~京都:路地裏~
京都の人通りが無さそうな路地裏の地面に魔法陣が展開され、そこから剣帝が現れ出てきた
剣帝「あー、着いた着いた……さて、観光と行こうかな」
剣帝は路地裏から大通りにこっそりと出ていくと京都を観光しようと街の中を歩き始め
剣帝(………適当に腹に何か入れたいし…何か買おうかなぁ…)
剣帝が周りを見回していると、ふと焼き鳥屋が目に止まり、剣帝は口元に笑みを浮かべてからその焼き鳥屋に近づいた
剣帝「スミマセーン、タレの焼き鳥を十本と塩の焼き鳥を十本下さいな」
剣帝は焼き鳥屋に入ると、持ち歩きながら食べる為の焼き鳥を多数注文した、その注文を聞くと店員は多々慌てつつも焼き鳥を用意して剣帝に手渡した
剣帝「有難う御座います。はいこれ、お釣りは要りません、これからも頑張って下さいね」
剣帝は焼き鳥を受け取るとお会計の金額を聞くと同時に三万円財布から取り出して、カウンターに置き、そのまま店から出て行った
剣帝(ん~、やっぱり焼き鳥は良いなぁ)
黒影『オイッ、ボケ』
剣帝(何だよ、黒)
黒影『何だよじゃねぇよ、三万も一気に置いてきやがって』
剣帝(別に良いじゃんか、美味しい焼き鳥を作るお店には繁盛して貰いたいんだよ)
黒影『はぁ~……相っ変わらずの焼き鳥贔屓だな』
剣帝はルンルン気分で焼き鳥を食べながら町中を歩いていき、そんな様子の剣帝を剣帝の内側から見ていた黒影は溜息をついていた
剣帝(それはそうと……次はどこに行こうかなぁ?)
黒影『適当に町中を散策で良いんじゃねぇのか?』
剣帝(それだとここ、京都に来た観光の意味が無くなるだろうが………そうだ、伏見稲荷大社でも行くか)
黒影『オイゴラ、お前、今現在は仮にも悪魔だろうが、頭痛喰らうぞ?』
剣帝(平気平気~、耐えれるから)
黒影『普通は無理な筈なんだがなぁ……つくづく常識外れなやつだ』
剣帝は少し前に買った焼き鳥のタレの五本目を食べつつ、伏見稲荷大社に向かって歩いていく
~京都:伏見稲荷大社前~
剣帝「はぁ~、やっぱりデッケェなぁ、鳥居」
剣帝はユラユラと歩きながら鳥居に近づいて行き、鳥居の下を潜ろうとした、その瞬間、剣帝は何かに衝突した
剣帝「あ痛っ」
黒影『結界だな、どうするんだ?剣帝』
剣帝「んー、ちょい待ち………あー、ブチ抜けるし、通るわ」
黒影『ゴリ押しじゃねぇか』
剣帝が軽く目の前でデコピンをすると、鳥居の下に貼られていた結界の一部が砕け、人一人入れる程の隙間が空いた
剣帝「さっ、バレる前に行くぞー」
黒影『相変わらず過ぎて笑えてくるな……』
剣帝「俺はお参りがしたいんだよ!」
黒影『信心深い悪魔だこって……』
剣帝は神社の敷地内に入ると同時に頭痛を多少感じつつも歩みを進めていき、本殿に四十五円を入れて御参りをしていた
剣帝(これからも末永く妹紅や八剣と一緒に居れますように)
黒影(俺に見合ったサンドバック(玩具)が手に入りますように)
剣帝「さってと、千本鳥居に行くか」
黒影『今度はブチ破るなよ?量が多そうだし』
剣帝「多分大丈夫大丈夫」
剣帝はユラユラと身体を揺らすように歩きつつ焼き鳥を食べ続け、神社の境内を奥へ奥へと歩いていく
すると、剣帝の視界内に最近見た見覚えのある後ろ姿が見えてきた
剣帝「えーっとぉ……あの後ろ姿はー……もしかしてぇ……」
黒影『十中八九、あのエロガキ一味だな』
剣帝「少し前に一悶着起こしたし…あんまり顔は合わせたくないなぁ」
