~神域~
剣帝「それで、俺はこれからどうなるんですか?」
ドギー「審判の間と呼ばれる場所だ、それ以上の事は俺も知らん」
剣帝「審判の間…つまり、俺は裁判に掛けられる訳ですか」
ドギー「そう言う事だな」
剣帝「ふむ……俺はどんな罪になりますかね?」
剣帝はゆっくりとドギーの話を聞きながら前方に伸びている廊下を歩き進めていく
ドギー「さぁな。だが最悪極刑も考えておくといい」
剣帝「極刑……あの娘を残しては死ねない…」
剣帝はドギーに極刑と言われた瞬間顔を真っ青にしてから暗くした
ドギー「まぁ裁判長の気分一つで決まってしまうからな」
剣帝「そうなんですか……」
ドギー「ああ、主の食べたパンの屑を拾ったと言うだけで極刑になったり主に怪我を負わせたのに無罪放免とかな」
剣帝「ま、マジですか……」
剣帝は困惑した様子を隠せずにいる
ドギー「何がアウトで何がセーフなのかは俺達も解らん」
剣帝「そ、そうなんですか…あっ、そろそろ着く」
ドギー「………グットラック」
剣帝「………はい」
剣帝が暗い顔のまままっすぐ進むとそこには大きな裁判所が広がっていた
???「やぁやぁ。初めまして犯罪者君」
剣帝「…………始めまして」
クロウ「私はクロウと呼ばれてる公平な裁判長だよ」
夜鴉と瓜二つの男が高い位置に椅子にふんぞり返っていた
剣帝「あっ…はい…」
剣帝はクロウの様子を見ながら周りの様子を確認した
周囲は壁と天井、床等全て真っ白で構成させた裁判所が創られていた
剣帝「それで、俺の罪はどうなりますかね?」
クロウ「う~んう~んちょっと待ってね」
剣帝「了解しました」
剣帝はゆっくりと罪の宣告を待っている
剣帝(さて、どうなるかな)
クロウ「もしもし~、うん俺俺。そうそう息子のたかしだよ~。いや~ちょっと仕事でへましちゃってさぁ」
剣帝(ん?誰への電話だろうか)
クロウ「そうそう。至急500万必要なんだよ~。かぁちゃん息子を助けると思って振り込んでくれよ~」
剣帝(振り込め詐欺!?)
剣帝はこっそりとクロウの電話が終わる寸前に心の中でツッコミを入れていた
クロウ「うん、うん。ありがとうかぁちゃん」
剣帝「終わったみたいですね」
クロウ「よし、詐欺成功したし無罪で!」
剣帝「えっ、あっ、有難う、御座います」
クロウ「いや~、成功しなかったら極刑のつもりだったけどまぁ成功したし大丈夫だよ」
剣帝「怖えぇ!!あっぶな!それじゃ、俺は俺が元居るべき家に帰ります。宜しいですよね?」
クロウ「ん~、一応主に連絡は入れてるから此処でて左に曲がって一光年先に戻れる場所があるから帰った帰った。あ、出てから決して振り返ったり自力でドアを開けたりしたら駄目だからね」
剣帝「了解しました」
クロウの話を聞いた剣帝はもと来た道へクルリと体を反転させて歩き始めた
剣帝「道が長い!走ったら一時間も要らない可能性あるけど」
剣帝は屈伸や前屈等の準備運動を始めた
クロウ「早く行ってくれ。私はこれから女の子をナンパしたり色々やらないといけないことがあるんだ」
剣帝「あっ、はい!」
剣帝はクラウチングスタートで走り出し、すぐに姿が見えなくなった
クロウ「………これで良いんだよね。主様」
夜鴉「あはは。お前にしてはよくやったよじゃ、俺はゴールに居なきゃだからバイバイ~」
剣帝(ようやく帰れる!あの娘の元へ!俺の愛しい愛する嫁の、妹紅の元へ帰れる!)
剣帝はルンルン気分で全速力で廊下を走り抜けて行った
夜鴉「おっせーよ、次からは三十分で来い」
剣帝「スミマセン、愛する嫁に久し振りに和える気分だったのでつい速度に気がいかずに遅れました」
夜鴉「仕方無いな。んじゃ、入れよ」
目の前の扉を開けて剣帝を押し込んだ
剣帝「はいなって、んぎゃっ」
剣帝は押し込まれると少しの痛みを感じつつも笑顔で入った
夜鴉「クックックッ。お前の嫁達の居る家に帰れよ。あっはっはっは!」
剣帝(ん?嫁''達''?複数形……ってまさか!?)
