剣の帝の異世界冒険   作:アルクロ

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伝説の勇者の伝説要素あり


第七十五話「覇王の悦楽」

~渡月橋:橋上~

 

曹操「曹操を名乗っている、三国志で有名な曹操の子孫、一応ね」

 

九能「母上を攫ったのはお主達か!?母上をどうするつもりじゃ!」

 

曹操「御母上には我々の実験にお付き合い頂くのですよ」

 

九能「実験……じゃと」

 

剣帝に向けて光線を放ってきた、曹操と名乗った男は九能に何をするつもりなのか質問されると、大人しく自分達の企みを話し、九能はそれを聞き驚いたような表情になっていた

 

曹操「だが、その前にアザゼル総督と噂の赤龍帝殿に挨拶と少し手合わせを願いたい」

 

アザゼル「それは構わん、だが九尾の御大将は返して貰おうか?こちとら妖怪との大事な会談を無事に成功させたいんでな」

 

曹操「それでは力ずくでどうぞ」

 

剣帝は笑みを薄っすらと浮かべている曹操を見つめながら拳を構えていたが、突然何か悪巧みを思い付いたかのように鎧の内側で笑みを浮かべていた

 

剣帝(アイツの口振りがちょっとムカつくから屈辱的な倒し方として、盾だけ使って倒してやろっと)

 

曹操は剣帝がそんな事を考えているなど露程も考えず、自分の隣にいるフードを被っている少年に命令をしていた

 

曹操「レオナルド、悪魔用のアンチモンスターを頼む」

 

レオナルド「……………ハッ!」

 

曹操に命令されたフードの少年、レオナルドはフードを脱いでから両手を地面に付いた、すると、レオナルドの足下から橋全体に波紋のような物が広がり

 

その次の瞬間、剣帝達と曹操達との間に全身が真っ黒色で顔と思しき場所が真っ白の人型のようなものが多数現れた

 

アザゼル「アナイ・アレイションメーカー……」

 

曹操「御名答、使い手の念じるままに如何なる魔獣をも創り出す事が出来る神滅器」

 

アザゼル「世界を滅ぼす事も可能とする最悪の力が……貴様等の手に…」

 

剣帝「何とも面倒臭そうですねぇ」

 

一誠「そんな…ヤバイじゃないですか!」

 

一誠が戦闘態勢に入る為に左腕を自分の体の前に構えると一誠の全身を赤い炎が包み込み、一誠の身体は真紅の鎧で包まれた

 

曹操「ん?何故赤龍帝所持者がふたりも居るのかね?」

 

一誠「さぁな!俺が知るか!!」

 

剣帝「気にする必要無いと思うな!」

 

曹操が何故ブーステッドギアの所持者が二人も居るのかを不思議がっている間に剣帝は素早く曹操に近付いた

 

そして、曹操の腹部に向けて裏拳を叩き込む要領で片手で持てそうなサイズの盾を曹操の鳩尾に叩き込もうとした

 

曹操「おっと…」

 

剣帝「チッ………アザゼルさん、コイツは俺が相手しときますんで一誠君達の援護、お願いしますね!」

 

アザゼル「あ、あぁ、分かった!」

 

剣帝(ついでに、お前も手伝って来い、黒)

 

黒影「へいへーい、わぁったよぉー」

 

しかし、剣帝の盾を曹操は手に持っている槍の柄で受け止めていた、その状態を確認すると、剣帝はそのまま殴り抜き、曹操を吹き飛ばしてから黒影と分離し、曹操を追い掛けて行った

 

黒影「さぁてとぉー、これからどうなるかねぇ」

 

そして、剣帝と分離された黒影は剣帝の命令に従うかと思いきや、ニヤニヤしながら一誠達の様子を眺め始めた

 

~渡月橋:橋の端~

 

剣帝「いやぁ、英雄派なんて呼ばれてるからどんな豪傑かと思っていたら……随分と若いですね」

 

曹操「若いからと言って弱い訳では有りませんよ?」

 

剣帝「………あぁ、俺が若いって言ってるのは、相当な信念が有るのかな?と思ってたのにそんな気配が一切無い輩だなって思っただけだから」

 

曹操「………何っ?」

 

剣帝と曹操は渡月橋の端の方で槍と盾を打ち合わせ戦い合っていた

 

剣帝「だって、自分達の目的の為にならば他者の大事な母親攫って、更にそれを悪びれる様子も無いって…英雄としてそれはどうなのかなぁ?」

 

