ゼロの使い魔 ご都合主義でサーヴァント!   作:AUOジョンソン

66 / 74
「よくもまぁ自分のこと無辜の王とか言えたもんね」「え、そんなに罪重ねたか、俺。まぁ確かに数えろと言われたら今更数えきれるかって逆切れするぐらいにはあると思うけど……特にマスターには何もして無いような気も……」「……『何もしない』のが罪になるってこともあるって教えてあげようか?」「あ、いえ、大丈夫です」


それでは、どうぞ。


第六十五話 無辜の王たるこの俺が

「けっほ。……まったく、照れ隠しにしては過激だよなぁ……」

 

 爆発を食らって煤だらけになった顔を拭ったタオルを宝物庫に片付け、鯖小屋の椅子に腰かける。部屋に入った瞬間に爆発させられ、今は落ち着かせるしかないかとセイバーを置いてこうしてすごすごと鯖小屋まで退避してきたのだ。

 

「あはは……ミス・ヴァリエールは恥ずかしがり屋さんですから……」

 

 シエスタが苦笑しながらマスターのフォローをしながら、俺の前に淹れたてのお茶を置いてくれる。うん、いい匂いだ。

 

「それにしてもだろ。まったく、前に惚れ薬を飲んでた時くらい素直になってくれればもう少し可愛げもあるんだが……まぁ、あのツンデレ具合がとても可愛いのも確かなんだけど」

 

「惚れ薬……ですか……」

 

「うん?」

 

 なにやら呟きながら、シエスタが手元で何かの瓶を見つめている。

 

「えと……これ……惚れ薬……って渡されて」

 

「え、入れた?」

 

 手に持つお茶に視線を向ける。特に気分は変わってないけど……。偽物だったのかな?

 

「あ、いえ。少し悩んだんですけど、その……直接お誘いしたらいいって思い直して……えと、はしたないメイドは、お嫌いですか……?」

 

「大好物」

 

「あ……きゃっ。……えと、召し上がれ……?」

 

 テーブルの上のものを避けて、シエスタを押し倒す。……これは、何度でもお代わりできるくらいだ……!

 

・・・

 

 何回戦かして、シエスタが気絶してしまったため、身体を簡単に清めて、そのまま鯖小屋のベッドに寝かせてきた。自動人形もいるから面倒は見てくれるだろう。

 

「……うーん、どうするかなぁ」

 

 流れでシエスタから

惚れ薬を受け取ったのだが、これどうするか。……マスターにも飲ませてみたいし、タバサに飲ませるのも可愛い所が見られそうだ。ヒロインなんてなんぼいても良いもんですからね。

 

「と言っても、うーん、悩むなぁ」

 

「どうしたの」

 

「うん? いや、マスターならともかく、タバサに惚れ薬飲ませてデレデレなところ見るっていうのも、倫理的に……うん?」

 

「私に? 王さまは、私に惚れてほしいの?」

 

 悩みながら歩いていたからか、いつの間にか隣を歩いていたタバサに気づかなかったようだ。この子は気配を断つことが上手だから、こうして背後を取られることは多い。やっぱりこの子キャスターよりアサシン適性高いだろ。

 

「はっはっは、そりゃ可愛い子には好きになってもらいたいだろ」

 

 そう言って、隣で俺を見上げるタバサの頭を撫でる。くりんくりんと頭を揺らされるままにされているタバサは、そのまま顎に手を当てて考え込む。

 

「……ん」

 

「ん?」

 

「……薬、ちょうだい。飲む」

 

「お、ちょっと話が飛んだかな? ……どうなってそうなった?」

 

「……王さまのものになるのは大丈夫。セイバーとアサシンがすごく詳しく教えてくれるから、アーチャーと一緒に『王さまとの初めて』については勉強済み」

 

「……勉強済みかぁ」

 

 その辺の教育は手早くやるなぁ、チームセンゴク達は。前ケティ達にも話しかけてるの見たことあるぞ。仲いいんだなぁ、くらいに思ってたけど、アレまた別の思惑感じるなぁ……。その内生前の後宮レベルの建物立てることになるかもしれん。アルビオンが空飛ぶ後宮島になる日も来る……のか……?

