超次元ゲイムネプテューヌ 光の輪廻と闇の輪廻 (超輪)
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プロローグ

1人の少年

運命とされ、定められた【最初】
全ての気まぐれが重なり
起こり得ない理によって巻き込まれる

はたして少年の運命は?


ここは......どこだ? 

 

気付いたら俺は電子世界のような大きな空洞の中を落ちていた。どうして落ちているのか、状況が全く飲み込めない俺は冷静を失い暴れる筈。でもどうしてかその気になれない.......いや待てよ?どうしてその気になれないんだ?

 

少年「先が見えないって事はこれは相当落ちてきたよな。こうなってしまったらやる事は一つ」

 

何がどうなってるのか分からないまま落ちていくか、この勢いのまま底に着いて粉砕されるか……の2つになる訳だよな。選ぶなら粉砕される事を選ぶ。

 

少年「気休め程度だろうけど 目でも閉じてるか」

 

俺はゆっくり目を閉じ、ただそのまま落ちていくのであった。

 

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目を閉じてからどこまで時が進んだんだろう。

 

何分間?何時間?何日間?………は言い過ぎか。

いや、いつまでかなんてどうでもいい、大きな疑問がある。

 

少年「落ちていく感覚が………感じない?いやまさかな」

 

状況を確認しようと目を開くと、見えた景色はさっきまで落ちていた電子世界のような場所とは違い、曇一つない綺麗な青空と昼寝にちょうどいい太陽の日差し……っておい!? ここどこっすか!?

 

少年「ちょっと待て、確認するぞ。さっきまで電子世界みたいな空洞で落ちてたよな?そうだよな?」

 

と自分に問いかける。

 

少年「ってなんで自分に問いかけるんだよ、とりあえず俺は助かったのか?」

 

一旦背伸びをして、その場で立ちあがって周りを見渡すと

まず目に付いたのが正面に見た事の無い大きな街が見える。白く先がとんがったタワーが目立ってる街。左を見ると川と森、右を見ると森、後ろは滝。場の状況を軽くまとめると、今いる場所は森の中に居て、どういう訳かここで倒れている……って感じかな?

 

少年「自分の体は……怪我もしていない痛みはない。砂埃少々と持ち物は何も無い。とりあえずこの森から抜けよう。って言っても前を歩けばあっという間に抜けられるがな。複雑だけど色々ラッキーな俺!」

 

早速っと前を歩く直後、後ろから「ポヨン」と言う何かが弾けたような音が聞こえた。その後ろを振り向くと。

 

少年「す、スライム?」

水色のゼリー状の物体がポツンと目の前に居る。ヌラ〜って鳴いてるみたいだが、ヌラ〜って……。

 

少年「え、えっと 仲間になりたいのかな?」

 

と自分が知る知識をそのまま言ってみたり。しかしそれは逆効果だった。

 

ヌラァァァァー!

 

少年「ちょ、ちょぉぉぉぉぉ! ま、まて!俺は何もしてない筈だろ! く、逃げないと」

 

ゼリー状の物体から逃げようと街へ向かう。すると遠くから薄紫色のロングヘアーの女の子が1人がこちらに向かって歩いている事に気づく。俺は必死に走り、女の子に助けを求めようと声をかけようとした時、どうやら女の子もこちらの存在を気付いたようだ。なんか我ながら情けない。

 

少年「そこの女の子!頼む!助け……」

???「あ!人が!伏せてください!」

少年「お、おう!」

 

女の子の指示通りその場で伏せる。女の子は、どこからか自分の武器と思われるビームサーベルを後ろのゼリー状の物体に向けて投擲し、見事に命中。ブロックと化し、消滅した。す、すげぇ。

 

???「大丈夫ですか?」

 

俺の目の前まで走って来て、心配そうに話しかけて来てくれた。

 

少年「ありがとうございます はぁー助かりました」

???「無事で良かったです、立てますか?」

少年「あ、うん 立てるよ。あの、助けてくれ早々なんですけど、ここはどこですか?」

???「ここですか?バーチャルフォーレストって言う森で プラネテューヌが管理する森です」

 

バーチャルフォーレスト…その名前を聞いた事が無い俺は首を傾げる。その様子を見た女の子は目を点にして動揺する。

 

???「あの、もしかして知らないんですか?」

少年「あ、えっと そのー…… うん」

ネプギア「そ、そんな…えっとすみません。自己紹介が遅れました。私はネプギアって言います。あなたは?」

「俺? 俺はー」

 

…………………あれ?自分の名前が分からないぞ?

 

ネプギア「どうかしましたか?」

少年「ごめん、自分の名前を覚えてないみたいで」

ネプギア「う、嘘………えっとごめんなさい ちょっと待ってくださいね」

「あ、うん」

 

ネプギアと名乗った女性はポケットからゲーム機かスマートフォンみたいな機械を出して操作し、耳に傾けると電話をし始める。

 

「あの、もしもし ネプギアです。いーすんさん、実は……」

 

何やら真剣に話をしている様子。にしても俺はこれからどうすればいいんだよ。聞き覚えのないキーワードが出たんだけど、しかも自分の名前が思い出せないとか、まあこれが何なのかは冊子が付くけど。

 

ネプギア「あの、すみません」

少年「はい、なんでしょう?」

ネプギア「あなたは記憶喪失の可能性があります。なので念のため、保護するので付いてきてください」

少年「あ、えと、はい」

 

やっぱり?何ていうか、ラッキーじゃなくてアンラッキーだな。ちくしょう。まあでも保護してくれるだけ、なんとかなるか。




定められた【最初】
それは異世界へ導かれる事だった

記憶喪失になってしまった少年はモンスターに襲われてるところを通りかかった【ネプギア】に助けられ、保護する為【プラネテューヌ】へ

少年は、この見知らぬ異世界でどう生きていくのか?

次回
Episode01 プラネテューヌ


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Episode01 プラネテューヌ

プラネテューヌ

 

す、すげぇー。街全体がデカイ!どこ見ても新世代的な建物ばっかりでとにかくびっくり!

 

少年「えっと ネプギアさん」

ネプギア「あ ネプギアで大丈夫ですよ」

少年「じゃあネプギア。ここって凄いな」

ネプギア「そうですよね!私もそう思いますよ。それより 大丈夫ですか?さっきの事がありましたし……」

 

さっきの事とは?街に向かう途中でネプギアに聞いたところ、俺を襲ってきた物体ははスライヌって名前らしい。ん? スライムとスライヌ?なんか似てるような…………。

 

ネプギア「あ もう少しで着きますよ、あれはプラネタワーと言って、この国、プラネテューヌのシンボルで私達の家です」

少年「い、家 …なんだ…」

 

遠くから見えたあのタワーが実は家って……世の中タワーを家にする貴族って居るんだな。ん? 私達?

 

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プラネタワー

 

ネプギア「ただいま戻りました」

少年「お、おじゃま……します」

 

タワーの中に連れていかれ、受け付けやら色んな職員の人達とすれちがい、大きなドアへと入って行く。

 

ネプギア「いーすんさん 居ますか?」

???「私はここにいます。こちらへ来てください」

 

奥から幼い声が聞こえた。俺はネプギアに付いて行き、いーすんさんと呼ばれる人の声が聞こえた面会室に入る。

???「おかえりなさいネプギアさん。そして、ようこそプラネテューヌへ」

 

……人………じゃない?

 

落ち着け、喋るぬいぐるみが浮遊する本に乗っている。で間違いないよな?つまり人じゃないって事だよね間違いなく。

 

???「あの〜」

少年「は、はい!」

 

目を何度もパチパチと動かす俺にぬいぐるみが話し掛けてきた。慣れない話し相手から声を掛けられた俺は緊張気味な感じで返事をする。

 

イストワール「まず自己紹介をさせていただきます。私はイストワール、このプラネテューヌの教祖と世界の歴史を記録する者です。以後お見知りおきを」

 

この街の教祖?それっていわゆる大臣の事かな?それと、世界の歴史を記録する者ってなんだろう?

 

少年「えっと……」

イストワール「その様子ですと、混乱してるみたいですね」

ネプギア「いきなり教祖や歴史の記録者って聞かされてすぐに理解するのは無理なんじゃ」

イストワール「一理ありますが、説明するには少々時間が掛かります。約3時間は掛かるかと」

 

はい、全く頭がついてこれません。ってそんなに難しい説明なんだ。とりあえず今は頭を真っ白にして1から整理していかないと。

 

少年「あの、すみません イストワールさん。少し時間をくれませんか?ちょっと頭の整理を」

イストワール「そうですね。そうした方が後々理解しやすいですし、念のため、使われていない個室を用意しましょう。ネプギアさん、案内してあげてください」

ネプギア「分かりました。いーすんさんは何かやる事はあるの?」

イストワール「私はネプテューヌさんを呼んできます」

ネプギア「了解ですそれじゃあ行きましょう」

少年「お、おう」

 

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ネプギア「着きましたよ」

 

用意してくれた個室にやって来た。ネプギアはカードキーを使って個室の扉が開く。ハイスペックだなーっていつの間に準備されてたんだな………

 

少年「はぁぁー やっと一休み出来る」

 

ベッドへ倒れるようにダイブする。このベッドの心地の良さは絶品でソフト感があってとても気持ちいい。このままベッドでゆっくりしてたら寝ちゃいそうだ。

 

ネプギア「あの、一つだけ決めておきたい事あるけど、いいかな?」

少年「決めておきたい事って?」

ネプギア「あなたの名前の事ですけど、どうしても思い出せないんですよね?なら、思い出すまでの間、仮の名前を決めておくのはどうかなって」

 

名前か、確かにそうだな。このまま名前を持たないでいたら色々不便だな。でもあいにく名前のセンスに自信がない。俺は早速自分の仮の名前を考える。しかしどうしても難しい顔をして案が思い付かない。

 

ネプギア「私で良ければ任せてください!好きな色とかありますか?」

少年「好きな色かー。…………この服の通り赤かな」

ネプギア「赤ですね!どしたらレッドっていう名前はどうですか?」

 

レッド?悪くないけど、もう一つ案外欲しいかな?

 

ネプギア「今Nギアを使って、名付けアプリで男性にあう名前を調べてみたんですけど……」

少年「え? Nギア?」

ネプギア「あ、この機械はNギアと言って、通話やアプリなどゲームやハッキン……じゃなくて色んな事が出来るんです」

 

ネプギアはNギアを持って、俺に見せた。ところで今の聞き間違いかな? ハッキングって聞こえたような……。

 

少年「そ、そうか それで調べた結果、どうだったの?」

ネプギア「えとですね、二つあります。ジンとシュウです」

 

ジンとシュウか、ジンとシュウ…………ジンとシュウ……ジント?あ、ジントがいいかも知らない。

 

ネプギア「ジント…ですか。いいですね! それにしましょう!」

 

ネプギアは俺の仮の名前が決まった事に満面の笑顔を見せた。

 

ジント「お、おう。改めてよろしくお願いします。ネプギア」

ネプギア「こちらこそよろしくお願いします!ジントさん」

 

ジントか……うん、悪くないな。それにしてもイストワールと別れてからか?ネプギアが妙に張り切ってるな。なんかいい事でもあったかな?

 

ネプギア「ジントさん」

ジント「なに?」

ネプギア「まだ頭の整理が終わってないと思いますが大丈夫ですか?」

ジント「そうだったな。ごめん、今から整理するよ」

ネプギア「何か質問があれば言ってください。私はNギアで適当に過ごしてますから」

 

それじゃあ整理しようか。まずこの世界はどこか、イストワールさんが自己紹介で言ってたな。

 

イストワール『このプラネテューヌの教祖とこの世界の歴史を記録する者です』

 

おそらく、この世界って言葉から推測出来る事は他にも別の世界があるって事だよな?俺は記憶喪失で、この世界についての記憶が失ってるとすれば、俺はどこの人間なんだ?そしてもしこの世界について、元から知らないとすれば俺は別世界から来たって考えた方が妥当か。確信はないけど、俺は別世界から来たって事にしよう。アホらしい推測だけど。

 

もう一つはこの国、プラネテューヌとは何か情報不足過ぎて推測一つ出来ないけど、さっきイストワールさんが自己紹介の言葉からすれば教祖=大臣、だがあの小柄で本当に大臣なのか?まあまず疑う事より信じるべきか。

 

あとは別世界からやって来たとしたら俺はどうやってこの世界に来たか、いやむしろ運ばれたって言うべきか?最初に目覚めた場所は、あの電子世界のような空洞だよな?それも逆さまで落ちながら。普通ならパニクる筈がパニクらなかった。その理由は助かる余地がないと思った。あの後俺は目を閉じ、死を受け入れようとしたんだけど、何時からか気付いたら落ちていなくて、あのバーチャルフォーレストの滝の近くに倒れていた。その時俺は自分の体を確認した結果、傷どころか痛みもなく ただ砂埃が付いていただけ。体の状況からすれば、間違いなく俺は落ちてきた訳じゃなく……実は運ばれていた?ていうかいつから俺は記憶喪失になったのか?

 

ん〜不確定要素が多すぎるし、どうやって来たかは考えないでおくか。

 

大体整理は出来たかな?それじゃあ次の質問に移ろう。

 

ジント「なあネプギア」

ネプギア「はい」

ジント「イストワールさんが言ってこの世界って言うのはなんなの?」

ネプギア「えっとですね。この世界は、ゲイムギョウ界といって、この世界を守護する4人の女神、守護女神がいます。そしてその女神は世界だけじゃなく、守護する国があります。プラネテューヌはその一つです」

ジント「その4人の女神が守護する街あるって事は、ゲイムギョウ界にはプラネテューヌを入れた四つの街があるって事?」

ジント「そうです。プラネテューヌを守護する女神、パープルハート。ラステイションを守護する女神、ブラックハート。ルウィーを守護する女神、ホワイトハート。リーンボックスを守護する女神、グリーンハート。この四つが守護する女神の名前と国の名前です」

ジント「ふむふむ、分かった」

ネプギア「また、グリーンハートを除いた3人の女神には妹がいます」

ジント「妹?」

ネプギア「はい。守護女神の妹を女神候補生と言うもので、ブラックハートには1人。ホワイトハートには2人。パープルハートには1人います。それで実は、そのパープルハートの妹と言うのは私なんです!」

ジント「え!? 君が!?」

ネプギア「はい! ですがまだまだ未熟者ですけどね………」

 

なんと言う事だ。俺はとんでもない人を呼び捨てにしてるじゃないかぁぁぁぁぁ!ベッドでダラダラしていた俺はすぐさまベッドから降りて、ネプギア様の前に跪く。

 

ジント「えとネプギア様、ごめんなさい。そんな凄い人の妹とは思わなくて、つい口が…………」

ネプギア「いやいや!気にしないで下さい!むしろ気軽に接てしてもらえると嬉しいのでどうかタメ口でお願いします。ジントさん」

ジント「ど、努力するよ…………」

ネプギア「はい!」

 

俺はとんでもない人と関わってたんだな。これはありがとうの一言じゃあ気が済まないぞ俺。

 

♪♪♪♪♪♪♪

ん?ネプギアさ……ネプギアのNギアの着メロか?な、なんかマニアックな着メロだな。

 

ネプギア「あ、ごめんなさい。ちょっと出ますね」

ジント「はい どう…………おう」

ネプギア「どうしたの?お姉ちゃん」

 

ん? お姉ちゃん?………ま、まさか女神?

 

ネプギア「今から目の前のドアにいるの?うん分かった!今開けるね」

 

え?今ドアの目の前!?ちょちょちょちょ!? 急に心臓が!心拍数が!

 

ネプギアは手に持ったNギアをポケットにしまい、すぐさまドアを開けに行き、そして開けた。そして俺は目の当たりにした。あれが女神なのか………………。

 

背の高さはネプギアより少し下で長袖の白いパーカーを着ている。ネプギアよりちょっと濃い薄紫色のショートヘアの女性…………いや……女の子?

 

ネプテューヌ「おはこんばんにちわ! 記憶喪失くん!私はネプテューヌ!プラネテューヌの女神だよ!」

 

…えっと……え? この子が女神?ちょっと想像が違ってた。もっとこー凛々しくていかにも『神です』みたいなオーラを感じさせる雰囲気を持ってるのかと思ったんだが………。

 

ネプギア「お姉ちゃん! 記憶喪失くんは失礼だよ。彼にはジントって仮の名前があるんだから」

ネプテューヌ「ジント?なら今度からジントって呼ぶね!それより君、記憶喪失なんだってね。大丈夫?なんか思い出せそう?」

 

そういいながら、ルンルンとした動きでベッドに寄ってきて、微笑んだ表情で様子を伺ってきた。

 

ジント「いや、何も思い出せない」

ネプテューヌ「そっかー。大変だねー」

ネプギア「あれ?いーすんさんは?」

ネプテューヌ「急用が出来たって言ってどっか行っちゃったよ?ねねジント! 何も思い出せないならゲームしよ!頭の回転を良くして思い出させる!我ながら頭良いー! どう?やらない?」

 

ゲームに誘うと俺の手を掴み、いつでも連れていける体制をとった。今手を掴まれたが、女性に触れた事ないないのかちょっと照れてしまった。

 

ネプギア「ちょっとお姉ちゃん〜ジントさんは今色々大変だし、ゆっくりさせてあげようよ」

ネプテューヌ「ネプギア、確かに大変だし、色々整理していかないとだけどそれはまず、生活に慣れていかなきゃだよ?」

 

た、確かにそうだな。考えても仕方ないし、ゲイムギョウ界の事は分かったし後は生活に慣れて行かないとこれからどうするべきかが決めにくいしな。そうだな、ここは…………。

 

ネプギア「で、でも……」

ジント「お言葉に甘えるよ。ネプテューヌ」

ネプテューヌ「お、流石!そう来なくちゃ!それじゃあ早速私の部屋にレッツゴー!ほら行くよ! ネプギア!」

 

掴んでいた手とついでにネプギアの手を掴んでいた無理やり引っ張りだし、部屋から出ていく。

 

ネプギア「ちょ、引っ張らないで〜!」

ジント「ま、待て!走るから引っ張らないでくれぇぇぇ!」

 

まずはこの世界の生活に慣れてからだ!謎だからの理解は………その後だ!




ネプギアによって保護された少年は仮の名【ジント】と自分に名ずけ、プラネテューヌの女神、ネプテューヌの提案でまず生活に慣れる事から始めた。

生活に欠かせない稼ぎの一つ【クエスト】をネプギアとネプテューヌと共に3人で受ける事に。その内容は【討伐】だった。しかしその先に待ち受ける【事】は新たな異変だった。

次回
Episode02 遺跡


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Episode02 遺跡

ここからは
このかっこが出ます→《》
このかっこに記されているのがBGMの名前です
タブに出ている「一部BGM聞きながら推進」はこの事です
私のアイデアで
話の状況や雰囲気を曲で理解すれば
もっと内容が分かるかなと
BGMを聴きながら読むのも読書の一つではないかなと思い
ネタにしてみました
BGMを聴くタイミングはこの記号で記されます

再生→△
終わり→▲

もちろん聴かずに読むのもおけです
人それぞれ、人好みで読んでもらえればなと思います


ゲイムギョウ界に来てから2日間たった。生活に関しては、流れのまま居候する事になっており、ネプギアやイストワールさんに教えてもらいながら家事を手伝っている。一方、プラネテューヌの女神ことネプテューヌは女神らしくないと言うかなんというか、ゲームに付きっきりで本当に女神か?って嫌でも思わせるくらいのもの。イストワールさんが言うにはあー見えて、いざ!って時はやる人らしい。教祖が言うならきっとそうなんだと思う。そんな昼過ぎに、イストワールさんから一つの仕事を依頼された。

 

イストワール「ネプテューヌさん、ネプギアさん。そろそろジントさんにクエストを受けさせようと思いますが、どうでしょう?」

ジント「クエスト? それって………」

ネプテューヌ「クエストっと言うのはね? 仕事を受ける事が出来るとこなんだよ!」

イストワール「間違っていませんが……要は生活に欠かせない稼ぎをする事が出来るのです。ジントさんの事を考えて、一つの依頼をこなしてもらいます」

ネプテューヌ「えー 面倒臭いぃー」

 

イストワールの言う事に対してネプテューヌは露骨に嫌がる。

 

ネプギア「お姉ちゃん… そう言わずに、ジントさんの為にやろうよ」

 

そんなネプテューヌに妹のネプギアがやる気を出させようと説得をするが、それでも嫌がる。そこでイストワールは何か閃いたように手の平に手をポンと置く。

 

イストワール「プリンと言う報酬はいらないのですか?」

ネプテューヌ「なぬ!?報酬がプリンならやるしかないね!」

 

め、女神ってちょろいな……イストワールさんはネプテューヌさんの扱いに慣れているようだ。

 

ジント「俺に出来る事なら、頑張ります」

 

と自分のやる気を見せた。イストワールさんは軽く微笑んで、顔を縦に軽く振って返事をする。そして依頼内容の説明が行われる。

 

イストワール「それでは、依頼の内容を説明します」

 

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バーチャルフォーレスト保護地区

 

ジント「討伐…………イストワールさんに片手剣を貰ったけど、俺に出来るのか?」

ネプテューヌ「大丈夫だよ!ジント 私達がフォローするから!」

ネプギア「任せて下さい。だからジントさんは安心して下さいね」

ジント「わ、分かった。とりあえず俺は君達の動きを参考にやってみる」

ネプテューヌ「よっしゃー! いざプリンの為にぃ!レッツゴー!」

 

そう言えばネプギアの武器はどこから出したか分からないけどビームサーベルだったよな。ネプテューヌさんの武器ってなんだろう。と内心の中で語り終わった直後、ネプギアが討伐対象を見つけたらしく俺達に小声で伝える。

 

ネプギア「お姉ちゃん、ジントさん。ターゲットを見つけました。あの洞窟の中に入っていきました」

ネプテューヌ「でかしたネプギア。それじゃあ早速洞窟の中に入るよ」

ジント「分かった」

 

討伐対象は【チューリップ】名前からすると、まんま花の名前だよな?歩く花…………か。俺達はそのチューリップの後に付いていき、その先に居るであろう住処に目標に行く。しかし少し遅れを取ってしまったのかチューリップの行方を失ってしまった。

 

ネプギア「ごめん、ターゲットを見失っちゃったよ ぐすん………」

ネプテューヌ「ほら泣かないのー。大丈夫だから」

ジント「きっとまだ近くに居るはずだ、探し出そう」

ネプテューヌ「その息だ少年!道はただ一つ。前進せよー!」

 

ネプテューヌさんってめちゃくちゃ元気なやつだな。もしかしたらそれが女神としての務めか?まあ守護するって事は相手の気持ちも考えるしな。ちゃんとした女神様なんだな。

 

ネプテューヌ「プリンの為に!」

 

やっぱり全面撤回するぜ…………。っとあれがチューリップか?

 

ジント「なあ2人とも、あの歩いてる花がチューリップなのか?」

ネプギア「あ、そうです!」

ネプテューヌ「でかしたジント! 待てーい! そこのチューリップ!」

 

ターゲットを発見したネプテューヌさんが走って向かっていった時だった。

 

ネプテューヌ「ねぷ!?」

 

突如だった。チューリップの後ろにゆらゆらといかにも危険そうな扉が出現し、ネプテューヌさんを吸い込もうとし始めた。ネプテューヌさんは後を下がろうと試みた。しかし扉の吸い込みに抗えず、吸い込まれる。ま、まずい!? なんかやばいぞ!

 

ネプギア「お姉ちゃん!」

ネプテューヌ「ネプギア!」

 

急いでネプテューヌさんの手を掴みに行こうと手を指し伸ばす。しかし届きそうになったところでネプテューヌさんは完全に吸い込まれてしまった。

 

ネプギア「お、お姉ちゃん……………」

ジント「ネプギア、助けに行くぞ!今ならきっと間に合う!」

ネプギア「は、はい!」

 

悲劇を前に一瞬崩れかけたネプギアを引っ張り出すように行動を起こさせ、ネプテューヌさんを助けるべく、突如現れた扉の中に突入していった。

 

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???

 

ジント「ぐっ…ここは?扉の中なのか?」

気付いた時には雰囲気は古代の遺跡と思わせる見知らぬ場所に倒れていた。

 

ジント「そうだ、ネプギア! いるか!」

ネプギア「うっ………」

 

ネプギアは俺のすぐ隣に倒れていた。俺はネプギアを軽く揺さぶってみると、すぐに目を覚ました。

 

ジント「大丈夫か?ネプギア」

ネプギア「は、はい……ここはどこですか?」

ジント「多分ここは、扉の中だ」

 

その時、は!っとネプギアの気が正常になると、姉のネプテューヌさんを名前を叫ぶように呼ぶ。

 

ネプギア「お姉ちゃぁぁぁん!」

 

しかし返事はない。ただ叫んだ自分の声が響き渡る。

 

ネプギア「お姉ちゃん……う……く」

 

ネプテューヌが扉に吸い込まれてはぐれた事に顔をくらます。俺はなるべくネプギアを落ち着かせようと行動を起こす。

 

ジント「ネプギア、泣くのは後だ。ここにきっとネプテューヌさんがいるし道がある。探しながら奥に進もう」

ネプギア「う……うん」

 

ネプギアは俺の慰めで、少しは元気を取り戻した。そしてネプテューヌさんを探そうと古代遺跡の歩む。進んでからちょっと先に右に続く道を進むと少し広い広場に着いたその瞬間。

 

ジント「な? 閉じこまれた!?」

ネプギア「ジントさん!」

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Outside The Dimension》

 

広場の真ん中に立った瞬間、進んできた道と先に続く道に

赤く光る紋章が現れ道を塞がれてた。そして俺とネプギアを囲むように3体のモンスターが現れる。3体の姿は、まるでグールのような姿をしており、頭部には筋肉がある物のの骨の形が分かるくらいに薄い革をしており、両手には鋭い爪と足には少しとんがった爪を持つ。

 

ジント「な、なんだこいつらは?」

ネプギア「こんなモンスター、見たことありません!ジントさん、私の後ろにいて下さい!」

ジント「あ、あぁ」

 

ネプギアは立ちはだかる3体のモンスターから俺を守ろうと前に立って、ビームサーベルを構える。

 

ネプギア「はぁ!」

 

先に仕掛けたのはネプギア。一体に深い斬撃を受けたグールは悲鳴を上げ、ネプギアは深い斬撃を与えた分の血しぶきを浴びる。

 

ネプギア「ひぃぃ………あぁぁ………」

 

ネプギアは血しぶきを浴びて、動揺した。

 

ジント「ネプギア!」

 

俺はすぐに理解した。なぜ血しぶきを浴びて怯えか…。あの時のスライヌが倒された時とは全く違う。ブロック化し、消滅する。ゲイムギョウ界ではこれが普通なら、ネプギアは本当の意味で生を殺めた事がない!

 

ジント「ネプギア! 後は俺がやる!動きが鈍いこいつなら

俺でなんとかする!」

 

勇気を振り絞ってモンスターの前に立た、イストワールさんから貰った片手剣を構えた。

 

ドックン……………

 

その突如、心臓の音が1回だけ大きく反応した。その瞬間、俺の頭の中に流れてくるように一つの単語が思い浮かぶ………。

 

【タキオン】

 

 

俺は無意識に、思い浮かんだ単語を口にする。

 

ジント「タキオン……………」

 

《東京ザナドゥ 忘却の遺跡》

 

その瞬間、体の中から力が湧いてくるのを感じた。嘘のように体が身軽になっていく。戦い方も戦術も少ないけど分かる。これならやれる!

 

ジント「ネプギア」

ネプギア「は、はい……」

ジント「今度は俺が助ける番だ」

ネプギア「は…」

 

一体のグールは俺の不意打ちを狙って襲いかかって来た。だが……。

 

がし!

 

俺はネプギアに顔を向けたまま、グールの攻撃を片手剣で受け止める。

 

ジント「あまいなグール………はぁ!」

 

受け止めたグールの攻撃を跳ね除き、両手が上がりグールの無防備となった腹部分に斬撃の一撃を与え、一刀両断。

 

ネプギア「あ! ひぃぃ…………」

 

とっさにネプギアは顔を隠して血しぶきから逃れようとしたが……血しぶきが来ない。え?って思ったネプギアは顔を両断されたグールを見ると…。

 

ネプギア「切り傷……ない?」

 

グールの外形に変化がない。そう思ったとろこで、ジントの斬撃を受けたそのグールが倒れた。

 

ジント「大丈夫だネプギア。俺が切ったのは中身だけだ。本当に両断したらとんでもない事になるからな」

ネプギア「な、中身……だけを?」

ジント「自分の能力を少し使ってみたんだ。と、あと一体か」

 

最後に残ったグールは、2匹の仲間を失ったにも関わらず、構わずネプギアを襲う。

 

グルァァァ!

 

ネプギア「キャァァ!」

ジント「そら!」

 

俺は手に持った片手剣をグールの背中を迅速に狙いを定め、まっすぐ投擲。

 

シュ!

 

投げた片手剣は グールの背中を掠めるように切り傷を残した。その瞬間、グールは突然転ぶように倒れて体が金縛りにあってるのか唸り声を上げている。

 

 

ネプギア「え………え?」

 

ネプギアはグールの身に何があったのかが分からない。突然転ぶようにして倒れたグールの行動に目を見開いている。

 

ジント「どんな生命にも、体の全てを支える大事な部分がある。それが背中だ。脊椎と胸椎の間を掠めさせれば、全神経の制御を失い、身動きが出来なくなる。この場合は掠めたんじゃなくて、切ったから永遠に身動きが出来ないけど」

ネプギア「す、凄い…です」

 

3体のグールを倒した事で道を塞いでる紋章は消滅し、進められるようになった。これでネプテューヌさんを探しに行ける。

 

ジント「立てるか?」

ネプギア「え、えっと、ごめんなさい。血しぶきを浴びた時の怖さで、立てません……」

ジント「そか、なら背中に捕まって。ほら」

 

ネプギアに背を向けて座り、ネプギアを背負っていく体制を作る。

 

ネプギア「すみません、ありがとうございます」

ジント「気にするな、これも前に助けてくれた恩返しだし、さあネプテューヌさんを探すか」

ネプギア「は……はい!」

 

道中を進むと同時にモンスターに鉢合わせしたり、そして倒すの繰り返しやっていくうち、すぐさま最深部まで着いた。その先には、1人の女性が戦っていた。髪色が紫色の三つ編み、全身黒と紫のレオタードのような格好をしていて背中にはブースターユニットのようなピンク色の翼を持ち、手には黒い刀を持っている。どことなくネプテューヌさんに似ている気がした。

 

ネプギア「お姉ちゃん!」

 

叫ぶネプギアを背中から下ろし、お姉ちゃんらしいき人の側まで走る。

 

???「ネプギア、ジントも助けに来てくれたのね」

ジント「え? お姉ちゃん?なんか姿が違うような」

???「話はあとよ。今はこっちに集中して。ネプギアは変身しなさい。来るわよ!」

ネプギア「う、うん!」

 

すると、ネプギアは小さな光に包まれた。そしちいすぐに光が消え、姿が変わった。髪色はピンク色に変色していて、全体的に白いレオタード。背中にはお姉ちゃん?と同じく翼のユニットを装着されている。武器はビームサーベルからガンブレイドのような形に変化していて、見た限り射撃が可能の剣に見える。

 

???「プロセッサユニット、装着完了です!」

???「ジントは下がってなさい。ここは私、パープルハートとパープルシスターが……」

PS「待ってお姉ちゃん。ジントさんなら大丈夫だよ」

PH「え?」

ジント「どういう訳か、突然バトルスキルを身について戦い方も分かる。だから俺も助太刀するぞ」

ジント「そう。ネプギアがそう言うのであれば大丈夫ね」

 

ドスン!

 

キシャァァァ!

 

《新次元ネプテューヌV2 Fate》

突如揺れ、虫のような鳴き声が響いた先には巨大なカマキリがそこに居た。全体的に黒くて赤い線のような模様が

関節部分にあり、鎌はビームサイズのような形になっている。

 

ジント「パープルハート様。いかにもボスのようなやつと戦ってたのか?」

PS「えぇ 強さは差ほどないけれど、とても強い再生能力を持ってて何度も倒し損ねてるわ」

ジント「そか、なら再生能力じゃあ治せないほどの致命傷を与えるしかないって事だな」

PS「それならジントさんの力なら倒す事が出来るかも知りません。中身だけを切る技を」

PS「中身だけを切るですって?」

ジント「まあ任せな。一瞬で終わらせる」

 

俺は片手剣を持ってカマキリモンスターの前に立つ。

 

キシャァァァ!

 

カマキリモンスターは目の前に立った俺に、右鎌の攻撃を仕掛ける。

 

PH「ジント!」

ジント「そんな攻撃じゃあ、イストワールさんから貰った片手剣でも受け止めるぜ!」

 

ガシャン!

 

音が強く響き、遺跡内を駆け巡る。片手剣と右鎌は互いに火花が走る。その様子を目の当たりにしたネプテューヌさんは驚いているであろう。

 

ジント「はぁ!」

 

力を入れて右鎌を跳ね除け、体制を崩させ、カマキリモンスターは無防備になった。その隙を俺は見過ごさない。迅速な動きでカマキリモンスターの腹部分へ飛び、剣を横に持つ。

 

ジント「一刀!…………両断!」

 

キシャァァァ!

 

剣の軌跡、それは一閃の刹那となしてカマキリモンスターを両断。大きな悲鳴を上げてドスンと大きく崩れ落ちた。

 

PS「い、一撃で……」

ジント「まあこんなもんだ」

PH「あなた…その力は一体……。いいえ。それよりも助かったわ。ありがとう」

ジント「それはどうも。パープルハート様」

 

巨大なカマキリを倒して一息ついた頃で突如、遺跡全体が少しずつ光出した。

 

PS「お姉ちゃん、これは?」

PH「分からないわ。でも暖かい感じがするわ」

ジント「多分だけど この遺跡のボスを倒したからか?」

PH「という事は、ゲームで言うダンジョンクリアね」

 

光に包まれ、解けた後元の洞窟の中に戻ってこれた。

ネプテューヌさんの言う通り、ダンジョンクリアだな。

 

PH「クエスト中とは言え、少し疲れたわ」

 

と一言言い、変身を解くのか全身が光出し、元の姿に戻る。

 

ネプテューヌ「ふぁぁぁぁー もう疲れちゃったよ〜ネプギア〜」

 

ネプテューヌに続き、ネプギアも変身を解いた。

 

ネプギア「私も………ちょっと疲れちゃった」

ジント「クエストはどうするんだ?」

ネプテューヌ「プリンが報酬でも流石にすぐには動けないよ〜 それに返り血も浴びゃって精神的に辛いし」

ネプギア「あ…………」

 

ネプテューヌの言葉を聞いたネプギアは「返り血」と言う言葉に反応し、少し不安がある表情で両手を見る。

 

ジント「大丈夫か?ネプギア」

ネプギア「あ…うん……」

ネプテューヌ「優しさで満ち溢れた私の愛しのネプギアには流石にきつい体験をしちゃったみたいだね。ほら、私の胸においで〜よしよし〜」

 

タキオン……………

構えた時にどこからか記憶が流れてきた。俺が持つ元々の力なのか?

 

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《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

プラネタワー 応接室

 

ネプギア「という訳です、いーすんさん」

イストワール「そうでしたか。申し訳ありません。私とした事がとんでもない羽目に合わせてしまい」

ネプテューヌ「気にしないでいーすん!過去に比べればどうってことないもん!」

イストワール「お詫びと言ってなんですが、ジントさん。クエスト報酬は今日あなたの歓迎パーティーを行います。他の国から女神と女神候補生が来るので、どうか気軽に過ごしてもらえれば幸いです」

ジント「え?女神?歓迎パーティー?いつからその計画を……」

イストワール「昨日です。ジントさん」

 

ちょっと待ったぁぁぁ!今度こそ、気圧に押し殺されるでしょう!一気に周りがオーラでいっぱいになるじゃないですか!俺はどう構えてれば良いのか全然分からないぞ!




イストワールの依頼は予想外の出来事によって予定以上の時間がかかった。そのお詫び【報酬だった】として、ジントの歓迎パーティーをやる事に他国から来るとされる女神と女神候補生を知ったジントは激しく動揺する。

ジントはネプテューヌとネプギアのように、他国の女神達と仲良くする事が出来るのか。謎の遺跡の中で、自分の力と思われる【タキオン】一部のみ覚醒したこの力は一体なんなのか?

次回
Episode03 シェアエナジー


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Episode03 シェアエナジー

ジント「やばい……緊張感半端ない」

 

歓迎パーティーをすると言われた俺は準備があるので個室で待って欲しいと言われた。それで一人でポツンと座っています。他国の女神とその妹が来るのだ。この緊張はそこから来るもので……。

 

ジント「仲良くしてくれるのかな?歓迎会に参加するって事はそれなり雰囲気がいいと思うが、一体どうなるか」

 

コンコン

 

個室のドアからノックする音が聞こえた、誰か来た?

 

ジント「はい、今行きます」

 

ドアを開けると、そこに立っていたのは緑色のリボンがチャームポイントのアイエフだった。アイエフはネプテューヌの親友で、プラネテューヌの諜報部員を務める、ゲイムギョウ界に咲く一陣の風の異名を持つ女性。

 

アイエフ「こんばんわジント。入ってもいいかしら?」

ジント「あぁいいぞ」

 

個室に入ろうとするアイエフを俺は部屋に入らせる。ちなみな俺は18歳なんだが、ネプテューヌの話によるとアイエフは俺と同い年らしい。そのお陰か学生時代の雰囲気のように気軽に話せるから気分が紛れる事も少々ある。

 

ジント「ネプテューヌさん達の手伝いはしないのか?」

アイエフ「したいのだけど、あたしは今仕事で気が疲れてるのよ。だから片付けの時に手伝うつもり。あんたはどうなの?」

ジント「イストワールさんに部屋で待って欲しいと直々に言われたから大人しく待ってるんだ。まあお前と同じく、片付けくらいはするつもりだぜ」

アイエフ「そう、じゃあ一緒にお片付けする時、よろしく頼むわジント」

ジント「あぁ、ところでアイエフ お前は何しに俺の部屋に?」

アイエフ「なんとなくよ。歓迎会の準備中ひとりで座っていたら罪悪感を感じるから、ネプ子に貴方がどこにいるかを聞いたら個室にいるのを聞いてここに来た。それだけよ」

ジント「そうか。つまり暇なんだな」

アイエフ「まあそうなるわね。それに仕事関係以外で男と話す機会がないからっていう理由もあるわ」

ジント「ふ〜ん。まあ適当に座りなよ」

アイエフ「じゃあ遠慮なく」

 

そう言ってアイエフは、俺のベッドに座った。俺は冷蔵庫に何か飲み物はないかと探る。

 

アイエフ「飲み物はいいわ。どうせい歓迎会で飲む事になるし」

ジント「そうか」

 

アイエフに出す飲み物を探すのをやめてコタツの中に足を伸ばし、コタツのテーブルにあるリモコンを手に取ってテレビを付ける。

 

ジント「にしても設備いいなここは」

アイエフ「プラネテューヌの中心よ? 当然よ」

ジント「女神の加護とは、暖かい物だな」

アイエフ「全くね」

 

アイエフと何気ない話題を交わしてる最中、気になるチャンネルを探してると、テレビ番組で一つ気になる物が映り出した。

 

ジント「携帯か」

アイエフ「あなた、携帯は持ってないの?」

ジント「まず金がないしな。買う余裕がないし、この世界に迷い込んだばっかりだから色々とな」

アイエフ「そう言えばジントは二日前にこの世界に来たんだったわね。記憶はどう? 何か思い出せた?」

 

記憶……。思い出した事は、今のところ自分の歳だけ。それ以外の事は特に何も無い。

 

ジント「残念ながら自分の歳だけだ。歳はお前と同じだ」

アイエフ「は…はぁ!?どうして私の歳を知ってるのよ!?18歳だって!」

 

俺がアイエフの年齢を知っている事に酷く動揺し顔を真っ赤にして叫び気味に返事を返してきた。

 

ジント「ネプテューヌさんからだ。一応言うけど俺が聞いたんじゃなく、向こうから教えてきた」

アイエフ「ぐぬぬ……ネプ子め……いつか冥府に落としてあげるわ」

 

アイエフは拳を握り締めながら、冥府にとかあまり意味の分からない単語を使って心境の表現を表している。

 

コンコン

 

話の最中に誰がドアをノックする音が鳴った。誰か来たようだ。

 

ネプギア「ネプギアです、歓迎会の準備が出来たから来てね、他国の女神と女神候補生も来てるから、待ってるね」

 

声主はネプギアだった。準備が終わった事の報告に来たらしい。

 

アイエフ「もう出来たのね。 ほら行くわよジント」

ジント「お前のおかげで緊張が解れた気がしたんだけどまた緊張してきた」

 

俺とアイエフはネプギアの呼び掛けに動く。個室から出ていき、歓迎会を行うリビングへと向かう。そして他国の女神とその芋がいる神の聖域の前に立つ。

 

ジント「こ、ここのののささきっきにいるのかかか?」

 

そのあまりのプレッシャーに俺は言葉をまともに話せないくらいほどに落ち着きをなくしていた。

 

アイエフ「あなた、いくら何でもそれは緊張し過ぎよ」

 

その様子を隣から見ていたアイエフは溜め息を吐く。

 

ジント「だって 女神様だよ?神様だぞ?」

アイエフ「はぁー もう仕方ないわね」

 

またため息を吐いたアイエフは俺の正面に向き、突然俺の頬を両手で軽く叩き、じっと見つめる

 

ジント「あぁ………」

アイエフ「どう? 落ち着いたかしら」

 

落ち着いたけど痛い……なんて口に出来ない。

 

ジント「ま、まあなんとか…」

 

地味に痛かった痛みをごまかしてそう言った。

 

アイエフ「よろしい」

 

そうしてアイエフは俺の頬から手を離して、再び目の前のリビング行きの扉に向く。俺はそろそろ入るべきだと思い、一度深呼吸をしてから参る。

 

ジント「えっえと、失礼します!」

 

扉のドアノブに手を掛けて、後は女神の聖域に足を踏み入れるだけ!かっと〇ングだぁ! 俺ー!

 

リビングへの道を歩き、俺は女神様達の姿を見た。そして、その光景を見た。

 

???「ちょっとネプテューヌ!邪魔をしないで!」

ネプテューヌ「敵を邪魔して何が悪い!」

???「お2人が言い争ってるすきに、私は1位を……」

???「そうはさせないわ。あなたの1位は私の1位よ…」

 

ネプテューヌを入れた4人組の女性はテレビゲームに熱中。

 

???「出来たぁぁ!ロムちゃん!見てみて〜!」

???「わぁ〜ラムちゃん 絵うまい」

 

白い帽子を被った2人の女の子は床でお絵かき。

 

???「流石ネプギア。G級の火竜をひとりで狩るなんて」

ネプギア「やったぁ!これでクエストクリアだね!」

 

ネプギアと黒いワンピースを着た女の子はNギアで協力プレイ中。

 

ジント「……なあ……アイエフ。女神様って………実は遊戯の神様なんじゃね?」

アイエフ「そ………それはー」

 

アイエフは何も答えず、ただ呆れた顔で女神達を見ていた。

 

ぶち! パリーン!

 

俺のイメージしていた神々しい雰囲気はガラスが割れたようにぶち壊され、さっきまでの緊張していたのがアホらしく思えて、一瞬にして緊張が吹き飛んだ瞬間だった。

 

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プラネタワー リビング

 

イストワール「こほん…それでは、ジントさん歓迎を込めて!ようこそゲイムギョウ界へ。乾杯!」

「かんぱーい!」

 

イストワールさんに続いて、全一同一斉に乾杯の祝福を上げた。

 

ジント「ありがとう!」

 

もはや緊張の欠片もない俺は気軽に乾杯する。その後ネプテューヌは早速自己紹介をしようと提案し、みんなは賛成した。

 

ノワール「まずは私ね。私はノワール、ラステイションの女神よ。よろしく」

ユニ「私はユニ。ラステイションの女神候補生で、お姉ちゃんの妹。よろしくね」

 

まずはラステイションの女神と女神候補生の自己紹介から始まった。

 

ジント「よろしく。ノワール、ユニ」

ブラン「次は私ね。私はブラン、ルウィーの女神よ。趣味は読書と小説を書く事よ。よろしく」

ラム「私はラム!よろしくね!」

ロム「私はロム、よろしくね………(わくわく)」

 

その次はルウィーの女神と女神候補生。頭を下げて礼儀正しく自己紹介をしてきた。

 

ジント「よろしく。ブラン、ラム、ロム」

ベール「最後は私ですわね。私はベール。リーンボックスの女神ですわ。以後お見知りおきを、ジントさん」

 

リーンボックスの女神、最後に胸を強調しているが、いかにも自慢してるようにも見えた。

 

ジント「よろしく。ベール」

 

簡単な自己紹介を終えた今、互いに話を交わしながら用意された歓迎会の料理を味わう。そして腹いっぱい済ますと、ネプテューヌが何かをしようと自分に注目させるよう誘い出した。

 

ネプテューヌ「自己紹介は終わったね!さあお腹いっぱいになったらところで!次はみんなでアカヒゲパーティーをやろうと思いまーす!いいかな?」

 

女神と妹、みんなが賛成の手を上げた。それを見たネプテューヌは早速準備に取り掛かる。アカヒゲパーティー?確か、前にやったやつだよな。

 

ノワール「さっきの借りを返させてもらうわよ!ネプテューヌ!」

ブラン「私に得意ジャンルをやらせた事、後悔をプレゼントしてあげるわ」

 

ブランはゲームにも関わらず殺気満々の表情でそう言った。そこに口挟むようにベールが割り込む。

 

ベール「あら いきなり勝利宣言ですの? 私に負けて恥を掻いても知りません知らなくてよ?」

ブラン「ほざいてなさい」

 

ベールはブランに対して挑発を掛けてきた。そんなブランは目を鋭くしてベールの目を見つめる。すると、向き合って見ている2人の間に火花なってるのが雰囲気で読み取った。この2人……マジだ……。

 

ジント「俺も負けないぞ」

 

そして一時間後。

 

ジント「か…勝てない…」

 

俺の順位は10位、中10位……。遊戯女神に勝てないのは仕方ないとして、アイエフとコンパにも負けるとは…………。

 

アイエフ「ネプ子とゲームに付き合わされた事が何回もあってね」

 

なるほど、それは勝てない。

 

コンパ「アイエフちゃん、凄いです」

 

この声の主はコンパ。ネプテューヌの親友でアイエフとは幼馴染みらしい。特徴を言うとすれば口調「〜です」っと言う口癖が特徴的で……俺が言えるのはここまでだぁ!

 

コンパ「ジントさんも、お疲れ様です」

「ありがとう、コンパ」

 

勝敗が決まった。これはもういじめだ。9人のプロと素人1人、もうこんな感じだ。後から、ノワールとブランとベールの納得いかない勝敗が長く続き、また長い時間のゲーム会が続いた。そして最終的には総合上、ブランが一位に輝いた。

 

時間が流れて、そろそろ歓迎会の終了がやってきたところでみんなで手分けして片付けに入った。

 

ジント「この皿はどこに戻せばいい?」

イストワール「あの棚の、二段目に置いてください」

 

イストワールさんに言われて行動を起こす。片付けをする人はネプギア、ユニ、ブラン、ベール、アイエフ、そして俺の6人。ネプテューヌとノワールとコンパは、屋上で風に当たりに行って、残り2人のロムとラムはリビングでお絵かき中である。

 

ジント「これでよし」

ブラン「ジント」

ジント「ん?」

 

ブランが俺に声を掛けてきた。ブランの方を振り向くと、ブランは複数に重なった皿を持っていた。

 

ブラン「見ての通り、私は背があまり高くなくて、5段目の棚まで手が届かないの。変わりに置いてくれるかしら…」

ジント「あ〜いいよ、貸してみな」

 

ブランから皿を貰え、5弾目の棚へ運ぶ。

 

ジント「ここでいいんだよな?」

ブラン「そう、ありがとね…」

ジント「どういたしまして」

ブラン「背が高いわね。ベールと同じくらいかしら」

ジント「え? そうか?」

ベール「確かにそうですわね。私の背と同じ高さでしてよ」

 

すぐ近くにいたベールが話に割り込むといきなり肩を合わせて来て、背の高さを確認してきたベール。その際、俺の肩とベールの肩が密着する。

 

ジント「ちょ、ベール!?肩!肩!」

ベール「あら?そんなにびっくりする事ですの?」

 

ベールは焦っている俺の反応に面白がっている。俺はすぐさまベールの肩から離れる。

 

ベール「そんな事で動揺するなんて、なかなか可愛いところがございますのね〜」

ブラン「ベール、ジントをからかうのは辞めなさい。今は片付けよ」

ベール「そうでしたわね。私とした事が、ついあなたを攻略しようと……。機会があればまたお話が出来ると嬉しいですわ」

 

ブランに指摘されたベールはそう言い残し、残りの皿の洗い物を済ましに台所に戻っていった。

 

ジント「こ、攻略?」

 

ベールは一体俺に何をしようと?

 

ネプギア「ベールさんは相変わらずですね」

ユニ「先を越されたわ」

ネプギア「ユニちゃんも、ジントさんと話してみたいの?」

ユニ「こ、好奇心よ。だって怯えたあんたを助けてくれた男なんでしょ?」

ネプギア「うん!そうだよ」

ユニ「私としては、ライバルのあんたとの関係もあるから

ちょっと気になるのよ」

ネプギア「なら、片付けが終わったら、私が話に誘うよ?」

ユニ「い、いいわよ、自分でやるわ」

 

ネプギアと一緒にいる子……ユニだったかな?なんか妙に視線を感じるんだが……

 

ノワール「ジント、ちょっといいかしら」

ジント「ノワール? どうしたんだ?」

ノワール「ちょっと話があるわ。付いて来なさい」

 

ノワールに呼ばれた俺は言われるがままにあとを付いていく。そして着いた先はプラネタワーの屋上だった。

 

プラネタワー 屋上

 

初めてプラネタワーの屋上に来たんだけど、凄く綺麗だ。

 

ジント「プラネテューヌ、綺麗だな〜」

ノワール「だそうよ、ネプテューヌ」

 

ノワールは特にどこに向かずにそう言うといつの間に後ろ居たネプテューヌが景色の感想に感激した。

 

ネプテューヌ「でしょでしょ!えっへん、自慢の街だからね〜」

ノワール「早速だけどあなたに一つ確認した事があるわ」

 

ノワールが真剣な表情で俺を見つめてきた。

 

ジント「なんだ?」

ノワール「あなた、ネプテューヌが言っていた、突然現れた【扉】に入った1人よね?」

 

ノワールの口から今朝にあった【扉】の話が出た。俺はノワールの質問に答える。

 

ジント「あぁ、吸い込まれたネプテューヌを助ける為に、ネプギアと一緒にな」

ノワール「そして、次にネプテューヌにあった時は女神化状態のパープルハートに会ったのよね」

 

パープルハート?ネプテューヌが変身した時姿がそうなのか。

 

ジント「パープルハートってネプテューヌが女神化したあの形態がそうだよな?」

ネプテューヌ「そうだよ!」

ノワール「という事はシェアエナジーはその未知の空間で届いていたのに」

ジント「シェアエナジー?」

ノワール「女神の力は、民の女神に対する信仰が女神の力の源。つまり信仰がエネルギー、それがシェアエナジーよ。信仰がなければ女神の力が発揮しないし、ただの一般人と同様になるわ」

ジント「そのシェアエナジーは、どこにいても届くものなのか?」

ノワール「そうよ。でも別次元にいるとシェアエナジーが届くことも無く、感じる事は出来ないわ」

ジント「というと、あの時見た遺跡は別次元や異世界の場所じゃなくて、正真正銘この世界のもの?」

ネプテューヌ「その筈何だけど、私達女神は凄い昔から生きてるんだけど。あの時見た遺跡は見た事がないんだよねー。これでもゲイムギョウ界を回った身なんだけどな〜」

ノワール「私はあなた達のように体験した訳じゃないからなんとも言えないけれど、新たな問題の予感がするわね。まあとりあえずこの事は明日みんなに話してみましょ。ありがとうジント。ネプテューヌが訳の分からない事を言うから、戸惑ってたのよ」

ジント「大丈夫だぜ」

ノワール「それじゃあ戻りましょ。ベッドの準備もしないと」

ネプテューヌ「泊まっていくの!?ノワール!」

 

ネプテューヌは予想していなかった展開に一気にハイテンション。ノワールにその事実確認しようとノワールに抱きつく。

 

ノワール「そ、そうよ?悪い?」

 

ノワールはネプテューヌに抱き着かれて事に照れながら答えをいいながらその場を後にして先にリビングへ戻る。俺はもう少し風に当たってると2人に伝えて、屋上から街中の建物の眺めを見ながら呟く。

 

ジント「タキオン……この力は一体何かは知らないけど、きっとクエストに使える力。使いこなさない手はないな。使いこなす為には、やっぱり特訓だよな。生活を慣れ始めてきたら、提案してみるか」

 

心の中で決断した俺は、みんながいるリビングへ戻って行った。




歓迎会を終え、ある程度女神達との仲を深められたジント。自分の個室に持って寝ようとした時、ある人物が個室にやってきた。その人物とは?

遺跡の中で覚醒した【タキオン】を討伐クエストの為に使いこなそうと決意する。特訓相手を求めると提案した結果、以外な人物が引き受けてくれたが、それは特訓相手としてじゃなく挑戦者だった。その相手とは?

Episode04 実戦稽古


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Episode04 実戦稽古

歓迎の片付けが終わり、30分後の夜まで時間が進んだ。今頃女神達は、それぞれのベッドで寝てるであろう。一方俺はと言うと。

 

ジント「…………………」

 

カーテンを開けて、プラネテューヌの景色を未だ眺めていた。

 

ジント「どうしてだかこの景色から目が離れないんだよな」

 

プラネテューヌの景色が綺麗だからだと思うけど、なかなか寝る気になれない。

 

ジント「明日起きたら、ノワールが言ってた【扉】の事を話すんだろうし、俺とネプギアが証言するだろうから、ちゃんと寝ないと………」

 

コンコン

 

誰もが寝ている筈の時間帯に来客のようだ。この時間に誰だ?

 

ジント「はーい」

 

扉を開けると、そこに立っていたのはブランだった。何やら両手を後ろに回して何かを隠しているようにも見えるが、パジャマ姿で来てまでどうしたんだ?ってパジャマ姿!?

 

ブラン「この時間にごめんなさい。ちょっといいかしら」

ジント「大丈夫だけど、なんか俺に用か?」

ブラン「私の変わりにお皿を戻してくれたお礼、まだしてなかったから。はい、これ…」

 

すると後ブランから、後ろに隠していた物を手渡してきた。それは本だった。

 

ジント「これは……本?」

ブラン「えぇ、私が書いた小説本よ。暇があったら読んで」

 

受け取った本はブラン自作の小説だと説明してくれた。俺は興味津々にデザインを見ながらお礼を言う。

 

ブラン「それじゃあ、おやすみなさい。ジント」

ジント「お、おう……おやすみ」

 

用を済ませたブランは小走りで元の部屋に戻っていき、俺はその後ろ姿を見送りながらゆっくりと部屋に戻る。

 

ジント「そう言えばブランの趣味は小説を書く事だったな。明日読むか」

 

ブランから貰った本をベッドの隣にあるライトの近くに置いて、掛け布団に潜って横になると、急に眠気に襲われた。

 

ジント「ふうあぁ〜……これでやっと眠れそうだ」

 

俺は眠気に流れて目を閉じると、それは自然に、あっという間に睡眠に入り、一夜を過ごしていった。

 

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次の朝。カーテンが開けっ放しだった窓から眩しい太陽の光が寝ている俺に浴びさせる。

 

ジント「…ん、もう朝か………」

 

眩しい太陽の光で目が覚めた俺は、大きく欠伸をして上半身を曲げて伸ばし、ベッドから降りる。まずは洗面所に向かい、歯磨きと身だしなみを整える。その時、俺は自分の髪型の毛先が赤い事を初めて気付いた。

 

ジント「ん? 俺って毛先が赤かったっけ?」

 

ちなみに自分の姿は至って普通。横髪が長く、耳は隠れていて後髪は横髪と同じくらいの長さ。前髪は左目が隠れるようになっている。直してはみたが、くせ毛なのか元に戻ってしまう。髪色は黒髪、ただ毛先は赤い色になってる。

 

ジント「歌手じゃありまいし」

 

歯磨きと身だしなみが整い、朝食があるリビングへ向かう。そして着いた頃には、みんなは朝食の最中だった。

 

ネプテューヌ「あ!おはよう!ジント」

ジント「おはよう、ネプテューヌ」

 

先に挨拶してきたのは、俺がやってきたのを最初に気付いたネプテューヌだった。俺は挨拶し、それで気付いたみんなも朝の挨拶を交わす。俺の朝食は…………ネプギアの隣か。

 

ネプギア「いい夢は見ましたか?ジントさん」

ジント「爆睡してたから見れなかったよ、でもベッドの寝心地は良かった」

ネプギア「それは良かったです」

ノワール「私は悪かったわ。ネプテューヌのせいで」

 

いかにも機嫌が悪いと思わせる一言を言ったのはノワールだった。朝食を食べながら、ネプテューヌを睨みつけるようにして言う。

 

ネプテューヌ「だって〜 ノワールと寝るの初めてだったし〜、ついムギューってしちゃって」

ノワール「全くも」

 

ネプテューヌの発言にほんのり照れながら話してる様子、

機嫌が悪くなったり照れたりで忙しい人だな。

 

ベール「ブランはどうでしたの?私は気持ちよく寝れましたわ」

ブラン「え?……私は……ちょっと本を読んでたから少し寝不足よ」

 

ブラン一瞬だけ俺をチラ見したような気がする。とまあ雑談をしていく内、あっという間に朝食が終わった。

 

イストワール「朝食の片付けなんですが、今回は教会の職員にやらせますので、ごゆっくりくつろいでください」

 

朝食の片付けは職員がやらせると俺達に伝えると、その職員を呼びにリビングを後にしていった。そしてイストワールの姿が見えなくなったところで、ば!っと目立つようにネプテューヌが話題を投げ込んできた。

 

ネプテューヌ「それじゃあ、今日は何して遊ぶ?」

 

話題の内容、それはこの後何して遊ぶかと言う内容だった。

 

ノワール「それなんだけど、ちょっと話があるわ」

 

ノワールが俺とネプテューヌを見て、アイコンタクトを取る。おそらく、昨日屋上で話した事だな。ノワールの指示通り俺は女神と女神候補生に【扉】について話した。

 

ブラン「そんな事があったのね。聞いた事あるわ。噂では神隠しが起きているとか…」

ノワール「やっぱり、被害者は3人だけじゃないわね」

ユニ「お姉ちゃん。イストワールさんに言わないの?」

ネプギア「それなら報告済みだよ。ユニちゃん」

ネプテューヌ「いーすんも個人で調べるって言ってたんだよー」

ベール「後は実際にその【扉】を探し出して、私達なりに原因を探るだけですわね」

ジント「そうなるな。でも肝心な手掛かりがないんだ」

ノワール「各自、振り分けで探す必要があるわ」

ジント「その前に、1つだけいいか?」

 

一旦話題から離れるようにして、俺は昨日の夜の屋上で決意した事をみんなに伝えた。

 

ノワール「確かに、あなたの実力を私達は知らないから振り分けに困るわねえぇ、まずそうしましょう」

ジント「なら早速特訓相手を求めてるんだけど……」

ユニ「私がやるわ!」

 

そう言い放ち、席から立ったのはノワールの妹こと、女神候補生のユニだった。真剣な目でこっちを俺を見る。

 

ユニ「私はライバルのネプギアを助けたあんたのチカラに興味があるわ」

 

ユニは俺に指を指しながら自信満々気に言う。それを見た皆は特に反論が起きる事がなかった。

 

ベール「私はそれで構いませんわ。それに私は手加減はあまり得意ではありませんの」

 

ベールに続き、全員が同意見。ユニの俺の相手になる事に割り込みはなく全員が同意した。そして揃いも揃って、ベールと同じく手加減が苦手のよう……ってみんな手加減が苦手なの!?

 

ノワール「ユニ、ちゃん手加減してあげなさいね?」

ユニ「もちろん分かってるわよ」

 

ノワールはユニに手加減するように伝えると、ユニはそっぽを向くような態度で返事を返す。

 

ジント「場所はどこがいいんだ?」

ネプテューヌ「プラネテューヌの北側の町外れに広い草原があるよ! そこにしたら?」

ノワール「あの広さなら十分ね。ユニ、準備は大丈夫かしら?」

ジント「私はいつでも準備満点よ」

 

ユニはみんなに見せびらかすようにガッツポーズを見せてる。その行動から俺はプレッシャーを感じる。

 

ベール「それでは、私達は先に行って待ってますわ」

ブラン「私も行くわ……ロム、ラム、行くわよ…」

ラム「うん!待たねー!お兄ちゃん」

ロム「待たね…………」

 

そう言い残し、4人は先に。広い草原へ先に向かった

 

ネプテューヌ「それじゃあ、私達はいーすんにこの事を伝えるから、ジントは準備してきちゃいな!行こ、ネプギア!」

ネプギア「うん、準備が出来たらまたリビングに来てくださいね」

 

2人はイストワールに全員出掛けることを伝えにリビングを後にする。

 

ジント「よし。俺はイストワールから貰った片手剣と

心の準備をしないとな」

 

――――――――――――――

 

――――――――――

 

――――――

 

――――――

 

――――――――――

 

――――――――――――――

 

プラネテューヌ周辺 草原

 

移動手段はパープルハートに変身したネプテューヌが、空を飛んで俺を運んでくれた。ネプギアも変身して、その後を追うってな感じ。

 

ユニ「待ってたわ。ジント」

ユニの手には、スナイパーライフルのような武器を持って

目の前に立って居る。他の4人はここから約100m先まで離れているようだが、そんなに離れるか?

 

PH「ジント、あなたの力はどういう物かまだ分からないけれど、とりあえず発揮させるにはリラックスする事よ。いいわね?」

ジント「あぁ 分かった」

PS「それじゃあ頑張ってください。ジントさん」

 

2人は変身を解いて、見守っている5人の元へ移動する。

 

ユニ「準備運動はしたかしら?」

ジント「まあ少しは」

ユニ「そう。まず言っておくわ。私があなたの特訓相手を推薦したのわね、私からの挑戦状なのよ!」

 

ユニは人差し指を立てて俺にそう言った。特訓相手だとずっと思っていた俺はユニに対して驚く。

 

ジント「ちょ、挑戦状だと?」

ユニ「そうよ。ライバルのネプギアを助けた実力、確かめてみたいのよ。聞く限りでは、凄く強いみたいな事を聞いたわ。だから気になるのよ、ネプギアを驚かせた力を!」

 

話からしたら絶対手加減しないようにも聞こえるじゃないか!?

 

ジント「手加減するんじゃないのか?」

ユニ「あなたは手加減されて、力を使いこなそうとするの?それは無理な話よ」

 

確かにそうだ。ユニの言葉にも一理あるぜ。

 

ユニ「構えなさい! 最初から全力で行くわよ!アクセス!」

 

ユニは光に包まれ、姿を変えてくる。あれがユニの変身か

 

髪型は銀髪のツインドリルに変わりに黒いレオタード。背中には小型のバックユニットを装備していて、武器は……ってなんだあれは!?主砲か!?

 

《機動戦士ガンダムOO Counterattack》

 

BS(ブラックシスター)「ブラックシスター……状況を開始するわ!」

 

来る!

 

ユニの女神化こと、ブラックシスターは攻撃を仕掛けた。巨大な射撃武器で俺を狙い、ビームを三連射。

 

ジント「はぁ!」

 

体捻らせ、ビームを避けきった俺は左右にステップしながら素早い動きで間合いを縮める、

 

BS「早い!?でも甘いわ!X.M.Bバスターモード!」

 

ブラックシスターがそう言い放った瞬間、主砲の火口が一回り大きくなり、エネルギーを解放させる動きを見せる。

 

ジント「これはまずいな」

BS「この距離なら避けられないわ!喰らいなさい!エクスマルチバスター!」

 

強力なエネルギーで発射されたビーム砲が近い距離に迫る。このままでは避けられない!しくったか、いや待てよ?あの技なら………。

 

ジント「タキオン!」

 

ブラックシスターが放ったビームは俺を飲み込めるくらい大きいだが!

 

ベール「決まりましたわね」

ノワール「ちょっとやりすぎじゃないかしら…」

ネプギア「いいえ、まだです」

 

ベールとブランは、ネプギアにそう言われて、改めて放たれたビームを見ると、ジントはみんなが驚く行動をしていた。

 

ノワール「そ、そんなまさか………」

 

《ガンダムビルドファイターズトライ

ガンダバダガンダバダ》

 

BS「なぁ!? 私の攻撃を?切っているですって!?」

 

ブラックシスターが放たれてるビームは俺の剣によって、二つに分断されるように流されている

 

ノワール「ビームを跳ね除けてる……?」

 

見守っていた6人は驚きを見せる。ビームの放出を辞め、距離を取り、様子を見る

 

BS「あなた、一体何?」

ジント「そのまんまだ。ビームを切ってたんだよ。縦持ちにする事でな」

BS「く、まだよ!まだ終わらないわ!X.M.Bデュアルモード!」

 

次は、大きかった主砲は光だし二つの2丁銃に変わり、それを持って構える。

 

BS「私の戦闘スタイルは、遠距離だけじゃないわ!」

 

銃の先からビームサーベル出現し、二丁拳銃から二刀流に変わった。バックユニットの出力を開放し、接近する。

 

ネプテューヌ「ユニが二刀流!?」

ノワール「ユニ、さらに強くなったのね。感心するわ」

 

ユニ「はぁ!」

ジント「とう!」

 

がしん!

 

ブラックシスターの剣とイストワールさんから貰った剣が、刃と刃同士重なり、火花が飛び散る。

 

BS「やるわね。ジント」

ジント「お前もな!」

 

剣の押し合いを同時にやめ、少し後に下がりすぐに同時に切り合いに入る。

 

BS「えい!」

ジント「くぅ!せい!」

 

刃と刃が連続にぶつかり、火花を飛び散りされながら鳴り響く。その戦闘を見ているノワールは関心の笑みを見せ、他の人も見とれる。

 

ネプギア「ユニちゃん全力だね」

ノワール「女神化した時はどうなるかと思ったけど、ジントもやるわね」

ベール「一部の力とは言え、基本戦闘は出来るようですわね」

ブラン「そうね……」

 

ベールとブランはジントの戦闘能力に対して文句なしの評価を表情で表していた。女神化した相手に対して同等にやりあう実力を持ち合わせてると確信させる。

 

ネプギア「でもあの技はやらないよですね。流石に」

ノワール「あの技?」

ネプギア「ジントさんが、私を助けた時の技です」

ネプテューヌ「あーあの技か〜。あれは相手がモンスターじゃないと流石にやばいよ!」

 

それを聞いたブランとベールは今度はジントが持つ技に興味を持った。

 

ジント「はぁ、はぁ、はぁ、」

BS「はぁ………はぁ………」

 

俺とブラックシスターは隙を作らないよう戦っていた事であっという間に息を上げていた。女神に付いていく俺も我ながらよくここまでやれたもんだ。

 

BS「あら……もう疲れちゃったの?ジント」

ジント「お前だって……そうだろ」

BS「すー………私は、こんなものじゃないわよ!」

 

《超次元ゲイムネプテューヌ Tha animation

UTTS》

 

ビームサーベルを解き、二丁拳銃形態に変化させ、持った武器ですぐさま狙いを定める。

 

ジント「ちぃ!」

BS「元々は二丁拳銃なのよね!」

 

二丁拳銃から合計四発のエネルギー弾を撃った。俺は全力で体を捻らせ、二発避ける事に成功したが体制が悪くもう二発は避けられない!ブラックシスターはこれを狙って!

 

ジント「ぐぅ!」

 

二発は右肩と腹に命中し、戦闘が開始してから初めてダメージを受けた。俺はその反動を受けて痛みに耐える。

 

BS「どうかしら? 弾の味は……」

ジント「凄くまずいね!」

 

 

く…… まだ俺は使いこなせていないのか?

 

ドックン…………

 

この感覚はあの時の?

まさかまた何が頭の中に流れてくるのか?

 

【フォトライズ】

 

流れてきた単語を、あの時のように無意識に口にする。

 

ジント「フォトライズ………」

 

《機動戦士ガンダムOO Power》

その瞬間、新しい戦術と能力が湧き上がる感覚。新たな力、単語を口にしたように体が無意識に行動を起こす。

 

ジント「はぁぁぁ!」

BS「な、なに?」

ジント「刮目せよ、エフェクト!」

 

頭に思い浮かんだ戦術を使う。すると俺の背後から魔法陣が現出して1本の剣を取り出す。

 

ノワール「あれは……剣?」

ネプテューヌ「光子のエネルギー……赤くて綺麗……」

ネプギア「もしかして、遺跡の中で覚醒したように、また新しい力を?」

ネプテューヌ「きっとそうだよ!ネプギア」

 

召喚した剣を持った俺は右手に持ち、左手にはイストワールさんから貰った片手剣を逆手に持つ。

 

ジント「勝ちは貰うぜ。ブラックシスター!」

BS「た、たかが剣一つ出たくらいで!」

ジント「この剣は時空剣。お前を怪我をさせる気は毛頭ないから、無力化させてもらうぞ!」

BS「はん、やれるもんならやってみせな……っ!?」

 

それは突然だった。ブラックシスターの目の前に居たはずのジントがいつの間にか背後に居て、首元と腹部に2つの剣の刃を向けていた。

 

BS「な、そんな、私の後ろに……」

ネプテューヌ「う、うそ…… いつの間に!?」

ベール「ジントさんは確かにユニの前に立ってた筈ですわ」

ノワール「それがいつの間に、ユニの後ろに?」

ネプテューヌ「分かった!あれは瞬間移動だよ!」

 

俺の新たな力の一つ、時空剣は手に持つ事で、瞬間移動が出来る。まあ、移動出来る距離は約50mまでだけどな。

 

ジント「諦めなブラックシスター。俺の力は十分分かったと思うだ」

BS「く……分かったわ、降参よ」

 

白い旗を上げたかのように武器を下ろして元の姿に戻ろうと変身を解除した。

 

ユニ「あんた、強いんだね」

ジント「まだ色々足りない事ばかりだろうけどな」

 

特訓が終わったと知ったネプテューヌ達は俺とユニの元にやってくる。そして一番に駆けつけたノワールはすぐさまユニに声を掛ける。

 

ノワール「もうユニ、あなたが女神化するなんてびっくりするじゃない!」

ユニ「ごめんなさい。お姉ちゃん」

 

ユニはノワールにそう言われ、顔を伏せながら謝る。

 

ノワール「ジントは凄かったわ。でもあなたも凄いわよ。いつの間に近接戦闘を身に付けていたなんて」

ユニ「だ、ダメかな?」

「ダメなわけないわよ。自慢できるくらいには成長したわね」

ネプテューヌ「あ、あのノワールが、素直に褒めている!?ありえぬ、お前誰だ!」

ノワール「なんでそうなるよ!」

 

ノワールがユニを褒めた事に対してネプテューヌはノワールが別人と言い張り、いきなり言い合いとじゃれ合いが始まった。その様子を無視してベールとブランとその妹がやってくる。

 

ネプギア「お疲れ様です。ジントさん」

ベール「お話にあった以上の強さでしたわ」

ブラン「驚いたわ。もしかしたら、私達女神と匹敵する強さじゃないかしら?」

ジント「そ、それは言い過ぎじゃないか?ブラン」

 

女神様に褒め殺しにあっている。国を守護する女神と匹敵するなんてまだ分からない。そんな時、会話に割り込むようにロムとラムが1枚の紙を持って話し掛ける。

 

ラム「お兄ちゃんかっこよかったよ!」

ロム「これ……お兄ちゃんの絵」

「俺の絵?どれどれ?」

 

ロムとラムが描いた紙には俺が書かれていた。子供が書いた絵だけあってクレヨンで書かれていて、なにやら俺を囲むように赤色が塗られていて髪色も赤に塗られている。

 

ジント「俺の髪色は黒と毛先が赤だった気がするけど、これは?」

ブラン「決着がつく前、あなたが剣を取り出した時よ。赤いオーラと髪色が赤に変色していたわ」

ベール「えぇ。とても勇ましくとても綺麗な色でしてよ」

ジント「あ……あぁ……」

 

その時、突然近くから禍々しい気配を感じた。その気配はネプテューヌ達の方から感じる。そこを見るとネプテューヌ達が大変な事になっていた。

 

《SRW-MX The Crossroad OF Lite And Death》

 

ジント「ネプテューヌ!」

ネプテューヌ「ねぷ!?」

 

ネプテューヌは昨日現れた【扉】に吸い込まれようとしていた。俺の呼びかけにブラン達も反応し、ネプテューヌ達の状況を目の当たりにした。

 

ベール「どうかいたしましたの!? あ、あれは?」

ネプギア「お姉ちゃん!」

ジント「あれだ! 昨日ネプテューヌが吸い込まれた【扉】だ!」

ブラン「あれが、あなた達が言ってる【扉】なのね…!」

 

俺達は急いでネプテューヌを助けに向かう。そして下半身まで飲み込まれたネプテューヌをノワールとユニが両手を掴んで助け出そうとしているが、抵抗出来ず少しずつ吸い込まれていっている。

 

ノワール「ネプ……テューヌ!」

「ネプテューヌさん!」

 

ノワールとユニは、ネプテューヌを引っ張りだそうと、踏ん張るが、あのままじゃあまずい!

 

ネプテューヌ「ノワール!ユニちゃん!手を離して!じゃないと2人も一緒に」

ノワール「そんなの……私が許さな……ノーワァァァァ!」

ユニ「いやぁぁぁぁ!」

ネプテューヌ「ネープゥゥゥ!」

 

しかし、【扉】の吸い込みに抗えず、3人まとめて、吸い込まれてしまった。

 

ネプギア「ま、また お姉ちゃんが………うんうん!助けないと」

ジント「その息だネプギア、ベール、ブラン、3人を助けに行くぞ!」

ベール「もちろんですわ!」

ブラン「えぇ、あの【扉】の元凶を叩きのめして、3人を助け出すわ…」

 

た、叩きのめす!?ぶ、ブランが暴言を!?

 

ラム「私達はここを見張ってるから、ユニちゃんとノワールちゃんとネプテューヌちゃんを助けて!」

ロム「ここは私達に任せて……」

ジント「あ、この絵ありがと。後でまた見るから、今はロムが持っててな?」

ロム「うん」

見せてもらった絵を一旦返し、そして四人で吸い込まれたノワールとユニとネプテューヌを助けに【扉】に突入する

 

 

その様子を遠くから見る者がいた。【扉】に入っていく姿を眺め、微笑んでいるその者の存在を、俺達は気付く事は無かった。




実力を見たいと挑戦状を送ってきた相手はノワールの妹こと、ユニだった。突然の挑戦状に動揺したジントだったが覚醒した新たな能力によってなんとか実力を認められた。
しかしそこに突如現れた【扉】にネプテューヌとノワールとユニが吸い込まれてしまった。3人を助ける為.ジントてベールとブランとネプギアが【扉】に突入する。その先に待ち構える者は女神達にとって出会いたくない禍を目にする。その正体は?

次回
Episode05 闇の女神


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Episode05 闇の女神

《キャッスルヴァニア Gostly Theatre》

ジント「ここは、間違いない!あの時の遺跡に似ている!」

ネプギア「ジントさん!もしかして………」

ジント「あぁ【扉】の中だ」

 

軽く説明しよう。俺はさっきまでラステイションの女神候補生であるユニとマジ戦して勝つ事ができた。後一緒に来た女神の1人、ネプテューヌの近くで【扉】が現れて、ノワールとユニとネプテューヌの3人が吸い込まれた。ロムとラムはその場で待機し、3人を助けるために俺とネプギアとブランとベールの四人で助けに【扉】を潜ってきたって感じだ。

 

ベール「…う………ここはどこですの……」

ブラン「く…………」

 

噂によればなんとやら。ここに初めて来た2人が起きたみたいだ。

 

ジント「ベール、ブラン。ここが【扉】の中だ」

ブラン「この遺跡が………」

ベール「あまりいい雰囲気がしませんわね。この遺跡に3人が居るのですわね?」

ジント「あぁ、間違いな…」

ブラン「くぅ……!」

 

突然ブランが頭痛がするのか両手で頭を抱えて物凄く痛そうにしている。俺はすぐさまブランの隣に駆けつけ様子を見た。頭を抑えながら、その何かの感覚に心当たりがあるみたいだ。

 

ノワール「大丈夫ですの?ブラン」

ブラン「この感覚、ありえないわ!早く行かないと…!」

ネプギア「でも、その状態だと危険です。ブランさん」

ブラン「止めるなネプギア! 早く行かないと また!」

ジント「落ち着けブラン!」

 

俺は感じ取った感覚に焦りを見せるブランを落ち着かせるため、両手でブランの両肩を軽く叩く。するとブランはそれに反応してだんだん落ち着いていく。

 

ブラン「ジ、ジント………」

ジント「ブランが言ってるその感覚はどんなやつか分からないが、今は冷静に前に進む事に専念するんだ。ここのモンスターはお前達がやつけてきたやつと少し違うんだ」

ネプギア「そ、そうです。ここはまず落ち着いてください、ブランさん」

ブラン「…分かったわ……」

 

落ち着きを取り戻したブランはジントの両手を肩から優しく振り払って改めて先に続く遺跡の道を見た。

 

ジント「よし、それじゃあ先を進むぞ」

 

それぞれの武器を手に持つ。

 

ジント「お、お前の武器って、鈍器なんだな……」

ブラン「私は、切るより叩く派よ…」

ベール「私はハルバードタイプの槍ですわ」

ジント「お、恐ろしい……」

 

俺は、貰った片手剣を左手で逆手に持ち、右手には時空剣を手に持ち、ネプギアはビームサーベル。戦闘準備が終わった俺達は、3人を探しに進んでいった。

 

―――――――――――――――

 

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―――――――――――――――

 

進み始めてから約数十分。立ちはだかる新種のモンスターを倒しながらネプテューヌ達を探す。

 

ベール「なるほど、確かに精神に答えますわね」

ブラン「返り血…妹を連れてこなくて良かったわ……」

 

ベールとブランは新種のモンスターと戦った事で、今まで倒してきたモンスターとは違うと認識した。ベールとブランもネプギアのように生を殺めた事がないため、少し動揺する事があったが、女神の心構えか我慢して戦っている。一方のネプギアはほぼ剣を振っていない。

 

ベール「あなたは仕方ありませんわ。純粋な優しさの持ち主ですし、この状況は……」

ブラン「気にしなくても大丈夫よ。あなたはは下がってなさい」

ネプギア「は、はい………」

 

それにしても、結構進んだぞ。罠やら待ち伏せやらと、とおせんぼにはあった。毎回同じグールが来てもだいぶ倒しなれてきた。

 

ブラン「ぐぅ!あ、頭が……!」

 

ブランがいきなり頭を抑え始めた。今度はさっきより頭痛が激しいようで、今度は座り込む。

 

ブラン「近い……近くにいる…!あ…くぅ…!」

ネプギア「ブランさん!」

ベール「あれですわね。あの部屋の真ん中に、紋章のような物がありますわ」

ブラン「くぅ!あれか!」

 

ベールの言葉に確信を持ったブランが途中で少し広い部屋に続く先にある部屋に向かって走り出した。

 

 

ジント「ま、待て!ブラン!」

 

すぐに後を追う。しかしブランと俺達が道の中間にある広い部屋の中央まで足を踏み入れた瞬間、先に続く道と来た道に、赤い紋章が現れ、俺達を閉じ込めた。

 

《キャッスルヴァニア Elemental Tactician》

 

ジント「また待ち伏せか!」

ブラン「こんな物!」

 

続く道を塞ぐ紋章をブランがハンマーで強引にぶち破ろうと図ったが、その強引差が仇になって逆に吹き飛ばされる。

 

ブラン「くぅ!?」

ジント「ブラン!」

 

空中に吹き飛ばされたブランを俺はジャンプして、ブランをお姫様抱っこで助ける。

 

ジント「大丈夫か?」

ブラン「…あ、ありがとう……」

ベール「ブラン、あまり闇雲に進まないでくださいな」

ブラン「…うぅ」

 

顔を真っ赤にしているブランをすぐさま下ろし、戦闘体勢に入る。そして現れた新たなモンスター。その姿は石像に近いが少し違う。大きさは俺やベールの倍で、背中には大きな翼、両手には鋭い爪をした大きな悪魔。動く石像の悪魔が一体現れた。

 

ベール「中ボスですわね」

ブラン「と言う事は………てめぇを粉々にすれば、先に通れるんだな!」

ジント「ぶ、ブラン?」

ブラン「私1人でやつけてやる! お前らは見ていな!」

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Well Be Venus》

 

そう言ったブランは全身が光輝きだした。髪色は水色に変色して、横髪の襟足が伸びたショートヘア。全体的に白いバトルスーツに変身した。バックユニットは、女神化したネプギアのバックユニットに似た感じの水色。武器は自身より大きな斧を持って、見た目によらず軽々と振りましている。

 

WH(ホワイトハート)「てめぇは出オチがお似合いだ! 砕け散りやがれ!テンツェリントロンペ!」

 

ホワイトハートが、斧でハンマー投げをするようなに振り回し、振り回す度に加速する回転力を利用し、接近する。

動く石像の悪魔はその攻撃に注意を向け、ターゲットをロックする。

 

グルラァァァ!!

 

WH「はぁぁぁあああ!!」

 

攻撃を阻止しようと石悪魔は炎のブレスを放たれ、ホワイトハートはその攻撃に飲む込まれた。

 

ジント「ブラン!」

WH「そんな攻撃じゃあ止まらないぜ! くらえ!」

 

しかし炎のブレスを受けているにも関わらず、ホワイトハートの回転は止まらない。勢いのまま石悪魔の前まで来たホワイトハートは回転力を利用し、踏み込んで思いっきり脇腹部分を打つ。強力な打撃をまともに受けた石悪魔は無残な事に一瞬にして粉々になり粉砕されてしまった。

 

《キャッスルヴァニア Elemental Tactician》

 

ジント「む、むご………」

ベール「あ、相変わらずの力技ですわね。ブラン」

WH「はぁん!中ボスはこの程度かよ」

ネプギア「ブランさんすごいなー。私もあんなふうに強かったら、私も役に立ったかな?」

WH「さっさと先に進もうぜ。3人を待たせちゃ悪いしな…くぅ…」

 

大きな物を持ち上げようとした時だった。ホワイトハートの右肘に火傷を負っている。

 

ジント「おい大丈夫か?さっきのブレスでダメージを」

WH「ちぃ、妙にダメージが通ってやがるぜ」

ベール「ブラン、あまりご無理はなさらない方が…」

ネプギア「そうですよ。ブランさん」

 

ベールとネプギアはホワイトハートが受けたダメージで少し心配してる。

 

WH「いいや、これくらいでダウンする気はねぇ、それより早く先に進もうぜ」

 

ホワイトハートはふたりを安心させるため、受けたダメージを強気で振り払うように見せた。道を塞いでいた赤い紋章は、さっきの石悪魔を倒した事でいつの間にか消えていて、先に進められるようになっていた。そしてその先にある部屋の中間には、紋章だった筈がどこかに繋がっている青い扉が現れている。

 

ジント「あの扉の向こうに、ネプテューヌ達が?」

WH「あぁ 間違いねぇ。そして、あの厄介なやつもな!」

ベール「ブラン、あなたが言っているその厄介なやつとは一体なんですの?」

WH「私達が以前、倒した筈のあいつが居るんだ。言葉で理解するより、見た方がいいぜ」

ジント「今は急ごう。ネプテューヌ達が待ってる筈だ。もしかすると、お前が言う厄介なやつと戦っているかも知らない」

ベール「えぇ、そうですわね先を急ぎましょう!」

ネプギア「はい! 待っててね お姉ちゃん」

 

ホワイトハートが言う、倒した筈の存在を聞いた瞬間ベールとネプギアの表情が一瞬少し不安な表情を見た気がした。女神が表情に出るほどのやつだとしたら、注意しないとな。

 

俺達は3人が居るであろう青い扉を潜った。光に包まれ、解けた先の景色は遺跡の最深部、大きな部屋にたどり着いた。

 

 

そして俺達は目にした。3人の女神が倒れているのと宙に浮く漆黒のオーラを纏った女神がそこにいた。

 

《SRWMX Crying Black》

 

PH「……くぅ…う……」

BH(ブラックハート)「ま………まだ……よ」

 

3人は全身が傷だらけの状態、特にノワールことブラックハートは頭と背中部分から流血している。そしてブラックシスターは、意識を失っている。

 

ベール「3人共!大丈夫ですの?」

 

ブラックハートとパープルハートの状態を気づいたベールとホワイトハートは、すぐさま2人の元に行く。

 

WH「お前ら…あいつにやられたのか?」

PH「お…遅いわよ。ブラン、ベール」

ベール「動かないでくださまし。今応急手当したしますわ」

PH「…あ……ありがとう…ベール」

 

俺とネプギアはブラックシスターの元へ急ぐ。

 

ネプギア「ユニちゃん!ユニちゃん!」

 

ネプギアが先に近寄り、倒れているブラックシスターを揺さぶるが反応がない。

 

ジント「完全に気絶している」

WH「てめぇがやったのか!」

 

ついに怒りが堪えられなくなったか、ホワイトハートは、

漆黒のオーラを纏った女神を睨む。

 

WH「私達に倒された筈のテメェが、どうしてここにいるのか知らねえが、このつけはでかいからなぁ!ダークホワイト!」

DW(ダークホワイト)「貴様が我が姿の元……だったか、ルウィーの女神、ホワイトハート」

 

漆黒の女神の声は、ネガティブな音声のある声だった。禍々しく感じるその声でホワイトハートの答えに返事を返す。

 

DW「貴様の事、以前の零次元の戦を思い出させてくれる」

WH「下らねぇ話はいらねぇ! また私の手で粉砕してやる!」

DW「ふん…我が力……終焉をもって散るがいい!」

 

2人の女神は、問答無用の激戦に入った。俺達は、戦闘不能の3人を安全な場所に運び、治療する。

 

BH「借り……出来たわね、ジント…」

ジント「お前がノワールか? 気にするな」

 

俺達は3人に分かれる。ジントはノワール、ネプギアはユニ

、ベールはネプテューヌを治療する。

 

ネプテューヌ「いたた」

ベール「あまり動かないでくださいな ネプテューヌ」

ネプテューヌ「だって染みるもん!でもありがとうベール」

ネプギア「ユニちゃん………」

 

《キングダムハーツ2 A Fight To The Death》

 

DW「ふん!」

WH「ちぃ!」

 

闇の女神と戦っていたホワイトハートは少し押されているのを見えた。俺達は助太刀しようと動く時、ノワールはそれを止める。

 

BH「あいつ…には勝てない…わ」

ベール「それは、以前戦ったあのダークメガミだからですの?ノワール」

BH「えぇ…あの時は…シェアフィールドのおかげで勝てた。でもあいつは以前と全然違うし、力の差が段違いよ」

ネプテューヌ「そ、そうだよ!前戦った時、あんな人間のサイズじゃないし!」

ネプギア「じゃ、じゃあどうすれば」

BH「あいつに…対抗するにはあれしかないけど遺跡の中のせいか……起動出来ない」

ベール「となりますと、最善は逃げる他ないですわね」

ジント「いや、逃げ道はない」

BH「え?」

 

逃げ道はないと言った俺。俺の発言にノワールから疑問の言葉を口にする。

 

ジント「前に遺跡を脱出した時は、遺跡のボスを倒した時だ。とっさに潜った【扉】は遺跡に入った時には消えていた」

BH「そんな、最悪ね」

ネプギア「それじゃあ、遺跡を脱出するには、ダークメガミを倒すしかないって事ですか!? ジントさん」

ジント「あの漆黒の女神はダークメガミって言うのか。あぁ、おそらくそうだそうだ」

 

脱出手段を知った俺を除く4人は不安の顔を隠せられない。

 

ジント「だから、俺が倒す」

 

倒す。その単語を聞いた四人が目を見開き、驚きの表情とそれに反対する発言が飛び込んでくる。

 

BH「あ、あなたには無理よ!死ぬわ」

ネプギア「そうですよ いくらジントさんが凄くても、相手がダークメガミだと……」

WH「グアァァァ!」

 

ダークメガミに吹き飛ばされたホワイトハートは遺跡の壁に激突された。かなり押されてるみたいだな。ちくしょう! このまま終わるのか?助けに来たのに、ダークメガミにやられるのか?

 

頭の中が真っ白になってしまった俺はどうする事も出来ないと思った時だった

 

 

ドックン…………

 

まただ。何かが起きた。俺の体に、全神経が書き換えられたような感覚が…………

 

ジント「…………」

ネプギア「あ、あのジントさん?」

 

ジントの様子がおかしい事に気づいたネプギアが声をかけてきた。

 

ネプギア「ジントさん? 大丈夫ですか?」

ジント「ネプギア」

ネプギア「は、はい!?」

ジント「俺はブランを助ける。だからちょっと待っててくれ」

ネプギア「で、でもジントさん!」

 

必死に止めようと説得するネプギアは。ジントの手を握り、行かせないようにするが俺はそれを振りほどき、ネプギアの目を強気な目で見つめる。

 

ジント「大丈夫だ 俺を信用してくれ、必ず勝つから」

ネプギア「あ……あぅ…」

 

顔を真っ赤にしたネプギアは、ジントの行動に動揺し、うっかり手を離してしまう。

 

ベール「策はありますの?」

ジント「あぁ、ある。今思い立ってな。青い扉はまだ今も残っている筈だ。ホワイトハートを連れて遠いとこに避難しろ」

 

俺は3人を説得する為に、少し強気に言うと、その気に押されてネプテューヌが賛同する。

 

ネプテューヌ「ここはジントに任せよ。みんな」

 

俺の何かに気付いたみたいな様子だが、きっとそれが新たな力と思っているのかも知らない。みんなはネプテューヌの顔を見て、真剣に言ってる事に気付いたのか 全員ネプテューヌの意見に賛成した。

 

ノワール「ジント、死なないでね。まだ私はあなたと色々話してみたい事あるのだから」

ベール「私もですわ。どうかご無理はなさらずにね」

ジント「ありがとう。俺が隙を作る。その間にホワイトハートを連れていけ!」

 

俺は片手剣と時空剣を手に持ち、ダークメガミのとこまで走った。

 

WH「ち、ちくしょうが……」

 

ホワイトハートはさっきまでの威勢の良さが、嘘のようになくなっていた

 

DW「こんな物か…ホワイトハート」

WH「くぅ…」

DW「我はこんな弱者にやられていたとはな……」

WH「テメェは、一体何者だ…」

DW「我か?我は貴様が言うダークメガミ。ダークホワイト、貴様の闇だ」

WH「私の……闇だと?」

ジント「そこまでだ。次は俺が相手をする ダークホワイト!」

 

俺はホワイトハートの前に立ち、2人の会話に割り込んで武器を構える。

 

DW「軟弱が……威勢がいいようだな」

WH「バカやろう! 早く逃げろ!」

ジント「それは無理な話だブラン」

WH「なぁ!?」

DW「ほう…盾の成すか。いいだろう。相手をしてやる」

 

標的は俺に変わったと認識した時、タイミングを図っていたネプギア達がWHの元に駆けつけた。

 

ベール「ブラン!今のうちに安全な場所へ!」

ネプギア「ここはジントに任せましょ!ブランさん!」

WH「くぅ………すぐ戻るからな!」

 

気絶しているユニはネプギアが支え、ホワイトハートは、ベールとネプテューヌの2人係で肩を貸し、ノワールは壁に手を掛けながら自力で青い扉へ入っていった。

 

ジント「お前、見過ごすんだな」

DW「ふん、弱者を殺したところで、何の代わりもないわ」

ジント「さあ、お話はここまでだ、さっさとやろうぜ」

DW「実に勇敢な男だ。だが我が力の前にひれ伏すが定めよ!」

 

ダークホワイトは右手に禍々しいオーラが纏い、大きな斧と化した。そして互いに向き合い。戦いを始めた。

 

ジント「はぁぁぁぁ!」

DW「ぬぅぅぉ!」




ネプテューヌとノワールとユニを助ける為に、遺跡の最深部へ向かったジント達は、戦闘不能の状態の3人を連れ、
ベール、ブラン、ネプギアは、ジントに任せて場を離れた

ダークホワイトとジントが一騎打ちする。3人の女神を圧倒させたダークホワイトに、ジント勝つ事が出来るのか?

そしてジントに起きた、全神経を書き換えられた感覚の正体は?

次回
Episode06 秘められたユニット


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Episode06 秘められたユニット

《キャッスルヴァニア Ghostly Theatre》

ベール「ここまで来れれば、安全ですわね」

ネプギア「まさか…あの時のダークメガミが復活していたなんて……」

 

私ことブランは、ダークメガミことダークホワイトと戦い、敗れる寸前にジントに助けれた。私達を避難させる為にダークホワイトの注意を引き付けて間に、ネプテューヌ ネプギア ノワール ベール、そして気を失ってるユニと共に、この遺跡のモンスターが立ち寄らない場所まで離れてきた。

 

ネプギア「ユニちゃん………」

 

ネプギアは心配そうに気絶状態のユニを見ている。もっと早く来ていれば………

 

ベール「ブラン、そんな自分を責めないで下さないな」

ネプテューヌ「そうだよブラン そんなに自分を責めないで」

ブラン「どうして分かったの?」

ノワール「あなたは、何らかの理由で自分が悪いと思い込んだ時に、ブランは必ず、顔を沈んだ後に2回まばたきをする癖があるのよ、それで分かったわ」

ブラン「そ、そうなのね」

ノワール「でもそれよりも、まだ私達は、ダークメガミの呪縛から抜けていないとでも言うのかしら…」

 

ダークメガミは以前、零次元で戦った巨神の破壊女神。ダークメガミが現れたら、その場でとにかく破壊する。物や街だけじゃなく、次元さえも。そんな強大な存在に対抗出来る力が2つ存在する。天王星うずめ、零次元の戦いで共戦った仲間の1人で女神化した姿であるオレンジハートの力、シェアリングフィールド、その力こそがダークメガミに対抗出来る力にして、倒す状況を作れる唯一の手段。しかしうずめは最後の戦いで、この世界にやってくる幾万のモンスターを行かせないように、零次元から超次元に繋がる道を塞ぎ、たった1人で数え切れない数のモンスターに立ち向かった。いくら女神とはいえ、幾万のモンスターをたった1人は自殺行為、考えたくもないけどおそらく…………

 

そしてもう一つの力は零次元の戦いで、ゴールドサァドから授かったハイパーシェアクリスタルを使う事で、私達女神の奥の手【ネクストフォーム】に変身できる。ネクストフォームの力は普通の女神化と違って全シェアエナジー取り込む。その力は森羅万象の如く。ただしあまりにも強力で使う機会がないから使いこなせていない。ネクストフォームに変身出来たとしても、相当なシェアを使う事になるから、もって5分間しか使えない。

 

この2つがダークメガミに対抗出来る手段よ。

 

ネプテューヌ「ブラン? 大丈夫?さっきからずっと黙ってるから 大丈夫かな?って」

ブラン「え?」

 

声を掛けてきたのはネプテューヌ。よく失礼な事を口にするけど、仲間思いの子ね。

 

ブラン「私は大丈夫よ… あなたはどうなの?」

ネプテューヌ「私はもう大丈夫だよ! でも……」

 

そう言って、この中でも一番心配なのがノワール。頭や背中に流血はしていると大怪我を負っているけど、さっきよりはだいぶ落ち着いてる、念のためロムに回復魔法を教えてもらった甲斐あったわ。

 

ノワール「私は大丈夫よ、さっきよりは楽になってきたわ。でもそれより、私はユニが心配よ……」

 

ノワールは自分の状態よりも我が妹が心配している。同じ妹を持つ私にもその気持ちが分かるわ。

 

ブラン「3人共【扉】に吸い込まれた後、あなた達はどうして最深部に?」

ネプテューヌ「私達が目覚めた時はもう最深部にいたんだー、真ん中にポツンってね」

ノワール「私はネプテューヌに起こされて目覚めたわ、同じくユニもね」

ベール「その時にあのダークメガミに会ったんですの?」

ネプテューヌ「そうだよ。なんか、何も無いところからひび割れして、その中からミニダークメガミが出てきたんだよ」

ノワール「あのダークメガミの出現法、確かにあれは何も無いところから出てきたわ」

ブラン「そう…………」

ネプギア「ジントさん、大丈夫かな?」

 

ネプギアは密かに口にした事を聞いた時わ一瞬にしてジントの心配をし始める。

 

ブラン ノワール「ジント……」

 

 

ジントの名前を被って言ったのは私とノワール。その瞬間

突然大きな地震が起きた、立っていられないほど強い、あまりにも強いせいで遺跡が崩れようとしている。

 

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Continuous Hits》

 

ノワール「じ、地震!?」

ネプテューヌ「何が起きてますの!?」

ブラン「分からないわ、でもこの状況は最悪なのが分かる」

 

揺れが更に強くなっていき、なにもないところの奥からだんだんひび割れが起き始めた。

 

ネプテューヌ「何も無いところからひび割れ!?」

ノワール「お、追いつかれるわ!」

 

ひび割れが早く、逃げる間もないままひび割れでいっぱいになり、そしてガラスが割れたかのよう一気に割れた。割れた先に見える景色はなく真っ黒。状況が分からないまま私達は悲鳴を上げながら落ちていった。

 

―――――――――――――――

 

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―――――――――

 

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一方

 

《キングダムハーツ2 A Fight To The Death》

 

ジント「はぁぁぁぁ!」

DW「ふん!」

 

 

俺とダークホワイトは激戦を始めたばかりだった。

 

きしん!

がしん!がしん!

 

二刀流と斧がぶつかり合う音は止まらなく、互いに傷も負っていない。

 

DW「貴様、人間とは思えんな」

ジント「これでもせいいっぱいだっての!せぇぇいや!」

 

がしん!がしん

 

DW「食らうがいい! テンツェリントロンペ…」

 

ダークホワイトは、大きく後ろに戻り、間合いを離れた距離を利用し、回転しながら向かってくる。

 

ジント「ブランの技を!?」

DW「はぁ!」

 

だがその攻撃は読みやすく、振る直前に後に下がる事で避けた。攻撃は読みやすいが、下手に近づくとくらいかねないぞこれは!

 

DW「ふむ、人間を相手にするとやはり歪む」

ジント「余裕に話してやがるぜ」

DW「ふん。本能が発動しない以上、貴様と戦うだけ無駄なのだからな」

ジント「なんだと?」

DW「我の力は、貴様相手に本気で使う価値はないっという事だ」

ジント「なに?」

DW「貴様の相手はこいつに相応しい、いでよ!デマイスウルフェン!」

ダークホワイトが召喚した魔物はあの時のカマキリモンスターより大きな闇の狼。姿は禍々しく、狩りに優れた肉質の体。鋭い歯に爪、赤く光る眼光まさに、あったら終わりと言えそうだ。

 

《FF13 ブレイズエッジ》

 

DW「貴様はこいつの相手をするがいい、また会おう、人間」

ジント「ま、待って!」

 

俺は止めようと呼びかけるが当然ながら聞かない。自ら何も無いところにひび割れを作り、その間を入ってその場から去っていった。

 

グルァァァァァ!

 

ジント「ぐぅ!なんて咆哮だ!」

 

ダークホワイトが居なくなるとデマイスウルフェンが放つ咆哮放つ。、凄まじい声だけじゃなく、風が出来る凄まじい雄叫びだ。戦闘態勢に入ったデマイスウルフェンはさっそうと俺に飛びかかる。

 

ジント「ちぃ!」

 

俺は自分の体を動かし、回り込むように動く。しかし

飛びかかって終わったかと思いきや着した瞬間にさらにジャンプし、宙に一回転してからのしかかって来る。俺はその場で後ろに大きく下がる事で間一髪に避けた。

 

ジント「よく動くやつだな!なら!」

 

俺は剣を構え、デマイスウルフェンに向かって走る。そして、前まで来るのを認識したデマイスウルフェンはそのまま右手でひっかこうとする。

 

グルァ!

 

ジント「時空剣!」

 

俺は時空剣の能力を使い瞬間移動する。突然消えた事に、少し隙を見せたデマイスウルフェン。俺は見過ごさない

瞬間移動した先は………。

 

ジント「ここだ!」

 

空中からデマイスウルフェンの首に目掛けて、二つの剣を突き出し、そして突き刺す。

 

ルゥゥアァァ!

 

暴れだすデマイスウルフェンの動きに耐える。これならやれる!と思いきや。

 

ドルルアァァァ!!

 

デマイスウルフェンはその場で強烈な咆哮を放った。手が塞がっている俺は、耳を塞ぐ手段がなくまともに受けてしまう。

 

ジント「ぐぅあ!っく……頭が!」

 

凄まじい咆哮を聞いてしまった俺は剣を刺したまま、崩れ落ちる。

 

チャンスを物にしたデマイスウルフェンは、俺を上に持ち上げ、宙に浮いた俺に向けて頭突きをする。

 

ジント「グゥゥアァ!」

 

まともに受けてしまった俺は、天井の壁まで激しく吹っ飛び、激突する。

 

ジント「クハァ!」

強烈な攻撃を受け、吐血してしまう。そして天井からうつ伏せの状態で地面に落ちる。

 

ジント「う………くは……」

 

た、立てない いくつか骨がやられたかもな。

 

グルゥゥ

 

静かに近づいてくる。デマイスウルフェンは最後の最後まで気が立っている。油断をするつもりはないって事か、ちくしょう。俺はこのまま死ぬのか?デマイスウルフェンに食われて………終わるのか?まだ俺は………やり残しがあるのに…………。

 

 

ノワール『ジント 死なないでね まだ私はあなたと色々話してみたい事あるんだからね』

ベール『私もですわ。ジント、どうかご無理はなさらずにね』

 

ごめん ノワール、ベール もう話せそうにないみたいだ

 

ネプギア『ジントさん………』

 

お前の言うことを聞いてれば良かったかな?ネプギア。

 

ユニ『ジント』

 

みんな…………ごめん…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???【お前はそんなところで終わるのか?】

ジント「え?」

 

気づいたら、周りが真っ黒になっていて目の前には太陽のように輝く赤い光が見える。

 

???【我が力を秘めた者としては、なかなかの座間だな】

ジント「お、お前は誰だ? ここはどこだ?」

 

ドラゴン【我が誰か?我はお前の力を覚醒させたドラゴン。そしてここは時間を止めた世界だ。少年、お前はこんなところで終わる者ではない 生きて帰らねばならない人間だ】

ジント「どういう意味だ?」

ドラゴン【少年、お前は今の状況を乗り越える力が欲しいか?】

ジント「今を乗り越える力?」

 

《超次元ゲイムネプテューヌ The animation UTTS》

 

今を乗り越える力。それを聞いた俺は戦っていて負けそうになっている事を伝える。

 

ジント「俺は今、デマイスウルフェンってやつにやられたんだ。俺はあいつを倒さないといけない!あいつを倒さないとネプテューヌ達が危ない!だから頼む!あいつを倒す力を…………ネプテューヌ達を助けられる力を!」

ドラゴン【その言葉、しかと受け取った。ならば我と共に答えよ】

 

そう言われた時、頭に流れてくる言葉を俺は赤く光る者と共に答える。

 

ジント「時空を司りし龍よ!」

ドラゴン【時空を司りし龍よ!】

ジント「今こそ怒涛の緋光子を行使し!」

ドラゴン【今こそ怒涛の緋光子を行使し!】

ジント「我が身に宿せ!そして我に希望の光を!」

ドラゴン【我が身に宿せ!そして我に希望の光を!】

 

最後まで言い切った瞬間。周りの景色が激しく光だし、赤い光が前から包み込んできた。

 

 

デマイスウルフェンは急に光出した俺を見ていおり、警戒している。そして俺はドラゴンの力によって覚醒した。俺の姿は変身を遂げた。体全体は黒と赤、全関節部分は緋色に輝く。顔は目は黄色の眼光、後ろに尖る二つのヘッドアーマー。ユニット型の大きな翼を持ち、黒と緋色に輝く。

足はロボットのような形に変わり、ボディはX文字に緋色光子。右手にはビームソード、刀身を畳む事で三連射式の射撃携帯になれる武器。全てにおいて ドラゴンから貰った力は女神化で言う、時空進化。その名もタキオンユニット

スカーレットフォトン。

 

ジント「俺を待つ仲間が居るんだ。だから一瞬で終わらせる!消えろ!」

 

俺は左手の人差し指をデマイスウルフェンに向けた。

 

グルァァァァ!

 

ジント「セロ•フェルト!」

 

指先に集まる小さな緋色のエネルギーが圧縮し、放ったビームは、デマイスウルフェンを丸ごと飲み込んだ。

 

グルァァァァァァ!

 

まともに受けたデマイスウルフェンは緋色のビームの中で少しずつ消えていく。しかしそれだけでは終わらなかった。

 

ジント「俺が思いついた勘は当たってるなら、きっと!」

 

緋色のビームがが壁に着弾しようとした瞬間だった。何も無いところ着弾し、ひび割れが起きる。

 

ジント「いっけぇぇぇぇ!」

 

更にビームの威力をあげ、最大出力で放つ。するとひび割れがさらに大きくなり、速さがまして一瞬で景色全体がひび割れで負った。

 

ジント「砕けろぉぉ!」

 

俺は左手で拳を握りしめ、思いっきり地面を殴った。すると遺跡全体が一斉に割れた。

 

ジント「よし……これで………」

 

 

―――――――――――――――

 

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―――――――――――――――

 

 

 

ロム「お……ん! お姉…………ん!」

ラム「起き………ってば!」

ネプテューヌ「うぅ………」

ブラン「こ、ここは?」

 

私の神経が覚醒した時は、さっきの遺跡とは全く別の場所、プラネテューヌの町外れの平原だった。

 

ラム「お姉ちゃん!良かった!お姉ちゃん!」

ロム「やっと……起きた……(しくしく)」

 

ラムとロムは半泣きの表情をしていた。うつ伏せに倒れていた私は全身を動かして、その場で立つ。

 

ブラン「ロム……ラム……」

ネプギア「ブランさん私達、元の世界に戻れましたよ」

ネプテューヌ「なんとか戻って来れたね。ノワール」

ノワール「そうね。ってちょっとどうしてひざまく………ってもうこなさえどうでもいいわ……それよりユニとジントは?」

 

ノワールの膝には、何故かネプテューヌが枕替わりに使っていた。当たりを見渡すと、ノワールの言う通り、確かにユニの姿が見えない。

 

ネプギア「ユニちゃんなら、コンパさんに連絡して、病院へ緊急搬送しました。だから安心して下さい」

 

ベール「じゃ、じゃあジントは?」

 

ベールがジントの名を口にした時、特に私とノワールとネプギアが周りを更に見渡す。しかし、ジントの姿が見えなかった。

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Blue Twilight》

 

ブラン「も、もしかして…………」

ノワール「まだ……話したい事、いっぱいあるのに………」

ネプギア「ジント…………さん…………」

 

ネプギアは力を抜けてしまったのか、その場で座り込んでしまった。ノワールは顔を腕で隠し、泣き顔を隠す。そして私も……。

 

ネプテューヌ「みんな……」

 

ネプテューヌが慰めようとした。その瞬間だった。

 

私達が居る場所から少し離れた先にある平原の真ん中あたりの空から緋色の光が見えた。

 

ネプテューヌ「みんな!あれみて」

 

それに気付いたネプテューヌが指さす。その先には、緋色の粉のような物が飛び回っている。

 

ベール「あれはなんですの?」

ブラン「あれは、まさか!?」

 

私はすぐさま緋色の光の元まで走った。その後に続きノワールは怪我の痛みを堪えながら追いかける。ネプギアは涙を流しながらも後に続く。

 

ラム「ちょ、お姉ちゃん!」

ネプテューヌ「ノ、ノワール〜 いくら何でもいきなり私をどかさなくても~!ってネプギアまで行っちゃったよ!?」

 

緋色の光に囲まれたあの黒い物体、そこに見えた赤い髪色…。戦闘状態に入ると、髪の毛が赤くなる。もしかしたら………

 

そして私達は、緋色の光の正体を目にした。背を向けているそれは、見た目がまるでダークメガミだけど、この赤い光が綺麗で暖かい、間違いない!

 

ブラン「ジント!」

ノワール「もう死んだかと思っちゃったじゃない!バカジント!」

ネプギア「ジント……さん」

 

私達3人の言葉が同時に声が重なった。

 

《聖剣伝説4 Birth of the goddess ~ The Beginning of a new would》

 

ジント「勝手に殺すなノワール。心配かけて悪いなお前達」

 

喋りながら振り向いた姿は、目は黄色眼光をしているけど、髪色だけですぐに分かった。ジントだって事を……

 

「ジントさん!」

 

急に大泣きをしてしまったネプギアが、ジントに抱きつき、泣きじゃかる。

 

ジント「ちょ!いきなり抱きつくなってネプギア!」

ブラン「無事で良かったわ」

ジント「あぁ、お前達も無事で良かった。一旦変身を解くからネプギア、1回離れてくれないか?」

 

ネプギアは泣きながら、顔を赤くしてジントの背中まで伸ばしていた腕を離す。ジントは変身を解く動作を見せると赤い光に包まれ、元の姿に戻った。

 

ジント「っと変身を解くって言ってもユニットを解くだけだけどな」

 

変身を解いた事を確認したネプギアは再度抱きつき、泣きじゃかる。

 

ラム「あぁー!ネプギアがジントに抱きついてる!

お姉ちゃん嫉妬しちゃうよー」

ベール「わ、私の妹が……ジントに……」

ネプテューヌ「ちょっとベール!ネプギアのお姉ちゃんは、私なんだからね!」

ノワール「はぁー、もう泣くのがアホらしいわね」

ブラン「そうね……」

ノワール「ネプテューヌ、悪いけどもう1日だけ泊まらせて貰うわ、流石に体が疲れて、自国に帰る気になれないわ」

ブラン「同じく…………」

 

私とノワールは、疲れきった状態でその場で座り込む。無事で良かった、本当に良かった……そして助けてくれてありがとう。ジント……。




五人の女神を避難させ、1人で立ち向かうが、ジントの相手に飽きたダークホワイトはデマイスウルフェンを召喚し、その場を去った。デマイスウルフェンから致命的ダメージを受け、生死をさまよったところり自分に秘められた緋色のドラゴンに助けられ、新たな力を手に入れた。タキオンユニット【スカーレットフォトン】を使い、デマイスウルフェンを倒す事に成功した。ジントの技であるセロ•フェルトの力によって、本来なら遺跡の主を倒さないと脱出出来ないところを無理やり破壊し、遺跡が崩れた事によって元の平原に戻り、喜びの再会を果たした。

もう一日だけプラネテューヌに寝泊まるする事になったブランやノワール、ベールと各妹達、災難から戻ってプラネタワーに戻った時には、まだ昼1時頃だった。各部屋で一休みする筈が、これも中を深める交流だと、ある人物から提案された、その提案とは?

次回
Episode07 守りたい存在


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Episode07 守りたい存在

《超次元ゲイムネプテューヌThe animation PROCESSOR》

ユニとの実戦の後、突然起きた災難から三時間がたった。

 

ジント「風呂も豪華だなー」

 

俺はプラネタワーの豪華な風呂っていうか、これはもう何人も入れそうな風呂で俺は疲れを癒してる。ユニとノワール以外の女神達は、リビングに居るか、個室に居るかだな。ノワールはコンパが所属する病院で治療を受けて、ついでにユニの様子を見に行っている。報告によればユニはもう意識が戻った事を聞いた。

 

ジント「無事で良かったな、あいつ」

 

意識は戻った事は聞いたけど、ユニは治療を受ける期間中は、コンパの頼みで治療が終わるまではプラネテューヌに残る事になってるらしい。

 

ジント「残るって事は治療が終わるまでプラネタワーに残るって事か」

 

まあ無事に終わったとはいえ、少しだけ不安がある。正直、ユニにどう接すればいいか分からない。実力を認めてもらったけどどう接したらいいか。

その時だった。大風呂の入口から、誰かが入って来る音が聞こえた。

 

 

ってこれはやばくないか?いや待てよ?俺が風呂に入ってるのは女神達全員知ってる筈だ........いや!ノワールとユニ!?どっちが来たんだ?

 

誰が入ってきたか確かめると、そこにいたのはバスタオルを巻いたユニだった。もう治療から帰ってきたとでも言うのか!?

 

ジント『これはまずい、非常にまずいぞ。見つかったら殺される』

ユニ「ジント 居るんでしょ?』

ジント「え?」

 

《コープスパーティーBook Of shadows Lite》

 

どうして俺が居るのを?そうか、俺の服がバスケットに置いてあるから居るのはバレるな。俺は大人しく出てくる事にした。手で目を隠しながら。

 

ジント「ち、治療はもう終わったのか?」

ユニ「まあね。治療って言ってもコンパさんに見てもらっただけだけど」

ジント「そうか、まあ大した事なくて良かったよ」

ユニ「ありがとう。それよりあんた、目を隠してたら転ぶわよ?バスタオルを巻いてるからそこまで気にしなくてもいいわ」

ジント「そうか」

 

俺は目を隠すのをやめて、ユニを改めて見つめる。

 

ユニ「でも.......あまりジロジロ見ないでよね。私はお姉ちゃんみたいにスタイル良くないし」

ジント「あ、ごめん」

 

俺は慌てて視界からユニを外すように逸らす。スタイル的には俺は別に悪くないと思うけどな。

 

ジント「それで?俺が居るのが分かって来たんだろ?俺に何か用か?」

ユニ「用って程じゃないけど、お礼を言いたかったの。その……助けてくれて……あ、ありがとう」

 

ユニは少し照れ気味にお礼を言う。

 

ジント「あぁ。無事で良かったぜ」

ユニ「う、うん。それでね?」

ジント「ん?」

ユニ「せ、背中を流してあげるわ」

ジント「え?」

 

逸らしていた顔をユニに向けて、顔を傾げる。俺の聞き間違いだろうか?背中を流す?

 

ユニ「だ・か・ら!背中を流してあげるって言ってるのよ! ほら、早く座って!」

ジント「は、はい!」

 

ありえない……俺はそれ相応な事をしたか?でも逆らったら殺されそう………仕方ない。言う通りにするか……もう洗ったけど。頭に乗っていたタオルを下半身に巻いて、湯に浸かっていた体を起こして、シャワーが設備されたところにある椅子に座る。

 

ユニ「よし、じゃあ洗うわよ」

ジント「あ、あぁ」

 

俺は大人しく座り、鏡の前を見た。その時に映っているユニは顔を真っ赤にし、初めて見たみたいな表情を見せる。

 

ユニ「お、男の背中……大きわね」

 

そういいながら泡立ったボディタオルを手に、俺の背中をゴシゴシと洗う。俺も初めてだ。女性に俺の背中を触られるのが。

 

ユニ「力加減はどう?」

ジント「ちょうどいいよ」

ユニ「そ、そう」

 

ユニの顔は、鏡を経営して見ると、笑顔の姿が見えた。その笑顔に俺はつい笑いが出る。

 

ジント「ふ…」

ユニ「何笑ってるのよ」

ジント「いや、なんでもない」

 

女神の笑顔は、眺めがいいなって言ったらどんな反応するだろうか。思った時だった。ユニは手を止めた。

 

ユニ「ねえ、ジント」

ジント「なんだ?」

ユニ「女神でも、一般人見たいな生活をしても……変じゃないよね?」

 

鏡を見ると、ユニの表情は少し切なそうに話してるのが分かる。その表情を見た俺は心の中で真剣に考える。少しの沈黙が続いた後に俺はその答えを言う。

 

ジント「変じゃないと思うぞ」

ユニ「え?」

「女神は民に信仰され、幸せを与える神様って俺は勝手に解説してるけど、最終的には民と同じ生きている存在だ。女神でも生きてる者として、自由に生きる権利があると思うんだ」

ユニ「………」

ジント「確かに、女神の心構えってのがあるかも知らないけど、ネプテューヌを見て見ろよ。自分が女神でも、今を楽しんでるじゃないか。ゲームしたり、ふざけ合ったりとさ」

ユニ「あ……」

ジント「女神だって、候補生だって、自分のやりたいようにやる権利はある筈だぜ」

ユニ「ジント..........」

ジント「だから、変じゃないぜ」

 

ユニの表情は心に響いたのか涙を流しながら、にっこり笑っていた。その笑顔はきっと、誰かが落ち込んでも、笑顔にしてくれる表情だった。

 

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《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

ユニは大風呂をもうちょっと堪能してると残り、俺は先に上がった。髪の毛を乾かして、服を着て、タオルを首に巻いたまま自分の部屋に戻った。

 

ジント「ふうーもう12時30分か。昼食べないと」

 

俺は入ったばかりの個室からまた出て、みんなが居ると思うリビングに向かう。ついたころには一人の女性が昼食を運んでいた。

 

ネプギア「あ、ジントさん」

ジント「ようネプギア。もしかして一人?」

ネプギア「いえ、昼食はユニちゃんと一緒に作りました」

ジント「そうか、俺も運ぶよ」

ネプギア「あ、ありがとうございます。それじゃあお願いします」

 

俺は台所にある昼食を運び始めた。料理の内容はバイキング形式で一つは麻婆豆腐、二つは三種類のサンドイッチが五個ずつ並べられた物、三つはスパゲティ、そしてサラダとデザートと量が多く作られていた。これを二人だけで?

