ニーゴメンバー救出RTA (邪魅魔魅)
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アホの申し子爆誕

勝利条件

奏が狂ったように曲作りをしない
まふゆが普通に生きられる
絵名が絵の高校に受かる

敗北条件

奏の父の入院
まふゆの感情の消失
絵名が受験に失敗

尚、瑞希は「ほぼ」無理ゲーとする。


て事で!ニーゴメンバー救出RTAの説明がはじまるよ!

 

まず、ニーゴとは。

 

今話題の音楽ユニット、「25時、ナイトコードで」の略称です。彼女らは全員高校生ながら卓越したMV、一曲一曲にジャストでハマるイラスト、斬新な構成と何故か心惹かれる暖かい曲により若者の間で話題になっています。

 

そして、その中のメンバーの一人、「朝比奈まふゆ」に関しては子供の頃にやりたい事を我慢させ続けてしまうなどすると、高校生の時点で感情、味覚、最悪痛覚の消失が起き、消えたいと願うようになってしまいます。

 

それじゃあストーリー通りに行くから問題ないじゃん、と思うかもしれませんが、そもそも感情とか無くしてる時点でアウトなんです。

加えて睡眠時間の欠如と過剰なストレスにより、早死にします。

ストーリー通りに行くと、ニーゴ自体が有名なグループになった全盛期でぽっくりします。

 

他のメンバーに関してはまだ優先度は低いです。奏は中学生中盤ほど、絵名も同じくらいからでしょうか。

 

瑞希に関してはもはやどうしようもないです。瑞稀を救出するのはほぼ無理ゲー。というか、救出される頃には私、この世からおさらばしてるので(白目)

 

なので、関われる人が多い朝比奈家に生まれることがほぼ決定されます。

名前は…「朝比奈ほたる」とでもしましょうか。略称は朝比奈の「あ」とほたるの「ほ」からとってアホちゃんです。

 

では、ニーゴメンバー救出RTA!はじまるよ!

 

 

 

 

 

「おんぎゃああああああああ!!!!!」

 

アホちゃんこと私がこの世に爆誕。成長するまで早送りしながら一旦お話を挟みます。

 

(早送り中〜)

 

進むまで特に話すことないんでIFルートでも話しますかね。

まず、宵崎家に生まれた場合ですが、父親のメンタルケアをしたり、思い切って病気が悪化する前に病院に連行すれば父親は寝込むことはなく、奏は確定で救えます。

 

しかし、この場合はまふゆがほぼ無理ゲーとなります。まず勉強が出来る上に素行の良さなどを認めてもらえないと話すらさせてもらえない、親の考え方を口出しした時点で接触を断られるなど、詰みです。マヂ無理…

 

東雲家に生まれた場合。絵名の絵の上達の手助けをするために父親に対して反発する、もう少しレベルの低い絵の高校へ誘導するなどすれば問題無しです。なーんが選んだとこハイレベルだったしね!しゃーなし!

 

しかし、この場合はまふゆが(以下同文)

 

暁山家に生まれた場合。小さい頃から瑞希の性別に対しての違和感を肯定し続けるしかないです。また、万が一男版瑞稀にエンカウントできたとしても、瑞希が性別に違和感を持つのは変わりません。

瑞稀が救出されるのはほぼ無理でしょう。

 

しかし、この場合(以下同文)

 

とまあこんな所でしょうか。ちなみに、どんな結果になったとしてもニーゴはほぼ100%出来ます。

 

ニーゴが出来ない確率は絵名が絵ではなく歌の道に行った場合や、超低確率でユメユメジャンプができた時、またはハピネス戦隊が結成された場合のみです。

 

他にも彰人ニンジン嫌い克服チャレンジした人や推しキャラ結婚RTAをした人もいましたが、一番腰を抜かしたのはレオニ完全救出ルートで行ったjujuさんですね。

 

まず、咲希の病気を小さいうちからほぼ完治させました。その結果、咲希が学校に通うことになるのでレオニメンバーはずっと仲良しになります。

 

加えて、卓越した演奏技術をエレキギター、ベース、ドラム、シンセで持ち合わせ、中学のうちからレオニメンバーをそれぞれ育成。そして、高校生の時点で日本を代表するユニットにしました。

 

レオニ救出RTAとしては満点中の満点ですが、恐ろしいレベルの知識と技量が必要になります。

 

まず、咲希の病気を治す点についてですが、医療知識が無ければ不可能なんじゃないですかね(適当)

 

次に、演奏技術についてですが、一つの楽器を極める事でも果てしない上、それを何個もというのはほぼ無理ゲーです。

 

加えてスカウトされるほどのルックス、才能、センス、人格などを持ち合わせていないと不可能です。

リセマラしないと無理です。ついでにメインキャラ以外の苗字にしたら高確率でブスになります。

 

うーん、そりゃあ運営からキチ○イって言われるわけだ。なにせjujuさん100周ほどしてるし。馬鹿じゃねえの!愛の力ってか!おめでとう!

 

おっと、どうやら私が小学2年生になったようです。では、早送りを中止して本編を戻りたいと思います。

 

(早送り停止)

 

「まふゆ、ほたる、遊園地は人が多いからね。お母さんからはぐれないように注意しなきゃダメよ?」

 

「うん!おかあさん、つれてきてくれてありがとう!」

 

「ひとがいっぱい…!マジワクワクっ!!」

 

おっと、どうやらまふゆとアホちゃん、母親と遊園地のフェニックスワンダーランドに来ているようです。

 

余談ですが、フェニックスワンダーランドの売り上げを繁盛させて、打倒ネズミの王国壊滅ルートにした人もいました。その場合は苗字を鳳にするのが手っ取り早いですね。

 

さて、話は戻ります。ここは適当に相槌でもしておきましょう。

いやはやまふゆちゃん壊れる前はこんなに笑ってるんですね。ちょっとストーリーのアレにしたのはもはや虐待ですよ。引いちゃうわ(恐怖)

 

「あら、おいしいって評判のチュロスがあるわね。食べてみましょうか」

 

ん?母は甘いものに目がないのか?腐っても女性って事か。

腐っても。

 

チュロスの売店に着きました。がしかし、わりと並んでますね。

 

「まふゆ、ほたる、並んでるから待つことになるけど大丈夫?」

 

「うん!遊園地、見てるだけでたのしいもん!」

 

「わたし、チョコあじたべたい!スイートなやつ!でへへへ!!」

 

ここで一つ提案をしてみます。ここで乗るようなら割と早く進めるのですが…

 

「プレーン味でいいわね?」

 

sit!

 

「私プレーンあじでもいいよ!」

 

まふゆ姉、食べたいのはきっとクレープピザ味のチュロスだろう。

しかし、これで楽な道はなくなりました。ストーリー通りのまふゆママです。

 

アホちゃんは どうする?

 服従

→抵抗

 

「ほたるチョコあじがいい!ママもチョコすきでしょ!コチョコチョ!」

 

「確かにお母さんはこちょこちょは弱いわ。けど、…ねえ、ほたる。一つ聞いてもいい?」

 

引っかかったなバカめ!

 

「どうしてお母さんの言うこと聞けないの?」

 

「チョコあじ、さとうあじ、プレーンあじ、全部おねだんがいっしょ!だからえらんでもいいのかなっておもった…マス」

 

ヤッッベエ。チョウこえええ…これは精神崩壊しそうだ!出してくださいよ!ねえ!

 

「…そう、ほたるは頭がいいのね。でも、お母さんを困らせる悪い子にはなってほしくないわ。お母さんを、悲しませないでね」

 

「わかりましたます!」

 

「そう、なら二人ともお母さんから離れないで待っててね」

 

「「うん!」」

 

こうやって、支配してきたんか。私はもう胃からビームでそうです。

 

おっと、姉ちゃんがアホちゃんに接近!

 

「ほたる、何でお母さんにもんくいったの?お母さんのいうことは聞かなくちゃ!」

 

「ほたる、チョコあじ食べたかった!姉ちゃんは食べたいあじがない!姉ちゃんは自分の食べたいのとかいって!」

 

「うーん、じつは…その…さとうあじ食べたかったの…」

 

と、もじもじするまふゆ姉。カッワイイ!

 

それはさておき、まだまふゆが自分のやりたい事などが両親を除いてハッキリ言えている時期です。

 

今のうちに興味を引くようなもの仕込みます。

 

 

 

時は流れ、まふゆ小学6年生。宮女への受験を両親が薦めてきます。

あ、アホちゃん(11歳)はリビング前で隠れて聞いています。

 

「ねえまふゆ。行きたい中学校はあるのかしら?」

 

「うん!神山中学校がいいの!」

 

「それは…どうしてかしら?」

 

「お友達と一緒がいいからかな」

 

おっと、絶対その友達について言ってくるぞ言ってくるぞ〜…

 

「そのお友達は勉強は出来るのかしら?」

 

計 画 通 り(ライト顔)

 

まふゆとアホちゃんはもう塾に行かされていて、小学生のテストは全て満点です。加えてまふゆは中学生の勉強も開始しています。まだ小6の春だぜ!イカれてやがるぅぅ!!

 

「うーん、勉強が出来ない訳じゃないけどすごく仲良し!」

 

「そう、でもお母さんは頭のいい子達が友達だったわ。その方がお互いに切磋琢磨出来るもの」

 

「え…えっと…」

 

「そうだ!宮女なんてどうかしら!制服も可愛いし、きっと頭のいい子もたくさんいるわよ!」

 

「で、でも…」

 

「でもまふゆはその子達と一緒にいる方がいいのよね。それでもいいわ。でも…」

 

と、まふゆママがまふゆに近寄る。

 

「お母さんの事、悲しませないでね」

 

「う、うん…ちょっと時間頂戴。お母さん」

 

「ええ。それまでに決めておいてね」

 

足音が聞こえます。恐らくまふゆ姉が私のところへ来るのでしょう。

 

「ほたる、ちょっときて」

 

手を連れられ、私たち姉妹の部屋へと入ります。

 

「私、神山中学校がいいの。でもお母さんが…」

 

「宮女に入れって言ったんデショ?ワンダショ!わんだほぉぉい!!」

 

「うん。だから、私何て言おうかなって」

 

まふゆ姉は自分の判断に困るとアホちゃんに頼る癖ができかけています。

 

アホちゃんは どうする?

 

 宮女へ行け

 神山中学校へ行け

 

選択肢ねえな。どういうことだよオラっ!第三の選択肢ィィ!!

 

→自分はどうしたい?

 

「姉ちゃん、自分はどうしたい?」

 

「私は…神山中学校に行きたい」

 

「なら、そのまま言えばいいと思うよ。だって、姉ちゃんの人生は姉ちゃんが決めるのよ!」

 

「でも、お母さんが私が神山中学校にいくと…」

 

「困るんだって?うるさーい!親はね、子供の言うことを応援してあげるのが普通なの!ほら行ってら!」

 

と、私は背中を押します。まふゆは振り返って

 

「うん!言ってみる!ありがとうほたる!」

 

その後、数分にも及ぶ会議の末、まふゆの神中行きが決定しました。

あのロリまふの笑顔!はなぢヤバい!

 

 

 

 

 

いやー成功しました!

まふゆが看護師になりたいと考えているのなら宮女へ勧めていました。

 

本編通りでは、まふゆは親は反抗しませんでした。しかし、現時点では自分の意思を親にしっかりと言えていて多少の反抗期があるので危険性は薄まりました。

 

さて、私は絵の教室に通っています。それはもちろん絵名との接点を作るためです。

 

あ、ちなみにママさんやパパさんが、勉強に支障が…絵を描いても将来には…とか言ってましたが、中学での美術の評定を上げるため、勉強は努力でなんとかなるけど、美術的な考え方や技術は教えてもらわないと身につかないと思う、って言ったら承諾してくれました。

 

それっぽい理由つければチョロいですね。

 

「ほたるって本当絵上手いわよね。年下なのにちょっと嫉妬しちゃうわ」

 

私はある程度走っている中堅走者ですが、なーん推しなので絵の技術はほぼ極めておきました。今は猫かぶってるので絵の先生からはまあまあな扱いです。利き手で書いてないし。

 

「私は気ままに描きたいだけなのよ!どりゃあああ!!!!」

 

と、鉛筆をマッハ20で走らせます!ヌルフフフ!!書くのはえななんさんですよ!まずは顔!

 

「えっ!これ私⁉︎すごい!でもなんだか色っぽい気が…」

 

「まだだ!まだ終わらんよ!でりゃあああああ!!!」

 

「ちょっと待って⁉︎なんで私裸なの⁉︎お願いやめて!!!」

 

と、それはそれはナイスバディなえななんを描いていたら鉛筆と絵を没収されました。後ろの男子達も釘付けでした。

多分、売ったら高額で売れるんじゃないかな…

 

「はぁ…ねえほたる、私の話聞いてくれる?」

 

「いいわ」

 

「私、画家になりたいの」

 

「素晴らしい!」

 

「でもね、お父さんがやめとけって…」

 

「なら、ほたるが教えよう!それで見返すのよ!父を!世界を!抗え!戦え!生き残れぇ!」

 

「そ、そこまでしなくても…でもいいわ。お願い」

 

この後はスパルタ教育を施していきました。ヒイヒイ言わせるつもりでしたが、ついてきました。がんばれえななん!時間がないぞ私には!




一応説明
アホちゃん(朝比奈ほたる)
まふゆより色素の薄い紫の髪と瞳で、姉に引けをとらない美人。彼女と話したものは揃って「思ってた人と違う」と言うそう。
RTA中堅者。憧れている走者はエイルさんで、日本の挨拶を「わんだほーい!」にした。職業は大統領。

まふゆ(朝比奈まふゆ)
アホちゃんに段々性格が似てきている。アホちゃんが姉に色々教えたおかげで多趣味となっている。
最近はアホちゃんとファッションコーデし合うのが楽しみ。

ママさん
本編よりもの分かりがよくなっている。案外チョロい性格をしている。
恐ろしくも美しい。


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まふゆ?性格変わっちゃったけどごめーんね。

現時点での敗北条件

奏の父の入院
絵名の受験失敗

多機能フォーム使いたいんですけどどうしたらいいんですかね。
今更思ったんですが、朝比奈家結構な頻度でssにいますね。

次はレオニにしようかな…?


こんニーゴッッ!!ニーゴメンバー救出RTA!また始まるよ!!RTA要素ないよ!っていう質問は受け付けません!

アホちゃんは中学一年生!そんな私は今中学校の休み時間にて!

 

「ねえ朝比奈〜。ボクの絵描くのやめてって言ったよね〜?」

 

「む!殺気!」

 

絵を脇に抱えて鉛筆を持ち逃走準備!グラサンスーツが追いかけてくる!

がしかし捕まりました。賞金獲得ならずか。

 

「瑞希。私は瑞希を描いていない!ただの線!」

 

「でもこれボクでしょ。なんで髪長いかな。ボク男なのにさ」

 

瑞希ちゃんです。瑞希ちゃんのナイスバディなヌードを描いていたら没収されました。

今の瑞希は自分の姿を変えることに自信がないです。しかし、髪の毛はボブくらいはあります。

 

あ、女の子…ん?女の子?ちゃうくない?くらいの見た目ですね。

 

「瑞希。アホちゃんはなぁ、瑞希を救いたいんだお」

 

「…何言ってんのさ!アハハハ!!」

 

「という訳で⁉︎アホちゃん家にくるが吉!」

 

「え?ちょっと…」

 

「うるさーい!来いって言ったらくるの!いいよ!こいよ!」

 

 

 

 

私が選んだのは瑞希ちゃんのいる中学です。

私としては尊い屋上組に邪魔をしたくないのですが、どうせ授業を受けている時に屋上に二人ともサボっているので屋上組が出来るのは確定演出です。あのストーリー泣くよね。よよよ。

 

さて、瑞希ちゃんのいる中学校にいった時点で奏との接点を作れません。が!しかし。手は打ってあるっ!

 

「お母さん!ただいま帰ったかもよ!」

 

「お、お邪魔します…」

 

「おかえりほたる。…あら?その子は?」

 

笑顔だった顔が一気に(・・)無表情に。怖え!母ながら怖え!

