東方悪魔蝿 (surface)
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降臨

こういう事をやるのは初めてなので慣れていない部分も多いですが、暖かい目で見てくれると幸いです。


さて皆様、まず悪魔についてどのようにお考えですか?

神と敵対してる~とかとにかく悪い者なんて思っている人が殆どだと思います。

でもね、現実はそうでもないんですよ。

悪魔はただ自由過ぎるだけで決して悪い訳ではないんです。

世の中は神様の方が広まりすぎて敵対している悪魔サイドが自然と悪になったんです。

力は正義ってやつですね、まぁとにかく悪魔ってそんなに悪いものではないので理解してもらえれば幸いです。

では、以下本編といきましょう。

 

 

 

 

あの時自分は何をしていたのか、思い出そうとしても何かぼやっとして分からない。

ただひとつ分かる事は今自分は地獄でも天国でもない異世界に来てしまったという事だろう。

たかだかこの程度で混乱する事もないどうせ向こうの連中が陥れるために変な事でもやっているはずだ。

今では戦争何てはるか昔の事なのに未だにこうやって手を出してくるのだから呆れる。

とにかくここはどこなのか、誰の手によって送られたのか、それを調べないといけないな・・・

景色はまぁいい、落ち着く雰囲気がある、正直こういうのは好きだ。

しばらくここで遊ぶのも悪くないと思えるが、実はいつまでも長居する訳にもいかない理由がある。

ルシファーにお呼ばれしていたし、行こうとしたらこれだし

あいつ待たせるとキレるしなぁ、あえて行かないっていう選択肢もありだけど。

さっきまでは色々言ってたけど変な異世界に閉じ込められたってだけでも少し腹が立つ。

俺を誰だと思っているのか、ハエだぞ、ハエ。

俺だって昔は神だったんだぜ、信じられるか?

今でこそハエの王なんて名前だけど、昔は気高き主なんて呼ばれた時代もあったもんだ。

思い出してもため息が出る、まぁハエも悪くないんだけどね。

移動も楽なのでハエになってしばらく飛ぶ、前方に建物があるのでとりあえず中に入ってみる。

 

「ここは・・・見た事ない形式の建物だな」

 

不思議な形をした赤い門を潜る、これを門というのもいささか疑問に感じるレベル。

その先に木造の建物がひとつ、木は日に焼けてこげ茶の色になっていた。

これだけでかなり古いものだと分かる、それに書いてある文字が・・・何だこれはパズルか?

いくつもの棒を組み合わせて作られたパズルにしか見えない。

扉は開いているので中に入るが、誰かがいる様子もない、留守なのだろうか。

 

「霊夢ー?居るのか?」

 

入ってきた扉から声がする、聞き覚えのない言語なのに理解出来てしまうのはここが異世界だからだろうか

声の主を確認すると、それが魔女である事が分かったがそれは魔女は魔女だがなんだか・・・違う。

魔女ってこんな露骨に魔女じゃない、こんなに主張激しかったら魔女狩りの時の第一候補は間違いない。

もしやそれを恐れてこの世界に?いやそれはない、ここは来たくて来れるような所ではない

自由に来れるならとっくの昔にこの世界を認知していてもおかしくない。

何かしら条件を満たして来れるのだろう、俺は多分知らないうちに満たしたのだな

 

「うわ~ハエが飛んでいるぜ、掃除しろよな」

 

黙って聞いていれば失礼な、ハエを見くびるなよ?

蝿騎士団の手にかかればお前なんて瞬殺だぞ。

悪魔の世界でも有数の実力者を集めたからな、あいつら元気にしてるかなぁ

とにかくこの失礼ななんちゃって魔女さんは置いておいて、今は元の世界に帰るために色々調べないとな

 

「このハエを捕まえて霊夢にイタズラをしよう、絶対楽しいぜ」

 

俺を捕まえるというのか、大した度胸だな。

 

「おい、誰を捕まえるって?」

 

「えっ!こ、このハエ喋った・・・」

 

あれ?聞き覚えの無い言語を話せてる、なんだこの現象は

それより目の前の魔女は目を丸くして驚いている、冷静に考えてみれば虫が話すなんて驚くわな

俺もアリが急に話始めたらびっくりする、ハエが話したらそれは仲間だ。

この姿のままでは向こうも話しづらいかな、仕方ない不便だが戻ろうか

 

「これでその驚きの表情は消えるかな?」

 

「うわっ!このハエ人間になった!」

 

「ハエが基準なのな・・・」

 

いや、ハエの王だからハエ基準で構わないのだが・・・この姿でハエハエ言われるもの癪に障る。

相手も悪気があるわけではないのだからこちらからとやかくは言わない、それが上に立つものだろう。

それに相手は魔女だ、異国の人が出てきても会話に困る。

ある意味この出会いは幸運だ、とにかく聞きたい事が山ほどある。

全てに答えてもらおうか?

 

「まぁいいそこの魔女」

 

「え?私の事だぜ?」

 

「聞きたい事がある全部答えろ」

 

「それは・・・人にものを頼む態度ではないぜ・・・」

 

まず聞きたいのはここはなんなのか、魔女に聞いたところ幻想郷というところのようだ。初めて聞いた。

そしてここに来る条件は皆に忘れられる事みたいだが・・・この俺が忘れられるなんてありえない。

ついさっきルシファーからお呼びをかけられていたし、他の皆が忘れたとしてもやつが俺を忘れる訳はない

後はここから出る方法、それは霊夢とか言うのが来ないと分からんらしい。

それとここの地理、それは知らなくてもいいようだ。

後魔女の名前、魔理沙な?分かった。

 

「ありがとう魔理沙」

 

「お、おう・・・これからどっか行くのか?」

 

「アテはないが、動かないよりマシだ」

 

「霊夢来るまで待つといいぜ」

 

「そうか・・・ではそうしよう」

 

右も左も分からない状態では現地の人の言う事に従う、これ迷子の鉄則。

霊夢という人がいつ帰ってくるかも分からない、とりあえず魔理沙付き添いの元待機する。

一応どちらも西洋の人間なので話はかろうじて合うのだが、魔理沙はこちらの生活が長いので

長いというかほぼこっちなので向こうの世界はよく分からないそうだ、正直俺もよく分からん。

かれこれ30分程話していただろうか霊夢は来ない。

かれこれ1時間は話していただろうか霊夢は来ない。

かれこれ1時間半話していただろうか霊夢は来ない。

かれこれ2時間も話していただろうか霊夢は来ない。

以下略5時間まで。

 

「陽が・・・落ちたぞ」

 

「暗いぜ」

 

「全然来ないぞ」

 

「面目ないぜ・・・」

 

その霊夢とやらはどこに行ったのだ、扉も開けっ放しで出かけるとは不用心な。

盗みが入るかもしれないのに、役目が役目だから悪い者何人も見てきた、連中はろくなやつではなかった。

悪魔教会の定める地上におけるサタニストの11のルールのひとつに

※こんな重荷降ろして楽になりたい、と他人が声を大にしていっているものでない限り、他人の物には手を出さない事

という物がある、つまりは人の物盗むなよ?盗むなら許可取れよ?みたいな意味である。

許可取って盗むって要するに貰うって事なんだけど。

だが、ここまで盗んでいいよアピールしてたらなにを盗られても文句は言えない。

その旨を魔理沙に伝えた。

どうも平和ボケしているなと、そうすると霊夢だから大丈夫だそうだ。

意味分からん。

夜も更けてきたし、魔理沙にはもう帰っていいと伝えた所、別に暇だから残るそうだ。

こいつ普通に良いやつだな。

さて、問題は霊夢とかいうやつだ、全然帰ってこない、どこ行ったんだよ。

魔理沙とダラダラしてても進展は無いのは確実だ。

やっぱりどこか行ってみようかと考えていた時にその声はふいに聞こえた。

 

「ん~?誰か居るの?」

 

「あ、霊夢どこ行ってたんだぜ?」

 

「寝てたのよ、なんだか急に眠気に襲われたから」

 

「あ、あぁ寝てたのか・・・だそうだぜ?」

 

「お、おう・・・」

 

この壮絶なオチをどうしてくれようか、5時間以上帰りを待った結果寝てた。

しかも建物の中で寝ていたとは、今までの時間はなんだったんだ?

