その肌は焼け焦げ身体のいたるところから血を流れ出している。
それでも彼は剣を振るう。
友を助けるために。
そんな彼の目の前で仲間が一人、朽ち果てた。
そして彼は――――
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
◇
「ギリギリセーフ」
昏倒した魔獣の前に姿を現したのは白髪の少女。
魔獣がアリサを殺そうとする直前に閃光弾を投げ入れアリサを間一髪で救い出した。
その姿にリィンたちは一瞬唖然としていたが、白髪の少女に向かって礼を言う。
「あ、ありがとう」
「ん。」
白髪の少女は簡潔に答えると昏倒しているアリサをリィンに渡すとこう言った。
「目くらましをしただけだから、この魔獣もそのうち回復するかもしれないから、今のうちに安全な処まで逃げるよ。」
そう言うと白髪の少女は走り出す。
それを見たリィンたちは協力して、負傷者を運びながら慌ててついていく。
◇
その数分後魔獣は頭を揺らしながら起き上り、自分の獲物が逃げてしまったことを悟ると耳障りな音を挙げながら獲物を探し出そうとする。
その瞬間何を感じたのか、魔獣はその場所を離脱しようとする。
そんな魔獣の上から影が落ちてきて避け損ねた魔獣の脚を叩き潰しながら影が降り立った。
「気配がすると思ったらやっぱりお前か、糞蟷螂」
そう発言したのはタケル。
返答は迫りくる巨大な鎌。
タケルはそれを左手で持った盾で迎え撃つ。
◇
ゴガァァァァァァン
迷宮の終点まで逃げてきたリィンたちの耳は轟音をとらえる。
「ッ!?なんだッ!?」
「たぶん、誰かがあの魔獣を戦っているのかも。」
「た、助けに行かないと!」
「そうしたほうが、いいけど。そうも言ってられないみたいだよ。」
フィーがそういって指をさす。
「何……?」
フィーの言葉にラウラがフィーが指差す方を見つめると終点の壁にある石像が動き出そうとしていた。
「せ、石像が動き出しただと……!」
マキアスがその事実に驚愕する。
石像の外皮が剥がれその中から青色の鱗を持つ魔獣が飛び出てくる。
魔獣が一吠えすれば空中からオオカミのような魔獣が次々と飛び出てくる。
その数12体。
「マキアスとガイウスとエマは俺と一緒に来てくれ!ラウラとフィーはエリオットとアリサを頼む!」
リィンは石像が変化した魔獣とその取り巻きを迎え撃つため即座に体勢を整え指示を出す。
「「「「「了解!」」」」」
こうして迷宮から脱出するための最後の戦いが幕を開けた。
◇
俺と蟷螂の戦いは思ったより長引いていた。
原因は俺に決定打がないこと。
・・・あるにはあるのだが、相手がよほどの隙を見せない限り使えないのが難点なんだ。
さっきから隙を作り出そうと奴の鎌の関節部に盾を叩き込んでいるのだがなかなか怯んでくれない。
「さて、どうするか・・・」
攻めあぐねた俺の姿を好機と思ったのか蟷螂が突っ込んでくる。
「隙ありよ」
奴の頭が消飛んだ。