 

「お友達の瑞希!私くらい頭良いの!なのにね、あまり勉強してないんだって!だから効率的な覚え方のレクチャーをコーチングしてくれるの!」

 

「あら…そうなの!いらっしゃい瑞稀さん!お茶は緑茶でもいいかしら?」

 

ママさん、頭がいいって分かった途端に顔が変わりました。チョロいな。

 

「は、はい。お茶とかもらって大丈夫ですか?」

 

「ええ。娘の友達だもの」

 

「そうですか…ありがとうございます」

 

「そんじゃ!私の部屋に行こーう!」

 

「その前に、ほたると話させてもらっていい?ほたるの部屋はそこ階段を登ってすぐに右側だから」

 

おっと?不吉な予感…

 

「分かりました」

 

と、瑞希が階段を登り、ガチャと扉が閉まった音がします。

 

「さて…」

 

おっと?ママさんの雰囲気が一変した。なんで?

オーラ見えるよ?スタンドくる?

 

「あの男の子とはどんな関係なのかしら?ほたる」

 

あ…

しまっったああああああ!!!瑞稀が男って事忘れてたアアアア!!!

ぐるぐると回る私の脳!GFで出荷出来るレベルだぞ!

 

「学校でのお友達!彼氏じゃないよ!私、最低でも五ヶ月以上関わってて、お金持ちじゃないと付き合わないって決めてるもん!」

 

「…えっと…そう。ならいいわ。えっ…いいのかしら…?まあ、行ってきなさい」

 

なんか引かれてない?

 

「うん!ありがとうお母さん!」

 

と、階段を登り部屋へと帰ります。

 

「あ、朝比奈。この部屋凄いね!色んな服とか絵とかいっぱいで!」

 

「ホッとするぜい…怖かったお」

 

マージで怖かった。

そういえば、成長するにあたって部屋を分けてくれました。しかし、その理由は絵名との特訓で描いた絵を飾りまくったからです。

 

姉から苦情が来ました。なんで裸の絵ばっかなの?って。ンー、ちゃんと言ってくれるあたりは順調です。

ちなみに、歴代でも五番目のタイムです。

 

ちなみに、歴代最速タイは木魚さんです。私と同じように朝比奈家に爆誕して、幼少期から4人と関わり、20歳で完走しました。

 

「ああ、この部屋いーでしょ。でもこの絵は私が描いたやつ」

 

「え⁉︎絵上手いなーって思ってたけどこれだけとは…ん?この絵ってオークションとかで買ったの?」

 

と、瑞稀が持ったのは恐竜の上にライオンが乗っていて、その上に人間が乗っている絵。

 

「ああこの絵を描いた人は朝比奈ほたるって言うらしいんだよね」

 

「へえ…って、朝比奈が描いたの⁉︎」

 

「徹夜して5日で描いた。翌日は腕とか色々フルバーストしたよね」

 

「わあ…」

 

なんか引かれてない?

 

「って、違う違う!私、ほたるに勉強教えるなんて…!」

 

「アホちゃんはなぁ、コーディネイターもいいかもしれないって思ってるんだお」

 

「う、うん。いい目標じゃん」

 

「お主はその実験台だ。さあ、まずはこれとこれを着てらっさい!」

 

と、ワンピースとセーターだかなんかを持たせてアホちゃんは外に出る。

 

「ちょ、ちょっと待って!ボク女の子の服なんて…」

 

「アホちゃんはなぁ、色々見てるんだお」

 

「見てる?」

 

「うん。私はね、自分でいうのもアレなんだけど人を見る目があるんだ。数分話しただけでどんな人か大体分かるの」

 

「…」

 

「でね、隣の席にきた瑞希と話した時に色々分かったんだ。『何か』が苦しい。辛い。消えてしまいたいって思ってるのが。言葉の節々や僅かな視線、雑誌の見ている所、歩き方や話し方も全部」

 

「…で?朝比奈は何がしたいの?」

 

Wow!瑞希の確定演出きたアアアア!!声が低い!今のところは順調ですよ!

ニコニコ笑っていたのが一変して恐ろしいほどの無表情になっています。

 

「瑞希の事は変えられないし変えなくてもいいと思うんだ。今時ジェンダーで差別している国は日本くらい。だから、レボリューションしなきゃだね」

 

「だから!何がしたいかって…!」

 

「まあまあ、私が何を成し遂げるかはお楽しみなんだお。その為に瑞希は準備をしなきゃいけない。そこで歩けるように。笑えるように」

 

「…?」

 

まあこのまま話しても埒が開かないんで進めますか。

 

「曖昧にしてもアレだし、直でぶつけるよ。いい?」

 

「…いいよ」

 

「瑞希は自分の性別に違和感がある。それは合ってるかな?」

 

「…合ってるよ。それが何?なんなの⁉︎朝比奈もボクの事バカにするの⁉︎」

 

この時は叫んでいますね。

下手したら殴ってきそうな勢いですが、ひるみません。

おうじゃのしるしチラチーノには負けますがね!

 

「自分を好きになって。それが私のお願い」

 

「自分を…好きに…」

 

「私は人が性別に違和感を持つのは仕方がないし、それを否定したりはしない。むしろ、その壁を乗り越えた先に本当の自分がいると思ってる」

 

こんな風に長々と話してていいのか?タイム大丈夫なんか?という読者に答えましょう。いきなり女装させてはい歩けーって、なっても溝が深まるだけです。

 

「急がば回れ」ってやつですね。

 

「…ねえ、ボクって朝比奈の何?」

 

「友達。言ったでしょ。『人を見る目がある』ってさ」

 

「…はぁ…分かったよ。朝比奈がボクの事バカにしないって分かったし」

 

なんとか納得していただけたようです。

 

「バカにする訳ない。ウサインボルトが急に水泳選手になるくらいない」

 

「確かにそれはないかもね!」

 

「つー訳で、そろそろママンがくると思うから勉強教えてるふりしといて」

 

「任せて!」

 

ママさんのバッドアイを乗り切り、瑞希を着せ替え人形にしました。

瑞希は、それはそれは解放されたような笑顔で着せ替えられていました。

 

 

 

 

私は今ある人へ会いにいっています。誰だ!誰だ!誰だ〜!

 

「宵崎先生。この曲のイントロのグルーヴがメタモルフォーゼするのはどういった味を占めてるんですか⁉︎」

 

「…?えっと…うん。そこはね…」

 

デデン!奏パパです。曲が好きだから作曲を教えてほしい、と事務所に突撃しました。それも受け入れる広い器!私じゃできない事をやってのけるッッ!

 

「ほうほう…なるほどなるほど。為になりました。ありがとうございます!」

 

「いいんだ、時代遅れとか言われている僕の曲を好きって言ってくれている。それだけで僕は嬉しいんだ」

 

「時代遅れではありません。ジェネレーションが先生に追い付けてないのです」

 

「ハハハハ!」

 

ちなみに、奏パパの曲は奏と同じく暖かみのある優しい曲となっております。ゆったりしているのでカラオケで非常に歌いやすいです。

 

「…少し、話を聞いてくれるかい?」

 

「ご遠慮なく」

 

「僕には、ほたるくんと同じくらいの娘がいるんだ。娘には作曲の才能が君と同じくあるらしい。良かったらでいいんだけど、会ってくれないかな?多分ほたるくんにとっても、娘にとっても、いい出会いになるはずだ」

 

来たアアアアアアア!!!!エンダァァァァァァァイヤァァァ!!!!

失敬、取り乱しました。

 

まあこの為です。

手順としては、

1.奏パパに突撃

2.奏パパに憧れて作曲した曲と言って曲を聞いてもらう

3.弟子入りする

 

ですね。弟子入りはオッケーしてくれました。なんでも、僕の曲と新しい曲がミックスされたようで僕も為になるとか。

 

まあ、弟子入りの件に関しては、折れてくれたと言った方が正しいです。週一回、勉強すると言ってここに来て作曲を教えてもらってます。

 

まあ好印象与えて気に入ってもらうのが王道です。ソープです。

ちなみに時代遅れと言われているのは、過去にあったメロディーなどをアレンジしたものが多いからですね。

 

「私としてはお友達が増えるのは嬉しいですね。フッフッフ…どんな絵にしようかな…!」

 

「よし、なら僕についてきてくれないか。ああ、でもほたるくんの両親に連絡を…」

 

「連絡はやめた方が吉と出ましたね。いきましょうか」

 

 

 

 

宵崎家ェェェェェ!!!ここまで良くやった!!!

 

「奏。ただいま」

 

「お邪魔します」

 

とてとてと中学生の奏が駆け寄ります。なにこの保護動物。尊死。

 

「お帰りお父さん。…その人は?」

 

自己紹介するか。控えめでいくか。(派手にかまそう!)

 

「どうもこんにちは!絵に愛され、絵を愛した女の子!アホアホ星のスーパープリンセス朝比奈ほたるちゃんだよ!よろしくね!」

 

「えっと…宵崎奏。よろしくね」

 

と、握手します。ふへへへ…可愛い…

 

「ああ、少し時間が欲しいだろう。すまないけど、ほたるくんはここにいてくれないかな。奏と少し話をしてきたいんだ」

 

「合点承知の助」

 

奏パパは奏を連れて部屋に入ります。

 

このうちに整理しておきますか。

 

まふゆ現在中学2年生。ストーリー通りに行く可能性はほぼないです。なんだか趣味が多くなってきました。料理にファッション、外国の観光スポットをノートにまとめたりとか。

 

絵名も中学2年。絵に関しての技術や思考、表現力は私には及びませんが、大分身についてきました。

このままいけばストーリ通りの絵の高校にいけそうです。

 

実際、東雲家に遊びに行って、偶然休みだったパパなんと会った時に

 

「絵名に絵を教えているのは君か…絵名に見せてもらったが、素晴らしい構図、色彩、斬新な発想。是非絵を見せて頂きたい」

 

との高評価頂きました。

 

せっかくだし、パパなんのムキムキマッスルな絵をその場で描いたらやめてくれって言われました。あんな顔するんだね。

 

あ、そうそう。称号「絵画卓越者」をもらいました。

これはパパなんに絵の技術を認められるともらえる称号です。

絵に関する能力が20%アップする破格の称号です。もう絵で食っていけます。

 

瑞希はこれからなんとかしていきます。まあ小さい頃からちまちま発信はしてはいますが。

 

私の現在の見た目は、薄い紫色色の髪をポニーテールでまとめています。

スカウトとか良く来ますが、自己紹介したら離れていきました。なんでてますかね。

 

おっと、戻ってきましたね。

 

「分かった。ほたる…さんでいいよね?」

 

「呼び捨てでお願い!」

 

「う、うん。それじゃあほたる。私が作ったのを聞いてほしいな」

 

「ありがとうございます!」

 

奏ちゃんの曲を聴きました。確かに米○玄師みたいに斬新な曲を作りますね。これはヒットするわ。

 

 

 

 

曲も聴き終わってお話したり、遊んだりして帰る時間。私は身支度を済ませて玄関にいます。

 

「ねえ、ほたる。私から頼みがあるんだ」

 

「聞こうじゃないか!」

 

ジャージの裾をつまみながらもじもじする奏。うーん、可愛いぞ!

 

「えっと…また遊んでもらってもいい?」

 

「是非もなし。先生!また遊びに来てもいいですか?」

 

奏パパは何故か目元を摘んで上を見ています。

 

「ああ…うん…いいよ…」

 

「お、お父さん…?」

 

奏パパは少し潤んでいる目を私に向けました。

 

「家でよければいつでも遊びにおいで。ほたるくんがいると家が賑やかになるんだ。それに、僕の方こそお願いしたいくらいだ」

 

「うっし!なら奏、LINE交換しようぜぃ」

 

「うん!」

 

奏パパとは交換済みです。

 

「よし、本日はありがとうございました!奏!また遊ぼうね!先生!また曲作って持ってきちゃうよ!」

 

そう言って、玄関のドアを私は閉めた。

 

 

 

 

 

その頃

「うーん、よく分かんないけど…ほたるは鯖の味噌煮が好きかも…」

 

と、姉さんは料理をしています。

晩御飯は姉さん特製、鯖の味噌煮でした。まいう。




アホちゃん現在すぺっく

155センチ
薄い紫色の長い髪をポニーテールでまとめてる
よくナンパやスカウトされるが、「思ってたんと違う」と口を揃えていうそう。
特技は人のヌード(アウトな所は上手いこと隠す)を速攻でハイクオリティなのを描くこと。
挨拶代わりに人に渡すと面白い反応をする。

瑞希ちゃんどーすんの?救出出来んの?ってなってると思います。
大丈夫です。考えてます。

次回!ほたるが「ぶったな!親父にもぶたれた事ないのに!」と言います。


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色んなキャラが救われてるよ!一人はまだだけど!

評価バー赤くなっててビックリしました。
なんだかウキウキです。
感想と評価、ありがとうございます!


 

こんニーゴ!ニーゴメンバー救出RTA!また始まるよー!

なんやかんやあって現在アホちゃんは中学三年生!受験生だね。

 

塾の回数も増えていきましたが、基本的に寝ています。んでも点数取ってるし、まあいーでしょう。こちとら中堅走者やぞ?無駄な時間は削ぐべし!

おっと、なんだかママさんが近づいてきます。

 

 

「ほたる、高校はどこにするの?」

 

 

はいイベントボス確定。ギルド対抗戦とかないワケ?争奪戦GPでママさんのご機嫌買えないんですか?

 

「拙者、神高がいい」

 

「理由を聞いてもいい?」

 

「え、姉ちゃんエンジョイしてて、ほとばしる私!っていってるし」

 

現在高校一年生のまふゆ姉。今では弓道部へと入部し、メキメキと実力を伸ばしています。

文武両道、美人を持ち合わせた姉はパーフェクトJKです。

 

加えて感情の消失、味覚の消失なども起きていない為とりあえず完走のための第一条件達成です。

あと、まふゆ姉と話してる時、ふと気になったので自己紹介して〜可愛ね!と言ったら、

 

「マッフユーダヨーー!!!」

 

尊死(アアアアアアアアア)

 

キャラ改変どころじゃねえ…私ヤバァイことしたのかも…

まふゆファンのみんな!ストーリー通りのまふゆがいいなら今すぐブラウザバックだ!

 

最近のまふゆ姉の趣味は映画鑑賞と料理です。

 

誕生日プレゼントでアマゾンスティックとテレビあげたら、予定のない休みの日はお菓子とジュースと勉強道具持って部屋に引きこもりました。

私は抱き抱えられて一緒に見ています。胸ェ…!!

 

「そう、楽しいだけで選んでいいのかしら?」

 

「んー、まあ楽しい以外でもあるよ。あそこ進学校じゃないから資格とかとれるし。パイロット検定とか特級呪術師になれるし、なんならハンターライセンスとれる」

 

「…?ああ、そうなの…でも、お母さんは宮女がいいと思うの」

 

むぅ…

私としては神高で瑞希護衛隊になりたいんですが…

 

「だから、神高がいいって」

 

「ねえほたる。お母さんはほたるの為を思って言ってるの。それは分かってるかしら?」

 

「うい」

 

「それなら、宮女に入った方がいいと思うわ。お母さんのおさがりもあるから安くすむわ!それに、そのお金でご飯にもいけるし…」

 

なんかしつこくね?ゴキブリかよ。

じょうじ言わねえな心配だな。

 

「だから!神高がいいの!」

 

しまった。つい口を荒げてしまった。あらやだアホちゃん女の子なのに。

 

「…なんなの。その口の聞き方はぁ!!!」

 

と、その瞬間。左頬に衝撃が走りました。

おい、年頃の娘の肌を傷つけるなんでよお…

 

卍解に値しちゃうわあ!

 

「…お母さん。今のお母さんが言ってることは、自分の考えを押し付けてるだけでしょう!?」

 

「うるさい!お母さんがどれだけあなたたちの事を思っているか⁉︎ちっとも分かってない!!」

 

今度は右頬をビンタされました。だいーぶ痛いですね。ヒリヒリします。

ん…?またぶたれた…?そうだ!『アレ』が言える!