曹操「英雄の子孫でも無い貴方に何が分かる!」

 

剣帝「知らないよ?分からないし分かる気もないよ、お前らとかどうでも良いし」

 

曹操は剣帝に言われた言葉に少し腹が立ったのか剣帝に向けて光線を放ってきたが、剣帝はその光線を手の甲に装備している盾で逸らして回避した

 

だが、光線を一撃逸らしただけで剣帝が装備していた盾は簡単に砕けちってしまった

 

剣帝「あちゃ、ミスったミスった、砕けちゃった」

 

曹操「隙有り!」

 

剣帝「うおっと……危ない危ない」

 

剣帝が砕かれた右手に付けていた盾を残念そうに見ていると曹操は剣帝の腹部目掛けて槍を素早く放ってきた、だが、剣帝はその槍の一撃をギリギリのところで盾で受け止め、受け流した

 

だが、やはり当然というべきか受け止めた際に衝撃で剣帝の身体は大きく後方に吹き飛ばされ、同時に左手の盾も砕けてしまった

 

剣帝「ありゃ、こっちも……か?」

 

曹操「取った!」

 

剣帝が左手の手の甲を見つめていると、その隙をついて曹操は剣帝の心臓目掛けて槍を伸ばした、そして、剣帝はその動きに反応しきれず、心臓を突き穿たれてしまった

 

剣帝「……ゴフッ」

 

曹操「どうやら、こちらの赤龍帝は偽物だったようですね……仕方が無い、向こうに戻るとしよう」

 

剣帝の心臓を突き、剣帝の死亡を確認すると曹操は槍を片手で持って、一誠達の側まで走って行った

 

~剣帝の意識内~

 

剣帝『あー……ミスった、相手を嘗めすぎた……』

 

黒影『バーカ、流石に盾だけでは無理だろ』

 

剣帝『まぁ、仮にも相手は曹操だもんなぁ……で、何でお前はこっちに戻って来たんだ?』

 

黒影『だって、曹操はアザゼルと槍対槍で遊び始めたと思ったら、何か馬鹿デカイ人型の兵器が川から出て来たからなぁ』

 

剣帝は傷が一切無い姿で真っ暗闇に包まれた空間に浮かんでいた、そして、その空間でポケーとしていると黒影が現れ、外の状況の報告を始めた

 

剣帝『仕方無いなぁ……そろそろ起きようか』

 

黒影『だな、じゃなきゃマズそうだしな』

 

精神世界内の剣帝が目を閉じると現実の方の剣帝の傷が急激に塞がり始め、剣帝が目を覚ました

 

~渡月橋:橋の外側~

 

ロスヴァイセ「人が気持ち良く寝ていたら…近くでドッタンバッタンチュドンって……うっさいですよぉ!!……喰らえぇぇ!!」

 

剣帝「何あれぇ」

 

黒影『酔っぱらいの八つ当たりじゃね?』

 

剣帝「だがまぁ、体力の回復としては丁度いいや」

 

目を覚ました剣帝が最初に見たのは、橋の外側から歩いてきた白髪のスーツの女性、ロスヴァイセが自分の後ろに大量の魔法陣を展開し、攻撃を始めようとしている様子だった

 

そして、剣帝が眺めていると数秒でその魔法陣全てから一斉に多種多様な光線や炎の線等が橋に向けて放たれていった

 

剣帝「あぁ……美味そうだ!頂きまーす!!」

 

剣帝が大きく口を開くと、橋に打ち込まれていた光線等の一部が剣帝の口に向かって伸びていき、剣帝の口の中にスルスルと消えていった

 

剣帝「ふぅー……ご馳走様っと」

 

ロスヴァイセ「ふぅ……はぁ……あぁぁぁぁ…………」

 

剣帝「おっと、危ないですよ?こんな場所で倒れたら」

 

ロスヴァイセ「んんっ?あぁ、有難う御座いまぁす」

 

剣帝「全く………ロスヴァイセさんは髪とか長くて綺麗だし、美人さんなんですから。ヤケにならずに相手を探したらきっと良い相手に巡り会える筈ですよ?」

 

ロスヴァイセ「ふぇっ?そうですかぁ?」

 

剣帝「そうですよ。きっとね」

 

ロスヴァイセ「えへへ……有難う御座いまぁ……スゥー……スゥー……」

 

ロスヴァイセは魔法を放ち終えると背中から倒れ込むように後ろに向かって倒れて行った、が、その背中は勢い良く地面に当たる事は無かった

 

