最強少女はのんびりしたい。 (raihaku)
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最強少女の朝。

実は初めて投稿します。
自分なりに考えて執筆してるので温かい目で見てもらうと助かります。



 

_______________________

 

AM 07:00

部屋中に目覚ましの音が鳴り響き

ゆっくりと身体を起こす。

 

「もうこんな時間か...」

「...学院行きたくないなぁ」

 

弱音を吐きつつ いつものように身支度を済ませるために洗面台の前に行く。

洗面台の鏡を見ると銀髪のセミショートの少女が映る。

身支度を整えキッチンに行き

昨日の残りである白米とコンビニで買っておいた焼き魚を温めて食べ始める。

 

「...まだ冷たい。電子レンジ壊れたかな」

 

自慢ではないのだがボクは食べるのが遅い。

のんびりとご飯を食べてるうちに登校の時間になっていた。

 

「そろそろ行かないと...」

 

玄関に行き、靴箱の上の写真を見る

 

「お父さん お母さん行ってくるね」

 

ドアの鍵を閉め、学院に向かう。

4月後半だが気温はなかなか暑い。

 

「う...夏服が恋しい」

 

今日の夜ご飯をどうするか決めていたら駅に着き、電車を待っていると

 

「あおいーおはよ!」

 

後ろから同じ制服を着たハーフツインテールの少女が走ってきた。

 

「なんだくるみか...」

「なんだとはなんだ!またネボスケさんなのか!」

 

この少女の名は天壌 来海。

こう見えて有名な探偵事務所の娘らしい。

 

「さては夜遅くまでピポリスしてたな!」

「やってないよ。ただ本を読んでただけ」

 

⋆ピポリスとは来海が最近ハマっているパズルゲームである。

 

世間話をしてるうちに電車はホームで止まり、2人は電車に乗った。

来海が何か言いたそうな目でこちらを見ている。

葵は嫌な予感がしていたが見事に当たってしまう。

 

「なーなー今日は一緒に依頼しに行こ!猫探しをキープしてあるから!」

 

来海は自信満々にキリっとした顔で言ってきた。

 

「(今日は早く帰ってゆっくり寝たいんだけどなぁ...)」

「寝たいとかいう理由だったら来海ちゃん怒っちゃうからね?」

 

先に釘を刺されてしまったので逃げ場がなくなってしまった葵。

 

「...仕方ないから手伝うよ」

「いいの! やったー!!」

 

テンションがMAXになったところで電車は柊学院前の駅に停車し、二人は電車を降りる。

 

「よぉーし!午後は葵と一緒に依頼だぁー!」

「...朝からテンション高いね」

 

学院に向かう途中 何人の生徒から見られては顔を逸らされていい気分ではなかった。

 

「あおいー?なんか元気ないぞー?」

「ごめん。夜ご飯のこと考えてた」

 

来海は気にしてくれてるらしい。

ボクは学院の生徒に引かれるようなことをしているから仕方がない。

 

そんなこんなで学院の門をくぐり下駄箱で靴を変え、教室に向かった。

 

「おはよう!来海ちゃん到着したよ!」

 

クラスは静まり返る。さすがにこのテンションは朝からはきついらしい。

来海が暴走しているのは日常茶飯事なのでクラスメイトはなにも気にしていない。

そこに一人の少女が2人に近づいてきた。

 

「葵さん 来海ちゃん おはようございます」

「おっるなだー!!おはよ!!」

 

少女の名は暁 月菜。

海外に本社を置く大企業の娘らしい。

 

「月菜おはよ」

「来海ちゃんは相変わらすですね」

「えへー!元気が一番だよ!!」

 

朝の女子会が始まりそうになっていた。

葵はどうにかしてその場から逃げようとしたが、椅子の後ろに来海がしっかりとロックしており

逃げることはできないと思ったので話を聞いていた。

 

「ねーねー!月菜も午後の猫探し行こうよ!!」

「なるほど。楽しそうなのでぜひご一緒してもいいですか?」

「だって!葵!仲間が増えた!!!やった!!」

 

どうやら月菜も午後の猫探しを手伝ってくれるらしい。

 

「よかったね」

「これで私もだらけることができる」

 

っと二人の前で呟いたら来海に背中をべしべし叩いてきた

 

「何言ってるの!!葵も手伝うの!!楽しようとしても許さないからね!!」

「葵さん...せっかくですのでやる気出してください」

 

2人に問い詰められたので葵は折れた。

 

「はぁ...ボクが手伝ったらすぐ終わりそうじゃん」

「あーおーい...?」

「...できる限りのことはやる」

 

っといってる間にチャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。

 

「みなさんまずはHRから始めます~」

 

担任はすごくふわふわしている

この学院の卒業生であり、四羽 わたり。

在校生時代に学院で主席であったらしい。

 

「まずは諸連絡です~」

「最近、学院駅前の商店街で学生を狙った集団が徘徊してるらしいので気をつけてくださいね~」

 

どうやら学生を狙った集団がいるらしい。

なんかめんどくさいことになりそうな予感がする。

 

「...ちょっと調べるか」

 

そして授業は始まり葵はしっかり机の上で寝ることにした。

 

 

_____________________________

 

 

 

 

 

 

 

 




戦闘はもうあと2~3話辺りでやりたいです。


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最強少女のお昼ご飯と焼きそばパン。

 

チャイムの音が鳴り響く。

 

「ん...もうお昼?」

 

どうやらお昼まで寝ていたらしい。

 

「もー!!葵!もうお昼だよ!」

 

 

来海が呆れたように声をかけてきた。

 

「チャイムの音で起きた」

「ほんとネボスケさんなんだから!!」

 

しっかりと来海に怒られ教室を後にしようとする。

 

「あおいーどこいくの?」

「ちょっと購買で昼ごはん買ってくる」

「わかった!来海ちゃんもついていこうじゃないか!」

「えぇ...」

 

どうやら来海もついてくるらしい。

一人でこっそり食べようと思ってたのに...。

 

「じゃあレッツゴー!!」

 

来海の掛け声とともに購買へと向かった。

 

「葵は何買うのー?」

「今日は焼きそばパン」

「好きだねー!焼きそばパン!」

 

そうして話してるうちに購買に到着した。

 

「おばちゃんいつもの」

 

はいよーっという声が聞こえ、焼きそばパンが出てきた。

無事に購買でお昼ご飯を手に入れ、満足である。

 

「じゃあボクはこれで」

「いやいや!一緒に食べようよ!」

 

案の定来海に止められた。

 

「ほらほらー!来海ちゃんも買ったからせっかくだから!ね!」

「逃げるが勝ち」

「あっ!待てー!」

 

葵はすごい速さで窓から飛び降りた。

 

「ちょっと!ここ3階なんですけどー!!!」

 

なにか来海の声が聞こえた気がするけど気のせいということにしよう。

______________________

 

 

無事に来海から逃げ切った葵は屋上へとやってきた。

 

「...やっぱり一人じゃないと落ち着かない」

 

購買で買った焼きそばパンを開けてもしゃもしゃと食べ始めた。

 

「やっぱり焼きそばパンは世界を救う」

 

っと一人で呟いてたら屋上に誰か入ってきた。

 

「楠木さんいますか?」

「いないでーす」

「いるじゃないですか。」

 

そこに立っていたのはこの学院の上級生だった。

 

「ご飯中失礼します。わたくし、この学院の生徒会のものです。」

「...(絶対めんどくさい奴だ)」

「生徒会書記の夏風 御子 というものです」

 

夏風。

それはこの日本による民間軍事会社の名前で3大民間軍事会社の一つである。

そこの令嬢がボクに何の用事なのだろう。

 

「楠木さん。単刀直入に言わせてもらいます。」

「断ります」

「...話だけでも聞いてもらいませんか?」

「嫌です」

 

御子はちょっと動揺している。

それでも御子は話をつづけた。

 

「私が運営して、いや 私の両親が運営している民間軍事会社に勧誘しに来ました」

「...。」

「楠木さんが卒業してからでも構いませんので、ぜひ考えて...」

「...(めんどくさいなぁ)」

 

どうやら勧誘らしい。

たった1つの国際組織をつぶしただけなのになんでそんなにボクを欲しがるのだろうか。

っと考えていたら御子が口を開いた。

 

「私たちはあなたの実力を知っています。

単独で世界最強と言われていたレッドアイズを空中分解どころか完全に終わらせたのは...」

「だからなんですか?」

「えっ?」

「潰したからなんなんですか?」

 

御子は黙ってしまった。

結構自信があって来たようだが動揺が隠せていない。

 

「まずボクはそういうの興味ないんですよ」

「自信持って来たみたいですけど動揺するぐらいなら帰ってください」

「楠木さんは自分の価値がどれぐらいのものなのかわかってませんよ!」

 

御子は少し声を荒げはじめた。

相当心がへし折れてるらしい

 

「楠木さんがいれば日本、いや世界でも飛びぬけた会社になるので」

「...」

 

この御子って少女は相当両親に訓練させられているらしい。

動揺しているぐらいじゃまだまだだけど。

会社がー軍事力がーみたいなこと言う歳ではないのに。

 

「ボクは普通に高校生活を楽しみたいだけなんで興味ないです」

「っでも!」

 

どうやら引き下がりそうにもないらしい。

 

「(あまり使いたくないんだけど仕方ないか)」

「どうして!?こんないい話ないのになぜ断るの!?」

「...(フロスティア)」

 

葵がつぶやいた途端に地面から強烈な光が放たれた。

 

「えっなに!?」

 

さすがに御子も臨戦態勢をとる。

だがその時には遅かった。

 

「夏風さんだっけ...? ボクは気になればあなたのことを消せます」

「えっ??」

 

葵は一瞬で御子の後ろに立ち、サバイバルナイフを首元に当てていた。

 

「もうボクに勧誘はやめてください」

「...あきらめないから」

 

っと御子がつぶやいた途端にもう一度強烈な光が放たれた。

 

「...消えた?」

 

屋上には葵の姿はなかった。

「あの一瞬でそんなことできるなんて...」

 

御子も生徒会のメンバーでもあるのでそれなりに武術や技術は学院内でも上の方である。

その御子さえも何が起こったのかわからなかった。

 

「作戦は練り直しだわ...」

 

こうして御子は屋上を後にした...。

 

「全く...焼きそばパンをゆっくり食べたかっただけなのに」

 

御子が屋上を後にしたのがわかってから葵は元居た場所に座っていた。

葵は消えたのではなく屋上にずっといたのである。

 

「...(これがわからないのならボクを勧誘する意味ないよ)」

 

 

魔法名「フロスティア」

元は自分の存在を隠すようなもの。

認識阻害と言ってもいいのだろう。

光を放ち、その隙に姿が消えたような錯覚をさせる。

実際には消えていなく認識阻害で見えなくしていただけである。

その隙に裏に回っただけなのだ。

 

「(このレベルはさすがに見破れると思ったんだけど、感情はちゃんと制御しないとね)」

 

なんて考えていた。

焼きそばパン食べないと。

 

「ボク食べるの遅いから間に合わないかもしれない...」

 

結局チャイムがなってしまい葵は諦めて食べ続けることにした。

 

_________________________

 

「あおい!!!来海ちゃん置いてどこ行ってたの!!」

「焼きそばパン食べてた」

「ちがーう!!!時間になっても来ないから逃げられたと思った!!!来海ちゃんはおこです!」

 

結構真面目に怒っているらしい。

とりあえず誠意を見せておこう。

 

「ペコリ(頭を下げる)」

「...」

 

おっどうだ...?

 

「まぁ来海ちゃんの懐が大きい心で許そうじゃないか!!」

 

「...(バカでよかった)」

 

っと言い合っているうちに依頼の時間が迫っていた。

 

「あっ!ヤバい遅れちゃう!」

「じゃあお先」

 

っと言い葵は一人でそそくさと向かってしまった。

 

「来海ちゃん置いてくなんて!!バカー!!!」

 

なんて声が聞こえたような気がするけど気のせいということにしておこう。

 

 

だか結局遅れてしまい月菜に叱られたのは言うまでもない。

 

 

 

 




次回猫探しです!


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最強少女の猫探しと黒ずくめ。

猫探し!


 

時刻は午後。

猫探しのために葵 来海 月菜が集合時間に集まり...たかった。

今は二人仲良く正座で説教されてます。

 

「今回は事情が事情なので許しますが、次はないですからね?」

「すまない」

「ごめんね月菜!!」

 

とりあえず依頼主が待つ喫茶店に3人の少女は歩き始めた。

場所は学院近くの商店街。

その喫茶店は商店街でもかなり評判が高く、下校時の生徒も訪れる場所らしい。

 

3人の少女は喫茶店に到着し、依頼主である喫茶店のマスターに話を聞くことにした。

 

「君たちが依頼を受けてくれた子たちかね?」

 

喫茶店のマスターは嬉しそうに話しかけてくれた。

 

「そうです!ここのにゃんこを探してほしいと依頼を受けてきました!」

「そうかそうか!すごく助かるよ。」

 

喫茶店のマスターはとても安心した顔をしていた。

 

「うちの猫はこの喫茶店の看板みたいなものだからとても困っているんだ。」

「私も探したのだけど、見つからなくてすごく寂しんだ。」

「だから探して少しでも手がかりが欲しいんだ。」

 

喫茶店のマスターは深々と頭を下げてきた。

 

「わかりました!にゃんこは来海ちゃんたちが必ず見つけてきます!!」

「最近の若い者は頼もしいね。よろしくお願いします!」

 

って感じで喫茶店を後にする3人の少女。

 

「さて!どこから探そうか!!」

 

やる気しかない来海がどうするか提案をしてくる。

 

「とりあえず一通り商店街を探してみましょう。」

「ボク座ってていい?」

 

開始からやる気のかけらのない葵がそう言う。

 

「何言ってるの葵!!依頼だよ!?ちゃんとやらないと!」

「そうですよ葵さん。また爆弾でも落とされたいですか?」

 

ちゃんと依頼をこなさないとボクの命がないらしい。

 

「...わかったよ。とりあえず一通り商店街を回ればいいのね」

「おっ!やる気がでたね!葵もやればできるじゃん!!」

 

なんだこの少女は。

ボクのことをそんなになまけもの扱いしてるのかな。

 

「ボクだってやるときはやるつもりだよ」

「そのやる気をはじめから出せばいいんですけどね。」

 

次々と葵の身体に釘を打ち込んでくる。

ボクに恨みでもあるのかな

 

「...ボク月菜になんかした?」

「なんでもないですよー」

 

普通に誤魔化された。

この少女怒らせたら怖い。

 

猫探しして1時間はたったのだろうか。

3人で商店街を一周したが成果はゼロだった。

 

「うーん...みつからないね~」

「やっぱりもっと遠くへ行ってしまったのでしょうか...」

 

二人は落ち込んでいた。

 

「つかれたから座ってていい?」

「葵さんダメですよ。まだ一時間しか経ってないですよ。」

「そうだよ!諦めたらダメだよ!!」

 

葵はお疲れモードに入ってしまった。

一時間商店街をグルグルするのは疲れた。

 

「じゃあ次は商店街の人たちに聞きに回ってみよう!!」

「そうしましょうか...」

「ほら!葵立って!行くよー!!」

 

来海と月菜は歩き始めようと思っていたが、

 

「椅子から根が張って動きたくない」

「なーに言ってるの!行くよ!!」

「あぁー」

 

ちょっと待って来海さん力強くない?

