タグの都合上本編(https://syosetu.org/novel/274275/)とわけて投稿していますが、ただのおまけです。


1 / 1



タグに『牌画像変換ツール』を追加した時にblinkなど本文の一部の特殊タグが動かなくなってしまったので、ややこしくて申し訳ないのですがこのお話だけ短編として投稿しました。
→不具合、修正してくださいました。
→なので本編に挿入しようかなと思ったのですが、また別の特殊タグが動かなくなることが発覚してしまったので、このツールとは相性悪いんだな……ということで諦めて短編として隔離したままにさせていただきます。



 ざわ・・・ 


 ざわ・・・ 


   ざわ・・・

 






 
 
 享楽
 


 
 
 享楽
 


 
 ようこそ
 享楽至上
 主義の教室へ




上記の特殊タグはムーンフォックス様の「様々な特殊タグテンプレ」を参考にさせていただきました。





今日の星座占い


あああ
1位
おとめ座 ラッキーアイテム:牌




時系列はたぶん1学期期末テスト終了後くらい。


ようこそ享楽至上主義の教室へ【おまけ(麻雀入門)】

 

 

 

 

 

 

 

「ねえねえ。たっつーのことだしさ、麻雀(マージャン)ってやったことあるよね?」

 

 いきなり部屋にやってきたと思えば、これまた突然の発言に龍園は顔をしかめる。

 

「だったら何だ」

 

「あのね、今日のおとめ座は1位。ラッキーアイテムは牌だったの! これはもう麻雀をやれという思し召しかなって」

 

 今日はね、黒猫ちゃんが足元にすり寄ってくれる夢を見たりもしたんだよ、と京楽は興奮した様子で語った。黒猫が前を横切ると不吉だとか言われるが、この女にとっては関係ないことらしい。

 

「教えろと? 俺が?」

 

「うん!」

 

 満面の笑みで頷く京楽を攻撃したい衝動に駆られるも、どうせ効きやしないのだからと龍園は心を落ち着かせた。気分屋だが時として意外に頑固な彼女のことだ、この調子だとどうせ諦めないことは分かりきっている。

 

「待て」

 

 手で京楽を制しつつ、龍園は端末を操作した。相手は金田と石崎。この2人に麻雀の知識が無ければ他を当たらせようと考えていたが、幸い両方とも経験者らしい。続けてアルベルトにも連絡を入れる。こちらもすぐに承諾が返ってきた。

 

「アルベルトの部屋に向かうぞ」

 

 京楽だけを行かせたほうが楽ではあるが、こんなのを放り込むだけ放り込んで何か起きれば後味が悪くなるだろう。それに、龍園の離脱を彼女が許すとも思えなかった。

 

「え、何で?」

 

「他人を自室に招き入れるのは(しょう)に合わねえ」

 

 なお、京楽のことを龍園は他人以前に人とみなしていない。

 

「やれやれ。相変わらず我儘だなあ」

 

「テメエほどじゃねぇよ」

 

 それはそれは実感のこもった言葉だった。

 

 

 

 

 §

 

 

 

 

 アルベルトの部屋には既に男子3人が雁首(がんくび)を揃えていた。王の呼び出しに応じるのはこのクラスでは当然の義務とはいえ、状況が読めないらしく不思議そうな表情を浮かべている。

 

「それで龍園さん、麻雀って……?」

 

「馬鹿にでも分かるように教えてやれ」

 

 指を突きつけながら言えば、その馬鹿はにっこり元気よく「お願いします!」とお辞儀していた。皮肉の通じない女だ。

 

「京楽に、ですか」

 

「うむククリちゃんは麻雀のルール紹介を所望するよ」

 

 だったら何故龍園までついてきているのかという疑問が湧いたのだろう、金田は訝しげな視線を送り……やがて納得したのか、無理やり自分を納得させたのか、「それでは」と説明のため画面を開きながら話し始めた。

 

 

 4面子(メンツ)1雀頭(ジャントウ)

 

ああ{六七八} {②③④} {999} {中中中} {白白}

 

 

「麻雀では基本的に3枚1組を4つと2枚1組の計14牌を集めることになります。4面子(メンツ)1雀頭(ジャントウ)、これを作るのですね」

 

「えっと、最初から14枚配られるの?」

 

 ククリの言葉に石崎が首を横に振る。

 

「違うぜ。4人プレイヤーがいて、親は14枚だけど他の3人、子は13枚ずつだ。最初に親が1枚捨てて、そのあとはみんな山から1つとって手元から1つ捨てるのを繰り返す」

 

イメージ

 

 

..
..
あああああ
{横一横二横三横四}{横五横六}

{横①横②横③横④横⑤横⑥}

{横1横2横3横4横5横6}

...

