剣の帝の異世界冒険   作:アルクロ

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第六十二話「無双の兄妹:後編」

~迷いの竹林:内部~

 

剣帝「…………出せる範囲は…三……五割か…」

 

剣帝は片手を握ったり開いたりを繰り返して自分の体の調子を確認した

 

剣帝「……さってっと、虐殺を始めるとしようか…行くぞ黒」

 

黒『へいへい、好きにしな』

 

剣帝が迷い竹林の外へと歩きながら黒影に話し掛けると剣帝の近くの竹の根本の影から黒影の声が響き、その後、竹の影から剣帝の影へ黒い何かが移動すると剣帝はニヤリと口を歪ませながら竹林の出口へと背中に手と足と大きな翼のある龍が刻印された白いマントを羽織り、そのマントをはためかせながら歩いて行った

 

~迷い竹林出入り口付近~

 

剣帝「一、ニ、三、四………多いなぁ」

 

剣帝が竹林の外へと歩いて出るとそこには剣帝が先程倒した虚ろな男性達とは違った五十人を超える軍服の男達が立っていた

 

剣帝(なるべく使いたくなかったんだがなぁ……これ使うとつまらないし……まぁ、そんな事を言ってる余裕はあんまりないか…)

 

男α「最重要危険人物が現れたぞ!総員、撃t」

 

剣帝「『喰らい尽くせ』」

 

剣帝が右手を伸ばし前に向けると剣帝の袖から大量の蛇が現れ、その蛇の軍団は男達に向かっていった

 

男α「な、何だこの蛇は!」

 

剣帝「それは俺のペットだ…可愛いだろう?」

 

男α「撃て!早く撃ち殺せ!俺は…蛇が…苦手なんだ!!」

 

剣帝「………蛇が苦手とは可哀想に、ならば、蛇に包まれて、体中を噛まれ、締め付けられて、死ぬが良い」

 

剣帝は喋りながら腕を伸ばし続け、その剣帝が伸ばしている右腕の袖からは剣帝が伸ばし続けている間ずっと蛇が湧き出続けた、その蛇の群れは男達の足元まで這って行き、男達の足に噛み付き、絡み付き、全身を取り囲み、締め付け、毒を流し込み、包まれた男達は一人残らず断末魔を上げながら、苦しみながら息絶えた

 

剣帝「………そろそろ全員死んだかな?さぁ、ご飯を食べて戻っておいで」

 

黒影『相変わらずエゲツねぇなぁ……幾ら蛇が好きだからって数千を超える蛇を体内に飼うのはどうかと思うぜ?』

 

剣帝「良いじゃないか、別に」

 

剣帝は断末魔が止むと同時に手を降ろしていた、そして、それと同時に男達が居た場所では、グチャグチャという肉が裂かれる音やボキボキと骨が砕かれる音、そして、クチャクチャという咀嚼音がした後、それらが止むと蛇達は剣帝の身体を這って登り、剣帝の袖の中を蠢きながら消えていった

 

剣帝「ご馳走様…五十人以上は居るなぁとは思ってたけど、まさか七十八人居たとはなぁ……まぁ、蛇たちの腹の足しにはなるか」

 

黒影『肉は蛇に、魂はお前に喰らい尽くされ、アイツ等の痕跡は血だけだな』

 

剣帝「それもどうせ消えるけどね」

 

剣帝がそう言いながら血溜まり、いや、最早血の海と呼ぶに相応しい物を見ていると剣帝の足元の影が急激に広がり、その影には大量の目や口が現れた、そして、影は剣帝の見つめている血の海に向かって伸び、血の海を全て覆うと血の海を一滴残らず吸い尽くした

 

剣帝「はぁーぁ、やっぱり朝に飲んだ妹紅の血の方がよっぽど美味しかったなぁ」

 

黒影『食事が済んだんなら次行かねぇとな』

 

剣帝「あぁ、分かってるよ、侵入者は全員……ん?」

 

剣帝が黒影と喋りながら次の標的を探しに行こうと足を踏み出そうとしていると、剣帝達の目の前に前髪の一部分だけが青く、そこ以外が全て黒い短髪の人物が歩いてきた

 

??「久々っすなぁ、剣帝ニィ二」

 