来海ってこんなに力あったんだ...

ちょっとびっくりした...

 

そうして次々にお店を回って行き、結果的には情報が見つかった。

 

「雑貨屋の店主さんが商店街の外れにある公園で見たって情報が手に入りました~!」

「よぉし!!公園へレッツゴー!!」

「...なんか嫌な予感がする」

 

3人の少女は商店街の外れにある公園へと向かい始めた。

 

___________________

 

 

その公園には裏路地を通らなくては行けなく

そこはホームレスや野良猫のたまり場になっている。

 

「なんかここ怖い!」

「大丈夫ですよ。一人だったらさすがに怖いと思いますが...」

「...」

 

来海と月菜はちょっと怖がっているが、葵は無表情のままで何も話さない。

 

「あれれ~!もしかして葵ってこういうところ苦手なの?」

 

来海も怖いくせしてボクを煽ってくるとは。

まぁまぁ肝が据わってるらしい。

 

「別に」

「またまた~そんなに強がっても~!」

「(来海は後で痛い目みてもらおう。)」

 

そしてやっと裏路地の先にある公園にたどり着いた。

 

「ここが公園か!!にゃんこいっぱいいる!」

「商店街の外れにこんな公園があったとは知りませんでした...。」

「...(誰かに見られてる気がする)」

 

少し探してみると依頼の猫は見つかった。

 

「あっ!!あっ!!いた!あれだよ!!」

「あの猫ちゃんですね!見つかりましたね!」

「...」

 

なにも抵抗なく猫は近づいてきて無事に確保できたのであった。

 

「葵?なんか反応薄くない!」

「そうですよ~せっかく見つかったんですから!」

「...にゃあ」

 

その瞬間来海と月菜は衝撃を受けた。

 

「えっ!にゃあ!?」

「葵さん猫好きなんですね~」

「にゃあにゃあ」

 

急に葵が壊れ始めたのは衝撃だったのである。

 

「普段なにも無関心な葵がにゃんこに一目惚れなんて...」

「葵さんかわいいところありますね~」

「...ボクのこと心がない人みたいに言うのやめてよ」

 

っと話していると

 

「(!!!)」

 

葵は危険を察知してすぐに防衛態勢に入る。

後ろから黒ずくめの集団が公園を囲んでいたのである。

来海と月菜は葵の異変に気づき、すぐさま戦闘態勢に入る。

 

そして黒ずくめのリーダーだと思われる人物が声を上げる。

 

「はじめまして。少女だけとは都合のいい。」

「我々は柊学院の生徒が来るのをずっと待っていた。」

「お前たちは運が悪い。おとなしく捕まって交渉材料になってもらうぞ。」

 

どうやら学院の生徒を狙った組織でボクたちを誘拐するらしい。

いやな予感って当たるんだよな~。

 

「それでボクたちをどうするつもり?」

「そうよ!!人質になる気なんてないわ!!!」

「...っ」

 

月菜だけは怯えていた。

月菜は大企業の娘なので交渉材料としては優秀すぎるのである。

 

「リーダー あれはカテックの社長の娘ですよ!最高ですね!」

「ほぉ...これはラッキーだったな。」

 

目線が月菜に集中する。

それがわかった月菜はさらに怯え始めてしまう。

 

「さて...リーダーちゃっちゃと捕まえましょう!」

「おう。抵抗したらわかってるよな...?」

 

どうやら一気に捕まえるらしい。

人数はざっと20人ほど。

 

「来海、月菜を守れる自信ある?」

「うーん...数が多いから防衛ぐらいしかできないけど大丈夫だよ!」

「ごめんなさい。私が足手まといになってしまって...。」

「謝罪は終わってから。とりあえずなんとかする。」

 

全員マスクとサングラスをつけているから光は使えない。

だからと言ってこの数。プラス月菜を守りつつ戦うしかない。

 

「(とりあえず近い二人をどうにかするか。)」

「来るよ!!」

 

来海の掛け声とともに黒ずくめの集団は一斉に襲い掛かる。

葵の方には二人がかりで抑えに来た。

手にはナイフとバット。

 

「...いいスイングだ」

 

ますはバットを振り降りしてきた一人に対してみぞおちに向かって真空波を打つ。

その隙にもう一人が斬りかかりに来るが、

 

「速さが足りない。」

 

ナイフは空を切り、そして先ほどと同じように首元に向かって真空波を放つ。

この状況を見て黒ずくめの集団は動揺が隠せなかった。

 

「おい!なにをしている!さっさと取り押さえないか!!」

「今度は5人がかりで行きます!任してください!」

 

っと黒ずくめの集団は葵の周りを囲うように陣形を取った。

 

「何するかって思ったら...くだらない。」

「(仕方ないから一気に行くか。)」

 

集団が一斉に葵に襲い掛かるが...

5人は掴みにかかった時には葵は姿がなく。そして。

 

「...フリーレイン」

 

葵が呟くと上空からすごい数の氷柱が降ってきた。

5人は何もできずに倒れた。

 

「おい!どうなってやがる!!」

「リーダー!もしかしたらなんですけど...」

「なんだ!いまそれどころじゃないだろ!!」

「あの魔法を使えるのって柊の天才なのではないでしょうか...」

「!?」

 

その天才と呼ばれるやつがこんなところにいるはずがない。

「バカなこと言ってないでさっさと取り押さえるぞ!」

「はいぃ...」

 

ちょっと余裕が出てきたので来海たちの様子を伺う。

 

「来海、大丈夫?」

「よゆーであります!!来海ちゃんって何でもできるんだぞ!!」

「(なんだ。ちゃんと倒してるじゃないか。)」

 

なんだかんだで防衛しかできないと言っていた来海は3人ほど敵を倒していた。

 

「...さてリーダーさんよ。」

「まだやる?」

 

黒ずくめのリーダーはさすがに焦っていた。

 

「お前らバカなのか!こんな小娘さっさと捕獲しろよ!!」

「リーダー!やっぱりあいつは柊の天才です!」

「寝言言ってないでさっさと行け!」

 

「来海。ちょっと離れてて」

「うん!わかったのであります!」

 

葵は来海を少し遠くまで離した。

この際仕方ないか...。

 

「じゃあちょっと力入れるから」

「はっ?」

 

葵は一瞬で敵の目の前に立ち、一瞬で敵を無力化した。

それを数回続けてるうちにリーダのみがそこには立っていた。

 

「おい...どういうことだよ。」

 

さすがに相当焦っているようだ。

 

「どういうことって全部倒しただけだけど」

 

「ありえない。お前は人間じゃないだろ。」

 

ひどいこと言うなぁ...

ボクたちのこと襲っておいてそれはないと思う。

 

「さて、じゃあリーダーさんよ。降参する?」

 

黒ずくめのリーダーはゆでだこのようにキレていた。

次の瞬間

 

「もう許さないからな!死んでも知りはしない!」

「うおおおおぉぉ!!」

 

突然黒ずくめのリーダーからすさましいオーラが出てきた。

 

「なんだあれ。改造人間ってやつかな」

 

少し遠くて見ている来海たちはさすがにヤバいと思い物陰に隠れていた。

 

「来海―ちょっとヤバそうだから頑張って防壁張っといてね。」

「えっ!?わかった...?」

 

来海は混乱しつつも葵の指示に従い防壁を張る準備をし始める。

 

さて...どうしたものかな。

 

「行くぞ小娘!」

 

その言葉とともに葵に対して火炎放射器のような魔法を使ってきた。

 

「ふーん。火力はまぁまぁかな。」

「よいしょっと」

 

葵は簡単に魔法を止めてそのまま魔法を消滅させた。

 

「これならどうだ!!」

 

怒りに身をまかせ、落雷並みの雷撃を撃ってくる。

葵はそれを避けることはしなかった。

 

「魔力の消費が半端ないのにそんな魔法ばっかり撃ってたらだめだよ」

 

葵が言うように精度が落ちはじめ、黒ずくめのリーダーはその場に崩れ落ちた。

 

「...素人がむやみに魔法を連打するものではないよ。」

 

___________

 

 

「葵ー!大丈夫だった?」

「うん。勝手に自爆してった」

「そっか~!葵が無事でよかった!」

「月菜は?」

「大丈夫です!足手まといになってしまってごめんなさい...。」

 

月菜は謝罪したが、

 

「大丈夫だよ!みんな無事だから!!」

「そうね。無事無事」

「よかったです!葵さんすごくかっこよかったです!」

 

突然葵のことを褒め始めた月菜であった。

 

その後警察や教師が現場に来て事情を説明し、無事に喫茶店にたどり着いた。

 

「おおおお!ほんとに見つけてくれたんだね!ありがとう。」

「いえいえ!来海ちゃんにかかればこれぐらいは当然です!!」

「...(また調子に乗ってる)」

 

報酬として喫茶店のドリンクチケットを貰い、依頼は完了した。

 

「やっと終わった...。」

「さすがに来海ちゃんはへとへとなのだ!!」

「来海ちゃんは元気いっぱいですね~」

 

1日でここまで動いたのは久しぶりなような気がする。

今日は帰ろう。そうしよう。

 

「じゃあボクは帰るね」

「えー!!まだ一緒に居ようよ!!!」

「眠いから嫌」

「まぁ来海ちゃん、今日は葵さんが頑張ってくれたんでいいんじゃないですか?」

「...そこまで言うなら仕方がない!」

 

やったぁ。今日は早く帰れるらしい。

 

「じゃあそう言うことで」

「あっちょっと!!」

「葵さんまた明日~!」

 

_______________

 

 

帰ると決めた葵はすごいやる気なのである。

 

「早く帰ってゴロゴロするんだ」

 

すごい勢いで改札をくぐり電車に乗り

最寄りの駅に着いたら家までダッシュで帰る。

帰宅部もビックリの速さである。

 

「帰って速攻寝るんだ...」

 

っと考えたときにはもうすでに家の前にたどり着いていた。

 

玄関のドアを開け、玄関にある写真に

 

「ただいま」

 

と言って自分の部屋駆け込み、そのまま寝る。

それがルーティンだったりする。

 

「おやすみせかい...」

 

そうつぶやき、葵は夢の世界に入るのであった...。

 

 

 

 

 



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最強少女の休日と里帰り。

昔の旧友が登場します!


 

猫探しの依頼を終わらせた翌日。

今日は学院は休日なので休み。

葵はせっかくの休日なので里帰りでもして休日を楽しむ予定であった。

 

時刻は昼前。

葵は目を覚まして布団から出る。

 

「時間までゴロゴロするか。」

 

そう意気込んでいたのだがスマホの通知をふと見てみると大量のメッセージが届いていた。

送信主はすべて来海であった。

 

「...無視でいいか」

 

葵はメッセージをスルーすることにした。

 

「とりあえず家事やらないと」

 

葵は掃除、洗濯を素早く終わらせていく。

 

「...終わったからもうひと眠りしよう」

 

葵が眠りに入ろうとした時、突然玄関のインターホンが連打されていく。

 

「ピピピピピピピ...」

 

なんだ新手の勧誘?と思ったが正体はすぐわかった。

 

「あおいー!!メッセージ無視するな!!!」

「わざわざ来海ちゃんがお迎えに来てあげたから早く出てきなさーい!!!」

 

案の定来海が家に凸りに来たのである。

これは訴えたら勝てるのではないか。

 

「あの自己中ツインテめ...」

「居留守すればどっか行くか」

 

葵は居留守をすることにした。

30分ほどたった時、突然家の電気が消えた。

 

「ブレーカー落ちたのかな」

 

葵はブレーカーが落ちたと思いを配電盤に向かった。

 

「あれ...ブレーカー落ちてない」

 

葵の予想は外れ、ブレーカーは落ちていなかった。

そうしたら外から来海の声が聞こえてきた。

 

「引っかかったわね!!葵!!電気会社に連絡して電気を落とさせてもらったわ!!」

「早くでてきなさーい!!!」

 

なんだこのバカは。

そこまでしてもボクに会いたいのか。

ここで折れると来海の思う壺なので葵は無視することにした。

 

「...寝るか」

 

葵は来海の策に乗るものかと思い眠りつき...たかった。

玄関からガチャリと音がした。

 

「最終手段だ!合鍵を使わせてもらう!!」

「お邪魔するぞ~!!!」

 

「...はぁ?」

 

それは聞いてない。ってかいつ合鍵を作った。

マジでこのバカは手段選ばない。

そして来海はリビングに向かって突撃してきた。

 

「葵!やっぱりいるじゃない!なんで出てくれないの!!」

「なんで合鍵持ってる」

「え?来海ちゃんとの葵の仲なら持ってて当り前じゃない!」

 

そういえばこの少女、バカだと思っているが学年でも10位内の優秀な奴だった。

腐っても探偵としては同学年ではトップクラスの実力なのだ。

 

「ほら!葵!遊びましょ!!」

「いやだ」

 

これ以上来海に振り回されるのはごめんだ。

どうにかこのかまって少女を追い出さなければ。

 

「この後出かけるからダメ」

「ついていくよ!!」

「...ボクのプライバシーはないの」

「そんなの知らない!!」

 

どうやら絶対ついてくるらしい。

まぁ仕方がない。葵は諦めた。

 

「...わかったから」

「やったー!!葵愛してる!!!」

「...ベタベタしてこないでよ。」

「あと電気早く直して」

 

そう葵が言うと来海の顔が青ざめていく。

 

「今日は復旧できないらしい!!葵ごめんね!!」

「は?おい待てどういう」

「一回落とすと復旧するのに半日かかるらしいの!!」

「来海ちゃんも知らなかったから!ごめんね!!」

 

どうやら電気は夜に復旧するらしい。

このツインテール。いつか仕返ししてやる。

葵に闘志が生まれた瞬間である。

 

 

__________________

 

葵の家を出発した2人は駅まで行き電車に乗る。

そしたら来海からどこに行くのか聞いてきた。

 

