比企谷くんがいつもよりちょこっと上等な店で髪を切ったそうです。さて、周囲の反応はどんな感じなんでしょーね?(他人事)

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突然ですが私、ぼっちでしてね。髪を安いところで切ろうとちょっと気合い入れて高い美容室で切ろうとまず自分に話しかけてくるような相手がいなくて髪について触れられることもないんですよね〜。なんなら翌日突然丸坊主にしても大丈夫そうなレベル(いや、さすがにこれは誰かつっこんでくれるよね?)
まあこんなダメ筆者は置いといて、同じく自称ぼっちの彼、比企谷八幡くんがちょっといい感じに髪を切ったら、というIFストーリーみたいになってます。同じくぼっちな人、髪を切っても周囲の反応はつまらなかったという人、暇だという人、読んでいただけたら嬉しいです。ではまた後書きでお会いしましょう。
では、どうぞ!


髪型変えてみた

突然だが俺は髪を切った。

 

とある休日のことだ。しかもわざわざ前まで通っていた1000円くらいで済んだ安いところではなく、それこそリア充(笑)が行きつけにしていそうなそこそこ雰囲気のある美容室でだ。

 

たまにはいいだろ?ほんの気まぐれだしな。それに、もう2度と行くことはないだろうし。だって、髪切ってくれるお姉さんとの時間が気まずいんだもんっ!八幡、泣いちゃう!

 

とはいえ、やはり技術はさすがプロといったところか。最近の流行も取り入れつつ俺の髪質、頭の形などを考慮してカットしてくれた。あと、頭洗ってもらうの気持ちいいよね!

 

値段?言うな何も…

 

・・・

 

と、特に髪を切りに行った以外に予定もなくボケーッとしてるとあっという間に月曜である。

 

ハァー…学校行きたくねぇ…なんならついでに働きたくないでござる!

 

「お兄ちゃん、馬鹿みたいなこと言ってないではやく学校行ってきなよ…」

 

我がラブリーマイリルシスター小町が、天使でエンジェルでもう天使の2乗な小町が悪魔が従者を蔑むような冷ややかな目を向けてきた…

朝から俺の豆腐メンタルが(しかも絹)グチャグチャにされて原型を留められそうにないので学校に行くことにする。

 

「もう少しくらい優しくしてくれてもよくないですかね?はぁ…イッテキマース…」

 

「行ってらっしゃーい!その髪型、褒められるといいね!兄の要望にすぐに答える!これ小町的にポイント高めだよっ!」

 

何も聞こえなかった。

 

・・・

 

さて、さっきはなんかリア充(笑)が行きつけにしてそうなところで髪切ったとか言っていたが、やはり値段が変わるだけで期待値も変わるわけで。

 

そう、自分の新しい髪への周囲の反応とか。これはいくらぼっちとはいえ拭い払えるものではなく、もう人間の本能なんじゃないのって思っちゃうまである。

 

ワクワク♪しながら♪ハレ晴レしたユカイな空の下自転車をこいでると学校に着いた。昇降口では皆が挨拶を交わす。俺?挨拶?愚問だな。

 

朝から妹に冷たくされ、挙句の果てには自虐…やめて!八幡のライフはもうゼロよ!とか1人脳内でコントしてると教室。ホームルームである。ホームなのにホーム感ゼロアウェイ感マックス。何このムジュン。

 

・・・

 

教室に入り席に着く。ホームルームはアウェイリア充はGet away!と心の中で叫んだ後机に突っ伏した。

 

当然のごとくぼっちが髪を切ったからといって誰かが声をかけてくるわけもなく、いつも通りドアを開けて入ったら音に反応して振り向いた連中が

 

なんだお前か…

 

みたいな視線を向けてはすぐに逸らしてくるということはあったのだが…

 

考えてるとだんだん悲しくなってきたので1度思考を停止。本格的に睡眠に入ろうとしたその時であった。天使は舞い降りた…

 

「八幡、おはよっ!」

 

神は言っている。ここで眠る運命ではないと…

 

「おはよう戸塚!今日も天使だな!」

 

「え?は、八幡?何を…」

 

「悪い、寝ぼけてたわ…」

 

「もう!からかわないでよ!」

 

あー…朝から二人の天使と会話してしまった。俺は幸せ者だな。

 

「アレ?八幡、髪切った?」

 

「おぉ!気づいてくれたか!ありがとう!そうなんだよ実は切ったんだよ」

 

「へぇ、すっごく似合ってるし、カッコイイよ!」

 

「ごめん戸塚、あと80000回最後のだけでもお願いできる?」

 

「え、えっと…」

 

こんな至福の時間は朝のホームルーム開始のチャイムと同時にかき消されたのであった…

 

「ごめん、八幡。戻らなきゃ」

 

なんだろうこの気持ち…きっとかぐや姫との別れが訪れた時のおじいさんとかこんな気持ちだったんじゃないだろうか…泣きたいがここは涙こらえて…

 

「お、おう。朝から変なテンションですまん…ありがとうな…」

 

「え?何が…」

 

「はーい、ホームルーム始めまーす席に着いてー」

 

