頼もしい。」

 

諒芽「おっしゃ、俺達もそろそろ」

 

翔「まだだ。」

 

バックルをセットしようとする諒芽を止める翔。

 

幸喜「どうしてだ?数が多い方が効率的じゃねぇの?」

 

翔「普通はそう思う…だが、戦国大名の徳川家康は少ねぇ方が勝つって予想し、結果はその通りとなった。」

 

プレシャス「えっ、そうなの!?」

 

ヤムヤム「し、知らなかった…!」

 

翔「だからこそ、俺は予想しよう…この勝負、ライダー(アイツら)が勝つ。」

 

パンクジャック達を見ると、しっかり連携しながらジャマト達と交戦している。ナイフを投げられると、レターがレイズプロペラで防ぎ、レターの後ろからケイロウが飛び出し、レイズスピアーを回転させてジャマトを倒す。次にパンクジャックが、ケイロウを跳び箱のように飛び越え、レイズシールドをブーメランのように投げてジャマトを倒していく。

 

スパイシー「すごい、沢山いたジャマトが…残り僅かに…!」

 

フィナーレ「なるほど、数が多ければ多いほど、連携するのが難しくなるからか…」

 

翔「その通りだ。」

 

パンクジャック、ケイロウ、レターはバックルを操作すると、腰を低く落とす。

 

 

《SHIELD STRIKE》

 

 

パンクジャックはレイズシールドを装備した右腕に力を込めると、強烈なエルボーバットを繰り出した。すると、衝撃が発生し、残りのジャマトを大きくふっ飛ばした。

 

 

《SPEAR STRIKE》

 

《PROPELLER STRIKE》

 

 

レターは空中に飛び上がると、レイズプロペラを高速回転させ、突風を起こす。ケイロウも空中に飛び上がり、右手に持っているレイズスピアーを思い切り投げ付けた。レイズスピアーが着地すると同時に大爆発を起こし、残りのジャマト達は全て撃破された。

 

 

 

諒芽「す、スゲェ…あんなにいたジャマト達を倒しちまった…!!」

 

プレシャス「ジャマト達には、私達の浄化技は効かないんだよね…何でだろう?」

 

翔「本来、お前達はウバウゾーを浄化する為に居る…ジャマトはウバウゾーではねぇからな。俺達仮面ライダーは、ジャマトを潰す為に居るんだ。」

 

ヤムヤム「でもでも、ウバウゾーとジャマトが合体したのは…」

 

翔「その時は、お前達の力を借りねぇと倒せねぇ…お前達もそうだ、俺達ライダーの力を借りねぇと倒せねぇ…お互い様って訳だ。」

 

ジャマトは進化する、想像を超越して…この世界では、ウバウゾーとジャマトが1つになったウバウゾージャマトが現れてしまった。プリキュアと仮面ライダーの必殺技を同時に撃ち込まない限り、撃破することはできない。

 

一海「翔、そこまで分かるのか?」

 

翔「おいおい、俺が何もしてねぇとでも思ったのか?」

 

デザイアグランプリに参加して以来、ジャマトの研究に力を注いでいる翔。

 

翔(だが、肝心の黒幕が誰なのか…それはまだ、分からねぇんだよな……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「クックックックッ…青空 翔、やはり貴様は面白い。もっと我を楽しませてくれ。」

 

その頃、とある農園と思わしき場所では……怪しげな人物が、植物に水をあげている。

 

???「さぁさぁ、我の可愛いベイビーちゃん達…もっと大きくなれ大きくな〜れ〜♪」

 

その人物が水をやると、赤子の笑い声が周囲に響き渡った。



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21.元ジェントルー

翔「おい、まだゲームクリアにならねぇのか?」

 

ヘルメス『残念ながらまだだ。』

 

プリキュアの世界に降り立ち、かなりの時間が経過した。翔はスパイダーフォンを使い、ヘルメスにクレームの電話を入れていた。

 

翔「寝坊助なら育っだろ?いつになったらゲームクリアになるんだよ?」

 

ヘルメス『ゲームマスターの承認があれば、ゲームクリアとなる。それがなければ、クリアにはならん。』

 

どうやら、ゲームマスターがクリアと断定していないため、ゲームクリア自体はまだ終わっていないようである。

 

翔「後、何でウバウゾーとジャマトが融合してるんだ?」

 

ヘルメス『…多分アイツの仕業だろう。』

 

翔「そのアイツってのはどこのどいつだ?」

 

ヘルメス『私の口からは言えん。』

 

翔「は?あっ、おい…ったく、ガチャ切りかよ……」

 

この世界にて現れた新種のジャマト『ウバウゾージャマト』は、プリキュアの世界の怪物であるウバウゾーに、ジャマトが合体した姿である。プリキュアのみの力では倒すことはできず、プリキュアと仮面ライダーの必殺技を同時に撃ったことで撃破することができた。しかし、誰がジャマトを産み出しているのかは分かっていない。

 

あまね「…青空さん?」

 

そこに、あまねがやって来る。

 

翔「……。」

 

翔はスパイダーフォンをしまうと、あまねに声を掛ける。

 

翔「お前…菓彩っつったよな?」

 

あまね「はい、そうです。」

 

翔「お前は…元ジェントルーだろ?」

 

翔の言葉に、目を丸くするあまね。

 

翔「別に、だからと言って周りに言いふらしたりするような真似はしねぇよ。んなことしたって、そっちにもこっちにも何のメリットもねぇからな。」

 

あまね「…確かに、私はかつて…悪事を働いていました。プリキュアとして活動しているのも、罪滅ぼしのようなモノです……」

 

翔「…それでも、お前は誇れることをやっている。」

 

あまね「…えっ?」

 

翔はあまねの方を向くと、彼女に語り掛ける。

 

 

翔「お前は見返りを求めることなく…誰かを笑顔にし、人々の幸せを守っている。人の為に行動できる自分を認めてやれ。それに、お前にも居場所が見つかったようだな。アイツらもお前を心から受け入れてくれている、違うか?」

 

 

あまね「…そうだと、嬉しいです。」

 

未だ、不安そうな顔をするあまね。だが…

 

「もっちろん!!私達はあまねちゃんを受け入れてるよ!!」

 

あまね「…!?」

 

いつの間に、ゆいとここねとらんの姿もあった。彼女達はニコニコしていた。そんな彼女達を見て、安心する翔。

 

翔「良かったじゃねぇか、菓彩。仲間達と過ごせる時…大事にしろよ?」

 

その言葉を聞き、漸く笑顔を見せることができたあまね。そんな時……

 

 

???「やぁやぁ、ごきげんよう!!オレさまのファンに、男がいたとはなぁ!!」

 

 

木の上に、薄緑色の長髪を大きな黒リボンでサイドテールにし、紳士風の黒い服を纏い、仮面を付けている青年が現れた。

 

翔「…誰だてめぇは?」

 

ナルシストルー「オレさまかい?ナルシストルー様だ!!成る程…君が仮面ライダーかい?」

 

翔「だったら何だ?」

 

ナルシストルー「オレさま自慢のモットウバウゾーと戦って欲しいのさ~♪」

 

現れた青年『ナルシストルー』は、改良型捕獲箱を取り出す。

 

「トルルントルルン・ブンドルー!!」

 

そして、ショートケーキとチョコケーキのレシピッピを捕獲しようとする。

 

翔「ッ!!」ダンッ!

 

翔はレシピッピを助けようとジャンプし、手を伸ばすが…レシピッピはナルシストルーに捕獲されてしまった。

 

翔「ちっ…!」

 

ナルシストルー「アハハハ、残念だったな!!では…カモンッ!モットウバウゾー!!」

 

ナルシストルーは改良型捕獲箱から、ウバウゾーの強化個体『モットウバウゾー』を召喚した。

 

 

モットウバウゾー「モットウバウゾオオォォ!!

 

 

モットウバウゾーが雄叫びを上げた次の瞬間…

 

 

オギャー!!オギャー!!

 

 

モンスターバックルが声を上げて泣き出した。

 

モットウバウゾー「モット、ウバウ…ゾ!?」

 

ナルシストルー「ぐぅっ!?な、何なんだあのガキの声…あ、頭が…!!?」

 

モンスターバックルの泣き声が響き、耳を抑えてのたうち回るモットウバウゾーとナルシストルー。

 

翔「今しかねぇな…」

 

その隙に、翔はデザイアドライバーにモンスターバックルをセットし、仮面ライダーギーツに変身した。

 

 

《MONSTER!!》

 

《READY FIGHT!!

 

 

ゆい達もプリキュアに変身し、戦闘態勢に入る。そのタイミングで、ジャマト達が姿を現した。

 

幸喜「うぉぉおおおおおおおおおお!!」

 

そこに、幸喜が全力疾走でやって来て、仮面ライダーへと変身していく。

 

幸喜「変身ッ!!」

 

 

《NINJA!!》

 

《READY FIGHT!!

 

 

仮面ライダータイクーンは、ニンジャバックルを使っているため、『ニンジャデュアラー』という専用武器を装備している。

 

ジャマト「「「ジャアアァァッ!!」」」

 

タイクーンに迫りくるジャマトの群れ。

 

タイクーン「ニンッ!!」ポンッ…

 

その時…タイクーンの姿が一瞬にして消えた。戸惑うジャマト達。

 

ジャマトA「ジャアッ!?」

 

1体のジャマトが上を見ると、そこにはタイクーンの姿があった。

 

タイクーン「おらぁっ!!」ビュッ!!

 

タイクーンは肘から手裏剣型光弾を発射し、ジャマト軍団を撃破した。

 

タイクーン「さてと…次はお前だ!!ニンニンッ!!」

 

タイクーンはニンジャバックルを操作し、3人に分身すると…モットウバウゾーに向かって突進していく。

 

 

《NINJA STRIKE》

 

 

音声が響くと、モットウバウゾーとタイクーンがすれ違い…モットウバウゾーの巨体が空中に吹き飛ばされた。ギーツはプリキュア達と空中に飛び上がり、モットウバウゾーに攻撃を開始する。

 

ピリッtoヘビーサンドプレス!!

 

スパイシーがモットウバウゾーを拘束すると、

 

1000kCalパーンチ!!

 

プレシャスが強烈なパンチを叩き込む。地上に落下したモットウバウゾーに、ヤムヤムが技を繰り出す。

 

バリバリカッターブレイズ!!

 

モットウバウゾー「モッ、モットウバウゾー…!!」

 

ナルシストルー「くそ…何をしているモットウバウゾー!?」

 

ギーツ「余所見してる場合か?」

 

ナルシストルー「なっ!?」

 

ナルシストルーの近くに忍び寄っていたギーツは…

 

 

《MONSTER STRIKE》

 

 

ギーツ「ぶっ飛べェェエエエエ!!

 

ナルシストルーをアッパーカットで空の彼方へとぶっ飛ばした。その後、地上に降り立ち…

 

ギーツ「タイクーン!ウバウゾーの注意を逸らすぞ!!」

 

タイクーン「おう!!」

 

タイクーンと共にモットウバウゾーに向かって走って行く。

 

ギーツ「寝坊助!!」

 

 

オンギャー!!オンギャー!!

 

 

ギーツの言葉によってモンスターバックルが泣き出すと、モットウバウゾーは耳を抑えてのたうち回る。

 

タイクーン「オラオラオラオラァァアアアア!!」ズババババッ!!

 

怯んだモットウバウゾーに、タイクーンはニンジャデュアラーで斬り付ける。

 

ギーツ「!!」

 

その間に、ギーツはプリキュア達に合図を出した。トドメはフィナーレが決める。クリーミーフルーレよりエネルギー体を4回搾り出し、「ブルーミン・ダンシンフルーツ」の掛け声の後にフルーレで正面に∞のマークを描くと…

 

 

プリキュア・デリシャスフィナーレ・ファンファーレ!!

 

 

掛け声と共に浄化ビームを放った。フィナーレの浄化技を受けたモットウバウゾーは、穏やかな顔になる。

 

モットウバウゾー「お腹いっぱい♪」

 

そして、フィナーレとタイクーンと手を合わせ…

 

 

フィナーレ「ごちそうさまでした♪」

 

タイクーン「ごちそうさまでした!!」

 

 

完全に浄化された。モットウバウゾーが浄化されたことで、ショートケーキとチョコケーキのレシピッピが救われ…味も思い出も元通りとなった。

 

 

 

ローズマリー「フィナーレ、スゴいじゃない!!」

 

フィナーレ「ギーツと、もう一人のライダーがいたから…それに、皆が居てくれたからこそ、勝つことができたんだ。」

 

プレシャス「あれ、フィナーレって仮面ライダーギーツのこと知ってるの?」

 

フィナーレ「共に戦った仲間だろう?後、ダパーンも知っているぞ。」汗

 

モットウバウゾーを浄化するには、キュアフィナーレの力を借りるか…プレシャス、スパイシー、ヤムヤムが持っている“あるアイテム”を使った技でなければ浄化できない。

 

タイクーン「やったな、翔!!」

 

ギーツ「…お前、中々面白い戦い方をするじゃねぇか。」

 

タイクーン「身体動かすの好きだからな!」ハハハッ!

 

タイクーンが使用したニンジャバックル…どうやら、運動好きな幸喜とは相性が合うようだ。

 

ギーツ(ジャマトとウバウゾーが合体したように…さっきの強化ウバウゾーとジャマトが合体する可能性が高い……プリキュアに頼らざるを得ないが、こっちにも何か対策ができるはずだ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ウヒヒヒ、良いことを思いついちゃった〜♪」

 

とある農園では、ジャマトの栽培が行われていた。

 

ロキ「このロキ様の悪戯で産み出したコイツら、何にでも合うからなぁ〜♪さ、あの怪物と融合し…もっとも〜っと、強くなぁれ♪」

 

ジャマト「ジャア…!!」

 

何と、ジャマトを産み出したのは…悪戯の神として知られている『ロキ』だった。ロキが水やりを始めると、当たり一面に赤ん坊の笑い声が響き渡った。



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22.対決!モットウバウゾージャマト!!

この世界では、仮面ライダーがプリキュアと力を合わせ…ジャマトやウバウゾー達と戦っている。

 

ロキ「ヒヒヒヒ…そろそろ良いだろう。さぁ、行け…モットウバウゾージャマト♪」

 

 

モットジャバウゾォォオオオオ!!

 

 

ジャマーガーデンでは、ロキという神がジャマトを育てている。プリキュアの世界の敵、ウバウゾーに目を付けた彼は…ウバウゾーにジャマトを融合させ、ウバウゾージャマトを誕生させた。しかし、仮面ライダーとプリキュアの必殺技を同時に当てたことで倒された。それでもロキは諦めず、ウバウゾーの強化個体モットウバウゾーとジャマトを合成させ、新たなジャマトを誕生させた。それが、『モットウバウゾージャマト』だ。

 

ロキ「青空 翔…このジャマトをどうやって倒すのかなん?ウヒヒヒヒヒヒヒ…♪」

 

 

 

プリキュアの世界では……

 

客「何だこれ…味が変わった?」「なんか、変な味…」「それに、生臭さが凄い…!!」

 

寿司の味が変わってしまい、客達は困惑している。

 

翔「…ちっ、またウバウゾーか?」

 

ゆい「折角のお寿司が…!!」

 

あまね「皆、ジャマトだ!!」

 

そこへ、板前のような姿をしたジャマト達が姿を現した。

 

パンクジャック「!!」

 

翔の近くにいたパンクジャックは、アームドシールドになると…板前ジャマト達に突っ込んでいく。

 

翔「あっ!?あのバカ…!!」

 

翔はデザイアドライバーにモンスターバックルをセットし……

 

翔「変身…

 

 

オンギャー!!

 

《MONSTER!!》

 

《READY FIGHT!!

 

 

仮面ライダーギーツ(モンスターフォーム)へと姿を変えた。ゆい達もプリキュアに変身し、ジャマト達に立ち向かう。

 

ギーツ「プレシャス!力をかせ!!」

 

プレシャス「うん!!」

 

ギーツはモンスターバックルを操作し、左腕に力を込める。キュアプレシャスは右腕に力を込めると……

 

 

1000kCalパーンチ!!

 

《MONSTER STRIKE》

 

 

ギーツと共に、ストレートパンチを放った。2人のパンチは一直線に飛んでいき、ジャマト達を瞬時に全滅させた。

 

プレシャス「やったね、仮面ライダー♪」

 

ギーツ「いや、まだだ…」

 

ギーツの視線の先を見ると、何やら黒いモヤのようなモノが現れ…段々形を形成していく。

 

スパイシー「あれは…モットウバウゾー!?」

 

ヤムヤム「それも…普通のモットウバウゾーじゃない!!」

 

フィナーレ「またジャマトとウバウゾーの合成物か…!!」

 

現れたのは、モットウバウゾーとジャマトが1つになった怪物『モットウバウゾージャマト』である。

 

モットウバウゾージャマト「モットジャバウゾー!!」

 

ギーツ「寝坊助、やれ。」

 

咆哮を上げるモットウバウゾージャマトに、モンスターバックルは泣き叫んだ。しかし、モットウバウゾージャマトは微動だにしていない。

 

プレシャス「ね、寝坊助ちゃんの泣き声が効かない!?」

 

ギーツ「…へぇ、耐性を付けやがったか。」

 

「翔!!」

 

そこに、一海達が姿を現す。

 

幸喜「な、なんだありゃ!?」

 

紫「分からんが、私達も行くぞ!!」

 

一海達もデザイアドライバーにレイズバックルをセットし、仮面ライダーに変身した。

 

 

《GRAB! GRASHER! ZONBIE》

 

バッファ「おしっ…!」

 

 

《MAGNUM》

 

ダパーン「っしゃあ!!」

 

 

《NINJA!!》

 

タイクーン「タイマン張らせて貰うぜ!!」

 

 

《ARMED FAN》

 

ギンペン「ふっ!!」

 

 

《ARMED CROW》

 

ナーゴ「にゃあっ!!」

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

バッファ、ダパーン、タイクーン、ギンペン、ナーゴ…更にケイロウとレターも戦いに加わり、モットウバウゾージャマトに立ち向かっていく。

 

バッファ「ゔぉぉおおおおおおお!!

 

バッファは雄叫びを上げながら、ゾンビブレイカーでモットウバウゾージャマトを斬り付ける。

 

ダパーン「くらえぇっ!!」ズギュンッ!!ズギュンッ!!

 

ダパーンはマグナムシューター40Xを使い、モットウバウゾージャマト目掛けてレーザーを放つ。

 

タイクーン「おらぁっ!!」

 

タイクーンは手裏剣型光弾をモットウバウゾージャマトにぶつける。

 

ギンペン「友香!!」

 

ナーゴ「紫さん!!」

 

ギンペンとナーゴは2人で力を合わせ…レイズファンやレイズクローを用いた近接戦を繰り出す。ケイロウとレターも連携しながらモットウバウゾージャマトを攻撃する。それでもモットウバウゾージャマトはビクともしない。プリキュア達もモットウバウゾージャマトに格闘戦を挑むも、逆に返り討ちにされてしまった。

 

ローズマリー「ハートジューシーミキサーを使って!!それなら浄化できるかもしれない!!」

 

ローズマリーの助言を聞き、プリキュア達はハートジューシーミキサーから必殺技を放つが……

 

モットウバウゾージャマト「ジャバッ!!」バチィンッ!!

 

ハートジューシーミキサーを用いた技すら、モットウバウゾージャマトには通用しない。『ハートジューシーミキサー』は、モットウバウゾーを浄化できるアイテムなのだが…ジャマトと合体したモットウバウゾーには通じないようだ。

 

スパイシー「こ、これも効かないなんて…!!」

 

ヤムヤム「そんなぁ!!」

 

プレシャス「じゃあ、どうやって浄化すれば…」

 

戸惑うプリキュア達目掛けて、モットウバウゾージャマトは巨大な腕を振り降ろして来る。

 

フィナーレ「くっ!?」

 

そこに、ギーツが立ち塞がると……

 

ガッ!!

 

右ストレートで、モットウバウゾージャマトに対抗する。

 

スパイシー「ら、ライダー!!」

 

ギーツ「まだ諦めてんじゃねぇ…手段はあるはずだ!!」

 

ギーツはそう言うと……

 

ォォオオオオオオオオオオオオオ!!

 

雄叫びを上げ、モットウバウゾージャマトをふっ飛ばした。

 

 

『SECRET MISSION CLEAR』

 

 

その時…ギーツの近くにハテナミッションボックスが落ちて来た。

 

ギーツ(ジャマトの攻撃を跳ね返す…か。)

 

スパイダーフォンでミッションを確認した後、ボックスを開けるギーツ。中に入っていたのは、ブーストバックルだった。

 

ギーツ「丁度良い…」

 

《SET》

 

ギーツはドライバーの反対側にあるスロットにバックルをセットし、操作する。

 

ヴォォオオオオッ!!

 

ヴォンッ!!ヴォンッ!!ヴォンヴォンヴォンヴォンヴォォオオンッ!!

 

《DUAL ON》

 

ブーストバックルからは赤い炎が勢いよく噴き出し、ギーツの姿を変えていく。

 

 

《MONSTER!!》

 

《…And,Boost!》

 

 

《READY? FIGHT!!》

 

カカンッ!!

 

 

コングのような音が鳴り響き、構えをとるギーツ。上半身がモンスターフォーム、下半身がブーストフォームという『モンスターブーストフォーム』になったのだ。

 

ヤムヤム「はんにゃー!!何だか、すっごく強そうだよ!!」

 

フィナーレ「あの姿は、見たことないな…」

 

プレシャス「わぁ、カッコいい〜!!」

 

スパイシー「もしかしたら、あのモットウバウゾーも…!」

 

姿を変えたギーツを見て、関心を見せるプリキュア達。

 

ギーツ「フンッ…行くぜ寝坊助!!」

 

 

オンギャー!!オンギャー!!

 

 

ギーツの言葉を合図に…モンスターバックルは、前よりも大きな泣き声を上げる。すると…

 

モットウバウゾージャマト「モット!?ジャ、ジャバ…!!」

 

モットウバウゾージャマトは耳を抑え、のたうち回り始めた。

 

スパイシー「寝坊助ちゃんの泣き声が効いてる!!皆、今だよ!!」

 

ギーツに続き、プリキュア達もモットウバウゾージャマトに向かって行く。

 

ギーツ「ムンッ!!」ヴォォオオオオッ!!

 

ドゴォッ!!

 

ギーツがブーストバックルを用いた強烈な蹴りを放ち、モットウバウゾージャマトを転倒させる。そこに、プリキュア達が追い打ちをかける。

 

ギーツ「同時に必殺技を撃つぞ!!」

 

ギーツはプリキュア達に指示を出すと、モンスターバックルを操作し、次にブーストバックルを操作する。

 

《BOOST TIME》

 

3人プリキュア達はハートジューシーミキサーを、キュアフィナーレはクリーミーフルーレを操作する。

 

『キュアプレシャス、ハートジューシーミキサー!シェアリン!エナジー!ミックス!』

 

『キュアスパイシー、ハートジューシーミキサー!シェアリン!エナジー!ミックス!』

 

『キュアヤムヤム、ハートジューシーミキサー!シェアリン!エナジー!ミックス!』

 

3人のプリキュア達とキュアフィナーレがエネルギーをチャージし終えると、ギーツはモンスターバックルを叩き起こし、ブーストバックルのハンドルを捻る。

 

 

《MONSTER BOOST GRAND VICTORY!!》

 

 

次に、プリキュア達が3つのハートジューシーミキサーとクリーミーフルーレの先端を合体させる。

 

 

プリキュア

 

MIXハート

 

アタァァアアアアック!!

 

プリキュア・デリシャスフィナーレ・ファンファーレ!!

 

 

プリキュア達が放ったビームと共に、ギーツは巨大な右腕の形をしたエネルギーを発射した。プリキュアとギーツの技が、モットウバウゾージャマトに同時命中すると…

 

『おなかいっぱい♪』

 

 

モットウバウゾージャマトの顔が穏やかになった。プリキュア達とギーツが、モットウバウゾージャマトと合掌すると…

 

 

プリキュア「「「「ごちそうさまでした♪」」」」

 

ギーツ「ごちそうさまでした。」

 

 

モットウバウゾージャマトは、完全に浄化された。

 

 

 

モットウバウゾージャマトが浄化されたことで、寿司の味は元通りになり、人々の思い出も取り戻せた。

 

タイクーン「よっしゃあ!!やったな翔!!」

 

ダパーン「寝坊助もな♪」

 

プレシャス「でも、どうして浄化できたんだろ?」

 

ギーツ「どうやら、ブーストバックルを用いた技とプリキュアの必殺技を同時にぶつけたからだろう。」

 

今回の新敵…モットウバウゾージャマトは、ブーストバックルを使った技とプリキュアの必殺技を同時に打ち込むことで、浄化することができた。

 

ギーツ「…ッ!?全員その場に伏せろ!!」

 

ギーツがそう言った次の瞬間…

 

 

ピュウウウウウウゥゥゥゥ〜〜!!

 

 

ブーストバックルがギーツのドライバーから外れ、ライダー達とプリキュア達の周りを旋回しながら…どこかへ飛び去って行った。

 

ヤムヤム「び、ビックリしたぁ…」

 

スパイシー「な、何だったの…?」

 

ギーツ「ブーストバックルは力が強えから、1度の戦闘に1度しか使用できねぇんだ。」

 

困惑するプリキュア達に淡々と説明するギーツ。彼らは変身を解き、元の姿に戻ったのだが……

 

一海「あれ、諒芽が居ねぇぞ?」

 

何故か諒芽が姿を消していた。

 

幸喜「ホントだ、どこいったんだ?」

 

ここね「あっ、あそこ…」

 

ここねが指差す方角を見ると…ダパーンのままの諒芽が近くの寿司屋に入っていくのが見えた。

 

紫「アイツ…何をするつもりだ!?」汗

 

友香「ど、どうしてライダーのままで!?」大汗

 

数分後、ダパーンは寿司桶を抱えて出て来た。

 

ダパーン「おーい!寿司でも食おうぜ〜!!」

 

翔「何で変身を解かねぇんだよ…?」汗

 

ダパーン「いやぁ、寿司買った後でも良いやってw」

 

そう言うと、ダパーンも変身を解除して諒芽の姿に戻った。

 

あまね「寿司とは、また贅沢な…」

 

諒芽「いやいやいやいや、俺さ丁度ここのクーポン持ってたからやすかったぜ?それに、これ見てみ?」カパッ…

 

諒芽が開けた寿司桶に入っていたのは、特別な寿司だった。

 

ゆい「わぁ〜!!」

 

ここね「これって、ライダーの!?」

 

それは、ギーツ達仮面ライダーをイメージした寿司だった。ギーツは蟹をふんだんに使った寿司…バッファは幾つもの海鮮を使ったちらし寿司…ダパーンはマグロをふんだんに使った鉄火巻風の寿司…タイクーンはきゅうりやイクラを使った寿司…ギンペンは玉子を使った寿司…ナーゴは海苔や半熟玉子を使った寿司となっていた。

 

らん「おいしそ〜♪」

 

諒芽「皆で食おうぜ!!」

 

戦いに勝利したプリキュア達とライダー達は、皆で寿司を食べ、美味しさを分かち合った。

 

一海「う、美味っ!?」

 

幸喜「おっ!?ホントだ…!!」

 

諒芽「うんめぇ〜♪」

 

紫「うん、これはいける。」

 

友香「美味しいです♪」

 

ゆい「デリシャスマ〜イル♪」

 

あまね「うむ。」

 

ここね「美味しいね♪」

 

らん「ね〜♪」

 

ローズマリー「ほっぺたが落ちちゃいそう♪」

 

メンメン「美味しいメン!!」

 

パムパム「これは、斬新なアイデアパム♪」

 

コメコメ「コメ〜♪」

 

皆は良い顔をしていた。

 

翔「寝坊助、お前も食ってみな?」

 

翔はモンスターバックルにも寿司を食べさせながら、自分も寿司を口へ運ぶ。口角を上げて頷く彼に抱かれ、モンスターバックルは「キャッキャッ♪」と笑っていた。

 

ゆい「みて、寝坊助ちゃんが!」

 

ここね「笑ってるね♪」

 

らん「はわ〜、翔さんはやっぱり優しいパパだね♪」

 

あまね「あぁ、あれは思わず…惚れてしまいそうだ。」

 

翔「…お前ら。」汗



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23.原点

ロキ「いやはや、モットウバウゾーとジャマトが合体した個体を倒すとは…流石、青空 翔。」

 

その頃…ジャマーガーデンでは、ロキがジャマトの赤ちゃんに水やりをしながら、モニターを見ていた。水をあげる度に、赤ちゃんジャマトは笑い声や泣き声をジャマーガーデンに響かせている。

 

ロキ「しかし、可愛いジャマトが倒されるのを見るのは辛い……この際だ、ジャドウと同時にライダーも倒せるという快挙を上げてほしいものだ。」

 

ロキはそう言うと、赤ちゃんジャマトの1体を抱っこする。

 

ロキ「んん〜、可愛いでちゅねぇ♪」チュッ、チュッ、チュッ…

 

そして、赤ちゃんジャマトにキスをした。

 

 

リリーン!!リリーン!!

