ロウきゅーぶで貞操観念とか逆転もの   作:ワンコ派

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今回は短めです。
というか本当は前回の続きで一緒にしようと思ってたけど作者が力尽きて分割になっただけ。
下ネタは今回控えめです。


8話 見えないパ・い・パン

晩餐に用意された食事は非常に美味であると言っておこう。

食事中でも会話が弾んではいたが、基本喋っているのは俺と萌衣さんだけだった。

話を振られれば、他のメンバーも相槌を打ったりはするんだけど。

俺と目を合わすと真っ赤になってうつむいたりする。

どうやら俺の蛇さんが未だに頭の中にちらついているようだ。

ちょっと刺激が強すぎたかしらん?

今度練習の時に、どさくさで俺の股間に触れたりしたらどんな反応するかなとか考える。

思考が犯罪的ですね。

でも大丈夫、思考や想像する分には自由が認められているのだよ。

反応が面白そうなのは智花と紗季かな。

今もちらちらと俺を見ては、椅子で隠れている俺の股間のある場所に視線が動いているのがわかる。

気になるんだね。

義務教育さえ終わればいくらでも二人きりで見せてあげるんだけどね。

多分今夜はベッドの中で盛るんだろうなぁと勝手に想像している。

真帆と愛莉はガチで照れてるから、あまりからかうとかわいそうな気もする。

愛莉は無言だけど、真帆は俺がからかう前に母親である萌衣さんに散々からかわれているしこれ以上は酷だろう。

ひなたちゃんは既に気にしていないのか、ナイフとフォークで必死に魚をほぐすのに夢中になっている。さすがやでぇ。

 

「それで昴君、真帆たちの仕上がりはどう? 試合には勝てそうかしら?」

「そうですね。皆上達してきてますし勝ち目はあると思っていますよ」

「あら、自信ありみたいね」

 

萌衣さんは俺の言葉に満足そうに微笑むと、ワインをくいっと飲み干す。

その姿がすごく様になっていた。

格好いい人だけど、真帆も成長したらこんな感じになるのだろうか?

財閥の会長やりつつファッションデザイナーとしても有名で、よく仕事で世界中を飛び回っているらしい。

素直にすごい人だと思うけど、真帆が将来こうなるとはあまり想像できない。

いや、5人の中でも負けん気が強いから母親似なのかな。

本人は将来大きくなると断言しているから、胸は母親ゆずりでないといいね(超失礼)。

 

「試合が終わったら、昴君はどうするの?」

 

……それはまだ決まってはいないんだけど。

試合に負ければ体育館が使えなくなるわけで、事実上の女子バスケ部の廃部だ。

そうなれば実態のない部活にコーチなど不要となるだろう。

勝ったとしても、ミホ姉の依頼は試合に勝てる様にすることだからある意味仕事としてはその時点で終了ともいえる。

どの道、俺自身のバスケ部の活動が来年度になって再開すればコーチどころではなくなるしな。

オナ○ーしかやることないぜ!

嘘ですにぶらないようにトレーニングも必要です。

えっ、自家発電も立派なトレーニング?……だよね、俺もそう思ってた。

 

「まだ決まってませんね」

「そんな、すばるんこれからもコーチしてよ!」

「長谷川さん!」

 

それまで俺と萌衣さんの会話を黙って聞いていた真帆たちが悲壮な顔をする。

まるで捨てられる子犬のような絶望顔をしなくてもいいのに。

 

「心配しなくても、君たちさえ良ければ今年度が終わるまでは続けるさ。来年になったら俺も自分の部活が再開するから難しいけどね」

「良かったぁ……」

「ありがとうございます」

 

あからさまにほっとした顔をして胸をなでおろす面々。

俺が思っていた以上に信頼してもらえているというか、良い関係を作れているようだ。

うむ、光源氏計画は順調のようである。

 

「そっか、今は部活が停止中だから時間があるのよね。確かに再開すればこの子達の練習どころではないか……逆を言えば、来年までは時間があるってことよね?」

「まぁ、あると言えばありますが」

 

こんな状態になってしまってはいるが、俺はスポーツ推薦で入学している。

成績は赤点を回避さえすれば進級に問題はない。

同年代と遊んでもあまり楽しくはないし、習い事があるわけでもバイトの予定もない。

正直、智花たちのコーチがなければ放課後することはない。

萌衣さんはまるで我が意を得たりとばかりににやりと笑った。

 

「なら昴君、この子たちの試合が終わったら一つバイトしてみない?」

 

まさかの仕事のお誘いだった。

 

「バイトですか?」

「そう、モデルのお仕事。ちょうど次の企画にイメージの合う子を探していたのよ」

「長谷川さんがモデル……」

「おぉ、いいじゃんモデル!」

「おー、おにいちゃん本に載るのー?」

 

俺よりも先に子供達が食いついている。

やっぱりモデルっていうのは価値観が変化していても憧れの強い職業であるようだ。

しかし俺のような素人でもいいのだろうか?

 

「謙遜することないわ。昴君男の子なのに背も高いし、スラッとしていて手足も長いし絶対見栄えするはず。バスケでのインターミドル優勝経験者という肩書きも話題性あるしぴったりよ」

「はぁ……」

「実は国主導での結婚関係やファッション関係の雑誌の合同企画があってね。私が想像する新郎の役に昴君ならかなり近いと思うの」

 

国主導とはこれまた大きなプロジェクトだな。

そんなものに一介の高校生が出てしまっていいのだろうか?

