須川亮とRe:文月学園二年生生活   作:森野熊漢

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投稿して早々にコメントを残してくださった方がいたおかげで、頑張って次の話を考えて投稿するまでに至りました。
内容はほんとアレです。読みにくいとも思いますが……。
コメント、本当にありがとうございます。おかげで、自分でもびっくりな勢いで一話かけました。

PS.結末は変えてませんが、文章をかなり弄りました。


雪下月華の立ち回り

「失礼します」

「……何の用だい、今試召戦争中じゃないのかいクソジャリ」

 

学園長室に走りこんできた俺に、容赦のない言葉が飛んでくる。

やれやれ、原因は自分ってことわかってるのかこの学園長は。

 

「アレを使わせてもらいたいので、セッティング、頼めますか」

「ああ、昨日突然頼んできたアレのことかい? まあいけるが……こんなの特例中の特例だよ。それに一体何をするつもりだい」

「何って」

 

学園長の疑問に俺は。

 

「この学校の不利益にならない程度に俺のやりたいことをやるだけですよ」

 

にっこりと返したのだった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「さて、任されてしまったわけですが……」

 

私、雪下月華は困っていた。

須川さんに突然場を任されたこともそうですが、何より唐突に戦争に参加させられたことに。

ある程度操作に慣れてきたとはいえ、一対一は自信がないから観戦に回ろうと思ってたのに……。

全部で五戦あるとはいえ、私にお鉢が回ってくるなんてないと思ってたのに……。

 

「では、第一試合はひとまず後回しとして、第二試合を始めます。次の方、どうぞ」

 

ああ、高橋先生が呼んでる……。

 

「雪下さん、ですね。私が出ます」

「あ、はい。よろしくお願いします」

「科目は物理でいいですか?」

「はぁ……なんでもいいです」

 

女性が前に出てきました。科目のことも聞かれましたが、とりあえず何でもいいでしょう。

 

Aクラス   佐藤美穂

物理     389点  

 

刀を持ったデフォルメキャラが現れる。あ、あの人佐藤さんって名前だったんですね。

あちらは私のことを知っていたようですが……須川さんが呼んだ、それだけで覚えられたのでしょうか?

 

はあ……。

 

「試獣召喚」

 

そして現れる、私の召喚獣。

いつも通り、某後輩キャラ並の大きな盾を持っていて服は……ああ、メイド服ではなくなってますね。

ようやく学園長が仕様を変更してくれたのでしょう。

 

 

Fクラス   雪下月華

物理     356点

 

 

『ゑ?』

 

開場中からどよめきが走る。

見た目の変化、ではなく十中八九、私の点数がFクラスらしからぬものだからでしょう。

 

「ちょ、ちょっと待って!? ほんとにFクラスなのあなた!?」

「え、ええ……そうですけど……」

「でも、その点数ってAクラス並じゃない!」

 

佐藤さんが目を白黒させながら叫んでいる。

ああ、「その手の疑問」に対する答えはちゃんとある。

 

「だって私、振り分け試験を受けたの最後の科目の5分だけですし」

「ええ……?」

 

確か……現代文だった気がする。ってそういえばあの点数って須川さんに見られてましたよね?

うわぁ……恥ずかしいな……。

 

「な、なんでそんなことになったの?」

 

佐藤さんからの続けての声に私はきちんと返す。

 

「それが、家を出て学校に向かっていたはずがいつの間にか凱旋門を登っていたので……」

『はい?』

 

うん、私自身も何言ってるのかわからないんだけど、実際そうだったのだから仕方ない。

 

「と、とにかく、始めましょ!」

「そう、ですね。よろしくお願いします」

「では、開始!」

 