 

 

その時、電話が鳴り響く。

 

ロキ「…何だよぉ、折角ジャマトを可愛がってるのに……」

 

ロキはため息を付くと、電話を手に取る。

 

ロキ「はい…」

 

ゼウス『ロキよ、次のジャマトはまだなのか?』

 

ロキ「これはこれはゼウス様、もう既に整っておりますよ?」

 

ゼウス『ならば良い。』

 

ロキ「ところでゼウス様…ジャマトをジャドウ退治に使えないのでしょうか?もうこれ以上、ジャマトがやられるのを見るのは心苦しいんですよぉ……」

 

ゼウス『ジャドウ以外の者を襲っている時点でアウトじゃ…とにかく、さっさと次のジャマトを放て。』

 

ロキ「は、はい…!」

ロキ(あぁ…折角我が愛情を込めて育てたジャマトが、また……)

 

 

 

その頃…プリキュア達と協力してモットウバウゾーやホールスタッフジャマト、メイドジャマトを討伐してきたライダー達。

 

諒芽「よっ、高い高〜い!!」

 

一海「ほら寝坊助、こっちにいい音なるやつがあるぞ?」カラカラ♪

 

幸喜「いないいないいないいない……ばぁ~♪」

 

寝坊助(モンスターバックル)「キャッキャッ♪」

 

彼らは翔のモンスターバックルである『寝坊助』の世話を、翔を中心に協力している。寝坊助もすっかり彼らに懐いており、人見知りが段々無くなってきていた。諒芽には高く掲げられ、一海はガラガラを鳴らし、幸喜はいないいないばぁをする。

 

紫「ふっ、寝坊助もすっかり人馴れしてきたようだな。」

 

友香「はい!本当に良かったです♪」

 

紫も友香も子育てに協力してくれており、翔はジャマトの研究に集中することができるようになった。

 

翔(今度現れるジャマトは、おそらく…モットウバウゾージャマトよりも強力な個体だろう。モットウバウゾージャマトはブーストバックルを使うことで倒すことができた。しかし、それよりも強力な輩は…ブーストだけでは不十分……ましてや、プリキュアが居なければ倒すことは不可能に等しい……)

 

次に現れるジャマトも、恐らくライダー単体では倒すことは不可能…ウバウゾーと融合を果たしてしまった今、プリキュアの力を借りなければ倒せない。

 

アフロディーテ『皆様!!ジャマトが現れました!!』

 

アフロディーテから連絡が来たことで、翔達は現場へ向かう。既にプリキュア達がジャマトと交戦していた。翔達も仮面ライダーに変身すると、プリキュア達の援護を開始する。

 

ギーツ「ムンッ!!」ドゴォッ!!

 

ジャマト「ジャアッ!?」

 

プレシャス「ライダー!!」

 

ギーツ「ボサッとすんな、戦いに集中しろ。」

 

ギーツに続き、他のライダー達もジャマトとの戦いを始める。パンクジャックはレイズシールドを用いてタックルを繰り出し、ケイロウはレイズスピアーを用いて突きや槍回しを、レターはレイズプロペラで打撃を繰り出したり空中に飛び上がったりしてジャマトを翻弄する。

 

ダパーン「よしっ…こいつを使ってみるか。」

 

《SET》

 

ダパーンはトンファーの形をしたバックルをセットし、バックルを操作する。

 

 

《MULTI SYSTEM TONFA》

 

《READY FIGHT!!

 

 

白が主体のカンフーのような衣装を模様した姿『トンファーフォーム』に変身したダパーンは、チェーンアレイバックルをライトンファーバックルのスロットにセットすると、ライトンファーバックルを操作する。

 

《TONFA CHAIN ARRAY》

 

すると、ダパーンが右手に持っているライトンファーの先端に、チェーンアレイが装着され、モーニングスターのような武器になった。

 

ダパーン「おらよっと!!」ブゥンッ!!

 

ダパーンが鉄球を振り下ろすと、無数のジャマトを撃破した。パンクジャックもケイロウもレターも、小型バックルを上手く使いこなしながらジャマトと戦っている。

 

ギンペン「はぁっ!!やぁっ!!」ザシュッ!ズパッ!

 

ギンペンは新たな小型バックルで手に入れた『レイズダガー』を振るい、ジャマトを倒していく。ナーゴはレイズクローで、バッファはゾンビブレイカーを唸らせながら、タイクーンはニンジャバックルで分身したりニンジャデュアラーでジャマトを薙ぎ倒していく。だが、最後のジャマトを攻撃した際、ウバウゾーが更に強化された個体『ゴッソリウバウゾー』が現れた。

 

ジャマト「…ジャッ!?」

 

それを見たジャマトが、ゴッソリウバウゾーの口内に飛び込んだ。すると、ゴッソリウバウゾーが植物のようなモノにつつみこまれていくと包み込まれていくと……

 

 

ゴッソリジャバウゾォォオオオオ!!

 

 

ジャマトと融合を果たし、『ゴッソリウバウゾージャマト』へと変わった。

 

スパイシー「す、姿が変わった…!?」

 

ヤムヤム「はにゃ!?ジャマトとゴッソリウバウゾーが!!」

 

ギーツ「…。」スッ……

 

プリキュア達が戸惑う中、ギーツはブーストバックルをドライバーに取り付け、バックルを操作する。

 

 

《MONSTER!!》

 

《…And,Boost!》

 

 

《READY? FIGHT!!》

 

カカンッ!!

 

 

モンスターブーストフォームに切り替わると、モンスターバックルに指示を出す。

 

ギーツ「寝坊助、やれ。」

 

ギーツがそう言った次の瞬間…モンスターバックルは大声で泣き声を発する。しかし…ゴッソリウバウゾージャマトは全く怯まない。

 

プレシャス「寝坊助ちゃんの泣き声が、効かない…!?」

 

フィナーレ「強化個体…只者ではないようだな…!」

 

ギーツ「ま、そーだろうな…」

 

モンスターバックルの泣き声が効かないのは、ギーツの想定内だった。

 

ギーツ「だが、肉弾戦はどうだろうな!?」

 

ギーツは地面を蹴ると、瞬時にゴッソリウバウゾージャマトの懐へ入る。そして、腹部目掛けて強烈なアッパーカットを繰り出した。

 

ギーツ「ムンッ!!」ドゴォッ!!

 

しかし、ゴッソリウバウゾージャマトはケロッとしている。

 

ゴッソリウバウゾージャマト「ゴッソリジャバウゾォォオオ!!」ブゥンッ!!

 

ギーツ「…っと。」サッ…

ギーツ(肉弾戦もダメか…)

 

ゴッソリウバウゾージャマトはギーツに反撃してくるが、ギーツは攻撃をヒラリと躱す。

 

タイクーン「くらえっ!!」ビュビュビュビュビュッ!!

 

タイクーンは手裏剣状の光弾をゴッソリウバウゾージャマトに放つ。

 

タイクーン「んおっ!?これもダメなのか!?」

 

ダパーン「だったら…そぉれ!!」ブォンッ!!

 

ダパーンはモーニングスターと化したライトンファーを振り降ろすが、ゴッソリウバウゾージャマトはそれをキャッチすると…

 

ゴッソリウバウゾージャマト「ゴッソリジャバウゾォォオオオオ!!」ブゥンッ!!

 

それをダパーン目掛けて投げて来た。

 

ダパーン「うぉっ!?」

 

間一髪で攻撃を避けたダパーン。

 

バッファ「俺が行く!!」

《POISON CHARGE》

 

バッファはゾンビブレイカーのカバーを上部までスライドし、エネルギーを溜める。その後、ゴッソリウバウゾージャマト目掛けて突進していく。

 

ゴッソリウバウゾージャマト「ゴッソリジャバウゾォォオオ!!」

 

ゴッソリウバウゾージャマトはバッファ目掛けて巨大な腕を振るってくる。

 

バッファ「鬼の突撃、舐めんじゃねぇ!!」

 

バッファはスピードに乗りながら走り、ゾンビブレイカーのトリガーを引く。

 

《TACTICAL BREAK》

 

バッファ「でええぇぇやぁぁああああああああ!!」ヴオオォォッ!!

 

そして、ゴッソリウバウゾージャマト目掛けてゾンビブレイカーを思い切り振り下ろした。

 

 

ギャリィィイイイイイイ!!

 

 

しかし、ゴッソリウバウゾージャマトの装甲は堅く…バッファのゾンビブレイカーですら受け付けない。

 

ヤムヤム「ライダーの攻撃すら効かないなんて…!」

 

スパイシー「諦めちゃダメ、きっと何か方法がある…!」

 

プリキュア達も諦めず、ゴッソリウバウゾージャマトに攻撃を放つ。しかし、どれもこれも全く効いていない。

 

ギーツ「…ん?」

 

その時…モンスターバックルが息を切らし始めた。

 

ギーツ(マズいな、寝坊助が力尽きやがった…こうなったら。)

ギーツ「ダパーン!!マグナムバックルを寄越せ!!」

 

モンスターバックルが弱体化すると、使用者も弱体化してしまう。この状態で無理はできない。そう感じたギーツは、ダパーンにマグナムバックルを要求した。

 

ダパーン「何か作戦があんのか!?」

 

ギーツ「良いから寄越せ!!寝坊助が力尽きようとしてんだよ!!」

 

ダパーン「わかった!!」

 

ダパーンはギーツ目掛けてマグナムバックルを投げ渡した。それを受け取ったギーツは、ドライバーからモンスターバックルを外し、マグナムバックルを装着すると…バックルを操作する。

 

 

《DUAL ON》

 

 

《GET READY FOR BOOST & MAGNUM》

 

《READY FIGHT!!

 

 

マグナムブーストフォームに変わったギーツは、マグナムシューター40Xを構える。

 

ギーツ「コイツには原点で挑まなければ攻略はできない…さぁ、ゲームの時間だ。」

 

そう言うと、ブースターで加速しながら駆け回り、ゴッソリウバウゾージャマトに弾丸を撃ち込む。

 

ゴッソリウバウゾージャマト「ゴッソリ…ジャバ!?」

 

プレシャス「わぁ、速い速い!!」

 

ヤムヤム「今度は攻撃が効いてるよ!!」

 

スパイシー「私達も行こう!!」

 

フィナーレ「あぁ、今がチャンスだ!!」

 

プリキュア達もギーツに続き、ゴッソリウバウゾージャマトを攻撃し始める。

 

ギーツ「フンッ…」ガチャン…

 

《REVOLVE ON》

 

ギーツはドライバーを回転させ、ブーストマグナムフォームに切り替わる。

 

ギーツ「プレシャス、行くぞ!!」

 

プレシャス「うん!!」

 

そして、キュアプレシャスと共にゴッソリウバウゾージャマトにパンチを放つ。

 

ギーツ「ッ!!」ヴォォオオオオッ!!

 

1000kCalパーンチ!!

 

ドゴォッ!!

 

ギーツとプレシャスのパンチは、ゴッソリウバウゾージャマトの顔面に直撃した。

 

ゴッソリウバウゾージャマト「ジャバアアァァッ!?」

 

ゴッソリウバウゾージャマトの巨体が、後方に吹き飛ばされ…地面に勢いよく叩き付けられた。

 

ギーツ「スパイシー!!」

 

スパイシー「はいっ!!」

 

ギーツはスパイシーに合図を送ると、マグナムシューター40X(ライフルモード)のレバーを引き、エネルギーを溜める。

 

《CHARGE》

 

ピリッtoヘビーサンドプレス!!

 

スパイシーがゴッソリウバウゾージャマトを拘束すると、ギーツはマグナムシューター40Xから深紅のレーザーを放った。

 

《TACTICAL SHOOT》

 

レーザーはゴッソリウバウゾージャマトの身体を貫通し、大ダメージを与える。

 

ギーツ「ヤムヤム!!」

 

ヤムヤム「は〜い♪」

 

《BULLET CHARGE》

 

次にヤムヤムに合図を出すと、ハンドガンモードに切り替えたマグナムシューター40Xのレバーを引き、再びエネルギーを溜める。

 

バリバリカッターブレイズ!!

 

ヤムヤムがスパークを纏ったエネルギー刃を放つと同時に、ギーツはマグナムシューター40Xから弾丸の雨を降らす。

 

ギーツ「フィナーレ!!」

 

フィナーレ「あぁ!!」

 

フィナーレに合図を出したギーツは、マグナムシューター40Xを左側のレイズバックルホルダーに収納すると、マグナムバックルを操作する。

 

プリキュア・フィナーレ・ブーケ!!

 

《MAGNUM BOOST VICTORY》

 

フィナーレが放つビームと共に、ギーツもマグナムシューター40Xから巨大なレーザーを放った。ギーツとプリキュア達の攻撃を受けたゴッソリウバウゾージャマトは、段々弱って来ていた。

 

《REVOLVE ON》

 

ギーツはマグナムブーストフォームに戻ると、ブーストバックルを操作する。

 

《BOOST TIME》

 

ドライバーから待機音が響き渡ると、ギーツはメンバー全員に指示を出す。

 

ギーツ「全員、総攻撃…

 

俺達は…勝つ!!

 

ギーツの声を聞き、ライダー達はそれぞれのバックルを操作する。

 

《ZONBIE STRIKE》

 

《DAGGER STRIKE》

 

《CROW STRIKE》

 

《MULTI TONFA STRIKE》

 

《NINJA STRIKE》

 

《SHIELD STRIKE》

 

《SPEAR STRIKE》

 

《PROPELLER STRIKE》

 

ライダー達が必殺技を放つと同時に、プリキュア達も浄化技を放つ。

 

 

プリキュアライトマイデリシャス!!

 

 

プリキュア達が合体浄化技を放つと同時に、ギーツも必殺技を放つ。

 

 

《MAGNUM BOOST GRAND VICTORY》

 

 

ライダー達とプリキュア達の必殺技がゴッソリウバウゾージャマトに命中した時、ゴッソリウバウゾージャマトは穏やかな表情になる。

 

ゴッソリウバウゾージャマト「おなかいっぱい♪」

 

プリキュア達とライダー達が手を合わせると…

 

 

ごちそうさまでした!!

 

 

ゴッソリウバウゾージャマトは、完全に浄化されたのだった。

 

アフロディーテ『ミッションコンプリートです!!』

 

ゴッソリウバウゾージャマトの攻略に成功したところで、ライダー達のミッションは完了した。

 

 

 

ローズマリー「皆スゴイじゃない!!ライダー達も流石ね!!」

 

翔「ほざけ、俺達だけでは奴を倒せなかった。スゲェのはプリキュア達の方だ。」

 

ゆい「ううん、私達もライダー達が居なかったらあのウバウゾーを倒せなかった。だから、ありがとう!!」

 

ゆいがお礼を言うと、翔達の身体が光り始める。

 

らん「はにゃっ!?どうしたの翔さん!?」

 

翔「この世界にいるジャマトは、皆消滅した。さっきのウバウゾージャマトを倒したからな。」

 

驚くらんに淡々と説明する翔。先程のゴッソリウバウゾージャマトが撃破された事で、この世界にいるジャマトは全滅したのだ。

 

ここね「翔様…」

 

翔「そんな顔すんな、死にやしねぇんだから。」

 

寂しげな顔をするここねに、無表情を貫きながら翔は言う。

 

あまね「しばしの別れか。」

 

一海「あぁ、短い間だったけど…世話になった。」

 

幸喜「プリキュア達と友達になれて、嬉しかったぜ!」

 

ゆい「…また、会えるかな?」

 

紫「願い続けていれば、いつか叶うだろう。」

 

友香「そうです、ですから悲しまないでください。」

 

諒芽「この世界が再び危機に晒された時、俺達仮面ライダーは必ずやって来る。まぁ、平和なのが1番良いんだけどさ。」

 

翔達を包む光は、段々と強くなっていく。

 

ローズマリー「仮面ライダーの皆、本当にありがとう。」

 

翔「礼は要らねぇ…」

 

翔はゆい達に右手を突き出すと、ゆっくりとサムズアップする。

 

 

翔「じゃ、またな。」

 

 

そして、翔達は眩い光に包まれていき、姿を消した。

 

ここね「…行っちゃったね。」

 

らん「うん。」

 

ゆい「でも、また会えるよ!私は信じる、いつか必ず…もう一回会えるって。」

 

あまね「あぁ、そうだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、デザイア神殿では……

 

 

アフロディーテ「皆様、お疲れ様でした!」

 

ヘルメス「つまらぬ物だが、良かったら食べて欲しい。」

 

6人のライダー達はアフロディーテとヘルメスからすき焼きをご馳走して貰っていた。

 

一海「いやいやムグムグ…こりゃあモグ、最高級ですyモグモグ!!」

 

幸喜「うおぉ!!すき焼き食うのめっちゃ久しぶりなんだが!!アムッ…う、美味え〜!!」

 

諒芽「ウマッ!?ウマァッ!!」バクバクッ!!

 

紫「お前達…少しは遠慮したらどうだ?」汗

 

友香「あはは、食べ盛りですねぇ。」苦笑

 

ヘルメス「おかわりならいくらでもある、遠慮する必要はない。」

 

アフロディーテ「腹が減っては戦はできぬ、ですよ?」

 

翔「……。」

 

プリキュアの世界で美味しさを分かち合った事を思い出しつつ、デザイア神殿でもすき焼きの美味しさを分かち合うメンバー達であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンクジャック「……。」

 

ケイロウ「……。」

 

レター「……。」

 

彼らが食事をしている中…パンクジャック、ケイロウ、レターは3人同時に変身を解いた。

 

彩羽「ふぃ〜、つっかれたぁ!!」

 

N「アタシも、身体が鈍っていたわぁ…」

 

V「…うん、疲れたね。」

 

顔出し声出しNGの3人は、翔もよく知っているメンバー……パンクジャックは姉の彩羽、ケイロウは元ジャドウの転生者 N、レターは同じく元ジャドウの転生者 Vであった。NとVは地獄の刑務所で模範囚となっており、デザイアグランプリの結果次第では天国に行ける可能性があった。しかし、彼らには天国に行きたいという願望は無く…寧ろ、世話になった翔に恩返しする為にエントリーした。彩羽は翔の援助は勿論の事、面白そうだからという理由でエントリーした。

 

彩羽「ウヘへ〜、翔君から貰った盾…大事に使お〜っと♪」

 

N「普段は鞭を愛用しているけれど、槍も嫌いじゃないわぁ!!」

 

V「このプロペラ…もっと有効に使えないかな……?」



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24.ジャドウライダーを討伐せよ『ターボン編・その1』

いい加減、ジャドウにもライダーとして暴れて貰いましょうか。


プリキュアの世界でジャマトを撃破したライダー達。数週間後、彼らはデザイア神殿へと呼び出された。

 

 

 

デザイア神殿にて……

 

ヘルメス「よく来てくれた、ライダーの諸君。今回のミッションは今までとは違うぞ、心して聞いてくれ。」

 

ヘルメスが言うには、とある3つの世界にジャドウが現れ、やりたい放題している。天使たちを向かわせたが、それでも敵わず…そこで、デザイアドライバーとIDコア&悪魔の囁きをしてみた所、あっさりと承諾した為、これを気に退治して欲しい。

 

翔「あんな汚れた連中にデザイアドライバーを手渡すとか、どうかしてるぜ…」

 

バツが悪そうにしている翔。何故なら、デザイアドライバーの開発者は彼だからだ。

 

ヘルメス「しかしだな、デザイアドライバーを手渡した事で強力なライダーシステムを手放しおった。互角に渡り合えるだろう。」

 

デザイアドライバーで変身するライダー達のスペックは、かなり低い。とはいえ、素の人間の身体能力より少し高い程度だ。決して強いとは言い難いが、レイズバックルの使いこなし方によっては格段に強くなることもある。それも、IDコアとレイズバックルには相性が存在するらしく…それは、プレイヤーの腕次第だ。

 

翔「んで、そのバカはどこに居るんだ?」

 

ヘルメス「1人目のジャドウはこの世界にいる。」

 

 

ヘルメスが映し出したのは、何やら古風な建物が並ぶ世界。舞台は大正時代…この世界に『鬼』と呼ばれる怪物が蔓延るようになってしまった。そこで、鬼を討伐するべく『鬼殺隊』が結成され、『日輪刀』と呼ばれる特殊な鋼を使った刀で鬼の首を狩ることで退治できる。

 

 

諒芽「おいおい、これって『鬼滅の刃』の世界じゃねぇか。」

 

一海「そういや、深雪先生と蜜璃先生…鬼殺隊の柱にそっくり、てかほぼそのまんまだよな。」

 

ドールハウスには、鬼殺隊の蟲柱&恋柱似の医師が居る。それはさておき…今回の舞台は

 

【鬼滅の刃】

 

の世界だ。鬼と戦う鬼殺隊の補佐をしつつ、この世界に紛れ込んだジャドウを撃破しなければならない。

 

ヘルメス「では、鬼滅の刃の世界には…ギーツとタイクーンに行ってもらう。狐と狸は化かす動物って、相場が決まっているからな。」

 

翔「バカじゃねぇの?」汗

 

ヘルメス「君は相変わらず容赦のない男だ…まぁ良い、では行くぞ?」

 

ヘルメスがそう言うと、翔と幸喜の身体が光り出し…その場から一瞬にして姿を消した。

 

 

 

幸喜「おっと…おぉ、ここって…刀鍛冶の里か!?」

 

翔「騒ぐなバカ。」

 

鬼滅の刃の世界にある刀鍛冶の里へと降り立った翔と幸喜。来てそうそう……

 

???「恋柱様、到着致しました。」

 

???「ホント!?もう目隠し取って大丈夫?あぁ、ドキドキするなぁ♪」

 

刀鍛冶に恋柱と呼ばれる人物が、何やら忍のような格好をした者に背負われながらやって来た。そのタイミングで……

 

男「来たぜ蜜璃ちゃあん!!」

 

建物の中から1人の怪しい男が姿を現した。男はデザイアドライバーを身に着けており、真ん中のソケットにはイノシシのようなIDコアが着いている。

 

男「あぁ?何だぁ、お前らも仮面ライダーか?」

 

翔「だったら何だってんだ?」

 

男「ぶっ殺してやる!!」

 

男が取り出したのはオレンジ色の小型バックル『チェーンアレイバックル』だ。

 

恋柱「えっ!?な、何…というかあの子、何で私の事知ってるの!?」

 

何故か自分のことを知っている男に、混乱し始める恋柱。

 

翔「仲本、行くぞ。」

 

幸喜「おうよ!!」

 

翔はモンスターバックルを、幸喜はニンジャバックルをドライバーに取り付ける。男はチェーンアレイバックルを取り付ける。

 

 

《SET》

 

 

変身ポーズを披露する幸喜に対し、翔と男だけは変身ポーズをしなかった。

 

幸喜「変身ッ!!

 

翔&男「「変身…」」

 

彼らがそう言うと、アーマーが形成され…仮面ライダーへと姿を変えていく。

 

 

《MONSTER!!》

 

《NINJA!!》

 

《ARMED CHAIN ARRAY》

 

 

タイクーン「俺の名は、仮面ライダータイクーン!さぁ、タイマン張らせて貰うぜ!!」

 

ターボン「俺様は仮面ライダーターボン、蜜璃ちゃんは俺様のモンだ!!」

 

ギーツ「仮面ライダーギーツ…さぁ、ゲームの時間だ。」

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

ギーツとタイクーンは、敵ライダーである仮面ライダーターボンを討伐するべく、走って行く。

 

蜜璃「わぁ、狐に狸に猪?格好いいし可愛いわ!!」

 

恋鬼殺隊柱『甘露寺 蜜璃』は突如現れたライダー達に感心を示し、目を輝かせる。

 

ターボン「オラオラオラァ!!」

 

ターボンはレイズチェーンアレイを振り回しながら、ギーツとタイクーンを迎え撃つ。

 

ギーツ「タイクーン、決して建物を壊させるなよ!!」

 

タイクーン「おぉ、任せろ!!」

 

タイクーンは分身の術を発動し、ターボンが振り回すレイズチェーンアレイをニンジャデュアラーで受け止める。その間にギーツが素早くターボンの懐に入り、攻撃を開始する。

 

ギーツ「ムンッ!!ムンッ!!」ドコォッ!!ドゴォッ!!

 

ターボン「がはっ!?ぐわっ!!」

 

得意である近接戦でターボンを追い詰めていくギーツ。モンスターバックルの力により、攻撃力防御力が強化されたギーツ…対するターボンは、肩のショルダーシェルに加えて胸に強化装甲オレンジオーバープレートという最低限の防具であり、全身を守れていない。

 

ターボン「くそぉっ!!」

 

ターボンは左手のグリップでギーツに反撃を試みるが、簡単に受け流され…腹部に左ストレートを受けた。

 

ターボン「ふぐぅっ!?」

 

後方に大きく吹き飛ぶターボン。そこに、タイクーンが追撃を仕掛ける。

 

タイクーン「よっ!オラッ!!」

 

ニンジャデュアラーを匠に使いこなし、ターボンへダメージを与えていく。

 

ターボン「ぐぅ…お前ら、卑怯だぞ!!こちとら小型バックル使ってんだ!!少しぐれぇ手加減しろ!!」

 

ギーツ「手加減?笑わせんじゃねぇよ、お前ごときにする手加減なんざねぇんだよ。」

 

タイクーン「お前、この里の人達に迷惑かけてんじゃねぇよな?掛けてるんだったら、尚更容赦しねぇぞ?」

 

タイクーンの言葉に、少しだけ後退るターボン。どうやら、図星のようだ。

 

ターボン「!!」

 

すかさずターボンは、レイズチェーンアレイを上空へ振り上げる。

 

ギーツ(逃げる気か、させるか!!)

 

撤退しようとしていることを瞬時に見抜いたギーツは、モンスターバックルの力を発動する。

 

ギーツ「やれ、寝坊助!!」

 

ギーツがそう叫んだ次の瞬間…

 

 

オンギャー!!オンギャー!!

 

 

モンスターバックルが凄まじい声量の泣き声を発生させた。

 

ターボン「ッ!?」

 

あまりにも大きな泣き声に、思わず耳を塞ぐターボン。

 

タイクーン「ぐおっ!?寝坊助、よく泣くなぁ…」汗

 

ギーツ「何をしている?さっさとトドメを刺せ。」

 

タイクーン「オッケィ!!」

 

タイクーンはニンジャバックルを操作すると、ニンジャデュアラーをシングルブレードにし、高速でターボンに接近する。

 

 

《NINJA STRIKE》

 

 

ドライバーから音声が響くと、タイクーンはシングルブレードでターボンを斬りつけ、上空へ飛ばす。その後、地面を蹴って空中に飛び上がると……

 

タイクーン「くらえッ!!

 

刀身にエネルギーを込め、竜巻を発生させてターボンをぶっ飛ばした。

 

ギーツ「やるじゃねぇか、タイクーン。」

 

タイクーン「お前もな、ギーツ。」

 

ターボンを撃破することはできなかったが、刀鍛冶の里から追い出す事に成功した。すると、建物の中からひょっとこの仮面を被った人達が出て来た。

 

刀鍛冶1「ありがとうございます!!」

 

刀鍛冶2「あのイノシシ野郎、迷惑だったんです。追い出してくれてありがとう!!」

 

刀鍛冶3「やるじゃないか、白い狐に緑の狸!!」

 

タイクーンが言ってた通り、ターボンはこの里で幾多の迷惑をかけていたようだ。厄介者がいなくなった事で、刀鍛冶の人達はギーツとタイクーンに感謝をした。

 

 

 

あの後、翔と幸喜は甘露寺 蜜璃と共に刀鍛冶の人達からおもてなしを受けることに。

 

蜜璃「仲本 幸喜君に、青空 翔君だね!!私は甘露寺 蜜璃、鬼殺隊の恋柱なの♪」

 

幸喜「はい、よろしくお願いします!!後、甘露寺さん…後で、サインいただけますか?」

 

蜜璃「もちろん!!翔君は?」

 

翔「必要ねぇ。」

 

蜜璃「えぇっ!?」ガーン!!

 

幸喜は蜜璃とすぐに打ち解けたが、翔はまだ彼女に心を開いていない。

 

翔(しかし、本当に七草さんそっくりだ。いや、あの人がコイツに似てんのか……)

 

幸喜「なぁなぁ翔!!今夜は猪の肉が食えるってよ!!」

 

翔「…仲本、うるせぇ。」

 

幸喜「塩対応すぎねぇか!?」大汗

 

はしゃぐ幸喜とは違い、反応が薄い翔。ここに、ターボン以外の脅威が迫っている事を…この時の彼らは、まだ知らない。




ダーボンじゃなくて『ターボン』だったのね…すぐに修正します。


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25.ジャドウライダーを討伐せよ『ターボン編・その2』

翔と幸喜が刀鍛冶の里に降り立ってすぐ、鬼滅の刃の主人公『竈門 炭治郎』が里に到着した。

 

翔「よぉ、お前竈門 炭治郎か?」

 

炭治郎「は、はい…そうですが?」

 

翔「俺は青空 翔ってんだ。この里に現れた変な輩を退治すべく派遣されたんだ。んで、コイツは相方。」

 

幸喜「俺は仲本 幸喜、よろしくな!!」

 

炭治郎(…この人達、見たこと無い格好をしている…でも、何だ……全く敵意を感じない、寧ろ…不思議と安心できる匂いがする。)

 

炭治郎は嗅覚が非常に優れており、匂いだけで善人悪人を区別できる。すぐに彼と打ち解けられた翔と幸喜は、炭治郎と共に里の長に挨拶に行った。

 

 

 

鉄珍「おぉ、らいだーのお兄さん達も来てくれたのか。」

 

翔「あぁ、客人だぜ?」

 

鉄珍「こんにちは、ワシは鉄地河原(てっちかわはら) 鉄珍(てっちん)、よろぴく♪」

 

この、『鉄地河原 鉄珍』という人物は刀鍛冶の里の長であり、ダーボンを撃退した翔と幸喜を信頼し、「らいだーのお兄さん」と呼んでいる。

 

鉄珍「里で一番小さくって、一番えらいのワシ。まぁ、畳おでこつくくらい頭下げたってや。」

 

鉄珍がそう言うと、炭治郎は綺麗に頭を垂れる。

 

炭治郎「竈門 炭治郎です!よろしくお願いします!!」

 

鉄珍「まぁええ子やな、おいで?かりんとうあげよう。」

 

炭治郎「ありがとうございます!」

 

鉄珍「らいだーのお兄さん達も遠慮せず召し上がっとくれ?」

 

幸喜「ありがとうございます長老!!」

 

翔「かたじけない。」

 

炭治郎と共にかりんとうを食べる翔と幸喜。その後、鋼柄蛍という人物は行方不明である事と、全力で探していると話された。そのタイミングで……

 

アフロディーテ『翔さん、幸喜さん、ジャマトが現れました!!至急退治してください!!』

 

この里にもジャマトが現れた。

 

翔「…ったく、誰の許可を得てここに踏み入れたんだか。」

 

幸喜「行こうぜ翔!!」

 

翔「言われなくとも!!」

 

外に出ると、何やら入れ墨のような模様が身体にあり、頭部には角を生やしたジャマトの姿があった。

 

アフロディーテ『彼らは『鬼ジャマト』…どれだけ攻撃しても、瞬時に再生してしまう厄介な相手です!こちらを使ってください!!』

 

すると、翔の近くにハテナミッションボックスが落ちてきた。

 

幸喜「あれ、おい俺のは!?」

 

戸惑う幸喜を余所に、翔はミッションボックスを開く。中には、何やらナイフの形をした紫色の小型バックルが入っていた。翔はそのバックルをドライバーにセットし、変身準備を行う。幸喜は仕方なく、ニンジャバックルをドライバーにセットする。

 

 

《SET》

 

 

変身ポーズをしない翔とは反対に、気合いを込めた変身ポーズを披露する幸喜。

 

 

幸喜「変身ッ!!

