恋愛クソ雑魚リュールちゃん (ごまだれ醤油)
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日常

現在18章までプレイしているんですが封印、覚醒、if、風花雪月とプレイした感覚としてはもうすぐで終わってしまう……そんなのやだー!もっとやりてぇんだよー!!!!と思ったらなんとエンゲージの小説が。
それを読んで18章をクリアしてかーっ!セリーヌヒロインの小説も読みてぇなぁ!女主人公ことリュールちゃんヒロインの小説も読みてぇなぁ!!
んじゃ書いてやるよおぉ!小学5年生くらいに書いたゴミカスを除けば処女作だしドへたくそでも短編なら何かいても許されんだろうーが!セーフセーフ!!と思い書いたのがこちらです。
転生ネタなどがでますので苦手な方はバックをお願いします。
大丈夫な方は2、3分程度の暇つぶしになればと思います。
ネタバレはたぶんないです。


 あなたは転生者だ。それなりにファイアーエムブレムをプレイし、プレイできなかったものはプレイ動画とか某大百科で知ったにわかファンである。

 そんなあなたはなんやかんやでかつてドはまりした「ファイアーエムブレムエンゲージ」の世界に転生しなんやかんや生きてきた。

 平和な国で育ちオタクに属するあなたに戦う才能なんてなかったはずだが転生したせいなのか幸い戦うことができ生き延びることができた。

 転生したときの時代は原作の真っ只中。さらには主人公神竜リュールの旅になんやかんやでついていくことになったのだ。

 プレイした時から思ってたけど変な奴ら多いよなこの軍とかプレイ中に推していたセリーヌ王女ぐうかわマジ王族気品が歩いてるとか考えながら過ごしていた。

 

 

 

 

 

 

「……これで私の勝ちです。"――"」

 

 あなたはリュールとオセロをしていた。そして見事に負けたのである。

 

「始めたころと比べたらお互い上達しましたね。といってもあの一手はよくありませんでしたね」

 

 リュールは始めたころといっているが初戦はあなたのボロ負けである。

 この世界実はオセロがなく、ここソラネルにいる人間にオセロやろーぜ!といった際にはなにそれ?という反応だった。

 その時リュールと対戦したのだがここであなたはFEに遭遇戦という本編とは別のマップでやる際にでる脳死プレイさがでてボロ負けしたのである。

 本編で異形兵と初めて対敵した際に撤退を指示した思慮深さは伊達ではなかった。

 

「いったい何を考えていたんですか?」

 

 あなたはしょうもないことです、と答えた

 

「しょうもない、とは?」

 

 しょうもないということです、と答えた

 

「そのしょうもないことを知りたいのです」

 

 あなたはなぜそのようなことを知りたがるのだろうか?と首を傾げた

 

「知りたいんです。教えてくれませんか?」

 

 神竜という一応神様と称えられている存在にこうまで言われては答えるしかなかった。一応頭に失礼かもしれませんが、とつけて神竜様は大変お綺麗ですね、と

 

「えっ……、あ、は、はいっ」

 

 嫌だったでしょうかと答えるといいえ違いますと即座にリュールは否定した。ちなみにどこが?とリュールは先を促した。

 まぁ本人も嫌ではないと言っているし誉め言葉だし大丈夫かと思いあなたは先を言った。

 やはり目立つ神竜様の髪の毛ですね。青と赤のコントラスト……組み合わせがある方は私の知る限りいませんしその色合いが大変すばらしくお顔の良いのもあって神竜さまがもつ唯一の美しさを引き立たせている。

 最後のほうは結構たじたじになりながらもそう答えた。

 

「あっあっあのあのありがとうございますっ……」

 

 リュールは顔を横にそらしてそういった。顔は少し赤くなっているように見えた。

漫画みてぇな反応するなてか漫画じゃんすげぇー。こいつおもしれー女。ヴァンドレが聞いたら激怒待ったなしなことを心の中で思った

 いやしかしなんで照れてるんだろうとあなたは疑問に思う。本編でいろんな誉め言葉をもらっていたがそれに対し素直に礼をいい、むしろ相手の良いところを称賛するのはあなただっただろうと。

 ふとあなたは前から少し疑問に思ったこと聞いてみた。

 私、神竜様とお話しすることって多いですね、と。

 

「えっ?」

 

 即座に失礼な言い方だったかと思い慌てて特に深い意味はないのですが、とあなたは付け加えた。

 

「それは……"――"がほかの方とは違うと感じているからでしょうか」

 

 あなたは内心首をかしげた。自分は王族でも何でもないというのに。

 

「ほかの皆さんは私を神竜様と崇めてくれています。ですがあなたはからはそれを感じなくて……。いえ、敬意?のようなものは感じるのですがええと……」

 

 それはおそらくあなたが日本人だからだろう。あなたは神はいないと考えているがいるとも考えている。初詣とかそういう感じで。日本人特有の宗教観だ。

目の前にいる彼女はこの世界では神とされているがだからといって崇めたりする気にはなれない。

 あー、神竜様って神とされてるんだったわマジモンじゃん。FEって中世的な感じの世界観だし変な対応したら首ちょんぱとか冗談じゃないしとりあえず敬意もって接してれば大丈夫だろ。というのがあなたの考えである。

 

「ほら、前にまふてぃーだんすというものも教えていただきましたし」

 

 その話はやめてほしいとあなたは頭に手を当てた。あなたはダンスをこれっぽっちもおどれないがなぜか覚えていたマフティーダンス(Full)をストレス発散に踊りたくなったので誰もいない場所で踊っていたのだがそれをリュールにみられてしまい歌もこの時代にはないものであったから珍しさのあまりいろいろと聞かれたのである。

 適当に、武力で争うことがはびこっていた時代、横暴な政治を行う国に対する非暴力的な抗議活動として一部地域で広がった反省を促すダンスだのうんたらと説明した結果、彼女がマイルームで踊っているのをヴァンドレに見られガチギレされたのがトラウマなのである。

 このときあなたは顔を真っ青にしてすみません、申し訳ありませんとヴァンドレに謝り倒していたのをリュールが弁護してくれていたのを覚えている。

 

「うまく言えなくてごめんなさい。でもあなたとお話したり遊んだりするのは楽しいんですよ。オセロも教えてくれましたし」

 

 あなたはそれならいいですけれどヴァンドレに怒られるのはごめんであると答えた。

 

「ふふっ。はい。わかっていますよ」

 

 リュールは笑顔でそういってその場は解散となった。

 

 

 

 

 

 

「あら?ごきげんよう神竜様。何かとてもよいことでもあったのですか」

 

「セリーヌ?ええと……どういうことですか?」

 

「気づいていらっしゃらないのですか?とてもうれしそうなお顔をされていますよ?」

 

 

 

 




書いてから思ったけどあんまり恋愛クソ雑魚感でてねぇな……
エンゲージプレイ中の方でとりあえずつぶやきてーな!という方は感想欄に書いていただけると嬉しいです。
将来性もない小説だけどまぁカップ麺作る暇つぶしにはなったよ、というかたもいたらうれしいです。本編ネタバレはもちろんなしで。(まぁOPとあれで主人公はあれかなーとは思ってはいますけれど)
自己満足の妄想であるので続き書くかもしれないし書かないかもしれません。
100人も読んでくれてたらいいほうかな。
ここまで読んでいただきありがとうございました。


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日常2

感想2つ、評価5件と過大な票をありがとうございます。
ということで続きを書いたのですが、小説書くのって大変ですねぇ……
1話は開業とか結構使ったので3000字くらいかなーと思っていたら2000字ちょっと。
こんなに大変なのに人によっては自分の倍以上の文字数で毎日更新している人はすごいですわ……これがプロットなしの違いか。
というわけで急遽書き上げた2話です。
カップ麺の暇つぶしとしてどうぞ。



 ちゃーんちゃーんちゃちゃちゃちゃ、ちゃーんちゃーんちゃちゃちゃちゃ、ちゃららららら~

 いち、に、さん、しと声を出しながらあなたとリュール、アルフレッド、エーティエの筋肉族とその他数名が手足を伸ばしている。

あなた達が行っているのはラジオ体操だ。訓練を始める前にやっていたら王女セリーヌ公認の蛮族の擬人化ことアルフレッドと筋肉に取りつかれたエーティエに見つかり奇妙な目で見られ何をしているのかと問われたのだ。

 

 二人にラジオ体操という全身の骨や関節、筋肉を動かす全身運動と説明すると、特に筋肉のところに食いつきいろいろと説明を求められたのである。

 現代を生きた人間ならだれでも知っているラジオ体操はやるととにかく健康に良く良い全身運動でもあり、3分と少々という短い間に13種類もの運動で全身の筋肉を動かせると知った二人の反応は目を輝かせ興奮を隠しきれていなかった。

 自分が考えたと厚顔無恥なことは言えないため旅の途中で退役したのちも筋肉のことを研究し続けた軍人こと筋肉博士に教わったと無駄に話をもって説明した。

 筋肉博士なんて名称の人物なんてFEにいるわけないだろと一瞬思ったが、公式が覚醒したり菓子で雇われる盗賊が登場したこともあるので別にいいかということにした。

 さらには体を伸ばしたりすることによってケガの予防や病気の予防にもつながり運動不足の解消となるため老人になったあとでも健康でいられると聞くとさらに興奮した。

 どうやらFEの世界には訓練の前に体を伸ばしたりするという文化があまりなかったようでそれならいったい今までどうしていたんだと思うがなんやかんやしていたのだろう。

 と、視界の端に特徴的な色合いがみえた。リュールである。

 リュールはとてて、と早歩きで歩いて疑問を口にした。

 

 

「こんにちは"――"、エーティエとアルフレッドと一緒に、何をそんなに楽しそうにしているのですか?」

 

 あなたはアルフレッドを先に呼ばないんだなという言葉を頭によぎらせながら先のいきさつを説明した。

 純粋無垢で興味津々なリュールはすぐに食いついて4人でラジオ体操を行った

 

「本当です。すごいです!体中をこんな短い時間で伸ばしてしまうなんて……」

 

「あぁ!筋肉博士……なんて素晴らしい方なんだ!」

 

「さっそくフランやクラン、ほかのみんなにも伝えましょう!」

 

「ええ。それにしてもここまで効率的に考えられた運動……その筋肉博士という方はさぞかし高名な方なのでしょうね。ですがそのような人物聞いたことがありませんわ」

 

 そりゃそうだ。むしろ誰だよ筋肉博士って。と自分で作っておきながらつっこみをいれるあなたであった。

 ちなみにラジオの体操のラジオの部分はさぁ?といって説明を放棄した。

そんなことがあったので次の日から朝起きたらみんなでラジオ体操をすることになったのだ。

 日本に住んでいたことならば自主的にやることはほぼなかっただろうがこの世界はFEでありさらには邪竜討伐の旅の最中である。

 生き残るためにも幼いころからめんどくさいと思いながらしっかりやってきたのだ。

 ちなみにあなたはゲームのほうの筋肉体操は非常に面倒に思っていた。

 スクワットのノーマルの矢印の落ちるスピードが遅すぎてなんだこのクソゲーみたいな遅さと愚痴りつつ、掛け声についてはこのゲームはお願いマッスルではなかったはず……とそれなりに楽しんでいた。

 なお腹筋についてはノーマルのくせに結構な連打力を要求されたのでハードが解禁されたらやろうということにして、料理作りに重きを置くことにしたのだ。失敗して速さマイナスにしたやつお前許してねぇからな。

 ちなみに絆のかけらについてはソラとかいう謎生物に毎回オレンジ食わせて撫でてはBボタン連打していた。

 ドラゴンシューターは楽しかった。でもあそこ危ないから柵は作るべきだと思う。

 

 

 

 あなたは前世で長期休み中にジムに通ったこともありラジオ体操やら筋トレのことを少しかじった程度のはずなのだがこれまた転生したおかげかそれなりの知識がついてきたのである。

 それらの知識を全部筋肉博士から伝授されたということにしてアルフレッドとエーティエ、その他の面々に教えていたある日

 

「すみません、"――"に用があるのですがお話が終わったのならかまいませんか?」

 

 あなたはこれは珍しいと思った。まさかの個人指名である。1対1で話す機会は幾度となくあったがこのような呼び出しは初めてだ。

 ちょうど話もいいところで終わったので面々はどうぞと譲った。蛮族系王子とその臣下はまた後でと残して。

 

 

 

 適当なところに連れてこられたのでこちらから切り出した。

 それで何の用ですか神竜様。

 

 

「ええと、あの、……私にもその筋肉博士から教えてもらったことを教えてください」

 

 あなたは疑問に思った。それならさっきの場面でもよかったのでは?自分一人を呼び出す必要はなかったはずだ。

 

「それは……どうしてでしょう?」

 

 どういうことだよ。おもしれー女。脳内のヴァンドレがきれた。

 

「ごめんなさい。この前と同じようにうまく言葉にできないのです」

 

 まぁいいやとあなたは脳内ヴァンドレをたたき出し、じゃあ縄跳びってご存じですか?と問いかけた。

 

「なわとび?なわとびとは縄を飛ぶことですか?」

 

 まったくもってそのとおりでありラジオ体操と同じく全身運動で持久力ならただ走るよりも縄跳びのほうがつくくらいだ。

 

「縄を飛ぶだけなのにただ走るよりも持久力がつくのですか!?」

 

 ええ、とあなたは答えてエア縄跳びをしつつ小学校のころをおぼろげに思い出しながらいくつかの跳び方を解説していく。こういったとき時にすっかり忘れたはずの知識がよみがえってきたりしてかなり助かってきたのだ。

 

「こんなにもたくさんの跳び方があるなんて……これではトレーニングというよりも楽しくて遊びになってしまいます。この縄跳びもみんなに教えましょう!遊びにもなって持久力も鍛えられるなんて本当に素晴らしいです!!」

 

 それならみんなで何回跳べたか競い合ってみますか?と冗談じみて答えた。

 

「ふふふ、負けませんよ。初めてのオセロだって私が勝ったんですから」

 

 

 

 

 

「ふぅ……確かにこれは持久力がつきそうです」

 

 みんなに話す前に実際にリュールと二人で縄跳びをそれなりの時間を行った。訓練も多少したのでお互いに結構汗をかいている。今日はこのくらいにして汗を拭いてあがろうと提案した。

 

「えぇ、汗を拭いて着替えましょう」

 

(たくさん汗をかいてしまいましたね。……?)

 

 上がろうとしてもリュールが歩きださず考え事したかのような顔をしたのでどうしたのですか?とあなたは尋ねた。

 

「"――"、やはり私はもう少しやっていこうと思います」

 

 あら、そうですか。それではお疲れ様です。とリュールを労いその場を後にした。

 

「はい、お疲れ様です……」

 

一方リュールはなぜそんなことを言ったのか自分でも理解していなかった。

 

「……なぜ私は…??どうしてでしょう?もうあがるはずなのに追加で鍛錬しようだなんて」

 

 その気もないはずなのに。

 

 

 

 




ニンテンドーダイレクトでDLCの内容が公開!
ヘクトルにカミラにセネリオが。クロム&ルフレに伝承ヴェロニカ。
いずれもFEヒーローズの総選挙で上位にいたキャラですね。いやーいいですねぇ。
ヴェロニカはまんまガチャ演出ソシャゲと同じで笑っちゃいました。
エリウッドやアルフォンスもでたかもしれないけど……中の人が……うん。
そして邪竜の章。楽しみですねぇ!女の子二人はマムクートですかね。
でもこれで本編が遠のく……
正直終わらせたくない気持ちもあるのでDLC追加で20話くらい追加してくれないかな


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日常3

おかしい……俺はプロテインについて書くはずがこんなことを書いている……
どういうことだ……
あと追加されたリフレッシュこと支援値あげシステムありがたいです。解像度が深まる―。途方もなさそうだけど。
それと私はどうやら2000字程度が落ち着くようなのでこれから大体2000字前後で書いていきます。見直しとかも結構雑なのであとでおかしい部分が見つかって結構修正かけるかもしれません。ボリューム不足でそういうこともあって申し訳ありませんがカップ麺の待ち時間程度の暇つぶしになることを願って。
今回エーティエ、アルフレッドの支援会話ネタバレちょっとあります。ご注意ください。
それではどうぞ。


 あなたはラジオ体操後に加えて学校の体育の時間にやっていた足首を掴んで片足立ちをして太ももを伸ばすアレや、座ってつま先に手を伸ばすアレ、や座った状態から足を開いて股関節の可動域を広げるアレをしていると

 たちまち鉛のティーカップを使って鍛錬しているがそれ絶対鍛錬になってないだろとゲーム中で思ったエーティエと水が欲しいと聞いてなぜか井戸を掘り始める頭蛮族のアルフレッドがそれは一体!?とまるで難解な事件を見つけた探偵のような目で聞いてきました。

 そろそろ自分はなろう系主人公になるんじゃないだろうかと思いながらも筋肉博士から聞いた可動域を広げたりけが防止のストレッチと説明しました。ストレッチというのは筋肉の柔軟性を高める運動であるというと

 

「柔軟性……らじお体操にもそう思わせる運動はあって思ったが……僕は今まで屈強な肉体を作り上げることに全力を注いできたが柔軟性を考えたことはなかったな」

 

「えぇ。あたくしも筋肉の屈強な美しさに囚われていたと思いますわ。ただ強く屈強であればよいと」

 

 もちろん目の前の二人は戦場に出る身です。武器を扱い戦い生き残るにあたってそのための体の可動域はなんやかんやで確保していたのでしょうがこのような方法でましてや筋肉の柔軟性を意識したことはなかったのでしょう。

 柔軟性という言葉からわかるように柔軟であることは様々な事態に対応できることです。命のやり取りをするにあたって手札は多いほうが強いに決まっています。柔軟性の重要さに気が付いた二人はこれからさらに高度なトレーニング方法を考えていくのでしょう。

 あなたはゲームで言うなら筋肉体操のアップデートが入ったんだろうかと思いますがそんなの誰が得するんだよもっと遊びたかったんだからDLC第5弾だしてよかっただろ遭遇戦のレベルもうちょっと下げてよハードで遊んでたんだからウルフナイトとか多かったり地形によっては詰むんだからそっちの調整してくれよと思いました。

などと考えているとあなたに声がかかります。

 

「"――"さん、私にもその筋肉博士から聞いた鍛錬方法で私に合うものはご存じではないでしょうか?」

 

 あなたに質問をしてきたのは女の子が話しているのを見るのが好きという変質者一歩前のルイです。ルイはプレイヤーの一部には百合厨などと言われているそうですがアニメや漫画において女同士の友情や純粋に思いやっている中であら~^などとコメントして無理やり同性愛につなげるような大変鬱陶しい奴らではないためアーマーナイトである彼に合うと思われるプランクを提案しました。

 

「ぷらんく、ですか?」

 

 あなたはバラエティ番組でみたプランクの解説を始めました。特に鍛えていない人間でも簡単にでき、腰に負担がかからない鍛錬であり体幹を鍛える鍛錬であると。

 

「たいかん?とは?」

 

 実は体幹という言葉はあなたが生きていた時代で数十年近くになってから使われてきた言葉であるらしく実際のところ体の胴の部分のことなのだ。具体的にいうと胸、背中、腰回り、腹筋、お尻である。ルイはそれを一遍に……?!というように眉をひそめた。

 両膝を床に着けうつ伏せになる。腰を浮かせ、背筋をまっすぐに伸ばす頭、背中全体、腰、かかとが一直線になるように姿勢を保つ。これを初めての場合は2,30秒を3回。これだけであると説明し実演して見せました。

 ルイも同じように姿勢をとってプランクを行い始めた。すると

 

「こ、これは……!!た、たしかにッ"――"さんがいったところに負荷が……いや、本当に腹部にも負荷がかかって……ッ!!なんとっっ……!!!」

 

 説明をするのが長くなってきて疲れたので省くと内側の筋肉を鍛えて身体を内側から支える力が強くなり動きが滑らかになる効果もある。アーマーナイトで敵の攻撃を受けるルイさんにぴったりだと思うし、正しい姿勢であればおなか周りも鍛えられるのでエーティエさんの腹筋ももっと綺麗に割れると思いますよとあなたは言った。

 

「あたくしのこの腹筋がさらに?!」

 

 と、あなたは失言に気付き即座にエーティエに謝罪した。

 

「???どうしましたの?」

 

 女性にはセンシティブ……ではなく体が綺麗と、その、気安くいってしまって失礼ではなかったかとたじたじになりながらあなたは説明した。その謝罪に対してエーティエはむしろ誉め言葉ですから気になさらないで。紳士ですのね。と綺麗な笑顔で返した。

 あなたの推しであるセリーヌ、リュール、クロエもそうだがエーティエも美人の一人であるためあなたは本当にきれいなお顔ー素敵ーと近所のおばちゃんみたいなことを思っていました。内面はとっくにおじさんだからね。端的にいうとぐうかわ。

 

「"――"は腹筋が綺麗なのが好きなのですか?」

 

 急にリュールがそんなことを言ってきた。純粋無垢だとこうなるのかと思いつついや別に?とあなたは答えた。

 

「私もペガサスに乗って戦闘するからやったほうがいいかしら。万が一落ちたりしたら大変だもの」

 

「それならわたしもしなければなりませんな。神竜様を御守りする身として戦場に出れば年など言い訳にもなりませぬからな」

 

 クロエとヴァンドレがそう答えたのをちょうどいいことにあなたはいい加減説明は疲れたから続きをしようと促し、みんなはそれに同意し今日の鍛錬を始めました。

 

 あなたはこのやり取りを何回することとなるのだろうと思いながらも周りの人間がそれを行うことに納得していました。

 彼彼女らも同じく邪竜討伐の旅をしているものでありここはFEな世界。賊ははびこり倫理観は現代に劣り命の価値が軽んじられる世界。無事なところもあるかもしれないが戦わなければ生き残れない世界。

 なんやかんやで同行することになったあなたは原作通りハッピーエンドを迎えるためにも一人のエムブレマーとして……いや、この世界を生きている一人の人間として可能ならば死者を出すことなくみんなと共に生きていけるように行動をするのです。

 

 その中でセリーヌは強くなるのは戦わなければならないときに必要だからよいのだけれど……兄様が余計に蛮族になっていくことになり悩みの種が増えていく要因になるだろうなと感じていた。




今思ったんだけどクソ雑魚リュール要素なくない???どこ?????
なんで今回も筋肉の話してるの???俺人生で一番筋肉関係について調べてるよ???
これも全部筋肉博士ってやつの仕業なんだ……
それとネタが尽きるかもしれないので感想に~~とかありそう。とか書いていただけたら書くかもしれないのでそれでも良い方はよろしくお願いいたします。


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日常4

はい、今回も筋肉の話です。どうして……
あと私これからもなんですけど書きにくいところとか細かいところは「なんやかんや」とか「アレ」「コレ」で全部片づけていきますのでご了承お願い致します。
今回もカップ麺の待ち時間程度の暇つぶしになることを願って。
それではどうぞ。


 あのあとみんなでプランクなり模擬戦をやったりとそこそこ鍛錬をした。あなたはなんやかんやで剣とか魔法とか使えたりするのでいろんな形で鍛錬することになった。フランとの格闘術の手合わせは身長差もあって貴重な経験であった。

みんなである程度鍛錬をして汗を拭いているとあなたの視界にプールが入った。そしてつい言葉に出してしまったのだ。

 そういえばプールも全身運動だよなぁ、と。アルフレッドがぎょっとした感じで振り返った。

 

「ちょ、ちょっとまってくれ"――"……まさか水練もまた全身の筋肉を動かすものなのかい!?」

 

 あっ(察し)というやつだった。

 

「いえ、アルフレッド王子考えてみれば水練は腕も足も泳ぐために使っています。まるでらじお体操のように……"――"さんのおっしゃることはもっともですわ」

 

 エーティエまで乗ってきてしまった。これではもう止まらないだろう。とアルフレッドが何かを考えこみながらぶつぶつと何か言いだした。

 

「水練が全身の筋肉の運動……。すると……?らじお体操をする、鍛錬をして汗をかいた後に水練をする……」

 

「お兄様、汗を拭かずにプールに入るのは不潔ですわ」

 

「んああっそうだね……。らじお体操をする、鍛錬をする、汗を拭く、水練をする、鍛錬をする、水練をする……これはっ!まさかっ!」

 

「えぇそうですわアルフレッド王子!」

 

「「永久的に全身の筋肉を鍛えることができる!!!」」

 

”永久機関が完成してしまったなぁ~~~!!!(してしまいましたわ~~~!!!)これでノーベル賞は僕のものだーー!!!(あたくしのものですわ~~~!!!)

 

 あなたはそんな光景を幻視した。チェンソーマンってどうしてジャンプでやれたんだろう。

 

「お兄様、休憩もなしに人間が鍛錬し続けられるわけもないでしょう?」

 

 セリーヌが呆れたように言った。興奮しすぎて永久的に鍛えられるといってしまっている二人には呆れざるを得ないのだ。

 あなたもセリーヌに同意するように毎日筋肉を酷使し続けたら逆に体が壊れてしまうし、そもそも筋肉に栄養を吸収しやすくして鍛える方法があるんですから。とぼやいてしまった。

 

「筋肉が!?」

 

「栄養を!?」

 

「「吸収しやすくなる!?!?」」

 

 うわー漫画でしか見たことないのだわこれすっげ。あ、これまた余計なこと言ったわ。とその両方のことをあなたは思った。あなたの目が遠くなった。セリーヌの目がより細くなった。アルフレッドとエーティエの目は輝いている。

 あなたは誰かに助けを求めてあたりを見回した。とりあえず目立つリュールに目を向けた。無敵の神竜オーラでどうにかしてくださいよおぉ~~!!!

 

「……???筋肉が栄養を吸収しやすくなるとはどういうことですか?私も知りたいです」

 

 リュールは首をこてっとかしげるとにっこりとしてそんなことを言った。こてっとしやがってかわいいじゃねぇか。それなりにちゅき。あなたは助けを求める相手を間違えたのだ。

 あなたは仕方がないので説明をすることにした。運動後の大体30分間の間は筋肉の栄養吸収率が高くなるゴールデンタイム……黄金の時間と呼ばれていると。黄金の……時間ッッ!!と歓喜に震えている二人を無視して説明を続ける。

 その時間内に鶏のささ身肉や胸肉、牛乳等を摂取すると筋力の形成に大いに効果があるのである。あなたがジムに通っていた時は某飲料型のプロテイン商品に〇〇プロテイン、タンパク質15g!などと印刷されていたものを飲んでいたがプロテインもまたタンパク質という意味だ。日本ではよくあること。

 さらに糖質を取るとある程度疲労の回復も早くなることを追加で教えておいた。

 

「な、なんということだ……。セリーヌ、エーティエ。これは革命だ。筋肉鍛錬における革命だ!」

 

 なんかすごいことを言い出し始めたので変な責任を負いたくないあなたはなんやかんや言って全部筋肉博士のせいにすることにしました。これは全部筋肉博士ってやつの仕業なんだ……!!きっと王族が何とかしてくれるでしょう。

 

「ですけど鍛錬後30分というのは短いですね……。先にすぐに食べられるように調理を済ませておいたほうがよさそうですね」

 

「甘いものはお茶菓子……はお茶をしているときにゆっくりといただきたいわね。なにかよいものはあるかしら?」

 

 あなたはセリーヌにだったらりんごが良いと勧めました。りんごを1日1個食べると医者いらずという言葉があるほどまでに栄養価の高い果物です。

 

「医者いらず?!りんごにはそんなにも栄養があるの?」

 

 必ず病気にはならないとは言えないし食べ過ぎれば毒にはなるがそれくらいの栄養価はある。干し肉とした鶏肉に牛乳を流し込んでりんごを丸かじりすれば30分にはなんとか食べ終えられるだろうとあなたは提案しました。

 

「さすがにりんごを丸かじりするのはちょっと……でもりんごね。それならきっと体がよくなるわ……!!ねぇフラン、りんごは今日あったかしら?」

 

「はい、果樹園にりんごがいくつかなってますし食べられますよ!」

 

「ありがとうフラン。お兄様、お肉はともかく牛乳やりんごはあるようですから今日から始めましょう!」

 

「そうだねセリーヌ。今日から僕はさらなる次元へこの体を生まれ変わらせる……ありがとう筋肉博士!ありがとう"――"!」

 

 いや自分は教えてもらったことを教えているだけなので筋肉博士に言ってくださいとこれ以上なんかこう、過大な評価をもらいそうであなたは怖くてしかたなかった。

 

「あ、あの……」

 

 リュールが遠慮がちに自分に何かを言おうとしている。今度は何なのだろう。

 

「私、泳ぎ方がわかりません……」

 

 そういえば1000年寝てましたね。ゲームでは1000年の寝起きなのに普通に動いてましたけど。まぁ神竜パワーかなにかのおかけだろう。

 

「でしたら神竜様!僕たちがお教えしますよ!ここでは僕たちが一番泳いでますから!」

 

「そうです!私たちに任せてください!」

 

「ありがとうございます。クラン、フラン。それと"――"、あなたにも教えていただきたいのです」

 

 それは何故?とあなたは疑問に思います。

 

「筋肉博士からいろいろと教わっているあなたならもっと多くのことを知ることができると思うからです。それと……私があなたに教えてほしいからです」

 

 流石神竜様、あなたに教えてほしいなんて中学生の自分なら勘違いをしていただろう。だが今自分はもう中学生などではない。伊達に悲しみを背負ってはいないのだ。

 

「それでしたらわたくしも教えていただけるかしら?水練は最低限しか習っていないからこの機に知っておきたいですし」

 

 まさかのセリーヌから声がかかった時はあなたは内心驚いていた。そして推しのためならばがんばらねばなるまいと思いわかりました、と答えた。

 

「ふふっよろしくお願いしますねセリーヌ」

 

「えぇこちらこそよろしくお願いします。神竜様」

 

 あなたは知らないがリュールは先ほどセリーヌとあなたの二人を数秒見ていた。別に何でもないだろうが気づいていないあなたにはわからないことだ。




ゴールデンタイムッ!!!っていうとスタンド攻撃みたいだなぁとおもったり
友達とたまにやる勢いよく言ってかっこいい言葉選手権。
今回でジャンを除いてソフィア王城クリア後までのキャラは一応全員出たかな?
いやそんなに時系列気にしてないんですけど。細かいこと考えたら書けなくなりますんでね。あとエーティエの一人称あたくし、でしたわ。ごめんあそばせ。
てかこの鍛錬回いつまでつづくの……?
それにしてもいい加減DLC終わらせなきゃ。続きがやれん。
ネタ提供等ありましたら感想お願いいたします。
今回もお読みくださりありがとうございました。


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日常5

誤字報告ありがとうございます。
19章とDLC3種終えてぐでっていたので投稿です。
なんで筋肉の話ばかり……まぁ短編だし許されるやろ()許して
この小説アルフレッドとかエーティエの発言が一番多そう……
今回最後のほうちょっと雑になってますが短編なのでどうかお許しを。
それでは今回もカップ麺の待ち時間のような暇つぶしにならんことを。
どうぞ。


「これが水着……水練で着る衣装なのですね」

 

「水練だけでなく日光浴……海辺で日に当たってのんびりしたりするときや遊ぶ時にも着るものですわ」

 

 あなたたち男性陣とリュールら女性陣は水着に着替えてプールにいた。女性陣の水着のあの肌のあいてるところ必要ある??デザイン変わってるよね。

 

「男性は下半身だけなのですね」

 

 そりゃそうだ。女も下半身だけだったらCEROがZになってしまう。FEは戦争ものなのでそっちが強調されそうだが。

 FE風花雪月CERO:Z版!学生時代共に学びあい喧嘩しあって友情をはぐくんだ者たちと5年後、そこであなた自身の手で愛する教え子たちをさらし首にしたり上半身だけにしたり焼死体にしたりぐちゃぐちゃにすることができます!!スカウトによって友人同士が殺し合い、死の瞬間をリアルに描写したことで戦争経験者も称賛!好評発売中!!道徳0点ってレベルじゃねーぞ。

 とりあえずあなたは水着を初めてきたリュールにお似合いですよと言葉を送った。もちろんセリーヌらにもだ。女性陣はうれしそうにありがとうといった。でも現代では場合によってはセクハラになるという。純粋な誉め言葉であっても。悲しいねバナージ。

 

「では神竜様。基本的なことを私たちがお教えしますね!」

 

「私は、お前たち二人がしっかりと神竜様に私が教えたことが教えられるかどうか見せてもらうぞ」

 

 そのヴァンドレの言葉に若干うへぇな感じの顔をしながらもクランとフランはリュールに基礎を教えるため離れていった。

 

「では"――"。私たちに水練を教えてもらえるかしら?」

 

 あなたはセリーヌにどれくらい水練について知っているかを尋ねた。

 

「クロールと平泳ぎは教えてもらったわ」

 

「僕たちができるのもそれくらいだね」

 

 だったら習っていない背泳ぎとバタフライについて説明しようとあなたは答えた。

 

「せおよぎ?ばたふらい?」

 

 あなたはクロールから順に説明することにした。先に述べた背泳ぎ、バタフライの4つの泳ぎ方の中で最もスピードが速く主に上半身の筋肉を使うが全身をバランスよく鍛えることができる。

 平泳ぎは主に下半身のキック、蹴りの動作が主となる泳ぎで股関節、お尻、足の内側の筋肉を使って推進力を作って泳ぐものであり、上半身は水の抵抗を受けやすく下半身は足を曲げた状態から瞬発的に力を入れ足裏で水をけることで筋肉鍛錬の効果が期待できる。

 

「こうして聞くと頷ける事柄が多くてより意識して鍛錬できますわね」

 

 続いてあなたは背泳ぎ、バタフライについて実演しながら解説していく。

 背泳ぎは仰向けの状態で泳ぐ方法で腕を伸ばし掌で水を書くことで泳いでいく。背中から腕を動かすときに背中や腕の筋肉等を動かしつつ浮きやすく水の抵抗をできるだけ減らした姿勢を維持するためおなかの内側の筋肉も多少鍛えられる。またまっすぐ進むためには骨盤周りの傾きが影響してくることから意識することで整えることもできるのである。

 

「すまない、こつばんとはなんだ?」

 

 こつばんとは身体のほぼ中心に位置し活動する際に重要な腰の下回りにある骨の集合体のことであり、何かをするにも何かと負担がかかる部位であることから体の中では特に重要視される部分だ。

 具体的にいうと上半身を支えたり歩行や起立の補佐、座る際に体を支えたり、内臓を守ったりする役割がある。

 これらの説明をきいて主に前線で戦うもの、基礎を習っているリュールと付き人3人衆を除くアルフレッド、エーティエ、ブシュロン、ルイ、クロエはより真剣な顔つきになっている。地に足をつけて前線で戦うもの、特に敵の攻撃を受け止めるアーマーナイトであるルイにとって骨盤はかなり重要であると思っているようだ。

 

 続いてバタフライについて解説していく。

 バタフライは両手足の動きを対称かつ同時に行う難易度が高い泳ぎ方だ。水をかく動作では肩から背中の筋肉を、蹴る動作では股の関節を持ち上げる筋肉が鍛えられる。特徴的な蹴りの動作は体の筋力に加えて関節周りの柔軟性が要求されるため股、膝、足関節などの動きをしなやかにする鍛錬も必要だからほかの泳ぎ方を慣れてからするほうが良いだろう、と説明した。

 

 今日はいろんな鍛錬をした後でもあるから泳げる人はクロールと平泳ぎを今言ったことを意識してやってくれと適当に言った。

 今更だがここソラネルはゲームとは違う。エーティエが支援会話でソラネル外周を100周ですわ!などと言っていたようにゲーム上のマップの形の浮島ではなくなんかこう、でっかかったり広かったりしている。

 いまみんなが入ってるプールもマップ中央上部付近に合った横15メートルくらいのプールではなく、なぜか都合よく存在する横25メートルくらいの現実にあるプールのそれなりなクソデカな感じなプールである。なんで現実と似通っているのかはまぁエンゲージは勧善懲悪物語でシナリオもあっさり感なところもあるしなんやかんやしているのだろう。

 

 なんやかんやあってリュールらが帰ってきたのであなたからもリュールにとりあえずクロールと平泳ぎについて教えようとしたがふとあることに気が付いたので聞いてみた。

 神竜様は水難事故、海で事故等に合った場合の対処法をご存じですか?

 いいえ、知りません。泳ぐのではないのですかと帰ってきたので、違うと答えてフランとクランをみるとどうやら彼らも知らないようだ。おそらくここでは遊ぶことを中心に行っていたからだろう。ヴァンドレは首をかしげている。

 これからの旅のなかで船を使う場面があるはず、というか海上で戦うマップが存在しないFEなど存在しないのでそれから教えることにした。ゲームオーバー原因が実はシステム上にない溺死など勘弁である。

 

「そうですね。私には母さんから託された使命があります。生き延びるためにもそれを教えてください」

 

「でしたら、私にも。すこし泳ぐのに疲れてしまって。休憩がてら教えていただけませんこと?」

 

 そこそこ泳いだセリーヌもやってきたので一緒に教えることにした。

 水難事故にあったとき、まずすべきことは泳ぐことではない。浮くことです。とあなたは言った。ふたりしてこてりと首をかしげて浮く?とつぶやいた。かわいい。

 本当は服を着たほうが良いのですがそれはまた今度、ということで実演しながら説明することにした。

 あなたは水難事故にあったとき真っ先にすべきこと、背浮きを実演した。まず、両手を水をかきながら体が水面に対して平行になるように体を浮かせる。今は靴がないため足が浮かんでいないがそれは勘弁してほしいといいながら、あおむけになり鼻と口が自ら出たら大の字……両手と両足を開いてここで初めて息を吐く。そしてなるべく動かない状態で救助を待つ。これが背浮き。この状態が一番楽なのである。

 服を着た状態で練習するのが一番良いが背浮きの練習はできなくはないのでやろうとリュールらに提案し、リュールらは頷いた。

 

「えっと……こうしてぇっぇ……っ…むッ…ずかしぃ…ですっうねっぷ……」

 

「こうして……あっしずっ…うぷっぁ……」

 

リュールやセリーヌ、フランやクランにヴァンドレも同様に行っているがそれなりにはうまくいっていないようだ。あなたはみんなを見ながらそれなりの指導をなんかいいかんじに行っていた。

 

 突然だがあなたは男だ。中身がおじさんである。下ネタというのが嫌いである。年を取るにつれてなんかこう下ネタ的な意味の言葉とかを嫌うようになっていった。なんかそういうことばっかりに捉えられてしまうことに嫌気がさしたのだ。

 だがいいこともある。ティーンエイジャーの時とは違って美人を目の当たりにしてもドキドキして膠着することもないし女性をじっと見るとは失礼だからもしなんとなくでも見てしまったらすぐ目をそらす良識もしっかり備えている。どこぞのケネス大佐みたいなことを思っていた。だからってギギみたいな女は寄ってこないほしい。

 なにがいいたいのかというと背浮きをしていると上半身もそれなりに浮かぶのである。指導を行っている以上視界に入るのは当然なのだがあなたは紳士的な人物でいたいと思っている。別に心の中でインターネット老人会に出席してそうな文字の組み合わせで生まれた生物が片手を振りかざしておろして何かしらの単語をつぶやいてヒャッハーしているなんてことはないのである。でっっっっっっっ!!!とかやっぱちょっと盛るペコのほうが好きなんて言葉なんてものはないのである。

 そのあとあなたはリュールにクロールと平泳ぎを教えてなんやかんやみんなも結構泳いで疲れたのでそこで終わりとした。リュールにはまた次の機会に服を着た状態での背浮きとクロールら4泳法を教えることとした。そういうことで今日の鍛錬は終了となった。

 

 

「今日はありがとうございました"――"。オセロも筋肉体操も水練もいろんなことを教えてもらって……ふふふっ、またあなたに教えてもらうことが増えましたね」

 

 リュールは両手を合わせて本当に嬉しそうにそういった。




主人公君は人並みには思っています。大人ですからね。
アプデ来たときに思ったのはお前らクロールと平泳ぎできたんかい、でした。
これでひとまず筋肉の話は終わりだ……終わりだよね?
しかしほんと小説書くの大変ですね。あれこれしらべないといけないんで。
でも書けないところはなんやかんやとかでごまかしていきますのでよろしくお願いします。
でも背浮きのところはちょっと自信ないので間違っていたらご指摘お願いします&各自でお調べください。
あと感想もらうとやる気になるので感想ください(承認欲求モンスター
今回もありがとうございました。


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日常6

お気に入り100人登録ありがとうございます!!
アンケート見ましたけど盛るペコ派が圧倒的に多いですね。やっぱりみなさん大きいほうがいいんですね。
盛るにしても盛りまくる方が多いみたいで。自分はその子の個性がつぶれてない程度に大きめに盛ります。
それでは今回もカップ麺程度の暇つぶしになることを願って。
どうぞ。


 あなたたち神竜軍一行はゲーム本編に当たる外伝のフィレネの島に訪れていた。異形兵討伐の章である。

 ここではFEエンゲージにおけるFE名物村人最強伝説を担うジャン、覚醒のドニキ枠を仲間にすることができる章だ。あなたのジャンはマスターモンクにしてとりあえず杖を振っていただけだったが。

 ゲームのストーリー的にはフィレネ城を開放してミカヤが宿る指輪の祠へ向かうのが次の章ではあるがこのタイミングでなんか島に向かうことになったのだ。

 本来なら現実的に考えて指輪の確保が最優先だと思うがたぶん誰にも知られていないことやらそこに保管されていたけど盗まれた形跡がないとか女王だけが知っていたりとか、そこらへんの事情があってきっと紋章士指輪パワーとかあるのできっと大丈夫なのだろう。

 そんなこんなでアルフレッドとヴァンドレが中心へと突撃し、セリカの指輪を使ってワープしてライナロックを決めにいったセリーヌで戦えない村人らが集まっている診療所付近の異形兵を一掃し安全を確保したのち、剣と魔法が使える絵にかいた転生者のあなたとリュールらはなんやかんやで民家を訪問したり残りの異形兵を討伐してその場を収めたのである。

 その活躍ぶりはあなたが非常にめんどくさがりながらも説明したトレーニングの結果が……そんな短い間で出るはずもなくなんかいい感じの活躍であった。

 

 それはそれとして風車村の時から思っていたがセリカのワープ機能はインチキがすぎるとあなたは思っていました。なにせFEエコーズをハードでプレイしていたあなたは無限射程距離ワープを使う魔女にあたかも成長しそうな感じがする名前を忘れたけどストーリー的に使ってやろうと決めたあの成長率ゴミカスのパラディンもどきを何度焼き殺されたか覚えていないくらい苦しめられたからである。ちなみにラストマップも同じことをされた。

 そういうことで仲間にジャンが加わったがあなたはこの年の子が戦うとかマジかよと思いましたが決意はかたく神竜様が許可しご両親も認めてしまったことからついてくることが決まってしまいました。

 これでもあなたは現代価値観を持つガワだけでも一応大人であるためこの子を必ずこの家族のもとに返すべく死なない程度に訓練で殺す気で鍛えてやろうと決意しました。

 そして村からお礼として特産品であるオレンジやらなぜかゲーム内ではイルシオンで取れると思われるお米をもらいました。なんやかんやで輸入したけど食べ方がわからないとかなんたらで放置されていたのをあなたがお礼としてもらえるならと若干血眼にしながらも要求したのです。

 その様子はリュールらからみて興奮を隠しきれずウッキウッキでした。みんなは珍しいものを見たかのように目を開き、リュールはあなたがそれほどまでに興奮するものに対して興味津々ですがあなたはそれを知りません。

 話は変わりますがソラネルでは毎回綺麗な水がでる的な設定もあり都合が良いパワー的なアレが働いているため米作りとかも多分可能なのです。

 農林水産省の公式ホームページが攻略wikiとまで呼ばれた某稲作ゲーでトライフォース農業をやらかしたことのあるあなたの能力とこれまた転生したおかげによる謎チックなアレがあれば米を作ることが可能に違いありません。そもそもラクダが米を持ってくるゲームなので何の問題もないのです。

 

 そんなこんなでジャンくんの歓迎パーティが開かれました。あなたは空気がそこそこ読めるはずなのでお米を調理することはせず現代にて一人暮らしをした時に得た自炊力と料理系Youtuberから得た知識とこの世界を生きていくために養ったサバイバル的なアレで料理作りのお手伝いをしました。

 

「えっと、では改めましてジャンです。よろしゅうお願いします」

 

 挨拶をしたジャンにあなたは歓迎しよう、盛大にな。といい訓練ではちゃんとご両親のもとに帰らせるため一切の容赦はしないから覚悟しとけよ、と言葉は厳しいですがここは祝いの席であるためゆったりじみた声のトーンでいいました。すると視線を感じそちらへ顔を向けるとリュールが目を若干開いてみてくるではありませんか。どうしたんですか神竜様とあなたは尋ねました。

 

 

「いえ、"――"がそのように話すのを初めて見たものですから」

 

 そのように、とは?とあなたは聞き返します。

 

「その、友人などに気安く話しかけるようにです。私やアルフレッドやセリーヌ、クランやフランにもかしこまった言葉で話してましたよね?」

 

 それもそうです。リュールは今は亡き神竜王ルミエルの子であり神竜、アルフレッドやセリーヌ、その護衛は騎士でありクランやフランもその神竜の付き人なのです。だから今この中で階級が一番低いのはクソ雑魚一般市民であるあなただけなのです。それもジャンが加わってくれたので一人ではなくなりました。

 ジャンに呼び捨てで読んでも構わないかときくとジャンはいいですよと気楽に返してくれた。あなたが気楽に話せる仲間が加わりお互いに内心気が楽になったのでしょう。

 

「そうでしたか。でも気楽に話しても構いませんよ?」

 

 とリュールは言いますがそうはいけません。内輪とはいえ首ちょんぱはされたくありませんし一応礼儀を重んじる日本人の性が染みついているので気楽に話すなんてとてもではありませんができないでしょう。

 

「今でなくても構いません。きっと私たちはもっと仲良くなれますからそしたら気楽にお話してくださいね」

 

 流石神竜様です。自己肯定力の化身であるゴルドマリーの好き好き攻撃をのらりくらりとかわしていただけあります。あなたはそうですね、とだけ返して料理を食べることに戻りました。

 その中であなたはこの世界にはないテーブルゲーム、盤上遊戯を皆さんにお披露目しました。ジェンガです。ジェンガとは同じ形の54本の直方体を縦横に3本ずつ組み立てた18段のタワーとなったものでありどこからでも1本ずつ抜き乗って一番上の段に乗せてその中で崩れた人の負けとなる超シンプルで場所をとらない盤上遊戯です。

 一番上の段に3本載せなければその下の段から抜いてはいけないというルールはありますがほぼ抜いて乗せる、という2つの動作だけでできるため文字が読めない子供もそれなりにいるこの世界ではなんかいい感じのゲームでしょう。ちなみに直方体はあなたがウインドでちまちま切って加工して作りました。

 

「これなら文字の読めない方でも楽しめるわ!ねぇ"――"、これをフィレネで広めてもいいかしら?」

 

 もちろんですとあなたは答えるが正直お金も欲しいのでできればお金をくださいと正直に答えるともちろんよ、きちんと報酬は払うわとセリーヌは約束してくれました。これで大儲けだぜ!と考える人もいるかもしれませんが、あなたは100万円でさえ半年くらいしか遊んで暮らせないからそこまでの大金ではなく2億円の貯金が最低限ないと落ち着いて暮らせないというとても謙虚な心の持ち主なため財力によって闇落ちすることはないでしょう。やはり財力!財力はそれなりに色々と解決する!アイディアパクリなのは世界救うから許して。

 なんやかんやでジェンガ大会は盛り上がりました。アルフレッドやセリーヌら王族の前ではつつましく、ジャンに話すときだけはつつましさは残しつつ少し気楽に話をしてみんなでジェンガを楽しみました。みんなはジャン相手に話すあなたをみてこんな話し方が素なのかという目で見ていました。

 

("――"の普段の話し方はこんな感じなんですか。………)

 

「……むぅ」

 

リュールの小さな独り言を聞いたものは誰もいなかった。




主人公君は剣も魔法も使えるあたかもテンプレ的な感じです。
だって転生したら使いたいよね剣と魔法。危ない目に合わないというのが大前提ですけど。
どうでもいいことですけど毎回前書きにカップ麺の待ち時間と書きますけどそんなに毎日カップ麺食べてたら健康に悪いので読者の皆さんは健康的なものを食べてくださいね。


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日常7

20章とカムイ、ベレト外伝クリアしました。
これネタバレじゃないんですけど主人公は赤と青の髪の色の持ち主だったんですよ。驚きませんでしたね。
ついでに魔防カンストしました。なんだこいつ。
それでは今日もカップ麵の待ち時間の暇つぶしになることを願って。
どうぞ。


 あなたはふとマフティーダンスをしたくなりソラネルの誰もいないどこかで踊っていた。どう見ても危険人物だがそんなことはいいのである。実際人間はへんてこな動きをすると落ち込んでいても元気が出るという研究成果がアメリカのどっかで出ているのだ。そもそもマフティーダンスはネットミームであり大流行し中国の動画サイトでは100万再生を突破、某にっこりする動画でもダブルミリオンをたたき出している。そんな人気だから別にやってもいいのだ。それはそれとしてフル動画が消されたのはとても悲しいことだ。

 前回はリュールにみられてしまいマフティーダンスについて解説、指導をかるく行ってしまい両手を頭の上に合わせてくねくねしてるリュールをヴァンドレに見られてしまったことでなんか邪教徒のような意味不明なことを教えていると誤解され首ちょんぱ案件になると思い顔が真っ青になったのは記憶にそれなりに新しい。

 今回踊るにあたってあなたは周りをしっかりと調べて魔力をなんかいい感じに使うことで身構えていたためそのような死神はやってくることはなかった。流石アムロ。実際本人そんなこと言ってないけど。

 

 そんなこんなであなたはジャンとジェンガで対戦していました。だが今回はただのジェンガではありません。それぞれに番号を振ってその番号のカード束を用意しカードを引いて行ってその番号の長方形を引いていくというスタイルのジェンガです。このスタイルでは横列の中央を引いたりするときなどが敗北の原因となりますが……

 

「2番や!一番下の段の両方は引かれて1本でこのジェンガを支えとる!これを崩さずに引くなんて無理や!これで勝ちや!!」

 

 ジャンが必殺の札を引いたようです。ですがあなたはこの状況を前世で友人らと体験済みでありここFEの世界の身体能力は前世とは違います。要するに身構えています、つまりは……

 

 ――……身構えているときには死神は来ないものだ。ジャン。

 

 シュッっと2番のジェンガをあなたは引き抜いた。ジェンガは崩れなかった。

 

「んなアホなぁっ!?!?」

 

 あなたは思わずコロンビアポーズをとりました。ふははははは、とあくどい笑い声を出して。今のあなたなら相手のボスキャラとして登場しても違和感を持たないでしょう。

 

 ――ドロー。さあ、ジェンガを引き給え。ジャン。

 

 ジャンは番号の書かれたジェンガを引きその後なんやかんやで見事にジェンガを崩しました。あなたの勝利です。

 

「なんでや……なんであれで崩れへんのや……」

 

 ふははははは、あなたはあくどい笑い声が止まりません。つまりは有頂天です。邪竜討伐の旅としてこの軍にはいってからこのような笑い方をしたのは一人の時以外では初めてです。きっと今日は良いことがあるとあなたは確信します。

 

「――!。見つけました。まふてぃーだんすを教えてください!!!」

 

 あなたは脱兎のごとく逃げ出した。身構えてないときに来るタイプの死神がやってきたのだ。神竜を死神扱いすれば本当に死神がやってくるだろうがそんなことはどうだってよかった。あなたには貴族制度的な感じの中世的価値観の真の恐ろしさはわからぬ。だがそのような人間であってもなんかとりあえずやばいことだけは理解できた。

 後ろから待ってくださいと声が聞こえるがそんなものは無視した。そもそもそれなりに戦ってきたあなたと1000年寝て多少修羅場をくぐり鍛えてきたとはいえ起きたてのリュール相手ではスピードが違うのです。勝ったなガハハハ。

 

「間に合いました!逃がしませんよ――!!」

 

 あなたは回り込まれてしまった!秒速で建てたフラグが早くも回収されてしまいました。馬鹿な神竜様は自分には追い付けないはず……と考えているとあなたの視界にあるものが映りました。そうリュールの左手薬指にはめられている指輪が。

 

 ――馬鹿なっ!あれは……シグルドの指輪!

