デート・ア・ライブの世界にテイルズのキャラを設定に合わせて組み込んだだけです
続かないと思います。多分
「またなのね……」
その少女は周囲に広がる光景を見て鬱陶し気に呟いていた
周囲に広がる異常な光景は最早見慣れた光景だった
自身を中心に広がる巨大なクレーター。その余波によって薙ぎ倒された建築物
まるで空から爆弾でも落とされたのではないかと疑いたくなるような現状は、今までにも数回見た事のある景色だった……
その日、少女はいつもと比べて機嫌が良かった
何せ普段からあまり家に帰ってこない兄が「家に帰る」と連絡してきたのだ。唯一の肉親であり、家族でもある兄との久々の再開には心が躍ったものだ
連絡を受けた際は普段から家に帰らない兄に対して不満をぶつけていた少女だったが、受話器越しに不満を口にする少女の表情は何処か嬉しそうに微笑んでいる
少女はどうにも素直になれない性格なのだ。故に、刺々しく話す少女の言葉はある意味親愛の表れであるのだろう
だからこそ、久しぶりに顔を合わせることになった兄の帰郷が待ち遠しく、時間を潰すついでに迎えの準備をしようと外出することにした少女は——
——気づけば
普通なら訳が分からないことのはずだ。一瞬意識が途切れたかと思えば、まるで別の視点に切り替わったとでも言わんばかりに現在地が変わっているのだ。もはや常識の範疇に収まらない
——しかし少女はいたって冷静だった
何せ、少女にとってこれは初めての事ではないのだから
今までにも数回程、今みたいな現象に見舞われているのだ。少女が言うには「もう慣れた」と言ったところか
何故こんなことが起こってしまうのか? その答えを少女は”ある程度”知っているのだが、改善方法が見つからないのでとっくの昔に諦めている
とりあえずこの後に来るであろう”いつもの集団”を軽くあしらい、タイミングを見計らって逃走する……それが現時点で出来る彼女の対応だった
「全く、毎度毎度面倒ね……せっかく今日はお兄ちゃんが帰ってくるのに……」
自身の状況に溜息が出てしまう少女。そんな少女の機嫌は早朝と比べてかなり急降下している事に違いない。それを示すかのように、少女の不機嫌そうな表情からは「面倒くさい」という感情が隠しもせずに露わとなっていた
しかし、だからと言ってずっとそこで燻ぶっている訳にもいかないのだ。何故なら、今の少女は
少女はらこれから来るであろう”ある集団”に対しての対策を練り始める
一応、今のところは顔バレしてはいないと思う。もしされていたのであれば、この数年の間に街などで見られて大騒ぎになっているはずだ。……まあ、少女は普段からあまり外には出ない為、そこまで確証はないのだが……
とりあえず顔を見られないよう隠しておくに越したことはない。少女は手に持つ日傘を開き、相手側から見えないよう角度を調整しながら傾ける
少女の見た目はまだまだ小柄な為、おそらく”空から来る”であろう集団相手には傘を傾けるだけでも十分に効果があるのだ。後はこちらの注意次第でなんとでもなる
……因みに、もしも陸から襲撃してきたとしても問題はない
何せ——
そして数分後、少女が予期していた集団は案の定、空からやってきた
「対象を確認。あれは……識別名〈ノーミード〉です!」
「また厄介な……空中から迎撃する!