 

翔「変身…」

 

 

彼らがバックルを操作すると、アーマーが形成され…仮面ライダーへと姿を変えていく。

 

 

《ARMED DAGGER》

 

《NINJA!!》

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

タイクーン「1、2、3、4…まとめてタイマン張らせて貰うぜ!!」

 

ギーツ「さぁ、ゲームの時間だ。」

 

ニンジャフォームのタイクーンとアームドダガーのギーツは、現れた鬼ジャマトを討伐すべく戦闘を開始する。

 

タイクーン「おりゃあ!!」ズパァッ!!ズパァッ!!

 

ギーツ「フンッ…」ザシュッ!!ザシュッ!!

 

2人のライダーはジャマトを斬りつけ、瞬時に撃破した……と、思いきや……鬼ジャマトの傷が瞬く間に癒え、再びライダー達に襲い掛かって来た。

 

ギーツ「おっと…」サッ…

 

すぐに反応できたギーツは、ジャマトの攻撃を躱す。

 

タイクーン「がはっ!?」

 

タイクーンは油断していたのか、攻撃を受けてしまい、地面を転がる。

 

ギーツ「アフロディーテの説明を聞いてなかったのか?」

 

タイクーン「あぁ…えっと、完全に油断してた……」汗

 

ギーツ「少しは警戒心を出せ。後、俺はアイツらの攻略法が解った。」

 

タイクーン「えっ!?どうやって倒すんだ!?」

 

ギーツは腰をどっしりと落とすと、ダガーバックルを操作し…レイズダガーを逆手持ちする。

 

 

《DAGGER STRIKE》

 

 

ドライバーから音声が響いた直後、ギーツと鬼ジャマトがすれ違う。その後すぐ、鬼ジャマトの首がゆっくりと地面に落ちた。首を斬られた鬼ジャマト達は、灰のように身体がボロボロと崩れていった。

 

タイクーン「成る程な、首を斬り落とせば良かったのか…」

 

ギーツ「戦では大将の首を取った方が勝ちって相場が決まってるだろ?」

 

タイクーン「あぁ、確かに!!」

 

鬼ジャマトを倒したギーツとタイクーン(全滅させたのはギーツ)。その時…

 

 

『SECRET MISSION CLEAR』

 

 

ギーツとタイクーンの前に、再びハテナミッションボックスが現れた。

 

タイクーン「何々、『現れた鬼ジャマトを殲滅せよ』…シークレットミッションクリアだってよ。」

 

ギーツ「…へぇ。」

 

ギーツがミッションボックスを開けると、中にはブーストバックルが入っていた。

 

炭治郎「青空さん仲本さん!!」

 

そこに、炭治郎がやって来たのだが…鬼ジャマトは既に殲滅していた。

 

炭治郎「あれ、鬼の匂いが消え…って、その姿は!?」

 

ギーツ「あぁ、これか…?」

 

ギーツとタイクーンは変身を解除し、炭治郎に状況を説明した。

 

炭治郎「かめんらいだー、ですか…よく分かりませんが、鬼殺隊の味方である事は分かりました!!これからよろしくお願いします!!」

 

翔「飲み込みがはえぇな…」汗

 

幸喜「おう、よろしくな炭治郎!!」

 

すんなり受け入れた炭治郎に困惑する翔と、炭治郎と打ち解けた幸喜。こうして、鬼殺隊である炭治郎から信頼を得た仮面ライダー。ただ、1名を除いて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男「…くそ、アイツら炭治郎と接触しやがったか。」

 

林の中にある木の陰から、ターボンに変身した男が翔達を見ていた。

 

颯太郎「まぁ、このオレ…風隼(かぜのはや) 颯太郎(そうたろう)様には、敵わねぇだろうけどなwww」



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26.ジャドウライダーを討伐せよ『ターボン編・その3』

鬼ジャマトを撃破した翔と幸喜は、刀鍛冶の里の温泉を堪能し…その後、蜜璃と玄弥、禰豆子との接触に成功した。

 

蜜璃「へぇ〜、かめんらいだーって言うんだね。何だか格好いいなぁ〜♪」

 

幸喜「いやぁははは、それ程でも無いっすよ〜♪」

 

蜜璃は持ち前の明るさで、禰豆子と幸喜とはすぐに打ち解けられた。完全に蜜璃の虜になっている幸喜は、終始デレデレしている。

 

翔「……。」

翔(…にしても、甘露寺 蜜璃か……七草さんの下の名前も、蜜璃だったよな…てか、容姿も性格もマジで似てる……)

 

蜜璃「…?どうしたの、翔君?私の顔に何か着いてる?」

 

翔「ちげぇよ、知り合いに似てると思っただけだ。」

 

翔の知り合いである『七草 蜜璃』は甘露寺 蜜璃と瓜二つとも言える程、そっくりである。容姿のみならず、性格もだ。

 

炭治郎「あの、翔さんと幸喜さんが持っているそれ…一体、何なんですか?」

 

幸喜「これか?レイズバックルって言ってな、これを使うと俺達ライダーは強くなれるんだぜ?」

 

翔「ただ、相性があるんだがな…」

 

IDコアとレイズバックルには、相性が存在しているらしく…それは、プレイヤーの腕次第である。基本的にどのバックルも簡単に使いこなす翔だが、元々身体能力が高い幸喜は、愛用しているニンジャバックルとの相性は抜群のようだ。

 

 

 

夕食を共にする翔と幸喜、勿論モンスターバックルにも夕食はある。翔と幸喜が食べさせると、モンスターバックルはパクパク食べた。

 

幸喜「へへっ、やっぱり寝坊助は可愛いなぁ!!」

 

翔「そうだな。」

 

蜜璃「寝坊助ちゃんって言うの?へぇ〜、可愛いっ♪」

 

禰豆子「ム〜♪」

 

炭治郎「可愛いですね!!」

 

蜜璃、禰豆子、炭治郎もモンスターバックルを可愛がり、翔は安心していた。

 

翔(寝坊助もだいぶ人に慣れてきたようだな、これなら…)

 

その時、里内に鐘の音が響き渡る。

 

 

猪野郎が出たぞぉぉおおおお!!

 

 

どうやら、里にターボンが現れ…暴れまわっているようだ。

 

炭治郎「猪…いや、伊之助は別の任務に行っている筈だ……」

 

翔「お前の言う伊之助ってやつじゃねぇ…猪のライダーだ。」

 

幸喜「おっしゃあ、飯も食った事だし…いっちょやってやるぜ!!」

 

翔と幸喜はデザイアドライバーを装着すると、レイズバックルをセットする。

 

 

《SET》

 

 

変身ポーズをする幸喜と、全く動じない翔は…バックルを操作し、仮面ライダーへと姿を変えていく。

 

幸喜「変身ッ!!

 

 

《NINJA!!》

 

 

 

翔「変身…」

 

オンギャー!!

 

 

《DUAL ON》

 

《MONSTER!!》

 

《ARMED DAGGER》

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

ニンジャフォームのタイクーンと、モンスターアームドダガーのギーツは宿から飛び出し、ターボンの元へ向かう。

 

ターボン「はっはぁ、来やがったか!!」

 

レイズチェーンアレイを振りながら、笑い声を上げるターボン。彼の周りには、複数のポーンジャマトがいる。どうやら、ターボンに手懐けられたようだ。

 

ターボン「行けぇお前達!!」

 

ターボンが合図を出すと、ポーンジャマト達はギーツとタイクーンに襲い掛かってくる。

 

タイクーン「翔、雑魚は任せろ!!奴を頼む!!」

 

ギーツ「あぁ!!」

 

タイクーンは空中に飛び上がると、手裏剣型光弾を放ち、ジャマト達を翻弄する。その後、瞬間移動や変わり身の術等の多彩な忍術を駆使しながら、ジャマト達を倒していく。

 

ギーツ「てめぇの相手は俺だ!!」

 

ターボン「またお前かよ…ちっ!!」

 

ターボンはレイズチェーンアレイを高く振り上げる。

 

ギーツ「寝坊助!!」

 

ギーツがそう叫んだ後、モンスターバックルは凄まじい泣き声を上げる。

 

ギーツ(里の連中には悪いが、俺達も手段を選んでられねぇんだ……)

 

周りを見てみれば、ターボンやジャマトのみならず…里の人達まで、モンスターバックルの泣き声に耳を抑えてのた打ち回っていた。

 

タイクーン「よっと…って、おい翔。ちとやり過ぎじゃねぇか?」汗

 

ギーツ「ぐぅの音も出ねぇな…」

 

タイクーン「えっ!?」大汗

 

タイクーンに指摘され、珍しく反論しないギーツ。そんな彼に困惑するタイクーン。ギーツがバックルを操作すると、タイクーンも慌ててバックルを操作する。

 

 

《MONSTER DAGGER VICTORY》

 

《NINJA STRIKE》

 

 

モンスターバックルの力を乗せ、レイズダガーからエネルギー波をターボン目掛けて放つギーツ。タイクーンは大小様々な大きさの手裏剣型光弾を放ち、ポーンジャマト達を全滅させた。

 

ターボン「くそ、使えねぇ連中が!!」

 

ターボンもバックルを操作し、必殺技を放とうとするが既に遅く…ギーツの必殺技を受け、何処かへぶっ飛ばされた。

 

ターボン「何でいつもこうなるんだよおおぉぉぉぉ……!!」

 

ターボンをぶっ飛ばした後、ギーツとタイクーンは里の見回りを行った。だが、次なる脅威はすぐそこに迫っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ヒョッヒョッヒョッ、遂に見つけましたよ…ここを潰せば、鬼狩り共を確実に…ヒョッ♪

 

???「ヒイィィィ…よ、漸く見つかった……は、早く…み、みみ、皆殺しにせねば…!!

 

里の近くの森に、怪しい影が2つ近付いている。果たして……



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27.ジャドウライダーを討伐せよ『ターボン編・その4』

その日の夜、里では不可解な事件が起きるようになった。刀鍛冶の1人が出掛けたきり、戻って来ない…置いていない筈の壺が置いてあったり……

 

幸喜「よりによって甘露寺さんは別の区域で任務だし…ま、でも無一郎や炭治郎達が居るからな。」

 

無一郎「へぇ、君達も戦えるんだ…足だけは引っ張らないで欲しいね。」

 

翔「それはこっちの台詞だ。」

 

炭治郎「ま、まぁまぁ…」汗

 

禰豆子「むー…」

 

何やら揉める寸前の無一郎と翔を宥める炭治郎と禰豆子。すると、部屋の戸が独りでに開くと……

 

 

「ヒイイイイィィ……」ガタガタガタガタ

 

 

奇妙な老人が部屋に入って来た。

 

幸喜「んおっ?何だ、どうしたんだ爺さん?」

 

翔「待て仲本…」

 

翔が警戒態勢に入る中、炭治郎は嗅覚を震わせる。

 

炭治郎(鬼がどうしてこんな所に…?目視するまで気付かなかった…ッ!!…この感じ、上弦…!!)

 

そう思った直後、無一郎が呼吸を発動する。

 

 

肆ノ型(しのかた) 移流斬(いりゅうぎ)

 

 

無一郎の日輪刀が入って来た鬼を斬り付ける。

 

鬼「痛いいいぃぃ…!!」

 

翔「ッ!!」ダンッ!!

 

翔は高速で鬼に接近すると、右足で鬼を宙へ蹴り上げる。

 

鬼「がぁっ!?」

 

翔「炭治郎!!」

 

翔がそう叫ぶと、炭治郎は日輪刀を引き抜き、呼吸を発動する。

 

 

陽華突(ようかとつ)

 

 

炭治郎が攻撃した後、禰豆子が鬼の腹部に強烈なキックを打ち込む。

 

禰豆子「ムウッ!!」ドゴォッ!!

 

鬼「があぁ…!!」

 

床を転がった鬼の首を無一郎が斬り落とす。

 

幸喜「よっしゃあ!!流石は無一郎だぜ!!」

 

炭治郎「時透君、仲本さん、油断しないで!!」

 

すると、斬られた鬼の首から身体が生え…更に、本体ともの思わしき身体から新たな頭部が生えた。

 

翔「仲本!!」

 

幸喜「おう!!」

 

翔と幸喜はすかさず、デザイアドライバーにレイズバックルを装填し、仮面ライダーへと変身する。

 

 

翔「変身…!」

 

 

《DUAL ON》

 

《MONSTER!!》

 

《ARMED DAGGER》

 

 

幸喜「変身ッ!!

 

 

《NINJA!!》

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

仮面ライダーへ変身が完了すると、羽団扇を持った鬼が無一郎に団扇を1振り…その直後、緑色の突風が発生し、無一郎を大きく吹き飛ばした。

 

可楽「うっはっはっはっは!!楽しいのぉ、豆粒が遠くまでよく飛んだ!!なぁ積怒?

 

積怒「…何も楽しくはない、儂はただひたすら腹立たしい!!可楽、お前と混ざっていた事も…!!

 

可楽「そうかい、離れられて良かったのう。

 

羽団扇を持った鬼『可楽』は笑い、杖を持った鬼『積怒』は怒っている。更に…

 

鬼ジャマト「「「「ジャジャッ!!」」」」

 

鬼ジャマト達が戦いに乱入してきた。

 

炭治郎「別の鬼!?」

 

タイクーン「くっそぉ、柱が吹き飛ばされたタイミングでジャマトかよ…最悪だぜ!!」

 

ギーツ「あの2体の鬼と比べりゃ、コイツらは大したことねぇ筈だ!!炭治郎、コイツらは任せろ!!」

 

炭治郎「はい、お願いします!!」

 

ギーツとタイクーンは、乱入してきた鬼ジャマトと交戦し、炭治郎と禰豆子は可楽と積怒と交戦を始める。

 

タイクーン「おらっ!!」ザクッ!!

 

鬼ジャマトA「ジャアッ!?」

 

タイクーンはニンジャデュアラーで鬼ジャマトの腕を切断する。しかし、鬼ジャマトの腕は瞬時に再生した。

 

タイクーン「そっか…首を斬らなきゃダメだよな。」

 

ギーツ「それをわざわざ口に出すな、目的が相手にバレるだろ。」

 

タイクーン「あ、やべ…」汗

 

ギーツはレイズダガーを構え、襲い掛かって来たジャマト達の四肢を切断し、後方へ吹き飛ばした。モンスターバックルの力もあり、高い威力の攻撃を繰り出すことができるのだ。だが、鬼ジャマト達は四肢を再生させると…何やら怪しげな呪文を唱え始める。その直後…

 

ギーツ「!?タイクーン、飛べ!!」

 

タイクーン「うおっ!?」

 

ギーツとタイクーンの足元に無数の針が出現した。間一髪で空中へと逃げたギーツとタイクーン。

 

可楽「おぉっ?何じゃ、狐と狸か?儂の術もくらえぇ!!」

 

可楽はそう言うと、羽団扇から突風を放った。ギーツはモンスターバックルとダガーバックルを操作し……

 

 

《MONSTER DAGGER VICTORY》

 

 

ギーツ「ムンッ!!」ブォンッ!!

 

星を纏った紫色のエネルギー刃を飛ばし、可楽の突風を破った。

 

可楽「ほぅ、やるのう?」

 

ギーツ「バカが、甘いんだよ。」

 

積怒「なら、これを受けてみよ!!」

 

積怒は杖を地面に突くと、強烈な雷を発生させた。

 

炭治郎「があぁ…!?」

 

ギーツ「ぐっ!?」

 

タイクーン「ぐわっ!?何だこりゃ!?」

 

衝撃や音が凄まじく、思わず痙攣を起こす炭治郎とギーツとタイクーン。そこに、玄弥が現れ…鉄砲を使って積怒の腕を切断した。

 

積怒「ッ!?」

 

炭治郎「…玄弥!!」

 

玄弥が作った隙を、タイクーンは見逃さない。

 

タイクーン「俺に任せろ!!」

 

タイクーンはそう叫ぶと、手裏剣型光弾を積怒目掛けて飛ばした。

 

積怒「むっ!?」

 

瞬間、積怒は爆風に包まれていく。タイクーンはニンジャバックルを操作すると、高速で可楽と積怒に向かって行く。

 

 

タイクーン「うぉぉおおおお!!

 

《NINJA STRIKE》

 

 

そして、ニンジャデュアラーで2体の鬼の首を切断した。

 

炭治郎「…!!…凄いです仲本さん!!」

 

タイクーン「へへっ、ありがとよ!!けど、炭治郎には敵わねぇってw」

 

ギーツ「おい、まだ終わってねぇぞ!!」

 

すると、斬られた鬼達はまたも分裂を開始…新たに2体の鬼が姿を現した。

 

タイクーン「はあぁぁっ!?また増えた!?」

 

ギーツ「…どんだけ居んだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯太郎「ヘヘッ、ジャマト達が炭治郎達の元に行ったか…そんじゃ、俺は蜜璃ちゃんのとこにでも行きますかねwww」

 

ジャマトと鬼と戦うギーツらを見た颯太郎は、静かにその場を離れていった。



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28.ジャドウライダーを討伐せよ『ターボン編・その5』

その頃……

 

 

 

「ぎゃああぁぁ!!」「さ、里を守れ!!」

 

鬼「〜〜〜〜!!」

 

金魚の姿をした鬼が里を襲っているのを、颯太郎は安全な場所から見ていた。

 

颯太郎「…さて、蜜璃ちゃんはどこに……おっ!!」

 

すると、恋柱の甘露寺 蜜璃が姿を現し、日輪刀を振るって金魚鬼達を次々と撃破していく。

 

刀鍛冶A「おぉ、柱が来たぞ!!」

 

蜜璃「遅れてごめんなさい!!みんな、すぐ倒しますから!!」

 

蜜璃の日輪刀はとても薄く、リボンのように伸縮自在である。相手を絡め取るだけでなく、極薄の刃でスッパリと鬼を斬り裂いていく。里中を走りながら日輪刀を振るう蜜璃は、瞬く間に鬼達を撃破していく。

 

刀鍛冶B「す、すげぇ…!」

 

刀鍛冶C「はやっ…!!」

 

刀鍛冶D「強…!!可愛いから忘れてたけど、強いんだよな…柱って……」

 

圧倒的な力を見せ、美しく戦う蜜璃に魅了される刀鍛冶の者達。

 

刀鍛冶D「お、長を…長を頼みまーす!!」

 

鬼達を撃破し、奥へ突き進む蜜璃に里の者はそう叫んだ。

 

 

 

その頃、ギーツ達は…

 

ギーツ「くっそぉ…あの天狗野郎、何してくれんだよ……」

 

タイクーン「鬼ジャマト達もわんさかいやがる!!早いとことっちめるか!!」

 

可楽の血鬼術によって炭治郎達から離れた場所に飛ばされてしまった。それも、数多の鬼ジャマト達がいる場所へ……

 

鬼ジャマト1「ジャジャジャジャ…ジャアアァァッ!!」

 

1体の鬼ジャマトは、全身から煙幕を発生させ、ギーツ達の視界を奪う。

 

ギーツ「ちっ!!」

 

ギーツはドライバーを180°回転させ、リボルブオンを行う。

 

 

《REVOLVE ON》

 

 

リボルブオンをしながら横へ移動し、煙幕から逃れるギーツ。タイクーンも持ち前のスピードで煙幕をくぐり抜けた。

 

タイクーン「アイツらも血鬼術を使えるのか、こりゃあ厄介だ。」

 

ギーツ「……。」

ギーツ(タイクーンはまだ疲れてねぇ、だったらコイツを…仲本に託すか……)

 

攻撃を避ければ、別の鬼ジャマトが血鬼術を発動してくる。今度は地面からツタを伸ばしてきた。

 

タイクーン「よっと!!」ズババババッ!!

 

タイクーンはニンジャデュアラーで全てのツタを斬り刻んだ。

 

タイクーン「へへっ、段々身体も温まって来たし…そろそろ本気を出すとするぜ!!」

 

ギーツ「ならばこれを使え!!」

 

ギーツはタイクーンにブーストバックルを投げ渡す。

 

タイクーン「おっと…おいおい、これってブーストバックルじゃねぇか!!」

 

ギーツ「ソイツはお前が使え、俺にはこれらがある。」

 

タイクーン「…翔、お前…」

 

ギーツ「奴らは任せろ、お前は甘露寺さんの所にでも向かえ。」

 

タイクーン「おう、サンキューな翔!!」

 

タイクーンはブーストバックルを装填すると、バックルを操作する。

 

 

《DUAL ON》

 

 

《NINJA!!》

 

《…And,Boost!》

 

 

《READY FIGHT!!》

 

 

ブーストバックルを使い、ニンジャブーストフォームへと切り替わったタイクーン。

 

タイクーン「おっしゃあ、行ってくるぜええええぇぇ……!!」

 

気合いを込めたタイクーンは、凄まじいスピードで蜜璃の救援へと向かった。

 

ギーツ「さて、寝坊助…まだやれるか?」

 

寝坊助「あい!!」

 

ギーツ「…いい返事だ。」

 

1人残ったギーツは、無数の鬼ジャマト達を殲滅するため…立ち向かった。まず、下半身に装着されたモンスターフォームのビッグレッグで勢い良く地面を蹴り、レイズダガーを大きく振るう。

 

ギーツ「ムンッ!!」ブォンッ!!

 

ギーツがダガーを振るうと、衝撃波が発生し、3体の鬼ジャマト達の首を切断した。そして、残りのジャマトを討伐すべく、ギーツは走り出した。

 

 

 

その頃、里に現れた金魚鬼達を殲滅に成功した蜜璃は、里の長である鉄珍の救出に成功した。

 

蜜璃「鉄珍様!!鉄珍様!!聞こえますか!?」

 

彼女の腕の中で、鉄珍は……

 

鉄珍「若くて可愛い娘に抱き締められて、何だかんだで幸せ……ごっふぅ……」ガクッ…♡

 

彼女の腕の中でキュン死した(死んでない)。

 

蜜璃「っ!?や、やだぁ…もう鉄珍様ったら〜…♪」///

 

鉄珍に褒められた事で、思わず照れる蜜璃。

 

刀鍛冶E「私も、頭から落ちました…」

 

蜜璃「えっ?」

 

近くには別の刀鍛冶も数名おり、全員無事である。

 

刀鍛冶E「手を握ってくだされ…」

 

刀鍛冶Eはプルプルと小刻みに震えながら蜜璃に向かって手を伸ばしていた。

 

蜜璃「ふぁっ!?あぁ、ごめんなさい…!!大丈夫ですか!?」

 

鉄珍「引っ込んどれ!!」

 

先程は弱って気絶した鉄珍は、それが嘘のように元気だった。

 

刀鍛冶F「よ、良かった…はぁ……」

 

ホッとしたのも束の間…そこに、颯太郎が姿を現した。

 

颯太郎「おいコラ変態ジジィ!!蜜璃ちゃんの腕の中に居て良いのはオレ様だけだぞ!!さっさと離れろ!!」

 

刀鍛冶F「のわっ!?い、猪野郎!!??」

 

颯太郎は顔を真っ赤にし、鼻息荒くしながら叫ぶ。

 

鉄珍「誰が離れるか!!悔しかったらお主もここに来てみろ!!」

 

鉄珍は蜜璃の腕の中で颯太郎を挑発する。

 

颯太郎「んだとこのクソジジィ…ブチ殺してやる!!」

 

蜜璃「ちょっとちょっと!!お年寄りには優しくしないとダメだよ!?」

 

蜜璃が颯太郎に注意すると、「そうじゃそうじゃ!!」と鉄珍も便乗する。だが、それが颯太郎の火に油を注ぐ事になる。颯太郎はデザイアドライバーにチェーンアレイバックルを装填し…

 

 

颯太郎「変、身…!!

 

 

《ARMED CHAIN ARRAY》

 

 

ターボン「オレ様を怒らせた罰だ、地獄に堕ちろ…!!

 

 

仮面ライダーターボンへと変身…そのままレイズチェーンアレイを振り被り、鉄珍目掛けて振り下ろす。その時……

 

 

させるかアアアアァァッ!!

 

 

タイクーンが猛スピードで駆け付け、ターボンに飛び蹴りを打ち込み、鉄珍と蜜璃を助けた。

 

ターボン「がはぁっ!!」ドサササッ…

 

地面を転がるターボン。タイクーンはス◯イダーマンのようなスーパーヒーロー着地で、地面に降り立つ。

 

刀鍛冶E「な、何だ…!?」

 

蜜璃「〜!!…こ、幸喜君!!来てくれたんだね!!」

 

蜜璃がそう言うと、刀鍛冶の者達も安心する。

 

タイクーン「はい、困ってる人を放ってはおけないんで来ました!!蜜璃さん、コイツは俺に任せてください!!すぐにぶっ飛ばします!!」

 

蜜璃「うん!!頑張れ幸喜君!!」

 

タイクーンの言葉を聞き、彼を応援する蜜璃。

 

幸喜(ウワワワワワワワ…や、やべぇ…俺、今…推しキャラからガチ応援されてる!?落ち着け俺、そうだ…素数を数えて…!?)

 

実は幸喜…鬼滅の刃のキャラで一推しなのは、甘露寺 蜜璃である。推しキャラから本気で応援され、内心パニックになっていた。

 

ターボン「てめぇ…また邪魔すんのかこの野郎!!」

 

タイクーン「ぬっ!?邪魔してんのはそっちだろ!?良いか、蜜璃さんは柱なんだ!!大事な任務を任されてんだよ!!責任重大な任務の邪魔をしちゃあダメだろ!?」

 

ターボン「うるせぇ!!まずはてめぇからぶっ殺してやる!!」

 

怒ったターボンはレイズチェーンアレイを振り回し、タイクーンへ攻撃を開始する。

 

タイクーン「ニンッ!!」ポンッ!!

 

すると、タイクーンの姿が一瞬にして消えた。

 

ターボン「何っ!?」

 

蜜璃「えぇ〜!?消えた!?」

 

ターボン「ッ!!そこかっ!!」

 

ターボンは後ろに振り向くと同時に、左手のグリップで打撃を繰り出すが…そこにタイクーンの姿は無い。

 

タイクーン「正解はここだ!!」

 

タイクーンはターボンの頭上に姿を現すと、無数の手裏剣型光弾を発射した。

 

ターボン「ぐっ!?」

 

ターボンの近くで爆発が起こり、爆風に包まれて行く。

 

ターボン「ゲェッホ!!ゲェッホ!!」

 

タイクーン「もっと本気で来いよ!!ほら、早く!!」

 

ターボン「ゲホッ…黙れぇ!!」

 

ターボンはレイズチェーンアレイをタイクーンに向かって振るう。

 

タイクーン「ッ!?」

 

蜜璃「あっ!?」

 

しかし、ターボンが攻撃したのは丸太であった。タイクーンはターボンの懐に素早く入り、タックルを繰り出した。

 

ドゴォッ!!

 

ターボン「ぎゃっ!?」

 

タイクーン「へへ〜ん、どうだ!?俺の忍法・変わり身の術は!!」ドヤッ!!

 

蜜璃「スゴいよ幸喜君!!本物の忍者みたい!!」

 

鉄珍「本物みたいじゃのぉて、本物の忍者じゃよ。」

 

蜜璃「あっ!?そ、そうでした……」汗

 

多彩な忍術を駆使して戦うタイクーンを褒め称える蜜璃と鉄珍。

 

タイクーン「い、いやぁ〜それ程でもぉ〜♪」アハハハハ

 

お調子者のタイクーンは、思わず照れる。

 

ターボン「デレデレしてんじゃねぇよ!!」ブォンッ!!

 

タイクーン「うおっと!?」

 

ターボンが振り下ろして来たレイズチェーンアレイを、バク転で躱すタイクーン。横から迫りくるチェーンアレイはバク宙で、上から迫りくるチェーンアレイは側転やバク転でヒラリヒラリと避けていく。

 

ターボン「ぜぇ…ぜぇ……くそがぁ!!」

 

闇雲にレイズチェーンアレイを振り回したターボンは、体力が尽きそうだ。それもその筈、レイズチェーンアレイは超重量級の重さで、威力は高いものの、その分隙が多い。反対に、ニンジャブーストフォームのタイクーンは機動力・俊敏性・隠密性に特化しており、ブーストバックルを使用してから格段にパワーアップしているため、ターボンにとっては最も相性が悪い相手になっている。

 

タイクーン「そんじゃ、そろそろ決めるぜ…蜜璃さん、見ていてください!!俺の必殺技!!」

 

蜜璃「うん、しっかり見てるよ!!」

 

タイクーンはブーストバックルを操作すると、ニンジャデュアラーを構える。

 

 

《BOOST TIME》

 

 

音声が響くと、忍術を発動する。

 

タイクーン「まずはこれだ、分身の術!!」

 

無数の分身を出すと、ターボンを撹乱させ…1体1体がターボンを攻撃し、空中へと飛ばしていく。

 

タイクーン「かーらーのー!!」

 

すかさずタイクーンはバックルを操作し、空中へと飛び上がる。

 

 

《NINJA BOOST GRAND VICTORY!!》

 

 タイクーン「分裂手裏剣の術、くらええぇぇっ!!」シュシュシュシュシュッ!!

 

 

トドメは無数に分裂する手裏剣型光弾を放った。

 

ターボン「ぎゃああああぁぁぁぁ!!」チュドーン!!

