艦これアーマード娘空 (人類種の天敵)
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ネクストTUEEEE編
転生


人類種の天敵です。
今までの65話全部消して一からリスタート……。
今度は失踪しないように頑張りますまる


 

 

天国のお父さん、お母さん……お元気ですか。

お父さんたちが亡くなってもう五年の月日が経ちました。

俺は叔母さんの家で毎日ゲームをしたりアルバイトをしたり高校生活をエンジョイしたりと充実した日々を過ごしていました(・・・・・・・・)

 

「ああ、風見空さん。突然の事ですが貴方は死にました!その死因はAMIDA教という恐ろしい団体にAMIDAに改造されてーーー」

 

ですがどうやら、目の前の電波によると俺はいつのまにか死んでしまったみたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

○月××日 △曜日 誰かの回想

 

その日は随分と晴れやかな空模様。

高校生の風見空はゲーセンに立ち寄り新作のゲームを買って意気揚々と帰路に着く途中でした。

 

「ん?」

 

道中、貴方は異変を感じ立ち止まります。

ですがそれは正に悪手でした。

後ろから迫ってきたハイエースから全身白衣の男たち複数人に貴方は成すすべなく攫われたのです。

 

「AMIDA万歳ィィィィ!!」

 

「え?ぐえっ!?ちょ、おぉ!?な、なにをするだあーーー!?もごっーー」

 

全身をガムテープで雁字搦めにされて連れ去られた場所はよく分からない地下施設。

怪しげなシリンダーや資料、暗がりの部屋から聞こえる悲鳴と断末魔に誘拐された風見空は男に麻酔を注入されて意識を手放しました。

 

数分後、風見空が目を覚ますと、彼は手術台に体を拘束され、周りには二人の男がいました。

二人は風見空が目覚めているにも関わらず、不穏な単語で会話を始めるのです。

 

「これが今度の実験体か」

「はい、資料では何処にでもいるアーマードコア好きの高校生だとか」

「なるほど、例のレイヴンか」

「……レイヴンというよりはリンクスよりだったそうですよ」

「存外、 4系だったか。だがこの実験でみんな大好きAMIDAに生まれ変わることが出来る」

「生きていれば、ですがね」

「ま、そういうことだな。では、始めようか」

 

「………え、なんでAMIDA……???」

 

アーマードコアが好きな風見空はこれが強化人間のイベントシーンと知れた。

でもね、これはAMIDA人間への強化イベントシーンだったの。

 

「「「……」」」

 

準備をしていた二人も、目を覚ました彼も無言で固まったわ。

二人はノリノリで厨二発言をしていたら実は聞かれていて、彼はAMIDAという単語にトラウマ染みた拒絶反応が現れて。

しかし二人は照明の眩しさを更に増すとメスやなんか危なそうなモノを手に取ったの。

 

「では、始めようか」

 

「はい」

 

「いやちょっと待て!?AMIDAって何!?AMIDAってどういうことぉ!?強化人間ならまだしもAMIDAァァ!?」

 

「改造されることは特に問題無いようだな」

 

「みたいですね」

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!?」

 

 

かくして風見空は如月研究所のマスコット兵器、AMIDAちゃん一号として改造されて警察や自衛隊との死闘の末にその儚き命を散らしていったのです。

 

 

 

 

 

 

「あぁ!!なんて悲しい最期なの!!いくら神様の私が巫山戯て殺してしまったとはいえこんな死に方になってしまうとは!!」

 

「おいコラ。お前今ふざけて殺しましたって自白したね?」

 

俺の名前は風見空。

何処にでもいる高校生で、強いて違うところをあげるとすればアーマードコアが好きすぎるってところか。

 

「って、マジで俺はこいつの胡散くせえ話通りに殺されたってのか……!?」

 

「貴方も少し記憶にあるでしょう?ま、AMIDAになってからはそんなのも無くなっちゃったろうけど」

 

このクソ女の言う通り全裸に白衣を着込んだ変態どもッ!に体を掴まれてハイエースにぶち込まれて拉致られたり謎の男二人に体を弄られた事は覚えてる。

しかしどうやってもその後の記憶を思い出すことは出来ない。

本当に俺は死んだのか?

 

「まあ、あんたが納得したしないは別にどうでも良いのよね。てか清純派女神の振りって疲れるわー」

 

「こいつマジで糞やな。しかも清純派女神の振りって(笑)大根役者の間違いだろ」

 

「うっさいわよ。とりあえず今回の事件が周りにバレちゃってねー。訳もわからずAMIDAにされて死ぬのは可哀想とか言われちゃってねー。このままじゃ私だけ女神グループからハブられそうな雰囲気だから仕方なくアンタを転生させることにしたのよ。アンタ、女神間の孤立ってヤバイのよ?お分かり?」

 

ヤベエこいつとんでもなくロクでもねえ糞女じゃねえか。

つーかAMIDAにされて死ぬとか今更ながらに酷い最期!!

 

「せめてリンクスになって死にたかった……!」

 

「多分初戦か中盤で首輪付きとかアナトリアの傭兵相手に「そんな機体で勝負するつもりか?なめられたものだ(笑)」とか言ってアクアビットマンで戦って死ぬのよ」

 

「そこは本家同様のアセンでせめて二代目か三代目ハラショー!にしてくれないと……あと1.30からはテクノクラート社も本気出してくるしアモー構成でも案外勝てる可能性あるぞ?」

 

ノーロックな分鬼連射に鬼威力だからな。

それまでの産廃っぷりはなんだったの…と言わんばかりの性能調整。

狙ったか、フロム!よりによって斜陽企業の産廃ロケットを……!クッ、ダメだ、レギュレーションは1.00!グリントミサイルは止めry

 

「随分ノリノリだけど。とっとと転生先決めてくんない?あ、あと特典も決めなさいね」

 

チッ、ノリに乗ってこいよKYが。

しかし、まあコレは逆にポジティブに考えよう。

上手く設定すれば好きなゲーム世界で好きなゲームの能力を手に入れることが出来る。

 

これなら一も二もなくアーマードコアに転生!って言うんだけど転生したところで俺が首輪付きになれるとも思えんしなった所でAMSから光が逆流する可能性もある。

いや、ぶっちゃけそっちの方が高い(確信)ならばAMSから光が逆流しない程度に好きな世界でAC系の特典で俺TUEEEEE!した方が楽しいんじゃないだろうか、いや、楽しい。

 

「そうと決まれば無難に戦闘あってACみたいな初見殺しが無い世界!システム的にも中破撤退でとても安心な艦これ世界で!」

 

そしてあわよくば艦娘とぐへへへへへ。

 

「気色悪い妄想が膨らんでそうね。それで特典はどうするの?」

 

「ACに乗ったりネクストを動かしたり?」

 

そんで俺TUEEEEEするんだ。

憎きレ級をボコボコにしてやるんだ。

そんでヲ級ちゃんをぐへへへへへへ。

 

「バカね。艦これの世界なんだからアンタが俺TUEEEEEしてどうすんのよ?まあ、無難にAC擬人化でアンタが指揮するとかそんなんでいいでしょ」

 

「えー。ACの擬人……化……!?」

 

その時風間の脳裏に稲妻が走った!

 

『神は言っている。愛機達とハーレムを作れと……!』

 

ーーーと!!!

 

それまでのクソッタレな糞くそ女の評価は一変、神さま女神さまと言われても俺は信じるレベルで熱い掌返し!

神様ー女神様ーお美しゅうございますーー!!

 

「それでお願いします女神様!」

 

涙ながらに懇願!女神様は呆れた目つきで俺を見ると辺り一面が白く光り輝いて俺の意識はまた消えていったーーーー。

 

 

 

 

 

「………ま、良いけど。精々頑張んなさいよ。あくまでアンタはイレギュラー。勝手に修正されないように私を楽しませてね」



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最初の娘空

更新遅れたァァァァァァ!!
その代わりにアリーヤの挿絵をどうぞ


【挿絵表示】


こんな感じで新しく出すキャラは挿絵を描いていきますんでどうぞよろしく!


艦これ世界 20XX年 七月上旬

長らく平和を享受していた世界は、海底より突如現れた知的生命体ーー通称〝深海棲艦〟に襲われる。

 

この時、深海棲艦側には人型の深海棲艦が約30体の人型が確認され、この人型の深海棲艦の指揮下に統率の取れた異形型の深海棲艦が追従してビーチに海水浴に来ていた観光客、漁をしていた漁船を襲撃、多大な数の犠牲者を出した。

 

七月下旬

日本政府並びに世界各国は自国の軍を用いて深海棲艦壊滅に動き出す。

 

自国が持つ最新鋭の戦闘機や海軍などの戦力を何処の国も約7割を投入し、深海棲艦との戦局は我らに有利なのは確定的に明らかと思われていたが、決戦に赴いた軍は初日の戦闘で壊滅。

集結させた戦力の大半が海の藻屑となった。

 

この事態に戦線を突破して陸地へ進軍する深海棲艦に政府は対策を講じることが出来ず、アメリカはホワイトハウスに大打撃を受け、当時の大統領ブロン◯さんを喪い、他の大国家も軒並み戦力を大幅に削られ、1ヶ月あまりで国家としての機能を失った。

 

 

これは後に〝国家解体戦争〟と呼ばれ。

深海棲艦と人類側の最初の決戦にして人類史上最大の敗北の記録となる

 

 

 

 

20XX年 十二月。

 

緩やかに衰退していく人類に妖精と呼ばれる存在が接触。

彼・彼女らは日本の戦車乗りたちに力を与え、その力を得た陸軍の戦車乗りは74式戦車、90式戦車、10式戦車に乗って深海棲艦への逆襲を開始。

その時の総指揮官は生粋の戦車乗りでもあり、後の有澤重工社長〝有澤 隆文〟で、彼を中心に始まった人類による反撃を『逆襲の社長 有澤隆文の反撃』略して『逆シャア』(※ここテストに出ます)

 

〝有澤隆文〟の没後、その名は有澤家の当主が名乗ったり、日本の子供の6割強が〝たかふみ〟となるなど、彼の偉業の程が知れる。

 

※有澤隆文自体は英霊となっており、クラスはライダーとされる。

 

因みに妖精の加護を受けた戦車は謎の推力で海上をホバー軌道しながら深海棲艦をロードキルしたり地下海底に潜り込んで深海棲艦の海底基地を壊滅させるなど、この時代に於ける神話級のオーパーツとされ、加護を失った現代では日本の博物館に現物を飾られている。

 

 

 

 

204X年 妖精から与えられた戦車乗りの加護は消失すると同時に世界大戦時の艦船の魂が蘇った日本の守護者ーーー〝艦娘〟が表舞台に立つ。

彼女達は当時の装備と経験を駆使して〝提督〟の指揮下にて戦い、幾度の勝利を、敗北を繰り返しつつも戦局を徐々に押し上げていく。

 

 

 

 

 

204X年 5月。

 

 

とある無人島に一人の少年が転生し、無人島に築かれた企業の社長となる。

 

ーーその時、歴史は動いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「暑っちぃ……」

 

女神に擬人化した ACを建造して指揮下における特典を貰った後、目を開けられない程の眩しさが辺りを包み込むと。

俺はいつの間にか、緑豊かな無人島の浜辺に突っ立っていた。

 

ジワジワと頭上で照り付ける太陽、足のくるぶしまで浸かった波の冷たさがなんとも言えない心地良さを与えていた。

ウトウトと少しの間そうしていたが、 擬人化AC娘と早く会いたいーーその気持ちはやはり大きく、オールドキングのように鼻歌を歌い、ウキウキとした気分で隣に聳え立つ建物に足を運んだ。

 

「あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー」

 

港には誰もいない。

どれだけ放置されているのか、錆びついた作業車やコンクリートを突き抜けている雑草、放り捨てられた道具。

 

人どころか妖精すらいないことがそれだけで分かった。

それまで呑気に歌っていた鼻歌も、この光景を見れば歌う気も失せる。

 

「えー、これ……運営出来るか?」

 

無理だ。

そもそもが俺のスペックは並みの高校生程度、そこにアーマードコアの操作の知識があるだけでゲームじゃないリアルな提督業など出来るわけが無い。

出来ない仕事ばかりが積もり積もって運営が回らなくなる予感がする。

 

……あれ?これ詰んだか?

ま、まあ、とりあえず提督室に行って初期機体を貰おう。

擬人化しても結局はネクストだし深海棲艦も敵じゃねーだろ。

 

 

 

 

放置された港→元鎮守府廃墟→執務室(?)

 

提督室の文字が擦れきった扉の前、恐らくここがこの鎮守府の要、執務室だ。

多分この中に入って初めて擬人化ネクストを一人入手できて鎮守府運営のチュートリアルとかやって……って感じで俺のネクストTUEEEEライフが始まるんだ。

コンコンと叩いて扉を開けた。

 

「遅かったわね」

 

「……ん?」

 

中には女神がいた。

下手くそな字で社長と書かれたネームプレートのある机で優雅なティータイムを楽しんでいる。

胸は無い。

 

「あんた今失礼なこと考えたわね」

 

「な、なんのことかな?」

 

女神はあからさまに怒り顔で舌打ちした。

しかし俺の思考を読むとは流石女神。

そう考えると奴は途端にニタニタと上機嫌になる、チョロ過ぎィ……。

 

「さて、私も暇じゃないしチュートリアル始めましょうか。まずこの部屋の説明ね。ここは見た通り執務室。貴方の部屋ね。ここで色んな書類や手続きをやったり、戦力の編成や出撃させたり出来るわよ。そして次にこれ、貴方の名前ねー」

 

紙とペンを渡された、これに名前を書けってことだろう。

さらさらさら、風見空、年齢 16、性別 男、童貞か否か……無回答、AC歴 fAから4やったりV系やったりプレ2の方に移行したり色々。

 

初期娘空を下記から選択せよ(今回選ばなかった娘空も建造などで入手可)

03-AALIYAH

TYPE-LANCEL

SUNSHINE-L

Y01-TELLUS

 

アセンブルはACfA基準。

アリーヤ、サンシャインL、テルスだけAC4と切り替え可。

俺は躊躇うことなくアリーヤを選択、さぁ俺の愛機よ早く出てきてたもれ。

 

03-AALIYAH

レイレナード社の標準型ネクスト。

装甲を薄くし、プライマルアーマー性能を高めることで機動性を向上させた近距離型ネクスト。

装甲が厚いだけのダンボール超人とは対照的にPAをフル活用した純粋なネクストと言えるが、PAを剥がされると脆いため、回避重視の短期戦が望ましい。

武装はマシンガンとレーザーブレードに小型プラズマキャノン。

 

初期娘空:アリーヤ YES/NO ?

 

「アリーヤで」

 

「おk、アリーヤちゃんかもーん」

 

コンコンコン

 

『し、失礼します』

 

ノックと控えめな声音の後に黒髪、黒服、黒靴、と全身黒尽くめの女の子が入ってきた。

頭には帽子型のAALIYAHヘッドパーツを被っていて、これも黒。

どう見ても彼女がアリーヤだった。

彼女は中に入るとこちらに一礼しドキドキした表情で元気に自己紹介してくれた。

 

「アリーヤ型一番機、アリーヤです。超高機動主体の近接戦が得意です。提督、よろしくお願いします!」

 

適度に緊張してる、可愛い。

思わず頭を撫でたくなる可愛さなので撫でる。

ひゃわっ、と変な声を出しつつ手を払いのけたりしない所にアリーヤの従順さが伺えた、すげえ唆る。

このままアリーヤとイチャイチャしたい。

 

欲望がひっそりと顔を出したがその前にクソ女神が手を叩いて雰囲気を霧散させやがった。

今更女神に見られていたことに気付いたか、アリーヤが顔を真っ赤にして離れた。

可愛い。

 

「はいはいチュートリアル1、初期娘空選択はしゅーりょーね。次はチュートリアル2、『娘空の建造』よ。工廠に行きましょ」

 

「へいへい」

 

「は、はい!」

 

 

執務室→地下→工廠(?)

 

女神、俺、アリーヤの順番で提督室を出ていきなり地下へ。

緑色に染まったコンクリート仕立ての階段を降りていくと、地上の閑散した光景と対照的な、怒鳴り声、悲鳴、阿鼻叫喚の嵐が目に映った、映ってしまった。

 

「ヒェェェ死ぬうううう」

「バカが!妖精がコジマ吸ったくらいで死ぬと思ーーー(死ーん)」

「ウヘヘヘヘコジマァ、コジマ吸ってねえと禁断症状ががががががががが」

「誰だ!おれのMTにコジマ粒子ぶち撒けやがったの!?ドロドロに溶けてんじゃねえか!」

「コジマ風呂の完成ダァァァァヒャハハハハハァァァァァ」

「僕はコジマ君はコジマ私はコジマあなたはコジマおれはコジマお前はコジマおいらはコジマてめーはコジマ」

「コジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマ」

 

……………なにこれ(白目)

多数の妖精さん達が地下の工廠所狭しと駆けずり回っている。

しかも妖精サイズのMTに乗り回しているのだから傍目で見ると非常にシュールで可愛い。

しかしマニュピレーターの先っちょから緑色の粒子を飛ばしてる以外は案外まともそうに見えるがいかんせん会話が危ない。

ヤク中ならぬコジマ中毒者が大半を占めてんじゃねえの?あ?コジマ汚染者か?どっちでいいわ。

 

「ここが工廠よ。ここであなたの戦力になるネクスト娘空、ノーマル娘鴉、AF娘、MT娘を建造することができるわけ」

 

「そ、そうなんですね。個性的な妖精さん達がいっぱいいると……思います」

 

アリーヤさんや、そこはもうヤベー奴らで沢山だけど問題無いんですか?って聞いたほうがいいぜ。

アリーヤにそのことを言おうとしたら工廠がにわかに騒がしくなりはじめた。

まるで何かに怯えているように。

 

「ウワァァァァァ!!?奴だー!奴が来たぞーー!」

「アイエエエ!?主任!?主任ナンデ!?」

「主任コワイ!」

「奴はいつも夜に行動開始するはずなのにィィヒイイイイイ!!?」

 

ドゴォァン!!

