俺のFateな話   作:始まりの0

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EP105 新人類

 ギルガメッシュが復活し数日、状況は変化する。

 

 人々が行方不明になる事が多発し始める。立香、マシュを始め、多くの者を動員し捜索を行っていた。

 

「南側は?」

 

 

「連絡とれません!」

 

 

「報告! 西側の集落からの連絡途絶!」

 

 ギルガメッシュと龍牙は日々、入る報告を受け対応していた。

 

 現在、龍牙は立香達と行方不明者達の捜索をしており居ない。

 

「ギルガメッシュ王、報告致します」

 

 シドゥリが駆け込んで来る。

 

「龍牙様より伝達です。行方不明となっていた者達が発見されました」

 

 

「何だと!?」

 

 

「それが見つかったのは子供達だけで……子供達によれば「エルキドゥが逃がしてくれた」と」

 

 

「あやつ……」

 

 

「以前からエルキドゥに逃がされたと言う報告がありましたが……王これは」

 

 

「さてな……アレは『身体こそエルキドゥだか、中身は違う』。

 

 あやつ自身の考えなのか……それとも……いや、何でもない。

 

 それで子供はどうした?」

 

 ギルガメッシュは何かを言いかけたが、直ぐに止め、子供達の事を聞く。

 

「はい……藤丸さん達と共にウルクに帰還するとの事です。

 

 龍牙様は引き続き捜索すると」

 

 シドゥリはエルキドゥの事を聞きたかったが、ギルガメッシュの心中を察し聞かなかった。

 

「そうか……奴等が帰還したら休ませろ。子供達はしっかりと保護せよ」

 

 

「はい」

 

 ギルガメッシュ、シドゥリ、この国に生きる者達にとってエルキドゥは特別な存在だ。そして皆、知っているエルキドゥは『死んだ』と言うことを。

 

 

 

 

 

 それから間もなく、ウルクに魔獣が襲来した。

 

 間の悪い事に龍牙や立香達は行方不明者の捜索の為、遠出しており、直ぐには戻って来られない。

 

「王、私が行きます。許可を」

 

 

「ならん! 行くな!」

 

 シドゥリが自身が民の避難誘導を行うと志願する。ギルガメッシュは声を上げそれを拒否する。

 

「ギルガメッシュ王」

 

 シドゥリは優しくギルガメッシュの名を呼ぶ。

 

「っ……いやそれが最適か」

 

 ギルガメッシュもそれが最適な手段だと頭では理解している。

 

「シドゥリ……死ぬなよ」

 

 

「それが王の御命令ならば」

 

 ギルガメッシュは少し間を空けると大きく息を吸い込んだ。

 

「シドゥリ、民の避難を誘導せよ! 

 

 他の兵にも伝達! 直ぐに龍牙に連絡する故、奴が戻るまで何とか保たせよ!」

 

 ギルガメッシュはこの場にいる者達にそう言い放った。

 

 

 

 

 

「ギルか……都市に魔獣が? ……了解した。

 

 藤丸君達と別れて直ぐに帰還する。

 

 と言う訳だ。俺は直ぐにウルクに向かう。

 

 藤丸君とマシュ、他の者達は行方不明者の捜索をしつつ、ウルクへ帰還してくれ」

 

 ギルガメッシュから帰還の連絡を受けた龍牙は共にいた立香達にそう伝えた。

 

「なら俺達も」

 

 

「俺の全速力にはマシュはともかく、普通の人間には保たないよ」

 

破壊龍:鎧化(ノヴァズドラゴン:アーマードライヴ)

 

 龍牙はそう言うと、破壊龍の鎧を纏いその場からウルクに向かい飛ぶ。

 

『嫌な予感がする……』

 

 龍牙は自身の予感が外れる事を願いながら、速度を上げてウルクへと飛んだ。

 

 

 

 

 〜ウルク 〜

 

「皆さん急いで! 兵士たちは民を逃がす事に集中を!」

 

 シドゥリは兵士を指揮し、民の避難を行っていた。

 

(この魔獣は一体……)

 

 ウルクに襲来した魔獣、それは始めて目にするタイプだった。全身黒く、顔にあたる場所には口しかない、4本の脚を使い人を簡単に引き裂いていく。何か言語の様なものを放っているが意味は不明だった。

 

 兵士達が応戦しているものの此方からの攻撃は効かず一方的にやられている状況だった。

 

(このままでは……)

 

 

「□□□!」

 

 一瞬の思考で立ち止った事で、魔獣に距離を詰められたシドゥリ。その爪が彼女を貫こうとする。

 

「4g@7」

 

 

「えっ?」

 

 シドゥリを貫こうとしていた怪物の爪は止まり、かわりに怪物の胸から黒い剣が生えていた。そしてその剣を中心に怪物は黒い塵となって消滅する。

 

「間に合ったか……無事かシドゥリ?」

 

 そこに立っていたのは黒い鎧の人物。

 

「龍牙様……」

 

 それは破壊龍の鎧を纏った龍牙だった。シドゥリは安心したのか、力が抜けへたり込んだ。

 

 龍牙は膝を着くと、兜部分の鎧を消し、シドゥリを見た。

 

「怪我はないようだな」

 

 