 

タイクーンの必殺技を受けたターボンは、空中で変身が解除される。そして、颯太郎の姿に戻ると、戦闘不能になった。

 

蜜璃「やった!!幸喜君が勝ったんだ!!」ギュゥゥウウウウッ!!

 

鉄珍「むほぉ…シ・ア・ワ・セ♡」ボンッ!!

 

タイクーンの勝利を見届けた蜜璃は思わず鉄珍を抱き締め、鉄珍は全身を真っ赤にし、幸せそうに気絶した。

 

タイクーン「さぁ、早く安全な場所に行きましょう!!」

 

蜜璃「あっ!?そうだ、翔君は!?」

 

タイクーン「翔なら、鬼ジャマトと戦ってます!!けど、アイツ…俺より遥かに強いんで大丈夫です!!」

 

蜜璃「それでも、助けに行かないと!!炭治郎君達もきっと戦ってる筈だから!!」

 

タイクーン「そうですね、まずは里の人達を避難させないと!!」

 

ターボンを撃破したタイクーンは、蜜璃と共に里の人達を安全な場所へと避難させた。

 

 

 

颯太郎「ぐっ…こんな、筈じゃ…こんな筈じゃ……!!」

 

誰も居なくなった里にて、ボロボロになった颯太郎が倒れている。そこに、ヘルメスが姿を現す。

 

ヘルメス「随分好き勝手しようとしてくれたな?」

 

颯太郎「…!!」

 

ヘルメス「だが、お前はまんまと罠に嵌った。目の前の甘い誘惑に乗り、数多くのチート能力を手放した事が運の尽きとなったようだな?」

 

ヘルメスがそう言うと、ターボンのIDコアが消滅した。その直後、颯太郎の身体が消えていく。

 

颯太郎「お、覚えてろ!!次あった時は必ず…!!」

 

ヘルメス「安心しろ、貴様に次は無い。さらばだ…」

 

 

《RETIRE》

 

 

颯太郎の身体が消滅すると、彼が使用していたデザイアドライバーが地面に落ちた。

 

ヘルメス「風隼 颯太郎…貴様は、仮面ライダー失格となった。」

 

ヘルメスはデザイアドライバーを回収すると、静かに姿を消した。

 

 

こうして、鬼滅の刃の世界にいたジャドウライダーは討伐された。しかし、翔と幸喜のミッションは、まだ終わっていない。




『鬼ジャマト』…鬼滅の刃の世界に適応するため、ポーンジャマトが変化した姿。攻撃されても瞬時に再生する。また、血鬼術を1つ使うことができ、それぞれ違う血鬼術を使用する。首を切断されると消滅する。


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29.終わらぬミッション

ギーツ「ムンッ!!」ズバァッ!!

 

鬼ジャマト「ジャアッ!?」

 

その頃、ギーツは襲い掛かって来た鬼ジャマトの殲滅に成功した。

 

ギーツ「中々面白い相手だったな。」

 

ギーツの中で、鬼ジャマトはかなり手応えのある相手だったようだ。それぞれ違う血鬼術を使用する、その上攻撃されても瞬時再生する。首を切断すると倒せる。

 

ギーツ「ま、できればもう戦いたくはねぇがな……」

 

 

「おーい、翔ー!!」

 

 

ギーツ「…ん?」

 

声がした方を振り向くと、タイクーンと蜜璃が走って来るのが見えた。

 

ギーツ「タイクーン、ジャドウライダーはどうした?」

 

タイクーン「安心してくれ、俺がぶっ飛ばしたぜ!!」グッ!!

 

蜜璃「聞いてよ翔君!!幸喜君凄かったんだよ!!分身したり身代わりの術を使ったり、手裏剣をたっくさん出したり!!」

 

ギーツ「わかったわかった、それは鬼をぶっ倒した時に話せ。」汗

 

ジャドウライダーが倒れた事で、この世界がジャドウの好き勝手にされることはなくなった。だが…

 

ギーツ「って…おい、何故ゲームクリアにならない?」

 

タイクーン「おっ、それもそうだな…なぁ、ジャドウライダーは倒しただろ?」

 

ヘルメス『残念だが、ゲームマスターからの承認が無い為…まだゲームは終わっていない。』

 

どうやら、ゲームマスターからの承認が無ければクリアにはならないようだ。ジャドウライダーを倒しても、まだ里を襲う鬼が残っている。

 

タイクーン「そういや、炭治郎達を助けに行かねぇと!!」

 

ギーツ「だな…おい、もう1人…時透はどうした?」

 

蜜璃「無一郎君なら上弦の鬼を倒したよ!!」

 

どうやら、無一郎…上弦の鬼との戦いに勝利したようだ。何故知っているかというと、鬼殺隊には鎹鴉(かすがいがらす)という情報を伝達する鳥がいるのだ。

 

蜜璃「でも、上弦の鬼はもう1体いる。」

 

ギーツ「なら、ソイツをぶっ潰せば良いんだな?」

 

タイクーン「よっしゃあ!!まだまだ行くぜぇぇ!!」

 

2人のライダーは、蜜璃と共に炭治郎達の救援へと向かった。

 

 

 

その頃、炭治郎達は……

 

喜怒哀楽の鬼が1つになった新たな鬼『憎珀天』と死闘を繰り広げていた。だが、どの鬼よりも力が強い憎珀天に苦戦を強いられていた。それは、禰豆子も玄弥も同じ……何故なら、憎珀天は喜怒哀楽の血鬼術をも使え、独自の血鬼術までも使うことができる。やがて、炭治郎は憎珀天が生み出した龍に飲み込まれてしまった。

 

炭治郎「くっ…うぅ……!!」

炭治郎(駄目だ…押し潰され……)

 

どんどん押し潰されていく炭治郎……

 

憎珀天終わりだ…

 

憎珀天が炭治郎にトドメを刺そうとしたその時……

 

 

 

ゲームはまだ終わってねぇ!!

 

 

 

三日月に、3つの人影が姿を現す。1人は自在に伸びる日輪刀を構え、もう1人は双剣を構え、最後の1人は巨大な腕と小さな短刀を構える。

 

憎珀天「…!!」

 

最初に蜜璃が日輪刀で憎珀天が生み出した龍を斬っていく。それに続いてタイクーンも、ブーストで加速をしながらニンジャデュアラーで龍を斬っていく。

 

禰豆子「ッ!!」

 

やがて、全ての龍が斬られた後…蜜璃とタイクーンは炭治郎の救出に成功した。

 

憎珀天「…柱か。

憎珀天(それに、何だあの獣は…?見たこと無い術を使う……)

 

蜜璃「きゃああぁぁ!!凄いおばけ、あれなに!?」

 

タイクーン「大丈夫か、炭治郎!?」

 

蜜璃が炭治郎を背負い、近くにはタイクーンがいる。

 

炭治郎「か、甘露寺さん!!仲本さん!!」

 

蜜璃「大丈夫?遅れてごめんね、ギリギリだったね。」

 

タイクーン「炭治郎、俺達も戦う!!協力しようぜ!!」

 

2人が地上に降り立つと、炭治郎は慌てて口を開く。

 

炭治郎「甘露寺さん、仲本さん!!」

 

蜜璃「炭治郎君。」

 

そんな彼に、蜜璃は……

 

 

蜜璃「休んでて良いよ〜!!頑張ったね〜、偉いぞ♪」

 

 

…と、彼を褒め称える。

 

炭治郎(こ、鼓膜が破れて聞こえない…)汗

 

戸惑う彼に、タイクーンが近付く。

 

タイクーン「って、おい炭治郎!!怪我してるじゃねぇか、ちっと見せてみ?」

 

彼はそう言うと、炭治郎の傷を軽く手当した。

 

蜜璃「うん…炭治郎君、禰豆子ちゃんと玄弥君は私が助けるから。」

 

タイクーン「俺も行くぜ!!禰豆子と玄弥とも友達になるためにな!!」

 

そして、憎珀天の方を向く蜜璃とタイクーン。

 

憎珀天「…小娘が。

 

ギーツ「余所見してんじゃねぇよ…」

 

憎珀天「…!?」

 

 

ガキィンッ!!

 

 

やがて、ギーツのレイズダガーと憎珀天のバチがぶつかり、火花を散らす。

 

ガガガガガガガガッ!!

 

憎珀天(コヤツは狐か…気配を感じなかった……)

 

ギーツ「上弦…肆……お前、幹部クラスか…だが、その程度か?」

 

憎珀天「…何?

 

ギーツ「弱くて詰まんねぇって言ってんだよ、まだ分かんねぇのか?」

 

ギーツはレイズダガーで憎珀天のバチを弾き飛ばすと、モンスターグローブで憎珀天の身体に強烈なパンチを打ち込んだ。

 

 

ドゴォッ!!ギャアッ!!

 

 

憎珀天「ごはっ…!?」

 

憎珀天の身体が後方に大きく吹き飛ぶ。ギーツは空中に飛び上がり、タイクーンと蜜璃の近くに降り立つ。

 

タイクーン「おぉ!!翔、あの憎珀天に一撃入れたじゃねぇか!!お前すげぇな!!」

 

蜜璃「うんうん!!翔君カッコいい!!」

 

ギーツ「バカ野郎、あんなん効いてねぇよ。どうせアイツも、一定の条件で倒さねぇといけねぇだろうが…」

 

興奮するタイクーンと蜜璃の言葉を受け流すギーツ。

 

炭治郎「あ、青空さん!!」

 

ギーツ「…?」

 

炭治郎「あの鬼、上弦で…!!」

 

ギーツ「…そうか。」

 

炭治郎「…えっ?」

 

ギーツ「アイツがとんでもねぇ奴なのは分かる。その上、ありゃあ本体が別に居るんだろ?」

 

炭治郎「…!!」

 

ギーツの言葉に、目を丸くする炭治郎。

 

ギーツ「やっぱりなぁ…どーりで手応えがねぇ訳だ。」

 

禰豆子「ムー…!」

 

玄弥「あ、アンタら…」

 

ギーツ「後は任せろ、お前達は…今は休んでおけ。」

 

ギーツの隣に、タイクーンと蜜璃も立つ。

 

 

「さぁ、ゲームの時間だ。」

 

 

そして、柱と2人のライダーは…眼の前にいる悪鬼へと立ち向かっていった。

 

 

 

『デザイアグランプリのルール』

 

 

ゲームマスターからの承認が無ければ

 

ゲームクリアにはならない。



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30.悪鬼との死闘『Round 1』

恋柱『甘露寺 蜜璃』と、『仮面ライダーギーツ』『仮面ライダータイクーン』は、憎珀天が生み出した龍と死闘を繰り広げる。

 

 

ドンッ!!

 

 

憎珀天が背面の太鼓をバチで叩くと、龍が攻撃を開始する。

 

タイクーン「行くぜ、分身の術!!」ポポポポンッ!!

 

タイクーンは分身を生み出すと、迫り来る龍をいとも簡単に斬り刻んだ。

 

タイクーン「ッ!!」ヴォォオオオオッ!!

 

ブーストで加速すると、憎珀天の懐に入り込む。だが……

 

 

血鬼術・狂圧鳴波

 

 

憎珀天は自身の口から強烈な超音波を放った。タイクーンは変わり身の術で、攻撃を避けたが…

 

ドゴオオォォンッ!!

 

タイクーン「げげっ、マジかよ!?」

 

変わり身の術として使用した丸太が、一瞬にして粉砕した。

 

タイクーン「ふぃ〜、あぶねぇあぶねぇ…」汗

 

蜜璃「ちょっと君!!おいたがすぎるわよ!!禰豆子ちゃんと玄弥君を返してもらうからね!!」

 

蜜璃が憎珀天にそう言うと、彼も彼女に言い返す。

 

憎珀天「黙れ、アバズレが…!!

 

蜜璃「あばっ…あばずれ!?私?私の事!?」

蜜璃(信じられない!!あの子なんて言葉使うのかしら!?私の弟とそんな変わらない年のような見た目なのに!!)

 

ギーツ「おい、来るぞ!!」

 

まもなく、憎珀天は血鬼術の龍で攻撃を再開する。

 

 

血鬼術・狂鳴雷殺

 

 

そして、2体の龍の口から攻撃が発射された。1体は赤黒と青白の雷を、もう1体は超音波を放った。

 

ギーツ「…ムンッ!!」ブォンッ!!

 

ギーツが力強く腕を振るうと、紫色のエネルギー波と巨大化したグローブ型のエネルギーが発射された。それらは憎珀天の血鬼術とぶつかり合い、消滅させた。

 

ギーツ「甘露寺さん!!」

 

ギーツが作ったチャンスを、蜜璃は見逃さない。

 

 

恋の呼吸・参の型 恋猫しぐれ

 

 

彼女が繰り出した技は、飛び上がりながら猫が跳ねる様な軌跡で広範囲に三日月状の斬撃を何度も繰り出す。まるで新体操のようにアクロバティックな動きから繰り出す斬撃は、龍達を意図も簡単に斬り裂いていく。しかし、どれだけ斬っても…憎珀天は何度も龍を再生させる。再生した途端、太鼓を叩く憎珀天…再生した龍は、口から砲弾のような突風を放って来た。蜜璃、タイクーン、ギーツは攻撃をヒラリヒラリと避け、反撃を開始する。

 

 

恋の呼吸・弐の型 懊悩巡る恋

 

 

まず、蜜璃が呼吸を発動し、龍を斬り刻む。次にタイクーンがブーストで加速しながら憎珀天に攻撃を仕掛ける。

 

タイクーン「オラオラオラオラアアアアァァッ!!」

 

憎珀天「小賢しい狸め…!!

 

タイクーンの連撃を受け止めながら、太鼓を叩く憎珀天。そこで生み出された龍を、ギーツが粉砕していく。しかし、別の龍が口を開き…空中にいる蜜璃目掛けて無数の青いエネルギー波を放った。

 

 

陸の型 猫足恋風

 

 

蜜璃が発動した呼吸は、憎珀天の攻撃を全て防いだ。

 

憎珀天(この速さでも着いて来れるか…それに、鬱陶しい獣もいる……ならば……!!)

 

憎珀天は血鬼術を発動する。

 

 

血鬼術・無間業樹

 

 

彼が太鼓を連打すると、無数の龍が現れて広範囲を埋め尽くす。

 

蜜璃(きゃああぁぁ!!広範囲の術!!この数、受け切れるかしら…?)

 

タイクーン(やべぇ、これは避けきれねぇ…そんなら!!)

 

タイクーンは分身を生み出すと、ニンジャデュアラーの連続斬りで対抗する。ギーツもタイクーンと共に、モンスターグローブの連打で対抗する。その隙に、蜜璃は空中に飛び上がり、呼吸を発動する。

 

 

恋の呼吸・伍の型 揺らめく恋情・乱れ爪

 

 

まるで竜巻を発生させるような斬撃は、憎珀天が生み出した大量の龍を打ち消すのには十分過ぎた。

 

タイクーン「スゲェな、蜜璃さん…俺達も負けてらんねぇな!!」

 

ギーツ「わざわざ言わんで良い!!」

 

タイクーンとギーツが憎珀天を妨害する中、蜜璃は憎珀天の首目掛けて日輪刀を伸ばす。

 

蜜璃「取った!!」

 

ギーツ「…!?よせ!!」

 

炭治郎「甘露寺さん!!ソイツは本体じゃない!!」

 

ギーツと炭治郎が叫ぶも、時すでに遅し…

 

蜜璃(判断を間違えちゃっt)

 

憎珀天は口を開くと、血鬼術を発動した。

 

 

狂圧鳴波

 

 

彼の血鬼術は、蜜璃に命中してしまった。

 

タイクーン「蜜璃さん!!」

 

ギーツ「余所見すんなバカ野郎!!」

 

タイクーン「ぬおっ!?」

 

タイクーンが一瞬余所見をすると、小さな龍がタイクーンを吹き飛ばした。

 

タイクーン「いってぇ…あんにゃろお!!」

 

白目を向いて意識が飛ぶ寸前の蜜璃。だが、更に最悪な事態が立て続けに発生する。

 

寝坊助「ぜぇ…ぜぇ…!!」

 

まず、大量にエネルギーを消耗したモンスターバックルがバテ…続いて……

 

タイクーン「うわぁっ!?」バキィンッ!!

 

 

ピュウウウウゥゥ〜〜!!

 

 

タイクーンのドライバーからブーストバックルが外れ、飛び去っていく。

 

ギーツ(マズイ!!アレを逃したら勝ち目が無くなる!!そうは行くかよ!!)

 

ギーツはジャンプすると、片手でブーストバックルをがっちりと捕まえた。

 

ギーツ「おい、大丈夫か!?」

 

タイクーン「蜜璃さん、しっかりしてくれ!!」

 

中々起きない蜜璃に、必死に声をかけるギーツとタイクーン。

 

憎珀天(信じ難い…この小娘、今の攻撃をくらって尚、肉の形を保っているとは……解せぬ…いや、そうか…)

 

意識を取り戻さない蜜璃に、ゆっくりと近づく憎珀天。

 

憎珀天(この小娘、図体に似合わぬ筋力…特異体質……)

 

甘露寺 蜜璃は、特異体質である。その体躯を構成する筋繊維の密度は、先天的要因によって常人の八倍にまで達しており、彼女が1歳2ヶ月の頃…重さ約15キロの漬物石を持ち上げたという凄まじい逸話を持つ程だ。

 

憎珀天(しかしまずは、頭蓋と脳みそを殴り潰しておくとするか!!)

 

ギーツ「ちっ!!」

 

拳を振り下ろしてくる憎珀天に対抗するため、ギーツは右腕の拳を振るった。だが、モンスターバックルが弱体化したことで、ギーツ自身も弱体化しており…

 

ガッ!!

 

ギーツ「ぐわっ…!?」

 

憎珀天に意図も簡単に吹き飛ばされてしまった。

 

憎珀天「獣如きが、儂の邪魔をするな…!!

 

再び蜜璃目掛けて拳を振り下ろす憎珀天。その時…炭治郎と禰豆子と玄弥が、間一髪で蜜璃とタイクーンを救出した。

 

蜜璃「ハッ!?」

 

地面に倒れると同時に、蜜璃は意識を取り戻した。

 

炭治郎「禰豆子、玄弥!!甘露寺さんと仲本さん、そして青空さんを守るんだ!!1番可能性のあるこの人たちが、希望の光だ!!この人たちさえ生きていてくれたら、絶対に勝てる!!」

 

その間、憎珀天は血鬼術として落雷を発動させる。

 

 

皆ありがとおおぉぉ〜〜!!

 

 

その落雷は、蜜璃とタイクーンが防いでくれたようだった。

 

蜜璃「柱なのに、ヘマしちゃってごめんねぇ!!仲間は絶対死なせないから!!」

 

タイクーン「俺もだ、友達を…大切な仲間達を死なせやしねぇ!!」

 

ギーツ「…けっ、てめぇ……やってくれたなぁ?」

 

蜜璃、タイクーン、ギーツはボロボロになっても…再び立ち上がる。

 

蜜璃「私、悪いヤツには絶対に負けない!!覚悟しなさいよ!!本気出すから!!」

 

タイクーン「そうだ!!俺達だってぜってぇ負けねぇからな!!」

 

ギーツ「てめぇに1つ言っておく…仮面ライダーが居る限り、悪が蔓延る事はねぇ!!」

 

憎珀天「…!?」

 

とてつもないガッツに、流石の憎珀天も少しだけ後退った。

 

ギーツ「寝坊助、よく頑張った!!後は俺らに任せて、しっかり休んでろ!!」

 

ギーツはモンスターバックルを外し、ブーストバックルを取り付ける。

 

 

《SET》

 

 

ギーツの背後に、《BOOST》と言う文字が出現すると…

 

ギーツ「行くぞ!!

 

ギーツはバックルを操作する。

 

ヒュンッ…ジャキンッ!!

 

ヴォォオオオオッ!!

 

ヴォンッ!!ヴォォオオンッ!!

 

《DUAL ON》

 

ブーストバックルからは赤い炎が勢いよく噴き出し、アーマーが形成される。

 

 

《BOOST》

 

《ARMED DAGGER》

 

 

上半身はブースト、下半身はアームドダガーという『ブーストアームドダガー』と呼ばれる形態に変わったギーツは、レイズダガーを右手に持つ。

 

 

ギーツ「さぁ、ここからがハイライトだ。」

 

《READY FIGHT!!

 

仮面ライダーと鬼殺隊、悪鬼による死闘が…再び、始まる。



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31.悪鬼との死闘『Round 2』

憎珀天から放たれた雷撃…それは、蜜璃とタイクーンが全て斬った。

 

炭治郎(全部斬った…かっこいい!!)

 

玄弥(あの狐のらいだー…姿が変わったぞ…!!)

 

禰豆子「…!!」

 

輝きを見せる蜜璃とタイクーン、ギーツに目を輝かせる炭治郎達。

 

蜜璃「上弦だろうが何だろうが関係ないわよ!!」

 

タイクーン「そうですね…おい憎珀天、俺達の本気はこっからだ!!」

 

ギーツ「…任せておけ、俺達がお前達を守ろう。」

 

ギーツ達が構えを取ると、憎珀天は太鼓を鳴らし、血鬼術で生み出した龍を伸ばしてくる。まず、蜜璃が日輪刀で龍を切り刻み…ギーツとタイクーンが走って行く。タイクーンはニンジャデュアラーを振るって龍を斬り、ギーツはブーストで加速しながらレイズダガーを振るって龍を斬っていく。

 

炭治郎「禰豆子、玄弥…!!」

 

禰豆子&玄弥「「!!」」コクッ

 

斬っても斬っても、龍はいくらでも再生する。そんな龍を、蜜璃とタイクーンとギーツが止める。

 

蜜璃「皆は先に行って、本体を倒して!!」

 

タイクーン「コイツは俺達に任せろ!!」

 

ギーツ「何が何でも必ず本体を倒せ、任せたぞ…?」

 

彼らが龍を止めている間に、炭治郎達は本体の元へと向かう。

 

憎珀天(…ワッパ共め。)

 

ギーツ「どこ見てんだ?」

 

憎珀天「ッ!?」

 

一瞬の隙を見逃さなかったギーツは、瞬時に間合いを詰め、憎珀天の顔面を殴った。彼の血鬼術よりも先にギーツのパンチがヒットした。ブーストの加速に乗ったパンチは、憎珀天を後方に大きくふっ飛ばす。彼が怯むと、龍の力が少し弱まる。

 

タイクーン&蜜璃((チャンス…!!))

 

これを見た蜜璃とタイクーンは、龍を片っ端から斬って斬って斬り刻んで行く。

 

ギーツ「ッ!!」ヴオオォォッ!!

 

憎珀天(獣如きが…!!)

 

ギーツは憎珀天と肉弾戦を開始し、彼の気を紛らわせる。憎珀天もギーツへの対応で精一杯で、中々太鼓を鳴らせずに居る。

 

ギーツ「お前の本気はその程度か?」

 

憎珀天「ナメるでない!!

 

ギーツが煽ると憎珀天は拳に力を入れ、右ストレートを放つ。それを躱したギーツは、憎珀天の腹部に左ストレートを放った。

 

 

ドボォッ!!

 

 

憎珀天「ッ!?」

 

ギーツは憎珀天へ近接攻撃を続ける。レイズダガーを巧みに振り、憎珀天の四肢を切断していく。再生しようが関係ない、また切断していく。

 

タイクーン「おい翔、憎珀天に攻撃は効いてねぇんじゃ!?」

 

ギーツ「いや、それは俺の誤解だった。」

 

憎珀天を攻撃しながら、ギーツはタイクーンと蜜璃に語り掛ける。

 

ギーツ「コイツをひたすら攻撃し続けろ!!本体の力の消耗は激しいはずだ。追い詰められれば追い詰められる程、コイツは強くなる…だが、裏を取れば力を使い続ければ使い続ける程弱くなる!!」

 

憎珀天…いや、半天狗の弱点を見抜いたギーツは、ひたすら憎珀天を攻撃し続ける。

 

蜜璃「成る程〜!!」

 

タイクーン「よし、燃えてきたぜ!!」

 

蜜璃とタイクーンもギーツに続き、憎珀天へ攻撃を開始する。

 

憎珀天「…!!」

 

憎珀天が口を開くと、ライダー達は右へ、蜜璃は左へ避ける。瞬間、彼の口から超音波が発生された。

 

タイクーン「へへっ、そんなの効かねぇっての!!」

 

タイクーンは分身の術を発動し、憎珀天を惑わす。その隙に、蜜璃が日輪刀を振るって憎珀天の太鼓を斬っていく。

 

ギーツ(そろそろアレを呼ぶか…)

 

ギーツが複眼を光らせると、どこからともなく赤いマシンが姿を現した。これは、『ブーストライカー』と呼ばれており、使用者によって様々な形態に変わることもできる。

 

蜜璃「わぁ、あれ何!?」

 

タイクーン「おい、姿が変わるぞ!?」

 

ブーストライカーはバイク形態から、狐のような姿『ギーツモード』に変形し、鳴き声を上げる。

 

 

キュウウゥゥッ!!

 

 

ギーツ「行くぜ、相棒?」

 

ギーツはそう言うと、ブーストバックルを操作し…

 

 

《BOOST TIME》

 

 

ブーストライカーと共に、憎珀天に追撃を開始していく。

 

蜜璃「私達も続こう!!」

 

タイクーン「はいっ!!」

 

蜜璃とタイクーンも、ギーツに続いて憎珀天へ追撃を開始する。ギーツは引き続き肉弾戦で憎珀天の気を逸らし、タイクーンは手裏剣型光弾で、蜜璃は日輪刀を伸ばして再生される憎珀天の太鼓を破壊していく。ギーツと共に、ブーストライカーが口から炎を放ち、憎珀天を攻撃する。

 

憎珀天「…くっ!!

憎珀天(この狐、只者ではない…何なんだ、あの術は…!?近くにいる狸も、いくつにも分裂できるのか…!?そこに面倒な柱が加わっていることで、更に面倒に…!!)

 

今度は形成逆転し、ギーツ達が憎珀天に圧倒的な力を見せつける。そうしている内に、もうすぐ夜が明けようとしてちる。

 

ギーツ「お前ら、相棒に乗れ!!」

 

ギーツがそう叫ぶと、ブーストライカーがタイクーンと蜜璃の近くに移動する。

 

憎珀天(こうなれば…せめて、あのワッパ共だけでも…!!)

 

憎珀天が太鼓を鳴らすと、1体の龍が炭治郎達が走っていった方角へ首を伸ばす。すると、ブーストライカーが空中に飛び立ち、蜜璃が空を舞う。そして、日輪刀1振りで龍を叩き斬った。

 

憎珀天「…!!」

 

蜜璃「守るって言ったでしょう…あっちには行かせないんだから!!」

 

タイクーン「お前の相手は、俺達だ!!」

 

タイクーンも空中を舞うと、ニンジャデュアラーの柄部分の8字手裏剣型必殺発動操作盤『シュリケンラウンダー』を回転させる。

 

 

《ROUND 1》

 

 

その後、デュアラーのトリガーを引き…憎珀天目掛けて緑色の斬撃を放った。

 

 

《TACTICAL SLASH!!》

 

タイクーン「どおおりゃああああぁぁっ!!

 

 

緑色の斬撃が飛んだ瞬間、ギーツはブーストバックルを捻り、空高くジャンプする。

 

 

BOOST DAGGER GRAND VICTORY!!

 

 

そして、憎珀天目掛けてライダーキックを放った。

 

憎珀天「!!」ドドドドンッ!!

 

憎珀天は太鼓を鳴らし、龍を生み出すが…ギーツの急降下キックとタイクーンの斬撃が龍を打ち消していく。やがて、ギーツのキックが憎珀天に命中する。

 

ギーツ「うぉぉおおおおおお!!

 

ギーツが雄叫びを上げると、憎珀天の身体が宙を舞う。そして、灰となって散って行った。炭治郎達が本体を倒すことに成功したようだ。憎珀天も倒れ、ライダー達は鬼殺隊の勝利に貢献したのだった。

 

 

 

憎珀天を倒した彼らが、炭治郎達と合流すると…そこには、驚くべき光景が広がっていた。

 

蜜璃「皆〜!!」

 

蜜璃は真っ先にメンバー全員を抱き締めた。炭治郎、禰豆子、玄弥、無一郎も皆生きている。

 

蜜璃「うわああああん!!勝った、勝ったよぉ〜!!」

 

幸喜「おぉ、禰豆子…お前…!!」

 

蜜璃「…えっ?ええぇぇっ!?」

 

いつの間にか太陽を克服した禰豆子を見て、蜜璃は声を上げて驚き、幸喜は言葉を失っていた。皆が無事だった事に、涙を流す一同。その中に、幸喜も含まれている。

 

翔「…。」

翔(これで、一先は一件落着だろう…良かったな、竈門兄妹。)

 

すると、翔と幸喜の身体が光り始める。

 

炭治郎「ッ!?どうしたんですか、青空さん!!仲本さん!!」

 

翔「どうもしてねぇよ、俺達はただ…元の世界に帰るだけだ。」

 

幸喜「変なライダーも、悪鬼も倒した事だし、俺達の役目はここまでって訳だ。あっ、そうだ!!なぁ炭治郎、禰豆子、玄弥…俺と友達になってくれないか?」

 

幸喜がそう言うと、炭治郎達はニッコリ笑う。

 

炭治郎「勿論です仲本さん!!」

 

禰豆子「うん、ともだち…!!」

 

玄弥「マジで助かった、ありがとうな。」

 

幸喜「あっ、蜜璃さん、無一郎!!」

 

蜜璃「うん!!最高の友達ができて嬉しいよ!!」

 

無一郎「君、変わってるけど…面白いね。」

 

蜜璃と無一郎も笑顔を見せている。

 

幸喜「へへっ、また異世界の友達ができた…俺は幸せだ…うぅっ!!」ポロポロ

 

翔「じゃあな…短い間だったが、世話になった。」

 

炭治郎「青空さん、仲本さん!!本当にありがとうございました!!貴方がたの事は、決して忘れません!!」

 

禰豆子「しょう、こうき…またね!!」

 

玄弥「達者でな?」

 

無一郎「またね。」

 

蜜璃「翔君、幸喜君、元気でね!!」

 

やがて、翔と幸喜の身体が強い光に包まれて行き…炭治郎達の前から姿を消した。

 

 

炭治郎(青空 翔さん、仲本 幸喜さん、本当にありがとうございました。貴方達は、英雄です…!!)