打たれた左頬を押さえながらママさんをギロッとみます。

 

 

 

「二度もぶった…!親父にもぶたれた事ないのに!」

 

 

 

五分間だか三分間ほどで、戦艦3隻撃墜、MS18機だか撃墜した「悪魔」の名を冠された史上最強のパイロット。天パの名セリフですね。(茶番)

てか、RTAにおいてはママさんはどうでもいい存在です。ですが、私の余生もあると考えると修正すべきなのでしょうか。

 

「確かに!お母さんが私の為を思って塾に行かせてくれたり、絵画の教室に通わせてもらった事は感謝してる!」

 

「なら…」

 

「でもね!私が行きたい道を応援してくれないのは!ほたるは悲しい!」

 

「…!」

 

やっぱりそうですね。話し合おう。(インファイト!)

 

「お母さんにこの塾行きなさい。この高校行きなさいって言われて行くのは簡単。でも、それだと一人暮らしした時は?お母さんに寿命が来てポックリしちゃった時は?」

 

「ほたる…」

 

「その時になって急に自分で色々出来ないと思う。だから今のうちから自立の練習をしたいの。だから私が行きたい道のある神高に行きたい。わがまま言ってごめん。でも、これは『私の人生』だから自分で決めたい」

 

ドッドッドッドッドッドッ…(キングエンジン)わお!ハリウッド映画の緊迫シーンかよオイ!

 

「…いいわ。好きにしなさい」

 

デデデデッデッデッデッデエエエエエエン!!!(ドラクエ音)

なんとか切り抜けました。これでまふゆとママさんの仲も良好になるでしょう。私は潤滑剤。

 

そして、神高に行ってもいいとの許可が出ました。ヤッタネ!アハハハ!!

 

 

 

 

 

「先生!修正した曲がこちらになります!」

 

「ああ、ありがとう」

 

ヘイガイズ!私は今何をしているのかー!!

なんと奏パパのアシスタントです。

 

あれから欠かさず通ってたらアシスタントになってました。

おかげで奏パパの膨大な作業量を大幅に削減でき、オーバーワークでホスピタルにシュウウウウーー!!!される事もないまま進みました。

 

奏のターニングポイントの『父が入院』を防いだため、第二条件クリアです。

 

そして、奏ちゃんは神高へと進学しました。どうやらまふゆ姉と仲が良いらしいですね。

 

現在、奏ちゃんは通称『K』としてYouTube活動をしています。

自作した曲を試しに乗っけよ、と私がしつこく提案しました。そして上げたら大ヒット。

 

今のところは正体不明の作曲者となっております。どんな結末であれ、ほぼニーゴは誕生します。

 

「ほたる、受験勉強は進んでる?」

 

「もちのろん!もう模試の問題とか『あ!ここ進研ゼミで出たとこだ!』くらいの勢いで行ける。よゆーのアホちゃんよ」

 

「そっか。なら大丈夫そうだね」

 

奏パパは今のところ仕事は順調です。奏パパの作った元の曲を私が修正、アレンジして、奏が歌詞をつけたり、あるいは曲を作ったりしてます。

私が自作した曲に合わせてきているので、奏パパの作る曲はチームで作り上げてるようなもんです。

 

そんなこんなで乗り切りました。メンタルケアとかし続けたので、奏が曲をアレンジしたのをパパが聞いた時、

 

『…すごいじゃないか。すごいぞ奏!』

 

と、素直に褒めて抱っこしてグルグルしてました。顔を赤くした奏ぢゃんがわいい…

余談ですが、ここで奏への嫉妬ポイントが振り切れてると、

 

『はは…僕なんかよりスゴイ…』

 

とか言ってストーリー通りに病院へシュウウウー!!!されます。

そんな事も起きてないんで大丈夫そうですね。

 

「奏、ほたる。そういえば、この間作った曲がCMで使われるらしいんだ」

 

今ではちょこちょこテレビに音楽が使用されるくらいの勢いになってきました。売れっ子パパだね。

 

「えっ⁉︎」

 

「今日は良いものを食べようか。奏ももっと食べて大きくならなきゃな」

 

「まあ…少し欲しいけど…」

 

「おっきくなんなきゃ奏!ボンキュッボンのストロング体型で男を落とすのよ!」

 

「そんな事しなくてもいいかな…」

 

と、苦笑いする奏。というか、奏が貧相な体つきだったのは外に出ないため、日焼けをしないのと酷い食生活、後は睡眠不足だったからです。

 

健康な生活してれば奏はある程度育ちます。私ほどじゃないけど!

 

 

 

 

「ほたる?この課題ってこの構図がいいのかな」

 

「いいと思う。あとは、その人の目の角度を二度下方向にして、乗っている岩の質感を石灰岩に。後は木の高さを3.14mm下げればもっと良くなる」

 

「そんなん無理でしょ!」

 

私はカフェにてなーんの課題に付き合っています。

絵名は無事に絵の高校に受かり、父とも仲良くやっているそうです。

 

これで、絵名のターニングポイントである、『受験失敗』は回避出来たのであと一つです。

 

「はあ…高校でこっちは色々学んでるってのに、ほたるに追いつかないなんて…アンタウチの高校来なさいよ」

 

「アホちゃんの技術はなあ、ふざけるためにあるんだお」

 

悪魔のような笑みをしてペンを取り出し、スケッチブック!目線を絵名に合わせて…

 

 

音を置き去りにした。(描き始めた。)

 

 

絵名は見えた。目の前の美女が目から謎のオーラを出し、右腕の筋肉が膨張するのを。その瞬間。いや刹那にも等しい時間。

 

 

さらさらさらさらさらさら!!!!ずどどどどど!!!!

 

 

「…え」

 

ものの一瞬で絵名の素晴らしいヌードの絵が完成。しかも、大事な所はパンケーキで隠してあります。加えて、この芸術的配置。

 

「フハハハハハハ!!!!我ながら素晴らしい出来!」

 

「えええええ!!凄いけど!うん⁉︎あっ⁉︎やめてっていってる…でもスゴイ…じゃなくて!」

 

「アホちゃんはサンタさんでなあ。プレゼントじゃあい!」

 

「いらない!」

 

ビリッ!!!!

 

「あああああああ!!!絵名があああ!!」

 

なにやってんだお前ェェェ!!絵画、芸術、高速連打、淫乱感覚、模写全てのレベルのカンストの集大成が破られました。

 

まあ、しゃーないよね。

 

「ま、それは置いといてこの課題はこれでクリア出来るゾ」

 

「はあ…はあ…アンタ、昔から切り替え早くない…?」

 

「前しか見ないアホだから!」

 

こんなテンションだとエベレスト行けそうです。上で友達100人とおにぎり食べるんだ…!

 

「そういえば、彰人がアンタに渡したいものがあるって」

 

「彰人くんが?指輪かな?」

 

「さあね。でもウチくれば分かるんじゃない?」

 

絵名は自分からウチに来いとか言った事ないです。上手い事弟を使いこなしてます。コヤツ、騎乗スキルA +のライダーか…⁉︎

 

絵名のウチに遊びに行っている時、やたらと彰人は着いてきます。ちっちゃい頃は可愛かったんですが、成長するにつれてイケメンになっていきました。

 

彰人くんに関しては介入するつもりは全くありません。関係ないし。

でも面白そうなので行ってみますか!

 

さて、

 

 

ニンジン(苦手なもの)買ってくか!!




現在の状況

アホちゃん
毎日変な事してんのに成績は良い、運動もできるので変人扱いが定着してしまった。
本人は頑なに否定。
その容姿から先輩や後輩から話しかけられるが、「思ってたんと違う」と声を揃えている。

まふゆ
原作の面影もないまふゆの見た目をしたもはや別人。
自分で何かを決めるのは少し苦手。口癖は「分かんなーい!」
冷徹なくらい美人だが、話しかけた人達は「思ってたんと違う」と声を揃えている。


音楽の才能はあるが呪われてない。保護動物。やたらとほたるに抱っこされるため少し大きくなりたいと思っている。

瑞希
ほたるを類に、類をほたるに紹介したいと思っているが、ほたるをサボらせるわけにはいかないので悩んでいる。
お姉ちゃんとほたるの仲が深まっている事に喜んでいる。


昔より自分の事を否定する人が少なくて違和感を持ち始めた。


今投票だとニーゴ別ルートとレオニ救出が高いんですが、ニーゴの場合は救いようがないやつにしようかと思ってます。
でも救出の方がいいんかな?


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瑞希はどうすんの?大丈夫!ちまちまやってきたし!(フラグ)

瑞希は大分悩みました。不評だったら修正します。



こんニーィィゴッ!ニーゴ救出RTAまた始まるよ!

アホちゃんは現在高校一年生!ウキウキだぜぃ!

あ、ちなみにもう25時、ナイトコードで。は結成されました。一つ違うのは絵名の絵のスペックが高すぎるくらいですね。私は入ってません。

 

ちなみに金曜日、土曜日限定です。奏、まふゆ、瑞希は全日制、絵名も実質全日制なので。夜更かしはいけません。

 

「瑞希瑞希。校門集合」

 

「おっけー!それじゃ待ってるよー!!」

 

放課後の掃除してます。瑞希の班は今週はないので先に行ってもらいます。今回はお話があるので。

 

ささ!こんな教室の掃除は終わらせよう!

ほうきを両手に持ち、深呼吸…

 

「どりゃああああああ!!!」

 

「なんだあれ!!」

 

「目で追えない…!適当にやっているのかと思いきやちゃんとゴミは集まっている…⁉︎」

 

「なにもんだアイツ⁉︎」

 

掃除完了!スタバしたから早いね。ホウキを振るのは16回。

 

 

瑞希のいる校門まで歩く間にここで整理しますか。

 

まふゆ姉は言わずとも分かるでしょう。やっちまいました。面影が一つもないです。「分かんなーい!」って言ってるくらいですね。はい。

本当に別人なので苦手な人は閲覧中断した方がいいです。

後悔はしてません。

 

 

奏もお昼ご飯一緒に食べるくらい仲いいです。まふゆ姉、奏、私でご飯食べる時もあります。

作曲活動もしていますが、着々と実力を伸ばしています。ゲームや映画などの音楽を聞いたり、ちゃんとした食生活など、実力の伸びは原作とあまり変わらないでしょう。

 

 

絵名は絵の高校で頑張っているそうです。最近は腕がメキメキと磨かれていて、絵も大分よくなりました。

 

実は、絵名は歌の道に誘導した方が適正ボーナス入ります。なのに、ここまで伸びるとなるとエクストラ要素ですかね。スコア加算されねえかな…

 

瑞希は吹っ切れて原作の格好をしています。原作みたいに突っかかる人はいません。なんでかって?

そら、アレだろ。私、頑張ったし

 

 

 

 

最近、瑞希は違和感を持ち始めた。そう、瑞希の容姿を否定する人がほぼいなくなっているのだ。

 

〈なんでだろ…小学生の時とかだったら『お前女になりたいのかよ!』とか言ってきたんだけど…〉

 

あれこれ悩むも原因は全くわからず。ただ分かるのは昔より生きやすいということだけだった。

好きな服を着て、メイクして、外を歩く。これが出来るまで大分時間がかかってしまった。

それが出来るようなったのは。と、二人の恩人を思い出す。

 

〈類はボクの事受け入れてくれたな…〉

 

類は、中学の頃授業をサボって屋上にいた時に出会った変な人である。ありのままの自分を受け入れてくれた数少ない人なので、瑞希は感謝している。

 

〈ほたるは昔から変だったけど…一番の友達だな…〉

 

見た目100点、中身10点を体現したかのような彼女のはちゃめちゃさには苦労したし、元気をもらったりした。しかし、瑞希の隠している事を自分で当て、否定せず受け入れてくれているかけがえのない友人。

 

「…だよね。私はかけがえのない親友」

 

「…うん。ほたるは親ゆ…」

 

 

うん?

 

 

「じゃじゃーーん!!瑞希の思ってる事を読んで先読みしてみたよ!タツマキフーディン産生まれのエスパーアホちゃんでぃぇぇす!」

 

「よ、読めるわけないでしょ…」

 

瑞希がなんかぼーっとしてたからこんな事思ってそーだなーって言ってみたら合ってたそうです。

 

「んじゃ瑞希どこ行こっか⁉︎」

 

「ん〜、じゃ、最近ボクが見つけたおいしいアップルパイ屋さんに行こっか!」

 

「sure!」

 

 

 

「ねえ、最近さ。ボク違和感があるんだ」

 

「髪の毛のキューティクル?だったら私が使ってるトリートメントがオヌヌメですぜぃ。サラサラでホクホクになっちまう至高の一品!」

 

ここは渋谷の店が立ち並ぶ通り。生足も眩しいJKがホツホツ歩いてやがります。

 

「それはちょっと気になる…!とにかく、ボクの事知ってるのに誰も突っかからないんだ。何でなのかなーって思ってね」

 

高校でも、瑞希はあの見た目で男というのが知れ渡っています。しかし、それについてとやかく言う人はいません。

 

「何でっかって言うとだな。アホちゃんは頑張ったんだぉ」

 

「…?はあ。ま、いっか!」

 

と、ルンルンになる瑞希。

 

さて、ここでネタバレをしましょう。

実は幼少期の頃から、隠れてパソコンを使ってYouTuberとして活動していました。その内容は主にジェンダーについてです。

 

瑞希を救うとなるとこの方法を思いつきました。ずっと発信することで、同じ性に違和感のある人たちが集まり、その人達がジェンダーに関しての活動を開始。

多少の裏スキルを使ってYouTubeが世間に早く広まるようにしたり、ネット民の心を誘導したりと調整はしましたが、主な私のやったことはキッカケを作ることだけです。

 

まあ、結果オーライってやつです。そろそろ結果が出るかな⁉︎

 

 

 

瑞希はほたるとアップルパイを食べて、可愛い服を見て、帰った翌日。

相変わらずほたるはスカウトやナンパされるけど、自己紹介したらみんな「思ってたんと違う…」と、引きながら帰った。

 

胸も大きくて顔もほとんどの人が振り返るくらいの美人でスタイルもいいのに、「あなたぁ…描きがいがありますね?怠惰ァ!」とか言って急に完成度の高い、全裸の絵を民衆の前で渡されるのは同情した。

 

そんな楽しい事を思い出しながら25時、ナイトコードで。のMVの編集をしていた。その時、ふと聞こえたテレビの音声が瑞希の耳へと飛び込んだ。

 

『今現在、日本ではジェンダーレスについての抗議活動が盛んになっています』

 

と、テレビには国会議事堂の前で女性アナウンサーが喋っていて、背景にはプラカードを持った人達の行列が。

 

「…え?」

 

思わず声を漏らした瑞希。

 

『そのおかげで法律の改正、追加、人々の性別に関しての意識が変わってきており…』

 

意識?価値観?それらの共感は昔に捨てたものだった。

しかしこの状況。どういうこと?

瑞希はテレビに釘付けになり、やっていた作業も忘れて没頭する。

 

すると、アナウンサーは近くの人について取材する。

 

『あなたは同性同士で好きになる事、自分の性別に違和感を持つ人についてどうお考えですか?』

 

『そんな事をさあ、否定するとか遅れてない?自己防衛?アタシだって性別に違和感はあったわ。でも国に頼ってちゃダメじゃない?国外脱出だよね』

 

キャラの濃い人が変な事を言った。しかし、

 

『別にいいんじゃない?』『ジェンダーに関しての理解が日本は遅れている』『TSっ娘最高!あなたも最高といいなさい!』その光景をなんとなく見ていたが、瑞希にははっきりと分かった事がある。

 

もう性別を気にしている人は圧倒的に少ないということを。

国会議事堂にある人達だって、ただのデモ隊ではない。

 

数が多すぎる。ヘリコプターからの視点ではもはやカラフルな蟻の集合にしか見えない。本当に、この国を変えようとしているのを瑞希は感じた。

もし本当に。世間の目が変わったら。

 

「笑って歩けるかな…」

 

諦めた希望に光が差し始めた。

そのせいで。

瑞希の心が不安定になった。

 

 

 

さぁて!翌日ゥ!

多分あの放送は見たでしょう。なにせどのチャンネルもやってるし。

目覚ましに怨念のパンチをかましてバックスプリングかなんかで起床ゥ!