 

ジント「バイキングとはいえ、よく作れたな」

ネプギア「こう見えて私は、料理には自信ありますよ!」

 

自信満々でいかにも『えっへん!』っ言ってそうにポーズを取った。いや自信以前の話だろ。

 

ジント「ところで、みんなは?」

ネプギア「お姉ちゃん達は、帰って来たノワールさんと一緒に外へ出てます。ユニちゃんは個室に戻るって」

ジント「そうか」

 

なるほど。ネプギアはユニが風呂に入ってる事は知らないか、悪いが隠し通すか。料理を運び終えた俺とネプギアは後は来るの待つだけになった。

 

ジント「運び終わったし、そろそろユニを呼んでくるよ。ユニの個室はどこ?」

ネプギア「ユニの個室は、ジントさんの個室から右の五番目ですよ」

ネプギア「分かった」

 

俺はリビングを後にし、ユニの個室へ向かう。

 

ジント「ただなー 多分まだいないだろうな」

 

ユニは個室じゃなくて風呂場にいるんだし。かと言って風呂場に行くと、嫌な予感がプンプンするから個室に行く事にした。

 

ユニ「ここか……」

 

俺の個室から右の五番目、間違いないな。とりあえずいるかどうか確認する

 

コンコン

 

ジント「ユニー いるか?」

 

呼び掛けて見たが反応はない。ドア………

 

ジント「ん?鍵が掛かってない?入るぞ」

 

俺はそっとユニの個室に入る。中は俺の個室と変わらないけど1つだけ違う。

 

ジント「オ、オイルくさ…じゃなくて! ユニ、いるか?」

 

周りに呼び掛けたが、反応はない。

 

ジント「まだ風呂か」

ユニ「なーあに!?」

ジント「うぉ!?」

 

俺の後ろから急に大きな声が聞こえた。その正体は風呂場から戻ってきたユニだった。なにやら後ろからわざと大きな声で驚かそうとしていたようだ。

 

ジント「ユニー、脅かすなよ」

ユニ「あんた、いいリアクションするわね。ふふ」

ジント「お前が驚かせるからだろ。それより昼食が出来たからお前を呼びに来たんだ。行こうぜ。あと、鍵掛かってなかったぞ。気をつけな」

ユニ「え? 鍵掛かってなかったの?」

ジント「あぁ、だから俺が部屋に入れたんだ」

ユニ「そう、分かったわ。行きましょ」

 

 

ユニの個室を後にして、リビングへ向かった。ついた頃には女神達はまだ帰ってきてなく、その場に居たネプギアと昼休みに戻ってきたアイエフがいた。

 

《東京ザナドゥ X.R.C.》

 

アイエフ「あら、ジントとユニじゃない。珍しいわね」

ジント「よう、アイエフ」

ユニ「こんにちわ。アイエフさん」

ネプギア「ユニちゃん。私達の料理、美味しいって言ってくれるかな?」

ユニ「そんな美味しいに決まってるわよ」

 

俺とユニを見てるアイエフが、気になったのか1つの質問をしてきた。

 

アイエフ「ジントとユニって昨日知り合ったばっかりなのに、妙に距離が近くなってるわね」

ユニ「べ、別にそんなこと無いです。今日の特訓で、ジントの実力を認めた人だからよ」

ネプギア「ジントさんは強いもんね!私もいつか、手合わせしたいです」

 

ユニは少し動揺気味でアイエフにそう返事を返すと、ネプギアもその話に乗る。

 

ジント「仲良くなったっつっても、そんな色々話せるまで仲良くはなってないよ」

アイエフ「ふ〜ん」

 

アイエフはまだ納得してないみたいだが、ある事を思い付いたのか一瞬閃いたような表情を見せて、納得したようだ。

 

ユニ「お姉ちゃん達はまだ?」

ネプギア「さっきNギアで連絡したら、もう少しで着くって言ってたよ」

ジント「じゃあ来るまで待つか」

 

先に自分の皿を取り、座りたい場所を確保する。俺が確保した場所はリビングの大きな窓の前。

 

アイエフ「そんな場所で大丈夫なの?ジント」

ジント「大丈夫だ。景色を眺めながら食べるから問題ない」

アイエフ「ふふふ」

 

俺の返事を聞いて、少し笑うアイエフ。面白い返事をしたのか俺は?

 

ネプギア「ねぇユニちゃん。体は大丈夫?」

ユニ「大丈夫よ。個室で少し休んでたから」

ネプギア「そうなんだ。でもユニちゃんからいい匂いがするのはなんでかな?」

ユニ「う、うるさいわね。ネプギアのくせに」

 

ネプギアに風呂に入っていた事がバレそうになるが、ユニは力強くで納得させたようだ。その後ふたりは 互いにゲーム機を出して遊んでいる。窓の前にいる俺に、アイエフが改めて話しかけてくる。

 

アイエフ「ところでジント」

ジント「なんだ?アイエフ」

アイエフ「記憶はどう?何か思い出せたかしら」

 

アイエフは俺の記憶が戻ってるかどうか聞きに来た。でも実際のところ、目覚めた力以外の事は何も。

 

ジント「残念ながら戦闘技術が少々、あとは何も」

アイエフ「そう、でも女神様が認めるような実力があるなんて凄いわね。いつか手合わせしたいわ」

 

アイエフが俺の実力に興味があるみたいだ。アイエフも戦う女なんだな。

 

ネプギア「そうなるんじゃないかと思ってNギアにユニちゃんとジントさんの戦闘シーンを撮りました!」

ユニ「な、ネプギア。いつの間に」

アイエフ「流石はネプギア、どっかの子と違って準備がいいわね。それじゃあ早速」

 

ネプギアがNギアを使って、ユニと俺の戦闘シーンをアイエフに見せるとアイエフは驚きの表情を見せた。

 

アイエフ「あなた、人を飲み込むくらいの大きなビームを剣で防いでるの!? かっこいいわ!」

ネプギア「かっこいいよね! ジントさんは凄いなー」

ジント「やめろ!やめてくれ!恥ずかしって!」

 

俺は動画の再生を止めようと動くが。ゲーム機を一旦しまい、俺の前に立ちはだかるユニ。ネプギアの盾になるように構えた。

 

ジント「な、邪魔をするかユニ」

ユニ「あんたの恥ずかしがる顔が可愛いわ。だからもっと見せなさい!」

ジント「なんで見せないといけないんだよ」

ユニ「え?………そ、それはー」

 

両手の人差し指をちょんちょんとくっつけ始めるユニ。どうしたんだ?つうかなに顔を赤くしてる!?

 

ユニ「ふん!そんなの決まってるわ。お、思い出作りよ思い出作り!」

 

だからその上目遣いをやめろー!

 

 

ネプテューヌ「たっだいまー!」

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ $100》

 

アイエフとネプギアが俺とユニの漫才を見て笑ってる時、ちょうど女神様達が帰ってきた。

 

ノワール「あらユニ。もう元気みたいね。しかも男の前で」

ユニ「ちょ、違うわお姉ちゃん!これは思い出作りよ!」

ノワール「はいはい。ただいま」

 

ネプテューヌに続いてノワール、ブラン、ロム、ラム、ベールが帰ってきた。

 

「皆さんとのゲームセンターは楽しかったですわ」

「私達はお姉ちゃんとクレーンゲームやったもんね!ねえーロム!」

「うん!」

「私はノワールと一緒にイニシャルPをやったもんね」

「アカヒゲカートのお返しが出来てスッキリしたわ」

「ネプギアー お腹空いちゃったよー」

 

帰ってきたみんなは早速昼食に入った。俺も早く取らないとなくなっちまう。

 

ネプテューヌ「美味しい!ネプギアとユニちゃん流石!」

ブラン「美味しいわ……」

ベール「この味……やはりネプギアとユニを妹にしなくては」

ノワール「ベール それは私が許さないわよ」

ネプテューヌ「ベール それは私が聞き捨てならないからねー!」

 

みんなは賑やかに食べている。まるでパーティーじゃないか、これが女神様の昼食。その時、隣からアイエフがこっそり話し掛けてきた。

 

アイエフ「あー見えて 実は昔、シェアの奪い合いで争ってたのよ」

ジント「あの女神達がか?」

 

このワイワイ騒ぐ女神達が争ってた?ちょっとイメージわかないな。

 

アイエフ「そう。でも友好条約で武力によるシェアの奪い合いを禁止されて以降、だんだん仲が良くなって今、みんなでゲームをするまで仲が良くなったわ」

ジント「そうなんだ アイエフ」

 

アイエフが軽く女神の昔話を教えてくれたが最初は仲が悪かったんだな。

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《新次元ゲイムネプテューヌV2 One Scene》

昼食が終わり、片付けが終わった後、各自個室に戻った。

 

ジント「さて、暇になったし、これを読むか」

 

ベットの隣にある小説本に手を伸ばす。俺が読むのは、昨日の夜、ブランから貰った自作の小説本だ。ページをめくり、まず本のタイトルを読む。

 

「空の男と霧の女……か」

 

俺は小説本を4時間かけて読み終えた。

 

ジント「主人公が霧に囚われたヒロインを救う為に、霧の城に行く。牢屋に囚われたヒロインに一目惚れした主人公、助ける事は出来たが、魔力が篭った霧が城に纏っていて出られない。霧を払うには城の主である霧の魔女を倒すしかないが、霧の魔女の正体がヒロインだった、惚れてしまった主人公は魔女を自分の手で倒してしまう、悲しい恋愛ストーリー…………か…………」

 

主人公!そんな結末でいいのか!主人公ー!好きな人に告白しないで良かったのかー!

 

ジント「ってもう17時か……結末はともかく、面白かったな」

そして、ふと思った。この世界に来てからの事を【扉】の事を。怯えるネプギア、気絶に追い込まれたユニ、傷だらけのノワールとネプテューヌ。四人の女神様を追い詰めたダークメガミ。

 

『また会う 人間』

 

きっとまた来る。間違いなく来る。禍がやってくる。

 

『だんだん仲が良くなって今、みんなでゲームをするまで仲が良くなったわ』

 

ユニが見せた笑顔、女神様達が見せた賑やかな笑顔、幸せが溢れた笑顔。

 

ジント「記憶喪失のせいで、俺にどんな意味があるか分からなかった……でも今なら分かる。俺の力、スカーレットフォトンの力で女神様の笑顔を守る。この日常を守る!」

 

自分にある意味が分からなくても、自分にある意味を作ったっていい筈なんだだから俺は守ろう、みんなを。俺は手に持ってた小説本を元の場所に戻す。部屋にいても特にやる事がないから、リビングに向かってみようと思った時だった。

 

コンコン

 

ドアからノックの音がする。誰か来たようだ。

 

ジント「はーい」

 

ドアを開けると、そこに立っていたのはネプテューヌだった。

 

ネプテューヌ「やっほ!ネプテューヌだよ!」

ジント「相変わらず元気だなネプテューヌ。で、俺に何か用か?」

ネプテューヌ「えっとね。突然だけど、みんなで風呂に入る事になったから!」

ジント「そうか まああんな広い風呂だしな、個人で入るのは寂し過ぎる」

ネプテューヌ「そう!だからジントも一緒に入るんだからね!それじゃあ!」

 

バタン!

 

ネプテューヌは伝える事全て伝えた後、ドアを勢いよく閉めて、走り去った。

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Minicar》

 

……………

 

ジント「な………な……なぁぁぁ!?」

 

俺は隠しきれぬ、隠し切れる筈がない。なんで………なんで……

 

 

ジント「なんで俺も一緒に入らないといけないんだぁぁぁぁぁ!」

 

俺の轟く声は、防音性がある個室によって、音漏れで言う、声漏れは起きなかった。




日常を守ると決意したジント

しかしこの後全員強制的に風呂に入る事になってしまった
一体何があって全員で風呂に入る事になってしまったのか?

ある意味新大陸に踏み入れるジントは
女神様との混浴をどうやり過ごすのか?

次回
Episode08 友好条約


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Episode08 友好条約

プラネタワー 大浴場

 

[ジント]

 

ジント「こちら ジント プラネタワーの風呂場に強制侵入させられた 応答してくれ」

 

って湯につかりながら誰かに向けて独り言を言うけど、誰からも返事が来ないのは自分でも理解している。

 

さっきネプテューヌから『全員で風呂に入るから!』って言われて、拒否権はくれなかった。そして先に入っててって言われて入浴してるが俺はこの後どうなるんだ?

 

ジント「俺は男だから、マジでこれは修羅場になるぞ。下手すれば死ぬぞ今度こそ……」

 

しかし神様こと女神様は待ってくれなかった。大浴場の入口から大勢の女神様が入って来た。もちろんだが全員タオルを巻いている。

 

ベール「し、仕方ありませんわ。もしかしたら一生の1度しかない事ですし……」

ブラン「ネプテューヌ……ジントの視界に入る範囲でバスタオルを脱がしたら、どうなるか分かるよな?」

ネプテューヌ「大丈夫だよブラン! 私は流石にそこまではしないから!それじゃあ入ろー!」

ノワール「待ちなさい!入浴する前にまず体を洗いなさいよ!」

 

こちら眼球!目の前から強力なエネルギー反応があります!艦長!

くぅ!艦を180度回転!フルブースト!メインカメラを遮断させ、どこかに捕まれ!

 

脳はこう言っている

ここで背を向けろと………

 

という訳で俺は背を向けた。

 

ノワール「ジント!分かってるとは思うけど、絶対に見ないでよ!じゃないと…」

ジント「分かってるってノワール!」

 

総員に告ぐう!防御体制に入る!衝撃に備えろ!

 

ネプテューヌ「それじゃあ早速! ノワールの体を洗いますかね!」

ノワール「ちょ!ネプテューヌ!自分で洗うからやめ……」

ネプテューヌ「良いではないか良いではないか~」

ノワール「い、いや!やめて!」

 

来るぞぉ!

 

《機動戦士ガンダム 颯爽たるシャア》

 

ネプテューヌ「落ちろ!!白い悪魔!」

ノワール「キャー!私のタオル!」

 

ぐぅぁ!くぅう!

 

ネプギア「お、お姉ちゃん…大胆。見習わなきゃ!」

ユニ「そうね……って!見習わなくていいわよ!」

ネプギア「お姉ちゃんはノワールさんを洗うから、私はユニちゃんを洗わないとね!」

ユニ「いやなんでそうなるのよ!ネプギア!」

ネプギア「大丈夫だよユニちゃん……痛くしないから……」

ユニ「ちょ…やめて…そんな目でアタシを見るなあぁ!」

 

艦長!メインカメラの遮断により現在の情報が分かりません!

とにかく耐えろ!耐えるんだぁ!ぐぅぅおぉ!

 

ベール「さあ、私達は自分で洗いますわ」

ブラン「私はロムとラムの体を洗うわ」

ベール「あら、流石はお姉ちゃんですわね。私も混ぜてくださいまし」

ブラン「嫌よ。ベールは1人で洗ってなさい」

ベール「もう、ケチですわね」

ブラン「ケチで結構……ロム、ラム、おいで」

ラム「はーい!」

 

揺れが収まりました!艦長!

エネルギー反応はどうだ!

エネルギー反応は未だイエローゾーン!

全方位G〇フィールド展開!2番手に備えろ!気を緩むな!

 

脳は言っている。耳を塞げと…………

てなわけで両耳を塞ぐ。

 

ノワール「ネ、ネプテューヌ! や、やめて!くすぐったい!」

ネプテューヌ「スタイルいいなーノワールは〜。それよりも!ここが弱いんだ~ひょい!」

ノワール「ヒャァァァ!そ、そこはダメ!」

 

ば、馬鹿な!G〇フィールドを持ってしてもこの衝撃とは!?ぐぅぅぬぁぁ!

 

ネプテューヌ「どうよ!私のサービス!」

ノワール「や、やってくれた……わね。ネプテューヌ!今度は私の番よ!」

ユニ「ネ…ネプギア。どうして……はぁ……はぁ…そんなにテクニシャンなの……よ……」

ネプギア「え?そんな上手いかな?ユニちゃん」

ユニ「う……うますぎ……よ。今度は私の番よ!」

ブラン「や、やめろって!ロム、ラム!」

ロム「今度は私達が洗う番!」

ラム「体全部洗うわよ!」

ブラン「だからやめろってば!」

 

ぐぅあぁぁぁってくぅ!

 

ベール「みんなして羨ましいですわ………こうなれば仕方ありませんわ………ネプギアちゃん、ユニちゃん、乱入させてもらいますわ!」

ネプギア「なぁ!?」

ユニ「ちょ!ベールさん!」

 

ぬぁぁぁぁぁ!く…くぅぉぉ!

艦長!揺れが止まりません!

まだだ!まだ落ちんぞ!

 

ネプテューヌ「さあ!みんな終わったかな?」

ネプギア「お…終わ…たよ…はぁ…はぁ…」

ブラン「ベール、相当羨ましかったのね」

ベール「ネプギアちゃんとユニちゃんはとても可愛らしかったので、つい」

ブラン「は、早く入りましょ。この疲れは湯にかかって癒したいわ……」

 

《機動戦士ガンダムOO DECISIVE BATTLE》

 

か、艦長!エネルギー反応あり!レッドゾーン!

ついに来たか!ここからが踏ん張りどころだ!全エネルギーを理性装甲に回せ!予備エネルギーを起動させ、G〇フィールドに回すんだ!

 

ノワール「あ、あなたのところもなかなか悪くない…わね」

ネプテューヌ「あぁ!ノワールがデレた!」

ノワール「ち、違うわよ!」

ネプギア「いい湯だね!ユニちゃん」

ユニ「そ、そうね。初めて入ったけどいい湯ね」

 

あ、誤魔化してる

艦長?

な、なんでもない!

 

ノワール「まあ言ってなさい。すぐに抜かしてあげるわ」

ネプテューヌ「やれるもんならやってみな!そして隙あり!」

ノワール「ちょ!いきなり抱きつかないで!」

ネプテューヌ「はぁーノワールの肌はすべすべだなー。スリスリー」

ノワール「あ…い、いやらしいわよ!ネプテューヌ!」

 

ぐあぁぁぁ!

 

ネプギア「ねえユニちゃん」

ユニ「ん?」

ネプギア「気になったんだけど。ユニちゃんはジントさんがいるお風呂でも、あまりびっくりしないんだね」

ユニ「え!?……ま、まあ……」

ベール「ふふふ」

ネプギア「どうしたんですか?ベール」

ベール「ユニちゃんが平気で居られる理由に、1つ心当たりがありますの、しかし、それは教えませんわ。自分で気付くべき点ですわよ」

ユニ「そ、そうなのよ!自分で気付きなさいよね!」

 

危うくバレそうになったな。

艦長?

な、なんでもない!

 

ブラン「あれ?ロムとラムは…?」

ノワール「ジント!」

 

艦長!緊急事態発生!

なんだ!

艦に接触あり!これは……………手です!

な、なんだとぉぉ!?ぐぅぁぁぁあああっくぁぁ!

 

ラム「ジーント兄ちゃん!」

ロム「遊ぼ!」

ジント「ちょ…!今は遊べない!遊べないって!」

ブラン「あ、コラ!ロム、ラム!」

 

艦長!エネルギー反応3人目が接近中!

くぅ!こんな強い衝撃が、まだ来るというのか!

 

湯が起こす小さな波からすると、これは近づいて来てるのか!あ、そうだ

 

《コープスパーティーBook Of shadows Lite》

ジント「ブラン。近くにいるか?」

ブラン「えぇ、いるわよ。分かると思うけど振り向いたら……」

ジント「小説、面白かったよ」

ブラン「え?」

ジント「空の男と霧の女、まさかの展開に驚いたし、感動した。良かったら、お前の他の小説本も読んでみたいな」

ブラン「ジント………あ、ありがとう……」

ラム「お姉ちゃん、照れてる!可愛い!」

ロム「お姉ちゃん、可愛い!」

ブラン「………………………」

ラム「あれ?お姉ちゃんが怒らない」

ロム「珍しい」

 

なるほど、ブランは照れると怒るんだな。

艦長?

な、なんでもない!

 

ネプテューヌ「ねぇねぇブラン。いつの間に小説本をジントに渡してたんだー」

ブラン「ネプテューヌには関係ないでしょ」

ノワール「売り上げはどうなの?ブラン」

ブラン「あなたが私の小説本に興味があるのかしら?ノワール」

ノワール「なんとなくよ」

 

エネルギー反応!レッドゾーン!2人接近されました!

不幸と理不尽が重なってしまえば、このままでは……

 

ジント「なぁ、俺はいつまでこうしてればいいんだ?」

ネプテューヌ「あぁ そうだった!、それじゃあノワール、ユニちゃん!」

ノワール「ネプテューヌ、覚えてなさい……ユニ?

 

 

艦長!更に1人が接近中です!

一体何が起きるというのだ!

 

ユニ「命の恩人だもん 」

 

ピト

 

ぬぉぉああぁぁぁ!っく!何の衝撃だ!

緊急事態です!艦の背後に、ユニらしき人物の両手が接触!Sエンジンの速度急上昇!

作業員に告ぐう!Sエンジンの安定を保たせろ!

踏ん張れぇぇぇぇ!

 

《超次元ゲイムネプテューヌThe animation promise》

 

ユニ「私はあなたに迷惑を掛けてしまった。ジントはダークホワイトとどうやって戦ったか知らないけど、きっと命の危機があった筈。記憶喪失で、本当なら記憶が戻るまで、ゆっくりしてなくちゃいけないのに、あなたが持つタキオンとかいう力を、私達のために使いたいって言った」

ジント「……………………」

ユニ「あなたと本気でぶつかって、私なりに確信した。目覚めたばっかりの力なのに、使い慣れてない力を私の本気と戦えるほどに、だから私も同じようにお姉ちゃん達だけじゃなくて、あなたの力にもなりたいって思った」

ノワール「ユニ……」

ユニ「未熟な私でも人を導かせる女神として………私自身として、あなたの力になりたいって……思った…でも、急に現れた【扉】に吸い込まれて、倒した筈のダークホワイトが現れて、一番にやられてしまった。力になりたいどころか、あなたや傷だらけになってしまったお姉ちゃんやネプテューヌさんやブランさんにたくさん迷惑をかけてしまった!本当にごめんなさい……ジント……うぅ……」

ノワール「ユニ……それは……」

 

防御体制を解除せよ。

し、しかし艦長。

そんな事はもう関係ない、会話の時だ。

り、了解。

 

ジント「気にすることは無いぞユニ」

ユニ「え?」

ジント「お前は迷惑をかけちゃいない」

ユニ「で、でも!」

ジント「お前は迷惑をかけたって思うけど、俺達は迷惑だと微塵も思っていない」

ネプテューヌ「そうだよ!私達はみんな一つになって、零次元の戦いで勝つ事が出来たじゃん!」

ブラン「あなたの力があってこそ……今がある」

ジント「そうだ。零次元の戦いで、どんな事があったかはしらない。でもお前の力があったから今がある。お前でしかやり遂げられない戦いがきっとあったはずだ。今回はお前には分が悪かっただけ、だから気にするな」

ユニ「うぅ………うっく…うっ…ジント…」

 

ユニはそっと俺の背中に頭をくっつけて、泣き出す。俺は耳を塞いだ手を下ろし、自分の決意を話す。

 

ジント「俺な。ゲイムギョウ界に来て、生活に慣れる事から初めて、最初に好きになった物がある」

ネプテューヌ「それはなにかな?」

ジント「お前達が幸せそうにしている笑顔だ」

ノワール「私達の笑顔?」

ジント「俺は、自分でも気付かない事があったんだ。下らないだろうけど、自分の意味が分からなくてな」

ブラン「あなたの意味?」

ジント「あぁ、お前達は女神様。じゃあ俺は何者なのか?記憶喪失の俺には、正直気持ちが良くなかったよ。でも俺に自分の意味を作る機会があった。それが小説本だ」

ブラン「私の小説本?」

ジント「あぁ、それで俺は自分の意味を作ったんだ。俺が好きになった物を守る、女神様の笑顔を守るってな」

ベール「あなた、嬉しい事を言ってくれますわね…」

 

場が場であって俺は振り向けないが、背中には頭をくっつけて涙を流すユニと俺の決意に感動したのか、お返しに女神様の加護と言う名の暖かい気持ちが俺には感じた。

 

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プラネタワー

 

翌日

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

午後12時 ネプテューヌとネプギアとユニを除く女神達は各自国に帰る時間が来た。

 

ノワール「ユニ、しっかり治療受けなさいね」

ネプテューヌ「また遊びに来てね!」

ベール「もちのろんですわ」

ブラン「ジント。私の小説本、楽しみにしててね」

ノワール「さあ、帰るわ。またね」

 

女神様達はそれぞれ変身し、青が広がる空へ向けて、元の国へ帰っていった。

 

ネプギア「行っちゃいましたね」

ネプテューヌ「だね~ 寂しいな~」

 

帰っていくみんなの後ろ姿が見えなくなるまで見送ると、俺はふっと思った事を言った。

 

ジント「ところでイストワールは?」

 

歓迎パーティーの片付け以来見かけない。

なんかあったのか?

 

ネプテューヌ「いーすんは調べ物をする時は必ず3日間姿を見せないんだよねー。可愛いところはあるんだけどねーうん」

ネプギア「ま、まあいーすんさんも頑張ってるから、私達も頑張らないと」

ジント「ごめん 私はこれから治療を受けに行くからこれで、また後でねネプテューヌさん。ネプギア。ジント」

ジント「気を付けてな。ユニ」

「うん…」

 

ユニは治療を受ける為、徒歩で病院に向かい、念のため見えなくなるまで見送る。そして次第に見えなくなったところでこれから何するかを考える。

 

ネプギア「それじゃあ、私達はどうする?」

ネプテューヌ「ゲームって言いたいところだけど、今日はクエストをやりたい気分かな?」

ネプギア「珍しいね。お姉ちゃん そのままゲームすると思ったよ」

ジント「そうなのか?ネプテューヌ」

ネプテューヌ「失敬な!私だってクエストやりたい時だってあるんだよー!」

 

俺達はネプテューヌの珍しい気分に付き合う為、クエストを受けるために、ギルドへ向かった。そう言えば、結局全員、なんで風呂に入る事になったんだ?…まあいっか。




半分修羅場半分交流で終えた風呂場
ジントの決意とユニの決意を互いに伝え、更に仲が良くなった

ネプテューヌが珍しい(らしい)事にクエストをやりたいと、ネプギアとジントを連れてギルドへ

その帰り、ユニと合流して四人とショッピング!?

次回
Episode09 証


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Episode09 証

プラネテューヌ 村

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ 100$》

 

[ネプギア]

 

ネプテューヌ「今日のクエストは収穫だよー!」

 

私ことネプギアはお姉ちゃんが珍しくクエストをやろうと提案が出てお姉ちゃんとジントさん3人でクエストをやる事に。2人の足でまといにならないように頑張ります!

 

ジント「クエストの内容は?」

ネプテューヌ「果物の収穫!お手伝いだね。プラネテューヌの隣に小さな村があるんだけど、そこに住んでるおばさんの依頼なんだ」

ネプギア「あぁ!前に手伝った時のおばあさんだね」

ジント「知り合いなのか?」

ネプテューヌ「まあね!最初はいーすんが選んだクエストでね。報酬は取立ての果物なんだ」

ジント「そうなのか」

 

早速私達は、依頼主のおばあさんのところはまで向かいました。ちなみに歩きで。

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Nep station》

 

ネプギア「わぁー!なんか里帰りみたい気分だね」

ネプテューヌ「こういう時に、幼なじみに再開して、わぁー!ってなるパターンが欲しいな!」

 

小さな街に着いたところ、この街に住んでいる皆さんから、信仰の眼差しを見せる。ジントさんに対しては別みたいですが………。

 

ジント「なあ、俺は結構変な目で見られてるんだけど……」

ネプテューヌ「女神の隣に男がいるんだもん! 無理はないよ!」

ネプギア「そうだね。だから早くおばあさんのところに行こ!」

 

人目を気にして、ちょっと早歩きで依頼主のところに向かう。そしておばあさんの家まで来ました。

 

ネプテューヌ「なんか懐かしいな~ 元気かな?」

 

お姉ちゃんがノックすると、中から人の声が聞こえて、少し待つと、おばあさんがドアを開けてくれた。

 

ネプテューヌ「やっほ! おばさん!」

ネプギア「こんにちは、おばあさん」

「あらお嬢ちゃん。久しぶりね。もしかして依頼を見て来たの?」

ネプテューヌ「そうだよ!今日も手伝いに来た!」

「そうなの~ ありがとうね。ところで隣のお兄さんは彼氏さんかい?」

 

私とお姉ちゃんの後ろにいるジントさんの事は当然ながらおばさんからしたら知らない人。気になっても仕方が無いけど、か、彼氏って言うのも流石にそれは……って彼氏!?ジントさんが!?

 

ネプテューヌ「か、彼氏じゃないよ~おばさん〜!」

ネプギア「そそそそそんな!ちち違うんです!私の彼氏じゃなくて……」

 

お姉ちゃんと私はつい反応してしまう。恥ずかしがるお姉ちゃんは可愛いな~。

 

ジント「ど、どうもジントと申します。ネプテューヌとは友達で……」

 

ジントさんはおばあさんに軽く自己紹介をしたところ、おばあさんは、早とちりしてた事に気付く。

 

「あらそうですか、早とちりしてごめんなさいね」

ジント「い、いえ、大丈夫です」

「かっこいいわねー モテるでしょ?」

ジント「いいやそんな」

 

おばあさんの言う通り、ジントさんはかっこいいと思うんだけどなー。5pbさんみたいな歌手っぽくていいと思うのに………。ちなみに5pbっていう人は、リーンボックスを拠点にライブしている人気歌手で、5pbさんには歌声に力があって、聞くと戦いを辞めさせる不思議な能力を持っています。

 

「ふふふ、それじゃあ早速で悪いけど、果物の収穫をお願いね」

ネプテューヌ「了解だよ!」

ネプギア「分かりました」

ジント「よし」

 

早速私達は、おばさんから収穫に使う道具を借りて、お手伝いに取り掛かる。リンゴやブドウなど沢山果物があって、ちょっと大変だったけど、無事終わる事が出来ました。

 

「今日はありがとうね。はいお嬢ちゃんとお兄さんの分だよ」

ジント「俺の分もいいんですか?」

「もちろん。おばあさんの幸せはみんなの笑顔だからね」

 

笑顔、その言葉を聞いた時、昨日の風呂場の事を思い出す

 

『俺が好きになった物を守る、女神様の笑顔を守るってな』

 

正直、凄くキュンて来た。

 

『今度は俺が助ける番だ』

 

あれから、私に何か変わった気がする。ジントの話が出ると、何故か反応しちゃうようになった。どうしちゃったんだろう、私。

 

「いつでも遊びに来てちょうだい、取り立ての果物をあげるから」

ジント「ありがとうございます おばあさん」

ネプテューヌ「それじゃあねおばあさん!行こ!ネプギア!」

ネプギア「え?あ!うん。それじゃあ失礼しました。おばあさん」

 

私はおばあさんに軽くお辞儀をして、小走りでお姉ちゃんとジントさんの後に追いかけて、共に雑談しながら実家のプラネタワーに着きました。

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

アイエフ「あら、3人共おかえり その果物は?」

ユニ「凄いわね」

 

帰りを出迎えてくれたのはアイエフとユニちゃん。私達が持ってる果物が気になるみたい。

 

ネプテューヌ「ふっふ~ん、クエストでおばあさんの手伝いで貰った報酬だよ!ドヤ!」

ネプギア「突然、お姉ちゃんが珍しい事にクエストやりたい気分って言ってて……」

アイエフ「ネプ子がクエストをやりたい!?ありえないわ…」

ネプテューヌ「ちょっとあいちゃん!それは聞き捨てならないよー!」

ジント「まあまあ落ち着けよ」

 

お姉ちゃんとアイエフさんの小さな言い争いを止めに入るジントさん、優しいなー。あれ?ユニちゃんもちょっとジントさんに見とれている?

 

ネプギア「大丈夫ですよジントさん。よくあるんです」

ジント「そうなのか?ならいいけど、この果物をリビングに運んでおくよ」

ユニ「あ、それならあたしが手伝うわ」

 

ユニちゃんがジントさんの手伝おうとする。努力家だなーでもちょっと珍しい。ユニちゃんが男の人に手伝うって言うなんて。

 

アイエフ「それじゃあ、私はまた仕事に戻るわ。そんじゃあ」

ネプギア「あ、頑張って下さい。アイエフさん」

ネプテューヌ「頑張ってね!あいちゃん!」

 

いつの間にか小さな言い争いが終わっていた。アイエフさんは自分の靴を履いて、仕事場に戻っていった。私達はリビングに移動する。貰った果物を選別して保存場所に置いて、ふ〜と一息つく。

 

ユニ「いっぱいあるわね、どんなクエストを受けたのよ」

ネプギア「プラネテューヌから少し離れた街に住んでるおばあさんの依頼で果物の収穫を手伝ったんだよ。ユニちゃん」

ユニ「ふ~ん」

ネプテューヌ「さてー!次はちょっと外行かない?」

ユニ「外ですか?ネプテューヌさん」

すね「まだジントにはプラネテューヌの中を見せてないからね!」

ジント「そう言えば、プラネテューヌって行っても、どんな店があるのか、何があるのかはまだ知らないな」

ネプギア「そうだね。ユニちゃんも一緒行く?」

ユニ「うん、私も行くわ。勘違いしないでよね!これはあくまで思い出作りなんだから!」

 

相変わらずユニちゃんは素直じゃないなー。素直に一緒に行きたいって言えばいいのに。これで四人だから、楽しめるかな?

 

ネプテューヌ「それじゃあ、レッツゴー!」

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プラネテューヌ プラネモール

 

《超次元ゲイムネプテューヌU i'm Feeling Lucky》

 

ここはプラネテューヌの中でも大きなショッピングモール、プラネモールに私達は来ました。やっぱり人気があるだから人も凄いな〜。もう少しで3時過ぎようとしてるのに凄い!

 

ジント「ひ、広いな。プラネモール」

ユニ「相変わらずここは凄いわね。お姉ちゃんの為にプレゼントを買った時以来よ」

ネプテューヌ「ふっふっふ!買い物には力を入れてるからねー!」

ネプギア「それじゃあ、まず何から回る?」

 

みんなで話し合ったところ、ジントさん以外一つだけ気づいた事があった。

 

「そうだ!ジントの服を買おう!」「ジントの服から買いましょ!」「ジントさんの服を……」

 

私達の息が揃った言葉を聞いたジントさんはびっくりしている。それより私もびっくり!お姉ちゃんとユニちゃんも同じ事考えてたんだね。

 

ジント「そ、そう言えば、俺の服はこれしかなかったな」

 

ジントさんは自分の服の事に気付いてそう言った。確かに4日間以上同じ服を着てるのはちょっとね。ずっと気になってたんだ〜

 

ユニ「服のセンスなら私に任せなさい!お姉ちゃんから習ったセンスを見せてあげるわ!」

ネプギア「わ、私も負けないよ!ユニちゃん」

ネプテューヌ「ふっふっふ~、女神の私に勝てるかな!」

 

私達はジントさんの為に、生活服と私服を買いにジントさんを引きずってファッションショッピングに連れていく。

 

ジント「や、やめろ!自分で歩くから!引きずらないでくれー!」

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ファッションショッピング

 

《コープスパーティー2U 可愛い仕草》

 

[ユニ]

 

ユニ「これはどうかしら?」

ネプテューヌ「いやいやこうでしょ!」

ネプギア「これもいいんじゃないかな?」

 

ファッションショッピングに励んでから30分くらいたった。あたしことユニはジントの為に服を選んでいるところ。生活服はある程度決まったけど、私服が決まらずってところね。

 

ユニ「ジントはどれも似合うわよね。V系ファッションもゴシックファッションも……」

ネプギア「赤と黒い髪色してるから、白いシャツと上着に黒いパーカーとかは?」

ネプテューヌ「それなら白いズボンとか合わせたら、ネプギアの考えた服装が合うんじゃない?」

 

さっきまで勢いがあったネプテューヌさん。でもいつの間にか選ぶの諦めて隣で見ていた。

 

ジント「お前はもうギブアップなのか?ネプテューヌ」

ネプテューヌ「あはは…… 私は元からファッションには疎いもんで~」

 

ネプギアが考えたファッションも悪くない。でも私が考えたファッションも譲れないわ!

 

ジント「なあ、ユニ」

ユニ「え? あ、なに?」

ジント「なにも私服は、一つにまとめなくてもいいんじゃないか?

 

ジントの一言があたしとネプギアの服選びに一時止めさせた。しまった!あたしとした事がついネプギアと競っちゃったじゃないの!そうよ!何も一つにまとめなくても良かったのよ。ジントの二つ目のファッションって事にすれば、ジントのかっこいい姿を………ごほん!

 

ジント「お、おいユニ? 顔を赤くしてどうしたんだ?」

ユニ「え?いや、なんでもないわ!アハハ!」

 

これじゃあ、私が変な風に見られちゃうじゃないの!

 

ユニ「と、とにかく!これであんたの二つ目のファッションはあたしが考えた私服で決定よ!」

ネプギア「それじゃあ一つ目のファッションは私が考えた私服だね」

ネプテューヌ「まあそうなるね!」

 

ありがとうございましたー

 

《コープスパーティー2U みんなの優しさ》

 

ジント「なんか新鮮だな。買ったばかりの服を着て出歩くのが」

 

あの後あたし達は、せっかくだから買った服を着させる事に。私流のファッションとネプギア流のファッション、どっちを着てもらうかをジャンケンで決めた結果、勝った!つまり今のジントの服装は、私流の私服を着てるって事!

白とY文字の太い線の模様があるTシャツに黒革の上着

ジーパンに白のハイカット。私なりの白黒コーデ、自信は正直ないけど……

 

ユニ「かっこいい………」

ジント「え?」

ユニ「いや!なんでもないわ!」

 

つい口にしてしまったわ!でも聞いてないみたい、良かった。

 

ネプギア「次はどこに行く?」

ネプテューヌ「ちなみにープラネモールのいいところって言ったらレストランと映画とかかな?まあ私はゲームセンターがいいけどね!」

ネプギア「昨日行ったばかりでしょ?お姉ちゃん」

 

ネプテューヌさんの言葉に割り込み、ゲームセンターに行く選択を阻止するネプギア。あたしもネプテューヌさんには悪いけどネプギアに賛成ね。ならあれにしよう。

 

ユニ「カフェにしない?甘い物が食べたいな」

ネプテューヌ「カフェなら確かあの子が居たかな!みんな!行くよ!」

ジント「なんか、周りの目線が気になるってちょ!引っ張るな!ってネプテューヌ!」

ネプギア「ちょ、待ってお姉ちゃん!」

「私もネプテューヌさんみたいに積極的にならないと……」

 

私はお姉ちゃんとか、女性相手なら積極的になれるけど、ジントみたいな男性相手だと恥ずかしくて積極的に出来ないのよね。お姉ちゃんはネプテューヌさんみたいに出来たりするのかな?

あたし達はネプテューヌさんの後を追った先に着いたカフェは

 

ガストカフェ

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ 100$》

 

ネプギア「ガストカフェ?もしかしてガストさん?」

ガスト「いらっしゃいませですの~ あ、ネプテューヌですの」

 

出迎えたのは看板娘とも言える人、ガストちゃん。私はあまり詳しくは知らないけど、アイテムの研究をしている人で、ゲイムギョウ界中に自作のアイテムを儲けてるらしいわ

 

受け付けのついでに自己紹介を終えた私達は、空いてる席を探す。一番奥の片っぽがソフトで反対側は椅子って言う構造の席が空いてるから、そこに座る。あ、そうだ!積極的に!積極的!

 

ユニ「私はジントの隣に座るわ」

ネプギア「じゃあ私はネプギアの隣だね!」

 

ジントはソフト側の端に座って、あたしはその隣に座る。ネプテューヌさんはジントと向き合う席に座り、ネプギアは私と向き合うように座った。

 

ネプテューヌ「それじゃあ、何頼もっかなー」

ネプギア「私はチョコケーキにしようかな」

ジント「俺はホットコーヒーとベーコンサンドにするか」

ユニ「私はいちごパフェね」

ネプテューヌ「じゃあ私はホットケーキ!」

 

それぞれ決まった注文を頼んで、後は待つだけになった、それにしても、横顔、かっこいい………

 

ジント「ん?どうしたユニ」

ユニ「あ……いや、男を連れてみんなで行くのは初めてでね」

ジント「そうなのか? ネプテューヌとネプギアは?」

ネプテューヌ「初めてだよ!」

ネプギア「私もです」

 

みんなして男と一緒に遊びに行くのは初めてなんだね。なんかそれはそれで仲間だと思えてホッとしたわ

 

ネプテューヌ「関わったりはしたけど、大体が仕事関係だったりでね」

ユニ「あたしは、男っちゃあ男なんだけど、一応友達はいるわ。ステマックスよ」

ネプテューヌ「あー!」

 

名前を聞いたネプテューヌさんは、何か心当たりがみたい

ね。

 

ネプテューヌ「私がちょっとイタズラをしたあのニンジャロボットか!元気にしてるかな?」

 

イ、イタズラ?まさかステマックスの弱みを握ってるのかな?確か女性が苦手だったっけ?

 

ユニ「もちろん元気にしてるわ。あたしとお姉ちゃんがここに来てる間、ケイとステマックスの2人がラステイションの教会に残ってくれたの」

ジント「ケイとステマックスはどんなやつなんだ?」

 

2人の事が気になるのか、私を横で見ながら話しかける

うぅ………ちょっと口ごもっちゃう。

 

ユニ「え、えっと。ケイはラステイションの教祖よ。性格は悪いけど、仕事が早い人。ステマックスは零次元の戦いで元は敵だった存在。だけど、零次元の戦いを裏で操ってた黒幕を倒すために、あたし達に手を貸してくれたロボットなの」

ジント「そうなんだ」

ユニ「無事解決した後、ステマックスとその親友は、自分の居場所を無くしたところをお姉ちゃんがステマックス、親友はベールさんが身柄を保護して、罪を無くす変わりに女神の使いにさせる事にしたのよ」

ジント「ふ~ん いつかあってみたいもんだな」

ユニ「きっとすぐ会えるわよ」

 

そうこう話してる内、私達が注文した物が来た、香ばしいホットケーキと、ランチにぴったりなベーコンサンドとホットコーヒー、ネプギアが頼んだチョコケーキを見てると、つい手が出そうな程に、いいデザインをしていて美味しいそう、でも私のいちごパフェも負けないわよ!

 

ネプギア「うん、美味しい!」

ユニ「ガストカフェは初めて来るけど、ここのいちごパフェは美味しいわね」

ネプテューヌ「ん~!プリンもいいけど、ハチミツと一緒に食べるこのホットケーキの味は絶品!」

ジント「みんなはどんなデザートが好きなんだ?」

 

少し笑顔で問いかけるジント

 

ユニ「あたしはいちごね」

ネプテューヌ「プリン!」

ネプギア「私はクッキーかな?」

 

私達の好みのデザートを聞いたジントは微笑みながら「そうなのか」と答える。というかこの偶然なチャンス!無駄にしないわ!さあ何が好きなのジント!

 

ユニ「そんなアンタは何が好きなのよ」

 

 

ジント「すまん、分からない」

ネプテューヌ「え?自分の好きな食べ物が分からないの?」

 

う、嘘でしょ!?好きなの物が分からないなんて!?

 

ネプテューヌ「なら見つけるしかないね!じゃあ、私のホットケーキを食べてみてよ!はい新しいフォーク!」

 

とあからさまに思い立った方法でジントに新しいフォークと自分のホットケーキを分ける。

 

ジント「あ、あぁ……それじゃあ遠慮なく」

 

ネプテューヌさんから分けてもらったホットケーキをフォークを使って、そのままパクり。味が伝わるとジントの表情は美味いと言わんばかりと見えた。

 

ジント「ふむ、うまいな」

ネプテューヌ「でしょ!」

ネプギア「じゃあ私のチョコケーキを」

 

次はネプギアが食べてるチョコケーキを少し貰ってパク。

 

ジント「甘い、甘くて美味いぞ」

ネプギア「それは良かった!」

ユニ「じゃ、じゃあ次は私ね」

 

えっと、確かこういう時は少女漫画では、食べさせた方が好感度が上がるのよね?

 

ユニ「はい、私のいちごパフェ、食べてみて」

 

あたしのいちごパフェをスプーンで掬って、ジントに食べさせようとする。

 

ジント「え? わざわざ食べさせなくても……」

 

な、何よ。あたしは変な事してるかしら?でも何が何でも食べさせたいわ!

 

ユニ「か、勘違いしないでよね!私はただあなたの好きな食べ物を確かめたくてやってるだけなんだから」

ジント「で、でもよ………」

 

逃がさないわよ!

 

ユニ「ネプテューヌさんとネプギアのは食べて、私のは食べないのは不公平よ!さあ食べなさい!」

ジント「ふご!?」

 

あたしが差し出したパフェを強引に食べさせた。はぁ………またあたしとした事が………つい〜

 

ジント「ん~ チョコケーキは甘かったけど、これも甘くて美味しい」

 

美味しい?美味しい!?そうよね!良かった!強引に食べさせちゃったから、どうなるかと思ったじゃないの……

 

ユニ「そ、それはよか…」

ネプテューヌ「ユニちゃん………大胆!」

 

突然ネプテューヌさんが目を星にして、私を大胆呼ばわりする。え?あたしが大胆!?

 

ネプギア「は…はわわ…ユ、ユニちゃん」

 

どういう意味か分からないあたしは、ネプテューヌさん顔を見て、ネプギアの顔を見て、ジントの顔を見て、そしてジントにパフェを食べさせるのに使ったスプーンを見て、そして気付いた。

 

ユニ「は……あ………」

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Minicar》

 

か、間接……キ、キス!?あたしはなんて事を!?

 

ジント「えっと………す、すまん……凄い真剣だったから、つい言えなくて」

「い、いややや?わ…わた…私は気にしししししてないわ…」

ネプテューヌ「いやどう見ても気にしてるね。まさにやっちゃった!だね!」

 

あ、あたしとした事が!気持ちのあまり新しいスプーンを使わないで、口付けしたスプーンで食べさせちゃったじゃない!あぁーもう恥ずかしい、一生忘れられないわ………

 

ジント「ま、まあ内緒にするからさ ご、ごめんな、ユニ」

 

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

ユニ「い、いや、あなたは悪くないわ……私の不注意で起きた事よ。それにしても、あなたのはシンプルね ブラック?」

 

気を取り直して、ジントが注文した物について問いかける。ブラックを飲めるなんて……あたしには一生無理ね。

 

ジント「あぁ、無糖のブラックだ」

ユニ「挑戦した事はあるけど、一口だけしか飲めなかったわ、苦すぎて」

ジント「なるほどな、まあ無理に飲めるようにしなくてもいいと思うぞ」

ネプテューヌ「だよね!」

 

雑談を重ねていく内、あっという間に時間が過ぎて、18時を回った。

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 One Scene》

 

ネプテューヌ「今日は楽しかった!」

ネプギア「そうだね、お姉ちゃん!」

ジント「プラネモールだけでこんな時間が過ぎるなんてな、それに服まで」

ユニ「気にしないでジント、同じ服を四日間も着てられないでしょ?」

ネプギア「私のは、まあプレゼントって事にしておいて下さい」

ジント「そうか、ありがとな 二人共」

 

あ、ありがとう!? そんな真面目な顔で言われたら、どうにかなっちゃいそうよ!

 

ユニ「か、勘違いしないでよね!」

 

 

ネプテューヌ「相変わらずのユニちゃん!ノワール譲りのご様子だね!」

「はぁー!?そんな事ないわよ!」

「え?違うの?」

「違います!!絶対違うわ!」

「何が違うんだ?」

「それは私がお姉ちゃんと同じようにツンデレって事よ!」

「え?ツンデレ?」

「はぁ!?」

 

し、しまった!勢いのままつい!

 

「ふふ………」

「ちょ!?いや違うわ!そうじゃなくて……」

「いやごめんごめん 可愛いなって思ってつい笑っちゃったよ」

か、可愛い!?

 

「う………!ぷい! べ、別に嬉しくなんかないんだから!」

「やっぱり姉妹だねー!」

「アハハ、ユニちゃん可愛い」

私は、ネプテューヌさんとネプギアとジント、特にジントに対してそっぽを向いた

 

でも、ますますおかしくなる、こんな気分は初めて……きっとこれは証かな?

 

『自分のやりたいようにやる権利はある筈だぜ』

 

………………少しだけでも…………ジントに近づけたかな?




クエストを終え、1日が充実した日を送る事が出来たジント達

一方、個人で調べていたノワールは、1つの悩みと2つの調べ物の事で頭を抱えていた

次回
Episode10 夜が差す公園


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Episode10 夜が差す公園

ラステイション教会 仕事部屋

 

[ノワール]

 

夜20時

ここはラステイション。ゲイムギョウ界の真ん中辺りに存在する。私が守護する国、言うのもなんだけど、シェア率は1位 私の自慢な国よ。

 

ノワール「はぁ………………」

 

教会にある私の仕事部屋で、報告書を書いているのだけれど、二つの問題で頭を抱えていてため息をする。

 

ノワール「情報が足りないわ」

 

私自身が体験したのに、理由が分からないまま終わった 二日前の事。全く手も足も出なかった。この私が………、倒した筈のダークメガミに簡単にやられるなんて。

 

ノワール「ダークメガミ………」

 

コンコン

 

仕事部屋のドアから誰かがノックする人が居る。誰か来たみたいね。

 

ノワール「誰?」

ケーシャ「私とリッドさんです」

ノワール「ケーシャ、リッド? どうぞ」

 

私は仕事部屋に入る事を許可した。2人は、ドアを開けて、部屋に入る。

 

ノワール「何か発見はあったかしら?」

 

私は早速、2人に頼んでおいた依頼の結果を伺う。

 

リッド「大きな発見はないが、1つ噂の聞いた」

ノワール「噂?」

ケーシャ「はい、ノワールさんが言ってました【扉】に関係するんですが」

 

【扉】を聞いた私は、席から離れて、飛びつくように聞き出す。

 

ノワール「それはなに!? 早く教えなさい!」

リッド「とりあえず落ち着いてノワール」

ノワール「あ、ごめんなさい………」

 

リッドに注意された私は、深呼吸をして落ち着いて話を聞く事にした。

 

ノワール「それで、噂って言うのは?」

ケーシャ「噂について聞き回ったところ、なにやら【扉】は、負の感情を餌にしてるみたいです」

ノワール「負の感情?」

 

私は疑問に思った。ネプテューヌとジントの話と、二日前に起きた事、あの状況で負に思う人が居たのかしら?

 

リッド「実際に確認はしてないが、噂を聞いたところ、一番多かったのが負の感情、すなわち不安や恐怖の感情が爆発した時、【扉】が現れるとの事だった」

 

負の感情を餌にする【扉】それはつまり意図的にじゃなく、生物的にやってくるって事?

 

ノワール「そう。いい情報を貰ったわ。流石はエージェントコンビね」

ケーシャ「お役に立てて光栄です。ノワールさん」

リッド「情報収集くらい、とうじぇ………当然だ」

 

リッドは相変わらずね。 褒めただけで動揺して噛むなんて。それより他の情報は掴んだのかしら。

 

ノワール「他には何かあるかしら?」

ケーシャ「これはステマックスさんが掴んだ情報ですが、最近モンスターが凶暴化しています。特に危険種部類中心に」

 

凶暴化している?しかも危険種中心、危険ね。

 

ノワール「危険種部類の凶暴化…………軍制の強化が必要ね。軍制の強化はケーシャの判断に任せるわよ」

ケーシャ「私が判断していいんですか?」

ノワール「もちろんよ 女神の私よりも、あなたの戦場慣れした戦術なら、対処しやすいわ、お願いね」

 

本来なら私自らやるべきだけれど、今回はケーシャに任せるべきだと判断する。

 

ケーシャ「ノワールさんの頼みなら………私、頑張ります!」

リッド「あたしはどうすればいい?」

ノワール「あなたはラステイション周辺の様子を探ってみて」

リッド「任務了解」

ノワール「今日はもう日が沈んでるから明日実行に移して頂戴」

ケーシャ「はい!」

リッド「了解した」

 

話を終えた私達は、2人をドアまで付き添い、帰りを見送った、そして私は仕事を続けようと元の席に座ったけど、窓から見える夜の月を見て気が向いた。

 

ノワール「夜風に当たって来ようかしら……………」

 

《BLEACH Soundscape to Ardor》

 

そう言って向かった場所は、ラステイションの中心にある公園。ジャングルの一番上まで登って、空を眺める。夜風はとても気持ちいい。昔は工場だらけで、夜風どころか物作りの臭いばっかりで、あまり心地は良くなかった。

 

ノワール「ネプテューヌのお陰でもあるのよね…」

 

私とラステイションは、ネプテューヌとの出会いで変わった。重工業を主産業にしてたラステイションは、空気や自然はどの国よりも汚れていた。でもネプテューヌとぶつかり合って、プラネテューヌを見て、気付いた。国の良さは、女神の心の良さ。昔の私は観光についてはあまり考えてなかった。ただ売りが良ければいいだけじゃない、売上よりも民の為に、国の良さは、女神の心の良さだけじゃなく、そこに住む民の心の良さこそが国を輝かせる正しい事。私はそれを、ネプテューヌとぶつかり合って、気付いた。変われて本当に良かった。素直に慣れなくていつも言えないでいるけど、気持ちの中では感謝でいっぱいなのよ………ネプテューヌ。

 

ノワール「私が今でも感謝の気持ちで居られるのも、ジントのお陰でもあるのよね……」

 

あなたがいなかったら、私やユニとネプテューヌは今頃……ダークメガミ……

 

『ま、まだよ!』

『無駄だブラックハート 貴様では我に勝てない』

『うるさい! てぇぇあぁぁ!』

 

がし!

 

『2人の女神の力を持ってしても勝てない相手に、1人で挑む貴様は、無謀に等しい』

 

パープルハートは戦闘不能になっていて、ユニは気絶していた。

 

『黙れ!』

『はぁぁ! えぇい!』

『無駄だと言っている!』

『う!?』

 

私の攻撃を斧で大きく受け流され、無防備になった私の頭を鷲掴みにし、壁に思いっきりぶつける、その衝撃で壁が盛大に凹む。

 

『くは!』

『我に頭を鷲掴みにされ、壁に激突させただけで武器を落とすか、だから無駄なんだよ。ブラックハート』

『くぅ…………』

『妹を守れず、ただ切りかかるだけ、貴様は………威勢がいいだけの弱者だ』

 

為す術がなく、頭を鷲掴みにされ 恐怖を覚えてしまって、とても悔しい、これまでにないくらい悔しい。

 

ノワール「あなたが来なかったら…………今頃…私達は……うぅ…く」

 

泣くしかなかった。力の差を教えられ、更に侮辱されて、臆して…………

 

ノワール「うぅっう……っくっう………」

 

 

???「1人で泣いて、どうした?女」

ノワール「え?」

 

《コープスパーティーBook Of shadows Light》

 

男性の声を聞いた私はハンカチで涙を拭き、声がしたとこに向くと、そこに立っていたのは、フードを被った青い目が特徴的な男が居た。

 

ノワール「あなたは……」

???「ただの通りすがりの者だ。それで、どうしてお前は涙を流している」

ノワール「どうしてって……それは…色々あったのよ」

 

私はまた、涙を流す。それを見られるのが嫌なので、体育座りにして顔を隠す。

 

???「お前には、支える者はいないのか?」

ノワール「私を……支える者?」

 

私は改めて空を見た。そして無意識に思い浮かんだ。私を支えてくれそうな人物の顔を、いや、彼に支えられたいと思った。

 

???「どうやら、いるようだな その人物に支えてもらうといい」

ノワール「ねぇ、あなたは……ってあれ?」

 

名前を聞こうと彼に顔を向けたが、いつの間にか居なくなっていた。彼は一体…………

 

ノワール「少なくとも、慰めてくれたのかな?」

 

名前は聞けず終いだけど、次あった時はお礼を言わないとね。もし私が落ち込んでいても、あなたの決意を思い出せば、また元気が出ると思うわ。ジント

 

ノワール「さぁ、帰ろ 私」

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《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

翌日

 

私は、ユニに電話して、いつ帰ってくるか聞いていた。

 

ノワール「昼1時ね 。気を付けて帰ってくるのよ?それじゃ、待ってるわ」

 

通話が終わり、あとは帰ってくるのを待つだけ。私室から出て、教会の職員に見回りに行く事を伝えて外へ出掛ける。

 

ノワール「まずギルドにも寄ってみようかしら、見回るだけって言うのもあれだしね」

 

私はラステイション内で見回りをしながらやれそうなクエストを探す。

 

???「あぁ!ノワールさん!」

 

ギルドの受け付けにいる私に気付いたエステル。天真爛漫な子で見た目が勇者みたい格好をしてるわ。毎回思うのだけれど、私服は着ないのかしら。

 

ノワール「エステルじゃない、あなたもクエスト?」

エステル「うん!今回は廃工場に捜索だけどね」

ノワール「捜索?」

 

エステルが搜索なんて珍しいわね。いつも討伐クエストをうけているのに。

 

エステル「うん! 廃工場に、たまに変な鳴き声が聞こえるみたいでね、その確認!」

 

そう言えば廃工場の謎の鳴き声についての報告書が届いた日があったわね。目を通してあるけど、この気に調べてみよう。

 

ノワール「良かったら私も一緒にいいかしら?」

エステル「もちろん!それに1人だと心細いからね!」

 

同行は案の定歓迎された。同行の証としてエステルから手を差し出した。なんか照れくさいけど、私は差し出した手を握って、握手する。

 

ノワール「ありがとう。よろしくね、エステル」

エステル「こちらこそ!ノワール!」

 

 

私はエステルと一緒にクエストに記された廃工場の写真の元に現場に向かった。

 

《神次次元ゲイムネプテューヌRe:Birth3 Prehistoric Cave》

 

ノワール「ここね」

 

この廃工場、確か昔、まだラステイションが汚れていた環境の頃から存在していた工事じゃない。

 

ノワール「この工場は、軍隊ロボットを生産されていた工場で、昔からあるわ」

エステル「へ〜。でも建物全体が古びてるけど、探索中に崩れたりしないかな?」

 

仕事もあって忘れてたけど、この工場は私にとって切らないといけない因縁がある、もう私はもう昔の私じゃないしね。

 

ノワール「縁起の悪いこと言わないの、ほら行くわよ」

エステル「う、うん」

 

私達は廃工場に足を踏み入れて、謎の声の原因の捜索に入る。廃工場なだけあって、周りは雰囲気が悪く、天井の欠片やロボットのパーツが転がっている。

 

エステル「なんか 肝試しみたいだね」

ノワール「だ、だから縁起の悪い事を言わないでよ」

 

その瞬間、奥から妙な音が鳴り渡る。

《神次次元ゲイムネプテューヌRe:Birth3 Rough Flash》

 

エステル「ノワール、今の音は」

ノワール「何かいるわね」

 

ここは廃工場という事もあるから当然は電気は稼働していないし、立ち入り禁止の看板もあるから、不本意に入らない筈。

 

ノワール「ここで待ってなさい。エステル」

 

私は手首に付けてるウォッチを使ってある名前を呼ぶ。

 

ノワール「ステマックス、静かに来て」

 

名前を呼んだ瞬間、上から1枚の木の葉が静かに落ちてくる。

 

エステル「木の葉?」

 

エステルが落ちてくる筈がない木の葉に疑問を持った時だった。木の葉の周りに静かな風が脇だし、ステマックスが現れてノワールの前に静かに舞降りた。

 

エステル「わぁー かっこ…」

ステマックス「おおおお呼びでしょうか、ノノワール殿……」

エステル「いい?」

 

エステルは思わぬ様子を見たのか、驚きの顔から疑問の顔に変わる。カタカタと震える残念なロボットが目の前に参上。

 

ノワール「あなたもいい加減、女性に対してのコミュ障を治しなさいよ」

ステマックス「ど、努力はしてるのですが、ななななかなか上手くいかないものでござる」

ノワール「はぁー、まあいいわ ちょっと私達に付き添いなさい」

ステマックス「了解でござる」

ノワール「念のため武器を構えて、行くわよ」

 

私はレイピアを装備して、エステルは片手剣と盾、ステマックスは大きな手裏剣を構える。私に続いてエステルとステマックスの並び順で音が鳴ったとこへ向かい部屋の前まで移動して小声で話す。

 

ノワール「操作室…」

ステマックス「中から何か、音が聞こえるでござるよ」

ノワール「私が開けるわ」

 

私は操作室のドアノブに手を握る。精神を集中させて万が一の戦闘に移行できるようにする。でもこの妙な心拍数、私は緊張してるのかしら?緊張を解す為にも、深呼吸を3回やって、そこから突入するタイミングを2人に見せるように指で合図する。

 

3……………2……………1!

 

私はドアを勢いよく開けた。そして私達は目にした。音の正体が人ではなく、物でもなかった。

 

ノワール「っ……」

 

目にした瞬間、全身が震える始め、神経全てが訴える。見違える筈がないわ。これは…………

 

 

 

 

 

【扉】だった。

 

《BLEACH Shadow's Masquerade》

 

ノワール「どうして……ここに【扉】があるのよ………」

ステマックス「ノワール殿、この【扉】をご存知でござるか?」

 

手の震えが止まらない、緊張が解れたのに、また緊張し始めて………怖い……

 

ノワール「は……!」

 

心境が一変した。自信に溢れた気持ちが全て恐怖に一変。負が私を蝕む。そのダメ押しに脳内に悪夢が走る。

 

『妹を守れず、ただ切りかかる』

『貴様は………威勢がいいだけの弱者だ』

 

ステマックス「ノワール殿?」

ノワール「はぁ!…は……はぁ!嫌ぁぁぁぁ!怖い!死ぬの怖い!やだ!嫌だァァ!」

 

私は、こんか感覚が初めてだった。怖い物が私を取り付く…………怖い…………怖い…怖い…怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…………………嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

エステル「ノワール!大丈夫!?」

ノワール「過呼吸でござるか!」

 

過呼吸に落ちてその場で膝を付いて苦しみもがく。

 

「嫌ぁぁ!ジント!助け!…はぁ!ふぁはぁ!」

「くぅ!一旦引くでござる!エステル殿!拙者に捕まるでござる!」

「う、うん!」

 

ステマックスは過呼吸に落ちた私を抱き上げ、エステルは背中に捕まって、穴が空いた天井に目掛けて飛び、廃工場から去る。

 

ノワール「はぁ!ひぃあ!はぁ!はぁ!」

ステマックス「大丈夫でござるよ!すぐに病院に送り届けるでござる!」

エステル「は、早い!?」

 

ステマックスが本気で移動する動きの速さは初めてなのか、エステルは少し声を上げる。忍者ロボなだけあって、建物の屋根を素早く走り、すぐ病院についた。

 

ステマックス「着いたでござるよ!」

 

受け付け員は急にロボットが来たことにびっくりしている。冷静を保たせていつも通りに営業する。

 

「あ、あなたは?」

ステマックス「拙者の事より、ノワール殿が過呼吸に落ちてるでござる!」

エステル「お願いします!助けてあげて!」

ノワール「嫌ぁぁぁぁ!し、死ぬのは!嫌ぁぁぁぁ!はぁ!はぁふぃあっ」

「はぁ!女神様が!分かりました!すぐに治療を」

 

ラステイションの女神の状態が危うい状態にある事を一目で分かる。周りの空気が曇り出したであろう。なにせ、 女神が過呼吸に落ちてる様子が病院にいる全客が注目してるのだから。

 

 

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《BLEACH Soundscape to Ardor》

 

私はラステイションに帰ってる途中、ステマックスからの連絡で聞いた。

 

ユニ「もしもし? 珍しいわね あなたが私に通話なんて」

『ユニ殿! 今はそんな事はいいでござる!それよりノワール殿が!』

『なんですって!?』

 

あたしはお姉ちゃんが心配になり、女神化して最大速度でラステイションに帰り、お姉ちゃんがいる病院に向かった。受け付けにお姉ちゃんの病室の番号を聞いて、猛ダッシュでお姉ちゃんの元まで走ってきた。

 

ユニ「お姉ちゃん!」

ステマックス「ユニ殿!」

ユニ「どいて2人共!」

 

あたしはステマックスとエステルを強引にどかして、ベッドでお姉ちゃんの姿を見た。

 

ユニ「お姉ちゃん………」

 

お姉ちゃんが患者服を着て、酸素マスクを身につけた状態で寝ている。あたしはこんな変わり果てたお姉ちゃんの姿を初めて見て涙を流し、それと同時に心に怒りの炎が燃え上がる。

 

ユニ「お姉ちゃんに……何があったの?ステマックス!あなたが居ておきながら何してたのよ!」

ステマックス「申し訳ない、ユニ殿」

エステル「ユニちゃん、悪いのは私なの。ノワールさんが、私がやるクエストに同行を許したせいで………」

ユニ「いいから教えなさい!何があったの」

 

あたしは説明を求めた。しかしエステルはあたしの涙と怒りの表情を見て動揺して口を開かないでいる。その間にステマックスが割り込む。

 

ステマックス「拙者が説明するでござる。拙者らはクエストで廃工場の妙な声の捜索をしてたのでござる」

 

エステルの代わりにステマックスが詳細を教えてくれた。そして聞いた私は一つの単語に反応する。

 

ユニ「【扉】!?」

ステマックス「【扉】をご存知でござるか?」

ユニ「知ってるわ。実際、あたしとお姉ちゃんとネプテューヌさん3人で巻き込まれたわ」

 

私は【扉】に巻き込まれた事とネプギアから聞いた。気絶中に起きた出来事を教えた。それを聞いた2人は同情した。

 

エステル「あのノワールさんが頭と背中部分に流血するほどの大怪我を……」

ステマックス「通りで【扉】を見た直後に過呼吸と精神不安定が起きる訳でござる」

 

お姉ちゃんが過呼吸と精神不安定………私が気絶してる間、ダークメガミに何されたの?………ねぇ…お姉ちゃん。

 

私は、変わり果てたお姉ちゃんの手を握って、目覚めるのを待つしかなかった。悔やんでも仕方ないのに……どうしてこんな時にあたしは何出来ないで居るのよ……ジント……。

 

 

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《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Blue Twilight》

ノワール「う……ん……ここは………病室?」

 

気付いた時は患者服を着て、酸素マスクを付けて寝ていた。手に何か感触がすると思えば、ユニが私の手を握ったまま寝てる。元気に迎えるつもりが、逆に心配させてしまったわね。私は酸素マスクを外して、病室の時計を探す。

 

ノワール「時間は………」

 

病室に置いてある時計の針は、夜中0時を過ぎていた。

 

「夜中0時………確か私は、エステルとステマックスの2人と一緒に廃工場に行った……その時はまだ9時を回る頃だったわよね…………私はそこで何かを見た気がする………」

 

それよりも、私はほぼ1日中、気絶していたってことよね……。ユニを元気な姿で出迎えたかったのに、出来なかった。

 

ノワール「ごめんなさい、ユニ。本当にごめんなさい…………」

???「ここにいたか、女」

 

病室の入り口から、男性の声が聞こえた。その方向を見ると人影が見える。

 

ノワール「だ、誰?」

???「あの時通りすがりの者だ」

 

人影と声の主は昨日の夜の公園に現れた、フードを被った青眼の男だった。その男は私の近くまで寄り掛かる。

 

ノワール「あなたはあの時の………どうしてここを…………」

 

次会ったらお礼をしたかったけど、こんな形で会うなんて。

 

???「今朝の10時、黒髪のツインテールの女がここに運ばれた噂を聞いてな」

ノワール「それで来てみたって訳ね。それで?こんな無様な私に、こんな夜中に何の用よ…」

 

男から顔をそらすようにして、窓から外の夜空を見ながら。ここに来た彼の理由を聞く。

 

???「何も無い」

ノワール「え?」

 

答えはあっさりした言い方だった。まさかの目的がないと言う事に疑問を持った。目的がないのになぜここに来たかを聞く。

 

ノワール「じゃあ、どうしてここに来たのよ」

???「お前には関係ない事だ。じゃあな」

 

言いたい事を言ったのか、後ろに振り返り、帰ろうとする。

 

「あ、待って」

 

こんな形で会ったけれど、このまま帰られたら嫌。だからお礼を言いたい。そして名前も知りたい。

 

ノワール「私はノワール」

 

私の名前を聞いた彼は、背を向けたままピタリと止まった。

 

ノワール「昨日はありがと……あなたの名前は…なんていう?」

アダスオラ「………アダスオラ」

 

私の要求に答え、自分の名前を答えた彼はそのまま振り返らず暗闇の中へ消えた。

 

ノワール「……アダスオラ……」

 

私はまた、夜空を見てた。

 

「どうしてかしらね……まだ会って間もないのに、あなたの言葉を本当に忘れられないじゃない」

 

『俺が好きになった物を守る、女神様の笑顔を守るってな』

 

昨日の夜、アダスオラが言った私を支える者。それは……

 

「女神が、身も知らない人あなたに一目惚れして、支えてもらいたいなんて思う、あなたに支えられたいって思う私は……変かな……ジント……」

 

 

 

とある山の頂上から、ルウィーを遠くから見る1人の女の子が居た。その様子はとても怪しいかつ、只者ではないオーラを纏っていた。

 

「そろそろ………挨拶でもしようかな…あなたの友達に」




【扉】と倒した筈のダークメガミの2つの問題、その2つによって覚えてしまった恐怖から守ってくれる人、支えてくれる人を求めていたノワール。青眼の目を持つ謎の青年アダスオラは、泣いていたノワールに助言を答え、ノワールは自ら気付く。身も知らない、知り合って間もない人、その張本人であるジントに、密かに好意を抱く良いになった。


一方
ルウィーでは凶暴化したモンスター達。ブランとゴールドサァドのシーシャとマーベラスAQLの3人が討伐していた。しかしそこへある人物に似た者がやってきた。

次回
Episode11 螺旋の脳波コントローラー


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Episode11 螺旋の脳波コントローラー

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Continuous Hits》

 

ルウィー周辺 雪地

 

[ブラン]

 

ブラン「ゲフェーアリヒシュテルン……!」

シーシャ「はぁぁああ! 龍昇拳!」

マーベラス「風遁!迅刀・カゼキリ!」

 

大技で崩れていく凶暴化モンスター達。相棒のシーシャと仲間のマーベラスAQLと共に、急増した凶暴化危険種部類を討伐している。でもその数は多数。

 

シーシャ「キリが無いね」

マーベラス「これで何体目か、もう数えてないよ」

 

討伐を始めてから30分、モンスターはあまり強くないけれど、この数は反則よ……。マーベラス曰く、もう数を数えるのが馬鹿らしいくらいだ。

 

ブラン「シーシャの報告が早いおかげで、ルウィーまで危害は及ばなそうだけれど、数が多い分、今のうちに倒しておかないと来た時の対処が難しかったわ」

マーベラス「エンシェントドラゴン、来るよ!」

シーシャ「all right!まだ来るなら最後まで付き合うよ!やられ隊共!」

 

私達は、向かって来る雑魚をひたすら倒していった。1発1発、ワンパンで蹴散らす。

 

シーシャ「数が減った気がしないね。どうする?」

ブラン「一気にやりたいところだけれど、下手にやれば自然に傷を付けかねないわ」

マーベラス「ルウィーの雪国、温度差が低いから自然の回復は望ましくないからね」

「そう、だから地道にやるしかない」

 

 

討伐を始めてから更に1時間が経過。私は女神化していて、シーシャは黄金の力を覚醒させていて、息が上がった状態まで戦った。見える範囲全て倒した。やっとの思いでその場で座り込む。

 

WH(ホワイトハート)「やっとか?」

シーシャ「それを言ったらまたやって来るよ……」

マーベラス「もう、動けない……」

 

これ程の数、零次元でルウィーを襲った無数の雑魚の群れ以上。弱いとはいえ今回は全て危険種。これをよく3人でやれたと思うぜ。

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

場が安定に入った事を知ると、私はすぐに女神化を解く。完全に疲れきった私達は、私が事前に持ってきたネプビタンVを2人に手渡す。

 

シーシャ「サンキュー ブランちゃん」

マーベラス「ありがとう。ブラン様」

 

2人はネプビタンVのキャップを開けて飲んだ。私もキャップを開けて飲む。効果が効いたのは一瞬、体の疲れと痛みが一瞬にして取れていく。

 

ブラン「プラネテューヌ産の栄養ドリンクは、相変わらず好評なのよ。私も仕事終わりに愛用してるわ」

シーシャ「味もいいし、うん、悪くないな」

 

一息付いた私達は、ゆっくり立ち上がって、ルウィーに帰る。

 

ブラン「さあ、帰りましょ、ロムとラムが待ってるわ」

マーベラス「はい!」

シーシャ「よし、今日もクエストクリアだな」

 

それにしても、何故エンシェントドラゴンや、昔に絶滅した悪魔の目と邪鬼が?エンシェントドラゴンはプラネテューヌとラステイションの間にある山に生息していて、ルウィーみたいな基本温度が低いとこには来ない筈、絶滅した悪魔の目と邪鬼も、まさか生き残りが?

 

シーシャ「どうしたブランちゃん?」

ブラン「いや、考え事よ」

 

考えるのは辞めよう。凶暴化による現象なら、少なくとも可能性がある筈だから、あとは凶暴化の元を調べあげるだけだわ。

 

 

私達はルウィーに戻った後、それぞれの目的があるので解散し、私はロムとラムが居る教会に戻った。

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lowee's Theme》

フィナンシェ「おかえりなさいませ、ブラン様」

 

私の帰りを出迎えてくれたのはフィナンシェ。この教会の一員にしてメイドを務めていて、主にロムとラムの面倒を見ている。疲れきった私に支えてもらいながら私室まで行く。

 

ブラン「ロムとラムは?」

フィナンシェ「ロム様とラム様は、私室で絵本を読んでいます」

ブラン「そう、紅茶を私の部屋に持ってきて頂戴」

フィナンシェ「かしこまりました」

 

フィナンシェは紅茶の準備をする為、私室に着いた後に台所へ向かう。私は私室に入って少し休憩してから趣味である小説の執筆を実行する。とは言っても、実はまだどんなお話にするかが決めていない、まずはそこからね。

 

コンコン

 

フィナンシェ「ブラン、紅茶をお持ちしました」

 

ノックをしたのはフィナンシェね。仕事が早くて助かるわ。

 

ブラン「どうぞ」

フィナンシェ「はい」

 

フィナンシェは私の私室に入り、用意した紅茶を私の仕事机にそっと置く。その際、私が用意した用紙に目を向いた。それはすぐに執筆用紙だと気付く。

 

フィナンシェ「小説の書き具合はどうですか?」

 

進み具合を聞かれた私は、その返事とて顔を横に振る。フィナンシェなら分かるかしら。ダメもとに聞いてみよう。

 

ブラン「フィナンシェ。あなたが書くなら何を書くの?」

フィナンシェ「私ですか?私なら恋愛ラブストーリーをジャンルで書きます。しかし恋愛に未練はないので分かりません…」

 

フィナンシェは深く頭を下げて謝罪する。意外だわ。フィナンシェは可愛いから経験者と思ったのだけれど、残念。

 

ブラン「なるほど、分かったわ。ロムとラムの世話をまたお願いね」

フィナンシェ「かしこまりました。それでは失礼いたします」

 

フィナンシェは深いお辞儀をし、私室を後にしてロムとラムの元へ行く。

 

ブラン「恋愛ラブストーリー……恋愛関連の本を頼りに書いてみようかしら」

 

私は本棚から恋愛物の本を取り出し、参考になる話を探してページを捲っていく。その時、自分の脳内から彼のセリフがリピートされる。

 

『良かったら、お前の他の小説本も読んでみたいな』

 

ブラン「あんな甘えるような声で言われたら、何が何でも書きたくなるじゃない」

 

私は手に持った本を読み、恋愛知識を得ようと目を動かし、そして決意する。今日から制作する小説のジャンルは恋愛ラブストーリーにすると。

 

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《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ BLANC's Theme》

 

ブラン「しまった……知識を得るどころか、つい取り出した本を全部読んでた」

 

私は焦って時計を見る。矢印は昼15時をちょうど過ぎていた。

 

「あれ?昼食は……」

 

昼食を食べ損なった私は、席から離れようとした時に気付いた。昼食と手紙が机の隣に置いてある。手紙にはこう書かれていた。

 

『昼食を持ってきたところ、ブラン様が凄い集中力で本を読んでいまして声を掛けにくい雰囲気でしたので、隣に置いておきます。申し訳ありませんが食べ終わりましたら、台所に置いてください。byフィナンシェ』

 

ブラン「気を使ってくれたのね。フィナンシェ」

私は早速昼食に入る。今日はオムライスのようね。スプーンを手にし、一口サイズにして食べる。その味は冷めて入るけれど、美味しい。その瞬間、閃いた。

 

ブラン「小説のネタにいいかも知らないわね」

 

主人公の女の子が寝ている男に気を使って、作った料理を隣に置いておく…………いいシュチュエーションになるんじゃないかしら。忘れないように、このネタをメモし、そして更にいい考えを閃いた事があった。

 

ブラン「そうだわ。恋愛知識を得るなら、実際に体験するのが手っ取り早いわね。後で誰かに相談してみようかしら」

 

とは言っても、相談出来る相手が限られる。ロムとラムはまだ分からないだろうし、シーシャはからかってくるだろうし、フィナンシェとマーベラスAQLしかいないわね。

 

「ミナさえいれば……………」

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Blue Twilight》

 

西沢ミナ、ルウィーの教祖。とても真面目で何事もしっかりしてる人なのだけれど、どういう訳か五年間姿を見せない。いえ、行方不明になってしまった。

 

ブラン「すぐ帰ってくると思ったのだけれど…あなたはどこに行ってしまったの?」

 

ミナの行方で頭を抱える。貴方に一体何があって姿を消したの?その直後、廊下からフィナンシェが私を呼んでいるのに気が付く。

 

フィナンシェ「ブラン様!」

 

メイドらしからぬ、私室のドアを勢いよく開けた。一体どうしたのかしら。

 

ブラン「どうしたの?フィナンシェ。そんなに慌てて」

 

 

《神次次元ゲイム ネプテューヌRe;Birth3 V CENTURY

To Hell》

 

フィナンシェ「シーシャ様から連絡がありました!また凶暴化モンスター達が門に迫ってきてるとの事で……」

ブラン「何?分かったわ。すぐに向かう、あなたはロムとラムをお願い」

フィナンシェ「分かりました。ご武運!」

 

私は女神化し、私室の窓から出てシーシャが居る門の前に向かう。ついた頃には、シーシャとマーベラスAQLは前戦に立って、ルウィー軍は後方援護でバックアップしている。

 

シーシャ「やあ、ブランちゃん。いやホワイトちゃんかな?」

WH(ホワイトハート)「ホワイトちゃん言うんじゃあねえよ。んで、また攻めてきたのか」

シーシャ「今朝よりは数が少ないが、今回は少し違う」

 

違うだと?迫ってくる凶暴化モンスターの群れをを見てみると、赤い眼光が見える。

 

WH(ホワイトハート)「更に凶暴な雰囲気丸出しじゃねぇか!?」

マーベラス「キャア!」

 

攻撃を受けて声を上げたのは前線に立つマーベラス。先に攻撃を仕掛け、私が来るまで時間を稼いでいたようだが、まずいな。

 

WH(ホワイトハート)「マーベラス!大丈夫か!」

 

私とシーシャはマーベラスの前に向かい、マーベラスからモンスターを遠ざけて守る。

 

マーベラス「ブラン様…イタタ」

シーシャ「話は後にしよう、今は前に対処するよ」

WH(ホワイトハート)「ちょうど場所が広いんだ!盛大に蹴散らしてやるぜ!行くぞテメェら!」

 

私は愛武器の斧を構えて、雑魚の群れに突っ込み、まとめて倒しに掛かる。その後にシーシャも仕掛け、体制を整えたマーベラスも前に出て、ルウィー軍も進軍する。

 

WH(ホワイトハート)「くぅ……手間かけさせやがって…」

シーシャ「私にゴールドサァドの力を使わせるなんてな」

マーベラス「もう……ダメ………」

 

残り一体を倒して、殲滅に成功したルウィー軍は、勝利の叫びを上げる。

 

WH(ホワイトハート)「まあ私達はルウィーを守りきったんだ。変身出来ないとはいえ、マーベラスもよく踏ん張ったな」

マーベラス「これでも……結構ダメージ貰って、きついですよ……」

「前戦お疲れ様です。皆様、これをどうぞ」

 

ルウィー軍の軍長が私達の元に駆けつけ、ネプビタンV三人分を差し出してくれた。

 

WH(ホワイトハート)「気が聞くなお前、ありがとな 軍長」

「勿体なきお言葉、恐縮です」

 

お礼を聞いた軍長は勇ましい姿で敬礼し、元に戻って行った。私達は差し出してくれたネプビタンVを開けて飲み、一息付く。やっぱこいつは手放せねぇぜ。しかしその時。

 

 

WH(ホワイトハート)「!?……」

 

これまでにない程の強い気配が雑魚の群れがやってきた方向から感じた。な、なんだこの感覚は?今までに感じた事がない程の力を感じる。誰なんだ?

 

???「流石はルウィー、防御が手薄な訳でもない」

 

白いコート靡かせる1人の人影が見えた。その人影はこっちに歩いて来ている。私はすぐに敵意を向けた。木の影に背中を預けていた私は巨大な斧を持ち上げて、戦闘態勢。

 

WH(ホワイトハート)「誰だテメェは!」

 

私の問いかけには答えず、ただこっちに歩いてくる。苛立ちが増し、体より意思が先に動く。斧を縦に持ち変え、人影に向けて一気に加速する。

 

シーシャ「待って!ブランちゃん」

 

シーシャは私を止めようと声を掛けたが、私は聞き入れず、人影に向けて接近し、空中へ大きく上がって一気に斧を振り上げ……

 

WH(ホワイトハート)「無理やり答えさせてやらぁ!てぇぇあぁぁ!」

 

全体重と力を振り絞り、人影に向けて振り下げる。

 

???「ふふ……」

 

がし!………ガタン!

 

WH(ホワイトハート)「なに!?」

 

信じられない事が起きた。私の渾身の一撃が片手で止められた。その影響で人影の足元が破壊音と共に砕き、ひび割れが広がる。

 

《BLEACH Fade to Black B07A》

 

シーシャ「ブランちゃんの一撃を……素手で?」

???「いきなり攻撃しないでよ。近くまで来たら教えるつもりだったんだけどな」

 

私は近くまで来て、やっと人影の姿をハッキリ認識した。全身は両足の脛まである白くて長いコートで隠されていて、顔はフードで口元くらいしか見えない。

 

???「顔が見たいのかな?」

WH(ホワイトハート)「さっさと正体を見せやがれ!」

???「そんな急かさなくても見せてあげるよ」

 

そいつは被っているフードをゆっくりと後ろに持っていき、姿を表した。そして正体をした私は認識した時と同じタイミングに心拍数が一度大きく鳴った。

 

似ている…。こいつはあいつに似てやがる。髪色は薄紫で前髪が顎まである長さのMバングと後髪も腰辺りまである長さに螺旋の髪飾り2つを着けている。目は白眼の部分が黒く、黒目は獣のような目をしていて瞳孔の色は薄いピンク。

 

WH(ホワイトハート)「ネプテューヌ……だと?」

クロテューヌ「ネプテューヌ?…この世界にいるネプテューヌと被っちゃうからここはそうだね、クロテューヌって事にしてくれるかな?」

WH(ホワイトハート)「何しに来た!お前の目的は…」

クロテューヌ「どうかな?私からの挨拶は?」

 

私の言葉を打ち消すように言い放ったクロテューヌ。私は直感で確信した。今朝のモンスターとさっき倒したモンスターも全部こいつの仕業!

 

WH(ホワイトハート)「テメェの仕業かぁぁ!」

 

私は素手で止められた斧を強引に離し、もう一度クロテューヌに目掛けて、斧を力いっぱい横に振る。

 

がし!

 

しかし私の攻撃はまたしても素手で止められ、クロテューヌの横から衝撃が発生し、並び立つ木なぎ倒されて行く。

 

WH(ホワイトハート)「ちぃ!」

クロテューヌ「だから、私は挨拶をしに来ただけだってば。戦いに来たんじゃなくて、君達の実力を確かめたいだけさ」

 

クロテューヌは余裕がある笑顔で、目的と思われる言葉をそう告げた。

 

クロテューヌ「まあでも、私の挨拶に答えてくれた褒美として1ついや、2つ教えてあげる」

 

クロテューヌが私の武器を掴んだまま、耳に顔を寄せてこう呟いた。

 

クロテューヌ「今、挨拶が行われてるのはここだけじゃないのと、ダークメガミは元々なんなのか……ね?他国を助けに行くなら今の内だよ?ホワイトハート」

WH(ホワイトハート)「な……に? テメェ!どうしてダークメガミを……」

 

私がその意味を聞こうとした時、クロテューヌは既に姿を消えていた。だがクロテューヌが最初に言った意味をすぐに気付いた。やばい事になってやがる!

 

WH(ホワイトハート)「くぅ!おい!軍長!」

 

私は大声で軍長を呼んだ。あいつが言ってる事が本当だとすれば!

 

「はい!ホワイトハート様!」

WH(ホワイトハート)「すぐに他の国と連絡を取れ!今すぐだ!」

「りょ、了解しました!」

 

軍長は大急ぎで連絡しに行った。そこを横切るシーシャとマーベラスAQLが私の元まで駆けつける。

 

シーシャ「ブランちゃん、さっきの敵は」

マーベラス「ブラン様……」

WH(ホワイトハート)「信じらんねぇ事に…第三のネプテューヌだ」

シーシャ「なんだって!?」

マーベラス「え!?」

 

ふたりは驚きの表情を見せた。それはそうだろうな。シーシャは超次元のネプテューヌと大きいネプテューヌを知っていて、マーベラスは超次元のネプテューヌしか知らない。でも今はそんな事が重要じゃない、問題はこっちだ!

 

「ホワイトハート様、連絡が取れました!プラネテューヌ、ラステイション、リーンボックス、全国が凶暴化危険種の襲撃を受けています!」

WH(ホワイトハート)「ちぃ! やっぱりか!」

 

あいつの言う通りなのかよ!

 

マーベラス「全国が襲撃!?どうして!」

シーシャ「一体なんの冗談だ…くそ!…」

 

他国が今も襲撃されてるなら、フリーになったここはもう来ない筈。だったら助けねぇと!

 

WH(ホワイトハート)「シーシャ!お前はラステイションを頼む!マーベラスはプラネテューヌに行け!」

シーシャ「緊急クエストだね!引き受けるよ!」

マーベラス「わ、分かったよ!ブラン様」

 

命令を聞いた2人は即刻、指定された国へ向かった。次は軍長に命令を下す。

 

WH(ホワイトハート)「軍長、お前達軍は警戒態勢に移行してルウィー周辺配置に着け!」

 

命令を聞いた軍長はすぐにルウィー軍にその事を伝え、行動開始する。そして私は陸を超えた海の先、リーンボックスへ行く。

 

WH(ホワイトハート)「私が来るまで、くたばるんじゃねぇぞ!リーンボックス!」

 

斧を一度消して雪煙を吹かせながら空を飛び、自分が出せる最大速度でリーンボックスへ援軍に向かっていった。

 




凶暴化モンスターの差金はネプテューヌに似たもう1人のネプテューヌ【クロテューヌ】。クロテューヌから告げられた言葉に焦りを見せたホワイトハートは各国を向かわせ、自分は海を越えたリーンボックスへ向かう。


一方、各国は襲撃との戦闘は既に始まっていた。その戦いは凶暴化した危険種の群れ。その数は過去最大、景色を埋める程の桁違いだった。それを統べる者が黒い剣を手にして立ちはだかる。その存在は守護女神と仲間達を驚かせる驚異的となる。

次回
Episode12 漆黒剣


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Episode12 漆黒剣

リーンボックス

 

[ベール]

 

リーンボックスの女神ではある私は、突如襲撃して来た無数の凶暴化危険種に応戦していました。

 

《機動戦士ガンダムOO 2nd DECISIVE BATTLE》

 

エスーシャ「凶暴化した危険種にしては弱いな」

アフィモウジャス「ふん、弱い分は数で補っておる キリがないわ」

ケイブ「ホエールにフェニックス、シュジンコウキまで、小型種が一体も見当たらないわね」

 

エスーシャ、アフィモウジャス、ケイブの3人は向かってくる危険種に応戦しながらそう呟く。

 

アフィモウジャス「まあよい、ベール様とリーンボックスに危害を加えるのであれば、打撃防御特化のワシのマットが盾となるまでよ」

GH(グリーンハート)「貫け!シレットスピアー!」

 

空中戦に持ち込んでる私は槍を召喚し、4〜5体のフェニックスを貫く。しかし4〜5体倒したところで、景色が埋まる程の数の前に意味は無い。

 

GH(グリーンハート)「なんて数ですの?これはもう危険種大戦争じゃありませんこと?」

 

私の視界には全てフェニックスとシュジンコウキで埋まる光景なんて初めてですわ。しかし普通と比べて脆い。

 

GH(グリーンハート)「本来の危険種より弱いのが幸いですわ」

ケイブ「ベール様」

 

ケイブの声が聞こえた私はその方向に向くと、蜂型の大型ピットに乗ったケイブが傍までやってきた。

 

ケイブ「危険種の数がキリがありません、時間の問題になると思うわ」

GH(グリーンハート)「やはり防御に専念するのではなく、攻撃に回った方が得策かも知りませんわね」

 

空中戦にケイブが加勢し、迫る危険種に迎撃する。その頃、地上戦では勢いが増して危険種の群れを押し返している。

 

エスーシャ「我が剣に宿せ……エクサスラッシュ!」

アフィモウジャス「伸びよ!チェーンバンプ!」

 

エスーシャの攻撃は空中から放ち、エクサスラッシュの衝撃により前方の敵を一掃する。そしてアフィモウジャスは攻撃は鎖で繋がった大剣を振り回し、全方位近距離の敵を薙ぎ払う。

 

アフィモウジャス「ふん、口ほどでもないわ」

エスーシャ「まだだ!はぁ!」

 

エスーシャは前方に落下しながら着陸し、その勢いで前へ走る。そのすれ違いに周りの危険種に向けて剣から放つ魔弾で蹴散らす。

 

アフィモウジャス「ゴールドサァドのエース。相変わらずやりおる」

 

がん!

 

アフィモウジャスの背後から切りかかるシュジンコウキ、しかしその攻撃はアフィモウジャスのマットによって無傷に終わる。

 

アフィモウジャス「言い直そう、ワシのマットは、近接防御特化なのだ!」

 

鎖で伸びた大剣を戻し、振り向く際にシュジンコウキその周囲の危険種も巻き添えに両断する。

 

アフィモウジャス「さあかかって来るがよい!哀れな危険種よ!」

ケイブ「オプション……ロック………」

 

ケイブの武装であるオプションを八つ召喚し、蜂型の大型ピットが2本のレールガンと主砲に変形し両腰に装着、目の前に青いレーダーが表示され、目標の表示、ロックする。

 

ケイブ「フルバースト!」

 

全武装による一斉射撃を放つ。放ったビームはレーダーに表示された前方のフェニックスとシュジンコウキを次々に落とす。

 

GH(グリーンハート)「私も負けてられませんわね。お見せしましょう。私の新武装を!ランスピット!」

 

私が召喚したのは新武装、八つの小型の槍。この槍は私の意思で操作する。槍の一撃は、如何なる壁も貫く!

 

GH(グリーンハート)「乱れ貫け!ランスピット!」

 

私は前方の危険種に目掛けて高速で動き回り、すれ違い危険種にランスピットの切っ先と刃が襲う。

 

GH(グリーンハート)「槍の舞……美しき風に引き寄せられ、散りなさい!」

 

群れの中心当たりまで来た私はその場に止まり、槍を上に向けて真横にし、両手で高速回転。回転すればする程緑色の衝撃波が発生し、巨大な竜巻を発生させる。

 

GH(グリーンハート)「シッキムバインド•ファング!」

 

ランスピットが竜巻流れに乗り、引き寄せられた無数の危険種が体のコントロールを奪われ、ランスピットによって風穴を開けられ、次々とブロック化する。

 

アフィモウジャス「凄まじい力、更に進化しておるの」

エスーシャ「ふん、私が認めた女神なだけはある」

 

 

残りの体力を考え、ある程度数を減らしただろうところで竜巻の維持を止めた。竜巻の中心にいる私は、外の風景は見えなかったが、次第に見えてくる。しかし危険種の数はまだ景色を埋まっている。

 

GH(グリーンハート)「……はぁ……まだいますの?」

ケイブ「あれだけの数を倒しても………危険種の数はまさに弾幕に等しいわね」

 

GH(グリーンハート)『く……このままでは時間の問題ですわ。やはりネクストフォームを使うしかないんですの?』

 

その時だった。危険種で埋まった景色の真ん中あたりに突如、大きな爆発が起きた。爆発で起きた煙の中から、1人の援軍の姿が見えた。その正体は……

 

アフィモウジャス「ふん。ようやく来おったか………援軍じゃ」

 

《超次元ゲイムネプテューヌU White Wings》

 

WH(ホワイトハート)「おいベール! 助太刀に来たぜ!」

GH(グリーンハート)「ブラン!来てくださいましたのね」

 

その正体はルウィーの女神、ホワイトハートだった。危険種の群れに気付いて助けに来てくださったのね。

 

WH(ホワイトハート)「相当の数見たいだが、後はこいつらだけだ!」

GH(グリーンハート)「という事は、もう少しで終止符を打つ事が出来ますわね」

 

残りの危険種、この勢いで倒そうと、動こうとしたその直後。

 

エスーシャ「アフィモウジャス、私を空に上げてくれ」

アフィモウジャス「何をするつもりだ、エスーシャ」

 

エスーシャは何かをやる気な表情で残りの危険種を見渡す。

 

エスーシャ「私が終止符を打つ」

アフィモウジャス「ほう、なら見せてみよ」

 

エスーシャはアフィモウジャスの腕に捕まり、アフィモウジャスがその場で全身を使って回転させる。そこから生まれた力と回転速度を利用し、エスーシャを空に向けて投げる。

 

《Final FANTASY 13 閃光》

 

アフィモウジャス「飛べ!」

 

エスーシャを空へ上がり、衝撃を発して空中を駆け登る。

 

GH(グリーンハート)「エスーシャ!あなた何を?」

エスーシャ「私が終止符を打つ!」

GH(グリーンハート)「ほう……。ゴールドサァドのエースの一撃……。いいでしょう、あなたにお譲りますわ」

 

私は槍を横に刺し、鉄棒代わりに構える。

エスーシャは槍の銅金に捕まり、上がってきた勢いを利用して逆上がりのように高速回転。速さの勢いが更に増したところで前方に飛ぶように手を離す。

 

GH(グリーンハート)「行きなさい!エスーシャ!避けなさい、ブラン」

WH(ホワイトハート)「あぁ!」

 

向かってくるエスーシャの移動範囲からホワイトハートは離脱する。すれ違う際にスローモーション、ホワイトハートはエスーシャにグッジョブサインし、それを返事としてエスーシャは目を鋭くする。

 

エスーシャ「黄金の力……見せてやる!」

 

エスーシャを囲むように黄金の輝きを纏い、武装を装着し、ガーディアンブレードを召喚して両手で握る。

 

エスーシャ「纏え!妖精の力!」

 

両手で持った剣は大量の黄金のオーラを纏い。その剣を横に構える。

 

エスーシャ「まとめて消えるがいい!大黄烈衝斬(だいおうれっしょうざん)!」

 

エスーシャが放った技は比べ物にならないくらい巨大な黄金色の斬撃波となし、危険種で埋まった景色全てを呑み込んだ。

 

GH(グリーンハート)「流石はゴールドサァドのエース……ですわね」

WH(ホワイトハート)「私が来た意味ねぇじゃんかよ」

 

 

大技を終え、空から降りてきたエスーシャは地面に着陸し、黄金の武装を解いた。その時エスーシャのもう一つの人格であるイーシャが褒める。

 

イーシャ『凄いわね、エスーシャ』

エスーシャ「ふん……」

GH(グリーンハート)「終わりましたわね」

 

エスーシャが長い時間かけて手に入れた大技、大黄烈衝斬(だいおうれっしょうざん)の一撃で危険種で埋まった景色は日常的な物に変わり、青い空がリーンボックスを照らしだす。しかし、本場はここからだった。

 

 

???「やるわね。リーンボックス」

 

1人の女性の声が聞こえた。声の元はリーンボックスの教会のてっぺんから聞こえた。私達は全員、リーンボックスのてっぺんへ向く。そこには太陽の逆光で隠れた1人の人間の姿が見えた。その時、太陽の日陰が傾き、隠れた姿が顕になる。

 

GH(グリーンハート)「あ……あなた!」

アフィモウジャス「馬鹿な……?」

WH(ホワイトハート)「あいつが居たって事は、やっぱりお前もいたか!」

 

《BLEACH Invasion》

 

私は目を疑った。似ている……。黒髪で、腰まである長さのポニーテール。眼光は青く左目の下に垂直に伸びた青色の線状。上半身は灰色と上から下へ伸びた垂直の青色の太い線状の服と黒の袖無しハイネックコート、下半身は右から左下に向けて、破けている黒と青のスカート。その人物は、てっぺんに立っていた。

 

???「私がラステイションの女神、ノワールに似てるかしら?まあ実際に私もノワールだからさ……」

 

自慢のポニーテールをいじりながらそう言い放つ。なんですの?この圧倒的な威圧感。戦う前から伝わるこの感覚……過去に戦ってきた誰よりも強い!。

 

WH(ホワイトハート)「クロテューヌが言った事が本当だったら、お前みたいな奴がラステイションとプラネテューヌに居るのか!」

???「クロテューヌ?あぁボスの事?そうとも、ルウィーの女神」

 

なんですって!?この強い気を持つ者がプラネテューヌとラステイションにも居るというんですの?

 

GH(グリーンハート)「あなた……この大量の危険種を率いた元凶……ですわね?」

???「そうとも、私があなた達リーンボックスの実力を確かめる為にね」

 

私達の実力を確かめる為、ですって?

 

エスーシャ「ふざけた事を………」

GH(グリーンハート)「話し合いはいいですわ。私の国、リーンボックスに危害を加えた罰、重くてよ!」

???「いいわ。挨拶だけと決めていたけど遊んであげる」

 

敵側ノワールこと青のノワールは二刀の黒い剣を召喚し、構える。

 

青のノワール「さあどこからでもかかってきなさい、なんなら全員やるかしら?」

WH(ホワイトハート)「上等だ!後悔するんじゃねぇぞ!」

 

 

私とブランを入れて他の3人と共に、過去最大の敵との戦いが始まった。

 

《BLEACH Sakkaku》

 

青のノワール「ふん!」

 

青のノワールはリーンボックスのてっぺんから、アフィモウジャスに目掛けて飛び降りる。

 

アフィモウジャス「ほう……ワシからか、貴様の剣 通用するかな?」

青のノワール「さあ、それはどうかしら?トルネードスラッシュ!」

 

アフィモウジャスは防御体制に入る。

その時、

 

がすん!

 

青のノワールはアフィモウジャスの後ろへ軌跡の刹那が走って着地した。攻撃は、を振った仕草は見られなかった。しかし後から青い斬撃が現れ、アフィモウジャスの装備を襲う。

 

アフィモウジャス「な………なんだと?」

 

防御に特化したマットと大剣は青のノワールのトルネードソードによって、一瞬にしてバラバラにされた。

 

青のノワール「脆いわね。その程度のものかしら?」

 

マットと武装、全てを切り落とされたアフィモウジャスは膝をついてしまった。

 

ケイブ「弾幕をくらいなさい!」

 

次に仕掛けたのはケイブ。上空から大量の弾幕が雨のように降り注ぎ、青のノワールを襲い、弾幕は次々と地面に着弾し、爆発する。

 

ケイブ「やったかしら?」

青のノワール「残念、大ハズレよ」

ケイブ「……!?」

 

地上戦に立っていた筈がいつの間にか後ろに居た青のノワールは、背を向いていたケイブに目掛けてかかと落としを繰り出す。ケイブは避ける事が出来ず、直撃する。その衝撃で地面に落とされて激突した。

 

エスーシャ「へあぁぁ!!」

 

エスーシャは青のノワールに向けて大ジャンプし、切りかかる。

 

がし!

 

青のノワール「いい剣ね。でも!」

エスーシャ「うぉ!?」

 

エスーシャは剣を受け止められた青のノワールに、跳ね除け吹き飛ばされる。物凄い勢いで吹き飛ばされ、近くの建物へ激突され、崩れ落ちる。今度は私達、空を浮遊している青のノワールが私達に目を向けた。

 

GH(グリーンハート)「エスーシャ!アフィモウジャス!ケイブ!」

WH(ホワイトハート)「てめぇ!よくも!」

 

3人がやられた?いとも簡単に?

 

青のノワール「弱者は……強者に狩られるが定め。さっきのゴールドサァドは悪くないけれど」

 

怒りが込み上がる感覚が湧き上がる。圧倒的過ぎる。その力の差が私の全身に流れるアドレナリンが沸騰させる。もう許しを与えないわ。

 

GH(グリーンハート)「もう許しませんわ、覚悟なさい!」

青のノワール「かかってきなさい!女神の力、改めて確かめさせてもらう!」

 

私とホワイトハートは一斉に青のノワールに攻撃を仕掛ける。

 

GH(グリーンハート)「プープルアセンスバースト!」

WH(ホワイトハート)「ツェアシュテールゲン!」

青のノワール「ふふ!」

 

私とホワイトハートの技を繰り出す。しかしその攻撃は二刀の黒い剣をクロスさせて受け止められたが、力に押され空から地面へ落ちる。地面に足が着いた瞬間、地面が盛大に凹む。

 

青のノワール「はぁ!」

WH(ホワイトハート)「うあ!」

GH(グリーンハート)「くぅ!」

 

受け止められた攻撃を跳ね除けられた私達は、間合いから大幅に下がる。

 

青のノワール「せぇぇあ!」

 

青のノワールは衝撃を発生させる速さで私達へ向けて高速接近し、切りかかる。

 

GH(グリーンハート)「は、早い!?」

 

青のノワールの攻撃をとっさに受け止められたが、勢いよく後に押され、踏ん張る際に地面が砕けていく。

 

青のノワール「女神の力は、こんな物なのかしら

WH(ホワイトハート)「舐めるんじゃねぇ!」

 

ブランは青のノワールから少し距離を取り、技を繰り出す。

 

WH(ホワイトハート)「テンツェリントロンペ!」

 

ハンマー投げをするように回転し、振り回しながら青のノワールに近づく。

 

青のノワール「わっかりやすい攻撃ね」

WH(ホワイトハート)「あぁ!?…くぅ!」

 

ホワイトハートが接近する前に私ごと剣に跳ね除けて吹き飛ばし、木に激突する。ブランの攻撃に注意を向き、技の最後の一撃を青のノワールに向けて、振り下ろす。

 

WH(ホワイトハート)「はぁぁ!」

 

がし! ガタン!

 

WH(ホワイトハート)「なに!?」

 

しかしブランの攻撃は簡単に見切られ、素手で止められた。その衝撃で青のノワールの後ろから地面が大きく歪み、砕け散る。

 

青のノワール「生温い!はぁ!」

WH(ホワイトハート)「うぉ!?」

 

素手で受け止めた斧を逆に振り回し、ホワイトハートごと私に向けて投げ飛ばす。

 

WH(ホワイトハート)「ぐあぁぁ!」

GH(グリーンハート)「くうあぁ!」

 

二刀の黒い剣をしまい、私達の前まで歩いて近づく。この私が、リーンボックスの女神が敗北するなんて……不覚。

 

青のノワール「ふむ……まあまあね」

GH(グリーンハート)「あなたは……何者ですの?…」

青のノワール「私から教える気は無い。でもヒントを教えてあげるわ。ルウィーの女神」

 

青のノワールはブランに指を指して、言った。ブランは驚きの顔を見せた。自分に心当たりがある事に……

 

WH(ホワイトハート)「わ、私にだと?一番気にしてる存在…………だと?」

青のノワール「そう、それじゃあ。もう飽きたから私は帰るわ。次に会うまで、せめて私に傷を付けられるくらいに強くなりなさい。女神様………」

 

青のノワールはそう言い残し、黒いオーラに包まれ消えていった。

 

WH(ホワイトハート)「帰ったか……のか?」

 

襲撃からなんとか逃れた私達は、変身を解いて一息つく。

 

GH(グリーンハート)「一休みしたいところですが、やられた仲間を病院へお連れしませんと、幸運だった。そう思いましょう」

 

私達は救援を呼び、やられてしまったエスーシャ、アフィモウジャス、ケイブを連れて、共に病院へ向かっていった。

 

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一方 ラステイション 大型交差点

 

BH(ブラックハート)「あなたは………ベール?」

 

ラステイションに突如やってきた凶暴化危険種を率いた人物。その姿はまるっきりベールと同じ、でも少し違う。

 

服装全体はプリンセスドレスの黄色と黒、目の色は私と同じ赤。武器は槍、その使い慣れは私が知ってるベールと互角。

 

姿を覚えたところで、ベールに似た相手はわたしの質問に答えた。

 

???「そうよ。でもあなたが知るベールじゃないわ」

 

突如襲撃してきた危険種の迎撃にはユニ、ステマックス、リッド、ケーシャと援軍に来たシーシャの5人が行っている。他の3人にはプラネテューヌの援護に行かせ、私は危険種の総大将に見えるもう1人のベールと向き合っている。

 

???「君の仲間、優秀ね。全国に危険種が襲撃、でも大半の危険種はリーンボックスに向かったのだけれど、これは失敗ね」

BH(ブラックハート)「まさかあなた!リーンボックスにこの数より多い危険種を!」

 

ラステイションに現れた危険種の数は、大半の大地が埋まる程の物だった。空中から仕掛ける危険種は居なかったけど、まさかリーンボックスは空中をも埋まる数を!?

 

???「あら、口が過ぎたわ。さあ戦いましょ。君と私のデュエルを」

BH(ブラックハート)「いいわ!ラステイションに危害を加えた事を後悔させてあげるわ!」

 

相手は右手から黒いオーラをゆっくりと放出させ、細い棒に展開し、槍の形に構築されていく。

 

《超次元ゲイムネプテューヌmk2 Dancing Girl》

 

???「私の武器、漆槍シャドウランサーの力……」

BH(ブラックハート)「ラステイションの女神の力…………」

「その身に刻みなさい!」

 

 

私と相手の声が重なり、決闘が始まった。一方、迎撃にあたっていたユニ達は、ラステイション軍と共に殲滅に当たっていた。

 

BS(ブラックシスター)「危険種がこんなにいるなんて………」

ステマックス「だがユニ殿、あともう少しで殲滅出来るでござる!」

BS(ブラックシスター)「お姉ちゃんが病み上がりなのに、あんた達が来るからぁぁぁ!」

 

ブラックシスターは自慢な武器であるレールガンで危険種の群れを粒子で薙ぎ払っていく。その空中に私が戦う。

 

???「はぁ!」

BH(ブラックハート)「てぇや!」

 

私のバスターソードと相手のシャドウランサーが何度もぶつかり合い、火花が飛び散る。

 

BH(ブラックハート)「フレイムエッジ!」

???「ウィンドエッジ!」

 

がっしゃ!

 

互いの刃に纏った属性がぶつかり、炎と風の衝撃が轟き合って、衝撃波が発生する。

 

BH(ブラックハート)「よく女神の私に付いてくるわね」

???「私が君?それはないわラステイションの女神」

BH(ブラックハート)「なんですって?」

???「付いてきてるのはね?君よ!」

BH(ブラックハート)「くぅ!」

 

押し合っていた状態で、相手は私ごとバスターソードを跳ね除け、地面に衝突する寸前にアクロバットな動きで体制を立て直す。

 

???「今度は私の番よ………ブラッディースピア!」

 

相手は槍に黒いオーラを纏わせ、私に向けて槍を垂直に投擲する。私は後に下がり、横に避けた。外れた槍は交差点の中央に突き刺さり、衝撃波と共に地面が盛大に凹む。突き刺さった槍を相手が移動しながら取り、私に連続突きを仕掛ける。

 

???「はぁあぁ!せい!」

BH(ブラックハート)「くぅ!」

 

残像が残る程の早い連続突きをかわし続けるが剣先が速すぎて避けるのが精一杯。

 

???「いつまでかわし続けられるかな?女神」

 

連続突きに乱れがなく、剣速は揺るがない。ひたすら避け続ける。

 

???「あぁ!はぁ!…」

 

必死に交わしていた私はブラッディースピアの影響で地面が凹んだ際に転がって来た石を運悪く踏んでしまいバランスを崩してしまう。

 

???「その隙、貰った!」

BH(ブラックハート)「し、しま…!」

 

 

このままじゃあ攻撃を受けてしまう。私は目をつぶった。隙をつかれ、相手が私の腹部分に槍を向けて攻撃した瞬間だった。

 

BH(ブラックハート)「………?」

 

攻撃が来ない?状況を確認しようと目を開くと、そこには……

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Strong Determination》

 

そこにはフードを被った青眼の男が槍の柄を掴んでいた。槍は私の腹部分に突き刺さる寸前で止められている。

 

アダスオラ「そこまでだ、レーラ」

???「き、君は…」

BH(ブラックハート)「アダスオラ!」

 

相手はアダスオラを見て、顔を険しくなった。そして戦う意思がなくなったのかシャドウランサーを黒いオーラに包ませ、槍が消えていく。

 

???「残念ながら、勝負はおあずけね。君、名前は?」

 

私の名前を聞こうとする。私は素直に自分の名前を教える。

 

BH(ブラックハート)「ノワール、ラステイションの女神よ」

レーラ「ノワール…私はレーラ。知っての通りベールに似た存在よ」

 

ベールに似ているその女性はレーラと名乗った。腕を組み、アダスオラの方へ顔を向く。

 

レーラ「なるほど、あなたの妹のアリファに似ているね」

アダスオラ「黙れ、レーラ」

 

アリファ?アダスオラの妹は私に似ている?一体何の話をしているというのは?

 

BH(ブラックハート)「ちょっと!一体何の話をしてるのよ!」

 

レーラ「また会いましょノワール。次に会う時は、もっと強くなってる事を願うよ。じゃあね」

 

そう言い残したレーラは黒い風を纏い、姿が見えなくなったところで黒風が止むと、レーラの姿が私消えていた。私を助けてくれたアダスオラに顔を向くと、アダスオラを同じように私をじっと見つめる。

 

BH(ブラックハート)「あなた……まあいいわ。一応ありがとう…それより、あなたは何者な……」

アダスオラ「プラネテューヌに迎え、話は後だ」

 

私の言葉を強引に打ち消すアダスオラ。

 

BH(ブラックハート)「ちょ、ちょっと!私の話を聞きなさいよ!」

アダスオラ「喚くな。まだ挨拶は終わっていないんだぞ」

 

な!?そんな!プラネテューヌにも襲撃を受けているというのは!?だったら早く助けに行かないと!私は、アダスオラに対する話を諦め、気持ちを切り替えてプラネテューヌに援軍に向かう事にした。

 

BH(ブラックハート)「わ、分かったわよ」

 

ユニ達に、プラネテューヌに向かう事を連絡で伝えて

改めて、アダスオラに顔を向くと。

 

BH(ブラックハート)「あ、あれ?」

 

さっきまでいた居たアダスオラは、いつの間にか消えていた

 

BH(ブラックハート)「ちょ、なんで消えちゃうのよ!次会った時は、言葉負けしないんだからね!」

 

ユニ達が心残りだけど、私はプラネテューヌへ援護に向かった。

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一方 プラネテューヌ スタジアム内

 

[ネプテューヌ]

 

《BLEACH Invasion》

 

PH(パープルハート)「雑魚は殲滅したわ。後はあなただけよ、ブランに似たあなた」

 

私ことパープルハートは今、ネプギア、ジント、そして援護に来た愛染、アイン、リーファイ、マーベラスAQLで危険種を殲滅した。そして最後の的にして私達を驚かせた、ブランに似た相手一人となった。恐らく別次元のブラン

 

姿はまるでアサシン。両腕の肩から肘まで服が破けていて肘から手首まで黒の袖を着ている。黒と水色の横線の模様があるミニスカート。髪型はセミロングの茶髪、左目には水色と黒の狼の模様が記された眼帯と右目の色は真紅。首には赤いマフラーを身につけている。

 

PH(パープルシスター)「あなたは何者ですか!どうして襲撃を」

 

ネプギアがブランに似たその子に問いかけた時だった。

 

???「くっふふふ………」

 

ブランに似たその子は笑った。私を入れた7人を相手に笑う余裕があるとでも言うの?

 

???「変身して、今すぐぶちのめしたいけどあいにく変身は禁じられてる。だからこの姿のまま本気をだしてやる」

ジント「まあいいぜ。ちょうど場所がスタジアムなんだ。盛大にやってやる」

 

そう言ったのは、スカーレットフォトンを装備したジント、やる気満々の様子。全員が武器を構え、そして相手も。

 

???「見せてやる 僕の武器を」

 

 

右手を前に突き出して開くと、徐々に黒いオーラが圧縮し、剣の形に展開し、それを逆手に持った。

 

《BLEACH emergence of the haunted》

 

???「名はダークソラス。この剣が、お前らの首を跳ねさせる武器名だ!」

PH(パープルハート)「 7人であなたと戦うのは正直不本意だけど、プラネテューヌに危害を加えたあなたには、この剣を持って切らせてもらうわ」

 

戦闘の構えを見せる敵の視線から殺意を感じる。手慣れた雰囲気を感じる。油断は出来ない。

 

PH(パープルハート)「はぁぁ!」

 

先に仕掛けたのは私。刀を前に突き出し、敵に向けて攻撃する。相手は私の攻撃に反応し、しゃがんで避けると、私を通り抜かしてネプギア達へ向けて迅速な速さで間合いを縮める。

 

???「その首を貰うぜ!」

 

敵の狙いはネプギア。ネプギアの首に向けてダークソラスが襲う。

 

PH(パープルハート)「ネプギア!」

PS(パープルシスター)「し、しま…」

 

がしん!

 

愛染「危ない危ない。もう少しで綺麗な花に血が付着するとこだったね」

アイン「油断大敵……」

 

首に迫っていた攻撃を受け止めたのは、愛染のレイピアとアインのガンブレードだった。反応がもう少し遅かったら、今頃ネプギアの首は地に落ちていた。

 

???「僕の反応速度に付いて来るか……」

 

攻撃を阻止された相手は一度離れるようにアクロバティックな動きで間合いから出ていき。みんなは一旦バラバラに移動し、距離を取る。

 

アイン「くらえ」

 

アインは距離を取りながらガンブレードの射撃を使って照準を向けて銃弾を撃つ。

 

かん!かん!パオン!

 

しかし撃った弾は、相手の剣さばきで全て切り払われた。あの剣を軽々と動かすその剣技は、戦うまでもなく強さを感じる。

 

PS(パープルシスター)「まだです!当たって!」

 

次はネプギアがM.P.B.Lの魔弾でアインと一緒に敵に向けて放ち、更に弾が相手を襲う。しかし放った弾は、またしても切り払われ、残りは身軽な動きで後ろに下がりながら避けられた。アクロバットで最後に空中までジャンプした敵を私とジントが切りかかる。

 

ジント「てぇぇやぁぁ!」

PH(パープルハート)「はあぁぁぁ!」

 

がしん!

 

PH(パープルハート)「きゃあ!?」

 

しかし私の斬撃は受け止めらた、あっさりと跳ね返され、その勢いに飛ばされる。

 

がしゃん!

 

その次にジントの剣と敵の剣がぶつかり、火花と轟音が走る。

 

???「くぅ!」

ジント「てぇ!」

???「ぐぅ!?」

 

剣の押し合い中にジントの右足蹴りを繰り出し、敵の横腹を直撃させて吹き飛ばした。吹き飛ばされた相手はスタジアムの観客席に勢いよく激突し、穴が開く空いた。

 

アイン「あのナイト、やる」

 

ネプギアと小さな声で呟いたアイン。

 

PH(パープルハート)「はぁ!? マベちゃん!後ろ!」

 

観客席に激突した筈の相手はいつの間にかマベちゃん(マーベラスAQL)の後ろに立って、攻撃を仕掛けていた。

 

マーベラス「え?……ぐぁ!」

 

とっさに振り向いて防御しようとしたが遅かった。その動作を行う前に拳がマベちゃんの腹部分に命中、その衝撃で吐血してしまい、衝撃波を発して吹き飛ばされ、壁を貫通する。

 

PH(パープルハート)「マベちゃん!」

???「油断大敵。そこのガンブレードに言われた筈だ」

PS(パープルシスター)「マーベラスAQLさん!」

 

ネプギアな吹き飛ばされたマベちゃんの元に駆けつけて、様子を確かめると、意識はあるが口元に血を流した姿が見えもはや戦える状態じゃなくなっている。

 

《BLEACH Soundscape to Ardor》

 

アイン「貴様………」

アイン「よくもマーベラスを」

 

マーベラスの状態を見たアインと愛染がさらに険しい顔で敵を睨みつける。その時

 

リーファイ「気功拳!」

「…………!?」

 

敵の真上にいたリーファイは敵に目掛けて気弾を放った。とっさに後ろに避けた相手は攻撃してきたリーファイを直視する。

 

リーファイ「油断大敵、そっくりそのまま返すアルよ!」

???「はん!おもしれえ!」

 

空中から着地したリーファイはそのまま敵の胸に向けて蹴りを繰り出し、私は空中から刀を振り下ろす。

 

がし!がん!

 

しかし、リーファイの蹴りは左手と止められ、私の刀はダークソラスで受け止められる。

 

???「いいキレだ。だが無駄だ!」

 

抑えていた私の刀を一度離し、リーファイを掴んだ足を引っ張り、体制が崩れたリーファイは相手に左手で顔を掴まむ。

 

リーファイ「…ん!?」

 

助け出そうと刀を振るが、それよりも早く動いた相手。顔を掴まれたリーファイはスタジアムの壁まですごい早さで押され、思いっきり後頭部をぶつけた。その衝撃で壁がぶつけられた部分だけ崩れた。壁や物が壊れる音がスタジアム内に鳴り響く。

 

PH(パープルハート)「リーファイ!」

???「2人目………」

 

[ジント]

 

早い……なんてやつだ。援軍に来たマーベラスとリーファイが一撃で倒された。こいつ……強い!

