ゼロの使い魔 ご都合主義でサーヴァント!   作:AUOジョンソン

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「……だよな?」「……いやまぁ、そうなんだけども……だめかの?」「駄目。そもそもなんでその機能つけようと思ったんだ?」「……まぁこの身体でも小僧は興奮するとはわかっているのだが、ほれ、胸で挟んでやろうとしたら足りんじゃろ?」「……だからって『胸部サイズ調整機構』をつけようっていうのはちょっと理解できないな……?」「なんじゃと!? 貴様もロリ巨乳には否定派か! まったくもってけしからん!」「……なんで俺怒られてるんだ……? いやでも、ロリ巨乳か……周りには確かにいないな……」


それでは、どうぞ。


第六十四話 結構虫のいい話

 大騒動が収まった翌日。テファと仲良くしているベアトリクスがともにケティの援護団に来ているのをみて、ほっこりとした気持ちになりながら、淹れてもらった紅茶を飲む。……うむ、騒動も落ち着いたし、ベアトリクスは改心してくれたし。なんなら今回の件でクルデンホルフ大公家には貸しを作れたし。労力に比してかなりの成果を得られたと言っていいだろう。

 

「やはりギル様の騎士の方たちは素晴らしい方たちでしたわね!」

 

「私は凛々しい剣の騎士さまが……」

 

「豪放磊落な鎧の騎士さまもとっても――」

 

「やはり高貴な雰囲気の鏡の騎士さまが」

 

 先日の騒動で、セイバー、ライダー、キャスターの三人……つまり謙信と信玄と卑弥呼が彼女たちの目の前でベアトリクスの私兵と戦ったのを見たからか、それぞれに『推し』が出来たらしい。こうして集まってはワイワイと盛り上がっているのを見る。他にもいる騎士たちの話を乞われるままに話していると、日も暮れてきたためみんなが寮へと帰っていく。それを見送ってから俺も帰るかと歩いていると、いつものように庭で盛り上がっている水霊騎士団のみんなが見えた。久しぶりにギーシュに絡んで遊ぶかと近づいていくと、嘆きに近い叫びが聞こえてきた。

 

「諸君! 我々はこのままでいいのか!?」

 

「よくなーい!」

 

「先日の騒動の時、我々はその……戦略的な事情から様子見をしていたのだが……まぁ、それがその……女性陣からは消極的だと言われてしまった!」

 

 音頭を取ってるのは予想通りギーシュだ。今回の空中装甲兵団との戦いでは、家の関係もあって参戦できなかったため、援護団のみんなから少しだけ「ちょっとないわー」と思われてしまったのだとか。トリステインの貴族たちはプライドが高く、こういう時に先陣を切れるのが良いということなんだろう。だからあそこで啖呵を切った謙信たちが人気になってるんだしな。

 

「君たちも覚えがあるだろう……いつも差し入れをしてくれる女性たちが今日はちょっと冷たいかな……? と!」

 

「たしかにー」

 

「差し入れも今日は少なかったぞー」

 

「……でもちょっと気持ちよかったぞー」

 

 ……一部はなんか今の状況でもよさそうな感じだけど……。ちょっとこれから何を言うのか興味の沸いた俺は、声を掛けずに身を隠すことにした。まぁ、彼らなら宝具を使わずとも持ち前の隠形でなんとかなるだろう。見ていると、ギーシュは熱弁を続ける。

 

「そう! 我々は傷ついた……! ボクも先日の夜、愛しのモンモランシーから『家のことがあるからってアンタ……』と冷たい言葉と視線を貰ってしまった!」

 

「うらやましいぞー」

 

「マリコルヌを黙らせろっ」

 

 ギーシュの号令で周りからマリコルヌが押さえつけられた。いやまぁ、あんな子だったんだな、マリコルヌ……。強く生きろ。

 

「女性で傷ついた心は……女性で癒すしかあるまい! 先ほどギムリから有用な情報を手に入れた! みんな、近くに寄ってくれ」

 

 マリコルヌ以外の騎士団のみんなが、囲んでいるたき火に近づいてなにやらごにょごにょしている。俺は目は良いが耳はそれなりなので、この距離でこそこそ話されると特殊な手段を用いない限りわからん。……だがまぁ、あんまりいいことは考えてないんだろうな、と言うのは彼らの伸びた鼻の下を見ればわかる。ふーむ、彼らの言葉と態度から察するに……着替えか風呂でも覗く気かな? ……まぁ、マスターやテファ、ウチの鯖たちなんかの身内がいないならまぁ、健全な男子の活動と見逃してやってもいいんだが……。うん、ここはひとつ、また暗躍するとしよう。