何故ならば、当たる寸前で剣帝がお姫様抱っこのようにして、ロスヴァイセを支え、優しく地面に降ろしていたからだ

 

剣帝「さってっと……逃げられたか」

 

黒影『お前がその女に気ぃ取られてるからだろうが』

 

剣帝「とにかく武装解除だ」

 

黒影『まっ、それが最優先だわな』

 

剣帝が右手を振るうと剣帝の全身を包んでいた真紅の鎧が消えた、そして、剣帝は鎧を脱ぐとロスヴァイセを背負って、アザゼルに近付き、ロスヴァイセをアザゼルに托した

 

剣帝「それじゃ、俺はこれで」

 

アザゼル「お、おう、それじゃあまた後でな」

 

剣帝「はい」

 

剣帝は右手の指を鳴らして自分の足に倍加を付与してから周囲の人間に気付かれない内にささっと人混みをすり抜けるように歩いていった

 

~京都:町中~

 

剣帝「あー……ダルい」

 

黒影『やる気出せよー……後、どっから焼き鳥買ってきたんだよ』

 

剣帝「偶々見つけた店」

 

黒影『お前、焼き鳥持ってない時焼き鳥屋に引き寄せられてねぇか?』

 

剣帝はモグモグと焼き鳥をまた食べながらスタスタと町中を歩き回っていた

 

黒影『というか、お前、曹操相手で加減し過ぎだろ、どの位でやったんだ?』

 

剣帝「んー…………あー…1部?」

 

黒影『加減し過ぎだわ!数字に変換すると0.01位じゃねぇか!』

 

剣帝「だって……手加減しないとあの空間その物に影響が有るかと思ったから……」

 

剣帝の言い分を聞くと、黒影は剣帝の精神内でハァーと溜め息を漏らしていた

 

黒影『んな事言ってるから、規格外って言われんだよ!』

 

剣帝「まぁ……事実だからね、俺がおかしいのは」

 

黒影『分かってるんなら、もうちょいと普通の行動しろよ』

 

剣帝「善処しまーす」

 

剣帝は黒影の言葉にテキトーに反応を示しながらフラフラと町中を歩いて、京都タワーの方へ行った

 

~京都:夜~

 

剣帝「………そろそろかな」

 

黒影『だなぁ、ヒャハハッ、楽しみだねぇ』

 

剣帝「まぁ、そうだな………で、何をしに来たのかな?九能ちゃん?」

 

九能「やはり只者ではなさそうじゃな、ワタシが気配を消して近付いても当然の様に気付くとは」

 

剣帝は京都の町中を全貌する為にか京都タワーの上に座り込み、前方だけを見つめつつ、後ろから近付いて来ていた九能にやすやすと気付き、声を掛けた

 

九能「お主は戦いには行かぬのか?」

 

剣帝「行きますよ。貴女のお母さんを助けるって約束もしましたし」

 

九能「ならば、お願いじゃ!ワタシも連れて行ってくれ!母上はワタシが救いたいのじゃ!」

 

剣帝「…………それじゃあ、必ず俺や一誠君の側に必ず居る事、約束出来ますか?」

 

九能「無論じゃ!」

 

剣帝「分かりました。なら………連れて行って差し上げますっと…始まったか」

 

剣帝は九能に戦場に連れて行って欲しいとねだられると剣帝は九能に約束を取り付けてから、九能のお願いを了承して、タワーの下に広がる京都の町中を包み込む煙を確認した

 

剣帝「んー………どうやら複数箇所にバラけてるな」

 

黒影「なら、仕方ねぇよな?剣帝」

 

剣帝「あんまりやりたくはないけどねぇ………フンッ!」

 

九能「な、何をして居るのじゃ!?」

 

剣帝は黒影に横から話し掛けられると同時に大きく溜め息をつきながら立ち上がり、自分の背部に生えている大きな狐の尻尾を思いっきり引っ張り、四本ほど引き千切り、近くにバラバラに置いた

 

すると、剣帝の引き千切られた尻尾から剣帝そっくりの人影が四体現れた

 

剣帝?1「わぁい!久し振りにバラけるね!嬉しいなぁ!」

 

剣帝?2「何で俺とかを呼ぶんだよ、頭に来るぜ……」

 

剣帝?3「別れてすぐにこんなに五月蝿くする者達と元が同じだなんて、私は哀しいです……」

 

剣帝?4「アッハハハッ!大丈夫だと思うよ!きっとこれから楽しくなるさ!」

 