 

???「街中だからと言って力の出し惜しみをしているんじゃねぇ。さもないと、この弱い2人のよう、私に瀕死状態に追い込まれるぜ?」

???「そこまでよ!」

 

 

誰かの声がスタジオ全体に鳴り響く。その声主は空を飛んだ一人の女神だった。

 

《超次元ゲイムネプテューヌU Black Brave》

 

ジント「ノワール!」

 

女神の正体はラステイションの女神ことブラックハートだった。ノワールが来たって事は、このリーファイが言ってた危険種の襲撃とやらが片付いたようだな。

 

BH(ブラックハート)「待たせたわね!みんな」

???「ラステイションの女神が来たという事はと言うことはレーラは引いたか」

BH(ブラックハート)「アイン、愛染、この場は私達に任せて。あなた達はやられた仲間を連れて逃げて!」

アイン「わ、分かった」

愛染「了解だ」

 

2人はやられてしまったマーベラスとリーファイを担いで、スタジアムから出て安全な場所へ向かっていった。

 

BH(ブラックハート)「さあ、次からは私が参戦させてもらうわよ」

ジント「心強いぜ!」

PH(パープルハート)「行くわよ!」

 

俺達全員で一斉に仕掛ける。まず先に動いたのはノワール。敵の前まで来て、武器を振り下ろしたその時。

 

がしん!

 

???「…………!?」

BH(ブラックハート)「何よこのバリア!」

 

ノワールの斬撃は敵を囲むように展開された紫色のバリアによって防がれた。その時、スタジオ内全体に女性の声が鳴り響いた。

 

???「はいそこまで、挨拶はもう終わりだよ カセン」

カセン「ちぃ……もう時間切れかよ」

 

 

カセンという名と思われるその子は剣を下ろした。俺達は一旦距離を状況確認する為、もう1人の声の正体を探る。

 

《BLEACH On The Precipice Of Defeat》

 

 

PH(パープルハート)「誰なの!」

???「誰かって?とりあえず私を見てくれないかな? 穴が空いた観客席にいるから」

 

俺達は言われた通り、穴が空いた観客席の方へ見ると。その声の発した者が腕と脚を組んで座っていた。

 

PS(パープルハート)「あなた……わ、私!?」

ジント「な………なに?」

PS(パープルシスター)「お、お姉ちゃん!?」

 

似ている。どこかしらネプテューヌに似ている!違うとこを言うなら、髪の毛の長さと白目が黒いだけだ!それよりなんだ?初めて見た筈なのになんだこの懐かしく感じる感じは?

 

???「なかなか帰ってこないと思ったら、まだ戦ってたんだね。カセン」

カセン「うるさい」

 

カセン……あいつの名前はカセンと言うのか?

 

クロテューヌ「似の通り、私の名前はネプテューヌだけど、それはとっくに捨てた名前。新しい名前はクロテューヌだから。さあ帰ろ?カセン」

BH(ブラックハート)「待ちなさいよクロテューヌ!あなたは何者?」

 

クロテューヌは黙ってノワールを見つめる、ノワールもクロテューヌをじっと見つめる。そしてクロテューヌはネプテューヌに顔を向けて答えた。

 

クロテューヌ「ヒントをあげるよ。ネプテューヌが光なら私は闇だよ」

PH(パープルハート)「私が光で……あなたは闇?」

 

ヒントを聞いたネプテューヌは頭の整理が付かないのか驚いた表情でいる。そして今度は俺に視線をさす。

 

クロテューヌ「嗚呼……またその姿が見れるなんてね。嬉しいな」

 

クロテューヌは俺を見た時、表情が赤くなり、うっとりした顔と全身を上半身を両腕で抱えながら俺を見つめた。俺は今、変身した状態のスカーレットフォトンの姿を見せている。それを、またその姿を見れて嬉しいと言う事は。

 

ジント「俺を知っているのか!クロテューヌ!」

 

俺の事を知っている。そう感じ取れた。でもクロテューヌは俺の質問に答えず、別の話を持ってきた。

 

クロテューヌ「それにしても全国は凄いね〜。特にリーンボックス!景色が危険種で埋まった数を殲滅するなんて」

PH(パープルハート)「なんですって!?」

BH(ブラックハート)「これは……つけの高い事をしてくれたわね!」

 

声を上げたのはネプテューヌとノワール。俺達が殲滅した危険種は、リーンボックスに比べれば全然少ないのか!?

 

クロテューヌ「ルウィーの女神にもちょこっと教えたけど、リーンボックスのお仲間達の努力に応えてさらに2つ、いい事教えてあげる」

 

そう言って、クロテューヌは観客席から大きく飛び、スタジオ中心に足を付かせた。その時、自然の音、全空間が一時停止したかのように無音になった。そしてクロテューヌが言う、いい事を聞く事にした。

 

クロテューヌ「【扉】……とか?」

PH(パープルハート)「……!?【扉】を知っているの!?」

 

クロテューヌの口から【扉】を聞いた時、一斉に驚き、ネプテューヌがクロテューヌにその事について問いかけようとしたその時。

 

BH(ブラックハート)「い………いや……と、とび………」

 

俺達の方から怯えた声が聞こえた。その声を上げたのはノワールだった。バスターソードを落とし、両手で頭を抱え、表情が恐怖に怯えた表情に変わって涙を流し、叫び始めた。

 

BH(ブラックハート)「いやぁぁぁぁ!あぁぁ!怖い!死ぬのいやぁぁぁぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」

PH(パープルハート)「ノ、ノワール!どうしたの!」

 

ネプテューヌはノワールを落ち着かせよう傍に寄り掛かる。その状況を全く気にしないクロテューヌは話を進めた、

 

クロテューヌ「そして2つ目、【扉】の先に現れたダークメガミは私達の仕業じゃないのと似た存在だって事」

PS(パープルシスター)「な、何故それを知っているんですか…?」

クロテューヌ「何故知ってるかって?そこは重要じゃないよ?重要なのはね、そのダークメガミの行動と私達の行動は無関係って事を知ってもらうのが重要だよ」

 

ダークメガミと無関係だと?じゃあダークメガミとすれば、もしかして……

 

ジント「1つだけ教えてくれ」

クロテューヌ「何かな?」

 

聞いても無駄だろうけど、聞いてみよう。

 

「お前達は、俺達の敵になりうるのか?」

 

俺は可能性が極めて低い事を質問した。それを聞いたネプテューヌとネプギアは案の定、反射的に否定する。

 

PH(パープルハート)「ジント!分かりきった質問をしなくてもわかるでしょ!彼らは敵……」

 

ネプテューヌはクロテューヌに刀を構えて警戒しながらそう言おうとした時。

 

クロテューヌ「ちっちっち」

PH(パープルハート)「え?」

 

クロテューヌはネプテューヌの言葉は間違いだと伝えてるのか、右手の人差し指を立てて振っている。

 

クロテューヌ「正式には半分敵半分味方だよ?」

 

クロテューヌの答えは、質問した俺が言うのもなんだが信じられない。完全な敵ではない事を明かされ、俺達は耳を疑った。

 

PH(パープルシスター)「み、味方?じゃ、じゃあ何故襲撃してきたんですか!」

 

当たり前な発想だ。味方であるなら何故危険種を率いて全国に襲撃させたんだ?

 

クロテューヌ「それはね、実力を確かめるだけだよ。聞いてなかったの?」

PH(パープルハート)「そんな事など聞いていないわ」

 

カセンの言葉からそんな事は聞いていなかった。俺達全員何も知らない事を知ったクロテューヌはカセンに視線を向ける。

 

クロテューヌ「ちょっとカセン?私達の目的を言わなかったの?」

カセン「女神とその男が強いから……つい」

クロテューヌ「目的を忘れて、いつも通りやっちゃったら、実力を確かめる途中で相手が死んじゃうよ」

ジント「どういう事だ?」

 

一体何の話をしているのか分からなくなった俺は少し気を強めに話す。すると声を聞いたクロテューヌはすぐに俺へ顔を向け、そして答える。

 

クロテューヌ「【扉】に関わっていけば分かることだよ。さて長話しちゃったし、そろそろ帰るよカセン」

 

そう言ってクロテューヌとカセンは、黒いオーラに包まれ始める。去ろうとする所で、俺はどういう訳か寂しく感じて手を伸ばす。

 

ジント「ま、まて!」

クロテューヌ「そう急かさなくてもまた会えに行くから、バイバイ」

 

クロテューヌも俺と同じ気持ちをしていたのか、どこかしら心から寂しがっている表情を見せた。次第に黒いオーラがクロテューヌとカセンを完全に包み、破裂するように消えると二人の姿は消えていた。

 

 

《コープスパーティーBook Of shadows Light》

 

外の様子も落ち着いたのか無音の空間が出来たところで、時空進化を解く。

 

PS(パープルシスター)「お、終わった……んだよね?」

PH(パープルハート)「えぇ。でもとりあえずノワールを病院に運びましょう」

 

ノワールは今も混乱していて、精神不安定の状態に落ちている。ネプテューヌはノワールを抱き上げて病院に運ぼうとした時。

 

BH(ブラックハート)「はぁ!いやぁぁぁぁ!怖い!ジント!助け!はぁ!」

 

ノワールは理性を失って暴れ出し、うまく運べない。一旦その場で下ろしてからノワールの落ち着かせる。ネプテューヌとネプギアはこんなノワールの状態に相当動揺していた。

 

PH(パープルハート)「こんなノワール、見た事がないわ………」

BH(ブラックハート)「ジントぉぉ!はぁ!ふっはぁ!!」

 

その時、ノワールは俺を見たからなのか俺の近くまで走り出し、勢いのまま抱きついて来た。

 

ジント「ノ、ノワール!?」

BH(ブラックハート)「はぁ!はぁ!死ぬのいや!助けて!はぁ!はぁ!」

 

俺は突然の行動に冷静が乱れそうになったが、そこを何とか保たせて、ノワールを落ちつかせる為にノワールを抱きしめて背中をさする。

 

ジント「もう大丈夫だ。大丈夫だからな……」

BH(ブラックハート)「ジントぉぉ!はぁ!うっ…うっく!」

 

今度は俺の胸に体重を乗せて泣き始めるノワール。俺は背中をさすり続け、とにかく俺なりに慰める。

 

ジント「もう大丈夫、お前は死なない。俺が守るから」

PH(パープルハート)「ノワール………」

 

[ネプテューヌ]

 

クロテューヌから【扉】を口にした瞬間、この状態に落ちてしまった。ハイテンションで負けず嫌いのあなたが一体何に怯えているの?私はネプギアと共に、ノワールを慰める2人の様子を、ただずっと見ていた。

 

 

クロテューヌが教えてくれたいい事を予想するとおそらく、あの【扉】。もしかしたら零次元の戦いみたいな、大きな事が起きるとでも言うの?




突如全国を襲撃してきた凶暴化危険種を率いて居たのはネプテューヌ達にそっくりなクロテューヌ達だった。全国は危険種の殲滅に成功したが、それぞれ率いた漆黒の者、クロテューヌ、カセン、レーラ、そしてノワールに似たアリファ達に力の差を見せつけられ、思い知らされる。襲撃で大きな傷を負った仲間達はリーファイとマーベラスAQLの2人を除く援軍は一旦自国に戻り、女神達とジントは襲撃の件でプラネテューヌに集合するが、そこに突然ジント達の前にアダスオラが現れた。謎に包まれている男だが、アダスオラはレーラだけじゃなく、ジントの事も知っていた。謎に包まれた彼の正体は?

次回
Episode13 光と闇 忘却の妹


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Episode13 光と闇 忘却の妹

プラネタワー リビング

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

[ジント]

 

ネプテューヌ「ノワールー大丈夫?」

 

ネプテューヌはノワールに向けて言った。しかし無言である。ここはプラネタワーのリビングと女神達と女神候補生のネプギアとユニが集まってノワールの状態で空気は暗くなっている。俺もノワールを気にしてるけど、もう一つ気にしてる事がある。

 

ジント「なあノワール、なんで俺の服を摘んでいるんだ。人前だぞ?」

 

席に座っている俺の隣にノワールが座っていて、俺のセリフ通り俺の服の袖をつまんでいる。

 

ノワール「もう少しだけ……つませて」

ネプテューヌ「ノ、ノワールが……重症だぁぁぁ!?」

 

ノワールの仕草にリアクションを隠せない一同達。まさにいいタイミングに「えー!」と声を上げる。

 

ブラン「ノワールが精神不安定って本当なね?」

 

聞いてきたのはブラン。ノワールの状態が信じられないかのようにはみんなして同じように聞く。

 

ジント「精神科の医師から聞いたところ、精神不安定って聞かされたよ」

ユニ「実際にお姉ちゃんは、ちょっと前に過呼吸と精神不安定に落ちていたわ【あれ】のせいで」

ジント「やっぱり?」

 

ユニが言った【あれ】って言うのは【扉】の事。ノワールが病院で見てもらっている間、ネプテューヌはプラネテューヌに向かってくるみんなに、ノワールの前で【扉】を口に出さないように言われている。

 

ベール「【あれ】聞いた時?」

ネプギア「ノワールさん……」

 

ノワールの顔には笑顔が見られない。ただ無表情で俺の袖につまんでいる。どうにかならないか……

 

ネプテューヌ「ねえノワール」

 

自分の名前を呼ばれ、ネプテューヌに顔を向ける。その表情は変わらず無表情で見つめると、ネプテューヌはちょっと動揺してから話す。

 

ネプテューヌ「ジントと居て、落ち着く?」

 

質問を聞いたノワールはゆっくりとそっぽを向いたが、遅れてながらも首を縦に頷いた。

 

ネプテューヌ「やっぱりそうなんだね……」

ベール「それはどういう事ですの?」

 

なぜ俺なのかを気になったベールは、ネプテューヌに問いかける。それを答えようとしたのはネプギア。

 

ネプテューヌ「実はノワールさんは発作を起こしたんです。その時、ジントさんの事を何度も連呼していたんです。助けて、ジントって」

 

ネプギアの説明を聞いたベールは納得し、改めてノワールへ視線を向けた。

 

ユニ「お姉ちゃん……」

 

ユニの言葉を最後に沈黙が続いた。そんな苦しい空間の中、俺は頭の中で自分が知る限りの記憶を繋げる。

 

何故ノワールご【扉】を聞くと怯えるのか?心当たりは1つだけある。あの時の【扉】の最深部に居たダークホワイトが原因かも知らない。でもだとすれば、何故あの時俺がネプテューヌ達を最深部から逃がした時に怯えずに済んだんだ?ダークホワイトが原因なら、何故最初から怯えずに正気で居られたのか? トラウマを覚えれば、すぐにでも表情に出る筈だ。後からトラウマになるのは不自然だし、思い込んでトラウマになるケースは少ないし考えにくい。ていうかこれは【扉】よりダークホワイトに恐怖を抱いてる事になるよな?でもそんな事より、ノワールは俺に助けを求めていた。それはつまり、俺を頼っていたんだ。じゃなきゃずっと袖をつまんでいやしない。

 

ジント「ノワール、俺と居て安心するのか?」

ノワール「うん」

 

そっぽを向いていたノワールは俺からの質問を聞いた瞬間、すぐに俺に振り向いて、首を縦に頷いた。

 

ユニ「え?」

 

ノワールの行動をみて反応したのはユニ。目を見開いた状態で驚いている。

 

ジント「どうした?ユニ」

ユニ「い、いや なんでもないわ。ただお姉ちゃんが素直なのが珍しくて……」

 

いつも一緒にいるユニが珍しいって口にするほどなのかびっくりなのか、ノワールが素直なのが。その時、ネプテューヌが俺に問い掛けてきた。

 

ネプテューヌ「ね〜ジント」

ジント「なんだ?ネプテューヌ」

ネプテューヌ「【あれ】について まだ私達は何も知らないんだよね?」

ジント「まあそうだな……」

 

【扉】についてまだ知らない事。それはどこから出るかって事だ。今まで2回くらいしか見てない。2回ともネプテューヌの近くに現れた事を理由に聞いてきたんだろう。当然ながら【扉】についてはまだ未知数。正確な情報が分からない以上、手がかりも詳細も掴められない。きっとノワールも同じだろう。【扉】にトラウマを覚えた時点で聞きたくないだろうし。

 

ベール「無駄かも知りませんが、情報屋のアフィモウジャスに聞いてみましょうか?」

 

提案してきたのはベール。アフィモウジャス?変に長い名前なのは別として、情報屋と来たら試す価値はある。俺は自分から進んでベールに頼む。

 

ベール「分かりましたわ」

 

早速連絡をする為、リビングを後にしてプラネタワーの屋上に向かっていった。

 

ユニ「念の為、私もステマックスにも連絡して見るわ」

ジント「あぁ。頼む」

 

ユニも情報を聞きに、場所移動でベールの跡を追う。

 

ネプテューヌ「情報が分かると嬉しいなー」

ブラン「そうね………」

イストワール「ネプテューヌさん、ネプギアさん」

 

二人のすれ違いでリビングにやって来たのは歓迎会の片付け以来顔を出さなかったイストワールさん。何か真面目な話があるかのような表情を見せている。イストワールがやって来て、最初に呼ばれたネプテューヌはすぐ様イストワールに顔を向ける。

 

ネプテューヌ「あぁ!いーすん!今までどこに行ってたのー こっちは色々大変だったんだからね!」

イストワール「申し訳ありませんネプテューヌさん。それより分かった事があるあります。ネプテューヌさん、ネプギアさん。来てもらえますか?」

ネプテューヌ「その言葉を待ってました!それじゃあ行こ!ネプギア!」

ネプギア「うん」

 

 

ユニとベールに続き、ネプテューヌとネプギアがイストワールさんの後を追って行くと、リビングに残ったのはノワールとブランと俺の3人。その後、長い沈黙が続こうとした時。

 

 

ブラン「ジント」

 

《超次元ゲイムネプテューヌThe animation Tune》

 

口を開いたのはブラン。沈黙がちょっと続いた後に呼び掛けられた俺はちょっとびっくりする。

 

ジント「どうした?ブラン」

 

呼ばれた俺は、ブランの話を聞くべく顔を見る。しかし目が合った瞬間、違う方へ目が向いてたまま何も喋らない。口ごもってるのかな?

 

ジント「ブラン?」

 

呼ばれたのに何も答えないブランが気になったから名前を呼ぶと、びくっと反応してから視線を合わせる。

 

ブラン「い、いや、何を話そうか考えていて……」

 

なんだ、ただ話す話題を考えていただけか。

 

ジント「そうか。呼んでおいて何も言わないし、別の方を見てるから気になったぞ」

 

と俺は言うと、ブランは微笑みを見せてから笑顔になるが、何故か照れくさそうに口をへの文字にしてまた別の方へ目を向けた。一体何考えてるんだ?と俺はジーッと見つめてたら、俺は1つ話す話題を思い付いた。こんな時に話すのはどうかと思うが。

 

ジント「小説はどうだ?進んだか?」

 

ブランは一瞬目を見開いた。でもすぐに元に戻って返事を返す。

 

ブラン「書くネタは思いついたのだけれど、どんな風に書けばいいかまだ掴めていないわ」

ジント「そうか……楽しみにしてるからな」

 

小説の事を聞いてみたところ、少し笑顔を見せて返事をくれた。どうやらいいネタがあるらしい、楽しみだ。

 

そう言えば、ノワールが何も喋らない。黙り込んでると言ってもうんともすんとも言わないのはおかしい。服をまだ摘んでいるノワールの様子を確かめると。

 

ノワール「すぅー……すぅー………」

ジント「なん……だと……?」

 

ノワールは気持ち良さそうに寝ていた。無数の危険種に襲撃され、更にトラウマも思い出させられたら流石の女神様でも疲れちゃうか。しかしある問題が起きた。

 

ジント「寝るのはいいが、抱きついたまま寝ちゃうのはどうかと思うぞノワール」

 

服を摘んでいたのに、今度は両腕で俺の腕を抱いて寝ている。やばい、これは身動き出来ないぞ。でもこの状況を横からブランがクスクスと笑っている。

 

ブラン「ふふん……いい絵ね。そのネタをメモしておくわ」

 

そう言って片腕を背後に回すと、メモ帳らしき本を取り出し、ページを捲ってメモし始めた。

 

ジント「いやなんでネタにするんだ。ノワールが起きるまで動けないんだぞ?」

ブラン「いい経験じゃない。女神に抱きつかれて寝ちゃうのよ?女神に近付きたくて教会に就職してきた人達がいる。でもあなたは女神様直々に拾われ、こうしてラッキーな事になっている。むしろ嬉しく思いなさい」

ジント「はぁー?」

 

俺はノワールの寝顔を見た。頬がほんのり赤く、無邪気でとても気持ち良さそうに寝ているその様子は、見てる俺はまで眠気を誘われる。ベッドに寝かせてやりたいけど、リビングから個室までとなると、起こさないようにベッドに運ぶ自信が無い。まあ幸せに思ってるなら、このままでも別にいいし、

 

ジント「まあ、無事に笑顔になってくれるなら、俺はなんだってやるさ。女神様が笑顔になれるなら……な」

ブラン「あなた………」

 

[ブラン]

 

ジント、私はあなたの性格をあまり認識出来ていないけど、あなたは誰に対しても優しい。女神様の笑顔を守るって言葉、その決意した言葉がどれほどの覚悟かは知らない。でもね?女神様でも1人の女の子よ。あなたは気付いていないかも知らないけど、みじかにあなたを求めている女の子がいるのよ。実際、私が今制作しようとしてる小説の主人公はあなたなのだから。

 

ブラン「罪な方………ね」

 

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《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Rough Flash》

プラネタワーの屋上

 

[ベール]

 

ベール「そうですの……いいえ、大丈夫ですわ。分かり次第また教えて下さいな。では」

ユニ「ベールさん、何か分かりました?」

 

表示していた青い画面を閉ざして通話を終了させる。私はアフィモウジャスに【扉】について情報を聞いてみたところ、噂程度の情報を得た。何かわかったかどうか、共に連絡していたユニから話を聞かれる。

 

ベール「噂程度ですが教えてくれましたわ。お話によると、あの【扉】は主にモンスターの周りに出現するらしいですわ」

ユニ「モンスターの周り?」

ベール「えぇ。しかし、不確定要素があるようなので、なんとも」

 

情報屋のアフィモウジャスも掴んでいる情報は不確定要素多数の情報。彼の情報網でもこれでしたら、彼の言う通り、あまり期待は出来ませんわ。

 

ユニ「そうですか……ちなみにアタシの方は、ケーシャとリッドが掴んだ情報なんですけど、【扉】は負の感情を持った人の近くに現れるって噂を聞いたみたいです」

ベール「」

 

予想はしていましたがやはりそちらも噂しか情報がうわさしかないのは分かっていました。しかし内容が違いますわね。しかしいずれにせよ私達が体験した【扉】の特徴が一致しませんわね。初めて話を聞いた、ジントとネプギアちゃんの話によりますと、討伐対象のチューリップの前に現れたんでしたわね。アフィモウジャスが掴んだ噂なら、確かにモンスターの近くに現れましたが、ユニちゃんが教えくださった情報が一致しません。しかし、以前に巻き込まれた【扉】では、モンスターが付近にいませんでしたし、負に思う方は居ない。残念ながらあまりお役に立てませんようですわね。

 

ベール「結果はどうであれ、教えて下さった情報は素直に伝えに戻りますわ」

ユニ「うん」

 

私達がリビングに戻ろうとした時だった。

 

???「待て、そこの2人」

 

男性の声が聞こえた。その方向を見ると、屋上の鉄棒の上に茶色のマントで身を包んで顔しか見えませんが、青眼の目が特徴の男性が立っていた。不法侵入者と見て私達は反射的に武器を構える。

 

ベール「誰ですの?」

 

私はマントで姿を隠したその者に問いかける。

 

???「貴様は確か…ユニ……だったな」

 

しかし私の質問には答えず、ユニちゃんを見て名前を口にした。見知らぬ物から名前を言われたユニちゃんは更に警戒する。

 

ユニ「あんた、どうして私の名前を?」

???「ノワールはここにいるか?」

 

ユニちゃんも問い掛けるが、当たり前かのように無視された。しかしマントの者から、ノワールの名前が出た。私は答えを言わないようにして警戒する。

 

ベール「だとしたらなんです?」

???「案内しろ。案ずるな、少なくとも貴様らの敵じゃない」

 

出来ではない。そう言われましても、肌一つ見せず、ただ青眼な瞳を光らせる者に敵じゃないと言われましても説得力ありませんわ。

 

ベール「それを証明させる物はありますの?」

アダスオラ「アダスオラだ……その名をノワールに伝えろ」

 

アダスオラ?何故そうあっさりと名を晒すんですの?もしかして本当に敵ではないと言うんですの?

 

ベール「…………分かりましたわ」

 

私は少々疑いながら、彼の要望を飲み込む事にした。武器をしまって彼に言われた通り、言葉の証明に、アダスオラと言う名前をノワールに確認する為、リビングに向かった。

 

[ユニ]

 

アダスオラ「待て。ユニ」

ユニ「な、何よ?」

 

アタシはまだ、アダスオラと名乗ったマントの男に銃を向けたまま返事をする。

 

アダスオラ「あの女の様子はどうだ?」

ユニ「あの女?……誰の事よ」

アダスオラ「貴様の姉だ。酷く気が乱れ、泣いていただろう」

 

私は内心、大きく驚いた。名前だけじゃなく、今の状態までも知っているなんて。

 

ユニ「あんた……何者よ!お姉ちゃんの名前を知ってたり、アタシの名前も知ってたり!」

 

ますます怪しく見えた私は銃を再度突きつける。しかしピクリとも動揺を見せず、鉄棒の上から降りて、同じ床に足を付かせ、黙ったまま私を見る。

 

ユニ「黙ってないでなんか言いなさいよ!」

ベール「お待ちなさい、ユニちゃん」

 

アタシの言葉に対して無言であるこいつに銃の引き金を引こうとしたその時だった。ベールさんがリビングから戻ってきた。

 

ベール「確認しましたわ。あなた、ノワールを助けた者のようですわね。早とちりさせてごめんなさい」

 

お姉ちゃんを助けた?という事は、その時にお姉ちゃんとアタシの名前を聞いたのかしら?ベールさんから銃を下ろすように指摘されたアタシは少しためらったが下ろす事にした。

 

???「案内致しますわ。ユニちゃんも来てくださいな」

 

それを聞いた彼は無言のまま、一番後ろにつくようにして私の背後を追ってリビングに向かった。

 

 

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プラネタワー リビング

 

[ジント]

 

ベールが戻ってきた時は【扉】の情報を掴んだかと思ったが、別の事だった。

 

ベール「ノワール、ちょっといいですか?」

ノワール「…ん…う……」

 

ノワールはベールに起こされ、眠りから覚めてたところでベールに反応し、眠そうな顔で向けた。

 

ベール「ノワール、アダスオラって言葉に心当たりがあります?」

ノワール「……え?来ているの?」

 

寝ぼけていたノワールは少し遅れてから反応し、突然目を見開いて、食いつく。アダスオラ?聞いた事がない名前だな。

 

ノワール「アダスオラは………確か、攻撃を受けそうになった時、助けてくれた人よ……」

ベール「そうでしたの……分かりましたわ。ここに案内しますのでちょっと待っててくださいな」

 

ベールはそう言って、アダスオラと言う人をここに連れてくると言い残してリビングを後にする。そういえば、ノワールはもう落ち着いて話をしていたけど、大丈夫か?

 

ジント「もう大丈夫なのか?」

 

試しに様子を伺うと、頬を赤くしながら少し落ち込み気味から少しずつ、微笑みに変わって話す。

 

ノワール「うん…ありがとう…心配かけてごめんね。でも、もうちょっと……こうしてても……いい?」

ジント「あ、あぁ」

 

ようやく笑顔を取り戻したノワール。だがまだ腕を離さない。でもまだ離れないのか。

 

ブラン「ノワール。アダスオラって言う人は、どんな人物なの?」

 

質問したのはブラン、俺も気になるが、でもなんだ?アダスオラ…………どこかで聞いたような……。

 

ベール「連れて参りましたわ」

 

《ソードアートオンライン no way》

 

ベールが戻ってきた。それに続いてユニ、更に後ろから全身をマントで包まれ、青眼を輝かす目が印象的のアダスオラと思われる人物がやって来た。

 

ノワール「アダスオラ………」

 

ノワールは一目見たアダスオラに名前を呼ぶが、本人は黙って見つめている。

 

ノワール「あんたのお陰で、あの時は助かったわ…ありがとね」

アダスオラ「……どうやら一通り襲撃は片付いたようだな」

 

なんだ?この感覚?アダスオラから何かを感じる。俺と似た何かを感じる。これは……粒子?

 

ジント「あ、あんたは?」

 

俺はアダスオラに話しかける。そして俺に目線を向けた時だった。

 

アダスオラ「ほう………よもや貴様に出会えるとはな」

 

皆はアダスオラの発言に驚く。誰もがアダスオラの言葉に食いつく。それより、俺を知ってるだと?

 

ベール「あなた、ジントをご存知ですの?」

 

ベールを続く皆が顔に表す。身を知らない俺の存在を知る者が目の前にいる事に、隠さずにはいられない。

 

アダスオラ「忘れはしない。俺の名はアダスオラ。タキオンの1人、そして貴様の好敵手にして同類の存在だ」

 

全員がアダスオラの言葉に驚いた。特にノワールが言葉に食いつく。

 

ノワール「あ、あなた……!ジントとライバルで同類?それはどういう事なのよ!」

 

……アダスオラ?同類の存在?一体何を言っているんだ?

 

ジント「お前のライバル?同類?何を言っているだ」

ブラン「それは、どういう意味よ」

 

ブランがアダスオラに問いかける。

 

アダスオラ「知る必要は無い。大事なのは貴様らとは仲間だ」

ノワール「あなた……私が戦っていたレーラって奴を知っていたり、ジントを知っていたり、何者よ」

 

我慢が出来なくなったのか、アダスオラに何者かを聞こうと強気になって問う…………しかし俺から離れないのは変わらない。

 

 

アダスオラ「単刀直入に言わせてもらう。俺と貴様……ジントは別次元の王子、そして各国に危険種を率いたクロテューヌ達。リーンボックスを襲撃した、アリファは…俺の妹、ルウィーを襲撃したクロテューヌは……ジント………貴様の妹だ」

ジント「は…………は!?」

ノワール「な、なんですって!?」

 

全員が驚く、いや驚かないはずが無い。俺は別次元の住民は予想していた。でも俺は王子でクロテューヌは………俺の妹………だと?

 

ノワール「ま、待ちなさいよ!」

アダスオラ「信じられないか?だが無理はない。突如襲撃を仕掛けた者の正体がジントと俺の妹だと言っても、頭の整理は付かないからな」

ネプギア「た、大変です!皆さんって!あなたは誰ですか?」

 

息を切らして駆けて戻ってきたネプギア。何かあった?信じられない説明を飲み込めない皆は、今度はネプギアの様子で少し焦りを見せている。

 

ユニ「ちょっとネプギア、そんな息を上げて…どうかしたの?」

 

ユニがネプギアの様子を気になって、そばに寄る。焦りを溶かすように深呼吸をさせ、答えた。しかしその答えにまた新たな問題が起こす。

 

ネプギア「大変なんです! お姉ちゃんが…ピンチのプルルートさんを助けに……」

 

《ソードアートオンライン2 she has to overcome her fear》

 

イストワールさんはネプテューヌとネプギアを連れて、プラネタワーの次元研究所に向かって、調べ物を伝えた、ネプギアの説明によると、イストワールさんから聞いた内容は【扉】が現れているのは、この世界だけじゃなく、神次元っと言う世界に多く現れている事が分かったらしい、そして説明を聞き終わった頃に、その事が起きた

 

プラネタワー シェアー管理室

 

[ネプテューヌ]

 

イストワール「という訳なんです」

ネプテューヌ「【扉】が現れているのは、ここだけじゃなくて、ぷるるんの方もだったの!?」

イストワール「そうなんです。それも、私達がいる次元とは比べ物にならないくらいに」

ネプギア「そんな……」

 

あんなのが、ぷるるんの方でも現れてるなんて……じゃ、じゃあ!?あの生々しい体験も!?その時だった。いーすんの体がバイブレーションの揺れを起こしている。ちなみにこれは着信、別次元のいーすんからの次元を超えた着信なのだ!凄いでしょ!

 

イストワール「神次元からお電話です。モニターを表示しますね」

 

いーすんの前に青い画面が表示されて、そこからビデオ通話機能を作動させ、懐かしの小さいいーすんの姿が見えた。でもその顔は普段より焦りを見せていた。

 

イストワール(神次元)『良かった! 繋がって良かったです!(・□・;)』

ネプテューヌ「あ!久しぶり!小さいいーすん!」

ネプギア「いーすんさん、久しぶりです」

イストワール(神次元)『ネプテューヌさん!ネプギアさん!久しぶりにお話をしたいところですが、早々ですがお願いがあります!( ´•д•` ;)』

 

小さないーすんからお願い?なんだろう…… 非汗いっぱいの顔から物凄く嫌な予感がするんだけど〜

 

イストワール(神次元)『大変なんです!突如現れた【扉】が現れまして、プルルートさん達が【扉】に入って捜索に向かったんですが、【扉】の主と思われる者から伝言も貰いまして!(~ω~;)))』

 

小さいいーすんとは実は、色々あって10年以上に一緒に居たんだけど、私はこんな涙を流しながら話すいーすんを見たことない。

 

ネプテューヌ「ぷるるん達がどうしたの!それに伝言って……」

イストワール(神次元)『伝言の内容は『四女神は今、アンチクリスタルの結界の中にいる、助け出させたければ、女神ネプテューヌを連れてこい』です(ó﹏ò。)』

ネプテューヌ「……あ、アンチクリスタル!?…えぇー!?」

 

アンチクリスタルはシェアエナジーを無効化させてしまう。女神にとって、これ以上にない最大の兵器。私は過去

に一度マザコングにそのクリスタルで命を落としかけた。まだ謎が多い【扉】の中でアンチクリスタルの結界に捕まってしまったら、ぷるるん達が死んじゃう!

 

ネプテューヌ「……」

イストワール「ネプテューヌさん!」

ネプギア「お、お姉ちゃん……」

 

私はぷるるん達との思い出を思い浮かべる。ぷるるん達と、数年作り上げた数百時間。それがそんなみんなにアンチクリスタルと【扉】の危険が迫っている。あのままじゃあ、ぷるるん達が死んじゃう。あの時の別れ際に「必ずまた会いに行く」って約束した。ぷるるん達があんな羽目にあって死んじゃったら………嫌……そんなの嫌!

 

ネプテューヌ「いーすん。私を転送してくれる?」

 

いーすんとネプギアは私の決心した言葉に驚いている。

 

イストワール「それは……は出来ます。しかし以前同様、いつ戻って来れるか分かりません」

ネプテューヌ「私はぷるるん達と約束したの!また必ず会いに行くって!なのにもし死んじゃったら……もう会えなくなっちゃう、だから私を転送して!いーすん!」

ネプギア「で、でもお姉ちゃん……」

ネプテューヌ「お願い!いーすん」

 

私は叫ぶようにしていーすんにお願いする。いーすんは言葉に迷っている。以前同様、送るのと戻る方法は互いの次元のシェアが必要。しかも多数現れている【扉】謎が多すぎて危険。しかも神次元に行っしまえば、ハイパーシェアクリスタルのシェアは受け入れない状況になって、普通の女神化で対抗出来るか怪しいのは分かる。でもそれでも行かないと嫌。

 

いーすん「分かりました………それに止めても聞かないのは分かっています。今からネプテューヌさんを転送します。ネプギアさん、どうか離れて下さい」

ネプギア「ま、待ってよお姉ちゃん!お姉ちゃんが行くなら、私も……」

ネプテューヌ「ネプギア、気持ちは嬉しいけど付いてきちゃダメ。ネプギアはまた前のようにプラネテューヌをお願い」

ネプギア「で、でも……」

 

ネプギアが離れようとしない。分かってたんだけど、ネプギアの性格だとやっぱり離れないよね。でも悪いけど私はネプギアを説得する為に説得力があるパープルハートに変身して話す。

 

PH(パープルハート)「だめよネプギア。あなたは残りなさい。私が向こうに行ってる間、プラネテューヌのシェアを集められるのはネプギアだけよ、無事に帰ってくる事も考えて、両方のシェアがない限り、私は帰ってこれないの、だから、ここは私に任せて、あなたは残りなさい!」

ネプギア「……………!?」

 

ネプギアは私の言葉を聞いて泣いてしまい、その場で座り込んでしまった。ちょっと言い過ぎたかしら……

 

PH(パープルハート)「それじゃあ、頼むわ いーすん」

イストワール「……分かりました」

 

いーすんは、目の前に一つの光の柱を展開させ、転送調整をする。

 

イストワール「ネプテューヌさん。今更止めはしませんが、決して無理だけはしないで下さい」

PH(パープルハート)「分かってるわ。いーすん、それじゃあ行ってくるわ」

 

展開した光の柱に入る私、一度光の中に入ればもう戻れない。

 

ネプギア「お、お姉ちゃん!」

 

涙でくしゃくしゃになったネプギアが私を呼び掛ける。またあなたには心配掛けてしまうけれど、必ず戻ってくるわ。だからごめんね。私はその場で振り返り、今やれる精一杯の笑顔を見せる。

 

イストワール「転送します。ネプテューヌさん、どうかご武運を」

 

光の柱は光が周りを照らしだし、私は神次元へと向かって姿を転送されていった。

 

[ネプギア]

 

ネプギア「お、お姉ちゃん……」

 

顔が沈んで、その場で崩れて座り込む。また私はお姉ちゃんと離ればなれになっちゃうの?そんなの嫌だよ。お姉ちゃん……

 

イストワール「ネプギアさん、顔を上げて下さい」

 

いーすんに呼ばれ、私はポケットからハンカチを使って流れた涙を拭き取って、いーすんさんを見る。

 

イストワール「心配しないようにと、心に誓っていたんですが、やっぱり心配です」

ネプギア「私も……お姉ちゃんと離ればなれで……………」

イストワール「お恥ずかしながら私も離ればなれになるのは寂しいです。ネプテューヌさんには悪いですが」

 

そう言っていーすんさんは私の近くに来て、小さな両手で私の顔に触れて瞳を見つめる。

 

イストワール「何とかして、ネプテューヌさんの跡を追いましょう」

 

私は、いーすんさんから信じられない言葉を聞いた。いーすんさんはアンチクリスタルや【扉】の事でやっばり…。

 

イストワール「私は、改めて【扉】について調べます。また三日間程姿を現しませんが、ネプギアさんはネプテューヌさんの跡を追える方法が見つかりましたらすぐ向かってください」

ネプギア「は……はい!」

 

私は座り込んでしまった体制を直して、急いでジントさん達がいるリビングへ走って戻っていった。

 

プラネタワー リビング

 

[ジント]

 

ジント「そして、今に至る……か」

ネプギア「はい……」

 

ネプギアは急いでいたせいか【扉】を口にしてしまった。ネプテューヌが心配でもあるけど、まずノワールが……

 

ブラン「ノワール、大丈夫?」

 

俺よりも先に聞いたのはブラン。俺と同じ事を考えていたようだ。

 

ノワール「う……うん……」

 

ノワールは我慢をしているように見えるが、その姿は多少顔が青い。俺の手を握っているが さっきみたいに気を乱していない。

 

ジント「無理だけはするなよ」

ノワール「ありがと………ジント」

ベール「しかし、どうしますの?ネプテューヌの跡を追うと言っても、向こうのシェアとこちらのシェアの共有が必要ですわよ」

 

突然の出来事と信じられない事を耳にして、場が沈黙に落ちた時だった

 

アダスオラ「一つだけ方法がある」

 

呟いたのはアダスオラは一つの方法を知っていると聞いて食いつくようにネプギアが聞こうとしたがまず名前を聞きたがっている。

 

「アダスオラだ」

「それはなんですか!?アダスオラさん!」

 

名前を聞いたネプギアは改めて名前を言った後に方法を問う。

 

アダスオラ「俺のタキオンの力で、次元の間を作る」

ジント「お前も俺みたいな力を持ってるのか?」

アダスオラ「貴様の能力とは違うが、同じタキオンの力ではある」

ジント「今すぐでも、その次元の間を作れるの?」

アダスオラ「そうだ」

 

今すぐでも行ける事を知った俺はすぐにネプテューヌの跡を追うと思っていたがそのメンバーが誰になるか、自然にその話し合いに移る。

 

ベール「ネプテューヌを追いたいのは山々ですが、リーンボックスは襲撃の件もありまして、しばらく場を離れられませんし……」

ノワール「私もよ。被害は少ないけれど、女神の立場もあって離れられないわ」

ブラン「私は行くわ。ルウィーの襲撃は国内までは及ばなかったから、あの程度なら何とかなるわ」

 

ベールとノワールは襲撃の件でついて来れないが、ブランだけは被害が無かった為、ブランは付いてこれる事が分かった。

 

ネプギア「私も行きます。お姉ちゃんが心配なんです。それにもう私は、昔の私みたいに何も出来ないで見てるのような私ではありません!」

 

次に言ったのはネプギア。彼女なりの決意を言葉にして、姉のネプテューヌを助けたい意志が伝える。

 

ユニ「なら、私もついて行かなくちゃダメね」

 

そして、その後に追うようにユニも付いてくると言った。それを聞いたノワールはキョトンとした表情でユニを見る。

 

ユニ「それに、お姉ちゃんはトラウマもあって上手くやれないでしょ?」

ノワール「ユニ…………昔のあなたなら行かせなかったけれど、いいわ。私の代わりに罠に突っ込んでいったネプテューヌを追いなさい」

ユニ「お姉ちゃん………うん!任せて!」

 

ユニの言葉を聞いて、成長を見たノワールは危険だと分かっていながら、次元を超えて助けに行かせる責任を妹のユニに任せた。それを聞いたユニはちょっと驚いた様子を見せたが、すぐに気合いで満ちた表情に返る。

 

付いてくる皆の確認が終わった。そしてアダスオラがこれからまた新たな事へと向かうべく最後の確認をする。俺、ブラン、ネプギア、ユニと連なるように前に出て、それを目の前にアダスオラは軽く頷く。

 

アダスオラ「これからバーチャルフォーレスト保護地区の大樹へ急ぐぞ」

ジント「分かった」

ノワール「あなた達……絶対に無理はしないようにね」

 

次元を超えに行く準備を終えた俺達は、アダスオラの跡を追うようにバーチャルフォーレスト保護地区の大樹に向かって行った。

 

 

[ノワール]

 

ノワール「ジント………」

 

プラネタワーの広い玄関からみんな、ジントの体が離れていくのを後ろから見届けているノワールは、今までに感じた事のないくらいの心細さと寂しさを感じていた。そのすぐ横にベールが寄って並び立つ。

 

ベール「大丈夫ですわ。きっと帰って来ます。あなたはそう信じてるのでしょ?ノワール」

ノワール「うん……」

ベール「会って間もないとは言え、あなたが見惚れた彼の姿が見えなくなると、落ち着かなくなるでしょう」

ノワール「い、いや……私は…」

 

ベールの言う通り。私は彼が離れて行けば行くほど、どうしてか不安になっていく。その証拠に、寂しさと心細いと心が訴える。

 

ベール「いいんですのよ?女神でも女の子。恋愛をしてはいけないルールなんてありませんわ」

ノワール「だ、だから私は!別に好きとかじゃなくて」

ベール「恥ずかしがる事はありませんわ。恋愛とは、将来必ず体験するイベント、叶う叶わないではなく、恋愛をする自分が、自分を動かす主導権があるのですよ。だから周りの事は気にせず、自分が思うように動いた方がいいですわ」

 

ベールは不安でいっぱいの私に、両手を軽く握ってそう言ってくれた。

 

ノワール「ベール…………」

ベール「私は、あなたの心にひめた気持ちを応援いたしますわ。ノワール」

 

我慢していた気持ちが溢れ出し、涙の雫がポツリと零れていく。ノワールが女神としてじゃなく、1人の女の子として、心に刻まれたジントに対する純粋な思いを受け入れ、好きな気持ちから出来た新しい笑顔を、星空を見せる夜空に見せた。

 

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バーチャルフォーレスト保護地区 大樹

 

[ジント]

 

《ソードアートオンライン left in suspense》

 

ユニ「これからあたし達は神次元に行くのよね?」

ブラン「もう1人の私、どんな感じか楽しみだわ」

アダスオラ「次元の間を開けるぞ」

 

アダスオラは、右手に青いビームの両剣を展開させ、何も無い空気を切った。そこに切った跡が残り、何も無かった筈の空間に黒い間が生み出された。

 

アダスオラ「これは次元の間、ハザマだ」

ジント「これの中に入ると、神次元に行けるのか?」

アダスオラ「そうだ、そして行き来できる」

ネプギア「い、行き来出来るんですか!?」

 

ネプギアは神次元に事故で行ったことがあったみたいで、行く時も戻る時も、相当な量のシェアが必要だったらしい。それをアダスオラの力で、両剣の一振りで行き来出来ると知ると、驚きは隠せないだろうな。

 

アダスオラ「このハザマを抜ければ神次元のバーチャルフォーレスト保護地区の大樹前に出る。プルルート達が捕まっているって言う【扉】の場所は分かる?」

ネプギア「それについては、向こうのプラネテューヌの教会で話すと思います」

アダスオラ「いいだろう」

 

アダスオラの力で開かれたハザマに俺達は足を踏み入れる。ネプテューヌ、お前は付いてくるな的な事を言ってたみたいだけど、悪いが俺達は助太刀させてもらうぜ。それに俺は決めているからな、女神の笑顔を守るって。

 

アダスオラ「行くぞ」

 

アダスオラの合図で、俺達はアダスオラがハザマをくぐり抜けていく。中は多色に輝く世界、その空間を進んでいき、神次元へ向かって行った。

 

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【神次元】

 

上空

 

[パープルハート]

 

PH「なんとか無事着いたみたいね。そしてこの上空……様子がおかしい、何が起きたと言うの?」

 

神次元に転送に成功し、空にいるけど 周りの風景がおかしい。その状態はタリの事件、空から降り注いだ破壊光線を発した黒い雲に似た雰囲気を漂わせる。私は急いでプラネテューヌの教会に向かう。

 

PS「ぷるるん、すぐに助けに行くから」

 

久々の再開だった。しかしまさかこんな形になるとは思わなかった。再開して最初に見るのが涙を流す小さないーすんと大きくなったコンパちゃん、そして不安の表情を見せるあいちゃん。話を聞いたところ、ぷるるん達が捕らわれている場所はジェットセット山道の中央に【扉】がある。その先にぷるるん達がいる。話を聞いた私は、即座にジェットセット山道へ向かい、ジェットセット山道の入口まで来た。その時、

 

PS「………!? この感覚は………ハイパーシェアクリスタル!?」

 

突然強いシェアエナジー、ハイパーシェアクリスタルのエナジーが流れてくる感覚がした。向こうの世界のシェアは普通流れて来ないし感じられない筈、なのにどうして?……いや、そんな事を気にする必要はないわ。むしろこれ以上ない好都合。これならどんな者が相手でも負ける気がしないわ。ぷるるん、みんな、今行くわ!




謎の青眼の男の正体は、危険種を率いていた1人、アリファの兄、そしてジント同様、クロテューヌの兄、更に別次元の王子だった。

ネプテューヌは神次元にいる友達、プルルート達が命の危機に落ちようとしてる事を突然、神次元のイストワールに告げられ、ジント達に言わず1人で向かった。しかし超次元のイストワールはネプテューヌが心配でネプギアに跡を追わせると指示し、行動を起こさせ、事情を知ったジント達は神次元に向けて、ジント、ブラン、ユニ、ネプギアの4人とアダスオラ、彼の力を借りて行く事になった。

ちょうどハザマをくぐり抜けていく頃にはネプテューヌは教会に向かい、プルルート達が捕らわれている場所を聞き、ジェットセット山道の中央にある【扉】へ既に向かっていた。

神次元に突如多数と現れている【扉】神次元には、新たな存在者にして、新たなる災いとなる者が裏に潜んでいた。その災いが、囚われた四女神、それを助けに行くネプテューヌと跡を追うジント達の前に立ちはだかる。

次回
神次元ゲイムネプテューヌ 次元の歯車
Episode01 少年と少女


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これまでの登場キャラ

一言いいます


非常に説明が長いです


次回は神次元に現れた【扉】の話になります


(オリキャラ)

主人公

ジント

 

髪色は黒と毛先が赤

身長は170

CVを例えるなら 緑川光

 

本作の主人公、ある電子空間で落ちていたところ、死を覚悟して目を閉じたが、次目覚めた時はゲイムギョウ界のバーチャルフォーレストにいた モンスターに襲われるところを偶然ネプギアに助けられた しかし彼は身を知らなく、何らかの理由で記憶喪失を起こしていた 困っていたところをネプギアはイストワールと相談し、保護される事に、その後ネプテューヌの提案で、生活を慣れる事から始め、クエストへ、しかし突然現れた【扉】に吸い込まれたネプテューヌを助けるべく、ネプギアと共に行く、その場で覚醒した力、【タキオン】を使い、ネプテューヌを無事救出に成功した、その後 全国の女神達が集まり、歓迎会の主役として歓迎され、全員の笑顔を見たジントは女神様の笑顔を守ると心から決意した

ユニとネプギアとネプテューヌと行ったプラネモール、ロムが書いてくれた自分の絵、ブランが手渡してくれた小説本、女神様に数々の加護を貰い、その恩返しをいつかしようと考えている

襲撃時は、スカーレットフォトンに変身し、危険種の応戦するが街中の為、大技を使わずに戦っていた

 

戦闘が終わり、ノワールのわがままに付き合ってた時に、アダスオラがやって来て、互いは別次元の王子であり、襲撃を仕掛けた、アリファの兄であるアダスオラ、クロテューヌの兄が自分である事を知らされる

 

ネプギアから突然、ネプテューヌが急遽神次元に向かった、事を知り、ユニ、ネプギア、ブラン、自分、そしてアダスオラの力を借りて、神次元へ向かう

 

【タキオン】

ジントの能力名【扉】の中で突然頭に流れてきた単語で、口にすると、自分に秘められた力を発揮させる、能力発動の鍵 身体能力が大幅に上昇し、戦術や人間離れの力を見せる

 

【フォトライズ】

ジントがユニとの実戦稽古中にめ、頭に流れてきた能力発動の鍵、唱える事で、更に力が増し、髪色が赤くなり緋色の粒子が放出されるようになる

ちなみに本人は緋色の粒子が放出している事には気付いているが、髪色が赤くなってる事には気付いていない

 

【エフェクト】

ジントがユニとの実戦稽古中に目覚めたフォトライズの解放で発揮した、唱える事で、背後から時空剣を召喚し、新たな剣術を見せる

 

【時空剣】

正式名称はタキオンブレード

エフェクト発動した時に手にする武器

手に持つと、一定距離の空間を瞬間移動する事が出来る

しかし本当は、自分以外の全ての時間を止めて移動してるだけ、いわゆる「時よ止まれ!」である

また時空剣は常に緋色の小さな粒子を纏っており、纏う量が多いほど切れ味が増す

 

ちなみに緋色の小さな粒子を例えれば

機動戦士ガンダムOOのトランザム中のGN粒子に例えられる

 

 

【スカーレットフォトン】

ダークホワイトが召喚したデマイスウルフェンにやられ、生死をさ迷った時、光のドラゴンに助けられ、新たに手に入れた力 女神で言う、女神化

その姿は、簡単に言うとまさに

「銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズタキオンドラゴン)」

武器は タキオンソード

刀身を畳む事で3連式のビームライフル形態に変わり、連射性能と3門を収束する事で強力な砲撃を発射出来る

この力を手に入れたジントは、不慣れながらもある程度相手の感覚を感じるようにはなれた

 

【セロ・フェルト】

スカーレットフォトン時のみ使用可能

デマイスウルフェンを倒した大技

左手の人差し指の先端から放つ 緋色の色をしたその威力は、【扉】内の空間を破壊できる程

 

またその他にスカーレットフォトン時のみ使用可能の技は他にも存在する

 

 

 

アダスオラ

茶色のマットに包まれており

青眼の目が特徴

身長は169

CVを例えるなら 浪川大輔

 

ノワールがトラウマに悩みを持って、ラステイションの公園で泣いてるところをやって来た男

クロテューヌの仲間であるレーラの槍が、ノワールの腹部分に突き刺さる前に助けた本人

その正体は、クロテューヌの仲間である、ノワールに似た存在、アリファの兄で、別次元の王子だと告げた

そしてジントの事を知っており、ジントはクロテューヌの兄で、自分と同じ次元の王子だとジントに教えた

アダスオラの能力はジントに似た物であり、次元の間「ハザマ」を開け、別次元と行き来させる力を持っている

 

一方、レーラの瞬速的な槍さばきを手で止めた事からして、観察能力と反応力は人間離れしてると思われている

 

武器は青いビームの両剣

 

 

クロテューヌ

身長153

CVは田中理恵

 

その姿はネプテューヌに似ているが違うとこを言うなれば

白目部分が白ではなく、黒色で悪魔みたいな目をしており、瞳孔は獣の目をしている

髪型も似ているが、少し髪の毛長く、V文字の前髪は、顎まで伸びている

口調は冷静で大人しい

挨拶として各国に襲撃させた、張本人

その正体はジントの妹だった

防御が手薄と見たルウィーを襲撃する

危険種を殲滅させたルウィーの女神に感心し、近づくが、ホワイトハートに何者かの質問に答えは、近くで教えようとしてたが、その場で答えなかった態度に頭に血が上り、攻撃される、しかし地をも歪ませるホワイトハートの一撃を素手で止めて見せた

そして、挨拶が行われてるのはルウィーだけじゃない事を伝え、その場を去った

クロテューヌの仲間であるカセンが帰ってこない事が気になり、カセンが担当したプラネテューヌへ向かう

その時、ジントの姿を見かけ、自分に似た、女神パープルハートに会う、その後、オマケとして新たな情報として、【扉】とダークメガミは自分が仕掛けた物じゃないのと、半分敵半分味方だとジント達に伝えた

 

ホワイトハートの一撃を素手で止めた事からして、クロテューヌの実力は女神に匹敵すると考えられている

ちなみにクロテューヌが使用する武器はまだ明かされていない

 

 

アリファ

身長162

CV今井麻美

 

ノワール似たその姿は

髪型の違いはツインテールじゃなくポニーテール

目の色は青く、左目の下に、垂直に伸びてる青い線状が顎まで伸びている

服装は灰色と首元から腰まで、垂直に続く青色の太い線状の服と黒の袖無しハイネックコート

右足の太もも部分から左足の膝に下がるように破けている黒と青のスカート

口調は常に他人を見下すような喋り方をする

その姿はまるでソルジャーに近い

リーンボックスの襲撃を担当していたアリファは、ほぼ全ての危険種を率いていたが、グリーンハートと援軍に来たホワイトハートとゴールドサァドのエスーシャなどが応戦し、殲滅した様子をリーンボックスの教会のてっぺんから眺めていた

自分の姿を現し、応戦していた皆に存在を明かし、率いて事を伝えた

堪忍袋の緒が切れたグリーンハートは、アリファと話し合わず、戦いを持ち込んだ

挨拶だけと決めていたが、気が変わり、少し遊び相手になり、応戦していた全員に敵視を向かせた

アリファの実力は、アフィモウジャスのマットや剣を一瞬に切り落とし、ケイブの弾幕は全て外れ、背後からかかと落としを直撃させ、切りかかったエスーシャを剣で受け止め跳ね返し、その勢いで建物へ激突させた

グリーンハートとホワイトハートさえも圧倒させた実力

 

武器は黒の剣二刀流

名は黒之双(シャドウスパーダ)

 

 

カセン

身長152

CV阿澄佳奈

 

ブランに似たその姿は

まるで漆黒のアサシン

髪の毛はセミロング

左目には狼の模様がある眼帯を付けている、右目の色は真紅

首には赤いマフラーを身につけている

黒の忍服に両腕の肩から肘まで服が破けていて肘から手首まで黒の袖を着ている

黒と水色の横線の模様があるミニスカート

無口だが、いざ喋ると殺し屋のような口調で喋る

一人称は僕で、女性にしては少しボーイッシュなとこも

外形を例えるなら、Dead or aliveのリュウ・ハヤブサに近い

プラネテューヌの襲撃を担当していたカセンは、危険種を率いていたが、スタジアムにずっと待ち構えていた、危険種の殲滅に成功したネプテューヌ達は、自分がいるスタジアムにやって来る

7人に囲まれたカセンだが、その状況に関わらず笑い、変身前の本気で相手をする

カセンの動きは迅速的で、目で追うのは難しいほど、最初に狙ったのはネプギアの首だが、援軍に来ていた、アインと愛染に止められる その後同じく援軍に来ていたリーファイとマーベラスAQLを一瞬にして倒すが、パープルハートと時空進化したジントには何故か攻撃しなかった

 

武器は漆剣ダークソラス、その剣を振ると、黒の残影を残す

ダークソラスの大きさは普通の片手剣と変わりないが、カセンは普通の持ち方と違い、逆手に持つ戦闘スタイルをしている

 

一方、カセンが変身前の本気を出すと発言しており、女神のように、変身する事が出来るらしい

 

 

レーラ

身長167

CV佐藤利奈

 

ベールに似た姿の違いはあまりなく、口調と目の色と服装の色と性格が違う

性格はベールに比べて好戦的で口調は平凡的

一人称はベールと違い、わたくしではなくわたし

目の色はノワールと同じ赤

服装はプリンセスドレスで色は黒と黄色

ラステイションの襲撃を担当していたレーラは、危険種を率いて前戦に出て、ノワールの前に現れ、すぐ戦闘に入った

レーラの実力はノワールとはほぼ互角ではあるが、ノワールを油断させ、自分に有利の戦闘に持ち込んだ

ベールと同じくらいの槍さばき

 

武器は漆槍シャドウランサー

シャドウランサーは斬撃より魔力の力があり、黒のオーラを纏う事で、地形を砕く程の威力になる

 

 

【ブラッディースピア】

シャドウランサーを黒のオーラ纏わせ、目標に向けて投げる技、地面に刺さったその槍は、地形が大きく凹み砕ける、当たってしまえば、少なくとも軽傷では済まない

 

(原作キャラ)

 

 

ネプテューヌ/パープルハート

髪の毛に付けている2つのコントローラーが特徴

身長は146

CV 田中理恵

 

4つの国の一つであるプラネテューヌの女神

犯罪神、タリ、零次元など数々の困難に立ち向かったメンバーの1人

零次元の戦いで手に入れたネクストフォームに変身できる

非常に友達想いのため友人は多く、友達が落ち込めば慰め、困っていたら助けると誰に対しても優しいが、普段はとぼけており天然の女の子である

変身後は元とは真逆に大人っぽくなり冷静な口調になる

ジントとの出会いをきっかけにクエストに行くが、そこに現れた【扉】に吸い込まれてしまう

最深部で目覚めたネプテューヌは、遺跡の主を前に、パープルハートに変身して立ち向かうが、再生能力が強大な物でなかなか断ち切れない、そこに現れたネプギアと、【タキオン】の力を覚醒したジントに助けられ、無事【扉】から脱出した

 

危険種の襲撃時、仲間と共に危険種を率いていたカセンと戦うが、全く攻撃が当たらず、カセンによって2人の仲間を負傷させてしまう

そしてその場に現れた、自分の姿に似たもう1人の自分、クロテューヌを目にし、目を疑った

 

零次元の戦いで、もう1人のネプテューヌに会ったことはあるが、このクロテューヌで自分に会うのは3人目である

 

武器は変身前変身後も刀

 

パープルハートの実力は、シェア率を抜かせば、4人の女神の中で最も強い

 

主の使用技

 

クロスコンビネーション

 

 

ノワール/ブラックハート

黒髪の立派なツインテールが特徴

身長158

CVは今井麻美

 

4つの国の一つであるラステイションの女神

犯罪神と零次元の戦いを共に戦い抜いた仲間

零次元の戦いで手に入れたネクストフォームに変身できる

しっかり者で頑張り屋………としてツンデレである

ノワールが一番仲がいいと思われているネプテューヌとは、毎日言葉の言い合い、ネプテューヌのボケにツッコミもするが、よくネプテューヌにいじられる

変身後は好戦的になりテンションも上がりやすくなる

ジントと初めて会ったのは歓迎会

ノワールは普段、仕事関係で男に関わる事はあったが、プライベートで男に関わるのは初めて

【扉】でのジントの活躍をネプテューヌから聞いたノワールは、ジントに少し気にかかる

ユニとジントの実戦後、一息ついたところネプテューヌが【扉】に吸い込まれようとしてるところ、ユニと共に手を握ってネプテューヌを助けようとするが、吸い込みに抗えず、ネプテューヌとユニと共に吸い込まれてしまう

【扉】の最深部でネプテューヌよって覚醒するが、最深部に待ち構えていたのは、倒した筈のダークメガミ、ダークホワイトが居た、女神化しブラックシスターに変身したユニと女神化したパープルハートと一緒に立ち向かうが歯が立たず、呆気なくやられてしまい、ダークホワイトのダメ押しで、ノワールはトラウマを覚えてしまう、その後に駆けつけたジント達に助けられた

無事【扉】から脱出し、ジントを探すが見つからず、顔を隠して涙を流す、スカーレットフォトンに変身したジントが空から降りてきた姿を見て安心した時、ノワールは初めてジントに対する思いを持つようになった

襲撃時、レーラに倒されそうになったところをアダスオラに助けられ、プラネテューヌに向かう、無事襲撃の終止符を打つが、その場に現れたクロテューヌに【扉】の事を聞いてしまい、精神不安定と過呼吸に落ちてしまう

その後、自分のわがままでジント慰めてもらい、落ち着く事が出来たその時、心に出来た思いを受け入れ、ジントに好意を持つようになった

 

武器はショートソード、女神時はバスターソード

 

主の使用技

 

レイシーズダンス

 

 

ブラン/ホワイトハート

普段被っている白い帽子が特徴

身長144

CVは阿澄佳奈

 

4つの国の一つであるルウィーの女神

犯罪神と零次元の戦いを共に戦い抜いた仲間

零次元の戦いで手に入れたネクストフォームに変身できる

人見知りな性格で無口ではあるが、時折喋ると口が悪くなり、顔の半分に暗黒面が浮かび上がる

趣味で小説を書いてるが、なかなか売れず

変身後は常にキレるようになり言葉遣いも荒くなる

ジントと初めて話を交わしたのは皿を代わりに返してもらった時である

夜、皿を代わりに返してくれたお礼として、自分が書いた小説本を手渡した

ブランもノワール同様、男と関わる事は初めてである

ネプテューヌ達が吸い込まれてしまった【扉】に突入して、最深部まで行くが、途中、ある感覚に襲われ、頭を抱える、その正体は、最深部に居た、ダークホワイトだった

戦闘不能になったネプテューヌ達を避難させるため、ダークホワイトに1人で立ち向かうが、圧倒される

その後ジントと交代し、ジントの言う通り、最深部から離れる、しかし突然遺跡が崩れ始め、落ちてしまう

次に目覚めた時は突入前まで居た草原、自分を避難させたジントを探すが見つからず、涙を流す

しかし空から降りてきたジントを見つけ、最初に駆けつけた

プラネタワーに戻った直後、妹のロムとラムには、母国のルウィーに帰った後は、必要以上の外出を控えるように言った

 

襲撃時、女神化していたブランこと、ホワイトハートは

クロテューヌの態度に腹を立てた、攻撃するが、全ての攻撃を素手で止められ、挨拶をしているのはルウィーだけじゃない事を告げられ、ルウィーを守る為に戦っていたシーシャ、マーベラスAQLを各国に向かわせ、自分はリーンボックスに向かった

 

襲撃が終わり、ノワールの状態をネプテューヌから知り、その場に居た、ベールと共にプラネテューヌへ向かう

その後、ネプギアから突然、ネプテューヌが神次元に行ったを知って、アダスオラ、ジント、ユニ、ネプギアと共に神次元に向かうべく、バーチャルフォーレスト保護地区の大樹へ向かった

 

一方ブランが今制作している小説の主人公をジントにしているは理由は、自分の恋愛を本にする為である

 

武器はハンマー、女神時は斧

 

主の使用技

 

テンツェリントロンペ

 

 

ベール/グリーンハート

どの人物よりも胸が大きいのが特徴

身長は163

CVは佐藤利奈

 

4つの国の一つであるリーンボックスの女神

犯罪神と零次元の戦いを共に戦い抜いた仲間

零次元の戦いで手に入れたネクストフォームに変身できる

見た目はとてもお姫様らしく口調もお姫様だが、実は中身が筋金入りのゲーマー、主にプレイするゲームは四女神オ

ンライン

変身後は性格は変わらないが、露出度が高くなる

歓迎会の片付け中、ほんの少しジントにイタズラでくっつくがブランに注意され、大人しく引き下がった

【扉】吸い込まれたネプテューヌ達を助けるべく突入し、最深部に突入するが、ダークホワイトにやられた3人と立ち向かうブランとジント、状況に慣れないネプギアを考え、自分は戦いに参加せず、避難に専念した

 

襲撃時、各国によりも数が多かったリーンボックスでは、景色が危険種で埋まる数に対抗していた為、仲間と共に、全力で倒す事に専念し、防御を捨て、新兵器を使用して、無双が如く、危険種の群れを薙ぎ払う

援護に来たホワイトハートとエスーシャの新技のお陰で、危険種の殲滅に成功したが、率いていた総大将、アリファが現れ、アフィモウジャスの鉄壁の防御、ゴールドサァド最強エスーシャ、リーンボックス特命課ケイブを容易く倒される ホワイトハートと共にアリファに押されしまい、追い込まれたところで、その場を去る

 

ブランからネプテューヌの連絡で、ノワールが精神不安定に落ちている事を知り、ブランと共にプラネテューヌへ向かう

【扉】について情報を知る為、情報屋のアフィモウジャスに連絡で聞くが、特に有力な情報にはならず、その場で同く情報を聞こうとしたユニも同様

素直にリビングに戻ろうとした時、突然現れたアダスオラ、反射的に武器を構えるが敵じゃない事を言うアダスオラを確認する為、彼を知るノワールに確認を取り、敵じゃない事を知ったベールは、アダスオラをリビングに案内する

 

アダスオラに、アリファの兄であるのと、別次元ではジントと同じ存在の王子だった事を知るが、更にネプギアからネプテューヌが神次元に急遽向かった事を知る、しかし自分にはノワール同様、自国の襲撃の被害の処理の為、残る事に

ジントの後ろ姿を見つめていたノワール、女神として、この気持ちを受け入れるべきかを悩んでいた

その悩みを手に取るように分かっていたベールは、ノワールにアドバイスを言い、ノワールがジント対する気持ちを応援する

ノワールの気持ちを恋に変えた張本人

 

武器は変身前変身後共、槍

 

主の使用技

 

レイニーラトナピュラ

 

【シッキムバインド•ファング】

 

襲撃時、グリーンハートの新武装「ランスピット」を使い

シッキムバインドの竜巻を利用し、風の流れに捕まった敵は、ランスピットの舞に襲いかかる

まさに蟻地獄

 

 

ネプギア/パープルシスター

綺麗なピンク色の髪の毛が特徴

身長154

CV堀江由衣

 

犯罪神、タリ、零次元の戦いを共に戦い抜いた仲間

ネプテューヌの妹、プラネテューヌの女神候補生

ネプテューヌより背が高くネプテューヌと違いしっかり者の性格である為、初対面で2人を見ると、必ずネプギアが姉だと勘違いをするくらい

意外な事に機械いじりで、暇あれば機械を作る

変身後、特に性格と性格の変化は無し

ジントとはバーチャルフォーレストでスライヌに襲われてるところを偶然見つけて、助けた

名前を聞こうとしたところ、ジントは記憶喪失になっていて困ってしまう、イストワールに連絡し、ジントを保護する事に

 

呼び名に困っていたジントとネプギアは、仮名として互いに考えた結果、ジントに決まった

 

ネプテューヌの提案で、生活から慣れる事から初め、それを手伝うネプギア

そしてクエストで討伐に行くが、突如現れた【扉】に吸い込まれたネプテューヌを助ける為に、突入するが、初めて見るモンスターに驚き、ジントを守るように攻撃するが、本当の意味で生を殺めた事がないネプギアは返り血を浴びて怯えてしまう

その時にジントが力を覚醒して、ジントの動きに見とれ、憧れるようになった

 

2回目の【扉】から脱出したネプギアは、助けてくれたジントを探すが見つからず泣いてしまう、しかしネプテューヌが、上から来る赤い光を見つけ、ネプギアは光の正体を確認する為、駆けつけた、その正体がジントだと知った時、感情の勢いのまま、初めて男性に抱きついた

 

ユニとネプテューヌとジントと共にプラネモールに行き、1日を過ごす際、毎度毎度、ジントの姿を見ていた

 

襲撃が終わり、イストワールから【扉】について新しい情報を聞き終わった時、神次元にいるプルルート達がピンチである事を知り、ネプテューヌが急遽神次元に行く

自分も付いていこうとするが、ネプテューヌに残るように言われ、大人しく見届けた

イストワールは見届けるが、無事に転送した後、ネプテューヌの後に追わせるよう頼まれ、ネプギアはまず、リビングに居るジント達に伝えた

 

神次元に向かう事になったジント、アダスオラ、ブラン、ユニと共にバーチャルフォーレスト保護地区の大樹へ行き、アダスオラの力を借りて神次元に繋がるハザマへ

 

武器はビームサーベル、変身後はM.P.B.L

 

主の使用技

 

ミラージュダンス

 

 

ユニ/ブラックシスター

姉ノワールに似たツインテールに水色と黒のリボンが特徴

身長149

CV喜多村英梨

 

犯罪神と零次元の戦いを共に戦い抜いた仲間

ノワールの妹、ラステイションの女神候補生

姉と同じツンデレで、姉に対する気持ちを上手く表現出来ない、姉のノワールの右に着きたい信念で、いつも影で努力しているが、普段人前に見せないため、所々恥ずかしがり屋なとこも見られる

見た目に寄らずサバゲーマニアで、銃に関して詳しく、武器にしている、共に戦い抜いた仲間であるネプギアに強いライバル心を持っている

変身後は常に勝気で気が強くなりが、他の女神と違い胸が軽量化する事に悩みを抱いている

ジントとは歓迎会で初めてあって、自分を助けてくれた人だと主張するネプギアを聞いて、ジントの実力が気になり始める

 

ジントの力を確かめるべく、稽古相手を募集するジントを稽古相手として利用し、挑戦状を申し込む

 

自分自身が今まで隠していた全ての力、新武装を使い、ジントと戦うが、新たに覚醒したジントの力によって無力化され、降参する、一息ついた頃に【扉】に吸い込まれそうになってるネプテューヌの手を掴み、ノワールと共に引っ張りあげようとするが、抗えず一緒吸い込まれてしまう、【扉】の最深部で目覚めた時、ダークホワイトが現れ、ノワールとネプテューヌと一緒女神化し立ち向かうが、先にやられてしまい、気絶してしまう

 

プラネテューヌで一定期間治療を受ける事になって、ジント達と少しの間暮らす事、治療の帰り、ジントが風呂に入ってる事をネプギアから聞いて、2人っきりのチャンスを物にし、助けてくれたお礼をする

 

そして2度目の風呂では、どういう訳か全員で風呂に入る事になった時、最後に迷惑を掛けてしまった全員に謝罪をするが、そのお返しに暖かい温もり、励ましを貰い、ジントの背中に頭を乗せて、涙を流す

その時、謝罪の気持ちでいっぱいだった心が、ジントに対する思いが、芽が成長するように、新しい感情を持つようになった

 

襲撃に耐えたユニは、ネプギアから姉が過呼吸を起こしてる事を聞いて、すぐさまノワールが居るプラネテューヌへ向かった

着いた頃には姉は落ち着いていたが、表情に笑顔が見られない姉を見たユニは、不安を見せた

更に今までに見た事が無い仕草、ジントの服の袖をつまんでいる姿を見たユニは

姉もジントに対して好意を抱いてる事に驚き、動揺する、その様子を見たジントに聞かれるが、ユニは誤魔化して、珍しくて驚いたと言った

 

突如神次元に行くネプギアの同行する事になって、ネプテューヌの後を追う

 

武器はレールガン、変身後はE.M.B

 

主の使用技

 

エクスマルチブラスター

 

【X.M.Bバスターモード】

ユニが密かに手に入れた、新たな武装

唱える事で、X.M.Bはバスター形態に変化し、人を軽く飲み込むエネルギー粒子を放つ、その威力は危険種エンシェントドラゴンを軽く消し飛ばすほど

ちなみに例えると、機動戦士ガンダムOOに登場するガンダムヴァーチェの武装、GNバズーカのバスターモードである

 

 

【X.M.Bデュアルモード】

ユニが密かに手に入れた、新たな武装

唱える事で、X.M.Bが光だし、二つの小型銃に変化する

射撃だけじゃなく、火口の先端にビームサーベルを展開し、近接に対応出来るようになった

 

 

 

ロム&ラム/ホワイトシスター

ロムは姉のブランに似た、ぱっつんショートヘアーが特徴

ラムは姉やロムと違い、ロングヘアーが特徴

 

ブランの妹で双子、ルウィーの女神候補生

犯罪神、零次元の戦いを共に戦い抜いた仲間

双子である2人はロムが姉でラムが妹

ロムは普段は大人しく、女神と女神候補生達とは基本心を開かない

ラムはロムに比べて積極的な性格で活発的、自信家で思っている事を躊躇わず言う

 

ジントとは2人とも歓迎会で初めて会い、ネプギアから【扉】でのジントの活躍を聞いたせいか、ロムとラムは話す前から、心を開いていた

ユニとジントの実戦の様子の絵を書いていたロムは、実戦が終わったと同時に、完成をジントに見せた

ロムとラムにとって初になる【扉】では突入せず、見張る側に入っていた

無事に帰ってきたブラン達を起こし、空から降りてきたジントを見て、喜びを上げた

 

その件以来、ロムとラムはお兄ちゃんのように接するようになった

 

 

イストワール

CVかないみか

 

プラネテューヌの教祖

 

いつもネプテューヌの態度に呆れながらもプラネテューヌの安定保たせると同時に、ネプテューヌを支える、保護者的存在

 

【扉】の件で個人で調べ物していた為、ほとんど顔を見せていない

 

調べ物について分かった事、神次元に多数の【扉】が現れている事が分かり、ネプテューヌとネプギアに伝えた直後、神次元にいるイストワールからの着信が来て、プルルート達がピンチに落ちている事を知り、ネプテューヌの頼みで、止む得ず転送する

心配しないようにと思ってはいたがやはり心配で、ネプギアに後を追わせるようにお願いし、引き続き【扉】について調べに入った

 

 

アイエフ

CV植田佳奈

 

ネプテューヌの親友でプラネテューヌの諜報部員

犯罪神、零次元の戦いを共に戦い抜いた仲間

ジントとは初めての男友達で、朝食や夜食をたまに一緒に作る事がある

暇あればスマホをいじっており、手放す姿は見た事ない

ある意味ジントとってアイエフは日常的に話し合える人物だが、たまに中二病発言をする事も

 

 

コンパ

CV酒井香奈子

 

ネプテューヌの親友で、プラネテューヌの総合病院所属

ユニの治療をしていた張本人

ジントとは初めての男友達

言語の最後に「〜です」と言う口癖がある

 

フィナンシェ

CV寺本治子

 

ブランのメイドと妹のロムとラムの面倒を見る、ルウィーの職員

ブランが書く小説本のネタ共に考え、恋愛物をアドバイスした本人

ブランが今制作しようとしている小説本を書き始めたきっかけを作った張本人

 

 

(新次元キャラ)

 

 

シーシャ

CV戸松遥

 

ゴールドサァドの1人でルウィーに住む1人

零次元の戦いで、元敵だった存在で、ゴールドサァドのリーダー的存在

ゴールドサァド唯一の常識人である指揮官タイプだが、スタイリッシュである事にこだわりを持つという変わった嗜好を持つ

ブランとはゴールドコンビと呼ばれている

ルウィーに突如襲撃して危険種の応戦していた1人

 

 

ケーシャ

CV日高里菜

 

ゴールドサァドの1人でラステイションに住む1人

零次元の戦いで、元敵だった存在

清楚な文武両道な少女なのだが、銃を持つと、歴戦の軍人のような性格へと変貌してしまう

ノワールは友達として接しているが、ケーシャ本人は強く慕う一方、非常に嫉妬深い一面を持つ

はっきり言ってしまうとヤンデレの域に突入するほど

ユニとはガンマニアの仲である

パートナーはリッド

 

 

エスーシャ

CV内田真礼

 

ゴールドサァドの1人でリーンボックスに住む1人

零次元の戦いで、元敵だった存在

何事にも無関心で一見クールなキャラクターだが、中二病をこじらせた痛い人

興味を持たない物には、「興味ないね」と話題を切り捨てる

エスーシャの体の中にはイーシャの魂が宿っており、イーシャの言葉には逆らえない様子がたまに見られる

エスーシャの剣技は凄まじく、パープルハートやブラックハートに匹敵する実力者

リーンボックスに襲撃してきた危険種の景色を新技「大黄烈衝」によって薙ぎ払い、危険種の大群に終止符を打った

 

ちなみに「大黄烈衝」を例えるなら

BLEACHの黒崎一護の必殺技、月牙天衝である

 

 

ピーシャ

CV竹達彩奈

 

ゴールドサァドの1人プラネテューヌに住む1人

零次元の戦いで、元敵だった存在

明るく無邪気でおもちゃやヒーローが大好きなのだが、一番大好きなものはお金とやけに現実的な一面を持つ、ただし、子供には請求しない

襲撃時、危険種の応戦には参加していたが、その後民の避難の誘導していた

 

 

アフィモウジャス

CV上別府仁資

 

零次元の戦いで、元敵だった存在

ステマックスとは生まれ付き親友

四女神を追い込むが、ネクストフォームに変身した四女神に敗北した

罪を無くす代わりに、女神の使いになる事を決め、リーンボックスの女神、ベールに仕えるようになった

襲撃時、リーンボックスを守るべく前戦に立った

ちなみにベールの使いになった理由は、金髪の巨乳好きだからである

 

 

ステマックス

CV会一太郎

 

零次元の戦いで、元敵だった存在

アフィモウジャスの親友にして、仕える幹部

見た目通りの忍者で、口調も忍者、言動が全て忍者

隠密行動と忍術に優れており、情報収集が得意で、マーベラスAQLと同等の実力者

しかし女性と話をする事にあまり慣れておらず、対する免疫が弱い

一方で破廉恥な本をよく読んでいるなどムッツリスケベな一面も

自分をまともに認識できた上に自分を蔑みもせずに普通に接してくれたユニに好意を抱いている

罪を無くす代わりに、女神の使いになり、ノワールの仕える忍者となった

その後、改めて、アフィモウジャスと始めた情報屋になり、クエストの報告や依頼をギルドに伝える仕事をするようなった

ノワールに仕える忍者になった理由は、ユニに近づく為である、ちなみにノワールはステマックスがユニに片思いである事には気付いている

 

 

メーカーキャラ

 

 

マーベラスAQL

CV原田ひとみ

 

犯罪神の戦いを戦い抜いた仲間

犯罪神の戦い以来、忍者育成機関に戻ったがルウィーを守る為、改めて派遣され、久しぶりにやって来た

戦い以来修行し、新たに忍法や技を磨きがかかっており、更に忍者として育った

しかし天然で制服はちぎれんばかりの格好は変わらず

 

 

5pd

CVnao

 

犯罪神の戦いを戦い抜いた仲間

リーンボックス所属の歌手で、その歌声は人々を盛り上げ、闘争心を止めさせる癒しの効果を持つ

 

 

ケイブ

CV高橋まゆこ

 

犯罪神の戦いを戦い抜いた仲間

リーンボックス特命課に所属していて、よく5pdの護衛をしている

人混みを避けるのが得意で、人混みに入った犯人を簡単に捕まえてしまう為、ケイブに見つかった犯人は、空に飛ばない限り逃げられない

襲撃時、新たに数が追加されたオプションと新武装の蜂型の大型ピットを変形させ、フルバースト形態に入り、一斉射撃した

ちなみにフルバーストは

機動戦士ガンダムSeedDestinyのストライクフリーダムガンダムのフルバーストがモチーフ

 

 

(擬人化キャラ)

 

リッド

CV上坂すみれ

 

ラステイション軍組織に所属している

左目にはスコープと思われる物が着いた眼帯を付けている

トラップの設置やナイフの扱いには手慣れておるが、危険種と言った、戦場に関しては少々苦手

クールな性格をしているが、主に褒めるて動揺し大抵噛む

そしてやや臆病者で、ダンボールが安住の場所

同じ軍に所属しているケーシャとはパートナー

 

 

エステル

CV内田真礼

 

一見して勇者な格好をしており、「伝説的」という言葉を度々使う

ノワールとは友人関係で、よく討伐クエストに同行する

武器は剣 持っている盾はスライヌの模様が書かれてある

廃工場へ、ノワールと、その場で呼んだステマックスと共に探索するが、奥に待ち構えていた【扉】に遭遇し、過呼吸と精神不安定に落ちてしまったノワールを、ステマックスに捕まり、共にその場から離れ、病院へ行った

 

 

リーファイ

CV大坪由佳

 

戦闘好きな性格な為、毎日討伐クエストをしている

ノワールとは戦友で、時々手合わせをしている

襲撃時ノワールに頼まれ、プラネテューヌへ援軍に向かった

戦闘スタイルは格闘の為、銃刀ではなく篭手を使用する

ちなみにリーファイはシーシャと一度手合わせをしており、負けている、それ以来リーファイはシーシャに対してライバル心を持つようになった

 

 

アイン・アル

CV大西沙織

 

エスーシャ同様クールではあるが、同じに中二病発言を繰り返す痛い人

ノワールの頼みでプラネテューヌへ援軍に向かった

中二病発言をする人だからなのか、エスーシャとアイエフとは仲がいい

武器はガンブレード、剣技、身体能力はエスーシャと同等の実力者

 

 

ブロッサ・愛染

CV寺崎裕香

 

凛々しい性格で、カリスマ性が高い

演技が得意で、よく舞台に立つこともあり、恋愛ドラマに出演する事も

女性なのだが、男装が似合うため、一目見ると男性と間違えられるくらい

ノワールの頼みでプラネテューヌへ援軍に向かうが、元から向かうつもりでもあった

武器はレイピア

近接だけじゃなく魔法も使える

カセンの迅速な動きに付いてこれる事により、反応速度と反射神経には自信がある様子

 

 

(神次元キャラ)

 

プルルート/アイリスハート

CV花澤香菜

 

 

神次元のプラネテューヌの女神であり

タリの戦いに立ち向かった仲間である

非常にのんびり屋でどんな状況でも天然であるが、万が一怒らせてしまうと、女神化し、手が付けられなくなる

変身後の性格は、一言で済ますと地獄級のドSに変貌する

突如現れた【扉】に神次元の四女神と共に捜査するが、何者かが仕掛けたアンチクリスタルの結界に捕らわれてしまう

 

武器はぬいぐるみ、変身後は剣型のムチ

 




ここまで読んでくれた方々
本当にありがとうございます


前書きに記されている通り
次回は神次元に現れた【扉】の話になります

引き続き、次回作もまた、見苦しい点があると思いますが、暖かい目で読んで貰えればなと思う次第です


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神次元ゲイムネプテューヌ 次元の歯車
Episode01 少年と少女


《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Between Earth And Sky》

「なあ ここは本当に神次元なのか?」

「ハザマを潜ってきたけれど、潜った気がしないわ」

「景色は似てますが間違いありません ここは神次元です」

 

俺達って言っても、ネプギア、ユニ、ブラン、アダスオラと俺なんだけど、1人でこの世界に行ったネプテューヌの跡を追いかけて、神次元にやって来た

 

「ここが……神次元」

「……………………」

 

ちなみにどうやって来たかと言うと、俺と同類の存在、アダスオラの力で、時空の間を開けて、次元を超えて来た

 

「確かにハザマを潜ったけどよ、戻ってきた気がするぜ?」

「無理はない、ここも似た次元だからな」

「まあネプギア、早くこの世界のイストワールさんの元に行こうよ」

「そうだね それじゃあ付いてきて」

 

そう言って歩き出すネプギア

ちょっと待てよ?急いでいる筈なのに何故歩きで……

 

「あ………しまった…」

 

ネプギアは何かに気付いたのか

先頭に歩いていたネプギアが振り返る、なにか申し訳なさそうな表情をしている、なんだ?

「あ、あの……ユニちゃん、ブランさん」

「何よ?申し訳なさそうな顔して」

「どうしたの?」

「実は、神次元では………………」

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Minicar》

「…………………え!?」

「おいマジかよ」

「貴様……それを何故先に言わん」

「ご、ごめんなさい!」

 

ネプギアは必死に頭を下げている

ば…………馬鹿な……………神次元では………

 

「神次元では……女神化するには女神メモリーが必要ですって!?」

「テ、テメェ!どうしてそれを先に言わなかったんだよ!」

「ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

不味いぞ……雑魚敵ならまだしも、あの時のカマキリモンスターやデマイスウルフェン見たいな強敵に出くわしたら………

 

「だったら、俺とジント、そして貴様が守ればいいだけだ」

「あ、あんた……」

 

アダスオラ、お前って口が悪いかと思ったらそうでもないんだな

 

「まあそれもそうだな、今はネプギア、とりあえず案内してくれ」

「は、はい……」

 

ネプギアは相当反省していたのか顔は沈んでいた、でもすぐに気を取り直したネプギアは神次元のイストワールさんが居るプラネテューヌへ向かった

―――――――――――――――

 

――――――――――――

 

―――――――――

 

―――――――――

 

――――――――――――

 

―――――――――――――――

《神次元ゲイムネプテューヌV PLANEPTUNE's Theme ver.V》

プラネテューヌ

 

「別世界のプラネテューヌでも似ているなー」

「そうね」

「ここも変わらないな〜、凄く懐かしい」

「あれが教会か」

 

教会、プラネテューヌが似ていれば、教会の場所も同じかと思ったら本当に同じだった、しかもプラネタワーの形までも

 

「ここって鏡の世界か?」

 

プラネテューヌの住民の視線(アダスオラの姿のせい)がチクチクしながらも俺達は、ひたすらネプギアの後に付いて行って、そして教会の扉の前まで来た

 

「タワーの最上階かと思いきや、実は最下階に、家がある件について」

「ネプギア、この可愛らしい扉の先に、イストワールが居るの?」

 

ブラン、いや全員が疑問に思っている、何故なら

実は俺達はタワー内に居る、当然木製の壁は見当たらず、全てオールマシン、その中に違和感ありまくりの紫色の木製の扉が一つポツンとある

 

「そうですよ それじゃあ開けますね」

 

そう言ってネプギアは、笑顔でドアノブを握り、扉を開けた

 

「こんにちわ〜」

「し、失礼します」

 

ネプギアに続いてユニ、ブラン、俺、アダスオラの順で木製の扉を潜る

 

「こんにちわ、ようこそプラネテューヌのきょ……………(゜ロ゜)」

「え、えっと………」

「……………………」

「いーすんさん、来ちゃいました!えへ♪」

俺が知ってるイストワールとは違い、目の前に居るイストワールは一通り小さく、手乗りサイズ

そんなイストワールは今、耳から少し煙が出ていて、フリーズしている

 

「いーすんさん?」

 

呼びかけてみた物の、反応がない

 

「返事がない、屍のようだ」

「か、勝手に殺さないで下さい

(・□・;)」

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ 100$》

ブランのセリフにツッコム小さなイストワールさん

 

「あ、起動した」

「最初から起動しています!情報処理が遅れただけです!(>人<)」

 

ユニのセリフにツッコム小さなイストワールさん

 

「う、嘘……ネプギア?ってブランさん!?」

「あ!アイエフさん!」

 

何故か始まって一瞬に終わったコント

そして、奥の廊下から、緑のリボンが目立つ女性が俺達に気づく

 

「わ、わたし?」

 

建物だけじゃなく、人も似ているのか!?

 

「アンチクリスタルに捕まっている筈のブランさんがどうして………ていうかどうしてネプギアがここにいるのよ!」

「それは多分、捕まっているのはこの世界の私だと思う、私自身じゃないわ」

「お姉ちゃんの跡を追ってきたんです」

「ネプ子の跡を追ってきたのね、どうやって来たかは知らないけど、相変わらずネプギアはネプ子が好きよねー」

「い、いや……そんな……」

 

周りの話からよく聞くが、ネプギアは純粋なお姉ちゃんラブらしい

 

「それより、向こうのイストワールさんに聞きました、あなた達は、ネプテューヌさんの跡を追ってきたんですね?(・~・`)」

 

話の流れを上手く切り、話の趣旨を変えたイストワール

 

「そうです」

「ネプテューヌさんなら、今から一時間前に来ました、プルルートさん達が捕まっている【扉】の居場所を聞いて、即座にジェットセット山道の中央へ向かいました(ó﹏ò。)」

 

イストワールは少し不安に話している、そのプルルートさん達って言う人達は今、ネプギアが言ってた通りに、生死をさ迷ってるのって事なのか?

 

「ジェットセット山道?」

 

疑問を口にしたのはブラン、俺とユニも、聞いた事はない場所だ

 

「ジェットセット山道はプラネテューヌの東方向にあります、早速向かいましょ!」

「おう!」

「えぇ!」

「…………」

「あなた達はどんな人かは知らないけれど、どうかプルルート様と女神様をお願いね」

「任せて下さい!アイエフさん」

「了解よ」

俺達は、イストワールさんが教えてくれた居場所へ向かう為、プラネテューヌの東方向に向けて街を出た

しかしネプギアが言うには、少し距離があるらしく、歩きでは時間が掛かる

そしてふっと思った事があった

 

「そうだ、俺は変身出来るのかな?」

「あなたのは私達の女神化と違うから、もしかしたら」

「やってみてジント!」

 

俺は言われた通りに、スカーレットフォトンに変身しようと試みた

すると体が緋色に輝きだし、粒子が放出して俺を囲み、変身した

 

「出来たぞ」

「は…………」

「綺麗な粒子…………」

「貴様が変身出来るなら、俺も変身が出来そうだな」

「アダスオラさんも出来るんですか!?」

《BLEACH Creeping shadows》

ネプギアの返事の変わりに、アダスオラは変身する

体全体が蒼色に輝き始め、俺と同じように蒼色の粒子が放出し囲んだ、そして変身を遂げた

 

大きな黒い2本の翼と羽の代わりに青いエネルギーが八つに展開されている

顔がハッキリ見えるようになり、両目は青眼で、右目の下に垂直に蒼色に輝く線状が顎まで伸びている

首の両側に後ろに向くように鋭くとんがった鱗

首筋にも後頭まで3つとんがった鱗

顎の関節当たりから、顔の前まで紺色のとんがった牙

体は胸から足首までと両腕は蒼色に輝いていて、胸にはX文字の赤い模様があり、両腕の手の指先は全てとんがっている

背中の背鰭は八つに分けられ赤くとんがっていて

紺色の長い尻尾を持ち、尻尾の先端が赤くとんがった三つの鱗

両肩から脇腹部分と、太ももの表側が紺色のアーマーで織っている

全体が竜に近い姿になった

 

「パーティカルジェネシス………俺の時空進化だ」

「青い粒子………綺麗……」

「凄い……どこかのフォトンの竜みたいで、かっこいいです!」

「力強い光、とても頼りになりそうね…」

「よし、時間が惜しいから、俺とアダスオラに捕まって、ジェットセット山道まで一飛びしようぜ」

「言われなくともそうする」

[ユニ]

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

す、凄いなー……………二人対四女神で対戦したらどうなるんだろう?

それより、乗せてって貰えるよね!?ならもっと近づけるチャンスじゃないかな!

 

「私は女神化出来るので、飛んでいきますね」

「あ、あたしはジントに捕まるね」

「それじゃあ、背中に乗りな」

「じゃあ私はアダスオラに捕まるわ」

「背鰭はとんがっているから、俺が後ろから抱き上げて運んでやる」

「え?あぁ!?ちょ!」

 

アダスオラさんって、なんかクールよねー、さっきはいい事言ってくれたけど、実は結構無神経なのかな?

 

アタシはジントに全体重を預けて、おんぶの体制で運んで貰うことに

う……心臓がバクバクする…………ジントに気付かれないかな?

 

一方ブランの方は、アダスオラに問答無用に背中から抱き上げられている

ブランは一瞬抵抗したが、捕まって、がっしり密着する体制になり、すぐに観念した

 

背が小さいブランと背が高いアダスオラ…………

 

「ふっ……」

「ぷっ!」

「わ、笑うなテメェら!」

 

立場が同じだったら、あたしもブランさんみたいに同じ事をしていたかも

 

それにしても、変身後のジントだけど、こんなに密着したの初めてだなー

 

「う…………」

 

ジントが何か後ろに良く振り向いている、何か気にしている事があるのかな?

 

「どうしたの?ジント」

「いや、なんでもない、それじゃあネプギア、案内を頼む」

「分かりました、しっかり付いて来てくださいね」

 

ジントは話を逸らして、ネプギアに案内をするように頼んだ

変なジント

今飛び立とうとした時だった

《ソードアートオンライン luminous sword》

「うわぁー 綺麗な光……」

 

ジントが飛ぶ時、緋色の粒子が翼から出ている

とても綺麗で、つい見とれてしまう

ていうか、翼は羽ばたかないのね

 

「綺麗かも知らないけど、アダスオラの粒子も綺麗なんじゃないか?」

「え?…………本当だ」

「ふん……」

 

アダスオラさんの翼からも蒼色の粒子が翼から出ている

ジントの粒子とアダスオラさんの粒子を夜に見たら、イルミネーションのイメージが思い浮かぶわ〜

 

「えへへ〜」

「どうした?ユニ」

「え?な、なんでもないわ!」

 

しばらく先へ飛ぶと、ブランがある物を見つけた

 

「ねぇ!もしかしてあれは!」

 

ブランが発見したのは、ジェットセット山道の山脈にある崖の上に【扉】があった

 

「もしかしたら、あの中に、お前の友達とネプテューヌがいるんじゃないか!」

「行ってみましょう!」

 

崖の上にある【扉】に向かう、周りは特に変わった様子はなく、モンスターも見当たらない為、簡単に近づけられた

【扉】の前でアタシ達は止まり、ジントとアダスオラは、アタシとブランを下ろす

 

「この中に、ネプテューヌと神次元の四女神が入るんだな?」

「はい!」

 

それぞれの武器を手に持った

アタシは愛銃のレールガンを構える

ジントはタキオンソード

ブランさんはハンマー

ネプギアはM.P.B.L

そしてアダスオラさんは…………

 

「エフェクト……」

 

アダスオラが静かに唱えた

すると、両手に蒼色の粒子が圧縮し、二つの剣に展開した

その二つの剣の柄頭を合わせて二つの剣から、一つの両剣へ合体した

 

「それがあんたの武器なのね」

「蒼光剣キュアノスライト…」

 

咄嗟に両剣さばきを見せる

その剣技は凄かった、剣先が速すぎて目が追いつかない

 

「遅れは取らん」

「これは頼りになりそうだな、ユニ、ブラン、危なくなったら下がるんだぞ?」

「うん…」

「でも支援はするわよ」

「それじゃあ、突入します!」

ネプギアの合図で、一斉に【扉】へ入っていった

しかし、潜り抜けた先の景色は遺跡とは違っていたが、それよりも私達は、とんでもない物の見てしまった

 

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一時間前

 

[パープルハート]

 

「ここね、ぷるるん達がいる【扉】の中は」

 

一足先に【扉】の中に突入していた

 

「どうやら、ここは遺跡じゃない見たいね……」

 

【扉】の中は、今までの遺跡とは違い、空に浮かぶ宮殿のような世界になっている

外の景色は普通に見えており、下を除くと

 

「落ちたら一溜りが無さそうわね」

 

グルルゥ……

キシャアァ………

 

「……っ!」

 

奥に続く道に多数の敵が現れた、グールとゴブリン、新種の2体、床に体が生えているモンスターと、キマイラが道を通せんぼする

《ソードアートオンライン2 she has to overcome her fear》

「私は、ぷるるん達を助ける為に次元を超えてきたの、雑魚敵如きに足止めを食らう気はないわ!来なさい!35式・エクスブレイド!」

 

私は右手に剣を召喚し、35式・エクスブレイドを構えた

 

「私の邪魔をする物は、切り捨てるのみ!はぁぁぁ!」

 

道を阻む雑魚敵を切り捨てながら先に進む、パープルハートが進んだ道には、雑魚敵がバラバラになった遺体と血みどろで道が染まっている

 

現れば切り捨て、攻撃されればやり返しに切り捨ての繰り返しで、パープルハートは大量に返り血を浴びた状態に変貌する

 

そうしていくうち、一通り広い部屋まで来た

血で染まったエクスブレイドを元に戻し、刀に持ち変える

 

「さあ出るなら出なさい!中ボスとやら!」

 

そう叫ぶと、進んできた道に紋章が現れ、道を閉ざす

床から赤い紋章が現れ、一体の敵が召喚された

 

その姿は、堕天に落ちた妖精

禍々しい翼に、仮面のような顔をしている

体全体は黒く、緑の線状が体中に刻まれている

 

「来たわね……てぇぇあ!」

 

私は臆せず、腹部分に向けて切りかかる

 

ずし!

 

ギヤャャアァァ!

 

斬撃を食らった堕天の妖精は悲鳴を上げるが、すぐに傷口が塞がり、再生した

 

「く……あの時のカマキリモンスターと同様、弱点を一気にやらないといけないみたいわね」

 

キィエェ!

 

堕天の妖精は、パープルハートに向けて闇の玉を放つ

 

「そんな鈍い玉、当たらないわよ!」

 

パープルハートは闇の玉を華麗に避ける、闇の玉は床に着弾し、爆発する

 

今度は自分の周りを闇の玉で囲み、全方位に向けて闇の玉を放つ

 

「この程度………デルタスラッシュ!」

 

パープルハートは、向かってくる一つの闇の玉ごと堕天の妖精に向けて、三つの斬撃波を放つ

闇の玉は三角に斬られて爆発し、堕天の妖精は三つに共くらい、翼と両腕両足を切り落とされ、勢いよく血しぶきが飛ぶ

 

ギヤャャァァァ!

 

致命的ダメージを受けた堕天の妖精は、盛大に苦しみの鳴き声を上げた

 

「これでトドメよ……………はぁぁぁ!……やぁ!」

 

パープルハートは刀を前に突き出し、そのまま堕天の妖精の頭に向かって突進する

 

刀は堕天の妖精の頭蓋骨を見事に貫通した

そしてパープルハートは刀を上に向けて切り上げた

血しぶきが盛大に飛び、堕天の妖精は力が尽きて、後ろに倒れた

血で染まった刀を振り上げ、そして下ろし、浴びた血を飛ばす

 

「私を待つ仲間が居るの、だから先に進ませてもらうわ」

 

続く道がないせいか、広場の真ん中に、白い【扉】が出現した

 

「やっと会えるわね、待ってなさいぷるるん、すぐに助けるわ」

 

私は出現した白い【扉】に入っていった

その跡にネプギア達が付いてきてる事に気付かずに

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現在

 

[ネプギア]

《東京ザナドゥ 妖精の回廊》

「な、なんだこれは!?」

「くぅ……」

「道が…………」

 

私達は【扉】を潜り抜け、先に目に入った光景は、先に続く道と壁が、遺体がバラバラの雑魚敵と血の跡で染まっている光景だった

 

「うっぷ……」

 

その光景を目にした私は、唾液を嘔吐してしまう

 

「う……く……」

「大丈夫か!? ネプギア」

 

私の近くまで寄って、背中をさすってくれるジントさん

ちょっと情けない姿を見せちゃった…………

 

「大丈夫…です……はぁ…はぁ」

「まさか、これはネプテューヌさんがやったんじゃあ……」

「ネプテューヌは友達の事になると、周りが見えなくなるから、もしかしたらそうかも知らないわ」

「う、嘘だろ?」

 

あのネプテューヌがか?

 

「場を気にする時間はないぞ、今は先に進むべきだ」

 

アダスオラさんはこの光景を目にしたも関わらず、動揺しないなんて、なんて精神の強さなの?

 

「そう……ですね」

「念のため、慎重に進もう ブラン、ユニ お前達は後ろに付いてくれ」

「分かったわ」

「う、うん」

「………………」

「今行くからね、お姉ちゃん、プルルートさん」

 

進み始めてから約20分立った

道は相変わらず遺体で埋まっていて、壁も変わらず

お姉ちゃんはこんな数を1人で…………

 

「敵が現れないわね」

「そうだな、まさかネプテューヌの奴 全部倒しちまったのか?」

 

それにしても変です………

私が体験した【扉】では、敵を倒せば消える筈なのに、この【扉】では消えないなんて…………

なんかグロテスクなゲームをやってる気分……

 

「雑魚の気配が感じないな」

「そうだな、このまま敵が出ないと楽なんだけどなー」

 

敵に出くわさず更に20分が立った

一通り広い場所まで来た

そしてそこには、中央に白い扉とその横に、人型の大きな遺体があり、手足と翼が斬り落とされ、頭の半分から上までV文字のように斬られた跡がある

 

「ひぃ!」

 

残酷な光景を見た私とユニちゃんが動揺する

 

「ざ、雑魚敵とはいえ、酷いわね」

「でっかな石像モンスターを一撃で粉砕したお前が言うか」

「………………」

 

アダスオラさんは、その大きな遺体の横まで行って、触り始めた

って、えぇ!?

 

「お、おいアダスオラ! 触って平気なのかよ」

「遺体を触るくらいどうってことない」

 

いくら何でもそれは人としてどうなのかな……

 

「それよりこの白い扉 、もしかしたらあの時のように最深部に繋がってるかも知らないわよ」

「じゃ、じゃあ、この先にネプテューヌさんと、神次元の女神が居るの?」

「そうと決まれば、さっさと進もうぜ そしてビシッと文句言ってやる」

「ほ、ほどほどにね?」

 

いよいよ私達は、お姉ちゃん達が居る最深部に繋がる道の前まで来た

お姉ちゃんを追いかける事もそうだけど、プルルートさん達も助けないと!

 

「行きます!」

「おう!」

 

そして私達は、気合いを入れて、白い扉を潜っていった

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[ジント]

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Rough Flash》

「ここが最深部ね」「お姉ちゃん!」

「え?」「え?」

「………………」

 

今起きた事を説明する

 

俺達は白い扉を潜ってきたばかりで、最深部に来た

そして俺達は、ネプテューヌの跡を追いかけて来たんだが、ネプテューヌも俺達と同じタイミングで白い扉から出てきた

 

イストワールさんは言った、一時間前に教会に来た、そこから考えられる事は、俺達が教会に来た頃にはネプテューヌは既に【扉】の中に入っていたんだよな?

んで、俺達が【扉】に入った頃には、ネプテューヌは最深部に来ている筈だ、それなのに何故ネプテューヌは俺達と同じように来たばっかりなんだ?

 

「お姉ちゃん!」

「ネプギア!それにブラン、ユニちゃん、ジント、そしてあなたは…………」

 

ネプテューヌは、顔知らないアダスオラに顔を向けた

そうか、アダスオラが来た頃には、お前とネプギアはイストワールの所に居るのか

 

「アダスオラだ、ジントと同類の存在だ」

「アダスオラ?…………いや、そんな事はどうでもいいわ、ネプギア、どうして、どうやって来たの?私は残るように言った筈よ」

「そ、それは…………」

「話は後にしろ女 お前は、プルルートとか言う奴を助けに来た筈だ」

「そういう訳だ、悪いが助太刀させてもらうぞ」

「……………まあいいわ、後で話を聞かせてもらうわよ」

 

ネプテューヌは俺達に対する疑問を一旦後にして、今は少し前に進む

そして最深部の凄く広い場所に来た

天井は底なしで、周りには柱がいっぱい並ばれている

そしてその奥には、4つのピラミッド型の赤黒い結界がある、その中には4人の女性が、黒いロープのような物に絡まっていて、捕まっている

 

「ぷるるん!」

 

ネプテューヌは大きな声で叫んだ

その声は、最深部中が声で鳴り響く

 

「あぁ~、ねぷちゃんと~ぎあちゃんだ~」

 

プルルートと思われる声が帰ってきた

ってなんか凄く天然な声なんだが………………

 

「ね、ネプテューヌ!?ネプギア!?どうしてここに」

「まさか、本当に来るなんて」

 

その後に、1人目の声はノワールっぽい声が聞こえて、2人目はブランの声が聞こえた

 

「こんな形だけれどね、今助けるわ」

 

そう言ってネプテューヌは、結界の前まで行く

その時だった

 

「ネプテューヌ、後ろに避けて!」

「え?………………っ!」

 

次に聞こえたのはベールの声

言葉を聞いたネプテューヌは上から何かが来るの感じて、後ろに大きく下がる

 

ドッスン!

 

「……くっ!」

「キャっ!」

「うお!?」

 

上から大きな何かが落ちてきた影響で、砂煙が漂い、場が少し揺れた

 

「な、なんだ!」

 

砂煙は徐々に消えて、黒い物陰見え始める

 

「主の登場か?」

 

グオオアァァァ!

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Fate》

黒い物陰が轟く咆哮を叫び、砂煙が一気に消し飛ばされ、炎の旋風と共に姿を表した

 

その姿は、巨大なドラゴン

赤く禍々しい翼

黄色い眼光、二つの大きな角と顎に大きな角

首が長く、首筋から背筋まで鋭くとんがった鱗

体は赤と黒に包まれた分厚い鱗

両腕と両足の外側には分厚い鱗から吹き出す火炎の炎

尻尾が太く先っぽには火が燃え盛っている

 

一言で言うなれば

火炎龍だ!

 

「炎の龍…………か」

「ユニ、ブラン、後ろに隠れてな」

「分かったわ」

「う、うん!」

 

ユニとブランは来た道に戻り、白い扉の前まで下がった

 

 

グルルル……………………

 

火炎龍は炎の旋風を纏いながら、俺達を見ている

 

「あの炎、簡単には近づけさせないようだな」

「なら、M.P.B.Lで!」

「ま、待てネプギア!」

 

ネプギアは空中に飛んで、上から射撃する

 

「当たって!」

 

M.P.B.Lのエネルギー弾が発射し、火炎龍に向けて飛ぶ

弾は命中したが、炎の旋風に弾かれた

 

「弾かれた?」

 

グルルアアァァ!

 

火炎龍はネプギアに向けて、おたけびを上げた

どうやらネプギアを攻撃対象に見なしたらしい!

 

火炎龍はネプギアに向けて、豪火球を放つ

 

「く、へあ!」

 

ネプギアは最小限の動きで回避する

そして避けた豪火球は壁に当たり、灼熱の旋風が発生した

 

「俺達も火線するぞ」

「ふん………………」

 

俺とアダスオラは散開し、それぞれ火炎龍に攻撃する

 

「くらえ!」

 

タキオンソードの射撃形態で、火炎龍にエネルギー弾の連続射撃する

だがその射撃は全て、旋風によって弾かれた

 

「………………」

 

アダスオラは無言のまま火炎龍の左側を両剣で攻撃する

しかし斬撃は通らず、旋風によって受け止められ、火花が飛び散る

 

近接を仕掛けているアダスオラに気付いたドラゴンは、アダスオラに爪でひっかこうと腕を振り下ろす

 

ガシ!

 

火炎龍が攻撃してくるのを知ってたアダスオラは、表情を変えず火炎龍の爪は両剣に受け止め、両剣と爪がぶつかる音が鳴り響く

 

「甘いな…………」

「これならどうですか! M.P.B.L、最大出力!」

 

火炎龍の隙が出来たところをネプギアは狙った

M.P.B.L最大出力のエネルギー弾を発射し、旋風に着弾する、すると旋風が最大出力のエネルギー弾に耐え切れなかったのか、徐々に消え始める

 

「やった!」

「わ、私も女神化出来ていれば、E.M.Bで一撃なのに……」

「やるわね」

 

その様子を見ていた、四女神も

 

「うわぁ~ ぎあちゃん凄い~」

「あのドラゴンの姿をした2人、強い感じがするわ」

「これなら、何とかなりそうかしら」

「まるで白馬の王子様、ですわね」

「ジント!ドラゴンの事よりも、ぷるるん達をお願い!こいつは私達が引き付けるわ!」

「分かった!」

 

俺はネプテューヌに言われた通り、捕らわれた女神を助けに向かう

 

「大丈夫か?今助けるぞ」

「ありがと~赤いドラゴンの人~」

「あなた、この結界の角に、アンチクリスタルがあるわ、それを破壊すれば………ってあれ?」

「ほら、助けたぞ」

「私達、いつの間に開放されている?」

「どうなっていますの?」

ノワール?が結界の破壊方法を俺に伝えてる途中に起きた、自分達が捕まっていた筈なのに、気付いたら開放されていた事にびっくりしている

 

だろうな、何故なら時空剣の効果を使ったからな

自分以外の時間を止めて、その間にアンチクリスタルを破壊して、絡まっていた黒いコード見たいのも切り落とした

 

「お前達は女神らしいが、今はとりあえず避難してくれな、俺らは」

 

俺は火炎龍に向けて、左手の親指を立てて

 

「コイツを……倒す!」

《機動戦士ガンダムOO Fight》

「ふん!」

 

ギルアァァォ!

 

俺が四女神を助けてる間に、アダスオラは蒼色に輝く拳で、火炎龍を思いっきり空中に打ち上げた

 

「今だ! 貴様ら 俺に合わせろ!」

 

アダスオラは、打ち上げた火炎龍に向けて左手を広げ、平に蒼色の粒子が圧縮し始める

 

「おう!」

 

俺も、アダスオラに合わせ、左手の人差し指を向けた

緋色の粒子が圧縮し始める

 

「M.P.B.Lリミッター解除!覚悟してください!」

 

ネプギアは、M.P.B.Lを火炎龍に向けて、エネルギーをチャージする

 

「これでトドメよ!32式………」

 

ネプテューヌもアダスオラに合わせて、5本の剣を召喚し、照準を火炎龍に合わせた

 

そして一斉に射撃する

 

「フォトンバースト!」

「セロ・フェルト!」

「M.P.B.Lフルバースト!」

「エクスブレイド!」

 

アダスオラは蒼色の大型ビーム、フォトンバーストと俺のセロフェルト、M.P.B.Lのフルバースト、そして5本のエクスブレイドが全て火炎龍に直撃し、強烈は爆風が巻き起こし、散りと化した

その衝撃で、周りの宮殿にひび割れを起こし、一斉に割れた、そして周りの景色は、【扉】に突入する前のジェットセット山道の山脈、崖の上になった

 

「これぞ必殺、オーバーキルよ 火炎龍」

勝利セリフを語るネプテューヌ

無事、終わったか

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

「ふぁいあぁ~どらごん~ 呆気なかったわねぇ~」

 

俺達の戦闘を目の当たりしたノワール?達は

呆気に取られている

遠くから見ていたユニとブランが、俺達の元に駆けつける

 

「終わったみたいね」

「見掛け倒しだったわね」

 

剣を元に戻し、深呼吸して、改めて神次元の四女神に挨拶をする

 

「さあ、改めて、こんな形だけれどね、久しぶりね、ぷるるん、ノワール、ブラン、ベール」

「ひさぶりだねぇ~ ねぷちゃん~」

「まさか、こんな形で再開するなんてね」

「久しぶりね、ネプテューヌ」

「あぁー!また私の可愛いネプギアに会えるなんて」

「べ、ベールさん……」

 

ネプテューヌとネプギアは神次元の四女神に感動の再開を果たしている中

俺達はちょっと距離を置いて、見ている

 

「あれは…………私?」

「お姉ちゃんにそっくり……」

 

確かにブランとノワールにそっくりだ、ていうか名前も同じなのか

 

「それにしてもアダスオラ、お前強いな」

「言った筈だ、遅れは取らん……と」

「そうだったな………………ていうか疲れた!」

 

と言って俺は変身を解いて、後ろに倒れるように横になる

 

「って痛って!?…あ、崖の上だから地面か……」

「アホが……」

「ちょっとジント!大丈夫?」

「お疲れ様……」

気が抜けた俺のアホっぷりに気付いた四女神は、俺達にお礼の言葉を返す

《新次元ゲイムネプテューヌV2 One Scene》

「ありがとね~ 助けてくれてぇ~」

「ありがとうございます、殿方」

「助けてくれて、ありがと」

「……………………」

「お礼なら、そこの1人で姉妹に言え」

「いや、あんたのお陰で、次元を超えてこれたんだから別にいいじゃない」

「うるさいぞ ノワールの妹」

「え?……私……妹?」

 

アダスオラの言葉に反応した、神次元のノワール

その反応に答えるユニ

 

「えと、私はユニっていいます 向こうではお姉ちゃんの妹です」

「あ、…………えと……」

 

突然の自己紹介に戸惑う神次元のノワール

そして一緒に来ていたブランの存在に気付いた神次元のブランが話しかける

 

「もしかして、あなたが向こうの私?」

「えぇ、そうよ もう1人の私」

 

互いの存在に気付いたダブルブラン

 

「それで、悪いけれど、どうやって来たの?ネプギア」

「アダスオラの力を借りて、次元を超えて来たんだ」

「あなたの力で?」

「ふん……」

「なあネプテューヌ、どうして1人で行ったんだよ」

「それは、ぷるるん達を捕らえた犯人の要求に…………って、そう言えば、犯人がいないわ!」

この事件の重大な事、犯人がいない事だった

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Insecure feeling》

「まさかあの火炎龍?」

「いや違うわ、私達を捕らえたのは人の姿をしていたわ」

「人の姿っと言うことは、貴様らは正確な姿は知らないって事か」

 

アダスオラは発言しながら変身を解いた

 

「まあさ、話を戻すけど、もう1人で突っ込むなよネプテューヌ」

「それは悪かったわ、あなたが来なければ、あの火炎龍を倒すのに手間取ってたわ…………ごめんね、みんな」

 

ネプテューヌは変身を俺達に謝った

まあそれはしゃあないだろう

アダスオラの力を知らないでいたまでは、次元を超えるには超える先のシェアと自分がいる次元のシェアを大量が必要、行けても1人までだしな

 

その時だった、仰向けに寝ていた俺は、空から2人が落ちてきてるのが見えた………………

 

って人が!?

 

再度変身して、急いで落ちて来る2人を助けに行く

 

「……っ!」

「ちょ!ジントさん!?」

「空から2人が落ちて来てるんだ!」

「何ですって!?私も行くわ!」

 

ネプテューヌも変身して、後に追いかける

 

「あれは…………男と女?」

「そうみたいね」

 

近くまで来た俺とネプテューヌは、男女1人確認できた

そして顔が見える位置まで来て

俺は男を、ネプテューヌは女を助ける事が出来たが

2人は気絶している

 

「脈はある 気絶してるみたいだ」

「そうね、一件解決したし、プラネテューヌに戻りましょ」

 

助けた2人を担いだまま、地上にいるみんなにプラネテューヌに戻る事を伝え、帰還した

 

[パープルハート]

 

それにしても、ノワールとブラン、ベールだけじゃなく、ぷるるんまで、一体誰がこんな事を………………

少なくとも犯人は、変身したぷるるんをも上回る犯人だと言うこと

そして、多数現れる【扉】間違いないわ、この世界に何かが取り付いている、良くない何かが!




捕まってしまったプルルート達を助けるべく
1人先に向かったネプテューヌと、その跡を追いかけたジント達の活躍で、無事救出成功した
しかし神次元のイストワールが言っていた、伝言の主、犯人の姿は見当たらなかった、捕まっていたプルルート達もハッキリした顔を見ていなかった、頭に抱えていたジント達
その時、突如空から落ちて来た少年と少女を助け、状況処理の為一旦プラネテューヌに戻る事になった

プルルート達を捕らえた犯人は何者だったのか?
そして落ちて来た少年と少女は何者なのか?

次回
Episode02 神次元


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Episode02 神次元

改めて言わせてもらいます

タブにはBGM聞きながら推奨と出てますが
特に聞いても聞かなくても自由です

今度から感想、アドバイスを募集します
何か指摘する事があれは何なりとお申しください

また、キャラ募集するかも知りません
承知して頂けると幸いです

引き続き
超次元ゲイムネプテューヌ 光の輪廻と闇の輪廻
神次元編をお楽しみください


《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

プラネタワーのベランダ

 

[ブラン]

 

「2人に怪我はありませんです。気を失ってるだけで、じき目を覚ますです」

「おう ありがとな コンパ」

「どういたしましてです」

 

気を失ってる2人をコンパに任せ、私とジントは個室から出て、ベランダに来ている。

 

プルルート達を救出して、2時間後が立った。

かれこれあって状況処理の為、互いに話し合いをしていくつか頭に入れる事がある。

 

一つは、神次元に突如現れるようになった例の【扉】

出現するようになったのはイストワールの話によると、今から約3ヶ月前らしい。

その為各自調べた事もあり、一つだけ【扉】について分かった事がある。【扉】は主にモンスターの近くに現れてる事だっ。

そして二つ目。これは私の予想だけど、プルルート達を捕らえたのは恐らく神次元の住民ではないはないかも知らない。

その理由は【扉】の世界に居る存在。1度入れば守護する主を倒すか【扉】の世界を破壊する以外に方法がない。しかしプルルート達の話によると、私達が来る前に犯人の姿が消えたらしい。すれ違いで会っていない以上、出入り口まで戻って来る事も有り得ない、でもどうやって姿を消したか知らないけれど一つ心当たりがある。

 

「ねえ ジント もう一回確認していいかしら?」

「なんだ?」

「あなたが以前戦ったダークホワイトは、ひび割れ 時空の間を作って逃げたのよね?」

「あぁ、最初はひび割れの中に逃げて行くように見えたが、今思うとアダスオラが作ったハザマとダークホワイトが作ったハザマは似ていたよ」

 

私はこう思う、もしかしてプルルート達を捕らえたのはダークメガミじゃないかと。

でもそれなら圧倒的な力で、助けに来る私を返り討ちにすれば。でも何故?