ま、まぁいいとにかくこいつが霊夢と言うのだな、また奇妙な格好をした者が現われたものだ。

魔理沙が霊夢に状況を説明していた、たちまち霊夢は怪訝そうな顔になる。

そんな重大な問題でも発生してるのだろうか、俺個人として何かしてる訳ではないのだが・・・

 

「えぇ!あんたハエなの?」

 

「どこ説明してんだよ!」

 

そりゃ怪訝そうな顔しますわな、目の前にいる男が実はハエとか誰でも顔歪むわ。

俺もあそこのやつアリなんだぜ?って言われたらおかしな顔になるわ、ハエだったら仲間だからね(2回目)

とにかく早く本題の説明をしてくれないとな、困るわ。

再度説明をしているようで霊夢も普通に聞いている、今回表情に変化はない。

さてさて・・・帰れるかな・・・

 

「状況は聞いたわ、そこ真っ直ぐ歩けば外の世界に行けるわよ」

 

「そんなに簡単な事だったのか」

 

「ところであなたそんなに見ない風貌だけどどこの人間?」

 

「俺か?俺は地獄の人間だ」

 

「あっ・・・」

 

何か不都合でもあったわけだな、察したような顔をした。

そこで俺は訃報を耳にする。

 

「あのね・・・外の世界の地獄の方ね?一応外の世界に出る事は可能なの」

 

それなら問題は見当たらないと思うのだが、事態は思ったより深刻だった。

 

「見た感じ悪魔だとは思うのだけど、外の世界の地獄に帰れるの?」

 

「そりゃ帰れるとも、何度も行き来しているからな」

 

「実体で?」

 

「あっ・・・」

 

天国と呼ばれる所は神の領域で地獄は俺らの領域地上は人の領域だ。

よくよく考えてみれば地上で悪魔は良く居る、居るには居るがそれは実体としてではない

幽霊みたいな存在と思えば早い、つまり俺がこのまま実体として地上に帰っても上にも下にも行けないのだ。

なるほどそれは面倒だ、それに話を詳しく聞くとここにも地獄はあるらしい

それどころか天国もあるらしい、ただ物理的に上にあり下あるそうだ。

まぁそれはいい、つまりはしばらくここに滞在する事になるのだな?

分かれば話が早い、俺は出る。いつまでも迷惑は掛けていられない。悪魔にも良識はあるんだぜ?

 

「出るのは勝手だけど、外は危険よ?」

 

「危険?誰に物を言ってるんだ?」

 

「妖怪がうろついているもの」

 

「だが、迷惑はかけられないし普通の危険は安全だ」

 

「そう・・・そこまで言うのなら仕方ないわね、困ったらいつでも来るのよ」

 

「おう」

 

俺は来た道を優雅に戻った、ハエの姿で。

さて、この後はどうしようか・・・もしルシファーのやつが迎えにでも来たら一緒に地上で生活しようかな

いや、あいつが迎えなんて来ないだろう、まず俺が幻想郷とか言う所に来たことすら知らないし。

ここで生活するならやはり霊夢に頼るものありだが、これはプライドが許さない。

その頃霊夢はかすかな違和感を覚えていた。

 

「ハエの悪魔・・・妙に引っかかるわね」

 

「何がだぜ?」

 

霊夢は昔の記憶を辿った、魔理沙に付き合わされて行った紅魔館の図書館。

悪魔についての記述のある本を手に取った覚えがある・・・

ハエが関連する悪魔何か覚えがある、だがもう一歩足りないしどうしても思い出せない。

疑問を残したまま居るのも気持ち悪いので紅魔館へ行くことにした。

 

「ねぇレミリア、ハエの悪魔っている?」

 

「はぁ?ハエの悪魔?何それ」

 

「こう・・・ハエに変身できるやつ」

 

「あ~それ系統はパチェに聞きなさい、私は分からないわ」

 

このもやもやをさっさと晴らしたい、霊夢は早足で図書館へ向かった。

 

「あ~それ?それはベルゼブブよ」

 

「何その変な名前」

 

「こんな名前でも悪魔の中ではルシファーと同格よ、戦闘能力はそれ以上とされているわ」

 

「あれま、あいつそんなに凄いやつだったのね」

 

「凄いなんて言葉で収まればいい方よ、全く・・・この世界は次から次へと変な者が来るのね」

 

もやもやの晴れた霊夢はそれだけ聞くとそそくさと帰っていった。

自らの心配が杞憂に終わった事で気にする事もなくなったからだ。

霊夢が帰った後、一匹のハエが紅魔館の近くに来ていた。

 

「同族の臭いがする、魔理沙も同族だけど何か違う、これは間違いない」

 

ここで重要なのはいかに友好的に接する事が出来るかどうかだ、第一印象で躓いたら全て終わりだ。

まぁ雰囲気でなんとなく分かるけど、この中にいるのは相当な連中なのは分かる。

こーゆー相手に俺は強いんだぜ感を出してしまっては相手の神経を逆撫でしてしまう。

いかに平和的に友好的にかつ低姿勢で接する事が出来るかに重きを置こう。

 

「その結果がこれと言うわけね?」

 

「はい・・・面目ないです・・・」

 

結論から言うと、さっき言ってた事を実行しようと思ったらハエのまま行くしかないと思い。

建物に侵入したらハエ叩きでぶっ叩かれたって訳、すげー痛かった。あのメイドの腕力おかしいわ

一応いざこざが起きる事はなかったけど何か大切な物を失った。

元々一人でなんとかしようと思っていたのに同族の臭いに釣られた、不覚である。

ただ、この世界にも俺に似たものが居るのは確認出来たのでこれからの生活もマシにはなると思う。

そして、ここに寄って何かある訳でもないのではやいとこ退散させてもらう事にする

もし俺が幻想郷に長居する事になるのならばこれから何かしらの形でお世話になるのかもしれない

今日はその挨拶みたいなもんだ。

 

「くっそ、さっき叩かれたせいで背中の痛みが形容し難い物になったやがる・・・死ねるわ」

 

ただ、あのメイドだけとは友好な関係は築けそうにはない。




【蝿騎士団】 
《ベルゼブブの作った騎士団、作中で語ったように全員が全員ハエではない
アスタトロ等はロバの姿でベルゼブブのそばに現われるといったコメントし辛い集団》
【ルシファー】 
《サタンがまだ神様に逆らってない時の名前ルシフェルとも言う、元々は光をもたらす者(lux光fero運ぶ)という意味で悪魔や堕天使を指す固有名詞ではない。
ルシファー自体の意味は明けの明星といって金星の意味》

話の展開上史実の記載とは違う設定が飛び出す事もあります。
そこらへんはご愛嬌で
誤字脱字や用語の間違いなどのありましたらご指摘をお願いします。
確認次第修正します。


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登場

前の投稿から一週間経ったんですかね?
うわぁ~早い・・・


ぶっ叩かれた背中が痛む。

これほど痛みいつ以来だろうか・・・いや、多分初だ。

以前の俺ならキレていた、上に立つものはうんたら関係なくキレていた。

だがこの世界に来た以上やはり下に下に出ないとな。

はっきり言えばあの館の主も俺から見れば明らかに下の存在なのだが・・・

郷に入っては郷に従うのだ!神様に人間を拝めとか言われてキレたあいつとは違う。

あ、ちなみにそれルシファーの事ね。あいつそれが原因で落とされたから

俺も巻き添えを食らったんだけれども、それはまぁ過去だから良いとしよう。

ただ、霊夢が外は危険だと言う割には誰も居ない、襲ってくるようなやつも見当たらない。

あれ?騙された?

