リリカルなのはINNOCENT×EX‐AID~天才ゲーマー「F」~   作:放仮ごdz

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……|д゚)チラッ


誰か待っていた人はいたのか。こっそり投稿。2017/07/08以来になります。本家エグゼイドの怒涛の流れに飲まれて更新止まってました、申し訳ないです。なのセントとエグゼイドのゲーム的バトルの描写が難しいんじゃあ。

初レベルアップ、二人目の仮面ライダー。楽しんでいただけると幸いです。では、どうぞ。


初めてのLevelUp!

 体感シミュレーションゲーム、ブレイブデュエルで遊んでいた私たち。天才ゲーマーなのだと言うフランちゃんの変身した仮面ライダー、エグゼイドの動きに驚かされていたところに、突如乱入して来たすずかちゃん曰く「実力者」の所属ベルカ【鉄槌の騎士】ことヴィータちゃん。

 

 

「弱い物イジメは趣味じゃねえが記録更新のためだ…全力でブチのめす!」

 

「対戦ゲームに乱入?上等!」

 

「まずはテメエからだ、エグゼイド!」

 

 

 ハンマー型のデバイス・・・グラーフアイゼンを手にして突進してきた彼女に対し、同じくハンマーのガシャコンブレイカーを手にしてチョコブロックを跳躍して迎え撃つエグゼイド。激突するかと思われた二人だったが、それは思わぬ乱入者によって遮られた。

 

 

「いくわよフレイムアイズ!」

 

《ん?おおっ、俺の事か!?》

 

「せえ・・・のっ!」

 

「あぶなっ!?」

 

 

 背後からアリサちゃんの放った炎の刃が迫り、ギリギリ気付いたエグゼイドはバック転。炎の刃がヴィータちゃんに迫るも、「しゃらくせえ!」の一言と共にグラーフアイゼンを叩きつけて消し飛ばしてしまった。

 

 

「ちょっ・・・反則じゃないアレ!?」

 

「熟練プレイヤーみたいだし、そういうことができるんでしょ。それより危ないよアリサ!何のつもり!?」

 

「なにって、不意打ちに決まってるじゃない。貴女なら簡単に避けられると思って」

 

「・・・変な信頼だけど、まあありがとう。でも邪魔はして欲しくなかったな」

 

 

 少し不満げなエグゼイドのジト目にウッと言葉に詰まるアリサちゃん。アリサちゃんの性格から、置いてけぼりにされて放っておかれるのが嫌だったのだろう。私とすずかちゃんは苦笑いだ。

 

 

「やってくれるな。だったら・・・おかえしだ!」

 

 

 そんな二人の隙を突く様に、ヴィータちゃんは取り出した四つの鉄球を打ち付けると、軌道が螺旋を描いて綺麗にエグゼイドを避けてアリサちゃんに集束。「やばっ」と声を上げるだけで避けれなかったアリサちゃんはあっけなく倒され・・・あれ?

 

 

「なん、だと・・・?」

 

「・・・タゲ集中って奴だね。アリサに来るって分かってるなら迎撃できるよ。その程度の、魔理沙の弾幕よりも密度も速度もいまいちな四つ程度の弾幕なら」

 

「ふ、フラン・・・?」

 

 

 四つの鉄球は、炸裂する前にガシャコンブレイカーを振るったエグゼイドによって弾き飛ばされていた。見えなかった。アリサちゃんがやられる光景まで幻視してしまう程の鮮やかな迎撃。すごい・・・フランちゃん、かっこいい。

 

 

「何か知らんがあいつ等と同じで弾幕は駄目か。だったらこいつはどうだ?」

 

「アリサちゃん!ここはフランちゃんに任せて・・・」

 

「スキルカード『パワードレイン』」

 

「二人共、後ろ!」

 

 

 すずかちゃんがアリサちゃんに駆け寄った瞬間、ヴィータちゃんの傍に居たウサギのぬいぐるみ?が何時の間にやら接近していて、二人の首筋にトンッと叩いていた。気付いてすぐにぬいぐるみにガシャコンブレイカーを振るうも逃してしまったエグゼイドの言葉虚しく、力が抜けたのか気絶してしまうアリサちゃんとすずかちゃん。

 

 

「なんだ・・・やっぱり、仮面ライダー以外は大したことねぇ。全国二位様だったらこんなの効かねーどころか手痛いカウンターまでしてくるからな。あとはお前か、白いの」

 

「私を忘れるな!」

 

「おっと!お前はメインディッシュだったがまあいいか!先にブチのめしてやんよ!」

 

 