 

「でも、いざ初めてするとなると……ちょっと怖い」

 

「え、いや、そこまで無理やりするわけでは……」

 

「でもセイバーは『殿は恥ずかしがる乙女をちょっと強引に押し倒すのが好き』と言っていた。……ちょっと抵抗した方が良い?」

 

「お、訴えたら勝てるかな?」

 

 たぶん謙信と小碓くらいは確実に勝てるな。あいつら俺に名誉がないと思ってるところあるからな……。いやまぁ、女性関係であれだけやったら確かにないかなー、とは自分でも思うけど。たぶん謙信が言ってることも間違いじゃないしな。

 

「ちょっと怖いから……惚れ薬で、勢いをつける。がっとしてちゅっとしてあはーん」

 

「あはーん、か」

 

「あはーん。……これを言えば、せくすぃー? って、ランサーが言ってた。後は『聖王の聖棒を聖なる夜に聖なる心で受け入れたら良い』って」

 

「タバサはもう少し知識の吸収先を選んだ方が良いと思う」

 

 ウチのサーヴァントたちに聞いたら大体そんな感じになるに決まってるからな。壱与と卑弥呼に捕まる前に正しい知識を身につけてほしい所だ。あの二人は変な知識を吹き込むとかじゃなく、全裸のタバサを簀巻きにしてベッドに転がしておくくらいはするからな。『ご自由にお食べ下さい』みたいなメモ付きで。

 

「……? それで、どうするの? 私は今日、これからずっと暇」

 

「うーん……据え膳食わぬはなんとやら、かー」

 

 どういう意味? と聞いてくるタバサに意味を教えながら、そのまま横抱きにする。

 

「……流石に少し恥ずかしい」

 

 そう言って、俺の腕の中で頬を染め、もじもじとするタバサ。

 

「やったことがないというのは怖いだろうけど……こういう言葉がある。『時には歩くよりまず走れ』だ」

 

 ……本で埋め尽くされた、少し殺風景なタバサの部屋。そこのベッドの上で無表情ながら恥じらうタバサは……うん、クーデレもいいよな。

 

・・・

 

「で、結局使ってないなコレ」

 

 タバサの部屋のベッドの上。隣に眠るタバサを起こさないように上体だけを起こした俺は、宝物庫から取り出したシエスタの惚れ薬を眺めながらひとりごちる。

 っていうかそもそも惚れ薬って自分に気のない人を落とすために使うものじゃないのか? ……いやまぁ、マスターみたいな素直じゃない子を素直にするためならとてもいいものではあるんだけど。

 

「んー、でも使うと騒動になりそうな予感がひしひしとするんだよなぁ。宝物庫に封印しておくかー」

 

 そう言って、もう一度宝物庫にしま……え、自動人形に強奪されたんだけど。宝物庫の波紋じゃなくてそこから出てきた手が俺から瓶を取って行ってしまった。……どうするんだろ。飲むんかな。勝手に誰かに飲ますのは困るんだけど……。

 

「……待てよ。今千人を超えた自動人形たちが飲むのが一番まずいのでは?」

 

 あいつら自分から受け入れればああいう薬も効くからな……宝物庫で量産されて全員が飲んだ場合は……うん、一旦座に戻るのも考えないとダメかもな。

 

「……ん」

 

「お。起きたか」

 

「……ん」

 

 同じ一言でも、一度目は目覚めた瞬間の戸惑いを含んだ声で、二度目は状況を把握して、少し恥ずかしがりながらシーツを手繰り寄せての一言だ。どっちも可愛いが、可愛らしさのベクトルが違う。……もう一戦行くか……?

 

「……うわ」

 

 お、いつも無表情なタバサの嫌そうな顔だ。しかも聞いたこと無いような声も出してる。……シーツの中、自分の身体を触っての感想みたいだけど……。

 

「……王さま、出し過ぎ。ずっと出てくる……」

 

「あ、うん。……ごめん」

 

「……子供、出来た?」

 

「えー、それはどうだろ……すぐにはわからないかなぁ」

 

 キョトンとしながらお腹をさするタバサ。意外と子供好きだったりするんだろうか。静かに「そう」とつぶやくと、ごそごそと再びシーツの中を探る。

 

「着替えて、ご飯。……今日は小屋の方で食べれると聞いている」

 

「ああ、確かにそうだけど……」

 

 何度かあった行為中の休憩の時、そんな話をした。いつでも鯖小屋に来ていいし、設備や物資は勝手に使っても良い、と言うことも。その中で自動人形が色々作ってるので食べに来てくれると嬉しいというのも言ったはずだ。……その言葉に目をキラキラさせたタバサが可愛くて何回目か忘れた戦いに赴いたわけだけども……。

 下着もつけて、ブラウスも来ているタバサは、たまに顔をしかめながらも着替えを続ける。俺はベッドからおりて魔力で服を編むだけだ。ベッドの片づけは……いつも通り自動人形に任せるとしよう。