 

『重役出勤〜♪ギャハハハハ!?』

 

交渉の壁が壊れた、土煙から青い装甲のACが……ヤベエ、アレは、アイツはヤベェぞー。

 

「ギィァァァァァ!!?」

「殺されるぅうううう」

「コジマで死ぬか主任に殺されるか……」

「俺はコジマを選ぶ(キリッ)グワァァァ!?」

 

『ロードキル♪+400!なぁんちゃってぇ!?ギャハハハハハ!』

 

青いAC ハングドマンが道中の妖精を蹴っ飛ばしている、ひでぇ。

妖精は血反吐と悲鳴を上げながら工廠の空を舞い、無様に床に叩き落とされる、ひでぇ。

 

『アレ?おたく新しい社長サン?』

 

「アッ、ハイ。風見空です宜しくどうぞ……ん?社長?」

 

ハングドマンの装甲がぱっくり割れて中からボサボサの頭に無精髭を生やしたツナギ姿の男が現れた。

ネームプレートは主任、やはりか。

 

「ハハッ!この会社の工廠の最高責任者の主任で〜す。ぶっちゃけ働くのってダルくね?つーわけでぇテキトーに頑張るから宜しくゥー。ギャハハハハハ!」

 

うわぁ、俺が知る限り最悪の責任者だろ。

誰だよコイツ責任者にしたの。

 

「主任を最高責任者にしたのは私のノリと勢いの責任よ。だが私は謝らないわ」

 

「クソメガミ(ボソッ)」

 

やはりお前か。

 

「自己紹介も終わったし、んじゃチョット遊ぼうかァ」

 

「 え 」

 

「社長!下がってください!」

 

『残念だけど、味方なんて居ないんだ……。そう、いないんだよ。味方も、そして敵もね』

 

ハングドマンがKARASAWAをチャージしながらこちらにハイチャージ!?ま、マズ…ッ。

 

『ぁああ愛してるんだぁぁぁキミ達ををぉぉおおおおおおアッハ(ry』

 

ドガーン!

 

主任の乗っていたハングドマンが木っ端微塵に爆発した!?

 

「主任、お戯れはそこまでかと」

 

「き、キャロリーン。今のは……き、効いたぜ。ごふっ_:(´ཀ`」 ∠):」

 

土煙から颯爽と現れたデコだし眼鏡に白衣を着た妖精さん……キャロリンだ、これ絶対キャロリンだ。

手にはヒュージキャノン持ってやがる!これで主任を抹殺したに違いない(※死んでない)な、なんてクレイジーなんだコイツも!

 

「どうも。キャロル・ドーリーと申します。お見知り置きを、代表」

 

「アッハイ」

 

「それではこれより工廠の説明をさせていただきます」

 

「あ、ちょっと待って。俺が社長ってどう言う事だ?俺は提督じゃないのか?」

 

「……大本営も把握していない素性の知れない輩が突然提督を自称し元とは言え鎮守府跡地を再建、運用する。そんな鎮守府と提督を信頼出来ますでしょうか?」

 

「あー、無理だわ」

 

「既にこの島は企業所有地として政府やり買取を完了しています。では、工廠についてご説明させて頂きます」

 

突然キャロリンの説明が始まる。

 

「まずこの施設の目的はネクスト娘空やノーマル娘鴉、MT娘、更にAF娘と言った戦力を開発する事にあります。艦娘も建造自体は出来ますが、この企業は現在、放置された非正規鎮守府の認識をされていますので、無許可に艦娘を建造した場合憲兵が飛んで来ます」

 

ええ、憲兵来るんだ……来れるんだ。

そして艦娘はダメでもネクストとかノーマルは別に良いのか。

 

「建造のやり方については、ネクスト娘空やAF娘にコジマ粒子、鋼材、燃料、弾薬の四種類から適切な量を選択することで建造可能です。なお、資材量によって出て来る娘空にもバラツキがございます。裏を返せば欲しい娘空の特徴を抑えた資材量なら必ず当てることが出来るということです」

 

ふむふむ、例えば鋼材マシマシでダンボール超人が、燃料マシマシでアリーヤとか逆流とか、弾薬マシマシでメルツェェェル!や弾幕天使とか(白目)コジママシマシでアクアビットマンとか!(歓喜)。

 

「試しに一度建造なさいますか?」

 

「おん、じゃあコジマ999それ以外最低値で」

 

「「「「……」」」」

 

即答だった、最初の建造はアクアビットマンと決めていた、後悔はない。

因みにキャロリンの眼鏡が割れた、驚きすぎると割れるのだろう。

 

「へへ、最高だ。最高に面白い。お前は」

 

主任が指を鳴らすと自動ドアが開いて新しいハングドマンが滑ってきた。

彼はそれに乗ると明らかにヒュージキャノンを両手で保持してハンガーの中へ消えていく。

 

「ネクスト娘空の建造はいずれも何十時間単位ですので、次にノーマル娘鴉の説明をさせていただきます」

 

キャロリンはスペアの眼鏡をかけ直しノーマル娘鴉の説明を始めてくれる。

 

 

ノーマル娘鴉

 

・MT娘から発展・開発され、装備に応じて高い汎用性と拡張性を持つ鋼の乙女。

・ネクスト娘空よりも維持費、修理費などが廉価な分戦闘力で劣る。

・4系、V系のノーマル娘鴉はどの脚部でも水上移動が出来るのに対してそれ以前のノーマル娘鴉はフロート脚部を除き、改修を行わなければ海上での機動力は劣悪となり、最悪沈んでしまう。

 

建造に消費する資材は鋼材、燃料、弾薬、ボーキサイト。

 

 

ついでにMTはノーマル娘鴉よりも更に安価に建造出来る。

 

「じゃあ最低値でやってみよう」

 

「かしこまりました。完成後に連絡致します」

 

キャロリンも別の妖精を伴ってドッグの中に消えていった。

俺達は一度執務室に戻り、暇を潰しているとキャロリンから建造完了の連絡を貰った。

 

 

さあ、どんなノーマル娘鴉が出てくれるやら。




何を出すかは決まってない。
ACVの診断メーカーではビーハイヴS4が来たけど多分採用しない。
1発目だしキャラ濃ゆいのが良いよね。


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ぶっ壊れた駆逐艦が!……俺が、イ級ごときにぃぃーー!

タイトルで今回の話がある程度読めたって奴ぁ手ェ挙げろ。
全員コジマの餌食にしてやるぜ。


Twitterの方でも色々と絵を投稿してるので気軽に見てね♡
人類種の天敵で打ったら一番上にアリーヤちゃんの写真が出るからそれです。


只今午後2時。

建物外の海は潮風が気持ちよく吹き、1人の少女の艶やかな黒髪を揺らした。

気まぐれ風でゆらり揺れた黒髪を片手で抑え、少女はそっと空を仰ぎ見て眩しそうに瞳を閉じた。

 

 

『あーあー。マイクテスマイクテス。アリーヤ?聞こえるかー?』

 

年かさの若い男の声、それを耳で聴き取った少女はくすりと柔らかい笑みを浮かべ、確かな声で彼に返事を返す。

 

「ーーーはい、社長。通信機器の感度良好、装備、コジマ粒子共に問題なし。中量二脚ネクスト娘空 アリーヤ、行けます!」

 

 

少女はーーレイレナード社標準型ネクスト娘空のアリーヤは右手に握ったマシンガン〝ヒットマン〟と左手に装備したレーザーブレード〝ドラゴンスレイヤー〟そして背中に小型のプラズマキャノンを一基積んでいる。

これから彼女は所属鎮守府の周辺海域を探索し、深海棲艦を発見した場合、これを排除しなければならない。

 

彼女は出撃する前に今回編成に加えられた僚機(・・)に装備面の確認して、腰部に備えられたメインブースターに火を入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

執務室→工廠

 

早くも第一号ノーマル娘鴉が完成したと聞いて俺とアリーヤと女神は地下の工廠に赴いた。

 

「キャロリーン」

 

「お待ちしていました、代表。建造完成したノーマル娘鴉はあちらです」

 

仏頂面したデコだし妖精のキャロリンに連れられてとあるドッグの前に来た。

主任はまだネクスト娘空の建造にかかりきりで姿は見てない。

ドッグの場所を案内したキャロリンも、着くなり「では、仕事に戻ります」とだけ言って姿を消した。

 

「それにしても緊張して来た……!」

 

「そ、そうですね。社長。どんな方なのか楽しみです」

 

「最初のノーマル娘鴉だからねー。インパクトある奴が欲しいわー」

 

ノーマル娘鴉第一号。

アーマードコアが好きな俺でも全作品のレイヴンが使う機体全部を把握してるわけじゃない。

もっとも、AC4系が特に好きだからネクストは粗方覚えてるけど、いつの間にか死んでるタイラントとかコルセールなんらたの独立傭兵の長、フラ…?とかは存在が空気なんでうろ覚えといったもんだ。

 

「まあ、言ってしまえば最初の娘鴉は有名な奴が良い。ただ興とか干は勘弁な」

 

俺もしくはアリーヤ、あるいは両方の貞操が危ない。

ジャックは両刀説もあるので非常に危険。

 

「ライウン先生とか……強い奴をお願いします!なるたけ耐久ある奴……!死なない奴を……!」

 

耐久力。

この世界では深海棲艦の砲撃がACに対してどんな威力を及ぼすのか分からないけど、出来ればーーーいや、絶対にない彼女たちを死なせたくない。

だから機動力やプライマルアーマーのない娘鴉はなるべく装甲の厚いキャラが欲しかった、だからーーーそう、祈った。

 

今思えばあの時〝死なないキャラ(・・・・・・・)が欲しい〟と祈ったのが悪かったのかもしれないと思うけど、もう後悔したって遅いんじゃないか。

 

ーーーーー死なせたくないと願ったから、アレが来てしまった……なんて。

 

 

 

「じゃあドック開放よろしく、妖精さん」

 

ドックがガラガラガラガラガラと音を立てて重厚な門を開く。

薄暗い闇に工廠の光が差し込み、ゆっくりと中の光景が鮮明に映り始め、中にひとりの少女が存在することを教えてくれた。

だんだん光の当たっていく彼女へ俺は手を差し伸べ、なるべく笑顔で挨拶をすることにした。

 

「俺は風見空。企業の社長で、君の上司になる。君にはこれから、深海棲艦と言う名の敵と戦ってもらう。よろしく頼む」

 

俯き加減の彼女は顔を上げて言った。

 

「上等だぁぁ。傭兵が死に場所を選べる立場かよぉアハハハハ」

 

ーーーと。

 

「……………(固)」

 

 

『ぶっ壊れた人形が!俺が…貴様ら…ごとき……にぃーーーーー!?』

 

「……………(汗)」

あるミッションのセリフを思い出した。

ACVDのストーリミッションだ。

内容は財団が暴走させた多数のUNACを僚機共に撃破せよーーとのもの。

結局は僚機は戦闘不能に、プレイヤーが一人で悪戦苦闘してる間に死神部隊のACが来て共闘してくれる(ぶっちゃけコイツだけでいいのでプレイヤーは動かず弾も使わずと放置プレイでクリアできる)ミッションだ。

 

そして、その僚機。

エイリークと呼ばれる傭兵、そいつが登場している機体〝トールハンマー〟

マギーに死にたがりのバカと蔑まれ、複数のUNACに散々に撃たれ、左腕を破壊され、蜂の巣にされ、衝撃で棒立ちになった挙句背後から別のUNACに蹴り飛ばされて爆発するオチを喰らったーーーー噛ませ犬だ。

 

ACという作品において戦闘不能=搭乗者は死ぬ……というのが通例なのだが、驚くことにエイリークは爆発後に生存し、その後もプレイヤー達のサンドバックを務めるなど、全国の黒い鳥の度肝を抜いた。

まあ、ぶっちゃけ前作のRDっていう例もあるから爆発オチしたけど実は生きてましたってのがV系あるあるなんだけどね。

 

 

 

ある意味でAC界最強とも言えるし、AC界屈指のネタキャラとも言えるーーーこいつ。

 

「どうしたぁ?顔に何かついてるってかぁ?」

 

ーーーこいつ、顔がすげえ濃ゆいのだ。

 

「……イヤベツニナニモツイテナイヨ?」

 

「………///(ぷるぷる)」

 

「ぷ、ぷふふ、ぶふっ……なにあの顔…マジやばい、まじャバイんですけどww」

 

不死身のエイリークが使っていたAC〝トールハンマー〟

赤錆色のツインテールに小柄な体躯、しかしその体系に全く似合わない某世紀末漫画を彷彿させる彫りの深い顔が彼女のネタ度に拍車をかけていたのだ。

 

「ケンシ◯ウ?あれってケンシ◯ウ?」

 

「ふ、ふみゅ……ふふ」

 

「ぶほほほ…!あ、あの体系であの顔は無いわ!流石に!」

 

アリーヤが可愛らしい笑い声を漏らし、女神は盛大に腹を抱えて大爆笑。

俺も笑いたかったが、なぜか涙しか出てこない。

 

「なんだぁいったい?」

 

…………………………。

こいつ、深海棲艦の蹴りで簡単に殺れそうだなー…………って、思っちゃったりして。

 

「ふふ、ちょ、空!は、早くコイツw出撃させましょうよ!展開が良ければ不死身スキルを早速見せてくれそうよ!?」

 

もう殺す気満々+蹴りで死ぬだろうと展開予想してくれた女神ネキに急かされ、アリーヤとトールハンマーに鎮守府周辺のお散歩を頼んだ。

 

もっとも、チュートリアルなので深海棲艦最弱の駆逐イ級しか出てこないとはいえ、艦これのチュートリアルでは戦闘で小破か中破からの船渠の利用方法説明の流れになるのでプライマルアーマーがあるアリーヤは無傷としてトールハンマーは図らずともイ級にボコボコにされること間違いなしだろう。

 

「トールハンマー!いくぜぇぇあはははは!」

 

「アリーヤ!出撃しまっしゅむ!??か、噛んだ……あぅ///」

 

こうして2人は海域に出撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

海域

 

「深海棲艦は見当たりません。ここが鎮守府の周辺だからでしょうか?風も波も穏やかです」

 

『そうか。……くれぐれも奇襲不意打ちには気をつけてくれよ』

 

海域の周辺を見回り初めて数分。

敵の深海棲艦と出くわすこともなく、提督の応答にも余裕を持って答えることができました。

 

『そもそも、今回はチュートリアルだ。あくまでネクスト娘空、ノーマル娘鴉の戦闘力を把握したいってことをーー』

 

「オレとコイツの、だろう?アンタは、そこで見てればいい。人間と機械の差を教えてやる」

 

ノーマル娘鴉のトールハンマーさんは個性が滲み出た表情で提督に通信を返しましたが、私達はネクストACとノーマルACが女性の身体と魂という概念を得た存在なのでそもそもが機械なのでは?と思ったんですけど……あれ?じゃあ一体どういうことなんでしょうか?

 

「へっ、早速客が来たようだぜ。オレが行くぅ!アンタはそこで見ててなぁアハハハハ」

 

「あっ、トールハンマーさん!」

 

私のレーダーが深海棲艦の反応をキャッチしたと同時に、情報を共有していたトールハンマーさんが正面から突っ込んでしまいました。

とは言っても所詮はネクストとノーマルなのでオーバードブーストで追いつけますし、なんならメインブースターを噴かすだけでも簡単に追いつけちゃうんですが、提督も私たちの戦闘力を把握するのが今回の目的と言っていたので、相手が深海棲艦最弱の駆逐イ級3隻ということもあって、ここはトールハンマーさんの言う通り私は待機することにしました。

 

ーーーーですが、

 

 

数分後

 

「ぐ、ぐお!?おおお!!?ぶ、ぶっ壊れた船艦がぁぁぁーー!?オレが、駆逐艦ごとき……にぃぃぃーーーーー!?」

 

「………( ˊ̱˂˃ˋ̱ )?」

 

トールハンマーさんが駆逐艦イ級3隻に寄ってたかって袋叩きにし、ボコボコのフルボッコにされてしまうとはその時の私には思いもよりませんでした。

 

 

【挿絵表示】

 

 

『ぶふーーー!!駆逐艦……駆逐艦…ごとき、にぃいー!!ですってぇぇーーー!?……ぷぎゃーー!!ぎゃーはっはっはっはっはっはっはーー!?ホントにイ級にやられてやんのー!マジワロス!テラワロス〜wwww最早大草原不可避〜!あひゃひゃひゃひゃ!!!』

 

『……え、えぇ……いや、嘘だろう?』

 

私が覚えていることが正しければ、勢いよく突っ込んだトールハンマーさんがイ級Aと撃ち合いを始め、その隙にイ級Bに横合いから攻撃を喰らい、フラついたところをCの砲撃が左腕をもぎ取り、BとCに蜂の巣にされていた所に背後に回ったイ級Aの蹴りで海面上を吹っ飛んで爆発しました。

見たところ沈没はしてないようなので大破に留まった……んでしょうか?

 

『悪い、アリーヤ。イ級を殲滅してトールハンマーを回収し、鎮守府に帰還してくれ』

 

「は、はい!分かりました。提督」

 

っとと、提督の期待に応えるべく、アリーヤ、戦闘を開始します!