 空に出現させたいくつものチョコブロックをピンボールの様な動きで経由して背後に回り込んだエグゼイドの攻撃も、振り向き様に迎撃してしまうヴィータちゃん。そのまま猛スピードで何度もチョコブロックに戻って攻撃、戻って攻撃を繰り返す・・・えっと、ヒット&アウェイ?を試みるエグゼイドと、その場に止まり迎撃し続けるヴィータちゃんは私には入り込めそうにないバトルを繰り広げていた。でも、見るからに戦闘慣れしているヴィータちゃんが優勢で、まだまだエグゼイドを使いこなしていないフランちゃんは苦戦気味だ。

 

 とりあえずアリサちゃんとすずかちゃんを回収してこっちに持って来たけど・・・どうしよう、このままじゃ私、役立たずだ。

 

 

「どうしようレイジングハート。このままじゃフランちゃんも・・・」

 

《私を相手に向けこちらのスキルを使ってください》

 

「う、うん!」

 

 

 言われた通り、レイジングハートを両手に構える。スキル・・・これかな?

 

 

《シールドの展開を提唱》

 

「あん?エグゼイドが必殺技でもしてくる予兆があったか?」

 

 

 グラーフアイゼンに気付かれたみたいだけどヴィータちゃんにはバレてない。今なら・・・!アリサちゃんと同じ様に、フランちゃんを信じよう!

 

 

「いくよ・・・っ、ディバインシューター!」

 

「ちっ!・・・そら、倍返しだ!」

 

 

 展開した四つの光弾を、同時に撃ち出す。エグゼイドは飛び退き、ヴィータちゃんは三角の魔法陣を掌に浮かべると防ぎ切ってしまったばかりか、八個もの鉄球を取り出してさっきと同じように打ち出してきた。エグゼイドがこちらに向かおうとしたみたいだが、チョコブロック経由ではどうやっても間に合わない距離だった。

 

 

「ごめん、間に合わない!避けて、なのは!」

 

《ナノハ!》

 

「うん分かってる!レイジングハートとフランちゃんが褒めてくれた空飛ぶこと・・・それを全力で・・・やってみる!」

 

 

 再び足に羽が生え、イメージする。あれを避け続ける。やれる?やれない?・・・やれる、じゃない。やるんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フランside

 さっきは余裕ぶっては見せたが、それでもアリサに来ると分かっていたからこそ迎撃できた、恐らくはブレイブデュエルの上達者の放つあの鉄球が八つも。何時も相手していた霊夢や魔理沙の弾幕に比べれば、何時もの私なら簡単に避けられるものだが、標的を追って複雑な軌道を描く上にスピードが尋常ではない。避け始めたなのはも、直ぐに沈む。そう思ったのだけれど。

 

 

《三機自壊。残り五機です。・・・残り二機》

 

 

 圧巻だった。お姉様には及ばないが、例えば魔理沙の様な、弾幕を振り切ってしまうスピード。そして霊夢の様な、完全に見切った上での紙一重の回避能力(グレイズ)。そのどちらも合わせた様な動きに、私は茫然とするしかなかった。

 

 ゲームとはいえ、外の世界にこれほどまでの人間がいるなんて。割と最近に幻想入りして来た早苗も凄いとは思ったが、正直比べ物にならない。なのはだったら回避だけで幻想郷の人間と渡り合えそうだ。・・・アレで初心者だとか、天才ゲーマーの名が廃るな。

 

 

「よ・・・っ、避けきった・・・?やったよ、レイジングハートっ!」

 

《ナノハ!上です!》

 

 

 避けきって油断したなのはの上空から飛来したヴィータが、その手に握ったグラーフアイゼンを振り被っていた。でも残念、鉄球が避けきられると判断した瞬間に動いていたのは、見えていた。

 

 

「させないよ!」

 

 

 足場のチョコブロックを両足を使って全力で踏み砕き、その勢いで頭からヴィータに激突。片手持ちのハンマーとか扱った事無いからこれしかできなかったが、虚を突く事は出来たらしい。体勢を崩させ、なのはが防御姿勢を取る時間ぐらいは稼げた。こっちの体勢も崩れて落ちて行くしかないが、さっき反応も出来ずにアリサとすずかをやられた事に比べれば安い物だ。

 

 

「っ・・・えっと、シールド!」

 

「あめえ!『ラケーテンハンマー』!」

 

 

 咄嗟に張ったシールドが、あっさりと砕け散る。手数の差が違い過ぎたか。ズガンッ!という爆音と共に発生した爆発により姿が見えなくなったなのはの安否を確かめようと、クルリと回って体勢を整え、下に出現させたチョコブロックを蹴って舞い上がった。

 

 

「ゆだんたーてきってな。逃げ足だけじゃ、他人に助けてもらってばかりじゃデュエルにゃ勝てねえ」

 

「それを言うなら油断大敵。頭が弱いの?」

 

