剣の帝の異世界冒険   作:アルクロ

79 / 88
第七十四話「英雄と覇王」

~京都:宿~

 

剣帝「んんぅ……妹紅ぉ…」

 

黒影『オイゴラ、ボケ兄貴!もう朝だ!起きろ!』

 

剣帝「後五分~」

 

黒影『…………寝坊する奴は妹紅ちゃんに嫌われんぞ』

 

剣帝「お早う」

 

剣帝は宿の自分の部屋で布団に包まりながら眠り続けていたが、黒影に起きろと言われ、とある事を言われるとおとなしく起き上がった

 

剣帝「ふぁーぁ………今何時だ?黒」

 

黒影『んなもん自分で確認しろや』

 

剣帝「………ケチだなぁ」

 

黒影『黙れポンコツ兄貴』

 

剣帝「はぁー………何だ、もう八時だったのか」

 

剣帝は精神内に居る黒影と喋りながら執事服に袖を通して、キッチリと着こなし、最後に眼鏡を掛けた

 

そして、剣帝が服を着終わると同時に剣帝の耳元に通信用の魔法陣が展開された

 

剣帝「はい、何の御用でしょうか?セラ様」

 

セラ『今から妖怪さん達の所に行くから剣帝君も来てくれる~?』

 

剣帝「了解しました。今から向かいます」

 

セラ『それじょあ、また後でね☆』

 

剣帝はセラフォルーからの通信を聞き終えると、右手の指を鳴らして自分の足元に転移用の魔法陣を展開して、セラフォルーの元に転移を始めた

 

~妖怪の隠れ里~

 

剣帝「お待たせ致しました」

 

セラ「大丈夫よ、わたし達も今着いたところだもん」

 

剣帝「そうなんですか………で、何ですか?」

 

セラ「えーっとね、これから妖怪さん達が剣帝君とかを襲った理由を聞くから、一応ね?」

 

剣帝「なるほど」

 

剣帝は妖怪の隠れ里に居るセラフォルーの目の前に転移してきて、セラフォルーに呼び出した理由を聞き、その理由を聞いてから納得をしていた

 

そして、セラフォルーの横に昨日襲ってきた狐耳の少女の姿を確認した

 

剣帝「やぁ、昨日ぶりだね」

 

九重「わたしは、表と裏の京都に住む妖怪を束ねる者、八坂の娘、九重(くのう)と申す、先日は申し訳無かった、お主の事情も知らずに襲ってしまった…どうか許して欲しい!この通りじゃ」

 

剣帝「んー……誤解は解けてるみたいだし、別に気にしなくても良いよ?こっちは特に怪我とかしてないし」

 

九重「し、しかし……」

 

剣帝「それに、九重ちゃんはお母さんが心配なんでしょう?」

 

九重「と、当然じゃ!」

 

剣帝「それなら仕方が無いと言えるだろうからね、攫ったと思われるのは悪魔とか、そして、俺は現在は悪魔だ、疑われるには十分な理由だからね」

 

剣帝は自分に向けて頭を下げて謝罪してくる九重の頭を優しく撫でながら九重に向けて喋りかけた

 

剣帝「ついでに、聞きたいんだけど」

 

九重「な、何じゃ?」

 

剣帝「俺がこの前ふっ飛ばした妖怪達、平気?怪我とかしてない?」

 

九重「だ、大丈夫じゃ」

 

剣帝「なら、良かったよ、幾ら襲い掛かられたとはいえ、お互い事情も知らないでふっ飛ばしちゃったからね、ゴメンね?」

 

九重「う、うむ………」

 

剣帝は屈んで九重と目線を同じくらいの高さにして、九重に質問をしてから謝罪をしていた、そして、剣帝は自分がふっ飛ばした相手の安否を聞き終えると安堵したような表情をしながら足を伸ばした

 

剣帝「ところで、セラ様、今回の騒動の経緯などの説明頂けます?」

 

セラ「それは一誠君とかが来てからで良い?」

 

剣帝「分かりました」

 

剣帝はセラフォルーに今回九重の母親が攫われた経緯などを聞こうとしたが、その内容などを聞けるのは後回しと言われ、少し残念そうな顔をした

 

そんな剣帝の足元で九重が剣帝の服の裾を引っ張り、セラフォルーとアザゼルの近くから少し離れさせようとした、すると、剣帝は大人しくその誘導に従い、二人から離れた位置に移動し、再度屈んだ

 

剣帝「何かな?九重ちゃん」

 

九重「お主は……九尾の妖狐で間違いなかろう?」

 

剣帝「そうだよ…………まぁ、色々と事情があってね、今は悪魔だよ」

 

九重「ふむ………ならば余計な詮索はすべきではないな」

 

剣帝「そうしてくれると助かるなぁ」

 

九重「承知した」

 

