申し訳ありません。
冬イベですね。今回は栗田・小沢艦隊が主人公っぽいです。
瑞鳳改二は嬉しいサプライズでしたね。これでレイテの三航戦が全員改二になりました。
投稿日現在、E-6を攻略中です。掘りまで間に合わない気がしておりますが、皆さんはどうでしょうか。
「航空隊の新設?」
昼下がりの会議室。三人の男が書類を手に話し合っている。若手と中年の参謀、そして俺だ。
狭い部屋で茶も飲まずに折衝を行っている。参謀達は資料一通り眺めた後、若い方が疑問の声を上げた。
「はい。我が第七艦隊にも航空隊が必要であると感じております」
「運用する艦娘は…」
「目途はつけております」
若い将校は再び資料に目を落とす。
該当箇所には"駆逐艦"と書かれている。
「駆逐艦では航空機を運用できませんが…」
「搭載しようとは考えておりません。泊地を設け、基地にて運用します。その管理を駆逐艦に任せようと思っております」
「航空機を整備出来る駆逐艦など聞いたことないですよ」
「彼女には実績があります。また、バックアップとして、空母の支援も取り付けております」
「では、どこからか駆逐艦を引き抜くつもりですか?」
「ええ。本人にも了承をもらっております」
「それはどの艦娘ですか」
「…軍機です」
俺が言い切ると、その将校はそれ以上追求しなかった。
その代わり、隣で黙って聞いていた中年の将校が感想を述べる。
「航空駆逐艦ね。面白いじゃないか」
「参謀殿!」
身内が乗り気になると思っていなかったのか、若い将校は呆れている。
参謀が味方についた今がチャンスかも知れない。俺は言葉を重ねる。
「これが叶えばその駆逐艦の引き抜きは確実です」
「ほう?」
「ヘリ部隊を補う戦力にもなります!どうか、よろしくお願いします樋端参謀!」
「うーん。私は良いと思うが、彼の言う通り、駆逐艦に航空機を搭載する案は通らんだろう」
「……」
「しかし、第七艦隊は水雷戦隊がそっくり移って来るという
「…では?」
「丁度、連合艦隊で海軍航空隊を設立しようと考えていてね。そのテストとして適していると思うんだ」
「本当ですか!」
「なるほど。それは良い案かと」
「ではその線で申請してくれ。"航空駆逐艦"ではなく"第七艦隊 付属航空隊"としてな」
「はい!ありがとうございます」
俺は深々と頭を下げた。
将校二人は立ち上がり、部屋を出て行った。
難色を示していた若い方も、海軍航空隊のテストとする事には賛成したようで、最後は俺の稟議書に頷いてくれた。
俺は安堵の気持ちと共に、会議室を出た。
ここは市ヶ谷にある防衛省。
久方ぶりに来た東京の街はいつもと変わらず、賑やかだ。
暑かった夏も過ぎ、徐々に秋へと近づいている。最近は市ヶ谷へ通う日々が増えているため、季節の移り変わりにも目が行くようになった。そろそろ上着が必要になる時期だろうか。
さて、今回の折衝で、第七艦隊に航空隊を設置する事がようやく決まりそうだ。
この飛行隊を使用出来るようになれば、航空母艦鳳翔は一人で仕事を行える。そして駆逐艦三日月は第七艦隊で働くという流れだ。
駆逐艦1隻のために何とも回りくどい話である。
だが、それが必要なくらいこちらの戦力は切羽詰まっている。借り物ではなく、専属の艦娘の存在は大きい。
今までの門司~シンガポール航路の増強に加え、横浜~トラック航路の護衛を始めなければならないため、専属の護衛部隊は今後も増やして行きたいところだ。
とはいえ、今回の航空隊は鳳翔のために設置するだけで終わらなそうだ。連合艦隊は基地航空隊を増強し、空軍を増やす事を模索している。いずれは空母艦娘に頼らずに陸の飛行場で妖精を運用する予定らしく、そのテストとして第七艦隊が使われる。
余計な雑務が増えそうだが、予算は向こう持ちだし、最新の設備等を投資してくれる可能性もある。悪い事ばかりではないだろう。
横須賀線で東京へ向かう通勤に慣れて来た頃、俺は再び市ヶ谷にいた。
今日は防衛省の大会議室だ。
会議室には多くの将校が席に着いてあれこれ話し合っている。
俺も先程から中心の席に座り、多くの将官の演説を聞いている。
航空隊についての詳細を詰めるための会議にこれほど大勢を集める必要は無さそうだが、これも連合艦隊の期待の表れだろうか。
「今回は海軍航空隊増強と拠点整備の充実化に向けた布石であり…」