 

晴れた青空を見上げながら、炭治郎は思った。こうして、鬼滅の刃の世界でのゲームは、トゥルーエンドという形で幕を閉じたのだった。



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32.ジャドウライダーを討伐せよ『ブラーリ編・その1』

鬼滅の刃の世界に飛ばされた翔と幸喜『ギーツ&タイクーンペア』は、見事ジャドウライダーである仮面ライダーターボンの討伐に成功した。

 

アフロディーテ『おかえりなさい、翔さん幸喜さん!!』

 

幸喜「おう、ただいま!!」

 

翔「おい、あのバカライダーはどうなったんだ?」

 

ヘルメス『裁きが実行された、もう世界に現れる事はない。』

 

どうやら、ターボンとなっていた風隼 颯太郎は処刑されたようだ。

 

ヘルメス『しかし、まだジャドウは居る。今回は、一海と諒芽…君達に討伐を依頼する。』

 

一海「わかりました!!」

 

諒芽「りょ〜かいっと。んで、舞台はどこですか?」

 

ヘルメス『この世界だ。』

 

ヘルメスが指を鳴らすと、映像が映し出される。

 

 

『東国(オスタニア)と『西国(ウェスタリス)』、十余年の間冷戦下にあった二国は、仮初の平和を保ちながらも、未だ戦争の火種が燻っていた。

西国一腕の立つスパイ〈黄昏〉に下された新たな任務、オペレーション〈梟〉。その内容は、戦争を企てる東国の重要人物の動向を探るため、彼の息子が通う学校の懇親会に出席すること、そのために結婚して子どもの親となることだった。

『黄昏』は精神科医『ロイド・フォージャー』を名乗り、孤児院で超能力を持つ少女『アーニャ』を引き取る。そして、アーニャの母役となる女性『ヨル・ブライア』との結婚にこぎつけるが、その正体が殺し屋であることは知らないままだった。

スパイの夫、殺し屋の妻、超能力者の娘。互いに正体を隠したまま、偽装家族の奇妙な新生活が始まる!

 

 

仮面ライダーバッファこと木場 一海と、仮面ライダーダパーンこと鏡 諒芽が向かう世界は……

 

 

【SPY×FAMILY】

 

 

…の世界だ。今回は日本ではなく、海外が舞台だ。

 

ヘルメス『安心し給え、君達には瞬時に言語を理解できるように配慮しよう。今回の任務は、ジャドウライダー…仮面ライダーブラーリの討伐だ。』

 

ヘルメス曰く…この世界にいる仮面ライダーブラーリは、オスタニアにて半グレ組織のリーダー格であり、悪い意味で有名である。この半グレ組織はかなり大きな規模になっており、強盗や特殊詐欺等の狡猾な手段で資金を稼いでいる。目撃者が居れば必要以上に痛めつけ…最悪の場合、殺人や障がいを負わせてしまう程だ。警察が力尽くで捜査をするも、全く捕まえられず…結局、遺族や被害者も泣き寝入りするしかないと……また、ブラーリは…ロイド・フォージャーを殺し、アーニャとヨル・ブライアを自分のモノにしてしまおうと企んでいるらしい。

 

一海「何だよそれ…罪のねぇヤツを苦しめてノウノウと生きてるとか、正気かよ…!!」

 

諒芽「ふざけんじゃねぇよこの野郎!!ぶっ飛ばしてやるわ!!」

 

ヘルメス『うむ、正義感の強い君達なら適任だな。さぁ、フォージャー家を救いに行くのだ、仮面ライダーよ。』

 

ヘルメスが右手を突き出すと、一海と諒芽の身体が光だし…その場から姿を消した。

 

 

 

やがて、光が消えると…一海と諒芽はオスタニアの首都『バーリント』西区公園通り128にあるとある家の前に降り立った。

 

諒芽「おぉ〜、スゲェ…!!まるで映画の中にいるみてぇだな!!」

 

一海「確かにスゲェ…」

 

とある家の前に、1人の若い女性が立っている。近くには大小いくつもの段ボールが置いてある。

 

諒芽「おっ、第1村人発見!!ちっと聞いてみようぜ?」

 

一海「待てよ諒芽、一体何を聞くんだ?」

 

一海が止めるよりも早く、諒芽は女性に話し掛ける。

 

諒芽「すいませ〜ん!!」

 

女性「…?」

 

すると、家のドアが開き…中から若い男性が姿を現す。

 

男性「おや?」

 

諒芽「あっ、こんにちは〜!!俺ら日本から来たんですけど、ホームステイ先を探してるんですよね。」

 

一海(は?ホームステイ、えっ…おいおい、大丈夫なのか?)汗

 

諒芽のその言葉に、男性が何かを思い出したような顔をする。

 

ロイド「あぁ、君達か…確か、開成未来高校の生徒さんですよね?フォージャー家にようこそ。私はロイド・フォージャーです、以後お見知り置きを。」

 

諒芽「おぉ~、ここだったんですね!!俺『鏡 諒芽』って言いま〜す!!」

 

一海「は、初めまして!!木場 一海です、料理が得意です!!」

 

ロイド「へぇ、元気な学生さんですね。」

 

ヘルメスの配慮で、一海と諒芽はフォージャー家にホームステイするということになっている。

 

ロイド「ヨルさん…荷物、これだけですか?」

 

ヨル「はい。」

 

ロイド「少ないですね?あ、君達も手伝ってくれますか?」

 

一海「はい!!」

 

諒芽「力仕事なら任せてください!!いやいや、何でも任せてください!!」

 

一海「おい諒芽……」汗

 

早速、ヨルの私物と思われる段ボールを運び出そうとすると……

 

 

「待てこの野郎。」

 

 

彼らの近くに、怪しい男が姿を現した。よく見ると、彼は一海達と同じデザイアドライバーを身に着けており、真ん中のソケット部分にはコウモリのようなIDコアが装填されている。

 

諒芽「おん?」

 

一海「何だ?」

 

男「っははぁ、さてはてめぇらも仮面ライダーか?仮面ライダーってのはなぁ、1人で十分なんだよ!!」

 

男はおもむろにレイズバックルを取り出し、ドライバーに装填する。

 

一海「マズい、諒芽行くぞ!!」

 

諒芽「おう!!あっ、すいません…ちょっとだけ待ってて貰えますか?」

 

諒芽の言葉に戸惑いながらも、ロイドとヨルは首を縦に振った。一海はゾンビバックルを、諒芽はマグナムバックルをドライバーに装填する。

 

 

《SET》

 

 

3人はそれぞれの変身ポーズを取ると、アーマーが形成されていき…仮面ライダーへと姿を変えていく。

 

「「「変身ッ!!」」」

 

 

《GRAB! GRASHER! ZONBIE》

 

《MAGNUM》

 

《ARMED HAMMER》

 

《READY FIGHT!!

 

 

一海は仮面ライダーバッファ(ゾンビフォーム)に、諒芽は仮面ライダーダパーン(マグナムフォーム)に、怪しい男は仮面ライダーブラーリ(アームドハンマー)へと変身が完了した。

 

バッファ「俺は仮面ライダーバッファ…心火を燃やして、お前をぶっ潰す!!」

 

ダパーン「パンダヒーロー、仮面ライダーダパーン…参上!!」

 

ブラーリ「仮面ライダーはブラーリ様だけで十分だ!!」

 

3人のライダー達は武器を手に、戦いを繰り広げる。

 

ダパーン「よっと…ホームステイファミリーを守んねぇとな。」

 

ダパーンはロイドとヨルの近くに移動し、彼らを守ることに専念する。ブラーリとの戦闘はバッファがメインだ。

 

ブラーリ「おらおらぁっ!!」ブゥンッ!!ブゥンッ!!

 

バッファ「ふっ!!はぁっ!!」ガッ!!グオオォォッ!!

 

ブラーリはレイズハンマーを軽々と振るい、バッファはゾンビブレイカーで攻撃を受け流しつつ、反撃をする。しかし、ブラーリはバッファの攻撃をリンボーダンスのように躱した。

 

ブラーリ「貰った!!」

 

そして、バッファの腹部にレイズハンマーを叩き込もうとした。だが、次の瞬間…

 

ダパーン「!!」ズギュンッ!!

 

ブラーリ「があっ!?」チュドンッ!!

 

ダパーンがマグナムシューター40Xからレーザーを放ち、ブラーリを怯ませた。その隙に、バッファが頭部の角でブラーリに突進攻撃を繰り出した。

 

ブラーリ「がはぁ…!!」ゴロゴロ

 

バッファの突進は、ブラーリを宙に浮かせ、地面へと転がす。

 

バッファ「助かったぜ、ダパーン。」

 

ダパーン「へへっ、バディだからな!!」

 

ブラーリ「ちっ…!!」

 

ブラーリはバックルを操作すると、レイズハンマーを片手に持ち、空高くジャンプする。それを見たバッファとダパーンはすかさずバックルを操作する。

 

 

《ZONBIE STRIKE》

 

《MAGNUM STRIKE》

 

 

バッファは左手のバーサークローで引っ掻き攻撃を繰り出すと、紫色のエネルギー弾が発射された。ダパーンはマグナムシューター40Xから太いレーザーを発射した。

 

 

ドガァァアアアアアアン!!

 

 

ブラーリ「ぎゃああぁぁぁぁ…!!」

 

バッファとダパーンがブラーリに背を向ける中、ブラーリはギャグ漫画のようにどこかへ吹っ飛んでいった。

 

ダパーン「いやぁ、綺麗な花火が上がったなぁ♪」

 

バッファ「いやいや、背ェ向けたから見えなかったろ?」

 

ダパーン「見えたって!!窓に反射して!!」

 

ロイド「えと…君達、一体何なんだ?」

 

ヨル「あの仮面ライダーとは別みたいですけど……」

 

バッファ「あー、えっとですね…?」

 

バッファとダパーンは変身を解き、ロイドとヨルに状況を説明した。彼らの話を聞き、納得するロイドとヨル。こうして、ジャドウライダー『仮面ライダーブラーリ』の襲撃から、フォージャー家を守ることに成功した一海と諒芽。だが、戦いはまだ始まったばかりである。



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33.ジャドウライダーを討伐せよ『ブラーリ編・その2』

ブラーリを撃退した一海と諒芽は、荷物運びを手伝っていた。

 

ヨル「あのロイドさん、寝室は?」

 

ロイド「勿論別々です。」

ロイド(来客の時にそれっぽく誤魔化したいが、ホームステイ中だから厳しいか……)

 

ヨル「そ、そうですね。」

 

一海「結構広い家ですね?」

 

諒芽「海外の家ってこんな感じじゃねぇのか?」

 

荷物の整理をしていると、アーニャが駆け寄って来た。

 

アーニャ「アーニャん家にいらしゃいませ!」

 

歓迎する彼女を見て、思わず微笑むヨルと一海と諒芽。

 

ヨル「よろしくお願いします、アーニャさん。」

 

一海「歓迎してくれてありがとうな、アーニャ。」

 

諒芽「よろしくな、アーニャ!!」

 

こうして、フォージャー家にホームステイすることになった一海と諒芽。既に、一風変わったこの家族からは信頼を得ていた。

父、ロイド・フォージャー…精神科医、正体はスパイで、コードネームは『黄昏』…母、ヨル・フォージャー…市役所職員、正体は殺し屋でコードネームは『いばら姫』…娘、アーニャ・フォージャー…正体はエスパー…ホームステイ、木場 一海…正体はオルフェノクでコードネーム(?)は『仮面ライダーバッファ』…同じくホームステイ、鏡 諒芽…正体は人間でコードネーム(?)は『仮面ライダーダパーン』。

この変わったホストファミリーに、こりゃまた変わった者が2人仲間入りしたのだった。フォージャー家はそれぞれの正体を隠しているが、一海と諒芽は仮面ライダーであることを隠していない。そもそも、先程のブラーリの襲撃でやむを得ず変身することになったのだ。

 

アーニャ「アーニャ、母案内する。後、カズにぃとリョウにぃも。」

 

ロイド「一段落着いたら、面接の練習するぞ〜?」

 

アーニャの後に続くヨル達。まず、キッチンにやって来た。

 

アーニャ「ここキッチン!!父料理上手い!!」

 

ヨル「そうなんですね。そういえば、一海さんも料理上手と仰っていましたね?」

 

一海「はい、得意料理はパスタなんですよ。あ、でも皆さんには日本料理を楽しんで欲しいんで、夕食は俺らが作ります。」

 

諒芽「よぅし、そんじゃあ寿司握るか!!」

 

アーニャ「日本料理!?寿司!?ワクワク!!」

 

一海と諒芽の言葉に、目をキラキラさせるアーニャ。

 

一海「諒芽、こう見えても料理結構できるんですよ?」

 

諒芽「おいおい、どう見えてんだ?もしかして、かっけぇってか!?」

 

一海「いや、バカっぽく見える。」

 

諒芽「そっかバカっぽく見えるか〜、っておい!!」

 

アーニャ「カズにぃリョウにぃおもしろい〜!」

 

一海と諒芽は子どもが好きである。すっかりアーニャも虜にしていた。続いて、バスルームにやって来る。

 

アーニャ「ここがトイレ、お風呂!!」

 

ヨル「ピカピカです!」

 

一海&諒芽「「それな〜!!」」

 

続いて洗面所にやって来た。

 

アーニャ「アーニャ1人で顔洗える!」

 

ヨル「アーニャさん偉いです。」

 

一海「うんうん、良いことだ。」

 

諒芽「そうだな、色々できると自信もついてくるぜ☆」

 

そして、アーニャの自室にやって来る。

 

アーニャ「ここアーニャの部屋、いらさいませ!!」

 

ヨル「ふふっ、お邪魔します。」

 

一海「俺達も入って大丈夫か?」

 

アーニャ「うん、来て来て♪」

 

諒芽「サンキュー!」

 

一同はアーニャの部屋に入る。

 

ヨル「まぁ、可愛い部屋。」

 

アーニャ「キメラさんを紹介する〜。」

 

キメラ(アーニャ)「私がキメラだ、よろしょうお願いします。」

 

茶番であっても、ヨルと一海と諒芽はそれを受け入れる。

 

ヨル「初めましてキメラさん、アーニャさんの母です。」

 

一海「キメラって言うのか、俺は仮面ライダーバッファだぜ。」

 

諒芽「よぉキメラ!俺はパンダヒーロー、仮面ライダーダパーンだぜ!」

 

茶番後、ロイドの部屋に案内される。

 

アーニャ「ここ父の部屋!」

 

ヨル「ロイドさんのお部屋ですか。」

 

ヨルの部屋は、ロイドの部屋の左隣である。

 

アーニャ「ここ母の部屋、隣はカズにぃの部屋、カズにぃの隣リョウにぃの部屋。」

 

ヨルの隣の部屋は一海の部屋、その隣は諒芽の部屋となっている。

 

一海「いやぁ、何かすいません。個別の部屋まで用意して貰って…」

 

諒芽「ロイドさん、本当にありがとうございます!!」

 

ロイド「あまり気にせず、自分の部屋だと思ってくつろいでください。家具の配置はどうです?軽く掃除もしておきましたが。」

 

ヨル「はい、大丈夫です!」

 

アーニャ「アーニャも掃除手伝った〜!!」

 

一海「そうなのか!ありがとうなアーニャ。」

 

諒芽「神対応とはまさにこの事…マジ感謝しかねぇ!!」

 

メンバーからお褒めの言葉をいただき、嬉しそうにするアーニャ。

 

アーニャ「えへへ、偉い?偉い?」

 

しかし、本当は…一生懸命やったのは事実だが、転倒してバケツの水をぶち撒けてしまった。

 

ロイド「お前はバケツを引っくり返しただけだろ?」汗

 

アーニャ「ガーン!!」

 

諒芽「ま、まぁまぁ…アーニャもアーニャなりに一生懸命やったんだよな?」

 

アーニャ「うん、アーニャ頑張りますた!!」

 

ロイドの言葉にショックを受けたアーニャだったが、すかさず諒芽がフォローしたことですぐに機嫌を直した。その後は、ティータイムという名の休憩をすることに…出されたクッキーは、ロイドの手作りである。アーニャも手伝ったそうなのだが、またも失敗してしまったようだ。

 

一海「アーニャ、人ってのは失敗することで大きくなって行くんだぞ?」

 

一海の言葉に、安心するアーニャ。

 

ロイド(一海君も諒芽君もアーニャの相手をよくしてくれている。任務も順調に進みそうだ。)

 

一海達が来た事で、ロイド自身も安心していた。一息ついた後は、アーニャとヨルの面接練習をすることに…一海と諒芽は見守り役となった。ロイドはまるで面接官のようなのだが、アーニャとヨルが珍回答を連発していた。

 

諒芽「…w」

 

一海「おい、笑うなw

 

諒芽「違う違う、今のはゲップが出たんだ…w

 

一海「もっと失礼だろ…

 

彼女達の珍回答連発に、一海と諒芽は笑いを堪えるのに必死だった。このままでは駄目だと判断したロイドは、入学を諦めようとするが、ヨルが必死に説得する。

 

ロイド「よし、出かけよう。一海君達も良かったらご一緒に。」

 

出掛ける事を提案したロイド。彼の狙いは、アーニャとヨルに社会に触れて何かを得る事であろう。そして、3人の共通認識を作ることだ。

 

 

 

アーニャ「おでけけおでけけランラララン♪」

 

ロイド「お出かけな?」

 

街中を楽しそうに歩くアーニャと、彼女の言葉にツッコミを入れるロイド。

 

アーニャ「母手繋ぐ?」

 

アーニャがヨルに手を差し伸べると…

 

ヨル「…!よろしくお願いします♪」

 

ヨルはアーニャと手を繋いだ。そんな彼らを微笑ましく見る一海と諒芽。

 

一海(一風変わってる、か…そんな事は無いと思うんだけどなぁ。)

 

諒芽(見てるこっちが癒やされるんだよなぁ~。)

 

アーニャもすっかり、ヨルに懐いているようだ。だが、何かを思ったのか…アーニャは突然ヨルの手を解き、鉢植えに身を潜めた。

 

一海(あ、やっぱ変わってるな…)汗

 

諒芽(こりゃあ心開けるまで、もう少し時間が必要かもしれねぇな……)汗

 

そんな彼らを、遠くから見ている存在があったことを、この時の彼らはまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九頭夫「見つけたぞ、仮面ライダーバッファと仮面ライダーダパーン…この世界のライダーは、オレ…島袋(しまぶくろ) 九頭夫(くずお)様だけで十分だ。この世界はオレが守ってやるから、とっとと退場しろっての。」



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34.ジャドウライダーを討伐せよ『ブラーリ編・その3』

フォージャー家のお出かけに同行することになった一海と諒芽。ミュージカルのステージでは、アーニャは目を半開きにしたまま爆睡し、何故かヨルは両目の下にクマができていた。

 

一海「あの〜、ロイドさん…お二人、いや3人ダウンしてますよ?」汗

 

諒芽「…うーん。」

 

諒芽は終始つまらなさそうにしていた。

 

ロイド(よし、次行こう。)

 

その後、一同は美術館にやって来た。

 

ロイド「アーニャ、ここでは大きな声を出すなよ?」

 

アーニャ「うぃ。」

 

うぃ…それは、アーニャなりの返事と思われる。

 

諒芽(ひょえ〜、どれも高そうな絵ばっかりだな!!)

 

一海(高そうな絵ばっか…多分コイツはそう思ってるだろうな。)汗

 

一流の音楽の次は、一流のアートに触れて以下略…ロイドはそう思っていた。だが……

 

 

アーニャ「父〜、スッポンポンスッポンポン!!」

 

諒芽「ブッフォ!!w」

 

アーニャ「首ちょんぱ身体ちょんぱ!!」

 

諒芽「ブフゥッ!!がっははははwww」

 

 

アーニャの容赦無い言葉に、諒芽はとうとう笑いを堪える事ができなくなり…大爆笑した。

 

ロイド「大きな声を出すなと言ったろ…」汗

 

一海「諒芽、お前なぁ…!!」汗

 

そんな2人に呆れるロイドと一海。ふと、ヨルを見てみると…彼女は一枚の絵に釘付けになっていた。よく見ると、そこにはギロチンや処刑される寸前の人物、大勢の大衆が描かれていた。

 

ロイド「よ、ヨルさん…?」

 

一海(あ、やっぱこの人変わってるな…)汗

 

恐ろしげな絵にうっとりするヨルに、困惑するロイドと一海。

 

 

 

美術館の後は、一休みすべくとあるショッピングモールの休憩スペースにやって来た。ここでは、子どもでも楽しめるような設備がいくつもある。アーニャはお絵かきスペースを指差しながら言う。

 

アーニャ「アーニャあれやりたい!」

 

ロイド「お絵かきか、良いぞ。ヨルさん、一海君と諒芽君も一休みしましょうか。」

 

ヨル「はい。」

 

一海「わかりました。」

 

諒芽「了解です!!」

 

近くには椅子があるため、子どもを見守りながらリラックスすることができる。アーニャは何かをブツブツ言いながら何かを描いている。

 

ロイド「そろそろ行きましょうか。」

 

ヨル「えぇ。」

 

ロイドは次の場所に移動する為、アーニャを呼びに行く。

 

アーニャ「できたー!!」

 

アーニャも絵が完成したようだ。

 

ロイド「アーニャ、次行くぞ?」

 

アーニャ「っ!?」

アーニャ(これ見られたら、アーニャの能力バレちゃう…!!)

 

そう思ったアーニャは、描いた絵を隠そうと貼り付く。だが、ほとんど隠れていない。

 

ロイド「おぉ、大作だな。」

 

諒芽「おっ?森の中にブタ(?)が居るな。」

 

アーニャ「これはお城に住んでるキメラさん!!」

 

諒芽「あぁ、悪い悪い。」

 

ロイド「でも、ボンドマンは分かるぞ、当たりだろ?」

 

アーニャ「うい…」

 

一海「あれ?よく見たらこれ、仮面ライダーか?」

 

アーニャ「そ!バッハとザパーン!!」

 

一海「バッファとダパーンな?」汗

 

すると、アーニャは何故かホッとしたような顔をしていた。仮面ライダーの戦いを見ていたのか、バッファとダパーンのことも知っているようだ。名前は覚えられていないが……

 

ロイド「次は仕立て屋に行くぞ?」

 

 

 

仕立て屋に着くと、ヨルとアーニャの服を作ってもらう事に。面接の為の服を所望しているのだ。購入した後、店を出て街を歩く。

 

諒芽「…?」

 

ふと、諒芽は後ろを振り向く。

 

一海「どうしたんだ、諒芽?」

 

諒芽「…いや、何でも無い。」

諒芽(誰かに着けられてる気がするな…)

 

諒芽は一海に手招きをし、耳元でこう呟く。

 

諒芽「なぁなぁ、この間の奴が来てる気がするんだ。

 

一海「何だって?

 

諒芽「多分だけど、仲間も引き連れてるかも…でけぇ半グレ組織のリーダーって神様言ってたからな。

 

一海「ソイツはヤバいな、待ち伏せるか?

 

諒芽「だな。

 

嫌な予感を感じた2人のライダーは、準備を整える。

 

ロイド「…?どうかしましたか?」

 

一海「あ、ロイドさん。ちょっと近くを散策して来ても良いですか?」

 

ロイド「構いませんよ。」

 

写真屋に入ったフォージャー家を見送ると、来た道を少しだけ戻って行く。

 

諒芽「おい、いい加減出てきたらどうだ?」

 

諒芽がそう言うと、路地裏から九頭夫が姿を現した。それも、数多くの半グレ達を連れて…

 

半グレ「おっ?コイツらかぁ、中々ショボそうな奴らだぜ!!」「ギャハハハ!!こっちは50人もいんだ、勝ったも同然だぜ!!」

 

半グレ達は鉄パイプやナイフ、数人はピストルを手にしている。

 

九頭夫「よぉ、今日こそがてめぇらの命日だ!!」

 

九頭夫はそう言うと、デザイアドライバーにハンマーバックルをセットする。

 

一海「私利私欲の為に力を振るうようなバカに、仮面ライダーを名乗る資格なんてねぇ!!」

 

諒芽「上等だ、返り討ちにしてくれるわ!!」

 

一海はゾンビバックルを、諒芽はマグナムバックルをセットする。

 

 

《SET》

 

 

「「「変身ッ!!」」」

 

 

《GRAB! GRASHER! ZONBIE》

 

《MAGNUM》

 

《ARMED HAMMER》

 

《READY FIGHT!!

 

 

彼らが仮面ライダーに変身が完了したタイミングで、写真屋からフォージャー家が出て来てしまう。

 

ブラーリ「お前らあの家族を狙え!!男は殺して、女とガキは攫え!!」

 

ブラーリが指示を出すと、半グレ達は一斉にフォージャー家に襲い掛かる。

 

半グレ「「「ヒャッハアアァァ!!」」」

 

バッファ「そうはさせるか!!」ガツンッ!!

 

 

《POISON CHARGE》

 

 

すかさずバッファは、拡張武器であるゾンビブレイカーのカバーを足蹴りでスライドし、トリガーを押す。

 

 

《TACTICAL BREAK》

 

バッファ「でえぇやぁぁああああ!!

 

 

そして、ゾンビブレイカーから紫色の衝撃波を襲い掛かって来た半グレ達に飛ばした。

 

ドガァァアアアアン!!

 

半グレ「「「ぎゃあっ!?」」」

 

半グレ達は爆発に包まれ、ボロ雑巾と化して地面に突っ伏した。

 

ダパーン「はいはい皆々様!パンダヒーローの力、とくとご覧あれ!!」

 

ダパーンはハンドガンモードのマグナムシューター40Xのレバーを引く。

 

 

《BULLET CHARGE》

 

 

その直後、半グレ達の銃に向かって実弾を放ち、銃を破壊した。

 

半グレ「しまった、銃が!!」「くそっ、どうすれば!?」

 

ブラーリ(つっかえねぇなコイツら…ならばオレがやる!!)

 

ブラーリはハンマーバックルを操作すると、レイズハンマーにエネルギーを纏わせる。

 

 

《HAMMER STRIKE》

 

 

ブラーリがレイズハンマーを地面に叩きつけると、赤色のエネルギー波が高速で発射された。

 

バッファ(マズい、避けたらフォージャー家に当たっちまう!!)

 

ダパーン(ならば、己の身を盾にして防ぐしか!!)