剣帝「………お前、未だに生きてたのか」

 

??「当然っすよ、オレっちはこれでもニィ二と同じ妖悪の姓を冠するもの、そうやすやすとは死にゃしないっすよ」

 

剣帝「なら、キッチリお前を殺してやるよ、今回みたいな事を起こされてちゃ面倒だ」

 

剣帝が右手を両腕を真横に向けて伸ばすと、その腕を這って数匹の蛇と一際大きな蛇が一匹、這い出てきた、そして、一際大きな蛇が口の中から刀の刃を出すと、それ等の蛇は一本に纏まり、二振りの刀が現れた

 

??「おやおや、本気っすなぁ!」

 

剣帝「そういう、お前もな」

 

剣帝が刀を出し終わった次の瞬間、剣帝の顔に向かって黒い線がヒュルンと音を立てながら伸びて行った、だが、剣帝は特に慌てる様子もなく、その自分の顔に向かって飛んできた線を右手の刀ではたき落とした、すると分かったが、その線の正体は青と黒の入り混じった髪の男の左手から伸びていた一本の剣の刃のようなものが付き節々で分かれるようになっている鞭のような武器だった

 

剣帝「蛇腹剣(じゃばらけん)、俺が作った武器の中では四番目に当たる作品だ」

 

??「さっすが、製作者はその辺もきっちり覚えてるんっすな」

 

剣帝「当然だ、あの時は離反されるとは思ってなかったからな、中、近距離武器として重宝するつもりだったんだがな!」

 

男は蛇腹剣を剣帝と会話している最中でも振るい、剣帝に攻撃を浴びせようとするが、剣帝はその尽くを斬り落とし、弾き落としていた

 

??「流石はオレっち達の創造主、オレっちの攻撃は全部捌かれるっすか」

 

剣帝「当然だろう、お前の攻撃じゃ俺に当てる事は」

 

??「なら、こんな手はどうっすか?」

 

男は剣帝の持っている蛇刀の刃に蛇腹剣をグルグルと巻き付け、ギリギリと言う金属音を鳴らしながら引っ張り始めた

 

??「オレっちがこんな手を使うとは、思ってなかったっすね?」

 

剣帝「まぁな、だが、問題は無い」

 

剣帝が巻き付かれた右手の蛇刀を手放すと、刀の刃は蛇の内側に収納され、蛇達はバラバラになり、地面に落ちた、そして、その蛇達は剣帝の足を這いずって登り、また剣帝の右手で刀の形を取った

 

??「うげぇー、そう来るっすか」

 

剣帝「俺がそうやすやすと武器を取られると思ったか?」

 

??「まっ、半分予想してたっすけどね!」

 

??(ニィ二が奥の手をまだ使ってないのも使う気がないもの……な)

 

男は蛇腹剣の刃を地面に跳ねさせながら剣帝に向けて伸ばすが剣帝はその軌道を読み、二振りの刀で弾き続けた

 

~Side:剣狼~

 

剣帝が竹林で男と戦い始めていた時、剣狼は霧の湖の湖畔で一人の女性と睨み合っていた

 

??「貴女は相変わらず獣臭いですわねぇ」

 

剣狼「そういう貴女こそ相変わらず、塗料臭いですわよ?」

 

??「ウフフッ、貴女の獣臭には負けますわ」

 

剣狼「そんな事ありませんわぁ、間違いなく貴女の方が臭ってますわよ?映菜(えいな)」

 

剣狼と向き合っている女性、映菜の服装は全身に白いキャンバスの様な真っ白のワンピースを着込み、着こなしている、そして、髪の毛は剣帝と同様に紅く、髪型は腰に届くほど長い髪をたなびかせていた映菜はニコニコとした笑顔を見せながら相手、剣狼への敵意と殺意で辺りの空気を重くし続ける

 

剣狼「フフフッ」

 

映菜「ウフフフッ」

 

剣狼「このモノマネ女!」

 

映菜「このヤンデレ狼!」

 

剣狼&映菜「『気に入らねぇ!』!」

 

剣狼と映菜はお互いに憤怒を顕にしながら相手に向かって走って行き、剣狼は大鎌を再度出現させ映菜の首に向けて振るった

 

映菜「そんなの、このわたくしに当たる訳が無いでしょう?」

 