いや待てよ、こっち来てから話し方に威厳が無くなってきたぞ。

本当は「ぐははは~愚かな人間どもめ」とか言ってたタイプなのに、素が出ている。

それと、この世界に来てから学んだことがある、ハエの姿が不便という事だ。

機能面とかじゃないんだけどね~いかんせん謎のスプレー噴射、叩かれるetc

仕方なしに今はスタンダードな姿で居る。別にハエもスタンダードである。

分けようか、この際。人型とハエ型の2種類な。人型なうだからな?

 

「さてさて・・・心配だから探しに来たけど、案の定ね」

 

河原で石を投げながら背中痛いだとか、腹減っただとかそんな事喚いてる時点であの強がりは虚勢だと分かる。

ここまで寂しい人間を霊夢は久しく見ていない。

月に照らされた一人の男が河原で石を投げて愚痴っていwwwるwww

「ナレーション仕事しなさい」

失礼、あまりに無様で情けなかったので。

かつては悪魔でも頂点の近くまで立った男とは思えないその背中に霊夢は同情していた

なにせ情けなさ過ぎる、何が情けないって物理的にボロボロなその背中

どんな攻撃を受けたらそんな事になるんだよというレベル。

ただ、霊夢は大方の検討は付いていた。

ハエだからどうせボコボコにされたんだろうと霊夢は考える。

まぁ・・・それで合ってるんだけどね、ぼっこぼこにされていた。

 

「それで?あの強がりはどこにいったのかしら?」

 

「いってぇ!背中触るなよ・・・」

 

「なんか無性に触りたくなっちゃった」

 

「このド鬼畜め・・・」

 

「悪魔に鬼畜呼ばわりされるとは、巫女も落ちたものね~」

 

「けっ!かったりぃ!」

 

結局そのまま神社に連行された、保護でもなんでもない、これは連行だ。

そもそも巫女ってなんだよ聞いたことねぇよ・・・

 

「巫女?そっちで言うところのシスターかしら?」

 

「シスター?ほ~ん」

 

「何その意味深な表情」

 

シスターってもっと包容力あるんもんだぜ?あいつら優しいんだぜ?

こいつその優しさのかけらすら持ってないから、何がシスターだよ。

意味深てか、えぇ・・・嘘だろ・・・みたいな表情なんだがな。

そして、虚勢もあっさり敗れ去り結局神社へと戻った、不覚である

 

「あれ?魔理沙?」

 

「おう!待ってたぜ」

 

来たぜ俺の良心。

この鬼畜の友人がこの人だなんて信じられませんわ、どーゆー接点があるんだろうか

普通に気になるが・・・まぁそれは知ろうが知るまいがどうでもいいことだと思う。

とりあえず今まで何をしていたかの事情聴取をした後はくつろいでいる。

何一つとしてやる事が無い、あまりに暇過ぎてふと昔の事を思い返していた。  

 

天使と悪魔の間で長い戦争があった。

正確にはその時はまだ天使と天使の戦争だった。

相手は天使の長にして神に最も近いとされるミカエル率いる神様サイドの軍団。

こちらは神に反逆し、自分と同じ考えの者を集めたルシファーの軍団。

当然俺はルシファー側で戦った、戦争は長く続いた。

 

「大丈夫か?」

 

「これのどこが大丈夫に見える?」

 

「お前なら死んでも大丈夫だろ」

 

「ふぅ・・・冗談きついなぁ・・・そっちこそ大丈夫か?」

 

「俺がやられると思うか?」

 

「ハエにでもなって逃げてたのか?」

 

「ハエ馬鹿にするなよ?結構強いんだぜ」

 

「それはお前以上に俺が一番知ってるよ」

 

結果的には勝てなかった。

その後俺を含めた3分の1の天使が地獄に落とされた。

俺らが落ちる様を雷光のようなんて例えたやつもいるみたいだが・・・

まぁあのスピードは確かに雷光だわ、納得出来る、ミカエルも上手いこと言ったわ。

地獄に落ちてからは凄かった。

魔界の君主なんて言われてさ、まんざらでもないけどね。

地獄においてルシファーに次いで罪深く、権力と邪悪さでもルシファーに次ぐだって

なんだ俺は永遠の二番煎じか?かませか?

まぁ実力においてはルシファーを凌ぐと言われているの一言で許した。

遠い昔の出来事ですよ、その後は地獄で楽しくやっております。

 

「へぇ・・・結構大変だったんだなぁ」

 

「まぁね、俺はそこそこ楽しかったけど、長いから疲れた」

 

「ここの戦いは異変って言うんだけど、短いわよ?」

 

「戦争ってものとここでの小競り合いを一緒にしたらだめだぜ?霊夢」

 

「その小競り合いも意外と大変なのよ?」

 

「異変っていうやつはそんなに激しいのか?」

 

「死人とかは出ないぜ、ここ独自のルールでやるものだから」

 

事の詳細を聞いてると弾幕ごっことやらで決着をつけるみたいなんだけれども

激しいと言われれば激しいが、惨状なんて言う事にはならんみたいでほんとに遊びなんだと。

やってみるかどうか誘われたけど遠慮しておいた、ちょっと怖いわ。

今日は時間も遅くなったので、魔理沙はそのまま泊まるみたいで・・・

特に何かある訳でもないんだけど、魔理沙がる事によって俺が変な所に行かされたらと思うとなぁ。

 

「その心配の結果がこれなんですね、なるほど」

 

「まぁまぁ一晩よろしくだぜ」

 

「いってぇ!背中触るなよ!いってぇ!」

 

「お?大丈夫か?」

 

事情を知らないとは言えひでぇなぁ、これほんとに痛いんだからな?

霊夢は知ってるけど、魔理沙はこの事知らなかったし。

魔理沙に背中を見せたら「お、おぉ・・・」みたいな雰囲気になった。

そりゃそーだ。

その後魔理沙が部屋を出てってどこからともなく謎の塗り薬を持ってきた。

軟膏?とかいうのらしいけど、それ悪魔にも効くのか?甚だ疑問に思う。

背中全体をがっつりやられているので魔理沙に塗って貰った、俺寝てるだけ。

だけど、軽く触れただけで相当な痛みが走るので我慢するのに必死になる

痛いのはバレているので時々魔理沙が「大丈夫か?」と声を掛けてきてくれる。

やっぱり魔理沙超優しい。

良く分からんもん塗りたくって服着ても気持ち悪いので上半身は裸なのだが

俺にも多少の羞恥心があることが判明して良かった、魔理沙は筋肉すげーとか騒いでるけど。

同年代(見た目だけ)の女の子の前で上だけとは言え裸だぜ?

風邪も引きそうな気がする、何この踏んだり蹴ったり。

でもまさか同室にされるとはなぁ霊夢だけ自分の部屋いっtZzz・・・

 

「なぁ寝たか?」

 

「・・・・・・・」

 

「寝たみたいだな、お休みだぜ」

 

翌朝、目が覚めると背中の痛みがまるっきり引いているのが分かった。

あの謎の塗り薬すげぇ・・・

隣の魔理沙を見てみるとなんとも女性としてはいかがなものかと思う体勢で・・・寝てる。

寝相が悪いってこの事なんだな、せめて布団蹴るなよ。

 

「あぁ~眠い・・・」

 

「おはよー、背中どう?」

 

「ん?ずいぶん良くなったわ、あの薬何者?」

 

「あ~軟膏?あれは万能よ」

 

「す、すげぇ代物もあるんだな・・・」

 

この世界、実は凄まじい何かがあるんじゃないか?