 

バッファとダパーンは自身を盾にして、フォージャー家を守り…ブラーリの必殺技を受けた。

 

バッファ&ダパーン「「うわああぁぁ!!」」

 

地面を転がるバッファとダパーン。

 

ブラーリ「おいその程度かぁ?この間の勢いはどこに置いてきたんだあぁん?」

 

バッファとダパーンを煽るブラーリ。

 

バッファ「ほざけ、俺達はまだ倒れねぇ!!」

 

ダパーン「仮面ライダーは人類の為に戦ってるんだ、簡単にはやられねぇよ!!」

 

気合いを入れて立ち上がるバッファとダパーン。バッファはゾンビバックルを操作すると、左手のバーサークローを地面に叩きつける。

 

 

《ZONBIE STRIKE》

 

 

すると、地面から無数の手が現れ、ブラーリを捕らえる。

 

ブラーリ「ぐおっ!?何だこれ、う、動けねぇ…!!」

 

突然の事に戸惑うブラーリ。

 

ダパーン「バッファ、ちっと小型バックル持ってねぇか?」

 

バッファ「蛇口ならある!!」

 

ダパーン「オッケー、借りるぜ?」

 

ダパーンはウォーターバックルをマグナムシューター40Xに取り付け、蛇口を捻る。

 

 

《WATER》

 

 

音声が響くと、バッファはブラーリ目掛けて突進し、頭部の角でブラーリを宙に飛ばした。そのタイミングでダパーンは、マグナムシューター40Xのトリガーを引く。

 

 

《TACTICAL BLAST》

 

 

マグナムシューター40Xからは凄まじい量の水が勢いよく噴射された。

 

ブラーリ「冷てええええぇぇ…!!」

 

大量の水に撃たれたブラーリは、そのまま遠くまで飛ばされた。

 

半グレ「り、リーダーがやられたぞ!!」「に、逃げろ!!あんな奴らに敵う訳ねぇ!!」

 

リーダーがやられた半グレ達は戦力がガタ落ちし、逃げ出そうとする。

 

バッファ「…逃がすか!」

 

バッファは再びバックルを操作し、地面から無数の手を出現させて半グレ達を1人残らず全員捕らえた。ダパーンが警察に通報し、まもなく半グレ達は全員逮捕された。

 

警官「お前…仮面ライダーか!?」

 

アーニャ「まって!!バッハとザパーンみかた!!」

 

ヨル「この仮面ライダー達は、私達を守ってくれたのです。」

 

ロイド「私達が見ていました。」

 

バッファとダパーンも逮捕されそうになったが、フォージャー家が無実を証明してくれた。

 

 

 

その後は演説を見に行ったり、レストランで食事をしたり、リフレッシュをしたり…だが、そこでひったくりを見てしまった。老婆が男に財布を盗られたのだ。

 

ヨル「逃がしません、待ちなさーい!!」

 

諒芽「ヨルさん、俺も行きます!!」

 

ひったくり犯をヨルと諒芽が追い掛ける。ロイドはアーニャを抱いて行動を開始する。ふと、アーニャが鼻血を出してしまったが…途端に「ケーキ食べたい」と言い、指を指す。彼女の人差し指の先には、不自然な歩き方をする男の姿があった。

 

一海(あれが犯人か…諒芽に知らせねぇと。)

 

一海はスマホを取り出し、諒芽に電話をかける。しかし、諒芽が到着するよりも早く、ロイドがひったくり犯から財布を取り返す事に成功した。その後、老婆に財布を返し、感謝された。

 

ロイド「ありがとうヨルさん、今日は良い気分転換になりました。また仕事、頑張ります。」

 

ロイドの言葉に、思わず頬を赤く染めるヨル。ロイドの頬も赤くなっていた。

 

アーニャ「父と母、いちゃいちゃ?」

 

アーニャの言葉に「「してません!!」」と同時に言った。

 

一海「良い家族だな、諒芽。」

 

諒芽「だな〜、やっぱりお似合いだよな。」

 

その後、買い物を済ませた後、フォージャー家宅に帰ってきた。その後、アーニャは模擬面接の続きをしたのだが、後半から上手く行かなくなった。ヨルがココアやコーヒーを淹れ、心を落ち着かせた。

 

一海「あ、ロイドさん。今夜は俺達が飯を作ります。」

 

諒芽「今夜は日本料理である寿司を握ります!!」

 

ロイド「そうですか、ではよろしくお願いします。」

 

アーニャ「すし!!ワクワク!!」

 

ヨル「どのようなお寿司ができるのでしょうか。楽しみにしてます。」

 

一海と諒芽は夕食として『寿司』を振る舞った。マグロやサーモン、鯛やいくら、たまご等の定番のネタは勿論、巻物や軍艦巻、焼き肉や天ぷら等の変わり種のネタも作った。食事の時、フォージャー家が寿司に舌を巻いたのは言うまでも無い。幸せそうに寿司を食べるフォージャー家を見て、彼らを絶対に引き裂けさせないと胸に誓う一海と諒芽であった。



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35.ジャドウライダーを討伐せよ『ブラーリ編・その4』

モンストにて、スパイファミリーとのコラボが始まったのでブースト掛けます。


一海と諒芽がこの世界に降り立って、1週間が経過した。今回は、名門イーデン校の受験である(アーニャの)。尚、一海と諒芽はフリーの日だ。

 

諒芽「あ〜〜〜〜…暇……」

 

一海「だな…やることも殆どねぇし、どーすっかなぁ……」

 

外出の許可も得ているのだが、それでは面白くない。すると、諒芽は何かを思い付いたのか声を上げる。

 

諒芽「なぁなぁ、俺達もさ…イーデン校に行ってみねぇか?」

 

一海「はぁ?いやいやいや、あくまでもアーニャの受験なんだし、俺等は部外者だろ?」

 

諒芽の提案をすぐに否定する一海。しかし、その程度で諒芽は折れない。

 

諒芽「いやいや、そんな事ねぇだろ?俺等はホームステイさせて貰ってるんだぞ?それに考えてみ?もしだぞ、もし…受験会場にブラーリが来たら、誰が対処するんだ?相手は目的を果たす為なら手段すら選ばねぇ…だったら、俺等で何とかしようぜ?」

 

一海「ぐぬぬ……」

 

諒芽「それにだ、仮面ライダーの名誉回復のため…ドカッと活躍しちゃおうぜ!!な?な?」

 

一海(確かに、諒芽の言ってる事に一理ある…この世界からのライダーへの信用はもはや…だけど、俺等が介入した事でアーニャが落ちちまったら……くそっ、どうする?考えろ…考えるんだ……)

 

考え込む一海。それを見た諒芽は、少しため息を着く。

 

諒芽「悩めるんなら行こうぜ!!大丈夫だって、俺達なりのエレガントで行きゃあイケる!!」

 

一海「なっ!?ちょ、おい諒芽!!」

 

そして、諒芽に引き摺られる形でイーデン校へと向かうことになった。

 

 

 

その頃、イーデン校では…どういう訳か動物達が脱走し、訪れた親御さん達はパニックへと陥っていた。その中に、何故か制服を着たジャマト達がいる。

 

ロイド(そこまでするか…イーデン校!!)

 

ロイドはアーニャを抱いて走っていた。

 

ロイド(非常時の出る本性を見るつもりか…パニックになれば試験官の思う壺だ。)

ロイド「フォーメーションDを崩すなよ?動物達にも破壊神で臨むんだ。」

 

その頃…試験官達も慌てた様子でいた。

 

マスター「おい誰だ、あそこまでやれと言ったのは?」

 

試験官1「えっ、マスターでは?」

 

マスター「えっ!?」

マスター(まさかこれは…本物のハプニング!!?)

 

試験官達も予想外のトラブルに混乱し始める。その時だった……

 

 

「「そこまでだ!!」」

 

 

BGM〜仮面ライダーギーツより『さあ、ここからがハイライトだ』〜♪

 

 

どこからか声が聞こえたかと思うと、高壁の上に2つの影が見える。

 

 

《GRAB! GRASHER! ZONBIE》

 

《MAGNUM》

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

ロイド(一海君に諒芽君!?)

 

バッファとダパーンの登場に、戸惑うロイド。その時、近くで男の子が転倒する瞬間を見た。

 

ロイド「っ!?」

 

男の子「うわっ!?待って、お父さーん!!」

 

転倒した男の子に、猛スピードで接近するロイドと仮面ライダーバッファ。

 

バッファ「止まれぇっ!!」ガッ!!

 

ゾンビブレイカーを盾にし、牛の突進を食い止めるバッファ。その隙にロイドが男の子を救助した。

 

ロイド「大丈夫か?」

 

父親「おぉ、よくやった!!」

 

男の子は泣きながら父親に飛び付いた。その直後、ヨルがリーダー格と思わしき牛を瞬時に気絶させた。

 

ヨル「いえいえちが、違います!!昔ヨガを習っていまして」

 

バッファ「ナイスですヨルさん!!」

 

ヨル「へぇっ!?あ、はい…」汗

 

父親「おぉ、流石だ!!」

 

ダパーン「ちょっとちょっと、お礼ぐらい言えないとエレガントじゃありませんよ?」

 

父親「ふえっ!?ぱ、パンダ…?」汗

 

ダパーンは父親にそう言うと、赤い布を取り出し、バッファを飛び越えていく。

 

ダパーン「ほぉ〜らほらほら!!こっちだこっちだ!!」

 

すると、突進してくる動物達は一斉にダパーンの方へと走って行く。

 

ダパーン(よし、掛かった!!)

 

ダパーンは校内の物を壊さないように気を付けながら、動物達を飼育小屋へと誘導していく。

 

ジャマト「ジャジャッ!!」「ジャアッ!!」

 

学生ジャマト達はそうはさせるかと言わんばかりにダパーンを追い掛ける。ダパーンは飼育小屋の上に飛び乗り、動物達が入っていくのを確認し、ドアを締めた。

 

ダパーン「よしよし、よく帰ってきたな♪」

 

ジャマトA「ジャッ!!」

 

ダパーン「ふんっ!!」ドパァンッ!!

 

迫り来るジャマトAを、張り手で吹き飛ばすダパーン。

 

バッファ「ダパーン!!」

 

ダパーン「俺は大丈夫だ。」

 

バッファが駆け付けたタイミングで、ダパーンは名乗りを上げる。

 

 

ダパーン「輝く(まなこ)で、ロックオン!!助けを求む声を耳にしやって来る!!我こそは、仮面ライダーダパーン!!」

 

 

ダパーンが名乗ると、何故か彼の背後に花火が咲いた。

 

バッファ(いやいや、エレガントじゃねぇって!!)

 

ダパーン「おいバッファ…!!お前もやるんだよ…!!さぁ、さぁ…!!

 

バッファ「はぁっ…!?

 

バッファは戸惑いつつも、名乗りを上げる。

 

 

バッファ「罪の無い者達を傷付けようとするのであれば、この我が許さぬ!!この角、手足、全身は、罪無き者達を救うためにある!!我、仮面ライダーバッファ!!」

 

 

バッファの背後に、紫色の花火が咲く。

 

ダパーン(ふっ、決まったぜ。)

 

バッファ(これ、めっちゃ恥ずい…)汗

 

名乗りを上げたライダー達を、学校内から見る試験官達。

 

試験官2「ま、マスター…あれは……」

 

マスター「か、仮面ライダー…しかし、仮面ライダーは悪のはず…なのに、何故我が校を守る?」

 

やはり、この世界では仮面ライダーは悪という概念があるようだ。しかし、今のバッファとダパーンにそんな事は関係無い。

 

バッファ「ダパーン!!」

 

ダパーン「おう!!」

 

バッファとダパーンはジャマトを討伐すべく、一斉に走り出す。バッファはゾンビブレイカーを柳葉刀のように振るい、ダパーンはまるで踊るようにステップを踏みながら戦う。

 

バッファ「せいっ!!やっ!!」ザシュッ!!ガキンッ!!

 

ダパーン「よっ!!ほいっ!!」ドカッ!!ボコッ!!

 

お互いを信頼し合っている2人は、上手く連携を取りながら、確実にジャマトを倒していく。

 

ロイド(一海君、諒芽君…!!)

 

ヨル(わぁ、何て素晴らしい連携なのでしょう…!!)

 

男の子「すごーい!!」「がんばれー、仮面ライダー!!」

 

女の子「お母様、仮面ライダーってエレガントですわね!!」「かっこいい〜!!」

 

このハプニングから人々を救いに来たライダー達は、周囲から黄色い声援を浴びせられる。

 

バッファ「決めるぜ!!」

 

ダパーン「俺達の必殺!!」

 

バッファとダパーンはバックルを操作する。直後、バッファは左手のバーサークローを地面に叩き付け、ダパーンはリボルブオンをした後右足で地面を踏む。

 

 

《ZONBIE》

 

《MAGNUM》

 

《STRIKE!!》

 

 

音声が響くと、学生ジャマト達は大空に飛ばされ…直後、無数の赤い火の玉がジャマト達を追う形で大空へ上がっていく。やがて、それは花火となってジャマト達を消滅させた。その直後、周囲は大歓声へと包まれた。

 

 

 

ダパーン「ふぅ、これで…親御さん達を守れたな。」

 

バッファ「だな。」

 

バッファとダパーンの介入により、会場に訪れた人達は軽傷者が数人出た程度で済んだ。すると、アーニャが気絶した牛に近付くと、牛を優しく撫で始めた。

 

アーニャ「大丈夫ます、怖くない怖くない。」

 

慌ててロイドがアーニャを抱き抱えるが、牛は彼らに背を向け、飼育小屋へと戻って行った。その時、マスターが全力疾走でこちらへとやって来た。

 

マスター「た、助かった、礼を言う…そして、今日の所は完敗だ。」

 

マスターの言葉にキョトンとするフォージャー家と2人のライダー。

 

マスター「混乱の収集の為、面接試験は開始時刻を遅らせる事にする。身なりを整えてから再度会場へと来い。お前達は、我が校に挑む為の資格がある!!」

 

どうやら、フォージャー家の落第は無いようだ。

 

ロイド「先生…お気遣いありがとうございます。ですが、ご心配なく…こんなこともあろうかと、もう一着備えてありますので。」

 

溝にハマった男の子を助けて一度着替えて、今のタイミングでもう一度着替えて…どんだけ替え持ってんの?(汗)

 

マスター(な、なんかエレガントと言うより…この人たち怖い…!!)汗

 

ダパーン「おぉ、備えあれば何とかって奴だな。」

 

バッファ「憂いなしな?」

 

こうして、フォージャー一家は面接本番へ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九頭夫「えっ、おい…オレの出番は?」

 

NAIYO☆



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36.ジャドウライダーを討伐せよ『ブラーリ編・その5』

ハプニングはあったものの、フォージャー一家は無事に面接本番へ突入する事ができた。

 

 

 

面接官2「そんな事も知らずに、家を受験しようとしていたのか?」

 

男の子「えっ?」

 

面接官2「どうなんだ、あぁっ?」

 

面接の様子を見てみると、面接官は終始威圧的で、男の子は言葉を詰まらせてしまっていた。そして…

 

父親「ありがとうございました…お前、何だあの答えは!?」

 

男の子「うわああぁぁん!!」

 

面接を終えた親子はしょんぼりしながら退室した。父親が怒ったことで、男の子は泣き出してしまう。母親は俯いていた。

 

ロイド(スパイ歴十数年…俺は今初めて、緊張している……)

 

ロイドの手には汗が滲んでいる。

 

ダパーン「おいおい、ありゃあねぇだろ…いくら何でも酷すぎねぇか…?」汗

 

バッファ「あぁ、あんな威圧されちゃあ答えられるモノも答えられなくなる…」汗

 

ちゃっかり、応接室前にいるバッファとダパーン。面接官の高圧的な態度に、不服を感じていた。

 

職員「次の方、フォージャー様。」

 

やがて、フォージャー一家の出番がやって来た。「「「はいっ。」」」と綺麗に返事をし、応接室に入っていく。

 

バッファ(アーニャ、お前なら行ける…!!)

 

ダパーン(いっぱい頑張ったんだ、自分を信じるんだぞ?)

 

アーニャ「…!」キリッ

 

バッファとダパーンの思いが届いたのか、堂々と応接室に入っていくアーニャ。

 

面接官1「ではまず、ご両親への質問から始めさせていただきます。」

 

面接官1の名は『ウォルター・エバンス(59)』、第5寮〈マルカム〉寮長、担当教科:国語、性格:温厚・実直・保守的。生徒からの信頼も厚い。

 

ウォルター「お二人は再婚だそうですが、どういったご関係だったので?」

 

ロイド「妻とは貴校の制服を請け負っている仕立て屋で出逢いました。彼女の存在輪とした立ち振舞に惹かれまして…僕は前妻との死別以来、娘のこともあって慎重になっていましたが、会話を重ねる内に、意気投合しました。彼女は家族思いのとても優しい人です。娘とも上手くやって行けると考えました。」

 

ウォルター「うーむ、奥様の方は?」

 

ヨル「えっと…ろ、ロイドさんは子ども思いの素敵な方です。私のことも気遣っていただいていますし…」

 

ロイドもヨルもスムーズに答えられた。

 

ウォルター「うーん、良好なご家庭のようで何より。」

 

面接官2「奥さん綺麗なのに何で態々コブ付きなんか選んだんだい?」

 

マスター「はしたないですぞ、スワン先生。」

 

面接官2の失礼な言葉に、注意するマスター。面接官2の名は『マードック・スワン(47)』、第2寮〈クライン〉寮長、担当教科:経済学、性格:高慢・強欲・無神経、先月妻から離婚を突き付けられ、娘の親権も失ったばかり。そのためか、今までの面接では他人の家庭を妬み、当たり散らす始末…下手に刺激しないほうが得策だとロイドは考える。

 

ウォルター「では次の質問を…本校を志望した理由を、お聞かせ願いますか?」

 

ロイド「それは人より、今日におられる先生方のレベルの高さに尽きます。質の良い知識、教養はもとより、愛国理念やエリート精神に至るまで、広くご共同くださるのは、誇り高きイーデンの先生方を置いて、他にはないと考えております。」

 

マスター(エレガントだロイド・フォージャー。流石は儂の見込んだ男。)

 

マスターの名は『ヘンリー・ヘンダーソン(66)』、第3寮〈セシル〉寮長、担当教科:歴史、性格:エレガント、立ち振る舞い方もエレガントである。

 

ウォルター「では、ご両親から見て娘さんはどんなお子さんですか?長所、短所、それぞれお聞かせください。」

 

ウォルターのこの質問に、緊張し始めるアーニャ。ロイドが質問に答える。

 

ロイド「アーニャはとても好奇心旺盛な子です。何にでも首を突っ込んでしまうのは短所とも言えますが、とても賢い子です。」

 

ヘンリー(賢い、これが!?)

 

アーニャ(ガン…!!)

 

ロイド「時よりこちらの心を見透かしたような言動を見せるので、ドキッとさせられます。短所は少し変食な所でしょうか。」

 

ウォルター「うん、ではお母様なりの教育方針等はありますか?」

 

次にヨルが答える番だ。

 

ヨル(練習通りに…)

ヨル「私はご存知の通り、この子の実母ではありません。初めは好かれようと、つい甘やかしてしまいがちでしたが、この子の将来を思えばこそ、時には厳しくなれるよう心掛けております。」

 

ウォルター「先程娘さんは変食だとお伺いしましたが、いつもご家庭ではどんな料理を?」

 

ヨル「へっ!?りょ、料理ですか…えっと……」

 

予想外の質問に戸惑うヨルだが、すかさずロイドが彼女のフォローに入る。

 

ロイド「料理は主に僕が作っています。勿論忙しい時には、妻が作ってくれる事もありますよ。」

ロイド(まだ一度も無いけど…)

 

フォローに成功し、その場を凌げた。だが…

 

スワン「嘘!!飯作らない嫁とか存在するの!?娘の前に、自分に厳しくしたほうが良いよ!?」

 

スワンのこの発言に、ヨルは恥ずかしいのか顔を赤くする。

 

ロイド「人には得て不得てがあります。彼女はとても綺麗好きで、掃除も完璧ですし、子どもの世話に関しても申し分ないです。」

 

スワン「いやまぁそれ、どっちも女がやって当たり前の奴だし。」

 

ロイド「それは」

 

ヨル「良いんですロイドさん…!」

 

余計なアドバイスや偏見をぶつけるスワンをなだめるウォルター。愛妻を侮辱され、ロイドも心の中ではイライラしている。

 

 

 

バッファ(今は共働きが普通だっての…いつの時代の考え方だよ……!?)

 

ダパーン(あのとっつぁん坊や、失礼なことばっか言いやがって…マジでムカつく…!!)

 

スワンの態度に、バッファもダパーンも沸々と怒りが込み上げていた。だが、ここで感情的になってはおしまいだ…フォージャー一家の未来のためにも、ひたすら堪えるしかなかった。

 

 

 

ロイド(落ち着け、何を苛立っている…?)

 

平常心を保ち、心を落ち着かせようと自分に言い聞かせるロイド。そもそもヨルは、本当の妻ではない…あくまでも表向きは夫婦というだけの、偽りの家族なのだ。

 

スワン(美男美女のおしどり夫婦だと?虫酸が走る、腹を突きまくってボロを出させてやるか…こんな奴ら不合格にもらうにゃあ……)

 

アーニャ(はっ!?父と母嫌われている…!?アーニャが頑張らないと)

 

両者の心を読み取ったアーニャは焦った。だが、ウォルターが次の質問をする。

 

ウォルター「つ、次はお子様の方への質問にしましょう。」

 

それは、アーニャへの質問だ。

 

ウォルター「まずは、お名前と住所、言えるかな?」

 

ウォルターは優しくアーニャに質問する。

 

アーニャ「アーニャ・フォージャーです!住所はバーリントン西区、公園通り百、二十八です!!」

 

しっかり答えられたアーニャ。

 

ウォルター「お休みの日は、どんな事をしてますか?」

 

アーニャ「美術館行ったり、オペラたべたり(?)。」

 

ロイド(よしよし、順調に想定内の質問だ。)

 

一生懸命答えるアーニャを優しく見守るロイド。

 

ウォルター「学校に入ったら、何がしたいですか?」

 

アーニャ「えっとえっと…」

アーニャ(何だっけ…?)

 

ここで言葉を詰まらせるアーニャ。

 

ロイド(俺の場合、まずは懇親会に参加し、敵組織とそのトップ『デズモンド』の計画の全容を暴き出す。)

 

ロイドの心の声を読み取ったアーニャは、予想外の返答をした。

 

 

「そ、組織のボスの秘密を暴きたいです!!

 

 

ロイド(何言ってるのおーい!?)汗

 

バッファ(えぇっ!?そ、組織の秘密って何!?)汗

 

ダパーン(おいおい、ヤバいんじゃないかこれは!?)汗

 

予想外の返答に、びっくりするロイド。応接室の外でも、バッファとダパーンはビックリしていた。

 

ウォルター「組織のボス、校長先生の事かな?」汗

 

ロイド「あははは、すみません…娘は向上心が人一倍でして、トップまでに登り詰めた校長先生に興味津々なのです。」苦笑

 

ヘンリー「ほぉう…?」

ヘンリー(その年で先達から学ばんとするその姿勢、中々にエレガント。)

 

ロイドの言葉を聞き、アーニャに視線を向けるヘンリー。

 

バッファ(おぉ、流石ロイドさん…!)

 

ダパーン(ひゃあ、あぶねぇあぶねぇ…!!)

 

取り敢えず、まだチャンスはあるようだ。

 

ヘンリー「では、その校長の名前を言えるかなお嬢さん?」

 

アーニャ「えっと、べ、べ……」

 

ロイド(そう、ベネディクトアイバングッドヘラー。)

 

アーニャ「はっ…べねじくそあーばんぐっどへあーさん!!」

 

校長の名前を正確に言えなかったアーニャ。

 

バッファ(あぁ、これは…いや、まだだ!!)

 

ダパーン(頑張れアーニャ!!お前なら大丈夫だ!!)

 

応接室前で待機するバッファとダパーンも、心の中でアーニャに声援を送っている。

 

ヘンリー「ふむ、では彼のように大成する為には、どのような努力が必要だと思うかね?」

 

中々に意地悪な質問をするヘンリー。これに対し、アーニャは…

 

 

アーニャ「か、身体1つでジャングルを生き抜いたり、死と隣り合わせのテストを繰り返したりして精神を鍛えます…!!」

 

 

…と、返答した。

 

ロイド(それは昨日のスパイアニメで主人公がやってた特訓な?)

 

呆れ顔をするロイドとは裏腹に、ヘンリーは声が出ない程驚いていた。

 

ヘンリー(な、何という覚悟…このお嬢さんを少々見くびっていたようだ…!!)

 

ウォルター「そ、そこまでしなくても大丈夫だと思うよ?」汗

 

苦笑いするウォルターは、話題を変えてアーニャに質問する。

 

ウォルター「じゃあ話題を変えて、お父さんのお仕事は何ですか?」

 

アーニャ「すぱ」

 

ロイド(ん?)

 

アーニャ「すぱらしい心のお医者さんです。」

 

ウォルター「ん?鼻が詰まっているのかな?」

 

危うくスパイと言いそうになったが、何とか誤魔化せたようだ。

 

バッファ(よし、アーニャよく誤魔化した。)

 

ダパーン(大丈夫大丈夫!!)

 

バッファとダパーンもホッと胸を撫で下ろす。

 

ウォルター「それじゃあ、新しいお母さんはどんな人ですか?」

 

アーニャ「とってもやさしいです。」

 

ヨル「ほっ…」

 

アーニャ「でもたまにおっかないです。」

 

ヨル「ッ!?」汗

 

ウォルター「お父さんお母さんに点数をつけるとしたら、何点かな?」

 

ウォルターの質問に対し、アーニャはこう答えた。

 

 

アーニャ「ひゃ、百点満点です!」

 

 

アーニャは続ける。

 

アーニャ「父も母も面白くて大好きです!ずっと一緒が良いです!」

 

アーニャ自身から出た本心とも言えるこの言葉に、ロイドとヨルは驚いた。ウォルターも納得して頷いている。

 

スワン(だからそういうの要らねぇっつの…)

 

スワンは何故か不安げな顔をしている。そして、こんな質問をする。

 

スワン「じゃあ、今のママと前のママどっちが高得点かな?」

 

ウォルター「スワン先生…!!」

 

スワン「何か?」

 

スワンの無神経過ぎる質問に、ウォルターは慌てて彼を優しくなだめる。

 

バッファ(あのボンクラ野郎、余計な事聞くんじゃねぇよ!!)

 

ダパーン(おいバッファ、俺マジで我慢できねぇんだけど…)

 

バッファ(気持ちは分かる、だが感情的になったら終わりだ。)

 

ダパーン(それは分かってる…だけど…!!)

 

スワンの無神経さに、バッファとダパーンもいい加減我慢の限界だった。すると…

 

ロイド「質問の変更をお願いします。」

 

ロイドがスワンに質問変更を申請する。しかし…

 

スワン「駄目だ、答えなきゃ減点だ。」

 

…と、スワンは言う。その時…アーニャの目から涙が零れる。

 

ロイド「アーニャ…」

 

スワン「そうかそうか!!やはり前のママが良いか!!」

 

泣き出してしまうアーニャを見下すように声を上げるスワン。

 

ヨル「あんまりです!!」

 

ロイド「ヨルさん落ち着いて。」

 

ヨル「だってこんな…!!」

 

ロイド(任務の為、我慢だ…)

 

スワン「ウチは親元を離れた寮生も大勢いる!そんな些細な事でいちいちべそかいてたら、この学校ではやって行けんぞ!!」

 

ヨルもロイドも、我慢の限界を超え…今にもスワンに殴りかかろうとした。だが、次の瞬間…

 

 

ドガァンッ!!

 

 

応接室内に轟音が響いた。

 

スワン「…!!」

 

バッファとダパーンが乱入してきたのだ。バッファは右手でスワンの頭をがっちりと掴み、ダパーンはスワンを見下すように睨み付けていた。バッファとダパーンの表情は仮面に隠れて見えないが、スワンにはその怒りが十分過ぎる程伝わっていた。そのため、スワンは言葉を失って、脂汗をかいていた。ロイドは拳で机を叩き壊していた。

 

バッファ「てめぇ、いい加減にしろよ…さっきから言いたい放題言いやがって……」

 

ダパーン「大人の癖に、言って良い事と悪い事の区別もできねぇのか…?」

 

バッファ「それに、学校ってのは…未来の宝物である子ども達が、社会で生きていくために必要な事を学ぶ場所だろ?子ども達の居場所にもなる場所だろ!?」

 

ダパーン「子どもの気持ちを平気で踏み躙るのが、この学校の教育方針なのかよ!?そんなの、学校なんかじゃねぇ!!そうやって平気で子どもにトラウマを植え付ける真似をすんなら、教員を名乗んじゃねぇ!!アンタみてぇな奴、教員失格だ!!」

 

バッファとダパーンの勢いに圧倒され、スワンは思わず失禁してしまう。

 

ロイド「子どもの気持ちを軽んじるのが貴校の教育理念なのであれば、選ぶのを間違えました。」

 

そして、フォージャー一家とライダー達は、応接室を退室した。彼らが退室した後、応接室から鈍い音が聞こえたのは言うまでも無い。

 

 

 

その夜、フォージャー一家と一海達は……

 

全員落ち込んでいた。

 

ロイド(ぜ、絶対落ちた…)

 

ヨル「あ、お茶淹れますね…?」

 

ヨルはトボトボとキッチンに向かった。

 

ロイド(俺はスパイ失格だ……)

 

アーニャ「父…ごめんなさい……アーニャ、テスト頑張れなくて、ごめんなさい……」

 

ロイド「良いんだ、アーニャ。謝る必要なんて無い、あんな学校行きたくないだろ?」

 

アーニャはロイドに謝罪するが、ロイドは別に怒っていなかった。すると、アーニャはロイドに寄って来る。

 

アーニャ「アーニャ学校行きたい…任務が失敗になったら、学校行かないと…一緒が終わっちゃう……」

 

ロイド「アーニャ…!」

 

ヨル(もし不合格になれば、この生活も……)

 

アーニャから言葉に全員が固まる。すると、一海と諒芽がアーニャの手を優しく握る。

 

一海「けどな、アーニャ…お前よく頑張ったじゃねぇか!!しっかり自分の言葉で伝えられてたんだ!!練習の成果が出てたと思うぞ!!」

 

諒芽「まだ不合格って決まった訳じゃねぇって!!あんなに努力したんだ、きっと大丈夫だって!!な!?」

 

特に諒芽の言葉を聞き、フォージャー一家はハッとする。

 

ロイド(確かに、諒芽君の言っている事は最もだ…)

ロイド「だが、合格は絶望的だがな。」

 

アーニャ「がーん!!」

 

ヨル「諒芽さんの言う通り、きっと大丈夫ですよ!!」

 

一海「ふと気になったんですけど、おえらいさん的な人…最後まで皆さんを見ていたんですよ?」

 

アーニャ「あっ…メガネのおっさん、半分メガネのおっさんいい人だった!!」

 

ヨル「そうですそうです!!彼らがフォローしてくれますよ、信じましょう!!」

 

スワンは最悪の面接官だったが、ウォルターとヘンリーは良い面接官だった。

 

ロイド(スパイは己以外の者を信じない…常に最悪の事態を想定して備えるモノ……だが、少しだけ……)

 

ロイドの耳には、アーニャの本心から出た言葉…

 

『ずっと一緒が良いです。』

 

これが、ずっと残っていた。だから…

 

ロイド「…そうだな。後はなるように任せて、一先ずは試験の労を労うとするか。」

 

皆はお茶が入ったカップを持ち、乾杯をしようとする。

 

ロイド「我が家の明るい未来を祈って」

 

だが、次の瞬間…家族写真が棚から落ちた。

 

諒芽「はっ!?…よっと!!」パシィッ!!