 

『敵は貴女も分かってる通り駆逐イ級が3隻よ。周囲に他の深海棲艦は無し。でも戦闘が長引けば音を聞きつけた増援が来るかも。トールハンマーの曳航もあるから、30秒で終わらせて。貴女ならできるでしょ?』

 

女神さんのオペレート通り目の前の敵は3隻だけ、そして私はネクスト。

30機程度で国家を相手に戦って1ヶ月で勝利した最強の兵器。

今更、駆逐艦に負ける私たちじゃないです!

 

「まずはっ!」

 

ドヒャアッ!

 

イ級3隻の砲撃をクイックブーストで避ける。

戦闘能力の把握もあるので横に飛んで、次は前にクイックブースト!距離を詰めながらマシンガンで牽制して隙を作る!

 

ドヒャアッ!ドヒャアッ!

 

敵は先ほどのトールハンマーさんを倒した戦法ですね……!1隻が隙を作り残りの2隻で致命的なダメージを与える。

でもっ!ネクストには通じません!

 

ドヒャアッ!ドヒャアッ!

 

たった数回のクイックブーストでイ級Aと私の距離は零になった。

マシンガンを握っている右手を軽く振って銃口をイ級に合わせて銃口を引く。

軽い反動をつけて弾丸は勢いよく吐き出され、目の前にいたイ級の装甲を瞬く間に削り取っていく。

そしてイ級はボン、と音を立てて沈んだ。

残り2隻。

 

ドヒャアッ!

 

飛んで来た砲弾をクイックターンで振り向いたと同時にマシンガンで撃ち抜く。

爆発の衝撃と爆煙が海面に撒き散らされ、イ級達は私の姿が視認できずに動くことが出来ない。

けれど私の頭部FCSは正常に稼働して敵艦をロックしている。

爆風の向こうーー30メートル先、背部ウェポン展開ーー小型プラズマ砲ーー発射。

 

ドン!ボォォン!

 

命中、2隻目のイ級は水色の火花と黒煙を上げて沈んだ。

残り一隻。

 

「ーーー視えてます」

 

ズバァァァァァ!!!

 

爆風を掻き分けて背後から大口を開けて飛んできたイ級を左手のレーザーブレードで一刀両断。

 

3隻との戦闘が終了してマシンガンのマガジンを交換したところで女神さんが通信を繋げました。

 

 

【挿絵表示】

 

 

『……凄まじいわね。5秒経過で1隻目、9秒程で後の2隻を片付けたわよ』

 

『………な、なんも見えんかた……』

 

『記録はとってあるからスーパースローモードで流して見たら?…多分それでも早いんじゃないかしら?』

 

『ま、マジか……とりあえずアリーヤ。浮かんでるトールハンマーを鎮守府まで引っ張って来てくれるか?』

 

提督の命令にFCSプログラムがトールハンマーの回収任務を表示しました。

早速海面をぷかぷか浮かんでるトールハンマーさんを左腕で掴んで鎮守府に帰還しましょう。

 

「それにしても、やっぱり駆逐艦じゃ性能評価が不十分ですね」

 

砲弾はプライマルアーマーに弾かれますし、マシンガンでも簡単に穴ぼこにできます。

それにクイックブーストを一回使っただけでロックを外せますし、レーザーブレードの先っちょでも容易に切断可能です。

深海棲艦の姫や鬼、もしくはレ級だったら良いサンドバックになると思うんですよね。

 

『……』

 

『……』

 

提督と女神さんも黙ってしまいました。

やっぱりこのままじゃまだまだダメですね!提督に褒めてもらえるようもっと頑張らなくちゃ。

 

「それでは。ネクスト、アリーヤ。これより帰還します!」

 

 

 

 

 

 

 

戦闘結果

 

場所:ラインアーク海域

vs.駆逐イ級×3(撃沈)

戦果:勝利

 

アリーヤ MVP Lv1→Lv2

「ふぇ?えむ、ぶい…ぴぃ、ですか?……えへへ、ありがとうございます!提督っ♪」

 

トールハンマー 大破?(轟沈?)Lv1→Lv1

 

ドロップ:なし




ええと、今回のエイリークのACことトールハンマーちゃんはぼくのともだちのピコって人が容姿アセンブルを構成したよ?
LI◯Eで髪型とか服装とか目とか眉毛とかを複数種類の中から選んでもらったんだけど、髪型→ツインテ 、前髪→センター分け、目→ケンシロ◯、眉毛→ケンシ◯ウ、コア→貧乳、服装→セーター、下着→ふんどし
って感じでピコが選びました。つまり全部ピコって奴の仕業なんだ。おのれピコォォォォ!!
これは許せないお前コジマバーンしてやろうか?って方いたら活動報告でトールハンマーの容姿について〜的なやつをあげようと思うのでどうぞ感想オネシャス。

一応僕の中ではツインテ 低身長 貧乳 つり目で服装は野暮ったいジャケット姿でした。それがこんなことになるとは……ていう罪悪感もあったのでせめてものアリーヤさんのvs.イ級挿絵も載せておきました……。


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爆誕!?コジマ少女アクアビットちゃん!

昨日AmazonからNEW NEXT ORDER が届きました!(パチパチパチパチパチ)いやーもう感動ものですよこれ。
とりあえず見るときは必ず手を洗ってから本に向かって合掌し、見る前、見た後に一回ずつ五体投地しています。
あと関係ない話ですが、髪型診断メーカーの貴方の髪型診断したったーにバルバロイ名義でやってみたら アフロ と出ました。
絶対しねーから。

あ、あと感想欄を見てなんかやりたくなったのでアクアビットフレームにコジマパンチを乗せてとっつき練習始めました。
最初は背中に追加プースターをつけてやってましたが、全然旋回できないので外しました。何でつけたんでしょうね?
セレンババアにボコボコにされましたが、諦めずにやれば1時間ほどで倒せます。根気よく粘りましょう。
いつかこのアセンも出したいなとは思ってます。
ちなみにアクアビットフレームで両腕コジマパンチ、右背リリウムレーダー、左背三連ロケ、インブルーにブースターはアリーヤとOBがランスタンです


鎮守府周りを散歩させていたアリーヤとトールハンマーが駆逐イ級3隻と交戦してこれを撃破、ただし此方もトールハンマーが大破(つーか轟沈してんじゃねえの?)してしまい、これ以上の探索を断念してラインアークに帰還させた。

まあ、これもチュートリアルの様なものでこれからネクスト娘空とノーマル娘鴉の回復系統の説明があるに違いない。

 

「いやー。逸材よねーアレは」

 

それにしてもと女神は言った。

アイツ、完璧この二次のネタ枠だわーと。

ニジが何なのかは分からなかったが、ネタ枠なのは間違いねえやと俺も吹き出してしまう。

何はともあれ、アレで奇跡的に生還してるのだから本当ゴキブリ並みの耐久力だ。

 

 

執務室→港→船渠

 

一度港に出てアリーヤ達と合流して建物の中へ。

そこから温泉の暖簾がある部屋を潜ると其処が体力回復施設の船渠になる。

………とは言っても、トールハンマーは腕をもがれるレベルの損害を受けているので、まずはその修理が必要だとか。

なので工廠に行く。

 

 

船渠→工廠

 

事前に連絡しておいたからキャロリンが修理の前準備を終わらせていた。

工廠のドックにはドラゴン◯ールに出そうな培養液を蓄えた巨大な装置が置いてある。

多分あそこで培養液に浸かりながら修復させられるんだと俺はドキドキしながら予想した。

 

「まずパーツの部位破壊をされた場合ですが、対処法が2つあります。1つ目は破壊されたパーツを回収して帰還した場合です。この場合は修理費は少し掛かるのみで後は私共で修繕して培養液に浸かりでもすればくっ付くでしょう。2つ目がパーツを紛失した場合です。この場合はそのパーツを一から作り直す必要があるため、資材と費用共にかなりの量を要します。今回は前者のケースとなりますので培養液に漬けておけば勝手に治るでしょう。最後に部位破壊の無いもののダメージを受けている場合については艦娘と同じく船渠で回復可能です」

 

成る程成る程、つまり部位破壊した場合は培養液に浸けて部位破壊されなかったら船渠に入れればいいわけね。

 

「とりあえずコイツそん中にぶち込んどいて」

 

「かしこまりました」

 

トールハンマーを編成から外して培養液にぶち込む。

幸い今回の戦闘で意識を失ったまま回収されたので培養液の中に浸かったものの目を覚ます気配はない。

 

さて、これからどうするか考えてると女神が、

 

「チュートリアル進めるわよー。とりあえず今建造中のネクスト娘空を完成させましょうか。ハイ」

 

緑色の気体の漏れたナニカを手渡シテキヤガッタ。

 

「これ……何」

 

「コジマ高速建造材」

 

「そんなモン急に渡してくんじゃねええええええええええええええ!!?」

 

パイ投げの要領でアホ女神の顔面にシューーーートォォォォ!!!

奴の顔面を強襲し勢い削がれずに飛んで言ったナニカはそのまま休憩中の妖精にーーー

 

「?コジマなんでーーーぎぇぇえにゆごぎごごくぁwせdrftgyふじこlp」

 

ドサッ

 

ナニカを顔面から被った妖精は体を痙攣させて白目を剥き、絶頂とも付かない症状に見舞われて………倒れた。

その顔は恍惚に似た笑顔であり、コジマコジマコジマとブツブツ呟いている。

俺とアリーヤと女神は沈黙した。

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

「連れて行きなさい」

 

キャロリンが底冷えする淡々とした命令を出して妖精は何処かに連れられた。

キャロリンは何ともない表情で書類作業に移っている、怖えー。

 

「ま、まああれよ?これを主任に渡してネクスト娘空を建造終了しましょうね?」

 

まさか自分が渡したコジマ製のナニカにアレほどの中毒性があるとは思わなかったのだろう女神は少しビクついた態度と引き攣った笑顔で言った。

しかし俺はあのナニカを触りたくなかったのでキャロリンに言うと、ガスマスクやら防護服を装備した妖精が慎重な手つきでナニカを回収して主任のいるドックヘ走って行った。

 

……どうやらアレは専用の装備無しに触ってはいけない代物だったらしい。

 

「いや、お前バカか!?」

 

「仕方ないじゃない知らないんだから!?」

 

アホだ、アホがいる。

そのまま女神と醜い言い争いを数分間繰り広げていると、突然ドックの1つから ドゴォォォン!!?とかギャハハハハハハハハハ!!?とか聞こえたいいや聞こえてない。

 

「見えてない見えてない開発ドックから緑色の粒子が漏れ出てるなんてそんな訳ない俺は知らない俺は知らないつーか女神が悪いそうだそうだよ女神が全部悪いんだあのバカ女神が全部」

 

「ちょっと!私のせいだっていうの!?」

 

「一体全体オメーのせいだよ!バカが!」

 

その貧相な胸に手を当てて数分前の自分の行動を思い返してみろ!バカが!

 

「きぃぃぃーー!??転生させてもらった分際で何を偉そうに!?」

 

「殺したのお前なー!?しかもAMIDAエンドっつー理不尽なバッドエンドで!」

 

「あーらACファンなら喜んで然るべきじゃない?」

 

「バカかお前!?」

 

コイツ本当まじむかつくな!?ならテメーをAMIDAにしてやろうか!?

 

「あ、あの……社長」

 

女神と抗争寸前になった状況でアリーヤが苦笑いしながら開発ドックを指した。

見ると主任がハングドマンに乗ってドックの隔壁を軽いノリで全開にしてイヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァ。

 

『コジマ粒子の流出を確認。繰り返す。コジマ粒子の流出を確認。妖精は各自マニュアルに従って避難行動を開始せよ』

 

謎のサイレンと警告が。

顔を青ざめた俺とアリーヤ、女神は直ぐに執務室に逃走した。

 

話によると、その後主任はキャロリンにOWで半殺しになるまで叩き回されコジマの浄化作業を一人でやらされたとか……。

 

 

 

 

数時間後

 

「ギャハハハハ!まさかあんなに早く工廠内に出回るとは思わないじゃあん?いやー失敗失敗!ギャハハハハハハ!!」

 

「お、おう」

 

装甲は半壊し、もともと青色だった装甲がまっ黒焦げに焼き尽くされていても主任は生きていた。

もしかしたらエイリークよりコイツの方が異能生命体なんじゃないだろうか?つーか主任。

頭にMURAKUMOが突き刺さってますよ……。

 

「私はこれから主任を教育しようと思いますので……それでは」

 

「アッレー?キャロリーン。OWなんか担いでナニを………アーーーーッ!?ギャーーーーーーー!!?」

 

「………さ、新しいネクスト娘空とご対面だ」

 

「そ、そうですね!」

 

妖精さんに聞くと、中のコジマ汚染や粒子は除去済みとのことで、中毒症状を起こすことはないようだ。

ホッとしつつドックを開けてもらう。

キャリキャリキャリとゆっくり開いていく隔壁の向こうに目を向けて、他にいるはずのヒーローに目を奪われた。

 

サラサラと輝く水色の髪の毛に首元に巻かれたヒーローの証、そして何故か女子学生の制服とスカート。

微笑んだ笑顔はどこか安心感を覚えてしまうもので、ついつい魅入られてしまう魔性の微笑みでもある。

 

「ん?……あっ!貴方が私のしゃちょー?」

 

「あ、ああ」

 

えへへ!と彼女は笑った。

 

「悪を滅し段ボール超人(GAマン)を滅し!コジマを愛しコジマに愛されたコジマのヒーロー!コジマ少女アクアビットちゃん!ばっくたーん!」

 

ドドーン!!

 

背景でコジマ爆発が起こった、ナンデ。

 

「えっへへ〜。これから宜しくねっ!しゃちょー!」

 

朗らかな笑顔で笑いかけてくるアクアビットちゃん、可愛い。

アリーヤに引き続きここにも天使がおった、可愛い。

可愛い。

 

「ん、アリーヤに引き続きアクアビットね。レイレナード陣営が好きね、貴方も」

 

まあね〜、アリーヤ、アリシア、アクアビット、ホワイト・グリント(fA)、00B-2、プロトタイプネクスト、もうこのフレームが好きずきてヤバいんだよね。

他陣営つったらランセル?頭と腕は好きよアイツ。

 

「よしよし!もっとネクスト娘空を建造していこう!次なるネクストは……!アリシアだ!」

 

「代表、お話があります」

 

「?」

 

レイレナード陣営で固めようと決意した直後、主任とオハナシしていたキャロリンが血塗れの主任を連れてきて言った。

 

「ラインアークのコジマ粒子貯蔵量は既に底をつきました」

 

「!?」

 

ファッ!?

え?コジマァ!?コジマもうねえの!?エッ、ウッソだろう!?

 

「厳密に言えば補給分が残り3回分ございますが、これでは建造するどころかこれ以降ネクスト娘空の運営も出来なくなります。如何なさいますか?」

 

あくまで冷静淡々としたキャロリンの報告に冷や汗がたらりと流れた。

ぎこちない動きで女神に資源について聞いた。

 

「この世界に自動で資源が手に入るなんて、無いから」

 

「………(汗)」

 

えええ、やべえじゃん。

何がやべえって、コジマ粒子のないネクストってただのノーマルと同じなんですよ?クイックブーストも出来ないしプライマルアーマーすら張れないんですよ?

 

「そういうわけだから、次のチュートリアルね」

 

頭を抱えた俺に女神は今更といった風でチュートリアルを始めた。

 

「次のチュートリアルはコジマ粒子を精製するための施設。コジマプラント施設の建造よ!」

 

 

 

 

 

 

 

コジマプラント。

コジマ粒子発生機構を使ってコジマ物質に定量で安定した電気エネルギーを与えることでコジマ粒子を作ることが出来る施設。

コジマ粒子はエネルギーとしては無限の可能性を持っていて、これを用いてスフィアとかB7などのエネルギープラントも稼働している。

ハードモードで垂れ流しにされてたり、クレイドルが飛ぶのに必要とされる莫大な量のエネルギーはこういうコジマ粒子で稼働するエネルギープラントで賄われてるからAC4系ではとても大事な要素だ。

 

「んで、そのコジマプラント施設を作ろうと?」

 

「そそ。だから先ずコジマプラントをこの無人島に建造するのよ」

 

外。

周りを見ても木、木、木、森、森、森、モリ・カドル、森森森森森森の無人島の中で俺とアリーヤ、アクアビット、女神、主任、キャロリンは突っ立っていた。

因みに主任はハングドマン搭乗、キャロリンはVのファットマンやロザリィが乗ってる輸送ヘリを操縦してる。

妖精さん規格の可愛らしいサイズのヘリで、中にはコジマ施設建造のための資源が沢山入ってるらしい。

……いや無理だろ。

 

「それで?場所はどこにするの」

 

「何処でもいいんじゃない?アッ、洞窟だけはNGで。気密性悪いから直ぐに中毒症状起こして廃人になるからさァ。ギャハハ」

 

「……え、怖」

 

なんでそんな危ないことを前以て言わねえの?バカなの?死ぬの?

