ど、どないしよ?
眼が覚めたら知らない天井が見えた。
いや、ちょっと見覚えがある、最近の記憶だから、直ぐに思い出せた。ここ救護室だ、訓練所の。ちょっと前まで居たところだったから、覚えてたみたい。
何か身体が重いなぁ。今日あの日だっけ?いや、目眩も吐き気もないし、腰も痛くないから、あの日じゃないはず。身体は怠いけど、周期から見ても外れてるし。
「ん、あかり?眼が覚めたの!?」
「うわ!!?な、何!?敵襲!!?」
いきなり横から飛び付かれて驚く。慌てて飛び付かれた方を見ると、志乃が目元真っ赤にして、私にしがみついてた。
「だ、大丈夫!?先生は怪我はしてなくて、脳に強い疲労がみられるって、言ってたけど。どこか痛い場所はない!?」
ちょ、ちょっと!?いきなり身体をまさぐるな!!
「大丈夫だよ!だから身体をまさッッッ!?ちょっ、どこ触って!!?」
結構際どい所まさぐられて、驚いて志乃から距離を取ろうとして、反対側に逃げたんだけど、寝起きだからか身体が言うこと聞かなくて、反対側に落ちそうになる。
「おっと、落ち着けお前ら、あかり大丈夫か?」
「う、はい。ありがとうございます、
落ちないように抱き止めてくれたキンジに、お礼を言ってベッドに座る。周りを見ると私の他にはキンジと志乃だけで、他はカーテンで仕切られてて、よく見えない。
「ともかく、眼が覚めて良かった。医者を呼んでくるから、二人とも大人しくしてろよ?」
あ、キンジが行っちゃった。頭撫でて欲しかったかも、何か寂しい。っていうか本当に、身体が果てしなく怠いわぁ。頭も重いし、食欲もいつもよりないな。あの日じゃないなら、私風邪でも引いた?
「うぅ、あかりぃ!!」
「うわっ!?ちょっといきなり抱き着かないで!」
心配してくれたのは分かったけど、そこまで心配しなくても大丈夫だよ?私気絶はしょっちゅうだし。
「丸一日寝込むんだもん、心配したんだからね!!」
え?丸一日!?嘘でしょ!!?
だから寝起きとはいえ、身体がこんなに怠いのね。風邪じゃなさそうで良かった。っていうか、抱き着かれたままなんだけど、離れる気無いみたいだし、引き剥がす気力も無いから、もう放置することにしよ。一日で色々起こり過ぎだよ、疲れたぁ。
「今何時なの?丸一日って、私学校とか、ののかが心配してるんじゃ」
「今は夕方の七時前位で、ののかちゃんには、キンジ先輩が連絡したよ。学校は、白雪先輩が手を回してくれたの」
あ、キンジが連絡いれてくれたんだ、良かったぁ。白雪先輩にも、また迷惑掛けちゃったみたい。後でお礼言わないと………そう言えば佐々部さんはどうしてるんだろ?
「佐々部さんは、今朝方までは居たんだけど、お仕事があるからって、さっき白雪先輩の携帯に連絡があって、速めに切り上げたから、七時には来れるってメールが」
流石志乃、前世からの付き合いだけはあるね、私の疑問にノータイムで答えられるとは、あかりはあかりは感激してみたり、なんちゃって♪
そこまで言ったところで、カーテンが開かれて、白衣を着た女の人と白雪先輩が入ってきた。
お医者さん?キンジはどこに行ったんだろ、これから診察みたいな空気だし、席を外したのかな?
昼行灯にしては、気が利くじゃない。
「じゃ、ちょっと診察するから、お嬢ちゃん一回離れてね」
「あ、すみません」
お医者さんにそう言われて、志乃が顔赤くして離れる。可愛いよね志乃。流石アイドルって思った。でも中身白雪なのに、ここまで素直とは………いや、前世でもアリアとか、バスカーヴィルのメンバー以外には、普通だったんだけどね?
軽く問診と、診察を終えた後、私の服を渡された。
「寝てる間に、色々調べたけど、
「はい」
乗能力者の所で、志乃と白雪先輩が驚いてるけど、調べてなかったんだ、二人とも。私のこと、自分から言ってくれるって、信頼してたんだ。ゴメンね、二人とも。
「馴れてるから、何て考えて無茶してると。脳機能の酷使で、身体機能に異常が出る可能性がある。そうじゃなくても寿命を削る。推薦状書くから、通院しなさい」
え?いや、通院って、私病気でも無いんだし、これは私が望んでもらったものなんだから、私の責任で「良いね?ちゃんと行くのよ?」何この圧力、この人何者なの!?キンジの父さんが怒った時と、似てる圧力感じるんだけど、こ、怖い!!
「分かりました、行かせてもらいます」
「宜しい、お嬢ちゃん達からも、言っといてあげて?今回は身体に異常が出なかったとはいえ、この子がそれで無理して良い身体じゃ無いんだから」
うぐぅ、耳が痛い。
「分かりました。ありがとうございます先生」
「ありがとうございます」
「仕事だし、良いってことよ、私は推薦状書くから、その間はそこでゆっくりしてなさい」
そう言って、女の人はカーテンの奥に消えた。
「「あかり(ちゃん)?」」
ひっ!?
二人からの圧力がさっきと同じくらい出てるんだけど!!?
何これ、二人とも何でこんなに怖いの!?
「乗能力の副作用の話、キンちゃんには?」
う、そ、それは………
「あかり?」
ひ!?