とか思ってると目の前がいきなり裂けていきなり女性が出てきた。

ここやばいって・・・絶対やばいって・・・

先に言っておくとこの人は八雲紫、この世界を作った人らしい。

創造主か、こいつは100%敵になるタイプのやつだ。

霊夢に用があるみたいで、なにやら話し込んでいるが盗み聞きしてみると。

・変なやつが現われた

・俺は魔王だうんたらと

・友人を迎えに来たと

まぁ冒頭この3つで誰が来たかは分かるんだけどね、来てほしくなかったよね。

確実に面倒な事になるんだよ、あいつ来るとさ。

 

ところ変えてそこらへんの道端。

 

「よっ!探したぜ?」

 

「死ね!バーカ!」

 

「え、私が何かしたか?」

 

「口調丁寧でもないのに一人称私とか痛いからやめろっつったろ?」

 

「まぁまぁまぁ」

 

「あいつら友達みたいね」

 

「そうね、後は頼んだわ、巫女さん?」

 

「あっ!・・・あ~押し付けられた・・・」

 

こいつよく分かったな、俺がここに居るって言うの。

その執念にはアッパレだけど、お前も帰れなくなるんですがそれはどうするの?

来てしまった以上仕方ないけどさ。

 

「なぁ?ルシファーさん?」

 

「おいところであそこに居る女子は誰だ!」

 

「人の話聞こうか、あの人は霊夢って言う巫女さんだよ」

 

「あ?巫女?なんじゃそれ?」

 

「その反応俺とほぼ同じ」

 

「いやぁ~霊夢って言うのか~いいっすね~」

 

やめておいたほうがいいと思うけどなぁ~霊夢怖いぞ?

こいつの手癖の悪さには目を見張る物がある、すーぐ声をかけるんだよなぁ

まぁ自分がコレと思った時のみだから見境なくではないんだけど。

回数を見るにこいつはコレと思う事が多いんだろうな、多分。

せいぜい頑張れ、応援している。

 

「よーし!帰るぞ!」

 

「無理だよ、むしろお前どうやって来たんだよ」

 

「普通に来た」

 

「普通には来れないぞ」

 

「歩いてたら・・・ここに居たんだけどなぁ」

 

「あ、お前を普通のものさしで見てたわ」

 

思い出した、こいつ魔界の王だわ。

ここで話しても埒開かないし、とりあえず神社へこいつを連行する。

取調べのためだ、色々聞きたい事がある。聞かなければならない事がある。

行く道中でさえずっと霊夢霊夢言っている、うるさい。

そんなに気になるならさっさと話しかけに行きなさい。

なお、そんな度胸こいつにはない模様、神に喧嘩は売るが女子には話しかけられない。

正確には話かけれるけど、その場の勢いで行くからいざ冷静になると撃沈する。

 

「なんだこの建物?」

 

「神社って所だぞ、ほらさっさと入れ」

 

「ま、まさかここは・・・」

 

「そうだよ、霊夢の家だよさっさとしろ」

 

「ひえっ・・・」

 

中に入ると起きなかったから完全に放置していた魔理沙が起きていた。

時間を見たら既に午後だったので、そりゃ起きてるわ。

話を聞いていると朝起きたら誰も居なかったのでしばらくぼ~っとしていたらしい

なんだか昨日みたいだな、誰も居ないとか。

 

「後ろの人は?」

 

「これは・・・俺の友達」

 

「あ、どうもルシファーです」

 

「魔理沙だぜ、これからよろしくな」

 

「とりあえずお前は中入っとけ、多分事情聴取だぞ」

 

(ま、魔理沙って言うのか。いいっすね~)小声

 

(あ?てめぇ魔理沙はダメだぞ?おい)

 

(あ、ごめん・・・)

 

「今感じた凄まじい殺気はなんだったんだぜ?」

 

「気にするな、別件だ」

 

ところ変わって縁側。

横一列に並んでゆる~い雰囲気の事情聴取の始まりだ。

ひとつ問題があるのなら霊夢の横に座ったルシファーが完全にあがっている。

すぐ声かけるくせにいざ上手くいくとすぐ俺に助けを求めてくる。へたれめ。

やつがどうとなろうと俺には関係ない・・・

 

「ちょ、助けてくれ、話せない」

 

「魔理沙!何か変なキノコ生えてるぜ」

 

「これは・・・多分ダメなやつだぜ」

 

「人の話を聞けよっ!」

 

俺は魔理沙と遊ぶ!ついでに言うと、人の話を聞けってお前の事だからな?

 

 

 

 

 




【ミカエル】
《ざっくり言えば天使の頂点、位は熾天使。ちなみにルシファーとベルゼブブもかつては熾天使だった》
【神】
《一応言っておくとヤハウェ(エホバ)と言う、何か聞いたことあるな~ってよくなるやつ》


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憤怒

3話です、結構間隔あいてますね。
まぁ~いいってことです!


キレるってまぁ怒る事だよね。

ただ、こいつの場合は理不尽にキレるのが悪い。

まぁキレる理由ってのもしょーもない事ではあるんだけど・・・

時を遡って少し前、魔理沙と遊んでたらキレた。

 

「私が困っているというのになんだ貴様あの態度は!」

 

「お前が困ろうと俺の知った事ではない!」

 

「あ?てめぇやんのか?」

 

「おう、いくらでもかかってこいよ」

 

「なんであいつら喧嘩してるのかしら」

 

「さぁ~分からないぜ」

 

悪魔教会の定める地上におけるサタニスト11のルールにこんな表記がある。

・自分が攻撃されたわけでも、自分で食べるわけでもない限り、他の動物は殺さないこと

つまり、先に手を出されないと攻撃は出来ないわけで・・・

 

「ほら?かかってこいよ?」

 

「お前からこいよ、びびってんのか?」

 

無駄に殺気は漂わせているのでそのオーラは空を覆いつくし太陽を隠した。

この異変には幻想郷の者全てが気付き、それの出所が博麗神社である事も分かった。

そこそこの時を経てレミリア達の悲願達成である。

こんなやつらだが一応悪魔のトップ二人なので喧嘩したら幻想郷もタダでは済まない。

霊夢や魔理沙の周りにはいつの間にかたくさんの野次馬が溢れていた。

最近平和で皆刺激がないから仕方ないね。

ただし、上で言った通り手を出さなければ手を出せないので・・・

 

「睨んでるだけでは始まんねぇぞ?なぁ魔界のトップさん?」

 

「そっちこそ喧嘩は先制攻撃ありきだぞ、二番手さん?」

 

痛烈!一閃!二人が距離を縮めて一言!