と、コジマの恐ろしさに戦々恐々したが、そこはやっぱり専門家。

 

ここで良いんじゃない?テキトーに。

 

……主任のこの一言でコジマ施設は建造を開始。

30秒で丸いお椀状のドームが出来たと思ったら基本的にはもう稼働できるという。

妖精さんの底地力を見た瞬間だった(小並感)

 

「キャーロリーン。じゃ後はテキトーに担当付けて精製しといて」

 

「かしこまりました。主任」

 

こうして俺は専用のコジマ施設を手に入れたのだった。

……………………ラインアークの隣に。

 

 

 

『風見空はコジマ施設を手に入れた!』

 

コジマ施設:名前なし

防衛機構:なし

 

 

 

「うんうん。コジマ施設があればコジマ粒子は際限なく手に入るから壊されたりしないようにしなさいよ?」

 

「鎮守府の隣で壊れるとか考えたくないんですけど」

 

俺死ぬじゃん。

1発で。

 

「まっ、これでチュートリアルは終わりだから。後はあんたの力量次第ね」

 

女神はそう言って部屋に入ってった。帰る気は無いらしい。

 

「さあて、まずは建造すっかぁ」

 

ネクスト娘空といえど、まだ2人しかいないしノーマル娘鴉はネタ枠のトールハンマーだけだ。

とにもかくにも戦力がない。

建造して増やすしかないだろう。

 

「ふふ、これから頑張りましょうね。社長」

 

「私も頑張るよっ!しゃちょー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

『君の鎮守府の近くに、投棄された無人の鎮守府があるだろう』

 

「ああ、あの計画の」

 

『そうだ。そこがどうやら何者かの手によって最近稼働し始めたらしい。何処から出て来たのか……妖精も多数反応がある』

 

「モグリの鎮守府ってことですか?もしくは提督適性のある若者が秘密基地感覚に入って着任してしまったのか、それとも漂流者?いや、無いな。流れてる間に深海棲艦に食われてる」

 

『もしくは確信犯……だろうな。それと気になる事が』

 

「何でしょう」

 

『遠くから緑色の光を水平線に見たとか』

 

「ブッ……!?あ、失礼。分かりました、こちらで調べておきます」

 

『?……ああ、頼むよ。……近頃は相沢派の動きも大きくなっている。3人いた元帥も私以外は彼に付いた。やれやれ。何を考えているのやら』

 

「どうせロクでも無い事でしょう。アイツはただのイカレ野郎ですから」

 

『ふっ。私たちにはもう君だけが頼りだ。済まないね、こんな老兵の尻拭いばかりさせて』

 

「何を言いますか。この世界に来たばかりの俺を手厚く保護してくれて。貴方のお陰でこんな地位に立てた。第六共々感謝してます……きっとあの子たちもね。その恩返しになるか分かりませんが、お国のため、そして貴方の為に俺たちが役に立てるなら光栄ですよ。それでは、元帥」

 

『ああ、ではまた』

 

話し相手との電話を終えた後、椅子の背もたれに寄りかかって男はどんよりと呟いた。

 

「…………緑色の光………ネクスト……だよなぁ……。面倒ごとは嫌なんだけどなぁぁ」

 




 [゚д゚]
 /[_]ヽ   GAマン モ アイシテ!
 | |

ム リ ム リ


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3回目の正直(多分)

やあ (´・ω・`)
ようこそ、「アーマード娘空」へ。
このコジマ粒子はサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

でも、この最新話を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない「ここたま」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、この小説をまた書き直したんだ

じゃあ、感想を聞こうか。



アクアビットちゃん建造に使い果たしたコジマ粒子。

しかしその後に建築したコジマ粒子製造施設のおかげで破壊されない限りコジマ粒子を永遠に補充することが可能になった。

 

「資材配分でどんな娘空が出るのかもう少し検証したいしあと一回建造しようか」

 

資材の配分は大事だ。

これによってどんな性能を持つキャラが出てくるかが決まると言っても過言じゃない。

恐らく鋼材多めならGA製が、燃料多めならライール系やソーラ系が、コジマ多めならアクアビットやアルギュロスが、弾薬多めなら……何が出るんだ?GA製かな?こっから更に燃料多め鋼材少なめでソブレロとかの特殊系に分かれると思うんだが……。

 

「ノーマル娘鴉へまだしもネクスト娘空ならどれが出ても当たりみたいなもんだし」

 

デフォルトで自身への攻撃を弾く、或いは逸らしてくれるプライマルアーマーがついてるのでどんな企業のネクスト娘空を引いたとしても戦力に数えられる筈だ。

強いて言えば劇中お察しのワンダフルボディ、セレブリティ・アッシュ、 マグリヴ解放戦線のアシュートミニア辺りが挙動が危うそうだ。

……ワンダフルボディなんて通常ブーストもおぼつかないんじゃないか?

 

「この3体は戦力に余裕が出て来たら狙っていくって事で、今回は燃料多めで配分を決めて行こう」

 

燃料多め……つまり機動性重視のネクスト娘空。

代表されるネクストは中量二脚のアリーヤを始め、軽量機のソーラ、ライール、ソブレロ、ラトナ。

リンクスの分も含めるとも少し増えるけど、今回狙っているのはラトナ。

 

理由は簡単で、インテリオルグループ製の最新型ネクスト娘空のラトナなら確実に同社のレーザー兵器を持って来てくれるからだ。

 

現状アリーヤがマシンガンとレザブレ、プラズマキャノン。

アクアビットちゃんはコジマライフル、プラズマライフル、コジマキャノン。

 

トールハンマーと出撃させた戦闘でイ級程度の装甲からマシンガンで穴だらけに出来たのは確認できたので、次は深海棲艦にレーザー兵器が有効なのか検証したい。

 

「ECMの効果も知りたいからBFF機も狙いたいけどね」

 

ECMについては優秀なアサルトライフルにレーダーも持ってるアンビエントを狙えばいい。

前衛機ばかりでバランス悪い気がするけど、ラトナの次はアンビエントを建造するつもりだ。

「死に腐れ」でお馴染みのレッドキャップもECMとレーダー持ちだけど性格と声及び実力を考慮してアンビエントにする。

 

「ほい。燃料500、鋼材30、弾薬30、コジマ500」

 

機動性高め、装甲薄め、コジマ多め。

弾薬少なめにしたのはコレを多くすると実弾火器が、少なめにするとレーザー兵器が……って感じに別れるかの検証も兼ねて。

 

多分コレでラトナになるかライールになるかになると思うんだけど。

建造終了は10時間後、次はノーマル娘鴉を建造するか。

 

「最低値で」

 

まあ、俺の運営方針はネクスト戦力でゴリ押しっていうレイレナード陣営に似たスタンスだから。

 

「コレで後2回くらいお願い」

 

「かしこまりました。代表。およそ数十分後に完成予定です」

 

最低値だし、まあランダムになんか出てくるだろ。

 

「それでは、その間にこのラインアークの方針を決めて頂けますか」

 

「方針?」

 

キャロリンの合図で妖精さんたちがホワイトボードを持って来た。

そこには「企業方針 開発方針 商品展開」などが書かれている。

 

「企業方針につきましてどういった目的でこのラインアークを運営されるのか。開発方針はネクスト娘空、ノーマル娘鴉、武器開発といった技術の中からどれを中心にしていくのか。最後に我々の技術力、及び戦力をどのように売り込んでいくか……についてです」

 

「企業方針……ていっても先ずは深海棲艦に対抗出来る戦力の増強かな。具体的にはネクスト娘空とノーマル娘鴉の建造。んで周囲の安全確保と調査だな」

 

この無人島も鎮守府を除いて未開の地らしいし、今後は土地開発をして設備を増やしていくので危険な動物がいないか調査も必要だろう。

フロートや二脚とACV系の娘鴉以外のノーマル娘鴉にこれをやって貰おうかと思ってる。

 

「開発方針についてはまだ武器開発は気にしなくていいと思ってる。とりあえずは戦える頭数を増やすしかないな」

 

海域の制圧に周囲の巡回と数が多いに越したことは無い、最もその分の維持費も気にしなくてはいけないのだろうが今は戦力だ。

 

「最後に商品展開だけど……俺らって企業だよね?」

 

「まあ、そこは企業特性を活かした生活用品を売るなり、或いは傭兵として他の鎮守府などに売り込むか……と、捉えて頂ければ宜しいかと。その利儲けで鎮守府の強化や資材の購入、運営と、我々にとっても死活問題になりますので」

 

……そう言われたら確かにそうか。

ぶっちゃけ初期の運営状態で未だ日本との繋がりも無いから孤立してるしな。

それで生活用品ね、そういえば 4系の資料集でGA社の子会社であるMSACが電子レンジとか作ってるって書いてあったな。

AC世界の技術力で作ってるんだしこの世界より遥かに性能良いんだろうなぁ。

それを売ったら金にならないもんかね?

 

「軍事転用されない範囲で技術力をちらつかせてこの鎮守府を売り込むぐらいでよろしく」

 

「かしこまりました。それと、ノーマル娘鴉の建造が完了したようです」

 

 

企業運営について話し込んでる間にノーマル娘鴉の建造が完了したみたいだ。

早速ドッグの厚い扉を開いてもらうと、中に林檎の被り物を必死に取ろうともがいている女の子(?)の姿があった。

 

「うぅ〜!ぷはっ!?と、取れた!……あ!?し、失礼しました!僕は中量二脚ノーマル娘鴉のエスペランザです!えぇと、隊長さん。これからよろしくお願いしますね!」

 

可愛い(確信)

AC3で登場する林檎ちゃん。

ボクっ娘のところに魅力を感じる。

初期は弱いけど改装したら大幅に強くなるので乞うご期待。

 

「………」

 

続いてACVから不言。

ガスマスクで口を覆うぱっと見クールビューティ。

多分コミュ障か何かじゃないか?(断言)

セントリーガン装備してるので水上じゃなくて地上施設とかの防衛が主になると思う。

いつか生の声聞いてみたいね。

 

「時代はレーザー兵器です!おひとつどうですか?」

 

AC3からグリーンウィッチ。

声はやはり可愛かった。

唯一水上じゃ水没しないフロートだけど、V以降はどの機体も水没しないんだよね……。

それにレーザーが好きすぎる娘だから直ぐ息切れしちゃうんだよなー。

てか、ラトナ出そうって時に全身EN娘出るってどういうことなの?

あ、外の景色に感動してどっか行った。

 

「とりあえず 3人1チームになって固まってもらおうか。リーダーは林檎ちゃんで」

 

「あ、はい。分かりました……なんで林檎ちゃんなんだろう……?」

 

林檎ちゃんには自然が好きすぎて暴走するグリーンウィッチとコミュ障すぎて連携に難のある不言のフォローを任せる。

 

不言とグリーンウィッチに比べて、林檎ちゃんだけ水上をあまり移動出来ない娘のため、まあ鎮守府の防衛が主になるだろうね。

レベルアップして改装すれば水上でも水没しなくなるし、防衛に組み込みながらの模擬戦なんかで練度上げになるんかね?

 

「さて、それじゃあ戦力もちょっと増えたし、鎮守府防衛は3人に任せてアリーヤとアクアビットちゃんには島周りのお掃除を頼むわ」

 

「はい、社長」

 

「おっけー!」

 

「苦戦しないだろうけどそろそろ夜になるし気を付けてね」

 

辺りを見るともう少しで夕暮れになりそうだ。

 

アリーヤとアクアビットを出撃させて林檎ちゃんチームをラインアーク防衛の任務に就かせる。

そんで残り資源はどんくらいかなーと思ってみるとちょっと心許無く感じる。

特に今使った燃料がヤバい。

ネクスト娘空はともかくノーマル娘鴉は燃料を消費するので結構ヤバいかもしれない。

 

「そういう時は深海棲艦が保有してる領地を分捕るのよ」

 

「それ、領地戦をやれってわけ?」

 

領地戦、V系オンラインの花とも言えるゲームモード。

簡単に言えば相手の持つ領土を電撃戦、制圧戦、妨害作戦、データ回収の4種類の対戦形式で争うもの。

VDではそれが勢力戦に変わったが……ルールに多少変更があったくらいか。

 

「それで?つまり深海棲艦が保有してる油田や鉱山、資材基地を占有すれば資材が手に入るって解釈でOK?」

 

「ええ。それに独占すればそれ以降資材もゲット出来るわよ。そっくりそのまま分取るわけだからねー」

 

成る程。

これはノーマル娘鴉の戦力価値を高める措置かもしれないな。

地上戦だからフロート脚部やV系のノーマル娘鴉じゃなくても活躍出来るし不必要になりかけた不言のセントリーガンも活躍出来る。

 

これならネクスト娘空の強襲部隊を先発にして敵領地を強襲、後発に送り込んだノーマル娘鴉部隊でその後の制圧と防衛を担当するって役割分担が出来て面白い。

 

「周りの掃除が終わったらすぐ隣に油田があるわよ」

 

「それは良いねぇ」

 

ただ、今回は近くにあるから良いけど、距離のある領地に対する輸送方法が欲しいな。

ゲーム中じゃ輸送機ってことになるけど、この鎮守府にあるわけないし。

 

「募集すれば?」

 

女神がノートPCを持って来た。

 

「ネットで?」

 

深海棲艦の領地に侵攻するためのストーカーさん大募集ってか?幾ら何でも来ないだろ。

 

「深海棲艦のおかげでどこの国も海軍の価値が上がって空軍の予算が縮小されてるのよ。探せば見つかるんじゃない?」

 

そんなものかね?とりあえずネットでカタカタカタと検索してみる。

 

「『紛争地への輸送から深海棲艦の戦闘まで。報酬次第で依頼受けます byジャック・バッティ・カーチス』マジであるやん」

 

ジャックパパは何をやってるんですかね……。

何なに?プロフィール経歴があるぞ。

 

ジャック・バッティ・カーチス。

元イタリア空軍在籍、元大将。

深海棲艦の侵攻以降、海軍の軍備拡大に対する空軍の軍備縮小に反発したことで罷免する。

その後は元空軍のキャリアとツテを活かして深海棲艦の影響の残る世界各地に食料や武器、資源などを輸送、又戦闘行為も行う傭兵活動やイタリアに侵攻する深海棲艦のレジスタンス活動を始める。

妻と養子の娘がいる。

親バカ。

 

「はぁー成る程」

 

ヨルムンガンドのカリー社長みたいな経歴の持ち主で、違いは武器商人か傭兵かってだけね。

要請次第でどこにでもって書いてあるし、早速専属契約しよう。

 

「ん?あー、そういえば!この鎮守府に金なんて無かったなー!ちくしょー」

 

着任早々フランパパと契約できるーと思って思い上がっちゃったよ。

つーかこれから運営するにしても金が無いんですが。

 

「あら、それについては大丈夫なんじゃない?アンタのゲームデータからお金、引き出しといたから」

 

「はい?」

 

 

 

 

 

 

 

キャロリンの財政簿

 

99999999999 C

 

「此方が現在代表が保有している金額になります」

 

「………世界征服も夢では無いな」

 

1コームが1万円だから……日本円に換算して一体何円になるのか予想つかないや(白目)

 

「でもこんなに俺fA周回したか?」

 

寧ろ数回か数十回やって後はテストでババアをボコボコにして遊んでたくらいだと思う。

 

「あー。それね、さっきも言った通りアンタのゲームデータ全部のACシリーズから引き抜いたのよ。そしたらそんくらいあったんじゃない?」

 

うわー、テキトー。

あ?紙に「+突然のAMIDA死による慰謝料です。by神様一同」って書いてある。

 

当の本人が全然謝るそぶりないけど。

まあ、それならそうでありがたく使わせてもらおうか。

 

「えー、先ずはフランパパのレジスタンスと専属契約だろ。資材の買い占めとかは世界情勢に影響が出るからやめとくとして、ネクスト娘空とノーマル娘鴉も増やさないとな」

 

企業方針

戦力拡大、領地の奪取。

 

開発方針

ネクスト娘空、ノーマル娘鴉の建造優先。

 

商品展開

本土と繋がり次第生活用品を中心に技術力を売り込む?

 

現状これを目標に進めないとなー。

ある程度進めたら防衛機構の強化も加えないといけないし、近くの鎮守府に挨拶に行った方がいいのか?

 

「うし、そろそろアリーヤ達の状況でも見るか」

 

机に置いてあるモニターで現在の状況を確認する。

 

第一部隊

アリーヤ

アクアビット

任務:鎮守府周辺海域の制圧

達成状況:80%

被弾率:0%

弾薬消費率: 3%

 

「もう少しで終わるなー」

 

やはりネクストは強い。

姫級が来ても普通に倒せるんじゃないだろうか?

これから敵対する彼女達に合掌。

そして、これから来るであろうネクスト娘空や、ノーマル娘鴉達に想いを馳せるのだった。




お久しぶりです。
最近ニコニコでとあるACMMDを見て執筆意欲が湧いて戻って来ました。
鳥(とり)様のACEP3っていうMMDなんですけどね、動画時間が30分あるんですけどかなり見入ってしまいました。
あとどん底オルガ。あれストーリー演出神すぎませんか?

