剣の帝の異世界冒険   作:アルクロ

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第七十話「帝王の再来の決定」

~剣帝が眠りについてから一年後~

 

《???》

 

剣帝「ふぁーぁ………良く寝たぁ」

 

剣帝は周囲が完全に闇に包まれた真っ暗闇の中で上体を起こして、眠気眼を右手で擦っている

 

剣帝「あー………もう一年も経ったのかぁ」

 

剣帝は今現在、自分が居る場所と現在に到るまでで一番新しい記憶に残っている、自分が言った言葉を思い出していた

 

剣帝「………一年もあの娘に会えてないからな、早く帰らないとな」

 

剣帝はそう言いながら、自分の目の前に黒い穴を展開し、そのすぐ後に自分の顎に手を当て考え始めた

 

剣帝(普通に帰ったんじゃ、サプライズ感無いなぁ……そうだ、アレをやろう)

 

剣帝はニヤリと笑みを浮かべると右手を強く握りながら黒い穴の中に入って行った

 

《剣帝の自宅》

 

剣帝「ただいまぁ~、って言っても誰も反応しないだろうけど、ねっ!」

 

剣帝が自分の自宅に帰ると、そこには全ての動きが停止した世界が広がっていた

 

剣帝「いやぁ、こうすれば多分妹紅をびっくりさせられるだろうなぁ」

 

剣帝はぶつぶつと独り言を言いながら、自分の部屋から出ていき!リビングへと向かった

 

そして、剣帝が向ったリビングには妹紅がソファに座っており、剣帝は妹紅の姿を見つけると妹紅の後ろに周り込んでから、右手を開いた、すると、同時に止まっていた時が全て動き始めた

 

剣帝「ただいま!妹紅」

 

妹紅「わっ…何するんだ、剣帝」

 

剣帝「いやぁ、会うの一年ぶりだからさ、驚かせたくてね」

 

妹紅「それなら他の方法を使ってくれよ、流石に怖い」

 

剣帝「ごめんゴメン」

 

剣帝に突然抱き着かれると、妹紅は一瞬驚いたが、抱き着いた人間が剣帝と分かるとすぐに驚きが消えて何時もと変わらない表情に戻った

 

妹紅「そういえば、今回の眠る原因は外に立ってた、あの白い巨大な機械のせいか?」

 

剣帝「あー……うん、そうだね、ゴメンね?前もって言わずに寝ちゃって」

 

妹紅「別に気にしちゃ居ない……剣帝が突然なのは何時もの事だし」

 

剣帝「本当にゴメン……妹紅」

 

剣帝は何度も妹紅に謝りながら妹紅の頬を優しく撫でている、そして、そんな状態の二人の後ろに突如黒い穴が開き、そこから剣帝の頭に向けてチョップが振り下ろされてきた

 

無名「イチャつくなら自室に…しやがれ!」

 

剣帝「……フンッ」

 

無名「………何で見もせずに平然とチョップを止めて、更に俺の手首を折ってんだよ」

 

剣帝「いきなり攻撃してくるお前が悪い」

 

だが、剣帝は自分の顔を微動ださせずに一切後ろを見ることも無く、その振り下ろされてきた無名のチョップを片手で受け止めて、当然のように無名の首をゴキリッと音を鳴らしながらへし折った

 

しかし、無名は『あー、イテテ』とだけ言って、何事も無かったかのように振り下ろした右手の手首をまたゴキリと鳴らして元に戻した

 

無名「つうか、お前、どうやって俺のチョップを………あー、そういう事か」

 

剣帝「さて、どういう事だと思う?」

 

無名「テメェもその力に随分と馴染んだなぁ、神の力を目だけに部分展開して、正に''神眼''を使って…さしずめ未来視でもしたか?」

 

剣帝「正解、奇襲されたら面倒だからね」

 

無名が剣帝に文句を言う為に剣帝の目を見ると、剣帝の目は普段の黒色から金色に変色していた

 

無名「まぁ、それが出来れば探知とか簡単だもんなぁ」

 

剣帝「まぁ………なぁ」

 

無名「どした?剣帝」

 

剣帝「えーっと……人里にちょいと懐かしい人が居るから会ってくる、ゴメンね?妹紅」

 

妹紅「大丈夫だから、行ってらっしゃい」

 