「うっ・・・うっせー!いいんだよ何となく合ってるから!次はお前だ、エグゼイド!何時までレベル1で戦ってんだ。さっさとレベルアップして本気を出しやがれ!」

 

「レベルアップ?」

 

 

 戻って見たらなんかほざいていたのでツッコんでみたら知らない情報が出てきた。レベルアップ?まだ経験値をろくに集めてないのに無理言うなし。キャ●ピーかス●イムでもひたすらに狩ればいいのか?そもそも雑魚敵の概念とかレベル上げの概念がこのゲームにあるのか?・・・合成で強くなるとは言ってたか。でも「仮面ライダー」はダブるとかないだろうしそれはないか。

 それに、何で私がレベル1だって分かるんだ?もしかして、一目で分かる特徴がある?・・・・・・まあいいや。詳しくは説明書を読むとして、まずは勘違いを正さなきゃ。

 

 

「・・・案外、私の連れは他の二人と違ってしぶといみたいだよ?」

 

「なに?・・・ちっ、まだ倒れてなかったか。まあいい、それじゃトドメはこいつでしまいだ」

 

 

 二人して振り向く。煙が晴れて、少々黒こげになったなのはが出てきた。焦燥しているが、負けたくない!って気持ちが伝わってくる表情だ。でも、ヴィータも鉄球を一つ取り出して蹴りを付けようとしている。

 どうしようか迷った。なのはがやられる瞬間にできるであろう隙を突いて不意打ちするか。それとも、なのはを守るか。でも、この胸の体力ゲージ大雑把過ぎてどれだけ耐えれるか分からない。最初からノーダメで来た弊害が此処に・・・!アリサとの戦いで確かめて置けばよかった。不覚・・・最初から完璧にゲームクリアを目指そうとする私の馬鹿野郎。

 

 

《制服の女の子。「ストライカーチェンジ」を使って。ピンクの仮面ライダーはレバーを引いて》

 

 

 ギャルゲーとか何時ものゲームなら、選択肢程度で迷う事は無いのに何故か優柔不断になってどうしようと迷っていたら、声が聞こえた。・・・アリシア?いや、違う。そっくりだけど、なんというか、冷静だ。レバー?・・・レバーって、どう考えてもベルトに付いてるこれか。でも何の意味が・・・?

 ガシャットを外して左腰のスロットに差し込んで使う「キメワザ」とやらはさっき「レベル1」の基本操作について見たときに載ってたけど・・・もしかして、ネタバレが嫌だから見なかった次のページに何かあるのか?

 

 

「ストライカー・・・チェンジ?」

 

《君のデッキには「N+」のカードが二枚入っているはず。その二枚を出して・・・後は君のデバイスが補助してくれる。急いで》

 

「させるか・・・よっ!」

 

 

 私が説明書を見るべきか否や迷い、なのはが説明を受けている最中、ヴィータが鉄球を打ち出してきた。むっ・・・それは駄目でしょ!

 

 

「チュートリアル中の攻撃は禁止ぃ!」

 

「ぐあっ!?」

 

 

 ドロップキックを後頭部に叩き込む事に成功したが、一瞬遅れて打ち出された後だった。また爆発による煙が広がる。・・・一度めならまだしも二度目なら、心配しなくてもよさそうだ。

 

 

「へっ、いくら堅くてもさすがにコレなら落ちるだろ。ってか、不意打ちとはやってくれるじゃねーかエグゼイド。レベルアップしないならこのまま一方的に叩きのめすのもいいかもなあ?」

 

「最初に言って置くね。フラグ乙」

 

「は?・・・!?」

 

 

 その瞬間、煙の中から上空に飛び出したなのはの姿に面食らうヴィータ。あの攻撃、アリサの時よりも強力だったから渾身の一撃だったのだろう。それがほぼ無傷なのは、正直私も驚いている。

 

 

「カードリリース、ノーマル二枚!カードフュージョンっ!ストライカー・・・チェンジッ!!」

 

 

ブレイブホルダーとカードを両の手に握り、交差させるなのは。かっこいい。私もしたい。

 

 

「ドライブ、レディ!・・・リライズアップ!!」

 

 

 魔法少女の変身ぽいなあとか思っていたら、本当に変身していた。白を基調とした、さっきまで着ていた制服をモチーフにしたロングスカートの重装甲服。なのはが着ているとどうもしっくりとする服だった。

 

 

「んげっ・・・あいつセイクリッドタイプだったのかよ!?どうりでバカかてえと思った・・・しかも「白」とか超が付くレアカラーじゃねえか!?」

 

「そうなの?」

 

 

 言うなればソシャゲで言うウルトラレアカードの更に期間限定みたいなものか。色合いもそうだけどマーリンかな?無欲ななのはだからこそだろうけど、あの物欲センサーとか言う幻霊だけは破壊したい。って、そうじゃない。でも私が何をすることも事無く決着が着きそうだ。

 

 

《ナノハ。最後のカードをスラッシュしてコールを》

 

「うん!スキルカードスラッシュ!」

 

「やっべえ!?」

 

 

 レイジングハートの先に巨大な魔法陣が描かれ、目に見えて分かる膨大な力が集束して行く。まるで、魔理沙の十八番のマスパみたいだった。・・・今度は本気でなのはと戦ってみたいなあ。

 

 

「ディバイン・・・・・・バスタ―――――――!!」

 

 

 ピンクが瞬く。巨大な桃色の光が、ヴィータを飲み込んで行った。やったかな?