………………………………

情報不足ね。

 

「そう、教えてくれてありがと」

「あぁ、犯人が気になるか?」

「えぇ 気になるわ。でも一旦考える事のを辞めようと思う」

「それがいいぜ」

 

ちなみに私とジントは今、プラネテューヌのベランダで2人っきり。何故なら私が狙って作った状況なのだ。

 

「まあ気を取り直して、別の話をさせてもらうわ」

「うん」

「ジント、記憶の方はどう?」

 

ずっと話に出なかった気がするけど、あれから何か思い出した事があるのか私は気になっていた。

 

「記憶の方は……アダスオラとはライバルだっと言う事と、俺はクロテューヌの兄だって事しか。アダスオラが言っていた別次元の王子だっと言う件の記憶はまだないかな」

 

あの時のクロテューヌ…………

まさか、ジントの妹だったなんて…正直信じられないわ。実際に戦ったけど全く歯が立たなかった。

 

「妹について、なんか分かる事ある?」

「すまん、俺の妹だとしか…」

「そう、ごめんなさい 個人情報まで聞き出そうとして。」

「いや大丈夫だ、俺の妹と戦ったんだし気持ちは分かるよ。」

「そう言えばみんなは?」

「ネプテューヌとプルルートは久々の再開で、公園に行って日向ぼっこしに行ってるわ。ベールはネプギアとユニにくっつき中、もう1人の私とノワールは自分の国へ帰ったわ。アダスオラは知らない」

「そうか、俺は寝ようと思う 神次元に急遽来たとはいえ、襲撃から逃れたばっかりだ。体がくたくたなのよね~、俺はリビングのソファーで寝てるよ」

「えぇ、お疲れ様 ジント」

 

欠伸をしながら話すジントは、眺めていた神次元のプラネテューヌの景色から振り返って、リビングのソファーまで歩いていって、仰向けに寝た。

 

「少しは接して欲しかったけれど仕方ないわね…私も寝ようかしら……」

 

私もベランダからリビングに移動して、ジントが寝ているソファーまで歩く。

もう寝ちゃっている、相当疲れてたのね。

 

「寝顔…………可愛いわね」

 

その場に座っていつも被っている帽子を隣に置き、横に倒れるようにソファーに体重を預ける。

 

「いい夢…………見れたらいいな…」

 

少しジントの寝顔を眺めていると、自然に眠気が出て来て気が付くと私は目を閉じていた。

 

「おやすみなさい、ジント………」

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《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ PLANEPTUNE's Theme》

プラネテューヌの公園

 

[ネプテューヌ]

 

「そうだ!お風呂に入ろ!」

 

私とした事がすっかり忘れた!変身した私のピチピチで綺麗な大人の美を危うく汚すところだった!

 

「うわぁ~!びっくりした~ どうしたのぉ?」

「いや~実はね? 変身後の私は血なまぐさいまんまで~ 綺麗なプチプチの肌も血まみれなんだ~」

「そう言えばそうだね~ なら一緒に入ろ~」

「そうと決まれば!早速教会にレッツゴー!」

「お~」

 

公園で日向ぼっこしていた私達は、シャワーを浴びる為に教会へ戻った。戻る際、通り過ぎるプラネテューヌ民に挨拶を交わしながらプラネタワー走る。

 

プラネタワーの風呂場

 

[パープルハート]

 

「ふう……あの時以来ね、ぷるるんとシャワーを浴びるのは」

 

知ってるかしら、女神化した姿でも脱げる事を

私のサービスシーンを想像してるかしら?

あ・な・……ひゃ!?

 

「そうだね~ それにしても~ ねぷちゃんの肌もいいけど、変身したねぷちゃんもいいな~」

「ひゃ! ちょっとぷるるん!」

「えへへ~ 肌がスベスベで気持ち~」

「全く、ぷるるんも相変わらずね」

 

私の体でじっくり堪能しているプルルート

相変わらず可愛い物には目がないわね

 

「それじゃあ~背中流すね~。バシャバシャ~」

「ありがと ぷるるん」

「えへへ~ 、ねぇねぇねぷちゃん~。そろそろいいよね~?」

「え? いいって何かしら」

「もう我慢出来ないの~ 、いいよね?」

「………っ!?」

 

鏡越しに映るぷるるんの手が怪しい手つきをしている!?

ま、まさか……

 

「ま、待って! ぷる……」

「あぁん、久しぶりの再開よ?どこから頂こうかしら?ねぷちゃん」

 

辞めさそうと思った頃にはもう遅かった

振り返ると、ぷるるんは既に変身しており、究極のドSに変貌してしまった。そしてどんどん近づいてくるぷるるん本人と怪しい手つき。

 

「ぷ、ぷるるん! やめ………」

「大丈夫よ?優しくするから それじゃあ……いただきまーす!」

「い、嫌やぁぁぁ!!」

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プラネタワーの個室

 

[ユニ]

 

「はぁん……ネプギアちゃんも可愛いですし、ユニちゃんもいいマッサージでしてよ?」

「べ、ベールさん や、やめ……」

「力加減はいいですか?」

「えぇ……んっ…はぁ……そこ…いいですわ」

「べ、ベールさん!変な声を出さないで下さい!」

「し、しかし…気持ちいいですし……」

 

ちなみに言っておくわ、アタシはベールさんに肩をマッサージしてるだけだからね?頼まれてやってるだけよ。

自分の心から誰かに向かって呟く。

 

「もしかしてユニちゃん?破廉恥なご想像していらっしゃいますの?」

「ユニちゃん……が?」

「ち、違うわよ!変な想像はしてません! ネプギアも話に乗らないで、胸に挟まれてなさいよ!」

「えぇー! 私はただっふぉ!?」

 

私の言葉通り、ベールさんの胸によって顔を挟まれる体制になった。その様子は とても苦しがっていたが、胸の柔らかさに気付いたのかすぐに大人しくなった。

 

「ネプギアちゃん……私の胸は気持ち良くて?」

「柔らかくて……いい匂いで……幸せ~」

「ね、ネプギアが………胸の誘惑に落ちてる……ベールさんみたいに胸があったらな~」

 

私には一つの悩みがある。それはお姉ちゃんみたいにスタイルが良くないから、特に胸が…………

ベールの胸の柔らかさを見て気付いたユニは、マッサージしていベールの肩に乗せた両手の動きを止めた。

 

「ユニちゃんは、ご自分の胸を気にしていますの?。」

「はい……全然大きくならなくて…羨ましいです。」

「そうですの………私の知識が間違っていなければ、一つだけ方法を知っていますわよ」

「もしかして、豆乳ですか?それならもう試し……」

「違いますわよ 豆乳と言った、乳酸菌とは関係ありませんわ」

「え? じゃ、じゃあその方法って何ですか!?」

 

乳酸菌以外の方法があるなんて初耳だわ!?これでやっと胸を大きくする第一スタートを踏めれるわね!。

私は早速方法を聞くため、ベールさんの前に立って話を聞く体制に入る。

 

「好きな人に胸を揉んで貰うんですわ」

「好きな人に胸を揉んで貰うんですね!教えてくれてありがとうござ………………」

「ムニャムニャ……胸、プニプニ~」

 

答えを聞いてお礼を言うところで私は止まった

場が一瞬静かになって、その中にネプギアがベールの胸にジャれてる声だけが聞こえる

 

「す、すすす好きな人に!?胸を揉んで貰う!?」

「そうですわ」

 

決め顔で言い切ったベールさんは自信満々の様子。

って!?好きな人に揉んで貰うって!?嘘!?

 

アタシは両手の掌を見た。

大きくするには好きな人に揉んでも事……

 

好きな人に……揉んで貰う……

 

ジントに…………揉んで……

 

【妄想】

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Paradise》

『ジ、ジント……』

 

私は両手を背中に回し、両人差し指をチョンチョンとつつく

 

『どうした?ユニ』

『アタシの胸を…揉んで!』

『は……はぁ!?』

 

私の要求に動揺を隠せないジントは顔を赤くし、よそ見をする。

よそ見をしたジントを私はじっと見つめ、何が何でもお願いをする。

 

『お願い!アタシは胸を大きくしたいの!す、好きな人に……揉んで貰うと……大きくなるって聞いたから……お願い……』

『わ、分かったから、そんな上目遣いで俺を見るな!』

 

私の上目遣いを目にして観念した。そして私は遂に胸を大きくするスタートの一歩を踏む時が来た。

ジントはアタシの胸へ手を伸ばし、胸を揉み始める。

 

『ひゃ……あ……んっあ……』

『こ、これでいいのか?』

『そ、そう……もっと……もっと揉んで…アタシの胸を大きくしてぇぇ!!』

 

【そして現実】

 

「へ………へへへ………」

「ユ、ユニちゃん?」

「あ、あの……ユニちゃん?気を確かに……」

「えへへ………え?」

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Minicar》

いつの間にか誘惑から解放したネプギアと変な人を見てるような表情でアタシを見ている。

そしてアタシは気付いた

自分の両手が、自分の胸を揉んでいるのを

 

 

「ネプギアちゃん、ユニちゃんを1人にしましょう」

「そ、そうだね……ま、待たね!ユニちゃん!」

 

奇妙な現場に出くわしたかのように、ネプギアとベールさんは早歩きでアタシから離れていく。

 

「ちょ…ち、違うの! これは違うのよ! 誤解だってばぁぁぁ!」

 

ユニは妄想属性を覚えた

 

「ナレーション辞めて! 違うだってばぁ!」

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プラネタワーのてっぺん

 

[アダスオラ]

 

「………………アリファ、お前は今、遠くで何している…………」

 

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ラステイションの教会

 

[神次元ノワール]

 

「ってもう私!ちょっと早すぎない!」

 

と、上の天井に向けて言った

何言ってるのかしら、私。

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ 100$》

「はぁーやっぱり、あの子と素直に話をしていれば良かったわ」

 

あの子と言うのは、ネプテューヌの次元からやって来たユニの事。向こうの私の妹って聞いたから以前気になってはいたんだけれど、いざ面に向かうと緊張しちゃって話す事が思いうがなくて帰って来ちゃった。

 

「はぁー 失敗したなー やっぱりプルルートに相談すれば良かったわ」

 

それにしても、ネプテューヌもネプギアも、あれ以来別れてから今、更に強くなったみたいね。でも私が気になるのは………

 

「ジントとアダスオラ…………」

 

男だから決まってるけど、あれは女神化とは違うわよね。

パーツとバトルスーツを装着しただけとは思えないし、なんかあれみたいね、最近子供たちに人気の戦隊物みたいな。

 

「確かアダスオラの力とかで次元を行き来出来るよね?じゃあ彼らが元の次元に帰ってもまた会えるわよね。いつか挑戦状を送らせてもらうわよ」

 

私は心に決めた、剣を交じって生まれて初めての男友達にする。

 

「決めたわ!」

誰もいない私の私室で、ただ一人拳を握りしめて呟いた。

 

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ルウィーの教会

 

[神次元ブラン]

 

「捕まっていたのが、嘘みたいね」

 

私はプラネテューヌから帰ってきたばっかり

一時どうなるかと思ったけど、まさかまたネプテューヌとネプギアに再開出来て、もう1人の私に出会うなんて。

 

「それにしても犯人、一体何者なの?」

 

実は、現れた【扉】に突入後の記憶があやふや。

突入前と、捕まえてる間の記憶しかハッキリ覚えていない、捜索中の記憶があやふやなのだ。

 

「アンチクリスタル……」

 

アンチクリスタルの詳細は知っている。

アンチクリスタルは、女神のシェアエナジーを遮断させる物で、触るだけでも影響を及ぼす。

更に結界に囲まれたらシェアエナジーを遮断されるだけじゃなく、黒の雫が貯まり始まって一定量を超えると死の誘いが起こり、死をもたらす。つまり死の宣告。

あのまま救援に来なかったら、私達は確実に死んでいた。

 

「………ふん」

 

自分の仕事机に座ってり深く安心した、私達は命を助けられた。

ネプテューヌ達に………

 

「このお礼、それ相応のお返しをしないと行けないわね」

 

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???

 

[???]

 

『……ん……にぃ……ちゃん……』

『おき………ぼ………』

 

気付いたら僕は、仰向けで静かに浮遊していた。

周りの風景は真っ暗、ただその中……誰かに呼ばれてる気がする。

 

[???]

 

『お………さ………ね……ま』

 

アタシを呼ぶのは誰?

それよりここはどこ?真っ暗で何も見えないよ。

 

「………っ?」

 

両手を広げて、腕を垂直に伸ばした時だった。

何かがアタシの手に触れた、これは……手?。

 

[???]

 

僕の手に、誰かの手と触れている 誰なの?。

 

『必ず会いに行くから……お兄ちゃん』

『待っててね…お姉様』

 

僕はハッキリ聞こえた、僕を呼んでいる。

女の子の声をした誰かに………

 

「…………っ!?待って!」

「………っ!?待ってよ!」

 

 

プラネテューヌの個室

 

 

「っは!?……はぁ」

「うわぁ!………」

「ひゃう!?」

「ゆ……夢?」

「はぁ………ん……」

 

気付いたらベッドで仰向けに寝かされていた。

自分の服装に変わりはないが、周りの景色が見慣れない。

 

「だ、大丈夫です?二人共?」

「え?えっと……僕は…」

「あ、アタシは一体……」

 

声を掛けてきたのは僕と、隣にいる桜のヘアピンを付けている 薄茶色のロングヘアの女の子の面倒を見ていた人。

 

[???]

 

ただの……夢?……だったの?

《東京ザナドゥ X.R.C》

「私の友達が、お二人が空から落ちているのを見つけて、ここに運んでくれたんです」

「あ、あなたの友達……?」

「僕と君が……空から落ちてきた?……え?」

「二人を見つけた人を呼んでくるので、待ってて下さいです」

 

髪色が明るいその人は、アタシと、 黒髪天然パーマの眼鏡少年を助けた人を呼びに部屋を出た。

そして、アタシと少年2人っきりの空間になった。

 

「あ、あの………」

 

静寂に包まれた空間に少年が、少し怯えたような顔でアタシに訪ねてきた。

 

「えと、あなたがアタシと一緒に空から落ちて来た人?」

「だ、だと思います……」

 

状況が分からないのか、少年は顔が沈み気味。

アタシはとりあえず、名前を聞こうと動く。

 

「名前、なんて言うの?」

「な、名前?僕の名前は……………」

 

その後から、何か思い出そうとしている。

そして、閃いた表情をするが、一気に落ち込んだ

な、なによ………

 

「す、すみません 名前が思い浮かばなくて……」

「え? それって記憶喪失って事なの?」

「かも知りません……」

「そ、そんな……」

 

自分の記憶も探ってみた。

そるとあら不思議!、アタシも自分の名前が思い出せないじゃない!桜が好き以外………

 

「…………………」

「も、もしかして、君も?」

「そう……みたい」

 

少年もアタシの様子で察しが付いていたのか自分と同じくなのかと聞いてきた。

アタシは顔を伏せ、仕草で少年に返事をした。

 

[???]

 

僕と同じように記憶喪失なんて………

しかもここは知らないところだし、僕はこれからどうなって行くんだろう?

 

「二人共、連れて来たですよー」

「え?」

「頼るしか……ないわね」

 

僕達の面倒を見てた、明るい髪の毛ロングヘアーの女性が入ってきて、その後ろから、髪色が黒くて毛先が赤い男性と、全体が茶色のマットで包まれて、目が青いのが目立つ男性と、明るいピンクの髪色をしていて、二つのボタンみたいな髪飾りをつけた女の子が来た。

 

「起きたみたいだな 二人共」

「え、えと あなたがアタシ達を助けてくれた人なの?」

「そうだよ!私が桜のヘアピンを付けてる君を助けて、眼鏡をかけている君は、この!ジントがね」

 

[???]

 

あ、アタシがこの女の子に?

アタシより背が小さいこの子が?

 

 

「お前達2人が、空から落ちて来てるの見つけてな」

「それで、私とジントが助けたって事!」

 

ジント?この男が私と少年を見つけてくれたんだ。

 

「そ、そうですか 助けてくれてありがとうございます」

「あ、ありがとうございます」

「うん!私はネプテューヌ、よろしくね」

 

自己紹介は、まず小さい子から始まった

ネプテューヌ…………変わった名前ね

 

「ネプテューヌが先に言ってたが、俺はジントって言うだ……よろしくな」

「…………アダスオラだ」

 

ジント…………そして壁に背中を付けて腕を組んでいるあの男がアダスオラ…………

 

「自己紹介が遅れてごめんなさいです、私はコンパです」

 

アタシと少年を看病してくれたのはコンパ……ね。

 

「アダスオラさん ジントさん コンパさん ネプ…トゥーヌ?」

 

覚える為、紹介された名前を繰り返し言う少年。

でもネプテューヌの名前を間違えて言っている

まあちょっと言い方がね、 分かるわ。

 

「違うよ!ネプトゥーヌじゃなくて、ネ・プ・テュ・ヌ!」

「ネプテューヌね」

「そう! よく読めた!」

「ネプ…テューヌ?」

「そーう! 嗚呼 初対面に私の呼びにくい名前をスラスラ読んでくれる こんな嬉しい事ないよ!それで 君達の名前は?」

 

名前をスラスラ読んでいるくれたのが嬉しいのか、その場で軽くジャンプして喜んでいる。

そして気を取り直し、次はアタシ達に名前を訪ねてきた。

 

「すみません ネプテューヌさん 実は覚えてないんです」

「はい………」

「嘘!? ジント!後輩が出来たよ!」

 

自分の名前はさっき少年と確認しが、その結果が悲しい事に覚えていない。

 

それよりこ、後輩って?

 

「もうちょっと人の事を気にしろよ」

 

ネプテューヌさんの発言に一番に反応したのはジントさん。こ、後輩って?

 

「それは冗談で……ジントみたいに仮の名前を作らないとね!」

「仮名か、おい女 何か案はあるか?」

「私ですか? でも私 ネーミングセンスないので ネプネプとジントさんにパスです!」

「やっぱそうなるか」

 

な、なんか漫才みたいね………

でも確かに、仮名は作っておくべきね。

名前がないと色々都合が悪いし。

 

[???]

 

仮名…………

 

「ん〜と、ねぇ もしかして桜が好き?」

 

まずネプテューヌさんが、隣の女性に問いかけた。

 

「アタシですか? 好きですよ」

 

やっぱり、桜のヘアピンを付けてるから好きな物は予想通り、桜だった。

 

「じゃあ、君の名前はサクラ……ていうのはどうかな?」

「サクラ? アタシの名前……サクラ……」

 

好きな物を聞いたネプテューヌは、その名の通り仮名としてサクラを提案した。

 

「うん!それがいいです」

 

隣の女性は提案された名前が気に入ったのか、微塵も否定しなかった。

彼女の名前はたった今仮名として、サクラと名付けられた

なんかペットみたいな響き。

 

「よし、じゃあ次は君!」

「ぼ、僕ですか?」

「そう 好きな物とか色とか、なんかあるか?」

 

次は僕の番、ジントさんにサクラと似たような質問を問いかけてきた。

さっき自分の記憶を探ってみたところ、思い浮かんだのが本と、好きな色は白と水色。

まず物から答えた。

 

「えと、本を読むのが好きです」

「本を読むのが好きか……………ブックリード、なんか中二病臭いな」

 

ブックリード……なんかアニメに出そうな用語に聞こえる

英語に変換させてただけの由来。

 

「他には………好きな色は白と水色です」

「……ルクスかアルブム、もしくはアクアだ」

「それはどういう意味なんだ?アダスオラ」

 

部屋に入ってからほとんど口を開けなかったアダスオラが動いた。腕組みを解いて、右手を腰に掛けて僕達を見つめる。好きな色を言った後に、アダスオラが3つの名前を提案した、その提案が気になったジントさんはアダスオラさんに答えを求めている。

白と水色の別名なのかな?

 

「とある言語では 水色はルクス、色を抜かせばアクア、白はアルブムと読む」

 

[サクラ]

 

アダスオラさんは頭が凄くいい人なのね。

第一印象が、クールな人って見ていいかな?

出された3つの提案を眼鏡少年は選んでいるのか顔を伏せている、その表情を見てみると、真剣な表情だった。

そして決めたのか顔を上げてアタシ達を見る。

 

「アルブムでお願いします」

「おけ! それじゃ、改めてよろしくね!アルブム!サクラちゃん!」

「「よ、よろしくお願いします」」

 

アタシはこれからどうなっていくか分からないけど、この人達を頼ればきっと何とかなって行きそう。

とアタシは心の中で呟いた。

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そして夜

 

プラネテューヌの会議室

 

[ジント]

《ダンガンロンパ Class Trial Dawn Edition》

「それでは、今日起きた【扉】について、会議をしますm(_ _)m」

 

ここは会議室

ネプテューヌ、ブラン、ネプギア、ユニ、アダスオラ、イストワール、ベール、通信越しで参加するノワールと赤ブラン、そして俺の10人のメンバーで話し合う。

そしてその課題、神次元で発生した【扉】についてと女神を捕らえた犯人についての2つだ。

 

「ところで、被害者のプルルートさんはなんで出席してないんですか?」

 

ユニはイストワールに、プルルートがいない事に質問した

プルルートと重要な被害者なのに何でだ?

「それはですね、天然過ぎるからです(^_^;)」

 

確かに、言っちゃあ悪いが喋り方が異常な程にマイペース

そう思うと、場が真面目な話に持っていくのが難しいかも知らないな。

 

「そ、そうなんだ」

「確かに、プルルートさんはこう言った真面目な話を聞くのが苦手だから仕方ないと思うかな」

 

あまり納得してないのか不満の表情を見せるが、ネプギアの言葉を聞いたユニは、大人しく納得した。

 

『それじゃあ始めましょ、まずは【扉】が確認されるようになったのは 今から3ヶ月前の事よ』

 

 

場の空気は、青いモニターに通信越しで映し出されているノワールの一言で一瞬に変わった。

きっと【扉】のせいだろう。

 

「3ヶ月前……」

「最初の出現場所はどこだったの?ノワール」

『プラネテューヌの北方向にある広い草原、そこで初めて存在を確認したわ』

『それ以降、各地で目撃情報が多数、特に被害は無いけれど、主にモンスターの近くに出現するようになったわ』

 

モンスターの近く……その言葉を聞いた俺は、初めて【扉】に巻き込まれた頃の記憶を思い出す。

あの時の状況は、討伐対象の目の前に【扉】が現れた

ブランの説明と一致する。

 

「モンスターの近く以外に出現する事はあるかしら?もう1人の私」

『今のところ、ルウィーでは2件だけ、人気のない裏路地とルドアームズ地下道の二箇所よ』

『追加で言うと、ラステイションでは、廃墟になった建物の中に【扉】を目標した情報もあるわ、国外ならソニイ湿原、この二箇所』

『私のリーンボックスでは、大陸内での【扉】の目撃情報は一件もありません こちらまでは【扉】の影響はありませんわ』

 

確かリーンボックスは海越しにあるんだったよな

でもちょっとおかしいぞ。

確かネプギアが向こうのイストワールに聞いた情報によると、神次元に【扉】が多数現れているって聞いた。

それなのに何故リーンボックスだけその被害や目撃情報一つないんだ?

 

内心で、知ってる情報とこの場で聞いた情報を比較させる。

 

「ちなみに言いますと、プラネテューヌでは【扉】の目撃情報は草原、ただ一件だけです。モンスターの近くで現れるケースについては多数あります(・~・`)」

「プラネテューヌ、ラステイション、ルウィーの三国を中心に現れてるな」

「特に多いのがラステイションとルウィーだな」

「そう見たいね それじゃあその2つの国の周辺を調べれば、何か分かるかな?」

「ちょっと地図を確認させてー!」

 

席を立って室内の壁に貼ってある地図を確認するネプテューヌ。

プラネテューヌ、ラステイション、ルウィーと指で追い

そして直感的に、指が止まる。

 

「ねぇ これは私の勘だけどさ ここら辺に何かあるんじゃない?」

 

指が止まった場所は、ラステイション、ルウィー、プラネテューヌ、そして北方向にあるエディンと言う国に囲まれた場所。

ジェットセット山道の北方向か。

 

「そこは、ハネダ山道の更に奥にある山深部ですね(゜▽゜)」

『ネプテューヌ、まさかゲーム知識じゃないでしょうね』

「良くあるでしょ! 周りに影響を起こす機械が存在する場所は真ん中にあるって!」

 

ネプテューヌは地図の前で、如何にも「ドヤァ!」と言わんばかりのポーズを見せる

そのポーズには、不思議にオーラが見える気もする?

っておいおい、大丈夫なのか?

 

「有り得なくはないぞ、女」

『え?』

「おぉ!アダっちゃんもそう思うの?」

「あ……アダっちゃんだと?」

 

場はネプテューヌが口にしたアダスオラの呼び名に苦笑いが聞こえてくる。

それよりアダスオラは、ネプテューヌの直感を否定しなかった、どういう事だ?

 

『あなた、ネプテューヌの直感を否定しないの?』

「今、手元には【扉】に関係する手がかりが一つもない。こういう場合直感しか頼れる物がない以上、出現理由がモンスターにあるならば、町外れにある場所に足を運ぶべきだ」

 

確かに、アダスオラの説明はご最もだ。

【扉】に関しての情報はまだ分からない事だらけ。

様子を見るのと体験だけじゃあはまだ情報が集まり切れないかも知らない

 

『まあ……確かにそうだけど……』

『私もアダスオラに賛成よ やはり動くべき』

『私も賛成ですわ、今回は敵の手に掛かってしまいましたが、ネプテューヌや皆さんが居る今なら 二度の危険性は低いと思いますわ』

『そうね……』

「まあ 万が一でも起きたら、俺やアダスオラが時空進化して、女神様を守ってやるさ。な?アダスオラ」

「勝手に俺のセリフを喋るな アホが」

 

[ユニ]

 

ジント………………かっこいい…………

 

「えへ…………へへ」

「ユ、ユニさん 涎を垂らしてますよ(゜ロ゜)」

「へ?………あ……」

 

ジントをじっと見ていたアタシはは、涎を垂らしてたらしく、イストワールさんに指摘されてすぐにハンカチで拭き取る。

 

「……………………」

「ユニちゃん………」

 

指摘に気付いたネプギアとベールさんは、哀れな人を見てるような目で私を見ている。

 

「止めて!そんな目でアタシを見ないでぇー!」

 

手に持ってるハンカチを広げて、自分の顔を隠す。

重要な会議をしている中1人涎を垂らしている、こんな事をもしお姉ちゃんに知られたら、一生顔見せできない。

 

「もちのろんだけど、更にパワーアップした私も皆を守るからねー!」

「わ、私だって!」

「あ、アタシだってお姉ちゃんとか、皆を守るんだからね!!」

 

ネプテューヌはガッツポーズで呟いた。その後に続くようにネプギアが言って、その流れに乗ってアタシも言う。

 

『ユニ…………向こうの私は、すごく幸せね』

「おっほん!」

 

話が脱線した為、イストワールさんは咳払いで強引に話題を終わらせた。

そして2つ目の課題に移る。

 

「それでは【扉】についてはまた後日にして、次は今日に女神を捕らえた犯人についてです(・~・`)」

「ぷるるんが言ってたんだけど、犯人は人の姿をしていたんだよね」

『そう ただし、どういう理由か、その姿は真っ黒だったわ』

「真っ黒?」

 

お姉ちゃんが、少し疑問を持った表情で話した。

その答えを聞いた私は繰り返し言葉を返す。

 

真っ黒………真っ黒〇〇すけ?

 

『言葉通りよ、本当に真っ黒、全身真っ黒の棒人間みたいにね。』

「全身黒タイツのあれか!」

 

急にしょうもないネタを口にしたネプテューヌさん

笑いを誘って言ったネタは全くウケず、場が静まって9人の視線が全員ネプテューヌを見る。

 

「ずびまじぇんでじだぁぁ…………」

『姿を見た時は、意識が朦朧していたので正確な形は認識出来ませんでしたわ』

 

気を取り直し、ベールさんから話が再開した。

捕まっていた時の記憶を話している。

 

「いつ、犯人に捕らわれたんですか?」

『【扉】に入った直後だと思うわ、突入した後の記憶がないのよ』

『恐らく、【扉】の捜索中の記憶を犯人に消されたんだと思うわ』

『えぇ 【扉】の中で覚えている事は 捕らわれた後の事しか覚えていませんわ』

 

話を聞いていたネプギアは被害者の3人に、いつ捕まったのかを質問して尋ねる。

しかし全員の答えは3人共、捜索中の記憶がないと帰ってきた。

 

犯人はプルルートさんを捕らえた後、記憶を消させた?

魔法か何かで記憶を抹消させたのかな?でもそんな魔法聞いた事ないわ。まあ魔法知識がない私に知ってる筈ないけど

 

「捕らえた犯人はその後、私達が来る前に姿を消したのよね?」

『そうよ、もう1人の私』

「実は、その犯人に心当たりがあるわ、そうよね?ジント」

『あなた!? 犯人に心当たりがあるの?』

「あぁ、ある……ダークメガミだ」

 

ダークメガミ……………………

アタシの本気が一切通用しなかった相手。

気絶してたアタシはその時の状況は目にしてないけれど、話によると、ひび割れを作ってその場で去ったらしい。

 

ジントが知っている事とダークメガミとは何か、零次元で戦った敵であるのと復活している事、知っている事を全て話した。

 

『ダークメガミ、タリの女神より恐ろしいですわ』

『そうね……』

『それほどの厄介な存在だったら 変身した私達を入れて、変身したプルルートが居てもしくじるわね……』

「これは私の仮設だけれど、恐らく犯人はダークメガミよ、それ以外に有り得ないわ」

『確かにそうね』

コンコン

 

犯人がダークメガミかも知らないと言う課題で盛り上がってるところに、会議室の扉からノックの音が鳴る。

 

「誰ですか?今会議室は使用中ですよ?(´・ω・`)」

「コンパです 実はお客さんが来てるです」

 

ノックの元はコンパさんだった。

何やらお客さんが来てる事を知らせに来たみたい。

 

「お客さん?」

「ピーシェちゃんです」

「えぇ!? ピー子!?」

 

お客さんことピーシェの名前を聞いたネプテューヌさんは、大きな声を上げて驚いて。

確かにピーシェちゃんってネプギアが言ってた神次元の5人目の女神だよね? 確か見た目が子供の……

 

「今開ける!」

「あ!待ってくださいです!ねぷねぷ」

 

ネプテューヌさんは、久しぶりに再開するピーシェちゃんに会いたい一心なのかコンパさんの話を聞かず、ドアの前まで走って、開けた。

ドアの奥にはコンパさんの姿と、見知らない顔の女性が1人立っていた。

 

「あれ?コンパ この人は?」

 

ピーシェちゃんが居ないのをジントとアダスオラ以外すぐに全員が気付いて、ネプテューヌさんがコンパさんにピーシェちゃんがどこにいるか聞く

 

しかしコンパさんの言葉から後に続く言葉で驚く事になった

 

「えっとですね、この人が…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだね ねぷてぬ!ネプギア」

 

 

 

 

 

 

 

 

髪の毛は金髪でロングヘアーのふわふわポニーテール。

目の色は濃い水色。

服装は紺色とピンクと白の線状模様がある長袖のスカート付きパーカー。

両手をパーカーのポケットに手を入れて、ガムを咥えて風船を膨らませている

 

 

その正体が……

 

 

 

 

 

 

 

 

女神になって成長が止まった筈のピーシェだった。




目を覚ました男女はジント同様、記憶喪失で本名を忘れてしまい、少年はアルブム、少女はサクラと仮名を作った。

会議室で、神次元で多数出現するようになった【扉】と神次元の四女神を捕らえた犯人について話し合った結果、
プラネテューヌ、ラステイション、ルウィーを中心に現れる【扉】の存在から生まれたネプテューヌの勘で、ハネダ山道の山深部へ向かう方針を決めた。
四女神を捕らえた犯人については、謎と謎を重なる内容にブランは一つの推測をする。
犯人はダークメガミじゃないかと言う疑いが生まれ、仮設として犯人はダークメガミと断定した。

会議が終わった頃にピーシェがやって来た。
ネプテューヌやネプギアにとっては久しぶりの再開を果たすが、女神である事で成長しない筈のピーシェは、成人まで成長している事に、ジントとアダスオラ以外全員が驚き、神次元の女神でさえも驚いた

女神である筈のピーシェの体に何があったのか?
空から降ってきたアルブムとサクラをジント達はどう対応するのか?

次回
Episode03 新仲間との日常


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Episode03 新仲間との日常

ここからは
会話文で誰がしゃべているのか分かるように次からは「」の前に名前を記します



ジント「Zzzz」


《超次元ゲイムネプテューヌさんシリーズ PLANEPTUNE.s Theme》

プラネタワーの庭

 

[ネプテューヌ]

 

会議が終わって一夜明けた。

登ってきた眩しい太陽の日が射してくる。その中で三人の自己紹介を行っていた

 

アルブム「えと…………アルブムです。よろしくお願いします」

サクラ「アタシはサクラ、よろしくお願いします」

ピーシェ「ピーシェだよ、よろしくね」

 

アルブム

髪色は黒で天然パーマ。

目は少しぼんやりした感じで瞳の色は、女神化したユニの瞳の色のように明るい緑色

服装は 白い長袖のパーカーで茶色のジーンズに靴は黒いスニーカー

性格は私の目から見るとちょっと気が弱そうで、臆病っぽいかな?

 

 

サクラ

髪色は薄茶色で桜のヘアピンを右の襟足に付けていて、長さは背中の肩甲骨当たりまであるストレートヘアー。

目はアルブムと違って見開いていて凛々しく、瞳の色は少し明るい焦げ茶色

服装は 超次元のノワールに近いけど部分的に違い、胸の谷間は見せている以外似ていない。

白と青の袖が両腕の肘まである服と、茶色と黒のキュロットスカートを着ており、靴は赤と白のランニングシューズ

全体的に一般女性みたいな姿をしている

性格はアルブムとは真逆で気が強そうで、何事もハッキリさせる態度?なんかノワールっぽいかな?

 

 

ピーシェ

前回にユニがこっそり話していた通り!

髪色は金髪のふわふわポニーテールで目は水色。

服装は私に似たデザインで紺色とピンクと白の線の模様があるパーカーとスカート付き!ユニは靴まで目を通してなかったんだけど私は見逃さない!白のハイカットを履いている。

 

性格は私が知ってる今までとは違う!

小さいピー子は、ワガママで甘えん防でいつも元気だった

でも目の前にいるピー子は成長した!

大人っぽくて、言葉の喋り方も比較的に落ち着いていて、優しい感じ!

まるで大学生じゃないか!

 

ネプテューヌ「私は泣きそうだよ…………あんなにちっちゃかったピー子が…………あっという間にこんなに大きくなって……心も体も…………胸も!」

ネプギア「ちょちょ、お姉ちゃん!最後、最後!」

ネプテューヌ「あれ?心の声漏れてた?」

ネプギア「漏れてるよ お姉ちゃん!」

 

私はピー子の成長に感動したところ、最後の部分だけバンザイしながら語り、そしてツッコミをかますネプギア

心の中で言うつもりだったんだけどな~

まあ漏れちゃあしょうがないもんね!

 

ブラン「まだジントとアダスオラとプルルートの三人はまだ寝ているけど、起こさなくていいの?」

 

ジントとアダスオラは、朝9時を過ぎてもなお起きていない

さっき部屋まで見に行ったんだけど多分ジントのいびきだと思う音がドア越しで聞こえた。もしかしてあの時空進化って想像以上に疲れるものなのかな?

プルルートはいつも通りの寝坊助だから仕方ない!

 

ネプテューヌ「まあぐっすり寝てたら起こしにくいよ!ゆっくり寝かせてあげよう!」

ネプギア「そうだね、それに今日は1日自由だしね」

 

三人を大人しく寝かせるように言った。それに賛同するようにネプギアも会話に入る。

 

昨日話し合った会議で、ハネダ山道の山深部に行く事になったけど、実行は明日になっている。だから今日は街を出られないけど自由なのだ!キリ!

 

ネプテューヌ「じゃあ今日は、この街を知らないアルブムとサクラちゃんをガイドしちゃおう!」

サクラ「そう言えば聞き逸れたんですがここって?」

ネプテューヌ「教えて!いーすん!」

 

………………………………………………

 

イストワール「という訳で……ってネプテューヌさん!さり気なく私に任せてますよね(~ω~;)))」

アルブム「この世界は神次元って言って、プラネテューヌ、ラステイション、ルウィー、エディンの5カ国の国が存在していて、プルルートさんとネプテューヌさん、ネプギアさんはプラネテューヌの女神なんですね…………」

サクラ「あ、あなた、もう理解したの?アタシはまだ飲み込めてもいないのに」

 

いーすんの長い説明を聞いていたアルブムとサクラちゃん。

サクラちゃんはまだ説明を飲み込めていないみたいだけど、アルブムはもう飲み込めて理解までしたの!?

 

ネプテューヌ「なるほど〜 アルブムは頭脳派で、サクラちゃんは運動派なのかな?」

サクラ「かもしらないですね。アタシはもう少し時間が掛かると思います」

 

少し苦笑いの表情をしながら自分の頬を右人差し指でスリスリしながら言ったサクラちゃん。

 

アルブム「えと……説明で聞いたように、ネプテューヌさんとネプギアさんは女神化出来るんですよね?」

ネプテューヌ「そうだよ! 折角だから見せるね。さあネプギア!」

ネプギア「うん!」

ネプテューヌ・ネプギア

「刮目せよ!」「刮目して下さい!」

アルブムとサクラちゃんの為に、私はネプギアと一緒に女神化する。

私とネプギアを囲むように現れるデータベースの様なエフェクトと光が発生して、リビングは少し眩い光で照らしだし、変身を遂げる。

 

PH「変身完了…パープルハート、ここに見参!」

PS「プロセッサユニット、装着完了!」

ピーシェ「はぁぁ…パープルハートとパープルシスター…久しぶりに見るな〜」

PH「この姿を見るのは何年ぶりかしら?ピー子」

ピーシェ「13年ぶりかな?」

サクラ「ネプテューヌさんが別人に……」

アルブム「言葉通り、変身……なんですね…」

 

女神化した姿を見た三人。

アルブムとサクラちゃんは、説明では聞いていたが実物を見るのは初めてで、少し見とれながらも言葉を交わす。

ピーシェは以前、私達の女神化した姿を見た事がある。驚きの表情よりも、変身した私とネプギアの姿を久しぶりに見れたのが嬉しい様子。

 

ユニ「アタシも女神の1人なんだけど、次元が違う関係で神次元では女神化出来ないのよ」

ブラン「同じく……ただ女神メモリーと言うアイテムを手に入れられれば、私もユニもネプテューヌの様に女神になれるわ」

アルブム「でも、手に入れば必ず女神に慣れる訳じゃない……ですよね」

 

アルブムは左手を右腕の肘に手をやり、右手の人差し指で自分の顎を軽くこすりながら話をする。

まるで名探偵の仕草ね。アルブムは探偵服が似合いそうだわ。

 

サクラ「それはどうしてよ?」

イストワール「先ほど話した様に、女神になるには女神メモリーが必要ですが、なるには生まれ付きの素質で決まるんです(。-`ω´-)」

サクラ「え?素質?なにそれ」

 

サクラちゃんはいまいち分からない様子。

確かに今現在、私も女神メモリーについて分からない事があるわ。それ生まれ付きの素質、その素質とは一体なんなのかと言う事。

 

アルブム「例えるなら 泥水として生まれた水、天然水として生まれた水、飲むならどっち? サクラさん」

 

アルブムは如何にも名探偵の様な動きでサクラちゃんに質問をする。

 

サクラ「そんなの天然水に決まってるわよ」

アルブム「でしょ?つまりそういう事だと僕は思うよ」

イストワール「アルブムさんの例え方が分かりやすいですね。アルブムさんの仰るように、生まれ付き女神メモリーに選ばれる器があるかどうで決まります(・~・`)」

サクラ「なるほどね…要は食べれるか食べれないかって事ね」

 

サクラちゃんは腕を組みながら女神になる為の素質を、食せるか否で例えた。よく聞けば意味は分かるけれど、少し気になるわね。

 

PH「ま、まあ理解出来るのであればなんでもいいわ」

PS「う、うん」

 

女神化の姿を見せた私とネプギアは女神化を解き、元の姿に戻る。

 

 

サクラ「じゃあ、その素質を持ってなかったら……イストワールさんが説明した通りになるって事よね」

イストワール「はい(。-`ω´-)」

サクラ「ならアタシは女神にはならないわね。失敗したら嫌だし、それに何となく……」

アルブム「僕も……かな……」

 

女神メモリーについて聞いていた2人は、さながら女神にはならない事を口にした。やはり失敗した時の事を考えると拒むわよね。まあ女神になるかならないかは個人自由だけれど。

 

ネプテューヌ「ちなみにー 私は迷わず女神になる事を選んだよ!全世界ネプテューヌファン2億人の為にね!」

ネプギア「私もなる事を選んだけど、失敗した時の事を知らないで女神になった時を思うと、鳥肌が立ってくるよ」

ネプテューヌ「あぁ!そうだガイドするんだった ほらとりあえず外行こ!」

ピーシェ「いいよ、久しぶりにねぷてぬとネプギアと出かけたいしね」

ユニ「アタシも行くわ」

ブラン「私は遠慮しておくわ、6人で楽しんできなさい」

 

私は女神メモリーの話をしていたせいで、アルブムとサクラちゃんをプラネテューヌのガイドするのすっかり忘れていた。ガイドに連れていく2人とネプギア ユニ ピー子と私の6人で行く事になった。

 

イストワール「くれぐれもプラネテューヌから出ないでくださいね。皆さん(*^ω^*)」

ブラン「行ってらっしゃい」

ネプテューヌ「は~い!」

ネプギア「行ってきます」

 

庭で自己紹介と話題を終えた私達は、アルブムとサクラちゃんの為にプラネテューヌをガイドしに、プラネタワーの庭を後にする。

 

ブラン「さてと……私は小説の制作をしてるわ じゃあね イストワール」

イストワール「制作頑張って下さい。ブランさん(*^ω^*)さて私は仕事……」

 

庭を後にして、プラネタワーの個室へ行くブランを見送り、イストワールはプラネタワーの仕事場へ向かって行った。

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《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ 100$》

プラネテューヌ 記念銅像広場

 

[ネプギア]

 

サクラ「ひ、広いわ…景色の先まで建物で埋まってるわ……」

アルブム「国と言うより…帝国のように凄く大きい……」

ユニ「神次元のプラネテューヌってこんなに広いんだ………もしかして向こうのプラネテューヌより広いんじゃない?」

ネプテューヌ「う……ユニの視線が痛いです……」

ネプギア「でも、こんなに広かったかな?」

ピーシェ「私は10年くらい来てなかったけど、久しぶりに来たせいか、本当に広く思えるよ」

プラネテューヌほぼ全体を見渡せる、プラネテューヌ記念銅像広場に来ている。

ここに来るように提案したのは私で、ガイドするならここかなって思った場所で、落ち込んだ時に寄る場所でもある。でもここじゃなくて向こうのプラネテューヌのだけどね。

その前に私達がここに来た時、こんなに広かったかな?もう少し小さかったような…………

 

ネプテューヌ「それじゃあ!大まかな部分は抜きにして、人気な建物だけ教えるね!」

 

そう言ったお姉ちゃんはポケットからいつの間にか用意した地図を取り出して広げた

 

ネプテューヌ「まずはここ!記念銅像広場!」

サクラ「このトロフィーみたいな銅像が、プラネテューヌのシンボルなの?」

ネプテューヌ「よくぞ聞いたサクラちゃん!この銅像はプラネテューヌの象徴だよ!」

 

サクラさんは、広場の中心に立っている銅像に気が向い。た。お姉ちゃんはその銅像に指を差し、一言で説明した

 

ピーシェ「この広場も久しぶり来たけど、本当に変わらないね~」

 

追加で言うと、プルルートさんが女神になって最初に作った場所でプラネテューヌの象徴の銅像。また、4年に一度ヴィーナスオリンピックが開催され、選手代表が手に聖火の灯火を持って銅像に火を付ける事で、開催開始の聖火台としての役割もあります。

ちなみに私やお姉ちゃんもオリンピック選手でした!

 

ユニ「ねぇ? あれは何?大きな……ぷふ!」

アルブム「ね、ネプギアさん?」

ピーシェ「あ~ あれね」

ネプテューヌ「え?ネプギアって……ぷはははは!あ、あれって…ははは!」

サクラ「ネプギアさん人気なんですね!あっはははは!」

 

ユニちゃんが何かを見つけた瞬間クスっと笑った。その正体を知ったアルブムさんとピーシェちゃんを除いたお姉ちゃん達が声を上げて笑う。ユニちゃんが差した指先の方向を見ると、その原因を目の当たりした

 

ネプギア「え?……………っえぇぇぇ!?」

 

記念銅像広場から約4km離れた先の公園に、私の姿をした高さ30mのロボットが、両手を上げてガッツポーズをしているネプギアンダムがあった。

 

ネプギア「ど、どうして私が!?しかも顔芸でネプギアンダムなの!?」

ネプテューヌ「はーははははは!あのポーズ!どっかの魔神ロボの必殺時のポーズだ!あーはははは!」

 

ちなみにネプギアンダムとは……

アニメ、機動次元女神ネプギアンダムのメイン機体として登場していて、必殺技はブレストビーム。

主人公のモデルは私で声優も私なんです!

でもどうしてそのアニメが存在しない神次元に…………まさかプルルートさんが!?

 

ネプギア「う……恥ずかしいよ……」

ネプテューヌ「はぁ………はあー笑った笑った!」

サクラ「アタシも……はぁ……はぁ」

 

大きな声を上げて笑っていたお姉ちゃんとサクラさんは、苦しそうにお腹を支えている。ちょっと笑いすぎだよー

 

ピーシェ「そんなに面白いかな?まあ私も初めて見た時は笑ったけどね」

アルブム「あ、あの……あの大きな建物はなんですか?プラネモールって大きく示されてますが……」

ユニ「あの建物…………」

 

アルブムさんは近くにある大きな建物、プラネモールが気になる様子。

ユニちゃんはあのプラネモールに見覚えがあるかのように見ている。向こうの次元で、私やユニちゃんにとってジントさんを連れて買い物に行った思い出があるからだと思う。確かジントさんの生活服と私服を買ってプレゼントしたんだよね。

 

ネプテューヌ「えっとあれはね……プラネテューヌが誇る超大型ショッピングモールだよ! すぐ近くだから行ってみる?」

 

アルブムの質問に答えたお姉ちゃんは、提案として実際にプラネモールに行くかどうかを笑顔で聞いてきた。

 

サクラ「はい!是非!」

アルブム「何があるのか僕も気になります」

ピーシェ「いいね 私も行きたい」

アルブムさんとサクラさんは、プラネモールがどんなとこか興味津々の様子を見せた。それに賛同したピーシェも行きたいと答えた。その会話を聞いたユニちゃんは、手持ちの財布を出してお姉ちゃんに質問する。

 

ユニ「ネプテューヌさん お金の方は大丈夫かな?」

ネプテューヌ「元の次元のお金でも大丈夫だよ!だって同じだもん!」

ユニ「そうなんだ、それは良かった……」

 

手持ちのお金が、神次元でも使える事を聞いたユニちゃんは胸に手をおいてほっとした表情をする。

そう言えば最近ユニちゃん、更に女の子らしくなったような……

 

ネプギア「私も、何か買おうかな?」

ネプテューヌ「全員行きたいって事で、早速プラネモールに行こう!」

全員「お~」

 

お姉ちゃんが先頭に立って、プラネモールへ歩いて向かう。時々子供たちから「あ!ネプギアアンダムだ!」「主人公に似てる~」っと言った声が聞こえて、視線も感じる。通りすがる度、私は手を振って軽い挨拶を交わして言った。お姉ちゃんやサクラさんに笑われながらも……

そうして行く内、プラネモールの入口前まで来た

 

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プラネテューヌ プラネモール

 

ネプテューヌ「とうちゃーく!」

アルブム「わぁー 近くで見ると、凄く大きいですね」

サクラ「中も広そうですね」

ピーシェ「昔、ねぷてぬとネプギアとぷるるとと一緒に行ったな~」

ネプギア「そうだね ピーシェちゃん」

ユニ「見た目も向こうとさほど変わらないわね」

 

周りは観光客や、人でいっぱいになってるところで、私達はプラネモールの入口前に立っている。

そして、プラネモールのどこを回ろうか決めようとしている。

 

ネプギア「まず何から回る?」

ピーシェ「折角だからアルブムとサクラちゃんの行きたいとを行こうよ。 ふたてに分かれて行くとかして」

ネプテューヌ「おぉ~!それはいい案だよ!」

ユニ「プラネモールの中もあまり変わらないみたいだし、アタシとネプギア、ネプテューヌさんとピーシェちゃんの二つに分ければいいかな?」

ネプテューヌ「反論はないよ!」

ピーシェ「私もだよ」

 

ピーシェちゃんの提案で、広いプラネモールをふたてに分けて行く事になった。

お姉ちゃんとピーシェちゃんグループ、私とユニちゃんグループに分けて並ぶ。

 

ネプギア「ユニちゃんと一緒か 嬉しいな~」

ユニ「か、勘違いしないでよね!アタシはただ似ていても一応神次元のプラネモールだから、神次元に居た時間が長いネプギアに案内してもらいたいだけなんだから!」

 

ユニちゃんと同じグループになった私は嬉しいが、本人はそうじゃなく、ただ案内してもらいたいだけだと訴える。

ユニちゃんと一緒に行くは嬉しいけど、ユニちゃんは一緒に買い物をしたいんじゃなくて、神次元にいる時間が長い私に案内してもらいたいだけみたい、まあ本当は一緒に買い物に行けるのが嬉しいんだと思うけどね。

 

ネプテューヌ「それじゃあ、アルブム サクラちゃん どっちのグループに入る?」

サクラ「私はネプテューヌさんとピーシェさんのグループに入ります!」

アルブム「じゃ、じゃあ僕はユニさんとネプギアさんのグループに……」

 

お姉ちゃんはサクラさんとアルブムさんに、どっちのグループに入るかを聞いたら、サクラさんはお姉ちゃんとピーシェちゃんのグループへ アルブムさんは私とユニちゃんのグループに入る。

それぞれメンバーが決まり、グループ事にプラネモールのエントランスへ足を運ぶ。

 

ネプテューヌ「それじゃあ!約三時間後、この入口前に集合ね!」

ネプギア「うん!」

ピーシェ「また後でね、ネプギア ユニちゃん アルブム」

ユニ「また後でね」

アルブム「は…はい」

 

お姉ちゃんはエントランスから入口へ指を差し、ここに集合するように伝えて別行動に入り、私達から反対側へと足を歩かせ、お姉ちゃん達と分かれた。

 

ユニ「それじゃあ まずどこから行きたい?」

アルブム「え……えと… 本屋さんかな?」

ネプギア「本屋さんですね! それじゃあ早速行こ!」

 

私達はアルブムさんの要望に答え、本屋へ目指し歩き始めた。プラネモールはもちろん人混み程ではないけれど、昼過ぎであって人が少し多いがよく見ればぶつかったりはしないくらいかな?

 

ユニ「読書が好きなの?」

アルブム「う、うん 読むのが好きなんで……」

ネプギア「へ~ じゃあブランさんと気が合うかも知らないね」

アルブム「あ……あの帽子を被って居る人ですよね? ブランさんも本を読むのが好きなんですね」

ネプギア「ほっておくと一日中本を読んでしまうくらい好きらしいですよ。また自作の小説も書いてるそうです」

ユニ「アタシもたまに読書するわ。よく読む本は恋愛ものやガンアクション系の漫画とか」

 

本の雑談をし始めた私達、思った以上に盛り上がる事があって、互いにどんな本を読んでいるのかを語り合った。主に私とユニがどんな本を読んでいるのかを話て、アルブムさんはそれを聞いてる感じになりながらも、本屋さんに着くのが楽しみな表情をしていた。

 




自己紹介を終えたネプテューヌ達は、ネプテューヌが閃いた提案んでアルブムとサクラの為にプラネテューヌのガイドをする事になった。そして大型ショッピングモール「プラネモール」へ行き、ふたてに分かれて満喫する事に。ネプギアとユニとアルブムのグループは、アルブムの提案で本屋へ向かい、ネプテューヌとピーシェとサクラのグループはある所へ向かった。
サクラが提案したある所とは何か?

次回
Episode04 新仲間との日常 Ⅱ


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Episode04 新仲間との日常 Ⅱ

プラネモール 遊戯場

 

[ピーシェ]

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ 100$》

ネプテューヌ「てな訳で、サクラちゃんが案内板に指さした階に来たよ!!」

ピーシェ「なんで壁に向かって言うのよ」

サクラ「そもそも誰に言ってるんですか」

 

私達は今、遊戯場の休憩場でベンチに座っている。ねぷてぬは誰もいない壁に向かって言葉を言っていて、サクラちゃんと私はねぷてぬの謎の行動に問いかけたが……

 

ネプテューヌ「さあ~」

ピーシェ「分からないんかい!」

 

まさかの本人も知らないと言うオチにツッコミを入れる私。最近になってツッコミが出来るようになった。でも最近って言うのはたった今の事だけど。

 

サクラ「ところでどうして遊戯場に?」

ネプテューヌ「ちょうど私がよく行く階なんだよねー!多分癖かな」

ピーシェ「随分変わっただよそれ!職業病!?」

ネプテューヌ「そうとも言う!」

ピーシェ「いや否定してよ」

 

またまたボケるねぷてぬにツッコむ私。でも実際に私も何となく遊戯場に来たかったのもある、でも正式にはゲームセンター、略してゲーセン。

 

ネプテューヌ「まあ冗談はさておき、やっぱり気分を盛り上げないとね!だから私が連れてきました!」

サクラ「はぁ……」

ピーシェ「友達が出来たらとりあえずゲーム……でしょ?ねぷてぬ」

ネプテューヌ「その通り!」

 

冗談を止めにし、ねぷてぬは改めてここに来た理由を言葉と共にある物に指を差した。その先にある物は……

 

サクラ「ゲイム……ウォーズ?」

ピーシェ「ゲーセンだよ サクラさん」

サクラ「ゲー……セン?」

 

サクラさんは、ゲーセンに大きくカラフルに記されてる看板に見とれている。ゲーセンを知らないのかあまりぱっとしない表情だけど、見る見る内に目が輝きに照らす。きっとゲーセンは初めて見る物で、好奇心が盛り上がってるんだと思う。

 

ネプテューヌ「ゲーセンは略で、本当はゲームセンター!その名通り、ゲームの中心だよ!さあ行こ!サクラちゃん!」

サクラ「うん!」

ピーシェ「ちょ、走らないでよ!」

 

ねぷてぬはサクラさんの手を掴んでゲーセンの世界へ駆けて連れていく。私はその後を追いながら注意する。なんか立場が逆になった気がする。保護者みたいだな、私。

 

ゲーセンへ入った私達は、サクラさんがハマりそうなゲームを探す。シューティングゲームやレースゲームとアクションゲーム、主に次元の絆とザ・死の家とイニシャルPとかが目に付くけど、サクラさんの目は付かなかったが、唯一一つのゲームに目が付いた。

 

サクラ「ガンスラッグ?」

ピーシェ「私は良くやってるよ、このゲーム」

ネプテューヌ「ふっふ~ん 奇遇だねピー子。実は私もなんだ!」

サクラ「どんなゲームなの?」

 

ガンスラッグ。ジャンルはアクションシューティングゲームで、右に進みながら敵を倒しながらステージのボス倒して行くゲーム。ガンスラッグの面白い点は、敵兵に捕虜された味方兵士を助けると、どこからかお礼にアイテムや強力な銃をくれるのと、特定のステージに用意される高性能一人用の乗り物に乗って、敵を薙ぎ払う爽快感、そして何気ないネタ行動など、色々面白い。

 

ネプテューヌ「て言う事だよ!」

サクラ「なるほど~」

ピーシェ「まだ口にしてないのにどうやって理解したの!ねぷてぬはまだ何も説明してないじゃん!」

ネプテューヌ「例のあれよあれ~」

ピーシェ「あれって何よ」

サクラ「本ですよ!」

ピーシェ「ここゲーセン!本屋さんじゃなくて、ゲームセンター!」

サクラ「いやだって、ここ見てください」

ピーシェ「え?」

 

サクラさんが指差したのは、ガンスラッグ本体の右にぶら下がっている本。私は、「ま、まさか……」と小声でいいながら本に手を付け、読むと…………

 

ピーシェ「…………」

ネプテューヌ「ね?ピー子」

サクラ「世界観と操作方法、更に結末も書いてあるんです!」

ピーシェ「世界観と操作方法ならともかくなんで結末まであるの!?ガンスラッグ未プレイの人がこんなの見たらやる気なくなっちゃうよ!ガンスラッグをプレイする気がなくなっちゃうよ!好奇心に引き寄せられてプレイするより本に手が付いたらすぐに席から抜けていくわ!」

ネプテューヌ「ピー子が……ツッコミをかましている……」

ピーシェ「今気づいたの!?さっきも軽くツッコンだんだけど」

 

有り得ない本の内容の一部にツッコミを言い、その様子を驚いていたねぷてぬ。私のツッコミの叫び声は、周りのゲーセンの騒音に紛れ、響く事は無かった。

 

サクラ「まあそれで、協力プレイが出来るみたいだし、やってみたいです!」

ネプテューヌ「おけ!じゃあ私が2pね」

ピーシェ「私は3人分のジュース買って来てあげる。何飲みたい?」

ネプテューヌ「私ファンタ!」

サクラ「お茶でお願いします」

ピーシェ「はーい」

 

2人は協力プレイを始めてキャラ選択に入ったところで、私は3人分のジュースを買う為、自動販売機へ向けて場を後にする。

 

ピーシェ「なんか保護者になった気分だな~」

 

ゲーセンの出入口まで来て独り言を言う。

昔は面倒を見てもらったけど、今度は立場が逆になって私が面倒を見る番。あれからもう13年くらい経ったと思うと、なんて言うか懐かしい限り。

 

ピーシェ「えっと 確かここに………あった!」

 

出入口を出て近くにその自動販売機があった。私は自動販売機へ歩いていくと、1人の女性が自動販売機の前に先に歩み寄る。

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Insecure feeling》

ピーシェ「……っ」

 

私は女性の後ろ姿を見た時、何かの感覚が浮かび思える。

 

ピーシェ(ねぷてぬ?)

 

どこかしらねぷてぬに似ていた。服は全体的に茜色とフードがピンク色のパーカー。

髪の毛はねぷてぬより少し長くて、後ろ髪は背中の肩甲骨まで伸びていて、髪色はピンク色。

靴下は白黒の縞模様で靴は赤と白のハイカット。後はなんとなく近づけさせない雰囲気を放っているというかなんて言うか……。

 

買う飲み物を決めた女性は、自動販売機のボタンを押し、選んだ飲み物が落下して取り出すと、後ろに立っていた私の存在に気付き、目を合わせてきた。

 

???「………待たせてもごめんね、君」

ピーシェ「あ……いいえ……」

 

素顔を見るまでは、きっとねぷてぬファンの人だと思った。でも素顔を見た今、私は確信した。ねぷてぬに似ている。似ているのは内心では驚いていたけど、まず驚いたのは白目が黒くて獣の様な瞳だと言うこと。買った飲み物を手にした女性は、その場を去る。

 

しばらくその場で立っていた。ねぷてぬに似たその女性と目があった時から、まるで蛇に睨まれた蛙の様に、私は身動きが出来なかった。動けるようになったのは約3分後。

 

ピーシェ「あ、買わないと」

 

待たせている事を思い出した私は、すぐさま財布を取り出しファンタとお茶と自分の飲み物を買って、ねぷてぬとサクラさんの元へ歩いて戻る。

 

ピーシェ「それにしても……さっきの人って……」

 

私は、さっきの女性が気になる。ねぷてぬに似たあの女性。何となく感じただならぬ雰囲気、誰なのかはその場で知る余地は無かった。

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プラネモール 本屋カフェ

 

[ユニ]

 

《東京ザナドゥ X.R.C.》

ユニ「へー あんたこういう本を読むんだ」

アルブム「ま、まあ……」

ネプギア「私はよく、こんな本を読んでいるよ」

 

アタシ達はアルブムの要望である本屋って言うより、本屋のカフェに来ている。ネプギアが読む本は相変わらず機械関係、アタシは恋愛物の小説でアルブムは剣技図鑑と珍しい本を手に持って席に座っている。

席にはアタシは窓側に座っていて隣にネプギア、そしてアタシと向き合う席にアルブムが座っている。

 

ユニ「それにしても、よくこんなお店があるわね。本屋さんとカフェが一緒のお店って」

ネプギア「でしょ ここならコーヒーとか紅茶飲みながら、リラックスして本が読めるよね」

アルブム「ですね」

 

ちなみに図書館とは違うから静かに読む事が無く、周りは本で盛り上がっている。

 

ユニ「………………」

ネプギア「ユニが恋愛物の本読んでるの初めて見たよ」

ユニ「何となく手が付いたのがこの本なのよ」

アルブム「………………」

《超次元ゲイムネプテューヌThe animation promise》

アタシが頼んだコーヒー(砂糖4個)のカップを手に持って口元へ運び、少し飲みながら本を読み進める。

 

ユニ「……………………」

 

恋愛物を選んだ理由、それは勉強。アタシは今まで、恋愛に縁はないと思い込んでいた。趣味で読む事はよくあるけど、今回は趣味で選んだ本ではない。

本に集中している中、きっとアタシだけは内心では別の事を考えていると思う。だって…………

 

ジント『ノワール、俺と居て安心するのか?』

ノワール『……うん』

 

きっとお姉ちゃんはジントの事が好き……

いつもは真面目でしっかりしていて、人前で自ら恥を見せなかったのに、あんな女々しいお姉ちゃんは初めてよ。でもアタシも同じ気持ち……

アタシはジント思いを寄せるようになったのは、あの時の2人っきりの風呂場で、アタシが悩んでいた事に答えてくれた。アタシはお姉ちゃん以外にこの悩みを明かした事は無かった。お姉ちゃんも同じ事を言ってくれたけど、だんだん別の話になって、アタシの女神らしさの話になったりした、でもジントは違う言い方をした。

 

ジント『変じゃないと思うぞ』

ユニ『え?』

ジント『女神は民に信仰され、幸せを与える神様って俺は勝手に解説してるけど、最終的には民と同じ生きている存在だ。女神でも生きてる者として、自由に生きる権利があると思うんだ』

ジント『だから 変じゃないぜ』

 

流れに乗ってつい悩みを明かしたけど、ジントは素直に話してくれた。アタシは言って欲しい答えを聞きたかっただけかも知らないけど、思った通りの答えを聞いたその時、胸に気持ちが苦しくなるような感覚を覚えた。最初は一体これは何なのかは分からなかった。でもジントが先に風呂から上がって、風呂場から出る時だった。

 

ユニ『……(あ………)』

 

アタシは無意識にジントが離れていく後ろ姿に向けて、手を指し伸ばしていた。拒んでいた。ジントが離れていくのを内心で拒んでいたんだ、そして気づいた。アタシはジントに恋をしている。

 

ユニ「………………(ジント…………)」

 

内心でジントの名前を呟きながら本を開いたまま、テーブルに顔を伏せた。その様子を隣から見ていたネプギアは気にかかる。

 

ネプギア「ユニちゃん?」

ユニ「………………」

ネプギア「……?」

アルブム「た、多分本の内容に感動してる……だと思います……」

ネプギア「な、なるほど~」

 

アルブムはいつの間にか閉じた本をテーブルに置いて、ネプギアにアタシの様子を解説した。アルブムに言われ、アタシの様子を理解するネプギア。

大丈夫、アタシの本心に気付かれていない。

 

[ネプギア]

 

ネプギア「…………(なるほど! ユニちゃんは内容に感動してるだけなんだね 。心配して損しちゃった)」

心の中で呟いた私は、自分が読んでる本のページへ目を移す。ちなみに私が読む本はユニちゃんに言われた通り機械関係で、主にロボットの技集。我ながら変な本を選んだ気がするけど、選んだ理由はちゃんとあります。

 

ネプギア「…………(足にまといにはなりたくない)」

 

私は前に、怖い物が出来ました。本当の生を殺めたあの時の瞬間。殺めた時に吹き出た生の血。殺めた際に武器から伝わる生々しい反動。命を斬った感覚を、私は恐怖として覚えてしまった事。最初は見るだけでも怯えたりしたけどだんだん慣れてきた、でも自ら生を斬る勇気が出ない。もちろん私は、このままじゃ足でまといになるからそれを改善しないといけない。だからこそ、私はこの本を選んだ。

 

ネプギア(斬る事が出来なくても、撃つ事なら出来る。M.P.B.Lの出力内で出来る何かを習得しよう)

 

ロボットの技集のページをめくって目を移し、めくって目を移しとじっくり見ながら、M.P.B.Lで対応出来そうな技を探し、3つ案を見つけた。

 

(エレメントバレット、デュアルバレット、ブラズマチェーン)

 

[エレメントバレット]

その名の通り、属性弾。M.P.B.Lの出力に属性付きの弾のカートリッジを使用すれば何とかなるかな?私はいつもM.P.B.Lの出力残量の安定を保たせるためにエネルギー補給カートリッジを使ってるから。少しいじれば出来るかな。

 

[デュアルバレット]

エネルギー弾とは違い、銃弾を使う。

通常は銃一丁に1発ずつで射撃する、しかしデュアルバレットは一度に2発射撃する事が出来る。銃が効かない的に1発時の威力では貫通しないケースを2発当てることで、貫通しない代わりに2発分の打撃を同じ場所に命中させ、震度によるダメージを与えられる。なくてもいいかも知らないけど【扉】の中に現れる敵はまだ知らない事だらけ、斬撃では聞かない敵が現れるかも知らないケースを考えて案に取っておいた。

ミリタリー関連に詳しいユニちゃんに相談して、M.P.B.Lの銃口をいじれば何となるかな。

 

[ブラズマチェーン]

対象にブラズマチェーンを接触させる事で、引っ張ったり投げたり、また崖や天井にもぶら下がる事が出来る。

M.P.B.Lに新しい能力を付け加えれば出来るね

 

この3つの案を、ロボットの技集から読み取った。実現出来れば結構力になるかな!?

 

ネプギア「えへへ~~」

 

私は実現した3つの武装を使用している想像をして、1人で成り上がる。

しかしユニちゃんは伏せていた顔を上げて本を読んでいて、アルブムさんは予め取った新しい本を読んで集中している。

 

ネプギア「………っ(私も集中して読まないと!)」

 

ロボットの技集の本を閉じて、新しい本を手に取って読み始めた。長い沈黙に入った私達は本を読み終えるまで会話は交わさなかった。

 

 

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プラネモール ゲームセンター

 

[サクラ]

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ 100$》

サクラ「あぁ~面白かった!」

ネプテューヌ「やってみたら初見プレイだった件について!」

ピーシェ「それはそうでしょ?このガンスラッグ、正式にはガンスラッグ5は、ねぷてぬが向こうに帰って5年後に出たゲームだし」

 

アタシはゲームをやった事がないけど、こんな楽しいとは思わなかった!やっぱり看板前で感じた好奇心は花となした意味があった!

 

サクラ「今何時ですか?」

 

ガンスラッグ5に夢中になってたアタシは、時間をすっかり忘れていた。ピーシェさんがポケットからスマートフォンを取り出し時間を見る。

 

ピーシェ「12時30分。 そろそろ昼食にした方がいいね」

ネプテューヌ「そうだね。それじゃあ飲食店に行こっか」

サクラ「うん!」

 

12時を過ぎた今、ゲームセンターから出て店探しを開始する。

 

ネプテューヌ「この階には飲食店はないから、下の階に移動しよ!」

 

ゲームセンター出入口の右側に、2つのエレベーターと下に続く階段がある。階段を発見したアタシ達は、下の階へ移動する為階段まで歩き、下っていく。その時、ネプテューヌさんは下り途中にある掲示板に貼られている1枚の張り紙に気付く。

 

ネプテューヌ「あれ?」

ピーシェ「どうしたの?」

ネプテューヌ「これって……私達だよね?」

 

一つの張り紙に興味津々、張り紙には学生服を着たネプテューヌさんとネプギアさん ユニさん ブランさん ピーシェさん コンパさんとアイエフさん、そしてツインテールの黒髪の女性と教師の服装を着た金髪の女性が写っており、表情は悲しみと恐怖に満ちている。全員満身創痍の姿をしており、服は所々切れていて肌が見えていて、顔や腕などに血跡付いている。背景は真っ暗な廃校と生々しい雰囲気を見せている。

下に大きく【Cadaver Of Dead】と書かれており、好評発売中と記入されている。

 

サクラ「な、なんかホラー物っぽいですね」

ネプテューヌ「そうだね。なんかいかにも恐怖を体験できるような感じ」

ピーシェ「私持ってるよこのゲーム。ねぷてぬ達と親しい人がこれやると、凄く精神的に来る。イヤホンを両耳に付けてやると、本物の声の様に聞こてたり、後ろから聞こえる声の方向に反射的に顔を向けたり、すぐ近くにいるかのような感じを味わう肝試し以上の刺激を体験が出来るよ」

サクラ「そんなに刺激的だったの?」

ネプテューヌ「そんな刺激的なら私も買って見たくなっちゃった!」

 

ピーシェさんのCadaver Of Deadの感想を聞いたネプテューヌさんは買う気満々。しかしピーシェさんはあまりオススメしない表情を見せるが、あえて言葉にしなかった。

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ 100$》

ピーシェ「ほらもう12時50分だよ。後1時間10分したら集合しないと行けないんだから早く行くよ」

サクラ「え!?もうそんな時間!」

ネプテューヌ「なんと!?早くレストランに行こ!善は急げ!全速前進だ!」

ピーシェ「下るんじゃなくて?」

ネプテューヌ「なら全速下りじゃー!」

サクラ「おぉー!」

 

張り紙に気を取られていたアタシ達はピーシェさんのお陰で本来の目的を思い出し、階段を全速力で下って行くネプテューヌさんの後ろ姿の跡を追いかける。

 

ピーシェ「ちょ!?待ってよ!あっはは」

 

子供の行動を目の当たりにしたピーシェさんはアタシ達の跡を追う。注意はするがその半、笑い声も聞こえた。

 

サクラ「あはは!待ってよー!(これなら……これからもやっていけるよね。友達も出来たし、良かった)」

 

ネプテューヌさんの跡を追い、ピーシェさんに追われているアタシは、心の中にしまっていた不安は消え ただ太陽の光の様に綺麗な桜となったアタシ。

その様子は地を踏む度に桜が大きく舞い、微塵の曇がない桜道を駆け巡る、元気な女の子だった。

 




サクラ提案した所とは、案内板の階を指さしたゲームセンターのフロアだった。偶然な事にネプテューヌは神次元にいた頃、ピーシェやネプギア達などを連れてよく利用していた為詳しかった。やるゲームを見つけ、無事クリアし昼食を済ませる為下の階へ移動する。
ネプギア達はその頃、注文した品と味わいながら個人で本を読んでいた。ユニは恋愛、ネプギアは新武装について内心で語っていてた。

一方、ネプテューヌ達がプラネタワーを後にした頃、ジントは眠りから目を覚ました。個室に寝ていたジントは上半身起こすと、そこには小説本の制作をしているブランが居たが、何か様子がおかしい?

次回
Episode05 小さい者と大きい者


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Episode05 小さい者と大きい者

プラネタワー 個室

 

[ジント]

 

ジント「……ん……っ」

ブラン「…………」

 

眠りから覚めた俺は、上半身を起こて背伸びをする。周りを見渡すと近くのデスクの椅子にブランが座っていて何かをしている。同室していたアダスオラの姿は見当たらない、多分先に起きてどっかに行ったのか?

 

ジント「おはよう、ブラン」

ブラン「おはようジント。ぐっすり眠れたみたいね」

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

まずは挨拶をした。ていうか寝ぼけていたせいかそれしか思い付かない。でもブランが言った、ぐっすりに俺は反応する。

 

ジント「ぐっすり? 今何時だ?」

ブラン「10時よ」

ジント「なっ……もうそんな時間か~ 朝食食べ損なったか」

 

遅く起きてしまった俺は、朝食を食べ損なった事に気付き、起きた上半身がベッドに倒れる。

 

ブラン「それなら心配ないわ。そこのテーブルにラップした朝食があるわ」

ジント「まじか!感謝するぜブラン」

 

テーブルにラップされた朝食がある事を知った俺は、すぐさまベッドから降りて洗顔しに洗面所に行く。

 

ブラン「どういたしまして……」

 

洗面所の水で顔に浴びさせ、フェイスタオルで顔についた水分を拭いて身だしなみも整える。拭いたタオルを首に掛けて、朝食が置いてあるテーブルへ向かう。

 

ジント「お、美味そうだな」

ブラン「冷めているけれど、味は保証するわ。猫舌の私はが保証する」

ジント「そうか、ってお前猫舌なんだな。なんか雰囲気通り」

 

早速朝食を食べにかかる、その様子を見ているブラン。なんか視線が妙に気になるがまあよしとする。

右手に箸を持っておかずを摘み、口の中へ運ぶ。

 

ジント「お~ 冷めているけど美味い」

ブラン「……っ」

 

おかずを口にして美味い事を聞いたのかブランは、その瞬間デスクの上にある白い用紙に目を移し、何かを書き始める。

 

ジント「なんか書いてるのか?」

 

俺はブランに、白い用紙に何を書いてるのかを聞いた。顔を動かさず目は白い用紙に向いたまま答える。

 

ブラン「これから書く小説の内容を書いてるの、プロットをね」

ジント「そうか、次作……楽しみにしてるよ」

ブラン「うん……」

 

朝食を食べながら言う俺、ブランはその答えを少し遅れながら答える。白米とおかずを一緒に食べ、やがて食べ終わって片付けに入る。

 

ジント「はぁー美味しかった」

ブラン「もう食べたの?食べるのが早いのね」

 

席から立って、食器をまとめて台所に行く際、ブランの後ろを通った時、もう食べた終わった事を知ったブラン。

 

ジント「そうか? まあ美味かったからだと思うよ。んじゃあ片付けてくるな」

ブラン「そう。…………っ」

 

後ろに向いてきたブランは、何かほっとした表情を見せている。俺は構わず台所へ向かおうと、ブランに台所へ行く事を伝えて個室を出る。

 

ジント「そう言えば、結構静かだな。という事はネプテューヌ達はお出かけ中って事か」

 

朝の廊下を歩く時、いつもは何かしら物音(ネプテューヌによって)が聞こえたりするんだが結構静かだ。

 

ジント「よし、洗うか」

 

台所に着いた俺は、朝食に使った食器を洗う。その時、台所と繋がっているリビングから1人の天然な声が聞こえてきた。

 

プルルート「おはよぉ~ ジント~」

ジント「おはよう プルルート」

 

リビングのソファーにこのプラネテューヌの女神、プルルートが座っていた。手には縫製道具を持ってるみたいだが、何か縫うのか?

 

ジント「お前、縫製とかしてるのか?」

プルルート「そうだよ~ 友達が出来たら、その人のぬいぐるみを作るんだぁ~」

ジント「ぬいぐるみを作るのか、いい趣味じゃないか」

プルルート「えへへ~」

 

友達か…………気が早いかも知らないけど、友達になってるって事でいいのか?プルルートとは。

そうだ、一応聞いてみるか

 

ジント「なあプルルート」

プルルート「なあにぃ~?」

ジント「アダスオラはどこに行ったか知らないか?」

プルルート「アダスオラさん~? えっとね~ プラネタワーのてっぺんに行ったよ~」

ジント「このタワーのてっぺんに?」

 

なんかどっかのゴリラじゃありまいし、高い所が好きなのか?

 

プルルート「うん なんで~?」

ジント「朝から見かけないからどこにいるのか知らなくてな」

 

プルルートとののんびりした会話をしている内、話が終わるよりも食器の片付けが先に終わり、元の個室へ戻る。

 

ジント「そんじゃあ、部屋に戻るよ」

プルルート「は~い! ぬいぐるみ~ 楽しみにしててね~」

ジント「お、おう」

 

笑顔で見送るプルルートに背を向けたままリビングを後にする。

 

ジント「実行は明日か」

 

個室へ戻る途中、独り言をこぼす。

実行する事、それはハネダ山道の山深部へ向かう事。戦力等を考え、念のため全国の女神と俺達全員で行く事になっている。アルブムとサクラはプラネタワーで留守番。2人は俺と同じように記憶喪失者だか、俺のように力は持っていないとなれば巻き込ませたくない。

 

頭の中で考えていたら、あっという間に個室のドアの前に来ていた。ドアを開けると、すぐにデスクが見えるがブランがいない。

 

ジント「あれ?いないのか?」

ブラン「私ならベッドの上よ」

 

少し進み広い部屋に出ると、俺が寝ていたベッドの上にブランが横座りで座っていた。

 

ジント「脳が覚醒した今だから言えるんだけどよ、どうして俺の部屋に?」

ブラン「私なりの勉強よ。今回の小説のジャンルは恋愛だから」

ジント「そうか、って男の部屋に来てなんの勉強になるんだよ。まあいいけどさ」

 

ブランの行動に疑問を持つのを諦めて、ブランが座っていたデスクの椅子に座る。

 

ジント「はぁ~」

ブラン「どうしたの?」

ジント「暇だな~って」

ブラン「………………」

 

[ブラン]

 

とても暇そうね。あいにく手元には本はないし、制作段階の小説の始まるに合う内容があまりピンと来ないし、何となくベッドの上で座るけど何も浮かび上がらない。斯くなる上は……

 

ブラン「ジント」

ジント「ん?」

ブラン「一緒に出かけましょ」

ジント「え?」

 

私の誘いに少し戸惑いを見せたジントは、私に振り向いて見つめてくる。

 

ブラン「ここにいても仕方ないわ。こういう時は外に行くに限るわ」

ジント「た、確かに。でも俺と2人でか?」

ブラン「嫌なの?」

 

ジントは少し抵抗するような態度を見せるが、少し威圧を出すように言ってみる。するとジントは私の顔を見たジントは抵抗するのを諦めて、観念した。

 

ジント「わ、分かったから。まあよく考えれば、ここのプラテューヌはどんな感じか知らないしな。念の為プルルートも誘う?」

ブラン「その心配はないわ。行くところは決まっているわ。そして地図もある」

 

私は後ろに手を回し、地図を取り出す。

 

ジント「どこから出したんだよ。んで?行きたい場所って?」

ブラン「コロシアムよ」

ジント「は?」

ブラン「コロシアムよ、コ・ロ・シ・ア・ム」

ジント「いやそれは知ってるけど、何の為に?」

ブラン「特訓ついでに、討伐対象を倒せば報酬が貰えるのよ」

ジント「ほ~ そんなのがあるのか。じゃあ早速行くか?」

 

ジントは椅子から立つ。彼の事だからスカーレットフォトンやタキオンの力の特訓に火が付いたのだろう。私も女神化出来ない以上、女神化時の戦闘能力はない。でも明日、戦闘になるかも知らない事を考えて、ある程度腕を磨かないとね

 

ブラン「もちろんよ」

私はベッドから降りて、早速地図に記されたコロシアムを目指し出かけに出る。念の為プルルートにも伝えようとリビングに向かってみたが、プルルートは縫製道具を手に持ったまま寝ていたので、出掛けている事をメモし、プルルートの隣に残して行く事に。

プラネタワーを後にして、近くの商店街を歩いている。

《神次元ゲイムネプテューヌV PLANEPTUNE's Theme ver.V》

ジント「ちなみにだけど、コロシアムってさ、やっぱいきなり強い奴をやらせてはくれないだろ?」

ブラン「そうだと思うわ。まずこの世界のコロシアムは初めてだから、最初にライセンスを作る事から始まるわ」

ジント「そのライセンスって?」

ブラン「ライセンスって言うのは、言うなら会員カードの事で、最初はDランクから始まるの。自分のランクにあったクエストを選ぶのに必要なのよ。そしてクリアする度にそのクエストに記されたランクポイントが貯まるわ。一定数貯まると昇格して、ランクが上るの」

ジント「なるほどな。ちなみにブランは向こうの世界でもコロシアムに会員してるのか?」

ブラン「えぇ、ちなみにランクはSよ」

ジント「へ~ 凄いな。俺も燃えてきたぜ」

ブラン「言っておくけど、くれぐれも私にも危害が加わる様な事をしないでね」

ジント「大丈夫だって!守りながらやるし」

ブラン「…………っ」

 

私は反射的に顔をそらした。ジントに守ってやると言われると何故だから照れてしまう。周りは一体どんな目で見られているのか……どういう訳か周りの視線も少ながらず感じている。

 

ジント「それにしても賑やかだな~プラネテューヌは。お前んとこの国もこんな感じなのか?」

 

ジントに質問された私は、恥の気持ちを一旦しまって答えを返す

 

ブラン「そうでもないわ。私の国、ルウィーは雪国よ。賑やかな部分もあるけれど、基本は物静かでカラフルな建物が多い。魔法の国の様な雪国よ。機会があったらあなたを招待するわ」

ジント「そうなのか、雪国なのか~ お言葉に甘えるぜ。その招待」

ブラン「……っ うん」

 

彼は素直に期待してくれた。私の国が期待されてると思うと、なんだか新鮮な感じ。招待して来てくれたその日、何をおもてなししようかしら。

 

ジント「なあ、これがそのコロシアムか?」

ブラン「えっと……そうね。これがコロシアムよ」

ジント「な、なんか思った以上に小さくないか?」

 

彼は目の前にあるコロシアムの建物を疑っている。無理もないわ。本とか歴史ではコロシアムはとにかくでかい、でも現実はこの通り。建物もの大きさは、どこにでもある一軒家サイズの建物。形は全体的に四角くて、色もカラフル。そして入口は大きく、大きな扉が2つ「ドン!」と設置されている。そしてその扉の上には看板があり、名前は次元ノコロシアムと出ている。

 

ブラン「間違いないわ。向こうと同じ構造だ、入りましょ」

ジント「あ、あぁ……」

 

プラネテューヌ 次元ノコロシアム

 

私達はコロシアムの入口の扉を開けて入っていった。その先の景色は、オール電子 その一言に尽きる。周りは手馴れた人達が何人もいて、とても賑わっている。よくある血の気が多い人とは真逆で、フレンドリーな人達が充満している。その中を入口から入った私達は受付に向けて歩いていく。周りの視線は、初めて見たような様子を見せながら「見ない顔だね」「新人さん?」「どんなバトルをするんだろう」とこそこそ話をしながら私達を見ている。

 

ジント「なんか凄い注目を浴びてるけど、こういうの余計に燃えてくる」

ブラン「あなたって実は目立ちたがり屋なのかしら?」

ジント「別にそんなんじゃないよ。ただ本気は出さない方が気がしてな。タキオンだけでやってみるか」

 

ジントは私の耳元に小声で話しかけてくる。しっかり聞く事は当然出来たけれど、息がくすぐったかったりした。

受付まで来た私達は早速ライセンスの発行を申し込み、写真撮影とテストを行うべく二手に分かれ、約20分で終わった。

ちょうど終わったタイミングも同じで、私とジントは受付前に同じタイミングで戻ってきた。

 

ジント「偶然だな。ちょうど終わったとこだ」

ブラン「私も同じく」

 

結果は合格した。互いにライセンスを受け取り、晴れてコロシアムに会員する事が出来た。

 

ブラン「早速やりましょ」

ジント「あぁ」

 

ライセンスを受け取った私達は早速コロシアムクエストを受ける。まずは肩慣らしとしてジャイアントスライヌ2体の討伐する事になった。

 

ジント「ジャイアントスライヌって……あのヌラ~って言ってるモンスターのデッカイ版か?」

ブラン「そうよ」

 

クエストを受けた私達は受付に番号付きのカセットを持たされて、左にある大きな自動ドアを真っ直ぐ進むように言われた。ずっと進むと、八つに分かれた自動ドアが見えて来る。自動ドアの前に立っていた1人の案内人が寄ってきて、カセットの番号を教えて欲しいと問い掛けてくる。

番号を教えると、指名された自動ドアの前に行って、カセットの差し込み口に番号付きのカセットを指すと、それに反応し、自動ドアが開かれる。開かれた先にあるものは、宇宙の景色を見せる丸いエネルギーの様なものが展開されている。

 

ブラン「これはワープ装置。その中に入ると無限世界へ転送されるわ」

ジント「無限世界って事は、空想の世界って事だよな?その中にジャイアントスライヌがいるのか?」

ブラン「そうよ。だからなるべく私を巻き込ませないようにね」

ジント「おう、じゃあ行くか」

ブラン「えぇ」

 

ワープ装置へ足を踏み入れると、周りは眩い光が私達を包み込み、無限世界へ転送される。視界はまるで先に進むように見えて、奥から黒が広がり白が広がって行く。

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空想世界 無限電世

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Voltage》

ジント「……っ ここが無限世界?まるでゲームの中みたいだな」

 

場はすごく広く、山の盛り上がりや凹みも無い真っ平ら。空はゲーム世界の様な感じで、所々数字の列が流れている。

 

ブラン「地形を破壊しても再生されるわ。ある意味あなたのスカーレットフォトンの扱いを特訓場にするのも手でしょ?」

ジント「確かにそうかも知らないな」

 

その時だった。ここから50m先に離れた所から大きな穴が空いて、2体の大きな物体が現れた。

 

ジント「で、でか!?」

ブラン「この距離からであの大きさ、予想以上のかも知らないわね」

 

その大きさはこの距離から確認すると、自分の手の大きさと同じ。近くから見ればその大きさは恐らくあの時に現れた火炎龍の倍かも知れない。

 

ブラン「どうする? 一体ずつ分けて倒す?」

ジント「そうしよう、一応俺は本気を出さない設定だ。Dランク相手に使うのも大人気ないし」

ブラン「そう……」

 

右手を前に伸ばして横に手の平開く、すると転送されるかのように手の平に私の武器であるハンマーが現れる。

そしてジントもタキオンを唱えて、背後から時空剣が現れて、右手に持って構える。

 

ジント「さてっと……」

ブラン「行くわよ」

ジント「おう!」

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Outside The Dimension》

二人同時にジャイアントスライヌへ向かうように駆けていく。私は左の標的を狙い、ジントは右の標的を狙う。向かってくるのを気付いた標的はこちらに注意を向く。

 

ジント「はぁ!」

 

先に仕掛けたのはジント。ジャンプして縦に剣を構えて振り下ろす。

 

ずし!

ヌラ~!?

 

ジントの剣はジャイアントスライヌの顔面を斬り、斬られた跡は赤く光ってる。

相変わらずスライヌ系の鳴き声はよく分からないけど恐らくダメージは通っていると思う。

 

ヌラー!

 

私が狙っている標的はその場でジャンプし、ジントを踏みつけようのしかかる。

 

ジント「くっ!」

ブラン「…………っ!ゲフェーアリヒシュテルン!」

 

私は左手に氷の丸い玉を作り空中に浮かせ、ジントにのしかかるジャイアントスライヌに向けて、テニスのサーブをする様に氷の玉を撃つ。

 

ヌラ!?

 

氷の玉はジャイアントスライヌの足部分?に命中。その反動でジントがいる位置から外れ、地面に「ドスン!」とのしかかり、地面が少し揺れた。

 

ジント「ナイス!ブラン」

ブラン「あんな大きな物がのしかかるのよ。いくらプニプニしたこいつらでも痛いわ」

ジント「だな……」

 

私達と2体のジャイアントスライヌは睨み合う。切り傷を負ったジャイアントスライヌは再生していて、もう一体は既に体制を整えていた。

 

ブラン「再生…………こんなスライヌは初めてだわ」

ジント「来る!」

 

ジャイアントスライヌは一斉に飛びかかり、私達にのしかかる。私は後ろに飛んで、ジントは上には直線に飛ぶ。

助走をして、私が狙う標的に向けて横にハンマーを振る。

 

ブラン「……っ!」

ドン!!

ヌラ!。

 

ハンマーの一撃を顔面に食らったジャイアントスライヌは体全体が波のようにプルプル揺れ出し、後ろにのけぞる。するなんかプリンみたいね。

 

ジント「せぇあ!」

 

片っぽのジャイアントスライヌの のしかかりをジャンプして避けたジントはその場で剣を下に突き出して、標的の頭に向けて落下する。

 

グサ!

 

下に突き出した剣は頭に刺さるがあまり効果が無いのか反応しない。頭の上にジントが着地しているのを気付いたジャイアントスライヌは走り回りながら「フルフル!」と激しく動きだし、ジントを振り落とそうとする。

 

ジント「のあ!っく!」

ブラン「ジント!」

ジント「大丈夫だ!こ、この……っ!」

 

斬撃が効いてないみたいね。ここは弱点を突くか魔法で対抗するしかないわ。

 

ブラン「これならどうだ! アイスコフィン!」

 

ハンマーを左手に持ち替えて、右手を前に突き出し平を開くと、平の先端に冷気が圧縮して一つの大きな星型の氷塊が出来て、ジャイアントスライヌに向けて放つ。

 

パシン!カチカチ!

 

アイスコフィンが命中し、受けたジャイアントスライヌは少しずつ凍り始めた。火の様に、ゼリー状の体は氷に侵略され、やがて氷漬けになった。

 

ブラン「やっぱ一体に集中。気休め程度だが、おめぇはそこでじっとしてな」

 

氷漬けになったジャイアントスライヌから離れて、ジントの援護に向かう。

 

ジント「こいつ!大人しくしろって!」

 

もう一体のジャイアントスライヌは未だにジントを振り落とそうと激しく動いていた。その様子はまるで、乗った人を振り落とす馬の様に。

 

ブラン「ジント!このジャイアントスライヌは斬撃は効かないわ。斬撃以外の攻撃をするしかないわ」

ジント「なるほど、ならこうする!」

 

ジントは突き刺さった剣を抜いて、ジャイアントスライヌの頭を降りて、武器を構える。

 

ジント「斬撃がダメならこれはどうだ?」

 

ジントは左手に緋色の粒子が圧縮させ、一つのエネルギー体に変化し、それを時空剣の刃に接触させる。すると緋色のエネルギー体が時空剣と一つになって、緋色のオーラを纏った。

まだ激しく動いているジャイアントスライヌはジントに向かって突進してきた。

 

ブラン「ジント!危ない!」

ジント「食らえ!時空剣・空斬!」

 

ジントはジャイアントスライヌに接触する寸前に、剣を振り上げる様に持ち、目で追えない速さでジャンプしながらジャイアントスライヌの顔を上る様に斬った。

 

ブラン「え?」

 

斬撃を受けたジャイアントスライヌはその場で動きが止まった。

空中にジャンプしたジントは勢いのまま落下して着地する。その瞬間、ジャイアントスライヌは切れ目で始め、どんどん広がり兜割りした木の様に二つに分かれてブロック化して消滅した。

 

ジント「一閃ってね!」

ブラン「ジント、凄いわ」

ジント「それはどうも。んでもう一体は?」

ブラン「氷漬けにしたわ」

ジント「こ、氷漬け?」

ブラン「ほら」

少し離れた先に、私が氷漬けにしたジャイアントスライヌに向けて指を指す。戦闘不能になったらしいジャイアントスライヌを見たジントは納得した。

 

ブラン「後は砕くだけよ」

ジント「む、酷いぞ」

 

肩慣らしに選んだこのクエストは、正直私にとって準備運動には及ばなかった。さっさとクエストを終わらせる為、氷漬けになったジャイアントスライヌをハンマーで砕いて、元のコロシアムの受付前に戻る。

 

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プラネテューヌ 商店街

《神次元ゲイムネプテューヌV PLANEPTUNE's Theme ver.V》

ジント「ふう、なかなか面白かったぜ」

ブラン「私は物足りないわ」

ジント「初めて鉢合わせしたスライヌはさっきのジャイアントスライヌとは同種類だと思うと、なんだかスライヌが恐ろしく思えてくるよ」

ブラン「再生能力を持ってるスライヌなんて、ここで戦ったのが初めてね」

ジント「多分、向こうの次元のモンスターとここ神次元とはモンスターは似ていても能力性は違うみたいだな」

ブラン「かもね」

 

報酬を受け取った私達はコロシアムを出たその時。

 

ぐぅー…………

 

ブラン「…………っ」

ジント「…………っ」

 

私とジントは、同じタイミングに腹の虫が鳴る。そのせいか互いの顔を見て少し呆然とするが……

 

ブラン「ふっ……」

ジント「ふふん……」

ブラン「貰った報酬で昼食を済ませましょ」

ジント「だな」

 

自然に笑った。12時を回った今、近辺の飲食店を探しに行く。そして私は何となく気付いた。

ブラン「あ…………(も、もしかしてこれ デート?)」

《超次元ゲイムネプテューヌ The Animaition tune》

私は今の状況に気付いて顔を赤くする。確かにこれはこれで恋愛物のネタにはなるかも知らないけれど、変に緊張するのはなんで?

 

ジント「どうした?顔が赤いぞ。具合でも悪いのか?」

 

ジントは私が心配しているのか、私のおでこに彼の手が接触する。

 

ブラン「ひゃぁ!?ちょ、恥ずかしい……」

ジント「あ、すまん。つい でも具合が悪い感じじゃないみたいだな」

 

ジントは慌てて接触した手を離れる。まさかの展開に私も慌ててしまう。

 

ジント「そう言えば思い出したぞ。ロムとラムが言ってたんだけど、お前って照れると…お、怒るらしいって……?」

ブラン「…………いいから飲食店に行きましょ」

ジント「あ、あぁ」

 

ジントに顔を見られないように先頭に歩いて行き、強引に話題を終わらせた。

正直悪い気はしなかった。この調子で行けば、恋愛ネタがいっぱい手に入る。でもやっぱり緊張が止まらない、心拍数が早いわ。

 

ブラン「…………っ」

 

前まで小さい存在だった彼が、なんだか大きな存在になってるわね。私やきっとネプテューヌ達にとって…………

 




暇してたブランとジントは、肩慣らしに加えちょっとした特訓としてコロシアムでクエストを受けた。その後、クエストの報酬を使い近辺の飲食店で昼食をすませ、プラネタワーへ帰る。その後にネプテューヌ達も帰ってきて、1日が終わる。そして翌日、会議で決まった事を行動に起こし、四女神と、アルブムとサクラ、アイエフ、コンパを除くジント達がハネダ山道の山深部へ向かう。するとそこに、ネプテューヌにとって因縁の敵と偶然鉢合わせしてしまう。

次回
Episode06 魔女の再来


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Episode06 魔女の再来

女神の名前が長い為 ローマ字二文字で表します



パープルハート → PH
パープルシスター → PS


ハネダ山道 入口前

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Between Earth And Sky》

[ノワール]

 

ノワール「来たみたいね」

11時00分現在 太陽の日が美しく輝く日が差す青空の下に、私は一足先にハネダ山道に来ていた。二日前の会議で全メンバーはここに集合する話なっている。

そしてプラネテューヌ方面から飛んでくる緋色の光と蒼色の光がこちらに向かってやってくる。

 

PH「お待たせ、ノワール」

PS「お待たせしました」

YH「とうちゃーく!」

IH「待たせたわね」

 

ネプテューヌ達は、私の目の前に着陸する。ジントはおんぶしていたユニを降ろし、アダスオラに後ろから抱き上げていたブランを降ろして変身を解く。後はもう1人のブランとベールの2人が来るの待つだけなのだが、ネプテューヌ達が地面に足が着いた直後に2人がやって来た。

 

WH「待たせたな」

GH「ちょうど揃った様ですわね」

 

プラネテューヌ方面の逆から2人が空からやって来て、次第に近くまで降りて来た。

 

ホワイトハート(WH)こと、私が知るブラン。

髪色は水色、全体的にショートだけど襟足だけが長い。

バトルスーツの色は白と赤、バックユニットは全体が四角い形になっている。

彼女が使用する武器は、自分より大きい巨大な斧を使う。

 

そしてグリーンハート(GH)こと、ベール。

髪色は名の通り緑色でポニーテール、バトルスーツは全体が黒に纏められていて、バックユニットにはV文字型が二つ装着していて、先が緑色のエネルギー粒子が光っている。

彼女が使用する武器は薙刀型の槍。

 

ジント「これで全員だな」

アダスオラ「そのようだな」

PH「一緒に行きたいって言って一緒に来たけれど、ピー子は平気なの? これから危ない所に私達が行くのよ?」

YH「平気だよ! それにこう見えてもっと強くなったもん!」

GH「予想はしていましたが、女神化時のピーシェちゃんは変わりはないようですわね」

 

ピーシェの女神化時の名前はイエローハート(YH)。

外形はあまり変わらず、目の色はオレンジ色に変色している。白と紺色のバトルスーツと背中と両腰のブースターユニットと黄色い粒子のウィング連結したプロセッサユニットを合計4つ装着されている。

彼女が使用する武器はクローで、その武器を使用していない時は背中のブースターユニットと連結してブースター出力を上げる仕組みなっている。

ちなみに強いて外形が変わってるとしたら胸が大きくなったくらいね。

ピーシェの謎の成長は私も気になっていたけど、でもやっぱり女神化時は成長していないのね。

 

ノワール「ピーシェの事は気になるけど、まずはこれからの事に集中しましょ」

ユニ「はい!」

 

大きな声で返事をするユニ。向こうの私の妹だけあってしっかりしてるわね。

 

PH「まずはハネダ山道の最深部まで行くわよ」

IH「あなたとこうして冒険するのは久しぶりよねー またどんな事をしてあげようかしら?」

PH「止めなさいぷるるん」

ジント「な、なあ……本当にプルルートなのか?お前」

ブラン「…………」

IH「そうよ ジント君~」

 

アイリスハート(IH)ことプルルートは、元の雰囲気とはあまりにも変貌している。

外形は全体的に妖艶の女性に変わっていて、バトルスーツ全体の色は黒とイタリアンローズ、バックユニットは蝶の羽の形をしている。

そんな彼女が使用する武器は蛇剣で伸びるその蛇剣は、近距離と中距離に対応している。

プルルートの女神化を初めて見た人達は、本人なのかどうか青ざめた表情で疑っているが、アダスオラだけはプルルートに対して動揺の素振りを見せていない。

 

アダスオラ「ふん」

IH「貴方だけは私の姿を見ても唯一驚かなかったわね、ちょっと興味があるわ~」

アダスオラ「…………」

IH「もう~無視しないでアダスオラ~」

 

プルルートはアダスオラに話し掛けるが、返事をしないで腕を組んだまま目をつぶっている。ドSプルルートに反応しないなんて、ちょっと大丈夫なの?

 

ジント「ま、まあ先進もうぜ。案内頼むよ」

PH「任せなさい。みんな、付いてきて」

 

ネプテューヌの指示に従ってみんなはハネダ山道の山道を歩いて進む。場は一見荒野になっていて、植物が見当たらない。道の幅は広いが左は崖っぷち、右に岩壁が長く続いている。北東方向の遠くに森林が見える、その森林こそ私達の最終目的地点。

 

ノワール「あの森林が私達が向かう最終地点、山深部よ」

ジント「あの森がそうなのか」

アダスオラ「この距離から見える森という事は、相当広いようだな」

ブラン「道が深そうね」

ユニ「迷子になっちゃわないかな?」

 

目的は森林の最深部なのだけど、実は私やベールと女神化しているブランはまだ行った事は無い。会議のネプテューヌの様子からすると恐らくネプテューヌも同じ。用心する必要はあるわね。

 

WH「そうなった時は私達が空を飛んで位置を確認しちゃえばいいだろ」

ブラン「なるほど、さすがもう1人の私。外形だけじゃなくて考える事も同じみたいね」

PS「それにしても野生の動物やモンスターが見えないけど、なんか変だね」

PH「そうね……スライヌみたいな小型のモンスターならともかく、フェンリルやエンシェントドラゴンみたいな危険種が見当たらないわ」

 

進み始めてからまだ5分位しか経っていないけど確かに変ね……でもまだハネダ山道を入ったばかり、きっとこれから見えてくるかも知らない。

 

ジント「…………」

アダスオラ「…………」

GH「何かございまして?二人とも」

 

ジントとアダスオラは、奥に見える森林をじっと見ていた。どこかに振り向かずただじっと見ている二人をベールが声をかける。

 

ジント「いや、ちょっと不気味だな~って」

アダスオラ「………………」

 

ジントは苦笑いしながら返事をする。アダスオラは相変わらず無愛想で返事をしなかった。

 

ジント「それにしてもここは植物が一つも見当たらないな、なんだが殺風景に見えてきたぞ」

ブラン「ここは基本植物はあるの?プルルート」

IH「あたしが知るハネダ山道は、こんな荒野じゃないわ。少ないけれど緑はちゃんとあったわよ」

ノワール「確か数年前に誘拐犯を捕まえにここに来たわね。その時は確かに緑はあったわ」

GH「しかし現在は緑がなくなった今、ただの荒野に変わり果てていますわね。少なくともすぐに無くなった訳ではない筈ですわ」

ユニ「じゃあいつ、このハネダ山道の緑が無くなったか……ですよね」

アダスオラ「お前の勘が当たっているとすれば、可能性は一つだけある筈だ。ネプテューヌ」

PH「未だに未知の存在【扉】の影響……かも知らないわね」

 

ハネダ山道の緑がない事について話し合いながら歩いていく私達は、一つの可能性として【扉】の影響かも知らない事を全員が聞いた。ネプテューヌの言う通り、今もなお【扉】については数えられない位に掴めていない。緑がないのは【扉】のせいと考える事が、今の所妥当かも知らない。

 

ノワール「【扉】……か」

YH「私の方でも調査中だ。まだこれと言った情報は掴めてない」

GH「前回同様、被害は出ていませんが調査はしていますわ。しかしブランと同様、まだなんとも言えませんわね」

ジント「こんな時に言うのもなんだがちょっといいか?みんな」

PS「どうかしました??ジントさん」

 

ジントの呼びかけで全員が彼を注目する。

 

ジント「俺がよく知るブランとお前の呼び名なんだけど、同じ名前でだな。ちょっと区別しにくいんだ」

ブラン「考えてみると確かにやりにくいわね。私を呼んでいるのかもう1人の私を呼んでいるのか、分からないわね」

WH「なら、お前と私がいる時は私の事はホワイトと呼べば大丈夫だ。そうすればどっちがお呼びかすぐに区別がつくだろ」

GH「ブランではなく、女神化時の名前で呼ぶようにすれば良いのですわね」

ブラン「貴方はそれでいいの?」

WH「構わねぇよ。もう1人の私」

 

ホワイトは、右手を右脇腹に置いて構えながら、表情は凛々しくも笑顔で言った。

 

PH「あなたとは長い付き合いもあるから、そう呼び慣れるには時間が欲しいわね」

PS「私もかな…」

IH「ブランちゃんが二人いる時は、貴方をホワイトちゃんと呼べばいいのね。分かったわ~ ホワイトちゃん」

 

アイリスハートはホワイトの名を言いながら、迫るように近づく。その状況をホワイトの表情は青ざめへと変わっていく。

 

WH「お、おい なんで近づいてくる」

IH「べっつにー 貴方の反応を久しぶりに見たくてねー」

PH「ぷるるん!」

IH「は~い」

 

プルルートのおふざけを止めさせようと、少し強気で名前を言って、プルルートは大人しく後に下がる。彼女に狙われていたホワイトはほっと安心している。

 

ブラン「は、話には聞いていたけど、これはあまりいい気がしないわね」

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ハネダ山道 深部前広場

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ 100$》

[ネプテューヌ]

 

進み始めてから約50分が経った、11時50分

長く続いていた山道は、もう少しで行き止まりに着く。

 

ネプテューヌ「もう昼にしようよ~お腹空いたぁ~」

ネプギア「私もちょっとお腹空いたかな」

 

長時間女神姿でいるのは正直疲れるからちょっと前に、女神化を解いていました!後々の事を考えて、体力を残しておかないとね!

 

ノワール「あなたは相変わらず子供ね~ ピーシェを見習いなさいよ。まあでも私もお腹は空いたわね」

ピーシェ「もう少しで昼の時間帯だからね、一旦昼にした方がいいね」

ユニ「そうですね。モンスターが未だに見当たらないのが気になるけど、この間はゆっくり休められるチャンスね」

ベール「でしたら、リーンボックス流のサンドイッチをお召し上がり下さい」

 

ベールはどこから出したのか、背後に手を回して、一回り大きなバスケットを取り出す。

ゲームで良くある事だよね!カバンとか持ってないのにアイテムをいっぱい持ってるとか、ゲームの常識!

え?今ゲームじゃない?

 

ネプギア「あ、実は私達も用意してきたんです。アダスオラさん お願い出来ますか?」

アダスオラ「あぁ」

 

実は私達も用意したんだよね~

ネプギアとブランの手料理がいっぱい!

それでアダっちゃんに頼んで、持ち運びを次元を利用して持ってきたんだ~!

あれだよ!丸くて青い猫のなんとかポケットみたいな!

 

アダスオラは何も無い所に次元の間を作り腕を入れると、そこから事前に調理した料理が入ってる大きな鍋、食器とテーブルなど次々に出して、全員分の昼食が出そろう。

 

ノワール「ど、どこから出したのよ。こんないっぱい」

アダスオラ「俺専用の次元置き場からだ」

ベール「す、凄いですわね」

ユニ「後は広い場所にシートを広げて、セットするだけね」

 

早速昼食のセットに取り掛かる。ジントとアダスオラはシートを広げ、私とネプギアとブランは食器を並べて、ユニとピーシェはスプーンや箸などを並べる。ノワールとベールは料理の盛り付け、ホワイトとプルルートは飲み物を紙コップに注ぐ。準備が完了して、それぞれ好きな所に座る。

 

ネプテューヌ「そして準備完了!」

プルルート「わ~い!ピクニックだ~」

ノワール「調査付きだけれど、こんなピクニックは初めてね」

ジント「早く食べようぜ」

ネプテューヌ「それじゃあ早速!せーの!」

 

「「いただきまーす!」」

アダスオラ「………」

 

一斉に食べ始める。まずはネプギアとブランが作った料理を食べる。タコウィンナーとオムライスと野菜炒め、コンソメスープの四食!美味しい!そしてリーンボックス流とか言って実はベール本人が作ったサンドイッチも美味しい!ナスがないこの料理達は、腹いっぱい食べられるね!

 

ジント「美味いな!オムライスも綺麗な形だし、食欲が増してくるよ!」

ネプテューヌ「さすがネプギアとブラン!いいお嫁さんになるんじゃないかな?」

 

美味しい料理の事で全員から感想の言葉を浴びるネプギアとブラン、そして私は凄く大袈裟な感想を言ってみたり!

 

ブラン「それは大袈裟よネプテューヌ」

ネプギア「えへへ…そうかな?」

ユニ「どれも美味しい。ベールさんが作ったサンドイッチも美味しい」

ベール「ユニちゃん……嗚呼ユニちゃん!」

 

ユニちゃんの感想がベールにストライクしたのか、ユニちゃんに抱きつく。その様子はとても愛らしい、よし私もやらなきゃ!

 

ネプテューヌ「ネプギア!料理がもっと上手になったね~よしよし」

 

私もベールのように、ネプギアに抱きついて頭を撫でる。

お姉ちゃんに撫でられているネプギアは照れ顔でおっとりしている。

 

ネプギア「お姉ちゃん、えへへ~」

ブラン「私には何もないのかしら。残念ね」

 

ブランは褒めてもらえない事に残念そうにしていた。私もブランを抱いてあげたいけどネプギア一人で満席なんだよね~

……って、え?

その時だった

 

ブラン「…………っ?」

 

自分の頭に誰かの手が乗って、優しく撫でている。

正体を確かめるべく、後ろを振り向くと以外な人物が立っていた。

 

ブラン「アダスオラ?」

アダスオラ「………………」

 

ブランの頭を撫でていたのはあの無愛想なアダっちゃんだった。片膝が足に付くように座り、ブランを見ながら撫でている。その距離が近いのかブランは少し顔を赤くする。

 

ブラン「どうして私の頭を撫でるの?」

アダスオラ「貴様があまりにも残念そうにするからだ。だから変わりに撫でてやっている」

ネプテューヌ「う、嘘!? あのアダっちゃんが……無愛想なアダっちゃんが!」

アダスオラ「黙れ、そしてアダっちゃん呼ぶな」

ノワール「あなた、見た目によらず仲間思いじゃない」

アダスオラ「ふん」

ピーシェ「良かったね ブラン」

ブラン「まあ、ありがとう…アダスオラ」

 

ブランは撫でてくれたアダスオラに笑顔で感謝の言葉を交わす。しかしアダスオラは表情を変えず返事もせず、無言でブランの隣に座った。

 

ホワイト「私自身撫でられていないのに、何故か見てる私も照れて来るわね」

ユニ「べ、ベールさん、自分で食べますから……」

ベール「まあそう仰らずに、一口だけ」

ノワール「ちょっと待ちなさい、それは姉の私が見過ごさないわよベール」

ユニ「え?」

 

ベールはユニにおかずを食べさせようとスプーンを運ぶが、その様子を見たノワールが自分の食器を持ってユニちゃんの近くへ移動する。

 

ノワール「向こうの私はあなたに何してあげてるかは分からないけど、家族である以上 一度くらいおかずを食べさせ合った筈だから、私が直々に食べさせてあげるわ」

 

と言ってノワールは使っていないスプーンでユニちゃんのおかずをよそって口に運ぶ…………

ってあのノワールが!?どういう風の吹き回し!?

 

ノワール「はい あ~ん」

ユニ「ちょ、ちょっと待ってください!」

ベール「そうは行きませんわ。ユニちゃん私のおかずを先に口になさい」

ノワール「邪魔はさせないわよ。これだけは譲れないわ。、ほらユニ 食べなさい」

ジント「み、見てられん、別次元のノワールとはいえちょっと見てられない」

ネプテューヌ「あのノワールが……食べさせようとしている!?」

ネプギア「こんなノワールさん 初めて見た」

アダスオラ「………………」

ブラン「このノワール、向こうのノワールが知ればどう思うのだろう。ネプギア、Nギアで写真撮っておいて」

ネプギア「あ、はい!」

ピーシェ「ふふん 楽しそうだね。ぷるると」

プルルート「こんな日が続くといいのにな~」

 

ユニにとっての修羅場を俺達は見ていて、全員がピクニックと言う名の昼食の様子をNギアで写真を撮るネプギア。その中二人のんびり食べているピー子とぷるるんはベールとノワールの様子を見て微笑んでいた。

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ハネダ山道 最深部

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Rough Flash》

[ジント]

 

昼食が食べ終わって片付けた後、調査を再開したが、すぐにハネダ山道の奥に着いた。場は少し広い所の前まで来たが左側は変わらず山脈が見えて右は岩壁、でもさっきまで見えていた森林はさっきより近くなってるのが分かる。

 

ネプテューヌ「ここまでは私が知ってる道だね。ちょうど行き止まりだよ」

ノワール「後はここから森林まで飛んで行くしかないわね」

ネプギア「ん?ちょっと待ってください、行き止まりの所に誰かいます」

プルルート「だれ~?」

 

行き止まりに一人の女性が立っている。後ろに向いてるせいで正面の姿は見えないが、後ろ姿だけ分かる事は髪色が銀髪のロングヘアーと服装が何となく女神化のバトルスーツにも見えるだけ確認出来る。誰だ?