 

「おはよう。ほたる」

 

「グッモーニン姉ちゃん!部活?」

 

「うん!最近弓を引くのが早くなってきてね、ホークアイみたいになれるかなーって!」

 

と、嬉々として話す姉。

 

「姉ちゃんならゴルゴもなれるんじゃね?」

 

「のび太にもなれるかも〜」

 

と、昼寝のフリをする姉。辺りに幸せを撒き散らすような笑顔は私でも眩しくなった。

いや、あの、まふゆファンのみなさん。本当にすみません。

 

 

本当にごめんなさい。

 

 

でも…この方が元来良いんだし…まいっか…

 

「まふゆ、ほたる。おはよう」

 

「おはようお母さん!ご飯何?」

 

「母ウェイ!!」

 

「朝ごはんはパンとスープよ。良かったかしら?」

 

まふゆ母は時間はかかりましたが改心しました。というより自分の過ちに気付いた感じですね。母上は本当に子供のことを考えてはいましたがやり方が悪かっただけです。

 

実際、まふゆ母の子供を思う心は本当です。やり方が悪かっただけで。

 

「うん!」

 

「小麦粉はどこ産?」

 

 

 

私は部活に入ってないので遅く出ても大丈夫です。

実をいうと美術部に入っていました。察してください。スキルの高さを。

 

家出て歩いてます。

 

「あぁ〜くまのち〜から〜♪みぃ〜に〜つ〜けたぁぁぁ〜♪」

 

と、前方!瑞希発見!ドリャドリャ!

 

「瑞希おはよう!」

 

「おっ、ほたるおはよう」

 

振り返ると瑞希が。

が、しかし。

なんかおかしい。よく分からんがおかしい。

 

「どしたの瑞希。なんかあった?」

 

「…ううん。なんもないよ!」

 

「いったよね。アホちゃんは見る目があるって」

 

これはなんというか…危ないような気が…

 

「うん…実はね。っていうか、ほたるも見たかな。国会議事堂の前でジェンダー抗議してるニュース」

 

「うぃ」

 

「それ見てからなんだかおかしいんだ。確かにその事が広まればボクは多分前よりもずっと生きやすくなる。でも…なんだか不安なんだ」

 

「瑞希が心配する必要ないよ。日本はそういった事が遅れてるから、遅かれ早かれこうなったはず。それが来ただけだよ」

 

 

 

ヤバい。セカイ警報きてます。

 

 

 

ヤバい!私のパーフェクトプランなら明日くらいで終わるはずだったのに!キラキラダイヤモンドぉぉ!!!

 

「まあ…そうだよね。よし、学校いこーう!」

 

「8時ダヨ!」

 

 

 

えー、みなさん、まずーい事になりました。

セカイが出来そうです。

 

このRTAに置いてセカイの誕生は不安要素を多々含みます。

原作のユニット達はおよそ一月以内にuntitledが変わっていますが、原作にないキャラの介入、及び原作のキャラが違うユニットに関わってしまうとuntitledが変わらない可能性もあります。

 

例えば、彰人がニーゴ、絵奈がビビバスに入った場合。

 

彰人の性格上、ニーゴをやめる可能性が高いためやめた場合はuntitledがいつまでたっても変わりません。そうなった場合、思いが見つからずに長い時をすごす事になります。

 

このRTAの勝利条件は全てのキャラの救出ですが、セカイが誕生した場合は思いを見つけさせなければいけません。

 

また、複数のキャラが危ない(精神的、性格的に)時にわざとセカイを誕生させ、一斉に思いを見つけさせる事で時間短縮も出来ます。

 

 

そう、セカイの誕生はジョーカー(最終兵器)でもあるのです。

 

 

それが出来ちゃいそうです。恐らくですが、瑞希のこれまでの解釈や意識が急激に変わるからでしょう。セカイは基本的に気付かないうちに出来て、尚且つその時のメンタルに応じて変わります。

 

私としては阻止したいのですが、無理そうです。

 

加えて、ニーゴメンバーの中でセカイが誕生するといちばんヤバいのは瑞希です。抱えている闇は私のおかげでそれほどでもありませんが、危ない事に変わりありません。

 

あ、そうそう。セカイの説明をしましょう。

まず、単体で出来るセカイ。

次に複数人で出来るセカイに分けられます。

 

単体セカイは生成した人物さえなんとかすればオケです。

しかし一人なので、思いが見つかるまで時間がかかる事が多いです。

 

複数セカイはセカイを生成するに当たってキーとなった人物全てが同じ思いを見つけなければなりません。

 

全て同じ思いを見つけさせるのは困難ですが、一人でも思いが見つかればセカイを通して伝播して行くので案外簡単だったりします。

 

はい、今回は前者の単体セカイですね。実は前回のRTAも終盤でセカイできました。はい。

 

 

なんだよ!もう!またかよおお!!(巨人化)




投票見ると別ルートがいいらしいですね。
しかし…どうする⁉︎これ以外あんの!全身の知恵を!捻り出せぇぇ!!(痣)

朝比奈姉妹
変人フォー、通称H4と言われているが姉妹は断固否定。
また、弓道の大会でまふゆが変な事を言いながら打つためそこにいた人たちは「思ってたんと違う」と心を一つにしている。


きちんとした生活習慣により胸や身長が大きくなってきて、「まふゆとほたるくらいになるかも…」と淡い期待が湧き出ている。叶わない。
まふゆとほたるのストッパーでもある。

絵名
ほたるが「ニーゴの絵すごいよね。ピカソがフランシスコしそう」と言っていたのを思い出して内心舞い上がっている。
父の本心を聞いて仲が良くなった。父が買い物に付き合わされるので彰人の負担が減った。

瑞希
原作ほど病んではいない。杏がほたるにいいように振り回されているのは少し面白かった。特にヌードの絵をその場で6枚くらい渡された時。
ほたるの周りにいると楽。仲が良い人しか来ないから。


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えななん?人参あげたら嫌われるから、めっ!!

お久しぶり!!!期末テストやら学級閉鎖で書けなかったよ!!
それもありますがサボってました。はい。すみません。
他のキャラ出したかったので無理やり出しました。


こんニーゴ。ニーゴメンバー救出RTA。はーじまーるよー。

テンション低いって?ええそうです。だってもう少しだったんだもん。

瑞希のメンタルとか知らなかったし。…ん?ここで速報きました。

 

え…ニーゴメンバー救出RTA更新…17年と一ヶ月…⁉︎

『もけもけ@TS最高』さんが更新したそうです。

 

 

こうしちゃいられねぇ!再開だぁ!テンポ上げてけよっ!二回席ィィぃ!!!

 

 

現在は16年と9ヶ月!最速で更新出来るだろうなーって思ってました。ヤバいですヤバいです。大丈夫だろうなーって思ってたら更新されちゃいました。ヤッベーイ!!ハザーーード!!

 

さて、現在の状況です。

まふゆ、奏、絵名は完全に救出完了しました。んで、瑞希のためにようつべで動画投稿して日本がジェンダー寛容の国にするべくちまちまやってたら、急激な状況の変化に瑞希の心の整理が追いついていけずセカイが誕生しそうです。

 

アホちゃん頑張れよっ!!キミの働きに全てがかかってるんだっ!!頼むぞおーー!!!

 

まあ、私なんですが。現実見たくないいいいいい!!!!

 

 

 

「それでは的に?あてていく↑」

 

ヒュン!という気持ちの良い風切り音と共に姉の矢は的を思いっきり外れる。はい、まふゆ姉です。

セカイが出来るまで暇なので部活の様子でも見学してます。

 

「ま、まふゆ…弦が引けない…」

 

「パwあーがあれば大丈夫。奏もすぐに引けるようになる!」

 

「パワー…よし、ん!んー!!!」

 

またしてもヒュン!と笑顔で矢を外すまふゆ姉。絶対適当にやってるわこれ。無心か…と、矢が当たる事に絶望していたあの人は何処へ。むっちゃ笑ってます。何がおかしいのでしょうか。

奏は腕の力なくて弦引けません。入部してまあまあたつと思うんですが。

てか弓道服かわい。

 

 

「あ!ほたる!ねえ、この後良かったら…」

 

「悪いな杏チャン!!ンンぱぁああああす!」

 

「いやあああああああ!!!」

 

杏ちゃんがしつこいです。ふう、ヌード絵をストックしといて良かった!ごめんね杏ちゃん!

 

瑞希と杏とアホちゃんでカラオケ行ったら、なんか歌上手いとかで誘われまくります。一応歌唱スキルは入れてるんですがあまり高くないです。

 

余談ですが、ビビバス系にいくなら高い歌唱スキル、ダショなら歌唱と演技、身体強化のスキルなど、系統によってとった方が良いスキルは変わります。

 

今のうちに逃げるべし!べしべし!

 

 

 

「やあほたる!キミもそろそろこの大!スター!天馬司率いる…」

 

「出たなロリコンスピーカー変人!ライダーキーック!」

 

「どわあああああ!!!」

 

廊下歩いてたらなんか勧誘されました。キミには何か通じるものがある…そうだろう!とか言ってナンパしてきました。しかも全裸の絵渡しても素晴らしいな!で片づけられます。めんどいです。

 

学校だと私は変人の一人に数えられているとかなんとかですが、私は認めていません。私は変人ではありません。そんな金髪をぶっ飛ばしていく。

司ファンごめんなさい。でも私は変人じゃないので。

 

 

「彰人くん、遊びに来たんだお」

 

「あのなほたる。人参買ってくんのやめろっていったろ!!」

 

「そうよ!私達が人参嫌いなの知ってるでしょ!!」

 

好き嫌い無くそうぜ!!私人参な!!

 

 

何日か経過しました。瑞希と一緒にいてセカイに連れて行かれるしか方法はないです。こればっかりはスキルでもどうにもなりません。

 

「ねー、前まで言ってた不安って大丈夫になった?」

 

「うん!全然平気!むしろ心が軽くなってきたよ♪」

 

嘘おっしゃい。

瑞希と屋上でご飯食べてます。おっ、校庭で金髪が紫に爆撃されてる。ちなみに私は焼肉弁当です。

白米持ってきて、ガスコンロ持ってきて、フライパン持ってきて、お肉持ってきて、タレ持ってくれば完成!

わはははギガうまい。と、その時。

 

床に置いていた瑞希のスマホが急に光りだした。

 

「うわっ眩し…」

 

「衝撃備えろ!これよりバーチャスミッション開始だ!」

 

頭を低く、衝撃備えるアホちゃん!だがしかし何も起こらない。

眩い光の中から正体を表したのは、スマホからホログラムのように出てきた白い髪の女の子。

 

「瑞希、ほたる、二人とも、きて」

 

「え」

 

驚く瑞希の前には、ミクちゃんです。

 

「二人とも、こっちにきて」

 

と、ホログラムのミクが瑞希のスマホを手に取り、何かをタップします。

 

「わっ!!眩し…」

 

「目が!目があああああ!!!」

 

恐らくuntitled。その瞬間、セカイに連れて行かれました。

意識がふっと消えるような感覚の後、気づくと。

 

人くらいの大きさのハンガーや口紅が突き刺さっていて、白くつなぎ目のない地面には様々な服が散乱しています。空は曇っているような灰色。

瑞希は目をぱちくりしてきょろきょろ見渡す。

 

「ここ…どこ?さっきまで私たち屋上にいたよね?」

 

「まさしく」

 

そんな瑞希の問いに答えるように後方から声が聞こえる。

 

「ここはセカイ。あなた達を待ってた。瑞希。…ほたる」

 

振り返るとはい。ミクちゃんです。見た目はあんまり変わりませんね。強いて言えば少しボーイッシュに見えるくらいでしょうか。でもツインテールに変わりないです。

 

「待ってた…?セカイって何?ここの事?」

 

「ここは、瑞希の心から生まれたセカイ」

 

「ボク達がいた場所とは違うの?」

 

「そう」

 

「えっ⁉︎だとしたら異世界って事なの⁉︎」

 

おお、流石瑞希。アニメを良く知っておる。

 

「…そう。セカイは瑞希達の暮らす世界とは違う」

 

そらいきなりアニメみてえな事起きたら混乱するのも無理はない。

さて、セカイの誕生により現在の勝利条件は

 

untitledの音楽化、もとい瑞希の想いを見つける

 

事ですね。

瑞希が一番厄介と言われている理由は奏やまふゆ、絵名の想いはなんとか分かるのに対し、瑞希はまだはっきりと分からない上、「諦め」が自分や周囲の環境ではなく世界、または日本に対してなので大分闇が深いです。

 

ジャックポットサッドガールのMVでは瑞希以外のニーゴは立とうとしているのに対し、瑞希は座り込んでいる様子から何もかもを諦めている説が濃厚です。

 

攻略班がイベストを進めていますが、現在の時点で瑞希の確定的な想いははっきりと見つかってないです。

 

「そういえば、キミは誰なの?」

 

「私はミク」

 

「ミク…?って、あのバーチャルシンガーの?だとしたらすごくない⁉︎でもボクが知ってるミクとは違うなあ…」

 

「瑞希、バチャシンとはいえイメチェンもしたくなる。私はここの髪を結ぶ高さが違うのが次世代のオシャだと思うんだ」

 

私は後ろで一まとめにしてある髪の毛を解いて、ミクと同じく高さが違うツインテールにしてみる。オシャア。

 

「…なんか違くない?」

 

「…次世代のオシャとは理解されないもの。でも私もなんだか違う気がしてきたわ」

 

「だよね♪」

 

元の髪型に変えます。と、その様子を見ていたミクがぼーっとしているけども、確かに安心した笑顔になっていた。

 

「…瑞希、大丈夫?」

 

と、ミクが聞く。恐らく瑞希の現在を見ていたから心配だったのでしょう。しかし、アホアホパワーでなんとかなったので少し安心しているようです。

 

「ボクは大丈夫だよ。…と、いうか帰りたい!」

 

「瑞希達のいた世界とこのセカイはuntitledで繋がってる。今はuntitledが流れているからそれを止めれば帰れる」

 

少し寂しそうにミクが瑞希に教える。まあこの世界でボッチだからな。

ストラトキャスターとかレスポールだっけ?持ってくりゃミクがぼっちざろっく出来るけど!!

 

「そっか。とりあえず帰るね♪またくるよ!!!」

 

と、瑞希がスマホを取り出しuntitledを見つけてタップする。

すると、カラフルな光に包まれて消えていった。

 

「うし!そんじゃアホちゃんもかえ…」

 

「まって」

 

と、手を掴まれる。

 

「どしたのミク」

 

「今、瑞希は危ない。急な環境の変化についていけてない。段々…セカイが壊れていく。お願い。あの子を…」

 

ミクが見る方向にはクソデカいハンガー。。それにヒビが入っている。それだけじゃない。白い空が周りから黒く侵食されていってる。

 

私は怯えているようなミクの手を握って目を見る。

 

「わははは!!アホアホパwぁーで全てが解決させるぞい!!!」

 

 

 

 

元の世界に帰ったんだお。授業に遅れて怒られたお。まいっか!そんで瑞希と下校中。おお、橋の川に映る夕日と反射してキラキラ光るビルがビューティフル!!ここらで聞き出しますか。

 

「ねえ瑞希」

 

「どうしたの?」

 

「ひょっとして消えたいとか思ってない?」

 

歩いていた足が止まる。

笑っていた瑞希が本心を突かれて驚いた表情になる。

 

「え…?な…んで…」

 

「アホちゃんはね、見る目があるんだよ」

 

瑞希が消えるなんて事はね、させちゃあいかんのよ!!第一どうやって消えるんだアホめ!アホは私だ!!!

 

「瑞希、消えたいって思うのはいいよ。でもね、そうやって消えた結果どうなると思う?」

 

「…」

 

「私は瑞希が消えたら悲しい。力になれなかったのか、小さい時から一緒だったのにってこれからの人生後悔していく。瑞希のお姉さんだって、瑞希の両親だって後悔して、毎日泣きながら過ごすと思う」

 

「…別に」

 

瑞希?なんかオコじゃない…?