 

・・・

 

「それでボクの所に来たわけだね?」

 

「ああ。テファに関係することでもあるしね」

 

 もしこれで覗きが成功でもしてテファが『この人たちキライ!』とか言ってしまったら、エルキドゥは『そうか。ならいなくなってもらおう』とか言ってギーシュたちをこの世からい無くならせてしまう可能性がある。……いらぬ心配かもしれないが、英霊たちの価値観なんて時代や立場で滅茶苦茶変わるからな。死ぬほど命が軽い時代から来た英霊とかはすぐ人の命とか消費するし神代に近いほど人間の命は素材だと思ってるのもいるし……。

 

「ふむ……まぁキミが僕のことをどう思ってるのかはあとでじっくり腰を据えて語り合うとして……任せてよ。僕に良い案がある」

 

「……それでいい案だったことあんまり……」

 

「うん?」

 

「あ、いえ、何でもないです……」

 

 エルキドゥの笑顔こっわ。メイド服着ててめっちゃ美女みたいな外見してるのに圧だけ古代ウルクの兵器って感じなんだけど。ギャップで風邪ひきそう。

 

「よし、作戦はこうだ。――」

 

「ふむふむ」

 

 おそらく彼らの決行は今夜だろう。それまでに言われた通りの準備をしておかねばな。

 

・・・

 

 夜。日が暮れ、生徒たちの大半が夕食を終えたころ。俺は霊体化して合図を待っていた。……いや、うん、説明するから聞いてほしい。エルキドゥから言われたのは、少し衝撃を受けさせて懲らしめるというものだった。どうやって覗くのかはわからないが、霊体化した俺の視界でも見えるようにエルキドゥが目印を置いてくれる。それが出たら、俺が霊体化を解いて、彼らの目の前にどーんと出現! びっくりさせて懲りさせるという作戦だ。うんうん、傷つくことのない良い作戦だと思う。

 それにしても……瞬時に霊体化を解けるように霊基を弄ると言っていたが……そんなことも出来たんだなぁ、エルキドゥ。

 そんなこんなで合図を待っていると、エルキドゥからの念話が飛んできた。よし、ならばいまだ!

 

「ふはははは! そこまでだ!」

 

 予行しておいたセリフを言いながら現界する。なにやら少し視界が悪いが、まぁそこは千里眼を持つ俺だ。すぐに視界を確保して、はっきりと景色が見えるようになる。そこには、計画を防がれて驚いた顔をしたギーシュたちが……。

 

「な、ななななな……!」

 

「だ、大胆……!」

 

「で、でっ、でっ、か」

 

 ……ギーシュ……達が……?

 

「ひあぁぁぁ……あ、あれが私の中に……!? さ、裂けちゃう……!?」

 

「お、落ち着くのよ私。女の人は赤ちゃんも出てくるほどだもの。アレならきっと受け入れられる……! ……受け入れられるかしら……!?」

 

「おっ、男の人のってあんなに大きいワケ!? あ、あんなの入るわけないじゃない……!」

 

 ……湯けむりが晴れたそこには、何故か顔を青くしているマスター、それとは反対に顔を赤くしているテファ、顔を覆いつつも指の隙間からこちらを見るモンモン、無言のままじっとこちらを見上げるタバサ。……そろそろ現実を直視するべきか。彼女たちの反応。そして、ずいぶんとすーすーする身体。……俺裸だな?

 

「……よし! 存分に見るがいい! 俺も君たちの裸を見た! 君たちも俺の裸を見た! それでお相子としよう!」

 

 マスターのすらっとした一枚の板かと見紛うほどのスタイルも、テファの胸と腰の差が凄まじいことになっている禁断の果実も、しっとりとお湯に濡れているタバサの肌も、それ以外にも入浴しているすべての女子の裸を見てしまったが……その代わり彼女たちも俺の黄金の肢体を見ることができたのだ。お相子にしてもいいだろう。なんてったって英雄王の身体だ。どこにも恥じるところはない。

 ……いやまぁ、現実逃避はやめよう。たぶんこれの犯人はエルキドゥなのだろう。俺の霊基を弄った時に全裸で現界するように調整していたのだろう。某新世界の神のようにくそっ、やられた! とやりたいところだが、そんなことをしてもこの状況が改善されるわけでもなし。とりあえずざぶんと湯船に入る。