剣狼「チッ、剣帝お兄様のお力を無闇やたらに真似て使うんじゃありませんわ、虫唾が走ります」

 

映菜「嫌ねぇ、わたくしの力を否定するのですわね?」

 

剣狼「否定はしませんわ、ただ、単に虫唾が走るので殺すだけですわ!」

 

映菜「それを世間一般では、否定している、と言うのではなくって?」

 

剣狼は映菜に激しい怒りを向けながら鎌を振るい続ける

 

剣狼「第一、貴女も剣帝お兄様を敬愛しているでしょう!なのに、何故お兄様を裏切ったのかしら!?」

 

映菜「そんな事、理由は簡単ですわ。あの方はわたくしを選ばずにあの女を選んだからですわ!」

 

剣狼「そんな事は理由にならないわよ!剣帝お兄様が妹紅さんを愛し始めていたのはずっと昔、私達が作られる前から変わらない、それは貴女の知っている筈でしょう!」

 

映菜「えぇ!でも、それでも、心変わりをしてわたくしを選んで欲しかった!いいえ、選ぶべきだったのですわ!わたくしはあの女よりも役立ってみせたのに!」

 

映菜は剣狼の大鎌での攻撃の回避を辞めると、剣狼の鎌を片手で止めた

 

剣狼「………この力は……怪力乱神、『星熊勇儀』さんの力ですわね……」

 

映菜「えぇ、流石は剣狼姉さんですわ。わたくしの使う能力をズバリと言い当てるとは」

 

剣狼「当然でしょう?私はあの方のお近くにずっと居続けた、貴女が創られるよりも前からずっと、だから、どんな力だろうと私には分かりますわ」

 

映菜「ならば、たっぷりと堪能させてあげますわ。わたくしの力を!」

 

剣狼と映菜は叫び声を上げながら互いの力をぶつけ合っている

 

~side:死帝~

 

死帝「久し振りねー、鏡花(きょうか)ちゃん」

 

死帝は紅魔館の前の霧の湖の畔で髪型と髪色が透き通るように白い長髪で、服装は上に白いカーディガンを羽織り、その下に水色ワンピースを着た、高身長の女性、鏡花と対面し、近寄っていた

 

鏡花「えぇ、お久しぶりですわ。死帝御姉様………相変わらず若作りしていらっしゃいますわね」

 

死帝「えー、酷ーい!アタシ若作りなんてしてないもーん!!」

 

鏡花「よく言いますわ………というか、そんな子供の姿でワタクシに勝てるとお思いですの?」

 

死帝「むぅー!………まぁ、この姿じゃ鏡花ちゃんには、勝てないのも事実ねぇ」

 

死帝は鏡花の発言にプンプンと怒っていたが、改めて言われるとハァー、と溜め息をつき始めた、すると、死帝の周囲に煙が起き、死帝がその煙に全身を包まれ、一分後にその煙の中から突如黒いサイドテールのスタイルの良い大人の女性が現れ出た

 

鏡花「そのお姿こそ、ワタクシが憧れ愛したお姿ですわ。死帝御姉様!」

 

死帝「その辺も相変わらずなのね、鏡花ちゃん」

 

鏡花「あぁ、その冷ややかな瞳、堪りませんわ!」

 

死帝「ハァ………どうしてこんなレズっ娘になっちゃったのかしらねぇ」

 

煙から現れた死帝に向かって鏡花はハァハァと息を荒くし、鼻息も荒くしながら近付いていくか、死帝は呆れたような軽蔑しているような、冷ややかな眼を向けながら、一定距離を保つようにしていた

 

鏡花「それは死帝御姉様や剣帝御姉様や無名御姉様の様にとても綺麗な女性に囲まれていたから仕方の無い事ですわ!」

 

死帝「意味が分からない上に近寄らないでくれるかしら?ついでに言うと剣帝兄は男性のお兄ちゃんが一番よぉ?」

 

鏡花「何を仰っているですか?剣帝御姉様や無名御姉様は女性の御姉様が一番ですわ!」

 

死帝(これだからこの娘は苦手なのよねぇ……)

 

鏡花「あぁ、気持ち悪がってる御姉様の御顔も素晴らしいですわ!」

 