 

 

「勝った・・・の?」

 

《アイム・ア・カメンライダー!》

 

「やべーやべー、何とか間に合ったわ」

 

「え・・・!?」

 

 

 しかし、煙が晴れたそこに居たのは思いもよらぬ人物。シアンを基調とした仮面ライダーが、そこにいた。今の私とほとんどそっくりだ。その手に握られている小さな盾と剣は武装の違いだろうか。周りに私のチョコブロックみたいに宝箱が出現したし、RPG(ロールプレイングゲーム)の主人公みたいだな。今にも飛び出そうとしているヴィータの首に腕を回して押さえている姿はアレだけど。

 

 

「てめー、離せ!邪魔をするなテンコ!」

 

「テンコ言うな。私が介入しなくても防げただろうけどお節介させてもらったわよ。真面に喰らってたらどうなってたか」

 

「いいから離しやがれ!負けっぱなしでいられるかよ!」

 

 

 テンコ?・・・・・・誰だっけ。仮面ライダーって事は幻想郷の人間だろうけど知り合いにテンコって名前はいなかったはずだけど。

 

 

「えっと・・・貴方も仮面ライダー・・・?」

 

「・・・こう名乗るのは慣れてないけど。私はこの鉄槌の騎士ヴィータの同僚。ベルカスタイル専門「八神堂」SP(ショッププレイヤー)ヴォルケンリッターの不屈の騎士、仮面ライダーブレイブ。さすがに二対一はうちのヴィータが危ないかなっと思って助太刀に」

 

「余計なお世話・・・だ!」

 

「うそっ・・・まだ・・・!?」

 

 

 ブレイブと名乗った仮面ライダーであったが、腕の短さが祟ったのかヴィータを抑え込むことができず突貫。私が止める間もなく、その手に握られたグラーフアイゼンがなのはを捉える。ブレイブの登場で油断しきっていたなのはにはどうしようもなく・・・ガキッ!と何かが防ぐ音が聞こえた。

 

 

「ロケテスト中全国ランキング6位。ベルカスタイル「鉄槌の騎士」八神ヴィータ。そんな熟練プレイヤーが初プレイの初心者に乱入なんて感心しないよ」

 

 

 なのはの前でグラーフアイゼンを止めていたのは、アリシアに似た金髪赤眼の黒衣を纏ったツインテールの少女。どこかで見た顔と思ったけどすぐに思い出した。エキシビジョンマッチとして店内に流れていた映像に映っていたT&Hが誇るエースの子だ。手に持つ大鎌型のデバイスがかっこいい。というか全体的にかっこいい。同じ金髪と赤眼だけどあっちの方がずっとかっこいいと思えるぐらい、その光景は様になっていた。

 

 

「へっ・・・全国2位様のお出ましか。上等だ、そっちの仮面ライダーと初心者ヤローとまとめて・・・・・・・・・・・・・・・初心者ぁ!?」

 

 

 あ、ヴィータが止まった。むしろ今の今まで気付かなかったのかと。すると空中にモニターが現れて、手を合わせて謝罪しているアリシアとエイミィさんが映し出された。今更出るのか。

 

 

《ごめんなさーい》

 

《ゲーム設定の最後のボタン、多分フランが押した奴だけど教えるの忘れてたよー》

 

《【対戦相手求む・腕に覚えあり・全力勝負希望】になってたみたい・・・》

 

「むしろそうだと思って設定したんだけど」

 

《まさかの確信犯!?》

 

 

 オンラインゲーだとよく見る奴だし。もし強い人来ても私一人が対処すればいいかなって。なのはたちに言うのは忘れてたけど。

 

 

「え、えーと、その・・・うちのフランちゃんがどうもご迷惑をおかけしました・・・?」

 

「・・・油断してたとはいえ、あたしに一撃入れたんだ、次は手加減しねーかんな。ほら、帰るぞテンコ」

 

「それは断る」

 

「は?」

 

 

 帰ろうとするヴィータの言葉をバッサリ切り捨てるブレイブ。ジッとこちらを見詰めているのはただの興味か。それとも・・・

 

 