こうして私の戦いが始まった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ふう、これでできたはずだよ」

「なるほど……今試せますか?確認しときたいので」

「そうさね……前例がないし、別にデメリットがあるわけでもないからいいさね。召喚を認めるよ」

「ありがたい。試獣召喚」

「……ほう、上手くいったみたいさね」

「ええ、学園長がうまくやってくれたおかげです」

「世辞の上手いガキさね」

「実際、お世辞ですからね」

「……取り消してもいいんだよ?」

「すみません、っと。うん、動きも問題ないですね」

「しかし、格好もそうだが武器の指定なんて珍しいことをしたさね」

「……そうですね、まあどうしてもこれじゃないといけなかったので」

「……この恰好と関係でもあるのかい?」

「ええ」

「……そうかい」

「すみません、ありがとうございました」

「何をするつもりかは知らんが、せいぜい上手くやるんだよ」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「くっ、硬い……!」

「うーん……」

 

Aクラス 佐藤美穂   VS  Fクラス  雪下月華

物理   355点       物理    330点

 

佐藤さんと私の戦いは、はっきり言うと泥沼と化してます。

佐藤さんの刀を盾で防ぐ。それだけのことしかできていない。

正直向こうの方がリーチもあるし有利だとは思うのですが……こちらの動きを警戒してか、なかなか深追いしてきません。

点数の動きは一応あるのですが……本当に微々たるものです。

なんせどちらもまだ直接的なダメージはないのですから。

 

「ねえ、雪下さん」

「なんです?」

 

不意に佐藤さんが話しかけてきた。

 

「あまりに長引いてるからさ……お互い、次の一撃で終わりにしない?」

「……お断りします」

 

私には須川さんに頼まれた任務がある。できる限り時間を稼げ、とのこと。

 

「この勝負、あまりにも時間がかかりすぎます。普段のクラス戦ならまだしも……一対一でこれではキリがありません」

「……それはそうですが」

「なので、次のお互いの一撃で勝負を決めましょう? 生き残っていた場合は点数の減り具合で勝敗を決する、という形で」

「もし、拒否すればどうなりますか」

「……不戦敗、という形にしてもらいましょうか」

「……それも嫌です。というかあなたにそんな権限はないでしょう…?」

 

高橋先生に目線を送ると、無言で頷かれた。そりゃ、そうですよね。

 

「まあ、乗ってくれないのはわかってはいましたけど、ここまであっさりなのは悲しいですね……」

 

佐藤さんが苦笑している。一応交渉しておこうと思ったのでしょうか。

持久戦を得意とするこちらに勝つための方策の一つとしての交渉。

少しこちらの心も動きかけたところがあったので、完全に失敗というわけではないのでしょう。

 

「では……行きます!」

 

佐藤さんの召喚獣が突っ込んでくる。

先程までは真正面からの打ち合いでしたが、今回は違うようです。

 

「これなら、どうでしょうか」

「……くっ」

 

私の召喚獣の周りを円を描くように回り始めました。

所々直線的な動きになり、綺麗に回れていませんが、そこはやはりまだ動作に慣れていない所以でしょう。

しかし、この方法、すごく厄介です。

 

「そこっ!」

「……っ!」

 

不意に左をとられる。とっさに盾を構えようとしたものの、大きな手傷を受けてしまいました。

 

Aクラス 佐藤美穂   VS  Fクラス  雪下月華

物理   355点       物理    145点

 

こちらが、こちらだけが大きく削られました。

これが意味するところは。

 

「次で決められる可能性が、あるってことですね……」

 

須川さんは、負けてもいいから時間を稼いでほしいと言っていました。

でも。

 

「……参りましたね……」

 

このままでは、それが果たせそうにありません。

 

「まだまだ、行きます!」

 

佐藤さんは手傷を負わせることができたからでしょう。

少しテンポを上げて攻撃を仕掛けてきました。

先程と同じ、左側を。

 

守りに入っていては、間に合わない?