剣帝「五月蝿いぞぉー、全員俺だけど……」

 

黒影「ヒャハハッ!流石は喜怒哀楽、それぞれの状態が精神面でも色濃く出てんなぁ」

 

剣帝が引き千切った尻尾から出てきたのはどうやら剣帝の喜怒哀楽の各感情が形を成した剣帝の分身のようだ

 

そして、剣帝の本体は全員の顔を見てから自分の懐に自分の手を入れて、何かを取り出した

 

剣帝「取り敢えず、全員分かりやすいようにこれを付けろ」

 

剣帝?2「あぁ?何だ?これ」

 

剣帝?1「ワハハっ!鉢巻だね!運動会でもするの?」

 

剣帝?4「それじゃあ、存分に楽しまないとね!」

 

剣帝「運動会はしないけど、戦闘はする、ついでにこれはお前等を俺以外が判別しやすくする物だ」

 

剣帝が自分の懐から取り出した物は、四枚の鉢巻だった、そして、その鉢巻にはそれぞれ喜、怒、哀、楽、の文字が書かれていた

 

剣帝(怒)「んじゃあ、俺はこれだな、あぁ、面倒臭え!何で俺がそんなに手間掛けなきゃならねぇんだよ!」

 

剣帝(楽)「良いじゃん良いじゃん!きっとこれを付けて戦えば楽しくなるよ!ねっ!喜び!!」

 

剣帝(喜)「うんうんっ!きっと皆楽しくなってくれるだろうなぁ!嬉しいなぁ!」

 

剣帝(哀)「相変わらず、喜楽の二人は阿呆な感じがして……同じ存在として私は哀しみが抑えられません……」

 

剣帝の本体から鉢巻を受け取った剣帝の分身体達は各々それぞれの感情を吐露しつつ、本体からの命令を待っていた

 

剣帝「取り敢えず、お前等各々が負けるとか確実に有り得ないから、一誠君達の手伝いに行け、其処に着くまでの足なら俺が出しといてやるからよ」

 

剣帝(怒)「ケッ!何で俺が雑魚のおもりなんぞしながら雑魚の相手をしなきゃならねぇんだよ!」

 

剣帝「良いから、やれ」

 

剣帝(怒)「…………わぁってるよ!」

 

剣帝の分身体の内怒りの分身体だけが愚痴を溢していると、剣帝は怒りの分身体を睨みつけながら命令をした、すると、怒りの分身体は抗う様子も特に見せずに剣帝からの命令に従った

 

そして、剣帝は他の分身体からも異論や反論が無いと確認すると、右手の人差し指に漆黒の指輪を嵌め、自分の体の前に右手を広げて構え、再度口を開き始めた

 

剣帝「《闇よ、あれ》」

 

そして、剣帝がボソリと呪文のような言葉を発すると、剣帝の足下の影から六体の黒い狼のような物が飛び出してきた

 

剣帝「んじゃ、また後でな」

 

剣帝(楽)「皆楽しんで行こー!♪」

 

剣帝(喜)「嬉しいなぁ!これから暫く楽しめるんだもん!」

 

剣帝(哀)「あぁ…哀しい……何故敵の元へわざわざ出向かなければならないのか………哀しい……」

 

剣帝(怒)「苛つくから雑魚をとっととぶっ飛ばして俺は戻らせて貰うがな!」

 

黒影「まったなぁー」

 

剣帝の分身体達は各々剣帝に一時的な別れを告げると、それぞれバラバラの方向を向いている黒い狼のような物に跨り、それぞれの方向に向かって飛んで行った

 

剣帝「それじゃあ、俺達も向かうとしますか……しっかりと後ろから捕まってて下さいね?」

 

九能「うむっ、良きに計らえなのじゃ」

 

そして、全員が飛び去った後、剣帝も自分の正面で待っていた黒い狼のような物に跨った、その後九能を自分の背中に抱きついているように言って九能が抱きついてくると同時に狼のような物を走らせ始めた

 

剣帝(取り敢えず、一誠君の所に行くかな)

 

剣帝が一誠の元へ向かうと考えながら狼のような影に乗っていると、その思考通りの動きを狼のような影が取り、京都の空に6つの影が飛び散って行った




剣帝の使用武器紹介
《黒叡の指輪》
自分の影を自由自在に操る事が出来る様になる黒い指輪、『闇よ、あれ』の一言で自分の影を狼や巨人に変化させて戦う事が可能になる
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