『了解!!』
近未来的な銃器などで武装し、背中にあるスラスターで空を駆ける人間達――〈
そのほとんどが女性で固められた集団は、少女――精霊を討伐する為に作られた陸軍の特殊部隊”AST”と呼ばれる者達だった
少女はその存在を知ってはいるものの、彼女達の印象は決して良いものではない。寧ろ少女にとっての悩みの種でもある者達に良い印象など抱くはずもないのだ
そんな〈
理由としては、新人でも入ったのかいつもより人員が増えていたのだ。だからと言って、苦戦するかと言われればそうでもないのだが……
「……面倒ね」
少女はかなりの面倒臭がり屋だ
常日頃から面倒事には首を突っ込みたくないと考えている少女だからこそ、少しの増員でも気が怠くなってしまう
……さっさと終わらせて帰ろう……
空中からASTが銃撃を始めたのを銃声で感じ取った少女は、早く帰りたいが一心で対処することにした
憂鬱気に、鬱陶し気に、そして興味無さ気にASTを一瞥した少女は、やる気の無さを前面に出しながら淡々と唱える
少女を守り、敵を打ち砕く己が”
「〈
少女の呟くのと同時に、AST隊員達から放たれた銃撃の嵐が少女に降り注ぐ
数十名で行った同時射撃。それは少女の周囲を撃ち荒らし、土煙が立ち込めるほどに強烈さを増していった
しかし、今までに少女と対峙した事のある者達からしてみれば、この程度ではまだ生温いであろう
新人達からしてみれば過剰攻撃ではないのかと疑問を抱くほどの弾幕なのだが、撃ち止めの合図はまだ出ていない
そんな新人達が、隊長を初めとした歴戦の隊員達の苛烈さの意味を知るのは……その直後の事だった
——ズドォンッ!!
突如として立ち込める土煙の中から、何か大きな物体が隊員の一人に高速で襲撃した
隊員は警戒していたのにも関わらず、避ける暇もなく”ソレ”と衝突してしまう
襲撃を受けた隊員はなんとか”
急な展開に唖然とする新人達。そんな新人達は今しがた隊員の一人を吹き飛ばした”ソレ”を視界に捉える事となる
その姿は……一言で言えば”巨大な腕”であった
硬質な岩から形作られたかのような巨大な腕
その内部は精霊の力――霊力を凝縮させたかのようなエネルギーが岩の隙間から見えている
そんな橙色に輝く岩の巨腕は、隊員を殴り飛ばした状態のまま空中に佇んでいたところ、役目を終えた事でそれを操る奏者の元に戻っていった
巨腕の襲来に銃撃が一旦止んだことで、土煙が晴れていく
そして、土煙の中から姿を現したのは——左右に巨腕を控えさせ、日傘をクルクルと回している小さな少女の姿であった……
あの後、少女はASTの隊員達を片っ端から殴り飛ばして気絶し回った
少女自体はそこまで動かなかったものの、巨腕は少女の視界に移る範囲であれば自由に操作できる為、別に近づかなくとも迎撃できたのだ
右の巨腕で敵を殴り飛ばし、左の巨腕はASTの銃撃から身を守る盾にする。攻守両立した汎用性が高い天使だろう
更に、そんな巨腕の攻撃を搔い潜って少女の前に接近したとしても、少女が陸に立つ以上、彼女達の攻撃は通らない
彼女の力、巨腕の天使〈
接近したところで少女の意思によって大地は変動し、隆起させた岩の壁が敵の行く手を阻むのだ。接近など出来はしないし、下手をすれば隆起する岩の槍に追い打ちを受けることになろう
その結果、此度の戦闘も今までと変わらず少女の圧勝に終わる
そして、そんな結果に少女は再び溜息を漏らすのだった
今回もそうだったが、相手側の動きに改善点が見られなかったのだ。今までに数回程戦闘を行っているというのに、彼女達の動きからは何も学習していないように伺える
対策の一つでも練ればいいものを、やる事と言えばただ無駄に弾幕を張るだけである
そもそも討伐する気があるのだろうか? と、そこから疑問が沸きあがってきさえする彼女達の襲撃は、少女にとってはただ面倒なだけだったのだ
結局また時間の無駄遣い。得るものはなく、手間暇だけ奪われるこの現状に少女は嫌気がさしていた
「早く帰らないと。……お兄ちゃん、もう帰ってるかな?」