「ところでどこ行くの?」

「ちょっと旧友のところまで」

「えっ!?葵って友達居たの!?」

「なんだ失礼な」

 

この少女失礼すぎる。

 

「多分来海と話しが合うと思うよ」

「そうなのー!来海ちゃんはたのしみなのだー!!」

 

電車に揺られて30分ほど経ち、目的地の駅で降りる。

そこは住宅街が並ぶ街であった。

 

「来海、ついてきて」

「はーい!!」

 

住宅街を進むと少し大きな家の前に到着した。

 

葵はチャイムを押した

インターホンから明るい声が聞こえてきた。

 

「(あおい!!来てくれたんだ!今開けるね!)」

「はいよ」

 

扉のロックが解除され葵は扉を開ける。

 

「来海、入って」

「お、お邪魔しまーす」

 

来海は少し緊張しているみたいだ。

どうせすぐ緊張なんかなくなるくせに...。

 

扉の先には廊下が広がっており、左右に扉が複数あった。

廊下の先にある扉が開き、1人の少女が出てきた。

 

「あおいー!」

「おっと。急に抱き着いてこないでよ」

「久しぶりだね~!」

 

飛びついてきた少女は葵から離れる。

クリーム色のロングで髪はすごく整えられている

来海もさすがに困惑していた。

 

「葵?この子とはどういう関係なの?」

「友達」

「ふーん」

 

なんか来海の機嫌が悪くなったような気がする。

来海に紹介しなくては。

 

「来海、この子がボクの旧友の りっか」

 

「はじめまして!わたしは 夕暮 六花だよ~!」

「六花って呼んでね!」

 

「天壌 来海です! 葵の大親友なのだ!」

「...葵?ほんとにそう?」

「ただのクラスメイト」

「ちょっと葵ー!!!」

 

来海が背中をベシベシ叩いてくる。

地味に痛いんだよね。

 

「あはは~葵なんか元気そうでよかった~」

「そうでもない」

 

六花は安心したような表情をしていた。

 

「葵って結構無表情だけど心の中では喜んでるから来海ちゃんも大丈夫だからね?」

「そうなのー!!葵ー!!」

 

「来海さん?叩く力強くなってるんだけど」

「えへへ~!」

 

「来海ちゃんは結構表情出やすいんだね~」

「観察してないで六花さん早く止めて」

 

六花に案内されてリビングに2人は行く。

 

「七瀬と咲と菜乃は?」

「菜乃はおつかいに行ってて

七瀬と咲は任務で明日に帰ってくる予定だよ~」

「そっか」

 

他の旧友は任務中で会えないらしい。

悲しい。

 

「まだいるの!?」

「うん。また今度紹介する」

 

来海はボクの交友関係がここまでとは思っていなかったらしい。

 

「それで葵は今日はなにしに来たの?」

「里帰りとめんどくさい奴を押し付けに来た」

「あはは...まぁゆっくりしていくといいよ~」

 

六花にお茶を出してもらい、世間話をしていた時

来海が余計なことを言い始めた。

 

「来海ちゃんは葵の昔話を聞きたいです!!」

「いやだ」

「じゃあ六花!教えて!!」

「葵?どうする?」

 

何でも知りたい来海は引く気はないらしい。

少しぐらいならいいか。

 

「仕方ないから少しならいいよ」

「やった!!」

 

_____________

 

 

六花が昔話を話し始める。

 

「葵はね~昔は髪長かったんだよ~」

「えっそうなの!?」

「まあ」

 

「柊学院に入る前に切っちゃったんだけどね」

「もったいない!葵かわいいのに!!」

 

「こっちにも事情があるの」

「それでそれで??」

 

「葵はすごく積極的に任務をこなしていたよ~」

「六花それは余計」

「ちょっとー!!!どういうこと!?」

 

今にも来海はボクに掴みかかりそうになっている。

来海ステイステイ...。

 

「任務は100%成功しててすごかったんだよ~」

「100%は言い過ぎ」

「それでなんで国際組織と戦ってたの?」

 

来海が興味本位で聞いてきた。

 

「...ボクの両親に手を出したから」

 

そのことを聞いて来海は口を閉じてしまった。

 

「...葵なんかごめんね」

「いいよ。今同情されても結末は変わらない」

 

重い雰囲気が流れ始める。

六花も暗い顔をしていた。

 

「少なからずレッドアイズは消さないといけなかったのは変わらないし」

「レッドアイズって?」

 

おいおい来海さんよ。そこからなのか

仕方ないから説明するか。

 

「...国際組織レッドアイズ。」

「各国の民間軍事会社を多く潰してきた世界一といわれていた組織だよ。」

「来海ちゃんが知らなくても仕方ないんじゃないかな?」

 

六花が補足をし始めた。

 

「レッドアイズは表は普通の民間軍事会社と言っていたけど、裏では各国の軍事力に

甚大なダメージを与えていた組織で各国と連携して組織解体を実行してきたんだけど

返り討ちにされ続けて世界中を脅かしていたんだ~」

 

来海は開いた口が塞がらなくなっていた。

 

「葵はどうやって壊滅させたの...?」

 

「1個ずつ正面突破した」

「いやいや!?そんなことしたら葵は世界中のレッドアイズと一人で戦ったってこと!?」

 

「正確には一人じゃないよ」

「えっ??でも世界中からは一人で全部潰したって!!」

 

そういえば世間からはそうやって報道されていた。

 

「来海。今から言うことは人には言っちゃだめだから」

 

来海は無言で頷く。

 

「世間では一人で全部潰したと報道されてるけど正しくはボクの仲間と一緒に潰した」

 

「えっ!?」

 

まぁ驚いても仕方ないか。

 

「ボクは元々極秘任務専門のチームを作ってた」

「それはボクが一番信じている仲間と共に作ったチーム。」

「詳しくは言えないけどそのチームと一緒にレッドアイズを潰した」

 

来海は絶句していた。

まさか一番の親友がこんなに危ないことをしていたなんて知らなかったのだ。

 

「これ以上は来海は来てはいけないよ。来海が危なくなるから」

「今聞いたこともほかの人、両親や動物とかに話してはいけないからね。」

 

「わかった...。」

 

来海は物分かりはいいほうだと思っているから大丈夫であろう。

さすがに来海にはまだ近づくのは早い。

 

六花が口を開きはじめた。

 

「まぁそういうことだから来海ちゃんも気をつけてね?」

「わかった!」

 

さっきまでの暗い表情の来海はなくいつもの来海に戻っていた。

ほんとスイッチの切り替えうまい。

 

 

____________________

 

 

暗い話も終わり葵の学院生活のことを六花に話していると

廊下につながる扉が開き、来海が知らないクセッ毛少女が荷物を持って帰ってた。

 

「六花ちゃん重いのです...」

「おかえり菜乃~」

 

「おかえり。なの」

 

そこには見知った少女が座っていたので菜乃はびっくりしていた。

 

「葵ちゃん!!きてたのですね!」

「里帰りだよ」

 

来海はこの子誰?という顔でボクの顔を見てきた。

 

「お客さんもいたのですね~」

 

「菜乃。このツインテールがボクの学院の友達」

「前言ってた子ですね~はじめまして~」

 

「来海、紹介するね」

 

「はじめまして!私は七森 菜乃なのです!

葵ちゃんとは昔からの友達なのです~」

 

「天壌 来海です!!!葵の超絶大親友です!!」

 

なんか増えてるけど気のせいか。

 

「葵ちゃんよかったら夜ご飯食べてってください~」

「えっ菜乃の料理食べれるなら食べてく」

 

「来海さんもよかったらどうですか?」

「来海ちゃんもいいの!?食べてく!!!」

「菜乃の料理は世界一美味しいから」

「やった!!!」

 

2人はせっかくなので夜ご飯を食べて行くことにした。

 

____________________

 

 

「「ごちそうさまでした!!」」

 

「菜乃ちゃんうちに毎日作りに来てよ!!」

「機会があったらいいですよ。」

 

どうやら来海の菜乃の料理に堕ちたようだ。

 

「葵ちゃんは帰るなら送っていきますよ~」

「甘える」

 

____________________

 

 

「六花ちゃん!菜乃ちゃん!今日はありがと!」

 

「来海ちゃんもまた来てくださいね~!」

 

「じゃあボクはもう少しいるから来海は菜乃が送ってくれるみたいだから」

 

「わかった!!葵!また学院で!」

 

そういって菜乃は来海を駅まで送りに行った。

 

 

「葵...。話して大丈夫だったの?」

「まあ」

「これでも来海のこと信じていないわけではないからね」

「そっか...葵もちょっとは変わったね」

「六花もちょっと大人っぽくなってる」

「ほんと!?葵~!!」

 

「(抱き着いてくるのは昔から変わらないな)」

 

「ねぇ六花。今日は泊ってていい?」

「えっ!?いいよ!!」

 

六花のテンションがMAXになる。

なんか懐かしいな...。

 

その後菜乃が帰ってきて、葵が泊まると知って菜乃も嬉しそうだった。

 

「ここに来た目的忘れてた。

七瀬と咲にも話したいから明日話していい?」

 

六花と菜乃は頷く。

葵がの真剣な表情になったので2人はある程度察し、明日に話し合いをすることになった。

 

「...3人で寝るのはさすがに狭いんだけど」

 

「葵ちゃんが帰ってくるなんて珍しいのでいいじゃないですか~」

「たまにはいいじゃない。葵。」

 

「...咲がいないだけまだいいか」

 

そのまま3人は眠りについたのであった。

 

 




次回、ちょっと話が進展します。


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最強少女の作戦会議。

作戦会議なのだ!!


 

昨日は来海を旧友のところに連れてきた葵。

せっかくなので一泊泊まったのだ。

 

葵は目を覚ますと隣には六花が寝ていた。

 

「...こいつの寝顔なんていつぶりに見たかな」

 

葵は六花の頬を指でツンツンしてみると

 

「...あおい?なにしてるのぉ?」

「ごめんつい」

 

遊びすぎて六花を起こしてしまった。

これも六花がかわいいから仕方ない。

 

「葵もかわいいところあるね」

「うっさい」

 

2人仲良く起きて身支度し始めたとき

 

「りっかー髪整えて」

「しかたないな~」

 

この感覚懐かしい。

昔はお互いに整えあってたことを思い出した。

 

2人は身支度を整えてリビングに向かうと、キッチンの方からいい香りがしてきた。

 

「二人ともー朝ごはんできてるのですよ~」

「菜乃おはよ」

「菜乃ちゃんおはよ~」

 

菜乃に挨拶をして3人は食卓に座る。

 

「「いただきます!!」」

 

今日は目玉焼きと焼き魚みたいだ。

ほんとどんな味付けをしたらこの味を出せるのかわからない。

 

「ところで七瀬と咲はいつ帰ってくるの?」

「多分お昼前には帰ってくると思うのです~」

「問題は咲が道に迷わなければいいんだけど...」

 

朝ごはんを食べ終わり、菜乃が喋り始める。

 

「さて、まずは食器洗い係を決めるのです!」

「今日は勝ちたいんだけどなぁ~」

「一瞬で終わらせる...」

 

この家ではご飯を食べた後、食器を誰が洗うのかじゃんけんで決めているらしい。

まぁ、ボクは負けないけど。

 

「じゃあ行くのです!」

 

「「じゃんけん!」」

 

 

結果は案の定、葵が敗者になっていた。

 

「くそぉ、こんなはずではなかった」

「葵ちゃんはよわよわなのです」

「葵はこういう賭け事ホントに弱いからね~」

 

仕方なく葵は皿洗いをするのであった。

 

無事皿洗いが終わり、

3人は二人が帰ってくるまで各自の家事を終わらせるのであった。

 

 

_____________________

 

 

家事が一通り終わったころには時間は昼前になっていた。

 

玄関から騒がしい声が聞こえてきた。

 

「「たっだいまー!!!!」」

 

葵はこの声の主がすぐわかった。

 

「...咲か」

 

すさまじい足音とともに廊下につながる扉が勢いよく開けられる。

そこにはカラーコンタクトをつけた赤髪の少女が立っている。

 

「おまえら!私が帰ったわよ!って!!葵!?!?」

「おっす」

 

いるはずのない葵が居たので大声で叫び始める。

 

「葵がいる!!なんでいるのよ?」

 

「里帰りのなにがわるい」

「そーか!!咲様が恋しくなるお年頃か~かわいい奴め~!」

「耳が壊れそうだからもう少しボリュームを落として」

 

六花と菜乃は呆れた様子でこちらを見ていた。

助け船は出ないらしい。

 

咲が騒いでいるともう一人廊下の扉から長身で紺色髪の少女が出てきた。

 

「あれ?葵じゃないか?帰ってきてたんだな。」

「七瀬もアホの面倒おつかれ」

「慣れているからな。」

 

そう話していると咲が何かを言ってきた。

 

「葵!勝負しましょ!!」

「いやだ」

「今日こそは冥界から手に入れた知識で葵をぎゃふん!っといわせてやるわ!」

 

咲は相変わらずの中二病を患っているのでなにかしらと勝負を挑んでくる。

 

「今日は真面目な話をしに来たの」

「えっ?じゃあそれが終わった後でいいのよ?」

「断る」

 

なんだかこの中二病悪化してる気がする。

七瀬はどういう教育をしていたのか。

 

「とりあえず話をしたいから二人とも荷物置いたら地下室に来て」

「わかったわ!」

「結構重い話になりそうか?」

「そうなるかも」

 

話が終わり、七瀬と咲は自分の部屋に向かっていった。

 

六花と菜乃が葵に訪ねてきた。

 

「葵?ヤバいってホントなの~?」

「確証はないけど多分めんどくさいことになりそう」

「とりあえず私は地下室で準備してくるのです!」

 

っと言って菜乃は足早で地下室に行った。

 

「とりあえず七瀬と咲は後から来るから地下室に行こ」

「わかった~」

 

____________________

 

 

葵と六花は物置に向かっていた。

 

「ここの隠し扉なんて久しぶりに見た」

「ちゃんと掃除とメンテナンスはしてるので大丈夫~」

 

六花は隠されたレバーを引くと本棚の横にキーパットが出てきた。

慣れた手つきで操作し、本棚がゆっくりとズレはじめる。

そこには地下に続く階段があった。

 

「あおい~行くよ~」

「ん」

 

葵と六花はその階段を降り、降りた先には通路が広がっており、奥へと歩き続けると

そこにはもう一つキーパットがあり、六花がロックを解除し扉に入った。

 

そこには大画面のモニターと7.8人座れる会議テーブルと椅子があり、菜乃の姿もあった。

 

「葵ちゃん!準備はできてるのです!」

「ありがと」

 

しばらくすると七瀬と咲も合流し、葵は話を始めた。

 