新郎役ということは明らかにウェディング特集とかだと思うのだけど、プロのモデルや俳優を起用したほうがいいのではなかろうか。

しかし萌衣さん曰く、そうでもないらしい。

今回の企画の趣旨は結婚式っていいなぁと見る人に憧れを持たせることにあるとのこと。

男子の出生率が右肩下がりの昨今。

比例して結婚する男女の数も減ってきている。

一夫多妻制度で一人の男性につき5人まで妻が認められるようになったものの、未だに制度を利用するほどの男性は極端に少ない。

結婚願望の元々薄い相手に、あまりガチの結婚を勧める内容を見せても拒絶されるだけである。

だからこそ、高校生くらいで真似事の延長上の微笑ましいくらいが望ましい。

微笑ましさの中に格好いい、可愛い、綺麗というようなプラスイメージを持ってもらうことで興味を持つとっかかりを作るというのが今回国が主導するイメージ戦略なのである。

まわりくどいというか何というか、いろいろ考えているんだなぁ。

自治体主導の街コンとかもこちらでもあるらしいけど、男女比率が違いすぎて上手くいかないみたいだし、色々役所も試行錯誤しなければならないのだろう。

……他人事みたいに言ってるけど、このままだと人口減る一方だから当たり前か。

社会主義国なんかでは、国が相手を無理やり決めてさっさと子供作れやオラァ!みたいな政策の国もあるらしいし。

少し羨ましいと思ったこともあるが、自分の好みに合致した相手が割り振られるとは限らないしむしろ可能性としては人口比率的に低いだろう。

基本的に嫁ぎ先のない行き遅れた女性が優先的にあてがわれるのは各国の現状を見るに明らかである。

国の認可の元、好みでない年増女性に複数人がかりで犯されるのだ。

何それ怖い。本当に怖い。ガクブルである。

それを考えれば日本のものは随分と良心的な政策だ。

 

「長谷川さんが新郎さん役……」

「きっと似合うよね」

「いいなぁお嫁さん役の人」

「おー、ひなもドレスうらやましい」

「綺麗なウェディングドレスってあこがれるよね」

 

羨ましがる少女たちに、俺も悪い気はしない。

だから本当にそう思っていたのもあるけど、つい口に出てしまった。

 

「あはは、きっとみんなのドレス姿も綺麗なんだろうね」

「おっ、何々? すばるん私の花嫁姿みたい?」

「そうだね、見てみたいかもね」

「あら、なら見れるようにしましょうか」

「……へ?」

 

俺と真帆の冗談に、萌衣さんがのっかってきた。

何やらピンと来たという顔をして一人納得している。

 

「そうよそうよ。小学生が相手ならあまり本気の結婚式というよりもごっこ遊びみたいな雰囲気も出るし、より微笑ましさが前面に出るし、今回のコンセプトに合致するわ。

 丁度5人いるし、一夫多妻制度のアピールにもなるし……貴女達もモデルで出なさいな!」

「やります‼︎」

「やらせてください‼︎」

 

食い気味に意思表示する智花と紗季。

 

「すばるんのお嫁さん役かぁ、恥ずかしいけどやってみたいかも」

「おー、おにいちゃんのお嫁さん」

「み、みんながやるなら……私もやってみようかな」

 

特に深く考えるそぶりもなく、何故か全員がやる気満々である。

えっと……もしかして決定路線なのか?

 

「でも結婚前にドレスを来た女子は婚期が遅れるって言いません?」

「……ならその時は長谷川様が皆様とご婚約なされればいいかと」

「……へ?」

 

今までずっと無言で俺たちの背後に立っていた久井奈さんが唐突にそんな発言をする。

 

「そうね、それがいいわ。よく言ったわ久井奈」

「おーいぇー」

 

えっ、そんな軽いノリで決めていいの?

俺がいうのもなんだけど、えっ冗談だよね……えぇ?

主従関係とは思えないほど軽いノリでサムズアップしているし、冗談だよね?

 

「なら決まりね。バイト代は弾むから試合が終わった来週から頼むわね…………あっ、私だけど例の企画のモデルが決定したわ。えぇ、そう。また後で詳しい内容送るから」

 

有無を言わさずどこかに携帯で電話をかける萌衣さん。

すでに断れるムードではないようだ。

何故か、部屋がすでに鉄格子か何かで囲われているような幻が見えた気がする。

……これって俺どうすりゃいいの?

 

 

その後、俺たちが深く考えたり話し合ったりする暇を与えられる間も無く晩餐会は終わり帰宅することになった。

戸惑っている間にいつのまにか全員、それぞれ別の車にて一斉に家までまっしぐら。

会話にはあまり不自然なところはないと思うのだが、あまりにも用意周到すぎる気もしないでもない。

家に帰った後、とりあえずモデルの話を父に伝えたのだが口では驚きつつも明らかに予定調和なところが特にもうなんというか、ねぇ?

俺の父さんは演技力はないと初めて知った。

あぁでも天然入ってるおとぼけさんだし想定内ではあるのか。

 

「ダメだ、考えるだけ無駄だ……もう寝よう」

 

風呂に入った後は、そのままベッドへダイブ。

もう寝ると決意してから、結局5回のシャドーボクシング(意味深)で体力を消耗するまで寝付くことができなかった。

 

 




どんどん外堀が埋められていく主人公。
おいお前らバスケの話題はどうした?
そんな状況で試合大丈夫か?……大丈夫、この作品にはまともな人はいない。
つまり、結果はわかりますね?

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