 

すかさず諒芽が左手でキャッチする。

 

一海「ナイスキャッチ!!」

 

諒芽「ふぅ〜、あっぶねぇあぶねぇ〜…よっこいしょっと。」コトッ…

 

フォージャー家「「「おぉ〜!!」」」

 

諒芽の身のこなしに、関心するフォージャー一家。一海と諒芽は、そんな彼らの前に出る。

 

 

一海「俺達は仮面ライダーです、悪の組織から貴方達をお守りします!!」

 

諒芽「家族の時間も、子どもの未来も、俺達が守って見せます!!」

 

 

フォージャー一家にニッと白い歯を見せて微笑む一海と諒芽。

 

ロイド「ふふっ、期待してますよ。」

 

ヨル「頼もしくてカッコいいです、頼りにしています♪」

 

アーニャ「かめんらいだー、ボンドマンみたいにかっこいい!!アーニャわくわく!!」

 

ブラーリとの一見があり、フォージャー一家と早い段階で信頼関係が構築されていた。その日の夕食は、皆でピザやパスタを作ったりと…少し豪華な食事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九頭夫「…ちっ、イーデン校にいるスワンって奴…殺してやりてぇな。アーニャを泣かせやがって……」

 

その頃…とある廃ビルでは、九頭夫がスマホにて『SPY×FAMILY』を見ていた。

 

半グレ1「兄貴、どうしました?」

 

九頭夫「イーデン校にいるスワンって野郎、殺さねぇか?何でも、妻子から逃げられたらしいぜ?金もたんまり持ってるだろうし、こっそり拐って根こそぎ搾り取ってやろうぜ?そんで最後はこう…」

 

九頭夫は右手の親指を自身の首の前で通過させた。

 

半グレ2「オレもアイツうぜぇって思ってたんすよねぇ、何か見下されてる気がするっす。」

 

半グレ3「アイツ、誰でも見下してるよなぁ?そんな自分大好き人間には、ちっとお仕置きしねぇとなぁぁ?」

 

九頭夫「そんじゃあ、明日から行動するぞ?時間帯は夜、路地裏で拐ってここまで連れて来る。幸い、ここからイーデン校には片道15分程度だ…ここをアジトにして正解だったぜ。」

 

九頭夫率いる半グレ達は、スワンを殺害する計画を練り始める。狡猾な手段で資金を調達している為、金はある。ヤクザや裏社会で名高い格闘家を雇い、確実にスワン殺害を成功させる為、行動を開始するのであった。




SPY×FAMILYのスワン先生、本当に嫌な人だったなぁ…


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37.ジャドウライダーを討伐せよ『ブラーリ編・その6』

イーデン校入学試験から、数日が経った今日…12:00より、合格者の受験番号が公開される。所謂、『合格発表』だ。一海と諒芽も、フォージャー家に同行する形で、合格発表に行くことになった。途中、ヨルのブレスレットが切れたり、黒猫に前を横切られたり、アーニャがウ◯コを踏んづけたりと、色々なハプニングがあった。

 

一海(た、偶々だよな…これ……)汗

 

諒芽(あぁ、そうだ…偶々だ、偶々……)汗

 

度重なる不幸に、一海と諒芽も流石に心配して脂汗をかいていた。やがて、会場に着き、合格者名簿を見たが……そこに、アーニャの名簿は無かった。それを見たフォージャー家、一海と諒芽は思わず顔を真っ青にしていた。

 

ヨル(お、落ちた……)

 

ロイド(落ちた……)

 

アーニャ(おちた……)

 

一海(これは夢、これは夢……)

 

諒芽(悪い夢だ悪い夢だわるいゆめだワルイユメダ……)

 

トボトボと会場を後にするフォージャー家と、現実逃避を始める一海と諒芽。1番落ち込んでいたのは、アーニャだった。

 

ロイド「か、帰ろうか…?」

 

ヨル「お、お茶淹れますね?」

 

アーニャ「…ごめんなさい……」

 

小さい声で謝るアーニャ。

 

アーニャ「アーニャがウ◯コ踏んだから…」(泣)

 

一海「あ、アーニャ……」

 

諒芽「……。」

 

アーニャに掛けるべき慰めの言葉が見つからず、黙り込む一海と諒芽。するとそこに、思いもよらぬ人物が姿を現す。

 

???「待たれよフォージャー一家。」

 

ロイド「…!ヘンダーソン先生…!?」

 

現れたのは、ヘンリー・ヘンダーソンだった。

 

ヘンリー「む、君達は…あの時の仮面ライダーかね?」

 

一海&諒芽「「…はい?」」

 

どうやらヘンリーは、バッファとダパーンの正体が一海と諒芽であることを見抜いていたようだ。

 

ヘンリー「声を聞いてすぐに分かったのだ。君達も来給え。」

 

そうして、イーデン校に通されたフォージャー一家と一海と諒芽。

 

 

 

ロイド「…これは?」

 

ヘンリー「1番上を見てみろ。」

 

ロイドはヘンリーから渡された1枚のリストを見ると、1番上にアーニャの名簿が記されていた。

 

ヘンリー「それは補欠合格者のリストだ。」

 

ロイド「補欠合格…?」

 

ヘンリー「そうだ。総合的な採点により、アーニャ・フォージャーは補欠順位1位となった。」

 

何と、補欠合格者のリストに…アーニャの名前があったのだ。

 

ヘンリー「正規合格者の中に一人でも辞退する者が居れば、即時合格だ。」

 

だが、まだ安心はできない。ヘンリーが言ったように、正式に合格した者の中で辞退する者がでなければ、アーニャは合格にならない。

 

ロイド「で、ですが…」

 

一海「あんな事を、したのに…何故……?」

 

スワンの無神経な発言により、彼を殴りそうになったロイド…そして、殴り込んではスワン直々に抗議したバッファとダパーン。

 

ヘンリー「地球上で最も人間を殺している生物は分かるかね?」

 

諒芽「…蚊です、よね?」汗

 

ヘンリー「その通り。」

 

実は、ロイドが思わず殴った机に…一匹の蚊が潰されているのを、ヘンリーが発見していた。更に、バッファがスワンを壁に遠ざけ、蚊から守ったとウォルターが判断したのだ。

 

ヘンリー「君達はあの時、危険生物からスワン先生を救ったのだ。これは大きな加点となった。」

 

偶然が重なり、最終的には補欠合格となったフォージャー一家。

 

ロイド「無茶苦茶な…」汗

 

一海(…マジか。)汗

 

諒芽(ひぇ〜、なんたる偶然…)汗

 

ヘンリー「君達ライダーも、トラブルから多くの人々を救った。それも大きく加点されているぞ。」

 

一海「…な、何ですと…?」汗

 

諒芽「…おぉう。」汗

 

フォージャー一家もそうだが、バッファとダパーンの活躍ぶりも、面接官は高く評価していた。

 

ヘンリー「それに、子どもは未来の宝物であり、学校はその子ども達にとって居場所にもなる場所だと言っていたな。君達のその言葉…儂らにしかと、刻まれたぞ。」

 

あの時、バッファとダパーンがスワンに言い放った言葉…それは、ヘンリーにとって…いや、ここの関係者全員にとって、学校の意義を見直すきっかけにもなったのだ。

 

ヘンリー「胸を張れフォージャーとライダー諸君、貴様らは我が校に相応しい。」

 

ヨル「一人でも欠員者が出たら……アーニャさんは合格……」

 

ヘンリー「そうだ。」

 

僅かな希望を手にしたフォージャー一家。まだ諦めるには早い。

 

ヨル(でも、一人でも出なかったら…)

 

ヨルはもしもの事を思って心配していたが、ヘンリーはこう言った。

 

ヘンリー「その事なんだが…毎年必ず辞退する者がいる。そのつもりできちんと備えておけ。」

 

イーデン校は名門である。しかし、名門であるが故に辞退を決断する者は毎年のように必ず出る。僅かな希望が、少しずつ大きくなっていく。

 

ロイド「ありがとうございます、先生…!」

 

一海&諒芽「「ありがとうございます!!」」

 

ヘンリーにお礼を言うロイドと、深々と頭を下げる一海と諒芽。

 

ヘンリー「儂は入学の頃には教職から外されているかもしれんがね…」

 

一海「…えっ、どうしてそう思うんですか?」

 

思わずヘンリーに問い掛ける一海。彼の質問に、ヘンリーはこう答えた。

 

ヘンリー「…あの豚息子を殴り倒してしまってな。」

 

フォージャー一家が面接を終えた後、無神経な発言ばかりするスワンの顔面を、ヘンリーは思い切り殴った。だから、面接室から鈍い音が聞こえて来たのだ。

 

ロイド(あの愚かな男とこの先生、任務にとってどちらが利用価値があるか分からんが…奴が邪魔になれば社会的に殺す方法はいくらでもある。)

 

そう思ったロイドは、どうにかヘンリーが教職から外されないよう力になろうとする。

 

ロイド「何かお力になれることがあれば…」

 

ヘンリー「気休めでも嬉しいよ、エレガントボーイ…まぁ、家で合格の連絡を待っていろ。」

 

ヘンリーは気持ちだけを受け取っただけで、それ以上は何も言わなかった。

 

諒芽「…ん?」

 

その時、諒芽が何かを感じたのか…

 

諒芽「すいません、ちょっと急用を思い出しました。」

 

…とだけ言い、走り去って行く。

 

一海「あっ、おい諒芽…!!す、すみません…俺も…!!」

 

一海もそう言い、慌てて諒芽を追い掛けて行った。

 

ヘンリー(あのライダーは、人間を守るため人知れず戦っている…実にエレガントだ、仮面ライダーバッファに仮面ライダーダパーン……)

 

 

 

イーデン校から出た一海と諒芽。どこへ行くのか…

 

一海「諒芽、どうしたんだよ?」

 

諒芽「あのとっつぁん坊やが危ない。」

 

一海「…はぁ?」

 

諒芽「あの馬鹿ライダー、半グレ達を連れてとっつぁん坊やを襲うつもりだ。その前に、助けに行こうぜ。」

 

諒芽が変身する仮面ライダーダパーンには、パンダの耳を模した聴覚装置『ダパーンイヤー』が着いている。これは、高い集音機能を持っており、数km離れた会話を聞き取る事ができるのだ。

 

一海「もしかして、ライダーシステムの効力か何かか?」

 

諒芽「御名答!!」

 

ライダーシステムを作れる一海は、それはダパーンならではの力だと察した。そして、諒芽が近くの路地裏に来ると……

 

スワン「な、何だ貴様らは!?」

 

半グレA「うるせぇぞクソ豚。」

 

半グレB「さっさと金目のモン全部出せ、そしたら半殺しで許してやるぜ?」

 

半グレ達に囲まれたスワンを発見した。そこには、九頭夫の姿もあった。

 

九頭夫「てめぇか、アーニャを泣かしたクズ野郎ってのは…コイツらが許しても、オレはてめぇをぜってぇ許さねぇ。どのみち死んでもらうのは確定なんだからなぁ?」

 

スワン「ひ、ヒィィいいいい!!」

 

九頭夫がバールを振り上げたその時……

 

 

《GRAB! GRASHER! ZONBIE》

 

バッファ「待てコラァァアアアア!!

 

 

《MAGNUM》

 

ダパーン「そこまでだぁぁああああ!!

 

 

バッファとダパーンが乱入し、間一髪のところでスワンを助けた。

 

九頭夫「いってぇ…よくも邪魔してくれたなぁ!?」

 

怒った九頭夫も、仮面ライダーブラーリに変身…レイズハンマーを構える。

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

スワン「なっ!?き、貴様ら…あの時の…?」

 

自分の目の前に立っているバッファとダパーンを見て、驚くスワン。バッファとダパーンは、スワンに背を向けたまま言う。

 

バッファ「つべこべ言ってねぇでさっさと逃げろ。」

 

ダパーン「アイツらは俺らに任せて、早く行けよ。」

 

スワン「昨日の事があったにも関わらず…な、何故…何故私を守る?」

 

バッファ「アンタみてぇなクズ人間であっても、俺達はここの人達を守らなければいけねぇんだよ。」

 

ダパーン「どんなに救いようのねぇクズ野郎でも、この街で暮らす人達を守る…それが、俺達仮面ライダーの役目なんだよ。」

 

スワン「……。」

 

バッファとダパーンの言葉に、黙り込むスワン。

 

バッファ「…何してんだよ、さっさと行けよ!!」

 

ダパーン「早く逃げろって言ってんだろうが!!」

 

スワン「…!!」ダッ!!

 

バッファとダパーンに怒鳴られ、慌てて路地裏から逃げていくスワン。

 

ブラーリ「奴が逃げたぞ!!追え!!ぜってぇ逃がすんじゃねぇ!!」

 

ブラーリの言葉を聞き、手下の半グレ達はスワンの追跡を始める。

 

ダパーン「あのライダーは任せろ!!雑魚を頼む!!」

 

バッファ「分かった!!」

 

ダパーンはブラーリと戦い、バッファはブラーリの手下の相手を始める。

 

バッファ「でやっ!!どらぁっ!!」ドゴォッ!!ドゴォッ!!

 

半グレ「ぐわっ!?」「があっ!!」

 

まず、先頭にいた2人の半グレを殴り倒し…

 

バッファ「うおおおおぉぉっ!!」

 

半グレ集団に突進し、次々と薙ぎ倒していく。

 

半グレC「邪魔すんなら死ねぇ!!」

 

鉄パイプを振り下ろして来る半グレC。バッファはゾンビブレイカーでそれを受け止めると、ブレイカーのカバーを操作する。

 

 

《POISON CHARGE》

 

 

その後、半グレCを残った半グレ集団の元に蹴り飛ばし、ブレイカーのトリガーを引く。

 

 

《TACTICAL BREAK》

 

バッファ「くらえぇぇええええ!!

 

 

ゾンビブレイカーからは紫色の衝撃波が発射され、半グレ集団目掛けて飛んで行く。

 

半グレ集団「「「ぎゃああぁぁっ!!」」」

 

半グレ集団は爆発に包まれて行くと、ボロ雑巾と化して戦闘不能になった。

 

 

 

ダパーン「よっ!ほりゃっ!!」ドカッ!!ドカッ!!

 

ブラーリ「がっ!?んなっ!!?」

 

ダパーンはマグナムシューター40Xを鈍器として扱い、ブラーリを翻弄する。

 

ブラーリ「銃ってのは、鈍器として使わねぇだろ!!」

 

ブラーリはレイズハンマーを振り降ろすが、ダパーンは持ち前の身軽さを駆使して避ける。

 

ダパーン「武器をどう使おうが、俺の勝手だ…おりゃあっ!!」ドカァッ!!

 

ダパーンはそう叫ぶと、ブラーリに飛び蹴りを繰り出す。ダパーンの右足がブラーリの顔面にクリーンヒットし、ブラーリの身体は吹き飛ばされ、後方に転がる。

 

ブラーリ「ぐぅ……くそっ!!」

ブラーリ(このレイズバックル…弱すぎだろうが!!俺にも大型バックル寄越せや!!)

 

この場には、人質として利用できような人や物は何処にもない。頼れる部下や利用できる手下は既にバッファに倒されている。故に、己の力のみで戦わなければならない。デザイアグランプリに参加する前でも、卑怯な戦いを繰り返していた九頭夫は、真剣勝負には弱いのだ。

 

ダパーン「おしっ、そろそろ決めてやる!!」

 

ダパーンはマグナムバックルを外すと、マグナムシューター40Xに装填する。

 

 

 

《MAGNUM》

 

 

音声が響くと、銃口をブラーリに向ける。そして、リボルバーを勢いよく回転させた後、トリガーを引く。

 

 

《TACTICAL BLAST》

 

ダパーン「行っけぇぇええええ!!

 

 

アプルーバルリボルバー型のエネルギーが込められたマグナムシューター40Xからは強力な弾丸が発射され、ブラーリに向かって飛んで行く。

 

 

 

チュドォォオオオオオオンッ!!

 

ブラーリ「うぎゃああああぁぁッ!!

 

 

ブラーリが大爆発に包まれて行くと、バッファとダパーンは背を向けてその場を去って行った。

 

 

 

九頭夫「うぐっ…ち、ちきしょお……!!」

 

バッファとダパーンが去った後、路地裏には戦闘不能になった半グレ達と、ボロボロになった九頭夫が取り残されていた。そこに、ヘルメスが姿を現す。

 

ヘルメス『島袋 九頭夫、見事な負けっぷりだったな。』

 

九頭夫「お、お前は…違う、オレは負けてねぇ……偶々、調子が悪かっただけだ…!!」

 

ヘルメス『負け惜しみとは見苦しい…だが、運営側は貴様を敗北と見なした。よって、ここで脱落して貰うぞ。』

 

ヘルメスがそう言うと、九頭夫のドライバーにセットされているIDコアが消えて行く。次に、九頭夫の身体が消えて行く。

 

九頭夫「ふ、ふざけるな…オレは、まだ…アーニャとヨルを抱いていないんだ!!やめろ、やめろおおおおぉぉ……!!」

 

 

《RETIRE》

 

 

九頭夫の身体が消滅すると、デザイアドライバーが地面に落ちる。

 

ヘルメス「島袋 九頭夫…貴様は、仮面ライダー失格となった。」

 

ヘルメスはデザイアドライバーを回収すると、静かに姿を消した。バッファとダパーンの活躍により、この世界にいたジャドウライダーは無事に撃破されたのだった。




この世界のジャドウライダーは撃破されましたが、ゲームは簡単に終わらない……なーんて。


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38.分かち合う喜び・訪れる別れ

合格発表から3日後……

 

 

アーニャ「アーニャ合格ぅ〜、アーニャ合格ぅ〜、アーニャ合格ぅ〜♪」

 

 

キメラさんと共に、何やら謎のダンスをしているアーニャ。それを見守るロイドとヨル。

 

ロイド「何をやってるんだアイツは?」

 

ヨル「合格するように、お祈りのダンスを踊っておられるようです。」

 

ロイド「あぁ、そうですか…」汗

 

あくまでも補欠合格ということで、必ず合格とは限らない。その為、合格を祈って舞い踊っているそうだ。その時、電話が鳴った。ロイドは真っ先に電話に向かい、受話器に耳を当てる。

 

ロイド「はい、フォージャー……はい…はい……では、失礼します。」

 

果たして、合否の結果は……

 

 

合格だ!!

 

 

アーニャは見事、イーデン校に合格したのだ。クラッカーを鳴らすロイドと、合格を喜ぶアーニャ。一緒に喜ぶヨルと一海と諒芽。

 

アーニャ「ち〜ち〜!アーニャ合格!!」

 

ロイド「よく頑張ったな、アーニャ!!」

 

アーニャ「やったー!!」

 

ヨル「良かったですね、嬉しいです!!」

 

ロイド「ヨルさんも本当にありがとう!!」

 

一海「っしゃああぁぁ!!スゴイぞアーニャ!!」

 

諒芽「うおおぉぉ!!流石アーニャ!!」

 

困難を乗り越えた先には、喜びがある。共に喜びを分かち合うフォージャー一家とライダー達。

 

一海「よしっ、アーニャが勝ち取った合格のお祝いとして…!」

 

諒芽「おう、寿司握るか!!」

 

アーニャ「おぉ、すし!!ワクワク!!」

 

ロイド「一海君と諒芽君も、本当にありがとう。」

 

ヨル「はい、一海さんと諒芽さんもアーニャさんの支えになってますからね♪」

 

アーニャの合格祝いに、寿司を作る事にした一海と諒芽。日本の寿司は、フォージャー一家にはとても好評であったのだ。その時、電話が鳴った。ロイドが対応し、その数分後……赤縁メガネとアフロヘアー、左耳のピアスが特徴の男がやって来た。名は『フランキー・フランクリン』、ロイドの良き情報屋である。バーリントでタバコ屋を営みつつ、情報収集等で黄昏(ロイド)のサポートを行っている。だが、この名前は偽名であり、本名は誰にも明かしていない。

 

フランキー「おーい、合格したって〜?お祝いだお祝い!!」

 

そして、フォージャー家に上がり、ワイン等を持ってきた。

 

フランキー「あ、どうも奥さんとホームステイファミリー初めまして!ロイドの友人のフランキーです!」

 

ヨル「どうも、」

 

アーニャ「もじゃじゃ!!」

 

一海「初めまして、木場 一海です。」

 

諒芽「鏡 諒芽です〜。」

 

フランキーがやって来た所で、アーニャの合格祝いの宴が始まった。

 

 

 

フランキー「へぇ〜、これが日本の寿司って奴かぁ!!ムグッ、美味っ!?」

 

アーニャ「すし、美味い!!」

 

ヨル「ん〜、最高れすね〜♪」

 

フランキーも寿司を気に入り、アーニャとヨルも舌を巻いている。何やら、ヨルの様子がおかしいが…まぁ、宴には支障はないだろう、たぶん……

 

フランキー「ん~お前ちゃんと飲んでるの〜?」

 

ロイド「ほっとけ…」汗

 

アルコールが入って、ほろ酔い状態のフランキー。おそらく、ヨルも既に酔っているのだろう。

 

フランキー「良かったねアーニャちゃん、今ならパパがご褒美に何でも買ってくれるってよ~♪」

 

ロイド「こら、勝手に約束するな…!」

 

フランキーの言葉に笑顔を見せるアーニャ。

 

アーニャ「アーニャ、欲しいものじゃなくてしてほしいことがある!!」

 

ロイド「ん、何だ?可能な範囲であれば応じるぞ?」

 

アーニャがやりたい事とは……何やら部屋を暗くし、シアターのような雰囲気に……て訳では無く、テレビの映像だった。どうやら、ボンドマンに関するごっこ遊びがしたいようだ。しかし…

 

ロイド「無理、却下。」

 

アーニャ「…!!」ウルウル

 

ロイドの言葉に、涙目になるアーニャ。近くにフランキーが来ると…

 

フランキー「ヒドい!ケチ!鬼!!アーニャ学校行かないから!!」

 

…と、アーニャの気持ちを代弁した。

 

ロイド「勝手に代弁するな…」汗

 

しかし、最終的にはやることになった。会場の手配はフランキーが行い、フォージャー一家とライダー達は会場へと向かうことに、それも飛行機で。間もなく飛行機は飛び立ち、会場へと向かって飛んで行く。街の夜景がよく見える、操縦はロイドが行っている。いざ、城に到着すると、アーニャとフランキーがはしゃぐ。しかし……

 

アーニャ「…何か違う。」

 

ロイド「違うって何が?」

 

アーニャ「敵と家来が居ないおしろなんて、おしろじゃない…アーニャしょんぼり……学校いけなくなりそう……」

 

この会場の城は完全貸切であり、フォージャー一家とフランキー、そして一海と諒芽以外誰も居ない。ロイドとヨルは困ってしまった。だが、急遽大勢をよび、パーティのような感じになった。でも、敵が居ない…その時……

 

 

君の願い、我が叶えてやろう

 

 

どこからか謎の声が聞こえたと思うと、地面からツタのような物が生えてきて……その中から無数のジャマトが出現した。

 

男1「な、何だ!?」

 

男2「あれも、黄昏さんの依頼で来たのか!?」

 

女1「いや、何あれ!?」

 

女2「ちょっ、こっち来てるわよ!!」

 

ジャマト達は訪れた人達に襲い掛かって行く。すると、一海と諒芽が前に出てきて、ジャマト達と戦闘を始める。

 

一海「やめろ!!」ドカッ!!

 

一海は肉弾戦で戦い…

 

諒芽「パーティーに水を刺すんじゃねぇ!!」ゴォンッ!!

 

諒芽はフライパンで戦う。

 

諒芽「一海、行こうぜ!!」

 

一海「あぁ!!」

 

デザイアドライバーを身に着けた一海と諒芽は、それぞれのレイズバックルを取り出すと、それを交換し、ドライバーに装填する。

 

 

《SET》

 

 

2人の背後に、文字が出現すると、2人は変身ポーズを決め、バックルを操作する。

 

 

一海「変身ッ!!

 

《MAGNUM》

 

 

諒芽「行っくぜぇ…変身ッ!!

 

《GRAB! GRASHER! ZONBIE》

 

 

一海が変身した仮面ライダーバッファは、マグナムフォー厶となり、マグナムシューター40Xを装備する。諒芽が変身した仮面ライダーダパーンはゾンビフォームとなり、ゾンビブレイカーを装備する。

 

 

「「さぁ、ゲームの時間だ!!」」

 

《READY FIGHT!!

 

 

2人の仮面ライダーは、人々を守るためにジャマト達の方へと走って行く。

 

女3「あれ、仮面ライダー…?」

 

女4「えっ、私達を守るために戦ってるの……?」

 

男3「アイツら、俺達の敵じゃないのか?」

 

男4「味方だったら、頼もしいかも…」

 

すると、フランキーがマイクを持ちながら実況を始める。

 

フランキー「さぁ、お前ら注目!!仮面ライダーは本当に人類の敵なのか!?いや、コイツらだけは違う!!牛のライダーは仮面ライダーバッファ!!心の中に宿る炎、心火(しんか)を燃やし、罪無き人類を守るために戦うヒーローだ!!もう1人、パンダのライダーは仮面ライダーダパーン!!笑いと正義を愛し、周囲に笑顔を振り撒くパンダヒーローだ!!」

 

バッファはマグナムシューター40Xを使ってジャマトに実弾を発射したり、鈍器として殴っている。ダパーンはゾンビブレイカーを唸らせ、迫りくるジャマト達を次々と斬り捨てている。

 

ジャマトA「ジャッ!!」

 

バッファ「おっと、おらっ!!」ドゴォッ!!

 

ジャマトA「ジャアッ!?」

 

ダパーン「っ!おりゃっ!!」バキィッ!!

 

ジャマトB「ンジャア!?」

 

互いの事を信頼し合っているバッファとダパーンは、見事な連携で多勢のジャマト達をどんどん倒している。

 

「おぉっ、良いぞ仮面ライダー!!」「いけぇ、ライダー!!」「頑張れライダー!!」

 

周囲の者達も、バッファとダパーンが味方であると認識されたようで、次第に応援の声が大きくなっていく。

 

アーニャ「っ!!バッハー!!ザパーン!!」

 

アーニャも思わず喜び、バッファとダパーンを呼ぶ。

 

ダパーン「〜♪」フリフリ〜

 

バッファ「!!」コクッ!

 

アーニャに手を振るダパーンと、アーニャに頷いてみせるバッファ。一海と諒芽は、ファンサービスも忘れない。

 

ダパーン「行くぜ、俺の必殺!!」ガツンッ!!

 

 

《POISON CHARGE》

 

 

ダパーンはゾンビブレイカーのカバーを蹴り上げると、まるで刀を構えるようなポーズを取る。ダパーン目掛けて走ってくるジャマト達…次の瞬間……

 

 

ダパーン「ライダースラッシュ!!」ガッ!!

 

 

《TACTICAL BREAK》

 

 

迫りくるジャマト達をゾンビブレイカーで斬ったのだ。

 

ダパーン「りゃあっ!!」ズパァッ!!

 

ジャマトC「!?」

 

ダパーン「ほっ!!」ズシャッ!!

 

ジャマトD「!!」

 

ダパーン「アーニャ!!」ジャキッ!!

 

ジャマトE「〜!?」

 

ダパーン「合格!!」ドシャッ!!

 

ジャマトF「…!!?」

 

ダパーン「おめでとぉぉおおおお!!」グシャアッ!!

 

ジャマトG「ジャア…!!」

 

アーニャを讃えるダパーンに斬られたジャマト達は爆散した。その直後、ダパーンの後ろに小さな花火が上がった。

 

アーニャ「〜!!」

 

アーニャが喜ぶと、ダパーンの近くにハテナミッションボックスが落ちて来た。

 

 

『SECRET MISSION CLEAR』

 

 

ダパーン「どれどれ、必殺技を決める、か……成る程。」

 

ダパーンがミッションボックスを開けると、そこにはブーストバックルが入っていた。

 

ダパーン「おっ!!ブーストバックル来たぁ〜!!」

 

早速ブーストバックルを装填し、バックルを操作するダパーン。

 

 

《DUAL ON》

 

 

《Let's ride! Crash out! ZONBIE…》

 

《…And,Boost!》

 

 

《READY FIGHT!!》

 

 

ダパーン「っしゃあ!!」

 

ゾンビブーストフォームになったダパーンは、苦戦するバッファの手助けに向かう。

 

バッファ「!!…くそ、数が多い…だが、負けるか!!」

 

バッファはマグナムシューター40Xを鈍器として扱い、ジャマト達と戦っていた。

 

ダパーン「よっとぉ!!」ドッゴォッ!!

 

そこにダパーンが駆け付け、バッファを助ける。

 

バッファ「ダパーン、助かった!!」

 

ダパーン「気にすんなよ、バッファ!!」

 

グータッチをするライダー達は、武器を構える。

 

ロイド(一海君、諒芽君…!)

 

ヨル(アーニャさん、とっても喜んでますね〜♪)

 

アーニャ「バッファとダパーンかっこいい〜!!」

 

思わず微笑むロイドとヨル、歓声を上げるアーニャは漸くバッファとダパーンと言えた。ダパーンはブーストで加速しながらゾンビブレイカーでジャマト達を攻撃し、バッファはライフルモードに切り替えたマグナムシューター40Xからレーザーを放ち、ダパーンを援護している。

 

ダパーン「バッファ、使え!!」

 

ダパーンはブーストバックルを外し、バッファに投げ渡した。

 

バッファ「えっ!?あ、何で…!?」汗

 

ダパーン「お前のカッコいいとこ見せてやれよ!!」

 

バッファ「ダパーン…おう!!」

 

バッファはブーストバックルを装填し、バックル操作を行った。

 

 

《DUAL ON》

 

《GET READY FOR BOOST & MAGNUM》

 

《READY FIGHT!!

 

 

最も相性ピッタリなバックルを用いた現時点での最強フォーム『マグナムブーストフォーム』になったバッファは、マグナムシューター40Xをハンドガンモードに切り替えると、レバーを引く。

 

《BULLET CHARGE》

 

その後、トリガーを引いて弾丸の嵐をジャマト達に放った。爆散するジャマト達、続いてライフルモードに切り替え、もう一度レバーを引く。

 

《CHARGE》

 

そして、爆煙から現れたジャマト達目掛けてレーザーを放った。

 

《TACTICAL SHOOT》

 

マグナムシューター40Xから放たれた太いレーザーは、ジャマト達を包みこんでいった。その後、ダパーンはゾンビバックルを操作し、左手のバーサークローを床に叩き付ける。

 

 

《ZONBIE STRIKE》

 

 

その後、床から無数の手が現れると、残ったジャマト達を拘束した。すかさずブーストバックルを操作するバッファ。

 

 

《BOOST TIME》

 

 

音声が響くと、ブーストライカーが現れ、バッファローのような姿に変わり、鳴き声を上げる。

 

 

ヴオオォォッ!!