剣帝は一つの疑惑を抱きつつ自分が元々住んでいる本来の自宅へと帰って行った
~剣帝の自宅:剣帝の部屋~
剣帝「……ただいま~……」
剣帝は空間に空いた穴からこっそりと自分の部屋の中に入り込んだ
剣帝「えーっとぉ…誰も…居な」
??「お帰りなさいませ、剣帝御兄様」
剣帝「シィーッ、静かにしろ剣狼」
剣帝がコソコソと部屋の中に入って行くと、突然剣帝の傍らに紫色の髪色をした長髪の人狼の少女、妖悪剣狼が現れた
剣狼「静かに…ですか。何故ですか?」
剣帝「いやー、ちょっと妹紅に勘付かれると………さ…」
剣狼「もう手遅れですわね」
剣帝が屈んで剣狼に命令をしていると剣帝が現れた穴が閉じ、穴が空いていた位置に白髪長髪の写真の少女、藤原妹紅が立っていた
妹紅「わたしに勘付かれると…何か問題でもあるのか?剣帝」
剣帝「あっ…いや…えっと……ただいま~」
妹紅「お帰りなさい、剣帝」
剣帝「……………」
妹紅「……………」
剣帝が背中に大量の冷汗を掻きながら後ろを振り返ると妹紅はニッコリとした恐ろしい程の笑顔を浮かべていた、そして、二人の間にヒヤリとした空気が流れていく
剣帝「……………ご」
妹紅「ご?」
剣帝「ゴメンナサイ、許して下さい!」
妹紅「何を許して欲しいんだ?剣帝」
剣帝は屈んだ体制が飛び上がり必死に土下座をして妹紅に謝り始めたが、妹紅はニコニコとした笑顔を浮かべ続けていた
剣帝「あっ…えっと………」
妹紅「……はぁ、取り敢えずリビングに来てくれるか?剣帝」
剣帝「はい…」
剣帝は妹紅に命令されるとモゾリと動いて立ち上がってゆっくりと妹紅の後ろに付いて行き、木造の廊下を軋ませながらリビングに歩いて行った、そして、リビングに着くとそこには黒髪のツインテールの見覚えのある後ろ姿があった
剣帝「………やっぱり」
セラ「あー、やっと来たんだね、剣帝君」
剣帝「何でここに貴方が居るんですか?セラフォルー様」
セラ「えーっとねぇ、剣帝君のお友達の神様のあの人に連れて来て貰ったの」
剣帝「………あぁ、あの方のあの言葉の意味はこういう事か」
剣帝は夜鴉が言っていた言葉を思い出しながら頭痛に悩んでいた
剣帝「それで、何でこっちに来たんです?セラフォルー様」
セラ「えっ?何でって剣帝君から離れたくなかったから」
剣帝「……見ての通り俺には奥さんが……」
剣帝はセラフォルーに喋りかけている途中で黙り込み、顔を俯け、リビングから出ていこうとした
セラ「どこに行くの?剣帝君」
剣帝「ちょっと、夜風に当たってきます」
剣帝は暗い顔のままリビングから出て行った、そして、それをセラフォルーが引き留めようと手を伸ばすが、剣帝がリビングから出て行った瞬間に剣帝は家の中から消えていた
セラ「あ、あれ?剣帝君は?」
妹紅「剣帝なら外に行ったわ………」
剣帝が消えた後、妹紅は俯き、セラフォルーは頭に疑問符を浮かべていた
~幻想郷:迷いの竹林~
剣帝「ゴメンな、妹紅…」
剣帝は月が夜空に輝く竹林にある家の縁側に座り込み、涙を流していた
無名「はいよー、毎度おなじみの無名さんだぜて、今回の話でようやくあの阿呆が帰ってきたみたいだが……相変わらず阿呆臭い真似ばっかりしてんなぁ、まっ、あのボケナスのやる事なんざ興味はほとほと無いけどな、さて、そんじゃ、また次回な、じゃな!」