 

 あなたは心の中でそう叫びました。正式的な名称があった気がしますがきっとエンゲージをプレイした者たちはそんなもの覚えていないでしょう。それと同時に合点がいきます。ゲームにおける移動力+5がこの盤面で働いたのです。

 ハードでヴァンドレを盾にちまちま行軍していたら急に使ってきてナイトキラーと雑魚敵のコンビネーションアタックでやり直しを強要されたあの能力を発揮したのです。一応母親の遺品の指輪であるはずなのになんて指輪の無駄遣いをするのでしょう。

 

「すまないな"――"殿。リュールが君にどうしても要があるから協力してくれと言われてね」

 

 FEHで聞いた超イケボに伝承英雄として実装された際のホ”ワ”ァ”ア”ーーな高貴なオーラを出しながら紋章士シグルドが顕現し答えました。何やってんだ止めろよ。子供のわがままを許しちゃう親かよ。いやあなた子供のわがまますら聞けなかったわごめんなさい。いや本当に。

 それはともかくこれ以上状況が悪くならないようにしなければ……とあなたはリュールに言葉を選びつつも問いかけます。

 

 それで一体なんでマフティーダンスを学びたいというんですか神竜様?まさかダンスが全身運動だということに気付いたからではありませんよね?

 

「えっ、そうなのですか?いえ、思い出してみればあれは全身を動かしていました。アルフレッド達にも教えてあげましょう!」

 

 なんということでしょう。あなたは墓穴を掘ってしまいました。デュエリストでもあったあなたは「墓穴の指名者」を使って先ほどの発言を取り消したいですがそんなことはできません。そしてこのフラグを立ててからのフラグ回収率。今のあなたは全身フラグ人間といっても過言ではないでしょう。

 

 ――お願いします神竜様。それだけはご勘弁を。とあなたは許しを請います。

 

「どうしてですか?あのまふてぃーだんすに込められたものは差別や貧困、民衆が本当は何を求めているか、相手に反省を促すという素晴らしいダンスではありませんか」

 

 確かにあなたはそんな感じに適当に説明しましたが再びヴァンドレにキレられるどころか王族に広がったりもして周りの人間に恥さらしと呼ばれでもしたら即首ちょんぱ案件です。

 

「大丈夫です。ヴァンドレには私から説明してなんとか納得してもらいましたし。みなさんにもこの素晴らしい踊りを知っていただきたいんです」

 

 流石身構えないときに来るタイプの死神、一切の容赦と邪気がありません。純粋なる心であなたの命を刈り取りにやってきています。こうなれば手段は一つです。

 

 ――わかりました、お教えします。ですがお願いします神竜様。あなた様だけにはお教えしますから何卒、何卒他の方にはどうか教えないでください。これが私が出せる最大限の譲歩です。

 

 交渉術における俗にいうアレです。一番良い条件は飲めないけどこれならいいよと妥協点を差し出すアレをあなたは使いました。

 

「私にだけ……ですか」

 

 冷や汗を流しながらもあなたは次の言葉を待ちます。

 

「わかりました。では他の方には内緒にします。そのかわり私にしっかり教えてくださいね」

 

 ふぅ、とあなたは息を吐きました。ですがリュールにしっかりと教えなければならなくなったのでこうしてリュールにマフティーダンスを教えることになりました。

 

 

 

 

「紋章士シグルド。お願いがあります」

 

「なんだい?」

 

「これから私は――にあることを教えてもらいに行きます。ですがその際に逃げられてしまうかもしれないのであなたの力をお借りしたいのです」

 

「うん?逃げられてしまうのなら強制は良くはないと思うが……」

 

「なるほど、そんな踊りが。私としても興味はあるが……」

 

「あの踊りに込められた思い、母さんの遺志を継ぐためにも深く知っておきたいですし、私は!それを――に教えてほしいのです!!」

 

「(おや?これはもしや……)」

 

「いやなんでもないよリュール。わかった、私も協力しようじゃないか。いざとなれば口添えもしよう」

 

「(間違いでなければ――には悪いが少し楽しみかな)」

 

 




「墓穴の指名者」
①:相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。次のターンの終了時まで、この効果で除外したモンスター及びそのモンスターと元々のカード名が同じモンスターの効果は無効化される。

ようするに手札誘発という墓地に送ることで強い効果を発揮するカードを無効にするカード。

エンゲージ進めてると終わるのやだー!って気持ちになるんですけど続きどうなるのー!?って気持ちも出てるんですよね……。困った困った。
それでは今回もありがとうございました。


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日常8

マスターデュエルでお安くデッキが組めたのでそれでイベント回せて楽しくて本編まったくやってません。許して。
今日外伝と本編1章ずつやりますんではい。
それでは今日のカップ麺の暇つぶしになることを願って。
どうぞ。



 神様ぶっ殺してぇ。あなたはやはり危険人物でした。いくら田んぼを耕しながらでも思っていることはもうそりゃやばいことです。第一この世界における神様は神竜王亡き今、神竜リュールであり主人公ぶっ殺してぇ世界滅ぼしてぇと言っていることは変わらないのですから。反省を促さられるどころか即刻首ちょんぱ案件です。

 だがなぜそのようなことを考えているかというと急に女神転生ことメガテンのことを思い出したからです。ゲーム上でストーリーを進めるごとになぜか新しく釣り堀ができたりとソラネル神竜パワーが働くゲームですが、こちらでもいつのまにか地形が変化どころか追加されており普通に稲作用の田んぼが作られ水門まで出来上がっていました。

 りんごやら桃やらの実が勝手に生っていたりすることからおそらく収穫に一年かかる米の収穫スピードも大幅に短縮されるでしょう。とはいえ土づくりや田植えなどやらねばならないことはあります。そんな中であなたはメガテンのことをふと思い出し悪魔と呼称される悪魔やら天使、神をぶち殺したくなったのです。正確にはそのような物語を読みたいのですが。

 とはいえこんな世の中でそんなものを出してみれば結果など火を見るよりも明らかです。ですからあなたは出しても許されるであろうメガテン物語を妄想します。平和な国で200年近く戦争のないフィレネ、武力の国で実力主義な感じなするが結局それらしき描写はメインストーリーであまりなかったブロディア、どういう感じで崇拝してるのか全く分からない邪神崇拝のイルシオン、自由が過ぎる気がする自由の国ソルム。

 フィレネとイルシオンを混ぜれば規律による平和絶対従わない?疑問を持つ?なら死ね、なロウに、ブロディアとソルムを混ぜれば自由だけど力がない?じゃあ死ね、なカオスに。そして肝心の神様は人間側の中立を保つ的な感じの神様は神竜王ルミエルをモデルにして敵には唯一神と名乗る適当な奴でも出しておけばいいでしょう。ついでに中立の神様は人間は神の手を離れ歩く時が来たのですとか、この世に神はいなくとも人は生きていけます、だがもし神が必要だというのならば進みなさい、可能性という名の内なる神を信じてみたいなガンダムユニコーン的な感じの言葉を言わせれば問題はないでしょう。

 あなたはメガテンシリーズをすべてプレイしたわけではありませんがRTA動画やらプレイ動画で履修しており転生者特有のなんか便利なアレコレがあるのでそこそこいい感じのストーリーは出来上がりそうです。

 さらには言語はこの世の人間が絶対に読むことのできない日本語で書くことによって自分だけで楽しむことができほかの人には絶対にバレることはありません。もうあなたの心はワックワックです。絶対にバレることなく現代にて大ファンでもあったゲームの物語をなんやかんやで製作して自己満足できるのですから。

 そんなことを考えていると思わず顔がにやけてしまいニッコニッコしながら田んぼを耕している姿をリュールやほかの人たちに見られたりしていましたがそんなことには気づきません。あなたの頭は自作メガテンと今晩一人で食べる久しぶりのお米のことでいっぱいだったのですから。

 余談ですがお米作りに関しては某稲作ゲー知識だけではなくイルシオンで書かれたお米製作の本も持っているためなんでそんなに詳しいだなんて怪しいぞこいつとは思われません。こちらに関しても完璧な理論武装が完成していました。

 たとえコナンや杉下右京に成歩堂龍一にレイトン教授に古畑任三郎がいたとしても解決することは不可能でしょう。彼らは別言語を解読できるわけではないのです。手がかりなしの言語、プライバシーになるものを解読できる不思議なパワーなどあるはずがないのですから。

 

 

 

 そんなこんなでお夕飯のお時間です。ゲーム内の支援会話によると配膳がどうのこうのありましたがなんやかんやであなたは一人でご飯をお鍋で作る準備を誰にも見つかるはずもない場所でやっていました。

 お米のお鍋での炊き方ですがあなたは過去学校でやった経験と転生者特有のアレで完璧にできます。さあ調理を始めましょう。

 まずはお米を何回か研ぎます。現代では精米技術が発達しているので3回もやれば十分だそうですがこの時代はそうではありません。ソラネルに沸く都合の良いきれいな水を使って多めに研いでおきます。米がうっすら見えるくらいの透明度の水になるまで研いだらざるを使って水気をきり、表面から1,2センチほどまで水を入れて浸水させます。夏場は30分、冬場は1時間とききますが今回は適当に45分としましょう。

 そしたら鍋に入れ2合なら450ml、3号なら650ml入れますがあなたはなんやかんや理解しているので適当に入れます。その後強火にかけ沸騰してきたら弱火にして10分ほど火にかけます。そのご再び強火にして数秒絶ったのち火を消し10分蒸らしてふたを開け混ぜたら完成です。

 あなたは完成したご飯を一口食べます。美味しい!前世において日本の米は外国の米とは違うとか何とか言われていますがなんやかんやで日本の米に近い感じの味です。昔イルシオンで食べた時もそのことに驚きました。きっとなんやかんやでそうだったのでしょう。

 普段ならおいしいものは分け合うように前世の母親から言葉にせずとも教わったことを実行するのですが神竜王ルミエルはイルシオン、正確には邪竜に殺されたようなもの。本編ではきちんとリュールは分けて考えていますがそれを周りに勝手に食べさせたとなれば一応中世感のある世界です。首ちょんぱ案件になるのではないかとあなたはひやひやしているのでそれを実行できません。

 とかいいつつもあなたは米ぇ!米ぇ!うめぇ!と言いながらもバリバリ食べています。人生で一度もやったことのないアリバイ作りをしてだれにも見つからないように計画をしたのです。あなたは安心してもう米を食べることにバリバリ夢中でした。

 

「あ、探しましたよ――。何を一体食べているのですか?」

 

 なんということでしょう。人生で一度もやったことのないアリバイ作りが失敗してしまいました。そもそもあんな声出しといてバレねぇわけねぇだろ。

あ、いえ、その、あの……と言い訳を考えているとぞろぞろとほかの仲間までやってくるではありませんか。

 

「おや?神竜様についていってみれば――じゃないか。何を食べているんだ?はっ!まさか僕たちに隠れて筋肉増強につながる食べ物かい!?」

 

「お兄様、いくら筋肉について教えてくれたとはいえ何もかも筋肉につなげるのはやめて下さい」

 

「まぁ、見たことのない食べ物。――、私にも分けてはもらえないかしら?」

 

 なんてことだ。もう助からないゾ。あなたは観念して正座の姿勢を取り白状します、といいました。正座という座り方に皆珍しいものを見た眼をしますがとりあえず白状とはなんのことか?と思いながらもあなたの辞世の句を聞きます。

 あなたは自分が食べていたのはジャンがいた村で神竜様に許可をもらって村かもらったお礼のイルシオンから輸入した「おこめ」というものであると。なぜ一人で食べていたのかはリュールを気遣ってのことであることと、一応敵国のものを勝手に食べさせたとなれば処刑に値するのではないか、毒見をしたら問題ないかととも考えたが自分では意味がないため毒見をするのは自分と同じ一般の人間でもあるが同じ一般の人間でもあり子供でもあるジャンにそんなことはできないため一人で調理して食べていたということを自白しました。

 

「そういうことでしたか。大丈夫ですよ。私が憎むべきは邪竜でありイルシオン王国とその民や文化ではありませんし、なにより――のことは信頼しています。……私は――のことを嫌いになるなんて、嫌です」

 

 ゲームで憎むべきはイルシオンではなく邪竜と聞いた時もそうでしたが実際聞いてみてなんと素晴らしい人だとあなたは感動しました。自分の肉親を殺したやつの関係するもの、ことともなれば頭の中でそのことがよぎりおかしくなってしまうかもしれません。メンタル最強ともいわれるVガンダムのウッソ君もそのようなことを言っています。

 ですがリュールはそのような憎しみに囚われない清廉な心の持ち主です。流石主人公。あなたは自分が同じことになったらと思うと同じようになれるかどうか不安でなりません。故にリュールに対して人として尊敬の念を抱きます。ありがとうございます、とあなたは頭を下げました。

 

「それでは、そのおこめというのを分けてはいただけませんか?」

 

 おずおずとリュールにお米をとって分け与えました。ですが取り皿とスプーンが自分の分しかありません。

 

「あなたと同じので大丈夫です。……いいえ、あなたのを貸してください」

 

 そういってあなたはスプーンをリュールに渡し、リュールはご飯を食べ不思議な味で美味しいです、と答えてくれました。それにつられてほかの皆も興味津々だったのでしょう。自分の食器を取りに戻りそれぞれ食べ、不思議な味、甘みがある、美味しいという声その場があふれます。

 このお米はイルシオン産のもので日本のものではありません。ですが好きなものを、自分の故郷のものを皆と共有することができるのはやはり幸せなことであるとあなたは思ったのです。

 

 今度チャーハンをお作りしますよ。あなたはそういいます。

 

「ちゃーはん?とはなんですか?」

 

 お米を卵や肉などと一緒に炒めたものです。一流の味には及びませんが、とあなたは答えると

 

「本当ですか!?それはとても楽しみです」

 

 と目をキラキラさせてリュールは答えました。人の嬉しそうな顔を見るのはやはり好きだな、とあなたは思いました。

 




前半ふと日常で思うことをネタになると思って書いた後に米をもらった伏線を食事関係として回収しとくか―っと思って書いていたらなんか最終的にあったけぇ雰囲気な話になって終わっていた……何を言っているのかわからんと思うが俺も何を書いてしまったのかわからなかった。
ところで一応このまま短編としてつらつらと書いてますけど連載にしたほうがいいですかね?急に打ち切りになるかもしれませんけど。プロットないですし。まぁその場合連載(短編(免罪符))って形になると思いますが。
ところでお米って日本と海外で結構違うみたいですよ。当たり前なんですが。ちなみに米の作り方はクックパッド産です。
それでは今回もありがとうございました。


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日常9

【悲報】俺氏連載にすればワンチャンランキングに乗るかもと思ってた【短編も普通にランキングに乗る】
短編ってランキングに載らないと思ってました。
要するにもっと感想ほしいがためにあのアンケートやってましたごめんなさい。
それはそれとしてシグルド外伝の某敵どうなってるの?頭おかしいでしょ。味方の大半即死するんですが。したけど。
21話をやるといったな、あれは嘘だ。だって連戦だもの。外伝やらないとダメかなぁって順序的に。
それはそれとして今日は通勤、通学時間の暇つぶしになることを願って。予約投稿とはいえ朝投稿やってみたかったのよね。
どうぞ


 あなたたちはミカヤの指輪がある祠へ向かっていた。なんかめちゃくちゃいろんなことをしていたので正直あなたは指輪がちゃんとあるのか若干不安であったがまぁマジカル指輪パワーを信じることにして進んでいた。

 原作での説明の通り道が険しくなって人一人いないという話をしている中、前のほうに人影を見つけた。ユナカだ。やっぴー!を生で聞けたがなんでこんなキャラ付けにしたんだろう。

 

「――女人の声が聞こえてきたのです。「助けて……」「私を見つけて……」「あなたのすぐ足元にいるの……」」

 

 怨霊かメリーさんかな???

 

「突然の声真似が凄いのですが……」

 

 それな。初プレイの時と同じことをあなたは思った。普通に考えたらジャパニーズホラーとメリーさんのコラボレーションである。よく拾う気になったし願いをかなえようと思ったな。この時点でユナカが超いい人であることがわかるところだ。

 ここからみんな総出で指輪探しを刑事ドラマの鑑識のごとく捜索をするが、もしも見つけられれば賊と戦うことなく終わるかもしれない。どうなることやら、と思っていると

 

「う~ん、見つかりませんね」

 

 どうやら戦うことになりそうだ。実際賊が見つかりその賊がミカヤの指輪を持っているのをユナカが確認した。どうしてわかったのかとリュールが聞くと

 

「暗殺者は目がいいから」

 

 ゲームでも言っていたがハッキリ暗殺者と口に出していた。なんでそんなガバガバでバレなかったんだ。

 

 

 

 さて原作ゲームにて初の暗闇マップである。正直守るべき神竜とめちゃくちゃいい人かと思われるが初対面の人間とで二人きりにするのはどうかと思っていたがマルスの指輪をつけているのでまぁいいんじゃない?的な判断なのだろう。実質1人で2人なのだ。マルスは人を目を見る目もあるだろうし、危ないと感じたら警告しているだろう。そしてミカヤもいれれば合計4人になる。

 あなたは旅をしてきたこともあって暗闇での戦闘に多少慣れているし魔法をなんか都合のいい感じに使ってゲームのシーフ並みの視界は確保している。さらにミカヤがシャインを使えばさらに明るくなるはずだ。

 戦況はルイが前方で主に受けてアルフレッドやらが追撃、後方からくる賊は自分やヴァンドレで受けて後衛組を守るという形で進んでいった。

 

「ふぅんんッ!!」

 

 ルイが3人の斧をアーマーナイトの盾で受け止めて吹き飛ばした。どうやら前からやっていたプランクなどのトレーニング効果が出てきたようだ。その隙をついてアルフレッドや空を飛んでいるクロエが攻撃を仕掛けたり、ミカヤのシャインで明るくなったりしてなんか皆いろいろ頑張っていた。

 ゲームマップでは二人と合流するのに建物が邪魔で通れない仕様だったがここは現実なので安全を確保したうえで普通に合流した。ちなみに今日が初陣のジャンはあなたがフランと共に護身術を主に覚えさせたうえで杖を振るだけで戦場の空気に慣れさせている。

 

 そんなこんなで一通り討伐して残党がいないかを確認している最中だった。あなたは殺気を感じそちらに目を向けると賊の残党が手斧を投げてくる最中であった。あなたの近くにはジャンがいる。守らなければならない。

 あなたは浮かせている魔導書を手斧の盾とし接近する。残党の賊は手斧を投げた後すぐに鉄の斧に持ち替えたため反射神経だけは良いようだ。ならばと思い、あなたは接近する中で利き手に持った剣をあらぬ方に放り投げる。あなたの思惑通りそちらを目をやった隙に接近し、鉄の斧を手に着けたなんか手を守る装備で斧を弾き、賊のあごに下から掌底を当て、弾いた方の手を首の後ろに回し両手でバキィ!と首をへし折った。

 これは機動戦士ガンダムUCの主人公の父方の実家ビスト家に伝わる暗殺拳、ビスト神拳の技の1つである。映画版、アニメ版、逆襲のシャア、Gガンダム全編を見たことであなたがなんやかんやで使える暗殺拳だ。もちろんそんなものはない。

 そんなこんなでミカヤの指輪を手に入れユナカがなんやかんやで仲間に加わり一同はソラネルに帰還することになった。

 ちなみにたまたま見ていたユナカが「……暗殺術ッ!」と声を漏らしたがだれもきいてはいなかった。

 

 

 

 帰ってきてなんやかんやあってご飯となりユナカの歓迎会が始まりました。前回リュールに約束した通りチャーハンをあなたは作っていました。

 材料は長ネギ、たまご、角切りにした肉、米と一緒になんやかんやもらっていた醤油、ほかの料理でできた鶏がらスープ、塩コショウです。

 まずは角切りにした肉をあらかじめ焼いて用意しておきます。その後その肉の油に多めの油を足してで長ネギを炒めて卵を投入。適当になんかぐるぐるさせてからすぐにご飯を投入し素早く混ぜつつ肉も入れて炒めます。醤油と鶏がらスープを入れて水分が残らない程度に炒めて塩コショウで味を調えて味見をして完成です。

 シンプルさゆえに料理のレベルが出てくる料理であり、あなたはそこまで凝ったチャーハンがつくれるわけもないためこのようになりました。さて神竜様に食べてもらう上に歓迎会という場ですので他の皆さんも食べます。あなたの心は心配でいっぱいだったりします。

 カクカクしながらもチャーハンを皆のもとへ運びました。

 

「ん?初めて見る料理ですな。これはなんというものですかな?」

 

「――、これはこの前言っていたちゃーはんというお米を炒めたものですか?」

 

 はいそうです、とあなたはリュールに答えますがユナカがおこめとはなんぞやという顔をしています。彼女はブロディア方面から来たのでソルムやイルシオンにあるお米というものをしらないのでしょう。リュールがユナカにお米の説明をしてくれています。

 

 皆さんのお口に合えばいいのですが、とあなたは言います。

 

「まぁ!これ美味しいわ!」

 

 興味が勝ったのでしょう。一番先にクロエが食べて感想を言いました。珍味をよく食べ、様々なものを食べている彼女が美味しいというなら問題はないでしょう。あなたは胸をなでおろします。

 

「うん!神竜様!これとっても美味しいですよ!」

 

「そうですよ神竜様、早く食べてみてください!」

 

 フランとクランがリュールにすすめます。ユナカはおずおずとチャーハンを口に運び、リュールは迷わず口に運びます。

 

「――、これはとっても美味しいです!」

 

「うむ!初めて食べましたがなかなか美味でありますな!」

 

 リュールとユナカも美味しいと言ってくれます。あなたは少し照れながらも、もっとうまく作れる人はいると思いますがね。でもありがとうございます。と返しました。一人暮らしの料理スキルとこの世界でのサバイバルスキルに感謝です。

 

 そのあとはジャンの時と同じくジェンガ大会となりました。絶妙なバランスでのジェンガ大会は発熱し、さらには気軽に口が利けるユナカという相手が一人増えたことによってあなたはとても喜びました。

 

 

 

 

「(それにしてもちゃーはん、美味しいです。私が一番最初に食べたかったです。……??)」

 

「(ちゃーはんはみんなで一緒に食べましたよね?……???)」

 

「(あ、これも美味しいですね)」

 

「(……ユナカも――が比較的普通に話す方ですか。ユナカも高貴な身分というわけではありませんからね)」

 

「……むぅ」

 




チャーハンのレシピはクラシル産です。肉の部分は適当にアレンジ加えてますけど。先に火を通しておかないと火が通らさなさそうですし。
あと米なんですけどソルムにもありましたわ。ライスコロッケとかパエリアで。
とりあえずソルム=外国の米 イルシオン=日本の米 に近い感じでやっていこうと思いますわ。
それは今日もお勉強、お仕事頑張りましょう。明日は休日ですからね。
今回もありがとうございました。


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日常10

ウマ娘楽しいです^p^
それでは今日もカップ麺の暇つぶしになることを願って。
どうぞ


 神竜リュールの朝は別に早くないのか早いのかわからない。というか起こしてもらうスタイルである。性別女なのに起こす人間は男女問わずである。それでいいのか。

 ここまで言えばわかりますが今日はあなたが神竜様起こし当番です。神竜様は女なのに男が起こしていいのかと思っていたりします。

 他にも鍛錬後の汗のかいた服を洗うのは世話係のヴァンドレだったりするらしいですが男女的に考えてそれでいいのかとあなたは支援会話を見た時に考えました。いくら年が離れているとはいえ女が着ていたものを男が洗うというのは家族でもない限りあまりよろしくないでしょう。おそらく中世的価値観とヴァンドレの年的に考えて若い娘の世話を男がする、という感覚よりも神竜という神と同一視されている身分の方の世話をするので男や女などの性別に囚われないということなのだろうかとあなたは考えます。

 それはそれとしてあなたは神竜リュールという女主人公の部屋に入って彼女を起こさなくてはいけません。そう女性の部屋にです。しかも就寝中。彼女いない歴=年齢であるあなたには大変酷なことです。まぁそうでなくてもあまりよろしくないことなのですが。

 しぶしぶあなたはマイルームのドアをノックして失礼します、と声をかけてドアを開けます。

 リュールのマイルームにはゲームのようにチェストとピアノとベッドだけではなく本棚やどんな仕事をするのか、そもそもなにかするのかさえわかりませんがとりあえずある机などが置いてあります。ほとんど白系統の色で統一されており神聖な雰囲気という言葉が合う空間です。

 あなたは枕もなく布団もかけずソラネルで活動するときの服装で両手をおなかの上で組んでベッドで寝ているリュールの姿を目撃します。どうして枕くらい用意してあげなかったんだろうか開発部。

 これ場合によっては亡くなっているようにも見えるのでは?とこれまた知られたら首ちょんぱ案件なことを考えつつあなたは声を掛けます。

 

――神竜様、お目覚めでしょうか。

 

――リュールは目覚めません。

 

――神竜様、朝です。お目覚めのお時間です。どうかお目覚めください。

 

 リュールは全く目覚めません。

 どうしたものでしょう。これが友人やらなんやらであれば肩をトントンとたたいたりして起こしたりするのですが相手は神竜。あなたの上司というには役不足でありこの世界で信仰されている神と同一視される存在です。触れるだけでも不敬罪とかいう現代から見たら子供の戯言に値しますがこの世界観では重罪となるような罪に値するかもしれません。

 と、あなたは思い出します。たしかアルフレッドとのお目覚め会話の時は、なかなか起きないから自分が起こしに来たよと言って大声で起こしたりしていました。ならば大声で起こすまでです。

 

――おはようございます!神竜様!

 

 これでもリュールは全く目覚めません。昔話かな?

 先のアルフレッドとの会話ではなかなか手ごわいという話もありました。なぜ自分の時に限って手ごわいのでしょう。

 あなたは方法を考えます。考えて一瞬、お目覚め会話では長い独り言を言ったりしていたら起きたりしたのでまさかをそれをしないと起きないのでは?という考えが頭に浮かびました。聞こえていて起きられないだけかもしれないのでとりあえず誉め言葉を言っておきましょう。

 

 前にも言ったが神竜様はお綺麗な方だ。赤と青の髪色が可愛さと美人さを兼ね備えたお顔を引き立たせている。さらに純粋無垢で誠実な性格も相まって人を引き寄せるんでしょうね。

 

 ……なんか前も言ったがセクハラしてるみたいで嫌になってきた。前はうれしいと言ってくれたが本当にうれしく思ってくれているのだろうか?と思っているとリュールが目覚めました。

 あなたはおはようございます神竜様といいます。

 

「おはようございます、"――"」

 

 あなたはついゲームと同じように起こすときのボイスが実際聞こえているのか気になり聞いてみました。

 

「はい?……あぁ、はい。聞こえていましたよ」

 

 どうやらゲームと同じだったようです。目は開いてないけど意識はあって何かしら聞こえている状態のアレのようです。リュールは両手の指をうねうねと動かしています。あなたはそれに気づかず尋ねました。

 

――以前にもお聞きしましたけどお嫌ではありませんでしたか?

 

「えっ。い、いいえ。いやではありません……よ?うれしい…です」

 

 なぜか妙にくねくねしながらリュールはいいます。

 

「前にもそのようなことを言っていましたがどうして私が嫌に感じると思うのですか?」

 

 純粋無垢で称賛の言葉を素直に受け取るリュールにはわからない感覚なのでしょう。この世界が中世的な世界観であることも関係していると思われます。

 

 そういった誉め言葉を気味悪く感じる方もいらっしゃるのです。私のいたところではそういったことに敏感な方が多くて誉めることが良いことであるなのかすらわからなくなったのです。

 

 あなたの中身はそれなりに年を取りました。それと同時に服が似合っているとか装飾品やらをお綺麗ですねと多感な頃と比べて素直に言えることができるようになりましたがそれをセクハラととらえられる事例が出てきた時代に生きていたのです。この世界にきちんと生きているつもりですがほとんどの人格形成は前世で行われています。あなたは哀愁の目をしながらそう答えざるを得ませんでした。

 

「そ、そうなのですか……。で、でも私はそんなことはありませんから……」

 

 リュールは本心で言ってくれているのですがあなたはどうしても気を使って言ってくれているようにも受け取ってしまいます。

あなたはそう言っていただけると助かります、それでは失礼しますといってリュールの部屋を後にしました。

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「褒められるのが嫌と感じる、ですか……」

 

「……寂しいです」




朝のおはようございますからいろいろ書こうと思ったら朝で終わってしまった
どういうことだ……
というか昨日いろんなものが発売になったりアプデされたりでエンゲージが…エンゲージが…外伝セリカとロイ、クリアしなきゃ……支援会話見なきゃ……
やることが……やることが多い……!!
今回もありがとうございました


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日常11

誤字報告ありがとうございます。
21章、22章やりました。なんだこれ神シナリオか???先読めなさ過ぎてめちゃくちゃ面白いんだが。最初今回覚醒やif枠ねーOKOK、と思っていたけどそんなことはなかったぜ。でも演出は頑張って。もったいない。
これ嘘のネタバレなんですけどリュールのもとに遊戯王GXの主人公が表れて超融合を使って邪竜ソンブルと超融合して神魔竜リュンブルとなってエンディングに入ったのはこの節穴の目を持ってしても読めませんでしたね。
それでは今日も通勤通学の暇つぶしとなることを願って。
どうぞ。



 あなたはやらかしたなぁという気持ちでいっぱいでした。俗に言う憂鬱というやつです。本当に憂鬱な気持ちなのはリュールのほうなのですが。

 朝から人をほめることを嫌がる地域にいてあなたにそれを行っているように思ってますなどと聞いて愉快な気持ちになる人などいないでしょう。さらには相手が神竜ともなると頭が余計に痛くなります。

 神竜は信仰対象でありそのような方を不快な思いにさせたとなればこの軍における自分への目は厳しくなり不和が生まれかねません。そうすれば戦場でどんな目に合うかわかりません。ただでさえ最悪次のブロディア国境付近で死ぬかもしれないのに、と考えていますが自身の保身のことも考えていることにあなたは自分に嫌気がさします。この軍のほかの人間であればそのような考えは浮かばないでしょう。

 ここはやはり大人の基本、いや人間の基本であるごめんなさいを言うべきでしょう。ですがあなたは謝るのが下手なのです。何度も同じことで謝ってしまいかえって相手を不快にさせてしまったりします。ここは1回できっちりとケリをつけましょう。

 朝食を神竜リュールと離れた場所で内心気まずい形で食べ、鍛錬をそれなりに終えた後でした。あなたはリュールに声をかけられます。

 

「"――"、私の部屋に来ていただけますか?」

 

 来た。と同時に先に謝罪の件について話しかけなかったことから最悪の場合関係の終わりの時が来た、とも考えました。ここは覚悟していかねばなりません。あなたはそれを承諾するとリュールについていき、彼女のマイルームへと入りました。

謝罪は早めに、簡潔に、一度で終わらせなければなりません。リュールと向かい合うと目を見てきちんと謝罪の言葉を述べました。

 

――神竜様、今朝あのようなお話をしてしまい大変申し訳ございませんでした。

 

 続いてあなたは深く頭を下げ続きを言います。

 

――神竜様がお望みになるのであれば今後必要時以外お近づきをしないことを誓います。

 

「そんな。やめてください。そんな風に――を思ったりしません」

 

 あなたはこの時間が苦手でした。本当にそのように思っているのかよくわからないことが多いからです。あなたはおずおずと頭を上げました。

 

「――は誰かを褒めたりするのが相手を不快にさせると思ってるんですよね?」

 

 正確には女性に対して綺麗と容姿などを褒めたりすることがですね。とあなたは返事を返します。

 

「でしたら……私を褒めてください」

 

 はい?と、どうしてそうなるのかという疑問をもってリュールに聞き返します。

 

「私は自分のことをほめられるのは嫌ではありません」

 

 リュールはしっかりとした目をもってその疑問に答えました。

 

「私が褒められて不快でないことをあなたに伝えて、それをセリーヌたちに伝えて確認を取れば少なくともこのソラネルの中で女性の方をほめることで不快になる人はいなくなるはずです」

 

 あなたはそれを聞いてそれはまぁ、道理ではありますね。と返します。

 

「人を素直に褒められることができなくなる、それはとても寂しいことです。私だってあなたに助けられているんですよ?それに対してお礼をしたり称賛したりします。心から思っていることです。あなたがそれをできなくなるのは私としてもとても寂しく思います」

 

 確かに人をほめることができなくなり素直に気持ちを出せなくなった世界は寂しいものだとあなたもそう思います。

 

「だから私を褒めてください」

 

 リュールの意思は固いものでしょう。それは本編を通してからもわかることです。異形兵との初の会敵にて逃亡を主張し、人質を盾に要求を突き付けられてもそれをはねのける意志。目の前の彼女からはそれを感じます。本気であなたを心配しそれを解決しようとしています。あなたはこれに逆らうことなどできないと悟りました。

 

――私、褒めたりするのとか苦手ですよ?人並みのことしか言えません。誤解を与えて傷つけるかもしれません。

 

「かまいません。間違えしまったというのなら一緒に正していきましょう。さあ、どうぞ!」

 

 リュールはえい、えい、むん!とでもいいそうなポーズをとって身構えました。

 

 人に褒められることはそんなに身構えるものだっただろうか。あなたは人生で一番人をどのようにほめることにするか悩むことになりました。とりあえず見た目からほめていくことにします。

 

――前にも言いましたが神竜様はお綺麗です。

 

「は、はい」

 

――赤と青の髪と瞳。あなただけが持つその色合いはあなただけが持つ美しさです。

 

「ぅ……は、はい」

 

――嫌ではありませんか?気味の悪い口説き文句には聞こえませんか?

 

「いっ、嫌ではありません。人によるかもしれませんが……私はそのように聞こえません」

 

――でも神竜様、お身体をこう、くねくねしてるじゃないですか。お顔だって赤いですし。

 

「照れているんですっ。私だって照れるときくらい……あります」

 

 うっそだー、とあなたは考えます。純粋無垢で素直な人たらしでフラグ建築士である彼女の行動をあなたはすべてとは言わずともみてきています。ゲーム本編でもそうでしたし実際当てはまることが多いのも事実です。

 

 本当ですか?と聞いてみました。

 

「ほ、本当ですよ。恥ずかしぃ…です……」

 

 じゃあ止めましょうか、というとそれは駄目です!と確固とした意志を見せてきます。仕方ないので続けます。

 

 神竜様の所作は美しいですよね。テーブルマナーや普段の動きから品があって綺麗で目がひきつけられます。手を伸ばした時の指の先まで美しいです。

 

 リュールは体をくねくねさせながらも手をせわしなく胸の前で動かしている。ただでさえ白い肌で綺麗な顔がだんだんと赤くなっていく。その白と赤のグラデーションで彩られた顔すら綺麗であり流石主人公、セリーヌ王女とかも綺麗なんだろうなと思いながらもあなたは言葉を続けます。

 とはいえさすがに外見をほめる言葉はなくなってきました。ただでさえ語彙力のないあなたです。あー、えーといいながらも必死に言葉をひねり出します。もちろんたじたじになりながらです。

 

 あとは……お声ですね。お声もとてもいい感じだと思います。神竜様の思いやりと素直さがでているお声をされていてとても聞き心地が良いと思います。

 

 そりゃ声優オーディションしてるから当然だよなー?と思いながらもさすがに無理があったか?とあなたは思いましたが

 

「ぁぁぁ……も、もももう今日は終わりにしましょう!ううれれれしかったですから!今日は!おわわわわりにに!……しましょぅ……………」

 

 どうやら一応失敗はしなかったようです。とはいえこんな反応を見るのは漫画とゲームとアニメくらいの世界だけなのであなたはこの微妙な雰囲気の中綺麗に会話の幕を引く方法を知りません。お、おう、いえ、あ、はい。そうですねとなんとまぁオタク特有のアレで閉めることになりました。

 あなたの内心も微妙な感じであったためとりあえずこいつ、おもしれー女と思うことにしました。見事な首ちょんぱ案件です。

 なお紋章士として顕現せずに見守っていたマルスは二人にはわかりませんでしたが腕を組んで生暖かい目をしていたそうです。




プロットがないからこう難産になるんだ。てかまだ6章なんだぜ?これ。まぁ後の話になっても全部なんやかんやで日常に組み込みますけど。
なんか恋愛クソ雑魚感が凄く久しぶりに出てきた気がする……タイトルが仕事してる。
あー!多分もうすぐエンゲージが終わってしまう。嫌ですわー!もっと続きやりたいですわー!
それでは今回もありがとうございました。


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日常12

エンゲージ漫画版がでましたね。
やっぱリトス民いるじゃねーか!絶対描写されてないだけだよなって思ってたらその通りでした。
あのだだっ広いのに誰もいないのはおかしいのよ。それだから演出が悪いって言われるんだもったいない。
言動は1000年起きたてならあんなもんですわ。
あと城壁とか割と普通にぶっ壊れますわね。支援会話でもエーティエが普通に壊してましたけど
それでは今回も暇つぶしとならんことを。
どうぞ


あなたは田植えを行っていました。隣ではリュールも一緒です。田んぼはそれなりにクソデカな感じではありますがソラネルにおいてはなんだか早いサイクルで果物が生ったりするため、たとえソラネルにいる人間分の米がとれなかったとしてもまぁなんとかなっちゃったりするのです。たぶん。

ところでなぜリュールも田植えを行っているのかというと、以前あなたがウッキウッキで田圃を耕していたところを見たことやチャーハンを食べたことによりお米そのもの、お米作りに興味を持ったようです。

それに前に仲間になったジャンの実家はフィレネではセリーヌも飲んだことのある茶葉を栽培しているそれなりに有名な茶畑です。ジャンはその手伝いもしていました。つまりは茶葉の栽培など農業は庶民の生活の一部です。

神竜王ルミエルを継ぐリュールとしては民がどのようなことをして生活をしているかはヴァンドレの教育などからある程度知っています。ですがそれが実際どのようなものなのかは詳しくはありません。

そこであなたがやっている田植えです。あなたが作っているお米はイルシオンと同じタイプで敵国もあって今は縁はなさそうですが農作業という意味では同じです。民がどんなことをやっているかを知りたいとリュールは自分も農作業を手伝いたいと申し出たのです。

あなたは某悪徳令嬢アニメでも農作業を手伝っていたような描写があったような気がするのでまあええやろということで了承しました。民の苦労を知ってよい王になるあのパターンです。なおあなたが褒めた件で照れたことについてはあまり気にしない様子でけろっと提案してきました。

 

「こんな感じの感覚でいいですか?」

 

はい、等間隔で一粒ずつ埋めてください。隣の列と密になりすぎないように。密にしすぎると稲が病気になったり害虫に食われてしまったりするので。

 

とはいってもここ不思議パワーであふれているソラネルでは病気になったり害虫が湧いたりすることがないかもしれません。そう考えるとなんと農作物の育てやすい場所か。某稲作ゲーは現実と大して変わらないそうなのに。

 

「ふぅ……お米のようにこういった農業をされている方々はいつもこのようなことをしているのですか。大変です」

 

これだけではありませんよ。育てるものによりますけどどれくらい水を含ませるか、水を与えすぎないかを調整して作物が健康であるように栄養も与えないといけませんしやることはたくさんです。それはもうどこかでは水の取り合いで殺し合いが起きてしまったとか。

 

「こ、殺し合い!?そこまでですか!?」

 

そこまでのことなんですよ。1年で収穫するのに水の管理に問題が発生したりして全部だめになってしまったらその年は何もなしで生きていかなければなりませんし、経済の状況や自然災害、貯蓄がなかったりなどすれば飢え死にしかねませんからね。とりあえず考えながらでも構いませんので種もみを植えていってください。

 

「は、はい。わかりました」

 

ちなみに今のリュールは髪を結んでポニーテールにしてあります。さすが主人公というべきかポニーテールも似合います。とりあえず次の褒め事はこれにしておくか、とあなたは心の中で思いました。

リュールによる神竜様褒め褒め検定はあのあとも続けることになっていました。さすがに毎日というわけではありませんが定期的に褒めるリュールのことをほめてそれが適切かどうか確認することになってしまったのです。それにしても事ごとにほめることを決めなければいけないというのは、現代におけるメールは一日に3回送ってなどという俗にいうめんどくさい彼女みたいな感じなのだろうかとあなたは考えますがうっかり口に出てくびちょんぱ案件につながるといけないのでそこで思考をやめることにします。

それにしても先の件をセリーヌ王女たちに本当に話したのだろうかとあなたは考えます。――が私の髪を綺麗を言ってくれて~、所作が綺麗で~といってくれたんですよ。という言葉に対して彼女たちはどのように反応するのでしょう。

彼女たちの性格から考えると神竜信仰の狂信者というわけではありませんから即刻、不敬!処刑!とはならないと思いますが心配です。それとも王族、貴族らしくあら~そうなの~と確かにお綺麗ですわよね~と昔話で出てきそうなマダム的な会話を繰り広げるのでしょうか。

それとも年頃の娘で恋バナのようにとらえてきゃーきゃー言いながら盛り上がるのでしょうか。そう言った時の女子は残酷無慈悲であることをあなたは何となく知っていますのであまり知りたくないという気持ちが強くなります。とりあえずリュールから結果を話してくれるでしょうからそれを待つことにして田植えを続けることにしました。

 

 

 