 

「「始まらねぇよ!!!」」

 

そりゃそーだ、お互いに相手が先に手を出さないと始まらない同士だからな

どっちも手を出さない以上何が何でも始まらない対決であった。

数十分睨んでいただけだが、実はこいつら凄いんだぞと見せるには十分

そして二人とも気を抜いたためオーラは消え空は晴れ太陽が現われた。

その後野次馬の一人が悶絶し始めたのはまた別の話である。

 

「すげぇ迫力だったぜ、実は凄いんだな!」

 

「そうでもないぞ、あれでもじゃれてるくらいだったし、なぁ?」

 

「私が本気を出せばあんなものの比ではない」

 

「ここは地獄じゃないから崩していいぞ」

 

「いや~あれはかる~くだったよな!」

 

「凄まじい崩れ方ね・・・」

 

「俺ら向こうではかなり畏まらないといけなかったし、面子もあったから」

 

「実は気さくなんだよ、実はな」

 

ここで霊夢と魔理沙は悪いことを考えた。

ルシファーの畏まったのは見たが片割れを見ていないと・・・

 

「ちょっと二人で畏まってみてよ、面白そう」

 

「え~俺嫌だわ」

 

「私もこいつの畏まった姿は二度と見たくない」

 

「どんな風になるんだぜ・・・」

 

「ん~メロン大好きなVにこだわりのある魔物みたいになる」

 

「訳分からないわ」

 

とにかく二人で見ないほうが良いという事は教えておいた。

それでも見たいというのであれば仕方ないのだが、それでも見たいらしい。

ほんとにやめておいた方がいいと思うのだが、見たいのなら仕方ない。

 

「んで?畏まればいいんだな?」

 

「そうよ、手っ取り早くお願いするわ」

 

「貴様ら一体だぁ~れぇ~にぃ~命令しているか分かるかぁ~?」

 

「あぁ・・・やっちまった収集付かんぞこれ」

 

「ぜんっぜん畏まってないんだぜ」

 

「ベリーシット!人に物をぉ~頼んでおきながらその態度はどうかとぉ~私は思うぞぉ~」

 

「や、やめていいわよ」

 

「よし、分かった」

 

言わんこっちゃない、ルシファーは思った。

あいつは昔から頭のネジが一本欠けているのではなくて一本しかないようなやつなのだから

その一本のおかげで辛うじて生きているようなものだ。

ちなみに先ほど太陽が急に現われたお陰で悶絶しているのが一名居たのだが

 

「これが例の吸血鬼か?」

 

「そうそう、んでこっちが俺にフルスイングかましたやつ」

 

「www」

 

「笑うなよ、いてぇんだぞ?」

 

「ハエになれないからその気持ちわかんねーや」

 

「くっそこいつハエの気持ちも知らないで」

 

ちなみに吸血鬼と悪魔は一緒みたいな扱いをしている事もあるが

正確には吸血鬼は元々は人間であるため悪魔かと言われると悩ましい所である。

でも悪魔と明記する書物ある、まぁ宗教なんてたくさんあるからガバガバよ。

最近の吸血鬼のトレンドは見目麗しい姿で人をおびき寄せるらしい

スカーレット姉妹はロリこそが最も人を惹きつけると考えたのかね?

全くそんな浅はかな考え・・・激しく同意する。

 

「お嬢様落ち着きましたでしょうか?」

 

「死ぬかと思ったわ・・・」

 

「吸血鬼が死ぬ何てどんな冗談だよ」

 

「生死の境を飛び越えてるんだぞ、死ぬというより消えるんじゃね?」

 

「ニンニク持ってるか?」

 

「持ってねぇ」

 

「あんたら物騒な会話しないで頂戴・・・」

 

一応一命をとりとめたレミリアがルシファーと初顔合わせ

俺にもそうだけどこの子供妙に態度がでかい、一発締めるべきか?

ルシファーにもちょっと協力してもらうかな。

前と言ってる事違うのは触れるなよ?

 

「おい、気付いたらなんでお前ボコボコにされてんだよ」

 

「愛でたらやられた」

 

「やっぱり態度だけではないんだなあいつ」

 

「やめておけ、あれには手は出せんぞ」

 

「何故だ、やられたらやり返すべきだろ」

 

「可愛いから手を出せない」

 

「おっけ、りょーかい」

 

可愛いなら仕方ない、この前会ったとき暗くてよく分からなかったけど・・・

いや~可愛いなら仕方ないっすわ~、可愛いって正義ですもん。

俺ら可愛くねーしなぁルシファーがそう言うなら仕方ね~わ~

 

「なにあいつらきもい、よくあれと一緒に居られるわね」

 

「あれはあれで結構いいやつらなんだぜ、バカだけど」

 

「私も一緒に居てそれには同意よ、バカのとこだけね」

 

「霊夢手厳しいな、この私に向かってバカって言ってるわ」

 

「やっぱり魔理沙いいやつ俺はそう思う」

 

「収集が付きませんねこれ・・・」

 

結局その後ルシファーは再びボコボコにされ魔理沙霊夢は苦笑い咲夜は傍観ベルゼブブは爆笑なのであった。

レミリアの妹が居るのを聞いたルシファーは紅魔館に行く気満々。

魔理沙は本を盗りに行くのでノリノリ、霊夢とベルゼブブはあまり乗り気ではない。

後半二人は特に用もないので家でゴロゴロしてたいのである。

一歩間違えば完全にニートなのだが、地位のみでニートは免れている、これが一般人なら完璧ニート。

とまぁそんな訳でいてもたっても居られないどっかの誰かさんのせいで・・・

 

「妹拝みに見たぜ!」

 

「早すぎると思うけど、地下に居るわよ」

 

「よっしゃ行こうぜ!」

 

「へいへい・・・全く・・・」

 

可愛い子が居るらしいぞ!見に行くぞ!

この原理は男子高校生以外の何者でもありません、んでいざ見に行くと人の好みは千差万別、議論になる。

そして大体はお前の好みが分からんと女性サイドに失礼な話で結論がつく。

ごく稀に満場一致で可愛い認定されるのだが認定する連中に彼女は居らん模様。

 

いざ地下についたのだが妙に扉が凄いのでちょっとびびる二名。

ルシファーが頼み込んだ結果ベルゼブブが先に入る事になったのだが・・・

 

「これで開けた瞬間攻撃されたらどうする?」

 

「後ろにいるお前を速攻で盾にする」

 

「ひでぇ事言うなって、お前が受けてくれよ」

 

「ここの世界の人間は叩く力がやばいからなぁ~」

 

とはいいつつも早速扉に手をかける、そこに何が待っているか分からぬまま。

 

「ん?ここ暗くて何も見えn・・・」

 

禁忌「レーヴァテイン」

 

赤いレーザーが集中して降り注ぐ、ちなみに後ろのルシファーは速攻で逃げた、なんて卑怯な。

 

「いてぇんだけど」

 

「あれ?効かないの?」

 

「効いてるんじゃね?痛いし、てかルシファー!逃げてんじゃねぇよ」

 

「おう、すまんすまn・・・かっわいい~!」

 

「な、何か近づいてくる!?」

 

QED「495年の波紋」

 

1時間ほど経っただろうか、俺含め一同はレミリアの部屋にいる。

最後にレミリアの妹の放った攻撃な、全弾ガッツリ命中してるからな。

 

「・・・はっ!私は一体!?」

 

「お前気絶してたんだよ、それもなかなかの時間な」

 

「てか、私の攻撃まともに受けて無傷なこの人達何者?」

 

「そうね・・・化け物よ」

 

「ふ~ん」

 

「平気だったあいつはまだしも気絶した私を同じくくりにするな」

 

「お前も俺と同類だよ、残念だがな」

 

妙に吹っ切れたのかルシファーはレミリアの妹、もといフランを追い回していた。

そのお陰でレミリアと大人しく話していた俺にお兄ちゃんと言いながら助けを求めてきた。

やったぜ。

にしてもこの子らは完全に妹だな、ロリ悪くねぇなとか言ってたけど悪くはないよ、でも何か違うわ。

あれ?俺ら元の世界に帰る気なくね?まぁーいーや。

 

「そういえば魔理沙は?」

 

「さっきパチェがキレてたから多分帰ったわよ」

 

「あいつ何やったんだ・・・」

 

「さぁ?聞いてこれば?」

 

「私は帰るぞ~」

 

「帰れ帰れ、俺は少し残る」

 

ご傷心気味の魔王様は放置して俺はこの館にある図書館に向かったのはいいいのだが・・・

 