{一二}{三四五六}

{①②③④⑤⑥}

{123456}

..
{東裏裏裏裏}

東25000

南25000  北25000南25000 北25000

西25000
..
{一二三四五六}

{①②③④⑤⑥}

{1}

..
..
あああああ
{横一横二横三横四横五}{横六}

{横①横②横③横④横⑤横⑥}

{横1横2横3横4横5横6}

 

{裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏}

 

 

「じゃあ手元の牌は常に13枚なのか」

 

「ええ、そして山から牌を取るのをツモと呼びます。さて、まずは牌の種類でしょうか。このような感じで34種類の牌が4枚ずつあるのです」

 

 

数牌(シューパイ)

 

萬子(マンズ)

 

あああああ{一二三四五六七八九}

 

筒子(ピンズ)

 

あああああ{①②③④⑤⑥⑦⑧⑨}

 

 

索子(ソーズ)

 

あああああ{123456789}

 

 

 

字牌(ジハイ)

 

風牌(フォンパイ)

 

あああああ{東南西北}東南西北(トンナンシャーペー)

 

 

三元牌(サンゲンパイ)

 

あああああ{白發中}(ハク)(ハツ)(チュン)

 

 

「ふむふむ。数字のやつと文字のやつがあるのか。ちょっとトランプみたいだね」

 

「そうですね、数牌(シューパイ)はどれも1から9までですが」

 

「そんでこの牌を揃えて4つ作んなきゃいけねー面子(メンツ)にも色々あるんだよな」

 

「はい、3枚1組の順子(シュンツ)刻子(コーツ)のことをとりあえず説明しますね」

 

 

順子(シュンツ)

 

ああ {①②③} {456} {七八九} 

 

 

「このように数牌(シューパイ)の数を連続させて集めたものが順子です」

 

「質問質問。{八九一}とか{⑤6七}はOKなの?」

 

「いや、駄目だ。9と1はつながんねぇし、違う種類の数牌だと順子にはならない」

 

「石崎氏の言う通りですね。そして、次に刻子(コーツ)

 

 

刻子(コーツ)

 

ああ{西西西} {999} {中中中}

 

 

「なるほど、同じ柄を集めればいいのか」

 

「おう。数牌(シューパイ)でも字牌(ジハイ)でもいいから全く同じやつを3つ揃える。この刻子(コーツ)順子(シュンツ)が4グループ必要になってくるんだ」

 

「3枚1組でなく、4枚1組の槓子(カンツ)にすることもありますが、これは後回しにして雀頭(ジャントウ)の話をしましょう」

 

「お、さっき言ってた4面子(メンツ)1雀頭(ジャントウ)雀頭(ジャントウ)ですな」

 

 よく覚えていますね、と首肯した金田に対しククリが「えっへん」と胸を張った。

 

 

雀頭(ジャントウ)

 

あああ{発発} {①①} {五五}

 

 

数牌(シューパイ)でも字牌(ジハイ)でもOKで、同一の牌を2枚と」

 

 アルベルトが出した湯のみを傾けてから、金田は口を開いた。

 

「その通りです。この雀頭を1つと面子を4つで完成なのですが、これらの組み合わせは何でもいいというわけではありません」

 

「役がないと和了(あが)れねえんだよなぁ」

 

一翻(イーハン)縛りですね」

 

「役? 一翻(イーハン)?」

 

 聞きなれない単語のようでククリは首を傾げる。

 

「あー、役の点数みたいなもんだ。一翻が1番簡単に作れて二翻、三翻と難しくなっていく」

 

「様々な役がありますが、単純なのは自分が引いた牌のみで4面子(メンツ)1雀頭(ジャントウ)を揃えればいい門前清自摸和(メンゼンツモ)でしょうか。そしてこれと組み合わせることもできる、重要で基本的な役がリーチです。どちらも一翻役ですよ」

 

「そうそう。あと1枚あれば完成って状態、聴牌(テンパイ)っつーんだけどよ。そこでリーチを宣言出来るんだ」

 

「うん、テンパイとリーチはなんか聞いたことあるな」

 