剣帝は無名と話している最中に三秒間だけ止まると、妹紅から離れて近くのコート掛けに掛けて有った、コートを着てから帽子を右手で取り

 

そして、妹紅に謝罪をしてからリビングの出口を開き、帽子を頭に被ってからそのまま玄関の扉を開いて外に出て行った

 

無名(それにしても……剣帝が懐かしいって言う相手……誰だか気になるし付いて行ってみるか)

 

そして、剣帝に続いて無名も家から出て行った

 

~幻想郷:人里~

 

剣帝(んーっと…あの人は……おっ、居た)

 

剣帝は人里の中で人混みをすり抜けるように歩き、とある一軒の茶屋の店先の長椅子に座った

 

剣帝「スミマセン、みたらし団子と三色団子を六本」

 

店員「はい、承りました」

 

そして、お店の中に居る店員に注文をすると、帽子を脱ぎ、自分の横に置いてから口を再度開き、自分の斜め後ろに座っている三度笠を被った男性に話しかけ始めた

 

剣帝「…………お久しぶりですね。師匠、相変わらずお元気そうで何よりです」

 

男「フッ、お主に心配をされるとはな…」

 

剣帝「そりゃあ、長い間姿が見れなきゃ心配しますよ。お孫さんも心配してますし」

 

男「あの子にはもう教えるべき事は教えたから、問題は無い筈なんじゃがな」

 

剣帝と喋っている男性は顎から生やしている白い髭を触りながら剣帝に応対をしている

 

剣帝「一応、血の繋がった数少ない親族の安否ですし。そういう事関係無く心配すると思いますよ?」

 

男「まぁ……それもそうじゃな」

 

剣帝「………納得してるフリして、本当は納得なんてしてないんでしょう?違いますか?妖忌師匠」

 

妖忌「無論、あの子に儂が付いていてはあの子が儂に頼ってあの子の成長の妨げとなってしまうからのぉ」

 

剣帝と話していた男性、妖忌は頭から三度笠を脱いで自分の隣に置いた

 

剣帝「妨げ……ですか」

 

妖忌「うむ、故に今のところは儂は戻らぬつもりじゃ」

 

剣帝「それでも偶に位は」

 

店員「お待たせ致しました」

 

剣帝「あぁ、スミマセン」

 

剣帝と妖忌は背中越しに喋り続け、妖忌の発言に反応して剣帝が後ろを振り返ると同時に店員が注文していた団子を皿に乗せてやってきた

 

剣帝「とにかく…モギュモギュ……一回は…ゴックン……戻った方が良いのでは無いですかね?」

 

妖忌「儂は別に逃げるつもりはないから食べるか喋るかどちらかにした方が良いと思うがのぉ?」

 

剣帝「………そういう事ならそうしますかねぇー」

 

??「ギャッ!」

 

剣帝は団子をモグモグと食べ進め、串を一本食べ終わると、妖忌の方向を向きつつ串を後方に弾き飛ばした

 

すると、剣帝が串を飛ばした方向に居た剣帝に銃を向けていたと思われる黒い服装の男のオデコにクリーンヒットした

 

剣帝「ワァー、キズカナカッタナァー、ソンナトコロニイタラアブナイゾー?」

 

妖忌「わざとらしいにも程が有るのぉ?剣帝」

 

剣帝「まぁ、気付いてましたからね。店の屋根の上に後二人と…近くの民家の間に後三人、それから、店の店員もグルですかねぇー」

 

店員「な、何の事でしょうか?」

 

剣帝「惚けなくても良いですよ?団子の味が変でしたし、さすじめ麻痺の薬ってところですかね。まぁ、人間が作った薬程度の毒みたいな薬じゃ、俺には通じませんから。問題無いですけど、ね♪」

 

剣帝は黒い服装の男の近くに座り込み男のオデコから串を引き抜き、喋り始め、ある程度喋ってから店の方向に向き、自分に向かって放たれてくる銃弾の軌道を串一本で逸らしつつ、店員の近くに歩いていく

 

店員「ば、化物め……」

 

剣帝「今更気付いたのかな?俺は紛れもない化物だよ?っと」

 

男「グフッ……あ……あぁ……」

 

剣帝「おいおい、剣狼、勝手に殺すなよ」

 