「・・・いやいや、白い子だけチュートリアル完了ってそれは不平等じゃない?」

 

「誰がチュートリアルだ、テンコ!」

 

「テンコ言うな。私は新人ライダーの相手をしてから帰るわ。術式レベル2」

 

《ガッチャーン!レベルアーップ!》

 

 

 そうつぶやくとゲーマドライバーのレバーに手をやるとそのまま開くブレイブ。すると演出なのかは分からないけど、目の前に出現したガシャット端子を模したパネルを通り抜けるブレイブ。すると一瞬だけ様々な風景が見える多数の扉と宝箱がある空間に変わって手足のパーツがパージされ、顔部分が背中となりその姿が変わると扉を開けて出てきた。これがレベルアップ。経験値とかいらないのか。

 

 

《タドルメグル、タドルメグル、タドルクエスト!》

 

「とまあそんな訳で。帰らないならヴィータは下がってなさい?全国二位さんと白い子もね」

 

《ガシャコンソード!》

 

「テンコお前、絶対自分が戦いたいだけだろ」

 

 

 ずんぐりとした二頭身のマスコット染みた姿から、胸部にライダーゲージの記された装甲を付け、全身に鎧を纏った騎士へと変わったブレイブ。手にはガシャコンブレイカーに似た剣が握られた。タドルクエスト。確かマイティアクションシリーズを作った会社の初期の名作ゲームの名前だったかな。中々にコアだね。

 腕とか脚、顔半分は露出してるのか。なのはの変身した後の姿と似た感じかな。・・・ちょっと待って。フルフェイスの兜で顔の上半分は見えないけど、その赤い眼光と水色の髪、自信に溢れた不敵な笑みは見覚えあるぞ。テンコってまさか…

 

 

「比那名居、天子・・・?」

 

「そういう貴方はフランドール・スカーレットよね?先輩として手ほどきしてあげるわ、来なさい」

 

 

 博麗神社を一度は破壊した、悪名高き戦闘狂の天人もどき。直接会ったことは無いけど、肉体的な強さは幻想郷でもトップクラスだと聞く人物だ。お姉様と同格、いわゆるラスボスだ。どちらかというと弾幕ゲーじゃなくて格ゲーの。・・・天界の人間と聞いていたけど、ゲーマーだったのか・・・いや、私も人の事言えないけどさ。で、私に勝負を挑むと。・・・私より強いって言いたげな顔だな。

 

 

「上等!」

 

 

 売られた喧嘩は買うもの!ゲームで私に勝とうなんて495年早いよ!エグゼイドのゴーグルを介して、複数のチョコブロックをブレイブの前に出現させて跳躍する。まずは様子見!タドルクエストの能力って事は絶対搦め手があるはず!

 

 

「さてまずはステージセレクト・・・っと」

 

 

 そう言ってブレイブがベルトの左腰部分・・・キメワザスロットホルダーのボタンを押すと、周囲が大空の上からどこかの広場へと変わる。周囲には宝箱とチョコブロックが散乱していて、私と天子の戦いのための場だと分かる。好きにステージを変えれるなんて便利だな。使いこなしたら面白い事できそう。

 

 

「半人半霊の台詞を借りる様で悪いけど・・・私に斬れない物はないわ!」

 

《カ・チーン!》

 

「炎の斬撃・・・!?」

 

 

 すると思った通り、ブレイブの振るったガシャコンソードから超高熱の炎が放たれ跳躍して避ける。あ、これ。思ったより楽しそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのはside

 いきなりステージが空からどこかの広場へ変更されて、ヴィータちゃんと私、そして助けてくれた金髪の子が見る前で、剣から炎を飛ばして攻撃するブレイブと、それを避けながらガシャコンブレイカーを手に何度も攻撃して迎撃されるエグゼイドの激闘が繰り広げられていた。

 目に見えて胸の体力ゲージが減って行ってるけど、避けるしかなかった私とはえらい違いにちょっと引き気味だ。ヴィータちゃんは戦いたいのかうずうずしてるし、隣の金髪の子は困り顔だった。・・・とりあえず、助けてくれたお礼を言って置かないと。

 

 

「・・・えっと、助けてくれてありがとう」

 

「どういたしまして。・・・ヴィータは勝負にこだわり過ぎる所があるけどいい子なんだ。でも、あの人の事はよく知らなくて・・・初めての仮面ライダーでブレイブって名乗っていて、凄く大人げない人だってことぐらいかな。あの仮面ライダーの初めてのデュエルでも手は抜かないと思う。教えたはずなのに何でレベルアップしないんだろう・・・?」

 

「フランちゃん、天才ゲーマーだって言ってたから自信があるんだと思う。それよりデュエルって・・・?」

 