 テンパるの語源がテンパイですしね、と金田は頷いた。

 

 

テンパイ

 

ああ{六七八} {②③④} {999} {中中中} {白}

 

 

「例えばこの場合、あと{白}が1つあれば4面子(メンツ)1雀頭(ジャントウ)が完成ですよね」

 

「こういう時『リーチ』って宣言するわけだね。テンパイなこと以外に条件とかはあるの?」

 

「持ち点が1000点必要になります。この点数はその局であがった人のものとなるので、自分があがれば当然返ってきますし、他の人がということになればその人のものになりますね。誰もあがらずに局が終わる『流局』であれば次の局に持ち越しです」

 

「あとは門前(メンゼン)もリーチの条件だな」

 

 はい、と金田が石崎に同意して説明を続ける。

 

「ポン、チー、カンをしていない。つまりツモのみ、自分が引いた牌だけの状態である必要があります。そしてリーチをした後にも制限がありまして、手牌を動かしてはならず、自ら当たり牌を引くか他の人が当たり牌を捨てるかということが無ければあがることが出来ません」

 

「ふむ。他の人が、自分の欲しい牌を捨ててたらどうなるの?」

 

「麻雀牌の組み合わせの完成、『あがり』には『ツモあがり』と『ロンあがり』があります。自分が引いた牌であればツモあがり、他の人の捨てた牌であればロンあがりです。つまり、その状況ではロンをすることが出来ます」

 

「えーと、だったらさっきのやつでいくと、当たり牌である{白}を引ければツモあがりになって、他の誰かが捨ててくれればロンあがりになると」

 

 ククリの言葉に男2人は頷いた。話を理解しているのかしていないのか、部屋の主であるアルベルトはゆったりと彼らを見守り、龍園はといえばどうでもよさそうに自らの端末をいじっている。

 

「ただ、このロンにも条件があるんだよ。フリテンの時はできねえっつーやつだ。いや、ロンが出来ないテンパイをフリテンって呼んだほうが正しいのか?」

 

「そうですね。これには3つのケースがあります」

 

 金田はすっと指を3本立て、まず1本折った。

 

「1つは当たり牌が既に自分が捨てた牌の中にある場合」

 

 

 

{裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏}

ああああ
...

{一二}{三四五六}

{①②③④⑤⑥}

{2}{23456}

..
{東裏裏裏裏}

東25000

南25000  北25000南25000 北25000

西25000

 

 

 

 

「これだと{2}を捨てたから、{2}でロンあがりをするのは無理になるってこと?」

 

「そうなるぜ! それでこの後、リーチをしてから{2}が駄目だったってことに気づいたなら諦めてツモあがりするしかねえ。リーチして無けりゃ手を変えて当たり牌を違うやつにすればいいんだな」

 

「付け加えると、逆に他の人から見れば自分が{2}を捨ててもロンあがりはされないことが分かりますから、これは安牌ということになるのです」

 

 つまり自分の捨てた牌と他の人の捨てた牌をきちんと確認するべきなんだね、とククリが納得する。

 

「そしてややこしいのですが、複数の当たり牌がある多面待ちの時は1つが該当してしまえばどれもフリテンになります。今回のケースで、例えば手元に{34}があるので{2}と{5}のどちらかが欲しいという時でも、{2}を自分が捨ててしまっていればこの{2}を他の人が捨ててもロンできないのは勿論、{5}が捨てられていてもロンはできないのです」

 

「うわ、それは面倒だ」

 

「だな。で、あとのフリテンは、テンパイした後に他の人が捨てた当たり牌を見逃しちまった時だ」

 

「そうなると……リーチを宣言してるなら、ロンは諦めてツモあがりするしかないってなるのかな」

 

 1つはそれです、と金田が2本目の指を折った。

 

「最後の1つはリーチをしていない状態で見逃してしまった時ですね。この場合、自分が牌を捨てる番が来るまではロンをすることができません」

 

「色々あるんだねえ」

 

 大量に知識を詰め込まれ疲れたのか、うーんとククリが困った顔で伸びをする。そんな彼女を見た龍園は少し口角を上げていた。

 

「さて、では先ほどポン、チー、カンをしているとリーチが出来なくなると言いましたが、それらについて軽く説明しておきましょう」

 

 

ポン

 

.{横發}{發發} {發}{横發}{發} {發}{發}{横發}

 

 