剣帝は九重と話し終えると、足をまた伸ばして立ち上がり、セラフォルーの側に戻っていった

 

セラ「何の話をしてたの?」

 

剣帝「まぁ、軽い世間話ですよ」

 

セラ「ふぅ~ん?」

 

剣帝「さて……そろそろ一誠君達来るんじゃないですかね?」

 

剣帝がそう言っていると、剣帝達の正面から一誠やアーシア等が歩いてやってきていた

 

そして、一誠等が到着すると、剣帝やセラフォルー達は後ろにあった大きな屋敷の中に入り、今回の騒動の経緯を聞き始めた

 

剣帝(英雄派……)

 

黒影『面白そうじゃねぇか、ブッ飛ばしてやり甲斐が有りそうだしな』

 

剣帝(まぁ、その辺はその時の相手の力量次第だな、下手すりゃこっちが吹っ飛ばされかねん)

 

黒影『ヒャハハッ!そうかもな!』

 

剣帝が黒影との話に集中していると、セラフォルーやアザゼルの話が終わり、剣帝達の目の前にとある一枚の巻物が開かれた

 

そこには金髪で長い髪をした背後に大きな狐の尻尾を持つ大人の女性の絵が大きく描かれていた

 

剣帝「………………」

 

セラ「えっ!?け、剣帝君!?何で震えてるの?」

 

黒影『はぁー………』

 

剣帝はその絵を見た瞬間に周囲から見ても異常なほどに震え始め、その状態を体内から見ていた黒影が剣帝の体から出てきた

 

黒影「セラちゃん、こりゃ発作だ」

 

セラ「へっ?発作?」

 

黒影「あぁ、一分も経ちゃ回復するし、その間の話はちゃんと聞いてるから話を進めな」

 

剣帝「…………」

 

セラ「へ、へぇ~」

 

剣帝「…………はっ!」

 

大天狗(この男に任せて、大丈夫じゃろうか)

 

剣帝のそんな様子を見て、剣帝の正面に座っていた大柄の赤い顔をした天狗は事態がちゃんと解決させられるのか心配になっていた

 

アザゼル「まっ、そういう訳だから、何かあるまでは旅行を満喫してても良いが、いざという時は頼むぞ?」

 

一誠「はいっ!」

 

アザゼル「それと明日は、取材と交流を兼ねて姫様が観光案内をしてくれるそうだ」

 

九重「宜しく頼むぞ」

 

剣帝はアザゼルの説明などを聞き終えると、ふらりと立ち上がり、自分の部屋に帰ろうとし始め

 

~翌日:宿~

 

剣帝「………さて、観光と行こうか」

 

黒影『と、言いつつ、どうせ警護だろ?』

 

剣帝「まーな」

 

黒影『んじゃ、とっとと行こうぜ』

 

剣帝「はいはい」

 

剣帝はまた右手の指を鳴らしてから起き上がり、今回はスタスタと宿の入り口から出て行った

 

~京都:駅前~

 

剣帝「はぁー、楽しそうだなぁ」

 

黒影『まぁた焼鳥食ってんのかお前は』

 

剣帝「もっちろーん、っと移動し始めた」

 

黒影『行くぞー』

 

剣帝はモグモグと焼き鳥を持ちながら一誠達にバレないように後ろから歩いていっていた

 

九重(…後ろからあの男の気配が……そういえば、あの男の名前を聞いて居らなかった…そういえば、剣帝と呼ばれて居ったな)

 

剣帝「あぁ…美味い」

 

黒影『護衛中に食いもん食うなよ』

 

剣帝「良いじゃん別に、反応はちゃんとするからさ」

 

剣帝は焼き鳥を食べ進めながらスタスタと一誠達の後ろをついて行き続け

 

~渡月橋:橋の上~

 

剣帝「流石に此処はマズそうだ……な?」

 

黒影『来たみたいだぜ、お客さんだ!』

 

剣帝が渡月橋に差し掛かる瞬間、剣帝の周囲が突然紫色の霧に包まれ始め、剣帝の頭上をアザゼルが飛び去っていった

 

剣帝「急ぐぞ、黒」

 

黒影『あいよ』

 

剣帝は大きく足を踏み込み、全速力で一誠達の元へと走って行った

 

そして、剣帝が一誠達の側に着く直前、一誠達の前方の霧が濃くなっている部分に見えていた人影のうちの一人が長い槍のような物を一誠達に向けてきて、光の線を打ち放ってきた

 

剣帝はその光線を見た瞬間に全身に赤い鎧を纏い、その光線を右手で受け止め、弾き飛ばした

 

剣帝「ふぅ……」

 

??「始めましてアザゼル総督、そして、赤龍帝」

 

紫色の霧の中からは大きな槍を片手で持った黒髪の男がニヤリと笑みを浮かべながら現れ出てきた

 

その男を剣帝は右手を振りつつ鎧の内側から睨みつけていた

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。