剣帝が店員のすぐそばに立ち、店員を見下ろしながらニヤリと笑みを浮かべていると

 

剣帝が少し前まで居た場所に寝そべっている状態の男の腹部の背中に何処からともなく紫色の刃の大鎌が飛んできて男の体を貫通して突き刺さった

 

そして、剣帝が男のその状態に気付くと振り向きながら剣狼の名前を呼んだ、すると、大鎌の形がグニャリと歪み初めて、人の形を取った

 

剣狼「剣帝御兄様に敵意を向ける途方も無い阿呆を見逃すなど、私には出来ませんわ!!」

 

剣帝「あー、うん、忠義心は結構なんだが、俺的には情報欲しいから……ね?」

 

剣狼「………なるほど、了解致しましたわ!」

 

剣狼は剣帝に軽く抗議をしてから、剣帝の言い分と聞くと二秒間だけ顎に手を当てて考えてから納得をして、腹部に穴を開けられた男の横腹を蹴り上げ始めた

 

剣狼「貴方達は一体誰の差し金ですの!?何処の誰が私の愛する剣帝御兄様に貴方達のような輩を差し向けたんですの!?」

 

男「グッ!……ガハッ!……ゲホッ!……オエッ……うぅ……」

 

剣狼「早く答えなさい!」

 

剣帝「剣狼~?ステイステイ」

 

剣狼は男の横腹を蹴り続けながら男に質問し始め、男が痛みで呻いて質問の返答を中々しない事に腹を立てたのか剣狼は剣帝を止める直前、男顔面を全力で蹴ろうとしていた

 

だが、剣帝にステイと言われると、ニッコリとした笑みを浮かべながら足を揃えて剣帝の方を振り向いた

 

剣狼「何ですの?剣帝御兄様」

 

剣帝「ソイツ、もう腹に風穴開いてるから、な?そんなにお前が蹴っちゃ死んじまうだろう?」

 

剣狼「そんな……御自分の身体を狙ってきた阿呆の傷を心配するだなんて!私、感激致しましたわ!」

 

剣帝「あー、はいはい、そんな事はどうでも良いから全員捕まえて来い…よっと」

 

剣帝が自分の後頭部を掻きながら倒れている男に歩いて近づいていると、剣帝の後頭部目掛けて風を切りながら一発の弾丸が猛スピードで飛んできた

 

そして、その弾丸が剣帝の後頭部に当たる直前で、剣帝はその弾丸を人差し指の親指の二本だけで摘んで止めて、その弾丸の形状を見てから飛んできた方向を見つめた

 

剣帝「んー………イマイチ見えないなぁ……仕方無い、ちょっと''視''えるようにするか」

 

~人里から五キロ離れた地点~

 

狙撃手「嘘だろ!?あの弾丸も止めるのかよ……」

 

剣帝の居る位置から五キロほど離れた位置に居た狙撃手は剣帝の行動に驚いて一旦スナイパーライフルのスコープから目を離し、そのすぐ後に剣帝の様子をスコープで確認した

 

すると、狙撃手がスコープを覗いた瞬間に見えたのは変わらず狙撃手の居る方向を見ていた剣帝の姿だったが、ただ唯一、剣帝の顔付きがニッコリとした笑みに変わっていた

 

~人里~

 

剣帝「見ぃ付けたぁっと」

 

剣狼「行ってらっしゃいませ、御兄様」

 

剣帝「ん?行かないよ?向こう行くまでで逃げられたら面倒だからね」

 

剣狼「では、どうなさるおつもりですの?」

 

剣帝「こうする」

 

剣帝は自分の懐に手を入れ、そして、ゆっくりととある銃を引き抜いた、その銃の銃身にはXという文字が刻印されていた

 

剣狼「あぁ……その銃を使われると言う事は…一応周りへの被害削減の配慮ですの?」

 

剣帝「まぁねぇー」

 

剣狼「それでは、私はこの阿呆共を連れて先に戻って居ますわね」

 

剣帝「あー、速攻で終わるからちょい待ち…なっ!」

 

剣帝が取り出した銃のトリガーを引き絞ると、剣帝の持っている銃からは橙色の炎の塊のようなビームが放たれ、そのビームは狙撃手の元に難なく届き、狙撃手を骨一つ残さずに焼き尽くした

 