「とりあえず全員揃ったからはじめる」

「今回はちょっと重いから覚悟してて」

 

葵の声のトーンが低くなったのを感じた4人は姿勢を正し始めた。

 

「まずこれは憶測。レッドアイズは再建していると考えてる」

 

この話を聞いた4人は表情が変わった

 

「葵!どういうことなのよ!」

「葵ちゃん?さすがにそれは間違いなのでは?」

 

咲と菜乃は困惑している

 

「まぁまぁ、とりあえず話を聞いてみないとわからないよ~」

「そうだぞ二人とも。葵。それはホントに憶測なのか?」

 

この中でも冷静なのは六花と七瀬であった。

さすがの二人である。

 

「憶測と思いたいけどボクは本当だと思っている。」

「この前、学院の依頼で変な集団がボクたちを襲ってきた」

「その時のリーダーは身体を改造されて魔法が発動できるようになってた」

「それ自体は対処できるのだけど、」

「問題は改造技術を受けている魔法師は国際データベースに登録が義務つけられているはず。」

「だがそのリーダーは登録どころか数カ月前に死亡していることになってた。」

 

葵以外のメンバーは衝撃を受けていた。

 

「葵。つまりレッドアイズ絡みだと思っているということだな?」

「うん。七瀬は最近国内のことでなにか違和感を感じたことない?」

 

「確かに最近は国内で不自然に行方不明になる事例が多いのは知っているぞ。」

「それに直結するかはわからないが、」

「昨日私と咲が向かった任務は不自然に敵が動いていたのは確かだ。」

 

「私もそう思ったわ。魔法師は居たのは確かだけど練度がまだ初心者っというか、扱ったことがないような動きをしていたわ。」

 

葵は考え始めた。

もしかしたらこの憶測はあっているのではないかと。

レッドアイズが再建できているのであればまた各国の被害が増え始めるのではないかと。

そう考えているとPCでなにかを調べていた菜乃が口を開いた。

 

「行方不明の情報を調べてみたのですが...」

「どれも魔法関連の卒業生や魔法関連の職に就いてる人が行方不明になってるみたいなのです」

「その中には魔法研究を専門としている研究所の職員。」

「魔法競技の全国大会に出ていた人などがいるみたいなのです」

 

「菜乃。国内じゃなくて各国のデーターベースでも調べてみてくれない?」

「わかったのです」

 

菜乃がデータベースで検索を始めた。

そうしたら菜乃が声を荒げはじめた。

 

「葵ちゃん!これ見るのです!」

 

菜乃はモニターにデータベースを映し始めた。

 

「...どうやら憶測は間違いではないみたいだね」

 

そこには国内で起きている行方不明と同じ内容であった。

国内と違った点は民間軍事会社の職員、軍の魔法師も被害にあっていた。

 

「葵...これってホントにヤバいんじゃない~?」

「そうだわ!これは間違いないんじゃないの!?」

 

六花は冷静だけど咲は焦っていた。

葵は考えた結果を話し始めた。

 

「...」

 

「六花、菜乃、七瀬、咲。」

 

「現在をもってチームの解散を撤回。 再集合と共に情報を収集。」

「それとアメリカにいる結衣、夏芽、椿を帰国させる。」

 

その言葉を聞いた4人は衝撃を受ける。

 

「ちょっと!!葵!?本気なの!?」

「ちょっと待ってくれ。3人を帰国させるってことは...。」

 

「咲。まぁ落ち着いて」

 

「葵ちゃん。撤回ってどういうことなのですか?」

「そのままの意味だよ。」

「でも」

「素性はわからないけど調査する価値はある」

「...わかったのです」

 

葵は説明が終わると今後のことを話し始めた。

 

「とりあえず調査をするしかないから菜乃は国内の情報収取をして。」

「了解なのです!」

 

「七瀬と咲は3人が帰国するまで待機。それまでは菜乃の情報収集を手伝ってて」

 

「「わかった。(のよ!)」」

 

六花は不安そうに葵を見ている。

 

「六花は今日からボクと行動するよ。さすがにボク単体だと困る」

「葵...?」

「ボクがいるから大丈夫だよ」

 

不安そうだった六花の表情が少し緩んだ。

 

「葵...ありがと。」

「ん」

 

「とりあえず今日は解散。アメリカの3人が帰国した辺りでもう一回集まることにする」

 

_____________________

 

 

葵の憶測が当たってしまったのでこれからどうするか考え始める。

 

「とりあえず六花は荷物まとめて」

「えっ?なんで~?」

 

不思議そうに聞いてきた。

 

「なんでって今日から行動するんだから一緒にいないといけないでしょ」

「それって...?」

「今日からボクの家に一緒に住む」

「えっ!?いいの...?」

「いいの。荷物まとめてきて」

「...わかった~」

 

六花はルンルンで自分の部屋に行ったのであった。

 

「とりあえず帰るか」

 

少し時間が経ち六花はキャリーケースを持ってきた。

どうやら荷物をまとめたみたいだ。

玄関に行くと七瀬と咲が待っていた。

 

「じゃあ行ってくるね」

「うむ。情報収集は任せろ。」

「よろしくね」

 

「ちょっと葵!勝負は!?」

「断ったじゃん」

「そんなの知らないわ!!」

「じゃあね」

「あっちょっと!!!!!」

 

葵と六花は玄関の扉を閉め、そそくさと家を後にした。

 

「逃げるな!!卑怯者!!!!」

 

なんか咲の声が聞こえたような気がした。

 

「あのアホどこまで声通るんだ...」

「あはは~」

 

六花は苦笑いなのであった。

 

________________

 

それから電車に乗り、葵の家に着いた。

 

「ただいま」

「...お邪魔します~」

 

六花はなぜか緊張していた。

 

「今日からここが六花の家でもあるんだから」

「そんなに緊張しなくていいよ」

 

「...頑張って慣れる」

 

2人は食事を済ましてリビングで話をしていた。

 

「ねぇ葵...。」

「なに」

「なんで連れてくるのなんで私だったの?」

 

なんだ。六花はそれが気になっていたらしい。

 

「消去法」

「理由になってないよ~」

 

「...六花ならボクの背中を預けられるからかな」

「!!!」

 

「ちょっと~ 葵~!!」

「...急に抱き着かれるとビックリする」

 

「いいじゃないか~減るものもないのだから~」

「...(悪くないからいっか)」

 

その後二人は一緒に湯船に入ったりして楽しんでいた。

 

「六花の布団無いからボクの布団で寝て」

「葵はどこで寝るの?」

「床」

「それはダメだよ~」

 

「...じゃあ布団に入れて」

「!!!」

「仕方ないな~」

「...じゃあ電気消すね」

 

電気を消して布団に入る。

 

「...ねぇ葵~」

「なに」

「...案外抱き心地がいいね~」

「...ちんちくりんで悪かったね」

 

っと言ってるうちに2人は眠りにつくのであった。

 

 

 




補足

鈴影 咲(さく)

現在進行形で中二病を患ている痛い子。
元気がよく葵にはアホと思われているが実力はお墨付きなのである。


月宮 七瀬(ななせ)

チームの中の姉的な存在。
アシスターとしてはかなりの実力者。
咲が暴走するのを止める保護者的な存在だったりする。


次回は学院に行く。


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最強少女の全校集会と呼び出し。

私事ですが、利き手の指を痛めてしまい、キーボードが打てるか怪しい状態だったりします。

そんなことは置いておいて。
今回は学院関連の説明をしていきます。


 

休日が終わり、今日から平日。

 

目覚ましがなり、葵は目を覚ます。

 

「...眠い」

 

今日から退屈な学院生活が再開されるということを認識したくない葵は再び布団に入ろうとした。

そしたら自室の部屋の扉が開き、六花が顔を出した。

 

「葵~早く起きないと遅刻しちゃうよ~」

「やだー」

 

葵は駄々をこね始めた。

 

「...今日は朝ごはん抜きがいいの~?」

「六花おはよ」

 

葵は手のひら返しが早すぎなのであった。

六花恐ろしい子。

 

重い身体を起こし、葵は身支度をしてリビングの食卓に座った。

 

「六花のご飯なんて久しぶり」

「菜乃ほどは上手く作れないけど我慢してね~」

 

2人で食卓を囲むなんて懐かしい。

それに普通に料理も美味しい。

 

「六花。ちょっと頼みたいことがある」

「ん~?どうしたの~?」

 

「空いてる時間でいいから柊学院の周辺の調査をしてほしい」

「それはいいけど、なにか怪しいと思ってるの~?」

「ただの勘だよ」

「わかった~」

 

六花は了承した。

予防線は張っておかないとね。

 

六花と話しているうちに家を出る時間になった。

 

「とりあえず行ってくるね」

「行ってらっしゃい~」

「気をつけてね~」

 

葵は常に一人で生活していたので、

お見送りがあるのは嬉しい。やっぱり六花は天使なのかな。

 

駅に向かい、いつものように電車を待っていると、

遠くからいつもの少女が走ってきた。

 

「あおいー!」

「なんだ来海か。」

 

「あれ!?なんかいつもより身だしなみしっかりしてない!?」

「六花がしてくれた」

「えっ!?六花!?どこにいるの!?」

「家にいる」

 

来海もビックリしているようだ。

 

「六花はなんで葵の家にいるの?」

「しばらく一緒に住むことになった」

「えー!!ずるいな!!来海ちゃんも今度遊びに行くからね!!」

「迷惑になるようなことしないでね」

 

「...この休日の間になんか葵とげが減ったね!!」

「余計なこと言わない。」

 

いつものように電車を降りて、学院に着く。

下駄箱で見知らぬ少女から声をかけられる。

 

「あなたは楠木さんで合ってるかしら?」

「...なんですか」

「ちょっと話したいことがあるので今日、生徒会室まで来てくれないかしら?」

「ボクがなんかしましたか?」

「詳しいことはその時話すから。午後の時間に来てくださいね。」

 

葵に要件を伝えるとその少女はどこかに行ってしまった。

なにか嫌な予感がする。

 

「葵~?どうしたの?」

「なんでもない」

「教室にレッツゴー!!」

 

来海に袖を引っ張られ、教室に着く。

いつものように来海の挨拶が始まると教室の空気は静まり返る。

決してクラスメイトから嫌われているわけではないらしいからいいか。

 

バカをやっている来海を放置しておいた。

すると後ろから月菜が登校してきた。

 

「葵さん、おはようございます」

「月菜おはよ」

 

いつものように挨拶をし、月菜と話しているとチャイムが鳴り、先生が教室に入ってくる。

 

「みなさーん。急ですが今から緊急の全校集会を行うので体育館に移動してください~」

 

先生からの説明を受け、クラスは大混乱になった。

生徒からは質問の嵐であった。

 

生徒は不満を抱えながらも体育館に移動するのであった。

 

____________________

 

 

「えー。これから緊急の全校集会を始めます。」

「まずはなぜ緊急で集まってもらったかを説明します。」

 

司会の教頭が話を始めた。

 

「現在、学院の生徒の行方不明者が出ています。」

「こちらが把握している数は23名。」

「この状況に対して、本校は重く捉え、しばらくの間は、依頼等の受付を停止。」

「安全が確認されるまで、午後の任務時間は中止することにします。」

「それに伴い、現在進行中の任務に関しては単独での行動は禁止。」

「必ず複数人で依頼を完了することとします。」

「その他等の不明な点があるのなら担任に確認をお願いします。」

 

教頭の説明が終わり、緊急の全校集会は終わった。

 

その話を聞いた葵はあることを考え始めていた。

 

「(もしかしたら...。)」

「...(これはちょっと想定より状況は最悪かも)」

 

___________________

 

 

全校集会が終わり、クラスはざわめいていたが、通常通りに授業は始まり、

何事も起こることはなく、昼休みの時間となった。

 

来海は集会のことを聞いてから葵に話を聞きに行った。

 

「葵...さっきの集会の話って...。」

「来海。あまり探らないほうがいい」

「でも!!」

「来海。気持ちはわかるけどほんとにやめておいたほうがいい」

 

来海は無言になってしまった。

来海は前の休日の話を聞いているので仕方がないとは思った。

少し間が空いて、来海は唐突に葵に抱きついてきた。

 

「...葵は戦うの?」

「戦わざるをえない状況なのは確か。」

「...てって」

「えっ?」

「私も連れてって!」

 

なにを言い始めたかといえば、来海は戦うなら連れていけと言ってきた。

 

「だめ」

「覚悟はできているから!!」

「そういう問題じゃない」

「来海ちゃんは葵を支えてあげたいのです!!」

「...」

 

ダメだ。このバカは話を聞く気がないらしい。

さすがに戦闘を経験したことがない来海を連れて行くわけにはいかない。

どうやって芯を折りに行くか考える。

 

「来海は家族がいる。両親の心配をかけることはしてはダメ」

「それに人を殺すようなことは来海には経験してほしくない」

「来海の将来を潰すようなことになるんだよ」

 

それでも来海は葵に感情をぶつける。

 

「来海ちゃんの将来は自分で決めるの!」

「家族には迷惑はかけたくはないけど、来海は葵の力になりたいの!!!」

 

「来海。自分のせいで家族も死ぬかもしれないし、」

「来海自身も死んでしまうかもしれないんだよ」

 

葵は説得をするが、来海は反論してくる。

自分の状況が危険になるかもしれないことは大事なことなんだけどな...。

 

「それでも来海は葵の力になりたいの!!」

「それに来海がピンチになったとしても葵が絶対助けてくれるのは知ってるし!」

「...。」

 

葵は黙ってしまった。

これからの状況次第だが、さすがに来海に危険なことをしてほしくはないのだ。

葵はきつい言葉で来海に言う。

 

「来海はまだ将来を捨てることはしないでほしい」

「ボクは来海が強いことも」

「技術もボクが知ってる中ではトップクラスなのも十分にわかってるよ」

「来海は可能性の塊だから、間違った選択はさせてあげたくないの」

「それでも来海はついていきたいって思うの?」

 

来海はきついことを言われても信念は変わることはなかった。

 

「それでも...来海の選択が間違いだったとしても、」

「来海は学院を守りたいし、葵も守ってあげたい!!」

「...来海」

 

葵はこれ以上なにを言っても来海は曲がらないと思った。

それに来海の目はすごくきれいに葵を真っすぐに見ていた。

 

葵はしばらく考えて結論を来海に伝える。

 

「...来海」

「覚悟はあるみたいだね」

 

「もちろん。来海は本気で考えた結果だよ。」

 

「来海をすぐに連れて行くわけにはいかない」

「なんで!!」

 

「来海はまだ実戦経験もない。つまり初心者なんだよ」

「はじめは誰だって経験もないしわからないことがあるのは当たり前じゃない!!」

「だから」

 