なら、どうすればいいかなんて。

考えるまでもありませんでした。

 

「そこぉ!」

「っ!?」

 

Aクラス 佐藤美穂   VS  Fクラス  雪下月華

物理   310点       物理    145点

 

佐藤さんは唐突なこちらの動きに驚いたようで、回避行動が遅れました。

それでも直撃を避けたのはさすがというべきでしょう。

 

「まさか、そんなことしてくるなんてね」

「驚きました?実は私も驚いてるんですけどね」

 

私が何をしたかというと、盾を振り回しただけです、

私の盾は、先程も行ったように某後輩キャラの持ってるような大盾です。横はそれほどですが、縦の長さは身長を少し越すくらいの大きさです。

なので、それを水平に持ち、横に薙ぎました。こうして使ってみて分かったことですが、下手な武器よりもリーチがありますね。

あと、縁って結構斬れるみたいですし。

 

「それに私、別に守りが好きなわけではないみたいなので」

 

どうやら私は、自分が思っていたよりも負けず嫌いだったみたいです

 

完全に防御体勢を解く。どちらかというと、この大きさの盾を持つにはリスクのある、相手の動きに反射的に動いて「避ける」ことができるような体勢。

さっきまでは盾に身を隠していたから何とも思わなかったけど、こうして防御姿勢をとってないと不安になるものなんですね。

 

でも。

 

(そこそこ時間は……稼げましたよね?)

 

少しでも集中を欠くか、焦りでもしてしまったら決められてしまいます。ですが、大きな痛手を負ったことで私自身に焦りが出ています。

何もできずにこのまますぐにやられてしまうか、一矢報いるか。

どちらを選ぶかなんて、決まりきっています。

 

「雪下さん、これで終わりにさせてもらいます!」

 

無防備な私の召喚獣に肉薄する佐藤さんの召喚獣。

スピードではあちらが有利ですし、構えを完全に解いている私に勝てるとふんだのでしょうが……。

 

「行きます!」

「えっ!?」

 

構えを解いたように見えたのが、私なりの攻撃体勢です。

 

「でやあああああああああああああああぁぁぁぁぁ!」

 

佐藤さんの召喚獣と私の召喚獣がすれちがった。

 

「…………………………」

 

静寂の後。

 

『ドッ』

 

倒れたのは、お互いの召喚獣だった。

 

「そん、な……」

 

佐藤さんがぺたん、と床にへたりこむ。おそらく勝ちを確信していたのでしょう。

事実、防御を捨て、盾を構えていなかった私が勝てるとは誰も思ってなかったのかもしれません。

ですが。

 

「まさか盾の縁で斬りかかってくるなんて……ね。やっぱりそれが一番の誤算だったわ。」

 

すれ違う瞬間、佐藤さんが斬りかかってきたのに対し、私は盾を寝かせ、横に薙いだ。

結果として、お互いがお互いに致命傷を与え、勝負が決したというわけです。

 

「だ、第二試合、引き分けとします」

 

高橋先生の声で、周囲のギャラリーも我に返ったようです。大きなどよめきが私たちを包み込みました。

クラスの集まりに戻ると、Fクラスメンバーから色々な言葉をかけられました。

ですが、私自身、気が気ではありません。

 

「須川さん……これで大丈夫でしょうか……?」

 

もっと時間をかけたかったのですが、できなかったことに対する一抹の不安。

……いえ、終わったことですし、私はできる限りのことをしました。あとは須川さんを信じるしかないです。

それに。

 

「それでは第三試合を始めます、両チーム、前へ」

 

それまでに私たちの勝ちという形で勝負が決まるかもしれませんし、ね?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

結構時間を食ってしまったが……どうやら間に合ったようだ。

試合結果を見ると。

 

雪下……引き分け

吉井……負け

土屋……勝ち

 

五分五分といったところか。雪下が引き分けたのは正直意外ではある。防御に特化した装備とはいえ、どうやってAクラスの攻撃をしのいだんだろう。点数によって装備の品質に差が出るからFクラス並みの点数だとどうしても推し負けると思うのだが。

 

っと、今土屋が終わったところか。さて、そろそろ全ての用意を済ませてっと。

 

「それでは代表戦に……」

「ちょっと待ってもらおうか……」

 

さて、始めようか。

「真のFFF団創設」を。




おそらく須川君が何を学園長に注文したのかとか、きっと予想がついてるのではないでしょうかっていう予想を立ててます。
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