そんなこんなで田植を終え水を入れてなんやかんやで作業を終えた日の後のことです。

今日は筋肉鍛錬の日であるためみんな揃って筋肉トレーニングです。ふとあなたはこの世界に生れ落ちてからたまに考えたことを思い出しました。

この世界ってダンベルとかは作れそうだけど作れてないのだろうかということです。エーティエは特注で鉛のティーカップという技術の無駄遣いをさせたようなものを作らせて指の鍛錬をしていました。ならばダンベルもどきなど作らせるのは簡単なことでしょう。この件もとりあえず筋肉博士のせいにしてアルフレッドとエーティエに提案してみましょう。目を輝かせて迫ってくるに違いありません。そうなると今度はあなたはダンベルを使った筋肉トレーニングについてあーだこーだと解説しなければならないでしょうが仲間が死ぬことに比べたら些細なことです。重い斧を縄のように振り回せればそれだけ相手へのダメージが増します。まさに重さ×速さ=パワーの法則となりますので斧使い達やゲーム序盤でリュールとマルスをいなしていたクソ強異形兵とかと鍔迫り合いになった時に有利に働くでしょう。でもぶっちゃけめんどくさい。

 

「ぜぇ…ぜぇ…これはっきつぃ……ですな…私は物陰に潜む方が……」

 

そう考えていると隣でユナカが筋肉トレーニングに参っているようです。それだからバレるんだぞ。それもそのはず、ゲーム内での筋トレ3種だけであったのにあなたのせいでいろんな筋肉トレーニングが追加されまさに疲労困憊です。暗殺者の時のトレーニングは何をしていたのでしょう。後継者とするために色々と教え込んだはずですからそれなりのことはやってきたとは思いますが……。と思いつつあなたは追い打ちをかけます。

 

このあと持久力鍛錬の水練もありますからね。ユナカさん。

 

「な、……なんとっ。水練ですと?わたくしめ…はっ、泳げませぬっ……」

 

これは意外です。と思いましたが彼女の出身はブロディアです。山々に囲まれた地帯で泳ぐということはほとんどないでしょうし、ターゲット相手にはFE覚醒で見せたようなつよつよ身体能力を暗殺向けに振り分けたステータスで近づいて目的を達成して川を泳ぐということもなかったのでしょう。水でずぶぬれになった後でで暗殺をするというケースもなさそうですし。

では泳ぎ方を教えますからその鍛錬としましょうとあなたはいうとユナカは救いを求めるかのような目をしてきますがそんなことは知ったことではありません。ユナカにはその境遇からも生き残って幸せになってもらいたいものですから持久力をつけてもらいます。

 

いくら動きとその体術で相手を翻弄してきたといってもこれからは持久戦とかも入ってくるはずですからきっちり持久力つけてもらいますよ。それにそれをフランやジャン、神竜様にも教えてもらいたいですからね。生き延びるために。

 

そう言ってあなたはノルマ達成して進捗どうですかなどと言われることはなくなったので汗を拭いて水泳の準備へと向かいました。

ちなみに後ろではユナカがあなたに対して「やはり――氏は……」という目を向けられていますがあなたはそんなことに一切気が付きませんでした。

 




それにしても新しいFE小説が投稿されてましたね。結構小説書かれてる方で一瞬でお気に入り突破されて笑いますわ。内容もクソ面白いですわ。当然ですわ。まぁこちら読んでくれてる方のために頑張りますけど。
セリーヌの朝会話A1A2が来ない……
あとヴェイルさん弱くないですか。速さ足りねぇ!レベル上げなきゃ進めねぇ!
ついでに支援会話集めですわ!お前らもっと世界観掘り下げろですわ!
……そこまで深く考えてないんでしょうけど


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日常13

23章クリアしました。なんだよ……かけるじゃねぇかシナリオ……
DLCが3月8日に来るそうで。早くて助かりますねぇ。ゲームによってはとっくに終わった後に来たりしますからね。
8日までクリアできない気がしてきました。邪竜の章はクリアしてからでもやるものだなって思えるんですけど。
それでは日曜日の暇つぶしに。
どうぞ。


紋章士たちはジェンガしていた。

 

「私が最初だ。ドロー。9番か。下の方だが問題はない」

 

「まだ序盤だからね」

 

「一番最初で崩しちゃうっていうのも面白いわよ?」

 

「セリカ、それは勘弁だな。せっかくの遊戯だ。長く続けたい」

 

「次は私ね。ドロー、18番。初めてだから安全そうな場所でよかったわ」

 

「単純だけど面白いよね。僕たちの世界にはなかったから新鮮だよ」

 

「それをいうなら私の世界にもなかったよ。難しく考えないただ引き抜いて乗せていくだけの簡単な遊戯、良いものだ。貴族の盤上遊戯は複雑なものが多いからね」

 

「そうね。私の世界でも字が読めない子や人はいたからこういったものがあれば戦いの中の娯楽として気分転換できたわね」

 

「みんなが熱中するのもわかるわ。ドロー、21番」

 

「ところでマルス、リュールの様子はどうだい?」

 

「最近は――と農作業をしていたよ。その苦労とそれゆえに産まれる悲劇について相談を受けたよ。11番か」

 

「領地の運営のようなことを考えているのか。私もなかなか難しい思いをしたものだ。6番。気を付けなければ」

 

「ところでリュールは――とよくいるの?あの子が――の話をする割合が多い気がするのだけど。15番」

 

「ああ、ミカヤはこの前はいってきたばっかりだったわね。――はいろいろと教えてくれるようだしリュールをリュールという偉い人としか見ていないようだからなついてるのよ16番」

 

「それは神竜として見ていないということ?珍しいけどいいことね。あの子個人を見てくれるのだもの」

 

「いや、正確には彼は彼なりの価値観があるらしいよ。4番か。厳しいな」

 

「それってどういうこと?」

 

「――曰く、”神様って本当にいたんだとは思っているし、神様として敬いの気持ちは多少持つけれど信仰とかは別にしていない。そもそも元々神様はいないと思っていたしいるとも思っている。”っていっていたよ」

 

「それって……どういうこと?矛盾していない?」

 

「だから本人も”こんなこと言ったら信仰の篤い人たちに殺されるかもしれないから今まで黙っていた。リュール本人からどうしてもと聞かれない限り喋ることはないから話さないでほしい”と、いわれたね」

 

「どうやら信仰というものに彼は恐れを抱いているらしい。24番。」

 

「どんな生活を送ってきたのかしら……」

 

「それにしてもこの前は珍しいリュールが見れたよ」

 

「おっと、マルス。本人がいない中で話すのはよろしくないのではないかな?」

 

「はは。そうだねシグルド。でもあなたも気づいているのでは?」

 

「……?。どういうこと?マルス、シグルド。」

 

「……もしかして」

 

「さあ?私からは何とも。まだそう決まったわけではないし、強いていうなら……自覚はないようだよ。今は」

 

ちなみにマルスが負けた。

 

 

 

「セリーヌ、クロエ。お誘いありがとうございます」

 

リュールはセリーヌとクロエにお茶会に誘われていた。エーティエはアルフレッドと楽しい筋肉鍛錬。ユナカは先日の鍛錬で全身筋肉痛になったので不在である。

セリーヌとクロエはリュールにありがとうございます、と告げお茶会が始まった。セリーヌの話は主にアルフレッドについてだった。――がもたらした知識により母国フィレネで行われていた筋肉鍛錬により磨きがかかり目の輝きが増して鍛錬をより楽しく行えているらしい。ただ鍛えるだけでなく体の各所を伸ばすのを意識したり縄跳びで持久力をつけたりといろいろとしているのだとか。クロエの話は大体食の話だった。珍味を食べたとかチャーハンが美味しかったからまた作ってほしいだとか。――ならほかにもいろんな料理を知ってそうだとか。とにかくうんたらかんたらだった。そして一区切りしたところでリュールが話をしだした。

 

「そ、それであの、セリーヌとクロエに聞きたいことがありまして……」

 

どことなく顔が赤いリュールに二人は何事だろうかと疑問をもって、なんでしょう?と次の言葉を待つ。するとお二人は容姿などを褒められることを嫌に思ったりはしませんか?というではないか。

おかしな話である。彼女らにとって今日はお美しいなどは社交辞令でもあり本心からの言葉としても受け取ることが多い。なぜそれで嫌な気持ちになるというのだろう。セリーヌは王女ということもあり当然言われてきたし、生まれから貴族でありその教育を受けながらも王女の騎士となったクロエも当然人気があり麗しいなどと言われてきた。二人にとってまったくもってわからない質問だった。

聞き返してみるとリュールは――に言われたことについて話した。

 

「褒められたことを嫌に思われる地域にいたのですか?それはどうしてそんな。人をほめる言葉がどうして」

 

「わかりません。ですがそれを気味悪く受け取られてしまう場所にいたそうで、――は人を、女性をほめたりすることができなくなっていたそうです」

 

「そんな……可哀そうに」

 

と、そこでリュールの様子が先ほどと同じように変わった。この世の誰もがうらやむような白さを持つ肌は少し赤みがかかり体をくねくねと動かし始めるではないか。セリーヌとクロエに再び疑問が宿る。

 

「それで、あの、私――に褒めてもらったんです。それで嫌でなかったことをセリーヌたちに伝えて嫌にならなかったことを――に伝えて、少なくともこのソラネルでそんな思いをしないようにしたいんです。協力してくれますか?」

 

もちろんです、と二人は了承した。人をほめたはずが気味悪がれ非難されるなどそれはあまりにもひどい話である。セリーヌが聞く。それでどのように褒められたのですか?と。

 

「その、あの、わ、私は綺麗、だと……。赤と青の髪の毛を持つ美しさは、わ、私だけの美しさと……」

 

空気が変わった。少し憐れみと真剣さが混じった空気が変わった

 

「まぁ……!」

 

「あらあらあら?」

 

セリーヌは口に手を当てクロエは目を開いて両手を自分のほほにあてた。二人とも目は輝いている。

 

「それでお二人は……」

 

「嫌ではありませんわ!そして次は??どのように?」

 

「そうですわ!どのように?」

 

「え、ええと……所作が美しいと。品があって綺麗で引き付けられると……。手を伸ばした指の先まで美しいと」

 

「それでそれで?ほかにはほかには?」

 

「そうですわそうですわ!ほかにはほかには?」

 

「こここここ声がぁ……良いと……………」

 

セリーヌとクロエはきゃー!と口には出さなかったが口を手で押さえて見開いた眼と合わせた顔からきゃー!!!と言っているように見えた。二人とも年頃の女子なのだ。それっぽい話は大好きであった。その相手が神竜という最上の高貴な身分と平民の恋物語であるならなおさら。

 

「嫌ではないですから!神竜様!どうぞ続きを!」

 

「も、もう終わりです!さすがに恥ずかしかったので終わりにしました!!」

 

「そんなご冗談を。続きがありますよね?神竜様!?」

 

「そうですわ神竜様!もっとロマンチックなことがおありですよね!?」

 

「ありません!ありませんから!」

 

赤みがかかった顔で否定するリュールだがセリーヌとクロエはそんなことを信じたりはしない。故に攻め方を変えることにした。

 

「神竜様は――のことをどう思われてるのです?男性としては???」

 

直球勝負であった。が、

 

「……だんせいとして?男性としてとはどういうことですか?」

 

赤くなっていた顔が一転、ぽかんと疑問に満ちた顔へと変化した。輝いていた顔のまま固まるセリーヌとクロエ。そのままはい??という言葉が飛び出てきそうだ。

 

「ええぇっと……神竜様?――のことはお好きですか?」

 

「……好きですよ?」

 

明らかに異性としてという感じではないように答える。当然疑問を持つ二人。

 

「ええと……お兄様のことはどうですか?」

 

「当然好きですよ。唯一の友として接してくださいますし、母が亡くなった時も寄り添う花となるといってくれて。花冠もよく作ってくれてほめてくれます。――が言ってくれたように照れてしまいますけれど」

 

「ブシュロンのことは?」

 

「好きですよ。疲れているときに釣りに連れて行ってくれたり周りを見て気遣いができて尊敬しています」

 

セリーヌとクロエは顔を合わせてひそひそと二人で話を始めた。

 

「どう思います??」

 

「まだ神竜様は恋の好きをわかっていないのだと思うわ。いえ、これはお兄様にも原因はあるわね……。でもよく接したりするのは――の時が多いと思うわ」

 

「もしかして……無自覚でいらっしゃる?」

 

「かもしれないわ。でもまだ断言はできないわね……要観察よクロエ」

 

「はいセリーヌ様」

 

「あの……二人とも?先ほどの言葉はお二人が言われても……」

 

「嫌ではありませんわ」

 

「嫌に感じませんわ」

 

即答する二人。

 

「神竜様、その件に関しましてはこれからも全力で協力いたしますわ」

 

「そうですわ。誰かをほめることが許されない世界などあってはなりません」

 

セリーヌとクロエの迫力が明らかに増しているがなぜそうなっているのかリュールには皆目見当がつかなかった。ただ、あ、はいと答えるだけだった。

 

「それはそれとして神竜様、この前……」

 

このあとなんやかんや話をたくさんしてお茶会はお開きとなった。

 




三人称難しい。やはり小説書くなら好き勝手かけるタイプじゃないとダメですね。二人称にしたのはなんとなくなんですけど。
とりあえずウマ娘チャンミ育成しておきますわ!
エンゲージは最終章前までやって支援会話回収ですわ!ヒーローズはルフレ育成ですわ!
あとTwitterでみかけたとあるエンゲージのアレの意味わかりました。アレの概念あるのかその世界……。
あといい加減アンナさん迎えに行きますわ。


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日常14

今日はDLC3段目ですねぇ。
魔法剣やっぱできるぜやったぜ。ヴェロニカはなぜか性格は初期のほうでしたね。衣装は最新のなのに。商業的な理由かな?
クリア前なのでこれでまたクリアが遠のきます。いつになったらクリアになるんですかね。
そしていつになったら指輪を渡したセリーヌのお目覚め会話が見れるのか。見せろ。
それでは今日も暇つぶしになることを願って。
どうぞ。


村を襲撃した盗賊団らは村人らを襲い貴重品や食料を強奪。強奪時に数名が負傷、死亡者も出ている。現時点で王宮は再建中で警備も最低限で、動けた兵士らは異形兵が各地で出没した地点に討伐に向かっており早急に盗賊団に対処できない。

だがどこからでも出入りすることのできる拠点ソラネルを持った神竜リュール率いる少数精鋭の軍は現在判明している盗賊団のアジトの最も近くに移動することができ対処が可能であり、貴重品だけでなく食料品すら強奪し殺人さえいとわない悪質な盗賊団討伐をお願いしたい。

それがあなた達の軍に早馬でフィレネ王城からきた兵士が持っていた書簡に書かれていた内容である。なんか凶悪さが原作より増されているためあなたは気を引き締めていかねばならないと思いました。しかも討伐依頼であるため投降を促すこともできなさそうです。このマップではFEシリーズ恒例のアンナさんが加入します。エンゲージでは初のロリ系としての参戦であり珍しくもかわいらしい女の子でありながらアンナさんの特徴がしっかりと引き継がれているキャラクターです。

あなたの軍ではアクスファイターで頑張って厳選しながらも育て上げた結果、魔力もモリモリのウォーリアーとして光の弓で大活躍しました。ノーアトゥーンと光の弓は神器。盗賊団の凶悪さが増していることと彼女が子供であることからも、彼女が根城にいて原作同様に隠れているとしたら早急に助け出さなければなりませんし、盗賊団自体も原作より悪質になっているため二次被害を出すわけにはいきません。

そんなこんなであなたたちは盗賊団の根城へと向かいました。

 

 

 

根城についたあなたたちはそれなりに頑張って戦っていました。前回の廃村での戦場では杖を振らせるだけのジャンでしたが、あなたやフランに元暗殺者のユナカのおかげで主に回避を中心としつつも敵と交戦できるようになっています。もちろん相手は弱いのを選別してあなたやユナカなどすぐに加勢できる面々がいながらです。さらにつけている篭手にはあなたが魔法でサンダー系の能力が付与してあり相手にあてれば若干しびれさせられるというやや過保護な保険も付けてあります。

 

「どうしてここに小さな女の子が?ここは盗賊団の根城です。危険ですよ!」

 

「あなた盗賊じゃないわね。私のこと守ってくれない?」

 

どうやら無事リュールとアンナが合流したようです。あなたは周りを気にしながらもそれなりに盗賊団相手にファイアーを散弾のように打ち出してけん制したりすることでサポートし、時にはファイアーをまとわせた貫手で盗賊を倒していきました。ちなみにこれを連打のパンチにすると邪王炎殺煉獄焦もどきになります。フランやジャンが経験を積むとこれができるようになり接近戦でありながらもアーマー系の兵種の敵にダメージを与えることができるためいずれ教えようとあなたは思いました。

それからなんやかんやで戦いが終わり討伐の任務でしたが投降をしたものは抵抗できないように縛り、近くにいる衛兵に引き渡してアンナさんが仲間に加わりました。

それと同時にあなたはリュールやフラン、ユナカにソラネルに帰還した後にジャンのフォローを共にお願いします。

 

「はい、任せてください――」

 

「竜の守り人をやっているんです!仲間を支えることだって、やってみせます!」

 

「ジャン氏は今日は本当の初陣ですからな。きちんと支えねば」

 

そう答えてくれた3人にうれしさと頼もしさを思いながらみんなでソラネルに帰還しました。

 

 

「私はアンナよ。気軽にアンナさんって呼んでね!」

 

――です。よろしくお願いしますね。アンナさん。

 

そういうことで戻ってきたソラネルにてアンナさんにソラネルの説明と皆へのあいさつ回りとしていると流石アンナさん、ほぼ同じ顔の人の一族で商人の家系というか一族でもあるため武器屋、道具屋、鍛冶屋、装飾品屋のみんながその名前と顔を見ると、アンナさん!アンナさんじゃないか!とどこかで聞いたことのあるテンプレ文章を聞くことができました。

皆さん曰くアンナさんにはアンナさんネットワークというべきでしょうか、そんな感じの商売の輪ができているようでいろんなところに顔が利き、いろんなものを仕入れることが可能みたいです。実際オルテンシア王女との支援会話でも魔法の香水やら化粧品やらをなぜか仕入れていたのでソラネルを使って武器屋さん達とストーリー中であっちらこっちらいって取引をしていたに違いありません。

さっそくあなたはアンナさんにお願いをしました。

 

「スパイスね!わかったわ!でもスパイスといってもたくさんあるわよ?何かようぼうはある?」

 

民族的……伝統的ないい匂いのするクミン、甘く爽やかでスパイシーの香りがするコリアンダー、鮮やかな黄色が特徴のターメリックという名前の3つのスパイスがあったら優先的に仕入れてほしい。名前が違ってもそういった特徴のあるものならそれでもいいから。ほかにもいろんな種類のがあったらお願い。あとは醤油と大豆を。お金はこれだけ一応あるから。

 

「りょーかい!アンナさんにまかせなさーい!」

 

そんなこんなで恒例になりつつある歓迎会であなたはアンナさんのためにチャーハンを作ります。今日戦ったジャンの分は大盛です。すると見たことも聞いたこともない料理に目を輝かせ、おいしいわ!とこちらが笑顔になる声を出してくれます。そして案の定商売の話を持ち出し、この料理の手順書を作って売って大儲けしましょ!と持ち掛けてきました。チャーハンは美味しいと思いますがそこまで大儲けできるとはあなたは思っていませんがどうぞと返しました。アンナさんはご満足のようです。

あなたはむしろこの後出す娯楽道具を王族の皆さんに許可を取って協力して広めてほしいといいます。

 

「――、じぇんがだけじゃなくてまた新しい盤上遊戯を思いついたのかい!?」

 

「ごらくどうぐ?王族の方たちと協力ってそうとうなものじゃないとできないわよ。まずはアンナさんに見せてみなさい!」

 

あなたは皆の食事がすんだあと自室からそれを持ってきました。トランプ(カードは自作)です。あなたは絵心がそこそこあったためなんやかんやで絵をそれなりにうまく書くことができたのでした。

 

「これは……カード?うらないじゃなくて?」

 

トランプはハート、ダイヤ、スペード、クローバーの4種類のカードがそれぞれ数字の1から13までの13枚、合計52枚存在しそれに+αとしてジョーカー1、2枚をたしてそれを1組とするカードです。

とりあえず現代の世界では知らない人などいない遊び方をこの場では説明することにしました。ババ抜きです。あなたはあなた、リュール、アルフレッド、クラン、ジャン、アンナの貴族3人平民3人の6人でババ抜きを始めるため6人にカードを配りながら説明をします。

 

52枚のカードの束に1枚のジョーカー、ババを入れてカードを混ぜます。それをそれぞれ一枚ずつ配っていき、配り終わったら配られた自分の手札から同じ数字の書かれたカードが2枚あれば2枚1組として全て場に出します。すべて出し終えたらだれかを指定しその人から順に隣の人の持っているカードを引いて行って同じ数字の組ができたら場に出します。これを繰り返していくと手持ちにカードがなくなる人が出てきます。その人があがり、という勝ちの状態になります。逆にジョーカーは1枚しか入っていないため組にはならず最後に必ず残りそれを持っていた人が負けとなる簡単な遊びです。

 

と、あなたは長々と説明をしてカードを配り終わりなんやかんやでリュールとの一騎打ちになりました。

 

「これであと1組……――が引けたら私の負けになってしまいます」

 

申し訳ありませんが神竜様、知っているのを提案したとはいえ私はこの遊戯の製作者。初戦はさすがに負けるわけにはいきませぬ。

 

あなたにとってリュールの性格はとにかく純粋で素直というところにあります。つまりは顔に出やすいのです。これは勝ったなガハハハ。

 

さてさてひかせていただきますよ。神竜様は素直すぎて顔に出ているのですよ。これで私のかちいいぃぃぃぃ……???

 

なんとあなたが引いたのはジョーカーです。見事にリュールに騙されてしまいました。だますことに成功したリュールはドヤ顔でふんす!といいそうな感じであなたに、身構えているときには死神は来ないもの……ですよね?――。といってあなたのジョーカーではない方を引きました。あなたの負けです。

 

「ふふっ、私の勝ちですよ」

 

思わずあなたはぐぬぬぬぬ、と声に出してしまい、失礼しました、参りましたと答えました。

ゲームをプレイしたアンナさんからはわるくないわね。でもちょっと足りない気もするわといったので続いてなんやかんやで七並べの説明をして面子を入れ替えて遊びました。数字の絵柄が4種類あることにはこういったわけがあったのかとアンナさんやほかの皆は納得していました。

これらの遊戯とその手順書を制作して貴族などのお金のある人に売って一般市民にも広げてほしい。そのお金で食料とかを輸入したりとかして今回のような賊や異形兵の被害を受けた村などに補助金を出したり、戦っている兵の士気を上げるために使ってほしいとあなたはアルフレッドとセリーヌに頼みました。もちろんあなたの取り分もそれなりにあります。アンナさんもこれには賛成し、王族の二人も国と民のためになると納得し了承してくれました。あなたの自作トランプの苦労は報われたのです。

そんなこんなでみんなでババ抜きと七並べを追加で説明して遊んでその日は過ぎていきました。ちなみに死神の件はソラネルで一時期流行り散々いじられることとなりました。後日マフティーダンス講座にて反省を促すため激しく踊りましたがリュールは笑顔のままでした。

 

 

 

「(とらんぷで、ばばぬきにしちならべ。どれも簡単で楽しい遊戯です)」

 

リュールの頭の中に――と一騎打ちした時の声が思い出された。

勝利を確信して上がった声が山から水が流れるように落ちていくように落ちていく声が。

普段では決して自分には出してくれない声が。

 

「(――が友人や親しい人に出る態度がつい出てしまったんですよね……きっと)」

 

「ふふふっ」

 

リュールは思わず声に出して笑っていた。

 




アンナさん加入に前のマップからだいぶかかった気がする……
ブロディア国境まではもうちょい短めに……なるかなぁ
DLC第4弾はいつになるんでしょうね。今月だったら最高、良くて来月ですかね。


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日常15

あ、ありのままに起こったことを話すぜ!
俺は「switchがぶっ壊れて有機EL版を買いに行ってまた続き遊べるようにして満足した後ウマ娘でダイイチルビーを引いた後にできた妄想を育成シナリオ書く前に衝動書きで書いて満足していたら、何故か今週UA数とお気に入り登録が2倍になっていてランキング6位に一時的にランクイン」していた……
な、何を言っているのかわからねぇと思うが何が起こったのかわからなかった……
いやほんと何があったんよ第3弾DLCの効果でかすぎない??
というかこんな短編は何かいても許されるという勝手に作った免罪符のもと作られた小説お気に入り登録してくださって本当にありがとうございます。
皆様に楽しんでいただけるように頑張ります。
それでは暇つぶしになることを願って
どうぞ。


「身構えているときには死神は来ないものだよ。セリーヌ」

 

「ふっふっふ。身構えてないから死神がきたのですぞエーティエ氏」

 

「みがまえてないからしにがみが来たのよ!あたしのかち!!」

 

「身構えているときは死神はこない、か……。確かにあの時は全く身構えていなかったかな」

 

いじめか?いじめか??お前らいじめか???あとシグルドさんやめてくれません?あなたが言うと激重ってレベルじゃないんですよマジで。

 

数日後死神ブームが起こっていました。明らかにあの時のリュールの言葉がきっかけです。リュールが説明しジャンが補足した結果散々いじられたというのに数日たった今でも流行っていて間接的にあなたの負けについてボロクソ言われている気分です。

ネットミームになるというのはこういう気分なのでしょうか。あなたは現代においてネットのおもちゃとされる人物のやらかしを目撃してきました。その人たちは確かに悪いことをしたものが多かったのですがそれを利用してあちらこちら加工したりして広めるすることにはあなたは反対でした。誰かが犯した過ちをインターネットという地域で選挙カーに乗り込んで〇〇さんは××という悪いことをしましたー!などと叫んで走っているようなものです。嫌なものならば禄でもないなそれ、で済ませてしまえばいいもののその人を公衆の面前に引き出し棒たたきすることにあなたはそこそこの不快感を抱いたことを覚えています。まぁそれと今回の場合ただの友達のいい感じの台詞を多用して使っているというまだ遊びの範疇に入ることなので大事にするつもりはあなたにはありません。ただカードゲームでやんごとなき身分の方々へはともかく同じ平民となっている人らには勝って煽り散らかしてやろうというみみっちい復讐心を内に秘めながら鍛冶師にダンベル(仮)の完成の進捗を聞きに行くのでした。

 

「――かい?あんたに頼まれたもん出来てるよ」

 

さすが伝説の武具さえも改造したり紋章士と協力したりとはいえ武器に紋章を付与できるやべぇ一般通過鍛冶師です。あなたは切った槍の持ち手の部分をもって、それの両側に戦場に出る人間がちょうどいいと思う重さになるようにおもりつけてくれない?というイラストレーターになんかちょっといい感じで書いてよ(笑)と無茶ぶりするTwitterとかでよくいる悪役編集者のような要望を出してしまいましたがこの鍛冶師はやり遂げました。彼女には感謝しかありません。それなりに試していい感じだったのでそれなりの謝礼金を渡してあなたはダンベルを持ち帰ります。筋肉族とほかの皆のためのトレーニングとしてあなた自身が第一被験者となるためです。

 

ふとあなたは思い出しました。ソラネルの井戸にはモノを入れるとそれに相当した不思議なものが取り出せるようになっているのです。なぜか今まで思い出せませんでしたがストーリー上比較的序盤で思い出せて幸いでした。少し改造すればなかなかの威力になるこの世界じゃ作れないオーパーツ武器さえでてきてしまうという意味不明な井戸なのですから有効活用しない手はありません。ましてや相手は12の指輪を集めて世界を滅ぼそうとしたりアレしたりしようとする危険な相手です。多少オーパーツを使ってでも止めなければなりません。それはそれとしてあなたはやってみたいことがありました。チョコレートソードやらクロワッサンの弓などが作れるのです。もうおわかりでしょうあなたが作りたいものが。

 

首領パッチソードです。

 

材料は質の良いネギ、ソラネル産の不思議な水、ソラネルの不思議な土、火薬、銀の剣…は使いたくないので銀の大剣、醤油、砂糖、しょうがをいれます。これで首領パッチソードになることを祈りましょう。土などを入れてしまって大丈夫か?と普通なら思いますがここはソラネルなのでソラネルシステム的なものからOKが出たので大丈夫です。完成したら次は魔剣ダイコンブレードです。

 

 

さて話を戻してあなたは過去ジムでトレーニングして得た知識を転生者特有のアレな記憶能力で思い出してダンベルを試験運用した結果なんやかんやで前世と同様の負荷がかけられることがなんやかんやで分かったのでまずは筋肉族に説明しに行きます。なぜならダンベルは一組しかなく大勢に話すのがクソ面倒だからです。

 

「ああっ、負けてしまいました。身構えていなかったから死神が来てしまいました……」

 

オイこらまだそれやってんのか。とあなたはアルフレッドとエーティエと七並べで負けたリュールをみて思いながら声を掛けます。

 

「あ、――。どうしまし……」

 

「――!それは新しい筋肉鍛錬の道具じゃないか!?」

 

「――!それは新しい筋肉鍛錬の道具ですの!?」

 

反応が早い!ダンベルを目にした瞬間筋肉族が反応しました。

 

そうですよ、これはダンベルといいます。

 

「だんべる……どのようにつかうのかな!?」

 

お目めキラッキラな二人に基本的な使い方を説明する前に一度持ってもらいます。

 

「む、ぼくには少し軽いかな」

 

「あたくしももうちょっと重いほうがいいですわ」

 

「私はちょうどいいです」

 

どうやら筋肉族に説明しようとしたことが裏目に出てしまったようです。ここはリュールに体験してもらいましょう。リュールは快く了承してくれます。それでは説明に入りましょう。

 

ダンベルは使い方によって腕、肩、腹筋、胸筋、背筋を鍛えることができます。まずは基本である腕から説明しましょう。上腕二頭筋……二の腕の上部分の筋肉を鍛えるダンベルカール。掌を上に向ける形で両手にダンベルを持ち背筋を伸ばして立ちます。脇を絞めて上半身をそらすことなくそのままダンベルを持ち上げ、ゆっくりとおろしていきます。初心者の方は10回を3セットしましょう。

 

「ふん……あっ、これ上げる時もですがおろすときに負荷が来ますね……っ」

 

エーティエがいかがですか神竜様?と聞くとリュールがいい感じです。二の腕を鍛えるによいですねと答えます。リュールがとりあえず1セット終わらせてから次の説明に入ります。

 

次に説明するのはハンマーカールです。先ほどのダンベルカールと同様に二の腕の上部分の筋肉と腕橈骨筋……主に肘を曲げる動作や手を内、外側に曲げる動作に貢献する筋肉を鍛える鍛錬です。腕相撲とかで使ったりするあそこら辺の筋肉です。やり方は背筋を伸ばし両足は肩幅に開き、腕は体のわきにつけて手の甲を外側に向けてダンベルを持ちます。ダンベルカールと同様に肘の位置を固定してダンベルを上げてゆっくりとおろします。

 

「これはッ……敵と鍔迫り合いにっ…なった時にいいです……ねっ!」

 

そんなリュールにアルフレッドは槍を使うときにさらに役立てそうだといい、エーティエも弓を引く際に使えるかもしれないといいます。ふと、あなたはリュールの髪の毛が編み込まれていることに気が付きました。そういえば神竜様の髪の毛編み込みあったんだった。何度も見たのに忘れていたなと全く関係ないことを考えたのか

 

「ふぅ……?どうしました――。頭に何かついてますか?」

 

リュールに感づかれてしまいました。あなたは別に問題ないだろうと神竜様の髪の毛が編み込まれていたことに気付いただけですと答えました。そうですかとリュールは答えますがダンベルをおろした手で長い髪の毛を少しいじっていて口元が少しだけ緩んでいるのはのは誰も気が付きません。

アルフレッドとエーティエはこの結果から良い鍛錬になるだろうとあなたにお礼を言いますが同時に自分用に重さをより増やして作ってもらわなければといろいろと議論します。あなたもその議論に対して重さを変えるように作ることはできないだろうかと思い口に出します。

二人は鍛冶師ではありませんがどうやって?と聞き返すとあなたはこう、なんか、いい感じに説明をしました。持ち手を長くして一定の重さは固定して後から持ち手に重りを通していってねじ的な原理で固定して重りが落ちることを防ぐ的な感じで説明しました。正直シューターとかアーチなんて現代に存在した気がしないのに見た感じ結構頭使って作られてそうな感じがするので説明すると、それはできるかもしれない!とさっそく鍛冶師のもとへ向かいました。

 

神竜様、ありがとうございました。

 

あなたは試験を担当してくれたリュールにお礼を言います。

 

「いえ、――もこのようなものを提案してくれてありがとうございます」

 

全ては筋肉博士のおかげですよ、とこれまた謎の人物筋肉博士の功績が積み上げられるのです。

 

「それでもあなたが伝えてくれなければこうやって軍の皆が鍛えたりすることはありませんでした。ありがとうございます」

 

何度も思いますが流石神竜様人たらしは伊達じゃないです。そんなリュールにあなたは、そういえば褒めてませんでしたね。編み込み、似合ってますよ。と言いました。

リュールはありがとうございますと言ってはにかみました。

 

 

 

 

 




久しぶりに筋トレについて調べて書いたな……間違ってたらすみません。
ちなみにダイイチルビークソ短編小説は育成シナリオやったあと育成シナリオには関係なかったけどなんか本編が良かったので自分の書いたものに怒りを抱いて衝動的に消しました。需要があったら書きます。
それはそれとして厚かましいですけど感想などくださるとやる気が上がりますのでできればよろしくお願いします。
いや本当に今回も読んでくださってありがとうございます。

Q.ソラネルシステムって何?
A.知らん


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日常16

ブルーアーカイブのストーリーよかった……良かったとしか言えない
ボロ泣きしたからみんなやろうな……初心者でも全部読めるから、な?
異色だけど新しいエムブレムの小説も出てきたしもっと増えないかな。
ところでダイイチルビーさんあなたもうちょっとしゃべりません?一言足りないというか……衝動的に消した短編ちょっと修正してあげようかな。あんまりストーリー内容関係ないし
それでは今日も暇つぶしとなりますように
どうぞ。



では神竜様、2回目ですね。始めていきましょう。

 

「は、はい!今日は大丈夫です!身構えていますから!」

 

それだと私は死神となってしまうのですが

 

というわけで始まりましたリュールちゃん褒め褒め検定のお時間です。場所はリュールの部屋。参加者はあなたたとリュール。向かい合ってから開始です。

とはいえ前回の通りあなたの語彙力はとにかくありません。内面の褒め方とかよくわからないしやっぱとりあえず外観をほめるぜ作戦でいきます。

 

前にも言いましたが神竜様、髪の毛の編み込み大変お似合いです。

 

「は、はい」

 

具体的にどうかといいますと、神竜様の長く綺麗な髪の毛の中に編み込みという変化点というのでしょうか。ただでさえそのままで十分に綺麗なヘアスタイルに何かを足すというのは場合によっては蛇足になりかねません。

ですが神竜様の編み込みは違いますね。こう、かわいらしさといいますかそういったものをきちんと神竜様に解け合わせているといいますか、そういったように感じます。……ここまではいいですか?

 

「だだ大丈夫です!……あ、ありがとうございます続けてください」

 

リュールは片手で青いほうの髪を掴み、片手で赤いほうの髪を手でいじっている。

 

それと神竜様がつけている、カチューシャでしたでしょうか、その髪飾り。それが青と赤の髪の毛でよい色合いとなった編み込みと同じく青と赤の髪という神竜様特有の綺麗な髪を引き立たせています。カチューシャが銀色というのが良いですね。

赤と青という色は目立つ色です。その目立つ色を持ち、なおかつ違和感を抱かせない配分の良さに銀色という高貴にも見える色を足すことで神竜様という崇拝対象の高貴さを際立たせていますので、きっとルミエル様ですね選んだ方は。……すみません神竜様、少し撤回させてください。

その銀のカチューシャは神竜様という個人をより美しく綺麗に見せているものです。大切になされたほうがよろしいかと。

 

「ぁ、あぁ、母さんの……えと、あのその……」

 

あなたがリュールをさらに褒めようとして必死に語彙力を使って褒めましたが、途中で母であるルミエルからもらったと思われるカチューシャについても褒められたリュールは恥ずかしさと同時に愛してくれた母がくれたものをほめてくれたことに関しての感傷が、同時にリュールを襲いいったいどのような言葉を紡げばいいかわからなくなってしまいました。この時あなたは都合よく察せました。とはいえ褒めていると同時にに愛する亡き母がくれたもののことをほめてくれたことでバグりぎみなのだなと思う程度ですが。

 

すみません。神竜様失礼なことを……

 

「――ッ!失礼じゃありません!」

 

リュールはハッとすると大声を上げます。あなたの言ったことを否定させるわけにはいかなかったからです。

 

「す、すみません急に大声を出して。でも違います!――が言ってくれたのは失礼なことじゃあありません。その、あなたが母さんがくれたと思われるこの髪飾りのことをほめてくれて母さんのことを思い出して……その、それとあなたがほほほめてくれたことがその、ぐちゃぐちゃになってしまって……だから!失礼なんかじゃあありません……」

 

あなたはぱちぱちと瞬きを多くすると、そ、そうでしたかすみません。と返答しました。嫌でなかったというのなら続きをしますねとあなたは言いますが

 

「えっ!あっいぇそのっ!むむ無理です!あっ!いえ!嫌ではなくて!その……今日はもう、たくさん褒めてくれましたから!」

 

いや、まだ一つしか褒めてないんですけれど。

 

一応あなたのストックには農作業をしてくれた時のリュールの姿が頭に残っています。それを使ってデッキ切れとなるという非常にクソ雑魚構成能力な褒め褒めデッキですが、あなたにもゴミカス程度のプライドはあるためデッキ切れになるまで戦うデュエリストの意思を発揮させてくれないのは不完全燃焼というものでした。

 

「たくさん褒めてくれたではありませんか!だからっ!きょ、今日はもう無理ですっ!うううれしかったですから!おおおしまいです!!」

 

ま、まぁ神竜様がそういうのであれば……今日もありがとうございました。失礼します。

 

あなたはそう言ってリュールの部屋を出ていきました。あなたが出て行ったあとリュールは寝床に座り込みます。その顔はルミエルからもらったと思われるカチューシャのことでキャンセルされてしまったとはいえ恥ずかしさによる赤みが残っていました。

 

「ふ、ふぅ……はぁ…。………か、髪の手入れを……」

 

………………………

 

「…………髪型を…」

 

「髪型を変えれば、もっと褒めてくれるでしょうか……」

 

 

 

「……若いな」

 

シグルドはふっと笑いながらつぶやきました。

 

 

 

 

 

ウィンドウィンドぉ!稲刈りじゃーー!!!

 

あなたはこの前の田植を終えてなんやかんやで水の管理をしつつ急激に育っていい感じになった稲をウインドを使って手を抜きまくって稲刈りをしていました。それなりにクソデカな田んぼの稲をウインドの刃ですぱぱーんと刈っていきます。現代の稲刈り機の代わりとしてウインドの魔法は大変便利でした。持ち運びも魔法の精密動作の練習としてトルネード的な感じでウインドをおこして運びます。あなたはこんな感じで魔法を様々な形で使用できるように日常的に使用してきたのです。とはいえそれに依存すると体の怠けにつながるため半々で行いますが。

米作りは子の稲刈りをしたのち約2週間天日と自然風によって乾燥させる稲掛架けに入ります。この稲掛掛けは長期保存とうまみを保つために行います。そのあとは脱穀に入りますがどうやらブロディア国境後になりそうです。俺、ブロディアに入ったら米の脱穀するんだ……。

とフラグみたいなのを立ててみますが実際にフラグ成立してしまいそうなのはリュールです。次のブロディア国境付近ではリュールら一行は賊一行と間違えられて威嚇射撃という名の「あと右に数ミリずれていたら、俺は死んでいた……」を味わうことになります。

アルフレッドが伏せるんだ!といっても反応できなかったことからこの時点で運悪く死亡、なんて事態は絶対に避けなければなりません。おそらく演出の都合とスタルークのいつでもお前を殺せるという意思表示のためにそんな威嚇射撃をしたのだとは思いますが誤って殺してしまう場合があるだろうというのがあなたの意見です。しかしFEな中世的世界観ではそんなに命は大切にされていないのでしょう。故に足元に威嚇射撃しろというあなたの願いはかなわないと思ってよいでしょう。

そのあとはさらに初めての指輪持ちの敵であるオルテンシア王女との相手です。指輪を使用しているみんなを見て紋章士の指輪は人智を超える力持つ紋章士を従えられるといわれるだけの力はそれなりにあります。たとえるならFEヒーローズ第2部PVのクソデカ規模のバトルみたいなことはまだやっていませんがおそらく威力的にはこの旅の最後にはあれくらいの規模になるんだろうなというような感じの戦略系的な道具っぽい感じではあります。最初のエンゲージの際にリュールとマルスの同時攻撃を一時的とはいえさばききったクソつよ異形兵も出るかもしれません。あなたは十二分に身構えて次のブロディアでの戦闘に臨むことにしました。

 

 

 

 




FEヒーローズ第2部PVはyoutubeで検索すれば出ます。
初めて見たときはえっ?こんなことやってたの?ってレベル。
まぁ過去作竜とかと戦ってたし雑魚敵としてもでてきたりしたからね……神将器とかあったりしたし。
フォルブレイズとかアーリアルとかレクスオーラとか好きです。
感想等よろしくお願いします。
それでは今回もありがとうございました。


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戦闘前

誤字報告ありがとうございます。
書くのしんどかった……。おのれシナリオライター。
しんどかった上に憂鬱だったからクソ短編投稿したりクソ小説とも言えないもの書いて投稿してすぐ消したりしてました。
そして長くなって疲れたので戦闘前までです。
あと政治的な話出てますけど多分こうだよなーって感じで書いてるので間違えてたりおかしかったらご指摘していただけるとありがたいです。
それでは今日も暇つぶしに
どうぞ。


あなたたちはブロディア国境を越えました。ここからが正念場です。それにしても何故国境だというのに検問だとか砦とかがないのでしょうか。不法入国とかいろんな犯罪とかを考えてそれらを取り締まるためにおいておくべきだとあなたは考えますが、きっとシナリオライターはそんなことを考えていなかったのでしょう。気にしないことにしました。

ゲームではアルフレッドとリュールの二人だけ移されていましたがなんかこう、ぞろぞろ歩いていてあなたはリュールの近くにいます。あなたは剣も魔法も使えてそれなりに旅をしているので先頭にいたほうがよかったりするのです。

 

「無事国境を越えられたね。ここがブロディア王国だ」

 

でました。このあと弓矢がリュールを襲います。あなたは前のほうを警戒していると気配を察知しました。伏せろ!と叫んだのはアルフレッドと同時でした。

 

「伏せるんだ!」

 

あなたは即座にリュールの前にたつと向かってくる弓矢に対してエルウィンドをまとわせた剣を全力で振るいました。リュールに当たるか当たらないかで放たれた弓矢は剣にまとわれたエルウィンドによってあらぬ方向へと飛ばされていきました。まとわせたエルウィンドは強力であり、たとえそれを貫通されてきたとしても剣で弾けます。さらにあなたというリュールより身長の高い壁があるので3段構えです。見事矢をあらぬ方向へと吹き飛ばすことに成功しました。

まずは第一段階クリア。ですが油断してはいけません。戦闘準備!と声を張り上げると皆が武器を構える中、前に人影が見えます。それなりに身なりのいい魔導士と剣士、そして一際身なりの良い弓兵。間違いありませんスタルーク一行です。続いてあなたは何者だ!!と声を上げます。

 

「それはこちらの台詞ですよ。国境を超え、侵入してきたのはあなた方です。……名乗らないのならば賊として討伐します」

 

この方をどなたと心得る!神竜王ルミエル様の娘!神竜リュール様であるぞ!

 

普段あなたは水戸黄門のなんか隣にいる二人組のアレみたいな口調はしないのですがこちらの身分を先にはっきりさせるためこのような言い方をします。

 

ブロディアの国境兵であるならばそちらの王にフィレネ女王イヴ様より書簡にて伝えているはずである!ご確認願いたい!

 

「僕はその女王イヴの息子、フィレネ王国第一王子アルフレッド!神竜リュール様の身分はこの僕が保証する!武器を下ろしていただきたい!」

 

あたかも身分の高そうで信用を持ってそうな言い方をあなたはしますが続いてアルフレッド王子が答えてくれたおかげで即刻賊として討伐、という形にはならないはずです。あなたは事態を見守ります。

そうするとスタルークは少し時間をおいて弓を下ろしその場ですみませんでしたー!!と大声で土下座をし謝罪しました。後ろの二人も武器を下ろしました。さすがにこの状況で弓を持ったままこちらに走ってくるという中世的世界では即刻切り捨てられそうなことはしませんでした。

 

そんなこんなでリュールらはアルフレッド王子により自分たちを攻撃してきた相手をブロディア王国第二王子スタルークであると判明します。スタルークは臣下二人を紹介します。ですがその臣下からは警戒の色がこれでもかと出ていました。

 

「あの、なぜそこまで警戒を?」

 

そのリュールの疑問にスタルークはゲームと同様、父である王の勅命で近くに簡易的な拠点を設けて待っていたものの来るものが大方異形兵と賊であって気を張っておりこちらへも威嚇射撃を行ったと答えアルフレッド王子が到着が遅くなったことに謝罪します。

 

「しかし、先程の件…もし矢が当たっていたら国同士の問題となっていました。気を付けてください、スタルーク王子」

 

「はい…本当にすみません」

 

さてこれで状況が状況でありアルフレッド王子が温厚であるためこれで終わりとなるはずですがゲームではそうではありません。頼むからこれで終わってくれとあなたは願います。

 

「スタルークは悪くないわ。わからなかったんだから仕方ないわよ。あなた方こそ王族らしく煌びやかにお越しになればよかったのでなくて?」

 

「矢が当たっていればどのみち、この武力の国、ブロディアに入る資格はありません。弱ければ奪われる。それがこの国の掟です。…フィレネ王子の実力もここで測りましょうか?」

 

貴方の祈りは届きませんでした。こいつら正気かな???正気じゃねぇな。アルフレッド王子も驚いてるよ。流石の皆も絶句だよ。これだからリュールとアルフレッドしかいなかったのかな?

 

「……なんと無礼なっ!!」

 

ヴァンドレもさすがに怒ります。誰だって怒ります。あなたも事前知識があるとはいえ怒っていますし、それ故にそのあとで一番に言葉が出ました。

 

……失礼ながらスタルーク王子、よほどそちらは国際問題を起こしたいと見えます。臣下のその発言、あなたの首をもって謝罪するということでよろしいですか?