 

「……便利。一人欲しい」

 

「ん? ……あー、まぁ、タバサなら大丈夫か」

 

 そのまま今片づけをしている自動人形を一人、そのままタバサに付けることにする。何かあれば守ってくれるくらいの実力はあるから、ちょうどいいだろう。

 ついでで着替えと軽く体を清めるのまで任せ始めたタバサに苦笑いしてから、俺たちは鯖小屋へと向かうのであった。

 

・・・

 

「はぁ、惚れ薬ねぇ……」

 

 こういうのはモンモンだろ。と言うことでモンモンを呼び寄せておいた。この子は俺をスポンサーにしてからちょいちょい鯖小屋の一室を占拠して薬の研究をしているので、すでに『薬学室』と言う看板まで扉に下がるようになってしまった。もう私物化してるだろこの子……。いや良いんだけど。部屋余ってるし。

 

「……んー、純度低そうねぇ。ちょっと飲んでみようかしら」

 

「えっ。ホンモノだったらまずいだろ。俺のこと大好きになっちゃうぞ?」

 

「なんかそう言われるとだいぶん気持ち悪いわね……。まぁでも、ギーシュも他の子に熱を上げてるんだし、私だって……!」

 

 なんか変な振り切れ方をし始めたモンモンに少し引いていると、こちらにジト目を向けながら愚痴をこぼし始める。

 

「……アンタなら辺境伯だしお金持ちだし顔も良いし。ま、合格点ってところよね。……まったく、このままならほんとにこっち行っちゃおうかしら……」

 

 後半はぶつくさと小さい声になっていたので聞こえなかったが、まぁギーシュへの文句かなんかだろうか。……最近ギーシュは女子援護団の後輩の子たちにキャーキャー言われるのにハマっているらしいので、モンモンはスルー気味なのだろう。……モンモンがここに籠っているっていうのもあるんだろうが。

 

「とにかく! 今私に恋人なんていないわっ。薬が恋人みたいなものよ……ふふふ……」

 

 暗い笑みを浮かべて危ないことを呟くモンモン。……うーん、まぁ本当にこっち来るなら迎え入れるとしよう。俺の座右の銘は『据え膳食わぬは男の恥』だ。あとしっかり釣った魚には餌を上げるタイプだから、安心してほしい。……でもモンモンの薬学の知識は欲しいんだよなぁ。どうなるにしてもウチで雇うとしよう。

 

「ま、あんたなら私がベタ惚れになっても最後まで手は出さないでしょ? ……出さないわよね?」

 

「時と場合による。今は出す時と場合かな」

 

「じゃあダメじゃない!」

 

 ばん! と机を叩いて立ち上がるモンモン。良いツッコミだ。この子はそのタイプだと思っていた。

 

「嘘だよ。嘘。さっきまで解消してたから、今は落ち着いてる。言う通り、最後までは行かないよ」

 

「まったく、変な冗談言わないでよね。……よし、なら飲んでみようかしら。行くわよ」

 

 瓶を開け、グイッと一気に呷るモンモン。こういうところは覚悟決めると強いよなぁ。

 

「どんな感じだ? 結構即効性あるものらしいけど」

 

「……ひっく。……あなたって……赤い瞳が素敵よね」

 

 おっと。

 

・・・

 

「……あら? なんの騒ぎかしら……」

 

 洗濯や買い出しで少し離れていたシエスタが小屋へ戻ってくると、なにやら女生徒やメイドが集まっている様な気がした。……と言うか、こんな人気のない所に立てた小屋がこんなににぎわっている時点で相当な異変である。気持ち早めに小屋へ向かうと、段々と騒ぎがはっきりと聞こえてきた。

 

「次は私よっ! ローラッ。あなたはもう三十秒も肩を揉んでいるわッ!」

 

「王さまっ! 次は私がっ。私が御髪を梳かせていただきますわッ」

 

「こちらを食して下さいっ、我が王! 腕に寄りをかけて作りましたわっ」

 

「これが私の最高傑作よっ。ぷしゅっとな。……あぁぁぁっ! 香水の音ぉぉぉぉぉ!」

 

「祝いなさいっ。新たなる我らが王の誕生を!」

 

「ご本……読んで……兄様……」

 

「ダーリン……うふふ……綺麗な赤い瞳……まるで私と同じ……燃える炎の様……」

 