 

「ほたるには関係ないじゃん♪」

 

不気味なほど笑う瑞希。にまー、とその笑顔が恐ろしく見える。一体何がおかしいんでしょうか。

 

「…え」

 

「ボクが消えたいから消える。ほたるにどうこう言う権利はないよね!」

 

「待って!せめてなんで消えたいか教えてよ!!」

 

「なんでって…なんでだろうね。なんでボクが消えなくちゃいけないんだろ」

 

「瑞希がみんなに合わせる必要ない!その為に私は…」

 

「ううん、いいんだ。今までありがとねほたる」

 

「待っ…」

 

伸ばした手は目の前で振り払われて逃げられた。姉譲りの身体能力なら追いつけるが、今の私のメンタル的に無理。…さて、

 

 

 

 

25時、ナイトコードで。集合!!!!!

 

 

 

 

「つー訳でニーゴのみんな呼んで♪」

 

「それであの子が救えるの?」

 

「何言ってんだい。その為に呼ぶんだから」

 

「…そう。わかった」

 

untitledで誰もいないセカイへ。白かった空も半分以上黒く染まり、床に散らばる服は焚き火に紙を放り込んで燃えるように消えていっている。あれですね、ニアサーみたいな感じです。空。

 

大分ヤバいよ!!なんとかします。

 

 

「て事で25時くらいになったらみんな呼んで。私も」

 

「わかった」

 

ぼーっとした顔では無く、確かに意思のこもった目でミクは頷いた。

 

 

 

現在時刻は24時半。この時間まで起きてるの厳しいんですよね。早く寝た方が時間たくさん使えるし。隣の部屋からはまふゆ姉の声が。

 

「うおおおお!!!この感じ…!すっごくいいじゃあん!!」

 

「ほうほう、ここで半音下げると…んおおお!!私が好きなメロディーッッ!!!たまりゃん!」

 

『雪!うるさい!』

 

隣の部屋から叫び声とドンドン何かを叩くような音が聞こえる。えななん、その意見は正しいよ。うるさいお。

もう閲覧者からの意見は受け付けません。やるならとことんキャラ崩壊起こします。

 

現在は早くからナイトコードを開いたのか二人はいます。

いないのは奏と瑞希ですが…

 

『おまたせ』

 

「K!待ってたお!!」

 

『雪?なんか段々染まってきてるような…』

 

『K?なになに?何の話?』

 

染まってきてる?本望よ!!

さて、もうちょいで決行の時間です。

スマホに映るミクに話しかける。

 

「よし、いくよ」

 

「…うん」

 

その瞬間、白い光に包まれた。レッツゴー!!!




これ別ルート考えるの無理くない?て事で感想欄にみんな書いて書いて!!!


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完走

何かしらの理由をつけて投稿の間が遅れた事を誤魔化すような人とは格が違います。私は包み隠さず言います。

バキバキにサボってました。すみません。


 

こんこんこん!こんニーゴ!ニーゴ救出メンバーRTA!始まるよ!!

現在アホちゃんは高校一年生!セカイにてみんなの活動をチェック中!

 

『んおお!!このコード進行は…!!』

 

『雪、どうかな』

 

『大好き!ん〜、でもここの8分にハンマリングいい?」

 

『うん…はい』

 

『…おお、おお。おおおお!!これだああああ!!!』ドンドン!

 

『雪!うるさい!Kも止めなさいよ!』

 

空中にホログラム用にして見える画面越しの三人はどうやら作曲しているようですね。しかし、瑞希はいません。

段々と黒く染まっていくセカイで、人くらいの大きさのリップクリームの上に座っているミクは足をブラブラさせていた。余裕はないぞミクちゃん。

 

『…あれ?amiaはまだいないみたいね』

 

『うん』

 

と、奏は音を立てないようにこっそりグミをもぐもぐ食べている。

いや、部屋の後ろ。お菓子の数がとんでもない。あれ何?箱買い??

 

『私は何も聞いてないんだけど…Kと雪は知らない?』

 

『『知らない』』

 

『だろうと思った…』

 

瑞希を呼び出す前に何をしてるのか気になりますね。

 

「ミク、瑞希って今何してるか見れたらできる?」

 

すると、上を向いてぽーっとし始めた。しばらくして( ゚д゚)ハッ!、と何かを閃いたような雰囲気を出してこちらへとてとてと駆け寄ってきた。

 

「やってみる」

 

「おっ…おお。頼むんだお」

 

その後、瑞希がセカイから去ったようにミクもセカイから消えていった。

うん。あれですね。

 

ひま!!

 

「全く、こんなに散らかってんのはよろしくないな!ぜ〜んぶ綺麗に畳んじゃいますか!!」

 

 

 

アホちゃんがセカイに何故か散乱している衣服を畳んでいる最中。私はあるものを発見してしまった。

 

「これアホちゃんが持ってたやつだ」

 

そう、初めて瑞希を家に呼んだ日に飾っていた服。となると、と思いその服の周りを見渡すとほとんどアホちゃんの衣服だった。それにその時の瑞希の衣服も混じってる。

 

「懐かしい!んでもなんで…??」

 

何かしらの原因がありそうですが、検討もつきません。

ヒントになるといいんですが…

 

「ほ…ほたる…!」

 

「うぇえ!!」

 

急に寝ころがったままミクがスライドしてきた。謎行動が多いぞミクちゃん。

 

「ど、どだった?」

 

「はやく…セカイに呼びたい。あれは…」

 

と、怯えたような、泣くようなミク。どうやら大分まずいみたい。プリクラで埋め尽くされたスマホを手に取り時間を確認する。現在時刻は25時半。

 

「もう呼ぶか!!ミクお願い!!」

 

「うん」

 

と、ミクがカラフルな光に包まれて消える。

 

『きゃっ⁉︎』

 

『どうしたの、雪』

 

『パソコンの画面に…なんかいる!!!白い髪のオッドアイのオシャア…な女の子が!!!』

 

『あんたねえ…毎度毎度叫ばないでよ!!』

 

『きゃああああ!!!貞子みたいになるううう!!!目がっ!!目がああああ!!!』

 

『ちょっとK!雪を鎮めて!!』

 

その言葉を最後にここにカラフルな光と共にどっかに姉が召喚される。全員揃ったらここにアッセンブルさせよう。私は鉄男。女だけど。

 

『う…分かった。雪、少し静かにしないと…しないと…どうしよう』

 

脅そうとした奏ですが出来ないみたい。優しいね。可愛い。

 

『ちょっとK…って、さっきから雪が静かだね』

 

『あれ?雪?…雪?』

 

と、呼びかけるも反応は無い。

 

『きゃっ⁉︎』

 

『どうしたのえななん』

 

『なんか…っ!画面に白い髪の女の子が…!!』

 

目を大きく見開いて怖がるえななん。ん〜可愛い。

 

『それって…さっき雪が言ってた…!』

 

『眩し…つ!!!』

 

『えななん?えななん⁉︎』

 

その後、どっかにえななんがスポーンする。

 

『二人とも…どうしよう…』

 

ヘッドホンに手をあてて涙目になる奏。なにこの生き物()。可愛いかよ。

 

『二人とも…って事は、もしかしたらamiaにも来たのかな…』

 

中々切れ者ですね。本来、奏は宮女に余裕で合格できるレベルの頭脳はあるので頭の回転は早い方です。

 

『わっ…これが…二人の言ってた…』

 

と、怯えながら部屋の隅っこへよろよろと移動する奏。

 

『わっ…!』

 

ピカッ⭐︎(擬音)どっかに奏が転送されました。

そしてミクが戻ってきます。

 

「みんな呼んだ」

 

「がってんでい!」

 

さて、叫んで集めます。私は始祖!!

 

息を吸う。吸う。限界を超えて大気を肺へと溜める。

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

「えっ何」

 

上を向いて菜野人の如く咆哮する。びっくりするニゴミクてえてえのう。

これで調査兵団に調べられる事なく逝けるね!!

それはさておきセカイの四方行からみんな歩いて集まってきました。

 

「あれ…ほたる??」

 

「ほたる⁉︎アンタなんでいるの⁉︎」

 

「わが妹よ〜2時間ぶり〜」

 

三人が集まりました。そして最後に。

 

「…なんで」

 

と、そこには。

 

「やあ瑞希。あんな事言われてはい、さよなら〜なんてさせないよ♪」

 

驚愕の表情の瑞希がいた。

 

 

 

 

「ちょっと待って、なんでほたるが?それに、この人達は…?」

 

「…!その声!!えななんだ!!!」

 

と、急に叫ぶまふゆ。

 

「え⁉︎なんで知って…あっ!その声って!もしかして雪⁉︎」

 

「そだよ〜」

 

まふゆはなーんの元へと駆け寄り、手を握って握手する。ついでに手持ちのお菓子もあげてツーショットしてる。ずるい。私も混ぜて欲しいものだ!特に真ん中に!!

 

お菓子を食べさせられ、写真を撮られてわちゃわちゃした後、はっと思い奏の方を向くえななん。

 

「て事は…K⁉︎」

 

「うん。えななん…だよね」

 

まふゆは奏を集めてスリーショットしている。多分なーんとLINE交換してインスタ上げてますね。だから混ぜてって。

その後、奏は瑞希へ顔を向ける。

 

「という事は、あなたがamia?」

 

「…別にどうでもいいけどさそんな事。さっさと出てってくれない?」

 

しん、と一気に周囲の温度が下がったような気がする。なんだか黒いオーラが見えそうですね。

 

「どうでも…?」

 

と、奏が困惑する。

まさに雰囲気ブレイカーだな。戻すぜビート!

 

「では、この場所についての説明を始めるッッ!!」

 

その言葉につられたようにミクがぬっと現れた。

 

「こちらはミクちゃん。あの有名なバチャシンがイメチェンした姿!そしてこの何もない空間はセカイ。アホちゃん達がいる世界とは別の世界」

 

「そんなんどうでもいいの。出てってって言ってるの。分からないの?」

 

だんだん怒気が出てきました。このままでは突き放されてしまうでしょう。どうしよこれ。

 

「ねえ一ついい?私達はamia…瑞希の仲間じゃないの?」

 

と、まふゆが一歩前へ出る。

 

「急に話してきてなに?ボクは仲間なの?」

 

「うーん…よく分かんない。でもそれなりの時間を通じて私達はお互い一つのもの、ナイトコードでの活動を続けてきたでしょう?」

 

「…」

 

「顔は見えなくても。自分のやりたい事をやって、それが形になる。そんなナイトコード…25時の居心地は悪かったの…?」

 

「…それは」

 

そしてえななん。

 

「はあ…アンタが何で悩んでるかは私は知らないわ。…でも私達に言ってくれたっていいじゃないの?」

 

「言った所でどうにかなる?ならないよ。ボクはボクなんだから」

 

「アンタねえ…問題を解決してほしいなら言いなさいよ!!察して直して欲しいとか面倒なのよ!」

 

「…」

 

「私はamia…瑞希の事が全部分からなくても!!あんたのMVの良さは分かるわ!だって、ずっと…ずっと、見てきたもの!!

 

「…」

 

「それがなくなって!訳もわからずいきなりメンバーが行方不明でいなくなるとか…やめてよ…そんなの…」

 

これでも無理ならこれヤバくね瑞希救えなくねと思った。

その時。

 

 

「これ…ほたるが着てた服…だよね」

 

 

と、奏はセカイに落ちていた服を持って瑞希へ差し出す。

 

「…だから?」

 

「瑞希が何かに悩んで、必死にもがいてるのなら、その心に僅かにでも届いてたのはほたるの存在だったんじゃないかな」

 

「K、どういうこと?」

 

と、えななん。

 

「さっき瑞希は『ここから出てって』ってほたるに言ってた。『ここ』っていうのはこのセカイの事。

 

ほたるもこのセカイの事は知ってたと思う。それなのになんでそんな事がほたるに言えるのか。多分このセカイの主導権は瑞希が持ってるから言えたことなんじゃないかな」

 

「確かに…」

 

頷くえななんと斜め上方向を見る姉。半分分かってない顔だあれは。

 

「つまり、瑞希の心がこのセカイを作ったんじゃないかな。既にこのセカイ自体が現実離れしてるからありえると思う」

 

Yes!!!丸メガネかけて蝶ネクタイすれば名探偵だ!

 

「合ってるかな?ミク」

 

「そう。このセカイは瑞希のセカイ」

 

「ふふ…当たった…!」

 

と、少し自慢げになる奏。今すぐ抱きついていいですか⁉︎え?ダメ?

 

「ではなぜセカイが生まれたのかってなるんだけど、瑞希と私達の違いは心に大きな闇があるかないか。そしてその闇、心の悩みから生まれたセカイだとすれば、何でセカイにほたるのものがあるのかな?」

 

と、そこでまふゆがパーにした左手に右手の拳の下で叩いてアクション。

 

「キュピーン。ひらめいたお。その悩みに対抗できそうな存在…唯一の希望のほたるが頭から離れない、心に強く残っている…ってことなのかな。はっきりとは分かんないけども」

 

「うん、もしくは救ってくれるんじゃないか…無意識にそう思ってるんじゃないかな」

 

いや、ちょっと恐るべし奏ちゃん。えななんは顔中?だし。まふゆだってお膳立てしてもらってやっと分かる今の状況。

 

「だから、瑞希を救うのは私じゃない…ほたる、なんだよ」

 

バトンは引き継がれました。やるっきゃないね!!!

 

 

「みんな!瑞希の抱えてる悩み!力になりたいよって人!!」

 

 

私はすかさず手を挙げる。すると、

 

奏、まふゆの手が上がり、絵名の手がゆーっくりと上がっている。でれなんだね。

 

「なんで…さっきまで、顔も知らなかった人の事なんだよ⁉︎どうして…」

 

「もう会話して顔も知った。なら年が違くてももう友達なのだよ瑞希」

 

 

「は?」

 

 

さっすが我が姉!!普通の人にできない事を平然とやってのける!!そこにしびれる憧れるぅ!!!

てか、役割取んないで!!!

 

「これでお前とも、縁ができた!!!!」

 

オウ!ド○○○ザーズ!!!!!もういいや!ついてけねえ!

誰だよこんな風にした奴!!

 

「平常運転ね」

 

と、呆れ顔の絵名。

 

「そうだね…でも、忘れないでほしいな。瑞希の事を必要としてる人は『ここ』にいる事を」

 

と、奏は私達を見た後瑞希へ。

 

「そして、瑞希と友達でいてくれたほたるの存在を」

 

ここまでみんなが瑞希に寄り添ってくれるとは。小さなヒビが大きくなって崩れるのと同じか!!

…崩れたらダメだったわ。

 

「えっへん」

 

「ほたる。ボク…消えなくてもいいの…?楽に生きれる…?」

 

「もちのロン。こくしむそー!!私がいるんだし大丈夫。全ては大体なんとかなるんじゃ!」

 

「何がなんとかなるの…?」

 

「既にこの世の人は性に関して寛容になった!もう同性結婚、LGBT意識の改善、精神のバグはバグではなくなり、果てにはロリ属性やオーバーな年上、僕っ子やふたなりケモミミまでもがオッケーになったのだよ」

 

「ちょっと寛容すぎない!?」

 

と、とんでもねえ顔になる瑞希。そんな顔しちゃいけません。

 

「見た目や中身なんて関係ない。むしろ中身だけでお互いを知り合った場所がナイトコードなら。家族以外で瑞希を理解してくれる人は私、奏、まふゆ、絵名なんじゃない?」

 

と、私は3人を差す。

 

「…うん…そうだね…もう少し、いるよ」

 

「それは嘘じゃなくて?」

 

「うん…まあ…頑張ってみるよ」

 

なんとか元気になったようです。

うし!これはきただろ!!