 

「貴方!スタルーク王子になんて無礼を!そもそもあなたは何者です!?」

 

そういえば名乗っていませんでした。それはタイミングを逃したとはいえ王族とその臣下に名乗っていないのはこちらの非です。あなたは謝罪します。

 

失礼しました。名乗るのが遅れて申し訳ありません。私は――。邪竜討伐を目的とした神竜軍のただの一員です。

 

「王族でも貴族でもないただの平民が、王族に意見すると?首をもって謝罪するのはあなたではなくて?」

 

リュールがあなたの名前を呼び言外にやめるように言いますがあなたはやめません。

 

私の首をもって謝罪するのは良いでしょう。ですがそれでイルシオン以外の国から非難されるのはブロディアになると思いますが?

 

「なにを根拠に……!」

 

あなたは本当に心の底から呆れます。

事情があったとはいえ警告もなしに威嚇射撃を行ったのは事実。アルフレッド王子が納めてくれたというのにそれをぶり返す。

しかも相手は国賓ともいえる存在、さらにはイルシオンを除いて全世界の国家の信仰対象である神竜です。その存在を相手にして殺害しそうになったにもかかわらずその責任を転嫁する発言をしたのです。

さらに言えばイヴ女王よりもたらされた書簡によりブロディア国王モリオンは邪竜が復活したこと、神竜リュールが目覚め、その一行が邪竜討伐のため旅をしており紋章士を顕現させるために指輪の譲渡を願う等のことは知っているはず。ならばそれを迎えに行くスタルークにも最低限は知らされているはずです。

そしてその神竜を迎えに行くというからには失礼があってはいけません。そのように厳命されているのは当然として神竜リュールの外見は王族は定期的にソラネルを訪れていることから知っているはずですしそれらを部下にも伝えているはず。そのうえで威嚇射撃の誤射の上責任転嫁の発言です。神竜殺害未遂を起こしたにもかかわらずその責任を転嫁することは言語道断です。それをアルフレッド王子が納めてくれたというのにぶり返し、なおかつあなたは神竜軍の一員。たしかに中世的な世界観なFEで蒼炎の軌跡に出てきた貴族たちに意見をして処刑される可能性があるようにあなたを処刑することは可能でしょう。ですがあなたは主たる神竜リュールを守ろうとしただけにすぎず、その神竜リュールの仲間を無礼を働いたにもかかわらず厚顔無恥にも処刑などすれば国際問題は免れず神竜リュールからの抗議は免れないでしょう。いえ、すでに神竜を侮辱し殺害しかねないことの責任を転嫁した発言をしたのです、どちらにしろ抗議は免れません。この抗議を無視するのなれば信仰対象である神竜を敵に回すことと同義であり全世界を敵に回すこととになります。さらにはフィレネ王国は神竜信仰が篤い国です。不戦条約こそ結んでいますがその面子を保つために戦争となるかもしれません。そうすればブロディアはイルシオンとフィレネの両方から攻められることとなるでしょう。そもそもの話、神竜様死んだら世界滅びます。邪竜に勝てません。政治のことなど選挙の度にわからん、となるあなたですらこれくらいのことは考えられます。……といったような感じのことをなんやかんやで伝えるとスタルークと臣下二人は真っ青な顔になりました。

 

「も、申し訳ございません!神竜リュール様。僕の首でどうかお怒りをお納めください……!!」

 

「申し訳ございません!」

 

「申し訳ございません!」

 

「そ、そんな頭を上げてください。わたしはそんな……」

 

リュールは慌てますがそれをヴァンドレが制します。

 

「それはいけませんぞ神竜様。既に発言はされてしまった。国同士の問題となってしまったのです。何らかの形でけじめをつけねばなりますまい。ご決断を」

 

「僕も賛成だ。遺憾だがこのままではいられない。辛いかもしれないが決断をしてほしい」

 

リュールはそんな、と思っていた顔をはっと直すとしばらく考え込みます。あなたはこんな風になるなら言わない方が良かったか?と思いますがこのような発言をする輩とお咎めもなしに共に戦うことはできませんし、ブロディアという国の信用にも大きくかかわって物語のどこかでほころびが出かねません。のちに登場するディアマンドやその臣下の人格も疑われます。そもそもヴァンドレが怒りを見せた時点でなぁなぁで済ますとは思いません。ここはリュールを信じましょう。

 

「……わかりました。今は邪竜が復活し罪なき民が異形兵によって害されている状況。この状況下でフィレネ、ブロディアの仲を崩すわけにはいきませんし、無暗に命を奪いたくありません。ブロディア王国第二王子スタルーク並びにその臣下の謝罪を受け入れます。十分に反省をして邪竜討伐のため私に力を貸してください。」

 

さすが神竜様。本編でも発揮してくれた冷静で毅然とした態度でこの主人公やりおる、と思わせただけあります。大局を見据えた慈悲ある判決です。ついでにカリスマ的なものをバリバリ感じます。

 

「神竜様。此度は私共の不手際にもかかわらず、寛大なご配慮を賜り誠にありがとうございます!」

 

スタルークがそのように謝罪と感謝の言葉を述べると臣下のラピスとシトリニカも同様に言葉を述べました。

 

「それと――、そのような発言は私や神竜様、アルフレッド王子のような方がするものであって一卒の兵であるお前がしてよいものではない。此度は大目に見るが留意せよ」

 

確かにその通りです。現代であれば場合によっては問題はなかったかもしれませんがこのような世界観では問題でしょう。リュールの顔に泥を塗ることになりかねません。

 

はい。神竜様、アルフレッド王子、差し出がましい真似をしてしまい申し訳ございません。並びにスタルーク王子、無礼な発言をしてしまい申し訳ありません。どのような罰もお受けいたします。

 

あなたは頭を下げ謝罪をするとリュールとアルフレッドはあいわかったと謝罪を受け入れ、スタルーク王子も恐縮しながら悪いのはこちらであると同じく謝罪を受け入れてくれました。

 

「では、さっそくですがスタルーク王子。ブロディア城への案内をお願いします。これからよろしくお願いします」

 

そういってリュールは手を差し出しました。子供っぽい表現ですが仲直りの握手というものでしょう。スタルークはやはり恐縮しながらも手を握り返し、あなた方を案内するのでした。

その中あなたはヴァンドレにリュールを守ってくれたことの感謝を、リュールからはあんな無茶はやめてくださいね、と言われてリュールを心配させたことを反省するのでした。

 

 




前書きでも書いたけどこれでよかったんか?
他にもいろいろ思いつきますけど文章のつながりとかがおかしくなりそうだったので途中で切り上げました。
アンチ・ヘイトタグはあるけど昔言われたSEKKYOUとかいうものにならないように主人公もちゃんと怒られるようにしたけどよかったかな。
ほかのFE書いてる人たち政治のこと書けてしゅごい……私かけないの。
まぁ政治的問題ありそうなのここくらいだから大丈夫でしょたぶん。おそらく。
というわけで第7章戦闘は次です。とはいってもそこまで長くないです。戦闘かけないので。
もともと短編だからね許してください。
それでは今回も読んでいただいてありがとうございました。


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戦闘と日常17

誤字報告ありがとうございます。
感想がいつもの倍以上きててみんなあの展開には異論合ったんだなって。
FE小説が更新されてきてありがたやー。
もっと増えて更新頻度も増えますように。
それでは今日の暇つぶしに
どうぞ


 途中貴方たちはスタルークからブロディア王国にある指輪の説明やらスタルークの兄ディアマンドのことなどについて説明を受けながらブロディア城への道を進んでいました。

 その中リュールが先ほど言いそびれてしまったことということであなたに助けてもらったことの感謝の言葉をもらいました。その件で少しあなたは驚きました。なぜならリュールは先ほどの威嚇射撃に反応できていたということです。

 貴方とアルフレッドの警告に即座に反応はできなかったものの伏せる動作はしていたそうです。もはや終わったことなのであなたがいなくても威嚇射撃に当たらなかったかというのはわかりませんがリュールが原作よりも強くなっているのであればよい話です。あなたがすでに認識しているようにこの世界はゲームではなく現実でありこれから起きる戦闘すべてにおいてリュールが死亡する可能性はあるのですから。

 

「見えてきました。グランスール大橋ですよ」

 

 さぁきました7章戦闘前です。スタルークが橋にいるのがブロディア兵ではなくイルシオン兵らであることを確認しあなた方一行は向かうとイルシオン王国第二王女オルテンシアが待ち構えていました。

 ご丁寧に自己紹介をしてこんにちはー!などと煽ってきます。さすがにゲームのように超至近距離まで近づいて話しているわけではありません。それなりに距離はあり、両脇に臣下のゴルドマリーとロサード、イルシオン兵らがいていつでも守れるようにしてこちらを警戒しています。そんな中スタルークとオルテンシアは神竜様に近づくな邪悪者、邪悪はそちらでしょなどと言い合っています。

 

「だってお父様が言ってたもの。ブロディア欲深く野蛮な国だって。領土を広げようとしてしつこく侵略しに来て。民や兵がどれだけ傷ついたか!」

 

「ブロディアはただ領土が欲しくて侵攻しているわけではありません。イルシオンの怪しい動きから自国を守らないと。民を脅威にさらすわけにはいきませんからね」

 

 ぶっちゃけ野蛮なのは間違ってないと思う。それになんかどっかで聞いた話だな。こういう話に言及しなかったリュールですがシナリオの彼女の言動から読み取ると内政干渉になること、イルシオンとは戦っていることなどからしなかったのでしょう。    さすが神竜様大局を見据えていらっしゃる。たぶん。そっとしておきましょう。

オルテンシアが指輪の受け渡しを要求してきますがそれを当然突っぱねます。

 

「ならやることは一つよ!イルシオン兵に異形兵たち、全軍出撃!殺しちゃっても構わないわ!指輪をすべて奪いなさい!」

 

 

 

 

 戦闘が始まりました。イルシオン軍はゲームの時とは違い異形兵をも含めた混合軍で攻めてきます。

 

「神竜様!私たちが先陣を切ります!スタルーク、シトリニカ!援護をお願いします!」

 

「フラン!クラン!汚名返上の時だ!我らで神竜様を御守りするぞ!」

 

 スタルーク一行は先ほどの大失態を挽回すべく、ヴァンドレら守り人組はあなたがリュールを守ったことから気合を入れているようです。

 ラピスやフランが相手を切り刻んだり蹴りで吹き飛ばしたりしたあと、シトリニカとクランがサンダーとファイアーで消し炭にし、スタルークとヴァンドレは異形兵を盾にして近づいてきたイルシオン兵を討ち取っていました。

 相手の物量やオルテンシアの配下の攻撃に対してはこちらは指輪の力を使ってアルフレッドが機動力を駆使して相手を翻弄し、それで作った隙をほかの皆で突く形などで数を減らし応戦します。

 

「あたしだってお父様から指輪を預かってるのよ!見せてあげるわ!」

 

 オルテンシア王女がルキナの指輪の力を開放し周りの敵兵たちと呼吸を合わせてきます。ですがこちらも連携では負けてはいません。

 あなたやセリーヌにクロエが先手を取り、ルイやブシュロンが攻撃を受け止め、スタルークとエーティエが牽制して攻撃のタイミングをずらし、リュールはマルスとの連携でオルテンシアとルキナを迎え撃ちます。

 幾多の攻防の末打ち勝ったのはリュールのほうでした。

 

「うそっ!負けちゃう!?指輪を渡すわけにはいかないわ!全軍撤退よ!」

 

 こうしてあなたたち神竜軍はオルテンシア王女を撃退しました。ですが橋は物量による戦闘と紋章士の力を使った戦闘によりそれなりに道に確保に時間がかかりそうです。

 今後ブロディア城に行くまでに野生の異形兵たちとも遭遇しないとも限りませんので一度ソラネルに戻ることになりました。

 ですがあなたには気になることがあります。ゲームにおいて間抜けにもオルテンシアは第一王女アイビーが城を襲撃すると言い洩らしていました。ですがその発言は今回ありませんでした。

 これはゲーム通りにいかないということなのか?それともゲーム通りいくけれど単純にオルテンシアが失言をしなかっただけなのか?どちらにしろブロディア城で指輪を先に確保するためにも急がなくてはならないでしょう。

 一応イルシオン軍が待ち構えていたことからも考えて今日はソラネルで休むがなるべく急いだほうがいいのではと進言しておくとしましょう。

 

「ええ”――”。私もその可能性はあると思っていました。今日は休んで明日からは急いでいきましょう」

 

 

 

 

 そんなこんなでソラネルに戻ってみんなで食事です。スタルーク一行はそれなりに気まずそうにしています。ですがリュールに近づき改めて謝罪し、リュールは先の戦闘の健闘を称えました。

 あなたもそれをご飯を食べながらもぽけーっと見ているとスタルークらはこちらにやってくるではありませんか。どうやら正式に謝りに来たようです。

 

「あの”――”さん。改めましてこの度は僕とその臣下が失礼を働いてしまい申し訳ありませんでした」

 

 臣下の二人も申し訳ありませんでしたとそろって頭を下げます。あなたは神竜様がお許しになられたこと、今後の戦いではブロディアの協力が必要であることもあるためこの話は終わりにして共に戦っていこう。先ほどの戦闘で神竜様の援護ありがとうございました、と返します。

 そう言っていただけると助かりますとラピスとシトリニカに言われ、あなたたちは正式に和解しました。明日に向けて食事をしようといった途端、今度はクランとフランの守り人コンビがやってきました。

 再び微妙な雰囲気がその場に流れますが先に守り人コンビが口を開きます。

 

「僕たちにはあなた方を責める資格はありません。本来神竜様を御守りしなければならないのは僕たちですから」

 

「それで”――”さんに改めてお願いがあるんです。次の鍛錬からもっと厳しくしてほしいんです。もうあんなことがないように」

 

 もちろんかまわない、そういおうとした瞬間クランが続きの言葉を述べました。

 

「シトリニカさん、あなたとも鍛錬をお願いします」

 

「スタルーク王子、ラピスさんもお願いします」

 

「私たちも?……でもよろしいの?私たちは無礼にも神竜様を……」

 

「わかっています。でも神竜様はあなたたちをお許しになられて、未来のため共に戦おうと手を差し伸べられた。なら私たちもそうすべきだと思うんです」

 

 これは驚きました。クランとフランはスタルークらと協力しあうのは時間がかかるのではと思っていましたが、二人はリュールを守るため、リュールのように清濁併せ吞む選択をしたのです。さすが若くして守り人として選ばれただけあるということでしょう。あなたがもし同じ年ならば到底できなかったであろう選択です。

 腕組をして後方保護者面を心の中でしながらもあなたは今度こそ、もちろんだ覚悟しておけよと言います。

 

「あなたたちのその選択に敬意を表します。よろこんでお受けいたします」

 

 スタルークらと守り人コンビは握手を交わしお互いに高めあうことを約束し和解しました。そんなこんなでその日は終わりを迎えたのでした。




某ソシャゲで運営が悪質的な集金手口のようなガチャ発表がされました。
ゆ”る”せ”ん”!!!
あと終わるのが耐えられない症候群が少し治ってきて今ヴェロニカ外伝やってます。
クリアするのにどれだけかかってるんですかねぇ……


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日常18

誤字報告ありがとうございます。
クロム&ルフレ、ヴェロニカ外伝、25章クリア→次が最後か……
ウマ娘による裏切りショック→ウワーーー!!!!
WBC日本優勝→よっしゃああああああああああああ!!!!
邪竜の章PV解禁→グワーーーーーーッ!!!!
だいたいこんな感じ。
それでは今日も暇つぶしに
どうぞ


 中世のお城事情というものをあなたは知りませんがこう、城があって城壁があって日本にもあるような感じの海外版的なイメージを持っています。何が言いたいのかというとブロディア城らしきものが見えてきて城の見張り台的なところにいる兵士がこちらを確認すると、おそらく指揮官に報告しに行ったのでしょう。スタルーク王子が神竜らしき人物を連れて戻ってきたと。

 ブロディア城と思わしき城門に近づくといろいろと出入りしている人たちと門番の兵隊らがいました。ゲームのようになんか城門の前に後ろ姿でディアマンド王子がデーン!と立っていて急に振り返って自己紹介を始めて周りには誰もいないムービーというような状態ではありません。初プレイ時にあれ?事前情報で知ってたはずなのに7章での問題発言のせいでなんかまともな奴だな?と思ったのは印象的です。兵士らがスタルーク王子にお帰りなさいの挨拶をしてスタルーク王子はリュールらを神竜様御一行であると紹介すると兵士は本物の神竜様に合えたことが望外の喜びであるのかぷるぷると震えながらも光栄ですと答えます。そんなやり取りをしていると前から一人の男性が脇に質実剛健を絵にかいたような感じのアーマーを着込んだ女性をつれてやってきました。

 ディアマンド王子とその臣下ジェーデです。おや?とあなたは思います。なぜならばジェーデはこの1つ後のブロディアとイルシオンの国境での参戦となるからです。とはいえ大きなファクターとなるようなわけではないためとりあえず様子を見ることとします。

 

「待っていたぞ、神竜様。私がブロディア王国第一王子ディアマンドだ。こちらは臣下のジェーデ。もう一人アンバーという臣下がいるが、そちらは化け物の退治に向かっている。あなたのお噂は耳にしている。お会いできて光栄だ」

 

「初めまして神竜様。ジェーデと申します。お会いできて光栄です」

 

 リュールもお会いできて光栄です、といいその後はアルフレッド王子とゲーム通りのやり取りをします。ディアマンドがイヴ女王の書簡で事情は知っていると発言しているのになぜ国境ではあんなことになったのだろうと考えますが気にしないことにします。

 

「兄上、ご報告が。グランスール大橋にてイルシオン第二王女率いる部隊の襲撃に遭ったのですが、城付近らは特に問題はないのでしょうか」

 

「なに?付近に異常があるとの報告は今のところ来ていないが……なるほど。指輪の存在か」

 

「はい、グランスール大橋にまで敵の手が伸びてしまった以上イルシオン王国は指輪を求めていずれブロディア王国へなんらかの方法で襲撃をかけてくるかもしれません。神竜様に指輪をお渡しになられたほうが良いのでは」

 

「ふむ、すぐに守りを固めておく必要があるな。報告感謝するぞ。指輪の件にしろ、まずは父上にも伝えてからだ。神竜様方、どうぞ城の中へ」

 

 あなたたちはディアマンドらに案内されながらも城の中へ入ってきます。ひそひそとあなたの近くにいるユナカがどうして国境であんなことになったのか、とぼやいておりエーティエがそれを聞いてその件についてはこの後きっと糾弾されます、と返しているのが聞こえました。それからエーティエはあまりそういうことは言わない方が良いとユナカに注意しそれを受け入れます。暗殺者であったユナカがこんなことをしてしまったということは余程国境での件について呆れかえっているようです。実際その通りですしスタルーク一行はそれだけのことをしたので報告をしなければ後に発覚した際、隠蔽を図られたと思われてしまうでしょう。おそらくスタルーク一行らは冷や汗だらだらです。例えるなら大事な仕事を終えてしばらくたった後でふいにミスがあることが自分の中だけで分かり、そのミスを報告しなければならなくなった過去のあなたの用な心境でしょう。やらかした規模が違いすぎますがちょこっとだけあなたは同情します。

 そんなこんなでモリオン王との謁見です。スタルークが戻ってきたとのことで部屋より出てきてしまったようです。実際リュールは全世界の信仰対象であるため自分から迎えに行かなければならないほどの存在なので、王自ら来ないというのはよろしくないのでしょう。

 モリオン王、リュール、アルフレッドらが挨拶を交わすとスタルークがグランスール大橋の件を報告します。

 

「父上、スタルークからの報告でグランスール大橋にてイルシオン兵の襲撃があったとのことです」

 

「奴らは紋章士の指輪の強奪を目的としていました。グランスール大橋が一度占拠された以上、紋章士の指輪を神竜様にお渡しになられたほうがよろしいかと思います。それに……」

 

「わかっておる。城への攻撃もありうるから警備の強化をしろということだろう?おい、すぐに周辺にイルシオン軍が現れたかの確認並びに警備を強化せよ」

 

 やたらと察しが良い気がしますが戦をし、国をまとめ上げる王族であるが故の察しの良さでしょう。……橋の警備もしていたはずなのにその報告が先に上がっていないのはなんでだろうと思いますが、やはり気にしないことにします。

 その後リュールが紋章士の指輪の譲渡をお願いしモリオン王からリュールへと紋章士の指輪が手渡されました。リュールは紋章士ロイを顕現すると周囲は驚きに包まれ紋章士ロイの放つ神々しい輝きに目を奪われます。

 

「儂が生きている間に神竜様にお会いできるだけでなく、我が王家に託されし指輪にこのような神々しい輝きを放つ紋章士が宿っていると知ることができたとは……大変うれしく思います神竜様。流石は神たる竜の力だ」

 

 とゲームではここで襲撃がありますが来るのか、と身構えているとスタルークの震える声がその場に響きます。たじたじとした感じで紡がれる言葉の中、いつ襲撃が来るのか?とあなただけ警戒している中ものすごい声が響き渡りました。モリオン王の叱責です。

 

「この大馬鹿者が!!なんということをしてくれたのだ!あれほど容姿についても伝えたのに誤射だと!?さらにはその責任を転嫁するなど……お前の部下はどうなっているのだ!!!」

 

 そりゃそうだとその場にいた多くのものが再び思ったでしょう。あなた方にとっては終わった話でもブロディア王族にとっては大問題です。これで隠蔽を図ったということはなくなりましたがそこは神竜リュールが納めます。

 

「モリオン王、どうかお怒りをお納めください」

 

「神竜様、この度は愚息のスタルークとその部下が大変申し訳ないことをした。……どうか愚息とその臣下の首で此度の件、納めてはいただけないだろうか」

 

「父上!」

 

「ディアマンド!お前とてわかっているはずだ!この馬鹿者がどれだけのことをしたか!」

 

 冷静で聡明なディアマンドでも兄としての一面は捨てきれないのでしょう。反射的に父親に反発してしまいますがモリオン王に反論され何も言えず黙り込んでしまいました。

 

「その必要はありません。その件についてはすでに国境で済ませています」

 

「しかし……」

 

「モリオン王、今私たちが対峙しているイルシオン軍は邪竜を復活させ世界を破滅させようとしています。敵には無尽蔵ともいえる兵力、異形兵がありその脅威はフィレネ城が1度襲撃されたことからも明確です。今は共に戦うべき仲間が一人でも必要なのです。もしあなた方が私に申し訳なく感じているのであれば命による謝罪ではなく、この世を生きる人々のためにその力を貸してください」

 

「むぅ……」

 

「それに、無礼を働いたのはこちらもです」

 

「なんですと?」

 

 あなたはそんなことがあったか?と一瞬思いますが自らの所業を思い出し一気に青ざめます。現代での仕事のミスなんか比にならないことをやらかしたこと、王族におい、首出せよと実質的に言い放ったことです。この世界が遊戯王であればデュエルでケリがついたでしょうが残念ながらファイアーエムブレムの世界です。あなたの脳内は声には出ない絶叫であふれかえっています。あなたの冒険はここで終わってしまうのでしょうか。

 

「私を守るためとはいえ仲間がそちらのスタルーク王子に無礼ながらも首をもっての謝罪を要求したのです。そちらがスタルーク王子とその臣下の首を謝罪として差し出すならば私が神竜としてブロディア王家に正式に謝罪します」

 

「そ、それは困る!……承知した。神竜様の言うとおりにいたします。お前たち、神竜様のご慈悲に感謝せよ」

 

 さすが神竜様。あなたの首もついでに守り、この場を見事納めて見せました。スタルーク一行は再び謝罪しディアマンド王子も胸をなでおろしリュールに感謝の言葉を伝えます。これであなたは命拾いしました。これでリュールを守ったのは自分であると知られたら一国の王そのものから目を付けられることになります。そんなことは一般市民のあなたでは到底耐えることはできません。邪竜の章PVで見たほどなんかヤバそうではないでしょうが中世的価値観な世界観です。どうなるかわからなくて恐ろしくてかないません。

 

「神竜様を御守りしたのは守り人の方々か。大変申し訳ないことをした。神竜様共々お詫び申し上げる」

 

「いえ責務ですので」

 

 クランとフランが何か言う前にヴァンドレが言ってくれました。そうです。ここで自分じゃなくて一卒の兵だよ、なんて言ってしまえばあなたは注目の的待ったなしです。さすがヴァンドレ。守り人33代目に任命され長年ルミエルの世話係を務めていただけあって聡明です。リュールがこれできちんと話をつけた、という証のため友好の握手をモリオン王に求めそれに応じました。

 

「安全が確認次第、手合わせを願いたいな神竜様。神竜様を御守りした守り人の方々とも」

 

 その発言に実際守っていなかったことに耐えられなかったのでしょう。フランがぼそっと何かを言ったのが聞こえました。

 

――御守りしたのは”――”なのに。

 

「ん?」

 

 あなたは心の中で絶叫した。身構えていないため死神が来てしまったのだ。あなたには一国の王への対応などわからぬ。ゆえに青鬼のたけしのごとく体をバイブレーションさせるしかできなかった。ユナカが死神が来ましたなぁとつぶやいたのが聞こえます。うるせぇ黙れ元暗殺者だってバラしてやろうか。

 

「失礼、”――”というのは?」

 

「ええっと……彼です」

 

 なんということでしょう。完全に目がほう、この者が……のような目であなたを見ています。やめてください死んでしまいます。

 今あなたの脳は見事なマルチタスクを働かせていました。1つは完全に停止しており、1つはリュールに反省を促すダンスを踊り、1つはデュエリスト魂によるカード「灰流うらら」で無効にしたかったですが発動条件が合わず、伏せカードもないため何もできません。そして1つはライフカードのCMを流していて手にしているカードはすべて白紙です。つまりは万事休す、ハイクを詠むしかなくなったわけです。

 どうする?どーすんの?俺?どーすんのよ!?

 

 

 




灰流うらら(はるうらら)
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:以下のいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードを手札から捨てて発動できる。その効果を無効にする。
●デッキからカードを手札に加える効果
●デッキからモンスターを特殊召喚する効果
●デッキからカードを墓地へ送る効果
今回の場合いずれも当てはまらないため使用不可。汎用性が凄い高いのでだいたいみんな入れてる。


長くなったので切りよさそうなところで中断。ライフカードへ続く!(昔のCMです)
原作通りにしないように文章考えるの難しいなぁ……
これを毎日何回も更新してる人いるってマジ?
あと誤射をいなしたところの下り、最初はリュールが口を滑らせた感じにしたけど聡明さから没にしてフランに生贄になってもらいました。ごめんよ。でも君支援会話で「「きょーよー」を身につけなさい」なんて言ってるからつい……

邪竜の章地獄なんですけど、セリーヌ推しの自分としては自国の民以外の命虫けらに思ってそうな発言と目に大ダメージなんですけど。
ブロディアとかまさに力こそがすべてみたいなオーラ出てるし。
俺がプレイするのはエンゲージであって風花雪月ではないはず……


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日常19

誤字報告ありがとうございます
公式がなんかこの世界のアルフレッドとセリーヌ殺気立ってますねぇ、とか他人事で言い放ってて笑う……いや笑い事じゃねぇよ。
先の戦い、亡くなった臣下と女王。
なんか復讐鬼みたいな声出してるセリーヌと慎重で比較的まともなアルフレッド。
何があったんだほんと。
それでは今回も暇つぶしに
どうぞ


――恐縮です

 

 真っ白な手札から「恐縮」のカードを発動。とりあえず便利な言葉でその場をしのぐ効果があったりなかったりします。

 

「君が誤射した矢を落としたのか。感謝する。参考までに聞きたいのだがどのようにして退けたのかな?」

 

 ここでモリオン王のさぐり!あなたの腕前を探りに来ました。あなたのなけなしのライフポイントがゴリゴリと削られます。これに対して返さなければもっと悪いことになるのであなたは正直に答えます。

 

「ほう、エルウィンドを使った魔法剣を!矢が飛んでくると気づいてから抜剣し魔法をまとわせ矢を撃ち落とした、判断がはやいな。風で矢がそれればよし、たとえ魔法がかけられて貫通してきたとしても剣ではじくことができる。だがそれだけではあるまい。己の身も盾としたのだろう?男は女よりも背が高いからな」

 

 モリオン王はあなたの発言に対し揺さぶりをかけてきた!あなたの立場はまるで逆転裁判で成歩堂龍一に尋問される証人です。まるで見てきたかのように話すモリオン王の観察眼、いえこの場合は一国王が自分のしたことを暴き認めさせようとするその行為にあなたは戦慄します。

 リュールが小さくそこまで考えて……とつぶやきますがあなたはただカンニングしただけなので余計な評価がつくことに恐れを抱きます。今すぐ反則行為を自白してこの場を終わらせたいですがそんな手段はあなたの手札にはありませんしできません。

 

――恐縮です。

 

 再び真っ白な手札から「恐縮」のカードを発動。周りにいる人間から注目を浴びていますが、その目がお前それしか言えねぇのか、と語っているような気がしてなりません。あなたのライフポイントはより削られます。

 

「良い部下をお持ちだ神竜様。せっかくだから歓迎の手合わせをしたいな。無論安全を確認でき次第だが」

 

 おっとここでターゲットがリュールへと移りました。あなたはこれで助かったでしょう。恐縮ですロボットで乗り切ることができました。汎用性の高いカードはやはり強いのです。

 

「腕の立つものを我がブロディアは歓迎する。君とも手合わせを願いたいな」

 

 モリオン王の突然のボディブロー!不意の一撃によりあなたのライフポイントに大きなダメージを与えました!でも死なないであなた!ここを乗り切ればなんとかなるかもしれないんだから!

 アルフレッドやセリーヌなどとの王族とは筋肉鍛錬や戦闘訓練などでそれなりに仲良くなり話すことができるようになりましたが、さすがに国王と1対1は勘弁願いたいしリュールの方を鍛えてほしいというのが本音。ですが一国の王相手に一平民が嫌ですなんてことを言えるわけがありません。

 しかしここであなたの手札の1枚が光り輝きます。それが意味することはつまり、この盤面をひっくり返す最高の手があるということです。遊戯王ではよくあること。

 

――恐縮です。ですがモリオン王。神竜様との手合わせの方をどうか優先していただけないでしょうか。

 

そう!あなたの手は神竜様を生贄……ではなく立てることです!

 

――神竜様はこの先世界を救わなければなりません。ですが神竜様はある程度修羅場を潜り抜けたとはいえまだお目覚めになったばかり。モリオン王のような鬼神ともいえる方がもし敵として現れてしまったら今の神竜様では生き延びることは難しいでしょう。恥ずかしながら我々もいつでも神竜様を御守りできるとは断言できません。ですがもし生き延びることができたのならば、私たちがいくら倒れようとも神竜様さえ生き延びることができたのならば、神竜様は世界をきっとお救いになられます。そして神竜様は我々をこの先自らの足で歩いて行けるようにお導き下さるはずです。ですからどうか、私との手合わせよりも神竜様との手合わせをどうかご優先くださいますようご検討をお願い申し上げます。

 

 そう言ってあなたは頭を深く下げます。――勝った!リュールを生き延びさせるという大義名分を盾にしモリオン王を鬼神と立て、神竜への絶対的信頼的な奴をなんかこういい感じに表現して頭を下げれば、なんやかんやでこう、うまくいくはずです!大部分は本心なので嘘はなし!計画通り!とあなたは内心勝利を確信しました。

 

 ――瞬間!あなたの脳はなんかフル回転しました!先ほどの言葉を述べているときに考えたなんやかんや感が違和感として襲ってきたのです!馬鹿な、自分の採った手はとりあえずなんかいい感じに大丈夫なはず……。

 あなたは先ほどの自分の言葉を思い返します。そして気づいてしまったのです。そう!それは王族に対する意見申し立て!!!

 なんということでしょう。あなたは先ほどモリオン王の自分との手合わせのお願いをリュールとの手合わせを優先すべきと平民の分際で意見してしまったのである!つまりあなたのすべき行動は間違ってますよと言ってしまったのだ!思っていたことと言っていることが変わっていない!愚か!

 あなたは大きなプレイミスを犯したのです。これで盤面をひっくり返せると思って出したカードはあなたの冒険を終わりへと導く一手だったのです。遊戯王ではよくあること。

 あなたの手札はすべて消滅し可能性となるデッキも同様に消滅。あとはモリオン王による極刑という名のダイレクトアタックしか残されていません。ここから入れる保険もないのであなたにはどうしようもありません。あなたの冒険はここで終わってしまいます。お疲れさまでした。

 

「ふ、はははは!守るべき主のために我が身を捧げこの儂に意見するか!……スタルークに首を出せといったのも君だろう?間違っておられるか?神竜様」

 

「えっ……。あ、あの……その…」

 

「神竜様、あなたは先ほどこうおっしゃられた。”私の仲間がスタルーク王子に首をもっての謝罪を要求した”と。気になっていたのだ、私の仲間という表現がな。守り人が守ったのならばそういうはず。そうでなかったということ、今さっきの言動からして言ったのは彼なのだろう?ついでに言えば彼は平民だ」

 

「は、はい。そうです。ですがその件についても……」

 

「国境付近でケリをつけている、だろう?わかっておる。元々こちらが原因なのだ。それにこの場でも神竜様であるあなたの身の安全を最優先とし、一平民でありながらも意見しおった。いささか不敬ではあるが、そこまで間違いではあるまいし大局を見据えてのことだ。罰などは与えぬからその不安そうなお顔をどうかやめてくだされ」

 

「は、はいありがとうございます。その寛大な慈悲に感謝します。モリオン王」

 

 これは驚きました。あなたは生き延びることができたのです。と、そんなこと思っている場合ではありません。すぐさまリュールに引き続き一度頭を上げ再び深く下げて謝罪とお礼をモリオン王に申し上げました。

 モリオン王はよい、と謝罪を受け取ると自分との手合わせも忘れずに頼むぞと言い、そんなこんなで無事が確認できたので今日はブロディア城に部屋を用意してもらい休むこととなりました。

 もちろんあなたは仲間たちから、特にヴァンドレとリュールに怒られフランと教育を受けることとなりました。残当です。

 

 

 

 

「国境付近でも無茶はしないで下さいと、言いましたよね?」

 

「今回は良かったですが最悪の場合極刑になるかもしれないと”――”はいつも怯えていたでしょう?なのにどうしてあんなことをするんですか」

 

「私のためであるのはわかっています。そこはすごくうれしいんです。でも、あなたも大切な仲間なんです。……心配したんですよ?」

 

「わかったのならヴァンドレにこってりしぼられてくださいね」

 

 怒ったリュールは怖かった。




というわけでブロディアについてすぐにイルシオン強襲はありませんでした。
これで日常回がそれなりにかけるはずです。
タイトル詐欺を最近してましたがクソ雑魚リュールちゃんが返ってくるはずです多分。
そして主人公君。前に感想欄で狂犬みたいとか言われてたけど今回マジで狂犬みたいになっててやばい。君ヴァンドレ君に怒られたでしょ。人間は過ちを繰り返す……全く。僕が書いたんですけどね。
まぁ一回間違えたら今後一切間違えないなんて出来のいい人間ばかりじゃないからね仕方ないね……それがだめなこともあるけど。
あと自分が書いた短編「つよつよマックちゃん」もよろしくね。(ダイマ


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日常20

セリーヌの指輪お目覚め会話が見れていないのでまだクリアしてません。見たらやります。
代わりに支援会話がいっぱい増えてきました。解像度が高くなる―
それでは今日も暇つぶしに
どうぞ


 なんやかんやでブロディア城に泊まって日がたちそれなりに城へのイルシオン軍の行軍とかがなかったそうなので安全が一応再確認できました。というかこちら側が侵攻をしているはずなのに逆に自分の城を攻められるなど笑い話です。なにせ王城は最終防衛拠点であり最終防衛ラインを越えなければたどり着けない、占領されてしまえば国として負けなのです。そんなことは侵略したくせに地の利もあるのにそこまでたどり着かれてしまうなんてことあるはずがありません。

 ……おや?でもゲームでは普通にアイビー王女とその臣下とイルシオン軍に普通に突破され戦争で考えると負け一歩手前でした。いやよしましょう、あなたのある程度筋のとったような想像で混乱してしまっては今後の戦闘に響きます。きっとシナリオライターのせいでしょう。やっぱり何も気にしないことにします。

 

 

 

 先日のやらかしによりあなたとフランはヴァンドレによるこの世界における礼儀作法的な講座を受けさせられていました。あなたは一平民でありながらも王族に対する無礼がどのような結果を招くか、といった内容の講義を。フランは清濁併せ吞む場合があるとかないとかの状況判断的な講義を受けています。特にあなたは王族に対する首出せ発言に異議申し立てという前者は高確率で斬首、後者は斬首と言わずとも重罪に値しかねないことをやらかしている大問題児です。

 長くて厳しい講義を終わらせ自分のやらかしたことの重さを理解すると社会人をやって大きな失敗をしたことを思い出します。端的に言ってものすごく辛いのです。そんな中フランが話しかけてきました。

 

「でも私ちょっと驚いちゃいました。」

 

――何が?

 

「”――”さんってすごいじゃないですか。剣も魔法も武術もできて鍛錬方法も道具も教えてくれたり作ってくれたり、何でもできる人だと思ってましたからあたしみたいにこんな風に失敗するなんて思わなくて。勝手にですけど、こう、親近感みたいなのがわいちゃって」

 

 転生者特有のアレが多く集まっていてここまで言われるといたたまれません。まぁちゃんと努力をしなければ身につかないような感じのアレもありましたが。

 

――そうなんでもなんてできるものですか。それと失敗なんて腐るほどしてきてますよ。

 

「えぇー?ほんとですか?」

 

 フランの言葉に自分もこんな風に思っていたなぁと年を取った人間のような感想を抱きます。実際成功というものは多くの失敗を犯した者につかめるものです。あなたはいろんなアニメやら漫画やらでそれを学びました。

 

――実際王族に対して首を出せ、なんて言ったりモリオン王に意見してしまったでしょう?

 

「う、確かに。でもでもスタルーク王子の件は、えと…しょうがないじゃないですか」

 

――しょうがなくないよ。あれは異常事態であったことと絶対に自分は殺されないって確信があったから言えただけさ。別の状況で相手に謝れといえるかどうか……。そう考えると情けないものだよ。

 

フランはそんなことない、と言いそうになりますが先ほどの講義をフランもおさらいがてら聞いていたものですからあなたの言葉に返す言葉がなく黙ってしまいます。それを悪く感じてしまったのであなたは別の方向に話を持っていきます。

 

――それにね、ヴァンドレさんだって失敗はたくさんしてきているはずだ。

 

それを聞いて意外そうにヴァンドレの方にフランは視線を向け、ヴァンドレは大きく頷き答えました。

 

「もちろんだとも。私だって若いころは多くの失敗を積んできた」

 

 その多くの失敗をしてきて反省をしてきたからこそルミエル様の世話係という役職に就かせていただけたのだからな、と感慨深くなるヴァンドレだがフランはそんなヴァンドレを見てなんだか重く感じていそうである。神竜の守り人であり続けることに異論はないだろうが失敗を重ねて辛く感じる感じないのは別の話です。あなたもよく感じることです。だからあなたはフォローすることにします。

 

――ついでに言うと失敗して二度と失敗しないなんて出来のいい人間でもないからね。いまでも出来て当然のことで失敗したりするし、それなりに成長してそれで失敗すると……こう、すごくつらいんだよ。普通に怒られるのは。ヴァンドレさんだってそういうのあるでしょう?

 

「あ、あぁ。私にもある。正直思い出したくもないがな」

 

 どんな話なんですかー?と聞くフランに鬱陶しそうなのを隠そうともせずに言いたくないときっぱりと断るヴァンドレがそこにいました。

 

 

 

 そんなこんなでモリオン王にせっかくブロディアに来たんだからゆっくりしていってね!といったような内容の言葉をもらい皆各々に行動しています。とはいえこんなイベントはゲームでは起こらなかったのでこれからどうしたものかと頭を悩ませているあなたです。そこであなたは先日の出来事を思い出します。グランスール大橋での戦闘の件です。グランスール大橋の戦闘には本編ではいなかった異形兵がいました。ゲームでは2章ほど早いというだけで誤差ですが現実ではそうはいかないでしょう。もしかしたら物語中盤以降に出てくる四狗が何かしらの目的でやってくるという可能性があります。例えばモリオン王の血を求めてという理由でなら出張ってきてもおかしくはありません。とはいえ、ハイアシンス王との一騎討ちで全員で襲い掛かった方が確実ですから可能性は低いほうですが。なんにせよ備えをしておくに越したことはありません。とりあえずモリオン王がリュールと模擬戦したがっていたことからあなたも訓練場に向かって周りに見られながらの模擬戦で何か別の刺激が得られるかもしれないので参加しようと思います。

 

 

 訓練場にたどり着くとちょうどリュールとモリオン王が模擬戦をしているようでした。なんかこう、すごい剛の剣を使う攻撃をするモリオン王に対してリュールは流れる水のごとく柔の剣を使っていなしていたりします。ラオウとトキの戦いのような感じで戦っています。ですがモリオン王の攻撃は激しく威力が高いようでリュールはいなすのに苦労していそうで押されて防戦一方のようです。それからリュールが隙をついて一撃を入れようとするもモリオン王がそれを防いだりして幾ばくか剣戟を繰り返すとリュールの模擬剣が弾かれ手元から離れていきます。モリオン王が剣を突き付け勝利を確信しますがあなたとユナカが育てたリュールはここでは終わりません。

 剣を突き付けられた瞬間にモリオン王の懐に飛び込み体術で攻撃します。モリオン王はそれにすら反応しいくつか防ぎますがその中で防御をどうにか崩し、浅いですがリュールの一撃が決まりました。そう、あなたが教えたビスト神拳です。オールマイトがAFOにフェイントで入れた感じのアレみたいな感じで一撃を叩き込み、見物していた兵たちからは一撃入れたぞ!?と驚きの声が上がります。ですがそこは武力の国の王でありモリオン王、シールドバッシュ的な攻撃などで反撃し体制を完全に崩したリュールに剣を突き付けて勝利しました。そこらへんにいたユナカと後方師匠面をしたあなたはなかなかいい感じに成果が出てるなぁと感心します。

 

「驚きましたぞ神竜様、多少侮っていたとはいえ剣を弾かれても決してあきらめず儂に一撃を決めてくるとは」

 

「ありがとうございます。モリオン王の剣戟も力強くいなすのがやっとでした。勉強になりました」

 

 そんな感じで互いを称えあい握手を交わすとモリオン王は軍議的なものがあるようなので訓練場を後にしました。

 リュールはこちらを見かけると近づいてきます。

 

「”――”にユナカ。見ていたんですか?モリオン王と模擬戦したんですが防ぐのが精一杯で、剣は飛ばされて打撃を入れたんですけど浅かったです。さすがに強い方でした」

 

「ですが神竜氏、いい動きでしたぞ。剣を弾かれてからの動きが前よりも早くなっておりました」

 

 そうですそうですとあなたも褒めます。ビスト神拳も身に着けていていて良い傾向です。ちなみにリュールはビスト神拳が暗殺術とは知りませんがあなたが教えるときにちょっと良からぬ格闘術として忠告して教えています。バレたら怖いです。それにしてもリュールの髪の毛には石やら砂やらわちゃわちゃとついてしまっていて綺麗な髪の毛が台無しです。それが戦いと言ってしまってはそれまでですが。さすがに前髪にもついているのでリュールに教えます。

 

「えっ?前髪にもついていますか。そういえば落としてませんでしたね。えっと、すみません後ろ髪は二人に落としてもらってもいいですか?」

 

「いいですぞ神竜氏。ですが戦場では気を付けてくだされ。髪についた砂が目に入ることもありえますからな」

 

 ユナカの忠告に対してそうですね、と答えるリュールに対してあなたは自分もやっていいのかと聞きます。髪の毛触っていいよと言われてもさすがに緊急時でもないときにさわる気、もとい勇気など持ち合わせていません。がリュールは何か問題でもあるのかときょとんとした顔をして何も問題ありませんよと言います。純粋にしてもこれはちょっと女としての警戒が足りなさそうなので、そういうのは信頼する人に言ってくださいと言います。ですがもちろんこの言葉に対する言葉は……

 

「”――”のことは信頼していますよ?」

 

 と、あなたを信頼しているという言葉です。とはいってもあなたはそこまで信頼を得ているとは思ってないので3枚目のような台詞を吐いて流しながら失礼します、と一言かけてリュールの髪の毛から石やら砂やらを落としていくのでした。

 その間リュールは手の指を髪の毛に絡めてどこかそわそわしていたそうで……

 

「えっと、青い髪の方は実は寝癖がつきやすいんです……あっ、これっ、内緒にしてくださいねっ」

 

 なんてことを口走りました。あなたとユナカは互いにどうした急に、という顔をしましたとさ。

 

 

 

 

 

 




それはそれとしてグリッドマンユニバースみんな見ましょう。
どんな映画かというとレストラン行って「これ好きだったよね」と好きな料理が運ばれてくるんですけどそれが2時間続く映画です。


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日常21

誤字報告ありがとうございます。
4月1日クリアしました
DLC4日前。そしてこの小説が投稿されたのが2月初めあたりで18章クリア。
クリアまで約2か月。おっっっっっっそ!!!!
エンゲージは神ゲーとまではいくには惜しいところがあるので(演出とか序盤の薄味感とか
神ゲーと良ゲーの間で良ゲー寄りあたりですわ
でも買っても後悔はしませんわ!
では今日も暇つぶしに
どうぞ


 あのあとは兵士の一人がリュールに模擬戦を挑んできて結果的にほぼ全員と模擬戦をすることになりました。1対1だったり1対多だったりとあなたも混ざって模擬戦は行われました。あなたやユナカにとって1対多の戦闘はよくあったことですが、リュールはある程度場数は踏んでいるとはいえ一応目覚めたばかりなのでモリオン王には及ばなくとも一流クラスと戦うと苦戦してなんとか勝ったり引き分けたり、それなりに負けたりして経験を積みました。ちなみにあなたの1対多は大体トゥ!ヘアァー!な感じで剣道の次々とメーン!メーン!するアレみたいな感じでした。

 

 

 そんなこんなで場所は城下町。なんかこう城下町というの見たいなー的なリュールの意見でそれなー、とそこそこの人間が同意したのでディアマンド王子に連れられて城下町の案内をしてもらっています。ゲーム本編では全くの描写がなかった城下町ですが流石城下町こと首都的な場所、ドラクエとかFFとかその他中世ファンタジー的な感じの露店やら土産物屋やらどこぞのマルチ商法団体が売っていそうな壺などの工芸品的なものを売っている屋台がうじゃうじゃあります。あなたはそれなりの旅をしてきたのでそこそこ珍しいものを見た、というほどではありませんが見ごたえがある風景です。そりゃ都会が好きになる。いるだけで目の保養。

 特に目を輝かせているのはリュールです。起きて神竜パワーでリトスの地に降り立ったら化け物どもと戦闘してゲーム上では主要人物以外だれもいなかった城で一晩寝たら母君暗殺すぐさまフィレネへ直行後城攻略、書簡送ったのに殺害されかけるといった波乱万丈の人生を歩んでいます。こういった少しでも落ち着ける時間の中で盛んな街並みを見ることは初めてのはずです。興奮を隠せないのも無理はありません。

 

「わぁ……!ソラネルも広くていろいろありましたが、こちらは全く違って人も建物も屋台もたくさんあります!」

 

「神竜様にそう言っていただけるとは、光栄だな」

 

 宝物を見つけたようなキラキラさせた目で興奮気味に発された言葉を聞いたディアマンドは微笑ましいものを見るかのように穏やかな顔になりました。世界の信仰対象である神竜から愛する自国の城下町をこのように見てくれるのは光栄を超えて国の誇りといってもよいでしょうから。同行しているヴァンドレのまなざしも温かみと少しの悲しみを帯びています。おそらくここにルミエルがいれば、とでも思っているのでしょう。

 娘であるリュールが目覚めたらお話をして、ご飯を食べて、お買い物をして……というのが神竜王ルミエルの願いでした。今リュールは戦争の最中ながらもそれができる場所にいますがそれを一番共にしたかった相手はすでにいないのです。ヴァンドレの内心がルミエルの意思を継ぎリュールにこの光景を楽しんでもらえたら、と思っているのならばあなたも同様に考えています。ゲーム本編では城に泊まる、城下町を散策する等のことはありませんでした。本来ならすでにイルシオンの襲撃に遭いイルシオンへ向かって進軍している最中です。いつ来るかわからないけれどもあなたは日常を知らないリュールにこの日常というものを楽しんでもらいたいと思っています。

 

「ううぅん……いろいろあってどうすればいいかわかりません」

 

「なら順に紹介していこう。私が生まれてからずっと世話になってきた街だ。案内は任せたまえ」

 

 フランとクランがリュールの両手をとって先導します。ほかの面子もディアマンドの案内によってともに歩いていきます。そんな中ある程度の案内を聞いたら一人で回ろうかなとあなたは考えていました。

 

「”――”、あなたも来てください。色んなものがありますよ!」

 

 おっとあなたは名指しされてしまいました。神竜様のご指名ならばともにいかねばなりません。まぁそれもよいでしょう、これから先過酷な戦いを強いられる一人の神竜が純粋に楽しむ姿を見ることができるのですから。

 

 

 

「あ!鉱石です!こんなにたくさん種類があるんですね……」

 

「神竜様!これとかいいんじゃないですか?大人っ!って感じで!神竜様に似合うかと!」

 

「わぁ、この赤色が綺麗ですね」

 

「神竜様、こちらの落ち着いた色の鉱石も素敵ですよ」

 

とまぁネックレスやらジュエリーやらによるトークをフランやセリーヌが繰り広げています。クランは一つ鉱石を手に取ってみますがよさがよくわかっていないようです。

 

「"――"さん、色は確かにきれいかもしれないですけど……あんなに興奮しますか?」

 

――君くらいの年頃だとわからないかもしれませんね。年を取ればわかってきますよ。

 

「……たまにおじさんみたいなこと言いますよね」

 

 実際前世を合わせればとっくにおじさんです。美術品やら花の美しさというものは若いうちから興味を抱いていなくとも年を取るにつれよくわかるようになるものだとあなたは思っています。年を取るというのもよいことがあるものです。年収は上がらなかったが。

 

「いいや、”――”は花の良さがわかる、ということさ」

 

「アルフレッド王子、どういうことです?」

 

「まだクランには早いかな?そのままの意味だよ」

 

「なんですか?それ」

 

「はっはっは」

 

 目の前で蛮族系男子がまるで中世の王族のような話し方をしていますがおそらく気のせいでしょう。ちなみにルイは後方で腕組してきゃっきゃしてる女性陣を見ています。あなたは鉱石の一つを取ってじっくりと見てみます。この鉱石を加工してネックレスやら装飾品類にできればもっと売れそうな気がしますがそれはブロディアにはない技術です。イルシオンにはその加工技術があり戦争後は互いに持ちつ持たれつの関係が出来上がるのですが、そのことをさすがにこの場では言えません。ディアマンド王子がいる上に戦争状態の敵国と手を取り合いましょうなどと言ってしまえば論争間違いなしです。あなたは叱られたことをしっかりと覚えています。誰か誉めて。

 

「こっ!これはっ!よ、良いものですぞ!」

 

 と急にユナカの興奮したような声が聞こえてきました。彼女は鉱石に興味あっただろうかと思いながらもどうかしたのかと声を掛けます。

 

「あ、”――”氏。実はよい武器を見つけたものでして……わたくしめはこういったものには目がないのです」

 

 そうでした、ユナカは武器が好きなのでした。ここは骨董品店のようで高いものから安いものまでありなかなか種類も豊富のようです。あなたはユナカの持つ武器を見るとそのデザインはあなたの心に刺さるものでした。

 

――これは確かにいいデザインだ。あ、ここの曲線よくない?