「ポンとは、自分が同じ牌を2つ持っていた場合……これだと{發發}ですね。他の人が捨てた牌がそれらと同じであれば加えて3つに、つまり刻子(コーツ)に出来るというものです。自分で集めた刻子(コーツ)暗刻(アンコウ)、ポンで集めたものを明刻(ミンコウ)と呼称します」

 

「ポンしたらその牌を倒して晒さないといけないんだな。誰の捨てた牌をもらったかで置き方が変わるぜ。そんで、他からもらって1枚多くなってる状態なわけだから余分な牌を捨てる」

 

「ふむ、じゃあ自分の手を公開するんだし情報戦でちょっと不利になるんだね」

 

 その通りです、と金田は指で眼鏡を押し上げた。

 

「チーもポンと似ていますが、こちらは順子(シュンツ)を作るものです。また、左隣のプレイヤーが捨てた牌のみをもらうことが出来ます」

 

 

チー

 

...{横②}{①③} {横三}{一二}

 

 

「自分の持ってる2枚が、あと1枚あれば順子(シュンツ)になるって状態でその1枚を自分の左の人が捨てたらそれをもらえると。こっちでも公開する必要があるんだね」

 

「はい。そしてカン、これは同じ牌を4つ集めるものであり、この4枚1組の槓子(カンツ)は3枚1組である順子(シュンツ)刻子(コーツ)と同じで面子(メンツ)なんですね」

 

「じゃあ4面子(メンツ)1雀頭(ジャントウ)なんだから、この槓子(カンツ)を4つ集めてもいいの?」

 

「それだと暗槓(アンカン)でも明槓(ミンカン)でもよくて、四槓子(スーカンツ)って役になるけどよ……難しい役満の中でもかなりムズいぜ。まずお目にかからねーな」

 

「ええ。カンをすると点は上がりますが、無理にやらなければいけないものではありません」

 

 

暗槓(アンカン)

 

ああああ{裏中中裏} 

 

 

暗槓(アンカン)は自分で作った4枚1組のことだ。これだと門前が崩れないからリーチも出来る。ただ、別に同じ牌が4つ手元に揃ったからといって必ずカンしないといけないわけでもないけどな」

 

「んーと、ちゃんと自分で4枚引いたのに『カン』って宣言して牌を倒さないと暗槓(アンカン)に出来ないの?」

 

「ああ。だって手牌が1枚不足することになるだろ? だから嶺上牌(リンシャンハイ)ってのをツモして補充する必要があって、あがる時も14牌じゃなく15牌になる。あとカンを2人以上が4回やると流局になるってルールもあることだしな」

 

「それと、カンではドラが増えまして……これについては後で説明しますね。次は、明槓(ミンカン)を2種類紹介します」

 

 

大明槓(ダイミンカン)

 

..{横七七七七} {七七横七七} {七七七横七}

 

 

「この大明槓(ダイミンカン)は{七七七}を持っている状態で『カン』と宣言し他の人が捨てた牌をもらったものですね」

 

「カンもポンと一緒で誰の捨てた牌をもらったかで置き方が変わるな」

 

 

加槓(カカン)

 

ああ{横發}({横發}){發發}

 

 

「こちらの加槓(カカン)は、{横發}{發發}このようにポンをしている状態で{發}を引いた時に『カン』と宣言できるものです」

 

「他の人から牌をもらうことは出来ないのか」

 

「おう、ポンしてから自分でツモらねえとダメだぜ」

 

 2枚はもらえないのね、というククリの呟きを両名が肯定する。

 

「では、先ほど述べたドラのことをお話ししましょう」

 

 

 

 

ああああああ
あああ
ドラ表示牌
{東裏裏裏裏}

東25000

南25000  北25000南25000 北25000

西25000

 

{裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏}

 

 

「この場合、{南}がドラになり、あがった時に持っていれば点数が加算されます。ただし、役ではないのでこれだけであがることは出来ません」

 

「なんで{東}じゃないの?」

 

「表示されているものの次の牌なので。{①}ならば{②}、{4}ならば{5}、{九}ならば{一}。字牌では{東}→{南}→{西}→{北}→{東}、{白}→{發}→{中}→{白}という感じですね」

 

「カンをすると槓ドラも加わるんだな。1回ごとに1枚、最大4枚だ」

 

 

 

 