最新話を見て分かる通りなんですけど、ちょっと思うところがあって書き直すことにしました。
内容的には以前のストーリーを沿って書いていくかと思います。
よろしくお願いします。


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3人目のネクスト娘空

ACfAの初期機体で一番使いやすいのってランセルかアリーヤだと思う今日この頃


 

 

イタリアで深海棲艦のレジスタンス活動をしている傭兵、ジャック・バッティにとってそれはまたとない大きなビジネスチャンスだった。

 

「ある企業の敵拠点へ戦力を輸送する仕事か」

 

自分の右腕と認める男が先ほど持ってきたこの話。

ジャックは当初訝しみながら話を聴いたが、部下が調べた話を聞いて更に眉を顰めた。

 

「どうやらこの元鎮守府を改装した企業は最近になって稼働したようで。海軍の鎮守府欄には登録されていませんが、企業、会社として運営されているようです」

 

「つまり、海軍のゴロツキか野盗崩れが宿代わりに使ってるだけか?」

 

「いえ、それが、深海棲棲を打破し得る戦力が存在することもまた事実です。リーダー、これを」

 

渡されたタブレットには黒い軍服を着た少女が映っていた。

当初こそ海軍の鎮守府の代名詞とも言える艦娘かと思ったが、どうも様子が違う。

 

なぜなら海軍の主戦力である艦娘は主に背中部分に艤装と呼ばれる装備を背負っているが、画面上の娘は何も装備していなかったからだ。

しかし、その代わりに胸、肩、腕、脚部分に全く見たことのない装備が取り付けられていた。

いや、装備というよりはアーマー。

敵の攻撃から身を守る鋼の鎧。

 

「なんだ……これは」

 

「企業の社長を名乗る者からの情報ですが、ネクスト娘空と呼ばれる、艦娘とは別の存在なのだとか。彼女達の他にもノーマル娘鴉という戦力もあるそうです」

 

更にシーンは進む。

格納庫に置かれていたPDW程の大きさの黒い兵器を右手に、左手には腕を覆う籠手の様なものを嵌めていく。

そして背中に折り畳まれた小型の装置をドッキングする。

 

『アリーヤ、出撃準備完了です』

 

自分をアリーヤと呼んだ少女はつい、と隣を見やる。

そこには黒い少女と打って変わって、水色のマフラーをたなびかせた少女が。

彼女もまた形こそ違うものの、胸、肩、腕、脚部に水色の装備を取り付けている。

そして手に持っているのは連装砲とも機銃とも似付かない異形の兵器。

 

『アクアビットちゃん!コジマ粒子準備万端っ!いつでもいるよー!!』

 

水色の少女はアクアビットというらしい。

天真爛漫な笑顔で傍の少女に笑いかける。

 

『分かりました。それじゃあ、行きましょう』

 

格納庫の隔壁が開き、2人の少女が大空を背景に立った。

 

すると彼女たちが背負った兵装から緑色の粒子が漏れ、青白い光がその背丈を覆う。

そして次の瞬間少女達の姿が掻き消えた。

 

「……あー、いかん。俺ももう歳かな」

 

私の目にはさっきまで画面に映っていた少女2人が瞬きした間に消えたように見えたんだが。

 

「いえ、リーダー。消えたように見えますが、単純に膨大な推力で前方へ直進しただけのようです」

 

「なん……だと……」

 

レオンの言葉を俄かには信じられなかった。

しかし画面が格納庫のカメラから少女達の視点に切り替わったことでソレが真実だと知れた。

 

「な……」

 

愕然とした。

 

少女達は戦闘機と見紛う速度で海を駆けていた。

景色はグングンと加速して少女達がどれだけ非常識な存在なのかが容易く見れた。

 

『敵艦視認しました。交戦に入ります!』

 

遥か向こうにポツンと見える黒い点が、数秒後には2、30メートルまで距離を詰められる。

海面に浮かぶ深海棲艦は突然の強襲に慌てふためき、まともな迎撃態勢も取れないまま黒い少女の左手から伸びた紫色の斬撃に両断された。

 

『コジマァバーストー!』

 

打って変わって水色の少女が撃った緑色の光が直撃。

深海棲艦がいた海面は蒸発した。

 

「………嘘だろ?」

 

「編集などの細工は見当たりませんでした。全て事実です」

 

レオンは実直さを絵に描いたような男だ。

そんな彼が嘘をつく筈など俺も思ってはないさ。

 

「リーダー。彼らと契約を結びましょう。我らにとっても彼らにとってもメリットはあります」

 

「聞こうか」

 

「まず彼等の戦力のネクスト娘空。ノーマル娘鴉は海上での展開力は艦娘を凌ぎますが、元々水上だけでなく地上や地下施設などの戦場を選ばない汎用性を特化させているため、艦娘に比べると長時間の海上運用は得意ではないと思います。その為に我々にコンタクトを取ったのではないかと」

 

成る程、その為の輸送手段か。

艦娘よりも遥かに機動力や戦闘力が上であっても海上を戦うように出来ている艦娘と海上でも運用は可能なネクスト娘空、ノーマル娘鴉では運用にも違いはある、ということか。

 

推力はズバ抜けてるが、使ってる……エンジンか?或いはジェネレータの燃料が切れた場合艦娘と違って浮き続けることは出来ないのだろう。

 

それを補う為に作戦領域までは輸送ヘリを使って推力を温存する……ということか?

 

「成る程、面白い」

 

 

 

 

 

執務室

 

「そういえば。アンタ、なんで輸送ヘリなんかを用意するわけ?ぶっちゃけネクストのジェネレータなら息切れ知らずでしょ?」

 

「え?だってV系のACつったらヘリ移動が当たり前じゃん。それ以外なんかある?てか輸送程度だったら普通にスティグロ使うわ。ブレード光波で撫で斬りにして鬼も姫も体当たりバーンで一発じゃん。分かるか?こういうのは雰囲気なんだよ。雰囲気。想像してみろ。輸送ヘリ内で待機するノーマル娘鴉もいれば輸送ヘリに対して迎撃態勢の深海棲艦をヘリに吊られながらオートキャノンやガトリングを撃ちまくるノーマル娘鴉もいる。分かるだろ!?最っ高じゃん!凄えー絵になるじゃん!だったらやるしかねえじゃん!つーかやらなきゃダメじゃん!!」

 

「アー。うん。もうそれで良いわ。ウン、もう喋んないで」

 

 

 

 

「更にこの会社。どういう金策をしてるか知りませんが、かなりの資金を持っているようです。契約金もかなりの額を提示されました」

 

そう言ってレオンは一枚の紙を広げた。

その紙に書かれている額はまるで小国の国家予算。

思わず目をゴシゴシと何度も擦って確かめてしまう。

 

「…………コイツ、正気か?」

 

信じられん。

一介の傭兵、それもたかが輸送程度の仕事にこれほどの額を回す馬鹿がいるのか。

 

「それに、彼等と協力関係になればこの鎮守府の戦力を逆に此方も利用出来るかもしれません」

 

「ああ」

 

「そうなれば膠着状態のイタリア戦線も容易く押し返すことが可能でしょう」

 

レオンの言いたいことは分かった。

俺にもそのビジョンがーーー輸送ヘリから投下されたネクスト娘空、ノーマル娘鴉がイタリアに巣食う深海棲艦どもを叩き潰して回る光景がありありと見えた。

そしてそれは、そう遠くない未来であることが。

 

「リーダー。俺はこの案件、絶対に成功させるべきだと思います」

 

ほう、いつも冷静なレオンらしかぬ興奮した表情、相当入れ込んでるな。

 

「分かった。先方にも此方が契約を結ぶ気が十分にあると伝えてくれ」

 

「はい」

 

「欲を言えば輸送手段と引き換えに彼方の戦力を幾らか貸与して欲しいんだが。今は無理だろうな」

 

レオンも小さく頷く。

圧倒的な戦力を持つとはいえ、自分たちを優先するのは当たり前だ。

ましてや此方はまだなんの信頼も得ていない。

これから少しずつ信頼を積み重ねるしかない。

 

「契約は結ぶ。ただし、島へのルートを確保することが条件だと伝えてくれ」

 

「分かりました」

 

レオンは頭を下げると早足で部屋を出て行く。

さて、私の方も輸送ヘリのパイロットを選別しなければならない。

相手も納得するベテランを起用しなければならんだろうな。

だとすれば、暇だ暇だとバカンスを決め込んでる我が社きっての幸運の男でも派遣するか。

 

「……それに、イタリアはまだ戦線が不安定。なら、あの娘達も共に預けた方が良いかもしれんな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、返信来た」

 

転生して2日目。

昨日送った契約依頼に対してジャックパパの会社から『こちらこそ宜しく。ただね、輸送ヘリを送る為のルートをそっちで確保してくれない?』っていう条件が来た。

 

まあ、それはそれで分かってたことだし一応強引に航路を開かせる方法もある。

 

「ただ今は領地奪取が先決かな。そっちの準備もあることだし」

 

キャロリンに聞いたけど大型建造の部類に入るからアレを建造すんのにかなりの資源がいるってんだよねー。

まあ、速度はカテゴリー中最速だから燃料を多めに資材突っ込めば作れる訳で、その大量の燃料を手に入れるためにこれから油田を攻略するのだが。

 

ふ、と机に置かれた端末を操作する。

画面上から編成のボタンを、編成人数など艦娘にはあろうが、山猫と鴉にはその概念など無いに等しい。

しかしその欄には未だ3つの名前が寂しく残るのみ。

 

されど一つ、2人からまた1人増えた。

 

当初こそ期待していた娘空ではなかったが、彼女もまた、それを補って余りある装備を持ってきてくれた。

 

その生い立ちが所以か、アリーヤにひっつき過ぎていて、他者にはーー俺に対してもーー冷めた感情を向けるきらいがあるものの、彼女もまたネクスト娘空であり、その速さは風見自身、ゲームを通して知っていた。

 

「今回はアリーヤ。アクアビット。そしてライールの3人に行ってもらう」

 

TYPE-LAHIRE

 

4の主人公、アナトリアの傭兵に壊滅に追い込まれた新興企業レイレナード社から生き残った技術者をオーメルサイエンスが取り込み、アリーヤの性能を受け継ぎつつもホロフェルネスの特性を残し、軽量化させたオーメルの新しい標準型ネクスト。

 

F-1カーに似たアリーヤとは趣を異にした戦闘機を彷彿とするそのアンバー色のフレームは空力抵抗も優れている。

 

その彼女だが、利発そうでいて実に冷めた目をしていて、クールな娘なのかな?と思ったら居合わせたアリーヤに凄くべったりというなど、非常にキマシタワーな性格をしている。

 

レイレナードの技術を用いて開発された後継機故の性格なのかもしれないがーーー実にイイと思います、ハイ。

 

因みに武装はレザバズとオーメルショットガン、PM四連ミサに近距離レーダー、更に横追加ブースターと、肩武装以外は仮想ラトナに負けず劣らず最新兵装ばかりでかなり良し。

 

しかしながらやはり横追加ブースターは害悪である。

 

そもライールは軽くてQB性能も高いのだから横追加ブースターは不要。

寧ろ燃費の悪化に繋がるしヴィジュもあんまと思うので着任早々即取り外す。

 

その際に、

 

「……チッ」

 

とゴミを見る目で舌打ちされた時のあのゾクゾク感(白目)自分の性癖の一端が……むしろ新しい世界への扉が開いた瞬間だった。

 

「いずれはレザバズも外して霧影みたいなアセンにしたいな。両手ショットガンと3連ロケで」

 

フレームも両者同じ軽量機だし、テクノロケットは1.30から魔改造されるからフォグシャドウを凌ぐ強さになるかも知れん。

 

んで外したレザバズと今度開発しようと思ってるあの師匠の背部兵装をアリーヤに搭載すれば………と考えていたところでアリーヤたちが油田基地に強襲を仕掛けるとの通信が入った。

 

『こちらアリーヤ。敵をレーダーに捉えました。情報を送ります』

 

戦闘モードに移行した端末上に敵のデータが映し出される。

駆逐イ級をベースに陸戦型の改造を施された歩兵い級、歩兵ろ級が大勢に砲兵ち級もいた。

コイツらは多分アーマードコア要素が増えたがための戦力調整とか領地戦開始のための措置だろう。

数もさることながらこちらの戦力は3人だけ、それでも俺はアリーヤたちが苦戦を強いられるとは思えなかった。

 

唇を舌で湿らせ、開いた目を獲物を刈り取る山猫のように細めた。

 

「全ネクスト。敵情報を更新。ーーーー敵部隊を殲滅せよ」

 

 

 



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油田基地襲撃

7話

 

 

戦闘モード起動。

アリーヤの被る帽子型ヘッドパーツの複眼が前方に見える敵を感知して一斉に見開く。

 

敵の数は30ほど、小銃持ちの歩兵級と擲弾持ちの砲兵級。

それらは高速で接近してきたアリーヤ達をレーダーに捉え、先んじて陣形を組んでいたようだ。

壁のように立ち並ぶ歩兵級達の背後で砲兵級達が獲物を今か今かと待ちわびている。

 

『イイイイイィィィィiiiiiiiii!!』

 

異形の全身から小銃が突き出、複数の砲身が迫る影に向く。

そのまま20あまりの歩兵級が小銃の一斉放火を浴びせる。

それはまさに嵐のような弾幕だった。

 

「当たりません!」

 

しかし、プライマルアーマーを持ち、高速で移動するネクスト娘空には一つたりとも掠りもしないか、プライマルアーマーによって弾かれていく。

 

アリーヤは歩兵級達の弾幕をものともせず、真っ直ぐに向かってくる弾丸のカーテンを横方向へのクイックブーストで強引に突破する。

 

「アリーヤ先輩に当てる気?死ね」

 

建物を遮蔽物に見立て、接近戦を仕掛けるアリーヤをレーザーバズーカで援護するライール。

一射一射が必殺の威力を持つその火力に機動性の無い歩兵い級達が爆発していく。

 

「いっくよー!」

 

水色のマフラーをたなびかせるアクアビットは空中からひらりと着地すると右手に構えたコジマライフルの引き金に指を当て、歩兵級の背後にいる砲兵級へ狙いを定めた。

 

「コジマァバーン!」

 

チャージも碌にしていないコジマライフルの閃光が擲弾の準備のために直線上に立つ砲兵ち級を三体纏めて消し炭に変えた。

そのままプラズマライフルを速射してち級の火力支援の牽制を行うと、流れ弾のプラズマエネルギーを喰らって一体のち級がその装甲をドロリと融解させ、崩れ落ちる。

 

『チッチッチ』

 

ち級は形勢の不利を認め、密集陣形を散開させ、火力支援を行うよう移動を開始する。

しかし建物の陰からその隙を虎視眈々と狙っていた影が飛び出すーーー敵陣奥深くへ侵入したアリーヤだ。

 

「逃がしま、せん!」

 

初手、ドラゴンスレイヤーによる単純な薙ぎ払いでち級の胴体が二つに分かれる。

次いで慌てて擲弾を込めた別の個体をマシンガンで穴だらけにすると次の敵を見定める。

 

『チチチチチチ』

 

だが、その時には既にち級の包囲網は完成していた。

アリーヤに向けて一斉に放たれる擲弾の雨、地面に着弾すると共に爆風と爆発が発生し、土煙が地上を覆う。

それに対して上空で攻撃をしていたライールは一瞬眼を見張るも、FCSが共有している味方機のAPが情報を更新したのを見て、ふん、と鼻を鳴らす。

共有されてたデータには、アリーヤのAPは少しも削れていなかった。

それが意味することは一つ。

 

「時代遅れの鉄屑共が。ネクストを舐めているの?」

 

ドヒャアッ!

 

風を切り裂くプラズマ推力の超加速。

ち級はすぐ傍をアリーヤが通り過ぎたことにも気付かず、ドラゴンスレイヤーの一刀に倒れた。

 

「敵、残り13、一気に殲滅します」

 

 

この日、ネクスト娘空3機の襲撃によって、深海棲艦が保有する油田基地が奪われるのであった。

 

 

 

 

戦闘結果

 

場所:深海棲艦油田基地

vs.歩兵い級×22(全滅)砲兵ち級×11(全滅)

戦果:勝利

 

アリーヤ Lv6→Lv7

 

アクアビット Lv2→Lv4

 

ライール MVP Lv1→Lv3

「アリーヤ先輩……ライールのこと見てくれましたか?ライール。凄く頑張りました」

 

ドロップ:なし

 

領地奪取:油田基地

 

 

 

 

「よし油田基地を確保だ。直ぐに妖精さんを送って燃料の生産をしてくれ!」

 

アリーヤ達が油田基地を襲撃し、敵は全て殲滅。

制圧した油田基地を管理するために鎮守府から妖精さん達が派遣される。

 

「ヒャッハァァァァァようやくこのコジマ施設からオサラバァ!!?」

 

「あばよ、コジマ馬鹿どもー!ウッヒヒヒヒヒヒ!!?あ、アレは主任!?貴様、何をする気だ!!?」

 

「いやいや。ちょっとお引越しの手伝いをね!?」

 

「ヒュージキャノンで手伝いなんて「ドガーン」ウワアアアアアアアアアア!!」

 

各々のMTに乗り込み、ネクストのOBに追随するレベルの速度で海上を疾駆する妖精の姿に俺は何も言えない気持ちになる。

どんだけブラックなんだろうね、この鎮守府。

 

「いやいや。案外珍しいんじゃない!?妖精に対してブラックな鎮守府っていうのもさァー!!ギャハハ」

 

悪びれた様子のない諸悪の根源に溜息をつき、計画の進行を聞く。

 

「例の計画は?」

 

「ま、見たトコロ油田基地には燃料がたんまり溜め込まれるらしいから後は時間次第ってとこかナァ!1日、2日じゃ出来る代物でもないしねェ!」

 

「んー。圧倒的戦闘力の代償が建造時間ってとこかね」

 

大型も超大型、こうなるとか分かっちゃいたんだけどね。

さて、今この鎮守府の解放ドッグは2つで内一つは巨大兵器の建造に使うから、後一つでネクスト娘空かノーマル娘鴉のどっちを建造するか。

 

「ハイハーイ。当分はノーマル娘鴉で防衛戦力増やしといたほうがイイと思いまーす」

 

「言い方むかつけどそれしかないよなぁ」

 

油田基地以外は少し遠いらしいし、当分は戦力の拡大かね。

輸送ヘリはアレが出来るまで向かおうにも向かえないし主任の言う通りこの鎮守府の防衛戦力が少ないことは事実であり致命的だ。

それに、油田基地を奪取したので基地が深海棲艦に奪い返されないようにするための防衛戦力を置かないといけないし、油田基地からラインアークへ資材を運ぶ輸送部隊も必要だ。

 

「林檎ちゃんチームが離れたらこの島直ぐに壊滅しそうだしな」

 

当分はネクスト娘空を周辺海域から油田施設の防衛に当てるとして、鎮守府は林檎ちゃん、不言、グリーンウィッチに任せるしかないだろう。

林檎ちゃんは場所を選ばない強さがあるし、もともとセントリーガン持ちの不言は基地防衛に相性が良いとして、グリーンウィッチか。

 

「全身EN兵器でフロートだから水没しないにしても息切れが激しいしそもそも地上でフロート脚部っつってもね……」

 

ここはやっぱり建造しまくるしかない。

防衛側と攻撃側も作っておきたいし。

 

「じゃあ、例の計画と並行してノーマル娘鴉を最低値で7回だ」

 

ベテラン勢が来てくれることを祈ろう。

例えば霧影とか霧影とか霧影とか。

イロモノ枠じゃ無い、安定感のあるノーマル娘鴉が欲しいです(願望)

 

「あいよー」

 

早速油田施設から送られてきた燃料で大型建造を行う主任が工廠へ帰っていく。

それとすれ違いで油田襲撃から帰ってきたアリーヤ達が執務室に入室する。

 

「お疲れ、アリーヤ。アクアビットちゃん。ライール」

 

3人の顔を順繰りにみて労いの言葉をかける。

まあ、観戦してた感じダメージも無かったし良かった良かった。

 

「ふふ、社長のお役に立てて良かったです」

 

「しゃちょー!次はどこに行くの?私はまだまだ元気一杯だよっ!」

 

「ライールはただ、アリーヤ先輩の為に手を貸しただけ。くれぐれもそれを勘違いしないで」

 

素直、元気、クールな美少女3人の返答にニヤニヤが止まらない。

ああ、俺!こんな可愛い子達に囲まれてなんて幸せなんだろう!

