物語の執筆者   作:カボチャッキ―

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大変遅くなってしまい申し訳ございません。
時間を見つけて頑張ります。


第三十六話

 エイリークが乗ってきた船から強奪した地図を元に移動をしているところ、海賊の幽霊(実態)に襲われることとなったわけだが、面倒この上ない。

 

 しかも、この幽霊たちが掲げている地図にとても見覚えがある。

あいつもこの特異点にきちゃったか。ある意味では尊敬する人に出会うという聖杯戦争の念願が叶うんだろうけど、かわいそうに。

 

 理想の海賊が男性と思っていたら女性だったなんて知ったら悲しむぞ。……俺が何回説明しても信じてくれなかったから、いい機会かもしれん。

 

 みんなに海賊旗の人が誰か説明しようと思ったが、もし間違っていたら恥ずかしいので黙っておこう。それにロマンが調べてくれているみたいだし。ロマペディアの方が優秀でしょう。

 

 無事に次の島に到着。この特異点修復の旅ではどことなくローマと同じ空気を感じる島であった。ネロとロムルスが少しはしゃいでいる。

 

「ああ、地面が大好き。海賊なんてなるもんじゃないよ。海賊王になっても苦労するだけだって」

「海賊王ってなんだい?」

 

 俺の独り言に反応するドレーク。

 

「ありったけの夢をかき集めて、探し物を探しに行く人」

「なら、私は海賊王さね!」

「子供の夢じゃなく、大人が持つどす黒い夢を集めたお前には言って欲しくない」

「どちらも夢さ」

「さようで」

 

 平成の日本に帰ったらドレークは海賊王だったって書こう。

 

 雑談をしながらエネミーを撃退し、召喚用のターミナルポイントを設置し、その中で、ダ・ヴィンチさんよりドレークに香辛料を見せてみたらと話があったので、見せることにする。

 

「ドレーク、こっち見て」

「何だい?」

 

 興味津々にこちらを見るドレークに俺が長年の人生をかけて培った手品を見せてあげる。

 

 香辛料の入った瓶を破壊したふりをするものを見せたのだが、どうやら彼女の逆鱗に触れたらしく、ジャーマンスープレックスを食らう羽目となった。

 

 ダ・ヴィンチさん許さん。……さんで韻が踏めてるやん、すてきやん。

 

 一人で自画自賛していると、地震が発生し嫌な予感がしたため船に帰還することに。

 

しかし、謎のパワーにより出航ができない状態となった。

 

「なあ、誰かの力で動かすことできない?」

 

 俺の問いかけにそれぞれ首を横に振る。

 

「藤丸君のサーヴァントで誰か活躍できそうな人いる?」

「いや、無理みたいです。でもステンノが気になることを言っています」

「何?」

「もう一人の私がいるとか」

「はい、この島から離れよう。この島には疫病神がいます。しかも、かなり質の悪いやつです。普通の疫病神が1週間下痢状態にしてくるなら、この島にいる疫病神は1ヶ月間ノロウィルスに感染させてくるタイプのやつです」

 

 俺が大声で脱出宣言をしていると、後ろから頭を鷲掴みにされる。

 

「……あのー、ですね。悪気があったわけではないです。はい」

「うふふふふ、とても面白いことを言っていたわね。私が疫病神と」

「いえ、あなたでなはく、もう一人というか、なんというか」

「私、言いたいことをはっきり言える人間が好きなの」

「…………下痢は2週間でも辛いです」

「死刑」

 

 ステンノからキャメルクラッチを食らって悶絶している横で、話が決まったらしく、

動けない原因を探るために島を探索するとのこと。

 

 首に大ダメージを受けながら、移動していると、見るからに怪しい洞窟が出現。

 

 昔見たような記憶がうっすらとあるが、何の洞窟(中は何かの建物のようになっている)か覚えていない。

 

 全員で入ると危険であるため、探索班と入り口防衛班と別れることに。

 

「俺は防衛班になろう。入り口は任せてくれ。ちなみに中に神様らしきものがいたらサーチ&デストロイでお願いします」

「先にあなたをデストロイしましょう」

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

 ステンノに十字固めを食らわせられて悶絶している間に探索班は出発。暇な時間となる。

 

「みんなごめんな。一緒に行きたかっただろうに」

「別に気にせぬ。夫と共に生きるのが良い妻というものだ!」

 

 あら、かっこいいわこの皇帝。

 

「私もだ。こうやって一緒にいられるだけで、私は幸せだ」

 

 あら、かわいいわこの族長

 

「マスターが決めたなら従う。これもローマである」

 

 好きです。あなたが私の友だ。

 

 こうして昔話やら何やらに話を膨らませていると探索組が戻ってきた。俺の後ろでJonesのBGMが流れ出した。

 

 出てきたのは、ギリシャの怪物ミノタウロスとステンノの姉妹であるエウリュアレであった。

 

 ミノタウロスはテセウスについていったときに目撃したんだった。あー、だからこの建物に見覚えがあったのか。

 

 そしてもう一人は言わずもがなである。

 

「下痢止めの薬買いに行くか」

 

 ぼそりと呟いた言葉に反応するエウリュアレ姉妹。

 

「あら、あなたはあの時の無礼な人間じゃない」

「ワタシ、ギリシャ語分からない。あなたが何者か分からない。この女神コワいヨー」

 

 変に片言を混ぜながら逃げようとしたところで、ステンノに捕縛される。

 

「アー、メガミサマ、許してくあダサい。イケニエに藤丸立香をささげマスカラ―」

「ちょ、何で僕の名前だけ流暢にも戻るんですか。てか、僕を巻き込まないで下さいよ」

「うるさい! 毎度、毎度女神を連れ帰ってきおって。俺がどんな気持ちかわかるか」

 

 藤丸君に文句を言おうとした瞬間、エウリュアレが俺の前に立つ。

 

「どんな気持ちなの?」

「……ハッピーセットで頼んだベ〇ータのアッパーカットを見たような気持ちです」

「……ねぇもう一人のマスターさん。それはどんな気持ちになるの?」

「え? それはですね……」

「あなたの顔を見て分かったわ。あの時、悪口を言って逃亡した人間に罰を与えるとしましょう」

 

 絶望した顔をしていると、後ろから声をかけられる。

 

「私もまだ、罰をあたえていないのよね。今回で少し罰を減らしてあげる」

「……oh」

 

 こうして全員が俺から目を背けて次の方針を決めている中、俺は女神さまから天罰(暴力)を与えられるのだった。


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