「えぇ~と・・・随分と荒んでるな」

 

本は散乱し棚は倒れ悪魔と見られる女の子がそれを片付け、派手な格好したこれまた少女が・・・キレている。

話聞きたいんだけど、体から溢れるオーラが殺気に満ち溢れているよね。

あれ下手に触れたら明らかに命危ないし・・・あ、咳き込んで倒れた。

大丈夫かあれ?お、さっきの子が何か話しかけてる・・・ん?あれ薬か。

落ち着いたみたいだな、話を聞きに行こう。

 

「ねぇちょっといい?」

 

「あ?」

 

「なんでもないっす」

 

そうして俺も帰る事にした。

第一声聞いた?「あ?」だぜ?結構可愛い子だったけどあれはやばいって

本気で殺されると思ったもん、てか殺されるわあんなん。

あの館あんなにヤバイ人居るん?フラン昔やばかったらしいけど、明らかにあっちのがヤバイだろ。

 

「ただいま」

 

「おかえりだぜ」

 

「あれ?二人は?」

 

「ん~デート?」

 

「え?まじ?」

 

「半分マジだぜ」

 

「末恐ろしい世の中になったもんだ」

 

よくよく話を聞くとルシファーが帰る途中に変な妖怪に襲われたのでボコしたらしい。

その妖怪がお金たくさん持ってたんだってさ、ん?あいつカツアゲした?悪いやつだ。

んで金で霊夢を釣ったと・・・引っかかる方もだが引っ掛ける方も大概だわ。

と、思いきやそうでもないらしいルシファーが出かけるのに着いていったんだと

その方面に用事があるとかなんとかで。

そうだ、当事者に聞きたい事があったんだ、さっき聞けてないし。

 

「魔理沙、紅魔館で何やった?」

 

「本借りただけだぜ」

 

「それだけであんなに荒むか?場所も人も」

 

「本返したことないからな~」

 

なんたるジャイアン理論。

 

「そりゃ抵抗するわ・・・」

 

「まぁ別に良いんだぜ」

 

「良くないんだよなぁ~」

 

てなわけで!もう一度紅魔館。

魔理沙が借りた(盗んだ)本全てをなぜか俺一人で返しに行っている。

なぜ魔理沙来ないの?と思った皆、簡単な話だぞ、俺の話聞いてびびってる。

つー訳で関係ない俺が一人駆り出されたって事よ。

 

「すいませんでしたぁ!」

 

「悪魔の中でも最高位のあなたが私程度の魔法使いに頭下げてる様何て見たくなかったわ」

 

魔理沙に言ってください。

 

「とにかく借りてた本は返したぞ」

 

「あれ?今日のは?」

 

「後日出直してきます・・・」

 

「よろしい」

 

見たくないあーだこーだ言っときながらなんやかんや俺に指図してんじゃん。

別に良いんだけどね、俺この世界の新参だし。

だけど今回俺悪くないよね~まぁ返すの提案したのはこっちだから仕方ないかもしれないけど。

何て文句言ってるうちに帰宅。

 

「返してきたぞ」

 

「ど、どうだったんだぜ?」

 

「今日の分返せだって、それは魔理沙が行けよ?」

 

「頼むぜ~そこをなんとか~」

 

「俺はあの量の本を返してきたんだ、一冊くらい自分でやれ」

 

本の量ですけどね凄かったですよ、ええ、とにかく凄かったです。

 

「今からか?」

 

「数日後、その本読み終えたら返して来い」

 

「数日後かぁ~」

 

「今悪い顔した、やっぱ今から返せ」

 

「何も企んでないぜ!」

 

こいつ絶対逃げようとしたな、なんとなく分かる。

悪い事を企んでいるやつの顔は言葉には出来ないが特徴的な顔をする。

返しに行った時に愚痴をまぁまぁ聞いたのだが、まぁ出てくるわ出てくるわ

爆発した水道管から飛び出る水くらい出てくる、鬱憤溜まってんだなぁとしか思えないけど

そんな事を聞かされてからのこれだから超良い奴だと思っていてもちょっと疑うわ。

したら案の定悪い顔をしよった、でも魔理沙って嘘付くの下手そうだよな、すぐ顔に出たし。

 

「まぁそれをさっさと読み終えて返しに行こうか?」

 

「す、少し待って欲しいんだぜ」

 

「少しな、2日くらい待つわ」

 

「そ、それは短いぜ・・・さっき数日って」

 

「無理矢理本と魔理沙を連れて行く事も出来るんだがなぁ~」

 

「分かった、すぐ読むぜ・・・」

 

我ながらかなりSになったと思う、この世界に来て初めて上から物を言った気がする。

魔理沙には早く読み終えてもらって本を返しに行ってもらおう

実はそーゆー約束をしてきた。

ちなみに事後報告ならぬ事前報告だが、俺も付き添いの元本を返しに行った。

途中で俺は退席させられたので何をされたかは知らない。

だが帰る時に泣いている魔理沙を慰めて帰った、何をされたのかは最後まで口を割らなかった。

 

 

 




ルシファーはこんなやつじゃないんですよ、これは二次小説ですから。
でも、実はこんなんかもしれないと思うと楽しいですね。
誤字脱字の指摘ありましたらお願いします、確認次第すぐ訂正します。


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下落

非常に日が開いた!
まぁ・・・こんな時もあるということでw


今日は無駄に早起きをした。

ここに来てから1週間、きっと今までで一番早く過ぎた1週間だと思う。

2日目にまさかの友人登場という波乱の展開

ちょっとした喧嘩を経てなぜか魔理沙の本の返却の手伝い。

そしてその間は世話になっている神社の掃除や雑用、賽銭集めという地獄。

賽銭集めの際にまたやつがカツアゲ紛いの事をしていたのは秘密だ。

 

「さぁ~て・・・おい起きろよ」

 

「眠い、寝ててはダメか?」

 

「ダメだぞ、さっさと起きろよ」

 

「へいへいりょーかいしましたよ~んで、今日は何やるん?」

 

「今日はもうひとつある神社に行くぞ、目的は知らん」

 

博麗神社はこの有様だが向こうの神社はどうも好調らしい、この秘密を暴けだと

明らかな努力不足とは言えない。

その神社は山の上にあるみたいで、なにやら妖怪山?よくわからんけど。

 

「てか、門狭くね?」

 

「すげぇ狭いな」

 

そして妙に狭い門を潜り登山を始めたのはいいのだが・・・

 

「なぁなんで俺ら攻撃されてんだ?」

 

「知らん、でも排他的な連中が集まってるとは聞いてる」

 

「仲間意識ってやつか?」

 

「さぁな、まぁ総じて弱いし気にする事でもねーわ」

 

「美しいもんだね~仲間意識」

 

平和な二人と対照的に妖怪の山は大混乱

どんな攻撃を浴びせても見向きもしないやつが二人乗り込んできたのだからゴジラに襲われる人間みたいな気分だろう。

 

「おい、正面から可愛い子が飛んできたぞ」

 

「本当だ、可愛い子が飛んできた、だが私の好みではない」

 

「あれは・・・なんだ?鳥か?」

 

「筆と紙を持って飛んでいるが・・・」

 

「こんな対処に困るやつは初めて見たぞ」

 

「どうも!射命丸文と申します、今回どのような理由でこのような事を?」

 

飛んできて自己紹介して質問される。

見た目も対処に困れば普通に話してても対処に困る。

 

「あ~ちょっと神社に用がありまして」

 

「なるほどなるほど」

 

「んで、俺らなんで攻撃されてるの?」

 

「それはですね~侵入者だからです!」

 

「普通に山登ってきただけなんだけど・・・」

 

「その山を登るというのが問題なのです!実は私もあなた方の退治を命じられまして」

 