 

「良かった…瑞希、本当の想いを見つけたんだね」

 

「ミク、心配かけてごめんね?」

 

「ううん、気にしないで。ほら。本当の想いから歌が生まれようとしてる。ほら…」

 

と、セカイに音楽が聞こえ始めました。

悔やむと書いてミライですね。基本的にuntitledは決まった曲になりますが、瑞希だけ別エンディングがあります。

 

私のジャンルは「救出」なので、それぞれのキャラが良い方向へ向かえば完了です。

 

しかしセカイイベントが発生した場合、「本当の想いを見つける」というミッションに強制的にチェンジされます。

そうなった場合は本当の想いを見つければ完了なので、「見つける事」さえ出来れば、()()()()()でもクリアとみなされます。

 

例えば瑞希が「ボクは壊れてるんだ。みんなが普通」と結論つければニーゴのuntitledは「バグ」になります。その後、瑞希は行方不明となり発見することは出来ません。

 

そうなった場合でも一応クリア扱いではあります。それがクソ要素。

 

「さあ…6人で歌おう」

 

「ま、待って。なんで私達まで…」

 

オロオロする奏。大丈夫!前のカラオケの点数低かったのは私がキー下げたせいだから!ごめんネ!

 

「本当の想いはあなた達4人がいなかったら見つけられなかった。みんな、来てくれてありがとう」

 

と、明確に微笑むミク。うへへ…てえてえ。

 

みんながそれぞれ歌う。しかし、瑞希だけは浮かない顔だったけども!

こうして黒くなりゆくセカイの崩壊、瑞希の消失は避けられました。

 

 

おっと、いきなり意識が飛んだ。

 

なになに…最高記録更新。16年10ヶ月。危ねえ!間に合わない所でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、いう訳で!!!番外編!!!始まるよ!!!




一話一話の文字数間違えたんで早く終わっちゃった…
て事でなんかやりますか!!

ほたる
その存在は学年だけではなく上級生にも知れ渡り、変人扱いが定着してしまった。本人は頑なに否定。意外にもモテる。

まふゆ
オンオフの差が激しく、真面目に物事に取り組む時は男女構わずコロリと落とすほどの美貌とカッコよさを持ち、普段はハジケている変人。
本人は変人扱いを断固否定。割とモテる。


移動教室や体育では基本的に奏に数人のSPが付き、階段や段差、ドアやボールなどの障害物を排除する。
保護動物。

瑞希
吹っ切れた瑞希は杏にほたる作のヌード絵を見せる事で微妙な嫌がらせをした。
ほたる「もはやヌードじゃなくてアウトにしようかな…?」
瑞希「それはやめてあげて」

絵名
ひょっとして私、歌が上手いんじゃ…?と思い、試しに歌ってみた動画上げたらまさかの30万再生。顔も出してみたらさらにフォロワーがどんどん増えていき、舞い上がってる。


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番外編 彰人くんカッコいい!え?体育祭はって?まだまだだよ!

カッコいい彰人くん出したくてうずうずしてました。
書いてたら日付変わってたんでバレンタインの内容がなくなっちまったぜ!!


 

神山高校。それはどこにでもあるようでどこにもない唯一無二の高校である。生徒の一部はピアスに染めた髪の毛、制服をちゃんと着ないなど、おおよそ現代社会においてあまり許されないような格好をしていたりするが、まあいいっしょ。と見逃されていたりするのかもしれない。それが神山高校。

 

話はそれたが、その神山高校にて今一大イベントが始まろうとしている。

 

 

「つーわけで彰人。体育祭のために運動教えて」

 

「俺以外に聞け」

 

「なんでさ⁉︎」

 

まだ空が赤くなる前の青空の下、放課となった二人の生徒が歩き話している。

片方はオレンジ色の髪に、前髪に黄色のメッシュ。制服のジャケットの下へパーカーを着てピアスをつけた男。そう、ニンジン嫌いパンケーキ愛好家東雲彰人である。

もう一方は毛先に青みがかかったラベンダーのような薄い紫色の流麗な髪を後ろでまとめ、ワイシャツの上にブラウスを着た本作主人公、朝比奈ほたる。愛称はアホ。

 

二人の顔立ちやスタイルはそこらのアイドルをごぼう抜きにするほどであり、過去にナンパやアイドル、ジ○○ーズに勧誘されたことも少なくない。

だが、どれも全て相手から引いている。それは一体なぜなのか。

 

「そこのお嬢さん、少し時間あるかな?」

 

数ある人混みの中から、そう二人に話しかけたのは中年中背、少し太ったアフロのおっさん。

恐らく自分の金稼ぎの道具を増やすために話しかけたのだろう。そんなアフロが後悔するまで残り2分。

 

「ありますよ!あんたはどうしたんですか!」

 

「お嬢さん、私は大手アイドルグループのプロデューサーなんですが、是非うちのグループへ来ていただきたいと思いましてね。詳しい話はそちらのお店で…」

 

明らかに興味のなくなったほたるは、通学カバンからペンとスケッチブックを取り出した。それを見た彰人はこの後起こる惨劇を察し、一応忠告することにした。

 

「悪い事は言わないのでこの人から離れた方がいいですよ。すぐに」

 

「なぜなんだい?彼女はアイドルになれる。それもとびっきりのね。邪魔はしないで頂きたいんだがな」

 

「はぁ…知りませんよ」

 

と、ほたるに目線を移すと既に「それ」が出来上がっている。

それを視認した瞬間に彰人は早急にその場所を離れる。

 

そして、ほたるが「それ」を見せびらかす準備が出来てしまった。

 

「邪魔が入って悪かったね。ささ、お代は出すからいこう…」

 

と、ほたるの肩に手をかけたその時。

おっさんは「それ」を目にする。それは。

 

自分の全裸の写真だった。

いや、写真にも見れる絵だった。それは絵と呼ぶにはいささか芸術の域を超えていた。顔の毛穴やたるんだ腹の肉質、加えて精巧に描かれた自分の小さいお○○○○。

 

「は?」

 

その瞬間、ほたるは不敵に笑う。まるで遊ぶおもちゃを買ってもらった赤子のように。獲物を見つけたハイエナのように。

 

「あはぁー…♡あなたぁ…ナンパですねぇ…?ナンパですよね?ナンパ!なんですよね!!!」

 

と、大きな声で叫びながらくるくる回り始める。

 

その様子に周囲の人々は振り返り、何事かと立ち止まる。

 

「皆さんはい注目っ!この人はナンパしてきて私の肩を触ってきました!アイドルグループのプロデューサーとかどこのグループかくらい言えっての!!て事でこれおっさんの絵!」

 

と、「それ」ことおっさんの全裸の絵を見せびらかす。男は「キモ」とその絵を写真で撮り、女は「キモ」と言ってもその場からすぐに立ち去る。

 

「ぎゃああああああやめてええええ」

 

と、おっさんは自分の裸体を隅々まで描かれた絵ををかっさらう。

 

「おかわりあるよ!!目に焼き付けなさーい!!」

 

「やめろおおおおおおおお」

 

と、二枚目を見せびらかし、それを奪おうとほたるの腕や肩、胴体を触る回数が増えている。

彰人はむっとし、駆け足でほたるの方へ行く。

 

やがて全ての絵をかっさらい、燃え尽きるほどヒートになったアフロのおっさん。

 

「はあ…はあ…クソ!調子に乗りやがって!こい!」

 

「ちょ、痛い。やめ…」

 

と、手首を掴んでほたるを無理やり連れて行こうとした時。

 

「…やめろよクソ野郎」

 

と、ほたるの手を掴んだ男の手首を彰人が掴んで離し、ほたるの肩に右手を回して守る姿勢になる。

ほたるは内心この時はドキッとし、彰人カッケェと頬を赤くしたが、その様子を見られる事は無かった。

 

「何すんだクソガキ!!」

 

と、男が彰人へ殴りかかるも。

 

「遅えよ」

 

彰人はその拳をあっさりと避け、殴りかかった手から男は地面に倒れる。

 

「た、ただじゃすまさんぞ!お前の顔は覚えたからな!」

 

お決まりのセリフを言って逃げようとする。がしかし。

 

「いいのか?自分の絵晒されてもよ」

 

と、もう完成している男の絵を目の前に見せる。後ろにいるほたるがスケッチブックを持っていることから、瞬時に描かれたものだ。

 

「俺たち、特にコイツには近寄るな。分かったか?」

 

「…はあ…はあ…クソおおお!!!」

 

と、男は駆け足で逃げていく。

 

「もうナンパしないでね!!!!んちゃ!!!」

 

と、そちらへ手を振るほたる。やがてその男の姿が見えなくなる。

 

「おい!大丈夫か⁉︎」

 

「へ、平気…」

 

ぶるぶる震えるほたる。無理もない。いきなり知らない男に連れていかれそうだったのだから。

 

「…本当か?」

 

「…ちょっと、来て」

 

と、彰人はほたるに人気のない公園へ連れていかれる。

 

「おい、何すん…」

 

何すんだと言いかけた瞬間。ほたるが彰人へ抱きついた。

胸板へ顔を押し付けられ、背中に力一杯手を回され、何がなんやらで少しパニックになる彰人。

 

「…怖かった。助けてくれてありがと」

 

ほたるからの呟くようなか細い声を聞いた彰人。ほたるはまだ落ち着かないのだ。それはこちらも同じ。

 

「お、おおおおおうそうだな」

 

「ちょっとでいーからさ。彰人もぎゅーって、して?」

 

と、ほたるは少し潤んだ瞳で上目遣いで頼む。彰人の耳までが赤くなり、これで頼みを断れる奴はおおかた男が好きな人しかいないだろうと彰人は思う。

 

「しょ、しょしょうがにゃないな」

 

と、ほたるの肩を抱き、背中を撫でた。

しばらく無言の状態が続いたが、ほたるにとっても。彰人にとっても。嬉しいようで気恥ずかしい時間だった。

 

 

落ち着いた後、公園のベンチに座り話をしていた彰人とほたる。

 

「めんご!毎度毎度やっちゃうんだよね」

 

「まあ今に始まった事じゃないんだが…何でそんな事するんだ?」

 

と、ふと疑問に思ったことを彰人はほたるに聞いてみる。特に理由が何のであれば次からは俺が無理矢理にでも引っ張ってその場を離れようと彰人は決めた。

 

「うーん…女性ってさ、私みたいに頼れる男の子がいない状況で、いきなり男性から話かけらたら割と怖いんだお。だから話しかけられないようにトラウマを植え付けようと…」

 

頼れる男。その言葉に彰人はドキッとするが、ほたるの事だ。どうせ無意識だ。大した意味はないと無理やり割り切る。

 

がしかし、あのハグは意識していないとやらないはずだ。つまりほたるは俺に気がある。そうかもしれないと、彰人の脳内コンピュータが結果を弾き出した。

 

男性の彰人には理解しずらいが、子供の時に知らない大人に話しかけられたら怖かったのを思い出し、そのような感じなのだろうなと彰人は思う。

 

「後はやりたかったから。いじょう!」

 

「アホか」

 

「あてっ!」

 

と、頭を軽く叩く。このやりとりも中学生の時から変わらず。

 

絵の高校へ通う姉よりも高い技術を持つほたるには謎しかない。

絵の事はほぼ分からない彰人だが、それでもほたるが異常な技術を持っている事は分かる。

 

あの一瞬で服の裏側の体系を想像し、下書き無しで陰影や細かな髪の毛、人の肉質や骨格までをもリアルに描く。

 

そんな神業にも等しい技術をなぜアホな事に使うのか。

高校一年生、美術部に入り、何気なく出したコンクールで最優秀賞や数多くの賞を総なめしたのに関わらずなぜ退部したのか。

なぜこんなにも俺はこいつが気になるのか。

 

考えれば考えるほど沼に浸かっていく。そんな人間が朝比奈ほたるである。

 

「あ!そだ!彰人時間ある?」

 

と、ほたるに聞かれ彰人は少し考える。東弥や杏、こはね達との歌の練習までにはまだ時間がある。

 

「少しならな」

 

「うっし、なら走るよ彰人!」

 

と、ほたるは彰人のほうを振り返り、手を掴んで走り始めるほたる。その笑顔にドギマギし、この俺の気持ちはまさかなと笑い流した。




本来であればその後にほたるが彰人にチョコをあげるんですが、日付変わったんで消しました。
しゃーないよね。


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番外編 イベストに耐えられなさそうだから現実逃避しよう!!

あと何話かを持ってこちらの作品での投稿はキリをつけようと思います。
自分で見返していて、「ここもっと色々やれたな」とか「あんまり展開がよろしくないな」って思ったりしたのでいつになるか分かりませんが、RTAはその内リメイクする予定です。
それではほんへ!!


 

朝比奈まふゆ。本来彼女は感情、味覚を失い、性格を創り、自分を創り、親の言うことを聞くほぼ人形に過ぎなかった。

だがしかし。妹によりそんな未来とは無縁の生活を送っている。

 

 

雲の少ない青空の下、ちゅんちゅん、と小さな小鳥のさえずりが澄み渡り、朝独特の爽やかな空気に包まれた休日の朝、おはようの挨拶が聞こe…

 

「わんだほーい!!」

 

「わんだほーい!!」

 

朝比奈まふゆ、ほたる。それは個性的なキャラが多い神山高校でも異色を放つ存在である。カテゴリー的には金髪の歩くスピーカーや、紫色のエイなど同類なのだが。

変人扱いは本人達は否定してはいるが、説得力は一切ない。

そして、これはただの挨拶である。

 

朝自分の部屋を出て、目と目が合っただけでこのやりとり。ついていけない方が大半だが、唯一ついていけるピンクの女の子は別の高校にいる。

 

「姉ちゃん朝から元気だね。どした」

 

「今日はニーゴ初オフ会なの。場所分かんないから奏に案内してもらう!」

 

「オフ会?」

 

と、ほたるがまふゆに聞く。それに気付いたまふゆ。

二人は思い出した。オフ会0人のグラサンを。

 

「「あはははははっ!!!!」」

 

腹を抱えて笑い出す。

彼女達のテンションは常に深夜テンションと言っても過言ではないと言われている。が、これで正常運転なのである。

 

 

「おはよう。お母さん」

 

「おは!」

 

「おはようまふゆ、ほたる。朝ごはんは鍋よ」

 

「「な、鍋⁉︎」」

 

まふゆの母。それはまふゆの人生をほぼぶち壊す超本人(ラスボス)であったが、アホにより回避された。そして、アホが地道にまふゆの母への性格の改善、もとい誘導と操作を行った結果、正常な愛を子供達に注げるようになった。

 

元来、ストーリー通りでは「まふゆママはまふゆに何かされたんか?」「うっわ捻じ曲がってら」などという豆腐達の意見があった。

だがしかし。母のまふゆを想う気持ちに一切の嘘はなく、その方法が悪かっただけなのだ。

 

ただ娘に安定した生活と質のいい人生を送ってほしい。その願いが強くなり過ぎてしまった結果、自分の考えを言ってからまふゆへ選択肢を迫る事であたかも誘導、有無を言わせぬ命令にすらも感じるような圧にやられてしまったのだ。これを無意識にやっているのだから尚更タチが悪い。

 

しかし、過保護な親という事を絶対守ってしまう優しすぎる子。そこにワンクッション(アホ)が入ってしまった。

 

「おっ…おおう…朝から鍋ってどうしたの!?」

 

「前スーパーに行ったらね、ウルトラな特売で鍋○ュー○があったのよ。で、お母さんなんと今日まで忘れちゃってたから食べちゃわなきゃ!って思って!」

 

「さすがお母さん!朝から普通はやらない事を平然とやってのける!そこにシビれる!あこがれるゥ!」

 

なんと伝播してしまった(そうはならんやろ)

 

なんとも母も影響を受けてしまった。

寒い朝には温かいものを食べたくなる。しかし、基本的にそれはホットコーヒーやホットミルク、コーンスープなどだ。朝から鍋なんて常人のやる事ではない。

朝からカオスが混沌としていく。

 

「二人ともシメはラーメンでいいかしら?」

 

 

「じゃ!行ってきます!」

 

「いってらっしゃい。遅くなる様なら連絡してね。迎えにいくから」

 

「うん!」

 

と、まふゆはオフ会へ。

喋らなければ誰もが振り向く可愛い女子高生だが、毎度変な歌を歌いながら歩くため、東京の人のように通行人みんなが避ける。

 

「お母さん、ほたるもお出かけしてくるんだお」

 

まふゆが出てから数分が経った頃、ほたるは母へと話しかける。

 

「気をつけてね。どこへ行くのかしら?」

 

「ズバリ!ご近所探検でしょ〜」

 

「あら、何かいいものでも見つかるといいわね」

 

「じゃ!行ってきます!」

 

 

「さらば〜♪地球よ〜♪旅立〜つほたる〜♪」

 

最低限のお金とスマホを持って近所を捜索するほたる。だがその行為に意味はなく、彼女なりの暇つぶしである。

 

「んんん?すごーい髪の色」

 

前を歩く女の子がほたるの目に入った。ピンク色の髪の毛の女の子だった。恐らく中学生か高校生。

 

「よっし、ちょっとだけ観察してみよう!」

 

と、ほたるはピンクを尾行。

ピンクは辺りをくるくる見回しながら歩いている。顔は見えないが楽しそうにしている事は間違いない。

 

「あ!いつものおじいさんだ!こんにちは!」

 

と、ものすごい速度でピンクは頭を下す。

その角度は90度に限りなく近く、理想的なお辞儀の例に採用されそうなくらい素晴らしいお辞儀だった。

ほたるはピンクはひょっとするとお辞儀のプロなのではと思った。

 

「こんにちは。またこの辺をお散歩かい?」

 

「はい!ご近所探検が趣味なので!」

 

「そうかい、元気があっていいのう。またの」

 

「はい!さようなら!」

 

と、ダイナミックな挨拶をして会話は終わる。

また歩き始めたピンク。それを尾行するパープル。

 

側から見ていればただのストーカーである。

 

何かと気配を察知し後ろを振り向くピンクだが、残像をも残さず視界から姿を消すパープル。

それは木の上。それは塀の上。それは車の後ろ。

 

嬉々としてバーチャスミッションを続行するほたる。だがしかし、道の角を曲がった瞬間にピンクは姿を消した。

と、思ったら。

 

「こんにちは!私の事気になるの!?」

 

「む!背後に増援!!!」

 

それは意外ッ!!!ピンクは上の塀へと登りあがり、即座に背後をとっていたのだ!!恐るべし身体能力ッッ!!