 

ホワイト「後ろ姿がキセイジョウ・レイに見えるけど違うみたいね」

ベール「誰だか知りませんが、この場を離れさせた方が良いのでは?」

ノワール「そうね……そこの銀髪の女性!何をしているの?」

???「ん?」

 

ノワールの呼び掛けに振り向いた銀髪の女性。

表情は無表情だが、目は黒く目線が凛々しい。

 

ネプテューヌ「そこのキミ ここは危険だから大人しく帰った方が……」

???「お前は……ネプテューヌ?」

 

ネプテューヌが銀髪の女性に、ハネダ山道を離れるように言った時だった。ネプテューヌの姿を見た銀髪の女性は、少し目を見開き、知ってるような口振りをする。

 

ネプテューヌ「え?私を知っているの?」

ジント「知り合いなのか?」

ネプテューヌ「いや……私は知らないけど……」

アダスオラ「…………」

???「私が知るネプテューヌでは無いみたいだな。まあいい、気まぐれだが名を教えてやる」

 

銀髪の女性は、自分の名前を言った時だった。

 

俺とアダスオラ以外の全員が声を上げて驚いた。その声はハネダ山道全体が響くくらいに

 

ネプテューヌ「え?…………えぇぇぇー!?」

ネプギア「マジェコンヌさん!?」

ユニ「……っ!」

 

名前を来たみんなは即座に自分の武器を出して構えた

 

ジント「おい!みんな これはどういう事なんだ どうして武器を……」

ネプテューヌ「だってマザコングと言えば私達、いや、特に私は因縁の敵なんだよ!」

マジェコンヌ「その不愉快な呼び名が気になるからやめろ」

ネプギア「ジントさん、アダスオラさん この方は以前、犯罪神として世界を轟かせた敵です!気を付けて下さい」

 

全員が武器を構えていたが唯一武器を構えなかったアダスオラが呼び掛ける。

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ One Two Three》

マジェコンヌ「私に剣を向けるか、いいだろう。少し遊んでやる」

 

そう言ったマジェコンヌは右手に両刃剣を出現させ、手に持って構えた。

 

ノワール「少し遊んでやる?甘く見られたものね、この数を相手に適うとでも?」

マジェコンヌ「無駄な話をするな、私と戦えたければ集中しろ。さもないと……首が地に落ちるぞ?」

 

その時だった、その場に立っていたマジェコンヌは横にスライドするように消えたかと思ったらノワールの前に現れ、両刃剣の剣先がノワールの首に接触する寸前で止まっている。

 

ノワール「……っ!?」

 

ノワールはすぐに切り返すが、剣を振る前には有効射程から外れてた。

 

ベール「はぁー!」

ホワイト「……いや!」

 

ノワールの切り返す後、ホワイトのハンマーとベールの槍で攻撃を仕掛け、マジェコンヌに暇を与えない。しかしその攻撃は横に持ち替えた両刃剣の刃で防がれた、受け止めた衝撃で場の空気が圧力となし、砂埃が広がる。

 

ネプテューヌ「隙ありぃ!」

ネプギア「隙ありです!」

 

ネプテューヌは正面、ネプギアは背後からマジェコンヌに攻撃を仕掛けた。右手は両刃剣で塞がれて、下手に動けないところを2人の剣が迫る。しかし……

 

マジェコンヌ「甘い!」

ホワイト「っく!」

ベール「あ!」

ネプテューヌ「う、嘘!?」

ネプギア「そんな!?」

 

両刃剣でホワイトとベールを薙ぎ払うように強引に退けさせ、正面から来るネプテューヌの刀は左手の素手で受け止め、背後から来るネプギアのビームサーベルは両刃剣の刃で受け止められた。

 

マジェコンヌ「隙ありとは、こういう事だ!」

ネプテューヌ「ネプ!?」

 

素手受け止めたネプテューヌの刀は、マジェコンヌに強引に引っ張られた。刀を離さなかったネプテューヌはその勢い引っ張られ、バランスを崩してしまい、マジェコンヌの前から行き止まりの岩壁へ転がっていくように転んでいく。そしてネプギアはマジェコンヌに空中に浮かせられるようにビームサーベル事切り上げられる。マジェコンヌは切り上げたネプギアに向けて飛び、左手で喉元を掴み、ノワールの方へ投げ飛ばす。

ノワールは自分へ向けて投げ飛ばされたネプギアを受け止めたが、勢いがあり過ぎて受け止めきれずネプギアに押し倒される。

 

ノワール「うっ……大丈夫?」

ネプギア「大丈夫です……ありがとうございます」

ネプテューヌ「イッタタ……まだまだ!」

ユニ「当たって!」

ブラン「はぁぁ!」

 

ユニは銃のエネルギー弾をマジェコンヌに向けて発砲し、ブランも接近戦に持ち込み、ネプテューヌ達も再び攻撃を仕掛け、マジェコンヌ1人に剣舞を起こす。

俺とアダスオラとプルルートはその様子をじっと見ていた。俺も火線しようと動いたがアダスオラに止められ、見ていろと言われた。

 

ジント「アダスオラ、あいつはネプテューヌ達が言っていた犯罪神なんだぞ?」

プルルート「でも~ 私には何となく大丈夫だと思うんだ~ 」

アダスオラ「大丈夫だ、怪我はしない。あの女の動きを見ろ」

ジント「はぁ?」

 

言われた通り、マジェコンヌの戦いっぷりを見てみた。すると、殺傷能力があるネプテューヌ達の攻撃を交わしたり受け止めたりと繰り返すが、よく見ると反撃をしていないのが分かった。

 

ジント「どうしてだ?何であいつは反撃しない?」

アダスオラ「もうそろいいだろう…… マジェコンヌ、遊びはそこまでしろ」

 

アダスオラはマジェコンヌに、遊びを止めさせるように呼びかけた。するとマジェコンヌは動きを止め、戦闘していたネプテューヌ達も手を休める。

 

マジェコンヌ「なんだ、もう終わりにしないといけないのか?」

ネプテューヌ「はぁはぁ……ちょっと!なんでマザコングがこんなに強いの!?」

ノワール「全く攻撃が……通らない……」

ネプギア「つ、強すぎます……」

ホワイト「く……」

マジェコンヌ「遊びはここまで出そうだ 武器をしまえ」

 

するとマジェコンヌは構えていた両刃剣をしまい、戦闘形態を解除し、アダスオラへ顔を向ける。

ベール「マジェコンヌ、なんのつもりですの?」

マジェコンヌ「アダスオラ、いい加減説明してやれ」

アダスオラ「…………」

ジント「おい、知り合いなのか?」

アダスオラ「説明してやる、よく聞け」

 

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《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

[ジント]

 

アダスオラはこのマジェコンヌは一体何者なのかを説明した。全員は武器をしまい納得もさせた。

 

ノワール「じゃあ、あなたは敵じゃないって事なの?本当に?」

マジェコンヌ「そうだ」

ネプテューヌ「じゃああなたは、ジントやアダスオラにとっての秘書で、教会の教祖みたいな人なの?」

マジェコンヌ「説明通りだ」

ユニ「じゃ、じゃあジントさんやアダスオラさんの妹の存在も!」

マジェコンヌ「あぁ、知ってる。接触はあったようだな」

 

アダスオラの説明にあった通りで、このマジェコンヌはネプテューヌで言う、イストワールのような存在。そして妹の事も知っていた。だがどうして妹達が敵になって現れたのか、離ればなれになったのかまでは知らないらしく、俺やアルブムとサクラ程ではないが、記憶がない部分があるが一つ大事な事を知ることが出来た。

 

ジント「神次元や超次元とは違う次元の存在なのか?お前と俺とアダスオラとその妹達は……」

マジェコンヌ「そうだ、だが次元の名は残念ながら覚えてはいない。気付いたらこの次元に流れていたのだ」

ネプギア「あの、すみません。マジェコンヌさん 早とちりしてしまって……」

 

マジェコンヌに武器を向けた全員が謝る。ネプテューヌ達が知るマジェコンヌは犯罪神その物で、災いをもたらした敵だと知っていれば、誰もが武器を構えるだろう

 

ネプテューヌ「ごめんね、マザコング…今まで私達、マザコングと戦ってきたからつい」

マジェコンヌ「…………。む、無理もない、それは仕方ない事だ。許す」

 

ネプテューヌが何故毎回マザコングと呼んでいるのか知らないが、マジェコンヌは気にせずあえてスルーする。

 

ノワール「それで、あなたはどうしてここにいるの?」

 

早速ノワールはマジェコンヌに、何故ここにいるのかを聞きに動く。ベールやホワイトも同じように聞く。

 

マジェコンヌ「あの森林から何か変な感じが伝わってくるのでな 頼りになれる奴がいなかったから1人で向かう気で居たのだ」

ジント「そうだったのか」

ネプテューヌ「なら一緒に行く?私達もあの森林に行くんだ!」

マジェコンヌ「連れてってもらいたいところだが、はやりお前達に譲ろうと思う」

ネプテューヌ「え!?一緒に来ないの?」

 

ネプテューヌはマジェコンヌを森林へ連れていこうと提案したが、マジェコンヌはそれを拒否した。1人で行く気だったマジェコンヌは何故俺達と行く事に拒否したのか

 

ベール「それはどうしてですの?私達と行けば安全ですのよ?」

マジェコンヌ「何故ならジント、アダスオラ お前達がいるからだ。だから任せようと思うと言っている 時空進化出来るようになっているのだろう?」

ジント「よく分かったな」

アダスオラ「ふん……」

プルルート「じゃあ~ マジェコンヌさんはどうするの~?」

マジェコンヌ「私はここで待つ、お前達は森林へ行ってこい」

 

付いて行かないと言ったマジェコンヌは、その場待つと言って俺達を森林へ行くように指示する。

 

ノワール「分かったわ、今の所 野生のモンスターは見当たらないし、しばらく安全だろうと思うからそこで待ってなさい」

マジェコンヌ「分かった、それと一つ言い忘れていた。この地のモンスターの事だが」

ネプテューヌ「何かわかる事があるの?」

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Rough Flash》

マジェコンヌ「少し前、この山脈の山道に、あの森林へ向かう4匹のフェンリルを見かけた、仮設だがあの森林にこの地のモンスターが集まてるかもしれん、気をつけろ」

プルルート「え~!」

ネプテューヌ「嘘!じゃああの森林は今モンスターでいっぱいって事は……」

ブラン「戦闘は免れそうに無いわね」

ホワイト「森林の調査に入る前に準備運動して置いた方がいいかも知らないわね」

ジント「なるほど、腕かなるぜ」

ネプテューヌ「教えてくれてありがとう!それじゃあ行ってくるね!」

マジェコンヌ「頼んだぞ、お前達」

 

ジントとアダスオラは時空進化し、女神化出来る者は全員女神化する。ユニはジントに捕まり、ブランはアダスオラに捕まる体制になり、森林に向けて空を飛んでいく。




ハネダ山道の山深部へ向かうべく、森林へ向かう進むジント達。そしてハネダ山道の行き止まりまで来た所にネプテューヌにとって因縁の存在マジェコンヌと鉢合わせし戦闘を繰り広げたが、そのマジェコンヌはネプテューヌが知る犯罪神マジェコンヌではなく、ジントやアダスオラの秘書だった事をアダスオラに教えられ、誤解だった事を知る。そしてついに森林へ向かうが、マジェコンヌの心当たりで、ハネダ山道に生息している筈のモンスターが集結している事を仮設として知る事に。
そして森林に到着したジント達だが、あまりにも広いので二手に分かれて進むが、そこに待ち構えるのは景色は、マジェコンヌの仮設が見事当たっていた。

次回
Episode07 ハネダ大樹林


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Episode07 ハネダ大樹林

今回は短いです

そして今日から新たな小説を投稿します。
詳しくは活動記録へ


ハネダ山道の森林

 

《東京ザナドゥ Hazy Moon》

 

[ノワール]

 

私達が目指す森林の入口と思われるとこへ足を踏み入れた。遠くから見ていた時とは違い、予想を超えた広さをしている。まるでこの森林が国のように思えてくるわね。

空から軽く確認したところ、とにかく広いから手分けして探索に入る。メンバーはジントとアダスオラを分けるようにしている。

何故なら時空進化とか言う物は、見る限り強力だから。あの時、私達がアンチクリスマスの結界に捕まっていた時私はハッキリ見た。ネプテューヌとネプギアはあの時以上に力を付けていたのは凄い。でもそれ以上に凄いと思うのはジントとアダスオラの力が凄かった。その力を見込んで主力を分けた。

 

そして私はアダスオラが居るメンバーに入っている。

 

ノワール「深い森ね」

ベール「そうですわね」

ブラン「あなたはこの森林に立ち入った事はないの?位置的にはあなたが守護するエディンに近いと思うけど」

ピーシェ「うんうん、私も入った事はないかな」

 

ピーシェは顔を横に振りながら話した。確かに位置からすると一番近いのはエディン。でも彼女も入った事ないとすれば完全に未知ね。やはり調べておくべきだったわ。

チームメンバーは私を入れてベール、ブラン、ピーシェ、そしてアダスオラの5人。

進んでいる方向は入口から右方面。ジント達は私達とは逆方面へ探索している。

探索に入ってからアダスオラは一度も口を開けていない。話し掛けても返事はしてこない。必要な事しか話さないのね。

 

ピーシェ「太陽もちょっと見えなくなってきたな〜」

 

森林の探索に入った時の時間帯は約二時過ぎ、深い森林もあって日差しが悪い。早いうちに探索を終わらせる必要があるわね。

私は少し足を早く動かし、先に進もうとすると

 

アダスオラ「あまり早く行くな。集団行動を維持しろ。はぐれてしまえば探すのに手間がかかる」

ノワール「あ......ご、ごめん」

 

私の先走りそうになった行動をアダスオラが注意した。万が一はぐれてしまえば探索と同時に探すのに時間がかかり日が落ちていく。私は素直に謝り、みんなのペースに合わせる。

 

ブラン「見てあれ、道じゃないかしら」

ノワール「行ってみましょ」

 

ブランが指を指してみんなに伝える。指先の方向を追うと、そこには神殿の床の様な道が見える。その道は所々隙間があるが、それは古びているからだと思う。

私達は早速のその道へ向かう。そして険しい道から抜け出し、まともな道に足を踏み入れた。

 

ピーシェ「はー 道が設備されていないのってやっぱり不便だね」

ベール「それにしてもこの道、どこかに続いる様ですわ」

 

石の道は真っ直ぐと奥に十字の分かれ道が見える。でもさっきから疑問に感じている事がある。

 

ブラン「あの道の先も気になるけれど、まず野生のモンスターが居ないのが何より気味が悪いわ」

 

そう、見かけないのだ。ハネダ山道に入ってから今まで。私はこんな経験は初めてだわ。どこかをぶらぶら歩いていればまずスライヌくらいは出会う筈、でもそれすらあっていない。更には虫の鳴き声さえも耳にしていないとなればいくら平和とはいえこれは気味が悪い。

 

ノワール「とりあえず進んでみましょ」

 

まずは石の道を進む。前へと進んでいく。風で木の先端がふらふらと動く音と地面を歩いていく音だけが響く。

 

そして十字の分かれ道の中央に着く。

 

ピーシェ「どっち進む?」

ノワール「こういう場合直感が頼りね」

 

私は目をつぶった。視界は真っ暗になり自分だけが映る。そして私は選んだ。

 

ノワール「真っ直ぐよ」

ブラン「その理由は?」

ノワール「なんとなく」

ピーシェ「迷ってても仕方ないしね。 早速進も」

 

私達は前進する。特に何も変わらない石の道を歩む。しかし実はもう既にある所へ侵入してるとも知らずに

 

アダスオラ「………………」

 

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[ユニ]

 

アタシはアダスオラ達の逆方向を探索していた。しばらく進んだ先に居るのだけれど、今は目の前の草原になっている景色の状況で木の裏に隠れてじっと様子を見る。何故なら.........

 

PH「ハネダ全体のモンスターが集まってるなんてね」

ネプギア「気付かれたやばいね」

 

その数はまるであの時に襲撃してきた危険種と同じくらいの数、小型が多いけど危険種みたいな大型もいる。見つかったらまずタダじゃすまない。

アタシ達は念の為武器を手に持って、いつでも戦闘に対応出来る姿勢になっている。ネプテューヌさんとホワイトさんは女神化して、私とネプギアとジントは通常の姿でいる。

 

ジント「見つかったらまずそうだな。忍び足で向こうに回り込むぞ」

 

ジントは小声で伝える。

女神化した2人は木に当たらないようにプロセッサユニットを解除して、全員しゃがみながら回り込む。

 

私達が回り込む先は恐ろしい数のモンスターがいる一番奥。特に理由はなくそこへ向かう。これを提案したのはネプテューヌさん。守りが分厚い所には何かある。アタシもそう思えた。

その時だった。

 

ユニ「……っ!?」

 

急に鼻が痒くなってきてしまい、クシャミしそうになってしまう。このままではバレてしまう。アタシは必死で耐える。

 

ユニ「はぁ……はあ……」

ジント「耐えろ!ユニ」

 

ジントはアタシにそう言った途端武器を構えた。クシャミしてしまえばバレてしまうかも知らない。してしまった場合の対応に……

 

ネプギア「ハックシュン!」

 

不意打ちが起きた。クシャミをしてしまったのはネプギアだった。アタシは耐えられたけど、このままではまずい。

 

モンスターの群れが一斉にアタシ達がいる方へ向いた。

 

ユニ「ひぃ!」

アタシはその迫力につい悲鳴を上げてしまい、モンスターの群れは一斉に確信したのか襲いに掛かってきた。

 

《BLEACH Treachery》

 

WH「ちぃ!」

ジント「ネプギア!ユニを連れて空に飛べ!」

ネプギア「わ、分かりました。ユニちゃん 捕まって!」

ユニ「わ、分かったわ」

 

アタシはジントに言われた通りに動く。女神化したネプギアに捕まって空を飛ぶ。幸い空中を浮くモンスターが居ない。空に飛んでいれば安全なのが分かった。

ジント達はモンスター達の応戦に入る。

 

PS「ユニちゃんはこれに乗って。カモン!スカイフライヤー!」

 

何かを呼んだ途端、プラネテューヌ方面から小さい光が見えて高速でこちらにやって来るのが分かる。

 

ユニ「な、何よあれ」

PS「私が神次元にいる時に開発した支援機だよ。趣味で作ったんだけど、こんな時に使えるなんてね」

 

高速でやって来たスカイフライヤーはあっという間に着いた。アタシの足に着くようにそこに止まっている。ネプギアに捕まっていたアタシは降りて、スカイフライヤーに乗る。

 

ユニ「これどうやって操作するのよ」

PS「ユニの思うように動くよ。前進したい時は前進するし止まりたい時は止まるから」

ユニ「ようは一心同体ね。援護するわよ!」

PS「うん!」

 

一方のジント達はモンスターの群れを次々と倒していっている。余裕に見えるが、モンスターの数が多い。空にいる私とネプギアは群れの全体が確認出来る。

 

PH「大した事無いとはいえ数が多いわね」

WH「まるで無双ゲームだな、おい」

ジント「数は多いが、ユニとネプギアが援護に入る。俺も少し派手に動くか」

 

アタシはジント達から離れているモンスターを射撃して倒していた。するとジントの方から緋色の光が輝いてるのを気付く。

 

ユニ「派手に動いちゃって!ジント!」

ジント「任せとけ!」

WH「行くぞおら!」

PH「切り刻む!」

 

一つに固まっていたジント達は一斉に散開し、無双ゲームのように兵をなぎ倒しまくっている。特に勢いがあるジントのスカーレットフォトンはまるで嵐のようだ。

 

アタシはスカイフライヤーを操作しながら地上のモンスターを狙撃する。そしてネプギアも狙撃する。

 

ジント達の攻撃とアタシ達の狙撃で倒されていく群れは徐々に数が減っているのが分かる。モンスターの群れで埋まっていた草原はだんだん見えてくる。そして残り1体だけとなったが、その1体はモンスターの群れとは違って人形だ。しかし何もしないままその場を去り、さらに奥森林へと姿を消した。

そして群れで埋まった草原は風の音と虫の鳴き声だけが鳴り響く自然の空間になった。

アタシは地上に降りる。ネプギアから借りたスカイフライヤーは急に光だし、小型に変化してアタシの手の平に乗った。全員の戦闘体制が解除されて、次第に状況が落ち着いていく。

 

ユニ「ネプギア、スカイフライヤーを貸してくれてありがと。助かったわ」

ネプギア「それなんだけど、あれはもうユニちゃんの支援機だからね。私が言ってたようにユニも言うと、どこからでも現れるから大事に扱ってね」

 

小型に変化したスカイフライヤーを手渡しで返そうとしたけれど、ネプギアはそっとアタシに返した。なんか相棒って感じでウキウキするわね。

 

ジント「っと、さっきの人影、あからさまに怪しいよな?」

ネプテューヌ「追ってみよ!もしかしたら【扉】について何か知ってるかも知らない!」

ホワイト「それじゃあ追いかけようぜ。もちろん固まって行きながらね」

ユニ「はい!」

ネプギア「うん!」

ジント「行くぞ!」

 

ジントを先頭にアタシ達は奥へと姿を消した人影を追う。それがアタシにとって重要人物だと知らずに………

 

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プラネタワー 庭

 

[サクラ]

 

サクラ「あなたは……誰なの」

 

アタシとアルブムはプラネタワーの庭に居る。そしてコンパさんとアイエフさんは寝かされている。今目の前に立っている茶色のマットを纏ったネプテューヌさんに似ているその人が犯人なのだ。

 

クロテューヌ「私の事はクロテューヌって呼んでね。お2人さん」

アルブム「き、君は......な、何しにここに...」

クロテューヌ「あぁーそんなに怯えないでよ。私はただ伝えたい事があるんだ。一応半分味方だからね。でも記憶喪失みたいだねー」

 

アルブムは怖がっている。それは無理もないと思う。彼女の目はまるで悪魔。そんな目で睨まれたら、蛇に睨まれたら蛙のようになる。でもまず気になるのは、何故アタシ達が記憶喪失だって事を知ってるのかが気になった。

 

サクラ「どうしてアタシとアルブムは記憶喪失だって事を知ってるの?半分味方ってどういう意味よ」

クロテューヌ「何でかって?それは後々分かるよ」

アルブム「.......っ!?」

 

アタシとアルブム、そしてクロテューヌが居る空間が何秒か止まったような感じがした。空気の流れが止まったのか、そんな感じがした。その時クロテューヌが右腕を差し出した。

 

クロテューヌ「このままだと彼らが危ないよ。ジントとアダスオラは平気だけどね」

サクラ「え?」

アルブム「そ、それはどういう......」

クロテューヌ「そのままの意味だよ。だから君達の記憶の一部を復活させてあげる」

 

その瞬間、場が一気に黒く染まった。周りの風景は真っ暗。アルブムとクロテューヌだけが見える。その時だった。とっさにアルブムに振り向くと、彼の表情は何かに気づいたかのように目を見開いている。

 

サクラ「アルブ.........っ!?」

 

アタシの頭の中に何かが流れてくる。これは何?なんなの?

 

クロテューヌ「急いだ方がいいよ。それじゃあ私は向こうの次元に戻る。また会いに行くね。今度はお兄さん目当てに......... それじゃあね二人とも」

 

そう言った彼女は、黒いオーラのような物を纏い包まれて、消えた。その途端周りの風景は元の庭に戻った。

 

アルブム「サクラさん.........」

サクラ「行こう。このままじゃあ危ないわ。早く行かないと......」

 

早く行かないと、下手したらまた繰り返されてしまう。クロテューヌから頭に直接教えてきた事が本当だとすれば.........

 

 

 

ユニさんとネプギアさんが危ない!!

 




ジントの妹「クロテューヌ」の謎の知らせでサクラとアルブムは大急ぎでジント達の後を追った。

一方モンスターの群れを倒したジント達はその後、それらを率いていたらしい人物を見つけるが森林の奥へと姿を消した。その後を追うジント達。

そしてアダスオラ達は、道先に出てきた古びた石道を進む。場は歩く音と風だけが鳴り響く。その理由は普通ではない場所を歩いているからであった。

次回

Episode08 森林の迷路


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Episode08 森林の迷路

ハネダ山道の森林 ???

 

[ブラン]

 

ノワール「ちょっと!さっきから同じ道を歩いてる気がするわよ!」

 

完全に迷った。石道をひたすら歩いてたらどっちが北側は南側か分からない位に。どれだけ進んでもX文字に分かれた石道が現れる。

 

ピーシェ「もしかして迷路だったりして?」

ブラン「あり得るわね」

 

それを納得させる物がある。それは、周りに漂っている深い霧。それが迷路だと納得させる。

 

《東京ザナドゥ Hazy Moon》

ノワール「もー!何とかならないの?」

 

ノワールは腹が立っている。神次元のノワールは怒りっぽい性格なのかしら?

 

アダスオラ「あまり喚くな。耳障りだぞ小娘」

ノワール「なぁ!?」

ブラン「アダスオラ、何か方法はないかしら」

アダスオラ「あるにはある。だが危険を伴う」

ピーシェ「危険に伴うって?」

ノワール「や、やってみなさいよ!見せ貰おうかしら!」

 

ノワールは顔を真っ赤にしながら、いかにも耳から煙が出そうな位に怒っていた。アダスオラの性格は本当に冷たいから分からなくは無いわね。

 

アダスオラ「良いだろう。ならその場で伏せていろ」

 

私とピーシェは素直に従ったがノワールは従わなかった。アダスオラは蒼い粒子を纏って、パーティカルジェネシスへ時空進化する。そして右手の平を開いて前に突き出す。その途端、蒼い粒子の玉が圧縮し始める。

 

ノワール「............っ!」

アダスオラ「フォトンバースト!」

 

ノワールはアダスオラのフォトンバーストが放たれる瞬間に伏せた。フォトンバーストは前方へ飛ぶ。すると何も無い所に着弾し、蒼い爆発が起きる。その衝撃で激しい衝撃波が返ってくる。

 

ブラン「う......く!」

ピーシェ「っう!?」

ノワール「きゃ!」

 

自分の顔を腕で隠すように、目をつぶって衝撃に耐える。衝撃波が次第に止み、腕を下ろして目を開けると、信じられない光景を目にした。

 

ブラン「こ、ここはどこなの?」

 

さっきまでの景色とは違う、見知らない花の楽園世界に私達は立っている。場所はさっきの石道とは違い、花園の綺麗な公園に変わっていた。広場の際には坂道の真ん中から流れてる水が、流通している。まるで古代遺跡に良くあるような水のカラクリ。

 

アダスオラ「花園型の【扉】の中だ」

ピーシェ「【扉】ってもしかして」

ノワール「アダスオラ、いつから気付いていたの?って言うかどこが危険に伴うよ、全然そうじゃ.........」

 

ノワールがアダスオラに問いかけようとした時だった。その不意を背後から植物型のモンスターに付かれた。

 

ノワール「あぁ...!?」

 

モンスターがノワールに攻撃しようとした途端、アダスオラがいつの間にか展開したキュアノスライトでモンスターを切り捨てた。時間差が出来て後から切れ目が出始め、血しぶきが飛び散りながらバラバラになった。

 

ノワール「ひぃ!」

ピーシェ「ひゃあ!?」

 

大量の血しぶきは近くに居たノワールの服や肌に飛びつく。バラバラになった光景を見たノワールとピーシェは動揺する。

 

ノワール「あ.........」

 

突然の出来事にノワールは呆気に取られている。

 

ブラン「なるほど。危険に伴うと言うのは、これから現れる【扉】のモンスターが現れるからって訳ね」

アダスオラ「今まで、何故ハネダ山道のモンスターが見かけないのか、これで分かった筈だ。ならばこの先にその理由と元凶がある。小娘、貴様が女神ならこの程度では動揺しないんだろ?」

 

アダスオラは立ち尽くしているノワールに尋ねた。

 

ノワール「……あ、当たり前よ!こ、こんなもんで動揺なんてしないわ!」

 

返事が遅れたが、その様子はとても見苦しい。ノワールの表情は少し青ざめて苦笑いをして、アダスオラの迫力に耐えている。

 

ピーシェ「明らかに動揺してるよこれ」

ブラン「そんなあなたはどうなのかしら?」

ピーシェ「望むところ!ってね」

 

ピーシェは両手をパキパキと鳴らしながらか気合いを見せた。話には聞いていたけれど、肉弾戦には頼りになるわね。

 

アダスオラ「まあいい、危なくなったら助けてやるだけだ。行くぞ」

ノワール「はぁ!?貴方の助けなんて要らないわよ!絶対に!」

 

ノワールはムキになりながらアダスオラに返事をする。あんなノワール、向こうのノワールに似ているとは言えネプテューヌ以外にあんなにムキになる様子を見たのは初めてだわ。

 

ピーシェ「なんかすっかり仲良くなってるね」

ブラン「そのようね。置いてかれるわ。私達も行きましょ」

 

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華月(かげつ)夜園樹(やしんじゅ)

 

[ピーシェ]

 

【扉】の世界を進み始めてから約15分が経過した。それぞれ戦闘状態に満ちている。迷路に思えた道もそれらしい道が現れ、進む度にモンスターも現れる。アダスオラは時空進化、ノワールと私は女神化、そしてブランは普通。鉢合わせする植物型モンスターや虫型モンスターを倒していく。その中でどうしても気になる事がある。

 

ブラン「..................」

 

ブランが悔しそうな表情をしている。ノワールと私は、基本ブランに気を配っているから安心なのは間違いない。でもネプテューヌの話が本当なら、私が知るブランと同じなら、きっと彼女は相当気にしてるんだと思った。

 

 

ピーシェ「ねえ、一旦休まない?」

ノワール「なによ。もう疲れたの?」

ピーシェ「まだ疲れていないけど、ブランの様子が.........」

ブラン「............」

ノワール「ブラン?どうしたの?気分が悪いのかしら」

ブラン「............」

 

ブランは黙りっぱなしだった。何も答えず下を見ている。何となく分かる。きっと助けられっぱなしなのが嫌なんだろう。

 

ノワール「女神化出来ないからとは言え、あなたは向こうでは女神なんでしょ?だったらこれくらい気合いよ」

 

ノワールは、気が沈んだブランの背中を押すように引っ張る。しかしアダスオラは背を向けたまま厳しい言葉を投げ渡す。

 

《BLEACH Soundscape to Ardor》

 

アダスオラ「気が重いならばこの先の戦に立つなブラン」

ブラン「で、でも.........」

アダスオラ「集中出来ないものは死あるのみ。力無き者は大人しく下がっていろ。今のお前は足でまといだ」

ノワール「ちょ、アダスオラ!あなた...」

ピーシェ「待ってノワール。アダスオラ、いくら何で言い過ぎじゃあ......」

アダスオラ「【扉】の中は生易しいものでは無い。いいか?隙は心の弱さから出来る物だ。それがまさに貴様の事だブラン」

ブラン「............」

 

アダスオラは一切振り向かずに言った。それを聞いたブランは何も言い出せず黙り込んでしまい、少し涙を流しているのがわかる。

 

ノワール「アダスオラ、あなた言い過ぎよ。そこまでしておきなさい。ブラン、大丈夫?」

 

ノワールはブランに近づいて様子を伺う。ブランは一切顔を上げないが一目で泣いてるのが分かる。ノワールはポケットからハンカチを取り出してブランに手渡すと、素直に手に取って自分で流した涙を拭く。

こう言う時ねぷてぬならどうするか?私は頭の中で考えた。すぐに思い付いた。やっぱり慰める事だった。今の私だったら、泣かせた相手を倍返しにする。でも今はそんな事より慰める事を選んだ。

 

ピーシェ「大丈夫だよ。女神メモリーがあれば女神化出来るから、それまで我慢しよ。ね?」

ブラン「う......く......」

 

とりあえず今のところ、一旦休憩に入った。私達はすぐそこの小さなスペースの石像前で休憩に入った。見張りはアダスオラが名乗り出ている。ノワールと私は沈んだブランの隣に着く。

花園の自然音が鳴り響く。これで天気が良かったら最高に気持ちいい。でも現実は、夜空の下にモンスターがいる。気を許せられない。

 

ノワール「はぁー……。これでモンスターがいなかった、いい観光地なんだけれどね〜」

 

どうやらノワールも同じ事を考えていたらしい。でもここは【扉】の中、安全地ではない。

 

アダスオラ「俺はある日、ジントと妹2人。もう2人とここに来た事がある」

 

アダスオラは見張りをしながら私達に話しかける。

 

アダスオラ「その時は温もりに包まれていた。ライバルのジントとその妹と俺の妹のアリファ、そしてもう2人、俺達は楽しい時間を過ごした。それだけなら良かった。だが」

ノワール「何か……あったの?」

アダスオラ「そうだ。光の扉と闇の扉が突然現れ、2人を吸収するように連れ去られてしまった。妹と違う、もう2人の人物をな」

ピーシェ「その2人って?」

アダスオラ「それは分からない。俺もジント同様、記憶喪失者だからな」

ノワール「え......じゃああなたも記憶喪失なら、どうやって自分の妹の存在を思い出したの?」

アダスオラ「俺が初めて気付いた時、場は時空洞の空間に落ちていた。その時、何が理由か知らんが急にビジョンが見えた。それが妹の存在、そして俺の力もな」

 

顔を夜空に向けて語りながら拳を握りしめる。

 

ブラン「時空輪亜.........」

 

ブランには心当たりがあるような表情を見せた。そして何かを考えていたらしい。

 

アダスオラ「俺には、何か大事な事を忘れている、そんな気がして仕方ないのだ。そしてその答えをしていそうなのが、俺の妹とジントの妹であるネプテューヌだ」

ノワール「確かそのアリファって言う妹が、私に似てるのよね?」

アダスオラ「その通りだ」

ブラン「ジントの妹……あの黒い目を下にクロテューヌね」

アダスオラ「黒い目?」

 

アダスオラは疑問に思ったのか、言葉が疑問形だった。

 

ブラン「えぇ、忘れもしないわ。女神化した私の一撃を素手で軽く受け止めた。ただならなぬ存在よ」

アダスオラ「小娘、あのクロテューヌが一般の目をしているのではなく、黒い目をしているのか?」

ブラン「そうよ。白い部分が黒くて、悪魔のような目をしているわ」

ピーシェ「え?」

 

私には、ブランの言葉に心当たりがあった。ねぷてぬに似たその人物。悪魔のような目をした人なんて見たことない、でも私はある。あの時ゲーセンの自動販売機の前に現れたあの人……

 

???『………待たせてもごめんね、君』

 

頭の中にビジョンが無理やり映し出された。茜色とピンクのパーカー、近寄り難い雰囲気…………

間違いない、あの人だ。

私は確信した。アダスオラが言っている妹、あの時現れたあの人が、ジントの妹!

 

ノワール「ピーシェ?腕を抱いて震えてるみたいだけど、大丈夫?」

ピーシェ「え?」

 

私が、無意識に腕を抱いて震えていた?どうしてなの?なんで思い出すだけでこんなに神経が震えて.........

 

ピーシェ「あれ?なんで……だろう……」

アダスオラ「おかしい。俺が知るネプテューヌ、いや、クロテューヌは目が一般的だった筈だ」

 

アダスオラはようやく振り向いて、話をキャッチボールを正面から投げ返す。彼の表情は相変わらずマットで見えないが、目は普段より少し見開いてるのが分かる。

 

ブラン「見違えたくても見違えないわ。間違いなく悪魔のようだった」

 

ブランの表情は真剣だった。その真剣さに私は更に身震いする。

 

アダスオラ「では何故だ?何故黒い目を……いや、話はここまでだ。充分休憩出来ただろう?そろそろ先を進むぞ」

ノワール「そうね。ブラン、もう大丈夫かしら?」

ピーシェ「た、立てる?ブラン」

ブラン「えぇ、立てるわ。それより早く進みま……」

 

ブランが立ちがあった時に言葉が途中で止まった。

 

ピーシェ「ぶ、ブラン?」

ブラン「…………」

 

 

ブランの表情が今までにないくらいに険しくなっている。そして痛みがあるのか頭を片手で抑えている。

 

ノワール「ちょ、ちょっとブラン?どうかしたの?」

ブラン「あいつがいる……あの野郎……なんであいつがこの花園にいるんだ!」

 

言葉が荒くなり、急に走り出した。しかしそれを遮るようにアダスオラが立ちはだかる。

ブランは立ちはだかるアダスオラに向けて大声を上げながら怒鳴る。

 

ブラン「そこをどきやがれ!あいつを叩きのめしてや……っ!?」

 

アダスオラはブランの口を強引に閉ざすように、頬を強く叩くように平手打ちする。その衝撃でブランは目を見開き、口を閉ざした。

 

《BLEACH On The Precipice Of Defeat》

 

アダスオラ「何故そこまで言うかは知らん、だかもう忘れたか小娘。お前は頭脳派と見ていたがどうやら見間違いのようだ」

ブラン「.....................」

アダスオラ「女神化出来ない貴様が何を先走った行動をしている?死にに行きたいのか?小娘」

ノワール「ぶ、ブラン.........あなた、どうしたの?」

ピーシェ「ブラン......」

 

ブランは顔半分を手で抑えながら、アダスオラに向き合う。そして自分が気付いた事を話す。

 

ブラン「あいつが……いるんだ。奥に……」

 

私にはブランから何かを感じ取った。因縁と言うかなんとて言うか……私にはよく分からなかった。でもこれだけは何となく分かる。

 

何が起きる……

 

そんな気がした。

 

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ハネダ山道の森林 ???

 

[ネプギア]

 

ジント「っち、見失ったぜ」

PH「流石の森林、もはや探し出すのは得策ではないわ」

PS「うん.........」

 

私達は、さっきの草原の奥に立っていた人形の影を追ったのだけれど、逃げ足が早くて見失ってしまった。

 

ユニ「次あった時は必ず捕まえてやるわ」

WH「あぁ。だが必死に追いかけたせいかここは森林のどこが分からなくなったぞ」

PH「そうね......とりあえず女神化を解除しましょ」

 

そう言って、私たちは女神化から変身を解く。ジントさんもスカーレットフォトンを解き、全員は戦闘態勢から探索態勢に映る。

 

ネプテューヌ「はぁ〜久しぶり過ぎる無双戦だったよ〜。もうクタクタ〜」

ホワイト「相変わらずのギャップの変化、見てるこっちが疑いを持つくらいよ」

ネプギア「でもどうして、ハネダ山道のモンスター達が集まってたんだろう?」

ジント「それは分からないなー。でも、この森林に何かあるのは間違いはない筈だ」

ユニ「うん.........」

ネプギア「うん............」

 

私とユニちゃんは同じように返事をして、同じタイミングにため息をつく。それにしても、何だろう?なんかおかしい気がするのは気のせいかな?

 

ネプギア「あの、ちょっといいかな?」

ネプテューヌ「どうしたの?ネプギア」

ネプギア「上手く言えないけど、そもそもよく分からないけど、なんか引っかかる……気がする」

ユニ「ネプギア、あなたもそう思ってたんだ」

 

ユニちゃんは私が言った途端、少し驚いた表情をして言った。ユニちゃんも私と、良く分からない何かに引っかかっていた。何かに引っかかるような感じがしたのは、人形の影を追う時に覚えた。なんて言えばいいのか分からない、ただ本当に分からない。でも引っかかる。

 

ジント「どうしたんだ? 二人共難しい顔してよ」

ホワイト「何が引っかかるの?」

ユニ「それが分からないんです。ただ、無意識に頭の中がスッキリしないと言うか.........」

ネプテューヌ「ん〜」

 

みんなは何も気づいてはいなかった…………

 

誰もが気付かない、そしてネプギアとユニは少しずつ、芽生えるように気づき始める。そもそも森林の探索に入る前からがおかしい。何か引っかかる…………引っかかる…………引っかかる?

でもなんで影を見た時に?なんで見たら引っかかるようになったの?

 

 

ハネダ山道の森林 ???

 

 

 

???「もう少しで来るのか………」

AH「……うっ…く……」

 

アイリスハートに女神化していたプルルートは、森林の地にうつ伏せに倒れている。そしてすぐそこに、禍々しいオーラを纏った闇の女神がプルルートの頭を踏み付けて誰かを待っていた。

 

 

 

なんで?なんでみんなは気付かないの?だって…………でも…………

 

 

心の中で、無意識にある事を呟いた。

 

 

 

 

一体いつから…………どんなタイミングに…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネプギア&ユニ『いつから……プルルートさんがいなくなったの?』




アダスオラ達は、いつの間に【扉】の世界に侵入していた。その場所アダスオラの記憶の思い出の一つだったが、ブランが険しい顔で、奥にあいつがいる事を訴えた。

そしてジント達は、謎の人形の影を追ったが見失ってしまう。しかしそれをきっかけにネプギアとユニが何か違和感を持ち始め、そしてすぐに気付いた。
プルルートはいつから居なくなってしまったのか?そして何故プルルートが闇の女神に倒されていたのか?その闇の女神とは、ネプテューヌとネプギアとユニとブラン、そしてジントにとって二度目の再会になってしまう。

一方、サクラとアルブムは急いで彼等の合流しに向かっていた。

次回
Episode09 月下の森禍(しんか)


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Episode09 月下の森禍

ハネダ山道 最深部

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 : Sa Ku Ra ~In Full Bloom~》

 

[アルブム]

 

アルブム「あの大きな森の中に、ネプテューヌさん達がいるんだよね?」

サクラ「多分……そうだと……思うわ……って言うか息切れしていないの?」

 

サクラは上半身前に倒して、両手を膝に付いて息を整えている状態でたずねた。

 

アルブム「え?してないけど」

 

僕は即答に答えた。

 

サクラ「アンタの体……どんな構造になってるのよ……はぁ…はぁ……。プラネタワーからここまで全力疾走だったのに……」

 

確かにプラネテューヌからここまで走ってきたけど、気づいたら僕は息が整ったまんまだった。

 

プラネタワーの庭で僕達の前に急に現れたクロテューヌにある事を教えられ、ここまで止まらず走ってきた。教えられた事は断片的だけど、分かるのはネプギアさんとユニさんが危ない事。僕は昨日2人と一緒に話をして仲良くなった友達、だから僕なりに人一倍心配だった。その気持ちが強いせいであまり疲れていないのからなのかな?

 

アルブム「多分、体より気持ちのが強いからだと思うかな?」

サクラ「何よそれ……。まあそれは置いておいて、ここから向こうまでどう行く?」

 

僕達がいるのはハネダ山道の最深部、つまり続く道がない行き止まり。あの森に続く道はこの場にはない。

 

僕はしばらく場を見渡す。正面と右は壁、左は崖。崖下を見渡すと、かなりの高さがある。一番下の地を見ると、遠くに続く道が存在した。その小さな道を目で辿っていくと、大きな森に続いているのが分かった。

 

アルブム「サクラさん、あの道なら森に続いてるかも」

サクラ「どれどれ?」

 

アルブムに言われて崖下を覗く。

 

サクラ「わ、私達はかなりの高さの位置にいるんだねー。ここまで走ってきたけれど、あの道に続く道は無かったわ」

 

崖下を覗いたサクラは本のちょっと動揺した。

ここまで来て、あの道続くような道は無かった。多分その道はまた別の入口だろう。

 

アルブム「そうなんだけど、あの道を進まないと行けれないと思うんだ」

サクラ「ほかの道はないなら、ここを直接降りていくしかないわね」

アルブム「うん。…………え?」

 

気のせいかな?直接降りていくって聞こえたような.........

サクラさんから有り得ない言葉を聞いた僕は、表情が固まる。

 

サクラ「どうしたのよ?ボケっとした顔して」

アルブム「い、いやだって、ど、どうやって降りていくの?」

サクラ「ほらあるでしょ?アクション系でさ、壁を走って上り下りするとか」

アルブム「現実を見てよ」

サクラ「さあ〜私の手に捕まって」

 

そう言ったサクラは、僕の返事を聞かずに手をギュッと掴む。

 

アルブム「ちょちょちょ、待ってよ!いくら何でも……」

サクラ「行っくわよ……」

 

僕の体内からかな?なんかミサイルを発射するカウントダウンが始まったような心拍の反動が伝わる……

 

3…………2…………1

 

アルブム「ま、待っ……」

サクラ「はぁ!」

 

サクラは崖をうつ伏せに落ちていくように勢いよく飛び降りた。手をがっしりと掴まれた僕は、サクラの勢いに乗せられて、頭から落下する形になった。

 

アルブム「うわぁぁぁ!」

サクラ「あはは!ちゃんと捕まっていてね!」

アルブム「捕まるも何もサクラさんが痛いぐらいに僕の手を掴んでる!」

サクラ「さあ走るよ!」

 

サクラさんは崖の壁に足が着くように体を傾かせる。そして足がついた瞬間、さっきサクラさんが言ってた通りに壁を下るように走り始めた。

 

アルブム「え〜!?」

 

この状況はいくら何でも非現実的だ。僕とサクラさんが記憶喪失の状態だと言うのも非現実的だけど、壁を走るとか僕にとって非現実的だよ!

 

サクラ「やっふぅ!このまま森に続く道まで走るよー!」

アルブム「サクラさん!さっき息が整ったばっかりなのに、全然疲れてないじゃん!」

サクラ「アタシはいつ疲れたなんて言ったかな?さあこのまま行くよ!」

アルブム「うぅぅわぁぁぁぁ!」

 

落ちていく音は本当に凄まじい。バタバタと轟音が鳴る。念の為、身に付けているメガネを外して、豪風に襲われながらもなんとかポケットにしまう。

 

サクラ「うおぉぉー!」

 

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ハネダ山道の森林 入口前

 

《東京ザナドゥ Hazy Moon》

 

[サクラ]

 

アルブム「つ、着きましたね」

サクラ「遠くから見て何度か思ったけど、こうして近くから見ると、中は広そうね」

アルブム「それでサクラさん。大丈夫ですか?」

サクラ「えぇ、もう大丈夫。誰かに読まれない(見られない)間にリバースして来た」

アルブム「いや言わなくていいよサクラさん」

サクラ「それで、どう探す?」

 

この森は、見る限り大きい。目の前の景色は木で埋まっている。もはや森林ね。

アルブムは締まっていたメガネを取り出し、身に付け、この後どう動くべきか考える。

 

アルブム「この森は、ネプテューヌさん達が会議で話し合って向かった場所、それも敵意の存在がある森、単独は危険だと僕は思う」

サクラ「なるほどね。なら慎重に行きましょ。出来ればこのままモンスターとか会わないように!」

 

アタシは二人一緒に森の中へ、前に進もう足を踏み入れようとした瞬間だった。

 

サクラ「!?」

アルブム「!?な、何だろう……この重苦しい感覚」

サクラ「分からないわ。でも危険な感じがするわ」

 

目の前から禍々しい気配が感じる。さっきまでこんな感じは無かった。きっとこの森林の中からに違いない。この中にネプテューヌさん達がいると思うと、何だか嫌な気配を押し通せるような勇気が湧いてくる。

 

サクラ「行こ。アタシ達はここまで来たのよ?今更立ち止まってはいられない」

アルブム「そ、そうですね。とりあえず、進んでみよう」

 

禍々しい感覚を押し退けるように前へ進み、ガサガサと草むらを歩く音鳴らせ、奥へと姿を消していった。

 

ハネダ山道の森林 ???

 

進み始めてから約20分が経った。多分今の時間は三時くらい。険しい自然道をひたすら進む。モンスターに出会わないのは嬉しいけど、森の音が非現実的だった。左方向からは虫の鳴き声や自然音が鳴り響いているのはいい、ただ右方向からは何も聞こえない。細かな音一つ、微塵も聞こえない。右耳の聴力がない限りこんな事は有り得ない。気味が悪い。

 

サクラ「この森、なんか変よ。左側からしか音が聞こえないとか、ここはどうなってるの?」

アルブム「右の空間と左の空間は別物とか?」

サクラ「え?」

 

アタシの後を追うように進みながら、アルブムは言う。

 

アルブム「例えるなら左は壁外、右は壁内だよ」

サクラ「つまりアタシ達は、外と内の間にいるって事?」

アルブム「かも知らない」

サクラ「単純に考えればそれしか他に思い至らないわね。でもだとしたら、右方向は普通じゃないって感じよね」

アルブム「そうとしか思えないね」

 

こんな広い森の中にネプギアとユニやジント達を見つけ出すのは至難の業ってレベルじゃない。明日までに見つけ出せそうにないかも知らない。危険だけど声を上げて呼び掛けるしかない。

 

サクラ「ネプギアーー!ユニーー!みんなーー!」

 

アタシは両手を使って呼び掛ける。しかし応答は無かった。

 

サクラ「はぁー やっぱ簡単にはいかな……っ!」

アルブム「……!」

 

 

少しだけ間が空いてから、応答の代わりに右側から草むらからガサガサと音が鳴った。アタシ達は反射的に音が鳴った方へ顔を向ける。

 

まさかアタシ……変なやつ呼び出しちゃった感じ?

 

アルブム「サクラさん、やっぱり逆効果っぽいです」

 

ガサガサ音の元が徐々に現れる。黒のシルエットが見え始める。中心がまるで棘があるようなボールとその周りは触手のような物がニョロニョロと動いている。

 

サクラ「な、なんか臭くない?」

アルブム「わ、分かった!中心が丸くて周りに触手のような物と悪臭………」

 

アルブムの説明が終わる前に、その正体の姿が表した。

全体が濃緑色。中心はシルエット通りに丸いが、丸呑みできそうな大きな口とその中から紫色の煙が出ており、複数の小さな目を持っている。そしてその周りにシルエット通りの触手が複数生えている。

 

ぐあぁぁ!

 

アルブム「モルボル!」

 

《東京ザナドゥ 忘却の遺跡》

 

標的を見つけたかのようにアタシ達を襲いかかってきた。

 

サクラ「嫌ぁぁ!キモイ!逃げろぉー!」

 

アタシはあまりにもキモさに動揺して、進む道へ逃げる。

 

アルブム「待って!サクラさ……あっく!」

 

アタシを追いかけるが、運が悪い事に地面から生えていた木の根っこに足が引っかかり、転んでしまう。

 

サクラ「アルブム!」

 

転んでしまったアルブムを助けに向かうが、モルボルがゆっくりと近付いてくる。

 

アルブム「さ、サクラさん!」

 

早く助けないと!じゃないとアルブムが危ない!

じゃないとまた失う!失う?また?何がまたなの?アタシはなんで、また失うなんて思ったの?

 

???【それは、あなたは一度何かを失ったからです】

サクラ「え?……え?」

 

気付いたら周りはモノクロに染まって、時間が止まっていた。転んだアルブム、追いかけてくるモルボル。どちらもピクリとも動かない。そしてアタシの前の宙に浮いている謎の女性。顔は大人びていて、凛々しい目と綺麗な白眼。白くて長い髪の毛がゆらゆらと静かに靡いている。黒と紫色の神々しさを感じさせる巫女服。

その全体は神様と思わせる。

 

月詠【私は月詠、あなたが生まれ付き傍にいる。秘められし守護神です】

サクラ「月詠?アタシに秘められた守護?」

月詠【サクラ、あなたは彼を助けたい。そして危機に迫っている友人を助けたい。そうですね?】

サクラ「あ……うん!そう!アルブムを助けたい!そしてネプギアとユニを助けたい!でも……」

 

アタシは顔を沈めた。最初は助ける事だけを考えた。でもモンスターを目の当たりにして一気に不安が襲いかかり、気が負けてしまった。

何故だか分からない。どうしてここまで落ち込むのか分からない。焦る事よりも不安で沈んでしまう。

 

月詠【あなたは普段、気が強く仲間思い。そして勇敢。しかし失ってしまった時の精神的ダメージに弱い。あなたはそれを失った時の感覚を思い出しているのです】

サクラ「どういう事なの?」

月詠【あなたは記憶喪失なのでしょう。だから混乱するのです。しかし今はそれを気にする時ではありません。もう一度問います。サクラ、あなたはお仲間を助けたいですか?】

 

アタシに迷いはない。アタシは助けに来た、それだけの事。仲間を助けたい。アタシは一度何を失ったのかは分からない。でもきっと二度はしたくない。その思いがあるから仲間を助ける事に迷いなど持たない!

 

サクラ「うん!アタシは、仲間を助けたい!」

月詠【では、この剣を受取りなさい】

 

月詠の後ろから幾万の桜吹雪が舞う。アタシの目の前に圧縮し、一つの太刀に変化する。黒い鞘と六花の桜の形をした鍔。アタシは両手で達を受けてる。

 

サクラ「これは……初めて見て、初めて触ったのに、この手触り、アタシは知っている?あ、頭に…使い方が…」

 

頭の中に色んな剣術と剣技が浮かび上がる。その途端、徐々に冷静を取り戻す。

 

月詠【「月下乃刀(げっかのとう)舞桜(まいざくら)」あなたの剣ですよ】

サクラ「舞桜……」

 

アタシは太刀の鞘から抜き、刃を見る。アタシの姿が映し出されるその顔に変化があった。両目の色が月詠と同じ白眼の綺麗な色に変わり、髪色も白く変色し静かに靡いている。

 

サクラ「ありがとう。今度から一緒だよ。月詠」

月詠【はい、サクラ。ではお行きなさいサクラ。あなたが助けたいお仲間のために!】

サクラ「承知つかまつる!」

 

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ハネダ山道の森林 ???

 

[ホワイト]

 

人影を追ったのが逆に罠に引っかかったのかも知らない。上空に飛んで辺りを見ようとと試みたが、有り得ない事に森から抜け出せない。無限に続く木、それしか分からなかった。

 

ジント「もうここは普通じゃないな」

ネプテューヌ「おかしいな〜 でもますます怪しいよね!」

ホワイト「今現在ここの位置が分からない、でも感覚的にはさっき草原の北から人影を追ってきたと思う。どっちへ進むべきか……」

ネプギア「...............」

ユニ「...............」

 

2人は何かに引っかかると訴えていた。人影を見失った時から2人の様子がおかしい。互いの顔を見合って、浮かない顔をしている。

 

ネプギア「本当に知らないんですか?プルルートさんを」

ホワイト「プルルート?ごめんなさい、私に心当たりがないわ」

ジント「俺もだ」

ネプテューヌ「私も知らないよ〜。どんな人?」

ユニ「常にマイペースで口調が異常な程にのんびりした感じで、神次元のプラネテューヌの女神よ?本当に分からないの?」

 

さっきから2人は、そのプルルートと言う人の話を続けていた。私達は同じ事を何度と口にしている。

 

ジント「二人とも、気になるけど今は探索に集中しよう。な?」

ネプテューヌ「うん......」

ユニ「............」

 

2人はジントの言葉を最後に、プルルートのと言う人の話が終わった。しかし表情は変わらず疑問に満ちている。

 

ネプテューヌ「さて〜 どっちに進む?前?後?右?左?」

ジント「それなんだけど、ここは直感で行こうぜ。あっちだ」

 

ジントが右手を伸ばし、指さしてる先は右側だった。

 

ホワイト「大丈夫なの?ジント」

ジント「さあな。でも立ち止まってるよりはましだ」

ネプテューヌ「じゃあその方向を行ってみよ」

 

指さした先へ私達は進む。落ちた枝を踏み歩く音、葉っぱを退かす音。歩く度に自然音が鳴る。そしてたどり着いた先は、恐らく最深部前なのだろうか?少し広い広場に着いて、少し離れた先にいかにも宮殿の扉らしき物がドンと存在している。

それを目撃した途端だった。ネプギアとユニの悲鳴が聞こえた。

 

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華月(かげつ)夜園樹(やしんじゅ) 最深部

 

[アダスオラ]

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Fate》

 

キュルルル…………

 

アダスオラ「なるほど、この世界の主か」

 

俺達は【扉】の最深部までやって来た。道中の雑魚は全て蹴散らし、非力の状態ではあるブランは2人に任せ、後は俺が相手をしてきた。そしてここにたどり着いた。俺やジントにとって思い出の地、そして悲劇が起きた地だ。

 

ノワール「アイツを倒せばこの【扉】から抜けられるわよね?」

アダスオラ「その通りだ」

ピーシェ「でも大丈夫なの?見る限り大きいよ?」

 

主の大きさはあの時の火炎龍よりでかい。だが、大きな中庭の中心に立っているその主は足が無く、地面と一体化している。言わばトレントと言うべきであろう。

 

アダスオラ「確かに大きい。だが所詮動かない的だ。どうせい根っこによる地中からの攻撃法しかないだろうな。 ピーシェ!ブランを抱き上げて空中に飛べ。こいつは俺とノワールがやる」

ピーシェ「分かったよ」

ノワール「ちょっと!私に命令しな……」

アダスオラ「黙れ、俺の言う事だけ聞けノワール」

 

アダスオラは横に立つノワールに顔を向かず、横目で睨む。その視線をノワールは思わず動揺し、素直に従う事にした。

アダスオラは右手にキュアノスライトを展開させ、ノワールはショートソードを構えて、突撃する。

 

ピーシェ「ブラン」

ブラン「分かったわよ。大人しくしているわ」

ピーシェ「うん」

 

ピーシェは女神化でイエローハートに変身し、ブランを抱き上げて宙高く飛び上がって行く。

 

アダスオラ「いいかノワール。あいつは身動き出来ない変わりに防御性能が高い筈だ。植物の弱点になりうる属性攻撃は持ってないか?」

ノワール「一応あるわよ。ボルケーノダイブ。武器に炎を纏わせて地面に振り下ろすと、地面から前方へ移動する炎の柱を噴出させて攻撃する属性技よ」

アダスオラ「よし、ならそれを放て!」

 

前にノワールが走りながら、ショートソードに炎を纏わ。その場でジャンプすると同時に振り上げる。

 

ノワール「ボルケーノダイブ!」

 

落下すると同時に振り上げたショートソードを一気に振り下ろす。ショートソードを地面に叩いた瞬間、炎の柱が現れた。噴火するように前方へ地面を突き破るように出現する炎はトレントへ向かっていく。

身動きが取れないトレントは簡単に命中する。その影響で全体に炎が広がり出した。

 

グゥルァァァ!

 

余程効いているようだ。トレントは苦しみの鳴き声を上げながら激しくもがいている。

 

YH「決まった!」

ノワール「やったわ!」

アダスオラ「..................」

 

しかしすぐに火が鎮火された。焼き焦げた部分が見えるが、再生している。

 

YH「どんどん治ってる!」

ブラン「自己再生......」

 

ガアァァァ!

 

威勢がいい雄叫びを上げた。場の地面が一部砕け始めた。そこから七つの触手が現れた。恐らくトレントの根っこだろう。

 

アダスオラ「下がれノワール」

ノワール「……っ!」

 

ノワールはその場から後ろへ大きく下がる。現れた触手は全てノワールに狙いを付けていた。

 

アダスオラ「...............」

ノワール「どうするつもり?」

アダスオラ「こうする」

 

アダスオラはノワールを庇うように前に立った。アダスオラと後ろにいるノワールに目掛けて触手が襲いかかる。

キュアノスライトを前へ縦に持ち替えたアダスオラは両手を使って回転させ始めた。その回転速度は徐々に早くなる。目に止まらない程の回転速度になり蒼い残像が残る。それにもかかわらず触手は前方からやって来るが、キュアノスライトの回転により徐々に削られていく。

 

YH「うわぁぁ。かっこいい!」

ブラン「す、凄い...」

 

半分削られた触手は攻撃を止めて後に下がる。そして案の定、自己再生能力で削られた部分が修復されていく。

 

アダスオラ「なるほど、やはりコアを狙わないと倒せないようだな」

ノワール「コア?」

アダスオラ「そうだ。この世界の主は全て自己再生能力を備えている。ただし弱点はある。それがコアだ」

ノワール「そのコアがあいつのどこかにあるのね」

アダスオラ「お前の属性攻撃は炸裂した。そのお陰でやつは苦しもがいていたが、どうやらコアは今現在見える所にはないようだな」

ノワール「それはつまり、コアはまた別の方に存在するって事?」

アダスオラ「そうかもしれん」

 

完全再生した触手は再びアダスオラとノワールを襲う。空中から見ていたピーシェとブランはどうにか他の方法がないかを考えている。

 

ブラン「コア......」

YH「どこにあるの?コアはー」

 

本体はどこか、それを考えてる時だった。

この空間の右側から何かの鳴き声が響き渡り、木が薙ぎ倒される激しい音が聞こえてくる。そしてその正体が現れたが、現れ方が普通では無かった。

全体的に丸く、触手が無数にあるその物体は吹き飛ばされ、トレントに激突する。

 

アダスオラ「なんだあれは?」

ブラン「あれは...モルボル?何故超次元のモンスターがここに?」

???「みんな!ここに居たんだね」

 

聞き覚えがある女性の声が聞こえてくる。その方向を見ると、白い髪の毛が静かに靡いているのが特徴的な女性が立っている。左手に鞘と右手には太刀を持っている。神秘極まりない雰囲気を漂わせるが、その顔に見覚えがある。

 

アダスオラ「貴様は……サクラ?」

サクラ「こんばんは アダスオラさん。」

アルブム「ちょっと待ってよ〜 サクラさん……って皆さん!こんなところ居たんですね!」

アダスオラ「詳しい話は後で聞かせてもらう。サクラ、戦えるなら火線しろ。アルブムはそこで隠れていろ」

サクラ「承知!」

アルブム「わ、分かりました!」

 

アルブムはその場で身を潜め、サクラは前線に立つ俺達の火線に入る。

 

YH「ブラン。アルブム君と一緒に隠れてて。私はノワール達を手伝うから」

ブラン「私も……すっかり小さくなったわね」

 

イエローハートは抱き上げてるブランを身を潜めているアルブムの元へ下ろし、アダスオラ達の火線に入る。

 

ノワール「なんだか負ける気がしないわね」

YH「ねえノワール。なんで変身しないの?」

 

そう言えば小娘は合流してから一度も女神化していない。何か考えでもあるのか?

 

ノワール「奥の手は最後にとって置くものでしょ?」

アダスオラ「お前……」

ノワール「ん?」

アダスオラ「いや、何でもない」

 

一瞬だった。こいつの姿が一瞬だけアリファに見えた。

どの次元も、似ている物だな。

 

サクラ「モルボル......まだ動くの?」

 

激突していたモルボルは、時間を掛けて体制を整えた。傷を負ったトレントは既に再生され、再び触手攻撃を仕掛けてくる。

 

それぞれ散開し、触手を回避する。かわされた触手は地面に突き刺さり砕く音がなる。

 

アダスオラ「少しは本気になったか」

サクラ「みんな、モルボルは自己再生を持ってます」

ノワール「と言うとあいつも主なのね」

YH「どうすればいいの?」

アダスオラ「サクラ、お前の剣技を見せてみろ。把握する必要がある」

サクラ「いいわ。月詠流(つくよみりゅう)剣技、見せてあげる」

 

太刀を鞘にしまい、居合の構えを取る。そしてトレントとモルボルがいる前方へ駆け巡り、アクロバティックな動きで触手攻撃を避けていく。

 

グルルルァ……

 

サクラ「正直アンタに近づくの嫌なのよ。悪臭が付くから。だからあわよくばこれで終わりにする!」

 

サクラはトレントとモルボルの間合いを取り、太刀の有効範囲まで接近する。

 

サクラ「月詠流(つくよみりゅう)!桜ノ風!」

 

技名を唱えた瞬間、鞘から太刀を抜くと同時に刃が光出し、目が追いつかない速度の斬撃で攻撃した。その途端だった。時間差に空気を切る音が鳴り響き、無数の斬撃がトレントとモルボルまとめて襲う。

切り裂く音が止まらない。主の切り傷は止まらず増えていく。そして斬撃が止む頃、最後の一撃で光子の爆発が起きて桜が竜巻のように舞い散る。

 

 

ノワール「な、あの一振りは全部あの斬撃なの!?」

アダスオラ「なるほど、あれは居合技か」

サクラ「アタシの戦闘スタイルは居合切りが基礎。高速戦闘がアタシのベースよ」

 

自然に竜巻の舞が止んでいく。刻まれたトレントは無造作に切られ、もはや木とは言えない姿に変貌し、再生はしなくなった。しかしもう一方のモルボルは一度バラバラになったが、その生命力は計り知れない。斬られ分裂した体のパーツが奇妙な音をたてながら1つになり、元の姿へ再生する。

 

グルゥァアァァァ!

 

サクラ「くっ!まだ再生するの?」

アダスオラ「ほう。どうやらトレントは戦闘不能。再生不可まで追い込めた。だがこいつはそうはいかないようだな」

ノワール「きりがなさそうわね」

YH「散り1つ残したら復活するんだね!」

 

見た限り不死身の生命を持つモルボルの攻撃にアダスオラ達が応戦する。しかしなんど倒しても、文字通り復活する。

 

ブラン「あのモルボル、ただのモルボルではないわね」

アルブム「はい。あれではダメみたいです。もっと他の方法がある筈です」

ブラン「えぇ.........。私の力が元に戻っていれば.........」

アルブム「確か、ブランさんは女神様何ですよね?」

ブラン「そうよ。でもこの世界、神次元では今の私は女神化が出来ないわ」

アルブム「今は彼等に任せるしかない......って事ですね」

 

[ブラン]

 

私には一つの疑問があった。応戦する彼等の戦闘に、アダスオラの戦闘にそれがある。何故、火炎龍を倒した時に放った技【扉】の幻覚空間を破壊させた、フォトンバーストを使わないのか?あの威力ならあのモルボルの破片1つ残らず倒せるのに............。何かのそれを放てられない理由があるの?

 

私は彼にそれを伝えたかった。でも口にする事が出来ない。何故ならアダスオラの表情は、一緒に応戦している皆の表情よりずっと冷静。真剣な表情で戦う彼等と違いアダスオラは余裕の表情。何かある。私にはそんな感じがした。

 

アダスオラ「そろそろいいだろう。お前達、遠くに下がれ」

YH「分かった!」

サクラ「了解!」

ノワール「何するつもり?」

アダスオラ「そのままの意味だ。茶番を終わらせる」

 

応戦していた彼等はアダスオラ以外の全員は大きく距離を取る。そしてアダスオラが取った行動は、例の技をくり出す。

 

アダスオラ「フォトンバースト!」

 

私が考えていた通り、アダスオラはフォトンバーストを放つ。しかし放たれた方向はモルボルではなく、変わり果てたトレントの位置から上に向けて放たれた。

 

ブラン「どうしてそっちに……」

ノワール「ちょっとアダスオラ!どこ狙って.........」

 

放たれたフォトンバーストは、何も無い空気に着弾し、蒼い爆風が巻き起こる。その途端、モルボルがピタリと動きを止まった。

 

アダスオラ「いい加減、その禍々しい視線が目障りに思えて来たからな。姿を表わせ」

 

《BLEACH Revelation》

 

誰かに問いかけている。爆風が起きたその先を見ると、2人の黒いシルエットが見え始める。1人は蝶の様な影と、その頭部を掴んでいるもう1人の大きな翼。その2人のシルエットに見覚えがある。特にあの大きな翼………………

 

ブラン「っ!?」

 

私はそのシルエットの正体に気づいた。何も考えずに、右手にハンマーを出現させ手に持ち、即座にシルエットの元へ掛けていく。

 

アルブム「ブランさん!」

 

アルブムは咄嗟に呼び掛けるが、私は止まらない。

 

ノワール「出てきちゃだめよ!ブラン!」

YH「ブラン!」

アダスオラ「あの馬鹿が!」

 

その時だった。大きな翼を持つそのシルエットが動いた。掴まれていると思われる蝶のシルエットがアダスオラ達の方へ投げ飛ばされ、もう1人は私の方へ向かってくる。そして爆風からシルエットの姿が見えた。

 

ブラン「やっぱりテメェか!」

ノワール「っ!? プルルート!」

???「久しいな。超次元の守護女神よ」

 

また現れた。ここにまでやって来た。

 

ブラン「ダーク……ホワイト!」

 

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ハネダ山道の森林 ???

 

[ネプテューヌ]

 

ネプテューヌ「ネプギア!ユニちゃん!……ってノワール!?」

 

出来事は、横に立つ大きな石の扉を見た時に起きた。気が付くと一緒に付いてきた我が妹とユニちゃんが、ノワールに似てた姿、ポニーテールと青い目。左目の下に垂直に伸びている青い線状が特徴の女の子に捕まり、黒と青い丸い結界の中に捕らわれ、意識を失っている。

ノワールに似たその子から感じる雰囲気は今までにないくらい圧倒的。多分ダークメガミと同等かも。

 

???「あなたがリーダーに似たネプテューヌ……外形は似てるわね」

ジント「お前は誰だ!ネプギアとユニを離せ!」

???「あなたに名を名乗る資格はないわ。でもあなたは私の兄の好敵手だったわね」

ジント「はぁ?」

アリファ「私はアリファ。兄であるアダスオラの妹。この2人を返して欲しかったらかかって来なさい。あなた達の実力、見せてもらうわ」




身に秘められし守護 月詠にのやってサクラの力が覚醒。モルボルと戦っている最中アダスオラ達と合流し【扉】の主であるトレントは、サクラの超人的剣技によって倒された。しかし、アダスオラが薄々気付いていた禍々しい視線の正体をさらけ出れ、闇の女神 ダークホワイトが現れ、いつの間にか捕われ、気絶しているアイリスハートが姿を表した。

一方ジント達は謎の人影を追うが見失ってしまった。直感で道を進むと、宮殿の扉と思わせる大きな扉とジント達を待ち構えたアリファが現れ、彼女の手によってネプギアとユニが捕らわれてしまった。捕らわれた2人を助けるべく、アリファに挑む。超次元のグリーンハートとホワイトハートを圧倒させたアリファに、ジント達は勝つ事が出来るのか?そしてダークホワイトと鉢合わせしたアダスオラ達はダークホワイトに勝つ事が出来るのか?

次回
Episode10 絶対強者と捕らわれの2人


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Episode10 絶対強者と捕らわれの2人

ハネダ山道の森林 ???

 

《BLEACH Sakkaku》

 

[ジント]

 

アリファ「あなた達の実力……見せてもらうわ」

 

捕らわれたネプギアとユニを助ける戦闘が始まる。

アリファの目の前に黒のオーラが圧縮され、一つの剣へと遂げる。

俺は時空進化し、ネプテューヌはパープルハートに女神化しホワイトはホワイトハートに女神化する。戦闘態勢に入り、パープルハートとホワイトハートが先に仕掛ける。

 

WH「覚悟しやがれ!」

 

ホワイトハートの斧は右からの横振り、パープルハートの刀は上から振り下ろす。しかし左へ回避され、軽く外された。アリファの攻撃の余地を与えないようすぐに二段目の攻撃を仕掛ける。

 

PH「はぁ!」

 

パープルハートは両手で刀を構え、左へ回避したアリファに向けて剣を振る。すると三日月のソニックブームが放たれ、アリファに向けて飛んでいく。

 

アリファ「…………」

 

しかしアリファに当たる寸前でソニックブームの真ん中を切り上げられ、左右のみとなった衝撃はアリファを通り過ぎる。

 

WH「まだまだ!アインシュラーク!」

 

パープルハートを飛び越え、宙を浮いたホワイトハートはアリファに向けて斧を振り下ろす。しかし読みやすいその攻撃はあっけなく交わされた。

 

アリファ「遅い!」

 

反撃に入るアリファ。剣を構えてホワイトハートを狙って切りかかる。

 

PH「危ない!」

 

素早い反撃にホワイトハートは反応が遅れたが、パープルハートのお陰で助かった。アリファの剣とパープルハートの剣がぶつかり合う音が鳴る。

 

ジント「うぉぉ!」

 

タキオンソード射撃形態変形させ、アリファに向けてビームを三連射する。

アリファはパープルハートと剣の押し合いを跳ね除け、向かってくる3つのビームを剣で素早く切り払う。

 

アリファ「クフ……」

 

アリファは剣をジントに向けて垂直に投げた。狙いは俺の右肩か!

飛んでくる剣を左に避けるが……

 

アリファ「避けたつもりかしら?」

ジント「なに!?」

 

早い!さっきまでネプテューヌとホワイトの近くで剣を投げた筈だ。それがいつの間に!?

アリファはすぐ横に立っていた。

垂直に投げられた剣の柄を手際よくとり、ジントに切り付ける。

予想外の攻撃にジントは反応出来ず、攻撃を受けてしまう。

 

ジント「ぐぅ!」

PH「ジント!」

 

腹部を切られた。致命傷にはならなかったが痛い。傷が出来たのデマイスウルフェンから受けた時以来だな。

 

アリファ「はぁ!」

 

アリファは攻撃を受けて怯んだジントに回転蹴りを繰り出し、ダメージを与えた。まともに食らったジントは後ろの木まで吹き飛ばされる。

 

ジント「ぐっは!っく!」

 

パープルハートはすぐさま切りかかる。

 

PH「クロスコンビネーション!」

 

パープルハートはアリファとの間合いを踏み込み、連続の斬撃を繰り出す。アリファはやってくるのを知ってたかのように素早く向き合い、パープルハートの攻撃に対応する。連続で切り込みに入るが全てアリファに止めれ、剣のぶつかり合う音だけがなり、鳴る度に火花が発生する。

 

アリファ「遅いわ」

PH「くっ……」

WH「避けろネプテューヌ!アイスコフィン!」

 

ホワイトハートの呼び掛けで、パープルハートはその場で飛ぶ。ホワイトハートの斧の先を地面に叩き、アリファの足元に魔法陣を展開させ巨大な氷の柱を発生させてた。氷の中に閉ざされたアリファだが、彼女自身が青く光だし炎の灯火のように身に纏い初めた。すると徐々に氷の柱にひびが出始め、すぐ様粉々に砕かれる。

 

WH「ちぃ……」

アリファ「この程度なの?まだまだね」

 

アリファはピンピンしていた。だがその隙で背後からジントの攻撃が入る。

 

ジント「油断してるんじゃあ……ねぇぜ!」

アリファ「なに?」

ジント「セロ・フェルト!」

 

既に人差し指を突き出し、圧縮されていた緋色のエネルギーはアリファが気付いた時には既に射撃していた。避けられまい。そう思ったが…………

 

PH「そんな!?」

 

アリファが取った行動をパープルハートには見覚えがあった。剣を縦に持って、砲撃から耐えている。いや、切っている!?

 

アリファ「避けれないなら、射撃を切るだけよ」

 

圧縮した分のエネルギーが無くなり、放たれたセロ・フェルトは徐々に小さくなってやがて消えた。

 

ジント「やりやがるぜ」

アリファ「あら、根性はあるようね」

PH「サンダークラッシュ!」

 

宙に浮いたパープルハートは刀に電撃を纏わせ、アリファに仕掛けながら、猛スピードで降りていく。

アリファはパープルハートに背を向けたまま、上へ剣を横に構えて攻撃を受け止めた。サンダークラッシュの威力が凄いのが、剣と剣がぶつかった途端、場が雷鳴と電撃で走っている。

 

PH「くぅ!」

アリファ「どうしたの?集団で来ないかしら?」

WH「だったらこれだ!」

 

ホワイトハートはアリファの正面へ移動し、攻撃を仕掛ける。アリファの剣はパープルハートの攻撃を受けて止めていて無防備、これならダメージを与えられる!

 

WH「くらいやがれ!」

 

斧を振りかぶり、アリファに向け思いっきり振った。

 

アリファ「………………」

 

信じられない。左手で、しかも力いっぱい振った斧をたったの左手で、素手で止めた!?真剣白羽取りを片手でだと!?

 

WH「な……なに?」

アリファ「甘いわ」

PH「は……!?」

 

 

アリファは大きく動き、パープルハートとホワイトハートのバランスを崩させた。更にアリファが消えて、パープルハートの後ろに瞬間移動した。

 

《FF10 Challenge》

 

アリファ「隙あり」

PH「しま……がっは!」

 

PHは後ろから首を捕まれ、地面に思いっきり叩き落とした。そしてまた瞬間移動し、今度はホワイトハートを後ろに現れ、左回し蹴りを繰り出す。

姿を消したアリファをホワイトハートは探すが背後にいる事を知らず、回し蹴りをまともに食らって右へ吹き飛ばされる。更に瞬間移動して、右吹き飛ばされたホワイトハートを追撃し、強力な宙返り攻撃でホワイトハートを打ち上げた。

 

WH「ぐぅあぁ!」

 

更に追撃し、宙に浮いたホワイトハートにかかと落としを炸裂させる。攻撃を受けたホワイトハートは物凄い勢いで叩き落とされ地面が激突する。

 

WH「うっくはぁ!?」

 

大きな打撃を受けたホワイトハートは吐血してしまう。

あっという間にやられてしまった2人。ネプテューヌ…………ホワイト……………

 

アリファ「それで、ジントって言ってたわね。何故火線しないの?2人を巻き込ませたくないからとか?」

ジント「お前には…………関係ない!」

アリファ「……!?」

 

俺はタキオンソードの力を使い、時間を止めて迅速的にアリファに接近し、拳で攻撃を仕掛ける。しかし止められる時間は思った以上に短かった。アリファに攻撃が当たる前に時間が再び動く。

しかし突然前に現れたジントに、アリファは動揺し攻撃に反応する事は出来なかった。アリファはジントの拳をまとめに受けて、大きく吹き飛ばされる。木と更に木に激突し、倒れていく。

隙が出来た今ならとネプギアとユニを助けようと動いたが見当たらない。さっきまでいたのに!

俺はとりあえず 倒れたパープルハートとホワイトハートを様子を伺う。

 

ジント「大丈夫か!二人共」

PH「私は……大丈夫。それよりブ……ホワイト、大丈夫?」

WH「な、なんだよあいつは……キセイジョウ・レイの奴とは段違いじゃない…ごほっごほ……」

ジント「無理をするなホワイト。吐血している。休んでいな」

WH「女神ながら情ねぇ……っく……」

 

ホワイトハートは致命傷を受けていた。戦える体ではなくなっている。

 

アリファ「お話は済んだかしら?」

ジント「ちぃ!もう動くか」

 

アリファは俺の拳を受けて、木に何本も激突したにも関わらずピンピンしている。様子を伺っているのを見ていた。

 

アリファ「この程度、傷一つに入らないわ。やるならもっと本気でやりなさい。出ないといつまでも倒せないわよ?まあ無理だろうけど」

 

ジントを睨む視線で勝気極まりない表情見せる。

見る限り、傷を負ってはいなそう。無傷か……

 

ジント「俺はあまり女性と戦いたくないからな」

アリファ「敵の私に良くそんなこと言えるわね」

ジント「だから次で終わらせる。これで素直に引いてもらえれば嬉しい。何せ俺達は探索中だからな」

アリファ「残念だけど、そうは行かないわよ。私にも目的がある。達成するまでやめる気は無いわよ」

ジント「だったら……」

 

俺は本気を出す事にした。果たしてこの本気が通用するのかは分からない、でもやるしかない!

 

ジントは緋色の粒子を纏い、赤く光る部分が更に赤く光だし、緋色の輝きが照らし出される。

 

ジント「エフェクト……次からは容赦はしないぜ!第二試合開始だ!」

アリファ「面白いわ。かかって来なさい!」

 

 

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華月(かげつ)夜園樹(やしんじゅ) 最深部

 

《キングタムハーツ2 The 13th struggle》

 

[ブラン]

 

私は今、目の前の者に対して気持ちが荒ぶっている。

 

ブラン「ダーク……ホワイト!」

DW「あの時の女神か……」

ブラン「てめえをぶち殺して、私の思い出から消えてもらう!」

DW「威勢のいい戯言を……。女神化出来ない貴様など、弱者以下に等しい」

ブラン「なんだと!?」

 

確かに今の私は女神化が出来ない。イラつくがこいつの言う通りだ。でもそれでも……!

 

ノワール「待ちなさい!あなたは下がってなさい!」

ブラン「うるせぇ!デエェェアァァァァ!」

 

私はハンマーを構えて、ダークホワイトに攻撃を仕掛ける。

 

DW「無駄だ」

ブラン「っ!」

 

ハンマーはダークホワイトに当たる寸前で、素手で弾き飛ばされた。その衝撃でハンマーを手放してしまった。

 

DW「ぬん!」

ブラン「ぐ!」

 

武器を弾き飛ばされ、怯んだ所をダークホワイトに顔を鷲掴みにされ、アダスオラ達の方へ思いっきり押し飛ばされた。

 

アルブム&サクラ「ブランさん!」

 

吹き飛ばされた私は、勢いよく地面を転がって行く。受身を取って何とかその場から止まる事が出来たが、女神化していない私にとっては大きなダメージを貰った。

 

ブラン「ちぃ!クソ……」

アダスオラ「お前は下がっていろ。後は俺らがやる」

ブラン「ま、待やがれ!私はアイツを……」

アダスオラ「貴様の借りは俺が代わりに返す。だからそこで見ていろ」

ブラン「なっ?」

 

私の代わりだと?

 

YH「ブラン。お願いだから落ち着いて、ピー心配してるんだから」

ブラン「…………分かったわ」

 

私は大人しくする事にした。でもそれは見た目だけ、私の心は炎でたぎっている。

 

ノワール「このつけは大きいわよ!ダークホワイト!アクセス!」

 

ノワールがこの森林に入ってから初めて女神化した。

白銀のサイドアップツインテールと灰色バトルスーツ、背中と足部に装着されたウィングバインダー。青い粒子の刃を展開させたバスターソードを手にして、ノワールはブラックハートへ変身した。

 

BH「変身完了……ラステイションの女神の力……見せてやるわ!」

DW「ラステイションの女神か」

BH「聞かせてもらうわよ!プルルートに何をしたの!」

 

私は自分の荒ぶる気持ちで気付くなかったが、今落ち着いてやっと気付いた。そうだ……最初からプルルートは一緒に居た。じゃあ何で森林に突入する前、プルルートの存在を忘れていたの?

 

ダークホワイトに投げ飛ばされていたプルルートとこと、アイリスハートは意識を失っており、ノワールの隣に倒れている。

 

DW「いいだろう。特別に教えてやる。貴様らはこの女神の存在を、この禍空間の能力によって忘れ去られていたのだ」

 

ダークホワイトは右腕を使って、【扉】この世界は禍空間だと言う事を教え、振舞っている

 

アダスオラ「なんだと?」

DW「本来ならば この女神は貴様らのあとを付けていたであろう。だが忘れ去られた瞬間を突き、 我が作ったハザマへ誘った。まるで突入前からいないと思わせるようにな」

 

なんて奴なの?いや奴よりも、この【扉】世界にそんな能力があるなんて……

 

BH「それだと、私達が探索に来ていたどころか向かう事も知っていたようね。舐めた真似をしてくれるじゃない」

DW「好きにほざけ、さあお話は終わりだ。貴様らまとめて終焉に落としてや……」

アダスオラ「……!」

 

事は早かった。言うなら、サクラがダークホワイトに切りかかった。移動する行動が見えなかった。アダスオラの隣からダークホワイトの前に急に現れたかのように

 

DW「いい太刀筋だ。だが届かぬ」

サクラ「ちぃ……」

 

サクラの斬撃は、ダークホワイトの斧によって止められた。剣先が早くて読めないあの技でも止められるなんて……

 

BH「はあああぁぁ!」

YH「行くよ!」

 

次はブラックハートとイエローハートが仕掛けた。2人同時にダークホワイトを攻める。その2人にダークホワイトも仕掛けに来る。

 

DW「ぬん!」

YH「当たれ!」

 

先に接近したのはイエローハートだった。ダークホワイトは接近する際の勢いを使って斧を振り下ろす。

イエローハートの武器であるクローとダークホワイトの斧がぶつかり、強い接触音が響いてくる。

 

YH「てえぇぇぇ!」

DW「くっ!」

 

イエローハートはダークホワイトを押していく。イエローハートがダークメガミ相手に力勝ちしている?

 

YH「ノワール!」

BH「はぁ!」

 

イエローハートの呼び掛けでブラックハートは、ダークホワイトの背後を取り、バスターソードの一振りを繰り出す。

 

DW「……!」

 

斬撃はダークホワイトの背部を切り裂き、火花がなる。多分あれはダメージを受けたと見ていいのかしら?

その斬撃を受けたが、ダークホワイトは効かないかのようにもろともしない。

 

BH「効いてない?」

DW「ふん。生温いわ!」

YH「うっ!」

 

ダークホワイトは押してくるイエローハートの首元を掴み、背後に立つブラックハートに向けて投げ飛ばす。

 

 

BH「きゃ!」

YH「わぁ!」

 

飛ばされたイエローハートはブラックハートが咄嗟に受け止めたが、バランスを崩した。

 

DW「食らうがいい!ホロビノコブシ!」

 

その一瞬の隙をダークホワイトは見逃さない。右手に黒と白の黒炎が燃え上がり、その拳をバランスを崩した2人、イエローハートの背中を目掛けて打撃を与える。

 

YH「くっは!」

BH「キャア!」

 

黒炎がイエローハートの背中に命中し黒い爆発が起きた。まともに受け、ブラックハートはイエローハートが受けた打撃の衝撃で共に吹き飛ばされる。そして近くに立つ岩壁に激突し、砕かれる轟音がなる。

 

アダスオラ「はあぁ!」

 

次はアダスオラが接近する。右手の平が青い輝きを照らし、ダークホワイトに向けて右腕を伸ばした。

 

DW「接近するか……ホロビノコブシ!」

 

ダークホワイトはイエローハートにダメージを与えた技を繰り出し、アダスオラと向きうようにして迎え撃つ。

互いの技がぶつかった。アダスオラの右手の蒼光とダークホワイトの右手の黒炎が炸裂し合う。場が2人を中心に衝撃波が飛ぶ。あまりも強い衝撃波で私は目をつぶり、腕を使って衝撃から耐える。

 

アダスオラ「…………」

DW「…………」

YH「イッタタタ〜」

BH「ピーシェ!早くどきなさいよ!」

YH「あ、ごめん」

 

岩壁の瓦礫に埋まっていた2人が達が立ちがある。イエローハートは痛そうに背中を支えているが、思った程のダメージを受けていないようだ。

 

BH「話に聞いていた通りだわ!倒しがいがあるじゃない!燃えるわねーアッハハハ!」

YH「あいつ、ママより強いかも!」

BH「いいわ!絶対に倒すわよ!」

 

技の押し合いをしていた2人の間に爆発が起きる。そして次は空中戦に入った。アダスオラのキュアノスライトとダークホワイトの斧の激闘が始まる。

 

BH「行くわよ!」

YH「うん!」

サクラ「ちょっと!空が飛べない私が参加出来ないじゃない!」

 

ブラックハートとイエローハートが激闘に参加する。その光景を見ている私は、凄く参加したい。闘争心が燃え上がる。特に今の私は頭がおかしくなるくらいに荒ぶって来る。いや、でも何故私はここまでに荒ぶって居るの?私は借りを返したいだけなのに……どうして戦いたいなんて思うの?

 

 

とその時だった。

 

サクラ「……!」

アルブム「……!」

ブラン「……あれは……」

 

突然左方向から大きな爆発が起きた。その爆発の中には赤い粒のような粒子が出ている。

 

もしかして……

 

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―――――――――――――――

 

爆発の煙から2人の姿が現れた。

ジントと…………っ!

 

ブラン「ジント!」

ジント「……!ブラン!それにお前達まで」

ブラン「そして、どうしてお前まで居るんだ!」

 

ジントと一緒に出てきたのは、ノワールに似たアイツを、アリファか!

アダスオラ達とダークホワイトの激闘が一旦止み、新たに2人が侵入して来た方へ見る。

 

アリファ「へぇー あなたも来ていた……っ!この気配は……」

 

アリファが激闘していた方に顔を向け、そして感じ取った気配の正体を知った。そしてアダスオラも……

 

アダスオラ「お……お前は!」

「兄さん!」「アリファ!」

 

兄弟の再開、この状況で再開した事に2人は戸惑っている。しかしそれを一瞬に崩壊させる者が居る。

 

DW「ちぃ……また貴様か」

アリファ「兄さんだけじゃなく、お前まで居るなんてね」

ジント「なぁ!?テメェは……ダークホワイト!」

 

最悪な組み合わせだ。女神を圧倒させた実力者とダークメガミが鉢合わせした。場の空気に押されていく感じがした。いったいどうなるの?

 

アリファ「こんな状況、願ってもいなかったわ。今度こそ私が倒してあげるわ。絞りカス」

DW「なに?」

 

し、絞りカス?ダークメガミを相手に絞りカス?アリファはいったい、どこまで強い人なの?

 

アダスオラ「アリファ、せっかくの再開ですまない。手伝ってくれ」

アリファ「いいわよ兄さん。力を貸してあげる」

ジント「悪いが俺もそれに参加しよう」

アリファ「足でまといよ、あなたはさがって……」

アダスオラ「お前もこい。サクラ、お前もだ」

サクラ「わ、分かったわ」

 

アダスオラのまさかの発言にアリファは動揺した。

 

アリファ「!?」

ジント「そういう訳だ。参加するぜ」

BH「ちょっと待ちなさいよ!どうなってるのよ!」

アリファ「もう1人私、分かるなら下がってなさい。リスクなしでは勝てないわよ。ダークメガミに」

BH「……!」

 

確かにそう。ダークメガミを倒すにはシェアリングフィールドが必要。それがない今、本来の力と、更に強くなったダークメガミを相手にする事になる。つまり勝つ要素がない。会議で、ダークメガミを倒す唯一の方法を聞いていたノワールやピーシェなら、この後何をするべきか分かるはず。

 

BH「……ジント!ネプテューヌとホワイトは!」

ジント「この先の、大きな石の扉の前に居る!でもネプギアとユニが……」

アリファ「そこに寝かしてあるわ。扉の前よ」

BH「分かったわ。ピーシェ、ブランとアルブムは連れて来なさい。私はプルルートを連れていくわ」

YH「わ、分かった」

 

ノワールはプルルートをお姫様抱っこする態勢になり、ピーシェは私とアルブムをぶら下げるように連れていき、私達はジントとアリファの横を通り過ぎていく。

 

ブラン「ジント……」

ジント「心配するな。ホワイトが致命傷を負っている。頼んだぜ」

ブラン「……うん」

 

そして私達はジント達が居る場を離れていった。

 

[サクラ]

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Will Be Venus》

 

ジント「さて、サクラがどうして太刀を持ってるか知らないが、それは後にして」

アダスオラ「まずはお前を倒す。ダークホワイト」

DW「言ってくれる。今度こそ倒させてもらう。特に貴様だアリファ」

アリファ「絞りカスのあなたが私を倒すなどと、無理な話よ」

 

どうしよう、全然雰囲気に付いてこれないよ!怖いよみんなが!

 

サクラ「…………」

 

私はいつでも戦える態勢を取る。左手に鞘を握り、右手は太刀の柄を握る。咄嗟に仕掛けた技は簡単に止められたアイツ、もっと慎重に動くべきね。

 

ジント「行くぞ!ダークホワイト!」

 

先に動いたのはジントさんだった。その動きは迅速的で緋色の粒子を翼から放出している。右手に装備された刀身の刃を展開させ、ダークホワイトに向けて突き出す。

 

ジント「ウオオォォォ!」

DW「お前からか、見せてみよ。デマイスウルフェンを倒したその力を」

 

ジントの剣先がダークホワイトの斧の平の部分で受け止められた。しかしジントの粒子が更に増している。その効果が見られた。ダークホワイトをどんどん後ろへ押している。

 

ジント「食らえ!」

 

ジントは二段目の攻撃に移る。刀身を折り畳み、高出力の粒子ビームを放つ。そのビームはダークホワイトを丸々飲み込んだ。恐らくまともに受けたのだろう。しかし……

 

DW「甘い」

ジント「なに?」

 

ビームを受けていながらも粒子の中からダークホワイトの手が現れ、粒子ビームの銃口を無理やり押さえ込んだ。

 

DW「そんな出力では、傷一つに入らな……」

サクラ「……!」

 

私は、銃口を抑えている所を仕掛けた。横から狙って無数の斬撃を繰り出す。

 

DW「ちぃ……」

 

ダークホワイトは銃口から手を離し、後ろに回避するが斬撃を数回程食らい、命中した際に火花が走る。しかし効いていないようだ。

ダメージがまるで通っていない。ノワールのバスターソードをまともに切り刻まれても効果が無い。それ以上の威力を持って攻撃しなければダメージが通らない!

 

アダスオラ「仕掛ける!」

アリファ「はぁ!」

 

次に仕掛けたのは2人。アダスオラは空中から攻撃するが、アリファが見当たらない。

 

DW「ぐは!」

 

後ろに居た。アリファの攻撃は当たり前のように命中している。二刀流の漆黒の剣がダークホワイトの腹部を貫通している。

やっと攻撃が効いた?

 

突き刺した二刀を左右に振り、そのまま宙返り攻撃でダークホワイトを打ち上げた。空中から攻撃するアダスオラは、打ち上げられたダークホワイトに追撃する。蒼光の両剣の剣技と、真ん中を切り離し二刀となった蒼光の剣の二刀流剣技を使い分け、連続の斬撃をダークホワイトに食らわせる。その凄まじい剣技を前に私は驚く。

 

DW「ぐぅ!」

 

そして最後の一撃にダークホワイトを更に打ち上げた。

 

アダスオラ「ジント、やれ!」

ジント「エフェクト!ハアアアァァァ!」

 

ジントがそう唱えた時、放出される量が更に増して、展開した刀身に緋色の輝きが照らされる。

 

ジント「食らえ!」

 

ジントが刀身を上に振り上げた瞬間、刀身が巨大な粒子剣と変わった。剣の長さが分からない、いや確認出来ない。何故ならどこまで見ても、長さが続いているからだ。

 

ジント「タキオン……ライザァァァァァ!!」

 

巨大な粒子剣は、打ち上げられたダークホワイトに目掛けて振り下ろし命中した。粒子剣がダークホワイトに接触している証拠に赤い光が眩く照らされる。強い衝撃波が帰ってくる。

 

DW「ぐぅぅぅおおぉぉ!」

 

赤い爆発が起きて、ダークホワイトは受けた衝撃で盛大にたたき落とされ、地面に激突し砂煙が舞う。

 

サクラ「やった!」

ジント「やったか?」

 

砂煙は少しずつ晴れていく。そして姿が現した。ボディーに大きな傷を負っていたが、ダークホワイト自身は苦しんでいる様子が見られない。

 

 

DW「やはり……女神相手ではないと調子が狂う。だが少し効いたぞ」

アダスオラ「話には聞いていたが、やはりシェアリングフィールドとか言う結界が無ければどうにもならんようだな」

サクラ「そんな!?あんな凄い技を食らったのに!」

ジント「ちぃ!」

アリファ「…………」

DW「ジントと言ったな?お返しはさせてもらうぞ。我に傷を追わせた罰を受けよ」

 

ダークホワイトが動き出した。斧を持つ者とは思えない速さでジントに急接近した。

 

サクラ「ジントさん!」

ジント「…………!」

 

ダークホワイトがジントの顔を鷲掴みにしようとした瞬間、いつの間にか、ジントの前に茶色のマットを羽織ったピンク色の長い髪の毛の女性が、ダークホワイトの手首を抑え、阻止した。

さっきから頭の整理が付かないし追いつかない。でもそのマットの子が誰なのか、私は知っている。

 

《Biohazard code veronica Wesker vs Alexia》

 

DW「……き、貴様は!?」

???「は〜いそこまでだよ〜」

ジント「お前は……クロテューヌ?」

クロテューヌ「会いに来たよ。ジント兄さん」

 

クロテューヌと名乗ったその子は笑顔でジントに見せた。でもその顔からとは思えない、只者じゃない雰囲気をただ寄せている。何故、体中の神経が震えているからだ。

 

アリファ「く、クロテューヌ……」

クロテューヌ「心配だから見に来たよ〜。ついでにジントお兄ちゃんにも会いたかったしね。サクラもお疲れ様」

サクラ「クロテューヌ、どうしてここに」

ジント「サクラ!クロテューヌを知っていたのか?」

サクラ「さっき知り合ったばっかりなんです。私とアルブムにネプギアとユニが危ない事を伝えてくれて……」

ジント「ネプギアとユニが危ない?」

アリファ「言っておくけれど、私はその危険から助ける事が目的よ。分かった?」

ジント「そうだったのか」

 

そうだった。自分の目的をすっかり忘れてしまっていた。私、なんてことを……でもそれよりも

 

DW「は、離せ!」

クロテューヌ「あ ごめんね〜絞りカス 今すぐに倒してあげるから……ジント兄さん、ちょっと待っててね」

ジント「あ、あぁ……」

 

 

その瞬間、クロテューヌは戦闘態勢に移行したのか、一気に場が禍々しさに満ちた。クロテューヌの周りに黒いオーラが纏い始める。

 

《SRW Dark Prison Ver.OG》

 

クロテューヌ「さあ…………」

DW「くっ!」

クロテューヌ「また……殺してあげる」

 

クロテューヌは、掴んでいたダークホワイトの手首を上に退けた。怯んだ所を拳で怒涛の連続攻撃をする。一発一発に空気を斬るような鋭い打撃がダークホワイトの上半身、至るところにダメージを与える。

 

DW「ぐっは!アック!うぐ!」

クロテューヌ「せい!」

 

連続攻撃を終えて、ダークホワイトを空中へ蹴り上げた。瞬間移動して追撃をする。蹴り上げたダークホワイトを打撃で一発吹き飛ばし、飛ばした方へ瞬間移動して向かってくるところを更に打撃で吹き飛ばす。

 

DW「ぐふ!ぐぉ!うが!」

 

打撃音が空間を響かせるその一撃は、相当強烈な印象を見せる。その戦闘の速さは目で追いつくのがやっとだ。

 

実力差が段違いだ。

 

クロテューヌ「ん!」

DW「ぐぁぁぁぁぁ!」

 

何度も続いた打撃が終わり、最後に両手を使ってハンマーブローでダークホワイトを殴り落とした。強い打撃を受けたダークホワイトは勢いよく地面に向かって落ちて激突し爆発したかのような轟音が轟く。その影響で地面が大きく凹み、周りに広がっていくように地面が砕かれていく。

 

クロテューヌ「散り一つ残さず、消滅させてやる」

 

クロテューヌは両手を大きく広げた。すると両手に黒い玉が2つ大きくなり始め、それを中心に場が黒い電撃が迸る。地面が黒い電撃によってなぞるように破壊されていく。

 

アリファ「っ!みんななるべく遠くに離れなさい!」

 

いかにもやばそうな技にアリファの呼びかけに素直に従って遠くに離れる。

 

黒い玉を一つに合わせ、更に大きくなる。そしてそれをコントロールするように両手の指先から黒い電撃が黒い玉に纏う。すると更に倍に大きくなり始めた。その影響で、周りの地形が崩壊し始め、岩などが黒い玉に吸い込み始め、そして放たれる。

 

クロテューヌ「メガグラヴィティークラスター!」

 

放たれた。その瞬間、場の景色の色がモノクロに染まり、重力が一気に重くなった。

 

アリファ「っく!ここまで逃げれば……大丈夫よ」

アダスオラ「く……重い……!」

サクラ「動け……ない!」

ジント「クロテューヌ……っ!伏せろ!」

 

巨大な黒い玉は地面に着弾した。その衝撃で地面が地震のように大きく揺れ始めた。黒い玉は黒い電撃を放出し始め、更に地形を破壊する。そして段々小さくなり始め、見えなくなるくらいになった途端大爆発が起きた。

 

クロテューヌの攻撃が終わった。気が付くと重い感覚も無くなって体が動けるようになったが、さっきまでいた広い空間とは違う景色に変わっていた。

 

ジント「やった……のか?」

 

そう言ったジントの前に空中からクロテューヌがゆっくりと降りてきて、ジントの質問に答えた。

 

クロテューヌ「終わったよ。さあもう1人の私と他の仲間を探して、この森から出よう。ジント兄さん」

 

こうして、ハネダ山道の森林の探索は、思いがけない結末で幕を閉じた………………

 

サクラ『私って……来た意味あるのかな?って言うか色々急展開過ぎて付いてこれないよ〜!』

 

ジント「そう言えばプルルートは見つかったけど、もう1人忘れているような気が……?」

 

 

一方

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Tutorial》

 

 

ベール「みなさ〜ん!どこですの〜!置いていかないで下さいな〜!」

 

 

ベールは1人置き去りにされていた。

 

めでたしめでたし

 

ベール「めでたくないですわぁぁぁ!!」




ネプテューヌの直感から始まった ハネダ森林の探索は、予想外の事態によって幕を終えた。はぐれた仲間を見つけ、森林を出たが、その頃にはアリファとクロテューヌは既に姿を消していた。1人迷子になっていたベールは罪悪感を感じ、ジントとアダスオラとブランの3人はしばらくリーンボックスの教会に泊めてもらうことに。大怪我を負ったホワイトはピーシェとサクラとアルブムの3人がルウィーまで送り届け、そこで待機。気絶状態のプルルートはネプテューヌがプラネテューヌまで送り届け、イストワールに事情を話して待機する事に。一方、アリファによって捕まっていたネプギアとユニは、彼の言う通り、大きな扉の前に寝かされていたがそれ以降目を覚まさない。リーンボックスの教会で2人の様子を見ていたが、それから一週間目が覚めないままだった。そこに突然、一週間ぶりに現れたアリファがリーンボックスにやって来る。何やらクロテューヌに頼まれてやって来たらしい

次回
Episode11 リーンボックス


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Episode11 リーンボックス

リーンボックス教会 屋上

《超次元ゲイムネプテューヌ The animation tune》

 

[ジント]

 

ハネダ山道の森林の探索を終えて一週間の時が流れた。

 

ジント「…………」

 

1人はぐれたベールを見つけ森林を出た頃には、クロテューヌとアリファは姿を消していた。森林の中心に展開されていた【扉】はクロテューヌの地形破壊攻撃によって崩壊し、ダークホワイトは倒された。地形破壊の影響は、【扉】の空間だけじゃなく、森林本来の地形まで破壊されていて、上空から見るとまるで隕石が落ちた現場かのような地形に変わり果てていた。

ピーシェとサクラとアルブムの3人は大怪我を負ったホワイトを連れてルウィーまで送り届け、そこで待機。気絶していたプルルートはネプテューヌがプラネテューヌへ連れていき、そこで待機。ノワールはラステイションへ戻り、ハネダ森林の報告書を作成し仕事に入って、残りの俺達はアダスオラ、ブランと俺 そして気を失ったままのネプギアとユニはリーンボックスに来ている。ダークホワイトが倒されて以来【扉】の出現は激減した。

 

ジント「でも、謎がある。あれは一体なんだったんだ?」

 

あれとは……大群のモンスターを率いていた人影。あれは誰だったんだろうか?今までの流れからすれば、誰でもない。

 

ジント「まず、俺達探索者の人じゃないし、クロテューヌとアリファではないのは間違いないな」

 

アリファは待ち構えていたが、女神をも超える実力者で俺達の実力が知りたくて仕掛けた。じゃあ何故草原から去ったのかを思うと、言葉と行動の違いに不自然感が浮かび上がる。

 

ジント「考えても仕方ないや。今はただ、ネプギアとユニが目覚めるのを待つだけだな」

 

ちなみに2人を捕らえたアリファに聞いたところ、ネプギアとユニがなかなか目を覚まさない理由はアリファ自身も知らないらしい。

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

ブラン「ここに居たのね」

ジント「ん?ブランか。どうした?」

 

屋上にやって来たのはブランだった。背を向けていた俺はその場で振り返って、ブランと向き合う。

 

ブラン「さっきネプテューヌから、プルルートが回復した事を聞いたわ」

ジント「それは良かった。ところでアダスオラは?」

ブラン「アダスオラならコロシアム。それで相変わらずよ」

ジント「そうか」

 

アダスオラは三日前からコロシアムに通い始めている。本気は出さないでいるようだが、アイツの口の悪さで始まる事故で毎回トラブル。でも無傷で見事に返り討ちにしていて、新聞の端っこに写っていたりする。

 

ジント「ベールは?って言っても想像は付くけど」

ブラン「想像通りよ」

 

ブランと同じように呆れた顔をしてため息をつく。何故ならベールは、五日前からほとんど私室にこもって四女神オンラインをプレイ中。でもネプテューヌよりはマシらしい。

 

ジント「だよな〜。そんでお前は?」

ブラン「私は小説の執筆をしたいところだけれど、プラネテューヌに置きっぱなしにして来てしまったから、やる事が無いのよ」

ジント「なら一緒にどっか出掛けようぜ。教会に居てもやること無いしな」

ブラン「え?……う、うん」

 

そんでもって俺とブランはベールに出掛ける事を伝えて、教会を後にする。

 

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リーンボックス カフェ店

 

ブラン「なんだが新鮮だわ。別次元のリーンボックスに出歩くなんてね」

ジント「思えばこの前、コロシアムの帰りでカフェ店に寄って食事をしたよな」

ブラン「そうだったわね」

 

俺達は、とりあえずカフェ店に寄って軽い食事を済ますことにした。リーンボックスの案内が以内から、近くの店に寄ったところで今に至る。

 

 

ブラン「ねえ、ジント」

ジント「ん?」

ブラン「ずっと聞きたかったんだけれど、ダークホワイトは倒されたのよね?クロテューヌに」

ジント「だと思うよ。お前は見ていなかっただろうけど、俺の妹はとんでもない力を持っていた。それに圧倒されて倒されたよ」

 

ブランは驚いていた。確かダークメガミを倒すにはシェアリングフィールドが必要だったな。その結界を出せる人物は天王星うずめと言う女神。でもその女神がいない今、現状はダークメガミを倒すのは難しい。でもクロテューヌはそれを簡単に倒した。その事に驚いているんだろう。

 

ブラン「後3人ね」

ジント「3人?まだ他のダークメガミがいるのか……」

ブラン「そうよ」

 

まだ3人……試しにやってみた大技をまともに食らって、それでも立つような奴が3人か……

心の中でそう呟きながら、頼んだ料理を口の中に運んで食べる。

 

ジント「向こうのみんなは元気にしてるかな?」

ブラン「もしかして、ノワールが心配なの?ジント」

ジント「あぁ……強気なノワールがあの崩れようだぜ?しかも俺から離れようとしない仕草を見せられたら、もう他人事じゃないしさ」

ブラン「あなたは本当に優しいわね。ちょっと妬いちゃうわ」

ジント「何を言ってるんだよ。お前にもちょっと心配してるんだぜ?」

ブラン「え?」

 

ブランはジントの予想外の言葉に動揺して、紅茶を飲もうとしたところでピクリと行動が止まった。

 

ジント「当たり前だろ。お前は今、〇〇〇(女神化)出来ないんだしよ……っておい?ブラン?」

 

ブランは顔をほんのり赤くして、ジーと俺を見ている。いやこれはあれだ。ジーじゃなくてボーっとだな。何せ手を顔面の前に振っても反応しないんだし、これは余計な事言っちゃったかな?

 

 

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リーンボックス 海岸

 

[アダスオラ]

 

討伐クエストを終え、吠えてくる犬を返り討ちにして今、リーンボックスの海岸に来ている。

 

アダスオラ「………………」

 

アリファ『また会えに行くわ。兄さん』

アダスオラ『………………』

アリファ『冷たいわね。引き止めてもいいのに』

 

俺はあの時、引き止めたかった。でもそれが出来なかった。何故だかは知らん。また遠くに行ってしまう、それを理解した上で止めなかった。

 

アダスオラ「思い不足だからだとでも言うのか?」

 

俺の欠点は把握している。他者を思いやる気持ちが曖昧だと言う事、力に特化しただけの孤独な戦士。邪魔な物は排除し、必要とする物にだけ集中する。だからこそ、あの時の2人を行方不明にさせてしまった。

 

アダスオラ「2人の女性…………」

 

誰だか分からない。だが少なくとも俺やジントと関係する人物。花園に来た時に連れていったあの2人……

 

アダスオラ「何故このタイミングに頭から蘇る……」

 

どういう引き金で蘇った記憶なのか、それは花園型の禍空間【扉】に侵入した事が引き金だ。その時にアリファとジントとその妹と2人の影のヴィジョンが見えた。そしてクロテューヌを見て、2人の影が女性だという事を思い出した。

 

アダスオラ「誰だ……貴様は……」

 

赤い太陽と波の音が大きく響き渡る海岸でフードを下ろし、やっと見せた外形には青い長髪とアリファと似たように右目の下に垂直に伸びる青い線上が見えるその表情には誰にも見せなかった暗い表情で暁の空に訴えた。

 

 

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一方 リーンボックス コロシアム

 

リーンボックスのコロシアムのシステムサービスの一つ【ドッペルゲンガー】名の通り「分身」コロシアムでは自分の戦闘能力を一度レコードし、全国のコロシアムへと分身として記録される。その分身に挑戦する事ができ、己の戦闘能力や基礎能力を磨く事も出来る。そこにアダスオラの戦闘能力をレコードされた分身と戦い、負けたが惜しいと話を盛り上げた人物がいた。

 

???「はぁーくっそ! 後もう少しだったのにぃ!」

 

1人悔しがっている女性がそこに居た。コロシアムでのアダスオラの評価はランクで示すとSランク。世界でSランカーを持つ者は、四女神と3人だけ。そんなSランクの戦闘能力をレコードされたアダスオラの分身を、あと一歩で負けたその女性で、場が盛りがっている。

周りからは「やるな」「ルーキーとは思えない」などの驚きと声援をあげている。

 

???「覚えてろよ!アダスオラ!次は絶対に倒してやる!」

 

女性は叫びながらそう訴えた。分身集に並ばれた掲示板に向けて叫ぶ様子から、密かにツッコミ人達がいた。

 

「いや本人にいいなよ……」

 

アダスオラをライバル視するその女性は皆「アホの銃虎」と異名で呼ぶようになった。

 

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リーンボックス教会 リビング

 

[ブラン]

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

そして夜、私達は夜食を食べていた。

 

ベール「料理が出来るなんて凄いですわ。ブラン」

ブラン「簡単な料理しか出来ないけれど、美味しい?」

ジント「美味しいぜ。特にコンソメスープの風味がいい」

ブラン「ありがとう。アダスオラは?」

アダスオラ「………………」

ブラン「…………」

 

ベールやジントは感想を言ってくれるけど、アダスオラは相変わらず何も喋らない。でも手を止まらずに食べているって事は少なくとも不味くないと私は思った。

 

ジント「ところでよ。お前の素顔初めて見たぞ?」

 

そう言えばなんで今気付いたのか私も不思議だけど、アダスオラは今までフードを被っていて、素顔は影で見えず特徴的な青眼だけは把握していたけれど、フードを下ろしいる今のアダスオラは長髪の青い髪と、右目の下に青い線上がある。兄弟の印のようにも見えた。

 

ブラン「あなた、どうして今まで素顔を隠していたの?」

ベール「そうですわよ。あなたの顔は、女性向け恋愛ゲームに出そうな顔をしていますわ。私好みでしてよ?」

アダスオラ「気が向いただけだ」

 

アダスオラには特に理由がないらしい。それよりベールの発言に私は気になる部分がある。

 

ブラン「ベール、ジントの顔も女性向け恋愛ゲームに出ると私は思うわよ」

ベール「あら?それはもしかしてあなた……」

ブラン「ここで言ったらどうなるか分かるな?」

ベール「いやですわねー。冗談ですわ。そんなお気になさらずに(ボヨン)」

ブラン「おいベール。喧嘩売ってるのか?」

 

頭の中はイラつきでいっぱいになる。次元が違ってもやっぱり忌々しいわね。二つの大きなマシュマロめ。

 

ジント「まあ落ち着けってブラン」

アダスオラ「ふん」

ブラン「ぐぬぬ……」

 

私はジントの呼び掛けに、大人しくする事にした。私はマシュマロの事になると何かしら頭の中は興味とイラつきで埋まる私の悪い癖。

 

 

ベール「まあご冗談はここまでにして、早速ですがちょっと気になる事がありますわ」

 

ベールはブランをからかうのを止めて、気を取り直して話を変える。その話題は今まで程の緊張感は感じない。

 

ジント「気になる事って?」

ベール「アダスオラさん、コロシアムのドッペルゲンガーに記録されているあなたのレコードがあるのは知っていますわよね?」

アダスオラ「それがどうした?」

ベール「そのレコードに挑む1人の女性が居りました。結果は負け。しかし惜しいと話が盛り上がって、それを機に噂が出始めていますわ」

 

アダスオラのドッペルゲンガーをあと一歩に追い込ませた女の子?一体誰?

 

ジント「もしかして妹達じゃあ」

アダスオラ「それはありえん。妹ではない」

ジント「違うのか?」

アダスオラ「ベール。貴様が言いたい事はこうか?その挑戦者は、Sランクと対等に戦う奴。それは女神や時空進化と同じような特殊能力、身体能力を持つ奴だと」

ブラン「一般人とは考えにくいけれど、それがどうかしたかしら?」

ベール「その者が使用する武器が……銃だとしたらどうでしょう」

アダスオラ「なに?」

 

銃!?アダスオラの剣技は両剣と二刀流。近接に持ち込んでしまえば不利になるような中距離、遠距離の武器であと一歩…… 普通に考えれば、戦闘能力は女神と同じかも知らない。その戦闘能力を一般人が持つとは考えにくい、可能性があるとしたらゴールドサァドのケーシャくらいしかない。確かに気になるわね。

 

ジント「只者じゃないって事か」

アダスオラ「本気じゃないとはいえ、俺を追い込んだ奴だ。興味深い」

ベール「とは言っても私が気になっただけでして、危害が加わるような話ではありませんでしたわ」

アダスオラ「なるほど。一度顔を見てみたいものだ」

ベール「それでしたら、負けてしまった時、また来るような発言をしておりました。きっとまた明日に挑戦されるかも知りませんわ」

アダスオラ「ふん、先に上がる」

 

そう言ったアダスオラは自分の食器を片付け、先にリビングから出ていくところで止まった。

 

アダスオラ「おい小娘」

ブラン「何よアダスオラ、何で私だけ小娘って呼ぶの……」

アダスオラ「貴様の料理、次も楽しみにしている」

ブラン「え?」

 

背を向けたままそう言ったアダスオラはリビングを後にする。アダスオラは、私の料理が美味しいと思っていてくれたんだ。普段から冷たい彼からその言葉を聞くと、妙な達成感を感じてくるわ。

 

ジント「素直じゃねぇなアダスオラはー。普通に美味しいって言えばいいのによ」

ベール「ノワールに似ていますわね。素直ではないところが。でもツンデレではないようですわね」

ブラン「ちょっと前に教えてもらったかいがあったわ。ネプギアに…………」

ジント「あ…………」

ベール「…………」

 

暖かった雰囲気は私が踏んでしまった地雷が爆発したかのように一瞬で場の空気が暗くなる。一週間経った今もネプギアとユニは目を覚ましていない。個室のベッドに寝かしてある2人はいったいいつになったら目を覚ますのか。心配でしょうがなかった。

 

アリファ「ふ〜ん。あなたの料理、美味しいわね」

ジント「!?」

 

しかし一瞬で暗い空気は晴れた。声は窓から聞こえた。そこにはジントの食器を奪って味見をしているアリファが居た。突然現れたアリファに私達は動揺する。いつの間に!?

 

ベール「リーンボックスの教会に不法侵入。あなたは誰ですの?」

ブラン「待ってベール。彼は私達を助けてくれた人よ。アダスオラの……」

アリファ「説明しないくれる?弱者に説明されるのは不愉快よ。私はアリファ、アダスオラの妹よ。リーンボックスの女神。そしてジント……」

ジント「ちょ!?おま!なんで俺の食器を!って言うか俺の箸で!?」

アリファ「え?」

 

アリファの手には食器とジントが使用した箸を持っている。その箸で料理を食べていたアリファは少し頬を赤くしていた。

 

 

 

 

………………………………………………

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ minicar》

 

ジント「なんで…………俺は何も悪くないのに」

 

ジントはアリファに関節技をやられて床にうつ伏せで倒れている。アリファは余程恥ずかしかったらしい。

 

アリファ「破廉恥な!私の口はお兄ちゃんだけ…………じゃなくて、良くも私のファーストキスを盗んだわね!」

 

私の聞き間違いかしら?私の口はお兄ちゃんだけ……?

 

ジント「いや……お前が勝手に取って勝手に食べイタタタタ!止めろ!」

アリファ「今すぐ忘れなさい!今すぐに即座に迅速に瞬発に!」

ジント「アリファ、瞬発は早さじゃなくて、衝撃イィィィィ!痛い痛い痛い!」

アリファ「認めたからと言って調子に乗るなアァァァ!」

ブラン「………………」

ベール「………………」

 

私とベール、その2人の行動に呆気に取られる。

なにこれ、ギャグかしら……

女神を圧倒した実力者が、自分のミスで焦りを見せ、理不尽にやられているジント……

実は前から仲がいいんじゃない?ん?仲がいい?

 

ブラン「もしかしてジント、あなた記憶を?」

ジント「ま、まあそんなところだ。って言ってもアリファとは戦闘仲間と勉強を教えエェェェェ!イタタタタタタ!関節折れる!止めろ!」

 

最後の単語を引き金にアリファは関節技を強くする。その痛みにまたしてもジントは苦しむ。

 

アリファ「まあそんなところよ」

 

ジントに関節技を決めながら、何も無いかのように私達に顔を向いて代わりに答えた。

 

 

ベール「ま、まあそれはいいとしまして、あなたは何が目的でここにいらしたんですの?」

アリファ「私とした事が、まさか弱者に教えられるとはね。まあいいわ。私はクロテューヌに頼まれてここに来たわ」

 

弱者……ベールはそれに反応するが、大人しくアリファの話を聞く。ジントは変わらず関節技で動けないまま。

 

アリファ「あの2人はまだ寝ているわね?」

ベール「そうですわよ。今も個室で目を覚まさないまま」

アリファ「そう。それじゃあ単刀直入に言うわ」

 

その言葉を最後に、アリファの雰囲気が気高い獅子のように変わり、私達は新しい情報と同時に新しい問題を聞く事になった。

 

 

 

 

 

アリファ「その2人は今後単独行動をさせない事、第三者に狙われているわ」

 

 

第三者…………

新たなる敵、私とベールはそう読み取った。

ネプギアとユニが狙われている?何故?




アダスオラをライバル視する謎の女性、そしてネプギアとユニを狙う第三者の存在。【扉】の出現は激減した次は第三者の存在に気を配る。

一方その日の朝、サクラは目覚めた力を極めようとコロシアムで討伐クエストのついでに修行するが、その討伐クエストは普通レベルとは違う物だった。
アルブムはある優しいロボットと一緒にホワイトを看病していた。そしてピーシェはある悩みを胸に、紅葉に囲まれた公園にただ1人ベンチに座っていた。

次回
Episode12 無双と思いと成長


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Episode12 無双と思いと成長

ルウィー コロシアム

 

表示されているモニターに、全ギルドメンバーや通りすがった人達が目を釘付けになっていた。驚きの声を漏らす人が居れば戸惑いを見せる人もいる。人が見ているモニターにはそれぞれ種類がある。「討伐クエスト」「ランクアップクエスト」「デュエル」そして「無双クエスト」

人が目を釘付けにして視聴しているのは無双クエスト。そこに映っているのは、白く美しい髪の毛が静かに靡く太刀を扱う1人の女性だった。

 

電子空間

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Voltage》

 

[サクラ]

 

アタシは今、無双クエストのついでに己の実力を極めようとここに修行している。モンスターの数は1000、大将が50存在する電子空間にアタシは居て、フィールドの位置としては中心にいる。

 

サクラ「月詠流(つくよみりゅう)三日月(みかづき)!」

 

スライヌやロボットに囲まる位置に居るアタシは広範囲攻撃を繰り出す。三日月の斬撃波を全方位に放つ。斬撃波によって次々と真っ二つされていく雑魚敵は食らった順から徐々に消滅していく。しかしすぐにも別の雑魚が向かってくる。休む暇を与えさせないこの修行こそ、戦いに集中させる精神力を鍛えさせる。

 

サクラ「はぁー!」

 

アタシは向かってくる雑魚の群れへ走っていく。そして雑魚がアタシの太刀の射程内に入った瞬間、刹那の煌めき、居合い技で次々と雑魚を一閃し、遅れて現出する斬波が追加攻撃で更に一閃。この技こそアタシの基礎。

 

サクラ「せぃ!はぁ!」

 

向かってくる雑魚をただひたすら一閃する。やがて陣地に着くと大将が立ち塞がる。

 

グルルルゥゥ……

 

この大将は危険種「フェンリル」だ。アタシは一旦止まり、居合いの構えをとる。相手の動きを見て仕掛けようと考えた。そして先に動いたのはフェンリル。飛び掛りに動いた。

 

グルルルアァ!

 

真っ直ぐに飛び掛るフェンリルをアタシは右に避ける。右に避けたアタシに鋭い爪で更に仕掛ける。アタシはその攻撃にも最小限の動きで回避する。

 

サクラ「貰った!」

 

フェンリルの左手に着いたところでアタシは反撃する。居合い技でフェンリルの左手首を一閃し、フェンリルのバランスを崩させる。

 

グルゥ!?

 

切り離された左手首は機能を失い、その場で倒れる。しかし痛みは感じていないようだ。まあここは電子空間、相手は全てデータ上だからね。

 

サクラ「月詠流(つくよみりゅう)十二刀(トゥエルブサーベル)!」

 

居合い技の1つ。対象に十二の斬撃が現出し食らわせる。

見る者からすれば、アタシの斬撃は一振りだと思うだろう。でも実際は違う。並の目では追いつかない早さで剣を振っているのだ。

倒れていたフェンリルは回避する余地もなく、十二刀(トゥエルブサーベル)によって微塵切りにされ消滅した。

 

そして大将がなくなったこの陣を制圧し、周りの雑魚が消滅する。

 

サクラ「この技は強いけど、電子空間の中だからこそ使える技なんだよね。生き物にやったらとんでもない事になる……」

 

アタシは平気だけれど、周りがどう思うか……

 

月詠『サクラ。まだ無双クエストは終わっていません』

 

アタシの隣に、薄く見える姿で現れた月詠がアタシの集中力が一瞬緩んだ事に気付き、声を掛けてきた。

 

サクラ「分かってるよ。月詠」

 

アタシは力を持つ者として、ネプテューヌさん達に恩返しとして力になりたい。それにあれから数日経った今、月下乃刀(げっかのとう)舞桜(まいざくら)を持ってからたまに思う事があった。この剣を持つ時に必ず「アダスオラの足を引っ張っちゃだめだ」そういつも思う。何故かはアタシにも分からない。ただ剣を持つ時にだけ、当たり前のように思うのだ。

 

サクラ「さあて、残りもやっちゃいますか!」

 

気を取り直して無双クエストの遂行する。自己修行して、月詠に色々教えて貰って、己の強さを磨く。次は足でまといにならないように。

 

 

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ルウィー 教会 ブランの寝室

 

《東京ザナドゥ X.R.C.》

 

[アルブム]

 

アルブム「体調はどうですか?ブランさん」

ホワイト「だいぶ良くなったわ。でも少し体を動かすと痛むわね」

アルブム「あまり無理しないで下さいね」

ホワイト「えぇ。ありがとう」

 

あれから一週間、ブランさんの様子を見ている。サクラさんとピーシェさんは治療知識があまり豊富ではないらしく、仕方なく僕と大きなロボットの優しい方と2人でブランさんのリハビリをしている。でもブランさんの状態は見た目に寄らず大きなダメージを負っていた。骨折は幸い無かったが、体全体、主に背中部分の骨に小さなひびが入っていた。その影響で体を動かす度に体の激痛がブランを襲う。また幸い、女神の体であるお陰で、普通の人と比べて回復が早い事が分かった。それを知った時は本当にほっとした。僕はブランの面倒を付きっきりで見ているから、恥ずかしながらずっとブランさんの寝室にいる。何故ならブランさん直接僕に頼んできたから。どうして僕何だろう?そう思うけれど、一緒に面倒を見ているロボットが……

 

???「調子はどうだ!ブラン!」

ホワイト「声が大きわよ。アルブムがまたびっくりするわよ」

アルブム「だ、大丈夫ですよブランさん。コピリーエースさんも相変わらずですね」

 

噂をしたらなんとやら本人がやって来た。コピリーエース、彼が僕と一緒にブランさんのリハビリをしているロボットで、とにかく気合が凄くて暑苦しい。だからブランさんはコピリーエースさんじゃなくて僕を寝室に残らせようとしたんだと思う。彼はドアの前に居るがまず何より、キャタピラーで部屋に入るのも流石に分かる。仕方ない事なんだと僕は思った。

 

コピリーエース「いやーすまないね!これが俺様の素なんでな」

ホワイト「体調は万全とは言えないけど、元気よ」

コピリーエース「それは良かった!仲間の元気な姿を見たら俺様も元気になってきた!それじゃあ俺様はまた仕事に戻る。任せっきりですまないけど、よろしく頼むぞ!アルブム!」

アルブム「わ、分かりましたから大きな声をあげないで下さい」

コピリーエース「ハッハッハッハ!」

 

ブランさんの様子を見に来ただけなのか、特に何事もなく大きな笑い声をあげながらその場を後にした。

彼もリハビリを手伝っているが、気持ちを保たせるだけの役割なんだと思う。決して曇らず仲間を励ます彼の行動は本当に羨ましいと思った。体と心は一心同体と言う説があるのだけれど、ちょっと分かる気がする。

 

ホワイト「少し寝るわ。好きな本を読んでもいいから、また寝室に残って欲しいの。いいかしら?」

アルブム「あ、はい。大丈夫ですよ」

ホワイト「ありがとう。それじゃあおやすみなさい」

アルブム「おやすみなさい。ブランさん」

 

僕はブランさんの言う通りに、また寝室に残るように言われた。正直そろそろ誰かと交代したいと心に止めている。それに気持ち良さそうに寝るブランさんの仕草は僕としてなんだかドキドキしてくる。視界にブランさんが映らないように近くにある本棚に手を伸ばす。余程読書好きなのか本は沢山並ばれている。僕も読書好きだから楽しみではあった。これなら2人っきりの空間を気にせずに居られる。そう思った。

 

アルブム「…………」

 

本に手を付けようとした時、僕は手を止めた。

 

アルブム『そう言えば、どうして僕は読書好きなのかな』

 

人それぞれ趣味がある。それにはもちろんきっかけと理由がある。ゲームが好きなのは楽しくて夢中になれるからとか物作りは奥が深くて、作った物が使われる時の達成感がいいとか、主に楽しいからていうのが定番。でも僕には自分がどうして読書好きなのかが分からない。確かに本が好き、でも何故かが分からない。好きだからって理由で大体済むけど、僕の場合そうじゃない気がする。好きだからと思うと自然に顔を横に振る。どうでもいいかも知らないけど。

 

アルブム『気にしても仕方ないよね』

 

読書好きの理由を考えるのを止めて、とりあえず本に手を掛けて取る。

 

アルブム「この本はなんだろう?」

 

模様1つなく、題名も無い。厚さが薄い本を僕はとった。試しにページを(めく)って読んでみる。

 

 

アルブム『豆乳には良質のタンパク質が含まれており、栄養値が高い特性を持っている。毎日1杯飲むとA〜Cまで…………』

 

僕は男として読んではいけない本を読んでしまったかも知らない。ブランさんごめんなさい。まさか手に取った本が胸を大きくする方法が書かれた本だと思わなくて……

僕はそっと本を戻して、何も無かったかのように最初の状態に戻す。幸いブランさんは寝ていたから気づく可能性は極めて低いけど、起きた時ちゃんと謝ろう。黙っているのもなんだが罪悪感があるしね。

 

アルブム「やっぱり僕も寝てようかな」

 

本を読んで暇を潰すのを諦めて、少し仮眠を取ることにした。その方が1番いいと僕は思った。それにブランさんの隠された一面を知った僕は、本に集中したくてもしきれないと思うし。

 

アルブム「えと、今10時だから11時30分近くまで寝ていよう」

 

時計を確認して、目を覚ます時間を決めてからすぐに寝ようとベッドよりにイスを置き、座って目を閉じる。そうしていたらすぐに眠気がやって来て、2分もしない内に睡眠に入った。2人っきりで寝ている寝室は、同じ大人しい者同士の静かな空間となった。

 

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ルウィー中央公園 紅葉園

 

《超次元ゲイムネプテューヌ The Animation promise》

 

ピーシェ「は〜」

 

公園のベンチに座っている私は三日前から悩みを真面目に抱えるようになった。

 

ピーシェ「んー……」

 

ガムを噛んで風船を膨らませながら空を見る。こんなに考えるの、エディンの国の事を考える以外で初めてだ。昔の私だったら、考える事なんて遊んで忘れる毎日だった。でも今回は違う。

 

ピーシェ『女神になった人は、一生成長しないってママやねぷてぬ達に聞いたけど、じゃあなんで女神の私が成長してるんだろう?』

 

そう言えば、今になって思い出した。自分の体が成長し始めたのは、丁度あの【扉】が初めて現れてからなんだよね。じゃあ原因は【扉】にあるのが普通だけど、それじゃあどうやって、何があって私は成長したの?初めて【扉】に入ったのなんてあの森林が初めてだし【扉】に原因があるなら入った後に私の体が成長する筈なのに、入るずっと前に私は成長している。じゃあ初めて現れた時だったら、私は何がどうやって関わったんだろうか……

 

パァ!