「ありがとうございます……まだあの怪物が!?」

 

 シドゥリは龍牙に礼を言うと状況を思い出し声を上げた。

 

「安心しろ、もう終わった」

 

 シドゥリはそう言われ周りを見てみると、怪物達には黒い光の矢が刺さっており、先程の怪物お同じ様に塵になって消失し始めた。

 

「ぁあなってしまっては楽にしてやるしかないしな」

 

 龍牙はそう言うが、シドゥリにはその意味が分からなかった。

 

「シドゥリ、立てるか?」

 

 

「はっはい」

 

 龍牙の手を借り、シドゥリは立ち上がる。

 

「さてと……そろそろ出て来たらどうだ?」

 

 

「龍牙様なにを……!?」

 

 龍牙の言葉と共に現れたのは先程の怪物の群れ。

 

 シドゥリは怪物の群れに息を飲む。

 

 そしてその群れの中心が開き、そこから現れたのはシドゥリが知っている顔だった。

 

「エル……キドゥ」

 

 それはギルガメッシュの盟友であり、ウルクの民達にとっても親愛な友エルキドゥだった。

 

「ギルから聞いたよ。

 

 エルキドゥの死後、魔術王が墓を暴き、その身体に聖杯を受け込んだ事で再び命を得たのがお前だってな」

 

 

「その通りだよ、龍牙。

 

 改めて自己紹介をしよう。僕はキングゥ。新人類を導く者だ」

 

 キングゥはそう言うと龍牙は周囲を見渡す。

 

「新人類って言うのはその黒い奴等の事か?」

 

 

「そうさ、彼等はボクと同じ新しい人類たれた生み出された存在だ。

 

 とは言え、新人類らしく振る舞って欲しいけどね。

 

 無駄に殺しをしたり、愚かしい行為の数々……これでは欠陥品だ」

 

 龍牙はキングゥの言葉と共に辺りの空気がピリッと変わったのに気付く。

 

「キングゥ⋯⋯こいつ等が本当に新しい人類になれると思うか?」

 

 

「どういう意味だ?」

 

 

「俺は裁定者……数多の時代、数多の世界を見てきた。

 

 知能、能力が優れた人間と居る。しかしほんの一握りだけだ。

 

 人類全体は肉体的に未熟で脆く、精神的にも愚かな存在が殆どだ。

 

 自分達を救った奴を直ぐに危険視して処刑するくらいにな」

 

 かつての自分の事を思い出しながら彼はそう言った。

 

 キングゥは黙ってそれを聞いていた。

 

「だが人間はそれだけじゃない。

 

 短い命も、次の代に託す事で繋ぎ、己の命を引き換えにしても何かを守ろうとする心がある。

 

 正と負の両面合わせての人間だ。神々や上位存在からすれば愚かにしか見えなくてもな。

 

 それはどんな世界、どんな時代でも変わらない。

 

 永い時間を生きてる俺からすれば、それはとても眩しく、尊いことだ。

 

 だから俺は人間を見守り、己が責務を果たして来た」

 

 龍牙はそこで一旦区切り周囲を見回した。

 

「コイツ等は泥の身体、番なしに産まれる無性生殖、恐らく意識も共有してるんだろう? 

 

 ある意味、完成された生命と言ってもいいだろう」

 

 

「それがどうしたって言うんだ?」

 

 龍牙の言葉をキングゥが疑問に感じた。完成された存在であれば問題ないのではないかと。

 

「完成されたと言う事は変化がないと言うだ。

 

 退化もなければ、進化もしない。そんなものを本当に生命と呼べるか? 

 

 裁定者として俺は【否】と答えよう」

 

 

「お前達、静かにしろ」

 

 龍牙がそう言うと周囲の怪物達が騒ぎ始める。キングゥはそれを見て、怪物達を落ち着かせる。

 

「それだけかい?」

 

 

「あとはそうだな。この世界でも神代に巨神がやって来たよな」

 

 かつて神々が多く居た時代、星の海より地球に襲来した遊星。その遊星より尖兵がやって来た。その時、多くの神々が抗ったが、その殆どが殲滅された。

 

「神々ですら全滅寸前まで追い込まれた。

 

 だが、星の内海で人の祈りを材料として聖剣が造られ巨神を打ち倒した」

 

 神々すら敵わなかった存在に、人の祈りより造られた聖剣が打ち倒す結果となった。

 

「人が不完全で、弱く、儚い存在だからこそ、その祈りは巨神を討つきっかけとなった。

 

 もし同じ様な状況になった時、コイツ等に同じ事が出来るか?」

 

 

「⋯⋯」

 

 キングゥは言葉に詰まる。

 

「完全な生命であるが故に、祈る等と言う事はしないだろう。

 

 キングゥ」

 

 龍牙はキングゥを指差す。

 

「お前は⋯⋯お前自身は意味もなく他の生命を殺し、自分達の存在を増やしていくコイツ等をどう思う?」

 

 

「僕は⋯⋯ぅぐ!?」

 

 

 キングゥが何かを言おうとした瞬間、その胸を黒い何かが貫いた。

 

「オマエ⋯⋯モウイラナイ」

 

 キングゥが欠陥品と言った怪物達の一匹がそう言い放った。

 

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