黒影『なら、こっそりと行くとするか』
剣帝は修学旅行で京都に来ていた一誠達を見付けると、少し困った表情を浮かべつつも、距離を取りながら歩いていき
剣帝「おっ、見えてきた見えてきた……ん?」
黒影『なぁんか上の方から妙な気配がするな』
剣帝「………この気配は……向こうでも度々感じた事あるのが有るな…これはー」
黒影『烏天狗だな』
剣帝「あー………」
剣帝はさっきよりも困った表情を浮かべ、少しの間考え込んでからまた前方に向かって歩いていく
黒影『良いのか?バレかねんぞ?』
剣帝「その時はその時、どうにかするよ…」
黒影『九尾の力でも振るうのか?』
剣帝「場合によっちゃね」
剣帝は焼き鳥のタレ残りの二本をゆっくりと食べながら歩き続けていきつつ、前方を歩いていく一誠達を見つめていた
すると、突然一誠が他の仲間を置いて走り出していき、それを見ていた剣帝は少し驚いた表情になっていた
黒影『剣帝、上の気配が荒立ってきてるぞ』
剣帝「んー……仕方無い、行くか」
黒影『あいよ』
剣帝は頂上付近の気配の動きを察知して、脚に多々力を込めて、勢い良く階段を駆け上がっていく
~伏見山:頂上~
一誠「何言ってんだ!俺はお前の母ちゃんなんて知らないぞ!」
??「嘘をつくな!わたしの目は誤魔化しきれんのじゃ!」
山の頂上の神社で一誠は石鳥居の上に立っている謎の巫女服を身に纏った頭から狐耳を生やし、背部には狐の尻尾を携えた少女に喧嘩を売られていた
そして、少女が一誠に向けて手を振るうとその少女の下に居た山伏のような格好をした烏のような見た目の生物が錫杖を片手で持ちながら、一誠に向かって飛んでいった
一誠「うおっ!」
その烏のような見た目の生物が振るった錫杖を避けようと一誠を身を低くしていたが、何時まで経っても錫杖は一誠の頭上を通り過ぎなかった
そして、それを不審に思った一誠が自分の目の前を見ると、其処には、素手の右手一本で錫杖を受け止めている、和服に身を包んだ剣帝が立っていた
剣帝「やぁ、一誠君、先日ぶりだね」
一誠「なっ!?テメェが何でここに居るんだよ!」
剣帝「そんなに怒らないでよ……先日はゴメンね、少し一誠君の実力が知りたくってさ…痛かったかな?」
一誠「あぁ……問題ねぇよ、アーシアに治療して貰ったし」
剣帝「それは良かったよ」
剣帝は片手で錫杖を握りながら一誠の方向を向き、少し前に一誠を殴り飛ばした事を謝っていた
その間に錫杖を握られていない別の烏のような見た目の生物が剣帝の頭部目掛けて錫杖を振るってきた
一誠「危ねえ!」
剣帝「心配有難う、でも、問題無いよ!」
剣帝は空いていた左手でもう一本の錫杖も握り締めて平然と受け止めた
剣帝「さぁ、一誠君は早くお逃げ、ここは俺が引き受けとくからさ」
一誠「そんな事させられっかよ!俺も戦うぜ!」
剣帝「………有難うね、一誠君」
??「ぬぅぅ……不浄なる魔なる者共めぇ……」
剣帝「不浄なる……ねぇ?」
剣帝は狐耳の少女に不浄なる者と言われて少し頭に来たような表情を一瞬だけ見えた後、すぐに平常の顔に戻した
剣帝「それにしても……数が多いなぁ、狐が十は居るし……烏天狗もだな……仕方無い」
??「掛かれぇ!!」
一誠「クッソ、何でいきなり襲われなきゃならねぇんだよ!」
剣帝「一誠君、ちょいと伏せてね!」
一誠「へっ?……うわっ!」