「敵か、俺ら退治されるんだってさ」

 

「ご自由にどうぞって感じなんだけど」

 

だって攻撃通じてないし・・・綺麗な球がちょくちょく当たるけど、綺麗な球だよな。

神社に来ただけでここまで手厚い歓迎しなくても、とは思う。

だが、話を聞いてみるとこの子は俺らを攻撃する意思はないみたいだった。

遠くから見てて戦意喪失したんだと、だから神社まで案内してくれるらしい、ありがたい。

 

「ここを真っ直ぐ行くと神社ですよ」

 

「ありがとうな~助かったわ」

 

「いえいえ~」

 

ここを真っ直ぐ行けば神社に着く、道中非常に面倒だったけど、まぁ着いたしいいや。

でもね、ひとつ問題があるんだよ・・・

 

「君・・・着いてくるのね」

 

「もちろんです!久々の事件ですから」

 

「歩いてるだけで俺ら事件扱いかよ」

 

「やってらんねーな」

 

その頃守矢神社では・・・

 

「とんでもない化け物が近くまで来てるわね」

 

「はい、私達悪い事やった記憶ないんですけど」

 

「まぁいいんじゃないの?敵意があったら潰すまで」

 

そしてご一行は到着。

 

「着いたー!」

 

「巫女がいるー!」

 

「あれは早苗さんですねー!」

 

「なぜあなた一緒に行動してるんですか・・・」

 

「すっげー!俺らの神社とは比べ物にならんほど綺麗!」

 

「私らが死ぬ気で掃除した神社より綺麗とか凹む」

 

「博麗神社と違ってここは多少裕福ですからね」

 

「あなた方博麗神社から来たのですか?」

 

ここは守矢神社、まぁまぁ破天荒な登場をした所。

今回二人が差し向けられた理由は調査なのだが毛頭やる気のない二人なのである。

綺麗をただひたすら連呼、室内でもただ綺麗を連呼、諏訪子を見てちっせぇと一言。

あえなく二人は撃沈されました。

 

「さぁて、小さいとかよくも言えたものね」

 

「まさか神だったとは、なぁミカエル元気?」

 

「私個人としてその名前は聞きたくない、割と本気で」

 

「ん?ミカエル?それ誰?

 

「お前負けた張本人だからな、戦犯ルシファーだからな」

 

「黙れ」

 

「随分賑やかな侵入者さん達ですね・・・」

 

「はい!道中楽しく話していました」

 

「こいつらには信仰させることは出来るのかな?」

 

神奈子様は考える事が怖いっす、ええ。

まぁ傍から見れば何の目的もなくふらついてきたやつにしか見えない訳で・・・

早苗は外を掃除しに、神奈子は何かどっか行って、文はやる事があるそうで帰宅。

そうして残る3人、無駄に走る緊張。小さい、とにかく小さい。

 

「なぁルシファーよ、あれ何度見てもさ・・・」(小声)

 

「おう、なんだよ」

 

「ちっせぇな」

 

「お前ら殺す!」

 

「「今の聞こえたのかよ!」」

 

怒りに震える諏訪子に二人の言葉は届かない、そこに待つのは死死死。

誰も疑わぬ完璧な死のみが待ち受ける世界。

 

「殺す!絶対殺す!さっきから小さい小さい言ってきやがって!」

 

「だって誰が見てもちいさ・・・ぐふぅ!」

 

「る、ルシファー!」

 

「次はお前だー!」

 

「く、くるなぁ~ぐはぁ!」

 

意識が薄らいでいるさなか、若干涙目でキレる諏訪子を見てこいつは悪くないと思った

今度誰かにやってみよう、これは試す価値がある特に霊夢とか霊夢とか霊夢。

そしてこの世界の神を侮っていた、結構強い。

 

「ん?そういえば俺は攻撃されて・・・あっおいルシファー大丈夫か?」

 

「全然大丈夫じゃない」

 

「なぜ俺らは縛られてこんな暗い場所に監禁されてんだ?」

 

「さぁ~分からんけど・・・」

 

ふいに聞こえる足音、聞き覚えのある声、僅かに差した希望の光。

だがその光は一瞬で潰えることとなる事を二人はまだ知らない。

 

「それで?ここに監禁されていると?」

 

「おぉ!霊夢!助けに来てくれたのか!」

 

ベルゼブブは見逃さない、歓喜のルシファーを尻目にゴミを見るような目をした霊夢を

 

「別に?問題起こしたって聞いたから後処理をしにきただけよ」

 

「え?助けに来たんじゃないの?」

 

「あんた達のためにそんな事すると思う?」

 

「超思う」

 

「しないわよ、面倒な」

 

助ける気無し、容易に想像出来る展開、だがそこにもまだ希望は残っている。

微かに匂う同族の香り、そう魔理沙だ。そこには魔理沙がいる。

 

「なぁ魔理沙居るだろ?ちょっと呼んでくれないか?」

 

「え?分かったわ、魔理沙ー!」

 

「ん?なんだぜ?」

 

「魔理沙ちょっと耳を貸してくれ」

 

「お、おう・・・」

 

魔理沙に何か吹き込んでこの場を何とかできればとは思っているが、上手くはいきそうにない。

正直覚悟は出来ている、この世界の神とやらの怒りをかった事は事実だし・・・

なんて言うかと思ったかぁ!俺らがこれで終わる訳がないだろう!

 

「ルシファー!準備は?」

 

「余裕、行くか」

 

「魔理沙そこは邪魔だぁ!」

 

「う、うわぁ~!いきなりなんだぜ?」

 

俺達は走った、縛られた程度で捕まえられると思っているのが甘い。

あの程度なら何の造作もなく解けるからな、なんたって俺らは・・・

 

「「神に歯向かった連中だからなぁー!!!」」

 

走れ、走るんだ、俺らは風になってるんだ。

勢いそのまま鳥居を潜り、階段を駆け下りた。

少し進むと足場が悪くなるが!スピードは緩めないなぜなら・・・

 

「あんたら待て~!」

 

追っ手の巫女は空を飛んでいるからだ・・・

 

「絶対捕まるなよ!二人で生き延びるんだぞ!」

 

「分かってるってぇ~!私が捕まる訳等ない!」

 

「その言葉に二言はないnブゥゥルゥゥゥアァァァァァ!!!!!!」←転んだ。

 

「ベルゼブブ!大丈夫か!」

 

「お、俺は置いていけ・・・お前だけでも・・・」←転んだだけ。

 

「くっ・・・後で助けに行く・・・待っていろ!」

 

「ふっ、逃げ切れよ、相棒」

 

「諏訪子そいつ頼んだ!私は逃げたやつ捕まえる!」

 

「らじゃ!」

 

ルシファーは走った、一度も振り向かなかった。

ああは言ったがベルゼブブを助ける気など毛頭なかった。

またあの場にのこのこと現われたらどうなるか分かっているから・・・

 

「俺は蔵に逆戻りか」

 

「さぁ~て、拷問の続きね」

 

「いくらでもやってくれ・・・」

 

あいつが助けに来ない事ぐらい分かっている。

 

どれだけ走っただろうか。

もう出口は直ぐそこにあるのは分かっていた。

上手く抜けたとしてもそのまま追われ続ける。

実際完全に打つ手無しではあったのだが、友人を見捨てた手前そう易々と捕まりたくない。

つまり逃げるしかない、空飛ぶ巫女からなんてしても逃げる他ない。

だが、先に予告しておくと、ルシファーは捕まる。てか捕まらないと面白くない。

さぁルシファー逃げろ、逃げるんだ。そして面白く捕まれ

 

「よし!とりあえず山は抜けt・・・ぶべらぁぁぁぁ!!!」

 