来海は感情をぶつけてくる。

ここまで本気でぶつけてきたことは見たこともない。

葵はその心は感心していた。

 

「...来海。」

「なによ!」

 

葵は重い口を開いた。

 

「覚悟は受けとる。その代わり条件がある。」

「...条件って?」

 

「まずしっかりと両親に今のことを伝えること。」

「それとボクたちについてくるのなら来海は圧倒的に知識が足りてない。」

 

「そうだよね...。来海ちゃんもまだまだ弱いと思ってるけど!!」

「来海じゃ力不足なの...?」

 

現実を突きつけられた来海はちょっと落ち込み始めている。

自分の実力不足なのを気にしているのであろう。

 

「来海。最後まで話を聞いて。」

「...え?」

 

「さっきボクは来海にこう言ったはずだよ。」

「来海は才能の塊って」

 

「えっ?えっ?」

 

来海は動揺し始める。

急にそんなことを言われるとは思ってなかったらしい。

 

「ボクは来海が才能の塊だと思ってるよ」

「だからこそ才能を磨けば輝くとも思ってる。」

 

「!!!」

 

来海は照れている。

不意打ちに褒められて顔を真っ赤にしていた。

 

「来海。ボクたちが来海の才能を磨いてあげる。」

「弱音を吐いたらただじゃ済まさないから」

 

「っえ..?」

「それってどういうこと...?」

 

葵は口を開く。

 

「ここから先は長く地獄が待ってるからね。」

「時間をあげるからゆっくり考えて」

 

来海は動揺しつつも葵に返事をする。

 

「...わかった!」

「とりあえず一回家に帰って両親に話してみる...!」

「また後でね!」

 

来海は荷物をまとめて急いで家に帰ったのであろう。

こんなことしてよかったのか葵はちょっと後悔もしていた。

 

「...ここで折れるのであれば来海は覚悟が足りない。」

「あの様子を見てる限り大丈夫そうだけど...。」

 

来海の覚悟がちょっとだけ楽しみな葵であった。

 

______________________

 

 

現在、葵は生徒会室の前にいた。

ノックをし、中から「入って」と聞こえ葵は扉を開ける。

 

「失礼します。2年の楠木です」

「ごめんなさい。いきなり呼んでしまって。」

「まず自己紹介しなくてはならないね。」

 

中に入ってみるとそこには生徒会長の机であると思われるところに座る少女。

その隣には葵の担任である四羽 わたりの姿があった。

 

「はじめまして。柊学院の生徒会長を務めています。二里 琴音と申します。」

「とりあえず椅子に掛けてください。」

 

「どうも」

 

葵は椅子に座り、話を聞くことにした。

 

「それでボクになんの用ですか?」

「あなたに学院内で起きている誘拐事件の依頼をお願いしたいのですが...。」

「今回は学院内の事件に対して、生徒会はあなたの協力を申し出たいのです。」

 

葵はその話だということはわかっていた。

全校集会の件で学院は必ず葵の協力を申し出ることも。

 

「いやです」

「まずボクは便利屋ではないです。」

「それに学院内での依頼は中止さてたんじゃないですか」

 

葵は反論すると隣に立っていたわたりが口を開く。

 

「今回の件は職員会議にて許可は承諾済みです~」

「それに我々、教師陣も楠木さんの協力を要請している声もありました~」

「例外にて調査中は学院の出席等も免除も許可済みですよ~」

 

「先生。さすがにボクは協力をしてもなにも情報は渡せませんよ。」

「ボクにも事情があるので」

 

「それも承知の上ですよ~」

「私たち学院の教師も情報収集もしていますが、それだけでは少なすぎます。」

「楠木さんが独自のデータベースを持っていることもわかっていますが、」

「学院側からは犯人を特定ではなくあくまでも調査を要望しています。」

「なのでどうか情報を提供だけでもいいので協力してもらいませんか~?」

 

わたりは葵に向かって頭を下げ始めた。

教師が生徒に対して頭を下げるということは極めて稀である。

 

葵は少し考えて話始める。

 

「...情報だけならいいですが、そちらの情報も共有することが条件です」

「共有できないならボクはお断りします。」

 

葵の話を聞き、琴音とわたりが二人で話始め、

少し時間が過ぎたところで葵に答えを出した。

 

「わかりました。その条件を呑みましょう。」

「その代わりに私たちは情報を共有するのでお願いします~」

 

交渉が締結した。

葵は学院側の情報を聞き、こちらが持っている情報も少し話した。

 

「...なるほど。」

「裏で動いている組織があるのは情報がなかったので助かりました。」

「先生。私もちょっと調べてみます。」

 

「...(さすがにレッドアイズのことは話すと大事になるからやめておいたけど)」

「(情報がさすがに少なすぎるから、もう少し調べないといけないかな)」

 

「っとこんな感じです」

「楠木さんありがとうございます。少し進展しそうです!」

「ありがとね~」

「本来は教師陣がなんとかしないとダメなんだけど手間取らせてしまって~」

 

「これぐらい大丈夫ですよ」

「とりあえずボクは帰ります。」

「また進展があったら連絡ください」

 

「わかりました。ありがとうございました」

「楠木さん気をつけてくださいね~」

 

葵は2人がいる生徒会室を後にした。

 

「...とりあえず家に帰ろう。」

 

______________________

 

 

その後、葵は家に帰り、六花に今日あった出来事を話し始めた。

 

「なるほど~」

「とりあえず学院の事はかなり大事になってしまいそう」

「その件はわかる範囲の調査をしておいたよ~」

 

六花が調査の結果を話し始めた。

 

「まず、組織に関してなんだけど、どうやらレッドアイズが解体されて」

「少し経ったときにできたワイルダンという組織が怪しいとみているよ~」

「その組織はまだ完全に調査できてはいないけど、レッドアイズの出身の幹部が作った組織で、」

「構成人数は約600人。部隊は各国にあって、国内で動いていると思われる部隊数は約20ほど。」

「一部隊の数は6人ほどでどれも精鋭部隊だと思ってもらっていいと思うよ~」

 

「...なるほど」

「とりあえず調査は続行。できればどこを中心に活動しているのかを知りたい。」

「わかったよ~」

 

六花の説明が終わると葵は来海の件を話し始めた

 

「六花。来海をチームに入れるとしたらどう思う?」

「えっ!?」

「驚くのも無理はない。だけど才能は菜乃と同等レベルにはなると思う。」

「...来海ちゃんは本気でこっちの世界に来る気なの?」

 

さすがの六花も不安になっている。

 

「本気っぽい。ボクは来海を迎えるのはおすすめはしてないけど」

「彼女の熱意と本気がボクに突き刺さったからね」

「ボクは来海のことを磨ける自信あるよ。」

 

葵の話を聞いて六花は話始める。

 

「私も来海ちゃんが入ることに関しては反対はしないよ。」

「だって葵がそこまで言い切るぐらいだからね~」

「丸くなったね~葵~!」

 

「頭撫でない」

 

「まぁまだ来海の決意をちゃんと聞かないとわからないけどね」

 

「そうだね~ 」

「とりあえずそれ待ちだね~」

 

っと話しているうちに葵のスマホに着信が来た。

相手は来海であった。葵は通話に出る。

 

「...決意は決まった?」

 

「葵...決まったよ!」

 

「それでどうするの?」

 

「こういうことは直接言いたいから今から家に行くね!」

 

「ん。待ってるよ。」

 

葵は通話を切り、六花に説明をする。

 

「来海はどうやら家に来るらしいよ」

「そうか~」

「とりあえずそれを待とう~」

「ん。」

 

 

 




次回は来海ちゃんの決意の発表です!

感想等もお待ちしてます。
モチベとやる気に繋がるので…。


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最強少女の決意チェック。

体調を崩してました。

なんだかんだ年明けになってしまいました。




 

来海の決意が決まったらしいので、葵と六花は来海を待っていた。

 

「来海はどうなるかな」

「今回は結構重要なことだからね~」

 

っと話してるとインターホンが鳴る。

 

「来たみたいだよ」

「行ってくるね~」

 

六花は玄関に行き、来海が家に入ってきた。

 

「おっす!来海ちゃんが来たよ~!!」

「ずいぶん早い決意表明だね」

「とりあえず座りな~」

 

来海がソファーに座り、葵が話をし始める。

 

「それで来海。両親にはちゃんと話したの?」

「ちゃんと話したよ!」

「どんな反応だった?」

「しっかり怒られました!」

 

この自信はどこから生まれるのか。

ほんとメンタルどうなってるのやら。

 

「それでどうなったの?」

「行ってこいって言われました!」

「...ん?」

「止められなかったの?」

「うん!」

 

どうゆうことだ。

普通親というものは娘が危険な場所に行くって聞くと止めるはずだが。

 

「だから!」

「...来海はそれでいいの?」

「来海ちゃんだってちゃんと考えました!」

「葵が来海のことをしっかり考えてくれてるのもわかってる」

「だけど来海は覚悟をもって決めました!」

「...」

 

来海は葵を見つめて話す。

しっかりとした目をしている。

覚悟を決めているようだ。

 

「...戻れないよ?」

「大丈夫!来海ちゃんは最強なのだ!」

「...わかった。」

 

「来海。答えを教えて」

「わかった!」

 

少し緊張しているのだろう。

来海の手は若干震えている。

 

「葵。来海を強くして!もっともっと経験をしたいの!」

「...なるほどね」

「六花。ちょっと廊下に来て。」

「...?わかった~」

「来海。少し待ってて」

 

葵と六花は立ち上がり廊下に出る。

 

「...六花。どう思う?」

「うーん...。」

「私としてはちゃんと決意は固まってるし」

「何より鍛えようがあるから合格かな~」

「そっか」

 

六花は来海のことをちゃんと評価した上の答えだろう。

決して六花はバカじゃないからね。ネジが飛ぶことはあるけど。

 

「葵はどう思うの?」

「...大丈夫だとは思うけど。」

「ボクでいいのかなって」

「葵?私達なら来海ちゃんを育てれる自信はあるから大丈夫だよ~」

「...六花がそういうなら大丈夫かな」

「葵がそう考えるのはわかるよ。けどね」

「私達なら育てれる。私は自信があるよ。」

「...そっか」

「わかった。ありがと六花。」

 

六花と話して葵は決意を決めたようだ。

ほんと六花様々だよ。

 

葵と六花は廊下からリビングに戻り、来海に話す。

 

「もー!!二人とも遅い!」

「ごめん」

 

「それで葵。どうなったの?」

「もしかして来海ちゃんダメだった!?」

 

「残念ながら」

「そうだね~残念だね~」

 

来海はすごく落ち込み始めてしまう。

どうやらダメだったと思ってるらしい。

 

「来海ちゃんは落ち込みました。どうしてくれるのですか!」

「なんで落ち込んでるの?」

「だって不合格なんでしょ!!」

 

「来海ちゃん...。まだ話の途中だよ~」

「えっ?」

「来海。早とちりはよくない」

「えっえっ?」

 

「来海。地獄へようこそ。」

「ボクたちと一緒に行こ。」

 

来海はその言葉を聞き。満面の笑みになる。

ほんと単純だ。この少女は。

 

「いいの!?ほんとに!?」

「いいよ」

「来海ちゃん。よかったね~」

 

来海はソファーの上で飛び跳ね始めた。

バネが痛むからやめてほしいんだけど...。

 

「とりあえず来海。今日から地獄のはじまりだから」

「覚悟しておいてね」

「やった!葵!来海ちゃんはすごく嬉しいです!!」

「とりあえず来海に情報共有するからちゃんと聞いててね」

「わかった!!」

 

葵は来海に今回掴んでいる情報を教えた。

 

「なるほど!そのレッドアリンっていうやつを潰すってのが目標なのね!」

「...話聞いてた?」

「レッドアイズね。頭おかしい奴らだよ」

「来海にはとりあえず今は力をつけてもらうから作戦には参加させないけどね」

「...わかった」

 

来海は少し残念そうにしている。

とりあえず来海には力をつけてもらわないと前線に出すわけにはいかないからね。

 

「とりあえず来海はボクが呼ぶまでは待機ってことで」

「わかった!待ってるからね!!」

 

来海は少しわくわくしているようだ。

地獄の特訓が始まるんだけどなぁ...。

 

「じゃあ来海。帰っていいよ」

「来海ちゃんは門前払いですか!!」

「もう20時だから少女は帰りなさい」

「...わかった!」

 

葵と六花は来海を玄関まで送る

 

「それじゃあ葵!また明日ね!!」

「...明日も来るの。」

「明日も来るよ!来海ちゃんは寂しいのです!!」

 

「来海ちゃん~明日は覚悟しててね~」

「...えっ?」

「来海。頑張ってね。」

「...わかった?」

 

来海は疑問を抱きながら玄関の扉を開ける。

 

「じゃあね!葵!六花!」

「気を付けてね」

「また明日~」

 

来海は家へと小走りで帰った。

 

_________________

 

 

来海が帰った後、葵と六花は気が抜けたようでソファーに座る。

 

「来海ちゃん、大丈夫かな~」

「来海なら大丈夫だよ」

「...明日からしごきまわすんでしょ?」

「うん」

「来海ちゃんがちょっとかわいそうで...。」

「その程度で悲鳴をあげたらボクが許さない」

「あはは...」

「とりあえずご飯」

「今準備するよ~」

 

葵と六花はご飯を食べ、寝る準備を済ませて葵の部屋へと向かう。

 

「ねぇ葵~」

「なに」

「来海ちゃんにどこまで話すの?」

「とりあえず力になるまでは伝えない」

「...まぁまだ話すのは早いか~」

「来海なら大丈夫だからね」

「...わかった~」

「六花も面倒見てあげてね」

「当たり前だよ~」

 

来海にはちゃんと力をつけてもらわないと。

来海のためにね。

 

来海の話をしていたら、いつのまにか二人は夢の世界に落ちていた...。

 

 




次回は3人の帰国します。


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最強少女の旧友の帰国とおしおきとプチ特訓。

来海ちゃんが大変なことになりそうです。


 

昨日は来海の覚悟を聞いたのだった。

六花がいつものように起こしに来た。

 

「葵〜朝だよ〜」

「あと5分だけ」

「ダメだよ〜ご飯冷めちゃうよ〜」

「...起きるから引っ張らないで」

 

結局六花には逆らうことはできず、仕方なく起きることにした。

六花怒ると怖いからね。

 

二人は食卓に座り、朝ご飯を食べ始める。

いつものように駄弁ってたら葵のスマホに着信が入る。

 

「ん...来海かな」

「今日来るって言ってたからね〜」

 