クッソ…ホントいいところに来やがって…

 

「じゃあまたあとでね!」

 

「あぁ、また」

 

まあ話せただけでもよしとしようか…ってさっきからめちゃめちゃ視線を感じるんだけど気づいてないふりした方がいいよね…

 

「…ハァー…さいちゃんとヒッキー仲良すぎだし…」

 

静まりゆく喧騒の中、そんな声が聞こえたような気がした

 

・・・

 

いかんいかん、天使との会話の嬉しさの余韻に浸ってたらもう放課後になってた。授業…はまぁ、何か写してた記憶はあるから内容に関しちゃ問題は無い。記憶も無いけど。数学?愚問だな。

 

さて、不本意だが、いやー、ほんとに不本意だが部活に行くとしよう。と、アウェイなホームルームを終えたあと席を立って教室を出ようとすると

 

「ヒッキー!一緒に部活いこ!」

 

「お、おう。そだな」

 

かろうじてポーカーフェイスは保ててた(大丈夫だよね?赤くなんてなってないよね?)がやめてくれませんかね?そうやって公衆の面前で堂々と声かけるの。勘違いしちゃうから。二年前なら間違いなく即行で告白して振られてる。いや振られちゃうのかよ俺!

 

って自分の心配ばかりしてたが、由比ヶ浜。お前なんでそんな嬉しそうなの?頬なんて髪の色みたくピンクだしめっちゃニコニコしてるし。あ、そうかこれはエンジェルエフェクトですね。

 

説明しよう!エンジェルエフェクトとは日本語に直すと天使効果(そのままだよ)で、天使と会話したなどのキャッキャウフフなイベントなどの後はすべてが美化されて見えてしまうのだ!

 

ていうか会話くらいでキャッキャウフフだなんてそれより上行くと表現困っちゃうだろ。スキンシップとかもし起こったらもうアンダーなネタの言葉で表現しなくちゃいけないだろうが。

 

…そういうことにして、ガハマさんの今の状態については考えるのをやめた。これ以上考えるとほんとに勘違いしてしまいそうなくらいのスマイルだった。

 

なんならマ〇クにこんな子いたら間違いなく毎日特に食べたいものないのに足繁く通ってスマイルだけでも注文しちゃうまである。この笑顔何円?こりゃ違う店か。ハハ…

 

そういやピンクの髪で出るとこ出てて(どことは言わないが)声がこんな感じの子がマ○ク?で働いてたアニメあったな〜。久しぶりに観たくなってきたな〜、とか考えながら教室を後にした。

 

・・・

 

「ヒッキー、髪切った?」

 

「何?タ〇リ?」

 

「ち、違うし!(ついでにさいちゃんも同じこと言ってたのにその時の反応とも全然違うし!)」

 

ある程度人気のない所に出たなと思ったら開口一番髪の話題である。いやー、戸塚の前では素直に反応できるんだがやっぱ他のやつじゃダメだな…これはもう戸塚が天使でエンジェルということに決まりですねハイ証明完了!

 

「冗談だよ冗談。そうだ、髪切ったけど」

 

「…似合ってるね…」

 

ウ・ワ・メ・ヅ・カ・イでそんなこと言われるともうほんとに勘違いしたくなっちゃうからやめてね?とは言えず、

 

「お、おう…なんか、その、すまん…」

 

「なんで謝るし!」

 

「いや、気使わせちまったかなと思って」

 

「あー、そんなのいつもやってるから大丈夫だし」

 

自覚あるんかい。

 

「でも最近はヒッキーとゆきのんのおかげでそんなに気を使うこともなくなったから…って違う違う!気を使って似合ってるなんて言ってないし!本気だし!」

 

んなこたわかってんだよ…」

 

「え?何がわかってるって」

 

っべーわぁ途中から声に出てたわぁとか言ってる場合じゃなくて

 

「お、部室だ部室。さあ今日も元気にやっはろー、いっときますか!」

 

「いやそんな漢方、いっときますか!みたいなノリで言わないし!」

 

もう通い慣れてしまった部室のドアに手を掛けたとき、ふと雪ノ下がどんな反応をするのか考えてしまった。

 

…ヤバい、俺のメンタルがミキサーにかけられたくらい原型を留めていないようなことになっちゃいそうとか考えてしまったせいで後ろが立て込んでしまった(といっても由比ヶ浜1人だが)らしく

 

「ほーら、はやくはやく!」

 

「お、おい押すなって」

 

由比ヶ浜がドアを開ける。

 

「やっはろー!ゆきのん!」

 

「あら、由比ヶ浜さん、こんにちは」

 

「うす…」

 

「比企谷くん、午後の挨拶は?由比ヶ浜さんでもちゃんと言ったのだから言えていないと色々とまずいと思うのだけれど」

 

「あたしでもそこまでバカじゃないし!」

 

「あら、ごめんなさい。少し、いえ、かなり見くびっていたわ。というかうすって何?あなたの影?存在感?自覚しているからといって挨拶にまで出さなくてもいいのではなくて黒子谷くん?」

 