死帝「気持ち悪いって思われてると分かってるなら、その気持ち悪い発言やめてくれるかしらぁ?」

 

死帝は鏡花の発言に顔をとても嫌そうなものに変え、鏡花が近づいてくる度に身体から殺気を放ち始めた

 

鏡花「嫌ですわ!ワタクシは御姉様達を愛しているのです!それとも、御姉様はワタクシ等を否定するのですか?」

 

死帝「別に否定はしないわぁ、ただ貴方がアタシに向けてくるその感情を気持ち悪いって言ってるのよ」

 

死帝は鏡花の発言が頭に来たのか懐から子供の姿の時に振るっていたものよりも刃渡りの大きな短刀を二本取り出すと逆手持ちで構えた

 

鏡花「怖がらなくても大丈夫ですわよ!すぐにワタクシの考えに賛同できるよう染め上げて差し上げますわぁ!」

 

死帝「やれるもんならやってみなさいよ、この曇り鏡!」

 

死帝は怒り心頭の表情をしながら鏡花に切りかかったが鏡花は片手に小さな手鏡を出すと、死帝が持っている二本の短刀を出現させ、死帝が振ってきた短刀を受け止め、弾いてガードした

 

死帝「こんの糞ガラス……」

 

鏡花「ウフフッ、今回こそは勝たせて頂きますわ、御姉様」

 

死帝「ほざくんじゃないわよ!」

 

二人は互いに短刀をぶつけ合い、戦闘を行い始めた

 

~サイド:双月~

 

氷月と炎月は自分達に向かってくる人影に警戒をしながら銃を構えている

 

氷月「炎月姉さん」

 

炎月「何?氷月」

 

氷月「一旦一つに戻りましょう」

 

炎月「まぁ、様子見にはなるものね」

 

炎月と氷月は相手には聞こえないよう小さな声で会話をすると、同時に銃を上に投げてそれぞれ右手と左手を合わせて、双月に戻り、上に投げた銃が降ってくるとそれをシッカリとキャッチして片手づつで構えた

 

双月「この病愛郷に如何なる御用件でしょうか?侵入者さん」

 

??「侵入者とは随分なあいさつじゃぁねぇかぁ、一応これでもお前さんらの兄妹なんだぜぇぇ?」

 

双月に向かってきた人影の姿は髪色は金髪で爆発したように髪の毛が逆立っていた、そして、服装は耳にピアスを付け下にはダメージジーンズを履き、上は髑髏が背中に描かれたスカジャンを着ていて中には爆発したような絵が描かれた服を着ている男だった

 

双月「双達の……兄妹?」

 

音刃「あぁ、そうだぜぇ、オレは音刃(おんば)、あのいけすかねえ剣帝の野郎が作ったお前らの兄妹だ!」

 

音刃と名乗った男が怒鳴るように大きな声を出すと、周囲に衝撃波が走り、双月の耳に耳鳴りが鳴り始めた

 

双月(音刃………あぁ、剣帝兄さんの下さった資料に載っていましたね……確か武器は)

 

音刃「どうしたどうしたぁ!!掛かってこいやぁ!!」

 

双月「うる………さい……です!」

 

音刃「良いねぇ良いねぇ!!!もっと来いやぁ!!!!」

 

音刃が叫ぶように声を出し続けると、突如音刃の周囲が爆発し始めた

 

双月(間違いありませんね……音刃、能力は声を爆弾にする力……と声が衝撃波に変わる力……そして、武器はマイク……)

 

音刃「オラオラぁ!本気で行くぞぉ!!!」

 

双月「出て……来ましたか……」

 

音刃が片手にマイクを出現させ、そのマイク越しにでも叫ぶと、音刃の叫び声が可視化出来る様になり、双月に向かって飛んできた

 

双月「来ましたね。爆裂音声」

 

音刃「やっぱりオレの能力は筒抜けって訳かぁ!!」

 

双月「当然でしょう!」

 

音刃「ハッハァー!!!面白いじゃねぇかぁ!!」

 

双月は音刃が放ち続ける叫び声に苦しそうな顔をしながら距離を取り、双月は音刃に向けて二丁拳銃を撃ち放ち始め、音刃も双月に向けて大音量の声と爆発する声を放ち続ける

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