 

「!?わかるのですか!?これが!そうですぞここの曲線が良いのですこの何とも言えない感じがなんとも!!それにそれに、持ってみてくだされ!」

 

 あなたはユナカから骨董品を受け取ります。

 

――あ、ああ、ああああ良い重さしてるこの重量感がいい!この完全に観賞用として作られた感が本当に良い無駄に洗礼された無駄のない無駄な形状がたまらない芸術品は良いなぁ!

 

「そうですぞそうですぞ!その無駄が良いのですぞ武器としては欠陥品ですがそんなことはどうでもよくとにかく色艶重量感それらがとにかくよいのですぞおおおおおお!!!!」

 

――で、買えるの?

 

「……………買え……ま…せぬッッッ!!!」

 

 骨董品は高かった。

 

 リュールは二人をちらりと見ていた。




クリアしたのはいいけど俺明後日には共に旅した仲間たちの並行世界存在と殺しあうんだよな……
人の心ないんか?そもそもあの世界救いなかったわ(公式


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日常22

筆が乗ったので連続投稿です。あと今回色関係の話が出てきますけど間違ってても許してください。
それでは暇つぶしに
どうぞ


 ちらりと見ていたリュールは見ていた鉱石をおいてあなたたちのそばへと寄ってきた。

 

「何を見ているんですか?」

 

「骨董品の武器ですぞ!もうとにかくこの、あの、その感じがたまらないのですぞ!」

 

「……???よくわかりませんがユナカはそれが好きなんですね。”――”も好きなんですか?」

 

――特別武器が好きってわけではなくて美術品とかそういうものに近いものが好きなんですよ。この武器もそういう感性に引っ掛かりまして

 

 そうなんですか、とつぶやいたリュールは許可をもらってほかの骨董品の武器を一つ持ってじろじろと見ます。おそらくあなたとユナカが言った良さというものをその武器からも読み取ろうとしているのでしょう。様々な角度から見たりちょっと振ってみたりじっと見つめてみたりしています。そのたびにあなたたちが言った良さとはどこにあるのかと首をかしげながら探そうとしています。よくわからないといったぽかんとした顔が百面相し、何かを見つけ出そうとするような顔つきに代わっていったりとみて飽きない光景です。ですがそれもしばらくの間のこと。

 

「うぅん……わかりません。私にはわからないみたいです……すみません」

 

「それは仕方ないことなのですぞ神竜氏。人それぞれ好きな食べ物嫌いな食べ物があるのと同じです」

 

――大事なのは尊重すること。私にはわからないけどあなたにとっては大切なものだと思うことですよ。それさえできればいいんです。

 

 あなたがいた現代では生きていくにつれてそれを認める時代になっていきました。そうではなかったときはとにかくそういったものを悪者と仕立て上げかかわりあるものすべてが悪と断罪するような風潮がありました。凶悪な犯罪を犯した者が〇〇をしていた!などともはや古いし偏見が過ぎるのです。それをいうなら呼吸をしているのだから我々全員悪人です、という道理が通らないとおかしいことになります。あなたにもこの世から消えてほしいくらい嫌いなものがありますが自分の認知外で存在することくらいは問題ないと思っています。ただものすごくかかわりたくないだけです。このスタンスは崩していかないように気を付けていきましょう。

 

「尊重する……。そうですね、わかりました。ありがとうございます二人とも」

 

「……それでは二人とも、こちらの鉱石についてはどう思いますか?」

 

 リュールはあなたたち二人を女性陣が見ていた鉱石の露店まで連れてくると意見を聞いてきました。先ほどの話を得てあなたとユナカのことをもっと知りたいとのことでしょう。

 

「ほほう、これはなかなかよい鉱石でありますな。さきほどの武器の色艶にも負けておりませぬ」

 

「ブロディアは鉱石が良く取れるからな。名産品といってもいい」

 

「ねぇ”――”、さっき神竜様に合う鉱石を見ていたのだけれどあなたはどれが似合うと思うかしら?」

 

 むむっ、セリーヌに難題を突き付けられてしまいました。あなたは生涯女性にまともなプレゼントをしたことがありません。特に宝石など。そんな彼女いない歴=年齢のあなたにまともなプレゼントを贈れるとは思いませんし、相手は神竜様です。さらに二人きりの時に散々褒め散らかしているというのにこれで自分には荷が重いですのでお断りします、などと言えるような感じではありません。リュールもどこか期待しているような、どんなものを選んでくれるのかという興味の視線をあなたに向けてくるのであなたは渋々真剣に選ぶことにします。それにしても種類が多いです。

 リュールは見ての通り青と赤の二色の髪色をもったかなり特徴的な色合いをしています。リュールの綺麗さ可愛さはあなたは前に言った通りなのでそれに合わせるには同じ青と赤系を入れるのはよした方がいいでしょう。うむむ……と悩みながら鉱石とリュールを交互に見ていると似合いそうな色を見つけました。

 

「緑色……ですか?」

 

 青と赤の髪色に白い洋服。それに合いそうなのが緑とあなたは結論付けました。胸元に飾るとして緑色がリュールの持つ色全てに合うと思ったからです

 

「私のすべてと……ですか。……あの、特にどれがいいと思いますか?」

 

 おっと今日の神竜様は深く攻め込んできます。緑というだけでもいろんな種類があるというのに周りから見られている中で、あまり時間を使える気分にはなりません。お店や案内してくれているディアマンド王子に失礼だからまた次の機会に来ましょうと提案します。

 

「いや、私のことは気にしなくてもいい。というより神竜様に選ぶというのなら私が代金を出そう」

 

「え?そんな悪いですよ。紋章士の指輪を譲ってくださったのにこちらは何もできていませんのに鉱石をもらうなんて……」

 

「神竜様が来てくれたおかげで兵たちの士気が上がり皆訓練に身が入っている。実際父上や兵たちと稽古をしてくれたのだろう?そのお礼としてだ。さあ”――”殿、神竜様に選んで差し上げてくれ」

 

 おのれディアマンドなんて余計なことを。これであなたはリュールに鉱石を選んであげざるを得なくなってしまいました。とりあえず緑色でリュールに選ぶものを選びます。

 真剣に鉱石とリュールを何度も見比べること数回、最終的にあなたが選んだのは深い緑色の宝石の王様であるエメラルドのような鉱石でした。真っ白のリュールの服に合い、赤と青の髪色とも喧嘩しないものを選んだのです。

 

「ほぅ……エメラルドか」

 

 エメラルドあるのかこの世界。

 

「店主、エメラルドを。代金は請求書をディアマンドに書いてくれ。ほら”――”、あなたからの神竜様への贈り物だ。お渡しになるといい」

 

 それは道理ですが女性に宝石を送るというのに人に代金を題してもらって送るというなんとも情けなさがあなたの心の中に渦巻きました。

 

「わぁ……とっても綺麗です。この深くで鮮やかな緑色が本当に……ありがとうございます”――”大切にしますね」

 

 リュールは本当にきれいなものをもらえてうれしそうにしているのですが、この状況に何とも言えない情けなさを感じるあなたには気にするような余裕はありませんでした。そんなこんなでディアマンド王子の案内は続きました。

 

 

 

 

 

 

「ところで神竜様、エメラルドの鉱石の意味はご存じですか?」

 

「鉱石の意味とはなんですか?」

 

「はい、鉱石にはそれぞれ意味……それにこめられた想いというものがあるのです」

 

「そうなのですか。”――”がくれたこのエメラルドにはどんな想いがあるのですか?」

 

「エメラルドの鉱石の想いは、幸福、幸運、希望……そして愛」

 

「幸福、幸運、希望、愛……、……愛!?」

 

「おやおや?おやおや??おやおやおやおや???」

 

「まぁ……!なんて素敵なんでしょう!主のためならばどんな立場の者への物言いを恐れず、その主に献上した鉱石に込められた想いは愛……なんて御伽話のよう……!」

 

「か、彼はそのようなことは考えていません!」

 

「あら?ですがあたくしは聞いておりますわよ?二人きりで”――”に個人的に褒めてもらっているのでしょう?」

 

「えぇ!?私聞いてませんよ神竜様!」

 

「は、話したんですかセリーヌ!クロエ!」

 

「あらごめんなさい神竜様。つい口を滑らせてしまって……王女たるものこんなことではいけないわね。反省するわね」

 

「神竜様、それでどのようなお気持ちですか?あなたのためならどのような危険をも冒す方から「愛」の想いを込めた贈り物をもらったお気持ちは!」

 

「ぅ……ぁ……ぇぁ…………か、からかわないでください!おわわわりりです!おおわりです!終わりです!」

 

 




一応緑色とか入れても似合うと思うの。なんとなくだけど。多分アイビー王女加入したらペンダント的なものに加工してもらうと思う。
今回も読んでいただきありがとうございました。
そして明日がDLC。楽しみだけど怖い


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日常23

誤字報告ありがとうございます。
邪竜の章配信されたのにウマ娘育成にどっぷりはまってガン無視してるエムブレマーがいるらしい
感想にて宝石にお話しありがとうございます。
それでは今回は短めですけど暇つぶしに
どうぞ


 うんぬんかんぬんでディアマンド王子に案内をしてもらってそれなりに時間がたったところであなたたち、いえあなたは今……

 

――アルトリウスゥ!何故資格のないはずの君が聖剣を使えるのか!なぜ使うときに頭が痛むのか!

――その答えはただ一つ……ハアァ―……

――アルトリウスゥ!貴様はァ!我ら暗黒邪教団が初めてェ!製造に成功したァ!魔道人造人間だからだぁああ!!!

 

「……えっ。……そ、そんな……わ、私が人造…つくられた……??」

 

「う、嘘をつくな!私は誇り高き父と母から生まれ……お、思い出せない!いや違う!い、いない…?両親は、いない?……う、うわああああああああ!!!!!」

 

――アーハッハハッハッハッハハハハハ!!!!

 

 劇の悪役を代わりに演じていた。

 

 

 

「まさか”――”に演技の才能があるとは思いませんでした。凄かったです!」

 

「あぁ、僕も驚いたよ。まるで本物の悪のようだった」

 

「お兄様はそれで飛び出していきそうだったではありませんか。ここはブロディアで私たちはフィレネの王族なのですよ?もし飛び出していればフィレネにどんな迷惑が掛かったことか……」

 

 目を輝かせて興奮したように言うリュールとは裏腹に、ばつの悪そうにセリーヌに視線でも非難されたアルフレッドは気まずそうにすまないとセリーヌに謝罪しました。あなたたちはなんやかんやでブロディアの大衆向け劇場の案内をしてもらっていたところ今やっている英雄譚的な劇の悪役の人が都合よく怪我をしたところにあなたたちが通りがかり、あなたの姿を見た劇団員のそれなりの偉い人が都合よくあなたに悪役を頼み、あなたが渋々と代役を引き受けて劇を一区切り終えてきたところだったのです。あなたが代わりの役を務めるのを了承した理由は主に好きにやってかまわないと言われたことと、ここがブロディア王家が懇意にしている偉い人がなんかいる感じだったそうだからです。

 神竜軍に協力してもらっているブロディアにはきちんと見返りを返さなければ神竜リュールの名が傷ついてしまうことからあなたが腹をくくったのです。とはいえあなたは現代において部活には入っていないものの演技の才能があり、悪役についてはあふれるアニメやゲームの知識が転生者特有で豊富に存在するため、それらとアドリブ全開でもすぐ対応できるスーパープロがいることであなたが悪役を演じることは超余裕でした。

 

「でも本当えらい迫力だったわぁ。実はああいうことしてたんとちゃいます?」

 

――いや俺清く生きてるから。人間作ったりとか非人道的なことしてないから。現に神竜様の軍に参加してるでしょ

 

 ジャンがからかうように言ってきたのですかさずあなたは突っ込みます。こういうとき相手が自分と同じ立場の一般人であるというのはあなたにとって非常に助かります。この軍のほとんどは王族、貴族その臣下と中世的世界観からすると無礼の働けない立場の人ばかりで素で話せる人間はとてもではありませんがそこまで存在しません。ジャンやユナカが一番気楽に素を出してはっちゃけられる相手としてあなたはとても助かっています。

 

「”――”はああいったことはもうしないのですか?」

 

 リュールは劇に興味を持ったみたいですがなぜかあなたにもう一度悪者をやってほしいようです。そんなに悪者をやってほしいのかと聞くとそうではない、と首を横に振って否定します。

 

「”――”があのようにこう、たとえお芝居でも感情を露わにすることはとても珍しいですから。また見てみたくて」

 

――そう言われましてもジャンやユナカとアンナに対しては彼彼女らが一般市民ですからそれができるのであって、王族貴族の方々にそのようなことはできませんよ

 

 そう返すとリュールは少し、しゅんとしてしまいました。誰とでも分け隔てなく接する博愛主義者なリュールからすればあなたの答えは寂しいものでしょう。

 

「そういえば”――”殿やジャン殿、ユナカ殿にアンナ殿は何故神竜様と共に戦っているのだ?差し支えなければ教えてもらいたいのだが」

 

 ナイスディアマンド。気が利く男。彼のその問いに、ユナカは指輪を探し際に嘘をついたのでその罰として、ジャンは医者として戦いながら治す力を得るために、アンナは家族を探すついでに、そしてあなたは迷惑だったからと答えました。

 

「迷惑だから?」

 

――平和な日常を過ごしたいのに変な化け物はやってくるわどこ行っても怯えてるわで迷惑していたんです。そして目の前にその元凶を倒しに行く団体が表れたのでその迷惑ものを倒しに行こうと。私はそこそこ強いですし知った以上待ってるだけというのはちょっと嫌だったので。

 

 具体的にいうとフィレネの風車村でうんたらかんたらな出会いをしてこの団体で実際世界救えるかわからんのよな邪竜の章なんて並行世界あるし、という感じで同行したのが始まりでした。事情を知っておいて終わるまで怯えたままというのが気持ち悪かったのもあります。あなたの参加した事情をあまり知らなかった者たちはほーん的な感情であなたを見てきました。そんなときです、なんか気品ある服を着た先ほどの偉そうな感じの人がディアマンドへ話しかけてきました。

 偉い感じの人、劇団の支配人はディアマンドとそれなりに仲が良い感じで昔から交流あるそうです。彼はディアマンドへともにいる赤と青の髪の女性が神竜である噂の真偽を確かめた後ディアマンドに次のようにお願いをしました。曰くイルシオンと戦争中だし邪竜は復活して化け物は出るわで民衆はそれなりに困って怯えている。そんなとき本物の神竜様が現れたと聞き、神竜リュールが主人公の英雄譚の劇をやって街に生きる人々を元気づけたいので、リュールと見事な悪役を演じたあなたに協力してほしいとのこと。ちなみにあなたが選ばれた理由は怒りさえ抱かせる悪役の演技力と悪魔のような発想力らしい。ついでにユナカも演技力高いので推しておいた。

 実は作られた人間だった、人間ではなかった、といった残酷で無惨な展開現代ではよくある設定ですが、このような時代にはあまりないものらしくその悪魔じみた発想を貸してもらって台本を書きたいのだとか。問題としてそんなことをする時間があるのかという話ですがなんかあるので問題ないのです。偵察とか襲撃とか進撃に足踏みそろえるとか補給とかうんたらかんたら。ゲームの支援会話もそんなこと考えてないと思うよ。

 

「私は構いませんディアマンド王子。母さんも私が目覚める前は世界を見守り世界の平和のために尽くしたと聞いています。母さんならばきっと民たちを安心させるために行動したでしょうから」

 

 ですから頑張りましょうねっ!とあなたの方を向いてリュールは言います。もうこれは完全にアレです。普段おとなしいやつがはっちゃけると面白いので見てみたいとかいうアレみたいなものです。国家案件なお仕事でもあるので断れるはずもありません。あなたはとりあえずどうしようかなと考えるのでした。




邪竜の章やらなきゃ……てか井戸からいけるのね。この主人公調味料とか入れちゃったよ。
あと神竜呼び出しされたあのリトス城に襲撃かけてきたっぽい黒フードのやつあれモデルからしてあいつだよね???
それでは今回もありがとうございました


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日常24

誤字報告ありがとうございます。
調子がズタボロボンボンだったので初投稿です。
邪竜の章3章までやりました。結構本軸と別人感が出たので殴るのに罪悪感なしっ!でやれたので気が楽でした。特に邪竜セリーヌ。
ただし邪竜ディアマンドお前休めマジで。聖魔のリオンみある。
あとですね、みなさんの名前の横についているその、アイコンマークがですね、なんであるんでしょうね。うん。


「これが人間のやることかぁーーーーーッ!!!」

 

激怒したアルフレッドの声がソラネルに響いた。

 

 

 あなたはソラネルの自室に戻ってネタを考えていました。ネタを考えるといわれても悪役が行いそうな悪行のシーンを書き、それをプロの脚本家に見せて脚本の参考にして英雄譚の劇の脚本にするという形です。今回は英雄譚、つまりは勧善懲悪モノでありわかりやすい悪が良いかもしれません。ですがそれで本当に良いのでしょうか。これは国家案件でもあり転生者特有に持っているあなたの知識の展開をそのまま書いてそれで満足してくれるでしょうか。好きに書くときは特に何も考えず書き散らすことができるのですが、それが仕事となると本当に考えたものが正しいのかわからず途中までかけたとしてもネタそのものが良いかわからず没にしてしまいます。ここは一度書くのをやめてソラネルを適当に回ってリラックスしようとあなたは外に出ました。

 

 

 リラックスするついでにあなたは首領パッチソードを作るために色々と物をいれた井戸に立ち寄ることにしました。何気に邪竜の章公開の際にその章への入り口となっていることが判明した異世界とつながる不思議な井戸に色々と物をぶち込んでいますがきっと大丈夫でしょう。武器をいれたら書物が出てきたりするので調味料ごとき入れたところで問題はないはずです。実際来てみるとなんか変なオーラが井戸から出ています。水をくむ要領で井戸のロープを引っ張ると数々のものが飛び出してきました。チョコレートの剣ことビターブレードと……、やりました!首領パッチソードです!あなたの思い付きは見事成功しました!それなりに強いよ、とソラネルシステムが教えてくれています。今度は魔剣ダイコンブレードも作ってみましょう。

 

 

 それはそれとしてビターブレードです。食べられる武器ではありますがこれで敵兵を切ったりして感染症等の心配はないのだろうかと考えたものの、特に問題ないとシステムが教えてくれます。そして正直気になっているのはその味。実際チョコレートの味がするのかものすごく気になります。それもそのはずこの世界にチョコレート的なものはありません。つまりは前世以来のチョコレートなのです。食べたくて仕方がありません。あなたの元日本人的な、これとりあえず食ってみるか魂があなたを武器を食べるという奇行へと走らせました。……チョコレートです!なんか、こう、チョコレートでした。味と舌触りとかがチョコレートでした。すごいすごくチョコレートでした。あなたは前世以来味わうチョコレートの味をかみしめていました。

 

―その時、不思議なことが起こった!

 

 異界の井戸より現れたビターブレードを食べたことによってあなたの脳細胞が活性化し創作意欲がわくようになった気がするのだ!

 ふとひらめいた!これはネタ作りに役立てるかもしれない!あなたは一目散に部屋に戻りました。

 

 何をしていたのでしょう。そもそもやり方が間違えていたのです。最初から100%のものを作ろうとするからうまくいかないのです。たとえ80%であろうと50%であろうとまずは作ってみるのです。そのあとに足りない部分を補完してやれば100%へ近づき良いものができるのです。あなたが前世で行っていた仕事のやり方をすっかりと忘れていました。とりあえず枠組み作っとけ、書きたいところだけを書けを実践するのです。

 

 

……………………………

 

 

 できました!あなたはなんかいい感じにやり遂げたのです!没案と書かれたノート的なものに最初の案は間違えて書いてしまいましたが次のネタからはちゃんとしたネタ帳と書かれたほうに書いたので問題ないでしょう。あなたさえ覚えていればよいのです。ましてやだれかが捨ててしまうなんてことをする人は誰もいないのでセーフですセーフ!おっとアンナさんネットワークから呼び寄せた珈琲がなくなってしまいました。アンナさんにもらいに行きましょう。あなたはなぜか没案と書かれたノートを抱いて持っていき、帰ってきたときはそれを持っていなかったのですがそれに気づくことはありませんでした。

 

 

「あ、セリーヌ王女。いらっしゃーい!」

 

「こんにちはアンナさん。今日も素敵な日ね。あら?それも売り物なの?」

 

「えっ?…ぼつあん?……あっこれ、きっと”――”が持ってたものだわ。お買い物の時に置いて帰っちゃったのね」

 

「なら、私が返しておくわ。あとその紅茶をくださる?」

 

「ありがとうございまーす!お願いねー!」

 

 セリーヌは没案と書かれたノート的なものを見て気になっていました。悪魔的と呼ばれた発想の持ち主である”――”が出した没案とは一体何なのだろうと。とはいえ勝手に見るのは王女としてはしたないことです。リュールの件はあえて漏らしましたが。年頃の乙女は恋バナには勝てなかったのです。と、そこで思い出しました。没案くらいならみんなにも見せますよ意見聞きたいですし、と”ーー”が言っていたことを。

 

「(彼もああ言っていた事だし……少し見てしまいましょうか)」

 

 パラパラとめくっていくと没案と書かれただけあって途中では書いて線で×印をされていたり、書いたのはいいものの世界観にはあっていないようで?マークをつけられたものなどそれなりにありました。

 

「(物語を考えるのってやっぱり大変なのね……あの場では作られた人間なんて言っていたけれど)」

 

 読み続けているとそこから比較的綺麗な文字で書かれていることに気が付きます。セリーヌはあら?と困惑しながらも興味の方が勝ってしまったのかその先を読み進めます。すると

 

 ”設定:心優しき王女。だが優しさは弱さと考えているところもある。平和のためならばどんな残酷な手段をとることに一切の躊躇がないところも。”

 

 セリーヌはまるで自分のことが書かれたかのような気持ちになりました。一体自分のような人間をもとにどんなことが書かれているのか、それに興味を持ってしまいその続きを読んでしまったのです。

 

 

 

 とある世界。邪教徒との戦乱が開かれており、なんやかんやでそれは世界中に広がっていた。そんな中平和を愛する国の王女は非常に困っていた。父は死に、母である王女は行方不明となり他国とも協力してはいるものの明確な光明は見えずそれなりに疲弊していた。そんな中邪教徒がひそかに王女の近くに現れ秘密裏に交渉が始まる。その内容は平和を愛する国の平和を保障する代わりに同盟を結んでいる他国の人間を邪教徒の信仰する邪竜の食料として差し出せというものだった。戦況は変わらず光明は見えず、しかし悪くなる一方ではあるが状況を打開できる可能性がないわけでもない。

 

 だが王女は確実で最も残酷な方法をとった。隣国の人間をすべて切り捨て食料として差し出したのである。そこに躊躇などなかった。覚悟があった。自分はこの国を必ず守ると。そのためならばどんな鬼となろうとも、と。交渉は成立し、しばらくしてその国には平和が訪れた。民たちは日常へと戻り戦うことなどなくなった。戦前と変わらない穏やかで安らかな日々が戻ってきたのだ。自分はやり切った、弱さを切り捨て自国を平和へと導いたのだという自負があった。

 

 そんな時だった。ある日神竜を名乗る一行が城へ入り込んできた。神竜たちは自分たちを悪魔を見るかのような目でにらみつけて己を糾弾してくるではないか。黙れ、貴様らに何がわかる、私はこの国の王女。この国の平和を守るという責務がある。ほかの国の人間がどうなろうが知ったことか。そのためならば鬼になろうと。その平和を乱す貴様らこそが悪魔だ、と。その言葉に対して神竜はこう返した。優しさを捨て自国の人間さえ食らったお前が真の悪魔だ!と。

 

 何を言っているのだこの馬鹿どもは。愛する我が民を食べたなどと意味不明なことを宣い、ましてや弱さである優しさを捨てたなどとなんともみっともないことをいう。優しさなどもったところで平和は訪れない。神竜様を名乗っておきながら弱さを堂々と主張するなどなんて惨めな生き物なのだろう。憤慨した。私自らが引導を渡してやると。そう剣を取った時だった。

 あの邪教徒が現れたのだ。そしてこういった。ククク、バレたか、と。

 ……何を言っている?そう言うと同時に己の手が、口周りが濡れていることに気が付いた。ついているのは赤い液体、血だった。邪教徒は言う。

 

「それは貴様が提供してくれた隣国の民を食料に加工したものだ。ほら、貴様が食べたものだよ」

 

 邪教徒は術をかけて王女をだましていたのだ。こんなものを食べさせて……死ね!邪教徒!と王女は剣を振るうが邪教徒は避けながらさらに言葉を紡ぐ。

 

「あぁ、すまない。嘘をついた。隣国の民といったな?あれは嘘だよ。貴様が食っていたのは自国の民の加工品だ」

 

 王女は動きを止めます。何を言ったの?この者は。

 

「おかしいと思わなかったのか?何もかも戦前と変わらぬ日常に戻っていったことが。隣国の民を食料として差し出したというのに輸入輸出関係の貿易が狂い生活に影響が出るはずなのにその報告が上がってこなかったことが」

 

「貴様はなぁ、我々の術にはまったんだよ!あの交渉を良しとしたその瞬間から!」

 

「傑作だったよあの交渉を良しとしたときのお前の決断は!」

 

 王女は震えた声で、だましたというの……?といいますがそれは邪教徒を喜ばせるだった。

 

「騙した?食料となるのが他国の民じゃなくて自国の民だっただけだろうが」

 

 それが問題だ、そう言おうとした王女の言葉を遮り邪教徒が叫んだ。

 

「人の道を踏み外したのはお前の方だろぉがよォ!!!守りたかったんだよなぁ自国の民を?愛する民を!俺たちから!確実に!平和のために残酷な方法をとって!俺たちは一切強要なんてしてねぇのによぉ!!自国の民の平和のためならどんな残酷なことも躊躇なく行えるんだろ?それをお前が選んだってのになんで俺たちが責められなきゃならねぇんだよ!」

 

 王女は何も反論できない。ただ聞くしかできなかった。

 

「あとさぁ……お前優しさが弱さだって思ってるだろ?」

 

 ハッ、と王女は反応する。その反応を見て邪教徒はより笑みを深くした。

 

「これは傑作だなぁ!平和を愛する国の王女が!優しさを弱さと思っているだなんて!」

 

 それの何がいけないの、ともはや苦し紛れに吐かれた言葉に力はない。

 

「馬ッ鹿じゃねぇの!?その優しさがどんな意味を持ってるか本当にわかってねぇんだな!」

 

 邪教徒は急にスン…としずまると今までの乱暴な口調から落ち着いた丁寧な口調に戻して続きを言った。

 

「すまない、乱暴な言い方をしたな。……お前の思っている通り優しさが弱さというのは本当だ。だが同時に強さでもある。なぜそんなことが言えるかって?……お前は父親から、母親から何をもらった?」

 

 王女は父と母の記憶を呼び起こす。そして理解してしまったのだ、二人が自分にくれた多くのもの、それが……

 

「そうだ愛だ!優しさだよ!その優しさがお前を育てたのだ!お前の父と母は平和を愛していた!だから争いによる解決を望まず対話による解決を求めてこの平和を愛する国はここまで来たのだろう!それをお前は弱さだといった!つまりは!お前が父から!母から!友人から!付き人から!騎士から!民から!もらったものを全て否定したのだ!!!」

 

 王女の瞳が絶望に満ちる。

 

「優しさは弱さでもある。だがそれでもと!それでもと人類は優しさを求めてきた!誰かが幸せになりますようにと!貧困に喘ぐことがありませんようにと!暴力に虐げられることのないようにと!だれかがそう思ってほんのひとかけらの弱く儚い想いを紡いできた!たとえ明日死ぬとしてもほんのひとかけらの優しさがその人の救いになることもあるように!それがない世界は嫌であると!それは人の心の光を大切にしない世界が何にもならないことを知っていたからだ!だというのに!貴様は!それを弱さと塵芥のように捨て去った!」

 

 王女は自身の所業の重さを思い知った。だがそれはあまりにも遅すぎた。

 

「だが安心しろ。私は優しい私は清い私は慈悲深い。罪の償いをさせてやろう」

 

 パチンと邪教徒が指を鳴らすとそこには行方不明だった王女の遺体が現れた。お母様とつぶやかれる声はあまりにもか細い。

 

「今まで国民を食してきたのだ。新しいものを食わねば生きていけんよなぁ?」

 

 王女の体の自由は邪教徒の術によりすべて邪教徒の思い通りに動く。そう、実の母親を食べることに。

 

”嫌っ!いやぁ!いやあぁ!やめて!やめてぇえ!!お母様!お母様ぁぁあ!”

 

 王女の悲鳴とは裏腹に両手は母親へと近づいていきその肉へ歯を突き立て、かみちぎっていく。くちゃくちゃとした人の肉を咀嚼する際に出る音が響き、血が王女の顔と体を汚していく。やがて肉の部分を食い終えると骨へと差し掛かる。固いものを食べる際に発せられる特徴的が音が響きながらも、叫びをあげていた王女は食べることをやめられない。術によって狂うこともできず美味しいと感じる自分自身に絶望しながらも食べることに嫌悪感を覚えながらも快楽を感じる王女がそこにいた。

 

”コロシテ……美味シイ…コロシテ…コロシテ…美味シイ……”

 

 

 

 

 ……的な感じのことがそれなりに詳しく書かれておりそれを読んだセリーヌはもうすでに限界でした。設定の王女がまるで自分の様だと思ってしまい感情移入してしまったことが悪かったのです。胃からせりあがってくるものを止めることができませんでした。

 

「うっ……うぇえぇぇえ………げほッ、げほっげほっ……!!」

 

 顔を真っ青にして胃の中のものを吐き出しせき込み、その場に倒れこむことこそしませんでしたが傍から見て明らかに異常であるとわかる状態でした。

 

「セリーヌ!?どうしたんだ!セリーヌ!しっかりするんだ!!」

 

 近くにいたアルフレッド隊がセリーヌの異常を見て急いで駆け付けます。アルフレッドが背中をさすり、エーティエが手を握りながら呼びかけ、ブシュロンが拭くものを持ってくるといって急いで離れていきました。

 

「いったい何が……ん?これは本?魔術のようなものではない、普通の書物だな」

 

「アルフレッド様、セリーヌ様のお着換えなどはあたくしが」

 

「あぁ、すまない。没案?セリーヌはこれを読んだのか……?」

 

 ひとまずアルフレッドはセリーヌのことを親友のエーティエに任せて没案と書かれたノート的なもの、さきほどセリーヌが読んだ内容を読み始めるとだんだんとその顔が憤怒へと染まっていき、邪教徒のあまりの邪悪さに気が付けば彼は叫んでしまっていました。

 

「これが人間のやることかぁーーーーーッ!!!」

 




書いておいてなんだけどなんだかすごいことになっちゃったぞ
自分のやった残酷な所業を正当化するような奴に因果応報な結末を与える展開は好きなんだけど
なんで俺推しにこんな目に合わせてるんだろう。
首領パッチソード 威力9くらい 重さ、そこそこ 技x2倍%で相手の一手を無効化する(その敵との初戦闘のみ


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日常25

誤字報告ありがとうございます。
邪竜の章クリアしたので初投稿です。
良かったです。(ネタバレ回避)アイコンマークはあれでしたわ。うん。
ソンブル害悪すぎる
それはそれとしてうまくかけた自信がないのでおかしいと思ったところがあったら感想欄でズバッと指摘しちゃってください
それでは暇つぶしに
どうぞ


 あなたがアルフレッドの叫びを聞いて現場に駆け付け憤怒の感情を隠さないアルフレッドに胸ぐらをつかまれ、どうしてあんなことを書いた!答えろ!と問い詰められますが状況を把握していないあなたには何を言っているのかさっぱりわかりません。拭くもの等を持ってきたブシュロンやアルフレッドの叫びを聞いた者たちがぞろぞろと現れ始めました。

 

「ブシュロン、クロエ、ルイ、任せますわ。……アルフレッド様!落ち着いてくださいませ!そのような状態では話せることもお話しできませんわ!」

 

「ッ……!すまないエーティエ」

 

 何が起こっているのか把握しきれていないあなたにはどういったことが起きたのか確定できません。ですがセリーヌが異常な状態であること、アルフレッドがあなたの探していた没案ノートを持っていることからあなたが関係しているようなことは推測できます。あなたはアルフレッドにその没案のノート、自分が関係してこうなっているのかと尋ねます。

 

「あぁ。詳しいことはわかっていないが、おそらくね」

 

 セリーヌがあのようなことになった怒りを抑えながらも、何が起こったのかを知るために比較的冷静な姿勢でアルフレッドは言葉を返します。

 

「アルフレッド!どうしたのですか!?……っ!セリーヌ!?いったい何が……」

 

 リュールもソラネルにいたのでしょう。この事態に駆け付けてきました。アルフレッドが自分も把握しきれていないと返すとあなたは自分も同じくきちんとしたことは把握できていないが自分の書いた物語ネタが影響している可能性はある、と返します。リュールは一体何を書いたのですかとあなたに尋ねます。あなたは残虐な物語をとにかく閃いたので半ば勢いで書いたが過ちを犯して貶められて利用される話で特定の個人や国家を誹謗中傷するといった処刑沙汰になるようなことは書いていないはずと答えます。

 

「……確かに内容は腸が煮えくりかえったがその通りだったし、今までの君の人となりを見てそのようなことをする人だとは思ってはいない。だが、セリーヌはあんな状態になった。そのことをきちんと知るまでは僕は納得できそうにない。詳しく話してくれるね?”――”」

 

「そうですね。しかし騒ぎが大きくなりすぎました。ソラネルにいないものたちが知らないというのも不公平です。いったん、セリーヌの回復を待ってみんなをソラネルに集めて話し合いをしましょう。構いませんか」

 

 あなたはわかりました、と沈んだ声で答えるのでした。

 

 

 

 

 

 そんなこんなでセリーヌが回復しソラネルの都合のいいクソデカな部屋ににみんなが集まってあなたにとっては実質裁判のような話し合いが始まりました。司会進行はどの勢力にも肩入れしていないリュールが務めることになりました。それなりに聞き取り調査をしリュールがまとめます。

 

「それではみなさんから聞き取った内容から事の順序を確認します。”――”は国家案件ともいえるブロディア劇場で開かれる私が主役の英雄譚の劇の台本のお手伝いとして悪魔的な発想を貸すためにその案をその書物に書いた。この際、案の1つを間違えて没案の方に書いてしまった。そして誤ってアンナさんのお店に珈琲を買う際にもっていってしまい忘れた。それを紅茶を買いに来たセリーヌが忘れ物として持っていく際に中身を読んでしまいその内容について嫌悪感のようなものを感じてあの状態になった。これで間違いはありませんか?」

 

 該当するあなたたちはそれに肯定しました。

 

「”――”あなたは特定の個人や国家を誹謗中傷するような内容を書いたつもりはないといいましたね?今回はブロディア王国での国家案件のもと書いたのは承知の上ですがあのような内容にしたのは何故か教えていただけますか?」

 

 ――私は残酷な行為を行うのに一切の躊躇がないという行為に対してあまりにも躊躇がなく度が過ぎてしまい罰が与えられる、といったような因果応報系のものを好みます。ゆえにそれをもとに物語を描き上げました。王女の設定も心優しい王女という設定では躊躇なく残虐な行為を行えないと思い、優しさを弱さと思っているという設定にした次第です。また、内容はのちに推敲する予定でした。そして改めて申し上げますとこの物語を書いた目的として特定の個人や国家を誹謗中傷する意図はありません。ですが結果的にセリーヌ王女をあそこまで追い詰めてしまったことは大変申し訳なく思っております。……場合によっては極刑もお受けします。

 

 そうです。あなたはセリーヌの性格を知っています。設定の王女の性格がセリーヌ王女とほぼそっくりなのです。それに気が付いたのは話し合いが始まる前でした。勢いで書いてしまったとはいえセリーヌが心優しくも優しさを弱さと思っている面があり、王族として残酷な選択をも行う覚悟を持っていることもしっているのです。セリーヌがあの内容を行うとは思ってはいませんがセリーヌにとっては自分がやったかのような気持ちで読んでしまった可能性があります。あなたの心の中は罪悪感で満ち溢れていました。

 

「事故ですな」

 

 ですがヴァンドレが言いきります。

 

「私めも内容を読ませていただきました。確かに吐き気を催すものでしたが”――”が言った通り王女が過ちを犯し、貶められるという悲劇の流れとしてありきたりなものです。数々のおとぎ話でも平和な国で事件が起きる、心優しきものが裏切られる、よくある展開です。たとえそのものの性格等が誰かに似ていたとはいえ、この世には数え切れぬほどの人間がいます。以前”――”が急遽出演したあの劇の主人公は清廉潔白で高潔な人物でまるでディアマンド王子の様でした。しかし、それをディアマンド王子と言いかの登場人物に訪れた不幸がディアマンド王子にかかったものでディアマンド王子を侮辱している、という者がいたとして誰も耳を貸さないでしょう。かの登場人物は架空の人物なのですから」

 

「フィレネの皆さんはどう思いますか」

 

 アルフレッド、フィレネの王族とその臣下らも特に異論はないようでした。

 

「そうだね。不幸な事故だったんだ。セリーヌがあんな状態になっていたとはいえ掴みかかってしまい申し訳なかった”――”。セリーヌ、君も問題はないかな」

 

 ただ一人セリーヌを除いて。アルフレッドがセリーヌに確認を取りますが何の言葉も返しません。すると震えた声でセリーヌが言いました。

 

「フィレネの者と神竜様と”――”だけ残ってくれるかしら……。お話したいことがあるの。申し訳ないけど他の者にはお話できないわ……」

 

 基本何が起こりどうしてなったかという大筋は理解し共有できたため該当者以外は部屋を出て解散となりました。

 そして最後の一人が出て行ってから何分かの静寂の後セリーヌが口を開きました。

 

「…神竜様はご存じでしょうが私はあの設定の王女と同じく優しさを弱さだと思っているところがあります。平和のためなら剣を取らなければならないこともある、そしてフィレネのためならばどんなこともする気もある。だからでしょうね、設定の王女がまるで自分のことのように思えてしまって、彼女に自分を当てはめて感情移入しながら読んでいたの。…だからこそ恐ろしかった。隣国の民であろうとも人間を食料として敵側に提供するなんて人間のすることじゃない……。…………でも最も恐ろしいと感じたのは……自分が、自分が、それを行うのではないかということ……!フィレネを守るためならどんな残酷な手段をもとることに躊躇しない。けど。躊躇もなくあんなことをするなんて……あんなにも…あんなにも…」

 

「恐ろしいことだなんて……知らなかった………!!」

 

 おそらくセリーヌは気づかなかったかもしれません。あの王女の最期をあなたが書いて読まなければ。その危うさに。

 

「なにが優しさは弱さよ……なんて愚かだったの……亡くなったお父様やお母様、お兄様、エーティエ、ブシュロン、クロエ、ルイ、メイドの人たち、兵たち、そして民たち……今のフィレネを作り上げたのはどんな背景があろうとも優しさがあったからじゃない……!何が平和を愛するフィレネの王女よ…!戦がなくとも貧しさに喘ぐことも暴力に打ちのめされることもある……それでも穏やかに生きていけるのは優しさがあるからじゃない!そんなこともわからずに…なんて、なんて愚か…。みんなから貰ったたくさんのものを弱さなどと思って…もはや王女ですら……いえ…人間ですらないわ………」

 

 もはやセリーヌは存在全てを否定されたも同然です。自分の考えていた事やするかもしれないことのすべてを否定されてしまったのです。

 

「セリーヌ!そんなことをいうものじゃない!」

 

「そんなことありませんわ!セリーヌ!」

 

 アルフレッドとエーティエがフォローしますがセリーヌには届きません。

 

「……ねぇ、”ーー”。推敲する予定と聞いたけれどどうする予定だったの……?」

 

 ふとセリーヌがあなたの名前を呼び推敲の内容を尋ねてきました。あの内容からどんな推敲をするのか単純に気になったのか、またはほかにも何か感じたのを答え合わせしたいのか、それはわかりませんがあなたはやろうとしていたことを述べます。

 

――バランスが悪くなったので最初は書きませんでしたが、覚悟について書き加えるところでした。覚悟という言葉は、あらゆる事柄の免罪符となりうる。特に人間は正しいと思ったことは、誰かのためということにはどこまでも残酷になれる。何かのため、誰かのためというのは「最高の言い訳」である。だからと言って何をしても構わないということにはならない。綺麗事だけで世の中は回らないがそれは必ず覚えておかねばならない、ということを邪教徒に言わせる予定でした。

 

 そうです。それがあなたが数十年間現代で生きてきて手に入れた持論です。あなたは幼き頃、物語等の展開において家族のためなら、という言い訳に対してすべて仕方がないと考えていました。なぜならそういった雰囲気で流されるものが多かったからです。しかしやがてそれらが糾弾される媒体に接触した際に何故糾弾されるのか?と考えるようになりました。そして年を取るにつれようやく答えを手に入れました。

 教養というものが、よく学校で「~なんて将来使わないよ」というものを勉強するのは己の価値観と思考する能力の下地を作るために存在したと考えられるようになったこと。年を取ってよかったと思える大きなことの一つです。

 

「……そう。そうよね……。最もだわ。……本当に私って愚か……」

 

 だれも、だれもセリーヌに何も言えませんでした。

 

「セリーヌはそんなことをしませんよ」

 

 しかしリュールは言います。彼女が助けを求めているならリュールはその手を差し伸べます。

 

「私はセリーヌのすべてを知っているわけではありません。アルフレッドのように幼いころからずっといたわけでもありません。それでもあえて言わせてください。セリーヌはそんな選択をしません。だってあなたは心を痛めることができるじゃありませんか」

 

 それは神竜としてだけではありません。短いながらもセリーヌと接しその優しさを知ったからです。

 