葵はスマホを手に取り、通話を開始する。

通話に出ると葵は思いのよらない人物だった。

 

「なに?」

「なにとはなんだ。こっちは12時間飛行機で退屈だったんだぞ」

「あれ?来海じゃない。」

「誰だよそのバカそうな奴は?」

「嘘だよ」

 

「それで結衣。電話なんて珍しいじゃん」

「私だって電話ぐらいするからな。」

「そういう要件ではない。日本に着いたぞ」

「あっ早かったね」

 

通話の主はアメリカに居た結衣だった。

どうやら日本に着いたらしい。

電話越してもわかる安心感である。

 

「それで私たちは家に向かえばいいのか?」

「うん。菜乃がいると思うからそっちに向かって」

「わかった。ちゃんとお土産買ってきてあるからな。」

「楽しみにしてるね」

 

葵は通話を切り、六花に説明をする。

 

「どうやら結衣たち日本に着いたらしい」

「お〜結構早かったね〜」

「とりあえず菜乃たちと合流するように言った」

「なるほどね〜」

 

六花に3人の帰国を伝えると嬉しそうにニコニコしている。

ほんとかわいいな。

 

「ところで来海はいつ来るの?」

「さっきメールしてみたら朝ごはん食べたら来るらしいよ〜」

「あいつ学院はどうした」

「...サボり?」

 

葵は学院の特例で休みをもらってるので大丈夫なのだ。

来海はそうもいかないはずなのだが...。

 

「ちょっと来海に電話してくる」

「はいよ〜」

 

葵は来海に電話をかける。

来海は2コールで出た。

 

「超絶可愛い来海ちゃんに電話なんて!!今向かってる最中だよ!!」

「とりあえず君は学院に行きなさい」

「...?」

「とぼけない。ボクは休みだから」

「もう休みの電話はしたわ!だから大丈夫!!」

「...あとで覚悟しなよ」

 

葵はそう言うと来海の返答もなしに電話を切った。

なんか言いかけてた気がするけど言い訳なんて聞く気はない。

 

「来海ちゃんどうだった〜?」

「もう向かってるらしい」

「あちゃ〜なむなむ...」

 

六花はこの後起こる事を察したようだ。

そしてインターホンがなってしまった。

 

「おっ獲物が来たね」

「...グッバイ来海ちゃん。」

 

葵は素早く玄関に向かう。

普段の葵だったら考えられないであろう。

そして葵は玄関を開ける。

 

「あれ?葵が出迎えなんて珍しいじゃない!」

「来海。覚悟。」

「えっ?」

 

葵は玄関に来海を引きずるとそのまま投げ飛ばした。

 

「ちょっと!何するのよ!!」

「学院は?」

「さっき言ったじゃない!休んだって!!」

「それをサボりっていうの知ってる?」

「...そんなことはどうだっていいのよ!」

「反省する気はないんだ」

 

来海は反省する気はないらしい。

ほんとにこのバカは...。

 

「あとで相手してあげる。覚悟しておいてね」

「...?わかったわ!!」

 

っと言ってると六花が止めに入った。

 

「家が壊れる前にリビング行こうね〜」

「ちょ、六花引っ張らないで」

「六花ってもしかして強いのか...?」

 

来海は疑問を覚えつつ六花の後を追うようにリビングに向かった。

 

____________________________

 

リビングに少女3人が集まり、話が始まる。

 

「じゃあ来海。今日は何がしたい?」

「えっ?来海ちゃんに聞いちゃう感じなの?」

「葵はそうやって力をつけてくんだよ〜」

「そうなんだ!」

 

葵は基本的には本人が伸ばしたいところを重点的に鍛えるために

最初に何をしたいか聞いておいて、その項目に合うトレーニングをしていくスタンスなのだ。

決して来海に投げたわけてはない。

 

「扱える魔法の種類を増やしたいわ!!」

「ごめんそれはまだダメ」

「なんで!!」

 

来海の要望は却下された。

 

「来海はまだ基礎がしっかりしてないから。」

「来海の能力からすると種類は増やすことはできるよ」

「じゃあ何をすればいいの?」

 

「とりあえずゾーンをできるようにしよっか」

「ゾーンってなに!?」

「知らない?」

「原理は知らないわ!!」

「六花... 任せた。」

「えっ?私〜?」

「ボクは説明できるけど立花の方がわかりやすい」

「わかったよ〜」

 

葵はどちらかといえば感覚派なので説明は得意ではないのだ。

努力している人間に任した方が適任だと思った。

めんどくさいとは一ミリも思ってない。うん。

 

六花は説明を始めた。

 

「まず来海ちゃんが思うゾーンって何だと思う?」

「うーん。何でもうまくいく?みたいな感じかな?」

「普通はそう考えるだろうね〜」

「けど間違えではないよ〜」

「ゾーンは極限に集中している状態ってことなんだけど」

「例えばテストを受けるときにできる!みたいな気持ちになったことはある?」

「体育の授業の高跳びの時になんか飛べるって思ったことはあるわ!」

「うんうん。だいたい合ってるよ〜」

 

そういえば来海って運動神経よかったっけ。

学年の中でも上位だったはずだ。

 

「じゃあゾーンを意図的に発動できるって知らないよね?」

「えっ!?そうなの?」

「練習すればできるようになるよ〜」

「じゃあ来海ちゃん最強になれるじゃん!」

 

まぁそう思うよね。

来海ならそう言うと思った。

 

「じゃあ来海ちゃんは今できる?」

「やってみる!」

 

来海の前には菜箸とビー玉と空のペッドボトルが用意された。

 

「じゃあ菜箸でこのペッドボトルにビー玉を入れてみて?」

「落としたりペッドボトルに触れたらダメだからね」

「わかった!!」

 

来海は挑戦してみるが、何回やっても入らない。

悔しいのか感情的になり始めた。

 

「もー!!なんで入らないの!!」

「来海。時間切れだよ」

「来海ちゃん。終わりだよ〜」

 

来海は悔しそうにしている。

 

「ごめんね来海ちゃん」

「実はこのビー玉ペッドボトルに入らないんだよ〜」

「えっ!?」

 

衝撃のことを聞いた来海は怒りをぶつけ始めた。

来海らしい。

 

「葵!!ちょっと!どう言うことなの!!」

「来海を試したんだよ」

「なんで!!」

 

「来海ちゃん。普通に考えてみて?」

「ビー玉のサイズとペッドボトルの口のサイズって合ってる?」

「...あっ。」

 

ペッドボトルを見てみると、ビー玉が微妙に入らないサイズであった。

来海はまんまと引っかかったのである。

 

「来海ちゃんは入らないビー玉を必死に入れようとしてたんだけど、」

「それにいつ気づくのか見てたんだよ〜」

「そういう事なのね!気づかなかった!!」

 

来海は納得したようだ。

まだまだだけど。

 

「来海ちゃんは集中じゃなくて遊び感覚でやってたから気づかなかったんだよ〜」

「来海。ダメなところが数箇所ある。」

「どこ??」

 

葵が説明をし始める。

 

「まず六花が言ったように遊び感覚でやっていたこと。」

「冷静に考えたらわかること。」

「感情的になって自暴自棄になったこと。」

 

「...。」

 

「仮にこれが爆弾だったして入らないものに時間を割いているんだよ。」

「来海はこれぐらい入るでしょ。って気持ちでやっていたからダメなの。」

「それで次は冷静になったら考えれる。ちゃんと見えるものなんだからちゃんと観察すればよかったんだよ。」

「一番ダメなのは冷静さを忘れ感情的になってイライラしたこと。」

「戦場で感情的になったら犬以下だよ。」

 

「...はい。」

 

「とりあえず来海のトレーニングの方法は決まった」

「そうだね〜」

「とりあえず来海は感情を無にするトレーニングをする。」

「無?どういうこと?」

 

「簡単な話だよ。何も考えないトレーニングをするんだよ」

「そんなことができるの?」

「誰でもできるよ」

「教えて!!!」

 

来海は疑問に思いながら葵に聞く。

 

「座禅だよ」

「座禅ってお寺とか行くとできるやつ?」

「そう」

 

座禅。

座布団に腰を落として呼吸を集中させ、頭の中で数字を浮かべ、自然と呼吸を行う。

集中力を切らしたり、少しでも身体が動いたら警策でぶっ叩かれるのだ。

 

「こんな感じ。」

「なるほどね!」

「これなら集中力のトレーニングにもなる」

「やるわ!!!」

 

来海はなぜかやる気に満ちている。

キツいことを知らないのであろう。

まったく。来海らしい。

 

「じゃあとりあえず40分ぐらいやってみようか」

「わかったわ!!」

 

葵はどこからか座布団を持ってきて、来海を座らした。

警策はないらしく代わりに竹刀を持ってきていた。

 

「葵...?優しくね...?」

「遠慮はいらない。任せて。」

「じゃ、はじめ。」

 

来海は開始10秒で葵に叩かれる。

 

「痛っ!ちょっと葵!!」

「喋らない。」

 

開始5分で20回叩かれる。

集中もクソもない。

 

「はい後35分」

「まだそんなににあるの!?」

「喋らない。」

「痛ぁ!!!」

 

見ていた六花は思った。

「(これ多分さっきの仕返しなんだろうな

〜)」

 

いつの間にか30分が経っており、残り5分のところまできていた。

 

「あと20分ね」

「ちょ!?」

「...。」

「おっ。ちゃんと黙ってる」

 

六花がびっくりしていた。

葵はサラッと嘘ついて時間を伸ばしたのだ。

葵を見ているとすごく真剣な顔をしていた。

 

「(なるほど。そういうことか〜)」

 

葵は来海の集中力を見て、時間を伸ばしたのだ。

六花はさすがだな〜っと思っていた。

 

ここまでだと予想してなかった葵は少し驚いていた。

最初はどうなると思っていたが、15分過ぎた時点でなにも応答がなくなった。

寝ているのかと思ったが、ちゃんと起きてるのは確認している。

どこまで行けるか試したくなったので時間のカウントを教えることをやめることにした。

 

「(ふーん。来海やるね)」

「(これならもしかしたら...。)」

 

いつの間にか座禅を始めて1時間半経っていた。

来海は依然、全く動くことはなかった。

流石に葵は止めることにした。

 

「来海。終わり。」

「ん...?もう終わり?」

「えっ。終わりだよ」

 

葵は驚いた。

流石にやり過ぎたと思っていたので、ここまで来海が粘るとは思っていなかったのだ。

 

「来海。時計壊れて倍やってた」

「え!?嘘!!!」

「でも来海。多分ゾーンできるよ。」

「ほんと!?」

「やってみないとわからないけど。」

 

葵は試したくなっていた。

ここまでできるのであれば戦力としては一流になれると思ったからだ。

 

「六花。地下室の準備して。」

「え?わかった〜」

 

葵から言われると六花は足早に廊下に向かっていった。

 

「地下室って?」

「地下に練習室があるから」

「なるほどね!!」

 

来海と話していると玄関のドアが開く音がした。

 

「あれ?葵?誰か来たみたいだよ?」

「え?」

 

玄関の方から声が聞こえる。葵の聞き覚えがある声だった。

 

「葵ーお土産持ってきたよ〜」

「なんだ結衣か...。」

 

リビングの扉が開き、そこにいたのは黒髪ショートカットの少女だった。

 

「お〜い葵。きたぞ〜」

「別に今日持って来なくてもよかったのに」

「早めに渡したかったからな。」

「ほんと几帳面なやつ」

「なんか言ったか?」

「なんでもない」

 

来海を放置して話していたので来海から苦情がくる。

 

「来海ちゃんを置いてかないでよ!!」

「あっ忘れてた」

「葵ー!!」

 

「なんか楽しそうだな」

「そうでもない」

「葵ー?この子誰?」

 

来海が疑問になってるであろう。

自分を置いておいて話し始めたからね。

 

「結衣。このバカが天壌 来海。ただのバカだよ」

「バカとはなんだ!」

 

「ごめんね?話には入れなかったよね?」

「私は灰原 結衣だよ。」

「葵からは話を聞いてるよ〜」

「めんどくさい。かまちょ。って〜」

「ちょっと葵ー!!どういうこと!?」

「そのままだよ」

 

結衣さん。初対面の人にボロクソ言うってメンタル強過ぎませんかね。

 

「とりあえず結衣。一回地下室行こうか」

「え?なんで?」

 

結衣は来て早々に地下室に行くと言われてなんなんだって思ってるのであろう。

そりゃあそうだよね。

 

「今から来海の実力の成果を見ようと思ってた」

「あーなるほど。それでなんで私なんだ?」

「ほんとは六花に相手してもらおうと思ったんだけど、丁度いいし」

「結衣が相手にしてあげて」

 

結衣はなんとなくわかったようでひとつ返事で了承した。

結衣さん強いからね。まぁ大丈夫かな

 

「ちょっと葵!!急に初対面の人と戦うってどう言うこと!?」

「そのままだよ。来海の実力もちゃんと見ておきたいし。」

「...わかったわよ!やってやるわ!!」

 

ほんとその辺来海って男気あるね。

感心するよ。

 

「とりあえず行こっか。」

「わかったわ!」

 

3人の少女は地下室に向かう。

 

___________________

 

地下室に向かうと六花が準備を終わらせていた。

 

「葵〜準備は終わってるよ〜」

「うん。六花ありがとう」

 

「あれ!?結衣じゃん〜」

「おう。六花久しぶりだな」

 

「感動の再会ってやつだね」

「そうね!感動するわ!!」

 

このバカはほんとにそう思ってるのであろうか。

 

「とりあえず六花。結衣に相手してもらうことになったから。」

「あ、そうなの?まぁ結衣なら大丈夫だといいけど...。」

 

「ねぇー葵〜」

「どうしたの来海」

「結衣さんってどれぐらい強いの?」

「教えたらビビっちゃうからダメ」

「...わかった」

 

来海と結衣は準備を終わらせ、葵のもとに集まる。

 

「とりあえずルールは身体に障害を負わせるようなことは禁止だよ」

「それ以外はボクの判断で止めるから気をつけてね」

「どちらかが降参するかどちらかが倒れると終わりだからね。」

「まぁ怪我しないようにね。特に来海。」

 

来海は緊張しているみたいだ。

結衣は威圧感半端ないから仕方ないよね。

 

こうして二人の試合は始まろうとしていた。

 

 




次回は結衣と試合をします!