「い、言って、ません」
それを言うと、白雪先輩は深く息を吐いて、キンジを呼んでくるって言って、カーテンの奥に消えた。
「「…………………………」」
気不味い、スゴく気不味い。志乃に睨まれながら、やることも無いから渡された服に着替えるのが、スゴく気不味いよ。
「あかり」
ビクッ!?
「な、何?」
いきなり声を掛けられてビクッてした。怖いよ、志乃。何か皆過保護だし、私そこまで虚弱?
「自分が乗能力者だって、誰にも言って無いでしょ?どうして?」
う、それは、その………
「あんまり情報を出したくなかったの。私の能力は、外からじゃ分かりにくいから、言わなきゃイ・ウーにバレる事も無いから」
志乃を見ないように、着替えるのをゆっくりにして、そっちに集中してるふりして答える。
「それ、嘘でしょ?」
え、バレた!?
「ど、どうして嘘だって「嘘吐く時、目線合わせない癖抜けてないよ」…………………里の同い年にね、やっかまれてたの」
そう言うと、少しして志乃が息を飲んだ。私が体操服を脱いだ時に背中を見たんだろう。恥ずかしいから、あんまり見られたく無いんだけどね。
「それ、もしかして」
「うん。この能力のせいで、私継承権がののかより低くて、それを皆にバカにされててね、里の小学校とかで、よく
やってきたやつ皆、やり返してやったけど、私は落ちこぼれのレッテルを、皆に付けられてるから。体内の電磁パルスを使う間宮の技は、その速度は雷速、避けることは小学校の私には出来なかった。
キンジには見られないようにしてるけど、学校の皆には小さいときに事故に遭って、古傷だって言ってる。似たようなものだしね。
「大人は?」
「庇ってくれたけど、やっぱり古い里だから、見て見ぬふりもあったよ」
本当は、見て見ぬふりが殆ど何だけどね。子供の喧嘩に
お陰で友達出来なくて、ののかと二人で遊んでたなぁ。ののかも修行があったから、基本家に一人だったけどね。
私が着替え終わると、カーテンが開いて白雪先輩達三人が入ってきた。
「あかり、すまなかった!」
え?
「お前の
え?ちょっと、待ってよ!?何でキンジが謝るの?悪いのは黙ってた私で、ムグッ
「辛かったんでしょ?キンちゃんにも黙ってる位だもん。でも大丈夫だから、私達が知ったから、私達が支えてあげられるから、もう我慢しなくて良いんだよ?」
いきなり抱き付かないで下さいよ、白雪先輩。む、胸で窒息する。無理矢理頭動かして、気道を確保する。プハァ苦しかった、本当にこの胸は駄肉だよ、駄肉!!
っていうか、私、我慢してなんか無いですよ?今も向かしも変わらず見栄っ張りなだけで
「あかり、私はずっと側に居るから、だからもう抱え込まなくて良いんだよ?あかりが辛いと思ってること、私も隣で背負うから、ね?」
志乃まで何言って、あれ?何で私涙ぐんでるの?これじゃ本当に皆が言ってるみたいじゃん。あ、そうだ、疲れてるんだよきっと!うん、だって、沢山濃い出来ごとが、この三日で起こったんだもん。疲れてるんだよそうに違いない。そっかぁ、疲れてるんだ私……………ちょっとだけ、本当にちょっとだけ、泣いても、良い?
「う、ひぐっ、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
私、二日連続で号泣きしてるよ、情けないなぁ。恥ずかしいから黒歴史確定だよ。
でも怖かったなぁ、里であんな事があって、大人は助けてくれないから、自分でどうにかしなきゃいけないのに、数で攻めてくるんだもん。挙げ句の果てには、まだ小さいののかを人質にして、私に
それは流石に大人が止めてくれたけど、あいつら止められる所とそうでないところを!試しながらゲーム感覚で私を狙うんだもん!!怖くない訳無いでしょ!!!
ののかだって、私の妹だからって理由で、子供達から避けられてた。私のせいで、私の妹が虐められてた!悔しく無いわけ無いじゃん!!私のせいなんだよ!?生れつき身体が弱いあの子が、私の代わりにキツい訓練受けてるんだよ!!?変な癖が付かなくて良かったとか、本気で思えるわけ無いじゃん!!!!!!
「ヒグッ、ウグゥ、うぅ、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
強くならなきゃダメなの、もうののかにも、皆にも心配掛けちゃダメなのに、何で私、こんなに迷惑ばっかり掛けてるの?嫌だよこんなの、いつまでたっても、強くなれない。どれだけ頑張っても、前世程身体は強くならない。挙げ句の果てには女だからって、下に見られる事もある。私が頑張らないと、このままだとキンジが死ぬんだよ!!?
こんなのって無いじゃん、私のせいでキンジが死ぬんだよ?全部私のせい、前世でも私が避けてれば、アリアは緋緋神にならなかった。皆は死ななかった!!!!
もう嫌なの、私のせいで皆が不幸になるのは、嫌なんだよ。止めてよ、私は強くないの、普通の女の子何だよ?何でこんなに背負わなきゃならないの?
何で私は失敗したの?私何かした?精一杯生き抜いただけだよ!?私は私の周りを守りたかっただけ、私の信念を曲げたくなかっただけ、それ以外望んで無かった!!それだけあれば良かった!!!だってそれ以外無かったもん、
お前のせいで、お前のせいで
………また会う時が来たみたい、学校は暫く休もう。行かなきゃならない、日本の全ての神社の総本山、伊勢の大神宮の、内宮、