 

「まぁ落ち着けよ少女たち。まずはゆっくり湯船に浸かって疲労を取ろうじゃないか」

 

「……王さまも、お風呂入りたかった?」

 

「ん、まぁ、そうなるな……?」

 

 ざぶざぶと湯船を進んで俺の隣に来てくれたのは、ずっと冷静だったタバサだ。俺の横にならぶと、いつものようにジト目をこちらに向けてきていた。

 

「ちょ、ちょっと! なに普通に入ってるわけ!? あんた、ここは女子風呂で……!」

 

「……まぁマスター。これは後程しっかり説明するから、とりあえずはこっち来て落ち着かないか?」

 

 俺の近くに着て胸元と下腹部を隠すマスターが、顔を真っ赤にして俺に詰め寄ってくる。顔が真っ赤なのはお風呂に入って血流がよくなっているから……と言うだけではないのだろう。こういう時は俺も慌ててしまうと、お互い勢いで変なことをしてしまうので、こういう時はしっかり落ち着いてその場をとりなして、後程謝罪行脚をするのが良いだろう。

 

「い、一緒にって……はぁ……まぁ、あんたならこんなところ乱入しなくても普通に中庭の方のお風呂に好きなように人呼ぶもんね……。わかったわ。信じてあげる」

 

 そう言って、マスターはタバサとは逆側になるように俺の横に腰を下ろした。それなりに深さはあるので、タバサやマスターが腰を下ろすと、肩より少し上までお湯の中に隠れるようだ。お湯の中が見えるほど澄んでいるわけではないし、柚子っぽい果実や何かの薬草のようなものも入っているので、これなら二人とも恥ずかしい所は見えないだろう。先ほど慌てていたテファ達も肩まで湯船に入り、こちらにざぶざぶと近寄ってきた。

 

「ちょっとびっくりしちゃったわ。あなたも一緒にお風呂入りたかったの?」

 

 先ほどの取り乱しようからだいぶ落ち着いたのか、テファはいつものように笑顔で話しかけてくれた。マスターより少し身長の大きい彼女は湯船から胸元が出てしまっているが、その辺はみんな体にタオルを巻いたりと対応しているので、見えてしまうことはない。……うーむ、しっかしこれは中々強烈な……。

 

「……えと、やっぱり気になる? みんな『コレ』は偽物なのかっていうから、私のはやっぱり変なのかな……確かめてくれる?」

 

 じっと見つめている視線に気づいたのか、テファがそんなことを言いながら身体に巻いていたタオルをずるりと下した。確かにこの細い体になんでそんな大きいモノが付いてるんだと偽物を疑う気持ちはわからないでもないが……お、結構色素薄くて可愛らしい小さめの……

 

「ばっかあんた何やってんのッ!」

 

「ひあっ」

 

 それを見ていたマスターが、血相を変えてテファの胸を隠すように抑えた。……が、勢いがつきすぎたらしくそのまま二人ともばっしゃんと湯船の中に沈んでしまった。ばしゃばしゃと二人とももがいた後、息が苦しくなったのか勢いよく水面に出てきた。

 

「ぷはっ! こんなところでおっぱい丸出しにする子がいますかッ!」

 

「ごっ、ごめんなさいっ。だって、王さまだったら大丈夫かなって……」

 

 俺の目の前で説教するマスターとテファ。うんうん、良い景色だ。二人ともとてもきれいな肌をしているんだなぁ、と感慨にふけっていると、タバサがぼそりとつぶやく。

 

「二人とも……丸出し」

 

「――だから結婚する前の女の子がそんな簡単に……! えっ?」

 

 タバサの一言で気づいたらしいマスターが、こちらを見て、自分の状態を見て、もう一度こちらを見て、さっきまでの騒ぎで赤くなっていた顔をさらに赤くしながら、自分の身体を手で隠して湯船に体を沈めた。

 

「……見た?」

 

「ああ、まぁ、結構しっかりめに。その……マスターの性格的にたぶんあとで俺爆発させると思うんだけど、そうなっても良いって思うくらいには良い景色だったよ」

 

「――ふぅ。なんか、アレね。あんまりにも感情が高ぶると……人って冷静になるのね」

 