「あ、あいつ今門に激突した、大丈夫かしら?」

 

ルシファー逃げれず。

霊夢に捕らえられ再び元居た場所に連行される、完全に気絶してるけど。

あれで額に切り傷付けた以外に外傷がないのは凄いと霊夢は思った。

まぁまぁ強固な門が激突の衝撃で消し飛んでるという事実。

 

「さぁ着いたわよ、実は起きてるんでしょ」

 

「バレてたか、はぁ~」

 

「ほら、さっさと入りなさい」

 

そこには見るも無残な姿のベルゼブブっぽい何かがあった。

 

「待って!これはやり過ぎでしょ、え?こいつ死んでね?」

 

「そうね・・・見事に潰れているわね」

 

「あぁ・・・こんな姿になってしまって・・・」

 

「とうじょーう!捕まえてくれてありがとね」

 

「これぐらい朝飯前よ」

 

「じゃあ・・・続きをやりましょうか?」

 

「友よ、俺も逝く」

 

一方境内では。

 

「大丈夫でしたか?」

 

「ん~少し絞られたくらいで、問題ないよ」

 

「諏訪子の怒りを買ってしまったからな、仕方ない」

 

「あの人見た目と裏腹に超怖かったわ」

 

「なんやかんや神ですからねぇ」

 

場所を戻し監禁部y・・・蔵。

 

「ふぅ・・・これくらいで許してあげるわ」

 

「あ、あれ?思ってたよりも軽い刑だった」

 

「ちっさい言われたくらいでそこまでやらないわよ、確かにあの時は頭に血が上ったけど」

 

「じゃ、じゃあこの遺体は・・・」

 

「それ?飛んでたから潰しただけよ」

 

「このオチは想像していなかった」

 

死んでたのはただのハエ、ベルゼブブは別室でくつろいでいた。

壮絶なオチ(笑)である。

ひとしきり説教&体罰を受けたルシファーも部屋に戻る。

せんべい食いながら笑っているベルゼブブを見てルシファーに少し殺意が湧いたのは秘密だ。

 

「この飲み物美味いなぁ~」

 

「それはお茶よ」

 

「お茶?なんだそれ」

 

「え?飲んだ事ないの?」

 

「俺らは基本良く分からんとこの水しか飲まされてない」

 

「酷い扱いね・・・」

 

「あれ?それより霊夢と魔理沙は?」

 

「帰ったよ、割と速攻で」

 

「ふーん、帰ったのか」

 

あいつら何しに来たんだよ・・・後処理とか言ってた気がするけど絶対冷やかしに来ただけだろ。

霊夢め、あいつ何てやつなんだ同じ神社だしこっちに移ろうかな~

元の世界に帰る方法もこっちなら見つけれる気がするわ。

 

「という訳でですね!霊夢さん!」

 

「はい、なんでしょう?」

 

「神社間でのFA権を行使したいのですが」

 

「そうね、宗教間FAまでは後8年、宗教外FAまでは後9年必要よ」

 

「なん・・・だと・・・」

 

「多分良く分からないでしょうから説明させてもらうわ」

 

宗教間FAは宗教に関わる施設へのFAよ、今回の神社から神社に移りたいとか

例えば命蓮寺に移るのもOKね。

宗教外FAは・・・まぁ人里にでもどこにでも行って頂戴。

 

「つまり、後8年はここで働いてもらうわ」

 

「な、ならばトレードを志願する!」

 

「ほう・・・それなら2対1のトレードが良さそうね」

 

「私は移籍は望んで居ないぞ、望んでいるのはそいつだけだ」

 

「そう、なら1対1ね、あなたなんて魔理沙の家のキノコ程度の価値しかないわ」

 

「俺ってキノコ程度の価値なのかよ・・・」

 

「なんならキノコ>ベルゼブブよ」

 

「キノコには負けたくない」

 

「だって・・・ハエじゃない・・・」

 

ベルゼブブ、あえなく論破!

腐った物にハエは集る、つまり腐った物>ハエは確定。

勝てない、この理論には何をどうしても勝てない。

昔は神だった、昔は人々に崇められる存在だった。

だが今はただのハエ、強いて言うなら最強のハエ。

ボールを何個か集めて願い事叶える作品の世界一強いアメ玉のようなもの。

ヘブライ人達が騙した結果ハエの王になってしまったわけだ。

現地民達頼むから信じるなら貫き通してくれよとその時思ったベルゼブブであった。

 

夜、境内にて。

 

「ハエかぁ・・・そうだなぁ・・・確かにハエだもんな・・・」

 

「あれ?こんな所でどうしたんだぜ?」

 

「俺、ハエだからさ、ダメなんだよ」

 

「何があったのかは分からないが、そんなに落ち込まなくても」

 

「仕方ねぇよ・・・キノコ以下だからな」

 

「話が全く見えないぜ」

 

「とにかく俺はこのまま8年くらいここで飼い殺されるんだ」

 

「なんで話がそんな壮大になってるんだ?」

 

「かつての神も今じゃこのザマだ、笑えるぜ」

 

「え!神だったのか!?」

 

「そうだよ・・・昔の話だけどな」

 

バアルゼブルと呼ばれていた時が懐かしい・・・

ぺリシテ人って人種の間で豊穣の神として扱われていたんだぜ。

色々儀式するんだけどさ、ヘブライ人的にはその儀式ウザかったらしいんだ。

だからぺリシテ人を誘導したわけだよ。

 

「お前らの崇めてる神って何?」

 

「バアルゼブル様だぜ、それがどうかしたか?」

 

「それ、蝿の王じゃん、だっせぇ、マジだっせぇ」

 

「は?何言ってんだお前ら?」

 

「蝿の王!お前らの神様うんこに集るようなやつだし、きったねぇ!だっせぇ!」

 

「お、俺らそんなの信仰してねーし、バッカじゃねーの!」

 

ぺリシテ人に何か言うとするならさ、俺が蝿の王ってまず捏造みたいなものだから

それに他の人種の宗教観に惑わされちゃダメだよ、その結果俺いつの間にか悪魔だよ

しかも新約聖書だとサタンと俺ごっちゃごちゃにされてるよ。まじガバガバだよ。

まぁね、ヘブライ人はヤハウェが絶対神であってエクロンに移民してきたけど

エクロンでは俺が神だったから許せなかったんだよね?いいよ、それはそれで

だけどなんでこんな無様な感じにしちゃったんだよ、ヤハウェか、あいつのせいか。

なったものは仕方ないわ、受け入れるよ、でもこの現状な?キノコ以下の今が問題だよ

そりゃグレるわ!神に歯向かいたくもなるわ!

しかも負けたよ!歯向かった結果負けたよこの野郎!

 

「よし!そこまでにしておいた方がいいぜ」

 

「なぜだ!まだ言い足りん!」

 

「積もるものがあるのは分かったから、な?今は静まろうぜ?」

 

「魔理沙が言うのなら・・・まぁ・・・」

 

「とりあえず・・・コレでも食べろよ」

 

「ん?なんだこれ」

 

「キノコだぜ!」

 

「紛う事なき鬼畜!」

 

「とりあえず食べてみろって!」

 

「お、おう・・・美味いな」

 

この事実は割と傷つく。

 

「食べても美味いんだ、これに負けたからって気落ちすることないぜ」

 

「そうだなぁ・・・ん?」

 

慰めに来たのか罵りに来たのか、多分悪気はないと思う。

無いと信じたい、あったとしても大目に見よう。

なぜならそれが魔理沙だからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




《エクロン》
【パレスチナの古代都市でかなり昔から栄えていた。実はぺリシテ人は侵略した側である】


誤字脱字等ありましたらご指摘お願いします、確認次第速攻で修正します。


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