そして挨拶。

 

「私、鳳えむ!よろしくね〜!!!」

 

「ほう、えむちゃん。私は朝比奈ほたるというのね。よろしくなのね。スネークしてごめんなのね」

 

「うーうん!なんだか面白かったよ!」

 

普通は君の方が悪く思うのだろう。だがしかし、両者に普通のものさしは存在しない。

 

「ここら辺には詳しいの?」

 

「うん!家がすぐそこなんだ⭐︎」

 

「ほう。いい遊び場所を知っていると?」

 

「それならフェニックスワンダーランドに行こうよ!!私、ショーをやってるんだ!!」

 

「是非とも!!!」

 

こうして、えむ(わんだほい!)ほたる(アホ)が出逢ってしまった。

 

 

「ここ?待ち合わせ場所って」

 

「うん。このファミレスで合ってる」

 

まふゆと奏は待ち合わせのファミレスへ。

奏は基本的に外出はしないが酷い食生活(カップラーメンライフ)ではないのである程度の体力はある。

 

「入って席とっちゃお!!」

 

「そうだね」

 

二人は受付をすませ、あと二人くるのでテーブルでもよいか許可を得て座った。

 

「にしても、amiaとえななんが近くに住んでるなんて思ってなかったね」

 

「うんうんうんうん!」

 

などと、奏とほたるは談笑。現在の作曲の進行性やいつ予定が空いているか、今日は()()()()()()()()()()()()()()()、はたまた「活動時間もう少し早くしない?」などと。

それは25時ではなくなってしまうため、ファンの私としてもやめてほしい所。

 

「はあ…Kと雪…だよね」

 

「おっ!えななーーん!!」

 

「ちょっと…!こっちでは…はぁ、絵名って、呼びなさいよ!」

 

絵名が来た。恐らく走ってきたのだろうか疲れている。

 

「絵名。座って」

 

「ありがとK。…って、ニーゴの、名前で呼ばないでって言ったんだから私、が言うのはおかしいわね。奏」

 

「私はどっちでもいいけど、奏の方が嬉しいかな」

 

と、ほほえむ奏。いや、こんなに可愛いの⁉︎と、母性を体感した絵名。

思わず抱きつきたくなったが、リアルとしては初対面だし失礼だと思い、なんとかその場で踏みとどまった。

 

「私!私は!まふゆがいい!いいの!」

 

と、手を挙げて絵名に迫るまふゆ。

 

「はいはい、分かったわよまふゆ。奏、ami…瑞希はいないの?」

 

「まだ来てないね。何か飲み物でも飲もうか」

 

三人で話が盛り上がる。

 

そこから数分後。

 

「みんなごめん!遅れちゃった」

 

瑞希が来た。

来ないのではないかと心配していたが、杞憂だったらしい。

 

 

「ほう!!ほうほう!!お久しぶりのフェニックスワンダーランドだ!!やはり凄い!!広い!!!ぽかぽかする!!」

 

「でしょでしょ〜!!!ここに来た人は、み〜んなポカポカした気分になってくれるんだよ〜!!!」

 

「ここは天国か!!一巡してしまったかエンポリオ!!!」

 

ほたるは年齢的にお久しぶりのフェニックスワンダーランド。

 

「こっちこっち!!ショーの練習をするから良かったら見てほしいな!」

 

「是非とも見たい!!」

 

こうしてほたるは知ってしまった。金髪のスピーカーがショーをやり、図書委員のグリーンがロボをいじる歌姫であり、紫色のエイが機会いじりの変態であることを。

 

一時的なものとはいえ、ワンダショへの飛び入り参戦になってしまったが、ほたるは知らない。

夜、ショーが出来るレベルまで到達し、自分がショーに出演することを。

 

そして、彼女らも知らない。ほたるがフェニランで1日限定のショーをすることを。

瑞希が自分の事で迷惑をかけた事を謝罪し、奏が元気づけ、絵名が励まし、まふゆが気晴らしに。

 

 

フェニランのショーを見に行くと誘う事を。

 

 

「あはははは!!!!!わはははは!!!すご〜い!!!」

 

「ほたるちゃんすご〜い!!!」

 

「やはりな!!朝比奈にはキャストとしての素質があるッ!そして類!!俺にも飛ばせろ!!爆発以外でやっと飛べるんだぞ!!!」

 

「ドローンに乗って空を飛ぶなんて、司くんはやった事がないだろう?危険性が高すぎるよ。やっぱり、爆薬で司危機一髪の方が…」

 

「や、やめろォーー!!!!!!!類、考えなおs…」ドーン!!!!!

 

「…(ほたるさんがくるなんて…もう収集つかなさそう)」

 

背後の絶叫と騒音を背に、考える事をやめた寧々は地面に「帰りたい」と書いていた。




まだ途中ですが、イベスト読んで現実逃避しました。
急速に終わらせたので短くなっちゃいました。
ほたるちゃん、ショーやるってよ。なにやるんだろうね。


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番外編 がこれだけ長くなりすぎたよ…ごめんね…!

なんでだろう…
番外編書く時の方が上手く出来てる気がする…
長くなりすぎちゃった!ごめんね!!
訳はあとがきにあるから!それではほんへ!


 

「黄色!台本ってこれ?」

 

「ああそれだ。あと俺の名前は司だ!黄色ではない!!」

 

「天の道を行き、総てを司る男…黄色!!!」

 

「その名乗りは悪くない…!だがな!俺は司だ!天馬!司!!」

 

以前から執拗に勧められていたショーのキャストの招待を違う形ではだが、受け取ったほたるは1日限定でショーをやる事になった。

台本を渡されて数十分、お昼に入る前に全てを暗記してしまったほたるはショーの流れや施設、機械について把握しようと駆け回っていた。

 

「紫!これは何!?」

 

「それは姿勢制御ワイヤーだよ。浮く時に使うんだけど…ほたるくん、僕には神代類という名前が…」

 

「紫!!この剣みたいなのは何!?スターウォーズのやつ!?」

 

さっそく先が思いやられるくらいで引っ張り回していた。

 

 

ファミレスにてニーゴ初オフ会が開催され、かなり盛り上がった最中、突如として話の流れをへし折る一言をまふゆが投下する。

 

「フェニランいこう!!」

 

「さっきまで新曲の方向性話してたわよね!?明日は一日絵のレッスンなのよ!?」

 

あの先生からの講師があり、中々参っている絵名。

ほんへよりかは厳しく言われないためメンタル的にはセーフな方である。

 

「私は行きたいけど…絵名は行かないの?」

 

上見遣いの奏の言葉にそれはずるい、断るに断れないじゃないと思い、さてどうしたものかと頭を悩ませる。

 

「絵名のけちんぼ!!なんて器量の小さい!たかがレッスンの苦しみ一つ、フェニランで押し出してやる!!」

 

どうやらまふゆだけ宇宙世紀に飛んでいるらしい。

この世界には未練たらたらで殴りあう金髪と天パはいないというのに。

 

「誰がけちんぼですって!?」

 

ぎゃーぎゃー騒ぐ三人を見ていた瑞希は心が満たされるような感覚だった。

消えてしまったらこんな光景も見れない。絵名やまふゆ、奏がおしゃれに気を使っているなんて知らなかったし、この空間が落ち着く事も。

だからこそここにいたい。

 

「ボクも行きたいな!」

 

「やた!絵名が行かなかったら三人でプリとっちゃお〜」

 

中々いい顔をして煽るまふゆ。むむむむむ…と唸る絵名。やがて結論を出した。

 

「…ああもう!私も行くわよ!明日を乗り切るために思い出詰め込むわ!」

 

「えななん!男前!」

 

「ちょっと瑞希!誰が男前ですって⁉︎」

 

と、さらにヒートアップしていく三人に痺れを切らした。

 

「…みんな」

 

口を閉ざしていた奏。低く響く声で喋る姿に自然と三人は静まる。

三人の目線は奏へと。

 

「お店に迷惑だから静かにしよう?」

 

推しの豆腐が見たらあえなく尊死してしまう奏スマイルを正面から食らった三人は、赤血球が酸素を脳へ供給する事も忘れて固まった。

 

「「「…(女神…)」」」

 

騒いでいた三人の意思が一つになった瞬間だった。

 

 

時刻は二時頃。ワンダーラン好きショータイムと一匹は着実にショーの準備、練習、調整をしていた。

 

ほたるを使いたい司と類の提案に乗り、台本についてほたると類が話し合って変更。ほたるのアレンジが少し加わったが、大した変更点はない。それに瞬時に対応していくワンダーランズショータイムの四人。

 

「寧々ちゃん歌上手い!!!カラオケいこ!!」

 

「これから練習なんだけど…」

 

「忘れてた!!」

 

寧々の独唱があるパートの練習風景を見たほたるが食いついていた。

やはり歌姫と謳われるだけあって、聴くもの全てを魅了する歌声はアホにも届いた。

 

「あれ?寧々ちゃんが小さくなった!!」

 

「それはネネロボだよ…よよよ…」

 

ついていけなくなった類はあしたのジョーのように意気消沈。ショーの前に心がどっと疲れている。

 

「おい!みんな!一旦通しでやるぞ!!いいか!!」

 

司の声でみんなのスイッチが入る。それはほたるも例外ではない。

さっきまでとは別人レベルの雰囲気を放つほたるを見た司は、やはり素質があると改めて確信した。

 

そこからはスムーズだった。

アクションシーンはは急遽入ったほたると司のアクションにより躍動感、ダイナミックな動きがさらに生まれ、演技に関しても司や寧々ほどではないが、問題はない。

 

ショーの衣装を着た時ももって生まれたルックスにより、女性に関してあまり関心のない類と司でもうっかり魅了されてしまい、類の制作した機械の使い方もある程度ではあるが覚えてしまった。

 

「…なんというか、俺より向いてるんじゃないか?」

 

悔しくも認めざるを得ないスペックを目の当たりにした司は少ししょげていた。

 

「黄色には黄色にしか出来ない事がある。演技がそうでしょう?すごいもん、あんなに感動する演技するなんて。多分私はリーダーとかは向いていない。あなたはこのユニットの座長なんでしょう?なら、胸を張りなさい」

 

と、司の胸をとんと突くほたる。その言葉に勇気が出た司はやはりほたるを誘い続けてよかった。えむが連れてきてくれてよかったと改めて実感した。

 

「…そうだな!みんな!!今日もみんなの笑顔を作るぞ!!」

 

その言葉に全員の気持ちが一つになった。

 

 

「それにしても、ほたるちゃん!今日だけで全部出来るようになっちゃうなんでビックリだよ〜☆」

 

「みんなの教え方が丁寧だった!!!たくあんは演技の上手いやり方や感情移入の方法に客の心を掴むハリウッド性!!

ぶどうは演技もさながら、伸縮ベルトや花火の発射装置などの盛り上げにかかせない最高の演出法!!

えむちゃんは怪我をしない運動方法や体重移動、老若男女全てにを笑顔にするサービスのスペシャリスト!!

寧々ちゃんはその歌声で聴くものを全てを魅了し、その笑顔で人々を照らし笑顔を作るまさに女神ッ!!

めっっちゃ素晴らしいッ!100てん!!!」

 

と、ほたるは親指を立ててありのままを曝け出す。

 

「「「「…」」」」

 

ショーの終わりに良かったよ、感動した、とは言われたりする事はあるのだが、ここまでどストレートに嬉しい事を言われたことはないので四人とも耳を赤くさせてニマニマしている。

かあいいね。うん。

 

「…ちょ、ちょっと待て朝比奈。なぜ俺はたくあんになったんだ!?」

 

「確かに。僕もぶどうになっているし」

 

「たくあん、ぶどう。もう一回通したいんだけど」

 

「「寧々まで!?」」

 

と、寧々も乗ってきた。

ほたるは寧々がノリに乗る人ではある事を覚えた。

 

「ほたるちゃん!!私のことそんなに思ってたなんて嬉しいな〜!!!」

 

と、感極まって突進してくるえむ。ほたるはその突進力を利用して膝裏を左手で掬い上げ、えむを抱っこしてしまった。

 

「実際、そのくらいの魅力が四人にはあると私は思ったんだお。でも、素人目線のアホちゃんから見ても改善点は私も含めてあると思う。なら、まだまだみんなは駆け上がれるんじゃない?」

 

四人は考えた。自分の理想の自分となっているすぐ姿を。

そうだ、まだまだ自分は上がっていける。登っていける。そう考えるとテンションが上がってきた。

 

「よし!!!あと数時間、最終調整をやるぞ!!」

 

かつてないモチベーションでショーに臨めるのは彼女の影響が響いている。そして思う。やはりほたるもみんなに元気を与える「力」があると。

 

 

「お!ひ!さ!し!ぶ!りーーー!!!」

 

入園早々、民衆の真ん中で突如と叫び出すまふゆに周囲の人々は人混みに空間を作った。

 

「まふゆ、ちょっとうるさいわよ?」

 

「ボク、あのドラゴンズドリームとネオフェニックスコースターってやつ乗りたいな!!」

 

「つ、疲れた…」

 

奏たち御一行はフェニランへときていた。賑やかなアトラクションに楽しそうな人の声がどこからも聞こえ、いるだけで何故か幸せな気分になれる場所。

無断でロボットショーをやるエイは現在振り回されている。

 

「お昼は食べたからいらないよね?よし!あれ乗ろう!!」

 

「メリーゴーランド?ボクはいいけど…奏と絵名はどう?」

 

「大丈夫」

 

「いいわよ」

 

そのあとはしばらく遊ぶ4人だった。

ネオフェニックスコースターで奏がノックダウンし、水のアトラクションで絵名が化粧崩れを心配し、全てを楽しく乗れた瑞希はまた来ようと決意し、まふゆは観覧車をぐわんぐわん揺らした。

 

アトラクションを半分ほど乗り、四時を過ぎた頃休憩にと訪れた売店のエリアへと一向は来ていた。

 

「チュロス食べたいんだけどどう?」

 

「えななん太っちゃうよ〜?」

 

「うっさいわね瑞希。明日はストレスやらで痩せるから問題ないの!奏とまふゆはどう?」

 

「私も食べたいな。まふゆは?」

 

「…」

 

と、まふゆを見る奏だったが、なぜかまふゆはチュロスの屋台を見てぼーっとしている。

 