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最強少女の模擬戦見学。

バタバタしていたらこんなに時間が経ってました。
作業という名のモンスターを倒してきたのでゆっくりと再開していきます〜。


 

急遽、葵の気まぐれで始まる模擬戦。

六花はさすがにいきなり模擬戦をするとは思っていなかったので少し驚いていた。

多分来海の実力を私たちに見せたいのであろう。

これだから気まぐれ屋さんは...。

 

来海は本格的な戦闘は行ったことがないのでどういう戦法でくるのか。

それにしても来海は緊張しまくってるみたいだ。どうなるかな〜。

ちょっと楽しみな葵であった。

 

「来海?準備は大丈夫なの?」

「あああおい...ダダダイジョウブ!!」

「挙動不審になってるよ」

 

ある意味来海らしい。

今はこんな感じだけど始まったらスイッチが変わるんだろうなぁ...。

 

一応結衣の方も見てみるか。

「結衣は大丈夫そう?」

「まぁな。私も久しぶりに対人戦だからどうなるかわからん。」

「結衣は偵察メインだったからね。」

「暇つぶしで夏芽とは手合わせしてたけどな。」

 

夏芽と手合わせできるなら身体は鈍ってなさそう。

なんだかんだで夏芽は部隊でも戦闘面で言えばトップクラス。

ボク抜きの評価だけど。

 

さて、そろそろ始めないと来海の情緒がかわいそうだ。

「来海〜始めるよ。」

「...(無言)」

「無言は肯定。結衣は大丈夫?」

「いいぞ〜」

 

来海と結衣は地下室の端に行き、両者武器を構える。

 

「じゃ。よーいどん」

 

葵の合図で両者動き出した。

結衣はダガーを取り出し、

来海はコンパクトの鎌のようなものを取り出した。

 

そしてお互いに様子見をするためにフィールドに置いてある木箱や柱に隠れる。

基本的に色々な障害物が設置されているが、ひらけた場所になっている。

結衣は情報を取るために隠れたのであろう。

来海は多分どうしたらいいかわからず同じようにしただけかな。

30秒ほどお互いに動かずにいた。

意外にも始めにアクションを起こしたのは来海であった。

 

来海は結衣の近くに光の玉のようなものを投げた。

結衣は障壁を張り、軽々と処理した。と思われた。

その光の玉は障壁に当たり、消滅するのが普通だが物が落ちたように障壁の下に落ちる。

結衣は何かがおかしいと思い、光の玉の周りに障壁を張り、

障壁で光の玉を押しつぶし消滅させた。

 

結衣が玉の処理をしている間に来海は結衣の方へ距離を詰めていた。

来海は鎌を片手に結衣に攻撃し始める。

結衣は左からくる鎌をダガーで受け流し、来海の背後に回ろうとする。

来海は身体を身体を上手く回し、その勢いで結衣に蹴りをいれる。

当然、結衣は後ろにステップし間合いのリセットをする。

 

六花と葵はフィールドの中心の端で見ていた。

 

「葵〜来海ちゃん中々動けるんだね〜」

「ふーん...。」

 

葵は違和感を感じた。

 

「ねぇ六花」

「どうしたの〜?」

「来海が持ってる鎌何かおかしい。」

「私には普通の鎌に見えるんだけど...?」

「気づかないなら見ていればわかるよ」

 

来海は自身の前に障壁を張り始め、そのまま結衣に近づき始めた。

結衣は同じように自身の前に障壁を張り、迎え撃つ体制に入る。

 

そのまま来海は障壁同士をぶつげ、お互いの障壁は散っていく。

結衣は即座に新しい障壁を張り直し、来海を跳ね返すような形を取る。

来海は障壁を張るのを予測していたように一歩後ろにステップし、鎌を思いきり障壁にぶつかる。

その瞬間、来海の鎌から謎のオーラが出始め、簡単に障壁は粉々になった。

 

「さすがの結衣でもびっくりしたんじゃない?」

「魔剣の真似ごとかぁ〜なるほどね〜」

「来海ちゃんも結構面白い事するね〜」

「まぁね」

 

結衣は少し驚いていた。

 

(なるほどな。)

(葵が言ってたように菜乃レベルになるって言ってたのは間違いではなさそうだ。)

(反撃する気はなかったけど仕方ないか。すまん来海...)

 

結衣は周りに球体を作り、来海に放ち始める。

来海は同じように球体を作りつつ、距離を取り始める。

だが、結衣の生成スピードには敵わず少しずつ防衛に集中する状態になり始める。

来海は防衛を集中しつつ突破口を探していたが、いきなり背後から声が聞こえた。

 

「ごめんね来海。」

 

ガッ

 

音と共に来海の意識は崩れ落ちた。

後ろから支えるように来海を抱きかかえ、葵の方へと戻る。

 

「すまん葵。やり過ぎたか?」

「結衣。ちょっと焦ったでしょ」

「焦ったというか手を出したくなったぞ。」

「ところで葵。こんな面白い原石どこで見つけてきたんだ?」

「見つけたっていうか勝手に近寄ってきたが正解。ダル絡み常習犯だよ。」

「...葵も苦労してるな。」

 

とりあえずそこで干物になってる来海を起こさないと。

葵は置いてある水を取り来海にかけ始めた。

そしたら来海は飛び起きた。

 

「えっ!?遅刻する!!」

「なに言ってるの」

「あ、あれ..?」

 

来海は普段親にどうやって起こされているかよくわかった。

今度家で寝た時にもう一度やってみよう。

 

「来海ちゃん負けちゃったかぁ...。」

「やーい敗北者〜」

「ちょっと葵!!」

「冗談だよ」

 

来海はいつものように葵をバシバシ叩き始めている。

こいつほんとにタフだな。

 

「ところで来海ちゃんはどうやって負けたのだ???」

「手刀」

「ありゃ...?」

「首にスパッとやったぞ」

「綺麗に決まってたよ〜」

 

「えっ??どうやって??」

「結衣が後ろにまわってだけど」

「その通りだな。」

 

来海は負けたことはどうでもいいが、いつ背後に回っていたのかが疑問だった。

目の前に捉えてた結衣が一瞬で背後に回るはずがないと思っているからだ。

 

「違うよ!!どうやって後ろに回ったか知りたいの!!」

「来海。違うよ。」

「葵。さすがにわからないのは仕方ないのではないか?」

「そうだよ〜私たちはわかっても来海ちゃんはわからないのはしょうがないよ〜」

 

それもそっか。

第三者の視点ならわかるけど本人がわからないか。

 

「来海。結衣は最初から後ろにいたんだよ。」

「ヴェ!?」

 

どこからそんな声出した。芸が多彩だな...。

 

「来海ちゃん。簡単に言うと最初から後ろに居たんだよ〜」

「えっ!?それじゃあ来海ちゃんが戦っていたのは??」

「結衣の分身だよ。」

「...なんでもありじゃん!!」

 

「ごめんな来海。どんな感じか試したくてな。」

「結衣さんは雲隠れ忍者みたいだね!!」

「皮肉なのかわからんな...。」

 

来海さん...?

初対面な人に喧嘩売らないでくださいよ。

結衣は怒ったら怖いんだから。

 

「とりあえずご飯。」

「はいはい準備してきますよ〜」

「葵。前より堕落になってないか?」

「気のせいだよ」

 

結衣にいびられ少女たちはリビングに向かい、昼ごはんを待つのであった。

来海には一回結衣の雷を体験してもらうとしよう。

楽しみだなぁ...。

 




戦闘シーンって初めて考えたのですが難しいですね。
次回は帰国組が集合すると思います!!


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最強少女の報告会。

またもや体調を崩してました。
ホントに勘弁してください...。


 

来海と結衣による模擬戦の後、葵たちは4人でお昼ご飯を食べていた。

どうやら今日はパスタなようだ。

 

「来海。身体は痛くない?」

「大丈夫!!来海ちゃんは丈夫な乙女なのだ!」

 

これ絶対翌日になってから筋肉痛で喚くのが想像できてしまう。

それにしても来海の成長は結構楽しみだ。

正直模擬戦もすぐに終わると思ってたし。

来海は多分、まだ隠してるものがあるんじゃないかと思ってる。

何か理由があるのかな。

 

「結衣。夏芽と椿は家にいるの?」

 

結衣に帰国した2人のことを聞いてみた。

 

「あぁ。今頃アメリカの時差で苦しんでるだろうな。二人はその辺敏感だからな。」

「なるほど」

 

どうやら時差でダウンしてるらしい。

気候とか関係してるのかな。

 

「とりあえずご飯食べ終わったら菜乃たちの方に向かおう」

「わかったぞ。」

 

結衣と話しているうちにいつの間にかパスタもなくなっていた。

とりあえず菜乃の家の方に向かうとするか。

スマホを見ていた来海に声をかける。

 

「来海。今から菜乃たちの家に行くけど」

「なにー!!行きたい!!って言いたいのだけどこの後、野暮用ができてしまったのだ!!」

「珍しいね」

「ごめんね!!」

 

どうやら来海は来れないらしい。

多分だけどさっきの模擬戦でなにか変化があったのかな。

 

「それなら仕方ない」

「うん!!来海ちゃんの分まで楽しんできてね」

「...?」

 

葵はなにか違和感を覚えた。

いつもの来海とはなにか言動が変に聞こえた。

多分何かあるかもしれない。

 

「来海?何かあったの?」

「んん?なにもなんてないでございますよ??」

「...そっか。」

 

うーん。

これはなんかあるな。

ちょっと注意してみることにしよう。

 

「それじゃあ来海ちゃんは用事があるので撤退するのです!」

「気を付けてね」

 

来海はそそくさと家からどこかに向かっていった。

急に帰った六花が葵に近づいてきた。

 

「なんか来海ちゃん急いで帰ってたけどなんかあった~?」

「ボクとはなにもなかったよ。けどなんか嫌な予感はする」

「そっか~」

 

六花も何か感じたようで気になっていたらしい。

事件に巻き込まれないといいけど。

 

「とりあえず菜乃たちの所に向かうよ」

「はーい」

 

少女3人は菜乃たちが待つ家まで向かうのであった。

 

 

__________________________

 

何事もなく作戦室がある菜乃の家に着いた。

インターホンを鳴らすと菜乃が玄関から顔を出した。

 

「葵ちゃん!よく来たのです!」

「おっす」

「とりあえず中に入るのです!」

 

リビングに向かうと懐かしい七瀬と咲がゲームで騒いでいた。

 

「あんた!私の財産持っていかないでよ!!」

「そういうゲームだから仕方ないじゃないか。」

 

どうやら人生を描くゲームで遊んでいたようだ。

それにしても咲のやつあらぶってる。

 

「相変わらず楽しそうにしてるね」

「あれ!?葵!!次の獲物はあんただわ!!」

「勝負しないから」

 

ギャーギャー言ってる咲は置いておこう。

結衣にでも投げておくか。

七瀬にも話を聞いておかないと。

 

「七瀬。最近はどうだった?」

「そうだな...。言われたことはちゃんと抑えてあるから大丈夫だ。」

「ありがと」

 

どうやら頼んでいたこともちゃんとこなしてるみたいだ。

さすがは諜報員。

 

「夏芽と椿は部屋にいるの?」

「多分寝てるんじゃないか?時差がなんだかんだと言っていた気がする。」

「声かけてみるね」

 

どうやら時差でノックアウトしているみたいだ。

仕方がないから部屋まで行ってみることにしよう。

二階にある夏芽と椿の部屋に向かう。

 

とりあえず椿から行くか...。

 

「椿ー?入るよ」

 

部屋の中から呻く声が聞こえたので遠慮なく部屋に入る。

 

「いつまで寝てるの」

「なのぉ...まだ起こさなくてよいぞぉ~」

 

ダメだ。完全に寝ぼけてる。

水でもかけてみるか。

机に置いてあったペットボトルの水をかけてみる。

 

「のわぁぁ!!なんじゃ!!戦いか!?」

「はいおはよう。」

 

水は綺麗に直撃し、椿は飛び起きる。

 

「って葵がなんでいるのじゃ!?まだ夢なのか??」

「今度はドロップキックがお望み?」

「なぁぁに!!かかってきたまえよ!!」

「それじゃ遠慮なく」

 

葵は少し後ろに下がり、椿にドロップキックをする。

命中するかと思われたが間一髪で椿は避ける。

 

「この感覚...夢ではない!?」

「わかってるじゃん」

「うむぅ。すまんかったのじゃ。」

 

そこには紫色の前髪がきれいに揃えられているショートカットの少女がいた。

 

「椿。調子はどう?」

「見事に時差を食らってしまってのぉ。それでもかなり回復したのじゃ」

「そうか。会議するから準備しておいて」

「我らの報告もしなくてはならないかなのぉ」

「それじゃ夏芽を起こしてくる」

「わかったのじゃ!」

 

葵は椿の部屋から出て、次は夏芽の部屋に行く。

 

「夏芽~入るよ~」

 

部屋の中からはなにも聞こえないので葵は部屋に入った。

部屋に入るとカーテンを閉め切ってるようで真っ暗な空間であった。

ベッドで寝てるかと思われたがもぬけの殻である。

 

「あれいない」

 

葵は居ないと思ったので、部屋から出ようとした。

扉に手をかけた瞬間、後ろから何かがぶつかってきた。

 

「むぎゅ。」

「...夏芽?」

 

後ろを向くと葵より小さく、白髪ロングの物静かな少女が立っていた。

 

「あおい...だぁ。」

「はいはい葵だよ」

「夏芽に...会いに来た?」

「今はそうだね」

「やったぁ。」

 

夏芽なりに喜んでいる。

基本、夏芽は引っ込み思案であまり口数は少ないほうなのだ。

 

「夏芽。身体は大丈夫なの?」

「だいじょうぶ...。」

「そっか」

 

葵は椿にした説明を夏芽にもして、葵は夏芽の部屋を後にする。

リビングに戻るとまたもや咲が騒いでいた。

 

「あー!!なんで私が負けないといけないの!!」

「咲よ。ちゃんと物件買ってないからだ。」

 

どうやら咲は負けたようだ。

相変わらず一つのことに全力みたいだ。

 

「さて、全員作戦会議するから集合よろしく」

「今は勝負があるから嫌だわ!!」

「七瀬。よろしく」

「やれやれ...いくぞ」

「あっちょっと!引っ張らないでよ!!」

 

咲は七瀬に強制連行されていった。

ボクたちも行くか。

 

_____________________

 

葵が指令室がある地下に向かうとすでに全員集まっていた。

 

「さて、はじめよっか」

 

葵の開始宣言とともに情報を話し始める。

 

「とりあえず結衣。アメリカでまとめた情報をお願い」

 

結衣がまとめた情報を話し始めた。

 

「とりあえず私たちがアメリカで得た情報によると、」

「レッドアイズが再建を進めているのは確かだと思う。」

「南海岸側でそれらしき組織が確認されたから間違いない。」

「そこから船舶で武器等を運んでいる船に潜入して資料を入手済みだ。」

 

