アーサー王物語群のさりげない重要人物に性別転換してなっていた件について   作:八雲 来夢

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まだ死んでない。
いつの間にかょぅl”ょで前世っぽい記憶思い出した


いきなりだが皆さんはアーサー王伝説と云う物語をご存じだろうか?

 

アーサー王伝説とは、遥か昔、ブリテンという国の王であるアーサーと、王に仕えた騎士達が中心となった物語で、現在よく知られているのは中世後期にトマス・マロリーなる人物がまとめた物語群である。

 

このアーサー王伝説とは大きく4つに分かれており

 

アーサー王の誕生と即位、ローマ皇帝を倒しヨーロッパの王になるまで

王城の宮廷、キャメロットとも呼ばれた場所に集った、円卓の騎士と呼ばれた騎士達の冒険とロマンス

最後の晩餐で使われたといわれる聖杯を円卓の騎士達が探し求めた聖杯探索

 

とある事件より広がった内乱による王国の崩壊、そしてアーサー王の死が書かれている。

名前ぐらいなら聞いたことはあるのではないだろうか?

まぁこのアーサー王伝説は様々な人物がそれぞれの考え方で書かれており、どれが正しいとも言えないのだが

 

さて、何故私がこんなことを言っている(?)かというと

 

 

「おかあさま、おはようございます」

「あら、おはようガレス。ちゃんと起きられたわね、いい子」

 

前述のアーサー王伝説を良く知っている方ならもうお分かり頂けただろう

 

「ふふふ。わたしはもう8つですから、ちゃあんとおきられます」

 

 

アーサー王伝説の住民になってしまっていた

 

 

しかも物語の鍵を握る人物に

 

 

 

だれか変わってください。

 

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【ガレス】という人物について説明しておこう。長いかもしれないが。

 

ガレスとは、アーサー王に仕えるガウェインという騎士の年の離れた末弟(ガウェインが長兄で、4兄弟)で、アーサー王の甥(アーサー王の異父姉モルゴースの子。作者によってはモルガン)である。彼が生まれた頃には既に兄達は騎士として仕えており面識は無かったという。普通の人より背が45cm位高かったらしい。でけぇ。

 

彼は長兄であるガウェインと双璧をなしていたランスロットという騎士に憧れ、聖霊降臨祭の日に王の元に現れ、自分に仕えさせてほしいと言った。

しかし、王の甥でありガウェイン卿の弟であるという身分を隠し、名も名乗らなかった事から、王の義兄であり円卓の騎士であるケイによって彼の白く女性的な手になぞられ

「ボーマン(Beaumains)」

【フランス語で美しい手、女性のような手という意味。当時男性に(女性の様な~)は侮辱にあたる】という酷いあだ名を頂戴し、何故か厨房で働けと言われた。

この時同席していたランスロット卿とガウェイン卿が助けようとするが彼は嫌がらずに従い、一年程厨房で働く事となる。このあだ名は彼が騎士ガレスとして名を馳せても呼ばれた。

 

ある時、宮廷にある乙女がやってきて、自分の仕える貴婦人を助けてほしいと依頼した。その貴婦人の名が教えられなかった為に名のある騎士達を派遣することができず、ランスロット卿の奨めによってガレスが騎士となり冒険に出る事になった。冒険に出る際にすったもんだあったが省略。無事ランスロット卿によって騎士と叙任され出発した。

 

道中乙女リネットに『台所臭い!』『下働男だなんて!』等と散々侮辱されている。不憫。

彼は凹みながらも見事立ちふさがる騎士達を倒し、貴婦人リオネスを『赤の国赤の騎士』から無事救ってみせた。後にリネットに『貴方を侮辱していたのは、貴方を試すためだった』と言われ、いろいろありながら貴婦人リオネスと結婚した。心が広いのかMなのか分からない。

 

貴婦人を救ったという功績とランスロットの促しによって、正体を明かし円卓の騎士へと加入した。

この時ガウェイン卿はとても嬉しそうにケイに皮肉を言いながらガレスの肩をポンポンした。ガヘリスとアグラヴェインもそれに倣った。身長差的にも肩を叩くのはつらそう。

 

彼はランスロット卿をとても尊敬していて、ランスロット卿もまた自身を敬ってくれるガレスをとても可愛がっており、長兄のガウェイン卿からもとても愛された。皆から愛された癒しキャラというべきか。