 開きっぱなしの扉から見えたのは、学院のメイドや女生徒たちにもみくちゃにされながらお世話されたりしている主の姿が。

 椅子に腰かけ、足を組んでいるが、身体のほとんどが女性に埋まっていてあんまり細かくは見えなかったが、表情がとても朗らかなのは見えた。どうやら楽しんでいるらしい。ならいいか、とシエスタは自分を納得させた。何がどうなってこうなっているのかはわからないが、貴族である学生と平民であるメイドがああももみくちゃになっていると、なんだか平和でいいなぁ、とずれた感想を抱いてしまうのだった。

 

「はっはっは、まぁ待て君たち。髪の毛なんて梳かされすぎて今までにないくらいさらさらになってしまったし、ご飯に関してはもう君で十人目だ。あとモンモン、なんで香水の匂いじゃなくて吹きかける音に興奮してるんだ……?」

 

 全員がうっとりとその言葉を聞いて……聞いて、と言うよりは聞きほれているのを見てドン引きしながら、再び全員を見渡してみると、少しずつ衣服が乱れて行って、全員

 

だいぶん危ない格好になっているようだった。何だったら同僚の一人は何故か下着姿になっているのが見える。

 

「……またお手付きの方を増やすのかしら……?」

 

 相手は王さまだし、何だったら一人で相手すると夜は身体が持たないのでたくさんの恋人がいるのは全然かまわない、と思うシエスタなのだが、主人にして恋人たる王がこんなに無差別に手出しするかなぁ、と疑問にも思った。

 とりあえず、ここで『致す』なら、私も参加させてもらおう。シエスタは買ってきたものをとりあえず台所に置いてから、そう決意を固めるのだった。

 

・・・

 

 モンモンが飲んだあの『惚れ薬』とやら、粗悪品だったらしく『感染』するようで、最初に尋ねてきてモンモンのあまりの蕩けっぷりに逃げていったケティを感染源として、女子援護団やメイド、タバサとキュルケにも感染したらしい。目の前の相手に一目ぼれするのではなく、最初のモンモンの状態を保存して感染するらしく、全員が俺に一目惚れした状態でやってきて他の女の子がまるで目に入っていないように俺にアピールしたりしなだれかかってきたりお世話してきたりしている。要所要所で押さえておけば一線超えるようなこともないし、こうして可愛い子に囲まれてきゃいきゃいしてもらうのはとっても楽しい。悪い王様ムーブが出来て個人的には満足している。げっへっへ、苦しゅうない……。

 それにたぶんだけどそろそろ効果も切れるだろうし……。

 

「……はっ!? わ、私ってば何を……!? きゃっ、なんで私こんな格好を……!?」

 

「えっ!? わ、私ってばお貴族様を足蹴に……!」

 

「ひゃあああっ!? お、王さまがこんなに近くに……あ、だめ、死んじゃう……」

 

「……兄様?」

 

「はっ! ダーリンっ! 見つめ合うのって素敵ね……いくつも素敵な詩が浮かんできそう……!」

 

 お、切れた切れた。記憶は残るタイプのようで、戸惑う子たちとそのまま余韻を楽しむ子に分かれているようだ。後はここをまとめ上げて、元通りに返してあげるだけだな。そう思っていると、さっきこっそり台所へ向かったシエスタがこちらにやってきた。

 

「お、遅れましたっ!」

 

「え? いや別に遅れたとか……」

 

 ――まさかの裸エプロンで。いや、なんで? どういう思考過程であの格好に至ったんだろうか……。

 

「シエスタっ!? アンタなんて格好して……」

 

「兄様は……ああいう格好の方が好き? ……脱ぐ……?」

 

「えっ、いえ、その……あれぇー……? 今回はたくさんの方とベッドに向かうのかと……」

 

 たぶん途中からこの騒ぎを見たから何か勘違いしたのだろうか。……俺この数に一気に手を出すと思われてるのか。いつも虐めすぎたかな……?

 

「けど、まぁいいか。よっし、シエスタ、寝室に行こうかっ」

 

 こうなったら行くとこまで行こう。

 

「……はっ。王さまっ。わたくしも! お情けをいただきとうございますっ」

 

 ケティも何かに気づいたかのように立候補してくれた。こっちとしては大歓迎だ。

 結局、希望した子は寝室に連れて行って、辞退した子は小屋から出て仕事に戻ったり授業に戻ったりした。

 

「私は……もちろん行く」

 

「まさか初めてが多人数なんてね……でもここで尻込みするなんてツェルプストーの名が泣くわ!」

 

 まさかのタバサとキュルケも参戦するようだ。流石のモンモンも顔を真っ赤にしながら逃げ、メイドの子たちも流石に貴族と混ざるのは気がひけるのか、シエスタ以外は仕事に戻ってしまった。……今度メイドの寮でも襲撃するか……?