「お話の王女は心を痛めることがなかったからあのような結末に至ったのです。あれを強さというのならば、何も感じない心を強さというのなら、私はそれを否定します」

 

 そうです。セリーヌは何も感じない心を持っているわけではありません。ですがいったん感じてしまった不安というものはなかなかぬぐえないものです。

 

「……でも、私は…………あんなことをしてしまうかもしれない。その考えが頭から離れないの……」

 

 なまじ自分と似た性格で自分もそういった決断をすることを覚悟していたために、大きな不安と恐怖にセリーヌは包まれています。

 

「なら僕達が支える」

 

 力強い声がアルフレッドから発せられます。そしてその目からも一人の兄としての覚悟を感じられる力強さがありました。少しでも愛する妹の不安と恐怖を払わんとする強さを。

 

「僕達がセリーヌを支えるよ。……セリーヌ、幼いころから体が弱かった僕を支えるためにたくさん頑張ってくれたね。なのに僕はセリーヌの心に気付けなかった。情けない兄で済まない……!」

 

「そんな、お兄様は……」

 

「あたくしもですわセリーヌ。あなたの一番の親友としてあたくしも気づけなかった。同罪ですわ」

 

「俺もアルフレッド様のことばかり……。アルフレッド様の臣下でありながらもあなたのご友人でもあるというのに……」

 

「私もですセリーヌ様。御伽噺のように美しい方と、ずっとそのような目で見てきて主の悩みすら気づけぬなど……申し訳ありません」

 

「私もですよ。本当に……臣下失格です」

 

「エーティエ、ブシュロン、クロエ、ルイ!そんな……!」

 

 アルフレッドが、エーティエが、ブシュロンが、クロエが、ルイが気付けなかったことを謝罪します。そばにいながらも知っていなければならなかったというのに知ることができなかったその後悔はとても深いものでしょう。

 

「”ーー”。あなたから見たセリーヌはあなたの書いた物語のようなことをするような人に思えますか?」

 

 リュールがあなたに問いかけます。あなたは、物語を書いたものとして答えなければならない責任があると感じました。これでもセリーヌ推しのあなたです。答える言葉は持っています。

 

――正直思いたくないのが本音です。セリーヌ王女のことは純粋に好きですから。……それでも、やらないとは思います。

 

 この世界であなたはセリーヌ王女と深く話してはいません。贈ってあげられる言葉も大して持ってはいません。それでも健やかに生きていってほしいと思うのは間違いではないはずです。

 

――セリーヌ王女。人は鬼にならねばならぬ時があるかもしれません。ですが、それでも……、…受け売りの言葉ですがこの言葉を送らせてください。「優しさを失わないでくれ。弱いものをいたわり、互いに助け合い、どこの国のものとも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえそれが何百回裏切られようとも」

 

 あなたは受け売りの言葉ですが言葉を述べました。あなたが口下手であるというのもありますが本当にほしい言葉をあげるのは自分ではないと思っているからです。そのほしい言葉をあげる者たちは……

 

「セリーヌ、僕たちが君を支える。あのようなことにならないように、君を」

 

「あたくしも支えます。たとえ最悪の状態になったとしても親友のあなたを」

 

「俺も友人として、貴女を支えます」

 

「貴女の騎士としてくれた貴女を今度こそ支えます」

 

「もはや過ちを繰り返したりはしません。支えせていただきます」

 

 アルフレッドたちは、フィレネの元に集いし者たちは気づけなかった己を恥じながらも優しさを持つ王女を支えるとここで宣言しました。

 とても長く感じられる静寂の中、セリーヌから言葉が発せられます。

 

「……正直、まだ優しさを弱さととらえてるところはあるの……」

 

「とても不安なの……怖くて仕方がない……でも、でも」

 

「……ありがとう………!!」

 

 セリーヌは涙を流しながらもようやく笑顔を見せたのだった。




※8章開始前
セリーヌって覚悟ガンギマリとか言われてるけどそういうとこが危うい雰囲気感じるから支えてあげる人いないとダメかなって。解釈違いかもしれないけど。

おまけ
リュールが女で、”――”がこの世に存在するとなんやかんやでフィレネの風車町であって恋愛クソ雑魚リュールちゃんルートになる。
リュールが男で”――”がこの世に存在するとフィレネの風車町でセリーヌ王女とそれなりな運命的っぽい出会いをして恋愛クソ雑魚セリーヌちゃんルートになる。


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日常26

誤字報告ありがとうございます。
FE好きだけど積みゲーがおおい友人をこの小説を本編クリア後に紹介してエンゲージに引き込めました。
やったぜ。
でも友人は活字アレルギーだそうなので1話読むのに10分かかるのだとか。
今回はセリーヌの軍の中で一番〇〇なところが出来てるかちょい不安。
それでは今回も暇つぶしに
どうぞ



 あのフィレネ陣営の感動的な場面の後、そっと止めて引いてGetWildを脳内で流しつつ、そこそこの靴で床を傷つけながらクソデカ部屋を後にしました。そして同じように出てきたリュールがとことことあなたのそばにやってきました。

 

「大変なことになりましたけどなんとかなりましたね」

 

――ええ。ですがあの様子ならばセリーヌ王女は大丈夫でしょう。鬼にならねばならないときが来たとしてもみんなから貰ってできた優しさが人の心を取り戻させてくれます。過ちは起きませんよ。

 

 あなたはセリーヌ推しということもあって彼女のことが心配でした。優しい心を持ちながらもそれを弱さと思ってしまっていること。そしてフィレネのためならばどんな残酷なことをし、どれほど残酷であろうとも躊躇なく行えるといってしまえること。あなたにはそれが非常に危うく感じられていたのです。何か大きな過ちを過ちを思わずに行ってしまい恐ろしいものになり果てるような感じがあると。その不安も今回の騒動でどうにかなりました。優しさを弱さととらえてしまっていることは本編でもなかったので、今回それを共有し共に支えあう関係が構築されたことで彼女はたとえ鬼になったとしても人の心を失わず感じる心を持ち続けることができるでしょう。まぁ今回の騒動の責任の一端はあなたにもあるのですが。

 

「覚悟……ですか」

 

 ぼそりとリュールが何か言った用が気がします。どうかしましたかと聞く前にリュールが口を開きました。

 

「それにしても、あなたが極刑をも受け入れるといったとき私がどんな気持ちだったと思いますか?」

 

――えっ。

 

「どんな気持ちだったと思いますか?」

 

 大事なことなので2度言われました。そうです。あなたの命がけの進言はこれで3度目です。1度目はスタルーク王子らに対する首を出せ、2度目はモリオン王に対する意見申し立て、そして今回のセリーヌ王女誹謗中傷疑惑事件。リュールを心配させること3回、今回は事故だったおかげか怒髪天を衝くようなことはないもののあきれた様子を隠しきれていません。

 

――あの、あぁー……すみません神竜様。

 

「本当です。今回は事故で誹謗中傷の意図も事実もなかったからよかったというのに、いつも無茶をして。私の身にもなってください」

 

 怒ってはいますがぷっくりとかわいらしさを残して起こっているリュールに対してあなたは無茶はしていないんだけど、とはさすがに言えず申し訳ありませんとただ謝ることしかできませんでした。

 

「あと、話は変わりますが純粋に好きとはどういうことですか?」

 

 おや?どうやらリュールはあなたがセリーヌに好きと言ったことが気になるようです。ちょっと不思議です。ゴルドマリーとの支援会話では好きですか?という質問に対して私も好きですよと返していたのでそういったことを聞いてくるとは思いませんでした。ここは無難に返しましょう。

 

――そのままの意味ですよ。純粋にあなたが好きですという意味です。

 

「その純粋に好き、というのがひっかかります。好きではだめなのですか?」

 

――異性としてではなく人として好きです。という意味で使ったんですよ。

 

「……?強調する必要があるのですか?」

 

――基本的に好きというのは恋愛的な意味、異性としての意味で使われることが多いので。

 

 なるほど、と納得したリュール。純粋だなぁとあなたがほっこりしていると急にリュールが質問してきました。

 

「”――”はセリーヌのことが好きなんですか?」

 

――好きですね。

 

 静寂。リュールはゆらりゆらりと頭を動かしています。どうしたのでしょう。

 

「”――”は私のことは好きですか?」

 

 これまた急に自分のことが好きかどうか聞いてきました。驚きますが答えは決まっています。

 

――えっ?まぁ、好きですよ。

 

「人として?」

 

――人として。

 

「好きなんですか?」

 

――好きなんです。

 

 リュールは何がしたいのでしょう。あなたとしてはゲームのやり取りの一部のようなことができてうれしかったりしますが真意は全く分かりません。今リュールの頭の中では人としての好きと異性としての好きの違いを見つける恋愛授業が開かれているのでしょうか。

 

「ふふふっ」

 

 急に笑い出します。何がなんやらわかりません。さすがにわからないのでどうしたのかあなたは聞いてみます。

 

「なんでもありません。それでは今日はお疲れさまでした。退室した皆からは司会役の私が上手く話しておきますからあなたは休んでください」

 

 自分より上の立場であるリュールにそのようなことをさせるのはどうかと思いますが事態の中で中立であったものからの報告の方が良いでしょう。色々話して収まったよ程度の報告でしょうから。あなたはわかりましたと返すとその場を後にしました。

 

 

 

 

 うんぬんかんぬんで次の日。なんやかんやでフィレネ御一行と遭遇しました。

 

「やぁおはよう”――”!」

 

「あっ、ごきげんよう。”――”少しお話してもよろしいかしら?」

 

 アルフレッド王子の元気な挨拶とセリーヌの控えめな挨拶です。どことなくセリーヌの声のトーンが少し上がっている気がしますが昨日のことが影響でしょう。もちろんあなたの返事は了承です。

 

「ありがとう。改めまして。……先日はお騒がせしましたことをフィレネ王女セリーヌの名のもとにお詫び申し上げます。そして同じくフィレネ王女セリーヌの名のもとにあなたに感謝申し上げます」

 

 暖かな感情が乗った簡易的な感謝の言葉の後に凛とした王女の雰囲気をまといあなたに謝罪と感謝の意を伝えてきました。あなたは目を開きながらもすぐに口下手ながらもその言葉に答えます

 

――あっ、いえ。セリーヌ様、もとは私が忘れたのが原因であのような事態となったのです。悪いのは私ですのでどうかお気になさらず。

 

「でしたらそれを事前の許しが出ていたとしても勝手に見て勝手に苦しんでそれに皆を巻き込んだのは私です。その謝罪はきちんとしないといけません。フィレネの王女としての謝罪、どうか受け取っていただけると幸いです」

 

 全くの正論に対しあなたは反論する言葉を持ちません。仕方ないので論点をずらしてなんとかしましょう。

 

――で、では感謝の点につきましては私こそ受け取れるはずがありません。あの時あなたをお救いになったのは神竜様のお言葉とアルフレッド王子らとあなたの臣下の皆様方のはずです。私はあなたにかける言葉など受け売りの言葉しかありませんでした。

 

「それは違うわ」

 

「貴方の言葉だって私にしっかり届いていたの。正直なあなたの言葉、純粋に好きだからこそ信じたくて、それでもしないと思うと言ってくれた。断言ことしていなかったけれどあなたの目は信じてくれていた。私がしないと信じてくれた目をしていた。私との交流はたしかにそこまで深くない。でもあなたは信じてくれたの。私がお母様やお兄様やみんなからくれた大切なものを弱さと思っていたとしても信じてくれていたの。だって……あなたがくれた言葉がそう教えてくれたの」

 

――あの言葉?

 

「「優しさを失わないでくれ。弱いものをいたわり、互いに助け合い、どこの国の者達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえそれが何百回裏切られようとも」……とても響いたわ」

 

――それこそ受け売りの言葉です。私は本当に深く裏切られたことも、優しさを一度失ったわけでもありません。その言葉をもらう資格が、ありません。

 

「いいえ、たとえそうでなくても私は受け取ってほしいの。だってあなたは優しさを心から信じているじゃない」

 

 あなたはとっさに出た困惑の声と共に怪訝な表情を浮かべます。そんなに自分は優しさをそこまで信じていないのになぜそのように言えるのかという気持ちです。

 

「あの王女に向けた邪教徒の言葉、覚えているわ。優しさは弱さでもあるけれど人類は優しさを求めてきた。誰かが幸せになりますように、貧困に喘ぐことがありませんように、虐げられることがありませんように、弱く儚い想いを紡いできた。明日死ぬとしてもひとかけらのそれが救いとなることもあるように、それがない世界は嫌だと、人の心の光を大切にしない世界は嫌だと、……全部”――”が思っていることよね?そうじゃなきゃあんな言葉は、あんなに力強い字で書けないわ。心から書かれた言葉だって、わかるもの。たとえ理想論で綺麗事だとしてもあなたが信じていることでしょう?」

 

 あなたは言葉に詰まります。

 

――信じてはいますけど同時に信じてはいません。私自身その優しさを忘れてしまうことだって、誰かを自分の弱さで裏切ってしまうことだってあるかもしれない。そんなに立派でいられるほど強い人間でもなければ優しくなんてありません。

 

「いいえ優しいわ。そしてそう言うと言うには、優しくありたいと思っている」

 

――違います。本当に優しいのはセリーヌ王女です。深い関係ではないもののあなたの優しさを見ることがありました。そして思いました。あなたのような人が本当に優しい人であると。すぐに自分のことに目が言って優しい人でありたいがために人を傷つけてけてしまったことのある私があなたに優しいといわれる人間では……

 

 セリーヌはあなたへ近づいてあなたの手を両手で包んで胸元へと近づけます。

 

「ほら、優しくありたいといっているじゃない。”――”って素直じゃないところもあるのね。とても素敵で変わっていて面白い人。神竜様より早く知ってしまったわ。いえ、神竜様もご存じなのかしら?どちらにしろもっと早く知りたかったわ。……長くなってしまったわね。もう一度言わせて。”――”本当にありがとう。あなたのおかげで大切なことに気が付けた。みんなから貰った優しさが弱さなんかじゃないって気が付けた。私を思ってくれるお兄様や親友に友人に臣下がいてくれることも知ることができた。こんなに簡単だったのね。私もあなたが、好きよ」

 

 一瞬好きといわれてぎょっとしましたがすぐに持ち直します。セリーヌから言われた好きはあなたの純粋に好きという言葉に対する答えです。ですが周りはちょっとそれに懐疑的なようで目を見開いています。

 えっ?セリーヌ?えっえっ?まじで?セリーヌ様マジでございますの?セリーヌ様?なんて声が聞こえてくるようです。急いであなたはフォローを入れます。

 

――セ、セリーヌ様す、好きという言葉がそう言った意味でないのは分かってはおりまするがお言葉にはお気をつけたほうがよろしいと思われますがけど。

 

 あなたも慌ててしまい変な言葉になってしまいました。

 

「えっ?……きゃっ。あの、私ったら、ご、ごめんなさい。はしたなかったわ。ありがとう”――”」

 

 なんだか微妙な雰囲気が漂います。

 

「ところで”――”いいかな?」

 

 おっと性善説の化身ことアルフレッドがナイスフォローです。ぶっちゃけ性善説好きすぎて王族としてヤバそうな気もしますが。

 

「セリーヌが言った通り君のそういったところを僕も知りたいと思ってね。ほら、君は身分関係を気にして礼儀を重視するから僕達とはこう、間があるだろう?これを機に取っ払いたいと思うんだ」

 

 確かにあなたはこれまで貴族の方々とは一定の距離を置いて接していました。話す言葉だって敬語のままだったりします。

 

「構わないだろう?たしかに僕たちは身分としては上下関係があるかもしれない。だがこの軍にいる以上は仲間だ。よほどのことがない限り僕は対等の友人として接したい」

 

「というか、あなただけですわよ。もうそこまで身分を気にしているの」

 

「俺もそろそろ君と普通に話したいと思ってるんだよな」

 

「私もあなたとお話ししたいわ。新しい料理とかも興味あるし、珍味も少しは嗜めるのよね?」

 

「私もお話ししたいですねぇ。ゆっくりと」

 

 ここまで言われてしまっては多少は歩み寄るべきでしょう。とはいえどこぞの司祭のように「うぇーい!!!」となどとは口が裂けても言えません。なんであいつ言えるんだ。常識あるのに。

 

――そうですね。少しくらいは柔らかくしましょうか。いきなりは難しいので徐々になら、ということでおねがいしますね。

 

「あぁ。もちろんだとも。そして君に言ってなかったことがあるんだ。だからこの機会に言わせてもらおう」

 

 おや?いったい何でしょう

 

「”――”のあの物語読んで僕は思ったんだ」

 

 

 

 

 

「君は人の心がないね!」

 

――オイコラ

 




あぶねぇ!好きよのところ大好きって最初書いてしまった!あぶねぇ!
俺は負けねぇぞ!感想欄とか書いてる最中のなんかそういう雰囲気には負けねぇぞ!
この小説は恋愛クソ雑魚リュールちゃんだぞ!!!ほら!リュールちゃんポイントちょこちょこ貯めてるだろ!最初のところとか!
片方失恋する物語とか書く気一切ないですわ!推しが失恋するとこなんか書くわけないですわ!
ということで今回もありがとうございました。


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日常27

GWで楽しいゲームのセールやらないかな。
それでは今回も暇つぶしに
どうぞ


「うらやましいです」

 

 リュールはふてくされていた。原因はその場にいないあなたです。あなたがフィレネ御一行との壁がある程度取っ払われたことにより少し感情を出して話すことが多くなったのです。それに対してリュールにはいつもの堅苦しい感じのままです。本来それが正しくアルフレッドのように気さくに友人関係となり夜中に笛をピーヒャラピーヒャラ吹いたりするのが異端なのです。なのにここ最近のあなたとフィレネ一行の様子ときたら……

 

 

 

 

――革命!

 

 楽しく大富豪をやっていた。

 

「なんと!我がフィレネに革命を起こすとは。流石人の心がない”――”だ」

 

 あのアルフレッドの君には人の心がないという台詞から今度は神竜軍に「人の心がない」ブームが流行っていました。

 

「しかたありませんわ。人の心がないのですから」

 

――まだいいますかそれ。

 

「君の自業自得じゃないか」

 

 全く持ってその通りです。あなたはセリーヌ王女に己を律するものとしてあの没案の話を書いた書物をもらえないかと言われたので原本と加筆したノートをあげたのである。ノート的なものを上げた時のセリーヌの表情は王女のものであり、そして同時に危うさを感じることのないものであったのであなたは勝手に強くなられた…ッ!と後方保護者面をしました。ちゃんと加筆しておいたと伝えた時のえっ、加筆したの?というような一行の表情はよく覚えています。推敲するって言ったじゃないですかと返すと、いやそうだけど……アレにまだ足したの?という反応を返されました。ちなみに足した台詞は以下のものです。

 

――――――――――――――

 

「国を守る!そのための覚悟というのは最高だな!覚悟というのは最高の免罪符だ!どんな罪さえ正当化される!たとえ今貴様が親殺しをしようが、子殺しをしようが、人を食料にした以上罪の意識すら感じることはないだろうよ!何故って?正しいからさ!貴様がやってきたことすべてが!何かのため!誰かのためと!そういう最高の言い訳をすれば、どんなことをしてもいいというのは、良いことだな!!正当な理由があれば!何をしてもいいってことさ!世の中は綺麗事では回らないことの方が多い!だからこそ痛みを感じる心を!優しさを思う心を!忘れてはならないというのに!貴様は獣へと堕ちたんだよ!」

 

――――――――――――――

 

 いやあれだけやったのにまだやるの?もうちょっと手心を……と引き気味でしたがセリーヌは違いました。それも自分にとって必要なものだから追加してくれてありがとうとあなたに言ってくれました。その時の顔が前よりどこか柔らかくなっていることに気が付きお綺麗になられた…とこれまた勝手に感慨に耽りドラえもんのごとく生暖かい目をしました。後方保護者面。

 

 

――随分な物言いですな。だが私の手札はそれなりに強い。革命返しされなければ。

 

「では王女の名の元に悪しき革命者を罰しましょう。革命返しです」

 

――あっ…ちょ

 

「助かりましたセリーヌ様。ではエースを」

 

「それじゃあ、私は2ね。」

 

 そんなこんなで順番が回ってきましたが

 

――何もできないんですけど。人の心ないんですか?

 

「あなたがいうことではなくてよ?」

 

 大貧民になった。

 

 

 

 

 

 

「マルス、何かいい案はないでしょうか」

 

「ふふ、君がそんな我儘を口に出すなんてね」

 

「?……我儘ですか?シグルドには前にお願いしましたけど」

 

「そうだね。僕が言ったのはもっと彼と仲良くなりたいという我儘という意味でだよ。そう言った目的の我儘は初めてだろう?」

 

 そうだったかなと首をかしげているリュールを見るマルスは微笑ましいものを見るような目で見ていました。実際誰かと仲良くなりたいと思ったときリュールは自分から行ったりしてコミュニケーションして親交を深めます。ですが今回の相手はあなた。壁取っ払ってよといっても無理デースと返されるのがオチですしそんな簡単に中世的身分制度の壁は薄くありません。

 

「マルスはそういったことはなかったのですか?」

 

「そうだね。僕はみんながいてくれたからそれに応えてきた感じだったから。仲間に対して恥ずかしくないようにしていたよ」

 

 実際マルスはアリティアの王子として生まれその人格から皆に親しまれ、みんなと共に戦ってきた英雄王です。その人格は表ではだれも知ることのない影の英雄さえ誕生させたほどです。とはいえ人格に関していえばリュールも満たしていると思われます。神竜とだけある上に長く長くルミエルから貰った愛情が彼女の人格と神竜としての信仰対象としての威厳を保っているのでしょう。常に誰かのために、優しさを持ちつつもそれを捨てることなく冷静に考え相手を肯定する。この性格が多くの人の救いとなっているのです。

 

「私も神竜として恥ずかしくないようしてきたつもりなのですが……。何が駄目なところがあるのでしょうか」

 

「そんなことはないよ。ただ彼がそう言った身分による礼儀を重んじているだけさ。……といっても君はもっと素の彼と接したいんだよね」

 

「……はい。王族や貴族ではないジャンやユナカやアンナだって私とはこうして公的ではない場所では気さくに話してくれるのに”――”だけはちょっと寂しいです。無理強いすることでは、ないんですが……」

 

「だったら簡単だよ。友達になってほしいと言えばいい」

 

「友達……。アルフレッドのようにですか?」

 

「そうさ。アルフレッドという友人がいるのだから一人増えたって変わりはしないさ」

 

「なって、くれるでしょうか。」

 

「彼はそういうことを無碍にする人ではないはずだよ」

 

 目覚めてからずっと一緒にいてくれたマルスの言葉を受けてリュールはあなたを呼び出すことにしました。

 

 

 

 

 

 私の部屋に来てくれませんか?とリュールに呼び出され久しぶりの褒め褒め大会かな?とついていったあなたは部屋に入って向かい合った瞬間の何か決意したようなリュールな表情から何か違うということがわかりました。

 

「”――”、私と友達になってください」

 

 なんともまぁ急なことを言われたあなたは腕を組み大きく首を傾げてしまいました。一体どういうことかとあなたは説明を求めます。

 

「私と友達になってくださいということです」

 

 このカードが違うとはどういうことですか?カードが違うというということです、といったやり取りはゲームでも似たのがあるため好きではありますがやはりわかりません。

 

「”――”はジャンやユナカ、アンナさんとは普通に接しているのにほかの方、王族や貴族の方とは壁をおいて接してますよね?」

 

 それは当然のことです。なんか知りませんがめちゃくちゃ打ち解けて素で話していたゲーム本編とは違って王族貴族制度があって失礼なことを言ったりすると最悪極刑となりうるのに素を出して話すなんてこと危なくてできるはずがありません。といいながらもあなたは王族にやたら問題のあることをやらかしていますが。

 

「それでも最近はアルフレッドやセリーヌとフィレネの王族貴族の方と打ち解けましたよね?とらんぷで遊んでいたのをみました」

 

 すこしむっとした顔をするリュールがかわいらしいですがこれはちょっとまずい感じがします。

 

「これで打ち解けていないのは私と守り人の3人だけになります。でもフィレネの皆さんと打ち解けたあなたなら3人とも打ち解けますよね?」

 

 それもそうです。フィレネの王族貴族らと素を少しだしてトランプで大富豪をして冗談を言い合うようになってきたというのに守り人の特にフランとクランはあなたが戦い方の指導をしておりなおかつ年下でもあります。守り人という役目さえなければタメ口で話していたことは間違いないでしょう。ヴァンドレに関しては年長者なので普通に敬語で接しますし、彼はもっと軽く接してというタイプではないでしょう。あなたは顔をむむむ、とひきつらせます。

 

「私は駄目なんですか?」

 

――その言い方はずるいですよ神竜様。

 

「ずるくて結構です。これでも最初は私の騎士にしようかと思ったんですよ。でもそれだと守り人の存在意義が問われてしまいかねないのでやめて、アルフレッドと同じ友達ならと思ったんです」

 

 おのれアルフレッド貴様がいなければ……!と思いましたがその時はルミエルという実の母を失ってそんな彼女に寄り添うためだったので仕方ありません。そして何気に〇〇しようとしたけど妥協して□□にしたという交渉テクニックまで使ってきています。

 

「”――”と私はそれなりに長く戦って一緒に過ごしてきましたよね?それなのに壁があるのは嫌です。……ただ友達になりたいという願いを聞いてはいただけませんか?」

 

 ただ友達になりたい。その願いを否定できるほどあなたは善性を捨てきってはおらず神様たるリュールがここまで言っているのです。断れるはずがありません。わかりましたとあなたは返事をします。

 

「――!それじゃあ、いいんですね!?」

 

――はい神竜様。これより私たちは友人です。まぁすぐに素を出してお話しするということは難しいですからその点はどうかご容赦を。

 

「はい!大丈夫です!……やっとあなたと素でお話しできるんですね」

 

 リュールの顔が喜びの笑みを浮かべています。どこぞの銀髪侍が言っていたように女の最高の化粧は笑顔とはよく言ったものです。セリーヌの涙を流していたけれども浮かべられた笑顔もリュールの花が咲いたような笑顔もどちらも素敵なものです。だからでしょうか。あなたがいつぞやの時のように墓穴を掘ってしまったのは。

 

――それでは神竜様。名前呼びは誰もいないときでよろしい……いえっなんでもありません

 

 失言です。なんということでしょう。間違いなくあなたは余計ないことを言いました。この発言を取り消すべくデュエリストたるあなたは「墓穴の指名者」を使い墓地へ行った自分の発言を無効化しようとしますが

 

「名前呼び…?そういえば私、皆さんから神竜様とは呼ばれますがリュールと呼ばれるのは紋章士たちからだけです…!私の事、名前で呼んでくれるんですか!?」

 

 リュールの「神の宣告」!見事に「墓穴の指名者」を無効化されてしまいました。リュールは水を得た魚のように目をキラキラと輝かせ貴方に迫ります。これはいけません。どれくらいいけないかというと片道1車線を走行中に前から軽自動車が2台並列してやってくるレベルでいけない事態です。ここから入れる保険はあるんですか?

 

「友達というのは名前で呼び合う仲のはずです!私、名前で呼ばれることの方がとても少ないですし多くの人からも神竜様と呼ばれますからリュールと名前で呼ばれたいです!呼んでくれますよね!?ね!?」

 

 そんなものはなかった。

 

「そうですアルフレッドにも名前呼びをお願いしましょう!」

 

 おおっと!正面からくる軽自動車が大型トラックにクラスチェンジしました!神竜信仰がただでさえ基本的に世界中に根付いているこの世界で神竜様をただの一般市民が名前呼びしてますなんてことがばれたら信仰に篤い人たちがガチギレして血祭り待ったなしの可能性がそれなりに存在します。アルフレッドはそんなことはしなさそうですがお国が許してくれそうにない気がします。それにどこから漏れるかもわかりませんのでそれだけは決して阻止しなければなりません。

 リュールを必死に呼び止め、あなたはアルフレッドは神竜信仰が篤いフィレネの王族であること、たとえ友人といえども畏れ多くてできないであろうことを説明します。それを説明し終えるとリュールはしゅんとなってしまいますがそれでもリュールは最後の希望を持っていました。

 

「”――”は名前で呼んでくれますよね?”――”がいってくれたのですから!」

 

 そう、あなたです。リュールの目はまるであなたのことを疑っていませんでした。いったいその自信はどこから来るのか、そもそもキャラ違うんじゃないかと思いますがリュールはやってはいけませんと言われながらも「うぇーい!」とか言い出したり、人生は死ぬまで暇つぶし(キリッ)とかいう中二病にカァコイィイ‼してしまう純粋な心の持ち主でした。あなたは普通の人間なので友達なのに名前で呼んでくれないのと言われて嫌ですとはいえません。ですから……

 

――わかりました。お名前でお呼びしますから。他の方には内緒で…せめて様はつけさせてくださいね。…………リュール様

 

「………っっっ!!!はいっ!」

 

 キキーッ!ドン!グチャァ!あなたは大型トラックと正面衝突しミンチよりひでぇものへとなり下がりましたが代わりにリュールは満面の笑みを手に入れたのでした。

 




「墓穴の指名者」
魔法カード
①:相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。次のターンの終了時まで、この効果で除外したモンスター及びそのモンスターと元々のカード名が同じモンスターの効果は無効化される。

「神の宣告」
カウンター罠
(1):LPを半分払って以下の効果を発動できる。
●魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。
それを無効にし、そのモンスターを破壊する。


自分が楽しい二次創作全部GW機関だけ毎時間でいいから更新されてくれないかな……


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日常28

メンタルブレイク案件が多数重なったので久しぶりの更新です。
ちょっと文章雑かもしれないんでそう感じられたら感想でバシバシご指摘ください。
あと最近なぜか4000字くらい書くようになってる。おかしい、俺はもっと楽に2千~3千で手抜きしていくはずだったのに……
それではGW最後の暇つぶしに
どうぞ


 野太くも猛々しい声を発するモリオン王の剛の剣がリュールに迫ります。ですがリュールも伊達に稽古してきたわけではありません。ディアマンドも同等の剛の剣の使い手でありモリオン王から指導を受けた身である彼との模擬戦でつかんだリュールなりの剛の剣のいなし方を使ってモリオン王の攻撃を防ぎ、鍔迫り合いの時はあえて力を抜いて回避したのちに反撃をしてモリオン王と渡り合っています。モリオン王はそんなリュールに手を抜いているとはいえ心の中で称賛し反撃を回避したり片腕の盾で防御するという荒ぶる剛の剣の使い手とは反する冷静な判断力で対応してリュールを追い詰めます。

 いくばくかの攻防の中リュールの攻撃がなんとモリオン王の片手剣を弾き飛ばしました。王の剣が!と観衆から声が上がり、リュールは好機とみて追撃を行います。が、モリオン王は盾でそれをそらしリュールの腹部に拳を叩き込み吹き飛ばしました。吹き飛ばされながらも受け身をとりすぐに立ち上がることで接近してくるモリオン王に対して剣では距離の関係上分が悪いと判断し剣を捨て迎撃の構えを取ることができました。モリオン王が繰り出す右フックや左フックにストレートをどうにか防御し空いた胴体に攻撃を入れていくなど応戦していきます。リュールにいくらか攻撃が加えられ大ぶりの攻撃をモリオン王が繰り出しますがリュールがとっさにしゃがみ足払いをかけますがそれを回避、されながらも下から月を描くように蹴りを繰り出しモリオン王が顎をそらすことで回避、リュールは着地しモリオン王はわずかに崩れた体制を直します。お互いに膠着状態になったところで鍛錬は終了となりました。

 

「うむ、神竜様。以前よりも動きに鋭さが出ましたな。よい鍛錬だった。感謝するぞ」

 

「こちらこそありがとうございますモリオン王。ですがまんまと乗せられてしまいました。剣をわざと手放しになったのでしょう?」

 

「さすがお気づきになられるか。剣を失えば何も出来ぬなど武力の国ブロディアの恥。前回もそうであったが儂と格闘技で相応に渡り合えるとは良い師匠をもったのだな」

 

「はい。自慢の仲間です」

 

「ディアマンドやスタルークとも鍛錬をしていると聞く。仲良くしてやってくだされ」

 

 そう言ってモリオン王は鍛錬場を後にしました。そんな中であなたがなにをしているのかというとフィレネ組と一緒にリュールとモリオン王との鍛錬を見ていました。

 

「さすがモリオン王、お相手した時もそうだが見ることでも勉強になる。神竜様も腕を上げられたし僕も負けていられないな」

 

「そうですわねお兄様。私も戦場で平和のため皆のために足手まといになるわけにはいかないわ。平和のため武力を持つというのは矛盾しているかもしれませんけれど」

 

 そういうとアルフレッドはセリーヌをすこし不安そうな目で見ます。例の件が一段落したとはいえまだ優しさを弱さと思っているセリーヌが苦しんでいると兄としてはどうしても心配になってしまいます。ですがセリーヌは答えを得ています。

 

「大丈夫よお兄様。皆。まだ優しさを弱さと思ってしまってはいるけれどそれでも大切なことなんだって。正直戦うのは苦しいけれど前に比べたら今のほうがいいわ。”――”が教えてくれたから。お兄様たちが支えてくれるから」

 

 そういえってセリーヌは皆とあなたを見ます。セリーヌの声色はいつも通り優しく少し苦しみも見せながらも温かみのある感じです。そんななかであなたは推しがより洗練されて美しくなってて良い……と後方保護者面していました。とめられないやめられない。

 そういったセリーヌとリュールに対して負けていられないといったフィレネ組はアルフレッドはディアマンドとセリーヌは名のある武将と各々と鍛錬を行うのでした。

 

 

「……(そういえばあの”――”の暖かくて優しい瞳、神竜様はご存じなのかしら…今度教えて差し上げましょう)」

 

 

 

 

 

 ところ変わってブロディアの大衆向け劇場です。あなた、リュールにユナカ、ディアマンドはいつぞやの偉い人たちとの神竜リュール様英雄譚の劇の打ち合わせに来ていました。あなたはさっそく案をいくつかまとめたノート的なものを相手にシナリオライター的な人に見せて反応をうかがいます。今読んでもらっているのはセリーヌが間違えて読んでしまった案です。それにしてもプロの方に素人が意見を見てもらうというのは恐ろしくて仕方ないものです。現にシナリオライター的な人の顔が信じられないものを見るような顔つきに代わっていきます。それから彼は口を開きました。

 

「人のすることじゃないよこれ……君は邪竜の手先か何かだったりしない?」

 

 おもいっきし彼の素の部分がでてきたようです。一応ディアマンド王子の客人扱いになるというのに割とやべー口をきいてしまっています。すぐに彼はしっ、失礼しました!と謝罪し、リュールが代わりに大丈夫ですよと返します。ひどい。

 

「し、神竜様はこの内容を、ご存じなのか……?」

 

 ディアマンドは両手をぷるぷると震えさせながらもリュールに質問します。ディアマンドは内容のあまりの残酷さ、惨さに対して信じられないようなものを見たので理解が及んでいないように見えます。おそらく所業に対しての怒りを無意識に内に秘めているかもしれません。こんな内容をリュールが許すとは思えないと思いながらも聞きます。

 

「はい、知っていますよ。まぁ内容に関しては凄く惨いもので怒りの湧きようもないくらいでちょっと問題も起きましたが、彼はそういったことをする人物ではありませんし大丈夫ですよ」

 

「(ちょっとではすまないくらいの問題でしたがなー)」

 

――それで、どうでしょう?その案は

 

 ディアマンドにこいつマジで大丈夫?という目で見られながらもあなたは恐れ恐れ聞きます。

 

「邪教徒の部分は素晴らしいですけれど……。そのまま使うのは極めて難しいですね。発想は素晴らしく残酷だけど今回の劇だと話が長すぎてしまう可能性があるし、あまりの残酷さに子供も大人も何も言えなくなってしまいますよ。今回の神竜様の英雄譚にはちょっと合いません。でも邪教徒の煽りの部分はいいと思いますので参考にさせていただきます」

 

 むむっどうやら展開的にR-18指定みたいなものを食らってしまったようです。一応某仮面で20年後の世界が舞台という新規映画が決定したライダーの敵ラスボスが敵の最強キャラを炎で焼いて凍らせてリアルにボリボリ音を立てて食べてるシーンがあったので普通に子供向けだと思いましたがこの世界の人たちにはいろいろと耐性がないようで無理だったようです。これは残念。

 そんなこんなで次の案です。この案は幼少期より神竜の元にいた親友が邪教徒の手先であったと判明しそれでも神竜のために己の命をなげうって神竜を助けますが実際はそんなことはなく、幼いころから神竜の近くにいて裏切るためだけに友情を10年以上にわたって培ってきて盛大に種明かしをするというものです。その裏切り方がほかの騎士物語などとは違いまさに下種の極みとしか言いようがない様の台詞が特徴的であなたはやるのならばこの役をユナカにやってほしいと思っていたりしているのでそう発言で付け足します。

 

「私めのことを何だと思っているのでございますか”――”氏は???」

 

 ひそひそとなんかさっきのやつよりまともで普通じゃない?……なわけねぇだろ、という声が聞こえてる中でユナカがこちらにそんなことを言ってきます。あなたの人の心のない配役に選ばれたのです。冗談でしょうが何かしら文句があるのでしょう。ですがあなたはユナカは気品をつけておとなしくしたらお姫様になるし、あくどくすれば悪女らしくできる美しさと体全体の見た目がいいし、本人に人を元気にさせる力があってなんでもできるから任せたいなと思っているだけ、と返しました。その言葉が珍しかったのでしょうユナカは目を開き背筋をピンと一瞬伸ばしました。

 

「へっ?そ、そうまで言われることなどありませんでしたぞ……。少し照れますな…」

 

 これは珍しく照れているユナカが見ることができました。さすが公式人気投票女性部門でリュールを除いて1位になっただけはあります。なお2位のセリーヌとは3ポイント差なのでほぼ誤差です。最推しはセリーヌ、いいね?

 

「いい感じですね。物語開始当初から入れて後半でバラすと良い展開になりそうです」

 

 これまた次の案です。敵たる邪教徒たちは邪竜を復活させるのではなく邪竜を作ることに決定。適当に各地から優れた子供たちをさらい人体実験にあわせていく。そうして生まれた人工邪竜だが人工故に不利益の方が多く、さらには邪竜復活を願う派閥が本当に邪竜を復活させてしまう。その結果作られた人工邪竜は汚らわしい命め!死ね!と殺されそうになるが今までの邪悪実験の結果で力があったため殺そうとした奴らを返り討ちにし、復活したてのまだ弱い状態の邪竜を取り込み世界を破滅と混沌へと落としていく。それを神竜が阻止する案。なお生き残った子供たちは邪竜の攻撃の燃料として使用される。

 

「ッ、ハァー……!すごいですねこれは。うん」

 

 シナリオライター的な人が息を吐いてもうやけくそみたいな態度を取り始めました。悪魔的な発想と褒めてくれたのはどこへ行ったのでしょう。

 ディアマンドが両手で顔を覆い始めました。ディアマンドは喜劇が好きで部下のアンバーやジェーデの明るいところが大好きで結構助けられているところが多いところもあるので悲劇はだいぶキてしまうのでしょう。ついでに他の面子を見てみるとリュールもユナカも目がどこか遠くを見ている気がします。

 

 そして最後の案です。この案は実にシンプルで邪竜が行う悪行について書いてあります。よみがえった邪竜はこの世を絶望に満たすために邪教徒を操り自身の炎魔法をかけて突撃させる人間爆弾のような形で神竜軍に襲い掛かります。また今までの戦いの中でなぜか戦死でなく行方不明であった仲間の兵士などが自我が存在し操られた存在として自らの体に邪竜の炎をつけ道連れにしようと襲い掛かってきます。もちろん操られているので抵抗はできず殺すしかありません。普通の村に戦死したと思われた父が生きていたと思ったいたら自分を丸焼きにして母親に抱き着いて焼き殺していくシーンが子供の視点から語られるのが特徴です。

 

「どうしてこんなことをするんですか?」

 

 とうとうシナリオライター的な人に突っ込まれてしまいました。近くの席でディアマンドが頭を抱えてしまっています。人気投票でリュールを除いた完璧で究極の1位である王の姿か?これが。ちなみにリュールがわき腹をつんつんとつき、ユナカは足でゲシゲシとあなたの足をけってきています。こんな案を出したあなたですがそれなりに話し合いははずみ素晴らしく参考になったので感謝するとお礼の言葉をもらいました。シナリオ自体は近日中におそらく書き終えるので楽しみに待っていてほしいとのことだそうです。ちなみにこの世界には活版印刷術が既に存在しておりなんかとりあえず人数分はそれなりに早く出来上がれるそうです。

 

 ついでにおまけの案として最初の案と2つ目の裏切りの案を混ぜた食人を促した邪教徒が王女の幼少期からの親友だったパターンもありましたがどうしてこんなもん書いた!言え!というような空気になったので全面的に没になりました。これらの件であなたは劇団員からとんでもないものを書く書き手として尊敬されたりドン引きする目でみられたりするのでした。

 

 

 

 




お待たせしまったのでセリーヌかわかわ要素をプラス。最後に向かって雑になっていったのは許して。ぐだりそうだったし……
最近推しの子とやらが流行っているようですね。結構昔に本屋で試し読みを呼んで16歳出産でいろいろとアレな点で敬遠したんですけど急激に増え始めた二次創作である程度の知識は身に付きました。あの話もっとぼのぼのとした話だと思ってました。
君は完璧で究極のゲッターの影響で3話と4話だけアニメ見ました。闇落ち復讐要素はやっぱり苦手です。重曹ちゃんとやらが演技やって「できたじゃねぇか……」とするのが一番楽しい楽しみ方が気がします。

8秒くらいで考えたおまけ

なんやかんやでゲッター世界に転生しなんか仲間のためによく死ぬ武蔵のために代わりに死んだ主人公くん。
その時ゲッター線からお礼を言われゲッター線で微粒子レベルでなんかヤバそうな感じになりそうな世界ことゲッター線がドルヲタとなった世界にてなんか関係のある星野アイを守ってくれたらあとはゆっくりしていいよと言われ生れ落ちることになり主人公くんは彼女を守る存在となったのだ!
主人公くんはアイを守りきれるか!?なお完璧で究極なゲッター線を浴びているのでアイのアイドルパワーに一切揺らがない模様。私を見てみて理解して一緒にいて抱きしめての愛ガチ重アイが誕生する


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日常29

今回もちょっと文章が微妙気味です。
チェックはしましたが場面がおかしなところなどありましたら感想欄にてバシバシご指摘お願いします。
あと2、3千字で満足する体に戻りたい……
それでは暇つぶしに
どうぞ


 

 その場では女子たちによるお茶会が開かれていました。

 

「神竜様、あれから”――”との仲はどうなのですか?」

 

セリーヌがリュールに尋ねます。もちろんほかのエーティエやクロエ、ユナカにフランやアンナさんも興味津々です。というよりこの神竜軍の中でリュールが”――”に一定の興味を持っていると知らない女子はいません。

 

「はい。いただいたエメラルドは部屋で大切に保管していますし、以前ネックレスのように胸元に寄せてそうしたらどうかと聞いてみたのですがとても似合うといってくれました」

 

「素敵ですわ神竜様。たしかに真っ白なそのお召し物にはエメラルドの緑色の輝きが大変お似合いになります」

 

「アンナさんとしては故郷にこうせきを加工できるぎじゅつがあるからネックレスにしてあげたいけどブロディアにはないからできなくてざんねんだわ~。ひともうけできそうなのに」

 

クロエは男性から女性へ想いを込められた鉱石を送られた御伽噺のような出来事に酔いしれ、アンナさんは相変わらずお金儲けのことを考えていました。ふとリュールは気になりました。みんなからみて”――”はどのように見えているのだろうと。ということでリュールは聞いてみました。

 

「あたくしはやはり筋肉鍛錬ですわね。”――”のおかげで依然と比べて充実した鍛錬生活がおくれていますわ。最近では以前のだんべるについて鍛冶師に相談したところ重さを調節できるようになりまして。おかげでアルフレッド様とより厳しい鍛錬ができていますわ」

 

「私はやっぱりお料理かしら。おこめを使った料理はどれも美味しいものばかりだし、ディアマンド王子に城下町を紹介してくださった際に一緒に珍味を食べたりもしたわ。それに前は壁があったけど結構感情豊かな人よね。とらんぷの時とか」

 

「わたくしめとしては、良い骨董品仲間ですぞ。一緒に話しても楽しいですし良き友人でありますな。……暗殺術は気になるけれど

 

 打ち合わせの時にあんな風に”――”からも思われてますからいい関係ですねとリュールが言いますが、そのことは今は無しですぞ!とフランへ続きを促します。

 

「私にとっては良きお師匠です!神竜様を御守りするためにもユナカさんと一緒にいろんな相手を想定して訓練出来て勉強になりますし優しい人だと思います!」

 

「アンナさんにとってもいい人ね!よくお店の方を見に来てくれるしいろんなものをかってくれるおとくいさまよ!」

 

 各々と”――”について意見を述べます。だいたい一致するのが不思議な人ということですがおおむね好評のようです。あなたはこの場に入ませんが女子内で嫌われるということは避けられました。こういった話し合いでは女子は情け容赦ないのでもしこの内容を知ったならばあなたは胸をなでおろすでしょう。

 さて最後にセリーヌです。彼女だけがまだ”――”についてどのように思っているかを言っていません。

 

「最後は私ね。……”――”についてはやっぱり感謝しているわ。大切なことを気づかせてくれてお兄様たちが私を支えてくれることのきっかけを作ってくれた人だもの。そしてちょっと照屋さんで素直じゃないところもあって不思議で素敵な人。……神竜様はご存じ?あの人はね、とても優しい目をしてくれるの。私を純粋に案じてのことだと思うのだけれどあの件から立ち直った私を見てそんな目をしてくれるの。まるで亡くなったお父様が私やお兄様を見守ってくれていたような目。……人の心がない物語を書いたりするけれどやっぱり彼は優しい人なのよ。彼がくれた書物は大切にしているわ」

 

 それを聞いた皆は目を見開きます。それはセリーヌ王女がとても清らかな笑顔で声から本当に”――”に対する感謝と親愛が伝わってきたからにほかありません。美しく感じられさえするその雰囲気にみんな驚き飲まれてしまったのです。ふと、元に戻ったリュールは思います。”――”はセリーヌをこうまでさせるような優しい目をするだなんて私は知らなかったと。そのことがとてもうらやましく思えたのです。

 

「”――”がそんな目を……。よかったですねセリーヌ。セリーヌが知っている通り”――”は不思議な人です。私と出会ったころからそうでした。私を信仰対象というよりもただの偉い人というような感じで見てくれて、そして今は友達としてみてくれています」

 

「神竜様を、ご友人として……?」

 

「はい。私からお願いしたんです。皆さんが彼と距離を置いていたのに変わっていって、私も彼ともっと親密に話したかったんですよ。でもセリーヌにそんな風に思われて、先を越されちゃいましたね。うらやましいです」

 

「ふふふっ……大丈夫ですわ神竜様。きっとあなたにもあの優しくて暖かい目を向けてくれますわ。だって”――”は神竜様のことを気にしているようですもの。それに、愛の鉱石をもらいましたものね?」

 

「か、からかわないでくださいセリーヌ。あ、愛というのはまだわかりませんからあの時はただ驚いてしまっただけです。そういえばセリーヌと同じように私のことを彼が好きと言ってくれたんですよ」

 

 えっ、と一瞬静かになります。

 

「……?どうしたんですか?…あぁ、異性としてという意味ではなく人として私が好きと言ってくれたんです。ふふふ……フランのように言うなら”推し”?のようなものでしょうか」

 

 推しという言葉に反応してフランが勢い良く反応します。

 

「はいっ!私たち守り人はずぅーっと神竜様推しです!……でも”――”さんはセリーヌ様推しだって前に……」

 

 これまた全員がえっ、と声に出し驚いた表情になります。セリーヌは空いてしまった口に手を当て仲が見えないように上品に隠しています。全員の視線を独り占めしてしまったフランが慌てて補足します。

 

「えっと……前に”――”さんが神竜様のことを良く気にかけてるから神竜様のことがお好きだと思ってファンクラブにお誘いしたんですけど「”推し”っていうならセリーヌ様だよ」って言ってて……」

 

 フランは語ります。あなたはセリーヌを見るたび目を引き付けられるような気品があって所作が美しいし内に秘めた優しさがあふれ出ているところが良い。だが優しいだけではなく誰かのために戦える強さを持っているのがよい。とある人はこういった。天使とは誰かのために戦える人間であると。そして同時に戦い奪うことへの負い目があると。甘いといわれるかもしれないが自分はそういうところが好きだ。何故ならそれが優しさの証明であるから。自分が優しい人間になりたいと思っているという利己的な気持ちがあっての上ではあるが奪った命に対して負い目を感じられるというのはその重さを知っていることと同義。その甘さというのは人として上に立つものとして必要だと個人的には思っているから好ましい。そして何よりも人としてだれかの幸せを願い誰かの不幸を悲しむことのできる人間であるという人間として大切なものを持っているのが本当に尊敬できる、と”――”が言っていたと。

 

「……。あ、あらやだ…私ったらっ…こんな……は、はしたな…ぅぁ……っ

 

 少しの間呆然としていたセリーヌは自分の状態に気づきました。

 セリーヌはフランからきいたあなたのセリーヌへの想いを聞いていろんな気持ちがあふれ出てしまっています。自分が優しくて素敵な人、優しくありたいと称した人が自分を天使のようだとそのように具体的に思っているだなんて知らなかった。そしてフランに話した時からすでに”――”はセリーヌが弱さだと思っていた優しさを好きでいてくれて人として必要なものであると、何よりも人間として大切なものを持っていて尊敬してくれていた事。リュールからも自分の弱さについてそれは強さだといわれたことはあった。だがここまでセリーヌは”――”に想われていたとは知らなかったのです。そう、セリーヌはそこまで思ってくれたことの嬉しさ、恥ずかしさや何とも言えない感情であふれてしまってこんな顔を皆に見せるわけにはいかないと両手で耳まで真っ赤になった顔を覆ってしまいました。

 一方でリュールの中にはどうにもなんともいえない何かが渦巻いていました。”――”からは過去多く褒めてもらったことから好意的に思われていると自負があります。自分が綺麗であること、気品があり目がひきつけられること、赤と青の髪と瞳の美しさは唯一のものだと、声がいいこと、実際に彼の口からセリーヌにも言っていいたものの好きという言葉を聞き出しました。もちろんそれには満足していますが思い返せば主に外見での話。彼が口下手というのは彼自身から知っているもののセリーヌの内面についてはフランに饒舌に語ったようなのに、私をたくさん褒めてくれて好きと言ってくれて鉱石をくれて一緒にいてくれる私の内面に関しては一切の言及がなかった気がします。ただ言っていないだけなのだろうか、それとも外見しか見ていないのだろうか。でもそれだけで友人になるような人間ではないとリュールはわかっています。

 とりあえずセリーヌの所作は優しさがあふれ出ているそうなのでセリーヌから気品ある所作というものを学んでみれば”――”も自分をそのように見てくれるかもしれないと思いリュールはセリーヌにお願いしようとします。

 

「あのセリーヌ、”――”が言っていた……」

 

「し、神竜様ごめんなさいぃっ!きょ、今日は失礼しますっ!」

 

 ”――”の名前を聞くとセリーヌは真っ赤になった顔を両手で隠しながらお茶をそのままにして大声を出して脱兎のごとく逃げ出してしまいました。リュールとしても困ってしまいましたがリュールがとる行動は決まっていました。

 第三回褒め褒め大会。ただし内面限定の開催のため”――”を呼び出すことを決めたのでした。

 




ありのままに起こったことを話すぜ!俺は演劇完成までのつなぎとして女子会的なものを書いていたと思っていたらなんか当初の目的と違う流れになってなんか……なんかこんな感じになっていた!どういうことだ
この作品はクソ雑魚リュールちゃん!この作品はクソ雑魚リュールちゃんだから!
親愛セリーヌ書いてたらこんなんになっただけだからセーフ!セーフ!