剣帝は両手で持っていた錫杖を少し勢いを付けて押しつつ離し、その後すぐに右手の指を鳴らした、すると、剣帝の背後に巨大な九本の狐の尻尾が現れ、周囲に居る妖怪達の腹部に勢い良く当たった
??「なぬっ!?」
一誠「はぁ!?何だよそれ!」
剣帝「俺の秘密アイテムだよん…まっ、気にしない気にしない」
??「何故、妖怪が魔なる者なぞに……」
剣帝「そこも気にしない、さて、一つ提案だ、大人しく俺にボコられるか、大人しく帰るか、選べ」
??「て……撤退じゃ……おのれ邪悪な存在め!必ず母上は返して貰うぞ!」
少女は剣帝の提案を聞き入れたのか苦虫を噛み潰したような顔をしながらも周囲に撤退を命じて、竜巻と共に消えて行った
剣帝「ふぅ……良かった良かった、帰ってくれた」
一誠「剣帝……アンタ一体」
剣帝「まっ、その辺は気にしないでくれるかなっと、そんじゃあねぇー」
剣帝は一誠に自分の狐の尻尾について聞かれそうになると慌てて飛びさって行った
~京都:町中~
剣帝「はぁー、危ない危ない……ん?」
剣帝が息をついていると剣帝の耳元に通信用の魔法陣が展開されてきた
セラ『もしも~し、剣帝君?』
剣帝「はい?何ですか?セラ様」
セラ『今ね、サーゼクスちゃんに頼まれて京都の方に来てるの、剣帝君来てくれない?』
剣帝「…………了解しました」
剣帝はセラフォルーからの連絡を聞き終えると、自分の足元に魔法陣を広げてセラフォルーの元に転移し始めた
~京都:宿~
剣帝「申し訳有りません、遅れました」
セラ「やっと来たのね、剣帝君」
剣帝「着替えるのに多少手間取ったんですよ」
剣帝は転移してから少しの間部屋で寛いだ後、服を和服からいつも通りの執事服に着替えて部屋に入った来た
そして、剣帝は客間に入ると、セラフォルーの側に座り込み、テーブルの上に並んでいる料理を食べ始めた
剣帝「………美味しいですね。鳥料理」
セラ「でしょ~?ここの鳥料理は絶品ってサーゼクスちゃんが言ってたの」
剣帝「へぇ~、そうなんですかぁ……」
アザゼル「………なぁ、さっきから思ってたんだがよ、お前さん等何時こっちにきたんだ?」
剣帝「ん?んーっと……少し前からですかね。大体そこに座ってる一誠君がジャガーノートで暴走した時です」
アザゼル「あの時のヴァーリの話はマジだった訳か………」
剣帝は料理を食べ進めながらアザゼルから向けられてきた質問に返答していく
剣帝「そういえば、アレからも大紅竜さんとはアツアツですか?」
アザゼル「アンタ………それは嫌味か?」
剣帝「いえ?違いますが?」
アザゼル「嫌味にしか聞こえねぇよ………」
剣帝とアザゼルが会話をしていると、横から一誠等が口を挟んできた
一誠「アザゼル先生、剣帝とはどういう関係だ?」
アザゼル「どういう関係も何も………あー、そういや、お前等は剣帝に記憶消されてんだったな」
一誠「はぁ?記憶を消されてる?」
剣帝「………さて、そろそろ俺は退室しますねぇ………アザゼルさん、無駄口叩いてると大紅竜さん呼びますからね?」
アザゼル「っとと、悪いが俺からは話せねぇな」
剣帝「それじゃあ、セラ様、御用の際は通信用の魔法陣でお願いしますね」
剣帝はアザゼルが自分について話そうとしている様子を見ると、自分が使った食器を片付け、立ち上がってから、退室しようとし始めた
そして、退室する際にアザゼルが自分の事を喋らないように釘をさしてから出て行った
剣帝「はぁ……疲れる」
剣帝は宿の廊下でため息をつきながら、自分が泊まっている部屋に向かって行った