ロンへ
最近忙しくて手紙を送ることができずに申し訳ないです。
一年目の時よりは遥かに要領は掴めてるんだけど、僕はもともと鈍臭いからまだまだ苦労しています。
生徒たちからもネビルネビルと親しまれてるけど、バカにされてないか不安です。今度僕の評判をこっそりローズに聞いてみてくれませんか?
ホグワーツの校庭は草木が生い茂っています。どこかの生徒が夏休み前にジャングル薬でも撒いたのか、倒壊した天文塔はすっかり蔦に覆われてしまいフィルチがイライラしながら必死に除草しています。
僕も僕で、教材用の植物が繁殖しすぎてついに新しい品種が生まれてしまったりと非常に難儀しています。
さて、今年は嬉しいニュースがたくさん!
まずハーマイオニーに、昇進おめでとうを伝えてください。
まさか魔法省に筋肉部ができる日が来るとは思いませんでしたが、新しい部門の管理責任者として頑張って!
君も闇払いとして日々筋トレに追われてると思うけど、もし筋肉痛に困ったらニガヨモギを砂糖で煮て塗るといいよ。実は僕も最近筋トレにハマっています。
今度食事にお呼ばれしたら成果を見せるね。
それと、スラグホーン先生がそろそろ引退を考えてるそうです。
そこで、ハリーやロンからスネイプ先生に後任をお願いできませんか?(僕はまだスネイプ先生が苦手です…)
スネイプ先生はめったに連絡を取ってくれないとマクゴナガル校長が嘆いていました。
僕も前に会ったのはハリーの結婚式のときかな?また会いたいような怖いような…
考えてくれるとありがたいです。
あと今年からハリーが特別講師として赴任することが決まりました。(君はもう聞いてるよね?)
知り合いの子どもたちはみんな両親そっくりなんだ。そのせいか僕はちょっとした同窓会の気分です。
ハリーが来るのが楽しみです。
返事待ってます。
ネビルより
蝋燭がふわふわ浮かんで真っ暗な湖から学校へ至る道を照らしていた。緊張した一年生たちは荘厳な石柱に落ちるくらい影やどこまでも伸びていく長い廊下の先を不安げに見回している。
今日は一年生の初めての授業だ。
カーテンのしまった薄暗い教室でばくばく脈打つ心臓を押さえながら先生を待つ。
今日はなんとあのハリー・ポッターが特別講師をしてくれるらしい。
ベルが鳴った。
同時にカーテンが前から順番に勢い良く開く。陽光が差し込み暗闇に慣れていた目を眩ませた。
目を細めて教壇を見ると、美しい筋肉を携えたクシャクシャ髪の男の人が立っていた。
男は力こぶしをぎゅっと作りながら黒板に大きく字を書いた。
筋肉
「みなさんこんにちは!筋肉学を教えるハリー・ポッターです」
ムキムキの筋肉は光に包まれていた。
美しく輝く上腕二頭筋。
陽光をはねかえすほど鍛えられた胸鎖乳突筋。
服を着ていてもわかるほどに磨かれた筋肉は話に聞くハリー・ポッターそのものだ。
「筋肉は闇の魔術に対する最大の防衛術です!さあ、早速腹筋をしよう!!」
僕たちは杖を置いて床に寝そべった。
僕達の筋トレはこれから始まるんだ!
完