おまけ

リュールの性別に限らず”――”がこの世に存在する場合アルフレッドとエーティエでアルフレッドがエーティエの腹筋すりすりから始まるラブコメが発生するDLCが無料配布される。
あとさ、ユナカの服の横、あいてるところあるじゃん?あそこにどこぞのオリ主くんがあやまって触っちゃってきゃぁ!とかいって顔赤くしたユナカとか見たくない?俺は見たい


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日常30

お気楽3千字達成。
いやーこの3千字楽ですわー!。
みなさんは今頃ゼルダをやっているのでしょうか。
そんな私はメガテンDEEPSTRANGE,ハーヴェステラ,大逆転裁判を並列プレイ中。
だってゼルダ前作やってないんだもの
それでは暇つぶしに
どうぞ


「あなたにお話があります」

 

 そんな一言でリュールに呼び出されたあなたは今ソラネルにあるリュールの部屋にいます。

 リュールはベッドに腰かけると隣を少し強めにぽんぽんとたたいてあなたにそこに座るように促しました。神竜リュールが眠るところだけあって見るだけで素材の良さがわかる上にたたいたおかげでより良いものであるということがわかりました。とはいえさすがに神竜と言われる方のベッドの隣に座るというのはさすがにまずいのではないかとあなたは思います。異性的にも。のでそのことを伝えますが

 

「私たち友達ですよね?」

 

 あなたは幼いころにうけた僕達友達なんだからいいだろ、でいろんなことを無理やりさせられたこと。いわゆる友達ハラスメント的ななにかを思い出させるような圧を感じられる声がリュールから出てきたことに少々驚きました。反射的にそうですけれど神竜様と言い返してしまいます。

 

「名前はどうしたんですか」

 

 怒っているのでしょうか。いつも通りリュールから発せられる声は透き通っていて綺麗な声であるはずなのにところどころに怒りのようなものが混じっているような気がしてなりません。とはいえリュールにはその気はありません。ただただとにかくセリーヌのことをあんなに褒めて天使とまで言ったのに私のことはどうしていってくれなかったのかという想いがとにかくリュール自身を動かしていました。

 ですがそんなことはあなたは全く知らないのでとりあえず名前を呼ぶことにしました。

 

――リュール様。

 

 リュールはその言葉を聞くだけでいつの間にか見るものが見れば少々固まっていた表情がいつも浮かべている人当たりの良いすべてを受け入れるかのような穏やかな表情が戻ってきました。むふーっと効果音がついてそうな表情でぽんぽんと自分の隣をたたいてあなたが座ることを再び促します。さあはやく座ってください、私のところに来てくださいと行動がそう現れていました。

 あなたは失礼しますと言ってリュールの隣から少し離れたところに座りました。座り心地からベッドが高級である感触が伝わってきたのでつい、いい寝台ですねと口に出てしまいます。よく眠れるんですよと軽い会話をしたところでなぜリュールが急に自分を呼んだのかとあなたは聞きました。

 

――リュール様。それで私に何か御用ですか?

 

「はい。ええと……”――”はセリーヌが”推し”なのですか?」

 

 あなたは予想とは全く違う言葉がリュールの口から出てきたことに混乱しゲームをやるとき身体ごと倒す人のごとく首を傾げ体を倒しました。だいたい推しという言葉はフランが主に使っている言葉でその言葉をリュールが使ってくるのも不自然ですしセリーヌ推しという言葉にも驚きです。セリーヌが推しというのは以前フランにしか言っていないことです。

 

 ――私がセリーヌ様が推しであることはフランから聞いたのですか?

 

「はい。あなたが、その、私ではなくてセリーヌのことが推しであると……。……それでセリーヌが推しなのですか?」

 

 なぜだかはわかりませんがリュールはあなたがセリーヌ推しであることにやたらとこだわり確認したがっています。

 

 ――推しといえば推しですけれど。

 

「……所作の一つ一つから優しさがあふれ出ているとか、天使のような人とか、心から尊敬していると聞きました」

 

 どうやらあなたがフランにオタク特融の饒舌さで語った内容の多くがリュールに知られてしまっているようです。おのれフラン許すまじ。ですがセリーヌ本人に伝わっていないのならばまぁよいだろうとあなたは大雨警報でできた水たまりレベルの浅い心で許してやるとしました。しかしそれがいったいどうしたというのでしょう。セリーヌが好きで推しであることが知られたところで何かが起こるとは思いません。

 むしろ博愛主義なところのあるリュールのことです。あなたはセリーヌのことが好きなのですね。私も好きですうんたらかんたらと話を広げてきそうではありますがその様子はありません。

 

「それで、あの、私にはないんですか?その、所作になにかが現れたりとか」

 

 これまた急に話が変わりました。ついセリーヌについて話が始まると思いきや自分の所作から感じられるものはないのかという話題です。急な話題に対してあなたは少し雑に答えてしまいました。

 

 ――いや、それは人によりますし。リュール様にはリュール様のなにかが現れたりしていますよ

 

「なにかとは具体的になんですか?」

 

 雑に答えてしまったせいか何故何故ゲームのようになってきました。こうなったらきちんと答えるべきなのでしょうがあなたは口下手なのでどこぞの仮面を使い分けるような主人公たちのように伝達力などが秀でてはいないので正直に、口下手なのを言い訳しつつなるべく安心できるように答えます。

 

 ――……それを言わせますか。私が口下手なのをお忘れですか。ちゃんとなにかしらは出てますから。安心してください。

 

 あなたはセリーヌの所作から優しさがあふれ出ているようにリュールもなにかしらあふれ出ているように神竜として相応しいオーラ的なものが見えていないのかもしれないと不安になったのか、不甲斐なく思ったのかと思いそんなことはないと応えます。実際リュールは神竜族で神様なので神様オーラ的なものが備え持っているものなのか、それが一応現れています。きちんとしたものが出てくるのは成長を見せる物語後半以降でしょう。

 ですがリュールはまだ不安があるようで納得したような顔をしていません。

 

「……わたしの、わたしの内面についてはなにかありませんか?」

 

――どういうことです?

 

「先ほども言いましたがフランから聞いた内容によると”――”はセリーヌは内に深い優しさを秘めているとか、誰かのために戦える強さを持っていて真の天使の様であるとか、甘いといわれるところがあってもそれは人として大切なものを持っている証拠でもあるとか、人として最も大切なものを持っているとか。たくさん、たくさん褒めていたと聞きます。わたしには、その、えっと、ないんですか?」

 

――あの、リュール様。褒めてほしいんですか?

 

「……!!そうです。いつも”――”は私の見た目の事ばかりで。いえ、それは凄く嬉しいんです。この母さんから貰ったかもしれないサークレットのことや青と赤の髪の色が唯一で綺麗とかうれしかったですし…。あっ、あれから髪の毛を整えるのに時間をかけるようにしたんですよ。もっと綺麗になったらあなたに褒めてもらえるように。でもあの、私の内面についてはどう思っているのでしょう?と思って……」

 

 どうやらリュールはいままであなたが外見ばかりを褒めていたせいか内面についてどうおもっているのか不安になってしまったのでしょうか。あなたは自分がリュールの中身について興味がないと思われているのかと聞いてみました。

 

「そんなこと思ってません。あなたが私を好きと言ってくれたのは外見だけではないことはあなたを見れば、一緒にいたのですからわかります。ただセリーヌの内面はあんなにたくさん褒めていたのに私にはそれがなくて。ですから、その……」

 

――結局褒めればよいので?

 

「…はいっ!!」

 

 記憶喪失で10章、11章の成長イベントも経験してない状態だと多少神竜としての片鱗は見せていたとしても何かしらは足りていなかったのでしょう。

 よくネタにされる10章での出来事ですが、起きれば記憶喪失。周りには知らない人ばかり。自分を娘と慕って想ってくれる母はいるもののそれにこたえることはできず亡くし、唯一最初からいてくれたと確信できたのは紋章士マルスのみ。それでああいった状態にでもなればすべてを失ったような錯覚に陥り、泣き言の一つや二つも言いたくもなるというものです。その出来事が自分の失態から生まれたならなおさらです。

 自己肯定感というべきか自分を見てほしいというものなのか。あなたが起こした出来事でそう言ったものが芽生えたのかはわかりませんが確かに外見だけ褒めて内面を褒めない、ということはいいところがないと言われているようで、外面だけの空っぽの人間と言われてしまったような感じに陥っていたのかもしれません。

 あなたは内面についてどう褒めたものかなと思いながらもリュールが不安であるかもしれないことから安心させるために最初にこう答えました。

 

――とりあえず、リュール様。私はあなたが好きですからね。




というわけで内面褒め褒めは次の回で。がんばれ俺
そして感想ください(直球
モチベという名の承認欲求モンスターなので
返信するのも楽しいんですよマジで。


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日常31

振り子メンタルで書くか書けないのかが決まる私です
恋愛クソ雑魚セリーヌちゃん圧倒的に書け優勢で笑う。そんなに好きか。俺もいっぱいちゅき。
それでは暇つぶしに
どうぞ


――とりあえず、リュール様。私はあなたが好きですからね。

 

 リュールの心の中では暖かいものが生まれていました。これから自分の内面の何が好きかであるかを”――”から聞くというのに好きという言葉一つで満ち溢れてしまうかのようで不思議な気持ちでした。

 リュールはみんなが好きです。記憶喪失でまだ亡き母のような立派な神竜として皆を導く立場に相応しいとはいいがたいですが、それでも自分を信じてついてきてくれる皆が好きです。力になってくれる皆が好きです。それぞれの優しさと強さを持つ皆が好きです。

 ”――”のことも好きです。彼は自分を皆とは違って崇めるような気持ちはなく、ただの偉い人として見てくれています。彼から聞いた話だとソルムの国は無宗教でそれと同じようなものかもしれないと思いましたがそれは違う、という気がしています。敬意を持つが信仰はしていない。違うところはそれくらいのはずなのに、普通の人のはずなのに、なにかちょっと違う。それだけ。でもそれだけが気になる。

 

 だからでしょうか。人と壁をしっかり作ってしまって素がみれないところが残念に思ってしまったり、逆にそれを見ることができるユナカ達がうらやましく思えたり。色んな事を知って、初めてのものを食べて彼なりに私を助けて、進言をして、一緒にいて、鉱石をくれて、好きと言ってくれるのがとてもうれしいのが。セリーヌのことを推しといってリュールも好きなその優しさが好きであると饒舌に語ったことがうらやましく思えるのが。

 あなたは私のどこが好きですか。外見はわかりました。とてもうれしかった。髪の毛の手入れをした。気づいてはくれなかったけれど。髪の毛の癖の話を間違ってしてしまった。恥ずかしいけれどもっと知ってほしくて。覚えてはくれなかったけれど。

 セリーヌの好きなところも知りたい。どこですか。セリーヌは見た目も心も綺麗な人ですからそんな彼女があんなに優しくて暖かな顔をするようになったのはあなたが素敵な人だからですよね。私、もっと知りたい。でも今は。

 教えてください。私の中を。あなたが好きな私を。

 

 

 

 

 

――そうですね……まず思いつくのはその状況判断力ですね

 

 あなたが思い出すのはゲーム1章で異形兵との初会敵の際に下した判断。この時あなたはいなかったのでこの時のことはフランやクランが教えてくれました。

 

――フランとクランに聞いたのですがリュール様は異形兵との初戦闘の際、撤退を指示なされたとか。つい応戦してしまいがちですが情報不足のため即座に撤退を選べるその判断力は素晴らしいと思います。

 

 リュールは美しい青と赤の瞳であなたを見ています。

 

――お目覚めになられて記憶喪失でもあるというのに皆を率いて邪竜討伐の旅に出ていらっしゃる時点で大変立派です。ルミエル様のことは存じませんが誇りに思っていらっしゃるのではないでしょうか。

  知らぬものをきちんと知らぬといい、教えを乞う姿は私としても頭が下がります。その気持ちを忘れてしまってはきっと自分が愚かであると気づかぬまま愚かなものになり下がっていくでしょうから。

 

 こう考えてみるとリュールは割と波乱万丈の人生を送っています。初期がアレで1000年後目覚めたのち記憶喪失、慕ってくれる者もいますが何故慕われるのかわからぬまま、娘として愛してくれる母はいましたが次の日のうちに亡くなり静かに冥福を祈る暇もなくフィレネからの救援要請を受け旅に出る。そしてその理由の一つに自分と同じ思いをする人たちを増やしたくないというなんとも立派な理由。

 

――こう思うと旅は始まったばかりですが本当に頑張られました。あなたの姿は皆を力づけ勇気づけ希望を持たせていますよリュール様。……ですからお疲れになられたらお休みになってくださいね。ここには頼れる人や友人がいますから。

 

 これからが本番ですがそれでもあなたはリュールに称賛の言葉を送りました。その言葉をもらったリュールは目を少し見開き何かを見つけたような顔をしていました。ほんの少しの間そんな顔をしたら、はい、とリュールは答えました。

 

――あとは……やはり優しいところですね。思いやりが深く、だれにでも優しい。私がセリーヌ王女の優しさにあこがれるようにリュール様の優しさにもあこがれています。セリーヌ王女が優しさについて悩んでいた時もきっと思いやりのある言葉を返したんでしょう?きっとその時にかけた言葉は私には出せませんよ。

 

 あなたはいくつもの物語を読んできました。その中で登場人物たちは日常でもどんな困難な状況でも様々な言葉を紡いできました。相手を勇気づける言葉、奮い立たたせる言葉、体が震えるような言葉を読んであなた自身も真似しようとしたこともありました。ですが現実はそんな簡単にはいきません。言葉の意味をきちんと理解しないといけませんし、なによりも誰かが悩みを相談してくれた時など適切な言葉を返せるのが登場人物ですがあなたは違いました。気の利いた言葉など返せないのがほとんどです。

 現実と物語では違うと言えばそれまでですがこの若い子はこの年でこんなにしっかりしているのに自分は……と感じることがあなたにもあります。そんな中あらゆる人に優しさを振りまき導きの言葉をかけ、共に悩むことのできるリュールはあなたにとって心から尊敬する人の一人でもあります。

 

「それは違います」

 

 当然リュールがあなたの言葉を否定しました。確信を持った力強い声です。

 

「”――”は優しさを信じています。理解しています。現にあなたの書いた物語はセリーヌを救ったではないですか」

 

――救っただなんてそんな……

 

「セリーヌが優しくて暖かな顔をするようになったのは知っていますよね?アルフレッド達に悩みを打ち明けて共に歩むことを誓いましたよね?なによりセリーヌからお礼の言葉をあなたはもらったはずです。きっと”――”がセリーヌの悩みを聞いたとしてもあなたの言葉でセリーヌは救われたと思いますよ」

 

 リュールは慈愛に満ちた表情を浮かべそう言い切りました。元から綺麗な顔をしているリュールです。あなたはさすが主人公にして神竜、綺麗だと思いました。すごい(すごい)。

 とはいえあなたは褒められることに対してうまく言葉を返せない照屋です。手を後ろ首にあてて視線をそらしながら答えます。

 

――……あー…、そうすか。そうですか。はい。……なら、いいですね。ありがとございますっ。

 

 そんなあなたを見てリュールは笑います。

 

「っ……。ふふふふっ。セリーヌがちょっと照屋さんといったのがわかります。本当に照屋さんなんですね”――”」

 

――……リュール様って結構かわいいところありますよね。

 

「…えっ?」

 

 いたたまれなくなったあなたは次の話題に移ろうととにかく言葉を紡ぎます。急にかわいいところがあるなんて言われたリュールはさすがに戸惑いました。

 

――記憶喪失なせいか純粋無垢で何事にも興味津々であるところとかいろんなことを心から楽しむことができるのはリュール様の良いところ、好きなところですよ。

 

「そ、そうですか?」

 

――ご飯食べるときとかそうじゃないですか。フィレネ料理やブロディア料理とかを初めて見た時興味津々って目をして「これはなんですか?」って聞いて、顔に美味しい!っていうのがわかるくらいの表情で食べてましたよ

 

「えぇっ!?そ、そこまでですか??」

 

 確かにリュールはいろんなものに興味津々で楽しんでいるところがあります。稽古で意外な攻撃を受けて負けてしまったときのむっとした表情や知らないことを目の前にしたときのきょとんとした顔などはリュールの顔の良さも相まって非常に愛らしく感じさせます。それを指摘されて驚きリュールは顔を赤らめました。

 

――あとはまぁ……そんなところですかね

 

 口下手なあなたではリュールの内面をほめるのに語彙を使い切ってしまったようです。推しのセリーヌの褒めるときの語彙力はあるというのに自分の主で主人公のリュールをほめる語彙力は無いようです。情けないやつ!

 

「えっ……あの、ほかに、……ありませんか?」

 

 ほらみたことか。自分に不安が残っているのでしょうか。語彙力の足りないあなたのせいでリュールがさらに褒めてくれることを求めています。こういう時はまるで~のようだという比喩表現が大好きな中世時代の人間もといこの時代の王族たちに全部任せてしまいたいと偏見を持ちながらあなたは思いました。

 

――大丈夫ですよリュール様。きっとリュールの様のいいところはもっとたくさんあるんです。それを自分が言語化できないだけで。……考えてみてください、例えばフランのいいところ100個言ってと言われて言えなかったらフランのことが好きではないということになりますか?

 

 いいえなりません、とリュールは首を横に振ります。

 

――そういうことです。きっと人はみんな仲間や友人のいろんなところが好きなんだと思います。たくさん好きなんですけどそれを言葉にするのは難しいし、自分でも気づいてなかったりするんですよ。多分。だから大丈夫ですよリュール様。………あー、いや、じゃあ、もう一度言いますねリュール様。

 

 あなたはひとつ間をおいて言う準備をします。間をおいてしまったので変な恥ずかしさが出てしまってポリポリと手で頭をかきながらですがあなたは言いました。

 

――私は、リュール様が好きですからね。

 

 少し早口になったそれを聞いたリュールは少し目を細めて笑みを浮かべて小さく、はいと答えました。




実はセリーヌ関連でやりたいイベントがあったりなかったり。
ユナカもちょっとキャラが深掘りできてきた。支援会話は良い。
こんな子がエンディングでアレになるんやで?それはいけない。
前書きにも書きましたけど最初らへんにやった盛るペコの全体見るとそれには劣りますけどクソ雑魚セリーヌちゃん関連の投票ありがとうございます。
こう考えると盛るペコのほうが関心が高いのか……?
今回もありがとうございました


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日常32

誤字報告ありがとうございます。
ユナカってござるっていってないよな→いってたわ……な回です。
あとユナカ人込み苦手だったりしてたけどそこは王子の案内だからついていったとかみんな一緒だったからとかそんな感じでよろしくお願いします
というわけで暇つぶしに
どうぞ




 「美味しいですぞこのカレー!わたくしめがいつぞや食べたものとは違いまする!」

 

 ユナカはあなたの作ったチキンカレーを食べて顔をほころばせました。過去にユナカはカレーソースで煮たトマトの鶏肉の煮込みを食べたことがあるのですが癖が強くてとてもじゃないが食べられなかったそうで。あなたが作っていたものをみて顔をしかめましたがあなたが作ったものは転生者特有の世界に絶賛される日本式に近いカレー。味見をさせてみたら食べられる!と言ってくれたためユナカの知らない新たなカレーとして提供しました。

 いやー、うまくいってよかったよとあなたは言いますがあなたはついこの間までアンナさんに頼んでおいたスパイス関連のことをすっかりと忘れていたのです。そのことからブロディア城の料理人に、お昼、いらないよ、と言ったあなたはソラネルにてカレー作りをしていたのでした。

 

 アンナさんはあなたが頼んだ通りのスパイスとその他多くのスパイスをいろいろと用意してくれたことによってこれで本格的なカレーが作れそうですが残念ながらあなたが作れるカレーは簡易的なものです。カレーの道を究める気もそこまでないのでカレーを研究する役目は誰かに任せることにします。

 今回もあなたは急に食事に出すことはせず自ら製作し味見することをしてから皆に提供しようと思っていました。伊達にあなたは現代で一人暮らしを利用してアレコレと男故に凝った料理を作ってきたわけではありませんからその無駄な凝り性を生かして転生者特有に美味しいカレーを作っていきましょう。

 簡易的なスパイスからのカレーの作り方としてまずは基本のスパイス3種類をそろえましょう。必要なのはカレーを思わせるエスニックな芳香をもったクミン、甘く爽やかでほのかにスパイシーな香りのコリアンダー、鮮やかな黄色が特徴のターメリックの3種です。これをなんやかんやで頑張って粉末状にします。機械的なものがないのですり鉢とかウインドとかを応用して頑張ります。今回作るのはチキンカレーなのでほかに鶏肉や玉ねぎ、にんにく等を用意して準備完了です。さっそく作っていきましょう。

 フライパン的なものに油を敷き鶏肉と玉ねぎとニンニクらと3種のスパイスを入れて炒めていきます。しばらく炒めたらトマト缶詰…はないのでちょっとつぶしたトマトと水と砂糖に塩、コショウを入れてとろみてきな物ができるまで煮詰めていきます。その中に鶏がらスープの素、ここでは魔法で都合良く加工されて保存された塊的なものを入れます。醤油とか味を調えたりして日本式っぽくしてそんなこんなで完成です!スパイスでのカレーって簡単に作れるんです。カレールーを砕くの忘れてそのまま鍋にぶち込んで中々全部溶けねぇ…なんて家事初心者みたいなことにはならないのでその点では楽です。ちなみにご飯は用意済みです。

 

「それにしてもこんなに美味しいものを一番先に食べてしまっては、皆に申し訳ないですな」

 

――これからまた作ればいいし。ユナカはもっと得してもいいでしょ。

 

「はて?といいますと?」

 

――だってユナカ、色々頑張ってるし。

 

「”――”氏ほどではござりませぬ。このカレーや脚本の手伝いに筋肉鍛錬の道具の提案などもされてるでありませぬか」

 

――いろいろと無駄に知識があるだけだよ。……ところで、まるっきり話変わるんだけどさ。

 

――打ち合わせの時体全体の見た目がいいっていったけれど、アレ嫌じゃなかった?言い方とか

 

「そんなことありませぬぞ。むしろ鍛錬した自分を褒めてくれてうれしかったくらいです。しかし何故そのようなことを?」

 

 あなたは言い方によっては女性にとって性的な物言いになってしまい不快にさせてしまうためと答えました。女性に対していい体してるじゃねぇかなどという蛮族みたいなやつが偶にいてそれを不快に思う女性がいるように同じ思いをさせていないか、そしてそういうことに過敏な場所で生きてきた経験があることも伝えました。おかげで人、特に女性をほめるのがまともに出来なかったと。

 それに対してユナカは大変同情的な態度をとってくれました。ですがそれにしては自分のことを饒舌に褒めてくれたがどうかしたのかと疑問を抱きそれをあなたに問いました。あなたはリュールとの褒める練習の件を話しました。

 

「神竜氏とそんなことを……あっ、ところで……」

 

 ユナカから何かしら聞きたいことがありそうでしたがその前にあなたから聞きたいことがあったので先に質問を口に出していました。

 

――あとさ、もう一つ聞いていい?

 

「んっ?なんですぞ?」

 

――これ聞いていいかわからないんだけどさユナカのその服の横の部分、空いてるけどなんか意味あるの?

 

 服の横の部分とはユナカがゲーム上でシーフの職業でデフォルトで来ている服のことです。その服にはウエスト横部分が大きく切り取られておりそこ切られたら死ぬんじゃない?危なくない?と思わせる部分です。この世界でも普通に来て普通に攻撃したり回避したりと着て動いているのでさすがに気になって聞いてみたのです。

 どうみても肌丸出しで虫に刺されたりなにか枝でひっかけて切り傷作ったりしそうな服ですから。

 

「この部分のことですか?もちろん動きやすくするためでござるが……。あ、わかりましたぞ。ふふーん。実はこの部分見た目ほどやわではないのですぞ」

 

――と、いうと?

 

「このわたくしめが来てるこの服には魔道の術がかけられておりましてな?見た目より頑丈でこの部分も敵の攻撃などをそう簡単には通したりはしないのですぞ!ちなみに害がなかったりすると触れられたりする感じでござりまする」

 

 へー、とあなたは感心してユナカのあけられているウエスト部分を見ます。魔法がかけられたものは色々あるけどよく作るものだなぁとじっと見ていましたが失礼と感じたのでさすがに目をそらしました。というかその格好で街の中を歩いていてぶっちゃけ露出度的にはよろしくない、露出狂と間違えられないだろうかと思いましたがそっとしておく、もとい聞くのはやめておきました。

 

「それにしても美味しかったでござるよこのカレー。もう何杯も食べられそうで……危険ですな…」

 

 ユナカは初めて食べたチキンカレーの舌鼓を打ちましたがその美味しさに食べ過ぎてしまいそうになる危険性を同時に感じました。その危険性を無視しチキンカレーを欲望のままに貪ればその結果は華奢で美しさを感じるウエスト部分に結果が現れるでしょう。

 

――今は私服の方が多いけど行軍中に……まぁそこの部分がアレになってると格好はつかんわな。

 

 逆に今その服を着ているということは実戦形式で鍛錬でもしてきたのでしょう。

 

「あっ、”――”氏!女性に対する配慮が足りませぬぞ!文句を言われるならそういった言葉でですぞ!」

 

 あなたはそりゃそうだと思いながらごめんごめんと謝るのでした。

 ですがそう考えるとユナカをはじめとするリュールやセリーヌなどの王族らに対して現代料理やこの世界の食材等から作られる料理を作り上げて広めるのはあなたのひそかな計画ですが、それらをパクパクと食べさせて体重を気にさせるという悪魔の所業が可能なことに気が付きました。食品ロスとかが気になった現代ではもうやっていないかもしれませんが中国人のおもてなしのごとく大量の料理を目の前に出しお腹がいっぱいになるまで出し続けるということを新料理で実現させ、美味しくパクパク食べさせる計画を妄想すると悪どい笑みが浮かんできてしまいます。

 

「そ、その悪どい笑みはなんでござるか……人の心がない所業をする気ですな!?」

 

――ちゃんと心あるから。ちょっといろんな料理作って皆に食べさせまくって体重気にさせてやろうかなって思ってるだけだから。

 

「心がない!心がないですぞ!こんなに美味しいもの食べ続けたら太るに決まっておりまする!!」

 

――食べたくないの?まだメニューたくさんあるけど

 

「まだあると!?…た、食べたい。食べたいですぞ……」

 

 ははは、食べたければ頭を垂れよとあなたは悪代官のごとくふるまいますがユナカが気が付いたように話を変えてきました。

 

「そ、そういえば聞きたいことがあるのですぞ!その、”――”氏は神竜氏とセリーヌ氏のことをどう思っているのでござるか?」




料理見直してみたらリトスの地にオレンジチョコあってチョコレートの食品化技術あるの!?ってガチでビビった。絶対超高級品やん。貿易で絶対強そう。
明治のチョコレートができるまで見に行っちゃったよ。
料理のところ見てみるとそれぞれの国の食文化が見れて面白い。今更だけど
フィレネに厚切りポテトフライあったりするし。お前その国にあるんか。
ところで前にも思ったけど乙女ユナカみてみたいな……みたくない?


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日常33

更新してない間じわじわとお気に入り登録増えて800到達ありがとうございます!
しおりも増えててうれしい。なぜか一番最初が結構多いけどしおりってこういうもん?
今月末のエンゲージ攻略本は予約済みだぜ!でもその前に実は追加DLC作って入れてたとかニンダイで情報が欲しいぜ!
攻略本ver2出してもいいのよ?
それでは今回も暇つぶしに
どうぞ


「わたくしめが”――”氏に……ですか?」

 

 ユナカは”――”のいない場所で頼まれごとをされていました。

 

「そうなの。セリーヌ様と神竜様のことを」

 

「どのように思ってらっしゃるか聞いてきてほしいのですわ。異性として」

 

 その相手はセリーヌの親友エーティエと配下のクロエでした。対するユナカは困惑顔と同時になんだか面倒なことに巻き込まれているのではと勘繰ります。ということからユナカは二人に何故自分にそんなことを頼むのかを聞きました。

 

「だって二人はすごく仲良しじゃない」

 

「まぁ、確かに仲は良いでござるが……」

 

「ユナカは”――”と壁をあまり感じさせずにはしゃいでるじゃありませんの。ジェンガやトランプではしゃいでいたのをよく覚えていますわ。というよりあなた方がそれだけ仲良しなのを知らない人がこの軍にいないとでも?」

 

 実際ユナカの生まれは自分で言っていた通り暗殺者でありますが一応みんなからには都合よくバレておらずミカヤの指輪を見つけてくれたなんか強い一般人、ということで”――”が王族貴族による態度を取らずそれらに比べればはるかに簡単に仲良くなった人間です。はじめこそ敬語で話していたりしていましたがそれなりに話したり訓練したり遊んでいたりすれば現代における俗にいう楽に過ごせる女友達としての地位を”――”の中で確立していました。

 そして以前ディアマンド王子に城下町を案内してもらった際に骨董品店でのやり取りで二人の仲の良さは明らかです。

 

「とはいえ、他人の色恋について気になるのはわかりまするがそれについて詮索するというのは……」

 

 詮索というのはユナカ自身が苦手としていることです。そもそもユナカが自分から自らの知られたくない過去を息を吸うようなうっかりでばらしてしまいかねないほどの口の軽さの持ち主ではありますが、自分がまともな生き方をしてきたわけではないことに引け目を感じている彼女にとって自らを詮索することも、それと同時に相手について詮索することも避けたいことです。ゆえに今回の頼み事はお断りしたいところです。あとなんかめんどくさそうな気がする。

 

「それはそうなのですけれども万が一というものがありますのよ」

 

「どういうことでござるか?」

 

 ユナカは余計わからなくなりました。

 ”――”はリュールを守るためならば盾となり相手の立場が王族であろうと異議申し立てをするほどには大切に思っているようですがそれは恋愛によるものではなく、神竜様が倒れたらすべて終わりだからです。訓練中やトランプで遊んでいるときに神竜様強くなられないと詰むからなぁ、とよく言っていました。

 セリーヌに関しては推し。その一言に尽きます。推しという概念については訓練にフランがいるのでよく神竜様のすごいところということで耳に胼胝ができるほど聞かされています。前回のお茶会で言っていたことも大体その時に聞いた内容と同じものでした。庶民が貴族とか王子様お姫様にあこがれるような感じに、セリーヌ王女気品あっていいよねいっぱいちゅき、などといっているだけです。

 

「神竜様とセリーヌ様が”――”のことをお慕いしているかもしれないの」

 

「な、ななな、なんですとぉ!?」

 

 二人がまさかの事態を想定していたことに驚くユナカ。

 リュールが”――”のことを気にしていたのは何となく理解していました。とはいえリュールは純粋無垢な性格であるためただ単に彼ともっと仲良くなりたいといった欲求に沿ったものであると思っています。実際リュールが”――”のことを語っているときというのはとにかく嬉しい、といった子供が親に今日あったことを聞いてほしいような感じでよく話をしていました。一応自分のために王族貴族に進言をするなどはしていますがリュールはそういったことで惚れるというよりも感謝の念の方を強く抱くような博愛主義者のタイプです。だというのに、それだけであるはずなのに何故?

 セリーヌに関してはわかりません。先日のお茶会で”――”の想いをフランから打ち明けられて真っ赤になって慌てて退出してしまったもののユナカにはあれだけのことを思われていたのならば顔を多少たりとも顔を赤らめたりするだろうし、あれだけ慌てふためいて退出していったのだから初心なところが結構あってやはりお姫様なのだと思ったくらいです。”――”のことを話していた時の表情からは恋愛のようなものを感じませんでした。そんな彼女が恋をしているとはリュールと同じく到底思えません。長年苦しめられていた苦しみから解放された悲劇のお姫様だったわけでもあるまいし。

 

「い、いや…。えぇ?…ほんとでござりまするかぁ……?そんな様子などどこにも……」

 

 ユナカにとっては全く当然の返答です。ですが事情を知っている二人は違います。

 

「そうともいかないのですわ」

 

「神竜様はともかくセリーヌ様に関してはちょっと言えないことがあるのだけど……あるかもしれないのよねぇ…」

 

 途中からリュールの褒め談義を聞いて今日はこれを褒めてくれた、実は髪の手入れを少し長くするようにしたから始まりトランプで勝った時の彼の表情とか読みやすいとところとか”――”の話題を出すのが他の者よりも比較的多いところ。何もないときは”――”を探していたりする時が多少多いところ。いつもの笑顔とあまり変わらないようなのだが女の勘が何かが違うとささやいている。ものすごくささやいている。

 セリーヌなんて以前とは全く違います。とはいえ見てすぐに恋をしているとわかりやすく表に出ているわけではない。とはいえなにも感じていないということもないはず。明らかに”――”に向ける感情は変わったし声のトーンも瞳の輝き様も笑顔のでき方というかそういったものが変わったのです。特に自分の親友が、主が彼の手を両手で握って胸元に寄せて好きとまで言うとは思わなかったし、それを声をかけるまでそのままであったことが一番の驚き。そしてそこへ先日フランが明かしたセリーヌへの想い。恋心というわけではないもののずっとセリーヌを想っていたことが明かされ顔を真っ赤にし神竜様をおいて退室してしまうという以前なら絶対にやらなかったこと。それらがセリーヌが恋をしてしまっているのではないかと二人に思わせるには十分なものでした。

 

「それでわたくしめに?こういってはなんですが……お二人から聞けばよろしいのでは?」

 

「その通りなのだけど私たちとの壁がなくなったのはつい最近でまだちょっと遠慮気味なのよね。だいぶ砕けてはいるけど」

 

「それでいくとユナカさんが一番壁がないのですわ。それならそちらの方が色々と分かると思いまして」

 

「一番聞くのに警戒されず、何でも話せる空気があるわたくしめが聞くことで実際どのように思っているのかを知ろうというわけですな……」

 

 どれくらいユナカと最近気楽に話せるようになってきたエーティエらとくらべるとそろそろ友達と呼んでもいいんじゃないかと思って数週間くらいの距離感と、友達となって1年くらいたった感じのアレな距離感です。

 

「これで”――”がもし神竜様かセリーヌ様のどちらかに思いを寄せているなんてことになりましたら……」

 

「俗にいう三角関係になりかねない、というわけですな……」

 

「御伽噺なら平気ですけれど現実でそれだと非常にまずいのよ……」

 

 リュールやセリーヌが”――”に恋心を抱いているわけではありませんが抱くにはそれなりの材料がそろってしまっています。これでもし三角関係が形成でもされてでもしたら戦闘中の士気にかかわってくるかもしれません。神竜と王女という立場であろうとも年相応の少女であることには変わりはありません。何かしら影響が出てこないとは言い切れないのです。

 

「セリーヌ様がもし思いを寄せていらっしゃったらあたくしたちがどうにかしますけれど……何はともあれとりあえず探ってきてもらえませんこと?ユナカさんにしか頼めませんの」

 

「あまり気は乗りませぬがそういうことでしたら。まぁ、なんとかして聞いてみますぞ」

 

「突然こんなことを頼んでごめんなさい。お願いするわね」

 

 こうしてユナカはエーティエとクロエに頼まれたのでした。

 




書いた後読み直したんだけどこれセリーヌ堕ちてない??堕ちてないとこの文章出てこなくない??おかしくない?親愛ルートで出る話か?これが?この小説のタイトル恋愛クソ雑魚リュールちゃんだよ?
ついでに短いとはいえ30話いってるのにクソ雑魚要素出てきてないよ?30話超えてタイトル詐欺してる小説ってマジ???
そういえばこいつらブロディアめっちゃエンジョイしてるな


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日常34

振り子メンタルなので遅れに遅れました。許して。内容もちょい雑かもしれない。許して。
ダイレクト新情報なかった……FEHでもエンゲージ出してないしまだ何かありそうな気もするんだけど……
完全攻略本出るしなぁ……いや、その後出るパターンか?ポケモンもストーリー完全本あるのにDLC発表されたし
久しぶりの暇つぶしに
どうぞ


「そ、そういえば聞きたいことがあるのですぞ!その、”――”氏は神竜氏とセリーヌ王女のことをどう思っているのでござるか?」

 

 ユナカからの奇妙な質問にあなたは首をかしげました?それはユナカが聞いてくるような内容ではなかったからです。

 

――どうした急に。

 

「い、いえ!最近ちょっと……神竜氏とセリーヌ王女と”――”氏がすっごく仲がいいとよく聞きますからな!ちょーっと気になりまして……」

 

 随分とあたふたとしてとってつけたような言い訳を並べて質問に答えます。彼女のACあたふたが壊れてしまったのでしょうか。

 ある意味詮索と言えるようなことをしたのはあなたの記憶に関しては同業者のゼルコバにだけだったと思います。あなたはお前怪しいなと言わざるを得ない視線をユナカに送ります。その視線にユナカは、うっと動揺して視線を動かしつつ某考える人の銅像で頭部を殴打した営業マンのように手をすりすりをすり合わせています。そんな様子を見たあなたは特に問題ないので答えることにしました。

 

「…!そうでござるか!ではその、神竜氏のことはどのように?」

 

 あなたはうぅんと考えながら語りだします。神竜ことリュールは純粋無垢で世間知らずな面もありながらも聡明で思いやりもある。その思いやりには大小はなく公平であり一人一人の意見を尊重し、自ら知らないことは知らないとはっきり言い教えを乞う素直さがある。頭を下げて尊敬する人であると。

 まぁこんなものだよな、とユナカを見るとどうやら満足していない様子。一体他に何が聞きたいのだろうと思い眉を顰めます。

 

「他には、ないでござるか?」

 

 そんなあなたにユナカはさらに続きを促します。これ以上何を言えというのでしょう。フランやクランの神竜様ガチ勢でもないあなたにはリュールの良いところ1つで原稿用紙半分を埋められるような語彙力を持ち合わせていません。こうなれば直接聞くに限ります。

 

――逆にお前は何を求めてるんだよ。

 

「えっ?いやぁ……?ほら…ここがかわいらしくて目を奪われる…とか?」

 

――女子か。

 

「わたくしめはれっきとした女子ですぞ」

 

 何ともまぁガールズトークで話しそうなことを求めていることを明かしました。遠慮しがちな態度をとりながらそんなにそれが知りたいのかという目で見るとたじたじとしながらもこちらをうかがう表情で求めてきます。他の人に言わないかと問うとユナカが目が踊りに踊りだしました

 

「い、いいいませぬぞそんなこと!ええ!」

 

 そのユナカの態度は一発で書けたパソコンのプログラムコードを一発で成功すると確信して実行して失敗する初心者のように明らかに誰かに言うことを暗に示していました。自分が暗殺者だと堂々と言いこぼしたりきちんと自分が嘘をついて言えないと言ったりと本当に悪いことに向かない奴だなとあなたは思います。それなりに仲良くなってちょっとしたいたずらみたいなのはゲームでやってきますが実際に悪いことを積極的にできるような性分ではないことはわかっていました。

 

――ほんとお前、ユナカって悪いこと向いていないよな。

 

 うぅぅと唸るユナカをよそにあなたは…

 

――まぁ悪いことじゃないだろうし話すよ。ユナカは優しいいい子だからな。

 

 ユナカに話すことにしました。

 

「…っ!感謝いたしますぞ”――”氏!」

 

 さてリュールの可愛いところを語っていくとしましょう。

 まずは見た目、赤と青の色の瞳と髪の毛は人の目を引き付けるがそれはただ目立つからだけではなく純粋に美しいからだ。配色に調和がとれており人を魅了する美しさであることは間違いなく足まで伸びる髪の長さがそれをより引き出している。そしてよくみると頭部上に三つ編みがある。これも赤と青が混じっていて美しさの中にある可愛らしさのあるヘアスタイルとなっていて良い。

 そして顔だが先ほど言った色の違う目の大きさは大きくぱっちりとして愛嬌がある。そもそも顔の部品全てが整っていることからそれぞれに愛嬌が感じられるとともに美しさがある。美人と可愛いの両方のいいところどりをしている顔である。

 お召し物も大変良いものを着ているし、色も彼女特有の髪色らに似合っていて良い。あれはリュールのためにあるものだ。腕も、足もながく体全体の見た目、調和がとれていてただ立っているだけで美しい。気品があふれていて目がひきつけられる。

 ほかに可愛いところと言えば純粋無垢なところ。何事にも興味を持ち楽し無辜のできる彼女の様子は可愛らしく、ご飯を食べているときなどがわかりやすいだろう。見たことのない料理を見ると目を輝かせ美味しいと笑顔で食べる姿は大変微笑ましい。楽しいことを純粋に楽しんでいる姿は年相応の少女の様で記憶喪失で目覚めたてなのに指揮官をやっている姿を忘れさせる。そういう苦労をあまり背負わせないように頑張らないといけないと思う、と少し脱線した。

 あとはまだあるがあの人は自分の良さというのがわかってないから少し危なっかしい。というと、自分が綺麗であることが良くわかってないしあの服のスカートのようなところがあるだろう?あそこをこの前ひらひらと遊ばせていたのを偶然見てしまってすぐに目をそらしたよ。ああいうのはよろしくないからユナカから言っておいてくれ。

 とあなたは以上のことをユナカに話しました。

 

「な、なるほど……」

 

 思ったよりめちゃくちゃ喋ったなこいつと言わんばかりの情報量を受け止めているユナカ。話せと言ったのはお前でしょうがと思ったあなたは若干むっとした感じで返事をします。

 

――これらは神竜様が自分をほめてくださいって言われたときに言ったやつがほとんどだよ。お茶会やってるなら知ってるんじゃないのか?こんな感じだよ。

 

「ま、まぁそうですな。それで”――”氏にとっての今のセリーヌ王女は改めてどうでござるか?あ、この前言っていたことは除いてお願いするでござりまする」

 

 さてあなたの推しの話がやってきました。ちなみにこの前言ったことというのはフランたちとの鍛錬の中で出てきたセリーヌのことです。

 

――逆に困るなそれ。まぁいいけど。……セリーヌ王女はなぁ……

 

 そこであなたは言葉を溜めます。なんといったものか、どういったものか、一言では表せないのだろうか。それほどの想いをセリーヌ王女に抱いていて好意にまで至ってしまったのか。見事な神竜、王女、平民の修羅場三角関係が形成されてしまったのかと恐る恐るユナカは返答を待ちます。

 

―――――良い。

 

「いや、良いといわれましても何が良いのかわかりませぬ」

 

――良い。

 

「だからわかりませぬ」

 

 実際良いだから仕方がない。オタクが推しについて語るとなるとまず良いから始まるのは当然のことである。それでどこがいいのかと言われたらとにかくいいよねとしか言えない。そのはずである。だがそれでは伝わらないのであなたは一生懸命ユナカに薄い本レベルの要領で記憶されているあなたの頭の中の語彙の量で説明することにしました。

 良いというのは良いというほかないが言語化しろというのならば見た目からしてお姫様というところがシンプルでよい。そしてその通りの優しさは持っているものの固定概念にのっとった優しさではなく誰かのために戦える強さを兼ね備えたセリーヌ王女なりの優しさというのがポイントである。その優しさがいろんな所作や見た目にも表れている。自然に出てくる笑みだがそれが代表だろうか。リュールの笑みも優しさや慈悲などがあふれ出ているがそれとは違ってそれは良い。アンナさんから聞いた話だがセリーヌ王女は個人でイルシオンの茶葉も取り寄せているらしい。友好の証として。神竜信仰と邪竜信仰とかなり相容れないかもしれないというのに友好を結べるよう願いそれを実行しているところは本当に頭が下がる。自分ならそんなことができるかどうか……。

 あとは大体フランたちとのけいこの時間に語ったのと同じになるから割愛するぞとあなたは言いました。

 

「いや、セリーヌ王女の可愛いと思うところとか聞いてないですぞ」

 

――え?あー、声?とか?