AC擬人化万歳!

 

「はは。とりあえず補給しとこうか」

 

「あ、そうですね。じゃあ、えっと、補給ドックに行ってきます」

 

戦闘を終えたアリーヤ達。

彼女達は今回の一戦で消費したコジマ粒子や弾薬の補給、更に消耗したジェネレーターやブースターとPAを展開する上で必須な整波装置の整備を行わなければならない。

これを一回欠かしたところで次に故障する訳では無いが、キチンと整備しなかったことで性能が劣化するのも面白くない。

 

というわけで戦闘後に時間があるならばこうして整備することを義務付けている。

なに分コジマ粒子及びコジマ汚染は……マズイ思考なのでそこは徹底させている。

ネクスト娘空は大丈夫みたいだけど人体にはかなり毒なんでね、コジマ粒子。

女神はゲーム本編よりは人体に悪影響は無いと言ってたけど工廠の妖精さんたち(廃人妖精多数)を見るにあたって信用できねえ。

帰って来て抱きついた挙句ジェネが壊れて粒子が漏れて俺が廃人ルートなんて笑えないからね。

 

 

 

 

整備ドック

 

コジマ粒子を補充したアリーヤ達はジェネレーターや各種ブースターを整備する為にこの一室に来た。

無論腕部やコアなどの各種パーツにネクスト娘空の命綱とも言える整波装置を修理することもこの整備ドックの目的であるが、今回の戦闘で被ダメージは無かったためにアリーヤは修理することはないだろうと考えていた。

 

「アリーヤ先輩」

 

「ふぇ!?」

 

しかし、背後に近づいたライールの奇襲により、整備ドックは突如脱衣ショーの会場となってしまった。

ライールの細い腕がアリーヤの軍服のラインをそっと撫でる。

たったそれだけで彼女の軍服を留めていたボタンがその拘束を緩め、その下の白シャツのボタンすらも瞬時に解かれてしまった。

 

「あぁ、アリーヤ先輩の肌……綺麗」

 

「ふぇ!?へ、ふ、ふぇ???」

 

一先ず、アリーヤの思考は奪われた。

ECMの効果でレーダーが全く効かなくなったように、頭の中が真っ白になってしまった。

その混乱に乗じてライールの魔の手がアリーヤの柔肌を駆け巡る。

 

はだけた白いシャツに覗く隙間に手を差し込み、そこに隠れた肌を下着ごと揉む、揉む、揉む。

その乱暴な手つきに堪らずアリーヤは振りほどこうと手を伸ばすが、ライールの腕部運動性能はアリーヤ型より高く、彼女の胸を蹂躙する手は動きを止めない。

 

「んっ、ん、んんっ///」

 

ならばと固く身を縮こませようにもライールの手つきは縦横無尽にアリーヤの身体を動き回り、胸から脇の下を、脇の下から腹部を撫でて中指でヘソを擦る。

ピクンピクンと反応するアリーヤを恍惚とした表情をしたライールの指先は更にその下へと下りていく。

更にヘッドパーツから展開されているセンサーカメラで録画と並行して連続写真を撮る始末である。

 

「はぁはぁ。アリーヤ先輩。はぁはぁ」

 

「〜〜ッ、ふぇぇぇ!ら、らら、ライールちゃんのエッチ!」

 

「2人とも仲良いねっ!」

 

アリーヤの体を思う存分セクハラするライール。

しかしやはり軽量機と中量機、アリーヤはダメージ覚悟で壁に激突し、壁とアリーヤの板挟みだったライールは「ごっつぁんでした♡」と一言、床に崩れ落ちたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ。少しばかり……抜くか」

 

アリーヤ達に整備と補給を申し付けたので、あと一時間はここに来ないだろう

ならば、とベルトを緩め、ズボンを下ろし、アリーヤ達との会話でいつの間にかいきり勃った息子を鎮めようと作業を開始する。

 

「はぁ、あんな可愛い子に囲まれてんのに……」

 

ため息をつく風見。

しかし日本人特有の奥ゆかしい性格と元々のヘタレな気性のせいでよく同人誌にあるような「ハイ、提督命令な?ハイ、僕の主砲のご奉仕どうぞ?ハイ、次は君の格納庫開いて?ハイ、主砲発射ぁー」みたいな展開に持ち込めないのだ。

いっそ媚薬でも作って貰ってヤっちまうかとも考えたが、見た目は女の子とはいえその実態はネクスト。

 

アリーヤにビンタされただけで生身の提督たる彼なら死にかねないのだ。

 

「まだ2日目だし焦ることはないぞ。俺」

 

まだまだ機会はたくさんあるだろうと寂しく1人作業の風見。

そんな彼の主砲を優しく握ってくれる手が。

 

「え」

 

「ふむ。手こずっているようだな。尻を貸そう」

 

美尻をこちらに向けてぐいと突き出し、腰に手を当てて此方を見つめる干のアンテナを持つ娘。

 

尻神、此処に降臨。

 

 



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干 産廃 黙 黙 黙 興 霧

最近カーパルス占拠をアクアビットマンやとっつきタイムアタックしてる動画ばっかり見ています。
やっぱ変た……ドミナントって凄い!しか感想が浮かばないんですが……。
なんであんなアセンでクリア出来るんですかぇ。


 

 

 

「手だけでは味気ないだろう。ふむ、尻を貸そう(キリッ)」

 

「な……ぁ……ぇぁ」

 

パクパクと口が開いては閉じ、開いては閉じる。

陸に上がった魚がよくこんな姿を見せるのとおんなじだと俺は思った。

 

つまり魚も今の俺と同じで陸に揚げられて恥ずかしくて口をパクパクさせるんだ。

それは特段悪いことではなく、そもそもこの場で一番悪いのはこの女だ。

勝手に執務室に入りやがったこの女が悪いのである。

 

「どうした?やらないのか?」

 

「ぇ、いゃあの……その」

 

目の前にいる女に見つめられてつい俯いてしまう。

それ程までに彼女は美しかった。

緑色の切り揃えた前髪、切れ目の瞳、スッとした鼻に整っている輪郭、ぴっちり着込んだスーツからは柔らかな双丘が自己主張している。

そして頭部から伸びる干のアンテナ、そしてヤラナイカ発言。

 

察したよ、そりゃ察するわ。

こんな特徴的な女が他にいるはずねえだろ。

いや特徴的で分かりやすいけどなんでネタキャラムーヴしてんだよオイ!?

 

 

 

アーマードコアでも有名な(?)ネタキャラ、ゲイヴンの二大巨頭とも言うべきAC3のキャラ、ゲドが搭乗する武器腕逆関節ACゲルニカ。

 

 

 

それがこの痴女の正体だった。

 

「ふむ。尻では抜けない派か。イイだろう。ならば手を貸そう(キリッ)」

 

「いや……あの、ほんと……ちょっと、出て貰っていいですか?あの……色々と整理したいので……(小声)」

 

オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ。

いきり勃った息子を鎮めようとしたら美少女と形容すべき干に見られてしかもご丁寧に「手こずっているようだな、尻を貸そう(キリッ)」とか言われたぞ。

は?

いやいやいや待て待て待て展開が急すぎて着いていけないんだが何だこれは?俺はこの展開に身を委ねて良いのか?オイ女神!こういう時こそチュートリアルをだな……。

 

「遠慮することはないぞ(キリッ)」

 

あいややっぱりこの残念女から、逃れる術を、下さい。

 

「いやあの、ほんと。……ゲルニカ?さん?ですかね?その、頼みますんで一度部屋から出てくんないですか?いや、マジで俺の精神がマッハで消し炭なんで……あの、本当、お願いします」

 

「ふむ。分かった。君は他人に頼らず自分で抜く派と言うわけだな?(キリッ)」

 

いや、キリッ、じゃねーよ。

凛々しい顔つきに騙されるけどコイツ痴女だから。

この顔に騙されてホイホイシゴかれたら俺終わりだから。

 

「そ、そうして……ウン」

 

ゲルニカが至極残念そうに部屋を出る。

 

一度背もたれに深く沈み込み、深呼吸をする。

 

「………」

 

はい。

終わっっっったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

「ウワァァァァァァァァァ!!あの尻オンナァァァァァァァふざけんナァァァ!?普通コンコンって扉叩いてから入ってくるだろおおおおおお!!入ったとしても空気読んでそとで待っとけよおおおおおおおおウワァァァァァァァァァ」

 

発狂、しかしこれも仕方ないのだ。

俺だって男さ、それが抜こうとナニをボロンした直後に女に見られるんだぜ?恥ずか死寸前だよ。

とりあえず今はこうやって発狂して気持ちを落ち着かせることにしよう……。

 

………そして抜く時の為に部屋の扉を外部から開けられないようにするんだ、絶対。

 

 

 

 

数分後

 

 

 

「入りたまえ。ゲルニカ君」

 

「失礼するぞ。ん?抜いてないようだな」

 

「そこには触れないで。というか入っていきなり匂い嗅がないで」

 

ゲルニカが部屋に入り、鼻をクンカクンカさせながら執務室を彷徨く。

すぐさま止めて顔を見つめるが、ほんとに容姿だけは美人だよな、性癖は残念だけど。

 

「ン、武器腕逆関節のゲルニカだ。よろしく頼むぞ」

 

ゲルニカと握手する。

その時ゲルニカの揉み揉みする手つきがとてもいやらしい感触で鳥肌がぞわぞわ立ったね。

アレ?擬人化したAC達にセクハラしようと思ってたら逆に俺がセクハラされてないか?

いやマジでどうしてこうなった。

 

「と、とりあえずゲルニカには鎮守府の防衛ね。林檎さんチームに入ってよ」

 

「林檎、さん……?」

 

エスペランザのことね、と言うとゲルニカの顔つきが野獣先輩のようになったので林檎ちゃんに向け心の中で合唱する。

 

「それと最初の出来事は忘れるように」

 

ゲルニカに釘を刺すことは忘れない。

というか、寧ろこっちの方が本命なんだけどね。

 

「ンン?私も男は定期的に抜かなければ体に悪いことは分かっているつもりだ。なんなら今後私が射◯管理をしてやっても」

 

「ごちゃごゃ言ってねーで忘れろ。良いな?」

 

「あ、ああ。分かった。だからそのおぞましいナマモノは締まってくれ」

 

交渉で主任から貰ったナマモノAMIDAを両手に持って脅すとゲルニカは了承してくれた。

なんか誤字がある気がするけど、あの出来事を忘れてくれなら気にしない気にしない。

 

「風見さん。何かご用ですか?……って、げ、げ、げ、ゲルニカさん!?なんで、此処に!?」

 

「ふむ。エスペランザか」

 

さっき呼んでおいた林檎ちゃんにゲルニカを引き渡す。

その際に林檎ちゃんのほおが引き攣り、ゲルニカの目がギラリと光って舌なめずりを高速で5往復したのを俺は見てしまった。

恐ろしく速い舌なめずり、俺でなきゃ見逃しちゃうね。

 

「じゃ、林檎ちゃん。貞操に気を付けて頑張って」

 

「え」

 

「ではイクぞ、エスペランザ」

 

「風見さんちょっと待ってくださ、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?ゲルニカさんやだぁぁぁぁ!!助けて風見さんんんんんん」

 

「遠慮するな。そうだ尻を貸そう!」

 

涙目でこちらに助けを求める涙目の林檎ちゃんに軽く手を振って送ってあげた。

多分次に会う頃には調教されているでしょう(ゲス顔)。

 

「社長……い、今の方は?」

 

林檎ちゃん達と入れ違いでアリーヤ達が帰ってきたのでゲルニカのことを厳戒注意付きで説明しておく。

アリーヤはどこか遠い目をしてライールを見て頷いたが……はて?整備中に何かあったかな?ライールも恍惚とした顔でシラを切ってるし。

 

「あ、そういえば工廠で建造完了したノーマル娘鴉を連れて来ています」

 

「おー、ありがとう。アリーヤ」

 

アリーヤの皆さんどうぞ、の掛け声で中に入ってくるノーマル娘鴉達。

 

林檎ちゃんを連れて行ったゲルニカを除く6人のノーマル娘鴉である彼女達に自己紹介をする。

 

「このラインアークの社長をやってる風見空だ。これからよろしく頼む」

 

「ん、今日はレールガンの調子が良い、ね。カスケード・レインジ。レールガンのことなら任せて」

 

「よく建造してくれた。残念だが期待していたノーマル娘鴉などはじめからいない。騙して悪いがこちらはビルニーズなんでな!よろしくして貰うぞ!」

 

「まんまと騙されてくれたな。開発されたのがこのサウスネイルとも知らずに。おめでたい野郎だ!だが安心しな。直ぐに楽にしてやるよ!」

 

「クックック、随分と調子良いみたいだねぇ?この僕、ピンチベックが開発されたとも知らずに!」

 

「おい、マジかよ!夢なら醒め……!」

 

フロムマジックのムービーで有名な産廃レールガンの使い手であるノーマル娘鴉AC、カスケード・レインジを筆頭に騙して悪いがシリーズの3騙トリオ……だと!?ば、馬鹿な。

 

「ふぅん。遅かったじゃないか……」

 

!?

 

「建造はすでに果たしたよ……彼がな」

 

バケツ頭を被った女ーーーー紛れもなくアーマードコアLRストーリーに関わる重要なレイヴンにしてゲイヴンという非公式ネタでも屈指の知名度を誇る〝弱王〟〝興〟ことジャック・Oが使うノーマル娘鴉AC、フォックスアイだと!?

 

「だ、だがお前はゲルニカと同じくノーマル〝娘〟鴉だ!ゲイヴンでないのならば俺に恐る要素は何一つないぞ!」

 

「(股間型射突ブレードを見せつけて)ヤらないか」

 

「ウワァァァァァァァァァァ!!」

 

フォックスアイの股には立派なとっつきが天を貫いていた。

その大きさに慄く 3黙トリオと俺……カスケード・レインジは産廃レールガンを磨いている。

 

「ふざけるな!産廃レールガンに3黙トリオに干に興とかノーマル娘鴉の排出率どうなってんだ!!明らかに偏り過ぎだろうが!クソが!」

 

ただでさえゲルニカだけでも林檎ちゃんを生贄にしなくちゃいけないぐらい手一杯だってのにこれ以上のゲイヴン戦力の拡大など認められるか!

 

「私の上に立つに相応しい実力か否か……」

 

!?興が此方に狙いを定めた!?や、ヤられる!!!

 

「アリーヤ!俺を守って下さいお願いします!」

 

「え、えぇ……ど、どういうことですか???」

 

ネクスト娘空であるアリーヤを俺と興との間に配置することで安全領域を作り出す。

いかに興と言えどネクスト娘空とノーマル娘鴉の間には圧倒的な戦闘力の隔たりがある。

奴がアリーヤという壁を突破して俺を押し倒すことは不可能だ!(フラグ)

 

「ふむ。やはりネクスト娘空が相手では此方が不利か。……ならば」

 

「「「!!?」」」

 

ネクスト娘空を相手は不利と悟った興が3黙トリオに振り向く。

ビクッと体を震わせて興と視線を合わせまいと俯く3黙トリオとジーッと見つめる興。

カスケード・レインジは産廃レールガンを磨いている。

 

「ヤバイ。コッチミテル…!」

「バカ、メヲアワセルナ!」

「ヒ、ヒィィ……」

 

「ハメ慣らしとしては十分か。良いだろう、私が相手になる。バアッーテックスとして相応しい実力か否か……ハメさせてもらうぞ!」

 

「ちくしょう!」

「じょ、冗談じゃ……おい!加勢してくれ!」

「ヒエッ!?」

 

一斉に執務室から飛び出す3黙トリオとクラウチングスタートで一気に飛び出していった興。

数秒後に「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」「ぎゃぁぁぁぁぁあ!!」「助けてぇっ!?」………と3人の悲鳴と共にガッシャンガッシャン硬いもの同士がぶつかる音が聞こえーー「手こずっているようだな。尻を貸そう」「遅かったじゃないか……」

 

「………もう嫌だぁこの会社…」

 

「だ、大丈夫ですよ!社長。あと1人ノーマル娘鴉がいますから!きっとマトモな方ですよ!……多分」

 

「〜〜〜♪(拭き拭き)」

 

最悪のノーマル娘鴉部隊が完成したことに頭を抱える俺を慰めてくれるアリーヤ。

カスケード・レインジは産廃レールガンを磨いている。

 

コンコン

 

「あ、最後のノーマル娘鴉の方ですね!」

 

「頼む……せめてマトモな……。ストーリーに出てなかったり、影が薄くても良いしこの際重量過多でも良いのでマトモな思考回路のノーマル娘鴉を下さいぃぃぃ」

 

ゆっくりと開かれる扉。

何故か扉の先から眩い閃光が漏れ、あまりの眩しさに目を細めて開かれた扉から現れたノーマル娘鴉を見る。

まさか……か、確定演出だとでも言うのか!?