今は軍令畑出身のエリート達が前に立ち、演説している。
軍隊と言えど、中央の軍政はお役所仕事だ。特に背広を着た背広組は他の省庁と同じく公務員として職務に当たる。
今は国会を通すための方便を練っているようだ。否決されても困るし、彼らには頑張って貰おう。
十分程、予算や設置の意義について当たり障りの無い用に調整した後、具体的な内容に入った。
参謀飾緒を付けた制服具の将校が前に進み出て、スクリーンの前に立つ。
彼は俺と軍令部のスタッフの顔を順に見ると、説明を始めた。
「新たな航空隊は第七艦隊所属の艦娘搭載機の運用と、搭乗員の練成を主目的とした物です。拠点は水上艦搭載の航空隊ゆえ、静かな海面を持つ海に接した飛行場が適しています。よって、呉から程近い岩国飛行場とします。距離だけでなく、救難飛行艇用の滑り台が設置されている点も、採用する理由として上げられます。
組織面ですが、第七艦隊航空隊は群司令部、401航空隊、403航空隊から構成され、群司令部首脳は第七艦隊司令部が兼任します。司令部には航空隊運用補佐のため、航空参謀を新たに任命します。
実働部隊は第401、第403航空隊の二つですが、第七艦隊の艦娘が運用するのは第401航空隊のみです。第403航空隊は第一機動艦隊の第11航空隊と共に、搭乗員の練成に充てます。そのため、岩国飛行場には呉から教導隊を派遣し、常駐させる予定です」
新設される航空隊は二部隊。
要は所属こそ自分達の傘下だが、第七艦隊が自由に使えるのは401航空隊のみで、403航空隊は練習部隊として使うらしい。
運用も連合艦隊が行うとのことで、体の良い隠れ蓑とされる訳である。航空集団からも人員を募るらしいので、思ったより大掛かりな動きになりそうだ。
「次に、機材です。
両航空隊に配属する機体は日産 E13Aを24機ずつとします」
日産って自動車メーカーの日産だろうか。
そう言えば以前、市丸が自動車メーカーも航空機を製造していると話していたな。
事前に配られた資料を見ると、フロート付きのプロペラ機が写っていた。
機種名は零式水上偵察機…。艦娘が搭載する偵察機で最もメジャーな機体らしい。
それを24機も。内地の偵察機だけの航空隊には多過ぎる気がするが、他の使い道もあるだろう。
「配備するE13Aは妖精専用機のため、コックピットに人用のインターフェイスがありません。整備にも妖精の協力が不可欠となるでしょう」
「質問いいですか?」
俺が手を上げて言うと、説明していた将校が頷く。
「何でしょう」
「妖精は艦娘と離れても大丈夫なのですか」
「ある程度は問題ないでしょう。しかし、完全に自立している訳では無さそうです」
「では定期的に艦娘のサポートが必要になるのですね」
「ええ。そうなるでしょう」
「補足しますと、妖精にも得意としている兵科があるようで、飛行科の妖精ならば、その飛行機を扱える艦娘がサポートするとなお良いというデータがあります」
眼鏡を掛けた参謀が付け加えた。
妖精にも兵科があるのか…。そっと周りを見渡すと、知らない人が多そうだった。
「では艦娘がいれば、どの妖精でも働けるという訳でないと」
「そうなります」
三日月に手伝って貰う予定だったが、計画が狂ってしまうかも知れない。航空機を扱う艦娘が必要なら、鳳翔に頼りがちになる。そうなれば、戦隊から駆逐艦を外す理由が消えてしまう。
それでは本末転倒だ。他の空母艦娘の支援を求めるか、水上機を運用している巡洋艦クラスの艦娘も早めに揃える必要がありそうだ。
「設備面では、航空機を管理する
航空隊司令部は横須賀のままでよろしいですか?」
「ええ、現状維持です。ただ、現地スタッフ駐在用として岩国飛行場にも施設が欲しいですね…」
その後も、新設に向けて必要な物を精査し、半月後には稼働出来ると分かった。
あまりにも早いので、すでに準備だけはしていたのだろう。連合艦隊に利用されている感は否めないが、こちらにも好都合だし、良しとしよう。
さあ準備は整った。後は彼女を迎えに行くだけである。
「いずも」の空母化。要否はともかく、F35を積んだ姿を見たいと思っていたので嬉しく思います。
とは言え、搭載する機会があるというだけで、那覇が被害を受けた時に離島の小さな空港でエアカバーを行う活動がメインになりそうな気もします。