BD(ブレイブデュエル)の戦いはデュエル、そしてプレイヤーはデュエリストって言うんだ。初めてのデュエルはどうだった?」

 

 

 そう聞かれて、考える。初めてのデュエル・・・びっくりして、戸惑って。いきなり強敵で、悔しくて・・・でも。

 

 

「楽しかった。すごくすごく楽しかったよ!」

 

「それはよかった。私はフェイト。フェイト・テスタロッサ」

 

「わたし・・・なのはっ。高町なのはだよ!よろしくね、フェイトちゃん」

 

 

 私にとっては、この出会いが始まり。私の物語の始まりだった。

 

 

 

 

 

「・・・ねえすずか」

 

「なぁにアリサちゃん」

 

「何か空からステージが変わっていて、フランが知らない剣士と暴れていて、それをなのはとエキシビジョンマッチで見た女の子とあのハンマーの子が観戦していて、何がどうなってんのこの状況」

 

「私に聞かれても・・・わからないかなぁ」

 

「あー、立てるか?さっきは悪かったな・・・」

 

 

 後ろでアリサちゃん達が目を覚ましたのに気付いたヴィータちゃんが助け起こしていたけど、私とフェイトちゃんはフランちゃんと天子さんの対決に見惚れていてその事には気付かなかった。あとで謝ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フランside

 ブレイブを中心に広範囲に地面に放たれる炎の波はチョコブロックを足場にして避けて、縦、横と連続で放たれる炎の斬撃は打ち返したり跳躍して避けたりで対処。攻撃パターンが分かって来たから、たまに反撃として飛び掛かってみるけど迎撃される。

 空じゃなくなってチョコブロックを足場にしなくてよくなったのはいいけど、何時もの空中戦ができないから、やりにくさはあまり変わらないなぁ。コントローラーなら変わったぐらいでもすぐ対応出来るのに、バーチャルゲームはなあ・・・とりあえず虚勢を張って置こう。

 

 

「いい加減、見飽きて来たよその弾幕!」

 

「やっぱり幻想郷出身にはあまり通じないか・・・なら!」

 

 

 あれ?まだ何かあるの?さすがにゲームのボスキャラみたいにワンパターンじゃないか。脳筋だと思ってなめてた、ヤベーイ。

 

 

「凍れ!」

 

《コ・チーン!》

 

「それあり!?」

 

 

 炎を使っていたと思ったら氷結して来た。ガシャコンセイバーのボタンを押したら炎を模っていた剣身がくるりと回って氷柱みたいな形状となった。私のガシャコンブレイカーはボタン押しても剣にしかならないのにズルい。・・・いや、確かにシンプルなアクションゲームに属性とかは基本ないけどさ。あるとしても続編からだし。

 でもそれを言うなら勇者に属性技ってのも少ないんじゃないでしょうか!ほら、ゼノ●レイドとか笑える程に属性技ないよ!?お姉様みたいな能力の剣持ってるのに!魔術師ポジの年長者二名はバンバン属性使うけど!

 

 

「・・・全身凍り付いてるのに余裕みたいね。覚り妖怪に貴方の心を読んでもらわなくても分かるわ」

 

「そりゃ余裕だよ。・・・だって、右腕とベルトだけ凍らせてないじゃん。こんな細かいことできるなんて、もしかして熟練者?」

 

「いんや。始めたのはつい一週間前。小狸ちゃんからは天才だとか言われたわ」

 

「ああ、分かる分かる」

 

 

 やり込むのもいいけど、大体さらっとできちゃうよね。まあせっかくのご厚意、さっき教えてもらって、実際目にした奴をやってみよう。まさかのネタバレ喰らったけど、そのやるせなさは倒す事で紛らわす!

 

 

「掛け声は・・・うーん、そうだなあ」

 

 

 レバーに手をかけ、考える。変身より凄い変身。だったらまあ、単純だけどこれでいいかな。なのはみたいにかっこいい掛け声もしたいけどそれはまた、通常モードでやるときにしよう。

 

 

「大変身!」

 

《ガッチャーン!レベルアーップ!》

 

 

 バックルのレバーを開き、目の前に出現したガシャットの基板のエフェクトに飛び込む。ブレイブと同じようにレベル1の白いパーツがパージし、腕と足が解放される感覚と共に視界がグルンと反転した。・・・なるほど、さっきまでの顔が背中になったのか。この感覚はちょっと気持ち悪い、けど解放感は悪くない。

 

 

《マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクション~エックス!!》

 

 

 ブレイブとは対照的に、ピンクというかマゼンタがメインカラーで黄緑が配色された、何時もの服に似た軽装。胸元にはライダーゲージが記されてアーマーとして付いていて、両手にはピンクと黒のグローブがはめられ、両足にはピンク・黒・銀に配色されたシューズと膝当てが。視界を覆うゴーグルには自分の体力などのステータスが端に表示され、違和感から髪に触れてみると何か前髪だけ逆立っていた上にピンク色に染まったみたいだ。後ろ髪はいつもの形と色なのは、エグゼイドの特徴みたいなものなんだろう。