そんな少女は気持ちを一転させ、本日のメインイベントとも言えるべき兄との再会を思い浮かべて降下しきった機嫌を上げていく
今日の事は忘れよう。覚えていても無駄だし、そもそも必要性皆無だし
そして少女は手に持つ日傘をクルクル回しながら自宅へ足を進め始めた
「……ずっとこっちを見てるけど、私に何か用?」
「……ッ!」
そんな少女だったが、数歩歩いたところで再び足を止める
その理由は単純明快……何者かが尾行しているのを感じたからだ
ASTを撃退した辺りからだろう。建物の陰から何者かが少女の動向を伺っていた
経験上そういったことに鋭くなっている少女にとっては、陰に隠れる程度じゃ隠れている内に入らない。故に”その少年”の事は大分前から気付いていたのだ
少女の言葉に、少年は観念したかのように建物の陰から身を出してくる
青い髪の少年。おそらく高校生程の年齢だろう
見た目から少女より年上ではあるのだろうが……少女が醸し出す落ち着いた雰囲気のせいで、少年は年上と対面しているような感覚に見舞われるのであった
「えっと……君は……?」
自身よりも年下であろう少女相手に委縮する少年だったが、話さない事には始まらないとでも思ったのだろう
少年は手始めに少女に名前を問うことにしたのだが……口から出た言葉はどうにも歯切れ悪い
そんな少年に呆れてか、少年の耳に届くほど明確な溜息をついた少女は、仕方が無いので自分から問いかける事にした
「先に自分から名乗るのが礼儀ってものじゃないの?」
「あ……す、すまん……」
「謝るんだったら先に名乗ったらどう? 私、こう見えて暇じゃないの。特に用が無いんだったら帰らせてもらうけど?」
「ま、待ってくれ! ちゃんと名乗るから少し時間をくれ!」
「なんでそんなに焦ってるのよ。何? もしかして貴方ロリコン? それなら近づかないでもらえないかしら? 今警察を呼ぶから」
「ちょっ!? 違っ――!」
「必死になってるのがいい証拠ね。あーやだやだ、これだから日本人はロリコンが多くて困るわ」
「それは完全に偏見だろ!?」
少年の必死さについ煽ってしまう少女だった。実はこの少女、人をおちょくるのが大好きである
それから数分後、少年は何とか落ち着いたことで本題に入ろうとした
しかし――
「——あ、そうそう。残念だけどもう時間だから私は帰らせてもらうわ」
「人をさんざん弄っておいてそれはないだろ!? せめて名前だけでも教えてくれ!!」
「知らない人に名前を教えてはいけないものよ。常識でしょ?」
「うぐっ、確かにそう、だが……」
少女から見ても、少年が目に見えて頭を悩ませているのがよくわかった
そんな少年の姿がいたたまれなかったからか、少女は仕方なく……自分から名乗ることにしたのだった
「……エドナよ」
「——え?」
「二度は言わないわ。それじゃあね」
「あ、ちょっと待っ——うおっ!?」
一度だけ名乗った少女――エドナは、名乗るだけ名乗ってその場を立ち去ってしまう
そんなエドナを追いかけようとした少年だったが、彼女がやったのであろう……少年の目の前には大きな岩の壁が現れていた
数分もすればその壁も地面に戻っていったのだが、壁がなくなった先には既にエドナの姿は何処にも見当たらなかったのであった……
これが少年――五河士道と精霊〈ノーミード〉事、エドナとの出会いであった
そんな二人がこの先どのような関係になっていくのか? これはそんな物語
「誰だ……俺の妹に手を出そうとしている野郎は……」
同時刻、エドナの兄である男性――アイゼンが、どこの馬とも知れない男が妹に近づいたことを察知したとかしなかったとか……
追記しておくと、アイゼンは正真正銘の人間である。特殊な力などない……筈だ
名前:エドナ
識別名:〈ノーミード〉
天使名:〈
総合危険度:AAA
空間震規模:B
霊装:B
天使:AAA
STR:220
CON:235
SPI:171
AGI:096
INT:183
・ラアシエル・
スイエルとも呼ぶ。地震を支配する天使とされている