 

ガム風船が小さな声をなって破れた。破れた風船を回収してまた噛み続ける。

 

ピーシェ「そう言えば、どうやってなったんだっけ?そもそも」

 

(エディン)を作ってから今、本当に今更な思いついた。女神メモリー自体私は見てないし触れた記憶もない。意識が無い時に触れたとか?有り得そうだけど、使った時には必ず意識はある筈だし、女神になった瞬間なんて忘れられやしない。じゃあなんだろう?

 

???「となり……いいかしら」

ピーシェ「へ?……あ、はい。どうぞ」

 

頭の中で呟いてたら、隣に仮面を被った茶髪のセミロングの黒ずくめの女性が私に訪ねてきた。席を譲り、座ってきた。仮面を被った人なんて初めて見たけど、案外いるもんだね。でも声に聞き覚えがあるのは気のせいかな?

 

???「紅葉……綺麗だね」

ピーシェ「そ、そうですね。好きなんですか?」

???「えぇ……昔、お兄ちゃんに見せてもらって気に入った」

ピーシェ「そうですか」

 

私は紅葉が大好きって訳じゃないけど、見て綺麗だとは思える。昔、ねぷてぬにクエストのついでに連れてってもらった事があるけど、その頃の私は紅葉の魅力なんて分からなかった。

それにしても、やっぱり気のせいじゃない。この声、どっかで聞いたような気がする。

 

???「あなた、悩んでいるような表情をしていたけれど、何かあったの?」

ピーシェ「え?私、そんな顔してましたか?」

???「えぇ」

 

相当悩んでたんだな。成長はいい事、でも私の場合はそれが謎なのよね。

 

ピーシェ「まあ……色々……」

???「そう……隣、ありがとう」

ピーシェ「あ、いえ……」

???「また縁があったら、どこかで……って言っても、また会うけどね……」

 

 

ピーシェ「え?」

???「何でもないわ。あなたは何に悩んでるかは知らないけど、きっと解決出来ると思うわ。それじゃあ、良い1日を」

ピーシェ「あ……はい……」

 

ベンチから立った後、意味深な事を口にしてその場を歩いて去って行った。なんだか不思議な人だと私は思った。仮面の女性、もしかして悩んでいた私を慰めようと隣に来たのかな?世の中は見た目じゃないね。

 

ピーシェ「あ、もう12時だ。教会に戻ると」

 

気づいたら、公園の時計には短い針が12時を指そうとしていた。私はベンチから立って公園を後にする。実は料理をするのは私。ホワイトの昼食やアルブムとコピリちゃんのも作らないとね。

 




サクラ達はその日、個人で動いていた。サクラは特訓、アルブムはホワイトの面倒、ピーシェは悩み事の考え。それぞれの時間を過ごして1日を終えた。

一方その日のプラネテューヌではプルルートが心配だったノワールがやって来ていた。一週間眠っていたプルルートが目が覚め、ネプテューヌとノワールは嬉しい気持ちでいっぱいになり、心配していたイストワールやアイエフ達を呼ぶ。そして念のため、ダークメガミがこっちにも現れた事を伝えるべく超次元のイストワールに連絡を取る。無事連絡が繋がるがイストワールは少々疑問に思う点を持っていた。その内容にネプテューヌが驚く。

次回
Episode13 ハザマ


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Episode13 ハザマ

次の投稿はCadaver Of Deadの予定だったんですが、今回は今作の次話を投稿します。

なので Cadaver Of Deadの次話を楽しみにしている方、申し訳ありませんが少し遅れます。お許しください。


プラネタワー プルルートの私室

 

[ノワール]

 

ハネダ山道の奥に存在する巨大な森、名付けてハネダ大森林の調査を終えてから一週間。親友のプルルートが目を覚ました事をネプテューヌから連絡を受けて、残りの仕事を部下達に任せてやって来た。

 

《神次元ゲイムネプテューヌV PLANEPTUNE's Theme ver.V》

 

ノワール「と、最近日記を始めて見たわ」

ネプテューヌ「それにしても?あの生真面目なノワールが仕事を放ってやってくるなんて〜。ぷるるんが取られるのが嫌なのかな〜?」

ノワール「ち…違うわよ!と、友達が一週間経って目を覚ましたって言うから凄く心配してて……それで来ただけで……ていうか日記読まないで!」

 

相変わらずネプテューヌは私をよくいじるわね。そんなあなたはネプギアの事が心配の筈なのに。一応、ユニの事も心配なのだけれど……

 

アイエフ「ネプ子。ノワール様は本当に心配してたんだから、気持ちを分かってあげなさいよ」

コンパ「そうですよ。ねぷねぷ」

ネプテューヌ「そ、そんな〜。私は冗談を言っただけなのに〜。でも、ネプギアとユニちゃんの事も今も心配だな〜。ぷるるんは起きたのに、2人は起きないなんて……」

 

そう。ネプギアとユニは、あれから目を覚まさない。意識不明の状態が長く続いている。話によると、私に似た人物アリファと言う子に一度人質にされたけど、ジントの無茶な戦闘とダークメガミの出現によって開放された。原因があるとしたらアリファにあるけど、本人もその理由を知らないらしい。じゃあ一体何が……。

 

ネプテューヌ「とりあえず、いーすんに頼んで、向こうのいーすんにその事を話そうと思うんだ。今いーすん居る?」

 

ネプテューヌはいーすんがどこに居るのか、アイエフとコンパに尋ねる。

 

アイエフ「それなんだけど、帰ってくるのが夜になるって聞いたわよ」

 

夜に帰ってくる。それを聞いたネプテューヌはガックシする。

 

ネプテューヌ「そっかー。ぷるるんはまた寝ちゃって起きそうにないし……あいちゃんとコンパちゃんは仕事に戻っちゃうでしょ?」

コンパ「はいです。ごめんなさいです」

ネプテューヌ「だよねー。じゃあノワール!」

ノワール「な、何よ。ネプテューヌ」

 

ネプテューヌは何故か改まって私の名前を呼んだ。何よ、そんな思い切った感じに。

 

ネプテューヌ「どこか行こ!ここにいても仕方ないしさ」

ノワール「はぁ!?なんであなたと2人で出掛けなきゃ行けないのよ!」

ネプテューヌ「まあまあそう言わず〜」

 

ネプテューヌはそう言いながらゆっくりと私に近づき、耳元まで顔を寄せて来た。

 

ネプテューヌ『お願いノワール。ジントとアダスオラとどう友達になれるか教えるから』

ノワール「……っ!」

 

私は2人の名前を聞いた時、体がビクっと自然に反応した。私は迷わず、ネプテューヌと一緒に出掛ける事にした。男友達が欲しい、その思いを持って。

 

アイエフ「あんたがノワール様に何を言ったのか知らないけど、あまり迷惑掛けないようにしなさいよ?ネプ子」

コンパ「気を付けて行ってらっしゃいです〜」

 

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プラネテューヌ 喫茶店

 

アイスコーヒーが注がれたコーヒーカップを右手に持ちながら対面にいるネプテューヌに向かって話す。

 

ノワール「さあ、話してもらうわよ」

ネプテューヌ「そんなに急かさないでよ〜ちゃんと話すから、プリン食べた後に」

ノワール「早く食べちゃなさいよね」

 

ネプテューヌはプリンを食べて、大袈裟に味を堪能している。そんなに美味しいかしら?たまに食べるけど、やっぱり私はケーキ部類が好きだわ。

 

ネプテューヌ「ねぇノワール」

ノワール「何よ」

ネプテューヌ「どうして男友達が欲しいの?」

 

ネプテューヌは私の意外な要求に少し気になったのか本心を聞いてきた。

 

ノワール「興味を持ったからよ。プライベートで男性と関わった事ないし、まずどう接したらいいかよく分からなかったのよ。でも、ジントやアダスオラ、アルブム君達が初めてなのよ。それで、優しくて強い人もちゃんといると分かった時そう思ったのよ」

ネプテューヌ「そうなんだ〜!ジントは優しいからね。アルブム君もブランみたいに大人しいしね〜。じゃあアダスオラは?凄く冷たくて、鬼教官みたいに厳しい人なんだよ?」

 

確かにあいつは本当にムカつく。女神である私を小娘なんて生まれて初めて呼ばれたわ。でも実力を見た時は言葉だけじゃないのを理解した。ムカつくけど正直あいつの強さに憧れを持った。だからアダスオラとはただ友達になるんじゃなくて、戦い方を教えて貰いたいだけ。

 

ノワール「そうだけど、少なくとも悪い奴じゃないと思うのよ。ムカつくけど」

ネプテューヌ「そうなんだ!でも本当の事言うと、アダスオラとどうやって友達になるかなんて私には分からないよ〜」

ノワール「やっぱりそうだろうと思ったわ。そもそもあいつなんて、自分から馴れ合う気か無いみたいだし」

ネプテューヌ「そう思うとさ?頭を撫でられたブランは一生に一度っきりの体験だよね〜」

 

何だろう。いつの間にかガールズトークになってる気がするわ。でも悪くないわね。まさかネプテューヌとこんな話をするなんて夢に出ない限りないわね。

 

ノワール「一つ質問していいかしら?」

ネプテューヌ「何かな〜ノワール。私に質問なんて〜」

ノワール「あなたにとってジントはどういう存在よ」

ネプテューヌ「私にとってジントは命の恩人で、女神の騎士!男友達だよ!」

ノワール「女神の騎士?」

 

私はネプテューヌの発言に少し不思議な顔をする。その時のネプテューヌは表情少し照れながら目をとろんとしていた。

 

ノワール「……」

 

ネプテューヌの表情で見たのは初めてだった。ネプテューヌに限って恋なんてありえないけど、その表情から感じ取れたのは信頼だと私は思った。

 

ネプテューヌ「だってすごい真剣に言われたんだよ?俺が好きになった物を守る。女神様の笑顔を守るってね!流石の私でもキュンって来ちゃったんだ」

ノワール「ジントがそんな事を……」

 

私は改めてジントの事を思い浮かべる。仲間思いなのね。あなたはただのカッコつけたで強い人だと思ったのだけれど、ちゃんといいとこあるじゃない。

 

ノワール「かっこいいわね……」

ネプテューヌ「でしょ!だから女神の騎士って私が心の中で設定付けたんだよ〜」

ノワール「ジント……ますますあなたと戦ってみたくなったわ」

 

私は忘れてはいないわ。ジントとアダスオラ、特にジント、あなたの時空進化がどれほどの力か、近い未来体験させてもらうわ。

 

ノワール「教えてくれてありがとう。あなたにしてはいい話を聞いたわ」

ネプテューヌ「どういたしまして!喜んでくれて嬉しいよ!」

ノワール「それでね?あの……」

ネプテューヌ「え?なあに?」

ノワール「もう!ちゃんと聞きなさいよ……」

 

ネプテューヌは私の言う事にあまり聞こえていなかった。私は素直になれない事が悩みで友達に対して本心を話すのが苦手って部分があるが少しイラって来た。でもここは冷静になり、ネプテューヌの耳元に小声で話す事にした。

 

ノワール「…………」

ネプテューヌ「えぇー!」

 

私が小声で話した事にネプテューヌが大声を上げた。その声に、喫茶店にいる客が反応し、私達に視線が向く。

 

ノワール「ちょっとネプテューヌ。声が大きいわよ」

ネプテューヌ「ごめんノワール。だってノワールが私に言うとは思わなくて。でももうそんなに時期なんだね〜」

ノワール「えぇ……。実は残り日数も少なくなって日が近いのよ。【扉】の目撃は約9.5割に激滅。ほぼ見かけなくなった今なら可能なのよ。いいかしら?」

ネプテューヌ「へっへ〜ん。この主人公オブ主人公の私に任せなさい!それで他の人は?」

ノワール「あなたの発言が気になるけど。まあそうね。実は誘うメンバーは決めているわ」

 

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プラネタワー プルルートの私室

 

[プルルート]

 

ネプテューヌとノワールは出掛け、アイエフとコンパが仕事へ向かった時、プルルートが眠りから覚めた。

 

プルルート「ん〜〜」

 

瞼をゆっくり開けていくと、自分の顔を覗く誰かの姿が見えてきた。意識が覚醒し、ボヤけた視線が認識し始めると、覗いている姿の形がハッキリと分かってくる。よく見るとネプテューヌに似ている女性だった。

 

プルルート「おはよ〜。あれ〜?ネプちゃんにそっくりさんだ〜」

クロテューヌ「おはよう。ぐっすり寝てたみたいだね」

 

私は体の上半身を起こして背伸びをする。大きな欠伸をして徐々に頭の回転も良くなっていく。

 

プルルート「まあね〜。君は誰かな〜?」

クロテューヌ「私?私はクロテューヌって言うの。君は?」

プルルート「私はプルルート〜。プラネテューヌの女神だよ〜」

クロテューヌ「君がこの国の女神だね。しかも私のそっくりちゃんとお友達。まあそれは置いておいてあなた、今平気かな?」

プルルート「まだ眠いけど〜。大丈夫だよ〜」

クロテューヌ「実はね……」

 

クロテューヌは私の耳元に顔を寄せて何かを伝えてきた。その内容にあまりピンと来ないけど、きっと凄い事なんだと思った。

 

プルルート「え〜っと〜。その事をネプちゃんに伝えればいいんだね?」

クロテューヌ「そうだよ。お願いね」

 

そう言って背を向け、私室の窓の前に立って開けようと手を伸ばした時、私は一つ確認したい事が思い浮かんで、クロテューヌに尋ねようと呼び止める。

 

プルルート「あ、えっと、クロテューヌ〜」

クロテューヌ「何かな?」

 

私に呼ばれたクロテューヌはその場で体を振り向き、向き合うように目を合わせた。クロテューヌの目は他の人と違って白目が黒い色をしているのでびっくりはしたが、話を続ける。

 

プルルート「今は〜。私達は友達かな〜?」

クロテューヌ「………………」

 

クロテューヌは一言も喋らない。長く続きそうに思った空気だが、クロテューヌがその場でまた背を向けて窓に向いた瞬間、静かな空間から開放される。

 

クロテューヌ「今は…………ね」

プルルート「……あれ〜?」

 

その言葉が、今続いた会話の最後の言葉になるとは思っていなかった。何故なら、クロテューヌの答えを聞いた後、まばたきした頃には既に姿を消していた。

 

プルルート「クロテューヌ…………」

 

私は気になった。どうして今は友達なのかという事を……

 

プルルート「水……飲もう」

 

気づいたら喉が渇いていた。ベッドから降りて、リビングのところへ私は向かっていった。

 

プラネタワーの最上階の先端に、姿を消したクロテューヌが居る。クロテューヌはとある場所に視線を集中してみていた。その方向は、ジント達が初めて神次元に足を踏み入れた場所だった。

 

クロテューヌ「……これで……2人か……」

 

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プラネタワー 屋上

 

《神次元ゲイムネプテューヌV PLANEPTUNE's Theme ver.V》

 

[ネプテューヌ]

 

時間が流れて、日が沈んだ夜の時間に経った。私は今、屋上にいる。何でかって?それは電波がいいからだよ〜!

 

ネプテューヌ「いーすん!どこに行ってたのー!私は探してたんだから」

イストワール「ごめんなさいネプテューヌさん。それで御用はなんですか?(・∀・)」

ネプテューヌ「向こうのいーすんと連絡を取りたいだけど、大丈夫かな?」

 

そう!屋上に来たのはその為なのだ!次元を超えた連絡法だよー!え?どこに居たって関係ない?

 

イストワール「大丈夫ですよ。前にアップデートで通信に必要な時間が短縮され、3日間から3分まで短縮されたので、すぐ繋がりますよ(*`・ω・)ゞ」

ネプテューヌ「おぉー!流石いーすん!前より便利になったね!」

イストワール「遠回しに、昔は使えないスペックと聞こえた気がしますよ(´・ε・`)。今から通信開始するので少し待ってくださいね(´-ω-)」

ネプテューヌ「はぁい!」

 

まず何を話すべきか考えておかないとね。まず四女神は無事助けられたのと〜、ダークメガミが現れた事と、【扉】の出現が激滅。ネプギアとユニの状態、この4つを伝えればいいよね。

 

イストワール「あ!ネプテューヌさん。繋がりましたよ(*^ω^*)」

ネプテューヌ「はや!?もう繋がったの?」

イストワール(神)「こんにちわ」

イストワール(超)「こんにちわイストワールさん」

 

通信は本当に繋がっていた。前まで三日以上掛かっていたのに!?

 

ネプテューヌ「いーすん!変わっても大丈夫だよね?」

イストワール(神)「はい。大丈夫ですよ(・∀・)今からネプテューヌさんに変わるので、話を聞いて上げてください(*`・ω・)ゞ」

 

私はさっそく変わってもらう事にした。またハイスペックになったね!画面を表示して、向こうのいーすんの姿がまた大きく見えるようになったよー!

 

ネプテューヌ「いーすん!」

イストワール(超)「こんばんわネプテューヌさん。久しぶりですね」

ネプテューヌ「久しぶりかな?まあそれはいいとして伝えたい事があるんだ!聞いて聞いて!」

 

ネプテューヌは神次元に来てから今までの出来事を全て話した。

 

イストワール(超)「そうですか……。お疲れ様です。良くやりました。ネプテューヌさん」

ネプテューヌ「えっヘン!」

イストワール(超)「それにしても、例のダークメガミの再来、大変危険ですね。シェアリングフィールドがない現状では適える相手ではありません」

ネプテューヌ「そうなんだよね〜。でもね唯一勝てるかも知らないのがネクストフォームだけなんだ〜。ここからでもハイパーシェアクリスタルのエネルギーは感じるけどね〜」

イストワール(超)「え?ネプテューヌさん。ハイパーシェアクリスタルのシェアエナジーを感じているのですか?」

 

イストワールは、私がハイパーシェアクリスタルのシェアエナジーを感じている事に驚いている。そんな驚く事のかな?

 

イストワール(超)「本来シェアエナジーは、他の次元を超えて感じる事はありえません。一体何故なんでしょうか……」

ネプテューヌ「え?じゃあどうして私は感じていたのかな?」

イストワール(超)「ネプテューヌさん。神次元に到着後、いつハイパーシェアクリスタルのシェアエナジーを感じ取れるようになったのですか?」

 

初めて感じ取れた時…………

 

PH『………!? この感覚は………ハイパーシェアクリスタル!?』

 

あの時だよね。ぷるるん達を助けに行く時、ジェットセットに着いた時だよね。

 

ネプテューヌ「ジェットセット山道って言う、プラネテューヌとラステイションの間にある山に着いた時だよ!」

イストワール「そうですか……ネプテューヌさん。他の次元だと関わらず、ハイパーシェアエナジーを感じ取れる理由に、一つ心当たりがあります」

ネプテューヌ「さっすがいーすん!その言葉を待っていたよ!それで?その理由は?」

イストワール「こんな事は決してありえない事ですが、あくまで可能性です………おそらく……」

 

 

 

 

 

 

 

 

イストワール「私が居る次元とネプテューヌさんが居る次元が何らかの理由で繋がったのかも知りません。それも、行き来出来るほどに」

 

 

え?…………えぇぇぇ!




超次元のイストワールは理を無視した可能性、決して動かないが何らかの理由で動き、次元と次元が繋がっているかも知らない事を教えられた。その原因は不明。


一方、意識不明の状態であるネプギアとユニは、一緒に同じ夢を見ていた。その夢には目を疑う人物が二人現れた。知らない筈の神々しい声に聞き覚えがあり、夢の中を響き渡る。

次回
Episode14 幻想候補生と古の神獣


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Episode14 幻想候補生と古の神獣

???

 

[ネプギア]

 

綺麗な青空と連なる雲の下、平面が全て鏡かのように空を写す湖。気付いた時には女の子1人と一緒に湖に立っていた。360°全てが湖。地平線のそこまで全て湖。それ以外何も無い世界に私達はいる。

 

自然の風が静かに吹き、私の髪の毛と隣にいる女の子の髪の毛がゆらゆらと靡く。その時間が長く続いていて、何時何分経ったのか実は分からない。

 

ネプギア「…………」

ユニ「…………」

 

今頭にある事は「私は1人」今思い浮かぶ事はそれだけ。でも何か色んな事を忘れている気がする。そんな気がしないと言ったら嘘になる。

 

ユニ「ねぇ……」

ネプギア「…………」

 

この世界に立って初めて言葉を聞いた。いつから始まったか分からない無言の時間が終わり、隣にいる女の子に無言のまま顔を向ける。

 

ユニ「アタシ達……何でここにいるのかな……」

 

そんなの私が聞きたいよ。気付いたらここにいた。それしか分からない。何が理由でここにいるなんて知らない。

 

ネプギア「…………」

ユニ「ネプギア……」

 

どんな言葉を言えばいいのか、私には分からない。慰めればいいの?焦ればいいの?駄目だ、何も分からない。そもそもどんな顔をすればいいの?それ自体分からない私には、無表情でしか表せなかった。

 

ユニ「どうしちゃったのよ……ネプギア……」

 

女の子の表情が暗くなってる。なんで?私が悲しませたのかな?どうして?

 

ネプギア「…………」

 

私の表情が無表情のせいなのか、女の子は心配そうに私を見ている。

 

ユニ「ネプギア!何か言ってよ!言いなさいよ!」

 

女の子は無慈悲と思わせるような表情に我慢が出来なくなり、私の両肩を掴んで前後に揺らしてきた。

 

ネプギア「…………」

ユニ「どうしちゃったのよ!どうして何も言わないの……」

 

涙を流し始めた。両肩を掴んだまま、私を見つめながら何度も揺らしてくる。でもその力は次第に弱まって来て、最終的には私を抱きしめてきた。

 

[ユニ]

 

《Final Fantasy 10 いつか終わる夢》

 

ネプギア……。どうしちゃったのよ……どうして何も言ってくれないのよ。顔も変だし、怖いし。まるで心を持っていないような表情でアタシを見て……。

 

ユニ「ネプギア……お願い……いつものネプギアに戻って……。いつも優しくて、責任感が強くて、機械好きで、ネプテューヌさんが大好きなネプギアに戻って!アタシ……アタシの一番大好きな友達、ネプギアに戻って!」

 

アタシは必死に訴えるしかたなかった。ネプギアに抱き着いて、泣きながら訴える。でもネプギアは何も反応しない。それどころか温もりが微塵も感じてこない。まるで別人だと思わせるようだ。

 

ネプギア「……」

???「残念だけど、その子はネプギアであってネプギアじゃないぜ」

ユニ「え?」

 

男気がある声を聞いた。その声が聞こえた方向を見ると、その声の主が分かったが、アタシはその姿に動揺する。

 

ユニ「……っ」

 

姿がアタシと同じで黒髪で両腕の肘まで長さがあるストレートヘアー。長袖の白い服とその上に半袖の赤い線模様があるフード付きの黒いパーカー。オレンジ色と黒い模様があるショートパンツ。ほっぺに一枚の絆創膏が貼られているのがシンボルだと思わせるその子はアタシに似ていた。

 

???「驚くだろ〜?もう一人のあたいがいるだからな。ほい、ハンカチだ。涙を流しているあたいなんて、似合わねぇって」

 

彼女は笑顔で、ハンカチを手渡してきた。アタシは警戒しながらハンカチに手を指し伸ばし、手に取って涙を拭く。

 

ユニ「あ…ありがとう。あんた、誰なのよ」

レオタニス「あたいの名前はレオタニス。レオって呼んでな。ユニ」

ユニ「レオタニス……って何でアタシの名前を!?」

レオタニス「じゃあまず、ネプギアを離したらどう?抱きついたまま話すのもあれだろ」

ユニ「あ……」

 

アタシはネプギアに抱きついたまま話をしていたのをレオに言われて気付いた。恥ずかしくなったアタシはネプギアを離して、改めてレオに向き合う。

 

レオタニス「よし。じゃあ何でお前の名前知ってるかと言うとだな。それは秘密だ」

ユニ「ちょ……秘密って…まあいいわ。話を戻すわよ。あんたが言ってる、ネプギアでネプギアじゃないってどう言う意味よ」

 

アタシは少し強気で質問した。

 

レオタニス「えっとな。話が長くなるんだよな〜。言葉で知るより、実際に見た方が分かる。ちょっと悪いね〜」

 

レオはアタシに近づき、右手の人差し指と中指を垂直に立てたまま、アタシの額に付く。

 

ユニ「……っ!?」

 

視界の景色が変わり、ビジョンが映し出された。映し出された物はとある神殿、ネプテューヌさんとネプギアがある剣を手に入れた。その剣は見ただけで危険な物だと一目で分かった。

 

すると次のビジョンが映った。

 

ユニ「……!?」

 

信じられない物が映し出された。そこには剣を持ったネプギアがブランさんの腹部を突き刺していて、出血多量で倒れているロムとラムの姿が見えた。

ありえない……アタシはこんなの知らない!

 

そして更に次のビジョンが映った。

 

今度はベールさんが殺された様子を見せられた。

 

ユニ「…………」

 

その時のネプテューヌさんはかつての仲間の命が散る現実から目をそらしている。さっきの映像も同じだった。自ら殺しに掛かっているのはネプギア本人。ブランさんとロムとラムが殺され、次はベールさんが殺された。じゃあ次は……。

 

そう思った時、次のビジョンが映った。そこには……

 

ユニ「……!?」

 

お姉ちゃんが壁に背中を預けたまま、ネプギアに剣を刺され殺された。戦意喪失していたアタシの姿が映っていて、涙を流している。見てるこっちまで身震いがしてた時だった。

突き刺された剣を抜き取り、今度アタシに狙いを定めた。そして剣の射程内に入り、振り上げた所で止まった。声は聞こえないが、何か話をしているのが分かる。そして意を固めたのか映っているアタシは目を閉じ、そしてネプギアは剣を振り落とした。

 

ユニ「うっ!?」

 

アタシ自身は痛みを体験してないが、同じ姿をしていたせいか体が反応した。精神が削れていきそうにもかかわらず、次のビジョンが映った。

 

今度はネプテューヌさんとネプギア2人が映っていた。ネプギアは剣を構えたまま、ネプテューヌさんと対面で話をしている。ネプギアが構えている剣は、更に禍々しいオーラを纏っている。話を終えたのか、ネプテューヌさんは両腕を横に伸ばし、大人しく殺されるよう構えた。そしてネプギアは涙を流しながらも少しずつ剣を上げていき、長い時間を掛けて振り下ろされ、ネプテューヌさんは殺された。大量の返り血を浴びたネプギアはその場で座り込み、更に長い時間泣き叫んだ。泣き止んだ頃には、全く別人に変わり果て、女神化して空へ飛んでいった。

 

最後のビジョンだったのか視界は元の地平線の世界の景色戻った。

 

レオタニス「その後、魔神をも倒せる位に魔力が増加した剣、ゲバハーンは超次元を破壊する魔神を倒し、平和を取り戻した。でも最愛の存在を犠牲に使ってしまい、ネプギアにとっては一生報われない平和になってしまった。その頃のネプギアは精神が崩壊してしまったのさ。そのネプギアがこの子だ」

ユニ「こんなの……嘘よ!だってアタシは生きてるのよ!?お姉ちゃんも生きてるし、みんなも生きてるし、そもそもそんな魔神なんて……」

???「それがあったのだ」

ユニ「え?」

 

今度は威圧感がある女性の声が聞こえた。その声は後ろから聞こえたが、振り向こうとした頃には、声の主が後ろから前に歩いてきて、腕を組んだままアタシに振り向く。

 

ユニ「ま、まさかあんた……」

 

今度はネプギアだ。全身黒ずくめのネプギア。違いはあまり無いけど、表情がムッとしていて目が凛々しい。その感じはとても近寄り難い雰囲気を放っている。

 

???「貴様は知らないから物事が成り立たないと意見を述べるか」

ユニ「あんた……」

レオタニス「おいゼアラ。いい加減自己紹介をする習慣持てよ〜。知らない人に名前を知ってもらわないと後々困るだろ?」

ゼアラ「名前など、物をさす飾りに過ぎない」

レオタニス「お前な〜。ユニ、こいつはゼアラって言うんだ。こんな奴だけどあんま気にすんな」

 

この人、凄く怖い……。でも、じゃあさっきのビジョンは……。

 

ゼアラ「ユニと言ったな。貴様、次元はいくつ存在するか……分かるか?」

ユニ「そ、そんなの……分からないわよ」

ゼアラ「そうか……貴様が分かる次元なら4つ、貴様が生まれ育った超次元、現在いる神次元、そして超次元に憎しみを持つ、黒のうずめの心の象徴、心次元と零次元」

ユニ「……!?」

 

アタシはある名前を聞いて反応した。この人、暗黒星くろめを知っている!?じゃ、じゃあもしかしてうずめの事も?

 

ゼアラ「だが次元の数など、1桁どころから10桁あっても収まらん数が存在する。その中に、超次元だけが、2つ存在していた。そう、貴様がゲバハーンの礎となった超次元と本当の平和の超次元、その二つだ。だから貴様はその事実を知らない」

ユニ「じゃ…じゃあ……今までのネプギアは……ここにいるネプギアは……!」

レオタニス「お前とは別の超次元、もう一つの超次元の住民だ」

ユニ「でも…精神が崩壊してるんでしょ!?じゃあ何で今まで平然としていたのよ!?」

ゼアラ「簡単な事だ。記憶が封印されていたからだ。では何故こいつが貴様がいる超次元にやって来たか。それも簡単な事だ。四女神によって守護された次元、その四女神がいなければ次第に腐っていき、最終的には消滅する。そこでもう一つ超次元に流れ着いたのだ」

 

アタシは口を閉ざした。訳が分からない、こんなのいくら何でも…………可愛そすぎるわよ!?どうしてネプギアがそんな羽目に……。

 

ネプギア「…………」

 

ネプギアは変わらず、何一つ反応しない。ただ無表情で顔を合わせるだけ。ゼアラとレオタニスもそろそろ気になり始めたのかネプギアに目線が行く。

 

レオタニス「ネプギア……」

ユニ「…………」

 

アタシはどうする事も出来ない。ネプギアの残酷な過去を聞いたアタシは、ただ黙ってネプギアを見つめる。それだけ涙を流してしまいそう。そう思った瞬間。

 

ネプギア「……っ!?」

レオタニス「おい!ゼアラ!」

ユニ「……っ!」

 

ゼアラがネプギアを殴った。殴られたネプギアは初めて表情が変わり、後ろに倒れるように、その場で倒れた。アタシはゼアラの行動に呆気に取られた。レオタニスは二度目を起こさないようゼアラの肩を掴み、二度はやらせないとジェスチャーする。

 

ゼアラ「貴様……いつまでボケっとしている!」

ネプギア「…………」

ゼアラ「今もなお1人だと決め付けるのか?いい加減にしろ。貴様はもうこれで1人じゃない筈だ。過去を知り、本気で心配する物が隣にいるのが分からないのか!」

ネプギア「……っ!」

 

ネプギアがゼアラの呼び掛けに初めて反応した。ゆっくりとアタシに視線を向いて、見つめてきた。すると次第に涙を流し始めた。

 

ネプギア「ユニ……ちゃん……」

ユニ「…………」

 

アタシはネプギアから貰い泣きしそうになるが、必死にそれを耐える。

 

ネプギア「ユニちゃん……ごめんね」

ユニ「もう……ネプギアのバカ!し、心配したんだからね!」

ゼアラ「ふん……世話がかかる奴」

レオタニス「お前のそう言う不器用なところも世話がかかるよ」

ゼアラ「…………」

 

ネプギアは一度周囲の確認をしてから、その場で立ち上がった。そして殴られた部分を痛そうに摩っている。

 

ネプギア「い……痛い」

ユニ「大丈夫?ネプギア」

ネプギア「だ、大丈夫だよ……って、えぇぇぇ!?なんで!?ユニちゃんが二人!?しかももう一人私がいる!?」

 

場の空気が壊れたような気がしたわ……。レオタニスは苦笑いをして、ゼアラは不機嫌そうに顔をそらす。

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レオタニス「という事なんだ。分かった?」

ネプギア「えっと、はい!」

 

再度レオタニスが説明をした。そしてようやくアタシ達がどうしてここにいるのか話を聞く。

 

レオタニス「それで、どうしてここにいるのか知りたいんだよね?それじゃあ説明するよ〜。ここは一言で言うと、思いの試練なんだよ」

ネプギア「思いの試練?」

ゼアラ「天国と地獄の試練だ」

 

ゼアラは腕を組んだままそう答えた。

 

レオタニス「お前達2人は今、実際には意識不明の状態なんだよ」

ネプギア「えぇ!?」

ゼアラ「いちいち驚くな貴様」

ネプギア「ひぃ!だ、だって……」

ユニ「それで、どうしてアタシ達が思いの試練を?」

 

どうしてアタシ達なのか、それを問うと答えたのはゼアラだった。

 

ゼアラ「それは貴様らだからだ」

レオタニス「天国の神獣パラディソスがネプギアで、地獄の神獣コラスィがユニだよ」

ネプギア「ちょ、ちょっと待って下さい!何で私達何ですか」

ゼアラ「貴様らのある思いにひかれたのかも知れんな」

レオタニス「まあそれでなんだけど、強引ながらあたいらはここでさよならだよ。あたいらは親方に頼まれてここに来ただけだからさ、それじゃあ〜」

ネプギア「待ってください!」

 

ここから立ち去ろうと、ワープホールを出現させたところでネプギアが呼び止めた。

 

ゼアラ「…………」

ネプギア「また……会えますか?」

レオタニス「もちろんさ。実はあたいは今リーンボックスにいるんだよ!だから会えるさ」

ユニ「そう……また会おうね。レオ」

ネプギア「えと……」

 

ネプギアはゼアラに何か言いたそうにしていた。何度か言葉が詰まるが、ゼアラは言い切るまで待っていてくれた。

 

ゼアラ「なんだ」

 

ゼアラはいい加減イライラして来たのか、少し威圧感がある感じに話した。

 

ネプギア「はいぃ!ま、また会いたいです!」

 

ネプギアはその威圧に押され、勢いのまま思っていた事を話した。その言葉を聞いたゼアラだが、表情は何一つ変えず凛々しいままだった。

 

ネプギア「ダメですから?」

 

ゼアラは少し黙っていたが、すぐに答えが出た。

 

ゼアラ「いいだろう。せいぜい私の前で情けない姿を見せないようにするんだな」

ネプギア「う……うん!」

レオタニス「そんじゃあ、試練頑張ってね!上手く行けば、好きな人の力になれるぜ?」

ユニ&ネプギア「なぁ!?」

 

今……好きな人って……まさか……

 

ユニ「レオ……ねぇネプギア。もしかして、あの人達って……」

ネプギア「もしかしたら、ジントさんの事、知ってるのかも……」

 

レオとゼアラ、あんた達は何者なのよ。

 

《Final Fantasy 13 Dust To Dust色のない世界》

 

彼らの謎で考え事増えたところで、この世界に変化が起きた。それは、半分の景色が変わった事だ。アタシがいる位置から地平線まで黒い地に変化して、ネプギアがいる位置から地平線まで白い地に変化した。

 

ネプギア「な、なにこれ」

ユニ「もしかして、思いの試練が始まったかのかしら」

 

急な変化にアタシ達は動揺する。その時、ネプギアからは空から一つの白い輝きが降りてきて、アタシからは地から溶岩が噴火し、地を砕くように一つの赤黒い物体が現れた。次第にその姿が顕になる。

 

アタシ達は咄嗟にそれぞれ自分の武器を現出させ、構えた。その時、その2体の声らしき音声が響き渡る。

 

???『女神候補生よ。其方が警戒する者でありません』

???『そうだ。我らは汝に秘められし神獣なのだぞ』

ネプギア「え……」

ユニ「どうして……アタシはあんたの声なんて知らないのに、聞き覚えがある」

 

知らない筈なのに聞き覚えがあった。どこで聞いたのか分からない。神々しい声が聞こえた時には、2体の神獣の姿の形がハッキリした。

アタシの目の前に現れたのが大きな赤黒い龍、ネプギアの前に現れたのが白く輝く大きな鳳凰。2体の神々しいオーラにアタシ達は見とれてしまう。

 

パラディソス『我が名はパラディソス。ネプギア、あなたの守護神なのです』

コラスィ『我はコラスィ。地獄の神獣にして、お前のパートナーだ。ユニ』

ネプギア「…………」

ユニ「…………」

 

構えていた武器を自然に戻し、2体の神獣の話を聞く事にした。

 

コラスィ『そろそろ、我らの力を使う時が近づいている。今こそ契約する時』

ユニ「それは…どういう事なの?」

コラスィ『ユニよ。後に起こりうる災を乗り越えねばならぬ。それはお前が思う仲間の為』

パラディソス『もはや貴方方の力だけでは身を滅ぼしかねません。その禍を貴方方は刮目した』

 

もしかしてその禍ってダークメガミなの?

 

ネプギア「もしかして!?ダークメガミの事を言っているんですか?」

コラスィ『その一つだ。我らの間違いでなければ、もう少しでダークメガミともう一つ別の禍がやって来る』

パラディソス『ネプギア、今こそ契約の時です。新たなる力を持つ覚悟はありますか?』

ネプギア「そんなの……当たり前です!私はみんなを守りたい!」

ユニ「アタシもよ。契約しましょ!コラスィ!そして今度こそみんなの力になる!」

《超次元ゲイムネプテューヌmk2 GO→LOVE&PEACE》

 

アタシの決意はネプギアも同じだった。もうこれ以上守られる側じゃなくて、守る側になる。そしてお姉ちゃんを超える!

 

コラスィ『いい意気込みだ。それでこそ我が守護する者だ』

パラディソス『では、契約を開始します。女神候補生よ、手を合わせよ』

コラスィ『そして決意を示せ』

 

アタシ達は言われた通りに両手を合わして願いを込めるように握りしめ、決意を表す。

 

ユニ「地獄の神獣コラスィよ」

ネプギア「天国の神獣パラディソスよ」

 

「私達に大事な仲間を守る古の力を!」

 

2体の神獣が粒子化し、アタシ達を包み込む、それと同時に頭の中から一つの単語が浮かび上がり、その単語を叫ぶ。

 

ユニ&ネプギア「シェアーチェンジ!」

ユニ「ヘル!」

ネプギア「ヘヴン!」




幻想の中に現れた二人の女性、レオタニスとゼアラ。二人はある親方の命令でやって来たが、その理由を聞かず終いで姿を消した。その別れ際に2体の神獣が現れた。今後の災難に立ち向かえる力を契約し、ネプギアとユニは新たなる力を手に入れる。

その頃、神次元に突如危険種の群れが全国を襲撃してきた。超次元に起きた危険種の襲撃と比べ、圧倒的な数を誇る。各自国を守り抜こうと死守するジント達の前に、それぞれにクロテューヌ達とレオタニスとゼアラが現れ、意識不明の状態だったネプギアとユニが覚醒する。

次回
Episode15 天地鳴動 シェアーチェンジ!


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Episode15 天地鳴動 シェアーチェンジ!

リーンボックス付近 海上

 

[ジント]

 

物事は常に突如起こりうる物。それは誰しも理解してる。アリファがやって来たその次の日、それが起きた。

 

《機動戦士ガンダムOO 2nd DECISIVE BATTLE》

 

ジント「ちぃ!何なんだよあの数は!」

 

俺は超次元に起きた危険種の襲撃を思い出せる光景を見た

。いきなり途方の無い数の危険種が襲撃してきたのだ。海上の情報が伝わりやすいシステムをしたリーンボックスでは、侵入される前に迎撃に入る事が出来た。空中は俺とアダスオラとベールとアリファ、海上はリーンボックス海上部隊、リーンボックス国内は陸軍とブランが配置に付く。

 

アダスオラ「先に仕掛ける」

 

パーティカルジェネシスに時空進化した状態のアダスオラが両腕も前に突き出し、蒼いレーザービームを危険種の群れに向かって放ちながら、向かう。

 

アリファ「雑魚の群れなんて、いい暇つぶしになるわね!」

 

アリファは黒之剣(シャドウスパーダ)を展開して手に取り、アダスオラとは別の方へ猛スピードで仕掛けに行く。

 

GH「あなた方の力、頼りにしていてよ?」

ジント「任せろ!」

 

俺はそう言いながら、タキオンソードを射撃モードに変形させ、背部の翼型バインダーの出力を上げて、群れに向かって攻撃を仕掛ける。

 

GH「あら……美しい緋色の粒子ですわね。では参りますわ!」

 

ベールはハルバードを持って危険種を迎撃する。海上部隊も海上を滑るモンスターと戦い、海の上は戦場と化した。

 

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[サクラ]

 

ルウィー 山道付近

 

ルウィーでは既に危険種の迎撃に入っていた。山道付近と山の内部を同時に押し寄せてくる無数の危険種と戦っている。

 

コピリーエース「こんな戦闘は久しぶりだ!さあ共に行くぞ!友よ!」

ルウィー軍「おぉぉぉぉ!」

サクラ「あ、暑苦しいわね。でも無双クエストで修行して良かったわ」

月詠『はい。修行の成果で皆を活性化させましょう』

サクラ「承知!さあ〜行くわよ!」

 

山の内部に居る危険種をアタシ達が迎え撃つ。コピリーエース達は力で押し倒し、アタシは次々と危険種を切り刻む。

 

ルウィー教会 ホワイトの私室

 

[アルブム]

 

ルウィーの教会に避難している僕は、まだ怪我が完治していないホワイトさんと一緒に居た。

 

ホワイト「くっそ、怪我がもっと早く治っていれば!」

アルブム「ホワイトさん落ち着いて下さい!今は安静にしないと、怪我の治りが悪くなります!」

ホワイト「くっ……。ルウィーの女神なのに……情けない……」

 

ホワイトさんは女神として国を守る義務がある。しかしその義務は、体の怪我でそれを果たす事が出来ない事に悔やむ。見てる僕まで落ち込む。

 

アルブム「僕に力さえあれば……」

 

独り言を言った途端、1人の教会員がホワイトさんの部屋の前に掛けてきた。

 

教会員「ホワイトハート様!」

ホワイト「どうしたの、何かあった?」

教会員「実は、カセンと名乗る女性からの伝言がありまして………空中の危険種は私が殲滅するとの事でして」

アルブム「カセン?」

 

知らない名前……でも何故だろう?聞きなれた名前だと僕の脳が反応する。

 

ホワイト「それはありがたいわ。じゃあ、そのカセンって人と共に空中の危険種の迎撃するように伝えなさい」

教会員「分かりました!」

 

ホワイトさんの命令を聞いた教会員は命令の通達するべく、後のした。

 

ホワイト「無事に終わったら、カセンって人にお礼しないと行けないわね……」

アルブム「そう……ですね」

 

カセン……一体誰なのかな……

 

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エディン

 

[ピーシェ]

 

私は危険種が襲撃して来ている事を知って、急いで自分の国に戻った。着いた頃にはエディンの軍が迎撃にあたっていたが、他の国より少ないので、危険種がエディンへ侵入寸前まで追い詰められていた。

 

バトルスーツを装着したアクダイジーンとパパ(アノネデス)が戦っている所に私は向かう。

 

YH「お爺さん!パパ!」

アクダイ「遅いぞピーシェ!若者が遅れてきおって!」

アノネデス「はいはいこんな時に怒らないの。待ってたわよピーシェ」

YH「遅れてごめん……それじゃあ!今度は私が戦うよ!」

 

戦闘交代。お爺さんとパパが戦っていた危険種を倒しに前に出る。次々と襲う危険種を一撃で倒していき、群れを吹き飛ばすように駆け巡る。

 

アクダイ「やれやれ、女神には勝てんな」

アノネデス「成長した姿を見ると…少し涙を流しそうになるわね。でもアタシにはやっぱりノワールちゃんね!」

アクダイ「お主は相変わらず成長せんの〜。まあワシもそうだがな。全軍!ピーシェ様について行け!」

エディン軍「うおおぉぉー!」

 

エディン全軍に活性化し、どんどん危険種の群れを倒していく。しかしそれは陸に居る危険種、問題は空中を飛ぶ危険種。陸軍の対空射撃で倒せては入るが、数で押してるせいでさらに進んでしまっている。

 

YH「まずい!空のモンスターが!」

 

私が気付いた頃には、危険種がエディンに侵入してしまった。でもまだ建物には触れていない。今なら間に合う。そう思った時だった。

 

???「32式!エクスブレイド!」

 

侵入した危険種を一掃するように巨大な粒子体の剣がエディンを横切った。突然の攻撃にアクダイジーンとパパと軍全員が驚く。聞き覚えのある声を聞いた私は、その方向を見ると、その正体は宙を浮いていた。

 

《機動戦士ガンダムOO Power》

クロテューヌ「この次元じゃあ、一番防御が手薄なのはここかな?」

YH「クロテューヌ!助けに来たんだね!」

クロテューヌ「あなたは私のお気に入りだからね」

 

クロテューヌが助けに来た。ダークメガミを手軽に倒した彼女が入れば、百人力だ!

 

クロテューヌ「空の雑魚は私に任せて大丈夫だよ」

YH「分かった!みんな!この人は味方だよ!さあ一気に押していくよー!」

エディン軍「うおおおぉー!」

アノネデス「あらま……キュンと来ちゃうじゃない」

アクダイ「ワシらが知る、ネプテューヌではないようじゃがな」

 

ここから快進撃が始まる。陸は私達と空はクロテューヌ、それを前にして次々と危険種が倒されていく。敵に攻撃を許す事なく、戦闘が続いていった。

 

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ラステイション

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Fate》

 

[ノワール]

 

BH「ちぃ!押されている!」

 

突如現れた危険種、地上と空中を同時にやって来る。ラステイションに侵入しそうなところまで押されている。このままで侵入される。

 

BH「何としてでも押し返すわよ!」

ラステイション軍「うおおぉぉー!」

 

軍を活性化したとこで、どうにもならない。一体一体どれも弱いだけでものが幸いだわ。もしこれが接触禁止種だったら落ちたわよ!

 

BH「はあぁぁ!」

 

空中から攻める危険種を私と空軍と共に迎撃する。しかし数の終わりが見えない。

 

危険種「グルウゥゥラァァ!」

BH「はぁ!?しま……」

 

隙を突かれ、背後から危険種の体当たりをまともに受けてしまう。その衝撃で、地上に落とされる。

 

BH「やったわね!?こーのぉぉ!せえあ!」

 

私は急加速し、ダメージを与えた危険種をバスターソードで両断する。しかし両断した先の景色が見えた瞬間、更に隙を突かれた事に気づく。

 

BH「……っ!?まずい!」

 

危険種の侵入を許してしまった。次々とラステイションに侵入していく。

 

BH「そうはさせない!」

 

私は急加速し、侵入した危険種を倒しに向かう。その時、最前列に侵入した危険種が、何者かにダメージを受けた動作をし、更に幅が広い衝撃が放たれ、前の順から倒されていくのが見えた。

 

BH「誰が……」

 

よく見ると、奥にそれを行った1人の女性が立っているのを気付いた。銀髪の女性。女神のバトルスーツによく似た服装をしたその人物に見覚えがある。

 

マジェコンヌ「何をボサっとしている。前を向いて国を守れ」

BH「マジェコンヌ!」

 

その人物はジントとアダスオラの秘書的存在であるマジェコンヌだった。両刃剣を持って最前線に向けて走り出す。

 

マジェコンヌ「行くぞ。雑魚共を蹴散らす」

BH「わ、分かってるわよ!」

 

態勢を整え、再度迎撃に入る。マジェコンヌが火線してくれた事で、二手に別れて殲滅する。少しずつ押し返したその時。

 

???「ゆけ!フェザークエイクスピア!」

 

一つに固まっていた危険種に目掛けて、空から一つの黒い槍が降ってきた。そして命中した時、地面が一瞬「ドン!」爆発したかのように大きく揺れ、着弾した地面が大きな凹みが出来た。それに巻き込まれた危険種が倒れていく。

 

BH「今度は誰の攻撃よ!」

???「私よ」

 

地面に突き刺さった黒い槍の元に降りてきて、黒い槍を引き抜いた。私はその姿を見て動揺する。その人はベールに似ている。

 

BH「ベ……ル?」

マジェコンヌ「お前だったか……手伝え」

レーラ「分かってるよ。話は後にして、雑魚を残さず倒すよ。ラステイションの女神さん」

BH「ん……もう!後で説明してもらうわよ!」

 

話を後にして、目の前の危険種の群れを迎え撃つ事に専念した。さっきまで押されていた戦闘は徐々に有利になりつつあった。

 

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プラネテューヌ

 

[ネプテューヌ]

 

PH「クロスコンビネーション!」

アイエフ「カオスエッジ!」

IH「ファイティングヴァイパー!」

 

危険種を倒してはいるが、既に侵入を許してしまっている。軍事の技術が豊富ではないプラネテューヌは迎撃どころか、数で押され追撃されている。

 

IH「こんな状況、久々にムカついてくるわね」

アイエフ「ネプ子!何とかならないの!」

PH「このままでは、プラネテューヌが落とされるのは時間の問題ね……。こんな時に、ネプギアが居れば……」

 

今もなお、ネプギアとユニは目を覚ましていない。ネプギアがいない戦闘が、これほど苦しいと思った事は無い。

 

PH「踏ん張るわよ!もう少しすればきっと援軍が来るはずよ!」

IH「あはは!いい注文ね。まあ、最初からそのつもりだけどね!」

アイエフ「命が散るまで、私は戦うわよ!ネプ子!」

 

2人は私の言う通りに危険種の迎撃しに素早く向かう。

 

私は手を止めない。例え絶対絶命でも私は信じる。信じているの。

 

ジント『俺が好きになった物を守る。女神様の笑顔を守る』

 

私の最大の男友達。そして最愛を妹、ネプギア。お願い……目覚めて。

 

心の中でそう呟き、奥の手を使おうとした瞬間。

 

プラネテューヌ軍「パープルハート様!後ろです!」

PH「……っ!?」

 

付近に居た軍が私の背後から危険種が攻撃してくるのを聞いて、素早く振り向いたが、既に反応出来ない距離まで縮めていた。危険種の一体 、八垓禍津日神(やがいまがついのかみ)中でも危険な存在に入る上位危険種。鋭い牙で噛み付こうと仕掛けたその攻撃は、私を軽く飲み込めるくらいに大きい。このままではやられてしまう、そう思った時だった。

 

???「ラフディクラッシュ!」

上位危険種「ぐるぁ!?」

 

誰かの声が聞こえた瞬間、八垓禍津日神(やがいまがついのかみ)の噛み付き攻撃が何者かによって阻止された。右へ大きく吹き飛ばされ、建物に激突する。

 

IH「……っ!?」

アイエフ「何事よ!……っ!?嘘……?」

 

激突音に反応した2人は、咄嗟にネプテューヌの方を見ると驚く表情で、助けた人を見る。

そして私もその人を見た。願いは叶ったと思わせたが少し違っていた。

 

ガンブレードを肩にかけた黒ずくめのネプギアが立っていた。

 

PH「ネプギア……なの?」

ゼアラ「突っ立ってないで動け、ここは戦場だ」

 

そう冷たい発言を呟いた彼女は、私達を無視して危険種の群れへ向かい、迎撃を始めた。

 

アイエフ「ネプギア……じゃないわよね?」

IH「今はとりあえず、危険種を倒すわよ」

PH「そ、そうね。このまま行くわよ!」

 

黒ずくめのネプギアが戦闘に加わり、共に危険種を殲滅する。すると次第に数が減っていき、プラネテューヌに侵入した危険種全て倒し、後はプラネテューヌの外側の危険種の群れのみになったが、数が減ったようには思えられなかった。

 

ゼアラ「ちぃ……雑魚が砂のようにあるな」

 

危険種はまだ、景色を埋める程の数を誇っていた。前線で戦っているプラネテューヌ軍と合流する事は出来たが、それ以上に数が圧倒的だ。

 

PH「まだこんなに数が!?まだ援軍は来ないの?」

 

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リーンボックス教会 個室

 

[ネプギア]

 

ネプギア&ユニ「はぁ!?」

ネプギア「何とか……習得出来たね……」

ユニ「えぇ……」

 

私達は幻想から目を覚ました。ベッドの上に寝かされていた私達は一旦降りると、体中が汗で濡れているのがすぐに気付いた。しかし、何か外の様子がおかしい事にユニが気づく。

 

ユニ「ネプギア!外が騒がしいと思ったら!」

ネプギア「え?」

 

窓から外の様子を見てみると、海上で戦闘しているのが分かる。その時。

 

パラディソス『ネプギア』

 

頭の中から、幻想の中に現れた天国の神獣パラディソスの声が聞こえた。

 

ネプギア「パラディソスなの?」

パラディソス『はい。ネプギア、プラネテューヌへ向かうのです。貴方の姉、ネプテューヌが危機に迫っています』

ネプギア「そんな!分かりました! ユニちゃん!」

 

私はパラディソスの言う通りにお姉ちゃんが居るプラネテューヌへ向かう事した。その事をユニちゃんに伝えようとしたが……

 

ユニ「分かってるわ。今コラスィから聞いたのよ。急いで向かうわよ!」

ネプギア「うん!」

ユニ「行くわよ!カモン!スカイフライヤー!」

 

私は女神化した後、窓から出てて、後から現れたスカイフライヤーにユニが乗ってプラネテューヌへ最大速度で向かう。

 

ネプギア『今行くからね。お姉ちゃん!』

 

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プラネテューヌ

 

《神次元ネプテューヌV to Hell》

 

[ネプテューヌ]

 

PH「はぁ……はぁ……」

IH「ん……はぁ……」

ゼアラ「こいつ、しぶとい!」

 

危険種の数に終わりが見えてきたが、最後に残ったのが上位危険種20体。プラネテューヌ全軍とあいちゃんは戦闘不能、動けるのは私とぷるるんと黒ずくめのネプギアだけになった。

 

八垓禍津日神(やがいまがついのかみ)が5体、ダークドラゴン5体そして……

 

PH「何で……キングサーペントがここに?」

 

キングサーペントが10体、でも有り得ない。このモンスターは超次元や神次元にいないやつ。消滅した筈の次元、心次元のモンスターが何故ここに?

 

ゼアラ「来るぞ!」

PH「くぅ!」

IH「い!」

《超次元ゲイムネプテューヌ The animation UTTS》

 

私とぷるるんは力を振り絞って武器を構え、危険種の攻撃に備える。

 

危険種「グルラアァァ!」

 

20体の危険種が一斉に襲いかかる。ドラゴンが雄叫びを上げながら、先に攻撃を仕掛けてきた。

 

ゼアラ「……!」

 

ゼアラは自分に目掛けて来た攻撃をジャップで回避し、そのまま頭を踏み台にしてドラゴンの背後へ降りるようにしながらガンブレードでその背後を切り刻む。更に接近してきたキングサーペントの噛み付きを素早く回避し、横から前へ目掛けて一閃する。

 

自分の残り体力を考え、ここは広範囲攻撃で決める事にした。

 

PH「32式エクスブレイド!」

IH「サンダーブレードキック!」

 

私は空中に八つのエネルギー体の巨大な剣を召喚し、ぷるるんは大きなサンダーボール作り出し、向かってくる危険種に向けて放つ。構わず突っ込んできた危険種は八つの剣とサンダーボールをまともに受け、雷鳴と同時に爆発する。

 

PH「やった……かしら?」

 

シャアァァァ!

 

IH「……っ!ネプちゃん!危ない!」

 

爆発の中から一体だけキングサーペントが物凄い速さで私にのしかかってきた。

 

ゼアラ「しまった!?」

PH「……っ!?」

 

私は回避しようと試みたが、疲労で体が思うように動かない。このままでは今度こそやられてしまう。そう思った時だった。

空から一つの光がなり、その光がキングサーペントに向かって来ている。

そしてその光がキングサーペントに命中し、ダメージを受けたキングサーペントはバランスを崩し、横に滑り転がっていった。

 

PH「……っ!?」

 

光がやって来た方向を見ると、見慣れたプロセッサユニットを装着した女神と飛行物体に乗った女性がやって来て、徐々に呼び掛けてくる声が聞こえてくる。

 

PS「お姉ちゃん!」

ユニ「良かった!間に合ったわ!」

PH「ネプギア!ユニちゃん!」

IH「あらま〜」

 

ネプギアとユニが助けに来てくれた。2人は私の傍にやって来て、ネプギアは女神化を解除し、ユニはスカイフライヤーから降りて、帰らせた。

 

PH「二人とも……目が覚めて良かったわ」

IH「元気そうで良かったわ〜」

ネプギア「うん!」

ユニ「はい」

 

2人の姿を見た私とぷるるんは自然に笑顔を見せた。その中に、黒ずくめのネプギアが近づく。

 

ゼアラ「遅いぞ貴様ら」

 

黒ずくめのネプギアは少し不機嫌そうにネプギアとユニに声を掛けた。

 

ネプギア「ごめんなさ……って!?ゼアラちゃん!また会えたんだね」

 

急な呼びかけにびっくりして、謝ろうと顔を合わせた瞬間、一瞬にしてびっくり顔から笑顔に変わった。

 

ゼアラ「ゼアラちゃんだと?いつ貴様と仲良くなった!」

ネプギア「え〜。良いじゃん」

 

ゼアラと言う名前なのかしら?ゼアラはネプギアのちゃん付けに怒りを見せているが、ネプギアはそれをもろともせず笑顔のまんま。

 

PH「ネプギア?その黒ずくめのネプギアと知り合いなの?」

ネプギア「えっと、色々あってね」

ユニ「うん……でもまだ安心出来ません!早く元凶を見つけないと!」

ゼアラ「その必要はない。姿を見せたらどうだ?」

 

 

ゼアラが何も無い平の地面に顔を向くと、一部の空間から歪みが出て、ワープが現れた。その中からピエロのような姿をした者が現れた。

 

???「これはこれは……とっくに見つかっちゃってるのか〜」

IH「あなた、何者かしら?」

ドソン「ホーホーホ!私は次元のオペラ(道化師)ドソンでございまする〜の!ふーはははあぁー!」

 

ドソンと名乗ったオペラは踊りながら、挑発する動きを見せている。

 

ゼアラ「貴様が全国に危険種を襲撃させたんだろ?」

ドソン「もちろんです!どうですか?過激でしょ〜?」

IH「えぇ〜凄く過激だったわよ〜。それで今度あなたにこの過激を教えてあげたいわね〜」

ドソン「そんな事言っていいんですか?既にボロボロの癖に〜それに?まだパーティーは終わってないんだな!」

 

そう言ったドソンは周りに響くように両手を叩くと、地面が揺れ始め、徐々に強く揺れ出す。

 

疲労で立っているのがやっとだった私とぷるるんは抵抗出来ず、転んでしまう。

その内、ゼアラとネプギアとユニは強い揺れにも関わらず平然と立っている。

 

ちょっと続いた地震が更に強くなり、ドソンの後ろの地面から2つの巨大なハザマが開かれ、そこから這い上がるように巨大な禍が現れた。その禍を知る私は驚く。

 

PH「そんな!?ダークグリーンとダークブラック!?」

ゼアラ「貴様……小賢しい真似を!」

IH「これはまずいわね……」

ドソン「そーです!零次元の戦いで倒した筈のダークメガミで〜す!こんな物を見て?まだ強気で居られますかな?」

PH「く……」

 

シェアリングフィールドが無く、疲労で力が出ない今、奥の手が使えない。使えたとしても二体同時は勝機がない。一体どうすれば………。

 

ネプギア「倒します」

PH「え?」

ユニ「本来なら倒せないわね。でも今のアタシとネプギアは今までと違うのよ?」

ドソン「何です?やるのか?」

 

《SDガンダム Gジェネレーションワールド ハルファスガンダム戦闘BGM》

 

この状況にも関わらず、ネプギアとユニは強気で居た。一体何がその気にさせるというの?

 

IH「何か秘策があるのね?」

ゼアラ「ふん……奴に見せてやれ!」

 

ゼアラの言葉を聞いたネプギアとユニは、2人一緒に両手を握りしめた。すると、少しずつ宙に浮き始め、今まで感じた事ないシェアエナジーが伝わってくるのを感じた。ネプギアは白い羽に包まれ、ユニは両膝を抱えた状態で炎を纏った3つのリングが囲む。

 

PH「何をするつもりなの?」

ゼアラ「貴様ら、離れるぞ」

IH「え?ちょっと待っ……」

 

ゼアラは私達の両脇に腕を通し、無理やり掴まれてその場から離れる。

 

ネプギア&ユニ「神獣よ……希望の力を!シェアーチェンジ!」

 

ネプギアが包まれた羽が舞い輝き、ユニを囲む3つのリングが回転を始め、徐々に高速し炎で包まれた。その様子を遠くで見ていた私は、さっきまで感じたシェアエナジーが更に強くなっているのが分かる。そして、羽が舞い輝く光の中からエネルギーの白い翼が広がり、炎を纏ったリングからは爆炎と黒炎が混じった炎が吹き出している。

 

PH「新しい……姿?」

 

変身を遂げたネプギアとユニの姿は今まで見た事が無い新たなプロセッサユニットを装着した姿に変化した。




各全国の危険種の襲撃は終わりを迎える中、プラネテューヌではその襲撃を主犯、次元のオペラ『ドソン』が姿を表した。襲撃をパーティーと言い張るドソンはネプテューヌ達を退ける為に、2体のダークメガミを呼び入れた。かつての禍を目の前にしたネプテューヌ達は苦しむが、ネプギアとユニは動揺せず新たな力を使い、二体の禍に挑む。シェアリングフィールドが無い状況をネプギアとユニはどう戦うのか?そして新たな力はどれほどの物なのか?

次回
Episode16 ヘヴンU(ユニット)&ヘルU(ユニット) 対 ダークメガミ


の前に登場キャラが多くなったので
キャラ解説を投稿します。


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キャラ解説 ジント アダスオラ サクラ アルブム 「技のネタバレ注意」

ジント

歳は18歳

身長170

妄想CV 緑川(みどりかわ)(ひかる)

 

髪色は黒髪で毛先が赤い

髪型のモデルはいつか天魔の黒ウサギの(くれない)月光(げっこう)

瞳の色は一般的な黒

 

服装はユニに買ってもらった服を着用。上半身は白とY文字の黒く太い線状があるTシャツに黒革のジャケット。膝部分が破けたスタイルをしたダメージジーンズと白いハイカットを履いている

 

今作の主人公。曲がった事が嫌いで、敵だと認識している人以外の人に対して優しく接する性格をしている。実は綺麗好きなのだが、自分の身だしなみの状態に気付かない事が少々。ネプテューヌが突然神次元に向かった事をネプギアから聞いて、アダスオラ ネプギア ユニ ブランと共に アダスオラのハザマ(次元移動能力)を使って神次元に向かう。彼自身記憶を失っているが蘇りつつあるが、まだほんの少し程度である。服を買ってくれたネプギアとユニに恩を返そうとしてるが、なかなか機会がやって来ない事に頭を抱えている。ジント自身 全員親しい人だと思っており、中でも一番親しいと思っているのはブラン(超次元の)だと考えている。しかしそれはあくまで友達として。

 

『能力』

 

【タキオン】

任意で発動可能。髪色の黒い部分が赤く染まり赤髪に変色する。身体能力が大幅に上昇し、戦術などの力が発揮する。

 

【フォトライズ】

タキオン使用後で任意で発動可能。赤髪が緋色に輝き、体の周りに緋色の粒子が纏い、女神に近い力強さを持つようになる。本人は緋色の粒子が纏う事には気付いているが、髪色が緋色に輝く事には気付いていない。

 

【エフェクト】

任意で発動可能。背後に緋色のエネルギーを展開させ、時空剣(タキオンブレード)を召喚する。これにより時空剣を使った戦術を身に付く。時空剣(タキオンブレード)自体にも能力があり、一定距離の空間の時間を止める事が出来る。しかしその一定距離は近距離のみであり、中距離、遠距離には効果がない。切れ味は剣自体に纏う粒子の量によって切れ味が増すので、粒子が無くならない限り切れ味は悪くならない。時空進化時でも使用可能で、二刀流の戦術を可能にする事も出来る。

 

【スカーレットフォトン】

ジントの時空進化。全体のモデルは銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズタキオンドラゴン)

体全体が黒と赤い線状をしたカラーリングをしており、関節部分が緋色のエネルギーが輝く。瞳の色は黒から黄色に変色し爛々と輝く。

時空進化の際、タキオンとフォトライズは自動で発動されるようになっといて、全身は緋色の粒子が常に纏い、コーティングされている。その粒子は攻撃と防御が主な利用法。ブーストにも使う事は可能だが、元から速度が速いのでブーストには緋色の粒子は使われていない。粒子の量は特に底知られていない為、いくらでも使え、常にチャージされている。武器はタキオンソード。モデルはGNソードⅢ。刀身の切れ味は時空剣(タキオンブレード)同様、刀身部分を折り畳む事で、3連装の連射と収束させる事で大型粒子砲を放つ事が出来る。

 

【スカーレットフィールド】

時空進化時のみ使用可能。防御態勢時に使われる。スカーレットフィールドを展開する事で、打撃と斬撃、射撃を防御する事が出来る。しかし展開するのに約5秒掛かるため、すぐには展開出来ない欠点がある

 

【スカーレットドライブ】

時空進化時のみ使用可能。自身に纏う粒子を一つに圧縮させ吸収する事で、戦闘能力が飛躍的の上昇し、緋色の残像が残って見えるようになる。その効果で平均の3倍の火力と移動速度を誇るが、防御性が大幅に減少してしまう。

 

【セロ・フェルト】

時空進化時のみ使用可能。左手の人差し指、または右手の人差し指を伸ばし、緋色の粒子を圧縮させ放つ。その威力は禍空間(ダークスペース)を破壊させるほどである。

 

【フェザータキオン】

時空進化時のみ使用可能。背後に装着した大型ウィングバインダーの粒子部分から射出し、最大12体のエネルギー球が目標に向かって移動しながら攻撃するオールレンジ攻撃。6体分のエネルギー球が一つに圧縮しさせ、中型のレーザーを射撃可能。更に12体分のエネルギーを一つに圧縮する事で大型のレーザーを射撃する事が出来る。

 

【タキオンライザー】

時空進化時のみ使用可能。タキオンソードの刀身を展開させたまま大型粒子砲を放った状態にする事で、巨大なビームソードに変化させ、近距離から遠距離の射程内全てを両断する。しかし粒子砲放ちながらのバランス維持が困難であり、放ちながらの目標を目掛けて振り下ろすまで大型粒子砲の振動に耐えなければならなず、使用中身動きが簡単には取れない。モデルはダブルオーライザーのトランザムライザー。

 

 

 

 

アダスオラ

歳は18

身長169

妄想CV 浪川(なみかわ)大輔(だいすけ)

 

髪色は青

髪型のモデルは薄桜鬼(はくおうき)斉藤(さいとう)(はじめ)

瞳の色は青

 

服は茶色のマットで全身を包んでおり、靴はブーツ。ちなみに服装のモデルリクの黒コート。

 

ジント達と共に神次元に行く事になり、神次元へ連れていったジントのライバルと主張する青年。右目の下に伸びた青い線状があり、常に冷静で口調が冷たい。プライドが高いせいでよくトラブルの発展になる事も。そんなアダスオラには、他者にどう優しく接すればいいのか、どうすれば素直になれるかの2つの悩みを持っている。

 

『能力』

 

ハザマ(次元移動能力)

空間に間を作り、別次元の世界に移動する事が出来るアダスオラ自身の特殊能力。

 

【タキオン】

アダスオラの通常状態で戦闘する時のみ発動可能。

詳細はジントと同じだが、アダスオラの場合は髪色が青から蒼色に変色する。

 

【エフェクト】

蒼色の粒子を圧縮させ、召喚した2つの粒子剣の柄頭部分を合わせ 蒼光剣(そうこうけん)キュアノスライトへ変化させる。また分裂させる事で二刀流にもなれる。キュアノスライト自体エネルギー体で出来ているので、例え手放してしまっても粒子化させる事で即座に手元に復元させる事が可能で、力強さは女神と互角になる。キュアノスライトのモデルはウルキオラ解放時に使うフルゴール。

 

【パーティカルジェネシス】

アダスオラの時空進化。ボディのモデルは銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズフォトンドラゴン)

体全体は紺色で腕、膝から下の足まで蒼色に輝く。瞳の色に変化はない。背後には小型のスラスターから蒼色のエネルギーの翼が展開されており、モデルはフリーダムガンダム。常に蒼色の粒子を纏うようになる。その粒子の利用はスカーレットフォトン同様である。時空進化時の状態で蒼光剣(そうこうけん)を装備すると、纏った粒子を吸収し、斬撃の威力に変換される。粒子の量はスカーレットフォトンと同じ底知れずである。

 

【フォトンバースト】

時空進化時のみ使用可能。手の平に蒼色の粒子を圧縮させて放つ。その威力はセロ・フェルトと互角。

 

【サンライズ・レイ】

時空進化時のみ使用可能。翼から一度に6発ホーミングレーザーを放つ。目標に向かって行くレーザーは命中するまで追い続ける。更にホーミングレーザー同士合われば、威力が倍に増す。また前方に集中させる事で、誘導性能が失う変わりに強力な粒子砲を放つ事が可能。

 

【ジェネシスドライブ】

時空進化時のみ使用可能。詳細はスカーレットドライブと変わらず、蒼色の残像が残って見えるようになる。タキオンズドライブは防御性が大幅に減少するが、ジェネシスドライブの場合は減少しない変わりに使用時間が限られている。

 

【オーバーブレイク】

時空進化時のみ使用可能。キュアノスライトに粒子を吸収させ、中型サイズに変化させ切り刻む。二刀流に分裂させたキュアノスライトにも対応しており、強力な連続切りを繰り出す。

 

【グングニール】

時空進化時に発動可能。蒼光剣(そうこうけん)キュアノスライトを垂直に持ち、目標に向けて投擲する。避けられたとしてもキュアノスライトの能力で即座に手元に戻し、再度投げる事が出来る。

 

【イグニッションダイブ】

時空進化時のみ使用可能。粒子を爆発的に放出させ、青炎を纏い目標に向かって急加速し体当たりする。山をも粉砕する頑丈さを誇り、絶対的な防御力を持ち、生半可の攻撃ではびくともせず、防御対策にも有効。

 

 

 

 

サクラ

歳は17

身長168

妄想CV 高橋(たかはし)美佳子(みかこ)

 

髪色は薄茶色

髪型のモデルは閃乱カグラの斑鳩(いかるが)

瞳の色は少し明るい焦げ茶色

 

服装は白と青のカラーリングの肩出しの袖が肘まで長さがあるトップス。茶色とスカート部分が黒のキュロットスカート。赤と白のランニングシューズを履いている。

 

空から落ちてきた男女の1人で、ジントと同様の記憶喪失者。凛々しい瞳と明るい性格をしており、物事をハッキリさせないと気が済まない。よく破天荒な行動を起こす。月詠から授かった舞桜(まいざくら)を毎回手に付けると、当たり前のようにアダスオラの力になろうと考えてる事には疑問を持っている。サクラは太刀を扱い、居合切りが基本攻撃。その剣技のモデルは戦国BASARAの石田 三成(いしだ みつなり)

 

『能力』

 

月下乃刀(げっかのとう)舞桜(まいざくら)

月詠から授かった妖刀の太刀。手にして戦闘状態に移行すると瞳と髪色が綺麗な白に変色し、常に静かに靡くようになり、身体能力と戦闘能力が飛躍的に上昇する。しかし空が飛べないのが欠点。

 

月詠流(つくよみりゅう)桜ノ風(さくらのかぜ)

鞘から引き抜く際刀身を光らせ、無数に舞う桜の花びらを斬るように連続の居合切りを繰り出す。

 

月詠流(つくよみりゅう)三日月(みかづき)

周囲の敵に向かって、三日月型の斬撃波を放つ。

 

月詠流(つくよみりゅう)十二刀(トゥエルブサーベル)

一体の目標に鞘から迅速的に切り刻み、時間差で現出する桜色の十二の斬撃が定めた一体を斬り刻む。

 

月詠流(つくよみりゅう)月光(つきびかり)

特殊な閃光で全空間を暗闇にし、嵐のように斬り刻む。鞘に刀身を収めた瞬間、無数の斬撃が現出して目標を襲う。

 

月詠流(つくよみりゅう)月牙天衝(げつがてんしょう)

前方に向かってX文字の斬撃波を放つ。力を貯める事で斬撃波を大きくする事が出来る。

 

【アマノフチミチ】

短時間の間宙を駆け巡る事が出来る唯一の空中移動。空間を駆けていき、高いとから一気に落下して両断や、地形移動が主な使い道。

 

【満月の加護】

時間帯が夜の間、月の光を浴びる事で通常の2倍の威力が秘めた斬撃にする事ができ、受けた負傷を自動回復する事が出来る。

 

 

 

 

アルブム

歳は17

身長167

妄想CV 福山(ふくやま)(じゅん)

 

髪色は黒髪

髪型のモデルは銀魂の坂田(さかた)銀時(ぎんとき)

瞳の色は緑色

 

服装はジッパー付きの白いパーカーと茶色いジーンズ。黒いスニーカーを履いている

 

空から落ちてきた男女の1人で、ジントと同様の記憶喪失者。いつも不安気の表情をしていて臆病だが思いやりがある人で優しい性格。まだ友達になっていない同じ読書が趣味であるブラン(神次元の)と友達になりたいと影から思っている。プラネテューヌからハネダ山道まで全力疾走したにも関わらず、息を切らさないでいた様子からして、見た目に寄らず、かなりの体力の持ち主だと思われているが…………



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キャラ解説 クロテューヌ アリファ カセン レーラ 「技のネタバレ注意」

クロテューヌ

歳は不明

身長153

CV 田中(たなか)理恵(りえ)

 

髪色はネプテューヌと同じ

髪型はネプテューヌより伸びた感じで前髪が顎まで伸びたM文字バング

瞳は、獣のように鋭く白目が黒

 

服装は茶色のマントと白のマントを使い分けて羽織っているが、ピーシェが初めて見た時はネプテューヌに似たパーカーの茜色と白とピンクのカラーリングと白黒の縞模様の靴下と赤と白のカラーリングのハイカットを着用していた。

 

ネプテューヌに似た存在。その正体はジントの妹。

性格はネプテューヌと似たように天然だが、いざって時は見違えるくらいに口調が冷静になる。ジント達を苦しめたダークホワイトを絞りカスと言い放ったその実力は現時点でも底知れない。アリファによると「ダークメガミ5体が相手でも、片手で戦う程度でしかない」と言わゆるチート的実力者。兄であるジントが大好きで、いつも兄の事を思っており、それを理由に会いに行ったりする。ピーシェの事がお気に入りのようだが、その理由は不明。歳は不明だがジントを兄と呼ぶ事からして、ジントより年下なのは間違いない。クロテューヌが使用する主体的な武器は現時点も不明だが、ネプテューヌが所持する技を全て持っている。ネプテューヌ達にとって、ある重要な事を知っている。

 

『能力』

 

【32式 エクスブレイド】

ネプテューヌの技であり、クロテューヌの技でもある。巨大なエネルギーの剣を構成させ、目標に向かって発射する。

 

【メガグラヴィティークラスター】

両手に黒いエネルギーを展開させ、ブラックホールの玉を作り、巨大化させて目標に放つ。その際、ブラックホールの影響で自分以外の者に強力な重力によって重みが生じると同時に黒い電撃が迸り、地形を破壊する。更に巨大化した時、引きずる力が発生し、周りの物がブラックホールに吸い込まれていく。そして最終段階、放たれた瞬間、押し潰されるような重力が発生し、身動き出来なくなる。攻撃のモデルはグランゾンのブラックホールクラスター。

 

サムサラ・オブ・グラディウス(輪廻の剣)

多数の空間を繋げ、時に流れる幾万のありとあらゆる剣を取り出せるようになり、雨が降るように撃ち込む。事実上剣は無限と等しく、いつまでも無限に撃ち込む事が出来る。攻撃のモデルはギルガメッシュのゲート・オブ・バビロン。

 

開闢破す創世の星(ヲザム・エヌガドラ)

破皇剣(はこうけん)クウによる森羅万象の一撃。刀身が二つあり、その間に重力を生み、圧縮され鬩ぎ合い生まれた斥力となって絶大な破壊力を放つ。その威力は天地を裂き、次元をも凌駕するそれはまさに最強最悪の一手。クロテューヌがこれを使用するのは非常に稀で、気に入った相手にしか使わず、データ空間か状況を一変させる時のみ使用する。剣と攻撃のモデルはギルガメッシュの乖離剣エアと天地乖離す開闢の星(エヌマエリシュ)

 

【カオス・バースト】

自身の力を蓄積し、一気に放出する事により発生する爆発攻撃。その威力は周囲にある大半の物は吹き飛ばし、消し炭と化す。モデルはシャドウのカオスブラスト。

 

【ルス・フィルマメント】

天から光の雨を降らせ、広範囲を破壊する。モデルはFinal Fantasy 12 のシャイニングレイ。

 

【ヘキサグラム・エレメンタル】

周囲に火、水、土、風、聖、闇の六つの属性を展開させそれぞれ、目標にビームを放つ。また敵に間合いを踏み込まれないようにする対策にもなり、攻撃を受けた際に身代わりのもなる。

 

【イドミーシロウファ】

ビームを放ち、着弾した際に発生する爆風で薙ぎ払う。

 

【アイギスフィールド】

空間に絶対防壁のフィールドを展開させる。展開を解除しない限り絶対に抜け出せず、また侵入する事が出来ない。例え開闢破す創世の星(ヲザム・エヌガドラ)の破壊力でも崩壊しない。

 

【時空移動】

空間を瞬間的に移動出来る能力。また他の次元へ転移する事ができ、手を握れば共に他の次元に移動する事が可能。

 

 

 

 

アリファ

歳は不明

身長162

CV 今井(いまい)麻美(あさみ)

 

髪色はノワールと同じ

髪型はポニーテール

瞳の色は青色

 

服装は灰色の袖なしハイネックシャツと同じ袖なしの黒いロングコート。ハイネックシャツのモデルはクラウド・ストライフでロングコートはセフィロス。右足の太ももから左足の膝まで下がるように裂けた黒いスカート。

 

ノワールに似た存在。その正体はアダスオラの妹。左目の下に垂直に伸びた青い線状を持つ。常に他人を見下す性格で、特に弱き者には口調が冷たい。認めた者だけには心を許した態度を取り、その中で兄はもちろん、仲間(クロテューヌ達)とジントだけ認めている。特に兄に対して甘えん坊と言う一面があり、時々気持ちが言葉に出る事も。過去にジントに勉強を教えてもらった事があるが事実上、間違いではない。アダスオラを兄と呼ぶ事からして、歳はアダスオラの年齢より下だと考えられる。ノワールに似てるだけあって、所持する技を全て持っており、実力は女神2人を圧倒させる。扱う武器は黒之双(シャドウスパーダ)

 

『能力』

 

黒之双(シャドウスパーダ)

アリファの基本武器。剣のモデルはブラックロックシューターのブラックソード。黒之双(シャドウスパーダ)には特殊能力があり、その効果は周囲の意思が炎で映し出され、見通すようになる。また剣を投げる事でブーメランのように機能する事が可能。

 

【トルネードソード】

虹色に輝く剣を召喚し、物体を一閃する。その切れ味はオリハルコンをも切り裂く。

 

【トルネードスライサー】

虹色に輝く二つの剣を合わせ、超巨大化した剣で唐竹割り、また薙ぎ払う。エネルギー体の剣である為、重みを感じる事がなく隙もない。モデルはエクストリームガンダム タキオンフェイズのタキオンスライサー。

 

【ブラッククラッシャー】

周囲に麻痺効果がある衝撃波を放つ。巻き込まれた者は約3秒間体の身動きが効かなくなる。モデルはエクストリームガンダム タキオンフェイズのサイコクラッシャー。

 

【イラプション】

剣を地面に突き刺す事で、周囲に広がっていくように地面から炎の柱が発生し、吹き飛ばす。

 

炎波疾風烈(えんはしっぷうれつ)

剣を振る事で発生する炎の衝撃波を連続で飛ばして切り裂く。モデルはガンダムブレイカーシリーズのスラッシュレイヴ。

 

炎光刃(えんこうじん)

剣に青い炎を纏わせ、閃光の如く敵を斬る。その際、瞳が爛々と眼光が光る。モデルはヴァイサーガの光刃閃。

 

【時空移動】

クロテューヌと同じ。

 

 

 

 

カセン

歳は不明

身長152

CV 阿澄(あすみ)佳奈(かな)

 

髪色はブランと同じ

髪型は肩に着く位のセミロング

瞳の色は真紅

 

首元に赤いマフラーを巻いており、黒の忍服で肩から肘まで肌を露出していて、肘から手首まで黒の袖を着ていて、黒と水色の横線模様のスカートを着用。服装のモデルはパズドラの究極初芽局(はつめのつぼね)

 

ブランに似た存在。その正体は不明で歳も不明。

一人称は僕。忍びと思わせる姿をしている。普段無口だが、話す時はいつも優しげ。しかし戦闘モード時は殺し屋のような物騒な言葉を話す。左目は狼の模様がある眼帯で隠している。剣を逆手に構えて戦う戦闘スタイル、その実力は女神1人と匹敵する。扱う武器は漆剣(うるしけん)ダークソラス。カセンにもブランが持つ技を持っているが使う事があまりなく、氷を使った技のみよく使われている。また変身出来るような発言を一度口にしている事により、他の仲間も変身出来ると思われる。カセンには兄と呼ぶ存在がいるらしいが、それも現在不明。

 

『能力』

 

漆剣(うるしけん)ダークソラス】

カセンの基本武器。モデルはステルクの剣。忍びが扱うような小刀と違い、ダークソラスは剣。ダークソラスには特殊能力があり、持つ事で本来剣自体にしか見えなかった残像の軌跡がカセンにも現れるようになる。またダークソラス自体物理を持った影で出来ており、重みがないので構えていながらも身軽に動ける。

 

冰槍(ひそう)

水色の魔法陣を展開して氷の槍を現出させて飛ばす。

 

氷激水晶(ひょうげきすいしょう)

地面に手を付けて、敵の周囲に氷の結界を展開させて徐々に圧縮させて押しつぶす。

 

疾風氷斬(しっぷうひょうざん)

剣に冷気を纏わせて振ると、斬った空間が凍り付く。更に剣の押し合い時に使う事で、接触している剣に冷気を流し込み凍り付けにする事が出来る。

 

次元凍牢(じげんとうろう)

敵の周囲に氷の柱を発生させて閉じ込める。モデルは日番谷冬獅郎の千年氷牢。

 

氷天乱舞(ひょうてんらんむ)

宙に氷の足場を作り、宙に浮く者を音速で切り裂く。

 

【口寄せ】

自分の血を代償にモンスターを呼ぶ。カセンの場合、数々の氷モンスターを召喚する。氷の虎、氷の龍など。

 

 

 

 

レーラ

歳は不明

身長167

CV 佐藤(さとう)利奈(りな)

瞳の色は赤

 

服装はベールと変わらず、黒と赤のダークなカラーリング。

髪色と髪型も変わらない。

 

ベールに似た存在。その正体は不明で歳も不明。

ベールと比べて非常に好戦的な性格。実力は女神ブラックハート以上か同等。扱う武器は漆槍シャドウランサー。戦う時は最初は必ず手加減し、後から徐々に力を付けていく戦闘スタイル。主に斬撃魔法攻撃を得意とし、ベールが所持する全ての技も持つ。また姉と呼ばれる存在がいる

 

『能力』

 

漆槍(うるしそう)シャドウランサー】

レーラの基本武器。モデルはランサーのゲイボルグ。シャドウランサーには手にした者の魔力を増加させる能力がある。

 

【ウィンドエッジ】

槍に風を纏わせ、そのまま斬撃の力に変換させて攻撃する。

 

【ブラッディースピアー】

黒のオーラを槍に纏い投擲する。その威力は地に大きく凹ませる威力で、無理に受け止めようとすると簡単に弾き飛ばされる。

 

【フェザークエイクスピアー】

漆黒の風を刀身に集中させて投擲する。地に命中すると、その周囲に強力な暴風と振動を与える。

 

【ソウルイーター】

踏み込んで闇を纏わせた槍で突き刺し、左手の闇の玉をぶつける。モデルは闇セシルのソウルイーター。

 

【ゲイ・ボルグ】

槍に蓄積した魔力を放出させ、強力な力に槍となして投擲する。その一撃は音速を超え、一度狙われば並の者なら受け止めるしかない。

 

【サンダーライトニング】

漆槍(うるしそう)シャドウランサーの魔力で生み出す強力な雷。天から降り注ぐ威力は大地を喰らう。

 

【ヴィントホーゼ】

自身に周囲に巨大な漆黒の竜巻を発生させ、竜巻の吸引力に捕まった者は、流れに飲まれ、共に巻き上げられた地形の岩や木を打撃させる。また身を隠す事も出来るので防御にも役立つ。




次の投稿は本編の続きを投稿します


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Episode16 ヘヴンU&ヘルU 対 ダークメガミ

HS(ヘヴンシスター)→ネプギア
HS(ヘルシスター)→ユニ


《機動戦士ガンダムエクストリームVS - Divine Act -The Extreme- 》

 

ドソン「なんだ?その姿は」

PH(パープルハート)「ネプギア……ユニちゃん……」

 

眩い光と燃え盛る炎が私の視界を釘付けにした。その中に姿を表したのは、白いレオタードとエネルギーの大きな翼を持ち、エメラルドグリーンの髪色に変色したネプギアと黒と赤のレオタードと肩から翼のように伸びたキャノンとスラスター、赤いロングストレートヘアに変わったユニだった。

 

HS(ヘヴンシスター)「ヘヴンシスター……あなたを倒す者です!」

HS(ヘルシスター)「アタシはヘルシスター。さっさとアタシと戦え!お前を思い出から消し炭にしてやるわ!」

ドソン「女神風情が……やってしまえ!ダークメガミよ!」

 

新たな力と闇の女神の壮絶な戦いが始まった。ネプギアはビームサーベルを右手に展開し、ユニは2丁のライフルを現出させ、真正面からダークメガミに仕掛ける。

 

DG(ダークグリーン)「……!」

DB(ダークブラック)「……!」

 

ダークグリーンは巨大な槍を振り上げ、正面から来るネプギアを目掛けて勢いよく振り下ろす。

 

PH(パープルハート)「ネプギア!」

HS(ヘヴンシスター)「受け止めて……見せます!」

 

ガシ!

 

槍とビームサーベルがぶつかる音が轟く。ダークグリーンは振り下ろした槍を更に力を込めて押そうとするが、少しも押せない。

ダークメガミの一撃を……受け止めた!?

 

HS(ヘルシスター)「お前はアタシのお姉ちゃんを1度取り囲んでたらしいわね。そのつけ、ここで返させてもらうわよ!ダークブラック!」

DB(ダークブラック)「……っ!」

 

ユニは攻撃に入った。2丁のライフルを構えて、向かって来るダークブラックに銃口を向けた。

 

HS(ヘルシスター)「っ!」

 

ユニが仕掛けた。上空を移動しながら、周囲について射撃する。ダークブラックは射撃が着弾し反動を受けながらユニを目掛け巨大な剣を振る。

 

IH(アイリスハート)「ねぷちゃん。ダークメガミって言うのは、シェアリングフィールドがないと倒せないのは本当なのよね?」

PH(パープルハート)「え…えぇ。私達はそうやって対抗して倒す事が出来たわ」

IH(アイリスハート)「でもその様子だと、シェアリングフィールドが無くても倒せそうよ?」

ゼアラ「…………」

 

HS(ヘヴンシスター)「はぁぁ!」

DG(ダークグリーン)「……っ!」

 

ダークグリーンの槍を受け止めていたネプギアは、それを跳ね除けバランスを崩したところで、ビームサーベルでダークグリーンの脇腹部分を切り刻み、摩擦が迸る。更に追加攻撃で背中を下から斜め上へ切り上げ、更に摩擦がなる。

 

HS(ヘヴンシスター)「これはどうですか!」

 

ダークグリーンより高い位置でエネルギーの翼を羽ばたかせ、そこから無数のエネルギー弾が発射され、雨のようにダークグリーンを襲い、着弾する度に爆風が発生する。

 

PH(パープルハート)「凄いわ。ネプギアが押してる」

 

 

HS(ヘルシスター)「遅いわ!喰らいなさいブレイブカノン!」

 

片方のライフルの銃口にエネルギーを圧縮し、大型ビーム砲を発射する。ダークブラックの背後に炸裂して爆発し、大きな衝撃を受けたダークブラックはバランスを崩して前に倒れようとする。

 

HS(ヘルシスター)「まだまだ!」

 

背後に立っていたユニが突然黒炎を纏ったと思いきや、姿を消した。

 

HS(ヘルシスター)「追加攻撃よ。デスペラード・フルバースト!」

 

姿を消したユニはいつの間にか、前方に倒れようとしていたダークブラックの前に立っていた。合体させていた2丁のライフルと4つの翼のキャノンをダークブラックに向けて、一斉射撃し放出された。回避する余地もないのは当然、合計5つの大型ビームをまともに受けたダークブラックはそれに押されるように後ろへと押し飛ばされた。そして地面に倒れ、その衝撃で場が揺れだす。

 

ダークブラックを……押し飛ばした!?

 

ドソン「なぁにぃ!?ダークメガミを押すとな!?」

 

ダークグリーン「…………!」

HS(ヘヴンシスター)「見える……私にもあなたの動きが見える!」

 

爆風で巻き起こった煙の中から、ネプギアに向かって槍を突こうと動いたが、その攻撃が見えていたネプギアは簡単に回避した。隙が出来たところに、ネプギアは見逃さず攻撃する。ビームサーベルを消して、拳で仕掛けた。

 

HS(ヘヴンシスター)「ふん!てい!せいやぁ!」

 

拳に眩い光が照らしだしダークグリーンの腹部を三発殴る。一撃が重いのか、1発の反動で歪む。2発、そして最後三発目でダークグリーンを吹き飛ばした。50mほど飛ばされ、その位置にあった自然へと薙ぎ倒される。

 

その時だった。

 

クロテューヌ「助太刀はいらなそうだね」

PH(パープルハート)「……!?あなたはクロテューヌ!?どうしてここに」

IH(アイリスハート)「あらー、クロテューヌじゃない」

ゼアラ「ボス……」

 

私の背後に、いつの間にかクロテューヌが立っていた。急に現れた事に動揺する。

 

クロテューヌ「ネプテューヌ。他の国の危険種は全滅にしたよ。後はここだけ」

PH(パープルハート)「全滅?って事は……もしかして?」

ジント「そのもしかしてだぜ。ネプテューヌ、プルルート」

アダスオラ「ふん」

BH(ブラックハート)「待たせてごめんなさい。2人共」

PH(パープルハート)「ジント…皆……」

 

ジント アダスオラ ノワール ブランが駆け付けてきてくれた。他の国にも危険種が来てたようだけど、無事に終わったのね…。

 

ブラン「クロテューヌがリーンボックスに来て、プラネテューヌに行こうと言われて来たけど、もう終わりそうね」

PH(パープルハート)「そうなのね。でもその心配はいらないわ。ネプギアとユニに任せましょう」

ジント「え?いやそんな。まだ意識が目覚めてない……って!?あれが!?光の翼がネプギアで炎を放出してるのがユニなのか!?」

 

ジントはダークメガミが誰と戦っているのか、その正体を全員が知り、驚きの表情を見せる。

 

ゼアラ「その通りだ……ボス。貴様の目論見通りでいいんだな?」

 

そこに割り込むようにゼアラが話をする。その姿がネプギアにそっくりであって、駆けつけた皆が動揺する。

 

クロテューヌ「うん。こうでもしないと、あのピエロ達の軍団には適わないもん」

 

そう話している内、そろそろ終止符の時が来た。

 

ドソン「ちぃ…つまらないな〜私はさっさとこの場から帰ろ〜と」

 

面白げが無くなったのか足元に次元の裂け目を作り、その中へ入っていった。

 

HS(ヘヴンシスター)「あ!逃げた!」

HS(ヘルシスター)「放っておきなさい。今はこいつらはぶっ倒すわよ……ふふ……」

ダークブラック「……!」

ダークグリーン「……!」

 

ネプギアとユニの力に圧倒され、2体とも一つにまとまっていた。

 

 

HS(ヘルシスター)「うっふふ……ねぇネプギア。ここはアタシに任せてよ。今まで力になれなかった分、ここで全て返えさせてもらうわ」

HS(ヘヴンシスター)「わ…分かった」

クロテューヌ「ネプギアー!こっちに来てー!」

HS(ヘヴンシスター)「え?……クロテューヌさん!?ってジントさん!?皆!」

ブラン「まさか……本当にネプギアだったのね」

 

駆けつけていた仲間の存在を知ったネプギアが、私の元へ猛スピードでやって来た。

 

PH(パープルハート)「もう戦いが終わるの?ネプギ……」

HS(ヘヴンシスター)「ジントさぁぁぁぁん!」

ジント「えぇ!?ちょ!?」

 

猛スピードで戻ってきたネプギアは私にじゃなく、ジントの方へ向かい、勢い良く抱きつく。

 

HS(ヘヴンシスター)「ジントさん!会いたかったです!あははぁ〜」

ジント「バカ、やめろ!俺が時空進化してなかったら、受け止め切れなかっただろ!?」

PH(パープルハート)「ネプギアが……私じゃなく……ジントに……?」

クロテューヌ「さあユニ以外集まったね。それじゃあ…行くよ!アイギスフィールド!」

 

《超次元ゲイムネプテューヌ The animition UTTS》

 

クロテューヌを中心に紫色の透明なバリアが発生し、私達と、プラネテューヌ軍とあいちゃん、そして私の後ろにあるプラネテューヌ全体を囲み、バリアが展開された。

 

PH(パープルハート)「このバリアは………?」

クロテューヌ「絶対防壁だよ。さあ……ユニ!やっちゃえ!」

 

HS(ヘルシスター)「あははは!さあ……地獄へ突き落としてやる!」

 

ユニは体全体に黒炎と火炎を纏い、詠唱し始めた。

 

 

HS(ヘルシスター)「地獄の業火を纏いし龍よ!我に罪深き禍に罰する許可を下したまえ!」

 

 

その瞬間、四角い結界が現れ、ダークメガミを逃がさないように囲み始める。そしてユニが纏う炎が巨大化し、龍の形が表される。

 

HS(ヘルシスター)「地を砕き轟き叫べ!」

 

最後詠唱が終わり、ユニに纏った龍が雄叫びを上げ、天を羽ばたき、上空からダークメガミへ目掛けて落下し始めた。

 

HS(ヘルシスター)「ジュデッカ!」

 

炎が増して急加速し、一気にダークメガミへ突っ込む。貼られた結界が地形ごと一瞬にして砕き、絶大な爆炎が巻き起こった。爆風と爆音が周りの地形を轟き破壊し、地震が起きた。

 

PH(パープルハート)「っ!?なんて威力なの?」

IH(アイリスハート)「くぅ!?」

BH(ブラックハート)「キャ!」

ブラン「うっ!?」

アダスオラ「ちぃ!世話をやかせる!捕まれ小娘!」

 

揺れに耐え切れないブランはアダスオラに捕まって凌ぐ。

 

ジント「この力……ユニなのか?って何でお姫様だっけしてるんだ俺は!?」

ネプギア「あぁんジントさん…このままでいいですよ〜」

ジント「いいから宙に浮けよネプギア……」

 

揺れが逃れる為宙を飛んでいたが、何故かジントはネプギアを抱き上げていた。その場で下ろそうとするがネプギアが降りようとしない。

 

PH(パープルハート)「ネプギアが…私にだけじゃなくジントに甘えん坊に……」

クロテューヌ「もう〜お兄ちゃんは私のなんだから!」

 

この状況にも関わらず、私は目の前のネプギアのおかしな行動に落ち込む。私だけの妹が……

 

そうしていく内、強烈な衝撃が止み、爆風が止んだ。ユニがいる方向を見ると、核爆発が起きた跡かのような地形に変わり果て、ダークメガミの姿もない。

 

クロテューヌ「アイギスフィールド……解除」

 

プラネテューヌ中を囲んでいた紫色のバリアは解かれた。クロテューヌのお陰で、国はユニが起こした爆風の被害は受けずにいられ、全員無事だと確認した後、私は空を飛んではユニがいると思われる変わり果てた地形の真ん中を見ると、そこには炎を纏ったユニがこちらに戻ってくるのが見えた。

 

PH(パープルハート)「ユニちゃん……無事だったのね」

HS(ヘルシスター)「はぁん!。色々とスッキリしたわ」

PH(パープルハート)「でも、流石にやり過ぎよ。これは……」

HS(ヘルシスター)「大丈夫よ。後はネプギアが一気に直してくれるわ……ネプギア!後は頼んだわよ」

HS(ヘヴンシスター)「分かったよユニちゃん!それじゃあちょっと頑張るね」

ジント「お…おう……」

 

ネプギアはジントに下ろして貰い、その場で少しずつ空を高く上昇し、両手を握りしめながら詠唱を始めた。

 

HS(ヘヴンシスター)「天空の光よ。偉大なる叡智を持って、傷跡を残された者に癒しの恵みを……」

 

翼が天使の翼に変わり、光り輝く羽が舞う。

 

PH(パープルハート)「……温かい光……」

アイエフ「何……優しい感じが……」

 

全身に光が包まれ、徐々に温まり、負った傷跡や疲労が治っていく。すると、戦闘不能だったプラネテューヌ軍とあいちゃんが意識を取り戻し、目を覚ます。

 

HS(ヘヴンシスター)「ヒーリング・ベル」

 

最後の詠唱を唱えたネプギアは、翼を大きく広げた。すると翼から虹色に輝く光が広がりだし、空の景色を埋めた。私の傷だけじゃなく、地に負った傷、破損した建物、そして変わり果てた地形が光だし、元の地形に修復されていく。

 

HS(ヘルシスター)「ね?心配ないでしよ」

PH(パープルハート)「そ……そうね」

 

ゼアラ、そしてネプギアとユニちゃんの新たな力のお陰で、プラネテューヌに襲撃してきた危険種やダークメガミを倒す事でき、無事幕を終えた。

 

―――――――――――――――

 

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―――――――――

 

 

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プラネタワー リビング

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

[ジント]

 

誰か説明しろ!説明しやがれ!この状況をなんとかしろ!

 

 

ジント「いつまでネプギアに抱き着かれていなきゃダメなんだ!」

ネプテューヌ「ネップゥゥゥ!ネプギア!抱き着くならジントじゃなくて私!お姉ちゃんに抱き着いてよー!」

ブラン「ふふ……いい絵ね。傑作よ」

ジント「見てないで助けろよブラン!」

 

俺は今、危険種の襲撃の幕が閉じた後からずっとだ。ずっとネプギアに抱き着かれている。こんなネプギアなんて俺は見た事ない!もう誰かに似た人だ!そうに違いない!

 

ネプギア「もう〜。私はネプギアですよ〜?どんな時もネプギアで〜。いつまでもネプギアなんだよ〜?」

ジント「当たり前な事を言うな!酒でも飲んで酔ってるだろ!?」

ユニ「そうよ!いい加減離れなさいよネプギア!」

ジント「ほら、ユニも怒ってるからいい加減……」

ユニ「あんたが離れないとアタシが抱き着けられないじゃない!」

ジント「いや何でそうなるの!?」

 

俺を助けてくれるかと思いきやお前か!絶対おかしいって!

 

ネプテューヌ「私は……ネプギアに捨てられちゃったのか……あは……あはは……。うわぁぁぁぁん、ぷるるん!ネプギアに捨てられちゃったよ!」

プルルート「は〜い。よしよし〜」

 

ネプギアに捨てられたと勝手に思い、一緒にいたプルルートに泣きじゃくり、それを優しく撫でられてる。

 

イストワール「これは……あれですね。私はちょっと仕事がありますからごゆっくりどうぞ(´^∀^`)」

 

遠くから見ていたイストワールはそう言い残し、リビングを後にする。

 

ジント「ちょおぉぉ!なんで逃げるの!?」

ブラン「大丈夫よ。私は逃げないわ。だからもっとその傑作を見せなさい」

ジント「いや止めてくれ!」

 

 

プラネタワー 庭

 

[ノワール]

 

アダスオラ「全く騒がしい奴だ。だが、だからと言ってお前が抱き着こうとするなアリファ」

アリファ「少しく…らい……いいじゃんお兄ちゃん〜」

 

アリファは顔を抑えられながらもアダスオラに抱きつこうと必死に腕を伸ばす。その様子を私とクロテューヌと、ネプギア似のゼアラが見ている。

 

クロテューヌ「まあいいけどね。あぁなっちゃうのも仕方がない」

ゼアラ「例の神獣の力に関係するのか?ボス」

クロテューヌ「そうだよ」

 

神獣……あの壮絶な戦闘が終わった後、ある程度話を聞かせてもらった。意識不明の状態の時、クロテューヌの力でゼアラとユニに似たレオタニスって言う女の子を幻想の中に送り出したらしい。それが引き金になって、古い時代からネプギアとユニを選んだ神獣の封印が解かれ、契約した。そこから生まれたデメリットに私は呆れる。

 

ノワール「力を使う代わりに、あれが必要って……」

 

愛の補給って……まるで私達女神の力の元である信仰と同じじゃない……。

 

クロテューヌ「しかも、戦闘が終わった後にその反動で理性を失って、隠していた想いが顕になる。そこまでいいけど!よりにもよって私のお兄ちゃんに想いを寄せてたなんて……誤算だったな〜」

 

クロテューヌは予想外の誤算に悔やんでいた。一瞬ネプギアとユニは力強い物を持ったとは思ったけれど、面倒臭いデメリットね……

 

ゼアラ「オマケにネプギアは私に似ているんだ。私自身じゃなくてもネプギアがそうしていると、見てるこっちが悔やんでくる」

ノワール「あなた達も大変ね」

アダスオラ「だが、まあ第一歩にはなったんだろ?クロテューヌ」

クロテューヌ「まあ事実上はね」

ノワール「第一歩って、何がよ?」

アリファ「まだ気付かないの?無能ね〜。第三者の事よ」

ノワール「第三者?」

 

第三者の存在なんて初耳よ!でも知らないなんて言えないわ……。何かないかしら……第三者になりうる存在……。まさか!?

 

ノワール「もしかして、ダークメガミと一緒にいたあのピエロみたいなやつの事?」

クロテューヌ「ご明察。アイツらが第三者だよ。ノワール」

ノワール「アイツら?」

クロテューヌ「そう…アイツら、組織なんだよ。第三者の敵って言うのは」

アダスオラ「その組織をどこまで知っている?」

クロテューヌ「ん〜。実は過去に既に私だけで全員ネップネプ(ボッコボコ)にしたんだけど、確かピエロを入れて8人だったかな?」

アリファ「あんたも容赦ないわね」

クロテューヌ「私からすれば、そいつらなんて本気を出すまでには至らないの。あ、ちなみに顔も能力も実力も眼中にないからね」

 

だ、ダークメガミを操っていた組織をそんな風に……。あんたは一体何者よ。

 

そんな、戦いの後とは思えない、苦笑いが起こるような雑談をして行き、時が流れて夜の時間帯になる。

 

[ジント]

 

《超次元ゲイムネプテューヌ The animition tune》

 

俺はやっと開放された。ネプギアのギュー地獄とユニのギュー地獄から開放された。合計六時間戦っていた俺はやっとだと思い、一日の疲れを癒すべくここにいる。

 

プラネテューヌ 銭湯の

 

ジント「はぁ……極楽極楽……」

 

湯気が漂い、丁度いい温度設定されているこの銭湯は個人的に居心地がいい。これで誰か話し相手が入ればこれ以上体を癒せる環境この上ない。なんだが…………

 

 

 

 

 

ブラン「そうね……」

ノワール「そうだね」

 

 

混浴

 

 

ジント「…………」

 

二度目を言わせてもらうぜ。

物事は常に突如起こりうる物。それは誰しも理解してる。

でもだからと言ってこれは有り得ない……。誰か…俺に1人でいられる時間を下さい。




ネプギアとユニの新たな変身、神獣化の力によって、立ちはだかったダークメガミをシェアリングフィールドなしで倒して無事幕を閉じた。しかし神獣化のデメリットで理性を一時的に失い、ネプギアとユニが想いを寄せている人に遠慮なく触れ、それに巻き込まれてしまったジントは色んな意味で戦っていた。そして夜に開放され、疲れを癒す為に1人で銭湯の湯に浸かるのだが、何故か付いて来たノワールとブラン、そして混浴。しかし更なる者がジントが居る事と混浴だと知りながら湯に浸かりに来た。ジントにとって2度目になる修羅場をどうやり抜けるのか?

次回
Episode17 休息無し!修羅場の再来!


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Episode17 休息無し!修羅場の再来

艦長!艦付近右斜め45度に敵影(女性)1体とブランが出現しました!

なんだと!?メインカメラ(視界)に映らなかったとでも言うのか!

原因が分かりました!ミノ〇〇〇ー粒子(湯気)です!

くぅ!だが好機だ!既に展開されたミノ〇〇〇ー粒子(湯気)は恐らく(女性)メインカメラ(視界)にも影響がある筈だ!

 

ジント『ま…待て、なんでノワールとブランがいるんだ!俺は1人で湯につかりに来た筈だ。つまりここは間違いなく男湯だ。滑っても女湯には入らない』

 

大至急メインカメラ(視界)の記録を調べろ!!

分かりました!

 

ジント「…………『つい声を出してしまったが、多分気付かれていない。でもなんで女が男湯にいるんだ?』」

 

艦長!メインカメラ(視界)の過去の記録を確認した結果、思わぬ事が発覚しました!

なんだ!

このエリアは……敵エリア管理内(混浴)です!

なあぁぁにぃぃぃ!?

 

ジント『そうだ思い出した……この銭湯。確か入口前に混浴って書かれていた。しくじったな……これは俺のミスだ!』

 

だ…だが!まだ(女性)は我々を感知していない筈だ!このまま(女性)が離れて行くのを待つ!何が起きても動くな!

 

脳は言っている。身を隠し続けろと……

 

俺は気付かれないように白い湯気を利用し、背景に溶け込むようにタオルを頭巾みたいに被って身を伏せる。

 

ジント『これならバレない筈だ』

ブラン「そう言えば、ここは混浴だったわね」

ノワール「えぇ。多分プルルートが設定したのかも知らないわ。私には、そう思わせる事が一度あったのよ」

ブラン「もしかして、プルルートと一緒に体を洗った?」

ノワール「そうよ。それも隅々まで……」

 

ぐぅぅぅ!なんだ!どこからの攻撃だ!

敵影(女性)からの攻撃 です!

馬鹿な!我々を感知されていない筈!G〇フィールド展開!

G〇フィールド展開!

 

脳は言っている。耳を塞げと……。

脳に命じられた通り俺はタオルの上に更に両手で耳を塞ぎ、2人の話し声から逃れようとする。

 

ブラン「隅々……ね。例えばどこかしら?」

ジント『ブラン貴様!?止めろ!とか言って声は出せないが止めろ!やめろビーム!』

ノワール「そ!そんなの言えないわよ!」

ブラン「へー。言えないとこを洗われたのね」

ノワール「うぅ……い、言わないでよ……」

 

うぅぅぼあぁぁぁ!

艦長ぉぉぉぉ!気を確かにぃぃぃ!

はぁ……はぁ……ば、馬鹿な!G〇フィールドをいとも簡単に貫通しただと!

!?艦長!(女性)一体に感知されました!

なんだと!?

 

ノワールと話をしていたブランは、少しこっちに振り向く動作を見せ、顔が見えた時だった。

 

ブラン「ニヤリ」

ジント「……!?」

 

ブランはどうやら俺が居るのを最初から知っていたらしい。という事はわざとか!?

 

ジント『ぐぬぬ……覚えとけよブラン。必ず恥ずかしがらせてやる』

ノワール「どうしたのよ、ブラン?」

ブラン「なんでもないわ」

 

ブランの様子が気になったノワールは声を掛けたが、何も無かったかのように振り向いた顔を元の向きに戻る。

 

艦長!感知されましたが、こちらに仕掛ける反応がありません!

あえて近付かないとでも言うのか!

 

ブラン「ノワール」

ノワール「何かしら?」

ブラン「もしも、この混浴に男が入ってたらどうする?」

ノワール「はあぁ!?そ、それはびっくりするけど……もし何かされたら叩きのめすわよ!」

 

それを聞いたブランはまたこっちに振り向き、いかにも「だそうよ」と言ってる様な表情で俺を見る。俺は首を必死に横に振り「俺はそんな事しない」と言う感じでジェスチャーする。それを見たブランはクスっとした。ブランって実はいじり好きなのか?Sなのか?

 

ブラン「ちなみに、私も叩きのめすわ。一部の人を除くけど」

ノワール「何よそれ〜。もしかして、好きな人でもいるのかしら?」

ブラン「好きな人……ね。…それは言えないわ」

ノワール「何言ってるのよー。今は私達しか居ないんだから、別に話したっていいじゃない?」

ブラン「そうなのだけれど……うぅ」

ジント『ふふふ!墓穴を掘ったかブラン!』

 

艦長!ブランと敵影(女性)の戦闘が始まりました!

仲間割れか……若しくは元から敵同士か……。だがまた好機だ!このままやり抜くぞ!

 

ブランがちょくちょくと俺を見てくる。ブラン、俺がそっちに行ってみろ、ノワールに叩きのめされるんだ。だから大人しく自分で墓穴を掘ってしまった己の不幸を呪うがいい。

 

ノワール「あ、そうだわ」

ブラン「な、何をするつもり?」

 

何かを思い付いたノワールは突然ブランに近付き、その場でブランの両手を塞ぐように掴み挙げた。

 

ブラン「ひぃ………」

ノワール「でも今の私じゃあここまでが限界なのよね」

 

2人の様子を見ていた俺はこう思った。ノワールに攻められてないか?ブランよ〜。

って言うか目が離せなくなったのは何故だ!?これも男の初動なのか!?

 

艦長!緊急事態です!艦のコントロールが失われました!

なぁんだとぉ!?

さ、更に敵影(女性)のエネルギー振動波あり!形態変化!

ま……まさか!?

 

ノワールが光に包まれ、ブラックハートに女神化した。その時、湯気でほとんど見えなかったがバスタオルが…………

 

ジント『なんで動かないんだ!動いてくれ!俺の体!』

BH(ブラックハート)「さぁ〜大人しく白状しなさいブラン。差もないと力ずくでも吐いてもらうわ」

ブラン「くぅ……」

 

これはいわゆるあれだ。拷問って言うのか?

 

その時だった。

 

《機動戦士ガンダムUC MOBILE SUIT》

 

艦長!エリア内に敵影(女性)のエネルギーが接近!数は……4体!ネプテューヌとネプギアと2体!その内一体感知されました!

なあにぃ!?

 

ネプテューヌ「つ……ついに欲望が収まらなくなったか!ブランの体が欲しいと?」

BH(ブラックハート)「なぁ!?ネプテューヌ!?ち、ちがうわよ!これは…そう言うのじゃなくて!」

アリファ「あ、あなたね……」

ネプギア「…………」

クロテューヌ「見られた……みたいな顔だね〜。アリファも災難だなー似てるんだから。【ねぇージントお兄ちゃん】」

ジント「……!?」

 

頭の中から?まさか俺が居るの知っていながら来たのか!?

 

ブラン「これは……その……」

 

なんかブランが照れた顔でいるんだが……。この現場に遭遇した者がみたら、間違いなく攻められているとしか思えられない。

 

BH(ブラックハート)「違うのよ。ブランには好きな人がいるっぽいのよ。それを聞き出そうとしてただけよ!」

ネプテューヌ「あぁー……。って、えぇぇぇー!?」

ネプギア「ブランさんが恋しているんですか!?それは誰なんですか?」

ブラン「う……は、恥ずかしいわよ」

 

エリア内に侵入したネプテューヌとネプギアがブランを集中攻撃!

敵影(女性)は一体何がしたいのだ!我々を感知した者はなんだ!

解説を開始します!…………出ました!アーク〇〇〇ル級!それ以外解説不能!

強〇機〇〇装艦か!

 

ネプテューヌ「ふ〜ん。もしかしてアダスオラとか!?」

アリファ「い、言っておくけど!お兄ちゃんは譲らないわよ!」

ブラン「それだけは有り得ないわ」

ネプテューヌ「ありゃ、きっぱり言うね〜」

クロテューヌ「私はもう誰か分かるよ〜【だってブランの好きな人ってジントお兄ちゃんが1番良く知っている人なんだからね】」

ジント『俺の事を一番良く知ってる人?それってやっぱりアダスオラになるんじゃないか?』

ブラン「なぁ!?」

クロテューヌ「でも大丈夫。言わないから」

ネプテューヌ「えぇ〜」

BH(ブラックハート)「そこはポロリと吐かないのね。ネプテューヌと違って」

クロテューヌ「当たり前だよ〜」

 

クロテューヌの発言を聞いたネプテューヌとノワールは不満を持ったが、諦めたようだ。ノワールは変身を解いて、皆して湯につかる。

 

ブラン「はぁ……」

ノワール「極楽ね〜」

ネプテューヌ「ふふ〜ん。なんて言ったってプラネテューヌだからね!」

ネプギア「でも、私はルウィーがいいかな」

ネプテューヌ「なぁ!?」

アリファ「うるさいわね。静かに出来ないのかしら?」

 

どうやら戦闘が終わったらしい。今どういう状況だ?

戦闘が終了した模様。和解をされた可能性あり。念のため、我々は警戒態勢を維持させるべきかと……。

だな。引き続き警戒態勢。

 

ジント『いつまで隠れてればいいんだ……』

 

クロテューヌ「ちょうどいいや。ガールズトークをしてみようよ」

ブラン「ガールズ……トーク?」

ネプテューヌ「いいね!せっかくだし、クロテューヌとアリファと友達になりたいしね!」

アリファ「私は嫌よ。弱者とは馴れ合うつもりは……」

クロテューヌ「あれれ?私に逆らうのかな?」

アリファ「う……」

 

ぐぅ!?な……何なんだこの重苦しい感覚は!?