 

「すまない、着任が遅れてしまった。軽量二脚型ノーマル娘鴉ACシルエットだ。指揮官としての手腕、期待している」

 

「霧影先生キターーーーーー!!!」

 

キタキタキタキタキタァァァァァ!!

興干3黙トリオを引いてしまったのは痛すぎるがそれを帳消しにするハイパーつよつよノーマル娘鴉ァァ!!

 

「うおっしゃぁぁぁ!!勝ったぁーーーー!!勝ったぁーーーー!!!」

 

何度もガッツポーズを繰り返す俺を見て苦笑するアリーヤと霧影先生。

しかし此処で改めて今回の建造ガチャを振り返ってみよう。

1ゲルニカ(ゲド)

2カスケード・レインジ(BJ)

3ビルニーズ(ランバージャック)

4サウスネイル(ズベン・L・ゲヌビ)

5ピンチベック(モリ・カドル)

6フォックスアイ(ジャック・O)

7シルエット(フォグシャドウ)

1〜6までで既に終わってる感が否めないがそこから霧影先生を引いたことでなんとか大爆死にならずに済んだと言った所か。

この中でトップクラスに戦闘力が高いのはシルエットだ。異論は認めない。

多分艦これのレアリティで言えば桜ホロじゃないかな……そんぐらいつよつよノーマル。

 

 

 

軽量二脚ACシルエットはAC3サイレントラインに登場するレイヴン「フォグシャドウ」が扱う機体だ。

W鳥のショットガンにミサイルとエクステンションミサイルに小型ロケットとデコイを積んでいて、その特徴は優秀なCPUロジックによる洗練された動きだ。

その上プレイヤーに対しても紳士的なメッセージを送ってくる等、荒くれ共やネタキャラ、個性あふれる面子の中で異端児となる爽やか系キャラクターなのでサイレントラインのレイヴンの中でもトップクラスに人気なキャラクターである。

 

「そこまで期待されると少し面映いが、期待に応えられるよう努めさせてもらう」

 

新たに7人のノーマル娘鴉が加入したので戦力を分けてチームを作ることにする。

尚、その際興と干と同じチームとなるノーマル娘鴉の被害は考えないものとする。




干………エロい体つきのエロい女。尻神。全身タイツ。

産廃レールガン……真名をカスケード・レインジという。一日一回だけレールガンを破壊されても何処からか新品が届く。

3黙トリオ……女子高生シリーズであり、それぞれのニーズに合わせた騙して悪いがを展開してくるぞ!
靴箱ラブレターで駐車場に呼び出す系清純派騙して悪いがビルニーズ。
ポンコツギャル系騙し悪いがサウスネイル。
調子乗ってお仕置き食らう系騙して悪いがメスガキピンチベック。

興……バアッーテックスの元締めであり、バケツを頭に被ったイイ女。何故か体の構造を変えることが出来るようで男モードになるとバケツを被ったゴンさんになる。ホワイト・グリントを見かけるとブルーアイズホワイトネクストと呼ぶ。キングハメリスト

霧影先生……我らがドミナント。真・ノーマル娘鴉


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黒い甲虫

初期アリーヤで輝美と真改師匠を倒すことが出来たので初投稿です。

アーマードコアの最新作の発表が何一つ出てきませんが、マブラヴはアニメも始まり、プロジェクトミカエルも期待出来そうです。

プロジェクトミカエルは課金DLCでも良いので全戦術機とサンダーボルトや海神を出して欲しいですね。因みに日本製だと不知火、不知火壱型丙、不知火弐型に黒武御雷。外国製だとサンダーボルトIIやグリペンが好みです。



 

ノーマル娘鴉の数が増えたので部隊編成に手を付ける。

 

先ずノーマル部隊αこと林檎ちゃん部隊

林檎ちゃん

霧影先生

ビルニーズ

サウスネイル

ピンチベック

 

3騙トリオが些か不安な感じだが3騙は所詮3騙相当の実力しか無いので裏切ったところで霧影先生に殺られるだろう。

 

主な任務は島内の未開拓領域を探索・調査だ。

 

キャロリンによるとこの島には開発されてないだけで豊富な資源が至る所に隠れているらしい。

しかし島内をウジャウジャと野生生物が徘徊しているため妖精だけでは手出し出来ないのだとか。

なので林檎ちゃん部隊には野生生物を追い払ったりしつつ資源の調査を行ってもらう。

ゆくゆくは遠征部隊や傭兵部隊として育って行けたらいいなぁと思ってる。

 

 

 

続いてノーマル部隊βのグリーンウィッチ隊

グリーンウィッチ

不言

トールハンマー

 

この部隊は深海棲艦が侵攻してきた場合の迎撃部隊だ。

 

セントリーガンを装備して手数とデコイを稼ぎつつ水上を移動出来る不言に全身EN兵器を装備するフロート脚部のグリーンウィッチ、トールハンマーはまあ……動くデコイというか、肉壁というか。

 

 

最後に興と干。

 

興はゲーム本編の設定的に有能キャラなので俺の補佐をして貰ってる。

まあ、決して背後に立たせてはいけないアーマードコア版大淀みたいなものだと考えれば良いか。

干は建物内を彷徨いて好き勝手にマーキングしているようだ。マジふざけんな

 

 

そしてウチの主力となるネクスト娘空。

彼女達は補給が済み次第順次海域に出撃して深海棲艦の拠点を襲撃しては溜め込んだ資源をかっぱらってきてもらっている。

オリョクルや遠征真っ青のウチの資源物資稼ぎ頭である。

 

 

 

そんで期待の超大型建造だが、深海棲艦の油田施設から燃料をかっぱらって注ぎ込んだ結果、ORCA旅団製アームズフォート〝ジェット〟が完成した。わーぱちぱちぱちぱち。クソが!

 

このジェットは超巨大なレーザーブレードとレーザーキャノンを装備した芋虫野郎で攻撃の届かない距離や上空からグレネードキャノン又は魔改造ロケット連射で火だるまにされる哀れなアームズフォートだ。

まあレザブレで切り刻まれたりとっつきでお手軽クッキングされる量産型アームズフォートに比べれば手強いとはいえ全アームズフォートの中でも下位に位置する強さだろう。

 

ちなみに俺の中ではハードモード母ちゃん、ハードモードアンサラー、ハードモードスティグロ、ノーマルモードソルディオスって感じ。

 

母ちゃんもアンサラーも近づくまでのミサイルがエグいしスティグロは逃げ足が速い。

しかしソルディオスは何故ハードモードだととっつき喰らわせれば瞬殺されてしまうのか……。

 

あ、ネクストだとホワイト・グリント(fa)真改、グレディッツィアに銀翁の四天王だ。

 

PV見て感動して初めてプレイすることになったアーマードコアfAで最初の壁にしてトラウマ。fAを暫く積みゲー化させたアナトリアの傭兵に開始早々OBで突っ込んで行ったレイテルパラッシュを文字通り瞬殺させて一発でもガトリングを喰らわせたらそこから硬直させて固め撃ちフルボッコだドン!でプレイヤーをぶち殺す弾幕の鬼グレディッィア。

 

突如アサルトキャノンをぶっ放してきたと思えばプラズマライフルのECM障害で訳もわからないままなぶり殺される銀翁。

 

最後にリトライ回数は10を超え最終的に開始地点の狭い一直線でヤケクソ気味に魔改造ロケット連射で殺した真改先生が対ネクスト戦の思い出か。あの時ほどテクノクラートの魔改造ロケットに感謝した日は無かった……。

というかレイテルパラッシュが弱すーーごほんごほん。

 

 

番外編でAC4の自立型ネクスト。

まさかロボゲーでゾンビ系パニックホラーを体験するとは思わんかった。当時必死に引き撃ちしながら悲鳴上げてたわ。

 

 

 

話が逸れたがジェットは暫定的に拠点防衛に置き、当分超大型建造は行わないことにしてノーマル娘鴉、ネクスト娘空を建造していこうと思う。

 

艦娘に限ったことではないが、アリーヤ達ネクスト娘空も林檎ちゃん達ノーマル娘鴉も全員が整った顔立ちの美少女揃いなのでいずれアイドルプロデュースして企業アイドル化させるのが目標だ。

 

歌って戦う傭兵アイドル、戦闘シーンやライブ中継でファンを獲得しつつ企業の商品を宣伝させる事で利益を出す。実にいい考えだと思わんかね?

 

 

 

始まってもいない絵空事を思い浮かべてニヤニヤしてるとフォックスアイがタブレットを渡してきた。

 

「ふむ。どうやら探索に向かわせたノーマル部隊が何か見つけたようだ」

 

映像に映ってるのはどうやら林檎ちゃんのようで赤ベースに黄色のサブカラーを取り入れた芋っぽいジャージ姿の林檎ちゃんが泣きながら走っていく姿とその背中を追いかける巨大AMIDAの姿が見えた。

 

「えぇ………いや、なん……えぇ……?」

 

いやどう考えてもおかしいだろなんで無人島にAMIDAが発生してんだよ突然のことすぎてちょっと笑うわこんなん。

 

「ノーマル部隊はどうなってる?」

 

「現在AMIDAと思わしき個体と交戦中。サイズは1メートルから5メートルほどの個体と10メートルクラスの個体が確認されている。小型種はノーマルでも十分撃破可能だが、大型種には攻撃が効いていない。ーーーエスペランザ隊は敵生物の脚部に攻撃を集中させろ」

 

木々を薙ぎ倒して奇声を上げるAMIDAと必死で逃げ回る林檎ちゃん達に出来る限りの時間稼ぎを命令しつつ地形データを立ち上げてオペレートを始めるフォックスアイ。

巨大AMIDAが本拠地に到達する前に撃破しなくてはならない。

アレがここまで来たら蹂躙されてしまう。

 

「ネクスト娘空はまだ帰って来ないか。チッ、ネクスト組に緊急帰還命令を出してグリーンウィッチ達を通過予測ルートで待機させろ!この際干もだ!絶対に奴らを此方に到達させるな!」

 

そんでこの事態を引き起こしたに違いないキサラギのバカ妖精共をしょっぴかせろ!どうせ奴らの事だ、研究開発した後杜撰な管理で野に解き放たれたAMIDAが野生で繁殖したとかそんなところだろ!

 

「キサラギなら対AMIDA用のガスを併せて開発してるはずだ!」

 

窓に目をやると遠くの方に土煙が、振動と一緒に地鳴りと爆発音もセットで付いてきやがる。

 

「防衛ラインまで5kmを切った。グリーンウィッチ隊、及びアームズフォート級ジェットの配備完了。ジェットはマークされた目標にレーザーキャノンを発射しろ」

 

そこからは正に怪獣大戦争だ。

アームズフォートのレーザーキャノンを何発も喰らっても動き続ける巨大AMIDAの口からぼとぼとと迸る酸が周囲の木を瞬く間に腐食させ、ノーマル娘鴉総勢での射撃も巨大AMIDAには通用せず、人型サイズのジェットと巨大AMIDAの脚部が衝突した時には轟音と衝撃波で部屋中の窓ガラスが一斉に割れた。

まるで昔ジブ○で見た風の谷のナ○シカで王蟲と巨神兵の戦闘シーンみたいだぜ。

 

「……………ジェットが建造されて良かった」

 

アームズフォート対巨大AMIDAの対決は全身から巨大なレーザーブレードを発生させた無双乱舞でのK.O.だった。

ノーマル娘鴉のEN兵器すら弾いてみせる巨大AMIDAの脚部を一刀両断にして身動きも出来ないダルマ状態にするや否やその全身を切り刻んで戦闘終了。

 

……流石はセレン・ヘイズ改め霞スミカが「中途半端なビルなど、チーズも同然だ」と評した巨大レーザーブレード。

AMIDAの体液が雨のように降り頻る死骸の上に黒いロングコートを着込んだジェットがどんなアームズフォートよりも頼もしく見え、ついジェットさんパネェ……と呟いていた。

 

………芋虫野郎とか言ってごめんな?

 

 

 

その後補給させたノーマル娘鴉とジェット、帰還したネクスト娘空で部隊を分け島内のAMIDAを駆逐させたが完全に駆逐出来たとは言えないようだ。

 

その事についてキサラギ妖精を拷問させると巨大AMIDAは独自の巣というかコロニーを築いていて全体の個体数は不明とのこと。

 

幸いにも海を渡って日本や他の大陸に移動することはできないらしいが………マ○ラヴじゃねえんだぞコラ!企業産のBETAで深海棲艦と艦娘のパワーバランスが一気に崩れるだろうが!

 

駆逐したAMIDAの死骸だが、どういう原理か野生繁殖したAMIDAは取り込んだ物質を身体全体に生成させるらしく、巨大AMIDAからは鉱物資源、小型AMIDAはまだ酸を吐き出すことができないからなのか、体液から燃料を手に入れることができた。

 

こうして林檎ちゃん部隊には探索・調査の他にAMIDAの間引きとAMIDA資源の確保が任務に追加される事になるのだった。

 

それはそうとしてキサラギ妖精は全員処した。世界の平和のためなので仕方ないね。

 







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ノーカウントはこの先生きのこれるか?

ノーカウントで真改師匠と輝美を倒したので初投稿です。
タイトルは(関係)ないです

最終戦のウッディってさ、僚機だと弱っちい癖にロイニキと組むと途端に強くなるのなんで?なんでなん?うろちょろ飛び回りつつバシバシ当ててくるレーザーキャノンを一発二発でも真改か輝美に当ててくれれば師匠の空中切りに怯えながら戦うこともないんですが……なんで真改師匠はプレイヤーの尻ばかり狙うの?なんで空中飛び跳ねてる奴を平然と切り捨てるの?輝美はレザバズとプラズマ撃つ時だけこっち狙うのやめろ。

あと主人公の立ち位置を転生した鎮守府の提督から企業の社長ポジにしました。やったね社長!代表ポジになれたよ!


 

島奥に繁殖しているAMIDAの討伐を積極的にこなす事でAMIDAの死骸から鋼材や燃料をなどを手に入れられるようになり、資源入手が容易になった。

増えた資源で武器開発とACの建造に着手する。

 

まず兵器、ネクスト娘空アリーヤが装備しているレーザーブレード ドラゴンスレイヤーと小型のプラズマキャノンを外して新たにオーメルのレーザーバズーカと追加ブースター、肩にBFFフレアを装備。

 

主兵装は高威力のレーザーバズーカと牽制、迎撃用のマシンガン。

背中の追加ブースターで機動力をさらに底上げしつつ肩のBFFフレアでミサイル兵器にも対応できるようになった。

ダメ押しにOBをアサルトアーマー対応のインテリオルユニオン製のものに変え、プライマルアーマーと引き換えにアサルトアーマーで周囲を一掃する諸刃の剣にもなり得る切り札を持たせた。

 

このアセンブルは高威力だが弾数の少ないレーザーバズーカとマシンガンしか武装が無いので継戦火力に乏しいのが欠点と言えるが、元々の高い推進力に追加ブースターで底上げされた機動力で一気に距離を詰め、一瞬の内に火力を叩き込んで離脱する一撃離脱スタイルが命だ。

 

名付けるなら強襲型アリーヤと言ったところか。

 

敵の数が多くて離脱が難しい場合はアサルトアーマーによる目眩しを兼ねた広範囲攻撃で強引に突破するなど、武装の少なさを戦い方で補っている。

 

肩のフレアのおかげでミサイルの相手も朝飯前だが深海棲艦はミサイル兵器を持っていないのでコイツはヴィジュアルアセン用の肩部スタビライザーと化している。悲しい。

 

続いてライールのアセンブルも見直した。

 

腕部兵装はオーメル製のショットガンを両手に、背中には輝美・乙樽御用達の四連ミサイルにエコレーザーキャノン。

 

軽量級の軽快な機動力を活かして強襲型アリーヤに追従しつつ中射程のミサイルとレーザーキャノンで突撃するアリーヤを援護、アリーヤが荒らした敵陣に突っ込んでショットガンの二鳥撃ちで傷口を拡大させる。

 

上空から援護しつつ追撃も行うと、強襲型アリーヤと違って柔軟に攻撃して貰うため、遊撃型ライールと言って然るべきか。

 

最後にアクアビットちゃんのアセンブルについては最低限の機動性能を確保するために両手には小型のコジマキャノンと小型プラズマキャノンを此方も2丁格納、肩に加湿器を乗せ、背中には悪名高い、銀翁愛用のコジマキャノンを装備している。

更にコジマキャノンを運用するためにOBはインテリオルユニオン製のOBに載せ替えた。

 