 

 そして、何よりも変わったのは。

 

 

「・・・ねえ、もしかしてレベルアップしたら幻想郷でと同じ種族…じゃない、スペックになれるって解釈でおk?」

 

「さあ。それは分からないけど。・・・やっと全力みたいね」

 

 

 背中に歪な翼が戻っていた。飛べる訳じゃない飾りみたいだけど、うん。バランスがとりやすい。さっきまで近づけもしなかったけど・・・これなら、やれる。さっきまでとは明らかに違う。レベル2でこれだけ変わるのか。カンストとかしたらヤバいな。できるのか知らないけど。

 

 

「じゃあ改めて・・・ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

 

《ジャ・キーン!》

 

 

 Aボタンを押して剣にしたガシャコンブレイカーをビシッと掲げ、そう宣言するとブレイブは傍の宝箱を斬り裂いて中から取り出した走る人が描かれた黄色のメダルに触れた。アレは・・・エナジーアイテムだったか。

 

 

「チュートリアルでも容赦しないわ!」

 

《高速化!》

 

 

 瞬間、目にも止まらぬスピードで駆け抜けて来るブレイブ。咄嗟に横っ飛びで回避するが、ブレイブの通った道が氷結、氷柱ができていた。続けて突進して来たので跳躍で回避するとブレイブはそのまま広場を制圧する様にビュンビュンと走り回り続けた。アレを続けられると立てる場所が無くなっていくか。跳び回り続けて避けまくるけどこれは不味い。

 ・・・ブロックに飛び乗って空中から襲うのもいいけど、まず間違いなくブロックに降り立った硬直時間を狙われて炎の斬撃が飛んできて避けられないだろうし、こっちから攻撃するにしても接近戦用の武器しかないからアレに無理に当てようとしたら氷柱に当たってしまう。自主的だけど弾幕ごっこのルール的にも、個人的にもノーダメで切り抜けたいところだ。

 

触れただけでダメージありそうだから極力触らないように…待てよ?それは、あちら側にも言えることなのでは?

 

 

「よーし!そんななまくらじゃ私は斬れないよ、センパイ(・・・・)!」

 

「んな!?…言ってくれるじゃない!」

 

 

 出現させたチョコブロックに乗って挑発すると、一瞬立ち止まったブレイブは分かりやすくキレてピョンピョンとチョコブロックを介して逃げ始めた私を、ガシャコンソードを地面に這わせて通った道を凍らせながら激走。逃げ場を失わせながら迫りきて跳躍、ジャンプ斬りを仕掛けて来て私は咄嗟にガシャコンブレイカーの剣身で防御。弾き返すも凍り付いてダメージを受け、まだ凍っていない広場の中心に投げ出された。

 

 

「天才ゲーマーだからって、初めてのゲームで慢心するのはいただけないわね」

 

「あいたたた…ちぇっ、ボス戦ノーダメはやっぱり無理か。でもまだノーコンティニュークリアーは目指せるもんね…!」

 

「この後に及んでまだ勝てる気でいるなんて…おめでたいことね!キメワザで終わりよ!」

 

《ガッシューン・・・ガシャット!キメワザ!》

 

 

 同じく広場の凍っていない場所に降り立ったブレイブはそう言ってガシャコンソードのスロットにタドルクエストガシャットを装填、すると空中に格闘ゲームの必殺技カットインみたいな映像が映し出される。

 

 

《TADDLE CRITICAL FINISH!》

 

「さらにエナジーアイテム!」

 

《分身!》

 

「そしてスペルカード…じゃない、スキルカード【気炎万丈の剣】!9hitの全方位からの氷結斬撃…これでも勝てるかしら!」

 

 

 ブレイブは逆手に持ったガシャコンソードに冷気を纏わせて構え、側の宝箱を殴って手にしたエナジーアイテムを取って複数人に分身して私を取り囲み、どうやったか知らないけどスペルカードと思われるものを取り出してデータ化させ分かりやすい赤いオーラを剣身に纏わせてきた。バフの暴力とか大人気ない、こっちはまだちゃんとシステムも理解してないってのに。同じことを思ったのか、見物していたヴィータが口を挟んできた。

 

 

「あのバカ…本気でやることねーだろ、テンコ!そいつブレイブデュエルも仮面ライダーも初めてなんだろ!?」

 

「テンコ言うなバカヴィータ!これはゲーマー同士の真剣勝負なのよ?手加減したら逆に失礼ってもんよ!そうよね、天才ゲーマーFさん?」

 