 

俺は今、クロテューヌの仕業と思われる重い感覚に襲われている。何なんだ……神経が揺さぶってくる…ていうか震えてきたぞ?見える事を言うなら、クロテューヌがアリファを見つめているのか?クロテューヌがアリファを覆いかぶせるような体制で立っている。湯気がある事であまり確認出来ないが……

 

アリファ「わ、わかったわよ!話せばいいんでしょ?」

クロテューヌ「分かればよろしい」

ネプテューヌ「ね……ネプ……」

ネプギア「クロテューヌさん……怖い」

ノワール「で、で?何話そうかしら」

クロテューヌ「そうだな〜。個人的に気になると言ったら……零次元の戦いとか?」

 

《BLEACH Creeping shadows》

 

その言葉を聞いたネプテューヌとネプギアとブランがほんの少し動揺を見せた。俺は零次元の戦いをある程度聞いたが、俺としても気になる部分はある。

 

ネプギア「どうしてそれを知ってるんですか」

クロテューヌ「どうしてか?そうだね……」

 

クロテューヌは少し考えた。目を細めて湯を見る。そして考えがついたのか、聞いてきたネプギアに顔を合わせた。

 

クロテューヌ「例えば……妄想の具現化……とか?」

ネプギア&ブラン「……!?」

 

ネプギアとブランが大きく驚いた。そしてネプテューヌも。妄想の具現化……俺にはよく分からないけど、話によるととんでもない物らしい。

 

アリファ「妄想の具現化?何よそれ」

クロテューヌ「妄想の具現化……。変な能力なんだけど、不可能を無理やり可能にした、理のルール外。ネプテューヌ、あなたは私に聞きたい事がいっぱい出来たんじゃないかな?」

ネプテューヌ「それは……もちろんだけど……。じゃ、じゃあもしかして!?」

 

ネプテューヌがクロテューヌから聞こうと勢いで立とうとしたが、クロテューヌ本人が手を肩に伸ばして立たせる事を阻止した。多分俺がいるからだと思うけど。

 

クロテューヌ「天王星うずめ……私は彼女を知っている」

ネプテューヌ「じゃあ……うずめは死んじゃった事も……?」

クロテューヌ「それは違うよ」

ネプテューヌ「え?」

ネプギア「そんなのありえません!だって、うずめさんの心臓部と言える大きなシェアクリスタルを破壊して、大群のモンスターをたった1人で立ち向かったんですよ?」

 

聞いた話によれば零次元の戦いの最後、うずめのもう1人の人格者暗黒星くろめを追い詰めた後、うずめとくろめの存在を維持させる大型のシェアクリスタルを破壊した。その後うずめは大量に出現したモンスターからネプテューヌ達を逃がし、道を閉ざして1人で大群に立ち向かった。とだけ聞いたが、その後うずめはどうなったのか、シェアクリスタルが破壊された事でくろめもろとも消滅された事になる。だが、それは違うとすれば……

 

クロテューヌ「うずめは生きている」

 

銭湯から自然になる音が一瞬無音になった気がした。その空間にネプテューヌとネプギアは「生きている?」と小さな声で呟く。その表情はこれまでに無いくらいに動揺している。

 

ブラン「それは……確かなの?」

クロテューヌ「その証拠は、ダークメガミの存在。そもそも妄想の具現化とは…能力者の本心によって生まれた幻影の産物。発動者が亡くなれば、具現化した幻影は消え去る。でもダークメガミは今も存在する。この意味……分かる?」

ネプテューヌ「う……うそ?」

 

ネプテューヌが更に動揺した。俺自身零次元とは関わっていないからよく分からないが、やばい事なのは承知している。だがクロテューヌが言いたいのはそんな事じゃない。天王星うずめは生きている。それはつまり……

 

クロテューヌ「とまあ!ガールズトークはここまで!」

アリファ「ちょ!あんたね、私が大人しく黙っていれば」

ノワール「そ、そうよ!」

 

と、しばらく続きそうなシリアスな話、動揺させたりする話がガラスが割れたかのように壊れた。その時、一瞬俺を見てニヤけた。なんだろう……嫌な予感がするんだが……

 

 

クロテューヌ「え?じゃあジントがそこに居てもいいのかな?ずっと私達の裸を見てるんだよ?」

 

《神次元ゲイムネプテューヌV to Hell》

 

ブランとクロテューヌ以外の女性が全員、びっくと体を反応させた。そしてクロテューヌは俺に向けて指を指し、全員が俺がいる方へと目を向き、そして見つかってしまった。

 

【!】

 

艦長ぉ!緊急事態です!危険フェイズに突入!全敵影(女性)に感知され、強大なエネルギー反応!ロックされました!

なん……だと?

敵影(女性)徐々に接近!Sエンジン急速的に上昇!このままでは!

くぅ……!やむを得ないか……総員直ちに脱出準備しろ!

 

やばい、心拍数がこれほどまでに無いくらい早いぞ……。じゃなくて!バレた!皆怒ってる……終わったな。

 

ネプギア「キャアァ!ジントさん!?」

 

ネプギアは全身を隠すように銭湯に入る。

 

ネプ&ノワール「ジント……」

アリファ「私の裸を見るなんて……いい度胸じゃない……」

 

3人が怖いです。目を光らせてどんどん近付いてくるですけど……ていうか体が動けない。

 

ジント「あ………あ……」

ネプテューヌ「あ?」

ジント「え……え……」

アリファ「え?」

ジント「…………」

 

艦長、早く!

俺は残る!この艦を務める艦長として、最後まで残る義務がある!だからお前は脱出するんだ。

し、しかし艦長……

忘れるな!これは、無駄な死ではない!次世代に続く新たな継続艦の艦長になれ!そして……生き延びてくれ。

………………くっ!私は!副艦長として、艦長と同行して来た日々を忘れません!

………………行ったか……

 

 

ノワール「遺言はないわね?だったら…………」

 

脱出を確……。さあやるがいい!(女性)よ!

 

ネプ&ノワ&アリファ「いっぺん死ね!バカジント!」

 

 

ジント公国に…………栄光あれえぇぇぇー!

 

俺は3人から今までにない程の凄く痛い打撃を受け、銭湯の湯が勢い良く上空へ飛び散る。その後、俺は気を失い、撃沈した。

 

ブラン「あ……のぼせていたのね」

クロテューヌ「悪いのはジントお兄ちゃんなんだからね」

 

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プラネタワー 個室

 

ジント「う……」

 

次目覚めた時はプラネタワーの個室のベッドに寝かされていた。夜空の光が部屋の窓から照らされている。恐らく時間帯的にはもう皆寝ていると思われる。それにしてもなんか体がダルイ感じがして、上半身が起き上がらない。

 

ジント「はぁ……理不尽だ……でもこれで休め……」

 

寝返ろとしたが、左肩と左腕が動けない。神経が覚醒した今、何か重みが感じる。その正体を確認しようと隣をみたら……

 

ジント「ブ……ブラン?」

 

《超次元ゲイムネプテューヌ The animition tune》

 

すぐ横にはブランが俺の左腕を枕替わりに寝ていた。気持ち良さそうに似ているのか微笑んだ表情で寝ている。その寝顔は正直可愛いと思えた。

 

ジント「そう言えば……俺は決めたんだったな。好きになった女神様の笑顔を守るって」

 

この世界に迷い込んでからまだ一ヶ月経たない日数、本当に容赦ない事ばかりが起きた。災難過ぎるけど、楽しい日もあった。正直こんな事になるとは思ってもいなかった。

 

右腕を前に伸ばし、右手で空気を握る。

 

ジント「俺の手が届く限り、必ず守るからな」

 

改めてそう決意する。

 

ブラン「すぅー……すぅー……」

 

にしても……身動き出来ない……。そもそもなんでブランが俺の左腕を枕替わりにして寝ているんだ。

 

ジント「お前の行動、いまいち読めない時があるんだよな」

 

とりあえず俺は天井へ顔を向けたまま寝る事にした。ブランに顔向けたまま寝たら、起きた時にびっくりされるだろうし……っとその前に。

 

ジント「ごめんなブラン。俺は…み、見ちゃったが、本当にごめん。それじゃあ……おやすみ」

 

寝る体勢に入り、視界を少しずつ閉ざしていく。そして真っ黒に染まってから数分後に眠気がやって来て自然に寝る事が出来た。

 

ブラン「………………」

 

その直後、寝た振りをしていたブランは目を開き、じっとジントを見つめている。

 

ブラン「バカジント…………貴方は本当に鈍感なのね」

 

そう呟いたブランはそのまんま再び目を閉ざし、睡眠に入った。その時のブランは微笑みから幸せだと感じ取れるような表情になっていた。その表情を見た物は誰一人もいなかった。

 




二度目となった修羅場は無事に終わるかと思いきや、クロテューヌによっての存在がバレ、乙女の一撃と言うなの壮絶な打撃を受けたジントは撃沈し、気を失う。その後、夜のプラネタワーの個室で目を覚ますが、左腕を枕替わりにして寝ているブランに気付く。当然身動き出来ないジントは仕方なくその場で寝るが、目覚めた時からブランが起きている事を知る余地はなかった。


そして翌日、個室の机でブランが小説の執筆をしていた。目を覚ましたジントに気付いたブランはルウィーに行ってみたいとお願いする。しかしそこにネプギアとユニが乱入して付いてくる事になった。しかしその移動手段は飛行ではなく歩き!?

次回
Episode18 長距離なお出かけ


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Episode18 長距離なお出かけ

プラネタワー 個室

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

[ブラン]

 

ジント「……ん……もう朝か」

ブラン「おはよう。ジント」

 

一足先に起きていた私は小説の執筆をしていた。その最中、朝9時にジントが目を覚ます。執筆作業を止めて、ジントのそばに寄る。

 

ジント「今何時だ?」

ブラン「9時よ。ちなみに朝食は取ってあるわよ。そこのテーブルに置いてあるから」

ジント「そうか……。ありがとな、ブラン」

 

ジントはベッドから降りて、顔を洗いに洗面所へ歩いていく。私は執筆の続きをする為、机に戻って作業を再開する。

 

ブラン「ふん……」

 

実は今、執筆に頭を抱えている。舞台はルウィーなのだけれど、その季節に行き詰まってる。ルウィーは雪国だから冬以外の季節のイメージが難しい。どうすればいいのかしら……

 

ブラン「んー」

 

こういうのは本当に頭が爆発しそうになる。普段の私ならキレて用紙を丸めたくなるけど、ある日からそれが出来なくなった。多分それはジントと知り合ってから少し経ってからだと思う。恋愛物を書く。その為に自分自身が体験して理解しようと行動してるつもりだったのだけれど、最近無意識に行動するようになっている。その理由は実を言うと分からない。まだ確信がないから……

 

ジント「どうした?ずいぶん頭を悩ませてるみたいだけど」

 

洗面所から戻って来たジントは頭を抱えている私の様子を伺う。ジントの声を聞いた私は静かに後ろへ振り向く。

 

ブラン「あ……少し苦戦しているの。とある場所の季節のイメージがあまり固まらないの。冬なら分かるけれど、それ以外が……」

ジント「そうなのか……」

ブラン「えぇ……あ、そうだわ」

ジント「ん?」

 

今になって思い出した。結構昔にネプテューヌから聞いた事があるわ。神次元のルウィーは私が守護するルウィーと違って見た目が和風と聞いたわね。春と夏は分からないかも知れないけど、和風のイメージがある秋なら分かるかもしれない。それに、神次元の世界を出歩くのも執筆のネタ探しに使えるわね。

 

ブラン「ジント、今からルウィーに行きましょ」

ジント「ルウィーか。確か前に探索したハネダ山道を通り越した先にルウィーがあるな。それなら……」

ブラン「飛んで行かないわよ。歩きで行きたいわ」

ジント「あ…歩き?」

ブラン「えぇ。ここからラステイションに向かって、そこから北方向に行くとルウィーへ行く道があるわ」

ジント「よ、よく覚えてるな。まあ朝食食ったら行くとするか」

ブラン「えぇ。私は外で待ってるわ」

 

私はそう言い残し、執筆した本を持って個室から出る。静かな廊下からリビングに向かって庭へ出ていくと、そこには誰かと話しているネプギアとユニが居る。私の存在に気付いたネプギアとユニは朝の挨拶をする。

 

ネプギア「おはようございます。ブランさん」

ユニ「おはようございます」

ブラン「おはよう。誰と話しているの?」

 

そう言った途端、ネプギアには小さな白い子鳥とユニには赤と黒いの小さな龍が肩にぽんと乗った。神次元のイストワールと同じサイズをしているこの2体が可愛らしいぬいぐるみに見える。

 

パラディソス「私と」

コラスィ「俺だ」

 

その2体は喋った。

 

ブラン「だ、誰なの?」

ネプギア「私の肩に乗ってるのが、パラディソスちゃんって言います。私達に新たな力をくれた神獣なんです」

ユニ「アタシのは相棒のコラスィ。説明はネプギアと同じく」

ブラン「そう……。私はブラン、よろしく」

ユニ「ところでブランさん。どうしてここに?何か用事があるんですか?」

ブラン「ジントと一緒にルウィーに行くから、ジントの支度を待ってここに来ただけよ。ちなみに歩きで向かうわ」

 

話を聞いたネプギアとユニは「ジント」と聞いた時、反応した。私はこの後2人から言われる言葉を予想する。

 

ネプギア「それなら、良かったら私が案内しますよ?一応ここからルウィーまでの道のりは覚えてるから」

ユニ「アタシも行きたいです。個人的にも神次元がどんなとこなのか気になりますから」

 

予想的中、この2人は完全に想いを寄せてるわね。でもここからルウィーまでの道案内人は欲しいところ。せっかくだから一緒に連れていこうかしら。

 

ブラン「もちろんいいわよ。案内役を頼むわ。ネプギア」

ネプギア「はい!」

パラディソス「ネプギア。ルウィーまでの道のりをお気を付けて。何かあればまた呼んで下さい」

ネプギア「うん!」

コラスィ「頑張れよユニ。じゃあねぇと……」

ユニ「い、言わないでコラスィ!」

コラスィ「はぁっはぁ!またなブランとやら」

 

そう言い残したパラディソスとコラスィは姿を消した。2人付いてくる事になったから、ルウィーに向かう目的を説明する。執筆中の小説のネタ探しと季節ネタ、一応ホワイトの様子も気になるのからその理由で向かうと話をしていると、リビングからジントがやって来た。

 

ジント「お待たせ!お、ネプギアとユニじゃないか。おはよう」

ユニ「お、おはよう……ジント」

ネプギア「おはよう……ございます」

 

さっきまで2人の様子と違って、何か恥ずかしがっている様子で挨拶をした。多分昨日のあれが忘れられなくなってるのだと思う。

 

ブラン「ジント。ネプギアとユニも付いて行く事になったからよろしく頼むわ」

ネプギア「私が案内するのでしっかり付いてきてくださいね」

ジント「そうか。ならよろしく頼むぜ」

ユニ「私達はいつでも出掛けられるわよ」

ブラン「なら行こうかしら」

ジント「ところで他のみんなはどうした?妙に静かなんだが」

ネプギア「お姉ちゃん達はみんなラスティションに行ってますよ」

ジント「そっか。じゃあ問題ないな」

 

ルウィーに向かって私達は出発する。プラネテューヌの街を出歩きながら門外へ向かって、そこを通り過ぎて平原へ足を踏み入れた。この地は昨日、ヘルシスターに変身したユニの攻撃で一度地形が破壊された場所、でもネプギアのヘヴンシスターの力で元通りになっている。その力は素直に凄いと思えて、もしかしたらネクストフォームと渡り合えるくらいの物じゃないかとも思えた。

 

ジント「いい天気で良かった〜。やっぱ朝の天気は晴れと青空に限る」

ネプギア「そうだね。これでピクニックに行けたらいい思い出になるよ」

ブラン「そうね。でも天気だけじゃなくてモンスターがいる事も忘れないで」

ジント「だな」

 

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《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Between Earth And Sky》

 

ジェットセット山道

 

[ユニ]

 

ユニ「ここがジェットセット山道……」

ジント「何本か橋が設備されてるが、これは全部プラネテューヌ産のか?」

ネプギア「だと思います。外形の構造をパッと見た感じ、プラネテューヌ産です」

 

ジェットセット山道に入ってからだいたい20分くらい経って現在10時過ぎ。案内役のネプギアは先頭を歩いて、ブラン、ジント、アタシの順で歩いている。

 

コラスィ『おいユニ。すぐ目の前だぞ?』

ユニ『うるさいわよ。アタシには心の準備って言うのがあるのよ』

コラスィ『そんなの今更だぞ相棒』

 

そう言われたら何も言えないわ。2人っきりで大浴場に入った事がある事を思い出す。それだけで顔が暑くなる。

 

ユニ『わ、分かってるわよ』

 

アタシはとりあえず、ジントを呼び掛ける。

 

ユニ「ジント」

ジント「なんだ?ユニ」

 

アタシの呼び掛けに答え、振り向きながら歩く。特に話題を考えずに呼んだから、すぐに話題を考えようとしたが1つ思い出した事がある。

 

ユニ「記憶はどう?なんか思い出した?」

 

ジントの失われた記憶。それを思い付いて問いかける。しかしジントは微妙な表情で返事をする。

 

ジント「記憶かー。俺の時空進化時の技くらいしか思い出してないな」

 

技……つまり戦闘関連だけって事のね……

 

ブラン「それ以外は?」

ジント「思い出せないよ」

ネプギア「そうなんだ…」

 

我ながら暗くなるような話を振った気がするわ。ちょっと失敗ね。

 

ジント「まあ別に、元の記憶を取り戻さなくてもいいや」

ユニ「え?いいの?忘れたままで」

ジント「あぁ」

 

アタシ達は疑問に思った。失われた記憶をそのまま思い出さないでいたい事を言ったジントは開き直ろうとして、表情を明るくする。アタシは理由が気になるけどあえて聞かないでおこうと思う。

 

ネプギア「そういえばジント。昨日の事なんだけど……」

 

昨日の事……そういえば昨日、ジントが動けない状態のところをブランとクロテューヌが2人係で運んでたらしいけど、何があったんだろう?

 

ジント「あぁ……えっと。俺はそんなつもりじゃなかったんだ。本当にごめん」

 

昨日の事……それを聞いたジントは即座に謝る。

 

ネプギア「全然大丈夫です。私は信じてますから」

ブラン「私も同じく」

 

内容は分からないけど、何かあったのかな?昨日の夜。

 

ユニ「あ、待って」

ジント「どうした?ユニ」

ユニ「ネプギア、ブランさん。あれ……」

 

アタシが見たものは、銀色のスライヌ、銅スライヌ。山道の約中央にいるそのスライヌは5体いる。本当か知らないけど、ただの打撃と射撃では倒せないモンスターらしい。そんなモンスターを倒すと何故だか達成感があるらしいけど本当かしら?

 

ブラン「へー。神次元にも銅スライヌがいるのね」

ジント「銅スライヌ?」

ネプギア「別名メタルスライヌ。無属性の打撃と射撃が効かない特殊なボディを持つスライヌです。実態を見るのはこれで6回くらいで、凄い希少種なんです」

 

何気に真剣な表情で説明するネプギア。アタシも同じく6回目だけど、属性弾さえあれば対処出来るのよね。でもなんとかして倒したい。ヘルシスターに軽々しく変身するのもどうかと思うし。

 

コラスィ『どうした?遠慮するのか?』

ユニ『遠慮とかそうじゃなくて、いきなり奥の手を使うのもどうかと思うだけよ』

ブラン「目にしたからには倒したいわ」

ネプギア「私も倒したいなー。あぁ!ヘヴンシスターになれば、もしかしたら……」

 

と最後まで言いかかるところでジントが手で無理やりネプギアの口を塞ぐ。

 

ジント「それはさせないからなネプギア。またギュー祭りはきつい」

ネプギア「あ…えっと……あの…ごめん……なさい」

 

ジントに手で口を塞がれたネプギアは顔を赤くして動揺している。属性弾を持っていないネプギアは、それを理由に落ちこむ。その時、ブランが少し注意深く見ているところをアタシは見た。

 

ブラン「あの動作……まさか?」

ジント「どうした?」

ブラン「メタルスライヌが合体してるのよ」

ネプギア「合体…………もしかして……」

 

メタルスライヌがいる方向を改めて見ると、5体のメタルスライヌが一つになるところを目にした。1体加わると大きなって、やがって全てが一つになった。その姿は、ジャイアントスライヌのメタル版の姿。いわゆるジャイアントメタルスライヌに変化した。その時、アタシの心に一つの炎が燃え盛る感覚を感じる。

 

《神次元ゲイムネプテューヌV UNI's Theme.V》

 

ユニ『…………』

 

あのスライヌを『ぶちのめしたい』そう思った。

 

コラスィ『遠慮する事はねぇぜ相棒』

ユニ『もう…我慢出来ない!』

 

アタシはヘルシスターに変身する事にした。みんなから少し離れようと動くと……

 

ネプギア「ユニちゃん?どうしたの?」

 

ネプギアがアタシの行動が気になって問いかけてきた。その返事にアタシはこう答えた。

 

ユニ「あのデカ鉄スライヌを…倒すわ!」

 

アタシの思わぬ言葉を聞いた3人は目を点にしている。何か変な事言ったかしら?アタシ。

 

ブラン「いつの間にかユニが血の気が多い性質がなっている……」

ジント「お、おい!気持ちは分かるが、あまりやり過ぎるなよ?」

ユニ「行くわよコラスィ!シェアーチェンジ!」

 

アタシを囲むように炎のリングが3つ現れて回転をし始める。徐々に早くなりやがてアタシの姿は炎によって隠されると、髪の毛は赤色に変色したストレートヘアー、黒と赤のレオタードを装着し、両肩から4つの翼型キャノン砲が現出しヘルシスターに変身する。囲まれた炎のリングから黒炎に変わって爆発し姿を現す。その派手な変身にジャイアントメタルスライヌが気付き、注意を向かれる。

 

HS(ヘルシスター)「血が滾るわ……お前を破壊して、喜びをいただくわよデカ鉄!」

 

アタシは自分の武器を出そうと手を出すと、2丁のライフルとは違う物が現出した。その武器はアタシにとって見慣れた物だった。

 

HS(ヘルシスター)「これは……X.M.Bデュアルモードの ?」

ジント「あれは、俺の実践稽古にユニが使った武装じゃないか」

 

X.M.Bデュアルモード。メインウェポンが小型化した2丁の銃に変化した武器。アタシはこの武器でやつを倒す事に決めて構える。

 

HS(ヘルシスター)「あっはは!いいわね、ちょうどいいわ。デュアルモードでお前を倒してやる」

 

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ラステイション付近 村

 

[ネプギア]

 

大きなメタルスライヌを倒してから30分。ラステイションの近くにある村までやってきた。そこでユニちゃんが例の如く反動を起こしている。

 

ユニ「はあ〜。ジントの背中、大きい〜」

 

ジントは周りの目線を気にしながらユニちゃんをおんぶして歩いている。全身の体重をすべて預けているユニちゃんは凄く居心地が良さそうでちょっと羨ましかったり。

 

ジント「んで、ここからあの遠くに見えるルドアームズ地下道とか言う洞窟を通り抜けるとすぐルウィーに着くのか」

ネプギア「はい。距離としては半分は過ぎたかな」

 

村から出て、ルドアームズ地下道に向けて出発する。地形は広い平原になっているから、特に左右に曲がる事なくまっすぐ進む。

 

ブラン「広い平原ね。風通しが良くて気持ちがいいわ」

ジント「そうだな。しかも空は曇り一つない青空。いい1日なりそうだ」

 

綺麗な緑色の地面が続くこの平原、私やユニにとっては女神化する為の修行していた場所を思い出す。あの時は実際の平原じゃなくて、3Dのリアル再現した映像でやったんだけど、その映像がこの平原と似ている感じがする。自然が私の髪の毛を静かになびかせるこの静かな風気持ちいい。

 

ルドアームズ地下道・南口 入口

 

《神次元ゲイムネプテューヌV Prehistoric Cave》

 

気が付くとルドアームズ地下道の入口に着いた。その頃にはユニちゃんは正気に戻って既にジントから降りている。この洞窟を通るのは13年ぶり。以前ラステイションとルウィーが仲が悪かったころ、間に挟まるように存在しているせいか2国の監視が厳しいらしかったけど、その様子は感じないとこになっている。

 

ユニ「ここを通ればルウィーが見えてくるのよね」

ネプギア「うん。しかもすぐに秋の自然が溢れているから凄く綺麗なんだー」

ブラン「それは楽しみね。早く行きましょ」

 

私は早速洞窟を進み始める。中の様子は水色のクリスタルや電気の設備で照らされていて視界に困る事はないけど、やっぱりモンスターはいる。クリスタルゴーレムやクリスタルスカルなど、少ないけどいる。

 

ジント「な、なんだあれ?座布団に乗ったデスメタルみたいな頭をしたやつがいるが……」

ネプギア「あれはゴースト系に入る、クリスタルスカルです」

ブラン「面倒な戦闘は避けていきましょ」

ユニ「分かった」

 

洞窟のモンスターに見つからないように、忍び足や隠れながら洞窟を進む。数が少ないだけあってスムーズに進めてはいるけど、以前ここを通った時より凄く静かなのが気になる。進めば進むほどモンスターの数が少なくなってるような……

 

ブラン「この静けさ……違和感があるわ」

ジント「単にいないだけじゃないのか?」

ユニ「じゃあなんで入口にはモンスターが居て、ルウィーに近付けば近付くほどモンスターが見当たらなくなるのよ」

ブラン「何かあるのかも知らないわね」

 

違和感の話し合いしながら進んで行くと、少しずつ出口の光が見えてくる。そこにもやっぱりモンスターがいない。後半から特に何事もなく出口に着く。

 

ルドアームズ地下道・北口 出口

 

洞窟を抜けると景色は一転、紅葉の木が連なるように生えている紅葉道が見えた。弱い風が木を静かに揺らされて紅葉が少しだけ落ちてくるこの景色は凄く綺麗で見とれた。でもその紅葉道の先には1人の黒服の女性が腕を組んで立っている。その女性はブランさんに似たような感じで、私とジント、特にブランさん本人がその姿に反応する。

 

ブラン「あなたは……カセン!?」

カセン「ようこそ…ルウィーへ。あなた達」

ジント「どうしてお前がここに?」

 

その正体はクロテューヌの仲間の1人、カセンだった。

こんなところでカセンと鉢合わせするなんて超次元で起きた危険種襲撃以来だけど何故ここにいるのか、ジントが問いかけた。

 

カセン「クロテューヌの命令……」

ジント「俺の妹の命令でルウィーにいるのか、じゃあまさか……昨日ルウィーに襲撃された危険種もお前が?」

 

ジントの予想を聞いたカセンは顔を縦に静かに振った。

 

カセン「ここ(ルウィー)の女神の怪我が完治するまで守護するように言われた」

ネプギア「という事は敵意はないんですね。良かった〜」

 

敵視されていない事に私はほっとする。実際にカセンさんに一度殺されかけたから不安はあったけど、今晴れた気がする。

 

ブラン「もう1人の私と顔を合わせたの?」

 

ブランがカセンにそう聞くと答えは顔の横振りだった。

 

ジント「どうして会おうとしないんだ?」

カセン「…………」

 

次の返事は目を閉ざして無言。話す気はないって事なのかな?

 

ジント「そうか……。俺達はルウィーを見に来たとこでな。まあまたな」

カセン「……………」

 

私はカセンの隣を横切るようにしてルウィーへ向かう。完全に通り過ぎると、後ろから何か凍った音が一瞬鳴った。私は咄嗟に振り向いて確認しようとしたら、後ろにいる筈のカセンさんの姿が消えていた。凍った音が何なのかは知らないけど、気にしないでルウィーへ足を運ぶ。

 

ルウィー 中央部

 

《神次元ゲイムネプテューヌV LOWEE'S Theme.V》

 

ブラン「ここが……ルウィー?」

ユニ「うわ〜全然違う。和風一色でここにも紅葉が咲いているし、雪もある」

 

ルウィーの中央にやってきた。どこを見ても紅葉のカラーリングをした建物がいっぱいある。その中にも雪が積もってるとこもあって、秋と冬が混ざった感じの空間になっている。ここのルウィーに初めて来たジントとユニちゃんとブランさんは場を眺めている。

 

ジント「あ〜そうだ。せっかくだ、ホワイトのところに行ってみないか?前のハネダ大森林の探索で大怪我してな。御見舞って事にして行かないか?」

ブラン「奇遇ね、私もそう思ってたわ。ついでにこの国の人気スポットを聞き出す」

ネプギア「うん。行こ!ユニちゃん」

ユニ「分かってるわよネプギア」

 

ジントの提案で、元からそのつもりだったホワイトさんの御見舞に行く事を決めて、少し周りを眺めながら向かう。私の案内と看板の案内図を頼りに向かったりしたけど、それは内緒です。




ブランがルウィー(神次元の)に行きたいと言われ、ジントとネプギアとユニ、四人で歩いて向かう事になった。ジェットセット山道を通り、ルドアームズ地下道を過ぎるとその出口にカセンが現れたが、敵視されていない事にほっとし、別れたあとルウィーへたどり着いた。ホワイトの御見舞に行こうとジントが言うが、元からその気だった3人は最初にルウィー城へ行く事に。そしてルウィー教会に着いてホワイトがいる私室へお邪魔すると、仕事机で資料の処理をしているホワイトが居た。

その頃のアルブムは、ルウィー内でやれる簡単なクエストをやっていた。その様子を遠くからずっと見ている1人の女の子が居た。


次回
Episode19 2人のブランとカセン



次回の投稿はCadaver Of Deadの予定でしたが、執筆の状況があまりよろしくない為、次の投稿は引き続き光の輪廻と闇の輪廻になります。

申し訳ありませんが、ご承知願います。


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Episode19 2人のブランとカセン

《神次元ゲイムネプテューヌV LOWEE'S Theme.V》

 

ルウィー城 ホワイトの私室

 

[ジント]

 

ジント「怪我の具合はどうだ?」

ホワイト「大丈夫良くなったわ。アルブムのおかげで」

 

ルウィーの中心に立つルウィー城に来た俺達はホワイトの御見舞に来た。怪我はまだ完治していないようだけど、前より良くなったようだ。それは良かったぜ。

 

ブラン「資料の処理してるみたいだけど、大丈夫?」

ホワイト「これくらいどうってことないわ。でないと女神なんて務まらないから」

ネプギア「あまり無理しないでね。ブラ…ホワイトさん」

 

ネプギアは間違えてブランと呼びそうになったが、ホワイトと呼び直す。実際間違っていないんだけど、ブランが2人いると、どっちかのブランを呼ぶのに困ってたりしたから、神次元のブランの提案でホワイトと呼ぶようにしている。

 

ユニ「どこ見ても和風…初めて見たわ」

ホワイト「どうかしら、私の国は」

ブラン「とても綺麗よ。今までこのような場所に関わった事ないから新鮮でいいわ。それで一つ聞きたいのだけれどいいかしら?」

 

ブランはホワイトの元に近づき、一つの質問をする。

 

ホワイト「なに?」

ブラン「このルウィーの人気スポットはどこなの?」

 

人気スポット。俺も正気気になる。実際ネプテューヌ達に出会ってから、出歩いて楽しんだ事が少ない。たまには息抜きに観光してみたいのが俺の本心の一つ。質問を聞いたホワイトは仕事机の一番したの引き出しから、1冊の本を取り出し、ページを捲りながら説明する。

 

ホワイト「そうね……まず一つはこの国に自然、紅葉で溢れた綺麗な景色が見れる、観光用のルウィー城。二つはここから北東にある円の形をした海水浴、3つはここから西にあるルジーイ高原。そこには可愛らしくて人懐っこい動物やモンスターが居て、触れ合うことが出来る。この3つが主な人気スポットよ」

ブラン「そう……教えてくれてありがとう。もう1人の私」

ホワイト「どういたしまして、もう1人の私」

 

そういえば、神次元のワールドマップ見た時、ルウィーの付近に円の形をした地形があって、その中が広い泉になっていたが、あれは海水浴場だったんだな。良く出来ている。

 

ホワイト「教えた変わりっと言ってはなんだけど、一つお願いを聞いてくれるかしら」

ネプギア「お願い事ってなんですか?」

ホワイト「リハビリとして、そろそろ外へ出ようと思うのだけれど、私を支えながら連れてってくれないかしら」

 

ホワイトは仕事机からゆっくり席から離れ、俺達の前に立つと、その場で軽く頭を下げながらお願いしてきた。リハビリか、まあ必要な事だから連れていくとしようか。

 

ジント「俺は構わないぞ。お前達はどうだ?」

ユニ「アタシは平気よ」

ネプギア「はぁー。ホワイトさんとまた歩けるですね!久しぶりだな〜」

 

俺とユニとネプギアはホワイトのお願いを引き受ける。ブランも同じく引き受けたのだが……

 

ブラン「でも一つ問題があるわ」

ホワイト「問題?……あ……」

ジント「あぁ〜。確かにな」

 

俺もその問題に気付いた。ブランが2人いる、その状態でルウィーを回れば「ブラン様が2人!?」見たいな感じで大騒ぎになるだろう。さっきは服装が違うブランでも顔は同じだから騒ぎにはならなかったが、2人となれば間違いないな。

 

ブラン「なら私が留守番するわ。もう1人の私は3人と一緒に行ってきなさい」

ホワイト「そう……服はそこのクローゼットにあるから着替えて」

ブラン「分かったわ。と言う訳で着替えるから、特にジントはここから出て行って」

ジント「言われなくても分かってるってよブラン。ルウィー城の入口で待ってるぜ」

 

そう言い残し、ホワイトの私室を後にして、ルウィー城の出口へ戻る。

 

ルウィー城内

 

ジント「やばい……迷った」

 

ルウィー城は思った以上に広かった。ネプギアはよく覚えてるな、あいつの案内は優秀だという事が改めて分かった。さあどう行こうか……

 

ジント「誰か人はいないのか?ルウィー城の職員とか……」

カセン「それはいない」

ジント「そうか…………っておい!?」

 

俺の耳元でカセンの声がしたと思ったらすぐ横に、逆さまで腕を組んでいる本人が居た。まるで忍者じゃないかよカセンは。

 

ジント「お前がどうしてここに?」

カセン「あなたの事だから、ルウィー城内部は迷うと思って来た」

ジント「なんだよそれ。ていうかお前はまるで忍みたいだな」

カセン「実際にそうだけど?」

ジント「まじかよ」

 

まるで俺は馬鹿だと思われたが実際に俺は馬鹿だから否定はしない。逆さまで現れたカセンはアクロバティックな動きで床に着くと、早速ルウィー城の出口まで案内してくれた。相変わらず無言だが、手でジェスチャーしてくるからそれで理解するようにしている。

 

ジント「ところでよ。そのままもう1人のブランに顔を合わせれば良かったんじゃないのか?」

カセン「今は会わない」

ジント「どうしてだよ」

カセン「別に……」

 

カセンは振り向きもせず俺の話を聞いて、最小限の返事しかして来ない。俺はなんとなく、無口な人だと思った。その性質も言葉の通り忍びだと改めて思う。でも初めて戦った時とは全然違うな、言葉使いが。そう言えば、クロテューヌやアリファみたいに、カセンにも兄とかいるのかな?聞いてみるか。

 

ジント「なあカセン。お前…お兄さんとかいるのか?」

 

その瞬間、カセンが立ち止まった。その動きは反応したかのように見えた。しばらく待つと、カセンは返事を返事を返す。

 

カセン「いる……」

ジント「そうか」

カセン「この次元にいるらしい」

ジント「へー……って!?この次元にか?」

カセン「うん」

 

カセンに兄がいるのは予想したが、この神次元にいるまでは予想外だった。その後の言葉は発する事はなく、会話は自然に閉ざされた。しばらく無言が続き、やがて出口に着く。しかしその頃には既にホワイト達がいた。

 

ジント「あれ?お前達……」

ホワイト「予想通り、やっぱり迷ってたわね」

ネプギア「でも良く1人でたどり着いたね。心配したよ」

ユニ「もう、必要以上に心配させるわね。バカジント」

ジント「いや違うんだ。1人じゃなくて……あれ?」

 

俺は、案内してくれたカセンを呼ぼうと後ろを振り向いたが、カセンの姿がいつの間にか消えていた。後ろに振り向いて誰かを探してる動作にホワイト達が疑問の表情をする。

 

ジント「カセンがいない」

ホワイト「カセン?確か、危険種の襲撃に突然力を貸してくれた謎の人だったわね」

ジント「素直に顔を合わせればいいのにな〜。まあいっか、行こう」

ホワイト「えぇ」

 

居なくなったカセンの事が気になるが、とりあえずホワイトのリハビリを始めようとその場を後にする。その様子をルウィー城の観光用の展望台からカセンは見ていた。

 

カセン「その内……な」

 

そう呟いたカセンはその場で空に向かって高く飛び、ある場所へ向かっていった。

 

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ルウィー 海水浴場

 

[カセン]

 

ルウィー城から北東へ離れた場所の海水浴場に私は来ている。その理由は一つ、ルウィーの守りと二つ。それは監視と……

 

アルブム「お待たせしました。ごゆっくり」

 

クロテューヌから頼まれたターゲット、アルブムの防衛。どうしてこの得体の知らない男を見なければならないのかは分からない。でもクロテューヌが監視を付けさせるくらいの防衛対象なら、何か関わりがあると言うのかしら。私は高い位置から、接客するその少年を視界から外れないように監視する。

 

カセン「………………」

 

昼を過ぎた今、特に変わった行動や事は起きていない。昼食を済ませ、ひたすらクエストをこなす姿くらいしかない。

 

カセン「名前はアルブムだったかしら、真面目な人ね。私も個人でやりたい事あるのに」

???「でもそれは討伐クエストしかないでしょ?コロシアムの」

 

どこからか聞こえたその声が誰なのか、それはすぐにでも分かった。背後から誰かが現れる音が鳴り、言葉の掛けてくる。

 

クロテューヌ「カセンがそれをしたら止まらないだから、我慢してね」

 

声の主はクロテューヌ。私の隣に寄りながら喋りかけてきた。私は顔を動かさず、防衛対象のアルブムだけ目視する。

 

クロテューヌ「どう?何か変わった事は無い?」

カセン「ない」

クロテューヌ「え〜。元気にやってるとか、他にあるでしょ?」

 

クロテューヌは少しふざけた口調で言葉のボールを投げ返す。アルブムの監視を命じられてから1週間経った今、そろそろ目的が知りたいと思った私はクロテューヌに質問をする。

 

カセン「彼に……何の意味があるの?」

 

私の質問を聞いたクロテューヌは微笑みを見せながら答えた。

 

クロテューヌ「大いにあるよ。だからこそ、私は彼に記憶の一つを無理やり引きずり出してあげたんだからね」

カセン「何を?」

クロテューヌ「強いて言うなら…例の【扉】の存在さ」

カセン「【扉】だと?」

クロテューヌ「そう。これが何を指しているのか、分かる?カセン」

カセン「………………」

 

私はその意味が分からないで居た。それに何故ここで禍空間の話が出るのかも理解し難い。

 

クロテューヌ「さすがカセン、そのだんまりは忍らしい仕草。それじゃあ、私は行くね」

カセン「どこへ?」

クロテューヌ「それはね……。()()()だよ」

 

()()()。それはある場所を指している。何か気になる事でも出来たのかしら。

 

クロテューヌ「また後で、カセン」

 

クロテューヌはそう言い残した後、カセンから離れて行って姿を消した。私は引き続きターゲットを見張る。その時

 

カセン「……」

 

西南側に私が口寄せで配置した数体の氷のオオカミ、アイスウルフが外敵を発見したらしい。

 

カセン「ベーダー系の5体か……やれ……」

 

私は外敵を倒せと命令した。このようにルウィーの守りを固めている。もちろんルウィーの守護女神はこの事を知らないから発見されないように工夫はしてある。

 

カセン「雑魚の数はこの1週間で減った。ルドアームズ地下道ルウィー寄りの雑魚もいない。奴らが仕掛けてこない限り、危害はなさそうね」

 

後は犯罪を犯す愚か者くらいしか短にいないが、それは本国が処理するだろう。ある程度集中出来る状態になったこの状況なら、アルブムの防衛は上手くいくかも知らない。私はひたすら時間を掛けて、夕方あたりまで見張った。その時間までは特に問題が起きた痕跡もない事も把握した。

 

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《神次元ゲイムネプテューヌV LOWEE'S Theme.V》

 

ルウィー城 展望台

 

[ユニ]

 

ジント「調子はどうだ?ホワイト」

ホワイト「朝より良くなってるし、思った以上に体が動けるわ。リハビリに付き合ってくれてありがとう」

 

ルウィー内をリハビリに使い、ついでに女神の挨拶回りの手伝いをして時が流れた今。ルウィー城の観光用の展望台に来ている。太陽が沈もうとしている風景を見ながら会話を交わす。

 

ブラン「ホワイト、服を貸してくれてありがとう。ベッドの上に畳んで置いてあるから」

ホワイト「えぇ、分かったわ」

ユニ「リハビリでも楽しかった。次はお姉ちゃんをここに連れて来たいわね」

ネプギア「そうだね。ユニちゃん」

 

時間は17時を過ぎてもう少しで18時になるところで、私達はそろそろ帰ろうとする。

 

ブラン「さて、そろそろ帰ろうかしら」

ホワイト「今日はありがとう。また遊びに来てね」

ジント「あぁ。またな、ホワイト」

ユニ「それじゃあ」

ネプギア「それでは、また!」

 

ジントは時空進化、ネプギアは女神化して、ブランさんはジントに抱き上げてもらって空へ飛び、アタシはスカイフライヤーを呼んでルウィーを後にする。スカイフライヤーを操作しながら地上の風景を見る。ルドアームズ地下道の上を通り過ぎながら、群がる鳥とすれ違う。その際に見える太陽の光が地を照らし、絶景を見せた。

 

コラスィ『いい景色だ。そう思わねぇか相棒よ』

ユニ『こんな綺麗なとこを見たら綺麗としか言えないわよ』

 

アタシの右形にコラスィが半透明の状態で姿を表した。今日初めてコラスィの小さな姿を見たけど、本来の姿と雰囲気が全くと言っていい程全然違うわね。そう言えば、初めてコラスィと話をした時より言語がゆるい気がするのはアタシだけかしら?もしかして神獣って言うのは実はフレンドリーなのかな?

 

 

心の中で呟くアタシ。そんな時、何かあったのかジント達が急に止まる。アタシも近くまで寄って止まるとそこにクロテューヌが宙に浮いてアタシの前に立っていた。

 

ジント「クロテューヌ?なんでここに」

クロテューヌ「伝えておきたい事があるんだ〜。ユニちゃん、ちょっと耳を貸してくれるかな?」

ユニ「え?」

 

クロテューヌから突然そんな事を言われた。近くに寄ってくるクロテューヌに耳を傾けると、そっと顔を近づけ、小さな声でこう言ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

クロテューヌ『君のお姉ちゃんとゴールドサァドがピンチみたいだよ』




神次元のブランの頼みでリハビリに付き合ったジント達。そのおかげで体の状態が良くなった事を認識したホワイト。



その帰りに待ち伏せていたクロテューヌはユニに一つの情報を教えた。「姉とゴールドサァドが危ない」それを聞いたユニはすぐさま姉の元、超次元のラステイションに向かう。その後ラステイションに着くがとんでもない風景を目の当たりにすることに。

次回
Episode20 落ちた女神


次回の投稿はCadaver of Deadです


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Episode20 落ちた女神

初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶり、超輪です。

今日、5月30日から新たな小説の執筆を始めます。
詳しくは活動記録へ


バーチャルフォーレスト保護地区 大樹前

 

《東京ザナドゥ 魔女の荊城》

 

[ユニ]

 

HS(ヘルシスター)「ここね」

 

私は今、神次元に初めて足を踏み入れた場所、バーチャルフォーレスト保護地区の巨大な木の目の前にクロテューヌと一緒に来た。姉上とゴールドサァドを助け出す為に超次元へ戻る。ジント達を置いてきてしまったが、それは後で説明するつもりでいる。

 

クロテューヌ「私の力で超次元へ行くから。手を繋いで」

HS(ヘルシスター)「こうかしら?」

 

クロテューヌに言われた通り、左手を軽く繋ぐ。それを確認したクロテューヌは力を使い始めたのか私と彼女を密着するように紫色のラインが光り出す。

 

クロテューヌ「一瞬体の重りが無くなるからね。それじゃあ行くよ!」

HS(ヘルシスター)「……!?」

 

大樹だった目の前の景色が歪み始める。中心から瞬間的に紺色の空間が広がって視界が埋まる。するとほんの一瞬だけ体が軽くなる感じがした。

 

クロテューヌ「これが私の能力、時空移動だよ」

HS(ヘルシスター)「時空移動?」

クロテューヌ「簡単に言えば別次元に移動する事が出来る」

 

クロテューヌの能力にアタシは少し驚く。アダスオラと同じように、別次元に行き来する能力を持っているなんて、やっぱりクロテューヌは只者じゃない。

 

クロテューヌ「一応詳細を教えるよ。君のお姉ちゃんのノワールとゴールドサァド達、その他の者が全員ラステイションにいる。いや、閉じ込められていると言った方が正しいかな」

HS(ヘルシスター)「閉じ込められてるですって!?」

クロテューヌ「そう。しかもノワールにとって現で最も恐れている物によってね」

HS(ヘルシスター)「恐れている物?ま、まさか…」

 

姉上が今恐れている物。それはただ一つ、【扉】以外に他ない。無くなった筈じゃあないの?

 

クロテューヌ「あと一つだけ……」

HS(ヘルシスター)「何?」

 

あと一つ。そう言った時のクロテューヌの表情は何か面白がっているかのように微笑んでいる。

 

クロテューヌ「閉じ込められてるのは人だけじゃなくて、ラステイションもだからね」

HS(ヘルシスター)「はぁ!?」

 

ラステイションが閉ざされている!?飲み込んだとでも言うの!?と言う事は結構ピンチって事ね。

 

クロテューヌ「その主犯も例のグループ、第三者の仕業だと言う事を忘れずにね」

HS(ヘルシスター)「第三者のやつ、舐めた真似をしてくれたわね!やってやろうじゃない!どんな奴がやったのか知らないけど、このアタシが地獄へ突き落としてやるわ!」

クロテューヌ「地獄に……ねー。あの光が見える?あの光を抜ければ超次元のバーチャルフォーレストの上空に着くよ」

 

クロテューヌは話しながらまた微笑みを見せた。やっぱりこの人の考えている事が分からないわ。

 

HS(ヘルシスター)「分かった。アンタは様子でも見てるの?」

クロテューヌ「まあね〜。手加減が大の苦手だし」

HS(ヘルシスター)「そっ。まあいいわ」

 

あともう少しでアタシ達の次元。こんな事で元の世界に戻る事になるとは予想もしていなかった。それにしても…ラステイションが【扉】に飲み込まれた…まさか……。

 

コラスィ『おい相棒。光の向こうから血が滾らせる奴の気配を感じるぜ』

HS(ヘルシスター)『アタシにも感じるわ。このヘルシスターの力、存分に暴れさせてもらう』

コラスィ『いいぜ相棒。お前のそういうの、好みだぜ』

HS(ヘルシスター)『アンタがそうさせてるんでしょ?変身したら性格が変わるんだから』

 

確かに、光の向こうから気配を感じる。でもなんなのこの嫌な予感。ラステイションを飲み込む【扉】どれほどの物が……

 

HS(ヘルシスター)「今助けに行くよ。姉上」

クロテューヌ「ふふ……」

 

先を進み、光輝く空間を潜りながら呟く。そんなアタシの言葉を聞いたクロテューヌはまた微笑む。何か企んでいると思う事はあったが、そんな事はどうでもいい!。姉上とその仲間を助けるのと、その主犯をぶち殺す事で頭の中がいっぱいだから。

 

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ラステイション 教会

 

[ネプテューヌ]

 

ノワール「はぁー、やっと終わったわ」

ネプテューヌ「もう疲れた〜もう動けない!脳の回廊が熱い!痛い!」

アダスオラ「だらしないぞ貴様。それでよく国の女神を務めている」

ネプテューヌ「だって紙が!書類が!こんなにいっぱいあったんだよ!?それは疲れるよ〜」

 

ラステイションに遊びに来たかと思いきや、ノワールの仕事を手伝うハメにあっている。教会の真ん中に設置された大きなテーブルに大量の書類が綺麗に並べられていて、そんな私は椅子に座ってハンコを押す作業をしている。相変わらずノワールは国の為一直線だよね〜。疲れたりしないのかな?

 

アイエフ「ネプ子は相変わらずね。どんなに時が経ってもネプ子なのね」

アダスオラ「仕事に関しては全くを言わざる得ない程のダメ人だな」

ネプテューヌ「ぐは……うぐ……」

 

あいちゃんとアダっちゃんの冷たい言葉が鋭いトゲとなして私を貫く。あぁ……なんでこんなにも2人が私に冷たいの?

 

コンパ「お疲れ様です。ねぷねぷ」

 

さすがコンパ!私達の為に冷たい飲み物を持ってきてくれた!気が利くー!私はコンパが持ってきてくれた飲み物に手を伸ばし、みんなも手に取る。オレンジジュース!君に決めた!

 

ノワール「プルルートは今頃昼寝でもしてるのかしら?」

アダスオラ「あいつならこの国の満喫中だ」

 

プルルートは朝、ラステイションに着いた直後で別行動に入っている。アダっちゃんの言う通り、どこかで昼寝してるんじゃないかな?天気は満面は青空だし。

 

ネプテューヌ「そう言えば……クロテューヌとアリファとこの国を守ってくれたレーラって人はどこにいるのかな?」

ノワール「2人に関しては分からないけど、レーラなら確かラステイションのどこかにいると思うわ」

アダスオラ「あいつの事だ。コロシアムだろう」

 

アダスオラはコンパから珈琲を受け取り、軽く一口飲む。ほんとクールだよね〜。そう言えばアダっちゃんはコロシアムでは名が通ってるんだよね〜。青眼のアダスオラ……痺れる〜!

 

アイエフ「コロシアムね〜。最近私は通ってないわね、たまには行こうかしら」

アダスオラ「貴様もコロシアムに通っていたのか」

アイエフ「まあね。腕を上げる為なんだけどね」

 

アイエフは片手の手の平を見ながら、不安げな表情でそう呟いた。今思うと、アイちゃんはどこまで強く慣れたのかな?

 

アイエフ「そう言えば、コロシアムのデュエルランキングやら噂でもう知ってるのだけれど、アンタだったのね。アダスオラ」

アダスオラ「本気ではないがな」

 

そうなんだよね〜。悔しいけどアダっちゃんは全然本気を出してないんだよね。時空進化無しであれじゃあ、もう適う相手は私達女神かゴールドサァドかジントしかいないよね、短な人なら〜。

 

アリファ「当たり前じゃない。私の兄さんだからね」

ネプテューヌ「うんうん……って!アリファちゃんいつの間に!?」

アリファ「あなた……その呼び名、不愉快よ」

 

アダっちゃんの隣にアリファが現れた。そしてアダっちゃんの珈琲を軽く飲み、小声で「苦いわね……」と呟く。突然の登場でアダっちゃん以外のみんなが驚く。

 

アダスオラ「アリファ。いい加減、隣に現れる癖を直せ」

アリファ「これでも軽くなった方だよ?お兄ちゃん。それより悪いニュースよ」

ノワール「悪いニュース?」

アリファ「えぇ。第三者の手先だと思われる奴が、()()()()()()()を占領されたわ」

ネプテューヌ「ラステイション?でもここは平和だよ?」

アリファ「全く……あなたは無能ね。ここじゃなくて()()()のよ!」

ノワール「向こう……まさか!?」

 

最初は何を言っているのか分からなかった。ラステイションは今平和で、賑やかな時間帯なのに占領されたと聞かされて、有り得ないと思った。でも言い直してくれた事で理解する事が出来た。って!?超次元のラステイションが占領された!?

 

ネプテューヌ「ネプ!?それ、本当なの!?」

アリファ「そうよ。クロテューヌがどういう事か、ユニを連れて超次元へ向かったわ」

アダスオラ「ちぃ……長居し過ぎたか」

 

やばいやばいやば〜い!ここでのんびりしてる暇ないじゃん!早く元の次元に帰らないと……

その時だった。教会のベランダからジント達が空から降りてきて、私達に向けて大声で話す。

 

ジント「おい聞いてくれ!まずい事に……」

アダスオラ「分かっている。俺は先に行く」

 

 

そう言ったアダスオラはパーティカルジェネシスへ時空進化してノワール達に何の挨拶も無く空へ飛翔し、パーチャルフォーレスト保護地区へ向かっていった。アダっちゃんはたまにはノワールみたいなとこがあるんだよね〜

 

ジント「おいおい。挨拶無しで行くのかよ」

ネプテューヌ「もう〜。それで、アリファちゃんは付いてこないの?」

アリファ「当たり前な事をいちいち聞かないでくれるかしら?本当なら付いていきたいけど、クロテューヌの命令で残っていないとダメなのよ。はあ〜せっかくお兄ちゃんに会えたのに……。それとその呼び名はやめなさい」

 

ブラン「みんな、急でごめんなさい。私達は超次元に帰らないといけないから」

ノワール「少し残念だわ。実はあなたに挑戦状を送るつもりだったんだけどね。ジント」

ジント「そうだったのか、悪いな。でもまた会えるさ、その時に力試ししようぜ」

 

ノワールは少し寂しそうな表情でそう話すが、また会える事を聞いたノワールは微笑みを見せた。アダっちゃんがいればいつでもここに来れる。また会えるもんね!

 

ネプギア「行こ!お姉ちゃん!」

ネプテューヌ「おっけ!刮目せよ!」

 

全身の体が光に包まれ、私は女神パープルハートに変身する。突然の別れで寂しいけど、でも今度はいつでも会いに行ける!だって便利だもん!アダっちゃんのハザマって。その場にいるみんなにしばしの別れとノワールにプルルート、ホワイト、ベール、ピーシェ、サクラとアルブムによろしく伝えるよう頼み、ベランダから出て教会を後にする。またね!みんな!

 

[アリファ]

 

ノワール「行っちゃった……わね」

アイエフ「そうですね……ノワール様」

コンパ「でもまた会えるです!それまで待っていればいいですよ」

アリファ「………………」

 

飛び出していった彼らの後ろ姿を、ベランダから出た3人は見えなくなるまでずっと見送っている。その3人の後ろにいる私は腕を組んだまま背中をベランダの壁に寄せて立っている。

 

アリファ『そう言えばいい忘れてたわ。既にあの子がクロテューヌの命令で一足先に向かっていたんだったわね。今頃ラステイションにいるかしら?』

 

伝え忘れていた事を心の中で呟く。相変わらずクロテューヌは何を考えているのか、長年共にしている私でさえも分からない。でもおそらく、事を面白くしてるだけなのかも知らないと私は思っている。でも…………

 

アリファ『ラステイションが占領………まさかね……』

 

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【超次元】

 

《超次元ゲイムネプテューヌ The animition Hand off》

 

呪われし都市 アビスラステイション南部

 

[ベール]

 

ベール「こんな事態が起こるなんて、予想外ですわ」

エスーシャ「【扉】か……。いずれ現れると思ったが、まさかラステイションごと飲み込むとはな」

シーシャ「しかもそのトラウマを持つノワールはこのどこかにいるんだってね?」

 

ジント達が神次元に向かってから約2週間後の今。ラステイションが突然大きな結界に包囲された。その事態に対処するべく、私とゴールドサァド、別の仲間とご一緒に突入したのですが、侵入した後、仲間とはぐれてしまった。そんな私は今、場の雰囲気が禍々しい場所にいる。城と思わせるような構造とまるで死体かのように意識を失っているラステイションの市民達が道の至るところに倒れているところに私とゴールドサァドのエスーシャとシーシャの3人で警戒しながら先を進む。

 

ベール「とにかく先を急ぎましょ。こういう場合、おそらく最深部にノワールがいるのかも知りませんわ」

シーシャ「ラステイションの人達を保護したいとこだけど、今は仕方ないか……」

 

 

呪われし都市 アビスラステイション北部

 

 

[アイエフ]

 

ピーシャ「ちょっと!何なのここ!?もうラステイションの形してないよ!?」

アイエフ「いい雰囲気じゃないわ。まるでギョウカイ墓場よ」

アイン「見た事無いやつがいる。【扉】の生物か」

 

場所は外……だと思う。空は赤紫色、黒に染まった地と壁の隙間から複数の青いクリスタルが輝く。ここがラステイションだと思うと、とてもじゃないけど信じられない。アインの言う通り、見た事無いモンスターが存在している。目を開いたまま意識を失っている人達がそこらに倒れているけど、どれだけ揺さぶっても起きないし、まるで中身が空っぽだと思わせる。モンスターは倒れている者に興味を示していないが幸いだけど今のラステイションは普通じゃない、それは直感じゃなくても雰囲気で分かる。そもそも一緒に突入した別の仲間ともはぐれちゃったのだから。

 

アイエフ「慎重に行くわよ!二人共」

 

 

呪われし都市 アビスラステイション東部

 

[ケーシャ]

 

ケーシャ「くっ!数が多過ぎる!」

リッド「大きな揺れが起きたと思えば……なんだここは!」

 

さっきまで私達はラステイション内の見回りをしていました。そんな時突然大きな地震に襲われて、視界全体が真っ暗になった。そして気付くと、さっきまでラステイションだった景色が一変して、全く別の物なった。更には見た事無いモンスターが私達を多数で囲む、強さはさほどないけどそのモンスターは普通ではなかった。

 

リッド「こいつら……ブロック化して消滅しないのは何故だ?」

ケーシャ「あぁ、私達と同じ、生き物だと見ていいだろう」

 

そう。このモンスターはダメージを受ければ血が飛び散る。本物の生命を私達が散らせてるって事、でもそれは討伐するのと同じ、気にはしない。

 

リッド「なるほど……だがまず、ノワールと合流する事を考えよう。おそらく教会に居るはずだ」

ケーシャ「教会……ここがどこら辺か知らないが、倒しながら探すしかない。私が黄金の力を使って突破口を開く!付いてこい!リッド!」

リッド「任務了解!」

 

黄金の力を使い、武装を装備し、バックパックのキャノン方で正面を薙ぎ払い、開いた道を全力で駆けていった。

 

 

呪われし都市 アビスラステイション西部

 

[レオタニス]

 

レオタニス「ここが、ボスが言ってたとこか〜。占領されてるね〜ラステイション」

 

クロテューヌの命令でもう一人のあたいより一足先にラステイションに来た。あたいの武器、レールガンを肩に乗せて高い位置から見下ろし、有効な道を探す。探すついでに色んなモンスターの存在を認識する。あたいにとっては見慣れた雑魚だが、彼らにとっては違うだろうな。なるべく倒しながら進むか。

 

レオタニス「さあて……腕がなるぜ!」

 

レールガンを右脇で挟むように片手で持ち、その場の高い位置から飛び降りて行く。だが降りていく先には雑魚が7体いるのを気付く。

 

レオタニス「不運だなあんたら、狙い撃つ!」

 

あたいはそのまま降りていきながら、下の雑魚を狙う。照準があった瞬間、すぐに射撃し、レールガンのエネルギー弾が真っ直ぐ雑魚へ向かう。雑魚はエネルギー弾が近付いてくる事を知らず、着弾し貫通されて地面が砕かれる。更に別の雑魚を狙い、そして撃つ。その繰り返し行われ、次第に雑魚は倒れ、砂煙が舞う。その中に降りていき、着地する。

 

レオタニス「ふう……。今のうちにたくさん補給しておくか。もしかしたら必要になるだろうし」

 

砂煙が舞う中、あたいはある補給を行う。補給が終わった頃には砂煙はなくなり周りの視界が晴れていくと、どこかに続く道が正面に見えてくる。高い位置から確認していたあたいは、その道は奥に見える赤黒ち城のような建物に続いてる事は確認済み。

 

レオタニス「待ってなユニの姉さん。ユニと一緒に助けに行くからな。ついでに驚かせてやろう〜」

 

あたいはレールガンを構えながら先へ進み、城へ向かって歩く。その途中、突然近くから魔法を唱える音がなっているのに気付く。その音声は小さな女の子だと思わせる印象だった。

 

レオタニス「この声は?雑魚と戦っているようだけど」

 

音声が聞こえる方へ向かう。すると崩れかけの建物が見えてきたところであたいは念の為隠れながら、建物に入る。その直後、この建物の裏側からさっき聞こえた音声と剣がぶつかる音が響いている。影からそっと覗くと、そこには杖を持った小さな女の子が2人と忍者ロボットと大型の鋏を使う女性がいる。

 

レオタニス「なんだ、今ので終わったか……」

 

あたいが来た頃には既に雑魚の戦闘は終わっていた。元の来た道へ戻ろうと行動する。その時

 

???「そこの影に隠れている者……誰でござるか?」

レオタニス「……っ!」

 

見つかった!?あの忍者ロボットか。なるほど、気配が分かるんだね。驚かし計画は半分パァーだな、仕方ない。

 

レオタニス「良く見つけたな。誰かと戦っている音が聞こえる方へ行ってみれば……」

 

[ラム]

 

戦闘が終わったと思ったら次は何!?誰なの?ステマックスが建物に向かって誰かを呼び掛けると、聞き覚えがある声が聞こえて、姿を見せた。それが誰なのか、全員が驚く。

 

ステマックス「ユ……ユニ殿!?」

レオタニス「そういうだろうと思った。でも違う、あたいはユニじゃなくて、レオタニスって言うだ。レオって呼んでくれ」

ケイブ「レオタニス……」

ラム「ユニちゃんそっくりじゃないの!?」

ロム「この人……ユニちゃんにそっくり(こそこそ)」

 

 

私達が知ってるユニちゃんじゃない、全く別の人。白い服と半袖の赤い線模様がある黒いパーカー、オレンジ系と黒い模様があるショートパンツ。その手にはレールガンを持つ。

 

レオタニス「話をしたい気持ちは分かるけど、今はそんなに暇はないぜあんたら」

ケイブ「そうだったわ。一刻も早くノワールを助けに行くわよ」

ステマックス「そうでござるな。レオ殿、詳しい話はこの事が終わった後にするでござる」

レオタニス「オーケー。まあそういう訳だからな、かわいい子ちゃん」

ロム「う……うん……(こそこそ)」

 

レオタニスがロムちゃんの頭を撫でようとするが、ロムちゃんはそれを拒否するようにあたしの後ろに隠れる。

 

レオタニス「あたい……怖がられてる?」

 

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呪われし都市 アビスラステイション最深部

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Fate》

 

[ケイ]

 

ノワール「っ!」

ケイ「く……目を覚ましてくれ!ノワール」

DB(ダークブラック)「何度呼び掛けても無駄だラステイションの教祖」

 

ラステイション全体が変わり果てたと思えばノワールが洗脳されている。非常にまずいね。こっちはノワールを傷付けられない、完全に先手を打たれたか。

 

ノワール「……っ!」

ケイ「くぅ!?」

 

剣と剣がぶつかり合う。ノワールの猛攻を私はひたすら受け止めるか避けるかの二つを繰り返す。解決方法は既に予想出来ているが、僕ではそれを実行に移せない。こういう時、ユニや例の強い味方さえいれば……

 

ケイ「はっ!?」

 

防戦一方は長続きはしなかった。僕の剣はノワールの切り上げで弾き飛ばされ、手放してしまい、地面へ突き刺さる。

 

ケイ「くっ……」

DB(ダークブラック)「ふん……所詮は教祖。補佐する者がその程度ならば仕方がない。せめての情だ教祖よ。ラステイションの女神の一手で死ね」

ノワール「…………」

ケイ「ここまでか……」

 

抵抗する物も意思もなくした僕は目をつぶり、命が散る覚悟を決める。ノワールの剣がなんのためらいもなく振り上げられ、振り下ろされようとした時だった。突然、上から誰かが落ちて来てるかのような、誰かの声が聞こえた。その声はなんだが落ち着きがないような感じに聞き入れる、それどころか聞いた事があるような……

 

???「そこの銀髪!後ろに飛んで!」

 

どこかで聞いた声の命令を聞いた私は反射的に後ろに下がる。

 

???「狙うはノワールの剣!ショット!」

 

上から銃声がなった。ノワールが持つ剣へ銃弾が向かい見事に命中し、弾かれた。

 

ノワール「……っ!」

 

剣を落とされたノワールは大きく後を引き、間合いから離れる。そして上から撃ってきた誰かが降りてきて着地する。そして顕になったその姿は、僕が知る情報の半分は当てはまるが、その半分はハズレと言わざる得ない姿だった。

 

???「危なかったね!大丈夫だった?銀髪」

ケイ「君は……ネプテューヌ……なのかな?」

ネプテューヌ?「よく分かったね!その通り!私はネプテューヌだよ!」

 

黒いパーカーを着たネプテューヌ似の女性はピースポーズを取る。その本人の名もネプテューヌだった。でも僕が知るネプテューヌではないのは確実。君は一体……

 

DB(ダークブラック)「貴様……何者だ」

ネプテューヌ?「私はネプテューヌ!そうだね〜、とりあえず次元の冒険者って事で……て!?おっと!」

 

彼の自己紹介の途中、洗脳されているノワールが急接近し、キレのある回し蹴りで顔を狙ったが、咄嗟に気付いた彼が体の体制を後ろに動かした事でギリギリ横を通り過ぎていく。

 

DB(ダークブラック)「ほう……ラステイションの女神は攻撃的だな」

ネプテューヌ?「ちょっとノワール!自己紹介中にぃ!?」

 

ノワールは彼の言葉を聞かず、格闘で仕掛け、問答無用の連続攻撃を切り出す。

 

ケイ「聞いて欲しい!ノワールは闇の女神によって操られている!」

ネプテューヌ「なるほど!通りで……っ!私を見ても……っ反応がないだね!」

 

彼は僕の言葉をノワールの猛攻を避けながら聞き入れる。その余裕がある行動を見た私は手馴れた者だと認識した。その時。

 

ケーシャ「ノワールさん!やめて!」

リッド「一体何が起きている!?」

 

ノワールの友達である2人がやって来て、それに続くようにベール、アイエフ、アイン、ゴールドサァドのピーシャ、エスーシャ、シーシャがやって来た。

 

ベール「一体、何が起きておりますの?どうしてここにもう一人のネプテューヌが居まして、ノワールが攻撃しているのですの?」

DB(ダークブラック)「来たか…女神の味方供」

ベール「あなたは……!?」

エスーシャ「お前は……ダークブラック!」

シーシャ「君が主犯だと受け取っていいのかな?おかしくなったラステイションとノワールに何かしたのを」

 

やって来た人達全員が戦闘態勢に移行する。

 

ネプテューヌ?「みんな!久しぶりで悪いけど、私はノワールを抑えるから、君達はあいつを!」

ベール「了解致しましたわネプテューヌ!」

 

彼の呼び掛けを聞いたみんなは、ベールは女神化、ゴールドサァドは黄金の力を発動し、それぞれダークブラックとの戦闘に入った。僕はこれまでにないほどの戦闘を目にする事となった。




クロテューヌから告げられた事、それは、超次元のノワールが闇の女神ダークブラックの手に落ちてしまった事だった。洗脳され、味方である教祖のケイと、突如現れたもう一人のネプテューヌを襲う。そして後から駆けつけたベール達はダークブラックと戦う。その事態に気付いたジント達が向かう。圧倒的な力を持つダークブラックにベール達はどう戦うのか?そしてユニは姉であるノワールを助ける
事が出来るのか?



次回
Episode21 囚われた心 怒りの業火ヘルシスター


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Episode21 囚われた心 怒りの業火ヘルシスター

【超次元】

 

バーチャルフォーレスト保護地区 大樹前

 

[ジント]

 

ジント「待たせて悪いな、アダスオラ」

アダスオラ「遅いぞ貴様ら」

 

アリファに衝撃的事実、超次元のラステイションが占領された事を聞いた俺達は、急遽、超次元に帰る事になった。一足先に行っていたアダスオラは、ハザマを開けた状態で俺達を待っていた。

 

PH「待たせてごめんなさい。アダスオラ」

アダスオラ「まあいい。さっさと行くぞ」

 

そう言ったアダスオラは、他の事を言わないまま、ハザマへ入っていった。

 

ブラン「今のアダスオラはせっかちさんね……」

PS「よほどノワールさんが心配なんですね」

ジント「あれだな。妹のアリファに似ているからとかだろうな」

PH「かも知らないわね。さあ、話はやめにして、急ぐわよ!」

 

話を無理やり終わらせたパープルハートこと、ネプテューヌは俺達より先にハザマへと入っていった。

 

ジント「俺達も行こう」

PS「はい!」

ブラン「えぇ」

 

2人の後を追うように、俺達もハザマの中へ入る。するとあっという間に超次元のバーチャルフォーレスト保護地区の大樹前に着いた。

 

【超次元】

 

《NINJA GAIDEN 3 Haunted By The Past》

 

2度目になるが、移動した自覚がない全く感じない自分に驚く。だが、それよりも目を疑う光景を目にした。

 

ブラン「見て、ラステイション側の空の様子がおかしいわ」

 

ラステイションの方向にある空が、他と違って雲と雷がごろごろと鳴っている。ただ事じゃない事が起きているのを目撃し、認識する。

 

PS「あれは……まるでタリの時の!」

PH「急いで向かうわよ!」

ブラン「えぇ!」

 

その時、ブランはなにかに気付いたかのような表情を一瞬見せた後、ブランを囲むように光り出す。そうか!ここは超次元!と言うことは!

 

WH「プロセッサユニット!装着完了!さあ行こうぜ!」

ジント「あぁ!今行くからな!ノワール!」

 

ブランは女神化し、ホワイトハートに変身した後、共に空へ飛び立ち、目的地であるラステイションへ向かっていった。

 

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???

 

[ユニ]

 

HS(ヘルシスター)「ここはどこ?」

クロテューヌ「見たところ〜超次元のどこかの洞窟って感じかな?おかしいな〜空に出ると思ったんだけど」

 

クロテューヌの時空移動でとある道がない空洞の中に私達はやって来た。周りは青く光る鉱石で場を照らしている。くぐり抜けた先がい空じゃなくて洞窟って……。

 

HS(ヘルシスター)「まあいいわ。どういう訳かラステイションのシェアエナジーを感じる事が出来るし、それを辿っていけば向かえるわ」

クロテューヌ「そうなんだ。後は道だけだよね〜、まあそんなの……今のあなたなら何するか分かってるよ」

HS(ヘルシスター)「道がないなら……作るだけよ」

 

ラステイションのシェアエナジーが感じる方向は私の向きの方向からすればここから北方向ね。天井を破って外に出よう。考えを思いついた私は天井を見ると、クロテューヌはアタシが何をしようか分かったかのように面白がっている。

 

クロテューヌ「天井を破っていく?いいね!それやろう!」

HS(ヘルシスター)「纏え獄炎!はぁあぁ!」

 

アタシは天井を見ながら、身に赤黒い炎を纏わせ、そのまま天井に向かって突っ込んでいき、天井を勢いよく破っていく。

 

クロテューヌ「お〜相当怒ってるね〜」

 

天井が突き破れ、降ってくる岩石をアイギスフィールドで防ぎながら、後を追う。そんなアタシは少し進んだだけであっという間に出られた。シェアエナジーが感じる方向へ目を写すとまず目に付いた物があった。

 

HS(ヘルシスター)「ラステイションが…」

コラスィ『あれから感じる感覚……例の【扉】だぜ相棒』

 

見えたのは、もはやラステイションとは言えない別の物と変貌した都市。空は雷鳴が乱れ鳴り、中心に立つ闇の城。禍々しい国へと変わり果てている。

 

クロテューヌ「これをやらかしたのが例の組織だよ。ユニちゃん」

HS(ヘルシスター)「……やってくれたわね第三者!」

 

感情が抑えきれず、全身に赤黒い炎とオーラが強くなるように感情が顕になる。2丁のライフルを現出させ、装備し、早速目的地へ行こうとすると、クロテューヌがアタシを呼び止める。

 

クロテューヌ「ユニちゃん。2つだけ言っておくよ」

HS(ヘルシスター)「何かしら」

クロテューヌ「1つ、落ち着く事。2つ……手段を…選ぶな…」

HS(ヘルシスター)「……っ!?わ、分かったわ」

 

クロテューヌが二つ目に言った言葉を聞いた時の仕草に、一瞬冷たい感覚に襲われた。でも一つ目の言葉を聞いた時、アタシ自身が興奮状態に陥っていた事に気付いた。2〜3回程深呼吸を行い、落ち着かせる事で、冷静な判断が出来る状態に戻る事が出来た。

 

HS(ヘルシスター)「ありがとう、クロテューヌ。アタシとしたが、自分を見失っていたみたいね」

クロテューヌ「別にそのままでも良かったけど、あの時みたいにやり過ぎたら、誰かさんが困るからね。それじゃあ私はじっくりと拝見してるよ。あなたのバトルを……」

 

そう言い残しながら、時空移動でその場から姿を消した。そして相棒と私だけ残された今、やる事はただ1つ……

 

コラスィ『存分に暴れようぜ相棒!』

HS(ヘルシスター)『えぇ!ラステイションを占領した奴をぶっ倒して、姉上と仲間を助け出す!行くわよ!相棒!』

コラスィ『おう!』

 

赤黒い炎を纏い、高速で目的地へ向かって行った。今までは、姉上にいろんな場面で助けてもらっていた。だから今度はアタシが助ける。この手で……。

 

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呪わし都市 アビスラステイション最深部付近

 

[レオタニス]

 

ラム「どこ行っちゃったの?レオちゃんは!」

ロム「レオちゃん……迷子」

ステマックス「拙者の視界から外れていくとは……」

 

この国の中心っぽい城の中までやって来たが、あたいは個人的な目的があって、彼らとはぐれたかのように見せかけてあたいは離れた。あの紫のロボットっとケイブっていう人の気から外れるように動くのはきつかったが、あたいの力を使えばギリギリ何とかなった。そんなあたいは今どこにいるかって?実は今いる場所の天井が異常な程に高い、いや、無限にあるくらいに高い。つまりあたいは彼らを見下ろせるくらいのめちゃくちゃ高いとこで、2人分入れるくらいの四角い凹み部分に隠れているのだ。

 

《The 3rd Birthday Cloud Of Aureolin》

 

レオタニス「ふ〜、この高いとこまで壁を走って登っていくのは、さすがにこの力を使ってもきつかったな〜。でも悪いねあんたら、あたいは個人的な目的があってな、って言っても驚かせたいだけだけど」

 

4人を見下ろしながらそう言ったあたいは、また壁を走って行き、奥へと進んでいく。

 

レオタニス「ユニの奴は……まあ来てないだろうな」

 

壁を走って飛び移り、進む方向へ掛けていく。案の定、宙を浮く雑魚はいたが、あたいはそれを踏み台にして、効率良く進む。カセンって奴に教えて貰った移動技術なんだが、何事の教えでも必ず役に立つ物だな。

 

レオタニス「壁にして来たか、雑魚が!レールガン!チェンジスライサー!」

 

あたいは言葉を唱えると、愛銃のレールガンが片手剣へ変形し、白い粒子の刃が展開される。

 

レオタニス「あまり得意じゃないけど……。その道、開けてもらうぜ!」

 

片手剣を両手で構え、雑魚の群れへと突っ込む。雑魚を斬りながら踏み台にし、先へ進みながら倒す。

 

レオタニス「とぉ!」

 

あたい流の下手な剣技でも、切り抜けられそうだな…………っと、奥から誰かが戦っている声が聞こえるね〜と言う事は主犯とそいつと戦っている仲間が居るって事、そんじゃあ!一発やるか!

 

レオタニス「レールガン!チェンジブラスター!」

 

言葉を唱え、レールガンを高火力形態に変形させる。次に踏み台にする雑魚を使って高く飛び、上から雑魚の群れの中心あたりを狙う。

 

レオタニス「そこだ!」

 

狙いを定めた瞬間引き金を引き、ブラスターの中型粒子砲を発射する。粒子砲は雑魚の群れの中心に命中し、光に飲み込まれた。そして粒子砲は群れを抜けて、あたいが通った道に着弾し、爆発が巻き起きた。

 

レオタニス「これで彼らも、こっちに進んでくる筈。さあメインバトルの時だ!しっかり驚かしてやるぜ」

 

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呪われし都市 アビスラステイション最深部

 

《Final Fantasy X Challenge》

 

[ベール]

 

GH「くぅ……」

エスーシャ「こいつ…やる…」

シーシャ「後は私達……このままじゃあまずい……」

DB「この程度か?貴様ら」

 

ダークブラックと戦闘して数十分。かなりまずい状況にある。ここまで戦って立っている者は私達とノワールを引き付けているもう一人のネプテューヌとケイだけ……このままでは負けてしまう。

 

DB「つまらん、我はまだ本気も出していない。ウォーミングアップにもならん」

GH「言ってくれますわね。まだ私は奥の手を残していますわよ」

DB「だがそれが出来ないのだろう?」

GH「…………」

 

奥の手……ネクストフォームに変身出来ないのは何故?コネクトしても出来ないなんて……。どうすればよろしいのですの?

 

ネプテューヌ?「ノワール!いい加減目を覚まして!君が今何をしてるのか分からないの?」

ノワール「……っ!」

DB「何度やっても無駄だと言っている。こいつの心は我が支配している。いかなる言葉も届かぬ」

 

ノワールは無言のままもう一人のネプテューヌを攻撃している。その攻撃を凌ぐように動く彼女も限界が見えて来ている。これまで以上に不利な状況ですわ……。その時、突然背後からエネルギー粒子の音が迫って来てる音がなり、白い粒子砲が私を通り過ぎてダークブラックに向かっていく。

 

DB「……っ!?」

 

突然の攻撃反応出来なかったダークブラックは粒子砲を避ける間もなく、命中され爆発が起きて、その出来事に全員が注目する。

 

GH「なんですの?」

 

背後から撃ってきた者が一体誰なのか、それを確認すると片手でレールガンを持つ1人の女性が立っていた。

 

エスーシャ「……っ!?」

 

背後の入口に立っていた女性。顔は見慣れているがそれ以外は全く別物。その姿はユニちゃんに似ている女性。

 

シーシャ「君は……ユニ?いや……違うみたいだね」

レオタニス「お話は後にしな、ユニの仲間達。って、ほとんどやられてるじゃないか!?」

 

話を強引に終わらせ、いきなり大きな声でリアクションを取った。その時、爆発で巻き起こっていた煙の中から衝撃波が軽く放たれ、煙が消える。

 

DB「レオタニス!貴様、また我に阻むか!」

レオタニス「まさか、またあんただったなんてね。ダークメガミって言うのは本当に……」

 

ダークブラックはレオタニスを見た瞬間、怒りを顕にし始めた。さっきよりさらに黒いオーラが濃く纏っている。

 

レオタニス「ん?なぁ!?あんたはおっきいネプテューヌ!?」

ネプテューヌ?「あぁ!いつぞやのお転婆レオちゃん!」

 

ユニちゃんに似たその子、レオタニスと言う子はもう一人のネプテューヌの存在に気付きまたリアクションを取る。お2人は知り合いなのでしょうか?

 

ノワール「……っ!」

 

2人の話に割り込むように、突然ノワールが動き出し、レオタニスへ仕掛けてきた。素早い足で私達の隣を通り過ぎ、レオタニスとの間合いを縮める。

 

レオタニス「あんたがユニの姉さんか。でも悪いね、今あんたに構ってる気は無いのさ!」

 

まっすぐ向かってくるノワールに向けてレールガンを構え、大型のビーム球を放つ。そのビーム球がノワールの前に迫ると、それを二つに斬るように剣を横に振ったその時。

 

ノワール「……っ!?」

レオタニス「貰ったぜ!」

 

ビーム球を真っ二つにした時、レオタニスがビーム球の後ろに現れた。突然現れた事にノワールは動揺したところをレオタニスのもう片手でノワールの腹部分を殴る。

 

ノワール「くっは!?」

レオタニス「とりあえず寝ていな」

 

強烈な一撃を受けたノワールは気絶した。レオタニスは体重を預けるように倒れたノワールを片手で抑え、そのまま寝かせる。

 

レオタニス「さあ…ダークブラック。今度はお前だ!」

DB「レエェオタニスウゥゥゥゥ!!」

 

ダークブラックは右手と一体化している剣に力を込めて、レオタニスに向けて黒い衝撃波を放つ。私達はそれを左右に別れるように避けて、レオタニスはその場で高く飛んで避ける。空中へ飛んだレオタニスはその位置からダークブラックへ向けてレールガンを構えて射撃する。

 

DB「ふん!」

 

ダークブラックは向かってくるレールガンの射撃を切り払い、猛スピードでレオタニスへ突撃する。

 

レオタニス「てぇ!」

 

レオタニスは向かってくるダークブラックに向けてビーム球を放ち、その反動で後に下がり、壁に付いたところで横に走りながら射撃する。

 

GH「壁を走っている?」

シーシャ「へ〜。なかなかテクニシャンな子じゃないか」

ケイ「ユニに似た……彼女……」

 

壁を走りながら戦うレオタニスと、勢いをまして殺しにかかるダークブラック。その2人の戦闘が長く続いた。

 

レオタニス「ちぃ!相変わらず脅威的だなダークブラック!」

DB「黙って死ね!レオタニス!」

レオタニス「あ……」

 

 

レオタニスは何かに気付いたかのような反応をした。その直後、私は地面から今まで感じた事がないシェアエナジーが伝わってきたその瞬間。

 

《fate/Stay Night Unlimited Blade Works》

 

GH「……っ!な、なんですの!?この凄まじい衝撃!」

ネプテューヌ?「凄い揺れ……。何か来る?」

DB「なんだ?この感覚」

 

そこに居る全員が強い揺れと気配を感じ取った。「ドン!」と数秒置きに起こり、それがだんだん強くなり始めた。私にはそれが、だんだん近付いてくるようにも感じ取れた。

 

レオタニス「残念。もう来たみたいだな」

DB「何?」

GH「っ!?皆さん!伏せなさい!」

 

私は地面から何かがやって来ることに気付き、エスーシャとシーシャと共にその場から後に下がると、突然地面を突き破るように爆発と共に巨大な炎の柱が現れた。

 

《超次元ゲイムネプテューヌ The animation Hand off》

 

DB「何事だ!我の戦闘を邪魔する者は!」

GH「これは……。人影?」

 

炎の柱から、1つの影が登ってきているのに気付いた。その影が柱の高さの中心まで来た時、炎の柱が回転を初め、竜巻を巻き起こすと、それが破裂するかのように消えて、影が姿が顕になる。赤と黒のレオタードと赤いロングヘアー、両肩から翼のようなキャノン砲、自身を囲むように赤黒い炎を纏っているその姿は勇ましいと思わんばかり。

 

HS(ヘルシスター)「また会えたわね。レオタニス」

レオタニス「もう少し遅れても良かったのによ〜」

DB「貴様……何者だ」

HS(ヘルシスター)「何者?」

 

ダークブラックの質問を聞いた謎の赤い女性は、両手に持っている2丁のライフルを向けながら、それに答える。

 

HS(ヘルシスター)「アタシはヘルシスター。さあさっさとアタシと戦え!ラステイションをこんな有様にしたお前を…………ぶち殺す!」

 

ここに新たに戦いが始まった。大声で言った、ヘルシスターと名乗る謎の赤い女性は2丁のライフルでダークブラックに向けて同時に強力な粒子砲を放つ。

 

DB「っく!」

 

ダークブラックは横にずれる事でそれを回避して接近し、近接攻撃を仕掛ける。

 

レオタニス「今の内だな…。あんたら!そこいらに倒れたみんなを連れて逃げるよ!」

ネプテューヌ?「何がどうなってるか分からないけど、分かった!」

GH「ここは……致し方ないですわね。皆さん、倒れた人を連れて逃げますわよ!」

 

その時、最深部の入口から、ロムちゃんとラムちゃんのチームが遅れてやってきた。ここに付いた瞬間、何が起きているか分からない事に戸惑いを見せる。

 

ステマックス「これは……。それよりレオ殿!こんな所に居たでござるか」

レオタニス「悪いね、でもお話はあとだ。まず倒れたみんなを連れてここから離れるよ!じゃないと、あの2人の戦闘に巻き込まれて身が散る!急いで!」

ケイブ「分かったわ」

GH「何者か知りませんが、ご武運を」

 

後から遅れてきた4人と、私達とレオタニス、もう一人のネプテューヌとケイの6人で倒れた仲間を連れてその場から離れる。

 

[ユニ]

 

DB「ぬん!」

HS(ヘルシスター)「てぇ!」

 

空中を舞うかのように、近接で仕掛けるダークブラックの攻撃を避けて、射撃、その繰り返し戦っている。

 

DB「くらうがいい!」

 

剣に闇のオーラを纏わせ、その力で斬撃波を放ってきた。

 

HS(ヘルシスター)「遅い!」

 

私はその攻撃を上へ飛ぶように回避し、今度はこちらの技を食らわす。

 

HS(ヘルシスター)「ラピッドデスペラード!」

 

2丁のライフルと両肩の4つのキャノン砲を拡散するように照準を合わせ、正面のあらゆる場所へ乱れ打つ。

 

DB「くっ!」

 

私が乱れ放つ射撃は、避けようと動くダークブラックでも何発か命中し、煙が漂い、外れた物はその後の壁に着弾し、砕かれていく。

 

HS(ヘルシスター)「…………っ!」

 

煙の名から猛スピードで間合いを縮めたダークブラックは左手を突き出し、首元を狙う。その反応に遅れたアタシは首元を捕まれ、物凄い勢いで後ろに押され、次々と壁を突き破り、次第に城の外へ出るとそのまま地上に投げ、地面に物凄い勢いで激突する。

 

HS(ヘルシスター)「うっふふふ……いいわ。それこそ、血を滾らせる!」

 

地面にギリギリ受身を取った私は見せ付けで、赤黒い炎を勢いよく燃やす。

 

DB「頑丈なやつだな」

HS(ヘルシスター)「その程度の攻撃が効くとでも?私の怒りの方が強過ぎて、全く効かないわ」

DB「言ってくれる」

HS(ヘルシスター)「はぁん!これはどうだ!」

 

私は片手のライフルを一旦元に戻し、拳を握った状態で思いっ切り地面を殴る。

 

HS(ヘルシスター)「ヘルグランド!」

 

その後、ダークブラックが浮遊している周りに、円を描くように地面から炎の柱が現れ、襲う。

 

DB「何?っく!」

 

連続で現れる炎の柱に動揺し、最後に噴火した柱がダークブラックを飲み込み、ダメージを与える。手応えありってところかしら。

 

コラスィ『いい感じに使いこなせてるじゃないか相棒』

HS(ヘルシスター)『ふん』

DB「ぬあ!」

 

炎の柱に飲み込まれていたダークブラックは衝撃波で柱を振り払う。

 

DB「我にダメージを与えるとは……貴様、女神ではないな?」

HS(ヘルシスター)「その通り、女神ではない。アタシは……地獄だ!」

 

片手のライフル呼び戻し、合体させ、巨大な粒子砲を放つ。ダークブラックはその分かりやすい攻撃を回避し、粒子砲は後ろに立つ城に直撃し、大爆発が起きる。

 

DB「久々に楽しませてくれる!」

HS(ヘルシスター)「それはどう……も!」

 

私は手に持っているライフルをしまい、赤いX.M.Bデュアルモードを現出させ、刀身を展開させる。

 

DB「ん?……なるほど。貴様だったか」

HS(ヘルシスター)「アタシが一体何者か、分かったみたいだな」

DB「ふん!茶番は……終わりだ!」

HS(ヘルシスター)「はぁん!それはこっちのセリフだ!」

 

互いに剣を構えて同時に接近し、近接戦闘に入った。素早い動きと剣同士がぶつかり合う音が鳴り響く。

 

コラスィ『相棒……全く、相手も気の毒だぜ』

 

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【超次元】

 

[ブラン]

 

WH「おい……あれが占領されたラステイションなのか?」

アダスオラ「そのようだな。この位置は間違いなくラステイションだ」

 

ラステイションに着いたと思えば、何だこの禍々しい変わりようは!?その時突然、黒い城の周りで大きな爆発が起きた。

 

PH「あの爆発……まさかユニちゃん!?」

ジント「この感覚……ダークメガミだ!急ぐぞ!」

PS「っ!待って下さい!あれは…ベールさんと……えぇ!?」

 

占領されたラステイションから、ベール達と倒れた仲間を支えて逃げてきている。ロム!ラム!ってかあれは……もう一人のネプテューヌと……ユニ?いや違う。雰囲気が違う。

 

ジント「お前ら!無事だったか!ロムもラムもなんか久しぶりだな」

 

ジントの姿が見えた私の妹ことロムとラムは、空から降りてくるジントへ駆け寄る。いつの間にか懐いてるな。

 

ロム「久しぶりね!お兄ちゃん!」

ラム「久しぶり……(スリスリ)」

ジント「お〜ロムとラムじゃないか。よしよし」

エスーシャ「遅かったな」

ネプギア「遅れてごめんなさい、皆さん」

アダスオラ「ノワールは無事か?」

ベール「お待ちなさい。貴方は味方のようにお見えですが、貴方は誰ですの?」

 

 

そう言えば、時空進化したアダスオラの姿は、ここに残ったみんなは知らねぇんだったな。まあ無理もないぜ。状況を把握する為、アダスオラの自己紹介と何故、もう一人のネプテューヌとユニに似たその女の子がいるのか、今起きている状況の話し合いを始める。その際、占領されたラステイションの上空に、爆発の勢いが増し始め、建物なのが破壊されていく音が轟かしている。全ての情報を話してから約40分経過した。

 

レオタニス「そういう訳だ。結構時間掛かっちゃったけど、あいつなら大丈夫だ」

ベール「まさか……あの未知なるシェアエナジーを持つ赤毛の女性が、ユニちゃんだったなんて」

 

みんなはヘルシスターの正体がユニである事をあまり信じられていない様子。まあ確かに、ヘルシスターに変身した時の態度が私みたいに全然違うからな。

 

ロム「ジー……」

アダスオラ「…………」

 

ロムがアダスオラをジーッと見つめている。アダスオラは腕を組んだままラステイション側をずっと見ていて気付いていないみたいだが、ロムがあいつに興味を持ってるのか?

 

シーシャ「ベール。倒れた仲間の応急処置は終わった。後は安全な場所へ移動しよう」

ジント「ベール。なるべくラステイションから離れよう。ユニが本気を出せば、あれどころか、核兵器を使った後の地形にさせる程の力を持ってる。移動するならプラネテューヌまで行った方がいい」

ベール「そこまでの威力をユニちゃんが?」

 

その時、ラステイションから大型の赤いビームが発射された。その威力に建物が耐え切れず、次々と破壊されていく。

 

レオタニス「ユニのやつ……流石にやりすぎだ」

シーシャ「あ!?」

 

ユニの攻撃でシーシャがある事に気付いた。どうしたんだ?

 

エスーシャ「なんという事だ。意識を失っている多くの人の存在を忘れていたか……く」

PH「そんな!?まずいわ!このままじゃあユニちゃんが人々を」

 

 

???「それを気にする必要ないよ、もう一人の私……それと、ノワールに気を付けて、まだ操られているよ」

 

空から声が消えた瞬間。目を覚ましたノワールが突然襲いかかり、私を狙って剣を突き出した。

 

ジント「ブラン!危ない!」

WH「!?」

 

突然の事、ほんの一瞬の事だった。状況が分からない私は、呆気に取られてジントに突き飛ばされた。その直後、生々しい音が聞こえた。それがなんなのか、私を突き飛ばしたジントを見た事で分かった。その出来事にみんなも動揺した。何故なら……

 

 

 

 

 

 

ノワールの剣がジントの腹部を貫いた光景を見てしまったからだ。




超次元に戻ってきたジント達。しかしそこに待ち受けた物は変わり果てたラステイションと洗脳されたノワール。そしてノワールの攻撃からブランを庇い、刃を貫かれてしまったジントだった。その出来事に皆は動揺し、ダークブラックと壮絶な戦いを繰り広げるヘルシスターもそれに気付く。その事実を事にヘルシスターは地獄の業火の如く、更に怒りを増し、誰に止められない混沌を巻き起こす。しかしその戦いに対抗するダークブラックは仲間を呼び、そしてある女性が現れ、戦いに刃が混じる。その人物を見たクロテューヌは微笑みを見せ、アダスオラとレオタニスを抜かしたネプテューヌ達全員がその女性と武器に酷く冷静を失ってしまう。その武器は…………メガホンだった。


次回
Episode22 光と闇 悪夢の復讐者


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Episode22 光と闇 悪夢の復讐者

呪われし都市 アビスラステイション付近

 

《BLEACH Invasion》

 

[ネプテューヌ]

 

PH「あ……」

PS「ジ…ジントさん!」

ジント「ぐ……あ…く」

 

ノワールの剣が、ジントの腹部を貫いた。ジントに突き飛ばされたブランはジントの返り血を浴びて、周りのみんなが動揺した。剣はすぐさま引き抜き、ノワールジント達から距離を取って離れ、ジントはその場で仰向けに倒れた。

 

WH「ジ……ジント!大丈夫か!」

 

ブランとネプギアがジントに近寄り、姿勢をうつ伏せに体を動かして様子を伺う。なんだろ……この気持ち、胸がチクって来た……。

 

ジント「く…メッチャ痛いじゃないか…」

ラム「お兄ちゃん!」

 

ジントは貫かれた部分を両手で抑えて痛みに耐えているが、出血か激しくて抑えきれていない。

 

PH「ノワール!どうして…っ!?」

ノワール「…………」

 

ノワールは手を震えていて、無表情のまま涙を流していた。ノワールが泣いている?まさか、意識は完全に乗っ取られてはいない。という事は、まだ解く余地はあるかも知らない。

 

レオタニス「くっ……まだ洗脳が解けてないのかよ!」

WH「くそがぁぁ!!」

クロテューヌ「兄さん。大丈夫?」

 

空から急に現れたクロテューヌはジントの近くに降りてきて、その場から様子を見に来た。その時、シーシャが咄嗟に警戒する。

 

シーシャ「お前は、あの時の!?」

WH「待てシーシャ!クロテューヌは味方だ」

シーシャ「こいつが!?」

クロテューヌ「今は……だけどね。まあお話はここまでにして、操られてるノワールをどうにかしようか」

 

その時、ノワールは剣を構えた。ネプテューヌ達が剣を構えようとした時、WHが歩いて前に出てきた。

 

PH「ブラン?」

WH「このバカは私が目を覚まさせてやる。お前達は引っ込んでな」

PS「どうしてですか?」

WH「それは分からねぇ。でも、心が痛いんだ。それも、これを治すには何故かこいつを止めれば収まると私は思っていやがるんだ」

 

ブランは片手を胸に軽く置きながら言った。その言葉を聞いた私は、ブランと同じ気持ちをしている事に感付く。

 

PH「そう……なら私も手伝うわ」

 

そう言った私は、ブランの隣に並び立つように前に出て剣を構える。

 

PH「私も心が苦しいのよ。ジントが傷付けられた時に、ズキンっとね」

WH「器具だな。私もそんな感じ

。だったら2人で目を覚まさせてやろうぜネプテューヌ!」

クロテューヌ「うっふふ、不思議な2人だね。でもね?問題はこれから出てくるよ」

アダスオラ「なんだと?」

 

クロテューヌはその問題が出ると言う場所に指をさした。その方向は占領されたラステイションの中心に立つ黒い城のてっぺんを指していた。

 

呪われし都市 アビスラステイション 空中

 

[ユニ]

 

HS(ヘルシスター)「は……?ジント……?みんな?」

DB「奴が例のか……ふははははは!味方が自ら味方を刺すとはな!傑作ではないか!」

 

ジント達が来た。それは戦いの最中でも分かっていた。でも……ジントが…剣を……?その時、心は怒りから憎しみに変わり始めた。私に纏う炎の勢いが増していく。

 

HS(ヘルシスター)「ダークブラック……貴様あぁぁぁぁ!」

DB「ぬ?」

 

ヘルシスターが全体に轟くくらいの大きな声を発した時、地面から無数の爆発音が鳴り出し、炎の柱が現れる。地形全体がその影響で揺れ出す。

 

HS(ヘルシスター)「貴様を……貴様を地獄に落としてやる!」

DB「ふん。言葉をいい変えるべきだぞ?貴様ではなく、貴様らとなぁ!」

 

突然、ダークブラックの背後からから4つの黒い魔法陣が展開された。ただでさえ激しく鳴り響く雷は更に激しさを増し、空にラステイションを中心に黒い雲の渦滝が発生され、魔法陣から4体の禍が現れた。

 

HS(ヘルシスター)「大型ダークメガミか!目障りな奴!全て蹴散らしてやる!」

 

ヘルシスターことユニは4体の巨大なダークメガミの前にも関わらず、怒りを顕に気が激しく燃えがあるように炎が強くなり、大戦闘が始まる。

 

HS(ヘルシスター)「くらえ!デスペラード・フルバースト!」

 

2丁のライフルを展開させて合体し、正面に構えるダークブラックとダークメガミに向けてすべての銃口を向けて、合計5つの大型レーザーを放出する。

 

DB「なに!?」

 

ダークブラックはヘルシスターが放つ大型レーザーが予想以上に大きい事に動揺し、大型レーザーの光に飲み込まれ、大爆発が起きる。そしてラステイションを抜けた大型レーザーは北側にある山に直撃し、炸裂する。その後、4体の巨大なダークメガミがヘルシスターに向けて攻撃を仕掛ける。

 

HS(ヘルシスター)「遅い!」

 

ヘルシスターは仕掛けてきたダークメガミの猛攻を素早い動きで避けて、近付いてきた物から射撃を食らわす。ダークメガミの1体は槍攻撃、1体はハンマー攻撃と近接を仕掛けるダークメガミから倒そうヘルシスターは攻撃する。

 

HS(ヘルシスター)「食らえよ!ファイヤーバスター!」

 

2丁のライフルを向かってくるダークメガミに同時に照準を合わせ、燃え盛る炎の大型レーザーを放つ。放たれたレーザーは巨大なダークメガミに直撃し、威力に押し飛ばされて地上に落ちる。

 

HS(ヘルシスター)「砕け散れ!ブレイブカノン!」

 

地上へゆっくり落下する2体のダークメガミに向けて2丁のライフルを向けて、空中から高火力のレーザーを同時に放つ。攻撃は命中し、炸裂する。

 

DB「はぁぁ!」

 

煙に包まれていた本体のダークメガミは右手の大剣を構えて加速し、私との間合いを縮めて接近する。

 

HS(ヘルシスター)「てえぇあ!」

 

手に持った2丁のライフルを消し、X.M.Bデュアルモードを現出させて接近戦に持ち込み、両者の刃がぶつかる。

 

DB「貴様は厄介な存在だ。ダークメガミを圧倒させるとは」

HS(ヘルシスター)「普通ならシェアリングフィールドで弱らせないと勝てない強敵。だが今のアタシに、それを頼らなくてもぶっ倒せる!」

DB「つけあがるな!女神候補生風情が!」

HS(ヘルシスター)「はぁん!」

 

 

刃を押し合いが長く続く。その周囲の地形が気迫によって少しずつ破壊されていき、魔物が怯えて逃げていく。

 

???「そこまでだ」

 

聞き覚えがある女性の声が鳴り響いた。それは黒い城のてっぺんからその声が聞こえた。その方向へ目線を写すと、疑わしい人物がそこに立っていた。

 

DB「……っ!」

HS(ヘルシスター)「き、貴様は…!?」

 

アタシには見覚えがあった。懐かしさを感じさせるこの悪意。青紫色のツインテールと全体が暗いカラーリングをした制服。奴が現れた……

 

???「久しぶりだね。俺の友達」

HS(ヘルシスター)「暗黒星……くろめ!?」

 

呪われし都市 アビスラステイション付近

 

《超次元ゲイムネプテューヌ The animetion Hand off》

 

[ネプギア]

 

PS「そんな…あの人は!」

クロテューヌ「そういえば、第三者にいたね〜。あいつ」

ネプテューヌ?「くろめちゃんが生きている?」

 

クロテューヌが指さした先には、零次元の戦いの黒幕である暗黒星くろめがいた。私達は目を疑った。でも嫌でも見間違えられない。あの禍々しい悪意とオーラ……本物のクロメだと本能が認める。

 

PH「ノワール!目を覚ましなさい!」

WH「おいネプテューヌ!あいつはまさか……」

PH「分かっているわ…この状況、最悪中の最悪よ」

 

ネプテューヌとブランはくろめの存在を認識していながら、操られているノワールの攻撃を凌いで説得を続ける。

 

アダスオラ「あの女……」

 

アダスオラは説得をする2人とノワールの様子を腕を組みながら見ている。

 

ロム「ジントお兄ちゃん……しっかりして」

ジント「ロム、まさかそれって」

シーシャ「そうか!ロムちゃんは、確か唯一回復魔法を持っている子だったね」

PS『私も使える事……忘れてる……』

 

ロムは、重症を負ったジントに向けて両手を開いて念を送る。するとジントを囲むように緑色の光が包み始めた。

 

ラム「頑張ってロムちゃん!ジントお兄ちゃんの傷を治そう!」

ジント「す、凄いじゃないかロム…悪いけど頼んだぜ」

 

その中、ノワールを説得しようと試みているネプテューヌ達は息を上げていた。そんなノワールは無表情のままだが、さっきと違って全身から青黒い気が溢れ出ている。

 

WH「ノワール、女神化してなくてもやるな」

PH「この力…シェアエナジーとは違う物がノワールをつよくしているみたいだわ…」

WH「ダークブラックをどうにかしねぇと終わらねぇパターンか」

ノワール「………っ!」

 

ノワールの剣から突然炎を纏った。その剣でお姉ちゃん達に向けて振り下ろして地面を叩くと、そこから進むように炎の柱が現れる。

 

PH「くぅ!」

 

空中を飛ぶ事で回避したところでホワイトハートは空中からノワールに目掛けて勢いを持って斧を振り下ろす。

 

WH「てぇぇいあぁ!」

ノワール「……」

 

ノワールはホワイトハートの一撃を避けようとせず剣で受け止めるが、その威力に地面砕き滑りながら後ろに下がっていく。

 

PH「貰った!」

 

後ろを取ったネプテューヌは背後から左足からの蹴りでノワールに打撃を与える。

 

ノワール「ぐっ!?」

 

ネプテューヌの攻撃を受け、前に倒れる。

 

WH「貰ったぜ!」

 

ノワールが地面に倒れた隙をブランが取り、ノワールの背中に乗るように動きを止める。

 

PH「大人しくしなさい。ノワール」

ノワール「……!」

 

しかしノワールは動きを封じられながらもがむしゃらに動き出す。

 

WH「ちぃ!大人しくしろって言ってるだろうが!」

 

力を込めて更に封じようとしたところで、レオタニスがノワールの前にやってくると、その横にしゃがみ、右手を上げた。

 

レオタニス「てい!」

ノワール「……っ!」

 

上げた手は振り下ろされた。その先はノワールの後ろ首、その部分にトンと叩くと、ノワールはそれに反応して、動きが完全に止まった。

 

PH「レオタニス、ノワールに何をしたの」

レオタニス「気絶させたのさ。決まり事を無視して悪いね」

WH「まあいいさ。収まったんなら、それでいいぜ」

 

説得は出来なかったが、レオタニスのお陰で一時的に事は収まった。ひとまずノワールの事は安心の一息につく。するとそこにアダスオラが近づいて来てノワールの傍まで寄ってきた。

 

アダスオラ「貴様ら2人は何がしたかったのかは知らんが、まだ安心は出来ん」

 

アダスオラは先に安心したネプテューヌとブランに向けてそう言った。確かにアダスオラさんの言う通り、だって今ユニちゃんはダークメガミとくろめさんと戦っているんだから。

 

クロテューヌ『そろそろ……退屈に思えて来たな……』

 

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呪われし都市 アビスラステイション 中央地上

 

[ユニ]

 

くろめが現れてから38分が経った。長い時間の戦闘が続いている。5体のダークメガミは消滅し、ダークブラックは疲れが見えているが、一方のくろめはまだ力を残していた。

 

HS(ヘルシスター)「どうしたの?まだアタシの血は半分どころかその半分も乾いてないわよ?」

DB「女神候補生ごときが!」

 

ダークブラックはまだ攻撃を仕掛けてくる。しかしその勢いさっきよりなく、最低限の動きで回避する。

 

DB「ちぃ……」

くろめ「やっぱり君はとんでもないやつだ。ネクストフォームと同じくらいの強さと見ていいみたいだね」

 

くろめは余裕の表情でそう言った。

 

コラスィ『舐めてやがる。本気を出してないぜ』

HS(ヘルシスター)「『分かってる。ますますイライラさせてくれるわね』アタシは今も怒りで頭がいっぱいなのよ。いい加減さっさと本気で来なさい!」

 

アタシの怒りは更に増すばかり、その感情に答えるようにユニットから強い黒炎が吹き出す。

 

くろめ「残念だけど、オレは本気で戦う気はないよ。本来ならば、ダークブラックがラステイションの女神を操って破壊活動を起こそうと企んでたけど、君達邪魔者が現れた事で失敗に終わっている。つまり既に降参しているのさ」

HS(ヘルシスター)「ふ〜ん。だったら……」

 

アタシに纏う炎が場を砕き始め、火炎と黒炎が交じり、周りに魔法陣が現れる。

 

HS(ヘルシスター)「大人しく、アタシ達の思い出から消えてもらう!」

 

アタシは空をかけのぼって行くように勢い良く上空まで飛び、龍の姿をした極炎を纏って、くろめとダークブラックに向けて落下する。

 

HS(ヘルシスター)「ジュデッカ!」

 

アタシの大技が猛スピードで2人との距離を縮めていき、半分までやってきたところだった。

 

 

くろめ「……さよならだ」

 

突然だった。ラステイション全体が大規模の変化が起きた。それは視界がガラス割れたかのような幻覚が起きたと思いきや気付いたらラステイションは元の姿に戻っていた。

 

HS(ヘルシスター)「な、何!?」

コラスィ『……まじかよ、そう言う事だったのか!』

HS(ヘルシスター)『どういう意味よ!』

コラスィ『あいつはこれが狙いで本気を出さなかったんだ!()()()()()()()()()()をやらせて、このラステイションを破壊させようと!』

 

《超次元ゲイムネプテューヌ The animetion UTTS》

 

HS(ヘルシスター)「そ…そんな!」

 

ラステイション付近

 

[ネプテューヌ]

 

ネプテューヌ「ちょ、ちょっと!?何が起こってるの!ユニちゃんが大技を繰り出したら、ラステイションが急に元の姿に戻るし!ユニちゃんは止まらずに進んでいっちゃうし!」

 

やばい!やばいよ!緊急事態だよ!あのまま止まんなかったから、あの時みたいに核弾頭の後に変わり果てちゃう!

 

アダスオラ「あの馬鹿野郎が!」

ブラン「もうダメだわ…おしまいよ…」

ジント「ユ…ユニ!」

 

みんなが届きもしない距離からユニに向かってやめさせようと呼び止めようとするが、当然ながらそれは届かず、渦巻く炎を尻尾にメテオみたいな姿でどんどんラステイションに近付く。ラステイションの崩壊までもう少し……そう思った瞬間だった。

 

クロテューヌが黒いオーラを纏ったっと言うタイミングがその場の全員が恐怖を感じ取ったタイミングとして気づく。

 

クロテューヌ「私の気まぐれに感謝してね。40分は経った。手段を選ぶな…ってとこまではよし。でも落ち着く事って言ったのにな〜」

ネプテューヌ「何をするつもりなの?」

 

私はどうしてか怯えながらそう問いかける。するとそれに答えるためにクロテューヌが私達全員に顔が見えるところでまで歩き、振り向き、そして答えた。

 

クロテューヌ「もちろん止める。ただし強引に」

 

その言葉を最後に、瞬間移動でもしたかのように姿を消した。

 

ラステイション 空中

 

HS(ヘルシスター)「アタシ……落ち着かなかったから……」

コラスィ『くっそ!』

 

ラステイションの地上からの距離は後わずか。アタシは自分の振る舞いに深く後悔していた。ジュデッカは、着弾まで止まらない。このまま言ってしまえばラステイションは間違いなく崩壊。クロテューヌは未だやってこない。姉上を助けるつもりが、逆に滅ぼしてしまう結果なってしまった。

 

HS(ヘルシスター)「姉上……。アタシはもう、誰にも顔見せ出来ない……く……ジント……」

 

気持ちの中身がバラバラになっていく感じがした。結局アタシはどんなに強くなっても、コラスィから戦術を学んだとしても、冷静判断が出来ないんじゃあ意味がない。アタシは一体どんな責任を取れば……

 

クロテューヌ「あれあれ?もう諦めモード?ユニちゃん」

 

落下していく途中の空中から、その声は聞こえた。六色の大きな石を周りにくるくると浮遊させているクロテューヌがいた。

 

HS(ヘルシスター)「クロテューヌ!」

クロテューヌ「反省は後にしてね。今はとりあえず我慢だけして」

HS(ヘルシスター)「え?一体何をするつもりなの?」

 

浮遊している六色の石がそれぞれの色の光が輝く。すると石からクロテューヌの目の前に圧縮するように光線が放出し、エネルギーがどんどん大きくなっていく。

 

クロテューヌ「さあ!目をつぶって!ヘキサグラム・ミーティア!」

 

ラステイション付近

 

 

私達はおそらくクロテューヌが放った虹色に輝く超大型レーザー、いわゆる極太ビームがユニちゃんの大技ごと丸々飲み込む光景を見た。きっとこの場全員が驚きを隠せないでいるであろう。特に大技が着弾した時の威力を知る私達、あの技よりも、クロテューヌの技が強いと言う隠しきれない驚きを……

 

ネプギア「クロテューヌさん……あなたは本当に……」

ブラン「何者……なの?」

 

私含め、全員は目の前の事を原因に言葉が出ない時間が長く続いた。次第に虹色のビームが消えると、案の定ユニちゃんの大技は跡形もなく消えていた。そしてそれもまた驚かせる事が起きた。ラステイションの方向から1人、赤い炎を纏った人影がこちらに物凄い勢いで飛ばされて来ている。

 

ネプテューヌ?「ねぇ?あれさ、多分こっち飛んできてると思うんだ〜」

ネプテューヌ「器具だね!私もそう思うよもう一人の私」

 

ダブルネプテューヌだけあって思ってる事が一致する。流石私!でもってあれ!?嘘!?もうすぐそこ!しかもまっすぐ私に!?

私はすぐさま女神化して、無謀ながら受け止めようと思う!