ああああああ
ああ...
  槓ドラ

  表示牌

{東⑥裏裏裏}

東25000

南25000  北25000南25000 北25000

西25000

 

{裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏}

 

 

「この{⑥}、じゃない{⑦}が槓ドラになるのか」

 

「ええ、そしてリーチをかけてあがると確認できる裏ドラもありまして。ドラは全員見ることが出来ますが、こちらはリーチした人のみです。さらに槓ドラがめくられている時にリーチをかけてあがれば槓ウラをも確認することが可能です」

 

 ドラと裏ドラと槓ドラに槓ウラの計4枚、場合によってはさらなる追加も有り得るというわけである。

 

「あとは赤ドラだな。{赤5赤五赤⑤}こういう赤い文字になった牌は持ってあがるだけでドラと同じ扱いになる」

 

「わあ、いいね、お得だね!」

 

「ではこの赤ドラと相性のいい役から紹介していきましょう」

 

 

タンヤオ

 

ああ{赤五六七} {③④赤⑤} {5赤55} {八八八} {22}

 

 

「タンヤオは数牌(シューパイ)の2から8のみで完成させた時つく一翻役です」

 

「1と9、それに字牌(ジハイ)は駄目なんだね。ポンやチーはOKなの?」

 

「『喰いタンあり』であれば大丈夫です。このルールが一般的ですね」

 

 もし喰いタンなしのルールであった場合は、タンヤオに門前(メンゼン)という条件が加わることになる。

 

 

役牌

 

ああ{六七八} {②③④} {999} {中中中} {11}

 

 

「続いて役牌。これも一翻役でして、同じ字牌(ジハイ)を3枚集めればいいだけです。門前でもポンやチー、明カンをしていても成立します。ただし三元牌(サンゲンパイ){白發中}はいつでも役になるのですが、風牌(フォンパイ){東南西北}はなるケースとならないケースとがあります」

 

「場風か自風かオタ風か、だな」

 

「ええ。さて、麻雀は4人で行いますが、このうち1人を親、3人を子として進行していきます。親は固定はされず持ち回りであり、原則全員が親を経験します。1周目が東場、2周目が南場ですね」

 

 子があがるなどして局が終わると、今度は親の右隣のプレイヤーが次の親となる。東4局が終了したら南1局に入ることが出来るのだ。

 

「場風は東場なら東、南場なら南。自風は自分の席によって決まり、親は常に東でその右の人は南、正面の人は西、左隣なら北。そして場風でも自風でもないものがオタ風ですね」

 

「東場で親の左隣のやつの場風牌は{東}、自風牌が{北}だからこのどちらかが3枚だと役牌にできる。{南西}はオタ風なんで無理だ」

 

 んー、とククリははてなマークを頭上に浮かべる。

 

「それだと東場の時は親が場風牌も自風牌も{東}になるけど、いいの? 他の人よりオタ風が1枚多くなるよね」

 

「はい、それだと{東}を集めた際にもらえる点数が増えますね」

 

 南場ならば、親の右隣にいる人が場風も自風も{南}なので、同じく{南}を3枚あるいは4枚揃えれば二翻がつくことになる。これらをダブ東、ダブ南と呼び、東場→南場で終わることが一般的だが、さらに南場から西場へ入ればダブ西、西場から北場に入ればダブ北が登場する可能性もあるのだ。

 

 

平和(ピンフ)

 

ああ{六七八} {②③④} {789} {一二三} {11}

 

 

「締めくくりに、平和(ピンフ)という一翻役の話をしましょう。まずこの雀頭には役牌、三元牌(サンゲンパイ){白發中}と、風牌(フォンパイ){東南西北}を使うことは出来ません。ただ、風牌はオタ風でしたら雀頭にしても大丈夫です」

 

 字牌(ジハイ)には制限があるが、数牌(シューパイ)ならどれでもOKということだ。

 

 ククリは頬杖をついて脳みそを懸命に回転させた。

 

「ふむふむ。あとは、みんな数字が連続してるよね。面子(メンツ)順子(シュンツ)の必要があるのかな」

 

「仰る通りです。けれども、門前でなくてはならないのでチーをしてはいけません」

 

 順子(シュンツ)なのでそもそもポンとカンは行えませんよ、と金田は言葉を付け加える。

 

「んで、両面(リャンメン)待ちじゃねえとダメだぜ」

 

「たとえば{六七}を持っていて{五}か{八}を待つ、{78}を持ち{6}か{9}を待つような状態ですね」

 