なるほど。海外から武器を輸入してるのか。

ちょっと厄介なことになってるみたい。

 

「葵、レッドアイズはまだ海外の拠点はないとみていいと思うぞ。」

「うん。ありがと」

 

レッドアイズは海外進出はさすがに「まだ」しないと思っている。

海外の政府から潰されかねないからね。

実際、前に破壊したときにボクたちが動きやすかったのは

海外の政府から情報提供があったからでもあるからね。

 

「それじゃあ次は七瀬。よろしく」

 

「レッドアイズの国内の動きから話すぞ。」

「拠点等はわかっていない。考えられるのは結界で偽装している、」

「もしくは拠点を移動しながら行動しているかのどちらかと思われる。」

「近々でそれらしき行動が確認されているのは北陸の海側で活発に動いているように見られる。」

「それと東北の北に拠点がある「波木崎スクイパーズ」という民間軍事会社が襲われ全壊したらしい。」

「そこの戦闘員はほぼ惨殺されたらしい。」

「東北では名の知れた軍事会社だったのに全く歯が立たなかったという話だ。」

 

「なるほど。片っ端から狙われているというわけね。」

「そうみたいだな。組織力的に言えば前ほどではないがかなり力をつけてきているはずだ。」

「わかった。ありがと」

 

「次はこのあたりで起きていることについて話すぞ。」

「どうやら学生が狙われ、誘拐されるという事件が多発しているのは聞いているが」

「その正体はどうやらレッドアイズで間違いないと思われる。」

「その目的はどうやら学生を洗脳をかけ、自分たちの駒として動かせてると思われる。」

「柊学院は基礎能力が高い生徒が集まっているから標的にされやすいみたいだ。」

「別の学校の生徒も狙われていると思う。都合がいいからな。」

 

やはり厄介なことになってしまっているな。

他の学校の生徒はともかく柊学院は基礎能力事態が元から高い生徒が集まっているから

戦力が上がりやすいということか。

 

「この前ボクが襲われたのは攫って駒にしようとしたわけなのね」

「多分そうだろうな。相手が悪かったとしか言えないが...。」

「ん?」

「...私が調査したのは以上だ。」

「うーん。わかった。」

 

どうしようか。予想以上に相手に動かれている気がする。

ここからボクたちがどう動くか。迷いどころである。

 

まとめてみると、

 

・レッドアイズの武器の供給はアメリカの南海岸。

・海外の拠点は今のところなし

・東北の名の知れた軍事会社が襲われ、全壊。かなり力をつけていると思われる。

・レッドアイズは学生を襲い、誘拐し洗脳した上で駒として使っている。

・柊学院の生徒が標的にされている可能性あり。

 

こんなところかな。

 

「今後の方針を決めよっか。」

 

「次に関東周辺で相手側が行動を起こして来たら我々はそれを叩きに行く。」

「それと同時にある程度の戦力を確認しに行くと思っていいよ。」

「東北の軍事会社に調査に行きたいけど、無駄足だと思うからそこは一旦放置。」

「これ以上調査しても情報が出ないと思うからアクションが起こるまで待機にしようかな。」

 

「とりあえず緊急で出動する可能性があるから各自武器のメンテナンスはしておいてね。」

「特に咲。」

 

「えっ!?なんで私なのよ!!」

「一番忘れやすいじゃん」

「そんなことないわよ!!」

「マガジン忘れたから助けてって言ってる姿が多々見るんだけどね」

「ううっ...。」

 

無事に咲に釘を刺しておいたから大丈夫であろう。

準備しておくようにと言っても忘れるのがオチなのは全員わかっている。

 

「じゃあ今日は解散に...ん?」

 

解散を言い渡そうとした時、葵のスマホから通話が来る。

どうやら来海からだ。

 

「どうしたの来海。」

「葵!月菜の会社が襲われてるらしい!!ヤバい!!」

「...場所は?」

「横浜港の外れにある倉庫街のところ!」

「...すぐ行く。」

 

電話を切り葵は口を開く。

 

「どうやら思っていたより早く相手がアクションをしてきた。」

「全員。至急準備して屋上に集合。10分以内。」

 

葵の号令と共に全員に衝撃が走る。

それはそうだろう。

全員は葵の言葉を聞き、スイッチが入ったようで素早く動き始めた。

 

「さて、久しぶりに真面目にやるか。」

 

少女たちは準備を始めるのであった。

 

 




次回は少女たちの戦闘能力が見れると思います。

感想等もお待ちしてます。
誤字報告も感謝してます!
モチベとやる気に繋がるので…。


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最強少女の戦闘力。

今回はついに少女たちの実力が見れると思います!!


 

レッドアイズ等の報告を全員で共有し、作戦会議を終わろうとした時。

来海からの着信で状況が変わった。

どうやらクラスメイトである月菜の親が経営している会社が襲撃を受けているらしい。

レッドアイズが動くまで待機を命じていた葵だが、思っていたより早く行動してきた。

現在は事件が起きている横浜港へと向かう準備を行っていた。

 

ふぅ。まさかいきなり襲撃があるとは思わなかった。

とりあえずフィリオスの整備が終わっていてよかった。

他の子たちも準備が終わってきてるから予定通り出発できるか。

 

___________

葵の通常装備は「フィリオス」と呼んでいるハンドガンと魔力で自らが作るダガーである。

・フィリオス

葵のメインとなる愛銃。

装弾は16発。

通常射撃はもちろん、魔力を流すことによって魔力弾、バスター砲も撃てる優れもの。

他にも機能は多数あるらしい。

___________

 

準備が終わり少女たちは七森家の屋上に集まっていた。

「さて。そろそろ行こうか。」

「とりあえず作戦地点である横浜港に向かうよ。」

 

菜乃が屋上に置いてある何かしらの装置を触り始める。

装置が起動されるとなにもなかった空間から軍事用のヘリコプターが出現した。

どうやら認識阻害で隠しているらしい。

 

菜乃が運転席に乗り手際よくヘリコプターを起動させる。

菜乃からゴーサインをもらい、少女たちはヘリコプターに乗り、空中へと飛び立った。

 

葵が今回の作戦について説明を始める。

「とりあえず殲滅はするけど、情報も欲しいからできる限り探れるところは探ること。」

「あとは多分会社の防衛能力はほぼ警察と同等だと思うから」

「着いた時には全滅もあり得ると思う。」

「とりあえず陸側と海側に二手に分かれて行動することにするよ。」

「海側は咲と椿に裏から敵を叩いて。七瀬と菜乃はバックアップ優先。」

「陸側はボクと結衣で正面から殲滅。」

「できるなら今回の指導者を拘束できたらいいと思ってる。」

「六花と夏芽は増援の警戒。海側から来る可能性のあるから気をつけて」

 

葵が説明を終えると椿が話してきた。

 

「葵?こてんぱんにしてよいのか?」

「よいぞよいぞ」

「ええい!久しぶりに暴れることができるのぉ!」

「情報を取るのが優先ってことは忘れないで」

「...わかったのじゃ。」

「そろそろ横浜港上空なのです~」

菜乃が全員に合図を送り、ヘリコプターの後方のハッチが開き始める。

「さ、楽しもうか。」

葵の言葉と同時に少女たちはヘリコプターから飛び降り始めた。

5~600mから少女は地面に向けて降下し、近くの公園に着地する。

当然、魔法等で全身を覆っていたのでダメージなどはない。

 

「それじゃ、二手に分かれて。」

「そっちは七瀬の指揮で動いてね」

七瀬に指揮権を渡し、葵たちは横浜港の陸側へと向かった。

_________________

 

葵と結衣が現場に着くと、そこは破れた警備の亡骸が転がっていた。

どうやら正面から突破していったようだ。

 

「結衣。魔力痕が残ってる。」

「あぁ。どうやら爆撃で一掃された感じだな。」

「うーん。進んでみるしかないかな」

 

そこには応戦した痕跡がなく、不意打ちであったと思われた。

中に進んでいくごとに交戦した後が増えてきた。

 

「結衣。多分この先に複数人いる」

「私も確認してる。7人ってところだな」

「ボクたちも不意打ちで挨拶しよっか」

 

葵はフィリオスを構え、魔力を流していく。

敵に標準を合わせ、葵は呟く。

「アディオン。」

フィリオスから複数の銀色の魔弾が放たれる。

それと同時に結衣が敵に近づき、無力化する。

不意打ちは成功し、敵が奥から敵がやってくる。

 

「結衣。そっちは任せるよ」

「任されるぞ~」

 

結衣は奥から出てきた敵を閃光のように切り裂いていく。

その光景を見て、敵も徐々に後退していく。

「逃がさないよ」

葵は後退する敵にアディオンの放ち、目視できる敵はすべて撃退した。

 

「とりあえずこんなものかな」

「そうみたいだな。後は海側がなんとかしてくれるだろうからな。」

「ボクたちは中に入ろう。」

「りょーかい」

_________________

 

一方その頃。海側では大規模な戦闘になっていた。

物陰に隠れている咲が叫んだ。

 

「おい!!なんで重機関銃とか出てくるのよ!!」

「そんなこと言われてもじゃ。」

「椿!!なんとかしなさいよ!」

「仕方ないのぉ~」

 

咲に言われ、重機関銃に対して魔法を放つ。

「式漸拘束」

魔法が放たれると重機関銃は突然弾倉部分が大爆発した。

どうやら弾倉部分にある弾薬に対して放ち、爆発させたのだろう。

「これでよいか?」

「最初からやりなさいよ!!」

 

咲がギャーギャー騒いでいるが、耐えてたのは別の理由があった。

七瀬から報告が入る。

 

[とりあえず中には入れたぞ。時間稼ぎありがとう。]

[どういたしまして!じゃないわよ!!死にかけたわ!!]

[すまんすまん。そっちは頼んだ。]

 

無線を切ると同時に敵の増援と思われる集団が向かってきた。

「ホントなんてタイミングなのよ!!」

「まぁまぁ。咲も暴れてくるのじゃ~」

「言われなくても!!」

 

咲は増援に対して魔法を放つ。

「インフライヤ!!」

発動と同時に敵は木端微塵に砕け散った。

周りはそこに人物など存在していなかったように静かになった。

 

「咲よ...やりすぎじゃ。」

「はっはっはっ!!」

横浜港に咲の高笑いが木霊していった。

__________________

 

中に潜入した葵と結衣だが、不気味な空気を感じ取っていた。

全く人の気配が感じれないのだ。

 

「葵。結界が張られている。その近くに二人ほどいる。」

「結界か...。」

「結界は部屋の中で戦闘中って感じかな。」

 

結衣と相談していた時。反対側から見慣れた人物が歩いてきた。

 

「陸側は片付いたのですね~」

「菜乃。七瀬。そっちはどうだった?」

「テロリストの装備じゃなかったのです」

「多少だが魔法も撃ってきたから並な組織ではないことだ。」

「うい。結界はわかってる?」

「多分ですけど、天防壁が発動していると思うのです」

「天防壁...?」

 

葵は前の商店街での出来事が過った。

似たようなものを使っていた人物がいたことを。

 

「...早く行ったほうがいいかもしれない。」

「わかったのです!」

 

葵たちは結界が発動されている地点まで急いで向かった。

結界の前に着くと一つの会議室と思われるところてあった。

 

「結界が弱くなってるのです!」

「菜乃。出来そう?」

「任せるのです!!」

菜乃が結界に対し翳す。

その瞬間、結界は粉々に破られる。

「葵ちゃん!行くのです!」

「おー」

 

葵は勢いよく部屋に入り、

敵と思われる2人とその奥でひたすら耐えていた少女がこちらを見た。

「はーい。救世主のさんじょー」

「あ、あおい!?」

そこに居たのは奥の扉を守っていたと思われる来海の姿であった。

姿はボロボロで衣服が破れていた。

 

「やっぱり来海だったか。」

「葵!そいつらが主犯だよ!!」

「はいよ~」

 

葵は主犯がわかったところで突っ立っている犯人に向かって話す。

「さて、君たちはボクの知り合いをボコボコにしてたらしいね」

「目的さえ話せば痛くしないよ」

 

犯人2人は多少驚いているが、威勢は崩さなかった。

一人の見た目は大柄な巨人なような女性。

もう一人は緑色の髪の少女であった。

緑色の少女が話始める。

「外の雑草が倒されたのね。あなたたちは何者よ。」

「名乗る前に名乗ってよ」

少し顔をニヤけると少女は名乗り始めた。

 

「私はネルミ。あなたとは格が違うものよ。」

「ふぅーん。ボクは葵。君とは格が違うだろうね」

「ふふっ。あなたの所属はどこなのかしら?」

「知っても意味ないよ。」

 

なるほど。確かに実力者であることは確かみたい。

見た感じ魔力が周りを手繰っているからね。

「それで。君たちは詰んでいるけどどうするの?」

「こうするのよ!」

「な」

 

葵に向かって爆裂なような魔法を放ってきた。

葵以外の少女は瞬時に防壁を張り難を逃れたが、

葵とネルミの姿は無く、葵の後方にあった壁が吹っ飛んで消えており、

外の景色が見えるようになっていた。

それを光景見た来海は動揺する。

「えっ!?葵ー!?」

「あーあ。始まっちゃったのです」

「菜乃ちゃん!?どういうこと!?」

「外を見るのです」

 

来海が外を見ると、ネルミと葵が平然とした顔で空中に立っていた。

「ん!?えっ!?」

「来海ちゃん。葵を見くびりすぎなのです」

「だって!?わけがわからないよ!!」

来海は初めて見るから動揺するのは仕方ないだろう。

 

七瀬が口を開く。

「とりあえずそこの長人。失礼するぞ。」

「は!?」

「おやすみ。」

 

あっさりと巨人のような女性は拘束され、七瀬によって眠らされていた。

七瀬さん強すぎ...。

 

「よし。こっちは終わったから後は葵だけですな。」

「えっ!?こんなあっさり捕まえれるの!?」

「来海ちゃん。七瀬ちゃんは強いのです」

「う、うん??そうだね!」

 

 

葵は目の前の緑髪の少女、ネルミと正面で対面したいた。

 

「さて。ここなら邪魔は入らないよ。」

「そうね。あなたが何者かはわからないけれども」

「老兵みたいなものだよ。気にしなくていい。」

「そう。どこかで見たことがあるような気がするけど」

「今日でいなくなるのは変わらないものね。」

「無理だね。ボクは倒せないよ。」

 

お互いに言葉をぶつける。

結構実力者っぽいからどうするかな。

 

「それじゃ。はじめましょう!」

「はいはい。よーいどん。」

 

葵の言葉と共に戦闘は始まるのであった。

 

 




次回はvsネルミ戦。葵の戦いが始まります。

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