 

ベール「ネプテューヌ。それはやめた方がよいのでは……」

ブラン「はやまるないで、ネプテューヌ」

PH「避けたいのは山々だけれど、それは私の信念が…ぶふ!?」

 

吹っ飛ばされて来た人影……ヘルシスターは私が話途中にやって来てた。しかしその勢いは受け止めるどころが私もろとも後ろに吹き飛ばされ、地面が滑り砕かれていくように転がっていく。

 

ジント「お…おい。あれはやばいんじゃないか?」

 

ロムの回復魔法で復活したジントだが、私とヘルシスターが吹き飛ばされていってる光景に目を点にしている。

 

ブラン「多分、あれが決まり事だと思うわ……激戦後の果てと言うなのギャグ展開……」

ラム「ユニちゃんのとこに行こ!ロムちゃん!ネプギア!」

ネプギア「う、うん!」

 

ユニを抜かした女神候補生は転がっていった私とユニの元へ急ぐ。

 

クロテューヌ「ひとまず一件落着かな?」

 

何も無いところからクロテューヌが元に戻って来て、そのまま横に寝かされているジントのとこに行く。

 

アダスオラ「ふん……」

 

アダスオラは相変わらず、なんとも思ってないかのように腕を組んだまま様子を見ている。

 

レオタニス「ボス、やっぱあんたは恐ろしいぜ」

ベール「あの美しい虹色の光……この方が……?」

 

レオタニスは呆れながら非汗をかいてそう言い、ベールはまるで宝石を見つけたかのようにクロテューヌの技に見惚れていて固まっている。

 

クロテューヌ「ジント」

 

一仕事を終えたクロテューヌは兄のジントの元に近づいて上半身を起こす。

 

ジント「ようクロテューヌ。何がなんだが、正直分からないけどさ。とりあえず終わったんだよな?」

クロテューヌ「うん。後は戦闘不能になったみんなを連れて、ラステイションに戻ろっか」

 

クロテューヌは今回の大事が終わったっという事を微笑みを見せて証明した。

 

PH「イタタタ……」

HS(ヘルシスター)「い…痛い…」

 

地面を転がっていく末、ようやく勢いが収まった。私は今まで上空から落ちてきて地面に激突する事は良くあって凄く痛いけれど、地面を勢い良く転がって行くのも同じように痛いわね。




激戦を終え【扉】によって変貌されたラステイションは元の姿に戻り、ヘルシスターとクロテューヌの気まぐれのお陰で事が終わった。

その事件から時が遡って4年後の春。

それぞれの女神は守護する国へ戻り、時を過ごしている中、ジントはノワールを気にかけてラステイションの秘書になっていた。その理由は、ノワールはまだ【扉】に対する恐怖心を克服していない事。各大陸に少なからず存在している【扉】からノワールをいつでも守る為である。

そんなある日、全教祖を通じて一つ耳寄りな情報を聞く。ラステイションを全大陸の頂点に立たせたいと言う強い意志を持つノワールはジントとユニ、ラステイション信者のケーシャやリッド達と共に行動する。その行動先は小学生から大学生まであるラステイション史上最大の学校、ラステイション学園だった。ジント達は突然、学園生活を送る事になったが、その学園生活の裏には例の組織が潜んでいた。

次回
超次元学園 蘇る歴史と サードギア(第三者) D(ディストーション)ドリーム
Episode01 入学式


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超次元学園 蘇る歴史とサードギア Dドリーム
Episode01 入学式


ラスティション メガミホテル

 

[ジント]

 

ラスティションを占領させられたあの大規模事件から4年の時が経った。そして朝、ラスティションのメガミホテルの私室で目を覚ました。

 

ジント「ふあぁ……」

 

気持ち良かった分のあくびを大きく吐く。俺を暖かく包んでくれた掛け布団から出てベッドから降りる。ベッドの乱れたとこを元の新品の状態に戻して歯を磨きに洗面所に行く。

 

身だしなみを整えた後、半袖短パンの服から制服に着替える。その制服はラスティションの国内で最大の学園、ラスティション学園の制服であり、俺は高校一年生として入学を迎える。

 

そんな俺の歳は20で、本来なら学校生活を受けられない年齢。しかしそれにはちゃんと理由がある。色々あってよく忘れてしまっていたが、記憶喪失である俺はこの4年間、蘇った記憶は本の一部。その一つが自分の年齢は永久の20歳。つまり不老の体で成長が止まっているという事を思い出した。その状態を利用したある計画を、ラスティションの守護女神であるノワール、その妹であるユニ。そしてラスティション信者達。それぞれの見た目の年齢に合わせて学校に入学し計画を実行する。

 

ジント「これでよし。朝食食って、ノワールとユニを迎えに行くか」

 

洗面所の鏡を見ながら制服に着替えた俺は、事前に準備したスクールバッグを持って、メガミホテルの食堂に向かい、イチゴジャムが塗られた食パンをくわえて二人がいる教会に向かう。俺やノワール達を学校生活を過ごすとその気にさせた計画の誕生は、全教祖を通じてある情報を得た事がきっかけだった。

 

三日前

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

ラスティション教会 ノワールの仕事部屋

 

ケイ「よく集まってくれたね。待ってたよ」

ノワール「みんな居るわね?」

ジント「だと思うぜ」

 

俺とユニ、ラスティションの信者のリッド、レストア、アインとゴールドサァドのケーシャがノワールの仕事机の前に横に並んで集まっている。それは、教祖である神宮寺(じんぐうじ)ケイの収集に、俺達6人が呼ばれたからだ。

 

ケイ「うん、みんないるみたいだね。それじゃあ早速本題に入らせてもらうよ」

 

仕事机の椅子に座っているノワールと、その隣に寄り添っているケイが俺達の前に移動して、説明会が始まった。

 

ケイ「実は、他国の教祖を通じて1つ解消する必要がある問題があってね」

レストア「それは……なんですか?」

ケイ「実は教祖で各自一つの調べ事があった。それは原因不明のマイナスシェアーだよ」

ユニ「マイナスシェア……」

 

マイナスシェアー。ケイは原因不明と語ってるが、実はそれは例の【扉】から放出されるエネルギーの事を指す。遠まわしに言ったのは理由があり、それはノワールが【扉】に対して強い恐怖心を抱いているからだ。1度その単語を聞いてしまうと暴れだし、正気を失ってしまうからだ。そんなマイナスシェアーの事だが、約一年前の捜査で発覚した。【扉】は負の感情を餌に忍び寄り、吸収する事で、自身が放出される負のエナジー。それをマイナスシェアーといい、シェアエナジーに影響を与える物だ。

 

ケイ「そして、マイナスシェアーの放出率が高いとされている場所が学校なんだ」

アイン「光を侵食する邪気が、叡智を得る聖域を食らっているのか」

 

アインの痛々しい中二病言語の意味は分からなくはないが、要は特に負の感情が漂っているとされているのが学校だ。その負の感情は、学校生活の問題で誰しも一度は耳にする事、いじめや暴力や行き過ぎた欲望など。人の負の感情は、いわば嫌な事から産まれる。ある意味負の感情放出工場だと思わせる。

 

ノワール「その学校なのだけれど、特にやばいのがラスティション学園なのよ」

ケーシャ「ラスティション学園って、私が通っている学校…ですよね?」

 

ケーシャはラスティション学園の名前が出た事に驚いている。実はケーシャはラスティション学園の中学三年生の生徒で、もうすぐ高校一年生に進学する女の子だ。

 

ノワール「そう。まあ回りくどい説明会はいいわ。単刀直入に言うと、私とみんな、7人で学園に入学して、マイナスシェアーの放出を阻止するの」

 

拳を握り締めて自信満々に伝えるノワール。

 

レストア「しかしノワール様。入学するにはその手続きをしませんと……」

ノワール「大丈夫よレストア。既に手続きは済ましてあるわ。後は自己紹介の内容を考えるだけよ。そうよね?神宮寺(じんぐうじ)学園長」

リッド「ケイ様が…学園長!?その情報は知らない」

 

ケイがラスティション学園の学園長。それを聞いた俺達6人は驚く。と言う事は普段から見かけないのは実は学園長の仕事をしていたからだったのか。

 

ケイ「教祖として、その立場上の願いでね。頼まれたビジネスなのさ」

アイン「ケイ様。我らが聖なる光の聖域へ導かれる約束の時は、いつにやってくるんだ?」

 

アインは教祖相手でも構わず中二病言語で言葉を交わす。ケイは一瞬アインの言葉に戸惑ったが、意味を理解してから返事を返す。

 

ケイ「今から3日後、ラスティション学園の入学式が開催されるよ。学園の制服とそこで使用する教科書や文房具等はこちらから用意する。それと、それぞれの学年だが、君達の年齢を知っているノワールに任せている。残りの説明はノワールに聞くように」

リッド「任務了解」

ユニ「うん……」

 

その後、それぞれの仕事に戻り、やり遂げてはや夜の時間帯になった。今度はケイを抜かしたみんなで集まり、早速それぞれが所属する学年について話を始める。それはいいんだが…………

 

メガミホテル ジントの部屋

 

ジント「なんで俺の部屋に集まるんだよ」

ユニ「仕方ないでしょ?広くてこの時間帯に出入り出来るところと言ったらあんたの部屋しかないんだからね」

 

ノワールは持ってきた茶菓子やおやつと飲み物をテーブルの上に置き、説明会は俺の部屋で開始される。

 

ノワール「さて、まず所属する学年について話すわ。まず私の見た目の歳が近い子、私とジントとアインと高校一年生に進学するケーシャと同じ高等部よ」

 

俺は高校生か。大学生かと思ったんだが違ったようだ。

 

ケーシャ「私はノワールさんと同級生なんですか?嬉しいです」

 

ケーシャはノワールと同じ学年である事を喜んでいる。そんなノワールもケーシャと同様の様子。確か、ノワールが唯一素直に友達だと言った相手がケーシャだと言ってたな。

 

ノワール「ユニとレストアは中学部に入ってもらうわ」

ユニ「アタシとレストアは同じね。よろしく、レストア」

レストア「はい。ユニ様」

ユニ「あ、でも学校ではその様付けはやめてよね?」

レストア「うっふふ。はい」

 

レストアはユニにそう教えられ、苦笑いをしながら返事をした。まあ同じ年齢という設定で様付けって言うのも気恥しいし変だからな。

 

リッド「アタシは……流れてからして大学生か」

ノワール「あなたの歳の近い人はリューカやサンゴやビオがいるのだけれど、どれも問題があるのよ。ごめんなさい」

 

言われてみれば、見た目的に年齢が近そうだ。でも確かにあの三人は学校に居たらちょっと面倒事が起きそうにも思える。リューカは酒好き、サンゴは態度、ビオは常にロケットランチャーの装備。あんなのが学校に入学したら、学校生活が破壊尽くされてしまう。

 

リッド「いや、むしろ1人の方が潜入任務の失敗確率が低くなる」

ノワール「一応言うけど……学園にいる間は武器の持ち込みとダンボールに篭るのは禁止よ」

リッド「ノ……ノオォォォォ!?」

 

学級にいる間はダンボール禁止と告げられたリッドはクールなイメージが台無しになるくらいのリアクションをして、俺達は笑い声を上げた。

 

ノワール「あぁ……それとジント。あなたはラスティション学園高校生の生徒会役員に入ってもらうわ」

ジント「え?俺が生徒会役員?なんでだ?」

 

俺が生徒会役員にやらされる事理由をノワールに問う。

 

ノワール「あなたは優しい心の持ち主なんだから。それに私の秘書をやってるあなたなら、効率がいいの。もしかしたらマイナスシェアーの放出率をもっと抑えられるかも知らないのよ。だからお願い……」

 

ノワールは上目遣いで俺の目をじっと見つめてお願いして来た。元から拒否する気は無かったが、なんだこの可愛さは!卑怯すぎる。

 

ジント「分かったからそんな目で見るな」

ユニ「む…」

 

その突如、ユニから鋭い視線を感じた。試しにユニを見てみると、実際には燃えてないけど、心の表れかユニを囲むように炎を纏ってるように見えた。そういえば……あの時を思い出させるな。あの事件が終わった後の出来事。俺はユニの手によって一夜寝る事が出来なかった。あの時は本当にやばかった。

 

レストア「え…えと。ノワール様」

ノワール「なに?」

レストア「全教祖からって事は、もしかして、他国でもこのような事を?」

ノワール「あら、勘がいいわね。その通りよ。だから、これは全国のシェアーランクの競い合いとも言えるから、私も結構楽しみなのよね」

 

ある程度、秘書として知ってたけど、やっぱりノワールはシェアーランク一位を狙ってるんだな。うむ、相変わらずなり。

 

その後、説明が終わって残りのおやつを食べ尽くし、学園の入学式に向けてそれぞれ準備する為、ノワール達は帰っていった。

 

 

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《神次元ゲイムネプテューヌ V Lastation Theme》

 

ラスティション学園 校門前

 

そして3日後の今に至る。朝の学校。生徒が通う学校の校門の前に俺達7人が並び立つ。入学式と書かれた大きな飾りの看板が建てられている。そんな俺は予想として、ノワールがいる事で全方位から無数の視線を感じる事になると思ったが、不思議な事にその視線が感じない。

 

ジント「大騒ぎになると思ったんだが……」

ノワール「ラステイションでは私は女神の姿と名前で広まっているのよ。だからこの姿の時は一般人だと認識されているわ」

アイン「この偉大なる聖域。いい響きだ」

 

アインは目をキラキラさせていた。確かに俺もそうなりそうだ。このラステイション学園、史上最大なだけあって凄くでかい。目の前の景色がまるで次世代と思わせるように大半が機械の物ばかり。こんな学校を建設する計画を実行する際、大規模な工事と高額な額がかかったんだろうな。

 

レストア「ノワールさ…ん。もう時期式が始まる時間帯です。早く指定された教室に行きましょう」

 

レストアはいつもの習慣でノワールを様付けしそうになったが、そこを上手くさん付けにして誤魔化す。

 

ノワール「そうね。それじゃあそれぞれの教室に向かいましょ。ユニ、レストア、リッド。まあ後でね」

リッド「任務了解。潜入する」

 

リッドらしい発言をするとそのまま言葉と違って普通に大学部へと歩いていった。

 

ユニ「また後でね。ジント、お姉ちゃん」

レストア「失礼します」

 

ユニはレストアの手を掴み、共に中学部へと向かう。

 

ケーシャ「高等部の教室まで案内しますね」

ノワール「お願いするわ」

 

俺達は教室まで案内してくれるケーシャの後に続いて校門をくぐり抜け、校舎に入る。ケイが用意してくれた校内用の靴に履き替えて廊下に足を踏み入れた。その時どこからか小声で噂が聞こえてくる。

 

「毛先が赤いね。あの人」

「もしかして入学生!?」

 

毛先が赤い男って多分俺だよな……。

 

ノワール「むぅ」

 

生徒の小声を聞いたノワールが何か機嫌が損ねたかのように口をへの文字になった。

 

ジント「?」

ケーシャ「こちらです」

 

ケーシャが先頭を歩いていき、引き続き案内してもらう。職員室を通り過ぎ、すぐに見えた階段を1回登ると、目の前に【1‐A】の教室が見えた。

 

アイン「この……じゃなくて、これが私の教室だね」

 

アインは珍しい事に痛々しい中二言じゃなくて、普通に喋った。

 

ジント「なんだよ。普通に喋れるじゃないか」

アイン「流石に知らない人の前だとね…。それじゃあまた後で」

 

アインは指定された教室である【1‐A】のスライドドアを横にずらして中に入っていった。

 

ジント「俺はノワールと同じ【1‐C】だったな」

ケーシャ「ノワールさんと別々の教室になっちゃいましたが、すぐ隣ですね」

ノワール「そうね。ケーシャと一緒が良かったわ」

 

ケーシャの教室は俺達の隣の【1‐B】その教室は【1‐A】の隣にある。そして【1‐C】は【1-B】の教室の隣にある。途中までケーシャと一緒に行き、すぐに別れて自分の教室へ向う。

 

ジント「ここか」

ノワール「行くわよ」

 

ノワールが先に教室のスライドドアを開けて中に入り、俺はその後から入る。教室の様子はとても静かで、友達の同士と話をしていれば、知らない人同士チラ見をする人もいる、と言った感じの雰囲気。

 

ジント「確かここか」

ノワール「私は窓側ね」

 

俺の席は教室の約中心にあり、ノワールの席は窓側の黒板前だった。ちなみに教室の席は横7列と縦7列の構成である。それぞれの席に座り、入学式までの時間を過ごす。

 

「あの子、美人だわ〜」

「まじ可愛いなー」

「でもでも!一緒に入ってきた毛先が赤い男もいい!」

「いい教室に入れたかも」

 

なんて言う小声が聞こえてくる。試しに俺が周りを見ると、それに反応して生徒達が顔を逸らす。ちなみにノワールの方を見てみたら、黒板前をずっと見ていた。

 

次第に時間が過ぎていくと担任の先生らしき人が教室に入ってきた。全員が一斉に席に座り、入学式についての話が開始され、実際に入学式を行う体育館に向う。

 

ラステイション学園 体育館

 

体育館の中にありえないほどに大きい。まるでスタジアムのだと思わせる物だった。入学式が始まり、話にあった入学生代表が前に出て、感謝の言葉を述べ、スムーズに式が進む。そして神宮寺学園長ことケイが台に現れ、学園長の話に移った。

 

ジント「…………」

 

正直、この時間は苦手だ。話が長いという所が。まだかな?と思いながら長い時間が経って、ついに次に進み、次第に入学式が終わると、元の教室へと戻っていく。

 

ラステイション学園 【1‐C】

 

席に座り、それを確認した先生は自己紹介をしようと呼び掛けた。すると周りの生徒、と言うか同級生か。ざわつき始めた。どうやらなんて自分を紹介しようか考えてるらしい。自己紹介をする順番は早者勝ちと宣言され、それを聞いた俺は予め考えていた事を言おうと手を上げると。

 

ジント「?」

ノワール「?」

???「?」

 

俺を入れた3人の手が上がった。そのうちの1人は女性で、ノワールと同じサイドアップツインテールの髪型と左目が緑と右目は青色と両目の色が違うのが特徴の子。先生からジャンケンで先に勝った人から自己紹介をするように告げられ、早速ジャンケンを始めた。結果は名前の知らない女性が先に勝った。

 

セガサターン「じゃあ早速。私はセガサターン。誕生日は11月22日よ。特技は魔法!よろしくね」

 

その子はセガサターンと名乗った。拍手の音が鳴り響き、自己紹介を終えた彼女は席に座った。

 

セガサターン「今度は貴方達よ」

ジント「よし。行くぜ!」

ノワール「えぇ!」

 

ジャンケン!ぽん!

 

ジント「俺の名前はジント。たまにクエストで主に討伐系をやってる。趣味は料理かな?見た目はこんな感じだが仲良くしてくれると嬉しいぜ。よろしく〜」

 

お〜っと声を上げながら、全員から拍手の音を浴びながら席に座る。そして次は悔しそうにしているノワールの番。

 

ノワール「お、覚えてなさい!ジント!あ…じゃなくて…こほん。私はノワール。特技は料理で趣味はファッションデザインとか縫製よ。普段家では家事をやってるわ。よろしくね」

 

ノワールの自己紹介は、主に男子から声が上がった。いわゆる「アイドルが来た!」みたいな感じってやつか?3人の自己紹介を終えた今、その勢いに続いてみんなも自己紹介が進み、残り1人になったところで突然勢いが収まった。

 

ジント「?」

 

最後の1人、それは制服の上に黒いパーカーを着た彼女だった。最後は自分だけだと気付いた彼女は両手で伏せていた顔を上げた。その表情は不機嫌そうで口がへの文字。髪色は右横髪は赤、前髪は緑、左横髪と後ろ髪にかけて青と、変わったヘアカラーの女性。パーカーのポケットに手を入れたまま席を立って自己紹介をする。

 

ゲームギア「ゲームギア。よろしく」

 

名前を名乗り、そのまま席に座って顔を伏せた。周りのみんなは不思議な人だと思い、誰も拍手をしなかった。なんか可哀想だと思った俺はたった1人で拍手する。

 

そして全員の自己紹介を終えると、今度は親睦を深めようと全員でグラウンドに出ようと言われ、4人を抜かした全員が楽しげに先生の後を追って教室を出ていった。

 

セガサターン「改めてよろしくね。ジント君。ノワールさん」

ノワール「こちらこそよろしく。セガサターンさん」

 

俺とノワール。セガサターンと顔を伏せたまんまのゲームギアは教室に残って、改めて挨拶を交わす。

 

セガサターン「ほら行くわよゲームギア」

ゲームギア「ま、待って…」

 

セガサターンは席に座ったままのゲームギアを引っ張り上げて教室から出ようとする。

 

セガサターン「ほら!貴方達も一緒に!」

ジント「お、おう!」

 

俺とノワールはゲームギアを連れたセガサターンの後を追って教室を出ていった。

 

ラステイション学園 校門前

 

時間が遡って午後の12時を回ろうとしていた。俺とノワールとケーシャとアイン。そして知り合ったばかりのセガサターンとゲームギアと一緒にいる。ちなみに俺達はとユニ達とリッドを待っている。

 

セガサターン「まさか高等部進学初日から、仲良くなれそうな人と知り合うなんてね」

ノワール「そうね。私も嬉しいわ」

ケーシャ「良かったですね。ノワールさん」

アイン「私も」

 

実はこの後みんなで昼食を一緒に済まそうと約束をしている。セガサターン曰く、初日でここまで仲良くなれるとは思わなかった。そう話をしていると、ユニ達中学部とリッドが遅れて校門にやってきた。

 

ユニ「ごめ〜ん遅くなっちゃった」

リッド「同じく」

レストア「あの、ノワールさ…ん。この方々は?」

ノワール「この2人は同じ同級生で知り合ったばかりよ」

 

セガサターンとゲームギア、特にゲームギアは凄くマイペースに自己紹介をする。その後ユニ達にこの後昼食を一緒に過ごす事を伝えると一緒に行きたいと言われ、リッドも同行する感じになり、みんなで昼食を済ます事になって早速向かっていった。

 

 

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《超次元ゲイムネプテューヌ The animation tune》

 

ラステイション メガミホテル

 

カフェで昼食を済ませた後、それぞれ自由行動に入っていった。ユニはアインとケーシャと一緒にどこかへ出掛けて、レストアは家に帰り、俺はノワールを教会まで送り届け、自分の部屋に帰ってきた。ちなみにセガサターンは寄るところがあると眠気満載のゲームギアを連れてどっかへ行った。その時間帯から更に遡り、夜21時が過ぎた。そんな俺は今何をやっているかというと?

 

ジント「……」

 

窓を開けて外の景色を見ていた。でも実は見ている訳じゃなくて、どこからか聞こえる歌声を聴くためである。その歌声を聞くようになったのはつい最近、その歌声はなんとなく、安心させるような感覚を感じた。でも一番気になるのは、どういう訳かその歌声が知らない筈なのにが 知っているという謎で満ちた疑問を持っているから聴こうとしているのだ。

 

ジント「無意識に揺さぶられるんだよな……。そういえば、クロテューヌは今頃何してるんだ?」

 

あれから二年、クロテューヌとアリファは週に1回だけ俺の部屋に遊びに来る。これは決まり事のようにやってきて、週に一度も来ないと言った日は一度もない。その2人がここに来れば女神同様、例の如くゲーム三昧である。強い力を持っていながらやっぱり変わった奴だな。ふと妹の姿を思い浮かんでいると、聴きたかった歌声がどこからか聴こえてきた。

 

ジント「…………」

クロテューヌ「いい歌声だね」

 

突然部屋の方から妹のクロテューヌの声が聞こえた。俺は歌声に耳を済ませながらクロテューヌへ声を掛ける。

 

ジント「クロテューヌ?部屋にいるのか?」

クロテューヌ「うん」

 

そう答えると、クロテューヌの方からジントに近づき、歌声を聴こうと耳をすませた。

 

ジント「アリファはどうした?」

クロテューヌ「アリファならアダスオラのとこに行ったよ」

 

ちなみにアダスオラは現在、プラネテューヌで過ごしている。どういう風の吹き回しでプラネテューヌで過ごそうと考えたのかは知らない。

 

ジント「そうか」

クロテューヌ「私ね。この歌を歌ってる人知ってるよ」

ジント「へー。それは誰なんだよって…あれ?また消えたか」

 

クロテューヌは俺の興味を誘っておきながら、いつもより早いがその場からいつの間にか消えていた。

 

ジント「全く…何考えてんだが」

 

まだ聴こる歌声を最後まで聞いていると、歌い終わったのか自然に音声が聞こえなくなっていく。その後、気が向いて夜の風を浴びようと外へ出掛け、中央公園に向かう。

 

ラステイション 中央公園

 

夜の月が見えるこの時間帯と場所にやって来た。子供達が遊ぶ公園に足を踏み込む。そんな公園に意外な人が来ていた。

 

ジント「アダスオラじゃないか」

アダスオラ「……」

 

アダスオラが私服姿で公園の椅子に座っていた。相変わらず無愛想なのは変わらないがこうやって会うのは約1ヶ月ぶり。

 

ジント「ここで何してるんだ?」

アダスオラ「歌声を聞いていた」

 

俺はアダスオラから聞いたその歌声に心当たりがあった。もしかしてと思って試しに聞いてみる。

 

ジント「歌声?もしかしてどことなく聴こえる、あの歌声か?」

アダスオラ「貴様も聴いていたんだな」

 

どうやらそうだった。その時、誰かが公園に訪れる足音が鳴る。

 

ゲームギア「貴方は…ジント」

ジント「ゲームギアじゃないか?」

 

ゲームギアが公園にやって来た。この時間帯に1人で何しに来たんだ?

 

アダスオラ「……」

ゲームギア「……」

 

近くまでやってくると、そこでアダスオラの青眼の目とゲームギアの目が合った。互いの目を見て、何も話さない。

 

ジント「えっとだな。アダスオラ、この子はゲームギアって言うだ。実は知り合ったばかりで……」

アダスオラ「貴様、ネプギアを知っているだろ?」

 

 

ゲームギア「…っ!?」

 

ゲームギアがネプギアの名前を聞いた時、俺は初めて驚いた表情を見た。そしてゲームギアから思わぬ発言を耳にする。

 

ゲームギア「どうしてか…分からない。でも、あいつは……私の因縁の相手……」

 




シェアエナジーに影響を及ぼすエネルギーである、マイナスエナジーの放出を防ぐ為、ラステイション内で最も多いとされるラステイション学園にジント達は入学し、そこでセガサターンとゲームギアに出会った。その夜、公園で偶然会ったアダスオラとゲームギア。その時、アダスオラが口にした事をゲームギアが耳にし、ジントの友達であり、ネプテューヌの妹のネプギアは因縁の存在だと明かされた。

その翌日。ジントはノワールに命じられた通り、生徒会役員になる為に生徒会室に向かうと、そこにはセガサターンと役員が出迎えたが、その役員はイメージとは違い、個性的な人達だった。

次回
Episode02 今日から生徒会役員


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Episode02 今日から生徒会役員

ラステイション学園 大食堂

 

『東京ザナドゥ Event 2』

 

[ジント]

 

ここはラステイション学園の食堂。全生徒が昼休みの時間を利用して昼食を済ます場所。俺達新入生にとって初めての学園食。ただ場の雰囲気とても気まずい風景と噂話で包まれている。

 

ジント「……………」

 

ちなみにユニ達中等部とリッドもこの大食堂のどこかにいると思う。高等部の俺達とセガサターンの5人で一つのテーブルに陣取って昼を済ませようとしている。ただ俺は周りの雰囲気が気になってしょうがない。

 

ケーシャ「な、なんでしょうか?360°から感じるこの視線…………」

アイン「なんか怖いね」

セガサターン「あはは………」

ノワール「早く食べちゃいましょ」

 

周りの視線感じながら昼食済ませようと挨拶をしてそれぞれ持ってきた弁当を開く。ちなみにこの弁当はノワールが作ってくれたみたいで、朝から楽しみにしていたんだけどな〜。

 

ノワール「わぁ〜。アインのお弁当、美味しそう」

 

その場にも関わらずノワールはアインの弁当やケーシャの弁当を拝見してメモをしている。雰囲気が気になってしょうがないが、時間も限られているからとりあえず食べる。

 

ジント「美味い…」

ノワール「……そう?良かった」

 

ノワールはテーブルの影の下で隠れながらぐっと握り拳。それよりノワールが作ってくれた弁当が美味い。1日これしかないと言われたら迷わず大丈夫と言えるぜ。

 

セガサターン「へ〜。流石男子、もう食べ終わっちゃった」

ジント「だって美味いだぜ?これ」

ノワール「うぅ………」

ケーシャ「ノワールさん?」

 

ノワールはどうしてか顔を伏せてもじもじしていた。弁当を食べ終えた俺は開いた弁当をしまう。

 

ジント「そう言えばゲームギアは?」

セガサターン「ゲームギアならグラウンドの階段の近くにある木の下で昼を済ませてるんじゃない?」

ジント「そっか。先に戻ってるぜ。また後でな、ノワール」

 

ノワールに頬を赤くした状態で頷いて、俺は大食堂を後にする。そしてセガサターンから聞いたゲームギアがいるその木の下に向かう。

 

ジント「ゲームギア……なんでネプギアと因縁の関係なんだ?」

 

昨日の夜の公園でアダスオラが口にしたきっかけに明かした関係。どういう訳か人一倍気になる。根拠は何も無い、ただ本当に気になる。その日に聞けなかった理由を聞きにゲームギアの元に行く。

 

ラステイション学園 グラウンド

 

セガサターンが言っていたグラウンドにやって来た俺は木の下にいるゲームギアを探す。でも自然の色とは全く違う、黒いパーカーを着ていたゲームギアだからすぐに見つかった。

 

ジント「よう。ゲームギア」

ゲームギア「ジント……。私に何の用?」

 

ゲームギアは綺麗に設備されている地面に横になっていた。俺がやって来たのを気が付いて、顔だけ向けた。

 

ジント「昨日の事でな。どうして、ネプギアとは因縁の関係なのかが知りたくて」

ゲームギア「……昨日も言ったけど、分からない。いいや、そもそも話した事も会った覚えもない。だから私でも分からない」

ジント「そうなのか……」

 

理由を聞こうと思ったけど、ゲームギア自身もその理由が分からないとなったらネプギア本人に聞くしかないか。

 

ゲームギア「まさか…それだけ?」

ジント「あ……あぁ…まあ」

ゲームギア「そっ…じゃあ寝るから邪魔しないで」

 

ゲームギアはフードで目を隠すくらいまでに被り、睡眠に入る。俺はそんな睡眠時間を邪魔しないようにその場から立ち去ろうとした時。

 

ゲームギア「待って」

ジント「な、なんだ?」

ゲームギア「私の事を知っておいて、あなたの事は何も教えてくれないの?…不公平」

ジント「ぐぅ……」

 

まさかそう来たか!?だがまあ一理ある。仕方ない。じゃあ俺はどこに住んでるかを教え………

 

ゲームギア「討伐クエストをやってるだったっけ?どれくらいの実力なのか、この場で簡単に教えて」

ジント「え?あぁ、実力か。いいぜ、見せてやる」

 

俺は実力を見せる為、グラウンドの方に移動する。

 

ゲームギア「ちょっと、そんなに離れたら見えない」

ジント「まあ見てなって」

 

小さな声で、エフェクトと唱え、現出した魔法陣から時空剣を取り出す。

 

ゲームギア「剣…?」

 

手にした時空剣で、それに秘められた力を使う。時を止まれ!

時空剣の力で時を止めて、ゲームギアの後ろに移動する。そして時を止められる制限が過ぎて、時が動き出す。

 

ゲームギア「……っ!いない?」

 

突然ジントの姿が消えた。上半身を起こし、当たりを見渡してジントを探す。でも俺はすぐ後ろにいるんだよな。

 

ジント「俺は後ろだ」

ゲームギア「え?いつの間に……」

 

ゲームギアはその場立って、後ろに振り向く。しかし表情はあまり変わっていない。会った時からそうなんだけど、眉毛が怒ってるような感じなんだが、これは生まれ付きなのか?

 

ゲームギア「へ〜。空間移動ってところかな?」

ジント「そんなところだな」

 

微笑んだ口元でそう言ったゲームギア。

 

ゲームギア「ふ〜ん。あの授業が楽しみになってきた」

ジント「あの授業?」

 

あの授業とはなんだ?あ、そう言えばラステイション学園にどんな授業があるのか、パンフレットを見てなかったな。

 

ゲームギア「あなたも戦う人ならすぐにでも受ける事になる」

ジント「そ、そうか」

ゲームギア「まあ、良い物を見れたから後々楽しみ。久々に昼休みは寝なずに済む」

 

弁当が入ってると思われるカバン背負って、その場を去ろうとすると。

 

ゲームギア「また教室で」

 

そう言い残し、ゲームギアはさっさと学園内に入っていった。その別れ際に学園生達が学園からグラウンドに集まり、友達同士と遊び始めた。

 

ジント「ゲームギアが言ってた授業も気になるが、あいつら達の学校生活を見てると、今後も楽しそうになって行きそうだ」

 

マイナスシェアー放出阻止とその元の取り除くって言う理由で入学したのがあれだけど。

 

アイン「ジント」

 

ゲームギアが入っていった校舎からアインが1人でやって来た。

 

ジント「アインじゃないか。ノワール達は?」

アイン「ノワールなら、美人故の過ちってところ。他のみんなは個人でどこかに」

 

アインからノワールの状況を聞いた俺は苦笑い。まあ確かにノワールは美人だ。俺自身可愛いとお世辞無しで言える。誰もが目に入るだろうな。

 

ジント「そうだ。俺は今日生徒会室に行くんだったな。またなアイン」

アイン「あぁ、また赤い空の時にあ……じゃなくて、また放課後………」

 

アインは言い切りそうなった中二病を途中で閉ざして、普通の言葉で言葉を返す。そして俺が校舎に入った後、アインの友達と思われる人がアインのそばに寄ると、こそこそ話を始める様子がちょっと見えて、その人から感じる視線が俺の背中をチクチクと刺すが、俺は我慢して生徒会室に向かう。

 

 

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ラステイション学園 生徒会室

 

『ダンガンロンパ Beautiful Dead』

 

ジント「案内してくれてありがとな」

「は…はい!ではまた」

 

実は生徒会室がどこにあるかを知らない俺は、通りかかった高等部女子生徒が案内してくれて、ここまでやってきた。秘書を務める者としてこんなことをノワールに知られたくないぜ。

 

ジント「ここが生徒会室か。どんな奴が居るのか知らないか、きっと頭のいい人が集まってるんだろうな」

 

一般の人ならここで心臓をバクバクさせているだろう。自慢じゃないが、これよりもダークメガミやユニとネプギアが持つ力やクロテューヌとかで耐性が付いちゃったからな。

 

ジント「お邪魔するぞー」

 

と普段から変わらない態度で生徒会室にお邪魔すると、最初に出迎えたのは………

 

セガサターン「いらっしゃ……ってジントじゃない」

ジント「セガサターン!お前、役員だったのか?」

 

セガサターンだった。生徒会室の中、学校とはかけ離れ、とても豪華。長いテーブルが中央と椅子。一面窓とカーテンとその手前に生徒会長の席。校内とは思えない印象を受けた。まさかこの子が生徒会役員とは思いもしなかった。その時。

 

???「うわあぁ〜イケメン君」

???「赤い毛先の新入生って言うのは、君の事だったのか」

???「噂をすればなんとやらだな」

ジント「あぁ?」

 

セガサターンの後ろから3人の声が聞こえた。

 

セガサターン「紹介するね。まずはイケメン君って言ったこの人はナナカ」

ナナカ「ナナカで〜す!」

 

ナナカ。見たところ背が低くて、黒髪のサイドテール。明るい人って感じか。

 

セガサターン「本を持ったこの女の子は、私の昔からの友達のメガドライブ」

メガドライブ「よろしく頼む」

 

メガドライブ。メガネを着けた金髪のロング。見たところすっごい真面目で常識人っぽいやつだな。

 

セガサターン「そして、我らの生徒会長!変態銀河ことローダン先輩!」

ローダン「どうも。変態銀河を異名を持つ、ローダン…じゃなくて!生徒会長のローダンだ。よろしくな、噂のジント君」

ジント「…………」

 

ローダン。緑髪のMバングヘアーの男か。だめだ……俺が想像してた雰囲気とは真逆じゃないか!でも良かったぜ。最初から本格的に想像してたら、初めて女神達にあった時に味わった感覚を再度味わっていた。

 

ジント「俺はジント。よろしく」

 

俺は軽く自己紹介をする。しかしそこに割り込むように突然、ナナカがメモ帳を手に目の前に寄ってきた。その行動にびっくりする。

 

ナナカ「質問!ジントは何歳!?特技は!?趣味は!?休みは普段何してる!?どうして毛先だけ赤い!?」

ジント「おいおい!落ち着けって!」

メガドライブ「全く……お前と来たら」

 

なんだこいつは!?目を星にして鼻息を荒くしてる!?見た目によらず変態なのか!?

 

ローダン「まあ待てってナナカ。ジント君は今日から生徒会の一員なんだから今は困らせるな」

セガサターン「今じゃなくて今からでしょ!って今日から役員なの?ジントが?」

 

セガサターンのツッコミ入りの指摘を受けたナナカはしぶしぶながらメモ帳をポケットにしまって後に下がる。そんな事よりセガサターンは俺が役員になる事に驚いて、ジーッと俺を見ている。

 

ジント「まあな。ケイに言われてな」

セガサターン「へ〜って呼び捨て!?」

 

学園長を呼び捨てにする俺の行為に驚くみんな。するとローダンはある事を言う。

 

ローダン「まあ確かに、学園長から話は聞いている。君は学園長の命の恩人の1人だそうだな?」

 

何を言ってるのかさっぱり……って言うのは冗談で、多分4年前に占拠されたあの出来事の事を言ってるんだろう。実質俺じゃなくてユニとレオタニスと大人ネプテューヌの3人が助けたんだが。後多分その様子からして、俺の時空進化については知らないみたいだな。

 

ジント「ま、まあな」

ローダン「なるほど。まあその話は置いて本題だ。学園長直々の下しだ。今日から君は生徒会役員だ」

 

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ラステイション学園 1-C

 

休み時間が終わってHR(ホームルーム)担任の先生から耳寄りな事を聞いた。

 

ジント「特別授業?しかも討伐クエストを受けられる自信を持つ生徒のみ?」

 

詳しい説明の通達。前から後ろへ1枚の用紙が回ってきた。

 

ジント「O・A・S?なんだこれ?」

セガサターン「オルター・アシミレイション・ソウル。略してO・A・S。変化する魂の融合って言う意味で、戦闘関連の訓練をする特別授業……って事でしょ?先生」

 

担任はセガサターンの説明に軽くうんと頷く。俺は前から配られた用紙を軽く読む。2人のチームを作り、そのメンバーで今後のO・A・Sのパートナーとし、戦闘訓練や特別行事に励む物。と俺なりに説明を略す。ある程度用紙を読み終えると担任からクラスメイトの中で2人1組組むように言われたその瞬間。

 

ゲームギア「私はジントと組む」

ジント「ちょ!?はぁ?」

 

ゲームギアはいつの間にか席から離れていて俺の肩に手を置いていた。ちなみにゲームギアの席なんだが、俺が座っている席の列の一番後ろ。

 

ノワール「なぁ…ま、まあ…別にいっか。セガサターン。私と組みましょ」

セガサターン「おっけー」

 

ノワールは反論しなかった。なんか一瞬予想外な表情を見せたが、まあ分からなくはない。多分、秘書を取られたみたいな感じに思ってるだろうな。後で学校終わりになんか言っておこう。全員は自信があると言い出し、次第にクラスメイト達のパートナーが決まり、O・A・Sを行う専用の場所に移動する事になった。

 

 

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ラステイション学園 第二戦闘訓練場

 

場は体育館の約半分の広さ。担任の説明によれば、風景は指定されたエリアに変化する仕組みになり、映し出された物に触れる事が出来る。分かりやすく言うと映像を触れるようになると言う本格的VRトレーニング場だとか。ラステイションの技術は凄いな〜。そしてそれぞれ決まったパートナーとチームになり、早速特別授業を始める。

 

ゲームギア「どう?」

 

ゲームギアは俺にあの授業とはこの事だった事について問う。

 

ジント「お前が言ってたのはこの事だったのか」

ゲームギア「そう。だから、今度は攻撃法も見せて」

ジント「選ばれたらな」

 

と俺はゲームギアに言ったが、それが耳に入った担任が試しに見本を見せて欲しいと言われ、これから現れるモンスターを倒すようにいわれた。俺以外のみんなはあとに下がって、俺だけ前に出る。時空剣を召喚して、構えたところでスタートする。まるで本物と思わせる5体のスライヌが現れた。見本を見せるように言われた以上、時空剣の力のような目を疑う力を使う訳にはいかない。かと言って女神と並ぶ力を見せたら色々面倒だから普通に倒す。

 

ジント「……!」

 

俺は行動に入る。現れたスライヌに向かって駆けていき、横切りながら切り刻んでいく。5体のスライヌの撃破の後、今度は宙を飛ぶ3体のハイリザードが出現。俺はその場でジャンプし、ハイリザードの頭に乗ってぶっ刺し、更に近くのハイリザードに飛び込んで切り刻む。その勢いで地に着地し、もう1体のハイリザードに向けて時空剣を垂直に投擲。まっすぐ行く剣はハイリザードに突き刺さり、消滅すると俺で手に舞い戻り、これで3体のハイリザードを撃破。その連続技に歓声を上げた。

 

ジント「よし!」

 

その直後、次は最後の見本と言われ、出てきたのが大型のドラゴン。ノワール以外のクラスメイトみんながざわめく。ちょっと担任よ〜、まさかムキになってないか?まあいいけど。一撃で仕留める。

 

大型ドラゴンとの距離を縮め、間合いに入るとドラゴンが炎のブレスを放った。

 

ジント「攻撃まで本格的だなっと!」

 

俺は大きくジャンプする事で回避し、そこから落下する勢いを利用してドラゴンに切りかかる。しかしドラゴンの動きは思った以上に早く、しっぽでなぎ払い攻撃。

 

ジント「甘いぜ」

 

勢いがこもったしっぽ攻撃を俺に当たる寸前で時空剣で一閃。しっぽを切り離し、そのままドラゴンの胴体を横切るようにして一閃。ドラゴンは撃破された。

 

ジント「ふぅ。こんなもんだな」

 

後ろから見ていたクラスメイトは更に歓声を上げて注目を浴びた。見本が終わった事を知らされると、ゲームギアが目の前まで近寄る。

 

ゲームギア「やるね。ジント」

ジント「まあな」

 

本気じゃないが……

 

その後、それぞれ俺がやったように各自でスライヌを撃破する。だが数名スライヌでリタイアする人も居て、ハイリザードで終わる人もいた。その中で唯一、ノワールとセガサターンとゲームギアの3人だけがドラゴンを撃破した。

 

ジント「お前がどんな武器を使うと思ったら、格闘とその3つの炎が武器なんだな」

 

ゲームギアは見た目によらず素手で戦っていた。赤と緑と青の3つの炎を使い分けて戦っていたその動きはなんとなく手慣れているように見えた。

 

ゲームギア「まあ、喧嘩には自信があるから」

ジント「喧嘩か………」

 

喧嘩に自信があるにしては俺みたいにハイリザードを踏み台にして倒したり、攻撃の回避法も一般的じゃない。出し惜しみしてそうだぜ。まあ俺やノワールも結構そうだけどさ。

 

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ラステイション ファミレス店

 

『東京ザナドゥ Event 2』

 

学校の放課後、下校しようと校門へ向かうと、そこには生徒会役員のみんなが来ていた。俺を待っていたらしく、役員になった俺をお祝いしたいとの事だった。ノワールからお祝いに行くように言われ、俺以外のみんなは先に帰っていった。

 

ローダン「生徒会役員に任命されたジント君に、乾杯!」

 

そしてファミレスで生徒会役員だけの小さなお祝いパーティーが開かれ、全員から歓迎の乾杯。手にした飲み物を軽く飲む。

 

ジント「ファミレスなんて久しぶりだな」

ローダン「月に1回は行かないのか?」

ジント「まあな」

 

ラステイションの店は、ノワール達やネプテューヌ達と遊ぶ時に回ったりしてたが、レストラン関連ではあまり立ち入ってはいない。だって家の料理のが美味いって言うのが本音。ファミレスに行くのは半年に一度、ユニに誘われたり、ネプギアやノワール、クエストで知り合った男友達と行くぐらいしかない。

 

メガドライブ「私はジントと同じだ。普段は読書で暇を潰しているし、レストラン関連にはあまり行っていない」

ナナカ「私は週に1回は来ますよ。このチーズケーキを食べる為に」

セガサターン「よくそんなに行けるわね。私なんて月に1、2回しか行かないわ」

 

それぞれ頼んだ店の料理やデザートを口に運ぶ。ちなみに俺はラステイションのイメージがこもったスパゲティ。どんなデザインかはおまかせを求む。でも味は美味い。

 

 

気付けば雑談が始まり、生徒会役員みんなは口が止まらず、笑ったりするくらいで雰囲気が良かった。今日知り合ったばかりのローダンやナナカやメガドライブとは仲間と思えるくらいにはなれた。そんな様子を窓越しの外、とても遠いとこからクロテューヌが見ていた。

 

クロテューヌ「ふふふ……私の期待に答えられるかな?第三者さん」

 

クロテューヌは第三者の存在を口にしながら微笑んでいた。




ジントは今日からノワールの指示とケイの学園長命令により、生徒会役員の一員になるが、O・A・Sの特別授業でゲームギアから自分と組むと強引に決められた。そして実際に見本をクラスメイトに見せれば、ノワール以外の全員から歓声。その放課後、生徒会役員のみの歓迎会に出迎えられ、祝福された。

その翌日、一方のネプテューヌ達はノワール達と同じタイミングに同じ目的でプラネテューヌ国内最大の学校、イストワール学園にネプテューヌと妹のネプギア、アダスオラ。そしてアリファが新入生として入学するが、ノワール達の様にスムーズにはいかなかった。

次回
Episode03 女神姉妹と青眼兄妹


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Episode03 女神姉妹と青眼兄妹

イストワール学園

 

《東京ザナドゥ 深まる信頼》

 

[ネプテューヌ]

 

アダスオラ「アダスオラだ」

アリファ「アリファよ。言っておくけどアンタ達と馴れ合う気は微塵もないわ。だから私に関わらないでよね」

 

今話が始まって早々嫌な空気が漂ってるよ〜!アダっちゃんは相変わらず無愛想だし、アリファちゃんは見下してるし、これじゃあ目的を果たすのが難しいよ!

 

ネプギア「えっと、私はネプギアです!よろしくお願いします!」

 

おぉ!!さすが私の妹!ネプギア!気まずい空気を振り払ってクラスメイトの花が色鮮やかに!

 

ネプテューヌ「誰がなんといおうか!私は主人公オブ主人公こと、ネプテューヌ!よろしくね!」

 

と可愛らしくピース!どや!おぉー!みんな笑った笑った!私に掛かればこんなの当然だもんね!え?主人公違う?

 

とまあそんな話は置いて、なんで4人の私達がイストワール学園に入学して、学校生活を送る事になっているのかというと!詳しくは一話前へ!

 

ネプギア「皆さん知ってると思いますが、私とお姉ちゃんは、プラネテューヌの女神です。アダスオラさんとアリファとはお友達です。だからもしかしたら緊張すると思うけど、どうか気軽に接してくれると嬉しいです!」

 

そそ!女神の仕事で学園に入学したんだ〜。そんでアダっちゃんとアリファはそのお手伝い!アダっちゃんは三年前から私の秘書になってアリファちゃんはそのお手伝い!でもなんでアダっちゃんが秘書を志願したのか知らないのが年月をたってもなお分からないんだよね〜

 

自己紹介を終えた私達にクラスメイトから歓迎の拍手。私とネプギアは指定された席に座りに行くと、そこに横切る度によろしくね!って声を何度も浴びた。でもアダっちゃんとアリファちゃん、特にアリファちゃんには冷たい態度で迎えられていた。まああんな事言っちゃったらね〜。

 

それぞれ決まった席に座ると、いいタイミングでチャイムが鳴る。その瞬間、いつもはある筈の終わりの挨拶をやらないまま私とネプギアとアダっちゃんに一斉に質問タイム!人気者は辛いね。

 

アリファ「ふん」

 

そんな様子を見たアリファは席から立って、さっさと教室から出ていった。アダっちゃんもその後を追う為、自分を囲んだクラスメイト、主に女子のクラスメイトの輪から無理やり出て「貴様らの質問は後に受ける」と言い残す。それを聞いた女子生徒は「キャー!」とか言い出して盛り上がり展開。これはアダっちゃん、学校のイケメンアイドルになる予感。

 

そんな時、一つの質問。アダスオラとアリファとはどんな関係かと言われた。やっぱりそれは聞くよね〜。

 

ネプテューヌ「えっと〜」

 

言えないよ〜。だって2人と出会ったきっかけが穏やかじゃないもん!絶対に信じられないもん!

 

ネプギア「と、友達ですよ!確か初めて知り合ったのはクエストでたまたま一緒に……」

 

いや〜それはちょっと〜。デュエルで決闘して、そのバトルの末に友となった!見たいのがかっこいいじゃん!あ、でも、決闘するイメージをしたらなんとなく負けたイメージが強いんだけど〜。特にアリファちゃんとの決闘!くぅー、ネクストフォームを使いこなせればな〜。

 

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イストワール学園 グラウンド内

 

とまあ時間が立って休み時間何だけど、初日早々からアダっちゃんがいきなりトラブルにあってるよ!不良達にわざと肩をぶつけられて、空気がまずい事に!?

 

 

不良1「おいこら!肩にぶつかって置いて謝りも無しか?」

アダスオラ「貴様からわざとぶつかりに来たように見えるが?俺が気に入らないというのであればさっさと掛かってこい凡骨供」

不良1「ぼ、凡骨だと!?新入生風情が!調子に乗るんじゃねぇぞこら!やっちまえ!」

 

やっぱり!アダっちゃんが火に油を付けた!不良達3人の集団が一斉に殴りかかる!その様子を生徒達が見ている!んでなんで私達が助けに行かないかって?それはね〜。むしろ邪魔になっちゃうんだよね〜私達。

 

不良2「ぐうあぁぁ!」

不良3「うぐあぁぁ!」

 

ほらね。あっという間だよ〜。だってね?時空進化する前のアダスオラは女神化と同等に戦えちゃうんだよ?主人公オブ主人公の私にとっては色々納得行かないけど、これがルールになっちゃってるみたい。

 

不良1「て…テメェ…」

アダスオラ「どうした凡骨。掛かって来ないのか?」

 

アダスオラはかすり傷一つ、全く攻撃を受けていない。変化があるとしたら、強者のオーラ的なのが漂ってるよ〜!見てる生徒もみんな驚いてるし、私達とアリファは見慣れた光景だよ〜。

 

不良1「ちっくしょー!!」

 

アダスオラから威圧を感じていながらも、無茶ぶりに殴りかかる。しかしその拳はあっさり右手で止められた。

 

不良1「………っ!?」

アダスオラ「無能が……倒れた凡骨を引きずって逃げれば良いものを」

 

とアダっちゃんが手を挙げて、拳をがっちり掴まれて逃げれない不良に1発殴ろうとした。

 

不良1「っく!?」

 

アダっちゃんの拳は止められた。不良1を庇ったのは、私の隣に居る筈のネプギアが、左手の掌で軽く受け止められている。って!?ネプギアが!?

 

ネプギア「お辞めなさい、アダスオラ」

アダスオラ「貴様は……」

 

あ〜。この時のネプギアは全く別のネプギアだ。ちなみにどんなネプギアかと言うと、彼女に秘められている神獣こと、パラディソスの意思が出た時。言うなら半分可愛いと半分神々しいって感じ?

 

不良1「ちぃ!」

 

しかし、ネプギアに庇って貰ったにも関わらず、不良1はネプギアを人質にしようと動き出す。

 

ネプギア「無駄ですよ」

不良1「な、なに!?」

 

不良1の行動はネプギア(半分パラディソス)には既にお見通しだった。腕を掴もうとしていた腕は逆に掴まれていた。こんな時のネプギアは正直、近寄り難いんだよね〜。いや怖いとかじゃないんだよ?

 

ネプギア「今回は見逃します。だから二度とちょっかいをしないで下さい」

アダスオラ「さもなければ病院送りではすまさん。いいな?凡骨」

 

ネプギアと一緒になって威圧を掛けると、それに耐え切れなくなったら不良1は情けない声を出しながら、倒れた不良2と3を引きずって慌ててグラウンドから去っていった。ね?分かる?アダっちゃんは相変わらずとして、このネプギアは接しにくいんだよね。ゼアラちゃんにも似てきたような感じもするし。ネプギアが大好きな人達ならきっと分かる!

 

アダスオラ「ふん。腰抜けが」

ネプギア「あれ?え?なんで私がここに?」

 

そんでいつものネプギアに戻ると、さっきまで何していたのかの記憶がないというミステリアス。でも後ほどパラディソスがそれを教えると、一人激しく動揺する。四年前からネプギアがユニちゃんと一緒に特訓をするようになってからこんなネプギアが最近多くなったんだよね〜。

 

アダスオラ「行くぞ小娘」

ネプギア「え?は、はい!」

 

一人焦っていたネプギアはアダスオラの冷たい言葉で我に返ると、私と言う姉を置いてグラウンドを後にしていった。

 

ネプテューヌ「ちょ!私達を置いていかないでよ!」

アリファ「………」

 

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イストワール学園 校門

 

更に時間が立ってから放課後。

 

上級生1「礼儀がなっていない。敬語がないぞ?」

上級生2「ちょっとこの新入生。下級生の癖に生意気なんだけど」

 

どうしてこうなったか?それはね、下校中に上級生からたまたま挨拶された時、またこのアリファちゃんが見下した態度を取ってトラブルに。こんな時にアダっちゃんが居ればいいのに、なんでこんな時に居ないの。

 

アリファ「下級生?それはあなた達の事じゃない?犬」

 

アリファは上級生に向かって見下す態度を取ると、上級生達の表情に青筋が立って怒りを見せる。

 

上級生1「これは、一度思い知らせないといけないようだ」

上級生2「そうだね。その生意気な性根を叩きのして、上級生を敬う心構えを持ってもらわなきゃ」

 

やばい、やばばのやばい!入学して早々、アダっちゃんに引き続いて妹のアリファちゃんが喧嘩に!?って今回は流れ的にアリファちゃんが悪いんだけどね。

 

アリファ「上級生を敬う?誰に敬おうかなんて私が決める事よ。帰り道の邪魔、さっさとどきなさい。下等生物が」

上級生1「なんだと?」

ネプギア「お姉ちゃん、流石に止めないと!」

 

あ〜あ〜。もう火が着いちゃったんじゃないかなこれ。兄妹揃ってトラブルメーカーだよね〜。特に人間関係に関しては。とまあ仕方ない、私が止めに入ろう。

 

ネプテューヌ「ほらほら、落ち着いてよ。こんな所で喧嘩はやめよ?ね?」

 

私が間に割り込み、止めに入る。それを見た上級生は怖い顔から、信じられない物を見た!みたいな表情に変わる。しかしアリファは違った。

 

アリファ「引っ込んでなさい!今日の私は虫の居所が悪いのよ!」

 

この時のアリファちゃんは冷静を失っていた。格闘戦に入ろうと構えると、上級生の2人も同じように攻撃態勢に。

 

ネプギア「アリファさん落ち着いて下さい!喧嘩をしても意味がありません!」

 

ネプギアは必死にアリファを止めに入り、私も止めに一緒に止めに入る。落ち着かせようとはしてるけど一度怒ったアリファちゃんはアダっちゃんが居ないとどうにもならないよ〜。

 

 

と場がエスカレートしようとしたその時、突然全空間の動きが止まり、モノクロの世界に変わった。アリファちゃんの背後に誰かが現れた。

 

クロテューヌ「アリファも堕落したね〜。力の欠片微塵も感じられない石っころに腹を立たせているなんてね」

アリファ「クロテューヌ?」

 

背後に居たのはクロテューヌだった。アリファの肩を軽くトントンとつつくと、後ろに振り向こうとする。しかし学生良くやられるように、クロテューヌの人差し指がアリファの方にぷにっと接触する。

 

ネプテューヌ「あぁー!もう一人の私!」

ネプギア「クロテューヌさん!」

 

クロテューヌが現れた!しかも私の私服のパーカーワンピに似た感じの茜色とピンク少々のカラーリング!私服姿は初めて見たんだけど、でも相変わらず只者じゃない雰囲気を漂わせてるよ〜。

 

クロテューヌ「また会ったね、ネプギアともう一人の私。さあ、このまま行こっか」

アリファ「ちぃ…」

 

アリファは上級生に向けてえらく苛立ち、舌打ちをする。時間が止まった今を利用して、さっさとその場から離れる。その時、クロテューヌが上級生に向けて何か念を送る行動を見せたが、それは一瞬で終わった。何事も無かったかのように我が家へと帰っていった。

 

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数日後

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Paradise》

 

境界ヲ破ル回廊 最深部

 

ここはかつて、超次元と零次元が繋がっていた回廊。しかしうずめが零次元に続く道を自ら閉ざし、零次元の戦いの幕を閉ざした。犠牲を引き換えに………のはずだった。

 

クロテューヌ『それは違うよ。うずめは生きている』

 

クロテューヌから聞いた情報と4年前に再び目の前に現れたくろめ。これが合わさる事で分かった事。でも一体どうやって?心臓部である大型シェアクリスタルを破壊されて、消滅される筈。それに消滅から奇跡的に免れたとしても零次元の生息するモンスターは全て凶暴性が高い魔物。更に景色を埋める程の数を相手に一人で立ち向かった。奇跡が起きたとすればそれは身柄が残るくらいしかありえない。でもくろめの存在はうずめの存在が維持されているという事。

 

PH「どこにいるの?うずめ」

 

私は電子物で崩れた物陰に手を合わせ、頭を付ける。

 

クロテューヌ「ここで何してるの?」

PH「!?……クロテューヌ。どうしてここに」

 

すぐ隣に、いつの間にかクロテューヌが腕を組んで背中を預けていた。相変わらずぞっとさせる瞳をしていてびっくりしたわ。

 

クロテューヌ「最後にうずめと別れた場所……だったね?」

PH「あ、あなた。どうしてそれを」

クロテューヌ「さあ?どうしてだろうね」

 

どうしてあなたがその事実を?まさか………

 

PH「クロテューヌ。もしかして、見ていたの?」

クロテューヌ「その答えは想像に任せるよ」

 

クロテューヌ、あなたは相変わらず他者に答えは教えないのね。

 

クロテューヌ「それより、ネプギアはいいね。ヘヴンユニットの扱い方、飲み込みが早い」

PH「当然でしょ?私の妹なのだから」

クロテューヌ「ふふ。それでね。気まぐれでその気になったけど、どう?私と一度手合わせしない?」

PH「私と手合わせを?」

クロテューヌ「そう。あ、もちろん瀕死にはさせないから」

 

 

クロテューヌ、あなたは一体どういうつもりで?いや、これはチャンスだわ。初めて会ってからあなたに対して、闘士を燃やしているのよ。ダークメガミを軽く倒すあなたと戦ってみたかったわ。

 

《東京ザナドゥ シオVSアキヒロ》

 

PH「その手合わせ、望んで受けるわ!どうせ、明日と明後日は学校が休み!動けなくなるまで付き合うわ」

クロテューヌ「いい……いいね!そう来なくちゃ!」

 

私は刀を現出させて、構える。そしてクロテューヌも剣を見せる。その剣は至って普通の剣だが、相手はダークメガミを倒した者、油断は出来ない!

 

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プラネテューヌ周辺 上空

 

[ネプギア]

 

アリファ「ヘヴンフォーム。少しはやるわね」

HS「この4年間、パラディソスちゃんと一緒にやってきたんだもん。これくらい当然」

アリファ「でも、まだ私には届かないわ」

 

クロテューヌさんの命令で、アリファさんは仕方なくシェアチェンジした私の特訓相手になってくれてるけど、アリファさんにはまだ敵わないなんて、やっぱり強いな〜。

 

パラディソス『しかし、あなたにダメージを与えられるくらいにはなりましたね』

アリファ「まあ確かに、女神に比べれば戦闘能力はある。私に傷を負わせるようにもなった」

 

だよね!最初よりはいい方向に………

 

アリファ「でも調子に乗るな。確かに歯が立つくらいにはなった。でもそれまで。お前がどれだけ強くなっても………」

HS「いい殺気です。アリファ」

 

私は思った事を、アリファの話を遮るようにわざと言い放つ。それを聞いたアリファさんは目を鋭くして眼光を光らせる。

 

HS「折角です。明日と明後日は学校はお休み。思う存分、暴れませんか?この上空で」

アリファ「いいわ。私も下等生物と同じ空間にいる事に対して不愉快で我慢ならない。溜まったストレス、一気に受けてもらうわよ!」

 

プラネタワー ベランダ

 

[アダスオラ]

 

あの2人、ぶつかり合ったか。

 

イストワール「空を見てますが、どうかしましたか?」

アダスオラ「小娘とアリファが戦っている。全く、あの2人互いにだけ好戦的だ。我がプラネテューヌに対する評判に悪影響を与えなければいいが」

イストワール「そ、そうですね」

 

イストワールはアダスオラが言った言葉を聞いて同意しつつ苦笑いする。

 

イストワール「あの、1つ伺ってもいいですか?」

アダスオラ「なんだ?」

イストワール「アダスオラさんは、どうしてネプテューヌさんの秘書になったんでしょうか。貴方の性格からすれば、毎日が疲れるのでは……」

 

イストワールは少し緊張気味に質問する。話を聞いた俺は空に向けていた顔をイストワールに向けて答えを返す。

 

アダスオラ「貴様には関係ない」

イストワール「…………」

 

質問の答えを聞いたイストワールは頬を赤くさせ、困った表情を見せた。

 

イストワール「あなたは相変わらず、冷たいんですね」

アダスオラ「ふん」

 

秘書になった理由…………か。俺の悩みである、思いやりが曖昧。他者を優しくした覚えがあるとしたら、ブランの頭を変わりに撫でてやったくらい、それ以外に覚えはない、秘書になれば次第に解決すると思ったが、少々浅はかだったな。




ネプテューヌ達の学校生活は、初日から気持ちのいい感じには行かなかった。青眼兄妹の態度で周りの生徒にいい影響と悪い影響が及んだスタートになってしまった。そんな学校生活を送りながらある夕方に、ネプテューヌはクロテューヌの気まぐれで手合わせとネプギアとアリファの2人は殺気のある特訓。秘書になっているアダスオラも頭を抱える日が増えていた。

一方 翌日

ブランは休日を使って小説の執筆していたが、色々考えたり、悩んだりしていた。一緒に入学した双子の妹と問題児とされたレオタニスとゼアラが気がかりだが、目的の達成と九年の時が立っても教祖である西沢ミナが行方不明のままである事が特に心配。しかしレオタニスとゼアラのお陰でその心配は少しずつ解消されていく。

次回
Episode04 お転婆娘と狼娘


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Episode04 お転婆娘と狼娘

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

ルウィー 図書館

 

[ブラン]

 

今日は学校の休日。平和な今を利用して、図書館に来ている。静寂な空間の中、自身が制作している小説の執筆作業をしている。何故自分の仕事部屋でやらないかと言うと、執筆作業中は2人の問題児から離れて行いたいからよ。

 

ブラン「まさか、入学して半年も立たずに問題児扱いされるなんて、一緒に入学した私まで恥ずかしく感じるわ」

 

その問題児とは、一人目はお転婆娘、二人目は狼娘。一応答えを言えばレオタニスとゼアラの2人。教祖……ルウィーの場合は私自ら教祖の変わりに話を聞いたが、学校を中心にシェアエナジーに悪影響を及ぼすマイナスシェアーが例の禍空間から放出されている。その元凶の取り除き、もしくは阻止する為に入学しているのだけれど、初等部のロムとラム、高等部の私と2人だけで果たしてやってのけるのだろうか。

 

ブラン「せめて、ジントがこっちに……居ればいいのに」

 

まただわ。困った時、いつも貴方を求める。私も軽い女性になった物だわ。でも否定は出来ない、元は小説のネタ集めのつもりだったけれど、いつの間にか私の心の隙間には貴方が埋まっていた。

 

ブラン「諦めたいけど、諦められない。ノワールに嫉妬しちゃうわ」

 

ジントは現在ノワールの秘書。ノワールの禍空間に対するトラウマの事でジントは秘書になっている。その効果は現れているが、私が知る限りではまだ克服は先の話になるわね。

 

ブラン「私もトラウマになっていれば……傍に来てたかな」

シーシャ「誰が傍に来てたって?ブランちゃん」

 

隣の席に誰か来たと思ったら、ゴールドコンビのシーシャがやって来た。その様子から見たら討伐クエストの帰りと見える。それにしても、ベール程ではないが羨ましいくらいに大きい。

 

ブラン「ぐぬ……おっきいマシュマロめ」

シーシャ「おっきいマシュマロ?初めて呼ぶ名前だな。んで?ジントに会いたいって顔に書いてあるけど?」

 

私の考えはシーシャにはお見通しだった。私はそんな分かりやすい顔をしていたのかしら、ダメ……顔が暑いわ。

 

シーシャ「本を使って顔を隠すという事は図星だな。嗚呼……愛しいジント。なんで私の傍に……じょ、冗談だ!そんな目でこっちを見るな!」

 

ガルルル…………

 

ブラン「ふん!お前には一生分からねぇよ」

 

私は少しイラついた口で答えるとシーシャはちょっと驚く動作を見せる。

 

シーシャ「まあそうかもね。好きにはなるが、友達以上にはならないな。縁がないし」

 

シーシャは指で頬をいじりながら、周りを見る。私の読みが正しければ、恐らくシーシャは男友達はジントくらいしかいないと思う。

 

ブラン「そんな事は無いと思うわ。ルウィーに1人くらい、貴方を見てる男がいるんじゃないかしら」

シーシャ「そうか?そうだといいが……ところでアダスオラってどんな人間なんだ?」

 

アダスオラか……無愛想で冷たくてプライドが高い、クールな人。彼に一度頭の撫でられたけど、それ以降優しくしてもらった事がない。シーシャになんて説明すればいいのか。

 

レオタニス「お!ブランとシーシャじゃん!やっほ!」

 

どこからか問題児の一人、お転婆娘のレオタニスの声が聞こえた。一体どこから?でも探す必要は無かった。近くにどこからか勢いよく降りてきたのだから。

 

ブラン「ど、どこから来たのよ」

レオタニス「本棚の上からだぜ。じゃないとすぐに見つかんないしな!」

シーシャ「はは!破天荒な事するね、レオ」

 

レオタニスはよく人を驚かせようとする。その方法は場に関係なく実行する。例えば廊下を歩いてると、突然壁をぶち壊して本人が登場するとか。(実話)

 

レオタニス「だろ!?誰にも真似出来ないぜ」

ブラン「誰も真似したがらないに一票」

 

駄目。このままじゃあ執筆が進まない。仕方ない、今回の執筆はここまでにしよう。そもそも、この小説はジントに読んでもらう為の本、売り物じゃない。

 

シーシャ「ゼアラはどうした?」

 

私が聞いてみたかった事がシーシャに言われた。いつもいる筈のゼアラがいないのは珍しいわね。

 

レオタニス「ゼアラならプラネテューヌだ。昨日ネプギアがアリファとタイマンはって大バトルになったらしいから、様子見に行ってるんじゃないか?」

シーシャ「アリファと言えば、女神2人分の実力の持ち主だよね?」

 

そう。私とベール2人でも勝てなかった相手。多分ヘヴンシスターに変身して戦ったのだと思うけど、ネプギアからタイマンを申し込むなんて、一体どうなったのかしら?少なくとも死んではいないだろうけど。

 

レオタニス「まあ大丈夫さ。ヘヴンフォームはあんたのネクストフォームと互角かそれ以上の力だからな」

ブラン「ダークメガミを倒せた程、大丈夫かも知れないわね」

シーシャ「それほどの物という事か、いつかゴールドサァドでぶつかって見たいもんだね」

 

シーシャはネプギアのヘヴンフォームの事を聞くと、手をコキコキと鳴らして闘士を燃やす。最近、身の回りに物騒で血の気が多い人が増えてる気がするのだけれど、これってジントに出会った瞬間から決まった運命なのかしら?

 

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レツゴウアイランド

 

[ゼアラ]

 

HS「…………」

アリファ「…………」

 

2人は刮目させて互いの動きに警戒している。昨日の夕方から戦っているようだが、両者とも戦闘意思を維持している。だが少し息を上げているようだなアリファ。

 

HS「どうしましたか?勢いが徐々になくなっていますが」

アリファ「黙ってなさい」

HS「そうですか、行きますよ」

アリファ「っ!」

 

ネプギアのビームサーベルとアリファの黒之双(シャドウスパーダ)が接触し、勢いから生まれた衝撃波が砂浜を吹き飛ばす。幸いレツゴウアイランドに2人以外の生命エネルギーは感じない。モンスターや危険種は存在していたが2人の戦闘に巻き込まれ、大半ブロック化か戦意喪失で逃走。

 

ゼアラ「さっきから両者は剣のみで戦闘しているようだな」

 

全く、殺意のある一撃を何度も繰り出してるようだが、本気で殺しに掛かってない。その証拠に楽しんで見える。だが問題はボスとネプテューヌの方。気配を感じて近くまで寄ってみたが、アイギスフィールドが展開され、近寄る事は叶わなかったが、まあ大丈夫だろう。ボスは何を考えてるか知らんが、少なくとも抹殺する事はないだろう。2人の見守る必要性を感じなくなった私は、ルウィーに帰る事にした。

 

一方ネプテューヌとクロテューヌ

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

クロテューヌ「もう終わり?もう一人の私」

ネプテューヌ「そ、そう言うクロテューヌちゃんも……結構苦しそうにしてる……けど?」

 

両者は顔に出る程の苦しみを味わっていた。しかしその様子は呆れてもいい。何故なら。

 

クロテューヌ「あぁ、私もそろそろ………お腹がやばい」

ネプテューヌ「ど、どうするの?まだこんなたっくさんデザートが……」

クロテューヌ「山ほど持ってきたのが、失敗だったね」

 

何故かデザートの大食い競争をしていた。手合わせと普通の剣とは一体何だったんだろうか。

 

 

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《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lowee's Theme》

 

アイリス草原

 

[ブラン]

 

ブラン「ミナ……」

 

次の日。私は1人でアイリス草原にやって来た。ミナが行方不明になってから九年の時が立った。もはやすぐに帰ってくるという思考はもうない。まさか何かに巻き込まれて、もうここに戻って来れないとこにいるのでは。

 

ゼアラ「何暗い顔をしている。ブラン」

ブラン「ゼアラ……」

 

出た、狼娘のゼアラ。学校では教室には入るが人をよしつけない雰囲気を漂わせている子。ネプギアに似ていると結構有名なんだけど、ちょっと扱いの難しい部分があって孤立した問題児にされている。

 

ブラン「実は…仲間の一人を考えてて……」

ゼアラ「そうか」

 

ゼアラと向き合う体勢を取ったけど、ネプギアとは全くの真逆な雰囲気。本当に黒服のネプギアね。

 

ゼアラ「話してみろ。聞いてやってもいい」

ブラン「…………」

 

腕組みを解いて、横に並ぶようにして体を平原側へちょっと移動する。話してみようかしら。

 

ブラン「九年前から行方不明の人がいる。その人はルウィーの教祖。名前はミナ、西沢ミナよ」

 

ゼアラは名前を聞いた後、自身の記憶を探っているのか難しい顔を見せた。多分知らないと思う。零次元どころか犯罪神との戦いが終わった後、突然姿を消した。もうずいぶん前の話、知っているはずが無い。

 

ゼアラ「ミナ……西沢ミナ。あいつの事か」

ブラン「え?」

 

ミナを知っている?

 

ゼアラ「なるほど、元はこの世界の教祖だったのか」

ブラン「ミナを知っているの!?教えて欲しい。ミナは今どこにいるの!」

 

私は我を忘れて、ゼアラからミナの情報を聞き出そうとする。

 

ゼアラ「知らない方が身の為だ」

ブラン「え?それはどういう事なの?」

ゼアラ「知らない方がいい。だがそのうちわかるかも知らないな」

 

しかしゼアラは腕を組んでそう言った。知らない方が身の為だと言うのはどういう事?

 

ゼアラ「それより、緊急クエストだ。危険種の小さな群れが近付いている情報を得た。ギルドにレオとシーシャとマーベラスが待っている。行くぞ」

ブラン「……分かったわ」

 

私の話は聞いてくれたけど、どうしてミナを知っていて、知らない方が為になると答えたのかは分からない。でも生きているという希望があると言うなら、今一度気にするのは止めておこう。私はゼアラと共に、仲間が待つギルドへと向かっていった。

 

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ルウィー付近

 

WH「エンシェントドラゴンの群れか」

マーベラス「他の方にも危険種の群れがいるみたいだけど、レオちゃんとゼアラちゃんだけで大丈夫なの?」

WH「あの2人なら大丈夫だ。結構腕が立つからな」

シーシャ「久しぶりの群れだ。1匹残さず狩る!」

 

エンシェントドラゴンの群れの討伐にかかる。1発1発確実にダメージを与え、連携して倒し、ルウィーに近付けないようにして戦う。その時、別の方向から2〜3体の危険種がルウィーから遠ざけられるように吹き飛ばされているのが見えた。

 

レオタニス「どうした危険種!弱すぎるぜ!」

 

姿は見えないが、轟いて聞こえるセリフからしてレオタニスが結構暴れてるようだ。群れに挑発を掛け、標的にされるように仕向け、集まったところで一気に倒す。やり方は荒いがルウィーに目を向けさせない方法としてはベストだ。この調子で群れを倒し続き、数が無くなったところで討伐は終わった。

 

WH「こいつが最後だったか」

マーベラス「四年前程多くなかったね」

 

私は女神化は解いて、元のいつもの姿に戻る。その頃に別の場所から討伐していたレオタニスとゼアラがやって来た。向こう終わったところのようね。

 

レオタニス「数は少なかったな〜。もっと居るとおもったんだけど」

シーシャ「やっぱレオもそう思うだろ?」

レオタニス「あぁ」

 

シーシャとレオタニスは互いの拳を合わせる。ちなみにそれはお疲れ様という意味らしい。

 

ゼアラ「帰還するぞ。お前達」

 

ゼアラは私達を置いてさっさとルウィーに帰る。私達も一緒にギルドに戻る為、先に行ったゼアラの後を追う。

 

ブラン『ルウィー学園の問題児は扱いが難しいけど、どこかの冷たい人よりはマシね』

 

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《新次元ゲイムネプテューヌV2 One Scene》

 

ルウィー学園

 

その翌日。私達の登校時、生徒と通りかかる度に視線とこそこそ話が聞こえてくる。

 

「噂の子だ!確かレオタニスとゼアラ!」

「うおぉー」

 

何かしら?周りの生徒を視線が気になる。しかもどういう訳かレオタニスとゼアラの名前があちこち聞こえてくる。無関係なのに一緒に歩いている私まで恥ずかしいしそれでいっぱいだわ。

 

ラム「レオちゃんとゼアラちゃんって問題児なのに人気者なんだね!」

レオタニス「そんなすげぇ事してないけどな〜」

ゼアラ「ちぃ…」

ロム「お姉ちゃん。怖いよ…こそこそ」

 

ラムは2人が歩く前に後ろ向きで歩き、私の後ろにロムが周りの視線から逃れようと隠れる。当日はこんな事なったのに、なんで今になって全生徒から視線を浴びるようになったの?レオタニスとゼアラ……試しに聞いてみようかしら。

 

ブラン「そこの君」

「私?」

 

どうしてこうも視線を向けてきたり、噂話があるのか。すぐそこにいた同級生に聞くと、その答えを教えてくれた。

 

「話によると、危険種の群れを倒している様子を誰か見たみたいで、その様子をビデオで録画された物を動画サイトで投稿されていてさ、それをたまたま見た人がファンになって共有して言ったらファンクラブが出来たとか」

ブラン「そう。教えてくれてありがとう」

 

原因は昨日の討伐だったのね。まああんな轟かせる声を言えば、好奇心がある生徒が近付いてこっそり撮影でもされれば人気者にされるわね。しかもファンクラブもできるなんて……

 

ブラン「あ…………」

ロム「どうしたの?お姉ちゃん」

 

これは好都合だわ。ファンクラブが出来たという事は、マイナスシェアーの放出の阻止に繋がる。これならきっと上手く行きそうだわ。お転婆娘と狼娘の2人には借りができたわね。問題児の癖に。




入学してから初日の休日を使って、執筆作業に励むべく図書館に入館し作業するが、シーシャとレオタニスがやって来た事でやむを得ず中断。その頃、ゼアラはプラネテューヌを訪れ、様子を確かめに来ていたが、互角のように戦うヘヴンシスターとアリファ、場は見れなかったが何故か競争していたネプテューヌとクロテューヌ。さほど心配する程でもないとルウィーへ帰っていった。その翌日、ブランが一人悩んでいた、教祖の西沢ミナの行方、その答えを知るゼアラだったが、答えは知らない方がいいと告げられた。


休日を終えて翌日の学校。リーンボックス高校ではベールも同じく目的を果たすべく学校生活を送っていたが、他国と違い、禍空間やマイナスエナジーの反応は全くなく、あまりにも平和だった。しかし、学校で知り合ったベールの初めて友達であるドリームキャストから、今後に関係するかも知れない重大な事を知っていた。その事を元に独断で情報収集する事に。

Episode05
夢の欠片


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Episode05 夢の欠片

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ 100$》

 

リーンボックス高校

 

[ベール]

 

ベール「起立、礼」

 

今日の最後授業が終わり、下校する。男子クラスメイトから一緒に下校しようと誘いを貰いましたが、私はこの後用事がある事を伝え、誘いを断る。そして用事である見回りをする為、教室から出て校舎を見て回る。

 

「ベール先輩!さようなら!」

ベール「さようなら、お気を付けて」

 

通りすがる度に生徒達と挨拶を交わす。ちなみに何故私が入学早々、先輩と呼ばれているのか?それはほかの皆さんと違い、私は女神の体験という事でチカにお願いし、高校三年生として入学したんですの。そして生徒会長になり、リーンボックス高校全生徒の代表になった。そうする理由としては、例のマイナスシェアーの阻止する為には最も動きやすい立場出なくてはなりません。そこで一番適切なのが生徒会長ですの。

 

ベール「しかし、そもそもリーンボックスに禍空間の情報や被害は出ていませんし、本当に放出されているのでしょうか」

 

ラステイションの占領させたあの事件から4年遡る。他国から禍空間の被害が出ているようですが、こちらではその期間中で一度も報告がありません。一体何故でしょうか。

 

ベール「情報屋であるアフィモウジャスでさえ、リーンボックス内の禍空間の情報を掴めていないとしたら、もはや警戒する必要がないと思えて来ますわ」

 

一通り見回りを終えて、職員室で挨拶をしてから下校する。すると校門にはいつもの人が私を待っていました。

 

ベール「ドリームちゃん、また待っていてくれたんですね!」

ドリームキャスト「ドリームキャスト!ここに参上!なんちゃって、待ってました」

 

彼女はドリームキャスト。入学式当日、道に迷っていたところを学校まで連れていった子で、初の学校生活にして最初に会話をした生徒であり、友人ですわ。とても元気で誰に対しても優しい性格の持ち主です。

 

ベール「では、行きましょう。今日はどこに連れてってくれます?」

ドリームキャスト「今日はいつものカフェで話しましょう!」

 

私はいつも学校帰り中、寄り道をしています。私はこれを憧れていたので毎日が楽しい。同じゲーム好きであり、同じ四女神オンラインのプレイヤーでもありと、とても気が合う仲なのです。私はこんな青春を望んでいたんですの!

 

リーンボックス カフェ

 

いつものメニューを注文し、運び出された食べ物少しずつ食べて、話を交わすと言うのがドリームキャストとの普段の行動。そんな時、いつもドリームキャストと言う度、ある人の名前が頭の中を過ぎる。ドリーム、言い換えれば夢。そしてかつて、その単語よく使っていた人物、それはすなわち天王星うずめ。私自身、あまり関わってはいないのですが、やはりネプテューヌが思っていたお友達であり、超次元の為に命を懸けた零次元の女神。感謝したいのですが、現にいなければそれは永遠に叶わぬ願いでしょう。

 

ドリームキャスト「どうかしました?ベールさん」

ベール「いいえ、何でもないですわ。ドリームちゃん」

ドリームキャスト「顔に出ていますよ。私で良かったら聞きますから」

 

私はそれほどに思い詰めていたんですのね。顔に出さないようにしてはいたのですが、1ヶ月も立たない内に潮時のようで。話しましょう。ドリームキャストに零次元の戦いとうずめちゃんの事を話す。するとドリームキャストはいくつも大袈裟に驚いたり動揺したりとリアクションを見せましたが、唯一心から動揺する表情を見せた。

 

ドリームキャスト「天王星うずめ……うずめさん?」

ベール「どうしましたの?ドリームちゃん」

ドリームキャスト「えと、何故でしょう。私、天王星うずめという名前に覚えがあります」

 

私は動揺を隠せなかった。ドリームちゃんがうずめの名前に聞き覚えがあると聞いて、私は早速その理由を伺う。

 

ドリームキャスト「確か…とある平原で、毎日のように死闘を繰り返した相手で…………宿敵だった」

ベール「宿敵……ですの?」

 

ドリームちゃんから話を伺ったところ、どれも私の知らない事ばかりで、良く分からない話だった。しかし念の為、ネプテューヌに知らせる必要があるのは確か、即刻知らせるべきか、否。

 

ベール「申し訳ないんですが、詳しい話を聞かせて下さいまし、ドリームちゃん」

ドリームキャスト「いいよ!とことん力になりますよ!」

ベール「ありがとう、ドリームちゃん。お礼は色々ご用意しますわ」

 

私は早速ドリームちゃんを連れて、教会に帰る。そして着くと出迎えたのは教祖のチカ。ドリームちゃんが一緒にいる事情を話すと、チカも詳しい話を聞きたいと言われ、リビングにて共に話を聞く事になった。

 

 

リーンボックス教会 リビング

 

ドリームキャスト「実はうずめさんの名前を聞いた時、いくつか思い出した事が沢山あるので、その事も話しますね」

ベール「えぇ、お願いしますわ」

 

ドリームちゃんからうずめについてとその頃、一体何が、どういう事をしていたのか、知る限りの情報を話してくれた。

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Insecure feeling》

 

ドリームちゃんとうずめの出会いは突然の事だった。互いの存在を認識した時、倒すべき存在だと思い込み、死闘を繰り返された。その理由はドリームちゃんにも分からないと言う事。そして戦いの末、最終的には決着がつかないまま。しかしここから理解し難い事実を知った。突然世界が真っ白に包まれ、気が付けばある図書館でうずめと一緒に目を覚ました。そしてそこで出会った。その人物はネプテューヌ、ネプギア、プルルート、アイエフ、イストワールの五人とドリームちゃんの仲間と言われるセガサターン、ゲームギア、メガドライブ、セガミと呼ばれる四人の女性。

 

チカ「なかなか、難しい話ですわね」

ベール「えぇ。まさかネプテューヌ達の名前が出るなんて」

 

作り話とは思えない。ラステイションに現れたくろめとドリームちゃんからうずめの名前が出た以上、もしかしたら生きている可能性がある。やはり即刻全国の守護女神に知らせる必要があるかも知れません。しかしまだ完全には理解が出来ないのでは、聞く側も苦しいでしょう。

 

ベール「チカ、ドリームちゃんから聞いたこの情報を記載して下さいまし」

チカ「はい!お姉様」

ドリームキャスト「信じてくれるんですか!?」

ベール「もちろんですわ。それにこの情報を聞きたいお友達がいると思いますし」

 

ドリームちゃんは私の言葉を聞いて、満面の笑顔で私に勢いよく抱きついた。私はそれを受け入れ、頭を撫でる。

 

嘘ではないのは既に明白。うずめの名前だけじゃなく、超次元にはいない筈のプルルートの名前が出ました。神次元にいる筈のプルルートや零次元にいる天王星うずめの名前をどうしてドリームちゃんが知っているのか?もし零次元や神次元とも関わる話であれば、これはとんでもなく大きな異変になりうる可能性がありますわね。

 

ベール「さあ、難しい話はここまでにして、どうでしょう。今日はここで1泊すると言うのは?」

ドリームキャスト「いいんですか!?わーい!女神様の教会で寝泊り!」

 

難しい話を終え、なんとかして明るいムードに運ぼうと寝泊りを提案すると、明るいリアクションで私の言葉に甘えた。その後、夜食や食後のデザート。そしてゲームと楽しい時間を過ごし、チカが用意した寝巻きに着替えてベッドに潜り、眠気がやってくるまで会話を交わし、次第に眠りについた。

 

 

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《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Lite Light》

 

リーンボックス高校 教室

 

翌日の休み時間。一緒に登校したドリームちゃんと昼弁を済ませようと、チカが用意したお弁当を開ける。ご飯やおかずはどれも豊富。同じ中身であるドリームちゃんのお弁当、ドリームちゃんはすぐにでも食べたいと表情を丸出しにして眺めている。

 

ドリームキャスト「早く食べようよ!」

ベール「えぇ。それでは、いただきます」

ドリームキャスト「いただきまーす!」

 

二人一緒に橋を指し伸ばす。食べたいおかずからパクリと一口。その味は、流石の一品。いつもありがとう、チカ。

 

ドリームキャスト「美味しい!」

ベール「えぇ。チカの作る料理は凄いですわ。後で私が言っておきますわ。美味しかったと」

ドリームキャスト「うん!」

 

二人で味を楽しむ中、クラスメイトから一緒に食べたいと言われ、私はそれを受け入れ、席と席をくっつけさせて昼弁を済ます。嗚呼、なんて幸せな時間なんでしょう。これが昼弁の青春ですのね!

 

そして時間が遡り、放課後、私はいつもの見回りをしていた。

 

ベール「今日も異常無し、ですわね」

 

見回りを終え、挨拶をしてから下校する。そして校門で待っていたドリームちゃんと一緒に、今回は公園に行こうと私が勧め、そこに向かう。その理由は、ある人に1人連れてきてもらいたいと頼んだからです。

 

 

リーンボックス記念公園

 

《超次元ゲイムネプテューヌ The animation Fresh Again》

 

 

ベール「着きましたわ」

ドリームキャスト「ベールさんの友達をここに呼んだんですよね?誰かな〜」

 

着いたところで、待ち合わせ場所である噴水の前に向かうと、そこには既に呼んだ人が立っていた。

 

ベール「居ましたわ。お待たせしてごめんなさい!ジント」

ジント「ようベール。久しぶりだな」

 

私が呼んだ人物はノワールの秘書ことジント。そして……

 

ジント「ベールが連れてきて欲しいって言ってた、パートナーのゲームギアだ」

ゲームギア「よろしく……」

 

私はジントに連れてきて欲しいと言ったもう1人の人物とは、ドリームちゃんから出た名前であるゲームギア。休みの日、たまたまジントと話をしていた時、O・S・Aのパートナーと話題になった人物、それがゲームギア。

 

ドリームキャスト「あ……ああぁぁぁ!!ゲームギア!」

ゲームギア「……ドリームキャスト……」

 

ドリームちゃんは、ゲームギアの姿を目にした瞬間、突然大声を上げた。話に出た仲間との再開した2人は2人だけの話に入る。

 

ジント「これはどういう事なんだ?」

 

ジントが私に説明を求めた。私はドリームちゃんから聞いた話をそのままジントに伝える。

 

ベール「という事ですわ」

ジント「なるほどな。確かに難しい話だが、俺もゲームギアから気になる話を聞いたんだ。ドリームキャストがうずめを宿敵とするように、ゲームギアにも宿敵が居る。それがネプギアだ」

ベール「そうですの」

 

私は新たな情報を掴んだ気がした。手持ちのノートにジントが知る事をいくつかメモする。

 

ジント「しっかし、まさかセガサターンやメガドライブも関係してるなんてな。通りで人一倍仲が良い訳だ」

ベール「あなた、そのお二人共知り合っていたんですの?」

 

ジントは近くのベンチに座り、両手で後頭部を支えながら座る。私はその隣に座る。

 

ジント「まあ、たまたまな」

 

またまた驚きましたわ。まさかゲームギアだけじゃなく、お二人共知り合っていたなんて、奇跡ですわ。

 

ジント「結構スケールのデカイ話だけど、話すべきなんじゃないか?うずめが話に出る以上、半身のくろめにダークメガミ、禍空間と更にその存在を知るクロテューヌと来た。ゲームギア達はこの件と完全に無関係とは考えにくいぜ」

 

えぇ、それも私は気付いていましたわ。ジントも流石ですわ。短時間でありとあらゆる情報を繋ぎ、導き出した意味をここまで仰る。秘書としてノワールに取られたのが悔しく思いますわね。

 

ベール「やはり、次元を超える程の大事ですわね。近い未来、セガサターンとメガドライブの話を聞いてから、この事をみなさんに話しましょう」

ジント「分かったぜ」

 

ジントと話し合い、そこから導き出した意味をすべてメモする。一方、ドリームちゃんはゲームギアと色んな話をしていると、その途中にゲームギアは強引に抜け出し、ジントの隣に座る。

 

ゲームギア「ジント、そろそろ帰ろう」

 

ゲームギアとジントの距離が近い?

 

ジント「そうだな。もう時期船が出るだろうな」

ゲームギア「話を聞けて、良かった。早退した甲斐があった」

 

早退してまで?時空進化して何故空を飛んで向かわなかったのでしょうか。

 

ベール「船で来たんですの?」

ジント「あぁ、それしかないからな」

 

と仰っていますが、なるほど、時空進化については秘密にしているんでしたわね。

 

ゲームギア「ジント…私のパートナー。それより…疲れた。おんぶ」

ジント「ジントって言うんだ、よろしくな。って、はぁ!?なんでおんぶしなきゃ行けないんだ」

 

ジントが……おんぶですって!?

 

ドリームキャスト「お、おんぶ!?あのゲームギアさんが甘えている!?」

ベール「あ、あなた方…一体どういうご関係ですの?」

 

どういう関係か、それを伺うと……

 

ジント「ゲームギアとはただのパートナーだぜ。ってそうじゃなくて!·····はぁ··········無理やりとはいえパートナーだ。仕方ないからおんぶしてやる」

ゲームギア「さすが、私のパートナー」

 

ジントは姿勢を低くし、ゲームギアが背中に体重を預けたところで両足を支えて立ち上がり、別れの言葉を口にして公園を後にした。その後ろ姿を見ているドリームちゃんは口が閉ざせない状態でいる。にしても、さぞかしこれは羨ましがるでしょう。ノワール、ユニちゃんには。

 

 

クロテューヌ「羨ましいな〜。お兄ちゃんがゲームギアをおんぶするなんて!私はまだしてもらった事ないのに」

 

その様子を高い位置にあるビルからクロテューヌが見ていた。その表情はとても羨ましい極まりない顔をしていた。

 

クロテューヌ「まあそれはいいとして、今頃ネプテューヌは私の()()と一緒にいるし、各国の対禍空間部隊も万全。更に実力をあげるネプギアとユニ、第三者も迂闊には手出し出来ないだろうな」

 

私服姿であるクロテューヌはコロシアムで荒稼ぎした報酬金で買ったファンタをストローを通じて飲む。

 

クロテューヌ「後はセガサターンとメガドライブがいつ何らかのきっかけで忘れた記憶を思い出すか……いつ始末しに第三者が仕掛けてくるか……」

 

飲み物の次はポッキー。チョコが付いていない部分を指で掴んで、先端をくわえて少しずつ食べていく。

 

クロテューヌ「全く…生みの親が4人を放ったらかしにして何してるのかな?私を敵視しておきながら、つまらない女神だ。まあ私を倒そうなんて、一生無理だけどね。セガミちゃん」

 

その時のクロテューヌは半分まで食べていたポッキーを噛み砕き、何かを期待した目でリーンボックスの空を見ていた。




自身の悩みを聞いてくれたドリームキャストだが、衝撃的な事に天王星うずめを知っている事を耳にしたベールは今後に関わるかも知らないと思い、情報収集する。その第一歩としてジントに頼み、パートナーであるゲームギア本人を連れてきてもらい、ドリームキャストと話をさせて見たが、特に変わった様子は無かった。次はドリームキャストを連れて、セガサターンとメガドライブに接触を試みる事にした。

その次の日。ユニは毎日のようにある子に不満を抱いていた。そして放課後に一つの討伐クエストを受けるが、その討伐対象と場所などに戸惑いを見せる。その裏ではついに禍が動き出す。

次回
Episode06 動き出した禍


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Episode06 動き出した禍

《東京ザナドゥ X.R.C》

ラステイション 中央公園

 

[ユニ]

 

学校の放課後、帰り途中に偶然会ったナナカ先輩と言う人に会った瞬間、アタシ達の時間が少しずつ無くなっていく。

 

ユニ「ぐぬぬ········」

ナナカ「ジントさん!お願いします!貴方の事を教えて下さい!」

ジント「いい加減にしてくれよ。俺の事を知ってどうするのさ?」

ナナカ「私のイケメン手帳に記載するだけです!」

アイン「ジントもそばに置けないね」

 

何なのこの人!?さっきからジントにべったりくっついて離れようとしないし、しかも明らかに聞き出すまで離れようとしないし!それはアタシも知りたいけど、なんかムカつく!

 

ノワール「ジント。いい加減教えたら?」

ジント「あのな〜。俺の身長、体重、血液型、趣味、後は好みなタイプを聞いてく·········」

ユニ&ノワール「早く教えなさい!」

 

ジントが最後に言った、好みなタイプという台詞にアタシとお姉ちゃんが反応する。ジントに攻めるようにして聞き出す。

 

ジント「お、おい!?······は〜仕方ない。その変わりナナカ、これ以上しつこく聞くんじゃないぞ?」

ナナカ「は〜い!」

 

何というチャンスなの!?ナナカ先輩、ムカつくなんて言ってごめんなさい。いや口にしてないけど、内心からあんたを味方だと思う事にしたわ。

 

ジント「俺は、明るくて元気な子が好きだな」

ナナカ「髪型は?どんな仕草が好き?」

ジント「髪型か〜。本人が似合っていればそれがいいし。仕草は··········」

 

ジントが言葉を止めた。そして空を見上げて、腕を組む。その後数十秒後に口を動かし、答えを言う。

 

ジント「笑顔だな。心から素直に出る笑顔が好きだ」

ノワール「え·····」

 

笑顔?もしかして··········

 

俺が好きになった物を守る、女神様の笑顔を守るってな。

 

もしかしてあの時に言った言葉そのまんまなの?

 

ジント「笑顔は、人に伝染して笑顔に変える。笑顔は仲間を笑顔にさせる。その笑顔が好きなんだ。だって、俺の幸せは皆の笑顔なんだからな」

ナナカ「ジントさん··········」

 

ジント··········あんたがそんな人だからアタシやお姉ちゃんが近くに行きたくなるのよ。ネプギアもそう。姉のネプテューヌさんが知らないネプギアの過去、レオとゼアラとアタシだけが知る見るに堪えない過去。それを隠し持つネプギアは温もりを求め、恋心としてジントに手を指し伸ばしている。その暖かい言葉がアタシやお姉ちゃん、ネプギアがあんたに近付くのよ。

 

 

ナナカ「これは、見た目だけじゃないエクストリームイケメン!キターーーー!」

 

《超次元ゲイムネプテューヌシリーズ Minicar》

 

ジントの答えを聞いたナナカ先輩ははしゃぐようにして大きなリアクションと共に場に響き渡るように叫び出す。

 

アイン「な、ナナカ?」

ナナカ「来た!ついに来た!完璧に優しいイケメン!ホストや女子向け恋愛ゲームに出そうな美男子!更にO・A・Sではトップクラスの実力者!これは彼氏にしたいNo.1!」

 

ハイテンション状態のナナカ先輩が全身から明るいピンク色の粒子の粉?を纏いながらメモ帳にジントについて記入し始めた。多分だけれど、アニメで良くある、お約束の職人魂かな?

 

ノワール「い、今の内に帰りましょ」

ジント「だな」

アイン「神速を持って、神の聖域へ戻ろう」

 

ナナカ先輩が記入に集中している隙に、これ以上の面倒事を避けるようにして、その場からナナカ先輩の範囲と公園から全力で離脱する。

 

ジント「そういえば!夜のクエストがあるんだったな!」

ノワール「そうよ!だからここは一気にギルドへ向かうわよ!」

 

アタシもすっかり忘れていたわ!今日は討伐クエストをやると言ってて、部活を休んで来たんだったわ!

 

コラスィ『愛しのジントに釘付けで女神様の仕事を忘れてただろ?相棒』

ユニ『し、仕方ないでしょ!す、好きな人だもの!ふん!』

コラスィ『ふっふん。あ〜そうだ。俺とシェアーチェンジするのは構わんが、たまに女神様の力を使えよな』

ユニ『言われなくてもわかってるわ!』

 

 

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ラステイション ギルド

 

ジント「こいつが今回のクエストか」

 

まずいわね··········。討伐対象はレクイエムゴーレム。確か、例の【扉】の魔物。お姉ちゃんはこの魔物が【扉】の存在だと言う事を知らない。アタシはアインを誘って、ジントと小声で話す。

 

ユニ「ちょっとどうするの?」

アイン「裏世界の魔神が現に姿を現しているようだが、ノワールに禍を齎すカタストロフィになりかねない。どうするつもりだ」

 

聞き慣れたアインさんの中二病が遠回しで、ノワールがまたトラウマにやられる可能性があり、危険と言っている。それをどうするかジントから聞くと。

 

ジント「バレなきゃ問題ない」

 

素っ気なく無計画な返事が帰ってきた。

 

ノワール「どうしたのよ?まあレクイエムゴーレムなんて聞いた事ない新種っぽいけど、あなたの時空進化やユニの神獣化、万が一は私のネクストフォームで何とかなるわよ」

 

ちなみに今更なんだけど神獣化って言うのは、私やネプギアに宿る神獣の力。私の場合は分かるだろうけどコラスィと一体化してヘルシスターに変身する事を神獣化って呼んでいるの。

 

ジント「だといいんだけどな。気になるのはその他の詳細だ。まあ気にしすぎかも知らないけど」

 

ジントが気になっているその他の詳細。それは目撃証言にある。依頼人の話によると、レクイエムゴーレムの目撃場所はギョウカイ墓場。旅人がギョウカイ墓場にやって来たところで突然襲われたらしいが、ゴーレムと言ったら鈍足の足であるお陰で逃げ切る事が出来た。でもジントが気になっているのはゴーレムよりも、ギョウカイ墓場だとアタシは思う。

 

アイン「早く行こう。悪魔の囁きが我々の残り少ない時を食っている」

 

多分、こういってるんだと思う。相手は新種、手こずる可能性があれば帰りが遅くなり、明日の登校に支障が出る。早めに行くって終わらせるべき。なのかな?

 

ノワール「それもそうね。とっとと終わらせて、夜食を作りましょ」

ジント「あぁ!」

 

流石お姉ちゃん!中二病でも伝わっているんだ!凄いな〜。ジントもノリノリだし、夜食が楽しみだな〜。

 

コラスィ『そんな事言ったらフラグ立つぜ?相棒』

ユニ『そうなったら、地獄の力で立ったフラグを粉砕してやるわ』

 

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《新次元ゲイムネプテューヌV2 A Whirlpool of Insanity ~the end of world~》

 

ギョウカイ墓場

 

ジント「そう言えば初めてくるな〜。いかにも危ない場所に見えるぜ」

 

時間帯は夕方、ジントがアインを背負って空を飛んでここまでやって来た。アタシは初めてここに来た訳じゃないけど、お姉ちゃんを助けに行く時に来た場所であり、女神として更に力を付けてやって来た場所でもあった。そう思うとマジェコン四天王の4体を思い出させる。まあ今のアタシが本気になれば4体同時でも勝つ自信はあるけどね。

 

アイン「禍々しい気を感じる。だが魔物の気配を感じない」

ノワール「危険種は流石にいるみたいね。さてと、目標のレクイエムゴーレムを探すわよ」

 

早速レクイエムゴーレムの捜索を開始する。姿の詳細は、全体が白い岩の集合体で、紫色の紋章を持つ。ギョウカイ墓場の景色の色合いとレクイエムゴーレムとは全く真逆だから目立つし、きっとすぐ見つかる。でもなかなか見つからない。でも別の物がそこら中に転がっている。

 

ユニ「お姉ちゃん、これって······」

ノワール「ひどい······原種達が倒れている。しかも瀕死」

 

ギョウカイ墓場に住むモンスター達がもはや風前の灯の状態で倒れている。その様子はとても可哀想に見える。

 

コラスィ『相棒、これは間違いねぇ。レクイエムゴーレムの仕業だぜ』

ユニ『分かってるわよ』

 

ギョウカイ墓場の危険種は決して外に出る事なく、害を与えなければ襲いもしない。と言う事は十中八九、レクイエムゴーレムがやったのは明らか。

 

ジント「ここの原種が全滅する前にレクイエムゴーレムを見つけて、倒すぞ」

アイン「あぁ」

 

再度捜索をしようとした時、別の方向から何かの鳴き声が響く。

 

ユニ「この声、ゲームじゃあ岩石系の鳴き声見たいね!」

ジント「岩石の鳴き声ってなんだよ」

 

ジントが軽くそうつっこむが、ジント以外は岩石の鳴き声だとアタシに賛成するとジントが目を点にして驚く。

 

ノワール「ほらほら!驚いてないで行くわよジント!」

ジント「お、おい!?」

 

そう言ってお姉ちゃんがジントの手を掴んで鳴き声が鳴った方へ走る。

 

アイン「行こう!ユニ様」

ユニ「えぇ!」

 

 

アタシとアインさんは自分の武器を現出させ、先に行ったジントとお姉ちゃんの後を追う。

 

ジント「お、お前は!ゲームギア!?」

ゲームギア「ジント·····」

 

《神次元ゲイムネプテューヌV to Hell》

 

鳴き声が聞こえた方へ向かうと、そこにはジントのO・A・Sのパートナーであるゲームギアさんと白い岩石に紋章を持つ巨大なモンスターが戦っていた。

 

ノワール「あれはもしかして、レクイエムゴーレム!?」

 

予想以上にでかいわね。しかも異様に硬そうなボディをしている。素手で戦うゲームギアさんには不利だわ。でもなんでゲームギアさんがここに居て、レクイエムゴーレムと戦っているの?

 

ジント「下がれゲームギア!」

ノワール「どうして1人でこいつと戦っていたの!ゲームギア」

ゲームギア「一枚の手紙が、私をここに来させた」

 

戦闘意思を見せるゲームギアは、前に出たジントとノワールの横に並び立つ。

 

ゲームギア「下がる気はない。私も戦う」

 

ゲームギアは右手の人差し指を立てて、赤、青、緑といとなる色の炎を起こし、戦闘態勢を構える。

 

ジント「そうか、なるべくサポートすっから、無茶だけはするなよ!」

 

まずいわ事になったわ。ゲームギアさんが居る事で、秘密にしているアタシの力や女神の力、時空進化が使えない。生身の状態で詳細不明のレクイエムゴーレムを倒すしかない。やるしかない!

 

ユニ「援護するわ!」

アイン「仕掛ける!」

 

レクイエムゴーレムとの戦闘が始まる。しかしその時だった。

 

ジント「·····っ!?」

ゲームギア「·····っ!?この·····感覚·····」

 

アタシ達が戦闘に入る直前に全身の動きを止めさせる程のゾッとする感覚に襲われた。その瞬間、突然周りに至る所から無数の次元が現れ、そこから無数の剣が召喚された。全ての剣が刃を向け、一斉に加速し、嵐を巻き起こすようにしてレクイエムゴーレムを襲う。

 

ジント「な、なんだ!この剣!?」

ノワール「レクイエムゴーレムを攻撃しているみたいね」

 

ゾッとする感覚に襲われたと思ったら、数え切れない程の剣が現れてレクイエムゴーレムを攻撃している?もしかして、これは·····

 

ゲームギア「·········!?」

 

迂闊に入れない剣舞にアタシ達は攻撃出来ないが、このままなら終わると思ったところで、レクイエムゴーレムの真上から一つの巨大なエネルギー状の大剣が現れ、加速し、剣の嵐のド真ん中に直撃され、爆発が起きた。

 

アイン「か、神の攻撃·····?」

 

どうなっているのか、事態の収集がつかない。でも考える間もなく、剣の嵐は消滅すると、攻撃を受けていたレクイエムゴーレムは紋章が記された石以外は跡形も無く消え去っていた。

 

ジント「と、とりあえず·····クエストクリア?」

ノワール「···············」

 

何が起きたのか、誰の攻撃か分からず終いでクエストは終わった。しかしその様子を岩陰から見る人影が居た。

 

 

???「邪魔が入ったか··········まあいい。負のエネルギーは常に蓄積されている。後はいつ、動き出すか··········ククク」

 

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ラステイション ギルド

 

納得のいかないクエスト達成で紋章がある石を持ち、ギルドに戻って報告、そして報酬を貰ったが、それよりもゲームギアの様子がおかしい。思い詰めた表情をしている。

 

ジント「どうしたんだよ?ゲームギア」

 

ジントが様子を確かめるが、目を向けずに無言のまま。フードを更に深く被り、顔を隠している。でもこの時点で確認出来るのが、手が震えていて焦っているように見える事。

 

ノワール「とりあえず、家まで送るわ。歩ける?ゲームギア」

ゲームギア「·····歩ける」

ジント「いや、俺が·····」

ノワール「いいえ、貴方は先に戻ってて。いいわね?」

 

ゲームギアの状態はあまりよろしくないと判断したノワールはゲームギアを家まで送り届ける事になった。アタシはアインに後をついていくようにお願いし、ジントと一緒に帰る事になり、解散する。

 

ラステイション 教会付近

 

教会の近くまでやって来たところでジントから話を持ち掛けてきた。

 

ジント「ユニ。あの剣の嵐、クロテューヌがやったと思わないか?」

ユニ「奇遇ね、あれは確定よ。ゾッとさせたあの感覚は間違いなくクロテューヌさん。コラスィもそう言ってるわ」

 

そう言った途端、コラスィが肩に乗れるサイズで透明化した状態でアタシの頭の上に乗り、会話に入る。

 

コラスィ「でもそのお陰でピンチから逃れられたんだ。謎に思うよりも、感謝するべきだぜ」

ジント「そうだな」

クロテューヌ「感謝?なんの話かなっと!」

ユニ「ひいやぁ!?ちょ、後ろから!」

 

クロテューヌの話をしていたら、アタシの背後から急に本人が抱き着いてきた。アタシどころかコラスィでさえ気付かなかったのにいつの間に?って!?どさくさに紛れて胸を揉むのやめて!?

 

ユニ「ちょ·····や、やめ·····あ·····ん·····」

クロテューヌ「ほほ〜。カセンと同じくらいかな?」

ジント「お、おいクロテューヌ!」

 

卑猥な目をあっているアタシにジントが止めると、クロテューヌはなんの反抗もなしにあっさりと手を離す。クロテューヌの手から解放されたアタシはその場でぐったりして座り込む。

 

クロテューヌ「ユニって、実は崩れやすいとか?ニヤニヤ〜」

ユニ「はぁ·····はぁ·····」

 

ジントの前なのにやばい、恥ずかし過ぎる。変な気分になっちゃいそう·····幻獣化の反動のように理性が·····。

 

ジント「ま、全くお前は。って言うか話を変えるけどさ、剣の嵐を操っていたのはお前だったのか?クロテューヌ」

 

座り込んで呼吸しているアタシを一時置いて、レクイエムゴーレムを倒したあの剣の嵐を起こした事をクロテューヌに言うと。

 

クロテューヌ「ちょっと目障りだったからね。ゲームギアに仕向けられた殺害犯行だったんだしね〜」

 

《新次元ゲイムネプテューヌV2 Insecure feeling》

 

ジント「殺害犯行!?」

クロテューヌ「そう。もし私が気付いていなかったら、今頃ゲームギアは壊れ掛けのサンドバッグ状態だったね」

 

そう言えばゲームギアさんは一枚の手紙がきっかけでギョウカイ墓場に行っていたわね。と言う事はその手紙を送り出した者が犯行者って訳ね。·····って!?ちょっと待って!?それって!

 

ユニ「もしかして!?それを仕掛けた者って、第三者の可能性が?」

クロテューヌ「お〜冴えてるね〜。その通りだよ」

ジント「あのレクイエムゴーレムは元は禍空間の魔物。しかも禍空間を自在に操る者と言ったら、ダークメガミ。と言う事は、共に動いている第三者の組織の行動·····という事になる」

 

つまり、あの差金は間違いなく暗黒星クロメ。久しぶりに仕掛けてきたわね、あの野郎が·····。

 

ユニ「あいつ·····いつかアタシの力で地獄に突き落としてやる!」

コラスィ「いいぜ〜その地獄意思。だがよ相棒、今は湧き上がる怒りは抑えておけ」

ユニ「分かってるわよ·····ちぃ·····」

 

血が登りそうになったところでコラスィの指摘で抑える。結構前から思うけど、コラスィと契約を交わしてから怒りっぽい性格になった気がするわ。頭の回転が良くなったような·····言い過ぎね。

 

クロテューヌ「一応言うね。4年ぶりに言うけど、1つ、落ち着く事。2つ、手段を選ぶな・・・」

ジント「・・・っ」

 

今、クロテューヌが強調して伝えてきた様に聞こえたように気がした。ゾッとさせる気を発して言うくらいに。

 

クロテューヌ「それじゃあ、またね。私は行く所があるから」

ユニ「え、ちょ、どこ行くのよ」

 

クロテューヌはアタシからの返事を聞かず、その場から去ろうと、アタシとジントを通り過ぎて行くように歩いていく。

 

ジント「ま、待て!クロテュ・・・っていない?」

 

視界から外れたクロテューヌへ視線を向くと、既にクロテューヌの姿が消えていた。クロテューヌが何故、強調して言ってきたのか、妙に気になるが、聞けず仕舞いに終わった。

 

コラスィ「相棒、ジント」

 

クロテューヌが居なくなってまた姿を見せたコラスィがアタシとジントに話しかける。

 

ユニ「どうしたの?」

コラスィ「勘だけどよ、あいつ、絶対何か知ってそうだぜ。この後、明日か明後日、何かが起きる・・・・みたいな感じをよ」

 

クロテューヌからその助言を聞いたのは二回目。一回目の時は戦闘に出る前。もし同じ意味のつもりで助言を言ったとすれば・・・・・・。

 

ジント「相変わらず・・・俺の妹の扱いが掴めないぜ・・・・・・・・・」

ユニ「・・・そうね。とりあえず、教会に帰るわ。またね、ジント」

ジント「あ、あぁ」

 

帰り途中だったアタシ達は、相変わらず何を考えているのか分からないクロテューヌの事を忘れ、その場で解散する事にした。アタシは教会へ、ジントはメガミホテルへ帰って行った。




学校の放課後、討伐クエストを受け、その地、ギョウカイ墓場に足を踏み入れた。その先には道端に転がっている瀕死状態の原種と討伐対象のレクイエムゴーレムとジントのO・A・Sパートナーのゲームギアが戦っていた。ゲームギアと共に火線するジント達だが、突如現れた無数の剣、クロテューヌの力によってレクイエムゴーレムは跡形もなく消し去った。その後から様子がおかしいゲームギアをノワールは家と送り出し、ジントとユニは帰って行った。

その夜、ジントは考え事をしていた。そんな時突然ノワールがパジャマ姿でジントの家に上がってきた。しかしその後、ジントにとって4年ぶりのあの光が現れ、ジントとノワールの前に輝きを照らす。

次回
Episode07 緋色の光 守護龍タキオン


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Episode07 緋色の光 守護龍タキオン

メガミホテル ジントの部屋

 

[ジント]

 

ジント「あれは·····気のせいじゃなかった」

 

ゲームギアとレクイエムゴーレムがいる場所にやって来た時、確かに感じた気配・・・・・・。人の気配だが・・・あれは力を持つ気配だった。微妙ながら失った記憶を思い出しているが、その記憶の一部にその時に感じ取った気配を知っていると訴えてくる。

 

ジント「まさか、ゲームギアに送られた手紙の送り主か?」

 

もしそうだとすれば、ゲームギアに仕向けた張本人はターゲットの沈黙を目にしなければならない。となればあの気配はすなわち罠を仕掛けた第三者の者となる。推測を立てて、一通り考えついた可能性を頭に入れた俺は、座っていた椅子から立ち上がろうとした時。

 

???「だ〜れだ?」

 

突然誰かが背後から俺の目を両手で塞いできた。だが、その声が誰のものかすぐに分かった。

 

ジント「ノワール」

ノワール「あら、声を低くしても分かるのね」

 

《コープスパーティー book of shadows Light》

 

誰なのかを当てられたノワールはそっと手を離す。そして近くにあるソファーに座り込み、中型サイズのぬいぐるみに抱き着く。その時に気づいたのだが、ノワールはパジャマ姿である事に気付く。

 

ノワール「大事にしてくれてるのね。私からのプレゼント」

 

ノワールから貰ったプレゼントとは、ノワールが抱いているスライヌのぬいぐるみ。貰い物だが、女神様から貰った可愛らしいぬいぐるみだ。嫌でも大事にする。

 

ジント「まあな。それで、また不安になってここに?」

ノワール「・・・・うん・・・・・」

 

俺の話を聞いたノワールは抱いていたぬいぐるみを元に戻して、人差し指と人差し指の先をツンツンとつつく。

 

ジント「こんなに甘えん坊だったっけ〜?」

ノワール「う、うるさいわね!わ、私だって・・・」

 

ノワールがこうして俺の部屋に来るようになったのは最近の話。正確に言えば学校に入学以降、今日で二回目だ。

 

ノワール「怖いのよ・・・・・・自分の部屋に居るのが・・・・・・」

ジント「それはなんでだ?教会に居た方が安全の筈なんだが」

ノワール「そうじゃないの。ユニやケイ、ケーシャやリッド。みんなが付いているのは分かるの。でもそうじゃなくて、私が怖いのは、妹のユニなのよ」

ジント「ユニが・・・怖い?」

 

実の妹に怯えているノワールは嘘偽りないかのように、顔は青くなっていた。一体何故?その理由を俺は聞きに動く。冷蔵庫から麦茶を取り出し、コップに注いで手渡す。

 

ジント「なんで妹が怖いんだよ?」

ノワール「ユニの新しい力、神獣化が怖いのよ·····。ヘルシスターが、ユニが私の妹とは思えないくらいに側から掛け離れているのよ」

 

ノワールは誰もが想像出来ないであろう表情、心の底から震え上がった、怖い、と言う表情。それを見た俺はどうにか笑顔にしたいと考えるが、どうすれば良いのか分からない。その時。

 

クロテューヌ『恋する女の子はね。好きな人に抱かれて、負の感情から逃れようとする物だよ?』

ジント「·····っ!」

 

頭の中からクロテューヌの声が!?一体どこからこの状況を見ているんだ?

 

クロテューヌ『まあそれはともかく、早くしないと、負の感情を餌にノワールのトラウマが現れちゃうよ〜?ま、頑張ってね〜』

ジント『なに!?』

 

脳内に響くクロテューヌから掛けてくる言葉はそれが最後になった。まずいな、何とかしないと、考えるんだ。女性を落ち着かせる為のやるべき事を!と俺の知識全てを探り、方法を探す。そして三つ思い当たる方法を思い付いた。

 

ジント『これは男友達から無理やり聞かされた、女が喜ぶであろう行動』

 

一つ目は頭を撫でる。二つ目は手を握る。三つ目は添い寝する。良く知らないが、ノワールはどういう事かパジャマを着てここにいる。なんでだ?まあそれはいいとして、俺は必ず効果がありそうな三つ目を選択する。

 

ジント「ノワール。今日は俺のベッドで寝ろ。添い寝してやるからそんな怖がるなよ」

ノワール「い、いいの?」

 

ノワールは俺の提案を聞いて、上目遣いで見つめてくる。ぐぬぬ、やめてくれ!そんな目で俺を見るな!

 

ジント「ほら、寝かしてやるから」

 

俺はさっさとノワールを寝かせるべく、私室のベッドに案内する。そして部屋に入ったノワールはそわそわしながら、深呼吸してからベッドに入り、俺はそっと毛布をかける。

 

ノワール「あなたは·····寝ないの?」

ジント「後で寝る。だからお前は安心して寝た方がいいぜ。明日も学校だからさ」

ノワール「う、うん」

 

ノワールは何か残念そうな表情を見せたが、すぐに寝るように目をつぶった。そして俺は鼻歌をしながらノワールの頭を優しく撫でる。

 

ジント『こうして見ると、ノワールはどう見ても普通の女性だよな』

 

ノワールの事は素直に可愛いと思えるが、今回のノワールはなんか普通よりも可愛く見える。見ているこっちが癒されるくらいにだ。

 

ジント『今思えば、ノワールの秘書になった理由はトラウマから守る事だったな。でも俺なんかで良かったのか?』

 

ノワールの秘書になる事を本人に言った時、ノワールも俺を秘書として誘いたかったらしい。その理由が知らない事が今も分からずにいる。

 

ノワール「ねぇ、ジント」

 

目をつぶったままノワールは俺に話し掛けてきた。なんだ、と答えると、ノワールからこう聞かれた。

 

ノワール「ジントはどうして、私の秘書になろうと決めてたの?」

 

独り言を内心で呟いていたら、今本当にピンポイントに聞いてきた。この際、言うべきなのでは?正直ずっと理由を隠し続けていくのは荷が重い。俺はノワール、ちょっと悩む仕草を見せ、内心では理由を考える。

 

ノワール「私がなんでジントを秘書として雇いたかったのか、特別に教えてあげるわ。ずばり、あなただからなのよ」

ジント「俺?」

ノワール「貴方に会った時、よく分からないけれど不思議と伝わったのよ。もしかしたら貴方ならって」

ジント「なんだそれ?よく分からないぜ」

ノワール「仕方ないでしょ?私でもそれが何だったのかわからないし」

 

何を言っているのか俺には分からない。そんな表情を見せたらノワールは「やっぱりいい」って言ってソッポ向いた。

 

ノワール「分かるのは、貴方がいいってだけ。次、ジントはどうして私の秘書になろうとしたの?」

 

俺が良いのか。まあ親しい人を雇いたいって奴なのか?まあそう考えると俺しかいないっぽい。そしてついにそれを聞いて来たか。禍空間から守るって言ったらどうなるのか?そう思うと、ノワールのトラウマで厄介になる。ならこう言いすまそう。

 

ジント「守る為だ」

ノワール「え?」

 

考え無しに言ってしまった!何とかして納得いくような言葉を探して、自然に話さないと!

 

ジント「お前を見ていると、正直放っておけないんだよ」

ノワール「は、はぁ?どういう意味よ」

ジント「ノワールは確かに色々と天才的だ。だがよ、他の女神には持っていてお前にはない物がある」

ノワール「ネプテューヌ達には持ってて私には無い物?」

ジント「お前、あまり人を頼らないだろ?」

ノワール「···············」

 

あ〜も〜。俺は一体何を言ってるのか、全然分からない!ノワールは俺を見ながら目を見開いてるし、絶対変な話に··········

 

ノワール「そう··········かも··········」

 

変な話にはならなかった。ノワールは図星を付かれたかのようにちょっと気が沈む仕草を見せた。

 

ノワール「この際、明かすわ··········」

 

そう言ってノワールは上半身を起こし、座る体勢になって話し始めた。

 

ノワール「私ね、自分のプライドが高い故、友達を頼ろうという思考が簡単に生まれないのよ。あの時、私1人で突っ込まないさえすれば、こんなトラウマを持つ事は無かったかも知らないというのに」

ジント「ノワール、お前、平気なのか?トラウマの話を····· 【扉】の話をしても」

 

俺はノワールが禍空間の話を自らの口で話している事に驚いた。そもそもあの時、ノワールが気を乱し、呼吸困難に落ちた時から最近、危険な状態になる事は少々あったが、学校に入学してからその様子は見ていない。

 

ノワール「あのね、私はこれでも誇り高きラスティションの女神よ?今なんて【扉】に対する恐怖心より、ユニの神獣化がの怖いわ」

ジント「そうなのか」

ノワール「うん。私は昔から人を頼る事が大の苦手だった。何もかも大事な場面は一人で成し遂げようと変に気を貼っていた。犯罪神マジェコンヌの戦いで、ネプテューヌから仲間の大切さ、頼る事がどれだけ為になるのかを習ってから、少しは頼るようになれた。でも、あの時、私はまた昔に戻ってしまった」

ジント「あの時?」

ノワール「ダークホワイトに敗れてから、物理だけじゃなく、私の精神や心も攻め込み、粉々に踏みにじり、恐怖心を覚えた、その時から」

 

ノワールがあの時、頭を流血させたあの時の出来事か。やっぱり原因はあいつだったのか。

 

ジント「そうだったのか、でも俺がいるからもう大丈夫だ」

ノワール「え?」

ジント「俺がノワールの秘書になろうとした理由は、ノワールを【扉】から、禍空間から守る為なんだ」

ノワール「私を·····守る?」

ジント「俺は女神様の笑顔が好きだからな。ノワールのプライドの高さの事もあって、秘書になる事にしたんだ。俺が一生懸命ノワールの背中を押せば、きっと友達を頼れるような自分になれるだろうと思って·····うぉ!?」

 

突然、ノワールが俺に抱き着いてきた。俺の語り途中に起きた事もあって俺は驚いたが、ノワールは苦しくなるくらいに俺をギュッと抱き着く。

 

ノワール「····くっ····」

ジント「ちょ、ノワール?」

 

ノワールは嗚咽をしながら顔を隠すようにして俺の胸にぴったりくっ付く。その様子は泣いているように見える。ノワールは言葉を話さず、ただ泣き声を我慢して嗚咽を続ける。

 

ジント「よしよし」

 

俺はノワールの頭を満足させるまで撫で続けた。俺の目の前にいるのは、いつの間にかトラウマを乗り越えたノワール自身と暖かい女神様の温もり。この状況が、俺が決めていた存在意義が成り立った瞬間だと俺は自分に言い聞かせる。その時だった。

 

 

???【素晴らしい光景。やはり我が認めた者だ】

ジント「·····っ!?」

ノワール「えっ?」

 

突然、天井の何も無いとこから緋色の光が輝き放つ。その光が広まり、俺とノワールを飲み込む。そして気付くと、場の景色は宇宙の銀河、渦巻く星の世界が見える場所に変化した。その状況に俺とノワールは宙を浮遊している。

 

《FinalFantasy12 Abandoning Power》

 

ノワール「ここは?」

???【ここは我が見せる銀河空間】

ジント「こ、この声は··········あの時の!?」

 

俺にはどこからか聞こえるこの声に聞き覚えがある。忘れはしない。声の正体を思い出した時、緋色の光が見出され、その姿が目の前に現れた。

 

ジント「あの時の光は·····お前なのか?」

???【久しぶりだな。時空王、いやジントと呼ぶべきか】

ノワール「ど、ドラゴン?」

???【四女神の一人か。ヴィーナスの子、ノワール】

 

姿を現したその姿は、俺のスカーレットフォトンの姿によく似ている。いや、スカーレットフォトンの元の姿なのか?

 

ジント「あの時は本当に助かったぜ。お陰で人を守れるくらいにはなれた」

 

4年ぶりに姿を現した光り輝く竜に俺は礼を述べる。

 

ノワール「貴方が、ジントの時空進化の?」

???【その通りだ。我はジントの守護龍。守り抜く義務がある】

ジント「それで、久しぶりに姿を見せたけど、どうしたんだ?」

 

俺はノワールと共に銀河空間に連れてこられた理由を聞くと、緋色の龍は答えた。

 

???【気が向いたのだ。お前達が乗り越えてきた修羅場を何度も目にした。そして意が決した。ヴィーナスの子よ。我の力を少し分け与える為に呼ばせてもらった】

 

ノワールに力を与える為、それを聞いたノワールは「え?」とちょっと動揺していた。

 

ノワール「私に、貴方の力を?」

???【我はお人好しでな。先ほどの様子を見た時、我も後押しをしたくなった】

ノワール「え··········えぇぇ!?」

ジント「な、なに!?」

 

ノワールは顔がリンゴのように真っ赤になり、顔を隠そうとする。ってさっきの様子を見られていたのか!?

 

???【すまんな。我はこう見えて、遊び心を持っているからな。そのお詫びと言ってもいい】

 

緋色の龍は1つの緋色の光の塊を作り、それをノワールの目の前までゆっくり渡す。その綺麗な光にノワールはそっと手を差し伸ばし、触れた瞬間、ノワールに吸収されるようにして体内に入り込む。

 

ノワール「何これ、凄く暖かくて、気が安らいでくるような気持ちに」

???【これから現れるであろう禍々しい扉に挑む時、必ず力になるであろう】

ノワール「あ、ありがとう·····えっと」

 

ノワールはお礼を言おうとしているが、緋色の龍の名前がわからずに居る為、ちょっと戸惑っている。そういえば名前を聞いていなかった。

 

タキオン【我が名はタキオン。自己紹介を忘れていてすまない】

ジント「それ、俺に対して本当に今更だぜ?タキオン」

タキオン【ふふふん。確かにそうだな】

 

緋色の龍、タキオンに対してくすっと俺とノワールは笑う。

 

タキオン【さあ、用は住んだ。明日は例の学校であろう。身を休めるといい】

ジント「あぁ、ありがとな!」

ノワール「おやすみなさい!タキオン」

 

 

話を終えた途端、スカーレットの全身が光だし、俺達を飲み込む。そして気が付くと元の俺の部屋に戻ってきた。

 

ノワール「なんか、びっくりしちゃった。まさか、ジントにあんな神々しい味方が居たなんて」

ジント「神々しい割にはちょっと面白いやつだったけどな、ははは」

ノワール「そうね。それじゃあ、私はそろそろ寝るわ。貴方もちゃんと寝なさいよね」

ジント「あぁ、おやすみ。ノワール」

ノワール「おやすみ」

 

「おやすみ」その一言を口にした時のノワールは、さっきまでの曇った表情は微塵もなく、満面の笑顔を見せてくれた。その笑顔は俺にとって好きな笑顔でもあった。そんな表情を守りたいと改めて決意した。

 

ジント『もう·····あの時のような姿にはさせねぇからな。ノワール』

 

俺はそう心の中で呟く。ラステイションの秘書として、お前を守ってみせる。何があってもな·····




4年ぶりに現れた秘書の龍、タキオン。気まぐれによって芽生えたその意思はノワールの背中を押すように特別な光を与えた。その光を受け取ったノワールは特別な気持ちに囲まれた。そのお陰で禍空間に対する恐怖心が薄まる事となった。しかし突然明かした新たな悩み、ユニの力である地獄の力に怯えている事知ったジントだが、それはどうするかを考え、一つの方法を思い付いた。それは··········

一方
プラネテューヌでは一つの不可解現象が起きていた。

次回
Episode08 謎の影



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