《バ・コーン!》

 

「うん、こっちも本気で行くよ…!」

 

《ガッシューン・・・ガシャット!キメワザ!》

 

 

 やり方は教えてもらったし、その心意気、買った!ハンマーモードにしたガシャコンブレイカーにガシャットを装填っと。分身を打倒するための相場と言えば、本体を倒せばいい。でもこれじゃどれが本物か判別は不可能。だけど、私には作戦がある。

 

 

《MIGHTY CRITICAL FINISH!》

 

「会心、喰らいなさい!」

 

 

 そして複数のブレイブは同時に突進。そして私も空中に跳躍、ガシャコンブレイカーを振りかぶる。

 

 

「本物は、お前だ!」

 

「なあっ!?」

 

 

 そのまま地面を叩いた際の衝撃波を目の前のブレイブに向けて叩き込むと、本物だったらしいブレイブにクリーンヒットして吹き飛ばし、変身を解除させた。天子が転んだそこには、綺麗に凍っていない一本道があった。

 

 

「な、なんで本物の私の居場所が…」

 

「気付いてなかった?あなた、どんどん通り道を制限して、一方向しか残されてなかったのよ。分身しようが、ゲーマーなら余計なダメージは受けたくないはず。あとは待ち構えてれば勝手に当たる。分かる?あなたが、コンティニューできないのさ!」

 

《GAME CLEAR!》

 

 

 勝利宣言すると、目前にGAMECLEARの文字が浮かび上がり、天子の手から見覚えのないガシャットが飛んできて私の手に収まった。えっと…シャカリキスポーツ?一人称視点の自転車でのレースゲームのアレかな。でもなんで?

 

 

「仮面ライダー同士が戦うとね、敗者から勝者にガシャットが一つ譲渡されるのよ。最悪、変身するためのガシャットも譲渡されるわ。せっかくスナイプに勝って手に入れたガシャットだったけど…私の完全敗北だししょうがないか」

 

「え。じゃあこれ、私がもらっていいの?」

 

「ええ。文句はないわ。じゃあ私とヴィータはこれで帰るから。今度戦う時は負けないからね!」

 

 

 そう言って呆れ顔のヴィータと共にこのフィールドから消えていく天子。…色々聞きたいことがあったけど、今度でいいかな。なんにしても……

 

 

「楽しかった!弾幕ごっこもいいけど、手に汗握る戦いを体験できて、現実じゃ何も壊さない!神ゲーかな?」

 

 

 このゲーム、個人的神ゲー認定だった。仮面ライダーを使わない通常ゲームもやらねば(使命感)。ぜひともやりこみたい。…あ、その前になのはたちと合流しないと。それに全国二位さんとやらにも話を聞かねば。…あと、衣食住もなんとかしなくちゃ。もう紅魔館には帰れないもんなあ。

 

…そう言えば私は何でこっちの世界に来ることになったんだっけ?真面目に忘れてしまったんだが。なんにせよ、前途多難だな。どうしよう…

 

 

―――See You Next Game―――

 




…下手したらこの回で完全に更新が止まるかもしれないのでとりあえず最終回風味に…誰か書いてくれるなら設定渡すから引き継ぎたい。

フランドール:天才ゲーマー「F」たる実力を発揮。レベルアップすると吸血鬼に戻る。知り合いに会えてちょっと嬉しかった模様。剣よりハンマーの方が使いやすい。ノーコンティニューでクリアする!

なのは:初変身。こちらも天才。フラン曰く弾幕ごっこでもいいところ行けるらしい。

フェイト:前回映像だけで出てた人。初登場。仮面ライダーに勝てる数少ない人。テストプレイ全国二位の名は伊達じゃない。

アリサ:ヴィータに完敗。フランの大暴れっぷりに引き気味。

すずか:アリサと同上。レベルアップしたフランの姿にさらに親近感を覚えた模様。

アリシア&エイミィ:この作品ではフランが勝手にやったのでボタンに関しては無実。ブレイブに勝利したフランを引き込みたい模様。

ヴィータ:噛ませ犬…げふんげふん、ヤガミドー最年少のショッププレイヤー。自分も勝てないブレイブに勝利したエグゼイドと、負けそうになったなのは相手に闘志を燃やす。

天子:初登場。仮面ライダーブレイブ。ドMじゃない。暇つぶしのためにゲームしてたらいつの間にかゲーマーになってた残念なニート天人。騎士らしくフェアな戦いを好んでいて、正々堂々真っ向勝負が好き。フランの好みはオールマイティなのに対し、暇つぶしのために始めたためRPGが好き。一番好きなゲームはゼ●ブレイド。

次回もちょっとだけ書いてるので楽しみにしていただけたら嬉しいです…未定ですが。感想をいただけると励みになります。
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