 

「ま、とりあえずこの騒ぎに収拾を付けないとな。……ありがとな、シエスタ」

 

 裸エプロンシエスタなんて劇物があのタイミングで来てくれたのはとてもナイスだった。今回は重点的に虐めてあげるとしよう。

 

「ひぅ……ぎ、ギルさん……? 目が、とっても怖いんですけど……」

 

「安心しろ。昔から、メイドをベッドで虐めるのは得意なんだ」

 

「何にも安心できないですっ!」

 

 日が暮れるまで全員を相手したが、全員直接部屋に戻さないといけないくらいには虐め倒した。あのキュルケがベッドの上ではかなりしおらしくなっていたのはびっくりしたが……まさかタバサがキュルケを安心させるなんて思わなかった……。

 

・・・

 

「んふ……ダーリン、とっても激しかったわ……私の情熱に火をつけてくれたわね……」

 

「……ん。お腹、あったかい」

 

「はぅはぅ……まさかあんなところまで……」

 

「これが……王の威光……!」

 

 鯖小屋においてある巨大なベッド……基本的に一人で使わない、多人数用と言ってもいいベッドの上に、それぞれの魅力を持った子たちが息を切らしながら倒れこんでいた。ちょっとハッスルしすぎたかな。シエスタとかうつ伏せになってお尻突き上げたまま身じろぎも出来てないぞ。生きてるのか……? これ……?

 

「はぁ……してる時のダーリン、凄く真剣な顔で私を見てて……ふふ、あの瞳、夢中になっちゃう……」

 

 息を切らせながらも、ぺろりと舌で唇を舐めるキュルケ。一番身体も成熟しているし、かなり無理をしてしまったような気もするが、この中では一番元気みたいだ。才能が

 

あるのかもしれない。褐色の肌に白色は映えるというのがわかった。

 

「しゅごい……私こんなの知らないよぅ……」

 

 仰向けに寝転がりながら両手で顔を覆っているのはケティだ。耳まで真っ赤にしてはわはわしている。全部に驚いてたからな、この子。『そこ触るんですかっ!?』『そこ舐めるんですかっ!?』『そこ挿入れるんですかっ!?』と一つ一つに驚いていた。とてもピュアで純粋な子で、俺の心も癒されたくらいだ。

 

「……」

 

 無言で下腹部を撫でているタバサが、満足そうにため息をつく。……そんなに子供欲しいんだろうか……? 

 

「しかし、凄い効果だったな、惚れ薬。あれが広がると困ることもあるだろうし……モンモンにもう何個か渡して解毒剤みたいなのも研究させないとダメかもな」

 

「そうねぇ……アレが効いてた時は、意識がぼうっとして、でもダーリンが好きって気持ちははっきりしてて……不思議な感覚だったわね」

 

「……私はそこまで変化を感じなかった」

 

「んぅ~……私も、少しぼうっとして……王さま以外の事が考えられなくなって……」

 

 ふぅむ、効果自体は弱くて、感染力に重きを置いた魔法薬だったのだろうか。確かに薬が効いてるときはみんな俺に一目ぼれしてくれてたけど、だからと言ってそこまで深いところまで行こうとしてた子たちは少なかったような気がするしな。ほぼ初対面くらいの子はちょっと服が乱れたくらいだったし。

 ま、その辺も含めてモンモンにはお願いしようかな。効能の細部確認、解毒剤の開発及びその結果の応用くらいまでやってくれたら薬学室に人を増やしてもいいかもしれないな。……こうやって外堀を埋めていくことでモンモンは将来的にウチで囲い込めたりできそうだからな。

 

「悪い顔してるわねぇ……。まぁ、そう言うところも大好きだけれどっ」

 

「はっはっは。じゃあ次は……悪い人みたいに女の子に手を出そうかな」

 

「きゃーっ、また激しくされちゃうのねっ」

 

「ま、まだできるのですかっ!? お、お友達の話では一度したら普通はできなくなると……」

 

「赤ちゃんできるまでは、したい」

 

「はひぇ、わ、わらひも、しゃんかしましゅぅ……」

 

 次は悪い人ムーブでやってみようか!

 

・・・




「……手、出されなかったわね。……私って魅力ないかしら? むぅ。それはそれで悔しいというか……。ま、いいわ。今回渡されたこの粗悪品……改良してあの金ぴか王にも通用するものにして見せる! 頑張らなきゃっ」


誤字脱字のご報告、ご感想お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。