 やばいぞ。なんかの境地に至ったらしい発言がマスターから飛び出してきた。顔も落ち着いて真顔になってるし、顔色も元通りだ。……怒ったり騒いでいる時より静かな時の方が怖いとか本当に怖い時の人間じゃん……。こっわ。戸締りしとこ、と思ったけどおんなじ部屋だから意味ねーな。

 マスターが(実態はともかく)落ち着いたのを見たからか、テファもこちらにざばざばと歩いてきた。……この子は少し無知なところもあるから、全然隠さないで歩いて来るなぁ。それにしても巨大な果実だ。生前の弓使いの某お母さんといい勝負だろうか……。

 

「ルイズ、大丈夫? ……ね、ギル? やっぱりタバサやルイズとかと比べて私の胸変だわ……モンモランシーも少し膨らんでるけど、私ほどじゃないし……」

 

「ねえちょっとなんで今私に飛び火したの……? 凄い自然にマウント取らなかったかしら、この女……」

 

 モンモンが自分の胸をふにふにと触りながら凄い視線をテファの胸に注いでいる。マスターやタバサはつるぺたすってんとんって感じだが、モンモンは……普通くらいだな。小さいって言うわけでもないが、巨乳と言うには……と言う感じだ。

 

「……まぁ、テファが不安になるのもわかる。まさにレヴォリューションって感じだもんな。革命だよ。胸革命。でも、世界は広いんだ、テファ。テファくらい大きい子も、世界には何人もいる」

 

「そうなの? ……そう言ってもらえるなら、ちょっと不安も紛れるかも……でもやっぱり、触って確かめてみない? ……私、ギルにだったら……触ってほしい、かも……」

 

「……王さま。触るだけならわたしも大丈夫。膨らみはないけど、触ると柔らかい」

 

「はぁあぁぁあああ? タバサ、あんた何言ってるかわかってんの!? この色欲大魔神にそんなこと言ったらそのまま手籠めにされて……ぐぅ、あのエロメイドめ……」

 

 俺の前で姿勢を低くしたテファは胸を突き出しながら緊張したように目を閉じるし、隣のタバサは俺をツンツンとつつきながら自分の胸を差し出してくるし、マスターはそれを見て何故かシエスタへの怒りがふつふつと沸いてきたらしい。

 

「……なんていうか……あんた、大変なのね」

 

「わかってくれるか、モンモン」

 

「モンモンいうな。……まぁ、あんたにはいろいろ出資してもらってるわけだし、相談くらいなら乗るわよ? ……胸はその……まだちょっと早いというか……」

 

「……相談に乗ってもらえるだけでも助かるよ、モンモン」

 

「だからモンモン言うなって……はぁ、まぁいいわ。あんまり入っててものぼせるし、私はお先に」

 

 くるくるドリルの髪をアップにまとめていたモンモンは、この状況に呆れたのか巻き込まれたらたまらないと思ったのか、ざぱ、と湯船から出るとそのまま脱衣所の方へと歩いていった。……さて、そろそろ周りにいる他の女生徒たちが俺の身体に見惚れすぎてのぼせちゃうだろうし、ここいらで俺もお暇しておくかな。多分これ俺は囮に使われたっぽいし、ギーシュたちの方はエルキドゥがなんとかしたのだろう。女子たちの注意をこちらに向けさせて、覗きの方へと意識を向けさせないようにしたのだろう。俺なら『女性特攻』とでも言うべきスキルがあるし、なんとかなると思われたのかもしれない。妙な信頼を持たれたものだ。

 

「さて、しっかり目の保養もしたし、俺も出るとするかな」

 

 そう言って、俺は再び霊体化する。まったく、とりあえずはエルキドゥに色々と言わなければな。

 

「……部屋に戻ったら正座してなさい」

 

 ……霊体化する直前に言われたマスターの言葉は、意識して無視することにした。

 

・・・

 

「あ、いた」

 

「おや、もう戻ってきたのかい?」

 

 悪びれずにそう言うエルキドゥに、これは全部織り込み済みだな、とため息をつく。

 

「はっはっは、そんなに怒らないでほしいな。君の霊基はいじりやすかったんだ。普通ならあんなことできないだろうけど、本人が霊基の改変を受け入れたのと……ボクが一番親しい霊基に近かったからね」

 

 ……親しみのある波長だったからやりやすかった、と言うことだろうか。それで全裸にしてくるのは普通にやりすぎだとは思うが……ま、役得だったからいいか。

 