 

 

これはブーストライカーの形態の1つ『バッファモード』だ。ブーストライカーはブーストバックルの使用者によって、様々な動物の姿になることができるのだ。

 

バッファ「ダパーン!ライダーの必殺技といえば、アレだよな?」

 

ダパーン「あぁ、アレだな!!」

 

バッファはバックルを操作すると、ダパーンと共に空中に飛び上がる。

 

 

《MAGNUM BOOST GRAND VICTORY》

 

 

ドライバーから音声が響き渡ると、ブーストライカーが吐き出す炎と共に、バッファとダパーンはライダーキックを繰り出した。2人のライダーが放ったライダーキックは、ジャマト達を貫き、全滅させた。バッファとダパーンの活躍により、フォージャー一家と訪れた人達は助かった。

 

 

 

ジャマト達が全滅すると、夜空には数多の花火が上がった。会場の人達は、イーデン校に合格したアーニャと、怪人から守ってくれたバッファとダパーンに盛大な拍手を送る。

 

「アーニャちゃん、おめでとう!!」「バッファ、ダパーン、すごかったぞ!!」

 

その後、訪れた人達は皆撤収し、フォージャー一家とライダー達だけが残った。

 

アーニャ「アーニャ孤児院出てからワクワク、ちちのおかげ…アーニャ、学校頑張る!!」

 

ロイド「…そうか。まぁ、なんだ…取り敢えず、入学おめでとう。」

 

アーニャを抱き締めるロイドを見守る、一海と諒芽。

 

一海(良かったな、アーニャ。)

 

諒芽(この頑張り、ぜってぇ無駄にならねぇからな。)

 

アーニャは、一海と諒芽の元に走る。

 

アーニャ「かずにぃとりょうにぃ、ありがとう!!」

 

無邪気な笑顔を見せるアーニャ。その時、一海と諒芽の身体が光り始める。

 

ロイド「一海君、諒芽君!?」

 

一海「おっ、この現象が起きるって事は…ミッションコンプリートか。」

 

諒芽「ちぇ〜、もうちょっとだけここに居たかったんだけどなぁ。」

 

どうやら、ミッションを達成し、この世界から去ることになったようだ。

 

アーニャ「…かずにぃ、りょうにぃ、いっちゃいや…」ポロポロ…

 

お別れだと察したアーニャは、思わず涙をこぼす。そんなアーニャを優しく撫でる一海。

 

一海「アーニャ、安心してくれ。2度と会えないわけじゃないからな。」

 

アーニャ「…ほ、ほんと…?」

 

諒芽もアーニャの目線に合わせ、彼女に語る。

 

諒芽「あぁそうさ、きっとまた会える。」

 

一海と諒芽を包む光は、段々強くなっていく。

 

一海「ロイドさん、今日までお世話になりました!!」

 

諒芽「ヨルさんにもよろしく伝えておいてください、お世話になりましたって!!」

 

ロイド「わかりました。では、お元気で。」

 

一海と諒芽に笑顔を見せるロイド。

 

諒芽「んじゃ…」

 

一海「またな、アーニャ。」

 

アーニャ「かずにぃ…りょうにぃ……ばいばい…」

 

やがて、光が強くなると…そこに、一海と諒芽の姿は無かった。この世界にいたジャドウライダーとジャマト達は、仮面ライダーバッファと仮面ライダーダパーンの活躍によって殲滅した。これにて、『SPY×FAMILY』の世界は救われたのであった。



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39.ジャドウライダーを討伐せよ『ナッジスパロウ編・その1』

アフロディーテ『あっ、一海さん諒芽さん!おかえりなさい!!』

 

ジャドウライダーを討伐した一海と諒芽を出迎えるアフロディーテ。

 

一海「女神様、只今戻りました。」

 

諒芽「たっだいま〜♪」

 

ジャドウライダーであるブラーリが倒された事で、【SPY×FAMILY】の世界は平和を取り戻した。一海と諒芽に倒されたブラーリは、地獄にて処刑されたそうな。

 

翔「んで、バカライダーは地獄に送れたのか?」

 

ヘルメス『当然、もう二度と悪さできないようにな。』

 

翔「そうか。だが、まだ別の世界にいるんだろ?」

 

アフロディーテ『はい…今回のジャドウライダーは、厄介な相手になります。紫さん、友香さん、大丈夫ですか?』

 

紫「えぇ、問題はありません。」

 

友香「私も大丈夫です。」

 

次の世界にいるジャドウライダーの討伐は、紫と友香に任された。次の舞台は……

 

 

前世の記憶を持ったまま推しのアイドル『星野 アイ』の"子"に転生してしまった双子、アクアルビー。容姿やコネクションを生まれながらに持ち合わせた彼らは、自然と芸能界に関わっていく。

 

 

やがて成長した双子は各々の思いを胸に芸能界に挑む。ルビーは母親のように輝くため、そしてアクアもまた母親への思いを胸にして芸能界に足を踏み入れる。

 

 

 

【推しの子】

 

 

 

の世界である。この世界にいるジャドウライダーは、かなり狡猾で戦闘センスも中々良いと、アフロディーテは言う。

 

 

アフロディーテ『紫さんと友香さんには、モンスターバックルとブーストバックルをあらかじめ支給致します。では、お気を付けて。』

 

紫「任せてください。」

 

友香「ありがとうございます、女神様♪」

 

まもなく、紫と友香の身体が光り始め、推しの子の世界へと飛ばされた。

 

 

 

紫と友香が降り立ったのは、東京都のとある区である。

 

友香「って、ここは東京?」

 

紫「…そう、だな。」

 

自分達が日常生活をしている世界とさほど変わらない風景に、思わず驚く友香と紫。その時…

 

紫「…む、来たか。」

 

友香「…もしや、ジャドウライダー?」

 

紫「…そうらしい。」

 

曲がり角からロングヘアと眼鏡が特徴の女性が歩いて来るのが見えた。その女性の腹部には、紫と友香と同じデザイアドライバーが装着されている。真ん中のソケット部分には、雀のライダーズクレストが描かれたIDコアがある。

 

???「…おや、貴女方も仮面ライダーですか。」

 

紫「そうだが、何者だ?」

 

???「そちらから名乗ったらどうです?」

 

紫「私は東雲 紫。」

 

友香「浅井 友香です。」

 

紫と友香は身構えながら名前を名乗る。

 

 

鳳翔鈴「東雲 紫…浅井 友香……覚えました、私は『鳳翔鈴(ほうしょうりん)』と申します。言っておきますが、アクアは渡しません。私の婚約者となって頂きますので…邪魔をするなら、排除致します。」

 

 

鳳翔鈴と名乗った女は、おもむろにアローバックルを取り出す。

 

紫「貴様、ジャドウか…!!」カチッ…

 

友香「私達が倒します!!」カチッ…

 

紫はファンバックル、友香はクローバックルを取り出し、ドライバーに装填する。鳳翔鈴もバックルをドライバーに装填する。

 

 

《SET》

 

 

「「変身。」」

 

「へ〜ん身♪」

 

 

それぞれ変身ポーズを取り、仮面ライダーに変身する。

 

 

《ARMED ARROW》

 

《ARMED FAN》

 

《ARMED CROW》

 

 

紫は仮面ライダーギンペン(アームドファン)、友香は仮面ライダーナーゴ(アームドクロー)、鳳翔鈴は雀モチーフのライダー『仮面ライダーナッジスパロウ』(アームドアロー)へと姿を変えた。

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

ナッジスパロウ「ふっ!!」バシュバシュッ!!

 

ナッジスパロウはレイズアローからエネルギー矢を放つ。ギンペンは2振りのレイズファンを盾代わりにし、ナーゴと共に走る。

 

ナーゴ「にゃっ!!」ブンッ!!

 

ナッジスパロウ「おっと…はっ!!」ガキンッ!!ドカッ!!

 

ナーゴ「きゃっ!?」

 

ナーゴはレイズクローで攻撃を仕掛けるも、ナッジスパロウはレイズアローで受け止め、ナーゴの足元を蹴って転ばせた。

 

ギンペン「はぁっ!!」ブンッ!!

 

ナッジスパロウ「…。」サッ…

 

ギンペンのレイズファンでの攻撃を、後ろにジャンプして避けるナッジスパロウ。すかさずバックルを操作し、レイズアローを構える 

 

 

《ARROW STRIKE》

 

 

そして、ナーゴとギンペン目掛けて必殺技を放つナッジスパロウ。

 

ドガァァアアアアアアンッ!!

 

ナーゴ&ギンペン「「っ!?」」

 

爆風に吹き飛ばされ、地面を転がるナーゴとギンペン。

 

ギンペン「くそっ!!」

 

ナーゴ「中々手強いですね…それなら!!」

 

ナーゴがモンスターバックルを取り出した次の瞬間…ナッジスパロウはレイズアローから矢を放つ。それは、ナーゴの右手に命中する。

 

ナーゴ「痛っ!?あっ、モンスターバックルが!!」

 

宙を舞うモンスターバックル、それを追うギンペン。ナッジスパロウは走り出し、ジャンプする。そして、ギンペンを踏み台にしてモンスターバックルを掴み取った。

 

ギンペン「がはっ!?」ドサッ!!

 

ナッジスパロウ「これは貰います。」

 

ナッジスパロウはアローバックルを外し、モンスターバックルを装填…バックルを操作する。

 

 

オンギャー!!

 

《MONSTER!!》

 

《READY FIGHT!!

 

 

モンスターフォームになったナッジスパロウは、拳を振り上げ、地面を叩いて砂埃を発生させた。

 

ギンペン「ま、待て!!」

 

ナッジスパロウを追おうとするが、既にナッジスパロウの姿は無かった。

 

ナーゴ「そんな、逃げられちゃいました……」

 

ギンペン「くっ、何てことだ…!!」

 

ジャドウライダーに逃げられ、モンスターバックルを…貴重な大型バックルを奪われてしまった。ギンペンは思わず、地面に拳を打ち付け、ナーゴは俯いてしまった。

 

 

 

その頃、とあるマンションにて……

 

ナッジスパロウ「…ふぅ、作戦は成功しました。これで、アクアを私のモノにしやすくなりましたね。」

 

ナッジスパロウは眠るモンスターバックルを持ちながら言う。変身を解除し、鳳翔鈴の姿に戻った。彼女の部屋には、多彩な中国武器(模造品)が飾られている。どうやら彼女、中国格闘技の名手であるようだ。その証拠に、数々の大会で優勝して得られたトロフィーや賞状が幾つもある。

 

鳳翔鈴(しかし、このバックルには意思があるみたいですね…私が味方と認識して貰う為にも、育てないといけないようです。)

 

このモンスターバックルは、『寝坊助』と呼ばれており、赤ん坊バックルなのだ。最近、あまり人見知りをしなくなって来ている。子育て経験が無い彼女は、少し不安に思うが…

 

鳳翔鈴(アクアと私の子どもだと思えば、可愛く思える筈です。えぇ、そうしましょう。ふふ…ふふふふ……)

 

彼女の推しキャラは、『星野 アクア(アクアマリン)』である。今は亡きアイドル『星野 アイ』の息子であり、容姿もカッコいい。芸能科のある高校に通っているようだ。鳳翔鈴は普通科の都立高校に通っており、推しキャラとは別々の学校だ。

 

鳳翔鈴(まずは、アクアの近くにいる悪い雌豚を退治しなければなりませんね…後は、あのライダー2人を始末しないといけません…まずは、あのライダー達から倒しましょうか。完全に邪魔者が居なくなれば、雌豚処理が楽になりますからね。)

 

鳳翔鈴…中国出身の留学生で、運動神経抜群で頭も良い。格闘技の達人でもあり、どの武器でも簡単に使いこなす。



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40.ジャドウライダーを討伐せよ『ナッジスパロウ編・その2』

友香「すみません紫さん、私が油断したばかりに…」

 

紫「気にする必要はない、盗られたら取り返せば良い。」

 

モンスターバックルを奪われ、落ち込む友香を慰める紫。彼女達はとある寮を拠点に、活動をすることにしたようだ。だが、場所が分かっていない。その時…

 

 

キャァァアアアアアア!!

 

 

どこからか、女性の悲鳴が聞こえて来た。

 

紫「まさか、ジャドウライダーか?」

 

友香「紫さん、行きましょう!!」

 

紫と友香が悲鳴のした方へ向かうと、1人の少女がジャマトに襲われているのが見えた。

 

???「いや…だ、誰か……」

 

ジャマトA「ジャッ…」

 

???「た…助けて……!!」

 

青いボブカットが特徴の少女を取り囲むポーンジャマト達。そこに、紫と友香が駆け付ける。

 

紫「はぁっ!!」ドゴッ!!

 

ジャマトA「ジャッ!?」

 

友香「やぁっ!!」バキッ!!

 

ジャマトB「ジャアッ!?」

 

ジャマトに攻撃し、少女を守るように立ち塞がる紫と友香。

 

友香「大丈夫ですか?」

 

???「…は、はい……だ…誰、ですか?」

 

紫「私は東雲 紫だ。」

 

友香「浅井 友香です♪」

 

少女に自己紹介した紫と友香は、レイズバックルを取り出し、ドライバーに装填する。

 

 

《SET》

 

 

「「変身。」」

 

「へ〜ん身♪」

 

 

 

《ARMED FAN》

 

《ARMED CROW》

 

 

紫は仮面ライダーギンペンに変身し、2振りのレイズファンを構える。友香は仮面ライダーナーゴとなり、レイズクローを構える。

 

 

《READY FIGHT!!

 

 

突然の出来事を理解できず、戸惑い始める少女。

 

???「えっ、それ…何ですか…?」

 

ギンペン「後ほど話す、後敬語は不要だ。」

 

ナーゴ「見た所、私達と同い年っぽいですからね。」

 

???(えぇ、この人達の方がよっぽど大人っぽいような……)汗

 

ギンペンとナーゴは、戸惑う少女を守る為にジャマトと戦いを始める。ギンペンはレイズファンをブーメランのように投げ、ジャマト達を撃破していく。ナーゴはレイズクローを駆使して、近接戦でジャマト達を薙ぎ倒して行く。

 

 

《FAN STRIKE》

 

ギンペン「ふっ!!」ブンッ!!

 

 

ギンペンはエネルギーを纏ったレイズファンを投げ、残るジャマトを倒していく。後から走ってくるジャマトを、ナーゴが撃破する。

 

 

《CROW STRIKE》

 

ナーゴ「にゃあっ!!」

 

レイズクローから放たれた黄色い衝撃波は、迫り来るジャマト達を斬り裂いた。

 

???「…!!」

 

ギンペン「よし。」

 

ナーゴ「お嬢さん、お怪我はありませんか?」

 

あかね「あ、はい…あの、私『黒川 あかね』って言うの。」

 

ギンペン「では、あかねと呼んで良いだろうか?」

 

ナーゴ「よろしくお願いします、あかねさん♪」

 

あかね(紫さんも友香さんも凄かったなぁ…あの怪物を簡単に倒しちゃうなんて……)

 

知り合ったあかねに、寮の場所を案内して貰った紫と友香は、この世界における重要人物の1人と接触する事に成功した。あかねと別れ、自室へと向かう紫と友香。そこで、またも重要人物と接触する。

 

かな「おっ、新しい住人さん?初めまして、私は『有馬 かな』、何か分かんない事とかあったら聞いてね♪」

 

紫「よろしく、私は東雲 紫。」

 

友香「私は浅井 友香です、よろしくお願いします、かなさん♪」

 

有馬 かな…10秒で泣ける天才子役と呼ばれていた少女。今も芸能活動を続けており、演技の才能は抜群である。この寮で一人暮らしをしており、偶然にもゆかと友香の部屋と近い。

 

かな「二人共、何歳なの?」

 

紫「16だ。」

 

友香「私も16です。」

 

かな「へぇ、じゃあ私よりも後輩ね。まぁ、だからといって敬語は使わなくて大丈夫、折角友達になれたんだもん。」

 

紫と友香が16歳に対し、かなは1つ上の17歳である。かなとすぐに打ち解ける事ができた紫と友香。

 

かな「あっ、そうだ。ねぇ2人はこれ知ってる?」

 

かなはスマホを操作すると、動画を見せて来た。

 

紫&友香「「!!」」

 

その動画を見て、言葉を失う紫と友香。何故なら…

 

 

ナッジスパロウ『人類の皆様、ごきげんよう。私はナッジスパロウ、この街に仮面ライダーギンペンと仮面ライダーナーゴという悪のライダーが現れました。しかし、ご安心ください。このナッジスパロウが、皆様をギンペンとナーゴからお守り致します。何故なら私は拳法の使い手、剣、槍、弓、様々な武器を使いこなす事ができます。もしギンペンとナーゴ、そして奇妙な怪物を見かけたら、この番号にご連絡ください。私がすぐに駆け付けます。』

 

 

その動画には、討伐対象のジャドウライダー『仮面ライダーナッジスパロウ』が映っていたからだ。

 

かな「このナッジスパロウもそうだけど、ギンペンとナーゴ…うーん、よくわかんないなぁ。」

 

紫&友香「「……。」」

 

かな「…ん?紫、友香、どうしたの?」

 

バックルを奪われただけでなく、自分達の信頼を地の底まで落とそうとするナッジスパロウの狡猾さ…紫と友香は、行動で信頼を得ようと誓い、必ずナッジスパロウを撃破してみせるという事を心に誓った。



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41.ジャドウライダーを討伐せよ『ナッジスパロウ編・その3』

最近、この世界ではとある番組が流行り始めていた。それは、『今からガチ恋♡始めます』(通称「今ガチ」)という恋愛リアリティーショー番組で、アクアやMEMちょを初め、芸能界で有名な人物が出ている。当然、紫と友香もこの番組を知っている。何故なら、最近知り合ったあかねも出演するからだ。しかし、この番組に出演しているあかねが炎上してしまっていた。その理由は、共演者である鷲見(すみ) ゆき』の頬に引っかき傷をつけてしまったからだ。これは、あかねの演技であるものの、視聴者にはそれが分かっていない。その為、SNSを中心にあかねに対する誹謗中傷が広がってしまっていた。

 

友香「紫さん、これ…」

 

紫「あぁ、非常事態だな…」

 

これに対してあかねは、SNSで謝罪文を投稿したものの、炎上は治まるどころか悪化してしまった。更に、あかねは学校でも誹謗中傷を受けるようになってしまったらしく、紫と友香がメッセージを送っても既読すらつかない状態になった。

 

友香「あかねさんが心配です、私行ってきます!!」

 

紫「私も行く!!」

 

これはマズいと感じた友香と紫は、急いであかねを探しに向かった。外は既に暗くなっており、大雨が降っていた。何の手掛かりも無い状態で彼女を見つけ出すのは困難だ。だが、情報収集をしている場合ではない。

 

紫(このままではあかねは確実に命を落とす…その前に見つけなければ!!)

 

今でもSNSでの誹謗中傷が続いており、あかねは自殺をする可能性が高い…そう思った紫と友香は、必死であかねを探して街中を走り回る。やがて、大通りにある歩道橋近くに来た時……

 

友香「あっ!?」

 

歩道橋にあかねの姿が見えた。

 

紫「マズい!!」

 

慌てて歩道橋を駆け上がる紫と、紫の後を追う友香。あかねは歩道橋の柵に乗ると、身を投げ出そうとする。そこで、紫があかねを引き寄せた。

 

紫「バカな真似はよせ!!」

 

あかね「…えっ?」

 

困惑するあかねを強く抱き締める紫。

 

あかね「…嫌!!離して!!離してよぉ!!」

 

紫「あかね!私だ、東雲 紫だ!!」

 

暴れるあかねに呼び掛ける紫。それでも彼女はまだ暴れ続ける。

 

友香「あかねさん!!私です、友香です!!」

 

友香が彼女の前に出てくると、あかねは漸く大人しくなった。

 

あかね「……紫ちゃん…友香ちゃん……なんで…?」

 

紫「メッセージを送っても既読すらつかなかったし、もしやと思ったんだ…辛かったんだろう?」

 

そのタイミングで、星野 アクアがやって来た。

 

アクア「…黒川 あかねの知り合いか?」

 

友香「はい、そうです。浅井 友香と申します。」

 

紫「東雲 紫だ。」

 

アクア「…助かった。」

 

続いて、警察官がやって来る。

 

警察官「ちょっと君たち!!危ないでしょ、あんなところに…何してんのさ!?」

 

 

 

その後、あかねは無事に保護され、警察署にて事情聴取を受ける事になった。友香と紫も同行した。声を上げて泣くあかねの側には、あかねの母親がいた。

 

あかね母「娘からは、番組は見ないでと言われていて…私はネットにも疎く、こんな事になっていたなんて……どうして話してくれなかったの!?」

 

あかね母は目に涙を浮かべながら、娘に問い掛ける。

 

あかね「だって…心配掛けたくなかったからぁ……!!」

 

あかねは母に心配を掛けたくないと思い、1人で抱え込んでいたのだ。母だけでなく、友人にも心配を掛けたくなかった。

 

紫「…あかね。」

 

友香「…あかねさん。」

 

外で彼女の叫びを聞いていた紫と友香は、言葉を失っていた。

 

紫(恐らく…あかねはまだ、私達に心を開けていない……)

 

友香(ましてや、知り合ってばかりですし…お互いの事をあまり知れてないですし、尚更言えませんよね……)

 

もう少し早く彼女と知り合っていれば…そう思い、俯く紫と友香。

 

ミヤコ「呼ばれた時には色々覚悟していたけど、よくやったわ。」

 

アクア「俺じゃない、助けたのはこの2人だ。」

 

やって来た女性斉藤(さいとう) ミヤコ』に説明するアクア。

 

ミヤコ「貴女達だったのね、初めまして。私は苺プロダクション社長『斉藤 ミヤコ』です。」

 

紫「お初にお目にかかります、私は東雲 友香です。」

 

友香「同じく、浅井 友香です。」

 

ミヤコに簡単な自己紹介を済ませた紫と友香。

 

紫「誰かが悲鳴を上げたら、助けなければ手遅れになってしまう…あかねは私にとって、大切な友人だから……」

 

友香「友人であってもそうでなくても関係ありません…綺麗事に聞こえてしまうかも知れませんが、困っている人を助けるのは当たり前の事です。」

 

友達だから、ファンだから…そういう問題ではない、本気で困っている者には手を差し伸べる。それが、紫と友香のポリシーなのだ。そこに、今ガチの共演者達がやって来る。取り調べ室から出て来たあかねに声を掛ける。

 

ゆき「あかね!!」

 

ゆきは思わず、あかねの頬を叩く。

 

あかね「ッ!?」

 

ゆき「うっ…うぅ……なんで、こんなに心配させて……」

 

ゆきは涙を流しながら、あかねを抱き締める。

 

ゆき「何でよもう!!相談してよぉ!!」

 

あかね「…ごめん……」

 

MEMちょ「…えっと、そちらのお二人さんは…もしかして、あかねの友達?」

 

紫と友香に目を向けるMEMちょ。

 

紫「東雲 紫です、あかねの友達の…」

 

友香「同じく、浅井 友香です。」

 

MEMちょ「そうなんだ…私はMEMちょって呼ばれてる。あかねを助けてくれてありがとう!!」

 

ゆき「あっ…そうだよ……私は鷲見 ゆき…紫さん、友香さん……ありがとう、あかねを助けてくれて…クスンッ…ありがとう…!!」

 

紫と友香にお礼を言うMEMちょとゆき。

 

ケンゴ「俺は『森本 ケンゴ』、東雲さん、浅井さん、あかねを救ってくれてありがとうございます!!」

 

ノブユキ「俺『熊野 ノブユキ』、あかねを助けてくれてありがとうございます!!」

 

白髪の男性『森本 ケンゴ』と、黒髪の男性『熊野 ノブユキ』も、紫と友香にお礼を言って頭を下げる。

 

友香「そ、そんな…顔を上げてください…!!」オロオロ

 

紫「困っている者には手を差し伸べる。それが、私達のポリシーです。」

 

戸惑う友香とは反対に、冷静な紫。

 

友香「あっ、そうです……あかねさんあかねさん。」

 

すると、友香はワイヤレスイヤホンを1つ取り出し、あかねに手渡した。

 

あかね「…?」

 

友香「目を閉じて聴いてみてください。」

 

あかねがイヤホンを装着すると、優しくも壮大さを感じさせる和風チックな音楽が聞こえてきた。(イメージ…信長協奏曲『by Mr.Taku Takahashi』)

 

あかね(何だろう、この曲……何だか、切ない…でも、心地良い……)

 

目を閉じたあかねは、ゆきに抱き締められ、温かさを感じ始める。そこに、心配して駆け付けてくれた仲間たちの顔を思い浮かべ、目に涙を浮かべる。

 

友香「目を開いてみてください?」

 

友香の言葉を聞き、目を開くと…自分に優しい笑顔を向ける仲間たちの顔があった。

 

友香「例え世界中が敵になったとしても…音楽はいつでも、貴女の味方です。ほら、ここに居る人達も皆…貴女の味方ですよ。」

 

あかね「…!!」

 

ゆき「あかね…友香さんの言う通りだよ、困った時にはいつでも相談して?少なくとも、ここにはあかねを責めようとする人はいないから。」

 

MEMちょ「そうだよあかね!!私にも何かできることがあったら言って?」

 

メンバー達の温かい言葉を聞き、再び涙を溢すあかね。そんな時……

 

「な、何なんだお前達は!?ぎゃあっ!?」「おい、大丈夫kぐあっ!?」

 

ジャマト「「「ジャジャッ!!」」」

 

何やらペンライトを持ち、赤や青、黄色のハチマキを頭に巻いており、I LOVE ジャマトという文字がプリントされたTシャツを身に着けたジャマトが現れた。

 

ノブユキ「うぉっ!?何だよあれ!!」

 

ケンゴ「な、なんかヤバくないか…?」

 

現れたのはポーンジャマトの派生『ドルオタジャマト』だ。

 

紫「こんな時にジャマトか!?」

 

メンバー達の前に立ち塞がる紫。その時、友香が前に出て、こう言った。

 

友香「皆さん、私に任せていただけますか?」

 

ゆき「えっ…友香さん、危ないよ!!」

 

MEMちょ「そ、そうだよ!!逃げたほうが良いって!!」

 

友香「大丈夫です、必ずやっつけますから。」

 

友香はデザイアドライバーを装着すると、レイズバックルを取り出す。それは、ピアノの鍵盤にディスクのような物が着いているのが特徴の大型バックルだった。鍵盤を押した後、すぐにドライバーにバックルを装填する。

 

 

《SET》

 

 

音声が響き渡ると、友香の背後に『BEAT』という文字が出現する。

 

MEMちょ「えぇっ!?な、何!?」

 

ゆき「ゆ、友香さん…!?」

 

ノブユキ「えっ、それなに?」

 

ケンゴ「ま、まさか…」

 

戸惑うメンバー達を背後に、変身ポーズを取る友香。

 

 

友香「へ〜ん身♪」

 

 

その後、バックル上部のディスクをスクラッチする。すると、アーマーが形成され、友香を仮面ライダーに変えて行く。

 

 

《BEAT!!》

 

 

それは、上半身が音響機器を彷彿とさせる姿で、エレキギターのような拡張武器『ビートアックス』を装備した姿、仮面ライダーナーゴ(ビートフォーム)であった。音楽を愛する友香の思いが、力になった瞬間である。

 

 

《READY? FIGHT!!

 

 

ナーゴ「仮面ライダーナーゴ、行きます!!」

 

ナーゴはビートアックスを握ると、ジャマト達に向かって走る。襲い来るジャマト達に蹴り技で応戦した後、アックスに着いているドラム型調律装置『エレメンタドラム』を1度押す。

 

 

《ROCK FIRE》

 

 

そして、ギター演奏を開始すると炎を纏った音符が出現し、ドルオタジャマト達に向かって飛んで行く。

 

紫「…友香…!!」

 

ケンゴ「浅井さん…スゴい…!!」

 

ナーゴ上半身の胸部に音を増幅してスピーカーと腕部のエフェクターが音楽を増強させ、敵にダメージを与えている。

 

ナーゴ「…ふふっ♪」

 

ナーゴはあかねの方を向くと、楽しそうにギターを演奏する。その間にも炎を纏う音符達がジャマトを攻撃する。

 

MEMちょ「おぉ〜、友香ちゃんスゴいよ!!」

 

ゆき「あかね、友香さんカッコいいね!!」

 

あかね「…うん…うん…!!」

 

アクア(浅井 友香…ナッジスパロウとは違うみたいだ。それは東雲 紫もそうだろう……)

 

歓喜する女性陣とは反対に、冷静にナーゴと紫を分析するアクア。どうやら彼も、ナッジスパロウの事を知っているようだ。ナッジスパロウはナーゴとギンペンの信頼を無くすために、動画を出している。しかし、今のナーゴを見て敵とは思わなくなっていた。すかさずナーゴは向きを変えると、ビートアックスをアックスモードとして持ち変える。その後、アックスに着いているインプットリガーを引くと、刀身に炎を纏わせる。

 

 

《TACTICAL FIRE》

 

ナーゴ「にゃああああぁぁっ!!

 

 

ナーゴは雄叫びと共に、ドルオタジャマト達を1振りで斬り払った。ナーゴの勝利である。

 

 

友香(例え世界中が敵になってしまったとしても……音楽だけは、いつまでも…貴方の味方です。)

 

 

曲を演奏しながら勝利を掴んだナーゴ(友香)は、スッキリしていた。

 

紫「よしっ!!」

 

MEMちょ「やったぁ!!」

 

ゆき「友香さんが勝ったんだ!!」

 

あかね「スゴいスゴい!!」

 

ケンゴ「やった…怪人を倒した…!!」

 

ノブユキ「よっしゃあ!!」

 

ナーゴの勝利を見たメンバー達は喜んだ。アクアとミヤコを除いて……

 

ミヤコ「アクア…あの仮面ライダー、悪者ではなさそうね。」

 

アクア「分かってる、多分…東雲 紫も浅井 友香同様……仮面ライダーだろう。あの怪物が出て来た時、誰よりも冷静だった。」

 

ミヤコ「成程ね。そうなると、ナッジスパロウは……」

 

アクア「あぁ、向こうが悪だろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳳翔鈴「ジャマトがやられましたか…ちっ、雌豚4匹が死ぬチャンスだったというのに……仮面ライダーナーゴ…邪魔してくれましたね。」

 

その頃、鳳翔鈴はスマホを眺め、舌打ちをした。モンスターバックルである寝坊助の世話にはまだ慣れていないものの、段々コツを掴めてきている様子。コツというより、アクアと自分の間に出来た子どもだと思い、前向きに子育てをしているようだ。

 

鳳翔鈴(次は私が直接相手になりましょう。格の違いを見せつけてやります…フフフフフフフフ……)




「ほら、音楽は味方です。」

【ONE PIECE】の登場キャラ『ブルック』の台詞で、一番好きな言葉です


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