実力もあり、馬上槍試合で何回も優勝を果たし、槍術に秀でていたと考えられる。

また、彼の兄達ガウェイン、アグラヴェイン、ガヘリス、異父兄弟であるモルドレッドは騎士道にも劣る行いをいくつかしているが、ガレスだけはそのような行いを一切しておらず、兄達の行いを嘆くこともあったらしい。

あと他の騎士達の物語にもちょこちょこ出てくる。聖杯探索の際にも後に聖杯を拝み天に召されていったガラハッド(ギャラハッドとも言われる)とも一時期合流している。

 

そんな彼の最後は、ランスロット卿と王妃グィネヴィアとの不倫が発覚し、グィネヴィアの火刑の決定が下され、彼と兄ガヘリスはグィネヴィアの護送の指揮を命令されたが、渋々従った事を示す為一切の武装をせず、喪服で刑場に並んだ。(ガウェインは護送の指揮を拒否し、刑場にはいなかった。)

すると、愛するグィネヴェアを救出しに来たランスロット卿は、進行方向にいた人々全てを切り捨て、王妃を救出し、喜びの塔と呼ばれた場所に馬に乗って走り去って行ったという。

 

この時ランスロットは、愛以外に何も見えていなかった。そのために、ガウェインの弟である最も自身を尊敬し可愛がっていたガレスさえも無抵抗のままに斬り殺してしまった。ガヘリスも彼と同じように頭を真っ二つにされて死んでいた。後に己の行いに気付いたランスロットは一生この事を悔いた。ガレスの死にアーサー王は悲しみ嘆き、以前弟のアグラヴェインや息子達を殺されても我慢したが、ガレスが殺された事を知ったガウェインは悲しみのあまり気を失い、激怒した彼はランスロット絶対殺すマンになった。まぁ仇とれずにモルドレッドから受けた傷がもとで死んじゃうけど。最後に改心してるけど。

 

 

かなり長くなったが、軽く目を通してくれると嬉しい。これでも結構省略した。詳しく知りたかったらパソコンでもなんでも調べて色々なサイトを見て周るといい。

圧縮するなら『背が高くて高貴な血筋で末弟で優秀な槍兵で不憫な男』と思っている。彼の物語は典型的なフェア・アンノウンの物語になっており、『ラ・コート・マル・タイユ』の物語とかなり共通性が見られる。

なんでこんなにつらっつら言えてるかというと、推しメンだからだ。ガレスの物語「台所の騎士ボーマン」は数少ないほのぼのとしたエンドになっている。作者にもよるが私の読んだ《ローズマリ・サトクリフ》の《アーサー王と円卓の騎士》の「第8章台所の騎士ボーマン」はほのぼのエンドだった

 

そして、何故ガレスが物語の鍵を握るのかというと、上記の通り彼がランスロットに殺された事により、ガウェインはランスロットとの固い友情を憎しみに変え、この憎しみがブリテンの崩壊へと繋がった。そう、ガレスはアーサー王伝説という物語の終結の鍵の一つを握っている。生存か死亡かでどう見てもルート分岐してる。

 

私はそんな人になってしまっていた訳だ。

しかも

 

「今日はお兄様達が帰って来るわ、妹の元気な姿を見せておあげなさい」

 

「はいっ、おかあさま」

 

 

女 の 子 で あ る

 

早速違うじゃねーか!!

女の子ならリオネス婦人と結婚も無いししかもこの時代の女の子じゃどう頑張っても195cmにはなれんぞせーたかのっぽのアイデンティティ()がお亡くなりになられた!なんてこったパンナコッタ!そんなこと思ってるうちに太陽は結構高い所に登って兄達が帰宅する予定の時間に刻々と迫って来ていた。

アカン。

何がアカンって一か月前に森に遊びに行ってお昼寝してたらフッと前世的なものが出てきて動揺して起きたら3日間行方不明になってた事である。原典でも長兄ガウェインのブラコンの性質はあったが『一か月前に三日間行方不明になった歳の離れた末妹』となればシスコンに磨きがかかる。多分。

ぶっちゃけこの現実を物語として見てしまっている私では『歳の離れた騎士である兄達を尊敬する幼女』が出来ないかもしれない。ヘマして『貴様ガレスじゃないな!?妹を何処へやった!!』とか言われてズサッとやられそうで怖い。

 

どうしy「只今戻りました!」

 

 

どうしよう

 




はじめまして、八雲来夢というものです。
今回、Fate/の二次創作を書く事にしました。
拙い文章、口調の違い、等々沢山することになると思いますが、これから宜しくお願い致します。

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