 むーとククリが唇に指を当て唸った。

 

平和(ピンフ)が成立して、それが数牌(シューパイ)の2から8のみで構成されてればタンヤオにもなるの?」

 

「勿論です。その場合、タンピンと呼ばれていますね。麻雀では基本的に役を複合することが出来ます」

 

 

タンピン

 

ああ{六七八} {②③④} {678} {三四五} {⑤⑤}

 

 

「さらにこの時リーチをかけているとメンタンピンと呼称され、一翻役3つの組み合わせなので三翻がつくのです」

 

「翻数が多けりゃ点数も高くなる。役の複合は高得点を狙うのに絶対必要だな」

 

 麻雀の初歩的な説明は以上です、と金田が言えばパチパチと拍手の音が響く。にこにことククリが2人に礼を述べ、アルベルトもぺこりと頭を下げていた。

 

 金田、石崎、ククリ、アルベルト。龍園を除けばちょうど4人揃っているというわけだし、と金田はある提案をすることにした。

 

「端末を用いて、一度麻雀を体験してみますか?」

 

「いいな! こういうのってやっていくうちに覚えていくもんだぜ」

 

 乗り気になる一同であったが、そこに水を差す男が現れる。

 

「俺も交ぜろよ。金田はそっちのサポートに回れ」

 

 愉快そうに口の端を吊り上げる龍園がただの親切心で申し出たわけではないことは明白だった。麻雀で打ち負かしたいのだろう、と金田は適当に推測する。あるいは流石に手持ち無沙汰になってきていたのかもしれない。

 

 分かりましたと返事をしてククリたちの背後に回ると、最初の親、起家(チーチャ)は彼女に決まったらしかった。

 

「よーし、スタートだね」

 

 明るい声で開始が告げられ、そして──何故か、石崎が唐突にお茶を吹き出す。その顔は驚愕に彩られていた。

 

 どうしたのかと問いかけるより先に、ぽわぽわした表情のククリから「これ、どうなってるの?」と画面を見せられる。瞬間、金田の眼鏡はずり落ちた。

 

 

東1局

 

 

ああああああ
ああああ
{九裏裏裏裏}

西25000

北25000  南25000北25000 南25000

東25000

 

{一九①⑨19東南西北白發中中}

 

 

 

天和(テンホー)……国士無双!?」

 

 親が14枚の配牌の時点で既にあがることができる場合に成立する役、天和(テンホー)。1と9の数牌(シューパイ)、そして字牌(ジハイ)を1枚ずつと、そのうちどれか1種類の牌をもう1枚揃えることにより成立する役、国士無双。

 

 どちらも役満(とても難易度の高い役)であり、両方を成立させる確率は何十億分の一という領域である。

 

「えっと? それなあに?」

 

 先ほどは説明しなかったため、彼女が理解できていないのも仕方ないだろう。そう、仕方ない、分かっている……だが。

 

「俺たちの説明は何だったんだ……」

 

 どうしようもない脱力感というか、そういったものに襲われてしまう石崎と金田に対し────どこまでも不機嫌そうに龍園は舌打ちし、ククリとアルベルトは首を傾げていた。

 









本編のほうの一部に最新巻内容をふまえての加筆修正をしました。
余談にのっけてた【邂逅】を手直しして80話に(カウント・エンカウント)と改題して追加、など。
この2年生編8巻にて鬼頭くんが隼でなく隼人と表記されてましたが、既にイメージが固定されているので隼人でなく今まで通り隼としておきます。




おまけのおまけ
春休み中のチャット

< Kukuri Kyoraku
  ≡


.今日.


..
思ったんだけどさ
やっぱハブとマングースじゃなくて
吸血鬼と狼男とかどうだろう





..
何の話だ?

既読



..
カピバラ麻呂とたっつーのたとえ



..
……何故そんなチョイスなんだ

既読



..
だってなんかよく敵対
してるし、吸血鬼と狼男




..
雑な理由だな
ちなみにどっちがどっちなんだ?


既読




..
うーん、強いて言うなら
カピバラ麻呂がヴァンパイア?




..
血を啜ってそうなのか、オレは

既読



..
いや、カピバラ麻呂のがモテモテだからだよ



..
おまえの吸血鬼のイメージは
確実に間違っている


既読




......
 
Aa
      ☻︎
Aa
                             .☻︎





おまけ(タロット)


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。