忍五大国の一つ、火の国は木ノ葉隠れの里に、強大な力を持った尾獣、九尾が襲来した。
九尾はその強靭なまでの力を使い、木ノ葉の里を襲い壊滅しようとしていた。
木ノ葉の忍たちは、里を守る為、命をかけ、九尾に戦いを挑んだ。
多くの犠牲者を出しながらも、当時の里長である四代目火影によって、四代目自らの命を犠牲にし、九尾を封印させることに成功した。
そして、四代目火影“波風ミナト”は英雄として語られ続けられた。
だが、英雄は一人ではなかった。
その者たちは表舞台で決して語られることの無い存在だった。
しかし、里思う気持ちは誰よりも強かった。
里の為にその命を犠牲にし、戦い続けた忍。
その名は、咲良一族。
九尾襲来より十二年の月日が流れた。
あるアパートの一室。
そこに一人、ある少年が暮らしていた。
少年の名は咲良マナト。
咲良一族最後の少年だ。
「ふぁ~……良く寝た」
ベッドの上で欠伸をしながら、マナトは窓から差し込む陽の光を見つめる。
「良い天気だな。絶好の卒業試験日だ」
マナトは
「早く準備して登校するか」
そして、マナトは時間を確認するために部屋の時計を確認する。
時刻は午前九時半。
試験は午前十時から開始。
「…………………遅刻だ!」
マナトは素早く着替えを済ませると慌てて、家を飛び出した。
「よぉ、マナト!急いでどうしたんだ?」
「おっちゃん!おはよう!寝坊したんだよ!」
「いつも通りか!ほらよ、まだ朝飯食ってないんだろ?この林檎食いな」
行きつけの八百屋のおっちゃんから林檎が投げ渡される。
だが、おっちゃんの腕前がノーコンな為、林檎はマナトの目の前に落ちる。
地面に落ちる瞬間、マナトは足を伸ばし林檎を軽く蹴り上げ、口で林檎をキャッチする。、
「おっちゃん、サンキューな!」
おっちゃんに礼を言い、マナトは
「ギリギリセーフ!」
「遅刻だ!馬鹿もん!」
教室に入るなり、マナトは教師である海野イルカに叱られる。
「早く席に着け。これから試験内容について説明する」
イルカに怒られながら、マナトはすみませんと薄っぺらく謝罪して席に座る。
「マナトまた遅刻?」
「マナト、おはよー」
マナトに挨拶をしたのは志摩ライカとうちはカナデの二人だった。
マナトは九尾襲来の際に両親が亡くなり、今は祖父母と暮らしている。
そして、カナデは名門であるうちは一族の子であるが、うちは一族はある事件で一族は殺され、今いるうちはの者はカナデを含め二人しかいない。
「二人ともおはよう。間に合って良かったぜ」
「全然間に合ってないからね」
「遅刻はいけないよ、マナト」
「はいはい、次は気を付けるよ」
「では、試験内容を発表する。試験内容は分身の術。名前を呼ばれた者は一人ずつ隣の教室に来る様に」
イルカはそう言い、最初の生徒の名前を呼んで教室を出る。
「分身の術か」
「不安なのか?」
「いや、俺じゃなくてナルトがな」
タイトはそう言い、教室の後ろ席に居るナルトの方を見る。
ナルトとは三人の共通の友達で、この
だが、三人はそんなこと関係なしに、ナルトのことを気に入っており、四人は仲が良い。
「そう言えば、ナルトって分身の術苦手だったわね」
「うん、大丈夫なのかな?」
「確か三回目だったな。よし、ちょっと喝入れて来る」
「あ、じゃあ私も」
「私も」
マナト達が席に立つと、ナルトに近づく。
「ナルト。気分はどうだ?」
「マナト、それにライカにカナデ……俺ってば、今年も駄目かもしれねぇってばよ……」
「しゃっきとしろよ、ナルト。いつもの元気はどうした?」
「でもよぉ………」
「火影になるでしょ?だったら、こんな所で躓いてる場合じゃないよ」
「……そうだな!俺ってば、火影になるんだから、こんな所で躓いてる暇はねぇってばよ!」
「次!うずまきナルト!」
「ほら、お前の番だ。行って来い」
「おうよ!」
ナルトは元気になり、教室を飛び出していく。
「一発で元気になったな」
「あれでこそ、ナルトよ」
「後はナルト次第だね」
「次!咲良マナト!」
そして、マナトの名前は呼ばれた。
「じゃ、行ってくるかな」
「頑張ってね、マナト!」
「マナトなら受かるよ!」
「おう!」
隣の教室に向かったマナトは試験担当であるイルカとミズキの前に立ち、印を組む。
「分身の術!」
ポウンッ!と言う音と共に、煙が起き、煙の中からマナトが三人現れる。
「よし!咲良マナト!合格!」
マナトは一発で試験合格し、卒業の証である額当てを貰った。
「俺たち三人、見事に合格したな」
「これで私たちも下忍ね」
「そうだね。でも………」
カナデは気まずそうに言う。
何故ならナルトは試験に落ちてしまったからだ。
ナルトに何と言って声を掛ければいいのか分からず、三人は遠くからナルトを見つめていた。
結局ナルトは何も言わずそのまま去っていった。
「今の俺たちが慰めても哀れみにしか聞こえないよな」
「こういうのは時間が解決するのを待つしかないわ」
「なんか悪い気がするね……」
「…………ま、俺たちは今度から担当上忍と一緒に三人組で行動するんだ。聞いた話だと、班編成は
マナトは額当てを鞄にしまい言う。
「うう~………知らない人と一緒だったらどうしよう………」
カナデは情けない声を出し、蹲る。
「まだ私とマナト、それにナルト以外の人と話せないの?せめて、同じ一族のサスケとぐらい話せるようになりなさいよ」
「そうは言ってもサスケとはもう随分話してないし、今更何を話したらいいのか………二人と一緒の班だったらいいのに………」
「ま、一緒の班になれることを祈ろうぜ」
マナトは落ち込むカナデを慰めながらそう言う。
「じゃ、また来週な!」
「ええ」
「バイバーイ」
三人は手を振り、そして、それぞれの家に帰って行った。
ライカは祖父母と暮らしてる家に、カナデは
「ただいまー」
「おお、マナト。お帰り」
マナトが家に帰ると台所からマナトの叔父の咲良シンキが顔を出す。
「叔父さん!?明日まで任務だったんじゃ………」
「今日卒業試験だろ?そんな日に任務なんかしてられるか。速攻で終わらせて帰って来た。で、どうだった?」
「もちろん受かった!」
「流石だな!じゃ、合格祝いに美味いもんでも食いに行くか」
「おう!」