「ま、まふゆ?」

 

「…あ、ごめん。少し考え事してた」

 

絵名も瑞希も、こんなに考える事あるんだと素直に驚いたが、それ以上に気になる事があった。

 

「まふゆが言いたくないなら良いんだけど、何かあったの?」

 

「…少し長くなるよ?」

 

「うん」

 

「ふう……よし。私とほたる、お母さんの三人で小さい頃にここに来たことあったの。今のお母さんは怖くない…いや、はしゃいで怒ったら怖いか…その時は私の意見を聞いてくれなかったのを思い出したの」

 

いつも明るい笑顔しか見せなかったまふゆのカミングアウトに三人は心配になる。

 

「私は砂糖のチュロスを食べたかった。でも、お母さんはプレーン味でいいわね?って。今思えば押し付けられてたんだと思う。でも、私とは違って自分の意見をちゃんと言えてたのがほたるだった」

 

「ほたるが…?」

 

「小さい頃から小学校高学年くらいまで、私はお母さんのいいなりだった。意見を聞かずに塾にいきましょう。看護師になりたかったけど医者にしなさい」

 

「い、今はまふゆのお母さん怖くないんだよね?ボク、中学生の時のお母さんのイメージしか覚えてないんだけど…」

 

瑞希がまふゆの母に会った時の印象は「逃げたい」。それだけだった。人を値踏みして切り捨て、裏返り歪んだ愛情表現をすると心が分かった。

故に朝比奈家に遊びに行って以来、ほたるとほたるの姉の事が心配だった。

 

「あのまま…ほたるが自分の意思を伝え続けて、私に意思を伝える勇気を教えてくれなければ、私はお母さんの言うことを聞く人形と変わらなかったと思う」

 

「まふゆ…」

 

もしも、と考える。ほたるがいなければ。

まふゆが母の言う事を聞く肉の塊になり、やがて期待と疲労により心がぶち壊され、帰らぬ人と…

三人はどうしようもなく悲しく、怖くなり、まふゆへと抱きついた。

 

「わっ…ちょ…」

 

「まふゆ…どんなあなたでも、私が助けるから」

 

「私だって…その…助けるわよ…」

 

「ボクも!まふゆの友達だもんね!」

 

周囲の目を引き、少し照れちゃうなと耳を赤くするまふゆ。

でも、もしも心が壊れてしまいそうな(まふゆ)がいるのだとしたら教えてあげたい。

きっと、(あなた)を救ってくれる人がいるよと。

 

私は一人じゃないよと。

 

 

こんなにも楽しい事がある。消えてしまっては分からなかった事。感じ得なかったもの。

久しぶりに瑞希は一日を他人と過ごした。

 

何もない日は一人で服を買いに行ったり見に行ったり。

自分の部屋に閉じこもって動画のMVの作成やアニメを見たり。

 

そもそも人と必要以上に関わろうとするのを諦めた。

他人の考え方にほんの少しでも理解を持ってもらうのも諦めた。

自分という存在を認め、否定しないで欲しいと願う事を諦めた。

心が耐えきれなくなり、戦う事をやめてこの世にいる事を諦めた。

 

瑞希は諦めようとしたのではない。()()()のだ。

立つ事をやめ、座り込んで地面からべったりと長い間離れなかった。

決して動く事のない大きな岩のように。

無邪気な子供に羽をもがれた虫のように。

 

だからこそ、この世界から飛び降りようとするボクの手を握ってボクを取り戻してくれた友達に改めて言いたい。いや、何度でも言おう。

この先ずっと。死ぬまでも。死んでからも。

 

ありがとうと。

 

 

「瑞希…良かった。奏もまふゆも絵名も」

 

ぴょっこりスマホからバレないように四人を見ていたミク。その暖かい光景を見届けた後、やがてその姿はスマホへと消えて行った。

 

 

日も暮れた五時半頃、アトラクションのほとんどを制覇した奏達は帰ろうかと足を運ばせていた。

 

「絵名。これだけ遊んだから、明日は頑張れる?」

 

「ありがとう。元気が出てきたわ!!」

 

「あははははは!!!!えななん元気モリモリィィーー!!!」

 

「あははは!!えななんモリモリって…!プッ!!!あっはははは!!」

 

「なんですって!?まふゆ、瑞希ちょっと来なさい!!!」

 

騒がしい四人。だがそれをうるさいと思うものはいなく、可愛いJKが微笑ましいやりとりしてる…くらいの感覚である。

やがてフェニラン出口が見えそうという時。

 

「この後ショーやりますよ!!!みんなにわんだほいをお届けする、スーパーウルトラワンダーランズショータイムビクトリーカムカムでーす!!!!!」

 

という声が出入り口付近の人混みの中から聞こえる。

声の方へ目を向けると、大きなクマ型の土台に立っている人が。

 

「わあ!私見たい!ショー見たい!チョー見たい!」

 

「うーん…私も出来れば見てみたいけど…みんなは門限大丈夫?」

 

と、絵名は奏と瑞希に聞く。

 

「ちょっと待って、連絡してみるね」

 

「ボクも!」

 

と、連絡をする二人。

絵名はやけにスタイルのいい女の人だな。と声出しの人を見て思った。

 

頭は小さく、腕と足の長いすらりとした体型。

しかし、胸は横から見ても大分あり、尻の方もむちむちもしていて女の絵名としても憧れるプロポーションだった。

 

そんな彼女が来ている服はやけにフィットしているタキシードだった。

うさぎの耳がハットについているのは可愛いポイント+20点…とか考えていたら、聞き覚えのある声だと言うことに気づいた絵名。

 

もっと近づいて見ようと思い、人混みの中歩いていくとやがて見えた髪色は薄紫。

そして見えた人物は。

やはりアホ(ほたる)だった。

 

「あれっ!?なーんじゃ〜ん!!この後、ショーやるからぜってえ見てくれよなっ!!!」

 

 

 

「アンタ何してんのッッ!?」

 

 

 

人混みを忘れて叫ぶ絵名。

なぜ知り合いが急にショーで働いているのか理解がつかなかった。

昨日だってカエルの解剖動画を見るとカエルが描きやすくのとか変なアドバイスを受けたばかりなのに。

 

「いや…ショーのお手伝いだけど…まいいや!六時からやるから見てね!!絶対わんだほいさせるから!!それじゃ〜!!!」

 

と、クマ型の土台ごと飛び立っていくほたる。クマの土台が変形して飛び立つ事や、急に職に就いた友人。多量の情報量により絵名の脳のキャパはショートしかけた。

 

「……わんだほいって、何…?」

 

一人で走って行動したので、迷子になっていたのは言うまでもない。

 

 

奏と瑞希の許可がとれたのでショーのステージへと向かう四人。

係員らしき人が矢印のついたパネルを掲げてくれていたので迷わずに進んでいる。

 

着いた先はワンダーステージ。

少し年季を感じるステージだが、たくさんのライトやカラフルなもので彩られており、何が始まるんだろうとワクワクさせてくれるような印象を持つ。

 

大人数でほぼ満席。増設された席もうまりかけていて、まるで大人気アーティストのコンサートのようだった。

 

ここがかつて取り壊しの予定だったなんて信じるものがいるのだろうか。

そしてそれを覆された事も。

 

四人は空いている席へと座り、開演まで待つ。

その間は四人とも声を発さなかった。否、発せなかった。

それほどまでに、このステージには人をワクワクさせ、何が起こるんだろうと人々に思わせる魅力がある。

 

そして四人の沈黙を断ち切るように開演のブザーがなり、周囲は異世界のように無音となって凪いだ。

 

 

ワンターランズショータイムと一匹はステージの裏で最終調整を行っていた。

 

「ある日、王国の騎士アナライは道に落ちている宝石を拾う。その石に呪いがかかっていることを感じたアナライは解呪の魔法を使うとジョリーンという女性へと戻り、魔王の呪いによって石になっていたことが判明。

 

その石化の呪いは伝染するため、石にされる前にとアナライは呪いの主、魔王を倒しに行く。その中で襲ってくる刺客に友情を育み増えていく仲間と、愛を膨らませるアナライとジョリーン。

 

紆余曲折を経て魔王を倒し、呪いを解かれた石の女性、ジョリーンと結ばれる…おさらいはこれで完璧かな」

 

「はーっはっはっはっ!!俺は騎士か!勇者から騎士へと台本がまあまあ変わったが、俺の輝きを失わない!!」

 

「魔王の石化の呪いと、呪いの副作用で独特な波長に弱いからって私の武器が弱点を放つ波長の歌っていうのはナイスアイディアじゃない?」

 

「私が石の女の子で、ほたるちゃんは刺客役だね☆」

 

「オッス、オラ刺客!悪役はワクワクすっぞ!!」

 

「フフフ…そして僕が魔王だね。ほたるくんとのぶどうコンビとしてお客さんたちを恐怖のどん底に落とそうか…!!」

 

「「ふはははははははは!!!!」」

 

…もしかすると、交わってはいけなかったのかもしれない。

 

アナライが司、石になってしまった女のジョリーンがえむ。

途中で増える仲間が寧々とネネロボ。

刺客はほたるだが、刺客の役は2つある。

そして魔王は類だ。

 

魔王はかつて優秀な魔術師で、人助けを欠かせない正義の男だった。

しかし、飽きる事のない熱意で病気を治す魔術を開発していた時、副産物として強力な魔術が出来てしまった。

 

そして気づいた。この力を使えば人を、世界を征服できる程の力があると。

 

それは『正義』ではない、『悪』だと割り切ってはいたが、人間の業は燃え尽きる事を知らなく、その魔術を発展させた「呪い」を使って自分の欲のためにとうとう行動を起こしてしまう。

 

石の女、ジョリーンについてだが、魔王といえども人間。

魔王の娘ことジョリーンも人間だが、父が人を石にする魔法を使って国を征服しようとするのに抵抗を感じ、必死の説得をするも虚しく、魔王に石にされてしまう。

そのままコロコロと転がる石のジョリーンをカラスが拾って落とし、マックスが拾ったという訳だ。

 

魔王を倒した後、残虐非道を働いた自分の父の血を引く自分が、みんなのヒーローである勇者を慕っていいのかと…

 

そう思ったジョリーンは夜のうちにアナライ達から離れ、アナライは自分の想いを伝えられないままジョリーンを探す日が数日と過ぎる。

 

しかし、ある日アナライは捜索の途中、奇妙な石を見つける。

それは自分で自分に石化の呪いを使ったジョリーンだった。戦いの最中、父の魔法を見て会得したのだろう。こうすれば見つかる事はない。前とは色も形も大きさも変えた。永遠にさよならだと思っていた。

 

そのジョリーンの石をアナライはその場で解呪し、アナライは必死に自分の気持ちを伝え、ジョリーンと()()をし、結ばれてハッピーエンド。

 

そう、

 

 

 

アナライ役は()

 

 

ジョリーン役は()()である。

 

 

 

「な…なあ類!ここのキスシーンってどうするんだ?」

 

「そうだね…ほたるくん。どうしようか?」

 

「え。やればいいじゃん。やっちゃえからし」

 

「な、何ィィィ!?」

 

顔を真っ赤にして飛び上がる司。

目が泳ぎ始め、手は一人でに勝手に動き始める。

 

「いや…しかし!観客に背を向ければ違和感なくやり過ご…」

 

「司、えむのとこ行ってきて。ラストシーンの相談だって」

 

「そ、そうか…わわ、分かった」

 

寧々に促されてえむの所へ行く司。

 

「…で、ほたる、いつから気づいてたの?」

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

寧々はほたるに聞く。

そう、えむは司の事が好きだった。それはlikeではなくloveでだ。

しかし、それを表沙汰に出す事は無かった。寧々ですらえむに言われてやっと気づいたレベル。

隠し通せていたのだが、アホに効かなかったらしい。

 

「乙女の心は一途になった時には単純になっているもの。見ていれば分かったよ」

 

「台本、いつもと少し違う所があったのも?」

 

「ああ、アレはいままで練習していた脚本にほたるくんが少しアレンジしたんだ。僕としてもこちらの方がみんな(えむと司)にとってはいいと思ったからね」

 

「急に変わっちゃってごめんだったけど、この台本は寧々ちゃんどう?」

 

と、言われ考えこむ。

少なくともラストシーンはほたるが考えたものは分かる。

それはえむが司に対する気持ちを汲んだ上で台本に組み込んだとしたら。

 

「いい台本だと思う」

 

「ありがと寧々ちゃ〜ん!!」

 

「わわ、ちょっと…!」

 

台本のアレンジが褒められたことが嬉しくて抱きつくほたる。

身長差で豊満な胸に埋められた寧々。

 

「あ、ちなみにイエローテンパランスもえむちゃんの事好きだよ」

 

「「そうなの!?」」

 

突如として投下される衝撃の発言。

驚きを隠さず二人はハモる。

 

「やっぱり目線で見る回数や、絶妙な距離感に踏み込んだり、えむちゃんをみた時の心臓の鼓動とかわりとバレバレだったね」

 

「ほ、ほたるくん…そこまで分かるって事は…」

 

「ハーミッドパープル。恋は燃える炎だ。がしかし。いきなり火がなくなる事もあるんだよ。それは燃え尽きる場合もあるし、急に水をぶっかけられるのもある。その炎、熱をを失いたくないのなら…伝えるのは早めに、だよ?」

 

と、ほたるは寧々へ一瞬だけ目線をチラッと向ける。

 

(参ったなあ…バレてるなんて…)

類は内心飛び上がった。

 

(え…!私が類の事が好きって事もバレてる…よね…)

寧々は自分でも最近は類の事をチラチラみすぎた節がある。

 

「…というかまた名前が変わったね。司くんはイエローテンパランス。僕はハーミッドパープルに」

 

「じゃあ私はハイエロファントグリーン?」

 

「寧々ちゃんだね!」

 

と、そこで司達が戻ってくる。

二人とも頰も耳も首も真っ赤にしつつも幸せな表情を浮かべ、口角が自然と上がるのを隠せずにぎこちない足取りでこちらへ来る。

 

 

おやおやおやおやおやおや

 

 

どうやら上手くいったようだ。

 

「す、すまん、調整もう少しで終わりにするぞ!」

 

司は入念にショーの器具や各キャストの動きを確認する。

このショーを成功させるために。この一回一回が心に残るように。

 

「にしてもよかったねえむちゃん」

 

「わ…わ〜!あぅ〜!!(≧∀≦)」

 

顔を真っ赤にして凸撃してくるえむを受け止めたほたる。

 

「うう〜、嬉しいしわんだほいが止まらないよ〜」

 

「そうだとも。わんだほいとこいはノンストップ。けど、今からショーの時間だね。自分の気持ちはショーで伝えたらいい」

 

とほたるが言うと、ニヤニヤは無くなりえむは役者の表情へ。

さっきまでのデレデレは無くなった。

司は類や寧々と話し、司もニヤニヤを消してスイッチを入れる。

 

 

ビー、と開演のブザーがなり物語の歩みが始まる。

観客席からは一切の音はせず、有るのは自分の心臓の鼓動と仲間の吐息のみ。緊張感とこれからお客さんをワクワクさせたい気持ちが混ざり合い、程よい緊張と挑戦を保つ。

 

自分はどこまで出来るのか。

人を感動させられるか。

老若男女問わず笑顔を作る事が出来るか。

 

「よし…いくぞ。わんわん〜」

 

「「「「「わんだほ〜い!」」」」」

 

静かかつ、観客はおろかステージ裏側にいる人でさえも気づかないほどの掛け声。しかし、必ず五人の心は束ねられ物語は始まる。

司、いや。

 

「アナライ」はステージへと上がっていった。




ちなみに作中にあるお話は名前はジョジョの徐倫、アナスイをモチーフにしました。至って服装は普通です。キラキラしてたりするだけです。
話自体は色々混ぜ合わせて叩いて割ってこうなりました。

それと絵名と奏好きの人ごめんね。次は目立たせるから…

ここで終わらせたのはショーの内容って見たい方はいらっしゃるのだろうか…と、アンケートをとりたくて終わりにしました。
ミンナガミタイナラワタシ、ガンバルヨ…(小声)


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