「おい、俺はバスケ部でもキセキの世代の幻のシックスマンでもねぇよ。え、見えるよね?俺見えてるよね?」

 

「さっきまで一緒に部室まで歩いて来てたじゃん。心配ないよー」

 

「そうね。まずこうして会話をしている時点で自分の姿が見えていることくらいわかるでしょうに」

 

「いや、これは俺の友達の友達の話なんだが…」

 

「まーた始まったし、ヒッキーのトラウマ話」

 

「そうね。そもそも彼に友達などいないでしょうし友達の友達とはそもそも自分を指し示すということもあるでしょうし」

 

「おい、まだ何も言ってねぇだろうが…」

 

…さっき教室を出る前に不本意だが、とか言っていたが来てみるとこうやってくだらない話をしたり由比ヶ浜がアホの子だったり雪ノ下が毒を吐きまくったり俺がつっこんだりたまにボケたりそれを2人がつっこんだり、なんて時間も最近は悪くないな、なんて考えることが増えてきた。

 

「で、気を取り直して俺の話なんだが…」

 

「もはや認めてしまうのね…」

 

「ヒッキー…」

 

雪ノ下がこめかみを押さえながら、由比ヶ浜が苦笑しながらそれぞれ言った。

 

・・・

 

俺…のトラウマ話をしたあとは特に何も話すこともなく、雪ノ下と俺がページを繰る音と由比ヶ浜がチャラチャラしたケータイをいじる音だけが部屋に拡がっていた、なんて時間が続いてると

 

「今日はもう解散にしましょうか」

 

「そうだね」「そうだな」

 

由比ヶ浜とタイミングがほぼかぶった。少し恥ずかしくなり由比ヶ浜の方を見ると、ニコッとしてすぐに目をそらされた。なんだろう。ハモったね♪ハハ↑♪とでも言ってるのだろうか。いやそれどこの夢の国のネズミ?

 

「では鍵をかけるから…」

 

3人が部室を出て、雪ノ下が鍵をかけた。ふぅー今日もハタライタハタライタ。本読んでただけ?出勤はしたから給料くらい出てもいいんじゃないですかねーハイ。

 

「じゃ、俺帰るわ」

 

「また明日ね!ヒッキー!」

 

「比企谷くん、また」

 

「おう、じゃな…」

 

なんだろう。特に由比ヶ浜の方、少し寂しそうな顔をしている気がする…クソッ!まだ天使効果が残っているのか!戸塚と小町!恐ろしい子!何か気の利いたことでも言ってやれりゃいいのだがあいにく俺にそんなにコミュ力はない…どうしたものかと少し歩調を緩めながら考えていると

 

「比企谷くん…!」

 

雪ノ下が俺を呼び止めた。

 

「なんだ?」

 

「髪、似合ってるわよ…」

 

「そ、そか…」

 

「え、えぇ…」

 

「あ、ありがとな…」

 

「い、いえ…ではまた」

 

あちゃー、天使効果が雪ノ下にまで伝染ったか…顔ちょっと紅くないですか?ゆ、夕日だな!うん。そうだそうに違いない!まったくキョウハナンテヒダー、勘違いしそうな相手がよりによって同じ部活の2人だなんて…戸塚?殿堂入りだよ?

 

とか考えてると不意にさっきまで寂しそうな?顔をしていた(気がする)由比ヶ浜を思い出し、一瞥してみると、なんかさっきより嬉しそうな顔をして雪ノ下を見つめていた。

 

なんだろう、例えるのならわが子の成長を見守りながら喜ぶ母親…にしては神秘的すぎるから聖母だな、ってくらいには穏やかな表情に変わっていた。そうか。雪ノ下はキリストだったのか。違うな。違うね。

 

「俺が出る間でもねぇな….」

 

自嘲気味に肩をすくめながら再び歩みを進める。

 

明日からもこんな日が続くのだろうか。それとも、今日天使だったのが悪魔に変わったり(戸塚は大丈夫戸塚は大丈夫…いや、悪魔は悪魔で悪くないかもしれん。小悪魔限定だが…)するのだろうか。

 

いっぱい勘違いしそうで危なっかしい日ではあったがいい日だったな、という気持ちの方が大きいのでそのことについては考えるのをやめた。今日だけでめっちゃ考えるのやめてませんかね俺?

 

夕日が眩しい。俺の顔も紅くなってたりするんだろうか。

 

明日も学校だというのに、こんなにいい気分なのは初めて。そんな気がした。

 

終わり

 

 

 

 

 




いやー、こんな青春も、あるんですね…(遠い目)
ちなみに筆者がどんないい店で髪を切ったところで家族にすら「髪いいね(訳:髪はいいのに顔とか素材はダメだね!)」となるので少し悲しくなります(泣)友達?学校で?愚問だな。
…さて、今回は私の作品では初となる戸塚くんや小町ちゃんにも登場していただきましたが違和感などなかったでしょうか?何か思うところがあった、ここ共感した、これ使い方間違ってる、などの感想やアドバイスはお気軽にお願いします!(ていうかむしろくださいお願いします!)ではまた!

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