 

「急に適当になりましたな」

 

――ちゃんと声もいいんだよ。あ、これ神竜様も同じね。

 

 今までの情報から考えるとこれでは神竜、セリーヌ王女の二人に特に恋愛感情といったものは抱いてない様子ですがユナカは念のため直球に一つ聞いてみることにしました。

 

「結ばれたいとかは思わないのでござるか?」

 

――いやないわ。推しだぞ?王女様だぞ?神竜様だぞ?無理だろ

 

 速攻否定するあなた。それもそうです。一市民がお姫様と結ばれるでしょうか。生きる神様と言えるリュールと結ばれたいと思うでしょうか。結婚したいお付き合いしたいなどと言っているのは彼女がフィクションの存在であったがためであり実在してしまってはその人物と結ばれたいと思ったとしても縁のない世界として切り捨て、自分の近くの世界で運命の人を探すものです。そもそも相応の世界にいるお方なのですから結ばれたいと思うのならそれ相応の覚悟と資格というものが必要となります。

 あなたにはフィレネのという国を背負う覚悟というものなどわかりません。神竜として世界を導く覚悟というなどもわかりません。だというのに私にはその覚悟があるなどとは口が裂けても言えないし言ってはならないのです。彼女たちが背負い想っているものはそれだけの大きさと重さがあるのです。

 そのことをあなたはユナカに伝えました。

 

「確かに……それもそうですな」

 

――それで?これでいい?

 

「はい、助かりましたぞ」

 

――まぁ、ユナカだから変なことには使わないだろうしあまり心配してないけどね。

 

「……わたくしめはそんなにいい人ではありませぬ。皆に嘘をついてこの軍にいるのですから」

 

――どう生きてきたかは言えないから嘘をつくしかないと言える人がいい人じゃなきゃなんなんだよ

 

「どこでそれを……」

 

 驚くユナカにあなたはリュールやアルフレッド王子らとの談笑でユナカの話題が出た時にアルフレッド王子はそれとなく話を終わらせてリュールもいろいろと事情があるようだと言っていたのでそれからある程度察することができたと言いました。というよりもユナカと話をそれなりにしたことがある人はユナカの人柄故にわからないと答えるしかないのです。

 ちなみにあなたも出生とかそのあたりはこう、旅の途中で生まれたとかうんたらかんたらの転生者特有の超便利設定なのですが話そうとするとめんどくさくなるので言いたくなかったりします。

 

――だから別に言わなくてもいいって。信じてるし。

 

「……ありがとうございまする」

 

 このあと報告するためにバリバリ言うので罪悪感を感じながらもユナカはあなたにお礼を言いました。




実のところユナカの台詞一言で詰まってスランプったのが大半。無駄な完璧主義。
完全版商法でいいからエンゲージもっと供給して……そんなプレイしまくる人間じゃないから新シナリオきて……


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日常35

日常を3000字程度でゆっくり書いているので全く進まないエムブレム小説。
この投稿は攻略本発売日に書いてあるのであとからいろいろ設定足したりするかも。
株主総会でエンゲージについて言及あったけどマジで今からでも盛り上げてくれないかな。フェー、お前実装してないんだからこれから推すんだろ。
それでは暇つぶしに
どうぞ


 なんかいい感じに時間が過ぎました。劇の練習をしつつ本番の公演はなんかたぶんもうちょいくらい先です。

 具体的にはあなたがブロディアで出る食事に口をはさんだりしてカレーなどのメニューを提供することなど畏れ多くてできないのでこっそりとソラネルに帰ってカレーを作って食べていたりしていました。その仲間はユナカやジャン、アンナさんが主でした。なぜリュールら神竜という主君を差し置いているかというと王族がブロディア王城の食事を断ってくるとなんかこう、外交的に良くないんじゃないかなと思って中々誘えなかったりするからです。現代であれば別にそこまで気にしないかもしれないがあなたはそのあたりよくわからないので実質4人でカレーを独占していました。

 ちなみにあなた方は平民でそれなりに重要視されていないのと一般兵士たちと同じ食堂使うとか適当いってなんとかなっているのでセーフです。

 

――というわけで今日はキーマカレーです。

 

「また新しいかれーね!……ってるーだけじゃない!ごはんは!?」

 

 はしゃぐアンナさんをよそにキーマカレーをテーブルに運びつつ、まぁ待たれよと言いあるものを持ってきました。

 

「うわ、なんやこれえらいおおきい…パンなんか?これ」

 

――ナンと呼ばれるものだ。

 

「パンと何が違うでござるか?」

 

――ぶっちゃけよくわかってない。とりあえずなんか長くてでかい。本来はつぼ型のかまどの外側に張り付けて焼き上げるけどそんなものはないのでパン生地をそのまま長く伸ばしてかまどで適当に焼いた。

 

 えぇ…というユナカですがその大きさに圧倒されるとともにカレーをパンにつけて食べるという方法もあったかなどとも考えていました。

 実際ナンというのはペルシャ語でパンという意味で実際パンの一種でもあります。タンドールというつぼ型のかまどの外側に張り付けて短時間で焼き上げることで外はカリッと中はモチっとした食感に出来上がります。ちなみにそのかまどを持っている家庭は少なくレストランなどで食べるものとされ、普段食べられているのはチャパティとよばれる全粒粉を塩と水で練って薄く丸く伸ばしたものなどです。

 

「それで今日のこの新しいきーまかれーというのは何なの?」

 

 キーマカレーというのは主にひき肉を使用したカレーのことです。キーマという言葉自体に細切り肉、ひき肉と言った意味があり、ひき肉をミートボールにしたカレーなどもまとめてキーマカレーと呼ばれます。

 今回あなたが作ったのは玉ねぎ、トマト、ナス、ひき肉にテンプレ配合と化したスパイスを使用したキーマカレーです。それぞれを細かくみじん切りにしてフライパンに油を入れておろしにんにく、しょうが(ソルムにあった)を入れて炒め、ひき肉、野菜核種を入れてしばらく炒めた後にテンプレ配合スパイスを入れさらに炒めます。そしたら塩やこしょうやなんかそこら辺の味付けになりそうなものを入れて味見をして出来上がりです。水分が野菜の水分のみでありできた結果あまり水分量がないためドライカレーと言ってもよいかもしれません。

 ちなみに似たものにドライカレーがありますがドライカレーとの違いは水分量の違いです。キーマカレーは水分量について特に言及されませんがドライカレーは汁気がほとんどないか全くない状態の日本独自のカレーです。

 今回のカレーはお肉が少し多めに入れてありフレッシュなトマトを使用しているためあまりしつこく感じさせない感じに出来上がっています。あとは対して水を入れたりしないのでうまみとかが凝縮していると思います。

 

「へー。じゃあアンナさんが採点してあげるわ!……パンが大きいわ!」

 

「まぁこの大きさですからな。アンナ氏もジャン氏も小柄故ちぎりにくいでしょうな」

 

「あ、めっちゃでかくなってもうた」

 

 二人がナンの千切り具合が大きくなったことでちょっと困っていたのでユナカと一緒に代わりに千切ってあげました。アンナさんがナンを一口食べて、ちょっともっちりしてるけど普通のパンねとつぶやきますがキーマカレーをのせて食べると瞳が輝き顔が喜びにあふれました。

 

「美味しいわこれ!パンだけだともう少し欲しいのがきーまかれーをつけることで美味しさのそーじょーこーかを生み出しているわ!でもこのパンを適当に作ったから100点には惜しいわ!」

 

 星5レビューをつけようとしたけどなんかちょっと落ち度があったので星4ですといったレビューでもつけそうな言い方をするアンナさん。まぁあなたはパン作りの職人というわけではなく転生者特有のアレコレで家事一般とか料理一般とかができるだけなのでそこらへんは今後仲間になるボネなどのプロに頼りましょう。

 

「いや、この場合なんなる物を適当に作っても美味しいということでは?」

 

「せやでアンナさん。そこまでいうんは贅沢っちゅうもんや」

 

「仕方ないじゃない美味しいんだもの!」

 

 それぞれ何かしら言いながらもナンにカレーをつけて食べて美味しい美味しいと言ってくれる姿にあなたは作った甲斐があったものだと思うものです。どこぞの料理研究家のみなさんが料理が楽しいという理由がよくわかる気がします。ユナカがアンナさんの口についたカレーを拭いてあげたりと微笑ましい光景が広がっています。

 

「やっぱり…自分らだけでこのかれー食べててええんやろうか?神竜様にも差し上げないといかんとちゃいます?」

 

――独占してることについてはそうなんだけど、ブロディア王族が用意してくれてる食事やめて一般人の食事食べてくださいなんて言える勇気がない。

 

「王子に首を出せと言ったり国王に意見したりした平民が何を言ってるでおりまするか。まぁ、神竜氏は気にはしませぬでしょうが国としては気にする貴族もいるかもしれませんしなぁ……」

 

「おおもうけのきかいなのにー」

 

 アンナさんの言う通りカレーの文化が流行れば交易で栄えたソルムのスパイス需要は高まり各国で貿易が始まるかもしれません。しかし今は戦時中で全ての国はイルシオンないし異形兵の対応に追われています。新たな交易ルートを確保して始めるというのは難しいでしょう。そんな中であなたが望むものを調達してきてくれるアンナさんのネットワークには脱帽ものです。

 もしこの光景をリュールらがみたらどんな反応をするでしょうか。子供っぽく目を光らせて何食べてるんですかと可愛らしく訪ねてくるかもしれません。他の面子はどうでしょう。セリーヌ王女がアルフレッドに対するような態度をもってずるいわ!などという姿が想像できませんがやはり一番大きな反応をするのはクロエでしょう。珍味こと珍しい食べ物に興味がある彼女を最近壁も結構なくなった上のけ者にしたようなものなのである意味怒り具合は彼女が一番かもしれません。そんなことを考えているとユナカに何を考えているかを聞かれたのであなたは考えていたことを答えました。

 

「あー。確かにそれぞれの反応というのは気になりますな。神竜氏はやはりまだ目覚めたばかりで幼子のようなところがありますしアンナさんのように可愛らしく怒りだすかもしれませぬぞ」

 

「ちょっとー!アンナさんはしょーばいにんなんだから子ども扱いしないの!」

 

「口にカレーがついてるところがまだ子供の証ですぞ」

 

――ほれ、拭いてやるから。……まぁぶっちゃけ独占するのって優越感あるよな。

 

「”――”氏が一番子供ではありませぬか」

 

「ユナカさんやて結構食べとるやんか」

 

――うまいもん食わせて体重気にさせるの楽しいわ

 

「人でなし!人でなしですぞ!」

 

「――”――”もみんなも楽しそうね。私たちにも少し頂けるかしら?」

 

 和気あいあいとした会話に割り込んできたのは意外にもセリーヌ王女でした。




南極に発生したシュバルツバース破壊にいそしんでるのでエンゲージの確認作業に時間を割いてないというエムブレマーとは思えぬ所業。
エレオスっていただきますって文化あったっけ……細かいことに気になって筆が止まったり。
ポケモンだって攻略本でてからDLC作ったんだからFEだって作ったっていいはずだ!……作って


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日常36

悲報 ブロディアにもカレーがある。
攻略本を見て色々考察してみて独自解釈があります。ご容赦ください。
攻略本読み込んでみると意外な事実が判明してくる→支援会話で見たくなる→シュバルツバースを破壊しにいく→攻略本を読む→無限ループ
そして今日はエンゲージ漫画5話が公開されましたね。みんなキャラ可愛いくてかっこいいしギャグとシリアスがメリハリしていいてリュールの城の外からワープで人質救出からのオーバードライブで一掃してリュールがとどめというリュール様は本当に賢いお方ムーブもしてくれました。満足です。
というわけでギリギリ今日投稿です。
暇つぶしにどうぞ


 このタイミングで何とも一番こなさそうな人が来ました。セリーヌ王女はリュールらとブロディア王族たちと食事をとっているはずです。この時間にソラネルに来るはずがありません。食事中に忘れ物をしたと気づいたにしても後ほど持っていくなどすればよいはずでこの時間である必要はありません。いったいなぜここにいるのでしょうか。

 

「わたしがここにいるのが気になっているのでしょう”――”?王族貴族諸侯の皆様方との食事会のことなら神竜様が一般兵士の皆が利用している食堂で兵士の方々とも友好を深めたいとおっしゃったのでそちらでお食事はいただいてきたわ。あなたたちがいなかったのを神竜様やわたしも残念にしながらもお食事を終えて、そしたらあなたたちがソラネルに行くって話をしていたのを聞いた兵士の人から聞いてここにきたの」

 

 どうやら食事はすでに終えた後の様でした。なるほどそれなら納得です。ですが臣下のルイとクロエの姿は見えますがほかの人間の姿は見えませんからあなたはセリーヌ王女達だけで来られたのですかと聞きました。

 

「いえ、神竜様はアルフレッド様たちと守り人の方々、ディアマンド王子とスタルーク王子が来ていますよ。ソラネルのご案内をしていたなかったと、これを機に神竜様自らご案内されているんですよ」

 

「それでわたしたちはあなた達を探していたの。ほら、お二人も共に戦う仲間となるのだからお話をしたいとおっしゃっていたのよ」

 

 いわれてみれば王城で寝泊まりして自分らだけでソラネルばかり行き来したりしていました。案内をするということは以前に約束をしていたのですが公務や公友会、作戦会議に合同鍛錬などでいろいろと先延ばしにしてしまいソラネルの案内が遅くなってしまって今の状態に至ったのでしょう。

 臣下がいないのはおそらく城で何かがあった時のため、あからじめリュールがソラネルへの移動を許可しておいてその際に移動してディアマンド王子とスタルーク王子に知らせるためにあえて連れてきていないと思われます。

 

「それにしてもかれーなんていうものを作っていたのでしょう?おかわりはあるかしら?きっと”――”が作ったのだからせっかくだし食べてみたいの。クロエなんて特に食べてみたいでしょう?」

 

「はい、もちろん。もう、なんて珍しい食べ物をみんなで独占しているのかしら!ずるいわよ”ーー”」

 

「セリーヌ様が一目散に食堂へ向かわれたのはやはり…」

 

 ルイが小声で何か言ったようですがクロエが肘で小突いて黙らせましたがあなたはそれを聞いていませんでした。一方でユナカは何かしら察したような表情を浮かべていました。

 

――おかわりはありますので温めて持ってきますね。

 

 あなたが4人で独占して食べるために多めに作っておいたキーマカレーとクソデカパンであるナンを温めている間、食事場ではリュールらに連れられてやってきたディアマンド王子とスタルーク王子がやってきました。座っていた平民3人は席を立ち経って挨拶をしようとしますがディアマンドが楽にしてほしいと静止します。ディアマンド王子が平民3人が食べているものを見ると珍しいものを見た眼をして、これはどういった食べ物なのかと聞くとユナカが説明をしました。

 

「きーま、カレー?となん?我が国にも鶏肉とトマトのカレーという癖の強い料理はあるが初めて聞くものだな」

 

「ブロディアに伝わるかれーというのはどういったものなんですか?」

 

「あ、神竜様。ブロディアで主に知られるカレーはブロディアでとれる独特のスパイスをいくつか配合して作ってそれをソースにして煮込む料理なのですが、だいぶ癖がつよく貴族らからはあまり好まれていないんです。まぁ兄上は好きでよく食べるんですが。あと僕の配下であるラピスの得意料理ですね。せっかくの得意料理なのに食べられない自分が情けないです。あっこんなこと知りたくなかったですよねすみません。」

 

 実際ブロディアの料理には鶏肉とトマトのカレーというものがあります。ゲーム上ではスパイスはソルムに入ってから手に入るものですがこの料理を作るのが超得意であるラピスやアンバーの好きな料理に値することからブロディアにもスパイスの類は存在し、村や里などではよく食べられたりする料理とされています。ソルムのスパイスとは違い癖が強いため貴族らには受けが悪いのだとか。あなたはなぜかこのことや様々なことなどを少し前に思い出しましたがそんなことはまぁいいことなのです。

 カレーが好きなディアマンド王子はキーマカレーのキーマについて聞いたり巨大なパンであるナンについて詳しくユナカたちから話を聞いています。一方でジャンやアンナさんたちにはフランとクランが文句を言っています。

 

「相変わらずいろんなものを作るのが得意なようだね彼は」

 

「えぇ、筋肉鍛錬道具に料理。色んな事を知れるのは良いことですわね」

 

「たくさんのことを知っているからいろいろと飽きが来ない。戦場において食事は大切だからな。兵たちの士気にもかかわってくる。ありがたいな」

 

 そうこうしているうちにあなたは温め終わった残りのキーマカレーとナンをもって食事場へ持ってきました。なんか人数が随分と増えているなと思いながらもディアマンド王子とスタルーク王子を見かけたのでカレーとナンをもった状態で失礼ですが挨拶をしました。

 

――さあ、お待たせしました。残り物ですが皆さんで一口くらい食べるなら十分足りますよ。ナンにカレーをつけて召し上がれ。

 

「では遠慮なくいただこう。……これはっ、ブロディアのカレーと全く違う癖のない感じ……旨いぞ!スタルーク、食べてみろ」

 

「えぇほんとですか兄上……。大変な失礼を働いた僕が食べていいものなのだろうか。でも食べないと余計失礼かもしれないし…んん……っ。…うわ本当だ美味しい。全然癖がない食べやすい……」

 

「食事はいただいたあとなのであまりよくないけれどたまにはいいわね。美味しいわ”ーー”」

 

 あなたが用意したキーマカレーはブロディア兄弟とセリーヌ王女にも好評のようですが一人だけあなたをじとっとした目で見つめる人がいました。リュールです。

 

「”――”はこんなに美味しいものを私たちに黙って食べていたんですね……ずるいです。ユナカと…一緒に…食べて…」

 

――どうやらキーマカレーはお口に合ったようですね。よかったです。あとユナカはよくカレーを食べてますからそろそろ体重が増えていると思うので許してあげてください。あ、スタルーク王子まだありますのでどうぞ。

 

「なんですとぉ!?いや最近の体重管理には気を付けて…気を付けて…」

 

「あ、あんなことがあったのに優しくしてくれるなんて…なんていい人なんだ…!ありがたくいただきます…!」

 

 ユナカは恐る恐るわき腹をつまめるか試してみますが悲しいことに少しつまめるほどには肉がついてしまいました。あーあ、あなたが美味しいものを食べ続けさせたせいです。なおジャンとアンナさんは成長期なので問題ありません。嘘だろ…という顔をしているユナカと文句を言いながらも美味ひいですと幸せいっぱいな顔をしたリュールが対照的でした。

 

「そ、そうよね…”――”が作る料理は珍しくて美味しいものばかりだからわたしも気を付けないと。お食事を共にできるのに情けない姿なんて見せられないわ。……いつも思うのだけどどうしてクロエは太らないのかしら」

 

「何故と言われてもそういうのを気にしたことがありませんから……」

 

「あ、私も食べますけどあまり気にしたことがないですし、体型もあまり変わらないですね」

 

「し、神竜様もなの!?…ううう、羨ましいわ」

 

 なんとこれは意外です。リュールは風花雪月の主人公ことベレト先生のように一日最大10回昼食をとることのできる亡者とは違いゲーム上ではきちんと1回しか取れなかったはずなのですが特に太ることのない体質の様です。すべての人間がうらやましがる体質をもって特に女性陣は羨みの目でリュールを見ます。

 そんな中リュールは気づきました。特に気にせず食べられるということはあなたの作るいろんなご飯を食べ続けることができるということです。これであなたと一緒に入れる時間が増えることに気付いたリュールは再び笑みを浮かべました。

 

「ところでどうしてかれーをみんなで独占していたんですか?私もみんなと食べたかったです」

 

――皆さんが王族貴族と会食されてるのにそれをやめて私のご飯を食べてくださいなんて言える勇気ありませんよ。

 

「とてもスタルークに首を差し出せだの父上に意見をした人間の台詞とは思えんな」

 

――神竜様の生存が第一だから言えたことです。勢いのようなものなのでなるべくもうやりたくありませんよ。………必要なら頑張りますからそんな目をしないでください

 

 ディアマンド王子はあなたという人間の器を計ろうとしているようです。やりたくない怖い勇気がないといいながらも神竜のためならば体を張り目上の人間にも意見を申し立てをする貴方を。とはいえあなたにそこまでの脳みそは持ち合わせていません。この世界はゲームではなく現実であるため仲間が死にかねないこと、それにリュールが含まれていることと非常に激しい激闘が予想される章も近づいてきています。そういったことを考えてリュールには強くなってもらわないといけません。

 ちなみにあなたのやりたくないという言葉に目を悲しそうな色に染めていたリュールはあなたの頑張るの一言で目の色を明るい色に変えました。

 

「ならばこれからは食堂の自由空間を使うと言い。後片付け等はすべて自分が行うが自由に料理ができる場所がある。食堂の料理人に話を通しておくから存分に作るといい。私もどんな料理が食べられるか楽しみだからな。甘いものだけは苦手だが」

 

 どうやらこの世界にも風花雪月の士官学校にもあった謎の自分で作れる料理スペースがあるようです。ブロディア料理の練習もできますし珍しいものを作って今後の戦場での食事などに備えるとしましょう。ちなみに後日私も料理がしたいと言ってきたリュールと鉄の味になるというのは本当なのか興味本位で行ったところ本当に鉄の味になったのはこの世の不思議を感じました。

 




セリーヌ(”――”なら食堂かしら……いてくれるわよね?)
リュール(これで”――”と一緒にご飯をいっぱい食べられます!)
こんな感じ。
攻略本のおかげでエミュが高くなる―。


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日常37

教訓:劇二度とやらない。頭の中に考えてたやつ雑に出力したのに9千字やぞ。二度とやらん。
でもブロディアでやりたいことまだ2つ残ってるという。ご飯で茶を濁してやろうか。
これだけやってイルシオン攻めてこないってマジ?
あとシュバルツバース壊したのでエンゲージ触ったんですけどこれまだ遊べるのでDLC下さい。
というわけで今回日常と劇が1:9とか2:8くらいなんで、ふーん、ほーんくらいの気持ちで読んでください。
ガチの暇つぶしに
どうぞ


 とうとう演劇の本番の日がやってきました。脚本家たちとあーでもないこーでもないといいながら台詞や構成を見直し、演出はこっちのほうがいいだの複雑で維持できないだの、台詞1つのトーンの上がり下がりで文句を言ったりだのいろいろとなんかすっごくありましたが今できる最高のものへとなりました。

 イルシオンとの戦争、邪竜復活という悪い知らせが多い中本物の神竜リュールが登場し劇をするという話を聞いて多くの市民と王族貴族らが劇場内に入り込んでいまやいまやと劇の始まりを待ち望んでいます。

 もちろん突如現れる異形兵に備えて兵士たちの巡回はさせていますし迎撃に出る兵士たちも残してあります。モリオン王も例外ではなく指揮官として民たちの一時の不安を忘れ日常を謳歌できることを願ってスタンバイしています。まぁ邪竜復活を除けばイルシオンに攻め込んだのはブロディアなのですが。

 今回の劇のシナリオもある程度ブロディアが正しいというプロパガンダが込められていますが仕方ありません。国家案件であるためブロディア批判はするとしても最小限にとどめ最終的に世界共通の敵となったイルシオンを討つというかたちのシナリオとなっています。主演は劇団の皆さまと主人公である神竜リュール、諸事情で人前に出るのが苦手なので幻影魔法的なものをまとって変装をしたユナカこと主人公の友マリア、そしてラスボスを務めるあなたです。

 なお演出にはいろいろと魔導士の皆さまとあなたたちの協力があるのでいろいろとリアリティある感じの演劇が楽しめます。怪我もしないので安心です。

 さて、そろそろ開演の時間がやってきました。特に描写はしていませんでしたが凄く練習をしたのできっと問題はないでしょう。あとはそれを発揮するのみ。

 

「さあ皆さん、いきましょう!」

 

 神竜たるリュールが今回は特別に代表として号令をかけ円陣を組みおおっ!と皆は声を上げました。開演です。

 

 

 

 

 世界は様々な問題を抱えていました。貧困、差別、一部の上流階級における横暴などが各国で問題化しそれぞれ直面していると同時に国家間でも牽制しあっていた。そんな中武力の国であるヴォルフガングと敵対関係である邪竜ソンブルを信仰する国イントゥリアから奇妙な兵隊と言わざるを得ない兵士が現れるようになりました。

 それは世界中で現れるようになり異形兵と呼ばれました。世界は震撼したのです、邪竜が復活したのではないかと。これを危機的状況であると判断した各国上層部は各国で同盟を結成しましたが元々足を引っ張り合っていた国同士では足踏みをそろえてイントゥリアと戦うことはお世辞にもうまく戦っていたとは言えませんでした。

 そんな中イントゥリアが邪竜を信仰するとともに世界は神竜を信仰していました。「世界が混迷を極め邪竜ソンブルが復活した際、神竜は現れ世界をまとめ平穏へと導くだろう」

 各国の平民や兵士たちはそれを信じながらも戦っていました。そしてある場所神竜の聖地と呼ばれる神竜に対する信仰が篤い者たちが集まる地で一人の少女が暮らしていました。名前はリュール。幼き頃より様々な武術、知識、剣術、政治学等を叩き込まれ大切に育てられてきた大変聡明な少女です。ある日彼女と彼女の幼き頃からの学友であり親友であるマリアは母と呼べるものから衝撃の真実を告げられます。

 

「リュール、あなたの本当の名前は神竜リュール。神竜族最後の生き残り。邪竜ソンブルを討ち世界を平穏に導くことがあなたに課せられた使命。私たちはあなたを大切に育ててきました。リュール、使命を果たすときが来たのです」

 

 マリアはそのリュールを守るべき一族の者で同時にマリアもその使命を告げられリュールとマリアは己に課せられた定めに従い邪竜ソンブルを討つべく軍を率いて邪竜討伐の旅へと向かったのです。

 

「リュール、マリア。どうか無事に帰ってきて」

 

 神竜リュールの旅は楽なものではありませんでした。神竜ということを証明したとしてもその立場を利用し利益をむさぼろうとしようとするもの、イントゥリアの者とつながり罠にはめようとするものまでいました。そして何よりも国が直面している問題がリュールの胸を打ちました。貧困、差別、リュールも受けた上流階級の横暴がそのままで放置していたままだった現実のことです。現状を解決できてなかった王族たちはうしろめたさを感じていましたが神竜リュールのカリスマ性と聡明な頭脳、邪悪を両断する強さ、日常を想う優しさによって各国の問題への対応を約束させ各国王族の結束も強まっていきました。

 そんな中邪竜ソンブルの手先リリスが神竜リュールの元へ強襲をかけてきたのです。暗黒の力を振るいリュールへと向かう攻撃、それを幼少のころの親友であるマリアがかばいました。

 

「マリア―ッ!!」

 

「リュール様、お逃げください……」

 

 攻撃の威力はすさまじく急襲ということもあり防御もままならない。マリアは大きな深手を負いました。

 

「貴方のお友達であるマリアを助けたければイントゥリア王国のある神殿へ来なさい」

 

 そういってリリスはマリアを人質としてさらいリュールの目の前から消えました。マリアの無事を祈りながらも指揮官としての役目を果たすリュールは今すぐにでも飛んでいきたい気持ちを抑えていました。そんなリュールに恩返しをするかのように各国の王族たちはリリスがリュールを待つ神殿への道を協力して開いてもらいついにリリスと対峙します。そこにはボロボロになったマリアが横たわっていました。

 

「マリア!マリアをどうしたのです!?」

 

「そこのお嬢さんなら死んだわよ?返してほしかったらきなさいぃ?わざわざ生かしておくわけないのになんて能天気よぉ!!」

 

 リュールは怒りをもって剣を振るいリリスに立ち向かいます。剣と魔道の応酬の末リリスの魔道を利用してとどめを刺したのはリュールでした。爆音とともに残る手ごたえがリリスを倒したことを証明しています。ですがマリアは帰ってきません。ともにいる仲間たちが悲痛の表情をして黙っています。そんなときです。マリアがなんとうめき声をあげ立ち上がったのです!

 

「ま、マリア!?生きていたのですねマリアー!」

 

「く、クククククク……なぁんちゃって!!!」

 

 起き上がったマリアの様子が明らかにおかしいです。

 

「ま、マリア?」

 

「うぃひひひひ!!あかかかかか!おかしくって腹が痛いわぁ……!!!」

 

「な、なにを…?」

 

「まだわかんないのぉ!?能天気!なら見せてやろうってさ!もっと面白いものをねぇええ!!!」

 

 瞬間!マリアの姿が変貌していきまがまがしい姿となり竜族特有の特徴を持つ姿へと姿を変えてしまいました。その姿は邪竜を想像させる姿でした。

 

「マリアは!マリアはどこです!?」

 

「ほぉんと能天気!私がマリアでリリスだよぉ!」

 

 本当に面白いものを見たというような気分で自らの正体を明かすマリア、いえリリスはこれまでのことを説明します。今まで過ごしていたのもマリアは自分が分身した姿であり本物の自分は幼少からの親友マリアに変装していたということを。幼少から自分のことを何でもかんでも信じて一緒に遊んでいたりしていたことを楽しそうにあざけます。そんなことを信じられないリュールは嘘だ!そんなことはありえない!などと言いますがマリアは自らの体に刻まれた邪竜の紋章を見せ邪竜の使徒であることを明かします。

 さらに幼いころからのリュールとの思い出をこれでもかと語ることによって自分がリュールの親友マリアを演じていたことに真実味を帯びさせてリュールに理解させていきました。

 

「リュール。あなたは眠れなかったときは私が作ったくまの人形とうさぎの人形を抱いて寝ていたわよねぇ?そしてその左腕と右耳が取れたから大泣きして、フィンガーボールを最初お料理にかけるものなんておかしな間違いをしたのはあんたくらいよ!!楽しかったわよあんたとの友情ごっこォ!!

 うへぇああかかかかか!!そして何も知らなかったときの将来の夢!!!『わたしはいつか!りっぱなおよめさんになってだんなさまをささえるんです!』……うひぃっ!ひひひひひひ!!!」

 

「嘘です…う、ううう、うううううう、ぁぁぁぁああああああああ!!!!」

 

 あぁ!なんということでしょう!幼少のころからともにいた親友は最初からこの時のためまでにずっとい続けて裏切るのを待ち通しにしていたのです!すべては神竜の証という邪竜と対抗するために育ての母から渡されたものを奪うために! 

 

「あんたが信じて託してくれたこの神竜の証。これを利用すればソンブル様はさらなる高みへと至ることができる!」

 

 そう言って神竜の証を奪いマリアいえリリスは姿を消しました。打ちのめされるリュール。ずっとこの世で一番信じていた親友に裏切られ心が壊れる寸前でした。ですが彼女には同盟を結んだ者達、いえ仲間という友がいました。

 あるものは優しさから神竜リュールに頼り戦うのではなく休息を与え自らで戦うことを宣誓し、あるものは静かに見守り必ず彼女の味方となり、あるものは殴り倒してでも彼女を立ち上がらせる想いを秘め、あるものは彼女が戻ってきたときのために何が手に入るかもわからなくても前に進むことを選びました。そしてその友たちのこころからの想いを込めた言葉は神竜リュールをより強く立ち上がらせたのです。

 

 そして時は過ぎ一行は邪竜ソンブルが待つ邪竜の神殿へとたどり着きました。邪竜を討つ神竜の証を自身の手に取り戻し邪竜を討ちこの世に平穏を取り戻さんがために。

 ですが中に入った一行が見たのはリリスと何者かが戦っている姿でした。

 

「出来損ないのソンブルもどきが!神竜の証の持っているあたしにかなうはずがないんだよおおおおぉ!!」

 

「ぐ、ぐうおぉおおおお!!!」

 

「汚らわしい命め!死ね!」

 

 その一言と共に神竜の証の力が利用され暗黒の力とされた魔力の攻撃によりソンブルもどきと呼ばれた青年はこの世から消え去りました。ですが入ってきた神竜一行は何が起こったのか全く分かっていません。リリスはそんな彼らに懇切丁寧に説明をしてくれます。

 実はソンブルは復活などしていない。ソンブルの復活に手をこまねき頭を抱えた邪竜信仰の上層部、邪教徒たちは邪竜ソンブルに代わる存在を、邪竜を作ることに決めたのだと。

 

「いのちを……つくる…?」

 

 あまりにも倫理観から外れた行動に一行は呆然とします。

 邪竜を作ることで成功すればソンブルに代わる新たな象徴として君臨させその応用でソンブルを復活させてソンブルに食わせ完全なソンブルを誕生させる。失敗したなら邪竜とすらなれなかった汚らわしい命として処刑し次の代用品の材料として再利用すればよい。まさに悪魔の所業、生命という生きとし生きるものに対する冒涜。その完成形が先ほど吹き飛ばしたソンブルもどきこと完成形の邪竜。

 

「これでソンブルもどきは消え去った!あとはあいつが持っていた今までの研究成果をあつめた力があれば!この世界を好きにできる!そう!」

 

「わたしがな」

 

「あたしが!」

 

 リリスの声に若い男の声がかぶります。ですがこの場にいるものはリリスの説明に傾聴していたため誰も発言していません。ではだれが?その答えはすぐはっきりしました。さきほど消し飛ばしたはずのソンブルもどきの声であるとリリスが動揺し始めたからです。どこだ!どこにいる!と慌てた声で彼を探すリリス。だが彼は姿を見せずただ淡々とリリスに問いかけるように話しかけます。

 

「リリス。不思議だと思わなかったのか?何故お前が幼少からリュールのそばにいられたのか?何故その邪悪さを隠しきれてこれたのか?何故私がこうして生きているのか?」

 

「そ、それは……ッ!まさか私が聖地リトスにいられるように細工したのは!」

 

「わたしだ」

 

「気に入らないものをぶち殺せるはずのあたしがあんな純粋ないい子ちゃんでいられていたのも」

 

「それもわたしだ」

 

「あんたが生きているのは!?」

 

「私の方が……強いからだ!!すべて私が仕組んだ!昔ソンブルの代わり、人口邪竜ヴリトラとして生まれ、失敗作と処刑されそうになったところを邪教徒どもを皆殺しにして存在を証明し、それから10年ほどで邪竜ソンブルは復活した。だがその時のソンブルはあまりも弱かった。だから…喰ったのさ!そしてソンブルの力を得た私は聖地リトスにいる一人の妊婦に細工をした。生まれてくる子のその精神が邪悪であるようにと。私がすべて書き換えたのだ。まぁそのあと眠りにつくことになったがな」

 

 立場が逆転しました。十数年間リュールの親友としてそばにいながら裏切り続けていたリリスは実は自分そのものが裏切られ続けていた存在であった。そのことに耐えられてなかったリリスはあまりのことに発狂しました。

 

「うわぁああああ!ああああ!!畜生!畜生畜生クソがクソがクソが!リュールリュールリュール!全部てめぇのせいだ!死ねクソ死ね死ね!!!!!」

 

 いくら精神を邪悪に書き換えられていたとはいえこの行動はかなり目に余ります。すべての元凶が目の前にいながらその事実から目をそらしその罪をもっともぶつけやすいものにぶつけることで自分の憂さ晴らしをするというなんともみっともなく情けない八つあたりです。この瞬間彼女に抱かれていたいくばくかの同情心は神竜軍の皆から消え去りました。

 

「さて、貴様に渡していた私の力、返してもらおうか。神竜の証とついでにな!」

 

 ヴリトラは右腕を巨大な竜の頭へと変えるとその口を開きすべてを吸い込むような膨大な魔力の風を生み出しました。それで飲み込まれればヴリトラの一部になってしまうということは皆直感的に理解できました。あるものは伏せ、あるものは剣を突き刺して飲み込まれまいとしています。そんな中戦いで消耗し、支えるものが自分の持っている短剣であったもののはるか遠くに突き刺さっているため支えられないリリスはあまりにもみっともなく命乞いをします。

 

「ひいいいい!!!た、助けてぇ!死にたくない!死にたくないいいいぃぃぃ!!!」

 

 リリスが吸い込まれれば状況は悪化するにもかかわらず気を抜けば自分が吸い込まれて犬死しかねない。彼女の性根が腐りきっていることもあり動くものはいないと思われました。しかし、一人だけたった一人だけ彼女の元へと走ったものがいました。彼女の親友リュールです。剣を床に突き差し片手で彼女の手を取るリュール。

 

「放すんだ神竜様!その者の魂は邪悪に染まっている!人の心など持ち合わせていない!!さっきあなたに八つ当たりをしたのがその証拠だ!」

 

「ちがいます!染まってなんかいない!マリア!やはりあなたはマリアなんです!私の親友のマリアなんです!あなたはずっと私と過ごしてきた!私を助けてくれた!私の手を引いてくれた!私もあなたが大好きなんです!あなたはマリアです!あなたに人の心がないというのなら!私はあなたをもう一度信じる!心ができるまで何度だって信じます!」

 

 裏切られようともそれを邪悪に染められたとしても今までの10数年間の思い出をもとに信じようする神竜リュール。そんなことはもう理屈ではありませんでした。親友として大切な人を信じる。心ができるまで信じぬくと。

 

「……リュール。………だったらあたしの道連れになってェ!一緒に死んでくれよおぉ!!!」

 

 リリスはそれをいとも簡単に裏切り切り捨てます。ですが。

 

「えぇ。大丈夫です。あなたは私が守ります。そして世界を救います」

 

 リュールは聖母のごとき慈愛の表情を浮かべそれを受け入れました。そんな言葉を聞いたリリス……マリアは神竜の証をリュールの手に握らせ決して離すことのないようにして自ら手を放してヴリトラの竜の口の中へと飲み込まれていきました。

 

「ありがとう……リュール」

 

 安らかな笑顔をもって放たれたその一言は彼女に心があったことの証明でした。

 

「はははははは!戻ってきたぞ!我が力!さあ決着をつけるぞ神竜!!!」

 

「絶対に、絶対に許しません!邪竜ヴリトラ!!!」

 

 ここに決戦の火蓋が切って落とされました。

 

「貴方の目的は何です邪竜ヴリトラ!!ソンブルを喰らい、力を喰らい、何をもたらそうというのです!」

 

「私にはあるのだ!この世界に復讐をする権利が!邪竜のかわりとして生れ落ち必要なければ殺されるこの世界が鬱陶しいんだよ!だから滅ぼし!壊し!焼き尽くす!何もかも!」

 

「世界はそれだけではありません!楽しくて笑顔であふれている世界だってあります!」

 

「各国の貧困!差別!特級階級による横暴!これらをを放置しておいてよくも言える!」

 

「人間は変わっていける生き物です!」

 

「その変わる時が来るのはいつだ!?それを待ち望んだ故がこの惨状だろうよ!民を家畜とし!知らぬ存ぜぬと目を背け!耳をふさぎ!どれほどの年月を戦い続けてきた!」

 

「そんなに人を信用できないですか!」

 

「もはや信じるべきものないだろうが!神竜リュールが現れなければ!各国で団結しようとする気も!共に理解しあおうとする気もなかっただろう!特別なものがなければ自らの行動を顧みる気もない奴らがいて何を信じる!何故信じる!」

 

「決まっています!未来へとつながる明日です!」

 

「その明日が信じられんというんだよ!」

 

 ヴリトラは魔力エネルギーを放出しそれを右腕に集めました。

 

「邪王炎殺黒龍波!」

 

 ヴリトラの右腕から邪竜の力があふれ出し炎を漆黒に染めそれを竜の形にしてリュールへと放出しました。リュールは己の神竜としての力を引き出し神剣に乗せ剣を振りその竜を真っ二つに切り裂きました。

 

「ふん……ならばこちらも邪竜の力を引き出さざるを得ないな。ソンブルを喰らったとはいえ完全には竜にはなれん。だが…!!!」

 

 ヴリトラが力を籠めると体の隅々が変形を始めました。竜特有の鱗や爪、翼が生えまるで竜と人間が合体したかのような姿となったのです。

 

「この姿が私の竜の形態。邪竜ヴリトラである!」

 

 その姿に仲間たちは向かっていきます。最高峰の威力を持つ魔法、伝説の弓から繰り出される魔を穿つ矢、持ち主の意志により移動する槍、業火をまとい焼き尽くす大剣、雷を纏う戦斧。ですがどれも決定打を与えられるものではありません。多少の傷をつける程度でありお世辞にもダメージを与えたとは言えませんでした。

 再びヴリトラから魔力エネルギーが放出され、今度はより深い邪竜の力があふれ出し漆黒の炎を、邪王炎殺黒龍波を再びリュールへと放ちました。リュールは神剣をもってそれを迎え撃ちますがそれを抑えきれず直撃してしまいます。

 

「きゃああああああああああああ!!!」

 

 さらに悪いことにリュールの神剣の刀身部分が半分折れてしまったのです。それをみて一同は絶望の淵に叩き込まれます。ですがリュールは諦めてはいません。まだだ!と声を上げヴリトラに殴りかかりました。

 

「神剣を失ったお前に何ができる!できはしないさ!人間とてそうだった!まだ無意味に傷つけ、傷つけられたいか!」

 

 ヴリトラは殴られようとも微動だにしません。ですがリュールは攻撃することをやめません。

 

「無意味なんかじゃない!たとえ神剣がなくとも!あなたを討つことができるはずです!私に神竜であるなら!神竜としての資格があるというのなら!私は信じます!人間がいくつの過ちを繰り返そうとも必ず良き未来へ歩いて行けることを!人の可能性がある限り!私は戦う!!」

 

 その時不思議なことが起こりました。リュールの体が青白く光り始めました。神竜の証です。神竜の証は正しく、矛盾にあふれようともより良き未来を目指すこと、想いに答える神器です。神剣というものを失いながらもそれでも戦い続けるリュールの意志に答えたのです。その光が大きくなるたびヴリトラへの攻撃の一撃一撃が重くなりヴリトラを殴り飛ばしました。その姿を見て仲間たちも絶望している場合ではないと自らを奮い立たせヴリトラに追撃をかけていきます。

 たとえかすり傷であろうともあきらめずに仲間が戦っている間、折れた神剣がリュールのもとに舞い戻ってきました。そしてもう一つの剣も。

 

「これは、マリアの剣……」

 

 光が発せられたその瞬間折れた神剣とマリアの剣は融合しあらたなる神剣として生まれ変わったのです。新たなる神剣を取り仲間の攻撃をいなしているヴリトラに向かいます。

 

「やああああああ!!!!!」

 

 リュールが放った渾身の一撃はヴリトラに傷をつけた……だけではありません!神竜の証の効果が発揮され想いが力となりそれが込められた一閃は傷口から邪竜ヴリトラ内部にすべて侵入し内側からヴリトラを破壊し始めたのです。

 

「ウ、ウオオオ、オオオオオオオオアアアア!!!!」

 

 邪竜ヴリトラは爆発し、そのかけらをこの世に一遍も残すことなく消滅しました。神竜リュール達の勝利です。

 こうして神竜リュール達の活躍により邪竜ヴリトラは討たれ世界に平穏が……もたらされたわけではありません。邪竜ヴリトラが誕生してしまった経緯、各国間、国内の問題は山積みです。それを解決しない限りヴリトラに代わる悲劇がどこかで起こり続けるでしょう。人は過ちを繰り返します。でも人は変わっていける生き物です。

 

「私たちは世界を平和にしたい、平穏に暮らしたいという気持ちはあるはずです。その意思があるならその意思を持って歩き続けましょう。たとえ途中で意のそぐわない結果が待っていたとしても意志を持ち続けて進んでいけばたどり着けるはずです。私たちは平和へと向かっているのですから。大切なのはきっとそこなのですから……」

 

 

 

 

 

 とだいたいそんな感じで劇は幕を下ろしました。この劇の時間は若者がスマホをいじりだすような映画や2時間で収まるようなものではなく、某アベンジャーズな最後のゲームのように3時間ほどの長編劇でしたがそんなに時間がたったことを悟らせることなく終わったのでその劇のすばらしさがなんかこう、いい感じにわかることでしょう。実際観客席の反応は素晴らしいものです。なんかブラボーとか言ってます。

 裏切られ心がボロボロにされようとも立ち上がる神竜リュールの強さ、ひどい裏切りに遭ったとしても親友を最後まで信じぬく強さと慈悲なる心、神剣が折れたとしても絶対にあきらめない心が神竜信仰をより篤くしそのように生きる手本となりブロディアがモデルの国がそれなりにいい感じにも書かれていたのでプロパガンダも成功です。

 あと今日はもうひと公演ありますがあなたたちの国家案件の劇で戦争状態と異形兵が跋扈する時代で生きる人々へ元気を与えるものとなったのでした。




劇の書きたいところである神竜様万歳みたいなところはかけたので一応俺たちも負けてられねぇ!こんな時代だからこそ頑張らなきゃな!と一般人たちは思ったはず。多分。
多分この中で演技MVPはユナカだと思う。みると大変な役やってるし。じゃけん美味しいもの食べさせましょうねー。


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