剣帝「さっ、帰るぞー」

 

剣狼「はい、分かりましたわ」

 

剣帝はビームを撃ち終わると、銃を懐に仕舞い込み、自分を狙ってやってきていた連中を目にも止まらぬ速さで気絶させていき、脇に抱えた

 

そして、剣狼と合流してから妖忌に『それでは師匠、また何処かで』と言い残して人里から歩いて帰って行った

 

~剣帝の自宅前~

 

剣帝「聞き出し宜しくなー、まぁ、大体の予想は付けてるけど」

 

剣狼「畏まりましたわ」

 

剣帝「んじゃ、また後でなーっと」

 

剣帝は持ってきていた刺客たちを全て剣狼に渡すと、扉を開けて自宅の中に入っていった

 

剣帝「ただいまぁーっと」

 

セラ「あっ、丁度良い時に帰ってきてくれたね、剣帝君」

 

剣帝「どうしました?セラ様」

 

セラ「こっち来てから一年経ってるし、ちょっと里帰りしたいの」

 

剣帝「…………ちょっと待ってて下さいね、夜鴉様に許可取ってきますので」

 

剣帝はセラフォルーに里帰りしたいと言われると溜息をつきながら再度家の外に出て、空を見上げて息を吸い込み

 

剣帝「夜鴉様ー!」

 

ペタン「主への連絡ですか?」

 

剣帝「あっ、はい……実は……」

 

剣帝が再度ハイスクールD×Dの世界に夜鴉に送って貰おうと夜鴉の名前を呼ぶと、やってきたのは夜鴉ではなく、その部下のペタンだった

 

剣帝「俺の家に居るセラ様が里帰りをしたいと言っていまして」

 

ペタン「そうですか……理由は?」

 

剣帝「一年間会ってないから寂しくでもなったんじゃないですかね?」

 

ペタン「ではもう帰ってこなくてもいいですね。何度も何度も次元超えるのは私共としても面倒なので」

 

剣帝「…………一応、俺も同伴しなきゃいけないんで、結果的に俺も帰れなくなってしまいます」

 

ペタン「次元の壁越えるのは私なんです。主が送るのに壁を穴を開けるのは私です。素手で開けるので案外痛いんですよ」

 

剣帝「それはぁ……スミマセン……」

 

ペタン「貴方単体なら別に少し開けて放り投げるからいいんです。ですが複数になるとその三倍以上の穴を開けなければ行けないのです。なのでその女を投げ入れるだけなら楽なのでもうそれでいいですか?それなら試練等はもういいので」

 

剣帝「………申し訳無いんですが。俺自身もう一度向こうに行って鍛えたいんで、お願いします」

 

ペタン「はぁ……では後日その女と一緒に試練受けさせますので…はぁ……」

 

剣帝「スミマセン…………」

 

ペタン「多分主は前同等の事させますのでその女を守りなさい。」

 

剣帝「…………了解しました」

 

剣帝はペタンとの話を進めると、剣帝はペタンに申し訳無さそうに頭を下げてから、試練についても了解した

 

剣帝「それでは」

 

剣帝はペタンにお辞儀をしてから自宅に戻っていった

 

剣帝「只今戻りました」

 

セラ「お帰りなさい、剣帝君、それで行けそう?」

 

剣帝「条件付きでなら行けそうです」

 

セラ「そっかぁ、それじゃあちゃんと準備してから行かないとね」

 

剣帝「そうですねぇー……」

 

剣帝が家の中に戻り、セラフォルーに行けるかどうかの報告をすると、セラフォルーは嬉しそうにハイスクールD×Dの世界に行く準備を始めようと部屋に向かい、剣帝はその様子を疲れた眼差しで見送っていた、そんな様子の剣帝にゆっくりと妹紅が近付いてきた

 

妹紅「なるべく早めに帰ってきてね?剣帝」

 

剣帝「分かってるよ」

 

妹紅「それじゃあ、行ってらっしゃい」

 

剣帝「あぁ、行ってきます」

 

そうお互いの顔を見つめ合った二人はそのまま互いに顔を近づけてキスをし始め、そのまま十数秒間互いの舌を絡めつつキスし続けた

 

そして、その数時間後、剣帝とセラフォルーは空中に空いた穴に入っていき、ハイスクールD×Dの世界に転移していった

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