「安心していいよ。こっちの方は無事に帰してある。人は目の前のことに集中しすぎると後ろへの警戒がおろそかになるよね」

 

 何をしたのかは聞かないでおこう。この微笑みのまま殺す気で剣を振るえる兵器だ。どんな発言が出てきてもおかしくはない。

 それに個人的に楽しんだのは事実だ。……まぁ、この後のマスターとのこととか、今回の騒ぎを知ったウチの鯖ーズがどういう動きをするのかわからなさ過ぎて怖い所はある。特に小碓と壱与。卑弥呼と謙信あたりにヘルプを要請しないといけないかもな。……そっちの対価も恐ろしいものではあるけど。

 

「それにしても、君はなんというか……面白いね」

 

「俺が?」

 

「ああ。見ていて飽きないよ」

 

「そりゃそうだろうな。俺だって当事者じゃなきゃ笑ってたよ」

 

 全裸で女子風呂ぶっこまれるとか面白すぎる。しかも俺仁王立ちしてたし。全裸で。……あー、引きの画で見たかったな、その瞬間……誰か撮ってたりしないだろうか。土下座神さま辺りは見てそ……いやでもあの神様生前の頃から俺が風呂入ったり女の子と閨を共にしてたりとかすると見るの止めてたとか言ってたしな……あのむっつりめ。本当は指の隙間から見てたんじゃないのか? 俺が全力エアダッシュしてた時とかも大騒ぎしながらばっちり見てたしな。何だったら神器で撮影してた気もする。むっつり土下座神か。どんどん属性増えてくな、あの神様。その内権能も変質し

 

ていきそう。

 

「そういえば気になってたことがあるんだけど……」

 

「なんだ?」

 

「僕が君の宝具に登録されてないのはなんでなのかなって」

 

「え?」

 

「ん?」

 

 お互いにきょとんとした顔をする。

 

「……いやほら、俺ってエルキドゥの親友を騙る偽物みたいなものだろ? だからエルキドゥはあんまり俺のこと好きじゃないのかなって思ってたんだけど……」

 

「確かに姿形はほとんど一緒だね。……でも、どんなに似ていても魂の形は違うものだよ」

 

 外見だけを見ないというのは凄いことだな。魂を見て判断できるとは……良妻狐と同じこと言ってるな。

 

「それに……この格好なら、僕でも君の宝具の条件は満たしているだろう?」

 

 言われた通り、俺の宝具で召喚できるのは『女性』『雌』そして、『それに準ずるもの』だ。『女性』と言うのはそのまんまだ。謙信やら卑弥呼やら壱与やらのことだ。『雌』と言うのは少し難しいが……一目見て人間だとは思えないもの……と言ったらいいのか……まぁほとんど『女性』ではあるのだが、外見上パッと見てわからない子とかはこっちの分類になるのかな。俺ですらその辺はあいまいである。そして、問題の『それに準ずるもの』と言うのは……小碓とかアストルフォとかデオンとか……ほら、その、わかるだろ? 『準じてる』だろ? たぶんだけどエルキドゥはこの『準ずるもの』扱いになると思う。いやその、イケると言えばイケますけどね……?

 

「……ま、今はこのくらいかな。少し考えておいて欲しいな。じゃあね」

 

 そう言って、こちらに微笑みかけながら立ち去っていくエルキドゥ。……エルキドゥが『良い』と言ったとしても、それで絆を結んだあとに後々なんかの間違いで本家本元ギルガメッシュと聖杯戦争で出会ったりでもしたら……恐ろし過ぎる……。『友人』枠と言うか、『親友』はかの英雄王一人だけだから、その立場での絆も無理だし……そうなると、アレしかないわけで。

 

「……うぅむ……」

 

 今日はたくさんモテるなー、なんて現実逃避をしながら、俺はマスターの部屋へと戻ることにしたのだった。……ちなみに、二回爆発した。一回目は部屋の扉開けて『ただいま』の『た』の部分で爆発したし、フォローのつもりで喋った『綺麗で見とれてたよ』の『た』のあたりでもう一回爆発した。……照れ隠しは可愛いなぁ。

 

・・・




「はいっ」「『女性』」「はい!」「『女性』」「あいっ」「『雌』」「はい」「『女性』」「うい」「『準ずるもの』」「……違い、わかります……?」「いいえ……?」「安心していいぞ。俺もわからん。雰囲気でなんとなくやってる」「はいっ」「『神』」「分類に入ってすらいない!?」


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