重量過多を避けるアセンブルにした筈が、見るからに地雷臭プンプンなEN過多アセンになってしまった。何故だ(白目)

 

ま、まあ敵発見から開幕コジマフルバーストして強襲型アリーヤと遊撃型ライールが突撃した後閉幕コジマフルバーストする事で相手を必ず殺す。正に必殺型と言えるアセンブルになったんじゃ?……少々オーバーキル気味なアセンブルなんだけども。

 

機動、機動、火力と偏ってきた編成は俺の趣味嗜好なので仕方ないんだ。やっぱネクストは速さでぶっちぎってナンボでしょ。

 

 

 

続いて建造、鋼材やコジマ粒子をバランスよく設定してまあバランス整えたしローゼンタール製のネクスト娘空かローゼンタールとオーメル混合のユディトが出るやろと思ったらGA製のNSSが出やがった。

 

「はぁい!GAアメリカ社製中量ネクスト娘空GAN02-NEW-SUNSHINEよ。アンタがアタシのボス?これからヨロシク、ってげぇっ!?よ、よりによってコジマ狂いがいるじゃない!何よ此処!!fu○k!!」

 

「むむ!見たことない悪魔超人の気配!しゃちょーどいて!そいつ殺せない!」

 

なんで君やねん。お前コジマ燃料少なめ鋼材弾薬マシマシマンやんけ、GA機体の段ボール悪魔超人やんけ。バランスレシピで出てくる機体ちゃうやろ。ちょ、アクアビット、ステイステイ。

 

GAN02-NEW-SUNSHINE

 

GAアメリカ社最新型の中量級ネクスト娘空。

本編ではAMS適正の低いリンクスが乗っても戦力になるようなネクストを開発するって言うのがこのネクストの開発計画だったのに乗せたリンクスがリンクスだったのでNSSプロジェクトは候補者選定の時点で失敗してると思う。

 

計画の成果であるネクストのワンダフルボディ自体は高いAPに比較的マシになった(でも死んでる)機動力で飛びつつミサイルとライフルで相手を誘導して本命の散弾バズーカでズドン!相手がミサイル撃ってきてもフレアで対応力バッチリ!……とシンプルな撃ち合い戦を得意としてるのに実際戦ってみたらクイックブーストすらして来ねーもんな。ウッディに粗製呼びわりされてロイニキに鼻で笑われるのも当然だわ。えいぷー?セリフ可愛いよな、弾薬費のことは忘れろ(白目)

 

でも散弾バズーカのおかげで開始数十秒足らずでウッディ撃破したりロイニキ追っ払う時もあるから油断出来ねーんだよ。あと迷彩柄を含めてカラーリングは好きよ。

 

 

 

話は逸れたが、NSSフレーム自体は機動性が死んでるので趣味では無いが撃ち合い自体は強いネクストだ。

実際に、建造されたばかりのNSSが装備してるのは散弾バズーカとガトリングガン、背中には最新のミサイルと有澤製折り畳み式グレネードキャノン、肩にはダメ押しの追加ミサイルとドンパチしたくて仕方ないとアセンブルが語っていた。

 

「チッ、コジマ狂いと一緒に仕事なんて冗談じゃないけどボスの命令なら仕方無いわ」

 

「いやまだ何も言ってないけど」

 

「悪魔超人なんかに好き勝手させないっ!この島の平和はアクアビットちゃんが守るよー!」

 

「あ痛っ!?……f○ck。先のリンクス戦争もアクアビット社のせいで汚染地域がずいぶん拡大されたと聞くけど、コジマ粒子のお漏らしは直した方がいいんじゃない?時代遅れのポンコツお嬢ちゃん」

 

「な、なにおう!」

 

やめてやめてコジマの輝きを建物内で放とうとしないで!僕人間だから過剰摂取で死んじゃうよぉ。

 

 

 

 

 

新しく建造されたGAN02-NEW-SUNSHINE……NSSと略したら怒られたのでνサンシャインもといνサンちゃん(これは怒られなかった)をネクスト組に組み込んだが、リンクス戦争時敵対し、あまつさえ企業を壊滅させた(やったのは前作主人公のアナトリアの傭兵)GA社のネクスト娘空なのでもろ敵対企業のアリーヤとアクアビットちゃん、fAの時代になったら一気に関係が冷え込んだオーメル社のライールとは相性が悪過ぎた。

 

アクアビットちゃんはコジマ粒子を全身から光らせ低い唸り声で威嚇し、ライールはゴミを見るような冷たい目線を寄越し、さしものアリーヤも戦力としては見ているのだが割り切れていないようでその顔つきは険しい。

 

「ふぅん。ねぇボス。コイツらと一緒に運用するくらいならアタシ1人で出撃する方が後ろ弾を気にしないし、気にしなくて済むんじゃない?」

 

νサンちゃんの誤射も、アリーヤ達からの誤射もあり得ると肩を竦めるνサンちゃん。

 

……………まあ、実弾耐性がありミサイルやガトリングの継戦火力とバズーカ、グレネードキャノンといった高いパンチ力も併せ持つνサンちゃんなら変に組ませるよりは1人の方がやり易いか。

 

「悪いな、すぐ有澤製かBFF製の最新型ネクスト娘空を建造してみるよ」

 

「ふふ、期待しないで待ってる。それじゃあね」

 

「……すいません。社長。割り切るには、もう少し時間が欲しいです」

 

「ごめんね、しゃちょー」

 

「…………………ふん」

 

bye、とνサンちゃんは周辺海域を東に出撃、アリーヤ、アクアビットちゃん、ライールは反対方向に飛んで行った。

 

「うーん。企業間の関係性は如何ともしがたい」

 

「対立を煽るなら派手に動けばいい。が、しかしその逆に持っていこうとするならば、地道に積み上げるしかないだろう」

 

自身もバーテックスを纏め上げ、アライアンスと対立したジャック・Oの愛機が言う。

 

「どうにもならないことだが、最初期に1人ずつ建造されていれば嫌悪感は別として手を組むことは出来ただろう。だが派閥というのは3人以上いれば自然と出来るものだ。だからこそ企業間のパワーバランスというものがあった。まぁ、私は意図的にその秩序を破壊したが」

 

戦うごとに進化する最強の兵器、〝粉砕するもの〟パルヴァライザーとその生産拠点インターネサインを破壊することが出来る最強のレイヴンを見定めるため、アライアンス、そして自身のバーテックスすらも潰し合わせ、見事にその計画を成功させた稀代の謀略家、そんな彼女は暑い暑いと着込んでいたトレンチコートを脱ぎ捨て、全裸にバケツ頭といった出立ちで書類作業をしていた。

 

「お前……めっちゃいいこと言ってたのに…言ってたのに……」

 

………まったく、なんとも締まらない女「尻を締めるのは得意だry」うるせえ!

 

 

 

 

森の奥深く、赤い装甲を纏ったノーマル娘鴉、AC名エスペランザーーー上司からはもっぱら林檎ちゃんと呼ばれる少女が、悪路を走り抜ける。

 

その背後には大小無数のAMIDAの群れが迫っている。

 

エスペランザが率いるノーマル娘鴉部隊の仕事は無人島の調査とAMIDAの討伐だ。

 

島の調査のついでにAMIDAを探索し、AMIDAを発見した場合はその群れを引き寄せ、アームズフォート級ジェットが攻撃を開始できる位置まで誘導するのが彼女達の任務である。

 

「はぁ、はぁ、はぁ。もう少しで目標ポイントに到達します!皆さんは大丈夫ですか!?」

 

『こちらシルエット。サウスネイルが喰われた。ピンチベックは既に目標ポイントに逃走、ビルニーズもミサイルで攻撃するが、群れに呑まれてしまった』

 

「そんな……」

 

『装甲と戦闘服を酸で溶かされた後に吐き出されたのを確認した。命に別状は無い。此方も冷静にポイントに移動するぞ』

 

「っ、分かりました!」

 

薄暗い森を抜けるーーー眩い光に目と頭部のカメラが一時的に処理落ちし、次いで視界が回復すると遠方に見えるラインアークとその前に陣取るアームズフォートに安堵のため息を吐く。

しかし既にAMIDAはエスペランザの背後に迫っており、数秒後には彼女の身体に食いついてしまうだろう。

 

背後に迫る圧力と地面を伝って感じる振動を誤魔化すようにエスペランザは息を思い切り吸い込むと通信機に向かって怒鳴る。

 

「こちらエスペランザ!ジェットさん!目標、来ます!攻撃を開始してくださぁぁぁぁぁい!!」

 

返答は一言、了解とだけ。

 

しかし次の瞬間にはエスペランザを喰らおうと口を開けた巨大AMIDAが意識外からのレーザーキャノン砲を受けてゆっくりと地面に倒れ込む。

 

「AMIDAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!??」

 

「うひゃぁぁぁ!!?」

 

次々と放たれる青い光弾、森から溢れる緑色の甲皮に穴を開け、巨大生物たちを仕留めていく。

 

同時にレーザーキャノン砲を放ちながらAMIDAとの距離を詰めてくるのは全身黒尽くめの女性と、腕を組んだ彼女を天辺に乗せた巨大なお椀型の陸上戦艦だ。

 

巨大AMIDAとジェットの距離はやがて0になり、巨大な質量と質量が正面からぶつかり合い、地震と見紛う轟音と振動が引き起こされ、エスペランザが地面に倒れ込む。

 

「うわぁ、す、凄い」

 

ぶつかりあった瞬間横凪に発生した巨大レーザーブレードがAMIDAの身体を一刀両断し、ジェットは全身から発生する複数のレーザーブレードと共にAMIDAの群れへ突貫。

囲まれることを厭わず、寧ろその方が殺り易いとでも言うように次々と巨大AMIDAを切り刻んでいく。

 

「行けるな、エスペランザ!」

 

「シルエットさん!はいっ、行けます!」

 

別ルートから合流したシルエットが差し出した手を掴み、立ち上がったエスペランザは小型のAMIDA群に向けてミサイルを発射しつつライフルを構える。

シルエットは既に小型種の群れに突っ込んで地面を滑るようにローリング機動して両手のショットガンを絶え間なくAMIDA達に浴びせている。

 

更にドカンドカンと遠い距離からグレネードキャノンの砲撃が飛んで来ているので安全地帯に避難したピンチベックが攻撃しているのだろう。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

AMIDAの集団を巧みに翻弄し、その後ろ姿すら残像が見えると錯覚してしまう。

偉大なる先輩ノーマル娘鴉、シルエットの背中に追いついて見せる!とエスペランザは小型AMIDA達の中へ突撃するのだった。

 

 

 

 

 

 

場面は変わり、ラインアーク周辺海域から東、頭部ヘッドパーツにダウンロードされている周辺マップを参考に、νサンちゃんは既に2つの深海棲艦の拠点襲撃を成功させていた。

ネクスト娘空の推力で強引に引っ張るコンテナには戦果とも言える資源が数多く収納されている。

 

初出撃でこれだけ大量ならばボスも喜んでくれるだろうと思案するνサンちゃんの顔は、撃ち足りない物足りないと不満げであった。

 

「ダメね、こんなんじゃ全然物足りない」

 

これではストレスで髪艶も肌も悪くなってしまうと溜息をついたνサンちゃんだったが、頭部ヘッドパーツが受信、更新されたデータマップを見てニンマリと頬を緩める。

 

この先2km先にこれまでより規模の大きい集積所を発見。

 

「さぁてさてさて。楽しい楽しいパーティーの時間よ」

 

オーバードブーストを起動したνサンちゃんは海域に展開された鈍間な艦をミサイルで襲撃し、展開された地上防衛部隊をグレネードキャノンで一掃、生き残りにはガトリングの弾を丁寧に叩き込んでやり、重く、頑丈そうな玄関口を散弾バズーカでドアが爆散する程勢いよくノックする。

 

「ハローエブリワン!グローバルアーマメンツデリバリーサービスがお客様の元へ素敵なプレゼントをお届けよ!返事もサインも要らないしお代もノーサンキュー!」

 

しかし、次の瞬間、建物から飛び出した砲弾がνサンちゃんを直撃する。

 

ドンドンドン、先の一撃を皮切りに次々と直撃する砲弾。

 

身動きもせず、爆風に飲まれていくνサンちゃんに不意打ちは成功したと陸上棲艦はニヤリ口元を歪めた。

深海棲艦の拠点を襲撃し、あまつさえ我々が溜め込んだ物資を根こそぎ強奪していく憎き襲撃者を撃破したぞ!と歓声を上げーーー

 

「あ〜ら、お代は結構よって言ったのに折角の歓迎会はもう終わり?じゃあ教えてあげる。パーティーポッパーはこうやって使うのよ!」

 

返礼の散弾バズーカが固まって攻撃していた陸上棲艦の身体を纏めて粉砕する。

ネクスト娘空用のバズーカ弾頭はその威力と弾速を効果的に発揮させ、直線上に並んだ装甲を容易く突き破れば内部の燃焼機関を再生不可能なまでに破壊させた。

 

陸上棲艦達の反撃などまるで豆鉄砲だとでも言いたげなνサンちゃんは爆風によって装甲表面に着いた埃を手のひらで軽く掃くと、衝撃で巻き上がった金髪を背中に流し、HAHAHAHAと笑う。

 

「こんな歓迎、レットダウンも良いとこね。あなた達はどう?アタシのプレゼントは気に入ってくれたかしら。……そう、それは良かったわ。お代は要らないって言ったけどそんなに喜んでくれたのならお宝は頂いていくわね。それじゃあ、bye!」

 

散弾バズーカの一撃で物言わぬ残骸となった陸上棲艦の有様に気を良くしたνサンちゃんは軽く頷くと物資保管庫は何処だとお宝探しを始めるのだった。

 

 

 

 

 

海域西

 

黒い、一筋の流星が海面を切り裂くように流れていく。

 

アリーヤ型が誇る高出力のメインブースターとオーバードブースト、そして背中に装備した追加ブースターによる加速力はラインアーク方面を警戒していた人型の深海棲艦に武器を構えることさえさせなかった。

 

「ゲギャッ!!?」

 

加速そのままに突き出されたアリーヤの爪先がブレーキ代わりの戦艦級深海棲艦の顔面にグシャリとのめり込む。

ぐらりと揺れつつも海面に立ち尽くす深海棲艦を足場兼盾がわりにアリーヤの構えたマシンガンの銃口が近くの重巡級を睨め付ける。

 

「グッ、敵襲ダーーガッ!?ヅァァ!!」

 

マシンガンと言えどネクスト娘空のそれは船の装甲を瞬時に穴だらけにし、内部機関を喰い荒らす。

ボン、と音を立てて重巡級の船体に爆発が生じたのを見届けたアリーヤは次の獲物として此方へ主砲を向ける軽巡級に狙いを定めた。

 

ドヒャアッ!

 

「ナッ!ドコニ」

 

クイックブーストを相手側に噴かすだけで深海棲艦は簡単にアリーヤを見失い、後はその無防備な背中にマシンガンを突きつけるだけ。

断末魔を上げて海中に没する軽巡級など既に意識から消すと周囲には彼女を囲むように陣形を組んだ深海棲艦達がそれぞれの主砲を構えていた。

 

「墜チロ!ーーッ!?ウ、上ダ!?」

 

上空から飛来したミサイルが深海棲艦達に突き刺さる。

慌てて上空へ機銃を向け迎撃態勢を取れば、それを嘲笑うかのように今度は赤い一条の閃光が駆逐級を貫いた。

 

上空からのレーザーキャノンによる狙撃、ライールだ。

 

「クソッ、空母ハ早ク奴ヲ撃チ落トセ!」

 

敵空母による艦載機が続々と発艦するも、空中を我が物顔で飛び回るライールには到底追いつけず、逆に後ろを取られてショットガンで返り討ちにあう始末だ。

 

「ハン、鈍間」

 

ネクスト娘空と戦闘機の空中ドッグファイトを制したのはライール。

依然、制空権を有しているのはネクスト娘空であり、苛立つ深海棲艦の目にアリーヤは映っていない。

 

「よそ見、ですか」

 

「ッ!?シマッ」

 

回避を、と意識を割いた時にはもう手遅れだ。

身体に力が入らない事に疑問を感じて視線を下にやれば、そこには大穴を開けた船体と盾が。

 

レーザーバズーカによる一撃はアーマードコアの世界ではネクストはもとより艦やノーマルにも施されている対レーザーコーティングなど、EN防御を一切施されていない深海棲艦をいとも容易く屠る。

 

「セメテ道連レニシテヤル!イケ!駆逐ドモ!」

 

かろうじて魚類の姿を形取る異形の深海棲艦達がアリーヤに噛みつこうと襲いかかるも、既に彼女はオーバードブーストを展開して一気に戦場から飛び去っていった。

 

「イッタイ、ナンナンダ。アイツラハ……」

 

意識外から突如現れ、深海棲艦を水面を漂う案山子だと弄び消え去っていったネクスト娘空に、今まで戦ってきた艦娘と何もかもが違うその存在に、人類を長年苦しめてきた深海棲艦でさえ未知の恐怖心を抱く。

 

「新必殺技アサルトバーストー!」

 

しかしそれも、やがて訪れる緑色の奔流に飲み込まれ、海の藻屑と化してしまうのであった。

 




ワンダフルボディ戦はプレイヤーがクイックブーストをバシバシ噴かしたりビルが障害物として機能するから散弾バズが当たらないのであって颯爽とオーバードブーストで飛んで行って10秒も経たずに撤退して行ったウッディとロイニキの情け無さを俺は忘れない。
あ、えいぷー?えいぷーは良いよ良いよ全然良いよASミサイル垂れ流して戦闘後にちょっと喋ってくれるだけで良いから!


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